文教委員会 第1号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1980/10/16
会議録
○委員長(降矢敬義君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 まず、調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、教育、文化及び学術に関する調査を行うこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(降矢敬義君) 次に、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。 第九十二回国会閉会中、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員より報告を聴取いたします。 まず、第一班の御報告を願います。柏原ヤス君。
○柏原ヤス君 去る九月九日から十一日までの三日間、私ども第一班は、山形、福島両県に派遣されましたので、その調査結果の概要を御報告申し上げます。 第一班の派遣委員は、降矢敬義委員長、世耕政隆理事、粕谷照美理事、小野明委員と私、柏原ヤスでございます。 まず第一日は、山形県庁において知事、教育長等より県全般の教育行財政の状況あるいは今後の施策などについてお話を伺った後、県下唯一の大学である国立山形大学を訪れ、特に、新設されて間もない医学部や附属病院を視察いたしました。次いで、山形県最大のマンモス校である山形市の鈴川小学校において、過大過密校の実態とその抱えている問題についてつぶさに調査し、最後に、県内屈指の文化財の宝庫である慈恩寺を訪れ、文化財保存の状況を拝見いたしました。 第二日目は、昨年の養護学校義務化と同時に開校した精神薄弱児が通学する新庄養護学校を視察した後、山形を後にして福島県に入り、県庁において同県の教育概況あるいは国に対する要望についてるる説明を受けました。 第三日目は、まず、教育、経済面学部が移転統合中である国立福島大学を訪れ、まだ建設のつち音も聞こえる新キャンパスの諸施設を視察するとともに、統合後の整備計画などについて、学長以下大学関係者と質疑応答を交わしました。その後、全寮制の県立福島農蚕高校において、あすの農業を背負う生徒たちの若々しい息吹に触れた後、最後に、県民文化の振興向上に大きな役割りを果たしている県文化センターを見学し、調査の全日程を終了して帰途についたのであります。 以上の各視察個所においてなされた説明、あるいは要望の内容の詳細につきましては、本日の会議録の末尾に掲載予定の文書報告によって御承知いただきたいと存じます。 ここでは、その中で、特に現地で強調された問題、要望あるいは私どもにとって印象深かったことについて、簡単に御報告させていただきます。 その第一点は、ここ数年続くと見られる高校進学者急減の問題であります。これは、山形、福島両県でいずれも当面の最大の課題として強調されており、ひのえうまの年に生まれた生徒が入学する昭和五十七年度までのわずか二カ年度で、対五十五年度比で、山形県では約千九百名、福島県では何と約四千五百名の減が予想されておるのであります。地域によっては二十人、三十人の学級も出てくるということでありますが、昭和五十八年度には、反動で再び進学者増となりますので、県としては高校の統廃合や教職員の人員整理は何としても避けたいとのことでした。 このような状況は、両県だけに特有のものではないはずでありますが、急減地域の高校の学級編制基準の引き下げや教職員定数の急減緩和の措置など、国としての早急な対応の必要性を痛感した次第でございます。 第二点は、地元の大学の充実を望む声が非常に強かったことであります。具体的には、特に、現在二つの学部しかない福島大学の人文系、理工系双方の学部新設について、県と大学から強い要望を受けてまいりました。 地方の時代と言われ、魅力ある地方都市づくりが目指されている現在、学術・文化の核として地域住民が大学に期待するものはますます大きくなっております。これに対して、両大学においても、地域に開かれた大学づくりを第一の方針として、地元の文化や産業と直結した研究テーマの選定、公開講座の開催や社会人への門戸開放などに積極的に取り組んでおります。今後一層、地方大学の整備充実を図る必要があることを強く感じた次第であります。また、両県とも県内の大学の受け皿が小さいことが、進学率などに直接の影響を与えており、大学の誘致についても積極的な意向を持っていることが強調されておりました。 第三点としては、公立文教施設の問題がございました。すなわち、危険建物等に係る国庫補助事業量の拡大、補助率の引き上げ、耐力度点数引き上げ措置の恒久化などのほか、地方都市におけるドーナツ化現象の顕在化に伴って、校地取得費に対する財政特別措置を一般地域にも適用することなどについて強い要望がありました。 第四に注目したい点は、山形、福島両県ともに、地域住民の要請の高まりにこたえて、文化及び体育・スポーツの振興と社会教育の充実を教育行政の柱としており、意欲的かつ多様な施策が構想されているのが印象的でした。国の援助措置の拡充が望まれるところであります。 そのほかでは、山形大学医学部における教育ベッドの不足、福島県立医科大学の運営及び移転にかかわる財政問題あるいは職業高校における定員割れなどが強調された問題点であろうかと思います。 以上、簡単に御報告申し上げましたが、この調査結果が、今後の本委員会の審議、ひいては国の諸施策に反映されることを願うものであります。 最後に、この場をかりて、視察先の関係者の方方に改めてお礼を申し上げたいと存じます。
