環境委員会 第5号
- 発言数
- 168 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1981/04/10
会議録
○山崎委員長 これより会議を開きます。 公害の防止並びに自然環境の保護及び整備に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡本富夫君。
○岡本委員 最初に、私は、この国会で先般大臣の地球的規模の環境保全というような所信表明がございまして、そして、特にそのときに、OECDの環境委員会に大臣が先般行かれて、非常にOECDの皆さんも認識を持って、この間こちらから私は大臣が出席するように言ったのですけれども、大来さんということだったのですが、大来さんは出られなかった。それで環境庁の方からお出かけになったそうでありますが、その結果について、あるいはまた今後どうするかについて、詳しく御報告を願いたいと思います。大臣からよろしくお願いします。
○鯨岡国務大臣 お答えをいたします。 日本側で、地球的規模の環境問題について去年から、ずっと十二月までやってきて、今後も引き続いてこれを心配していくことについては先生前段御承知のとおりですから、これは申し上げません。そこで、御報告いたしました、去年の暮れに出た報告書を携えて、私は一月に行ったわけですね。OECDへ行ったのですが、こちらの国会の都合で行ったので、向こうはちょっとお休みだったものですから、完全な責任者はいなかったわけですよ。それで次席みたいな人たちが集まってくれたのですが、私の言うことに耳を傾けてはくれましたけれども、正直言って私の印象では、なかなかそれは大変ですよ、OECDとしてもお金もありませんし人員もありませんしなかなか大変ですよと、まあ耳を傾けてくれたけれども、えらい熱心に乗ってくれたかなということについては多少の危惧があった。しかし、それなんかも影響したのでしょうか、要するにOECDの中の環境委員会は十年になりますからね、パネルディスカッションを開いて、その十年の記念行事のようなことでこれをやろうということになりまして、それで、「二〇〇〇年の地球」というアメリカの報告をつくったクリーブラントという人、それからフランスの人でOECDの「インターフューチャーズ」の報告作成責任者だったルスルヌという人、これは国立工芸学校の教授ですが、そういう人たちが出席してこの問題について検討しよう、日本からも懇談会の座長だった大来さん来て話をしてもらいたい、こういうことだったのです。私は、この前行って、日本の俗な言葉で言えばハッパをかけて、それがいささか成功したかなと思って喜んでいたのですが、残念ながら大来先生はかぜになりまして、向こうに行って講演をする原稿はできていたのですが、行かれませんでしたものですから、事務次官の金子君がかわって演説をしたのです。向こうでは日本語の同時通訳の設備なんかもこしらえて、かなり熱心にそれに耳を傾けてくれた。その結果、これは大変な問題だということで意見が一致して、ことしの暮れにこの問題についての方向づけの会議を開こう、それまでの間に事務的な会議を詰めていこう、こういうようなことになった。先生方にも御報告いたしましたが、日本のそのことについての熱意がだんだんわかってきて、国際的にこれを取り上げていこうということになったことは非常に結構方ことだ、こう私は思っているわけでございます。
○岡本委員 もう少し詳しくその中身ですね。OECDの各国のいろいろなお話もあったと思うのですが、それはお聞きになっておりませんか。
○鯨岡国務大臣 いま申し上げましたようなアメリカの講演者、それからフランスの講演者の話はまだ十分に聞いておりません、帰ってきたばかりですから、おとといですからね帰ってまいりましたのが。そこで、それらはできるだけ印刷物にして関係の委員の先生方にお届けしたいと思っておりますが、日本の方で大来さんのメモによって金子君が話をしたことは、この前、懇談会の結論は印刷物でお手元にお渡ししたとおりでございますが、これはやはり人口の問題が入り口です。人口の問題から、いま何かしなければ手おくれになりますよ。手おくれになってからでは、これは文字どおりどうにもならないので、いまのうちに心配しなければなりませんよ。どういうことを心配するかと言えば、炭酸ガスがだんだんふえてきておりますから、炭酸ガスが地球上を覆っていくと、この問題なんかも、きょうあすのことならば心配はないでしょうけれども、長い年月のことを考えれば心配である。それから森林ですね。森林は日本の中だけですと、大分林野庁なんかも骨を折っていろいろやっているようですけれども、そのかわり外国から買っているのですから、世界的に言えば日本が一番よけい切っていますからね、そういうようなことで森林がだんだん減ってくる。これは炭酸ガスにも関係ありますが、森林がどんどん減っていく。それから土壌が傷んできている。そうすると、人口がふえてくるのに、食糧は大丈夫かという問題にもなってまいります。土壌が傷んでくる。そういうようなことを話して、大きな感銘を与えた、こういうふうに私は承知いたしております。 それからなお、やはり少なくとも先進国は共同して当たらなければ、一国だけでできることじゃありませんよ、全部共同して当たらなければなりませんということと、経済援助なんかも、いままでのような形でなしに、やはりそういうことを頭に置いた経済援助ということになっていかなければならないんじゃないかなというような話にも及んだようです。
○岡本委員 いまから十年くらい前にOECDの環境局長が日本に視察に来たことがあるのです。その前にぼくがOECDに参りましたときに、ちょうど加藤大使の時代だったのですが、いろいろ話をして、一遍日本の国の状態を見に来なさいよ――ということは、その当時から日本の国は環境問題に対して、何といいますか非常におろそかにしている、要するにたれ流しをしている、それでダンピングをしているんじゃないかというような意見がちらっと出たわけです。それで私が、じゃ一遍日本を見に来たらどうですかということを言ったら来ましたのですが、この前も話しましたように、ちょうど東京の空はきれいだった。わりによく進んでいますなというような状態で帰りました。 そこで、エネルギー問題それから現代の経済状態の中で、環境行政がよけいなことだというような風潮がどうも最近流れておるように思うのです。したがって、大臣、私は環境行政の後退はあってはならない、むしろ先取りをしてやっていかなければならぬと思うのです。同時に、たとえば自動車の排気ガスの規制をやったとか、日本はいろいろなことをやっているんだ、そしてこういうように環境行政に対して力を入れているんだということをもっともっと世界に知らしていくことが日本の国益になる。たとえば自動車問題でも、いま盛んに無秩序な輸出だということが言われているでしょう。これは長官、どうも現在のいろいろな風潮が、環境行政が余り進み過ぎとかいうような、まあそこまでもいっていませんけれども、それに近いような状態。したがって、そういうように諸外国にも、OECDあたりで日本の国はここまで環境行政をやっているんだということを知らすことが、結局輸出に対する、要するに日本の産業も進めることになるんじゃないかと思う。こういうことで、ひとつもっとそちらの方にも手を打ち、この前私がOECDに行ったときにも加藤大使やいろいろな人が言っていましたけれども、日本から来る訓令が余りにも低過ぎるというのですよ。こんな話で向こうへ持っていけない、日本はもっともっと高い経済大国だと思っているというのですね。尊敬もしておるというのですわ。だから、訓令を聞いてそういうことを言ってないというようなことを言っておりましたから、日本の国の環境行政はこうやっているんだということをもっと宣伝をする必要がある。同時に、環境行政の後退はしてはならない。私は、これがこれからの日本の国の進むべき道の――諸外国から盛んに、アメリカでもそうでしょうし、あるいはまたECあたりからも日本から自動車を出し過ぎだとか言われていますね。環境汚染に対してこれだけやっているんだ、しかるべく、中でこういうふうに日本は努力しているんだというようなことをすれば、両方をもって、環境行政の後退をせずに長官の景気に対する貢献ができるのではないか、私はこういうふうに考えておるのですが、いかがですか。
○鯨岡国務大臣 御激励いただいてまことにありがとうございます。おっしゃられるとおり、これは各委員の先生方にもぜひひとつ御理解と御協力をいただきたいと思うのですが、私はつくづく大変なときに環境庁を預かったなという感じがするのです。バイオリズムなんということをよく言いますが、バイオリズムで言うといまは一番低いときですよ。一時は猛烈に高くなったんですね。そのときはとにかく大変だということだったのですが、このごろは今度大変が移ってまいりまして、経済問題の方が大変だ。それは油の問題なんかが、前にも申し上げましたように、昭和六十五年度には油に依存することを五〇%にしようというのですからね。だから大変だ大変だということでしょう。その前には環境なんて言っていられないというような感じが――そこまであからさまには言わないでも、感じがそういう感じになっている時代です。だから、自動車で言えば私はブレーキなんですが、アクセルの方が一生懸命ですから、ブレーキなんというのはしばらくの間なくてもいいだろうなんというような、これは大変な間違った考えで、そうしたら過ちを二度繰り返すことになりますから、特に日本のように狭い国土の中で、可住面積が少なくてこれだけの経済をやっていて、それが毎年五%以上ずつ伸びていかなければならぬ、こういうことなんですから、いま先生の言われたようなことになっては大変なんで、微力を尽くして一生懸命やっているつもりなんですけれども、まだ力が足りませんので、ひとつ御協力をいただきたいと思います。 日本は、こういうように狭いですから、公害の被害では当然と言っちゃなんですけれども起こり得べくして起こったんでしょう、本当に痛ましい考えても申しわけのないような公害を起こしました。そのときに、これは大変だということになって、その対策もそれなりにやりまして、それがいま続いているわけでありますが、いままだ快適な環境というのにはとてもほど遠いのですね。そこで、われわれは国内を快適な環境にしたいということで微力も尽くしているわけですが、同時に、考えてみれば、これはもう一国だけの努力ではだめだ、地球的におかしくなってくる、こういう考えです。これは国民の間では、岡本先生、何となくわかってきているんじゃないでしょうかね。というのは、いつも申し上げることですが、そして御意見があったら教えていただきたいのですが、こういうむずかしい問題についての書物が非常に売れるんですよ。私の役所で訳しました「西暦二〇〇〇年の地球」という本は、この種の本としては非常に売れました。そればかりではありません。もっと高い完全な訳の上下二巻になっているあの書物まで非常に売れました。ですから、何となく人類はそこに不安を感じているんでしょう、このままやっていったら危ないと。これはまだお手元にないでしょうが、きょう売り出した文藝春秋ですが、これにも「一九九九年 地球運命の日」こういうのが出ているんですね。それから「二十九日目の恐怖」というのが、これがまたよく売れているんですね。これはまだ大丈夫だ大丈夫だと思っているうちに、倍々に危なくなっていくから、ハス池の中にハスが半分になったときの次の日はいっぱいになっちゃうんだぞ、気がついたときには遅いぞという警告なんですが、そういうことがこういうふうにいろいろなことで言われているということは、国民が何となく、国民といいますか、人類が本能的にわかってきていることだと思います。 そこで、お問いに対してお答えいたしますが、ここで環境庁は十年なんですね。十年のときにこういう環境が――環境といいますか、環境庁を取り巻く雰囲気がわれに厳しいときに十周年を迎えるというのは、まさに何かを示唆するような感じがいたしますので、ここで世界のそういう面の学者なども呼んできて、それでこれをなるべく大々的に、国民にわかってもらえるように、いまの生活態度はあるいは間違えているのかもしれませんよ、こういう物にだけ依存する生活の態度をやっていると、われわれの代はいいけれども、われわれの子孫の代はありませんぞという心配がありますよというようなことを、私は大々的に、先生方のお力をかりて、宣伝と言っちゃなんですが、啓蒙していきたい、こういうふうに考えておりますので、何かいい知恵がありましたらばひとつ教えていただきたい、こう思います。
○岡本委員 環境行政の方は、後退をぜひひとつ抑えていただきたい、進めていただきたいのです。 私、いま言いましたのは、OECD、そういうところでも、諸外国に、日本の環境はこうまでやっているんだということを申し上げたのです。 これはかりだと時間があれですから、それでは話がころっと変わりまして、実は私の住んでいるすぐそばに芦屋ロックガーデンというのがあるわけなんです。これは芦屋から神戸の方に向かっての登山道になっておるわけですけれども、環境庁から補助金が出てそこの整備工事を県がやったというわけです。ところが最近、日本山岳会員の人たちがやかましく言って、もとどおりにしなければいけないというような、景観についての署名や陳情が非常に参っておるわけですが、このことについて環境庁お聞きになったと思うのですが、どうなっているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○鯨岡国務大臣 岡本先生、ちょっと答えが漏れていましたので申し上げますが、今度のOECDで、環境問題が十周年だということをとらえて記念行事のようにしてやったのは、自慢らしく言うのもどうかと思いますが、わが国が、この問題は一国だけでできる問題ではありません、それにいまやらなければ手おくれになります、心配でならない問題ですということを言ったことが契機になった面も多分にあるというふうに私は考えておりまして、御理解をいただきたいと思います。ただそれだけではいけませんので、自慢するわけではありませんが、この問題についてのリーダーみたいな態度をやはり日本がとるだけの責任があるのではないかというふうに考えております。今後ともひとつ御協力と御示唆をいただきたいと思います。 ロックガーデンの問題については、局長から答えさせます。
○正田政府委員 御地元の神戸市のロックガーデンについて、御懸念を煩わしまして恐縮に存じておりますが、御案内のように当地が瀬戸内海国立公園ということになっておりまして、私ども国立公園、国定公園について予算をもって施設整備を行っておりますが、特に昨年から、昨今の諸情勢とか、戦後三十年たっておりますので、施設整備の基本方針というものの重点をいろいろ考えておりますが、特に過剰利用というものを避ける問題、さらに危険地帯の防止といったことに重点を置いておるわけでございます。 そこで、いま先生の御指摘の件につきましては、五十五年度の国庫補助で行った事業でございますが、御案内のように、この六甲山の歩道は粗粒花崗岩でできている歩道でありまして、長年の間に尾根道が浸食されて岩石の崩壊、転落といったような危険が増大してまいりましたので、この際、登山者の安全確保ということを主眼にいたしまして何とかしなければいかぬという御地元の要望が非常にございましたし、私どもの方も、先ほど申し上げたような主眼点でこれに取り組んだ次第でございます。特に設計に当たりまして、一部利用者の方にもその過程において現地で説明を行い、事業にも着手したのでございますが、工事が実際に始まってまいりますと、利用者の方の一部から、設計内容の一部が、やはり現地の状況と申しますか、いまおっしゃいましたような景観の面でございますね、そういった面に若干マッチしないんじゃないかというお話があったことも事実でございます。そこで即座に、工事の途中ではございましたが、環境庁としても県に来ていただいて、やはり地元の利用者の声も大事だということで、設計内容の再検討について指示をいたしました。そこで直ちに兵庫県が、山岳団体、地質学者、そういったものに合同調査を願いまして、これらの御意見を参考にして、改めて環境にマッチした工事を再開いたしまして、三月三十日に完成いたしたわけでございます。現在の施設は、先ほど申し上げましたように、何よりも登山者の安全ということを私ども最大の念願にいたしておりますので、その面においては必要な施設でございますし、景観との調整もほぼできているものと思っておりますが、さらにこの種のものについて、もう少し地元との、いろいろな技術的な調査などを各地において行って、工事などの場合は留意してまいりたい、こういうふうに存じておるわけでございます。
○岡本委員 実は、この山に入ってすぐの取りつき口というのですか、そこには昔大きな岩石があって、入ったところから感じが、非常に登山に行ったような感じだった。それが今度の工事によって小さな石を敷き詰めて高級住宅のようになった。それで景観を原状修復したらどうだというようなことを言っているわけなんですけれども、いまさらこれをもう一遍もどのようにできるのかどうか、こういうことについては御存じないでしょうか。
○正田政府委員 確かにいま御指摘の点が若干問題として残っておるわけでございますが、先生御案内と思いますが、転落防止工事開始前のあそこの状況は非常に危険な状態でございました。したがって、そのままに戻すということはあり得ないことだろうと思いますが、その後の工事でちょっときれいごと過ぎたという点が確かにありましたので、まず若干、亀石と申しますか、丸くなったところに岩がいろいろある、亀岩があるというような状態はどうしても浅さざるを得ないと思いますけれども、全般的に安全の面も、この際何十年の登山道の中で考慮したのもやむを得ないのじゃないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○岡本委員 時間が参りましたからこれで終わりますが、もう一度よく県と相談をしていただいて、登山家の人たちの意見も聞いてひとつやっていただきたい。しかし、安全面の問題がありますから、この点は何といっても非常に大事なことですから、その点も考慮して善処をしていただくように要望いたしまして、終わります。どうもありがとうございました。
○山崎委員長 鍛治清君。
○鍛治委員 私は、約一時間の間、時間をいただきまして、水質の総量規制の関係について幾つかの点で御質問を申し上げますので、よろしくお願いを申し上げます。 私は、出身は福岡、北九州の方でございますけれども、有名な洞海湾も、それからその周辺の海もかつてずいぶん汚れておりまして、目に見えるところはそれこそどす黒いような海の色でございましたけれども、最近ずいぶんよくなりました。これは環境行政が進んできた一つの結果であろうと評価はいたしておるわけであります。三、四年くらい前、大変うれしい話をちょっと聞きましたが、あの周辺を航行している船というのは小さい船ですけれども、カキがついてなかったのですね。それがカキがつき出した、年に一回ぐらいはカキ落としをやらないといけない、こういうふうな話も聞きまして、そういう意味で大変子供のころに返ったような思いで、行政が進んできているんだなというふうな思いをいたしておるものでございます。そうは言いながらも、先ほど長官の御答弁の中で、バイオリズムが非常に低いときに長官に就任して余りうまくないみたいなお話がございましたが、うんとひとつ高めていただくという方向で、きょうは水質の総量規制の問題もいろいろお尋ねをいたしたいと思います。時間と質問したい内容との絡みで、ちょっと時間が足りないようになる可能性もございますので、お答えはひとつ端的にお願いいたしたいと思いますし、私もなるべく簡潔に御質問申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。 現在、水質状況というのは、PCB、水銀など有害物質については、環境基準を超える検体は逐年非常に減少してきているというようなことで、ほぼ環境基準を満足する状況に来ているというふうにも聞いておるわけですが、その点そういう理解でいいのか。しかしながら、生活環境項目ということにつきましては非常に改善を要する点がまだ多い、こういうふうに思うわけでございますが、BODまたCODに係る水域の環境基準の達成率というものは現在大体どの程度いっておるのか、また、その達成率を向上させるためにはどのような基本的施策を講じようとされておるのか、この点についてまずお尋ねをいたします。
