文教委員会 第5号
- 発言数
- 223 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/11/13
会議録
○委員長(降矢敬義君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 理事の補欠選任に関する件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に下田京子君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(降矢敬義君) 教育、文化及び学術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○本岡昭次君 きょうはユネスコクーポンの取り扱いの問題と学校給食を取り巻く諸問題を中心に若干質問をいたします。 まずユネスコクーポンの問題なんですが、去る十月十四日私は十文字学術課長と会いまして、ユネスコクーポンにかかわる日本学術振興会の過去十年間の決算証拠諸表及び詳細な取り扱い資料の提出を求めました。しかし課長は、このユネスコクーポンの国別・種類別取り扱い状況、昭和五十四年度のこの資料と、ユネスコクーポンの取り扱い実績、昭和四十五年度から五十四年度十年間の売り上げ、買い上げの統計、この二つの資料は提出していただいたんですが、そのほかの私の要求に対しては拒否をされたんです。私は国会議員として必要があってこの資料を請求したのですが、拒否をされてその場では非常に腹を立てました。そこで、これから文教委員会があるんだから、その場で直接文部大臣に対してやましいところがないんならその資料の提出を私は求めるからと言って別れた。その後一月余りたちました。私は心の中でそう言いながらも、若干の資料は出していただけるんじゃないか、こう期待をしていましたけれども、依然としてその資料の提出のないまま今日を迎えております。 一体なぜ私の申し上げているその資料が提出できないのか。情報公開というふうなこともいま新しい観点から進められている中にあってなぜ私の求めている資料が提出できないのか。何かそのユネスコクーポンの取り扱いに関して公開できないやましいことがあるのか。この正式の場でその正当な理由をひとつ説明していただきたいんです。文部大臣お願いします。
○国務大臣(田中龍夫君) 御質問でございますが、私つまびらかにそのことを承知いたしておりませんので、担当の者からお答えいたさせます。
○政府委員(鈴木勲君) ユネスコクーポンの事務は、御承知のように、具体的には文部省の所管いたします特殊法人の日本学術振興会におきまして処理をしているたてまえとなっておりますので、その同会におきましていろいろと資料等をそろえまして、いま過去五年間の取り扱いの決算額とか、そういうようなものを調査いたしまして先生のお手元にはお届けいたしたと思いますけれども、その余のことにつきましては今後またさらに検討して、どういう実態になっているか調査をいたしたいということでございます。
○本岡昭次君 今後ということは――それは私はこれからまた求めていきますが、問題は、課長が私の要請に対して明確にそれは提出できませんと言って拒否したんですよ。私の求めたのはユネスコクーポンの取り扱いに関する日本学術振興会の過去十年間の決算諸表及びその明細な取り扱い資料ということで、日本学術振興会というのは文部大臣の所轄で、文部大臣が予算から決算まで全部報告を受けて了承して認可してやるものですから、文部省の学術課長がその中身を拒否する理由はない。さらに、そのようなことは文教委員会の場で余り言わないでほしいと。私が新米だからなめられたのか知らぬけれども、そのようなことまで私は言われたんですよ。文部大臣、あなたの見解をひとつ聞かしてください。文部大臣に聞いているんです。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまお答えいたしましたように、その間の経緯をつまびらかにいたしておりません。なお、先生のお話によりますと、大分いろいろの経過があるようでもございますが、担当の者からお答えさせる次第でございます。
○本岡昭次君 いや、担当というのじゃなしに文部大臣に――私があなたの部下である学術課長と応対したそのいきさつをあなたはどう考えられるかということなんですよ。経過はまた後ほど申し上げます。
○国務大臣(田中龍夫君) 先生と担当の者とのいろいろお話し合いなり御交渉のこととおっしゃいますが、私はいま初めて先生から伺うだけでございまして、私の方の担当の者が私にまだ報告をいたしておりませんので、わかっておりません。さようなことから、この際は私が即答ができないような状況でございますことをお許しいただきます。
○政府委員(鈴木勲君) ただいまお答えいたしましたとおり、五年間の詳細等につきましては、先生のお手元に決算額合計二千三百三十五万ドル、換算いたしまして、これは一ドル二百二十円で換算してございますけれども、五十一億三千七百万円相当、売り上げ、買い上げ等につきましてはお届けをしたと思いますけれども、その余の資料につきましてはまだ先生のお手元には差し上げていないと思いますが、その間の事情については、担当の課長がただいま参りますので、相談をいたしましてお答えをさしていただきたいと思います。
○本岡昭次君 私は課長とやりとりをしたいと思っていないのですよ。文部大臣の部下である学術課長が、たとえ新米の国会議員であるにせよ、この私がユネスコクーポンの問題に関していろいろ資料の提出を求めたことに対して拒否をし、そして文教委員会でそのようなことを言われない方がいいんじゃないですかというふうな干渉がましいことまで言って、そして最後そうか、勝手にせいというふうな形で出ていく。私がそういうことを言わなければならない。その後、何かそれでも官庁のことだから若干の応接はあるのかと思えば、その後音なし。やむなく、私はこの場で、それでは文部大臣に直接そのことをただそうということになったんですよ。だから、あなたの部下が国会議員、文教委員会に所属する議員に対して、そうした調査の問題、権限にかかわってそのようなことを、中身は別にして、やるということについてはどうお考えかということを聞いているんです。
○国務大臣(田中龍夫君) 中身は別にして、ただいま先生のおっしゃるように、いやしくも国会議員であらせられます先生に対して御無礼がありました点につきましては深くおわびを申し上げます。 なお、また詳細なことはただいま担当の者からお話しいたしましたように、またさらに御説明も申し上げる次第でございます。
○本岡昭次君 後ほど五年間でも結構です。資料を提出するということですから、私もその資料の中身について希望もありますから、ひとつこれから具体的に話し合いをさしていただきたいと思います。この場でその問題を追及しておりますと時間がなくなりますから先に進みます。 ところで、私のいま申し上げましたユネスコクーポンということをなぜこの場で取り上げるようになったかといういきさつですが、このユネスコクーポンを利用して韓国への教育機器輸出について不正が行われて、兵庫県の警察が捜査をしているという記事が九月七日の毎日新聞朝刊関西版に報道をされているんです。委員の方もおられますから、若干その経過を新聞記事に従って読んでみます。 ある会社が昭和五十三年八月からことし七月まで、五十三、五十四、五十五の三年間にわたり、 韓国内の一流大学、工業高校、大学付属病院など数十校の研究、教育機関から韓国の代理商社三社を通じて天体望遠鏡、光度計、震度計など各種の測定、分析機器、医療機器の発注を受けて輸出、代金として総額約一億円分のユネスコクーポン券を受け取った。 ところが、実際の価格総額は五千万余円で、差額は来日した韓国代理商社員に額面約四百万円の自己あて小切手で支払うなど、自己あて小切手と現金で今年七月までに数回に分けて払い戻していたということから、外為法の二十七条、一項に違反しているということで警察の調べを受けているんです。 この業者がこのように、不正輸出をしたということは、これは警察の方の捜査によって調査されればいいわけなんですが、私がここで追及したいのは、この新聞にも書いてあるようにユネスコの信用を悪用して韓国への教育機器輸出が行われたこと。日本学術振興会の事業の中におけるクーポン券の取り扱い、これは世界の学術、教育、科学、文化の振興を図るために他の輸出入の問題よりも非常に安価で迅速に、そして複雑な手続を省いて行われるような仕組みになっていますから、それを利用してこのような五千万円の品物を一億円で取引して五千万円を韓国にリベートとして渡した、だれかが賄路としてそれを受け取ったというふうなことがこのユネスコクーポンを利用して行われたということについて、文部大臣は先ほど知らないとおっしゃいましたけれども、私は十月三日、十月十四日の二回にわたって文部省学術課の課長補佐また課長に対して、この新聞の記事も見せてこういうことがいま行われておりますよ、こういうことがありますよということを申し上げた。だから、文部大臣は九月にはユネスコの総会に出席されるなど非常に関心を深く持っておられるようだし、当然このことを知っておられるだろうという立場に立って、いま私の申し上げたこと、そしてこの新聞の報道するこうした事柄について大臣はどのように思われますか。
○国務大臣(田中龍夫君) まことに申しわけない次第でございますが、私もユネスコに参りましたり、また文部省の責任者でございますが、遺憾ながらそういうふうな先生との、また私の方の役所の者との交渉がございましたことをつゆ知らなかった次第でございます。
○本岡昭次君 つゆ知らなかったと。それは小さなことかもしれません、この問題は。総額四百五十万ドル、そして行われたのが一億の五千万リベートというふうなことですが、しかしこの問題にかかわって文部省としては――私は文部省に行ったわけで、学術振興会の役員なり職員とは何ら接触してないわけなんですが、その後文部省学術課は大臣にそうしたことが伝わるような内部処理はしていない。それでは学術振興会に対しても何ら指導、この事柄が起こったさまざまな状況の調査というようなものはされてないんですか。
○政府委員(松浦泰次郎君) この点につきましては現在警察当局が捜査しておるということでございまして、私どもも警察の方にも連絡いたしましたが、調査中のことで詳細についてはいま説明しかねるというような状況でございます。それで、先生が先ほど申されました新聞の記事で私どもも内容はそういう範囲において大体承知しておるわけでございますが、学術振興会に対しましては早速連絡をとりまして、こういうようなことで先生からも御指摘いただいておるし、取り扱いはひとつよく考えてやっていただきたいということは連絡いたしております。 ただ、内容的に本件の場合は、新聞報道によりますと、実際の市場価格よりも非常に高い値段で買っておるというように思われるわけでございますが、その点につきまして、非常にたくさんのクーポンを扱っておりまして、また担当者に人員的な制約もございまして、その値段まではよほどのことがない限りなかなか審査能力がないというようなことでございます。 本件に関しましては、ユネスコクーポンの制度が一般的には、途上国などの為替事情の苦しいところがその為替の手続を経ないで教育器材等が買えるということで、非常にいい制度でございます。日本も以前はこの制度によりまして大変恩恵を受けたわけでございますが、大変残念なことでございますけれども、本件のような場合には振興会としても十分注意してやるよう注意を喚起いたしましてお願いしておる状況でございます。
○本岡昭次君 それで、文部省並びに学術振興会には何ら手落ちはない、あるいはまた責任がないということになるのか、意見は後ほど言いますが、いまの段階でどのようにお考えですか。
○政府委員(松浦泰次郎君) 現在時点におきましてはそのように内容審査が実際上なかなかむずかしいということで、本件に関しましては私ども振興会を含めましてできる範囲でのことをやってきた、特別の責任はないんじゃないかというふうに考えている次第でございます。
○本岡昭次君 先ほどの答弁の中でも、たくさんのクーポンを扱っているから一千万円のものを二千万円というふうに価格の上乗せをされてクーポンが使用されていてもなかなか発見できないというお話でしたが、結局のところ十分検査をし、そして資料を調査、精査すれば、そのような倍額にして商品を売買するというふうなことは発見できるということじゃないですか。
○政府委員(松浦泰次郎君) 取り扱っておるものによりましては、たとえば図書等につきましては定価がはっきりあるわけでございましょうし、そういうものについては十分の注意をすれば先生の御指摘のような面もある程度察知できるんじゃないかと思う次第でございます。ただ、理科教材等の機器につきましては、一定の規格が書いてございましても、性能のよしあしということで非常に値段の開きもございますし、なかなかむずかしいんじゃないかというふうに考える次第でございます。
○本岡昭次君 またそれは後で問題にさしていただきますが、学術振興会の窓口の取り扱い、あるいはそれを審査する人のやり方が甘い。恐らく長年にわたって惰性に流れてしまって全く事務的に行われている。またさらにその次の問題もあるんではないかと思いますが、それは後にいたします。 そこで、昭和五十四年度の取り扱い状況表では、クーポンの買い入れの総額、つまり学術振興会がクーポンを持ってきた業者に対して現金を支払うというその業務の総額が四百五十四万ドル、円にして約九億円程度なんですが、そのうちの四百四十万ドル、もうほぼ一〇〇%に近いものが韓国からの買い上げであって、その他香港が九万四千八百ドルとか、アラブ連合が一万七千九百ドルとか、あとはもう全くの少額で三十二、三カ国がかかわっているということなんです。今度の不正の行われた相手国も韓国です。とすれば、韓国向けの輸出にはこのようなリベートが公然と行われていたと私は言わなければならないと思うんです。警察の取り調べの中では、この会社は、警察に捜査を受けている会社は、はっきりと韓国の業者から不正決済を要求されて、売り込みを成功させるためにこれに従ったというふうに供述をしていると、こう書かれてあるわけで、常識から考えて一社だけがそのような要求を受けることはない。四百四十万ドルという取引を韓国に対して行ったその業者すべてがそのような不正決済を求められてそれに応じたととらざるを得ないと私は考えるのですが、どうですか。
○政府委員(松浦泰次郎君) 先生の御説のように、韓国の業者からのなにで取引を継続するためにそういう要請に応じたのかと思う次第でございますが、日本にもそういう関係業者がたくさんおりまして、できるだけ安く売るというようなのが一般商業の原則じゃないかと思うのでございますが、本件に関しましてはそういう常識の反対の状況で、高くしまして、それで、これは事実かどうかまだはっきり申すわけにまいりませんけれども、新聞報道等によりますと、なれ合いでそういうような多額のリベートを出しておったというようなことで、私ども先生から御連絡いただきまして、初めてユネスコクーポンにとっては残念な事態が起こったというふうに、非常に意外に感じた次第でございます。
○本岡昭次君 私の質問に率直に答えていただけないので残念ですが、それでは文部大臣、学術振興会の定款によると、この第六章に「監督」という項があって、「振興会は、文部大臣が監督する。」とあり、そして三十二条、三十三条にはそれぞれ文部大臣が必要とするときは「振興会に対してその業務に関し報告をさせ、又はその職員に振興会の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。」と、このようにあなたの権限がここに記されてある。 私はいま韓国の一業者との関係の中で起こった問題を取り上げ、その四百五十万ドルという総額の中で一〇〇%近いものが韓国向けの取引であるということから疑いを持つのは至極常識的なことだと考えるのですね。 そこで、文部大臣に要請したいのは、文部大臣の権限で学術振興会に対して、ことしは韓国向け四百四十万ドル、そして去年もおととしもずっと行われているんですが、そのことについて立ち入り検査をして、そのようなことはほかに一切ないというふうに、ユネスコクーポンの信頼、信用を取り戻す検査、捜査というんですか、そういうものを文部大臣の権限でやっていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 学術振興会がりっぱな団体として、またその行っておりますことも正当なものでなければなりません。なお、私の方も監督の権限と責任がございまして、またいまの御指摘のような件につきまして今後調べさしていただきます。
○本岡昭次君 私はこれは初めてのやりとりで、まだ文部大臣の言葉がどれほどの責任を持つ内容かようわからぬです。私のいままでの経験で、検討するというのはこの範囲、努力するというのはこの範囲というふうに大体わかるのですが、文部大臣のいま言われたことは、私の要求したことを文部大臣の権限においてやります。しますということなのかどうか、それをひとつお答え願いたい。やらなければならないんじゃないですか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘になりました件につきましてなお私の方も調べさせますが、事実に基づきまして適切な処置を行ってまいりたい、かように考えております。
○本岡昭次君 その問題について委員会で私は引き続き質問もしていきますが、委員会外でも私がこれからこの問題にかかわっていろいろ資料を求めたり、あるいは私自身学術振興会のいろんな問題について調べたりすることについて文部大臣協力いただけますか。
○国務大臣(田中龍夫君) 正しいことでございますから御協力いたします。
○本岡昭次君 ありがとうございます。 一つ検査の中で私が心配しておりますことは、この種の不正なりあるいはまた賄賂、リベートは、業者が癒着して相提携してやるという場合は、学術振興会の窓口にある職員あるいはその担当者もこうしたことにかかわるということがなければなかなかできないんではないかと思うんですよ。そこのところを、ないことを願いながら、この問題これからひとつ私も追及をさしていただきます。 きょうは時間もありませんので、もう少し質問して終わりますが、そこでまず一つ、今回の事件を起こしたこの会社ですね、この会社が今後韓国とのこの種のクーポンの取り扱いを学術振興会に対して要請をしてきても、これはもう拒否されるということになりますね。
○政府委員(松浦泰次郎君) その点につきまして現在振興会とも連絡をしておるところでございますが、捜査当局の事実関係の確認を待ちまして的確な処置をしていきたいと考えておる次第でございます。
○本岡昭次君 それは捜査が明らかになった段階でクーポンの取り扱いを禁止すべきだと私は考えます。 それから学術振興会は、このクーポンを取り扱う場合、通常であれば手数料というふうなものがあるわけなんですが、学術振興会はこのクーポンを取り扱った上での手数料を取っているのか取っていないのか。取っているのであれば、どういう割合で手数料を取っているのか、年間どのぐらいのそれが収入になっているのかお答え願いたい。
○政府委員(松浦泰次郎君) クーポンを光ります場合には四%の手数料が入ります。それから今度は業者に対して支払いをいたします場合には三%の手数料が入ります。扱い額が四百五十四万ドルでございますが、その手数料が幾らになるかにつきましてはまだ計算をいたしておりません。
○本岡昭次君 それは後ほどまた言ってください。 そこで、五千万円の品物を扱ったときのパーセントは三%だから、三、五、十五で百五十万円ですか。そうすると、それが一億円で売買したということになると、やっぱし一億円分の手数料が入っているわけですね。学術振興会の手数料収入からいえば、不正であろうと何であろうと額が高ければいいということになり、逆にその五千万円の上積みをされて不当に売買が行われているということはだれかが五千万円損をしているわけですね。不当なものを買わされた、不当な値段で品物を買って支払ったということになるんですが、その手数料収入の中にこうしたものがたくさん含まれているということになればどうなるんですか。それは仕方がないということになるんですか。
○政府委員(松浦泰次郎君) 本件の場合、内容としまして学校の器材のようでございます。学校の設置者がその代金を払っておるわけでございますが、市場価格よりも非常に高くそれを支払いしているということで、設置者にとりましては大変な支出で痛手になるはずのものでございますが、振興会の関係は扱い額によります手数料でございますので、先生の御指摘のとおりの手数料が入るわけでございます。高額なら高額で。ただ、そういう内容的に不適切な購入によります手数料が含まれておるということは望ましくないことでございますが、特にクーポン制度のあり方からいきまして非常に残念に思う次第でございます。
○本岡昭次君 だから、三%であれば、細かい話で恐縮ですけど、一億円の三%という取り扱いをすれば、三百万円ですか、そのお金はどこが出すんですか、その手数料は。
○政府委員(松浦泰次郎君) これはユネスコ本部に扱いましたクーポンを送りましてそこから帰って送金されてくるわけでございます。それで業者に払うわけでございますが、その段階でその中からいただくことになっております。
○本岡昭次君 だから、結局どこが払うんですか。
○政府委員(松浦泰次郎君) 結局、代金の支払い者の中に含まれるわけでございます。
○本岡昭次君 そうすると、ユネスコクーポンは、教育、科学、文化ですか、そういうものの国際的な振興、特に開発途上国の教育振興、科学振興のためにこれを使うと言い、その倍額の取引が行われたということで、百五十万円多く韓国の大学か、高等学校か、研究所か知らないけれども、それを支払ったということになるわけですが、百五十万円というお金は、本を買う、あるいは教育機器を買う、買い方によれば一定の内容を持つものが購入できるお金ですね。百五十万円は本を買おうとすればできるお金です。高等学校ぐらいであれば。そういうようなものを結局のところ学術振興会も一緒になってピンはねをしておると、言葉は悪いけれども、そういうことになるのじゃないですか。だから、百五十万円は、ユネスコの本部に話しして、不正なものが行われた中で起こった手数料だから韓国に返します。学校に返しますというふうにするのがこれは妥当じゃないですか。ましてや開発途上国に対する教育、科学、文化の振興のためにということで使われているユネスコクーポンであるんですから。どうですか。
○政府委員(松浦泰次郎君) 先ほどの先生の御質問に対しましてお答えして、これは購入代金の中に入っておる、その中から手数料が支払われるというふうに申し上げましたが、この購入代金といいますのが売価に含まれておりますと、結局その購入者の負担になるわけでございますが、一般の正規の市場価格でございます場合には業者がその自分の利益の中から負担をするというような形になります。ちょっと先ほど不正確なことを申し上げまして訂正さしていただきます。 それからいまの御質問の点でございますが、その辺につきましては、結局設置者がそういう金で承知しておったんじゃないかと思うわけでございますが、買った金でございますし、そういう不正な扱いを設置者がしておるとしますと、その不正によって入ってきたものではございますけれど、そこにまたその金を返還するということが適切かどうか、もう少し私どもも検討さしていただきたいと考えております。
