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94回国会衆議院1981/03/30

外務委員会 第6号

発言数
236
登壇者
15
会派数
6
開催日
1981/03/30

会議録

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これより会議を開きます。  国際情勢に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土井たか子君。

土井たか子日本社会党

○土井委員 外務大臣、先日の訪米は気骨の折れる中身であっただけに、大変お疲れであっただろうと思います。大変御苦労さまでございました。  きょうは、そのことに関連をいたしましてお聞かせいただきたいと思うのですが、今回の外務大臣の訪米目的というのは、説明をしてみればどういうところに目的がおありになったのでございますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 今度参りましたのは、何か交渉で物をまとめるとかという意味のことでなくて、新しい政権ができましたので、新しい政権に対して日本側の考えを言い、また向こうの考えも聞き、相互の理解を深めよう、そして日米間の友好協力といいますか、信頼関係といいますか、こういうものをますます力強いものにしようということが、私の向こうへ参りました目的でございます。ちょうど五月には総理もおいでになりますので、総理が行かれる場合の土俵づくりという言葉はなんでございますが、総理が行かれるときに、こういうことが向こうの考え方かなということをいろいろ知るためにも必要だということで参ったわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 外務大臣はレーガン大統領ともお会いになって、いまお答えのような意味を含めていろいろお話し合いをなすったことと存じ上げますが、このレーガン外交政策について、一言で言うと、軍事優先の対ソ戦略外交というのが特徴だというふうに日本国内では私どもいろいろ取りざたをしているわけであります。レーガン大統領自身は、大統領選挙の最中から、言うまでもなく「強いアメリカ」ということを最大限に強調されているわけですが、その「強いアメリカ」というのは、つまり軍事優先の対ソ戦略外交というものを中心に持った「強いアメリカ」というふうに外務大臣も見ておられるかどうか、そしてまた、アメリカ自身はそうなるべきだというふうに外務大臣は見ておられるかどうか、この点はどういうふうにお感じ取りになりましたか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 向こうへ行きましていろいろ話しましたが、レーガン政権の安全保障政策といいますか、外交政策というようなものが、ぴしゃりこうだというような発表はまだないわけでありまして、その都度、いろいろな場面でいろいろな演説や何かがあるわけでございます。受けました感じは、非常に重要なこととかそういう問題については、よくサミットまでに結論を出すからサミットまで待ってくれというような発言があったのでございまして、大きな政策その他はサミットまでに確定されるのかなというような印象を持ったわけでございます。  そして、政権はだれであっても、国内の経済再建計画はまず何としても議会を通さなければいかぬということで、最優先の課題としてこれと取り組んだということがございました。それはアメリカのインフレでございますとか、失業でございますとか、あるいは景気の後退でございますとか、そういうことではいかぬので、まずアメリカがしっかりしなければいかぬということで、御承知のような歳出削減でございますとか減税でございますとか、この間の経済再建計画が出ておるわけでございますが、これでいろいろな規制も少なくし、民間の活力をひとつ活用していかなければいかぬのだということで、まずアメリカが国内的に強くなることだということ、これは必ずだれでも主張したところでございます。  そして、その上に立って、いま先生のおっしゃった八〇年代の国際情勢というものは、ソ連の軍事力の強化あるいは第三世界に対する進出、介入というようなことがあって非常に緊迫しているのだ、まず軍事的なバランスを保っていく努力をしなければいかぬ、しかし、それはアメリカ一国でできることではないので、友邦諸国との密接な協議、新しいパートナーシップを育成していくのだというようなことをヘイグ国務長官は言っていたわけでございますが、その間に、私は対ソの首脳会談の問題とかあるいはSALT交渉の問題とかいろいろ話をしまして、そういう軍備管理の問題でありますとか、平和の努力というようなことでいろいろアメリカの考え方を聞き、また日本としてその問題についてどういうふうに考えるかというようなことを、いろいろ意見の交換をしたということでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 いま外務大臣の御発言の中に、軍事的バランスというものを考えながらという側面を御指摘されているわけですが、これは対ソ戦略というものが中心になった軍事バランスをあくまで問題にされているということは言うまでもない話でありまして、しかも、外務大臣御自身が、今回は西側同盟国の一員として日本は全面的に責任分担と役割りを果たす決意であるという趣旨を示してこられたということも、日本の国内で報道されております。これは考えてみますと、この中身というのが大変気にかかるわけでありまして、アメリカがいま強力に推し進めようといたしております軍拡政策に同調するということになるのかどうか。  すでにサッチャー・イギリス首相は、レーガンの対ソ強硬方針に完全に同調するというふうな姿勢を示しておられるようでありますけれども、イギリスのこういう問題の認識、そして対策と、日本はまた違うのかどうか、この辺はどのように考えたらいいのでしょう。いかがでございますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 西側の一員ということを言ったことはそのとおりでございますが、その場合に、日本は軍事的にはできることとできないこととがあるわけでございますから、単にそういうことだけでなくて、外交努力あるいは経済協力、そういうことで日本としても考えられる面はひとつ努力していくのだということを言ったわけでございまして、防衛の問題、軍事的な問題だけいま御質問がございましたが、これの場合には、日本はやれることとやれないことはもうはっきりしているということで、いままでここでお答えしたことはそのまま向こうにも日本の考えとして言ってあるわけでございまして、単に軍事的な面で自衛力を強化するということだけでなくて、経済協力でございますとか、あるいは外交努力とか、そういう総合的な考え方で日本は取り組んでいくのだということを、向こうにも私は言いました。

土井たか子日本社会党

○土井委員 やれることとやれないこと、それは確かにあるようでありますけれども、そういたしますと、日本がやれること、やれないこと、それはちょっとこちらに置いておきましょう。  それで、外務大臣御自身が現在のレーガン大統領のとりつつあります対ソ戦略外交という問題に対してはどのようなお考えを持っていらっしゃいますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 アメリカも、議論の過程で対ソの軍事力のバランスの問題ももちろん出たわけでございますが、アメリカとソ連が全面的対決をして核戦争のようなことになったら、これはもう本当に世界、人類の破滅でございますので、米ソ関係というものは平和が保たれるということが大切なんだということを言いまして、首脳会談でございますとかあるいは軍備管理の問題も話したわけでございます。単に軍事的な対決ということだけでなくて、そういう平和の道も模索すべきであるということをアメリカに意見として私は言ったのでございますが、その点はまた向こうも慎重に考えているというような、たとえば首脳会談、SALT交渉等についてそういう返事をしておったのでございまして、それは単に軍事的に対決するとか敵視するとかそういうことだけでないということは、ブッシュ副大統領と話したときにも、先方はそういう意見を言っていたのでございます。     〔委員長退席、青木委員長代理着席〕

土井たか子日本社会党

○土井委員 外務大臣御自身が、たしか二十四日の夜、日米協会で主催されました夕食会に臨まれて、そこで演説をされた中身が日本でも報道されております。この夕食会における演説の中身が、西側は対ソ認識を共有し、団結すべきであるというふうな趣旨のことを大臣御自身がお述べになって、さらに、アジアにおいて最後のよりどころは米国の強力な軍事プレゼンスだというふうなこともお述べになったということが伝えられているのですが、そのとおりでございますか、いかがですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 対ソの問題でいろいろ話が出ましたときに、アフガニスタンに対する軍事介入の場合に、西側が若干ばらばらな、足並みがそろわぬことがあった、こういうことは好ましいことじゃないということを実はアメリカにも今度私は言いましたので、それはやはり西側というものは協調、連帯を保つべきだという意味のことを言ったわけでございます。そして、日本は自分の国を守るという専守防衛だけでございますので、アジアにおいて、東南アジアにおいてアメリカの軍事力というものがそのあとの抑止力、安定に大きな力になっているのだということは考えておりますし、そのとおり言ったことは間違いございません。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そうすると、いまの御発言のニュアンスからいたしましても、アメリカと同じように、日本も対ソ戦略外交ということに対して同調して、そうしてそっちの方向に外交路線を向けていくというふうにも理解されるのですが、いかがですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 ソ連との話をしましたときに、日本の領土の問題でございますとか、日本においてはアメリカとソ連との関係以外に別な面もいろいろあるのだということをヘイグさんと話したことがございます。でございますから、米ソの軍事対決の中に巻き込まれるということではなくて、そこは私は日本は日本として十分に考えていく必要があると思いますが、確かに西側の一員であるということだけは間違いないわけでございますから、そういう立場に立って、対ソの問題は、これは何も敵視するということじゃなくて、日本として独自な考え方でいろいろなソ連との措置というものは考えていくべきだというふうに思っております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 いま、外務大臣、日本独自の考え方とおっしゃるのですが、また同じく報道で、ワインバーガー国防長官が基本認識で一致したというふうなことも言われているということが伝えられております。レーガン、ヘイグ、ワインバーガー、この三者が集まったところの大臣御同席の会談で認識の一致したことというのは一体何なのか、また、一致しなかったことがあるのかどうか、少なくともいま質問の中でも、また御答弁をいただいている中でも問題になっております対ソについての認識ということで一致をしたのかどうか、この点はいかがでございますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 ワインバーガーさんとの話し合いは、国際情勢について話し合いをやったことは確かでございます。そして、アメリカとしては対ソのバランスということを十分に考えるのだということのほかに、中東の問題でございますとか、東南アジアの問題でございますとか、そこに対するソ連の進出の問題でございますとか、そういうことについて情勢の認識等につきましていろいろ話し合ったことはございます。  ただ、中東問題等についていろいろ意見の違うことがあったということは確かでございますが、ソ連が極東の軍備を増強して、そして北方四島にも軍備の増強をしているのだというようなことも、日本の独自な立場として話したということは確かでございます。  それで、ワインバーガーさんと話し合いをした中で、基本的な認識ということの、言葉はいまちょっと覚えておりませんが、基本方針についてはよく両国が密接に話し合う必要がある、そしてそういう認識において一致するということであれば、あと、そのもとにどの国がどういうことをやるかということは、何もアメリカからおっつけるということはしない、その国が自分でどういうことをしたらいいかということを判断すべきだというようなことを話し合ったことをいま覚えております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 さらにこの問題について御質問を進める前にちょっと、いま中東問題で一致しなかったとおっしゃっているのは、どういう点が一致しなかったのですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 中東問題の実は和平の問題でございますが、そこに恒久的な、公正な和平ということが必要だ、中東が、世界の活火山という言葉はなんでございますが、そういう非常に不安定な要素がございますので、中東の和平について考える必要があるという議論をしたときに、アメリカはキャンプ・デービッドというのを主体に考えておられる。日本、EC等は、それはもちろん必要だが、それを一歩進めましてパレスチナ人の自決の問題も考えなければこの問題は解決しない。そういう問題に含めてPLOの問題でございますとか、そういう問題について意見の交換をしたのでございますが、アメリカ側は四月にヘイグ国務長官が中東に行く、そして和平の問題を自分で探ってくる問題がある、アメリカはそれから後にどうするかということをよく考える必要があるのだというようなことで、パレスチナ人の自決とかあるいはPLOに対する考え方等について意見が一致しなかったということでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 その問題についても少し質問を進める必要があるかと思いますが、先に、いま日ソ間で商談が物別れになっております例のヤンブルグ天然ガスパイプライン建設プロジェクトの問題がございますね。先ほどレーガン、ヘイグ、ワインバーガー三氏とのいろいろな会談の中で、基本認識で一致したと言われる点は、言うならばということで、対ソについての話し合いを進めることが必要だというふうな認識はそれぞれの話し合いの中で共通するものであったという意味を含めて御答弁をいただいているように私は受けとめているのですが、そうしますと、ヤンブルグ・パイプライン問題についても日本がこの商談に対して協力をするということ、これは西側の一員という立場に立って日本を認識して、全面的に責任分担と役割りを果たす決意だということを外務大臣もアメリカ側に対して意思表示をなすっているということでありますから、そういうことからしてよいことだとお思いになるのか、悪いことだとお思いになるか。  つまり、ヤンブルグ・パイプライン商談に協力するということ自身、アメリカ側が今回この問題に対応するのに、エネルギー供給を共産圏に依存するということは西側経済の安全保障を脆弱にするというふうな意見が背後にあって、こういう問題に対する取り扱いを日本に対してもある意味での要請をされたようにわれわれは聞き知っております。したがいまして、この問題に対しての対応を外務大臣がどのようにお考えになるかということは、今後非常に大事な問題になってこようと思いますので、御意見を承りたいと思います。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 レーガン大統領、ヘイグ国務長官、ワインバーガー国防長官とそれぞれ話しましたが、特に対ソの軍事バランスの問題等が出たのはレーガン大統領でなくて、ヘイグさんとワインバーガーさんとの話し合いでございます。それから、対ソの話し合いのことが出ましたのはヘイグさんでございます。ワインバーガーさんのときはそういう具体的な話にはなりませんでした。  ヘイグさんと、日本がアフガニスタンに対するソ連の介入後とりました考え方について話しておりましたときに、私の方は何にも言わなかったのでございますが、向こうからヤンブルグの天然ガスの問題が出たのでございます。そして、ドイツに対しまして、いま先生がおっしゃったような見地から、これは慎重に扱ってもらいたいということを自分は言った、ところが、自分が言ったことはドイツを完全に納得させることができなかったという報告が私にあったわけでございますが、さて日本に対しまして、ヤンブルグの問題をどう考えてほしいとか、慎重にしてくれとか、やってくれとかやめてくれとか、そういうことは一言もなかったのです。向こうからドイツに対してはこう言ったということがありまして、日本に対してヤンブルグ自身のことは話はございませんでした。  ヤンブルグの問題は、われわれ知っている限りは、ヨーロッパの方と、ガスの量を幾らぐらいにするかとか、ガスの価格を幾らにするかというような話し合いが行われている、建設そのものについてはまだそこまで突っ込んだ話し合いはないというふうにわれわれは了解しているのでございますが、政府に対しましてどこからも、これをやりたいとか、これをどうしたらいいかという意味の具体的な相談はまだないわけでございますので、私どもとしましてはこれはECがどういうふうに考えるかということも非常に問題でございますし、その辺のところをにらんで、日本としてどうするか、自主的にこの問題は判断をしようと思っております。一つ一つこういうプロジェクトをやるとかどうとかいうのは、アメリカに対して相談するというような性質のものでございませんので、いままでは一切そういうことはやっておりません。