○小野(重)政府委員 五十四年度の調査結果によりますと、有害物質につきましては環境基準を超える検体の割合は〇・〇六%ということで、ほぼ環境基準を満足するに至っておると考えております。 一方、生活環境項目でございますが、御指摘のようになお改善を要する点が多いわけでありますが、数字で申し上げますと、海域が約八割、河川が約六五%、湖沼が約四割というのが達成率でございます。こういう数字にあらわれておりますが、湖沼のようなあるいは湖沼以外にもいわゆる閉鎖性水域、東京湾とか瀬戸内海とかございますが、そういうところの対策が非常に大事であると考えるわけでございまして、いわゆる総量規制の問題とかあるいは富栄養化防止の問題、この問題が今後の課題であろう、かように考えております。
○鍛治委員 いま答弁の中で富栄養化の問題が出てまいりましたが、水域の富栄養化に伴う赤潮それからアオコなどの発生、また温排水の問題、こういった水質汚濁の内容というものが非常に複雑化してきておる。この対応というものが非常に大変になってきていると思うのでありますが、これらに対する対応、またこれまでの対応、それからこれからはどういう形で対応されようとしておるのか、いまもそれがちょっとおくれているというような話がございましたが、この点についてお聞かせ願いたいと思います。
○小野(重)政府委員 窒素や燐などのいわゆる栄養塩類の問題でございますけれども、これにつきましては、たとえば具体的に進めておる点に関して申し上げますと、御案内かと思いますが、瀬戸内海につきましては法律に基づきまして削減の指導を具体的にやっている、また東京湾、伊勢湾等につきましてもその対策を進めている、こういうことでございます。
○鍛治委員 余り具体的なお話ではございませんが、これはひとつ強力にお進めいただくように御要望申し上げまして、先に進ましていただきます。 閉鎖性水域における富栄養化対策というものはどのように進められているのか。昭和五十四年十二月に設置されました窒素、燐等の水質目標検討、会における調査検討の現状、こういったものをお聞かせ願いたいと思います。
○小野(重)政府委員 先ほどは現に進めている施策について申し上げたわけでありますが、基本的にはただいま御質問のようにまだ問題があるわけでございまして、そこで、窒素、燐等の水質目標検討会におきまして検討を進めておるわけでありますが、ねらいは閉鎖性水域の富栄養化防止対策を総合的に推進していく、そのために、その要因の物質でございます窒素、燐等の栄養塩類につきまして望ましい環境上の水質条件を設定するという必要があるわけであります。そこで、この検討会におきまして昨年の七月に湖沼につきまして燐に係る水質目標を明らかにしております。引き続きまして湖沼の窒素についても検討しまして、その結果を踏まえまして湖沼についての富栄養化防止のための環境基準を設定する、そういう段取りでこれから進んでいきたい、かように存じておるわけであります。
○鍛治委員 瀬戸内海における栄養塩類削減対策というものはどの程度実効が上がっているのか、また、東京湾、伊勢湾における削減対策、こういったことについてもお聞きをいたしたいと思います。
○小野(重)政府委員 まず、瀬戸内海の問題でございますけれども、昭和五十四年の七月に、瀬戸内海環境保全特別措置法に基づきまして、関係府県知事に対しまして燐の削減指導方針を定めるよう指示しておりますが、これを受けまして、昨年の四月から五月にかけまして、瀬戸内海関係の十三府県知事が燐の削減指導方針を策定し公表しております。現在この方針に基づきまして関係者に対し指導をしているところであります。 具体的にどういう効果が上がっているかということでございますけれども、まだ一年もたってない現在でございますので、いま現在におきましてその効果についてちょっと申し上げられる段階にありませんけれども、今後とも燐の負荷量がどういうふうになっていくか、あるいは水の中の燐の濃度がどういうふうになっているかという点につきまして把握いたしまして、この燐削減の目標が達成されるように関係府県とともに強力に推進してまいりたいと思っております。 それから、伊勢湾、東京湾でございますけれども、これにつきましても昨年の四月に関係都県との間で連絡会を設置いたしまして、伊勢湾につきましては五十五年度に燐、窒素の排出についての実態調査を行っております。こういう成果をもとに本年度から具体的な削減指導を行ってまいりたいと思いますが、東京湾についても、これはちょっと一年おくれていますが、本年度実態調査を行い、来年度から削減対策を進めるということで、閉鎖性水域の栄養塩類削減対策を進めているところであります。
○鍛治委員 昭和五十三年六月に瀬戸内海環境保全臨時措置法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律が制定されまして、水質の総量規制が制度化されてきた。その中で、瀬戸内海、東京湾及び伊勢湾においては五十五年七月から総量規制が実施されているわけでございますが、この実施状況について現況をひとつお聞きをいたしたいと思います。
○小野(重)政府委員 水質汚濁防止法の改正によりまして総量規制制度が導入されたわけでありますが、これに基づきまして五十四年の六月に、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海について総量削減の基本方針が内閣総理大臣によって定められております。この基本方針を受けまして関係都府県知事は、総量削減計画、これを昨年の三月十八日に策定しております。これによりまして下水道などの生活排水対策、あるいは総量規制基準の設定、小規模の排水対策の推進などの諸施策を進めているということでありますし、また、工場、事業場に対する総量規制基準、これも関係都府県知事によりまして昨年の五月に定められておりまして、新増設の事業場については昨年の七月一日から、それから既設の事業場については本年の七月一日から適用されることになっているわけであります。そういうことでございまして、私どもとしましては、関係都府県と連絡を密にしまして、この総量規制の制度の円滑な施行に努力してまいりたいと考えております。
○鍛治委員 この問題については後でまた詳しくお尋ねをするといたしまして、その前に、琵琶湖にもこの制度を導入する、こういうお考えがあると伺っておりますが、その時期等についてお尋ねをいたします。
○小野(重)政府委員 琵琶湖でございますが、琵琶湖も同様に閉鎖性水域、湖沼でございますから当然でございますが、琵琶湖の水質は御案内のように最近非常に悪くなっておるわけでありまして、そこで琵琶湖についても総量規制の導入を進める必要があるということで、現在検討を進めているところであります。 そこで、目途でございますが、五十六年度中には導入したいということで、その必要な調査を昨年度から行ってきているという現状でございます。
○鍛治委員 総量規制の指定項目というものは、現在CODだけになっておるわけでありますが、燐、窒素というものもこの指定項目の中に追加した方がいいんじゃないか、すべきではないか、こういうふうに思うのですが、その点について、もし指定が非常に困難であるというのであれば、瀬戸内海環境保全特別措置法第十二条の三に規定すると同様の、富栄養化による被害の発生を防止するための指定物質削減指導方針というものも策定する必要があるんじゃないかというふうに思うわけですが、この点についてお尋ねをいたします。
○小野(重)政府委員 燐、窒素につきます総量規制の問題でございますけれども、私どもといたしましては、総量規制の前の段階、まず環境基準をつくる必要があるわけであります。環境基準に基づきまして排水基準をつくる。これは濃度規制でございますが、その総量規制を導入する前の段階がまだ実施に至ってないわけであります。そこで、先ほどもお答え申し上げましたように、燐、窒素につきましての水質目標をつくりまして、そしてそれに基づいてさらに環境基準の設定まで持っていく、そういう総量規制の前の段階のいろいろな対策をいま進めようとしている、こういう状況でございます。 しからば、それまでどうするんだということでございますが、それにつきましては、瀬戸内海につきましては、先ほどもお話しいたしましたように、昨年度から燐の削減対策を講じているわけでありまして、また同じ閉鎖性の海域であります伊勢湾、東京湾についてもこれに準じた削減対策を講ずることにしている、こういう状況であります。
○鍛治委員 五十二年十二月の中央公害対策審議会の「水質の総量規制制度のあり方について」の答申の中に述べられておりますが、今後残された問題というものが幾つかございます。一つは、環境基準の全面的な達成を前提としていないこと、二番は、CODのいわゆる内部生産等についての科学的解明が十分でないこと、また三番目には、負荷量の監視測定に当たって直接的な自動連続測定の困難性、こういったものが指摘をされているわけでありますが、その答申が出ました後に、どのようにこの問題点の解明が済み、解決をされておるのか、また、未解決等の点があれば、今後どういうふうに対処されようとしておるのか、こういう点についてお尋ねをいたします。
○小野(重)政府委員 いま御指摘の五十二年十二月の中公審の答申で述べられております総量規制制度につきましての今後の問題、三項目でございます。 まず第一項目の、環境基準の全面的な達成を前提としていないということでありますが、これは確かに必ずその五十九年度に達成するというきちっとした計画というところまでいっていないことは事実であります。これにはいろいろ非常にむずかしい問題がありまして、たとえば下水道の整備、これは予算との関連で左右される要素が非常に強いわけであります。そういう面もありますし、また、これは第二の項目にも関連しますが、内部生産の問題もありますので、そういうことを踏まえますと、確かに全面的達成ということをきちっと計画に織り込んでおりませんけれども、私どもといたしましては、この全面達成をすべぐ最大限の努力をしてまいりたい、かように存じております。 二番目の内部生産問題でございますが、これは先ほどから御指摘のございます富栄養化の問題でございます。これにつきましては先ほども水質目標を――いま具体的に検討しておりますのは湖沼でございますが、湖沼が終わりますればさらに海にまでその検討を進めたい、かように存じております。しかし、いずれにしても、こういう海域についての富栄養化問題、内部生産問題につきましては、私どもこれからの科学的解明を急ぎたい、かように存じております。 三番目の、負荷量の監視測定の問題でございますが、大変技術的なことで大事なことなんでありますが、直接的な自動連続測定の困難性を指摘されておるわけであります。これは、御案内のように、本来、指定計測法というのがございまして、それで計測することになっておるわけでありますけれども、総量規制ということになりますと連続して計測しなければならぬということでございまして、従来方法では無理な場合があるということでございますので、自動連続測定器、こういうものを導入する必要があるわけでございますが、それと指定計測法との関連性について十分考えろ、こういう御指摘かと思うのであります。その点につきましては、そういう相関関係がどういうふうになっているか、あるいはそれ以外にそれぞれの事業場の排水の水質の特性がございますので、そういうものを総合的に考えて、できる限り正確な測定機器を導入するように、関係業界等に対しまして指導している、こういう状況でございます。
○鍛治委員 そこで、若干具体的な問題に入らしていただこうと思います。 いまの水質総量規制というもの、これは五十九年度を一応目標にしているわけですが、この水質総量規制については、当然法改正の趣旨に沿って進められていると思うわけでございますが、こういう念の押し方がいいか悪いかわかりませんけれども、こういう趣旨に沿って進められていると考えでいいのかどうか、これをお尋ねをいたします。
○小野(重)政府委員 私ども法改正の趣旨に沿って諸対策を進めておるところでございます。
○鍛治委員 昭和五十二年に対して五十九年には、水質における総汚濁負荷量というものをどの程度削減するように目標を定めておるのか、これについて改めてお聞きをいたします。
○小野(重)政府委員 水質総量規制が実施されておりますのは、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海でございますが、この目標年次であります五十九年度の化学的酸素要求量、CODでございますが、その削減目標量はそれぞれ、東京湾は一日当たり六百六十トン、伊勢湾は一日当たり四百二十六トン、瀬戸内海は一日当たり千二百八十三トンということに決めております。これは昭和五十四年度の汚濁負荷量に対しまして、それぞれ九一・四、九〇・八、九二・六にまで削減するというものでございます。 これはどういう趣旨がということでございますが、今後見込まれます人口の増加あるいは産業の伸びによって増大する汚濁負荷を含めまして、現状より約一〇%程度削減する、こういう目標でございます。
○鍛治委員 先ほどもちょっと御答弁がありましたが、この目標値というものは、ひとつ完全に実施するという方向でやっていただきたいわけですが、その中で私ども見まして心配になる点が大変あるように思います。そういう点について若干細かくお尋ねをしたいのですが、その前に、この汚濁負荷量の連続測定ですね、これはどういうような測定方法、また機器類、こういうものが用いられているのか、これについてお尋ねをいたしたいと思います。
○小野(重)政府委員 大変技術的なことでございますが、先生御専門家でいらっしゃいますのであれでございますけれども、まず、機器の使い方といいますか、どういう機器を使うことにすべきかという問題でございますが、CODに関する汚染状態の計測でございますが、これにつきまして、一日当たりの平均排水量が四百立米以上の事業場につきましては、水質自動計測器、これによって計測することとされております。また、一日平均の排水量が四百立米未満の事業場につきましては、水質自動計測器を使うのももちろんいいのでありますが、簡易COD計とか、あるいは本来のといいますか、指定計測法のいずれでもいいということにされておるわけであります。 そこで、この水質自動計測器でございますが、これは四種類が現在認められております。COD自動計測器、それからTOC自動計測器、TOD自動計測器、そして紫外線吸光度自動計測器、UV計と言っておりますが、その四種類が認められているわけであります。
○鍛治委員 これは五十四年十一月十九日の環境庁水質保全局長通達で、はっきりいま御答弁になったのは明らかにされているようでありますが、これの測定機器について、これだけの幅をもって指定をされているわけでありますが、これが非常に問題があるのではないのか。この計器の使いようによっては、せっかく五十九年の水質総量規制を行いながら、その目標が達成できぬだろうというふうな不安があるわけで、この点についてお尋ねをいたしたいわけでありますが、いま現状で環境庁で把握されておられるかと思いますが、先ほど御答弁にありましたように本年の七月、間もなくやってまいりますが、これは旧来からある事業場には、いま御答弁のあったような計器類を取りつけて、そしてその測定をし記録を残していかなければならない、こういうことになっているわけでありますが、七月を前にしまして、新規の事業場は昨年の七月からでございますからそれはいいといたしまして、これから取りつけようとする事業場、相当数あるように聞いておりますけれども、その取りつけの進行状況といいますか、どういうような計測器でもってやろうとしておるのか。そういう実情等が現時点でわかるようでしたら、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○小野(重)政府委員 具体的にこの七月一日を控えましてどのような計測器を各事業場が扱うのかということでございますが、それはまだ若干の時日もございまして、その報告といいますか集計をいたしておりません。まだできない段階でございますが、もうしばらく時間をいただきたい、かように存じます。
○鍛治委員 ここに「化学工業日報」という新聞がございますが、この「環境・保安版」という中で三月二十五日付で出ておる記事の中に、各県のいろいろな計器類の使用状況といいますか、そういうものが記事として報道されているわけです。恐らくお書きになった記者の方も実情を調べられてこれはお書きになったのだと思いますが、これを見ますと、いろいろばらつきがあるようです。兵庫県の場合はCOD計それからUV計というものの両方がほとんどであろう。それから千葉県の場合は、浄化槽などの生活系の排水についてはUV計が使われている方向である。また工場系は、これはばらばらであるけれども、COD計とUV計が主として使われている。それから岐阜県についてはほとんどUV計である。それから京都府関係はUV計が多い。それから奈良県はUV計が過半数。それから徳島県は中小企業ではほとんどUV計である。それから大分県ではUV計が全体から見れば若干多いようだ。それから愛媛県は事業所数が二百ちょっとあるうちの二百台ぐらいがUV計ではないか、こういうようなこと。それからさらに、石油業界等のことも触れておるようでありますが、石油業界でも対象の事業所の中で七〇%がUV計じゃないかというふうな記事が出ているわけですね。 こういう記事を見ておりまして、私もちょっと聞いたのでは、神奈川県でもUV計の方が多い。私の方の北九州あたり、福岡あたりでも大体UV計というようなかっこうで、都道府県に任せられている部分があるようですから、そこらあたりでどうもそういう傾向が出てきております。私は、計器のことをどうこう言うのではございませんが、こういう御質問を申し上げて一番心配をしておるのは、こういう計器類を使って本当に総量規制の五十九年目標達成というものが環境庁ではおできになるというふうにお考えになっていらっしゃるのだろうか、こういう心配が一つあるわけですが、この点については、先ほど申し上げたようなこの記事の内容等を踏まえながらお尋ねをしてみたいと思います。
○小野(重)政府委員 この機器の選定の問題というのはなかなかむずかしい問題だと思います。それぞれ四種類の機器については一長一短ある、こういうことでございまして、したがいまして総合的に判断する必要がある、こう考えるわけであります。 若干具体的に申し上げますと、これは先生御案内のことと思いますが、UV計というのは紫外線を使うわけでありますから、連続的な測定には非常に適しているということでありますが、したがいまして、事業場の排水の中で濃度が非常に変わるわけでありますが、そういうものについては非常に的確に把握する、こういう利点があるわけでありますが、一方では、組成といいますか、中身の種類が変わるということになりますと、その点についてはほかの機器よりも若干落ちるというようなこと、またランニングコストが安いというような利点もありますし、いろいろあるわけであります。したがいまして、ほかの機器についてもまたそれぞれ一長一短があるということでございまして、結局、そういう事業場の排水の水質の問題と、それから指定計測法との相関関係、この二つの点を総合的に判断する必要があろう、かように存じておるわけでございます。
