沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1981/02/24
会議録
○小沢委員長 これより会議を開きます。 沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。 この際、沖繩及び北方問題に関する政府の施策について説明を求めます。伊東外務大臣。
○伊東国務大臣 外務省の所管事項につきまして、その概略を御説明申し上げます。 まず、北方領土問題について申し述べます。 ソ連は、わが国の重要な隣国の一つでありますが、両国関係は、北方領土における軍備増強、ソ連のアフガニスタンへの軍事介入など遺憾な事態によりまして、引き続き困難な局面にあります。 北方領土の祖国復帰は、広く国民の願望であるにもかかわらずいまだ実現を見るに至らず、北方領土が戦後三十五年を経た今日なお、ソ連の不法な占拠のもとに置かれていることはまことに遺憾であります。 さらに最近では、北方領土においてソ連の軍備強化の動きが見られるなど、北方領土問題をめぐる情勢にはきわめて厳しいものがあります。 申すまでもなく、日ソ間の最大の懸案は北方領土問題であり、これが解決はわが国対ソ外交の最も重要な課題でございます。 私は、昨年秋の国連総会一般討論演説におきまして、北方領土問題を直接取り上げてこれを国際世論に強く訴え、その翌日に行ったグロムイコ・ソ連外相との会談でも、わが国の立場を改めて強調した次第であります。これに対しましてソ連側は、ソ連は島の問題は審議されるべき問題と考えないとかあるいはソ連には余分の領土はないなどと述べてかたくなな態度を崩そうとせず、誠意ある態度を示しておらないのでございます。 かかるソ連側の態度は、わが国としてはとうてい受け入れることはできないところであり、そもそも北方領土問題が日ソ間の未解決の問題であることは、近くは昭和四十八年の日ソ首脳会談において明確に確認されているところであります。 また、北方領土の返還要求は、累次、国会で採択されました御決議にも示されているように、国民の総意であり、この国民の総意は、先般の北方領土の日においても如実に示されたところでございます。 しかるにソ連側は、返還要求がわが国の国民の総意であることを理解しようとせず、はなはだ遺憾なことには、北方領土の日を真の日ソ友好の新たな出発点とせんとのわが国の真意を解さず、返還要求運動の高まりをソ連に対する非友好的なキャンペーンであると非難をしておるのでございます。 政府としては、日ソ間に真の友好善隣関係を確立するためには、北方領土問題の解決こそが不可欠である旨引き続きあらゆる機会にソ連側に伝えるとともに、この問題は、ソ連と対決することによってではなく、あくまでも平和的な話し合いによって解決すべきとの姿勢を堅持しつつ、広範な国民の総意を背景に今後とも粘り強い対ソ外交を続けてまいる決意でございます。 次に、沖繩問題について申し述べます。 政府としては、日米安保条約に基づく米軍の存在は、わが国の安全を含め極東の平和と安全に寄与しているとの考えでありますが、特に沖繩県におきましては、米軍施設、区域の密度が高く、米軍の活動に伴って沖繩県民の生活にもいろいろと影響が及んでおり、その整理統合を求める声がかねてより強いことは十分承知しております。 政府としては、米軍施設、区域の安定した、かつ、円滑な運用に関し、不可欠な沖繩県民の理解と協力を引き続きお願いしたいと考えております。このため政府としては、安保条約の目的達成との調整を図りつつ、県民の要望にこたえるよう努力を傾けるとともに、米軍の活動に伴う住民生活への影響を最小限度にとどめるよう米国側との不断の接触を通じ引き続き努力してまいる所存であります。 また、現在まで日米間で了承された米軍施設、区域の整理統合計画については、今日までに相当程度が実施されてきましたが、今後ともさらに、沖繩県民の民生の安定にも十分配慮しつつ残余のプロジェクトの早期実現につき鋭意努力してまいる所存であります。 以上、外務省所管事項につきまして概略御説明申し上げました。委員各位の御理解と御支援をお願いいたします。
○小沢委員長 中山国務大臣。
○中山国務大臣 沖繩及び北方問題について所信の一端を申し述べさせていただきます。 初めに、沖繩の振興開発について申し上げます。 沖繩が祖国に復帰して間もなく十年という歴史的節目を迎えようといたしておりますが、この間政府は、沖繩振興開発計画に基づき、社会資本の整備を初め、各分野における本土との格差是正や沖繩の自立的発展に必要な基礎条件の整備のための努力を鋭意続けてまいりました。その結果、道路、空港、上下水道、公立学校などの公共施設の整備は順調に進み、その他多くの分野でもかなりの成果を上げ、本土との格差は次第に縮小されております。 しかしながら、沖繩においては、産業の振興を初め、雇用問題など解決を要する課題を抱えており、今後の沖繩振興開発に一層の努力が必要とされております。 政府といたしましては、このような現状に対処し、沖繩の振興開発をさらに推進していくため、昭和五十六年度予算において、沖繩開発庁全体で二千百七十三億三千三百万円、そのうち、振興開発事業費では二千十九億八百万円の予算を計上するとともに、沖繩の企業の発展に役立てるため、沖繩振興開発金融公庫の融資及び出資の増額に努めたところであります。 