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94回国会衆議院1981/05/29

科学技術委員会 第12号

発言数
162
登壇者
19
会派数
4
開催日
1981/05/29

会議録

中村弘海自由民主党

○中村委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。  本日は、参考人として財団法人日本原子力文化振興財団常務理事岸本康君の御出席を願っております。  この際、岸本参考人に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席くださいまして、ありがとうございました。参考人におかれましては、忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言願います。また、参考人は委員に対し質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。日野市朗君。

日野市朗日本社会党

○日野委員 大体きょうがこの国会における最後の委員会になるのではあるまいかなというふうに思いますので、この国会で最も焦点となりました日本原子力発電株式会社敦賀発電所の事故に関して質疑をいたしたいというふうに思います。  というのは、私、ここの発電所で起こった一つ一つの事象について問おうということではございませんで、それについては大分いろいろ論議もかなり尽くされてきたというふうにも思います。でありますから、一つ一つの事象そのものについて問うのではなくて、それが原子力政策の最も基本となるべき安全性という問題とどのようにかかわっているのかということについて政府の見解をただしてまいりたい。特に原子力政策について最も重要な役割りを果たしておられる原子力委員会の原子力委員長及び原子力安全委員会における安全性についての見解をただしてまいりたいというふうに思います。また、きょう岸本さんにおいでをいただきましたけれども、財団法人日本原子力文化振興財団、ここは非常に多くの質のすぐれた原子力に関する情報が蓄積されているところだというふうに私考えますので、一般に政府外のところでどのように考えておられるかということについても御意見を伺いたい、このように思います。  それで、この敦賀の原子力発電所で起こった出来事について、まず三本の柱を立ててみます。一つは旧ラド建屋におけるトラブル、それから給水加熱器のトラブル、それから新ラド建屋におけるトラブル、こういうトラブルの三つにつきまして伺うことにいたします。  それで、まず旧ラド建屋なんですが、ここで給水をした場合にランプがつかなかったというような事態が起こった。これはもう確定された事実関係と考えてよろしゅうございましょう。こういう事態は大体あっていいことなのか悪いことなのか、安全性の観点からどのように見るべきであろうか。そして、このランプがつかないということを作業員が見過ごしておりますね。このことについていかがでありましょうか。まずこれは原子力委員会の方それから安全委員会の方、この御両方に伺いたい。

御園生圭輔原子力安全委員会委員

○御園生説明員 安全についての御質問にお答えいたします。  御承知のように、原子力施設の安全というのは、設置許可の段階の審査それから詳細設計、工業許可、使用前検査、それから使用中における保守管理、運転管理、それから定期検査、そういうことを通じて安全の確保はいたされております。ただいま御質問の旧ラドにおきますバルブの標示等の件だと思いますが、これは、つかなかったということは、今回の一つの事故の原因ではございます。が、スイッチの方向によって確認もできますし、それから、たとえばその後水が流れっ放しになったといたしますと、サンプピットのモーターが回るという標示が出ます。それから、さらにその後でサンプピットの水位高高という状態で信号が出ますので、一つの原因ではございますが、それだけですぐ安全にかかわるということではないと思っております。  もちろん、こういう点を見過ごしたということは、原電そのものの保守管理に非常に問題があったということは否定できません。一般的に申しまして、原子力につきましてはいわゆる深層防御という考え方がございますので、バルブを締めたということが手の感じだけでなしに明かりで示されるということになり、さらにそれが忘れられた場合には次の信号、またそれが忘れられた場合には次の信号が出るようになっておりますので、そういう意味では、一つの原因ではございますが、総体的に見た場合に、保守管理さえ十分にいっておればこのようなことにはならなかったというふうに考えております。

日野市朗日本社会党

○日野委員 いま安全委員会の方からお話しありましたが、こういったことが現実に生起した、起きたということですね。この中にはいま御園生さんの方から指摘があった保守管理に問題があったということがありますが、大体保守管理にも問題があった。しかも作業員が、オペレーターが安易にこれを見逃したというような事実関係はあるわけですが、原子力委員会の方として、これからの原子力行政を進めるに当たって、このような事象が容易に起き得るんだということについてどのようにお考えになっておられますか。

石渡鷹雄科学技術庁原子力局長

○石渡政府委員 原子力の研究開発利用におきまして、安全の問題というのは根幹の問題であると認識しているわけでございます。機械的には深層防御という思想で対応しているわけでございますが、何といいましても基本は開発利用にかかわる人間の問題であり、また組織あるいは雰囲気といったことがその底辺にあると考えているわけでございます。そういう意味で、開発利用も年数がたってまいりました、そういうなれといったようなことがないように、事原子力に関する限り厳しい姿勢で常に臨むという雰囲気を保っていくということが基本にあろうかと思っております。そういう意味で、従事者の教育あるいは日ごろの心構えの問題あるいは企業の体質の問題等々から、原子力委員会サイドといたしましても問題意識を持って対応してまいりたい、このように考えておるわけでございます。

日野市朗日本社会党

○日野委員 いまの答弁を聞きますと、非常に抽象的な段階からまだ脱し切れていないような感じがするのですよ。現実にこういうことが起こったのです。深層防御と言いながら、安全装置が一つ一つ外れていったのですね。そういうことが起きないようにするために、原子力委員会としてはどういうことを考えておられるのか。それはまたいままでと同じように十分に注意をしますでは、これは済まされない問題だと私は思いますし、恐らくマスコミなんかが非常に大々的にこの問題を取り扱ったという意識もそこいらにあると思います。また、国民がマスコミを通じてこういう事態を知り、ずいぶんこの問題については日本国じゅう津々浦々で、家庭内であれ、いろいろな人の集まるところであれ、話がなされていると思うのですが、そういう国民の問題意識にもこたえる必要があると思うのです。十分注意しますではもう問題はおさまらない。どう思いますか。

石渡鷹雄科学技術庁原子力局長

○石渡政府委員 私どもは十分注意しますということで事が済むとは思っていないわけでございまして、まだ御指摘のように精神論の段階というおしかりはこうむるかもしれませんが、事なかなか幅の広い考え方でこの問題に対処をしていかないと、またということが決してあってはいけないわけでございますので、その対応策についていろいろ検討もし、苦慮もしている段階でございます。しばらくお時間をちょうだいしたいというのが実態でございます。

日野市朗日本社会党

○日野委員 御園生さんに伺いたいのですが、私もこの問題は、スリーマイルの事故が起こったときから、人間の能力の限界の問題、人間の誤る可能性、蓋然性の問題ということで安全委員会の方に投げかけておいたわけであります。これは何も私だけが投げかけたんじゃありませんで、ここにいる委員の各位も、それからそのほかの識者の指摘というものも非常に重いものとしてあったと思うのでございますよ。今度の場合は、人為的なミスというものを安全委員会としてどのように考えておられるか。

御園生圭輔原子力安全委員会委員

○御園生説明員 御指摘のとおり、原子力安全委員会といたしましては、TMI事故が起こりましたときに早速それの調査をいたしました結果、特別の調査委員会をつくりまして、それの指摘いたしました五十二項目につきまして検討して、一部結果を得て実施に移しているところでございます。まさに御指摘のように、人間と機械とのかかわり合いということは私たちが一番問題にしているところでございます。したがいまして、指針の中においても、緊急の場合に十分以内に人間が動作すると考えてはいけないという思想のもとでいろいろな安全設計をいたしておるところでございます。  今回の事故は、先日のこの委員会におきまして参考人として参りました板倉氏が、原電としてTMIの事故の教訓を提示されておった、その際に、炉の方に重きを置いて廃棄物処理施設についてはやや抜けたところがあったということをこの委員会で証言しております。まさにわれわれが最も心配したところでございますが、一つの教訓というものを——TMIの場合は事故はまさに炉に関して起こりました。そういう事故をただ炉のことのみとして取り上げ、全体の問題として取り上げでくれないものがあったということに対しては大変残念だと思っておりますが、現在ではすべての発電会社がそのような考え方をとっているとは思っておりません。必ずや今度の事故を教訓にいたしまして、すべての面の管理において人と機械とのかかわり合いに十分な注意をしなければいけないということは肝に銘じておると思います。しばらく彼らのやることを見ていただきたいと思っております。

日野市朗日本社会党

○日野委員 次に、タンクから水がかなり大量にあふれてしまったという事故が起こった後の処置の問題について伺いたいと思うのでありますが、ここでは水を取り除いて除染作業を行ったという経緯があります。これはいかにも安直にやられているわけですね。これは、考えてみれば最も効果的な方法であったかもしれません。水を除去する、そのためにちり取りを使ったり、ぞうきんで吸い取ったり、これはよくやる方法なんですが、一たんこういう事態が発生したということを踏まえた場合、これはもっときちんとした、計画性を持った処理のされ方がなされてしかるべきではなかったのかというふうに私思うのですね。やはりきちんと上司の方に報告をして、上司の指示を受けるというようなことがなされるべきであったろうというふうに私思います。もしそれがなされていたならば、通産省に対する報告ということもきちんとなされていたのかもしれない。しかし、残念ながらそういうことはなくて、あっ、水が出ている、それをくみ取れ、バケツだ、ぞうきんだ、ちり取りだ、こういうことになったんだと思うのですが、こういう事故が一たん起きた、あるトラブルが発生した、これに対する取り組み方、これが何とも気に入らぬのです。一たん事故が起こった、それを何とか当面を糊塗してしまって、それで済ましていいんだというようなそういう考えが原子力発電所なんかの関係者の中にかなり広く蔓延しているのではないかというふうに思うわけであります。  モラルをも含めて、こういう何か起こった場合の作業への取り組み、それから、今回のようなわれわれから見ればまことに軽率とも思えるような作業をもたらすようなモラル、そういったものは、これはやはり除去しなければならないものだというふうに私思います。そのことについてはどのようにお考えになっているでしょうか。そして、こういうことをやると被曝ということの可能性なんかも非常に強く指摘をされているところでありますが、こういうことが起こらないようにするためにはどういう処置が必要だというふうにお考えになっておられるか。

御園生圭輔原子力安全委員会委員

○御園生説明員 御指摘のとおり、そのときにすぐ上司に報告をしないで作業にかかったということについては、まことに遺憾なことであると思います。それで、その点、原電におけるそういう通報体制その他において問題がある、これは通産も認めているところでございまして、今後改善されるところだと思います。  ただ、私たちが現地を視察しましたときに通産側から補足的にいろいろ説明を受けました。そのときに、作業をする前に一応線量率計を用いてその水の表面にどのくらいの線量率があるかということは測定しておったそうでございます。一ミリレントゲン・パー・アワー以下であったというふうに、ちょっと数字は一、二違うかもしれませんが、おおよそそのくらい以下であったと聞いております。そのくらいの線量であれば、作業手順としてバケツでくんでファンネルから、このファンネルの水は外界に出るようなチャンネルではございませんので、それに投入し、その後をぞうきんでふいてある、しかもそこにすぐ標示をいたしまして立ち入りができないというような措置をとったという一連のその直の人たちがとった措置そのものは、手順としてそう間違った方法ではないと考えております。ただ、そのとき素早く上司に報告をして、正確な指示のもとに行うということがより好ましい方法であったということは御指摘のとおりでございます。

日野市朗日本社会党

○日野委員 この問題は、事故が一たん起きたとき、その初期においてはそれが軽微なものに見えた、しかし、その後だんだん深刻さを増していくというような、TMI事故に見られるようなそういう事態をも想起した場合、やはりこれは軽々に論ずることのできない問題だと思うのですよ。どこかに水が漏れた、それを当面まずふさいでしまえばいいではないかというような発想では、こういう巨大技術というものは取り扱っていくことはいけないんだろうというふうに思うのですが、こういう一たん事故が起こった、故障が出てきた、そういうときの対処の仕方というのは、これは非常に重大な問題だと思うのです。こういう問題についての取り扱いの基準などをきちんとつくっておかなければならないだろうというふうに思うのですが、そういう作業はなさるおつもりがございましょうか。これは安全委員会にもお聞きをいたしたいし、原子力委員会の方にもその点については感想をお聞きしたいと思います。

御園生圭輔原子力安全委員会委員

○御園生説明員 そういう細部の手順につきましては、これは通産が保安規定を認可いたしますときに、いろいろの作業手順等について検討いたしまして保安規定を認可しているんだと私たちは聞いております。そういう意味におきまして、従来からそういう報告を受けておりますので、この際通産の方では、原電の安全管理体制について十分な見直しをして委員会に報告することになっておりますので、その結果を見て、さらに欠けているところがあれば満たすように指示をしたいと考えております。

石渡鷹雄科学技術庁原子力局長

○石渡政府委員 保安規定等安全問題に直にかかわる問題につきましては、担当省あるいは安全委員会に一義的にお任せしているわけでございますが、安全問題も原子力開発利用の根幹でございますので、そういう意味で原子力委員会サイドといたしましても対応してまいるべきである、このように考えているわけでございます。

日野市朗日本社会党

○日野委員 じゃ、今度は建屋の構造、特に下水道、マンホール等の関係について伺いますが、本当はこの廃棄物処理の建屋というのは、これは完全に密閉されたものでなければならないはずであった。しかし、建屋と建屋の接合部があいていたり、それから外に開放されている下水路の系統があって、しかも建屋の中にマンホールが開いていた、こういうような事態は、安全という観点から見たら問題があったのかなかったのか、けしからぬ話だったのか、それともさほどの問題ではなかったのか、この点については、ひとつ御園生さんにも伺いますが、これは大臣にも所感を伺いたいと思います。

御園生圭輔原子力安全委員会委員

○御園生説明員 今回の漏洩事故は、先ほど来御指摘のございました人為ミスに重なりまして、ただいま御指摘のありました建物の一つの不十分さというものがあったことは事実だと考えております。そして、こういう建物を設計いたす第一義的な責任は原電にあるわけでございますが、御承知のように、あそこのタンクのある部屋の前室、サンプピットのある部屋でございますが、この出口のところにはせきが後になって設けられております。したがって、それは中のものを外に出さないという哲学でそういうものがつくられたはずでございます。それに対しまして、今度隣に洗たくろ液の建物をつくりましたときに、サンプピットのある部屋とこの洗たくろ液の部屋との間に、俗称ネズミ穴と申しております穴があけられております。これは恐らく、原電の設計した人の考え方では、洗たくろ液の部屋の方が床面が少し高くなっておりますので、そちら側の水を向こうに流すつもりで、向こうの水がこちらへ流れてくるという発想はなかったのかと思います。この辺に、御指摘のとおり非常にこういうふうな廃棄物の処理をいたします建物の持っている性質に対する哲学について抜けたところがあったということは間違いのない事実だと思います。この点につきましては、通産の側におきましても、五月十八日の報告の中で、検査が不徹底であったということを認めております。したがって、こういうことに対する対策につきまして、技術基準その他の改正、安全審査の改正並びに検査の改正をするということを申しておりまして、その点につきましては成案を得次第、安全委員会に報告をすることになっておりますので、その報告を見た上で対処したいと考えております。  さらに安全委員会といたしましては、安全審査指針の中で液体状の廃棄物処理に関する条項について、十分であるか不十分であるか、基準委員会の方に諮問をいたしまして、もし補うところがあれば補うつもりでおります。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 事実関係、今後の考え方等について、安全委員会の御園生委員から御指摘のあったとおりでございます。ああいうものがあっても支障がないだけの建物、施設になっているはずなんですが、そこに若干の事故があったということからこの排水口が大きな問題になってきた。しかし、ああいうものがあの中にあってならないということも事実でございます。その点について、従来の工事認可等においてその辺を審査できるような仕組みになっておらなかったということも反省の材料でございますので、その辺のところも、これから監督官庁が目を光らせられるように改善をしていく、こういうことになるのだろうと存じます。

日野市朗日本社会党

○日野委員 それから、これは原電の方からの報告が一切なかったということが非常に世間を驚かした一つの大きなファクターだったというふうに思うのでありますが、こういうことについて、原子力委員会、安全委員会の双方ですね、この報告をしなかったということは、科学技術庁としてこれは妥当な処置だったと思うか、それとも安全性という観点から見た場合大きな問題だったと思われるか、このことはぜひ伺いたいと思います。確かに法律的には一つの一定の要件がございます、報告の場合ですね。そのほかに通産省で非常に広範な行政指導が行われる。この二本の柱が設けられているわけですけれども、今回のケースに当てはめて考えた場合、この報告をしなかったということはいかがなものであったのか、それについての御見解はいかがでしょうか。

