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94回国会衆議院1981/05/26

運輸委員会 第14号

発言数
96
登壇者
16
会派数
4
開催日
1981/05/26

会議録

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長 これより会議を開きます。  加藤六月君外九名提出、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林恒人君。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 自由民主党加藤六月議員外多くの皆さんから提案をされております全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案の提案理由の中にも一部明示されてございますけれども、まず冒頭に、国鉄総裁に基本的な事項でお伺いをしておきたいと思うのであります。  昭和三十九年、東海道新幹線が開業いたしましてから以降、新幹線網が、遅々ではありますが進み始めている。と同時に、昭和三十九年以降、国鉄の財政悪化という状況の中で、過般の再建法の中でも多くの議論をいたしましたけれども、いわゆる幹線網の中でも赤字が増大をしているという状況の中で、現行の経営をされている新幹線、それから在来線のうち幹線、地方交通線、加えて計画をされておりまするところのAB線、こういった総合的な鉄道体系の中で、国鉄総裁として今後どのようなお考えのもとに国鉄経営を進めようとしておられるのか、基本的なアウトラインだけで結構でございますので、お教えいただきたいと思うのであります。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 先般御審議いただきました法律の段階でも申し上げましたし、それから数日前に運輸大臣から御承認いただきました経営改善計画の中でも明らかにいたしておるところでございますが、私どもとしては、旅客については都市間の輸送、それから大都市における通勤輸送というものを中心に今後取り組んでまいりたいと思います。したがいまして、地方交通線あるいはAB線等につきましては、現在ありますものにつきましてもあるいは建設中のものにつきましても一つの共通の尺度をもって、それは結局お客様がどのぐらい乗ってくださるかという輸送密度がいま判断基準の中心になっておりますが、これについてはいろいろ御批判もありますけれども、やはり輸送密度を中心として判断をして、輸送密度の少ないところについては、私どもがいつも申し上げておりますように、バスへの転換といったことを中心にして進めていったらどうか。  反面、都市間の輸送の典型的なものは新幹線でございますが、私どもとしては都市間輸送は、道路が整備されました後におきましても重要な、責任のある分野と考えておりますので、これは今後とも進めていく方向で考えるべきだと思います。ただ、現在、建設費が非常に高くなっておりますし、それほど多くの輸送密度も期待されない線区につきましては、かねがね申し上げておりますように、建設費に関する負担なしで運営させていただくというぐらいでないと、道路その他との競争力から申しまして経営がなかなかむずかしいと考えておるわけでございまして、大変身勝手ではございますが、建設はしていただきたいと考えますし、そして、それの運営を私どもにやらしていただきたいと思いますけれども、その場合のコストの前提としては、建設費は何らかの形で御負担の上でお受けいたしたいという気持ちでございます。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 もう少しお尋ねしておきたいのでありますが、この建設費の問題を含めて、それぞれコストという議論が、近年の国鉄を取り巻く議論の中では常に出てくるのでありますけれども、公共交通、日本国有鉄道、こういう認識の上からするならば、コスト主義に陥ることについてはいかがなものかなという疑問を一つ持ちます。加えて、再建法の中でも議論になったのは、輸送密度イコール地域におけるコスト主義、さらに、こう細分化をしての地域コスト主義、こういった議論が中心になって特定地方交通線の廃止という、こんな議論になっていったわけでありますが、私どもは、基本的にはこういう考え方は、公共交通、日本国有鉄道、こういう認識からすると過ちではないのかなという気持ちがあるわけです。  ただ、そういう議論からしますると、今日計画をされておりますところの全国新幹線網、そのうちの整備五線、こういったものをどのような取り扱いをしていくのかという前提条件の中では、百歩譲って、いま総裁がおっしゃっているようなコストや輸送密度、建設費、こういった議論が、果たして今日の国鉄財政危機の折からなじむ議論なのかどうなのかという疑問を持たざるを得ません。これは私の方で、私ども日本社会党が持っている方向性から言いますと、百歩も二百歩も譲った議論なわけなんです。  そういう意味合いで、国鉄側として、この新幹線計画というものについて、いましばらく考え方を掘り下げたお答えを求めたいと思うのであります。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 従来から公共的役割りという意味と、それから独立採算という意味をどう調整するかというので問題があったわけでございますけれども、全体として独立採算を保ちながら、なおかつ公共的使命を果たすといういまの国鉄の法律の基本的なポイントについては、現状ではこれを実施していくことが非常に困難な状態になっております。と申しますのは、やはり道路なり港湾なり飛行場なりにつきましての投資のあり方と私どもに対する投資のあり方がだんだん違ってきております。道路もガソリン税等を通じて受益者負担であるとはいうものの、現実の投資、その回収の仕方というのは、道路については、それの利子負担、償却のあり方等が大変違ってきておりますので、従来のように独占的状態でなくなった現状においては、今日のルールで今後取り進められることは、後の採算からいって非常に困難だというふうに考えております。  ただ、一方、都市と都市の間を結ぶ線路は何らかの形でやはり私どもが今後とも責任を持ってやっていかなければならぬと考えますと、在来線のように建設費が余りかからないで維持運営費が非常にかかる線路の形態というのは、今後経営に対して非常に圧迫材料になるわけでございまして、新幹線のように建設に多くを投じていただいて、そしてオペレーションコストは少なくて済むというような形の鉄道、同じ鉄道でも在来線と新幹線はその点全くコストの状態というのは違うわけでございまして、そういう意味で、都市間のための鉄道を今後とも維持していくためには、オペレーションコストの少ないシステムが望ましいわけでありまして、やはり何らかの形で、建設費をどうやって調達するかという問題はありますけれども、主要なところについてはオペレーションコストが少なくて済む新幹線スタイルのものが望ましいというように考えざるを得ない。ただ、現状においては、その利子負担、償却負担の問題がありますので、そこら辺について、道路その他との関係である種の調整をお願いをいたしたいというわけでございまして、しばしば総合交通システムが欠けておるという御指摘があり、私どももそう感じておりますけれども、その場合のポイントの一つとしては、やはり建設費のあり方ということを考えていただきながら、もう大変陳腐化いたしております在来システムを新幹線のような新しいシステムに少しでも変えさせていただけるならば、経営的には非常にぐあいがよくなるのではないかというふうに考えておるわけでございます。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 自治省の財政局長おいでですか。——自治省の方の時間が制限があるようですから、議論がちょっと前後するのでありますけれども、自治省にちょっとお尋ねをしておきたいと思いますが、過般の委員会で、自治大臣の、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案にかんがみて、この法文の読み方については、地方自治体あるいは地方公共団体が資金の援助をするという項目について協議をすることであり、地方自治体の負担を強制されるものではないという、こういう御答弁をいただきました。加えて、この整備法の一部改正をめぐって他の委員会の中でも幾人かの皆さん方がそれぞれもうすでに質問をされていることに自治省がお答えになっている事柄がございますけれども、この点について今日段階で変更があるのかないのか、この点についてお伺いをしておきたいと思います。

土屋佳照自治省財政局長

○土屋政府委員 新幹線の建設につきましては、これが事柄の性格上、国土の基幹的な交通網の整備の一環であるということで、従来から国鉄なり鉄建公団でそれは行ってきたわけでございます。それは現在の国と地方との事務配分なり財源配分の現状から見ますと当然そうあるべきであり、今後もそういった方向で建設は進めらるべきであるという点につきましては、基本的には私どもは変わっておりません。  現在、議員立法の形で提案されておりますものについては、大臣からお答え申し上げましたように、これは地方団体との協議の道を開くものであって、地方団体に対して強制をするものではないということを聞いておりますし、私どももまたそう認識しておるわけでございますが、最初に申し上げましたような趣旨と地方財政の現状等から見て、負担がどういった形になるか、それはわからないわけでございますけれども、基本的にそういった考え方は変わっていないところでございます。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 重ねて局長にお尋ねをしておきたいのでありますが、過般二月の十日、地方行政委員会において社会党の五十嵐広三委員の方から質問されております。これはすでに自由民主党の中で整備法の一部改正が議論され始め、新聞報道等が顕著になってきた段階で自治省の見解をただしているわけでありますが、五十嵐委員も地行委員会の中で指摘をしておりますように、たとえば地方公共団体に三分の一程度の財政援助、こういうような工事費負担割合が出てきた場合のことを想定すれば、少なくとも北海道などについては、年間北海道予算が一兆四千四百億円、これに比較をしてみると、およそ三割強に近い四千五百億円もの巨額を投じなければ北海道には新幹線がやってこないということになるではないか。さらに、青森県で対比をするならば、青森県予算の六割強、長野県で四割強、富山で七割、このようにして、それぞれの県別に見ますと三割から五割、六割という年間予算対比で負担をしなければ新幹線を敷設することはできない。  こういう状況の中で、あなたは二月十日の地方行政委員会の中では、「地方団体がこれに関する財政負担をする性格のものではないというふうに考えております。」「地方財政再建促進特別措置法の二十四条の二項の規定によります日本国有鉄道等への寄付などの禁止というのはこういった趣旨から設けられたのでございまして、地方公共団体が財政負担をすることはできないものでございますし、また厳しい地方財政の現況から見まして、いま自民党案というよりも部会あたりでの一つの試案として出されておるものではございますが、」「地方公共団体が現実にこういった巨額の負担をする余地があるはずはない」と自治省としては考えている、このように答弁をしているわけです。  これは今日段階でも変わるような状況が出てきておらないと私は判断をしておるのでありますけれども、どのようにお考えですか。