なお、戦後処理問題の一つとして多年の懸案でありましたいわゆる対米請求権問題につきましては、漁業関係事案及び人身関係事案に引き続き、残る土地関係等事案につきまして、地元の要望に沿い総額百二十億円を交付することによって一切の解決を見ることになり、昭和五十六年度予算ではその一部として十億円を計上しているところであります。 また、土地の位置境界明確化につきましても、昭和五十六年度に予定しております調査により、沖繩開発庁が所管する位置境界不明地域についての調査がおおむね達成されることとなりますので、地元との連携を一層密にして調査の推進に努めたいと考えております。 ところで、沖繩振興開発計画は、昭和五十六年度で計画期間を終了することとなっておりますが、沖繩には、先ほど申し上げました産業の振興、雇用問題のほかエネルギー問題、水不足の問題など重要な課題があります。それらを念頭に置きつつ、昭和五十七年度以降の沖繩振興開発のあり方をどうするかにつきまして、現行計画の実施状況、沖繩県の経済的、社会的諸情勢を十分踏まえ、かつ、今後の振興開発の方向等を十分見きわめながら、決定していく必要がありますので、目下、そのための調査検討を進めているところであります。 現在までの検討結果から見る限りでは、私といたしましては、今後の振興開発を円滑かつ効果的に推進するために、新たな沖繩振興開発のための計画の策定が必要でないかと考えているところでありますが、この問題につきましては、今後さらに沖繩県の実情、県民の御意向を十分配慮し、政府部内で調整を図りつつ対処してまいりたいと考えております。 次に、北方領土問題について申し上げます。 まず、所信表明に先立ちまして、去る二月七日の第一回北方領土の日に当たり開催をいたしました北方領土の日設定記念、北方領土返還運動推進全国集会は、委員長初め委員各位の御協力により、おかげをもちまして盛会のうちに無事終了することができました。この席をかりまして心から厚く御礼を申し上げる次第であります。 北方領土は、歴史的にもまた国際法上もわが国固有の領土であることが明らかな歯舞、色丹、国後及び択捉の北方四島が今日なおソ連の占領下に置かれたまま祖国復帰が実現していないことは、日ソ両国の平和友好関係の促進のためにまことに遺憾なことであります。 現在、北方領土をめぐる情勢は依然としてきわめて厳しいものがありますが、政府は、北方四島の一括返還を実現して日ソ平和条約を締結し、真の相互理解に基づいた安定した基礎の上に両国の友好関係を発展させるという基本方針のもとに、国民世論の力強い支援を背景として、あくまでも平和的な話し合いによって北方領土の早期返還の実現を図るため、今後とも誠意をもって対処し、なお一層の努力を傾けてまいりたいと考えております。 幸いなことに、北方領土問題に対する国民世論の盛り上がりは、一千八百万人を超える返還要求署名運動や各種の団体が各地で開催している返還要求大会などに見られますとおり、最近特に顕著なものがあります。このような返還運動の高まりの中で、地元北海道や民間団体などからの要望、また前国会における衆参両院の北方領土問題等の解決促進に関する決議、地方公共団体の決議を踏まえ、本年一月六日の閣議で毎年二月七日を北方領土の日とすることにいたしたのであります。 二月七日は、北方四島が平和裏にわが国固有の領土として、初めて国際的に確認された一八五五年の日露通好条約の調印という歴史的な事実にちなんだものでありますが、この北方領土の日が設けられたことによって、北方領土返還運動が新たな活力を得て一層粘り強く発展することを心から願うものであります。 政府といたしましては、今後とも国民一人一人が北方領土問題をより身近な問題として理解し、より深い知識を持つことができるよう各般の啓発事業の推進に努めるとともに、地方公共団体、民間団体との連携を深め、全国各地域において一様に活発な返還運動が展開されますよう所要の施策を積極的に推進してまいる所存でございます。 同時に、北方地域からの引揚者に対する援護につきましても十分配慮するとともに、北方領土問題が未解決であることに伴うその他の諸問題についても、関係省庁において適切な施策が講ぜられるよう相互に緊密な連携をとってまいりたいと存じます。 ここに、沖繩及び北方問題に関する所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いする次第であります。
○小沢委員長 次に、沖繩及び北方関係予算について、順次説明を求めます。宮島沖繩開発庁総務局会計課長。