御園生圭輔原子力安全委員会委員

○御園生説明員 御指摘のとおり、この法律上の言葉というのはいろいろ解釈ができるような表現になっております。それに対しまして、通産の方では、ささいな事故、故障についても報告するようにという通達を出しているというふうに聞いております。実際におきまして、原子力安全委員会が誕生いたしましてから、非常に多くの小さい故障までわれわれの手元に通産の方から報告をされております。こういう報告をされますことは、この報告の内容のいかんを問わず、それによって、ほかの同じような事業所においても、そういうことが起こったということを教訓にいたしまして、さらに安全性を確保するのに役立てるために非常に有用なものでございます。そういう意味で私たちも、ささいな事故であっても報告することを要望しておるわけでございますが、今回の原電がこういうふうな問題について報告を怠ったということにつきましては、その報告されるべき事故がその報告されるべき範囲に入っていたとか入っていないとかいうような論議は別といたしまして、非常にぐあいの悪いことだと思っております。ただ、この点につきましては、五月十八日の通産からの報告でも、今後は報告の内容についてさらに例示をするなど明細にして、事業者が判断を勝手にしないようにするということを申しておりますので、この点につきましても、詳細な報告を受けた後で、不足なところがあれば適当な指示をしたいと考えております。

日野市朗日本社会党

○日野委員 このことは将来の原子力政策というものを考える上でも非常に重要な一つのポイントをなしているというふうに思うのです。今回の事故の報告の有無をめぐっての問題点がかなりあったわけでありますが、このことについて科学技術庁として、また原子力委員会として、将来の原子力政策の中でこの経験をどのように生かしていかれるのか。きちんともっと強制力のあるものにまで報告義務というものを高められるお考えがおありかどうか、いかがでしょう。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 今度の事故を見ておりまして、報告しなかったということ、これ自体は本当に許されることではない。ただ、現場の空気からいけば、われわれが認識しておるような事故とは違って、技術屋的な考え方からいけば、事故の範疇に入らぬのではないかというような錯覚に陥っているんではないかという節もございまして、いま御園生委員が言ったように、仮にささいなものであっても他山の石となすというところからいくならば、詳細に報告すべきであるということの間に認識の差異があったということは事実だろうと思うのです。  そこで、今後について、その報告の内容についてお役所側と現場側との間にずれがないように、先ほど答弁がありましたように例示をする等、きめ細かな配慮をして、そこにずれがなくて報告が確実にされる、こういう仕組みを考えるべきであろう、こう思って、通産省等においてもそういった検討を進めておるところであると思います。

日野市朗日本社会党

○日野委員 どうですか、もう少し局長の方から補充されることございますか。

石渡鷹雄科学技術庁原子力局長

○石渡政府委員 報告は細大漏らさずという点に抵抗がございますのは、やはり仕切りと申しますか、その辺の仕分けがなかなかはっきりしないというのが実態であろうかと思っております。そういう点を含めまして現在通産省で検討中と伺っておりますが、まずその辺、合理的な線引きができるかどうかというあたりが実態上の問題であろうと思っております。ただ、とにかく国民の皆様の疑惑を招くようなことは絶対やっちゃならないというのが基本的な姿勢であろうかと思っておるわけでございます。

日野市朗日本社会党

○日野委員 いま通産省側で何かやっているだろうというお話がありましたけれども、国の原子力政策の基本的な問題については原子力委員会が非常に大きな力を持っているわけですから、そこいらを通産省だけに任せるというようなことはやっていただきたくないというふうに思うのですが、いかがでしょう。

石渡鷹雄科学技術庁原子力局長

○石渡政府委員 通産省におきます作業は、安全委員会でさらに報告を受けいろいろ検討もされるという立場であろうかと思いますが、考え方といたしましては、原子力基本法にうたわれております公開の原則につながっていくという考え方で対応すべきであろうと思っておりますので、そういう意味で、関心を持ってこの件について対応してまいりたいと存じます。

日野市朗日本社会党

○日野委員 実は、いま線引きの問題が出ましたけれども、壁紙が数ミリ平方はがれたのまで報告するのかという、いささかちょっと非常識な発言がなされる、現になされているわけでございまして、そういう非常識な分野に問題点をすりかえてしまわないように、ひとつそこのところは私の方から厳重に御注意を申し上げておきたい、こういうふうに思います。  では、次は給水加熱器の問題についてちょっと伺っておきますが、大体こういう事故そのものが発生したということ自体に問題があると私は思うのですね。この当該発電設備というものはかなり古いものであります。しかも技術的にも初期のものと言ってもよかろうかと思うわけでありますが、給水加熱器そのものについても、溶接作業についていろいろの取りざたがなされておって、運転そのものについてもこれは非常に問題があったのだろうと思うのですね。こういう旧型の、しかも技術的にも問題がある、かなりがたもきている。原電の諸君に言わせれば、おれたちだからこそこういうのを動かせるのだ、ほかの連中ではできまいというようなものを稼働させること自体にも大体問題があるというふうに思うのですが、その点はいかがなものでしょうか。これは単に給水加熱器ばかりではなくて、そのほかのところにもいろいろな問題が出ていることはないとは言い切れないのじゃないか。いま定検中でございますから、その定検の中でかなりいろいろの検査なんかもなさるでありましょうが、根本的に、まず大丈夫なんだというところに自分たちの視点を置いて見るのと、これは危ないかもしれないという、そこらの覚悟を決めて定検を行うというのでは、大分事柄は違ってこようと思うのですが、こういう問題についてはどうでしょうか。

御園生圭輔原子力安全委員会委員

○御園生説明員 一番最初に、安全を確保するというのは、初めの申請段階から定検に至るいろいろの場面において安全確保の方法が講ぜられておるということを申し上げました。特に、俗称ISI、イン・サービス・インスペクションと申しまして、発電所の生命のある間、内容については順繰りに検査をしていくというのが安全確保のための一つの方法としてとられておりますし、それから、ふだんの巡視点検というようなことも、どこかに異常があるかないかという目で見て回っておるわけでございます。  今度の給水加熱器の問題は、その巡回をしているときに漏洩があるというのを見つけてそれに処置をしたということでございまして、その処置をしたことそのものは明らかに、ことにBWRの場合におきましては一次側の蒸気が通っておるわけでございますから、明らかに違反の事項でございますが、御指摘のように、装置というものは一〇〇%いつでも無傷であるということはなかなかむずかしいものでございますので、だんだん装置が古くなれば古くなっただけ最も故障の起こりやすいところに重点を置きながら定検をしていくというのが実際にやられている手続でございます。  定検が終了いたしますと、必ず定検の結果について通産から安全委員会の方には報告がございます。そういうときに、どういう場所をどういうふうに見て、検査の結果がどうであったという報告はついて回ってまいりますので、それによってわれわれは判断をしているわけでございます。今度の給水加熱器の件は、特に通産は給水加熱器に着目いたしまして、すべての給水加熱器につきまして十分な検査をして、その結果を途中報告することになっておりますので、その結果によってまた状態を判断したいと考えております。

日野市朗日本社会党

○日野委員 それから、この保修工事が二度にわたってなされている。この保修工事にきわめて問題があったことだけは、安全委員会の方で見て、これは大いに問題だったというふうに考えておられるだろうと思うのですが、いかがでしょう。

御園生圭輔原子力安全委員会委員

○御園生説明員 まさに御指摘のとおりでございまして、これは明らかに違反の事項であるというふうに考えております。

日野市朗日本社会党

○日野委員 それで、この給水加熱器の問題について、ここからは現実に放射能の漏洩というようなことは起こらなかったらしい——これはわかりませんよ、原電の体質の中でどのようなことがあったかわかりませんけれども、また被曝というような事態がどうであったかというようなことも、これは確たる事実として私は掌握をすることは不可能だと思うのですが、この事故そのもの、それからそれに対する保修、こういったものはいわゆる安全なものだったというふうに考えていいのか、危険なものだったというふうに考えていいのか、そこいらをちょっと伺いたいのですね。  私がなんでこんな質問をするのかといいますと、どうも一般の人たちの安全という概念と安全委員会が掲げておられる、または科技庁、通産省などが掲げておられる安全ということとの間に、かなり大きなギャップがあるような感じがする。これは旧ラド建屋の水のオーバーフローについても同じでございますけれども、この給水加熱器について、こういうけしからぬことはあったけれども、安全なものだったというふうにおっしゃっていいのでしょうか、どうでしょう。

御園生圭輔原子力安全委員会委員

○御園生説明員 安全ということは定義によって非常に異なりますので、なかなかむずかしい御質問でございます。しかし、先ほど申し上げましたように、BWRの沸騰水型の原子炉でございますが、これは御承知のように、給水加熱器のところを通ってくる蒸気は、これは炉から出た蒸気が回っているわけでございます。この点はPWRの冷却器とは若干違います。PWRの場合は二次系でございますから、そういう意味で放射能を含んでいることはまずございません。Bの場合には、放射能を含んでいるものが通っているということは疑いもない事実でございます。したがいまして、ふだんはあのそばの線量率は非常に高うございます。それで、蒸気をとめれば線量率は下がります。そういう意味で、BWRにおきます給水加熱器の漏洩ということは、どちらかと言えば安全なことではないというふうに私としては考えております。Pの場合よりもより一層慎重であるべきであるというふうに考えております。

日野市朗日本社会党

○日野委員 今度はちょっと大臣に伺いたいのですが、旧ラド建屋それから給水加熱器、この二つの事故をごらんになって、これは安全上問題があったのかなかったのか、ずばり大臣から伺いたい。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 安全上問題があったかなかったかということはなかなかむずかしいところでして、ああいう大事なものですから、ささいな問題があっても安全上心配があるということで十分反省もし手当てもしていかなければいかぬ、こういうことだろうと思いますが、幸いにして、そういうトラブルはありましたが、地域住民あるいは周辺の方々に放射線あるいは放射能による被害は全くなかった。そういう広い意味の安全性から言うなら、危害を与えなかったという意味では安全であったと言えるでしょうし、しかしああいう大事なものであるから、ささいなトラブルも安全上問題がある。厳密に言えば、安全上問題がある、しかし危害を与えるような事故はないという意味においては安全であった、こう言えるのじゃないかと思います。

日野市朗日本社会党

○日野委員 ちょっと異なことを承るのですが、これは現実に放射能が、量の多少は別として環境に放出されたわけであります。浦底湾に放出されたことは福井県の調査ですでに明らかなことですね。そして人間の健康に対する影響というのは、これはいますぐ現実のものとして目の前には見えておりません。しかし将来出てくるかもしれません。その因果関係が必ずしも明らかではないというところに放射能の事故の非常な恐ろしさがあるわけでありますし、現に一過性のものではあれ、あそこでとれた海産物の値がつかないというような事態もあったわけでありまして、これが影響がなかったとはちょっと言えないわけであります。  大臣は、この事故の問題でずいぶん騒いでいるさなかに、これは大した問題じゃない、そんなに騒ぐなという発言をされたわけですが、その真意をお伺いしたい。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 日野委員御存じのように、環境周辺には五百ミリレム以上は流さないように、こういう一つの線引きがあるわけでございます。その基準を突破したものではない、はるかに下回るものである。あるいは作業員の被曝量においても三千ミリレムというものを一つの目安にしておる、そういうことでありますが、それをはるかに下回る被曝線量であったということからいけば、人体に与える影響のものではない。ただ、これは国際的にも決められておりますが、だからと言って五百ミリレムまでは出してもいいとか、あるいは三レムまでは被曝していいものであるとは言っておりません。これは最小限度に食いとめろということでございますから、最小限度に食いとめる努力が足りなかったことについては反省もし、努力もし、改善もしていかなければならぬ、こういうことだろうと思います。  ただ、私が言いましたのは、あたかもそれが許容量を超えて大変な影響を人体に与えるような、実態と違ったことが流布されて、そのことによって地域住民に実質的な被害を与えることはこれまたあってはならないことである、必要以上の騒ぎになることだけはやめてもらいたい。これは、原子力行政を進めるだけじゃなくて地域住民のことを考えても、実態と違ったことが流れることはよくないという考え方から、必要以上に地域住民に不安があるものですよと言うようなことは避けなければならぬという意味で、種々多くの場所において、実態を認識していただきたいという意味で申し上げたわけでございます。

日野市朗日本社会党

○日野委員 どうも時間がなくなって、実は新ラドの方もちょっと触れようかと思ったのですが、新ラドの方については質問をいたしません。  それで、日本原子力文化振興財団の岸本さんに伺いましょう。  岸本さんがごらんになって、今度の敦賀における一連のトラブルについては、安全という観点から見た場合、どのようなものであるというふうにお考えになっておいででしょうか。いま政府の要路の方々がいろんなことをお話しになりましたけれども、ぜひそれにとらわれずに、岸本さんとしての御意見を伺いたいと思います。

岸本康財団法人日本原子力文化振興財団常務理事

○岸本参考人 原子力文化振興財団といたしましては、これは必ずしも財団の固有の考え方ではございませんけれども、要するに日本という国は、アメリカやその他の国に比べましてきわめてエネルギー資源の乏しい国でございます。そういう日本が、現在の国民生活のレベルを維持して、さらにこれからも向上させていくということを念願するためには、どうしても今後ともエネルギーを新しい、特に石油が将来先細りであるということになりますと、新しい代替エネルギーを開発していかなければならない。そこで、各種の課題を克服しながら、特に原子力発電を長期的な観点から言えば推進していかなければならないというふうに考えておりますけれども、しかしながら原子力文化振興財団は、原子力発電の旗振り役を積極的に買って出ようというふうなことをやっているのじゃございませんで、できるだけ国民多くの方々に、バランスのとれた正確な、つまり言いかえますと、原子力というのは非常にすそ野が広くて非常に専門的な内容を多く含んでおりますので、そういうものについての御理解をいただくために何らかのお役に立てばいいというふうなことでいままでやってきております。したがいまして、この原子力の開発利用を進めるためには、当然国民が最も心配しております安全性の確保こそが、こういう原子力発電の推進にとってきわめて重要であるというふうに考えておりまして、これは国民の合意を得るための基本的な前提条件というふうに考えているわけであります。  したがいまして、こういうふうな観点から今回の敦賀の原子力発電所の問題というものを考えた場合は、当然あの発電所に生じましたいろんなトラブルというものについては、一つ一つ克明にわれわれは理解しなければならないし、客観的にトラブルの内容を評価するという必要は欠かせないというふうに考えております。したがって、今後原子力発電所は細心の注意を払って安全性の確保に傾注していく必要があるというふうにわれわれはこの問題についても考えております。

日野市朗日本社会党

○日野委員 いま岸本さんの御意見の冒頭にエネルギーの必要性ということをおっしゃられた。基本的な思想としてこうでしょうか、エネルギーの必要が高まれば高まるほど安全性に対する配慮は薄くなるのもやむを得ない、こう考えておられますか、それともエネルギーの必要性の高まりと安全性の問題はまるっきり別個の問題だ、このどちらでしょうか。

岸本康財団法人日本原子力文化振興財団常務理事

○岸本参考人 エネルギーの必要が高いから少々の安全性を犠牲にしてもこれを推進すべきであるというふうな考え方はわれわれはみじんも持っておりません。あくまで国民の健康、将来の子孫の安全、そういったものを念頭に置きながら、しかも、単に科学的に客観的にそれが説明されるというだけでございませんで、そういうものを踏まえて、国民一人一人がそういうものについてできるだけ納得していただくということを考えながらわれわれはそういう情報提供という活動をしております。

日野市朗日本社会党

○日野委員 いまおっしゃったことは、本当にその立場が貫かれておれば、これから財団と呼ばしていただきますが、それは結構だと私は思うのですけれども、しかし今度の事故に対して示された財団の見解というのは、報告という点まで含めてさしたる問題ではないというふうにお考えではございませんか。