土屋佳照自治省財政局長

○土屋政府委員 ただいまお示しになりました地行委でのやりとりの中で、五十嵐委員から、自民党の交通部会で検討されるもののうち二十年間の利子補給案というものを例に引いてのいろいろな御質問でございました。それでは地方団体が二兆六千億というような負担の案になっております。そういったことでのお尋ねでございましたので、それをもとにしていろいろ考えてみますと、お尋ねの数字は私は詳細には突き合わしていないわけでございますけれども、地方団体の現在の予算、それぞれの団体の建設事業あるいはその中における単独事業の量から見で、これはとても負担にたえ得ない巨額のものであるという判断をいたしました。そしてまた、現在、地方財政再建促進特別措置法二十四条第二項の規定がございますので、ただいまお示しになったようなお答えを申し上げたわけでございまして、先ほどから申し上げておりますように、そういった具体的な案というものを私ども持っておるわけでもございませんし、今後どういった形で建設が進められるかということも承知していないわけでございますから、その辺についてどうこうということはできませんけれども、ただ基本的には、最初に申し上げたような考え方は変わってないわけでございます。地方財政の現状から見て大きな負担ができるはずのものではないという考えはいまでも変わっていないわけでございます。今後どういうふうになるか、その点について私が具体的なお答えを申し上げるわけにはまいらないわけでございます。基本的考え方は、いま申し上げたとおりでございます。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 わかりました。  大蔵省にも同趣旨のお尋ねをしておきたいのでありますが、自由民主党が一部改正を国会に提案をした段階で、大蔵省もそれぞれ各マスコミの質問に答えている部分が幾つかございます。特にことし、昭和五十六年度を展望した場合に、大蔵省そのものが大型公共投資全般についての洗い直しをしなければいけない、財政逼迫の折からどう大幅な支出を抑制していくのか、こんな見地から談話を発表された経緯があります。これは五十六年四月十九日の新聞ですけれども、「大蔵省は大型公共投資全般について洗い直す考えで、特に、開業しても大幅な赤字が必至の整備五線は着工を無期限に延期したい考えだ。」このような新聞報道がなされているのでありますけれども、今日段階での財政当局としての整備五線に対する考え方、また一部改正にかかわっての財政支出という見地からの大蔵省の考え方についてただしたいと思うのであります。

伊藤博行大蔵省主計局主計官

○伊藤説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生が御指摘になりました新聞記事、必ずしも私十分承知しておりませんけれども、多分そこで言われておりますのは新幹線に限ってということではなくて、現下の財政事情にかんがみまして、特に五十七年度につきましては、御案内のように、増税なくして予算を組んでいくということで関係各省ともどもいまその作業に入っているところでございます。そういった意味で、あらゆる歳出につきまして抜本的な見直しをしなければなかなかそういった予算は組めないという認識のもとでの発言であろうかと思います。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 そんなことじゃないでしょう。何を答弁しているのですか。少なくとも新幹線整備五線、私の言ったことをよく聞いて答弁してもらわなければ困るのですよ。これは整備五線が委員会付託になったという段階での大蔵省の記者団に対するお答えなんですよ。まだその後があるのですよ。「少なくとも今年度中は着工に至らないよう、自民党や関係自治体の説得に全力を挙げる方針である。」ここまで言い切っておるのですよ。でたらめな答弁をしないで、正確に答えてください。

伊藤博行大蔵省主計局主計官

○伊藤説明員 先ほど申し上げましたように、現下の私どもを取り巻いております財政事情、それを申し上げたわけでございますが、現在、先生御指摘の整備新幹線につきまして、これはいまさら申し上げるまでもなく、相当の金を食うプロジェクトである、それからまた、でき上がった際の需要見通し、輸送需要の見通しというものが、従来の新幹線に比べますと相当低いものである。したがって、従来方式で建設するということについてはなかなかむずかしい問題がある。かと言って国の助成でもって建設するにつきましても、いま申し上げましたような現下の財政事情からいきますとなかなか困難であるというようなことから現在の法案が提案されておるのであろうというふうに理解しておりますけれども、そのことと、一般的に財政事情が窮屈であるという中であらゆる歳出を見直さなければならぬということと、これまた片一方の事実でございまして、そういった環境のもとで、これは大蔵省として正式に態度を決めておるとかあるいは方針を決めておるとかいうことではなくて、現在決めておりますのはあらゆる歳出を見直していくということで作業を進めておるのが実際でございます。具体的な個々のプロジェクトにどういう形で適用していくかというのは今後の検討課題ではございますけれども、現時点での大蔵省として正式に決めておりますのはあらゆる歳出の見直しをしておくということでございます。したがって、もちろん新幹線につきましても当然検討の対象にはなりましょうし、その際に、本プロジェクトの性質は先ほど申し上げましたような性格のものであるということも当然議論にはなりましょうが、現時点での私どもの置かれておる立場といいましょうか、そういうものを申し上げれば、ただいま申し上げたとおりでございます。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 それでは、ちょっと具体的に御質問しておきたいと思うのであります。  昭和五十六年度整備新幹線の調査費用として国鉄並びに鉄建公団に対して二十億、二十億、四十億円の調査費がついてますね。さらに、工事費として四十億、四十億で八十億、トータルいたしますと百二十億円の予算が、財投も含まれまするけれども、予算化をされているわけです。いまあなたの答弁を引用すると、全般的に財政逼迫の折から見直しをしなければならない、できるだけ支出を抑制しなければならない、こういう見地から言いますると、調査費の支出方、工事費の支出方、どのような考え方を持っているのですか。

伊藤博行大蔵省主計局主計官

○伊藤説明員 お答え申し上げます。  調査費と工事費では若干考え方を異にしておろうかと思います。調査費は、御案内のように、数年前からすでについておりまして実際に調査も行われております。今年度の五十六年度に計上されました調査費も、性格的には従来の調査費と同系列のものかと思います。一方、工事費につきましては、これは先生御案内のように、もろもろの条件が成就されるまでは留保するということで、そういった条件が成就されるまでは執行に至らないということで現在考えております。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 もう一つお尋ねをしておきたいと思うのであります。  それでは、今日、本委員会に提起をされております一部改正が可決をされて成立をしたという前提条件を仮につくるとするならば、工事費等については五十六年度予算支出ということがあり得るのかどうなのか、この点についてお尋ねをしたいと思います。

伊藤博行大蔵省主計局主計官

○伊藤説明員 工事費につきましてのもろもろの前提条件ということの中に地元負担というのもございます。先ほど来御質疑ございました中で、今回の改正案はあくまでもその地方公共団体が負担することができるという権能を付与するだけでございまして、また、それにとどまっております。執行するについてのいろいろの前提条件は、それは必要条件ではあっても十分な条件ではございませんので、他のもろもろの条件が成就された後に解除されるというふうに理解しております。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 他の要件が具備をされればということになりますると、この一部改正の中で一番議論の焦点となるべきところは、提案者にお尋ねをしたいと思うのでありますけれども、十三条の二項の改正内容ということになるのだと思うのです。少なくとも一部改正という法律案を国会に提出するに当たっては非常に多くの議論があったんだと思うのです。特に現在の整備法の十三条二項の中で「新幹線鉄道に関し、その建設のため必要な資金についての援助、その建設に要する土地の取得のあっせんその他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」こう書いてあるわけです。これをあえて改正案の二項の中で「必要な資金」という部分を「補助金等の交付」という文言に変えてきているわけですね。ということは、私なりにこの法文判断をさせていただくならば、「必要な資金についての援助、」という項目では、これは関係をいたします地方の公共団体がお金を支出するということは無理だという判断をされたのかなという気がするのでありますが、差しさわりがなければ、ここらの議論経過を含めて改正文言についていましばらくの御解説を願いたいと思うのです。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)議員 この新幹線法、現行法の私は実は提案者でもあったわけであります。そうして、ただいま先生が御指摘になった十三条の「援助」ということで、地方公共団体が金品、物品あるいは資金上の援助があの十三条の二項で実現できるのではないだろうかと思いまして、先日の関委員にもお答えいたしたところでございますが、内閣法制局その他各省庁等の意見を総合してみますと、それはできない、こういう問題がありました。  しからば、なぜ十三条二項の援助という問題にこだわったかというその議論の経過並びにそれについて説明しろということでございます。同じ運輸行政の中で、同じ公共的性格を持っておるものを議論した場合でも、七、八年前当委員会でずいぶん議論いたしましたが、たとえば飛行場、航空機というものと鉄道というものとの国の助成の違い、あるいは港湾というものと鉄道というものとの国の助成の違い、あるいはモノレール、地下鉄、こういうものと国鉄に対する助成の違い、そこで、私たちはせめてインフラ部門に該当するものについては国鉄に資金上の負担をかけないようにしてやっていったらどうだという議論等もやりまして、当時飛行場、港湾、鉄道で七、五、三の国の助成の違いがあるんじゃないだろうかというような議論等もいたしました。  そこで、国の助成というものにつきましても、国鉄の経営改善計画を練るたびに一つずついろいろなかっこうを変えて助成項目をふやし、そしてまた工事費補助におきましてもいろいろな手法を講じながら、あるときは資本金中心に、あるときは工事費補助にということで、国鉄の機能と、与えられた範囲内において十分にその能力を発揮してもらうようにがんばってきました。そしてまた、前回の委員会でお答えしたように、そういう国の助成の方法を大分講じていっても、しからば道路や港湾や飛行場のように国鉄に対しては地元負担というようなのは一つもない。そこで、鉄道というものと地域住民、地方公共団体の皆さん方とが本当に話し合いし、そして、その必要性をはだで感じ合う方法というものはどういうものであろうかというような議論等もその過程においてやったわけであります。  そしてさらに、先般の委員会でもお答えいたしましたが、結論といたしまして、現在の「必要な資金についての援助」ということでは、どうしても建設のために必要な補助金等の交付までは読み切れないという立場に立ったものでございますから、こういう修正をいたしたわけでございます。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 もう一つお尋ねをしておきたいと思うのです。  これも過般の委員会では数々の議論のあったところなんですが、十三条の二項の最後の文言ですね、「交付その他財政上の措置を講ずることができる。」この読み方は、講ずることができるし、講じなくてもいいぞ、このように読み取れるわけですけれども、少なくとも新幹線をこれから建設をしていこうという場合に、講じても講じなくてもいいという法律をつくって、地方自治体と折衝を続けるということが事実上できるとお考えですか。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)議員 たびたびお答えいたしておりますように、地方公共団体が自主的に判断し、そして、この法律では、日本国有鉄道あるいは日本鉄道建設公団に対していま申し上げましたようなことを行うことができる権能を地方公共団体に与えるわけでありますから、国鉄あるいは鉄建公団と地方公共団体が話し合いをしていけば、おのずから道も開け、そしてまた、あるいは逆に積極的に地方公共団体が、よしやるぞという気魄を持っていただけるようになるのではないかと考えております。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 それでは、運輸省にちょっとお尋ねをしておきたいのでありますけれども、新幹線そのものについては、すでに東海道線を初めとして営業開始をしているという実情がありまして、今日まで完成をした、あるいはほぼ完成に近い幹線工事の中では、すべからく国が工事費を支出をしていく、さらには国鉄の営業体制の中でこれを回収をしていくという体制になっているわけですね。今後着工をする、したいと考えている整備五線の中では、地方自治体が一定の支出をすることによって工事をやってやるぞ、こういう法律改正になろうとしているわけです、いま整備法の一部改正というのは。  国民の権利の問題として、あるいはそれぞれの地域の実態から判断するならば、一定の地域、たとえば東海道新幹線沿線の地方自治体は、もうこれから新幹線が複々線にでもならない限り、支出をするということはあり得ないわけです。一方、これから工事着工を求めていく、ぜひ在来線よりも速い列車をといった待望論を持つ地域の中では、巨額な投資をしなければ新幹線がやってこないという、まさに不均等なこの一部改正が仮に成立をした場合、運輸省当局として、自治体に対し、あるいは国民に対し、どのような御説明をもって不均等ではございませんという言い方をされようとしているのか、そんなことが果たしてできるのかどうなのか、運輸省の考え方をお聞かせを願いたいと思うのです。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局長

