環境委員会 第8号
- 発言数
- 103 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1981/05/15
会議録
○山崎委員長 これより会議を開きます。 公害の防止並びに自然環境の保護及び整備に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡本富夫君。
○岡本委員 公害環境問題について質問をいたします。 特に、生態系に対するところの放射線の影響は昔からよく知られており、それゆえに原子力の利用については、他の公害物質と異なって安全確保のために特別の手段が講じられておる、こういうような説明がよくなされるわけでありますけれども、きのうの夜の七時、NHKのニュースを見ておりますと、日本原電の敦賀発電所、ここの放射能の漏洩事故が隠されておった、六年前にそういう事故があった、こういう報道がありましたけれども、通産省からひとつこの件について詳しく御報告願いたい。
○平田説明員 昨日のNHKの報道につきましては、私ども先月の二十五日に出しました総点検指示の中で、日本原電から、これまで報告漏れになっていた事故、トラブル、あるいは検査を受けるべきものであったものが検査を受けていなかったもの、あるいは認可を受けたり届け出をすべきであったものについてまだ未処理になっているものについて、一括して報告するような特別な指示をいたしまして、その指示の中で結論を取りまとめて報告されるものと考えております。
○岡本委員 この後の各種の報道によると、あなたはゆうべ夜遅くまで原電の状態を聞き合わせたりいろいろして、大体状態というものを握っておるのでしょうが。それを率直にひとつここで報告願いたい。何で隠すのですか。
○平田説明員 ただいま申し上げましたように、詳しいことにつきましてはいずれ、総点検指示をしておりますから、原電からきちんとした報告等がありまして、さらにそれを受けまして、要すれば私どもが特別保安監査等を実施して調査することになりますが、先生がおっしゃっている大体の経緯につきましては、昨日の段階で私どもも若干は聞いております。 それによりますと、昭和五十年一月十日、廃棄物処理建屋、現在の旧建屋といわれるものでございますが、これの地下一階にある濃縮廃液貯蔵タンクの出口配管から廃液が漏洩しているのが発見された。漏洩量は最大約十三トンと推定されております。液体状のものは回収されましたが、スラッジ状のものは床面に残留した模様であるということでございます。それから、除染及び改修工事の期間でございますが、これは昭和五十年六月十四日から六月二十八日まで。従事者は三十二名。被曝のデータといたしましては、一日最大被曝線量四百三十ミリレム、それから期間最大被曝線量は千百十八ミリレム。それから改修工事の内容といたしましては、タンク出口排管約百二十センチを取りかえた。ほぼこれくらいのことが概略報告されております。
○岡本委員 そこで、床にヘドロが残ったらしいということだけで、あとの補修工事、補修作業、こういうことについていま報告してないでしょう。 それから、昨日NHKの報道によると、三十二人、延べ百八十人が被曝した。ところが、きょうの報道によると、これは毎日新聞ですか、延べ四十五人。こういうように数値も違うわけなんですが、これについて調査しましたか。
○平田説明員 私も、昨日実は九時のテレビを見ていたわけでございますが、あのテレビでは、下請の会社が作成いたしました報告書が画面に映っておりまして、詳しい情報は報道側の方が保有しているというふうに考えられるわけでございますが、私ども聞きました内容、原電の方から昨夜報告を受けましたのは、先ほど申し上げましたとおりでございまして、この辺につきましては、今後総点検の中で、原電が報告書を取りまとめ、それにつきまして私どもが要すれば特別保安監査を実施して詳細に調査することにいたしておりまして、私どもが聞きました内容では、従事者は三十二名というふうに聞いているわけでございます。
○岡本委員 要すれば特別に監査をする、要しなければしないということですか。 そこで、科学技術庁にお聞きしますけれども、この前これは通産省の日本原電の放射能漏洩事故立入検査の中間報告がありましたが、その後で安全委員会からこの敦賀の工場に向かって調査に行っておりますね。その結果、原電の事故隠しか判明したように報道されておりますけれども、これをひとつ発表してもらいたい。
○松原説明員 お答えいたします。 過日、先週の金曜日と土曜日でございますか、原子力安全委員会の先生方四人が敦賀へ参りまして、現地で通産省が調査いたしました結果について通産省から軸足的な説明を受けたわけでございまして、原子力安全委員会か現場で通産省から補足的な説明を受けまして、さらに今度、通産省から出てまいります最終的報告をいろいろ審議するに当たっての参考とするという趣旨で、敦賀の方へ参ったわけでございます。
○岡本委員 それでその結果は、事故隠しのものはわかったのだろう。
○松原説明員 事故隠しにつきましては、通産省の方で調査されまして、通産省の方から委員会の方にも報告されてございますので……
○岡本委員 それを言いなさい。それを言うのだよ。
○松原説明員 原子力発電所の管理につきましては通産省の方か一元的にやってございまして、原子力安全委員会の方はそれをダブルチェックするという立場になってございますので、どの辺が……
○岡本委員 その報告を受けたものを発表すればいいじゃないか。
○松原説明員 現地で主として通産省から説明を受けましたものは、放射性廃棄物の旧建屋、旧ラドと称してございますが、そこのフィルタースラッジ貯蔵タンク、それからその隣にございます洗たく廃液ろ過装置等につきまして現場で細かく説明を受けたということでございます。
○岡本委員 何でそんなに言いにくそうにするのかね。安全委員会が行って通産省から報告を受けた。要するに、原電敦賀の原発の事故を隠したもの四回、これについて報告を受けておるのでしょうが。何でそれを科学技術庁は通産省に遠慮して、報告を受けたものを——すでに新聞に発表になっているじゃないか。 じゃ、時間があれですからぼくの方から言いますからね。事故の日時か一月十日、給水加熱器ひび割れ、これが四月一日に発覚。それから一月十九日。これは全部言うのも煩わしいからあれするが、一月十九日の事故が四月二十五日に発覚しておる。また、一月二十四日の事故か四月一日に発覚しておる。三月七日から八日の事故か四月十八日に発覚しておる。こういうように四回の事故隠しが発覚したことを報告を受けておるのでしょう。どうですか、科学技術庁の方、委員会の方は。
○松原説明員 通産から御指摘のとおりの報告を受けております。
○岡本委員 何で最初に言わないのか。そのときに、科学技術庁の安全委員会は、六年前の昭和五十年六月十四日から二十八日、この事故の報告は受けてないですね。どうなんですか。
○松原説明員 通産省からいま先生御指摘の報告は原子力安全委員会としては受けておりません。
○岡本委員 通産省にお聞きしますけれども、この事故は、前の四回の分については報告しておるけれども、後の五十年の事故の報告は原電からなかったわけですか。どうなんですか。
○平田説明員 そのとおりでございます。
○岡本委員 これは当然報告をしなければならない事故なんですね。どうなの。
○平田説明員 先生御承知のとおり、本件の事故が発生した当時は、原子力発電に関する行政は通産省と科学技術庁と二元化しておりましたけれども、こういうような事故がございました場合には通産省及び科学技術庁に報告される必要があるかないかにつきましては、現在この事故の詳細を詰めまして検討しておるところでございまして、場合によっては報告義務違反の疑いも出てくるということでございます。
○岡本委員 これだけあなたの方も詳細を聞いておるのだし、ゆうべは相当遅くまでこの問題についてエネルギー庁では検討しておったわけだ。報道によると、昨日夜、通産省首脳から、「「告発は世間的に厳しいが実際は裁判になっても十万円以下の罰金刑。かえって業務停止命令の方が重いのではないか」と指摘された。」また、通産省は、「告発か原発推進策に逆行することになるのでとまどっていたが、結局、社会的には制裁的効果のある告発というきびしい姿勢を示すことが、国民を納得させ信頼回復への道として土壇場で告発の方針か固まった。」このNHKの報道、あるいはあなたの方から調査した、これによってこういう答えか出ておるわけなんでしょう。それなのに、これからまた調査をしてからというのは、どうもぼくは、二枚舌を使っているのではないかと考えるわけですよ。ゆうべ遅くまで検討しておるわけだ。そして、これはもう事故隠したと、こういう結論からこういうように話か出ておるわけですから、いままたこれから要すれば調査しなければならないなんて、ちょっとおかしいあなたのお言葉じゃないかと思うのですが、いかがですか。
