環境委員会 第3号
- 発言数
- 277 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/03/20
会議録
○山崎委員長 これより会議を開きます。 環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木下敬之助君。
○木下委員 先日この委員会で長官の所信をお聞かせいただいたわけでございますが、その中で環境問題の地球的な広がりについて長官は、「この問題は、現在の傾向が放置されたまま続くならば、人類の将来に重大な影響を及ぼすおそれのある問題であり、わが国としても人類共同体の一員として、さらに真剣に取り組んでまいる必要を痛感している」と述べておられます。 このような地球的規模の環境問題としては、海洋における油濁や国際河川の汚染問題、大気中のオゾン層の破壊に関連するフロンガスの問題、石油等の海底資源の開発に伴う汚染問題、大規模な森林の減少等に伴って生ずる炭酸ガスの増加問題など、国境や領海を越えたさまざまな問題が考えられるわけであります。 そこで、私は、空気、水、自然等の人類にとって不可欠な地球の恵みである環境資源を後代の人々に継承していくため、環境行政は国際的な分野においても一層施策の充実を図るべきであるという観点に立って、先般地球的規模の環境問題に関する懇談会がまとめた報告書の内容を中心に長官の御所見を承りたいと思っております。 長官は、昨年就任された後、突如として地球的規模の環境問題について熱心に言われるようになったと思うのですが、その発想の根拠はどのようなところにあったのでしょうか。「二〇〇〇年の地球」の報告書が出されたことに伴い、急にアメリカに追随して検討を始めたのではないか。この問題については、すでにローマ・クラブの提言を初め種々の検討が行われております。日本においても、環境庁はその時点でこの問題について検討を始めるべきではなかったのか。いまさらわが国において急いで検討を行った理由は何でございましょうか。
○鯨岡国務大臣 いつのころでしたか、ローマ・クラブの結果の書物が本屋に売られておりました。それを買ってきて読んだことがあります。それで、これは大変なことだなと思ったことがありました。そのころから私としては関心があったということであります。しかし、今日的な問題でないだけに世間でもそんなに大きく騒いだわけじゃありません。 そこで、去年の七月に私、環境庁に入りまして、それからいろいろストックホルムの会議の結論などについても承知をいたしました。そうやっているときに、いまお話しのアメリカの「二〇〇〇年の地球」というのが出てまいりました。同時に、カーター大統領は就任してすぐに環境問題に対する調査を命じまして、その報告書をもらって、その報告書を各閣僚に全部回して、あなたの役所ではここに書いてあることをもととしてやりなさいよというようなことを言っているのですね。それからどのぐらいたちましたか、中間にもう一回またカーターはそのことについて全部に指示をしているのですね。 そういうようなことを見ているときにあの「二〇〇〇年の地球」というのが出たという話を聞いたのです。そこで私は、早速これを翻訳してちょうだい、早急にやってちょうだい、それで、きょう来ていますでしょうね、うちの国際課長のところでそれを翻訳させたのです。それは、話は後先になりますが、本屋にも売られまして、あの種のものですから膨大というわけじゃありませんが、あの種のものとしては大変売れた。それからまたほかでもこれを全訳して売って、それも大変売れたというようなことなんですが、あの「二〇〇〇年の地球」が私を刺激したということは確かにありますね、全然なかったわけじゃありません。しかし、その前からるる申し上げたような基盤がありましたので、それでこれはちょっと大変なことだ、わが国としてもこれだけの経済力になってくればこの問題の一翼を担うべきだというふうに考えた、そういう経過でございます。
○木下委員 よくわかりました。かっこうだけでなくて本当に心配なさっておるという気持ちが伝わってまいりましたので、安心いたしております。 この報告書は、昨年七月のアメリカの「二〇〇〇年の地球」というカーター大統領に対する報告に対応してわが国でも検討されたものであると思いますが、そのカーター大統領のアメリカは、すでに大統領は交代しておりまして、環境政策についても大気清浄法の緩和の動きがあるなど変化が見受けられているところであると考えます。これについて長官はどのように考えておられますか。また、わが国ではこのような国際情勢にかかわりなく検討を進めていく姿勢でございましょうか。
○鯨岡国務大臣 これは木下さん、私は実は本当に困っているのです。それは、アメリカもそうですが、わが国だってやはり程度の差はあるかもしれませんが同じだと思います。というのは、確かに後退しているのですよ。全体に、環境に対する注意といいますか関心といいますか、それは後退している。私は国民の間に後退しているとは思わないし思いたくないのです。ただ、経済というものは発展しなきゃならぬでしょう。ところが油の問題があるでしょう。そうしますと、これは何とかしなきゃならぬと。たとえば油にかわるエネルギーを求めるといったって、なかなかそう簡単なものじゃありませんから。そういうことを一生懸命やっているときに、あしたの心配しろと言ったって、あしたのことじゃないよ、きょうのことが心配だよという傾向が経済の第一線に働いている人たちには私どうしても作用するだろうと思います。国民的にはそうじゃありませんよ、ああいう本が非常に売れるのですから。それから、先生御承知のとおりこの間総理府でアンケートをとりましても、アセスメントや何かについても非常に心配しているのですから、国民的にはそうじゃないと思いますが、経済の第一線に働いている方々は、熱心になれば熱心になるほどそのことについて、ちょっとこういう言い方はどうですかね、忘れがちになると言っちゃ言い過ぎかもしれませんがありますね。アメリカも、いまおっしゃられたとおり、カーター大統領からレーガン大統領になって、経済的にもどういう面でも強いアメリカにしようということになれば、あしたの心配を考えてアクセルじゃないブレーキの方を踏むというような、その方面は少し後退しているんじゃないかと思うのです。 そういうことだけに、きょうも実は公害の閣僚会議があったのでそこでも申し上げたのですが、そういうときだけに、環境庁としては、まあ表現もおかしいが心を鬼にして、再びあの過ちを繰り返さないという態度でいってちょうどいいんじゃないか。私は経済の発展を要らぬことだと思いませんよ。経済の発展は非常に要ることです。やらなければなりません。しかし、再びあの過ちを繰り返してはならぬということだけはみんなが考えでなければならないし、それを考えるのが仕事として与えられているわれわれとしては、どうしてもそういうふうにしてやっていきたい。おっしゃられるとおり、アメリカもこっちから見ているとやや後退しているんじゃないかなという感じがして、実は残念に思っているわけであります。
○木下委員 私の聞きたいこととしましては、アメリカが後退しているから日本もアメリカにつられるというようなことのないように、日本独自で長官の姿勢を大いに出していただきたいと考えております。 昨年十二月に出された「地球的規模の環境問題に対する取り組みの基本的方向について」の報告書に対して、長官はどう評価なさっておりますでしょうか。また、今後環境庁としては地球的規模の環境問題についてどのように取り組んでいくのか。これに関連した調査研究などのテーマや五十六年度の予算等について、何かございましたら明らかにしていただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 世の中だんだん環境の面ではちょっと冷ややかになってきているときに、それにつられることのないようにやれ、こういうお話ありがたく承ります。きょうも私は環境公方だと言われましたよ。公方って何だと思ったら大公方の公方だと言うのですね。私、環境公方であっていいと思っているのです。だからそのつもりでやりたいと思います。 予算については後で官房長あたりから答弁させます。 それから、「二〇〇〇年の地球」の問題は、先ほど申し上げましたように、あの書物が出たときにいち早く、だれよりも早くこれを翻訳をさせたわけです。これは抄訳でございましたが、それを鈴木総理大臣のところに持っていった。こういう重大な問題ですよと言って読んでもらいましたら、それを読んだ総理は非常に関心を持たれて、これは大変なことだ、鯨岡君、日本だって相当な学者がいるんだから、日本も君の諮問機関にひとつお願いして一流の学者を集めて日本として研究してみたらどうか、こういうことでございまして、それから御承知の懇談会が発足したのが九月でございます。 そこで、ああいう問題は大変な問題ですから、二年かかるとかそんなことを言うでしょうが、そんなのだめです、年末までに何か方向づけしてくださいということをお願いしまして、一カ月に一遍ぐらいずつ会議を開いて権威者に集まっていただいて、大来さんに座長をしてもらって、十二月に結論がまとまったのです。これをどう評価するかといえば、私は非常に高いレベルのものである。ただ方向づけですがね。だから終わったものじゃありません。非常に高いレベルのものだ、こう考えまして、御質問のお答えとしては逸脱するかもしれませんが、それを持って私はOECDやナイロビのUNEPへ行ってドクター・トルバなんかに会って、日本はこういうふうに考えています、この問題は大変な問題だからぜひ国連なんかでも取り上げた方がいいと思うということを提案をしてきたわけであります。 それだからというわけじゃありませんが、来月あたりパリでOECDの会合が開かれまして、大来さんに来てくださいと言うのですよ。それでスピーカーとして、何か偉い学者などと一緒にそのうちに入って、大来さんに記念講演をしてもらう。そういう問題についてOECDで会議を開いてみようということになっておりまして、われわれの考えが大きく取り上げられておると思います。 最後に、これで終わったのじゃありません。またいま計画を立てておりますが、その計画に基づいて、そのメンバーで引き続いて御討議をいただこう、こういうことになっております。
○北村政府委員 五十六年度の予算がどうなっているか、また調査研究などのテーマはどうなっているかというお尋ねでございますが、ただいま御審議願っております五十六年度予算におきましては、お尋ねの地球的規模の環境問題に関する調査費として九百八十万余りのものをいま計上いたしているところでございます。 大臣からお答え申し上げましたように、年末にちょうだいしました懇談会の報告書は、基本的な方向づけということになっておりますので、引き続き新年度に入りましてから具体的な項目についていろいろ御審議願うであろうと思います。したがいまして、テーマ等につきましては今後の御審議にまって決定されるべきものだと考えております。
○木下委員 この報告書について高く評価しているが、その細かい部分についてはこれからの審議でということでございますね。 こういった地球的規模の環境問題に対処していくのには国際協力の一層の推進が不可欠であると考えますが、政府としては環境分野における国際協力について今後どのように対応していくのか。さしあたって、四月に開かれるOECDの会議及び五月のUNEPの会議にわが国としてどのような態度で臨むのでしょうか。
○鯨岡国務大臣 地球的規模の環境問題に関する国際協力は、お話のとおり重要でございます。あらゆる機会をとらえてこれは推進してまいりたいと考えております用地球的規模の環境問題に対処するために国際協力が重要であることはお話のとおりでございまして、わが役所におきましても、国際会議の場などであらゆる機会をとらえてその推進を図っていきたいというのはいまお答えしたとおりでございます。 当面予定されておりますことは、OECD、UNEP等の国際会議にはわが役所からしかるべき者を出席させて、わが国がこれらの会議の場において地球的規模の環境問題に関する国際的な取り組み方に貢献してまいりたい。パリの今度の会議には、先ほど申しましたように、大来さんにお願いして、お忙しかったのですが、たってお願いしまして出ていただくことになりました。わが方から次官や国際課長などを出して、その他の会議においてわが国の考えを申し述べたいと思います。 それから、この前、私UNEPへ行きましたときにドクター・トルバさんに会って話をいたしましたら、トルバさんから、日本は海洋国なんだから特に海洋の汚染のモニターなどをやってもらいたいという話がありました。それから、私から、地球的規模の環境の汚染というものは人類全体の問題だ、一つの国だけの問題ではない、にもかかわらずどこの国でも余り関心を持っていないじゃないか、これをどこの国の政府もどこの国の国民もみんなが関心を持つようにするのにはどうしたらいいか、一翼を担いたいんだというような話をいたしまして、それはまことにありがたい提案だということで、いろいろわかりやすく警鐘を乱打する方法等について日本も一翼を担ってもらいたい、こんな話がありましたことをお答えいたしておきます。
○木下委員 近年における企業の海外進出は目覚ましいものがありまして、それぞれの企業がその国の環境政策に協力し、地域社会に貢献するよう努めるのは当然なことと考えますが、通産省としては、企業の進出が公害輸出などと言われないようにするため、関係企業に対してどのような指導と助言を行っておるのでしょうか。また、海外における企業の実態について、通産省及び環境庁は環境問題の観点から情報の収集などを行う必要があるのではないかと考えますが、この点お答えいただきたい。
○糸田説明員 お答えいたします。 先生おっしゃるとおり、最近日本の企業が海外に進出するという傾向はとみに増加している、かように私どもも見受けております。一般に企業が海外に進出するというのは、先生御案内のとおり、企業の自主的な判断なり責任のもとにおいて行われるものというふうに認識しているわけでございますが、もちろん企業の進出につきましては、たとえば資源の確保とか、あるいは発展途上国に対します経済協力とか、通商関係の円滑化、そういったいろいろな効果、目的等がございますものですから、私どもといたしましても、こういった企業の海外進出が、特に現地社会との融和あるいは協調が十分図られて円滑に行われるように十分関心を持っていろいろな施策を講じているところでございます。特に今回先生御指摘の環境問題につきましても、事の重要性というものを私どもも十分認識しているところでございまして、そういった見地から企業の円滑な海外事業活動を促進いたしたいと考えているわけでございます。 幸い、先生御案内のとおり、昭和四十八年に、経団連あるいは日本貿易会など経済関係の五団体が、発展途上国に対しますわが国企業の投資行動につきましての指針というものを定めているわけでございます。その中に、環境問題につきましても、十分にその保全に努めるようにという項目が入っているわけでございますので、私どもといたしましても、この指針を日本の企業が十分に遵守して、こういった問題が現地で起きないように事前の予防に努めるよう精いっぱいの努力をしてまいりたい、かように考えているわけでございます。 それから二番目のお尋ねの、日本の企業の海外での事業活動をどういったかっこうで把握しているかという御趣旨のお尋ねがあったわけでございますが、私どもといたしましても、いま申し上げたとおり、日本の企業の海外進出ということに重大な関心を持っているわけでございますので、そういった事業活動が円滑に行われるようにしたいということをまず考えるに当たっては、何はともあれ海外での日本企業の事業活動がどういった実態にあるのかということを十分に認識することが必要かと考えております。それで、ここ十年ばかり、毎年わが国企業の海外事業活動調査というものを行ってきておりまして、これによってその実態の把握に努めているというのが現状でございます。 もう一つ申し上げることがあるとすれば、これは昭和五十年以降になりますが、通産省が毎年財界の首脳の方々に団長をお願いいたしまして、海外投資活動の調査団というものを派遣いたしております。その行き先は、主要な海外投資活動の行われている地域ということで、もちろん発展途上国が中心になろうかと思いますが、そういった地域における事業活動の実態をつぶさに見てくるという趣旨でこういった調査団の派遣を行っておりまして、こういったことも通じまして現地における実態の把握に遺漏のないように努力しているつもりでございます。
○北村政府委員 海外企業の活動状況についての問題でございまして、環境庁としてはどうかというお尋ねでございますが、正直申し上げまして、これまでとりたててこれだけをやるということを私どもはいたしておりません。しかし、先ほどお答え申し上げましたように、地球問題の懇談会の御審議がだんだん進みますと、そういう問題も非常に多くなってくると思いますので、これからも関係業種の所管官庁、いま通産省からお話がありましたが、そういうところからも十分資料などをいただきまして御審議の便宜に供したい、さように考えている次第でございます。
○木下委員 国際的な大きな規模でのこういった環境問題の中で、日本の与える影響は大きいと思いますので、どうぞいままで以上にやっていただきたいと思います。 報告書では、「既存および新しく開発される各種の化学物質の人および環境に対する影響にも注意を払う必要がある。」と述べられておりますが、新規化学物質の安全性の確保、環境中における化学物質の動向、化学物質の安全性に関する研究などの分野において、どのような国際協力が図られ、わが国はどのような役割りを果たしているのか。また、このような国際協力の成果が、わが国の化学物質の安全性に関する施策にどう反映しておるのか。これも通産、環境両方の立場からお答えいただきたいと思います。
○七野政府委員 化学物質によります広範な環境の汚染が起こった場合に、その回復がきわめて困難であるということがございまして、その未然防止対策の重要性は国際的にも深く認識されておるところでございます。現在OECD、WHO、UNEPなどの国際機関でいろいろの活動が活発に行われているところでございますが、たとえばOECDにおきましては、国際的に共通な安全性評価、これの手法の開発の検討が行われております。WHOにおきましては、有害物質につきまして国際化学物質安全性計画、これが進行中でございます。UNEPにおきましては、国際有害化学物質登録制度、こういうことが現在検討が進められておるところでございまして、わが国におきましては、昭和四十年代半ばにPCB汚染問題が起こったわけでございますが、化学物質に関する法的規制、俗に化審法と言われておりますが、これが現在実施されております。環境庁におきましては、四十九年以来、現在数万点に及ぶ化学物質があると言われておりますが、それにつきましてプライオリティーリストを設定いたしまして、順次環境中の化学物質の濃度レベルの調査等を実施いたしております。 わが国におきます化学物質対策、これはいま申し上げました四十九年度から化学物質の環境中の濃度レベルの調査、それからさらにいろいろな意味の評価、そういう手法をいろいろの角度から検討いたしておりますが、そういうような知見が、現在国際的に見ましても非常に貴重な資料であるという評価を受けておりまして、先ほど言いましたOECD、WHO、UNEPなどの活動につきましても重要な役割りを演じていると私たちは自負しておるところでございます。 たとえて申し上げますと、OECDにおきます化学物質の分解、蓄積性のテスト、これの手法の確立に当たりまして、先ほど申し上げましたわが国の知見を十分に反映させております。さらに、いま申し上げました蓄積性テストの手法の確立の会議におきましては、議長国といたしまして各国の調整を図ってきております。 最後に、化学物質の安全性の確保のためには、わが国一国ではなし得ないほど膨大な作業を要するわけでございます。国際的な協力が必要になってきているわけでございますので、いま申し上げましたいろいろな国際機関で国際協力のもとに取りまとめられました安全性の評価手法や各国各種の科学的な知見につきまして、今後わが国の化学物質の対策をより一層充実するためにも貴重な資料になるものと私たちは確信しているところでございまして、今後とも、国際機関のいろいろな活動に関しまして、環境庁といたしましても大いに協力し、また一緒になってやっていきたい、さように考えておるわけでございます。
○小林説明員 既存あるいは新規の化学物質の安全性の確認につきましては、日本におきましては昭和四十八年に化学物質の審査規制法という法律を制定いたしまして、これに基づきまして分解性、蓄積性の性状をチェックしているわけでございます。現在のところ、大体年間三百物質弱の新規化学物質が審査の対象となっておりまして、これにつきましては高度の専門家から成る委員会を設けまして、それぞれの物質につきましての安全性を確認しておる次第でございます。 また、既存化学物質につきましては、当省といたしましても予算を計上いたしまして、既存化学物質の中から危険性が高いあるいは広く一般に使われておるという物質につきまして、国の立場からこれの試験を行っているという状況でございます。 また、国際問題につきましては、日本におきましては、先ほど申しましたように、化学物質の安全性につきましては四十八年からという長い経験がございますので、これらの経験を国際的に生かすべく、先ほど環境庁からも御説明がございましたように、いろいろなワーキンググループに積極的に参加をいたしておりまして、それぞれについての十分な活動を示していると考えております。
○木下委員 次に、先ほどの長官のお話の中にも出ました海洋汚染についてでございますが、さきにダンピング条約が批准され、関連国内法も整備されたところでありますけれども、しかし、油や廃棄物の不法投棄による海洋汚染を防止するには、監視、取り締まり、情報の交換などの面における国際協力が緊密に行われなければならないと思いますが、現状はどうなっておるでしょうか。特に、わが国の海岸地帯における油による汚染は依然として著しいものがあり、その原因は、わが国のみならず外国籍の船舶が公海上で投棄するものによる割合が大きいと言われております。したがって、公海上における不法投棄に対して国際的な協力に基づく何らかの対策が急がれると考えますが、政府としてはどのように考えておられますか。
○小野(重)政府委員 海洋汚染防止のための監視、取り締まりでございますけれども、これは御案内のように海上保安庁が担当しているわけであります。海上保安庁におきましては、昭和五十二年に領海が三海里から十二海里に拡大されたことなどに伴いまして、逐次船舶とか航空機などの増強を図っておるわけであります。ただ、御案内のように、わが国が取り締まれる対象の船というのは、領海内であれば、日本国籍であろうと外国国籍であろうと取り締まれるわけでありますが、公海ということになりますと、日本国籍は取り締まれますけれども、外国の国籍の船は取り締まれない、こういうことでございます。 そこで、どうしても国際的な取り決めというものが必要になるわけでありまして、現在、油濁防止条約に基づく通報制度というものがございまして、この条約に加盟する国に所属する船が油を排出したという場合には、それを見つけた国が、外国の船である場合に、その船が所属する国に通報する、そして通報された国がしかるべき措置をとる、こういう条約があるわけでありますが、それに基づいて公海上のそういう問題については対処するということでございます。 いずれにしましても、取り締まりの一線の衝に当たる官庁は保安庁でございますので、海上保安庁にさらにこの監視、取り締まり体制の強化を要請してまいりたい、かように存じております。
○木下委員 保安庁がやっているわけですけれども、いまの話にもありましたように、国際的には通報する。保安庁を幾ら強化しても全部は見張れませんから、その通報とかいうことが主になろうかとも考えるわけですが、海岸が汚染されて被害を受けた漁民等からの損害賠償については油濁基金制度というのがあると私は聞いておるのです。これは、どうも余り詳しいことはわからないのですけれども、必ずしも油を投棄した船がはっきりわかることによってすぐに賠償がもらえるという形にはなっていなくて、かえってわからない方が基金からすぐ出るというような状況にあるのではないかと思うのです。そういった点で、この制度をどこが監督しているのかも余りはっきりわからないし、農林省じゃないかということで聞いてみても余りよくわからないのですけれども、地球的規模で考えようというときに、これは保安庁の責任だ、この制度はここじゃないというようなことを言わずに、環境庁ではどうすれば実際に違法投棄がなくなるのかという観点からながめて、この油濁基金制度のこともちょっと調べて、環境庁の立場として、これは前向きな制度か、あるいはいまの運用のままでは必ずしも見つけたからすぐ通報という状況になっていないのじゃないかというところを一度お調べいただきたいと考えます。どうぞよろしくお願いします。 次に、報告書において、特にアジア地域における自然環境の保全等に貢献するため開発援助の見直しを行う旨の記述がございますが、わが国としてはどのような援助あるいは貢献ができると考えているのか、具体的な新しい施策があれば明らかにしていただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 結論から言いますと、具体的と言ってもまだよくわからないですが、地球的規模の紀元二〇〇〇年におけるわれわれの心配というのは、基本は人口なんですよ。現在は四十二億ぐらいでしょう。ところが、だれが勘定してみても西暦二〇〇〇年のときには六十二億ぐらいになる。西暦二〇三〇年から二〇五〇年ぐらいのときには百億になる。そうなってくるということはもう確定していると見て、そうなってきたときにどうか。しかもそのふえ方が、南の発展途上国にあらかたふえてしまうわけです。現在われわれが心配している南北問題というのは、申すまでもなく、御案内のように所得の格差がある、それが問題なんです。それがだんだん縮んでいけば南北問題は解決なんですが、そうなってくるとむしろだんだん開いてくるというところが問題でございます。 そこで、わが国としては、これだけの経済になれたわけですから、やはり地球的規模の問題について心配するとすれば、全世界的というよりは、とにかくアジアは近いのだからアジアについて特に考えなければならぬ。しかし、人口問題というのは軽々に口にできない。その国の主権の問題がありますし、内政干渉のようなことになられたのではわれわれの心配がかえっておかしくなりますから、どうしても主権を侵害しないような形で、国際的な機関でこの人口問題をどう解決していくかという心配がある。それにはどういう援助をしたらいいのかということです。そういうことで、具体的にはまだ決まっておりませんけれども、私はこの間ドクター・トルバさんにも言ってきたのですが、主として二国間でアジアを中心として日本はやっていくことになるだろう、それは御理解いただきたい。その方がいい、彼もそう言っておりましたから、そういう方面でやっていかなければならぬ、こう考えております。