○杉浦政府委員 新幹線の性格でございますが、これはいまさら申すまでもなく法律で書いてございますが、わが国の国土の骨格をなすような幹線網を形成をする、いわば国土の均衡ある発展に資するというような、いわば国の骨組みというふうな性格を非常に強く持っておる幹線でございます。  こうした観点から、法律の以前からでございましたが、東海道新幹線、山陽新幹線、ざらには現在、東北・上越新幹線が鋭意建設をされておる最中でございますが、今後の整備五新幹線を初めとしての新幹線の性格というものは、一方では、このように国土の均衡ある発展という全国的な視野の観点はもとよりでございますが、他方では、新幹線が通過いたします当該地域の住民の生活の向上あるいはその地域の諸般の開発、こうした面におきまして大変貢献をするということが言えるわけでございますし、また、そうした地元沿線に与える非常に大きな社会的、経済的効果があるという意味合いからして、地元の方の新幹線誘致への強い希望があらわれてきておるものと思います。  したがいまして、そういった意味におきまして、今後のあり方を考えますと、一方ではまた、そうした地域は、従来のような新幹線の輸送需要量というものにまではいかないという問題がございますので、そこで、国鉄財政というものを考えるならば、国及び地方がともにかなりの助成を講じていただかなくてはこれからの新幹線の経営というものは成り立っていかないというような判断をいたしておるわけでございまして、こうしたいろいろな角度からの総合した考え方に従いますれば、やはり今後地元に相当な利益の還元が考えられる今後の新幹線のあり方につきましては、地方公共団体の応分の御負担を願うことが、国民に対しましても十分御説明が可能であるというふうに考える次第でございます。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 工事に関連をして地方の公共団体から応分の負担をしてもらうことは非常に結構なことだという答弁なんですけれども、それでは、整備五線が開業した場合、ここから出てくる赤字はどのように措置をしようとお考えなんですか。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局長

○杉浦政府委員 開業後の経営状況の問題におきましては両面から考える必要がございまして、一つは、何といいましても建設に伴います膨大な資本費の処理でございます。それから、運営に伴うランニングコストに関連いたします、これも在来線とあわせまして赤字になるというふうに想定されておりますが、この両面から考える必要があるわけでございまして、現在、当面はやはり建設に伴います資本費の負担というものを軽くしていかなければ、これは開業後におきます新幹線の営業に未来永劫、いわばコスト増のままの形での姿を続けるということになります。したがいまして、当面は資本費負担をできるだけ国鉄にかけないような措置が必要であると考えておるわけでございまして、ランニングの面での見通しといたしましては、新幹線が資本費がかなり助成されたことを前提にしまして、新幹線の運営と並行いたします在来線の運営、両面を考えますれば、将来の展望といたしましては、現在のままでおるよりは赤字が少なくなる、こういうような一応の予想をしておるところでございます。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 資本費が少なくなれば、経営体制に入ってから以降も赤字の出てくる額については相当減少することができるだろうという想定、しかし、これも整備法によると、工事完了後は国鉄が経営をしていくことは間違いのない事実であって、だとすれば、在来線から出てくる赤字、再建計画の中で、六十年度までには収支とんとんにしたいという、こんな考え方で昨年十一月の段階では国鉄再建法がつくり上げられたという経緯はございまするけれども、実態として、相当の企業努力をしたとしても、たとえば上越・東北の新幹線だけを考えてみても、国鉄の赤字というのは上積みをされていくことは火を見るよりも明らか、資本投下がここからはないわけですから。それに加えて整備五線ということになると、赤字が増大をしていく。しかし、具体的には総合的な国鉄の財政再建という目安はないままに、整備五線は資本費を少なくするための手だてとして地方自治体、地方公共団体にお金を出させようとしている、こういうことになっていくわけですね。  そこで、ちょっとお尋ねをしておきたいと思うのですが、運輸省として整備五線、東北、北海道、北陸、さらに九州二線あるわけですけれども、これはどういう順位で着工したいという考え方を持っておられるのですか、これが整備をされたとすれば。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局長

○杉浦政府委員 この整備五線全額の工事費は、前から申し上げておるとおり、五十四年度価格で五兆二千三百億、非常に大きな金額でございます。また、各五線ともそれぞれの性格の違いがあるということではございますが、同時にこれを一気に着工し、建設をするというような状況では必ずしもないというふうに私どもは判断をいたしております。  ただ、これがどこが順番がいいかというふうなことは、いまのところまだ検討、進んでおりません。非常に問題があるところでございます。そうした今後の課題といたしましては、地元とのお話の中で、あるいはまた資金のめど、あるいは投資の採算性というようないろんな角度から逐次着工の手だてを考えていきたいと思っております。

