外務委員会 第15号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/05/15
会議録
○奥田委員長 これより会議を開きます。 この際、万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件、小包郵便物に関する約定の締結について承認を求めるの件、郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定の締結について承認を求めるの件、郵便小切手業務に関する約定の締結について承認を求めるの件、及び、日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との問の郵便支払指図の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件の五件を一括して議題といたします。 まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。外務政務次官愛知和男君。
○愛知政府委員 ただいま議題となりました万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件、小包郵便物に関する約定の締結について承認を求めるの件、郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定の締結について承認を求めるの件及び郵便小切手業務に関する約定の締結について承認を求めるの件につきまして、一括して提案理由を御説明いたします。 万国郵便連合は、世界で最も古い歴史を有する国際機関の一つで、創設以来国際郵便業務の発展の中心的役割りを果たしておりますが、わが国も、明治十年に加盟して以来積極的に連合の活動に参加し、郵便の分野における国際協力のために努力しております。 連合は、その基本的文書であります万国郵便連合憲章に基づいて機能しておりますが、連合の枠内において、すべての加盟国について締結が義務づけられている万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約と、個々の業務を規律し締結が任意とされている約定とが作成されております。これらの文書は、連合の最高機関であって通常五年ごとに開催される大会議において更新されることになっており、現行の文書についても、昭和五十四年にリオデジャネイロで開催された第十八回大会議において、国際郵便業務における最近の事情を考慮してその内容に変更と補足が行われました。その結果、現行の文書にかわる新たな文書が作成されました。これらの新たな文書は、いずれも本年七月一日に発効し、現行の文書にかわることになっております。 以下、簡単に個々の内容について御説明いたします。 万国郵便連合一般規則は憲章の適用及び連合の運営について定め、万国郵便条約は国際郵便業務に適用する共通の規則と通常郵便業務に関する規定とを内容とするものでありますが、これらの文書は、ともに、憲章第二十二条に規定する連合の義務的文書であります。 小包郵便物に関する約定は、締約国の間における小包郵便物の交換を規律するもので、わが国は明治三十五年から締約国となっております。 郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定は、送金の制度としての郵便為替業務等を規律するもので、わが国は、明治十八年から締約国となっております。 郵便小切手業務に関する約定は、郵便振替口座を利用して行う送金の制度である郵便小切手業務を規律するもので、わが国は大正九年より締約国となっております。 以上の一般規則及び条約並びに諸約定を締結することは、わが国が連合の一員として今後とも連合における活動を続けるため、また、わが国と他の締約国との間の各種郵便業務の円滑な運営の継続を図るために必要であると考えられます。 よって、ここに、万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約並びに三つの約定の締結について御承認を求める次第であります。 最後に、日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の郵便支払指図の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 わが国と外国との間の郵便送金業務は、一般的には、万国郵便連合の郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定または郵便小切手業務に関する約定に基づいて実施されております。しかし、連合王国は、これらの約定のうち、郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定を締結しておらず、また、郵便小切手業務に関する約定は締結しているものの同約定に基づく払い出し業務は実施しておりませんので、わが国の郵便為替業務及び郵便振替の払い出し業務に該当する郵便支払指図の業務を両国間で実施するためには両国間で約定を締結する必要があります。 両国政府は、このため、約定の締結交渉を行い、約定の案文確定のための調整を重ねた結果、先般最終案文について合意を見るに至りましたので、本年二月十三日に東京において日本側伊東外務大臣及び山内郵政大臣と連合王国側コータッツィ駐日連合王国大使との間でこの約定の署名を行いました。 この約定は、前文、本文十一カ条及び末文から成り、わが国と連合王国との間で郵便支払指図の交換を行うに当たって必要となる基本原則について定めております。 この約定を締結し、わが国と連合王国との間に新たに郵便支払指図の交換を開始することとなれば、両国国民間の送金の利便が拡充されるとともに、両国の協力関係の一層の促進にも資するものと期待されます。 よって、ここに、この約定の締結について御承認を求める次第であります。 以上五件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
○奥田委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 各件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○奥田委員長 速記を起こして。 ————◇—————
○奥田委員長 国際情勢に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土井たか子君。
○土井委員 まず、確認をさせていただきます。 五月八日の日米共同声明の中に言う「同盟」は、軍事同盟なんですかどうなんですか。
○伊東国務大臣 この前もお答えしたと思うのですが、日米関係の全般の関係を考えまして、政治、外交、経済、文化とか、そういう領域、それから日米関係には安全保障関係がございますので、当然その関係は、あの条約の中には経済の問題もありますが軍事の問題もございますから、安保体制というものも含めまして全部の関係で同盟関係ということを言ったわけでございまして、両国の民主主義、自由ということの上にそれを構築しようという広い関係でございます。もちろん、その中に安保体制も含めて考えている、こういうことでございます。
○土井委員 いまの御答弁はコメントでありまして、私の質問に対する御答弁をまだいただいていないのですね。 共同声明の中に言う「同盟」は、軍事同盟なんですかどうなんですか。安保条約問題を問題にして私はお尋ねしているわけじゃないのです。
○伊東国務大臣 同盟関係ということを言っておるわけでございますから、同盟条約を結ぼうとかそういうことを何も言ったわけじゃないのでございまして、同盟関係にあるということを言ったわけでございます。その中にはさっき言いましたようなこと全部が含まれた日米の両国関係全部を同盟関係ということで表現をした、こういうことでございます。
○土井委員 その「関係」という、リレーションシップという以前の「同盟」というそのもの自身に対して軍事同盟と呼んでいいのかどうかということが大変問題になっておるわけでありますから、もう一つしぼって、外務大臣、ここで明確にその辺をお答えいただいておきたいと思います。いかがですか。
○伊東国務大臣 同盟関係という両国の関係を言ったわけでございまして、同盟条約とか、そういうものを結ぼうとかいうことじゃないわけでございまして、その同盟関係の中には当然安保体制も入っておりますので、安保体制の中の軍事関係のことももちろん同盟関係の中に入れている、こういうことでございます。
○土井委員 その点、はっきりしないのですね。安保関係が「同盟」の中に入っている、それは当然でしょう。それは言われなくたって現実がそうであります、「同盟」という言葉を使おうが使うまいが、いま現に日米安保条約というものは有効に機能しているわけなんですから。したがって、わざわざ「同盟」という表現をこのたび初めて使われたところに実は意味があり、問題になったという由来があるわけですね。この共同声明の中に言う「同盟」というのは、軍事同盟なんですかどうですか。再度お答え願います。
