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94回国会衆議院1981/03/26

決算委員会 第5号

発言数
239
登壇者
24
会派数
5
開催日
1981/03/26

会議録

森下元晴自由民主党

○森下委員長代理 これより会議を開きます。  昭和五十三年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、総理府所管中環境庁について審査を行います。  この際、お諮りいたします。  本件審査のため、本日、参考人として、公害防止事業団理事長城戸謙次君、理事宮城恭一君、以上の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか、     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森下元晴自由民主党

○森下委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

森下元晴自由民主党

○森下委員長代理 次に、環境庁長官から概要の説明を求めます。鯨岡環境庁長官。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 環境庁の昭和五十三年度歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、昭和五十三年度の当初歳出予算額は三百八十六億七千六百四十万円余でありましたが、これに予算補正追加額四億二千八百六十四万円余、予算補正修正減少額二億七千五百三万円余、予算移しかえ増加額四千三百五十八万円余、予算移しかえ減少額三十億八千二百八十九万円余、前年度からの繰越額四千九百四十二万円余を増減いたしますと、昭和五十三年度歳出予算現額は三百五十八億四千十三万円余となります。この予算現額に対し、支出済み歳出額三百四十七億五千八百八十二万円余、翌年度への繰越額五千八百七十二万円余、不用額十億二千二百五十八万円余となっております。  次に、支出済み歳出額の主なる費途につきまして、その大略を御説明申し上げます。  第一に、公害防止等調査研究関係経費といたしまして四十四億六千八百五十三万円余を支出いたしました。これは、化学物質環境調査、光化学スモッグ対策のための調査、赤潮に関する調査研究等を実施するための経費、及び国立公害研究所、国立水俣病研究センターの運営等の経費として支出したものであります、  第二に、自然公園関係経費といたしまして四十五億九千二百十四万円余を支出いたしました。これは、自然公園等における園路、歩道、野営場等の建設及び管理、交付公債による民有地の買い上げ、渡り鳥観測ステーションの運営、特定鳥類の保護対策等の推進を図るため支出したものであります。  第三に、環境庁の一般事務経費といたしまして二百五十六億九千八百十五万円余を支出いたしました。これは、公害防止を図るための施策推進に必要な調査費、地方公共団体に対する各種補助金、公害防止事業団及び公害健康被害補償協会に対する交付金、環境行政に従事する職員の資質向上のための研修所の運営費並びに環境庁一般行政事務等の経費として支出したものであります。  次に、翌年度繰越額と不用額について主なるものを御説明いたしますと、翌年度繰越額は、自然公園等の施設整備事業のうち、用地補償処理が困難であったこと等により年度内に完了しなかったものであります。  また、不用額は、公害保健福祉事業が予定を下回ったことにより公害健康被害補償協会補助金を要することが少なかったこと及び公害健康被害補償法による被認定者が少なかったため公害健康被害補償給付支給事務費交付金を要することが少なかったもの等であります。  最後に、昭和五十三年度の決算につきまして、会計検査院から旅費の支出及び公共事業関係補助事業の実施について不当事項の指摘を受けましたことはまことに遺憾に存じております。  指摘を受けた事項につきましては、直ちに返還を命ずる等、適切な措置を講じましたが、今後とも予算の適正な執行について十分配意するとともに、指導監督を一層徹底いたす所存であります。  以上簡単でありますが、昭和五十二年度の決算の概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願いいたします。

森下元晴自由民主党

○森下委員長代理 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。佐藤会計検査院第一局長。

佐藤雅信会計検査院事務総局第一局長

○佐藤会計検査院説明員 昭和五十三年度環境庁の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項二件でございます。  検査報告番号七号は、架空の名目によって旅費の支出を受け、これを別途に経理していたものでございます。  環境庁本庁では、職員等の旅費の予算執行に当たっては、用務の目的に応じてそれぞれの支出科目から国家公務員等の旅費に関する法律に従って旅費を支給することになっておりますが、旅行命令簿、旅費請求書及び出勤簿等の関係書類を作為するなどの方法により、出張の事実がないのに出張したこととして、不正に旅費の支出を受けていたものが五十二、五十四両年度において四百十二件二千二百十一万余円に上っておりました。  これらの資金の使途については、同庁では職員の夜食代や会食等の経費に充てたと説明していますが、その事実について帳簿や裏づけとなる領収書により確認できましたのは、五十四年度分の十三万余円だけで、残余の二千八十三万余円については裏づけとなる資料が不備なため、その使途の確認が困難な状況でございました。そして、五十四年九月に実施した会計実地検査当時残額百五十二万余円を現金で保有していたものでございます。  次に、検査報告番号八号は公共事業関係補助事業の実施及び経理が不当と認められるものでございます。  これは山梨県河口湖町船津地区の河口湖畔の埋立地に設けられた二カ所の既設駐車場の中間にある水面千百七十一平方メートルについて、昭和五十一、五十二年度事業として、これを埋め立て、客土六千八百四十二立方メートル、橋梁一カ所、護岸工延長八十四メートル等を施工し園地を造成するものでございます。  このうち、工区の中央部に施工する取水路の護岸工の施工について見ますと、鋼矢板を溶接で継ぎ足す際には接全部の強度を保持するため開元加工するのが要件となっておりますのに、開元加工を全く実施していないため鋼矢板の強度が著しく低下し、このため護岸工は取水路の入口から左岸側十メートルの間、右岸側十二メートルの間の鋼矢板が前面に傾き、上部の接全部の位置でははらみを生じているばかりでなく、タイロッドで連結している控え壁コンクリートが前面に滑動して傾斜し、その一部には亀裂が生じているなど本件護岸工は著しく不安定なものとなっておりました。  また、埋立工事のうち、盛り土二百九十立方メートルを施工すべき個所について見ますと、下部百十五立方メートルを転石だけで施工していたため、陥没個所が見受けられる状況でございまして施工が著しく粗雑なものとなっておりました。  以上、簡単でございますが説明を終わります。

森下元晴自由民主党

○森下委員長代理 これにて説明の聴取を終わります。     —————————————

森下元晴自由民主党

○森下委員長代理 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 まず、環境庁所管の五十三年度決算の質疑に際して、数点にわたって私から質問をいたします。  鯨岡長官とは、公私にわたって御指導いただいておるわけでありますけれども、お互いの立場に立っていかに環境行政を充実していくかということで、きょうは忌憚のない議論をさせていただきたい。十分にその意をくんでお答えをいただきたいということを冒頭にお願いしておきます。  まずアセス法案について尋ねたいわけでありますけれども、アセス法案、このことについては、きょう長官も朝日新聞の論壇にみずからペンをとり、投稿されております。「経済開発を推進してゆく上で、アセスメントなどいらざることだ」と、もしそんな考えを持つならばこれはもう論外である、こういうふうにも書かれておりますし、反対の動きが高まることは非常に不思議だ、さらにそのことは単に反対のための反対であるとしか思われない、まず何よりも大切なのは人間の生命であり、健康の維持である、悪い影響を与えることがないように転ばぬ先のつえとしてこのアセス法案を成立させたいのだと、その決意のほどがうかがえるわけであります。  一方二十四日の時点で、自民党の中では今国会提出は無理である、そういうような困難な見通しを報じられておるわけであります。まことにもって与党の立場で環境庁長官の意を十二分にくみ取っていない、その対応のあり方に私は非常に強い遺憾の意を持つわけであります。一体だれが反対をして、どういう時点でこの法案が提出に踏み切れないのか。もう総理も長官も一生懸命取り組んでやろうとしているのに、だれが足を引っ張っておるのか。わが党は環境影響事前評価による開発事業の規制に関する法律案というものを提出し、すでに環境委員会に付託になっているわけであります。このことも何ら審議の過程に乗せずに、いたずらにこのアセス法案をおくらせていくということは、一に人間の生命を軽視していると言っても過言でない。それほどまでに経済を優先していくのか、あるいは人間の健康を犠牲にするのか、私はやはり健康を支えることが優先であり、そのことによって経済も支えられると思う。期せずして長官も、冒頭に申し上げたように、経済開発を推進していく上でもアセスは必要であるということを論じられているわけなんです。そういうことをずっと私から指摘しましたけれども、一体だれがどうしてどうなってこのアセス法案の提出が見送られているのか、全くもってわからぬわけです。こういう点について、もう私自身も何が何だかさっぱりわからぬ、一体政府と自民党のやっておることは何をやっとるねん、まさにあきれ返って物が言えぬ、そういう今日の状態である。このことについて環境庁長官から、ひとつアセス法案についての取り組み、そして今日どういう実情なのかということもあわせてまずお聞きをしておきたいと思います。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 お答えをいたします。  きょうの朝日新聞の論壇は、私が自分でペンをとって、ある晩遅く書いたものでありまして、全部私の責任でありますし、私の考えを率直に申し述べたわけであります。  何が何だかわからないというお話ですが、何が何だかわからなくはないのです。ただ、非常に悩んでいるということだけはお認めいただきたい。それは、私が悩んでいるということだけでなしに、これに対して反対だという考えを持っている人もやはり悩んでいる。それは御承知のとおり、問題は幾つもありましょうけれども、油が一番の問題だと思います。油が二度にわたってショックを受けて、当初から見れば二ドルや三ドルで買えたものがいまは四十ドル近く出さなければ買えない。しかも星も、いまのところは骨を折って備蓄などをいたしましたから当面どうということはないという報告ですが、長い目で見れば、油は燃料ではなしに原料になるのだということで、産油国もこれをいままでのようにどんどん出すというようなことはなくなるだろう。そうすれば油に依存しているエネルギーを、いま七十何%というのですが、六十五年ぐらいまでには五〇%にしなければならぬという至上命令があるわけです、先生おっしゃったように、経済の最終の目標は人間の幸せな生活ですから、生命や健康を犠牲にして経済の発展なんてものはあるものじゃない。それはだれだってわかることなんでありますが、そういうことがわかっていながらも、前段申し上げました、このエネルギー問題の解決、電源立地なんていう問題にアセス法をつくることが支障になるのじゃないだろうか、どうも支障になると思われる、いままでの反対運動その他を見ていると、このアセス法ができることによって反対運動がますますふえてくるなんていうような心配がある、だとすれば、いまやっているのだし、アセスをやっていないのじゃないのだから、四十七年以来、閣議で決めて、いかなる仕事でも、地方の仕事でも国の仕事でも大きな仕事はアセスメントやらなければだめだということになっているのだから、法律をいまさらつくらないでもいいではないか、それによっていま言ったような心配があるのだからということで悩んでいるわけなんです。  私の方は、そんな心配はありません、絶対にないです、また、多少の心配があったとしても転ばぬ先のつえを用意して、そして最終の人間の傘とか健康とかというものに万一にも再び支障を来すようなことがあっては相ならぬということでございますから、どうぞひとつアセスメント法を国会で御審議いただいて、衆参両院の先生方の審議を経て信頼と権威ある手続のルールをつくることがいいことだということでいま努力しているわけであります。  先生、議会政治でございますから、どうしても政府の考えたことは与党である自由民主党のスクリーンを通って、それで自信を持って内閣が先生方の御審議をいただくという段取りになることはこれは御理解いただけると思うのでありますが、そんなことで多少おくれていることはまことに私は残念です。まことに残念で申しわけなく思います。しかも、総理も何回もやるやるということを言われた。それは衆参両院で言われたばかりではない。知事会議などにおいても言われた。それからまた、国民がこれを要望していないのかといえば、総理府のアンケート調査によっても圧倒的多数の国民が要望していますし、それから知事会なんかも二度にわたって決議をして、早くやってくださいということを言っているのですから、一日も早く法案を自由民主党のスクリーンを経て先生方の御審議をいただきたい、神様に祈るようなつもりで私はそういうふうに思っているわけでございますので、どうぞひとつ御理解をいただきたいと思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 何が何だかわからない、私はそういうふうに申し上げたら、いや、そうじゃなく、わかっているのだけれども悩んでいるのだと。悩みがあるということは心配があるわけです。しかし、環境庁長官が、心配ないのだ、心配せぬでもいいのだということを言い切っているわけです。また、心配するようなことはいまの時点ではないわけなんです。一体じゃあだれを信用するのや、政府・自民党は、自分たちの政府を信用しなければ自民党はどうするのだ。野党の立場でもないのに、これは自民党の内部事情でしょうけれども、提出することに反対をしている。国民も要望し、国会の中だけでなく、知事会、あらゆる機会に一国の総理が、責任ある立場の総理がこのアセス法案の国会提出を約束しているし、担当長官である鯨岡長官もこれは一日も早く提出したい、そうして御審議を得たい。これは審議する過程でその心配事があるとするならばただしていくべきだ。環境庁が自信を持ってそんな心配は要りませんと言っているのに、なおこの問題が置き去りにされているというこのこと、一体だれがいけないと言っているのか。自民党の全体がだめだと言っているのか、一部のかかわっている人たちが言っているのか、何が背景でそういうことを言っているのか、そういうことはどう受けとめていらっしゃるか、その点も聞いておきましょう、し

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 先ほども申し上げましたように、とにかく昭和六十五年までには油に依存することを、いま七十何%ですが、それを五〇%ぐらいまでにして電気を起こさなければならぬというのは、ある意味では、別な意味では至上命令。これがなければ産業は停滞して失業者がふえるというようなことになる心配もありますから、これは何が何でもやらなければならぬ、これは御理解をいただけると思います。そういうことをやろうとしている矢先にこのアセスメントがそういうことに邪魔になるということを、そういうことをやろうとしている人たちが心配するわけですね、だれがと言えば。そこで、そういう心配があるのですよと言って知り合いの国会議員の先生方のところに来れば、それは困りますなあ、そういう心配では、ひとつ環境庁を呼んで聞いてみようというので、われわれは何回も呼ばれていって聞かれるわけです。それに対してお答えをするわけですが、ここでもう多少の食い違いがありますから、そこで手間取っているということが実情でございます。まあ多少の心配はあるにしても、アセスメントをやっている以上はその手続を国権の最高機関である衆参両院の先生方の御審議を経て権威と信頼あるルールにすることがなぜ悪いだろうか、おかしいじゃないかと言う人も相当おりますし、ひとついましばらく御猶予をいただきたいというのが私のお願いであります、

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 長官のこの問題に対する取り組みはぼくは十分理解をし、その熱意に対してはむしろ評価をし、敬意を表しているわけです。過日も大蔵大臣は本会議で財政再建に取り組むみずからの姿勢、総理は行革に取り組むみずからの姿勢をそれぞれ表明されているわけです。厳しいようですけれども、環境庁長官、みずから政治生命をかけて環境保全のために自分は努力をする、この問題に取り組むという御決意をここで、これはもうそんなことを重ねて聞く必要はないかもわかりませんけれども、私はここで念のために確認をしておきたい。けさの新聞でも意は十分わかっておるのですけれども、この問題に政治生命をかけるのだという強い決意をお示しいただきたい、こういうふうに思います。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 私は、政治というものは、やはり約束というのはなかなかできるものじゃないし、しかし一たん約束した以上は、その約束を死力を尽くして守る、実施するというのがスタートでなければならぬ、軽々に約束して軽々にそれを破るというようなことがしばしばであれば政治の信用は地に落ちますから、どんなりっぱなことを言ってもそれではだめだ。これが、僣越なようですが、私の考えてあります。井上先生言われたように、総理も何回にもわたってこのアセス法案は国会に提出して御審議をいただくということを申しましたし、それを受けて私もそういうふうに言いました。それから地方の知事会議でも総理もそういうふうに御言明でございました。私は、この約束は守らなければならぬ、こういうふうに思っています。  せっかくのお尋ねでありますから申し上げて御理解をいただきたいと思いますが、いま年率五・三%ぐらいの経済成長をしなければならぬというふうにわれわれは考えているわけでありまして、先生方もそれができればいいなということで御賛同いただいていると思いますが、五・三%ずつ経済が成長していきますと、西暦二〇〇〇年になるよりも三、四年前に日本経済はいまの倍になります。もう一つこの経済ができるわけです、この三十七万平方キロで二割ぐらいしか可住面積のないところで二倍の経済を支えていくために環境をどうやって保全していくかということは、これはいまの問題でないだけに忘れられがちですが、きわめて重要な問題だと私は思っているわけでございますので、そういうことも考えて、何としても転ばぬ先のつえのために先生方の御理解と御協力をいただきたい、切にそう思うわけであります。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 十分今後の努力を強く要望しておきます。  さらに、私は、続いてここで、国が行う大きな開発事業、そういうプロジェクトに対しても、地域住民がその恩恵を受けるということはそう多くはないのだ、それが通例なんだ、おっしゃるとおりなんです。このことはきょうの論壇に鯨岡長官が述べられているわけです、そういうことであるから、さらに地域住民の合意を得るためにも、正しい理解と協力をもらうためにも、信頼のあるいわゆるアセスの法制度が必要だ、こういうふうにも述べられているわけです。  とりわけ私は大きな国家プロジェクトとしての関西新空港について触れておきたいと思うのです。長官は、関西新空港建設に関しては環境問題には強い関心をお持ちだと思いますが、そういう関心を強く持っていらっしゃるかどうか、これも念のために聞いておきたいと思います。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 関西空港はことしの予算で調査をしようということで、それなりの金額を計上していま御審議をいただいているわけであります。が、あの泉州沖にできる国際空港というのは、海を埋め立ててつくるわけでございます。したがいまして、その空港自体が騒音が出て地域の住民に不当な迷惑をかけるようなことはないだろうか。それから、海を埋め立てるのですから、さらでだに汚染が心配な瀬戸内海の出口でございますから、どういうことになるだろうかなという心配もあります。さらに、埋め立てるということになれば膨大な土砂を運ばなければなりません。何か国民一人頭五トンとかいうような計算が最終までにはあるそうでありますから、そうすると、その土はどこから持ってくるのだろうかな、その土をとった跡はどうなるのだろうかな、その土はどういう方法で運ぶのだろうかな、運ぶときには沿道の人はどういう迷惑をこうむるだろうかな、迷惑をこうむる時間はどのくらいの長期にわたるのだろうかな、いろいろなことを考えますと無関心ではいられないわけでありまして、重大な関心を持っております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 いま環境庁長官がおっしゃるように、泉州沖案では千七百ヘクタールの海域を護岸で囲って、そこを埋め立てて空港を建設するという一応の予定案。そのためにはどこからか土を運ばなければいけない。そしてどういう方法でその土を沖合い五キロのところに運んでいくのか、あるいは埋め立てによって運ばれた土の跡はどうなっていくのか、そのことによって、これは大阪、兵庫、和歌山、徳島、数府県に環境面でいろいろ大きく影響を及ぼすわけです。非常に強い関心を持っているというお答えです。念のために、環境面で影響を強く及ぼすそういう大きなプロジェクトについて、環境保全の面での主務官庁は当然環境庁だと思うわけですが、主務官庁はどこなんですか。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 環境面での主務官庁はどこかと言われれば、それは私の方じゃないかなと思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 これは当然なんです。環境保全で主務官庁はもちろん環境庁である。とすれば、現在運輸省が三年間にわたって調査しましたね。環境調査等あらゆる角度からの調査をしているわけですけれども、そういうものを取りまとめ中なんです。取りまとめて四月ないし五月ごろ地元に示して意見を聞きたい。予備協議というのでしょうか、聞くという段階に入っているわけなんです。このことについて運輸省から何かそういう相談を受けたのか、あるいは環境保全の面での環境庁としての指導を求められたことがあるのかどうか、こういう点についてひとつお答えをいただきたいと思います。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 先ほども申し上げましたが、飛行場をつくるということになれば、当面、公害問題では公害基本法の中にもある騒音、この騒音の問題等についてはずいぶん運輸省でも御研究になられて、その点についてはわれわれの方にもいろいろな相談があったりお知らせがあったりしたことは聞いております。ただ、先ほど私が申し上げました、どこから土を持ってくるのだろうかということについては、まだ相談も受けてない。私の感じでは、後で局長に細かく答えさせますが、まだどこから土を持ってくるのかということも詳細には決まっていないのではないかな、まして持ってくる方法などについてはまだ決まっていないのじゃないかな、鋭意その点について御検討になっておられる過程なのではないかなというふうに思っております。

藤森昭一環境庁企画調整局長

○藤森政府委員 お答え申し上げます。  大臣から御答弁がございましたように、現在運輸省が膨大な各種のデータに基づきまして環境影響評価書の作成に当たっておられるということでございまして、この過程につきましては、私どもも各省事務連絡会議等の場において承知をいたしております。環境庁といたしましては、大臣の御答弁にございましたように、国家的な大プロジェクトでございますので、私どもとしましてはこの問題の今後の進展に大変大きな関心を持っておるわけでございまして、運輸省が正規に私どもにその環境影響評価書を示して意見を求められる段階があると思いますが、そのときには、ただいま申しましたような観点から十分な意見を申し上げたい、かように考えておる次第でございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 局長、そういう相談があったのか、あるいは指導を求められたのかと私は聞いた。いまのなにで、指導は求められてないし、十分な相談もないということですね。どこから土をとるのかわからない、そういうことですね。