○木下委員 いまの人口問題に対する長官の考えはよく理解できました。ただ、具体的な問題として、人口の増加が環境の悪化というのとどういう関係があってこの問題をとらえておるのかをお聞かせいただきたい。
○鯨岡国務大臣 人口の増加、簡単な言葉で言えば貧乏がなかなか克服できないということですよ。それでいま問題は、大気の問題、炭酸ガスがふえてくるというような問題がありますが、油が買えるわが国なんかはいいですが、油が買えない貧乏というのがありますね。そうすると、木をめちゃくちゃに切ってしまうのですよ。それで、もう根っこまで燃やしてしまう。そうすると、まず土壌が傷んでしまいます。それから、木を切りますから炭酸ガスがどんどんふえてきて、それで、これは学問ですが、そのために地球が温室の中に入っているようなことになって、氷が解けて水面が上がって、陸が沈んでしまうというような心配も学問としてはしているわけですよ。これはいま聞くと何か荒唐無稽みたいなことに聞こえるものも中にはありますよ。しかし、必ずしも荒唐無稽として考えられないのではないか。 私は、アメリカをほめるわけではありませんが、アメリカという国はなかなか偉いなと思いますのは、これはことしの一月に出たのです。カーター大統領の終わる直前に「地球の未来、行動のとき」こういうものが出た。だから、カーターは大統領に就任するとすぐにこの問題を心配して、やめる直前にまた最後のこのレポートを出した。これを読んでみましても、地球的な汚染の中には、熱帯林の問題それから炭酸ガスがふえるというような問題がまじめに取り上げられているのです。わが国も、まだ学問の域を脱しませんけれども、まじめに取り上げていかないと、気がついたときには遅い。何か二十九日の危機とかいうことを言うのですよ。危なくなる前の目が半分なのですから。わかるでしょう。そういうことだから、余り荒唐無稽なことだということだけじゃなしに、心配していこう、こういうことでございます。
○木下委員 長官、私のお聞きしましたのは、いまの質問の趣旨としましては、低開発国の人口の増加が結局環境の悪化にどうなるのかということで、根こそぎとったら幾らか植物が減って、それが炭酸ガスの問題にまで波及しましたけれども、炭酸ガスの問題どこれと余り直接関係ないと私は思っておるのですよ。そこの人口が油のかわりに少々まきをとって使ったところで、それが炭酸ガスの問題になると考えないので、炭酸ガスの問題と別に考えたときに、所得が低い層というのは、考えてみれば地球の原始社会というのはみんな所得が低いわけです。原始社会においては、こういう地球的規模の環境問題というのは百点満点だったと考えなければいけない。そのときの一番低所得層のやっていた行為をおかしいのじゃないかと考えてこの地球的規模のものを考えたのでは本当の解決にならない、私はこう考えるわけです。ですから、時間がありませんけれども、長官、これは一度考えてみていただけませんか。低所得というのは地球の原始的な一番基本の姿なんですよ。その人たちのやっている行為が全地球的にながめた将来に対して悪影響を与えているのじゃないかという目でながめるというのは本末転倒だと私は思う。逆にそこに何か学ぶくらいの姿勢のときでやっと本当の解決ができると基本的には考えられるのじゃないか。私ども、一つの極端な見方ではございますけれども、両側からながめて、本当の意味での、二〇〇〇年の地球の次の三〇〇〇年の地球のことまで幾らか頭の中にあるような二〇〇〇年の地球のことを考えていただきたい。 これで、時間が来ましたので、私の質問を終わります。
○山崎委員長 藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 私はきょう、本題に入ります前に、最初に一言、一昨日報道されましたNO2の総量規制に関しましてお尋ねをしておきたいと思います。 この問題については詳しく述べる必要はないと思いますので端的にお伺いいたしますが、環境庁が五十七年の四月に実施を目指して、そのために今年度じゅうには政令の改正をということで総量規制を実施することにしていたものが、財界と自民党の反対で実施が危なくなってきている。伝えられるところでは、これが自民党の環境部会の正副部会長一任となりまして、そうしてその正副部会長会議が三月の二十五日に開かれることになったために、今年度じゅうという点ではもはやタイムリミットを過ぎたのではないかと言われているわけですが、一体どうなっているのか口そして、長官としてはどのような意向を持っておられるのか、お聞きをしておきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 藤田先生、基本のことを申し上げて御理解をいただきたいと思います。 それは、NOxの基準はかつて〇・〇二だったのです。ところが〇・〇二では余りに厳し過ぎて、これは大変ということで、いろいろ専門家に調べていただいた結果、〇・〇四から〇・〇六まで落としても大丈夫――御異論もありました。そのときには御異論もありましたが、そういうことでございまして、そういうふうにいたしました。そのかわりには、〇・〇六より悪いところは日本じゅうどこもないというようにしなければいけませんということで、衆参両院の附帯決議などもありました。それから、当時の長官は、必ず附帯決議のようにいたします、しかしいまはそれはできないです、六十年までどうか待ってやってくださいということで、お待ちをいただいているのが現状であります。 そこで、発生源を見ますと、まず自動車があります。自動車を分けて乗用車とトラックがあります。それから煙突があります。ビルなんかもありますが、主としてそういうことでございます。乗用車の方は、御案内のとおり厳しいことを言いまして、そういう厳しい自動車がどんどん出回っておりますが、いまのところ約半分くらいです。六十年までにはこれが全部新しい自動車になりますれば、その面で大分規制されるということをわれわれは期待しているわけであります。困ったのはトラックであります。これは直噴式とかいうので、全く構造が違いますからなかなかうまくいかない。現在でもまだうまくいっていない。そこで、私は就任以来、トラックの会社に行きまして、私は専門家じゃないからわからないけれども、何としてもやってください、もしできないということであれば交通を規制しなければなりませんというようなことまできついことを言って、鋭意いま努力をしてもらっているわけであります。 そういうようなことを全部勘定に入れて、六十年までに衆参両院の附帯決議等に言われているようなことができるかということをだんだん考えてみますと、なかなかできないだろう、むずかしかろうとわれわれも思い、それからその地域の首長、知事さんも考えられるところが幾つかあるわけです。そこで、そこはいろいろ理由があります。自動車が多いから、そういうところもあるし、煙突が多いから、そういうところもあるわけです。そこで、知事さんにひとつ地域を指定して案をつくっていただいて、これは約束ですから、附帯決議の御趣旨に沿うようにわれわれはしなければならぬということで、いまその地域を指定する政令を出そうとしているわけであります。けれども、そういうことになると、産業に非常な大きな支障を来さないかという心配も同時に出てくるわけであります。私どもは産業に支障を来すことを喜んでいるわけじゃありませんから、そういうことでいまちょっと詰めなければならないところがあるということでございまして、われわれの当初の決意、方針は少しも変わっておらないことを申し上げておきます。
○藤田(ス)委員 一昨日参議院でも、わが党の沓脱議員が質問いたしましたが、今度は公害病患者の認定問題でお尋ねをしていきたいと思います。 その前に一つ、この問題についても、財界は、いま大気汚染が改善されたのに患者が減少していないということを言っているわけですね。言われるほどに大気の汚染が改善されているというふうに長官は考えていらっしゃいますか。簡単にお願いします。
○鯨岡国務大臣 こういうような「青空が帰ってきたのに」というようなパンフレットがきょう私の手に入ったのです。青空が帰ってきたんだから本当にきれいになったからこれによって病気になる人がないという、中身を見てないですからまだよくわかりませんけれども。私は、たとえば硫黄酸化物などはきょうの新聞なんかによって調査の仕方がちょっと違うのじゃないかというような意見もありますが、前よりは大分努力によってきれいにしていただけたんじゃないかなと思っているのです。しかし、いま前段申し上げましたNOxの問題などからいろいろ考えてみますると、決してまだわれわれの言う公害に対する心配が除去されたというふうには考えてはおりません。
○藤田(ス)委員 その問題の硫黄酸化物なんですが、先ほども長官が言われましたけれども、この硫黄酸化物の測定というのは、大気中にアンモニアが多くありますと実際よりも低く数値が出てくるということは前から知られていたことです。そして、そのために環境庁は、アンモニアが大気中にある場合には蓚酸トラップを測定器につけるという指導をされたということも私は承知をしているわけですが、私はいまここに西淀川区、大阪で一番公害認定患者の多い地域です。ここで実際に測定したデータ、つまり西淀川区で大気中にどれだけのアンモニアがあって、そのために硫黄酸化物が実際よりもどれだけ低く出ているかというデータを持ってきているわけです。 そこで、お伺いいたしますが、環境中にアンモニアがある場合、その濃度の約三分の一程度SO2の濃度が実際よりも低く出るというデータがJISにあると思いますが、環境庁はどうでしょうか。
○三浦政府委員 私ども測定器の精度の向上という問題は常に心がけなければならぬ問題だと思っていろいろ努力をしておるわけでございますが、その過程で、いま先生御指摘のSO2の濃度の測定に際して、先生いま負の話だけおっしゃいましたけれども、正に出てくる問題もあるわけです。たとえば塩酸、塩素、こういうものが近くにあると正に出てくる、あるいはまたアンモニアがあると負に出てくるということが私どもわかりましたので、いろいろ検討いたしまして、こういうほかの物質によってSO2の濃度がいろいろ影響されることもあるからひとつ十分注意してください、たとえばアンモニアの影響があるような場合には蓚酸トラップをつけてくださいということで、すでに去年の二月に私どもの方から各都道府県の方にお願いしてございます。
○藤田(ス)委員 そういうことなんですが、去年の二月にそういうふうに指導されたということなんですが、一体徹底されているのでしょうか。おおよそアンモニア濃度の三分の一程度SO2が低くなるということなんですよね。そうですね。そうしますと、三月十七日から十八日にかけて西淀川区で八十カ所で公害患者会がアンモニア濃度を測定してみたのです。何と最高で〇・一九七ppm、最低で〇・一〇四ppm出てまいりました。したがって、もし蓚酸トラップをつけていないと〇・〇六から〇・〇三ppm程度SO2の濃度が実際よりも低くなっているわけであります。たとえば西淀川区内で大阪市が設置している蓚酸トラップをつけていない淀中学校の測定局で見ますと、この測定値は最近で言うと〇・〇一六ppmなわけです。したがって、これにアンモニアによって実際に低く出ている部分を加えてまいりますと〇・〇六ppmになりまして、これは環境基準の〇・〇四ppmをはるかにオーバーしているわけですが、どうでしょうか。このことに関して答えてください。
○三浦政府委員 大阪のデータは私まだ見ておりませんですが、五十四年にこの調査とは別の目的で全国の大きな都市のアンモニアの実態調査をやっておるわけですが、それを見ますと、大体平均的に一〇から一五PPb程度のアンモニアが出ておる。高いところもありますが、せいぜい二〇から三〇ぐらい。そうしますと、SO2の濃度にしまして四PPb程度の影響があるんじゃないか、こういうふうに判断しておるわけです。 それから、徹底しているかというお話ですが、去年の二月にそういう指導をいたしました。これは測定する場合、その測定器の設置場所が適切かどうかということは非常に大事なことでございまして、当然都道府県でそういうことは十分考慮しなければいかぬ問題だと思っております。私ども徹底しているかどうかと聞かれますと、去年指示をしたばかりでございますので、一度何らかの時点で、どの程度のものかひとつ調べてみたいと思っておりますが、非常にこれは当然の話でございますので、一々報告を求めたりはいまする考えはございません。
○藤田(ス)委員 長官、この事実は私は大変なことだと思うのです。よくなっているはずだと言われているSO2も環境基準を超えているところがあることになるわけですから、私は根本的にいろいろ考えを変える必要が出てきたんじゃないかというふうに考えざるを得ないわけです。先ほど言われましたように、環境庁は蓚酸トラップをつけるように指導していると言われますが、大阪市、日本の中でも指折りの公害のひどい地域に一カ所もつけておりませんよ。私は大阪市の方で調査したのです。それから堺、臨海の大企業を抱えた非常に公害のひどいところです。ここも調べてみましたら、その測定の器械はトイレと野つぼのあるところにはつけているというのです。お笑いじゃないですよ。いまは大型の脱硝装置が普及しまして大気中のアンモニアが非常にふやされるようになっているわけです。にもかかわらず、日本でも一番屈指の公害地域にこの装置はつけられていないのです。これは私は早急に全国的にアンモニアの濃度がどういう状況で、そしてこれに対して蓚酸トラップをつけているかいないか、これは調べる気になったらそんなにむずかしいことじゃないわけですね、だから、すぐに調査をいただいて改善を図られたい。特に西淀川区から具体的に資料が出ておりますので、検討していただきたい。このことについて、長官にお答えいただきたい。
○三浦政府委員 先ほど申し上げましたように、五十五年の二月に指示したことでございますので、私ども効果判定のためにそういうことは一遍実態を調べてみようというふうに思っておるわけでございます。
○鯨岡国務大臣 おっしゃられるとおり、酸ですから、そこへアルカリのものが出ていったら酸を検査しようといってもそのアルカリを除く装置がなければ本当の酸の濃度はわかりませんから、やったということなんですが、御注意がありましたので早急に調べてみたいと思います。
○藤田(ス)委員 早急に御調査をお願いいたします。ぜひ報告してください。よろしく。 それでは認定患者の問題について話を移しますが、今回検査項目や問診の見直しに対してブロック会議の中でもいろいろ意見が出されたと聞いておりますが、必ず行うべき検査項目の中のフロー・ボリューム曲線解析について、この「検討結果報告書」の中に「フロー・ボリューム曲線解析は、従来の換気機能検査では検出しえなかった細気管支領域より抹消の気道の軽度閉塞性換気障害を早期に検出する方法として評価されている。」と書いております。結局これは、診断のつく四疾病に必要というようなものではなしに、新たに肺の深部の呼吸器の疾患の障害を早期に発見するために有効な性格を持つものであるというふうに私は理解をするわけですが、とすると、これを必要項目に義務づけるということは、公害認定疾病を拡大するために取り入れられるわけですか。
○七野政府委員 報告書には確かに先生の御指摘のようなことが書いてございますが、私たちは現在、このフロー・ボリューム曲線解析を含めまして、ブロック会議におきます各医療機関の関係者の御意見を取りまとめ中でございまして、その結果を現在慎重に検討しておる段階でございます。そういうことですので、このフロー・ボリューム曲線を検査項目の中に取り入れるかどうかということも現在検討中でございます。 さらに、先生先ほど言われました、現在私たちは大気系の疾病につきまして四疾病を指定疾病としていうわけでございますが、それ以外の疾病にも拡大するという考え方は持っておりません。
○藤田(ス)委員 検討中ということなんですが、もう少しよく聞いてておきたいので質問を続けますが、ここに、環境庁の委託を受けて設置された検討部会の、いわゆる七人委員会のメンバーのお一人である東海大学の山林一教授の論文があります。これはことしの二月号の「臨床医学」という雑誌に載せられた論文なんですが、フロー・ボリューム曲線解析について、今後このフロー・ボリューム曲線は、有力な抹消気道病変の検査法として広く普及することが考えられるが、測定装置や測定法などになおも問題が残っており、検討を要すると思われると述べておられるわけです。つまり、今後肺の深部の気管支などの異常の発見に広く活用されるだろうが、現段階ではなお測定装置や測定法に問題があるということをこの七人委員会のメンバーが指摘をして、ことしの二月の論文に載せているわけです。こういうふうな問題が出ているのに、どうしてこの義務づけというような報告書のあれになっているのですか、検討中ということですが……。
○七野政府委員 私たちがいただきましたこの報告書は、あくまでも専門家の先生が純学問的にいろいろな角度から検討をしていただきましてまとめていただいた報告書ということで私たちは理解しておりまして、この報告書のとおり行政として取り入れるかどうかにつきましては、先ほど私が御説明いたしましたように、ブロック会議その他各医療機関からいろいろの御意見を現在ちょうだいいたしておりますし、現在そういう意見を取りまとめ中でございますので、現在慎重に検討しているということでございます。
○藤田(ス)委員 さらに、この東京ブロック会議に出席された慶応大学の五味先生は、フロー・ボリューム検査は、まだ新しい検査方法で、解説書もづけられるような段階ではない。専門医の意見を十分聞き、慎重に検討すべきであるというふうに訴えておられるわけです。この人はこの問題では非常に権威者であるというふうに聞いております。 私も直接、このフロー・ボリュームのことが問題になっておりますので、実際に医療機関に行って幾つかの器械を見てまいりましたけれども、現場ではメーカーによって器械別の実測値がばらばらであるというようなことになっているわけです。だから、こういう検査項目を義務づける点で一番基本的な問題が多く指摘されているわけですから、これはぜひそういう意見を十分尊重して検討を進めていくべきだというふうに私は考えます。 それからもう一つの問題ですが、これは患者に非常に大きな負担を強制するわけですね。報告書によりますと、フロー・ボリューム曲線の測定は、あらかじめ最大吸気位から一気に最後まで呼出する要領を被検者に会得させておく必要がある、測定は少なくとも三回は行って、そのうち妥当なものを選ぶというふうになっているわけです。 私、実際実験してみたのです、長官。そうしたら、この要領を検査員に指示してもらって、一気に息を吸ってそしてずうっと吐く、こういうことで三回やりましたら、もうくたくたになりましてひざ頭がおかしくなってくるのですね。これは私、公害患者さんならどういうことになるだろうかというふうに思いました。その前に環境庁の方から御説明をいただいたときには、三回すうっと吹くだけなんですと言うから、私も三回ふうっと吹くだけかいなと思ってしたのですが、およそそんな軽い検査ではないわけですよ。 しかも、この器械の本来の性格からしてみても、四疾病のために求められるものではなしに、もっとNO2などによって深部に症状を持っている人の発見に役立つというふうな器械だと言われている以上、どうしてこんなに患者に必要以上の負担を強制するようなことをするのかなと思ったのですが、どうでしょうか。
○鯨岡国務大臣 結論から申しますと、そういう検査項目をつけ加えようということを決めているわけじゃないのです。公害病患者であるかどうかという認定はきわめて重要なことでございまして、それは私考えますのに、三つの要素があると思うのです。正確であるということ、公平であるということ、それから速やかであるということ、そういう要素があると思うのです。それはわれわれ素人ではわかりませんから、その道の専門家にお願いをしてやっていることは御承知のとおり。検査のやり方も、その専門家の御意見を入れて、それで決めていくわけですが、いまの問題については、専門家の中にも、いまおっしゃられるようにいろいろの意見があるわけです。先生がその器械を実際に見たという、しかもその実験をみずからおやりになったというその御熱意にはまことに敬意を表しますが、そういうふうにいろいろな意見がありますから、それを採用しようなどといま決めているわけではございません。そういうことが議論に上っている、これをやれば正確、公平、早急という要素、少なくともそういう正確の要素はつけ加わるんだよということを言っている人がいるという程度のことでございますので、さようひとつ御承知おき願いたい、こう思います。
○藤田(ス)委員 採用しようということで議論に上っているということは、採用しないことも十分あり得るというふうに理解をしておきます。これはもう御答弁は結構です。はいとおっしゃってください。(鯨岡国務大臣「はい」と呼ぶ) ただ、私はやはりこの際はっきり言っておきたい問題点がありますので進めていきますが、全国的には認定検査機関というのが非常に少ない、その地域に非常に少ないということが問題になっているわけです。私の地元堺市でも四カ所しかこの検査機関がないわけですね。そうすると患者さんは、主治医のところに行って診断をされ治療もされなければならない。ところが、検査機関に行ってやはりしかるべき検査をいろいろ受けなければならない。片っ方検査機関に行く機会をふやされればふやされるほど、主治医と検査機関と両方往復してうろうろすることになるわけです。この点でも、非常に患者さんの負担が重くなるのですね。 それから、私は、主治医の診断をこれによってますます軽視される方向に行くんじゃないかということを危惧しているわけです。フロー・ボリューム曲線解析は認定検査機関で行われるわけですね。検査データは直接審査会に送られ、ところによっては主治医にさえそのことが報告されないところもあるようです。四つの疾病は本来主治医によって診断できるもので、審査会に渡る検査項目を必要以上にふやしていくということは、主治医の診断に対してまるで審査会が鑑別していく、結果的にはそういうことになりはしないかと危惧するわけですが、どうでしょう。
○七野政府委員 これも昨年の委員会でたしかお答えしたのではなかろうかと思いますが、主治医の意見を尊重しろという御意見、あたりまえのことでございます。ただ、認定審査会で認定をする場合には、いわゆる検査所見、データでございますが、それから主治医の意見、その他総合的に検討判断するということに相なっているわけでございます。
○藤田(ス)委員 総合的という言葉は大変便利だなとこの前から私は思っているのです。大臣もさっき、採用しようということで議論に上っているけれども、必ずしも採用するということではないんだ、採用しないことも含めて検討しているんだというふうにお答えになったと思います。大臣が所信表明演説の中で、迅速かつ公正な保護に万全を期し、補償制度の円滑な実施に全力を挙げるとおっしゃったその言葉には本当に賛成なんです。ただ、このフロー・ボリューム曲線の義務づけというのはその正確、公平、迅速という大臣の御意思に一体合致するだろうかと考えるわけです。先ほど申しましたように、測定装置や測定法にいろいろな問題が専門家からも指摘されている。解説書もつけられないとさえ言われている。しかも、本来のフロー・ボリュームの器械の特性が生かされた形での活用にはならない。つまり四疾病の患者さんに的確な検査の器械と言えるだろうかということもあると思います。 それから、医師の診断が尊重されるのは当然だと言われましたから、大いにそれは守ってもらいたいわけですが、客観的に見ていると、こういうものが無理やりに義務づけられていくとすればこれは大いなる侵害につながるのじゃなかろうかと考えますので、もう一度、大臣の結構な所信表明の趣旨を徹底していくという立場で、この問題について御答弁を願いたいと思います。