○本岡昭次君 それでは最後に、この問題はユネスコ本部、韓国国内ユネスコ委員会、そして日本の本部というふうにぐるっと回っていく仕組みになっておると思うんですが、こういうことが行われたということをユネスコ本部に報告されましたか、
○政府委員(松浦泰次郎君) まだ報告いたしておりません。もう少しその事実がはっきりいたしましてからそのような措置を考えていきたいと考えております。
○本岡昭次君 それではまた次のよい機会に、資料等いろいろ勉強さしていただき、文部大臣も協力するとおっしゃっておられるので、そうした新しい状況をつかんで、またユネスコの信用を回復するために二度とこのようなことが起こらないために、またこの文教委員会の中で論議をさしていただきたいと思います。きょうはひとまずこのユネスコ問題はこれで終わります。 そこで、次に学校給食を取り巻く諸問題について質問をしていきたいのですが、文部大臣、こういうこと失礼かもしれませんが、基本的な問題として、私も初めて学校給食のことを質問いたしますので、学校給食について文部大臣がどのように考えておられるか。それは学校の中で高温多湿、大変な条件の悪いところで一生懸命子供たちにおいしいものを食べさせようとがんばっておる給食に従事しておるさまざまな職員に対する思いやり、そういったものを頭の中に描いていただきながら、給食に対するお考え、基本的なことをひとつ言っていただければありがたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、学校給食の問題は一つの学校行政の中で非常に重大な問題でございますが、特に児童生徒の健康の増進でございますとか、あるいはまた児童生徒が、いろいろの家庭の事情その他の問題もありましょうけれども、そういう問題を超えて、そうして明朗な教育環境のもとに明るい社交性と豊かな人間性を涵養する上から言いましても非常にりっぱなものであります。同時にまた、教師と児童生徒が同じものを食べるということを通じましてそこにはこれまた別な教育効果がある、こういうふうな問題。また、児童生徒が相協力して配食や片づけものをするということ、自体、そこには勤労奉仕というような精神の涵養ができる、こういうふうないろんな面で非常にりっぱな制度であると、かように考えております。
○本岡昭次君 いまおっしゃるように、学校給食がよい条件下で、そして望ましい内容でもって行われていけば文部大臣のおっしゃるように、子供の健康の問題、そしてまた日本人に一番劣っておると言われておる食生活を文化としてとらえていく問題、あるいはまたそれから教育上の問題、そしてまた連帯、仲間同士の力を合わせるとかいうさまざまなそうしたプラスの面が発揮でき、教育上非常に好ましいものだと、こうなってくるんですが、しかし問題は、そのような教育効果、文化効果あるいは健康上の効果が発揮できる状況になり得ないところに問題があるんです。 文部大臣は小学校か中学校の給食の現場をごらんになったことがありますか。食べられたことがありますか。
○国務大臣(田中龍夫君) 私も選挙で出ておる人間ですから、選挙区における学校で給食を拝見もし、また生徒さんと、緒に食事したこともございます。
○本岡昭次君 まことに結構でございますが、そのときにどうですか、子供がエプロンかけて、こう頭につけて、小さい子が入れ物を持って御飯をより分けている、おかずをより分けている、そういう風景をごらんになって何か大臣としてお考えになったことがございますか。
○国務大臣(田中龍夫君) ちょうど私が参りましたときには、特に米飯という問題を奨励しなきゃならぬ、パン食をこれから切りかえていく上においていろいろな施設の問題もございますれば、あるいはまた制度の問題として考えさせられるいろんな問題も先生方から話を聞きましたりなんかいたしました。
○本岡昭次君 少ない時間、限られた時間の中での質問ですから全般に対して触れられませんが、いまおっしゃいました米飯給食が五十一年度から五年計画で試行的にいま実施されているという状況で、現在時点でまだ未実施のところがあるように聞いているんですが、その未実施の県あるいはまたその市町村の主なところを挙げていただいて、そしてなぜそこがいまだに米飯給食に踏み切れないのかということについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(柳川覺治君) 先生御指摘のとおり、学校給食への米飯給食の導入につきましては、食事内容の多様化を図るとか、あるいは米飯の正しい食習慣を養うなどの教育的意味もございますし、またわが国の食糧事情を考慮すれば日本人の食生活という面から素直なことであるということで、五十一年度より年次計画を追いまして、五十六年度中に週二回米飯の実現を図るということでいま取り組んでおるところでございます。各県、各市町村におきましてこの趣旨の実現につきましての御努力をいただいておりまして、いま全国的に完全給食を受ける児童生徒の約八〇%に当たる千百五十万人の小中学生が米飯給食を何らかの形で受けているという状態になっております。 現在の普及状況を見ますと、地域により差がございます。特に都市部の進捗状況が大都市を中心にしてなおおくれておるというのが実情でございます。これにつきましては、文部省といたしましては、この米飯給食の導入に当たりまして、地方交付税のしで要員の確保のための裏づけ、あるいは炊飯の施設設備に対する整備事業費の補助、あるいは委託炊飯の場合の助成措置等を講じておりまして、関係者の御努力でこの年次計画が完全な実現を図るよういまお願いをしておるところでございます。 大都市におけるこのおくれにつきましては、種々のいろいろな要因があろうかと思いますが、何分にも学校の数が多いという問題がございましょうし、そのための自校炊飯による施設設備の充実等につきましてもかなりの財政措置を必要とする、また米飯給食に対する関係者、父兄初め関係者の関心が地方よりももう一つ低いというような関係がございますし、また実際には調理に当たっておられる方々のこの面の御理解をいただくということになお努力を必要としておるというのが実情でございます。
○本岡昭次君 いまのお答えについて突っ込んでいきたいんですが、私のきょう主として論議したいことはそのほかのことですので、いまのはそういう報告として承っておきます。 私は米飯給食そのものについていいことだと思っています。米の問題は、私もいままでパン食に切りかえておったんですが、このごろは意図して米飯を食べるように日常自分も心がけているうちの一人なんですが、しかし都市部であるいは郡部でいま現に米飯給食を実施しているところ、あるいは実施について何らかの抵抗を感じてなかなかやっていけないところ、どちらにしても、私は最大のものは、給食制調理員の方が実際それを調理して子供に食べさせるわけですから、その方々が米飯給食を取り入れたときの労働条件の問題が改善されないというここが最大の問題であるというふうにぼくはとらえているんです。とにかく親からしても、また給食を実施している文部省からしても、学校の教職員にしても、安全でおいしくてそして栄養のある、そのような楽しい学校給食を進めていき、しかもなおそのことが教育的に意味を持つということでなければならないんですが、しかし問題は、その調理をされる調理員さんがその調理をするときに精神的にも肉体的にも健全な状態にあって、わが子に対しておいしいものを食べさせて丈夫な体にしてりっぱな人間に育ててやろうという親心というふうなものを同時に学校のそうした給食の場でも持ち込んでやれるようなそういう状態になっているかどうか。ぼくはそこだと思ってる。そこが抜けてしまえば学校で食べさせる給食なんてものはこれはもう外食と一緒であって、まあ外食でも心のこもったということは可能な面もありますが、少なくとも教育的でない、学校で給食を食べさせる意味がない。こう私は考えているんで、そのほかいっぱいありますけれども、突き詰めれば調理師さんが本当に自分の子供のことを描きながらやるだけの精神的な余裕、それから肉体的な健全な状態があるかどうかと、こう考えているんですが、どうも現状はそうでない。 そこで、その問題にかかわっていまから質問していきますが、昭和四十五年に保健体育審議会の答申があった。「義務教育諸学校等における学校給食の改善充実方策について」というのが四十五年二月二十八日に当時の文部大臣坂田道太さんに対して出されているわけですね。これをいま読んで、その当時、四十五年ですからいまから十年前ですが、この答申にあるとおりに実施されていたらもっといまの学校給食はさま変わりしたんではないかとぼくは考えるんです。実にこの答申はいろいろな示唆に富んだものがあるんですが、その中で私がいま取り上げていることに限って言いますと、そこにははっきりとこう書いてあるんです。「給食関係職員の適正配置」という項の中に、「調理従業員の配置と待遇の適正を図る必要がある。」として、「調理従事員の健康管理、作業環境の良化」、待遇の改善等について「じゅうぶんな配慮がのぞまれる。」。「現在、地方交付税においては、給与単価および人員についてじゅうぶんな積算がなされていないし」。ここにはっきりと「地方交付税においては、給与単価および人員についてじゅうぶんな積算がなされていないので、これを改善する必要がある。」というふうにこの答申がなされているんですね。 それから十年間それでは一体、最も底辺で働く、そして最も給食の基本となるべきこの給食関係者、調理師の皆さんの待遇とか人員の問題についての地方交付税の積算がこの答申どおり十年間努力されたのかどうか、そこのところをお答え願いたい。
○政府委員(柳川覺治君) たまたまこの答申を当時担当した者の一人でございますが、当時ここに指摘されておりますとおり調理従事に当たられる方々の給与が大変低い、他の職にあられる方と比較して。そういうことでございましたので、この御答申をいただきましてから関係者と共同で努力いたしまして、給与につきましてあるときに一気に七割アップということで、調理に当たられる方々の給与を他の職種の方との均衡を保つような改善がなされたというのが一点ございます。 それから定員につきまして、文部省が定めております基準に比しまして、これを裏づけるまだ体制に至っておりません。そこで年々この面の関係省庁にお願いをしてまいりまして、いま調理従事員の地方交付税の積算につきましては、一応文部省の従来定めております基準を裏づけるそういう積算に実現をしていただいておるということで、この御答申の以後の努力を重ねてきた次第でございます。
○本岡昭次君 いや、私はあなたと別の見解を持っとるんです。十年間何もしてこなかったと。もちろん給食に携わる方々の賃金を上げるというのは、これは一般の方のベースアップもあるんだし、物価も上がるし、当然それに見合ったものを積み上げていかなければこれはもう大変なことになります。 問題は要員でしょう。四十五年から五十五年まで給食調理員の積算基礎は四名ということ、小学校。中学校は二名。一定の五百から七百とかいう規模をとりながら、この積算基礎は一向変わってない。ただ、五十年から米飯給食を入れるということになって初めてパートを二名程度配置できるものを入れたということでしょう。あくまでそれは米飲給食というその給食の内容が変わることによって必要な人員を配置したというにすぎないんであって、十年間全く同じ人員でやらしている。そうじゃないですか。――いや、それは何ぼ見たってほかの答えは出てきませんよ。
○政府委員(柳川覺治君) 四十九年に、従来中学校につきまして、給与費で一人積算し賃金で〇・五人の積算でございましたものを賃金一人というように改定いたしております。それから、五十一年に、給与費で充てる職員を二人、それから賃金を〇・五人というような改善がなされてきております。 小学校につきましては、御指摘のとおり、給与費の対象人員は四人という積算のままで今日来ておりまして、米飯給食導入の場合の賃金支弁の二人を積算したということの改定だけでございます。
○本岡昭次君 実際学校に行かれて給食をやっておられる状態を見られたらわかるんですが、文部省が積算したような形での人員ではなく、各地方自治体の努力によって要員は最低のものを確保する努力がされているわけです。そうした自治体労働者がこの給食に携わっている人たちのいろんな調査を行っておる。文部省も持っておられるようですが、結局、給食調理員の人がいま子供たちの給食をつくるについて一番不満、不安を感じてるのが何かいうことは、四〇%近い人たちが要員が少ないと言う。だからそれによって休暇も休日も取れない。労災あるいは職業病というふうなものにかかる。労災にもう腰痛とか頸肩腕、そうしたものが多発しているという状況で、とにかく一人でもいい、ふやしてほしいという本当にささやかな願い、要求というものがここに訴えられているわけで、一たび調理師の方が、いまかかりかけている腰痛とかあるいは皮膚病あるいは頸肩腕とかいうそうした職業病に一斉にかかったとして、あの人たちが動けなくなったときは一体どうなるんかと思うと、毎日毎日の給食が現在満足に行われていることが本当に不思議儀だというふうに言っても言い過ぎでないぐらいの状況があるのが現場の実態なんですよ。 だから、この積算基礎が十年間全く同じ状態でそうした現場の調理師さんの努力と苦労だけに任しているということは許せないと思うんですが、これはどうですか。米飯給食は五年間の経過で、五十六年、来年一応試行期間を過ぎるということなんですが、そこにそのためのパートを配置しているという状況があって、そうしたら来年以降また新しい方策を打ち立てられるのか、またこの定数問題について何か抜本的にやらなければならないのじゃないかということ、この辺について何か特別なお考えを持っておられないんですか。
○政府委員(柳川覺治君) 文部省が決めております基準と実際に配置されておる実員との関係でございますが、最近の状況で申し上げますと、標準的な規模の五百人から九百人のところの学校で基準が四人でございますが、これに対しまして小学校で四・三人、中学校で四・七人というような配置がなされております。また九百人以上千三百人の規模の学校では、五人の基準に対しまして小学校で五・三人、中学校では六人というような実態になっております。文部省の基準が、今日まで関係者の御努力で実際に実員の配置がこの基準にほぼ見合い、あるいは大きい規模のところではむしろ基準を超えた人の配置があるということの実態でございますし、またかねてこの問題は関係方面から強く要望されている問題でございますので、私どももこの基準をどうするかということは常に問題意識を持っております。 たまたま米飯導入に当たりまして、四十五年から文部省は慎重な実験学校の体制をとりまして、その結果五十一年、年次計画を推進するに当たって、賃金の形でございますが、人手のかかるところを補うというような形でいまそういう対応をとりまして米飯の実施を図っているところでございまして、この米飯の年次計画の推移等も見ながらこの面の問題につきましての詰めをしていきたいという考え方でおります
○本岡昭次君 ぜひひとつ事務的な立場からも詰めていただきたいと思うんですが、最後に時間ももうなくなりましたので文部大臣にお願いしたいんですが、昭和四十九年、一九七四年の教職員定数増第四次五カ年計画成立時における国会の附帯決議というのが衆議院、参議院でそれぞれ行われている。これは御存じであろうと思います。衆議院、参議院ともそれぞれ附帯決議の中に学校給食調理員の問題が取り上げられてあります。参議院の分だけを取り上げて私が読んでみますと、十三番目にこのように書いてあります。「学校給食調理従事員の労働条件の改善を図るための措置を講ずること。なお、共同調理場方式の拡大については、慎重に取り扱うこと。」と、こう書いてある。それで、一から十二までは今回の第五次の定数改善の中で何らかの形で取り上げられてあるんです。内容の不十分さ、あるいは期間の問題等々あるにしても、何らかの形で取り上げられてある。ところが、この十三の項だけは全く放置されているわけなんですよ。 学校給食が学校教育上非常に重要なウエートを占める、またゆとりというふうな問題にも深くかかわって論議され、いまや学校食堂というふうな問題までが論議され、そして条件の整ったところから順次移っていくという状況下にあって、やはり考えていかなければならないのはこの学校給食調理従業員の労働条件の改善であろうと思うんですが、なぜこれだけがのけられてしまったのかという責任をいま問うている時間がありませんが、文部大臣として、これは自治省等とも連携をとりながらぜひともこの附帯決議の実現方を――特に米飯給食の試行期間が来年で終わる、そして五十七年からそれではどうするんだという新たな立場に立って給食を見ていくということになろうと思うんですが、そのことにあわして、現場で実際働いている、努力している、苦労している給食調理従業員、調理員の皆さん方あるいはその周辺の給食にかかわっている人たち、それからその条件、施設設備、さまざまなものについてこの際その調査をして、そして新しい立場に立ってこの給食問題に取り組んでいく。その調査をやる予算をまず来年度の予算要求の中に盛り込み、それを実現してみようというふうなお気持ちはないかどうか。私はぜひそれをやっていただきたいと思うんですが、ひとつ文部大臣にお願いします。
○国務大臣(田中龍夫君) いま先生の御指摘になっておられます給食調理員の配置基準は作成以来もう二十年もたっている。その後の学校給食の事情もいろいろと変化いたしております。米飯給食の実施状況等の流動的な要素が安定化しつつあると思うんでありますが、御指摘のように、これが少し見通しがついて安定した状況のもとに実態調査を行いたい、かように考えております。
○本岡昭次君 私は時期を明示して文部大臣にお願いしたんですが、再質問の形で失礼ですけれども、五十六年度、来年度予算の中に給食を見直すための実態調査というものを行う予算要求をしてもらえないかということを来年度の問題としてお願いをしているんですが、いかがでしょう。
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘の点でございますが、来年度この調査を実施するための予算要求はいたしておりません。いま大臣が御答弁申し上げましたとおり、いま五十六年度、五十一年度から始めました年次計画の最終年度にございますので、この最終年度における努力を重ねてまいりまして、この米飯の給食の実施状態が一応の段階を経たその辺の時点でさらに将来の方向を見定めるための実態調査というものを考えていきたい。 このためには、先生大変な御理解ある御心配をいただいておるわけでございますが、定員の定数配置の問題と同時に、果たしていまの給食の調理施設設備の体制がこれでいいのかという問題がございます。それで、私どものできる限りの面で、一つはいまの調理場がドライシステムをとれないかということ。ゴム長を履かれまして暑いさなかに重労働をされておるわけでございまして、あの姿を見るたびにドライシステムができないかということで、いまその面の試行もいたしております。それから学校食堂の建設の促進ということも各方面から御指摘がございます。あるいは最近いろんな面で開発されております調理器具につきましての配置というような、そういう条件整備の方からも調理に当たられる方々が快適なよい状態でお仕事していただけるということもあわせてこの面の調査を考えていくべきだということに考えておりまして、時期につきましては来年ではなく、五十六年の年次計画の実態を見た上でその面の調査活動を推進すべきだという考え方でおる次第でございます。
○本岡昭次君 もうこれで終わりますが、いまの答弁で大体考え方はわかったんですが、再度文部大臣に要望をしておきます。 現場の実態は一年一年延ばすごとに深刻な状況になっていきますので、できればひとつ給食――子供たちの体のことであり、教育上非常に重要ないまウエートを持ってきている問題、米飯給食という問題にかかわって、食糧問題と日本民族のこれからの食生活の問題にもかかわりながら進められていく学校給食です。できれば、もう予算要求はことしはしてしまったということのようですが、再度ひとつ検討していただいて、調査にそんなたくさんのお金が要るとも思えませんので、そうしたものをやりながらひとつ、現場でいまおっしゃっているように暑いときも寒いときも高温多湿の中でがんばっておるそういう人たちに勇気と励ましを文部省の対応によって与えてやっていただきたいということを要請して私の質問を終わります。
○国務大臣(田中龍夫君) 先生の御希望の問題も十分に拝聴いたしまして今後も対処いたします。
○粕谷照美君 特殊教育深長にお伺いをいたします。 来年は国際障害者年でありますけれども、わが国教育史上非常に大きな出来事でありました養護学校の義務化が昨年から行われまして、来年は三年目を迎えるわけであります。この間におきます昨年、ことし、そしてさらに来年に向けての就学問題も含めまして、進行状態といいますか、それを概略お話しいただきたいと思います。
○説明員(戸田成一君) 大変恐縮でございますが、進行状態というお尋ねでございますが、国際障害者年に関する文部省の取り組みの問題でございましょうか、その点確かめたいんでございますけれども。
○粕谷照美君 養護学校の建設、入学あるいはそれに入っている子供たちの進学に関しての問題点いろいろあるかと思いますけれども、そう詳しい御説明でなくて結構ですから、いままでおつかみになっていらっしゃる概略のようなものを御報告いただきたい。
○説明員(戸田成一君) 御承知のように、五十四年度から養護学校教育の義務制が実施されまして、養護学校が、まず施設の面でございますけれども、養護学校設置の七カ年計画、四十七年度から五十三年度までの計画によりまして養護学校の建物をつくってまいりまして、またそれに対応して教職員の養成も図ってまいりまして、そのような物的人的な条件を整備して昨年度から養護学校教育の義務制が実施されたわけでございます。 そこで、その結果でございますが、非常に大幅に学校数がふえてまいりましたし、またそれに就学します子供たちも急激に、養護学校の場合でございますけれども、ふえてまいりまして五十四年度を迎えたわけでございます。五十五年度はさらに学校数も二十三校ほどふえまして、全部で国公私立の養護学校は六百七十七でございます。そこに在学します子供たちでございますが、幼稚部から小学部、中学部、高等部まで含めまして、全部で七万二千人ほどでございます。そのような状態でございます。
○粕谷照美君 課長として、この子供たちがふえたということをどのように判断をしておられるのか。ちょっと質問が抽象的ではありますけれども、たとえば学校がつくられた、つくられたからそれを埋めなければならないということで子供たちがふえるということも一つあろうかと思います。子供たちが正しく実態を踏まえながら入れられているかどうか、その辺のところをどう判断していらっしゃいますか。