藤森昭一環境庁企画調整局長

○藤森政府委員 そのとおりでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 環境問題については主務官庁である環境庁に十分なパイプが——連絡もないし、相談も指導も受けることもない。いわば運輸省が独自でやっているということです。それじゃ運輸省がこれまでやってきたアセスについてお尋ねをしますけれども、アセスの対象地域、範囲、さらに調査によって得たデータ、調査項目、評価する基準、手法、さらにそのことはいま冒頭に私が長官と質疑をいたしましたアセス法案、このアセスの法案の精神から見て、運輸省がこれまでやってきたアセスについては妥当であるのかどうか、あるいは運輸省から、これらの私が指摘したそういう資料が環境庁には届いてなければ届いてない、あるいはそういう連絡がなければないで結構です。これは大臣、どうなんですか。

藤森昭一環境庁企画調整局長

○藤森政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、運輸省からそうした資料とかあるいは意見を求められるという段階にはまだ立ち至っておりません。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 運輸省からは環境庁にこういうことも含めて何ら連絡がない、全くもって長官、これはもう環境庁が無視されておる。環境庁が環境保全の主務官庁である、こういうこと、そして環境を守る精神を尊重していくのだという環境庁長官の強い意をこれは十分理解しておらぬ証拠です。四、五月ごろに運輸省は、さっきも言うように予備協議と称して地元にその運輸省の案を示したいという、そういう意向を持っているわけです。いわば運輸省が勝手な独自の資料、データあるいはやり方、そういうことの中から地元にどうぞこの関西新空港には御協力をいただきたいという、こんなことで十分な地元の合意が得られると考えているのかどうか。私は、はなはだもって、きょうの長官の「論壇」に書かれたいわゆる「地域住民の理解と協力なくして事業を推進できるものではない。」という、とりわけ開発事業については地域住民に正しく理解してもらい協力してもらうのだ、そういう姿勢が見受けられぬわけですけれども、それは運輸省に対していずれかの機会に指摘をしていきますが、運輸省が地元に示すであろうデータ、資料を、環境庁として環境を守るというか、そういう意味で、いわゆる環境庁としてチェックするつもりはおありでしょうか。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 われわれとしては、もうすでに調査をするように決まって、あそこのところへ飛行場をつくろうということで運輸省が努力しておられることを認めているわけでございますから、どういうものをおつくりになるか、どういう方法でおつくりになるか、その際に環境にどういう影響が出るだろうか、でき上がった後はどうなるだろうかということについては、重大な関心を持っております。そこで当然これは運輸省の方からわれわれの方に話がないわけはないので、あった場合に、それに対してわれわれは適切な意見を申し上げようと用意しているわけですから、まだその段階に立ち至っておらないのではないかな、こんなふうに思っておるわけです。  四、五月ごろに地元に案を示すというようなことを先生おっしゃいますが、それがどの程度の案をどういうふうにして示すのか、まだ環境庁に相談をする段階に至っていないことを説明するのかどうか、その辺もよくわかっておりませんが、最終的には環境をつかさどるわれわれの役所を度外視してやれるなんということは全然考えておりません。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 ごもっともだと思うのです。四、五月ごろ予備協議というのは、私の発言じゃないわけです。これは塩川運輸大臣が四、五月ごろ地元でそういう予備協議をしたい。予備協議をするには一定の資料が必要でありますし、それを示さなければいけないわけで、私の申し上げたのは、まだ環境庁に何も言っておらぬし、環境庁に相談もないし、環境庁にそういう指導も求めてきてないというそんな案を示したって、これは地元の合意が得られるわけじゃないし、理解が得られるわけじゃないし、むしろ運輸省に対する信頼が薄らぐだけの問題だし、物理的には私は無理だと思うのですよ、四、五月ごろなんて。環境庁にも示してないのを、そんなことを地元へ示せるはずがないのですけれども、もしそういうものを運輸省が出したとすれば、当然環境庁はチェックするでしょうねということを聞いているので、いまのお答えで、環境庁は環境庁の立場でそれを検討する、チェックしていく、こういうことでございますね。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 いつごろになるか、私つまびらかでありませんが、地元に提示するその案が環境庁の関心事であることであれば、これは当然われわれとしては意見を言わないわけにはいかない、そういうことでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 さらに私は、泉州沖五キロ、千七百ヘクタール、この大きな海域を埋め立てて空港建設をするわけですから、周辺の環境に大変な影響を及ぼす、このことは指摘したとおりですし、ここで少し尋ねておきたいのは、瀬戸内環境保全特別措置法というものがあるわけですけれども、この泉州沖埋め立て予定海域は、この瀬戸内保全法で汚染物質別の制限の対象海域に指定されているわけですけれども、この対象海域にかかっているのかどうか。かかっているとするならば、どの部分がかかっているのか、その点をひとつ聞いておきます。

小野重和環境庁水質保全局長

○小野(重)政府委員 私どもが伺っております現在の計画によりますれば、瀬戸内海環境保全特別措置法にいう瀬戸内海に入ることはこれは間違いないところでありますけれども、その中で特に埋め立てについて配慮をすべき海域として定められております大阪湾の奥部でございますが、そこに一部ひっかかるというようなことであるというふうに伺っております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 かかっている。そうなんですね、かかっているわけなんです。そういう制限海域であれば、運輸省に対して環境庁としてはいかように対処されるのですか。

小野重和環境庁水質保全局長

○小野(重)政府委員 瀬戸内海海域におきます埋め立てにつきましては、瀬戸内海の環境保全特別措置法の第十二条に埋め立てについての配慮の規定がございますけれども、それに基づく基本方針というものがございまして、瀬戸内海における埋め立てにつきまして、一般的に厳に抑制するという方針はございますけれども、その中で大阪湾奥部のような特別の海域については、具体的にはその方針に書かれておりますが、一般の埋め立てについての方針よりも厳しい方針で臨むべきであるというような内容のことが基本方針にうたわれておるわけであります、し

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 そのことは運輸省は十分理解しているのですね。

小野重和環境庁水質保全局長

○小野(重)政府委員 その基本方針については運輸省も当然御承知のこと、かように考えております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 このことについては、運輸省は環境庁と事前の相談というのでしょうか、話し合いあるいは協議、どんな形であるかは別として、十分な詰めを持たれたのでしょうか。

小野重和環境庁水質保全局長

○小野(重)政府委員 先ほど来、長官なりあるいは企画調整局長が申し上げているとおり、具体的な計画というものをまだ伺っておりませんので、私どもも具体的な対応をまだする段階にないということでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 鯨岡長官、いまの質疑の過程でもおわかりのように、運輸省は関西新空港建設については熱意を示して、それなりの対応をしているわけですけれども、肝心な環境庁に対して、いわゆる環境保全の面、あるいは環境がどう変化するであろうか、大きく影響することはもう論をまたないわけですが、そういう中でも何ら話し合いがなされていない。土砂の運搬もそうでしょうし、跡地の問題もそうでしょうし、いまの制限海域の問題もそうでしょうし、何一つをとらえてもまだ十分に話し合いがなされておらない。まだその段階でないのだという御判断であれば、それはそれなりに今後詰めた話をしていかなければいけないわけです。  片側では、地元に予備協議をするのだ、そういうようなことを運輸省が言っているのですから、これは環境庁は全く無視された形の中で行われるわけですけれども、環境庁としてそれはやはり十分連絡してもらわなければ困るし、そういう環境問題については詳しいデータをもらわなければいけない、騒音や潮流だけが環境のすべてじゃないのですから、もっとそれ以外の多面的な分野にわたって環境保全というものほかかわってくるわけですから、そういうことを考えていくと、環境庁は生活環境なり自然環境に多大の変化をもたらすこの関西新空港建設についてただ手をこまねいて何もしないのだ、そういうことに結果的になってしまえば、これは大変なことになると私は思うのです。とりわけ、もしアセスの法案が提案されなかった、あるいはこの法案がどうなるかまだわからない、そういう段階で、環境庁が何もしないでいいのだということにはならぬと思いますし、そういうお答えは返らぬと思います。何かやります、いや、それはやりますということになるのですから、運輸省に対してその中間的な資料の報告を強く求めるとか、それに対してチェックしていくとか、そういうことが今日必要だと私は思うのです。長官のお考えをここで聞いておきたいと思います。     〔森下委員長代理退席、原田(昇)委員長代理着席〕

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 最近に地域住民の方にこのことについて意見を求める機会を運輸省が持ちたいというのであれば、私の現在の判断では、ここへ飛行場をつくろうと思うのだがどうだろうというようなことで意見を求めるということであって、具体的にいろいろなその手法等について地元に提示して意見を求めるという段階ではまだないのではないかと思います。もし、ここへ飛行場をつくろうと思いますが地域住民の皆様御賛成いただけますかどうですかという以上に細かいことをいろいろ言うのであれば、それは私はいけないと思います、それはわれわれの方はまだ聞いていないのですから。せっかくあそこへ大きな飛行場をつくって関西方面の方々の利便を図ろう、国際的な空港をつくろうというのですから、ずいぶん運輸省としては骨を折っておられるに違いない。いろいろな問題、たとえば瀬戸内海は法律があるのですから、それで埋め立てをするときには審議会にかけて埋め立てをやらなければならない、そこのところへちょっとかかっているわけです、そういうようなことでも必ずわれわれの方に話がなければならぬと思いますが、だんだんのお話で、先生向こうの方が御郷里でいらっしゃいますし、御関心が非常に強い先生からそれだけの御注意をいただいたのですから、私の方は運輸省に、どうなっているのか早速問い合わせて、われわれが意見を言うべき段階に立ち至っているのかどうかひとつやってみたい、こう思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 長官、運輸省はあの泉州沖に空港をつくりたいという願望だけの段階じゃないと思うのですね。さっき言ったように、継続して何年か調査もやっているわけなんです、環境影響についても調査をやっているわけなんです。そういう調査をした結果のデータをやはり地元住民に示していかなければいけない、その中で環境問題がこう変化していくのだ、あるいは地元住民はそれに対する心配をしているのですから、そういうことは大丈夫なんだ、この点についてはこうなんだ、やはりそういうことが示されて初めてそこに協力、信頼関係が生まれてくるわけです。だから運輸省の言っているのは、長官の受けとめ方のような、どうでしょうか、この辺につくりたいのですけれどもという、そんな漠然としたものじゃない。それじゃ何のために調査費がつけられたのか、何のために調査をしたのか、その調査の結果どうなったのだ、それが妥当であるのか妥当でないのか、いわばそういうことに踏み込んでいかなければいけないわけなんですが、私は、いま長官が運輸省に報告を求めるということでございます。それはもう当然だと思いますし、ぜひそのことをやってもらわなければいけない。しかし、物理的に考えて、運輸省の言う四月や五月というような予備協議というものは、実際問題としては環境庁長官も何も報告も受けていない、まだ環境庁が十分承知をしてない、あるいはまだデータもチェックしてない、そういう段階では、予備協議をすることを足とか非とかそういうことを申し上げているのじゃなくして、ちょっと時期的な面で何か気ばかりが焦って、運輸大臣一人はしゃいでいるような感あって、それをフォローする資料は何一つついていかない。そういうことで、きょうは運輸大臣いらっしゃいませんけれども、環境庁の所管から考えるならば、環境保全の面から言って、やはり私自身は四、五月ごろの予備協議は実際問題として無理ではないかという判断をしているわけです。だから、それはいかがでございますか、これは環境庁長官にお尋ねをしているわけなんです、運輸大臣はまた別な御見解を持っていらっしゃると思う。だからそういう点で、詳しいデータ、資料の調査の報告をせよとかそういうことじゃなく、現実の問題として、もうあと一週間すれば四月なんですから、まだ何にもお聞きになっていないのですから、報告を受けてもそれを検討する時間も必要でしょうし、あるいはひょっとしたら、土砂の問題、埋め立ての問題、そういうことにはまだ何ら取り組んでないという実情かもわかりませんね。そういうことになってくると、地元へのそういう予備協議というものは一体何を意味するのか、中身のない、漠然とした、そういうものを予備協議というのか、そういうことになるので、そこまでの詰めた質問ということよりも、実際問題として、環境庁長官として、四、五月ごろの予備協議、これはもうできないと私は理解するわけなんですけれども、環境庁としてはそういうことに対応できない、こういうことなんですね。いかがでございますか。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 四、五月ごろということは私よくわからないのですが、もし四、五月ごろに地域住民との間で第一回のこの問題についての話し合いが行われるとすれば、内容の問題にもよりますが、まだまだ環境問題ということに立ち入っての問題ではないのではないか、言うまでもなく、この飛行場ができますれば、どう変わるかは別として、従前どおりの状態でいるわけはないのですから、たとえば瀬戸内海の状態にしたって、その辺の景観にしたって、それから町の住民が受けるいろいろな影響にしたって、いままでと同じであるはずはないのですから、どういうふうに変わるだろうかということについてはわれわれの所管でございますから、そういう点に触れての地域住民への説明であれば当然われわれの方に話がなければならぬ。せっかくの御注意でありますので、その点についても含めて運輸省の方と話し合ってみたい、こう思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 ぜひ環境庁長官から運輸省に対していまの問題についてはひとつ報告を求めてほしいと思うのです。ここでなぜこういうことを申し上げるのかと言えば、四、五月ごろにやる、そして、冒頭に私が指摘をしたアセスの法案のこれからの動向ですね、予備協議がなされて、それが一定の——環境の問題ではないということはわかりましたけれども、何らかの形で環境の問題がそこへ持ち込まれて、予備協議の段階で、話し合いが、アセスの規制にかかるかかからないかというそのことも含めて予備協議をする、その後にアセスの法案がかかってきて、その予備協議の段階からさらに枠がはまってきたとしたら、これはまたアセスについては見直しをせねばいかぬわけです、そういうことがあるから、アセスの法案を成立さして、一定のそういう制度の中で、その制度を守った中でこういう環境保全というものは図っていくべきだ、だから、いわばあの予備協議は軽々に早くやったからいいのだということではない、十分な対応をして取り組んでもらいたい、こういうことでございます。もう一点、いままでのいきさつから考えて、泉州沖案、いわゆる泉州沖五キロという航空審答申のこの案に限ってそういう調査がなされてきたと私は理解をしているわけなんです。ところが、ごく最近、自民党の交通部会なり航空機特別委員会なり等の話の中で神戸沖の阪神沖案というものが浮上してきた。私は、そういう論議があったことがけしからぬとか、いや、それがいいのだとか、そういう論議をここではしたくないし、するべきでないと思うのです。環境庁としては、阪神沖案も浮上してきた今日、環境対策、環境面においては、関西新空港の環境影響評価というかそういう関連した環境庁の所管とする諸問題については阪神沖案もその対象あるいは検討の範囲の中に入れられているのか、あるいは入れようとなさるのか、そういう点について、ひとつ環境庁長官から聞かしていただきたいと思います。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 結論からお答えいたしますと、航空審議会がここへつくった方がいいだろうと言ったのは泉州沖のいまの案でございますから、それだけでございまして、それ以外のところはわれわれの役所としての対象に考えていないわけです。ただ、私は政治家として、どうせ利用するのは大阪とか京都とか神戸とかあの辺の人が多いのだし、あそこへ来る外人が、いや日本人も含めて全部用足しもあの辺に用足しする人が来るのだから、近ければ近いほどいいかななんというふうに考えますよ、しかし、環境庁としてはそれは対象外であります。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 私もそれが筋論だと思います。航空審の答申を尊重する。泉州沖案というものがそこで答申がなされているのですから、いま長官は泉州沖案に限ってというお答えですが、あの阪神沖案の試案というものの中に、関係官庁に御協力をいただいたというそういう書き添えがあるわけなんです。環境庁はあの試案作成に当たっては協力をなさったのか、あるいは全く協力をしなかったというのか、その点について、念のために尋ねておきます。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 協力というのは環境庁としてはしておりません。ただ、先ほど申し上げましたように、政治家としては、私はお話を承りながら、あそこはそのほかにも埋め立てをやっていますね、御承知のとおりです、だから、ああいうような形でできればいいなと思ったり、あるいは近いからいいかなと思ったり、アクセスの道なんかはこの方が簡単かなと思ったりはしました。けれども、環境庁としてこの案に御協力を申し上げたということはありません、

