科学技術委員会 第7号
- 発言数
- 214 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/04/07
会議録
○中村委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 科学技術振興の基本施策に関する件について、本日、参考人として動力炉・核燃料開発事業団副理事長金岩芳郎君から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○中村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。日野市朗君。
○日野委員 日本原子力発電の敦賀の発電炉において事故があったということが新聞紙上報ぜられております。しかもこの事故は、新聞の報道によりますと、どうも正規のルートを通してこの事故の発生が一般に知られるようになったのではないような様子であります。私、この事故については、事故そのものの内容もさることながら、この事故が一般に知られるようになった経緯に非常に重大な関心を払わざるを得ないと考えるところでございます。それで、新聞紙上報ぜられるところによりますと、敦賀の発電所の炉の給水加熱器の故障であるというふうに報ぜられておりますが、この事故の内容はどのようなものであったのかという点を伺いたいと思います。概括お話しいただきたいと思います。
○平田説明員 御説明申し上げます。 第一点の、この事故が一般の普通の情報ルートを通じて出たのではないのじゃないかというお話でございますが、私どものところに、本年の四月一日の午後でございますが、原電の敦賀の発電所で、第四給水加熱器が故障したまま、応急修理をして使っているのではないかという情報がもたらされたわけでございます。私どもも直ちにこの点、事情を調べるべく調査を開始いたしましたら、その夕刻になりまして、その情報がおおむね事実であるということが判明いたしました。そういうことで、第四給水加熱器の故障が事実であるということが大体判明いたしましたので、敦賀の発電所の運転を停止するように指示いたしまして、それと同時に、現地に私どもの職員を派遣いたしまして、事実関係について詳細な調査を現在実施しているところでございます。 これまでの調査結果によりますと、五十六年一月十日及び一月二十四日の二回にわたり同発電所の第四給水加熱器B系統に蒸気漏れが発生した事実があったこと、それから、蒸気漏れ防止のため一月十四日及び一月三十一日から二月一日の二回にわたりまして補修工事を行っていること、これらの事実につきまして、現地に派遣されている運転管理専門官及び当庁に対して報告が一切なされていなかったことという事実が判明しております。 以上でございます。
○日野委員 第四給水加熱器の故障であったということでありますが、その故障は、第四給水加熱器に二カ所にわたって亀裂が生じた、そこから第一次の冷却水が漏れ出した。当然これは放射能を含む冷却水が漏れ出したという事故であると理解するわけでありますが、それで間違いございませんでしょうか。
○平田説明員 先生御指摘のとおりでございます。
○日野委員 そのような事故が生じた場合、これは原子炉設置者である原電としてはどういう処置をとることが要求されるわけでしょう。
○平田説明員 御説明申し上げます。 通常の場合でございますと、法律に基づきまして事故の報告をいたしまして、仮にその事故の故障を直すということになりますと、所要の手続をとりまして、検査が必要な場合は検査を受け、これを修理するということになるわけでございます。
○日野委員 これらの報告は一切なされなかったわけですね。そして、もし報告があったとすれば、通産省側としてはどのような指導をするということになりますか。
○平田説明員 今回の件は報告は一切なされなかったわけでございます。それから所要の手続も一切とられていなかったわけでございますが、仮にこの件につきまして報告がなされていた場合につきましては、一次冷却系統が流れている機器のクラックでございますので、当然それを直すべく、仮に停止する必要があるならば炉を停止いたしまして補修をするということになるわけでございます。
○日野委員 本件事故の程度は、現在立入検査中でまだ詳細はおわかりにならないかなというふうにも思うのでありますが、一般に報ぜられているところによりますと、すでにそこから一次冷却水が漏洩しているというような事態であれば、これは早急に事故の内容を把握して、この炉を停止して、そして修繕をしなければならない事故だ、当然そうなるのじゃないかというふうに私思うのですが、いかがですか。
○平田説明員 私どもは、今回の給水加熱器の事故は軽微なものとは考えていないわけでございます。給水加熱器というのは、タービンから抽気で給水を予熱するものでございまして、沸騰水型炉では、給水加熱器胴側のクラック発生による漏洩物には放射性物質が含まれております。原子力発電所の安全性確保の観点から、当然所要の対策を早急に講じなければならない性格を持っておりますから、先生御指摘のとおりだと思います。
○日野委員 この給水加熱器ですね、これそのものが大きく破断するというような可能性をも秘めた事故というふうに理解すべきだと実は私は思うのであります。この材質は炭素鋼でございますね。そうすれば、炭素鋼とステンレスとの間に放射能によって材質変化を来したのではないかと疑う余地のあるクラックが生じたということは、他の原子炉でもこれは経験のあるところで、炭素鋼の強さといいますか、そういったものにかなりの問題があるような感じもするのですが、いかがでしょうか。
○平田説明員 お答え申し上げます。 現在調査した結果は、当該クラックは、先生御指摘の炭素鋼、これは材料はSB49という材料でございますが、これの溶接部の周辺で発生しております。 私どもがこういうようなクラックにつきまして勉強いたしました結果では、急激な破壊のメカニズムとしては、低温の脆性破壊と急激な延性破壊がございますけれども、この当該給水加熱器の使用温度は百七十度C程度でございまして、当然低温脆性破壊というのは考えられないわけでございます。また、給水加熱器の胴の肉厚が均一にきわめて薄くなった場合、たとえば一ミリ程度になりますと急激な延性、延びる破壊というものも考えられますけれども、この給水加熱器の胴の肉厚は十ミリ以上はございますので、急激な延性破壊も考えられません。したがいまして、急激に割れるというような性質のものではないと考えております。しかしながら、放射能漏洩を防止するという観点からいたしますと、原子炉をとめて修理すべきものと考えております。
○日野委員 このような事故、これはどう見でもやはり軽微な事故というふうに見るわけにはまいりませんですね。非常に大きな、大口径な破断に至る可能性すらあるんだろうと私は思います。これは今後の調査にまちたいと思います。 それに対して原電側としてはどういう処置をとったのでしょう。これは報ぜられるところによりますと、まずたたいて割れ目をふさいで、それにはち巻きでもするように応急手当てをしたというように聞いているわけでありますが、どのような手当てがこれになされていたのか、教えてください。
○平田説明員 御説明申し上げます。 故障は、先ほど申し上げましたように二回ございます。まず、一月十日の方の故障に関しましては、漏洩を発見した後、一月十四日に、別の事故で原子炉が停止している機会を利用いたしまして、蒸気漏洩個所の修理を行いました。これは同じような鋼板を使いまして、技術的用語で申し上げますと、当て板すみ肉溶接と申します方法で上を当て板でふさいだということでございます。 それから第二回目の方の故障、一月二十四日に発生した故障につきましては、前回修理部の付近よりやはり同じように漏洩を発見したわけでございますが、その漏洩の原因となった亀裂、クラックの周辺をコーキングという形でたたきましてつぶして、漏洩をとめました。これで漏洩はとまりましたが、なお安全を期すために、その後特殊な漏洩防止剤を塗りまして、その上を石綿で巻いて、さらに鉄のたがを巻いたという形で修理をし、その後二カ月にわたってこの給水加熱器を使用してきたわけでございます。
○日野委員 本来であれば、その亀裂が生じてそこから蒸気が漏れる、水が漏れるという状態になれば、これは大体この給水加熱器全体にわたってそのような状態が起こり得る可能性があるというふうに考えるのが普通ですね。そうしますと、これは全部とめて、この給水加熱器全体を点検し直すという必要があるのではないのでしょうか。
○平田説明員 御説明申し上げます。 当該給水加熱器の故障は、給水加熱器の溶接部ではない一般の肉の本体というところに亀烈が生じたのではなくて、溶接線の周囲に生じたものでございまして——もちろんこれは今後の詳しい調査をしてみないとわかりませんが、溶接部における何らかの影響部において発生したクラックであろうと考えております。したがって、胴体全体が減肉しているというようなことで発生したクラックとも本質的に違うのじゃないかというふうに現在のところ考えております。 それから、原子炉を停止して修理をしたということにつきましては、この給水加熱器、これが二系統、三系統あって、仮にその一系統だけを分離して、バルブで締めて隔離して、出力をその分だけ下げて修理することができたといたしましたら、私どもは当然そういう指示をしたと思います。しかし、今回の場合にはこの系統を分離して修理することがバルブその他の配置状況からいきまして不可能でございまして、これを修理するためには停止して修理する必要があるだろう、調査するに当たっても停止して調査する必要があるだろうということで、私どもは停止を指示したわけでございます。
○日野委員 この応急的な処置ですが、との処置そのものが、本当はこんなことをやっちゃいけないので、きちんと報告をして、そして万遺漏なきを期すべきだったのだと思いますが、報告も何もせずに応急的な処置をやったということなんですね。その処置そのものは、これはどうなんでしょう、その処置としては技術的に間違いのなかったものかどうかという点、おわかりになりますか。
○平田説明員 御説明申し上げます。 さらに詳細な調査を進めないと正確なことは申し上げられないわけでございますが、第一回の修理と第二回の修理とございます。現在までの検討のところでは、手続上の問題、要するに検査を受けないで使用したというような点につきましてはもちろん問題はございますが、第一回目の修理につきましては、修理方法自体が、世の中の技術において客観的に見た場合に妥当か不当かと言いました場合に、不当とは言えないものと考えております。第二回目の修理につきましては、仮にこれをしなければあるいはとんでもない大事故に波及するというような場合に応急的にとる措置というふうに考えた場合には、こういう処置も場合によっては認められるかもしれませんが、今回のごとく恒常的に使用する、二カ月間その後通常の運転として使用したわけでございますが、そういう観点で考えます場合には、当然技術基準に違反する疑いのある方法であったというふうに私ども考えております。
○日野委員 当該原子炉は四月一日から定期検査に入ることになっていたようでありますが、一月というともうわずかな期間だから何とか乗り切ってごまかしてしまえというような気持ちがこの原電の担当者には恐らくあったのではないかというふうに私にはどうも思えてならないのであります。現在までの調査の結果いかがでしょうか。 それからもう一つ。これはやはりこれだけの処置をするのですから、責任上原電のかなり上の方まで一応相談をしてとられた処置であろう、かなり上の幹部の方も、それまでは何とかそうやってしのいでおけというような指示を与えたのではないかというような感じが実はするわけであります。これは後で原電を呼んで聞くわけでありますが、いままでの調査の結果ではそこいらの点はどうでしょう。おわかりになりましたか。
○平田説明員 御説明申し上げます。 現在までの調査のところ、先生の御指摘の……
○中村委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○中村委員長 では、速記を始めてください。 平田課長。
○平田説明員 御説明申し上げます。 現在までのところ、起こった事実関係の調査が重点になっておりまして、今後原電の方に事情てんまつ書その他の提出を求めまして、その結果を踏まえまして、先生御指摘の、どういう理由でこういう作業をしたか、それから上部との関係はどうであったかという面についても事実を究明していかなければならないと考えております。いずれにいたしましても、本件についてはきわめて重要でございますので、厳正に臨みたいというふうに考えております。
○日野委員 厳正にということなんですが、これは定検に入る数時間前に停止をさせましたね。この原子炉を停止するという処置をとられたわけですが、その処置はどういう種類の措置なんでしょう。これは定検を繰り上げたということなんでしょうか。それとも、もっと別の性格を持った停止の措置なんでしょうか。
○平田説明員 御説明を申し上げます。 定検は四月一日の二十四時もしくは四月二日の午前零時から開始する予定でしたが、それを私ども指示いたしまして、四月一日の六時四十五分に原子炉停止操作に入ったわけでございます。わずか五時間強早まったわけでございますが、この措置は定検を繰り上げたものではなくて、調査を行うために速やかに原子炉を停止して調査を進めるという目的で停止を指示したものでございます。
○日野委員 この停止は調査のためのものであった、こう言うのですが、ちょうど美浜の一号炉のときに燃料棒の折損事故がありまして、そのとき、当時の科学技術庁長官の宇野さんが非常に激怒をして、ペナルティーをも含めて断固たる措置をとるということで、相当長時間にわたって美浜の一号炉はとまったという経緯がございます。これはそういうペナルティー——ペナルティーという言葉が悪ければまた別の言葉を使ったって構わないわけですが、こういった機械設備の健全性、そういったことについて十二分の確証が得られるまで、またその原電の担当者のモラルというものがきちんとされるまでやはりこの炉をとめるというような措置をもとらないと、こんな甘ったれた状態でこの原子炉を操作されてはかなわぬという感じがするのでありますが、そういうところまで通産としては考えておられますか。
○平田説明員 先生御指摘のような点も踏まえまして、きわめて厳しい態度でこの炉については対処したいと思っておりますし、炉の再開に当たりましても当然その点を十分考慮して進めたいと考えております。
○日野委員 私非常に奇異に思うのですが、通産省から運転管理専門官がここには派遣されているはずであります。これは運転管理専門官も知らなかったから、恐らく本省の方にも連絡をよこさなかったのであろうと思います。何でこの運転管理専門官がこのような重大な事故が起こっているのを知らなかったのでしょう。
○末広説明員 お答えいたします。 当省が各原子力発電所に派遣しております運転管理専門官の職務は、保安規定の遵守状況等をチェックするものであります。具体的な職務の遂行に当たりましては、電気事業者からの報告をベースとしております。今回の敦賀の件のように電気事業者から全く報告のないことまで把握することは実際上困難な状況にあります。
○日野委員 これは大きなギャップがあるわけでございます。報告をベースにしてとおっしゃったのですが、報告を基礎にしてチェックをするんだということでございますが、そうすると報告に信頼性がおけない限り、報告が真実を伝えない限り運転管理専門官は何にもできないというようなことになってしまうわけですね。これはもっと何とかしなければいかぬのじゃないでしょうか。これは考えてみれば、現実にこのような事故が発生して運転管理専門官はこけにされたようなものですね。運転管理専門官が内部までもっときちんと立ち入ったチェックができるようにしておかないと、これはぐあいが悪いんじゃないでしょうか、どうでしょう。
○末広説明員 ただいまお答え申し上げましたように、運転管理専門官の業務は事業者からの報告をベースにして保安規定の遵守状況等をチェックしております。したがいまして、運転管理専門官が報告のないことまで把握することは、現状では実際的には困難であると言えるかと思います。ただ、原子力発電所の運転管理の問題につきましては、電気事業者の自主保安体制と申しますか、電気事業者の自主保安体制との信頼関係と協力のもとに成立するものと考えております。今回の敦賀の件に関しまして今後事情の正確な把握をいたしまして、専門官の現在の業務との対応におきまして何らか検討する余地があれば今後検討してまいりたいと考えております。