○平田説明員 先生御指摘の、本日の朝刊に出ております当省首脳のコメントというのは、私どもの考え方では、先生か先ほど御指摘になりました四件の報告漏れになっていた事故のうち、給水加熱器と放射能漏れの、この二件に関する当省首脳の考え方を述べたものではないかというふうに考えておりまして、昨日夕方報道されました五十年の、新しく発見されました件につきまして述べたものではないというふうに考えております。
○岡本委員 うまいこと逃げちゃだめだよ。 科学技術庁にお聞きしますけれども、この五十年のころは、まだ科学技術庁の安全局に責任がある。ぼくは科学の委員長をやっておったからよくわかっておる。これは五十三年に法律が変わってから通産省に全部行ったわけですよ。科学技術庁ではこの記事あるいはこの報道を聞いてどういうように受けとめるか。また、こういう事故があったら必ず報告しなければならぬ。どんな小さな事故でも報告しなければならぬ。これはほかの、東電あるいは関西電力、こういう原発のところではちょっとでもあったら大騒ぎをしたじゃないですか。なぜこの原電だけは、こんな大きな事故を起こしながら知らぬ顔している、あるいはこれから調べなければならぬ、こういう差別があるのか。これについてひとつコメントをしてもらいたい。
○松原説明員 先生御指摘の五十年の事故につきましては、原子力安全委員会としましては、通産省で調査されました結果を報告していただくということで通産省の調査結果をお待ちすることになっていると思います。
○岡本委員 結局、通産省から報告がなかった。ということは、原電からも報告がなかった。こんな大きな事故を起こしながら報告をしなかったということは、結局、このときに報告をしてこの問題を早く処理しておけば、今度の三月七日、八日のこういう事故はなかったはすじゃないですか。今度三月七日、八日のやつは外へ出たんだよ。建屋がほかにできて、その下に一般排水路があって、そしてそれか流れて、それを見つけたのは福井県でしょう。結局、考えてみると、通産省も科学技術庁も全部ごまかされたということになるじゃないですか。こんなに原発というものは大変安全性に力を入れておるから大丈夫なんだ、こういう説明が全然つかなくなってくるじゃないですか。 もう一度聞きますけれども、通産省は、この廃棄物をためるタンク、ここから移送するパイプ、これが直径二・五センチ、約一インチだな、こういうものは取りかえても報告しなくてもよいようになっておったのですか。どうなんですか、これは。
○平田説明員 御指摘の件に関しましては、原電から聴取したところによりますと、溶接作業を実施したとされております移送パイプにつきましては、電気事業法四十六条に規定される溶接検査の対象ではないというふうに考えております。
○岡本委員 きのう原電の報道を聞いておりますと、管理課長さんか、そのパイプというのはたびたび腐食するものなんだと。そうすると、このパイプが腐食して高濃度の廃液が十三トンも流れた。これは流れても構わないのかね。だから、あなたの言う電気事業法のやつは、事業法では、こういう直径二・五センチ、一インチあるんですから相当大きなパイプだが、そこから高濃度の廃液が流れても、それを取りかえることもこれは全然報告しなくてもいい、こういうことなのかな。どうなんです。
○平田説明員 先生御指摘の点につきましては、溶接検査の対象がどうかという点につきましては、溶接検査の対象ではないということを私は申し上げたわけでございまして、放射能が漏れたことにつきましては放射能漏れ、さらに、こういうタンクは電気工作物でございますから、電気工作物が壊れたということになりますから壊れたという形での報告、この辺の義務があるかないかは、今後法令との関係を事実を詳細に聞いた上で詰めてみないと最終的に結論が出せない問題でございますが、いずれにしても報告義務違反の疑いはあるわけでございます。
○岡本委員 一般の原発でないもののパイプについては、これだけの細いものだったら、細いと言っても一インチあるのだから大分あるかもわからぬけれども、こういう大事な高濃度の廃棄物、中レベルですよ、こういうものが流れるのに、どこでどうして腐食してどうなったということが、もしも報告があれば調査できるわけだ。そこらのミスが結局今日の大きなミスを引き起こし、ひいては三月八日のあの敦賀の湾の中に出た。こういうずさんなやり方はぼくらは非常に納得できない。いまあなたにこればかり言っても仕方ないけれども、今後、廃液のタンクから移送する移送管、あるいは少なくとも原子力関係のこういった管の取りかえ、あるいはまた腐食事故、こういうのは逐一報告させるようにするのかどうか、ひとつお聞きしたい。
○平田説明員 先般、四月二十五日になりまして判明いたしました本年一月十九日に起こったとされております新廃棄物建屋におきます濃縮廃液タンクからの放射能漏れ、これの未報告に関連いたしまして、私どもの方から原電に対しまして、あらゆる過去の報告漏れ、報告すべきであったもので報告しなかったものの報告漏れ、あるいは届けをしなければならないものを届けなかったもの、認可を受けなければならないもので認可を受けていないもの、検査を受けなければならないにもかかわらず受けていなかったもの、このようなもの一切合財さかのぼれるだけさかのぼって、原電敦賀に関し報告するようにという指示をしているところでございまして、この結果が提出されるのを待ちまして、過去の事故歴等についても調査をいたしまして対処することにしておりますが、今回の件につきましても当然その中で対処させていただきたいというように考えております。
○岡本委員 これはよくぞNHKさんが調べてくれたのですよ。下請の報告書の修理作業書、こういうものによってよく調査をして報道をしていただいたわけです。この原発を全部否定する立場ではないわけです。それについては特別に国民から信頼されるような安全性、これについては特別な細かい調査をし、安全確保をしなければならぬ、これが一番大切だと私は思うのですよ。だから、ぼくは厳しく追及をいたしておるわけでありますけれども、それでは、いつごろまでに全部の調査が終わるのか、めどはどのくらいかをひとつお聞きしたい。
○平田説明員 非公式ではございますが、原電側は今月末ぐらいをめどに総点検結果を提出したいというふうに言っていると聞いております。
○岡本委員 それから、通産省の首脳が告発に踏み切る、こういう新聞報道があるけれども、告発の方針あるいは業務停止命令、これは新聞報道のように敦賀の原電に対しての措置をとる、こう解していいわけですか。
○平田説明員 現在、当省といたしましては、立入検査結果の詳細な分析及び原電からの事情聴取を踏まえて、今回の敦賀発電所で発生した一連の事象にかかわる法律上の諸問題について検討中でございます。いずれにしましても、当省といたしましては、これらの検討結果を踏まえまして厳正な措置を講じたいと考えております。
○岡本委員 厳正な措置というのはどういうことなのか。この新聞報道と同じ措置なのか。そういう首脳会議の結論が、教えてください。
○平田説明員 私、まだけさの新聞に報道されている記事については事実を確認しているわけではないわけでございますが、当省幹部は告発を含め検討中という発言をしているというふうに私は聞いておるわけでございます。
