物価等対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 170 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/10/22
会議録
○委員長(丸谷金保君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨日、大木正吾君が委員を辞任され、その補欠として対馬孝且君が選任されました。 —————————————
○委員長(丸谷金保君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に対馬孝且君を指名いたします。 —————————————
○委員長(丸谷金保君) 当面の物価等対策樹立に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○対馬孝且君 限られた時間でありますからひとつ率直にお答えを願いたいと思っています。 まず最初に、公定歩合の引き下げ問題について長官にお伺いをしたいと思います。 この間私も本会議場で、物価問題は景気重点から物価重点ではなくて、むしろ物価重点から景気重点に変わったのではないかと、こう本会議場でも申し上げておきましたが、長官からも力強く、物価重点をひとつ志向していきたい、こういう考え方が出されております。ただ、そういう中で、きのう来実はもう公定歩合の引き下げ問題で議論されておりまして、早ければもう今月中にも、遅くても十一月をめどにと、こういう空気になっておりますが、まずこの点について、物価と景気の両にらみという点から判断をして、物価と景気の両にらみから再度公定歩合を引き下げるということになりますと、むしろ景気への傾斜をつけた方向にいくのではないかと、こういう懸念をされるわけでございます。この点につきまして物価がいまなお危険水域にある、警戒をしなければならない、こう判断しているわけでありまして、御案内のとおり、六・四%を政府が達成するためにはあと三月まで月四・八%物価を保っていかなければ六・四%は達成できないと、こういう状況にあるだけに物価重点対策志向ということが重大なことではないか。しかも、中でも公定歩合の再引き下げが行われるとするならば、新聞報道によれば、連動して預貯金の金利も引き下げたい、こういうやに報道が伝えられているわけでありますが、この点についてまず長官にひとつ簡潔にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 公定歩合につきましては、昨年三回の引き上げが行われまして、さらにまたことしの二月、三月と二回、合わせて五回の連続引き上げが行われたわけでございますが、ことしの二月、三月と二回にわたりまして公定歩合を引き上げますときの日本銀行側の説明は、わが国の物価情勢は狂乱物価前夜である、大変な状態になりつつあると。また事実、当時は卸売物価が毎月二%以上急上昇すると、こういう非常に心配な状態であったと思います。そのために、物価を鎮静させるために公定歩合を上げるんですと、そういうことでございました。 しかし、最近は御案内のように卸売物価は完全に鎮静化をいたしまして、九月はすでにマイナス〇・三、十月上旬はマイナス〇・五ということで、ここ数カ月間の動きを見ましても、特にここ一、二カ月の間は顕著に下がっております。もう完全に峠を越したと、こういうことだと思います。商品市況などもここ数年ぶりに一番安い状態になっておる。こういう状態でございますし、それから消費者物価の方も、異常気象もようやくおさまりまして野菜が出始めましたので、今月はまだ最終の統計は出ておりませんけれども、ある程度下がるのではないか、このように考えております。また卸売物価が下がっておるという影響もだんだん出てくると思いますので、消費者物価は、まあ完全に問題はないというわけではございませんが、まずまずこれも峠を越した。こういうことになりますと、春の狂乱物価前夜であるという、そういう前提条件はすっかり変わってしまいましたので、日本銀行としても物価情勢が変わったということ。 それからもう一つは国際収支も最近は非常によくなっておりますし、それからまた八月の公定歩合の引き下げで心配をされておりました円のレートも逆に円高になる、こういう情勢でございますので、いろいろ条件は整いつつあると思います。 それからさらに、景近は景気のかげりが非常に顕著でございます。たとえば住宅などは計画に対しまして二割見当も落ち込んでおる。こういう状態でございまして、景気の足を大きく引っ張っておりますし、中小企業の設備投資も現在の金利水準ではやれないということで、中小企業の投資計画もどんどんと延期されておる。 こういう状態でございますので、諸般の事情を勘案しながら日本銀行は最終の判断をどうしたらよいかということについていろいろ検討しておられると思います。 もちろん前回は預貯金の引き下げという、そういう背景なしに公定歩合の引き下げが行われたのでございますが、今回は効果あらしめるためには預貯金の引き下げ連動ということがこれはどうしても必要だと、このように私ども理解しておりまして、多分日本銀行もそういうことをお考えになっておるのではないかと、こう理解をしております。
○対馬孝且君 そこで長官、この間も本会議で私申し上げておりますが、長官もお認めになっておりますように、勤労者の実質所得が八月は三・五%、閣議でも労働大臣から発言がありまして、実質マイナスになっていると。そこへもってきて預貯金の金利がこれに連動して下がるということになれば、われわれ勤労者にとっては全くダブルパンチだということになるわけです。そこらあたり公定歩合を下げるという現時点の判断というのは——それは落ちつき状況が出てきたとはいったって、郵便料金は現在の国会で法案がかかっているし、バス料金はもうすでに値上がりを発表している。そこへもってきてまた米価の値上がり問題が出る、国鉄運賃問題が出る。こういうようなことでこれは鎮静どころかむしろ——率直に申し上げなければならぬことは、中曽根長官は水道料金の値上げを勧告するという。地方団体では、いま札幌では火葬場の料金が、もはや御案内のとおり地方の一連の公共料金が上がっちゃってもう五千五百円上がった。まあ一、二、三という等級にもよりますけれども、最低でも五千五百円上がってしまった。こういうようなことからいくと、これは鎮静したといったって鎮静してないんじゃないですか。 それともう一つは目減りになる分については当然これは労働者の方もダウンになってしまう。労働者、勤労者階級の実質賃金の目減りになる。不況不況と言いながらむしろ不況の根本的な原因というのは購買力の落ち込みにある。私に言わせれば消費不況だ。この消費不況の中で財布のひもをどうして緩めていくかということがいま一番大事なことではないのかということを感ずるんですが、そこへもってきて預貯金の金利が下がるということになればまた実質賃金は目減りする。この点やっぱり慎重を要する必要があるんじゃないかと、こう思うんですが、いかがなものですか。
○国務大臣(河本敏夫君) いま確かに実質国民所得は落ち込んでおると思います。ここ数カ月間の統計の示すとおりでございます。しかし、先ほども申し上げましたように、消費者物価もおおむね問題は解決しつつあると、こう思っております。 いまお述べになりました一連の公共料金の問題は残っておりますけれども、しかし公共料金に対する基本的な考え方は、徹底した合理化をしていただきまして、どうしても万やむを得ないものは時期をずらすとかあるいは幅を圧縮するとか、そういうことをしながらある程度上げませんと後にむしろ禍根を残しますので、その点は十分配慮するつもりでございます。 それからまた日本銀行の方も、いままで公定歩合の引き下げをためらっておられましたのも、物価に対する確たる見通しがつかめなかった、そういうことでちゅうちょしておられたのではないかと、こう思います。しかし春の狂乱物価も完全にもう大丈夫だ、こういう見通しがつきましたので近く判断をされるのではないかと私は想像をしております。
○対馬孝且君 こればかり論じているわけにいきませんから次の問題に入りますけれども、いずれにしても、公定歩合が引き下がることにおいて実質賃金の目減りと預貯金金利の連動した引き下げということだけは、これは主管長官として、日銀に対して慎重に扱ってもらうよう厳に言ってほしいということを特に強く要望しておきたいと思います。 私はそこでお伺いしておきたいのでありますが、いま公共料金の考え方について長官からありました。まさにそのとおりだと思います。最低でもその線を守ってもらわなければ——三木内閣時代に私も質問いたしまして、当時の福田経済企画庁長官は当時米価を半年間延したことがあります。国鉄運賃の実施を半年間延期したことがあります。ああいう対応というのはやっぱり大事なことではないか、物価安定のためには。そういう意味でいま長官が言われておりますように、時期判断、公共料金の引き上げの時期あるいは上げる率、こういうものについては長官が言われるとおり最低でも公共料金はその趣旨を堅持していただきたいと、こう思いますが、いかがですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほども申し上げましたが、先ほど申し上げました路線を厳に守っていきたいと、こう思っております。
○対馬孝且君 それでは、本会議でもちょっと基本的に私は申し上げまして、社会党、自民党、公明党、民社党、四党の合意を得ました五百億の物価対策費をどういうふうに使うかということについて御質問しました。長官は私に対しまして、狂乱物価の認識ではあったが、しかし今日的段階で使ってもよろしい、こういう各党の合意がおありのようだということでありました。いまの時点でこれを使わなければ私は物価対策にならないと思うんですよ。その使い方について簡単に要点だけでいいですから、どういうものに一体使うか。もちろん野党は野党の考え方を持っておりますけれども、その点について、政府側としてよりも、むしろ物価主管の長官としてどういうものにこの五百億を使うことが物価を六・四に鎮静するための安定対策になるのかという点の考え方をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) この五百億円を物価が急上昇したときだけに使う、こういう一部の意見もあったようでございますが、その後三野党と自由民主党との間でだんだんと話し合いが行われまして、そういうことではなく、六・四%ということしの物価水準の目標を実現するためにこれを使っていきましょうと、こういう基本的な合意ができたということは私は大変結構であったと思います。 そこで、昨日三野党の方から自由民主党に対しまして幾つかの具体案が示されました。自由民主党もそれを受けましていま一生懸命に検討しておるようでございます。近く正式の返事を出す段取りになるであろうと思いますが、政府の方でもそれを受けまして、別に総合的に当面の物価対策をどのように進めたらいいのか。もちろん五百億の一部を使っていく、当然そういうことになるわけでございますが、月末までに案をまとめたらよろしい、返事をせよと、こういうお話でございますので、月末までに案をまとめたいということでいま作業をしておる最中でございます。
○対馬孝且君 そこでどういうものに、たとえば生鮮食料品とか冬野菜とか、あるいは灯油を含めたエネルギー対策の一部とか、大体その辺だというわれわれの一応の考えではありますけれども、そこらあたり長官としてどういうふうにお考えになっていますか、もし使うとしたら。
○国務大臣(河本敏夫君) 作業しております局長から説明をさせます。
○対馬孝且君 簡単でいいよ、要点だけで。
○政府委員(藤井直樹君) ただいま御指摘になりました灯油、野菜の問題でございますが、灯油につきましては、九月五日の「経済運営の基本方針」を定めた際に一つの項目として取り上げておりまして、これはすでに従来からも実施しているわけでございますが、備蓄、在庫の増強によって今年度におきます需要期の供給を確保しようということで努力するということと同時に、便乗値上げについての監視を強めるという形でやっていこうということをその項目の中で取り上げております。 それから野菜につきましては、すでに冷夏に対する緊急対策は実施したわけでございますが、一−三月の秋冬野菜につきましてもできるだけ作付面積をふやして、そしてゆとりを持った計画を立てておこうということと同時に、もし万一異常な状態が起きたときには、たとえば予備苗を確保しておいて被害が起きた苗の補てんに充てるとか、さらには沖繩県と鹿児島県等におきまして契約栽培をしておきまして緊急輸送をするとか、そういうような手をすでに打っております。それらの対策をこれからも着実に進めていきたいということであります。
○対馬孝且君 いま言ったようにせっかくのあれですから、五百億にこだわらずに、私の調べでは予備費だけでも三千五百億あるんですから、予備費を利用してでも物価対策に重点的ないま言った適切な手を——十二月にかかると冬野菜の問題が出てくる。生鮮食料品については根本的には流通機構の問題がありますけれども、それと異常な灯油の値上がり対策。後から申し上げますが、福祉灯油的な手当等も十分に配慮してもらいたい、これは特に申し上げておきます。 それで、公取委員長にちょっとお伺いしますけれども、九月二十六日東京高裁で、四十八年から四十九年にかけての石油業界のいわゆるやみカルテル判決が出されました。これは有罪ということで確定判決が出されております。業界がいかに暴利をむさぼっておったか、この判決を見てても明らかだと思います。なお、通産省に対しては石油業法による関係についてのあれは無罪になりましたけれども、一応行政指導の面で若干触れられています。 ともあれ、この判断の結果の上に立ってこれから公取としてあの判決をどう受けとめていくかということが第一点。第二点は、その辺を受けとめてどう公取としてこれからこのための強化対策を考えていこうとしているのか、これを二点目にお伺いしたいということ。 第三点は、私のところへ、これは後で申し上げますが、手紙が実は来ているんです。北海道のプロパンガスは相変わらず三百円本州との格差がある。これはカルテル行為、価格協定の疑いを持っておる。場所、時間とも書いて私に投書しておるんです。私なりに調べて後ほど、申告するかどうかは別にして、これをはっきりしますけれども、こういう問題等も出てきている状況でありますので、今後の公取のあり方について、それから強化策について考え方の要点を明らかに国民の前に示していただきたいと思います。
○政府委員(橋口收君) 三点の御質問でございますが、まず第一点の去る九月二十六日の石油カルテル事件に対します東京高等裁判所の判決でございますが、この判決は戦後の経済史でも画期的な意味を持つものではないかというふうに思っておるわけでございまして、何よりもわれわれにとりまして価値のある判決であったというふうに考えております。 やや整理して申し上げますと、いまのお話にもございましたように、価格カルテル事件につきましては有罪という判決が示されておるわけでございまして、刑罰に相当する行為であるということが明らかにされたというところに大きな意義があるというふうに考えております。 なお、生産調整行為につきましては、判決としては無罪になっておりますが、生産調整行為それ自体は違法であるという判断が示されておるわけでございまして、それから先は刑事法の領域になりまして、通産省の行政指導とかあるいは公正取引委員会の対応の仕方等にやや問題があって、いわば違法性の意識がなかったということで無罪の判決があったわけでございまして、行為それ自体が違法であるという点は価格カルテルと違いがございません。 そういう点から申しまして、冒頭に申し上げましたように、価値の高い判決だというふうに考えておるわけでございまして、同時にまた公正取引委員会を含めました政府の対応の仕方に対します頂門の一針としての性格を持っておりますので、私どもといたしましては、ことに独禁行政のあり方につきましての注意の御指摘と申しますか、あるいは怠慢に対する御指摘と申しますか、そういうふうに理解をしているわけでございまして、そういう点で重く考え、厳しく受けとめておるわけでございます。 したがいまして、今後の対応といたしましては、もちろんわれわれの行政のあり方にも逐次改善を加える必要がございますけれども、石油に関する行為のありました以降、昭和五十二年に独禁法の改正がございまして、いわゆる課徴金という制度も導入されたわけでございますから、カルテルの行為に対する抑止的な効果というものはかなり従前とは違ってきているというふうに考えておるわけでございまして、また私ども法の定めるところに従いまして、課徴金の徴収も今日まで二十億を超える程度に上っておるわけでございます。 そういう法制の整備の面につきましてもかなりの改善、前進があったわけでございますが、同時にまたわれわれの監視体制におきましても、常時新聞情報その他いろいろな情報を広範に収集をいたしまして、独禁法違反の事実があるときはたちどころに立ち入り検査等を行うように措置をいたしておるわけでございますが、ことに御指摘がございました石油関連の製品につきましては、国民生活への影響が深いということで、これは昭和四十年代からすでにプロパンの問題とか、あるいは灯油の問題、あるいはガソリン等の問題につきましては、三十件になんなんとする立ち入り検査並びに審決を行っておるわけでございまして、また五十年に入りましてからも、第一次石油ショックの後あるいは第二次石油ショック以降の今日まで、しばしばにわたりまして石油商業協同組合の支部等に立ち入りをいたしまして、違法の事実があります場合にはその排除を命じ、また課徴金を徴収する等の措置をとっておるわけでございまして、そういう点から申しまして、価格監視あるいは違法カルテル監視の最重点の品目として石油製品を念頭に描いておるわけでございまして、今後ともそういう体制は整備をし、また行政運用につきましては従来以上に強い姿勢で対処したいというふうに基本的に考えておるところでございます。