○日野委員 今後検討する余地があればということですけれども、もう検討する必要性というのは生まれてきているわけですね。現実にこのような問題が起こってしまった。しかも、事故が起きたということは残念ながら正規のルートを通して知られたわけではなくて、いわば内部告発とかそれに類するようなことでしかこれは知り得なかった。こういう状況が各地の発電炉で起こっているとしたらこれはゆゆしいことですけれども、これは起こっていないと断言することはもはやだれもできなくなったと思います。敦賀で現にこうだったではないか、おまえのところでも何かあるだろうと言われる。こういう場合は普通は何かあるという方が、そのことを指摘するのが本当なんですけれども、正規のルートがふさがれている、どこかで詰まってしまっている。そうすると、もう常に何かがあってそれが隠されているという蓋然性、これは非常に大きなウエートを持ってみんなの上にのしかかってこざるを得ないと思うのです。こういう国民多のくの疑惑、特に原子炉の周辺住民の疑惑というものは、ぬぐい去ることはできないだろうというふうに思うのです。ここらについてきちんとした処置をとって常に監督者の目が行き届く、このような何か機構的な担保をぜひとも考えなければいけないと思うのですが、どうでしょう。
○高橋(宏)政府委員 ただいま先生御指摘のように、本件は、原子力の理解と協力を求めて進むべき立場のところ、いろいろな疑惑、不信をもたらした、あるいはそういう必然性が非常に強いということは、きわめて遺憾だと思っております。特に私ども、わが国の今後のエネルギー需給の上で代替エネルギーとして非常に重要な原子力を安全第一、国民の理解と協力のもとに進めるという立場にありまして、そのために、御指摘のように私どもは、安全審査、詳細設計の認可、検査、そして特にスリーマイルアイランド事故以降におきましては運転管理の面で格段の対策を立てなければいけないという趣旨に基きまして、特に保安規定の遵守状況、その中身は運転体制とかあるいは補修体制あるいは通報連絡体制等がこの保安規定を中核とする社内安全体制の一環に組み込まれておりますけれども、そういうものを常時発電所において管理監督をする、そういう意味で常駐の運転管理専門官制度というのを設けておりまして派遣しておるところでございます。現在、一発電所一人ないし補助員を入れまして二人でございますけれども、私ども、こういう制度を通じましてこういう運転上あるいは補修といった日常監督をするために実はそういう制度を設けたわけでございます。私どもは、地域の要望もありまして特にこの人員の増加という措置もとっていただきまして必死にやっているわけでございます。こういう職務は現場におきまして被曝を伴います監督管理行政でございまして、その点はある意味では慎重を期して労務管理等も十分考慮しながら進める、こういう点でも神経を使うものでございます。 いずれにしましても、そういう中で実際にどういう仕事をしているかということをもう少し具体的に申し上げますと、何しろ発電所といいますのは何十何万という部品からできておりまして、いろいろなところにそれぞれの重要性を持っているわけでございます。そこで運転管理専門官の仕事としましては、毎日発電所側から、きょうはどういう補修点検計画があるか、あるいは運転状況を考えるのか、出力はどうかといったような計画表を求めましてそれを見るわけでございます。と同時に、昨日どういうことをやったかという記録表をチェックするわけでございます。その中から重要事項について重点的に点検調査をする、そういう日常の繰り返しというぐあいに考えていただいたらいいかと存じます。必要に応じてそういう中から現地パトロール調査といったことをやるわけでございますが、そういう勤務体制が私どもとしましてはできる精いっぱいだというぐあいに考えております。 今回こういうことになりましてきわめて残念でございますが、いろいろ聞きますと、その際に発電所側からのそういう日誌、計画表等に今回のことが記載されていなかった、そういうものが見せられていなかったということが、調査によりますとどうも現在まであったようでございます。そういうことで結果的に私どもが知り得なかったということでございまして、これは先生御指摘のように、こういうことでは困るじゃないかということは十分わかるのでございますけれども、さりとて私どもが、それでは何十何万というところを全部カバーすることもいきません。まあ精いっぱいやっているつもりでございますが、なお今後の、保安規定を中心とします社内の体制と見合いまして、私どもの専門官の職務等につきましてもできる限りの措置はしていくつもりでございます。そういうことでございますので、それにつきましては、もう少し調査の結果を待っていただきたいと思うわけでございます。
○日野委員 いまの答弁は、私伺っていて、非常に苦悩に満ちた答弁であるというふうに思いますね。実際そうなんですよ。これは苦悩がないはずはないのでして、精いっぱいやろうと言ったって、大体この第四給水加熱器のところまで入っていってそれを見るということは、これはもうできないわけでございますね、これは放射能のレベルの高いところでございますから、そうすると、当然そこには一つの限界が出てくる。一方の原電側はどうかと言えば、この原子炉をどんどん回して電気をつくってこれを売るという営利的な目的がございますし、それに国の方針、国の原子力政策としても、どんどんどんどん原子力を推進するという政策によってけつをたたかれるというような状況になりますと、そこに勢い大きな空白な部分が出てくる。これはもうだれが考えてもわかることであります。実は私は、ここらに原子力政策としても、政策の推進の前に非常に大きく立ちはだかってくるものが、バリアのようなものがあるような気がするわけであります。 私、この種の事故、これは事故の内容のことを言っているのではありませんよ、原子炉を運転する者と、それからそれを監督する者との立場の大きな空白の部分があるような、そういったい種類の事故というものはこれが初めてではないわけでありますね。今回は内部告発によってわかった。そして美浜一号炉の場合もこれは定検のときにわかって、それを関電は隠そうとしたけれども隠し切れなかった、こういうような事故が相続いているわけですね。それに私は「チャイナ・シンドローム」という映画なんかも、実にこの事故に非常によく似たケースとして鮮明にいま思い出すことができるのでありますが、このようなことを一掃することができると通産省の方ではお考えですか、どうですか。
○高橋(宏)政府委員 私どもは、エネルギーの安定供給上、原子力発電所は、安全確保を前提として必要である、推進しなければならないというぐあいに考えております。そして、その安全確保はこういう試練があるわけでございますが、私は、結論から申し上げますと、この試練を乗り越えて安全確保の体制をさらに万全にしていきたいと考えております。 いま御指摘のように、重大なギャップとお話しされましたけれども、私どもは、そこのギャップをどういうかっこうで今後埋めていく措置をとるかということは真剣に考えていきたいと思います。私は、恐らくその接点は、保安規定を中心とした、あるいはその遵守義務を中心とした法律制度、それを頂点とする社内の保安体制、責任体制、この調和といいますか、ポイントをどういうぐあいに管理監督していくか、あるいは会社に責任体制の確立を求めていくか、この辺に一つのポイントがあろうかと思っております。原子力発電株式会社がどういうプロセスで今回のような事態に至ったか、やったかということにつきましては、先ほど答弁いたしましたように今後十分詳細な事情聴取をしていきたいと思っておりますが、そういう中から、より十分な体制を検討していきたいというぐあいに考えております。
○日野委員 いまの御答弁は精神論でございますね。それは精神論が現実にどのように実現されていくかというと、私は、見通しとしてはかなり暗いのじゃないかなと実は思っていますね。片方には金の論理が働き、それから原子力推進の大合唱をどんどん聞かせられるというような中で、現場としては、特にこの原子炉を扱いなれた技術者なんかの中には、この程度のことはこんなふうにやっておけば、こういう環境の中でそう大きく責められることもないのではないかというような甘えがあったりする、そういうこともあろうかと思います。 それで、この問題については、きょうの質問は、通産の方でまだ十分な調査も進んでいないという経過的な段階でありますから、通産の方には、きょうのところはこの程度にしておきたいと思いますが、実はこの加熱器の溶接なんかについては、すでに下請の関係や何かも含めてずいぶん多くの疑問が提起されていることは通産も御承知だろうと思いますし、私、また通産省にも来ていただいて、いろいろそれらの点についても十分聞いてまいりたいと思いますから、その点は逐次用意をしておいていただきたいというふうに思います。 それで、これは科学技術庁の方にどうしても聞かなければいけないわけであります。 私、さっきから、監督者と原子炉を運転する者との間に大きなギャップがあるというふうに指摘をいたしました。どんなに監督する側ががんばってみても、片方では利潤を上げなければならないという要請がある。原電のみならず原子炉を持っている諸電力会社の方には利潤を上げなければならないという大原則があります。こういうところで大きなギャップが出てくる。そうして、この原子炉というものの性格上、監督者がどこにでも入っていってこれを見るということはできない。しかも、何万点という機器が重要な役割りを持ってこの原子炉の中に統合されて一つの原子炉として機能しているわけでありますから、こういうところでこういう事故がまた起きた、原子炉の運転者の側は、これを隠し通しに隠してしまうというような危険だってこれはもう十分に、かなりの高度の蓋然性を持って考えられるところなのであります。 原子力委員長としての大臣は、これからの原子力政策を考えるに当たっては、そこいらのギャップをどう考えるか、これはぜひとも御意見をお聞かせいただきたいのですが、まず、どの程度にこの事故を受けとめておられるのか、そして、このような行き違い、行き違いと言うには余りにも故意的な事故の処理であったわけですが、私に言わしていただければ、これは過失犯とかなんとかではなくて故意犯ですよね。故意にこの事故を隠し通そうとしている。こういうことがまた起きる可能性は幾らでも考えられる。そういうことにどういうふうに対処していくのか。それから、そういう可能性があるという中で、これからの原子力政策として発電炉、これは発電炉ばかりに限らないことでありましょうが、まず発電炉について伺っておきましょう。発電炉についての安全性は、十分に国民がきちんと信頼できるような、その信頼を担保できるような処置がとり得るのか、それらについて伺います。
○中川国務大臣 このたびの原子力発電所敦賀における事故については、まだ全貌ははっきりいたしておりませんけれども、いま通産省が第一義的に対応いたしております。逐次報告は受けておりますが、まだ全貌が明らかになっておりません。全貌とまた対応が明らかになった段階で、原子力委員会としてはどう対応していくかということになろうと存じます。 御指摘の原子力発電が利潤を追求するものであるから安全を無視して法を免れてやっていくということは許されないではないか、全くそのとおりだと存じます。原子力発電において一番大事な点は安全性を確保する、こういうことでございます。もしそういった点を無視していくと、ひいては稼働率が悪くなったりあるいはいろいろとまたむずかしいことが出てまいりまして、利潤の面においてもマイナスの方向に働いていく、利潤を確保する上から言っても安全性は大事にしていかなければいけない、こう思っておりますので、今回の問題を契機として、安全性についてさらに国民の皆さんに納得がいくよう最善の努力をして原子力行政を推進してまいりたい。あくまでも安全性が第一である、こういうことで取り組みたい、こう思っております。
○日野委員 おっしゃることはよくわかりませんけれども、またこの問題についてはおいおい伺いますから、そのおつもりでお願いしたいと思います。 それから、安全委員会としてのこの事故に対する考え方、それから、この事故に対していままでどのような行動をとられてきたか、概括的に話してください。
○赤羽政府委員 商業用の原子力発電所の規制に関しましては、すべて通産省が監督に当たるという形になっております。事故や故障がありました場合、通産省から概要を聴取するということになっておりまして、その結果、特に意見があれば申し述べるというのが安全委員会の立場でございます。現在、通産省の調査がされておるということでございですので、その結果を待っているわけでございます。
○日野委員 これは一刻もゆるがせにできない問題でありますから、十分にくぎを刺しておきたいと思うのでありますけれども、一たん原子炉が設置されて動き出したら、これはもう通産省のやることでございまして安全委員会の方では一切関係ございませんというわけにはちょっとまいらないのではないかと思うのですね。原子力安全委員会が設置されるということの法改正が行われたときに、安全委員会としてはどこまでのことをやるのかということについてはずいぶんこの委員会でも論議をしたわけでございますね。いまの赤羽さんの話を聞いていると、あとは通産省がやることで、こっちはその報告だけ聞いていればいいというふうに聞こえましたけれども、そのように受け取ってよろしいか。
○赤羽政府委員 当時の附帯決議をいただいたいきさつもございます。その後、安全委員会といたしましては、単に安全審査をするというだけではなくて、その後に至るまで重要な事項については一つ一つチェックをし、必要に応じて意見を述べるということを実行してきております。本件に関しましても、現在通産省が現地で詳細な調査を行っておりますので、その結果を待ちまして、申し述べるべきことがあればそのときに総合的に考えるということでございまして、ずっと関係なしに通産省だけに任せるということではございません。
○日野委員 時間の問題がありますから、きょうはこの程度にとどめておきますが、なお後で逐次この問題についてはいろいろ質問をいたしたいと思います。そのことだけお話しして、きょうはこれで終わります。
○中村委員長 草野威君。
○草野委員 私は、原子力の平和利用と核不拡散の問題につきまして何点か具体的に伺いたいと思います。 初めに政府に伺いますが、原子力の平和利用と核不拡散を両立させることがわが国の原子力政策の基本である、このように思うわけでございますけれども、まず、この点について政府の見解を伺いたいと思います。
○石渡政府委員 先生ただいまお述べになりましたように、原子力の平和利用と核不拡散、この二つの要件を両立させるというのがわが国の原子力政策の基本と考えております。 先生御案内のように、昭和三十年に制定されました原子力基本法に基づきまして、わが国の原子力の研究開発、利用は平和目的に限って進めてきているところでございます。 また、核不拡散の観点につきましては、昭和五十一年に核兵器の不拡散条約、私どもNPTと通称しておりますが、これを批准いたしまして、わが国の原子力の平和利用に徹する姿勢を内外に明らかにしているところでございます。 一方、国際的な通念といたしまして、原子力の利用につきましては常に軍事への転用という懸念が持たれているということは事実でございます。これにつきましては、NPTの体制というものを十分評価いたしまして、適切な保障措置の適用等によりまして核不拡散と原子力の平和利用の両立をさせることは可能であるというふうに考えているわけでございます。この考え方につきましては、昨年二月に終了いたしました国際核燃料サイクル評価におきましてもこの考え方は正しいというふうに追認、確認されたというふうに私ども理解をいたしております。 INFCE後におきましても、核不拡散と平和利用との両立を一層確実なものにするという国際的な努力が続けられております。こういう核拡散防止のための国際的な活動につきましては、わが国といたしましても積極的に協力し、また参加をしていく、こういうことを通じまして、反面、原子力の平和利用の円滑な推進に支障のないように対処してまいりたい、このような方針で臨んでいるところでございます。