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 資料の提供だとかあるいはそれに対するプロジェクトにそういう協力、私の申し上げているのはそういう協力はなされたのでしょうかということです。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 私の知っている限りそういうことはないと思いますし、私が知らないのですから、そういうことはないと思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 さらに私はNOxの問題について質問をいたします。  この問題ももうすでに与野党一致の附帯決議が国会で七回も行われているわけなんですね。総量規制については早期実施ということは、これはもう国会のすべての意思なんです。ところがこれまた自民党の環境部会から事実上の待ったがかかった。一体こういうことで本当に国民に対して責任を持って政治をやっておりますということが言い切れるのかどうか。まさに、もう、鯨岡長官の、六十年時点のNO2環境基準の達成は絶対に守らなければならない、こういう強い意思も流されてしまう傾向である。政令でこの問題は取り扱われるわけでありますから、こんな今日の自民党の待ったのかかった状態の中で、これこそ長官の英断を私は求めたい。恐らく長官は、さっきのアセスの法案でも言われたように、政党政治だからそれはどうも自民党のスクリーンをかけて云々とひょっとして言われるだろうと思うのです。しかし、そんなことで言い逃れをしちゃいけない、そんなことでこの問題は済まされる問題じゃありませんよ。さっきも申し上げたように、人間が経済を支えていくのですから、その人間の健康を守ることが唯一の優先すべきことであるという前提に立つなら、こんなことに時間を費やさなきゃいけないのか、あるいはこんなことになぜ待ったをかけるのか、それらの人々の真意が私ははかりかねるわけです。一体何を考えていらっしゃるのか。  さらには、通産にもこれは聞いておきます。産業界が、総量規制の実施のために大阪だけで三千億円の資金が必要だ、こういうふうに言っているというのです。通産は、それは通産の試算でないと言うかもわかりません、通産の試算でなければ、産業界のどういう分野で、どういう条件の中で、どういう状態の中でこの三千億円が出てきたのか。新聞報道によれば、環境庁は五十億円でできると試算しているわけです。環境庁の試算の基礎とこれは余りにも大きな差があるわけで、一体このNOx総量規制は本当に六十年に絶対達成できるのか。そのためにはいまから準備をしなければいけないし、環境保全に対する政府の取り組みは、どうもどこかでブレーキがかかって、だらしない結果になっていくのじゃないか。これこそ全くアセス法案と一緒に、何が何だかわからぬ。一体何を考えておるのか、環境庁長官や総理は、やりますやりますと言って一生懸命われわれに約束をし、国民の強い要望にこたえる。ところが、自民党が後で待ったをかける。もうしめし合わされたようなパターンだ。こういうことについて、ひとつ私から強く指摘をし、その見解を求めたいと思います。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 どうも反対と賛成とがしめし合わされたようなパターンと言われたのでは、まことに困ります。そういうことはありません。先生の御質問も限られた時間でございますから、御意見を十分承ることにいたしまして私の答弁をなるべく短くいたしたいと思いますが、しめし合わされたと言われたのではちょっと私の考えも申し上げておかなければならぬ。  井上先生御承知のとおり、前にはNOxの規制は〇・〇二ppmでございました。それではちょっと厳し過ぎる、それでは諸外国の例を見ても、それから日本の産業のこれからのことを考えても厳し過ぎる、健康の重大なことはわかるが、それにしても厳し過ぎるということで、関係方面に、学者などに十分調べてもらいまして、〇・〇四から〇・〇六のゾーンまで落としてもよろしい、それで健康に被害はないという絶対の自信を持って、かつてわれわれは御審議をいただいたわけであります。その際にもずいぶんおしかりを受けたのですが、われわれは自信を持ってこのことをお願いいたしまして、それでお聞き届けをいただいたわけです。そのかわりには〇・〇六という一番下よりももっと悪いというところはどこにもないようにせよと、これが衆参両院の何回にもわたる附帯決議でございました。そこでわれわれは、そのようにいたします、もしそのようにできないようなところがあれば、地域を指定して総量を規制して、それを実施するようにいたしますと、こういうふうにお答えをいたしてきたわけであります。それは六十年まででございますから。そして自動車、乗用車などについては、当初から見れば十分の一ぐらいのきれいな排気ガスにいたしたことは御承知のとおりでありますし、御協力に感謝をいたします。大型トラックはなかなかそうはいかない。そこで私などは、手分けをしまして大型トランクの会社へ行って、直射式のやり方は普通の乗用車とは違うからむずかしいでしょうが、どんなことがあっても六十年までには〇・〇六ppmよりも悪いところがあったのじゃだめなんだから御協力を願いたい、もしそういう開発ができないようなことであれば、交通を規制しても人間の健康を守らなければならぬ、こういうことを言ってきているのであります。そういうようなことを全部勘定に入れて昭和六十年にどうだということを調べてみると、東京とか神奈川とか愛知とか大阪とか、そういうところは、やはりいんしんをきわめているところですから、なかなか自信がないというのは知事さんもそう言っておられるわけでありますから、そこで地域を指定してその知事さんに、自動車の多いところもあれば工場の多いところもありますから、それぞれの地域において知事さんひとつ計画を立ててみてください、そしてひとつ六十年までにこの約束を守れるように御協力くださいと、こういうことをいましょうとしているわけでございますが、ちょっと間違った考えをする人は、何か工場だけいじめられちゃうのかなと、自動車のことも何も関係なしに、いまの三千億なんかもどうもそうらしいのですが、工場だけいじめられちゃうのじゃないかというようなことで、そんなことをやったらこの不景気のさなかに三千億も金がかかっちゃう、そんなことできるものじゃないじゃないかというような話が出てきて、まことに私は困っているようなわけでございまして、適当に反対の人にもちょっとやってもらってこの約束をいいかげんにしちゃおうなんというようなつもりは毛頭ない。もう、非常な大努力を払って、誤解の面には誤解のないように、通産などにも話をしていまやっているわけでございますから、どうぞひとつ、しめし合わせてなんというようなことは考えないでいただきたい。切にお願い申し上げます。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 ただいま三千億という数字の話が出たわけでございますが、これは私もいま手元に持っておりませんが、たしか大阪工業会ではじいた数字というふうに聞いております。しかし、これは規制についての一定の前提を設けた数字でございまして、言うまでもなく規制がどうあるかによりましてそれに対する対応あるいは費用は変わってくるわけでございます。この数字というのは、たしか一つの前提を置きましてはじいた数字でございます。しかしながら、いままさにその前提そのものが、私どもいろいろと環境庁とも相談しておるところでございますので、それがどうなるかによりまして変わるわけでございますから、私といたしましては、こういった数字そのものには縛られないで、それはそれといたしまして、一つの前提に基づく一つの数字といたしまして、それとは別にいろいろと相談申し上げていきたいというふうに考えております。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 井上先生、いま通産省の言われたとおりだと思いますが、そのある前提を設けてというのが、もう、もともと初めから自動車の努力も何も御破算にして、考えないで、自分のところへだけかかってきたということを前提とすれば三千億と。それでそういう試算がそのまま自分のふところの中にあるならいいけれども、それをそこらじゅう持って歩けば、それは三千億もこの不景気の中にかかっちゃ大変だなと、それは約束かもしらぬけれども考え直さなければいかぬなと、少し延ばそうかなということになりますよ。そういう不確実な前提でそこらじゅう持って歩くどいうことは世の中を惑わすことである、厳に注意してもらわなければ困ると、私はこういうふうに思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 期せずして環境庁長官がいま通産に警告を出された、世の中を迷わしておる。三千億というのは前提条件云々という答弁でごまかそうとしたけれども、環境庁長官が、そんなことを言っちゃ、また延ばそうかなと思う一つの材料を提供したようなことになるのですよと。しめし合わせた、全く環境庁長官はそうじゃない、ぼくはそう信じます。環境庁長官は一生懸命環境保全のために取り組んでいらっしゃる。そうじゃないと。しかし、この総量規制をやろうとすれば、やれという国会決議、附帯決議等を尊重してやろうとすれば、通産がどこから出してくるのか、三千億円や、そんな大金が、ちょっと待とうか——まさに環境庁長官、長官がしめし合わせたという意味で私は申し上げるのじゃなく、自民党がまたぞろそういうことで産業界の積算を基礎にこれを延期しようとする。この問題はやることが先決なんですよ。やらなければいけないわけです。長官の熱意については、もう冒頭にも申し上げたように、私は党派を異にするけれども、敬意を表しておる。環境保全の達成に努力をされる環境庁長官のその取り組みには敬意を表したい。しかし、通産が言っているようなそういう話がまた出てきたり、いろいろとそういうことを考えると、客観的に法案の成立をむずかしくしているのは、何か人為的になされているのじゃないかということを強く指摘をし、環境庁長官の一層の努力を切に要望しておきます。  余り時間がありませんので、さらにもう二点続けて質問をいたします。現空港の問題に対する航空機騒音の環境基準等の問題であります。  御承知のように五十八年度末までにうるささ指数、屋外で七十五ですか、屋内で六十以下にする、こういう義務づけがあるわけですが、そういうことから昔源対策の一環としてエアバスの導入がなされたわけですね。しかし、実際には航空需要等がふえていく今日、むしろそれは航空機騒音の環境基準達成に役立っているのかどうかということに問題を投げかけたいと思うのです。航空機騒音の問題については、騒音対策としてはエアバスの導入はそれなりの効果を出している。ところが、いまNOx、いわゆる窒素酸化物の問題については在来機よりも大気汚染物質はエアバスの方が多いというデータが出ているわけです。運輸省はこの問題は平均値をとっているわけです。飛行している時間帯と飛行しない時間帯を合わせた平均値をとっている。むしろ離着陸するたびの大気汚染というものをやはり基準に置いてもらわなければいけないのじゃないだろうか、灯油が不完全燃焼するような臭気に見舞われたり、汚染物質が排出される。     〔原田(昇)委員長代理退席、森下委員長代理着席〕 そのことによって地域住民の身体に変調を来している。むしろ瞬間値が問題にされなければならないのではないだろうか、このことについての見解を一つは尋ねておきたい。  もう一点は、御承知のように聞こえぬ騒音、低周波空気振動ですね、低周波公害対策はどうなっているのか、こういうことであります。  昨年の五月十九日に大阪府は航空機に起因する低周波が存在していると発表しているわけなんです、現大阪空港周辺において。その公害の訴えを裏づけてきっちりと資料で提出しているわけです。環境庁は十分御承知だと思いますけれども、鼻血が出やすい、そういう訴えが多いわけで、低周波公害特有の被害が見られるわけですけれども、この被害についての対応策はどうなされているか、あるいは今後どう取り組んでいくのか、この二点を聞いて、私の質問を終えます。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 いまの現空港における二つの問題については大気局長の方から御答弁させますが、先生ちょっと誤解をしておられるのじゃないかと思いますので、まことに恐縮ですが、先ほどの三千億は通産省の考えではないのですからね。通産省はそれをそれなりに受け取って、一つの基準でやったのだろう、それにこだわるものではないといったことは通産省の答弁のとおりであります。ただ、そういうことを計算したものがいる、それで持って歩いたものがいる。われわれから見れば、それは少し軽率ではないか、こういうことを申し上げたわけであります。  私は、〇・〇六以上になっては健康に害があると専門家の調べがあって、それを先生方がお認めになって、それ以上ではいけないよ、それ以上のところがないように昭和六十年までに必ずせよと、実施いたしますと言ったこの約束を守りたいということで、各省庁とも御協力をいただいて全力を挙げてやっているということを御承知願いたいと思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 長官、通産が出した資料、私は産業界ということは言っているわけですが、そういう産業界が出した資料を通産が検討するとか、あるいは積算の基礎を聞いた上で、これは妥当であるとか妥当でないとか、あるいはこういうことを言ってもらったらそれこそ国民を、いわゆる大衆を惑わす、不安に陥れる、やはりそういう行政指導が必要なんですよ。そういうことをやらなければ政治というのは成り立たないのですよ。何は長官一人が一生懸命言ったって、通産がそういうことをやっている間は総量規制についても前進をしない、こういうことを私は通産に警告し、いわゆる強く申し上げたわけであって、通産が出した資料とは——それなら通産はむしろそれが確かにそういう状態になるのかならないのか、環境庁は五十億と出しているのですが、五十億で済むのだ、あるいは五十億しか要らないのだ、そういう通産独自の見解を出せばいいのですよ。三千億に対する通産の指導はどうしたのか、あるいはそのことについてどうするのか。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 ただいま長官から御答弁があったとおりでございまして、私どもがはじいたものではございません。  それで、先ほど前提云々と申しましたが、私は、これは長官も御答弁になりましたように、非常に極端な仮定を設けているというふうに考えておりまして、こういうことは多分あり得ないのじゃないかと思っております。ただ、今後どういうふうになるかをいま相談中でございますから私どももいま何とも申し上げられないわけでございますが、率直に申しまして、私がこの資料を得ましたときにはすでにもうほかへは先にいっていたようでございます。私自身はそのときに、個人的には、こういうものはむしろ誤解を招くことになるということをそこで申したことはあるわけでございますが、いずれにしましても、ただいま長官が御答弁になりましたように私どもの数字ではございませんで、これとは別に私どもは相談申し上げていきたいと思っております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 現空港の答弁もあるわけですけれども、十二時から本会議がありますし、いまの総量規制については、わが党が持つ午後の時間の中でさらに私は質問を続けます。この点については留保します。

三浦大助環境庁大気保全局長

○三浦政府委員 ただいま二点御質問がございまして、航空機から排出されるNOxの問題がございました。これにつきましては、NOxの少ないエアバスを導入するように運輸省の方に要望しておるわけでございます。  それからもう一つ、低周波空気振動対策でございますが、航空機によります大阪の話は私どもまだ聞いておりません。しかし、成田空港でエンジンの消音器をつけるときの問題はございました。これは対策を立てて解決をしておるはずでございます。ただ、その低周波空気振動対策と申しますのは、私ども五十二年から六カ年計画で調査研究をしておりまして、健康影響との因果関係が非常にむずかしゅうございますが、できるだけ早く環境基準をつくりたいという方向でいま努力をしておる最中でございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 時間がありませんから、あとについては午後質問をするということで、私はとりあえず午前中の質問をこれで終えます。

森下元晴自由民主党

○森下委員長代理 この際、午後一時三十分まで休憩いたします。     午前十一時四十九分休憩      ————◇—————     午後一時四十三分開議

森下元晴自由民主党

○森下委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。井上一成君。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 私は、前回の委員会でも、委員会審議に当たっては特に定足数を与党・自民党は責任をもって確保してほしいということを、決まり切ったことなんですけれども申し上げておいたのですが、きょうもあえて注意をしておきます。  午前中に引き続いて、私が指摘をした大阪現空港に対する環境保全の問題で、騒音対策、音源対策としてのエアバスの効果と、さらに大気汚染に対するエアバスの離着陸時における、瞬間時における環境評価、この点について答弁が非常に不十分だったので、さらに当局に答弁を求めます。  さらにもう一点、低周波公害についても指摘をいたしました。これについては十分なお答えがありません。この点についても再度お答えをいただきたい。  さらに、三千億円という大阪工業会の積算数値であると言う通産省、これに対しての通産の対応はどうなされたのか、あるいは通産自身の総量規制に対する取り組みの姿勢、考え、この点もあわせて答弁を求めておきたいと思います。

三浦大助環境庁大気保全局長

○三浦政府委員 先ほど時間がございませんで簡単に御答弁いたしまして失礼いたしました。  最初のエアバスの大気汚染の問題でございますが、エアバスと申しますのは、在来ジェット機に比べますと騒音は大変低うございますけれども、大気汚染物質の中で特にNOxの排出量が在来機に比べて多いという問題がございます。そこで私ども五十二年三月に運輸省の航空局長あてに依頼文書を出しまして、ひとつそういうものが少ないエアバスを選んでくれ、こういうことを申し入れをしてございます。飛行機のエンジンの排ガスにつきましては、非常に容量が大きい、しかも非常に速いということで噴出されますのでガスとしては非常に希薄になるのではないか、しかも高速で広がるということでございますから、排出量が多いことが直ちに地域の大気汚染に影響を与えるということはそう大きな問題じゃないのじゃないかというふうに考えたわけでございますけれども、運輸省の方でその後、私どもの依頼を受けまして調査もいたしました。その調査結果によりますと、大阪国際空港周辺の大気汚染状況測定調査によればエアバスの増便に伴いますはっきりとした増加傾向はいまのところ見られないというお答えを聞いております。なお、その後大阪府でも調査を行ったそうでございますが、非常に速いということでNOxの影響はそうないのじゃないかということを私ども伺っておるわけでございます。  それからもう一つ、低周波の問題でございますが、先ほど私、大阪の国際空港におきます低周波のお話聞いていないというお返事をいたしました。ただいま昼休みにちょっと係から聞いて、新聞記事なども見せていただきまして、こういう問題があったということがわかりましたのでちょっとお答えをいたしますが、航空機の飛行場での低周波空気振動といいますか、この問題につきましては、いままで五十四年に二回、それから五十三年に十七回の苦情が持ち込まれておるわけでございますが、いずれも成田それから福岡でございまして、大阪の苦情は私どもの統計に入ってきておりません。これは成田が多いわけですが、成田は先ほど申し上げましたエンジンの消音器をつけるということで対策ができましてこれは解消しておるわけでございます。大阪の新聞を見ますと、鼻血が出るとかいろいろ問題がございました。これにつきましては、私ども四十九年にこの鼻血問題は一度調査をしてございまして、このときにはどうもこれは、このときは低周波じゃございません、あの近くで鼻血が出る人が多いということで調査をいたしてございます。このときは飛行機とこういうものとの因果関係はわからない、こういう結果でございました。ところがその後、低周波空気振動公害というのはいろいろなところで大変な問題にいまなってきておるわけでございまして、これにつきまして私ども五十二年から六カ年計画でいま調査をしております。ところが、これと人体への影響の因果関係というのはいまだに、なかなか見当もつかないということでございまして、やはりこういう苦情がある以上何らかの環境基準のようなものをつくらなければいかぬのじゃないかということでいま急いでおるというのが現状でございまして、私どもといたしましては、少しでも早くつくりたいという気持ちでやっておるわけでございます。

植田守昭通商産業大臣官房審議官

○植田政府委員 先ほどの大阪工業会の専門部会で試算された資料でございますが、あの試算につきましては一定の仮定が設けられまして、たとえば移動発生源の対策がどうなるかというふうなことが工業会としても十分わからないということで、所与のものとして置かれておりますというようなことがございますので、私どもといたしましては、あの数字にはこだわらないで、環境庁とこれからのNOx対策をどうしていくか、あるいは総量規制をどうやってやっていくかということで相談をしたいと思っております。そういうことでございまして、今後とも環境庁とは十分この問題を詰めてまいりたいというふうに考えております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 環境庁に再度お尋ねしますが、低周波公害は大阪の方からはそういうことはあり得ないという報告なんですか、あなたの方のデータでは。

三浦大助環境庁大気保全局長

○三浦政府委員 あり得ないということでございませんで、お話は大阪府の方から承っておったようですが、そのときに新聞記事もつけて送ってきた、そのときの新聞記事を先ほど見せてもらいまして、鼻血が出るというような苦情があるというお話をいま見てまいっております。ただ、私どもいま基準づくりのためにいろいろ人体影響、その他の研究をいたしておりますので、今後ともなるべく早く因果関係の解明、そういうことをやってまいりたいというふうに考えているわけでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 大阪空港に対する低周波の公害の因果関係を調査しているわけなんですね。調査するのですか、しているのですか。

三浦大助環境庁大気保全局長

○三浦政府委員 鼻血が出るという問題は大阪空港だけでございませんので、そういう症状も含めて、実験室で調査をしたり、いろんなところで研究をやっておるというのが現状でございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 大阪空港に関しては、これはまだやっていないのですか。やっていないのでしょう、取り組んでいないのでしょう。だから、そういう点については取り組むのですか。

三浦大助環境庁大気保全局長

○三浦政府委員 大阪についてはまだ調査をしておりません。いまそういう御指摘がございましたので、私、この問題をこれから大阪府の方と相談してみます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 私、大阪現空港における低周波公害を指摘して午前中質問したわけなんです。そのときの答弁では全く関知しないというか、知らないというようなことなんですね。それで昼に連絡をとってあなたが調べた。成田では云々ということですけれども、大阪現空港のこういう対策をすぐにでもやる、それは因果関係の調査に入ってみないと、どういうことなのか、十分はっきりしないかもわからないけれども、事実、こういうことが起こっているのですから、それは当然調べていただかなければいけない。そういう取り組みをするということなんですか。

三浦大助環境庁大気保全局長

○三浦政府委員 私どもいま全国からこういう症例を集めて調査しておりますので、早速大阪空港についても調査をいたしたいと考えております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 大阪空港について調査するということですから、早急に調査をして、低周波公害に対する対策を打ち立ててもらい、こういうふうに思います。  さらに私は、エアバスの平均値じゃなくて瞬間値こそが問題だということを指摘したのですよ、いわゆる大気汚染公害について。それは影響ないというようなお答えに受けとめたのですけれども、環境庁はそう思っていらっしゃるのですか。

三浦大助環境庁大気保全局長

○三浦政府委員 確かに瞬間値という問題ございますが、下で離発着のときに測定してみておるのですけれども、速度が非常に速いということもございまして、下の濃度計に対する影響が飛行機の通過によって測定値が余り影響ない、こういうお話を私ども承っておるわけでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 そういう話を承っておるというのと——私は、環境庁としては、私が指摘するように瞬間値というものについては検討を加えるべきだ、平均値という問題じゃないと言っているわけなんです。環境庁としてはどう考えているのか、どう対応するのか、こういうことなんです。

三浦大助環境庁大気保全局長

○三浦政府委員 私どもといたしましては、要するにその地域の環境基準が守れるということが一つの大きな問題でございます。したがいまして、先生が御指摘になりました瞬間値につきまして、もう一度私、運輸省の方にどこまで詳しく調査をやっておるのか確かめまして、また検討をさせていただきます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 時間がありませんし、これは午前中からの追加的な質問に答弁が十分でないという形です。ひとつ環境庁としての独自の判断があってしかるべきだと思うのです。だから運輸省が平均値を言うならば、環境庁は瞬間値だ、私はそういう答えがはね返ってくると思って、それのための対策をどう講じていくかということが必要になろうと思うのです。この点については、時間がありませんし、環境庁も調べる、こういうことで、そして改めて私の質問に対してはお答えをいただくということで、私の質問を終えます。

森下元晴自由民主党

○森下委員長代理 新村勝雄君。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 最初に大臣にお伺いしますが、会計検査院の検査につきまして、その中に「架空の名目によって旅費の支出を受け、これを別途に経理していたもの」というようなことが指摘されておりまして、これが五十二、五十四の両年度で四百十二件ということであります。私どもは、環境庁という官庁は特に清潔な官庁であるというイメージを持っているわけでありますけれども、遺憾ながらこういう事実があったということであります。それは人間のやることですから若干の間違いはあるでしょうけれども、少し件数、それから金額も多過ぎるのではないかと思うのです。どうしてこういう間違いが、しかもこういう多くの件数、多くの金額で起こったのか、これらにはやはり管理の体制なり庶務規定の内容あるいは執行の面で欠陥があったのではないかということを疑わざるを得ないのですけれども、これらの点についてまず伺いたいと思います。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 お答えいたします。  昭和五十三年度の決算で指摘されました問題は、午前中にも申し上げましたように、まことに申しわけのない、遺憾なことでございました。これは全部で四百十二件、二千二百十二万円ということになっております。これを返せばいいというものではもちろんありませんけれども、まず五十五年の三月二十四日までに全部返還をし、その事情等についてもよく調査をいたしまして、今後かかることのないようにいたしまするほかに、関係者二十七名、それぞれ減給とか戒告とか訓告とか注意処分とかいうようなことをいたしました。再びかくのごときことのないように、万全の処置をいたしておるところであります。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 処置をされたそうでありますけれども、こういうことがこういう多くの件数、多くの金額で起こるということは、管理体制なりあるいはその庶務規定なりその執行の方で事務的な不十分な点あるいは間違いといいますか、不十分な点、こういうものがあるのかないのか。それから金は返して処分をされたということでありますが、今後こういうことを未然に防ぐための何か事務的なあるいは技術的な面での処置をされたのかどうか、またそういうことをする工夫をする余地がないのかどうか、その点伺います。

北村和男環境庁長官官房長

○北村政府委員 改善策といたしまして、この一連のことが起こりました後、昭和五十四年十一月に事務次官通知をもちまして、綱紀の粛正と予算の適正な執行につきまして部内で厳しく指示をいたしました。さらに、随時会計検査等を行って、不正を根絶するように現在努力中でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 事務処理あるいは事務管理、それからこういう予算執行に当たっての管理、監督、こういった点でもう少し工夫する余地はないのかどうか、こういう点です。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 先ほど会計検査院から、昭和五十三年度決算で、環境庁についての決算の概要に対する主管局長の御説明もいただきました。その中にも書いてありましたように、問題は詳細にわかっているわけです。どういうふうにそのお金を使ったのか、これらの資金の使途については、同庁では職員の夜食代や会食等の経費に充てたと説明していますが、その事実についての帳簿や裏づけや領収書がないから、こういうことですが、苦し紛れにいろいろ操作をしたということなので、だれかが着服したとかいうようなことではない。けれどもそれはいいことじゃありませんから御指摘を受けたわけですから、そういうことのないように、事細かに原因を分けて、それで対策を立てて、再びかくのごときことのないように処置をいたした、こういうことでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 それからもう一つ、工事が適正でなかったということがあるのですけれども、この工事はどういうふうに後の処置がされたのか、その点を伺います。