○鯨岡国務大臣 公害病にかかっておられる方なのかどうかということの診断といいますか、認定は非常に重要なことであります。私、所信の表明で申し上げたとおりであります。先ほども申し上げましたが、それは正確でなければならぬ。それから早急でなければならぬ。いつまでもいつまでも診断していて決まらないということではいけない。御本人の身になってみればできるだけ早くなければならないのでございます。それから、大阪にもいるし東京にもいるのですから、大阪も東京も公平でなければならぬ。この三つの要素があるわけです。いまの器械なんかは、私素人でよくわかりませんが、先生の言われるように器械によってばらばらだというのじゃだめですが、もしそうでない、ばらばらでないとすれば、一つの物差しですから、それは公平には役立つようなことになるのかもしれない。しかし、正確の面でどうなんだろうかというようなこと、それから、そういう器械をずっとまんべんなくやるわけにもいかないでしょうから、早急という面でどうなんだろうかというような面にも関係してまいります。いままで申し上げましたように、採用すると決まったわけではないんです。採用した方がいいよと言う人がいるというだけの話なんです。採用したってだめだよと言う人もいるのですから、採用しないこともあるということで、どうぞ御了承いただきたいと思います。
○藤田(ス)委員 正確ということも、言葉どおりにとらえれば正確ということであっても、それは正確かどうか疑いがかかるというふうなものがそこに入ってくると、迅速とか公正とかいうような点では大きな矛盾が出てくると思いますし、それから公平という点でも、フロー・ボリューム曲線解析が四疾病の患者さんを認定していく上で本当に役に立つのかどうかと言うたら、医学の問題は私はそんなに詳しく――詳しくどころか余りわからないです。だから言いませんけれども、お医者さんがいろいろ言っておられるのを聞きますと、これは必ずしも公平、正確につながるものではないということも専門的な中身としてもいろいろ聞いてきているし、そのことについては十分専門家から意見の反映があると思いますので、そういう専門家の意見を十分尊重し、そして間違ってもこれが患者の切り捨てにつながるということにならないようにしていただきたいと思います。 問診項目、これについても今回の提案は、ブロック会議では主治医の負担になるとか繁雑になるとかいって反対の意見が多かったと聞いております。この問題についてはすでに地域でそれぞれの問診項目が決められており、その現状は無視できないので、これを尊重して環境庁としては、問診項目については事務連絡とするというふうに述べられたと聞いておりますが、そうでしょうか。
○七野政府委員 これも先ほどから言っておりますように、検査項目、問診項目ともに同じ報告書の中で報告をいただいておるわけでございまして、私たちは両方を合わせまして現在慎重に検討しているわけでございます。そういうことでございますので、事務連絡にするとか通知にするとかいうところも現在まだ決めた段階ではございません。
○藤田(ス)委員 どうなんですか、地域の自主性を生かさなければならないということは考えていらっしゃるわけですか。
○七野政府委員 問診項目につきましては、現在すでに問診票、それから主治医の報告書、そういう中で現実に各市で、その地域の実情に合ったと申しましょうか、取り入れているわけでございます。そういうものも考慮に入れまして私たちは考えていきたい、さように考えておるわけでございます。
○藤田(ス)委員 五十四年の四月に経団連が文書を出したということがあります。長官、御存じですね。そのときに、認定患者の見直しの問題について財界がいろいろ言っておるわけですね。時あたかもその二カ月後に環境庁は検討部会を発足させまして、その検討結果が、いま申し上げたように、まだ非常にいろいろと問題を含んでいるというようなことになってきているわけですね。そこで、国民の方から見ていますと、いまの政府の環境行政は一体どうなっているのだろうかという不安を持たざるを得ないわけですね。午後の質問に回しますけれども、アセスメントの問題にしても財界に相談をしていらっしゃる、今度のNO2の総量規制についても財界の方の抵抗があって全体としてはおくれざるを得ない状態になってきている、それから、今度のこの検査項目とか問診の見直しについてもやはりこういう結果になってきているという点で、いま国民は非常に不安を持っています。 そこで、私は、長官にぜひこういった国民の危惧を解消するためにも積極的な御答弁をいただきたいのです。いわばフロー・ボリューム曲線解析というのは、肺の深部の、NO2によって障害を受けた人々のその障害を検出することができるということになっているわけですね。このことは、先ほど読み上げた文書の中にも、検出し得なかった細気管支領域の障害を見出しとなっているわけですから、NO2の大気汚染によって苦しむ人々を救済して公害認定患者の対象を拡大していただくということで積極的に取り組んでいただけないか、御答弁をお願いしたいと思います。
○鯨岡国務大臣 藤田先生、財界に相談しているんじゃないですよ、アセスメントは。午後から御質問があるそうですからその際にもお答えいたしますが、財界に相談する必要はないのですよ。ただ、経済というものは、私が申し上げるまでもなく、藤田先生も御心配のように、失業者が出たりなんかしたら大変ですからね。ですから、物価も安くならなければならぬだろうし失業者が出たら大変だから、一生懸命になってやっておられる方方がいます。その方々が懸念を持っておられるのだとすれば、私はその懸念を晴らすために努力をしなければならぬ。それは公害病の対象になっておられる方々だって同じです。その方々が懸念を持っておられるのならば、私は汗を流してその懸念を取り除かなければならぬ。私は明らかに申し上げますが、公害病患者と認定さるべき人を切り捨てていこうなんという考えは毛頭ありません。 ただ、当然のことながら、公害病患者に対する補償並びにその治療費等はその出した人が払うことになっているのですから、それで、よく完全にわかっているかどうかわからないけれども、ともかく認定したらばその人の補償、治療費はあなたが出しなさいよと言って、そこからお金を取っているのですから、出す方の身になってみれば、もしも私どものやり方が間違えていて、その原因でないのに病気になっている人のお金まで払わせられたんじゃ大変だと思うのも、これは至当だと思います。だから間違ってはならぬ。患者のためにも早くやらなければならぬ。そうかといって、お金を出す人のためにも間違ってはならぬということで、われわれが慎重にならざるを得ないのは十分御理解のいただけるところだと思います。 そこで、先ほどから明らかに申し上げているつもりですが、先生大変御心配のようですからもう一回申し上げますが、その新しいフロー何とかという項目は、つけ加えようと考えているわけではないです。つけ加えた方がいいという意見がある。だけれども、そんなものはむだなことだという意見もある。だから、いまわれわれはそれをつけ加えておこうという考えがあるわけではありません。つけ加えないということも含めて検討中であります。決してそういう何かの方法を講じて患者を切り捨てていこう、切り捨てていこうというような気持ちなんかはありません。それよりも、公害病患者であるのをわれわれが見過ごしておることはないかということで、最も戦々恐々として、一人でも見過ごしちゃ大変だ、一日も早く認定しなければならぬ、そう考えているということをひとつ御了解いただきたいと思います。
○藤田(ス)委員 大臣、もう一つあったのですよ。NO2の大気汚染によって苦しむ人々を救済する、このフロー・ボリューム曲線解析という性格を生かして救済をしていただきたい。この点で積極的な御答弁をお願いしたいわけです。
○鯨岡国務大臣 これはその器械を採用する方ですか。
○藤田(ス)委員 そうです。問題があるとしても、これはそういう点では活用できるんだということをこの報告書が言っているわけです。この報告書が言っているとおりに性格を生かしていけばそういう方向で検討することは可能なわけです。いままでいろいろな勉強をしなければNO2の認定患者にできないんだ、いろいろ調べるのもむずかしいと言われていたのですが、私、これを見たときにこれはいいなあと。確かに専門家からいまなお問題があると言われているけれども、そういうものを除去していけば、まさにこれこそNO2の患者さんを認定患者に取り上げていくいい条件ができたじゃないかというふうに思ったわけです。もう時間がありませんので、長官、最後に一言。
○七野政府委員 先ほども言いましたように、現在指定疾病として指定しております四疾病でございますね、私たちはこれについての認定ということで報告書をいただいているわけでございますので、その点につきまして現在いろいろな角度から検討しているということでございます。先ほど先生がおっしゃいましたNO2に係る健康影響につきましては、さらに今後いろいろな角度から検討する必要があるのじゃなかろうかというふうにわれわれは考えております。
○藤田(ス)委員 最後に長官どうぞ。
○鯨岡国務大臣 正確に、公平に、迅速に、どういうふうにすればそれができるかということは常に検討しておりますから、新しい器械などが出た場合には、それを検討することがその三要素を満たす条件であるかどうかいつも検討して前向きにやっていきたい、こう思います。どうもありがとうございました。
○藤田(ス)委員 終わります。ありがとうございました。
○山崎委員長 岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 久しぶりに環境委員会に席を置かしていただきながら、内閣委員会の理事を兼務している関係からどうもごぶさたがちで申しわけないと思っております。しかし、環境問題にはそれなりに関心と問題意識を持って行政のあり方を見つめてきたつもりでございます。 鯨岡さんが長官に就任されたことを歓迎しながらも、あなたの御健闘を心から期待したいと思います。ただ、申し上げにくいことですけれども、最近の公害あるいは環境行政の地盤沈下の状況というのは正直目を覆いたくなるものを感じざるを得ない。一言で言って、環境庁の方針が大企業や財界あるいは通産省などに押されっ放してはないか。またも負けたか環境庁というようなことを繰り返してまいりましたから、国民にとって環境庁というのはあってもなくても大して違いはないのじゃないかという発言さえ実は聞かれるような昨今でございます。非常に残念でございます。国民の健康と快適な生活を保障する行政の元締めとも言うべき環境庁がもっと元気を出して、私が言いたいのは、役所として力が不十分なら国民世論をバックにして未来に対する創造力を持って毅然とした態度でがんばってほしい、こういうふうに思うのです。私ども政党なりあるいはいろいろな問題で意見の違いがございます。追及すべきは追及をいたしてまいりますが、長官がりっぱな姿勢を貫かれるならば、虚心に応援団となることにちっともやぶさかでございません。大石さんや三木さんのように、政治家として国民から声援を送られるような仕事を残していただきたい、そのことを私はお願いしながら、最初に長官の御所見と決意を簡単にひとつお答えいただきたいと思うのです。
○鯨岡国務大臣 簡単にということでございますから、できるだけ簡単にお答えをいたしたいと思います。 先生のいまの御表現は、ちょっと私は厳し過ぎるような感じがいたします。環境庁負けていないです、これは。なぜかなれば、きょうの閣僚会議で環境公方だと言われたくらいですから。公方というのは徳川将軍の大公方のあの公方ですから、何でも環境環境といってブレーキばかりかけるから開発がうまく進まぬではないかとさえ言われているくらいですから。いまの先生の御指摘は、御激励と承りますが、ちょっと厳し過ぎるような感じがいたします。 ただ、時勢は必ずしもわれに味方していない。味方、これは結構なことですよ。結構なことですが、時勢は必ずしも味方していない。それはアメリカだって同じです。アメリカも強いアメリカにしようということですから、カーターのころからレーガンにかわったらば大分その方面が変わってきたことは御承知のとおりです。日本だって同じです。こういう中でですから、なおさらのことわれわれはしっかりしなければならぬ、こう考えておるわけであります。万般ひとつ御激励を願いたいと思います。最後に国民的な支持というものはわれにあり、こう考えております。なぜかなれば、総理府の統計なんかにも出ています。それから、われわれはこんなもの売れるかなと思いましたけれども、ただで読んでもらいたいくらいですが、そうもいきませんから。私の役所で翻訳した本、あれが売れているのですから。なぜあんなかた苦しいものが売れるのでしょうか。それは国民がみんな心配しているからだ、そんなふうに思って、私どもは国民の世論を背景としてやっていきたい、こう考えているわけであります。
○岩垂委員 では、具体的にお尋ねしますが、アセスメント法案。御承知のとおりに環境庁案について私ども強い不満を持っています。開発の免罪符になるのではないかという指摘をしなければならぬ。そのような法案についてさえ、つまり私どもから見たらそういう見方ができるそのような法案についてさえ、電力業界やその他の財界、はっきり申し上げてその意向をくんだ自民党の一部議員の反対が強くて、五十一年以来国会のたびに問題になりながら、いまだに日の目を見ていない。昨年五月に法案がつくられたものの、自民党政調会長預かりですか、そのままになっているわけですね。今国会も法案提出期限が来たんで、もう過ぎちゃったわけです。いまだに出ていません。 長官にずばりお伺いしますが、あなたの関係方面に対する御努力というのは伺っておりますが、今国会提出はむずかしい局面に立ち至っているというふうに判断せざるを得ないと思うのですが、どうですか。
○鯨岡国務大臣 きわめて簡単にお答えいたします。 必ずしも楽観を許さないという状態であります。
○岩垂委員 私は、先ほどから御答弁を伺っていて、経済のことも考えなければならぬという長官のお言葉が気になるのです。かの有名な経済との調和条項、そういう問題点を思い起こすので、やはり人の生命だとか健康とかというものを環境庁長官としては重視しながら、これはもうあえて言うまでもないと思うけれども。やっぱりその点は、お言葉遣いを含めて、私ちょっと気になることがあるので申し上げるのですが、もう法案提出期限は切れているんだけれども、具体的にいつごろまとまるかというあなたの気持ちを聞かしてくださいよ。
○鯨岡国務大臣 端的に一言で言えと言いましたから、なかなか逆睹しがたいものがある、こういうふうにお答えをいたしたのですが、私は決してあきらめているわけではない。あきらめていないということよりは、いまごろは法案の内容について先生から厳しい御批判をいただいて、それに対して答弁をしていなければならぬ時期に、まだこんなことを言っていることはまことに残念であり、また国民に対しても申しわけのないことだと、身を切られるような思いでいるわけなんです。どうぞお察しいただきたいと思います。 おかげさまで自由民主党の政調会の動きは活発でありますから、私は、なるべく早い時期にここでその内容について先生方から厳しい御質問が出て、それにお答えをする時期はそんなに遠くないだろう。それを期待して、日夜、それこそ本当に日夜努力をいたしておるのです。 最後にもう一回申し上げます。いまごろ出るのか出ないのかなとと言われていることについて、全く申しわけなく思います。
○岩垂委員 それ以上は言えますまい。 次に、NOxの総量規制の問題、先ほどからも御議論がございました。昭和五十二年七月十一日、私は思い起こすのですが、この問題でやりとりをいたしました、反対を押し切って環境基準を緩和いたしました。その際に、昭和六十年三月までに沿道を含めて〇・〇六ppm、環境基準を達成するということ、これは担保されたわけですね、緩和と。だから、そのことの努力というものが少しのんびりしているのじゃないかという感じがしたのです。 それはそれとして、国立公害研のNO2の長期暴露の実験結果にも、基準緩和の問題性、あえて問題性と言います、がやはり問われているように私は思うのです。いろいろの見方がありましょう。だから、総量規制の政令改正というものを急がなければならぬことはわかり切ったことです。そして、地方自活体にそれを求めてきた。だから、政令改正を今年度中にということについて実現するかどうか、長官、もう一遍ずばり答えてください。
○鯨岡国務大臣 これは実現させなければならない問題でありますから、その方向に向かって全力を挙げているのです。 先ほど先生が、経済の問題について理解のあるようなことを言うのはちょっと気にかかるということでしたが、本当は私の口からこんな経済のことなんを言う必要はないのです。けれども、何か私どもが、先生も含めて、環境の問題を重視している者が経済はどうでもいいと思っているのじゃないかと考えている人たちがいるようだから、そんなことはありませんよ、そんなことを考えないはずはないじゃありませんか。だけれども、そんなことを言うまでもない、あたりまえのことだから言わないだけの話です。そして、経済と環境の問題とを両方言ったら、両方大事ですよ。両方大事ですが、調和とかなんとか言うからおかしいので、私の立場はどっちだ、片足踏めると言えば、それは環境の方に片足を踏めるのはあたりまえ。だけれども、何か環境だけを言っていて、環境だけよければ経済なんかどうでもいいのじゃないかと思っているのじゃないかと誤解をしているような向きがありそうだから、わざわざ言っているので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○岩垂委員 総量規制ですけれども、自民党の党内調整を一任された環境部会の会長、副会長さんのうち、副会長さんが、千葉県知事の選挙で応援に行くので日程がとれないからということでその決定が延びたという新聞報道を拝見をいたしました。正直言って、自民党の環境部会の諸先生おられるので恐縮ですが、これが事実だとすると、これはもう正直、唖然とせざるを得ません。 それはそれとして、実は私の神奈川県あるいは川崎市、地方自治体はいま議会がそれぞれ開かれております。その場所で、一体どうなるのだ、どうするのだという意見が述べられています。しかも、余り環境庁がおくれるようだと、条例化、それぞれ自治体でやらざるを得ないということになっています。正直なところ困っちゃっているのです。で、議会がぼつぼつ終わります。しかも、政令改正を前提にして調査をやってきたのですから、期待するのはあたりまえなんです。そういう点である程度リードタイムがございませんと、これは自治体あるいは関係者含めて困るのです。急にやれと言ったって、金もかかるし、それから企業だって対応に困ると私は思うのです。自動車排ガスのときにも経験があったわけですが、リードタイムというものは決して無視してはならぬ。その意味で早くやってほしい。だから、今年度中にやりますと、歯切れのいい言葉をちょっと長官やって、地方自治体の首長さんたちを安心させてください。
○鯨岡国務大臣 今年度中というのは、三月いっぱいということですか。――全力を挙げてその方向に向かっております。
○岩垂委員 どうもどうしてもずれちゃう可能性があるので心配なんですが、まあそれは時間がございませんから、次に移りましょう。 湖沼保全法案はどうなっているのですか。いつごろ国会に出すのですか。
○鯨岡国務大臣 これはまだ政府案がまとまっておらないということで、各省でもう少し詰めるところがあります。これもせっかく進めておりますので、できるだけ早く国会に出して先生方の御審議をいただきたい、こう考えております。政府の各省の詰めがまだ完全に終わっておらない、こういう状態です。
○岩垂委員 これは局長で結構ですが、私これはかなり関心を持っていままでやってきたものですから申し上げたいのですが、神奈川県民の水がめである相模湖の調査を昨年からお願いをしてきましたけれども、ことしも引き続いてやっていただけると思いますが、調査の経過と予算、新年度の調査の方向について、簡単にお答えをいただきたい。
○小野(重)政府委員 御案内のように、環境庁といたしまして、本年度、相模湖さらには津久井湖含みまして相模川水系全域を対象として、神奈川県、そして山梨県の協力を得まして調査を実施しておるわけであります。汚濁源の実態、汚濁機構等の調査、解析、こういうことでございますが、五十五年度は五百四十五万七千円の予算を計上いたしまして実施しているところであります。来年度につきましては、本年度の結果を踏まえた上で検討してまいりたいと思いますが、継続して調査をする必要があるのじゃないかと考えております。
○岩垂委員 これはやはり継続してしっかりやっていただきたい、このことをお願いをしておきたいと思います。 先ほど木下先生のやりとりがございましたから、余り細かくはいたしませんが、長官から「西暦二〇〇〇年の地球」という本の寄贈をいただきました。この機会にお礼を申し上げておきたいと思うのですが、その後地球的規模の環境問題に関する懇談会が開かれて、地球的規模の環境問題に対する取り組みをまとめられたのですが、その中で、わが国の対応について述べている項目がございますね。たとえば、審議会を活用するとか、教育、世論の徹底を図るとか、あるいはアジア地域についてどうするとか、企業の海外における活動というような問題について述べられています。私はこの具体策を早く煮詰めてやっていかなければいかぬと思うのですが、その進みぐあいというものをぜひ御答弁いただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 非常に重大な問題だと思いましたが、検討に余り期間を費やすのもいかがかと思いまして、去年の九月から懇談会を開いて、十二月までに無理でしょうが一応の方向づけだけはしてくださいとお願いをいたしまして、いま先生御指摘のような方向づけができたわけであります。そこで、いま国会開会中であるのと、座長さんがお忙しかったことなどがありまして、それから、先ほどの御質問にもお答えいたしましたが、OECDでもってこの問題についての会議がありますし、UNEPでも引き続いて会議があります。それらを縫いまして、六月ぐらいまでに二、三回この懇談会を開いて、方向づけの終わった問題についてさらに突っ込んだ検討をいたしていきたいと考えて、スケジュールもできております。
○岩垂委員 実は、私、昨年の九月でしたか、ちょっと内閣委員会で視察をしてきたときに、特定の名前を挙げて大変恐縮ですが、ナイジェリアという国へ行きました。日本が三〇%、イギリスが三〇%、ナイジェリアが四〇%という資本関係で幾つかの企業をつくって仕事をしています。たとえば製びん工場を見たのです。繊維も見ました。御存じのとおりに、製びんといったら公害の問題を抜かして議論することはできませんね。手だてはないのですよ。何にもないのです。それは確かにあの国は輸入をした方が安いのです。しかし、その国の工業や技術というものを発展させるためにそういう取り組みを一生懸命にしている姿を見て、ある意味で胸を打たれました。 ただ、日本の企業がそれにかかわっている、そういう場合に、公害の問題というのがあるよということを教えながら――それは輸入した方が半分ぐらいになってしまうのです。にもかかわらず、倍の値段でも国産でいこうという取り組みをしているところですから、金がかかるのは大変だろうと思うけれども、しかし、いまの環境問題に対する取り組みの中の公害輸出の問題、企業の海外進出に伴って公害に対する配慮というものを、環境庁は、ぼつぼつ積極的にガイドラインみたいなものを示しながらやっていく必要があると思うのですが、その点いかがですか。
○鯨岡国務大臣 御趣旨のとおりだと思います。貿易などは基本的な商売ですから金もうけということにもなるのでしょうが、わが国は公害問題に対しては、貴重と言ってはなんですが、そういう苦い経験があるわけです。これからの国がわれわれが経てきたと同じようなそういう苦い経験をしないように、同じ経済援助をする場合でも、そういう点に今後方を尽くしてやっていくという配慮は当然しなければならぬことだと考えております。
○岩垂委員 当然配慮という一般論じゃなしに、ある種のガイドラインみたいなものを環境庁も配慮しながらその国に教えてあげる、対応する。ただし、いろいろな事情がございますから、一律にそれをやるということをその国に求めることはできませんけれども、そういうことが経験的に必要ではないだろうかということを強調しておきたいと思うのです。 長官、ことしは、早いもので環境庁十周年なのだそうですね。記念行事のスケジュールが検討されていると思います。実は、国立公園法制定五十周年の記念事業の計画というのを私はきのう拝見いたしました。それなりにいろいろな取り組みをしようということについて敬意を表したいと思うのですが、この機会に提案をしたいのです。やはり国民の健康や生命と一緒に歩いてきた役所ですよ。さっき言ったように、それは酷だと言われるかもしらぬが、最近はちょっと地盤沈下が激しいわけだ。そこで、十周年の記念事業という以上は、国民の参加する環境行政というか、国民に開かれた環境庁というか、そういうものを一歩でも前進させるために、たとえば住民運動とか、地方自治体とか、後ろにいらっしゃるような記者クラブの専門の皆さんだとか、あるいは学者さんだとか、とにかく自然保護団体などを含めて記念行事の企画委員会みたいなものを設けて、その中で記念行事というものをお決めになる。つまり、役所が決めるのじゃなしに、役所も一つの案を持っているが、皆さんもひとつ知恵を出してくれ、そういう国民的な企画委員会というものを発想なさるおつもりはございませんか。
○鯨岡国務大臣 いまのところ、御提案のような企画委員会を設けるというところまでは考えておりません。けれども、御趣旨はよくわかります。やはりそういうものになるべく近づけていった方が世論を喚起するために非常に結構だと思いますし、また、世論の背景がなければこの仕事はできないことは先ほどから申し上げているとおりでありますから、御趣旨はよく承って検討いたしていきたいと思います。