○対馬孝且君 時間がありませんから、当委員会でも二年前独禁法の改正の際に公取委員長にも申し上げましたが、いま言った課徴金の問題、これは申告があったから受けとめるという形ではなしに、受けて待つ姿勢ではなくて、積極的にひとつ乗り出して事情聴取をする、こういう申告がなければ受けないという姿勢であっては困る、この点だけは特にひとつ申し上げておきます。 カルテル課徴金問題はひとつ厳格に——いま非常に強い姿勢だということ、公取委員長の決意を新たにされたことを私も了とします。多としますから、その意味ではむしろ積極的な乗り出した姿勢で公取が対処をしてもらいたい、こういうことを強く申し上げておきます。 それから、時間が参りましたから、最後に具体的な灯油問題について三点だけちょっとお伺いしておきます。 一つは、何といっても灯油が全体的にだぶつきぎみだから下がってきている。こういう状況ですけれども、現実に北海道では相変わらず灯油は、全体的に見ると、六月に比較いたしますと、消費者協会の調べで確かにリッター二円二十八銭程度、しかし七十七円から七十八円。道の六者会議の灯油協議会というのがございますが、私はここに持っておりますが、七十七円から七十八円ということになっております。これは相変わらずやっぱり昨年度からの七次の値上げでかなりの高騰をしております。したがって、この間全国ネットで通産省が発表いたしましたが、いずれにしましても、この問題については適正な取引価格の公表、それから不当価格による取引の防止、こういう点をひとつ厳重に当たってもらいたいということが第一点。 それから二つ目は共同購入の問題で、これは特に、通産省来ていると思いますが、長官にもお伺いしたいのでありますが、共同購入、これは通産省の方針で、それから生活の知恵として、できるだけ高い石油を何とかひとつ一円でも二円でも低くという生活の知恵から出てきた共同購入なんです。これを積極的に進めたのは、通産省の当時の増田エネルギー庁長官が行政指導をしたんです。ところが今日では、去年来石油が全部業界、通産省の系列下に入ってしまって、全部抑え込みにかかってしまったわけだ、系列の中に入ってしまったわけだ。だから、下げたくても下げられないというんだよ。こういう問題で共同集団購入の勤労者協議会というのがあるんです。市民生協の場合には七十五円で一応成立しましたけれども、こういう集団購入、共同購入は、これはむしろ積極的に進めるべきではないか。この点でひとつ元売業界に強力な指導をしてもらいたい、これが第二点目であります。 第三点は、これは特急で申し上げますが、本会議でも申し上げましたが、いま年金生活者、それから身体不自由児、母子家庭、これは限度に達しています。長官、はっきり申し上げますけれども、時間がありませんから要点だけ申し上げますと、北海道では、高いところでは十八リッター五本市町村が負担しているんですよ。老人、年金生活者、身体不自由児、母子家庭に対して、これは最低でも四千円、現物給付では割引券というのを出して、小樽市の場合でも割引券を五十枚発行しております。深川の場合では三千二百円、あるいは室蘭市の場合でも三千円、それから富良野市の場合でも四千五百円というそれぞれ現金給付をやっているのだね、割引券とか現物給付を。少なくとも最低ナショナルミニマムで福祉灯油として当然考えるべきことではないか、こう思っているのですが、この点についてまず長官の考え方とそれからエネ庁の態度、この三点について積極的な考え方をお聞かせ願って私の質問を終わりたいと思いますが、まず部長にお伺いします。
○政府委員(志賀学君) それでは私どもの方から先に御説明申し上げます。 まず、私どもの灯油に対する基本的な立場でございますけれども、灯油につきましては、これは申し上げるまでもなく、国民生活に非常に密接な関係がある物資であるということで、まず安定的な供給を確保するということで、この在庫の積み増しにつきまして従来から指導をしてまいっておるところでございます。 現状を申し上げますと、当初の供給計画では九月末において六百五十万キロリットルの在庫を目標にしておったわけでございますけれども、八月末におきましてすでに六百八十万キロリットルということで、在庫の積み増しは非常に順調に進んだわけでございます。 一方、価格につきましても、不当な便乗値上げあるいは売り惜しみというような不当な行為がないように従来から厳しく監視をしてまいっておるわけでございますけれども、最近の小売物価の動きを見ますと、先生もおっしゃいましたように、確かに昨年に比べますと非常に高いわけでございますけれども、六月をピークにいたしまして最近安定的な動きをたどっております。 で、私どもといたしまして、そういった灯油に対する従来の姿勢というのは今後も続けていきたいというふうに思っております。 それから共同購入の問題でございますけれども、共同購入につきましては、これは確かに流通の合理化に役に立つということで、私どもといたしまして、基本的にはこの共同購入というのは望ましいという立場でございます。ただ、いずれにいたしましても、具体的な共同購入ということになりますと、これはそれぞれの実情に応じて消資者とそれから供給者側とよくお話し合いになって実現していくということが必要ではないかというふうに思っております。 それから福祉灯油の問題でございますけれども、これは私どもの方にもよく消費者の方がお見えになりまして、母子家庭であるとか、そういったお気の毒な家庭のために福祉灯油というものが何とかできないかという御要望がございます。私どもといたしまして、確かに灯油が非常に高いということで、そういう母子家庭等お気の毒な方々に対して大変だなという感じはしておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、この問題というのは福祉政策の一環として検討さるべきものではないかというふうに考えております。私どもの方へそういう御要請があったときには関係官庁の方にお取り次ぎをしておるという状況でございます。
○対馬孝且君 長官から一言。
○国務大臣(河本敏夫君) 価格の問題につきましては、量はたっぷり確保しておるから大丈夫だと、こういうお話もございましたし、かつ円高でございますから、私はまず上がることはないと思いますし、この点通産省もしっかりやると、こう言っておられますから、御期待に沿えるような方向にいくのではないかと期待をいたしております。
○対馬孝且君 一言だけ。 共同購入についてはひとつもっと積極的に具体的な問題だからあるいは消資者と小売店に任せるというような式でなくて、元売に対する行政指導をもう一歩強めてもらいたい。このことを言っておるわけですから、その点よろしゅうございますか。
○政府委員(志賀学君) 元売業者に対しましても私どもの基本的なスタンスというのはよく連絡をしてございます。
○本岡昭次君 いま対馬委員の方から全体的な質問がありましたので、重複することを避けて質問をしていきたいと思います。 私はこの九月まで国民春闘兵庫県共闘会議の議長をいたしておりましたので、兵庫県に働く勤労市民の暮らしを守る、特に物価上昇の中でどのように生活防衛をしていくかということにつきまして先頭に立って地方自治体あるいは政府とかかわってきた者でございます。 そういう立場から質問をしてまいりますが、いま私がここで事新しく申し上げるまでもなく、勤労市民の実質賃金の低下ということが、二月の対前年度比〇・九を初め、〇・二、一・三、一・二、一・八と、七月はプラス〇・六と持ち直したものの、八月には三・五という大幅なマイナスを来しているわけで、勤労市民は、いま河本経済企画庁長官のお話しのように、安心しろ、これから物価は鎮静していくということでございますが、そうした過去の経緯の中から非常に不安を持っているわけでございます。賃上げのときに物価というものを前提に置きながらそれぞれ決めてきているだけにその切実さは一層のものがあるわけです。 そこで、まず第一点お伺いしたいんですが、このように連続五カ月、七月を中にはさんで八月も、いわば連続七カ月といってもいいと思うんですが、勤労市民の実質賃金が低下をするというふうな例が過去にあったのかどうかということが私はいまふっと頭に浮かんだわけでございます。もしそうしたことについてつかんでおられましたらお答えを願いたいと思います。
○政府委員(藤井直樹君) 過去の実質賃金の低下につきましては、年としての低下については記録はございませんが、各年につきましてある月におきましてこれがマイナスになっておるということはございます。四十九年にもございまして、四十九年には約五カ月ございます。それから五十年に三カ月、五十一年に三カ月、五十二年に三カ月、五十三年に一カ月、五十四年に一カ月へ過去の例としてはそんなところです。
○本岡昭次君 私も若干調べてみたのですが、いまおっしゃったその四十九年のいわゆる石油ショックによる狂乱物価のときは、四十九年の一月から三月までの三カ月間、そしてしばらく期間を置いて十月から十一月の二カ月間、こういうことであったろうと思います。また五十一年には七月から九月まで三カ月間、こういうことであるわけですが、しかし過去のその状況は、賃金も上がった、しかし物価も石油ショックによる狂乱物価ということで上がっていったと、こういう形態であったわけですが、しかしそれも二カ月ないし三カ月で鎮静をした。しかし今回は賃金が上がっていない、しかし物価は八%台という、まあ狂乱物価というふうなことでないにしろ、とにかく高騰を続けているということで、私たち勤労者の側としては過去と違ったケースではないか、このように考えています。私は素人ですから、経済的な立場から断言はよういたしませんが、いわゆるスタグフレーションの中における新しい一つの実質賃金の目減りしていく状況ではないかと、このように考えているんですが、長官初め当局の方の見解を示していただければありがたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 実質所得が減っておるということはいまお述べになったとおりでございまして、私どももこの春のベースアップが、政府の六・四%という消費者物価は必ず実現をいたしますということを何回も約束をいたしましたことを背景に賃上げ交渉が妥結したと、こういうことを考えますと、政府の責任は非常に重いと、このように考えております。それであるだけ、上半期の物価水準はおおむね八%台という比較的高い水準でございましたが、下半期はどうしても引き下げの方向に持っていきまして、年度間を通じては政府目標が実現するようにあらゆる努力と工夫をしていかなければならぬと、このように考えております。幸いにこの十月からはだんだん下がる方向にいっておりまして、目に見えてよくなるのではないかと、このように考えておりまして、今後も引き続きましてあらゆる工夫を継続をしていきたい、こう思っております。下半期四・六%という平均の物価水準に持っていきますと、年度間を通じまして目標を達成いたしますので、それを目標といたしましていま努力をしておる最中でございます。
○本岡昭次君 私の質問の一つの観点でありました、従来の傾向と今回の傾向は違うのではないかということについての直接お答えがなかったんですが、長官が、先ほどの対馬委員に対する答弁でも五百億を使ってとにかく物価の鎮静化に努めると、いまも下半期への努力を見てもらいたいということでございましたから、そうした効果があらわれればいままでと違った形があらわれているんだというふうにとらえなくてもいいということですから、今後の推移の中で私もこれを見詰めてまいることにいたします。 そこで、揚げ足を取るようなことで申しわけないんですが、この河本経済企画庁長官のあいさつの文章を改めて読ましていただいたんですが、九ページのところに消費者物価のことが書いてあるわけです。「消費者物価の上昇率が政府見通し程度におさまるよう最大限の努力を傾けてまいる所存であります。」と、こう書いてあるんです。私は全体的に数字が書いてあるのはわりに少ないとは思っていたんですが、ここは「政府見通し程度」となさらずに、決意として、「政府見通し六・四%に」というふうに書かれるのが長官としての決意がにじみ出たあいさつではないかと思ったんです。「見通し程度」というところに何か逃げがあるような気がして仕方がないんですが、改めて六・四%にという決意を込めて、この見通しというのは六・四%であるということをひとつ言っていただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) いまお話がありましたとおりでございまして、六・四%という政府目標を実現する、そのためにあらゆる努力をしておる、こういうことでございます。
○本岡昭次君 そこで、私たちの立場からしても、政府見通しの六・四%、いや、それ以下に物価がおさまってほしいという切実な願いを持っているわけで、私たちの側からもそれではどのようにすれば六・四%におさまるのだろうかといういろいろな試算のようなものもするわけです。いま長官の方は、下半期へ向けての努力、四・六%という対前年度比の比率を保持していけば年間平均として六・四%におさまる、またそうするというふうな意味のお話がありましたが、実は過去四年間の物価の傾向、特に下半期の傾向を指数として取り上げてみまして、その平均値をとって下半期には一体どういうことになるのかということを私たちなりに検討をしてみました。すると、過去のこういうケースであれば最終的に年平均一三九・三%という指数になって、上昇率は七・七%という数字が出てくるわけです。したがって、よほど効果的な、表現がまずいかもしれませんが、よほど劇的な対策をやらなければ、というのは過去にない対策をやらなければ六・四におさまりそうにないというのが私たちの実感としてのとらえ方であるわけなんです。 そしてまた、日経新聞には、政府は六・九%以内に何とかしようということにこれから努力するんではないかという意味の報道がなされているわけで、この六・九という数字は春闘における労働者の賃上げ——私たちは六・七と言っているんですが、政府は六・九ということのようですが、そのところに来ればいいんじゃないかというふうな感じに勘ぐればとれないこともないわけです。私たちは非常にこだわりというか、そうはならないんではないかということを過去のそうした傾向から見ているんですが、ひとつもう一度、それではどういう画期的な対策でもって六・四%にするんだという個々の問題を——いま五百億を使うからとおっしゃられればもうそれまでかもしれませんが、しかしいま少し私たちを納得させるお考えを物価上昇に悩む国民や勤労者のためにひとつ聞かしていただきたい、こういうように思うんです。
○国務大臣(河本敏夫君) 消費者物価に占める卸売物価のウエートは大体五三%、それから公共料金が大体一六%、生鮮食料品が八%、それから二三%がサービス、こういうことになっております。 で、卸売物価が、先ほども少し触れましたが、この春は毎月二%以上も急上昇する、当時の政府の全く表現のとおり狂乱物価前夜であったと、こういう状態がずっと続いておりまして、それが若干時間がたちますと消費者物価に非常に悪い影響を及ぼしてくる、こういう状態でございましたが、ここ数カ月間は卸売物価の方は安定をいたしまして、特に九月、十月になりましてからは相当顕著に下がっております。この傾向はずっと続くであろうと私どもも考えておりますが、卸売物価からくるところの影響がだんだんとよくなってくる、こういうことをいろいろ考えております。 それから生鮮食料品の消費者物価に占めるウエートは八%ということで比較的小さいんですけれども、何しろ値上がり値下がりの幅が非常に大きいものですから最終的には消費者物価に非常に大きく響く、こういうことでございますが、異常気象の方もようやくおさまりまして、生鮮食料品の出荷は非常に順調にいっております。目に見えて安定化の方向に進んでおりますので、これが大きく作用するであろう、このようにいま考えております。 それから公共料金の取り扱いにつきましては、これはもう徹底した合理化をしていただくということがもう第一、どうしても吸収し切れないものがあれば、幅とか時期とか、そういうものをよく判断いたしまして、消費者物価に最小限度の影響が出てくる、こういうことを考慮いたしまして厳正にこれを取り扱っていきたいと、このように考えております。 なお、五百億も使いますけれども、この五百億を使ったからといってこれで六・四%になるというものではございませんで、若干のいい影響は出てくると思います。ことし、広い意味で産業全体の合理化とか中小企業の合理化、農業の合理化、このように直接間接物価に影響のある政府投資というものが四兆三千五百億円であります。そういうことを考えますと、五百億という今度の対策はある程度の影響はもちろん出てまいりますけれども、これによって直ちにその目標が実現するというものではございませんが、しかしながらこの際対策費としてこれを有効に使えば相当な役割りを果たすであろう、このように考えております。 いずれにいたしましても、消費者物価が安定いたしませんと次の経済政策が立てられませんので、また来年の経済見通しも非常に暗い状態になりますので、どうしてもこれは当面の最大の経済政策の目標としてぜひ実現をしたい、こういう考え方のもとに政府挙げて取り組んでおると、こういうことでございます。
○本岡昭次君 それではこの新聞に報道されている、六・九%というところでないと無理ではないかという立場に立って政府は今週中にも新対策を検討するんだ——これは十月十二日の新聞ですが、こうした考えはないということでございますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 政府の方ではあくまで六・四%ということしの目標を変えない、それを目標にしてすべての政策を進める、こういう考え方でございます。