岸本康財団法人日本原子力文化振興財団常務理事

○岸本参考人 御質問の御趣旨は、多分さしたるものではない、軽く考えているのではないかというふうな御趣旨だと思いますけれども、敦賀原発の事故については、あの問題が意味しております潜在的な危険の問題、つまりあれが生じました放射能汚染の程度を云々するということも一つには必要でございましょうけれども、あれが持っております潜在的ないろいろな、将来どういうふうな危険に発展するかわからないというふうな問題については、できるだけ冷静にそれを受けとめて改善する必要がある。     〔委員長退席、与謝野委員長代理着席〕 そのためにはハード面においてもソフト面においても大いに改善する必要があるわけでございまして、これは当の原子力発電所、発電会社あるいは政府、国民、みんな一緒になってこういう問題については真剣に検討して、善処、改善を進めていくべきではないかというふうに考えております。

日野市朗日本社会党

○日野委員 財団の方の見解は「すべてのトラブルを細大漏らさず公表していけば、たぶん日本全国の原子力発電所の運転は不可能に陥るだろう」という見解を発表しておられます。その背後にある思想としては、この種のことは大したことではないので、これの報告がなかったということを強く責めるわけにはいかぬのだという思想、この程度のことは原子力発電所を運転していく以上は常に起こることなのであって、そんなことまで一々やっていたのではエネルギー不足という日本の現状に対処し切れないではないかという思想がおありではございませんか。

岸本康財団法人日本原子力文化振興財団常務理事

○岸本参考人 財団が五月九日付で発行いたしました「プレスレリーズ」という中に御質問の記述の部分がございますけれども、その真意は、要するに、先ほど来御議論になっていらっしゃいます報告義務の範囲について、これはおのずから限度があるものではないかという疑問を提示したという趣旨でございます。つまりこのプレスレリーズの御指摘のページのその前のページ、四十一ページをお開きになりますとおわかりになりますけれども、そこには、壁や床の塗装の数平方ミリメートル程度の剥離といったようなささいな例を含めて何でもかんでも報告しなければならないというのはいかがかというふうな疑問を示してございます。  この件につきましては、先ほど日野先生が明快にその問題を提示されたと全く同じような御趣旨でございます。それを今度は逆にそういうふうな誤解を招くような表現になって記述されたということについては、財団といたしましては反省しております。非常に短い時間、つまり四月三十日に通産省の中間報告がございまして、その直後にまとめましたプレスレリーズでございます。そういう意味ではかなり拙速ということから、表現について、また原電敦賀問題で世間が緊張しているというその中で、このような誤解を招くような記述があったということについてはまことに遺憾に思っております。

日野市朗日本社会党

○日野委員 私、先ほどその部分を念頭に置きながら質問をしたことはお聞きになっておわかりだったと思うのですが、こういう問題を論ずるときに、給水加熱器だとかそれから旧ラドにおけるオーバーフローとかそういう問題を論じているときに、壁の塗装の数ミリなんというものをかりそめにも問題として論ずるということは非常に病的な発想だというように、失礼をいとわずに申し上げさせていただきたい。病的な発想だ、これは何か意図があってのものであろうというふうに普通感ずるのじゃないんでしょうか。しかも、一番大事なまとめの部分のポイントになるところは「すべてのトラブルを細大漏らさず」、この「細大漏らさず」にひっかけて書いてあるんですが、「細大漏らさず公表していけば、たぶん日本全国の原子力発電所の運転は不可能に陥るだろう」こう書いてある。これがまさに目玉ですな。しかも拙速をいとわずにこういう文書をまとめられて——非常によくできていると思いますよ、拙速をいとわずにこういうものをおつくりになられて、説得力強くこれを出されたということに私は非常な問題点を感ずるわけでございます。いかがですか、岸本さん、事故を——そんな壁紙数平方ミリメートルなんということを私は言いません、そんなものはだれも事故とも見ませんから。事故を細大漏らさず発表すれば日本の原子力発電所は運転できない、これが日本の原子力発電所の現状でございましょうね。

岸本康財団法人日本原子力文化振興財団常務理事

○岸本参考人 御指摘の病的な感覚がありますといたしますと、その点も含めて財団としては今後の活動にとって大いに反省してそのような過ちのないように努めたいというふうに考えております。また、全般について御好評いただきましてまことにありがとうございました。

日野市朗日本社会党

○日野委員 どうですか、この発電所は報告義務を厳密にしたらとまってしまいますか。

岸本康財団法人日本原子力文化振興財団常務理事

○岸本参考人 その辺はとまるとかとまらないとかいう問題でございませんで、あの記述の真意は、どこで線引きをするか、つまりどういう例示をつくって公表するかというふうなことがこれからは検討された方がいいのではないかという趣旨でございまして、とまる、とまらないというふうな議論はそういう意味では全く論外でございます。

日野市朗日本社会党

○日野委員 これ以上議論しても余り発展的ではないと思いますので……。  原子力文化振興財団のやっている事業が私、非常に気になるのです。いまお答えをいただきましたけれども、お出しになられた、文書としてまとめられたものから私が率直に受け取った印象から申しまして、実はこのような感覚で学校の理科の先生なんかを教育されたんでは困るなと思うのです。中学校、高等学校の課外原子力研究活動に対する助成を行うことということを事業の内容にしておられて、学校の先生方を集めて研修をされるのが大きな事業になっておりますね。ずいぶん数も重ねておられるようであります。そういう先生方に研修をするときの基本思想も、やはりここの文章、プレスレリーズの八十五号に表現されたような思想でやっておられるわけでしょうな。いかがですか。

岸本康財団法人日本原子力文化振興財団常務理事

○岸本参考人 日本原子力文化振興財団が行っております、学校の先生を対象とするさまざまな講座は、あくまでその学校の先生の自由意思を尊重いたしまして、自由な意思の決定によって参加が行われております。したがって、先ほどのような、つまり何らかの意図を持って財団がそういう企画を進めているということは全くございません。財団が講師に対する謝金であるとか教材費を用意するとか、あるいは会場費を用意するということにつきましては、財団の負担で進めておりますけれども、参加者の旅費であるとか宿泊費なんかについてはあくまで自己負担ということでやっております。こういったような原子力についての先生対象の講座というものは、あくまで一般的な原子力知識の解説でございまして、参加していらっしゃる先生の方々を特定の方向に導くという意図は全くございません。あくまでこういった、たとえば報道陣、マスコミの人々を対象とする一連の講座も今度われわれ財団では進めておりますけれども、それと並んで教師、先生たちに対する原子力の講座も開設しているということでございます。また、参加されている先生方も、原子力問題を共通の場で考えることを目的として参加していらっしゃるというふうにわれわれは見受けております。そういうわけでございまして、特に不当な問題があるというふうには財団としては考えていない次第でございます。

日野市朗日本社会党

○日野委員 いま問題になっている講座には、後援者として文部省、科技庁、都道府県教育長協議会なんかが名前を連ねている。私、これ驚いたのですが、受講料としてそれは無料だ、一泊二食の宿泊代として二千円だというのですな。ことしの話ですよ。一泊二食で二千円ねえというふうに思うのです。正当な対価とはちょっと言いがたいと思うのです。  財団の収入、賛助金は主としてどういうところから出ているんですか。

岸本康財団法人日本原子力文化振興財団常務理事

○岸本参考人 昭和五十五年度の収支について御質問のお答えにしてみたいと思いますけれども、収入合計額が四億四千六百万円でございまして、支出も合計額四億四千六百万円というふうになっております。この収入につきましては、賛助金が一億七千八百万円、雑収入が一億二千四百万円でございます。それから、特別事業収入が一億四千四百万円というふうになっております。支出につきましては、事業費が二億三千万円、特別広報事業費が六千四百万円、事務費等が一億五千二百万円などとなっております。国からは特別広報事業費として四千二百万円というふうになっております。

日野市朗日本社会党

○日野委員 いや、その賛助金というのは一体どういうところから出てくるんだということです。

岸本康財団法人日本原子力文化振興財団常務理事

○岸本参考人 賛助金につきましては、余り細かい内容については従来余り発表しておりませんので、決してやましい財源によって運営しているということではございませんけれども、詳しくは御勘弁願いたいというふうに考えております。

日野市朗日本社会党

○日野委員 財団は、民法の一般規定で科技庁と通産の監督を受けることになっていますね。科技庁の所管する事項は当委員会で所管する事項であります。どうぞお答えをいただきたい。主なところだけでも結構です。

岸本康財団法人日本原子力文化振興財団常務理事

○岸本参考人 実は個別のいろいろな会社の協力によって出資されております。そういう出資された会社のプライバシーに関する問題がございまして、一応そういうことは言わないという原則でございますので、御勘弁をお願いしたいということでございます。

日野市朗日本社会党

○日野委員 プライバシーは関係ないのでして、問題になっている会社は、恐らく税務申告を出すときには、これは当然に税務署の方にも申告されているはずでありますし、これはプライバシーでも何でもないですね。会社のプライバシーというのは、経理の関係で特に賛助金などという項目については認められないと思うが、どうですか。

岸本康財団法人日本原子力文化振興財団常務理事

○岸本参考人 個々の企業別ではなく、産業界全般という数字で申しますと、一億六千三百九十六万円という数字で、電力及び原子力関係の五グループを中心とした産業界から賛助金としていただいております。

日野市朗日本社会党

○日野委員 国からの収入はどのくらいありますか。

岸本康財団法人日本原子力文化振興財団常務理事

○岸本参考人 昨年は、大ざっぱに申しまして四千五百万円でございます。

日野市朗日本社会党

○日野委員 文部省、おられますね。——文部省に伺いますが、この研修会に出ていく先生が、どうもかなり校長から行けと言われる。そして出張扱いで、もちろん賃金はもらって、出張旅費を支給されてこれに出かけるというような実態であります。どのようにお考えになりますか。

国分正明文部省初等中等教育局地方課長

○国分説明員 お答え申し上げます。  資源あるいはエネルギーにつきましては、小中高等学校の学校教育のいわば基準を定めております学習指導要領におきまして、社会あるいは理科等の分野におきまして、その重要性あるいは有効利用等について理解させるというふうな記述がなされておりまして、原子力につきましても、資源あるいはエネルギーと関連して児童生徒に理解させるというふうになっております。したがいまして、教員みずからが原子力につきまして理解を深める、勉強するということは、その職務内容と密接な関連がございますので、教育委員会あるいは校長の判断に基づきまして、お尋ねの、財団が行う研修会に出張の形で参加させることはあり得ることかと存じております。

日野市朗日本社会党

○日野委員 私は非常に気に入らないのですがね。この原子力についていろいろな考え方がある。しかも、その中の一部の考え方だけを代表するような、財団には失礼でありますけれども、そういうところに学校の先生を業務命令のような形で参加をさせていくことについては非常に気に入らない。このことについては、また後の機会に問題として検討し直してみたいと思います。  時間が参りましたので、最後に伺っておきたいと思いますが、今度の敦賀の事故を見てわかるように、一般が感じている安全というものと国側の安全ということについて、非常に大きなギャップがあるような感じがするのです。どうですか、そのようなギャップがあるとお考えですか。大臣と御園生さんに伺いましょう。そして、そのギャップがあるとすればどっちが間違っているのか、そのことも伺って、私の最後の質問にいたします。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 御指摘のとおり、国の考えている安全あるいは原子力発電所における技術屋さん方の考えている安全と、一般住民の安全との差に特に大きなギャップがあるところに問題があるのだろうと存じます。どっちが正しいかといえば、責任を持っている方が正しいのではありますけれども、一般の方々には十分な知識がない、たとえば被曝という言葉一つとってみても、何か恐しい、爆弾が落ちるのじゃないかと思っておるでしょうし、一万四千ピコキュリーの放射能があったと言えば、莫大な量であろうというような誤解もあるのではないかと思っておりますので、今後とも国民の皆さんに実態を知ってもらう努力をしなければなりませんし、もう一つは、一般の国民の皆さんが不安を持つことはけしからぬことだと片づけるのではなくて、一般の国民の皆さんにも、先ほど言ったように、科学技術的にただ大丈夫だと言うだけじゃなくて、本当に大丈夫だという認識をいただく、政府側あるいは電力会社側、民間とのギャップを埋める努力は政府側にあるわけでございますから、最善の努力を尽くしてまいりたいと思います。

御園生圭輔原子力安全委員会委員

○御園生説明員 御質問の安全という意味は放射線被曝についてのことに限定されておるのだろうと思いますが、御承知のように、放射線の障害という問題については、国際的な機関であるICRPがいろいろの勧告をなしております。わが国の法律はすべてICRPの勧告六をもとにしてつくられております。その後ICRPは次々に勧告を出しておりますので、原子力安全委員会といたしましても、単に日本の法律で言っております許容線量五レムないしは五百ミリレムということにとらわれずに、ICRPの精神をくみまして線量目標値五ミリレムというふうな基準を設けまして、皆様方の安全を確保することには十分な努力をしてきております。  現実に過去五回ばかり原子力発電所の公聴会に出席をしてみまして、御参加の皆様方から出てまいりますいろいろな質問に対する答弁等を通じまして、御指摘のように、国民の皆様方が感じられている安全ということと実際の安全との間には感覚的に若干のギャップがあることは否定できない事実であろうと思いますが、努力をしておるところは両方とも同じである。国の方が努力していることも、安全委員会が一生懸命目標にしておりますことも、皆様方の安全を図るという点では一つも狂いはないと思っております。そういう意味で、われわれの持っております任務については十分努力をしていき、皆様方の御理解も得ていきたいものだと考えております。

日野市朗日本社会党

○日野委員 特に大臣の答弁には強い遺憾の意を表明して、質問を終わります。時間を若干超過したことをおわびいたします。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員長代理 この際、岸本参考人に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、本委員会に御出席くださいましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げます。     —————————————