○岩垂委員 もう一つ言いたいのですよ。なぜそういう企画委員会などということを言ったかというと、みんなが決めたということの中で、何か目玉を行事の中に位置づけて、目玉の事業というかそれを実現するための中央、地方の実行委員会みたいなものをつくる。これは私のほんの思いつきですけれども、たとえばきのうも読売新聞の社説で、「「カン・イズ・マネー」日本にも」ということで書いているのだが、空きかんの追放ということを、企業も巻き込んで国民運動という形で全国的に推進していく、そういうプランを検討する余地はないのかどうか。これは十周年という行事だけでなしに、たまたま環境週間という時期でもあるわけですから、そういう点でぜひ生かしていただきたい。私はそのことを提案したいと思うのですが、長官いかがですか。
○鯨岡国務大臣 空きかんの問題を取り上げての御発言ではないことは言うまでもないのですが……(岩垂委員「一つの例です」と呼ぶ)一つの例としてですね。しかし、お話が出ましたから申し上げますが、空きかんの問題は、おかげさまで非常に関心を持たれてまいりまして、業者なども積極的にこれに参加してまいりまして、ある業者のごときは、新聞に多くのお金を出して一面に広告を出すということもありますし、業界全体としても非常に対応していってくれますから、十周年という記念の行事としてこういうことをやっていったらというようなことは、私は考えられることだなと思っています。 このごろ、記念行事のポスターの図案の中に、これもわれわれからお願いをしたのでつくってくれたのですが、統一の、空きかんはくずかごに捨てましょうというマークができたのですよ。空きかんには、空きかんはくずかごになんて、小さく虫めがねで見るように書いてありますが、あれはだめだ。そうしたら、アメリカでやっているのをちょっと使わしていただいたようですが、統一のマークができまして、そのマークをあしらっていこうというようなことで、いろいろなところで、たとえばジュースの広告なんかテレビでやる場合には、ただこのジュースはおいしいよというだけでなしに、空きかんはくずかごに入れなさいねということを絵で出したり声で出したりする、そういう協力まで最近はしてもらえるようになりましたので、お話は承りまして、そういう身近なことをこの機会にひとつ進めるというようにしていきたい。それはよくわかりますから検討してみます。
○岩垂委員 たとえば鎌倉だとか京都だとか観光地が汚されるという状況、そしてその自治体が何とか対応しなければならぬということで一生懸命でやる。しかし、来るお客様というのはむしろそこの人じゃないのです。全国から来るわけです。鎌倉なんかでも、年間で言えば二千万近い。そういうことを考えますと、来るところ、そういうところの自治体や観光客のモラルというものも含めてやっていかないとだめなんです。だから、いま地方自治体で条例とかなんとかで苦労しているのは、要するに防衛で、その地域だけをとこうなるんだけれども、周りを何とかしないことには、そこの局地で抑えたって抑え切れるものじゃないのです。ですから、私は一つは空きかんということを申し上げたのだが、環境庁が音頭をとって、国民、企業、つまりそういうものをつくっている会社、そういうものも含んで懇談会を開いて、それでやろうじゃないか。やれば業界だって対応せざるを得なくなるのですよ。つまり、いろいろな方法のことは私は言いません。だけれども、そういう運動を盛り上げる、つまり国民運動を盛り上げるセンターとしての機能を環境庁が、環境庁のルネッサンスなんということを言うつもりはございませんが、せめてそのぐらいな気持ちでお考えになったらどうかということを申し上げておきたいのです。だから、ぜひそのことを考えていただきたい。 それから、OECDの「日本の経験」というのがございますね。ちょっとこれはほめ過ぎの面もありますけれども、過大評価の面はともかくとして、環境庁十年の歴史を振り返って、二十一世紀に向けて地球的規模でということを言っているのですが、長官、いただいた本の表紙のところに、「われわれは、『二〇〇〇年の地球』が発している警告に十分に耳を傾け、そのような暗い未来がくるのを防ぐために世界中の英知を集めなければならない」と書いてあるし、環境週間の中で国際的なそういう英知を集めるようなシンポジウムを行ったらどうですか。そして、それにできるだけ御協力をいただいて、マスコミやらいろいろな報道機関を含めて、国民の皆さんと十年の歴史を反省しながらさらに決意を固めていくという御努力をなさるおつもりはございませんか。
○鯨岡国務大臣 その本を書いたメンバーの中枢の一人が来まして記念講演をしてくれることになっているのです。シンポジウムですね、それをやることになって、先生まさに御指摘のとおり、これはほめられていいです。先生の御指摘は、もうすでにメンバーも決まりましてそういうことをやるようになっています。 ただ、せっかくおいでになったのですから、国民的にこのことをわかってもらうために、それを書いたような人と日本の学者ですか、だれを相手にするか、テレビなどを通じて、決して安心していられないのですよ、いま四十二億の人口が西暦二〇〇〇年には六十三億ぐらいになりますよ、西暦二〇三〇年から五〇年には百億になりますよ、そうなってくると食糧はどういう影響がありますよ、水は、森林は、なんというようなことをわかりやすく国民に知らせて、本当にそうかな、じゃ資源ももったいないな、うかうかしていられないなというような気持ちに国民になっていただくのにはどうしたらいいかということをいま考えているわけで、シンポジウムは計画しております。
○岩垂委員 国民が環境庁いいことをやってくれたなと思われるような実績を積み重ねる以外には、私は環境庁の国民からの期待というものを取り戻すことはできないと思うので、ぜひがんばっていただきたいと思うのです。 これもその一つの提案なんですが、ナショナル・トラスト、これは年来私が実は取り組んできた問題でございますから、こんな機会に提案をしたいと思うのですが、北海道の知床国立公園内の土地を観光開発から守るために賛同者が百平米を八千円で買う運動、大きな成功をおさめました。私も実は一番最初のこれのメンバーです。長官、見てください。こういうりっぱな登録証書をちゃんと送りまして、私りっぱだと思うのは、毎年九月二十三日の秋分の日か何かに案内をくれるのですよ。ぜひ見に来てください、そしてもしお泊まりになるなら宿を用意します、ぜひ座談会や何かやってくださいと言って、ずっと運動を広げていく。私ども、しようがないと言っちゃ恐縮ですが、私どもの立場もありますから、できるだけ人に勧めて、かなりな大ぜいの人たちにお勧めしてメンバーになってもらいました。 こういう経験というのは学ぶべき時期がいま来ている。同時に、全国各地にそれぞれの住民にとって貴重な自然あるいは歴史的な環境というものがあるわけですから、それらを保存するためにイギリスのナショナル・トラストの経験を学んでいく。日本もそれを考えるということをお考えになる時期だと思うのですが、ここでちょっと御答弁をいただきたいと思うのです。
○鯨岡国務大臣 私も全くそう思います。そういうふうになってくれたらいいなと思いますが、どうしてイギリスなどと日本とは違うんだろうかなというふうなことを局長連と話し合ったことがあるのです。日本は玄関でくつを脱いではだしで入っていく。外と内というものの差がある。ところが、外国生活というのはくつのまま家に入ってきちゃう。だから外も内もない、みんな同じようなものだ。そんなことを言う人もいるのですね。へえそうかなと思います。それから、宗教が生活の中に根づいていますね。日本はお葬式や何かはあるけれども、生活の中に根づいているという点では残念ながら外国の方が大きいんじゃないかなと。 そんな意味で、同じようなふうに考えられないのは当然のことでありますが、いま先生がそういうふうに言われたように、国民みんなでこの自然というものを大事にしていこう、人のことじゃない、自分のことだというふうに思ってもらうのにはどういうふうにしていったらいいのかな、われわれはどうしたらいいのかなというようなことは常に考えているわけでございますが、何かいい知恵があったら、ひとつ教えていただきたいと思います。
○岩垂委員 これは私、大蔵省とやりとりをしたことがあるのですが、一つは税金のことがあるのですよ。これは租税特別措置法の新設というのはかなりむずかしいということを言われまして、確かにそれは私ども壁は厚いなという感じがいたしました。しかし、それはここに書いてあるように、地方自治体みたいな形でかかわっていく。かかわり方はいろいろございます。この中に、「あなたは、左記の土地および自然を保全するために拠金されましたので、登録を行い、これを証明します。斜里町は、あなたに代ってこの土地を所有・管理し、植樹して永久に厳正保存いたします。」ある程度そういうものを守っていただけるんだなという信頼感、これは税制の面とあわせて地方自治体などのかかわりというものが生まれてくるとかなり事情が変わってきます。 そうはいいながら、知床のような経験はどこでもやれるものじゃないのです。恐らくこれが初めてだったからみんなそれを支えてくれたと思うのです。だから、その地域地域で、つまりローカルなコミュニティーの社会の中でそういうものをつくっていく運動が必要だろう。これはまた維持管理が大変なんです。そういうときに地域地域の運動を呼びかけていく、これが第一でしょう。しかし、それだけでは不十分です。だから、できれば、環境庁の特定所有地買い上げ補助事業十一億四千三百七十何万ですか、あるわけですね。これをすぐ横で使えるわけじゃないんだが、この種の予算があるわけですから、環境庁自身が財団なり何なりで一定のファンドをつくっておいて、そしてそのファンドを軸にして全国的に運動を広げる、買い上げの予算というんじゃなしに、そういうふうなことを考えていくべき時期がいま来ているんだろう。皆さんも言っていらっしゃるけれども、ちょっと国民の価値観みたいなものが量から質というふうに変わってきている傾向というものが一般的な意味でも指摘されているわけですから、こんなことをぜひ私は考えていただきたいと思うのですが、これは自然保護局長がせっかくいらっしゃるから、ナショナル・トラストについて若干御意見を伺いたい。それから決意を少し述べていただきたい。
○正田政府委員 基本的にはただいま大臣が御答弁申し上げたとおりでございますが、私、このナショナル・トラストというものを日本に持ち込んで導入して定着を図ったらすばらしいものだろうと思っておりますが、やはり基本的にどういう点がいいかということを私自身考えてみましたら、自然保護に国民が積極的に参加する、これが第一点だろうと思うのです。これは裏を返せば、現在自然公園法という制度でいろいろな規制を行っていますが、その規制外の地域において、地域にはいっぱいいいものがあるからこれは地域の人が守ってもらいたい、あるいは守っていくという気持ちだろうと思うのです。 それから第二番目は、市民が自分の自由な発想でもって、ああいうところとかこういうところとかをこういうふうにしていくという、こういう発想があると思うのです。これはいままでないことでございますから、これはやはり育てていくことが一番大事で、いわばいままでの官主導型から民間の方へという流れが考えられると思うのです。それによって自然保護というものを国民一人一人が自分でやるということだと思います。 さっき大臣がちょっとお触れになられましたが、問題は、風土がずいぶん違いますね。風土が違うのでどうやったらいいかということをいま考えておるのでございますが、知床のケースというのは非常に画期的だろうと思うのです。まさにいろいろな点でメリットが多いと思いますね。ああいうような方式、つまり、日本の場合は、特定のものをローカルの中において公共団体が関与してあるいはある程度主体になってやっていく、そうすると税制の問題でも相当問題がなくなります、おっしゃるとおり。それから維持管理も大分楽になりますね。それから、先ほど先生がおっしゃった、現在民有地の私権調整のためにございます特定民有地の買い上げ制度、これ自身が十分に機能しているかどうかという反省もございまして、これもどうしたらいいかということを考えますが、できればこのトラストの問題と兼ね合わせて考えられたら非常にいいなと思っておるのでございますが、まだその点は模索状態でございまして、いま中で研究いたしております。 しかしながら、立法とか租税法の改正というのはなかなか大変でございますし、日本で若干その風土というか客観的な基盤整備をやってみたい。そういうような行政誘導的なものを少し積み重ねていって、それから状況を見て、いろいろなものを反省すべき点は反省してやってみたらどうか、大体こんなようなデザインを頭の中で描いておるところでございます。
○岩垂委員 全国のレベルから見て文化財的な意味だとか守るべき自然というものの価値が決して十分でなくても、ローカルな市民にとってあるいは地域の人々にとって、それはかけがえのない歴史的な遺産であるというケースがたくさんあるわけです。全国でいろんな種類があると思うのです。だから、これは簡単にできることからお願いしたいのですが、保護すべき自然だとか、いま私が言った歴史的な環境についてのリストアップをやって、その観賞や利用の方法などについて広めていく、お知らせしていく、そういうセンターをぜひ環境庁でつくっていただきたい。これは財団の出発点になると思うのです。どうですか。金のかかることではないですよ。トラストをやるためにぜひほんのささやかな第一歩を踏み出していただきたい。いかがですか。
○鯨岡国務大臣 将来を見通してきわめて重要な御提案でございますので、よく考えてみたいと思います。
○岩垂委員 あちこち飛んで恐縮なんですが、私、時間が余りないものですから急いでしまって深く詰めることができないのですが、自動車公害についてちょっと御提案をしておきたいのです。 環境庁は、私どもやかましく言ったことも含めて排ガス規制をやってきましたね。それから騒音や振動についても対策を進めてきたことは私も理解いたします。また、さきの九十一国会でしたか、幹線道路の沿道の整備に関する法律というのが成立をいたしました。しかし、焼け石に水という言葉がありますけれども、自動車はどんどんふえているという状況のもとでは、こうした後追い的な対応で国民の健康や生命を守ることはできない、限界に来ている、私はそういうふうに言いたいのです。利便さを無制限に許容しておいて、道路運送車両法などでお茶を濁していくやり方というのはいかぬという意味で、交通公害対策について、たとえば交通公害防止法というような総合的な立法をやらないと、正直どうも間に合わなくなっているのではないか。これはやはり個々の自動車の規制をしてみたところで、量がうんとふえていけば、とてもじゃないけれども環境は悪くなるに決まっているのです。だから、そういう交通量と言われるものを含めた対応をすべきときがいま来ている。ただいますぐやれと言ったって、あしたできるものではございません。したがって、問題意識として、自動車公害防止法あるいは交通公害防止法というふうな総合的な立法の必要があるのかないのか、そのことについての環境庁長官の認識と、恐らくあるとお答えになると思うので、そうでなかったら国民の生命や健康が守れませんから、それについて具体的な手だてへ一歩踏み出す御答弁をいただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 環境庁としては、交通公害対策を八〇年代の重要な課題としてとらえておりまして、現在講じられている対策の格段の拡充強化を今後とも図っていくとともに、交通公害の根本的な解決を図るために、中央公害対策審議会に対し、昨年の六月に今後の交通公害対策のあり方について諮問し、鋭意御審議を願っておるわけであります。 交通公害の中で自動車の交通公害の問題を解決するには、とりわけ各種の諸施策を総合的に推進しなければならないことはいまお話しのとおりであります。自動車交通公害対策関係の法律を見ましても、公害対策基本法、大気汚染防止法、騒音規制法、振動規制法、道路交通法、幹線道路の沿道の整備に関する法律など多岐多様にわたっていることもいま先生御指摘のとおりであります。したがって、自動車交通公害対策を進める上での法制面での問題として、現行法制度の活用策を検討するとともに、御指摘のように、総合的な立法を含めて新たな立法の必要性、可能性などについて慎重に検討してまいりたいと現在考えているわけであります。
○岩垂委員 必要性というのはわかっているのですよ。可能性だって、法律はいろいろ抵抗があるだろうけれども、必要性はわかっているのです。問題は、長官はそういうことが必要だと恐らくお考えになっていらっしゃると思う。だから、必要かどうかという議論をする前に、そんなことは抜かして、環境庁長官は、総合立法については制定を目指したい、だから中公審に出したのでしょう。口に出すか出さないかは別として、その辺の問題意識がなくていきなり中公審にかけたのではないと思う。その辺は非常に時間のかかることだと思います。来年できるとか再来年できるというしろものではないと思うが、しかし、やはりその方向を出して積み上げていく、だから総合的な立法措置が必要だと思うという御判断をいただきたいと思うのです。
○鯨岡国務大臣 全くそのとおりと考えております。ただ、そういうのをどういうふうにやったらいいのかということはとてもむずかしいことでございますので、あの審議会に諮問をしている、こういうことでございます。
○岩垂委員 わかりました。これは大変重要なことだと思うのです。いまばらばらになっているでしょう。ある意味でレベルもまちまちなんです。これではどうにもならぬと思う。ディーゼル規制をやってみたところで――それはやることを求めますが、しかし、やはり根本的に考えるべき時期が来ていると思いますので、御検討いただきたいものだと思います。 あちこち飛んで恐縮ですが、これは大気保全局長になるのかな、カラオケの問題をちょっと聞きたいのです。 実は、私のすぐ近所に問題があって、私も相談を受けてえらい目に遭ったことがございますから、かなり身にしみて申し上げたいのですが、地方自治体に全国からどの程度の苦情が寄せられているのか、トータルしたことがあると思いますから。それから、幾つぐらいの地方自治体で条例をつくっているか。そのことを最初に簡単にお答えをいただきたいと思います。
○三浦政府委員 まず、苦情でございますが、昭和五十四年度の都道府県の公害部局、市町村の公害部局で受理した苦情件数というのは、深夜営業騒音で四千二百二十件ございました。そのうちカラオケによるものは約半数でございます。 それから、都道府県でいろいろ条例等でやっておるわけですが、昨年の十月に具体的な規制内容を盛り込んだ留意事項を私ども都道府県の方に示しておりますが、その後、都道府県の方でこの内容を踏まえながら公害防止条例の改正を行ったのは山形県一県でございますが、現在、県の議会で審議中のものが愛知県とか茨城県とかございますが、なお五十六年度中に公害防止条例の改正を予定している県というのは十九県ございます。
○岩垂委員 あなたの名前で各都道府県の知事に、深夜営業騒音等の規制についてという、これは要請ですか指導ですか、文書が出ているのですね。これで見ますと、音響機器の使用禁止時間というのは、「おおむね午後十一時から翌日午前六時までの間」、と書いてありますね。 ところが、もうごらんになっていらっしゃると思うが、ついせんだって、ことしの一月二十八日に横浜の地方裁判所で判決がございました。仮処分の決定ですが、ここでは「午後一〇時から翌朝午前八時」、十時から午前八時ですよ、「カラオケ装置を自ら使用し若しくは第三者をして使用させてはならない。」という仮処分命令が出ました。債務者はこれの控訴をあきらめていますから、ある意味では確定をしたわけですね。 大気保全局長つまり環境庁の要請というのは十一時、判決は十時となっているわけです。これはどうなさいますか。
○三浦政府委員 この問題は非常に地域的な特殊性がございますので、一応おおむね十一時、こういうことで私どもは示したわけでございますが、判決につきましては、またそれはそれなりに私どもいま非常に大きな関心を持っておるわけでございます。
○岩垂委員 判決を見ますと、「騒音による生活妨害は、肉体的、精神的自由の侵害であるから、人格権の侵害として捉えることができ、その程度が社会生活上受忍するのが相当であると認められる限度を超える場合には違法な侵害として、人格権に基づく妨害排除及び妨害予防請求権による差止めの対象となるものと解すべきである」と言っていますね。 それから、神奈川県条例のことに関連をいたしまして、神奈川県条例は、第一種、第二種住居専用地域というのは、午後十一時から午前六時までについて四十になっています。だけれども「右条例の規定は騒音の測定地点を工場等の敷地境界線上の地点とするものであり、騒音の発生源である本件店舗と被害住居とが同一建物の階下と階上にある本件の位置関係からみてその規制基準をそのまま本件の基準とするのは適当でない上、右条例は本件のようなカラオケ騒音を直接規制の対象としたものではなく、従って深夜のカラオケ騒音が安眠に及ぼす被害の特殊性が全く考慮されていないものであるから、前記疎明のとおり本件騒音の測定結果が平均三五ホーンであって右条例の規制基準内にあるからといって直ちに受忍限度の範囲内であると判断することは到底できない。」というふうに判決は言っています。 あなたは、全国的にそれはまちまちだ、だから十一時でいいんだとおっしゃるけれども、そうすると、住居の密集しているところも十一時でいいんじゃないかということになるわけです。だから、そういう特殊なケースというものの方が苦情が来るところは多いのです。だから、十一時というものを、それでいいのか悪いのか、この判決を見直して再検討するということが必要ではないか。あなたの通達ですから、御答弁を願いたいと思います。
○三浦政府委員 先ほども申し上げましたように、非常に地方的な特色がございますので、私ども、議論の中では十一時とか十二時とかございました、しかし、一応統一的な見解として、おおむね十一時、あとはひとつ地方の方で、いろいろ特殊事情もございましょうし、いろいろ御判断していただいてお決めください、こういうことでお願いしてあるわけでございます。
○岩垂委員 通達を出したことは私は結構なことだと思うし、ある意味で時宜を得ていると思うのですよ。思うけれども、あなたが出したものがある意味で一つの基準になってしまって、やはりそこで押さえて、それ以上はもうあきらめろと言わんばかりの対応になっていく可能性があるのです。 そこで、具体的に言いますけれども、現在の特定工場などについて発生する音量の規制基準というものを、いま申し上げたように、集合住宅に当てはめることはどだい無理がありますね。それは認めますね。だとすると、集合住宅内部における騒音トラブルを適切に解決するために、新しく集合住宅における騒音の規制基準、こういうものを設ける必要があると恐らくお考えになっていらっしゃると思うが、はっきり答弁をいただきたいと思います。
○三浦政府委員 いまの騒音規制法では敷地境界ということになっておるわけです。したがいまして、私が先ほど非常に大きな関心を持って答弁申し上げましたのは、集合住宅のような場合にはどこを境界にするかという非常にむずかしい問題がございます。最近、げた履き住宅と申しますか、そういうのが非常に多いわけでございまして、そういう場合の騒音は一体どういうところではかるべきかということを、いま先生の御指摘をいただきましたけれども、私どももいま内部で検討を始めているわけでございます。
○岩垂委員 それはいつごろまでにまとまるのですか。いまおっしゃったように、物すごい数の苦情が出てきているわけですから、やはりめどを明らかにしてください。
○三浦政府委員 これは、この種の要望がかなりございますので、私どもできるだけ早くやりたいと考えております。
○岩垂委員 それと、調査する手法がまだまちまちだという感じもするのですよ。だから、都道府県にしてみても、そこのところはやはり何とかしてほしいものだというふうにかなり言っていますので、それも急いでいただきたい。よろしいですか。
○三浦政府委員 いま騒音問題は一応ホンということになっておりますが、その手法は、先生の御指摘の点もございますが、そのほかにもまだ学会からいろいろな注文もついてございますので、私どもそれらも含めて検討したいと考えております。
○岩垂委員 さっき藤田先生が指摘をされましたが、例のSO2の測定法の問題。もう時間がありませんから長くは言いませんが、溶液導電率法というのですか、やはり川崎などでも大変関心がございまして、問題は前から指摘してきたのですよ。自治体はそれなりに対応していますけれども、やはりこれを機会にして実態をきちんと調査して、そうしてそういう問題点というものを国民に知らせて、その上で対応していくということが絶対必要だと思うのですよ。これは長い間問題になっていたのですから、そういうことが言われる前にやはり対応を示していくということが必要だと思うのですが、その点御答弁をいただきたいと思います。
○三浦政府委員 亜硫酸ガスというのは、非常に濃度の高い時期には問題にならなかったのですが、だんだん減ってくると非常に微量な影響というものが問題になってまいりまして、私は先ほどもお答えを申し上げたのですが、精度の向上というものは常に私ども心がけておるわけでございます。先生の御指摘のように、負の影響の出るものもございますし、正の影響の出るものもございます。われわれはわかった段階で、昨年の二月に県の方にいろいろ指示もしてございます。これらにつきまして、また県の方で予算を伴う話でもございますので、一度何らかの機会に徹底的に調べておきたいという気持ちは持っております。
○岩垂委員 予算が必要なんですよ、本当に。だから、その辺も含めて対応をしていただきたいと思います。 本会議の時間ですから、もう時間を延ばすわけにはいかないので約束を守りますが、最後に一つだけ。 私が提案をいたしまして、多摩川流域の環境保全連絡会議ができました。六年たったのかな。水質部会の報告はいただきました。まだその自然環境保全の方の部会の報告が大変おくれております。何回か催促をいたしているのですが、それなりにいろいろな問題があって時間が延びているんだろうと思います。速やかにそのレポートを出していただきたいということと、そのレポートの中身にはどんなものが盛られるかということについて御答弁をいただきたいと思います。