○鍛治委員 私はどの計器を使えとか使うなということを論じているわけではございませんで、やはり実は一番最初、前の岡本委員の質問に対する長官の御答弁にもありましたように、いま、だんだん環境がよくなってはきているけれども、いま一応落ち込みをしている。ここをもう一つ、水質というものはせっかく決められているのですから、きちっとした形で目標は達成していただきたい。それが国民の皆さんにとって、私が冒頭に申し上げたように、船にカキがついてくるとかいろいろなことになりますと、これは生活環境もよくなるし大変いいことである。そういう意味で、おやりになる側は多少厳しいという対応があるかもわかりませんが、その目標は達成していただきたい、こういう意味で申し上げているわけでございますので、その点を念を押しながら、私がなぜこういう議論をしているかといいますと、御承知のように、「環技協ニュース」というのがございますが、私、たまたまこれに目を通しておりまして、これは昨年の十月号になるのですか、第三号になっておりますが、この中で、総量規制に伴ういろいろな計器類が使われるであろう、その計器類のいわゆる手分析による標準値というのでしょうか、こういう値に対する対応というものが、綿密に調べた結果がこういうふうに出ていたわけです。これを見てみましたら、五十品種についてずっといろいろと調査をしているわけでありますが、指定計測法による計測値と対比をしてみましたら、ぱっと見たときに、紫外線吸光度自動計測器、UV計と言うのでしょうか、これについては、要するに、たとえばメチルアルコール、アルコール類の中の一つですが、指定計測法による数値は〇・六七四という計測値が出ておるのに、紫外線吸光度自動計測器は反応が全くゼロである。そういう形のものがずいぶんここにずっと出ているわけです。私はこれを見てちょっとびっくりいたしまして、果たしてこういうものを調べてみましたら、環境庁の方でこれを使って計測してよろしいというようなことになっているので、これは局長御答弁ありましたように、各機器というのは一長一短があります。UV計も大変いいところがあるわけですが、こうやって計測法の中で、指定計測法では明らかに相当数値が出てきているのに、全くゼロというのがずらりと並んできている。これが工場なんかに取りつけられたとき一体どういうことになるのかなという素朴な疑問が実はございました。それで気をつけておりましたら、その後この「環技協ニュース」の本年の一月号になるわけですが、五ページに「兵庫県における水質計測器選定のための事前調査結果」、こういうものが載っておりまして、公表されておるわけですが、この中でCOD計、TOC計、TOD計、UV計、それから簡易COD計、こういうようなものの、各製造業、食料品とか染色・繊維業、それから紙・パルプ業、電気・機械業、電気メッキ業、化学工業、こういうふうな形で業種別にいろいろと調査した、計測した結果というものが出ているのですが、UV計というものは使ってはいかぬというところが明らかに相当白で出てきているわけですね。それから、この中で網の目状は使ってよろしいということのようでありますが、斜線のところもありまして、ここらあたりにも斜線でも使っていいという形になっているわけです。 こういうのを見てまいりますと、要するに相当にUV計というものは使ってはならないというところがずいぶん出てきているわけですね。ところが、先ほどちょっと申し上げましたように、この新聞の記事、具体的に申し上げました、各県の状況というものをざっと見てみても、大変UV計の方がよけい使われているという感じがあるわけですね。どちらかといいますと、これを見てみましたら、中小の事業場の方がUV計は使ってはならないという分野が大変多いように思うのですが、こういうことについて先ほどの記事の中では、中小事業場の中でUV計を使うところがほとんどであるというような記事が出てきているわけですね。 そういう意味で、これは業種とかなんとか細かく一つ一つ当たってみなければわからないのでしょうが、いわゆる総量規制をやりながら、使っている計器によってはしり抜けになってしまう。そして、五十九年の規制というものが、こういう幅広い形での計器の規制をして、環境庁使っていいとおっしゃっている中で、どうも傾向としては、UV計が単価が安くてそして維持管理も大変やりやすいというようなこと、それが中心になってそちらにどうもずっと偏っていっているというふうな感じがずいぶん出てきているわけです。しかし、こういう規制というものは、計器類の安い高いということじゃなくて、本当に計測の精度の高いものを、出るものを見ながら、そしてこの五十九年の総量規制目標のときにはきちっと達成できるというふうに、私は行政の方でも指導もしきちっとやっていただかなければならない、こういうふうに思うわけでありますけれども、こういうふうな実情が出ている中で、果たして環境庁のお認めになっている機器で五十九年度の目標達成というものができるのだろうか、こういう心配があるのですが、この点についてお尋ねをいたします。
○小野(重)政府委員 御指摘の「環技協ニュース」の十月号の数字でございますけれども、これは単品についての数字でございますけれども、これを見ますと、確かに、御指摘のようにこのUV計についてはどうも問題があるのじゃないかというふうに一応考えられるわけでありますが、ただ、これは、実際に出てくる排水というのは複合した形でございますので、それについての相関度といいますか正確さというのは、これは相当あるというふうに私ども考えておるわけであります。しかしながら、確かに、この「環技協ニュース」の一月号の数字でございますけれども、白地のところが比較的多い、こういうことでございまして、そういうところでは確かにこれは使うべきでないのかもしれないわけであります。 ただ、そういうことでございますけれども、いずれにしても、これはあくまでも指定計測法との相関関係、これを見ておるわけでありまして、判断の基準といたしましては、それだけではなくて、重複になりますけれども、水の種類、性質、具体的に申し上げますと、組成の変化とかあるいは濃度の変化、あるいは妨害物質があるかないかというような、そういう水の特性について、それぞれの計測器がどういう関係にあるかというようなこともあわせ総合的に考えて機器の導入をしなければならない、こういうふうに考えておるわけであります。御指摘のように、確かに、安いから入れる、これはそういうことであってはならないと考えております。 そこで、具体的な指導でございますけれども、これは、昭和五十五年度におきまして、日本環境技術協会の協力のもとに、汚濁負荷量測定技術普及指導事業といたしまして技術指針を作成いたしておりまして、そして関係事業場を対象に講習会あるいは計測機器の展示会等を開催しまして、その事業場の排水の特性に応じた機器を導入するようにと、こういう指導をいたしておるところであります。 それから、御指摘のございました中小企業と大企業との関係でございますけれども、これは同じく日本環境技術協会が実施した事前調査結果があるわけでございますが、これは三百六十事業場を対象としておりますが、それによりますと、事業場の規模あるいは業種の規模の違いによって測定機器の適応性に一定の傾向があるというわけじゃない、一定の傾向は認められない、あくまでも個々の排水ごとの適応性を判断するということでこの機器の導入を進めるべきだというふうに考えられるわけであります。繰り返して申し上げますが、この事前調査結果によりますと、大きいからこういうところはこういう機器、小さいからこういう機器というわけでは必ずしもないようであるということでございます。 いずれにしましても、問題は目標達成でございますもので、達成することに支障のあるような機器の導入というものはもちろんこれは絶対避けなければならぬ、かように考えております。
○鍛治委員 機器は避けなければならぬというのじゃなくて、私がお尋ねをしたのは、こういった形の中で機器の指定等もされておる、その機器指定されていることが一つは何か原因になりまして非常に、相関関係というお言葉もさっき出てきましたが、そういう相関関係にしろ、いろんな問題をかみ合わした中で、やはり相当相関係数が低くてもいい、要するに、UV計等によりまして相当低いものも、まあCOD計でも中にはたまにはありますが、そういう個々のデータを見てみましたら、相当低いものでもいい、要するに相関関係がとれれば、線が引っ張れればどういう器械でもいいのだというふうな、まあ早く言えばそういうような、どうもいわゆる総量規制という環境基準を達成するための大切な本旨というものから外れて、そして、そういうものがあるために、要するに値段とか維持管理とか、そういったようなことの関係で、どうも非常に安易な方向に流れている指導を都道府県でもしているんじゃないか。だから、各都道府県、地方自治体で指導に対するばらつきが大変多いように思います。 いまもお聞きしましたら、七月を前にいたしまして、そういう傾向とか状況とかもまだ把握されていないというふうな御答弁でございましたが、そういう形の中で、指導される立場の環境庁のあり方として、私はちょっと手ぬるいんじゃないだろうかなという心配をいま非常にするわけです、御答弁を聞きながら。むしろ、そういうものをよく知りながら、具体的に都道府県に対しても、こうこうこうあるべきだぞということを指導していかないと、五十九年度における目標達成というものはどうもできないような気がするのですが、改めて、五十九年度の目標の達成がいまの形の中でできるのかどうか、大変意地が悪いようでございますが、御質問を申し上げたいと思います。
○小野(重)政府委員 まだ実態も把握してないのは手ぬるいのじゃないかというような御趣旨かと承っておりますけれども、先ほども申し上げましたように、これは事前によく指導する必要があるわけでありまして、そういう観点から、昭和五十五年度の汚濁負荷量測定技術普及事業ということで、関係事業場に対する指導を十分にしていると考えております。そのねらいはあくまでも、できる限り正確に把握して、もちろん対策としてはほかに具体的な対策があるわけでありますが、その対策の結果が把握できるようにいたしまして、そして総量規制の目的を達成するということにあるわけでございますので、私ども今後とも、その大事な一つのポイントであります測定機器の的確な導入ということにつきまして最大の努力をしてまいりたいと存じます。
○鍛治委員 指導を事前にしているからいいはずだというのは大変甘いお考えじゃないかというふうに思います。 実は私も、これに当たっていろいろな記事等を集めてみました。いろいろございます。これに対して一貫して各記事の中で言われているのは、手分析との相関がとれたからUV計でいいんだとかいうふうなことで、そういう自治体とか事業場が非常に多いというような報道がされているわけですね。これは本当に一番押さえなければならぬことを押さえるというところから、どれを使うかということではなくて、そういう安易な形で、いろいろなこういう記事を集約してみて出てくるというのは、やはりそういう傾向が出てきているのだろう。私も一、二当たってみましたが、若干そういう傾向はあるみたいです。だから、そこらあたりをしっかりこれはまた指導していただく必要がある。そうでないと五十九年の総量規制目標は達成できないだろう、こういうように私は感じます。 そういう中で、相関係数のことがちょっと出てまいりましたのでお尋ねをいたしますが、相関係数について言えば、五十九年削減目標を達成するにはどの程度の数値ならばよいというふうにお考えなのか、お尋ねをいたします。
○小野(重)政府委員 相関係数だけで判断する問題ではないだろう、かように考えるわけであります。もちろん相関がなければいけませんけれども。 そこで、たとえば具体的な例を申し上げますと、一般的にCOD計が一番相関係数が高いというふうに一応考えられるわけでありますが、ただこの欠点といたしましては、一回の分析に非常に時間がかかる、一時間ぐらいかかるというふうなことでございまして、連続分析ということがなかなかできないわけであります。そうしますと、あるポイントでの調査測定の結果が相関度が高いと言っても、排水の中の内容に非常に波がある場合には全体としてこれは正確さが欠けてくる、こういうことであります。何もUV計の肩を持つわけでは全くありませんけれども、UV計の方は、あるポイントでのそれぞれの相関関係は低い場合がありますけれども、ただ連続してとらえられますのでそういうメリットがあるということでございます。 そこで、そういうことになりますと、結局、排水の特性といいますか、それに応じた計測器の導入ということ、個別具体的な問題になるのじゃないか、こう考えるわけであります。そういう意味におきまして、そういう観点からの指導を個別具体的にしている、こういうのが私どもの考え方であります。
○鍛治委員 そういう相関係数だけじゃなくて、たとえば標準偏差とか変動係数とか回帰直線をもちろん引かなければいかぬとか、それはいろいろあるのは承知しているわけですが、そういう中で相関係数というのが非常に大切なように私は思うわけです。だから、一概には言えないかもわかりませんけれども、さっきもちょっと新聞記事に出ているということで申し上げましたけれども、この相関係数で線が引っぱれる、相関が認められるということで、結局極端に言えば、これでも一番安い機器でいいのじゃないか、そういう感じに流れているというのを私は非常に心配するわけです。確かに各機器というのは一長一短があるようです。これは開発はされているというよりも、むしろ途上みたいな印象を私は受けるわけですが、今後も機器はいい機器が出てくるのであろうかと思いますけれども、そこらあたりをしっかりと指導する中で、要はこの五十九年度の総量規制を達成するという意味で、この機器の使い方ということについても明確にやっていただかなければならないのじゃないかというふうにも思うわけです。 そこで相関係数のことですが、回帰直線が引ける場合に、細かい御質問で恐縮ですけれども、相関係数が〇・九六七くらいの場合、そういう数値をとりましたのは、こういう「水質総量規制の測定実務ハンドブック」というのがございますが、この中でそういうものが代表的にはかられているので、それをとってお尋ねするわけでありますけれども、こういう場合にどの程度の相対誤差という値を妥当とされているのか。大体相対誤差というのはどの程度出てくるのかというのを、もしおわかりでしたら、お聞かせを願いたいのです。そこが具体的にわかりにくければ、回帰直線の場合、どの程度の相対誤差ならば妥当なのか、こういった数値がわかるようでしたら、お断かせを願いたいと思います。
○小野(重)政府委員 相関係数あるいは相対誤差、その辺のところ大変専門的な問題でありまして、私も数学の方はとんと弱い方でございますので的確な御答弁ができないかと思いますけれども、私どもの方の専門家によりますと、相関係数、これの相対誤差というのも、要するにこの自動測定機器による測定結果と指定計測法による測定結果との関係を見るということで、そういう観点からは同じ趣旨のものでありますけれども、その数字自体としては、この相関係数と相対誤差というのが手法は違うわけでありまして、それぞれの数字との間の関連というのは特にない、別の手法だ、それてそれぞれの計測法の関係を見るのだ、こういうふうに私ども承知しておるわけであります。
○鍛治委員 若干危うくなってきたようでありますが、私は必ずしもそうじゃないと思うのですね。グラフの上であらわした場合にはやはりはっきりと出てくるのじゃないか。要するに、相関があるということは、環境庁でお決めになっているいろいろな計測器、これを使って数値が出た場合に、これは要するに指定計測値に換算ができるということになると思います。その換算可能な計測器じゃなければいかぬ、逆に言えばそうなるわけでございましょうが、それにしてみても、この「環技協ニュース」の中でも、さっき申し上げましたことしの一月号の五ページに出ておる表の一番下の方に、網の日ならばこれはいいということだと思いますが、危険率〇・〇一、相関係数が〇・五六一四以上、こういうふうに出ているわけです。それから斜線のところが危険率〇・〇五、相関係数が〇・四四三八以上、こういうふうな形が書かれているわけですね。ということは、これは環境庁のお示しになった通達ですかによってその機器を使っていろいろしているわけですから、この危険率ないしは相関係数、この表に出ている数値というものは、環境庁もこの中であれば計器を使ってよろしい、こういうふうにお認めになっているのだろうと思いますが、そこらあたりはいかがでございましょう。
○小野(重)政府委員 「環技協ニュース」の一月号の表のことでございますが、白のところはこれは相関関係がないということですからいけませんけれども、塗りつぶしたところは相関関係があるということでこれは認められるのじゃないか、こういうことでございます。 ただ、御指摘はそういうことではなくて、相関係数が比較的低いところがUV計の方はあるではないか、そういう事業場についてはほかの計器を使うべきではないか、そういう御指摘かと思いますが、そこで、確かに相関関係はそういうことでございますけれども、先ほども申し上げましたが、連続測定をしなければいかぬということでありますから、濃度の変化が相当にあるという場合には、そのポイントだけの測定では必ずしも総量としては正確にとらえられないということがございます。逆にCOD計の一つの欠点はそこにあるということでございまして、そういう点を含めて全体としてどうだ、どちらが正確かということにつきましては、やはり個別具体的にその事業場の排水のあり方を見てどういう機器を導入すべきかということを決めるのがいいのじゃないか、こういうことでありまして、そういう趣旨で指導を進めているということでございます。
○鍛治委員 私は、この図表についての数値は大体これのとおりでいいんだというふうにいま御答弁いただいたと思うのですが、この使っていいという中で相関係数が〇・五六とか〇・四四、ここに出ている数値ですから申し上げているのですが、これをお認めになるということは、非常に測定精度というものが、詳しいものがそういうところでは得られないんじゃないか。さっき申し上げました相対誤差という読みからいきましても相当出てくるような気がいたします。 もう時間が詰まってまいりましたので、私の方から申し上げますけれども、いま相関係数〇・九六七の場合ということでちょっと申し上げました。これはいま申し上げたこの本の中に出ているので、これでさらに図表を引き直して数値等も引っ張ってみて、そこから相関係数、相対誤差がどれぐらいあるだろうかということも引っ張ってみたわけです。さらに、ちょっと心配だったものですから、相関係数が〇・七二八の場合とそれから〇・五〇二の場合というようなことで、変動係数、標準偏差というのはいろいろございますけれども、そういう中での図面を引っ張ってみてちょっと私も見てみましたら、たとえば〇・九六七の場合、ここにもあるのですが、一番回帰直線に交わる点ですね、要するに平均値になりましょうか、ここでたとえば計測器で出た場合ですと、ppmで言いますと一八・九かな、一九ぐらいになるのですね。それのときには一八・九というようなことで平均値は出てくるわけですが、実際にこれが九五%の信頼区間というものを引きましてここで引っ張ってみました場合に、たとえば一八・九というppmが計測で出てまいりましても、上限と下限というものが出てくる、いわゆる相対誤差というものが出てきてしまうわけですね。そうしますと、その場合にこの計器に出た数値を読み取ろうとしましても、場合によると一五・九から二一・八ppmまでの差というものが出てくるわけですね。というのは、標準点から言いますと非常に大きな、プラス・マイナスで約三%ぐらいppmで出てくる。だから、計測器で出た数値というのはそれだけ誤差が出てくるということになると思います。そうしますと、指定計測法による数値が場合によっては一五・九から二一・八まで、一八・九と計測値が出てくる数字につきましても、計器でやれば逆にそれだけの差が出てくる。いわゆる誤差が相当出てくるというような気がするわけです。これはだから二〇ppmとして計測法によって出てきたとしますと、一割、一〇%以上誤差があるような気がいたします。さらに〇・七二八の場合ですと、これがやってみましたが、標準値からいきましてやはりプラス・マイナス三%ぐらい、いわゆる一五ppm付近で、正確には一二・三というところですが、そこらあたりで、標準的に見ましても相関係数〇・七二八、こういう場合に標準偏差、変動係数というのは出てきてはおりますけれども、一応設定はしておりますが、計算しておりますけれども相当やはり誤差が出てくる。それから〇・五〇二の場合ですと、相対誤差というものがだんだん大きくなるわけですね。こういう形が出てきている。 だから、私が心配いたしますのは、そういう相関係数の大変低いものを、〇・四とか〇・五ぐらいまでもこれはいいですよ、相関で線が引っ張れるからこの計測器でいいですよという形でやっておると、相対誤差というものがそれだけございますから、一番最初お尋ねいたしましたように、五十九年の総量規制に対する目標値を設定されているのが昭和五十四年の時点の約一〇%前後ですね、三つの区域も。そこらあたりの規制をされようとしているわけですが、そういう計器によってそれだけの誤差がある、いわゆる一〇%以上の相対誤差というものが出てきた場合に、率直に言ってしり抜けにならないのか。実際に計器そのものの精度をなるべく高いものにしておかないと、結局、総量規制というものが私は大変しり抜けになってしまうというおそれがずいぶんあるような気もいたします。 さらに、UV計等については、ここに出ております数値というものは、いわばラボテスト的なもののようでございますので、また特に温度なんかも一定で、二十度ぐらいのところで検体を取っていろいろお調べになっていらっしゃるようでありまして、これが朝、昼、晩で温度が変わってくるという場合、先ほどお話がちょっとなかったのですが、このUV計等の場合には温度差によってずいぶん読み取る数値に差が出てくるようです。温度が十度ぐらい違うと、検体そのものは変わらなくても、湿度の差でその出てくる数値が五ないし一〇%はころっと変わってしまう。だから、春、夏、秋、冬というこの長期的な測定の中で、果たして正確なものが出てくるのかなという心配等もあります。ひどいときになると、朝、昼、晩であるかもわかりません。そういう不安定な形で使っていて、国民の皆さんが御安心願えるような、環境庁がやろうとなさっておられる総量規制というものが本当にできるのかなという素朴な疑問の上でいま問題提起を申し上げているわけです。そういう点についていかがでございましょう、漠然とした点になりますが。