○伊東国務大臣 同盟関係ということでございまして、その中にはいま申し上げましたような政治も、経済も、文化も、安保体制というものも入っているということを申し上げましたから、軍事関係も同盟関係の中に入っている、こういうことでございます。
○土井委員 軍事関係が同盟関係に入っている、すなわち「同盟」には軍事的意味がある、こういうことになるわけでありますか。
○伊東国務大臣 ここで言いました「同盟関係」は、軍事だけを目的にして同盟関係と言ったとかそういうことじゃございませんで、広い意味の、先ほどから申し上げる全般にわたっての日米関係というものは同盟関係だ、こう言ったわけで、その中に軍事の問題もある、こういうことを私はさっきから申し上げているわけでございまして、こういうことをやったから新しく軍事的意味を持たせるとかそういうようなことではない。従来の枠組みをここで「同盟関係」ということで表現したわけでございます。
○土井委員 先日来、実は前代未聞の珍事が起こっているわけであります。内閣総理大臣が外務官僚の発言に振り回されるようなかっこうに結果としてはなりまして、総理御自身が怒られたり弁明をされたり、ここ二、三日の報道はこれで持ち切っていると申し上げていい。鈴木内閣の元締めであると申し上げてもよい伊東外務大臣も、自民党内閣は総理みずからが官僚に振り回されているものであるということがおわかりになっているであろうと私は思うわけであります。 しかし、問題の共同声明を発表された後の鈴木総理の日本人記者団との会見の折のこの問題に対する答えというのは非常にはっきりしている。日米関係を同盟と呼んだ意味は何かということを質問されまして、それに対して総理御自身は、軍事的意味合いは持っていない、このことははっきりと首脳会談でも申し上げた、平和憲法のもとで自衛のための防衛力しか持てない、専守防衛に徹する、軍事大国にならないという点をはっきりさせているから、軍事同盟などということは、こういう気持ちは全然共同声明にも入っていない、こう非常にはっきりおっしゃっているのですね。これは非常に明確だと申し上げていいと思うのです。 ところが、その後、十二日の外務省首脳と記者団との会談の節、外務省首脳なる者が、軍事的な関係、安全保障を含まない同盟はナンセンス、こう言っているのですね。総理の発言をひっくり返すような発言が外務官僚から出たのです。これは一体どういうことかということに相なるわけであります。総理の足を引っ張るということが外務官僚によってなされている、客観的に見たらそういうかっこうでありますけれども、外務大臣、これはこのままでいいのでございますか。
○伊東国務大臣 きょうは本会議がございますので総理もお答えになると思うのでございますが、外務官僚が云々という新聞に出ておったのを私も読みまして、聞いたわけでございますが、あれは新聞が真意をそのまま伝えているというふうには私はとらないのでございます。あそこで言わんとしたことは、日米関係の中には安保体制というものが客観的な事実としてあるのだ、だから日米の関係全部と言えば安保体制は当然入る、その中には当然軍事の問題が入っておるわけでございまして、日米間の全部の関係を同盟関係と言うのであれば、安保体制が客観的にあることはもうそのとおりでございますから、その中には軍事の問題もあるのだということを説明したわけでございます。 総理がプレスクラブで言われたことをいま土井さんはお聞きになりましたが、恐らく総理は、何も新しい軍事的なことを意味したのじゃないという意味で言われたのだというふうに私は解しておるのでございます。総理と私と外務官僚とおっしゃいましたけれども、事実の認識は一緒なんでございます。
○土井委員 事実の認識が一緒だとおっしゃいますが、国民の目から見るとそう映らないのです。総理が明確にプレスクラブで断言されたことからすると、懇談会での外務官僚の、その首脳と称する人が言われた発言というのは、まさに違ったことを言われている。軍事同盟でない同盟はナンセンスだということを言われている。これは外務省の責任は非常に重大ですよ。 外務大臣としては、いまそういうふうに新たな軍事的な約束をしたという中身のものではない、ただしかし、安保条約がある限りは軍事的な側面というものをどこまでも持っているということもこれは事実として認識しなければならない、こういう関係を十一日の外務委員会の席でも答弁をされ続けました。 さあそこで、ちょっとお伺いしたいのですが、アメリカがどこかで戦争や紛争を起こしましたときに、わが日本は中立的立場というのがとれるのでしょうかとれないのでしょうか、どうなんですか。
○伊達政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御設問の例でございますと、アメリカがどこかと戦争をしたときとおっしゃいますけれども、現在の国際法におきましては戦争というものは合法的なものと認められておりません。したがって、何かの武力紛争が起こるというようなことは、国際法の面から申しますれば、それは侵略に対する反撃、侵略を排除するための自衛権の行使、これが個別的自衛権であるか集団的自衛権であるかは別といたしまして、自衛権の行使として認められるものしかないわけでございます。 したがいまして、その場合には国連憲章のもとにおきまして直ちに安全保障理事会が機能する、安全保障理事会が第一義的に国際の平和及び安全を確保するという任務を持っておるわけでございますが、その安全保障理事会が実際上措置をとるまでの間は、当該侵略を受けた国が自衛権を行使いたしましてその侵害を排除するということも認められているわけでございます。 そこで、国際連合の加盟国というのは国連憲章を忠実に遵守する義務がございます。したがいまして、旧来の国際法におきます、いわゆる戦争法規というものが国際法に厳然として存在していたときにおきます戦争法規の中の一部としての中立法規という意味での中立義務とかあるいは中立国というようなものは、現在の国際連合ができました国連体制のもとにおきましては非常に漠然としたものになっておりまして、中立ということが果たしてあり得るのかということはむしろ問題となっているところでございます。それは……(土井委員「条約の解釈は要らない」と呼ぶ)ただ、国際連合の加盟国といたしましてはすべて侵略を排除するために国連に協力をするということでございまして、その限りにおいて厳密な意味での中立というのはないということが言えると思います。
○土井委員 条約解釈は結構です。 外務大臣、ここに言うところの日米間の同盟関係を日本は持っているんですね、共同声明でそれが明確に認められているわけですから。その日本は、アメリカが戦争を起こす、紛争を起こす、そういうときに中立国的立場というものをとり得るのかどうか、これは大臣、どうですか。
○伊東国務大臣 ここに「同盟関係」ということを言いましたのは、アメリカとの間の文化とか経済とか政治とか、その中に軍事ということで「同盟関係」と言ったわけでございまして、その軍事も、日本のできることは日本を守ることだけということで、その他の地域で軍事力を行使するとかいうことはできないということだけをこれはこの関係で決めたわけでございます。 いま先生のおっしゃるような、アメリカがどこかでどうした場合にそれにどういう態度をとるのだというようなことは、これはそのときどきの国際情勢でございますとか、紛争の性質もございますし、いろいろな関係があることでございますので、いまここでどういう態度をとるというようなことを断言することはできないわけでございますが、日本としましては日本の国益ということを自主的に考えて態度を決めるということだと私は思います。
○土井委員 最後に力を込めて自主的な立場ということをおっしゃいますけれども、非常に不安材料があるのですね。そのときそのときに決める、こういう話なんです。 さて、いままでにどういうことが問題になってきたかという経緯の中で、御存じのとおりベトナム戦争当時にこの国会でもこの問題が取り上げられまして、日本としては中立的立場というものがここで認め得るかどうかというふうなことがしきりに質問の中で出ているわけですが、結論から言うと、もう一度議事録を確かめていただきたいと思いますが、四十一年の五月三十一日、参議院の外務委員会で当時の椎名外務大臣は、日本はベトナム戦争に対してもアメリカに対して中立国たり得ないという答弁の結果になっているのです。非常に危ないですよ。いまのような御発言が、具体的なときには日本として毅然とした姿勢というものをとることがなかなかむずかしい。そういうことが具体例を通じてベトナム戦争当時の議事録の中にもはっきり浮かび上がってきているわけであります。 これは外務大臣、同盟関係というのは非常に危険な要素をこの中にはらんでいるということを言わざるを得ない。もしアメリカが戦争や紛争の渦中にある、またはそういうことを起こした、そういう場合に、日本としては毅然としてそれには関与しない、参加しない中立的立場というものがとり得るかどうかということについては、好むと好まざるとにかかわらず引きずり込まれるという関係になっていくのじゃないか。これはどうですか。 もう一度その点を含めて、中立国という立場がとれるかどうかということについて、ひとつ外務大臣から御答弁をはっきり承りたいと思います。——もう条約の解釈は要らない。外務大臣、それは政治家である外務大臣に私はお伺いしているので、役所からのそういう解釈は要らないです。大臣、いかがですか。時間がきょうは三十分しかないのです。もう条約局長の答弁は要りません。