土井たか子日本社会党

○土井委員 最後の方におっしゃったことは当然のことだと思うのですね。  そうすると、日本独自の立場で今後この問題に対応されるのについてはまだどこからも何とも出てきていない、計画はこれからの話であるというふうな趣のようにいまの御答弁は聞こえてくるわけでありますけれども、先の見通しとして何月ごろにどうなるというふうなことも、いまさっぱり何とも俎上に上っていないという段階でありますか、いかがなんですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 いまの段階で、何月ごろどう言ってくるだろうとかいうことは、いまわれわれ全然考えてないわけでございます。それで、ヨーロッパの方が一体どのぐらい天然ガスの供給を受けるのか、幾らぐらいで受けるのかということがまだ決まってないということ、今日でもわれわれそう考えているのでございますが、そういうものが決まった後に、建設、それじゃどういう太さのパイプとかいうようなことが出てくるのじゃないかと私は思うわけでございまして、まだいま何月ごろという、早いか遅いかということを申し上げる段階でないというふうに私ども思っております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 日本側からソビエト側に対して、積極的にこれに対しての話し合いということを持ち出されるというふうな御用意のほどはいかがなんですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 これは日本側から積極的に、おれの方がこうすると言うような性質のものじゃないと私は思うのです。やはりガスの供給を受けようというのはヨーロッパ、ドイツ、フランス、オランダとかそういう国でございますので、そういうところが一体どのぐらいの量をどのぐらいの価格でということの話し合いがついてから、さてそこで建設はどうなるか、こういうことになると私は思うわけでございまして、当然話があるとすれば向こうから話があるのだろう、向こうといいますのは、ソ連がどう考えるかということじゃなかろうか、私はそう思っております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 当委員会においてもこの問題はすでに取り上げられた中身でございますけれども、過日、鈴木総理とマンスフィールド・アメリカ大使との会談の中で、大使が率直かつ内々に特定の分野での特定の役割りを求めるというふうなことを言われたということが問題になりまして、今回も、恐らくは防衛問題について外務大臣がレーガン大統領と話されるときは、内々にやるやり方がそこで展開されたのではないかという憶測も実はあるわけであります。  今回、このアメリカでのいろいろな討議内容というのが、自動車問題が主になって、防衛問題は何だか影が薄くなったというふうなことが一般の報道の中で当初言われてまいりましたけれども、内々はしたがって相当具体的な話し合いがなされたのではないかということも勢い考えられるわけでありまして、その証拠に、大臣がお帰りになってから後、防衛関係について種々マスコミ関係では報道が相次いでおります。先日、参議院の方で外務大臣は打ち消しをしておられるわけでありますけれども、防衛問題では相当突っ込んだ話し合いがあったのじゃないかということを私たちは考えておりますが、この点は、外務大臣、いかがなんですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 お答え申し上げますが、防衛の問題が話が出ましたのは、副大統領、ヘイグ国務長官、ワインバーガー国防長官の三人でございます。  それで、副大統領は、これは時間的にごく短かったのでどういうこともなし。それからヘイグさんは、これは国際情勢を一般的に述べた中で、さっき申し上げました対ソの軍事バランスのことの話が出まして、アメリカだけではもう世界の平和を保つというだけの力はないので、友邦、同盟国と密接に協議をして新しいパートナーシップを育てていくのだというような意味で一層の努力をしてもらいたいという抽象的な話でございました。  それから、ワインバーガーさんと会いましたときには、いろいろな話が出、そして日本に対しましてなお一層の努力をしてもらいたいという話があった中で、国際情勢、それからアメリカのやっていることにつきまして話があったわけでございます。その中に、ペルシャ湾、インド洋、南西アジア、東南アジア、それからグアムから西、フィリピンから北というような地域でも努力をしているのだというような、インド洋とかペルシャ湾とか、そういう言葉が出まして、北西太平洋という話も出ました。そして、そういうところでアメリカは非常に追加防衛努力もやり、従来と同様な防衛努力をやっている、こういう際であるので、日本としても経済的に力があるのだから、できるだけの協力をしてもらいたいという一般論としての話と、具体的と言えば、在日米軍の駐留経費について、許せる範囲でひとつ負担をしてもらいたいという話が出たのでございまして、具体的な話というのは、いまの駐留軍の経費を増してもらいたいということはございましたが、あとの点は、アメリカはこういう努力をしているのだ、ついては日本が防衛力の強化について一層の努力をしてもらいたいという抽象的な話であったのでございます。  それで私は、先ほどから申し上げますように、軍事力だけじゃない、経済協力、外交努力というようなことを言いますとともに、日本では法律的に制約がある、専守防衛ということであり、国民のコンセンサスも、やっと近ごろ国会に委員会もできたぐらいで、これはなかなかむずかしい問題なんだ、だから、日本としては与えられた法令の範囲内で努力をするということは考える、ただその場合に、五十一年にできました防衛計画大綱があるのでございまして、これをひとつ日本としてはなるべく早く充実するように努力をするということを言いまして、あと具体的な問題等は、事務レベルの会議がございますし、またワインバーガーさんと大村長官が会われるときもあるだろうから、中業の問題等具体的な問題はそのときに話し合いをされたらいいじゃないですかというようなことを言ったのでございまして、いま先生は、相当突っ込んだとか、具体的なという御質問でございましたが、そういうことは私とワインバーガーさんとの間ではなかったことだけは確かでございます。  ただ私は、今度行ってきましての感じでございますが、自動車の問題が時間的によけいだったことは確かでございます。しかし、日米関係の本質、基本的な問題から言えば、自動車関係のことはあるいは一時的な問題かもしらぬが、防衛の問題というのは基本的にやはり重要な問題だという認識を私は従来からも持っておりましたし、今度行ってまいりましても基本的にはそうだというふうに思っております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 軍事的な問題で、基本的にいま大事だということを言われたわけでありますが、ワインバーガー氏と話をされた中で具体的に出されたのは、たとえばというので、北西太平洋ですね、その中のグアム以西、フィリピン以北、具体的なここに対しての防衛協力を要請されたことに対して、外務大臣は直ちに拒否をされたようでありますけれども、その点、どうなんですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 それはいま先生のおっしゃるように、そういう地名を挙げながら北西太平洋というようなことがあったわけでございます。そして、そういうところで努力をしているのだ、それはずっとペルシャ湾から続いているわけでございますが、そういう努力をしているところだから、日本としても一般的に防衛かの強化という努力をしてもらいたいという話がございましたので、私は、これは誤解があるといかぬからと言って、そういう区域を広めていくということはまだ国民のコンセンサスはないのだから、それはむずかしいことですよということをすぐに私はそこで言ったわけでございまして、特に向こうがその地域を挙げて、そこの防衛力を日本が負担してくれ、こういう言い方ではなかったのでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そこで、まあ一応は、これは結論から言えば拒否されたかっこうになっているだろうと思うのですが、その拒否をされた理由というのはどういうことですか。いまは国民のコンセンサスがなければできないということをおっしゃいますが、何によってそのコンセンサスを求めるということが問題になるのですか。どういうわけで拒否をされたのですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 そういう言葉が出ましたときに、黙ってそれを聞いて帰ると、ああ日本はその地域の防衛力を負担するのかというような誤解を与えるといかぬものでございますから、私は、そういう誤解を与えるということは、日米両国にとって両方とも誤解の上にいろいろなことが起きてはいけませんので、そういうことはできません、こういうことを言ったのでございまして、日本の防衛力の整備の目標というのは、これは防衛庁が考えております、航路帯の場合は千海里でございますとか、数百海里とかいろいろ言っているわけでございますから、そういうことがすぐ私の頭に来たわけでございまして、防衛力の整備の限度はそういうことでやっていますというのが防衛庁の考えでございますから、それと矛盾するようなことがあってはいかぬということで、私はすぐに否定したということでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 従来からこういうことに対してはできないという理由がはっきりあるのですね。アメリカに対しても、できないという理由の説明もはっきりされてきたということを再三ここでも聞かされているのですが、できないという理由というのはどの辺に日本としてはあるのですか。これは大臣、もう一度確認をしておいていただきたいのです。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 私の了解する範囲では、防衛計画大綱というものを、これは国の正式な決定として、整備目標としてやっている。そういう目標でいけば、いま防衛庁が言っております航路帯千海里とか、そういうようなことを頭に置いて防衛計画大綱を進めているわけでございますから、それからエクステンションで足を出すようなことは閣議決定にもとることになりますので、そういうことがあってはいかぬ、閣議決定までが国民的なコンセンサスだというふうに私は解しているわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 その防衛大綱とか閣議決定というのは、それにもとるということは、一体何に対していろいろな基準を置いていいか悪いかという判別をされるのかというのがもう一つひっかかる問題に実はなると思うのです。よくここでも問題になっているのですが、能力上持てない、憲法上それはできない、安保条約第五条の制約からできない、いろいろいままで言われてきているのです。これはいずれも外務大臣としてはお認めになりますか、それに関係ないとお思いですか、いかがです。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 法律論をやれば、自衛権というものは個別自衛権でございますから、自衛権の範囲というものは本当に自分を守るだけということでございますが、範囲の問題は法律上はもっと広いことが考えられます。しかし、政策上あるいは政治的な判断でいまの整備目標という閣議決定ということを決めているわけでございますから、政治的にはその目標達成に努力する。法律上それはもっとできるということがあっても、それは政策上はそこまでじゃなくて、いまの閣議決定までだということで整備の目標を決めているわけでございますので、そういう考え方で、私は、範囲を広めるとかいう問題について自分の考えを述べたわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 いまの外務大臣の御答弁はよくわからないのですが、憲法からは許されても政策上これは許されないということで、これ以上は認めないというふうに御理解なさっているのか、それとも憲法上も制約がある、政策がそれを超えてなすことはできないという意味で、政策が超えることができないというふうにお考えになっていらっしゃるのか、どうなんです。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 憲法上は、個別自衛権というものは認めてあるわけでございます。個別自衛権の範囲はどこまでかということになりますと、私はいまよりも、たとえば航路帯千海里という場合に、あとそれを越えれば憲法上できないのかどうかということは、私はこれは問題だと思うのです。  でございますから、法律論の解釈は、これは私がやりますよりも法制局長官がやった方がいいのでございますが、やはり法律上できるにしても政策上それは妥当じゃないじゃないか、与えられた条件、与えられた時点では妥当でないじゃないかということがあり得るわけでございますので、私がいま申しておりますことは、五十一年の整備計画というのは、ここがそこまでの整備目標で、それは政治的に妥当だということを決めたわけでございますから、そこでわれわれはそこに達するまで努力をするのだ、それ以上またということはいま考えるべきじゃないというのが私の考え方でございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そのときそのときで妥当だというふうに考えられることが実はいま基本になって、それ以上やることは好ましくないというふうな御発言でございますが、それならば、わが国の海上交通路の防衛範囲という問題について安保事務レベル協議で説明が現にあるはずですね。これをひとつ確認させていただきましょう。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 ただいま御質問の点について、現在まで安保事務レベル協議でアメリカ側から格段の説明はございません。

土井たか子日本社会党

○土井委員 四十八年五月、日米安保事務レベル協議の際、日本側が説明をしている事実は、ちゃんと内閣委員会で当時の大河原政府委員が答えられていますよ。具体的にどういう中身であるかも答えておられますよ。これはうそなんですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 いま私、ちょっと手元に資料を持っておりませんので、資料を取り寄せて確認させていただきます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 これは基本的なことじゃないですか。海上交通路の防衛範囲について安保事務レベル協議でどういうふうにお互いが確認をしているかというのは、先ほど外務大臣がおっしゃったそのときそのときの必要な対策というふうなことからすると、基本において考えなければならない問題ですよ。それを越えることはいかがかと思う、それを越えてはならないということが問題になる、そういう意味の御答弁を先ほどからなすっているのですからね。少なくともこの事柄について、いま局長は確認をさせてくださいなんておっしゃるようなことでは、お話にも何もならぬと思うのです。それでは、その答弁が返ってくるまで、その時間しばらく待ちましょう。  非常に心もとないですけれども、これは議事録がちゃんとあるわけですから、それに従って質問を進めましょうか。  それでは、何かいまその資料を取り寄せていらっしゃるようでありますけれども、現に四十八年六月二十一日の内閣委員会の会議録を見ますと、その点ははっきり明記されておりますから、それに従ってここの部分を申し上げましょう。  四十八年五月二十九、三十日に日米安保事務レベル協議が行われておりますが、その事務レベル協議の際に、アメリカ側参加者に対しまして日本側から説明資料として出されている資料があります。その中では「海上自衛隊関係の主たる行動範囲について、日本の周辺海域(数百カイリないし千カイリ程度)と述べられている」ことに対して、この「周辺海域については数百カイリの範囲内であり、また特定の航路帯を設定する場合には千カイリ程度の範囲で検討していきたい」というふうな意味をここに述べておられるということがちゃんと明記されているのですが、これは局長、もう一度確認させていただいてよろしいですね。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 そのとおりでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 では、先ほどそういうことを言ったことがないということは取り消されますね。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 先ほど私がお答えいたしましたのは、アメリカ側からそういう説明があったかという質問だったので、アメリカ側からの説明はございませんでしたというように申し上げたわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 よく私の質問を聞いてください。アメリカ側からのそういう説明要求があったかなんて、ただの一言も言っていません。そういう説明をしたことがあるかと言っているのです。説明をしたことがありますかというのはこっち側から向こうに対してということは、言うまでもなく日本語としてはそれはだれしも考えるところだと思うのですが、そうじゃないでしょうか、局長。そうして、それではそれ以上の説明をいままでにやったことがありますか、ありませんか、いかがですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 従来、日米の会議の場で、そういういま申し上げた航路帯の場合は千海里、周辺海域は数百海里ということに尽きていると思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そうすると、この防衛庁が二十八日に説明をされました本土周辺の防衛対象になる海域がございますけれども、これはこういう説明をいつ、どこでなすったのか、いかがですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 まことに申しわけございませんが、防衛庁が二十八日というのは今月の二十八日でございますか、ちょっと私、その記憶がございませんですけれども、従来以上に新しい説明を防衛庁がしたということをまだ私たちには通報はございません。

土井たか子日本社会党

○土井委員 しかし、そうするとずいぶんふざけた話ですね。これは非常に具体的にこの中身については述べられていることになっているわけでありますけれども、アメリカ側にこういうことは説明をされたという経過がありますか、ありませんか、いかがですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 私が正確にいまの御質問を理解したかどうかという点で、アメリカ側に対してそういう説明をしたかというのがいまの御質問というふうに理解しておりますけれども、従来から防衛庁あるいは外務省が説明しているのは、周辺海域の場合は数百海里、航路帯は千海里という以上のことは説明していないというふうに私は理解しております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そうすると、今回の防衛庁側が説明をされております内容が今月の二十八日の報道で公表されているわけでありますが、この中身からすると、防衛対象海域というのが具体的にここで示されています。たとえば本土周辺海域、二つ目には南東、南西の二つの航路帯、三つ目には交通路確保のための三角海域という三つに分けて、この太平洋岸の沿岸三百海里、九州に接する東シナ海側二百海里、日本海側百五十海里が一応の目安とされています。航路帯についても、南東航路帯が京浜沖から硫黄島の南までの長さ一千海里、幅二百四十海里、南西航路帯は四国沖からバシー海峡までの長さ八百四十海里、幅百五十海里ということが考えられているようでありますが、さらにこの二つの航路帯と北緯二十度線で囲まれる三角形の海域を重要海域として制海権の確保に努めるというふうなことが内容として出ているようであります。これについては日本側からはアメリカ側に説明はまだ何らされていない、このように局長がおっしゃっているわけでありますけれども、大臣、これは確認をさせていただいていいのですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 どうも不勉強で申しわけございませんが、私もまだ何も事実は知らないのであります。

土井たか子日本社会党

○土井委員 しかし、この海域からすると、局長、どうでしょう、先ほどおっしゃった、大臣といろいろ討議をいたしております中で、今回、アメリカ側から、ワインバーガー氏から出てまいっております北西太平洋、グアム以西、フィリピン以北と言われる部分と大体同じような範囲、同じような中身を指して言っているというふうに考えられるのですが、違うのですか、同じように思われますか、いかがですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 ただいま土井委員御指摘の点については、外務省は何ら承知しておりません。  それから、ワインバーガー国防長官が言りた北西太平洋というのは、先ほど大臣の御説明したグアム以西、フィリピン以北の地域においてソ連軍が活動していて、それに対してアメリカが、その他の地域もそうであるけれども、追加的な負担を行っているという説明を行ったにすぎないわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 大分に局長と大臣の御答弁のニュアンスが違ってきましたね。  それでは、少し観点を変えてお尋ねをしますけれども、シーレーンの防衛問題を日米共同研究としてやっているかどうか、いかがですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 共同研究の内容については、一般的な進捗状況について外務省として通報を受けている点でございまして、その内容については一切防衛庁から通報を受けておりません。したがって、私たちとしてそういういま御指摘のあった問題が討議されているかどうかということは承知しておりません。

土井たか子日本社会党

○土井委員 具体的内容については一切防衛庁がやっていることで、外務省は聞かされていない、しかし共同研究そのものはあるということをいまの御答弁ではうかがい知れるわけであります。そのように理解していいでしょう、そこを否定されてはいないわけですからね。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 それはそのとおりでございまして、五十三年十一月に決まりました防衛協力の指針に基づいて日米の制服同士でそういう研究協議が行われているというのは事実でございます。そういう研究というのは、五条の事態に対処して日本とアメリカがどういうことをするかということについて協議が行われているという……

土井たか子日本社会党

○土井委員 そこで、シーレーンにおいて一般船舶も含めてアメリカの艦船を防衛するという責任が西側の一員である日本においてあるかどうか、いかがですか。これは、大臣、ひとつお答えいただきます。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 これは、安保条約上申し上げますと、日本は日本の施政のもとにある領域が攻撃された場合に初めて自衛権を行使されるわけでございまして、アメリカの艦艇がそういうような状況にない場合に日本側がこれを守るという義務は何ら法的には負っておりません。