三塚博自由民主党

○三塚議員 いま鉄監局長が基本的な物の考え方、運輸省としての方法を開陳をされました。  提案者側からいたしますと、整備五新幹線ば地域住民の切なる要望であるわけです。と申しますのは、五整備新幹線でありますから、国民全体の要望ととらえてもよろしかろうというふうに思います。そういう点で、兄たりがたく弟たりがたし、五整備新幹線、いずれもきわめて重要なところであります。  しかし、この法律が御承認を賜りましたと仮定をいたしまして、その後真剣な関係者との協議を進めながら、その時点で五線一緒にやることが妥当なのか、先般、小林先生じゃなく関先生でしたか、細い道を一緒に行くことは困難だろう、一人ずつ行く方が効果的ではないかという旨の質疑がございました。そういう手法も考えられるでありましょうし、あるいはまた二線ないし三線ということも考えられようかと思います。総じて言えは、つかまえどころがない、こういうことになろうかと思います。しかし、それほど新幹線に対する国民的要望が強い。しかし、財政的な裏づけ、この点について地方団体とともに知恵を出し合いながらこれをやり抜いていかなければならないという状態、国鉄が御案内のとおりの状況なものですから、とうてい国鉄に財政負担を期待することができ得ないという、まことに国民的要望をわれわれ国会がどうここにマッチさせるかという苦心の策でありますことを御理解賜りたい、こう思うわけであります。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 どうも答弁の内容が、はっきりと先が見えてこないのです。  それで、私は運輸大臣にちょっとお伺いをしておきたいと思うのですが、私のきょうのたった三十分かそこらの質問の中ででも、一つは、自治省は、こういう財政状況の中で、地方自治体がお金を出すような筋合いのものではないということを言い切っておるわけです。出せるわけがないのですよ。年間予算の四割も五割も出せるわけがないでしょう。さらに、当面、五十六年度予算化をされている百二十億の支出方についてだって、当面の問題だって、大蔵省は特に工事費の支出については、整備五線の中でどこから始めていくのかわかりませんけれども、条件が具備されなければ工事費の支出というのは考えられないのですよということを明らかにしておるのです。  こういう状況の中で、改正案「措置を講ずることができる。」できるかもしれないし、できないかもしれないというような一部改正をつくることによって、むしろ運輸行政総体が、国鉄経営ということを踏まえて混乱をしてくるのではないのかという判断をするのですけれども、最高責任者としての運輸大臣の考え方を示していただきたいと思うのです。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 小林さんも国鉄の出身でございますから、国鉄がこれから目指そうとしておる鉄道の特性をどう生かすかということについては十分御承知いただいておる、そういう点から見ますと、この新幹線、高速鉄道による輸送というもの、これはまさに国鉄が目指しておる特性を発揮する道だということ、これは御認識いただけると思っておりますし、また小林議員自身が、国土の均衡ある発展という点から見まして、新幹線の早期完成を希望しておられると思うのであります。したがいまして、原則につきましては運輸委員の皆さん方は全部賛成していただいておると思っておるのですが、ただ問題は、それじゃ地方の負担をどうするのかという、この一点にあるように私は思うております。  そこで、この法律案は、先ほど来提案者の方から何遍も説明しておられますように、いわば鉄道というものが、国とそれから地方と共同して建設すべきものであって、ただ単に国鉄、公社一社のみに負担を背負わしてはいかぬ。これでは新しい建設というものが現在の状況で不可能であるというこの認識のもとに立ちまして、国、地方がどのようにして新幹線建設に必要な資金を出し合おうか、それにはまず第一に、地方が全然これに資金的に関係しないということ、ただ精神的な援助という項目があるということだけでは、これではいかんともしがたい状態でございますので、地方自治体も資金を出す、つまり補助金であるとか交付金であるとかいうことで資金を分担するというこの道を開いておることでございまして、したがいまして、この法律が成立いたしましたら、私たちは直ちに地方団体あるいは国の財政当局さらには国鉄を入れまして検討いたし、それぞれ負担の度合いを決め、そして具体的な計画として煮詰めていきたいと思うておりますので、ぜひひとつこの前提となりますところの地方の負担の道を開いて、いただきたい、この一点をお願いいたしたいのであります。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 最後に、一つだけお尋ねをしておきたいのですが、運輸大臣、「五十六年度予算編成にあたっての整備新幹線の取扱いについて」、五十五年十二月二十八日に確認をされたものがありますね。この中で、最後に四番の項で「二項の建設費は公的助成の方法及び地域の負担に関する制度が整備されるまで留保するものとする。」こういった条項についてはこのまま放置をしておいて一部改正を提案をしてくるということ自体に、私は自民党の交通部会といいますか、提案者の良識を疑いたくなるのです。  運輸大臣としての見解を明示をしていただきたいと思う。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 ここに書いてございますように、「制度が整備される」ということを書いたところがございますね。その整備が、いままさに提案されております法律がその一端でございまして、この根本ができないと前へ前進するわけにまいりませんし、でございますから、この制度を整備するという点から、ぜひひとつこの法案に御賛同いただきますようにお願いいたしたいと思います。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 終わります。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長 吉原米治君。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 いま政府挙げて行政改革に取り組んで、鈴木総理はそのことに政治生命をかけるとまで言われております。そうした現在、このような法案が提案されること自体不可解千万、提案者の良識をさえ疑いたくなるわけでございます。  後ほど提案者にもお尋ねをしますが、最初に、自治省にお尋ねをいたします。  地財法二条、同特別措置法二十四条、それぞれ地方財政の支出を厳しく制限をしております。この現行法の、そういった規制しておる基本理念といいますか、そういうものについて最初にお尋ねをしておきたいと思います。

亀田博自治省財政局調整室長

○亀田説明員 地方財政法と地方財政再建促進特別措置法の根本理念のお話でございますけれども、御承知のとおり、地方財政法の第二条第二項の規定は、本来国家的見地から国の責任において処理すべき事務を地方公共団体に行わせ、しかも、それに対する十分な財政措置を講じなかったり、あるいは地方公共団体に超過負担を生ぜしめる結果となるような形で施策を実施してはならないというような趣旨の規定でもございます。  また、地方財政再建促進特別措置法の二十四条の第二項は、国あるいは公社、公団が、地方公共団体に対して、本来地方公共団体が負担する必要のない負担を寄付等の形で強制することを防ぐために、地方公共団体がそのような寄付等を支出することを禁止するものでございまして、いずれの規定も、国と地方公共団体の間の財政上の負担関係の秩序を維持するということを基本理念として規定されているものというふうに私どもは理解をいたしております。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 それでは、引き続いてお尋ねします。  地方財政法の二条の二項をあなたはいま指してお答えになりましたけれども、その一項、二条そのものの中にも「いやしくも国の政策に反し、又は国の財政若しくは他の地方公共団体の財政に累を及ぼすような施策を行ってはならない。」というのが書いてある。  冒頭私は、政府のいまの行政改革に取り組む姿勢を指摘をいたしましたが、そういった国の政策に、この法案は具体的に地方公共団体に負担を強いるのじゃないのだ、協議をしていくのだと言いながら、結果的には地方公共団体の財政にしわ寄せをするというのを目途にしておる、こう私は思うわけでございますが、この現行法の二条、国の政策に反して地方公共団体の財政に累を及ぼすようなそういう施策である、このように思って、私は現行法と矛盾しておる、現行法に反する、むしろ現行法の精神の方が優先するのじゃないか、そう思いますが、どうですか。

亀田博自治省財政局調整室長

○亀田説明員 地方財政法の法律そのものは、地方公共団体の財政運営あるいは国の財政と地方財政との関係等につきます基本原則を定めた法律でございます。  具体的にお尋ねの二条の第一項の方は、地方公共団体の側からの地方公共団体に対する責務の問題でございまして、地方公共団体が国の施策等に反してはならない、他の地方公共団体の財政運営に累を及ぼすようなことをしてはならないという規定でございまして、どちらかというと、関係いたします国の責務の方は二条二項であろうと存じまして先ほどのようなお答えをしたわけでございますが、具体的にお尋ねになりました今回の法律改正との関係でございますが、従来から当委員会でいろいろと御答弁を申し上げておりますように、今回の改正の趣旨が、地元負担を強制するものではなくて、関係地方公共団体と新幹線鉄道の建設について協議をすることができる道を開くことを趣旨とするものであるということからいたしますと、地方財政法の規定が、先ほど申しましたように、地方公共団体の財政の健全性の確保について国の果たすべき責任を規定したものということから見まして、地方団体に権能を与えた今回の法改正そのものが、直ちにこの規定の趣旨に抵触するものとは私どもは考えておらないところでございますが、ただ、その運用に当たりましては、地方財政法の趣旨に十分配慮して対処する必要があるというふうに私どもは考えておるところでございます。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 あなたは提案者にずいぶん遠慮されて答弁をされておるように感じますが、いいことはいいし、やれることはやれるし、正しいことは正しいと信念を持ってお答えをしていただきたいと思うのです。  二十四条の説明の段階でも、いまあなた、いみじくもおっしゃったように、日本国有鉄道を初めとしてたくさんの公団その他の特殊法人に寄付金を出してはならぬ。本来この種の事業には地方公共団体が負担をすることが適当でない、こう思われてたくさん各種の団体名が明記されてある。その中に日本国有鉄道、鉄建公団が入っておるわけです。この法案を、権能を与えるだけといって是とされる立場のようでございますが、権能を与えるということは出してもよろしいということですから支出を認めるということです。  そういう考え方に立ちますと、私が冒頭指摘したように、いま国の政策がそういう方向に行ってない今日、あえてこの種の法案に対して賛意を表するかのような答弁というのは、私は提案者にきわめて遠慮なさった答弁と思いますが、現行法に矛盾をしておりませんか、もう一度お答え願いたい。