○岡本委員 あなたは少なくともエネルギー庁の安全管理を担当する課長でしょう。けさの新聞も読んでないというそんなのんきなことを言っておるようじゃ話にならぬじゃないですか。大体こういういろいろなものは課長から出てくる。局長がそれのレクチュアを受けて、それで上の方で決めるのじゃないですか。そんなのんきな答えをしてもらったんじゃ困るな。 そこで、運転管理専門官、これがこの敦賀の原電にもいたはずですね。この人は何をしておったのかね。それで、「専門官制度が取りざたされるとすぐ通産省から指示がきた。「何も話すな」」と専門官の口を押さえる。また専門官は、「必要な限度をわきまえ、これを超えることのないように。知り得た事実について厳に機密を保持する。相手方(原発)に対しては、その尊厳を傷つけないよう留意すること。」こんなことで取り締まりできるのか。これは毎日新聞さんの記事ですけれども、「原発側の安全管理体制に大きな穴があいていたから、今回の事故隠しは起きた。その体質が急に改まるとは思えない。発覚後も、隠ぺい工作は続いている。」——続いておる、このとおりだと私は思う。だから、NHKさんあるいは各紙が取り上げなかったら、この隠蔽は続いて、ここへ行った管理専門官はロボットじゃないですか。それで、この専門官は中をパトロールしたりいろいろ検査に行けない。どこにこの人はおるんだ。私は非常に裏切られた感じがするのですよ。ただ専門官を出しておるだけ、それでなるべく検査するな、いままでわかったことは言うな。そんな専門官、何のためにいるのか。どうなんですか、これは。
○末広説明員 お答えいたします。 当省から各発電所に派遣しております運転管理専門官の業務でございますが、運転管理専門官は、保安規定の遵守状況等をチェックするという任務を負っております。したがいまして、取り締まりということではございませんで、発電所の自主保安体制につきまして行政指導を行っておるというふうに解していただいたらどうかと思います。 具体的な業務でございますが、通常、まず発電所に参りまして、発電所のしかるべき責任者から、発電所におきまして前日行いましたいろいろな点検作業、保守作業等、あるいは運転状況等につきまして報告を受けます。それからさらに、当日の発電所におきます作業計画あるいは運転計画につきまして説明を受けまして、その報告をベースにいたしまして、必要に応じましていろいろな記録類をチェックする、それからさらに、必要に応じましてみずから現場にパトロールに出かけるというのが通常の勤務形態でございます。 したがいまして、今回いろいろございました件のように、電気事業者から全く報告のないというものにつきまして把握するということは実際上困難な状況でございます。
○岡本委員 これは笑い話じゃないか。これは電気事業者の方から報告がなかったらもう何にもわからないようにしてあるわけですね。そんな専門官なら必要ないじゃないですか。電話で聞いたらいいのだ。しかもこの報告は、この敦賀の原発で見てみますと、大概皆隠しておるわけでしょう。隠された、全く間違ったものを一生懸命に聞いて、それだけ回ってくる。こんなのだったら子供みたいだな。聞いてみると、これは相当な人でしょう。電気工作物検査官の資格を持っておる。こんな資格を持っておる人が何の機能も発動できない。そういうようなことをしておけば、いつまでたってもこの事故はなくなりませんよ、私はこう言いたいですね。 だから、この専門官制度についてもう一度ひとつ再検討する必要があると思うのですが、これは通産省どうですか。
○平田説明員 運転管理専門官制度につきましては、昨年四月に正式発足した制度でございますが、この一年間の運用実績を見ましても、あるいは今回の敦賀発電所における事故、トラブルの発見ということに関しましても、反省すべきところは多々あると思っております。しかしながら、原子力発電所の保安監督ということは、単に運転管理専門官の数をふやして監督をすれば実現されるものでは決してないと考えておりまして、私どもといたしましては、運転管理専門官制度の充実強化ということは当然のことでございますが、それとあわせまして、あるいはそれ以上に、電力会社がこのような事故隠しをしないようにする体制をつくる、自主保安体制をきちんと確立することが一番肝要かと考えておりまして、そのための方策を現在鋭意検討中であるわけでございます。
○岡本委員 こんなロボットみたいな専門官、これは何ぼふやしてもだめだ。もっとちゃんと調査できる権限を与えなければだめですよ。原発の尊厳を、尊厳とはどんなのか知らぬが、相手方に対してその尊厳を傷つけないように、隠していたら隠しているじゃないかと言うことは傷つけることだ、こういうことを言えないような専門官であれば、これはかえってない方がいいのだ。私はそっちの方の権限を強化することが大事だと思うのです。いかがですか。
○平田説明員 尊厳につきましては、隠していないものまで隠しているとして疑うなということを言っているわけでございまして、隠しているものが発見できるのは、当然その方が望ましいわけでございまして、今後、制度の拡充強化の中で、この点を踏まえまして、事業者がこういうように隠すことがないようにする体制をつくりつつ、それを十分チェックできるような体制に運転管理専門官制度を改めてまいりたいというふうに考えております。
○岡本委員 事業者がこういうものを隠さないという体制を整えるためにはどうするか。一つは一罰百戒ですよ。こういうことをやればこうなんだ、まあ十万でしまいだというならこれは話にならぬけれども、そういった一つをもってかちっとやってしまうことが大事だと私は思うのです。 環境庁長官、私は権限外だといって知らぬ顔をしていずに、環境問題ですから、あなたの御意見をひとつ承りたい。いかがですか。
○鯨岡国務大臣 私は環境庁長官で権限外だから知らぬ顔をしているわけじゃないのです。非常に残念なことだと思います。いま関係者と先生とのやりとりを聞いていて、私は自分でいまここに書いてみたのですが、お答えにかえてこれを読んでみます。 敦賀の原子力発電所の事故はまことに残念なことである。この事故の原因、その処置、責任については、国民の前に速やかに詳細に明白にする必要がある。それは次の三点からそういうことが言える。事故の再発を防止するために、これが第一点。国民に原子力発電に対する理解を深めるために、これが第二点。三番目は、技術のさらに発展のために。 以上のことから、役所も含めて関係者が国民に対してこの事故を隠そうとすることがもしあるとすれば、それは非常に愚かなことであるばかりでなしに、国民に対して背信的行為であるとさえ言える、こういうふうに思います。
○岡本委員 まことに明快なる答えであります。 そこで、二回目の三月八日の事故は、設置するときに、許可したときに問題があるわけですが、通常電源立地は、三十三の法律、六十六の認可手続が必要なんです、こう言われておる。これは通産省、どうなんです。
○逢坂説明員 原子力発電所の許認可につきましては、非常に数多くの手続があるということは先生御指摘のとおりでございます。本件の問題につきまして、私ども中間報告を作成するに当たりまして種々の調査をいたしましたが……
○岡本委員 いや、そんなこと聞いているのと違う。この立地について三十三の法律と六十六の認可、許可があるのかどうかということを聞いている。
○逢坂説明員 そのとおりでございます。
○岡本委員 ところが、鯨岡環境庁長官が日経新聞に、実際には十三法律、二十六の免許程度です、こういう発言があるわけですね。通産省は三十三の法律、六十六の許可が必要だ、手続が必要だ。環境庁では、ただ十二法律、二十六くらいの免許程度でやっているのだ。こういうことになりますと、これをどうのこうの言うのではありませんけれども、最近非常にずさんになっておるのじゃないか、こう私は環境庁長官の発言から感じたわけなんです。ここにちゃんと報道されておりますから、そうでないとは全くお言いにならないと思うのですが、この立地手続、こういうものを非常に簡単にしていこうというところから、実はこの廃棄物の建屋——これは大体、通産省でなくて、このときは科学技術庁に責任があるのだよ。その建屋を建てるときに下に一般の排水路があった。現場も検査していない。現場を検査をしたら、あんなものはすぐわかるわけだ。流れたらすぐその一般の排水路に入っちゃう。すぐわかるのだ。こういうところが非常に安易になってきた。この問題を特に私は指摘をしておきたい。いかがですか、これはいまは通産省に責任がいっておるわけですから。どなたか、どちらか、答えてください。
○逢坂説明員 今回のオーバーフローの問題につきましての手続といたしましては、これは五回の増設があったわけでございますが、その中で、問題となりました一般排水路あるいは建屋の壁に貫通口、埋め込み配管を設けているというような問題につきまして事実が明らかになったわけでございます。この件につきましては、現在の電気事業法の詳細設計の段階では、設備につきましては詳細な検討をしておるわけでございますが、そういう付属のものにつきましては添付資料もとるようなことになっていなかったということについて反省しているわけでございまして、本件につきましては今後検討して改善してまいりたいというふうに思っております。