○説明員(戸田成一君) 学校教育法制定以来の懸案でありました養護学校教育の義務制が、先ほども申し上げましたように五十四年度の四月から実施されておりまして、それによりすべての学齢期の児童生徒に教育の機会を保障できることとなり、わが国の義務教育制度が完成を見たわけでございます。そういう意味では画期的なことだったと思うわけでございます。 したがって、そこに就学する子供たちもふえてまいりましたし、就学先でございますけれども、子供たちの障害の種類なり程度に対応しまして、ある子供は盲学校、聾学校または養護学校、ある子供は普通の小中学校の特殊学級、さらに軽い障害の子供は普通の学級と、そのような就学先に就学をいたしまして、それぞれ障害児の一人、人の状態に対応した教育がなされておるということを私どもは、何といいますか、現在の制度としてそのように適切に実施をしておるということを申し上げたいと思います。
○粕谷照美君 教育委員会なり文部省なりが、現在の子供たちの状況に対応した教育条件が整い、その整った中で子供たちが教育を一受けているというように判断されるのはそれはそれで結構だと思います。しかしまた、この子供たちを育てている親の立場からすれば、またその辺は意見が違う部分もあるわけでありまして、そこのところをどのように調和させていくかというのがいま大きな課題になっているのではないか、こういうふうに考えているのです。 文部大臣あてに陳情書が長崎市岩川町の吉原正さん、多分奥さんなのでしょう、田鶴さんという方から出ております。昔で言えば直訴状に当たるのだと思いますけれども、わざわざ文部大臣のところまでこのような陳情書を出してくるということは普通のことではない、その親にとっては非常に大変なことだと、こういうふうに考えているのでありますが、一々こんな陳情書が直接大臣のお手元に届くというようには思われませんので、事務局、この陳情の中身をちょっと紹介をしていただきたいと思います。
○説明員(戸田成一君) 陳情の概要について御説明申し上げますと、大臣あてに長崎市の吉原正さんという人、それから田鶴さんという奥さんの連名の陳情書でございます。 で、この御夫婦には本年六歳になるお子さんがおられまして、障害児でございます。それで、学期も過ぎ、二学期に入ってもまだ小学校へ行けないということがまず書いてございます。それで、小学校に入るわけですが、教育委員会の方からは養護学校通学という通知をいただいておるが、しかしそれは親の希望としては受け入れられないというふうな趣旨が書いてございます。 そのあとどのようにして分娩のときに脳障害を起こしたということが書いてございます。 それから市の審査委員会で長崎養護学校に就学することが決められたということが述べられております。 そのあと一年間幼稚園に健常児と一緒に学んで大きな効果があったということが書いてございます。それから小学校の方がいいんじゃないかというふうな、あるいは幼稚園の効果ということがかかりつけのお医者さんからも言われたというふうに書いてございます。 そのあと、この子を育てる場合には三つの原則がある、環境と愛情と治療訓練が大事である。この愛情や治療訓練は家庭と医者でできるけれども、環境は愛情とかそういうものでは片づかない、健常児がたくさんいる学校に求めたいというふうに書いてあるわけでございます。そういうことでかかりつけのお医者さん等の指導も受けながら、そのようなことを望んでおるということが書いてございます。法律があるということも御承知の上で、養護学校の存在意義はあると思うけれども、しかし親としては自分たちの体験からしても、専門家の助言からしても、普通学校の方へどうしても入れていただきたいんだということがさらに強調されております。法律はもちろん大切だと思うけれども、もっと弾力性があってもいいのではないかと。 さらに、私は普通学校へ通学させる場合に、往復はもちろん担任の許可があれば一日その子についていたいというふうなことも述べられております。また責任問題についても、常識的なものならば学校側に責任を持たせるようなことはしませんというふうなことも書いてございます。 おしまいの方に、親として少しでも機能や知能が一日も早く発達してもらいたいということを願っておるんだ、そういうことがさらに書いてございまして、一番最後に、「何よりも子供中心にお考え下さり、早急に解決の道をお開きくださいますよう切にお願い申し上げます。」というふうに結んでおります。 以上でございます。
○粕谷照美君 陳情書はそのとおりであります。その陳情書を見まして特殊課長としてはどのようにお考えですか。 同じ長崎なんですけれども、長崎大学の教授の河原さんという方のお嬢さん、双子でいらっしゃいましたが、一人の方は脳性小児麻痺、そして親が一生懸命に教育をして、プールの中でようやく一メートル泳げるようになった、二メートル泳げるようになった、こういう子供さんですけれども、幼稚園ではその子供を預かりました。玄関から自分の教室までははっていくような子供ですが、その子供の普通小学校入学をめぐりまして私はこの文教委員会でも質問をいたしましたけれども、その子が、暁子ちゃんという子が二年生になっております。その子供を受け入れましょうと、こう言った校長先生も私はりっぱだと思いますし、長崎市教委もなかなか弾力性ある対応をしたものだと、こういうふうに思いますが、何よりもその受け持ちの先生というのがすばらしい。特にその受け持ちの先生がその河原暁子さんの担任を一年間して自分が得たものは何であったか、それから暁子さんが一体どのように成長をしていったのか、暁子さんを受け入れることによって先生自身が変わっていったということと同時に、子供たち同士が変わっていったという、そういう本当にすばらしい教育実践の報告書を今回秋の長崎におきます教育研究集会に提出をしていらっしゃるのを読みまして大変胸を打たれたわけです。そういう実践例がある後でこの問題が出てきているわけです。 そのことについて、特にこの吉原さんの問題について課長はどのようにお考えですか。
○説明員(戸田成一君) 先ほど概要を申し上げましたように、吉原さんから大臣あてに陳情書が出てまいっておりますので、このことにつきまして所管課として私ども過日長崎県教育委員会から直接事情聴取をいたしますとともに、同委員会が長崎市教育委員会と密接な連携を図りつつ保護者と十分に話し合いを行うなど円滑かつ適切な就学指導の実施について指導したところでございます。このような具体的な児童の就学措置につきましては、県及び市の教育委員会が行うこととされており、本件につきましても、これら教育委員会の今後の一層適切な対応を期待しておるところでございます。
○粕谷照美君 もう一つお伺いいたしますけれども、先日も課長に来ていただきまして私ども事情聴取をやったわけですけれども、都立城北養護学校に在籍をしております金井康治君、この子供が二年間にわたって小学校に入らない、そして花畑東小学校にぜひ入れてくれと言ってテントを張りながらがんばっている。その康治君の前に学校の校門を閉じてガードマンが立っていたり区役所の職員が立っていたり、そして中にも入れない。そういう康治君を応援する人たちも非常に多く出てくる。このような問題も現実にはあるわけですけれども、この点についてどのような状況になっているかちょっと御報告いただきたい。
○説明員(戸田成一君) ただいま御指摘の金井康治君の問題につきましては、三月末に足立区教育委員会と金井康治君側との確認書が取り交わされております。それは基本的には現在城北養護学校に在籍しておりますが、その在籍のままに週に二遍程度花畑東小学校に交流するといいますか、そういうふうなことで確認書が取り交わされておりまして、それに基づいて関係者でそれが実施されるように鋭意努力がなされておるわけでございます。最近の状況では、城北養護学校は都立でもございますから、都の教育委員会も絡んでおります。都の教育委員会、足立区教育委員会並びに両校、すなわち城北養護学校、花畑東小学校、いわばこの四者が絡んでいるわけでございますが、四者がいろいろな形で十分に協議をしながら、一日も早く金井君がこの教育交流ができるようにということで努力がなされております。もっと言うならば、城北養護学校と花畑東小学校、どちらもこれは教育課程の問題になります。それぞれの学校の教育課程をどのように編成するかという問題になりますから、両校で具体的に金井君をどのように交流させるかということでいま詰めた話がなされておるというふうに聞いておるわけでございます。それに期待しております。
○粕谷照美君 大臣にお伺いをいたしますけれども、いま吉原政伸君と金井康治君の例を引きましたが、親としては、りっぱな養護学校が出てきた、本当にすばらしいホテルのような養護学校も出てきたけれども、この子供は自分たちの住んでいる近くにある学校に入れたい、こういう親たちがふえてきているわけです。いままでも現実にそういう子供たちを受け入れていた学校があったにもかかわらず、養護学校ができたばっかりに今度はおまえは向こうへ行けと追い出されるという実態が出ているわけですね。こういう問題について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま二つの例をお引きになりまして詳細お話しになりました。一つの考え方でございますが、養護学校というものを特別につくって、そうして特にその教育の問題をするということ、また一つの理想としては、医師の診断その他によって一般の学校に入れて、そうして一緒に勉強さした方がいいというお考えの問題、今度は逆に通常の学校の方の立場、なかなかこの問題はむずかしい問題であろうと存じますが、ただいま担当課長から詳しくいろいろと申しましたように、この二つの考え方というものの調整というものはなかなか社会問題として重大な問題であると同時にむずかしい問題でもある、かように存ずる次第でございます。
○粕谷照美君 重大な問題であるし、むずかしい問題であると言うだけではこれは答えにならないと思うんです。その子供、現にもう金井君なんか二年間学校に行かないで就学が保障されていないからであります。それから吉原君にしましても、もう一学期二学期全然学校に行けない、こういう実態が出ているんでありまして、一〇〇%就学などという日本の統計は私はこれはうそだというふうに考えざるを得ません。そういう意味でできるだけ親の希望を入れていくということと同時に、私たちはやっぱり地域の子供たちは地域の学校に入るんだということが前提になるような学校づくり、教育の環境づくりというものをつくり上げていかなければならない、こういう立場に立ちまして、もう少し古原君の問題を例にしながら質問をしていきます。 課長にお伺いをいたしますけども、長崎市の教育委員会から、この吉原君についての判定といいますか、審査というのはどのような形で行われてきて――まあ問題はないんだというようになっているんだと思うんですけども、報告がありましたでしょうか。
○説明員(戸田成一君) 吉原君の就学の判定につきましては、まず五十四年の十一月に就学指導委員会が開催されまして、そのときに検討されたようでございます。そこでの一つの方向としましては、出原君を小学校の特殊学級に人級させるのが妥当ではないかという方向が出されたようでございます その後もう一度、本年に入りまして五十五年の一月十八日に、再度市の教育委員会は就学指導委員会を開催いたしまして、吉原君の件につきましてもう一度検討をいたしまして、養護学校に就学させるのが適当であるというふうに判定をしたというふうに聞いております。
○粕谷照美君 私は課長がこういうことを御存じかどうかわからないのですけども、第一回の十二月二十日の心身障害児の審査委員会の出席が、市の職員、それから関係官公庁の職員、学識経験のある者と、こういうふうに分かれていて、それぞれ人数が出されているわけです。そのうち、十二月二十日の日に欠席をされた方が三名おられます。特に、市の教育委員会からこの審査会に出ていらっしゃる方が四人いらっしゃいます。その四人のうちの三人までが市教委から出られた方です。事務局指導部長、指導部学校教育課長、指導部学校教育課指導係長、この三人が欠席をされている。そこのところでは学識経験者は出席をされているんですね。 ところが、第二回目のときには学識経験者が五人選ばれていらっしゃるわけですが、そのうちの四人までもが欠席をしていらっしゃる。学識経験者、特に医師がいない中でそのような判定が行われたというこの事実を私は非常に大事に思っているのですけども、この辺のところの、養護学校に行きなさいという判断と、その前の特殊学級に行きなさいという判断は、出席した人の顔ぶれによって違っているわけですね。この辺、どのようにお考えですか。
○説明員(戸田成一君) この就学指導の適正を期するということはきわめて大事でございますから、文部省といたしましては、全国の各都道府県教育委員会、それから各市町村教育委員会に就学指導委員会を設置するようにということを従来から強く指導してまいっておりまして、都道府県教育委員会におきましては一〇〇%、市町村教育委員会におきましても九八%の設置を見ておるわけでございます。その場合に、委員の構成でございますが、医者、それから学校の教育職員、さらには児童福祉施設の職員と、こういう方々から構成するようにということも指導しております。それで、いわばそのような専門的な方々に専門的な立場から判定をしてもらうようにということでございます で、長崎市の具体的な就学指導委員会の場合にも、詳細な報告は受けておりませんけれども、一回目と二回目では、やはり若干委員に――ある人は一回目に欠席したり、ある人は二回目に欠席したりというふうな、若干ちぐはぐな面があったということは聞いておりますけれども、大勢としてはやはり多数のメンバーが出席をして、適切に慎重に判定をしたものというふうに理解をしたいと思っております。
○粕谷照美君 あなた、理解をしたいと思いますと言ったって、そうじゃないんですよ。私が言っていますのは、第一回目のときの、特殊学級に入れた方がよろしいと言ったときには、何ということですか、市の教育委員会の事務局の人たちが三人まで、四人のうち三人まで欠席しているんですよ、業務怠慢じゃないですか。そして、そういう方々が欠席したときには特殊学級でよろしいと、こういう結論が出ている。ところが、一番大事な、文部省も指導している専門家といいますか学識経験者、こういう方々が第二回目のときに欠席をされた。これも意図的に欠席をされたのか、あるいは御都合がつかなかったのか、その辺は私はわかりませんけれども、たった一人お出になっていらっしゃる長崎市学校保健会理事。この方は、だから学識経験者ではありますけれども、専門家というにはちょっと足りないのではないかというふうに思いままか、お医者さんがいらっしゃらないところでこのようなことが決定した。その点についてはまことに残念なことだというふうに思いませんか。
○説明員(戸田成一君) 先ほども申し上げましたように、就学指導委員会のメンバーは、それぞれの分野の専門家になっていただいているわけでございます。そういう方々が出席をいたしまして、慎重に判定をするということでございますが、具体的な長崎市教育委員会の就学指導委員会の場合におきまして詳細な出欠の状況は把握しておりませんけれども、やはりできるだけ委員の先生方が出席をして、慎重に判定をするということがもちろん大事だと思うわけでございます。
○粕谷照美君 学識経験者の穐山先生とおっしゃる長崎大学の医学部整形外科のお医者さんが、その日そのような会議があるのを御自分は知らなかった、非常に重大なことをお話をなさっていらっしゃるので、私はこれは大変なことだというふうに思わないわけにはまいりませんけども、そういう方々がお出になれるような条件をつくって、慎重に委員会を開くということが私は原則だろうと思います。それは五十三年十月六日付の初中局長の通達、これは私非常にりっぱな通達だと思うのですけれども、それに違反をしているのではないか。違反とまでいかなくても、その趣旨に沿わない、そういうことを思わないわけにはまいりません。 それと同時に、課長のところにも――課長もどういう出席であったかよくわからないとおっしゃっておられますが、そのとおりなんですね。親たちがそのことを聞こうと思っても絶対に教えないのです。仕方がないから、親たちはどこへ行ったかといいますと行政監察局に行きまして、行政監察局が調べてようやくわかるというような、会議の公表といいますか、会議が非常に何か秘密的な取り扱いで行われているのではないか、こんな感じもいたしますので、以後、十月六日付の通達の留意事項がきちんと守れるような、そういう御指導をさらに強めていただきたいと、心からお願いをいたします。 それと同時に、いま二つの県だけを私は取り上げましたけれども、文部省の方にはもうこれ以上上がってきておりませんですか。
○説明員(戸田成一君) 際立ったケースといたしましては、その二件だと思っております。
○粕谷照美君 ではちょっと質問の方向を変えまして、養護学校の大きさといいますか、それぞれの県で決める問題ではありますけれども、どういう地域にどのような規模で置くかというのは県で決めることだとしましても、その養護学校の規模というのは大体どの程度が適正規模というように言えるでしょうか。小学校だったらたとえば十八学級ぐらいとかという適正規模というのがありますね。そういう意味で適正規模、収容児童数がどのくらいになったらよろしいですか。
○説明員(戸田成一君) いわゆる標準規模ということでございますが、小学校、中学校、高等学校の場合と異なりまして、盲学校、聾学校、養護学校の場合にはそういうことをはっきりと示したことは多分ないのじゃないかと思うわけでございます。やっぱりこれは各県、各地域の実情、それからその対象となる障害児の数とか、いろいろな具体的な条件によりましておのずとといいますか、具体的に決定がなされるわけでございまして、全国の盲学校、聾学校、養護学校の実態を見ましても、きわめて少人数の小規模学校から百名を超すような、あるいは二百名を超すような大規模な学校まで存在するわけでございます。また、幼稚部があるか、さらに高等部があるかによっても異なっておりますので、一概にはなかなか言えないのじゃないかと思うわけでございます。
○粕谷照美君 先日わが党で、松江市で自治体問題の研究会がありましたときに私も出ていたんですけれども、広島の県会議員の方から、広島県内ではもう三百人近い生徒を入れている養護学校が二つも出てきたと、こういうような問題については、とにかく三百人も入れるということは、養護学校に入れなくてもいいような子供たちを入れているのではないかという疑問が一つ出てくる。それと同時に、そんなにいるわけはないわけですから、とにかくずいぶん遠いところからこういう養護学校に入れるというような実態が出てきているのではないかというような質問もあったりいたしましたので、私は今度の国会が終わったら調査に行こうと思っているのですが、三百人近い生徒を入れていく養護学校などというのは隔離政策ではないかという、こういう疑問が地域の人たちには出ております。それと同時に、安上がり教育政策ではないかと、これらも出ておりますけれども、そういう中で、やっぱり遠いところから通っている子供たちは一時間半ぐらい。健康な大人でも時間半の通勤時間なんといいますともううわっとこう言いますのに、体の弱い子供たちが一時間半もバスに乗って来る。帰りも一時間半。何のための養護学校かと、こう親の方からあるいは教師の方から大変な不評であります。 それと同時にもう一つ、寄宿舎に、遠いから入れなければならないという実態が出ていますけれども、寄宿舎に入れなさいという法的な根拠は一体どこにあるんでしょうか。
○説明員(戸田成一君) まず三百人近い児童、生徒が収容されておる養護学校があるのじゃないかという御指摘でございますが、そういう学校も全国を見渡した場合には若干あろうかと思います。その場合に、やはりさっきも申し上げましたように、幼稚部とか高等部が併設されておるとか、あるいは在宅訪問指導の対象の子供たちがそこにカウントされておりますとそういう人数になる場合もあるのじゃないかと思うわけでございます。 それから、通学時間が一時間半もかかるというケースも、全国的に見た場合には一時間未満が結構ありますけれども、一時間半というケースもないことはないようでございまして、そういう長時間のスクールバスによる遊学ということにつきましては、やはり望ましいことではないというふうに考えております。 それから寄宿舎に入っている子供もかなりいるわけでございますが、これはとても盲・聾・養護学校に通学できないというふうな児童、生徒につきましては寄宿舎に入るというふうになるわけでございまして、別に法的な根拠があって強制的に入るということではございませんで、必要に応じて寄宿舎に入っていただくということでございます。
○粕谷照美君 寄宿舎に入らなかったらその学校に行けないような子供たちで、寄宿舎に入れることはいやだと、こういう親がいたら、その子供の就学権はどのように保障されますか、そうすると。
○説明員(戸田成一君) その寄宿舎に入るのがいやだというふうな前提でございますが、やはりある子供は徒歩で通学、ある子供はスクールバス、ある子供は寄宿舎、ある子供は病院なり施設に入っていますから、そこの併設の養護学校なり分教室で教育を受けると、いろいろな形態がございますから、その子供に一番適切な形態で教育を受けていただきたい。また、その点は保護者にも御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○粕谷照美君 答弁がすれ違っているんですよ。たとえば離れ島にそういう子供がいる、養護学校に行くためには通学をすることもできない、バスで通学することもできない、汽車でも行けない、そして歩いても行けない、寄宿舎に入る以外にないわけでしょう。そのときに親が寄宿舎に入れることはいやだ、私は、自分の手元で育て、自分の手元で寝せ、そして御飯を食べさせ、学校へやりたいというときには、どうやってこの子供の教育権は保障されるかということなんです。
○説明員(戸田成一君) 各県とも、盲学校、聾学校、養護学校という学校は適切に配置しておりますけれども、やはり具体的な事例としては、徒歩で通学できないとか、そういう場合にはスクールバスとか、さらにスクールバスでもとても通学できないという場合には寄宿舎に入っていただくということがどうしても必要になってまいりまして、保護者にも理解をいただいてそのように寄宿舎に入っていただいて教育を受けてもらうということになるわけでございます。
○粕谷照美君 全然答弁になっていないんです。親に理解をいただく以外にないと言いますけれども、理解しない親がいたらどうするかと、こういう質問なんで、的確に答えていただきたい。しかし、答えられないからそういうことを繰り返していらっしゃるんだというふうに思いますけれども、たとえばそういう離れ島に住む子供たちが寄宿舎に入って養護学校に行ったといたしましょう。高等部まで出た、あるいは中等部まで出て卒業した。家に帰りますね。家へ帰ったら友だちがいないんですよ。その人たちは一体どうやってそれからの人生を楽しく過ごしていけるか、このような問題点が出ていますので、観たちはできるだけそのようなことでなしに、親元から近くの学校に行くようにしてほしい、こう言って、分校を設置してほしい、分室をつくってほしいというふうに請願をしているわけであります。この長崎の「障害児の教育と福祉を守る会」の源城幸子さんという方が代表者になって県議会に請願書を出しておられますけれども、この分校や分室をつくって子供たちを地域の学校に上げてやるというような方向は文部省としてはどういうふうにお考えになっていますか。