亀田博自治省財政局調整室長

○亀田説明員 先ほど来お答えをいたしておりますのは、改正法案と地方財政法とのそれぞれの趣旨とその関係について申し上げたわけでございまして、私ども自治省としての新幹線鉄道の建設に関する地元負担の問題に関する基本的な考え方は、従来から繰り返し答弁をいたしておりますとおり、新幹線の建設は国土の基幹的な交通網の整備の一環として、従来、日本国有鉄道または日本鉄道建設公団が行ってきた事業でもございます。あるいは現行の国と地方間の事務配分、財源配分のたてまえから見ますと、今後の建設につきましても、従来と同様、国あるいは国鉄、鉄建公団の負担において行うべきものであるというふうに私どもは考えておる次第でございます。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 そこをはっきりおっしゃっていただきたかったわけで、再度質問をいたしました。  続いて、運輸大臣にお尋ねをするわけでございますが、大臣も今度の法案に対しては賛意を表していらっしゃる、実に不可解。昨年の十一月、国鉄再建法をあれだけの私どもの反対を押し切って成立をさせました。この三月には政令基準もやっとできて、いま地方では特定地方交通線の線区ごとに対策協議会が間もなく持たれようとしておりますね。この法案がもし通過するということになれば、少なくとも特定地方交通線の線区ごとにつくられる対策協議会の中で、沿線の市町村長は強い沿線の住民の要望にこたえて、非常に苦しい財政であるけれども、ローカル線を、特定地方交通線を維持していくために応分の負担をします、また、それに必要な法改正を皆さんが希望した場合に、せっかく国鉄再建法ができ上がって、特定地方交通線は沿線の皆さんと協議をしていこう、そういうやさきでございますよ。そういうやさきに、新幹線の建設についてだけは関係の自治体が応分の負担をするなら建設にかかろう、端的に言うとそういうことですからね、いま今後の国鉄再建のスタートの段階でございますが、大きな影響を与えると私は思うのですよ。  その点に対して、運輸大臣なかんずく国鉄総裁はどのような考え方を持っていらっしゃるのですか。ただ単にこの法案だけのことにおさまりませんよ。どうですか。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 こういう鉄道であるとかあるいは通信であるとか、いわば経済の基盤あるいは生活の基盤を造成いたしております機関というものは、時代の移り変わりによりまして時々刻々そのニーズが変わってくるのでございます。さらにまた、人口の移動、経済活動の変遷等もございますので、それに合った対策を絶えず講じていかなければならぬのでございまして、動脈硬化的に物を考えるべきではないと私は思うのであります。  したがいまして、現在、特定地方交通線、これはいわば鉄道の特性を失ったものとしてかわりの交通機関によるもので維持していきたいということを言っておるのでございます。一方、新幹線につきましては、これはまさに鉄道が発揮する機能を十分に備えたものでございますし、また、これは国の基本政策といたしましてもいわば国土をより一層機動的に、均衡ある発展を図るという観点から見まして、そういう機動的に活動し得る基盤をつくるものでございますから、いずれにいたしましても要望は非常に強いのでございます。特定地方交通線の維持について地元の要望の強いのも私たちは承知いたしております。さらにまた、新幹線の建設につきましても地方の要望は非常に強いものもございます。したがいまして、そこは政策的に判断していくということが重要な問題であろうと思うのでございます。  したがって、私たちは、新幹線を建設するのにいままでのような国鉄の財政の中では不可能であるから、国並びに地方の責任といいましょうか、負担において建設をしていただき、それを運営する道を開いてもらいたい。そのためには何としても地域と申しましょうか、地方自治体がそれなりの応分の負担もしていただく道を開く、先ほど提案者の言っておられますように、地方自治団体に対しまして権能を与えるというその制度の発足から始まっていかなければならぬと思いまして、この法案の成立を期待しておるものであります。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 今回御承認いただきました経営改善計画におきましても、私どもが原案を作成いたします段階で、都市間輸送はこれからも強化していくという考え方でございますし、その他のフィールドについては、特にお客様の少ないところについては経営を縮小せざるを得ないという考え方でございますので、ただいまお尋ねのございました問題については私どもとしては一貫をいたしておるつもりでございます。私どもの都合だけではなくて、どうしても資源的エネルギーの面から見ましても鉄道は向かないというものは、御理解を得て縮小の方向へ進めていく。東海道新幹線、山陽新幹線あるいは東北・上越新幹線ほどではないにしても、いまの整備五線と言われておりますものは都市と都市を結ぶ非常に重要な線ではございますから、なかなか採算はとりにくいと言いながら、やはり何とかがんばってこれからむしろより活発な運営をしていきたいという地域でございますので、両者それぞれ線区の性格が違いますから矛盾はないというふうに考えているわけでございます。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 運輸大臣、動脈硬化と言ったけれども、どなたのことを指しておっしゃっているのかよく理解ができません。できませんが、むしろ私は動脈硬化という表現はそっくりそのまま運輸大臣にお返ししたい。新幹線というものは、御案内のように、都市間輸送でしょう。ローカル線というものは、本当に住民の生活に密着した日常の通勤の足なんです。鉄道というのは都市間輸送だけであって、各駅停車の鉄道は鉄道でないかのような認識を持っていらっしゃるとするならば大変なことだろうと私は思いますが、いま私が言っておるのは、いまから整備五線をつくるには関係の地方公共団体の応分の協力を願う、そういう約束ができれば着工しましょう。いまバスに転換をすることも不可能だ、何としても残してほしいという特定地方交通線、例外的なものもあるかもわかりませんけれども、大方の皆さんは残してほしい。バスに転換するなどということもできません、ましてや第三セクターで運用するなどということもできません、何としても残してもらいたい。これはいまから対策協議会で協議するのでしょう。いまは出したくてもそう余裕のある市町村はないわけでございますから、たとえばの話でございますけれども、苦しまぎれに応分のものでも出して存続してほしいということになった場合に、新幹線のときには地方公共団体に補助金を出すことの権能を与えることに今度の法案でなりますが、ローカル線を維持していくために地方公共団体が何がしかのものを、なけなしの金でも出して協力していこうという場合に、それはだめでございます、法律は禁止してありますから、皆さんが何ぼおっしゃっても地方公共団体から支出してもらうわけにいきません、こういうことになってしまうわけでしょう。  だから私は、この法案が通った場合には、その精神は、地方交通線を維持していくために地方公共団体がそういう主張をし出したらそれは否定できないのではないか、こう思ってお尋ねしたのです。その点はどうですか。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局長

○杉浦政府委員 特定地方交通線あるいはそれに類似いたしますこれからの新線等の問題につきまして、地方のかかわり合いについていまお尋ねがあったわけでございますが、今回の法律改正によりまして、在来線の特定地方交通線部分あるいは地方交通線全体でございますが、譲渡、貸し付けの道を実は講じたわけでございます。従来は禁止でございますが、これが可能になるように改正をいたしております。それから、新線建設の場合におきましても、第三セクター等の第三者がこれを経営したいということでございますれば、引き続き国の費用によりまして建設をするという道も開いておるわけでございます。  したがいまして、いま先生おっしゃいましたように、新幹線を地方が負担してやるくらいなら在来線等も地方が負担して維持してはどうかへこういうような御趣旨につきましては、第三セクターの道を地元でお考えいただくならばそういうことも可能なように道を開いてあるというふうな状況でございます。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 ちょっと誤解をしないようにしてもらいたいのです。私は、積極的に地方公共団体が財源を提供してローカル線を守ってほしい、こういうことを言っておるわけではなくて、この今度の三塚自民党交通部会長を初めとして交通問題に非常に権威ある方々が提案なさっておる法案が通った暁に、その精神はローカル線にまで波及するのではないか、そのことを私は指摘しておるわけです。  そこで、皆さんこだわっていらっしゃるからちょっと角度を変えて申し上げますと、今回、地方公共団体に応分の負担をさせてまでも新幹線をつくる、そのことによって一体国鉄再建に大きくプラスするとお考えですか。私は決してプラスしないと思う。並行して走っておる在来線はますます赤字線に転落するであろうし、せっかくつくった整備五線も必ずしも黒字の予測ができない。  そこで、五十三年十月三日の新幹線整備関係閣僚会議の了承事項の中に、「運輸大臣は、並行在来線を含め計画の投資採算を考慮し、国鉄の再建に支障をきたさないと認められるときは、これを認可するものとする。」こういう文言が入っておる。  今回この法案を通して新幹線を建設着工しようとなさるときに、大臣としては、こういう問題を頭の中に描きながら認可されようとしておるのかどうなのか、お考えを聞かせていただきたい。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局長

○杉浦政府委員 ただいま先生御引用されましたように、昭和五十三年十月三日の関係閣僚会議の結果によります今後の整備五新幹線の具体的実施計画、これにつきまして、いま御指摘のように、国鉄の状況というものも十分考え、投資採算性等も考えるというふうなことがうたわれております。こうした諸般の具体的な条件の成就の後におきましても、十分考慮した上で個別の対応をする必要があろうかと思います。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 時間が余りございませんので、駆け足で質問をいたしますが、大蔵省と運輸省との間で交わされた五十六年度予算編成に当たっての覚書というか、申し合わせといいますか、これは同僚福岡議員も質問をしたところでございますが、これから関係地方公共団体と協議を進めていく、こういうこと以上の答弁は提案者の方からもございません。したがって、この申し合わせ書といいますか、この中の後段にあります「建設費は公的助成の方法及び地域の負担に関する制度が整備されるまで留保するものとする。」これは協議をするということしか提案者は言っていらっしゃらないわけでございますが、「公的助成の方法及び地域の負担に関する制度」というのは、いま提案者の頭の中には何も考えていらっしゃらないわけですか。たとえばこういう制度、こういう公的助成を考えて提案しておるとか、何らその点に対しては考えておりませんということではないでしょうから、ひとつお考えがあればお示しを願いたいと思います。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)議員 公的助成という問題はまた別の次元において考えなくてはならないわけであります。今回の改正案は、公的助成以下の問題に絡む問題であると考えております。もちろん、たびたびお答え申し上げておるのでありますが、協議をしていく過程の中に、おのずから地方公共団体として、国鉄並びに鉄建公団に対する応援をする線は出てくると思います。そして、その出てくるものは都市計画絡みの問題もあるでしょう。駅舎という問題あるいは用地という問題もあるでしょう。そういうあらゆる問題を想定しながら地方公共団体と話し合いをしていく上においておのずから一つの線は生まれてくる、こう考えておるわけであります。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 二十二日の委員会から本日で二回目になりますけれども、いままでの質問者に対する答弁の中でも、三塚提案者もいみじくもおっしゃっておるように、それこそ逆さに振っても鼻血も出ぬようなところから取れるわけがないじゃないかというような御発言もあった。事ほどさように今日の地方公共団体の財政事情というものは、私がいまさら説明するまでもなく、よく御承知のところです。民間企業ならまさに倒産寸前のような地方公共団体を相手に協議をなさっても、そこから引き出す財源というのは不可能に近いんじゃないか。それは財源といえどもごく少額のものもあるでしょうから、私は一概に否定はいたしませんけれども、少なくとも整備五線の新幹線を建設するという大型プロジェクトに対する地方公共団体のそれなりの良識のある負担ということになりますと、かなりの額になってしまう。そんな額は期待する方が無理なんで、むしろこういう行政改革、国を挙げて財政再建だ、こうおっしゃっておる今日の段階なら、こんな新幹線をつくるようなことはまず後日に回して、当面はやはり在来線をもっと強化して便利のいい在来線にしていく、スピードアップをする、曲線改良をする、そういう方向に限られた財源を投資をするのが時宜に合った施策ではないか。何も無理していまこんな法案をごり押しをしなくてもいいんじゃないか、私は良識的にこう思うのです。  そういう意味で、時期が適当でないし、また負担を求めておる、期待をしておる相手方の方の財政事情もこれあり、提案者にお答えを願いたいのですが、今回はぜひこの法案は取り下げてもらいたい。仄聞するところによりますと、あなた方の政党の中にもかなりの反対意見もあるやに伺っております。そういう事情からも、提案されたからということに余り固執されずに、私はもう率直に申し上げますけれども、機会を変えてまた検討される方がいいんじゃないかと思いますが、いかがでございますか。