○岡本委員 時間が迫ってきましたから、そこで、電源三法の活用についてちょっと聞いておきたいのですが、これはわれわれ反対したわけですけれども、五十六年十月からいよいよ地元に交付金が電力会社を通じて住民に渡すようなことになった。通産省はこれに対してどういうように考えておるのか。——担当官いないのか。自治省は来ていますか。自治省、これについてどういう考えを持っておるのか、ひとつ聞いておきたい。
○田中(暁)説明員 お答え申し上げます。 御指摘の原子力発電施設等周辺地域交付金につきましては、本年度の予算で新設されたものでございますが、その交付対象事業といたしましては、都道府県が行います原子力発電施設の周辺地域住民のための雇用確保事業のほか、原発の所在市町村や隣接市町村などに住所を有します住民や企業に対しまして給付金を都道府県が交付する事業が予定されているわけでございます。 ただ、この交付のやり方につきまして、いささか地方自治法上の疑義があるというように、われわれは考えておるわけでございまして、すなわち地方自治法上は、特別の定めがある場合を除くほか。地方公共団体の公金の支出の権限を私人に委任しあるいは私人をして行わせてはならないこととされておるわけでございまして、御指摘の、公金の支出事務を私人である電力会社に委託して行わせるという方式につきましては、解釈上疑問があるように考えます。したがいまして、交付金の支出を適法に行うことができますほかの方法について検討されるよう、通産省に要請しているところでございます。
○岡本委員 この問題については、通産省は交付金をまず都道府県に交付して、その後自治体から交付業務の委託を電力会社にする。これは自治省の方から見ると、地方自治法二百四十三条に違反である、こういうことなんですね。きょうは担当の課長あるいは局長が来てないから、次のときにいたします。 最後に、話が全然違いますけれども、せっかくおいでいただいておるのですから、運輸省、フェニックス計画、大阪湾の、兵庫県の西宮の沖に、こういう計画をつくってごみを捨てようとしておるのですがね。これは瀬戸内海環境保全特別措置法、この法律が制定される前に、ここに港湾局の許可が出ておりまして、そこにいま西宮市が屎尿処理場をつくろうとしておるわけですが、現在、地元の住民の反対に遭って、裁判で係争中なんです。したがって、こういうところにごみ処理場、フェニックス計画をつくってもらっては困る、これが私の持論なんですが、これについて、運輸省、厚生省、両方から意見を聞いて、終わりたいと思います。
○吉村(眞)政府委員 お答え申し上げます。 広域処理場の候補地域ということでございますが、私ども、今回のセンター法の御提案を申し上げるに際しまして、その事前の調査として幾つかの海域をとりあえず選定をいたしまして、そのそれぞれの海域について調査を行っております。その調査は、その水域でどれぐらい埋め立てをする可能性があるか、つまりどれぐらいの広さまで埋められるかといった大変物理的な問題、それから海上輸送がどうなっておるかという問題、あるいは環境影響がどうなるだろうかということの概略の検討、それから概算、費用がどうなるか、こういった問題を調査をいたしまして、こういった広域処理場がこの海域全体として実現の可能性があるかどうかという検討に主として使ったわけでございます。その結果、実現の可能性はあるだろうということでセンター法を御提案申し上げたわけでございまして、先生御指摘の、それぞれの水域のどこにつくるというようなことは、今後さらに、センターがもしできましたら、このセンターがそれぞれ独自の調査をいたしまして、かつ、その調査ばかりではございません、いろいろな関係者との調整等も行いました上で、最終的に場所を決定すべきものかと考えております。 したがいまして、現在の調査の時点で出ております地域は、そういった意味で、とりあえず調査の対象として選定した場所であるということを御理解いただきたいと存ずるわけでございます。
○小林説明員 厚生省では、大都市圏の廃棄物の最終処分地を確保いたしますために、広域的にどういうシステムでこれに対処していったらいいかということで調査をいたし、その可能性を探りますために、大阪湾の海域を分けまして、それぞれごとに全体のシステムがどうなるかという検討をしてきたところでございます。 その結果、新しいセンターというような形でこの仕事をやるのが適当ということで、運輸省ともども現在法案を提出をしておるわけでございますが、具体的にどこの場所につくるかということにつきましては、これはセンターができました後、関係者と十分相談をしながら、調査をし決めていくべきことというふうに私ども考えております。
○岡本委員 時間が参りましたから、終わりますけれども、この西宮沖だけはひとつやめてもらわなければいかぬ。すでにその前のところが裁判が起こっておるわけですからね。ましてそこには、渡り鳥が来るところの環境庁が指定した干がたがある。そういうところで、非常にここはぐあいが悪い。これを再度申しまして、本当は長官から聞きたいのですけれども、時間がありませんから、これで終わります。どうもありがとうございました。
○山崎委員長 藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 私は、アスベストの汚染の問題についてお尋ねをしたいと思います。 アスベストというのは、商業的に生産され出して百年以上の歴史がありますけれども、耐熱性、化学的安定性に恵まれ、あるいは断熱性、電気絶縁性という点でも非常にすぐれた特性を持っております。したがって、工業原料だとか建築材料、自動車のブレーキ、クラッチから家庭用電気製品まで、非常に幅広く使われているわけです。同時に、アスベストを扱う労働者は、世界各国で石綿肺あるいは肺がん、中皮腫というふうな職業病にかかり、大変問題になってまいりました。日本でも、一九五五年ぐらいから非常に利用が急増いたしまして、現在年間三十万トンぐらいの輸入量になっているというふうに聞いております。 この石綿による職業病対策として、労働省は、アスベストを扱う労働者が石綿肺、肺がん、中皮腫になった場合の災害補償、あるいはまた、労働者の健康を守るために、特定化学物質等障害予防規則と、五十一年の五月の二十二日に行政指導基準が設定されまして、いろんな措置をとっておるところであるというふうに認識をしておりますが、これは、きょうは労働省をお願いしておりませんが、そういうことでよろしいですか。
○三浦政府委員 アスベストにつきましては、労働省の方は職場環境の基準として、先生おっしゃったような方向でやっておりまして、私どもも昭和五十四年度の調査からいろいろと検討しておるわけでございますが、本格的には、今年度から予算をいただきまして、三カ年計画でこれからやっていこうということでございます。
○藤田(ス)委員 労働省は一九七八年に、石綿による健康障害に関する専門家会議検討結果報告書というのをつくりまして、この中で、石綿にかかわる健康障害を、歴史的に見ると、第一段階は、職業病としての石綿肺が認識された時期、それから第二段階は、その石綿肺にがんの合併する率の高いことが知られた時期、そして最近は、石綿曝露とがんの発生の問題が、特定の職業人のみならず一般の市民へと拡大をしてきた時期、こういうふうに現在の危険について警告をしているわけです。 そこでお尋ねをしたいのですが、環境庁は、先ほどおっしゃいましたように、昨年の八月に新聞発表されましたね。大気中のこの石綿汚染を規制するために今年度から三年計画で実態調査をする、ことしはそれの予算もついたということなんですが、私は、新聞発表のあったそのとき、すぐ担当の方からその三年計画の内容についてお話を聞かせていただいたわけです。環境庁として、一体事前にどういうふうな調査をされ、一定の研究をベースにしてこういう計画の取り組みを言われるようになったのかなと、そのときも考えました。そうして、労働省の専門家会議の報告を受けたことかなとも思ったわけです。 ところが、いろいろ調べているうちに、環境庁は非常にいい調査をしていらっしゃることを私は知りました。それは、日本科学技術情報センターに委託をして調査されたこの報告書でございます。「大気中発がん物質のレビュー 石綿」というふうに題をしてございます。私はこれは資料要求をいたしまして環境庁の方からいただいたわけですけれども、環境庁はどうしてこういう報告書を早く公表されなかったのでしょうか。