○正田政府委員 調査の中身につきましては近くまとまると思います。中身についてよく検討しまして、今後の問題点、対応点を考えながらいろいろ御相談申し上げたい、こう思っております。
○岩垂委員 だから中身、その方向。川の中だけでなしに外も含めてという……。
○正田政府委員 調査の中身ですね。はい、わかりました。
○岩垂委員 それじゃ、以上で終わります。
○山崎委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時五十一分休憩 ――――◇――――― 午後二時二十九分開議
○山崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。土井たか子君。
○土井委員 かねてより環境庁とされましては大変御努力の積み重ねをいまされているところでございますNO2の総量規制の問題で、行政レベルでの折衝は一体どういう状況にただいまなっておりますか。それは実は、大気汚染防止法の施行令の改正ということが具体的な作業になるはずでありますが、政府部のいまの調整状況、それはどういうことになっておりますか。その辺からひとつ承りたいと思います。
○三浦政府委員 私ども政令案をつくりまして、先月の二十日に関係する各省にお配りしていろいろ中身の検討をやっておる段階ですが、当初六地域ということでいろいろ調査もやっておりましたが、東京、神奈川、愛知、大阪と、一応この四地域を政令案で地域指定をしようということで、各省といま話し合っておるところでございます。
○土井委員 それでは、いまおっしゃいました四地域が当面の規制地域になるわけですが、その四地域のさらに対象範囲というのが大変問題になってくるだろうと思うのですが、その対象範囲などについてはどういうふうに考えたらよろしゅうございますか。それは作業としてはまだこれからなんですか、それとも、いまもうある程度政令の一部改正の中で、その問題も含めて案としてきちっと御用意なすっていらっしゃるのかどうか、その辺いかがですか。
○三浦政府委員 対象範囲というのは、私どもSOxの地域と同じ地域を対象に考えておるわけでございます。
○土井委員 SOxのときと同じ対象範囲と申しますか、対象地域というのを認識されているというのをまずそれで承っておきたいと思うのですが、いまずいぶん調整に難航されているようですね。何かいろいろ新聞紙上でもこの問題が取りざたされておりますけれども、いかがなんですか。これは第八十四回国会、公害健康被害補償法の一部を改正する法律案を審議いたしまして、そしてこれを採決するときに、附帯決議なるものを満場一致でここに認めております。その附帯決議の中の第四というのを見てまいりますと、「窒素酸化物の規制については、排出基準を一層強化するとともに、脱硝技術の開発の促進等により、総量規制方式の早期確立を図ること。」とちゃんと書いてあるのですね。「早期確立」と書いてあるのです。しかも、そのときに大臣は、この附帯決議に対しまして努力いたしますという、責任ある約束をされて今日に至っているわけでありますが、この国会決議があり、しかも、これはお伺いしたいのですが、環境庁とされてもすでに総量規制の問題は決定をされて事に臨まれているはずだと思いますが、その点はいかがなんですか。
○鯨岡国務大臣 きょう午前中にも同じ趣旨の御質問がありまして、その際にも明確にお答えをしておいたのですが、いま土井先生おっしゃるとおり、〇・〇二だった基準を〇・〇四から〇・〇六というふうにおろしたときに、非常に問題がありまして、しかしながら〇・〇六におろした以上は、それより悪い状態のところはどこを探してもないというようにしたいけれども、いまは御勘弁ください。いますぐといってもなかなかできない。そこで六十年までに必ずやります。また、やりなさいという附帯決議、いまおっしゃられるとおり衆参両院にありましたし、必ずやりますということを当時の長官は言明して約束しているわけであります。ですから、われわれはそのようにしたい。そのためには、今度政令で地域を指定しなければならぬ、そう考えていま鋭意努力をしているところであります。
○土井委員 その鋭意努力をされている環境庁の環境庁告示というのが、もうすでに出ているわけなんです。その告示に対して、満場一致で可決をいたしましたこの附帯決議という立場からいたしましても、与党とはいえ自民党一党がこの問題に対して待ったをかけるとか、さらに横やりを入れるとかいうふうなことがありとしても、環境庁としては断じてそういうことに対してふらふらしない、それに対しては曲げないというふうなことをお約束していただけますか。
○鯨岡国務大臣 いろいろ諸般の事情を心配して、心配の余りいろいろわれわれに忠言をなさっておられる方々があることは言うまでもありません。お察しのとおりでありますが、われわれはそれによって基本の方針を変えるというつもりはありませんし、また御注意くださる方々だって、基本の方針を変えていいと考えておられるのではないと私は信じます。
○土井委員 それは環境庁長官はその辺の説明は非常に上手な長官ですから、いろいろ人の気を悪くしないような配慮をなさりながら御答弁をなさるのを承っていて、まことに非常に上手な御答弁だなと思うわけでありますが、しかし、事実は、御進言とかいろいろな御助言とかいわれていても、御進言、御助言が一体どっちの立場に立ってなすっているかということによって、場合によったら御進言にならない、御助言にならないということも、私たちはすでにこの国会の附帯決議を踏んまえた上で問題にしていかなければならないなと思っています。そういうことをまず予告しておいて、中身で問題にしましょう。 NOxの環境基準の昭和六十年度達成といういまある環境庁の告示、これは至上命令と申し上げてもいいと思いますが、その六十年達成ということから見まして必要な今後の作業というものを踏んまえた場合に、タイムリミットというのは一体いつごろだというふうにいま考えていらっしゃるのですか。
○三浦政府委員 私ども一応政令の改正を今年度内にやって、五十六年度一年かかりまして都道府県知事が削減計画をつくります。それはいろいろ私の方とも御相談しなければならぬ問題ですが、五十七年度から着手して六十年度達成、こういうスケジュールでいま考えておるわけでございます。
○土井委員 そうすると、当面は、今年度というと、この三月いっぱいに政令の改正ということを具体的に実施しなければならない段階だというふうにまず理解してよろしゅうございますね。
○三浦政府委員 そうしたいということでいま努力をしておるわけでございます。
○土井委員 環境庁長官、いまその努力のほどを局長はおっしゃっております。長官とされては、やはり六十年度達成という告示を実施するということが、いわば先ほどから繰り返し言うように至上命題だということでもありますから、三月いっぱいに政令の一部改正という作業はぜひ達成させなければならぬ、これは確認をさせていただいてよろしゅうございますね、大臣。
○鯨岡国務大臣 六十年には〇・〇六よりも悪いところはなくしなさいということは衆参両院の附帯決議、そしてまたそうしますと言って約束した以上は、政治でも行政でも約束を守るということが一番始まりだと思いますから、これがいいかげんになったのではいけないと思いますから、そうしたい。それには本年度中に政令でもって決めないと、知事さんの方で作業する日にちに食い込むわけですから、知事さんに一年かかって計画を立てていただくためにも、本年度中にどうしても政令で指定したい、こう考えて鋭意努力をいたしておるわけであります。
○土井委員 そこで、先ほどの四地域ということで、当面はこの作業は政令の一部改正という方向にいくことが進んでいっているということに先ほどからの御答弁を総合すると相なるわけですが、この四地域以外の、当初環境庁としては指定をされていたあと残る二地域、これは現状においては取り残しというかっこうのままで、四地域に対してとりあえず三月いっぱいにそれでは政令一部改正ということで取り扱いを進める、こういうかっこうになるわけでありますか。
○三浦政府委員 兵庫県につきましては、六十年には〇・〇六ぎりぎりのところですけれども大体クリアできる、こういう県の調査結果をいただいておりましたが、その後神戸市からまた別な調査結果が出てまいりました。また、尼崎市等の意見もまた違います。したがいまして、これにつきましては、県に県内でよく御調整ください、こういうことで保留にしてございます。 それから、福岡県につきましては、六十年には大体〇・〇六は達成できそうだ、しかし、むしろその後の石炭転換、燃料転換に伴ういろいろな問題がございますので、もう一度さらにその先を目指した調査も必要じゃないか、こういうことで、もう少し再検討してくださいということでこれも保留になっておるわけでございます。
○土井委員 いまの御事情は、前回の当委員会における質問に対する御答弁をいただいたときと一つも進展せずに同じ状況なんでありますが、ただ、兵庫県としてはこの問題に対して歩み寄られるような気配がございますか。いかがですか。環境庁に対しましていろいろといまの総量規制に対して歩み寄るということの可能性があるように環境庁としては現状を把握していらっしゃいますか、どうですか。いかがですか。
○三浦政府委員 いま県内でいろいろ調整をとっているのではないかと思いますが、私どもその辺はいままだわかりません。
○土井委員 環境庁とされては、福岡県の場合も同じでありますか。
○三浦政府委員 福岡県の場合は、これから長期的ないろいろな調査も加わりますので、兵庫県とはちょっと事情は違います。
○土井委員 事情の違いというのを踏まえながら、両県に対してできる限り早く、しかし総量規制ということで臨んでいくということが環境庁としてはあるべき姿であるというふうな認識でいままで事を進めてこられたし、これからもお進めになる、このことはそう考えておいてよろしゅうございますね。
○鯨岡国務大臣 福岡県の方を先に申しますが、局長から答弁いたしましたとおり、福岡県は六十年には当面お約束をいたしたことは何とかできそうだ、むしろわれわれとしてはそれ以後のことが心配なのだということで、当面の問題は、いま局長が言われたように、できないというのじゃないのですから、できると言うのですから、それはそれなりに考えていく。 兵庫県の方は、どういうことなのですか、初めのうち兵庫県は何かできそうだというような話だったのです。しかし、どうも兵庫県の中の神戸市はできないと言うし、いろいろありまして、やりとりがある中で、三月二日に私あてに知事さんからお手紙が来たのですが、このお手紙の内容を読んでみてもよくわからないところがありますので、いま問い合わせで、どういうことを御懸念に思っておられるのか聞いている最中であります。 〔委員長退席、中村(正三郎)委員長代理着席〕
○土井委員 いまの事情に対しての御説明を承った限りで、兵庫県の場合と福岡県の場合はそれぞれ事情が違うということが非常によくわかります。 そこで、大気汚染防止法の第五条の二というところに従って考えますと、工場、事業場の集合地域、それから環境基準の確保が困難な地域、これに対しては総量規制をするということになっていると理解してよろしゅうございますか。いかがですか。
○三浦政府委員 そう理解していただいて結構でございます。
○土井委員 この理解の上に立ちまして、総量規制を実施しなくても六十年度には必ずこのいまの環境基準を達成できる、兵庫県の場合には現状ではそういう判断をされているということに結論としてはなるだろうと思うのですが、その判断根拠というのは一体どういうところにあるのか、そしてそれに対して環境庁側はどういう見通しを持っていらっしゃるのか、この点はいかがなんですか。
○三浦政府委員 兵庫県の場合は、ともかく六十年には環境基準を達成できるという調査結果を私どもの方に持ってまいってきております。それをそのとおりに受け取れば、私ども別に総量規制の対象地域にする必要はございません。しかし、調査の中身につきましていろいろ問題があるものですから、それで、もう少し御検討ください、こう言っておるわけでございます。
○土井委員 兵庫県から出されている判断根拠ということに対して、環境庁としてはまだこれでは理解ができないという立場を平行線のようにいまはずっと続けていられる状況だ、あらましこのように理解しておいていいわけですね。
○三浦政府委員 疑問を投げかけてあるということでございます。
○土井委員 そこで、兵庫県会等々でこの問題が討議されている点について検討をしてみたり、それから、県自身がこの問題に対して発言をされているところなどからいろいろ考えてまいりますと、県自身は移動発生源対策というものが不可欠だというふうに言っておられるようであります。そして、固定発生源については、公害防止協定を県としては踏まえてその成果がどんどん上がってきているから、現時点においては幹線道路の周辺というところで窒素酸化物の高濃度汚染地点ということが認識されなければならない。しかし、この問題については、総量規制ということではなくて、いわば幹線道路周辺における発生源であるいろいろな自動車の規制をどうするかということから別枠で考える必要があるというふうに認識をされているように思われるのです。私このように理解をしているわけですが、間違っているでしょうか。
○三浦政府委員 私どもは、沿道、沿線に人が住んでおるわけでございますから、一般住宅地もそういう沿道、人の住んでいるようなところも全部〇・〇六以下にしていただきたい、こういうことでやっておるわけでございます。
○土井委員 そこで一つ、それに関連がございますのでお尋ねをしたいのは、兵庫県の場合には、御案内のとおりにいろいろ芦屋、それから西宮、尼崎、ずっと治岸連続いたしました港湾計画がございます。港湾計画に伴う埋め立て計画がございます。そして、さらにその沖合いに、建設省所管ということになりますが、いま大阪湾岸道路計画がございます。いろいろそういう大型プロジェクトというのがどんどん開発計画として進められてまいります中で、先年中央港湾審議会におきまして、この芦屋、西宮、尼崎の港湾計画の改定をめぐって、アセスメントが必要である、そして、特にNO2の環境基準達成の前提になっている対策の進捗状況というのをやはりその場合に環境濃度の改善状況として認識しながら見る必要があるという意味も含めて、環境庁からある一つの申し入れをなすったというふうにわれわれは聞いておりますけれども、これはそのとおりに理解していいのですか。
○藤森政府委員 私の方から、ただいま先生御指摘のような何項目かにつきまして、私の方の考え方といいますか、問題点を指摘をいたしておることは事実でございます。
○土井委員 具体的にNO2の問題についてここで記載があるかないかということはちょっとおきまして、いろいろその場所で環境庁側から申し入れをされた中身を兵庫県の方に指示されていることとして、計画の実施、特に土地利用の具体化に当たって環境保全上の検討をさらに進めるよう配慮するとともに、実施に当たっては関係住民の理解を得るよう一層努められたいという趣旨の、兵庫県知事あての通達と申しますか、公文書と申しますか、これを環境庁としては送付されているやにわれわれは聞き知っておりますけれども、これもそのとおりでございますか。
○藤森政府委員 五十二年六月二十日に環境庁の見解を兵庫県知事あてに通知をいたして検討をお願い、しております。
○土井委員 一方でそういうことがあり、そうして、今回NO2の総量規制については、自動車については交通総量の削減対策と削減量の見通しがまず必要であるというふうなことで、固定発生源については総量規制の対象とすることが当然必要だけれども、幹線道路周辺についてはどうもこれを総量規制の対象から外すというふうな姿勢で事に臨んでおられるというのが、端的に申し上げると兵庫県の立場であるように思われます。これはこのように考えてよろしいか。
○三浦政府委員 兵庫県の今回された調査が、幹線道路から少し離れたところの住宅地の予測に向くようにできておった。したがって、私ども、幹線道路も全部含めて調査を各県しておるわけですから、それでは少し見通しが甘過ぎませんか、こう思っておるわけでございます。
○土井委員 そうすると、別にすっぽり外されているということにはならないんですね。一応は認識はされておりますけれども、測定地点というのがどうももう一つ適正を欠いているのではないかというところに問題がある、こういうことになるわけですか。
○鯨岡国務大臣 それは私どもの方から見れば、いま局長から言われたように、道路のところに人が住んでおるわけですから、道路のところではかるということにしていただかないと、われわれが考えているようなことにならぬのではないかということで、多少見解が違っていたということは事実のようであります。
○土井委員 これは繰り返しみたいになるかもしれませんが、兵庫県の場合は、他県と比べましてもいろいろと大型開発というのがここ数年の間さらにどんどん進むということが計画予定の中にございます。先ほどの港湾計画についてアセスメントの必要性が説かれておりますものの、このほかに関西新空港、すでに昨日から開催がなされております神戸のポートアイランド、それからさらにこの埋め立て計画ですね。それからもう一つ申し上げるとフェニックス計画等々、後から後から、問題にしていかなければならない移動発生源がどんどんふえていく要素というのがこれから増大すると考えていいわけなんです。そういうことも念頭に置いて、仮にそういう移動発生源がこういう大型開発計画に伴ってふえるということを入れましても、本当に六十年度以降環境基準達成維持というのが可能なのかどうか、この辺も配慮の中に入れて兵庫県と環境庁は交信されているかどうか。いかがでございますか。
○鯨岡国務大臣 それはいろいろな事情ありますよ。特に兵庫県のごときはいろんな事情というのが特段とあるところです。船から出るのもありますし、それから神戸港から揚げて大阪へ運ぶ、大阪までどうして船で持っていかないのかなと私ども素人は思いますが、神戸で揚げて道路上を大きなトラックで大阪に持っていくというようなこともだんだん多くなってくるという事情もあります。ですから、そういうようなことを全部頭に入れて六十年に〇・〇六ppm以内に押し込めるというのはなかなか容易でないでしょうけれども、どういうふうにすればいいんだろうかということについて、知事さんにひとつお考えをいただけないか、こういうことでございます。
○土井委員 その問題としてはそのとおり非常に重要なことではありますが、片や移動発生源対策として発生源に対することと周辺整備と、前回にも問題にいたしましたけれども、両方ございますね。しかし、ふえてしまってからどうこうするというのは後追いなんで、ふえる前にどうしていくかということが実は大変大事な段階であり、大事な予防を込めての問題だと思いますね。そういうことからすると、この総量規制とあわせてこういう開発計画の抑制というのも環境庁としてはフォローしていかなければならないはずだと、私自身は考えている一人なんですが、環境庁長官は、こういう問題に対してどのようにタッチされていますか。
○鯨岡国務大臣 それはいろいろな場合があるでしょうけれども、いずれの場合についてもアセスメントを十分にやっていただかなければならぬ、そういうふうに考えておるわけであります。 〔中村(正三郎)委員長代理退席、委員長着席〕
○土井委員 そのアセスという以前に、そこにそういう大規模開発をさらに続けることによって、総量規制を幾らやったって発生源がどんどんふえていって状況が悪化するということがはっきり予見できる、そういう場合には、単なるアセスメントだけでなくて、計画変更も含めて、場合によったら計画の取り消しまで含めて、長官としたら意見がお出しになれるのではないですか、法上。
○鯨岡国務大臣 細かく申しますれば、これは兵庫県に限らずどこの県にも申し上げているのですが、自動車を乗用自動車とトラックに分けて、乗用自動車の方は先生御承知のとおり厳しい規制をした。ところが、厳しい規制をしたいい自動車ばかり走っているわけじゃない。その点については、まだ不十分な自動車が半分以上走っていますから、これが六十年くらいになれば全部いい自動車になりますから、そうするとこの面だけで言えば五十何%というものは減りますよ、これを勘定に入れておいてください。それから、トラックの方も勘定に入れていただきたいんだが、トラックの方はいまのところ勘定に入れてもらえないんだ。そこで私どもは、トラックの方にいって、厳しくお願いをして、六十年と言わずに、いま先生言われたようにだめになってからでは遅いのですから、五十八年までに考えてください、もしも考えられない場合には交通規制をせざるを得なくなりますよということを言っているのです。そのことを申し上げて、それらを勘定に入れて、いまある工場の数とか、いままで工場が御努力願った跡とか、これから開発されていく道路とか、そういうものを全部勘定に入れて、いかがでございましょうか、六十年までに大丈夫でしょうか、もしもだめならどこをどうすればいいのでしょうか、交通制限等のことも含まれるでしょう、ひとつお考えください、そしてお考えくださったらばそれに基づいてわれわれも努力をいたしましょう、そしてまた、お考えくださるまでに、あなた任せじゃなしにわれわれの方も参画いたしましょう、こういうことを申し上げているわけであります。
○土井委員 それはだれに対して申し上げているわけでありますとおっしゃっているわけですか。
○鯨岡国務大臣 知事さんに対してであります。
○土井委員 知事さんに対しておっしゃると同時に、いま申し上げているのは、開発計画の部面についても、その関係省庁というと、建設省であるとか運輸省であるとか等々ありますから、その協議の場、あるいは環境庁の長官が、意見が具申なされますから、そういう機会に、こういう問題を踏まえてその大型開発計画にもチェックをしていただくということが当面大変大事な問題だと私は思っていますが、この点はいかがお考えですか。
○鯨岡国務大臣 そういったようなことが目に見えているわけでございますから、もしここへもう一回一つ大きな道路をというようなことの計画が耳に入りますれば、それ以上やったら困りますね、それにはこうしなければだめですよ、そこはもう目いっぱいですよというようなことを私どもの方から御進言を事業所を許可するところへ申し入れるということは、先生おっしゃるとおりできることですし、しなければならぬことだと考えております。
○土井委員 そこで、総量規制そのものについて見てまいりますと、すでにSOxについては実施をされているわけですね。このSOxの実施の場合に、環境基準を現に超える地域と超えるおそれのある地域というものを対象にするということがたてまえであったはずでありますが、この点はそのとおりでございましょうか。これは一応確認をさせておいていただきます。
○三浦政府委員 先生おっしゃることがたてまえでございました。
○土井委員 そうして、最初に私がお尋ねしたときに、この四つの地域の対象範囲と申しますか、地域指定についてはSOxの場合と同様にということをおっしゃっております。それからいたしますと、この四地域はほぼ現に超えているというふうに認定をされて、その結果総量規制の網をかぶせるということになっていると思うのですが、残り二地域は超えるおそれのある要件ということに合致しているのか、していないのか、それはいかがなんですか。
○三浦政府委員 福岡県につきましては、〇・〇六は六十年には達成できます、むしろその後のいろいろな問題が出てきますということでございます。 ただ、兵庫県につきましては、先ほどから申し上げておりますように、県の見解に私どもちょっと疑問も投げかけている、県内でまたいろいろ意見の違いがある、こういうことでございます。
○土井委員 見解の相違ということ以前に、これはSOxの総量規制地域と適用の仕方というのはすでにもうあるわけですから、それから推してまいりますと、今回のNOxに対しての認識というのが大変大きな相違があるのじゃないかということを思わざるを得ないのです。別にSOxと違った取り扱いをするという決めがあれば別ですよ。しかし、そういうものがなく、これはSOxと同様の総量規制の方式でやっていこうということになりますと、現にこの公害白書の中から見ましても、SOxの総量規制地域の中に神戸があり尼崎があり北九州市が入っております。だから、そういうことからしても、これはNO2について対象地域から外れていくということのいわれがどうも納得できないように私は思えてならないのですが、この点はどうなんでしょう。
○三浦政府委員 先生おっしゃる地域の問題、私どもが考えております四地域という問題と、それから地域の中でさらに指定地域がございますね、その指定地域を私、最初にSOxと同じ地域を考えております、こう申し上げましたのは、要するに、SOxの総量規制の地域の設定をするときに、都市の活動形態の一体性とか、あるいはばい煙発生施設の分布の状況、あるいは燃料の使用状況、あるいはまた大気の汚染の状況とか、それから地形とか気象状況、こういうものを総合的に勘案して決めたわけでございます。したがいまして、NOxの場合も同じガス状のものですから、当然同じように私ども考えていかなければいかぬ、こういうことで地域を決めてあるわけでございます。
○土井委員 そうすると、SOxの場合とNOxの場合と、この取り扱いについては大きな相違が結果としたらあっては困る。SOx、NOxの取り扱いというのについては同様に取り扱いを進めるのが本旨であるというふうに、環境庁としては事に対しての認識をお持ちになってあくまで対処されていく、このように考えておいてよろしいね。