○説明員(戸田成一君) 盲学校、聾学校、とりわけ養護学校は各県とも適切に設置はしておりますけれども、やはりどうしても数が多くございませんから、また大規模な学校というふうなことで構想されている場合もございまして、近くに入るべき養護学校がないといいますか、遠過ぎるというふうなケースもないことはございません。また、スクールバスで通学しておる場合でも、先ほど御指摘のように一時間半以上かかるというケースもないこともないようでございますから、そういうふうな関係から、父母の、保護者の方ではその近くに小規模な養護学校を建ててくれないかという要望がときどき聞かれます。そういうふうなことに対応して、関係の都道府県におきましては、その小規模な養護学校の分校なり分教室みたいなものを設置するということにつきましても今後ある程度目を向けていくんじゃないかと、文部省としてもそのように指導してまいりたいというふうに考えております。
○粕谷照美君 私は、こういう子供たちが卒業してから仕事をして生きていく。仕事をすることは、生活費を得るということもそうでありますけれども、やっぱり人間として仕事をするということは生きがいになるわけでありますから、そういう意味も含めまして、身障者雇用促進法ができたということを大変喜んでいるんですが、残念ながら精薄についてはその法律がないわけです。非常にむずかしい点があろうかと思いますけれども、その辺の採用状況、たとえば神戸あたりでは、簡単な森の手入れといいますか、公園の手入れなどにそういう子供たちを一定数、非常に安いお金でありますけれども、準職員というような形で採用しているというような実例もありますので、私はこの精薄児についての就職問題に文部省はもっと積極的に取り組んでいただきたいと、こういうふうに思いますけれども。文部省そのものがいわゆる身障者雇用促進法の法定雇用率を達成しているということは私も承知しております。評価をするものでありますが、各県における学校でこの法律が適用されると思いますけれども、その辺の達成率というのはどんなようになっていますか。
○政府委員(三角哲生君) この法律に基づく実態の調査は労働省の方でやっていただいております。ただ、一般に申しまして、学校の教員につきましては教員免許状が必要でございますから、そういういわば一種の特殊性というものがございまして、一般の職種とは異なる事情にありますために、やはり率ということになりますとほかのようなぐあいにはいかないようでございます。ただ、もちろんこの法律の趣旨にかんがみまして、私どもの立場といたしましては、やはり教師としての適性、能力があれば、可能な限りそれに応じて採用していただくということが望ましいというふうに考えておるのでございます。それで、冒頭に申し上げましたように、でございますから、そして労働省の方でも特に学校における雇用の実態というものの正確な数値はないようでございますが、都道府県の非現職職員の雇用率としては一・五%台というようなことを承っております。
○粕谷照美君 学校がこの法定雇用率を達成しないでもいいという根拠はありますか。達成しなければならないのではないかと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(三角哲生君) ただいま申し上げましたような特殊な事情にありますために、特に小学校、幼稚園、それから特殊教育諸学校の教員につきましては、法律並びに政令で一般の雇用計画とは別の扱いがなされておる状況でございます。
○粕谷照美君 そうすると、その別な計画には、一・五%ですか、該当しているのですか。
○政府委員(三角哲生君) 粕谷委員御指摘の達成率というようなものについては、そこから適用除外というような措置になっております。
○粕谷照美君 了解いたしました。 しかし問題は、教員免許状を取れるということは大学を出なければならないということになります。大学を出るための身障者の教育条件は一体どのようなことで整備をされているか、まことにお寒い限りであります。この辺の問題を取り上げまして、私は、筑波大学身障者高等教育機関調査会というのが「身体障害者のための新しい高等教育機関のあり方について」というのをまとめているようでありますが、あと時間が五分ぐらいしかありませんから、内容について触れることはやめます。この計画は短大をつくるということだと思いますけれども、答申そのものは身体障害者のためにであります。この短大の内容は身体障害者のどういう人たちのためにつくられる大学であるか。それと同時に、いまあります附属の盲学校、それとの関連はどのようになるのか、ちょっとお伺いいたします。
○政府委員(宮地貫一君) 身体障害者の高等教育機関の設置の問題についてのお尋ねでございます。 この問題につきましては、実は、昭和五十三年度以来、筑波大学におきまして視覚障害者及び聴覚障害者を対象とする短期大学を想定いたしまして調査を行ってきておるところでございます。昭和五十五年度におきましても、設置調査として所要の経費を計上して調査を進めているというのが現状でございます。これまでの調査によりまして、視覚障害者及び聴覚障害者を対象といたしまして高度の専門的職業教育を行う三年制の短期大学の設置について基本的な構想を取りまとめ、五十五年度におきましても、引き続き、教育課程でございますとか、教員組織等の具体的な問題につきまして調査を進めているというところでございます。 なお、五十五年三月に取りまとめられました基本構想の具体的な概要を御説明申し上げますと、視覚障害者のための高等教育機関の学科といたしまして、鍼灸科、音楽科、理学療法科、情報技術科というようなものを想定をいたしております。 なお、聴覚障害者のための高等教育機関の学科といたしましては、造形美術科、医療技術科、工業技術科、情報技術科というような学科の内容を想定をいたしておるものでございます。
○粕谷照美君 この中にありますたくさんの科について、いままで、視覚障害の人たちは学ぶことはどのようにしてやっていたんですか、この短大がなかった時代に。いまもそうですけれども。
○政府委員(宮地貫一君) もちろん、身体障害者につきましても一般大学への入学の道というものは開かれているわけでございます。しかしながら、実際に一般大学で学習をするにつきましても、なかなか実際問題として困難な条件もあるというようなこともございまして、先ほど御説明いたしましたように、五十三年度から調査を進めてきておるというのが現状でございます。
○粕谷照美君 私は大変気にいたしますのは、もっともっと積極的に一般大学に障害を持った人たちが進学できるという条件を整備することの方が優先をするのではないか。こういうものをつくって隔離をして教育をしていくということをとっていく限りにおいては、障害者の方たちの自立心を、何というのですか、助けていくという、そういうことにはなかなかならないのではないか。大変一般受けはするわけです。本当に障害者の、視覚障害者、聴覚障害者のための短大をつくる、本当にいいというふうに思いますけれども、長い目で見たら果たしてそういうことがいいのかどうなのかというようなことについては、やっぱりもっともっと障害者団体の方々の御意見なんかも十分に取り入れて、悔いを千載に残さないような施策を立てられるように心から期待をいたしまして、私は、来年の国際障害者年に向けての大臣が教育の分野で努力をされる御決意をお伺いして質問を終わります。
○国務大臣(田中龍夫君) 先生のいままでいろいろとお話しになりました障害者に対します各種の教育並びにそれに対しまする情熱に対しまして、非常に敬意を表します。 私も、障害者年に向かいまして、同様にできる限りの十分の責任を持った文教政策として推進いたしてまいりたい、かように考えます。
○柏原ヤス君 最初に高等学校の新増設についてお伺いいたします。 高校不足という問題はいままでも大きな社会問題になっておりますが、戦後第一次ベビーブームの二世が昭和六十年代の前半、そこを中心に高校進学期を迎えるわけでございます。特に昭和五十八年度から六十五年度にかけては高校人学者の数が急増するということが予測されております。そこで、これに対して各都道府県は、高校新増設事業、これを重点施策として取り組んでおりますが、その建設費並びに用地費、大変なものであって、財政難の自治体としては大きな負担になっております。これは申し上げるまでもないことですが、そこで、この事態に適切に対処するためには、文部省としても、自治体任せの問題として見ているのではなく、真剣に取り組むべきだと思いますので、お聞きいたしますが、この期間、すなわちこの十年間、高校進学率の推移はどう見ているか。また、高校人学者数の推移はどう計算されているか。したがって、そのために高校新増設の必要数をどのくらいに考えていらっしゃるか。また、その経費はどういうふうに推定し計算されておりますか。こうした問題を計画的に対処することが必要だと思います。文部省として、こうした全国的な推定、計画、これがされているかどうか、お伺いいたします。
○政府委員(吉田壽雄君) 都道府県におかれましては、昭和六十一年度以降につきましては、まだ計画の立てられていないものが相当ございますので、昭和六十年度までの五年間の各都道府県の計画について申し上げますと、昭和五十六年度から六十年度までの間に新設校といたしまして約三百校、学級数で申し上げますと、既設校の学級増分を含めまして約一万四千学級というものが見込まれている状況でございます。これに要します経費は、建物分といたしまして約五百八十億円、それから用地分といたしまして六百六十億円、合計いたしまして一千二百四十億円程度というふうに報告をいただいております。 国公私立の高等学校の将来の生徒数についてでございますけれども、各都道府県の報告を基礎に推計いたしますと、昭和六十四年度におきましては、昭和五十四年度に対しまして、つまり、十年間に約百二十五万人の増が見込まれるわけでございますが、昭和六t丘年度からは減少していくものと見込まれております。 概要以上のとおりでございます。
○柏原ヤス君 そういう計算のしで文部省としてはそれに対する計画的なもの、そういうものが立てられているんでしょうか。
○政府委員(吉田壽雄君) それに対しまして文部省でも計画的に財政措置を講ずるということで検討いたしております。
○柏原ヤス君 時間がございませんので、この程度にして――これは具体的な案をお持ちでしたらもう少し詳しくお聞きしたがったわけなんです。それは後ほど教えていただきたいと思います。 次に、新増設に対する国庫補助が昭和五十一年度から五年間行われておりまして、来年度以降も継続していく必要があると思いますが、文部省のお考えはいかがですか。
○政府委員(吉田壽雄君) 昭和五十一年度から五十五年度まで五カ年間でございますけれども、高校生の増加に対しまして約三百五十校の高等学校が新設されました。その整備面積は、学級増分をも含めまして約四百万平方メートルでございます。昭和五十一年度から五十五年度におきまして高校新増設に要しました金額は、各都道府県の教育委員会の報告によりますと、建物の建設費が約四千四百億円でございます。それから用地購入質は約三千六百億円でございまして、合計いたしますと約八千億円に達しております。この財源の内訳は、建物建設費の約二〇%に相当する八百八十億円が国庫補助金として充当されまして、残りは地方債等によりまして措置されているわけでございます。国庫補助金の割合が三分の一補助というたてまえでございますが、若干低いのは、いわゆる基準面積よりも広い建物を各都道府県において建築されているというような、そういう事情等によるものと思われます。 なお、今後五カ年間におきまして引き続き約三百校の高等学校を新設する計画が都道府県にございますので、それに即応する国庫補助金を私どもは当然計画をいたしている次第でございます。
○柏原ヤス君 簡単にお答えいただければいいので、今後の五年間を継続していくと、そういうわけですね。 それからその後のお考えがあるかどうか。と申しますのは、これから五年間継続する、こういうふうに言っても、その先も急増するわけなんですね。ですから、十年間の期間中にやはりこの国庫補助がなされなければならない、こういうふうに思いますので、その点簡単に、するとか、考えているとか、しないとかというふうにお考えいただきたいと思います。
○政府委員(吉田壽雄君) 先生御承知のとおり、高校急増に対する建物の建築費国庫補助は五年間の時限的な緊急措置でございますが、私どもとしては、これを今後引き続き五年間にわたりましてさらに続けるということでただいま財政出局に要求をいたしているところでございます。なお、その後におけるそういう措置は、どうかということでございますが、まだいまのところ、都道府県の五年以降の計画が具体的になっておりませんので、いまここではっきり申し上げるのはできないわけでございますが、都道府県の新設計画をその段階におきまして慎重に検討してそれに対する対応策を考えたい、そういう腹づもりでいるわけでございます。
○柏原ヤス君 全国の知事会の調査を見ますと、この国庫補助金は総事業費のわずか一〇%にすぎないというふうに言われております。これは用地費が国庫補助の対象となっていないためで、高校を新設する場合に、建物をつくるよりもまず土地を買う方が高いという現実から見まして、用地費が国庫補助の対象となっていないというのは、不合理じゃないか。そこで、用地取得に対しても国庫補助制度を創設する必要がある、こう思いますが、その点のお考えはいかがでしょうか。
○政府委員(吉田壽雄君) 高校の生徒数の急増しているそういう地域は、御承知のとおり人口秘密、過密地域に集中しておりますために、各都道府県におかれまして用地取得のために多大の御苦心をされておられることは十分承知いたしております。この用地に対する国庫補助制度を考えるべきだという御意見、御趣旨でございますけれども、学校用地は建物と異なりまして非償却資産――償却をしない資産である、そういう性格上、その取得費は、これは御案内のとおりでございますけれども、一般的には都道府県の地方債等で措置されているところでございます。現在、義務教育諸学校の校舎等の建設におきましても、特に、児童生徒急増市町村の公立の小中学校の用地の取得費に対してのみ例外的に国庫補助が実施されているというような実情にあるわけでございますので、高校の用地に対する取得費について国庫補助を考えるということはいまのところいたしておりません。しかしながら、高校川地取得費が、高校建設にかかる所要経費の中で、先ほども申しましたように、大変大きなウエートを占めているということは事実でございますので、今後とも地方財政措置の拡充につきましては関係省に強く要請してまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○柏原ヤス君 ぜひその点がんばっていただきたいと思うんです。特に、高校教育だからこれは義務教育じゃないという姿勢が文部省にはやはりあると思うんです。けれども、もういまの時代は義務教育と同様な保障をすべきではないか。そういう点で、文部省としては特に大臣がこれに対して積極的に財政当局を説得すべきだと思いますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、高校というものが大変小中と同じような目で見られるようになってまいっております現時点におきまして、小中学校の急増対策に対して国庫補助が出ておる、しかし、高校の場合においてはそれがまだ補助対象になっておらない、起債で賄わなければならないという非常な不便がある。そういう問題について、特に当面の急増対策というものを真剣に検討もし、考えていかなければならないということは先生のおっしゃるとおりでございます。お考えの点は十分に理解いたしましてできる限りの努力をいたしたい、かように考えております。
○柏原ヤス君 土地取得に対してもう一つ大きな問題は、特に大都市周辺で、学校用地として必要な場所に必要な土地がなかなか見つからないということ、これは地価高騰による取得難とともに頭の痛い問題になっておりますが、東京都では多摩地区で建設が無理になって一校が確実に建てられないというふうなことが報じられております。このような実態は全国的にもあると思いますが、その点、状況を把握されていらっしゃいますか。
○政府委員(吉田壽雄君) ただいまお話の出ました東京都におきましては、大変高校用地の取得が困難であるということは承知しているところでございいます。で、東京都内におきましては、現在東京都におかれまして高校用地々懸命になって探しておられますけれども、なかなか必要な適地が見当たらないということで、東京都におかれましても大変いま苦慮しているという報告を受けているところでございます。最近、東京都の教育委員会からそういうことで聞いておりますけれども、たとえば東京都では、筑波研究学園都市へ移転したその跡地等に建設を予定していると。しかしながら、実際問題としては号の跡地利用につきましてはなお関係機関と相当調整する余地があるということでございますけれども、とりあえず四カ所につきましては、高校の建設用地をほぼ内定したというふうに承っているわけでございます。 ただいま先生の御意見にございましたように、文部省といたしましても、こういう東京都あるいはそのほか高校生急増の都道府県等に対しましては、そういう経緯を十分見守りながら、また必要に応じて十分に御相談に応じまして、関係機関等にもなるべくその円滑な実施が図られますように要請してまいりたい、御協力を申し上げたいというふうに考えているところでございます。
○柏原ヤス君 ほかにこういうような問題が起きているかどうか。
○政府委員(吉田壽雄君) 東京都以外の、たとえば埼玉県とか千葉県とか、あるいは関西で申しますと大阪府あるいは奈良県、兵庫県等におきましても、大変その用地の確保については御苦労なさっているというような事情は一般的に伺っておりますが、ただいま具体的に何校分というような数字は持っておりません。
○柏原ヤス君 こうした学校用地の確保がむずかしいという理由を文部省はどういうふうに理解して把握していらっしゃいますか。
○政府委員(吉田壽雄君) 用地の取得が大変むずかしいということは、一つは人口の稠密地域に適当な広さの用地がないという、そういう絶対的な、いわば物理的な制約、これが相当に大きいわけでございます。そのほかに、たとえばいろんな土地にかかる権利の問題、地上権の問題、借地権の問題あるいは水利権の問題等がございまして、なかなか土地を買収できないというような、そういう困難さも相当あるように思います。そのほかいろんな事情があるわけでございまして、やはり各都道府県におきましては、どこにその土地を求めるか、これにつきまして大変苦労をしている、そういうような状況であるということを承知いたしております。
○柏原ヤス君 都道府県が苦労していることを承知している承知していると、承知しているだけじゃ何もありがたくはないわけです。承知したらば、文部省としてそれをどうするかという、もう少し、地方自治体があれだけ頭を痛めているんですから、何かできるものはやっていこうという手の打ち方、こういうものがぜひ欲しいと思うんですね。そういう意味で、確保が困難だということの理由をどういうふうに文部省としては受けとめているかということをお聞きしたんですが、やはり自治体の問題だと言わんばかりのお答えのように思うんですね。 そこで、これは一つの案ですけれども、学校用地が積極的に提供されるような、そういう方法も文部省としてはとれるんじゃないか。これは税法上の優遇措置を講じてはどうか。現在三千万円までは所得控除されますが、これを大幅にかさ上げすると。地主としても、公共用地として安く買われ、それに税金がかかるというのでは売りたがらない。喜んで提供できるような体制を私はつくってほしい。そういう希望を持ってお聞きしているわけなんです。そういう点で、文部省ひとりだけの問題としてこれは解決できない。そういう点で、他の省との話し合い、連携もとられていいのじゃないか。建設省、大蔵省あるいは国土庁、自治省、こうしたところと緊密な連携をとって、そして土地問題をもっと積極的に国として考えていく段階にもう来ているのじゃないか。それにはやはり文部大臣が音頭をとってやらなければ、こういう問題は解決しないと思うんですね。そういう点で文部大臣のこの問題についての取り組みを、ぜひ前向きでお聞きしたいと思うわけです。
○国務大臣(田中龍夫君) おっしゃるとおりでございまして、その趣旨に従いまして私どもも努力をいたしますが、担当官の方からさらに詳細申し上げます。
○政府委員(吉田壽雄君) 大臣の御答弁を補足さしていただきますが、ただいま先生から、国として、文部省として、都道府県に任せっきりで大変怠慢であるというようなおしかりをいただきましたんですけれども、実は決してそのように、私ども全面的に都道府県の責任であるということで手をこまねいているわけではございませんで、先ほど申しましたように、高校の用地獲得のための地方債の拡充等については関係省に強く要請をいたしておりますし、また、先ほど東京都の例を申し上げましたが、そういうことで、筑波の研究学園都市への移転の跡地等の利用につきましても、私どもできるだけ関係の東京都等と御相談いたしまして応援をさしていただくというような、そういう心構えでいるわけでございます。あるいはまた、税法上の優遇措置ということでお話もございましたけれども、高校を含めまして学校用地として譲渡する場合の税法上の優遇措置は、御案内のことと存じますけれども、租税特別措置法の規定によりまして特別控除額三千万円が認められておりますが、さらにこれを五千万円にまで引き上げるということでただいま関係当局に要請をいたしているところでございます。 そういうようなことで、これからも私どもとしては多角的にと申しますか、いろいろな手だてを考えまして、都道府県に対しまして何とか御支援申し上げたいというふうに考えているところでございます。
○柏原ヤス君 来春大学を卒業する学生の就職問題が大変新聞をにぎわし、また話題になっております。もう大体内定しているというふうに聞いておりますが、どんな状況ですか。文部省にお聞きします。
○政府委員(宮地貫一君) 大学、短大の新規の学卒者に対する問題でございますが、これは先生御案内のとおり、職業安定法に基づきまして学校が職業あっせんを行っておるわけでございまして、具体的には、就職部や学生部等を通じまして、各企業からの求人状況と相まちまして就職あっせん業務を行っておるわけでございます。 新規卒業者全体の卒業後の進路別の状況という点は、毎年学校基本調査に基づきまして就職者数とか就職率等について把握をいたしておるわけでございます。ただ、年度途中という点では、その点が必ずしも全国的な調査ということがやや困難なこともございまして、年度途中での就職希望状況については必ずしも把握ができておりません。ただ、抽出調査では、大学、短大、高等専門学校につきましてそれぞれ抽出の調査を行っておりまして、毎年九月末、十月末の時点で、求人件数、求人数の報告を求めまして、十一月末、十二月末、一月末、三月末というような時点で就職の内定状況の報告を受けておるわけでございます。現在まで、本年九月末までの求人受理状況の報告によりますと、たとえば大学におきましては、求人件数及び求人数とも、昨年に比べましておおむね三七ないし八%の増加ということになっております。 高等学校の新規卒業予定者の就職希望の点につきましても、高等学校と職業安定機関が協力して職業の紹介あっせんというものを適切に行うよう指導もしておるわけでございまして、本年度の十月末現在の調査は目下調査中でございまして、ただいまのところ数字を手元に持っておりません。