○伊達政府委員 簡単に、ただいま椎名外務大臣の御答弁についての御質問がございましたので、その部分だけ私からお答え申し上げます。 これは先ほど第一番目に私が土井委員の質問に対して答えましたのと同じ意味におきまして、日本は国連の加盟国として中立たり得ないということを申し上げたものだと思います。
○伊東国務大臣 先ほど言いましたように、自主的に国益を考えて判断するということを申し上げましたそのとおりでございまして、先ほど条約局長が言いましたように、紛争が起きたときには国連で第一次的に処理するということがあるわけでございますから、日本も当然国連の一員でございますので、それは国連の中でまず相談をするということになろうかと思います。
○土井委員 国連の中で相談するというのは、一体どういうことなんですか。日本の立場というものを中立的立場であれという意味を持って相談をするということになるのか、それとも紛争解決の一役を担って国連を通じてそのことに関与するという立場をとるのか、どういう立場でそれは国連に相談するとおっしゃっているのですか。
○伊東国務大臣 先生も御承知のように、紛争が起きたときは、国連の安保理事会がまずこれをどうするかということで相談をするわけでございます。日本もいまは非常任理事国でございますから、当然そこで相談することでございますが、日本の態度は、やはり日本の国益を踏まえてこれは自主的に判断するという態度でそこに臨むということだと私は思います。
○土井委員 したがって、中立国という立場を日本は堅持をするという努力をしながらそういうことに臨むのか、どうなのか、この辺は——もう条約局長はいいです。外務大臣から答弁願います。
○伊東国務大臣 国連は、いま侵略国であるか、あるいは被侵略国に対して国連が援助をするかというようなことでございまして、国連では中立ということは憲章からは出てこないわけでございますが、日本としましてはやはり自主的な判断で国益を考えて決めるということでございますから、そういう国連の場でそれを侵略と判断するかどうかというようなときにはそういう態度で臨む、こういうことでございます。
○土井委員 問題が全然違った段階で御答弁になっているわけです。侵略国か被侵略国か、そんなことは関係ないのです。とにかく紛争か戦争にアメリカが関与する、そして事実それを行っているというときの日本の同盟関係にある立場というのは一体どうなるかという問題を私はきょうは聞いているわけであります。いまの侵略国であるか被侵略国であるかという認定がどうなるかこうなるかという問題は、全く論外です。大臣、少し違うところを御答弁になっているように思います。どうですか、もう一度私の言ったことを整理して答弁してください。
○伊東国務大臣 先生は、アメリカがどこかで戦争を起こした、こういうことをおっしゃっているわけでございますから、そういうことになれば、当然それが侵略かどうかということが国連で問題になるわけでございますから、私は先生の御質問を受けてお答えをしているつもりでございます。そういう戦争を起こしたというようなことになれば、当然安保理事会でそれは議論されるわけでございます。そのときに日本としては自主的な態度でそれを判断するという態度でそこに臨むべきだ、こういうことを言っているわけでございます。
○土井委員 さらに全然意味が違うのですが、これは少し時間をかけてまたやりましょう。 今回の首脳会談の席に防衛庁の担当官の方は同行されましたか。
○淺尾政府委員 しておりません。
○土井委員 そうして大事な第八項の中身というものができているわけでありますが、なるほどいま、してないということをお伺いしてわかります。防衛庁の方に私、お尋ねしましたら、この八項の中で何をおっしゃっているのかわれわれには全くわからない、日本の領域や周辺海空域における防衛力の改善ということも、在日米軍の財政的な負担ということも、いろいろ具体的なことは外務省に聞いてください、全くわれわれにはわかりません、つんぼさじきでございます、こういうことだったのです。共同声明のできるまでに、外務省と防衛庁との間で当然話を詰めた上でこのコミュニケができ上がっていると国民は考えているわけでありますが、事実は全くそうではない。外務省の責任はいまや重大だと言わなければならないと思いますが、この六月に予定されている事務レベル、さらには六月末の防衛庁長官のアメリカ側とのいろいろな話し合いの中身というのは一体どういうことを話し合うということになるわけでありますか。まさか具体的な防衛の整備の内容や役割り分担について話すはずがないと私は思っているわけでありますが、話す予定があるのかどうか。どうなんです、外務省の責任は大きいですよ。防衛庁がわからないと言うのです。
○淺尾政府委員 まず最初に、私、さっき防衛庁は同行してないと申し上げましたが、同行してないのは事実でございます。ただ、会談の場に在米大使館の防衛庁から出向している者が出席して、ワインバーガー長官との会談には出席しております。 それから、ハワイの会談で何を話すかということでございますが、これはまだ議題が決まっておりません。従来のSSCの例から言えば、当然に国際軍事情勢あるいは日本、アメリカの国防政策について討議するということでございますが、議題はこれから詰めてまいる段階でございます。
○土井委員 議題はこれから詰めてまいるとおっしゃいますが、先日私はアメリカ大使館の防衛担当のところに行きましていろいろ話をしてさましたら、アメリカ側は、ハワイに日本側が持ってこられるのはイエスかノーかしかないという物の言い方です。それは何でございますかというと、これはすなわちここに言うところの日本の領域、周辺海空域における防衛力の増強、在日米軍に対する財政的な負担を軽減させるという問題、このことに対して日本側に球は投げてある、そうして、それに対して努力しましょうという約束が共同声明の中身だ、それを持ってハワイに来て、イエスかノーかということを日本側から言うのをアメリカ側が待つばかりと、こういう話です。これから何をそこで問題にしていくのか考えますというようなふざけたことを言っていたのでは、アメリカ側の認識と大分ずれがあるということだけは確かですよ。 これは外務大臣、どうですか、この六月の事務レベル並びに月末の防衛庁長官が会談される中身として、具体的に日本の防衛力の整備の内容、役割り分担について話すということになるのですか、どうなんですか。
○伊東国務大臣 向こうで私も首脳会談に立ち合い、ワインバーガーさんと総理の会談、私とヘイグさんの会談も皆、私はそばにいたわけでございますが、ハワイで事務レベル会議、大村長官とワインバーガー長官の会う際の議題につきまして、どういう議題でやるというような話は具体的にはしておりません。向こうからも出なかったし、こちらからもこういう議題でやろうということを言ったことはございません。 ただ、それに書いてありますように、在日駐留米軍の経費の負担減少について努力をするというようなことを言ったのか、もうそのとおりでございまして、これは来年の予算にも関係することでございますので、防衛庁として来年の予算をどういうふうに要求するかというような段階でございますので、そういう話も向こうから期待表明が出るだろうという可能性は私は否定はしないわけでございます。ただ、それ以上に具体的にどうこう、どういう議題、どういう議題ということを決めたのではないということだけは確かでございますので、防衛庁、外務省も相談に応ずると思いますが、こういう議題でやろうというようなことはこれからのことだというふうに私は思っております。
○土井委員 それでは、簡単に一言これに答えていただいて、関連質問に移りたいと思うのです。 これはハワイで、さらには防衛庁長官との話し合いの中で、日本側としては護衛艦を何隻にする、潜水艦を何隻にする、P3CやF15を一体何機にするという具体的な問題についてアメリカ側と約束するという会談ではないのかあるのか、その辺、どうなんです。
○伊東国務大臣 まず、ハワイ会談に臨むに当たって総理は、行く者に、これは防衛庁と外務省も参画するわけでございますから、防衛庁と外務省に自分の考えも言うて、そしてその上で出席をするというようにした方がいいと思うというようなことを、私と二人の話し合いでは言っておられます。総理の意向をはっきり伝えて、そしてその上で出席をする方がいいということを総理が言っていられることを申し上げておきますが、いまおっしゃったような具体的なことをどうするかということにつきましては、私はいまここで答弁するような立場にありませんので、申し上げかねます。 私がワインバーガーさんとこの前会ったときは、いろいろ具体的な中業の問題等は大村長官とよく話されたらいいのじゃないか、期待表明があればそのときされたらいいじゃないかというようなことを言ったことがございますので、向こうがどういうことを言いますか、その点、私はいまここで御答弁をはっきり申し上げる立場にないということだけ申し上げておきます。