○三浦政府委員 NOxの場合はあくまでも六十年に超えるか超えないか、こういうことで判断をしております。
○土井委員 その六十年という時間というものは別として、それに向かっていま、先ほどの環境基準を現に超えている地域と超えるおそれのある地域というものを対象に考えていくということだろうというふうにわれわれは理解しているわけですが、それは単純に言ってそのとおりなんでしょう。どうですか。
○三浦政府委員 この地域の指定の際に、五十三年の基準の改定をしたときに、五十二年の調査が一番新しい調査だったわけです。五十二年の事態で高濃度汚染地域を一遍総量規制対象地域の候補として調査しよう、こういうことで調査が始まったわけでございます。したがって、五十二年の段階を基準として私ども調査が始まった、こういうことでございます。
○土井委員 その時間的な問題は私もよく承知をいたしております。したがいまして、その五十二年時点ということで六十年度にクリアするというふうなことを念頭に置きつつ、前例としてSOxがあるということでSOxの場合の環境基準に対して対処なすってまいりましたいままでのたてまえですね、そういうことを今回のNO2の場合にも適用しておやりになるということが本旨だというふうに私自身は理解をしておりますが、これには間違いありませんか。何か念押しのようになりますが。
○三浦政府委員 先ほど申し上げました五十二年に現に超えておった、六十年に超えるおそれのある、こういうことでございまして、SOxの場合は現に五十二年に超えておれば、恐らく五年後にも超えているだろう、五年と七年の差はございますが、超えているだろう、こういうことでございます。
○土井委員 それはよくわかります。 そこで、問題の総量規制の実施ということについて見てまいりますと、鉄鋼業界が猛反対だということをわれわれは聞いているのです。いろいろな業界の中でもそれがはっきり、歴然と鉄鋼業界の猛反対がある。二地域についての指定反対ということはもちろんのこと、すでに規制の対象になりつつある四地域についても、その地域をできる限り鉄鋼業界に対して影響が少なくなるようないろいろな配慮が、そして努力が、いろいろな呼びかけが、いろいろな干渉がいままでになされてきたやにわれわれは仄聞をいたしております。 たとえば、ここに一つ私が持ってまいりましたのが愛知県名古屋がいわいの鉄鋼関係から出ている資料の一部でございますが、ここに書いてある文面を少し読むことによって、どういう御認識かというのを浮き彫りにしてみたいと思うのです。 公害健康被害補償法については、本来NOxの総量規制と直接的な関連はないが、この制度は発足に当たり大きな割り切りをしてスタートし、現在に至っており、幾多の矛盾が表面化し、かつ重大なものとなっている。このため、かねてより、この制度については暴露要件の改定、指定地域の解除要件の設定などの制度の見直しと運用の適正化は強く望まれるところであるが、一方、地域指定の要件にNOx等も加えるよう要求する一部の団体を中心とした動きがあることも事実である。こうした情勢の中でNOxの総量規制地域に指定されることは、この制度(公健法)の今後に少なからず影響を及ぼし、解決を遅延させるばかりでなく、将来に大きな問題を残すことになりかねない。したがって、NOx総量規制の導入が真に科学的な検討結果に基づく導入であればやむを得ないと考えざるを得ないが、安易な導入は避けるべきものと考える、という文章があるのです。 これはもうすでに四地域の中に入っている地域での鉄鋼関係から出ている文書ですから、ましてや、この後に残された二つの地域、これはいずれも鉄鋼関係に非常にかかわりのある地域でございますけれども、これよりもはるかに上回るいろいろな働きかけや運動があるということはもう想像にかたくない、こういうことを、きょう通産省御出席でいらっしゃるはずでありますが、御承知ですか、通産省は。
○植田政府委員 産業界からもいろいろな意見が出されているということにつきましては、承知しております。
○土井委員 漠然と産業界というものじゃないですよ。どんどん話は煮詰まりまして、たとえばアセスメントは一体どこが反対の中心になっているか、はっきりこれは電力関係だ。同じように、今回のこのNO2の総量規制は一体どこが猛反対の核心になっているか、どんどん煮詰まって、いま鉄鋼業界というのが浮き彫りになっていると申し上げても過言じゃない。だから、そういうことからすると、そういう声が産業界にあるというのは漠然としたものじゃないと思うのですね。まあ、産業界と言えば言えるかもしれませんが、その中の中心になっているのはそういうところである、これは通産省、御存じですか。当然御存じなはずです。
○植田政府委員 産業界の中でも、御指摘のとおり鉄鋼業界は特にNO、の排出量が多いと思いますが、そういう意味で鉄鋼業界の関心は非常に高い。しかし、鉄鋼業界だけではないというふうに承知しておりますが、鉄鋼業界が相当関心が強いということは御指摘のとおりだと思います。
○土井委員 それに対しまして、業界への指導を通産省としてはどういうふうになすっていらっしゃいますか。
○植田政府委員 事柄が大変重要な問題でございますから、業界あるいはいろいろな各方面で論議がなされるあるいは問題が指摘されるということ自体は、私は必ずしも悪いことではないと思いますが、私どもといたしましては、環境庁との間でいろいろと相談していきたいということで、環境庁との間の御相談をいま進めているわけでございます。
○土井委員 環境庁との間で相談を進められていると通産省の方はおっしゃいましたが、そうすると、相談相手である当の環境庁としては、どういう相談をいまなすっていらっしゃるのですか。
○三浦政府委員 まず、四地域の調査結果について、調査の中身の検討から各省とのいろいろな話し合いが始まりました。一番大きな問題と申しますものは、総量規制というのは固定発生源に対する規制である。いまかなり車の量が多い、こういう問題などございまして、それじゃ交通関係で一体どういう施策があるんだろうか、こういった問題。あるいは、六十年に交通関係は大丈夫かというような話がございますが、私ども、交通関係につきましては、またこれは都道府県知事の段階でこれから削減計画をつくるわけでございますから、こういう面については、知事さんとも大いに話し合って、これから計画をつくっていきたい。また、単体規制につきましては、かなり車がふえますけれども、一般的に車が今後ふえたとしても、六十年までには規制車が大分ふえますし、NOxの総量として、車だけで六〇%ぐらいになってしまいます。そういうこともいまお話ししたりして、まだ煮詰まっておりません。いろいろ中身のむずかしい問題をどうしようか、こういうことで話し合っておるわけでございます。
○土井委員 しかし、先ほどの通産省側が環境庁と話し合っておりますと言われたニュアンスとは、ちょっといまのお答えは違うので、向こう側は、業界にもいろいろあるけれども、中心的にいろいろとやっていらっしゃるのは鉄鋼業界ということは暗にお認めになっているわけなんです。そういう問題に対して、業界に対する指導をどうなすっていらっしゃるかということを聞けば、いろいろと環境庁と話しておりますという答弁がそこで出たわけですから、だから、業界に対する指導という意味ならば、環境庁も、通産省の話を受けて、話し合いに応じていろいろと話をなすっていらっしゃるのかどうか、その点どうなんですか。
○三浦政府委員 私どもの話し合いの中では、具体的にどの業界が反対だとか、そういう話し合いはございません。
○土井委員 そうすると、通産省と少しこの話の上ですれ違いみたいになってしまうのですが、それは幾らお伺いをしても、きっと答弁はそういうことなんでしょう。しかし、先ほどの文書でもうかがい知れるように、どうも産業界の今回のNO2の総量規制に反対をされているという立場は、その内容を探索してまいりますと、意図が別のところにもあるのではないかということがここで出てくるのです。それは何かと言うと、従来アセスメント法案の問題を取り上げて種々ここで論議をする途次出てまいりましたのがやはりこれと同じような問題でございまして、産業界からすると、公害健康被害補償法に対しての骨抜き的な改定ということを要求される。できる限りこのことに対しての拠出金というものを安く抑えていくことができないかというふうな思惑がその中にある。できたらそういう方向での公健法の改正ということが、具体的な問題が出るたびごとに何か、取引と言うとこれは語弊があるかもしれませんけれども、抱き合わせのようなかっこうで出てくるのです。今回もこの文面にはっきり出ているのは、このNOxの総量規制地域に指定されることは、この制度、というのは公健法を指して言っているわけですが、公健法の今後に少なからず影響を及ぼし、解決を遅延させるばかりでなく、将来に大きな問題を残すことになりかねないというのですね。やはりその辺にも意図するところがあるようでありまして、これからすると、これは公害健康被害補償法のたてまえからいたしましてもまことに好ましくない問題の持ち出し方だということをこの点において言わざるを得ないと思うのですが、環境庁とされては、公害健康被害補償法に対する現時点の考え方として、こういうふうな産業界の意図、動きというものに断じて影響されないという決意をお持ちであるかどうか、この点をはっきり承っておかないと、実はNO2の総量規制についても、何か作業が延びていった、初めから、六つの指定地域というのから二つ脱落してしまって、四つで、あとの二つに対して、一生懸命におやりになっているにもかかわらず、環境庁というのはちょっと姿勢が甘いのではないか。なぜかと言ったら、こういう産業界との公健法の話し合いでどうもふらふらと環境庁はされているようであるというふうな誤解を招かないとも限りませんから、環境庁としてのこの点の姿勢、決意をひとつしっかり承っておく必要が私は現時点であるように思うのです。長官、いかがですか。
○鯨岡国務大臣 姿勢がふらふらしていると思われたのでは困りますから、明らかにいたしておきたいと思いますが、姿勢はふらふらしておりません。従来と同じであります。現に公害によって健康を害して苦しんでおられる人がいるのに、われわれが姿勢をふらふらさせるわけにはいかないわけでございますから、姿勢は少しもふらふらしておらないわけであります。 ただ、産業界の中には、だれだって自分が犯人だと思われるのはいやですから、私のせいもあろうけれども、私だけじゃないのだよというようなことを言いたくなる気持ちはわからないじゃない。私のせいであるのでお金を出すのなら仕方がないが、私のせいでないことにまでお金を出すのはいやだなという気持ちもわからないわけではない。ですから、わかる範囲においてそれを明らかにしておかなければなりませんけれども、そういう気の毒な公害による病気で健康を害しておられる方々に対して補償したりするそのやり方、それに対してはわれわれはふらふらするわけにはいかない、明らかにそれは申し上げておきます。
○土井委員 それは環境庁とされてはふらふらしていただいたら困るわけで、しっかりとこの節姿勢を正していただく必要があるのは、現に自民党の中の環境部会の方々とその産業界の代表の方々とで環境関係会議というのが催されておりまして、そしてそこに恐らくは問題になってきているのは、いま申し上げたような事柄がやはり話し合いの中で産業界から出ないという保証はないのです。これは現に出ているのです。先日そういうことに対しての話し合いがあり、そしてやがてまた近日中に話し合いがあるという予定になっている。実は十八日の日にその話し合いの結論をお出しになる御予定が、二十五日に延期されたということも私は仄聞をいたしております。これは、考えてみますと、本来国会決議で確認をし、しかも、なおかつ環境庁、政府が決定をされたことに対しまして、自民党が難色を示して延々とこの中身を引き延ばすということはおかしな話でありまして、本来こういうことは間違っていると私は言わざるを得ないと思うわけでありますが、こういうことに対して、環境庁長官、これは一切それに対して左右されないということをきっぱり言っていただけますか。どうですか。
○鯨岡国務大臣 土井先生のきょうの御質問の当初のところで同じ話がありまして、それからずっと中身に入って勉強させていただいて、それでいままたもとへ戻ったわけでありますが、そのときも申し上げたように、われわれの考え方は少しも変わっておりません。変わるわけがないのです。衆参両院の附帯決議があって、その附帯決議を踏まえて時の長官が、必ず六十年までには〇・〇六より悪いところはないようにいたします、もしそういうような心配があるとすれば、その地域は指定しても、万策を尽くしてそういうところがないようにいたします、こういうふうにお約束を申し上げたことでございますから、そして、それがちょっと危ないなと思われる地区が出てきた以上は、それに対していまから準備をするということは当然のことなんで、その準備のために政令を出さなければならぬということは政府として当然のことであります。ただ、その間において、先ほども申し上げましたように、いろいろ御心配をなさる方々がありますので、その方々がいろいろいま心配をしている段階である。われわれの決意といいますか、当然のことにそれは左右されるものではないということを申し上げておきます。
○土井委員 環境庁長官も党籍は自民党でございます。したがいまして、みずからの党に向かって物申すということはそれはおかしな話ではありますが、いまは国会議員ではなくて行政担当の環境部門の最高責任者という環境庁長官というお立場で事をお進めになっているという点から言うと、いま環境庁としてもうこの問題に対して計画が決定されている、そして告示も出された、六十年度にはクリアしたい、こういうことで取り扱いを進めてこられましたこの総量規制の問題に対して、自民党側からいろいろ難色を示してくるというふうなことがあれば、環境庁長官は、自民党に対して、それは聞けないということをきっぱりおっしゃれますか。いかがですか。
○鯨岡国務大臣 それはおっしゃるのが当然のことでございまして、おっしゃれますかと念を押されるまでもないことであります。
○土井委員 そこで、時間のかげんもありますから、最後に大事な点を一つだけこれは確認をしておきたいのですが、公害防止計画との関連がどうなるかという問題です。 実は、NOxのあの環境基準値というのが改定をされましてから後、各地で公害防止計画の見直し改定というのが作業として進められたのですね。あの基準値が変えられるときに、ここの審議の中で当時の大気保全局長が一番困られたのは、公害防止計画が策定されたのは〇・〇二ppmということを基本に置いてすでに策定されている、このことはもう環境庁としても責任を持ってそういうことをきっぱり言い切ってきたのを、今後どういうふうに改定するかというのは大問題なんだということにずいぶん悩まれたというのはよくわかっているのです。その結果、兵庫県の場合も北九州の場合も、五十三年の三月に内閣総理大臣が承認をされた公害防止計画をはっきり改定としていま持っていられるわけなんですが、たとえば福岡県北九州地域公害防止計画、この中身を見ますと、固定発生源というところに、窒素酸化物について電子計算機による拡散シミュレーションを実施し、固定発生源と移動発生源の汚染寄与率の把握と地域許容排出量の試算を行ったが、窒素酸化物を合理的に削減するため、国における総量規制の制度化等の諾対策の検討結果を踏まえ、工場、事業所ごとの排出総量規制方式の導入等について検討し、総合的な対策を行う、と片方は書いてあるのです。 一方は、これは兵庫県東部地域公害防止計画、同じく五十三年の三月。この中にも、条例等による規制、指導の強化という項目がございまして、硫黄酸化物の項に記したとおり、ばい煙に係る指定施設について発生源の立地規制を行っている。今後は、国における総量規制の制度化等の諾対策の検討結果を踏まえ、固定発生源における窒素酸化物排出実態について測定調査を実施し、これに基づき、施設別、規模別、燃焼条件別等技術的な窒素酸化物削減指導要領を作成し、固定発生源の適確な指導を引き続き行う。こう書いてあるのですね。 国における総量規制の制度化等の諸対策の検討結果を踏まえ、と両県ともはっきり公害防止計画の中で述べられているのです。 こうなると、どうも今回のいろいろな総量規制に対しての兵庫県なり福岡県なりの対応とこの公害防止計画との間に矛盾があるのじゃないか。公害防止計画にNOx対策をせっかく取り入れられていくということが、今回のようなことでは無意味になっていくのじゃないか。逆に考えてみると、国の方のNOxに対する総量規制というのはその程度に権威のないものなのか、こういうことにもなるわけでありますけれども、こういう関係について御見解のほどを承って、質問を終えさせていただきたいと思うのですが、いかがでございますか。
○三浦政府委員 いま私その公害防止計画をここに持ってないのですけれども、それは去年兵庫県でたしか印刷されたのじゃないかと思いますが、私、大気保全局長になってから見た覚えがございます。そのときには、恐らく六十年度の基準達成というのはかなり不安だったのじゃないかと思いますが、その後、兵庫県の方で調査をしてみて、六十年には大丈夫だ、こうなったわけでございますから、そういうこともありまして、私ども、本当かいな、こういうことで兵庫県の調査結果をいただき、また、神戸市、尼崎市、別の意見も持っておりますので、よく県の方で御検討ください、こう申し上げてありますので、いずれ県の方からまたいろいろな話が持ち上がってくるのじゃないかと思います。
○土井委員 それじゃ最後に、環境庁長官、一つため押しをしておきます。 それは、先ほども言った産業界の姿勢、そうしていろいろな働きかけ、さらにはその話し合いを受けて立たれる自民党の環境部会、そういう問題がずっと動いている中で、いま政令の一部改正作業というのは進みつつあるわけですから、その諸般の事情からして、この政令の一部改正作業というのがそのために引き延ばされるようなことがあってはならぬと思うのです。また、そのために引き延ばされたと誤解を招くようなことがあってはならぬと思うのです。したがいまして、その点は、今後引き延ばしは断じてやらない、環境庁としては精いっぱいこの作業に対しては三月いっぱいということを目途にして鋭意努力するということをもう一たびはっきりと聞かせておいていただいて、私は質問を終えたいと思うのです。
○鯨岡国務大臣 いままでしばしばお答えいたしましたように、三月いっぱいに政令でもって指定をいたしませんと、それを受けた知事さんの作業の日程、日にちがなくなります。そうやってくると、押せ押せになっていって昭和六十年までにその目的を達することが不可能になるおそれがありますから、不可能になっては大変でございますので、われわれとしては初めに考えた方針で鋭意努力するつもりであります。
○土井委員 終わります。ありがとうございました。
○山崎委員長 草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございますが、きょうは、この委員会をおかりいたしまして食品公害の問題を取り上げるつもりでございますが、その前に、環境アセスメントの立法の取り扱いについてお伺いをしたいと思います。 アセスの問題については、予算委員会あるいは参議院等においても、また本委員会においても、何回か論議されておるわけでございますが、電源立地のおくれが生ずるとして反対勢力の中にも非常に根強い声があるわけでございますが、これは余りにも時代の常識に反した状況ではないだろうか。特に長官としては、この三月に与党の方にも何か要請文を出しておみえになって了解をとり得るよう努力なさっておみえになるわけでございますが、見通し諭ですが、今国会中に提出できるのかどうか、いま一度お伺いをしたいと思います。
○鯨岡国務大臣 この国会に提案できるのかどうかという、この国会に提案しなくてもいいならそんなに心配する必要はないのです。何とかしてこの国会に提案して先生方に御審議をいただきたい、こう思って努力をいたしておるわけであります。
○草川委員 それだけの御決意があるわけでございますから、ぜひ実現するようにわれわれもお願いをしたいわけでございますが、与党の中でも一番強い反対というのですか、心配があるのは一体何かということです。われわれも漏れ承るところによりますと、原発反対運動に利用されるおそれがあるとか言っておるようでございますが、これは本当に安全性の確保という根本的なものがあれば解決をすることでありますし、あるいは国民の方々の常識というのも、総理府のモニター報告等を見ましても九三%が必要であると言っておるわけでありますし、いまのままでいきますと、地方自治体の方が見切り発車をして条例等をどんどん進めていきますと、私どもはかえって混乱するのじゃないだろうかと思うわけでございますが、いま長官として一番てこずっておみえになります反対意見というのは一体何ですか。
○鯨岡国務大臣 原子力発電所の問題の安全性ということが、いまわれわれが用意して先生方に御審議をいただこうとしておるアセスメントとは直接には関係がないということは、御承知のとおりだと思います。 そして、どういう点が懸念される最大の点かという御質問ですが、それは先生のお口から出たように、いろいろな工事がそのためにおくれてしまうと――ある人はこういうことを言いました。何か大きな事業をやろうとするときには地平線のはるかかなたまでハードルがずっと並んでおるような気がする、それを一つ一つ飛び越していくのは容易なことではない、アセスメントすることによってそのハードルがまた高さが高くなったり数がふえたりということになったら大変だ、それが恐ろしいというようなことを私に言うた人がいましたが、そういうことだろうと思います。
○草川委員 そういういろいろな難問を飛び越えるには住民の協力ということが非常に必要なんでございまして、いわゆる開発する側だけの論理ではなくて、不安と疑問を抱く住民サイドの声を了解するためにも私はルールが必要だと思うので、ひとつ、そのルールの確立のない近代工業国家はないわけでございますので、近代工業国家である以上はルールというものをつくるようにぜひ長官の努力をお願いしたい、こう思うわけであります。 そこで、きょうは、皆さん方には大変恐縮でございますが、特にいま有害農薬というのが、外国から日本に工業薬品として輸入をされながら、日本の国内では正式に認知をされていない農薬として使用されまして、ミカンの酸抜きだとかあるいはリンゴの落果防止剤に大量に使われておるということ、そのことが果たして人体にどのような影響を与えておるのか、こういう問題を取り上げさしていただきたい、こう思うわけです。 そこで、これはもう一部かなり重要な問題として指摘をされておるわけでございますが、いま砒酸鉛というもの、これは農薬の取締法では認められていないわけですけれども、砒素というものが大きな母体になっておるわけでございますが、これは非常に猛毒で、致死量〇・八グラム、それで死んでしまうというぐらいに強いものでありますし、人体に残る残留性が非常に強いわけでございます。日本では当然のことながらこれは農薬としては扱われてはおりませんが、熊本の農薬問屋の九商農村というのがあるわけでございますが、ここが皮のなめし用とかというような形で工業薬品としてこれを輸入いたしまして、かなり大量にこれをミカンの酸抜き等に九州地方を初めとする各地の産地に送っておるという例があるわけでございます。この点について、農林省はどのように承知をされておみえになりますか、お伺いをしたいと思います。
○管原説明員 ただいま御指摘のございました無登録農薬につきましては、本年二月五日からその販売それから使用の実態等につきまして、農林水産省は立入検査等を行ったところでございます。 いま御指摘ございましたように、有限会社九商農村が、昭和五十四年から五十五年にかけまして、砒酸鉛それから落果防止剤としましての二。四。五TPを販売していたということが判明したわけでございます。このため、二月二十六日に熊本県警本部長に対しまして、元有限会社九商農村の代表取締役田口広行を告発をしたところでございます。さらに、無登録農薬の販売、使用等の実態につきまして把握するために、ミカンの主産県等に対しまして二月十七日付で調査を行うように指示したところでございます。 今後は、この調査結果と警察の捜査の進展を踏まえまして、無登録農薬が販売されることがないように、本年産の果実の生産に先立って厳重に取り締まり、指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
○草川委員 いまそれぞれ農林水産省としての対応が示されたわけでございますが、これもいま触れましたように、単なる酸抜きに使われておるということだけで、一体いままでどういうように違法農薬というものが使われておったのかという実態が余りにも明確になっていないわけでございます。 私ども聞くところによりますと、韓国の韓国農薬というところから、いま五十四年というお話でございましたが、五十二年ぐらいから大量に買われておったのではないかという話があるんですが、いま農林水産省として調べた範囲内では、過去何トンぐらいこの砒酸鉛というものを買い込んでおったのか、これはおわかりになっておりませんか。
○管原説明員 その点につきましては、私どもも正確にまだ把握しておりません。
○草川委員 正確に把握をしていないということになりますと、全国的にこの農薬が使われておったのかどうかということも不明なんでございますか。
○管原説明員 砒酸鉛につきましては、先ほど申し上げましたように警察の捜査が現在進展しておりますので、その点につきましては私の方からの御説明は差し控えさせていただきたいと思います。