○三浦政府委員 職業環境におけるアスベストと肺がんあるいは中皮腫、こういうことはかなり古くから知られておったわけでございますが、最近非常にアスベストの使用量が多くなってきたということがございまして、私ども一遍これは文献レビューでもやっておかなければいかぬのかなということで、五十四年度に始めたわけでございますが、これは五十四年度の調査を五十五年の三月までにまとめる予定だったのですが、ちょっと印刷が長引いたという事情もございまして、これは決して部内の秘密の資料ではございませんで、関係の機関あるいは先生方にはお配りしてございます。いま都道府県の方にも発送中か発送したか、都道府県の方にも渡そうということでいまやっておる次第でございます。
○藤田(ス)委員 そうなんですかね。こういうものはありませんかと国会図書館に聞いたんですよ。そうしたら、ないと言うんですね。それで、環境庁の方にぜひお問い合わせをいただきたい、こういうふうに言いましたら、環境庁の方は、これは内部資料だから出せないのだというふうにお答えになって、国会図書館にも置かれていなかったのですよ、これは私の間違いですかね。新聞記者の皆さんにも私は一応、環境庁からこういう資料が出ていると思うのですが、皆さんはお受け取りになりましたかということを聞きましたけれども、余り受け取ったというふうな答えは返ってきませんでしたよ。一般にこれだけ問題になっているアスベストの問題を——私は恐らく本邦初めてだと思うのです。一般環境の中からこのアスベストをとらえて研究をしていくということ、これは文献レビューということですが、こういう資料を出されたのは初めてだと思うのです。印刷がおくれたとおっしゃいましたけれども、そういう理由があったにせよ、私は、今日現在では、そうしたらこれは府県にも送られて、新聞記者の皆さんも要求をしたら出される、国会図書館にも要求があれば出される、こういうふうに認識をしていいわけですか。
○三浦政府委員 毎年私どもの方でたくさんの検討会の資料が出ておりまして、これはその都度国会図書館に届けるのかどうか、私はその辺までちょっと知らないのですが、決して秘密ではございませんで、これから資料を欲しいというのなら、私の方でもこれはお出ししたいと思う資料でございます。 それから、中も、ちょっと先生お読みいただいておわかりだと思いますが、非常に漠然とした研究の文献の集合体でございますので、その点なかなか素人の方にはわかりにくい点もあるかと思いますが、御要望があれば、別にこれはどこにでも出して構わない資料でございます。
○藤田(ス)委員 要求があればどこにでも出しても構わない資料ということで、そうしたら、これから要求があればすぐに出していただく、国会図書館からも要求があったはずですから、ぜひそれにこたえていただくということでお約束をしていただきたいと思います。よろしいですね。——首を振られましたので、そういうふうに認識をします。 この報告書を私は読んでいて、はあ、なるほどなと思ったのですが、アスベストというのは、大気中の心配、私はそういうことが主なのかなというふうに思っておりましたけれども、ここには、たとえば食品添加物としてのタルクですね、タルクというのはチューインガムの中に入れる添加物なんですが、五%以下というふうに何か基準があります。それからお酒とかビールとか果実酒、そういうものにもフィルターとしてアスベストを使用して混入しているというふうなこと、あるいはまた飲料水とか医薬品にも石綿が含まれているというふうに書かれているわけです。もっともこの報告書は非常に冷静でありまして、「石綿の経口曝露における発癌の実現性に関しては、現在のところ可能性は少いものと想像される」というふうに書いております。私は、それが危険だからいますぐどうのこうのということではございませんが、この報告書の中にも、しかしながら「留意の外におく訳にはいくまい。」というふうに結んでおりますね。 きょうは厚生省にお願いをしておりますが、食品やお酒、飲料水にこういうふうなアスベストが含まれているということなんですが、今日までどのように関心を持たれ調査をしてこられたかということを、まずお伺いしたいと思います。
○寺松説明員 お答え申し上げます。 いま先生から御指摘いただきました件でございますが、おっしゃるとおりでございまして、タルクにつきましても一応規制をして、純度の確保と申しますか成分規格等をつくって対応しているわけでございます。 それから、いま御指摘の特に酒とかビールとかいうような問題でございますが、この問題につきましては、五、六年前にアスベストの問題が取り上げられまして、それ以後私どもは、国税庁と相協力いたしまして、機会あるごとに酒造組合でございますとか、あるいは一般の業者、そういうふうな者に対しまして、アスベストによりますろ過、フィルターを使わないようにというふうな指導をいたしておるわけでございます。 現実に現在どのような状況かということでございますが、私ども二、三年前に聞いております報告によりますと、兵庫県の、御承知のように灘があるわけでございますが、そこでは使われていないという報告を県から受けておるわけでございます。それから関係の各業界、酒造組合等に問い合わせましたところ、先ほども申し上げました国税庁等の指導のもとに使わないようになっておる、ほとんど使ってないというふうな報告を受けております。それからなお、これは国税庁がおやりになりました、数は少ないのでございますが、市販されている清酒でございますけれども、これを調査しました結果、アスベストは含んでいないという報告をいただいております。
○藤田(ス)委員 国税庁の方には私の方が問い合わせをいたしましたところ、少なくとも清酒については、現在のところ調査をして使用ゼロというふうにはなっていないと聞いております。 飲料水はどうなんでしょうか。
○田中(収)説明員 飲料水とおっしゃいましたけれども、水道水と思います。水道水の中にも、水は何でも溶かしますけれども、アスベストが入っておるということでございます。原水中に含まれるアスベストのほかに、水道のパイプで石綿セメント管というのがございますが、それらが若干でございますけれども溶出するということでございます。しかしながら、水道水中のアスベストにつきましては、諸外国のいろいろな調査がございますが、その調査の結果きわめて微量であるということが報告されておりまして、また、WHOの専門家の会議におきましても、これが直ちに人の健康に影響を与えるおそれはないものと判断されているわけでございます。 しかしながら、この問題も今後検討する必要もございますので、本年度から予算をいただきまして、水道に使用されております石綿管につきまして、とりあえずその成分試験等をことしから実施したいと思います。さらに、今後、いろいろな情報の把握に努めまして調査等も進めてまいりたいと考えておるわけでございます。
○藤田(ス)委員 さらに、ヘヤドライヤーあるいは家庭用電気製品などもアスベストが使用されており、そこから大気中に出てくる可能性もあるというふうにこの資料は書いております。自動車のブレーキあるいは建築材料からも大気中に石綿が出ているということです。これらについて通産省はどういうふうに関心を持たれあるいは調査をしてこられたのか。
○岩田説明員 お答えいたします。 通産省といたしましては、関係省庁でございます厚生省、環境庁と緊密な連絡をとりつつ適宜これから対処してまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○藤田(ス)委員 私はここに、「現代化学」一九八一年三月号の神山宣彦先生の書かれた「アスベスト」という題の論文を持っているのですが、これを見ましたら、アメリカが日本や東南アジア諸国から毎年一千万台以上も輸入しているヘアドライヤーから、アスベスト繊維が飛散して、それを吸入する消費者が危険にさらされているというのである。そのため、現在ではそういうアスベスト板を使った絶縁体が雲母板やあるいはセラミックス板に変えられたという。こう書いているのですね。もっと神経質になってもらいたい。全体にこのごろ、新聞を見てもずいぶんアスベストのことが書かれている時代ですから、そういう点では私はもっと神経質になるべきじゃないかと考えるわけです。この報告書は、もちろん一般大気中の石綿についても重大な警告をしているんじゃないでしょうか。濃度は非常に低いと断りながらも、アスベストの使用が一般の建築や交通機関など日常生活に広く広がって、一般住民の生活環境中にばらまかれていること、あるいは工場周辺や建築現場周辺などでは疾病が起こる可能性があること、そして、非職業性の石綿曝露に関するわが国の現状を把握するための組織的な活動が直ちに開始される必要があると痛感される、こういうふうに言っているわけですね。 先ほど申し上げました環境庁の三カ年計画ですけれども、こうした指摘に対して、私はもう一度環境庁の御見解をお伺いしたいわけです。