○本岡昭次君 いま長官の決意を聞かしていただきましたので、六・四%にしていく画期的な対策というんですか、具体策、それを後ほど山田委員の質問で聞かしていただきたいと思います。 この問題に関して最後の私の意見ですが、長官のお話、専門家としてのお話ですから全面的に一〇〇%信用して聞かしていただかなければならないと思いますけれども、卸売物価の関係、そして季節生鮮食料品の関係、あるいは公共料金の問題、あるいは灯油の問題等々についての現状の中で、下半期を見通せばこうなるであろうということで、言ってみれば、政府としていまから何も手を打たなくてもそうなっていくから安心しなさいというふうに私には受け取れるわけで、その結果こうなってしまったということでは、私たち勤労市民はこれはたまらないわけでございまして、五百億というお金が効果的な影響はもたらさないかもしれませんが、それを軸にしながら積極的な対策を講じて国民の前に示していただきたいという御要望を最後に申し上げておきたい、このように思います。 それで、この間九月の三日でしたか、物価等対策特別委員会が兵庫、大阪へ調査に参りました。私も地元の議員として参加をさせていただいて私の住んでおります兵庫の物価対策の問題について改めていろいろ勉強をしたわけです。そしてこの物価委員会で質問するということですから、兵庫県へ参りまして、その後一体兵庫県の状況はどうなっているかということを聞いてまいりました。 兵庫県の九月の状況というのは、対前月比が一・〇%、対前年同月比八・六%ということのようで、この上昇の原因は、野菜が中心となって食料品が大幅に上昇したのが主因であるというふうに兵庫県ではとらえておりますし、この八・六%に押し上げていった上昇寄与率というものを見ると、やはり食料品が三二・四%、雑費が三一・二%というふうになり、その中の野菜を見れば、キャベツが一キロ百二十六円が二百三十九円に、ホウレンソウが九百七十八円が千三百八十六円に、その他白菜、ネギ、レタス、トマトというふうに九月ではそれぞれ相当上がっておるわけです。 こうした事柄に関して、兵庫県の方では、私たちがその視察調査に参ったときに、国に対しての要望をこの野菜の問題で出してきているわけです。先ほども鹿児島とか沖繩に白菜ですか、キャベツですか、特別に指定してつくらせて、価格が上がればそれを放出するんだということでしたが、兵庫県にもタマネギ等がそういうことの対象になっております。それがいわゆる野菜価格安定緊急対策事業と言われているようですが、これをとにかく強化拡充してもらいたいという要望です。こうした野菜の値上がりを防ぐために、その一つは、現在対象品目にタマネギとバレイショですか、がなっているのを、せめて大根、白菜、レタスを対象品目に追加してもらえないか、あるいはまたそれぞれの各品目の対象数量についてももっとふやしておいてもらえないかと、こういうことでございます。 兵庫県の担当者にこの問題を聞きましても、いまのような数量を貯蔵しても、また沖繩や鹿児島にそうした指定地をつくっても、一たんその野菜の高騰が起こったときにその貯蔵したものなりあるいは指定したところのものを出しても、とても物価を冷却させるという効果のあるような数量ではない、このようにも言っているわけです。ひとつこのことについてお答えをいただきたい、このように思います。 それから二つ目に、冬野菜の問題にかかわって、この九月から、これは農水省とそれから全農ですか、この二つの組織によって重要野菜需給調整特別事業というものを実施して、何か九ブロックを全国的に区切ってそれぞれキャベツ、白菜、大根など需要量に見合った計画生産を行う、こういうことがいま進められているようですが、このことが本当に野菜の価格を低く、消費者にとっては安く安定させる方に役立つのか、あるいはまた生産者の保護、これも大事だと思いますが、よりそうした生産者保護の方にカルテルのような形で役立ってしまって、冬季節の野菜が非常に高騰する状態の中にあって物価安定という方向に効果をあらわすことが薄いんではないかというふうなことを私も思い、地元の人たちも言っているんですが、この問題についてのひとつお考えを聞かしていただきたい、このように思います。
○説明員(東久雄君) 本岡先生の御質問の第二点の方から先に答えさせていただきたいと思います。 第二点の重要野菜需給調整特別事業でございますが、本年度から全農を中心に開始いたしました。実は需給調整の事業と申しますのは、昨年度までは生産出荷計画ということで、需要量に見合った生産出荷を行うという協議を続けて、それを各産地において守っていこうというような形で行われておったわけでございます。 しかしながら、昨冬のああいう価格高騰にかんがみまして、需要量そのままで見るのはいかがであろうかということで、需要量を上回る生産、大体普通の生産変動——これは統計的に標準偏差ワンシグマをとっておりますが、大体三から五%余分につくっていただきたいという指示をしてこの重要野菜需給調整特別事業という形になったわけでございます。したがいまして、五十五年度におきましては需要量の三から五%、物によって違いますが、余分の作付をしております。 そこで、生産者に御理解をいただくように、生産者に対しまして、それだけの生産増をしていただいたからには、もし天候がよくてこの物が需要をオーバーするというような形になった場合には産地廃棄ないしは加工処理というような形でやっていただく。そのための基金を積み立てまして、二分の一を国が補助するという制度にしたわけでございます。したがいまして、この重要野菜需給調整特別事業につきましても、そういう価格高騰ということに備え、これは三から五%ですから相当な量になるわけでございますが、通常の不作には対応できるという制度で生産者の理解を得て始めたわけでございます。 それともう一つ、このような措置をとっておりましても、一時的に作型、それから生産地の変動といいますか、変わり目に気象変動等を受けた場合に、その五日とか十日とかという間に価格高騰が起こり得る可能性がございますので、先ほど先生御指摘の第一点の売買保管事業、それから契約栽培ということをやっておりまして、タマネギとバレイショにつきましては貯蔵が可能でございますので、従来から保管をして価格高騰時に売り渡すという制度をとっておりますが、さらにキャベツにつきまして、先ほど先生御指摘のとおり、鹿児島県、沖繩地方で生産をお願いをして緊急時に備えておる。それにつきまして、本年度につきましては特に経済企画庁の方から予算の移しかえをお願いをいたしましてこの九月に、先ほど先生からお話ございました大根、レタス、白菜につきましても同様な形で一時的な高騰に備えて契約栽培をさせております。もちろんこれらにつきましては出荷経費が相当かかりますので、それらのことを考えた上で市場においては安い価格で放出できるように予算措置を講じております。 以上でございます。
○政府委員(藤井直樹君) ただいまの野菜の関係につきましては農水省とも十分相談しながらやってきておりまして、いま申し上げたようなことにつきましては、この夏の冷夏に対する緊急野菜対策とあわせまして来年の秋売り野菜につきましても事前に手を打っていこうということで対策をとっているわけでございます。
○本岡昭次君 それからもう一点、兵庫県の物価問題は国全体にもかかわりがあるんですが、私たちが物価を考えるときに寄与率ではそう大きくないから問題になることが少ないんですけれども、食糧とかあるいは石油、公共料金、そういったものが表に出ますが、しかし実際消費者物価の四百八十三項目ですか、の全体のそれをずっと見ていきますと案外なことに気がつくわけなんです。というのは、雑費の中に占める教育の比率というのが意外に高いということに驚きます。五十年を一〇〇として指数の中で現在二〇〇を超えているのは教育というところだけではないかと思います。兵庫県でも教育が二百三十何%というふうな指数をあらわしています。そして五十年から費目別の消費者物価の上昇寄与率というものをとってみても、教育の分野というのは、昭和五十年にその寄与率が三・六%であったものが、順次年を追って上がっていって、五十四年にはそれが一〇・三%という寄与率を示している。同じような傾向を持っておるのが家賃であります。家賃も同じように二・七から一〇・三というふうに高まっているわけなんです。その内容についてはまた文教委員会等でいろいろ検討もしていきますけれども、この教育という項目の中身をなしているものは一体何であるのかということ。そしてこのように寄与率が年々高まって、五十年から見れば三倍にもなっている。ほかにはそういうふうなものはないんです。まあ家賃はありますが、家賃は理解できますが、なぜこのようなことになったのかということをここで説明できる範囲でよろしいからひとつ聞かせていただきたい。
○政府委員(藤井直樹君) 御指摘のように、教育費につきましては、五十年を一〇〇といたしまして二一二・八というのが最近の数字でございます。教育費のウエートは全体に対して約二・六%ということでございますから、かなり大きなウエートを持っているものだと思っております。 そこで、この二〇〇台にもなったということの理由でございますが、一つの理由は、教育自身が非常に人件費を食うものであるということ、そういうことであると同時に一般の産業のように生産性向上というのはなかなか期待できないということがありますので、人件費等のコスト増の影響がストレートに出るということがございます。 もう一つは、中身の問題として見ますと、私立学校に比べまして国立学校等の、公立も含めまして、授業料が相対的に低かった、そういう時代があったわけですけれども、漸次その差が縮まる方向にあります。これは財政的な観点も非常に強いかと思いますが、その格差が是正されているということでありまして、その関係でかなり押し上げている面がございまして、いま中身とおっしゃったんですが、たとえば公立高校の授業料等は指数で言いますと約四九〇台でありますし、国立大学が三六〇台ぐらいということでございますので、その点が大きな理由でございます。 ただ、最近におきましては私学助成等につきまして相当大幅な財政措置を講じておりましたり、その合理化等を強く指導しておりますので、漸次その上昇のテンポが緩和してきております。一番高かった時期は石油ショックを含みます二、三年のころ、これは毎年教育費が二四%とか二六%ということがあったんですが、最近は一〇%程度に落ちてきております。こういうようなことがありますので、今後につきましてはさらにそういう安定した傾向が続くと思いますが、過去におきましてはそういう問題があったということで現在の指数水準が非常に高くなっております。こういう是正がある程度進んでまいりまして私学の方の関係の授業料等の鈍化ということが漸次定着いたしますれば、この上昇率というのはさらに鈍化していくものではないかというふうに期待はしております。
○本岡昭次君 もう時間がほとんどありませんので簡単に質問させていただきますが、灯油の問題については備蓄が十分ある、百十一日あるということを本会議等で通産大臣がおっしゃって、安心しなさいということでございますが、素人目に見ましても、イラン・イラクの戦争というものが相当長期にわたって、もう短期ではこれがおさまりそうにないというのが今日の現状で、そのためにもこれに対する対策の世界的な会議等も開かれているようでございますが、結局石油問題がイラン・イラク戦争によって派生してくることは、日本の石油が備蓄されているからということだけじゃなくって、やはり輸入する品物が上がっていくという、輸入インフレというんですか、そういうふうなものを起こしていく傾向を生まないか。まあ円高だから大丈夫だとおっしゃるかもしれませんが、この問題にかかわって何かいま経済企画庁として、あるいは通産省でもいいんですが、何か見通しのようなものを持っておられるならお聞かせ願いたい。
○政府委員(志賀学君) 先般IEAの会議におきましてイラン・イラク紛争についてどう対応するかということがいろいろ議論されたわけでございますけれども、そのときのIEA加盟国の現状認識というのは、一つは世界的に見て非常に備蓄レベルが高いこと。これはことしの七月一日現在でIEA平均で百四十日分でございます。そういうことで従来になく非常に備蓄レベルが高いということ。それから先進国の石油消費が非常に落ちついておるということ。それからことしに入りまして、特に四月以降でございますけれども、産油国が供給過剰を背景といたしまして減産にすでに入っておったわけでございます。したがって、それだけに増産余力がある、こういったようなこと。そういった現状認識を踏まえまして、今回のイラン・イラク紛争について当面十分需給のバランスを保つということは可能であると、こういう現状認識をしたわけでございます。 ただ、そういった現状認識を踏まえながら冷静に対応することが必要であろうということで、同時にそのときに一つは、スポット市場におきます高値買いの自粛、これをやっていこう、それから備蓄の弾力的な運用をやっていこう、こういったような合意がされております。私どもといたしまして、すでにそういったIEAの合意に基づきまして関係企業に対して指導を行っております。 わが国について申しますと、先生先ほどおっしゃいましたように、備蓄レベルがこの八月末におきまして大体百十日ぐらい、国家備蓄・民間備蓄合わせまして百十日ぐらいということで、近来になく日本も備蓄レベルが非常に高い。他方、イラクからの原油輸入というのが大体三十九万バレル・パー・デーということで、日本の輸入の八%ないし九%ぐらいのウエートを占めておったわけでございますけれども、そういった備蓄が非常に高いということから申しまして、イラン・イラク紛争が相当長期にわたっても十分対応可能と、こういう判断をしておるわけでございます。 ただ、先ほど申し上げましたように、原油価格の高騰を招くことがないように私どもとしても十分注意を払っていかなければいけないというふうに考えているわけでございまして、確かに最近のスポット市場は、ロッテルダムのスポット市場の最近の価格は、アラビアンライトで三十七ドル二十五セントというようなことで、一ころに比べましてかなり反騰の動きがございますけれども、ただそういった価格によって実際に取引されている量というのは、余りないというふうに聞いております。そういうことでございますので、確かに楽観は許さないわけでございますけれども、当面原油価格について非常に高騰するというようなことはないというふうに私は考えております。
○本岡昭次君 それではこれで最後にいたしますが、先ほど言いました兵庫県を視察したときに出てきました要望の野菜の問題、それぞれの各地方自治体も懸命になって地方自治体は地方自治体なりに野菜の安定供給ということに本当にきめ細かい対策をやっております。それだけに国の方も、それぞれ各地方自治体が行っている野菜、あるいはまた灯油もそうですが、その安定供給という地方自治体の試み、取り組みが強力に進められるよう、先ほど私が申し上げました要望も積極的にひとつ取り上げてそうしたところの熱意に対してこたえてやっていただきたい、このことを最後にお願いをいたしまして私の質問を終わります。
○国務大臣(河本敏夫君) いまいろいろ御意見を拝聴いたしましたが、御意見を参考といたしまして今後あらゆる努力を進めてまいりたいと思います。
○山田譲君 物価問題についていろいろお尋ねしたいわけでありますけれども、もうすでにわが党のお二人が言った問題もございます。しかし話の順序で重複する面もあるかと思いますけれども、失礼ではありますけれども、ひとつ重ねてお答えをお願いしたいというふうに思います。 最初に、例の物価を六・四%に抑える、こういう話で、先ほどの長官のお話を聞いておりますとかなり自信がおありのようでございます。特に卸売物価が非常に下がっている、何となく消費者物価の方も大体自動的に下がっていくんじゃないかというふうなお話もちょっと聞いたわけでございます。これは将来の見通しになるわけですから、いろいろ言っても水かけ論みたいになってしまうとは思いますけれども、私どもがそれなりに計算したところによりますと、さっき本岡委員からもお話ありましたけれども、どうしても六・四%に抑えるということは困難ではないかというのが私どもの計算の結果出てきております。つまり、今後どういうふうに物価が推移していくかという問題について、従来の過去四年の傾向を見まして大体それに合わせますと、どうしても先ほどもお話がありましたとおりわれわれの計算では七・七%というふうな数値にならざるを得ない。そしてまたそういう過去四年間の傾向を一応度外視しまして、現在のこの八月の指数一三七・九、それから一四〇・二というふうな数字が今後ともずっと動かないでいった場合を仮に仮定した場合であっても、やはり七・六%程度にはどうしてもなるんじゃないかというのが私どもの計算でございます。とりわけ従来数年の傾向を見ましても、どうしても物価は年の下半期には大体上がっていくのが普通でございます。そしてまた今後の状況を見ましても、後でお話申し上げたいと思いますが、公共料金の問題その他を考えてみましても、大体において従来と同じように下半期になればこれが上がっていくんじゃないかというのが私どもの見通しでございますけれども、これに対して長官は大丈夫だと、こうおっしゃるんですが、ひとつその点についてもう一遍重ねて御返事を伺いたいというふうに思うわけでございます。よろしくお願いします。
○国務大臣(河本敏夫君) 経済というものは予想外によく変わるものでございまして、たとえば国際収支等につきましても、ことしの四月から七月までの統計をとってみますと、四カ月間の間に五十七億ドルという経常収支の赤字が出ておりますが、年率に直しますと百七十億ドルぐらいになりますので、昨年の赤字は百三十九億ドル、ことしはうっかりするとこの数字を上回るのではないかと、こういうことで実はついこの間まで心配をしておりました。しかしながら最近になりますと急速に変わりまして、むしろ黒字になっていく、あるいは政府見通しの九十億ドル前後という赤字、その前後におさまるのではないかと、こういう見通しすら立つようになりましたが、これは二、三カ月前にはもうとても考えられなかったことだと思うんです。 そこで、物価の問題につきましても、背景といたしまして円高ということが相当いい影響を及ぼすであろうと、こう思っております。ことしの初めには二百五十円前後と非常に安い水準でございましたが、現在は二百十円という水準になっておりまして、国際収支が経常収支でよくなっておるということだけではなく、オイルマネーの流入もどんどん続いておると、そういう状態でありますから円はどうしても強含みでございます。それと、世界的に景気がおかしいということのために商品市況も弱含みである。一部の例外はございますけれども、大勢として弱含みである。 ただ、私どもがちょっと心配しておりますのは石油の問題でございまして、イラン・イラク戦争のために世界的な石油の需給関係は窮屈にはなっていないんです。そんなには変わっていない。備蓄も相当多いということでございますので、値上がりする要因はないはずだと思っておるんですけれども、メジャーオイルなどは何かありますと、まあ便乗値上げといいますか、相当大規模な製品の値上げ等を世界的にはいろいろとやっておる。日本にはそういう傾向はございません。日本にそういう悪い影響が出てこないように気をつけてはおりますけれども、そういうイラン・イラク戦争の長期化というちょっと心配な点もございますけれども、しかし当初に申し上げましたような円高、こういうこと等もございますので、私は現在の数字がこうだからこれがもうずっとそのまま続くんだと、こういうことではなくして、経済というものは大きく動いておるし、また動くような方向に持っていかなければ困りますので、先ほど来申し上げましたようなそういういろいろな方法を考えながら政府目標をぜひ実現をしたい。またそれは突発事情が起これば別でありますけれども、突発事情が起こらなければ何とか実現できるのではないか、またそれは必ず実現しなければいかぬと、こういうつもりでいま取り組んでおるところでございます。