○草野委員 いま原子力局長から御答弁いただいたわけでございますけれども、今度の国会の冒頭において中川長官の所信表明を伺いました。あれを読んでみますと、原子力の研究開発、利用の推進、この点については非常に強調されていらっしゃるわけでございますけれども、いまお話のあった核不拡散という問題につきましては一言もお触れになっていないわけでございます。これは何か特別な意味がおありになるのでしょうか。
○中川国務大臣 特別な意味はございません。もう言うに及ばずということでございまして、そういう疑いもありませんし、そういう気持ちもさらさらない、こういうことで触れてなかったわけでございます。
○草野委員 そうであろうと思いますが、わが国としましては核不拡散のためにどのような協力を行っていますか。
○中川国務大臣 これは核不拡散条約に積極的に参加をし、あるいは国際機関の監視を受ける等、絶対に核は拡散させない、こういう基本方針であることはあらゆる段階で内外に明らかにし、そういった方向で措置をいたしておるところでございます。
○草野委員 通産省に伺いますが、いま大臣から御答弁ありましたけれども、わが国から外国に核原料物質、核燃料物質、また原子炉等の原子力関係の資材の輸出に際しても、当然核不拡散という立場から厳重なチェックをされていると思います。具体的にどのような形で規制をされておりますか。
○田辺説明員 核原料物質、核燃料物質あるいは原子炉等原子力関連資材につきましては、輸出貿易管理令に基づきまして要輸出承認品目として、これは輸出地のいかんを問わず、通産大臣の承認にかからしめております。承認に当たりましては、先生御指摘のございましたように、原子力基本法それから核不拡散条約の精神に照らしましてきわめて厳重な取り扱いを行っているところでございます。
○草野委員 昭和三十七年の原子力委員会の決定によりますと、わが国が外国の原子力利用に関係する場合にも、平和利用に限るという原子力基本法の精神を貫くべきである、このように書いてありまして、輸出に際してもこの方針で臨むこととする、こういうふうになっております。いま通産省からお答えございましたけれども、この原子力委員会の決定は、ただいまお話のありました輸出貿易管理令などに十分に反映されているかどうか、どのようにお考えになっていますか。これは大臣にひとつお答えいただきたい。
○石渡政府委員 昭和三十七年の原子力委員会決定は、わが国が行います原子力に関する輸出についても、国内におきます平和利用の精神と同様に平和の目的に限るという考え方が適用されるべきであるということを表明したものでございます。輸出規制法令といたしましては、御指摘のように輸出貿易管理令がございます。原子力委員会決定の内容は、この管理令の規則に十分反映されているものと承知をいたしております。
○草野委員 大臣に伺いますが、今度の国会では、武器の輸出禁止法案、こういうものをめぐってさまざまな論議があったわけでございます。武器輸出三原則、またその政府方針、こういうものがいろいろと問題になったわけでございますけれども、核不拡散という立場からいけば核兵器もこの中に含まれるのは当然だ、このように思いますけれども、長官のお考えはどうですか。
○中川国務大臣 全く例外なくその範疇に入るものと存じ、慎重に対処してまいりたいと存じます。
○草野委員 そこで、さらに伺いますが、昭和五十一年の武器の輸出に関する政府の見解がございました。この中に、こういうように書いてあります。「武器輸出三原則における「武器」とは、「軍隊が使用するものであって、直接戦闘の用に供されるもの」をいい、具体的には、輸出貿易管理令別表第一の第百九十七の項から第二百五の項までに掲げるもののうちこの定義に相当するものが「武器」である。」こう定めてあるわけですね。しかし、武器の中にはいま長官がおっしゃったように核兵器を含める、こういうことであれば、貿管令においても、当然核兵器の開発装置なども、武器とは何かということで定義をしないと、核兵器は武器輸出の対象から外れてしまうのではないか、こういう気がするわけですね。たとえば貿管令の別表第一の中の八十とか八十五の中には、ウランの濃縮装置を初めいろいろ出ておりますけれども、そういう核兵器の開発の装置を武器の中から外してしまうと対象外になってしまう。そういうことから核兵器の輸出にもつながっていくのじゃないか、こういうような感じがするわけですが、いかがでしょうか。
○田辺説明員 先生御指摘のように核兵器は武器でございます。また核兵器の製造設備も、これは五十一年二月二十七日の政府統一見解に基づきまして、武器製造関連設備は武器に準じて取り扱うということになっておりますので、核兵器製造専用設備も、これは私どもとしては実態上、これが輸出されることは考えられませんけれども、万一ありますれば、武器製造関連設備として取り扱われるということになります。 いま先生御指摘になりました濃縮設備それから再処理設備でございますけれども、これは輸出令上の要承認品目としての武器製造関連設備、これは武器製造にもっぱら用いられる設備を指すものと考えておりますが、濃縮あるいは再処理に関しましては、場合によっては原爆に使用するための高濃縮ウランまたはプルトニウムの生産のために用いられることもあり得るわけでございますが、その専用の設備ではございません。その意味では、私どもといたしましては、濃縮設備、再処理設備は、このような武器製造関連設備には当たらないという解釈をしております。 しかしながら、濃縮、再処理の設備は、きわめて機微な原子力関連設備でございます。先生御指摘のとおりでございますので、核不拡散という観点から、これは原子力基本法及び核不拡散条約の精神に基づきまして貿管令上要承認品目として、その取り扱いについては厳正に規制をしているところでございます。
○草野委員 貿管令の別表第一の八十とか八十五ですが、こういうものについては厳しく要承認品目として規制をしておる、こういうわけでございますけれども、こういうものが軍事目的に使われる場合、また平和目的に使われる場合、こういう区別というものが定かじゃないと私は思いますが、こういう点に関する考え方はいかがでしょうか。
○田辺説明員 私どもとしましては、濃縮装置それから再処理設備の輸出に当たっては厳重にエンドユースと申しますか、利用の方法を輸出者からチェックいたしまして、その上で平和利用の担保それから保障措置の担保等をとりました上で、問題ない場合に許可しております。その意味において厳正な取り扱いをしております。
○草野委員 実は最近こういう問題が起きております。それは三月六日のNHKのテレビの特集でございますけれども、この番組の中で「謎の原爆購入計画・ねらわれた先進国技術 まきこまれた日本企業」こういう大変ショッキングな番組が報道されまして、これは大臣ごらんになりましたか。
○中川国務大臣 テレビは見ておりませんけれども、話の筋だけは聞いております。
○草野委員 私も実はテレビは見ておりませんけれども、話は後で聞きました。きょうは通産省に来ていただいておりますので、いろいろ詳しくこれからお話ししていただきたいと思いますけれども、これは大臣、ある開発途上国のバイヤーが日本の商社を通しまして、ある重電機メーカーに対して周波数変換器いわゆるインバーターの引き合いがあった、こういう話なんですけれども、この点についていろいろとわれわれも関心を持ったわけでございますので、通産省の方からこの事実について御説明をいただきたいと思います。
○田辺説明員 お答えいたします。 先生御指摘の点、事実としてございました。 事実関係を簡単に申し上げますと、これはパキスタンからあるメーカーに対してインバーターの引き合いがあったということでございます。インバーターは周波数変換器と申しまして、これは濃縮の際の遠心分離法によるウラン濃縮にもっぱら用いられるという機械で、回転をさせ回転を調整する機械でございます。このインバーターの引き合いに関しましては、通産省としましては、ロンドン・ガイドラインに基づく各国の情報交換のルートに基づきまして、五十三年の秋ごろ、そういう事実があり得る、パキスタンがそういう引き合いを各国にし得る可能性があるという情報を得ましたので、関係メーカーに対し慎重な取り扱いをするよう注意を喚起していたところでございます。翌五十四年になりまして、あるメーカーが具体的にこのインバーターの引き合いを得たという情報を得ましたので、私どもとしては、この関係企業に対し、原子力基本法の精神、それから核不拡散条約等の国際約束の考え方を強く説明するとともに、本件に関し、そのような立場から慎重な取り扱いをするよう求めたわけでございます。 同メーカーは、実際問題としてこのインバーターが引き合いに応じて生産し得るかどうかやや疑問があったところでございますが、その際通産省の説明もあったことであり、自主的に本件商談を取りやめております。 以上が事実関係でございます。
○草野委員 ただいまのお話の中で、引き合いを受けたわが国の英メーカーですね、これはもう名前もわかっているようでございますが、あえて言いませんけれども、そのメーカーは引き合いを受けた品物をつくることが困難だから断った、こういうようないまのお話だったのですね。 周波数変換器というのはいろいろあると思います。われわれのはめておるクォーツの時計もそうですし、繊維関係の機械にも使われておりますし、いろいろな範囲で使われておる。パキスタンから引き合いがあったそのインバーター、これはどういう種類のインバーターが引き合いがあったのですか。また、その数量はどのくらいの数量の引き合いがあったのでしょう。
○田辺説明員 私ども詳細は把握しておりませんが、かなり周波数の高い、少なくとも濃縮に用いられる可能性の高いインバーターであったと聞いております。 数量については、現在資料を手持ちでございませんので、また別途御説明させていただきます。
○草野委員 かなり多数の引き合いがあった、こういうような話も聞いたわけでございますけれども、私は、この問題はやはりそう簡単に見過ごすことのできない問題じゃないかと思うのですね。もし通産省が知らないうちにこういうものが輸出されれば一体どんなことになったか、こういう観点から考えてみますと、非常に重大な問題ではなかろうかと私は思います。 ということは、これは昨年の十二月八日のある新聞にこういう記事が出ております。これはカナダからパキスタンに対して核兵器開発装置が密輸された、そして技術者ら三人が逮捕された、こういうような記事が報道されております。これをちょっと読んでみますと「この事件がきっかけとなり、ことしに入ってパキスタンに送られたことが判明した米国製のエレクトロニクス装置、部品は、ウランを核兵器に使えるまで濃縮したり、核兵器部品製造の精密な工程に必要な電力供給のため使われる複雑なインバーターの一部。パキスタンは核兵器開発を否定しているが、九月にはラワルピンジ近くでプルトニウム再処理のための秘密工場の建設が伝えられ、米情報専門家は、同国が一九八一年秋に最初の原爆実験を行う可能性がある、」こういうような記事が出ておるわけですね。われわれもこういう記事を読んで、こういう引き合いの話と結びつけて、なるほどなという感じがしたわけです。 きょうはこの問題についてこれからちょっと伺いたいわけでございますが、その前に、きょうは動燃さんに来ていただいておりますので、動燃さんにちょっと伺いたいわけでございます。 わが国の場合は、動燃の人形峠の工場におきましてウランの濃縮事業の開発がいま進められている最中ですね。いただいた資料によりますと、パイロットプラントの第一運転単位、OP1というのが四千台の遠心分離機を使って昭和五十四年からすでに運転を開始している、第二運転単位のOP2というのが三千台の遠心分離機を使って、これがことしの秋ごろから運転開始する予定になっている、こういうことで商用ブラントは昭和六十四年から運転開始、こういう計画が説明されております。 さらに、いただいたパンフレットを拝見してみました。科学技術庁からもいただいたわけでございますけれども、これによりますと「核燃料の製錬・転換の技術開発とナショナル・プロジェクトでウラン濃縮技術の完成をめざしています」ということでいろいろ書いてありますけれども、これを見てわれわれが一番注目するのは、ここに出ている酸素ボンベに似たような、これが遠心分離機だそうでございますけれども、私、まだ工場に行ったことがございませんからわかりませんが、こういう遠心分離機を見まして、これが国家機密に属するような非常に重大なものかなと思って大変驚いているわけでございますけれども、きょうは動燃の方においでいただいておりますので、このウランの濃縮装置について簡単にひとつ概要をまず御説明いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○金岩参考人 御説明申し上げます。 先生大体御説明をお聞きのようでございますが、原理は、天然にございますウランというのを、燃やせるウラン235のパーセンテージが〇・七と少ないものですから、これを約三%に上げる必要があるわけでございます。それを上げるのにいろいろな方法がございますが、遠心分離法というのは、燃えない238と235で若干重量が違いますので、その重量の差を利用してやるわけでございます。それで、ウランを弗化ウランにしましてガス状にしまして、それで遠心分離機の中へ入れまして高速度に回しますと、燃えない238の方が円筒の壁に近い方にかたまり、それから真ん中の方は235の方がパーセンテージが多くなるという原理を使いまして、それで一つの機械だけでは一遍に上がらないので、たくさんの台数で何回もやって、そして実用炉で使う、軽水炉で使います三%ぐらいに濃縮することをやっている次第でございます。 これは開発しますについても、非常に高濃縮になりますと、やはり核兵器にも使われるということもありまして、各国ともそういうノーハウを外へ出しておりません。したがいまして、これを軽水炉をやるために低濃縮も必要だということで、こういうものを全然自主的に開発して今日に参ったわけでございます。 それで、これは一つの単機を開発しましてもその性能が——相当数多く、しかも信頼性と経済性をやるためにその信頼性の試験をやったり、性能の試験をやりまして、それである数量のものができましたのでこれをパイロットプラントという形にいたしまして、先生いま聞きのような人形峠で合計で約七千台、それから容量にしますと、これは濃縮の方で使うのですが、五十トン分離単位、年にそれだけやれる規模のものでまずそういうシステムとしてのデータをとる、それから信頼性をとるということを進めている次第でございます。それをさらに進めて商業プラントに先々役立てていこうというわけでございますが、これを一気にもっていくか、もう一遍中間的な原型プラントというものも必要ではなかろうかということで進んでいるのが現状でございますが、現状そういうことでよろしゅうございましょうか。
○草野委員 どうもありがとうございました。 この写真を見て非常に興味を持っているわけなんですけれども、いま御説明いただいた遠心分離機、これはどのくらいの大きさか全然見当がつかないのですね。どのくらいの径のものか、下の方が見えないのですけれども、どのくらいの長さなのか、この辺のところを御説明いただけますか。
○金岩参考人 御質問ごもっともでございますが、申し上げにくいのですけれども、その寸法それから高さということはまだ公表しないことにしております。ですから、まず現物をごらんいただければ、実感として遠くからでも大体これくらいだなということが御判断いただけるのではないかと思いますが、そういうことで資料にも寸法を出しておりませんし、それから、やっている者が見ればわかるように、写真から寸法が判断できるというようなこともできないように注意した写真を取り扱っておりますので、数字を申し上げることは遠慮させていただきたいと思います。
○草野委員 公表できないということですからやむを得ないと思います。 そうしますと、この遠心分離機を回転させるために周波数変換器、インバーター、このインバーターが装置の一部としてついているわけですね。このインバーターは何ヘルツくらいの周波数ですか。