○柏原ヤス君 十月一日から会社訪問が解禁されて、それによって初めて就職活動が始まるというのが一つのルールになっているわけですが、現実はそうではない。いわゆる青田買い、これに走る会社が目立っているということが新聞報道で明らかになっております。文部省としては、この実態を把握していらっしゃいますか。
○政府委員(宮地貫一君) 大学、高等専門学校の卒業予定者のための就職事務の開始時期はただいま御指摘のとおりでございますが、これは毎年大学、短大、高等専門学校の、それぞれ十一ございますけれども、十一団体におきまして、労働省に設けられております中央雇用対策協議会の決議をもとにいたしまして申し合わせを行っているわけでございます。具体的には、採用、選考の時期については、卒業予定の学生が勉学に専念できる期間をなるだけ確保するというようなこともございまして、卒業前年の秋以降という考え方で、具体的には十月一日から企業と学生の接触をするということ、具体的な選考、いわゆる入社試験等は十一月一日から行うということが申し合わせとして行われておるわけでございます。 そこで、私どもとしては、毎年各学校、大学、短大、高等専門学校の学長、校長等に対しまして通知を出しまして、その趣旨の徹底を図り、学生にも十分周知させまして、早期の企業訪問というようなことをしないよう学生指導の徹底も図っておるわけでございます。また、この申し合わせに違反するような早期の求人活動には応ずることのないようにということで指導をいたしております。しかしながら、企業の中には、先ほどの中央雇用対策協議会の決議に従わないで、早期内定等を行って中央雇用対策協議会の遵守委員会の注意でございますとか勧告を受ける企業があるということも聞き及んでいるわけでございます。私どもの立場としては、正常な学校教育の運営ということと求人秩序の安定確保のためにも、この申し合わせが十分履行されることが重要であると考えておりまして、労働省とも十分協議を行って、その指導の徹底を図っているわけでございます。
○柏原ヤス君 労働省にお聞きしますが、この青田買いに対しては、労働省としても厳しく監視し、罰則規定をもって摘発してきたと思います。根本的にこれを改善していかなければ、年々企業の方もやり方が巧妙になってきているという、こういう現実。また、企業エゴむき出しの、欲しい人間を手に入れるためには手段を選ばないというこうしたやり方、どんどんエスカレートをしてくると思うのですが、これを規制する名案、こういうものがありますでしょうか。
○説明員(若林之矩君) 同校卒業予定者につきましては、ただいまお話ございましたように、従来から採用選考開始期日の遵守が図られているわけでございますけれども、大学等の卒業予定者につきましては、就職協定に違反した、いわゆる青田買いといったような行為が一部に見られているわけでございます。このためには、ただいま御指摘のように、大学卒業予定者の青田買いを防止いたしますために、日経連、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会、各業種別団体、労働省といったもので構成しております中央雇用対策協議会におきまして協定をつくりまして、その決議の遵守の委員会を設置いたしまして、通報に基づきましてその事実を調査いたしまして、事実が明らかになりましたものについては、注意、勧告等の措置を講じております。今年につきましては、すでに三回にわたりまして措置を講じたわけでございますけれども、全部で四十八件の注意、勧告をいたしておりまして、そのうち二十七件が注意、二十一件が勧告ということになっているわけでございます。 中央雇用対策協議会では、これまでも協定の細目、つまりどういうことをやってはいけないかということをできるだけ具体的に明らかにするというような形で、協定の改善に努めてきたわけでございますけれども、その効果にもやはり限度があるというふうに私ども認識をしているわけでございまして、結局これまでも、実はこの協定問題というのは昭和二十七年からあるわけでございます。その間に、いろいろな形で協定が形成されまたほごになってきたという、そういうような歴史を繰り返してきておるわけでございますけれども、そういう歴史を踏まえましても、結局この協定というのは、企業の総意として中央雇用対策協議会におきます自主的に定められました協定でございまして、この協定の遵守の徹底を図るというためには、もう何よりもまず企業などの協定の精神を守るというその意識、自覚を高めることが必要であるというふうに考えているわけでございます。その意味では、なかなか妙案がないと率直に申し上げなければならないというふうに思っております。 労働省といたしましては、今後ともただいま申し上げました決議遵守委員会というものの活動を通じまして、協定の遵守のための指導を強力に進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○柏原ヤス君 労働省の御意見をお聞きし、特に学生の学問の府から社会への門出、これがルール違反で始まったということになることは、私は情けないことだと思うんです。この青田買いの横行、これは大学教育の破壊にもつながることであって、文部省はもっと厳しい態度をとって監督し、絶対これを黙認しないという、こういう姿勢を私はとっていただきたい。こういう点で文部大臣は、どういうふうにお考えになっているか。これに対して厳然たる態度で大学に指導していただきたいと、こういうふうに期待してお願いするわけでございます。
○国務大臣(田中龍夫君) お話しのように、社会に出る第一歩のところでルール違反をして世の中に出るというようなことはまことに情けないことでございますが、雇用に関します需給状況というものがそういうことを必然的に起こしておるという社会的な事実に直面いたしておるわけでございます。御指摘のように、また、ただいま当局から御説明を申し上げたように、その点は厳しく指導してまいりたい、かように考えております。
○柏原ヤス君 この青田買いと同様に、企業エゴむき出しのやり方として、採用を一部の大学からしか採らないという企業があります。こうしたやり方は、大学の格づけで優秀な人材が得られるものではないと思います。また、その上に受験戦争の火に油を注ぐ、先ほど懸念しております教育破壊、これをもたらすことにもなる。一体教育はだれのものか。人間のための教育、これを企業利益追求の手段として考えていくというようなことがあっては断じてならないと思うんですね。こういう点で、労働省はこういう企業の人の求め方、これに対して改善の対策があるか、まず労働省の方にお聞きしたいと思います。
○説明員(若林之矩君) 先生御指摘のような、一定の大学にしか門戸を開放しないといったような問題につきましては、従来からこの中央雇用対策協議会等の場を通じまして企業に対して強く指導してまいっているところでございまして、この点は文部省とも連携をとって進めてまいっているところでございます。従前に比べますと、この点につきましては私どもずいぶん改善を見ているというふうに考えておりますけれども、今後ともいろいろな機会を通じまして指導を進めてまいりたいと考えております。
○柏原ヤス君 文部省はこれに対して、こういう手を打ってこういう点が改善されたというようなそういう点がございますか。また、今後どうしようとしているか、これについてお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(宮地貫一君) 私どもといたしましても、このいわゆる指定校制の是正という点につきましては、特に労働省の御協力も得まして、五十三年には労働大臣ともお打ち合わせをいたしまして、各経済団体等に対しましても、局長名で通知を出してその是正の努力を従来からいたしておるわけでございます。ただいま労働省の方からの御答弁もございましたように、その点は順次是正の方向に向かっているという点は、私どもも各経済団体等におきましてもそういう趣旨を受け入れていただいて、排他的ないわゆる指定校制度というものの是正についてはその効果が上がりつつあるというぐあいに感じております。今後とも、その趣旨の徹底についてなお層労働省とも御相談いたしながら積極的な姿勢で対応いたしたいと、かように考えております。
○柏原ヤス君 次に、大卒女子の就職状況について、その状況がどのようになっているか、文部省の立場からお願いします。
○政府委員(宮地貫一君) 女子の大学卒業者等の就職状況についてのお尋ねでございますが、五十五年度の学校基本調査の速報によりますと、この三月卒業の女子の四年制の大学卒業者の就職率でございますが、これは卒業者に対する就職者の割合でございますが、六五・七%ということになっておりまして、前年に比べまして一・八%増になっております。また短大卒業者の就職率は七六・四%で、前年度に比べまして四・一%増ということになっております。 お話しの女子の学生の就職につきまして、特に四年制大学の場合にいろいろ問題点が言われるわけでございますが、四年制の女子の就職がなかなかむずかしいというようなことが一般的に言われておるわけでございます。その点について、一概に私どももこういう理由でという点を明確にお示しするのがむずかしいわけでございますが、就職いたしております側の点としては、たとえば勤務年数が比較的短期間になるということもございますし、またあるいは企業規模とか職種とか知名度とか、そういうようなものを重視し過ぎるということなども考えられる点でございます。ただ、女子の社会参加ないし能力開発というのは、今後におけるわが国の発展のためにもぜひ望ましいことでございまして、私どもといたしましても、女子の卒業者の就職機会の拡充のためには、労働省とも十分協議をいたしまして経済団体等の理解も深めるように努力をいたしております。 なお、大学に対しましては、女子の能力、適性を生かした就職指導という点を特に指導をしておるところでございます。
○柏原ヤス君 労働省お立場からお願いいたします。
○説明員(佐藤ギン子君) 私どもといたしましては、女子の大卒の方たちが、単に女子であるということだけを理由としてその雇用の機会を閉ざされるということは大変残念なことだというふうに思っております。そこで、雇用における男女の機会の均等を促進するための使用者に対する指導に力を入れてやっているわけでございますけれども、特に十月の三十一日から三十一日は婦人労働旬間ということにいたしておりますので、こういう機会には全国的な指導を力を入れてやってきているところでございます。 またこのほかに、大学の卒業予定者の増加に対応いたしまして、学生職業センターを増設いたしまして、職業指導あるいは職業相談の充実を図っているところでございまして、労働省といたしましては、女子の大卒の方たちの就職が円滑に進みますように今後とも力を入れてまいりたいと思います。
○柏原ヤス君 まさに大卒女子の就職は非常に厳しい、また、前途も暗たんたる状況だと思います。そういう点で労働省としては、なぜ大卒女子が敬遠されるのかという点をどういうふうに理解していらっしゃいますか。
○説明員(佐藤ギン子君) 先ほど文部省の方からもいろいろお話があったところでございますが、なかなかこの問題につきましては複雑な要因が絡んでおって、一言で申し上げることはむずかしいのでございますが、使用者の方から御指摘がございますことは、特に日本では終身雇用制のもとで、大半の人たちに対する期待というのは将来企業の幹部職員にするということでございまして、そういう点で、女子の方たちの場合には、結婚、出産等で退職なさる方がわりあいに多いので、将来の、雇用管理についての見通しを立てにくいというような点を特に御指摘になる方が多いわけでございます。
○柏原ヤス君 文部省にお聞きいたしますが、確かに勤続期間が短いということが理由として挙げられておりますが、しかし、実際は大卒女子の勤続期間はだんだん長くなってきているわけです。これはリクルートセンターの調べでも、大卒女子の半数は結婚、出産後も勤めを続けたい、六割近くが十年以上は勤めたいということを希望しているということです。今後この勤続期間というものは、短いなどと言われるようなことではなくなっていくと思うんですね。ところが、そういうふうに長く勤めたいと言い出すと、今度はまたそれが大卒女子を締め出す理由に変わってくると、こう言えばああだ、ああ言えばこうだと、早くやめてもやめなくても、結局は大卒女子の職場は非常に冷たいと、こういう立つ瀬がないというのが大卒女子の心境だと思うんですね。この厳しい環境、これは文部省としてはどういうふうに受けとめていらっしゃいますか。大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 柏原先生のお話、まあ何にしても女性は非常に不利な環境に追い込まれておると、つまり、そういうこと自体が男女の差というものが潜在的にあるだろうと、こういうお話かもしれませんけれども、最近になりますと、だんだんとそういう点は非常に改められつつあるんだろうと、かように考えておりますので、なお一層努力をいたしたいと考えます。
○柏原ヤス君 努力ではとても私はこの壁は打ち破れないんじゃないか、真剣に必ず結果を出していくという、そういう強い文部省としての姿勢も私は期待するわけです。 そういう点で、労働省もやはりこれをどういうふうに受けとめていらっしゃるか、一言お聞きしておきたいと思います。
○説明員(佐藤ギン子君) 先ほども申し上げましたように、私どもといたしましては、今後も全国的に使用者に対する指導をやっていきたいと思っておるわけでございますけれども、やはりこういう問題につきましては、雇用における男女の機会の均等と待遇の平等を確保するような抜本的な対策が必要になってくるのではないかというふうに考えております。この問題につきましては、先生御存じのとおり、私どもに婦人少年問題審議会という審議会がございまして、これは労働者の代表、使用者の代表、また学識経験者の方々から構成されている審議会でございますが、現存、ここにおきまして、雇用における男女平等を確保するための対策のあり方につきまして御検討をいただいているところでございますので、私どもといたしましてはこういう検討結果を待って抜本的な対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
○柏原ヤス君 そういう法律ができることが望ましいわけですが、それまでに、現実の問題としてもうすでに来春、そうした矛盾を感ずる女子大卒業生がたくさんできるわけです。私は、文部省はこの問題について労働省と対策を協議したというようなことがあるのかどうか、この点お聞きしたいと思います。
○政府委員(宮地貫一君) 就職問題全般につきましては、先ほど来、指定校制度の問題等がございまして、私どもも労働省と協議をいたしてきております。ただ、ただいま御指摘の女子の大卒の就職問題ということに限って言えば、特にその点を具体的に御相談申し上げたということはございません。
○柏原ヤス君 そこで、大臣お急ぎのようですから、最後に一言お願いしたいことは、現在わが国は二千五百万人の女子労働者がいる。しかし、それは下働き、いわゆるパートから始まって、会社に勤めている者でも事務、お茶くみ、こうした生産労働の下積みで日本の経済を支えている、これが日本の働く女性の姿だと。こうした中でその頂点にいるのが大卒女子の就職状況だと思うんです。最近の女子教育はすばらしい発展をし、優秀な人材がどんどん出ております。これを活用しないということは国家的な損失であると思うんです。大臣はこれに対して真剣に取り組むと、努力するという程度ではだめですよと申し上げたんですけれども、これだけ教育の成果を上げているのにそれが社会に還元されていない、個人の能力も発揮されていない、特に女子の場合は非常にお粗末だと。これは私は将来にわたる大変な問題になると思います。いまからこれに具体的に取り組んでいかないとならないと。そういう意味で、閣議において関係閣僚協議会、そういうものをつくって対策を検討するというような点、また国民世論を喚起するためにどうしたらいいかという、こうした方策を立てるべきだと、こういうふうに思って、大臣にひとつその点をやっていただきたいと、こういう気持ちで一言お考えをお聞きしたいわけです。
○国務大臣(田中龍夫君) 私は非常に女性の職場に対します進出は目覚ましいものだと思っておりますし、ことに高等教育を受けました女性の方々の社会的地位というものはすばらしく評価されつつある、私も率先して評価いたしておりますが、そういう自覚のもとにおります。 なお、お話がございました御意見等につきましては、また総理にもお話を申し上げてお伝えしておきます。
○柏原ヤス君 最後に大臣に。 きのうの新聞報道によりますと、大蔵省がまた義務教育教科書の有償化を五十六年度から実施するというようなことが報道されております。これは先月の委員会でも取り上げて質問いたしました。大臣は、これは断固として無償を続けていくという大変力強い御答弁をいただいたんですが、その御決意、方針は変わらない、こういうふうに確認しておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○国務大臣(田中龍夫君) 何とぞよろしく御協力のほどをひとえにお願いいたします。
○委員長(降矢敬義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。 午後零時五十六分休憩 ―――――・――――― 午後二時三分開会
○委員長(降矢敬義君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、教育、文化及び学術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○下田京子君 大臣、私、きょうは学校図書館教育に関して、まずいろいろとお伺いしたいと思うんです。 それで、まず最初に、私も二人の子供がおりますが、お母さんたちの一つのいまの悩みは、最近子供が本を読まない、テレビや漫画でなかなか離れられない、こういう苦情を大変聞きます。しかし一方では、子供の人間教育にとって読書というものが大変重要な意味を持つということ、これは言うまでもないと思うんですけれども、そういう点でひとつ大臣が、読書というものが人間形成上どんな役割りを果たしているかという御認識をお持ちかお聞かせいただきたい。それが一つなんです。 それからもう一つは、学校教育の中で、学校図書館教育のあり方によって非常にいろいろ差が生まれる。一つは、これは長野県の例なんですけれども、学校図書館協議会が昨年高校図書館利用状況というもので調査いたしました。それによりますと、一年間一冊も本を借りなかった生徒が全校半数を占めるという、そういう高等学校が公私立合わせて八十二校中十四校あったというんですね。一方、これは東北は山形県山形市の第五小学校の場合なんですけれども、本を好まない子供がいないという、そういう実践例が報告されております。そうしますと、学校教育の中での学校図書館教育の位置づけいかんによってこうした差が生まれるのではないかと思うんですが、その辺についての大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたしますが、読書というものでございますが、確かに私ども自身がいままでだったら家に帰って本でも読むというのが、どうもついテレビのスイッチをひねってしまうようなことでありまして、また、私の孫たちもどうもテレビの前にかじりついておりまして、そういう点では読書というものの時間が非常に少なくなってやせぬかということを心配いたすのでございますが、しかし何といいましてもこの精神生活を豊かにする上からいいましても、それからまた物の考え方を系統的にまとめていく、そういうふうな訓練という上からいいましても、この児童、生徒の知的活動を促進いたします上からいいまして、また特に幼児から少年時代の人格形成というものからいいまして、きわめて私は読書の重要性を評価するものでございますが、そういう点でやはり家庭生活において子供の読書というものを何とかいたすように両親も周囲の者も指導しなければならぬ、しつけをしなければならぬというふうな気がいたします。 また学校図書館の問題でございますが、また後ほど担当の者からお答えいたしますけれども、図書館の利用状況あるいはまた図書の不足の問題というものもありますが、一方におきましては、ほとんどまともな本をだんだん読まなくなっておるということは、私は確かにそういうこともあり得ると存じます。社会教育という面からいいまして、図書館活動というものとあわせて青少年あるいは子供時代の読書というものについては非常に教育上不可欠の重要な問題であると、真剣に考えなきゃいかぬ、かように考えます。
○下田京子君 一般的に読書が子供の人間形成にとって非常に重要な役割りを果たすということを大臣が述べられております。それはもう本当にいま非行化問題等が社会的な大問題になっている中で、悪書追放運動なんということもやられており、そういう状況で本当に読書教育というのが重要な意味を占めると思うんですね。その学校教育の中での学校図書館教育の役割りということ、これは私が言うまでもなく、大臣御承知だと思うんですが、私、こういう本があることをつい最近わかりました。これは昭和二十四年に出ているんですね。「新制中学校 新制高等学校 望ましい運営の指針」 これは文部省がお出しになっているんですが、その中の「学校図書館」という中でこういうことを述べております。「新しい中等学校は、学校に相應する図書館なしでは、よい教育を行うことはできない。」いろいろ書いてありますが、そして、「中等学校の図書館は、学校生活の中心であり、学校教育の源泉」であると、以下いろいろ述べてあります。つまり学校教育の中で学校図書館というのはなきゃならないのだ、しかもそれは教育の源泉である、こううたっているわけなんです。そして、これを受けまして二十八年、私が申し上げるまでもなく、いわゆる学校図書館法という法律が議員立法で出されました。その第一条の目的の中に、同じように「学校教育において欠くことのできない」のが学校図書館であるというふうに位置づけております。提案理由等の中にも非常に格調高くその問題意識がきちっと明記されております。一部だけ読み上げますと、これは二十八年の七月二十一日衆議院の中でこの法律の提案理由説明の中にあるものですけれども、学校図書館教育は、「学校教育における内容の充実とその発達を促進いたしますためには、学校図書館の設置がきわめて必要でございます。」、いろいろ言っていまして、同時に「学校図書館の資料を活用して読書指導の徹底が達せられ、また図書館利用を通じて社会的、民主的な生活態度を経験させるなど、実に学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であります。」。まさにもうずっと同じなんですね。歴史的に見まして、学校図書館というのが学校教育の中で欠かすことができないという、こういう位置づけになっている。 私は、さっき長野の例と山形の小学校の例を対比させて出しましたが、なぜこういう差が生まれるかということで質問したつもりなんですが、そもそもは、やはり学校教育全体の中での学校図書館教育の位置づけ、そしてまた、それを総合的にどのように活用されているのかというところから大きな差が生まれているんじゃなかろうかと、こう思うわけなんですが、その点いかがでしょう。