○山田譲君 経済の見通しは確かにおっしゃるとおり大変むずかしい問題がございますから、いままでの数値をもってして直ちにそのまま今後もいくであろうというふうなことを軽々に判断するわけにはまいらないと思います。ただしかし、八月の東京都の速報でございますけれども、上昇率を見ますと、これが前年対比八・九%にもなっているというふうな状況を見ますと、これはやはり私どもとしては相当心配をせざるを得ないということになるわけでございます。 特に、先ほど本岡委員の方からも話がありましたとおり、今次春闘につきましても、確かに政府が六・四%で抑えるというふうな強い自信に基づくお約束があったというふうなことで、春闘としても六・数%というふうな低率でもって矛をおさめざるを得なかったという経緯もあるわけでございます。したがって、そういう春闘をおさめた労働者たちの気持ちになってみますと、やはり何としてもこの政府の約束はひとつ守っていただかなきゃならないという気持ちであろうと思います。それに反して意外に、その後の状況を見ておりますと、いま申し上げたとおりに、物価はむしろ上がる一方であって下がってはいないということになりますと、今後まだしばらくあるわけでありますけれども、その間に私どもとしては、政府に相当強力な手を打っていただいて、そして何としても政府のお約束をちゃんと守っていただくようにということを特にお願いをせざるを得ません。 実は私、三月二十七日でございますけれども、参議院の予算委員会で大木委員がいろいろと物価の問題について質問をし、それに対して各大臣あるいは企画庁長官の正示さんもお答えになっております。そのときに大木議員が、しからばこの六・四%に政府の言うようにおさまらなかった場合に一体どういうふうにその責任をとるんだというふうな質問をしておりますが、それに対して正示長官がこういうことを言っておられます。ちょっと短いですから読んでみます。 私どもは、まず五十四年度の四・七、五十五年度の六・四、これはいろいろもう各省庁と連絡 をとって、架空のものではない、これはもうぜひそれを守ることが経済運営の核心である、これを外しては経済全体ががたがたになっていくんじゃないかというところまで突き詰めた一つの見通しでございます。したがって、いまのところはその二つはぜひとも達成したい、またできる、こういう確信でございます。 こういう確信を披瀝しておられる。そして、そこで、お話しのように、それができない場合の責任はということになれば、これはもう一切をなげうってその実現に全力を尽くしてまいります、こうお答えをしておるわけでございます。 こういう言い方をして、何といいますか、非常に確信を持って六・四%は実現するんだというふうなこと、それからもしそのとおりいかなかったら相当の決意があるというふうな言い方を長官がしておられるわけでございます。 で、この五十四年度の四・七というのは大体おっしゃるとおり、このとおりおさまったように思いますけれども、五十五年度のこの問題の六・四については、いま私が心配しているようなことで、果たして政府がこれだけ強く言っておられるとおりになるかならないか、私はいまだに疑問が非常にあるわけでありますけれども、この予算委員会のときに企画庁長官が答えられたこのお考え方、これはいまも同じかどうか、この点についてちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) まさにその決意でいまも企画庁は当たっておるわけでございまして、つけ加えさしていただきますならば、国民生活を安定させるための基本条件でもございますけれども、しかし同時に、いろいろな経済政策を展開するためにも、その前提条件としての物価の安定ということがございませんと進められませんので、そういう意味でこれはやはり経済政策の一番の基本だと、そういうつもりで当たっております。
○山田譲君 政府が非常に自信を持ってそういうふうに答えていらっしゃるわけですから、私としてもそれを信用するほかないわけでございます。 ところで、これは仮定の問題になって恐縮でありますが、もしそういうことであるとすれば、もしもですが、そのとおりにならなかったというふうな場合、こういう場合の責任として、私どもの考えとしては、それに見合う分だけは当然減税をしていただかなければならないのじゃないかというふうな考えもあるわけでありますけれども、それについてはいかがでございましょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) いま政府を挙げてこの問題と取り組んでおりますし、先ほど来繰り返し申し上げますように、卸売物価が目に見えていい方向に行っておりますし、それから生鮮食料品も非常にいい方向に行っておる、こういうことでございますから、よほどの予期せざる突発事情でも起こればこれまた別でありますけれども、いまのところそういうことが起こりそうにもございませんししますから、私どもはこの目標は十分達成できる、こう思っております。
○山田譲君 見通しの問題になりますから、これ以上いろいろお話ししても結局水かけ論になってしまいますけれども、具体的に減税できるというふうなお話はもちろんできっこないわけでありますが、それなりにひとつ責任を持ってこの六・四%実現のために最大級の努力をしていただきたいというふうに思います。 それからその次に物価対策の問題でございますけれども、この前九月五日でございますか、経済対策閣僚会議をお開きになりまして、そうして「経済の現状と経済運営の基本方針」というふうなものをおつくりになっております。私もこれをしさいに読ませていただいたわけでありますが、非常に気になった点は、これは去年十一月二十七日にやはり物価問題に関する関係閣僚の会議を開いて物価対策を示しておられるわけでありますけれども、それと比較検討してみましたところが、これは一年前の対策とほとんど変わっておりません。たとえば生活関連物資の問題にしましても、あるいは石油、灯油の問題、あるいは公共料金の問題、あるいはまた牛肉の問題、水産物の問題、公共料金の問題、地価の問題、そういうことについてこれを読んでみましたところが、ほとんど一言一句も違っていないようなところもあるわけであります。たとえば地価の問題あるいは公共料金の問題につきましても全く変わっていない。牛肉の問題についても全く同じでございます。ただ、去年十一月は特に豚の問題について触れておりますけれども、ことしはそれが触れられていないというふうな差はございますし、多少表現は同じでも順序を変えているというふうなことはありますけれども、全体として全く変わっていないというよりほかないんじゃないかというふうに思います。そうしますと、今度出されましたこの「経済運営の基本方針」の中にある物価対策と去年十一月に出されました「物価対策の総合的推進」という問題でありますけれども、これが全く同じということになると、そうすると経済の現状についての見方が一年前と全く同じなのかというふうに私は考えざるを得ないのでございますけれども、その辺はいかがなものでございましょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 昨年来の経済の基調を申し上げますと、一昨年の秋にイランの動乱が起こりまして、それを背景に昨年から本年にかけましてたび重なる石油の大幅な引き上げが行われまして世界経済が混乱し、あわせて日本経済も混乱をしたわけでございますが、その同じ基調がずっと続いておると思うのでございます。その同じ背景、基調の中にありましていろいろの経済政策を考え、物価対策を考えていくということでございますから、物価対策は、昨年の文章を私はいま覚えておりませんが、この三月にも物価対策七項目を発表いたしましたが、その内容とこの九月に発表いたしました六項目の内容もそんなに変わっておりません。 これは世界共通で、別に特別の対策があるというわけではございませんで、アメリカ政府も、この春は二〇%という狂乱物価になっておりましたが、そのときにアメリカ政府もやはり五項目の物価対策というものを発表しておりますが、これも日本とほとんど変わってないんです。ただ一つだけ変わっておる点は、生産性向上のための投資をしましょうと、こういうことをアメリカ政府は言っておりますが、その点を除きますと物価対策としては日本政府とほとんど同じような内容を言っておる。これはもう世界共通の取り組み方だと、こう思うんです。 そんなに特別に新しい妙案が出てくるというわけではございませんで、従来やっておりましたその対策をその都度あるものはある程度緩和する、あるものは非常に強くする、こういうその時々の事情の変化は若干ございますけれども、柱としてはそんなに変わるものではない、こう思っております。
○山田譲君 それは一年やそこらでそう急に変わることはないから、大体において対策だってそう変わるものではないというふうなお話でございます。 「物価対策の推進」というところの最初の文章、前文を見ますと、ことしのやつですが、「従来の物価対策の成果を踏まえ」というふうなことを言っておられます。そうしますと、従来やっていた物価対策というものは相当の成果があったというふうに企画庁としてはいままでの対策を評価していらっしゃるのかどうか。そこら辺はどんなものでしょうか。
○政府委員(藤井直樹君) 物価に関する総合対策というのは、昨年は最初二月に立てました。それから次に十一月、ことしに入りまして三月、今回ということになっておりますが、私どもとしては、いま大臣がお話しになりましたとおり、同じ基調、背景のもとでの物価対策の根幹というものはこれは変わらないと思っております。 そういうことで、根幹を維持しながらその時々の情勢に応じて適切な対策を加えていくというような態度をとっておるわけでございますが、今回の対策の前文で「従来の物価対策の成果を踏まえ」ということを申し上げましたのは、私どもとして、昨年来のいわば第二次石油危機と言われております石油価格の上昇の過程において、輸入インフレの発生が国内要因によって国内インフレに加速されていくということを防止するということが最大の目的であったわけであります。そういう点に関して見ますと、インフレ心理が起こってそうして国内でインフレが起こるというような状態にはならなかった、それは防止できたというふうに考えております。そういうことも踏まえまして「従来の物価対策の成果」ということを申し上げているわけでございます。 ちょっと補足さしていただきますと、たとえば今回の対策におきましては、三月の対策の根幹を維持しておりますが、最近問題になっております減産の問題とか、建設資材の問題とか、そういうようなことについての対策をとるということを加えております。時に応じて新しい事態に即した対策を進めていくという考え方をとっておるわけでございます。
○山田譲君 全体的にこれを見まして、その文章が去年と全く同じだ、ことしの三月とほとんど変わってないというふうなことについて私は、それなりに経済状況というものは、それは変わってないとはいうものの、やはり同じではないはずである。そうしますと当然その対策そのものもやはりきめ細かくそのときの経済情勢に対応して変えていかなければおかしいのじゃないかという感じがするわけであります。 それはそれくらいにして、次に公共料金の問題でありますけれども、これも先ほどちょっと読んだように、「公共料金については、経営の徹底した合理化を前提とし、物価及び国民生活に及ぼす影響を十分考慮して厳正に取扱う。」、こういうことになっております。この文章もこれまた五十四年と全く同じでございます。三月とも同じです。こういうことで公共料金に対処しておられるようでございますけれども、そこで公共料金についてちょっとお伺いしたいのです。 今後一応予定される公共料金として、これは法律の問題もありますけれども、一応の考え方として郵便料金の問題がある。それからまた健保の改正による保険料の負担の問題もございます。それからこれは新聞報道ですから本当かどうか後で明らかにしていただきたいと思いますけれども、たとえば私鉄の運賃につきましても、大手十四社が平均二〇%ですか、二〇%程度の値上げを考えて、そうして十一月の中旬に申請をする予定であるというふうにも聞いております。それからタクシー料金につきましては、大都市を平均二〇%アップさせる、東京はすでに十月の二日に申請をしておるというふうに聞いております。それから私バスにつきましては、四大都市、これは大阪、京都、名古屋、神戸のようでありますけれども、そこにおいてもこれまた十月の上旬には申請をして百十円を百四十円にアップさせようと、こういうふうなことを考えているようでございます。それから当然これは主婦の方などが恐々として見守っておるわけでありますけれども、いわゆる消費者米価が今後どうなるか。ことしの二月にすでに三・二%上がっているわけでありますけれども、今後もまた上がるのじゃないかということを非常に心配をしております。 最初に伺いたいのは、私鉄なりタクシーなり私バスというものについて、これは新聞報道でございますから真偽のほどはわかりませんが、一応この辺についての企画庁として押さえていらっしゃる事実、これをお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(藤井直樹君) 現在認可が必要な料金で申請が出されているものといたしましては、私バスとおっしゃいましたが、公営交通関係がございまして、これは六大都市のうち四市の申請が出されております。その中身でございますが、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市がバスで、地下鉄で名古屋市が出ておりまして、いずれも十月の上旬に出されております。たとえば名古屋でございますと、現行百十円というのを百四十円に上げたいということでございます。その他も大体同じでございます。地下鉄の場合は、名古屋が初乗り百円が百二十円、そういうことで出ております。 それからタクシーにつきましては、六大都市の中でただいま東京都のタクシーにつきまして相当の数の申請が出ておりまして、申請の時期は十月の二日から十七日まででございますが、申請率、増収率一六%から二五%程度までということで出ているわけでございます。 それから私鉄のお話でございますが、これはまだ私どもは承知しておりませんし、一部の新聞で報ぜられたということでございますが、全く具体的な申請は出ておりません。 以上が大体現在出ているものでございますが、そのほか法案の関係として今国会に御提案しているものとしては、郵便料金の値上げの問題と健康保険法改正、これに伴います薬剤費患者負担の問題、こういうものが消費者物価に影響するものとして五十五年度予算にも計上されておりますし、ただいま法案を提案しているということでございます。
○山田譲君 そうしますと、いま一応確かに押さえていらっしゃるのはタクシーと私バス、それから私鉄はまだはっきりしないというふうなお話でございましたけれども、このタクシーなり私バスの申請に対しては一体どういうふうに対処されるか、まだはっきりとは言えないかもしれませんけれども、一応基本的な方針を具体的にお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(藤井直樹君) 私どもとしては、この案件につきましては、担当省であります運輸省から協議を受けて私どもとしての考え方を申し上げるという立場にあるわけですが、いずれにいたしましても、その時期になっておりませんしいたしますので、具体的なことについて申し上げることはできませんが、すでに申し上げておりますように、公共料金の取り扱いの基本的な原則、すなわち経営の合理化の徹底ということを前提といたしましてその経理内容を厳正に審査して、その上での判断をしたいということでございますので、そういう一般的な基本的な考え方で申し上げる以外には現在の段階では申し上げようないのでございますが、従来も個別的に厳しく取り扱ってきておりますので、その考え方に従って今後ともやっていきたいと思っております。
○山田譲君 もう一つ、先ほどちょっと言いましたように、消費者米価の問題があるわけでございますけれども、これはいまお返事を要求するのは無理かもしれませんけれども、これについては企画庁としては大体どんなお考えを持っていらっしゃるか、それをお伺いしたいと思います。
○政府委員(藤井直樹君) 現在消費者米価の値上げということについてはまだ何も政府部内で進んでおりませんし、決まっているということはございません。