○三浦政府委員 先生御指摘のとおり、このアスベストというのは昭和三十年ごろから急激にふえ出した。当時、年間使用量が三万トンぐらいだったわけです。それがいま三十万トン、昭和五十四年で二十四万トンという数字が出ておるわけですね。先ほど申し上げましたように、労働環境ではすでに肺がんあるいは中皮腫との関連はかなりはっきりとわかってきておるわけです。 そこで、私ども、これはほっておいてはいかぬなということで文献レビューから始めたわけでございます。先生はそれを詳しくお読みになっておるようですから、中身はもう申し上げませんが、要するに、現段階では一般住民におきます健康影響の問題については明確な関連性はわからない、それが一つでございます。しかし、アスベストと肺がんとか中皮腫との関連を考えると、やはり濃度を最小限にとどめるべきだという提言がなされてございます。 それからもう一つの大きな結論といたしましては、先ほど申し上げましたように、戦後アスベストは非常に使われ出した。したがって、非職業性の曝露においてもこれから留意していかなければならぬのじゃないだろうか、こういう御提言をいただきまして、私どもはこれは全く同感でございますので、予算要求をいたしましたところ早速お認めいただいたというわけで、これから調査に入るわけでございます。
○藤田(ス)委員 そういうことで、新聞でも報道されておりますように、取扱量だとか、あるいは利用品目だとか、防止技術の現状、あるいは代替品の有無、あるいは一般環境中の濃度などを調べて、そういうデータをもとに、石綿の使用だとか排出量と環境濃度の相関モデルをつくって、将来の濃度を予想し、どんな規制が必要か検討するのだ、こういうふうに新聞でも書かれておりましたが、現在ではどうなんですか。いま現在は何に取り組まれているのですか、この間予算がついたところですが。
○三浦政府委員 いま現在は、いただきました予算でこれから三カ年でどういう計画をしていこうか、そのためにはどういう先生方にお集まりいただいて検討したらいいのかなということで、準備をしておるわけでございます。ただ、一方、そういう健康影響の問題の提起がしばしばあるものですから、かなり最近いろんな調査がなされ出してまいりました。いまそれらを集めていろいろ中身を読んで検討を始めておる、こういうことでございます。
○藤田(ス)委員 健康濃度の問題に触れられましたので、私もこの点は強く要望をしておきたいと思うわけです。 最近発表されました日本産業衛生学会で、労働科学研究所の海老原先生が、老人健診の際にもレントゲンの直接写真では、東京都内の老人二千四百四十九人中八十三人にアスベスト特有の肋膜肥厚斑というのがあらわれたというふうに言われておりますし、曝露量が比較的大きいことが予想される副次的職業性曝露というもの、あるいは近隣曝露。副次的職業性曝露というのは、御主人がそういう工場に勤めておられて、それに関係して奥さんが影響を受ける、曝露される、こういうことですので、ある意味では労働省サイドかもしれませんけれども、近隣曝露ということになったら、これは環境庁そのものずばりだと思うのですね。 そういう点では、この調査でも着手の第一の対象として重視されるべきであると言われているこういう近隣曝露を、健康面から調査をして、しっかりとらえていってもらいたいということを強く要望したいわけです。もう一度お聞かせいただきたいと思います。
○三浦政府委員 先生ただいまおっしゃった老人健診の結果報告は、この間新聞に載って、私も中身は拝見させていただいております。ただ、この研究は、東京、神奈川、埼玉、千葉ですか、それから静岡、石川、その辺の老人健診の一万枚のレントゲンを集めたその結果、肋膜肥厚斑、これは非常に鮮明にガラス状の肥厚斑が出てくるわけですけれども、それを抜いて職業歴、生活歴を調べたわけですね。それで追跡調査をやったわけでございます。 ただ、私この報告書でもう少し検討が必要じゃないかと思うのは、職業歴、生活歴が職場と関係あった以外の人はすべて公害だ、こうきめつけて類推しておられるわけですが、その辺、もう少し慎重に検討すべきじゃないかと思うわけです。決して私ども否定しているわけじゃございません。 そういう意味で、いま各地の文献も集めておりますから、いずれまたいろいろ見解ができたところで御報告は申し上げますが、とにかく私どもは、いま先生御指摘になりました近隣、近くに住んでおる、これは確かにいろいろ問題点もございますので、この点も含めて検討をさせていただきたいと思っております。
○藤田(ス)委員 健康調査にも取り組んでいただけるというふうに私理解をいたしまして、本当に要望をしておきます。 通産省の方も、自動車だとか、建築材料だとか、さっき言いましたような家庭用電気製品など、大気中に石綿を発生させる可能性のある商品については、この際調査をして総合的にやらぬと、環境庁ばかりが一生懸命走っても、その後何か出てきたら取り組もうかというようなことでは困るわけです。だから、ひとつこの際業界を指導してこういう危険を未然に防止していく、そしてそれにかわる商品がないかどうかという研究も厳密に進めていくという立場で取り組んでいただきたいと思います。 それから、先ほど、水道水の取り組みについては、ことしから予算がついて研究していただくということですので、結構なんですけれども、お酒とか食品なんかについても同様の調査と指導というものが必要じゃないかというふうに考えるわけです。この点、最後にもう二度通産省と厚生省のお約束をいただきたいと思います。
○岩田説明員 先生の御要望の趣旨よくわかりますので、関係省庁と連絡をとりつつ適宜対処してまいりたいと思います。
○寺松説明員 お答え申し上げます。 先ほど先生が御披露いただきましたように、まだ傾向的にはアスベストの健康被害等が出ているというようなところまでは明確にいっておりませんけれども、こういうものにつきましてはできるだけ被曝を避けるということが必要かと存じます。したがいまして、先ほど通産省からもお話がございましたが、私どもも、業界等よく指導しながら、あるいは国税庁と相協力してそういう業者等を指導してまいりたいと存じます。 それからなお 文献等についてでございますが、先ほど環境庁の方から御披露がございました。これは五十五年三月で取りまとめられておりますけれども、その後の新しいデータが各国際的にもいろいろあるやに聞いております。したがいまして、私どもは、専門家の専門的ないろいろ御協力を得ながらそういう文献をも収集し、検討してまいりたい、こういうように考えております。
○藤田(ス)委員 大臣、最初からお聞きいただいて、アスベストへの取り組みについて御理解をしていただいたと思いますが、この予算、三年計画で取り組むということになっていたのですが、削られているのですよ。こんな大事な、国民の命にかかわる問題なんですから、ぜひこの三年計画が本当に全うできるように大臣も精力的にお力添えをいただきたいと思います。何といってもまだ一般環境中のアスベストの汚染状況は十分把握されていないわけです。これを読んでも、ほとんど外国の資料で、ちっとも日本のことがわからないわけです。これは人体に対する影響の調査においてもまたそういうことなんですね。だから、私は、なおさら、環境庁が本邦で初めて取り組まれた報告書をみんなにもっと読んでもらうべきじゃなかったかというようなことで、最初に指摘したところなんですけれども、ひとつそういうことでこの問題をきっちり進めていただけるということをお約束いただきたいわけです。