北村和男環境庁長官官房長

○北村政府委員 工事のことにつきましては、昭和五十一年、五十二年度、両年度事業として山梨県が行いました国立公園の施設整備費の補助金にかかることでございます。これは園地、公園の中の事業でございますが、園地工事につきまして湖を埋め立てたわけでございますが、その工事が施工不良によりまして、その岸が大変不安定なものになったことがございました。これにつきましては、手直し工事その他を行わせて昭和五十五年度にこれが完成したということでございますが、この補助事業の適正な執行につきまして都道府県に対します指導監督を強化いたしますとともに、都道府県の担当者に対しましていろいろ技術的な研修を行ったわけでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 次に、湖沼の環境維持について伺いたいのですが、湖沼、こういう内水面はその周囲の地物、地形と同時に、これは一つの自然の大きな恵みでありまして、これはかけがえのない国民の資産といいますか宝であると思うのですけれども、これが最近非常に環境が悪化をしてまいりまして、特に河川と違って閉鎖的な水域ですから、この閉鎖的な水域が周辺の開発によって極度に悪化をしておる、こういう事態があるわけですけれども、これに対していかなる対策を基本的に考えておられますか、

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 新村先生いま御指摘の、湖沼をきれいにするという問題では、実は全く困っているのです。水質基準ということを設けて、その基準の中へおさめようという努力をしていることは御承知のとおりなんですが、海でも川でも湖沼でもなかなか思うようにはまいりません。それは先生いま幾つが御指摘のような原因で。しかしながら、ずいぶん努力いたしました結果、海も、十分ではありませんがずいぶんきれいになりました。それから川の方も、川にもよりますけれども、これも総体平均すれば大分きれいになった、特殊にきたないところはありますが。ところが湖沼となりますと、これがなかなか容易でない。いま先生御指摘のように、これは閉鎖性水域といいますか流れてないですから、先生の御地元の手賀沼ですか、それから御地元ではないにしても隣の霞ケ浦にしても。そこでどうしたらいいだろうということで、湖沼の環境保全のための特別措置法というようなものをいま用意して、各省庁間で詰めて、これはそれぞれ湖沼には目的がありますから、琵琶湖のように主として京阪神一千三百万の人たちの飲み水の水かめ、あるいは琵琶湖は飲み水にも一部使っていますがあるいは魚の養殖と、いろいろ目的もありますから、その地区の知事さんに総合的に考えて計画を立ててもらう。それでお立てになる段階でもわれわれもいろいろ御協力申し上げ、でき上がった計画に基づいてひとつ万全のことをやっていきたい。そういう際には、建設省を初めとしていろいろそれができるために努力してもらわなければなりませんが、一応ひとつどうだろう、このままやっていたのじゃしょうがないから、めどが立たないから、知事さんにひとつ計画をそれぞれ立ててもらおうということを主眼とした特別措置法というものをいま考えて、各省庁間で法案を練っている、こういう段階であります。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 確かに長官おっしゃるように、内水面、閉鎖水面の環境維持は非常にむずかしいと思います。しかし、行政的なあるいは政策的な対応によってこれはかなり抑えることができると思うのですけれども、いま長官おっしゃいましたように、実はこれは小さい一つの例ですけれども、近所に手賀沼というものがあるわけです。あの沼は日本の文学にもしばしばあらわれた有名な山紫水明の名所であったわけでありますけれども、それが現在全国で一番汚染がひどい、ワーストワンといわれているわけであります。ところがそれを見てみますと、沿岸が無計画に都市化をされておる。湖の周辺のたんぼや畑、農地ですけれども、これが都市化しまして、せっかくのかけがえのない天然の風致が害されておるということ、それからまた周辺の急速な市街地によって汚水が流れ込んでおるわけであります。これは統計によりますと、汚染をしておる原因の一番大きいのは何といっても生活系の排水によるものだということになっておりますね。生活系によるものが七七・七%で産業系による汚染が一五・二、自然的な要因によるものが七・一ということで、生活系によるものが非常に多いわけです。そうなりますと、都市計画を立案する場合あるいは国土計画をつくる場合に、内水面の周辺の環境維持ということをまず念頭に置いて計画をつくればいいのですけれども、残念ながらそれがいままでできていなかったために、無計画な都市化が進んだということであります。こういう点について地域計画、都市計画、そういった面からの環境維持ということが特に今後は必要だと思うのですけれども、そういった面についての御配慮はいかがやっておりますか。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 手賀沼のお話でございますが、手賀沼は私の住んでいるところからもそんなに遠くないので、小学校のころにあそこへ遠足に行ったことがありますが、先生いまおっしゃられれるように非常にきれいなところで、あれは淡水魚の名産地で、あの辺で淡水魚のお料理屋なんかもありましたし、特にウナギがよかったのです。あの当時は、あそこのウナギは食べさせない、余り食べちゃうとみんな喜んでしまうから、わざと養ったものを食べさせるなんて言っていたのですが、いまはもう全然食べられなくなった。その原因は何かと言えば、いま統計をお示しのようでしたが、統計を見るまでもなく、先生御指摘のように、それは都市化が原因だと思います。そこで、やはり下水道というようなものを確立して整備していかなければならぬ。簡単な浄化槽か何かやって、その簡単な浄化槽のものをどんどん沼へ入れてしまったのが一番の大きな原因ではないか、こういうふうにわれわれは考えてはおります。考えてはおりますが、それだけではない。また、いま統計でお話しのように、工場などから出てくるものもありますし、それから農地あたりからしみ込んでくるものもありますし、そういうのがいろいろ錯綜しておりますから、手賀沼だけのことなら手賀沼だけでもっていろいろやりようがありましょうけれども、全国の湖沼の問題となりますれば、やはりそこの知事さんにひとつ計画を立ててもらおうということが一番適切ではないか、こういうふうに考えて、いまお話しのようなことも含めて適切な計画をひとつ立てていただく、そしてその計画を尊重して、その計画に基づいて湖沼対策をやっていこう、こういうねらいでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 手賀沼と申し上げたのは、手賀沼だけじゃなくて、一つの象徴的な例として申し上げたわけであります。都市計画を初めとする地域計画が一つの重要な対策になると思いますけれども、そのほかに富栄養化防止対策が特に重要だと思います。特に燐を含む栄養塩類というのですか、これが入ってくるために非常に汚染のもとになるということでありますが、これらについての総合的な施策をいま用意されておるそうであります。そしてまた中央公害対策審議会からの答申も最近出ておるようでありますが、この公害対策審議会の答申も、現在の法制では不十分である、新しい立法をして特に内水面、湖沼の環境維持を図るべきであるというような趣旨のようでありますけれども、この答申を受けられて、これに対して今後どういうような施策、対策をお考えになっておりますか。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 おっしゃられるとおりのことでございまして、燐を含む洗剤等については、御承知のとおり、大分、国民の方も御理解をいただき、業者も理解をして対策を立てておりますが、審議会の答申もこれあり、われわれはこれに対して適切な、そしておくれないような対策をいま考えておりますけれども、詳細は局長から御答弁させます。

小野重和環境庁水質保全局長

○小野(重)政府委員 私ども現在考えております法案の内容でございますが、端的に申し上げますと、これは、ただいまお話のございました中公審答申の線に沿った内容を考えておるわけでございます。  若干申し上げますと、施策の中身といたしましては、現在の水質汚濁防止法による工場、事業場からの排水規制だけでは湖沼は不十分であるということで、さらに、その工場、事業場の施設がございますが、それを従来の水質汚濁防止法による規模以下のものまで広げなければいかぬというような問題もございますし、あるいは畜産関係あるいは養殖関係、これも従来規制しておりませんけれども、この辺からの汚濁負荷も大きいわけでございますので、その点についての規制あるいは総量規制を導入するというような問題、さらには下水道の整備等々の措置の推進をしてもらうということでございますが、それを先ほど長官がお話しになりましたように、県知事さんがつくる一定の計画のもとに総合的に進めていくというような内容の原案をつくりまして各省と折衝いたしている、こういうことでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 湖沼の環境維持には導水事業それから公共下水道による下水の対策、それからまたヘドロのしゅんせつというような三つぐらいの対策があると思うのです。従来の導水事業あるいは公共下水道事業というものは、近所に対象の、あるいは考えられる湖沼があっても、この湖沼があるからその湖沼の環境維持ということも十分考慮に入れて計画なりあるいは資金を投入するなり、そういう計画と、それから環境維持との関係が必ずしも明確ではなかったようですが、仮にこの新しい立法ができますと、たとえばこの手賀沼、これは例ですけれども、手賀沼の浄化のために手賀沼周辺の公共下水道についてはほかの公共下水道よりは一定の率上乗せをするとか、あるいはヘドロしゅんせつについても特別の配慮をするとか、こういうようなことになるわけですか。

小野重和環境庁水質保全局長

○小野(重)政府委員 現在考えております法案の内容にはそのような補助率の上乗せという点を織り込んでいるわけではございません。  ただ、この問題につきましては今後の問題として検討しなければならぬ問題であろうかと思いますが、いま考えておりますのは、先ほど申し上げましたような全体の湖沼対策、これを網羅したようなそういう法案でございますが、助成問題は今後の検討事項ということにいたしたいと思っております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 いろいろな問題がありますけれども、大臣にお伺いしたいのですが、湖沼法というのですか、湖沼の環境維持に関する新しい立法、これは今国会に御提案になりますか。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 これはいま局長が答えましたように、現在、各省庁ですり合わせをしている段階であります。私といたしましては、やはりいっときもゆるがせにできない問題ですから、日に日に汚くなるのですから、それに対する適切な対策というのをいままでさんざんやってきて、単一なことではできないということなんですから、これは各省庁もよくわかっていま鋭意すり合わせをやっておりますので、全力を挙げてそれを早くまとめて、この国会で先生方に御審議をいただきたい、こう考えております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 ぜひ今国会に提案をされて成立を見るように御努力をいただきたいわけです。  次に、やはりいま問題になっております近隣騒音の問題というのがありますね。カラオケの音がうるさいというようなことが主な内容でありますけれども、市街地における生活を脅かすというか、いろいろな騒音が生活の静けさを妨害しているという問題があるわけです。この市街地における近隣騒音の規制について環境庁はどういうお考えですか。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 この問題は、世の中でやかましく言われ始めたころからわれわれは重大な関心を持って、産業の公害とともに、日常の生活の中から出てくる騒音ですから、特にこれは飲食店の営業等、そういうことに関係してくる問題でございますので、各都道府県全部に通知を出しまして十分に調べました結果、去年の十月三十日に一つの基準をつくりまして、通知を各都道府県にずっと出しまして、それぞれ地区的に事情もありましょうから、ひとつこれを物差しにしてお考え願いたい、こういうふうにやったのですが、御承知のとおり幾つかそういうようなことで動きがございますが、今後とも地方団体において適切な規制が進められるようにわれわれは見守っていきたい、また働きかけてもいきたい、こう考えておるわけであります。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 環境庁のお考えによりますと、これは「地方公共団体における深夜営業騒音等の規制に関する配意事項」ということで、環境庁大気保全局から、これは通達ですか、指導方針としてですか、出ておるようでありますが、これによると、法律にはよらずに地方公共団体の条例で規制をしていこうという考え方が基本になっておるようでありますけれども、この配意事項、環境庁が指導されておるこの考え方の内容をちょっと伺いたいのです。

三浦大助環境庁大気保全局長

○三浦政府委員 飲食店の深夜営業騒音につきましては、これは騒音規制法で、地方公共団体が地域の実情に応じて必要な措置をとる、こういうことになっておるわけでございまして、先ほど大臣から御答弁ございましたように、最近非常にこの苦情が多いものですから、県条例の改正のときの留意事項としてお示ししたわけでございますが、中身につきましては、営業時間の制限、それから音響機器の使用時間の制限、音量の規制基準の設定、これが骨子になっております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 この方針によりますと、法律ではなく指導方針ということですね。なぜ法律ではできないのか、指導方針で十分に効果を上げることができるかどうか、ちょっと疑問な点があるのですけれども、その辺はいかがですか。

三浦大助環境庁大気保全局長

○三浦政府委員 一つには、これは非常に地域的な特色が多うございます。したがって、私ども、これはむしろ条例でおやりいただいた方がいいのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。また、いままで県あるいは市によりましてはかなり条例でいろいろやってきたところもございますので、この辺の足並みをそろえるという意味で条例の準則のようなものを出したということでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 条例ですと自治体によって皆違うわけですね。都道府県の条例ですと、都道府県の境界を境にして甲と乙ではすべての取り扱いの基準が違うし、また、罰則があっても罰金の額も違うということになるわけです。地域的には確かに騒音の発生する状況は違うでしょうけれども、住民が受ける被害というか、その受ける方の立場からの影響はこれは同じだと思うのですね。そういった意味で指導方針なり条例だけで果たして実効ある取り締まりができるかどうかという疑問があるのですけれども、これはどうでしょうか。

三浦大助環境庁大気保全局長

○三浦政府委員 先ほど申し上げましたように、非常に地域的な特色が多いものですから、まず私ども、その当時あったいろんな条例を取り寄せましてこれを横にながめました。また、大体この辺が最大公約数、ぜひおやりいただきたいということをお示ししてございますし、また、県の方でいま条例改正の準備をいろいろ進めてもおりますので、ひとつこの動きを少し見守って考えてみたいというふうに考えております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 公共下水道とかしゅんせつとかについての建設省さんの方からの御説明は時間の関係で省きますので、関係の方はお帰りになって結構です。  その状況を見てということですけれども、これは市街地の静かな住宅地区の中ではかなりな問題になっているわけですよ。千葉県の北部、これは局部的なことを申し上げるわけですけれども、住宅地区の中にスナックとかあるいは喫茶店とかがあるわけです。そういうところで、いまほとんど時間的にも無制限にカラオケ等の音が響いておるということでかなり問題になっておるわけです。そこで、先進的な市町村等では条例をつくっておる、都道府県でも条例をかなりつくっておるようですけれども、その条例だけではもう十分ではないという住民の側からの苦情がかなりあるわけです。環境庁にももちろん行っておると思いますけれども、そういった点でこれはもうこのまま放置してはいけない段階に来ているのではないか。何らかのもう少し強力なというか統一的な措置が必要ではないかと思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 総称して、生活騒音といいますかね、工場あたりから出てくるのでない生活から出てくるもの、これをまた分けまして、いま話題になっておりますのはスナックみたいなああいうところで商売から出てくるものですが、そのほかにピアノとかそれからペット、犬みたいなものがわんわん鳴くとかそういうのもあるのですが、まずピアノや犬というようなところからいきますと、これはどうにもしようがないので、これは、私ども、テレビやラジオを通じまして、あるいはポスターなどで、人に迷惑をかけるということはよくないということでせっかく宣伝をしておりますし、また、地方自治体もそれに呼応していただいて、いろんなポスターとか宣伝とか区や市のお知らせというようなところで宣伝していてくださいますので、住民の方々に御理解をいただきたいと思っているのです。それから、スナックなんかのそういうところから出てくるいま先生御指摘の問題は、局長がるる申し上げましたように、現在まちまちですけれども、相当条例でもっていろいろ県にしても市にしても町にしてもやっているところが多いのです。ですから、この上に法律をつくるというようなことをやる前に、その条例等をもう少し横並びみたいなことにしてもらえないものだろうかどうだろうか。われわれは全部の条例を調べました。そしてその結果、いま局長が申しましたように、営業時間をこのくらいにしたらどうでしょうか、あるいは機械の音はこのくらいにしたらどうでしょうか、あるいは、きょうはもうこの機械を使っちゃだめなんですよというのを、私は客だから使わせろというようなことを言って無理やりに使う人もいるから、そういう人には、そういう人を罰するといいますか、そういうことも含めて詳細なモデルをつくりまして、それを去年の十月に各都道府県、市町村にずっと通達をしてお示しをしたわけであります。その結果、それにこたえるようにしていろいろな動きがありますので、いましばらくはその形でわれわれは見ていきたいというふうに考えて、法律をつくろうということはいま考えているわけではないのであります。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 この問題は、いま大臣おっしゃられましたように、いままでの工場騒音なんかとは違って、一般の住民が被害者であると同時に加害者になるというような非常に複雑な要素を持っておることは事実だと思うのです。しかし、何らかの強力な指導、行政の機能による指導がなければ、住民同士の不信を起こす原因にもなりますし、実際に被害があることは事実なわけですから、それらの実態を十分把握されて適切な措置を強力に進められるようにお願いをしたいと思います。  次は、科学技術博が六十年にあるわけですけれども、この博覧会の名前は人間の居住・環境・科学技術に関する博覧会と、横文字のやつを直訳すればそんなことになると思うのですが、人間がいかにして良好な環境のもとにこれから住むことができるかというようなことが一つのテーマになっていると思うのです。この科学博の開催に当たって一番問題になるのは輸送の関係だと思うのです。現在、輸送についてどのような見通しと計画を持っていらっしゃるのか、聞くところによりますと、二千万あるいは三千万の人が集まるだろうと言われておりますけれども、現在の状況では、常磐線はまだ若干の余裕はあるでしょうけれども、輸送能力はもう知れたものであります。それから、現在の国道六号はほとんどいっぱいということです。そこで、現在工事中の常磐高速自動車道に相当頼るのじゃないかと思いますけれども、その辺を中心にして、輸送手段をどう確保するのかという点をひとつ伺いたいと思います。

平野拓也科学技術庁計画局国際科学技術博覧会管理官

○平野説明員 お答え申し上げます。  昭和六十年に計画しております国際科学技術博覧会は、先ほど先生おっしゃいましたように、「人間・居住・環境と科学技術」というテーマで開催すべくただいま準備を進めておるわけでございます。御指摘の輸送問題は、この博覧会の開催に大変重要なかぎを握っておるというふうに考えております。私どもが現在計画しております観客数というのは、一応二千万人、これは六カ月間でございますが、六カ月間で二千万人という観客をあの筑波の学園地域に運ぶということで、いろいろ計画を練っている段階でございます。先生の御指摘にもございましたように、あの地域につきましては鉄道あるいは道路等もまだ大変不十分でございまして、半年にその二千万を運ぶというのは現状では非常に困難であるということでございます。そこで、これは博覧会の実施運営の主体でございます国際科学技術博覧会協会というのがございまして、そこに各界の専門家を集めました輸送対策委員会といったようなものをつくっておりますし、その下部機構といたしまして、関係各省あるいは地方自治体等の専門家を集めました委員会というようなことで輸送計画を練っておる段階でございます。ただいまのところ、この二千万の約半数は常磐線を中心とした鉄道輸送に依存する、残りの半数は道路、自動車輸送というようなことで計画が練られておるわけでございますが、御質問にございましたような常磐高速道路というのは、この博覧会の自動車輸送の方の大動脈というふうにわれわれ考えておるわけでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 ただいまのお話では、二千万の半分を鉄道、半分を道路ということですけれども、半分を処理をするというか、さばく道路は、現在六号はもういっぱいですから、いまのお話のように常磐自動車道にこの一千万のほとんどを依存するということになると思うのですね、そこで、この常磐道がいつできるかということが問題なんですけれども、この見通しはどうお考えですか。

萩原浩建設省道路局企画課長

○萩原説明員 お答えいたします。  先生御指摘のように、この国際科学技術博覧会の開催に当たりましての輸送問題は非常に大きな問題でございます。このためのいろいろな道路の整備計画をいま詰めておるところでございますけれども、私どもといたしましては、この輸送に対応する道路整備といたしまして、常磐自動車道の三郷−日立南間、それから東関東自動車道というのがございますが、これが市川から宮野木を経まして、宮野木から成田までは現在供用中でございますので、成田から大栄までの間、あるいはそれにつながります首都高速道路というもので幹線の道路網を形成していきたい。また、会場周辺の道路につきましては、観客の輸送が可能となるようにいろいろな、あるいは関連地域の生活基盤の整備に資するように、そういうような形で整備を進めていくべく現在整備計画を策定中でございます。  先生御指摘の常磐高速自動車道でございますけれども、これにつきましては、五十六年度早々柏—谷田部間が開通をいたします。それに続きまして、五十六年度中には谷田部−石岡間の開通を図る。その後順次開通を図りまして、昭和六十年の国際科学技術博覧会までには先ほど申し上げました三郷−日立南間を完通させたいということで、いま鋭意事業の推進を図っておるところでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 何といってもメーンになるのは常磐自動車道だと思うのですけれども、確かに柏から谷田部はいまほとんどできておりますね。谷田部から先も大した問題はないと思うのですけれども、問題は東京から柏の間、この間が問題なわけです。そして、そのうちで流山市の地先が、特に道路の設計の問題でいま地元と話し合いがつかないという状態ですね。この道路は科学博のために工事を急いでおるわけです。この科学博というのは、公害をなくして良好な住環境をつくるということが科学博のメーンテーマになっているわけですね。ですから、そういうことから考えても、地元に公害をまき散らすようなおそれのある道路は、やはり地元の意見を十分聞いてできる限りの技術的な対処をして、住民と早く納得のいく話し合いをした上で仕事を進めるべきだと思うのですけれども、現在の地元との話し合いあるいは地元の方から設計上についての要求がいろいろ出ているはずですけれども、それらの対応は現在どうなっておりますか。