○山田譲君 消費者米価はそういうことだと思いますが、その中で特にここで私が問題にしたいのは自主流通米ですね。自主流通米というのがこの十月の中旬ころから各地で相当に値上がりをしているということ。これはいわゆる配給米と違ったことで私としては問題にせざるを得ないわけでございます。 それで、自主流通米の比率が、最近の傾向を見てみますと、だんだん配給米に比較して相対的に多くなっているということが明らかでございまして、たとえば五十年に二五%であった流通米のパーセンテージが、五十一年は二六、五十二年度は二七、五十三年が三四、五十四年が三六%、そして予約限度米外のやつを入れれば四〇%近いような数字の自主流通米がすでに日本国内のあっちこっちに流通されているというのが現状でございます。ですから、かなり多くの人がこの自主流通米に頼っているということは、これを見ても明らかでありますし、政府の生産計画からしても、だんだん自主流通米をふやしていこうというふうに数字的になっております。そうしますと、ことし二月に三・二%上がった消費者米価と同じように、自主流通米の米価というものはやはり相当大きく物価に影響を及ぼしてくるんじゃないかというふうに思います。 試みにちょっと調べてみましたら、東京におきましても、何か十一月いっぱいは自粛しようということのようでありますけれども、すでに十二月に入れば十キログラム当たり百円から二百円は値上げをしようということを考えているようであります。新潟につきましては、四千七百円のコシヒカリは四千八百八十円というふうな値上げをすでに十月十六日にしている。それからその他首都圏につきましては、特にコシヒカリは四千九百円が大体相場である。つまり四千七百円のものが二百円上がっているというふうなことで、すでに一部では五千円というふうな高い値段で売られているというところもあるようでございます。それから千葉におきましては、四千三百円の千葉のコシヒカリというものでございますが、これがすでに四千七百円、四百円も上がったという例が出てきております。そこで、そこの主婦たちが、一体政府は何しているんだというふうなことを言っているという報道もすでに私新聞で読んだわけであります。もちろん千葉県内でもいろんな差はあるようでありますけれども、極端なところは、いま言ったように四千三百円のものを四百円もすでにアップしているという話でございます。それから東京の西武デパートにつきましても、十一月からササニシキを二百円くらい上げる、そうして品種によっては二百五十円から三百五十円くらいを値上げしようというふうなことをすでに計画しているというふうに聞いております。 そうしますと、来春になって決まるであろういわゆる消費者米価と同様に、普通に流通されている、皆さんが食べていらっしゃるお米の半分近くを占めているようなこの自主流通米の米価というものもやはり相当問題になるんじゃないかと思いますけれども、これについて経済企画庁としてはどのように考えておられるかお伺いしたいと思います。
○政府委員(藤井直樹君) 御指摘のとおり自主流通米についての値上げの動きがございまして、その前提といいますか、小売段階に至る以前の問題として、九月から十月にかけて全国の集荷団体と全国の卸売販売団体との値決め交渉が行われまして、その過程で、ことしの冷害等による不作等の問題もあったと聞いておりますが、三ないし四%の値上げが卸売段階で決まったというふうに承知しております。 で、これが小売段階にどう影響するかということでございますが、一部出てきている。全体としてその波及するのはまだ今後時間を要するものと思いますが、一部の段階で出てきているということでございます。 で、これにつきましては食糧庁の方でも、こういう卸売段階での値上げというものが小売段階におきまして、従来とも米価の値上げ等について不当な値上げ、便乗値上げということがないような努力をしておりますが、今回もすでに各県の方に通達を出して、その末端の価格について十分監視をして不当な値上げがないような対策をとっていこうということにいたしておりますので、私の方としても、そういうような努力で末端段階での価格形成が適正に行われるようにしていく必要があろう、そういうことで食糧庁とも今後話し合いをしていきたいと思っております。
○山田譲君 申し上げるまでもなく、米価というのは国民生活に非常に大きな影響を及ぼすものでございます。 そこで、先ほどもちょっと触れましたように、何か新潟県あたりは、さっき言いましたけれども、四千七百円を四千八百八十円にしろと、してもよろしいということで、それ以上の場合はこれは悪質な便乗値上げとして取り締まるというふうなことを新潟県当局として打ち出しておるようでございます。ほかの都道府県についてはまだそういうお話は聞いておりませんけれども、政府としても、単に業者団体なり農民の団体の話し合いに任せるということではなくして、この問題についてはいわゆる配給米の米価と同様に積極的にひとつ指導を行って、そうして特に、大体においていまごろ米価が上がるというのは、これは新米になるから上がるというふうなことが多いわけでありますけれども、しかしまだまだ古い米だってたくさんあると思うんですが、そういう米まで一緒になって便乗して二百円も三百円も上げてしまうということになると、これはやっぱり問題だろうと思うんです。そういう点について企画庁、あるいは食糧庁も当然だと思いますけれども、ひとつもっと積極的にこの自主流通米の米価についても監視の目を光らしていただきたい。そうしてもしそういう悪質な便乗値上げのようなものがあれば、どういう方法があるかわかりませんが、ひとつどしどしと注意をしていただきたいということを特に要望しておきたいと思います。 それからその次に地価対策の問題でございます。地価対策についてもこの「物価対策の推進」の要綱六項目というものの一つに挙げてございまして、その五番目にあります。「地価についても、投機的な土地取引を防止するため、国土利用計画法の的確な運用、地価動向の厳重な監視、土地取得関連融資の自粛の徹底等の施策を推進する」と。 この表現もまた、先ほど言いましたとおり、五十四年のものとほとんど変わりがございませんけれども、ところが、こういうことでいろいろやってこられたと思うんですが、その結果を見ますと、東京といいますか、都市近郊を中心とする地域に異常な土地の値上がりが見られております。これは非常に恐るべきことじゃないかというふうに思います。特に東京近郊であってもたとえば埼玉県であるとか千葉県——千葉県あたりは埋立地というふうなところでもものすごい値上がりをしている。千葉あたりでも大体二六%であるとかあるいは二五%、こういう二十数%というふうな値上がりを都市近郊でやられている。いわゆるベッドタウンの夢がますます遠くなるというふうなかっこうになっております。これはもう列島改造ほどではもちろんないにしても、最近における異常な値上がりぶりと言わざるを得ません。政府は、先ほどおっしゃっておるように、一年前にこういうことで対策を立てて相当やったと思うんですが、それにもかかわらずこのように最近地価が異常に急騰をしている。十八都府県ではいずれも二けたになっている。全国平均では八・八%ということのようでございますけれども、とにかく二けたに及ぶような土地の値上がりというものについて一体政府はどう考えていらっしゃるか、どう対処しようとしておられるか、そこをはっきりお伺いしたいと思います。
○政府委員(藤井直樹君) この九月五日の対策でも掲げておりますように、地価の問題につきましては、まず第一に投機的な土地取引を防ぐということによって価格の上昇を抑えていこうと、そういう考え方がまず第一にとられているわけでございます。これにつきましては、すでに国土利用計画法等が準備されておりまして、届け出制も徹底的に行われておりますし、監視の体制も十分できております。一方、土地取得についての融資も自粛するということもかねてからやっておりますが、そういう形で抑えていこうということできております。 現在のところ、国土庁がこれを担当しておりまして、投機的な取引によって値段が上がっている、そういう状況ではない、むしろ全体として需要と供給のバランスにおきまして宅地が不足しているということが原因であろうということを言っているわけでございます。そういう意味でここには投機的な土地取引のことだけを書いておりますが、一方で当然のことながら供給増加ということを図っていく対策が必要でございまして、それについては建設省の方で各種の対策をとっておりまして、最近におきましては、都市計画法の線引きの見直しということについての建設省の通達も出てきたところでございますし、さらにまた今国会には農住組合法案を出して、市街地におきます農業の継続を図りながら住宅用地の増加を図っていこうという対策も現実に法案として出ているわけでございます。そういうようなことを含めて非常にむずかしい問題でございますだけに着実に手を打っていこうと、そういう姿勢で臨んでいるところでございます。
○山田譲君 時間で大変申しわけございませんが、最後に一言だけ。 いまの地価の問題で、何となく投機的でなくて需給のアンバランスからきているんだからやむを得ないというふうな言い方はおかしいと思うんですよね。そんなことは関係ないんで、実際に消費者にとっては土地を買って家を建てなきゃならない。特にヨーロッパあるいはアメリカに比べて土地代金というのは圧倒的に日本が高いということはこれはもう皆さん御承知のとおりだと思います。ですから、投機的でないんだからいいとか、あるいは農住組合法、これについてはわれわれとしてはまだ言いたいことはいっぱいあるわけでありますけれども、これについては私としてはどうも反対せざるを得ないわけでありますが、それはまた別なところでやるとして、土地の問題については非常に大事な問題であるし、それについては企画庁としても、ただ建設省に任しておく、国土庁に任せるという姿勢じゃなくて、もっと積極的にひとつ取り組んでいただきたいということを特に最後に要望しておきますし、その問題についての長官の御意見を一言でいいですからお伺いしたいと思います。それで私はやめます。
○国務大臣(河本敏夫君) 地価の急上昇が経済全体に非常に悪い影響を及ぼしておりまして、現在、ことしの住宅の建設計画百五十万戸でございますが、残念ながら二割近くも落ち込んでしまうんじゃないかと、こう考えております。 それで、理由はいろいろあるんですけれども、一番大きなその理由は、地価が急上昇して手に入りにくい、こういうことにございまして、この地価の問題が経済全体の足を大きく引っ張っておりまして、私どももやはりこれからわが国の一番大きな問題は土地の問題ではなかろうか、こういう感じがいたします。わが国の国民所得はある程度ふえてまいりましたけれども、土地が高い、そのために家の負担が非常に高い、そこで購買力が少なくなる、こういう問題とも関連しておりまして、この問題は非常に大きな問題だと考えておりますし、私はこれは一つの役所だけでは解決できない、政府全体の問題としてこれは総合的に考えていく必要があるだろう、こう思っております。
○山田譲君 質問を終わります。
○原田立君 きのう二十一日の午前中に、社会、公明、民社三党の政審会長は自民党の安倍政調会長に対し、五百億円の物価対策費の使途について緊急物価対策の実施を申し入れましたが、安倍政調会長は、同対策費の四党合意については現在も生きているし尊重したいと述べ、具体的要求項目についても直ちに執行できるよう関係省庁に検討させると、こういうふうな返事があったわけであります。この五百億円を順次物価対策に運用する、そういうことについて——物価官庁である経企庁にとって当面の最大課題は政府の公約である消費者物価六・四%を達成することであろうと思う。で、きのうの四党の合意が実現し、安倍政調会長より物価対策費使途へのゴーサインも出たのでありますが、経企庁は早速着手するのかどうか長官の見解をお伺いしたいところでありますが、先ほどの返事では何だか今月末まででいいんだから、そこまでにはきちっとしたものをつくりたいというふうな答弁がありましたけれども、なお補足してお伺いしたい。
○国務大臣(河本敏夫君) この春の予算修正で四党の間で合意を見ました五百億円の物価対策費につきまして最近基本的な点で合意ができたということは、いまの物価情勢から考えまして非常にありがたいことだと、私はこう思っております。 野党三党からの提案は拝見をいたしました。党の方でもこれをいろいろ検討いたしておりまして、近く返事をするようでございますが、政府の方でもこれを参考といたしまして月末まで——と申しましても、それよりも少しでも早く案をまとめるべく昨日来準備を始めたところでございます。できるだけ内容の充実した案をまとめたい、このように考えております。
○原田立君 申し入れによりますと、野菜、冷凍水産物の価格安定対策、生活必需物資の特別価格による提供事業の拡充あるいは需給・価格監視対策などを中心に五百億円の早急かつ効果的な執行を強く要請しているわけでありますが、これから年末年始にかけて異常な物価高騰は去年の例を見て必至ではないかと、こう心配をするわけでありますが、五百億円の活用は緊急を要するものと思うのであります。政府は三党申し入れによる具体的要求項目に対しどのように考えておるか。まあ検討中ということだから、言えないと言えば言えないんだろうとは思うけれども、あなたも政治家なんだから要求項目等を見てどんなふうに判断されるか、政府として具体的にどう活用なさるのか明らかにしていただきたい。
○国務大臣(河本敏夫君) 非常に具体的な提案になっておりまして、その点私どもも参考にさせていただきましてできるだけこれを具体化していきたいと考えております。一、二少しむずかしいかなと思われるような項目もございますが、ほかの項目で実現できるものは全部実現する方向で進めてまいりたいと、このように考えております。
○原田立君 農林省来ていますか。——来てないですね。 では長官に聞きますけれども、去年のいまごろないしもう少したってからのころは秋野菜あるいは春野菜が高騰しちゃって庶民が非常に困ったことは長官も御存じのとおりです。私も農林水産委員会に当時は所属しておりましたので、委員会をやるごとにこの問題について、もっと価格安定、低廉に抑えるような措置を講ずべきであるということを強く主張したのでありますけれども、検討中とはいいながら、この秋野菜、冬野菜についての対策等どう考えておりますか。
○政府委員(藤井直樹君) 夏秋野菜につきましては、今回の冷夏で大分被害を受けましたので、これに対しては出荷促進、並級品の野菜の供給促進というようなことで手を打ってきたわけでございます。 ただいま御指摘になりました秋冬野菜につきましては、まず作付面積をふやして量を拡大するということが基本でございますので、農林省がことしから始めました重要野菜需給調整事業におきましても出荷にゆとりを持たせて供給する、万一供給量が非常に多くて価格が大きく低落したときにはそれに対して手を打つというような形で事業を進めてきておりまして、現在のところ秋冬野菜の供給量は通常の作柄であれば十分確保できるという状況にあるというふうに伺っております。 それからもう一つの問題としては、そういう中でも異常気象が起こる可能性がありますので、その場合に十分な対応ができるようにということで、すでに九月におきまして三つの対策をとっております。一つは冬キャベツにつきましての予備苗を確保するということであります。もう一つは、キャベツとか大根、白菜というようなものにつきまして、沖繩県、鹿児島県におきまして契約栽培をしておく、そして問題が起きたときに輸送をするということでございますが、特にことしはその対象品種もふやしております、また数量もふやしております。それからもう一つは、タマネギ、バレイショというように保管のきくものについての野菜の問題でございまして、これについては量をふやして保管をしておきまして、一−三月に必要に応じて放出するということを考えておるわけでございまして、こういう三つの対策をすでにとっておりまして、万一のときにはその対策の発動をする、そういうことで供給の安定を図っていこうということにしておるわけでございます。
○原田立君 長官、例の五百億については六・四%達成のために使わしてもらうということは大変ありがたいことだといま仰せになったけれども、そういう意味合いでこの五百億が十分使われること、これには異議がないわけですね。
○国務大臣(河本敏夫君) それは四党の方で六・四%を実現するためにこれを使うんだと、こういうことを正式にお決めになったわけでございますから、それを受けて政府の方はその趣旨に沿っていろんな具体策を立てる、こういうことでございます。
○原田立君 ところで、政府の五十五年度経済見通しの卸売物価及び消費者物価の対前年比上昇率は、当初それぞれ卸売価格が九・三%、消費者物価は六・四%、これであったのが、経企庁の五十五年度経済見通し修正暫定試算におきましては、卸売物価九・三%を一四・五%に引き上げておる。五・二%も大幅に上方修正し、また消費者物価においては上半期平均八%台の高騰で、六・四%の公約がほとんど絶望的な状態にありますが、政府の物価動向の判断は非常に甘いのじゃないかと、こういうふうにいろいろ各分野の方々が意見を言われております。政府はそれをどう感じているのか。また見通し、判断の大きな狂いは一体どこにあったのか。これらについてはいかがですか。
○政府委員(藤井直樹君) 九月五日の暫定試算では、卸売物価につきまして御指摘のとおり修正をいたしておりますが、この大きな理由は、ことしの経済見通しで見込んでおりました原油価格のその後の上昇が予想を上回ったということでございまして、それが主たる原因でございます。しかし消費者物価については当初の見通しの六・四%程度ということを変更いたしておりません。 そこで、消費者物価でございますが、今後の問題としては二つに分けて考えていいのではないか。一つはいわゆる商品関係でございますが、最近におきまして卸売物価の消費財の上昇率が著しく鈍化をしてきております。これがタイムラグをもって消費者物価の商品に及んでくるわけでございますが、そういう卸売物価からの波及が非常に少なくなってきているということもございまして、九月の東京都の季節商品を除く総合の前年同月比も低下をしてきております。この傾向は今後なお続くのではないか。そして同時にまた対策も十分強化をしていくことによって落ちつきの方向が定着していく、そういうことを考えているわけでございます。 もう一つは、この八、九月に非常に高かった野菜を初めとする季節商品でございますが、これは異常気象の影響から脱して現実に卸売市場の価格は相当下がってきております。先ほど申し上げましたように、秋冬野菜についても作付面積の増加も図られておりますので、今後季節商品についても低下をしていくであろう。そういう意味から見ますと、むしろ季節商品については消費者物価を押し下げる要因になるというふうに考えておるわけでございまして、そういう両方の——両方のと申しますか、一般的な商品、それから季節商品等についての見通しといたしまして、私どもとしては現在の八%台の水準から漸次前年同月比上昇率は低下していく、そして年度中として六・四%程度の数字におさまるということで、そのための努力を今後とも重ねていこうとしているわけでございます。
○原田立君 消費者物価を六・四%にとどめてある、それは大変結構なことだと思うんですよ。またそうあらねばならないと思うんです。それから卸売物価でいまも指摘したように五・二%もふえて、これで消費者物価を本当に六・四%に抑える自信が経企庁長官おありですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 最近は卸売物価がどんどん下がってきておるということ、これは非常に大きな力だと思います。それから生鮮食料品の消費者物価全体に占める割合というものは比較的小さいんですけれども、何しろ値動きの幅が非常に大きいものですから、消費者物価そのものには大きな影響も与えておりましたが、これが安定の方向にいま進んでおるということ、それから先月五日に決めました六項目についても関係各省の間で強力に進めていただいておるということ、そういうことから年度の目標は十分達成できるであろう、また達成できるような方向に努力するということがこれからの政府の責任である、このようなつもりで臨んでいきたいと思います。