○委員長(降矢敬義君) 次に、第二班の御報告を願います。大島友治君。
○大島友治君 次に、長野県に派遣されました第二班の調査結果について、その概要を御報告申し上げます。 第二班の派遣委員は、山東昭子、田沢智治、本岡昭次、小西博行の各委員と私、大島友治でございます。 派遣期間は九月九日から十一日までの三日間。その第一日目は、まず県立長野西高校において、県立高校の危険校舎解消計画の実施状況を、次いで善光寺で国宝建造物の修理事業について調査を行いました。次に、県庁において県教育委員会の主要事業等についての説明と要望を聴取した後、県立長野図書館において、その事業概況及び県民文化会館の建設計画について説明を受けました。 第二日目は、長野養護学校において特殊教育の現状と問題点について認識を深めました。次いで、松代藩文武学校等を視察の後、信州大学本部において学長、各部局長から地方国立大学の問題点、信州大学特有の事情等について説明と要望を受けました。 第三日目は、穂高町の碌山美術館において、日本近代彫刻の父、荻原守衛の作品を鑑賞した後、国宝松本城天守、日本民俗資料館を視察し、調査の全日程を終了いたしました。 以上、各視察個所の詳細については、会議録末尾に掲載予定の文書報告をごらんいただきたいと存じます。 長野県は、県域が広く、かつ地形上、各地域ごとに教育機関等を配置しなければならないのが特色でありますが、ここでは、県の教育施策と要望のうち、注目されるものの若干について御報告申し上げたいと存じます。 まず、新学習指導要領の周知徹底を図るため、県が独自の指導書を作成し、各学校での教育課程編成の指導、助言を行っていることであります。 特殊教育の関係では、義務制発足当初から小中学校との交流教育を重点施策として取り上げ、現在ではその提携校が八十校にも及んでおり、大きな成果を上げております。今後も拡大に努力したいとのことであります。 高校教育の関係では、まず、高校整備第二次五カ年計画の実施による危険校舎の改築、不足面積の解消を進めており、また、高校間格差の縮小、特に農山村部高校の充実をねらいとした公立高校入試制度の改革に取り組んでおります。 最近における小中学生の非行の増加については、非行防止大綱を策定するとともに、対策委員会を設置するなどして、非行防止の徹底について取り組んでおります。また、暴走族追放のため、県民総ぐるみでの総合的な対策を推進している等であります。 また、要望としては、既存の補助制度の拡充強化を図るほか、障害児の就学指導体制の確立を図るための特別な財政措置、また、先ほど第一班の報告で述べられましたような昭和五十六、五十七年度における高校生の急減対策、公民館分館及び類似施設の補助対象化、さらに、地方美術館充実のため、すぐれた美術品を購入する際の譲渡所得に対する非課税措置等がありました。 次に、信州大学においての説明及び要望中、主なるものについて御報告申し上げます。 まず、人文、経済、理、医学部、教養部等がある松本のキャンパスは超過密状態にあり、この解決が急務であります。また、附属病院は、担当している地域が広く、かつ患者は重症者が多く、需要の実態に比してベッド数が足りない等、切実な状況にあるとのことであります。 なお、薬学部、工学部建築工学科、心臓・血管病研究センター等の新設及び大学院博士課程の増設、附属病院における救急医療体制の整備、人文・社会科学系の学生一人当たり積算校費及び非実験の教官の研究費の大幅増額等について要望がありました。 以上、簡単に御報告いたしましたが、この調査結果が今後の本委員会の審議、ひいては国の諸施策に反映されることを願うものであります。 また、われわれの派遣の際は、折しも知事の辞任問題等の関係で、県当局は多忙であったにもかかわらず、終始献身的な御協力をいただきました。他の視察先の関係者ともども、この場をおかりしまして重ねて感謝申し上げます。
○委員長(降矢敬義君) ただいま御報告がございました両班から、別途詳細にわたる報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(降矢敬義君) 次に、教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。 田中文部大臣から、文教行政の諸施策について所信を聴取いたします。田中文部大臣。
○国務大臣(田中龍夫君) 今回、不肖私、文部大臣を拝命いたしましたにつきまして、今後ともに委員会の皆さん方、よろしく御指導願います。 第九十三回国会におきまして文教各般の問題を御審議いただくに当たりまして、日ごろ考えておりますことの一端を申し上げます。 私は、文教の振興を図ることが国政の基本であると考えております。特に、資源に乏しいわが国が、厳しさを増す内外の諸情勢の中で、世界各国との協調のもとに発展を続けてまいりますためには、たくましくかつ創造力のある、心身ともに健全で国際的に開かれた日本人の育成を期していくことが、今日、最も重要な課題であると確信をいたしております。 私は、このような認識の上に立ちまして、教育、学術、文化の振興に全力を挙げて取り組んでまいる決意でございます。 以下、当面いたします文教行政の諸問題について申し述べます。 