○金岩参考人 それを申し上げますと大体回転速度がわかりますので、正確な周波数は申し上げるわけにまいりませんですが、先ほど出ておりますような一般の紡績その他に使いますものよりも若干高いといいますか、相当高い周波数が使われるというふうにお考えいただきたいと思います。
○草野委員 この遠心分離機もインバーターも両方とも公表していただけないという重要な機密があるようでございますけれども、この遠心分離機とインバーター、この二つの関係というのは一体どういう関係にあるのでしょうか。関連設備だとか付帯設備だとか付属設備だとかいういろいろな言葉があると思いますけれども、この二つはどういうような関係にあるのですか。
○金岩参考人 このインバーターは遠心分離機を回す専用のものでございます。したがいまして、遠心分離機はこういう速度で回してほしいということであれば、そういうものを正確に回す周波数を出すような設備、周波数変換器でないといけないわけでございまして、しかもそれが余りふらふらしないような安定したものでなければいけないということでございます。したがいまして、現在はその遠心分離機を使うための専用の周波数変換器を製作させております。
○草野委員 そうしますと、ウラン濃縮のために遠心分離機を使う、その遠心分離機と不可欠な重要な部品、こんなふうに解釈してよろしいわけですか。
○金岩参考人 現在は先生おっしゃるとおりだと考えております。
○草野委員 通産省に伺いますが、いまいろいろ動燃の方から御説明いただきました、このインバーターの輸出の問題に対しまして、先ほど通産省のお話によりますと、五十三年の秋ごろ各メーカーに口頭で、こういうものの引き合いがあった場合には通産省の方に相談するように、こういうような内容で指導した、そして、さらに五十四年の春に某メーカーから具体的にパキスタンから引き合いがあった、こういう話があった、それについて通産省は口頭で、こういうものの輸出については十分慎重に対処するように、こういうような内容の行政指導をされた、こういうことでございますね。私はその話を聞いてから、こういう重要な問題を単に口頭だけで注意しておればそれで済むのか、口頭による行政指導だけで済むのか、こういうような気がしてならないわけなんですけれども、こういう点はどうなんでしょうか。
○田辺説明員 私どもとしましては、先ほど申し上げましたように、一般的には輸出管理令に基づきまして核不拡散の精神を徹底的に体しまして厳重な運用を行っております。 インバーターに関しましては、ロンドン・ガイドライン等の国際約束等では規制すべきこととはなっていないという点が一つございます。しかしながら、インバーターは、御説明がありましたように、ウラン濃縮機器用にもっぱら用いられる特別な性能を有するものもあるということも十分認識をしております。したがいまして、先ほど来の核不拡散の精神に基づきまして、私どもとしましては、ケース・バイ・ケースで慎重な取り扱いをするよう求めていっているわけでございます。 この特別な性能を有するインバーターを製造できるメーカーといいますのは非常に数が限られております。私どもとしましては、私どもの輸出管理令の運用の考え方を十分徹底していくという所存でございますし、行政指導により現在十分その実効が上がっていると考えております。
○草野委員 そういうわけで、貿管令の別表第一の八十にも八十五にも遠心分離機という名前は出ているけれども、具体的に周波数変換器、インバーターについてはその規制の対象になっていない。しかもロンドン・ガイドラインでこういうインバーターについても規制はされていないので入っていないということなんですけれども、外務省の方おいでいただいておりますね。 いまロンドン・ガイドラインという話が出ましたので伺いたいと思いますけれども、原子力資材の輸出については国際的にいろいろな基準が定められているようでございますけれども、核防条約、NPTにおいて厳しく規制されております。そのNPTよりさらにいろいろな厳しい条件がつけられているのが通称ロンドン・ガイドラインですね。このロンドン・ガイドラインの中で、いま通産省の方はウランの濃縮装置である遠心分離機については何の規制もされてない、このようにおっしゃっておりますけれども、これはそのとおりでよろしいですか。
○金子説明員 いまの先生の御質問でございますが、遠心分離機の関係が一切ロンドン・ガイドラインにないということでございますか——。(草野委員「規制されているかどうかということです」と呼ぶ)遠心分離機関係の装置と申しますか機械は、これははっきりロンドン・ガイドラインのトリガーリストに載っております。
○草野委員 確かに、このロンドン・ガイドラインを見ますと、いろいろありますけれども、この中に「UF6耐色ガス遠心分離体」こういうふうに書いてあります。これを日本語で読みますと「遠心分離体」というふうに出ておりますですね。こういう字句からいきますと、何か遠心分離機一式と、こういうような感じがするわけですね。そうすると、先ほど動燃の副理事長さんから御説明をいただいたように、これは不可欠な重要部品である、こういうものでありますから、この遠心分離機というものがあれば当然それに不可欠の部品としてインバーターがある、こういう解釈をする方が正しいのじゃないかと思いますけれども、いかがでしょう。
○金子説明員 実はロンドン・ガイドラインといいますものは、正確な意味では条約というか国際約束ではございません。でございますから、つくりましたときにも必ずしも条約的に各字句につきまして正確に定義をしたわけではございません。他方、また科学技術面は日進月歩という面がございまして、現実には新しい問題がいろいろ起こっているわけでございます。 そこで、具体的な個々の物質がロンドン・ガイドラインに該当するかどうかということは、第一義的にはロンドン・ガイドラインの当事国であるところの十五国の各国政府の判断にゆだねられておりまして、各国はその判断に従って、かつ核防条約の趣旨に従って、国内的に許される限りにおいていろいろな措置を講じているわけでございます。 なお、先生の御指摘のインバーターにつきましては、これは十五国の中でも確かにロンドン・ガイドラインのトリガーリストには載っていない。載っていないけれども、核不拡散の観点から特別に配慮した方がいいということで観念されているものでございます。
○草野委員 このロンドン・ガイドラインの趣旨とか精神、こういうものはやはり生かさなければならないと思うんですね。 外務省に引き続いて伺いますけれども、一九七八年の英国の物資輸出管理令、これは一九七八年十一月九日から発効された、こういう文書があります。この文書によりますと、いまお話が出ておるインバーターについて英国の場合はこのように改正をした、こういう通報を各国にしているようでございますけれども、このことは外務省は御存じですか。
○金子説明員 このことは英国政府からの通報によりまして承知いたしております。
○草野委員 このインバーターに関する部分の内容について、外務省はどういうような御見解をお持ちですか。
○金子説明員 私どもは技術的には知識のない立場にございまして、インバーターなるものが具体的に遠心分離装置の中でどういう役割を占めるかということについて、技術的に判断する立場にないわけでございます。したがいまして、このような事例が生じました場合には、こういった関係で技術的な知見を持っておられる関係省庁に照会をして、その関係省庁の判断において、もししかるべき措置が必要である場合にはそのような措置をとっていただくたてまえでございます。 以上が外務省の見解でございます。
○草野委員 英国の輸出管理令の改正の内容によりますと、具体的にこういうふうに出ているわけですね。この部分だけを読みますと「六百から二千ヘルツまでの多相電気出力の能力を有する周波数変換器、これについてはロンドン・ガイドラインの規制の対象にする。」インバーターについて六百から二千ヘルツ、こういうような具体的な内容を決めて規制の対象にしているわけです。わが国の場合は、先ほどの通産省のお話にもありましたように、別表第一の八十にも八十五にもインバーターの方は含まれていない、こういう話ですね。私は、この一連のロンドン・ガイドラインまた英国政府のこういう通達を読んでみまして、このままでいいかどうか、こういう感じがするのです。ウランの濃縮装置である遠心分離機についてはこのように別表の中にきちっと出ておりますけれども、このインバーターについては載せてない。やはりこれからの一番大きな問題はウランの濃縮装置それからプルトニウムの問題ですね。こういうものは非常に重大な問題になってくると思います。したがって、この遠心分離機に非常に関係のある特殊なインバーターについては、この別表第一の中に入れてきちっと規制をする必要があるんじゃないか、このように思うわけでございますが、この点について通産省の御見解をいただきたいと思います。
○田辺説明員 先ほど指摘させていただきましたように、インバーターに関しましては、明らかに特別な性能を有するインバーター、これがウラン濃縮機器用に用いられるという事実はございます。したがいまして、私どもとしては関係メーカーに対しましてその輸出等に関しましては日々厳重に行政指導を徹底しているつもりでございます。私どもとしては現在のところ十分行政指導の実効が上がっていると考えております。
○草野委員 輸出貿管令等においてきちっと具体的な名前を挙げて規制する、そういうお考えはありませんか。
○田辺説明員 先ほど来の行政指導により核不拡散の観点から万全を期しておりますが、先生の御指摘のきょうのさまざまな点を踏まえまして、その取り扱いにつきまして十分慎重に検討してまいりたいと思っております。
○草野委員 この問題につきましては、ひとつ十分に検討していただきたいと思います。 最後に、長官に伺いたいと思います。 きょうは原子力の平和利用と核不拡散、こういう問題について何点か具体的に取り上げてお聞きしたわりでございますが、長官にこの問題の締めくくりとして、昭和三十七年四月原子力委員会におきまして「原子力基本法と原子力関係物資の輸出について」こういう決定がありましたね。この問題について伺いたいわけでございますけれども、この内容をそのまま読みます。「原子力基本法第二条は、わが国における原子力の研究、開発及び利用が平和の目的に限られることを明らかにしている。ここでいう利用に輸出を含ませることは、法文解釈上困難である。」このようになっております。このことは、わが国の原子力政策の基本方針を定めた原子力基本法第二条ではこういうように書いていますね。「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。」こういうふうになっているわけですね。第二条のこれを読んでみますと、この基本法の第二条の中からは核不拡散の立場というものをはっきり読み取ることができない、そういう感じがするわけです。いわば欠陥条文である、言い過ぎになるかもしれませんけれども欠陥条文であることを原子力委員会がみずから認めたことになるんじゃないか、こういう感じがするわけなんです。したがって、わが国の原子力基本法第二条の中にははっきりと核不拡散の立場を明文で定めるべきである、このように私は思うわけでございますが、長官というより、これは原子力委員長としての長官の御見解をいただきたいと思います。
○中川国務大臣 わが国の原子力利用は、御指摘のとおり、原子力基本法第二条の基本方針に従って行うべきこととなっており、輸出に当たってもこの精神を貫くべきであることは、三十七年の原子力委員会において決定しておるところであります。御指摘の原子力に関する輸出は、この決定や貿易管理令に基づいて慎重に行われておりますので、その基本法第二条に関連をして基本法の中にうたわなくても目的は達せられるのではないか、そういうふうに考えております。いずれにしても、実効が上がるように万全の措置を講じてまいりたいと存じます。
○草野委員 時間でございますので、以上で終わります。
○中村委員長 吉田之久君。
○吉田委員 長官がすぐお立ちになるようでございますから、ちょっと順序はおかしいと思うのですけれども、最初に長官にお伺いをいたしたいと思います。 今度の原電の敦賀一号炉の給水加熱器のトラブルの問題でありますけれども、要するに報告義務を怠ったことは事実のようでありますし、私どもも非常に心配をしているところでございます。しかし、今度のこの問題が、こういう内部告発という形でクローズアップされて、いまや原子力を扱う事業者の姿勢そのものが厳しく問われているということ、私は大変不幸なことだと思うのですけれども、問題は、何かこの原子力の発電に携わる者が、それ自体はれものにさわるような思いでおどおどしておりはしないか。だから、多少のことならば内部で処理しておこう、もしかそれを報告したり一般の問題にさらされると、一挙に原子力それ自体が袋だたきになる、こういう杞憂と申しますか懸念と申しますか、そういうものが内在しておったのではないか。もしもそういうものがあるとするならば、私はやっぱり大変不幸なことだと思うのです。 これからのわが国の新しいエネルギーの開発、これはどうしても原子力の開発を避けて通るわけにはいかないと思うのです。ですから、この問題を契機に、指導される政府の側も事業者の側も、あるいはメーカーの側も、もっとリラックスな気持ちで、こういうちょっと故障らしきものがあります、このようにいたしましたけれども、これでいいでしょうかとか、その辺のところをもっと気楽に報告し得る、そういう雰囲気を醸成していくということがやっぱり非常に大事なことだと思うのです。長官初め政府の側も、いろいろそういう御指導をなさっていただいていることとは思いますけれども、一層この機会に、本当に国民の課題なんだ、みんなで検討しようじゃないかという機運にならないと、これからなかなか問題が多難過ぎると思うわけでありまして、この辺のところ、長官はいかがお考えでございましょうか。
○中川国務大臣 このたびの敦賀の原電の事故につきましては、まだ通産省、全貌を明らかにしておりませんが、いずれにしても、いまわかった段階でも、本当に遺憾なことだと存じます。定めによって、事故があれば報告をしなければならないし、またどういう対応にするかも十分相談をしてやらなければならないところを、ひた隠しに隠して、しかも会社独自で対応した。遺憾でございます。 吉田委員御指摘のように、その背景、どういうことであるかわかりませんが、報告するとこれが大騒ぎになって大変だから、大したことはないので内部でやっていこうというような安易な気持ちがあったのかもしれません。これはそういう気持ちがあったとしても、それは許されることではありませんで、やはりいかに騒がれようとも、長く国民の信頼を得る立場からいけば、全部公開をして、このとおり故障はあってもこういう対応をして大丈夫なんだ——じみな、大変苦労ではありますけれども、隠すというやり方は、長期的に見て決していいことではない。先ほどコストの話もありましたが、コストの点からいっても何からいっても、やはり正真正銘公開をして、その上で堂々と納得をいただく、こういうやり方に徹すべきである、こう思っております。また、今後ともそういう方向で指導していきたいなと思っております。
○吉田委員 次に、ちょっと細部にわたって御質問いたしたいと思うのですが、今度の給水加熱器の応急修理の問題であります。 いま大臣からもお話しありましたし、今後いろいろ心すべき問題だとは思います。しかし、そういうことのよしあしは別といたしまして、今度のこの蒸気漏れ、最後は若干ぽたぽた漏水しておったようでございますけれども、この程度の故障が周辺への影響にどの程度かかわりがあったのか、あるいは施設の安全上どの程度の故障と目されるのか、この辺のところをまずお聞きしたいと思うのです。
○平田説明員 御説明申し上げます。 まず、環境への放射性物質の放出の問題でございますが、現在までのところ、立入検査の結果では、当該給水加熱器が設置されているエリアの放射線量率計、それから外部への放射性物質の放出を監視しているスタックの放射線量率計の記録確認によりますと、蒸気漏れの発生した日時の前後において有意な変化はございませんでした。したがって、環境への放射性物質による影響はなかったと考えております。 次に、トラブルの影響でございますが、給水加熱器はタービンからの抽気で給水を予熱するものでございまして、沸騰水型炉では、給水加熱器の胴側のクラックの発生によりまして、漏洩物には放射性物質が含まれております。原子力発電所の安全性の確保の観点からは、所要の対策を速やかに講ずべき性格の事故であると私どもは考えているわけでございます。