○小野(重)政府委員 確かに、相関係数という点から見ますと、これは機器によって差があるという場合があるわけであります。ただ、これもまた同じようなことの繰り返しになりますが、たとえばCOD計を使いますと、ほかの器械の中ではそれで測定しますと、器械が何か別の物質で詰まってしまって働かなくなるというような問題も、いろいろな問題がございまして、そこで、そういう相関係数ももちろん重要なことでありますが、排水の特性に応じた機器の選択ということも必要なわけでありまして、そういう意味で総合的な判断が必要になるということだと思うわけであります。 そういう意味で、いままで私どもも指導をしているわけでありますが、今後の問題としましては、確かに総合的に考えた精度の向上ということがきわめて大事な問題でございますので、具体的な導入状況等を十分に調査いたしまして、今後の問題として、さらにより正確に把握するためにどういう機器を導入すべきか、あるいは機器についてもどういう改善をすべきか、そういうことにつきまして十分に調査いたしまして、御指摘のように、この機器の正確度のために総量規制の目的が達成されないようでは大問題でございますので、そういうことが万々ないように、そういう機器の導入あるいは機器の改善等につきまして十分に私ども努力してまいりたい、かように存じます。
○鍛治委員 まだ一問一答的に御質問申し上げたい点がございましたが、もう時間が参りましたから、はしょってあと要望として申し上げておきたいと思います。 私は、どの計器がいい悪いとか言っているのではなくて、COD計、TOC計、TOD計、それからUV計、簡易COD計、これらはそれぞれ特質がありまして、COD計が大変精度が高いのは、やはり指定計測法によるものに近い形でやっておりますから当然そうだろうという気はいたしますけれども、それぞれ一長一短があると思います。その中で、UV計でいいものはUV計でも私は構わないと思うんですね。というのは、ここに出ておりますように、業種別によっていろいろとやっちゃまずいぞというところがございます。これの状況把握ができていないということでございますから、私は、こういう使ってはならないところに本来の趣旨から離れた形で適当でない機器を使っていたら、総量規制が大変しり抜けになってくるだろうと思う。そういう意味を含めて、さらには、さっき申し上げた相関係数は、一に近い〇・九ないし八というような相関係数の高いものの方が総量規制をきちっとやる意味でも必要ではないかということ。そういうことをぜひやっていただきたいということですね。 それからさらには、いわゆる業種別に見てみますと、UV計でばかり言っても悪いのですが、白で使えないというところを見てみますと、業種別には、中小企業関係、中小の事業場に当たるのではないかなというところが比較的多いようなんですね。たとえばメッキ工場なんかもUV計は白になっていますから全然だめだとか、繊維関係もそうだとか、いろいろあるわけです。そうしますと、中小のところがむしろ精度の高いもので維持管理にも費用が高くつくようなものを据えつけていなければならぬというような状況が出てくるような心配を私はするわけです、これを見ていて。 これは通産の方がせっかく来ておられるから、一言だけ御答弁いただきたいのですが、そういう意味で、中小の方々がこういう計器をつけるときにも一つの対策といいますか、金融的にも、それからいろいろな補助金とかいうような形をとる中で、きちっとこれをつけやすくするという援助ができないのだろうかということが一つございます。 それからさらに、中小の方々の声を聞いてみると、大きな排水をしているところの量と、小さいところから出している量と比べると、むしろ場合によっては計器による測定の誤差の範囲内に入るような形で、幾ら高い精度のものを自分のところがやっても、出したときに、大きなところがUV計でいいというようなかっこうに使うということが多いみたいですが、そうした場合に、その誤差の範囲内に入ってしまうのではないか。だから、おれたちのところだけ厳しくやられたって困るぞというふうな声も私たち実は耳にしているわけです。しかし、それがあってはなりませんし、そうなればやはり大きな事業場の方も精度の高いものを機器として取りつけながら、総体的に総量規制というものがきちっといく形になっていかなければならぬだろう、こういうふうに思うわけです。だから、そこらあたりも含めて、各都道府県を通じてになるかどうかわかりませんが、実情というものも、さっき御答弁がありましたように、よくお調べいただいて、そして、その水質なり排水なり、いろいろな条件に適合した機器を使うように適確な指導も願って、五十九年の総量規制というものは、国民の立場から言いますと、ぜひ日本の国はきれいにしたい、水はきれいにしたいという切なる要望がございますから、この達成が必ずできるようにひとつおやりを願いたいと思います。 最後にその点についての長官の御決意をいただく前に、通産の方から一言だけその点について御答弁いただきたいと思います。
○植田政府委員 公害防止対策につきましては、それが円滑に進みますように従来から金融とか税制の面で支援してきているわけでございますが、お尋ねの計測器につきましても、主として金融の面におきまして対策を講じているわけでございます。たとえば大企業につきましては開発銀行でございますが、あと中小企業につきましては中小企業金融公庫でございますとか、国民金融公庫でございますとか、あるいはまたリース制度等も中小企業事業団ではとっております。その他二、三の制度も含めまして、多様な形で制度を設けておりますので、私どもといたしましては、業種なり業態に応じましてできるだけそれがうまく使われますように今後とも指導していきたい、こういうふうに考えております。
○鯨岡国務大臣 所定の時期までに総量規制は確実に実施しなければならぬ、完成しなければならぬ、これは前提でありますから、そのためのふだんの計器等については、いま局長が段々お答えいたしましたように、さらに万全を期して研究してみたいと思います。
○鍛治委員 これで質問を終わります。ありがとうございました。
○山崎委員長 午後二時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時六分休憩 ――――◇――――― 午後二時七分開議
○山崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中井洽君。
○中井委員 最初に大臣に、前の委員会で私少し質問ができなかったものですから、所信表明の中で幾つかお尋ねをしたいと思います。 去年十月に国会が開かれましたときに所信表明をなさいまして、それからまたその後の委員会の質疑の中でも盛んに、環境教育というのですか、そういったことについてお述べになられました。私も中身どういうことを考えておられるのかお尋ねをいたしましたら、まだまとまっていないのだ、こういうお話でございました。今回の所信表明の中も見せていただいたわけですが、今回は教育ということについてお述べになっていらっしゃいません。御就任後九カ月ぐらいになるわけですが、この九カ月の間にそういった環境教育について、何かお考えをおまとめになったか、あるいはこういうことだなというふうにお感じになっていらっしゃるとか、そういったことについてお述べいただければありがたいと思います。
○鯨岡国務大臣 お答えをいたします。 確かにその当時、環境教育と一口に言いますが、それは一体どういうことなんだということでは私なりに考えてもみましたし、またいろいろそういうことの学識経験者に会ってお話を聞いたりいたしました。そのうちの一人は、せんだってお亡くなりになりました平塚益徳先生なんかにも聞きましたが、学問的に言うとなかなかこれはむずかしい。学問的に言うと非常にむずかしいので、そこいらのところはまだまとまってはおりませんけれども、私は二つのことは言えると思います。 一つは、これは一般国民、特に子供の教育なんかの場合に相当力点を置いて、思いやりの心というものですか、自分がされていやなことは人にしないという、また他人の心を思いやるというやさしい気持ち、そういう気持ちを培養していくということは、とりもなおさず環境教育になるのじゃないか。このことは、就任早々にそれを考えまして、私は、文部大臣、それから中山総務長官、あれは青少年問題をやっていますから、この三人でいろいろ対談をしたり何かして、それを印刷物にいたしました。それらのことはもうお察しのとおりでございまして、いろんな形でそれをPRしていこうと、特に県、地方自治体などは、きのうもちょっと外務委員会でしたか申し上げましたが、副読本みたいなものをつくりまして、小学校用、中学校用、高校用で、それぞれの県が特色を出しながらそういう問題についての教育に専念をしている、私はこういう気持ちが行き届きますれば、いま言われているカラオケ問題だとか空きかん問題というのは相当解決しているんじゃないか、そんなことを期待するわけであります。 それと同時に、やはりやさしい気持ち、小鳥とか何かというものはだんだんわれわれの目の中からいなくなってくるということは、その意味でも非常に大事なことなんで、そういう一連のことですね。 もう一つは、いわゆる地球的規模の問題、これを国民に幾ら――私も地元がありますから町へ帰って話をするのですが、これはきょうの問題でないだけになかなかぴんときませんね。それでいながら、午前中にもお話を申し上げましたが、今月号の文藝春秋なんかにも何か書いてありますし、いろいろな面でそういう心配があるんだということを言っているのです。そして、私は現実にそんなに遠くない将来にそういう時期が来ると思いますよ。ですが、なかなかそれがわかりません。これをどうやってわかってもらうかという問題は、私どものやる環境教育の一環であろう、こういうふうに受け取っているわけであります。冒頭申し上げましたように、学者に言わせますと学問的にむずかしいことを言いますけれども、私はそんなふうに考えております。
○中井委員 もう一つお考えをお聞きしたいのですが、この間の委員会での質疑の中で、環境庁というのは行政をやると同時に政治哲学、政治理念に基づいた省庁である、こういう御発言をなすったと思うのですが、その点についてもう少し具体的に長官のお考えをお述べいただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 長いことお話していることは恐縮でございますから、私の考えている要点だけを申し上げてみたいと思います。 私がいま申しました地球的規模の問題でも、これは一つ政治哲学の問題だと思います。われわれは重大な反省――私自身はですよ、私自身は何かえらい間違ったことをしてしまったのではないかなと政治家の一人として思うのです。それは反省と言ってもいいのですが、使い捨てだの、消費は王様だのと言って、それは確かにそのことによって経済はずいぶん大きくなったでしょう。しかし、そのことによって、もったいないというような本来持たなければならないものを失ってきてしまったのではないか。ですから、私はけさの閣議でも申し上げたのですが、これからは経済の発展と言っても、量の発展だけでなしに質の変化を伴った発展でなければだめだ。もっと俗なわかりやすい言葉で言うと、同じ四十二億のこの地球上に住んでいる人の中で、われわれのような生活をしておる人ばかりじゃないですから、特に先進国の者はもっとつましい生活をするということを心がけなければいけないんじゃないだろうか。そうでなければ、地球という運命共同体の中に住んでいるのですから――この地球はどのくらいの人間を養えるのでしょうか、私はよくわかりません。しかし、これ以上の人間は養えないという限度があるはずだと私は思うのです。それを全然考えないで、どんどん資源をいまの時代にそこいらじゅう掘り尽くしてしまってもいいみたいな勢いで掘り尽くしていいものだろうか。私はこれを哲学と言えるかどうかわかりません、哲学と言えるかどうかわかりませんが、少なくとも言えることは、きょうの問題でないということですよ。きょうの問題でないけれども、これほど重大な問題はない。われわれ一代でこの社会が終わるのなら、いかようにでもやりようがありますけれども、われわれ一代で終わるのでないだけに、つくづく考えてみなければならぬことだ、こんなことを考えているわけであります。
○中井委員 それではまた、その点につきましては後で私自身も少し議論をさせていただきたいと思いますが、最初に、今国会にアセスの法案あるいは湖沼法、この二つの法案が提出されるというようなことが新聞にずいぶん出てまいりましたし、あるいは予算委員会等でも総理大臣も直接お約束なすった、こういうことを聞いております。私どももいまそれを待たせていただいている状況でありますが、漏れ聞きますと、ずいぶんアセス法も湖沼法もむずかしいというような状況も聞いております。また、前々から約束でありますNOxの総量規制等についてもかなり困難な状況だというふうに聞いております。このアセス、湖沼法、そしてNOxの総量規制、これらの問題、他党の議員の方も何度も御質問をなさっていると思いますが、現在の率直な状況というものをそれぞれ個別に担当の方から。お答えをいただけますか。
○鯨岡国務大臣 先生から担当の者にということでございますから、補足して担当の者に答えさせますが、まずアセスの方から申し上げます。 私の考えは、何とかしてアセス法案をこの国会に提出して先生方に御審議をしていただきたい、そうして、それを通じてアセスというものはどういうものだ、どの程度に重要なものだということを国民に知ってもらいたいということと、できれば御協力をいただいて、先生方の審議を経た権威と信頼あるルールづくりをしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。けれども、議会政治でございますから、私が申し上げるまでもなく、お察しのように、自由民主党政府、鈴木内閣としては、党のフィルターを越えなければなりません。そして、いま政調会長のもとにありまして、政調会長はまた相談すべきものを自分でつくって相談をしているわけでございます。 非常に熱心に御審議をいただいているわけでございます。残念なことに、またそれが詰まっておりません。これは私は先生方に対しても申しわけのないことだと思いますけれども、非常な熱心な審議を続けておられますので、本当にもうじき答えが出てくるだろうと思います。そうしましたらば、どうぞひとつ活発な御審議をいただきたい、こういうふうに思います。 それから、NOxの問題でございますが、NOxは昭和六十年までにはあのおろしました〇・〇六というppmより悪いところはなくする、そしてまた、なくしなさいという衆参両院の附帯決議があります。そういたしますとわれわれはお答えをしたわけでございます。そこで、そうなるように一生懸命努力を全国的にしてまいりましたが、果たしてその約束が果たせるかどうかということは、われわれの重大な関心事であることは言うまでもありません。 そこで、だんだん見てまいりますと、どうも果たせそうもないなと思われるところが幾つかあります。そして、そこの知事さんも、どうもむずかしい、こういうことでございますから、それならばその地区を指定して、総量規制をやるという場合にはどういうふうな形でやったらいいだろうか、ひとつ知事さんにも考えてもらおうということで、いまそういう地域の指定のための政令を出そう、こういうふうに考えているわけなんです。けれども、従来、たとえば煙突なんかの場合には大分お金をかけて、われわれの要求に満たるように企業なんかもずいぶんしているわけです。ところが、そこがまた指定になるということになったら、またこの上何かお金をかけなければならぬだろうか、お金をかけたってできないから今度は引っ越していかなければならぬだろうかなんという心配をなさる向きもあります。考えてみれば、その工場から言えば、私の煙突のせいじゃないんだ、それは自動車のせいなんだ、自動車のせいなのに、それを私にかぶせられたらかなわぬというような心配をする向きもあったりして、なかなかそこのところに納得のいきかねるものがある。物事を何でも納得をさせて、それでやるといいというのが私の考えでございますので、その納得に若干の手間取りがある、こういうことでございますので、御了承いただきたいと思います。
○藤森政府委員 大臣の御答弁に補足をさせていただきます。 環境アセスメント法案につきましては、現在自民党の政調会長預かりになっているところでございますが、去る三月四日に自民党政調会に環境アセスメント問題懇談会というものを設置されまして、この法案につきまして九回御審議が行われております。現在は、この懇談会に小委員会を設けまして、いままでの論議の取りまとめが進められているという状況でございまして、来週中にもその小委員会のまとめというものが完成されるというふうな状態と承っております。これを得た後、さらにまた懇談会が開かれ、政調会の方に報告されるというような段取りによって党内のコンセンサスが得られていく、こういうふうに考えておる次第でございます。
○三浦政府委員 窒素酸化物の総量規制の問題でございますが、私ども、当初、五十五年度内には政令改正いたしたいということで作業をやってきたわけでございます。ただいま大臣から御発言もございましたが、いま、たとえば固定発生源の昨年レベルとか、あるいはそれに要する投資額はどうなんだとか、あるいは大臣からお話ございました交通問題、こういうことにつきまして、たとえば通産省とも一日置きにいま詰めておるという状態でございまして、なるべく早く解決するようにやってまいりたいと考えております。