萩原浩建設省道路局企画課長

○萩原説明員 先生御指摘のように、現在、常磐自動車道三郷−柏間、十・八キロございますけれども、この区間につきましては昭和四十六年十二月十六日に路線を発表いたしております。それ以来地元との協議を進めておりまして、現在用地買収はほとんど終了いたしております。しかし、流山市と柏市の一部の住民の方々から環境保全対策に関する要望がございまして、それらの協議のために工事については現在未着手の状況にございます。地元の方々で組織されております環境を守る会柏・流山連合と日本道路公団の間で、昨年昭和五十五年十一月十三日に話し合いのためのルールについて協定を締結いたしております。そして、それに基づきまして環境保全対策を中心にいま鋭意話し合いを重ねているところでございます。  また一方、流山市におかれましては、市議会の中に常磐道対策特別委員会を設置していただきまして、これは昨年の九月二十八日に設置していただいておりますが、ここで常磐自動車道の建設に関する諸問題を精力的に検討していただいております。日本道路公団としてもこの対策特別委員会に出席いたしまして、種々説明を行っているところでございます。この両方の場におきまして、今後とも地元あるいは関係地方公共団体と十分協議を行いながら、できるだけ早く着工いたしたいというふうな考えております。もちろん、協議をするに際しましては環境への影響、またそれの評価、それから環境保全対策を主体にいたしましてお話し合いを進めた上で工事を進めたい、こういうふうに考えておるものでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 大臣、特にお聞きをいただきたいのですが、この問題は地元の一部の住民というふうないまのおっしゃり方ですけれども、そうじゃなくて、地元の流山市の当局それから流山市の議会、関係住民、この三者が現在の設計ではどうしても困る、設計を変更していただいて、少なくとも市街地を通過する部分だけでも道路にふたをしてもらいたい、こういう強い要望を市、議会、住民の三者が当局に出しておるわけなんです、これは何年にもわたってその話し合いがまだつかないわけですけれども、技術的には十分可能であるし、現在、道路公団の方でかなりの工夫をしていただいて、七メートル路面を掘り下げて半地下式にするというところまでは工夫をしていただいたのですけれども、地元としてはそれではどうしても納得できない、七メートル下げてくれたことについては感謝をするけれども、これでは騒音公害あるいは大気汚染公害に耐えられぬ、両側が道路の際まで住宅が密集しておりますから、何とかしてふたをしてもらいたいということでお願いしておるわけなんです。その点が最大の争点というか問題になって、仕事が進まないということなんであります。  先ほど申し上げたように、良好な生活のための住環境を向上させることをメーンテーマにする博覧会ですね。その博覧会に行く道ですよね、その道が公害道路になったのではまことに皮肉であるし、また博覧会の精神にも合わないと思うのですね。ですから、いろいろ技術的には問題もあると思うのですけれども、何とか大臣のお力でこの問題を解決をしていただいて、地元の住民あるいは市との完全な合意の上でひとつ円満に工事を進めていただきたいと特にお願いするわけなんです。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 先生おっしゃったとおり、これは人間と居住と環境と科学技術、こういうことがテーマである博覧会でありますから、その博覧会に行く途中が大変な公害だということにもしなりますればそれは困ったことでございますし、そのときになればわれわれの方にも十分にその苦情が来るわけでございますし、事前に、そういうことにならないように当面の方々がせっかく努力しておられる、地元の方々とも話し合っておられるわけですから、私どもの方からも御趣旨に沿いましてできるだけ努力をしてみたいと思っております。  先生、私は足立区に住んでいますから、先生の言われることはよくわかりますよ。また、流山の問題ばかりじゃありませんよ。常磐線でもって一千万人と言いますが、いまだっていっぱいの常磐線で一千万人どうやって運ぼうというのか、それから流山と言いますが、流山へ行く前に国道六号線にしても四号線にしてもいまでもパンク寸前ですから、そこの高速道路に入るまでどうしたらいいのかということも私自身としては心配でございます。御趣旨はわかりましたから、よく当面の方々と相談いたしまして、先生の御心配が生きるように努力いたしたいと思います。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 いまおっしゃるように、これは先生の地元の近所ですから、よく事情もおわかりだと思います。  そこで、これはそういう当局の弱みと言うとおかしいのですけれども、それにつけ込んで住民が要求を通そうということでは絶対ございません。そういうことじゃなくて、やはり住民に喜ばれるような高速道路でなければいけないし、住民に迷惑をかけるようなことではまずいわけですから、ぜひひとつ公害の心配のないようなりっぱな道路をつくっていただきたいわけですけれども、いま問題になっておるのはその点ですよ。その点については、技術的な観点からはどうなんですか。

萩原浩建設省道路局企画課長

○萩原説明員 先生御指摘の流山地区につきましては、ちょうど地形的に掘り割りが非常に適するところでございますので、当初の計画よりも下げて掘り割りで環境対策をすることによりまして騒音についてはほとんど問題なかろうというふうに私どもはいろいろ予測をいたしておるわけでございます。ただ、予測の結果のいろいろな御説明というものについてまだ不十分な点がございますれば、なおいろいろ御協議の段階でお話し合いをしたいと存じます。  一方、ふたかけの方でございますけれども、確かにふたをかけますれば、かけたところは非常に騒音はなくなるわけでございますが、いままでの私どもの経験からいたしますと、ふたをかけましたときには今度はまた別のインパクト、影響が出てまいります。たとえば、ふたをかけた両側の出入り口では音が大きくなりますし、それから大気汚染の濃度もどうしても高まってまいります。そこら辺をいろいろ考えましたところ、私どもといいますか道路公団ではこの案が最もよろしいのではないかということで御提案しているわけでございますが、その点につきましては、またいろいろ物の見方があろうと存じます。したがいまして、その協議の場を通じて十分協議をさせていただきたい、こういうことでございまして、この科学技術博に間に合わせるために強引にそこを通り抜ける、こういうつもりはさらさらないのでございます。  一方、この常磐自動車道は先生も御指摘のように、現在六号線が能力的にいっぱいでございます。したがいまして、科学技術博が終わりました後でも当然、幹線道路として非常に大きな役割りを果たすものであるというふうに確信をいたしておりますので、そこら辺の将来を見越した上でなおどういう形がよろしいか、あるいは将来の土地利用形態を考えた場合にどういうものがよろしいか、そういうようなことも含めまして地元と協議をさせていただきたい、こういうふうに考えておるものでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 この問題については、鯨岡大臣は誠意をもって当たるとおっしゃっているわけですから、建設大臣からも十分環境庁の鯨岡大臣の方へも協議をなさって、万一にも後に問題を残すような工事ではなく、住民と完全な納得の上で円満のうちに工事が進むように、しかも早く進んで、この科学博の輸送に支障のないように早くりっぱな道路が完成するように、ひとつ環境庁と御相談をしてやってくれるように、大臣にお伝えをいただきたいと思います。

萩原浩建設省道路局企画課長

○萩原説明員 私どもは、すでに政府で決定されておられます環境基準というものを遵守すべくいろいろな努力をし、また、環境保全対策を講じております。私どもの試算では、まず環境基準は守れるものというふうに考えておりまして、このような個々の場合に環境庁さんに御協議を申し上げるということはいたしておりませんけれども、せっかくのあれでございますので、この問題につきましては、いろいろ協議が調った段階で、こういうようになりますというようなことで御説明をすることはやぶさかではございません。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 せっかく大臣が御心配になっているのですから、ひとつできるだけ連絡をとってやっていただきたいと思うのですよ。大臣、その点ひとつお願いします。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 私が斉藤君とよく話をいたします。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 大臣に特にお願いをしておきたいと思います。  あと時間がありませんけれども、地下水の問題についてちょっと伺いたいのです。  地下水については、地盤沈下という観点からと、それから地下水そのものは国民にとっても大きな自然の資源でありまして、この資源をいかに管理をし、いかに保全をするかという立場からの問題と二つあろうと思うのですが、この後者の立場から、地下水を総合的に国民の資産として、資源として保存あるいは管理をしていく必要があるのじゃないかと思うのですけれども、現在この地下水を総合的に管理、保全をするという立法がないようですね。いままでも何回か建設省ではそれをつくられるというお話があったようですけれども、依然としてできていないわけです。たとえば、この地下水の問題についてこういうことがあるのですが、一つの地域で大きな会社が大規模な井戸を掘りまして、その地域の地下水をほとんど独占をしているという事態があるわけですね。そのために自治体も、いまはもう井戸を掘ってはいけないことになっていますけれども、井戸も振れない、地下水がほとんど私企業の独占に任されておる、こういうことがあるわけです。地下水というのはいまのところどういう定義がされておるかわかりませんが、表流水については、これは分水ということで自由勝手には利用できない、厳重な管理があるわけですね。たとえば灌漑水を利用する場合にも、建設省さんの許可がなければとるわけにいかないわけです。ところが、地下水については依然として自由放任に任されておって、利用する者だけが利用して、かえって住民が利用できなくて困っている、こういう事態があるわけですけれども、地下水の総合的な保全、管理についてのお考えはいかがですか。

小野重和環境庁水質保全局長

○小野(重)政府委員 地下水の問題をどういう角度からとらえるのかということは、大変むずかしい問題だと考えられるわけであります。私どもといたしましては、地盤沈下の原因としての地下水のくみ上げ、地盤沈下は典型七公害の一つでございますから、そういう観点から、公害対策としてどうするかという観点から考えるわけでございますが、ただ一方では、おっしゃいますように、地下水の保全あるいは有効利用についてどう考えるのだ、こういう観点からの問題意識も当然あるかと思うわけであります。  これも御案内のように、現在の民法上は、その土地の所有者が地下水をくみ上げられるというようなことでございまして、分水というような観念は必ずしもないのではないかと思いますが、それはおかしいのじゃないか、やはり公共的な規制のもとに置かれるべきじゃないかというような考え方も一方にはあろうかと思います。その辺を全体としてどう考えるのだというようなことにつきまして、現在、内閣審議室を中心にしまして、関係六省庁あるわけでございますが、鋭意協議している、こういう段階でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 この問題については、やはり地下水は大きな国民的な資源でもあると思うのですよ。ですから、分水としての位置づけ、あるいは分水としての法的な位置づけをぜひしなければいけないと思うのですが、その点についてはひとつ建設省さんで十分検討されて、なるべく早く地下水を規制あるいは管理をするあるいは保全をする、そういう見地からの、できればひとつ立法、あるいは強力な指導方針を出されないと、地域では非常に困る問題があるわけです。それから、また別の観点からすると、地盤沈下というようなことで、これは環境庁さんの領域でもあろうと思いますけれども、それらを含めた地下水の総合的な管理、位置づけ、これは決して私水ではないと思うのです。民法では確かに、土地を持っている人がそこへ井戸を掘って水をくむのは自由ということになっていますけれども、そうならば、土地を持っている人がそこに大規模な井戸を掘って無制限に地下水を利用していいのかどうか、地下水というのはその土地に属するだけではないですから。大規模な井戸を掘れば、広範な地域の地下水が一私人の利用に、あるいは所属に帰するということであって、そこらはちょっと理論的にもおかしいことになるわけですね。ですから、やはり地下水の位置づけを明確にするということがどうしても必要だと思うのです、そういった点をひとつこれからの問題として検討をしていただきたいと思います。  終わります。

森下元晴自由民主党

○森下委員長代理 春田重昭君。     〔森下委員長代理退席、越智(通)委員長代理着席〕

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 私は、午前中にも論議されました環境アセスメントの法制化の問題について、まず長官にお伺いしたいと思います。  長官は、二十三日の参議院予算委員会におきまして、このアセス法案につきまして、今国会に上程するということを明言されたと聞いておるわけでございますが、その後、翌日自民党の三役会がありまして、その模様が新聞に報道されたわけでございますが、自民党三役では、今国会提出は無理である、こういう形の結論が出たという形で報道されているわけでございますけれども、この点の経緯を長官に御説明いただきたいと思います。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 春田さんの御質問にお答えいたしますが、自民党の役員会においてアセス法案をこの国会に提出することは無理であるという結論が出たというお話ですが、そういうことはないと思います。もしそういう報道があったとしたらそれは正確ではない、こう思います。  それから、私は当然のことながら、午前中も申し上げましたが、総理大臣も何回もにわたって、このアセス法案を今国会に提出して先生方の御審議をいただきたい、こういうように決めて、そういうふうに約束をいたしました。それから知事会でもそういうことを申しました。それを受けて私もそういうふうに言ったわけでございますから、これはもうその考えに少しも変わりはないわけです。  ただ、春田先生も御理解のように、そして私も何回も申し上げますように、政党政治ですから、自由民主党のスクリーンを通らなければ、国会へ出して——国会へ出すということはとりもなおさず自民党としては、先生方に自民党が責任を持ってお願いをするこの案ですから、自民党政府が、どうぞひとつ通してくださいとお願いをする立場ですから、そのお願いをする立場の者がいささか懸念があったというのでは、ちょっとこれはうまくありませんから、その懸念がなくなるように、いま一生懸命審議をしている。きょうも、いまの時間もやっておるはずです。本当に一生懸命御審議をいただいているわけでございますので、まことに遅くなって申しわけございませんけれども、いましばらくお待ちを願いたい、こういうことでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 レクチュアの段階では来月の四日ぐらいに結論が出る、こういうことで、それから政調審議会で決議して、総務会で国会へ上程するかどうか決める、こういうことらしいのですけれども、長官が参議院予算委員会で、提出するということの報道がされたわけでございますけれども、これは単なる長官としての決意なのか、いわゆる自民党との条件整備も全部整ってそういう確たる御返事であったのかどうか、その辺のところをちょっと御説明いただきたいと思うのです。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 これはきわめて簡単なことでございまして、私としては、これは出しますという約束ですから、その約束を守りたいということの決意を表明したわけです。ただ、一方において、また同じことを繰り返すようですが、与党のスクリーンというものはあります、議会政治ですから。それでいいかげんにそれをばあっと出して、自民党も国会へ出てから反対だなんて、自民党席からも余り賛成じゃないなんということになったのでは、これは議会政治の体をなさないことも御理解のとおりだと思います。そこで、いまの時間もえらい一生懸命審議していただいておりますが、それが一日も早く終わって、それでここへ提出できるようにしたいなと実は考えているわけであります。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 御存じのとおり、このアセス法案につきましては、昭和五十年に問題が提起されたと聞いておるわけでございます。その後五回ですか、国会へ上程する段取りが結局は流産されて、昨年の五月二日にやっと政府案が決まりまして、閣議で報告された、こういうことになっていると聞いているわけでございます。しかし、今国会でもそれが上程されないとすれば、国民のアセス法案に対する期待を裏切ることになる。先ほど長官も、国民の大多数が賛成している、総理府のアンケートによりますと九三%ですか、要するに環境アセスメント法案をつくってほしい、また地方団体でも五十二団体、全体の九三%が実施ないし検討している、こういうことを聞いているわけでございます。そういう点で、このアセス法案を今国会に上程することを強く要求する次第でございます。この問題につきましては先ほどから論議されておりますので、これ以上深く御質問はいたしません。  それでは第二点の問題でございますけれども、特殊法人の公害防止事業団がございます。二の事業の概要につきまして簡単に御説明いただきたいと思うのです。

城戸謙次公害防止事業団理事長

○城戸参考人 公害防止事業団は、公害防止事業団法の定めるところによりまして、建設譲渡業務と貸付業務と、二つの業務を行っております。去年の十二月末現在で造成建設事業につきましては二百二十五件、二千六百五十七億円、それから貸付事業につきましては三千百七十九件、五千二百五十九億円の実績を持っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 大阪環境事業協同組合、こういう組合がございますけれども、この事業の概要を同じく簡単に御説明いただきたいと思うのです。

宮城恭一公害防止事業団理事

○宮城参考人 環境事業協同組合でございますが、ここは大阪市内の建築現場から出ますベントナイトの排水を収集しまして、セメント固化して埋立地の方へ処理するという仕事をやっております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 先ほど理事長からお話があったように、この公害防止事業団は、業務として建設譲渡、それから貸し付け、この二つの業務があるわけでございますが、この公害防止事業団が昭和五十二年の六月の二十一日、公害防止の上から、この協同組合に対しまして、土地、建物、機械設備等を含みまして建設譲渡の契約をしています。ところが、その後、債権回収の問題が出てきたわけでございます。まず第一点は、契約時に債権保全のための担保及び添え担保を取るべき措置をしなければならない、こうなっているわけでございますが、これが全く取られてなかった。第二点は、二億七千四百八十万円の建設譲渡融資のうち、頭金の六千万円と一部の利子二回納められたと聞いておりますが、この六千万円と一部の利子だけしか納められていない。その後の償還が滞納している。そこでこの問題が五十五年の四月、衆議院の決算委員会、同じく五十四年の十二月、参議院の公害対策特別委員会で取り上げられたわけでございます。そのときの事業団の理事長の答弁は、第一の担保の件につきましては、速やかに担保を取り、抵当権設定の登記をする、第二点の償還の件につきましては、事業量もふえ、処理料の改定等も行って償還のめどもついてきた、こういう趣旨の答弁がございまして、いずれにしても、事業団挙げて、債権回収に全力を挙げる、こういう決意が理事長から表明されたわけでございますけれども、これに間違いございませんか。

城戸謙次公害防止事業団理事長

○城戸参考人 私ども事業団としましては、いろいろあります中で、大阪環境事業協同組合のただいま御指摘のような問題点が一番大きな問題でございまして、この解決のためには事業団全員で努力しているわけでございます。ただ、不幸にしまして、昨年は代表理事が刑事事件に……(春田委員「そんなことは聞いていないんだよ」と呼ぶ)等の問題もございまして、私ども予定したよりも事の運びは遅々としているという点は認めなければなりませんが、今後とも大いに努力してまいりたいと思っているわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 理事長の決意を聞いているのじゃないのですよ、二年前の国会答弁が間違いないかどうかを確認しているのです。

城戸謙次公害防止事業団理事長

○城戸参考人 答弁いたしたことにつきまして私、全責任を持って答弁したわけでございまして、間違いございません。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 当時のあの会議録がございます。私が言ったことは間違いないわけです。ここにちゃんと載っております。当時から二年を経過しているわけでございます。  そこで、このそれぞれの二点につきまして確認をしていきたいと思いますが、第一の、担保、添え担保の確保、これは理事長は、全力を挙げてこの担保を取りまして早速抵当権の設定の登記を行う、こういう国会答弁がされているわけでございますけれども、どうでしょうか、

宮城恭一公害防止事業団理事

○宮城参考人 組合の業績がよくございませんで、添え担保も取れておりません。追及はいたしておりますけれども、取れておりませんし、抵当権の設定につきましては、建物につきましては行いました。しかし土地につきましては、これは所有権移転に伴いまして登録免許税がかかりまして、それの調達に組合が困っておるような状態でございまして、これが残っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 土地建物、機械設備だけでも十分な評価がされていない。したがって抵当権も、添え担保も必要である、こういう形で出ているわけでございますか、添え担保のいわゆる抵当権の設定はどうなんですか山

宮城恭一公害防止事業団理事

○宮城参考人 先ほど申しましたように、添え担保は取れておりません。ですから、抵当権の設定もいたせない状況でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 担保も添え担保も全然、その後二年経過しても取ってない、こういうことでございます。いま理事からお話があったように、登録免許税が納められない、こういうことでございますが、この登録免許税というのは大体幾らなんですか。

宮城恭一公害防止事業団理事

○宮城参考人 本件に関しましては、五百万円ぐらいでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 わずか五百万円の登録免許税も納められなくて、いわゆる公害防止事業団の趣旨に沿った事業活動が本当にこの協同組合としてできるかどうか、私は疑問に思うのですが、どうですか。

宮城恭一公害防止事業団理事

○宮城参考人 組合の最近の操業、収益状況を申し上げますと、一時組合の代表理事が逮捕されましたりしまして、そのために去年の十月前後に一時処理量が減少いたしましたが、最近では毎月二千七百立米程度の操業をしております。なお、この三月は十五日間の操業停止を受けておりますので三月は減ると思いますが、問題は要するに、処理料金がいまのところ採算ベースに乗らない処理料金を取っております。これを値上げの問題が起こっておりまして、これができますことと、それから埋立地へ運んで処分するわけでございますが、その埋立料といいますか、そういうものが安いところが必要でございまして、それにつきましては大阪市へお願いしまして安いところを確保するよう努力しておる次第でございます。  組合は、組合員九社でございまして、これは結束いたしておりまして、今後とも経営を維持していきたいという決意は見せております。ただ、もうかっていないということでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 公害防止事業団では業務方法書というものがあるわけですが、この第十二条には、担保は明確に取らなければならないということが記載されているわけです、にもかかわらず、検査院の五十三年の検査報告でも、二十件の保全措置が適切でないと指摘されているわけですね。なぜこのようにずさんなんですか。

城戸謙次公害防止事業団理事長

○城戸参考人 一昨年会計検査院から措置要求を受けました時点までの私どもの対応につきましては十分でないところがあったわけでございまして、この点は、現在、昨年四月につくりました譲渡細則に従いまして厳格にやっているわけでございまして、過去におきましてはいろいろ問題点もあったということは認めざるを得ませんし、残念に思うわけでございますが、今後に向かっては、債権保全上問題が生じませんように、細則に従ってやってまいりたい、こう思っておるわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 さらに、資金の回収状況でございますが、御説明いただきたいと思います。