○高沢委員 では、関連で一問だけお尋ねいたしたいと思います。 いま土井さんが問題にしておりましたこの第八項のところですが、ここでは「両者は、」つまり日本とアメリカは、「両者は、日本の防衛並びに極東の平和及び安定を確保するに当たり、」ここでは日本の防衛と極東の安定を並べてあるわけですね。そして、日米両国間で適切な役割りの分担をする。それを受けて今度は、日本は周辺海空域における防衛の努力を強化する、こうなっていますが、もともと軍事同盟というものはお互いに自主的にやることが共通の目標で一致する、それで同盟が成り立つわけです。したがって、ここでも「自主的に」とありますが、先ほどの同盟の論議ではありませんが、ここまで日本の周辺海空域における努力を日米共同声明でうたったのは初めてでありますから、そういう意味においては軍事的な同盟関係として明らかに一歩踏み出した、私はこう考えるわけですが、その立場でひとつお尋ねします。 そうすると、ここで空域は触れません、日本の周辺の海域で、主に日本が期待されるのは対潜水艦でしょう。その潜水艦というのは当然ソ連の潜水艦、こうなります。先般のアメリカのポラリス型潜水艦、これを見てもわかるように、恐らくソビエトも、対アメリカの戦略潜水艦というものが日本の周辺の公海の海域を走っておる、こう見なければならない。それを日本の周辺の海域で日本が軍事的に規制する役割りを分担するということになったときに、このソ連の戦略ミサイルはだれをねらっている、こう言えば、目標は当然アメリカにあります。そうすると、アメリカを目標としているソ連の戦略潜水艦を日本がやりますということになったときは、これはどう見ても明らかに攻守同盟、集団自衛権の軍事同盟である、こう見ざるを得ないと思いますが、大臣、いかがでしょう。
○伊東国務大臣 ここに書いてありますのは、先生お読みになりましたように、日本の防衛とあとは極東の平和、安全ということでそれぞれの役割りということを書いたわけでございますが、周辺数百海里あるいは航路帯千海里、こう言っているのはあくまで日本を守るための防衛ということでございまして、それ以外の極東の地域に軍事力とかそういうものではできないのだ、経済力、政治、外交、そういう役割りを担うのだということを従来から考えているだけでございまして、何も今度新しくそういうことをやろうというようなことを決めたわけでも何でもない、従来の考え方をそこに書いたというにすぎないということでございます。
○高沢委員 大臣、それは詭弁じゃないですか。日本の周辺海域の中で某国の潜水艦を発見した、この潜水艦は極東を向けてやっているのか、アメリカを向けてやっているのか、識別できますか。アメリカを向けてやっているならこれは除外する、極東を向けてやっているならやっつける、こういう識別が具体論としてできますか。全体を含めてやるようになるでしょう。全体を含めてやるときは、明らかに攻守同盟ですよ。大臣、いかがでしょう。
○伊東国務大臣 日本の防衛のためにやるだけであって、そのほかのことはできないわけでございますから、この関係は従来と全然変わっておりません。
○高沢委員 もうすでに約束の時間でありますから、この問題はまたの機会に譲りますが、しかし大臣、いまのあなたのお答えは明らかに詭弁ですよ。日本の防衛という名目であっても、それがある国の潜水艦を対象にするときに、その潜水艦が全体として展開しておる軍事的な役割りというものをこちらで主観的に選別できるはずがないので、そうなったときは——そうなったときはではない、すでになっている。なっているということは、この同盟は皆さんが否定される明らかに攻守同盟という性格を持ったものだ、私はこう考えますが、この点についてはまた時間を改めてひとつお願いをしたいと思います。
○土井委員 あと一問だけ申し上げて終わりますが、先ほどの中立の問題なんです。 アメリカが戦争並びに紛争を起こした場合、同盟国である日本も、国連にアメリカのこの問題を持ち込んで問題にする立場にあるのですね、どうなんですか。——いや、もう局長の答弁は要らない。大臣、どうですか。
○伊東国務大臣 国連憲章でございますので、それに日本も入っておりますから、当然そういうことでございます。
○土井委員 終わります。
○奥田委員長 玉城栄一君。
○玉城委員 外務大臣、時間が十五分しかございませんので、お答えもポイントでお願いしたいと思うのですが、わが国の憲政史上、今回の日米首脳会談並びに共同声明をめぐる政府の混乱ぶりは、本当にこういうことはまれではないかと思うわけであります。いわゆる総理の記者会見での考え方、それと外務省のお考え、あるいは防衛庁と外務省との考え方の不一致といいますか、そうして仕方なく統一見解、この政治責任は非常に重大なものがあると私は思うわけであります。その点につきまして大臣とされて、これはわが国の命運がかかるような重大な首脳会談、総理から外務省、防衛庁、統一見解まで出すというあわてぶり、混乱ぶり、こういう原因は一体どこにあるとお考えになり、そして、総理自身が共同声明について不満を述べておられる、そのことについて大臣とされて総理と何か話し合いをされたわけですか、二点お願いをいたします。
○伊東国務大臣 後の方から申し上げますが、総理が云々されたということを私は新聞で読んだだけでございまして、私には一言もそういう話はございませんので、総理と特にそのことについて話したということはございません。 それから、前の方の問題でございますが、総理も私も事務当局も、事実の認識は実は一致しているのでございます。といいますのは、日米関係には当然安保体制というものがあるということはだれも否定しない。総理も私も事務当局も同じ考えでございまして、それは何も違ってないわけでございます。 ただ、一つの例を言いますと、私は安全保障条約は片務的なものだということを申し上げたことがある。それは第五条をとりまして、日本には個別的自衛権しかないので集団自衛権はないということで、アメリカが攻められたり何かあってもそれを助けるなんということはできません、自分を守るだけでございます、でございますから、これは個別的自衛権でございますということを私は言ったのでございます。 だが、それはあるいは言い足りなくて、いや、基地の提供もある、ことしも約十億ドル負担をしているということはアメリカにとっても利益になっている、極東が安全だということはアメリカにとっても利益なんだという面から見れば、これはアメリカも利益があるので、そういう意味では双務的と言えるじゃないかというようなことをあの場合に事務当局が言ったということでございまして、これは私が言葉が足りなかった、そこまで説明すればよかったんだな、こう思うわけでございますが、私は個別自衛権というものを非常に強調したことでそういうことを言ったというふうなことで、事務当局と私は何も違いはない。 私と総理も、安保体制があるということはもうだれも否定すべくもないのでございまして、その中に軍事的な問題はあるということでございます。ただ、総理のおっしゃったのは、新しく軍事的な意味を持たせるようなものは同盟関係と言ったところにはないという意味のことだったと私は思うわけでございますので、みんな事実の認識、考え方には何も変わりはなかったというふうに思っておるわけでございます。 ただ、帰りましてからいろいろ議論があるわけでございますが、舞台回しとか準備とかは一切外務省がやったことでございますから、そういう意味の御批判その他は甘受しますし、それは一切私の責任でございますということをこの前申し上げたわけでございます。
○玉城委員 いろいろおっしゃっていること、本当にいまごろ弁解あるいは言いわけのような感じがしてならないわけでございます。これは首脳会談を終わりまして総理の日本人記者団会見のときにも、これは朝の七時半のテレビで全部日本の国民が見ているわけですね、そのとき、日米同盟というものは軍事的な意味は含まないということを明確におっしゃっているわけです。それがいまいろんな修正をされて混乱をして、今度は統一見解、こういう形になっているわけですね。これは本当に政治的な責任というのは重大なものがあると私は思うわけであります。 そこで、第二回首脳会談での鈴木総理とレーガン大統領との会談の内容を、そのポイントだけおっしゃっていただきたいのです。というのは、総理はそのことが共同声明に入ってないので不満だという意味のことを対外的にもおっしゃっていますので、その点、ちょっと内容を教えていただきたいと思います。
○伊東国務大臣 総理が対外的におっしゃったということでございますが、総理が私にこういうことだというようなことを言われたことはないのでございますので、それは私はよく知りませんから、そのことは別にしまして、第二回会談では、総理が日本の防衛に対する考え方を述べられたわけでございます。 これは、憲法の制約というものははっきりあるのだ、それで日本の基本的な防衛の考え方は専守防衛、個別自衛権だけしかないので、専守防衛、または他国を脅威するような軍事大国にならぬ、非核三原則がある、そして国民のコンセンサスということが大切なんだ、委員会がようやく国会にもできたが、この国民の防衛に対する考え方を大切にしていかなければならぬ、あるいは財政再建ということがいま非常に問題なので、防衛費だけを非常に突出させるというようなことはなかなか問題なのだということをるる御説明になったということ、日本側の防衛に対する考え方を述べられたわけでございまして、八項の中にも、憲法とか日本の基本的な防衛の考え方に従って自主的に考えるというようなことが入っております。それを敷衍して総理が言われたということでございます。