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員長代理 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  科学技術振興の基本施策に関する件について、本日、参考人として日本原子力船研究開発事業団理事長野村一彦君及び同専務理事倉本昌昭君から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員長代理 瀬崎博義君。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 まず、中川長官に伺います。  大臣も重々御承知だと思うのですが、自民党の敦賀支部が、今回の敦賀原電事故問題で一般市民向けにビラをまいているわけです。これなんですけれども、ここには「大さわぎのキッカケは当局の発表」と題して、通産当局は四月十八日未明、日本原電の一般排水路の出口のどろからコバルト六〇、マンガン五四の異常放射能が検出されたと発表しました、「しかも、これを早朝五時に発表したのです。発表を受けた大ぜいの記者が、重大な放射能もれがあったという印象を受けたのも、ムリではありません。その結果、新聞やテレビに毎日のようにとり上げられ、スリー・マイル・アイランド事件の日本版を思わせるような大さわぎになったのです。」さらに、この発表が「通常の時刻に行われていたら、けっしてこんな大さわぎにならずにすんだものをと、今さらながら残念でなりません。」しかも、十九日の閣議ではこれと同じような意見、そもそも通産省の発表の仕方に問題があったのではないか、こういう発言をした大臣もあったということも聞いているわけであります。     〔与謝野委員長代理退席、委員長着席〕  私は、この自民党のビラは大きな三つの問題を含んでいると思います。  第一は、発表の仕方が騒ぎを大きくしたもとなのだということ、二つ目は、私も今回の件では多くの報道機関の記者諸君と接触いたしましたが、たとえ自然科学出身でない方々でも、短期間に本当によくこれだけ勉強されたなと驚くぐらいよく勉強しているのだけれども、その記者を科学的には弱いのだ、無知なのだ、こういう前提を置いている、そして三つ目には、そうだから、聞いた新聞記者が発表の時間から事重大というニュースを流したのだ、こういう内容になっていると思うのです。  そこで、大臣自身がこういう自民党の出したビラについてどう思っていらっしゃるか、また閣議で出たそれに類する意見について所掌の大臣としてどういうふうに答えておかれたのか。そして、大臣は、敦賀原電の事故がこれほど大きく国会で取り上げられ、あるいはまた報道機関に取り上げられたそもそもの要因は、果たしてこの発表時間にあったのか、それとも事実この事件の中身が非常に重大であったとお考えなのか、どちらなのかはっきりとお答えいただきたいと思います。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 このたびの事故は初歩的な操作のミスあるいは処理の仕方、特に報告義務について問題がある、今後の安全を確保する上においては大いに反省もし教訓にもしていかなければならない事故であったと判断をいたしております。  ただ、それが地域住民にあたかも大変な被害があったかのごとき印象を与える向きがあったとしたら、これまたその点も反省しなければ、被害のない人に必要以上の不安を与え、あるいは魚を食べないというようなことで水産業者に実質以上の迷惑をかける、こういうこともあってはならない、こういうふうに考えます。  そういうところからいくならば、報道の仕方についても正しく報道すべきであって、必要以上の不安、動揺があるような発表の仕方、報道の仕方は、国民のことについて責任を持つ私どもとしては十分注意をするというか、当を得たあり方をやってほしい、こう思います。特に敦賀におきましては、実際問題被害がないのに、民宿その他において非常な害があるということは、地域に生き抜いていく者としては、報道その他について、発表の仕方その他について、必要以上の不安がないようにとこいねがう自民党の気持ちは、よくよく理解できるところでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 私は、とりわけ安全規制の面でむしろ通産よりは重大な責任を持っていると思われている大臣の答弁としては、はなはだけしからぬと思うんですね。そもそも私がいま聞いているのは、通産省の午前五時発表、このことが騒ぎを大きくしたと大臣もそう思っているのか、それとも、実はこれほど大きく騒がれたのには敦賀原電事故の本質そのものに重大な内容があると考えているのか、そこのところを聞いているわけなんですね。まずそこをはっきりしてください。事故に対する認識の問題です。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 私は、五時に発表したことについてどうであったこうであったという意見を申し上げるほど、まだよく認識いたしておりません。ただ、地域住民の人が、もうちょっと時期を考えてくれたらあんなに不安がなかったなという気持ちを持っていることには理解ができるところでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 閣議でも問題になっているときに、しかも担当の第一の大臣が、自分の意見を言わないで住民の意見にすりかえる、これはまことに見識のない話だと思うんですね。  さらに、ここのビラに書いてあるのと似たような内容は、先月末に行われましたNHKのテレビ討論会でもあなたはおっしゃった。共産党は言葉の使い方がうまい、と。吹田委員長の発言を引用した私の言葉に対して、つまりスリーマイルアイランド事件以上に重大だ、こういう吹田委員長の見解を私は引用した、それに反論なさっているわけですね。  本来、原子力安全委員会は何のためにつくられたのか。ダブルチェック機関として安全について専門家の中立的な意見を十分政府が尊重する、こういうたてまえでつくられたはずだと思うのです。しかも、私自身が質問の中で、事故の起こった場所の違い、片や原子炉本体で、片や廃棄物処理系で、またその規模、環境に漏れている規模、こういうことの違いは十分述べた上で、しかしその事故の発生経過、つまり多重防護ではなくて多重欠陥、装置上もまた運転上もこういう点ではきわめて類似している、こういう意味でここから重大な教訓を学び取る必要があるのではないか、こういう意見に対して答えられたのが、吹田委員長、スリーマイルアイランド事件以上の重大なもの、こういう理解を示されているわけですね。本来ならそういう専門家の意見を尊重して物事を運ぶのが科学技術庁長官のとるべき道ではないかと私は思うのです。大臣、そういう点ではもう少しきちっと安全委員会の意見も尊重する、自分自身が正確な認識を持って努力をする、こういうことをはっきりさせていただきたいと思うのです。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 吹田安全委員長の発言は、国内で起きたということに着目し、あるいは操作のミス等から出たということでTMI以上のものであると言ったことであって、だれが見ても、本体にむし事故が起きておったらこれは大変なんです。今度の場合は周辺施設であって、大きな害を起こすところでなかったという意味においてはスリーマイルアイランド以下のものである、こう判断するのも、安全を預かる私としては、国民に正しく理解してもらう必要があるのです、これは。必要以上に、スリーマイル以上の、本体以上の事故が起きたのでありますなんと言うことは私としてはできないことだし、あってはならないことだと思っております。  それから、よくあなたが、安全行政を預かるのだからもっと厳しく、不安全なことを国民にうんと知らせなさいという趣旨のことの発言でございますが、私としては、安全性に問題があれば、安全性についてはだれよりもだれよりも厳しくやっていかなければならない立場にあることはよく承知いたしておりますが、だからと言って、必要以上に国民の皆さんに不安を与えることについても、そういうことがあってはならない。国民を守ることが中心ですから、国民が不安動揺をして大変な被害をこうむるようなことになって、驚いてひっくり返ってけがをするようなことがあったら、驚かないように、驚かないように、こういうふうに注意するのは、行政官として、責任ある者として当然のことだと思っております。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 私は、所掌の大臣が今回の事故について正しい理解と認識を持たないまま行政を進めている、このことをいまの答弁からはっきりと読み取りました。そうなれば、われわれ国会の任務としては、これはもう通産省の聴聞会に任せるとか、あるいはもう質問はこれで終わりだ、こんなのはとてもできない、今後とも国会が大いにその役割りを果たして追及を強めなければいけない、こういうことを痛感したわけであります。(「国会がじゃなくて共産党がだろう」と呼ぶ者あり)

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 私の言葉じりをとらえられないで、不安全なことを安全だと言ったならば、数字的に、科学的に、技術的に、あなたの認識のここが違う、こう指摘していただきませんと、ただ抽象的に、あなたは不適当であるとか、認識が足りないとか、そう簡単に人を中傷しないでください。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 もう一遍、私は、これは四月二十七日だったか二十八日だったか、本委員会の質問で言ってあるんですよ。事の重大性というのは、たとえばスリーマイルを例にとれば、あれは二次系の補助回路のバルブ、これをあけて運転に入るべきところ、あけ忘れ、つまり締めたまま運転に入った。このわずかなミスをきっかけにして、二次系が循環がなかったものだから、一次系の温度と圧力がどんどん上がる、そのために圧力容器の蒸気逃し弁が開いた、ここからどんどんどんどん蒸気になって一次冷却水が漏れた。当然原子炉の中の水位は下がりますから、ECCSは働いたのだ。ところが、そのとき水位計が間違っていたのかあるいは読み取りを間違ったのか、いずれにしても途中でECCSを切ってしまった。ところが、蒸気逃し弁は開いたままのものだから、どんどんどんどん漏れて空だき状態になった。そしてこの格納容器の底にたまった放射能を含む一次冷却水が、これも装置の欠陥から補助建屋の方に移送されて、これが気体となって漏れた。これが、簡単に言えばスリーマイルアイランドの事故の経過だ。  今度の敦賀の場合は一体どうなのか。三月八日のあのフィルタースラッジ貯蔵タンクのオーバーフロー、これ一件だけをとらえてみても、そもそものきっかけは、ブラッシングバルブの開閉表示ランプが故障しておった。この故障のまま運転に入った。この小さなミスから出発しているわけです。普通なら、開閉ランプが故障しているのなら当然運転に入れないような仕掛けになっているか、あるいは運転に入ったとしても、五分間で締めるべきものを締め忘れたならば、当然それをチェックするダブル装置があってしかるべきなのに、これもなかった。それどころか、継ぎ足し継ぎ足しの増設をやっているものだから、あの旧廃棄物処理施設の制御室をごらんになったらわかりますけれども、スイッチは右の端にあって、そして水位計は左の端にある。スイッチを操作しながら見えないようなところについているわけだ。こういう欠陥もあった。その上に、今度は増設増設の建物だから、そのタンク室の下に一般排水路が入っておったとか、あるいは出入り口に栓がなければいけないのが片一方の出入り口にはなかったとか、本来独立していなければならないランドリー室とそれからそのタンク室との間、壁が貫通しておったとか、いろいろなものが重なってきている。そして、このサンプの水位がどんどん上がってきた。当然警報機は鳴るのだけれども、異常事態が常態に戻っていないのに、警報機は勝手に切れるようになっている。この警報機は廃棄物処理系の制御室にのみランプがつき、鳴るだけであって、中央制御室にはつながっていなかった。まだまだあるのだけれども、いろいろな装置上の欠陥、運転上のミスが重なると、多重欠陥で非常に大きなことになるのだ。本来、絶対漏れてはならない浦底湾に、一般排水路を使って、これは漏れた量一トンということで水が少ないからいいようなものの、濃度としては数十ミリキュリーという相当量の放射能が漏れているわけです。こういうことがスリーマイルアイランドの事故と比べてきわめて重要性を持っている、こう私はあのとき指摘している。これに対して吹田委員長が、事、重大という判断だ。事故の内容としては、もしこういうものを放置すれば、将来必ずそれこそ取り返しのつかないような重大事故を招くおそれがある。そういう意味でわれわれはこれを重大視しているわけなんです。ここの点が大臣には少しもわかっていないと私は思うのです。そういう意味で私は言っている。根拠があって言っているのであって、中傷ではありません。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 私も操作上のミスあるいは取り扱いのミス等が重なったことについてはスリーマイルと似通ったものであるということは内外に認めておる。ただ、本体部門の非常に危険なものを処理したのと周辺部門の放射能の廃液の処理との違いがあったために、スリーマイル島の事故以上ということは言い切れない。あたかも国民に与えるのには、そう詳しく説明すれば、操作上の点についてはスリーマイルアイランド以上だと言うならわかるけれども、できた事故はスリーマイルアイランド事故以上のものである、こう結びつけるから、それは国民に対して正しいことではない、すりかえである、こう申したのであって、事故のできた性質についてはそういうものである、こう明快に言うなら正しいのだが、結果として本体が危なくなったようなあるいは与える影響が大きいようなことを言われると、違うということを責任ある者が言わなければ国民が迷いますから、私はあえて申し上げておるところでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 結局、回りくどい言い方だけれども、私の主張もある程度認められたような感じはする。  だけれども、ただ一つ重大な点をもう一遍指摘しておきたいのは、原子炉本体で起こったから重大、放射性廃棄物処理系で起こったから重大ではない、こういう問題ではないということ。今度の教訓は、放射性廃棄物処理系がいかに技術的に現在未熟であるか、またその安全審査がいいかげんであったか、そして、これは敦賀だけでなしに他の発電所にも共通する弱点になっている、こういう点が証明されているわけなんです。だから、そういう意味での重大な教訓のくみ取り方をぜひしてもらいたい。重ねて申し上げておきたいと思いますが、時間の関係で次に進みます。  「実用発電炉の受入主体について」という閣議了解が三十二年九月にあるわけですね。これは、日本原電をいわばこの閣議了解に基づいて政府が発足させたというふうないきさつを持っておると思うのですが、この閣議了解はその後何か変更されたというようないきさつはあるのですか。

石渡鷹雄科学技術庁原子力局長

○石渡政府委員 その後変更があったとは承知しておりません。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 もちろんこれは初期だけとも何とも書いてありません。たとえばこの中で「受入会社の役員人事については、あらかじめ政府の了解を経るものとする。」というふうなことが書いてありますが、こういう手続は現在でもとられておるのですか。(「それは第一号炉を入れるときの話なんだよ」「新しい議論をやってくれ」「一号炉をどこでやるかというときの閣議了解なんだから、その後はもう違うのだよ」と呼ぶ者あり)古い話、古い話というけれども、ここには逆にこういうことが書いてある。「政府は、将来その必要があると認める場合は、受入会社について法的措置を加えることがあるものとする。」むしろ逆なんですよ。必要によって法的措置を講ずることがあるとまで書いてある。だから、こういうふうな点で、今回の原電事故については決して単なる民間会社の事故と済ますわけにはいかぬ。政府自身にも全く同じような、つまり安全審査の責任があると同時に、この会社の起こしたことについて連帯責任がある、そういう自覚で私はこの事故の処理に当たるべきであると思うのです。答弁を求めます。大臣、これは閣議了解のものです。

逢坂国一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○逢坂説明員 本件につきましては、先生突然のお尋ねでございまして、私ども責任ある担当の者が来ておりませんので、大変恐縮でございますが、答弁を差し控えさせていただきます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 もういまの政府の態度でよくわかったでしょう。閣議了解でやっておきながら、全く閣議了解のしっ放しで、後の責任を持っていないわけなんですよ。これも今日の原子力行政の生々しい一端を示していると思うのです。  現在、この閣議了解が変更されたという事実はないということなんですから、改めて五点ここに述べられている閣議了解を見直して、政府のもっともっとより積極的な責任ある処置を求めたいと私は思うのです。これは大臣に答弁をいただきます。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 研究させていただきます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 次に、敦賀原電の新放射性廃棄物処理施設の濃縮廃液タンクで起こった穴あき廃液漏れ事故について伺います。  四月二十八日の当委員会での私の質問に日本原電の浅田常務は「このタンクが三年半で穴があいたというのは私どもにとっても非常に奇異でございます。原因が不明でございます。したがいまして、ゆっくり原因を調べたい」こういう答弁をしているわけですね。もちろん技術系の担当者にも聞きましたが、まさか三年やそこらで穴があくとは思っていない、こういうことであります。しかも、もちろん私は現地に行ってこのタンク室に入っているわけでありますが、非常に部屋が狭くて、タンクの周辺は人一人辛うじて通れる程度、また天井も低くてタンクの上部とほぼ接触しております。なぜこんな狭い部屋になっているのか、これは修理を予想していなかったからだ、こういうことであります。こういう点から見て、この新放射性廃棄物処理施設だけに限らずでありますが、とりわけこのタンクに限っても、少なくとも敦賀原電の使用期間中は使えるものという前提でつくられていたのではないかと思うのですが、通産省、いかがです。

逢坂国一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○逢坂説明員 先生御指摘のニューラドのタンクでございますが、これは電気事業法に基づく手続を行いまして、それで合格したものでございます。本件の四年といいますか、それくらいで腐食してどうかということでございますが、この審査の際の技術基準では当然決められた厚さということで合格しております。その後の問題につきましては当然電力の方で維持するといいますか、必要な厚さが足りなくなればそこで修理するということでございますので、私どもの認識といたしましては、そういう保修の可能性も当然考えていたであろうというふうに思っております。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 これは単なる部分的な保修で直せるような事故かどうか、そこが問題だと思うのですよ。決してこれは原因不明なのではないのですよ。私は現地に行って直接見た、現地の説明も聞いた、また専門家の意見も求めました。そういうことを通じてこの原因というのは大体わかっているんですね。濃縮廃液貯蔵タンクの材質というのは、SM41Aという炭素でできているわけなんでしょう。その表面をエポキシライニング、エポキシを塗ってあるわけですね、エポキシライニング処理がしてある、こういうふうな材質なんですよ。これはもちろん蒸気で温めて中で結晶ができたり固まったりしないようにしているわけなんだけれども、温度の高い場合はどうしてもステンレスが必要になるが、温度を七十度C以下に維持するならば何とかこれでもつだろう、こういうぎりぎりの設計だったというわけなんですね。これが温度が少し高目になってくると、このエポキシが破壊されて炭素鋼がむき出しになって腐食されるおそれがあり、今回はそれに該当するであろう、こう言われているわけなんです。われわれもそう思います。大体通産省だって専門家なんだから、知らぬ知らぬでは済ませられるわけではないんで、私どもが見ているこういう原因について、通産省どう思っていますか。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○平田説明員 先生御指摘のニューラドの件につきましては、先生御承知のように、私ども、四月二十五日に行いました総点検の追加指示の中で原電側から釈明を求めるようにしているところでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 そこが問題だと言っているんですよ。原電の釈明がなければ通産としてはわからないんだ、結局は電力会社や企業のいわば言い分を追認するだけがいまの安全審査体制、点検体制なんです。ここを改めろと言われているにかかわらず、ちっとも改まっていない。しかも、この濃縮廃液貯蔵タンクの穴あきというのは十分に予想され、しっかり通産省が勉強しておればいまのような答弁にならないと私は思うのです。  といいますのは、原電の技術者が、このニューラドの建設当時にこうした危険のあることを論文で指摘しているわけなんです。それは一九七八年の日本原子力学会誌の中に述べております。書いている人は、もと敦賀原発にいた油井宏平さんという技術者ですね。それによりますと、蒸発濃縮器は「発電所で排出する廃液のうち他の設備では処理が困難な廃液をすべてこれで処理してしまうという形になる。このため、この設備内では多種のイオンの共存と懸濁固形分の量の増加は避けられない。それらの影響により、」「缶体の腐食などの問題が発生し、濃縮器の機能維持のために保守が大きな負担となった。このため今回の計画では、蒸発濃縮器の蒸発温度を缶体の内圧を下げることによって六十五度C程度まで下げ、」腐食の進行速度を落とし、かん内壁も結晶などの「付着を抑制する構造を採用した。」こういう指摘がすでにあるわけなんですね。  今回の濃縮廃液タンクというのは、ここに指摘されている蒸発濃縮器と同じ系統に属するわけですね。タンク内の廃液の成分もほぼ同じである。そういうわけですから、これを果たして七十度の温度にぎりぎり抑えて炭素鋼の表面をエポキシライニングするだけでいいかどうかというのは、設計当初、製作当初にもっともっと問題になっていなければならない性質のものだし、もっと通産省は注意してこの点を審査しなければならないものであった。向こうの釈明を待たなければ全然原因がわからない、決してこんな性質のものではないと思うのですが、いかがですか。