土井たか子日本社会党

○土井委員 大臣、いかがですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 五条の攻撃があるかないかということがまず問題でございますので、いまの淺尾局長が言ったとおりでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 シーレーンにおいてのアメリカの艦船を防衛するという責任は、そうすると結局はわが国にはないというふうに考えていいわけですね、いまの御答弁、もう一度、明確にそこはある、ないということではっきり答えていただかなければ。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  いろいろな場合が想定されるのでございますけれども、二つに分けて考える必要があると思うのでございます。つまり、第五条で日本が攻撃をされる事態になったという場合には日米共同対処ということになるわけでございますから、状況によりましては、日本がアメリカを守るということじゃないにいたしましても、日本に対する攻撃が行われている最中に日本がそれに対して応戦をする、ないしはその侵害を、攻撃を排除するためにやるということの一環においてアメリカ側が守られるという結果になることがあると思います。  ただ、五条事態でない、つまり日本が何ら攻撃を受けてないような事態、その場合において日本がアメリカの艦船をどこであろうと守ろうというような義務はございませんし、またそれを守ろうといたしますと憲法上の制約が出てくると思うのでございます。つまり、これは集団的自衛権の発動につながるものであって憲法上できない、そういう問題になると思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 前者も、日本が攻撃を受けている場合においてアメリカの艦船を防衛するという義務が日本にあるというのは、集団自衛権の行使ということになりはしませんか。やはり範囲の限定が大変必要だと思いますよ。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 ただいま私が御説明申し上げましたときに、私、非常に注意深く言葉を使ったつもりでございまして、前段の、日本が攻撃を受けている場合において日本がアメリカの艦船を守る義務があるという言葉は使いませんでした。義務があるとは考えておりません。

土井たか子日本社会党

○土井委員 それでは何によって守るのですか。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 第五条事態におきましては、先ほども申し上げましたように日米共同対処ということになるわけでございまして、日本は個別的自衛権の発動として日本に対する攻撃をそれに対して排除するべく応戦をする、実力を行使する、ただしその場合において、日米共同対処でございますから、その結果として、日本が個別的自衛権を発動して相手方の攻撃を排除する一環といたしましてアメリカ艦船が守られるという結果になることもあり得るであろうというお答えをしたわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そういういまのようなお答えで領海、領空、また日本の防衛海域、防衛空域というものについての判別がなされなければならないということになるのですか、いかがですか。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 申しわけございませんが、ちょっと御質問の意味がよくわからないもので、あるいは見当違いのお答えになるかもしれませんが、いわゆる数百海里ないしは航路帯の場合には千海里の防衛力、日本の海上自衛力の整備の目標としてそういうものを自衛隊が考えているということと、アメリカの艦船を自衛隊が守ってやるということとは別問題でございまして、アメリカの艦船を守ってやるための範囲として、防衛庁が説明しております数百海里とか航路帯の場合の千海里というふうにはわが国として考えておりません。防衛庁も考えていないと思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 どうもその辺はよくわからない御答弁になったのですがね。防衛庁も考えておりませんとか考えておりますという明確なお答えができるのですか。さっき防衛庁側から発表された二十八日の本土周辺の防衛海域については、何ら連絡を受けてないという御答弁ですよ。あれは防衛庁限りのお話であって、外務省は知ったことではないというふうに私たちとしたら聞くことができるような御答弁です。したがいまして、そういう連絡はお互いにないのですね、どうなんですか。事この問題というのは非常に大きなことだと思うのに、何ら連絡を受けていないということですから。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 どうも御質問の趣旨がよくわからないのでございますが、私が申し上げましたのは、防衛庁が従来説明しております日本の周辺海域数百海里あるいは航路帯を設ける場合には千海里というのは、日本の海上自衛隊が日本を防衛するために整備しなければならない目標として掲げてあるものを御説明しているわけでございまして、いわゆる世上言われます海域分担とかいうようなこととはおよそ関係がないものでございます。  つまり、さらに換言いたしますれば、よく日本のやっていることで、政府がやっているので悪いことではないかということで世上非難を込めて言われるのは、海域分担ということを言われるのでございますが、その非難の意味というものを探ってみますと、そこでアメリカをも日本の艦船が守ってやるということを含めて海域分担を行うという意味で、海域分担が非難を込めて言われるものだろうと思うのでございますが、それではございませんで、防衛庁が考えております周辺数百海里、航路帯千海里というものは、それとは全く関係ない、日本の自衛力の整備の目標として掲げているということでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 これについては、恐らくは条約局長の所管ではない問題だろうと私は実は思うわけでありますけれども、きょうは保留にしておいて、日を追って少しその辺についてもさらに質問を展開したいと私は思います。  あと余す時間で、少し自動車問題についてもお聞きをしておかなければならないと私自身思うのですが、昨年の十一月に、アメリカの国際貿易委員会、ITCが、米国自動車産業の被害というのは輸入増大が重要な原因ではないという判定を下しているのですが、大臣、レーガン大統領初め政権もそれを認めていらっしゃるというふうに考えていいのですか、どうなんですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 大統領と話しましたときも、私もそのことを言って、いまの状態は日本の車の輸出がふえたから起きているのじゃないということを言いましたし、向こうもそのことは承知をしております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 今回、外務大臣がアメリカにいらっしゃるのに、具体的な台数とか、決める期間とか、そういうことに対して交渉権を持っていらしたのですか、いかがなんですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 向こうへ参りますとき、総理、それから通産大臣とも相談をして参ったのでございますが、期間でございますとか、台数でございますとか、方法論でございますとか、そういうことには私は一切触れないでくるということで総理にも通産大臣にも話して出かけました。向こうの意見を聞くということで終始したわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 しかし、結果からすると外務大臣は、どういう方法でやるかは別として、自主規制をすることを約束されてきたということになっているのですか、この点はどうなんですか。日本側は勝手にやれることになったのですか、いかがですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 ヘイグさんと会いましたときにも、あるいは大統領に会いましたときにも、自動車の問題が長時間出たわけでございます。そして、向こうにおける自動車産業の置かれている地位、アメリカの産業の中で特殊な影響力の大きい産業である。自動車関係の労働界というのも非常に大きな影響力を持った産業である。片や議会の中で輸入制限法という法律が通る可能性が非常に高い。そういう中にあって、大統領も国務長官も、自由貿易というものは何としても守りたい、自由貿易の一角が崩れると、これが他の商品にも波及をするおそれがありますし、またヨーロッパにもこれが波及するということになれば、これは非常な大問題であるということで、自由貿易の原則は何としても守りたいというような説明がるるあったわけでございます。  私は、その事情は日本としても了解ができるが、いま先生に申し上げましたように、これは原因は日本じゃないのだ、アメリカの対応がおくれていることが一番の原因であるということを日本側として主張し、アメリカのいま置かれている立場も理解はできるので、ひとつ日本にしかるべき人が来て説明をされたらどうか、アメリカの政府は一体国内自動車産業に対してどういう対策をとるのだというようなことの説明をよくしてもらい、その上に、日本にどうしても協力を要請するということであれば、来た人がその事情をよく話すべきじゃないかということを向こうに話したわけでございまして、向こうの置かれている地位も立場も十分理解するということを言ったことは確かでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 その説明にアメリカ側から日本に来られることを要請されたというのは、いわばアメリカの自動車産業再建のための青写真について、それがわからぬままにこっちの方で自主規制と言ったって、それ自身、業界が何とも承知をされるはずはなかろうと私自身は思うわけなんです。一体その青写真について、大臣自身はお聞きになったのですか、いかがなんですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 これはタスクフォースの意見ということになるわけでございますが、それはまだ日本側に説明するところまでは至ってないということでございまして、私どもは、今度来る人がそのことも説明してもらいたいということを言ったわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そうすると、いまおっしゃった自動車問題のタスクフォースの報告が出て、したがってその説明を日本側がアメリカ側から受けて、その内容によって、いま考えておられる規制ということの対応の中身も変わっていくというふうに理解してよろしゅうございますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 そこまで詰めてこうだと、ぴしゃぴしゃっと話したわけじゃないのでございますが、向こうでタスクフォースの意見を発表するかどうかもまだはっきりしないというようなことを言っていたのでございます。あるいは一部発表するのか、その辺のところはわからぬわけでございますが、少なくとも日本に来た人は、向こうの置かれた地位、そして政府としてはこういうことをやるつもりだということを日本に説明して、日本の人がわかるということでないとぐあいが悪いじゃないかということを、私、言いました。

土井たか子日本社会党

○土井委員 その、ぐあい悪いのじゃないかとおっしゃることの意味は、規制の対応もそれによって違ってくるということの意味を含めておっしゃっているに違いないと私どもは思うわけですが、そのように理解させていただいてよろしゅうございますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 その説明によって日本側がどう判断するかということだと思うわけでございまして、どう判断するかの中身はいろいろあると私は思うわけでございますが、ここで一々私から言うのはどうかと思いますが、その説明によって対応の濃淡の問題は当然あると思っております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 時間が参っておりますから、最後に、この自動車問題の解決いかんによっては、半導体であるとか、集積回路であるとか、コンピューターであるとか、工作機械だとか、いろいろなものに飛び火していくというおそれもなきにしもあらずなんですが、この辺、大臣御自身がどうお考えになっていらっしゃるかということが一つ。  それからもう一つ、これはいまの自動車問題に限って申し上げますと、石原自工会会長が先日こういう意見を言われております。御案内のところだと思いますが、アメリカで独禁法違反の疑いをかけられるというようなことにでもなれば莫大な訴訟費用を負担しなければならない、自主規制に踏み切っていくのならばアメリカ政府からそういう意味の一札をとっておいてほしいということでありますが、政府はそこまでのお考えをお持ちになっていらっしゃるかどうか、いかがでございますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 自動車問題が他に波及するというおそれありとおっしゃいます。それは私も、そういう心配はなきにしもあらずでございますので、この間ヘイグさんと話したときに、この自動車問題というのはほかに波及、リンケージということは一切させないということで話をすべきだということを私は主張したわけでございます。防衛問題とのリンケージを考える人もいましょうし、いま先生のおっしゃるような半導体の問題とか、いろいろ頭に置いて考えられる人もあると思うのですが、ヘイグさんと話しましたときは、自動車問題は自動車問題として解決する、ほかに波及はさせないという前提で実は話し合いをしたのでございます。  それから、独禁法の問題は、これは非常な問題があることはよくわかります。この間も私は独禁法のことを盛んに向こうの下院議員に質問されたのでございますが、独禁法違反を日本の外務大臣に質問するのはおかしいじゃないか、独禁法というのはアメリカの法律なのだから、アメリカがよく判断してもらわなければ困る問題だということを私は言ったのでございますが、先生おっしゃるように独禁法ということが非常に大きな問題だというのは政府でも十分にわかっておりますので、これは通産大臣も常にその問題は言っておりますので、どういう結論になるかは別にしまして、そういうことにならぬようにしなければならぬということに政府として今後十分心がけなければならぬと私は思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 終わります。