○玉城委員 いま大臣のおっしゃったその中身が共同声明に入っていないということで、総理自身は御不満のようなことのようであります。したがって、わが国の財政は御存じのとおり再建ということで大変な重大問題ですね、そういう財政の状況を無視して防衛費増強なんということはできるわけはないわけですから、当然こういう大事な問題、いわゆる国民のコンセンサスの問題とか、いまるるおっしゃいましたことがどうして共同声明の中に入っていないのか、それは入れる価値がないという判断があったのか、その辺、いかがですか。
○伊東国務大臣 価値がないとかそういうことでということじゃございません。防衛に対する基本的な姿勢の中には、もちろんいま申し上げましたような、日本では財政再建というものもあり、国民のコンセンサスということもあり、これは何回も向こうに言っていることでございますが、そういうもとで考えるわけでございますから、着実はできるが顕著はなかなか無理だということで常に言っていることでございまして、そういうことはみんなこの中に入っているというふうに私は考えております。
○玉城委員 入っているとおっしゃったって、そういうことは全然入っていません。 〔委員長退席、稲垣委員長代理着席〕 これは本当に非常に重大な問題だと思うのです。 それで、統一見解なんですが、きのうですか、その統一見解の中にいわゆる新たな軍事的意味を付加したものではないということをここでもおっしゃっているわけですね。先ほど大臣は、総合安全保障の中には軍事も含まれるということをおっしゃっておられましたが、そのとおりでよろしゅうございますか。
○伊東国務大臣 総合安全保障ということを言います場合には、当然それは軍事の問題も入って考えるわけでございまして、総理が言われたのについていま先生、統一見解とおっしゃいましたけれども、何も統一見解ということじゃなくて、これはもともと当然そういうことだったわけでございますが、前提は安保体制というものはあるのだから、ここでも私、十一日の日かお答えしましたが、当然その中にあるわけでございますから、その安保体制の中には経済問題もあるけれども軍事の問題が多いわけでございますので、当然総合安全保障という考えの中には軍事の問題も入っているし、われわれの考え方でも、同盟関係という中には、安全保障体制ということがある以上は軍事の問題はあるわけでございまして、ただ、新しくここで軍事的な意味を持たしたものを約束したとか、何もそういうことじゃない、こういう意味でございます。
○玉城委員 そうしますと、おっしゃいますところの総合安全保障という考え方の中には軍事は含まれている、しかしその軍事なるものは日米安保のことを言っているのであって、新たな軍事的なものがつけ加わっているという意味ではないということになるわけですね。よろしゅうございますか。 そこで問題は、この共同声明の八項に、わが国の周辺海空域の防衛力増強に一層努力する、こういうことが書かれているわけでありますけれども、これはこれからそういうことをやろうということになるわけですから、新たなわが国としての自主的な、政府はそのようにおっしゃっているわけですけれども、そういう防衛努力をしようということになるわけですね。そうしますと、いわゆる防衛大綱の別表にいろいろな、飛行機を幾ら持つとか、船を幾ら持つんだとか、こういうことが書かれておりますね。こういうことについても、これは質的にも量的にも今後どんどんふえていく、あるいはいかないという保証は全くないと思うのですが、その点はいかがですか。
○伊東国務大臣 一層努力しようということは、先生も御承知のように「防衛計画の大綱」はまだその水準にも達していないということでございますので、総理も常にこの水準に早期に達成するように努力するのだということを言っておられるわけでございます。ここに書いてあることはまさにそのとおりでございまして、この間国防会議をやって、そこでどういうふうにこの「防衛計画の大綱」を達成するようにするのだということをみんな議論したわけでございまして、その中で恐らく日本側としては防衛庁が計画をつくっているということだと思いますので、アメリカ側といまわれわれ行って話してどうこうというところまでは、まだそういう話は全然しなかったわけでございます。
○玉城委員 しなかったということでありますけれども、これは本当に実態的には、こういう決められているもの、あるいはそれの限界はもうないわけですね。実態的にいわゆるあの海域の防衛ということをやろうとしますと、これはもう予算的にも大変な、またそういうこともやってはならないと思うのですね。そういうことの保証も何もない。そういうことをちゃんと日米共同声明で約束してこられているわけですね。これは新たな軍事的な、いわゆる適切な役割り分担、そのようにどうしても受け取らざるを得ないわけです。大臣、いかがですか。
○伊東国務大臣 ここに書いてありますのは一層の努力をするということでございまして、いままでと何にもその点は変わっていない。総理も国会で、予算委員会その他の場を通して常に言っておられることでございまして、今後とも防衛力の強化ということについては着実に整備するように努力をしていくということを申しておられるわけでございます。その点、私は、いままでやっていたことをそのままここに書いた、何も新しく意味を持たせて書いたものではないというふうに、私は本当に会談のそばにずっとおりましたので、そういうことを申し上げて差し支えない、こう思います。
○玉城委員 もう時間がございませんので、最後に一点。 経済協力の問題にいたしましても、今後は「重要な地域に対する援助を強化してゆく」ということからしますと、従来の南北問題という立場から考えての経済援助でなくて、これはまさにもう東西関係という立場から、経済援助についてもそういう側面が感じられるわけですが、その点、いかがですか。
○伊東国務大臣 これは私も向こうでいろいろ話したところでございまして、重要な地域というのは特にどこどこと言っておりませんが、日本でも頭に置いてすぐ出ますのは、カンボジアのそばのタイでございますとか、アフガニスタンのそばのパキスタンでございますとか、そういうところに紛争周辺国ということでやっているわけでございます。そういうことを頭に置いて書いたのでございまして、そこの項の前の方をお読みになりますと、ずっと南北問題が書いてあるわけでございます。南北問題が中心だという経済協力の運営につきましては、これは前から申し上げたとおりでございまして、アメリカにもそのことはもうはっきり私は言ってあります。
○玉城委員 以上です。
○稲垣委員長代理 林保夫君。
○林(保)委員 大臣、御苦労さまでございます。短時間でございますけれども、日本はいま大変大事なときに差しかかっておると思います。特に総理がお帰りになってからの新聞で報道されるあの日米同盟関係をめぐる混乱というのは、見ておる一億一千万人、一体日本はどうなるのだろう、こういう事態だろうと思います。私も政治家の一人として道義的な責任をいたく感じます。そういう視点で、どうかひとつ国益を踏まえられまして、国民のためを思って率直かつ前向きな御答弁をお願いいたしたい、このように考えます。 外務大臣御承知のように、この同盟関係につきましては、大臣が官房長官当時に大平さんが向こうへ行かれまして、共甘共苦という言葉のもとに同盟ということをはっきり言われました。私もその当時、改めて同盟と言う、従来はパートナーシップとか日米対等とか、あるいはまた友好国、そういう範囲でしがなかったのを、同盟国と規定した、これは一体どういうことでしょうか、日米新時代だ、こういうことでしょうかという質問を五十五年五月八日の外務委員会でいたしまして、それなりの理解をいたしました。 そうしてまた、十一月五日の外務委員会では、戦後の日米の間の外交上初めて新しい言葉が日本文字として出てきました、これについて新たに大臣になられました伊東国務大臣はどのようにお考えになりましょうか。ここでるる大平さんが同盟と言われた背景を大臣は語ってくださいました。 そして、訪米を前にいたしまして、さきの予算委員会で大臣からも御丁重に、新しい太平洋時代が来るのだ、こういう希望を八〇年代に伝えたいという総理の所信表明演説を踏まえまして、東南アジアとは成熟的な関係、アメリカに対しては一層成熟的な関係をつくるために行くのだ、こういうことでございました。そこで、それでは大平外交の同盟という方針を踏まえまして行かれるのですね、こういう質問から、ここに議事録がありますので簡単に申し上げます。「そういう御説明でございますと、」これは私が言ったのでございます。「これから一層、経済、社会、文化関係、そしてまた防衛問題もございますので、軍事的な面も配慮いたして同盟関係を強化する、一層成熟させる、そのように理解してよろしゅうございますか。」鈴木内閣総理大臣は、「そのとおりでございます。」とお答えになりました。私、もっと聞きとうございました。しかし、なお国益を踏まえては、わからないものを聞いてもしようがない、最後に御健闘を祈りますということで送り出したのでございます。それは、その後の外務委員会でも大臣御承知のとおりだと思います。 にもかかわりませず、今日このような状態でございますが、あの解釈をめぐる問題、一にかかって私は、アメリカに対しても、これは国際信義の問題だと思うのでございますが、現状を追認したばかりだ、専守防衛は変わらぬ、こういうことを言われなければならぬ、現状を追認しただけだと。日本は大騒動です、やはり外務大臣がしっかりしたかじ取りをやっていかなければ。きのう、おとといの新聞を見ますと、これは大臣と見解が違うかもしれませんけれども、総理大臣がひとり孤立しているような感じの報道になっております。その間の経緯につきまして、簡単で結構でございますが、大臣、どのように御認識なさっておるか、お答えいただきたいと思います。