逢坂国一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○逢坂説明員 現在の原子力発電所の中でいろんな技術的な問題がある、修理その他もあるということはよく私ども承知しております。私どもがいまわからないと言いましたのは、本件について手続上そういう報告をいま聴取しているところでございますので、原電の方が総点検した上でこちらにその状況を報告してくるということでございますから、その手続を申し上げたわけでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 私は何も手続を聞いているのではなくて、通産省が通産省なりにこの原因を突きとめているのかどうか、また突きとめ得る立場にあるはずだ、こういうことについての見解を求めたわけですね。  第一、フィルタースラッジ貯蔵タンク室の工事方法の申請書については、いやまさかあの下に一般排水路があるとは思わなかった、それは書面に書いてなかったからだ、こう言われたでしょう。ところが、この新しい廃棄物処理施設のこの問題の濃縮廃液タンクについては、ちゃんと、タンク材質として、工事方法の許可申請書には、SM41A、エポキシライニングを使用すると明記してあるのじゃないですか。こればっかりは、通産省は、知りませんでした、何使っているかわかりませんでしたと言えないはずだと思うのですが……。

逢坂国一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○逢坂説明員 現在の審査でございますが、詳細設計につきましての工事計画の認可をいたします場合に、これがすべて三十年間故障しないという前提でやるものではございません。当然その途中段階でそういう破損、損傷ということが起こり得るわけでございますので、その場合には、定期検査その他で発見いたしまして、それを修理するということが当然のことでございまして、私どもといたしましては、今回のことが非常に審査上問題があったというふうには受け取っておりません。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 あなたの論法でいくならば、ではフィルタースラッジ貯蔵タンク室の場合だってそうでしょう。下に一般排水路があっても、まあ三年や四年間大丈夫なら安全審査をパスさせる、こういう論理になってくると、事実上、正直に書いて出したとしても、通産省では、将来問題が起これば修理すべきものだという前提で通しちゃうということになるのじゃないですか。  私は、ここでもう一つの問題を提起したいのですよ。それは、いま、技術基準に照らせば要は厚さが合格だったから通した、こういうことなんでしょう。そこで、いまのは私いわゆる詳細設計工事方法の安全審査問題を取り上げたのだけれども、もう一つ前の、いわゆる基本設計の安全審査ではここはどうなっているか。この新廃棄物処理施設に係る原子炉設置変更許可申請書、基本設計の安全審査申請書ですね、これを見ると、タンクの構造概要のところでこう書いてあります。施設タンクの構造形式と設計規定では、いずれの型のタンクも通産省技術基準(告示五〇一号)の第四種容器に定める材料、構造、胴板、底板等の各規格に従って設計されること、こうなっているわけなんですね。もしこの場合の通産省の技術基準が甘いとか、もしここに落ち度があれば、よしんばこの技術基準に従って設計、製作されたとしても、でき上がってくるものは欠陥装置あるいは三年、四年で修理せねばいかぬようなことになるに決まっているわけなんだ。そうなってくると、この基本設計の安全審査とは一体何ぞやということをここで問われる。こういう書き方を基本設計の安全審査でやるのなら、そもそもこの通産省の技術基準が果たして科学的に見て、現在の水準で見て妥当なのかどうかという、この物差しそのものの点検が同時に行われていく必要があると思うのです。いかがでしょう。

逢坂国一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○逢坂説明員 技術基準は、その時点で最適な技術的情報に基づきまして定めるものでございます。その後の技術進歩によりまして、当然技術基準の改正その他もあり得ることでございますし、私どもとしては、事実何回か修正をやってきております。ですから、先生のおっしゃることは、私どもこれから検討いたしまして、もし技術基準で改正するべきものであるという判定になりますれば、当然その改正ということについてはいとわないつもりでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 今日の原子力発電所では、この種の放射性廃棄物の貯蔵タンクについては、原発の運転全期間対象にはもともとつくられていないし、もともと安全審査もそうは行ってないわけですね。  たとえばフィルタースラッジ貯蔵タンクに例をとりますと、大体原電の東海二号にしてもあるいは電力会社の浜岡、福島、島根などにしても、まあ五年程度の容量しか持ってない。だから、いずれにしろこの種の廃液貯蔵タンク、スラッジ貯蔵タンクは増設が迫られてくるわけですから、早急にこういうタンク類の材質を含めた安全審査基準というのが重大になってくるわけですね。そういう点でも、私は、いまの見直しは急ぐべきだし、また厳格にやる必要があると思うのです。  そこで、いま私が幾つか挙げました発電所のフィルタースラッジ貯蔵タンクというのは地下にあるのですか、地上にあるのですか。

逢坂国一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○逢坂説明員 フィルタースラッジタンクは、原電の今回問題になりました洗浄水をオーバーフローさせたタンクは地上でございます。あとは各社地下にあるというふうに承知しております。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 それでは各社ともほとんど地下にこのタンクを入れている、その理由、根拠は何ですか。

逢坂国一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○逢坂説明員 根拠は特に明確に言っておりませんが、扱い上の問題だろうというふうに思っております。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 安全審査上、地下でなければいけないとかあるいは地上もよいとか、そういうことは決めているのですか、決めてないのですか。

逢坂国一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○逢坂説明員 安全審査上は、安全審査上というか安全上は、地上であるから非常にまずいとか、地下でなければいかぬとかいうことにはなりません。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 これは、原電敦賀に聞いたところが、できることならばこういうタンクは地下に入れたいのだけれども、あそこは山のすぐ際であり、地質の関係もあって地上になった、こういうことなんですね。だから、より安全ということから考えるならば、この種のタンクは、もしっくるとしても地下というのがよりよい方法ではないのですか。

逢坂国一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○逢坂説明員 地上と地下とはそれぞれ利点、欠点といいますか、あるわけでございます。特に、地下にしますと耐震設計上楽な面があるとか、それからスペースが上の階を利用できるというようなことがございますので、それぞれの利用の物の考え方で地上にしたり地下にしたりということだと私は理解しております。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 ただ単にスペースの利用方法にのみ要因を求められたけれども、私は事実上、こういうものも安全審査の基準としてどうあるべきか、これも検討事項ではないかと思うのですよ。  これは政府全体の安全審査体制の問題なので大臣に伺いたいと思うのです。  もともと通産省は大体開発官庁なんですよ。だから、一方で原発を推進するという任務を持つ、ところがその一方で今度は規制行政を行う、このこと自身が矛盾なんだ。これは、この前原子力基本法等改正案が出ましたときにずいぶん論議された点なんです。こういう矛盾に加えまして、通産省自身が、いまお聞きのように安全審査の物差しに当たります安全審査基準、安全審査指針あるいは技術基準、こういうものをつくる、それでその自分のつくった物差しで今度は安全かどうかを判断していく、こういうふうな形になるのですね。これもまた私は一つの矛盾だと思うのです。ですから率直に言って、これは独立した機関の安全審査という状態には現在なってないことを示すのですね。  「むつ」の放射線漏れで、当時科学技術庁が担当しておった基本設計の安全審査に問題があったのか、あるいは運輸省が担当しておった詳細設計の安全審査に問題があったのか、ずいぶんと議論されたのですね。政府同士の間で責任のなすり合いみたいな答弁まで出てきておったのです。そういうところから、大方の科学技術委員会の意見としては、政府から独立した機関、原子力安全委員会を設置してこれに行政権限も与えて、たとえば公正取引委員会のような委員会にして、そうして基本設計、詳細設計、使用前検査あるいは定期検査、一貫した安全審査を行えるようにすべきではないか、こういうごとだったのに、これがすりかえられて、安全審査の実質的な権限が通産省に一貫化されて集中していったわけですね。原子力安全委員会というのは単なる諮問機関として、通産省のやった審査のごく一部を形式的に書類上審査する下請機関みたいになってしまったわけなんですよ。私は基本的には、この際教訓を学ぶなら、この安全委員会を行政委員会に格上げして、一貫した安全審査をやらせるようにすべきだと思うのです。この点に対する考えをまず第一点お聞きしたい。  それから第二点、これはいきなりそこまではなかなかいまの政府でいけるとは思いません。そこで、少なくとも当面の問題として、安全審査の物差しに当たります安全審査基準とか審査指針とか技術基準あるいは使用前検査項目、使用前検査の指針、こういう物差しについては原子力安全委員会に決定権を与える、また、原子力安全委員会にも随時調査ができるような立ち入り調査権を与える。それから、これは福田元首相が言っているのですが、安全委員会自身の独立した事務局を持つことが大切ではないかという質問に対して福田元首相は、将来の問題といたしまして御意見などを踏まえて検討してまいる、このようにしたいと答弁されているのです。そういう時期に来ているのではないかと思うのです。こういう当面の措置、両方について大臣の見解を伺いたいと思います。

赤羽信久科学技術庁原子力安全局長

○赤羽政府委員 安全審査のための指針、これは安全委員会自身がつくっております。そして、この検討の段階を経まして、さらに詳細なブレークダウンされる具体的な基準は通産省がつくっておりますが、実際上は安全委員会の了解をとりながら、その思想が一貫されていることを確認しているわけでございます。特に今度の敦賀の問題につきましては、通産省も新しい基準あるいはいままでの見直しを行いまして、これを全部安全委員会にダブルチェックを受けて実施したいという方針を出しておりまして、このことをこの間の原子力委員会でも了承しているわけでございます。  そういうことでございまして、基本的な考え方をしっかり統一的に扱うという意味で原子力安全委員会の重要さは高いわけでございまして、余り細部にまで立ち入るということは、安全委員会の現在の組織とか性格上かえって本来の任務と矛盾を来す場合もあるのではないかと考えます。  それから、行政委員会への移行ということにつきましては種々議論が前からございます。よく承知しておりますけれども、現在の諮問委員会としてのメリット、非常に独立性が高いという形、これは大いに重要な点ではないかと思われます。下請機関になっているとの御指摘がございましたけれども、実際の審査では非常に厳しい独立した考えを述べております。ただ、その形が通産省の一次審査に対して独立した文章で物を言うという形をとっておりませんで、通産省の方の自主的な変更等を求める形で行われておりますので、その点がそういう誤解を生んでいるのかと思われますけれども、実質上は非常に厳しい審査をしている状況にございます。  それから、独立事務局もあった方がいいということはございますし、そのために現在安全局の中にあります安全調査室というのが独立の事務局としての機能を果たすべく充実を進めております。しかしながら、さらに安全局全体が事務局の手伝いをする、これは非常に専門的にも多岐にわたっておりますし、仕事の窓口も広うございますので、そういった別の仕事をしているものが総合的にお手伝いをするということの意味も運用上非常に重要でございますので、完全に独立した事務局というのは、現在の大きな政府を排除するという空気のもとでは、かえって機能の十分でないものになってしまうのではないかと考える次第でございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 各種の安全審査の物差しの部分については通産省も見直すと言っているし、安全委員会は厳重なダブルチェックを行うと言うのですから、これは了とし、この辺は本当に今回の教訓を生かして厳しくやってほしいと思うのです。しかし反面、どこまでも現状の枠内でと、通産省のおやりになることを邪魔したくないという遠慮がありありとあらわれていて、その点は非常に遺憾だと思いますね。  次に、原子力船「むつ」について若干伺いたいと思うのです。  まず大臣に伺います。  昨年の大臣の国会における答弁を私も読み直しました。こういうことをおっしゃっているのです。「ずいぶん悩みまして、最終的には大湊にもう一度お願いする以外にない、」また大湊に頼むということですが、「これ以外に道がないし、誠心誠意やってまいりたい」「私が、いまのところはむつしかないという考えのもとに、そして交渉をしている」ということは、これほど大湊しかない、これ以外に道がないとおっしゃった当時の大臣の判断、認識が甘かったというか、間違っていたということにならざるを得ないと思うのですが、そういう大臣の認識、判断が狂ったといいましょうか、その要因は何だったのですか。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 いまでも、佐世保で「むつ」が修理を終わった後、引き続いて「むつ」の研究開発なりを長期的に進めていくのには大湊以外ない、こういう判断には変わりありません。  ただ大湊には、陸奥湾内にはかけがえのないホタテ養殖の漁業者がいらっしゃるという、これに対立する逃れられない問題が横たわっているわけです。そこを何とか御協力いただきたいということで誠心誠意お願いしたのでありますが、私が現地を見、特にはだで感じましたのは、何者にもホタテ養殖は侵させたくない、これも理解してあげなければいけないところだというところから、大湊に近い関根浜に将来新定係港をつくる、ただし、それまでの間は何とか大湊に入港し、停泊することをお願いしたい、こういうことで、私の切なる大湊が最適地であるという願いと地元の養殖しているホタテ漁場を荒らしたくない、こういう二つの問題点、対立する事項を解決する道として、当分の間、新しい港ができるまでは入港、停泊をお願いする、そして新定係港ができたならばそちらに移り、撤去をする、こういうことで、私の変わらない一貫した考え方と地元の切なる要望とを二つとも満足させる形というのが今回の案でございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 科学技術庁は、この前石渡局長の説明で、これまでに定係港候補地として全国約六十カ所を机上調査して、最後に五地点にしぼるところまでいったということを明らかにされているのですが、今回の関根浜はこの五地点には入っていないようですね。われわれは非常に疑問に感ずるのは、多少なりとも調査したり打診した地点にまず代替を求めるはずだと思うのですが、そこらを顧みず関根浜を選んだその理由は何ですか。時間の関係で簡単にお答えいただきたい。

石渡鷹雄科学技術庁原子力局長

○石渡政府委員 四者協定の青森県側の三者といろいろ折衝、またお願いもしてきたわけでございますが、その折衝の過程で、青森県内の外洋ならばという感触を強く感じたわけでございます。そういうことで、県内からの誘致と申しますか、自分のところで考えてもいいという御意見も出てきたわけでございまして、そういう意味からいろいろ相談をしておったわけでございますが、その過程で、外洋の新定係港についてはむつ市の行政区域内である関根浜を候補地として考えたらいかがかという御意見が自民党の青森県連から伝えられまして、そういう経過を経て関根浜を候補地として考えるに至ったわけでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 昨年十月二十三日の答弁で、石渡局長は、いずれも主として自然条件に非常に難点があって決断に至らなかった、つまり他の候補地ですよ。この自然条件の難点を選定できなかった主要な理由に挙げられたのですね。すでにこの間の委員会の答弁で、大臣は、自然的条件は理想ではないが社会的条件を考慮せざるを得なかった、そういうふうに率直に言われているわけなんですが、その上に立っての話なんですが、それでもやはり定係港をつくるにはその条件があるわけです。この関根浜が候補地となった自然条件の利点を言えば何なのか、簡単明瞭に答えてください。これは事業団でも局長でも結構です。