青木正久自由民主党

○青木委員長代理 玉城栄一君。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 大臣、御苦労さまでございました。  今回、レーガン政権と初の政府間の話し合いをしてお帰りになられたわけでございますが、御報告を伺っておりますと、自動車の問題、防衛問題その他国際情勢認識の問題等々、非常に抽象的なことであった。そして、具体的には米軍の駐留費増額の問題があった。最近新聞報道等によりますと、北西太平洋のいわゆる防衛分担の問題がちらっと出ておるわけであります。しかし、防衛の問題については非常に重要な問題であるという認識をしてお帰りになったというお話も先ほどあったわけでございます。  今回、外務大臣は五月の首脳会談に向けてのいろいろなお話し合いだったと思うわけでありますが、五月に鈴木総理が訪米したときに、防衛問題について具体的な要求等の話が出たときにどう対処されるのか、これが非常に問題になってくると思うわけであります。  そこで、お話の中では非常にはっきりしないのですが、わが国としてできることとできないことがあるのだというようなことを盛んにおっしゃっておられるわけでありますので、そのできることとできないことというものをこの際国会の中でも明らかにされて議論をさせて対応していかないで、ただ後は防衛庁当局と具体的な話し合いをするということになりますと、非常に大事な防衛問題が日米間の防衛当局の話し合いでどんどん進められていく、そういうことになったらこれはまた重大な問題になると思うわけですが、その辺、大臣はどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 先ほどから申し上げますように、具体的に防衛費の増加ということを求められた、期待表明がありましたのは、駐日米軍の経費についてできるだけの範囲で負担してくださいという要請、期待があったこと、これが唯一の具体的な期待表明ということでございます。あとは、先ほどから申し上げるとおり、いろいろな国際情勢を話して、そしてこういう情勢にあるのだから日本としても防衛力の強化について一層の努力をしてもらいたいという、いわゆる抽象的といいますか、一般的な話があったのでございまして、そのほかは、どうも抽象的だと言われるが、そのとおりだったのでございます。  それで、できることとできないことの問題でございますが、御承知のように憲法で個別自衛権というものははっきりしている、専守防衛ということでございますので、この原則を破ることはできないわけでございますし、また自衛隊法上海外派兵というようなこともないわけでございますので、できないことというのはそういうことで法律的にはっきりしている制約があるわけでございます。  日本としましては、御承知のように五十一年に防衛計画大綱をつくりまして閣議決定をしておりますので、これをなるべく早く充足するということで対処していく、日本本土周辺海域を守るという個別自衛権を、防衛計画大綱に沿って自衛隊の整備をしていくというのが日本に許された範囲でございますので、その範囲でやるということでございます。  総理がおいでになりましても、事務レベル会議があるし、あるいは防衛庁長官が会って話されるわけでございますから、そこで具体的な話し合いなんかはされたらどうですかということをワインバーガー国防長官に言ったわけでございまして、総理が行かれたときにはそう具体的に、この海域はどうとか、飛行機は何台とか、そういう話には恐らくならないだろうと私は思っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 大臣、そこなんですね。外務大臣が行かれても抽象的、総理が行っても抽象的、具体的な話は両国の防衛当局で詰めて話が決まっていくということになると、こういう非常に重要な問題が両国の防衛当局だけで話し合われていっていいものかどうかというように心配するわけであります。  そこで、ワインバーガー国防長官と大臣との話し合いのときに、先ほどから問題になっております南西アジア、それから東南アジアについては、米国がその安全保障を責任を持ってやる、北西太平洋については対潜能力をカバーする意味で日本側に防衛分担を求めるというような感じのお話があったわけでございますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 防衛庁が話すのでひとり歩きする、心配だとおっしゃいましたが、これはそういうことじゃなくて、防衛庁長官もちゃんと話し、それが総理にも報告になる、われわれにも連絡があると思いますが、そういうことでございますので、政府として、防衛の具体的な問題がひとり歩きしていってしまうということにはならぬように当然すべきだと私どもは思っております。  それから、いまの御質問の点は、向こうからいろいろペルシャ湾でもあるいはインド洋でもという具体的な名前を挙げて防衛努力をしているという中に、グアム以西、フィリピン以北の問題も一つの海域の名前として出てきまして、そしてアメリカがそういう努力をしているのだから、日本でもひとつ一層の防衛努力をしてもらいたいという期待表明があったわけでございまして、どの海域は日本が分担するという意味で、この海域をやってくださいよ、この海域はやらぬでいいですよというような、そういう仕分けではなくて、一般的な説明がありまして、その後に日本として防衛の強化、努力ということの期待表明があった、こういうことでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そうしますと、この北西太平洋地域の、米側の言っている対潜能力のカバーということになりますか、どれぐらいのものが必要であるというお考えを持っていらっしゃるわけですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 そういう軍事的な細かいことは、なかなか私からお答えする能力がないのでございまして、これはひとつ防衛庁なり何なりお呼びのときに御質問いただきたい。ちょっと私からお答えする能力がございませんので、申しわけございません。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そこで、大臣はちゃんとお断りになったわけですから、非常に結構なことだと思うのですが、その断られた理由ですね。先ほどもお話があったかと思いますが、その点、誤解を与えてはならないというようなことではっきりおっしゃったわけですね。なぜそういうことはわが国としてできないのかという理由をはっきり、どういう意味でそういうことをおっしゃったのか、御説明いただきたいと思います。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 そのとき私の頭に出たことは、そういう抽象的な話が海域を挙げて出た、そして一般的な努力ということがありましたが、そういうことが外へ伝わったときに、フィリピン以北、グアム以西は日本が防衛分担をするのではないかというような誤解を人に与えてはいかぬというふうに私はすぐ思ったものですから、日本としましては、五十一年の防衛計画大綱でやっている、それは航路帯千海里、周辺数百海里ということがよく防衛庁から言われていることでございますので、それをエクステンションで足を出すようなことがあってはいかぬということがすぐ頭にきたものですから、そういうことはまだ閣議決定もされていないことなんだし、日本は五十一年の閣議決定を充足することをやるのですということを私はとっさに答えておいたというのが実情でございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そういう米側の期待表明どおりに、わが国がそういう防衛分担をする能力の面から言いまして、防衛大綱が、大臣はおっしゃっておられるわけですが、それから見まして、そういうことばできるのかできないのか、その辺、いかがですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 防衛庁がやっておりますのは、防衛計画大綱に基づきましてさっき言ったような範囲のことをやっているということでございますから、それを超えるというようなことになりまして防衛計画大綱からもっと足を出していろいろな整備をしなければならぬということになると、閣議決定ではもうだめだということになりますので、私は、そういうことを頭に置いて向こうに返事をしたということでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そのときワインバーガー国防長官から、七六年の国際情勢と現在とは違うのだというようなお話もあったように報道で知っているわけでありますが、それはどういう意味なのでしょうか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 一般情勢の話がございまして、そしてソ連という名前はそのとき出ませんでしたけれども、その後、国際情勢は厳しくなっているのだというような説明が最後にあったのでございます。それで私は、日本としてできることがある、できないことがあるというようなことを最後の締めくくりに発言をして、会談は終わったということでございます。それが、いまの御質問が、一部に、防衛計画大綱の見直しの要請があったのだとか、そういうことに書かれたことがございますが、そういうことは一切何もございませんでした。国際情勢の説明の中で、厳しくなっているのだということの説明があったということでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 七六年に限らず、情勢の変化というのは常にあるわけでありますが、ワインバーガー国防長官からわざわざそのことの話があったということは、やはり防衛大綱が制定されたその年と現在の時点においては情勢の変化があるのだということは、その防衛大綱についての見直しを示唆をしているというふうに受け取るのが自然ではないでしょうか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 その場のやりとりの空気、雰囲気でございますが、そういうことは私は全然感じなかった。おまえは愚鈍だから感じないのだと、この間、参議院でおしかりをこうむったことがありますが、その場のやりとりは、本当にそういうことは全然感じなかったのでございますし、向こうも、そういうことを言うのなら、いろいろなことを率直に話したわけでございますから、私は、そういう発言であればそういうことを言ったろうと思うのですが、その会談の空気では、そういうことは全然感じなかった。また、われわれもそうは全然とらぬというふうに思っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 この間、一月に鈴木総理と大臣がASEANを訪問されましたときに、わが国に軍事的な役割りを期待することは誤りであるということは何回もおっしゃっておるわけですが、そういうお話も今回当然されたわけですね。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 たしかワインバーガーさんとの話だったと思うのですが、日本は軍事大国にならないのだということを言いましたときに、ASEANを回ったときの話をしまして、シンガポールではもっと軍備の増強をやるべきだという話があったが、インドネシアでは、青年と座談会をしたときに、日本が再びああいう軍事大国になるのじゃないかという危惧の念を話されたことがあるということを私、言いまして、東南アジア等につきましてはその問題は非常にデリケートな問題があるのだということを私、言いました。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そこで、この間もこの委員会で伺ったわけでありますけれども、日米会談並びに日米首脳会談等の結果によって、防衛費の上積み、補正予算というものはあるのかということに対して、大臣は、そういうことは考えておらないというようなお話があったわけでございますが、その点、いかがでしょうか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 これは外務大臣としてお答えするのは適当じゃないと思うのですけれども、私どもは、そういう話は全然聞いておらぬのでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 それでは、補正予算において防衛予算の上積みということは全然お考えになっていらっしゃらないわけですね。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 いま参議院で予算をお願いしているところでございまして、いまの予算を通していただくことが精いっぱいでございまして、それから先、いまおっしゃったようなことを閣内その他で一回も相談したことはございませんし、私がアメリカへ行きましても、それに類するような話は向こうからも一切ありませんし、もちろんこっちからするはずもございません。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そのときの委員会で、大臣、人件費等の問題について、一般的なこととしては、そういうことも一般の補正予算の問題としてあるのだというようなお話があったわけでございますが、その点はやはりそのようにお考えになっていらっしゃるわけですね。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 それは過去におきまして、人件費がどうしても足りなくて補正予算を組んだこともたしかあるかと思いますし、組まなかったこともあるかと思います。それは防衛費云々という問題では全然ないわけでございまして、これは一般の公務員の問題でございますのでそういうことを申し上げたと思うのですが、いま私どもが補正予算を云々するというような立場には全然ないし、いままでも予算を通してもらうことに全力を尽くしておるわけでございまして、その先のことを口にするようなことは一切いたしておりません。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そこで、そのとき伺いましたのは、新年度予算の中の防衛予算対前年度比七・六%増ということに対してアメリカが不満であるような感じを受けるがということについて、大臣のお答えは、確かに前カーター政権としてはそういうことについて失望している、あるいは遺憾に思うというようなことがあったけれども、新しいレーガン政権についてはそういう数字的なことは一切ないというようなお話であった。しかし、防衛問題についてのわが国に対する期待というものは前政権と基本的に変わりはないという考えを持っているというふうに大臣からお話があったわけであります。したがって、防衛予算のいわゆる補正での上積みということについては、すでに当初予算の段階でそれが想定されているというようなことも一部言われているわけでありますが、そういうことが米側の了解のもとに現在のレーガン政権としては別に数字的なことを云々していないということがあるわけですが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 私も一部の新聞を見てびっくり仰天したのでございますが、そういうことは一切ない、聞いておらぬのでございますし、今度向こうへ行きましても、補正予算的な話とか、七・六%がどうとかという話は実はなかったのでございます。それで、むしろ逆に、そういうパーセンテージで云々して、一%が多い少ない、二%がどうとかいうことで日米間がやり合うのは、日米間の友好関係から見て非常にまずい、そんなことはすべきじゃない、われわれは前の政権とはそういう取り組み方は違うという話がございまして、ことしのこれから通していただこうという予算の七・六が多いとか少ないということには一切話は及びませんでした。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 それ以上はおっしゃらないと思いますので、外務大臣、今度アメリカに行かれましたときに、朝鮮半島の問題において、韓国側から日韓定期閣僚会議開催について延期してくれというようなことがあったやに報道されておりますが、そういう事実があったわけでございますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 日韓外相会議につきまして、私は四月の早い方がいいじゃないか、こう言っていたのでございますが、四月の初めにはできるかどうか、向こうの選挙後のこともあり、いまのところ定かでないということは、少し前からそういう空気があったことは確かでございます。  ただ、今度私がアメリカへ行きまして、日本と韓国との関係あるいは朝鮮半島全部の問題のお話し合いをいろいろしたことは事実でございますが、それがもとになって外相会議を延期するとかというふうなことは、直接それと結びついた話はまだ聞いておりません。行きます前から、少し四月初めは無理かもしらぬなという空気が伝わっていたことだけは確かでございます。それは選挙後の向こうの関係でございまして、いま言われたようなことが原因じゃない、もう行く前からのことでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 結局、大臣の朝鮮問題についての米側との客観的な分析に基づいての話し合いについて、韓国側は大臣に不快感を示している、したがって、そのことがいわゆる外相会議の延期等につながっているというふうにも言われておるわけでありますが、大臣はどのようにお考えになっておられますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 日韓の関係というのは、これは隣国であり非常に大切な関係でございますので、アメリカと話をしましたときにも、米韓共同声明で米国の軍隊の駐留するということを決められたことも高く評価するという話をし、ただ日本は軍事的な協力はできないので、経済あるいは技術面等で日韓の協力をしていく、友好親善関係をますます強くするのだという話をしましたときに、朝鮮半島の全部の平和につきまして、これはアジア、日本にとりましても非常に大切なことであるという認識を私は述べたのでございます。  そして、アメリカと意見の交換をしたわけでございますが、アメリカも、あそこに米国の軍隊を駐留させるということは、もし北から何かあっても、アメリカは北と徹底的に戦うのだという意思を北にもはっきり表明しているので、これは北からの南進という可能性は少ないと思うという意見の表明もあり、米中が友好親善関係を結んでいるのだということも、裏から言えばそういうことに大きな効果的な作用をするのだというような説明もあったわけでございます。     〔青木委員長代理退席、委員長着席〕  私も中国からも何回も話は聞いておりますし、米軍がそこに駐留しているということば大きな抑止力でございますし、南進の可能性ということにつきまして私は前から何回も意見を言っておりますので、そういうことをお互いが意見の交換をしたということは事実でございまして、これは本当に朝鮮の民族、単一民族、単一言語、文化も同じ南と北が実質的に話し合いをして、本当に平和裏に統一ができるということが望ましいということを全斗煥大統領も何回も言っておられるのでございまして、朝鮮半島の平和ということが本当にアジアの平和、日本の平和にとっても大切であり、また朝鮮の人々にとってもそれは本当に大切なことではないか、私はそう思っておりますので、私の意見を述べたということでございます。それがそのまま素直に受け取られないということば残念でございますが、緊張があることは確かなんですから、それはもうそのとおりでございますが、朝鮮半島の平和を私は心から祈っているものでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 したがいまして、その日韓定期外相会議の四月開催というものはもうちょっと延期ということになりますと、見通しはいまのところは立たないわけですね。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 まだ私の立つ前に、いろいろ選挙の事情等で若干おくれるのじゃないかということがあったのでございますが、私は夏の前に、そう遅くない時期に両方の外相が会って話すということは、これはもうそれだけでも意味のあることでございますので、何としても実現をしたいというふうに持っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 日米自動車の摩擦の問題なんですが、これはレーガン大統領も大臣に自由貿易主義の原則を堅持するということなんですが、しかし自主的対応をわが国に押しつけられたといいますか、そういうかっこうになっておるわけですね。また、そのことを大臣もお約束をしてこられたわけですが、このことは非常にわが国にとって不利ではないかという意見があるわけです。  そこで、時間がございませんので、興業銀行の調べたものによりますと、現在、対米輸出百八十二万台ですが、五%削減の場合が六千五百五億円のダウンになるわけですね、そして四万五千人の失業、それが一〇%ダウンということになると一兆三千十億円、九万一千人の失業、二〇%ダウンということになると二兆六千二十億円、そして十八万二千人の失業という、非常に経済的にわが国にとって大きな影響が出てくるわけであります。  そこで問題は、この方法と、それから台数、それから期間の問題なんですが、大臣は一応自粛という名の自主規制ということをお約束してこられたわけでありますから、その辺はどのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 お答え申し上げます。  帰ってきましてからも、総理に御報告を申し上げ、そして、通産大臣、官房長官、大来君と、四人でいろいろ相談したのでございますが、これも、いま先生がおっしゃいました台数でございますとか、期間でございますとか、やり方の問題とか、そういうことについては一切触れておりません。向こうから来る人の話をよく聞こうじゃないか、そして判断をしようじゃないかということまででございまして、あとは、期間は、できるだけ大綱は総理の行かれる前に話し合いができておれば望ましいという努力をしようということまででございまして、いままでは期間とかやり方、台数というのは一切アメリカへ行きましても触れずに帰ってきたわけでございます。  先生のおっしゃったのは、私も興銀の調査というのは拝見しましたが、非常に影響があるなということはわかりますので、この問題は慎重に通産大臣あるいは大来君、よく相談の上、政府としてこの問題に対処したいというふうに思っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そこで、時間がございませんが、この自動車問題というのはアメリカの国内問題であるというような意見もあるわけですね。したがって、日本側が、そういう自粛あるいは自主抑制ですか、いろいろな言い方がされているわけですが、そういうことは期間が延びれば延びるほどいいのではないかという意見もあるわけです。いま大臣、総理の行かれる前に決着というお話があったわけですが、この期間はむしろ延びた方がいいのじゃないかという意見に対しては、大臣はどのようにお考えですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 そういう御意見のあることも、私どもも聞いております。時がどういうふうに有利に作用するのかという、いろいろ意見があると思いますが、長引いてまたアメリカの議会の保護立法というようなものが通るか通らぬかの非常にややこしい問題もあるというようなこともございまして、私どもはなるべく問題が深刻にならぬうちに大綱を、向こうのレーガン大統領も、鈴木総理の来られる前に話し合いがついていることが望ましい、こう言っておりましたし、総理の御希望も強い御希望がそうでございますので、ひとつ関係者みんなで努力しようということで、いまのようなことの腹づもりでやろうということでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 以上です。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 渡辺朗君。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 大臣、御苦労さまでございました。  一昨日の参議院の予算委員会あるいはきょうの衆議院における外務委員会で、同僚、先輩議員からほとんどいろいろな問題は質疑され尽くしたようにも思います。ですから、私、これから幾つかお尋ねいたしますが、どうかリラックスしてひとつお答えをいただきたいと思います。  いかがでしょうか、外務大臣、今回アメリカに行かれる意図、目標、これは首相の訪米の地ならしということであったわけでございますけれども、その役割りは、意を尽くしたし、そして十分果たしてきたというふうにお考えでいらっしゃいますか、率直な御感想を聞かしてください。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 今度行きましたのは、新しい政権の人々とお会いして、お互いに相互理解を深める、そして、日米が基軸だという外交方針を言っておりますので、その友好関係あるいは信頼関係のきずなを太くし強めるということが大きな目的でございます。あわせて、総理がおいでになりますので、地ならし的な意味があったのでございますが、まあ私は、いろいろ言われますが、ある程度の成果はあったというふうに考えて帰っております。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 その際に、新しく発足したレーガン政権との初のいわば国際情勢認識のすり合わせというふうな、やはり大きな役割りは担っていらしたと思います。そのときに、いまお聞きしますと、かなりの満足感を持っていらっしゃる。  私、先ほども質問が出ましたけれども、日本のすぐ隣の朝鮮半島の情勢については、かなり食い違ったのじゃあるまいか。たとえば、そのような食い違いについて、どのような説得をし、あるいは違いは違いとして残されたのか。この問題一つ取り上げても、ちょっと、いままでのいろいろの御発言を聞いておりますと、どうも十分でないように思いますので、そこら辺、率直におっしゃってください。向こうの方は納得いたしましたか。北側からの南進はあり得ないと外務大臣はおっしゃった。それに対して向こう側、アメリカの方はあると考えているというような報道がございました。ここら辺の基本的な食い違いについては、いかがでございましょう。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 基本的に私はそんな大きな食い違いじゃないと思っているのでございますが、実は前のブラウン国防長官が国会に、全面的な侵攻という地域として、ヨーロッパ、それから朝鮮半島、それから中東というような問題があったわけでございまして、予算委員会でもこの点が問題になりまして、私の考えを聞かれたことがあります。  今度行きまして、ヘイグ長官にも、ワインバーガー国防長官にもその問題を話したのでございますが、ヘイグ長官は、中国とアメリカが、当時は国交もなかったが、いま米中関係を改善し非常によくしているということは、そういうことの可能性を非常に薄めるということにも役立つのだということで話がございました。ただ、北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国ですか、これが飛行機の問題あるいは船の問題等でいろいろアメリカに対しても周知のひどいことがあったので、北朝鮮のそういうことはよく注意しておかなければいかぬというような意見でございました。  それから、ワインバーガーさんの意見は、韓国に米軍が駐留しているということは、これはいざという場合にはアメリカはもうその進撃には十分の対抗力がある、能力も意思もあるのだということを北側に示しているということなので、恐らくそういう可能性は非常に低いだろうというような話でございました。  