○吉田委員 ですから、いろいろな機器の測定に従えば記録にとどまらない程度のものであった、ゼロとは言えないけれども、非常にゼロに近いようなものだと判断しても間違いではないんでしょうね。だとするならば、ある新聞なんかでは、放射能を帯びた蒸気漏れであるとか、あるいは条件によっては爆発の原因にもなるとか、いろいろ書かれておりますけれども、そういう懸念は、今回のこの問題に限っては、そうは言えないでしょうね。
○平田説明員 御説明申し上げます。 いずれ詳細に調査結果を検討してみないといけないわけでございますが、先生の御指摘のとおりだと思います。
○吉田委員 それから、問題の給水加熱器なんですけれども、一次冷却水がこの給水加熱器から漏れたのは日本で初めてではないかというふうな報道もあるわけなんです。果たしてそうなのか、あるいは外国の場合にはどうなのか。私どもは、火力発電の場合にはそういうこともないとは言えないようにも聞いているのですけれども、その辺どうなんでしょうか。
○平田説明員 給水加熱器が運転中にクラックが発生したり穴があいたりして蒸気が漏れたということは、私の記憶では、わが国ではなかったと思います。それから、外国の例につきましてはまだ調査しておりません。それから、火力発電でございますが、火力発電ではときどき漏れることがございます。
○吉田委員 そこで、火力発電の場合には、給水加熱器から若干蒸気や水が漏れたって、それはどうということはないと思うのですけれども、しかし、原子力の場合には確かに問題だと思います。だといたしますと、この給水加熱器というものが、在来火力で使われておったそれとほとんど同レベルのものが原子力の場合に使われて、たまたま今度のようなこういうひび割れを生じた場合、大変困るわけであります、その点今後、構造上もかなり次元の違う給水加熱器というものをやはりちゃんと用意するような、そういう努力は改めてなされなければならないかどうか、 それからいま一つは、給水加熱器の位置づけと申しますか、それ自体がどの場所にあるのかという問題なんです。私どもの聞いておりますことでは、格納容器側とタービン側とを隔離する隔離弁というのがあるようですけれども、その隔離弁の外にあるということになれば、本来この給水加熱器というもののトラブルはそれほど第一次的なものとは思えないという判断からそういう位置づけをとり、そういう場所に設置されているのではないかと思うのですけれども、その辺の認識、今後の認識はいかがでございましょう。 〔委員長退席、椎名委員長代理着席〕
○平田説明員 給水加熱器につきまして、火力との比較でございますが、給水加熱器につきましては、今後とも国の定期検査項目として供用期間中検査対象設備に加え、その健全性の確認を計画的に実施して、安全性の確保に万全を期したいと考えております。 御指摘の点につきましては、本件の給水加熱器のクラックの発生原因等技術的検討を行って、所要の対策を講ずることにしたいと思っておりますが、火力発電所につきましては先ほど申し上げましたが、今回のような給水加熱器の溶接部からのリークということで見た場合に、ほとんどわが国でも見受けられません。胴の減肉というようなことはかなりあるわけでございますが、今回のような溶接部におけるリークというのはほとんど見受けられません、 それから、給水加熱器の場所が隔離弁より外側という点については先生の御指摘のとおりでございまして、その意味におきましては、格納容器の中か外かという点で当然原子力の場合には重要性が違うわけでございますが、本件給水加熱器のトラブルにつきましては、先ほども申し上げましたように、胴側のクラック発生による漏洩物には放射性物質が含まれておりまして、原子力発電所の安全性の確保という観点から見ますと、所要の対策を速やかに講ずべきものだと私ども考えていたわけでございます。
○吉田委員 ですから、非常に特殊な例であったとするならば、今度のひび割れの原因が何によって起こるのか。たまたま起こり得ないことがそこで偶発的に起こっただけなのか、あるいはやはり構造的にも材質的にも非常に再検討すべきなのかどうか、その辺のところ、今後いろいろ調査を見守りながら、よほどひとつ慎重に御検討いただきたいと思いますし、今後この種の問題が絶えず起こるようでは大変厄介だと思うわけでありまして、特にその辺の御努力をお願いいたしておきたいと思うのです。 それから、今度の処理のときにハンマーでたたいたのは論外だとかいう一部の見解もありますけれども、ぶち壊れるように無理にたたくわけではありませんし、一種の溶接のプロセスの中で、まあノックした程度だろうと思うのですけれども、この辺についても一般の国民に、何をどういう神経でやっているのだろうかというような誤解を大変与えることは不幸だと思うわけでありまして、その辺のところをどう御認識になっているか、お答えいただきたいと思います。
○平田説明員 今回のトラブルは二件ございまして、一件は一月十日に発生しましたクラックでございまして、これにつきましては当て金溶接をいたしまして補修いたしました。現在までのところの調査結果によれば、これはわれわれの技術基準で見ても、それほど違法というものではないだろうというふうに考えております。 二回目に起こりましたひび割れにつきましては、先生御指摘のように、たたきまして、その後、石綿で巻いて応急手当てをしたわけでございますが、この辺につきましては、現在の技術基準では直接認めることのできないものであろうと考えております。ただし、もちろんこれが、たとえばこのまま放置すれば人命に影響を与えるような大事故に波及するおそれがある場合に、応急的措置としてこれをとる場合につきましては、当然こういうことも認められることになると思いますが、今回の場合は、その措置を講じたまま二カ月間通常の運転を継続したことでございますから、その点では必ずしも技術基準に適合していなかったのではないかということが言えるわけでございます。
○吉田委員 いまの御説明でもわかりますように、今度のこの応急修理、二つに分けて考えた方がわかりやすいと思うわけでありまして、その第一回目の修理の仕方それ自身につきましては、いまも御説明がありましたとおり、そう異常なものというよりか、かなりその事態において適切な修理をされているように私どもは思うわけなのですけれども、だとするならば、この第一回目のときにちゃんと報告をし、あるいは溶接検査を受けた、そしてその検査を受けた後で運転するという手続さえ踏んでいれば、このこと自身、修理の内容は問題なかったわけですね。手続が抜けておったということなんでしょうね、
○平田説明員 現在までの調査結果を詳細に検討してみないと、これが技術基準に適合するものかどうかは最終的な判断はできませんが、大まかな感じで申し上げますと、先生の御指摘のとおりだと思います。
○吉田委員 そういたしますと、第二回目の処理の仕方にやや問題があるように思いますけれども、問題は、第一回目に報告してなかったから、二回目も、報告していないものを改めて報告するのもしにくいということで、いろいろぎこちなくなったような気がするわけでありまして、私どもは、そういう意味でも、やはりこういうときにいろいろトラブルが起これば修理はしなければなりませんが、そのつどよく報告義務を果たしていくということになれば、大変スムーズな処理に終わり得たと思うわけでありまして、その辺は残念だと思うのですが、何せ定検も近いものですから、しばらくはこのままでというような、一種のそういう状況判断それ自身が少し問題を残したと思います。 さて、耐圧テストの問題でありますけれども「同一号炉の給水加熱器は五系統十基あり、七九年度でも異常が予測されていました。このため、昨年四〜六月の定期検査で腐食・ひび割れを調べる工事がおこなわれました。しかし、この工事では法定の耐圧試験を手抜きしていたことが発覚、この手抜きが今回の事故に結びついていた可能性も」あるのではないかというふうに書かれている新聞があるわけなのですけれども、この耐圧テストというものは代行検査でもよいという通産省の見解があるやに聞いておりますけれども、この辺はどうなんでしょうか。したがって、今度は果たして手抜きテストであったのかどうかということでございますが——。
○平田説明員 先生御指摘の耐圧試験につきましては、昨年の件でございますが、耐圧試験にかかわる溶接検査は、電気事業法施行規則に基づきまして、第三者検査機関である発電用熱機関協会が行い、合格したものについて通産局長、本件の場合は名古屋通産局公益事業富山支局長でございますが、安全上支障がないと認めて、国の検査を受けないで使用することができる旨指示したものでございます。 同協会は、本件の検査を行うに際しまして、耐圧試験を行うことが技術的に見て困難な構造であると判断して、このような場合についての通産省の従来からの指導に従いまして、耐圧試験にかえて超音波探傷試験及び磁粉探傷試験を行い、適切に溶接部の健全性を確認し、合格したものでございます。さらに、通産局におきましては、同協会の検査結果等を総合的に勘案しまして、安全上支障がないものと認めまして、国の検査を受けないで使用できる旨指示したものでございまして、本件溶接検査は適切なものと判断したわけでございます。
○吉田委員 問題は、今後の信頼の回復に向けて関係のそれぞれの側が一層どう努力するかということに集約されてくると思うのです。恐らく今度のこのトラブルないしは不始末で原電の方もいろいろ今後対処されると思うのでありますけれども、同時に、ひとつ政府の側も、頂門の一針と申しますか、大いにこの機会に、運転上の安全性の追及についてどう対処していくべきか、そういう基本的な心構え、単なる技術論とかその都度のテクニック論ではなしに、本当にいろいろな問題が今後も起こってくると思いますから、それを全国民の英知でどう解決していこうか、こういう大らかな態度を持たないと、どこまでいってもこの種の問題というものはいつも袋小路で終わってしまうと思うわけなのです。先ほど大臣からもお話がありましたけれども、特に通産の側としてどうお考えでございましょうか。
○高橋(宏)政府委員 お答えいたします。 私どもといたしましては、原子力発電を進める上で、安全確保あるいはそれに関連します地域の住民の皆様方、国民の皆様方の理解と協力が不可欠であるというぐあいに考えております。そういうことも踏まえまして、私ども、安全の確保、法律に基づきます規制あるいはそれとタイアップします保安規定を中心とした電力会社の保安管理体制というもの等によりまして、努力をいたしておるところでございます。 ただいま先生からいろいろと御指摘ございまして、本件は放射能の被害を外に及ぼしたものではない、あるいはそういうおそれが直接あるものではなかったと考えております。と同時に、設備自身も、原子炉側ではなくてタービン側のものでございます。これも御指摘のとおりでございます。しかしながら、BWRにおきましては、このタービン側の給水加熱器の中を通ります蒸気に本来放射能を含む、そういう性格を持っております。そういう意味で、そういう意味での重要視はいたしておりまして、いろいろな検査とか報告とか、そういう義務を課しておる、そういうものでございます。 技術的なそういうことは除きましても、私どもは、そういうルールに従いまして規制をいたし、かつ、さらに申し上げますと、こういう安全性についての問題は、どんなささいなことでも報告をして、理解、協力を求めるようにという指導を、大臣通達を含めまして数回、何遍もやっておるわけでございます。 こういうことにかんがみまして、ただいままでの調査では遺憾なことであったということは事実でございまして、私ども今後さらに詳細な調査、それから原電側のどういう事情でこういうことに相なったかということも事情をよく聞きまして、私どもの立入検査の最終結論と突き合わせいたしまして、今後厳正に措置してまいりたいというぐあいに考えております。
○吉田委員 特にこの問題を契機にいたしまして、そういうルールを守るということの確立、あるいは今後の本当に問題をなくしていくためのいろんな懇切丁寧な指導、あるいはユーザーそのものの本当にそういう運営の基本姿勢、そういうことが確立されていくことを強く希望する次第でございます。 次に、CANDU炉の導入につきまして若干御質問をしたいと思うわけですが、だんだん原子力発電というものもやはり多様化する時代に入る。また、そういう多元的な原子炉というものがいろいろその機能を発揮し、また安全性とそしてエネルギー確保の面でも非常に有効な役割りを果たしていくのではないかというふうに考えられるわけでありますけれども、そういう点で、このCANDU炉というのが一つの問題に挙げられることは事実だろうと思います。 この炉につきましては、昭和五十一年以来電源開発株式会社がいろいろ調査を進めておるようでありますけれども、技術面、経済性の面でも、大方のめどがついていると思われますけれども、その辺、通産当局としては、現段階でどのような認識をお持ちでございましょうか。
○戸倉説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、CANDU炉の問題につきましては、昭和五十一年以来電源開発株式会社におきまして調査を続けてまいっておるわけでございますが、御承知のように、CANDU炉は、すでにカナダを初めといたしまして世界で十四基稼働をしておりまして、各国で非常に高い稼働率を示しているわけでございます。そういった実績から考えますと、基本的には問題はないというふうに考えているわけでございます。 なお、わが国における適合性につきましては、ただいま申し上げましたように、電源開発株式会社におきまして基礎調査あるいは安全性、耐震性等に対する確証試験等の調査研究を行っておりまして、現在までのところ、この基礎的な調査によりますと、特段の問題はないという見通しは得られておりますけれども、今後さらに詳細に検討を行うための調査研究を続けてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○吉田委員 ことしの一月にオタワで田中通産大臣が記者会見の席で「CANDU炉の対日輸出の実現を再三迫られ、改めてカナダ側の強い熱意を痛感した。現実には一年半前の原子力委員会の「導入見送り」という答申があるが、今後技術的に時間をかけて十分に検討し、カナダ側の要望に沿っていきたい。」こうおっしゃっているわけなんですが、問題は、通産側とこの原子力委員会との見解の違いですね。その後どのように話し合いを続けておられるのか、経過と現状について御説明いただけませんか。
○戸倉説明員 お答え申し上げます。 CANDU炉につきましては、先ほど申し上げましたように電源開発株式会社におきまして調査を続けているわけでございますが、先生も御指摘のように、一昨年の八月に原子力委員会の方で決定がございまして、当面CANDU炉を導入する積極的な意義を見出すことはむずかしい、こういう決定が行われているわけでございます。ただいま電源開発株式会社において行っている調査は、一応導入問題とは別個の問題として、私ども、内外の諸情勢の変化に対応できるように、経済性、安全性、信頼性等の調査を続けているわけでございます。 先生も御指摘のように、カナダの方からは再三にわたりまして、わが国に対しまして導入の積極的な働きかけがあるわけでございますが、今後どうするかにつきましては、今後の諸情勢を見きわめる必要がございますし、現段階で明確なお答えを申し上げられないわけでございますが、今後そういう事態が出てまいりました場合には、関係省庁とも十分協議をしてまいりたい。当面、先ほど申し上げましたように、電源開発株式会社の調査研究を続けてまいりたい、こういうのが私どもの基本的な考え方でございます。
○吉田委員 原子力委員会側のお考えはいかがでしょう。