宮城恭一公害防止事業団理事

○宮城参考人 大阪のベントナイトでございますが、これまでの割賦金の償還状況につきましては、現在までに利息約七百二十四万三千円が納付されました。この三月時点におきまして割賦金が三千六百九十三万六千円及び利息が約二千八百三万八千円、計六千四百九十七万四千円を滞納している状況でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 償還方法は半年賦の元金均等償還となっております。これまで五十二年の九月と五十三年の三月の利息分七百二十四万三千円しか払っていないわけですね。したがって、利息は五十三年の九月、五十四年の三月、五十四年の九月、五十五年の三月、五十五年の九月、そして五十六年の三月の合計六回が納めていない、それから元金の割賦金でございますが、これは五十四年の三月、五十四年の九月、五十五年の三月、五十五年の九月、五十六年の三月の五回納めてない。いまお話があったように、合計六千四百九十七万四千円を滞納しているわけでございます。事業団としても、ずいぶんがまん強いわけですね。これは償還のめどは明確についているのですか。

宮城恭一公害防止事業団理事

○宮城参考人 事業収支の改善策としましては、先ほど申しましたように、処理手数料の値上げとか最終処分費の軽減がポイントでありまして、それにつきましては、大阪市に積極的に働きかけを行っておりますし、そういうことで何とか採算がとれて、返せるように指導してまいっておるつもりでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 指導してまいっておりますと言うけれども、この会議録によりますと、いまの答弁は、五十五年の四月九日に衆議院の決算委員会が行われておりますけれども、そこでもそういう答弁ですよ。同じく五十四年十二月の参議院の公害対策特別委員会におきましてもそういう答弁なんですよ。二年たっているのに何をやっていたのですか。理事長や理事がおっしゃっているのはその場しのぎの国会答弁じゃないですか。一歩も前進してませんよ。前進するどころか、後退しているのじゃないですか。指導されていると言うが、どういう指導をなさっているのですか。

城戸謙次公害防止事業団理事長

○城戸参考人 ただいま理事の方からお話ししましたようなことに尽きるわけでございますが、私どもとしましては、一方で組合に対しまして、ただいま理事からお話ししましたような線でやっていますと同時に、また、ただ単にそういう指導面だけではうまくいかぬわけでございますので、去年の十月二十三日には、割賦金と利息の滞納している分につきましての催告書を内容証明郵便で送るとか、あるいは場合によりましては第三者譲渡が可能なように大阪市等といろいろと協議をするとか、多方面的な折衝なりをいたしておるわけでございまして、去年の巻あるいはおととし以来何もやってないということではございませんで、やれる範囲のことは全力を挙げてやっている、こういうことでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 結果的には何にもやってないことになるじゃないですか。二年前ちゃんとそういう形で、全力を挙げて、事業団を挙げてという答弁をなさっているのです、それが二回の利息分だけで、あとは全然支払われてない。元金なんか全然返ってないじゃないですか、おたくの事業団の業務方法書の第十四条には「譲渡契約の条項に違反したときは、事業団は、譲渡の代金の残額の即時支払を請求し、若しくは当該建設施設の譲渡契約を解除し、又は違約金を徴することができる」となっているのですが、こういう措置はどうお考えになっているのですか。

城戸謙次公害防止事業団理事長

○城戸参考人 ただいま譲渡契約の条項を御指摘になったわけでございますが、私ども、いま御指摘のような繰り上げ償還の請求なり、あるいは、それで指定の期日までに支払いをしません場合の契約解除なりということにつきましても検討はいたしておるわけでございます。  ただ、現在の状況がそういう契約解除をいますぐいたすに適当かどうかという判断におきましては、いろいろな点がございまして、まだそこまでは踏み切っていないというのが現状でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 私は、この問題につきましては、まず審査の時点でやはり厳正にやるべきである、厳格にやるべきであると思うのです。先ほどもお話があったように、この組合につきましては、五十五年の七月に産業廃棄物の不法投棄で大阪府警に逮捕されているわけです。理事長は執行猶予つきの懲役並びに組合は罰金を受けているわけです。そうして今月の十五日から今月いっぱい営業停止、こういう結果になっているわけでございます。こうした組合と契約すること自体がずさんな審査である、十分な信用調査というものがなされてなかったのじゃないか、こういう点を私は疑問に思うのです。こういう点で厳正な審査というのはやられているのですか、これ。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 先生、私が長官になってからもこの事業団のことについては心配していろいろ内容を聞いてみました。それから私が長官になる前も、個人的にいろいろ事業団にお願いしたことや何かあったりして事業団のことはよく知っていますから、やってみたのです、もともとがこういう施設をつくって貸すとか、あるいはそういう公害のための事業をなさるそのお金を貸すとか、こういうことなんですが、対象は、全部が全部そうじゃありませんが、普通の金融機関に行ってもなかなか右から左へいかないような中小企業、そういうところが相手なんですね、ですから今度の場合なんかも大阪市の、なかなかいい事業だし、なければならぬ事業だからひとつめんどう見てやってくれないかなんてことのアドバイスなんかもあったものですから、先生御指摘のように、必ずしもきついきつい審査をしないで、また余りきついきつい審査をしたのではそこの網にひっかからないようなものが多いですから、そこで多少ずさんであったということは理事長が認めているようなわけでございます。ところがその後あんまり繁盛しないものだから苦し紛れに不都合なことをしたのでしょうが、それで司直の手が入ったり先生方からおしかりを受けたりするようなことになりましたので、その後はかなり厳しくやっているのです。これは首絞めちゃうことは簡単ですが、中小企業に対してめんどうを見る、普通の営利事業の金融じゃないんですから、首絞めちゃったのではしょうがないですから、首絞めないでやれないかなということで苦労してやっているその姿は、先生方から見ればなまぬるいことをやっている、税金の金を使いながらそんななまぬるいことではいかぬというおしかりをいただくのもよくわかります。私もそんなつもりでいろいろ検討はいたしましたが、余りいつまでもぐずぐずしているわけにはいきません。そこで一生懸命立ち上がるように指導しながら適切なことをやりたい、こう思いますので、いましばらく猶予してやっていただきたいとお願いいたします。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 私がこの問題を初めて取り上げたのならわからないこともないのですよ。二年前からこの問題につきましてはそういう形で何回も質疑されているわけですよ。事業団としても全力を挙げて対処していくという決意表明がされたにもかかわらず、二年間ほとんど進展していない。処理場の手数料の改正の問題についてもちゃんとここで答弁されているわけですよ。ですから私は、何のための国会審議か、その場しのぎだけの答弁に終わっていては何にもならない、こういうことを言っているわけですよ。確かに、中小企業相手の今回のいろいろな譲渡契約でございますし、厳しい面もあると思います、大阪市のあっせんもあったと聞いております。しかしながら、国会で再三指摘されながら二年間、本当に指導していたといっても結果的には出ていないのですから、そういう点で私は指摘しているわけでございます。長官からも、今後の監督官庁としての指導とおっしゃったわけでございますけれども、指導するといっても、文書でもって再建計画書なりを出させてきちっと前向きに、本当に大変なんだという姿勢を向こうが出さなかったらこの問題は解決しないと思うのです。そういう点で、組合に対して、再建計画書ですか、こういうものは出させるようにしているのですか。

宮城恭一公害防止事業団理事

○宮城参考人 再建計画書は当然出させておりますし、また、最近の状況になりましたものですからもう一遍、いまも出させるべく連絡をしたところでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 長官のそのような答弁がございましたのであえてこれ以上言いませんけれども、大事な大事な国の資金でございます。いま政治の大きな課題は財政再建、それに向かって一丸となって努力しておるわけでしょう。そういう中でのこうしたずさんな貸し付けというものは財政再建に背を向けることである。民間企業は、景気が悪い中で本当に一生懸命血みどろの努力をしながらがんばっているわけですよ。そういう中で親方日の丸的なそういう考え方は一掃しなかったら国民の支持は得られないと私は思うのです。そういう面で再度、この問題につきまして長官がどのように指導し、あと残された数月月の間にはきちっと解決をする、こういうことをしなかったら、私が先ほどから言っているように国会審議なんて必要ないわけですよ。そういう点を含めて長官の決意を最後に聞いて、終わりたいと思います。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 国会から御注意をいただいていることを決して軽視しているわけではありません、先生。と言いますのは、私が長官に就任したときに、この公害防止事業団が理事長以下スタッフそろって私のところにやってきておる。私は余り大仰だから何かと思ったのですが、挙げてそれは先生方から御指摘いただいたこの問題を私に説明するためにやってきたわけでございまして、決して軽視しているわけではありません。鋭意やっているわけなんですが、仰せその会社がもうかってくれればいいのですが、なかなかもうからないでしょう。いま全部の企業が皆そうですから、そこだけというわけにいかないでしょうが。そこで、つぶしてしまったのでは元も子もなくなってしまいます。普通の金融機関だって貸し倒れなんかがありますが、われわれのところは先生方から御審議いただいた国民の税金ですからね。これはそういう点で非常に心配してやっているわけですが、全力を挙げて所期の目的を達するように努力をいたしますから、いましばらく御猶予をいただきたいとお願いを申し上げます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 この問題は大阪の問題でございます。私の地元の問題でございますから、なおさら関心があるわけでございます。私もこの成り行きを見守っていきたい。必ず次の機会にはこの問題をまた改めてやらせていただくということで、この問題は終わりたいというふうに思います。

越智通雄自由民主党

○越智(通)委員長代理 次に、辻第一君。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 私は、奈良市で焼却灰、鉄分を除いた破砕不燃物、土砂、瓦れきの埋め立て処分をする事業を進めているわけでありますが、これに関連をして質問をいたします。  この事業は、奈良市の東南の山間である米谷というところに、第一工区、第二工区に分けて十年間にわたって一般廃棄物の焼却灰を埋め立てるというものであります。廃棄物容量は第一工区で二十五万五千立方メートル、第二工区で七十五万立方メートルと説明されています。第一工区は菩提仙川、第二工区は高瀬川の上流に当たるところであります。この問題に関連して本年の三月十日、第二工区の真下にある天理市岩屋地区の区長さんであります増田和義さんほか二百三十七名が、奈良県の公害審査会に公害紛争処理法第二十六条の規定に基づいて調停申請書を提出しました。その訴えの主な内容は、「第二工区の事業については、岩屋地区住民が、健康や環境に悪影響を及ぼすおそれがないと安全性を確認して事業の遂行に同意しない限り、奈良市は本事業に着手せず本事業計画を取りやめる」こういうことであります。そして昭和五十二年六月二十二日に、事業主体である奈良市と下流関係自治体であります天理市が、いわゆる「南部土地改良清美事業に伴う環境及び水質の保全並びに災害防止に関する覚書」、こういうものを締結したわけでありますが、岩屋地区住民が十分了解をしないまま覚書が締結をされたということで、住民無視だということであります。  この調停申請は公害紛争処理法に基づいて処理されるもので、私は、ここでそれについて直接論ずるものではありません。私は、ごみの最終処理場は何らかの形で確保しなければならないということはよく認識しているわけでありますが、こうしたものをつくる場合、直接関係する住民の十分な了解を得て進めることが大前提である、このように考えておるところでございます。  そこで厚生省にお尋ねをしたいのですが、このような施設をつくるときに、これに関係をする住民の了解を得るということを示した通知などがあるのかないのか、お尋ねします。

杉戸大作厚生省環境衛生局水道環境部環境整備課長

○杉戸説明員 お答えいたします。  廃棄物処理施設の整備を円滑に推進する上で、先生御指摘のような関係住民の方々の同意をいただくということは大変重要なことでございます。そこで、厚生省といたしまして、市町村において整備計画を策定される場合に、必要に応じ関係住民の了解が得られていることを要件の一つにしているところでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 それを示した通知などがありますか。あれば、その名前、そしてその内容をできるだけ簡単に示していただきたいと思うのです。

杉戸大作厚生省環境衛生局水道環境部環境整備課長

○杉戸説明員 昭和五十六年一月二十一日現整第十三号、これは環境整備課長から都道府県知事に通知をいたしたものでございますが、「昭和五十六年度廃棄物処理施設整備計画書の提出について」通知をいたしております。この内容に整備計画書の審査上の判断基準をうたっておりまして、これは原則として緊急性を要するとか、建設予定地が確定しておること、あるいは都市計画決定がなされておること、事前調査がなされておるというようなこと、その中の要件の一つに関係住民の了解をいただくということをうたっておるものでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 いまのは何というのでしたか、もう一度名前をおっしゃってもらえますか、

杉戸大作厚生省環境衛生局水道環境部環境整備課長

○杉戸説明員 これは毎年事業計画書を提出していただくために、都道府県を通じて通知をしておるものでございます。五十六年度の場合は「昭和五十六年度廃棄物処理施設整備計画書の提出について」でございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 厚生省がこのような施設をつくる際に住民の了解を得るということを大前提にしておられることがこれで私、わかりました。  それでは次に移ります。  天理市の岩屋地区住民が、直接関係する自分たちの何らの了解もなく計画が進められていることについて不満を述べるとともに、埋め立てに用いられる焼却灰にはこれらを含む各種重金属が含まれており、浸出水中に溶出する、しかもその量については予測が不可能である、このように訴えております。この訴えはゆえなしと言えないわけであります。  ここに奈良市が株式会社ブランドに委託して調査した報告書の写しがあるのですが、廃棄物の汚染性の評価を挙げ、「埋立対象廃棄物のうち主要なものについて二回のサンプリングを市に依頼し、縮分試料について重金属を中心にした組成分析と溶出試験を行った。」このようにして組成分析の結果、一、「奈良市焼却灰は他都市の焼却灰と同様に各種の重金属を含んでいるが、特にカドミウム、鉛、全クロムはやや多い方に属する」、二番目には、「破砕浅渣中にはカドミウムは少ないが、水銀を多少含んでいる」など詳しく述べるとともに、「焼却灰については準有害物として取扱うべき程度の有害物を含有している」、このようになっているのであります。  もちろん奈良市は有害物質を除却するためのごみの分別収集を実施したり、あるいはこの埋立地には高度な浸出水処理施設を設置をし、ここで処理をしてさらに一たん調整池へ希釈をして放流をする、このような三次処理をすることも含めて努力を払う、このように言っているところであります。  しかし、この第一工区をつくるのに奈良市はすでにアセスメントで二千万円をかけました。施設をつくる、また住民の理解を得るための施策を合わせていままでに四億一千百九十万円かかっているわけであります。ところで国の補助は一億二千六百万円です。奈良市としては大変なわけであります。もちろん施設についての補助は二分の一が出ているわけでありますが、いろいろな付帯した施設や用地費なんかを含めるとこのような差があるわけであります。  そういう状況の中で、奈良市は幸い二分の一であったわけでありますが、ほかのところではもっと低いところもあるということを含めて、もっとこの補助率を引き上げるべきではないか、私はこのように考えるのですが、いかがでしょうか。

杉戸大作厚生省環境衛生局水道環境部環境整備課長

○杉戸説明員 お答えいたします。  先生御指摘の市町村の超過負担のそういう問題についてでございます。確かに五十年度以前ではそのようなこともございましたが、五十年度と五十一年度予算におきまして補助単価の大幅な改善を行いまして、その結果、実勢に即した単価としておるのでございます。それ以降、毎年物価上昇率に見合う単価補正、単価の改善を行っておりますので、現在ではおおむね実勢に即したもので交付をいたしております。その結果、五十三年度、五十四年度におきます総事業費に対する補助対象事業費の割合は、ごみ処理施設につきましては八四・三%、屎尿処理施設につきましては七九・三%となっております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 ごみや屎尿処理にかかる財政というのは単に当該施設だけではありません。言うまでもなく公害の出ない施設づくりが大前提ですが、施設づくりには、住民から受け入れられなければなりません、つまり地元住民に対するいわゆる迷惑料とでも言うべきものが必要でございます。多くの場合、公共施設をつくるということになります、たとえば古くは東京の杉並区の清掃工場では、温水プールや老人福祉センターをつくった。また、奈良県斑鳩町では、ごみ処理場の建設に際し、農業用水路の改修や道路の建設、公民館の建設、老人憩の家の建設、このようなことを実施することになっているわけであります。ごみなどをいやがる住民感情に対する一つの手当てとして必要な施策でございます。これらはごみや屎尿処理施設の建設に必要な経費としては上がってこない。ところがこうした迷惑料によって事業が進んでいるのが現実であり、実態であります。そこでこのような付属せる——付属と言うとおかしいかもわかりませんけれども、このような公共施設に対する補助制度や補助金が必要ではないか、このように考えるのです。こういうものの補助金についても今後はさらに検討していただきたい。また、公共施設については他のいろいろな制度が活用できるわけでありますが、その場合には、ごみや屎尿施設との関係で事業が採択される仕組みは何もない。厚生省でごみ、屎尿処理施設への補助に際し、関連して行われる公共施設の計画の有無を把握をして、厚生省所管については省内で調整をしていただく。他省庁のものについては、その事業についての補助の採択についての配慮を関係省庁へ要望するなどの対策をとっていただきたい、このように考えるのですが、お考えをお聞きしたいと思います。

杉戸大作厚生省環境衛生局水道環境部環境整備課長

○杉戸説明員 先生御指摘のように、最近、廃棄物処理施設の周辺整備というのは非常に必要になってきておりますし、実施例も多くなっておるところでございます。そのような施設、たとえて申しますと公園緑地施設とかあるいは老人ホームとか身障者施設、スポーツ施設、そのような施設につきましては、その当該事業に係る補助制度なども設けられておるところでございます。厚生省といたしまして、その周辺環境整備計画の策定につきまして現在調査を行っておるところでございます。  それから、関連いたします省庁とはまた連絡を密にいたしまして、廃棄物処理施設の円滑な事業の推進に努めてまいりたいと思います。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 いまお答えをいただいた点、さらに御努力をいただきたい。重ねて強調したいと思います。  次に、一般廃棄物の処理は市町村の責任ということになっています。私は市町村が一定の責任を負うことは当然であると考えておりますが、しかし、さきに紹介した試料でも明らかなように、焼却灰は準有害物質というべき状態になっています、これは奈良市だけではなしに、全国ほとんどが同じことであると考えております。廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、第三条第二項で「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物の再生利用等を行なうことによりその減量に努めるとともに、物の製造、加工、販売等に際して、その製造、加工、販売等に係る製品、容器等が廃棄物となった場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。」このように規定をいたしております。ところが、聞きますと、この規定が余り実効が上がっていない。精神的を努力目標にすぎないというような批判もある、このように聞いているところであります。一般廃棄物の焼却灰に有害物質が多く含まれておる、これを除却するということは大変なことであり、一自治体では手に負えない問題という側面があろうかと思います。したがって、私は、この清掃法のこの規定に基づいて具体的に実効ある行政措置を直ちにとるべきではないか、たとえば有害物質をうんと減らさせる、なくさすのが一番ですけれども、うんと減らさせる、それからどうしても必要な場合、たとえば螢光灯だとか水銀電池あるいは体温計、このような水銀なんかを多く含んでいる物質、製品、こういうものについては、その製品に含まれている有害物質の含有量を商品に明示をする義務を負わせる、あるいはこれを製造業または販売業者の責任で回収をさせる、こうした措置もとるべきではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、この点についてどのようにお考えなのか、もう一度厚生省にお尋ねをしたいと思います。

杉戸大作厚生省環境衛生局水道環境部環境整備課長

○杉戸説明員 お答えいたします。  廃棄物処理法三条二項の適用の件でございますが、実際に日常生活で用いられますいろいろな製品の中に重金属が含まれる、そういう場合ももちろんございますし、それが焼却灰の中に出てまいることもございますが、しかしその含有の形態は非常に種々な形態があるのでございまして、すべてのものを一律にこの三条二項の適正処理困難物として対象にすることは実際上非常に困難なことと存じます。この重金属のそのような一般廃棄物の焼却灰の問題につきましては、二足の要件、これは総理府と厚生省共同命令が出ておりますが、それを満たす最終処分場において埋め立て処分することになっておりまして、適切に処分されれば、地域に対するそういう被害を生ずるようなことはないと存じております。  問題は、残灰に含まれます重金属そのものということではなくて、その重金属が流出したりして地域の環境に影響を及ぼさないようにするそのような方策についてでございます。厚生省では、市町村が実施いたします一般廃棄物の最終処分場の整備事業に対しましては、国庫補助によりまして援助いたしておるところでございます。また、今後ともその重金属対策につきましては、環境に及ぼす影響がないように、いろいろ検討をさらに重ねてまいりたいと思います。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 このような廃棄物の最終処理をする施設をつくるときには、関係する住民の同意を得るということは私は当然である、このように思います。それから、同意をする上には十分なデータや根拠が必要になってくるわけです。しかし、このような問題はまだまだ未解決な問題がたくさんある。そういう点で、一自治体だけで対応するということについては非常に困難が伴うということであります。そういう点で、国がもっとこういう問題についての研究に力を入れられるべきではないか、また有害物を除却させるようにさらに努力をされるべきである、このように考えるところであります、また減量やリサイクルにも一層の努力を払われることを強く要望して、厚生省への質問をこれで終わりたいと思います。  次に、環境庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。  いま厚生省にいろいろお尋ねをしたわけでありますが、廃棄物の処理に伴う環境汚染をできるだけ少なくする、こういう観点から減量化、リサイクルの促進が重要である。このように考えるのですが、この点についての環境庁長官の見解をお尋ねをいたします。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 結論から申し上げまして、同感であります。また、環境という問題ばかりでなしに、有限の資源をむだにしてしまうということは冥利に尽きることでありますから、できるだけ何回も何回も使って、いよいよだめになったときにはごみとしてこれを処理する、これは当然のことかと思います。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 また話が戻るわけでありますが、水質汚濁防止法との関連で少し質問をしたいと思うわけであります、し  水質汚濁防止法では、カドミウムその他の人の健康に係る被害を生ずるおそれがある物質として政令で定める物質を含む汚水又は廃液を排出する施設で政令で定めるものを「特定施設」と定めているということであります。ところで、この特定施設を定めた水質汚濁防止法施行令では「一般廃棄物処理施設である焼却施設」は特定施設になっております。しかし、先ほどから述べているように、いわば準有害物質と言われる焼却灰などを埋め立てる施設は特定施設に含まれていないということです。これは廃棄物の処理及び清掃に関する法律で規制をされている、こういうことでありますが、普通の焼却施設はここでは特定施設になっておる。ところが焼却灰には有害物質がたくさん入っておる、しかも大量にこれを捨てるという場合、もちろんそこには処理をする施設もあるということでありますが、そういう点で言えば焼却施設も同じことだ、焼却施設は焼却するだけでなしに処理施設もあるわけでありますから、焼却灰を中心とした処理場というのですか、これは処理をするというよりも捨てることが主たる目的ではないかというふうに私は思うのですが、そういうふうに見れば、やはり特定施設に入ってもいいのではないか、こう考えるのですが、その点はどうでしょう。