○国務大臣(田中龍夫君) なお詳細は担当の者から申し上げますけれども、学校におきまする図書館というもの、それを充実するということは何をおいても真剣に取り上げなきゃならない問題だろうと思います。ことに大学あたりになりますと、大学の認可、設置に当たりましても、蔵書というものは、それが一つの前提になっておるのでありまして、資格の前提とさえなっておる、そういうことを考えましても、たとえそれが初等、中等の教育でありましても同様であろうかと存じます。 なお、より詳細な図書館に関しますることは担当の局長からお答えいたします。
○政府委員(三角哲生君) 御指摘でございましたが、現在の私どもの指導方針といたしましても、学校で学校図書館を充実し、そして学校図書館を利用して読書指導と申しますか、そういう教育活動をできるだけ綿密に展開していただくというのが望ましいということにいたしておるわけでございます。
○下田京子君 大臣、確認したいんです。私は、学校図書館教育が学校教育の中での位置づけを歴史的に法律の根拠をもって確認をいただこうと思ってまあお願いしたわけです。その位置づけから、法律の第七条の中に「国の任務」というところできちんと第一項に「学校図書館の整備及び充実並びに司書教諭の養成に関する総合的計画を樹立すること。」と、これは総合的な計画が必要であるということをうたっていると思うんですね。そういう点で、実際にこの法律や何かに照らしまして、現在この総合計画なるものがどういう状態になっているのかお聞きします。
○政府委員(三角哲生君) 国の立場といたしましては、学校に司書教諭もしくは司書教諭に相当する職務が遂行できるような要員の養成をしなければならないということで、これはもう年来やっておることでございますが、司書教諭の養成のための講習を幾つかの国立大学に継続して委嘱をいたしまして、毎年約六千人というスケールでこれを継続実施し、展開してきておるわけでございます。 それから図書の整備に関する計画といいますか、こういうことにつきましては、昭和二十九年当時あったわけでございますが、三十三年度以降は一定の整備基準に到達いたしましたので、基準というようなことではなく、その後は教材整備の計画の中で逐次手当てをしていく、こういうことで進めてまいっております。
○下田京子君 私は「総合計画を樹立すること。」となっているが、総合計画があるんでしょうかと、こう聞いたつもりなんですね。
○政府委員(三角哲生君) 総合計画という題で一枚の紙に書いて、それをこれが計画だというような形にはいたしておりませんが、総合計画といってもいいような内容での施策を進めてまいっておるわけでございます。
○下田京子君 総合計画とまでは言わないけれども、それに類するものだという話ですが、じゃ、具体的にお尋ねしますけれども、昭和三十四年に学校図書館基準というものを文部省が発表しましたね、一月に。ここには原則として三つのことをうたい、図書館職員、図書館資料、図書館施設とこういうことを言っておりまして、また学校図書館の職員は、というふうなことも含めて、ずっと以下出ているんです。 で、私がまずお聞きしたいのは、三十四年一月に文部省が発表しました学校図書館基準というもの、これは現時点でどういう意味を持っているのか。
○政府委員(三角哲生君) 三十四年の基準というふうにおっしゃっておられるものがどういうものかというので、私どもちょっとアイデンティファイできない感じなんでございますが、これは察するに二十九年のときに出して三十四年の出版物かなんかに出ていた、その基準のことじゃないかという気がいたしますが、二十九年のそれであるといたしますれば、これは学校図書館審議会の方で御検討いただきました一つの資料でございまして、私どもはその当時、それを参考にしていろいろな国としての事業を考えてまいったわけでございます。
○下田京子君 そうしますと、一つの審議会が出した研究資料でしかないということでしょうか。現在はその基準、どういう意味を持つかということなんです。つまり、もうちょっと具体的に申し上げますと、学校図書館の基準はこうあるべきだという、あるべき姿が出ておりまして、学校図書館の職員の場合ですと、一つは司書教諭を置かなければならない。あるいは事務職員を置くと。そしてその事務職員は専門的な知識を修得しなければならない。で、基準まで具体的に出ております。あるいは学校図書館の資料についてはこうこうこうだということも出ております。それからまた、図書館資料の整備の、いろいろな建物から、設備のあり方、経費のあり方、そして図書の利用指導のあり方まで出ているんですよ。それがどういう意味を持っているのかと、こう聞いているんです。
○政府委員(三角哲生君) これは審議会で学識経験者の方々に当時御検討いただきまして、つくっていただきました一つの基準の案のようなものでございますが、そういう手順を経てまとめていただきましたものでございますから、それはこれを参考にして、国はもとより地方公共団体の側においても、学校図書館の充実の上に生かしていくという意味合いの一つの資料として非常に役立ったんであろうというふうに、大分前の話でございますけれども思っております。
○下田京子君 それじゃ、参考基準として一つの資料で非常に役立っているということで、それが単なる基準でなくて、これが一日も早く現実的に法律的な裏づけをもって整備促進のために役立つことを私は願っているんです。いろいろ問題がある点もありますけれども、そのことを基本にしながらお尋ねしたいんですが、学校図書館の設置状況というのはお調べになってますでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) 私どもただいま掌握しておりますところでは、これは一番近いデータといたしましては全国学校図書館協議会というところが調査をしてくれておりまして、それが昭和五十三年でございますので、一番時間的には近い調査でございますが、それによりますと設置率は、小学校の場合に九六%、中学校の場合に九八・二%、高等学校の場合には九九・三%と、そういうような状況になっております。
○下田京子君 大変高い率が出ているんですけれども、中身はどういうことなんでしょうかという点で、横浜市の小学校教育研究図書部会が調査した数字をちょっと御報告したいんですが、これはもう一般新聞なんかでも昨年あたり報道されております。調査の対象校が、二百四十五校中、実際に図書館なし、図書室なしという学校が四十校ございます。それから専用の図書室があると答えたのが七十三校、普通教室を転用しているというのがほかです。こういうことから見ますと、この横浜市だけが極端にじゃ低いんだろうかと、こういうふうにもなるわけなんですけれども、私が住んでおります福島県でも音楽教室と併用しているというそういう小学校もございます。ですからやっぱり、どういう状況でこれらが設置されているかということが一つ大事なんじゃないかと思うんです。 その点で、先ほど御紹介しました山形市立山形第五小学校の場合なんですけれども、基準で言えば一教室程度ということになっておると思うんですけれども、ここの学校では専用の図書室がばんとありますね。そのほか準備室がございます。そしてさらに最近は一年生を主に中心にしながら二年生まで含めた低学年用の特別な図書室もつくってあります。そういうことで、図書教諭とそれから学校司書という身分が保障はされてないけれども、そういう中身の仕事をしている人と、それからあとは先生方とで一つ図書委員会をつくりまして、もう学級図書も整備をしながらやられている、こういう状況の中で本をもう好む子供がほとんどになってきたという報告があるわけなんです。そういう点から見て、私はひとつ施設、この点を具体的な中身、そしてまたどういう利用状況になっているかという点も含めて御調査をいただきたいと、こう思うわけなんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) 先ほど設置率の数字で申し上げましたが、ただいまの御発言のように、やはり部屋に専用のものを持っておるところとそうじゃないところというようなこともございまして、先ほどの同じ調査によりますと、小学校で専用の部屋を持っているのは八七・一%、中学校で八八・九、高校で九六・〇、これはまあ悉皆調査でないようでございますので無作為の抽出だと思いますが、したがいまして実態はこれと若干はずれるということはあり得るかと思っております。やはりそれからスタッフにいい方がおられるということと施設も整っておるということは、それは非常に望ましいことでございますし、そのことによって学校図書館に関する指導が充実するということも事実であろうと思います。 ただ山形のどこかは存じませんが、やはり過疎の地帯ではおのずから空き教室ができるから、そういうことでそれを図書室なりあるいはほかの部屋にいろいろと活用することができる。横浜のように非常に人口急増のところでは、これはここしばらくはいろいろな面でがまんをしていかなきゃならないということで、そういうところでもしかし先々になりますと、子供の全体の数が減ってまいりますから、施設には余裕が生じる、そういうときにはこういうふうな工夫をしたらいいかということを考えていただくことが望ましいと思いますが、しかしいろんな面で窮屈な学校の場合もやはり指導の面ではより以上に心がけて気を使っていくということが必要であろうかと思います。
○下田京子君 答弁している中身がちょっと矛盾するような気がしますのは、学校図書館というものは学校教育の中心的な泉であるということでは、そうおっしゃるとおりだと、こう言いながら、現状はそういう状態になってないと、こういうことがはっきりしたわけですね。ですから、私が言っているのは、もう結果としてはまだ図書館を持ってない学校がはっきりしているわけですよね。とすれば、はっきりその図書館も設置し、図書室ですね、そしてまたそれに見合った設備状況、人的配置、物的な配置ですね、そういうことを保障していく指導が必要だろう。そのためにもまず調査をして、どういう理由でまた配置されてないのか、今後の指導に生かしてほしいということを聞いているわけで、この点はひとつ大臣にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 調査につきましては、先ほどちょっと言及いたしました全国学校図書館協議会のような団体もございますので、そういうところでのいろいろな御研究もいただくようにしたいと思いますが、なお検討させていただきたい気持ちがいたします。 それから学校図書館が学校教育の中心であり、泉であるということ、これはある種の比喩的な意味でそのとおりかと思いますし、非常に学校図書館が大出であるということに異論を申し上げるつもりはございませんけれども、やはり学校の教育というのは教科の教育、それから特別活動あるいは道徳、いろいろなことで成り立っておりますし、体育やクラブ活動等も充実してやるということでございますから、体育館も必要であれば、プールも必要である、こういうことでございます。ただ学校図書館、当時アメリカ側の指導があったかと思いますが、やはり物事をきわめていく上には先人が残してくれたいろいろな作品なり文献なり、そういうところに自分で当たって自分で研究を進めていくという、そういう態度を小さいときから養う、それが教育の中心的なねらいとするところの一つであるという意味合いでのことでございましょうと思いますが、だからと申しまして、学校図書館が全然ない学校ではそれが全然やれないと、そういう話ではないであろうというふうに理解しておるものでございます。
○下田京子君 局長の答弁は問題ですよ。アメリカから云々なんというのはおかしいじゃないですか。それが一点。 それから学校図書館、図書室もなくてどういう指導をやるんですか。さきに言っている法律の理念と学校教育の中における学校図書館の位置づけの問題と矛盾していることを、言われております。それはやはり法の精神、またその教育の理念に基ついてすべきである。これはもう答弁必要ありません。問題点はきちっと指摘しておきたいと思います。 それで、次にお伺いしたい点は、司書教諭の問題です。これは法律で必要であると言いながら当分の間は置かなくてもいいということがあって、これは当委員会でもいろいろ議論になっているところであることは聞いています。現在どういう状況かということで学校基本調査を調べましたところによれば、五十三年度現在で司書教諭どのぐらい配置されているか、小学校全校、全国で二万四千八百三十八校ある中で百九十四人、それから中学校が一万七百七十八校ある中で百七十三人、そして高等学校が、五千九十八校ある中で五百八人、こういうふうな設置状況になっていると思うんですね。聞けば、司書の資格を持っている司書教諭、その方々が全国で約九万人近くいるということなんですが、今後どういう形でこれを配置されていくおつもりなのか。
○政府委員(三角哲生君) ただいまの司書教諭の数字は五十三年度で見ますとそういうことかと存じます。それから司書教諭の講習修了者数も約九万六千人近くおるものでございますが、司書教諭というのは教諭をもって充てる充て職でございますので、それは市町村の方針でそういう発令をしていただければいいわけでございますから、私どもといたしましては、いろいろな機会にそういった発令が望ましいところはやった方がいいし、言ってみればお勧めをしておるわけなんでございますけれども、どういう事情かなかなかこの人数というものが、いまお述べになりましたような状況で大体推移してきておる結果になっております。 なお、先ほど私、アメリカと申しましたのは、アメリカだから悪いとかなんとかいう意味で申し上げたんじゃございません。私ども日本人への場合にはわりあいと自分で本を買うというような大体傾向がありましたんでございますが、アメリカの場合には非常に公共図書館も発達しておりますし、したがいまして、学校図書館も発達して、おる。私などももう三十年近く曲にアメリカで勉強した経験がございますが、図書館というものを非常に活用するということで、そういう流儀を日本の方にまたアメリカが持ち込んできてくれたということで申し上げただけでございます。 それから、部屋の問題につきましては、それは図書館という看板をかけて専用の図書室がない場合でも、先ほども仰せになりました音楽室というようなことだったかと思いますが、兼用でございますとかいろいろ工夫して、本はちゃんと置いて本が使えるようにするということは学校でやっておられるというふうに思っておるのでございます。
○下田京子君 局長と一々言っていると、もう一つ一つ大変なことばっかり言っているんですよね。アメリカが持ち込んだとおっしゃったのよね。持ち込んだんじゃないんです。それは。自主的主体的に国内にこういう教育の理念が必要だという立場から推進されてきた、しかも、それが昭和二十八年に学校図書館法という形で生きてきていると、そういう理解の仕方でなかったらおかしいじゃないかということを言ったわけなんです。大臣ね、大臣に答えていただきたいんですけれども、いまの局長のお答えだと、九万六千人から司書の資格を持った人が配置されていない理由は何だかわからないと、こうおっしゃったわけなんです。いやしくも政府の最高責任者である文部省のその担当局長がその理由すらわからないと、これであってどうして本当にこれを法律に基づいてこれから推進していこうということになるんでしょうか。私は、少なくとも、そういう点でわからないなら、それは素直にどうして配置されないのかという事情を御調査いただきたいと、そしてまたその事情に基づいて改善の方向を検討していただきたいと、こう思うわけなんです。 それに当たりまして、大臣、私は実情を申し上げます。福島県で、中学校図書館研究会安達支部というのが設けられておるんですが、これはまず中学校に限りません。小中学校、安達管内四十七校ございます。その四十七校の学校図計教育のあり方がどうなのかということをまとめられているんです。まとめたその中心になっておる方は実は学校長さんでございます。そして四十七校に全部アンケートをやり、あるいはお集まりいただいていろいろ話し合いをした、その中で明らかになっていることは、この三十四校の中で、実は、さっきの話なんですが、図書室はあるんだけれども毎日開けないという学校が十四校ございました。理由は、担当の先生の問題なんですが、その担当された先生が問題だと私は言っているんではなくて、仮に学校図書を校務分掌として担当されたにしましても、その先生方は学級を受け持っています。それからまた、学年主任や生徒指導やクラブ活動やその他の特別活動やいろんなお仕事をやられているわけです。中には二十八時間、これは小学校の先生で受け持っております。中学校の先生でも二十六時間持っている、こういう先生もいらっしゃいます。ですから、毎日図書室をあけて子供たちに教育をと思ってもできない。私の調査によれば、またこの先生方の苦労によればこういったことが明らかになっているんです。全国的にどうなのかという点のそれは調査と、そして問題の改善をどうするかという意識、これは大臣、責任を持って当たっていただかなければならないことだと思うんですが、どうか御答弁ください。
○国務大臣(田中龍夫君) 先生の先ほど来のお話、また私も申し上げたところは、学校教育における図書館というものの重要性、同時にまた、それが一体どの程度各学校に充足されておるだろうかという点について、まだまだ一〇〇%充足をされていない、そういうふうな点、さらにまた、その充足されておらないのは、もちろんそれを充足するような努力をしなきゃいけないことは当然でありますが、同時にまた、事実ありましても、そこには司書教諭の配置がなされておらないところもある、不足しておる、あるいはまた兼務しておるところもあると、そういうふうなことから図書館機能が十分に充実しておらないと、こういう問題、そういう現実を踏まえて、文部省といたしましても、また、私、責任者といたしましてもそれに向かってできるだけ充実し、充足するように努力をいたさなければならないと、こう考えております。
○下田京子君 そこで、まあ司書教諭の充実ということも、これは一つ大事なことだと思うんですが、あわせて補佐し、御一緒に仕事をしていく専門職としての事務職とでもいいますか、あるいは公立図書館でいけば司書という位置づけになると思うんですが、学校司書ですね、その配置ということが非常にいま重要になるんじゃないかと思うんです。 もう繰り返しませんが、さっきの山形第五小学校の話もそういう一例なんですね。ただ残念なことに、この山形第五小学校の場合も、実は学校司書として配置されているんですが、身分はどうかというとPTA雇用になっているんです。しかも一カ月のお給料が四万五千円でございます。同じような実例が福島県にもございまして、これはもう至るところで聞くんですが、具体的にお話し申し上げますと、郡山市で小学校が五十七校あります。中学校が二十四校、合わせて八十一校あるんです。その中でPTA雇用で人件費の二分の一を市が補助しまして、いわゆる司書補というような仮名称で職員を雇用している、その数が四十四校ございます。しかし未配置校が三十七校と、こういう実態になっているわけなんですが、この点はどのようにお考えになっていますでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) 図書館の専門の事務職員の関係のお話でございますが、これにつきましては、お話しのように、たとえば五十四年度で申しますと、国公私立合わせて小学校の場合に千六百十一人というような数字がございまして、その中で国庫負担法の対象になっている者、あるいは市町村が市町村の単独で設置者負担という形でおやりになっている人数もあれば、それから、ただいま御指摘のように、PTA等が協力をして、雇用をしておるという方も入っておるわけでございます。で、私どもといたしましては、事務職員全体の充実の問題の中で考えなきゃならないと思いまして、そして今回の定数改善計画では、事務職員の全校配置に近づけていくということをまず先に取り上げた次第でございます。もちろん非常に大規模――大規模というか、ある程度の規模以上の学校で図書の仕事を主としてやる方が常動的に採用されている場合には、これは制度のしでは国庫負担の対象になるわけでございますけれども、私ども定数の充実のしではいま申し上げましたようなことでございます。そうして、そういった事務職員がやはり並行して図解館の仕事についても手をつけていただくということも必要でございますし、私どもとしてはできるだけ現実的な処理の仕方で進めてまいりたいと思っている次第でございます。
○下田京子君 いまのあれでは、まず事務職員の全校配置をという話でございました。それじゃ次に司書的な事務職をと、こういうことになるわけです。そうすると、私は事務職の仕事が決して必要でないとか、軽いあれだなんということを言っているんじゃないんです。事務職員も司書の仕事も必要なんです。そういう位置づけで大臣これからどうするかということを検討しないと、問題が、やはり学校図書館教育というのがもう、何というかちょっとした附属的な形で扱われるんですね、いまのお話に端的にそれが出ていると思うんです。それは、福島県でも文部省がそういう立場を変えなければ以前と変わらないという実態が出ているんですが、県立高等学校の実態です。これは県立高教組の皆さん方が調べた数字ですが、現在、福島県で八十八校ある中で調査した学校が八十一校。その八十一校の高等学校の中で学校司書配置校が六十六校です未配置校が十五校でございます。それでその採用関係を見ますと、県職員として単費で事務職員として配置されて司書の仕事をやられている方が五十七名、それから私費で採用されている方が四名、それから実習助手の方が司書としての仕事をしている方が二名、技能職としての方が三名と、こういう内訳になっているんです。大臣も局長も御存じだと思うんですが、関係者の皆さん方が一般事務は一般事務としての事務職員の本当に充足を一日も早く満たすということとあわせて、同時に、学校司書のそういう扱いと、それからまた、身分的な保障をというお話が強く出ていることは御承知のとおりだと思うんです。だから、そういう考え方でもってひとつ御研究いただきたいし、そしてまた、一日も早いきちんとした制度化に向けて努力をいただきたい。大臣いかがですか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘のいろいろの場合がございますが、できるだけ速やかにあるべき姿に向かって努力をいたします。