私は、中国との話し合いも例に引き、何とか両方が自主的な話し合いができるような環境づくりを努力したいというのが日本の立場だということで話したわけでございまして、それは若干のニュアンスの違いはあるかもしれませんが、大きな食い違いということではないだろう。ただ、それは前提として米国の軍隊の韓国駐留ということが非常に大きな抑止力になっているのだということをアメリカ側が盛んに主張しておられたということでございます。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 この問題についてもう一言。  ある新聞によりますと、外務大臣は、ヘイグ国務長官との会談の中で、米国と北朝鮮との協調をあっせんするというふうに発言されたとありますが、本当でございましょうか、いかがでございますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 それは全然そんなことを言ったことはございません。それは何かの誤りでございまして、私はそんなことは一言も言っておりません。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 さて、いま朝鮮半島の問題についてお聞きしたわけでありますが、私は特に心配なことは、レーガン政権になってからソ連との関係がどのような形になっていくのであろうか、これが日本のこれからの行き方というものにも大変重要な意味を持ってくると思います。この点について、対ソ認識については完全に一致したとお考えでございますか、それともやはりここにも違いがある、その場合にはどことどこに違いがあるというふうにお考えでございましょうか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 八〇年代の国際情勢の中で一番の特徴は、やはりソ連が軍備を充実する、そして第三国に軍事介入をしている、また東南アジアでも、いわゆるベトナムとソ連との関係が言われ、あるいはアフガニスタンの問題があり、ポーランドがどうなるかはまだわかりませんが、いろいろ問題があるということで、一つの大きな要素としてはソ連のそういう軍備の充実、第三国への介入の問題等がございます。それが国際緊張の大きな原因であるということにつきましては、これはアメリカも日本も同じ考えでございます。  ただ、これにどういうふうに対処するのだということは、これはアメリカと日本ではいろいろ方法論が違うわけでございまして、軍事的に一つとってみましても日本は自分を守るだけということでございますし、また北方領土の問題等もある、シベリアの開発についてはいろいろ向こうからの要望もあるというようなこと、いろいろな対策としては違いがあるわけでございます。それにどう対処するかということにつきましては、日本は日本として自主的に考えていくということだと思うわけでございまして、その対する方法等につきましては、これは全部が一致するわけではないということでございます。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 たとえばソ連がアフガンに侵攻いたしましたあのときをきっかけにしてなされてきましたいわば経済制裁、こういった問題については、外務大臣の発言はむしろ強化しろ、しっかりやれと言わんばかりの発言であるやに聞こえました。日本の姿勢として、これを続けていくという立場でございますか、それとも、西側の一員として西側全体の協調の中で何らかの戦略的転換を図るべきだとお考えでございますか、ここら辺はどのようなお話し合いをなされたのでございましょうか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 対ソ問題につきまして話をし、特に穀物の禁輸というものをどう考えるかというようなことを話をしました。その中で、私は特にブッシュ副大統領に言ったのでございますが、アフガニスタンのときの経験によるとどうも西側の措置、足並みに乱れがある、こういうことではいかぬので、やはりこういう足並みは、西側が協調、連帯ということでやる必要があるのじゃないかということを一つ言いましたことと、それから対ソ問題につきましては、日本がいまのような冷たい関係にあるのは、これはかかって日本側の行動じゃない、ソ連側が日本の領土に軍備の増強をし、あるいはアフガニスタンに軍事介入をしているということでこういう原因になったのであるから、ソ連の態度が同じだという限りは、日本の方針、態度といいますか、姿勢といいますか、これを変える理由はない、ただ本当の事務的な問題等については話し合いをするとか、そういうことは当然するが、大きな態度についてはいま変えるという考えは持っていないということを言ったことは確かでございますが、それ以上、アメリカに対しましてどうこうすべきだとかいうようなことは言っておりません。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 これも二、三点関連して真偽のほどを確かめたいと思います。  二十四日、最後の、お立ちになる日でございましょうか、日米協会主催の夕食会の席上での外務大臣のスピーチ、私はフルテキストを読んだわけではございません、その要約でございましたが、その要約によりますと、アメリカの国防政策に理解を示し、かつ、アメリカが国防費を増強していることに対して高い評価をしておられる、こういうような形で、「感銘深く、高く評価。」というような言葉もお使いになって、むしろ対ソ強硬論を高く評価していらっしゃるような印象を与えておられます。そのような演説をなさったわけでございますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 言葉を全部は覚えておりませんが、大体そういう意味のことを言ったことはございます。これは対ソ強硬論をしっかりやれ、こういうことを直接に結びついて言ったのではございませんで、文脈をいろいろ読んでいただけばでございますが、アメリカの一貫性、同盟国の信頼を得ている一貫性の問題でございますとか、経済再建の中で歳出はカーター政権時代よりも抑えておられるが、防衛費というものをふやしているということは、東西のバランスを保ち、その上で国際平和を保っていこうというような、何とかして国際平和を守りたいというのがアメリカの真意でございますので、そういう努力に対しては評価するという意味のことを言ったことは確かでございますが、それが即対ソ強硬論をがんばれ、こういうことを言ったつもりではなくて、ブッシュさんと話しましたときにも、それは何もソ連を敵視するものではないということを言っておりますし、ヘイグさんと話したときにも私は、首脳会談の必要性の問題あるいはSALT交渉の問題等を実はアメリカと話したわけでございます。アメリカは、それはわかる、わかるが、ソ連が具体的にどういう誠実な態度に出てくるか、それを見ているのだということでございまして、話し合いを一切拒否するという態度ではないわけでございまして、私は、その辺のところは柔軟な態度で、演説は厳しいことがありましたが、柔軟な態度で臨むのではなかろうかというふうに見ております。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 外務大臣、いまのお話を聞いておりましても、どうもそのような趣旨の演説はされたようでございますが、と同時に、ソ連の国連大使とでございましたでしょうか、福田元首相がお会いになっていらっしゃるというニュースがございました。何かどうも感じられるところでは、外務大臣、強硬論を一方においては出しておられるが、他方においては話し合いのシグナルも決して忘れてはいらっしゃらないというふうに私は善意に解釈をいたしておりますが、そのような御配慮もお持ちでいらっしゃいますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 先ほどお答えしましたように、いまの姿勢を大きく変えるつもりはないということを言ったわけでございますが、やはり一つ一つのことはよく検討してみようというつもりでおります。ただ、いま大きく姿勢を変えてどうということじゃございませんが、日本としましても向こうの出方、領土問題を前提にした平和条約の交渉の問題とか、あるいはアフガニスタンの問題等もございます。いろいろな問題がありますから、向こうの出方、徴候を見守りながら柔軟な態度で考える必要があるというふうに思っております。ただ、基本は従来の姿勢を変える意思はないということでございます。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 もう一つ、くどいようですけれども、これは外務大臣ではなかったのでしょうか、ほかの方であったでしょうか、もしソ連がポーランド情勢に関連して介入などというようなことでもあった場合には、日本もアメリカと何らかの国際的な行動をとることにやぶさかではないというような発言があったやに記憶しております。この真偽のほどは、あるいは私の記憶違いか、また、このような事態が起こったときに、起こってほしくはありませんけれども、外務大臣としては西側の一員としてどのような行動をとられるお気持ちでいらっしゃいますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 今度の会談で言ったかどうか、いま同席した局長にも聞いたのでございますが、ちょっと記憶はございません。しかし、私は別な席ではそういうことを言ったことがございますのでお答え申し上げますが、もし万一、ポーランドにソ連が入るというようなことになれば、これは本当にデタントの壊滅でございます。そういう情勢でございますから、非常にこれは重大な問題である、そういうことを認識してもらうことは必要でございますので、ソ連がもしそういうことがあれば代償は高くつくということは、やはり認識をしてもらわなければならぬことでございます。  アフガニスタンの際にも、西側の一員として、日本としては、なるべく早く撤兵してもらって平和が来るようにということで、経済措置等考えたわけでございますが、ポーランドの問題が起きましたという先生の仮定での御質問でございますが、そういう際には、やはりアフガニスタンのとき考えましたと同じような態度で、内容の濃淡は別としまして、日本はいくべきだというふうに思っております。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 さて、訪米されまして、帰国後でございます。外務大臣、いろいろお話をして報告をしておられますが、その中で、どうも禅問答みたいな言葉が幾つかあるように、私、感じます。  たとえば、こういうことを言っておられます。自動車問題に関連するのかどうかはわかりませんが、以心伝心などという言葉も、これは新聞社の方であるいはつけたことかもわかりませんけれども、外務大臣自身がお使いになったのかどうか。  しかし、こういうことは確かに外務大臣が言っておられますね。日米首脳会談に向けて、これで土俵の原型ができたのだ。普通ならば、土俵づくりができましたというふうにおっしゃるだろうと思うのですが、土俵の原型ができたと言うと、何かずっと含みのある、含蓄のある発言のように思えます。これはどういう意味で土俵の原型ができたというふうにおっしゃったのでしょうか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 以心伝心という言葉は、これは私は使っていません。アメリカでだれかが使ったのか、クラブの人がつくったのか、うちのだれかが言ったのか、その辺ちょっとわかりませんが、私自身は言わなかったのでございます。  それで、土俵の原型ということを言いましたのは、これは車のことで言ったわけじゃなくて、全般的な話で土俵の原型と言ったのでございますが、そのときに、土俵というのはよほどつき固めないと足がぬかってけがしたりするので、まだつき固める必要がこれからあるのだということを頭に置いて言ったわけでございますが、それは、たとえば自動車の問題で言いますれば、まだこれから日米でお互いがどういうことをするかということが残っているわけでございますし、そういう問題をもっと具体的に固める必要があるかもしれませんし、あるいはサミットの議題等もあるかもしれませんし、いろんなものが出てくるのじゃないか、原子力の問題も実はございます。そういうものをもう少しぴっしゃり固めるにはまだ少し時間的余裕があるという意味で、原型という言葉を私は言いました。総理が行かれるまでにはもう少し何か具体化して、土俵をつき固める必要があるのだ、こういう意味で言ったのでございます。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 議題の問題とか原子力、これはわかります。ただ、自動車の問題で、いまおっしゃったように、土俵の原型ができたのだから、これをちゃんとした土俵にするためにはもっとつき固める必要があるのだ、にもかかわらず、これはヘイグさんとでございましたでしょうか、会談の内容は一切公表せずということをお約束しておられる。それでは私どもとしては、一体どこに問題があり、どのようにつき固めるのかよくわからないわけでございます。その点、外務大臣、これは国際外交でございましょうから機密も必要でございましょう、相手のあることもわかります、だけれども、どことどこの問題をつき固めるべきだとお考えでございますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 ヘイグさんといろいろ会談をし、大統領と会談をした後、ホワイトハウスで合同の記者会見をやったわけでございますが、そこで、今後とも話し合いを両方で、ワシントン、東京で続けていくということを発表したのでございますが、話しましたことは、まず向こうから来て向こうの事情を、そしてアメリカはアメリカの国内の自動車工業にどういうことをやるのだというようなことを話してもらう必要があるのではないか、そういうことを何にも理解を求めないで、やみくもにどういう方法でやるとかどうとか、そういうことは納得できないことなんだ、だからまず使節団が来まして話し合いをして、その上でどう考えるかということを決めたらいいじゃないかというような話をしたのでございまして、まだ具体的に何と何をそこで今度は決めるのだというところまでは話は詰まってないということは確かでございます。  向こうが一般的な説明をし、こちらも、アメリカの置かれた立場はわかる、しかし、タスクフォースの結論がまだ日本側にも説明がないのだから、そういうことは十分説明してもらわないと、日本でも、アメリカの事情もあるが日本の事情もあるのだというようなことを言ったわけでございまして、これはつき固めるものは何と何かということを詰めてきたわけではございません。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 輸出の自粛という言葉、これは外務大臣の側からおっしゃったですか、それこそ以心伝心で、外務大臣がそのようにお感じになって決断されたといいますか、そのような判断をされたのですか、向こう側から何らかの具体的なそのような要請は受けになりましたですか。中身が秘密となっておりますのでこれは大変聞きにくいことでありますけれども、そこら辺をちょっと聞かせておいてください。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 さっき、リラックスして答えろ、こういうことでございましたが、これはリラックスするにはなかなか内容のむずかしい問題でございますが、向こうからは一般的な説明があったわけでございまして、私の方からも、これは日本のことが原因ではないというようなことで話をしたわけでございますが、そのとき、自粛とか自主規制という言葉は私は使っておりません。これははっきり使っていない。帰りましてからも、そういうことを話したとか決めたとかいうことは私は言ってないのでございますが、向こうとの話し合いでは、向こうの立場をよく理解したということは言いました。それ以上、自粛とか自主規制とか、そういう言葉は使っておりません。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 向こうの立場はよく理解したと言う場合に、これはどなたかがきっと通訳されたのだと思いますが、かつて繊維交渉でございましたか、あのときに、大変な誤解を生んだ通訳の言葉もあったように聞いております。どのような言葉で十分理解したというふうに英語ではお答えになったのでございましょうか、そこら辺、何か覚えていらっしゃいませんでしょうか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 私は的確に、英語をそのときどういうことを通訳してくれたか、いま覚えていないのでございますが、先生は繊維交渉のことをおっしゃいました。これは実は何回もヘーグさんと私の間で、この問題で繊維交渉のようなことには絶対にしないようにしようと、両方が誤解といいますかどういいますか、あのときは後々まで非常に悪い感情が残るようなことになったわけでございまして、今度の自動車問題は繊維交渉のようにはお互いがしないようにしようということははっきり言ったことがございます。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 だんだん時間がなくなってきてしまったものですから、多くは聞けませんが、あと一、二問だけ。  一つは、感じとしまして、やはり外務大臣はそれこそ以心伝心で、相手の言うことはわかったとおっしゃったこの自動車問題、だから、何か防衛の問題にしろその他のいろいろな懸案事項も、余り表面に出ないで、すっとスムーズに来てしまったのではあるまいかというふうに、これは私の誤解かもわかりませんが、私がこのように誤解をしている場合、外務大臣、どのようなお答えをされますでしょう。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 向こうとの話といっても、自動車とほかの問題はリンケージといいますか、連動は一切させないということで話しました。でございますから、先生のおっしゃるようなことは私はないというふうに思うわけで、防衛は防衛、原子力は原子力、別だと私は思っておるのでございますが、レーガン大統領と会ったのは最後の日でございます。その前に防衛の問題なんかみんなやったわけでございまして、大統領と会いましたときに、アメリカの立場も理解するということを言ったわけでございますが、その上で、人に来てもらって、そしてアメリカの対策も説明する、その上でよく両方で判断しようということを言ったわけでございまして、それは大統領との会談は最後の方でございます。防衛の問題は初日にやりましたので、私はいま先生のおっしゃったような連関、関連性はないものだというふうに考えております。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 私は、こういう席で個人的なことを言って申しわけありませんけれども、やはり考えてみると、自動車問題で日本に責任はない。ですけれども、大変たくさんの方々がレイオフで苦しんでいる。しかも、日米関係は今日の歴史の上でも大変緊密な形で来ているわけでございます。それだけに、この問題は決して何かよそごとの問題だと突き放すようなことで解決すべきではなくて、政治的に十分配慮しながら対処すべき問題であろうと私は思っております。ですから、私は、ヘーグさんとの約束の中で、どのような話し合いであったのか、秘密であることはあえてこれ以上追及いたしません。しかしながら、やはり両国民の共通の問題として、向こうが痛みを持っているときはこちらもそれだけの理解度ということを示してやる、これは大事なことだろうと思うのです。大変個人的なことを言いましたけれども、外務大臣、このような考え方についてはどのようにお考えでございますか。  そして、これに関連いたしまして、今回の場合に、先ほどからもちょっと出ておりますが、首相訪米前に自動車問題の解決というふうなことが是か非かということと同時に、私は、アメリカの内部にだって自由貿易論者もおれば、議会の中でロビイングもこれから活発になるだろうと思います。保護立法を主張する人たちの声も強くなってくるだろうと思います。こういう動きの中でどのように対処していったらよろしいのか、これから慎重にとか、これから何か向こうの代表も来て説明を聞きましてとかいうことではなしに、私は外務大臣としての基本姿勢が日本国民に対しても表明されてしかるべきだろうと思います。これを最後に質問させていただいて、私は終わりたいと思います。よろしくお願いします。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 私がアメリカの立場もわかると言いましたのは、いま先生がおっしゃったアメリカの自動車産業の置かれた地位の説明がございまして、特にアメリカの産業の中で自動車産業というものは非常に影響力の大きいものだ、労働界もしかりという説明がございまして、最も大きな問題としては、自由貿易をどうやって守るかということが本当に大切だ、議会では保護貿易主義に立脚した法律が出ている、これは政府が何もやらなければ恐らく通るだろう、その場合に拒否権を使うのか使わないのかというような話までいろいろ出たわけでございまして、アメリカの置かれた地位ということの説明がございました。  日本は日本として、もちろん私もこういうことになったのは日本のためじゃないということを主張したのでございますが、大統領のいろいろ言われたことに、十分認識もし、よくわかったということを私は言ったのでございまして、いまここでどうこうということは、はなはだ申しわけないのですが私からはそこまでは申し上げませんけれども、やはり向こうから説明に来た場合には、両方が不満足でも、あるいは両方が満足するか、不満足かもわかりませんが、やはり繊維交渉のようなことには絶対ならぬようにという解決をすべきだというふうに思っております。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 どうもありがとうございました。終わります。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 瀬長亀次郎君。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 外務大臣は、去る二十八日、参議院予算委員会で共産党の上田耕一郎議員の質問に答えて、防衛分担の問題について特に地域を挙げて、たとえば日本はフィリピン以北とかグアム以西とかいったようなことの説明の中で、こうした米側の要請は一般的な説明だということを繰り返しておられます。きょう聞いた話でもそうでありますが。  ところが、きょう午前、自民党の党本部で、外交調査会、安保調査会など外交関係部会と商工部会との合同会議が聞かれて、レーガン米大統領ら米側政府要人と会談して帰国した伊東外務大臣から訪米報告を聞いた。そこで、合同会議の後、記者会見した小坂善太郎外交調査会長は、記者会見の中でこう言っているのですね。伊東外相は日米間の防衛分担問題について、米側から、グアム島から西、フィリピンから北の防衛について日本も考えてほしいと防衛海域分担を要請したことを明らかにした。  これは、どちらが本音で、どちらがたてまえなのか。自分たちの身内の議員であるから本音を吐かれたのか、それとも、国会の、いまもそうでしょう、公式の席上でこういったような一般的な要請にすぎないのだということであるが、小坂さんの記者会見の内容は違いますね、これはどうなんですか。本音はどこにあるのでしょうか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 私はけさも自民党の合同会議で説明をしたのでございますが、ここで説明したことと全く同じことを説明しております。でございますので、小坂先生の記者会見というのは、それがそのとおりであるとすればどうも私は腑に落ちないのでございますが、本音もたてまえもございません。私が言っているとおりのことであったということだけ私は断言します。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 いまのお話は、小坂さんの記者会見の内容はどうも外務大臣の話したこととは違っておるといったように聞こえます。しかし、これは発表なのですからあした新聞に出ると思いますが、いずれにしても本音とたてまえが違っているのではないかという疑惑はもう与えられているということになります。私はこの点については後で問題にすることにします。  ただ、この前、予算分科会でも、独立国日本であるから砲艦外交みたいなものをやめて自主的平和外交を進めてほしいということを要望いたしました。これについてはいまも同じでありますので、ぜひその点を貫いてほしい、本音とたてまえが違うようなことでは国民に対する欺瞞ということになりますから、この点を指摘して、前に進みます。  沖繩県民は百十万人おります。そのうち八十八万人の飲料水は、頼っておるところは沖繩北部の福地ダムであります。この福地ダムの湖上でアメリカ海兵隊が訓練を行っている。私は、これを確認するかどうかはいま申し上げません。というのは、「オキナワ・マリン」、この新聞の一月十五日号に堂々と書かれておるのです。日本共産党調査団は、二十三日、二十四日、海上、さらに航空自衛隊の司令に会い自衛隊の基地を見ました。さらにずっと北部まで行って調査した結果、こういった写真も撮りました。一致しております。委員長、これを大臣にお渡ししていいですか。これを見てくだざい。  それで聞きたいのは、これを認められるかどうかの問題じゃありません、もう認めているのだから。マリンの広報部も発表しております、「やりました、しかしたびたびではありません」と。これは原文は、シックス・マイル・リバー訓練みたいなことを書いている。向こうが勝手につけたのでしょうが、まさに湖上における訓練なんです。  そこでお聞きしたいのは、これは昭和四十九年五月七日、内閣委員会で、外務大臣は大平さん、それからアメリカ局長は現駐米大使の大河原さんでありますが、この大河原さんが、こういったのは好ましくないのでチェックする、四つの条件を言っております。「水中爆破は一切行なわない、恒久建造物はつくらない、仮設建造物は使用後、直ちに撤去する、貯水池の汚染防止に万全の措置を講ずる」、この四つ。  ところで、これは写真を写してきましたが、仮設の建造物、これはセメントで固めて、ダムの両側にこういったポールをつくって、なわを張って、ちょうどサーカスで綱渡りをやります、あれみたいにやるようなポールができております。これは撤去しておりません。  それから、厚生省、だれか来ておられますか。——厚生省のこの前の話でも、環境衛生局長が、このような湖上訓練は好ましくないとはっきり言いました。そこで、この写真は現場へ行って写したのです。この集水区域の中でゲリラ訓練をやっておるだけではありません。屎尿処理の問題、さらに、これはかん詰めの空きかんがごろごろ。これを、環境衛生局長ですか、ごらんになってください。  ですから、外務省も、当時のアメリカ局長もチェックすると言っておったが、何をチェックしたのか、これを答えてもらいたい。チェックしてないということの証拠があるのです。いわゆるポールもちゃんと立っておる。演習後すぐ撤去する、撤去されておりません。セメントで固めてある。そして、いつでもなわを通してサーカスみたいに渡れるようになっておる。七種類の湖上訓練をやることを日米合同委員会で合意をされた。それを最初に外務省から説明してください。現に違反しておるが、チェックできない。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 いまお尋ねの福地ダムの訓練については、委員が御指摘のように、米軍が、私たちの承知している限りでは昨年の十二月三十一日、これは海兵隊がゴムボートで福地ダムの中で川下りの訓練をしております。ただ、この訓練それ自身については、地位協定上認められているこの福地ダム、これはアメリカ側に提供した訓練地域でございますので、その限りでは違反ということでございません。ただ、いま委員の御指摘のありました、かつての国会における大河原答弁との関連について、その後の状況について、私たちの方として、いまここで御指摘がございましたので、調査してお答え申し上げます。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 厚生省も。