○伊東国務大臣 いまおっしゃったような御質問があり、総理が答弁をしておられたことを私も思い出すのでございますが、今度の向こうとの話し合いその他を通して、総理と私と全然考えは違ってないのです。同じでございます。事実の認識あるいは声明その他について何も違ったことはないのでございまして、それがいまのような状態になったということは、これはまことに私としまして、外務大臣として総理に申しわけないような事態だというふうに私は思っておるわけでございます。段取りその他一切外務省がやりましたので、いろいろなことがあれば、今度のことの責任は全く私にあるというふうに思っております。 総理がおっしゃった意味は、安保体制というものは当然もう何十年前からあるのだ、いまさらそれを言わなくてももうわかっているじゃないか、自分としては、ここで日米の関係で新しい枠組みをつくって、新しい軍事的な意味をそれに持たせるというようなことではないということを自分は考えておるので、ことさらに、いまある安保体制の中に軍事があるというようなことをわざわざ説明をしなかったのだということが、総理が私に言っておられることでございますので、総理と私の間に何にも考えの違いはないというふうに私は思っておるわけでございます。
○林(保)委員 大臣の反省を含めての、一切の責任は私にある、こういうことでございまして、それはそれとして私は評価いたしたいと思いますけれども、なお考えてみますと、先ほども大臣は、従来と全然変わっていない、こういう御答弁でございましたし、いまもそのようなニュアンスのお話をされました。しかし、それであったら何のためにアメリカへ行ったのだ、こういう問題が出るわけでございます。 先ほど申し上げましたように、大平総理は共甘共苦ということを言っておりましたけれども、私に対する鈴木総理大臣の答弁では、それをさらに一層深めて、共甘共苦とは言っておられませんけれども、「私は単なる友人関係とか仲よくしていこうとかいうことをさらに深めて、本当に一体になって肩を組んで、そして今後の国際社会に生き抜いていこう、また、協力し合って世界の平和に貢献していこう、」こういうふうに言っておられます。大臣のいまの御答弁と総理の意欲されたことは全く違っておりますが、訪米の成果をたたえたいと思いながらも、なおかつ、そうであるならば何のために国費を使って行ったのだ、一億国民はみんなそういう判断をするのでございましょうが、大臣、その答弁の違い、意欲と結果との違いというのは、どういうところから来ているのでございましょうか。
○伊東国務大臣 今度の訪米が成功だったと私は思っているわけでございます。それはまず、総理とレーガン大統領との間の個人的な信頼感というもの、これが非常にできたと私は思うのでございまして、あの会談でも、何か問題があれば電話で話をしよう、あるいは大臣同士で話し合いがつかないことがあったら何でも電話してくれ、自分が判断するというようなことを、わざわざみんなの前で向こうの大統領も言ったのでございまして、個人的な親近感といいますか、信頼感というものが非常にできたということでございまして、これは私は非常に大切なことだという感じがするわけでございます。 そして、国際情勢の認識の問題でございます。こういう問題について両方の首脳が話し合いをされるということでございまして、これは基本的には一致を見たということでございますし、また、たとえばポーランドの問題その他につきましても、一致した行動をひとつとろうじゃないかというような話し合いをされましたり、また、向こうは新しい政権、こっちも大平総理から鈴木総理とかわったわけでございまして、両首脳の間で、アメリカとの関係の緊密な連帯というものを一層強めていこうじゃないかということはありありと日米間に合意ができたわけでございまして、私は、鈴木総理が考えておられた意欲というものは今度は達成ができたというふうに思っておるわけでございます。 ただ、軍事関係につきましては、日本とアメリカの間でいわゆる新しい枠組みをつくって、そして日本が新しい軍事的な役割りを持つとか、そういうことはしません。向こうも、それは求めませんということ、これは、憲法の改正の問題とかそういう話も出たわけでございまして、そんなことは求めません、強制はしません、ひとつ自主的に話をしてその上で決めてくださいというようなことで、軍事の問題につきましては、新しい枠組み、新しい意味合いというものはなかったのでございます。その点は従来どおりでございますが、私は、さっき言いましたようなことで、今度の首脳会談というものは非常に成功だったというふうに見ておるわけでございます。
○林(保)委員 時間がありませんので率直にお答えいただきたいのでございますけれども、安保条約があるから同盟関係ということを規定したということ、そのことにつきましては昭和二十六年、サンフランシスコ条約と同時にでき、あるいは三十五年に改定になって、その後ずっと、考えてみればもう三十年です。なぜそれを使わなかったのか、使えなかったのか。こういったことが、私は、今日の政治に対する不信、特に、国際緊張が激しくなっておるときに、国民としては大変耐えがたいきもちであったろうと思います。 そこらを政治が率直大胆に、こうでございますと言い切れるような政治にする。大臣も、長い間の責任じゃございませんと思います。御就任になって一年でございますか、そういう状況の中で、昔のことを言っても仕方がないと思いますけれども、そこをとらえてやっていかなければならぬとすれば、どういう実態なのかということを国民にちゃんと伝え、内容もやはり明らかにしていくという私たちの責任があろうかと思います。 つきましては、なぜ今度の共同声明で、英文で「アライアンス」とあり、先ほど来言っているこの声明の日本文では「同盟関係」という言葉を使っているのか、この点についての御説明を簡単にひとつお願いいたしたいと思います。
○淺尾政府委員 アライアンスという言葉は、字引きで引いてみた場合にも、クロース、緊密な関係、共通な目的を持った関係という、非常に広い意味を持っております。ですから、その「アライアンス」を「同盟関係」というふうに訳すのは何ら不自然でないというふうに私たちは考えております。
○林(保)委員 伊達局長には、去年の五月にもうその同盟の定義そのほかを聞いておりますので、これは時間がございませんので議論をやめましょう。 六月十日に鈴木総理が欧州へ行かれます。十二日間の御日程と承っております。また御苦労をかけることだろうと思いますが、この間にありまして、アメリカと同盟関係、欧州とはこれまでの間に、オリンピックの問題とか、アフガンをめぐる問題とか、また、今日のポーランドの問題とか、非常に緊密な共同行為をとり、またとろうとしております。個々の国との間には、どういう言葉でもって、あるいは心でもって規定されてこれから外交を進めていかれるか、そのことを率直にお伺いしたいと思います。一言で結構でございます。
○伊東国務大臣 六月の上旬に総理がヨーロッパに行かれるわけでございますが、どういう関係かということでございます。 もちろんヨーロッパと、最近特に、イラン・イラクの問題、アフガニスタンの問題等から、経済的には非常に近い問題がありましたが、政治的に緊密な連絡をとるということをやっていることは御承知のとおりでございまして、これは、友好協調といいますか、協力といいますか、そういうことの関係でやってまいりました。 ただ、日欧関係という中には、日米関係というのは先ほど先生のおっしゃったような安保の問題という非常に大きな問題がありますが、これは条約がないわけでございますので、この関係につきましてはどういうふうに表現したらいいかというふうなことにつきましては、これは総理が行かれるまでにわれわれとしても十分検討をする必要があるというふうに考えております。
○林(保)委員 ぜひひとつ、アメリカを同盟と言うならば、いわゆる友好国、友邦国、ここらあたりをどうきっちり規定するかという問題も、対外的に表明するかどうかは別として、やはり外交ルールとして、もうつくっておられるのだろうと思いますけれども、そういうものをつくっていただきまして、お互い日本人が外へ行く、あるいは国際情勢を判断する上において迷うことのない対応をやっていかなければならぬ。現在も審議されております難民条約の難民の出てくる根源を絶つという問題一つとらえましても、そういう問題があろうかと思います。その点につきまして、日米欧、そして鈴木総理が大変大事にしておりますASEAN五カ国、それらに対する対応を外交の責任を持たれる大臣としてどのようにこれから規定するか、あるいは位置づけをやっていくか、この辺をもう一つ承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