○原田立君 それで、先ほども指摘があったのでありますけれども、あなたの所信表明の中の九ページのところ、物価について「消費者物価の上昇率が政府見通し程度におさまるよう」にと。その「程度」のことについては先ほど同僚委員から指摘がありましたけれども、この「程度」ということは、六・四よりも下回ることはないだろうけれども多少上がることもあり得るのだということをあなたはもう自認しながらこの原稿を書かれたんじゃないですか。
○政府委員(藤井直樹君) 見通しの数字としては
○原田立君 いやいや、長官に聞いているのですよ。
○国務大臣(河本敏夫君) 事務的なことでございますから説明させようと思ったのですが、私から説明をいたします。 政府見通しを設定いたします場合に、六・四%程度、こういう目標を設定をいたしております。六・四%程度、これは政府目標でございまして、六・四%程度ということでございますから、非常に細かい数字は多少は前後するかもわかりませんが、おおむね六・四%程度におさまる、こういうことを目標にしておるわけでございます。
○原田立君 長官は十月十三日の参議院予算委員会で今年度の消費者物価を目標の六・四%以下に抑制すると発言し、その具体的計画を発表なさっておられるけれども、その内容はどういうことですか。—— そんなことならもう私の方から言いましょう。十月末から十一月にかけては七%台、十一月から十二月にかけては六%台、来年一月以降はさらに大幅に消費者物価を下げることで、下期は平均四・六%に抑制して何とか六・四%を達成したいという答弁をあなたはなさっておられるわけです。この七%台、六%台、さらに大幅にという数字は単なる希望的観測からの数値合わせに等しいのじゃないか、こんなふうに思うんです。強力な物価対策を示すとともにその目標数値の具体的根拠をお伺いしたい。
○国務大臣(河本敏夫君) これは先ほど来たびたびお答えをしておりますように、最近の卸売物価が急激に下がっておるということ、それから季節商品がこれまた非常に安定をいたしましてここ二、三カ月前に比べますと急速に下がっておるということ、そういうことを背景としていまお示しのようなそういう目標を持っていま物価政策を進めておる、こういうことでございます。
○原田立君 五十五年の四月が八・四%、五月が八・二%、六月が八・四%、七月が七・七%、八月が八・五%、九月が八・九%、こういうふうに消費者物価指数が八%台に座っていることは総理府の調査によって公表されているわけでありますけれども、こういうように八%台を維持しているのに、いま長官が言われたように、十月末から十一月にかけては七%台、あるいは十一月から十二月にかけては六%台、来年一月以降にかけてはさらに大幅に引き下げる、こういうふうなことが本当にできるんですか、自信があるんですか。
○国務大臣(河本敏夫君) いまは経済の激動期でございまして、昭和四十八年の末に第一次オイルショックが起こり、昭和五十三年の秋からイランの動乱を契機といたしまして第二次オイルショックが起こり、なお続いておる。こういう激動期におきましては私は物価も相当大幅に動くと思うのです。 第一次オイルショックのときには二十数%という非常に高い水準になりましたが、間もなくそれが一けた、それも非常に低い水準におさまったということ、御案内のとおりでございます。経済というものは生き物でございますから、予想外に大きく動くこともあり得る、こういう理解のもとに判断をしていただきたいと思うのです。先ほどもちょっと申し上げましたけれども、たとえば国際収支なども、ことしの前半は大変な赤字が続いて、これでは年度を通じて大変だと思っておりましたが最近は黒字に転換をしておる、こういうこと等もございます。それから年の初めには二百五、六十円でございました円レートもいまでは二百十円と予想外の高い水準におさまっておる、こういうこともございます。先ほど来繰り返して恐縮でございますが、春の卸売物価は毎月二、三%上がっておった、その高い水準がいまはずうっとマイナスになっておる、野菜、生鮮食料品が非常に下がっておる。こういうことを判断をし、同時に石油製品なども、これは今後突発事情が起こればまた別でありますけれどもいまの段階ではそんなに心配した状態ではない、こういうことを考えますと、私は物価のことしの目標というものは努力いかんでは必ず実現できる、こういう確信を持っております。
○原田立君 長官の力強い御答弁がありましたからそれを信用しておきますけれども、これは来年になってみれば結論がわかるわけですからそのときにはまた御質問申し上げたいと思います。 他にまだ数問用意しておりまして前もって連絡申し上げておきましたけれども、時間の都合上これで終わりにします。
○渡部通子君 非常に限られた時間でありますので、簡潔にお伺いをしてまた簡潔に御答弁をいただきたいと思っております。 最近水モチ米が自由米市場で大変暴騰してきているという現実問題で私は御質問をいたしたいと思います。 言うまでもなくモチ米は自主流通米ということでございますが、価格はどのように決められておりますか、まず伺います。
○政府委員(小野重和君) モチ米につきましては自主流通をたてまえとしております。その経路は、農協などの集荷業者が集荷しましてそれを、指定法人と私ども申しておりますが、全農等を通じまして実需者、これは米の卸売業者やあるいはあられ業者、そういうところに売る、こういうようなルートでございます。 それで、値段でございますが、指定法人と実需者の取り決めで決める、こういう形でおります。
○渡部通子君 ことしは大体お幾らぐらいですか。
○政府委員(小野重和君) 五十五年産米につきましてはまだ値決めをしておりません。モチ米につきましては大体十一月に決めるというのが例年でございまして、まだ決まっておりません。
○渡部通子君 去年はお幾らでしたか。
○政府委員(小野重和君) 一万九千九百四十円、これは六十キロ当たりでございます。
○渡部通子君 ありがとうございました。 確かにいま御説明がありましたように、指定法人価格によって決まっている範囲で流通しているならば問題はないわけでございますけれども、私がいまここであえて問題にしたいのは、いわゆる水モチ未検の相場推移、いわゆるやみ米、この問題でございます。 私は民間の調査機関のデータをいまここに資料として持っておりますけれども、昨年同月は、福島産二等格東京着値が六十キログラム当たり一万八千五百円でございました。それが本年の同月、十月には二万六千五百円、さらに場所によっては二万八千円と、こういう相場がデータとして出ております。大変な急騰でございまして、一万円の値上がり、こういうわけでございますが、このようないまだかつてない高騰の原因はどこにあるとお考えでございますか。
○政府委員(小野重和君) ことしのモチ米の全体の需給でございますけれども、去年、おととしと比べまして——五十四年産、五十三年産でございますが、これはむしろ生産過剰であったわけでございます。そこで全農等が指導しまして作付面積を減らしております。これが一つでございます。 それから御案内のようにことしは大冷害でございまして、作柄も非常に悪いということで、まだどのぐらいの収穫量になるのか、モチ米はおくてでございますので、まだ収穫量を把握するに至っておりませんけれども、いずれにしましても去年に比べれば相当の減産になることは間違いないところであります。 そこで全体の需要との関係でございますけれども、五十五年産米について見ますると、需要よりは、どのぐらいになるか数字はわかりませんけれども、数万トン不足するということは明らかでございます。ところが一方全農は、指定法人でございますが、ストックを持っております、合わせて九万四千トンぐらいでございます。それから政府自体も九千トン近く、これは外国のモチ米でございますが、持っております。そういうストックがありますので、全体需給としては余り心配ないのではないか、私どもこう思っております。いまお尋ねのいわゆる自由米相場でございますが、全体の生産量が落ちておりますので、やみ米が、いわゆる自由米の量が非常に減っておるわけでございます。そういうことが反映しまして自由米の相場が非常に上がっている。しかし全体の需給としてはいまの段階では私どもさほど心配していない、こういう状況でございます。
○渡部通子君 いま自由米が非常に上がっておるという御認識でございますが、どの程度につかんでおいでですか。
○政府委員(小野重和君) 自由米、いわゆるやみ米でございますので、なかなかわかりにくいのでございますが、これも日経新聞に出ておりますが、十月現在で二万六千五百円という数字は承知しております。
○渡部通子君 その数字を御承知なら、そう心配はない、そういう御判断は出てこないんではなかろうか。 ただいま原因はとお尋ね申し上げましたが、全農の方で作付の割り当てをした、それで減産をなすったと。確かに去年、おととしとモチ米が豊富であったことは事実でございますが、全農が作付減反をしたから、こうおっしゃいますけれども、それはそちらで指導なさっていらっしゃるわけでしょう。
○政府委員(小野重和君) これは農協自身の自主的な生産指導といいますか、生産計画ということでございまして、政府が直接指導したわけではございません。いずれにしましても、五十四年産米は相当に過剰になりました。この過剰の原因は、去年の豊作もございますけれども、やはり作付面積が多過ぎたということでございます。したがいまして、需給バランスをさせるために作付面積を去年よりは、五十四年産米よりは減らすということはそれ自体別に間違いではなかったと、かように存じております。
○渡部通子君 私は、現にモチ米が逼迫してきて困っているわけですから、それは全農が減反をしたのかもしれないけれども、食糧庁がちゃんと御指導はなさっているはずですし、そういった点で責任をきちっと感じていただきたいと、こう申し上げたいわけです。 県によって差はありますけれども、ことしは二割から三割の減産、その上に冷害が加わったわけでございますからね。いままで四十万トンといえば最低の作柄だったと思うんですけれども、ことしの生産量は三十五万トンを割るんではないかという、こういう心配さえ現実に専門家筋からは出てきているわけでございますね。昨年以前の実積で考えてみますと、五十一年のときが流通量が過去最低になったときでございましたけれども、そのときには政府はどういう御指導をなさったわけですか。
○政府委員(小野重和君) 五十一年産も冷害でございまして、作況が非常に悪かった年でございますが、このときは当時指定法人が在庫を持っておりましたので、それを充当するということと、それから政府自体が外国のモチ米を持っておりましたので、それを放出するということで需要に合わせて供給したと、こういうのが五十一年産のときの例でございます。
○渡部通子君 いま三十五万トンを割る可能性すらあるということを申し上げたんですが、全農では本年産のモチ米の申し込みは二十二万トンと、こう聞いておりますけれども、いまの予想では多く集荷しても十三万トンではなかろうか、悪ければ十万トンではなかろうか、こういう話すら出ております。したがって、絶対に必要数量を確保できると見ていらっしゃるのかどうか、その辺はいかがですか。
○政府委員(小野重和君) 私は先ほど、現在のところそう心配ないのではないか、こう申し上げたわけでありますが、収穫量が実際にどうなるかということを把握しませんと、最終的な需給見通しというものはできないわけでございますが、私どもは現在のところ、去年が五十五万トンの生産量でございますが、ことしは十万トンぐらいは減産になるのかなと、こういうような見通しを持っております。 その中で、正規ルートといいますか、自主流通米ルートの問題でございますが、予約の申し込みをしているのが二十二万八千トンいまございます。それから実需者の希望が二十二万五千トンでございます。したがいまして、二十二万八千トンの予約申し込みが一〇〇%達成できれば、これは全く問題ないわけでございますけれども、いま御指摘になりましたようにどこまで集荷できるかというのが一つの大きなポイントでございます。 そこで、私ども指定法人と協力いたしまして全量集荷ということにいま全力を挙げているところでございます。その結果どういう数量の集荷が最終的にできるかということはこれからの問題でございますが、当面私どもはそういういわゆる自主流通ルートに全量集荷するということに全力を挙げていると、こういう段階でございます。
○渡部通子君 全量集荷に全力を挙げるということでございますけれど、それは不可能に近いことではないでしょうか。いま全農の買い値が約二万円でございますね。ところが、自由米農家の庭先価格は二万七千円です、十一月で。そうしますと一俵七千円の差というものは非常に大きいんではないか。ましてことしは冷害冷害と言われて現金収入が農家は大変少ない中でございますから、全量集荷とおっしゃいますけれども、安い自主流通米よりは七千円が加わるとなれば高い自由米の方に行ってしまうというのは当然の流れではないだろうか。そういう中でいま全量集荷に全力を挙げる、挙げると言ってらっしゃっても、もうすでに米は動いてしまっているんではないか。これに対して全量集荷などということに具体的な確信がおありなんですか。
○政府委員(小野重和君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、モチ米というのは大変おくてでございまして、西の方、九州あたりはこれからが収穫時期であります。またことし冷害で全体がおくれておりますので、まさにいまが全量集荷の努力を集中すべき時期であると、こういうことでございます。 で、先ほど価格差のことを御指摘になりましたが、二万円というのは仮渡し価格でございまして、実際にどういうふうになるかは、先ほども申し上げましたように、十一月に自主流通価格の値決めがございますので、その結果生産者手取りが決まるということでございまして、まあ二万円よりは若干上がるだろうと、こう思います。 それからやみ業者が農家の庭先に回りましていろいろ買い集めているということでございますが、先ほど二万六千五百円というのもこれは相当思惑が入った数字ではなかろうかというふうに思っております。 そういうことでございまして、ともかく私どもは正規ルートにできる限り乗せるということを当面の最大の目標にする。それから生産量をまず把握する。これは来月になりますとわかりますので把握する。その上でどういう対策を立てるかということでありますが、現在の段階では需給としてはさほど不安ないのではないかというふうに考えておると、こういうことでございます。
○渡部通子君 私は大変認識が甘いんではないかと思うんですよ。と申しますのは、二万六千五百円は思惑が入っているんではないかと、こういうお話なんですね。 私は福島産ということで申し上げましたけれども、山形産というのを見ますと、やっぱり未検の物ですが、昨年は一万五千五百円、ことしは二万五千五百円、ちょうど一万円の値上がりになっているんです。十一月には三万円だぞと、こういう声も聞かれます。 ちなみに米屋さんにいろいろ聞いてみました。そうしたら、東京都内の文京区のあるお米屋さんですけれども、いま二万八千円から三万円の相場だと言うんですね。これは異常に高くなっている。これは一軒のお米屋さんです。それから都下の多摩ニュータウンでございますが、そこのお米屋さんに尋ねてみましたら、一俵六十キログラム当たりいま三万円前後の相場になっているというお話でございます。で、品不足ぎみになっているというのが一番の原因だとは思いますけれども、新米の出回りが頼りなんだと、こういう話でございました。それから大阪市内のお米屋さんに話を聞いてみました。これも徳島の未検米でございます。なかなか購入できないんだと言うんですね。やっぱり二万六千円以上でないと買えない。これは流通段階ではすでに姿が消えているところもあるんだ、どこかにストックが始まっているんではないか。これは現場の声なんです。 私もこの二万六千五百円という数字を見ましたときに、現場とかけ離れてはいけないというんで、いま一例だけを東京と大阪に限って申し上げましたけれども、あちらこちらの末端現場というものを聞いてみました。そうしたら私が予想した以上に現場の状況は厳しいなというのが実感でございまして、実はそういう危機感と自信をもって本日の質問に臨んだようなわけでございます。ですから、次長のお答えを聞いておりますと、少し甘いんではなかろうか、十一月になってからその価格の相場を見てその対策をでは遅いのではないか、こう厳しく申し上げざるを得ないんです。いかがでございますか。
○政府委員(小野重和君) モチ米の主なルート、これは当然自主流通ルートでございますが、その自主流通ルートでモチ米を従来から手当てしているお米屋さん、あるいはあられ屋さん、あるいはおモチをつくっているおモチ屋さんなどは、そういう業界からはモチ米が足りないというような声は全くないわけでございます。いままで自由米を扱っていたそういう業者が先ほど申し上げたような事情で非常に困っていると、こういうことでございまして、総量的に見ますと、繰り返すようですけれども、全く心配ないと私申しておりませんが、いまの段階ではさほど心配する必要はないんじゃないかと、こう思っておるわけでございます。しかしこれは生産量がどうなるか、 〔委員長退席、理事対馬孝且君着席〕 自主流通の集荷がどうなるか、その辺を見きわめ、また特に小売価格の動向をよく見まして、特に年末の問題とかございますので、いやしくもそういう不測の事態が起こらぬように最大の努力をしたいと、こう思っておるわけであります。