三塚博自由民主党

○三塚議員 撤回できません。ぜひ御賛同をお願い申し上げます。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 大臣、最後に、行政改革がいま総論賛成、各論反対ということが予測されたのですが、それに見合ったような発言が地方から出ておるのは御案内のとおりですが、少なくともこの大型プロジェクトは凍結をすべきじゃないか、これが一般的な国民の常識だと私は思うのです。そういう中で、あえて膨大な財源を要する新幹線整備法の改正について、私はぜひ考え直していただきたいと思っております。そうまでしてやることによって、先ほどから言いますように、国鉄の再建もここ五年、十年のうちに見違えるように再建をされるんだ、だから、ここは苦しくても地方公共団体に一部負担を願ってまでも着工したいんだというなら、無理だとは思うけれどもそれは話の筋は通っておると思うのですよ。そうじゃないのですからね。  運輸大臣でもいいし、国鉄総裁でもいいんですが、この法案を通して新幹線を着工して新しい五線をつくる、そのことによって国鉄はいい方向に向かっていくんですか。そうじゃないのでしょう。そこら辺の考え方を聞かしていただいて、私の時間が来ておりますから、終わりたいと思います。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 今後お客様の流動がどうなるかということがなかなか的確に見通しがつきませんので、現在の段階での推定ではございますけれども、先ほど鉄道監督局長からお答えがございましたように、在来線とこの五線とあわせて考えますと、現在のままで在来線でやっていくよりは新幹線でやった方が、資本関係費を除けばプラスになるという一応の推定計算はいま出ております。そういう意味におきまして、資本費負担というのは非常に大きいわけでございますから、これを国及び地方公共団体で持っていただきたいというのは大変虫のいい前提ではございますけれども、それをやっていただければ、オペレーションコストに関する限りは、いまのままでやっていくよりは新幹線ができた方がオペレーションロスが小さくなるという計算になっておりますので、私どもとしては、経営全体の立場で考えましても、やはり負担というのはなかなか容易でないと思いますが、負担の道が解決されるならばぜひそういうものをつくっていただいてわれわれで運営さしていただきたいというふうに考えているわけでございまして、決していま新幹線をつくることがマイナスにはならぬ、あくまでしかし資本費負担をどうするかという問題であります。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 納得できませんけれども、一応時間が参りましたので、終わります。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長 三浦久君。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 運輸省にお尋ねをいたします。大臣お見えですから大臣にお尋ねをいたします。「五十六年度予算編成にあたっての整備新幹線の取扱いについて」の大蔵大臣との覚書、その第四項の問題についてお尋ねいたしたいのです。第四項で、公的助成の方法及び地域の負担に関する制度が整備されるまでは予算の執行を留保する、こうなっておりますが、この公的助成の方法並びに地域の負担に関する制度というのは運輸省がおつくりになるのだと思いますが、いかがでしょうか。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局長

○杉浦政府委員 この法律が一つの方法といたしまして通過をされました暁におきまして、公的助成の方法、地方の負担の制度という問題を早急に確立する必要があろうかと思いますが、これらの作業の中心となりますものは、やはり御質問のとおり運輸省が中心となります。ただ、運輸省だけでは問題が片づかない、やはり関係省庁と十分にこれは打ち合わせをしなければならないというふうに考えております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 また運輸省にお尋ねします。  そうすると、いま凍結されている予算が解除されるというためにはこの法案がまず通ることが必要だ、もう一つは、公的助成の方法が確立されることが必要、もう一つは、地域の負担に関する制度が整備されることが必要だと思うのですね。  それで、いまもう具体的に法案が出てきておりますからお尋ねしたいのですが、地域の負担に関する制度としてはどういうものを運輸省はお考えになっていらっしゃいますか。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局長

○杉浦政府委員 提案の先生と十分にお打ち合わせをしたいと思いますが、現在の時点におきまして私ども考えております中身につきましてお話を申し上げたいと思います。  公的助成の方法と地域の負担の制度というものが非常に絡み合った内容になっておるものと思います。いま御指摘のように、この法律というものがその制度論のいわば大きなスタートということは事実でございますが、そのほかに今後解決しなければならない問題といたしまして、助成の方法のやり方、たとえば工事費の金額をそのまま補助するのか、あるいは利子補給でどの程度これを助成するのか、あるいはまた土地とか駅舎等の現物給付というような形でやるのか、そういうような助成の具体的なやり方がどうかということをまず一般論として検討する必要があろうかと思います。  それから、国と地方がこれを分担をする、こういうような思想でございますので、国がどの程度、地方がどの程度ということの分担割合を考えていく必要があろうかと思います。  そうした場合におきまして、さらに地方の負担の問題にまいりますと、この地方の負担の方法といたしまして、もう一回振り返りまして、各地方地方でのそれぞれの特色があるわけでございますので、先ほどの助成の方法がそれぞれの地域におきましてどういうふうに当てはめられるかということの、これはむしろ具体的な方法になることが次の問題かと思います。  それから、地方といいましても県サイド、それから通過いたします市町村というように、地方公共団体はいろいろございますので、そうした地域のいわば分担の仕方というようなものも考える必要があろうかと思います。  以上のような諸点を全体といたしまして解決をしていく必要があろうかというふうに運輸省といたしましては思っておる次第でございます。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 大体の大まかな線だけはお考えになっていらっしゃるようですね。しかし、この覚書をつくってからもう半年たつのですよ。半年たつ間にまだその程度のことしか検討してないというのは、私はちょっとおかしいと思うのです。  いま負担の問題について、工事費全額を見るのか、利子補給で見るのかというお話がありましたね。この前もちょっと質問しましたが、五十四年十二月十一日に運輸省が出した「整備新幹線に関する調査について」という文書がありますね。これによりますと、財源措置としては、これはもう工事費の全額助成が必要だとはっきり言っているのですね。「国鉄全体の収支を悪化させないという前提にたてば、工事費の全額助成が必要と見られる。」こういうふうにはっきり言われているのです。  こういう考え方はまだ運輸省としては変わっていないということを私は聞いているのです。そうすると、利子を二十年持つとか十年持つとかというようなことは問題にならないのであって、工事費の全額補助ということがいまの段階で考えられていることじゃないかと思うのですが、いかがですか。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局長

○杉浦政府委員 いろいろな分析をいたしまして、補助制度のA案、B案、C案というようなことを考えてきた過程がございます。先生いま御指摘のように、工事費、あるいは資本費全体とお考えになってもいいと思いますが、これにつきまして、できるならば全額につきまして公的な助成というものが望ましい、そうしたことを前提といたしますると、初めて新幹線におきましては黒字の見通しが立つ、こういういわば試算をいたしたということでございまして、いまの運輸省の気持ちといたしましてもほぼ同様でございます。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 工事費全額の補助を一応前提とした上で、その補助について国と地方公共団体との分担を決める、こういうふうに言われましたね。そうすると、その分担は、たとえば国が何割、地方自治体が何割というふうにお決めになるのですか、どうですか。その負担割合は別としても、方法としてはそういうことですか。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局長

○杉浦政府委員 まだ具体的にそこまで至っておりませんが、割合で示すということも一つの方法かとも思います。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 そうすると、もう一つは、国と自治体との負担が決まった場合には、自治体相互間の負担割合というものが当然また必要になってきますね。それはお考えですか。  それともう一つは、さっき言われましたように、その自治体というのは都道府県だけなのか、それとも通過をする市町村も全部負担をしなければならないのか。その点ちょっとお尋ねしたい。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局長