○鯨岡国務大臣 アスベストの問題については、現在の段階ではどうだということはお聞き及びのとおりです。しかしながら、先生の御発言の中に、「留意の外におく訳にはいくまい」というどこかの資料を引用してのお話がありましたが、全くそのとおりだと私は思います。削られましたけれども、千六百余万円、未規制の物質規制基準の検討ということで予算がありますから、せっかく権威に調べてもらいまして、適切な処置をとっていきたい。その際には、関係省庁、特に通産省などが、そのようにひとつやってみましょう、こういう発言でございましたから、それを強く信頼してやっていきたい、こう思います。
○藤田(ス)委員 次に、関西新空港の問題についてお尋ねをいたします。 先月二十七日に、運輸省は関西新空港についていわゆる三点セットの要約を示しまして、地元に予備協議なるものを申し入れたわけなんですけれども、これについては非常に各方面からいろいろな批判が出ております。 そこで、私はまず最初に、予備協議というのは一体何なのか、その目的はどういうところにあるのか、これも簡単明瞭にお答えくださいませんか。
○山本説明員 塩川運輸大臣が去る四月二十七日に三府県知事に御説明したものがございまして、これは広く配付されておりますが、運輸省がこれまで調査検討を進めてまいりましたこの関西国際空港計画についで、その検討の結果を、いわゆる先生がおっしゃった三点セット、空港計画案及び関西国際空港の環境影響評価案及び関西国際空港立地に伴う地域整備の考え方として取りまとめたので、これについて意見の交換をしていきたい、こういう趣旨でございますが、これらの運輸省がまとめましたものは運輸省の素案でございまして、現在いろいろこの問題につきまして諸問題を抱えておりますが、さらに所要の検討を行って、運輸省としての成案を今後作成してまいりたい。ただ、関西国際空港につきましては、地域社会の理解と協力を得ながら、調査検討を進めるというのが従来からの方針でございますし、また、こういった計画につきまして関係の方々が共通の認識の上に立って検討をしていくということがきわめて重要である、こういう考え方から、この段階から十分意見の交換をしていきたい、こういう趣旨で意見交換を開始したい、こういうことでございます。
○藤田(ス)委員 目的が非常にわかりにくいのですが、結局、地域の理解と協力を得るため、そして地域と共通の認識を持つため、こういうことなんでしょうか。目的というのはそういうことですか。
○山本説明員 そういうことが大きな目的でございます。そういった理解と協力のもとに、御意見を聞きながら運輸省としての成案を固めていきたい、かように考えておる次第でございます。
○藤田(ス)委員 運輸省としての成案を得た後、政府としての成案がまとまるわけですか。
○山本説明員 政府としての成案にしていただくためには、やはり運輸省としての考え方というものを成案としてまとめなければならない、かように考えております。
○藤田(ス)委員 そうすると、今度諮られているのは運輸省案の前で、それから運輸省案が出て、それから政府案が出る、こういうことなんですね。そういうことですね。 ところが、地元としては、一体これはどう対応したらいいのでしょうか。本当に協議に応じられるという、応じてもまだこれから運輸省案それから政府案と、そのころになってきたら大分話が違うというようなことになりかねないわけですが、ともかくこの示された計画案を見ましても、いつ着工していつ完成するのかという、この問題の大前提がちっとも定かでないわけです。これがないままアセスメントだとかあるいは地域整備だと言っても、これはもう本当に話がしにくいわけですね。特に、アセスメントの問題なんですが、これは事業計画の時期が明示されないままにアセスをやっても、つまりバックグラウンドが確定していないから不確定なものにしかならない。 これは環境庁に私は一般論としてお聞きしたいのですが、全く時期を明示しないあるいは事業も変わるかもしれないというようなことで、アセスメントというのは一体意味があるのでしょうかね。
○藤森政府委員 お答え申し上げます。 計画にはそれぞれの熟度がございますが、そうした熟度に応じて環境アセスメントを実施していくこと、これは私どもは意義があるというふうに考えております。ただいま御議論のございました関西新空港の計画につきましては、政府として意思決定を行うまでには、当然のことながら、着工時期であるとか、建設の期間であるとか、供用開始の時期などを明確にした上で、所要の環境影響評価が実施されていることが必要である、かように考えております。
○藤田(ス)委員 熟度に応じて意義がある、だから、早くから調査をやるということは決してやぶさかじゃない。私もそう思うのです。調査は早くからやった方がいいと思うのです。ただ、アセスメントというのは、だからということでいつやるかわからないし、どんなものになるかようわからぬというものを、これが環境影響評価ですというふうに出されても、それはつまり未熟な段階の未熟なアセス、こういうことにならざるを得ないと思うのですがね。もう一回その点はっきり言ってください。一般論でいいんですよ。
○藤森政府委員 一般論としてお答え申し上げますが、計画の熟度に応じて私どもはアセスメントを実施することは意義があると思っております。ただ、その開発行為に伴う影響というものを最終的に評価をするためには、そういった諸元が完熟して、それに対してこれが検討に供される必要があるというふうに考えております。
○藤田(ス)委員 アセスメントというのは、そうでなくてもいろいろな不確定要素があって、予測が完全にそのとおりにはならないというふうに思うのです。これはある意味ではいたし方がないことで、だから、事後の監視というのが重視をされているわけですね。この運輸省の要約でも、事後の環境監視計画をつくってしっかりやっていくのだということをここに書いておられます。ところが、今度の三点セットでは、予測の前提である事業計画そのものが仮定、そしてこの想定の上に立ったいわば砂上の楼閣というようなものなんですね。この三点セットでは、供用開始は昭和六十年代半ばと想定し、年間離着陸回数は十六万回に対応する時点を昭和六十五年と仮定、同じように年二十六万回を昭和七十五年と仮定というふうに、全部仮定で置いてやっているというのは、このアセスメントの大事な前提がやはり非常に未熟なものじゃないか。私はないのと同じだというふうに思うわけです。したがって、地元では、こういうふうなアセスメント案を出されてきても、協議に応じようがないというのが率直な気持ちじゃないかと思うのですが、運輸省の御見解をもう一度お聞きしたいと思います。
○山本説明員 私たち今度まとめましたものは、特にその根拠として特別の法令に基づくものでもございません。埋め立てについて、公有水面埋立法に基づくその手続をやります前の前提としてのアセスメントというものでもございません。これは関西国際空港計画を進めます場合に、その調査の実施方針を運輸省が明らかにし、地域の理解を得て行うという方針でございますが、その中に運輸省の調査の結果をできるだけ公開していく、そしてそれをもって地元の方々に理解をしていただく、そうして空港計画を決定する場合には関係府県の合意を得た上で決定する、こういった調査の実施方針に基づいて、それの非常に大きな作業の一つとして環境アセスメントを行っておるわけでございます。したがいまして、関係府県はもとより関係省庁とも十分な意見の交換を行って、さらに運輸省としても調査検討を今後も重ね、合意を得た後に計画を決定するという考え方でございます。したがいまして、着工の時期というのは、こういった関係の向きとの意見交換などを経ましてさらに合意形成が進み、さらに建設ということになりますと、その他の諸条件を整えることが必要でございますけれども、そういったことを経た上で着工の時期が決まってくる、こういうことになります。したがって、われわれといいますか、運輸省の従来の方針からいたしましても、現在行おうとしております運輸省の案というものも、現段階における案でございまして、関係の向きと十分な意見の交換をしながら成案を得ていくということでございますので、この段階でいつから着工いたしますということを申し上げるのは不適切ではないか、こういう考え方から明示することは差し控えたわけでございます。 