○伊東国務大臣 いまヨーロッパ、アジアを挙げてのお話でございます。日米欧、また日欧の関係というものは、比較的いままでは日米ということで、日欧というものがどちらかというと薄く考えられた傾向がございますので、この点につきましては、やはり同じ民主主義、自由を標榜する西側の一員でございますので、この関係は政治的にも、経済的以外にもっと密接にする必要があるというふうに考えております。 ASEANはもう本当にアジアのきょうだいの国々だというふうに私ども思いますので、ASEANの態度というものを支持する。総理も行ってこられまして、経済協力その他で首脳と十分話をしてこられましたので、今後とも日本とASEANとの関係は、もうきょうだいのような親しい結びつきでこれを考えていくということが必要だ。どういう言葉で表現するかということは、これまた余り簡単に言いますと怒られますから、よほど検討しなければいかぬと思っておりますが、本当に緊密にしていこう、こういう考えでございます。
○林(保)委員 御健闘をお祈りしたいのでございますが、怒られますからという言葉だけは、大臣、やめていただきたいのでございます。大臣でございます。責任を持っておるわけです。その人がそういう形で言われたのでは、私どもちょっと引き下がれぬ気持ちでございます。大臣、ひとつよろしくお願いいたします。積極的にぜひやっていただくようにお願いしなければ、国民は心配しておるのでございますから。
○伊東国務大臣 ユーモアで申し上げたのでございますが、大臣がそういう言葉を使ってはけしからぬということであれば取り消します。まことに申しわけございませんが、私は日本の外交を預かるものとして、いまおっしゃった日米、日欧、日米欧、それからアジアの関係、これにつきましては何としても日本の国益ということを十分に考えて、自主的な立場に立って、十分友好国としてこの関係を緊密にしていくという最善の努力をしてまいるつもりでございます。
○林(保)委員 終わります。
○稲垣委員長代理 野間友一君。
○野間委員 時間がありませんので、端的に数点にわたってお聞きしたいと思います。 第一点は、共同声明の第八項に関連するいわゆる周辺空域の問題であります。 五月十一日の当委員会におきまして、伊東大臣は、これは周辺海域の上空を指すのだ、こういうふうに答弁されました。その後、たとえばきのうの衆議院の内閣委員会等々でも、これは北米局長が若干修正されたような答弁をされておりますが、大臣、これは確認しておきたいと思いますが、周辺海域の上空を指して空域と言われるのかどうか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○淺尾政府委員 まず、共同声明における空海域について、具体的に述べたものでなくて、一般的な表現であることを申し上げます。 第一点として、日本の自衛権の行使との関係において申し上げれば、日本が武力攻撃を受けた場合に、日本はこれに対処するために、必要な限度において、わが国の領海あるいは領域のみならず、周辺の公海、公空においても自衛権の行使として実力を行使し得ること、これは従来から政府が国会で答弁しているわけでございます。この場合、自衛隊が外部からの武力攻撃に対処するために行動することができる公海、公空の範囲、それは外部からの武力攻撃の態様によって一概に言えない、これも従来から政府は答弁しているわけでございます。 他方、防衛力整備との関係で申し上げれば、次のとおりかと思います。 一つは、周辺空域とは、航空自衛隊の場合をとりますと、航空自衛隊が航空侵攻等に対処するために必要な整備を一般的に指しているものでございまして、サイトレーダーの探知距離あるいは要撃戦闘機の行動半径によっておのずから制約されるものでございます。したがって、一定の空域を具体的に特定して考えているわけではございません。 他方、海上自衛隊の方でございますが、海上自衛隊においては、周辺海域における海上交通の安全を確保することを目的として、周辺海域約数百海里、航路帯を設定する場合は千海里程度を目標として防衛力の整備を図っていることは御承知のとおりでございます。そのような防衛力の中には、海上自衛隊の航空機も当然含まれておりまして、かかる観点から、いま申し上げましたような海域あるいは航路帯の上空において行動する海上自衛隊の航空機の整備に当たって考慮されているものでございます。 最後には、先ほど申し上げましたように、いずれにしてもわが国が今後防衛力の整備を図るに当たって、わが国の周辺空海域における自衛権の行使に必要な防衛力についてもその整備に努力していることをこの八項で一般的に述べたものでございまして、特定の海空域の範囲を具体的に意味しているものではないということを繰り返させていただきます。
○野間委員 時間の制約がありますので、簡単にお答えください。 私は、そういうきのうまでの内閣委員会の論議を踏まえた上で聞いておるのです。端的に大臣に私は聞いておるのです。要するに十一日に、周辺海域の上空が空域だ、こう言われた。この概念規定は非常に重要だと思いますね。ですから、十一日の答弁をそのまま維持されるのか、あるいは防空識別圏とここで言う周辺空域、これは違うというふうに言われるのか。そうであるとすればこれは修正になると思いますが、その点についてのお答えをひとつ。
○伊東国務大臣 その後、防衛庁と意見の統一を図ったのがいまの淺尾局長から答弁したとおりでございます。私の言い足りなかったことは補足して入っておりますので、淺尾君の答弁をもって政府の考え方としていただきたいと思います。
○野間委員 いや、大臣の見解を聞きたいのです。そうしますと、端的にこれは防衛上あるいは軍事上の用語ですから大臣に聞いておるのですが、防空識別圏とここで言う周辺空域とは概念が違う、識別圏の方が狭い、こういうふうにお考えなのか。あなたは最高責任者としてこの共同声明について責任を持っておっしゃった以上、私はお聞きしたい、こういうことなんです。
○伊東国務大臣 いま先生のおっしゃるように専門的なことでございますから、防衛庁と打ち合わせた結果を淺尾君から答弁しましたので、もう一回はっきり淺尾君から申し上げます。
○野間委員 それはいいです。きのうの局長の答弁の中で、それではこれが防空識別圏になるのか、これは防衛庁との間にいろいろありました。そうなのか、あるいはそうでなくて、その海域の上空を言うのか、この点についての具体的な範囲についてアメリカとの間で詰めがない、こう言われました。 そこで、この八項について言いますと、六月に大臣レベルあるいは事務レベルの協議が行われるということになっておりますが、これは大変な問題になりますからね。防空識別圏と、そしてこの海域上の上空ということになりますと、範囲が相当違いますから、もしそうおっしゃるならば、六月に詰めてやらなければ、これはアメリカがこの海域上の上空ということを盾にとってさらに大きな防空上の期待をされる、こういうことになりますから、この点について六月の時点で詰めて、これを確認して、そして防空識別圏の範囲だということをやられるのかどうか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○淺尾政府委員 ただいま御指摘の点については、六月のハワイ会談において、仮にアメリカ側からこれはどういう意味だということが出てくれば当然わが方としての解釈を申し述べるわけでございまして、いずれにしても日本は、八項に書いてあるとおり、日本の基本的防衛政策に基づいて防衛力の整備を図っていくわけでございまして、この点については共同声明にも明らかにされているとおりでございます。 〔稲垣委員長代理退席、委員長着席〕
○野間委員 時間がないので、簡潔にお答えいただきたいと思います。 次にお聞きしたいのは、いわゆる庭先論あるいは留守を引き受け論、こういうふうにも言われておりますが、要するに周辺海域は日本の庭先である、これは日本が守るのだ、その結果として、ということを大臣が言われましたけれども、第七艦隊がインド洋あるいはペルシャ湾に何の心配もなしに行ける。プレスクラブでの総理の発言、あるいは伊東大臣の委員会での発言等々でも、いろいろ結果論か何か言われております。そういうことを踏まえて私は端的にお聞きするわけですけれども、そうなりますと、たとえば庭先であり、周辺海域については、日本が武力改撃を受けた場合、あるいは受けるおそれがある場合、直接攻撃の対象にさらされる場合であるとそうでない場合であるとを問わず、この周辺海域については日本が守っていく、こういうことになるわけでしょうか。どうですか、この点について。
○淺尾政府委員 周辺海空域においてわが方が整備する目的は、まさに日本の防衛のためでございます。