○杉浦政府委員 先ほど申し上げましたように、関係する地方公共団体というのは何かというのがまず問題かと思います。  受益される地方公共団体ということになりますと、単に路線が通過するものだけというふうには限らない場合がある。駅が非常に近いけれども、それは線は通ってないというようなこともありますので、必ずしも一概に言えませんが、要するに、地方の受益の度合いというものを見まして、県なりあるいは市等の関係地方公共団体への割り振りという問題がある。ただ、具体的にそれはどうしたらいいかということは今後の詰めの問題になるわけでございます。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 もう半年もたって、何にもわかっていないのですね。  それでは、ちょっとお尋ねしますが、各地方自治体、都道府県単位、また市町村まで入るかもしれないという、そういう自治体間の割り振りの問題についてどういう要素が考えられますか。この制度をつくられるわけですから、その制度というのは、ただ協議すればいいという問題じゃないのです。協議した上で制度ができる、そういうことでしょう。制度というのはどういうものかというと、「制定された法規」というふうに広辞苑には書いてある。また「国のおきて」とも書いてあるし、「社会的に定められている、しくみやきまり」、こういうふうに書いてある。ですから、制度自身をつくって、公平な結論が出るようにあなたたちはお考えになるのだろうと思うのです。  そうすると、そういう地方自治体の負担を決めていく、そのためにどういうファクターをお考えになっているか。たとえば具体的に申し上げますと、その地方自治体の財政力指数であるとか人口であるとか、それから通過する路線の距離、また通過するだけで駅がなければ余り受益がないから駅の数も入れようとか、どのくらいの人が乗るだろうかという需要予測も入れるとか、開発利益、こんなものも入れるとか、いろいろなファクターが考えられると思うのですが、その点についてはどういうことをお考えになっておられますか、この制度をつくるに当たって。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局長

○杉浦政府委員 ただいま先生御指摘になりました事項は、大変参考にさせていただきたいと思います。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 あなたたち、これは五十六年度の予算なんだよ。大体、予算が成立したら五十六年度中に執行するというのが前提なんだ、これは。そうでしょう、八十億円の工事費は。調査費もそうだけれども、いま工事費を問題にしていますからね。そうすると、そういう予算の執行、凍結を解除する条件について、あれもあります、これも考えられますみたいな漠然とした話で、本当にあなたたちこれを執行する気持ちがあるのですか。  大臣、どうなんですか。五十六年度に本当にこの覚書の条件を成就させて八十億円を執行する意思があるのですか。——いやいや、大臣に聞いている。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)議員 提案者ですので……

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 あなた、さっき言ったでしょう、時間が短いから提案者は説明しなくてもよろしいかと。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)議員 御存じのように、まだ正式にルートが決まっておりません。それから、駅をどこどこに設けるかというのもこれからの相談事項であります。それをいろいろ相談しまして、そうして、まだ一部残っておるところの環境影響評価、この問題を公表する過程にいかなくてはなりません。そこで、地域住民の皆さん方との正式な話し合いも始まるということでございますから、先ほど三浦さんがおっしゃったいろいろな条件、それをやった上で、加味してつくるということでございますから、おくれてもおりません、進んでもおりません、順当にこの作業が進んでおるわけであります。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 運輸大臣にお尋ねしますが、いつまでにその公的助成の方法と地域の負担に関する制度をおつくりになるのですか。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 できるだけ早い時期にやりたいと思うております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 できるだけ早いと言ったって、いま聞いた程度のことしか考えてないのですからね、運輸省は。私は、実際の話、執行する予定がないものを組んでいるのじゃないかと思うのです。  というのは、ここに一月六日の新聞がありますけれども、ここではこんなことを言っているのだね。議員らの顔立てだ、こう言ってます。そして、これは大体「使うことのできない「見せ金」というわけだ。」というような記事もありますし、そして「新幹線整備計画を推進しているはずの運輸省内にも「最小限の被害ですんだ」」「被害」ですよ。だれが加害者か知らぬけれども、「最小限の被害ですんだ」ともらす向きがある。採算性、地元負担などを考えたら、実際に着工できないとの読みに立ち、運輸議員らのカオを立てた見せ金で収拾できたことに、本音は「やれやれ」なのだ。」こういう記事が出てますね。これは朝日新聞だ。  運輸省、どうですか、これは本音ですか。

塩川正十郎自由民主党運輸大臣

○塩川国務大臣 私はどの新聞社の報道かは知りませんが、しかし、それは新聞社の観点に立ってお書きになったことでございまして、われわれはそれに関知いたしておりませんし、私たちは再三申しておりますように、新幹線、特に整備五線を早期着工し、完成しろということは大変な国民的な要望でございます。その要望を受けて、そのために必要な制度の改正ということが、これは政党の責任でもございますし、政府の責任でもございますし、議員さん全部の責任でもあろうと思うたりいたします。その制度改正を一歩進めていく基本となるものがいま提案されておるのでございまして、私はその意味におきまして、この法案が成立いたしまして、それ以降順次段階を経まして、一刻も早く凍結されておるこの建設資金を使用でき得るように持っていくというのがわれわれ運輸省の務めでございますので、鋭意努力いたしたいと思うております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 この法案ができてから公的助成の方法とか地域負担に関する制度を考えるなんて、そんなことナンセンスですよ。この法案と同時にここに提案をしてくるということぐらいの内容を詰めておかなければいかぬ話なんですよ。そういう検討とか計画というものは、この法案の成立とは関係なく、昨年の十二月に覚書を結んだ段階からすぐ始められる問題なんですよ。それをいま私が聞いた、鉄監局長がお答えになった、その程度のあいまいもことした問題しかまだわからないということなんですね。ですから、私は大臣の答弁を信じたいが、早期にこの制度が整備されるという可能性はまずないというふうに私は見ております。これは意見の違いだと思いますが。  それで、ちょっとお尋ねしたいのですが、自治省おられますね。地方財政法の四条の五があります。いままでは地方財政再建促進特別措置法の二十四条二項で、国鉄等に対する自治体からの寄付、こういうものは禁止されましたけれども、この法律が成立をするとそれが可能になってくるわけですね。そうすると、地方財政法との関係では第四条の五が適用されるようになるのじゃないかと思うのですけれども、第四条の五というのは、これは国に対する強制的な寄付を禁止しているわけですね。  そうすると、国鉄に対しては、この法律ができたことによって国鉄自身が強制的に寄付を徴収するというようなことは法律上は問題がないのかどうか、問題があるとすればその根拠、お尋ねいたしたいと思うのです。

木村仁自治省財政局指導課長

○木村説明員 御指摘のように、地方財政法は地方公共団体の財政運営及び国の財政と地方財政との関係等につきまして基本原則を定めておりますので、公団、公社等については言及していないわけでございますが、それだからといって公団、公社等が地方公共団体に対して強制的な割り当て寄付を求めてよいというものではないと考えております。そのことは地方財政再建特別措置法二十四条第二項が公団、公社を含め、地方公共団体に寄付を強いることを防ぐために、地方公共団体の側からする支出を禁止している、一定の条件のもと以外は禁止しているというそういう趣旨からも読み取れるところでございます。いずれにいたしましても、強制的な割り当て寄付をすべきものではないと考えております。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 運輸省に聞きますけれども、この法律ができて一応地域負担に関する制度ができたとしますね。さあいざ工事に着工するという場合に、その寄付金は予算に組まなければいけないでしょう。収入と支出、これは当然国鉄の予算に組まなければならない。それが寄付金というのか補助金というのかは別としても、予算に組まなければならない。そうすると、運輸省自身が国鉄のつくったその予算、これを議会に提案をするんですね。そして、国会がそれを議決する。そして、その後どうなるかというと、運輸省自身がつくった地域負担に関する制度、これに基づいて徴収していくことになります、取らなければ工事できないんだから。そうすると、工事着工までの間に運輸省というものが非常に大きくかんでいるわけですよ。そのことは、私は地方財政法の四条の五に抵触すると思うのです。  四条の五というのはどう書いてあるかといいますと、国は地方公共団体に対して「直接であると間接であるとを問わず、寄附金を割り当てて強制的に徴収するようなことをしてはならない。」「これに相当する行為を含む。」こうなっているわけですね。この強制的に徴収というのは、割り当てた場合には強制的な徴収だ、こういうふうに自治省は言っておるのです。  そうすると、私は、この法律ができて負担の制度ができる、さあ予算を組む、そういう一連の作業から見てこの地財法の四条の五に抵触するというふうに思いますけれども、運輸省はどういうふうにお考えですか。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局長

○杉浦政府委員 制度といたしまして一応考えるわけでございますが、具体的なそれの進め方につきましては、関係地方公共団体と十分にお話をすることが必要でございまして、それなしに強制するということは毛頭考えておりません。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長 三浦委員、時間です。

三浦久日本共産党

○三浦(久)委員 いや、こういうことなんですよ。協議をするのはいいでしょう。その負担に関する制度をつくるために協議をすることは私は何も否定はしない。しかし、協議によって一つの制度ができた場合には、その制度が適用されるということなんですね。ですから、新幹線をつくってほしいと思えば、その制度の適用を受けて一定の負担をしなければならない。その負担の割合も全部運輸省のつくった基準に基づいて行われるということ、これは割り当てじゃないですか。割り当て以外の何ものでもないですよ。ですから、こういう法案というのは全く実行性のないものなんです。本当にだれかの顔を立てたようなそういう法案なんですよ。いざ実際に実行に移そうというときには全く動き出すことのできない法律です。そして、現在の法体系の中で合致しないのですよ、こんなものは。法制局も来ているけれども、法制局は、何か協議する法律だからいいのへったくれのと言っているけれども、実際に運用してみ出すと、こんなものはいまの法体系には合わないのですよ。  私は、時間が来ているから、大蔵省きょう来てもらっておったんだが、委員長の方からもうやめろと言いますからやめますけれども、国家財政の問題からいってもまた地方財政の観点からいっても、さらに国鉄の財政再建という観点からいっても、この法律というものは全く有害であるということを申し上げたい。  高木国鉄総裁は、先ほども同僚議員の質問に対して、新幹線つくった方がもっといいんだ、赤字が何ぼか少なくなるというようなことを言っているけれども、それは五十四年度の運輸省のこの調査に基づいているわけです。ところが、これは五十四年度であって、その後新経済社会七カ年計画というのはことし手直しされて減額修正されているでしょう。そうすれば当然ここに言われているような東海道新幹線の七分の一とか山陽新幹線の三分の一の需要予測を見込めるというようなことは、これも訂正しなければならぬ。お客が減るということですから、そうすると、これ自身の収支のバランスも崩れてくるというのは当然なことなんです。そのほかにも、空港整備五カ年計画をつくって、五カ年間でもって飛行機のお客を二倍にするとか、この新幹線整備五線の沿線にもずっと道路計画が行われていて、高速道路がどんどんつくられる、そういう予測になっているでしょう。ですから、結局、私はこれを建設しても、あなたたちがいま考えておられるような、収支トータルで、工事費全額補助なら何ぼか黒字になりますというようなことには絶対ならないと思う。  そういう意味で、私はこの法案には反対であります。それにまた実行性がありませんから、これを撤回することを要求して、私の質問を終わります。