○草川委員 警察の方の対応はまたお聞きをしますからあれでございますが、酸抜きに使ったミカンというのがかなり全国的に売られていっておるのではないかということも言われておるわけでございますので、これは厚生省としても取り調べをされたのかどうか、お伺いしたいと思います。
○藤井説明員 非常に不幸にして不正使用という事態が発生いたしました。私どもといたしましては、柑橘類にこうした砒素あるいは鉛がどの程度残ってくるのかということに関心を持ったわけでございますが、衛生部局では、何に使われたか、どこに使われたかというこの検体の把握ができないために、農林水産省と連絡をとりまして、その使われた検体を農薬検査所の方で分析いたしまして、私どもがそのデータをちょうだいいたしております。幸いにいたしまして、調査結果につきましては、鉛及び砒素とも、われわれがナツミカンについて決めております残留基準を大幅に下回っているので安心いたしている次第でございます。
○草川委員 その厚生省が調べられた時期というのはいつごろでございますか。
○藤井説明員 農林水産省の方で検体を採取していただいておりますので、私はちょっと了解しておりません。
○草川委員 簡単に言っていただくと困るのですけれども、酸抜きですから、わせですね。いわゆる早くできるミカン、青いミカンですから、その青いミカンに対して、酸っぱいわけですから酸抜きが要求をされて、さあこれを使おうというのでやるわけです。だから、それが発見をされて調査をする段階ということになってきますと、うんとおくれてくるわけですから、調査をされたときには、黙れてという言葉がどうか知りませんけれども、黄色くなって酸っぱくないときのミカンを調べれば、いまおっしゃったような答弁になると私は思うのです。だから、わせの時代にこれが投与をされておるわけですから、その心配をぼくたちは言っておるわけです。私のこの質問に対して、その時期に適合した検査をされたのか、その時期がずれたもので検査をされたのか、おっしゃっていただきたいと思うのです。
○藤井説明員 御指摘のとおりだろうと思います。検査したデータにつきましては、ただいま聞きましたところ、一月下旬から二月上旬の検体と聞いております。
○草川委員 だから、やはり十一月当時に出た酸っぱいものが問題なんでございますから、あるいは十月とか十一月のわせのときの問題ですから、私はいまの答弁は正確ではないと思うのです。 それで、通産省の方も忙しいようでございますから、早目に聞きますが、この砒酸鉛のようなものは、厚生省で言うならば、毒物劇物取締法でこれは指定をされておるわけですから、厚生省管轄では輸入しないわけですね。工業薬品として輸入をされるから日本の国内にも入ってくるわけなので、三百トンと一説では言われておるわけです。この九商農村というのは三百トンぐらい過去五十二年から輸入をしたのではないかと、二億円を超す数字が出ておるわけでございますが、この数字が本当にどうなのかということを聞くには、私、通産省以外にないと思うのです。通産省はこの輸入でカウントされておるのかどうか、お伺いします。
○古澤説明員 農薬の輸入を所管しております貿易局でございますが、貿易政策の観点からは特にいま御質問ありました砒酸鉛その他についての実態を把握する立場にございませんものですから、通関統計で知る以外にわからないわけでございますが、いま先生御指摘の実態につきましては、通関統計上はその砒酸鉛独立の区分項目になっておりません。したがいまして、私たちとしてはどのくらい入っているかという実態は把握してない実情でございます。
○草川委員 実は、私はきょうこの質問をする前に、通産省の方にも何回か来ていただき、厚生省の方にも何回か来ていただいておるわけですが、とにかくどこかでわかっておるはずなんですよ。いずれにいたしましても、砒酸鉛というものは劇物取締法で指定の問屋でなければ買えぬわけですから、だからその指定の問屋のリストを厚生省は通産省に渡したと言うわけです。だから通産省で聞いてくれとこう言うわけです。ところが、いまおっしゃったように、通産省は、いや私の方は砒酸鉛だけをカウントしてないから答えられぬ、こういう話なんです。お互いに両省がこの問題ができてから――一体、工業用としてならば砒酸鉛を輸入できるということは、私は法の盲点だと思うので、この盲点を明確にしてくれと言っているんですが、いまのようなお答えなんです。だから、役所が違うかどうか知りませんけれども、少なくとも砒酸鉛という問題については、残留性が非常に強い、人体にも非常に大きな影響を与えておるわけでございますし、アメリカなんかの例を見ますと、一九六〇年のロサンゼルスの砒素入りの農薬を使用したブドウ園の従業員の中で、大変な率で、八十二人の従業員のうち六十一人にがんが発生をしたという、愛知がんセンターの田部という先生の報告もあるのですよ。これは非常に重要な問題なので、厚生省も主要なミカンの生産県庁にも注意して調べておるというようなことを言っておるわけでございますが、見逃すべき問題ではないと思うのです。通産省として今後どのように、たとえば工業用品だけれども片一方のところではこのような大変な農薬、創業というものが法の目をくぐってくるとするならば、どこかで調べてもらいたいと思うのですが、どうでしょう。調べられませんか。
○古澤説明員 大変答弁のあれでございますが、通産省の中でも、原体関係を所管しておりますのは基礎産業局の方で、私たちの方は農薬を所管しておりまして、農薬の関係でぜひ必要かどうかという話は、これは農林水産省さんと御相談しながら、必要があれば何か考えないといかぬかもわからない。あと、原体としての必要性の話につきましては、大変申しわけございませんが、これは基礎産業局の方の所管でございますので、そちらでお答えいただければと思います。
○草川委員 きょうはそこで役所の話をしても結論はございませんが、役所というのはそういうことなんですよ。何回か論議してもこういうことなんですよ。ですから、問題は人間の命にかかわることでございますので、これはぼくは、厚生省が一応毒物劇物取締法という窓口になっておるわけですから、これは厚生省と農林省、あるいは通産省と相談をして、いままで一体どれだけ入ってきたのか、私は三百トンと言っておるわけですが、どうなのか、調べていただきたいと思うのです。 そこで、警察庁にお伺いいたしますが、取り調べは進んでおるのでございましょうか。
○中島説明員 警察の捜査の状況でございますが、ただいまの事件、二月の初めに情報を入手しまして、二月の初旬に農薬取締法及び毒物及び劇物取締法違反として捜査に着手いたしております。現在、九州地方の数県において捜査をいたしております。それで、すでに砒酸鉛を農薬として販売しておりました無届けの販売業者三名を逮捕いたしております。そして、数十カ所について捜索、差し押さえを実施しまして、砒酸鉛数トンを押収しております。これまでの捜査によりますと、相当広範囲に販売されておると思われますので、今後販売の実態、それから入手経路の状況、そういったものについて鋭意捜査を実施してまいりたいと思っております。 なお、農水省からお話がありましたように、二月二十六日に九商農村の田口広行につきまして告発を受けておりますが、これはいま逃走中でございますので、その所在を鋭意追及しているところでございます。
○草川委員 かなり全国的に広がっておるということでございますが、それはいわゆる産地と目せられる九州とか四国等以外にも影響があると判断していいのでしょうか。
○中島説明員 その範囲の問題につきましては、ちょっと捜査中でございまして、はっきり申しかねる点でございますので、御了解いただきたいと思います。
○草川委員 まだその九商農材の田口という社長が逮捕されていないということでございますから、全体の動向が調べられないと思いますが、これは実は大阪の一つの問屋と結託をして、もう一つフルチオンTPという、これも農薬取締法によって製造販売が禁止をされているリンゴの落果防止の、これは非常に高級リンゴなんかに使われるわけでございますが、植物成長調整剤というのでしょうか、これもこの九商農材なり大阪にある円商産業というものの一つのグループでございますが、これが植物成長調整剤という形でかなり全国的にリンゴの産地に送られておるわけでございますが、これはいま学者の一部では、このリンゴを野生のサルにえつけをした場合に、手足の指が欠けたり奇形ザルが非常に多発をしておるというので、非常に問題になっておる薬でございまして、これは一体どこから入ってきたかと言いますと、これもベルギーだとかヨーロッパで余りリンゴなんかに使われていないところで、工業薬品という形で日本に名目的に輸入をして、そして植物成長調整剤という形で農薬取締法の網をくぐってやられておるわけであります。これも時間があれば少しゆっくりとやらなければいけない問題でございますが、いずれにいたしましても、この農薬取り締まり制度をいま少し強化をすべきではないだろうか。たとえば、いま申し上げましたように使用者に対する規制もないわけでありますし、それから、これは国内の販売のみについて登録が必要という形で甘い点があるので、これは農林水産省の方としてどのような見解を持つのか、お伺いをします。
○管原説明員 農薬につきましては、農業生産上不可欠な生産資材でございます。ただ、私どもは、その薬の効き目ということだけでなくて、国民健康の保護とそれから環境の保全のために、安全性を確保する必要があるというふうに考えておる次第でございます。したがいまして、農薬取締法に基づきまして、農薬につきましてはあらかじめ農薬の薬効、毒性等につきまして厳正な検査を行った上で登録し販売させているところでございます。また、農薬取締法に基づきまして、農薬販売業者につきましては、国、県の立入検査等によりまして監視、指導をいたしますと同時に、使用者に対しましては、農薬の安全使用のための基準を守るようにということを指導しているところでございます。 いずれにしましても、農薬取り締まりの一層の強化を図るということによりまして、農薬取締法の適正の運用によってこの問題につきまして対処していきたいというふうに考えております。
○草川委員 適正な運用もいいのですけれども、いま私が申し上げたような盲点というのが現実にあるわけです。工業薬品という形で、後は目が届かぬ点があるわけですから、もう少し抜本的な充実、改正ということをぜひ考えていただきたいと強く要望をして、次に移りたいと思います。 いま農薬の不法使用という問題を、国内的に私は問題を提起したわけでございますが、いま日本に一番たくさん果物として入ってくるものの中にフィリピン産のバナナがあるわけです。バナナというのは、かつて日本に台湾からたくさん入ってきておったわけでございますが、いまはフィリピンは大規模農園というか農場ということで、多国籍企業が大変大きな影響力を持っておりまして、日本の国の輸入にも、きょうは一々細かく申し上げませんけれども、九〇%近い数字で日本にバナナが入ってきておるわけでございます。その大規模農園でつくられたバナナというものが日本の国に入ってくるバナナの八八・四%、これは昭和五十五年度の農林省からいただきました数字でございますが、このフィリピンでつくられておるバナナに、日本の国では毒性が強いとして禁止をされておりますところのテミックだとかモキャップというような非常に強い農薬が使われているということが、日本消費者連盟の方々の調査でわかったわけでございます。いまここに消費者連盟の方々がわざわざフィリピンのバナナ園まで行かれた写真がございますが、バナナの房にモキャップとかテミックというような劇物薬を投入をしていて、そのどくろマークのついた薬の箱まで写真に撮ってこられたのがあるわけです。これは日本では特定の毒物として登録をされておりまして、これは発がん性があるとかないとかというそんな次元ではなくて、致死量に近いものでございまして、問題は、フィリピンの現地では非常に劣悪な労働条件で現地の方々が働いておみえになりまして、その生産の農場というのもドールだとかデルモンテだとかユナイテッド・フルーツだとか、日本からも多国籍企業として住友が行っておるわけでございますが、圧倒的にはドール、デルモンテというところらしいのでありますが、ここらでいま申し上げましたような非常に毒性の強い薬がまかれておるわけでございまして、これには大変問題があるというので、厚生省の方もわざわざ現地に調査に行かれたというように聞いておりますが、これらのテミックだとかモキャップというような殺虫剤が本当に使われておったのかどうか、あるいは使われておったとするならば、テミック、モキャップあるいはネマゴンだとかダイアジノンだとかダイセンMだとかベンデートというようなものが使われておるという報告が来ておるわけですが、どういうようになっておるのか、お伺いしたいと思います。
○寺松説明員 お答えいたします。 いま先生から御指摘いただきましたように、バナナというのは日本人にとりまして非常になじみが深いといいますか、なじまれた、しかも大切な果物でございます。しかも、フィリピンから輸入しておりますのは年間もう六十万トン以上を超えておるようなわけでございまして、非常に重要なものだという判断から、私どもは三月八日から担当官をフィリピンの方へ派遣し調査を行いました。 概要をちょっとかいつまんで申し上げますと、まず第一は、この農薬の規制をしておりますのが農務省でございますので、農務省の中のいわゆる農産業局あるいは肥料農薬庁というところと協議を行いました。いろいろ事情を聴取したわけでございます。その結果によりますと、昨年の四月以降テミック等は使用していないというふうなことでございました。 それからさらに、私どもつぶさに現地を調査させるようにいたしまして、いま先生おっしゃいました、そういう農園はダバオ周辺にございますので、ダバオを中心に数カ所の農場を現地に立ち入りをしましていろいろと調査をしたわけでございます。その結果、実際のジッパーあるいは生産者という方々等といろいろお話をした結果、現在は使っていないというふうなお話でございました。 以上でございます。
○草川委員 えらい簡単な御答弁でございますが、私はそうじゃないと思うのです。それはつい最近行かれて――いまどこへ行かれたと言いましたかな。一番バナナの産地というのはミンダナオ島でございますよ。ミンダナオ島へ行かれたのですか。
○寺松説明員 先生がおっしゃいましたように、ミンダナオ島のダバオの周辺でございます。
○草川委員 フィリピンはたくさんの島があるわけですから、ミンダナオ島へ行かれて、それでいま私が指摘をしましたように、向こうではたくさんの小地主というのがおりまして、それがほとんど土地だけドール、デルモンテ、ユナイテッド・フルーツあるいは住友というところに提供して生産をしておるわけですが、どの会社へ行かれたのですか。
○寺松説明員 正確に申し上げますと、五カ所ばかり参ったわけでございますが、一つはギヒング、それから先生も御指摘になりましたドールの農場でございますスタンフィルコ、それからこれも御指摘いただきましたデルモンテ、それからチキータのタデコ、それから住友商事のパナボというところの農場でございます。
○草川委員 それでは、厚生省が全部調べていって、いま言いますように、すべての農薬について使われていないのか、あるいはテミックだけが使われていないのか、あるいはモキャップというのは使われているのか、その点についてお伺いいたします。
○寺松説明員 いま先生がお並べになりましたテミックでございますとかモキャップ、それからネマゴン、こういうふうなものについては使っていない。それから、トップシンMというのとフラーダンと言わるような農薬は使っておると聞いております。
○草川委員 だったら、たとえばいまたまたま最後に言葉が出ましたフラーダンというのは、毒性強し、日本の国内では未登録ですよ。テミックというのは特定物質で、アメリカでは一応農薬として認められておりますけれども、食品になる植物には使われていないわけです。だから、テミックなんか消すのはあたりまえなのです、ここにありますように本当にどくろマークがついているわけですから。この箱を直ちに焼却しなければいけない。燃やしなさい、燃やしても煙を吸ってはいけないというぐらいの注意書きがついているのですよ。だから、厚生省がわざわざフィリピンに行くというにはそれなりの理屈があったといいましても、いまたまたまフラーダンは使っておるというのですから。私のような薬に素人な人間でも、フラーダンは毒性強し、日本の国内では未登録、こういうことなのですよ。 だから、そういうようなものを私どもはバナナとしてこれを日本の食ぜんに供しておるわけです。国民はそんなことは知りません。だから、食品衛生という意味では、これは今度は厚生省なんですから、外国のものに手が及ばないと言わなくて、一応行った以上はもう少し過去の歴史なりあるいは今後の問題点として対応を立てなければいかぬと思うのですが、その対応について、今後どのように考えられるのか、いまのままでノーアクションでいかれるのか、どうでしょう。
○寺松説明員 いま私がお答えいたしました現地での調査等の状況でございますが、これはかいつまんで申し上げたので非常に簡単に申し上げておりますが、約十日間にわたりまして実際調査いたしておることでございますので、いろいろ歴史等をもちろん踏まえまして調査を行ったわけでございます。 それから、いま先生から御指摘いただきましたように、外国で生産されましたそういう柑橘類あるいはバナナ等がいろいろ非常に入ってくるわけでございます。私どももこれが食品衛生上非常に大事であることは承知しておりますので、私どもといたしましては、輸入時におきまして食品衛生法十六条によります輸入の届け出をやらせまして、それにつきまして書類上のチェックをする。そして必要に応じて私どもは行政検査といたしまして国立衛試等で検査を行う、こういうことになっておるわけでございます。それからなお、さらに念には念を入れまして、私どもは輸入業者に対しまして、食品衛生法に基づきます厚生大臣が指定いたしました検査機関におきまして実際検査を行うように指導いたしておるところでございます。 先ほどもちょっとデータを申し上げておりませんが、データの結果でございますけれども、いままでのところFAO、WHOのジョイントの残留農薬の専門委員会におきまして勧告されております基準、テミックで申しますと〇・五ppmでございますが、そういうような基準を大幅に下回っておりまして、いまのところ検出限界以下という結果になっておるわけでございます。なお今後も厳重にチェックを行うべく努力をしてまいりたいと存じます。
○草川委員 いずれにいたしましても、私どもの見てきたといういろいろなデータを、私はここに持っておるわけでございますが、そういう方々のデータを見てまいりますと、いま厚生省の方の御答弁のようなそんな安全宣言は出ないと私は言うわけでございます。現実に私がいま聞いた中でもなお日本で認められていない農薬を使っておみえになるということをおっしゃっておるわけですから、残留検査をして、それがどうのこうのということについてはまだ非常に不安でありますから、さらに一層それは取り上げていただきたいと思います。 たとえば、OPPの問題も、大騒ぎをして認められたわけですが、実際にいろいろなフルーツ屋さんへ行って、柑橘類が本当に安全なんですよ、たとえばレモンですけれども、OPPは使っておりませんよ、あるいはOPPを使っておるからこれはジャムにしては大変ですよ、皮を食べては大変ですよなんて言って注意をしてみえる果物屋さんというものは非常に少ないのですよ。こういう点についても、ごく良心的な果物屋さんはこのようなマークをつけておみえになるわけでありますが、そういう方々に伺いますと、もう箱をあけた途端に、従業員が果物をなぶると素手では絶対になぶれません、覆わなければいけない、猛烈なにおいが来るからというような訴えもあるわけです、日本の国内のサイドにおいて。 そういうこともありますし、きょうは時間がないので問題でございますが、実はバナナの価格についても、現地の小地主の方々のいろいろな訴えは一キロ十二円五十銭だというのです。それをドールだとかデルモンテというようないわゆる国際資本、多国籍企業というところで首根っこを押さえられておりまして、いわゆる農薬だとか箱だとかというもので大変な経費を取られて、結局自分たちの手取りというのはわずか一キロ二円五十銭にしかならない。一割なんだ。一割にもならないのだというようなことを言っておみえになりますが、一体これが日本にどういう形で入ってくるかといいますと、わずか十二円五十銭のカートンに詰めたバナナが、日本の港、CIF渡しては五十六円ですよね。そこで三倍から四倍になるわけです。それで、CIFで日本の港に渡った五十六円というものが、卸の方へいきますとここで百二十八円になる。五十五年のデータだと消費者の手にこれが一キロ二百二十円になるわけです。ことしの最近の動きでは一キロ二百八十円になるわけです。現地の小地主が多国籍企業に渡す値段から考えますと、バナナというのは二十二倍になるのですね。少しこれは、安全性の問題もさておきながら、流通面からいってもいかがなものかという感じがするわけです。きょうはこれは時間がございませんので問題提起だけにとどめて終わりたいと思いますが、最後に、この委員会をおかりをしてこのような問題提起をしたわけでございますので、国内の市場で、国内では禁止されておる農薬が実質上使われておるというこういう問題も、私は大きく言えば、この前予算委員会で申し上げましたように、トータルな意味では環境問題だと思うので、長官から最後にコメントをいただいて終わりたい、こういうように思います。
○鯨岡国務大臣 われわれが担当している環境問題そのものではあるいはないかもしれませんが、おっしゃられるとおり重要な問題であります。わが国で使っていけないと言っているものをよその国に売ったり、あるいはよその国から日本へ入ってきたりというようなことは、基本が人間の生命、健康ということなんですから、そんなことやったんじゃ同じことですから、十分に注意しなければならぬことだと思います。私も所管の大臣なんかにお目にかかったときに御趣旨を伝えて善処するようにいたしたいと思います。
○草川委員 どうもありがとうございました。 ―――――――――――――
○山崎委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 環境保全の基本施策に関する件調査のため、本日、参考人として日本道路公団理事大城金夫君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ―――――――――――――
○山崎委員長 質疑を続行いたします。藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 各委員からも質問されておりますが、私も環境アセスメントについてお尋ねをいたします。 アセスメント法案は、政府が提出を約束されてから六年目を迎えていますが、私たちは何でもいいから早く出せというふうには考えていないわけです。昨年全く異例な形で閣議了解となりました政府案は、アセスメントの根幹である住民参加については、公聴会どころか、場合によっては説明会もやらなくていい。また、アセスメントの総合性や科学性、公正さを確保する規定もなく、これでは開発の安全手段となるだけではないかという批判が出ているのは当然のことだと思います。 長官いらっしゃいませんけれども、長官もしばしば財界やあるいは電力業界とお会いになってお話をしておられる内容を聞いていますと、とにかく大丈夫なんだ、余り取り越し苦労をしないでいただきたいと言っているように聞こえて仕方がないわけです。そうなりますと、ますます国民の方は大きな不安を持たざるを得ません。国民は確かにこのアセスメント法が早くできるようにという期待は強いわけであります。道路をつくるにしましても、また海を埋め立てるにしましても、一方ではある程度避けられない課題である以上、住民の健康と環境を守っていくために、その開発によってこうむる悪影響を可能な限り予測し、評価し、そして未然に防止することが一層重要な問題となってきているというふうに考えますし、そうであればこそアセスメント法案というものの早急な実現ということが国民の中から出てきているのではないかと考えます。 ところで、このアセスメント法案が何年も流産をする中で、現実には発電所だとか道路だとかあるいは空港だとか、開発促進型のアセスメントがはんらんをしてきています。私はきょうはこの中で道路問題でお尋ねをいたしますが、この道路建設に関するアセスメントは、五十三年の建設省事務次官通達及びその後の局長通達などに基づいてやられていると思いますが、これらの通達を出すに当たって、環境庁は相談を受けていらっしゃるのでしょうか。
○藤森政府委員 お答え申し上げます。 お尋ねの通達につきましては、環境庁は関与をいたしておりません。
○藤田(ス)委員 環境行政に責任を持たれる部署が相談もされないでこういうふうな道路のアセスメントも出てきたというのは、私は一つ問題だと思いますが、話を具体的にするために、まず大阪南部に計画されている近畿自動車道和歌山線についてお尋ねをしたいと思うのです。 この道路は日本道路公団が計画をしております。この道路の松原市から泉南市に縦断する区間は、昭和四十八年に整備計画が決定されているわけです。整備計画決定時にアセスメントを行うとしている五十三年のあの通達には間に合わなかったわけです。しかし、この通達のもとになりました、公共事業を行うに際してはアセスメントを行うべしといった閣議の了解は、すでに四十七年にあったわけでありますから、この道路についても当然この通達に準じてアセスメントを行うのが建設省の筋だと考えますが、いかがでしょうか。これは環境庁と建設省と両方から……。