田中収厚生省環境衛生局水道環境部水道整備課長

○田中説明員 前回、環境衛生局長が、水源の汚染の状況について好ましくないという御回答をしておるわけでございます。この場合、ダムの汚染の問題につきましては、水道法では一般的な規定といたしまして、国民が日常使います水源を含めました水道施設については清潔保持の道徳的な義務を課しておるわけでございます。また、同法の中で、水道の管理者は水源を含めました水道施設の汚染等について汚染防止の必要な措置を講ずるという義務を課しているわけでございますので、そういう趣旨から前回環境衛生局長がお答えしたということでございます。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 いまの両方の御答弁で、チェックすると言ったのが全然チェックされなかったということ。仮設の建築物でも使用後は撤去する、これは撤去していないと認めた。それから、こういったように散らかしていて何が汚染防止か。好ましくないと認めておる。  したがいまして、これは大臣に聞きますが、アメリカを信用する信用するという大臣の口ぐせ、安保の優等生と言われるわけですけれども、このような形で、いま全部統計をとっておりますが沖繩の八十八万人がこっちから水を飲んでいるわけなんです。アメリカも飲んでいるからいいじゃないかという理論は立ちません。いま那覇市から中部を含めて全部その福地ダムから流れてくる水を飲んでいるわけなんです。御承知でしょうが、食用紅を井戸に投げ込んだ、毒ではないが、これは心理的に非常に大きい影響があるのだということで浄水汚穢罪に問われて最高裁でも有罪を決定した、それほど飲料水、上水というのは大事にするのですね。ところが、なぜこういったチェックをすると言うてもチェックもできないで野放しにするか、これは大臣、どう思われるのですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 お答え申し上げます。  事上水道のことでございますし、施設、区域の使用条件に違背してやるということじゃないと思うのですが、そういう状態であるということは十分注意しなければいかぬことでございますから、いま淺尾局長も十分調査するということをお答え申し上げたわけでございます。特に衛生の関係でデリケートでございますから、調査をしまして、やはりそういうことは十分に向こうに注意してもらうということが当然でございますから、もう少し調査をさせてください。その上で、もしもそういうことであれば、やはり上水道の問題だということであればできるだけ注意してもらうということが当然だと思います。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 調査されると言うのですが、調査するまでもない。アメリカがやったと言っているんだよ、ちゃんと。これは「オキナワ・マリン」という機関紙ですよ、写真も入れて。これを見たものだから、われわれが行って現場を写してきた。それがこの写真です。これ以上調査されても、もちろん調査されることは当然ですよ、核問題あたりで、アメリカを信頼する信頼する、岩国であれ沖繩であれ。これはアメリカを信頼しておるとこの調子になるということなんですよ。これは現状を丹念に二日にわたって調査した結果、こういった写真を持ってきたわけなんです。  私は時間が非常に限られておるので申し上げたいのでありますが、憲法で法のもとの平等というのがあるのですね、当然の話だが。沖繩に住んでいる日本国民がなぜ水責めの十字架を背負わなくちゃいかぬのか、問題はここなんです。憲法がある。憲法は基本的人権、生命、財産を保障する。水というのは空気と同じなんですよ。なぜ沖繩県民だけがこういった飲み水を汚染されているという心理的影響を受けて生活をしなければならぬのか。まさに水責めの十字架じゃないのか。まあしかし安保条約があり、地位協定があるからがまんしろ、これでもそう言われるのか。せめて湖上訓練だけはやめてほしいということを再折衝できるのかどうか。いま四つのダムがあるのですが、福地ダムというのは四つのダムの一番下流にあって、向こうからどんどんやってくる。そして後で申し上げますが、そこはノグチゲラという天然記念物の生息地で、ここだけしかないのです、この山。沖繩の水資源は、北部だけしか山と川はありません。中部も南部もありません。そこをこういったような訓練で汚していて、いま沖繩の新聞は全部反撃に立っております。那覇市長も、北部の名護の市長も、絶対許されぬ、こういう形で言い切っております。政治家として外務大臣は、日本国民の生命に関係するもの、安全に関係するもの、なぜ一体法のもとの平等という恩恵には沖繩県民は浴させないのか、なぜ水責めの十字架を負わなくちゃいかぬのか、ここら辺、解明できますか。大臣、それは大臣がやってください、もう時間がありませんから。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 先ほども私から御答弁申し上げましたように、アメリカ軍が施設、区域を使うには使用条件がございます。それで、われわれとしてはその使用条件に合致してアメリカが訓練しているというふうに思っておりますが、ただいま御指摘がございましたので、十分調査をいたします。さらに、施設庁が現地にございますので、その辺のところの事情も勘案いたしまして十分に検討したいと思います。  それから、もう一つ申し上げておきたいのは、再々この委員会で申し上げておりますように、外務省としてもやはり施設、区域の使用についてば現地住民の御協力というのが一番必要でございますし、それから、いまお述べになりましたような水の点については当然配慮すべきだという点については全く同感でございます。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 大臣、何かありませんか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 特に飲み水の問題でございますから、よほど注意しなければならぬと私は思いますので、いま政府委員が申し上げましたとおり、私の方としてももう一回厳重にその点は調査をしまして、いま先生は水責めだということをおっしゃったのでございますが、そういう意識のもとにやっているわけじゃないわけでございますから、十分にわれわれも注意します。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 同じ貯水池の問題、もう一件聞きます。  これは米上院軍事委員会の一九八一会計年度国防総省予算を審議した一九八〇年二月二十七日の聴聞会の記録に、バロー海兵隊司令官の証言があります。この中で、「北部訓練場に着弾地域を設置する問題と、」これは後で質問します。「キャンプ・ハンセンおよびキャンプ・シュワーブの貯水池で湖上訓練を行う問題は、日本政府とのあいだで話し合われてきているが、まだ成功裏に解決をみるにいたっていない。」というバロー海兵隊司令官の証言があります。これは話し合いがあって、いま話し合い中であるのか。私は、あるとしても、これだけは拒否してほしいと思うのだ。現実にこのキャンプ・ハンセンとシュワブにある貯水池は沖繩県の企業局の管理下にあるのですよ。演習のためにこれをとりたいというわけです。こういう事実がありますか。あるとすれば、私は拒否してほしいと思いますが、大臣、いかがですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 バロー海兵隊司令官の証言については、私たちも承知しております。御指摘の点は、日本側と話しているけれども解決がついてないということでございますが、恐らくそのことは、実弾射撃の場合には着弾区域が特定されるということが必要でございまして、その点がまだ特定されておりません。そこで現地レベルで現在話し合いをしているということでございまして、まだ施設庁の本庁なりあるいは外務本省の方にその具体的な話し合いの進捗状況というのが上がってきておりません。  ただ、仮定の問題でございますが、そういう話し合いが上がってきた場合に、われわれとして考えておりますのは、やはりその着弾地点が特定されるかどうか、それから水資源の涵養林に対する影響がないかどうか、そういう点を全般的に勘案して態度を決定するというのが基本的な方針かと思います。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 これに対しては、いま、福地ダムも湖上訓練をやっている、これは仕方がない、注意はするが。ところが、新しくまたキャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセンの区域内の貯水池を利用しようということなんです。私は期待したいのですがね、大臣、こういったような話し合い、提案があったら拒否してください。どうですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 まだ私ども承知してない問題で、施設庁の方で恐らく相談をしておられるところだと思うのでございます。私、いまここでどういう結論かちょっとわかりませんが、そういう御質問がありましたから、そこをよく聞いてみます。特に水の問題でございますから、慎重に検討して結論を出すように、われわれの方も施設庁の方へ要望は伝えます。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 次に、TOW、対戦車ミサイルの問題であります。これもバロー証言の中に書かれております。勉強家の淺尾さんがこのバロー証言を知らないということは私、驚きなんですがね。これにこう書いてあります。「北部訓練場の着弾地域は、TOW」これはいま言った対戦車ミサイルで、これは御存じでしょう。これは恐ろしいものなんですよ。フォートレスゲール演習のときにアメリカが沖繩へ持ってきたものなんです。いわゆる視野で誘導してやっつける対戦車誘導ミサイル。「北部訓練場の着弾地域は、TOWの到着とともに」もう到着しているわけだ。「特別の重要性をもつ。というのは、計画されている着弾地域は、自然の」これは地形上の問題、「自然のおわんの中にあり、TOW(対戦車ミサイル)の実弾発射を可能にするからだ。」おわん状になっているから。「沖繩には、他にこの兵器〔の演習〕をこのように支援できるところはない。」こう言っております。だから、おわん状は北部訓練場のどこにあるのか、これも日本政府と折衝し、そしてやりたい、これなんです。この点についても御承知ないのか。  まさに、これがもし持ち込まれたならば、いま申し上げました鳥獣類、ノグチゲラなんて全滅します。それで沖繩の山林は破壊される。いまですら湖上訓練はやられておる。まさに、この対戦車ミサイルが持ち込まれて演習が許可されたならどうなるのか。これははっきりバロー司令官の文書による証言なんです。大臣、いかがですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾政府委員 先ほどちょっと私の申し上げたことに誤解があるのじゃないかと思いますが、バロー証言の内容については私たちも十分承知しております。しかし、TOWの訓練についてまだ日本政府と合意ができていない、だから訓練ができないということを向こうは言っているわけでございまして、それについて現地のレベルで話し合いが行われるというふうに承知しております。したがって、いま私たちがここで実際にアメリカ側からその点について要請があった場合にどういう態度をとるのか具体的にお答えするのは適当でございませんけれども、先ほど大臣からお答えいたしましたように、そういう要請があった場合には、やはり着弾地域の特定、あるいは水資源に対する影響、あるいは先ほど述べられました特別保護鳥ノグチゲラに対する影響、そういうものについてどういう影響があるのかということについて関係機関と十分検討して慎重に対処していきたいということでございます。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 もう時間が参りましたのでやめますが、一言、大臣の基本姿勢、これについて答えてください。  私が申し上げたとおり、沖繩県民は日本国民なんですよ。憲法も施行されているのですよ。そういったところでなぜ県民だけがこんなに苦しまなくちゃならぬのかという問題なんです。これは沖繩の現地の新聞、社説であれ何であれ、こんなに大きく、われわれの水がめを汚すなということで立ち上がっておるのですよ。やがて実践運動になってきます。私は、それは自然だと思うのですよ。安全をみんな望んでおる。  この水の問題は、保守、革新を問わないのですよ。したがいまして、せめて湖上訓練だけは、チェックするというチェックすらやっていない、そういったことまで含めて調査されるというわけでありますが、それは勝手でしょう。沖繩県民も日本国民でありますから、その立場に立って、安全に対する、特に水の問題、これと関連するいまの対戦車ミサイルの問題、これなど県民の立場に立ち国民の立場に立って、本当にいまこそ砲艦外交をやめろ、自主的平和外交に徹せよということを私は期待します。大臣、いかがですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 施設、区域の円滑な運用というのは本当に地元の人の協力なしにはできぬわけでございますし、特に水の問題でございますから、十分に注意するように、われわれの方としましても施設庁と連絡を密にしたいと思います。