小野重和環境庁水質保全局長

○小野(重)政府委員 水質汚濁防止法という法律と廃棄物の処理及び清掃に関する法律、この二つの法律があるわけでございますが、ちょうどその接点のようなものが廃棄物の最終処分場であると思うわけであります。これをどっちの法律で規制するのか、こういうことでございますが、現在は廃棄物の処理及び清掃に関する法律で最終処分場に関する構造なりあるいは維持管理の基準を決めることになっておるわけでございます。  そこで、その処分場から水が流れるという場合に、その水の基準なりあるいは規制をどうするかということでございますが、これは廃棄物の処理及び清掃に関する法律の体系の中で現在考えているということでございます。しかし、水質汚濁防止法と矛盾すると困りますから、水質汚濁防止法で定める排水基準に適合したものでなければいけない、こういうふうにしておりまして、そこで両者の調整を図っている、総合的に見れば、排水の問題として適正に処理される、こういうふうに考えておるわけでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 そういう点について、十分に安全なものになるようにいろいろと御努力をいただきたい、こういうふうに思います。  次に、環境庁長官に、自然公園法の所管大臣として、国立公園あるいは国定公園の自然や環境を守る問題に関して見解を伺いたいと思います。  長官、あなたは国立公園、国定公園の自然環境を守ることの必要性についてどのような認識、決意を持っておられるのか、簡単にお答えをいただきたい。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 国定公園とか国立公園とかその他指定して公園にしているところは、われわれが先祖から受け継いできた誇るべき景観の地でありますから、これを子孫に渡すために、できるだけ現状で保存していきたい、これが基本の考えてあります。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 中部山岳国立公園の中核部であります上高地、ここは特別保護区であり、きわめて重要なところでございます。ここの大正池、これは土砂の流入による形状変化の問題について従来からも論議がありました。二足の対策は講じられてきたようですが、さらに対策の強化促進の必要がある、このように考えますけれども、大臣いかがお考えでしょうか、

正田泰央環境庁自然保護局長

○正田政府委員 上高地の大正池の問題、これは本当に大きな問題だと思いますが、御案内のように、基本的に言いまして、大正池の景観という問題と防災という両面の問題があろうかと思います。これは防災問題、景観問題を含めていろいろ実行案を考えますと、なかなかむずかしい問題が多々ございます。そこで、地元で連絡協議会がありまして、各省関係の出先がいろいろ相談しておるようでございますが、なかなか技術的にうまくいかないということで、中央レベルでいまいろいろな相談をして、できるものから案をつくっていったらどうか、こういうふうに考えている次第でございます。     〔越智(通)委員長代理退席、森下委員長代理着席〕

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 梓川の水の汚れについて実態調査が二か年計画で進められているようでありますが、昨年六月には中間報告が出ています。最終報告はいつ出るのか。  また、屎尿雑排水処理施設の整備に早急に着手すべきだと思いますが、どうでしょうか。

正田泰央環境庁自然保護局長

○正田政府委員 いまの調査につきましては、今年度、もう間もなくでございますが、今年度内にきちんと取りまとめてみたい、こう思っております。  それから後者の件については、いま技術的に地元の話もいろいろ聞いておりますので、もうちょっとまとめてみたいと思っております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 秩父多摩国立公園の雲取山と奥多摩駅間十二・五キロにロープウェーをつくる計画が進み出しました。これについて、自然保護を訴える人々の、自然の中に鉄塔をつくることの問題、大量の観光客の誘致には向かないとの意見もある。このことについてどのようにお考えなのか。

正田泰央環境庁自然保護局長

○正田政府委員 奥多摩町の秩父多摩国立公園の雲取山ケーブルカー計画、これは私ども新聞報道で伺っておりますが、具体的な計画その他を含めて、環境庁としては全然聞いておりません。しかしながら、新聞報道によりますところの計画区域、これは私ども管理しております秩父多摩国立公園の特別地域にわたるところが大変多うございます。したがいまして、景観上は非常に問題、特にこの雲取山というのはこの地域の主峰でございまして、主峰にケーブルカーを通すということは普通ちょっと考えられないと思っております。したがいまして、現在すでにございます、公園指定のときにできました公園計画の中身とも合致いたしませんし、この問題について計画を変更してケーブルカーをどうこうするというようなことは現在のところ考えておりませんので、やはり当初の公園指定の考えどおり、主な利用形態としましては登山とかハイキング、健康で歩くということで、その方向で考えていきたい、こう思っております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 最後に、自然公園内におけるごみ、空きかん対策の強化が本当に必要だというふうに思うわけですが、その対策への決意をお答えいただきたいと思います。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 決意と言われましても、それは御承知のとおりあらゆる機会に、どこでもそうですが、特に自然公園の中でそういうことのないようにということをお願いしているわけですが、いまボランティア活動によってやっていることが御承知のとおり唯一なんですけれども、それでいいというものではない。それで、テレビだとかラジオだとかあるいはパンフレットだとか、あらゆる機会に、やはりわれわれみんなで守ろう、汚すまい、私は汚す人であなたは片づける人なんというのはよくないということで国民の理性に訴えているわけでございます。  一方、空きかん問題等については、別にそれだけでもなにですので、業者なんかにも御協力を願って組み込んでこの対策をいま講じているわけでございます。

森下元晴自由民主党

○森下委員長代理 石原健太郎君。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 鳥獣保護費等に関連してお尋ねしたいのですけれども、最初に文部省の方にお尋ねいたします。  最近文部省が唱えているところのゆとりある教育というのは、単に時間的ゆとりだけを意味するのではなくて、精神面のゆとりをも意味すると考えます。また、校内暴力、校外暴力の横行する今日、情操教育というものはきわめて大切ではなかろうかと考えるのであります。子供が小さいときから自然を愛し生命を大切にする教育が大切であります。文部省では自然保護、鳥獣の愛護ということをどのようにとらえておいでか、また現場でどのようにそれを扱っていられるのか、御説明ください。

河野石根教育局小学校教育課長

○河野説明員 お答えいたします。  自然保護や動物愛護の教育というのは大変重要でございますし、また情操教育という観点からも非常に重要であるという点につきましては、先生御指摘のとおりでございます。自然保護や動物愛護につきましては、小中学枝では、児童生徒の発達段階に応じまして、主に理科や道徳において指導することを指導要領では明記いたしておるところでございます。  たとえば、理科の目標でございますが、小学校では「自然を愛する豊かな心情を培う。」ということを、それから中学校では「環境保全に対する関心を高める。」ことや「生物現象の理解を深めて、生命を尊重する態度を育てる。」ということを目標に掲げておりまして、この目標に即して学習の内容を示しているところでございます。  また、道徳におきましても、小学校では二十八の指導項目がございますが、その一つに「自然を愛護し、優しい心で動物や植物に親しむ。」ということを明示しておりまして、低学年や中学年におきましては「自然に親しみ、優しい心で動物や植物をかわいがり世話すること」を、高学年におきましてはさらに「自然を愛護する」ということを指導するということにいたしておりますし、中学校におきましても、同様に道徳の十六の指導項目の一つに自然を愛する豊かな心を明示いたしましてその指導を行うようにいたしておるところでございます。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 時間がありませんので、それだけおっしゃっていただけば結構です。文部省の方、あとは結構です。どうもありがとうございました。  ただいま文部省の方からもるる御説明がありましたとおり、文部省あるいは現場の先生方は実際に大分力を入れて鳥獣愛護教育に取り組んでおられるようであります。ところが一方、シーズンになりますと何十万人というハンターが鉄砲を持って島やけものを殺しに行くわけでありまして、子供の情操教育上大変好ましくないと考えられます。また、トキだけではなくて、多くの鳥獣が絶滅の危機に瀕しておりますけれども、今日狩猟の意義、目的とは一体何なのであるかを環境庁の方から御説明いただきたいと思います。

正田泰央環境庁自然保護局長

○正田政府委員 鳥獣の保護と狩猟という先生のお話ですが、これは確かに鳥獣保護の基本的な問題だろうと思いますが、御案内のように鳥獣保護そのものの基本理念は、鳥獣が自然環境を構成する重要な要素の一つである、それから国民の生活環境……

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 質問に答えてください。狩猟の意義と目的をはっきりしてください。

正田泰央環境庁自然保護局長

○正田政府委員 狩猟の意義は、スポーツとしての側面を持っていることも当然でございまするし、有害鳥獣の発生防止に果たす役割りも大きいので、鳥獣保護の基本理念というものに反しない範囲内で現在考えておりますが、あくまで生活環境の維持、それから鳥獣の保護、それから農林水産業等の円滑な発展のために寄与する、そういうことだと思います。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 いま第一番目にスポーツであるというふうにおっしゃっておられるわけですけれども、大体スポーツと考えてよろしいわけですね。

正田泰央環境庁自然保護局長

○正田政府委員 スポーツのみではなく、本来スポーツとして発達してきた狩猟ということで申し上げたつもりです。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 スポーツというものは当然ルールを守る気持ちの強い人がやるべきことであると思うのです。私は山の中に住んでいるのでよくわかるのですけれども、十年くらい前にはノスリであるとかハヤブサというものがずいぶん空の上を飛んでおりましたが、最近は全く見られなくなりました。大体剥製にして床飾りなんかにすると見場がよいものですから、みんな密猟してしまうのですね。コウノトリはいまは絶滅しているようですけれども、四十七年、四十九年あたりには鉄砲で撃ち殺されている。ルールを守らない人が大変多いと考えられるのです。  警察庁の方にお尋ねしたいのですが、関係する法律が改正されたのは五十三年ですか、五十三年と五十五年とを比べて、猟銃による事故、それから保護動物の捕獲事犯の検挙数がどうなっているか、御説明ください。

内田文夫警察庁刑事局保安部保安課長

○内田説明員 お答えいたします。  最初の狩猟期間中の事故でございますけれども、五十三年が百五件で死者が十名ということでございます。五十五年度が、発生件数が百十三件、死者が十二件、死者は過去五年間で一番多い数字になっております。  それから、保護鳥獣の捕獲事犯の検挙の関係でございますが、これも狩猟期間中だけの数字でございますけれども、五十二年は百三十件、五十五年は百六十二件ということで、この三年間を見ますと毎年少しずつふえているという傾向にございます。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 日本のようにどこに行っても人間がいるところで、事故が起こる危険性がずいぶんあるところで狩猟をするわけですけれども、その狩猟のこと、また、いまふえております密猟、また、一たん凶器に変わりますと包丁とかなたなんかの比ではない威力を発揮する多数の猟銃がいとも簡単に手に入る、こういう現況を警察庁としてはどういうふうにお考えになっておりましょうか。

内田文夫警察庁刑事局保安部保安課長

○内田説明員 猟銃につきましては、先ほど関係者の方からお話もございましたように、猟をするという有用の目的といいますか社会的有用性もあるわけでございますが、ただいま先生がおっしゃられましたように、それによります大きな事故だとかそれから大きな事件というものが毎年多く出ているということははなはだ遺憾なことでございます。そこでわれわれといたしましては、昨年も銃刀法を改正いたしまして、事件を起こすおそれのある者とか、そういう不適格者には極力銃の許可を与えないということで排除していく。それからまた、不必要な銃を持つということは、往々にしてその管理も適確に行われないということもあるものでございますから、不必要な銃は持たせないということで、昨年の改正で、三年以上許可の用途に供しないような銃につきましては取り消しをするというような改正をいたしました。それからまた、事件や事故を起こしまして、たとえば狩猟法違反とかそういうものを行った者に対しましては積極的に行政処分で取り消しをする。そしてそれらの者については、再度許可申請がありましても五年間は許可をしないというような厳しい態度で臨むことにいたしております。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 五十三年に法の大改正を行ったにかかわらず、密猟件数、事故の件数、両方ふえておるわけでして、改正とも言えないのじゃないかという気もするわけでありますけれども……。  鳥類というのは、無主物ということで、これは国民全体の財産だと思うのです、先ほど環境庁長官は、国立公園は先祖代々受け継いだわれわれの遺産で、これは後世に伝えなければならないとおっしゃいましたけれども、鳥類、獣類なんかにいたしましても同じようなことが言えるのではないかと考えられるのです。先年、野生のコウノトリが全減して、またいまトキが滅亡の危機にあるわけですけれども、そのほかにも滅亡間近い種類が幾つかあると聞いております。その特殊鳥類調査ということで環境庁ではされているようですけれども、滅亡間近い鳥類の種類とか大体の数、保護の状況などを御説明いただきたいと思います。

正田泰央環境庁自然保護局長

○正田政府委員 大きなものでは、鳥の関係では、先ほど先生がおっしゃったトキその他を除いては、猛禽類関係、たとえばイヌワシ、エゾシマフクロウ。イヌワシが約六十羽、エゾシマフクロウが約三十羽、そんなところが代表的なものではないかと思っております。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 片一方では鉄砲で撃ち殺して剥製なんかにして、絶滅しかかると天然記念物とか特別天然記念物というような肩書きをあわててつけて保存しようとするわけです。しかし、テレビでトキの捕獲状況などを見ておりましたが、大変容易でない作業のように見受けました。また、一たん滅亡しかかると、回復に要する手間とか時間というものは大変なもので、それでも絶滅から救うことができないケースもあると思うのです。あと、猛禽類の御説明がありましたが、白鳥とかカモの渡来数ですね、これは渡り鳥の調査ということでなさっているようでありますけれども、年々ふえているのですか、減っているのでしょうか。

正田泰央環境庁自然保護局長

○正田政府委員 ガン類、カモ類、そういった生息調査を行っておりますが、昭和四十五年度から行いまして昭和五十五年度まで、調査個所及び調査の結果捕捉いたしました羽数から見まして、ガン、カモについては減ってはいない、こういうふうに私ども認識いたしております。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 私もいろいろ調べさせていただいたのですけれども、調査が、四十五年にはカモの場合千九百七十七カ所で、百万羽ほどいたわけですね。ところが、五十五年には四千百七十一カ所、倍以上の調査個所で調査しておるわけなんです。それで百十七万羽。倍以上の場所で調べて数はほとんどふえていない。どうもいま局長さんおっしゃった、減っていないというのも当たっていないような感じがするわけであります。それで、せっかくこういう調査をされるのに、なぜふえているか減っているかがわかるようなやり方で調査ができないものかと、その辺のところをお尋ねしたいと思うのです。

正田泰央環境庁自然保護局長

○正田政府委員 初めに、先生がいま御指摘になりました調査個所と羽数でございますが、確かに調査個所は十年間で二倍ほどにふやしておりますが、これはあくまで精度向上のためのものでございまして、結果的には当該個所について全然ゼロであったということもございますし、それだけのことで、とりたてた意図はございません。  それから、いま後段におっしゃいました点につきましては、確かにそういったような問題があろうかと思いますが、現在これについての、いろいろな学者を集めての検討会その他では、そういったような角度も含めて勉強したいということになっておりますので、もう少し検討したいと思っております。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 先ほど来申しましたように、一たん滅亡しかかったものの種属を回復させるということは大変困難なことでありますし、また経費もかかるわけであります。昨今財政も非常に窮乏しておる折でもありまして、保護に経費をかけるよりは、保護しなくてもよい状況をつくり出すことが必要でないかと考えるわけであります。一部の人が自分のスポーツで国民全体のものを勝手になくしてしまったり、人為的に減らしたものを今度は国が税金でまたふやそうなんというのは、ちょっとおかしいのじゃないかと思うわけであります。  それで、狩猟の現状ですね、これをこのままで済ませるおつもりか、あるいは何らかの解決をしなければならないというふうにお考えですか。その辺、長官のお考えなどお聞かせいただければありがたいと思います。

正田泰央環境庁自然保護局長

○正田政府委員 ちょっと私から先に申し上げます。  狩猟制度そのものにつきましては、先ほど冒頭に先生からお話ございましたように、狩猟法の改正を行ったばかりでございます。その直後、狩猟に伴う事故及び違法狩猟の防止ということで、当該法律ができました直後は、特に昨今の自然保護のいろいろな諸問題にかんがみて、狩猟の事故及び違法狩猟、そういったものに力を入れております。したがいまして、狩猟期間の前に、違法狩猟と事故防止のために特に県に指導取り締まりというものを積極的に行わしておりますし、また、都道府県の職員、さらに民間の鳥獣保護員、それから警察の方を動員していただいて取り締まりに当たっているところでございまして、現行の制度につきましてはそのまま運営に力を注いでまいりたい、こういうふうに思っております。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 法を改正してかえって事故とか密猟の検挙件数がふえているのですよ。現行法で何とか対処するという局長の御返事はどうも納得いかないのですけれども、大臣はその辺、鳥獣の保護とか狩猟のあり方をどのようにお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 鳥獣の保護ということについては、ツデー・バーズ・トモロー・メンという、あの標語に端的にあらわれているように、単なる種の断絶というのじゃなしに、きょうは鳥かもしれないけれども、それはいつか人間に来るのだよ、というようなことで、われわれは鳥獣の保護ということについて特に熱心にやっているわけです。それからまた、先ほど文部省に先生お尋ねでしたが、やはり情操教育という面でもそういうことは大事だというふうに考えておるわけであります、ただ、狩猟という、私はその趣味はありませんけれども、鉄砲ですね、民族は農耕民族と狩猟民族に分かれていますから、やはりこれは人間の血の中にあるのかもしれませんね。それがスポーツになってきていますから、先生言われるようにルールを守ってきちんとやらなければならぬし、また特に鳥がふえてきて人間に害を及ぼすようなときにはお願いしてもとってもらわなければならぬこともありますから、それはやらなければなりませんけれども、きちんとルールを守ってわれわれの基本の考えに反しないようにやってもらいたい、こういうふうに考えているわけですが、不十分ですけれどもお答えいたします。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 時間ですので終わります。

森下元晴自由民主党

○森下委員長代理 原田昇左右君。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 環境庁が発足し、公害関係の諸制度が整備されまして、空気が非常にきれいになったし、水もよくなった。現に東京隅田川の例ですが、もう魚が泳いでおるということで大変な進歩だと思います。また、冬でも富士山が東京でも見れる、こういう成果を上げたということに政府の環境政策の成果を見ることができまして、大変高く評価するものであります。しかしながら、やはり新しい行政、新しい試みでございますので、いろいろなところで、率直に言えば、行き過ぎたりあるいは制度上改善しなければならぬ点が多々あるのではないか。そういう意味から、二つの問題を取り上げて御質問したいと思っております。  二つというのは、一つは公害の健康被害補償制度の問題であり、もう一つはNOxの総量規制の問題でございます。  まず、公害健康被害の補償制度についてでございますが、現行の実態を見てみますと、時間がないので私の方から申し上げますが、各指定地域について認定患者の数が依然としてふえ続けている。指定地域についてはすでにSOxについては環境基準を四十八年ぐらいに達成してしまっておるところがたくさんある。遅いところでももう五十一、二年にはほとんど達成しておると思われるのですが、にもかかわらず、患者がどんどんふえ、しかも支払い額に至っては全体で八百億を超えるという状況になってきておるわけでございます。これはどうも私としては合点がいかない。  そこで、資料を取り寄せて少し見てみたのですが、たとえば東京都の大田区の例ですが、五十年、五十一年、五十二年、五十二年、五十四年と資料がありますが、新規の認定患者がどんどん出ておりまして、全体で五十五年九月末の累計で四千七画十四人になっております。ところが、この環境基準を達成したのはたしか四十八、九年ではなかったのですか。間違ったら訂正してもらいたいのですが、そこで、そのうち大田区の患者の中の年齢構成を見ますと、ゼロ歳から五歳が一二・五%を占めるというわけですから、環境基準を達成してから産まれた赤ちゃんが公害患者に指定されておるということは明らかなんですね。一体、どうしてこういうことが起こるのか、御説明をいただきたい。