○石渡政府委員 CANDU炉につきましては、一昨年八月の決定があったわけでございますが、その決定にも、その後の情勢の変化があれば、またCANDU炉を含めて改めて検討することといたしたいという文言が書かれているわけでございます。現在、電源開発におきます調査研究活動につきましてはそのままお続け願うという状況でございまして、まだわが国の炉型戦略を含めて見直しが必要となるという事態ではないというふうに理解をしているところでございます。 なお、本件につきましては事務レベルでは通産側とも連絡をとっておりまして、それぞれ情報あるいは判断にそごがないような体制をとっているところでございます。
○吉田委員 ということは結局、前に原子力委員会は導入見送りという決定を行われた、その決定の中で、情勢の変化があったときは改めて検討すると言われておりますけれども、現情勢においても、まだそれほど検討するに値するほどの情勢の変化は認められない、こういうことでございましょうか。
○石渡政府委員 まず原子力委員会の決定の判断の基準といたしましては、もし情勢の変化があって、わが国の原子炉開発路線の見直しが必要とされるような事態という原子炉開発路線の見直しという観点から判断をしているわけでございます。そういう観点からは情勢の変化は、まだ今日時点ではそういう事態になっていないのではないかということを言っているわけでございます。ただ、蛇足ではございますが、判断といたしましてはいろいろな観点の御判断はあろうかと存じます。
○吉田委員 いろいろ両者の見解がかなり基本的に、やはり最初の立場が違うと申しますか、そのままで平行線のような気がするわけなんです。いろいろそれなりにそれぞれの立場から御検討いただいてのことだろうとは思いますけれども、しかし、やはりもう少し問題を双方煮詰められて、カナダ側に対して——いよいよオタワサミットも七月に迫っているわけでございます。そういうときに、具体的な要請があったときにいまのままでいいのかどうか。また、ウランを供給してもらうべき相手国でもありますし、いろいろ経済性の面でも確かにメリットもあるような面もあります。ただ導入するとなっても、きわめて少数の原子炉だけを導入する場合には、受け入れ側としてもなかなか経済的に困難性も伴うものでありますし、将来に向かってわが国が本当に多元的な原子炉を追っていこうとするのかどうか。あるいは、そういう場合には国として、ユーザーの手に負えないという段階においてはどういう措置をとろうとするのか。何かこの辺のところがもう少し定まっていきませんと、ただ問題になっているだけだ、それが外国に対して将来不信感を買わなければいいと思うのでございますけれども、もしも微妙なことになってきたときにどうするか、私どももちょっと一部懸念するわけでございますが、その辺いかがでしょうか。
○石渡政府委員 御指摘の御疑念と申しますか御心配、私どももよくわかるつもりでございます。ただ、今日の時点でさらに多元化ということを考えるべきなのかどうかということは、やはりわが国の原子力開発の基本にかかわる問題でございますので、その点は慎重に対応しているということでございますが、各省庁またいろいろお立場もございますので、その辺は私どもフランクに十分意見を交換し合っているところでございまして、御懸念のような事態にならないように対応はさしていただきたいと思っております。
○高橋(宏)政府委員 通産省といたしましては、CANDU炉はわが国のエネルギーセキュリティーの向上に寄与するなど、さまざまなすぐれた特色を有する原子炉であるという認識は基本的に持っておるわけでございます。しかしながら一方、先ほどお話がございましたような原子力委員会決定におきまして、今後情勢変化があれば再検討する、それまでは当面導入に異議がないのじゃないという御決定につきましては、その線に沿っておりまして、しかも現在の時点においてこの情勢変化があったということは言えないという認識をいたしております。したがいまして、先ほど御答弁申し上げましたように、当面は導入問題とは切り離しまして勉強を続けておる、こういう状況でございます。勉強も、日本に導入した場合の改修問題とかその他個々具体的な問題の勉強をほぼ終わりまして、たとえばそういうものを総合して炉全体として、じゃどうかというような勉強も今後続けていく必要があるのじゃないかというような考えを持っております。 なお、今後サミット等あるいは日加首脳会議等の場面が出てくるわけでございますが、その点につきましては科技庁その他関係省庁と十分意思疎通いたしまして、慎重に対処してまいりたいというように考えております。
○吉田委員 私は別にCANDU炉がすぐれていまどうしても必要だという見解を持っているほどなわけでもないのですけれども、ただ、あえてお聞きしたいことは、現在の原子炉というものがだんだん新型転換炉から高速増殖炉、そして行き着くところは、できれば核融合へと、そういうプロセスをたどっていくものであるとするなばら、その一元的なもので集中的に追求していくのが早道なのか、それともいろいろな形の違う原子炉というものを取りまぜて、その効率のよしあしは別として、そういういろいろな経験の中からアプローチしていくことの方がいいと考えるのか、その辺の一つの基本的な構想、それがセットしませんと、幾ら勉強なさったって勉強には際限はありませんし、永久に答えは出ないのじゃないかと思うのです。同時に、日本だけではなしに、諸外国がこの種のとらえ方をどうしようとしているのか、もう少し御説明いただきたいのです。
○高橋(宏)政府委員 新しい原子炉を導入するということは、一つには核燃料サイクル全体を通じましての大変大きな影響がございます。と同時に、日本の中の人的資源あるいは資金配分等におきましても非常に大きな影響を持つものでございます。日本は原子力委員会を中心にしましていろいろと検討した結果、現在軽水炉を中心とし、そして将来はこれをFBRにつないでいく、これを基本路線といたしまして、その補完路線としての新型転換炉というものが位置づけられているわけでございます。 こういう路線に対して、たとえばCANDU炉というものがどういうふうな位置づけになるかということは、当然十分慎重に検討していかなければいけないと思います。と同時に、たとえばそもそもどういう信頼性なり経済性なり、あるいはオペレーションアビリティー、運転稼働率がいいというお話がございますけれども、そういったものがどうかということを確証するための検証炉導入という考えも考えとしてはあるわけでございます。そういったいろいろな要素を含めまして決定しなければいけない問題でございます。おっしゃるとおりでございますので、私どもは、通産省の立場としてはいろいろ勉強いたしますが、さらにより広い原子力全体の問題として科技庁あるいは原子力委員会等の御意見を尊重していく立場であることは当然でございます。
○吉田委員 人的資源とか資金の配分とか、確かにかなり大きなウエートを占めると思います。ただ私は、とてもこれ以上そういう対応できる技術者がいないとか、あるいはとても資金面がもうどうにもならぬというなら、これは話は簡単だと思うのです。しかし、もっとマクロ的に見て、多少資金にいま不必要と思われるそういうものを要するとしても、将来に向かってより人材を集め、研究を重ね、そしてそういうことを総合させていくことが将来大きな新しい展開へのアプローチになるんだというふうに日本として判断するかどうか、この辺のところをやはり原子力委員会としても一度さらに本格的に御検討をいただいて、また私どもに、わが国の現状においてはこの道で行くんだということを明確にしていただく方がいいんじゃないかと思うのです。そういうことを特に要望いたしておきます。 それから、五十三年以降、青森県の大間町で原子力発電所の誘致が大変熱心に行われているように聞いております。町住民を挙げて立地を望んでいる。にもかかわらず、それに対して実地調査なんかが行われているのかどうか。いわば珍しく熱心に立地を希望してくださる場所があるにもかかわらず、それに対する各種の対応が大変おくれているのではないかというふうな気がするのですけれども、その後どうなっておりますか。
○戸倉説明員 青森県大間町の問題につきましては、先生御指摘のございましたように、五十一年の六月におきまして地元の町議会におきまして請願が採択されておりまして、それを踏まえて地元の町並びに町議会から立地可能性の調査をしてほしいという強い要請がございました。それを踏まえまして、当省としましては昨年度、五十五年度でございますが、地質それから気象、海象に関する概括的な調査を実施しておりまして、現在その調査結果を当省において評価検討中でございます。 この調査の内容は、電力会社がおやりになりますような本格的な調査ということではございませんで、立地の可能性に関する概括的な調査でございます。ただ、地質につきましては、ボーリング等も実施をいたしておりますし、その他物理探査とか広域地質調査等もやっております。それから、気象調査につきましては、風向、風速、大気の安定度を現地で実際に実測をしておるわけでございますが、ただいま申し上げましたように、五十五年度の調査結果をいま評価検討中でございますので、今後この調査をどうするかにつきましては、現時点では明確に申し上げられませんが、この評価を踏まえて検討してまいりたい、かように考えております。
○吉田委員 そうすると、五十五年度の調査を評価されまして、それから電源開発が本格的な調査に入るわけですか。
○戸倉説明員 ただいま申し上げましたように、概括的な調査が五十五年度の調査で十分であるかどうかという問題もございます。実は、昨年の八月から現地で調査を始めているわけでございまして、気象等のデータにつきましては一年を通じてとるというのが原則でございますので、必ずしも十分なデータがとられていないというような問題もございますので、その辺補足する必要があるかどうか、概括調査としてもそれで十分かどうかというような評価も含めて今後のやり方を検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
○吉田委員 現地の人たちが五年間も待たされたあげく、なかなかに進んでこない。いろいろと通産省あたりにも再三陳情したけれども、何せ予算等に限度があってというような返事であった。大分いらいらしているようでございますけれども、私は、日本の現状におきまして、こういう積極的に誘致に名乗り出てくれる町などがあるとするならば、いろいろ他にふくそうしたそういう条件があったとしても、できるだけ親切に速やかに対応されることが大変望ましいことではないかというふうな気がするわけでございます。 以上をもちまして、私のきょうの質問を終わります。
○椎名委員長代理 瀬崎博義君。
○瀬崎委員 原電敦賀一号炉の給水加熱器事故問題で伺います。 まず通産省に伺いますが、給水加熱器の溶接については、電気事業法の四十六条で「通産大臣の検査を受け、これに合格した後でなければ、これを使用してはならない。」こう定められているわけですね。ただし書きの適用の場合でも、通産省令によって発電用熱機関協会の検査に合格し、かつ通産局長の指示といいますか、承認を受けない限り使用できない、こういうことになっているのではないのですか。
○廣瀬説明員 お答えします。 法の四十六条に従って手続を経ない溶接は使用することができません。
○瀬崎委員 私の言ったことに答えたらいいんですよ。そうなのかどうなのか。
○廣瀬説明員 そのとおりでございます。
○瀬崎委員 この給水加熱器については、このような厳重な規制を設けているその理由は何ですか。
○廣瀬説明員 保安上必要だと考えるからでございます。
○瀬崎委員 審議官来ているんだから、審議官、もっと責任持ってはっきりと答えなさい。頼りないあやふやな答えをする。 原電敦賀一号炉においては、一月十日に発見された給水加熱器の蒸気漏れ、一次冷却水漏れに対して、原電は十四日に、勝手に鋼板の当て板を溶接して応急修理をしたわけですね。その後運転は続行した。さらに一月二十四日に発見された一次冷却水漏れに対しては、蒸気漏れに対しは、二十八日、運転状態のままハンマーでたたいて目詰まりをさせて、一月三十一日には、クラックが相次いで発生した仕切り板溶接部分に鉄製ベルトを巻きつけて、その後二カ月運転を継続した、こういうことなんですね。 先ほど、第一回目の溶接については何か技術的には大変適当であるかのような、原電をかばい立てする発言があったのですが、しかし、そもそもこの検査の方法について事前に通産省に届けがあったのかどうか、また、そもそもその溶接について、先ほどあなたがそのとおりだと言われた通産大臣の検査あるいはまたそれにかわる熱機関協会の検査を受けていたのかどうか、こういう点で現在の給水加熱器の溶接について四十六条関係に果たして適法なのかどうか、そこをはっきり聞きたいのです。
○平田説明員 御説明申し上げます。 先ほどの給水加熱器の一月十日に発生しましたクラックに関する当て金の溶接の件に関しましては、当て金溶接そのものが技術基準に照らした場合に違法とは言えないものであるという感触を持っているという点を申し上げたまででございまして、先生御指摘のように、手続の問題につきましては、もちろん手続がとられていないという点は事実でございます。
○瀬崎委員 技術基準に適法であれば、こういう手続が少々抜けておってもそれは大したことないんだ、こういう考えなのか。それとも、そのこと自体がやはり安全軽視と見て、この四十六条に反した場合には当然のことながら罰則を伴う処分があるわけですね、そこに至る厳重な処置を講ずる気があるのかどうか聞きたいのです。
○廣瀬説明員 手続上違反の事実があれば、当然違反行為として法的な措置を講ずる必要があると思います。
○瀬崎委員 次に、後の第二回目の部分ですね。ハンマーでたたいた上で後、鉄製ベルトで漏れを防いだ。これが、先ほど来、技術基準に照らして適正ではない、こうはっきり言っているのですが、それでは、法律上との条項に照らしてこれが不当、こういうことになるのですか。——つまりこういう場合には、先ほど言った四十六条に基づく手続を踏んだ溶接をしなければならないという意味でこれは法律違反ということになってくるのか、 〔椎名委員長代理退席、委員長着席〕 あるいはもう一つ、四十八条ですか「電気事業者は、電気事業の用に供する電気工作物を通商産業省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。」という項目があって、もしこの技術基準に適合するように維持されていない場合には、技術基準適合命令を出さなければならないような仕組みになっていますね。この部分に違反するというのか、どちらなんですか。
○平田説明員 先生御指摘の、後者の電気工作物の維持義務違反ということになります。
○瀬崎委員 特にこの場合は、重大だと思いますのは、確かに、通産省が技術基準に違反しているということを知っておれば直ちに適合命令は出せますけれども、今回の場合、隠しておったためにこれが二カ月もおくれてしまっているわけですね。こういう問題が付随しているのですが、この問題の処置はどうしますか。
○平田説明員 法律四十八条の電気工作物の維持義務違反、技術基準適合命令という問題につきましては、先生御指摘のとおり、法律に基づき報告がなされていて、違反が判明していれば当然技術基準適合命令が出せますが、現在、それが判明しないまま運転停止に至り、その結果現在は停止していますから、技術基準適合命令をかけるだけの要件が備わっておりません。現在ではこれについての処分はできないことだろうと思います。
○瀬崎委員 全く奇妙なことが起こるんですね。つまり、あなた方がまだしも技術的にはましたと言っている第一回目のクラックを溶接した方は、逆に法律上手続を踏んで罰金等を含む処分はやれる。ところがあなた方が、技術基準上これは問題だ、そんなハンマーでたたいた上にベルトを巻いて運転するのはまことに安全上けしからぬ、こう言っている方は、相手方の原電が通産省をだましたばかりにこの処分を受けないで済む。こんな矛盾した話がありますか。これは一体審議官、どうします。
○高橋(宏)政府委員 お答えいたします。 私どもは、その事実を知ったそのときに、午後五時過ぎでございましたけれども、直ちに炉を停止して点検する状態にしたわけでございます。
○瀬崎委員 そんなことを聞いているんじゃないんですよ。本来ならば、報告を受けておれば、この一月末の時点で恐らく直ちに技術基準適合命令が出されていたであろうと思うのです。というのは、なぜならあなた方はあの修理はこの技術基準に反していると言うのですから。それを、原電が通産省をだましたばかりに二カ月間運転したわけでしょう。このことについては何も問わないのですか、こう言っているのです。だまし得ですか。