瀬長亀次郎日本共産党

○瀬長委員 終わります。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 河野洋平君。

河野洋平新自由クラブ

○河野委員 外務大臣の訪米を踏まえて、一、二点御質問をさせていただきたいと思います。  外務大臣はアメリカに行かれてアメリカの首脳と会談をされたわけですが、その際に対ソ認識は一致した、それから西側の一員としての努力を表明された、この二つがきわめて大きなポイントだろうと思うのです。  そこでお尋ねをいたしますが、問題は、むしろアメリカがどういう行動をするかということについてきちんとした認識が日本側にあるかどうかということだと思うのですね。エルサルバドルに介入といいますか、非常に強硬的な姿勢をとる。アフリカに対してもそうですね。韓国は多少性質は違いますけれども、非常にいま心配をしている。こういう一連のアメリカの姿勢を見ると、人によっては、いわゆる介入主義をとるのじゃないか、アメリカは事あるごとに、何か問題が起これはその背後にソ連がいる、だから一つ一つどんな細かいところにでもむしろ積極的に介入をしていく、そんな感じでアメリカの対ソ姿勢を受けとめている向きがあると思うのですが、大臣の御感触はいかがだったのでしょうか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 アメリカの対ソ行動でございますが、よく言われるようにリンケージの問題ということが出てくるわけでございます。ソ連が世界のどういう分野でどういう行動をとるかということが対ソ問題のいろいろな問題を考える場合にやはり関係があるのだということは言われておるわけでございますが、いま先生のおっしゃったこと自体について実は議論はしてまいらなかったのでございますが、私は、アメリカの対ソ措置というものはまだ決まってないと思うのです。総合的に穀物禁輸の問題等いろいろやりましたが、まだ決まってない、サミットまでは少なくとも待ってもらいたい、こういうようなことがございまして、まだ決まってないと思うのでございます。  いま言われたように、首脳会談でございますとか、あるいはSALTの交渉の問題を話したのでございますが、その場合に、ソ連の方々でどういう具体的な行動をとるかということにもよく注意してみなければいかぬ、こういうことの主張がありましたので、アメリカがソ連を考える場合に、そういう世界的なグローバルな目で物を考えているなということは私もわかりました。ただ、日本がそのアメリカの態度にそのままついていくかどうかということは、これは日本が独自に判断しなければならぬ問題でございますから、経済協力の問題、あるいは外交の問題、そういう場合に、私はやはり日本は日本として自主的に考えていく必要があるというふうに思っております。

河野洋平新自由クラブ

○河野委員 もちろん、日本側の態度は日本が独自で決めていくのは当然のことだと思いますが、大臣はいま、サミットまでソ連に対するアメリカの姿勢というものが決まってないという感触を受けてこられたような御答弁でございましたけれども、きちっと決めるか決めないかは別として、レーガン政権の対ソ姿勢というものはいままでよりは相当厳しい姿勢をとっていくであろう、これは予算を見ても、友好国に対するさまざまな要請から見ても、間違いのないところであろうと思うのです。  ただ、米ソ間の軍事力の比較その他からいって、アメリカがいろいろと防衛予算に力を入れるとかやるということは、アメリカの判断で結構、それはそれで私どももそうかと思って見ていればいいわけですけれども、日本側の立場としてどの程度までそれに対応するかというのは、これは日本が決めなければならぬわけですね。  たとえば一つお伺いしますが、エルサルバドルに対する日本側の対応については、大臣、何かお考えがございますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 米ソ間につきまして、一般的に先生のおっしゃったようなことはわれわれも認識しております。前よりも厳しい態度で臨むのじゃなかろうかということは想像ができますが、おっしゃるとおり、日本がどういう判断をするか、具体的にどういうことをするかということは、日本の自主的に考えることでございます。  エルサルバドル自身につきましては、たとえば経済協力の問題でございますとか、そういう問題につきまして、いま一切何も話はございませんし、また日本としてああいう地域に経済協力の問題を考えていこうというようなことは、いまの段階で考えてはおりません。  そこで、エルサルバドルにつきまして、第三国からゲリラに武器を供給するというようなことをよく言われておりますが、それはそれ自体はそういうことはあってはいかぬと私は思うわけで、エルサルバドルはエルサルバドルの国民が決定をしていく問題だというふうに見ておるわけでございまして、今度アメリカに行きましても、実はエルサルバドルの話は全然出ませんでした。

河野洋平新自由クラブ

○河野委員 エルサルバドルに余りこだわるつもりはないのですけれども、アメリカがエルサルバドルに非常に神経質に、これは表現は余りよくないかもしれませんけれども、裏庭だなんということを言うわけですから、非常に近いところにあって、非常に強い姿勢で出ているということはそれ自体理解ができるわけですが、たとえばエルサルバドルと日本との間にいまのところ何にもないと大臣は言っておられるのですが、日本とエルサルバドルの関係は、たしか私の記憶に間違いがなければ、エルサルバドルはいまでも日本に大使を置いていると思いますし、日本はエルサルバドルに送っていた大使は、危険もあってこちらへ帰していると思うのですが、もしそういう関係であれば、この関係はやはり何とかいい形に直していかなければいけないのじゃないでしょうか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 お答えします。  いろいろな危険を感じて、大使は引き揚げて、館員はコスタリカの方に行っておる、実情はそういうことでございます。これは治安がどうなるかということも生命の安全に関係することでございますから、そういう措置をとっておるわけでございますが、治安の推移等を見ながら正常に戻していくということをなるべく考えていくことが当然だというふうに思っております。

河野洋平新自由クラブ

○河野委員 外務省は中南米に非常に力を入れようということで、行政改革を進める中から中南米局をつくったり、中南米に対する姿勢を非常に積極的な姿勢として持っておられるように思うのです。私はそういう姿勢がもし本当であり、これから先もそういう姿勢を続けていこうとするなら、どうなんでしょう、エルサルバドルに対しても、たとえば日本側からの情報網はいま向こうにないわけですから、東京にいるエルサルバドルの大使などを少し呼ばれて、一体日本に対し何を求めておるのか、どういうことが日本に対してしてほしいことなのかということを少し聞いてみるような積極的な姿勢、それは別にアメリカに気がねをしたり、アメリカの姿勢と何も矛盾はしないと思いますし、むしろ日本の中南米政策といいますか、中南米に対する姿勢からいって当然のことではないかと思うのです。その点、多少おくれているような、つまり遠慮がちといいますか、消極的なような気がするのですが、いかがでしょうか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 特に忌避するとかそういうことじゃなくて、東京にいます向こうの大使と局長やなんかよく会いまして情報を聞いたりなんかしておることは確かでございますので、今後も、いま河野さんのおっしゃったように、会っていろいろ話を聞くというのは何も悪いことじゃないわけでございますから、そういうことは十分注意してやっていきます。

河野洋平新自由クラブ

○河野委員 対外経済援助というのは日本外交に最も重要だという私どものかねてからの主張でございます。日本の国の安全、日本の国の防衛、そういうものを考えるときにも、適切な経済援助をいかにやっていくか、しかもそれが目先のことだけではなくて、やはり中長期の展望を持った経済援助というものが行われていってしかるべきだ、それに日本はむしろ非常に力を入れる必要がある、こう私どもはかねてから考えているわけでございますが、どうも最近のアメリカの姿勢は、私はアメリカの姿勢を非難したり批判したりするつもりで申し上げておるのではなくて、私の認識から言えば、アメリカの今日の姿勢は、経済援助なんということを日本に求めていくよりも、もっと直接的な、防衛力の増強でありますとか、あるいは今日非常にアメリカが危機感を抱いている地域とか対象国に対して具体的に動けという、非常に性急な姿勢があるように思うのです。それはそれでアメリカの姿勢としてはわからないではないのですが、日本の姿勢、日本の行き方からすれば、中長期的な展望に立った経済援助というものをじっくりと、しかし従来よりは思い切って増額してやっていくという外交政策がこの時期でも望ましいと私は思うのですが、外務大臣の御見解はいかがですか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 お答え申し上げます。  アメリカに行きまして、実は経済協力の問題で意見の交換をしたわけでございます。私はアメリカに対しまして、東西関係ということを余りに重視して、ここは友好国、ここは非友好国というように頭から決めてしまってやることは、かえって第三世界を追いやるようなものじゃないか、むしろ経済協力というものは南北問題が中心であるべきで、もちろん広い意味で考えなければいけないわけでございますが、南北問題というものが世界の平和にとって非常に大切なんだから、日本としては南北問題を重視する、アメリカもその点はよく南北問題を考えるべきではないかという意見を言ったのでございまして、河野さんのおっしゃるようなことを頭に置きながら経済協力をやることが世界の平和につながっていく、私はこういうふうに思っております。

河野洋平新自由クラブ

○河野委員 日米関係というのは日本の外交の基軸であるという認識を私も大臣と同じように持っているわけで、日本にとって最も信頼すべき大切な国であるアメリカであるだけに、できる限りアメリカが間違わないように忠告すべきところはどんどん積極的に忠告をする必要があると思うのです。そういう意味からも、今日、経済援助の問題あるいは軍備増強の問題については、日本はいまアメリカに対して最もきらわれる役、いやな役を引き受けるべき立場にある。アメリカがとてもきげんがいい、アメリカが非常に喜んでおったということで自分が喜ぶのではなくて、むしろアメリカにとって苦い薬であっても日本が飲ませる役をする必要があると思うのです。  そういう意味からも、伊東外務大臣がたとえば朝鮮半島の問題についてかなり率直な意見を述べられたということを私は私なりに評価したいわけでございます。ただ、何も朝鮮半島の問題だけに私はこだわるつもりはございませんけれども、いろいろな意味で、どうもレーガン大統領が圧勝したということを背景にアメリカの外交政策が、同盟国には非常に手厚く、仲よくいくけれども、そうでないものに対しては少し冷淡にいくという傾向が見える。大臣もそういうお感じだと思いますけれども、もしそうであればそれは注意をする必要があるし、また場合によれば、それにとってかわって日本がそういう役割りを果たしてやることが日米相互の補完関係という点からもいいのではないかと私は思うのです。どうも先日来アメリカに行ってきた人間の話を聞いたり、いろいろなマスコミの人の話を聞いたりすると、いや、もうそういうことじゃだめなんだ、いまのアメリカはもっとダイレクトにアメリカのプラスにならぬことは喜ばぬ、対外援助などで日本が引き受けてやって、対外援助を日本が引き受けてやるのだから防衛力の問題や何かはいいじゃないか、こう言ってもアメリカもそう喜ばないのだということをおっしゃる方もあるのですが、大臣、訪米中に感ぜられた御感想と、私が前段申し上げたように、日本の果たすべき役割りはそういうことじゃないのか、アメリカの姿勢がわれわれの考えから少し違ってきているように思う、そのときに果たすべきわれわれの役割りはこういうことじゃないかということを少しお漏らしいただきたい。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、アメリカが考えていることはどうも違うんじゃないか、世界の大勢、平和ということからいうとこうすべきじゃないかということを率直に言うのが本当の友だちだ、友好国だという御意見、私も同感でございます。今度もある程度そういう問題については意見を言ってきたのでございまして、私はそういう態度こそ本当に大切だと自分で思っております。  それから、経済協力の問題でございますが、これは向こうが軍事力あるいは二国関係だけとかいうような傾向が強いことは私も認めます。ただ、日本が経済協力をやることについて向こうは非常に感謝していたということも具体的にございますし、また、日本としましては南北問題を重視して第三世界を西側に関心を持たせる、好意を持たせておくことは世界の平和にとりましても大切なことだと思いますので、アメリカの政策で足らぬところを日本が補完してやる場合も、そういう問題も出てくるのではないかと考えております。

河野洋平新自由クラブ

○河野委員 特にアジアの問題については、アメリカのさまざまな文献を拝見しても、当面の危機はアジアには余りない、アジア地域に際立って危機があるというふうにはアメリカは感じてないと、私は実はさまざまなアメリカの文書を読んで感じたのです。強いて言えば朝鮮半島あるいはベトナム、カンボジアの関係かな、しかしこれはパーセンテージからいえばきわめて小さいものだ、むしろNATOを中心にする、あるいは中東を中心にした地域の危機に対する予測の方がはるかに大きいので、アジア地域におけるそうしたきな臭さなどはアメリカはそれほど高い確率で考えてないというふうに私は私どもの手元に来る文書では読んでいるのですが、大臣、アメリカと接触された御感触はいかがでございますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 私は河野さんと同じような心配を持ちまして、中東の問題もあり、ヨーロッパの問題もある、しかしアジアというところについて見れば朝鮮半島の問題もあるかもしれませんし、あるいはベトナムの問題等もございます。ベトナムの戦争でアメリカが手をやけどしてから、アジアに対してどうも関心が薄いじゃないか。やはりアジアに顔を向けろということは、ASEANを回りましたときに、ASEAN諸国も皆、アメリカにそういうことを伝えてくれということがございまして、私も今度行きましてASEANの意向も伝え、アジアというものをヨーロッパ、中近東と同様に重視すべきだということをアメリカに言ってきたのでございます。  レーガン大統領はカリフォルニア出身なので、太平洋沿岸の国々にとっては非常に関心が強いのだという話がございまして、大統領と話したときにそのことも実は私は大統領に話し、太平洋沿岸、アジアにももっと目を向けるべきだということを言ったのでございますが、今後ともアジアの一員としてアメリカに対して主張していくべきだというふうに私は思います。

河野洋平新自由クラブ

○河野委員 アメリカがアジアに十分注意を払った上で危険がないという判断をしているなら、それはそれで非常に結構なことでございますから、その安定感あるいは安全さというものをみんなで大事にこれから先も守っていくということのためにわれわれは努力をすることが大事で、そういう安定感のある安全な地域に、爆弾ばかり大ぜいで持ち込んできな臭くする必要はないじゃないかということを私は申し上げたかったわけでございます。  最後に、日米関係はさまざまなチャンネルがあって、いろいろな人脈があって、いろいろな人が日本のことをアメリカに伝える、アメリカのことが日本に伝わる、結構なことではあると思うのです。結構なことではあると思いますけれども、そのチャンネルの多さがときどき混線したり脱線したりすることがあるのではないか。  どうしてアメリカが日本の防衛費にこんなに熱心になったり落胆してみたり、あるいは怒ってみたりというのは少し表現がきついかもしれませんけれども、非常にがっかりしたりするのかというと、どうも日本のさまざまなチャンネルから、一一%だ、九%だといろいろコミットした向きがあるらしい。いろいろあるけれども九・何%はもう大丈夫だというようなことを言って安受け合いをして、その結果が非常な努力にもかかわらず七・六%で、われわれにとってみればきわめて十分な、完全に十分とは言いませんけれどもある程度の数字だと考えても、アメリカ側から見ると、いままで聞いておった話と全然違うじゃないかということで、それが何か日本の信頼感をいたずらに低下させているというようなことを聞きました。それがただ単に日本の信頼感を低下させるだけじゃない。日本側と接触をした、たとえばマンスフィールド大使であるとか、アメリカ側の何人かの非常に知日派と言われる人たちの立場まで悪くしてしまったということがもしあるとすれば、これは大変申しわけないことじゃないか。もう少し日米関係のチャンネルというものが、たくさんあるごとは私は悪いことだとは思いませんけれども、責任あるチャンネルでないといけない、信頼関係を大事にするチャンネルでないといけないというふうに思うのです。  外務大臣がこの内閣は何人もいるなんという茶化した報道を私はここで申し上げるつもりはありません。何といっても伊東外務大臣が一番日米関係の信頼ある太いチャンネルであることは間違いない。外務大臣にこれからも日米関係を揺るぎないものにするためにがんばっていただきたいということを御激励申し上げて私は質問を終わりますが、これから先も大臣の従来のお考えを率直にアメリカ側にも言い続ける、それが日米関係の信頼をつなぐもとであるということをどうぞお忘れのないようにお願いしたいと思います。  終わります。      ————◇—————

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 この際、アフリカ開発銀行を設立する協定の締結について承認を求めるの件、一次産品のための共通基金を設立する協定の締結について承認を求めるの件及び東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の締結について承認を求めるの件の三件を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土井たか子君。