○萩原説明員 お答えいたします。 「建設省所管事業に係る環境影響評価に関する当面の措置方針について」は、昭和五十三年七月一日付で建設事務次官通達で関係機関に通知されております。先生御指摘のとおりでございます。それ以降、各種所管事業について、これに基づく措置を実施をいたしておるところでございます。 道路事業につきましては、五十三年十月三十一日付で通知をいたしました「建設省所管事業に係る環境影響評価に関する当面の措置方針について」のうちの道路事業編において、対象事業、実施時期等を定めております。これによりますと、「高速自動車国道の新設又は改築。」――御指摘の道路は高速自動車国道でございますが、「高速自動車国道の新設又は改築。」については、整備計画策定のときに環境に関する現状の調査それから環境に及ぼす影響の予測及び評価並びに環境保全上必要な措置の検討を行うということになっております。 これによりまして、昭和五十三年十一月に策定されました整備計画区間については、この当面の措置方針に基づく措置を実施をいたしております。それ以前に整備計画が決定した区間につきましては、当面の措置方針に基づく措置というものは行っておりませんけれども、しかし、必要に応じまして環境に及ぼす影響の予測及び評価というものを実施いたしまして、沿道の環境保全を図るための必要な対策を講じて環境との調和を図るよう指導いたしておるところでございます。先生御指摘の路線につきましても、これに該当するものでございます。
○大城参考人 お答えいたします。 近畿自動車道の和歌山線の整備計画は、先ほど先生の御指摘になりましたように、昭和四十八年十月に作成されましたものでございまして、ただいま萩原課長から御答弁がありましたように、当面の措置方針に基づく措置は行っておりません。しかしながら、近畿自動車道和歌山線につきましては、工事実施計画策定の段階におきまして、騒音、大気汚染等の主要な環境項目に関しまして予測調査を実施しております。そして、これに基づきまして遮音壁等必要な環境保全対策を実施することにしております。また、地域住民の方々に対しまして、事業説明会におきまして予測調査に基づく環境保全対策の概要の説明を行っておるところでございます。公団といたしましては、さらに事業説明及び設計協議を通じまして環境保全対策につきまして説明を重ね、関係住民の方々の御理解と協力を得るよう努めてまいりたい、かように考えております。
○藤田(ス)委員 御答弁を聞いておりましたら、一定の調査をやっておられるように聞こえますけれども、実際にはそうではないのです。 それで、具体的にちょっと聞きますが、たとえば、いま大阪あたりでは、新聞で大変問題になっております堺市の伏尾地域だとか深井畑山地域とか赤坂台地域なんというところは、遺跡が破壊される、優良農地が破壊される、あるいは新しい住宅地の目の前に思いがけない道路ができるのだということで、大変問題になっているわけですね。だから、こういうところは、それじゃ具体的に調査をやっていらっしゃいますか、アセスメントですよ。
○大城参考人 お答えいたします。 整備計画をいただきましてから関係諸機関の方々と十分打ち合わせてルート発表、そういうことまで持っていっております。
○藤田(ス)委員 全然違うのですよ。それだったらもう一回調べてほしいと思うのです。およそ説明会でやっていらっしゃるようなのも、そういうきちんとした調査によってこういう状況になりますというようなものじゃありませんし、もちろんそれに対して住民の意見を聞き入れてそれをまた反映させてというようなルールもありませんし、全然違うわけです。だけれども、次官通達で決めたアセスメソートの時期がこの整備計画決定時にアセスするということにはなっていなくても、中身については実行できるはずですね。現に、こういうふうな道路の中で、たとえば松原ジャンクションという非常に大型の道路計画になっているところなんかは公団がアセスメントを約束していらっしゃるわけです。ここはよく知っています。ところが、その他のところで問題になっているところについてはそういうことになっていないのです。だから言っているわけですが、少なくとも環境の悪化を非常に心配している。だから、環境アセスメントを行ってほしいと言っているこの住民の要求のあるところに対しては、いまからでもきちんとしたアセスメントを行うべきだというふうに考えますが、どうでしょうか。
○大城参考人 先ほどちょっと簡単に申し上げたのですけれども、実は、実施計画を提出する前に、五十二年ごろでございますけれども、環境影響調書というものをうちは作成しております。これは、生活環境にかかわる環境要素、これは大気質とか騒音、振動あるいは日照等についてでございますが、それから自然環境にかかわる環境要素、これは植生動物、自然景観、農作物等に対する影響、それから三番目としまして歴史文化に関する環境要素、これは遺跡、記念物等でございますけれども、そういう環境影響の要素につきまして予測評価をいたしまして、その結果、一応それに適応した環境対策で遮音壁等でいけるということで、それを添付いたしまして建設省の方の承認をいただくという手順を踏んでおります。手順的には環境評価と実質的には変わりないと私らは判断しております。
○藤田(ス)委員 手順的にはそういうふうなことになっているけれども、現地の住民はそれで納得をしていないわけです。だから、一体このあたりがどうなるのかよくわからない、文化遺跡もあるじゃないかということで心配をしているわけです。この地域についてはそれじゃもう一度住民と十分協議をしていただきたい。そうでないと困るわけです。必要に応じてやるということですからね。一般的なことを言っているわけではないわけです。そういう地域、特に住民が要求している地域については、もっと住民の納得を得られるように、調査の内容も場合によっては詰めていくとか、そして住民の納得を得る努力というものをしていただきたいわけですが、どうでしょうか。
○大城参考人 お答えします。 私の方で行いました評価の方式について大きな誤りでもあれば、それはさらにそれを補足、チェックする意味においてやることにやぶさかではございません。
○藤田(ス)委員 調査の内容に問題があればというふうにおっしゃっても、現地の人は調査の内容がよくわからないと言っているのですよ。自分のところの問題を本当に調査しているのかなということを言っているわけです。住民にはやっぱり住民の意見があるわけですね。ここをわざわざ通さなくてもいいじゃないか、もう少し曲げればいいじゃないかというようなことも大いに意見を言っているわけです。だから新聞等でも大きく取り上げられているわけなんです。 それじゃ聞きますけれども、道路の位置の変更というのは、もう調査をしたからいいのだということで、中心くいというのですね、あれを打ったら全くしないわけですか。
○大城参考人 お答えいたします。 この和歌山線の約四十キロでございますか、これにつきましては、昭和四十八年十月先ほども申し上げましたように整備計画が作成されたものでございます。その後、公団におきまして、関係諸機関と協議をいたしますとともに、技術的にいろいろ検討を行いまして、総合的に調整いたしまして最終的なルートを決定したものでございます。したがいまして、現在のルートは最良のルートであると判断しておるわけでございまして、ルートの変更はできかねるものと考えております。 なお、環境問題に関しましては、先ほど申しましたように、事業説明及び設計協議の段階におきまして、環境保全対策につきましてさらにさらに検討いたしまして説明を重ね、関係住民各位の理解を得るように努めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○藤田(ス)委員 路線の決定の後は絶対に変更しないという意味にとれたのですが、そうでしょう。いまの御答弁はそういうことですよね。それは結局住民の側から見たら、そこのけそこのけ道路が通るということになるわけですね。ということで非常に無理なことになると思うのです。五十二年に調査されたと言いましたが、五十二年当初では、後ほど触れますけれども、住民はそこに道路が通ることさえ全く知らなかったわけですよ。そこに住んでいる者が全く知らないんです。そういう状態ですから、環境アセスメントの中に住民参加ということが切実に求められるわけですが、一つお約束いただけませんか。住民と話し合って、絶対にごり押しはしない、納得を得て進めていく、これだけはお約束できますね。
○大城参考人 私らといたしましては、整備計画をいただきましてから、先ほど申し上げましたように四十八年でございますけれども、四十九年の九月ごろから地元の各府市、それから農政局、その他関係市町村と十分協議いたしまして決定したものでございます。それで、先ほど申し上げましたように、ルートの変更は非常に困難である、こう考えております。
○藤田(ス)委員 私が聞いているのは、ルートの変更が困難であっても、調査の不十分なところについてはそれを補いながら住民の納得のいくような解決で、ごり押しはしないのかということを聞いているわけです。
○大城参考人 先ほども申し上げましたように、事業説明、設計協議の段階において十分地元の方々と意見を交換し、納得していただいて事業を進行させていきたいと思っております。
○藤田(ス)委員 それじゃ立ち入ってもう一つ聞きます。 近畿自動車道の料金所の一つとして決められている深井畑山地域のこの場所は、堺市も議会答弁で認めているように、堺市内で随一とも言われる優良農地なわけです。大阪でも珍しくここは専業農家も多くて、五十四年には、五十二年ではないですよ、五十四年には農業振興地域として指定されているのです。もちろん、この近郊都市へのネギとかホウレンソウとか大根とかそういった新鮮な野菜の重要な供給源になっております。ところが、この農地の真ん中に道路だけではなしに、幅百四十メートル、長さ五百四十メートルですか、この料金所の設置を知ったのは、これはもう五十四年からずっと後のことですよ。ここに私「農協情報」というのを持っていますが、これが八一年で、やっとここにびっくりしたという文章が出てくるのですよ。この「農協情報」の中に、「畑山の優良農地が削られる!」ということで、地元の霜野亀造さんという人が文章を書いておりますが、地元の農家の人々は道路計画は知っていた、なるほどそれはよく知っていたけれども、しかし料金所の計画は寝耳に水であった、うそではないかと思った、掘り抜き井戸やビニールハウスで長年お金をかけ、そうして汗を流して育ててきた農地はこれによってほとんどつぶされ死活問題になるんだ、絶対反対だということをここに書いています。堺市からも公団に対して地元住民と十分協議されたいと申し入れを行いましたと、これも議会の答弁で言っているわけです。この点の道路公団の御見解を求めます。
○大城参考人 お答えいたします。 畑山地区に本線料金所を計画いたしましたのは、松原-岸和田間が均一料金制、岸和田から以南が対距離料金制を予定しているため、松原-和泉間の本線部に料金所が必要となるという点からでございます。その設置につきましては、道路構造及び全般的な立地条件等を勘案いたしまして、関係諸機関と十分な協議を行い、畑山地区に本線料金所を選定したものでございます。 なお、その設置の協議につきましては、これは都市計画変更を伴うということでございまして、整備計画決定後、地元関係機関と協議いたしまして、五十四年十一月に都市計画の変更をいただいております。
○藤田(ス)委員 私は、大阪などでわずかに残された貴重な農振地域にわざわざ料金所を計画すること自体そもそもおかしいと思うのですけれども、この都市計画変更の確認というのは五十四年一月十日であったと公団の方から聞いていますが、間違いありませんか。
○大城参考人 間違いありません。
○藤田(ス)委員 五十四年一月十日でしょう。そして、大阪府が、ここに農業振興地域として府の知事さんが指定をしたのはたった六日後の一月十六日なんです。これはどういうことなんですか。大体農振地域の指定というのは、二年から三年にわたって、それこそ地元の意見をよく聞いて、ここを農業振興地域に指定してもいいだろうかということで相談の上煮詰めて決めていくものなんです。そして、現在はここを農用地にも指定するということで堺市も非常に力を入れていらっしゃるわけですね。こんなこと知らなかったということ自身、さっきから調査したと言われますけれども、一体どんな調査をされたのかなと私は思うわけです。そうでしょう。農業振興地域整備法十六条では、国は、農用地利用計画を尊重し、農用地区域内にある土地の農業上の利用を確保しなければならないとあるわけですから、たとえ現在まだ正式に農用地ということで指定されていないとしても、農業振興地域として指定され、その復そういう動きのあるところについては、知事さんや市長に聞いた聞いたと言われますが、その知事が六日後に指定しているわけですから、どこまで聞いたのかあいまいですし、現地の農民にまず声をかけて、ここに料金所をつくるということになるけれどもいいやろかということで聞いてやれば、その時点でも十分話し合いが円満にいったはずだと私は思うのです。そういうことがなかったから、今日も絶対反対だという農民の声が出てきたわけですけれども、このような料金所を勝手に計画するのは本当に無謀だと思いますし、いまからでも地元の農家と十分協議をしていただきたい、そして納得のいく解決を求めていただきたいと思いますが、どうでしょう。
○大城参考人 お答えいたします。 バリアの設計につきましては、先ほどもちょっと触れましたけれども、施行命令をお受けした後、四十九年ごろから大阪府の農林部とか各市町村の農林担当あるいは近畿農政局と協議をさしていただきまして、決定の段階に至ったわけでございます。 それで、住民の方々には、環境問題を含めまして十分説明して納得していただきたい、そのように努力をしたい、かように考えております。
○藤田(ス)委員 何遍も言いますけれども、四十九年ごろから近畿農政局とか関係の機関と協議をして決定したと言いますけれども、そんならわざわざ大阪府がその六日後に農振地に指定するというようなばかなことはしないはずなんです。結局そこは知らなかったのですよ。知らなかったからこういうことになったというふうに考えざるを得ません。 時間がありませんので、これは地元と十分協議をしていただかないと、本当に死活の問題なんです。そして、大阪府なんかから軟弱野菜などの大事な農地がこういうことでどんどん消えていく、また働く意欲もなくしていくという点で大変重要な問題だと思いますので、ごり押しはしない、このことだけははっきり約束してください。それだけでお答え結構です、農民と話し合う、そしてごり押しはしないと。
○大城参考人 関係機関とよく協議をさしていただきまして、地元とも十分協議をさしていただきまして、納得していただくように努力したいと思います。
○藤田(ス)委員 それでは話をもとに戻しまして、次官通達によるアセスメントの内容なんですが、まず現地調査なんです。これは次官通達によりますと、技術指針細目というのを見ますと、大気の場合は国または公共団体等が設置する測定局で行う、こうなっているのですね。必要があれば現地調査を行うということになっておりますけれども、現在すでに自動車による大気汚染が相当問題になっているところでも実際には現地調査をやられていないのです。これは御存じないはずありません。松原ジャンクションでもそのことが問題になりましたし、いま豊中の螢ケ池で問題になっています。池田市でも問題になっています。現存自動車が通っていて、その周辺の人たちが非常に被害をこうむっているそこのところを実測せずに、測定局、つまりもう三キロぐらい離れた測定局のバックデータをとっていこうというわけですね。こういうやり方では、その道路わきの現況を正しく把握することができないと私は思いますが、これは環境庁の方からお答えを求めたいと思います。
○藤森政府委員 現在問題になっております建設省の通達によるアセスメントにつきまして、直接私どもの立場でコメントすることはお許しを願いたいと思いますが、一般論としまして、私どもとしましては環境基準の達成を困難とするような道路開設を避けることが望ましいということは当然のことと思っております。
○藤田(ス)委員 もう一回言ってください。もう少しわかりやすく言ってくださいませんか。
○藤森政府委員 このアセスメントの場合におけるデータのとり方の御質問で、基本的な考え方を先ほど申し上げましたけれども、これも一般論としてお聞き取りを願いたいと思いますけれども、環境影響評価に使用するデータの適否といいますものは、その場合場合によって非常に変わってくるものでございます。したがいまして、ただいま御指摘のように道路から三キロも離れた場所のデータというものも、一概にそれは悪いというふうに即断はできないと思います。 それからまた、もちろん既存のデータだけに頼ろうとしたような場合には、これは必ずしも好ましいことではございませんで、必要に応じ適切なデータの収集に努めるべきことはアセスメントの態度としては当然かと思います。
○藤田(ス)委員 よくわかりました。要するに、これは好ましくないというふうに環境庁も言っていらっしゃるというふうに理解をしたいと思います。 もう一つ問題なのは、アセスメントの評価方法なんですね。次官通達では、この大気や水質の環境基準は努力目標としつつということで、事実上ないがしろにされているのじゃないかなと私は思うのですが、さらに騒音の環境基準は、現状の値が環境基準を超えている場合は、それ以上悪化しなければいいということで、環境基準など全く無視されているわけです。大臣の決められた環境基準が無視されていかのです。改めて言うまでもありませんけれども、環境基準というのはそれぞれの行政機関が努力する義務があるというふうに考えますが、そんなものをお構いなしにやっているこの環境基準の決め方、これにも大きな問題があると私は思いますが、どうでしょうか。
○鯨岡国務大臣 それは環境基準を決めた以上は、それを守ってもらわなければなりません。いいかげんに考えられるのだったら環境基準を決める必要ないですから、そのようにひとつ……。
○藤田(ス)委員 ぜひこのアセスメントの項目については改めるように、長官、建設省にちゃんと申し入れをしてくださいますか。
○鯨岡国務大臣 世の中どんどん発達していきますから、なかなかむずかしいのでしょうけれども、基準を設けた以上はその基準の中でやってもらえるように努力してもらわなければなりませんから、御趣旨を体しまして、機会を求めてそういうふうに話をしたいと思います。
○藤田(ス)委員 時間が参りましたので、もうこれで終わらなければなりませんが、私は、この道路建設に関するアセスメントについての問題にまだ多くの指摘したい点を残しているわけです。たとえば超低周波ですね、これは大変問題になっています。ところが、これが項目にありません。浮遊粉じん、これは環境庁が石綿の問題を取り上げようとしているときに、これももう項目の中から外されています。もちろん日照も外れています。しかも、住民参加というのは、先ほどの御説明にありましたように知事の意見だけ聞けばいい。その知事の意見もどの程度総合的に聞いているのか、さっきの農振地の指定の問題で矛盾を御理解いただけたと思いますが。だから、いまのこうしたアセスメントは開発の免罪符としてのアセスメントにすぎないということになってくるわけですね。ところが、これはもう通産省の発電所のアセスメントも全く同じようなものだと思いますが、長官は稲山経団連会長との会談で、政府の法案は現在行政指導でやっているこのようなアセスメントと変わらないんだというふうにおっしゃった、説得されたというふうに報道をされているわけです。そういう政府案で本当に真に有効なアセスメントになり得るのかという不安を国民は持たざるを得ないわけです。長官が所信表明で強調された、環境汚染の未然防止については国民の生きる権利の保障だ。まさに国民の生きる権利の保障のために、国民の期待する真に有効なアセスメントをつくるために、私は、こういう行政指導でやっているアセスメントと変わらないというようなことではなしに、国民の期待にこたえる内容のものにしていただきたいし、この点で長官の御意見をお伺いして、私の質問を終わります。
○鯨岡国務大臣 藤田先生、前にも申し上げましたけれども、日本は三十七万平方キロという小さな国土です。しかしながら、それがフランスや西ドイツやイギリスと比べて必ずしも小さいものではない。しかしながら、決定的に違うことは、日本は可住面積が二割ぐらい、先方の方は可住面積が八割、そして人口は日本の方が倍以上、そして日本の経済寸かせぎ高は世界で二番目、しかもそれでとどまっていていいのじゃなくて、まだまだこれから発展していかなければならぬ。年率五%ぐらいで伸びていくと、西暦二〇〇〇年になる前に倍になっちゃう。この中で、環境を悪くしないで人間の生命、健康というものを本当に大事にしてやっていくというにはどうしたらいいか、よほど苦労しなければそれはできませんぞというのが私の基本の考えでありまして、稲山さんと会ったときに、行政指導と変わりありませんよ、そういうふうに言ったのではないのです。いまでも環境アセスメントしないではどんな事業だってできないですよ、そうでしょう、行政指導でもやっているし、あるいは条例でやったり要綱でやったりしているじゃありませんか。いずれにしても、何かの方法でアセスメントしなければできないのですよ。できないとするならば、せめて国がやる大きな仕事については、国会の衆参両院の御審議を経た信頼と権威あるルールづくりということをするのはどうしていけないでしょうか、そうした方がよほど住民は安心するじゃありませんかということを申し上げたんで、いまと同じことでございますよというような言い方をしたわけではありません。
○藤田(ス)委員 時間が来たので終わります。ありがとうございました。 ――――◇―――――
○山崎委員長 この際、馬場昇君外二名提出の水俣病問題総合調査法案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。馬場昇君。 ――――――――――――― 水俣病問題総合調査法案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○馬場議員 私は、提案者を代表いたしまして、水俣病問題総合調査法案につきまして、その提案理由及び主要な内容について、御説明申し上げます。 水俣病は、世界最大の水汚染公害であり、その被害は、原爆被害に匹敵する人類の経験した最も悲惨な被害であると言われています。 水俣病問題について、その広さ深さを正しく総合的に把握し、その対策を樹立することは、被害者に対する救済対策の完全を期するだけでなく、人類の未来に対する今日の行政の責務であります。 今日までの水俣病問題に対する行政の対応は、不十分であったばかりでなく、不作為があったと言っても言い過ぎではないのであります。また、行政の想像力の追いつかない事態があったため、有効な手を打つことができなかった点も多くあるのであります。 そのため、水俣病の事実判明後二十数年を経過した今日において、言語に絶する水俣病の医学的病像さえもいまなお未解明であり、被害の全体像及びそれが及ぼした影響等について実態が明らかではありません。水俣病問題は、いまだ混迷の状態にあるのであります。 水俣病の前に水俣病はなかったのであり、水俣病の後に水俣病があってはならないのであります。 水俣病問題は、総合的な実態把握なしには完全な対策は樹立されません。水俣病問題解決の遅滞をなくし、不作為を解消し、住民の健康が守られ、環境が改善され、豊かな社会生活が営まれるための、完全な水俣病対策が樹立てきるための基礎となる総合調査を行うことがこの法律案を提出する理由であります。 次に、この法律案の主要な内容について御説明申し上げます。 第一に、この法律の目的は、水俣病の健康被害及び環境破壊等の医学的生物学的調査はもちろんのことでありますが、さらに、水俣病が及ぼした社会学的、経済学的、政治学的、教育学的等の各分野への影響とその実態を総合的に調査を行い、その全体像を明らかにしようとするものであります。 第二に、調査の目的を達成するため、政府は総合調査計画を定めることとしていますが、水俣病問題は、住民、特に被害者の心に立った調査及び対策でなければなりませんので、総理大臣は、住民、特に被害者代表を含む水俣病問題総合調査審議会の意見を聞かなければならないこととし、住民の意見が十分反映された総合調査計画としなければならないこととします。 第三に、調査実施は関係県が行うことにしていますが、関係県知事は、国の総合調査計画に基づき、実施計画を策定することにしています。実施計画を定めるに当たっては、国が調査計画策定に当たって行った精神で行うことは当然ですが、住民の意向を反映させるために、特に、調査に当たっては関係住民に説明し、理解を得るようにしています。 第四に、調査のため、工場、事業場等に立入検査ができるようにしています。 第五に、総理大臣は、毎年、知事の報告に基づく実施状況を国会に報告し、国民の理解を求めるとともに、批判を受けなければならないこととします。 第六に、調査に要する経費は全額国の負担としています。 第七に、水俣病問題総合調査審議会委員は、被害者を中心とする住民代表、関係自治体代表及び学識経験者の三者構成に関係行政機関の職員を加えて構成することにしています。委員の選任は民主的に行うことは当然であります。 第八に、この法律は五年間の時限立法でありますが、十分な調査が終わらない場合は、法改正で延長が議論されるのは当然であります。 以上が本案の提案理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○山崎委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る二十四日火曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十五分散会 ――――◇―――――