○小野(重)政府委員 湖沼法案の問題でございますけれども、この湖沼法案は、湖沼の特殊性にかんがみまして、いろいろな規制の強化、諸事業の推進、これを総合的、計画的に進めるというのがこの法案の根幹でございますが、水の問題というのはいずれにしましても関係するところが非常に多うございまして、外務省以外はみんな関係するということで、大変時間がかかるわけでありますが、それといろいろな規制を強めるということになりますと、いろいろなバランス問題がございまして、バランスといいましても各省にまたがる問題でございます。それからまた、既存の制度、たとえば河川法による河川管理の問題、それとの調整をどうするかとか、いろいろな調整問題がございまして、大変おくれて恐縮しているわけでございますが、もう最終調整段階に来ておりますので、なるべく早いうちに調整を終わりまして、国会の御審議をいただきたい、かように存じております。
○中井委員 アセス法から少しお尋ねをいたしますが、新聞等で見ますと、何か自民党内部には、電力の立地ですか、それ等を対象から外せばまあまあ出してもいいんだ、こういう意見があるというふうに聞いておりますが、これは実際事実なのかどうか、もし事実としたらこれについて大臣はどのようにお考えになっているか、お答えをいただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 事実であるかどうか、私にはよくわかりません。私どもの考えでいることは、去年の五月二日に法案が成立いたしまして、各省庁合意のもとにかなり骨を折ってつくったものでございます。これが万全と思っているわけでございますので、いまお話しのようなことがあるのかどうか私にはわかりません。 それから、もし事実だとすればということですが、どういうわけでそういうふうなことを考えるのかそれを知らないのですから、これは批評のしようがないわけなんで、どうぞひとつ御了承ください。
○中井委員 まあ知らないということはないであろうと思うのでありますが、私どもも電力業界等のいろいろな反対があることは承知をいたしております。しかし、去年できた、御苦労なすって法案としてつくられたあの法案そのものが、私は大変いい法案ができておると実は考えております。したがって、うわさされるように、電力業界をこの段階で抜くというようなことがあれば、全く意味をなさないというか、法案自体がねじれたみたいな形になる、私はそのことを心配いたします。また逆に、自民党の方々が電力の反対だけを、とにかく電力業界のために除くんだという形で抜いてお出しになったとしたら、住民一般あるいは国民一般から、電力業界だけが悪いことをしておるんだから抜いたんだ、こういう形の批判を受けて、逆に、考えておられる立地の促進そのものがおくれていく、私はこういったことが必ず起きてくる、このように思います。もしそういう話が事実で、電力を抜かなければ法制化はできないあるいは国会に提出できない、こういうことであるならば、電力を抜くという発想じゃなしに、もう一度法案を御苦労であるけれどもつくり直して、そして、公共事業だけをまず最初に対象とした、あるいは国の関係の事業だけを対象としたアセス法というものをつくり直す、こういうかっこうでやるべきだと私自身は思うわけであります。そういったことについて、環境庁長官、率直なお考えをひとつお聞かせください。
○鯨岡国務大臣 申し上げましたように、もしそれが事実であるとすれば、どういう御存念で電気事業だけを外すのか私わかっていないのですから、正式に私に、こういう案だがどうだろうという話はないですから、批評のしようがないわけなんです。 ただ、言えることは、ある業界が反対するからこれを除こうというようなことは、これは国民に対しても、また先生方に対しても説得力がない、こういうふうに思います。そんなことはないと私は思います。やはり何か合理的な説得力のある、この方がむしろいまの時点ではいいんじゃないかというお考えがあるんだと私思いますが、詳細わかっておりませんので、ひとつこの点で御了承願います。
○中井委員 私自身もこの委員会に当選以来所属させていただいて四年半ぐらいになると思うのですが、アセスを含めて環境庁がお出しになろうとする法案あるいは規制の問題等が、政府・与党内の考えの違い等で国会そのものに出てこない、あるいは行政措置として実行できない、こういう状態がずっと続いておるわけであります。なぜこういう形になるのだ、どうして環境庁の考えておることが実際政府・自民党、与党内でできないのだ、こういうことについて環境庁長官はどのようにお考えになりますか。
○鯨岡国務大臣 それは私わりあいにわかりやすいと思います。しばしば私はいろいろなところで、先生方にそういう表現を使うことはあるいは失礼かもしれませんけれども、きわめてわかりやすく言えば、自動車で言えば私のところはブレーキですからね。それで、いまこの社会は自由社会でございますから、自由経済の中で発達をしてまいりましたし、これからも期待しようというわけですから、そのときに、ちょっと待て、自由といったってそれはいけませんよという役所が私はちょっと考えて二つあると思います。 一つは公取です。幾ら自由といったっておまえのところ一人でもってシェアを全部占めてしまうなんということは許せないというようなことで、また、値上げすることは構いませんよ、値上げしなければ自分が損しちゃうというなら値上げしなさい、しかし、相談ずくで値上げしてはいけませんよということは、ある種の自由に対する制限であります。 それからもう一つの役所は私のところです。これは、幾らあなた金もうけできるかもしれませんが、煙突から汚い煙をぼんぼん出しちゃいけませんよ、隣近所へ地鳴り振動するような音を出しちゃいけませんよ、こういうことで制限をするわけですから、この二つです。これはブレーキですよ。 ところが、通産省でも農林省でもみんな経済を発展させるために一生懸命になっておられるわけですから、またそれは非常に重要なことでございますから、これはアクセルですから。ところが、いまアクセルも幾ら踏もうといったってなかなか容易でない。油も高くなってくるし、量も制限されそうだというときに、これからどうやってやっていこうかと思って、アクセルを非常に心配しているわけです。そのときに私の方のブレーキはやはり邪魔になるでしょうね、これは。しばらくの間は黙っていてくれないかと言いたくなる気持ち、私わかります。でも黙っていられないのです、これは。そうすると、もう一回あの痛ましい記憶がよみがえってまいりまして、あんなことになったらどうしようかという心配があります。そこへもってきて地球的規模のと、一国だけでもやれないというようなことになってまいりますから、私は、環境庁のやることなすことができないじゃないかということはないと思います。その中で、先生方の御協力をいただいて、また大方の御理解をいただいてずいぶんいろいろなことをやってまいりました。それは御承知のとおりであります。 ですから、よその国のことを言ってはなんですが、この間よその国を歩いてみて、日本は大気の問題でも何でもずいぶんよくいっているなと思いますし、私は東京に住んでいますが、隅田川なんかもずいぶんおかげさまできれいになってまいりました、経済成長しながら。ですから、何もかも全部だめだというわけではないですが、午前中にも申し上げましたように、いまの時点は特にバイオリズムが一番低くなってしまったときですから、なかなか容易でないことは理解ができるわけでございます。
○中井委員 環境庁の方々が一生懸命やっておられることは十分わかります。しかし、現実に、公取と二つ並べられたわけでありますが、そういう性格の役所であるがゆえに、よけいがんばっていただく、あるいはよけいそういう役所が全面的に先取りしていろいろな行政をやっていく、このことが大事だと私は思うわけであります。ところが、現実には、いまそれがなかなか進んでいかない。そういう状況というのは、やはり国全体の将来にとって大変まずいことだ、その日その日の時点においていろいろあるけれども、将来においては本当にまずいことだと私は思います。省庁間のなわ張りから見て、環境庁の行政なんというのは口を出そうと思えば、また出してあたりまえでありますが、幾つでも省庁の上に権限をかぶせていける。それに対していやがるということもあると思うのであります。先ほど鯨岡長官から、政治哲学の問題だとか、あるいは環境教育の問題だとか、いろいろといいお話を承りましたけれども、まず自民党内部で政治哲学あるいは政治理念の統一あるいは環境教育の徹底をお図りいただいて、そして環境庁というのはこういう省庁だ、それのやろうとすることは、いろいろな現実にその日その日にとってはつらいことも苦しいこともあるけれども、将来にはいいのだ、こういったことを十分認識していただかないと何にもならない、このように考えるわけであります。そういった意味で、長官、さらにこれらの法案の、あるいは規制の実現に向かって与党内での御努力をいただきたいと私は思います。 特にNOxの総量規制の問題は、新聞等は緩和あるいは後退、このようなことを言いますが、この問題が委員会で問題になりましたときに、野党の中で私どもの党だけが、やるべきだ、科学知識にのっとってきつくしなければならぬものはきつくすればいい、あるいは五年前に決めたことが現在の科学でいけば十分大丈夫だということならばそれはそれで変えるべきだ、こういうことを主張してまいりました。そしてそのとおり実現できた。そのときに委員会でも、そのかわり、今度変えた規制値については、現在の科学でいけばこれは守らなければならない水準なんだから、これを突破するような地域はなしにしてくれ、こういうことを強く要望したわけであります。そういった観点からも、ぜひ実現ができるように御努力をいたたきだい、このように思います。そういった意味で御答弁をいただきます。
○鯨岡国務大臣 アセスの問題については先ほどお答えしたとおりでございますが、その際にも申し上げましたように、自由民主党の中で本当に真剣に御討議をいただいているわけでございます。遅くなってまことに恐縮でございまして、この委員会には申しわけのない次第でございますが、本当に一生懸命になって御検討いただいておりますので、もうしばらくお待ちをいただきたい、これをお願いいたしておきます。 それから、NOxの方は、これは法律でございません、政令でございますが、先生言われたとおりなんです。それで、〇・〇六におろすかわりには、これが達成できないということではだめだぞ、どうなんだ、それは、あの時点ではだめです、昭和六十年までには必ずいたします、こういうことで、附帯決議も衆参両院にいただきましたし、その附帯決議にこたえて当時の環境庁長官から、必ずそういたしますとお約束を申し上げたことでございます。それは国会を通じて国民に約束したことでございますから、これは何としてもそういうふうにしなければならぬ。けれども、事情でなかなかむずかしい。これは煙突だけに犠牲を強いるというわけにはいきません。自動車のせいなのに、煙突はずいぶんやっているのですから、さらにその上に煙突にというわけにもいきますまい。しかし、〇・〇六に達しないだろうと心配されることは心配されるのですから、何とかしてこれは計画を立てて、その計画を実施する期間を二年置いて、計画の期間を一年置いて、だから三年前に政令で指定したいと思ったのですが、諸般の事情で多少おくれておりまして、これからの作業をする人に迷惑をかけますけれども、必ずお約束を守るということで努力いたしておりますので、いましばらく御容赦を願いたいと思います。
○中井委員 もう一つ、これらの法案あるいは政令等をおつくりになるときに、いろいろな産業界等の動きが私どものところに伝わってまいります。私どもも精いっぱい環境庁の姿勢を説明して、理解を求めようと努力しているわけであります。その中で一番私自身が感じますことは、いろいろな省庁の中で、産業界の方々がずいぶん環境庁に対して、大変失礼でありますが、不信を持っておられる。不信を持つということ自体私はおかしいことだ、このように思います。しかし、一方においてそういった人たちとも話し合い、十分理解を得てやっていくのが行政のあり方であろう、このようにも実は考えるわけであります。環境庁長官も、長官御就任以降ずいぶんいろいろな業界の方々と、あるいは産業界の方々とお話し合いをなさったと思うのでありますが、そういう産業界の方々の持っていらっしゃる不信を取り除く努力、あるいは環境庁の存在を、先ほどの長官の政治理念ではありませんが、そういったものを基礎に、こういう省庁というものは厳然とあって、それに基づいてやらなければならないんだ、こういう意識の徹底を産業界の方々にも持っていただくということは私は重要だと思うのであります。そういった点についていかがでありますか。
○鯨岡国務大臣 私は根っからの政党育ちの政治家でございますから、どなたとでもお会いして話をしようという態度で今日までやってまいりました。その過程で感じましたことは、産業界が環境庁に不信を抱いているとは私は思いません。ただ余り好きな役所じゃないなと思っておりますね、これは。これは、公取のことを好きだという産業界はいないでしょうね。同様でございまして、ブレーキですからね。アクセルではないですから。だから、好きとかきらいとかいう表現は必ずしも正しくはありませんけれども、ときどき邪魔っけになるな、静かにしていてくれたらいいなと思っている役所でしょう。しかし、それにもかかわらず、ある著名な洋酒のメーカーの社長さんが私と会って、環境問題、自然を保護するということがどのくらい大事なことかということを、そこのうちの広告には違いないのですが、広告なんというところはどこもなしに新聞の一面を全部使って広告をしたり、あるいは著名な洗剤の会長さんが、ごく最近ですが、私と対談をして、それをまた新聞に載せて、水をきれいにするということがどのくらい大事なことか、そのために業界がどのくらい骨を折っているか、環境庁もどのくらい心配しているかというようなことを国民にわかってもらうために、環境庁の予算でなしに、向こうの予算で大分やってくれているというようなこともあります。私は、いやがられる役所になったら大変だと思いましてね。いやがられない役所になりながら、規制すべきところは規制していかなければならない、こう考えて努力しているわけでございます。
○中井委員 おっしゃるとおり、別に、愛されるとか好きになってもらうとかいうことではなしに、それは産業界から見れば、ありとあらゆる法律も邪魔なものであろうと私は思います。私の申し上げたのは、環境庁そのものの存在がそうだとか、あるいは環境庁のお役人に対して不信だとか、そういうことでなしに、環境行政というものが今日まで諸先輩の御努力でずいぶん進んできた。それをやる過程の中においては、私どもは国会に出ておりませんでしたけれども、公害国会なんということがありまして、公害に関する新しい法律がどんどんできた。そのときには世論も大いにやれやれということでやってきた。産業界等もそれはやらざるを得ないということで大変な投資を進めてきた。今日、科学技術が発達していろいろなことを考えてみると、その当時やらなければいけないんだと言ってどんどんやった中にも、ある意味ではその当時は必要であったけれども、いまの科学技術から見たらそこまでやらなくてもよかったんだなとか、いろいろな感想があると思うのであります。それらの問題を、先ほどのNOxのように、率直に科学技術に基づいて変更できだということは評価だと私は思うのですが、それ以外のものはやはりいじれない、いじろうと思えば環境行政の後退だという形で一部の人たちから御批判を食らう、したがって、わかっていながらできない、こういう不信感があると私は思うのであります。 こういう環境行政でありますから、現在の時点で思い切って、踏ん切りをつけてやらなければならないこともたくさんあると思うのであります。しかし、将来それがわかって明確になってきたときには、またその科学に基づいて正していく、こういう環境庁の姿勢というものが必要だと私は思うのです。それをいま環境庁自体は必死になって御努力されておるけれども、いろいろな情勢でおできにならない、そういうことが一つの大きな不信になっておる、こんな感じを私自身は抱くわけであります。そういった点について長官はどのようにお考えですか。
○鯨岡国務大臣 私、全くそのとおりだと思います。それは公害基本法などでも明示されているとおり、究極は人間の生命、健康を守るということですから、健康を守るために、たとえば水はこの基準、空気はこの基準ということはあるのですから、その基準は間違いないかということは、二通決めてしまえばもうこれで間違いないというように安心してないで、常に心配して科学者に検討いただくということの必要はある。そしてまた、私どもの方ではそれをしている。それから民間でもそれをしているでしょうから、そういう注意を耳に入れて、それを参考にして、また学者に研究してもらおう。それで、もっと強めねばならぬときには、勇気をふるって、だれがいやでも強めなければなりません。そのかわり、もっと弱めてもいいというときには弱めたらいいと思います。ちゅうちょすることはない、勇気をふるってそれはやらなければならぬ、そういうふうに思います。
○中井委員 もし、そういうことが本当に実行されていくならば、環境庁の行政に対する不信というものもおのずと違ってくるものがある、こんなふうに私は考えているわけであります。どうぞ長官のお考えどおり、いろいろな問題があろうかと思いますが、勇気を持って改革をしていただきたい、そして環境行政を進めていただきたい、このように思うわけであります。 NOxの問題で、個条的で恐縮なんですが、もう少しお尋ねをさしていただきたいと思います。 環境庁は、いま政令で幾つかの地域を指定してやろうとしているわけでありますが、この規制政令が出た場合に、どこか適当な地区でも全体でもいいのですが、その政令を守るためにそういったものに投資しなければならない金額というものを、規制を考えるときに環境庁というのは計算をするものであるのかどうか、そういったことについてお尋ねをしたいと思います。
○鯨岡国務大臣 それは細かくは局長の方からお答えいたしますが、これはできるだけ正確なつもりでやっておりますが、あるいは間違いがあるかもわかりません。しかし私どもの方でいま計算をしておりますから、後でそれは報告させます。 緩めるというときに――われわれも緩めているのですよ。先ほど先生がおっしゃったように、NOxは〇・〇二だったのですが、それを〇・〇六まで下げたですから、そのときの環境庁の評判の悪かったことというのは、私は長官じゃなかったですが、これは大変なものだったです。(中井委員「いや評判よかったですよ」と呼ぶ)それはうれしがる人もいるでしょうけれども、一般的には……。それはわれわれが決めるのじゃなくて、委嘱して学者に決めてもらうのですから、私は、今後もそういうことがあっていい、そのかわり上げなければならぬときには、だれが何と言ったって上げなければならぬ、こういうふうに思います。
○三浦政府委員 窒素酸化物の総量規制につきましては、固定発生源、移動発生源、それぞれの寄与率を考えながらやっていこうと思っておりますが、とりあえず総量規制の導入によります固定発生源の具体的削減レベルは一割か二割程度ではないかというふうに私ども考えているわけでございます。これについては政令を改正した後で各県でおつくりいただくわけですから、私ども非常に細かいところまできちっと計算をいまいたしかねますけれども、一概には言えませんが、たとえば脱硝施設まではいま必要ないんじゃないだろうか、燃焼改善あるいは燃料転換ということで十分対応できるのではないかと考えておるわけでございますが、そういうことで計算してまいりますと、たとえば大阪市については五十億程度でできるのではないだろうか、こういう計算をいま各地域についてもやっております。
○中井委員 私、こんなことを聞きましたのは、環境庁がいろいろな行政をおやりになるときに、そういう投資の金額とか経済的ないろいろな効果とか余り計算なさらないのかなというふうに感じておったものですから、別に、経済との調和を図れとか、そんなことを言っておるわけじゃありませんが、今後いろいろ科学技術に基づいてやられるときも、そういった投資金額あるいは経済効果等を十分計算をしつつおやりをいただきたい、このことをお願いいたしておきます。 そこで、そういったことをお聞きをするようになった一つの大きな理由は、いま日米間で自動車の摩擦でいろいろと問題があるわけであります。アメリカの政治、行政の方も、アメリカの自動車業界そのものを助けるためにいろいろな案を発表したようであります。それを見ておりますと、余り詳しくはわからないのでありますが、やはり環境政策等を緩和する、あるいは延期をする、こういうようなことが出ております。それをやると自動車業界は幾らくらい助かるのだとか、そういう数値が出てきて、なるほどなかなかおもしろいなと感じて実はお聞きをしたわけであります。 そこで、今回アメリカの方で発表されました三十五項目ですかの規制緩和の中で、環境政策についてどういったものが緩和されようとしているのか、環境庁の方でおわかりでしたら発表していただきたいと思います。