○下田京子君 大臣が政治的にそういうお立場をはっきり表明されたわけで、私はそういうあるべき姿に向かって具体的に進むためにも、やはり物と人と、そして総合的な計画をどうすべきかという御計画が必要ではないかということを再度御指摘し、お願いをしておきたいと、こう思います。それに当たっても、最後に一点明確な御答弁いただいていないんでちょっと気がかりなんですが、ぜひ関係者とよくもう一度いまの方向に沿ってお話をいただきたいという点で、その関係者とはと言えば各都道府県の教育関係者ですね。あるいは市町村もありますね。あるいはさっき言ったようにいろんな教職員団体もございますね。そういう方々とよく協議をして、まず調査をして、いまあるべき姿に一日も早く持っていけるように努力をいただきたい。具体的な裏づけとしてのお話を一言お聞かせいただきたいと思います
○国務大臣(田中龍夫君) 責任者といたしまして一つの考え方を申し上げたわけでございますが、ただいまお話の具体的な内容の今後の問題につきましては担当の局長からお答えいたします。
○政府委員(三角哲生君) できるだけいろいろな手だてを用いまして実態を知るように努めたいと思いますけれども、調査ということになりますといろいろ検討を要するかと思います。都道府県の教育委員会当局と指導面なり、あるいは学校図書館の面で会合等があります場合にはよく相談をして、どの程度のことを各県でもやっておられるか、そういうこともよく見てみたいと思っております。
○下田京子君 見てみたいということなんですが、それは大臣が言った基本的な方向で、局長だけ、事務当局だけでだめだということじゃありませんけれども、ひとつ大臣、そういう決意を具体化するという手だてをとっていただきたいと思います。 次に移りたいと思いますが、他の委員から先ほども御質問がございましたが、障害児教育の問題、特に養護学校の義務化に伴うことでお尋ね申し上げます。 第一点は、公立養護学校整備特別措置法に基づきまして、校舎、寄宿舎、体育館、こういった整備状況どうなっているかということと、あわせてスポーツ振興法に基づいてのプールの設置状況等がどうなっているか。
○政府委員(吉田壽雄君) お尋ねでございますが、ただいま昭和五十四年度からの養護学校の義務教育化に対応いたしまして、文部省がこれに必要な養護学校の施設の整備につきまして各都道府県を指導しあるいは協力を求めてまいりまして、昭和四十七年度から養護学校整備七カ年計画を立てまして、これを推進してまいったところでございますが、昭和五十三年度までの七年間に各都道府県におきましてどのくらい整備されたかと申しますと三百六十八校でございまして、面積で申し上げますと百十九万七千平方メートル、これだけの整備が行われたところでございます。養護学校の施設につきましては、ただいまお話のございましたように、公立養護学校整備特別措置法によりまして、校舎なりあるいは屋内運動場なり、寄宿舎の補助基準面積を定めまして、その新築、増築、改築に対しまして国庫補助を行っておるところでございます。従来からこういう経緯がありまして、義務教育化を図るための施設整備に係る補助申請があった場合におきましては、全面的にこれを採択して、各都道府県等に協力していると、こういう実情でございます。 それから同じくお尋ねのございました養護学校の屋内運動場とプール、特にプールのお尋ねがあったと思いますが、各都道府県におきまして、一般的にはまず児童、生徒を収容いたします校舎の整備から着手しているというようなこと。それから小規模な学校とかあるいは御承知のことと存じますが、福祉施設等に併設している学校も少なくございませんけれども、そういうようなことによりまして盲聾学校等に比べますと、まだ運動場なり、屋内運動場なり、あるいはプールを保有しておらない、いわゆる未保有校が多い、そういう実情にございます。 しかしながら年々その整備が進められておりまして、最近の状況を申し上げますと、昭和五十四年度の屋内運動場の保有校、二百八十四校に対しまして、昭和五十五年度では三百五十校に増加しております。保有率で申し上げますと五八%相当でございます。 それから、プールの方ですけれども、五十四年度の保有校は百四校に対しまして、五十五年度では百十二校、パーセンテージで見ますと、こちらの方は、まだ保有率が大変低くて一八%相当になるかと思いますが、五十五年度では百十二校に増加をしていると、そういう状況でございます。
○下田京子君 一般の小中学校に比べますと、養護学校だけ義務化された、その比較をしただけでも、たとえば校舎も必要面積と保有面積の実情がどうかということを比べてみますと、あるいは体育館についても、プールについても見ますと、かなりそれはおくれていますね。プールは、いまお話になりましたように、小学校の場合ですと、五十五年の五月一日現在で、私の調査によれば、小学校が設置率六六・九%、中学校が五八・四%、高等学校五一・八%ということですけれども、障害児学校、いわゆる養護学校の場合には、いまもちょっとお話ありましたが、わずかに一八%という状態ですね。 そこで、ちょっとこれは大臣の方にお尋ねしたいんですけれども、こういうプールの設置状況であります。しかし、その障害児学校における子供の発達を保障していく上で、プールの重要性というのは機能訓練あるいはまた教育的な意義、全人格形成という点から、総合的に非常に大きな意味を持つと、私は、こう理解しているわけなんですが、そういう立場で御認識されているのかどうか、あるいはまた、そういう点での具体的な教育実践例等も御存じかどうか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) まだ就任、日が浅いのでありまして、先生が御期待されるような詳細な点につきましては、私も、認識の不足の点は多々あると思いますが、しかし、気持ちの上では先生と同じだろうと思います。
○下田京子君 気持ちの上では同じだということですから、具体的に私の方で紹介したいと思うんですけれども、実は、全国各地にいろんな実践例が出ておりますが、肢体不自由児の子供さんが、たとえばプールを使ったときにどういう状況が出てくるかと言えば、普通、緊張していると拘縮と言って、何か体がかたくなるということなんです。ところが、プールに入りますと、体の緊張がほぐれてリラックスされる、しかも、重力と浮力の関係で非常に動きやすくなる、こういう例が出ているわけなんですが、これは事務当局でもいいんですけれども、御存じでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) いまお話しのありましたようなことだと思います。運動機能回復のための訓練でございますとか、それから情緒障害児や精神薄弱児のためには、いわゆる水泳療法とか、遊戯療法とかいうものがございますし、それから実際の効用としては、いまおっしゃいましたような、水の中では筋肉がリラックスするというようなこととか、あるいは先生ないしはその他の指導者と手を握り合い、はだを触れ合うというような意味でのそういう両者の関係が非常に心理的に近い状態で指導が進められるといったような、そういう効用と申しますか、利点があるということは一般に言われております。
○下田京子君 教育実践例というか、効果としてそういうことを御存じだということですが、広くもう少しその意味をかみしめていただきたいと思うんです。 いろいろとございまして、自閉症の子供がお母さんと一緒に近くにあるプールに行って最初はぐるぐるプールの周りを歩いていたけれども、意を決して動く中で、動作が非常に緩やか、緩やかというか、開放的になってきまして、緊密感が出てきたとか、いろいろな報告が出ております。ですから、養護学校におけるいわゆる障害児学校の中でのプールの位置づけというのが一般の教育とまた違った非常に重要な意義を持っているということを私は確認いただきたいわけなんです。どうでしょう。
○政府委員(三角哲生君) 先ほども申し上げましたようなことで、御指摘のとおり、心身障害児の教育に当たってプールはやはり重要な役割りを果たすものだというふうに思っております。
○下田京子君 ところがそのプールの設置状況が全体でまず一八%ということなんです。大臣。これは本当にもう養護学校を義務化したと言いますけれども、欠かすことのできない障害児の持っているそういう機能的な部分も含めての教育的な見地から言ってその分野が非常におくれている。これはもうぜひ改善しなければならない、こう思うわけなんです。そういう改善の方向に向けて具体的に御指導いただきたい、こう思うわけなんですが、時間がもうありませんから、お答えは一緒にいただく意味で体育館の方もお聞きしたいわけですけれども、体育館の設置状況もこれまたまたおくれています。 福島県の場合には、今年度の調査によりまして、盲聾、肢体不自由、知恵おくれ、病弱、そういう区分があって、学校全体の中でプールを設置している学校というのは県立の聾学校一カ所であります。 それから、体育館を設置している学校は十校ございますが、あと十校以上ない、こういう実情なんです。プールと同じように、障害児学校の子供たちの体育館での持つ意味というのは大変これまた重要なことがあると思うんです。 つまり、私具体的に福島県の猪苗代養護学校に行ってきたわけなんですが、いま新しく施設が建設されている途中であります。皆さん大変喜んでいましたが、その体育館を見ますと、実はじゅうたんがあるんです。緑の色をしています。そして冬になるとそこにわずか保温が通るんですね。つまり、緑になぜしたかというと、広場というか、草原で子供がこうやっているような状況、それからこの地域は大変寒いところですから、そういう寒いところで冬集団でもって訓練をする広場として重要な意味がある、こういうことでした。つまり、体育館の持つ意味はそういう点で機能訓練に欠かすことができませんし、それから障害によっていろいろ違う施設をつくらなければならないと思いますし、特に、豪雪地域なんかにあっては、もう冬雪が降ったら全然戸外に行けないというような状態になってまた特別な意味もありますし、それに障害だということがあるわけですから、これまた非常に大事なことだと思うわけなんです。そういう点からして、ぜひ教育的な見地からプール、体育館の設置はもとより、施設の充実のために具体的に御指導をいただきたい、こう思うわけなんです。
○政府委員(吉田壽雄君) いま先生の方から福島県の養護学校の屋内体育館とプールの設置のお話があったわけでございますが、屋内体育館の方を私の方から申し上げますと、五十五年度現在十五校養護学校ございますけれども、そのうち屋内体育館を持っているものが一五校でございまして、持っておらないのが十校ございます。この持っておらない十校のうち、今年度建設中のものが一校でございまして、五十六年度、来年度建設の計画予定になっているものが、一校ございます。それから五十七年度はさらに二校建設の計画となっております。こういうことで、今年度を含めまして十校の未保有校のうち三校は、一応五十五、五十六、五十七の三カ年のうちに解消すると、こういう計画になっております。 残りのそれでは五校はどういう状況にあるかということでございますが、いまのところ福島県におきまして建設予定のない五校のうちの四校は県立の分校でございます。これはもう先生御承知のことと存じますが、三校のうちの四校は県立の分校となっておりまして、なぜまだ計画が立たないかと申しますと、この分校は福祉施設等に併設されておりますそういう分校でございまして、敷地が大変狭隘でございまして、いまのところまだそれをどういうふうに解決するか、解消するか、県としていま検討中であるというふうに伺っております。それから残りの一校は市立のものでありまして、これもまあある程度県当局から情報をいただいておるわけでございますが、県立移管のそういう動き等もございまして、もう少し様子を見たいということのようでございます。 以上が屋内体育館のことでございます。
○下田京子君 福島のことについて御丁寧にいろいろ事情等を調べてくださいまして本当にありがとうございます。いろいろ事情を県当局や関係者と相談をしまして、改善の方向をということだと思うんですが、全国的にもそのような方向で、日も早い改善を希望いたしまして質問終わりたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) どうもいろいろとお教えいただきましてありがとうございました。
○小西博行君 前回は、国際性豊かな教育という観点に立ちまして、特に海外子女教育という問題をとらえて、数点について御質問をさしていただきました。 実は、きょうは海外子女教育という分野から、さらに外国人が日本に留学をしてまいります。大体いま六千人というように聞いているわけでございます。現在時点で。それだけ大ぜいの方が日本へ留学してまいっております。このことはこれから先、日本の経済の発展という非常に、しかも資源のない国という前提に当てはめますと、どうしても海外から安い資源を入れて、そして高度な製品をつくって、再びそれを海外へ売って、そして外貨の獲得によって経済を潤していく、こういうのが日本のこれからの財政の一番大きな私は問題ではないかと思います。 そういう意味で、ちょうど総理府が調査を実はしているわけでございますけれども、これはちょうど十月十三日の日経新聞に「外国人の入国と在留に関する世論調査」というのがございます。この調査は、二十歳以上の男女をランダムにサンプリングいたしまして、三千人を対象にしてやっております。その結果、非常におもしろい結果が出ているわけであります。つまり、外国人観と、いわゆる外国の人を見た場合のそれぞれ日本の男女がどのように感じているかというデータが出ております。それによりますと、外国人の日本への定住あるいは帰化、これをぜひ容認してあげたらいいんじゃないか、こういう答えが八〇%であります。八〇%強という数字が出ております。そしてまた就業、つまり仕事に日本でついてやってもらっていいじゃないかというのが六四%。こういう数字を見てみますと、日本に対して非常に期待をしている、日本の社会の中でぜひやっていただきたい、こういう日本人感情がここに出ているんではないかと思うのでありますけれども、それに対して、反面外国人とつき合っていたり、あるいはつき合いたいと考えている人というのが、実は四人にたった一人であります。つまり、二五%しかそういうことを望んでいない。つまり、外国人に対してそれほどつき合いたくないという方が圧倒的に多いわけであります。そして、つき合う気のない人という、これははっきりと断定しているのが六〇%強。きょうだいや子供と外国人との結婚については、もう全く反対だ、これが四〇%ぐらいございます。 そういう数字に対しまして、これは新聞では大変引っ込み思案な日本人という解説が実はついているわけでありますけれども、この面に対して、これは大臣でも結構でございますし、どのように感じておられるのか。当然、総理府でこういう調査をやられたわけでありますから、この辺の関係について少し詳しく御説明願いたいと思います。見解についてお願いしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) いまの統計やなんかを詳細にお述べいただきましてありがとうございますが、そこに浮き彫りにされているのは日本人の外国人観という問題だろうと思うんで、非常に実は興味のある問題だと思うんでございます。実はおとといでございますか、拓大の八十周年の記念で江崎玲於奈さんが講演されて、アメリカ人の見た日本観、やっぱりなかなか講演を聞いておりましても、日本人のキャラクターと向こうの違いがあります。まあ日本の社会環境と向こうの環境の違いがあって、そういうむずかしい問題がふくそうしておることを前提に、これから先生がお話しになろうと思う議論が展開されるんだろうと思いますが、どうぞお聞かせいただきます。
○政府委員(三角哲生君) ただいま新聞での調査のお話がございまして、いま後ろから新聞のコピーが来ましたので、いま初めて見たわけでございますけれども、やはりなかなか日本の場合は、ずっと同一民族でこの海に囲まれたところで、しかもかなり長い間の鎖国というようなことを経てやってまいっておりましたこともありまして、戦後非常に往来往復が多くはなりましたものの、やはりこれはヨーロッパでございますとか南北アメリカ大陸のようなぐあいな交流の実際の体験と申しますか、そういうものから申しましても、私どもはなかなかむずかしい状況にあるというふうに思いますし、それから言葉の問題もありますし、それから日本人は引っ込み思案であると書いてございますが、何と申しますか、若干戦前などは毛唐というような字で外国人を軽べつするようなことを言いながらも、内心では何か外国人のそばへ行くとちょっと恐ろしい感じを持つというようなこともありましたりして、こういう世論調査をするとそういう心情がかなり出てくるのではないか。 それから、結婚の問題になりますと、これはどうしても保守的な結婚にならざるを得ないのが実情であろうかというふうに感じます。それだけに、私どもとしては、まあいろんな学校教育、社会教育あるいは家庭の場面でもう少し開いていくといいますか、外国に向けて考え方なり態度なりを開いていくということに、ほかの外国以上に意識的に努めることが必要なんじゃなかろうかといういま感想を持った次第でございます。
○小西博行君 そしてもう一点、非常に私は参考になると思ったのは、たとえば日本人でみずから留学したり、あるいはかなり長期間海外生活をした方々というのは非常に感覚が違いまして、外国人に対して大変期待するといいますか、好ましいというパーセンテージがずいぶん違うわけであります。そういう意味で、私はこれから先の教育という分野におきましても何が一体欠けているんだろうか。もちろん本人そのものが海外で生活してみる、あるいは留学してみる、勉強してくる、こういうことは非常に私は大切なことだと思うんですけれども、何さま人数としましては大変少ないわけでございまして、いま大体一万二千人ぐらいでございます。日本人が現在海外で勉強中というのが約一万二千人、海外から日本へ来ているのが大体六千人弱、こういうような数字になっておりますから、大体半分ぐらいの数字になると思います。そういった意味で、私はこれから先の教育の中でいきなり海外へ行って勉強すればすべてよくなるじゃないかという論法も一つでございましょうけれども、国内のいわゆる小学校、中学校、高等学校教育の中でどういう点をうまくやりさえすれば海外教育に相当するといいますか、外国人に対して遜色のない感情でもって当たっていけるんじゃないだろうか。そういう方法が一体いまの文教政策の中で、現実に文部省の中でどういう方法をとられているんだろうか、そういうことをまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 日本人が島国根性というようなことでなく、それから外国人に対してまたコンプレックスを持つというようなことでないように、国際社会の中で堂々と信頼なり尊敬なりをかち得るような、そういう存在になっていかなければならないということが前提であろうかと思います。 小中学校の教育の問題でございますが、文部省としては、日本人としての自覚を持って日本という国を愛し、そしてその国の発展に尽くすということとあわせまして、他国についてもこれらについての正しい知識あるいは正しい理解を持つということが必要である、これはその両方が全く一体ということで考えておるわけでございます。したがいまして、小中学校におきましては児童、生徒の発達段階に応じましていろいろな配慮をしているところでございますが、特に、社会科におきましては地理ないしは歴史というような内容になるかと存じますが、世界とその世界の中の諸地域について学習を進めましたり、あるいは歴史の中でもいろいろな意味の国際関係が出てまいります。これを学びまして、そういったことを通じて国際協力の精神を養うということに配慮をするというたてまえにいたしております。また道徳におきましても、平和的な国際社会に貢献できるような日本人らしい日本人を育成するということを重視しているということでございます。
○小西博行君 私は、特に学校の先生を見てみますと、どうも外国人のいわゆる英語、たとえば語学の教員ですね、こういうものが非常に欠けているんじゃないかなという感じを実は持っている一人なんです。つまり、これは大学の分野に特になると思うんですけれども、海外から優秀な先生を招いた場合に、いわゆる客員教授というものでございますね、これが日本では教授と言うんでしょうか、こういう資格はいただけないということで大変招聘する場合に大きなハンディになっているんじゃないか。そのことも私は非常に大きな問題があるんではないか。あるいはもっと言うなら、もっともっとそれを小学校とか中学校の段階に、現在は中学校から英語をやっているわけでありますけれども、そういう語学教育の中にもっと積極的に海外からの協力を求められるような体制はとれないものだろうか、このように実は考えるわけでありますが、その点はいかがでございましょうか。
○政府委員(三角哲生君) 外国語教育というものをしっかりやるということが先ほど来のお話の御趣旨の一つの有力な方法でございますが、そして外国語でこれを実際に使えるような外国語の教育をする、あわせて外国の人々の生活や発想法といいますか、物の考え方、日本と同じような場合もあればちょっと違う場合もある、そういうことをよく理解する、これもまた外国語教育の一つの目的でございます。いまお話しの、これに外国人をなるべく活用した方がいいということも、これは語学でございますからその言葉を母国語とする人から習うというのが一番早い道でございます。ただ、数多い中学校でございます。あるいは高等学校でございますから、その条件について必ずしもこれを全部に及ぼすということは非常にむずかしい問題がございますが、現在私どもいたしておりますのは、一つは、アメリカから毎年十五人来ていただきまして、これを各学校に配置するということは非常にそういう人たちを活用する上でかえって能率的でございませんので、これを教育委員会の指導主事のアシスタントという形で学校をいろいろ回って学校の先生たちを指導したり、あるいは生徒に対して一つのインフォーマント的な役割りをやっていただくということをいたしております。 それからもう一つは、これはイギリスからも非常な協力を得まして英国人教師を毎年二十五人招聘いたしまして、これは学校に入っていただく、場合によっては幾つかの学校を回って担当していただくというようなことでいたしておりますが、人数的には限られておりますが一つの試みとしてやっておりまして、だんだんにこれは条件が許せばもう少しふやしていくということも検討いたしたいと思っております。
○小西博行君 ぜひともその面を強力に将来の方向としてひとつ進めていただきたいというふうに考えます。 じゃもう一点。日本の先ほど申し上げました中学校のいわゆる語学教育、もちろん英語教育ということに私なろうと思うんですけれども、現在の英語教育の欠陥という問題に対してはいろいろ論議のあるところだというふうに私考えますけれども、いかがでございましょうか、もっと何かいい方法はないものだろうか。ひとつその辺の所見をお伺いしたいと思いますが。