七野護環境庁企画調整局環境保健部長

○七野政府委員 この制度そのものにつきましては、先生御案内のように、非常な割り切りを行っておりまして、地域指定それから暴露要件、指定疾病、この三つの要件で制度上の取り決めといいましょうか制度上の割り切りを行ってきております。そういうことでございますので、特に個々人と、たとえば大気汚染による物質そのものの因果関係を特定せずといいましょうか、因果関係を究明せずに、そういう三つの要件に合致すれば公害病の指定患者と認めましょうという制度上の割り切りになっておりますので先生のおっしゃることも起こり得る、かように考えております。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 いまの答弁では私は納得できないのですがね。暴露要件というのは著しい大気汚染がなくなってから出た患者についてどういうように考えているのですか、要するに、その地域に何年か住んでいる、あるいは移住してきて何年がいるということで、悪い空気に暴露しておった期間が一定の期間、たとえば一年とか二年ということをもって基準にしておるわけでしょう。ところが、指定地域になって、とにかくもう公害の環境基準は達成されたというところへ人が来てどうして公害病になるのか。それから新しく産まれた子、これは悪い空気に汚染されるわけがないわけでしょう。それが何で認定患者になるのですか、その点はっきりしてください。

七野護環境庁企画調整局環境保健部長

○七野政府委員 現在四十一指定地域があるわけでございますが、その指定された当時人気の汚染状況が非常にひどくて、しかも自然有症率に比べて疾病がはるかに多発をしておるということで指定地域に指定したといういきさつがございます。現在四十一指定地域があるわけでございますが、それにつきまして、最後し指定したのはたしか五十二年だと記憶しておりますが、それ以後その指定地域のそういう点の見直しというものをやっておりませんので、いま私が申し上げましたように、指定地域の中におり、暴露要件に該当し、指定疾病、現在大気の場合には四疾病でございますが、その四疾病に罹患した場合には公害病に罹患したとみなすという割り切りの制度でございますので、いま私が申し上げたようなことも起こり得る、そう申し上げているわけでございます。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 答弁がどうもよくわからないのですが、大臣にお伺いします。  ある地域が指定されますね。指定するときは確かに疾病が多いとか、この指定の要件も後でちょっと申し上げたいのだけれども。ところで、指定されてその環境基準はもう達成してしまった、環境基準よりはるかに低いという地域で赤ん坊が生まれた、どうしてこれが公害病になるのですか。それから、よそから移転してきた、転入した、それで公害病になるのですよ。どうしてですか。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 原田先生、ごもっともな御疑念だと思いますよ。私も環境庁長官になりまして、先生先ほどおっしゃったようにとにかく八百億、そしてそのうちの約八割ぐらいは、簡単に言えば工場、煙突、それから二割ぐらいが自動車の重量税の方からもらう。出している方から見れば、おっしゃるとおり富士山はよく見えるようになった。えらいきれいになって、何かSOxの、硫黄酸化物の方はもうどんどんいろいろな施設をしてきれいになってしまった。それなのにまだこのお金を出していなければならぬ。患者でも減るのなら楽しみもあるけれども、患者は一つも減らない。総体で言えば多少ふえ方はとまってきたのですよ。けれども、ぐっと減ってこなければ楽しみがないじゃないか、これだけ骨を折ってきれいにしたのだから、私もそう思いましたよ。ところが、硫黄酸化物はなるほどきれいになりましたが、いま先生がこれからお話しになられるNOxの問題等はまだきれいになっておらないし、それからそればかりじゃない、いろいろな粉じんもあるし、いろいろなものがある。そこで、お医者様にこれを認定してもらっているのです。そうすると、お医者様の方から、これは患者なんだ、こう言ってくるわけですね。いま局長が見切り発車みたいな、割り切りをした割り切りをしたと言うのは、あの当時のことを思い起こしますと、私は直接関係していたのじゃないですけれども、これは大変だ、もうそこらじゅうからいろいろな訴訟だの何だのと大変だ、ともかくこれはもう一件一件やられたのではかまいませんから、そういう役割をつくってちょうだい、こういうことで、むしろこれは依頼されてつくるというのもおかしな話ですが、そうでもしなければこれはほお返しがつかない、こういうことであのときつくってしまったので、まことに合理的であったかどうかと言えば、必ずしも合理的でなかったわけですね。その合理的でなかったことが今日までずっと続いているわけです。そして、この人が病人であるか病人でないか、しかもそれは大気によって病人になったのかそうでないのか、それはわれわれはわかりません。決めているお医者様に患者が行って診てもらって、そのお医者様の方から、いろいろ慎重に検討した結果これはそうだと言ってくれば、われわれはやはりその八百億の中の人だというふうに言わざるを得ない。まことに先生の御質問にはっと答えられるような——もともと発足がそうなんですから、なかなか答えられません。だから、何を言っているのだかわからないというふうに先生言われるのは、私も初めに聞いたときには何を言っているのだかわからなかったのですが、そういうことなんでございまして、どうぞ御了解をいただきたいと思います。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 賢明な環境庁長官ですから、問題点は十分おわかりと思います、私は、これはやはり改正しなければいかぬと思うのですよ。少なくとも国費のむだ遣い、費用のむだ遣いにならないように、出す方に十分納得ができるような仕組みを考えていただきたい。ともかく大気汚染の心配がなくなった地域で、いままでずっと暴露しておって、長年住んでいた人が病気になるというのはまだわかりますが、そこで、きれいになってから生まれた人が病気になるわけがない、そうでしょう。それから、よそから転入してきた人が、いままできれいな山の中にいた人が来て、やはり今度はきれいなところに来たわけですから、環境基準を達成した後に入ってきた人が病気になる、こんなばかなことはないですよ。少なくともそうでないように、ひとつぜひこれは改正をしていただきたい。  それから次に地域指定の問題ですが、指定する際も私は若干問題があると思うのです。指定するのに、病気が多発しているということ、その多発の根拠は、何か調査をして、せきが出ますか、たんが出ますか、出ますよというのが多ければこれは指定の要件になってしまう。ところが、私なんかもたばこをたくさん吸っていますと、いまみたいに吸っているとせきが出るのですよ。これは継続して出ているのかどうかわからないわけです。したがって、むしろお医者さんにかかるかどうか、受診率というものがよそに比べて高いかどうかということを、やはり一つの要件として考えた方がいいのじゃないか、こういうように考えますが、その点どうですか。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 細かい専門的なことは局長から答えさせますが、わりあいに常識的なことは私の方が話がわかりやすいですから、私から答えます。  先生、改正しなければならぬとおっしゃいますが、私は、基本から言えば、こういうものはいつでもそういう考えは持っていなければいかぬと思いますよ。たとえば、環境基準にしても地域にしても、これで間違いないかということだけはいつでも考えて改正といいますか、それで定着するというものではない、これは常識的にどなたも異論のないところだと思います。  ただこの場合、非常にむずかしいのですが、正確であり公平であり迅速でなければならぬ、この三原則を守らなければならぬ。正確であるということは、どうしてもこれはお医者様にお願いする以外にない。公平ということも、何か西の方には高くて東の方には低いなどということ、そんなことがあるはずはないと思うのですが、しかしながらこれもお医者様が決めてくるのですから、これはわれわれがちょっと見た目におかしいかなというように常識的に考えられても、いまわれわれがとやかく言う立場にない、こういうことなんです。それで、そういうふうにやっていると、今度は迅速が遅くなりますので、先生が言われたような、患者でない人を患者と見てしまうことは大変ですが、もし患者である人を患者と見ないことになったらこれまた大変ですから、こういう点も気をつけてやっていかなければならない、こういうふうに思っています。地域の指定にしても何にしても、常にこれで間違いないか、八百億もの金を出させているのですから、これで間違いないか間違いないかということは常に考えていかなければならないことだと私は思っておりましたが、先生のお話を承って、さらにその考えを強くしているわけであります。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 そこで、地域がきれいになって目的を達成すれば、解除をしたらどうですか。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 それを申し上げようと思ったのですが、きれいになったということは、確かに先生と同じように私の役所から見ても富士山の見える日が多いですよ。私は東京に住んでいるのですからよくわかります。けれどもこれが、ただ見えるからきれいということじゃないらしいのですよ。何かいろいろなことがあるらしいのですよ。それは科学者でなければわからないのですね。それで困ってしまうのですね。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 いまその点も調べてみますと、大気汚染がSOx、それから大気浮遊粉じんとNOxでしょう。それで、大都市の一部中心部というのは確かにNOxが相当高いところがありますよ。しかし、地方の指定されておる都市なんかを見ますと、これはもうほとんど非指定地域とNOxにおいては変わりがない。そして浮遊粉じんもそれほど変わりがない。しかも、世界のレベルから言うと低い方だ。一番問題はSOxなんです、ところが、SOxについては環境基準をちゃんと達成し、それより低い水準にもうできておるという状況なんですから、そういう意味で私は解除したらどうですか、こういうことを申し上げておるわけです。御検討いただけますか。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 結論から申し上げますれば、検討はいつもしなければならぬと考えております。それで、そういうことはやはり専門家の、かねて決めている人たちに御検討いただいておるわけでございまして、何回も申し上げますが、これは間違えたら大変いけないことですから、右に間違えても左に間違えてもいけないことですから、常に専門家に厳重に御検討いただいているわけですし、われわれもそのつもりでやっていきます。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 大臣、お言葉ですけれども、常に検討しなければいかぬというのは非常に結構な姿勢だと思うのですが、具体的に言うと、たとえば中央公害審議会にいつ諮問して、そして結論を出してもらえるのか、こういうことになってくるわけです。そういうこと、あるいは、常に検討していただいて、結論が出れば直ちに指定を解除していただけるのかどうか、そういうことも、もう少し厳密にお答えをいただきたい。  それから、もちろん指定を解除したからといってすでに患者として病気になっている人を打ち切れということは申しませんよ。それは継続して十分な看護をしてあげなければいかぬと私は思いますけれども、少なくとも、きれいなところへ生まれてきた赤ちゃんを病気にしちゃうようなことはさせたくないですな。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 仮に専門家による厳重な審査の結果、現在指定されている地蔵が解除になっても、いまの患者を切り捨てるのではない、これは先生おっしゃったとおり、そうでなければならぬと思います。  それから、私は常にそれは留意しておかなければならぬと言ったけれども、具体にいつそれをやるかということでございますが、私はそれは前向きにやってみようと思います、おっしゃられるとおりでございますから。私の言ったことは私の基本の方針ですが、この方針は間違いないと思うのですよ。ただ、それを先生は、具体的にそれじゃやらなければだめじゃないか、こういうことでございますが、私が決めるのじゃないですから、専門家が決めるのですから、専門家に検討してくださいと具体的にお願いして、前向きにしてみたいというふうに考えます。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 それから、私はたばこをのむから言うのじゃないですが、患者の中にはたばこをのんでいる人もあるようですね。患者の認定基準というものをもう少し精査していただくとか、あるいは治療中にたばこをのんだ場合には少し減額をするとか何かしていただかないと、これは不公平だと思うのですよ。こういう点はどうですか、

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 私もたばこをさんざん吸いますが、これは先生、私に言っても困りますね。専門家がいるのですから、そこへお願いして調べてもらうということになっていますから、どうぞその方にお任せを願いたい。先生のお話、常識的にはわかります。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 私は専門家でございませんから、いまの大臣のお言葉どおり、専門家でそれはぜひ検討していただきたいと思います。要するに治療方法とか認定の仕方ということについて少し厳密に考えていただかないと、幾らあっても足りないということになっては大変ですから、ぜひお願いしたいと思います。  それから私、参考までに、特にこの資料を見させていただいて、たとえば東京で言うと大田区とか足立区、あるいは川崎市、名古屋市、大阪市、守口市それから堺市、尼崎市、大牟田市、こういったところについてもう少し詳しいデータをいただきたいと思うのです。どの程度毎年認定患者があり、治った患者があるのか、そして同時に、それがどういう診療所で認定されてきておるのかというデータを要求しておきます。  それから次に、いまの公害補償制度の費用については、いま重量税あるいは民間の企業からの拠出金、それからそのほか国庫補助とか、いろいろそこへ集めておやりになっておるようですが、その協会の費用、年々大分余ったりなんかしているのですね、決算を見ますと、この辺は適正な見積もりがされておるのかどうか。大分見当が違っておるのじゃないかと思うのですよ。この辺もあわせて検討していただくように要望しておきます。  次にNOxの問題ですが、NOxの規制、午前中に井上委員からも質問もありましたが、私、それも拝聴したのですが、このNOxについては、原因者というか排出者は、固定排出源とその他。その他の中にはほとんど移動性の交通機関から発生するものが多いと思うのですが、この割合が、どうも固定発生源の方が非常に低いのじゃないかと思うのですが、どんなぐあいになっていますか。

三浦大助環境庁大気保全局長

○三浦政府委員 現在予定しております対象地域の中で、東京は移動発生源が八割、固定発生源が二割、それから横浜はむしろ固定発生源が六割、移動発生源が四割、それから大阪と愛知につきましては、移動発生源が六割、固定発生源が四割。まあ、神奈川県を除いては、移動の方が多うございます。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 そうすると、東京の例だと八割が移動発生源だということでございますが、このNOxの総量規制というのは、大気汚染防止法によると、規制対象になっているのは二正規模以上の特定工場だけが対象になっていますね。ところが、地域全体のNOx排出量の削減をするにはこの大気汚染防止法では足りないわけでしょう。どういうようなことを考えられるのですか。

三浦大助環境庁大気保全局長

○三浦政府委員 総量規制は、政令改正をしたといたしますと、固定発生源は法律で対処できます。それからもう一つ、自動車の方の単体規制でございますが、これはかなり厳しい規制をかけておりまして、今後自動車がふえるといたしましても、これはガスの量にして六割ぐらいに削減できる。ところが、それだけでもまだ足りないということで、あと交通問題をどうしようかという問題があるわけです。ですから、固定発生源と移動発生源の単体規制については法律でできますが、交通規制の方は知事さんの段階でいろいろ工夫してやっていただくということに相なるわけでございます。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 そうすると、総量規制をやられるとき、どういう手段でそれを達成するかという大まかな、どの発生源にどれだけ受け持たせてしぼっていくかというプランがなければ、これは達成困難だと思うのですね、どういう方法で、どういう機関に、どういうように受け持たせるかということについては、どういうように考えておられますか。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 私から答えます。大ざっぱなことを答えまして、三浦君からまた細かく答えてもらいたいと思います。  午前中に井上議員の質問に対してもお答えをいたしましたように、〇・〇二であったのですが、それではきつ過ぎる。それでまた、これまたわれわれが決めるわけにいきませんからいろいろ検討していただいた結果、一番最低で〇・〇六ということをお決めいただいた。そのときに、これは大変評判がよくなかったのですけれどもね。しかし、これは自信を持って、大丈夫です、こう言ったのですから。そのときに衆参両院から〇・〇六に、いまだってだめじゃないか、そのときですよ、これをどうするのだ、こう言いますから、いますぐ直せと言われてもできません、それで昭和六十年までには必ず〇・〇六までにいたします、こういうふうにお答えをいたしました。また、それはお答えする前に、先生方から附帯決議をつけられまして、厳しくそれを言われたわけであります。ですから、われわれは昭和六十年にはどうしても〇・〇六にしたいのです。しなきゃならぬのです、これは。  そこで、ずっと前からこうやってまいりましたら、昭和六十年にどうしてもできそうもないというところが、いま先生御承知のような地区があるわけです。東京であり、神奈川であり、大阪であり、愛知である。福岡、兵庫もそうですが、これはまあ何とかなると言っていますからそれはいいとして、四地区はできないと、こう言う。できないということであれば、いま三浦局長からも言うたように、そしてまた先生御指摘のように、自動車の多いところもあれば、それから工場などの多いところもある、工場の多いところは、これは総量規制でもってすぐやれるが、自動車の方は、先生御承知のように、例の日本版マスキー法かなんかで、初めから言えばすごいことをやって、それで日本の自動車は偉いからそれを全部やってしまいました。しかし、やってしまいましたけれども、いい自動車、きれいな自動車というのはまだ半分ぐらいしか走っていませんから、六十年になればこれが全部になるでしょうから、それを勘定に入れますと計算できますと、その方でどのぐらいきれいになるかと。トラックの方はトラックの方で、午前中申し上げましたような、時間がありませんから省きますが、厳しく言っているわけです。そういうようなことを勘案して、それぞれの地区で、知事さんひとつ知恵をしぼってみてくれませんか、どうしたらいいのでしょうかということで、知恵をしぼってもらおうというので、地域の指定を政令でしたい、こういうふうに考えているわけでございます。御理解をいただきたいと思います。

三浦大助環境庁大気保全局長

○三浦政府委員 ただいま大臣からの御答弁のとおりでございますが、先生交通の専門家でいらっしゃいますので余り抽象的なお答えをしてもなんですから、たとえば、先生からいまお話出ました東京都、これは移動発生源の割合が非常に多いわけです。いま具体的には、地域指定をやりましてから知事さんがこの一年かかってお考えいただくわけですが、いまどんなことを考えているかというと、ちょっと事例を簡単に申し上げますが、一つは、自動車排出ガス規制が六十年にはかなりな効果を上げてまいります。したがって、自動車からの排出量の四割程度の削減が可能だ、こういうふうに東京都では見ておるわけです、現状で、地域のほぼ全域で環境基準を超えている状況を、それだけで八割以上の地域で環境基準が達成できるというふうに東京都は読んでおります。  それからもう一つは、固定発生源につきましては、総量規制の実施によって工場に二割程度の削減が可能ではないだろうかということを東京都の方ではやっているわけでして、都心部を除きまして、都心部は交通問題が多うございますから、都心部を除きまして環境基準の確保が可能になあ。  それから三番目に、都心部、特に霞が関とか丸の内とか日本橋とか銀座、こういうところにつきましては、渋滞の解消とか一方通行とか、そういう総合交通公害対策のいろいろな施策を推進していく必要があるということで、これはもうすでに東京都は三千三百万の予算を計上しておるわけでございます。  それからあと神奈川県が非常に濃度の高い地域で、移入公害がございますので、神奈川県も同じように地域指定をやれば減ってくる、こういうふうにいろいろみんなで努力してやっていこう、こういうことで計画を立てるわけでございます。

原田昇左右自由民主党

○原田(昇)委員 いまの御答弁で、いろいろ応分の負担を考えておられるお気持ちはよくわかりました。しかし、この移動発生源等については、規制の効果の測定並びにその効果を出す上に、交通の規制等も、あるいは交通体系の整備、交通量の規制とかいうことまで徹底してませんと、なかなかむずかしい問題でもあるし、それをやるには六十年という目標を立ててもなかなかむずかしいのですよ。したがって、そっちの方はむずかしいから固定発生源に全部しわが寄るというようなことのないように、これはぜひ応分の規制をやるということを考え、しかも、具体的に実現可能なやり方でやっていただくように要望しておきます。  そこで、時間でございますので環境庁長官に最後に御要望を申し上げたいのですが、先ほどの公害健康被害の補償制度につきましても、私、特に不合理ではないかという点を御指摘したのですが、ぜひひとつ適正な運用をしていただいて、財政再建の折でもあり、とにかく公害行政の効果がこの資金の減額につながるように、効果を上げるような適正な運用、合理的な運用をひとつぜひ検討していただきたい。  それから、NOxの総量規制につきましても、いま申し上げました点を十分御考慮をいただいて、公平、厳正な運用をしていただきたい。以上、御要望を申し上げます。長官からひとつ……。

鯨岡兵輔自由民主党環境庁長官

○鯨岡国務大臣 公害補償の問題については、先ほども申し上げましたとおり、ああいうひどいときに早く早くというので割り切りまして発足しただけに、スタートがそうだったですから、どうもすきっとしない点があって困ります。しかしながら、環境庁の仕事というのは、やはり国民によく理解してもらわないといけない、これはことさらいけないことだと思います。ですから、わかりやすいことじゃないと、何かわかりにくいことを言って国民に協力を得ようとしてもできませんし、先生お話しのように、八百億からのお金をいろいろなところから集めて、国の金も多少ありますが、それをやっているのですから、やはり自分の出した金が有効に使われているということでなければ申しわけのないことでもありますし、全力を挙げてわかりやすいようにやっていきたい、  それから、NOxの規制につきましても、どう考えてもこれは自動車のせいじゃないか、こんなに自動車が走っていて、工場なんかどこにもないじゃないか、それなのに工場の方にまで持ってくるということのないように、やはりこれまたわかりやすいように、そしてまたいろいろ御協力をいただく点はお願いをして御協力をいただくというように持っていきたい。お話は拳々服膺して、そのような方向で努力していきたい、こう思います。

森下元晴自由民主党

○森下委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時五十八分散会

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