三塚博自由民主党

○三塚議員 撤回はいたしません。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。宮崎茂一君。

宮崎茂一自由民主党

○宮崎委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、本案に賛成の討論を行うものであります。  整備五新幹線は、国土利用の均衡を図るための有効な手段であるとともに、国民経済の発展と国民生活領域の拡大、さらには地域経済の開発発展に資するものであります。しかしながら、国鉄財政の現状を見るとき、その建設については、国鉄経営の再建に支障のないように所要の助成を行わねばなりません。  現行の全国新幹線鉄道整備法においても、財政上の措置等について、国または地方公共団体は必要な措置を講ずべきであることを定めておりますが、地方財政再建促進特別措置法との関係上、今回、地方公共団体が、日本国有鉄道または日本鉄道建設公団に対し、新幹線鉄道の建設のため必要な資金についての補助金等の交付その他財政上の措置を講ずることができるよう根拠規定を設けようとする本改正案は、時宜を得た適切な措置であるとして賛意を表するものであります。  今後、速やかに地方公共団体との意見の調整を図り、整備新幹線工事の早期着工を期待いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長 次に、小林恒人君。

小林恒人日本社会党

○小林(恒)委員 私は、日本社会党を代表し、全国新幹線鉄道整備法の一部改正案について、反対の討論を行います。  本法案は、今後建設される新幹線鉄道の工事費の一部を関係地方公共団体に負担させようとするものでありますが、今日まで建設された東海道新幹線、山陽新幹線及び現在建設中の東北・上越両新幹線の工事費は、地方公共団体の負担は一切行っておりません。これらの地域は比較的財政事情の豊かな地域でありますが、今後建設が予定されている地域は過疎地域であり、財政事情も苦しい状況にあります。比較的財政事情の豊かな地域には負担がなく、財政事情の苦しい地域の地方公共団体に負担を強いることは、政治の常道から許されないことであります。  また、新幹線建設費を地方公共団体に課することは、地方財政法に規定する「地方財政運営の基本」に触れるおそれがあり、容認できません。  以上が、本法案に反対する第一の理由であります。  第二の反対理由は、今後建設が予定される新幹線は、いずれも大幅な赤字が予想されるものであります。したがって、国鉄経営の再建の立場から、これらの赤字対策が具体的に明らかにされなければなりませんが、その点が不明確であります。  第三の反対理由は、総合交通体系との関係についてであります。  わが国の総合交通体系は、御承知のごとく、昭和四十六年に策定されましたが、その後の情勢の変化により、現在、運輸政策審議会において見直し作業が進められております。今後の新幹線建設計画は、この審議会の結論に基づいて再検討されるべきであります。したがって、今日の段階において、従来の建設計画によって、しかも地方公共団体に建設費の一部を負担させてまで建設工事を強行することは適当ではないと考えるのであります。  第四の反対理由は、財政問題についてであります。  御承知のとおり、現在の財政事情は、国、地方を問わず、大きな危機に直面いたしております。行政改革が求められているのもそのためであります。こうした事情の中では、大型プロジェクトは極力抑制すべきであります。  以上の理由から、全国新幹線鉄道整備法の一部改正案には反対であることを申し上げ、反対討論を終わります。(拍手)

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長 次に、四ツ谷光子君。

四ツ谷光子日本共産党

○四ツ谷委員 私は、日本共産党を代表して、加藤六月委員外九名提出の全国新幹線整備法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  まず最初に指摘しておかなければならないことは、本法案の審議がきわめて不十分にしか行われなかったことです。審議時間も全体で六時間という短いものであり、しかも本法案が地方自治体からの寄付を可能にするという地方財政再建促進特別措置法の改正に等しいものであり、あわせて国の大幅な負担を伴う点から見れば、当然、大蔵、地方行政委員会等との連合審査をすべきでありました。  次に、本法案の反対理由を述べます。  反対の第一の理由は、本法案が自民党の政治的打算を優先させた無責任なものである点です。  同僚委員の提案者に対する質問に対して、その答弁はきわめてずさん、無責任きわまりないものでした。地方自治体と国との間でどのような負担をするのか、そのための制度をどうするのか、国の公的助成とはどのようなものであるか、何一つ明らかにできなかったではありませんか。国権の最高機関としての国会での議論に値しない法案を提案した責任はきわめて大きいと言わなければなりません。  反対の第二の理由は、本法案が実行不可能な欠陥法案であることです。  法案が成立したとしても、地方自治体からの寄付金は毎年日本国有鉄道予算に計上しなければならず、しかも、その額は、地方自治体が予算を議決する以前に決定しなければなりません。政府が地方自治体からの寄付金を記載した予算書を作成し、しかも国会がその予算書を議決することは、地方自治体などへの寄付の割り当てを禁じた地方財政法四条の五に明らかに違反するものであります。  第三の反対の理由は、地方自治体に、地方自治体の財政事情を無視した無謀な負担を押しつけようとしているからです。  提出者答弁は、自治体への負担額について何一つ明らかにしておりませんが、法案作成過程での議論を見ると、少なくとも建設費五兆二千三百億円の三分の一を負担させる計画です。福井県を例にとれば、負担額は千四百四十億円が計画されており、これは同県の地方税収入の約四倍にもなっております。新幹線建設を熱望する地方自治体、住民の願いを逆手にとって、自治体財政を無視した巨額な負担を押しつけることは断じて容認できません。  反対の第四の理由は、現在、国の財政再建、国民本位の行政改革の上からも、大企業奉仕型プロジェクトの再検討が求められているにもかかわらず、国に巨額の支出を求めようとしている点であります。  政府部内ですら、公共事業抑制の方針があるのに、巨額の経費を要するプロジェクト着工はできないという意見が出されるほど、本法案は現在の国家財政の危機を無視したものであります。国民と労働者に、福祉の切り捨て、行政サービスの低下、労働強化を強いる行政改革を進める一方で、このような無謀なプロジェクトを強行することは絶対に認めることができないのであります。  反対の第五の理由は、ローカル線の切り捨てと割り増し運賃の導入、毎年の運賃値上げ、職員三十五万人体制という、利用者と労働者に犠牲を転嫁する国鉄財政再建を進める一方で、新たな国鉄への負担を生ぜしめる新幹線建設を強行しようとしている点であります。  わが党は、新幹線建設そのものを全面的に否定する立場に立つものではなく、新幹線の建設は、国鉄財政の再建とあわせて長期的な見通しのもとに計画的に進めることを提起しております。本法案は、莫大な建設費を自治体に負担させたり、国の財政や国鉄財政の実態を無視して早期着工を進めようというものであり、わが党はこの点からも本法案に反対するものであります。  最後に、わが党は、利用者本位の国鉄整備と国鉄の民主的再建のため、今後も全力を挙げて奮闘することを表明して、討論を終わります。(拍手)

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長 次に、中馬弘毅君。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬委員 私は、新自由クラブを代表して、このたび加藤六月議員外九名の提出に係る全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論をするものであります。  御高承のとおり、現在は財政再建、国鉄再建の途上でもあり、高度成長期に計画された本四架橋、整備新幹線等は事実上凍結し、それらの計画の見直し、再検討が迫られている時期にあります。将来を見通したこれら計画の根本的練り直しなくして、このような法案がこの時期に提出されたことの軽率さとその意図に大きな疑問を持たざるを得ません。  私どもは、国が直営で鉄道事業を営むことの時代的役割りはもう終わったと認識しています。大幅な赤字経営を続ける現在の国鉄は、いずれ国有民営化に移行すべしと主張してまいりました。かかる観点において、さきの地方交通線を民営ないしは第三セクターに移譲する道を開いたいわゆる国鉄再建法案には積極的に賛成してまいりました。  しかし、このたびの法案は、建設費の負担だけは一部を地方公共団体に押しつけ、運営は国鉄がやるというのであれば、本来の国鉄再建には逆行するものであります。新幹線だけは他の交通機関と違って日本の骨格をなす国土縦貫鉄道としての国家プロジェクトだというのであれば、費用負担等はすべて国が責任を持つべきでありますし、逆にこれからの新幹線は単なる地方鉄道だというのであれば、百歩譲っても建設費、工事費は国がまず負担し、経営、運行について地方公共団体や民間と協議していくのが筋であります。  いずれにしても、国鉄再建をいかに進めるかの哲学も理念もなく、企業負担の一部を他に移し、赤字を糊塗するだけの場当たり的法案に絶対反対の立場を表明し、討論を終わります。(拍手)

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長 これより採決に入ります。加藤六月君外九名提出、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十四分散会

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