○宮島政府委員 お手元に昭和五十六年度沖繩開発庁予算の資料を配付いたしておりますので、ごらんいただきたいと存じます。 昭和五十六年度沖繩開発庁予算について、その概要を御説明申し上げます。 昭和五十六年度は、昭和四十七年に策定された沖繩振興開発計画の最終年度となっており、きわめて厳しい財政事情下ではありましたが、本土との格差是正及び沖繩の自立的発展の基礎条件整備をうたった計画の基本目標を踏まえつつ、現下の沖繩における社会経済情勢にも配慮をして予算措置を講じているところであります。 以下、順を追って申し上げますと、第一に、沖繩開発庁に一括計上されております沖繩振興開発事業費の総額は、二十九億八百万円で、前年度当初予算額に対し、四十九億一千九百万円、二・五%の増となっております。 その内訳は、治山治水対策事業費道路整備事業費、港湾漁港空港整備事業費、農業基盤整備費等を主な内容とする公共事業関係費一千七百四十四億三千万円と、公立文教施設整備経費等を内容とする沖繩教育振興事業費二百二十九億百万円、保健衛生施設整備経費等を内容とする沖繩保健衛生等対策諸費十三億九千二百万円、並びに糖業振興経費等を内容とする沖繩農業振興費三十一億八千五百万円であります。 昭和五十六年度の沖繩振興開発事業費予算は以上のとおりでありますが、特に一、水資源の確保、二、道路港湾等交通網の整備、三、第一次産業の基盤整備、四、生活環境の整備等につきまして配意をいたした次第であります。 第二に、これら当庁に一括計上される振興開発事業費以外の諸経費について申し上げます。 第一点は、沖繩における経済の振興及び社会の開発に必要な資金を融通するために設けられている沖繩振興開発金融公庫に対し、その業務の円滑な運営に資するための補給金として八十億八千八百万円を計上いたしております。 同公庫の昭和五十六年度における貸付計画は、特に中小企業等資金の充実を図ることとし、総額一千四百億円を予定いたしております。 また、本年度に引き続き地方公共団体、民間企業と協調して産業の誘導を図るための出資金として四億円を予定しております。 第二点は、いわゆる沖繩の戦後処理問題の解決を図るために必要な経費として、まず、対米請求権問題の最終的な解決を図るため、土地関係等事案に係る特別支出金として、総額百二十億円の初年度分として十億円を計上いたしております。次に、沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法の施行に要する経費五億九千二百万円、さらに、不発弾等の処理、対馬丸遭難学童遺族給付経費等、合計十八億九千二百万円を計上いたしております。 このほか、沖繩開発庁の一般行政経費等として五十四億四千四百万円を計上しております。 以上述べました沖繩開発庁計上経費の総額は、二千百七十三億三千三百万円であり、前年度当初予算額に対し、四十六億二千八百万円、二・二%の増となっております。
○小沢委員長 次に、藤江北方対策本部審議官。
○藤江説明員 昭和五十六年度総理府所管の北方関係予算案につきまして、お手元の資料によりその概要を御説明申し上げます。 昭和五十六年度北方関係予算として五億百三十六万五千円を計上いたしておりますが、これは前年度予算に比較し、一〇・八%の増となっております。 その内容を申し上げますと、(1)が北方対策本部の人件費及び一般事務費で四千七百九十三万三千円であり、(2)が北方領土問題対策に必要な経費で四億五千三百四十三万二千円であります。 (2)の内訳は、四項目ございますが、大部分は(4)の北方領土問題対策協会の補助に要する経費であります。 そのうち、事務費は八千三百十四万四千円、事業費が三億六千三百十三万七千円、予備費百万円でありますが、事業費としては、まず啓蒙宣伝関係費の一億一千八百万八千円が、新聞、週刊誌広告、テレビ放送、北方領土展、広告塔、北方領土を目で見る運動の実施等各種の啓蒙活動に必要な経費であります。 次の返還運動関係費は、国民の北方領土問題への関心を喚起し、返還運動の盛り上がりを図るため、国民大会、県民集会の開催、全国、県内キャラバン隊の派遣に要する経費等二千八百八十万六千円であります。 また、推進委員関係費三千百三万九千円は、地方における返還運動の中核的役割りを果たしている各都道府県推進委員が啓発活動などを行うために必要な経費でありますが、五十六年度は、特に返還運動の全国的な展開を強化するため地方組織の整備を急ぐ必要があり、県民会議設置運営費を拡大いたしております。 さらに、団体助成関係費八千六百七十三万一千円は、資料関係助成、幹部研修、地方研修会の実施及び全国青年婦人の現地研修等の経費並びに現地根室を訪れる一般国民に対する啓発関係費と、北方館の展示整備を行うための現地特別啓発費などであります。 次に、調査研究関係費六百四十三万五千円は、資料収集及び啓発活動等の調査研究経費であります。 また、援護関係費一千三百八十四万四千円は、北方地域元居住者団体が行う元島民の子弟に対する生業研修の事業等及び元居住者等生活実態調査に必要な経費であります。 さらに、貸付業務補給費でありますが、協会が行う北方地域旧漁業権者等に対する事業資金、生活資金の融資について、その貸付枠を本年度の八億円から十億円に拡大することとし、利子補給費四千九百八十八万二千円及び貸付業務に必要な人件費、事務費補助二千三百三十九万二千円、合計七千三百二十七万四千円を計上しております。 最後に、別海町に展示、展望のための啓発施設を建設するために必要な調査費五百万円を計上いたしております。 以上をもちまして御説明を終わります。
○小沢委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十八分散会