○野間委員 ですから、日本が攻撃を受けるおそれがある場合、あるいはそうでなくて平時の場合にはそれじゃどうなるのでしょうか。違うのですか、どうですか。
○淺尾政府委員 日本は現在の憲法その他のたてまえから、攻撃されない前にみずからが行って攻撃するということはございません。したがって、攻撃を受けた場合に、日本の自衛の範囲に必要な区域において防衛に当たる、こういうことでございます。
○野間委員 私がお聞きしているのは、いま申し上げたように、周辺海域は庭先だ、したがってここは日本が守るのだ、その結果として第七艦隊が心置きなく外に出られるのだ、こう言われております。これは日本の個別自衛権の範囲でやるのだ、こう言われておりますね。それを前提としてお聞きしておるわけです。ですから、周辺海域については日本の庭先だから、有事であれどうであれ、この海上は日本が常時防衛していくということを意味しておるのかどうかというお尋ねなんです。大臣、いかがですか。
○淺尾政府委員 その場合、二つに分けてお答えした方がいいと思います。日本が攻撃された場合には、いままで問題になっております周辺海空域における防衛の責任はもちろん日本が負うわけでございます。ただし、安保条約五条がございますのでアメリカも共同対処する。それから、もちろん日本の防衛力整備でございますので、平時から、その海空域をいざというときに防衛するための整備を行っていく、こういうことでございます。
○野間委員 だから、それが私はいわゆる防衛の分担に当たると思うのです。つまり、日本にとっては有事であれ平時であれ、アメリカにとって有事の場合、第七艦隊がペルシャ湾の方に行く、その場合、日本は周辺海域を庭先として防衛する、こういうことになるわけですから、これを指して私は防衛の分担と言わざるを得ないと思うのです。 そこで、この周辺海域についての日本の防衛の機能ですけれども、アメリカの政府高官の背景説明の中では、偵察あるいは対潜能力、こういうものを日本に期待しておることが説明されております。これは、第七艦隊がいままでやっておったその機能をそっくりそのまま役割りを果たすということになるのかどうか、この点についていかがですか。
○淺尾政府委員 アメリカがどういうふうに考えているかは別にいたしまして、日本が海空域の整備をするということは、防衛計画の別表に掲げておりますように、対潜能力あるいは防空能力、こういうことでございます。
○野間委員 どうも時間がないので、今後また詰めます。 最後に、一点だけですが、「これらの国際的挑戦」ということが共同声明の七項にあります。これについて、「これらの」とは何を指すのか、「国際的挑戦」とは何を指すのか。大臣、お答えいただきたいと思います、あなたは責任者です。
○伊東国務大臣 ここに書きましたとおり、前段で「世界の政治、軍事及び経済上の諸問題に対して、共通の認識を持ち、整合性のとれた形で対応することが重要である」ということを述べたわけでございまして、平和と安全に対するこれらの問題に対して、世界の政治に対する挑戦、たとえば軍事において、アフガニスタンに軍事侵攻したなどというのは、まさに国際的挑戦に該当するものだと私は思うわけでございます。経済上の問題は、保護主義をとるとかいうことの問題、そういういろいろな問題が挑戦というふうに解していいと私は思うわけでございまして、そういうことにつきましては、経済では保護貿易をやっちゃいかぬよというような問題でございますとか、軍事介入があった場合にはそれに対してどういう措置をとるかということを相互に補強し合うというような、外交活動の分野においても十分努力をする必要がある、こういう意味に私は解するわけでございます。それで「国際的挑戦」という言葉をここに使ったわけでございます。
○野間委員 時間が参りましたので終わりますが、そうでなくて、国際情勢の認識、分析について、第三世界に対する敵視あるいはソ連脅威論、さまざまなあれが出ていますね、こういうものを「これら」「ジーズ」という言葉で表現されておる、これは前後の関係でそうだと私は思います。しかし、この点については後日また改めて論議したいと思います。 終わります。
○奥田委員長 田川誠一君。
○田川委員 共同声明の内容は別にしまして、総理大臣が自分のつくられた共同声明に対して、その作成経緯あるいは内容について不満を漏らしたということは前代未聞のことでございまして、いま、こういうことが一体どういうところから起こってくるか。私は、アメリカ側はレーガン大統領の対ソ強硬路線、軍事戦略、こういうものが事務当局によく徹底している、にもかかわらず、日本側の方は鈴木総理大臣や外務大臣の考え方が事務当局にどうもよく浸透していないのじゃないか、こういうところから、今回いろいろ問題が出てきているような感じがしてならないのですね。あなたは、事務当局と事実認識は全然違っていないということをおっしゃっていますけれども、そんなことはあり得ないのじゃないでしょうか。やはり事務当局は事務当局としての考え方があり、広い意味で高い立場から政治をおやりになる外務大臣あるいは総理大臣は事実認識が多少違ってくるのがあたりまえで、それを指導力をもってあらわしていくのが政治ではないか。だから、事務当局と政府側とがお互いに相牽制してうまくやっていくのが政治じゃないのでしょうか。 それはともかくとして、先ほど外務大臣が、舞台回しがうまくいかない点があったら反省するということを言われましたけれども、共同声明の作成の経緯は少し再検討していかなければならないのじゃないでしょうか。これは何もアメリカとの関係ばかりでなく、二国間の共同声明を出すときに、会談をしているときに報道機関あるいは関係者に内示をするのはどう見ても常識的ではないような感じがするのです。今度の日米会談の共同声明の内示といいますか、案文を第二首脳会談の始まる前に内示をしたというのは、これは政府の積極的な考え方か、それとも報道関係から準備のためもあるから何とか早く内示してもらいたい、レクチュアしてもらいたいということがあってやられたのか、その辺はどうですか。
○伊東国務大臣 簡単に申し上げますが、最初の政治家と事務当局の意見が違ってもいいじゃないかとおっしゃる、私もそれはわかります。さっき一緒ということを言いましたのは、この「同盟関係」の中に軍事の問題が入っているか入っていないかという問題、この問題については私はみんな一致しているということを申し上げたのでございまして、政治家としてのポリシーに対する考え方、それがそういう考え方で事務当局とも十分話してそれを実現していくという態度が大切だとおっしゃることは、私はそのとおりだと思います。 それから最後の点でございますが、これはいろいろな経緯はありますけれども、従来も実はやっていたことでございまして、外務省としてそうやった方がいいじゃないかという判断でやりました。
○田川委員 事前に詰めた案文を報道機関なり関係者に述べるということも、ある程度必要なことではないかと思います。しかし、非常に大事な会談の前にやるということは、それでは会談の際に共同声明で内示したことを手直しする、こういう事態が起こった場合に一体どうするのですか、手直しするのですか。
○淺尾政府委員 共同声明を発表するやり方として、事前と事後がございます。いまお尋ねの事前に出す場合でございますが、これもあくまでも首脳会談が終わった後に首脳会談が終わったということをチェックして出してほしいということでございまして、仮に首脳会談の結果いかんによって共同声明を手直しすることがあれば当然手直しするという前提で、アドバンスエンバーゴーつきで出している、こういうことでございます。
○田川委員 外務大臣に伺いますけれども、それでは第二会談で鈴木総理大臣とレーガン大統領と話したことについて、共同声明に何らかつけ加えることあるいは多少手直しする、こういうようなことは、その会談の内容からして、なかったのですか。私がそういう質問をするのは、鈴木総理大臣が第二会談で話したことがどうも共同声明のニュアンスになってないということを私的に漏らしておられるということを聞きましたからお伺いをするわけですけれども、では、そういうことはないと見ていいのですか。
○伊東国務大臣 本質的に共同声明を変えるとか、何か本質的な全然違うことがあってつけ加えるということはございません。
○田川委員 本質的にない。そうすると、多少字句のニュアンスを変える、そういう点はあったと見ていいのですか。
○伊東国務大臣 字句のニュアンスを変えることが本質的に関係するような問題も中にはあると思うのでございまして、第二回会談をやられた後にこの共同声明を直す必要はないとわれわれは判断したのでございまして、プレスの方にもそういう連絡は一切いたしませんでした。
○田川委員 そうすると、全然ないというふうに見ていいのですね。説明がどういうふうに言われているのかよくわからないのですけれども、第二会談で総理と大統領と話したことについては、事前に出した共同声明につけ加えることもニュアンスを変えることも全然ないことが話された、こういうふうに見ていいのですか。
○伊東国務大臣 私はそういう判断で変えなかったわけでございます。
○田川委員 終わります。
○奥田委員長 次回は、五月二十日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十六分散会