○三浦政府委員 今回のアメリカの自動車排ガス規制の緩和措置でございますけれども、これは大体十八項目ございますが、主なものを申し上げますと、この十八項目を大ざっぱに分けますと、一つは、重量トラックの一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物の規制の緩和でございます。二つ目は、乗用車に対する高地規制の緩和、向こうに非常に高い千メートルぐらいの都市があるものですから、そういうところにおける乗用車の規制の緩和、三つ目は、各種の認証とか完成検査、こういうものの手続の緩和、この三つに大別されますが、細かくは十八項目にわたって規制緩和の項目がございます。
○中井委員 後でその資料等をいただけますか。 この自動車問題で二つだけ私はお尋ねしたいことがございます。 一つは、日本においては五十五年規制という形で世界一厳しい自動車の排ガス規制がやられて、いま守られているわけであります。二年ほど前でしたか委員会でもたしか御質問したと思いますが、その当時はこの規制の対象から輸入車を外すという形になっておったと思うのであります。現在でもこの輸入車を日本の規制対象から外しておるのかどうか、まずお尋ねをいたします。
○三浦政府委員 ただいまの先生の御質問、本来なら運輸省の方からお答えいただくのが筋だと思いますが、きょう来ていらっしゃらないようですから私の方からお答えいたします。 これは道路運送車両の保安基準で決めておるわけでございまして、自動車の排ガス規制の実施につきましては、輸入車のこういうものは、各国の技術開発あるいはその生産の展開、こういうものがございますので、若干おくれても仕方がないんじゃないだろうか。運輸省の方で一つ提案がございまして、私の方へ協議してくるわけでございますが、各国より日本の技術というのは非常に進んでおりますから、やはりそこにある程度の期間を置かないと無理じゃないだろうか、こういうことでございまして、たとえば五十三年度規制の厳しい規制がございますが、これなどは運輸、外務それから環境庁、それぞれ協議をいたしまして三年間の猶予期間を置いた、したがって本年の四月から実施、こういうことになっておるわけでございまして、輸入車はほとんど乗用車でございますが、そのほかのものにつきましては二年あるいは一年ちょっととそれぞれ決めておるわけでございまして、いずれも外国の技術開発の状況を考えながらやっておる、こういうことでございます。
○中井委員 そうしますと、この四月から輸入車に対しても日本と同じ規制値で規制をしていく、こういうことですね。もう実行されているわけですか。
○三浦政府委員 五十三年度規制のものはこの四月から対象になっております。
○中井委員 あと、日本の基準を外国車に対して緩和しておるあるいは時間的に余裕を置いておる、そういうのがいま現在ありますか。
○三浦政府委員 私ども日本の交通公害の深刻さから考えまして、いまありませんし、今後ともやるつもりはありません。
○中井委員 長官、私はこれが前のときにも不思議でしようがなかったのです。日本車には技術的な面でできる限りやれという形で、環境問題だからということでおやりになって、外国の車だったら技術的にむずかしいからしばらく時間的には余裕を置く、私どもこれはちょっと考えられないのですよ。外国の車であろうと日本産の車であろうと、日本国内で走って日本国内で排気ガスを出すわけであります。国内においてはありとあらゆることに例外を認められずに、必死になって環境庁はおやりになっておる。しかし、外国のものについては例外を認める、余裕を認める。これも環境庁の行政姿勢――環境庁の姿勢だけではないと私は思う。全体の政治的ないろいろな御判断があろうかと思うのですが、こういうことはやはり環境庁の行政のあり方に対する不信の一つにつながる、私はこのように思うわけであります。先ほどの投資の金額の話等にもつながりますけれども、やはりすべてのものに例外というものを設けていかない、こういったことも十分お考えをいただき、今後こういう規制値が、これからトラック等いろんな形で出てくると思うのでありますが、外国車に対しても同一に適用するんだ、このことをひとつお約束をいただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 きのうですか、外務委員会でも同じようなことを言われましたが、中井先生言われるとおり、外国から入ってくるものは基準の甘いものでもいい、日本産だけは厳しくしなければいけない、そんなことは理屈にも何もなりません。ただ、買い付けの契約なんかしちゃった台数というようなことがあるいはあるかもしれませんがね。しかし、そういうことを考えに入れて、いま先生のおっしゃるとおりだと私は思います。
○中井委員 それから、もう一つ自動車でお尋ねをいたします。 私ども環境行政のこの委員会の中でいろんな質問をいたしますときに、やはり同僚議員から、外国ではもっときついのをやっているじゃないかという形でいろいろな議論を進めます。あるいはこの自動車の五十三年規制のときなんかには、ずいぶんいろいろ議論があったように私どもは聞いております。そのときには、アメリカの自動車規制はもっと厳しいのだというような形でやってきて、日本だってやれないことないじゃないかということでかなり思い切った規制をやらした。日本の産業界はそれにこたえて、それを守って今日まで来ているわけであります。ところが肝心の、もとになりましたアメリカあたりは、数年前から不景気だということもあってそういう適用を延ばしたり、あるいは今回のように自動車産業の死命を制するような事態になってきたら環境行政というものを少しおくらしたりする、こういうことであります。そうすると、日本においてもし産業界の死命を制するような、死活問題というようなことが起こってきたときに、現在環境庁はそういうことはお考えになったことはないでしょうけれども、長官御自身として、産業界と環境行政との関連、これをどのように御判断をなさるつもりか、そのことについてお答えをいただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 アメリカとだけ対比しても言えますし、またヨーロッパの先進諸国と対比しても言えることですが、わが国は三十七万平方キロのうち二割しか可住面積がない、この中でこれだけの経済をやっている。ですから、一定の面積をとってその中の自動車の台数といったらずいぶん多いだろうと思います。アメリカはこの程度でいいんだから日本もそれでいいじゃないか、そういうことにならない、これはわれわれに与えられた宿命ですから。ですから、これを緩和するなどということはいまのところは全然考えられない。それは先ほど申しましたように、だれかが言い出して、それでまた科学者がそれを検討して、なるほどいままでのものはきつい、それにしても日本の状態を考えに入れてもきつ過ぎるというようなことになればそれは別です。しかし、ただ経済界がおかしくなってきたからというようなことだけで、これはずいぶんそういう要望はあろうと思います。けれども、経済も大事なら環境も大事、どっちが大事だ、一つだけ言えと私に言われれば、私は環境の方に足を踏み入れざるを得ない。私が、そうでなくて経済の方が大事ですなんてことを言ったらバランスがこんなになっちゃいますからね。バランスをこうしておくためにも私はこっちの方に力を入れざるを得ない、御理解をいただきたいと思います。
○中井委員 長官のおっしゃることは、それじゃ科学技術にのっとってとにかく勇気を持ってやっていくのだ、そして、まあまあ金銭とか産業界とかいろいろとあるけれども、環境行政を大事に考えてがんばる、こういうふうに理解をさせていただいて、私どももそういった意味で理解をしまして大いに御声援を送りたい、このように思います。 次に、過日「エネルギーと環境問題懇談会提言」というものがまとまりました。私もお見せをいただきました。つい最近出されたばかりでありますから、まだお考えも御方針もお決めになっていらっしゃらないと思いますが、この中に書かれていることで幾つか質問したい、このように思います。 最初に、この「提言」を読まれた率直な御感想をお聞かせいただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 まだ十分完全に読破したというわけではありませんが、それはもう十日くらい前ですかね、いただきましたから読んでおりますが、エネルギー問題というのは大変だなと、これは本当に大変だ、その方の御心配になっている方々はよほど御努力を願わなければ、国民の一人としてもまことに御苦労に思いますし、御協力申し上げなければならぬと思います。しかしながら、そのことによって環境が悪くなるということは私の立場としてはがまんのできないことでございます。それは先ほど申したとおりでございます。あれを読んで思いますことは、一言で言えばそういうことであります。
○中井委員 ここに書かれておるエネルギーと環境の調和、あるいは今後エネルギーの問題がいろいろと変化していく中で環境行政はこうあらなければならない、こういう提言が幾つかございます。それらの環境面についての提言について大臣のお考えはいかがですか。
○藤森政府委員 若干私から細かくなりますが申し上げたいと思います。 このエネルギーと環境問題懇談会を設置しましたのは、御承知のとおりの、代替エネルギー導入ということが環境面に非常に大きな影響を及ぼすという認識からでございまして、そのために検討を願った結果が去る三月二十日に「提言」として出てきたわけでございます。 この「提言」の中では、ただいま先生御指摘のように、環境政策とエネルギー対策との両立といいますか、環境政策の許す範囲においてそういう両立を図っていくという考え方のもとに、主として石炭と地熱につきまして環境問題の面から、立地であるとか規制であるとか、あるいは石炭については灰捨て場の問題であるとか、そういう新たな環境問題について具体的な提言をちょうだいしているわけでございまして、その線に沿って環境庁としましてはこれから具体的な対策をつくり上げてまいりたい、かように考えている次第でございます。
○中井委員 これからおつくりになるわけでありますが、一番最初に環境庁としてこの「提言」の中で取り上げてやろうとされておるもの、あるいはまたその順番は大体どういったものになりますか、お聞かせください。
○藤森政府委員 大変広範な分野からの御提言をちょうだいしておりますので、私どもとしましては全庁挙げてこれに取り組みたいというふうに考えておる次第でございますが、同時に、私どもの庁だけでは対応できないものもございますので、それについてはそれぞれの省庁に対しても働きかけるというふうな措置をとってまいりたいと思います。 そこで、私どもとしましては、この提言をちょうだいいたしまして、できるだけ早く環境庁としての基本方針を取りまとめるということを一つの目標にいたしますほか、個々の施策につきましても必要に応じて検討し直していく、こういう二つの方向でこれからのものを考えてまいりたいというように思っております。
○中井委員 この提言がなされて、これからこの提言を受けてそれぞれのことでどう対処するかお決めになる、こういうことですと、いまの調子でいくと、私はわかりませんが、一番最初に対応策が出てくるのは来年ぐらいになるんじゃないか、こんな気が実はするわけであります。エネルギー転換というのはもうすでに供給の目標等がつくられて、あるいはまた産業界等がなり早いスピードでエネルギー転換をやっているわけであります。 特に、石炭の問題でたくさんページが割かれて書かれておるわけでありますが、石炭に対する規制あるいは研究等は、公害問題が始まったときにはもうすでに石油に転換がなされて、ほとんど石油石油という形で実は来ているわけであります。前の委員会で質問をしたときにもお答えがあったわけでありますが、石炭の規制そのものは世界の水準から比べても少ないし、またずいぶんおくれた科学知識に基づいた規制値がその当時つくられているわけであります。そういったことを考えますと、私は急いでいただかなければならない、このように思います。そうでなければ、どんどん産業界が先に転換をする、転換をした後から規制値を出す、そうするとまた新たな投資をしなければならない、こういう大変むだなことになろうかと思います。もともと言えば、この提言そのものも実際もっと早く環境庁は御用意なすっておまとめをいただく御努力をすべきだ、供給目標がつくられるときにはすでにこういう提言というものが出されて環境行政というものもそれに対応してスタートをするということでなければ遅いと私は思うのです。そんなことをいまさら言っても仕方ありませんから、長官、できる限り早く必要なものからお進めをいただく、このことをお願いしたいと思います。
○鯨岡国務大臣 おっしゃるとおりでございます。われわれもできるだけそういうふうに持っていきたいと思います。 先日、参議院でその種の質問がありましたが、苫小牧に今度発電所をつくる。そうすると、前の発電所には非常にお金をかけた優秀な脱硝装置がある。今度はその発電所よりももっと大きな発電所をつくる。それには脱硝装置がない。前の小さいのに優秀な脱硝装置をつけて、今度の大きな方には脱硝装置をつけない。これはおかしいじゃないか。これは私も初めはおかしいなと思って聞いていたんですが、だんだん調べてみましたら、かまがもう違うんです。非常に燃焼効率のいいかまができちゃいまして、脱硝装置をつけないでもつけたぐらいのことはできるというかまになっている。だから、やはり各方面で油を使わないでエネルギーを出すということについての大きな開発がそれぞれのお立場で御努力をなさっておられると思いますので、私の方もなるべく、いま言われたように早手早手とわれわれの考えをお示ししてそれにこたえていただきたい、そういうふうにやっていきたいと思います。
○中井委員 私もさっと目を通さしていただいただけなんですが、たとえばこの「提言」の三十五ページの真ん中ごろです。「同様の措置を採ることが技術的・経済的に極めて困難な中小企業の事業場等や家庭などの群小発生源での従来程度の技術水準による石炭使用は著しい環境汚染を引き起こすおそれが大きいため、好ましくない。こうした群小発生源では、従来どおりの燃料が使用されるべきである。」なんて、こんなことを書いてあるわけであります。大きなところあるいは大規模な事業場等はそれに見合うコストを払えるだろう、また消費者もそのコストアップはがまんすべきだなんということもずいぶん思い切って書いてある。私はそのとおりだと思うのです。しかし、こんなものを読むのはごく一部の者でありまして、中小企業や家庭のところでは石炭の従来のようなものを使うな、こう言っているわけです。ところが、従来の家庭やそれから中小企業では、もう石油は高いから、石炭が安く入るんだったらやると言ってどんどんやっちゃう。それを後から幾ら環境庁が規制値を出したって、そんなものは間に合わないわけであります。そういったことをぜひお考えをいただいて急いでいただきたいと思います。そういった意味で私は先ほど順番等をお聞きしたわけであります。ところがそれを、まあ検討はされていると思うのですが、いまから検討するとかそういうお答えではなかなか納得できないところが実はあるわけでございます。 エネルギーの転換というのは、本当に日本にとってはやらなければならないし、またやっていかなければ日本全体が大変なことになるわけであります。いま私どもが考えている以上に去年一年間でもすごい勢いで日本は省エネルギーあるいはエネルギーの転換を実はやったわけであります、これは国民の御努力だと思うのです。ところが、それをやっちゃったら、環境ではだめだ、こういうことが後から出たのでは大変なことになろうかと思います。そういった意味で、私はこの「提言」に書かれていることを本当におもしろいなと思いながら見さしていただきましたが、これを受けて環境庁は手おくれにならないように精いっぱい御努力いただきますように繰り返しお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○山崎委員長 藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 私は、エネルギー転換に伴う環境問題についてお尋ねをいたします。 一昨年十二月に出されました電気事業審議会の長期電力需給見通しで、電力エネルギーの、そして昨年十一月閣議決定された石油代替エネルギーの供給目標によって、エネルギー全体の石油から代替エネルギーへの転換計画が決定されました。これらの計画によって、石炭の消費量は現在の八千万トンから昭和七十年には約二億トンになり、電力だけでとってみましたら、現在の約七百七十万トンから六千万トン以上になるわけであります。このほか地熱あるいは原子力もほぼ十倍とするというような計画ですが、これらはいずれも重大な環境問題を引き起こしかねないと思います。OECDの勧告でも、「拡大する石炭の使用のための政策の検討に当たり、その企画及び政策立案の段階から有効となるような環境保護及び対策措置を開発し、改善すること。」と明記しているわけであります。環境庁としては今後どういうふうに対処するおつもりなのか、長官の基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 おっしゃるとおり、昭和六十五年までに油に依存することを少なくして五〇%にする。いま七〇%をちょっと超えておるのを五〇%にするということになれば、いまのお話のように、石炭を使うことを非常に多くするとか、あるいは地熱発電とか原子力発電ということになるでしょうが、いまお話しの焦点であった、石炭を使う火力発電所ということになれば、従来の考え方から言えば、私はかなり空気が汚れると思います。それは硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじんなど相当のものだと思いますが、先ほどもちょっと中井さんの御質問のときにお答えしたように、かまの研究がうんと進んでおりますから、そういう点に期待をして、いま先生おっしゃられたように、量をふやしても大気の汚染が進まないように早手回しの要望をして、関係方面に御努力をいただこう、こういう考えでおります。
○藤田(ス)委員 先月二十日に出されましたエネルギーと環境問題懇談会の提言、先ほども出ましたが、この中には、「いかなるエネルギー供給の事情変化があろうとも、その結果人の生命・健康を脅かす環境汚染が発生するような事態を容認するわけにはいかない。」また、「人の生命・健康を脅かす段階に至らない場合であっても、」「環境の総合的な良好さや長期的な安定が損なわれることも是認することはできない。」と言っております。これはエネルギー転換と環境問題にかかわる基本姿勢としては当然のことであるし、かつまた非常に重要な指摘だと思います。環境庁として、こうした基本方針、基本姿勢でいくのか、再度お伺いをしておきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 当初、所信表明のときに、私考えを申し上げまして、先生方の御了解を得ましたが、その際にも、経済は大事だ、こんなことは言うまでもない。経済は大事だが、経済の目的というのは何かと言えば、幸せな生活にある。経済はうまくいったけれども病気になったとか、そのために死んじゃったとかいうのだったら、何のための経済かわけがわからない。経済は手段であって、目的は幸せな生活にあるということから考えれば、当然いまのお話はわれわれの基本の姿勢でなければならぬ、こういうふうに考えます。