野村一彦日本原子力船研究開発事業団理事長

○野村参考人 自然条件の利点ということは非常にむずかしいと思いますが、先生おっしゃったように気象、海象、それから地盤、地質というようなものが主な自然条件であろうかと思います。ただ、その非常に厳しい中でも、現在の港湾技術の水準で工夫をして、その設計とか防波堤とかしゅんせつとか、そういう工夫をすれば克服できるという条件、これは私どものいままでの机上の調査でそういう技術的な一つの判断を得ている、こういうわけでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 自然の状態のままでは大変厳しいという率直な認識ですね。  この大湊の定係港の法的な完全撤去の時期なんですが、現在部分的には機能は撤去してあるが、法的には定係港になっているわけですね。関根浜に対する設置許可がおりれば法的には大湊港の方の定係港撤去をやっても差し支えはないと思うのです。現在だって佐世保は別に法的には何の地位も与えられないままあそこに入っているわけです。これは大湊があるからだと思うのです。その時期について、私がいま申し上げました関根浜の設置許可時点に合わせて法的に大湊を完全撤去するかどうか、この点を伺いたいと思います。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 大湊の扱いにつきましては、そういったことを含めて地元側と政府側とで話し合う、こういうことになっておりますから、今後どういうふうにするか話し合いを進めていくというのが基本的路線でございます。そこで、関根浜に新定係港ができた場合には大湊の定係港を撤去する、こういうことの約束になっております。撤去の内容が法的なものか実質的なものか等々いろいろあろうと思いますが、思想はそういうことで、関根浜ができたら大湊を撤去する、こういうことになってございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 これは局長の方に一点だけ。  私が言ったように、関根浜に対して原子炉設置許可がおりれば、法的にはこの大湊の方を撤去しても、つまり変更の許可を出しても何ら差し支えないように思うのですが、いかがですか。

赤羽信久科学技術庁原子力安全局長

○赤羽政府委員 現在の法体系では、船だけではなくて最小限の陸上の付帯施設を一体にしたものが必要とされております。したがいまして、その意味で現在の大湊の施設が必要なわけでございまして、最低のものが残されている。新しい定係港ができる際に、多分申請の上では新しいものをつくり在来のものを撤去するという申請が出され、それを認めるということになると思いますが、実際上は新しいものが完成したときに古いものが撤去されるという形で、全くの空白がある、工事中に大湊が撤去されるということは法律上は許されないかと思います。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 この関根浜は、大臣も現地に行かれたから重々御承知になっていると思うのですが、青森県下では有数な漁場です。私もことしの初めに現地に行っているのです。漁協の組合員が三百六十二人いて、そのうち漁業を専業にしている人が約八十人、その年間水揚げは六億円に達しているわけであります。そのために昭和四十五年から関根漁港改修事業というのが進められています。漁業基地としての態勢を整えつつあるわけなんですが、こういう事情は十分御承知なんでしょうね。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 承知いたしております。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 この関根漁港改修事業の計画による事業費総額というのは約二十八億円。ところが現在までの進捗状況を見ますと、昭和四十五年から十一年たった今日で、投入された金額が六億四千万円ですね。約二二%ほどの進捗にしかなってないわけなんです。これは二分の一国庫補助の事業のようでありますが、こういう事情も御存じでしょうか。

石渡鷹雄科学技術庁原子力局長

○石渡政府委員 具体的な数字につきましてはちょっと失念いたしましたが、進捗率はもうちょっと高かったように記憶をいたしております。現に漁港として機能している実態もございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 私も現地に伺ったときに漁協の方々と会っておりまして、「むつ」を持ってくるとか持ってこないとかいう話よりも、この遅々として進まない漁港の整備を早く計画に沿って進めてほしい、こういう要望を受けたぐらいなんですね。現在関根浜に新定係港を建設するとなれば、ああいうむき出しの外洋で非常に荒いし、やませなどという特有の気候もあるわけですね。そのため、政府の答弁でも三百億円以上と言っているし、常識で見て五百億円ぐらいはかかるのではないか、こういうふうに言われていると思うのです。  そこで、漁港の改修のためですと二十八億円という、それ自体大したことではないのですが、この事業が十一年かかって約六億円しか予算がついてこない。ところが一方、原子力船「むつ」の母港だということになりますと、一挙に数百億円の予算が可能になってくる。こうなってきますと、原子力船「むつ」に比べて漁民は余りにも軽視され過ぎてはいないか、こういう感じを私は持たざるを得ないのです。大臣としてこういう点にはどうお答えになりますか。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○中川国務大臣 私も農林水産大臣やっておりまして、漁港の進捗率が非常に他の公共事業に比べてもおくれている、こういう実態はございます。  そこで、第四次、第五次、第六次と漁港整備計画を促進をして漁港の整備を図りたい、こういうことで鋭意やってきておりますが、これは関根浜漁港だけじゃなくて、全体的におくれている。これは船が大型化してきたということで、従来の港では小さいというようなこともありまして、一般的に非常に厳しい状況にあることは事実でございます。関根浜だけがおくれておるというわけじゃなくて、全体的な傾向としてそういうことは否めないことでございます。  それに比較して「むつ」の方は五年、六年でできるということに対しての疑問もあろうかとは存じますけれども、これは国全体のエネルギー政策から見て、早く先進国並みのものにしなければならぬという、これまた重要な国家目的を持っておりますので、漁港がおくれていいということじゃありませんけれども、これはこれなりに促進をしなければならない理由があってそういたしたい、これはまだ財政当局ときちっと詰めたわけじゃありませんが、科学技術庁としては、科学技術庁の大事な原子力行政、原子力船開発のためには可及的速やかにやりたい、こう思って、これから大蔵と折衝していきたい、こう思っておるわけでございます。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 原子力船「むつ」が国のエネルギー開発政策に役立つかどうか、ここが議論の大きく分かれるところだと思いますけれども、要は漁民の生活に必要な漁港建設に比べれば、「むつ」の方がはるかに重視されている、優先されている。このことは逆に事実をもってこれを証明したようになっていると思うのですね。私は、これも今後いろいろとまた住民側の反発を呼ぶ要因になるであろう、こういうことを指摘しておきたいと思うのです。  そこで、これは事業団に伺いますが、いわゆる炉心、燃料体、こういうものの点検は、結局佐世保で実施して青森へ回航することになるのですか、しないまま青森へ回航することになるのですか。

倉本昌昭日本原子力船研究開発事業団専務理事

○倉本参考人 佐世保港におきます「むつ」の修理につきましては、佐世保へ入港いたしますときに、地元の関係の方々と結びました五者協定、またそのお約束で、核封印ということで圧力容器のふたは撤去しないで総点検、改修を行うということになっておりますので、炉の内部の点検は行わず、この修理が終わった時点で大湊へ回航する予定にしております。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 本委員会にも参考人としておいでになった木下日立造船社長も強調されたのですが、この炉心部分の点検はぜひやらなければいけない重要な課題だと言っておられたのですね。  そこで、佐世保からはこの炉心部分の点検なしに青森へ来る。さて、青森で、では出力上昇試験の前に炉心、燃料体の点検はするのですか、しないのですか。

倉本昌昭日本原子力船研究開発事業団専務理事

○倉本参考人 青森で出力上昇試験を行いますことにつきましては、まだ現在その時点等、またその……(瀬崎委員「いやいや、そんなこと聞いてない。その前に炉心部分、燃料体の点検はするのかしないのかということを聞いている」と呼ぶ)佐世保においてはこの点検はしないわけでございますが、大湊といいますか青森の方におきまして出力上昇試験の前にどういうことをやるかということにつきましては、これは今後地元と協議をして決めてまいりたい、こういうぐあいに考えております。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 しかし、これは重大な矛盾だと思うのですね。佐世保においては、長崎県から歯どめをかけられたから原子炉の中はあけない、だから中の点検はできないのです、じゃ、青森に行ってその必要なことを、今度は長崎で拒否されたものを青森でやろうというのでしょう。明らかにこれは同じ日本国民でありながら長崎と青森と異なる態度で臨もうという、私はこれは重大な問題点だと思います。  時間が来ているようでありますが、最後に、きょうの私の質問に対して理事会で長々と、質問内容にいろいろな制限といいますか、一種の言いがかりのようなものをつけられた。こういうことは、一般的に言って質問者の発言権を干渉するものであって、きわめて遺憾だ、こういうことを申し上げて、終わります。(「なぜ理事会で言わないのか、そういうことを」と呼び、その他発言する者あり)

中村弘海自由民主党

○中村委員長 言いがかりと言われた事柄に対しては、私はきわめて遺憾であります。(「いまの発言は問題だよ、委員長、削除だよ、いまのは」と呼ぶ者あり)  いまから話します。理事会によって話し合います。(発言する者あり)理事会によって話し合います。  田名部匡省君。

田名部匡省自由民主党

○田名部委員 きょうは伏見説明員、中山長官、わざわざお時間を割いていただきまして大変ありがとうございます。  先般はまた、プラズマ研究所の視察をさせていただきまして、日本の科学の進歩というものの目覚ましさに大変な感銘を受けてまいりました。きょうは、日本学術会議とそして皆さん方が研究なすっているそういうものと一体どういう関連がおありなのか、そしてわが国の科学技術の振興にどのように寄与されているか、まず最初にお伺いをいたしたいと思います。

伏見康治日本学術会議会長

○伏見説明員 日本学術会議の性格とか活動について申し上げる機会を得ましたこと、大変うれしく思っております。日本学術会議は何か世間からだんだん忘れ去られているというお話もございますので、こういう機会に先生方に学術会議の存在を知っていただくことができますのは大変うれしいと思っております。  田名部さんは、いまお話にございましたように、先日名古屋大学付置のプラズマ研究所を御訪問くださいましたのですが、そのプラズマ研究所は実は二十年ほど前にできたのでございますが、そのプラズマ研究所は学術会議が政府に設立を勧告してできたわけでございまして、一九五九年に政府に対してそういうものをつくるように勧告いたしまして、それが二年後に実現いたしまして一九六一年から発足いたしました。したがいまして、ことしでちょうど二十年目になります。  私はそのときは実は学術会議の会員ではございませんでして、ただ、学術会議の中に核融合に関する特別委員会をつくっていただきまして、外部から学術会議の中の委員会に参加させていただきまして、いろいろ私がやりたいことを申し上げたわけでございます。それを学術会議の内部のいろいろな審議の段階がございますが、その中の段階を経まして総会を通りまして、学術会議の勧告として政府に出てきたわけでございます。  御承知のように、政府に対して学術会議が勧告いたしますと、その勧告の窓口となりますのは、科学技術会議の中に学術会議連絡部会というのがございまして、その連絡部会の部会長は学術会議の会長がやっているわけでございますが、そこが学術会議の勧告が政府側に対して提出される公式な窓口になっております。そこで主に議論されますのは、しかしその勧告を受け取る政府の機関がどこであるかということを決めていただくのが主な仕事でございます。たとえば名古屋大学プラズマ研究所の場合でございますと文部省が責任担当であるというふうになって、そのことがまず決まるわけでございます。あとは文部省と私たちプラズマ研究所をつくりたいと思っている者との間の折衝で物事が進行していくのだと思っております。学術会議はそういう大きな窓口の役目を果たしているのだと思っております。  プラズマ研究所という名前にいたしましたのは、その当時まだ核融合というのは全く五里霧中のものでございまして、物になるかどうかわからなかったわけでございますが、近ごろ核融合の現実性というものが相当はっきりしてまいりまして、基礎研究の段階から開発研究の段階に移ってまいりましたために、近ごろ核融合という言葉がしきりに使われるようになりましたのですが、二十年前のその当時におきましては、そういうことに将来なるであろうという見通しは持っておりましたけれども、まだきわめて貧弱な知識しか私たちは持ち合わせておりませんでしたので、いわば基礎研究の段階であるということを確認して、核融合研究のまず第一着手としてプラズマの基礎研究をやるという形で勧告していただいたわけでございます。  学術会議が主にやっております仕事と申しますのは、こういうふうに研究者の側で何かいわゆるプロポーザル、こういうことをしたらどうかという研究者の側から出てまいりましたいろいろな提案を取り上げまして、それをいろいろな方々の議論の段階を経まして、そして最終的には総会、秋と春と年に二回ございますのですが、その総会にかけて、そして対政府勧告という形にしていただくわけでございます。それですから、学術会議が勧告いたしますためには実は非常に長い時間がかかります。プラズマ研究所の場合には比較的物事が簡単にいった方でございますが、ただいま筑波にございます高エネルギー物理学研究所というのがございますが、この物理学研究所は、勧告するまでに五、六年研究者の仲間での議論が続きまして、それから政府に勧告いたしましてから実に九年実現するまでにかかりました。この方はちょうどことし十周年を記念することになっておりますのですが、これもやはり学術会議の勧告に基づいてつくられたものでございます。  ついでに申し上げますと、名古屋大学プラズマ研究所は共同利用研究所という、ほかの大学付置の研究所とは違った意味合いを持っております。つまり名古屋大学の先生方だけがいわばその研究所を利用するのでなくて、全国のほかの大学の先生方もプラズマ研究所を利用できる、そういう意味での共同利用研究所という形で発足させていただいているわけですが、筑波にできました高エネルギー物理学研究所の方も、そういう意味では同じく共同利用研究所でございます。ただ、プラズマ研究所の場合には名古屋大学の付置という形になっておりますが、高エネルギー物理学研究所の場合には国立、文部省直轄の形になっております。その差はございますけれども、大学の先生方が、全国的な先生方の共同の利用になっているという意味においては性格が同じでございます。  学術会議の勧告の中にはそういう共同利用というものが非常に多いわけでございますが、これは学術を進めていく上において個々の方々の発想による計画というものももちろんあるわけでございます。多分田名部先生は、たとえばプラ研を見学なすった後に京都大学の方へも行かれたと思いますが、京都大学にあります研究所も似たような目的のもとにつくられているわけでございますが、これは共同利用研究所ではございませんでして、その先生御自身の計画によってつくられたものでございます。  こういうふうに、研究というものは研究者の相当自由というものを確保しないといけませんものですから、共同利用でない個々の先生方の研究計画というものは、必ずしも学術会議が関与するのに適当なものだとは思っていないわけです。いろいろな先生方の共同の意識をまとめて何か政府に勧告したいという場合に、学術会議の本当の出番があるというふうに考えているわけでございます。  学術会議の果たしました仕事は、研究所づくりというのが一番わかりやすいお話でございますし、相当たくさんの研究所の設立を勧告させていただきまして、勧告いたしましても実現しないというものももちろんたくさんございまして、大体打率は五〇%ぐらいだと私たちは思っております。しかし、五〇%の打率でも私たちは成績優秀な方だと考えているわけでございますが、何もこういう自然科学関係だけの研究所を勧告したわけではございませんでして、もっと人文社会科学関係の方の研究所に類したものも設立を勧告して、設立を見たものが幾つかございます。たとえば国立公文書館というのがございますが、あれは学術会議の勧告によってできたものでございます。それから、国文学資料センターというものもおつくりを願っておりますが、これも学術会議の勧告によってできたものでございます。それから、大阪の万博跡にできました民族学博物館というのがございますが、これも学術会議の勧告によってできたものでございまして、何も自然科学、理工関係ばかりができたわけではございませんでして、人文社会の方でも、それぞれまとまるものはまとまってうまくできたと思っております。  それから、そういういろいろな新しいインスティチュートをつくるというお話ではございませんですが、たとえば私自身が昔、初期の学術会議で関与いたしましたことを一つ申し上げておきますというと、日本で原子力研究開発を開始すべきであるという提案を学術会議の中でいたしましたときに、大変反対が多くて、私個人といたしましては茅先輩とともに立ち往生したことがございますが、そのときに、そういう反対の中でも原子力研究というものを推進しなければならない、そのためには反対している方々に安心していただくような筋をちゃんと立てなければいけないと考えまして、いわゆる原子力の三原則というものを唱えました。この原子力の三原則は政府にも勧告されたわけでございますが、それが政府というよりもむしろ国会の方で十分おくみ上げを願いまして、原子力基本法の中にはその三原則の精神が盛り込まれているということは御承知のとおりであると思います。  まあ、ごく粗っぽいことでございますが、学術会議がいままでどんなことをしてきたかという幾つかのハイライトを申し上げてみました。

田名部匡省自由民主党

○田名部委員 私も資料をちょっとちょうだいして拝見させていただいたわけでありますけれども、この中に勧告——日本学術会議法の中に「政府に勧告することができる。」、そのほかに、学術会議は要望、申し入れというものもいたしているわけであります。この要望と申し入れというのはどのような拘束力といいますか、そんなものを持っておるのですか、このことをちょっと御説明いただきたいと思います。