第一は、学校教育の改善充実についてであります。 まず、初等中等教育につきましては、教育内容の改善及び教育に関する諸条件の整備が重要な課題であります。 ゆとりのある、しかも充実した学校生活を実現するために、小学校におきましては本年の四月から新学習指導要領による教育が実施されており、中学校及び高等学校につきましても順次新学習指導要領に移行する措置が講じられておるのであります。また、これにあわせまして、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数につきまして、本年度から第五次改善計画を発足させ、多年の懸案でありました小中学校の四十人学級の実現に着手するとともに、公立高等学校等の教職員定数につきましても、本年度から第四次改善計画を発足させ、習熟度別学級編制を実施するために必要な教員の確保等の改善を図っておるところでございます。今後ともに、これらの改善計画の円滑な実施のため努力してまいる所存でございます。 私は、学校教育の成否を左右するものは、究極的には教員の力によるものと信じております。今後ともに、教員の資質能力の向上と教員養成の充実に努めてまいります。 また、人間形成の基礎を培う幼稚園教育の普及充実、心身に障害を持つ児童生徒のための特殊教育の振興、児童生徒の健康の増進と体力の向上を図るために体育指導、学校保健、学校給食、学校安全等の普及充実、公立の小・中・高等学校の施設の整備など各般の施策につきましても、一層の推進を図ってまいりたいと存じます。 次に、高等教育につきましては、その質的水準の向上と、地域的な不均衡の是正に重点を置いて、地方における国立大学の整備充実を図りますとともに、公私立大学に対しまする助成の充実等の施策を引き続いて推進いたし、全国的に均衡のとれた高等教育の発展を期してまいります。 また、かねてから創設準備を進めてまいりました放送大学につきましては、本年度にその設置主体となる「放送大学学園」を設立いたしまして、多年の課題でありました放送大学の創設を推進いたすこととし、放送大学が国民の期待にこたえ、十分成果を上げるものと相なりまするよう最善の努力を払ってまいる所存でございます。 さらに、大学入試の改善、育英奨学事業の拡充につきましても、一層の努力をしてまいりたいと考えております。 私立学校の振興につきましては、私立学校振興助成法の趣旨に沿って、私立大学等に対しまする経常費補助及び高等学校から幼稚園までの私立学校における経常費助成費補助を中心に一層の拡充を図り、また、専修学校につきましても、その特色を生かしました適切な振興方策につきまして引き続いて配慮してまいりたいと考えております。 第二に、学術の振興と教育、学術、文化の国際交流の推進についてでございます。 学術研究の推進は、わが国のみならず世界の進展を支える上におきましてもきわめて重要であります。このために、世界に貢献し得る独創的、先駆的な学術研究の振興に努めるとともに、今日特に急務と相なっておりまする核融合など各種エネルギーの研究開発を初め、地震予知、がん等の難病対策など社会、経済、国民生活に深いかかわりを持つ重要な課題の解決に資する基礎研究の推進に格段の努力を払ってまいる考えであります。 私は、このたびベオグラードで開催されております第二十一回ユネスコ総会に出席いたしましたが、わが国の国際社会における地位とその果たすべき役割りに対する世界各国民の期待を目の当たりにいたしまして、今後ともに、教育、学術、文化の国際交流をば積極的に推進すべく、決意を新たにいたした次第であります。特に、発展途上国の人づくりへの協力のための留学生の受け入れ、ユネスコを通じての協力等の諸施策の拡充、日米科学技術協力を初めといたしました諸外国との学術交流事業の拡充を図るほかに、海外子女教育の推進にも力を尽くしてまいりたいと存じます。 第三に、社会教育、体育・スポーツ及び文化の振興についてでございます。 今日、国民一人一人がその生活を通じましてみずからの向上を図り、スポーツや文化に親しみ、心豊かにして健康な生活を築きたいという願望はこれまでになく高まっており、これにこたえて必要な諸条件をば整備していくことが重要な課題でございます。このために、国民の各層の要求に見合った学習の機会を提供すべく、また、広く国民が日常生活において体育・スポーツに親しむことができますように、社会教育施設及び体育・スポーツ施設の整備充実、指導者の養成確保等に一層努力をしてまいります。 また、わが国は古来より美しい風土と自然に親しみつつ、すぐれた特色のある文化を形成してまいりましたが、このよき伝統文化を継承しつつ、新しい文化を創造していくことが現在のわれわれの使命でございます。このために、国民がすぐれた文化に接する機会が得られるようにするとともに、みずから、歴史と伝統に根差し、地域の特色を生かした新しい文化を創造していくような文化環境の醸成に意を用いてまいります。 わが国の教育、学術、文化の振興のために、文教委員各位の御協力と御支援を得て、微力ではございますが、全力を尽くしまして取り組んでまいる所存でございますので、何とぞよろしく御協力のほどをひとえにお願い申し上げます。
○委員長(降矢敬義君) 以上で文部大臣の所信の聴取は終わりました。 派遣委員の報告に対する質疑及び文部大臣の所信に対する質疑は、これを次回に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時三十分散会 —————・—————