○渡部通子君 上がってしまってからの対策では遅いので私はくどく申し上げているわけでございますけれども、そういった点では若干認識の厳しさ、甘さが違うわけでございます。 で、モチ米が上がるということは、そちらは専門家だからよく御存じでしょうけれども、やみ米が上がってくると自主流通の方も上がる、モチ米が上がると必ずウルチの方も上がる。これは常識でございますので、このモチ米のやみ米が急騰し始めたということに先回りして手を打つということが政府の物価対策でなければならないのではないか。転ばぬ先のつえ、もう転んじゃっているところもあるわけですから、それで手を打っていただきたいと思うわけです。ですから、これは食糧庁と経企庁の両方に伺いますけれども、これから年末へ向かいましてモチ米が高くなるということは正月用のおモチの値上がりが懸念されるわけでございまして、いま申し上げましたように早目に気がついて何らかの対策に乗り出すべきではないか、こう思います。食糧庁と経企庁長官の両方から御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(小野重和君) モチ米の末端小売価格でございますが、現在これが一キロ全国平均で五百三円でございます。去年の十月でございますが、五百十五円でございまして、去年よりはまだ低い段階でございます。 〔理事対馬孝且君退席、委員長着席〕 したがいまして、いま現在では別に問題ないわけでございますが、これからの問題ということでございますが、やみの世界ではそういう値上がりということがございますが、正規ルートにつきましては、十分ストックもございますので、いやしくも消費者に御迷惑をかけるというようなことはないと、私どもはこう思っておりますが、その点はさらに私ども事態をよく見つめまして、まあ転作を進めているときに非常に問題はございますけれども、本当に足りなくなればこれは輸入ということも考えざるを得ないというわけでございますが、いまの段階でそういうことを口にすべきではないかと思いますけれども、そういうことも含めまして十分によく事態を見つめながら対策を講じていきたいと、こう思っております。
○国務大臣(河本敏夫君) 大変ありがたい御注意をいただきましたが、いま食糧庁の方もどうしても足らなきゃ輸入してでもそう上げないようにすると、こういうお話でございますから、よく相談をいたしまして悪い影響の出ないようにしたいと思います。
○渡部通子君 このモチ米の急騰が引き金となりまして自主流通米の新米が上がってきている。これは先ほど同僚議員からも御質問のあったところでございまして、これは現実に新米が上がっております。いまキログラム当たり二十円ぐらい平均して上がっています。私は民間調査機関の資料を持ってきておりますけれども、新潟のコシヒカリで五十四年産のときには、これは六十キロ単位でございますから、一万九千九百九十五円であったものが東京着値で五十五年、本年は二万八百五十円、約九百円上がっているわけでございますね。コシヒカリの富山、石川、福井あたりを調べてみますと、一万九千四百五円から二万七十三円、これも八百円近く上がっている。それからササニシキで岩手、宮城、秋田、山形、この辺を調べてみますと、一万九千六百九十五円が二万三百四十五円で、これもやはり七百円上がっている。ずっと見てみますと大体千円前後すでに新米が上がってきているという傾向が出ています。これは先ほど同僚委員からお話のあったところでございまして、私はこのウルチ米までが連動して上がってきているなという現実を認めないわけにはいきません。この値上げの根拠が一体どこにあるのか、これに対して手が打てないのか、これもあわせて伺いたいと思います。
○政府委員(小野重和君) ウルチ米のうちの特に上米といいますか、自主流通米を原料としたお米が値上がりしているということはこれは事実でございます。しかしこの問題はモチ米とは全く関係のないことでございます。 自主流通の価格でございますが、これは生産者米価が上がりますとそれに関連して値上がりするという要因が一つございます。それからいろんな諸経費、流通経費がございますが、そういうものも上がっている。また需給事情、特に五十五年産はこういう事情でございますので、そういう点も勘案されて値決めされる。 こういうことでございまして、自主流通の取り決め価格でございますが、これが米によって違いますけれども、六十キロ当たり六百円ないし九百円、このぐらいの値上げをされた取り決め価格になっております。したがいまして、その価格が小売価格に反映するということはこれはやむを得ないことではないかと、こう思っております。ただ、そういうことに便乗して不当な値上げをするということはこれは厳に厳しく指導しなければいけないわけでございまして、現に都道府県知事にもそういう指導方を依頼しておりますし、また私どもの食糧事務所の組織を通じてそういう調査なり監視をやっております。いやしくもそういう不当な値上がりがないように十分に心していきたいと、こう思っております。
○渡部通子君 御答弁はよくわかりましたけれども、生産者米価が上がったり、流通経費がかかったり、需給の事情が変わったり、それは一々全部ごもっともな理由だと思いますけれども、モチ米の値上がりとは全く関係ないという御答弁はちょっと違うんじゃないかと思う。モチ米が上がればウルチが上がるというふうに話として私たちしょっちゅう聞いているくらいでございますから、モチ米が上がったということはこのウルチに連動するという感覚でごらんになった方が正しいんだろうと、私はこう思うわけでございます。 いま御答弁の中にちょっと出ましたけれども、モチ米が非常に上がった、急騰したということになれば、相場を冷やすための対策としては緊急輸入ということが考えられるんだろうと思うんです。そのほかに何か取り締まる方法があるのかどうか。それからいざというときには緊急輸入をしますよということをきちっとアドバルーンを上げていただいた方が相場を冷やすには非常に役に立つのではないかと、こう思うわけでございますけれども、この点について重ねて伺います。
○政府委員(小野重和君) 全体の需給がどう見ても不足であるということであれば、これは輸入せざるを得ないわけでございますが、その辺の見きわめをすることがまず第一だと、こう思っておるわけであります。 それからそれ以外に何か手はないか、こういうことでございますが、私再三申し上げておりますように、モチ米の主なルートというのは自主流通でございまして、これの値決めはまだこれから十一月でございますが、そんな不当な取り決めになるということはあり得ない、またそうでないように指導したいと思っております。したがいまして、そういう取り決め価格が適正に決められれば、それが小売価格、消費者価格に当然反映されるわけでありまして、消費者価格が不当に上がるということは私ないと思っておるわけでございます。やみもございますけれども、これは一部でございまして、その大勢は自主流通米で占めておりますので私どもそう考えておるわけでございます。 それからモチ米を輸入するかどうかという問題はもう少しいまの——もう少しといいますか、できれば国内産で供給できれば一番いいわけでございますから、その辺の状況、特に生産量あるいは集荷量、その辺をつかんでその上で腹を決めたい、こう考えておるわけでございます。
○渡部通子君 このようなモチ米の異常高値が出てくるなどということは、いまでもやみ米が横行してしまうということは、食管法が空洞化をしているのではないか、こういう批判を受けるわけでございますね。今後も政府は食管法を自由化の方向に検討するのかどうか。そういう現状を安易に放置しておくならば、今後ますますやみ米の横行あるいは自主流通米のシェアの拡大、こういう現象はふえていくばかりだと思うわけです。私はしたがって食管法の取り扱いは慎重を期していくべきだと思いますけれども、この食管法の扱いの見通しについての御見解を伺っておきたいと思います。
○政府委員(小野重和君) 食管法は、これは御案内のように昭和十七年、戦争中にできた法律でございまして、足りないものを公平に分ける、こういう精神でできたものでございますが、現在ではむしろ過剰時代、こういうことでございます。したがいまして、実態と制度が食い違っているという問題がございます。配給通帳の問題でございますとか、やみの問題もそうでございます。そこで、そういうことを放置するわけにはまいりませんので、私どもはこの食管制度なり運営についての見直しの検討をいたしております。その場合、現在の食管制度の根幹と私ども言っておりますが、国がこれを管理するということ——自主流通米といえどもこれは国が管理しておるわけでございまして、いわゆる自由米を購入するとか、そういう自由化ということは基本的には考えておりません。ただ、いまのそういう食管制度の根幹を維持する中で余りにも制度と実態が食い違っている点、そういう点は是正しなければいけない。いずれにしても、需給が均衡しているとき、あるいは不足しているとき、あるいは余っているとき、どういう事態にでも対応できるような、そういう制度にぜひしたいということで現在検討を進めている段階でございます。
○渡部通子君 いま年末を迎えてモチ米のことを伺ったわけでございますけれども、これからかずのこだとか、特に魚の流通などということが非常に問題になってくると思います。それで最後にちょっと長官に伺っておきたいんですけれども、年末へ向けての物資の問題で、先ほどから野菜のことはかなり話題に上っているんですが、魚でございますね、特に魚の流通ということが大変根の深い問題でございます。きょうはこれで議論をする時間はないんですけれども、ことしはサケがよけいとれているといいながらまた高値になりそうだ、そういう話も流れているわけでございます。去年のかずのこの例がございますので、消費者ももうばかではありませんから、高けりゃ買わなきゃいいという、そういう知恵は持ってはおりますけれども、この魚の流通に対して、特に年末季節商品に対する経企庁としての取り組みを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 食料品の年末対策は例年やっておりますけれども、ことしも野菜のほかに魚、肉類、すべてを含めまして十分対策を進めていこう、こう思っております。
○渡部通子君 もう一つ伺いことがあったんですけれども、これで終わります。
○小笠原貞子君 先ほどから伺っておりますと、経企庁長官はもう繰り返し繰り返しいろいろな御判断の根拠をおっしゃいました。六・四%で抑えられるんだという非常に確信めいた御発言がございました。しかし秋もいよいよ深まりまして、いま国民全体は相変わらずこの物価の問題を非常に深刻に考えているわけでございます。六・四%で抑えるといろいろおっしゃいましても、なかなかすとんと落ちるというようなものではないということは御認識いただきたいと思うわけでございます。 まず第一に、経企庁の月例経済報告というものを拝見させていただきますと、いろいろ問題点が数字の中であらわれております。第一の問題は実質賃金、これも先ほど出されましたけれども、七月を除いて二月から八月まで連続続いてマイナスである。これが一点です。第二の問題は勤労者世帯の消費支出。これも低下が続いております。ことしの三月から連続マイナス。消費者の支出、勤労者世帯の消費支出、これがマイナスとなっております。それから第三番目に言わざるを得ませんけれども、税負担、これも五十二年以降所得税減税というものが実施されておりませんので、実質の負担率が高くなっております。これを調べてみますと、七五年と比較いたしまして、非消費支出と申しますか、これが八〇年度上半期で、消費者物価指数などを考慮いたしましても、実質は約五〇%も上がっている、伸びているということになるわけです。消費支出は実質伸び率がゼロないしマイナスである。 すなわち物価は上がる、収入はマイナス、税負担は重くなる。税金、社会保障の負担割合が急速にいま申し上げましたように多くなっているというような点から考えますと、国民はやりきれないという気持ちで、六・四%大丈夫ですよと何度国会でおっしゃいましても、これは国民は納得できない。しかも、後でいろいろ申し上げますけれども、一生懸命にまじめに働きながら生活していらっしゃる非常に苦しい世帯では、いま物価は深刻な問題というふうに言わざるを得ないと思うのでございますが、まず最初に長官に、そういう国民、働きながらこの冬を迎えてますます不安の増大しているその人たちを思い出しながら、いまどういうふうにお考えになっていらっしゃるかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 数字はいまお述べになったとおりだと思います。さらに国民生活が複雑になり、高度化しておりますだけ、生活そのものは大変やりにくくなっておる、こういう感じがいたします。それだけ私どもも六・四%という消費者物価はどうしても実現をしたい、これを実現しないと申しわけないと、こういうつもりでいま努力をしておるところでございます。
○小笠原貞子君 端的にお伺いいたします。 六・四%に抑えたいとおっしゃいましたが、八月末現在消費者物価指数は幾らになっておりますか。
○政府委員(藤井直樹君) 指数で申しますと、五十年を一〇〇として一三七・九でございます。
○小笠原貞子君 八月末の消費者物価指数でいきますと、六・四%に抑えるというふうにおっしゃいますけれども、それでいきますと何%になっているかという質問なんです。
○政府委員(藤井直樹君) 八月の時点で、いま申し上げた一三七・九ということですが、これは昨年の同期に対しては八・七%の上昇でございますし、昨年度の平均に対しては六・六%の上昇であります。
○小笠原貞子君 六・六%で抑えようとなさる。六・四%をすでに超えているわけでございます。 それから全国平均はまだ出ておりませんが、東京都の指数が出ておりますね、これでいきますと何%になりますか。
○政府委員(藤井直樹君) 九月の東京の指数は一四〇・八でございまして、昨年に比べて八・九%上昇であります。
○小笠原貞子君 いま八・九%とおっしゃいましたけれども、これは非常に大変な数でございます。六・四%で抑えたい、だけれども東京を見ますと八・九%。そういうふうになりますと、このままで物価というものが上がらなくても八・九というところからはあんまり下がらない。しかし先ほどからおっしゃったように、順次下半期で下げる、そして六・四%にいきますよと。その数字は合わせられると思うのでございますけれども、実際にその数字を合わせるために物価というものは具体的に下げなければならないということを言わざるを得ないわけです。 そこで、その点で一つ申し上げたいのは、すでに四月段階で消費者物価の上昇率は三・六%というところから出発しておりますね。いわゆるげたを履かせた数字から出てきているわけでございますよ。そうすると八・九%なんというのは大変な数字でございます。具体的に長官にお伺いしたいんですけれども、先ほどからいろいろ御質問がありましたが、何を対象にどのように下げるかというようなお話が具体的に出てまいりません。経済というのは非常に動きのあるものでございましてというようなお答えでございましたが、具体的に何をどういうふうに下げる、そうすればこういうふうに下半期で抑えられるというふうな、その具体的に物価を下げられるという項目と方法をお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 基本的には先月決めました物価対策の六項目、これを強力かつきめ細かく進めていくことだと思います。 それから先ほど来繰り返し申し上げておりますように、卸売物価が非常に下がってまいりましたので、それが下半期には物価にはいい影響が出てくるであろうと、こう思っております。 それから生鮮食料品が、異常気象がおさまりまして、これも下がる方向にずっと進んでおります。これがやはり相当大きく消費者物価にいい影響が出てくるであろうと、こう思っております。 公共料金はもちろん厳しく取り扱っていくつもりでございますが、そういうことを進めながら先ほども申し上げておりますような六・四%を実現したい、こういう考え方でございます。
○小笠原貞子君 また同じようなお答えになりましたけれども、その物価の中でいつも目のかたきにされるのが野菜でございまして、この野菜が高くなったからということをいつも言い、また今度もおっしゃいますけれども、最近の物価動向、経企庁物価局でお出しになりました資料を見せていただきますと、最近の消費者物価上昇率の推移の中で、総合を一〇〇〇〇といたしますと野菜は二八〇という数字でございますよね。私、野菜かわいそうだと思いますよ。みんな何かといえば野菜だ野菜だとおっしゃいますけれども、そういう点で私は、希望的観測のもとにこうしなければならない、責任を感じています。そして一生懸命やりますということだけでは、具体的にああそうですかというわけにはいかないわけなんですね。その点は再度私も申し上げなければならないと思います。ほんとに六・四%に抑えられるという確信をいまでもお持ちでいらっしゃいますか、重ねてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 確信を持って六・四%を実現するためにいま努力をしております。