○藤田(ス)委員 基本姿勢は非常に結構だと思うのですが、問題は、もう計画がどんどん進んでいっているわけです。先月の二十六日の電調審でも、現在運転中の石炭火力発電所が三十九基で五百二十五万キロワットですが、それをはるかに上回る、たった八基で五百八十万キロワットが一斉に認められました。そして、現在建設中のものと合わせますと、千三百五十七万キロワットにも達しているわけで、これらの計画の特徴は、経済性や効率性を最優先させ、集中立地等、非常に巨大なものになっていることです。ここに環境対策がどこまで配慮されていっているのか。電調審にかかる前にそれぞれ発電所のアセスメントが行われ、環境庁でもこれに意見を述べる立場におありだと思いますけれども、その際にこの提言の基本姿勢はどういうふうに生かされたのか、お伺いをしたいと思います。
○藤森政府委員 お答えを申し上げます。 御指摘のありました先般の電調審におきまして、四カ所の石炭火力の計画が認められたことはそのとおりでございます。 私どもとしましては、石炭火力発電所の電調審上程に際しましては、今回御提言を受けました懇談会のあの提言の趣旨を踏まえまして、個別の立地点ごとにその環境の特性、あるいは発電所の規模、公害防止対策などを環境庁の立場で十分に点検いたしまして、環境保全上支障を生ずることがないように慎重に審査をした次第でございます。
○藤田(ス)委員 それではお聞きしますが、提言は、総論の部分では、簡単に言いますと、石炭は石油に比べて環境上いろいろな問題がある、未解明な部分も多い、幾らエネルギー転換といっても環境破壊は許されない、こう言っているわけです。それが基本姿勢だということも、長官お述べになったと思います。 しかし、この提言の「今後の課題」としては、汚染物質の解明、排出基準の強化、汚染防止技術を開発するというふうにありますが、「当面の課題に対する方針」というところまで来ますと、環境基準を守る、良質な燃料を確保する、石炭灰の適正な処理、これだけであります。しかも現実には急速なテンポで石炭火力は進められていっているわけでありますが、一体具体的にどういうふうに対処しようとしていらっしゃるのか、お聞きをしたいと思います。
○藤森政府委員 お答え申し上げます。 石炭火力発電所の建設計画に関しましては、ただいま申しましたように、懇談会の御提言に即してこれからも対処してまいりたいというふうに思っているわけでございますが、お尋ねのような具体的なことに関しましては、まず第一に、環境基準の未達成地域につきましては、原則として新増設は好ましくないという考え方でございます。 第二に、しかしながら、既存施設からの排出削減等によりまして、当該発電所の運転開始以降において環境基準の達成上支障がないというふうに見込まれる場合におきましてはこれを認めることといたしまして、必要に応じ最高の利用可能な技術を用いて、その公害発生の防止に当たる、こういう考え方でございます。 その他の地域につきましては、環境の状況に応じまして、環境基準の維持達成の観点から、所要の公害防止措置が講じられることを前提として、個別に検討するという考え方でございます。 それから、提言の中にございますことで、これは先生のお尋ねにございませんでしたけれども、国立公園等の重要な地域における開発を避けることを基本とするなど、私どもとしましては自然環境保全上所要の配慮を行うというような考え方をとっております。 以上のような諸点を頭に入れまして基本としながら、これからの発電所の立地に関する審査を進めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○藤田(ス)委員 現在行われている規制は、石炭に対しては、SOxは石油と同じですけれども、NOxは石油の二倍から三倍、ばいじんは四倍から八倍という非常に緩い規制になっているわけですね。この点については今後どうするのか、この際具体的な手だてを示していただきたいと思うわけです。
○三浦政府委員 ただいま先生御指摘の問題につきましては、昨年度からすでに調査を始めておるわけでございます。ただ、私ども当面急がなければならぬと思う対策は、このばいじん対策の規制強化という問題であろうかと思います。これにつきましては、そういう意味で私どもすでに事務当局内で検討が始まっておるわけでございます。
○藤田(ス)委員 私はもう少し具体的な御計画を聞きたかったわけです。いまの段階は事務レベルの検討ですね。それでは私は困ると思うのです、いままでの規模と全然違うわけですから。 続けてお伺いしますが、それ以外の汚染物質ですね、提言で挙げていますのはSOxなどの汚染物質のほか、酸性雨、重金属、放射性物質、多環芳香族炭化水素、ハロゲンなどがあります。それからOECDの理事会の勧告でも、二酸化炭素、微量金属、発がん性物質などについて解明すべきだと言っていますが、環境庁もこれらの汚染物質の解明が必要だという立場に立っておられると思いますが、これは確認をしたいと思います。
○三浦政府委員 ただいまNOxとばいじんのお話だけ申し上げましたけれども、当然私ども、石炭のいろいろな種別、それから利用形態別、それらが大気に及ぼす環境影響、こういうものをすでに研究を始めておりまして、その中の物質と申しますのは、硫黄酸化物、窒素酸化物、弗素化合物それから塩素化合物、もちろん重金属、水銀、多環芳香族、それから粒子状物質、こういうたくさんの種類についても当然私ども検討しておるわけでございます。先ほど、当面と申しましたのは、ばいじんにつきましては、いろいろ先ほど先生御指摘のように、石油ボイラーに比べて石炭ボイラーは非常に緩い基準になっておりまして、これは外国の規制からいたしましてもかなり緩いということもございますので、当面急ぐのはばいじんではないか、こう申し上げたのでございまして、研究はいろいろな物質についてやっておるわけでございます。
○藤田(ス)委員 昨年来国会でも問題になっておる水銀の問題ですが、昨年十月のわが党の近藤参議院議員の質問の段階では、環境庁も通産省も、調査の上で対処したいという御答弁でした。しかし、この間の当委員会での答弁を聞いていますと、通産省の方は、最大着地濃度は、わが国の大気中の平均水銀濃度に比べて十分小さいので、特段問題はないというふうに言われ、環境庁の方も、そう問題ではないのではないかと考えると答えていらっしゃるわけです。わずか半年もたたない間に、こんなふうにあっさり問題なしと言われるのは大変困るわけなんで、私は、この点、環境庁の御見解を改めてお伺いをしたいと思います。
○三浦政府委員 私ども、水銀につきまして、問題ないとは言っていないわけですが、したがいまして、先ほど申し上げましたように水銀も含めていま調査をしておるわけでございます。ただ、現状は、水銀の濃度を測定した個所が非常に少ないのですが、わずか都道府県でやっておりますデータを見ましても、余り高いデータは出ておらない。それから、アメリカの研究機関でやったデータを見ましても、産業衛生関係のいろいろな基準値、あるいはWHOのやっておりますクライテリアの検討値、これらを見ましてもそう問題はないのではないだろうか、現段階で問題がないのではないだろうか、こう申し上げたわけでございまして、私どもの調査の中には当然水銀も含めて調査研究をいま進めておるわけでございます。
○藤田(ス)委員 現段階で問題はないというふうに、余り簡単に言われることが困ると思うんですね。水銀というのは、私が言うのはおかしいですが、蓄積性がありますよね。だから、幾ら最大着地濃度が低い、それだけ取り出して低いと言っても、百万キロワットで年間五トンの水銀が排出される、これが環境中に蓄積していくわけです。これは間違いないですよね。うなずいていらっしゃるわけですが、この除じん装置だとか脱硫装置で除去されると言っても、これが適切に処置されていかなければ、結局また環境中にばらまかれていくことになるわけです。だから、最大着地濃度が幾ら低いと言っても安全だと言い切れるものではない。調査をしておられるということですが、その点で余り簡単に言わないでいただきたいわけです。
○三浦政府委員 いろいろ御指摘の水銀問題につきましては、そうたくさんデータがございません。したがって、私どもいま内外の文献全部集めていろいろ読んでおるわけでございまして、また、これに加えて、私ども自身水銀の影響というものを検討を始めておるわけでございますが、何分先生御指摘のようにガスになってばらまかれるという問題がございます。それらも含めていま検討しておりますが、いままである文献、数少ない文献からは、いま直ちに危険だとかそういうことはないのじゃないかと申し上げたので、全く危険はない、こう申し上げているのではございません。そういう意味で、私どもも非常に大きな関心を持っていま調査をやっておるわけでございます。
○藤田(ス)委員 私は、ここに新潟大学工学部の鈴木哲助教授の調査というのを持っているわけです。これは、つい最近までは日本で最大規模の二十五万キロワットの広島県竹原にある石炭火力発電所の周辺を調査したもので、ことし一月に行われたものですが、土壌や植物中の重金属を分析しているわけです。この中で、この発電所から二百メートル離れた松林の松の年輪を見ますと、この発電所が運転開始された昭和四十二年を境にして松の生育が悪くなっただけではなしに、この中の水銀を分析してみると、運転開始前の年輪では〇・二ppmであったのが、運転開始後五倍の一ppmにふえている、こういうわけです。 ここに「水銀」という本、これは講談社が発行した本ですが、あります。これを読んでおりましたら、大体汚染されていないところの一般の植物の水銀は〇・〇三ppmから〇・三ppmというふうにあるわけです。そうすると、一ppmというのはいかにも高い数値になってくるわけですね。だから、私は先ほどからしきりに安全の問題について言っているわけです。もちろんこれですぐに危険だというふうには言えないにしましても、こういうデータは御存じですか。
○三浦政府委員 私、その「水銀」の本は読んでおりますけれども、広島のデータはまだ見ておりません。
○藤田(ス)委員 このデータについてもぜひ御検討いただきたいと思います。だから、私は水銀の問題は早急に調査検討を進めていかなければならないと思いますが、驚いたことに、いろいろ調べてみましたら、環境庁は、国設の大気測定局で大気中の金属は分析していますが、水銀だけは分析しておられませんね。どうしてこういうことになっているのでしょうか。
○三浦政府委員 これは全国的に測定器の整備がまだ進まないということも一つの原因がありますけれども、今後、こういう石炭問題が出てまいりましたので、昨年度からかなりいろいろ詳しい調査は始めております。たとえば、ちょっと御紹介いたしますと、石炭中の水銀含有量とか、それから石炭燃焼後の排出物の中の水銀の濃度だとか、あるいは排ガス中の水銀濃度、処理装置通過後の排出ガスの水銀濃度、こういうことをかなりやっておりますので、国設の方もできればやりたいわけでございますが、昨年度からの調査でいろいろなことがわかってくるのじゃないだろうか、また、わかってきた段階でひとつ先生方の方にもお示しをしたいと思います。
○藤田(ス)委員 OECDの勧告では、政策立案の段階からということを強調しているのに、測定器でさえ整備がされていない。そして昨年度からようやく調査を始めたというわけでしょう。だから、長官、私は遅いということを申し上げたいわけです。理由がどうであっても、この水銀の常時測定というのはいま現在は行われていないわけでしょう。だからこれは非常に大きな問題だと思います。もちろん、お認めいただいたように、石炭使用によって水銀が大気中に排出されるということはもうはっきりしているわけですから、水銀についても常時測定をして、環境と健康に対する影響を調査検討するべきだと思います。これはもう早く手だてをとっていただくということでお約束いただけますか。
○三浦政府委員 現在やっております研究をなるべく早めて、ひとつ早く見通しを……
○藤田(ス)委員 測定器ですよ、常時測定。
○三浦政府委員 その辺もひとつ検討させていただきます。
○鯨岡国務大臣 水銀のこわいことは蓄積性がありますから、おっしゃったとおり、よくわかっております。至急にひとつ整備をして、石炭を利用することが大きくなってくるのですから、なるべく早くやりたい、そのように努力したいと思います。
○藤田(ス)委員 ぜひ約束を守っていただきたいと思います。 さらに、私は、石炭火力から排出される発がん物質の問題についてお尋ねをしたいと思います。 この発がん物質については、先ほど申しましたように、OECDの理事会の勧告でも言われておりますし、また、エネルギーと環境問題懇談会の提言の中にも多環芳香族炭化水素の検討を進める必要があるということを言われているわけです。通産省と環境庁は、この石炭火力からの発がん物質の排出について、現在どのような御見解を持っていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
○三浦政府委員 これにつきましても、昨年度からベンツピレンの調査なども含めて現在やっておるわけでございます。
○藤田(ス)委員 通産省……。
○廣瀬説明員 火力発電所から排出します多環芳香族炭化水素につきましては、火力発電所における石炭の燃焼に際しては、適当な酸素供給のもとで非常に高温の状態で燃焼させるという条件がございまして、これが要するにほとんど完全燃焼に近い状態でありますので、結果としてはCO2あるいはH20という形まで分解燃焼をしてしまう。したがいまして、そのほとんどが途中経過である多環芳香族炭化水素の域を脱して最後の分解燃焼までいってしまうということで、私どもは大きな問題にはならないというふうに理解しております。
○藤田(ス)委員 多環芳香族炭化水素のこともベンツピレンのことも先ほど触れられましたが、もう一つ確認をしておきたいと思います。 ベンツピレン、多環芳香族の中のこのベンツピレンは、発がんが明確に確認されていると思うのですが、この点はどうでしょうか。
○三浦政府委員 ベンツピレンというのは、これは発がん物質だというふうに言われております。
○藤田(ス)委員 通産省の方は先ほどの御答弁で余り大きな問題はないと言われましたけれども、そして環境庁は調査の最中だと言っておられますが、データはお持ちですか。現在、ベンツピレンに対してのデータです。
○三浦政府委員 一部国設でやったデータはあるそうでございます。
○藤田(ス)委員 いろいろお尋ねしていたら本当に心細い気がするのです。何か物すごくおくれていると思わざるを得ないわけです。先ほども通産省は余り大きな問題はないと言われましたが、私はここにアメリカのEPA、環境保護庁が調査した各燃料ごとのベンツピレン排出量に関する資料というのを持っていますが、同一カロリーの供給に対して、石油やガスに比べて石炭が一番ベンツピレンをたくさん排出するということがはっきり示されているわけです。もちろん、先ほどおっしゃいましたように、石炭火力というのは非常に燃焼温度が高いので、単位当たりの排出量はなるほど少ないかもしれないけれども、しかし、規模が大きいから当然総排出量は多くなるわけで、データから計算をして試算をしてみますと、百万キロワットの発電所でおよそ排ガス手立米中に八十マイクログラム、一日にして六百万マイクログラムのベンツピレンが排出されることになっているわけです。これは後でも詳しく述べますけれども、アメリカの研究報告を見ましても、手立米中に一マイクログラムのベンツピレンがふえると肺がん死が五%ふえるという報告がちゃんと載っているわけです。そういうことから考えますと、簡単にこれは余り大きな問題ではないというような量ではないはずなんですが、環境庁はどういうふうに思われますか。
○三浦政府委員 これにつきましては、内外のデータがそんなに多くございません。したがって、私どもすでに昨年度から、先ほど申し上げましたように、いろんな物質についてやっておるわけでございます。できるだけ早く解明してまいりたいと思っております。
○藤田(ス)委員 それでは私の方からひとつアメリカのデータをお示ししてお尋ねをしたいと思うのです。 この問題に関して、国立公衆衛生院の院長の鈴木武夫先生の論文、その中にも一部紹介をされていたアメリカの資料を手に入れました。これは一九七九年の、アメリカの保健教育福祉省が発行しましたもので、「エンバイロンメンタル・ヘルス・パースペクティブス」という本です。「環境保健展望」というのですか、これの第三十三巻に、石炭使用の増加による健康と環境への影響に関する委員会の報告書というのが載っています。この委員会は、一九七七年に当時のカーター大統領の声明を受けてこの委員会がつくられたわけです。この報告書を見ておりますと、およそ次のように書かれているわけです。 もし今後、石炭の新しい使用法が開発されれば、石炭使用によるがん発生の危険性はないし、大気汚染の規制の検討が開始されたので、石炭使用がふえてがん発生の危険性がふえると推測する理由はなくなるかもしれない。しかし、現状では、ベンツピレンが手立米中に一マイクログラムふえると肺がんによる死亡が五%ふえる。さらに、非常に単純化した推定だと断りながら、石炭使用量と肺がんとの関係について、年間一人当たり一トンの石炭使用で肺がんによる死亡が二〇%ふえると試算したものをこの中に報告をしているわけです。 これは試算とはいえ大変な数字だと思うわけです。この点について、どういうふうに受けとめられますか。
○三浦政府委員 私それをちょっとまだ読んでないのですけれども、現在国設の測定所で調査しておりますベンツピレンの量というのは、本当に数ナノグラムという物すごい低い量でございます。したがって、いまベンツピレンというのは発がん性物質と言われていますけれども、それはやはりいろいろ量との関係があるのじゃないがと思いますけれども、まあそういう非常に少ない量でございますので、現段階では大丈夫じゃないだろうか、こういう判断をしておるわけですけれども、なおかつ、こういう石炭問題が出てまいりましたので、私ども急いで調査をしておるということでございます。
○藤田(ス)委員 アメリカではもうこの石炭時代に対応した措置というのをちゃんと進めているわけです。具体的には、石炭の種類ごとに含まれる汚染物質がもうかなり違うわけですから、その石炭の種類ごとに、そしてそれを使う州ごとに、それぞれ対応した措置をとっています。ところが日本では、私は、そうした対策が果たしてとられているだろうか、先ほどからの御答弁からも、とられているとは言いがたいと思うのですね。 各地の石炭火力の予定地で、石炭を使用するのにどういうものを使うのか、そのことはぜひ教えてほしいと、これは自治体さえ要求しても、絶対に言われないのですね。そうでしょう、通産省。私はこれは公表すべきだと思うのです。新潟県でもこのことで非常に問題になっていますね。絶対秘密なんですよ。アメリカではもう種類ごとに州ごとに対策を立てて、そういうことはきちっと公表した上で、そして大丈夫だとかあるいは大胆にこれは危険だとかということを示しているのに、日本は全くそういうことを秘密にしているのです。だから、こういう状態でこの石炭の使用が巨大に進められていくとどういう結果が起こってくるだろうかというふうに思うわけです。鈴木先生は、八〇年代は多環芳香族炭化水素が汚染の指標になるかもしれないと警告をされておられますけれども、環境庁はどうでしょうか。あわせて、その公表の問題については私は公表すべきだというふうに考えますので、通産省からもこの点の御意見をお伺いしたいと思います。
○三浦政府委員 先ほどからお答え申し上げましたように、多環芳香族化合物につきましては、私ども非常に大きな関心を持って見ておりますし、現在その項目も含めて調査をやっておる、こういうことでございます。
○廣瀬説明員 一般に石炭火力について燃料の成分について発表してないということでございますが、私どもとしては、環境レポートの中にS分、N分については記載してございます。ただ、御指摘の微量物質につきましては、その時点でどこどこの炭、アメリカ、オーストラリアとかの炭ということが確定していません関係上、細かくそれを分析して云々することはできないという事情がございます。