○政府委員(三角哲生君) やはり、先ほどもちょっと申し上げましたが、言葉を習うのにはその言葉を母国語としてきちんと正しく、かつ格調高く使える人について習うのが最善、最短の道であろうと思いますが、これは全部がそういう好ましい条件のもとに置かれて展開をするということは、これは事実上無理でございますので、私どもとしてはやはり英語の先生たちの研修ということがまず大事でございますし、それから英語なら英語を教えるのに、やはりその英語を使っている国に行って、そこの言葉の背景になっております風土や文化もよく勉強しながらそこで自分の英語の力をまた洗い直すというか、練り直すということのために英語担当の教員の海外研修というのは別枠で実はやっておるのでございます。それから個々の先生だけにではとてもやはり、いまおっしゃいましたようにでこぼこがあったり、それから不足がございますから、いまは何と申しましてもオーディオというか、視聴覚の時代でございますからいろいろな、テレビでございますとかテープでございますとか、そういうちょっと昔には考えられなかったような精巧なものができておりますので、そういう教材あるいは教育機器を導入いたしまして、できるだけ生きた英語の学習が充実するようにということで、これまた毎年度お願いしております予算の中で順次充実をしてきておる、こういうことで、そういったやり方でできるだけ語学教育がおもしろく、かつ実用にもできるだけ近づけられるというものに持っていきたいというふうに思っておるのでございます。
○小西博行君 いや、実は局長さん、こういうふうに私、思うわけですが、どうも語学、この英語教育ですね、英語教育というのはやっぱり一番最初は言葉を覚えるという、聞いてわかるというんでしょうか、これから本来は始めるべきじゃないかというふうに考えるわけなんです。そして、専門家の御意見をお伺いしましても、まずやっぱり音感ということをよくおっしゃるわけです。だから日本の英語教育、つまり中学校に入って英語を習うわけでありますが、まず出てくるのは単語とそれから文法ですね。そしてどのように訳したらいいのかということから実際は入っていくわけでありますから、どうもその辺に英語教育の大きな基本的な間違いがあるんではないだろうか。私はそういう意味では本来、学者にいろいろ聞きますと、いろいろな説ありますけれども、できれば小学校の段階から聞かして話ができる程度のものを上手に取り組むべきじゃないか。特に音感という意味で入れてしまえば自然にできるんではないか。われわれ実際日本人でありますから、当然最初から文法習って、しゃべった経験はないわけでありますから、そういう発想からいきますとどうもその辺に大きな問題が横たわっているんじゃないだろうか、そのように考えるわけなんですけれども、その辺の見解はどうでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) 確かに語学は小さいときから、生まれたときからやってれば、何もただしゃべったり聞いたりするだけはおのずからできるわけでございますから、小さいときからやる方が有利であるということはそのとおりだと思います。 ただこれは、制度としての学校教育の枠組みの中にどういうふうに入れていくかということは、ただ早くからやればいいからというんで、すぐに小学校からではどうであろうかというふうには、なかなか私どもは考えにくいわけでございます。小学校にはやはり日本の小学校としてのそこに盛り込むべき内容についての優先順位と申しますか必要順位、これは義務教育でございますから、全部の国民がある一定の基準の上に立って教育を受ける、こういう話になりますので、したがいましていまのような御提案はときどきあるわけでございますけれども、私どもとしては、これはもしやるとすれば、一つの正規の課程ということではなくて、一種のクラブ活動的な面で非常に熱心な指導者なり、あるいはそういうことを望む父兄がいた場合に、そういうこともあるいは実験的にやってはどうかなというようなことは考えるわけでございますが、それからあるいは特定の私立学校のようなところで、一つのその学校の特色としてそういう内容を盛り込んでくるということもあろうかと思いますけれども、全体のいま立て方として外国語教育を小学校の段階からということについては、私どもとしては非常に慎重にその問題については対処しなければならないというふうに思っておるものでございます。
○小西博行君 私、そういう方向で行きましたら、後十年たってもそんなに語学の力というのは変わらないんじゃないかな。私どもは、ちょうど戦後教育を受けた人間でございますが、やはり先生の影響というものを非常に私受けておりまして、発音が下手なという、実はいつまでたってもだめだなあというのが自分で実感として持っておる一人でございますので、これは私そんなに四角四面に物事を考えるということではなくて、子供の中に上手にそれを取り入れるような何か教育の施策はないんだろうか。先ほど申し上げましたように、文法からいきなり始めるんだ、そしてテストをやって厳しくやるんだという概念ではなくて、もう少し早くなじむようなことが、少なくとも小学校ぐらいの段階から遊びの中に入ってこれるような研学教育をやらないと、恐らくこれから先も大変語学についてはコンプレックスを持った子供さんがやはりどんどんふえていくんではないかな、実はそういう感じでおるわけでございますが。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま先生のお話を承りまして、全くそのとおりだと思うんでございます。大体語学というものは、よく言われるんですが、一に心臓二に心臓三に心臓というので、単語さえ並べておけば大体の相手にあれは通ずるんだというような荒っぽい語学教育を言う人もありますが、これは私は暁星の出身なもんですから、小学校のときの体験ですが、いまお話のように、あそこはわれわれのときには遊ぶのにフランス語を使わしたんで、「鬼ごっこ」なんて言わないで「シャッスール」とか、それから「つかまった」というのを「プリプリ」と言ったり、そういうふうなくだらないことをもっと教えなきゃいけないと思うんですね。それで、たとえばむずかしいボキャブラリーだとか、動詞の変化なんというものは、これは頭で考えることなんですが、そうでなくて、くだらないこと、たとえばしゃべろうと思ってもむずかしい言葉はわかっているんだが会話にならないんですね、くだらないことを習ってないもんだから。たとえば「そうですねえ」と言って、「ねえ」というのはどう言うんだ、「ねえ」という言葉を習ってないんですね。そういうことで、私、子供の絵本がやさしいだろうと思って丸善へ行って買ってきて読んでみると、大学の勉強のときにはちゃんと読めたものが赤ん坊の外国の本はちっとも読めない、これ。それなぜかというと、くだらない言葉ばっかりが――くだらないと言ってはおかしいですが、たくさん言葉書いてあって、それで向こうはわかるんですけれどもね。そういうくだらないことを教えないんですね。くだらない言葉よく知ってないと、話をしようと思ってもわからない。そういう点でいまのお話のように、学校で教えます教育というものは、何といいましても、やっぱり限られた時間でそれでやるような場合ですから、一緒に歌を歌ったり、一緒に遊んだりというようなチャンスがない。しかし、それは案外くだらないようでいて語学教育には音感の点では非常に大事なことであると思いますね。 そういう点で、確かにどうしたら日本語のような語形のものと全く違った語形の外国語と、それが音感でぴったりわかるようになるかということは非常にこれは考えさせられる問題ですが、むずかしい問題だと思います。ただ、それは進駐車が日本に来ましてね、特に英邦軍なんというのは一カ月か二、三カ月の間にちゃんと日本語を話すようになります。これは特に海外に派遣される、イギリスというアングロサクソンというものの独特な私はやはり語学修得方法というものがあるんじゃないかというような気がします。それから軍隊では行った任地ですぐしゃべるためには、いまのお話のように、くだらない俗語みたいなものから先に教えて、むずかしいやつは後にする、プロバビリティーでもって語学を教えていくというような、こういうことについては確かに反省しなきゃならぬと思います。
○小西博行君 大変造詣の深い話をお聞きしたわけでございますけれども、というのは、私自身が毎年、政治へ出るまで教員をしていました関係で、卒業生を必ず数名連れてどっかの国へ行くということを夏休みにやっていたわけです。たとえば一番近いところでフィリピンなんかへ行きますと、元学生でございますけれども、なかなかしゃべれない。そうして実際は逃げ回るわけであります。特に白人なんかがホテルで泊まっておりますと、向こうがやってくると飛んで逃げてしまう、これが二、三日するとだんだんなれてくるわけです。向こうの連中といろいろ話してみますと、マルコス大統領の英語奨励ということでほとんどしゃべれるし、ほとんど書ける、こういう状態でございますので、向こうの人間と実際にいろいろコミュニケーションしてみますと、われわれの場合は大学四年間と高校、中学ということですから、十年間実は英語を習っているわけであります。しかも、それが非常に時間的にもたくさんやっておられる。現実に話すときに、君たちは何年ぐらい英語を勉強したのかとよく聞かれます。そのときに十年勉強したんだと言ったら本当に君はばかだなということを必ず言われる。一カ月ぐらいやったと言えば大体そうだろうという答えが返ってくる。そういう実は現状があるわけですから、何としてもこれから先、国際的に若い方々が活躍しなければならないようなそういう場が来るのに、日本から海外へ行っている留学生という数は非常に少ないものですから、何とか国内の中で教育体制の中に英語に親しむようなそういう場を私は入れるべきではないだろうか、こういうのを実は感じているわけなんです。ただ、現在の受験競争という非常に大きな関所がございますので、何としてもその場合は読んで、書けてという分野が中心になってしまう。したがって、その受験戦争が何かしらそういう言葉をしゃべるという部分にいかないのかな、あるいは英会話というのがどこの大学でも中心的な課題になってくると、これはもっと進むんではないかな、こういうふうに非常に漠然とした理解であるわけなんですけれども、何としてもこの語学教育、これをもう国として何かもっと、英語の先生方、専門家もたくさんいらっしゃるわけでありますから、もっと早くこの一つの形を模索していただきたいなというのが実は私の言いたいところなのでございます。したがいまして、いろいろかえって教えていただいたということで参考になりました。 さて、もうあと本当に少ししか時間がございませんが、実は海外から日本へたくさんの方、約六千人というさっきお話申し上げましたけれども、いわゆる国費留学生とそれから私費留学生がいるわけであります。国費留学生というのは、私のデータでは千百八十三名、それから私費の場合は四千七百五十名という人数のデータをいただいているわけであります。特に、この中でアジアが七六・六%、もう圧倒的にアジアが多いということがこの数字でわかると思うんです。その中で特に私費留学生でございます。私費留学生というのは、経済的にかなり困らないといいますか、豊かであるといいますか、そういう条件が国内に入るときの一つの選考基準になっているというふうに聞いております。しかし、実際日本へ入ってきますと、生活がなかなか大変だということでございます。実際には月に二万とか三万とか、あるいは五万とか、そういうふうな数字が出ているようでございます。毎月それだけ国元から送っていただく。特に優秀な人間、これは非常に少ないわけでありますけれども、四千七百五十名の中で約百五十五名が奨学金、これをいただいているわけです。月四万円ですね。こういうようなことで、非常に実態としては、お小遣い不足といいましょうか、生活が非常にしにくいということでアルバイトを大変やっております。私自身が留学生を受け入れておりました、扱いましたけれども、やっぱりアルバイトをやる。これが国に見つかったらすぐもう帰らされるんだという話も本人しておりましたけれども、そういうことで、こういうアルバイトの現状というものはどの程度文部省の方でつかんでいらっしゃるか、これをちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(松浦泰次郎君) ただいまのところ全体状況についてはつかんでおりません。
○小西博行君 同時に、この奨学金というのは、これ全部国が出すということではなくて、いろいろそのボランティアによりまして募金活動をやりまして、そのお金をこの奨学金にしているんだというように聞いております。これは私費外国人留学生学習奨励費というのがございます。そういうことで、この実態はわかりますでしょうか。つまり、民間でのボランティア活動というのが非常に停滞している、金が非常に集まりにくい現状なんだということを面接やっておられる方々にちょっとお聞きしたわけなんですけれども、その辺の実態はどうでございましょうか。
○国務大臣(田中龍夫君) ボランティアと言えるかどうか知りませんが、外務省で東南アジアの方の留学生を呼んでまいる制度もできていますし、それから文部省で、稲田先生のときから、学校の先生を五千人とか六千人とか呼んでくる制度もございますが、最近、御承知かもしれませんが、ASCOJAというのをつくりまして、経団連や商工会議所を中心にしまして募金をいたしまして、それをファンドにして留学生諸君のあれをしようと、これなんか本当の正面切ったボランティアのあれだと思うんです。そのほかにもたくさんいろんな留学生のあれがございます。それから、大学の留学生だけじゃなく、企業体が自分の会社のあれを呼んでくるのもありますし、私自身も海外移住家族会連合会の会長をいたしております。中南米方面のこれは主に中卒ぐらいの人を日本に呼んできまして、日本で低度の学習、たとえば自動車の修理工とか電気工とかそんなふうなレベルの低い学習をさして、毎年私のところじゃ二十名ぐらいずつやっておりますが、そんなふうないろんな団体やボランティアの活動を何とかして全部一目にしてわかるように調べたいと思って、いま国際局長の方に調べてもらっておるんですがなかなかわからないんでございまして、私費留学とか国費留学、これはもう簡単でございますが、そのほかにもいろんな民間の団体や民間の組織かやっておりますのを何とか集録したいと目下努力中でございます
○政府委員(松浦泰次郎君) 先ほど先生御質問ございました私費外国人留学生に対する学習奨励費でございますが、当初出発の考え方としましては、国で百人分、それから浄財を募りまして百人分、二百人を目標にして始まったんでございますが、現在その民間からの募集に日本国際教育協会が鋭意努力しておりますが、現在のところは、先生御指摘のとおり、百四十数名というような状況でございます。百人分につきましては、毎年国費で補助して措置をしているわけでございます。 それから、一般の民間の留学生に対するいろんな奨励措置でございますが、代表的なものを幾つか申し上げますと、宿舎及び親善活動につきましては、財団法人のアジア学生文化協会、それから財団法人の母と学生の会、東南アジア文化友好協会、それから奨学金につきましては、いま大臣からもお話しございましたけれど、ロータリー米山記念奨学会、外米留学生奨学財団というようなものがございます。 それからまた、宿舎の関係でも、私費留学生等が非常に困る場合があるのでございますが、そういうものにつきましても、国際教育協会では主に国費留学生でございますが、国際学友会が主に私費留学生に対する日本語の指導とそれから宿舎の提供というようなことをやっております。また、国立大学におきましても、そういう外国人留学生を、国費、私費を問わないでできるだけ宿舎に困らないようにしてやるということで留学生のための宿舎を順次計画をして進めておるところでございます。五十六年度には三大学の設置をしたいと二百六十一人分の予算要求をいたしているところでございます。
○小西博行君 実際には国費留学の場合は大体宿舎の問題も三分の二ぐらいは解決しているというふうに聞いているわけですが、問題は私費留学生ですね。人数が非常に多いのと、現実に私自身もそういうことで困ったわけでありますけれども、生活の習慣がもうまるで違うものでありますから、たとえば台湾であるとか韓国あたりから来る場合にはとにかくニンニクを使ってすごい料理つくってしまう。最初は非常に下宿屋も喜んで歓迎してくれるわけでありますけれども、熱心にやればやるほど、もう次の機会は絶対に受け入れないという非常に大きな問題をいま抱えているわけなんです。そういった意味で、これから先何としてもそういう宿舎の問題、これを解決してあげないと、先ほどのアルバイトの件と含めて大変私は困られるんじゃないかないというのが実は実感として自分で感じているわけであります。きょうはちょうど時間が参ったわけですが、さらに次のまた機会にでももう少し幅広くいろいろなことで教えていただきたいというふうに考えます。これで質問を終わります。
○委員長(降矢敬義君) 以上で本調査に対する本日の質疑はこの程度といたします。 ―――――――――――――
○委員長(降矢敬義君) 次に、放送大学学園法案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田中文部大臣。
○国務大臣(田中龍夫君) このたび、政府から提出いたしました放送大学学問法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 わが国の高等教育は、近年急速な発展を遂げまして、国際的に見ましても高い普及率を示すに至っておりますが、科学技術の進歩や経済の発展に伴いまして複雑・高度化してまいっておりまする今日の社会におきましては、国民の高等教育の機会に対する要請は一段と高まり、かつまた多様化しつつあるところでございます。 このような状況におきまして、放送を効果的に活用いたす新しい教育形態の大学を設置いたしまして、大学教育のための放送を行うことによりまして、広く一般に大学教育の機会を提供することは、生涯にわたりまして、また多様かつ広範な学習の機会を求める国民の要請にこたえるゆえんのものであると考える次第でございます。 さらに、この大学が既存の大学等との緊密な連携を図ることによりまして、大学間の協力、あるいは交流の推進、放送教材活用の普及等の面で、わが国の大学教育の充実、改善にも資することに相なることが期待されるものでございます。 この大学の設置形態につきましては、いろいろの検討を重ねてきたところでございますが、新たに特殊法人を設立いたしまして、これが大学の設置主体と相なるとともに、放送局の開設三体ともなることが適切であると考えまして、特殊法人放送大学学園の設立をいたしまするために、この法律案を御提出いたした次第でございます。 この法律案におきましては、特殊法人放送大学学園に関しまして、その目的、資本金、組織、業務、大学の組織、財務、会計、監督等に関しまする規定を設けますとともに、学校教育法、放送法その他の関係法律につきまして所要の規定を整備いたすことといたしておりますが、その内容の概要は次のとおりでございます。 まず第一に、放送大学学園は、放送等によりまして教育を行う大学を設置いたし、当該大学における教育に必要な放送を行うこと等によって、大学教育の機会に対する広範な国民の要請にこたえますとともに、大学教育のための放送の普及発達を図ることを目的とするものでございます。 第二に、放送大学学園は、法人といたしますとともに、その設立当初の資本金は一億円とし、政府がその全額を出資することといたしております。 第三には、放送大学学閥の役員といたしまして、理事長一人、理事四人以内及び監事二人以内並びに非常勤の理事三人以内を置きまして、理事長及び監事は文部大臣が、また理事は文部大臣の認可を受けて理事長が、それぞれ任命することといたしておりまして、その任期はいずれも二年といたしております。 なお、この学園の設置する大学の学長は職務上理事となることといたしております。 また、この学園には、その運営の適正を期するために理事長の諮問機関といたしまして運営審議会を置くこととし、業務の運営に関する重要事項につきまして審議することといたしております。 第四には、放送大学学園の業務につきましては、放送等によって教育を行う大学を設置すること及びこの大学における教育に必要な放送を行うことを規定するとともに、この学園の施設、設備及び教材を他大学における教育または研究のための利用に供することもできることといたしてございます。 なお、この法人は、これらの業務を行うほかに、主務大臣の認可を受けまして、その目的を達成するために必要なその他の業務を行うこともできることといたしております。 第五には、放送大学学園の設置する大学の組織等についてでございますが、この大学が、特殊法人によって設置されておる大学であること、放送を利用して教育を行う大学であること等をも考慮いたしまして、大学の運営が適切に行われまするように所要の規定を設けることといたしております。 まず、この大学には、学校教育法に規定いたしまする学長、副学長、教授その他の職員を置くこととし、学長は理事長の申し出に基づいて文部大臣が、副学長及び教員は学長の申し出に基づいて理事長が、それぞれ任命することといたしております。 なお、学長及び教員の任命の申し出は、評議会の議に基づいて行われなければならないことといたしております。 次に、学長、副学長及び教員の任免の基準、任期、停年その他人事の基準に関する事項は、評議会の議に基づいて学長が定めることといたしております。 また、この大学に、学長の諮問機関といたしまして評議会を置き、大学の運営に関する重要事項について審議するとともに、この法律の規定によりその権限に属させられました事項を行うこととし、学長、副学長及び評議会が定めるところによりまして選出される教授で組織することといたしております。 さらに、この大学におきましては、その教育及び研究の充実を図るために、他大学その他の教育研究機関と緊密に連携をいたし、これらの機関の教員等の参加を積極的に求めるように規定いたしております。 第六には、放送大学学園の財務、会計及びこれに対する主務大臣の監督等につきましては、この学園の業務の公共性にかんがみまして、一般の特殊法人の例にならって、所要の規定を設けておりますが、この法律における主務大臣は、文部大臣及び郵政大臣といたしております。 第七には、放送大学学園の設立と関連する関係法律の一部改正につきましてでありますが、まず学校教育法につきましては、この学園が大学の設置者となり得るということを規定するとともに、通信により教育を行う学部の設置に関する規定を設ける等所要の整備をいたすものでございます。 また、放送法につきましては、この学園の放送等につきまして、放送番組の政治的公平の確保、広告放送の禁止等所要の規定の整備をいたすものでございます。 以上が、この法律案を御提出いたしました理由及びその内容の概要でございます。何とぞ十分に御審議の上、速やかに御賛成賜りまするようにひとえにお願いを申し上げます。
○委員長(降矢敬義君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は、これを次回に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十分散会 ―――――・―――――