大浜忠志日本学術会議事務局長

○大浜政府委員 事務的なことでございますので、私の方から御答弁させていただきます。  お尋ねの件の勧告、要望あるいは申し入れの一応の区分でございますが、特に学術会議の中ではっきりした基準的なものはございませんけれども、一応慣行として行われております考え方といたしましては、日本学術会議法第五条の規定によりますと、同条第一項から六項にかかわる事項について政府に対して勧告することができるという勧告権が与えられているわけでございます。そこで、科学の振興方策等に関しまして早急にその実現を図る必要がある重要な事項につきましては、勧告によって一応取り扱っているということでございます。  また、科学研究の将来計画等にかかわる事項であって、将来勧告を行うことを前提として、政府に対し、学術会議としての期待を中間的に一応表明しておきたい、またその必要があるだろうという事項につきましては、一応要望ということでお願いしております。  また、研究者の待遇改善等の事項に関して学術会議としての考え方を政府に希望するというような場合は、申し入れということで取り扱っているわけでございます。

田名部匡省自由民主党

○田名部委員 先ほど会長さんから、どうも日本学術会議は忘れられがちでありますというお話がありましたが、私どももこの学術会議に期待するものは非常に大きいわけです。しかし、いま事務局長の説明で、勧告、要望、申し入れ、こういうふうに分かれておるわけでありますが、たとえば七十九回総会で「私立大学に対する国庫助成の改善・増額について」というのが勧告をされている。一体、学術会議がこの種のことをやることが妥当であるかどうかということに実はいささか疑問を持つわけであります。  それから、要望の中で、将来勧告をするということでありますけれども「日本学術会議の使命達成に必要な予算の早急な実現について」あるいは「婦人研究者の地位の改善について」、これはいまのお話からいきますと、申し入れの方でなければならぬわけでありますが、要望の中にある。あるいは「研究者養成の振興策について」、「大学における経常的研究費の増額について」、「日本学術会議の国際学術交流に必要な予算の増額について」あるいは「国・公立試験研究機関の運営の改善について」、「環境科学研究の推進について」など、一連の勧告、要望、申し入れを見ますと、いま御説明いただいたようなことになっていない部分も相当ありますし、何となくこの学術会議の待遇改善の要求をしているような感じを実は受けるわけであります。  確かにプラズマ研究所、こうした核融合の研究所を設置することは、私は国民の皆さんに大変受けることだろうと思うのであります。そういうことを国民の皆さんが大いに期待しているわけでありますけれども、その期待にこたえているかどうかということになると、いささか疑問がないわけではないわけであります。  そこで、政府の諮問を受け、政府に勧告できるとなっておるわけでありますが、現在諮問はどのぐらいこの学術会議になされているか、これをお知らせいただきたいと思います。

大浜忠志日本学術会議事務局長

○大浜政府委員 お答えいたします。  諮問といたしましては、主に研究の振興、研究体制に関するものとか、文部省予算のうちの科学研究の振興に必要な経費の配分に関するもの等であります。現在は民間学術研究振興費の補助金がございますが、その補助金の交付に関する件につき、毎年諮問を受けて答申しているということでございます。  件数でございますが、二十四年に学術会議が設立されて以来今日まで八十四件になっております。  また、いわゆる諮問ではございませんが、一応これに準ずるものとしましては、郵政省から、学術刊行物の審査について、果たしてこれを学術刊行物として認定するのが適当であるかどうかということについて学術会議の判断を毎年求めてこられておるわけで、これに対する回答を行っておるというのが実情でございます。

田名部匡省自由民主党

○田名部委員 最近はどの程度行われておりますか。

大浜忠志日本学術会議事務局長

○大浜政府委員 お答えします。  最近といたしましては、いま御説明申し上げましたが、一応法律に基づく諮問となりますと、民間学術研究振興費の補助金の交付に関する件につきまして毎年文部省に答申しておるということでございます。それ以外のと申しますと、それに準ずるものとしましては、郵政省等から学術刊行物の審査について、これもほぼ毎年こちらの判断を求められておるというふうなことでございます。  それともう一つは、文部省で実施しております科学研究費の補助金でございますが、この交付につきまして審査するための審査員を学術会議の方に一応推薦方の依頼がございますので、その審査員の候補者をこちらが文部省に出しているということでございます。

田名部匡省自由民主党

○田名部委員 これとは別でありますけれども、各省庁に審議会というのがございます。もともと法の精神からいきまして、政府の諮問を受けてまたこれに勧告をしていく、そういうことで発足したわけでありますけれども、ほとんど各省庁は各省庁の審議会の方に諮問をし、答申をいただいている。昭和二十四年ごろには二十五件の諮問を受けておった学術会議がいまは一件ないし二件、しかも、それが学術会議として諮問を受ける内容かということになると、予算の配分だとかあるいは第三種郵便物の内容を検討する、こういうことになってきているわけであります。私も、この問題につきましては、日本の科学の将来ということを考えると、大変心を痛めておる一人であります。  そのよって来る原因は一体何であろうかということをいろいろと私なりに考えてみましたけれども、一つには選挙制度の問題があるのではないか。伏見会長さん、科学者の皆さんが選挙ということにおなじみになっているだろうかどうか。私たちも選挙というものは大変苦痛なものであります。ましてや、日本の科学のトップリーダーの方々が一体落選したらどうしようかなどという心配がないものかどうか。そのことによって、立候補したくない、そんなこと等もこの中にはおありではないのかということを実は心配して、もっともっと有能な人たちがこの学術会議の中で活躍できる何らかの方法がないものかということを私は私なりに実は心配もし、考えている一人であります。  そこで、選挙制度についてお伺いをいたしたいわけでありますが、そのお伺いをする前に、昭和二十三年に学術会議法が制定されまして、専門部といいますか、七十五部あるわけであります。しかしその後、プラズマ研究だとか、学界でいろいろ新たなものが出て、これに加える必要のあるものが相当あるのではないか。一体この七十五部というものは不変のものなのかどうか。この辺をちょっとお聞かせいただきたいと思うのです。

伏見康治日本学術会議会長

○伏見説明員 選挙のことに関連いたしましては代議士の皆様の方がはるかによく御存じなので、私の答えがそっぽを向くかもしれないことをひそかに恐れております。それから、これから申し上げますことは、私はいわゆるお役人ではございませんので、お役人の方から文句が出ることを申し上げるようなことにあるいはなるかもしれませんが、あしからず御了承願いたいと思います。  学術会議の歴史から説き起こさないといけないと思うのでございますが、戦争前は文部省が世話しております学士院と学術研究会議それから学術振興会という三つの機関がございまして、それが三つどもえになって日本の学術、高級な方の学術を仕切ってきたと思います。それが戦後になりましていろいろな改革が迫られましたときに、学術体制刷新委員会というのができまして、兼重先生とか茅先生とか嵯峨根先生とか田宮先生とかいう日本の学界の大変偉い方々がお集まりになりまして、日本の学術体制を根本的に改めてみようではないかということで出てまいりましたのが日本学術会議という構想でございました。  その際に、普通学士院とか、外国でアカデミーと称するもの、その当時日本はアメリカさんの占領下にございましたので、もちろんアメリカの影響を非常に強く受けておりましたが、ワシントンにナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスというのがございます。ナショナル・リサーチ・カウンシルというのがございます。それからアカデミー・オブ・エンジニアリングというのがございます。さらにカウンシル・オブ・メディスンというのがございます。つまりそういう四つの機関が一つのところに集まっておりまして、それが一種の日本の、先ほど申しました三つの機関が集まったものに大体該当するものであったわけですが、その方の御経験を多分に取り入れて、それの日本版に相当するものをおつくりになったと思うのでございます。  そのときに、アメリカさんのお手本と根本的に違う点が選挙制度であったわけです。なぜアメリカのお手本を見ながら、なおかつアメリカのその制度までまねなかったかと申しますと、日本学士院もそうでございますが、学士院というのはいわゆるコーオプションという方法で人が選ばれるわけです。コーオプションと申しますのは、古い会員がお亡くなりになりまして新しい会員を入れるというときに、その新しい会員は、結局古い、生き残った会員の方がお決めになる。つまり先輩が後輩をつくっていくという形でいくというのがヨーロッパの長い伝統の中で育ったコーオプションという制度でございます。この制度が、その当時の革新的な気分に燃えました日本の学界の方々にとってはまずいことのように思えたわけでございます。それはなぜかと申しますと、新しい会員を入れますときに、先輩の会員が自分の専門に近い方をどうしてもお選びになる。したがって、新しい学問で優秀な人が出てまいりましても、新しく入ることがなかなかできにくいという要素がございました。それで、そういう要素のないような会員の選出方法を考えなければいけないということから、選挙ということが始まったのだと思っております。  選挙というものが、いま田名部さんがおっしゃいましたように、学者の人を選ぶのには余り適当な方法でないということはおっしゃるとおりだと思うのですが、長年、この三十年間続けてまいりまして、いろいろとまずい面も出てきているとは思いますが、同時に、まず七〇%ぐらいの成績でやってきたのではないかと私は思っております。それなりにいいところもあったと思っております。

田名部匡省自由民主党

○田名部委員 そこで、これは事務局長さんにお伺いした方がいいのかと思うのでありますが、一体いま有権者数と会員数の比率はどのようになっておりますか。

大浜忠志日本学術会議事務局長

○大浜政府委員 昭和五十五年に行われました学術会議の第十二期の会員選挙の場合でございますが、有権者数は二十二万六千二百六でありまして、会員数が二百十名でございます。したがいましてその比率は千七十七対一でございます。これを各部別の比率で見ますと、第一部が四百三十四対一、第二部が八十三対一、第三部が百三十八対一、第四部が五百二十対一、第五部が二千七百五対一、第六部が六百三十一対一、第七部が三千二十八対一ということになっております。

田名部匡省自由民主党

○田名部委員 大変な一票の重みの格差といいますか、われわれ国会議員よりもはるかに差がある。しかも会員数は各部とも三十名ということで、この比率に応じているということもない。  そういう中で選挙が行われてきておるわけでありますが、その結果として、選挙費用についてちょっと調べてみましたけれども、選挙費用は五十五年度一億三千五百万円という選挙費用をおかけになっている。通常、この会員資格というのは基準がございます。これはもう御存じのとおりでありますが、大学に何年おった、あるいは研究を発表した、そういったもので審査をするわけであります。申請が出されてから審査をなさる。このために毎年選挙費用という、選挙直接ではありませんけれども、この準備のために三百七十三万円ずつ予算をおとりになっている。大変な労力を使われておるわけであります。  そこで、お伺いしたいのは、いま御説明ありました有権者二十二万六千二百六人ということでありますけれども、これは申請をされた人がこういう数だということであって、先ほど申し上げたように、落選をしたくない、選挙に出るのは煩わしいということで、有能な方々で必ずしもこれに申請をしないという人たちというのは一体どのくらいおるとお思いになっておりますか。

伏見康治日本学術会議会長

○伏見説明員 何というのでしょうか、正確な調査に基づいたお話ではございませんでして、私の単なる当て推量でございますが、二十二万に対しまして、本当の実数はそれの二分の三倍ぐらい、つまり三十数万ぐらいが元来有権者であるべきだと思っております。  ついでに少し申し上げてよろしいでしょうか。——先ほど、部によって有権者の数とそれから会員の数との比率が非常にばらつきが多いというお話でございましたが、それはこういう事情もあるということを御理解願いたいと思うわけです。  それは、学問を単位にして物事を考えなければならない場合がございます、学問のそれぞれの専門分野をですね。たとえば四部の中には物理学という専門と天文学という専門がございます。学問の単位としては物理学と天文学は全く対等でございますが、天文学に従事しておられる科学者の数というものは、これは日本全国におきましても百人にならないくらい、何十人という程度ではないか、もうごくわずかな人しかおらないと思います。ところが物理学は恐らく一万人近くいると思います。つまり同じ学問と申しましても、ある学問によっては非常にたくさんの人がその分野で働いている、ほかの分野では非常に少ないということがありましても、私たちは、天文学が物理学よりも劣った学問だというふうには考えておらないわけでございます。学問それぞれの、何と申しますか存在権利があるというふうに考えておりまして、選挙法も、そういう天文学の方が多数決のために落ちてしまうといったようなことがないように配慮してつくられているわけでございます。そういう点もあるということを念頭に置いていただきたいと思います。

田名部匡省自由民主党

○田名部委員 いま一つは、十二期の投票数、この率というのは平均どの程度になっておりますか。投票率はどのくらいかということです。

大浜忠志日本学術会議事務局長

○大浜政府委員 お答えします。  一部から七部までございますが、平均でいきますと六二・八%というのが投票率になっております。部別に申し上げますと、一部でいきますと投票率が五八・五%、二部が六四・五%、三部が六九・九%、四部六一・五%、五部六八・一%、六部六七・四%、七部五七・七%、計といたしまして平均が六二・八%ということになっておるわけでございます。

田名部匡省自由民主党

○田名部委員 投票率は六二・八%、こういうことでありますが、第一期の昭和二十三年には八三二%あった。候補者の数も九百四十人を上回る候補者があった。したがって、競争倍率というのも四・五〇あった。これが年を追うごとにだんだん投票率が低下をいたしてまいりました。八三二%から九〇%台をずっと推移いたしてまいりましたものが、五八・五%、六三%、そして第十二期が六二・八%と低下をしてきた。競争倍率も四・五〇だったものが一・一五、言ってみるともう無競争に近い状態に落ちてきている。しかも、地方区に至ってはもう無競争なんですね。その原因を調べてみましたら、落ちると恥ずかしいという気持ちが多分におありになるのです。人と争ってこんなものをやったって、もういやだ。しかも、系列といいますか学閥といいますか、上の人が出ると下の者はもう出ない、こういったことで無競争になってきているのではないか、私はそう想像いたしておりますが、会長さんは、その無競争の原因あるいはこの低下してきた原因というのは一体何なのか、このことを、もし考えておられましたら御所見を賜りたいと思います。

伏見康治日本学術会議会長

○伏見説明員 いろいろな意味で、一番初めに申し上げましたように学術会議が忘れ去られようとしている傾向の一つのあらわれだと思って、はなはだ悲観しているわけでございますが、有権者が学術会議に対してもっと期待すべきことがいっぱいあるのにもかかわらず、学術会議を通してその意思を表現するということを忘れているせいだと私は思います。  しかし、いまも指摘されましたようなだんだん投票率が低下しているというようなこと、あるいは立候補者の数が減っているといったようなことは、こういうところにも原因があるかと思います。一つは、立候補いたしますのに御自分から手を挙げて名のり出られる方もございますが、自薦のほかに他薦というのがございまして、いろいろな、たとえば大学の教授会であるとかあるいは学会であるとかいうのが推薦するというそういう立候補の仕方がございます。その立候補の仕方がだんだん定着してまいりまして、たとえば私なら私が第十二期に出てまいりましたのは、日本物理学会の推薦いたしました四人の中の一人として出てまいったわけでございます。そういうわけで、つまり学術会議の選挙、公選が行われる前に、それぞれの学会がいわば自発的に選挙の前段階に相当する選択を行っております。それで、ある意味においては、私は、学会を土台にいたしました間接選挙という形になってきつつあると思っておりますので、そのこと自体が非常に悪い結果になっているというふうには必ずしも考えていないわけでございます。