○高橋(宏)政府委員 現在私どもはそういう点も含めまして調査中でございまして、立入検査もまだ残っておりますし、それから原電からの事情聴取も残っております。さらに技術的に検討すべき点もございますので、そういうものを総合判断いたしまして厳正な措置をとるつもりでございます。
○瀬崎委員 少なくともあなた方が国会で、これは技術基準違反だ、こう言っている問題について、しかし法律的には処分ができないんだ、こんなばかな話はないのです。もしそうだとしたら直ちに法改正をやらなければならないと思うのです。この点も答えておいてもらいたいと思うのです。
○高橋(宏)政府委員 法律違反問題でございますが、先ほどの溶接検査手続それから、あとで出てまいると思いますけれども、報告義務あるいは保安規定関係等々ございますので、そういうものを全部ひっくるめまして詳細調査をいたしました後、適切かつ厳正な措置をとるつもりでございます。
○瀬崎委員 さらに、第一回目の一次冷却水の漏れが発見されたのが一月十日で、不法にもしろ、とにかく溶接修理を行ったのは十四日なんですね。その間四日間というものは放射能を含んだ蒸気の漏れたまま運転をやっておったわけでしょう。次に二回目の場合も、一次冷却水の漏れが発見されたのは一月二十四日なんですよ。これもまた不法な応急修理には違いないけれども、ハンマーでたたいて目詰まりを起こしたのが二十八日ですから、その間の四日間はまたこれも放射能を含んだ蒸気漏れの運転を続けたわけでしょう。しかもこの漏れた冷却水には一立方センチメートル当たり約二千八百マイクロマイクロキュリーの放射性物質を内包している、こういうことなんですね。いわゆる放射能を含んだ蒸気の漏れたまま、前後いたしますと八日間も運転を継続した、このことについては通産省はどう考えているのですか。
○平田説明員 原子力の安全確保の観点から重要な問題でございますので、仮に報告を受けていたとすれば、当然停止の指示をいたしまして、速やかに対策を講じたことになったと思います。
○瀬崎委員 つまり対策そのものも問題なんだけれども、そもそも対策を講じないで八日間も放射能を含んだ蒸気の漏れたまま運転したというこの事実がまずあるわけですね。 そこで、原子炉等規制法では、保安規定は、もとは科技庁長官、現在は通産大臣の認可を受けなければならない事項になっていますね。そもそも原電の保安規定に対する政府の認可が適切だったのかどうか、このことに私は疑問を持つわけなんです。給水加熱器にクラックが発生して、一次冷却水漏れが起こった場合の処置は、保安規定ではどのように決められているのですか。
○末広説明員 お答えいたします。 今回のようなクラックが発見されました場合、これは実際には当直の一員でありますパトロール要員が見つけているわけでございますが、そういった場合には保安規定上は、その発見者は当直長に連絡いたしまして、その後当直長は原因調査あるいは必要な措置を講じまして、さらに発電課長あるいは関係課長に連絡し、また保修が必要となりますと保修の担当課長は所長に連絡するという形になっております。
○瀬崎委員 その保安規定に照らして、今回、いま言ったように、修理もせぬと放射能を含んだ蒸気の漏れたまま八日間運転した、このことは保安規定では認められていることなんですか、どうですか。
○末広説明員 今回の漏洩でございますが、これはタービン建屋の中での漏洩でございまして、現にエリアモニター等いままで確認している限りにおきましては、その発生当時前後を比較いたしましても変化がございませんし、いままでの調査結果に基づきます限りにおいては保安規定には抵触しておりません。
○瀬崎委員 だから私は言ったのですよ。あなた方はこういう事態を調査する調査すると言うけれども、現在の保安規定に照らせば、これは保安規定違反にならないと言うのでしょう。だからその保安規定の認可に問題がある。こんなばかな話ないですよ。放射能を含んだ蒸気がどんどん漏れていて、また後で安全委員長に伺いますが、それで運転をとめないでもいいなんというような保安規定になっているわけですから、それだったら、こういう事態を教訓にしてこの保安規定の変更を命じなければならないと私は思うのですが、いかがですか、これは審議官が答えてください。
○高橋(宏)政府委員 今後さらに詳細な調査が必要でございますが、この放射能漏れという話でございますが、外部に漏れたわけではございませんで、原子炉建屋でもございませんで、タービン建屋の中の問題でございます。エリアモニター計にも異常が出ない、その程度であったようでございます。結果的にはそうであったということで、これは言いわけにはならないかもしれませんが、一応そういうような状態でございますということは御認識いただきたいと思います。 それから、いまのお話の、それでは今後どういうぐあいにしていくかということにつきましては、ただいま一応メーンの保安規定には該当しないんじゃないかという答弁をいたしましたけれども、さらに詳細に、保安規定なり責任体制なりその辺を調査をして結論を出したいと思います。
○瀬崎委員 さらに、事実工事故隠しであったわけでありますけれども、原子炉等規制法三十五条「保安のために講ずべき措置」に基づいて、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則では、原子炉冷却系統施設については毎日一回以上の巡視、点検をしなければならないと定められていますね。この巡視、点検はきちっと行われていたのですか。
○高橋(宏)政府委員 いま詳細にお答えいたしますが、私が聞いています範囲では、この第四給水器の周りでございますが、放射線量がかなり高いようでございまして、いわゆる日常点検ということの範囲ではむずかしい部分というぐあいに聞いておるのが一つでございます。 それから、原子炉冷却設備系というお話がございましたけれども——(瀬崎委員「冷却系統」と呼ぶ)冷却系統というお話がございましたが、通常の火力発電所の場合でございますと、これはいわゆるタービン付属設備になるわけでございますが、本件は、中に放射能があるということで、運用としては原子炉冷却系というぐあいに扱うのが適当であろうと私ども考えておりますが、物としましては原子炉に付属するものではございませんで、タービンの抽気系でございます。
○瀬崎委員 だから私が聞いているのは、いまあなたも原子炉冷却系統に入れるのが適当だろうと言われているのですから、そうだとすれば、いま言いました省令に基づいて毎日一回以上の巡視、点検をしなければならないということになるのですが、それをやっておったのかどうかと聞いているのです、
○末広説明員 原子力発電所におきましては、一般パトロールといたしましては、当直グループで毎日一回点検パトロールをいたしております。ただし、今回のタービン建屋でございますが、こういった線量の非常に高い区域につきましては、必ずしも毎日一回ということにはなっておりません。
○瀬崎委員 だからこの点でも、明らかに規則では冷却系統施設については毎日一回以上の巡視、点検をしなければならないとなっているのに、それがやられていないということが一つ問題になったでしょう、だから、果たしてあれは一月十日に起こったことなのか、あるいはその前に起こったことなのか、私は明確にできない性質があると思うのですよ。これはまず第一にわかっていますね。確認だけしておきましょう。
○平田説明員 一月十日のパトロールで発見されたという記録になっておりますが、先生の御指摘のとおり、それ以前かもしれません。
○瀬崎委員 さらに、その巡視、点検については一日ごとに記録する、こういうふうに原子炉等規制法で定められ、その記録は、工場または事業所に備えておかなければならない、こういうことにもなっています。 さて、記録はきちんと行われていたのかどうか。そしてそれは所定の場所に置かれていたのかどうか。この点はどうですか。
○末広説明員 毎日の巡視パトロールでございますが、この記録は所定の様式で記録されて、保存してございます。
○瀬崎委員 それでは、その記録は通産省の現地の運転管理専門官が通常の方法で見ようと思えば見られる状態にあったのですか。
○末広説明員 通産省から派遣しております運営管理専門官の通常の業務の形態といたしましては、まず発電所において昨日のいろいろな点検の実績、それから本日予定しております点検予定、いろいろ作業スケジュール等についてヒヤリングいたしまして、その後適宜現場に参りまして巡視パトロールするという形態をとっております。 今回の給水加熱器の件でございますが、これは一般パトロールの区域に含まれておりませんで、先ほど先生から御指摘ございましたいわゆる一般の巡視、点検表には含まれてはございません。
○瀬崎委員 それでは、法律が決めているその記録とはどういう記録なんですか。法的には、どの記録にこれは記載されることになるのですか。
○末広説明員 一般の毎日やっております巡視、点検のパトロールの記録を指しております。
○瀬崎委員 その巡視、点検の記録にこの漏洩を発見した記録が載っていなかったというのでしょう。そうすると、その記録そのものは法律に基づく記録ではなかった、あるいは法的要件を欠いた記録、こういうことになるじゃないですか。いわゆる冷却系統については一日一回以上の巡視、点検が必要である、この巡視、点検については一日ごとに記録すると法律に定められている。にもかかわらず、そこには冷却器系統の今回の事故が載ってない、こうなったら、その記録は法的要件を満たしていない、こうなるじゃないですか。
○末広説明員 原子炉冷却系統設備全体といたしましては一般的な性能をチェックしておるわけでございますが、冷却系統設備の中にもいろいろな機器等がございまして、場合によっては毎日の巡視パトロールで行けない。ですから毎日一回行くということではなくて……
○瀬崎委員 いや、そういうことを聞いているんじゃない。事故が載っていない記録は法的要件を満たしていると言えるのかということを言っているのですよ。法的要件を満たしているか、満たしてないか、その答えだけ言いなさいよ。
○末広説明員 特別パトロールの記録としては、毎日一回ではございませんが、一応法律のそれに準じた形になっているかと考えます。
○瀬崎委員 いま、あなたが特別パトロールという名を使われたその記録、これもまた法定の記録ではないのですか。
○末広説明員 お答えいたします。 毎日の巡視パトロールの記録とは別にそういった特別パトロールの記録もとっておりますが、それもこの法定の記録に含まれると考えております。
○瀬崎委員 それが法定の記録だったら、それは所定の場所に置いてあれば、先ほどのあなたの答弁からいけば、現地の運転管理専門官は見ようと思えば見られる状態にあったのではないですか。
○末広説明員 お答えいたします。 特別パトロールの記録でございますが、運転管理専門官は電力会社の報告に基づきまして適宜記録をチェックするという形になっておりまして、今回の件のように、全く運転管理専門官にそういった作業をやったことも点検をやったことも報告のない事項については、実際上把握することは困難かと考えております。
○瀬崎委員 それでは何のために法律がこの記録を義務づけているのか、また、法律でわざわざ場所を決めて置いておきなさいということの意味がなくなるわけですね。そうなってくると、原電の実施したこのいわゆるパトロール、一般も特別も含めまして、その結果が正しく通産省に必要なとき見てもらえるような仕組みになっていないという点では、必ずしも法律に合格した巡視、点検のやり方あるいは記録のとり方ではないということになるんじゃないですか。
○平田説明員 御説明申し上げます。 当省が各原子力発電所に派遣している運転管理専門官の職務は、先ほど来御説明申し上げておりますとおり、法律に基づく強制権の行使、立入検査権の行使という形で行っているわけではございませんので、保安規定の遵守状況等をチェックするために、通産省設置法に基づきます行政指導という形で行っているわけでございます。具体的な職務の遂行に当たっては、事業者からの報告をベースとしているものでございまして、本件のように電気事業者からの報告のないことまで把握することは実際上困難かと存じます。
○瀬崎委員 はっきり言いますと、記録はとられていたけれども、とられた記録どおりの報告をしていなかった、こういうことになるわけですね。 そのことについての処分問題はどうするのですか。
○高橋(宏)政府委員 そういうことも含めまして、今後他の事項を総合判断いたしまして厳正な措置をとるという姿勢でございます。
○瀬崎委員 次に、去年の五十五年の定期検査からわずか数カ月ほどで立て続けに二カ所のクラックが発生し、一次冷却水漏れ、放射能を含んだ蒸気の漏れが起こったわけですね。しかも、そのクラックに当て板溶接するだけではなしに、仕切り板溶接部分を鉄製のバンドで巻いて応急処置をした、恐らくそうしないとクラック拡大の可能性があったのではないかと思うのですね。こうした事実は五十五年の定検がきわめて不十分であったことを物語っているのではないですか。
○平田説明員 お答え申し上げます。 定期検査は、運転開始後の重要設備に対して定期的に検査を行うことによりまして、工事計画の認可届け出、溶接検査、使用前検査、保安規定等、一連の検査と相まちまして安全を確保しようとするものでございます。このため、定期検査においては設備の重要度、過去の実績等に応じて検査項目を定め、運用しておりますが、給水加熱器につきましては、今回の教訓も踏まえまして、国の定期検査項目として、供用期間中検査対象設備に加えまして、胴の肉厚測定と健全性の確認を今後は計画的に実施することにしたいと思います。
○瀬崎委員 特に私が問題だと思いますのは、五十五年の定検は、もちろんこの部分は東芝が実施しているわけですから状況はよく知っているわけなんですね。その東芝がことしの一月三十一日ですか、第二回目のクラック発生の後原電にやってきて、原電と協議をして、そしてまさに技術的にも法律的にも不当な鉄製バンドを巻くという応急処置をさせているわけですね。その東芝の社内資料なんですが、TSQZZ〇五〇七aというナンバーの資料であります。これにはちゃんと、通産省の溶接検査を必要とする「範囲及び受験区分」として「給水加熱器、給水加熱器ドレン」と明記しているのですよ。だからもう東芝は百もこの部分がいわゆる通産省の、それは通産省の直接かあるいは協会のかは別にして、その溶接検査範囲に属することを知っておった。にもかかわらず、こういうことでいいんだという指示をしたこの東芝の責任も私はきわめて重大だと思うのですが、いかがですか。
○廣瀬説明員 当該部分についての溶接検査は必要だと考えております。
○瀬崎委員 そんなこと私聞いてないですよ。東芝はちゃんと社内のこういう文書では明確に、違法で、技術的にも不適切な鉄製バンドを巻くというような、あの部分についてこちらの社内の基準ではこれが通産省の溶接検査の対象範囲に入っていると書いてあるのですよ。そういうことをちゃんと文書で出しておきながら、一方では不法を承知でそういう応急処置をさせたこの東芝の責任は一体どうなるのですか、これは責任がないと言えるのですか、そのことを聞いているのですよ。何を答えている。何にも通産省はわかっていない。
○平田説明員 御説明申し上げます。 本件につきましては、溶接をしていれば当然溶接検査は必要でございます。しかし、バンドを巻いたということは溶接をしているわけではないわけでございまして、溶接検査の必要性はその限りにおいてはないわけでございます。ただし、このバンドを巻くことが技術基準上適法かどうかにつきましては別の問題でございます。
○瀬崎委員 別の問題であろうとも、こういうふうなクラックに対して当然溶接処置というのは起こり得ることでしょう。そういうバンドを巻いて永久に運転できるのですか、そもそもここには通産省の技術基準というものがちゃんと載っているのですよ。そういうものを社内の文書で出しておきながら、一方で原電に対してはそういう応急処置でもいいんだ、技術基準に不適格なものをやってもいいんだ、こういうことになっている東芝の責任はどうか。それでもあなたは東芝のやったことは合法だと言えるのですか。これは審議官の答えを求めたいね。