しかしながら、アセスメントとしていろいろな事項について予測評価を行っておるのでございますが、飛行機から出ます騒音でございますとか、そこに空港が置かれることによって海水の流れが変わってくるとか、波浪でございますとか高潮あるいは電波障害等の影響につきましては、空港の着工時期あるいは供用開始時点とは直接関係はないというふうに考えておる次第でございます。 ただ、大気質あるいは水質に与える影響につきましては、空港サイドあるいは飛行機サイドから環境へ出します負荷につきましては、これは時点をとらえても明らかにすることはできますけれども、この場合、われわれがやりましたこのアセスメントは、空港から出る負荷だけではなくて、一般家庭からあるいは工場からあるいは道路の交通から出るところの負荷もあわせて評価をしておるわけでございます。先生がおっしゃいましたこのいわゆるバックグラウンドについては、確かに時期というものは非常に大きな要素になってくるわけでございますが、現在の段階におきましては、そういったものの予測評価につきましては、一定の前提条件を仮定いたしまして、その仮定も環境への影響を過小に評価しないように仮定を置きまして予測評価をしておる、こういう手法をとっておるわけでございまして、私たちといたしましては、現段階におけるとり得る限りのやり方をやっておるというふうに考えておりまして、決して意味がないものとは考えておらない次第でございます。
○藤田(ス)委員 意味がないとは考えないけれども、非常に不確定なアセスメントであるということはよく理解できたように思うのです。 今回のこのアセスメントというのは、そういう点でのでたらめさがあるというだけではないのですね。これは本文が出された段階で改めて議論をしたいと思いますが、私、特に台所の代表として魚に非常に神経質にならざるを得ないのです。その魚なんですが、日本水産資源保護協会が作成しました「関西国際空港建設計画検討のための漁業環境影響調査」という資料、これは運輸省の調査委託のものですね。それでいいですね。(山本説明員「はい」と呼ぶ)これを見ますと、空港建設に伴う漁業、生物に対する影響は非常に大きいものがあるというふうに思わざるを得ないわけです。ここにずっと一覧表がありまして、サザエからタコ、アワビ、全部載せてくれているんですが、これは影響がないものをゼロとし、甚大な影響があるものを四ということで、五段階に分けているのですね。五十四種の魚介類の影響について調べていますが、いろいろな段階に分けて、卵を産む段階、それから幼魚というのですか稚魚の段階というふうに、ずっと分けて調べておりますが、何らかの影響を一切受けないという魚種は一つもございませんでした。そして、多少とも影響があるというのが五十四種中七種ですから二二%、かなり影響があるが二十五種ですから四六%、大きな影響があるというのが十八種ですから三三%、甚大な影響があると言われているのが四種で八%、こういうふうな状況になっています。 ところが、今回のこの要約を見ますと、水質等海域環境の変化は比較的少ないというまとめになって非常に簡単ですね。そして、水産資源の増殖とかあるいは養殖、漁場の整備等の対策を積極的に進めることによってその影響を軽減することができる、こういうふうな何かちょっとわかるようなわからぬような話にまとめがなっているんです。 私は、もう一つあれと思ったのは、これ以前に朝日新聞が書きました「関西国際空港計画に係る環境影響評価に関する総合調査の概要」、この「概要」というのは関西空港調査会の文書なんですが、これが今回の要約のもとになっているというふうに私は思うのですが、そうですね。関西空港調査会のまとめられた「関西国際空港計画に係る環境影響評価に関する総合調査の概要」、これがベースですね。まず、それだけ先に答えてください。
○山本説明員 環境影響につきましては、多方面からいろいろな調査をみずからやりあるいは委託をして行い、それを取りまとめておるわけでございます。したがいまして、ある一つのものだけをもとにして作成されたかと申されると、それはその一つだけをもとにしてまとめたものではございません。いろいろな調査を総合してそれを取りまとめておるというものでございます。
○藤田(ス)委員 しかし、調査会が出したこの「環境影響評価のまとめ」を見ますと、この要約とうり二つですよ。ほとんど一緒ですよ。ただ違うところがこの魚なんです。この関西空港調査会の方は、空港の設置により漁場の一部が喪失すること、その部分を除きますと、周辺海域の生物及び漁場に及ぼす影響は著しいものではないと、影響はしないというふうにもうぱんと結論を出しているんです。今度出てきた要約を見ると、いろいろな対策をとると軽減することができると、大分なましているんですね。私はこういうやり方は非常にこそくだと思うのです。もとの調査では八十数%までは非常に大きな影響があると出ていて、それから真ん中で、関西空港調査会がまとめました資料を見ますと、その方には全然影響がない、それが新聞に出てわっとくると、対策をとったら大分ましになるみたいなことは、こんな言い方はちょっとやめてもらわなければいかぬなと思うのです。何でこんな開きがあるのでしょう。
○山本説明員 先生お読みになりました要約と申しますのは、運輸省がまとめております環境影響評価案というものをきわめて短い文章の中にまとめておるわけでございますので、表現上疑問に思われる点があるいはあるかもしれないという気もいたしますが、私たちがまとめましたものは、先生おっしゃるように、あるものをもとにして、それだけをもとにしてやっておるわけではございませんので、個別の資料に記載されておる事柄とニュアンスの異なる点というものはあるかもしれないというふうに考えるわけでございます。しかしながら、個別のいろいろな資料を総合してまとめておるわけでございまして、ニュアンスの差はありますけれども、さしてかけ離れたまとめにはなっていないというふうに考えておる次第でございます。
○藤田(ス)委員 時間がありませんので、この問題はもう少しはっきりさせておきたかったのですけれども、残念ですが、これは私は一つの例を挙げたにすぎないわけです。 最後に、今度のこのアセスの基礎資料の公開問題についてお聞きしておきたいのですが、この資料の公開の問題については、参議院でもわが党の沓脱議員から、企業にだけ筒抜けになっていて、そして土地の売り買いが始まっているということで追及がありましたけれども、水産資源保護協会の資料の中を見ましても、これは公開するということで運輸省とこの調査を約束したということをちゃんとこのページの初めに書いていますよね。にもかかわらず、これを私たちが要求したときには一向に見せてくださろうとしなかった。漁業組合にまで渡っているのに見せようとしなかったのですよ。こういうふうなことだったのですけれども、最近新聞を見ましたら、基礎資料は公開するという方針を決めたということですから、この点についてどういう御見解かということをお聞きしたいことと、時間がありませんのであわせてお聞きしますが、その報道の中には、ロッカー七個分も基礎資料があるというふうに書かれておりました。これは十分私どもも勉強させてもらわなければいかぬわけですし、私たちだけじゃない、いままでこの問題に関心を持ってきた住民及び専門家も大いにこれを機会に勉強させてもらわなければいかぬわけですが、そうなりますと、形式的に公開は一カ月間だなどというようなことではなしに、十分検討の時間を保証するべきだというふうに考えるわけです。この点について最後に伺いたい。
○山本説明員 資料を出さなかったというおしかりでございますけれども、調査というのはいろいろなものを総合いたしましてまとめるわけでございますので、個別のものそれぞれを公表するということは、いろいろ誤解があってはいけないということで差し控えてきたわけでございます。しかしながら、運輸省が取りまとめをいたしたわけでございますので、その基礎となった、かつ大量の国費を使って調査をしてきたその基礎資料につきましては、特段社会的にどなたかが迷惑をされるというふうなものは除きまして、原則的には、一定の場所に集めまして一般の閲覧の用に供するという措置をとりたいと考えておる次第でございます。できるだけ利便が図られるように考えてまいりたいというふうに考えております。
○藤田(ス)委員 どうもありがとうございました。時間がありませんので、これで終わります。
○山崎委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十四分散会