土井たか子日本社会党

○土井委員 大臣、先日の当委員会での一次産品共通基金設立協定に対する質疑におきまして、またそれより先に、同僚の高沢委員の方からアフリカ開発銀行設立協定につきましての質疑の途次、アメリカ側が世銀のエネルギー開発基金への不参加であるとか、あるいは国際産業開発基金や国際開発協会の増資見送りであるとか、国連経費を削る問題について、これ自身はどうお考えになりますかということをお尋ねすれば、大臣としてはアメリカに行かれた節そういうことも含めてアメリカ側の意見をただし、こちらとしては約束をしたものは約束をしたものとしてやはり実行してもらわなければならないという意思もひとつ伝えようというふうなお話でございましたが、今回アメリカに行かれたときに、そのお話し合いの中でこういう関係の問題はどう相なったのでございますか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 いまお話のありました一つ一つ、これはどう、これはどうと言って確かめはしませんでしたが、国際的に話し合いのついているものについては、多国間だからといってそれを切るというようなことは国際的な信義にも反する、これは海洋法とそのことを一緒に二つ例として言たのでございます。そういうことをすればアメリカの信用がなくなる、ですから十分に考えるべきだということを言ったのでございますが、そのときヘイグさんは、国際的に約束しているものは切るということは考えていないという御答弁がございまして、一つ一つ確かめるということはしませんでしたが、そういう注意の喚起はしてまいったのでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そうすると、注意の喚起の結果、世上伝えられておりますように、多国間条約の中での経済援助は打ち切りにしても、二国間、わけても一その中で、友好国と非友好国の色分けをして、軍事的な色彩というものを十分に中身として含ませながら友好国に対する経済援助をまずしていくという姿勢に対しては、これを是正するというふうな方向で取り組まれる空気を察知されていますか。いかがですか、大臣としては。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 少し詳細に申し上げますと、私自身が、国際的な約束のあるようなものについて途中から切るというようなことは国際信義にもとることだということを言ったのに対しまして、アメリカは、世界開発銀行と有益な国際機関を支持し続けることを確言したいというような表現で話があったわけでございます。  そして、いまの友好国、非友好国の問題でございますが、私は、アメリカは頭からそういうことを決めてやろうとしているということは望ましくない、それは第三世界を西側から離してしまう結果になる、日本はそういうことは考えるべきじゃないと思っている、南北問題が中心だと言って話しましたときに、頭からそういうことを決めてやろうということは考えているわけではない、ただ二国間の経済援助の方が反応が早いのだ、向こうが答弁したことは、早い反応を期待し得るという言葉があったのでございまして、頭からそう決めて東西関係ということでやっているわけではないというような返事はございました。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そういたしますと、速効性を期待されるというアメリカ側の姿勢からすると、ここできよう採決を迎えておりますアフリカ開発銀行設立協定には署名はすでに済んでおりますけれども、しかし中身に対してもうひとつ積極性が見られないという意味での質問を、同僚の高沢委員の方から先日展開されたわけであります。また、一次産品共通基金については、すでにアメリカは出資に対しまして当分の間これを見送るというふうな方針をとられているやに聞くけれどもこのことに対していかがかというふうな質問を私自身はしたわけであります。この具体的なことに対しては、大臣は向こうでいろいろ話し合いの中に織り込まれなかった旨をいま御答弁いただいておりますけれども、この両条約についてのアメリカの出資金についてはどのように理解をしておいたらよろしゅうございますか。

梁井新一外務省経済協力局長

○梁井政府委員 まず、アフリカ開発銀行に対するアメリカの加入でございますけれども、これは加入の方針に変更はないというふうに聞いておるわけでございます。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○賀陽政府委員 一次産品共通基金につきましては、先般来御答弁申し上げておりまするけれども、八二年のアメリカの会計年度でございますから本年の十月以降でございますが、その会計年度には計上を行わないけれども、次の年度から計上を行うという方針の大体の感触を得ております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 それではこれで質問の時間が切れましたから終えますが、感触を得ておりますと言われるのは、具体的に何かの通告があったということでしょうか、それとも何らか非公式な探知をされた結果得られた情報ということになりますか、いかがでございますか。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○賀陽政府委員 大体の感触というのは、ちょっと私の申し方が確度が低いような御印象を受けられたかと思うのですが、もう少し確度が高うございまして、わが方の照会に対して、来会計年度から計上する、こう言っておるわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 終えます。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 金子満広君。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 いま議題になっている三つの案件のうち、特にアフリカ開発銀行設立協定と東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターの設立協定に関連して若干の質問をしたいと思うのです。  政府は一月に開発援助の拡充に関する新中期目標というのを決めましたけれども、ここで最初にお伺いしたいのは、その倍増した開発援助の内容について具体的に決定されているのかどうか、改めて聞きたいと思うのです。

梁井新一外務省経済協力局長

○梁井政府委員 この一月の新中期目標で決まりましたのは、ODAの今後五年間の総量を過去五年間の総量の倍増以上にするということでございまして、その中身の、たとえば国際機関に対する出資をどうするとか、あるいは円借款をどうするとか、そこまで決まっているわけではございません。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 拡大の目標、つまり目的ですね。それから、いま言われた点でいけば、どこの国にどのような品目でいつごろというのは全然まだ決まっていない、こういうことですか。

梁井新一外務省経済協力局長

○梁井政府委員 そのとおりでございます。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 よく紛争当事国とかあるいは紛争周辺国という言葉が言われますが、紛争当事国というものの規定と、その周辺というのはどういう地域を指しているのか、これは問題を究明していく上では大事な規定になると思うので、その点をお聞かせ願いたいと思うのです。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  紛争当事国あるいは紛争周辺国という言葉は、別に法律的な言葉ではございませんので、明確にその紛争当事国の内容、定義ないしは紛争周辺国の定義、内容を申し上げるのは大変困難でございます。常識的に申しまして国際紛争というものはあるわけでございましょうし、そのような国際紛争の当事国となっている国が紛争当事国、紛争の一方の当事者ということになるのでございましょうし、またその周辺国と申しますのは、やはりその紛争によって何らかの影響を受けることになる地理的な隣接国、そのようなものを紛争の周辺国ということになるのであろうと思います。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 わかったようなわからないような話なんですが、しかし言葉だけはあるのですよ。しかし、そうすると紛争当事国という判定をだれがするかという問題になると思うのです。それから、周辺国という認定をだれがするかということに私はなると思うのですね。そういう点から言えば、紛争という問題についても、たとえば自動車問題で日米間に、あるいは日本とEC関係にいろいろトラブルがある。これは紛争関係なのか、関係でないのか、何をもって紛争とするのか。言葉があるのだし、そしていろいろ注釈、解釈をするのですから、その点が一つと、周辺国というのは大陸、陸地の上での国境で言うのか、あるいは海域があったその向こうまで周辺国と言うのか。これはいまの影響がどうとかという話は話として聞きますけれども、その辺をもう少し踏み込んで明確にしてほしいと思うのです。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 紛争当事国、紛争周辺国については、先ほど申し述べましたこと以上に詳細に定義をするというのは大変むずかしいことだと思います。ただ、先生もおっしゃいましたように、だれがそれでは紛争当事国として判定をするのかということの問題はあるわけでございますけれども、それは別に国際機関がありまして紛争当事国を、これは紛争であってその当事者はこれこれであり周辺国はこれこれであるというようなことを決める国際的な組織もあるわけではございません。したがいまして、やはり紛争当事国ないしは紛争周辺国ということを取り扱うそれぞれの場において、そのような定義と申しますか、そのような用語を使うようになった目的に照らしてそれぞれの場において判定をするということ以外にないのだろうと思います。  一例を挙げますと、実は紛争当事国というような言葉は国連憲章にはございます。ただ、国連憲章におきましても別に紛争当事国ということの定義はございませんで、紛争があると国際の平和及び安全を危うくするというような場合に、安全保障理事会で審議をするとかあるいは総会で審議をするとかいう場合に、紛争の当事者はその審議に参加をすることを招請されるとかいうようなことが書いてあるだけでございまして、では一体何が国際連合で取り扱うべき紛争であるかということに関しましては、特別の定義があるわけではございません。  もっとも、私が先ほど、その場その場の目的と申しますか、そういうことが扱われる場に応じた取り扱いがなされるであろうと申しましたことと関連をいたしまして、国際連合では国際の平和及び安全を危うくするような紛争ということでございますから、おのずから紛争というものがそのような紛争に限定されてくるのだろうということは申し上げられるわけでございまして、ただそれが日本とたとえば自動車問題などでトラブルがある、それをしも紛争と言うか言わないかということになりますと、ただいまの国際連合の場合に当てはめて申しますれば、それは国際連合で言っているところの紛争には当たらないであろうということは申し上げられると思います。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 武力の場合はすぐわかるのですけれども、紛争という場合に、武力以外に紛争ということがありますか。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 これもまた紛争の定義になるわけでございますけれども、ディスピュートということを使ってございます。したがって、国際連合の場合でも、ディスピュートというのは、まだ武力を直ちに行使するには至らないけれども危うくするような問題、そのようなものもディスピュートという中に含まれているということは言えると思います。これはもちろん、先ほども申し上げましたように国際の平和及び安全を危うくするようなたぐいの紛争ということで、国連憲章の中ではそのようなものとして局限されていると申しますか、そのような範疇に入るものを紛争として取り扱っているということでございます。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 つまり、定義はない、これはいま言われてわかるのですが、定義がなくて、実際には国際政治の面で紛争とか当事国とか周辺国というのは常に出てくるのですね。その定義があるなしにかかわらず、一番中心になるのは紛争とは何かという問題だと思います。その紛争があって、当事国があって、当事国があるから周辺国が出るわけですね。その紛争についての定義もはっきりしない。つまり、判定や認定というのはだれがやりますか、問い詰めれば時の政府が判断しますということにならざるを得ないようないまの仕掛けだと思うのです。時の政府が、そのときの、悪い言葉で言えばいろいろの政治的な要素の組み合わせの中で紛争が狭くなったり大きくなったり、いま武力衝突以外ということになったらまたむずかしい解釈になりますけれども、こういう点から言いますと、その都度、紛争あるいは紛争当事国、周辺国は判断するというように解釈していいですか。その都度、紛争とか当事国とか周辺国は判断します、こういうことですか。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  何が紛争当事国であるか、それから紛争周辺国であるかということがそもそも問題とされるに至りました原因と申しますか、状況、私は先ほどそれをその場と申したわけでございますけれども、その場その場における認定者というものがいるのであろうと思いますが、その場合に、その認定者、どうもその認定者と言うとまた何か機構があるようでございますけれども、おのずからそこに紛争があるというようなことが決まっていくのではないかと思われます。大変漠然としたお答えで申しわけないのでございますけれども、どうもそれ以上に適当な御説明をする力はございませんので、ただいまのところその限りにさせていただきます。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 本当に漠然とした答えなんですけれども、にもかかわらず車は回るわけですね。ですから、結局は、日本の政府は、外務省も、条約局長の答弁がそうなのですから定義がない。そうすると、その都度判断するわけで、短くもなったり長くもなったり、つまりゴム尺です。相手に合わせて物差しを縮めたり広げたりするようなかっこうだと思うのですね。この辺は、私はきょうはもうここでこの問題については質問をいたしませんけれども、明確にしておく必要があると思うのです。言葉だけあって、国際政治、国際交渉、いろいろな外交折衝が抽象化の中でやられて、何となくそうであろうみたいなことになったらとんでもないことだと思うのです。これは外務省の責任であり、政府の責任ですから、その点は明確にしてほしいと思うのです。  そこで、今度は概念がはっきりしている定義ですけれども、アフリカ開発銀行の設立協定について若干質問をしたいと思うのです。時間がありませんが、幾つかやります。  一つは、この開発銀行に対して、アフリカで反対または棄権をしている国、これはリビアとアルジェリアなんですけれども、その理由を説明していただけませんか。

梁井新一外務省経済協力局長

○梁井政府委員 お答え申し上げます。  リビアとアルジェリアが否定的な態度を示しているわけでございますが、この銀行のアフリカ的性格と申しますか、それを強調している新しい協定案ができておるわけでございますけれども、それに対して域外国が加盟してくることがアフリカ的開発を損なうという観点から反対しているものというふうに承知しております。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 政府側からの説明の中にもあるのですが、リビアの態度の中に、このアフリカ開発銀行は設立当初と性格が変わってきた、これはわかるのです。変わってきたというその変わり方の一番大きなところを外務省としてはどのように考えていますか。

梁井新一外務省経済協力局長

○梁井政府委員 昭和三十九年にアフリカ開発銀行を設立する協定ができ上がりましたときは、銀行協定への加盟資格をアフリカ域内の国だけに限っておったわけでございます。ただ、その後、アフリカ諸国の開発の資金需要がふえてまいりまして、その財源を拡大するために、今般、域外国の加盟を認めるようになったわけでございまして、この点が一番大きな変化だと考えております。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 それも一つの大きな変化だと思いますが、最も大きな変化の一つは、この協定の十七条に「業務に関する原則」というのがありますね。(a)、(b)、(c)、(d)、ずっとあるのですが、(d)項に「銀行の通常業務として行われる貸付け、投資その他の融資に係る資金は、加盟国において生産される物品及び加盟国により提供される役務を加盟国において調達するためにのみ使用する。」これは根本的な変化の一つであろうと思うのです。つまり、平たく言えば、おれは出資する、あなたはこの金を借りなさい、しかし、借りたお金でおれの国から買わなければだめですよ、それ以外の国で調達することは、言葉をきつく言えばまかりならぬというのが原則ですよということになると思うのですね。これは互恵平等とか、ひもつきでないとか、いろいろ解釈はあろうと思いますが、その点についてどのようにお考えですか。

梁井新一外務省経済協力局長

○梁井政府委員 ただいま先生御指摘の十七条一項(d)におきまして、この調達の原則といたしまして、生産物及び役務を加盟国から調達するために使うという原則を出していることは事実でございます。ただ、同じ十七条一項(d)の後半の部分におきまして、銀行に対しすでに相当額の融資を行っているような非加盟国、またはそのような非加盟国において生産される物品を調達することが必要な場合に、一定の手続を経ましてそういう場合の調達も可能にしておるわけでございますので、そういう点で特にひもつきであるというふうには考えていないわけでございます。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 時間ですから、最後に、いまの項に関連して。説明のように、確かにただし書きはあるのですよ。そして、採決三分の二という規定まで入っていることはわかります。しかし、この種の問題というのは、借りた国、つまり開発銀行の資金を利用する国がどこに使おうと、その国の自主的判断に任せるというのが本来的に言えば平等互恵の関係だと私は思うのです。金が余っているから貸します、そしておれの物を買いなさい、それ以外はまかりならぬ。しかし、三分の二ということになると、十二対六の役員構成になっているわけですね。十二だからということを言いますけれども、一人棄権ないしなにがあった場合には全部お流れで決まらないということになるわけで、いまのただし書きに対する説明というのは、結局、私の解釈で言うひもつきであるということを打ち消す論拠にはならないだろう。こういう点で、この辺は今後も明確にしていきたいと思うのです。もう一度、ひもつきにならないというさっきの解釈を伺って、質問を終わりたいと思うのです。

梁井新一外務省経済協力局長

○梁井政府委員 アフリカ開発銀行以外の類似の機関でございます、たとえばアジア開発銀行とか世界銀行、IDA等につきましても、世界銀行の場合には世銀加盟国における調達に使用される、それからアジア開発銀行におきましても原則として加盟国において生産される物品ないし役務の調達に使用されるということでございまして、国際開発金融機関は大体こういう原則をとっておるというふうに考えております。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 終わります。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これにて各件に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これより各件に対する討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  まず、アフリカ開発銀行を設立する協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、一次産品のための共通基金を設立する協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。  ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 次に、国際情勢に関する件について調査を進めます。  ただいま委員長の手元に、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブの五党共同提出に係る経済協力に関する件について本委員会において決議されたいとの動議が川田正則君外四名より提出されております。  この際、本動議を議題とし、提出者から趣旨の説明を求めます。川田正則君。

川田正則自由民主党

○川田委員 ただいま議題となりました動議につきまして、その趣旨を御説明いたします。  案文の朗読をもって趣旨の説明にかえさせていただきます。     経済協力に関する件(案)   平和国家に徹することを理念とする我が国は、世界の平和と安定に寄与することを使命とすることにかんがみ、政府は経済・技術協力を行うに当り昭和五十三年四月五日の本委員会の決議をふまえるとともに左記事項を原則として実施すべきである。      記  一、昭和五十六年一月に決定した政府開発援助の拡充に関する新中期目標の確実な実現に努めること。  一、軍事施設等軍事的用途に充てられる経済・技術協力は行わないこと。  一、紛争当事国に対する経済・技術協力については、その紛争を助長するがごときものは行わないこと。   右決議する。 以上であります。  何とぞ各位の御賛同をよろしくお願いいたします。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  ほかに発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  川田正則君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とすることに決しました。  この際、外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。外務大臣伊東正義君。

伊東正義自由民主党外務大臣

○伊東国務大臣 ただいま御決議をいただいたわけでございますが、政府の所信を申し述べます。  政府といたしましては、従来から昭和五十三年四月五日の本委員会の決議を踏まえまして経済協力を積極的に進めてまいったわけでございますが、ただいま御決議をいただきましたその趣旨を踏まえまして、今後とも経済協力を積極的に推進していく所存でございます。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 ただいまの決議について、議長に対する報告及び関係当局への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らいます。  次回は、来る四月八日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十二分散会

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