○高橋(宏)政府委員 お答えいたします。 まず、法律上のメカニズムを御説明いたしますが、御存じかと存じますが、溶接の安全性を確保するための電気事業法上の措置はおおむね次のような感じになっております。 電力会社が溶接を必要とするある物を使うときは、通産大臣の検査を受けたものでなければ使用してはならない、こういう法律でございます。そういうかっこうで最終に使う電力会社にその保安の責任、溶接の責任を課している、こういう制度でございます。したがいまして、私どもは、先生の御指摘もございますが、とにもかくにも通産省の検査は済んだという確認をしなくて原電が使ったとすれば、どうもいろいろ調査ではそういう疑いが濃いわけでございますけれども、そういうこと自身をまず問題にいたしております。 それから、御指摘の点は私どもまだ詳細に存じませんので、今後の調査を通じて、東芝の責任があれば厳正に追及していくつもりでございます。
○瀬崎委員 今回のこの措置は、東芝が完全に共犯である、このことを重ねてはっきり申し上げておきます。しかも、昨年の四月に、この問題の第四給水加熱器、人の入れるような穴をあけて中の状況調査をやっているわけですね。これをやったのも東芝なんです。そのときの東芝の資料もあるのですが「第四A・B給水加熱器 本体内部構造物調査、点検孔加工および復旧方案」こういう文書ですね。この中にどう書いてあるか、「第十回(昭和五十四年)定検における第二および第三給水加熱器の調査結果より第四給水加熱器のドレン入口一部近傍の本体内部構造物の損傷が懸念されるため、第十一回定検時にドレン入口一部近傍の本体胴に調査、点検孔を設け状況調査を実施するものである。」こう書いてあります。つまり東芝が一切合財、少なくともこの部分については性能を保証しているような感じだと受け取れるんですね。 そこで、この五十四年定検調査をやったときの東芝の報告がどうであったのか、聞いておきたいのです。
○廣瀬説明員 給水加熱器の報告については、東芝からは直接いただいておりません。
○瀬崎委員 おかしいと思いませんか。せっかく問題の第四給水加熱器の内部構造調査をやっているわけですね。ところが、その数カ月後立て続けにこの第四給水加熱器でクラックが発生する。なぜ去年の定検で事前発見ができなかったのか、この点について疑問を持ちませんか。
○廣瀬説明員 先生が御指摘されているクラックの発生については、立入検査も含めまして現在調査中でございます。
○瀬崎委員 その立入調査の内容について私はいま指摘しているわけなんです。つまり、去年の定検にさかのぼってそれが万全であったかどうか、ここなんですよ。そもそもこの給水加熱器はいままでは自主点検に入っていましたね。今後は通産省の定期検査に入れるとおっしゃいましたが、自主点検であった。果たして事業者である原電側が点検個所、点検内容を指示して行っていたのか、それとも東芝側が全体の性能の責任を持つ形で点検個所、点検内容を逆に原電側に提示しながら原電はそれを追認するだけ、こういうようなことでやっておったのか、一体どちらなんでしょうか。
○平田説明員 私どもが報告を受けているところでは、これらの減肉調査につきましては、電気事業者が社内自主検査として近年におきまして肉厚測定等を実施して、減肉等によるクラックの発生を防止するためのチェックをしているというふうに聞いております。
○瀬崎委員 実は私、きょうの質問に備えて、五十四年、第十回定検当時第二と第三の給水加熱器の内部調査をやっているんですね、第三は取りかえになりました、その結果がどうなっているのか、その報告書の内容について原電に問いただしたんです。これに対して原電の栗原管理部発電課長は、現在そういう報告書があるかないか探しているんだ。結局、現在に至るも返事がないわけなんです。こういう事態を見ると、原電はもうまるまる東芝におんぶにだっこされている、こういうふうに見ざるを得ないのですが、こういう点についても今後あなた方の立入検査の中ではっきりさせていただきたいと思うのです。
○高橋(宏)政府委員 お答え申し上げます。 私は、実際に原子力発電所が非常に細かい部分にまで定期検査のときに点検をし、その判断をしながらいくという場合には、メーカーの役割というのはやはり大きいと思います。そして、そのメーカーの役割りは、保安規定を中心とします発電所あるいは電力会社の一つの保安管理体制のかさの下に位置づけられて、命令系統なり指揮系統、責任系統を経て最終的にいく、こういう形が正しいだろうと思っております。そういう意味でメーカーの役割りが位置づけられるんだろうと思いますけれども、ただいま御指摘の点でございますが、今後そういうようなこと自身が安全上問題があるということになりましたら、適切かつ厳正な措置をとるということにいたしたいと思っております。
○瀬崎委員 この第四給水加熱器の内部状況調査の後、本来ならこれは耐圧試験を実施すべきではなかったのか。通常、最高使用圧力の一・五倍の水圧をかけてテストするという方法が原則だというふうに聞きます。給水加熱器は法律上は第三種容器であって、原則として耐圧試験を実施すべきところになっているように思うのですね。いろんな事情があるということはすでに聞いていますから、それは別として、もし去年の定検のときに耐圧試験を実施しておれば、今回のクラックを未然に発見し得た可能性はあるんじゃないですか。
○平田説明員 先生御指摘のとおり、前回の定期検査のときに耐圧試験を仮にやっていたとすれば、あるいはこのようなクラックは発見できたかもしれません。しかしながら、いま先生おっしゃった第三種容器の耐圧試験の件は溶接関係の基準でございまして、定期検査において耐圧試験をすることは必ずしも義務づけているものではないわけでございます。
○瀬崎委員 義務はつけていないが、しかしやれば発見できたかもしれない、そういうことなんですね。 しかも、去年の定期検査時、実際にこの点検に携わった関係業者のいろいろな見積書があるんです。一つは、東芝の一次下請をやった東和工業の見積書で東芝に出しているもの、それから次に、この東和工業のさらに下請、つまり二次下請として実際に工事に当たった太陽工藤工事、それから、仕事はもらえなかったが二次下請として一応競争見積もりを出したA工業という社の見積書がございますが、そのどれを見ましても、全部施工範囲外として数項目挙がっているその中に耐圧試験が入っているんてす。こうしたことから、基本的には耐圧試験を実施する方向での検討がなされておったのではないか、こう思うのですね。だから、これを最終的に省略することを認めて、いわゆる代行ですか、超音波探傷試験などに代行さした、そのことを認めた通産省の出先の方の責任もやや重大ではないかと私は思うのですがね。
○平田説明員 本件につきましては、先ほども申し上げましたように溶接検査の要件として耐圧試験を要求しているわけでございまして、定期検査として要求するものではないわけでございます。私が先ほど申し上げました、耐圧試験をやっていればもしかすると見つかったかもしれないというのは、耐圧試験をしていればその結果として見つかったということでございます。これは溶接検査がこの場合は必要だったからその耐圧試験の問題も出てきたわけでございまして、全く溶接をしない場合にはこういう問題は出てまいりません。したがって、ほかのものにつきまして溶接検査をしないものについてまで耐圧試験を要求することは現在の法律上はむずかしいと思います。
○瀬崎委員 私が言いたいのは、もともとこういう工事業者が耐圧試験を前提にしていろんな段取りをしておった、見積もりを組んでおった、こういう事実があるわけなんです。ですから、その耐圧試験がよしんば溶接に対する点検であったとしても、もう十五年、ほぼ耐用年数いっぱい使っているような給水加熱器ですから、他の部分の強度もあわせ測定できるという意味では、やはり当初の予定どおり耐圧試験をやっておけばよかった、こういうことだけは言えるのではないか、こういう意味のことを言っているんですね。 時間が大分迫ってますので、次を急ぎます。 実は東芝が受け取った点検費用がほぼ七千万であります。こういう大金でせっかく内部状況調査を請け負いながら、これが実らなかった。こういう点で、私はやはり相当問題があると思う。 ちなみに、先ほどメーカーの役割が非常に大きいと言われたからなおのこと強調するのですが、一次下請東和工業、東芝の子会社ですが、これが東芝に第一回目に出した見積もりというのは五千六百五十万円であった。ところが東芝から値下げを要求されて、第二回目に出した見積もりは二千五百九十五万円、半分以下に下がってしまうのです。次に、二次下請の太陽工藤工事は、東和工業に対して当初三千四十万円の見積もりを出した。これが実際には仕事は受けるんですが、半値の千五百万円に値切られてしまっている。もう一つ、二次段階では、先ほど言いましたA工業というのが競争見積もりを出しているのですが、第一回目に五千百五万七千六百円を出して認められず、二回目の見積もりは三千二百三万三千三百円を出して、結局太陽工藤に仕事はとられているわけですね。この最終見積もりでいけば、実際工事をやった太陽工藤千五百万に対して、A工業は三千二百万、こんな大きな開きがあるのですね。同じ点検工事をやるのにこんな開きがあるのは全く不思議なんです。 こうなってきますと、定検が自主検査であることをいいことにして、かつまた民間に、東芝におんぶにだっこになっている、そのことをよいことにして、東芝の方は慎重な検査をやるというよりも、下請をたたきにたたいて、もうかればよい、こういうふうなことになっているのではないか、こういう点も私は今回の事故の間接的な要因ではないかと思うのですね。ひとつこういう点の検査も、通産省としてはきちっとやってほしいと思うのです。
○高橋(宏)政府委員 安全の確保、特に製造時と定期検査の細部にわたりましてメーカーの役割りは大きいと私は申し上げたわけですが、そういう意味で、メーカーは電力会社との関係を経まして、やはり外から不信あるいは疑惑があってはならない立場だと思います。私ども法律の権限等に基づきまして仕事をする場合、いま御指摘の点、どの程度まで調べるかという問題がございますけれども、いまお話ししましたような点を通じて、今度十分対処していきたいというふうに考えております
○瀬崎委員 中川長官に伺いたいのでありますが、今回の事故は、残念ながら第三者、それも決してわれわれ自慢するとかそういうことではなくて、事実をありのまま申せば、赤旗の記者が通産省に通報したことからこの事実が明らかになった、こういうことなんですね。先ほどるる話のあった、クラックが発生して放射能を含んだ蒸気が漏れたまま、事実上四日間は運転を続けておった、またその修理は、一つは技術的にはまあまあだけれども法律上の手続は全く違法だ、処分の対象になる、いま一つは、全く技術上の技術基準にマッチしていない、こういうふうなやり方、事実は報告していない、こういうことなんですね。 そこで、どうやら現在の通産省の監督体制は、原電との信頼関係の上に成り立っているという話なんですが、その信頼関係が切れてしまっているわけですね。こういう状況のもとで、では一体政府の対応はどうあるべきか、この点を大臣に伺いたい。つまり、原子力基本法の立場から見て、これはまさに自主、民主、公開の三原則をうたっているのですが、こういう立場から見て、この原電に対して大臣はどういう見解をお持ちか、どういうふうな処置を講じようと政府としては思っていらっしゃるか、伺いたい。
○中川国務大臣 今回の問題は、報告義務も怠っておりますし、また対応も適切でない面もあります。いま通産省が責任官庁としてこれにどう対処するか調査中でもありますので、その結論を得まして、原子力安全委員会がダブルチェック機関としてどう対応するかが決められていくのだろうと思います。私も原子力委員長として、今回の事件は本当に遺憾なことであった、二度と再びかかることのないように——信頼関係、協力関係がありませんとこれは成り立たないことでございまして、全般の問題としてこの信頼関係をしっかりしたものにするように指導してまいりたい、こう思っております。
○瀬崎委員 実は、いわゆる電気事業法とか、原子炉等規制法とか、個々の法律で安全を守るようにはちゃんと決められているのですが、こういう事実、法律を無視していくわけですね。こうなってきますと、もう個別の法律に照らしてどうのこうのというだけでは、とてもじゃないが、こういう原電のようなやり方をされますと規制し切れなくなってきます。そういう点で、安全最優先をうたっている原子力基本法の立場から、私は重ねて大臣に伺っておきたいのですが、通産省任せではなしに、きちっと閣議ででもこの問題を出して、中川長官も大いにリードしていただきながら、政府全体としてこの原電に対してきちっとした行政指導なり的確な処置を行っていく、このことをはっきりさしていただきたいと思うのです。
○中川国務大臣 原子力行政は、これは絶対進めていかなければならない大事な政策課題であります。ただ一点大事な点は、この安全性の問題でございますので、この点につきましては、閣議で発言するかどうかは別として、まず通産省がしかるべき対応を行い、その上で足りないところがあれば、またわれわれもチェックをするなり、政府全体ということになりますかどうか、みんなで力を合わせてこの問題には対応していきたい、こう思っております。
○瀬崎委員 最後に、吹田原子力安全委員長、御苦労さんです。伺って終わりたいと思います。 いまお聞き及びのとおりなんですね。そこで思いますのに、現在の通産省の体制でいきますと、要は原電が現地の運転管理専門官をだましてしまえば、通産省としては手が打てないということにずっと答弁はなっているわけですね。 そこでまず第一は、現地の運転管理専門官、派遣はしているものの、第一、法律上の立入検査権も与えられていないのですよ。だから向こうは、出てくる法律を受けるしかない。さらに、原子力発電所は二十四時間運転しているし、巨大な複雑な機構ですね。私もかつて本委員会で、たった一人派遣して一体何ができるか、労働過重もいいところだ、人権問題にもなるのじゃないかと言ったこともあるくらいです。多少ふえて二、三人になっておるでしょうけれども、果たしてこの人数で、原電のような企業を相手に万全が期せるかどうか。こういう体制について、安全委員会としては何らか方針等を出してしかるべきでないか。これが一点です。 二つ目は、原電幹部のこういうやり方を心配した人が、勇気を出して告発をされたんでしょうけれども、本来なら監督官庁の通産省へ直接届けがあってしかるべきなのに、赤旗という回り道をしてしか届かなかった。これは、一つは開発官庁である通産省に、今日安全審査の全権限が打っちゃった。これは国民が余り信用していないという面のあらわれではないかという気もするのですね。だから、この原子力の安全審査体制、規制の全体制——以前は科技庁と通産と二本立てになっていましたね、こういう点で、この前の原子力基本法等の改正が果たしてよかったのかどうか、こういう点の検討も、安全委員会として御検討いただくべきじゃないかという気がするのです。 それから、三点目ですね。もちろん法律上の権限もそうですけれども、原子炉の設置許可以降の規制全般についても、必要に応じ、原子力安全委員会は調査、審議を行うことができるように、また、行政機関に求める協力は、実地調査への協力を含むことは本委員会が決議をちゃんとつけてありますから、ぜひこの点についても現地調査を実施するくらいの決断を持っていただきたいと思うのですね。 さらに、河本通産大臣は、あの原子力基本法改正案のときに、安全委員会から注文を受けましたものに対しては、すべてその手続をとるつもりでございます、こうおっしゃっているのですから、ひとつ必要なことについてはどんどん通産省に要求をして、安全委員会が的確な判断を下せるようにしていただきたいと思うのです。今回の事故に対する御見解も含めてお答えをいただいて、終わります。
○吹田説明員 それでは全体につきまして、安全委員会の委員長としての考え方を申し上げますと、私たちは、通産が第一位の行政庁でございますので、その行政庁の報告を受けて、そしてそれに対してダブルチェックをいたします。その際、きょう先生から御指摘のありましたようなことも含めまして、違った観点から安全規制政策全体から見て、厳重にやっていきたいと考えております。
○中村委員長 次回は、来る九日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十一分散会