田名部匡省自由民主党

○田名部委員 先般、選挙運動のパンフレットみたいなもの、選挙説明書というのをちょうだいいたしました。これを見ると、もう私どもの選挙よりもはるかに厳しい。選挙運動は全然できない、戸別訪問はもちろんできませんし、何にもできないことになっているのです。これだけ厳しくおやりになると、そういう特別の団体、そういうところからでないと出られないことは当然でありますし、それぞれの研究団体、そういうところでお決めになって、今度はこういう人を推薦することになりましたというのはできるわけです。あとはもう一切これはできない、こういうことになっている。民主的にアメリカから押しつけられてできたと伺っておるのですが、内容は決して民主的だとも私は思わないし、また、中にすばらしい科学者の方がおっても、そういうところにいないと、この人たちは全然出てくる機会がない。私はスポーツの方の専門家でありますけれども、理事会の構成は、地方選出の理事と、そしてそういうところから漏れた人たちは会長指名の理事というもので救って、そして盤石な体制をつくろうということでやっておる。そういったものもない。投票率が低下したことによって、何かこれを改善しようということもおやりになっていない。このままではますます国民に忘れ去られ、皆さんの権威が——先生のようにりっぱな方がお出になって、ああいう研究をなすっているということには大変敬意を表するわけでありますけれども、そうでない分野の方々は一体どうなるのかという心配をいたします。  実は、この後に核融合の質問を科学技術庁の方にさしていただくために時間が大変ございませんので、中山長官にわざわざお越しいただいておりますので、何点か御質問をさしていただきたいと思います。  この会員と言われる選挙で選ばれた先生方が二百十名おるわけでありますが、国際会議等に出席されておるのは、私はこの二百十名の方々からお出になっているのかと思ったら、そうではない。委員会というのがございまして、千三百名ほどが委員になっておるわけであります。そしてこの千三百名の方の中からも大分お出になっていただいている。そこからだけかということになって調べてまいりますと、そうではなくて、特別にやりたいときには、そのときに委員にして国際会議等に出ていただいている、こういう仕組みになっておるわけであります。私どもは、当然、選挙で選ばれた以外の人でそれ相当の優秀な方がおありになってこの委員になっていただいている、その中からぐらいはお出になっているのかと思うと、そうでもない。基準が明確ではないということもわかっておるわけであります。しかも長官、このような選挙制度によって科学者の方々が選ばれる、この種のアカデミー等もおありだと思うのでありますが、共産圏等を含めまして、こういった選挙の制度を取り入れているというところがおありでしょうか、ちょっとお伺いしたいと思います。

大浜忠志日本学術会議事務局長

○大浜政府委員 御質問でございますが、私どもの知り得る範囲内においては、そういうものはないというふうに理解しております。厳格にはわかりませんけれども、一応学術会議でやっておるようなすべての選挙というふうなことでは、恐らくないのじゃないかというふうに理解しております。

田名部匡省自由民主党

○田名部委員 そこで、政府の諮問がほとんどない、しかも選挙も他に例のないものである、あるいは会員は選挙するだけの科学者の方々である。私は大変残念に思うのでありますが、この申請をされて有権者の資格を取った二十二万六千何百人かの方々は一体何をしているのかというと、ただその二百十名の方を選ぶための投票権を取るだけにすぎないのではないか。そんな方法で一体日本学術会議というものはいいのだろうか。しかも、先ほど申し上げたように、年々選挙に出る人が減ってきている。こういうことを踏まえて、総務長官いかがですか、思い切って先生方が本当に力を出せるやり方に変える必要があるのではないか。たまたま第二臨調で、いま総理を初め閣僚の皆さんがいろいろと大変苦労をされておるこういう時期に合わして、もう少し本当に先生方がこの世界で活躍でき、そして国民の皆さんが日本学術会議というものを心から信頼して、そして勧告等も待遇改善に終わることのないように、先ほどの核融合の問題等そういった国民が期待するものがどんどん勧告され、それが取り上げられるという体制づくりについて、御所見がありましたらひとつお聞かせをいただきたいと思います。

中山太郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○中山国務大臣 田名部先生、日本学術会議の問題につきまして大変御心配をいただいていることを、私からも深く感謝を申し上げておきたいと思います。  たまたま総理府の所管の団体といいますか学術会議でございますが、学者の方々の集まりであるということで、私どもはかねて深い敬意を表しておったわけでございます。また、今日まで日本の学術の振興、科学技術の発展のために多大の貢献をされてまいった。ただ、この学術会議ができて三十年、できた昭和二十年代の戦後の当時の有権者四万数千名から今日二十二万を超す有権者になっている、しかし、その部門別のあり方というものが、昭和二十三年でございますか設立当初と何ら変わっていない、学問の分野はどんどんと広がっている、こういうところに、旧制の帝国大学の学部割りをそのまま導入した学術会議のいわゆる組織の点で、それが果たして今日的であり、将来的であり、未来的であるのかということについては、大いに研究をしなければならない余地を持っているものであろうと考えております。  また、いま御指摘のあったように、有権者が確認をされるために毎年数百万の金を要してやっているわけでありますけれども、問題は、選挙制度が全国区と地方区とに分かれている、地方区には立候補者がいない、無競争の状態で当選者が決まる。ただいま国会では全国区、地方区の問題というのが大変やかましい問題になっておりますが、この問題で一つ御指摘の点があるだろうと思います。  もう一点は、この学術会議の会員の先生から絶えず、国際会議に出張するための予算をもっとよこせという御要望を私は受けております。しかし、私もいま御指摘がありまして初めてわかったのでありますが、会員以外の方にこの国民の税金が、日本学術会議の方々の裁量だけでどんどんとこれが配分されるということについては、主権者の国民に対しては大きな責任を果たしていないのではなかろうか、ここに一番大きな問題点が存するのではなかろうかど私は思います。私どもが予算を計上して執行していただくということで研究にお使いをいただく、国際会議に出張していただくということは、会員が中心であるというふうに実は私どもとしては常識的に考えております。学問の世界のことでありますから、特別にそういうふうなことが許されるのかどうか。私はそこいらはこの学術会議の方々の御意見もこれから十分伺って、そうして国民が信頼をし、尊敬をするような学術会議、また外国から言えばロイアルアカデミーでございますから、最高の学術団体という地位を占めるべき団体でございますから、そういう意味においては、今後この内容の充実あるいは権威の高揚のためにいかにすればいいかということを、会員の先生方の御意見も聞きながら、今後十分に検討せなければならない、このように考えております。

田名部匡省自由民主党

○田名部委員 私どもも選挙で選ばれる立場にあって、同じような立場の先生方が全く別のことをやられているということは、これはぜひひとつ改善をしていただきたい。有権者の皆さんが、国会議員に当選された方々と同じようなことができるということは私はおかしいと思うのであります。そのことはひとつ総務長官、十分御相談の上御検討されますようにお願いを申し上げたい。  きょうは大変お忙しい中を、伏見会長さんおいでいただいてまことに恐縮でありますが、どうぞ、私がいま疑問に思っていることは国民の皆さんが卒直に疑問に思っていることと受けとめていただいて、よりよい方向にひとつこの日本学術会議というものの発展に努力されたい。特に、本来学術の進歩に貢献しなければならないこの学術会議が、いやしくも政府を批判するようなことだけに陥るなどということのないように、この点は十分御検討をいただきたい、こう考えるわけであります。  それでは、時間がございませんので、科学技術庁の方に移らしていただきます。  政務次官にひとつお伺いしたいと思うのでありますが、科学技術庁の今後の課題といいますか、大変日本の科学の進歩も目覚ましいものが科学者の方々の努力によってなされておりますが、科学技術庁としての今後の課題をひとつお知らせいただきたいと思います。

高平公友自由民主党・自由国民会議科学技術政務次官

○高平政府委員 田名部先生にお答えを申し上げます。  すでに御案内のとおり、国が狭くて資源がありませんわが国におきまして、社会経済の発展と国民生活の向上を図るとともに、二十一世紀の基盤づくりだと思っております。そのためには、何としても科学技術の振興というものを図らねばならぬ。大臣がしばしば科学技術立国という言葉を用いておりますが、そのとおりでありまして、このことは大事であろうと思います。  この振興につきましては、政府部内に科学技術関係閣僚連絡会議というものが今度取り入れられまして、いろいろな角度から御討議をいただき、振興に力を尽くしていただいております。さらにまた、鈴木総理も所信でしばしば表明しておいでになりますけれども、政策の一つの柱として、科学技術の振興ということを挙げておいでになります。さらに、各界におきましても、今日の世界の動向から見まして、科学技術をぜひ振興すべきである、こういう強い御要請がある次第でありまして、科学技術庁挙げて、全力を尽くして取り組んでおります。  この振興を図るためには、二、三の点についていま配慮をいたしておりますので、考え方を申し上げたいと思います。  まず第一に、研究開発投資の大幅な増大を図る。すなわち、研究費の対国民所得比で当面二・五%、長期的には三%まで増大させよう。御存じのように、五十四年度におきましては二・二九%でありまして、これをどうしても三%ぐらいまで持っていきたい。さらに国の投資率を、現在は三〇%弱、二七、八%だと思いますけれども、ヨーロッパの先進国並みに五〇%までこれを引き上げることを目標といたしております。  それから第二番目に、科学技術政策の最高審議機関であります科学技術会議の総合調整機能というものをもっと強化すべきである。本年度創設されました科学技術振興調整費の積極的活用に努めるということなどは、実は大きな柱といたしておるわけであります。  第三番目に、外国からの導入技術への依存から何とかひとつ脱却して、自主技術の育成をやっぱり図らねばならぬと思います。産、官、学の有機的連携を強化いたしまして、国際協力の積極的展開、人材の確保、こういうことにもやはり力を尽くしていくことが大変大切であるということで努力をいたしておる次第であります。  科学技術庁といたしましては、いま述べましたような基本方針に従いまして、原子力を初めとするエネルギーの研究開発の推進や宇宙、海洋、航空、それとライフサイエンス、先導的な基盤技術の推進に努力をいたしておるところであります。  さらに、国民の理解をさらに得るために、国際科学技術博の開催を昭和六十年にぜひ実施したいということで、各省皆様方のお力を賜わって現在推進をいたしております。  最後に実は一言申し上げたいわけでありますが、私はことしの三月中旬にOECDのCSTP、科学技術政策委員会の会議に出席さしてもらいました。世界のOECD加盟国は、いまインフレと失業苦にあえいでおります。苦しんでおるわけでありますが、これを打開するためには、何としても科学技術の振興を図って少しでも優位な態勢をとりたいというのが二日間の会議を通じて、最後には宣言という形であらわれましたけれども、各国の事情はありましても、このことが実は大変強調されたわけであります。私は、いまの日本の科学技術、イノベーションを含めましたレベルというのは必ずしも劣っておるとは思っておりません。ある程度世界の各国から、日本という言葉でもって、いままでずいぶん進んでおるという言葉も中では聞かれたわけでありますけれども、しかし、われわれがいまこれを怠るならば、とても二十一世紀には生き残れないという感じを実は深くしてまいりましたので、先生の御趣旨を体しまして、ひとつさらにわれわれ力を合わせて努力いたしたいと思っているところであります。

田名部匡省自由民主党

○田名部委員 先般私は、名古屋大学のプラズマ研究所、京都大学のヘリオトロン、大阪大学のレーザー光線の研究をしているところを視察をさしていただきました。日本は自前のエネルギーの開発をしないことには、原子力に頼っておっても、このウランも油と同じような結果になるだろうといたく感銘をして帰ってまいりました。  ところが、行って驚いたことには、名古屋大学のプラズマ研究所のあの施設、建物、世界の、ソ連等からも研究に来ておるようでありますけれども、まことに質素でお粗末なのにびっくりしたわけであります。いま政務次官おっしゃるように、日本の研究費にかけるお金というものは——いまや世界の先進国は日本なんです。かつては欧米が先進国だということで努力してまいりましたけれども、いまはもう日本が、よそから見たら世界の先進国だ。その先進国が果たす役割りというものは大変重要だということから、時間がございませんので、この核融合エネルギーの研究の今後の課題といいますか、これには何といっても予算だろうと思うのです。年間十四、五兆円も油代を払うというこの日本の現状から、何としてもこれに予算をつけて、承りますと四兆円程度なんだそうであります、これを成功させるためには。そしてこの先生方の言うには、もう年であります、もう三十年くらいかかるであろう、十年後には見通しを立てたい、そのためには後継者を養成していただかぬことには、私どもは三十年もかかってこれを研究するというわけにはまいりません、こういうことを言っておられました。私もそのとおりだと思います。最後に政務次官の御所見を承って終わりたいと思います。

高平公友自由民主党・自由国民会議科学技術政務次官

○高平政府委員 田名部先生いみじくもおっしゃっていただいた、大変実はわれわれも大きな力強さを感じておる次第であります。  ただいまのところは、日本にとりまして代替エネルギーの完成といいますか、代替エネルギーの発展というのは、あらゆる面で日本の今後の発展に大きく影響をすると思っております。ことにただいまは原子力、石炭等のエネルギー開発に努めておりますけれども、しかし、これらも資源におきましてはやはり先生おっしゃいますように有限なんです。そういう面からいいますならば、やはり核融合エネルギーというのは、実用されました暁には半永久的なエネルギーを供給することが可能となるわけでありまして、この実現に大きな期待が寄せられておる次第であります。  今後のわが国のこの核融合エネルギーの見通しにつきましては、ただいま日本原子力研究所が技術的に最も有望と言われておりますトカマク方式の研究開発を強力に進めております。中核的装置でありますところの臨界プラズマ試験装置でありますJT60、この建設途上にあるわけであります。本来は思い切って金をかければいいわけでありますけれども、限られた予算でありますので、年次的にこれらの建設に努力をいたしております。  この装置は世界的に最先端にあるわけでありまして、アメリカやソ連、日本、こういうところでしのぎを削ってこの研究開発に努力をいたしております。しかしながら、実験炉、実証炉、こういう開発の段階を経ていかねばなりませんし、相当の期間というのはこれからやはり必要でないかと言われておるわけであります。  各大学におきましては、いまのお話にもありましたけれども、トカマク方式以外の核融合の方式につきまして研究が進められておりますが、現在ではトカマク方式が世界的にも最も進んだ段階であるのに対して、他の方式についてはまだ基礎的段階にあると言われておるわけであります。実用化に至るまでには実は多くの課題があるわけでありまして、予算の問題それから多数の人材、期間的なもの、そういうものがありますけれども、しかし考えてみますと、何としてもこの大目的には全力を挙げて直進すべきことが大変大切であると考えております。日米核融合研究協力等の国際協力の推進を図りまして、早い時期に、二十一世紀の早い時期ということをわれわれは研究者からお聞きしておるわけでありますが、最短距離でこの開発に努力をするようさらにお力を賜りまして、全力を尽くしたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

田名部匡省自由民主党

○田名部委員 どうも大変時間オーバーしたようでありまして、これで終わらせていただきますが、実は文部省にも予算と後継者の問題でおいでいただいておりますが、時間の関係で大変失礼いたしました。機会を見ましてぜひこの問題をまた質問させていただきたいと思いますので、そのときにひとつお願いしたいと思います。きょうは大変ありがとうございました。終わります。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 議事進行に関して発言を求めたいと存じます。  先刻の瀬崎委員の発言の中で、けさの理事会で自由民主党が瀬崎君の質疑に対して干渉した旨の発言がありましたが、われわれとしては見過ごせない発言であり、今後の理事会のあり方を含め問題といたしたいと思います。速記録の調査等もありますので、委員長においてしかるべく善処されますよう強く要望しておきます。

中村弘海自由民主党

○中村委員長 次の理事会で協議をしかといたします。

瀬崎博義日本共産党

○瀬崎委員 議事進行について発言。  私の先ほどの質問については、ただいま与謝野委員から苦情が出ましたが、不当な内容を含むものでは一切ありません。したがって、改めて理事会で協議をいただくような不穏当な内容がないわけでありますから、委員長として公正な処置をとられるように強く求めます。

中村弘海自由民主党

○中村委員長 公正な処置も含めまして、理事会で協議いたします。      ————◇—————

中村弘海自由民主党

○中村委員長 この際、御報告申し上げます。  本委員会に付託になりました請願は、マリアナ諸島近海への放射性廃棄物投棄反対に関する請願及び核廃棄物の太平洋投棄計画反対に関する請願二件であります。両請願の取り扱いにつきましては、先ほど理事会において協議いたしたのでありますが、委員会での採否の決定は保留することになりましたので、さよう御了承願います。  なお、本日までに本委員会に参考送付されました陳情書は、科学技術政策に関する陳情書外一件であります。      ————◇—————

中村弘海自由民主党

○中村委員長 閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。  科学技術振興の基本施策に関する件  原子力の開発利用とその安全確保に関する件  宇宙開発に関する件  海洋開発に関する件以上の各件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶものあり〕

中村弘海自由民主党

○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中審査のため、委員派遣の必要が生じました場合、派遣委員、派遣地及び期間並びに議長に対する承認申請の手続等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶものあり〕

中村弘海自由民主党

○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本日は、これにて散会いたします。     午後一時五十八分散会

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