○藤田(ス)委員 細かく分析して報告できないことが本当は困るわけですよ。それでは環境対策はとれなくなるじゃないか。アメリカの環境対策と比較をすると、そこが大きな違いだと思うのです。だから、私は、もっとそういう点を厳しく見詰めて、そして住民にも公表して、オープンな対策を立てていかなければいけないというふうに考えます。 さらに、この報告書を見ておりますと、先ほど述べました水銀などの微量金属の問題についても、特にカドミウムと水銀と鉛については、もうすでに現在許容量に達しているので、地域的にはこの石炭使用によって重大な健康問題を引き起こしかねないと述べているわけです。この点についても調査中だと言われるかもしれませんが、御答弁をお願いします。
○三浦政府委員 カドミウムと鉛につきましては、ある程度国設で調査をやっております。これの環境大気中の濃度というのは、そう問題になるような濃度じゃございません。ただ、水銀につきましては、まだデータが不足しておりますので、これはこれからひとつ大いに調査をやっていきたいと考えておるわけです。
○藤田(ス)委員 この報告書の序論には、最もベストな対策をとったとしても、石炭火力には幾つかの問題が残る。その第一に、大気汚染による健康への影響というのをはっきりと挙げております。繰り返しますが、OECDや今度の懇談会の提言を見ましても、こういう大規模な石炭火力には非常に重要な問題があるということが指摘されているわけです。 私はきょう、水銀と発がん物質について具体的に問題を提起いたしましたけれども、繰り返しますが、対策はおくれていると思わざるを得ないわけです。長官、アメリカでは四年も前に、しかも大統領の指示で、石炭使用と人体影響に関する委員会というのをつくって、膨大な資料を集めて報告書をちゃんとこさえているわけです。これに比べて余りにも、昨年から昨年からと先ほどの御答弁でも繰り返しがあったように、おくれているじゃありませんか。私は、直ちに人体影響についてもっと積極的な検討を進めていただかなければならないというふうに考えるわけですが、長官はどうお考えでしょうか。
○鯨岡国務大臣 これは申すまでもありません。石炭から油にかわって、ずいぶんきれいになって喜んだのですが、その油を使うことができずに、もう一回まだ石炭を使わなければならぬということになりました。先ほども申し上げましたように、かまなんかが前と違って大分いいかまができたから燃焼効率なんかもよくなってはまいりましたものの、たくさんの石炭を使うというわけですから、特にアメリカよりは日本の方が面積が狭いのですから汚れもはなはだしいはずですから、アメリカがやっている対策以上の対策を立てなければならぬことは言うまでもない。アメリカはその程度でいいでしょうが、日本はもっと厳しいことをやらなければならぬ、経済の目的から言ってもそういうふうに思います。 その間においては、いろいろなことを企業が隠してはいけない、もし隠してそのために病人が出るというようなことになって手おくれになったら大変ですから、隠さずに全部出して、そして一生懸命研究していかなければならぬ、早く研究しなければならぬ。御趣旨もよくわかりましたので、そのように指導してまいりたいと思います。
○藤田(ス)委員 委員長にお願いしたいわけです。このエネルギー転換に伴う環境問題というのは、私はきょうは本当に少ししかお尋ねをしておりませんけれども、非常に重要だなということを思いました。微量金属だとか発がん性物質というのは、人体への影響というのは非常に緩慢にやってくるわけです。長期にわたって人体の被害があるわけで、それだけに、これはしまったと思ったときにはなかなかその取り戻しが困難になってしまうわけです。したがって、私は、六〇年代の苦い経験といいますが、そんなものじゃない、もっと質の違った危険な状態が訪れてくるかもしれない、そのことに対しての対策というのはいまだというふうに思うわけです。その点で私たちは、環境委員としてお互い重要な責任があると思います。そういう意味で、当委員会でも専門家の方を招いて集中的にこの問題を討議する必要があると思いますので、委員長によろしくお願いをしたいと思います。 それでは、この問題の最後に一言だけ具体問題で聞いておきたいわけです。 熊本県の苓北火力の問題です。これは先日漁協の総会で漁業権の放棄が否決されております。しかし、九州電力は依然としてこの土地をあきらめているわけではありません。この地域は、以前、炭鉱や陶石積載場があった関係で、非常にじん肺患者の多いところなんです。何しろ認定されているだけでも六百名を超えていて、申請をしている人を加えますと七百名を超えているというのですが、この数はこの苓北町の大人の人口の約一割なんです。こんなにたくさんじん肺患者が集中している異常な地域なんです。こうしたじん肺患者の集中している地域に、先ほど来申し上げました石炭火力発電所の大気汚染が降りかかってまいりますと、一層健康に大きな打撃を与えざるを得ないだろう、私は必ず与えられると思います。幾ら何でも、よりによってそんな場所に石炭火力発電所をつくらなくてもいいじゃないか、これは基本姿勢の中でも長官は繰り返し健康の問題については非常に大事だとおっしゃいましたけれども、どうでしょうか。この苓北地域、大人の人口の一割もじん肺患者を抱えているような地域に大型の石炭火力発電所を建設する、それは危険なことだと思われませんか。
○藤森政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のように、苓北発電所計画につきましては、前回の電調審上程に向けて環境庁としましては調整の依頼を受けたところでございますけれども、地元の事情等によりまして電調審に付議されるに至らず、当庁としましても審査を中断した状況にございますが、今後、この発電所の計画が電調審に向けて出てくるような場合におきましては、ただいま御指摘の点につきましても十分頭に置いて検討をしてまいりたいというふうに考えます。
○藤田(ス)委員 長官、どうでしょう。
○鯨岡国務大臣 いま局長が答えたとおりの方針でございます。
○藤田(ス)委員 ぜひ環境庁としては、このじん肺患者の現状というものを十分考えていただいて、あくまでも住民の健康を守るという立場に立っていただきたいわけでございます。 この石炭火力発電所の問題も今回のアセスメント法と重要な関係があると思います。現在の発電所のアセスメントというのは、通産省の要綱に基づく行政措置として行われているわけですが、その内容や形式、どの点をとっても私は不十分だと思うわけです。たとえば住民参加の問題も説明会だけですし、中身も、大気を見ますと従来型の汚染物質だけでして、そしてそのほかはその他と抽象的に書かれているだけなんです。だから、新たな問題となりつつある汚染物質についてはアセスメントすることになっていないわけです。長官はこの前の委員会で私の質問に対して、建設省の道路アセスメントの不備については改善方を建設省に申し入れてくださるという御答弁をいただいたわけですが、通産省の発電所アセスメントについてどういうふうに考えられるのか、これで十分だと思っていらっしゃるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○鯨岡国務大臣 人の健康に終局は関係する問題ですから、いつでも十分だなどという考えはありません。常にこれでいいかなというふうに考えて、従来やっているアセスメントでも、もし先生の言われるようなことがあるとすればまたいろいろ考えて、決していまのままでいいんだ、これでもう万全だというような考えは私は持っておりません。
○藤田(ス)委員 それでは、さらにお伺いしますけれども、けさの朝日新聞でしたね、自民党筋が政府案のアセスメント法案から発電所を外す方向で最終調整に入ったというふうなことが書かれておりました。先ほども知らないと長官おっしゃいましたけれども、少なくともけさの新聞はお読みになったはずであります。長官は、この外すという記事をお読みになってどういうふうに受けとめられたか、それをお聞きしたいわけです。
○鯨岡国務大臣 私は、先ほどもお答えいたしましたように、去年の五月二日に各省庁が合意をして、かなり前から努力してきて合意をしてでき上がった政府の案でございますから、これが万全だといまは考えているわけであります。電気事業を外すというようなことの話のあることは新聞で見ましたからよくわかっています。ただ、どういう御存念で電気事業を外すと言われているのか私はわかりませんから、それについていいか悪いか、そういうことを申し上げることはいまできない、こういうことを申し上げたわけであります。
○藤田(ス)委員 どういう存念で外すということになったのかどうかわからないということですが、私は、あの発電所を対象から外すというのを見ましたときに、ああこれでもう本当に骨抜きになるな、もなかの皮だけになるとさっきだれかに言ったら、皮は食べれるけれどももう食えぬようになるとだれか言いましたけれども、本当に私もそのとおりだと思うのです。だから、発電所を外すというそのことになったとしたら長官はどうでしょうか、私のようには思われませんか。
○鯨岡国務大臣 どういう存念でというのはまさにそのことであって、もなかの皮もあんこも何もなくなって食えぬようになってしまうということだったら、だれだって賛成するはずはないのですから、私が所属している自由民主党でいま鋭意検討していただいている。それがそんなめちゃくちゃなことになるわけはない。もしそういうことでいいということならば何かの御存念があるはずだ、こう考えておりますので、その何かがわかりませんから、私はいまここで私の考えをそれについて述べることはできない、こういうことでございます。
○藤田(ス)委員 私は、昨年閣議で了承されたあのアセスメントの政府案というのは、不十分な、欠陥を持った内容のものだというふうに考えるわけですね。住民参加という点でも、アセスメントの科学性を保証する点でも重大な欠陥を持っているというふうに思っているわけです。さらにその上に、発電所を対象事業から外すということになれば、本当にこれは何をか言わんやということになるわけで、長官はこのアセスメントに進退をかけていらっしゃるというようなことも聞いておりますけれども、私は、発電所を外すというようなことになったら、そういう内容のものなら、長官が進退をかけてとおっしゃる前に、国民の方からごめんだという声が聞こえてくるような気がいたします。長官にもう一度、この問題について国民の期待する、少なくとも政府案をこんなに後退させた内容のものにはさせないのだという、そのお気持ちだけでも聞かせていただけませんか。
○鯨岡国務大臣 私といたしましては、再三申し上げますように、去年の五月に政府案ができました。これは私が長官になる前にもうできていたのですから、これがもう万全のものだと考えて、これを先生方に御審議をいただきたい、こういう考えであることはいまも変わりはありません。 ただ、再三申し上げているように、議会政治ですから、政府案は与党のフィルターを越えるわけです。いまその与党で真剣に御討議をいただいている。その御討議をいただいている過程の中で、電気事業を外したらどんなものだろうというような話になってきているということは新聞で承知いたしました。しかし、どういう論拠で、どういうお考えで電気事業を外したらいいとお考えになっているのか、私はまだ聞いてもおりませんし、当然そういう機会が私はあると思います。ないはずはないのですが、それがないですから、私はそれについていろいろ申し上げる立場にないということを御理解をいただきたいと思うわけであります。 ただ、先生、国民はとおっしゃいますが、私は、閣僚の中で私一人なんですよ、選挙区のうちの中から毎日通っているのは。いろいろ接触する機会が毎日のようにあるのですが、アセスメントという言葉がうまくなかったせいか、どういうものか、これほど重要な問題について、たとえば百人の人に聞いて、いかがでございましょうか。十人以上、それをわかっている人というのは何か少ないような気がいたします。話をすればすぐわかります。これは転ばぬ先のつえですから、話をすればすぐわかりますが。ですから、私は、この法案が一日も早く委員長によって、この部屋で先生方から御質問を受けて、こんななまぬるいものではだめだとか、この程度でいいとか、そういうやりとりがあって、それを通じて国民の大ぜいの方がこの問題の重要性といいますか、認識をいただくということがひとつ大変重要なことだ。もちろん、その御審議の結果、先生方の御審議を経た信頼と権威あるルールができれば、こんないいことはありませんけれども、まず国民にわかっていただく日が一日も早く来るように、それには審議を早く始めたい、こういう気持ちでおるわけでございますので、全然問題にならないかなるかまだわからないのですから、また、問題にならなければこの審議の過程で、これは問題にならぬという話のやりとりがあってしかるべきものだ、こういうふうに考えているわけでございます。
○藤田(ス)委員 アセスメントという言葉は、なるほどそれはそんなに常識化してそれこそお年寄りや子供たちにもわかってもらえるような言葉になっているかというと、そうじゃないと思いますが、実際、具体的にそういう開発でいろいろな被害を受けている人たちは、この言葉については体で知っていると私は思っています。だから、この前総理府が調査されたときも、私ここに数字の記録はありませんけれども、アセスメント法についてどういうふうな期待をするかということでは、あれはもうほとんど八〇%以上九〇%ぐらいでしたか、賛成だ、アセスメント法は早くつくるべきだというふうな回答も寄せられていたと思うのですね。そういう点では、私は長官もっと自信を持たれたらいいと思うのです。 何遍聞いても御答弁一緒ですから、次に移りますけれども、NOxの総量規制についても、前回の私の質問に対して長官は断固やると決意されたわけです。ところが、年度内には結局何もできなくて過ぎてまいりました。果たして六十年の達成目標にうまくいくだろうか、若干乗りおくれたんじゃなかろうかという心配がみんなの中にあるわけです。私は、そういう肩すかしみたいなことをやってはならないと思うのです。その点で長官は、一体こういう責任をどう受けとめていらっしゃるのか、それから、具体的にいつごろまでにやれるという見通しを持っていらっしゃるのか。先ほどもお尋ねがありましたけれども、もう一度お伺いをしたいと思います。
○鯨岡国務大臣 藤田先生、肩すかしというのは意識的にやることなんで、私は意識的にやっているわけじゃない、まことに残念、そして申しわけがない。作業がおくれることによって――これは六十年までに達成するのですから、計画を立てるのが一年、そしてその計画に基づいて実行が二年、したがってまる三年前に政令を出したい、地域指定をしたい、こういうことでもって一生懸命やってきたのですが、私どもの不敏のために関係省庁を十分理解させることができない。そこでちょっとおくれているから、私どもがおくれたために、これから計画を立てる人、実施する人に迷惑をかける、これははなはだ申しわけのないことであって、肩すかしではありませんけれども、申しわけのないことだけは事実。ただし必ずこれはやりますよ、やらないことはできないのですから。国会の衆参両院が附帯決議をつけて、それでこうやって基準をおろした以上は、そのおろしたのも達成できないというようなことでは相ならぬぞ。それはいますぐと言ったってできないだろうから、昭和六十年までに必ずやれ、こういう附帯決議、そしてそれにこたえて当時の長官が必ずやりますとこの場所で約束をしたのですから、この場所で約束したということは国民に約束をしたということですから、これをやらないわけにはいかない。ですから、関係省庁も十分この点のことを理解して、それは環境庁が約束したのであって私が約束したのじゃないよ、そんな気持ちじゃなしに、政府が約束したのですから、ですから必ずやりたい。私どもの力不足のために、これから計画を立てる人、その計画に基づいて実施する人に迷惑をかけて申しわけない、こういうふうに思っているわけですが、必ずやりますから御協力をいただきたいと思います。
○藤田(ス)委員 経済界の意見を聞いていますと、今回の総量規制が工場など固定発生源に限定されている、そして自動車などの移動発生源に及ばないのがけしからぬ、こういうことを言っているわけですね。しかし、私は、規制のおくれている大型車やディーゼル車などの規制を強化する必要がだからこそあるけれども、だから反対だという経済界の主張というのは本当に理屈にならないと思うわけです。この点については長官の御意見はどうでしょうか。
○鯨岡国務大臣 自動車のせいだということが完全にわかっていて、いままで私はやってきたんです、工場としてはお金をかけてやってきたんです、ところが自動車がどんどんふえて、自動車のせいで達成できないのに、私にもう一回お金かけてやれと言われても私は困るという、そういうことだったら、その限りにおいては私はわかります。わかりますが、そういうものであるかどうか、地域を指定して、たとえば東京だけで見てもそうですよ。この辺は工場なんかありやしません。この辺で達成できてないということになれば、これは自動車ですよ。しかし、本所、深川、私の住んでいる方へ行けば工場がいっぱいありますから、その辺で達成できてないということになれば、あるいは自動車のせいかな、工場のせいかな、ここらはわからないところです。そこで、地域を指定して知事さんに考えてもらおうというんですから、何か工場だけにやるというのなら何も知事さんに頼まなくてもいいんです、工場だけやればいいんですから。そういうふうに考えることはちょっとお考え過ごしじゃないかと思いますが、現実にお金を出さなければならぬと心配する人は心配するのでしょう。そういう場合には、やはりそういう関係官庁から、それはちょっと杞憂でありますよというように注意をして、そんなことはないよと、だから知事さんに任せて計画を立ててもらう、こういうことなんだからというように言ってもらっているわけです。だんだんとわかってきていただいているように思いますので、いましばらくお待ちをいただきたい、こう思います。
○藤田(ス)委員 アセスメントの問題を見てみましても、それからNOxの問題を見てみましても、私はそのたびに経済界の発言が非常に大きな力になっているというふうに思わざるを得ないわけです。たまたまNOxの規制という非常に重要な政府の約束を果たすかなめにあるときに長官になられたわけで、この間から私、表情を見てましたら、いささかハムレットのようだなと、本当にそういう気持ちがするわけです。しかし、にもかかわらず、もしNOxの総量規制が長官が在任中にうまく進まないということになれば、これは不本意でしょうが、鯨岡さんという人は環境庁長官という職にありながらやはり国民の健康よりも企業の利益を優先させた政治家だなんて言われたら、私はやはりこれはハムレットだなと思いますね。だから、最後に長官の御決意のほどをもう一度お伺いして、きょうの私の質問を終わりたいと思います。
○鯨岡国務大臣 御激励をいただいたんだか、あきれ返られたんだかさっぱりわからないようなことで当惑いたしますが、これは先ほども申しましたように、いま非常に悪いときですよ。バイオリズムが一番低下したときですかもね。だけれども、この国会は公害基本法を制定した国会です。それを読んでみればよくわかる。経済の大事なことは言うまでもない、そんなことは特別に言う必要はない。けれども、経済は手段であって目的は幸せな国民の生活ですから、お金はたまりましたけれども病気になりました、それでいいなんという人はだれもいないはずなんですから。私も、ハムレットというのはどういう顔をしているのかよくわかりませんが、とにかくハムレットであろうが何であろうが、断固として守るべきものは守っていかなければならぬ、こういう考えでおりますので、せっかくひとつ御激励と御鞭撻をお願いを申し上げる次第でございます。
○藤田(ス)委員 終わります。
○山崎委員長 次回は、来る十七日金曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時九分散会