○小笠原貞子君 さすが経企庁長官河本さんらしい非常に政治的な含蓄のあるお答えでございます。これを言っていればもう時間がなくなりますので、次に進ませていただきたいと思います。 努力することはしていただかなければならないわけですけれども、先ほどの御質問にもございましたけれども、年度内に値上げが予想される公共料金、政府及び自治体が値上げを予想されるものということについてお答えをいただきました。これは重複するから申し上げませんけれども、御申請の出ているだけで、先ほどもおっしゃったように、公営交通、バス、地下鉄、そしてタクシー、それから国会には現に郵便、国鉄というものがかかっておりますね。上がるものの方はすでに申請が出ている。そして値上げになるという法案もお急ぎになっていらっしゃる。上げる方は非常に具体的なんですね。下げる方は非常に精神的な御努力でございまして、上げる方は非常に具体的にはっきりしているわけでございます。 で、この公共料金というものが非常に他の物価を引き上げる、押し上げる。これは私どもだけではなくて、皆さんも公共料金というものの波及的な役割りというものはお認めになっていらっしゃると思います。公共料金も厳正に調査して抑えたいと先ほどおっしゃっていますけれども、それはいつも上がる前までのお言葉でございまして、そして上がってしまうと、しようがない、一生懸命やったんだけどもというようなことで済まされてしまうわけです。だから私たちは公共料金を凍結すべきであると、こういう中で。具体的に上がってしまえば、必ず六・四%で抑えるという精神的な御努力では間に合わないと、そう思うわけでございます。 それから大企業の製品の値上がりによる史上空前の利益の中で独占的な価格の値上げ、これを規制するようにと主張してまいりましたけれども、いまこれが具体的に物価を抑える一つの大きな問題になってきたんだと思うわけです。 そこで、具体的に申し上げたいと思いますけれども、電話料金でございます。電電公社を調べてみますと、五十二年には四千三百九十億の利益、経常利益を上げております。五十三年は三千九百八億です。五十四年度は四千五百二十五億。合計いたしますと、五十二、三、四で一兆二千八百二十三億という大きな利益を上げているわけです。これは認めざるを得なくなって、電話の夜間割引というものも実施なさいましたけれども、これはわずかに一千五百億にしか当たらないわけでございます。これだけでは私はこんなに利益を上げるという中では不十分だと思うわけです。たとえば夜間は当然割引してもらわなきゃならないけれども、遠距離料金というようなもの、いろいろな要望にこたえたそういう公共料金、電話料金、特にもうけを出しておりますから、これについて具体的にお考えをいただき、関係省ともお話し合いをいただきたいと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(藤井直樹君) 電話料金につきましては、いまおっしゃったとおりでございますが、十一月二十七日から夜間遠距離通話料金の割引率について割引率を拡大するということと、それから割引時間帯を広げるということでやっているわけでございまして、これは公社の経営の現状等から見て当面とり得る限度ではないかということでございますが、いずれにいたしましても、この実施は十一月二十七日からでございますので、この実施の状況を見守っていかなければならないと思っておるわけでございます。これによりましての収入減もいまおっしゃったとおりの額になるわけでございますが、私どもとしては、要するにコストに基づいて、適正な原価に基づいて算定された公共料金について実際にかなりな利益が出るという場合には、それを妥当な方法で是正をしていくということも一つの当然の方向ではないかと思いますが、これは去る三月の総合物価対策の中におきまして公共料金の一部についてその引き下げを図るということを特に取り上げてやったわけでございまして、その対策の具体的な実行、そういうことの第一段ではないかと思っております。 それで、もう一つの話としては、その際問題になりましたけれども、国際電信電話料金についての値下げ問題がありました。これにつきましても昨年の十二月に第一回の値下げを行いましたが、これも本年七月からヨーロッパ向け、中近東向け等についての値下げを行っております。そういう意味で三月の物価対策の実行過程の問題としてこの問題が処理されているということでございます。
○小笠原貞子君 長官にお伺いしたいと思います。 物価局長はそうおっしゃいましたけれども、先ほど言いましたように、この三年で一兆二千五百二十九億という利益を上げている。夜間割引や時間帯その他おっしゃいましたけれども、こういう大きな利益に比べますとまことに少ないものですよね。本当に厳正に調査をなさったらこんなに上げる必要なかったと逆に言えると思うんですよ。しかしもうそれは済んだことです。これだけ大きく利益を上げているところで、先ほど私が言いましたように、この際遠距離の料金というものについて国民生活を守るという意味において積極的に御努力をいただきたいという希望でございます。長官からの御返事をいただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 先般電電公社の総裁にこの問題について意見を聞きましたところ、非常に大きな利益が出ておるので引き続いて利用者にサービスを強化したい、何らかの形で利益を還元したい、そういうことを積極的に考えている、そういうお話でございましたので、私からもそれは大変結構だから大いにやってもらいたいということを申しておきました。
○小笠原貞子君 もう少し積極的に——またそういうお話がございましたならばなおさらのことでございます。積極的に国民にサービスを還元するということについての御努力を引き続いてお願いをしたいと思います。 同じく電力料金でございます。これももう何回も国会でも審議をいたしましたが、この四月に大幅な値上げをいたしまして、まだ半年もたたないのに各電力会社九社で約三千億という経常利益をこれまた上げているわけですね。その原因というものを見れば、これは円高差益が予想外と先ほどもおっしゃっていましたけれども、四月査定のときは一ドルで二百四十二円でございましたが、四月から九月平均二百二十円、あそこの大和銀行に行きますと毎日のレートが出ておりますが、二百十円くらいに下がってきている。予想外に円高差益というものが出ているわけです。この円高差益分だけでも計算いたしますと年間三千三百億の差益が出ているわけでございます。通産省が五十三年八月に差益を還元いたしました。このときの五十二年差益額は九百二十五億、五十三年が二千二百億円と発表されておりますけれども、五十二年、五十三年合わせた分と同額程度の差益が出ていることになりますので、還元するということは当然不可能ではない。前にもやりました。こんなに差益が出ておりました。還元して、そして暮らしを守る立場に立ってやってほしいということは当然の要求だと思いますけれども、いかがお考えでいらっしゃいますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 仰せのように、ことしの電力料金を査定をいたしますときに、時期によって多少違ったところもございまして、たとえば北海道電力のようなところもございますが、大体二百四十二円という水準で査定をしております。そこで、現在の為替レートとの差によりまして、おおむねお述べになりました見当の利益が出るのではないかと思いますけれども、ただ何しろ為替レートというのは高くなったり安くなったりいたしますので、どのように動くかわかりません。そこで、やはりこの問題はもう少し長い目で中長期的に見て私は判断すべきものではなかろうかと、このように考えております。 実は五十三年度に還元をいたしましたときも、私はああいう還元の仕方は反対であるということで、最後まで反対を唱えておりましたが、いろんな経過がございまして結局還元ということをいたしましたけれども、しかしむしろああいう場合には別勘定できちんと留保させておきまして、それを将来値上げをしないような方向で使っていくとか、あるいは、たとえば電柱等が街に見苦しく乱立をいたしておりますが、そういうものを地下に埋める仕事をさせるとか、そういう公共的ないろんな方法に使うということの方がはるかに効果的であろうと、こう思うんです。特にこの為替レートとか石油の価格というのはたびたび変わりますので、一時的な現象だけで判断すべきではない。私は、還元をしないで、むしろいま申し上げましたような方向に別勘定で留保すべきであると思いますけれども、それももう少し長い目で見ないとわからないと思います。
○小笠原貞子君 長期的にいろいろとお考えいただくことは決して私否定はいたしませんけれども、それだけでは——差益がたまった、それがあるからこれが生きて値上げが抑えられたというのであれば、それはまた納得がいくわけですけれども、差益が出たときは持っていて、値上げが必要なときにはなかなか出してもらえないと、そういう不信が続いているわけでございます。だから一つ一つ区切りをつけて、これだけもうかったらそれは返すべきだというふうに私は申し上げたわけでございます。長官のお考えも承りました。これは並行線になるかと思います。 次に、具体的に灯油価格についてのお伺いをしたいと思います。 まず、五十五年度の灯油の供給状況でございます。先ほどもちょっとおっしゃいましたけれども、具体的に数字をお示しいただきたいと思います。
○政府委員(志賀学君) 灯油の需給安定を図るということは私ども最も重視をしているところでございます。今年度の供給計画を策定いたします際も、そういう観点から需要期前の九月末までに六百五十万キロリットルの在庫を目標にするということで策定をしたわけでございます。その供給計画に従いまして各石油企業に在庫の積み増しを指導してまいったわけでございますが、その結果といたしまして、八月末におきましてすでに六百八十万キロリットルの在庫を持つということに至っております。そういう状況から申しまして、今後需要期に入ってまいりますし、それに従って需要の増大が予想されるわけでございますけれども、私どもといたしましては、現在の状況から申しまして灯油の安定供給については確保し得るというふうに思っております。
○小笠原貞子君 いまおっしゃいましたように、九月末在庫目標がもうすでに八月末でそれ以上に達成されている、だから量的には不安がないということはわかりました。これは量的には不安がないということであって、価格の問題とはまた別問題でございます。 この前、去年の場合を考えますと、まず量的に非常に不足だ、量がないんだ、量がないんだという大宣伝が行き届きまして、そして供給をストップするというようなことが起こったりして大変な不安、そして実際の混乱が起こりました。しかし済んでみますと、灯油は大幅にだぶついていたというような結果でございます。この辺についても、通産省の石油関係の皆さんにも私は責任を感じていただきたいと思うんです。つまり、足りないんだ、足りないんだとおどかしちゃうものだから、そんなに足りないんだったら少々高くても、北海道の場合は寒いから八月までに備蓄しておかなければ不安でしょうがないという中で、安定はしていると言われるけれども、それはまさに高値安定でございますね。異常な値上がり、五十四年の四月に比べますと二・六倍でございます。われわれは二・六倍上がった油を使わせられているわけですけれども、ここで問題になりますのは、メジャーと国内メーカーがどうだったのだろうか。結果を見ますと、史上空前の利益ということはもう御承知のとおりだと思います。 北海道の中で一番取引が多うございます日石を見ますと、史上空前のもうけを出した前三月期の決算、これは三倍以上になっておりますね。それ以上にこの九月の中間期には七百億からの利益を上げようとなっているわけですね。去年は前年に比べて三倍だった、そして史上空前だった。ことしの九月はそれをまた七百億上回るというような大もうけというような数字で出されてくるわけでございます。 それから今度はメジャー系外国資本を見てみますとモービル石油——これも時間がありませんのでみんな言えませんけれども、メジャー系とメーカー系のもうけぶりというものを見てみました。そして、ことしずっと私北海道を調査いたしました中ではっきりいたしましたが、モービル石油株式会社広報部というのが印刷物を出しているわけです。この中で何と言っているかといいますと、「当期利益が前期に比べ増大した主要因として製品販売価格の上昇を挙げることができる」と、製品を値上げしてそれでもうかったんだ、こういうふうにみずから明確に書いているわけでございます。 経企庁長官、こういうふうに国民は高値で苦しめられ、そして大きなこういう会社は史上空前の利益、そしてそれは値上げしたからだとみずからはっきり言っているというようなこの事態を長官としてはどのようにごらんになりますか。そうしてこれはどうすべきであるというふうにお考えになりますか長官にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) いまメジャーオイルは世界的な規模で便乗値上げ的な動きが出ておる、私はこういう感じがいたします。しかしながら、日本ではまだそういう傾向は出ておりません。 いま石油会社の利益のことについて若干お話がございましたけれども、三十六社が十数兆円の取引をして若干の利益を出していることは、私はこれは万やむを得えないのではないかと思いますし、石油会社は、御案内のように、五十年度につぶれかかりまして、通産省が若干の指導をいたしまして経営を建て直したわけでございますけれども、それ以降そんなにめちゃくちゃな利益は出ていないと、私はこのように思います。 いま私どもが心配しておりますのは、世界的な規模でメジャーオイルがイラン・イラク戦争に便乗した値上げ的な動きをしておりますけれども、ぜひ日本の国内ではそういうことのないようにしっかりした指導を通産省がしていただくことを強く期待をしておる、こういうことでございます。
○小笠原貞子君 メジャーの便乗値上げは長官がたびたび御指摘いただいているわけですけれども、国内メーカーについてはそういうこともないというふうにおっしゃいますけれども、私がいま申し上げたのは、日石にしろ去年史上最高、空前のもうけ、ことしもまた九月その空前よりもっと上がるということは、それはめちゃくちゃじゃないとおっしゃるわけでございますか。シェルの場合は十六倍ですよ。これは七九年の決算でございます。これをめちゃくちゃじゃない、これくらいはしようがないんだ、あたりまえだというふうにお考えになっていらっしゃるんでしょうか、長官。長官がめちゃくちゃじゃないとおっしゃったから、これをどうしてめちゃくちゃじゃないとお思いになるのか。
○国務大臣(河本敏夫君) その前に、通産省の石油部長から一回数字を解説をしていただきまして、その上で私は意見を申し述べます。
○政府委員(志賀学君) それでは私から数字の御説明をいたします。 確かに、昨年度の石油企業三十六社ベースで見てみますと、経常利益額で二千九百十五億円ぐらいでございます。これは前年の五十三年度と比べますと二千四百億円の増益ということで、これはおっしゃるように大変な増益になっております。ただ、前年度の経常利益というのは実は五百三十四億円ということでございまして、五十三年度は当時ガソリンの乱売合戦が実はございまして価格が暴落いたしました。そういったことで五十三年度の石油各社の経営は非常に悪化したわけでございます。そのときと比べますと確かに増益でございますけれども、五十二年度と比べますと五十四年度のレベルというのはそれをやや上回る。確かに史上空前ではございますけれども、五十二年度をやや上回る程度という程度でございます。 それから売上高経常利益率で見ますと、五十四年度の三十六社ベースの売上高経常利益率は一・三五%ということで、そのときの製造業平均は四・五六ぐらいだと思いましたけれども、非常に低い売上高経常利益率でございます。 で、そういう面から申しまして、五十四年度の三十六社の石油企業の収益をどう評価するかということでございますけれども、その点については私どもといたしまして非常に大もうけをしたというようなことは言えないのではないかというふうに思っております。
○小笠原貞子君 いまの御見解についても私なりの見解を持っておりますので、またそれは引き続いて問題にしていきたいと思います。 次に、公取委員長の方にお伺いしたいと思います。系列化問題でございます。 先ほど言いましたように高値安定です。量がだぶついていれば当然これは値崩れが起こるとか、値下がりをするはずだ。ところがだぶついているのに一向に値崩れもいたしません。その大きな理由として、流通系列化の促進があるというふうに私も具体的に調査してそれがはっきりと感じられました。そしてまた、この公正取引協会がお出しになっているのを読ませていただきました。「流通系列化に関する独占禁止法上の取扱い」(独占禁止法研究会)というのを拝見いたしまして、これはいろいろ問題がありそうだというふうに私は考えさせられたわけでございます。 私どもことしの六月、ちょうど総選挙始まる前でございましたけれども、取引条件が改悪されたとか、供給を制限されたとか、そして系列化が図られているというような実態を三十五件の小売店、特約店に行って聞いて調査を行ってまいりました。で、特徴的な点でお伺いしたいと思うわけですけれども、これは札幌市でございますけれども、ある小売店ではいままで共同石油と三菱石油と両方の石油製品を扱い、両方を売っていた。ところが三菱側から、ほかから取ったらだめだということを言われて、そして一本化したということがございます。これはまさに排他的取引の疑いがあるのではないかと私は思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(橋口收君) お尋ねございましたケースについてコメントいたします前に、まず一般論としてお答えをいたしたいと思いますが、複数の卸売業者なりあるいは製造業者がいまして、単一の小売店と取引をしていて、そのうちの一方が他との取引をやめることを条件として商品の供給を継続するという場合の話だろうと思いますけれども、そういうことが可能な場合はどういう場合かというふうに考えてみますと、当該製品につきまして、あるいは当該商品につきまして現在需給が逼迫している場合かあるいは将来需給が逼迫するという可能性がある場合、しかもその二つのうちの業者の片一方の業者が大変強力な地位を持っていると、こういう場合であると思います。したがいまして、いまお話がございました共石と三菱石油が特定の小売店についての争奪戦をやった。それで一体共石と三菱とどっちが強いかということになりますと、これは具体的な問題でございますからそう簡単にお答えはしにくいのでございますが、仮に三菱の方が圧倒的に強い立場を持っていて、それで小売店を一本化してとってしまったということであれば、これはやはりおっしゃるように排他条件つき取引として「不公正な取引方法」に該当する場合があるということでございまして、具体的なケースでございますからこれはよく調査をしないとわかりませんが、一般的に申しますとそういう可能性があるということは言えるかと思います。
○小笠原貞子君 たくさんの店を調べましたので具体的な問題が次々と出てまいりました。時間がないのでそれは省きますけれども、たとえば業転物を扱えば供給をストップすると強要されているのがほとんどの店だそうでございます。他のメーカー品を扱えば供給をやめると。これはまさに系列化というものが非常に進んでいっているというふうに見なければならないと思うわけでございます。 で、系列化による価格維持を図るということであれば、これは独禁法上の問題にも関係してくる。先ほど申し上げました独禁法研究会でも系列化の弊害について報告が出されております。こういうような系列化が非常にいま進められている。だぶつきながら値段が下がらないというのは、そこには大きな系列化の問題が必ず出てきていると思うんで、ぜひこういう問題について実態を御調査いただきたいと思うのでございますが、いかがでございますか。
○政府委員(橋口収君) 石油の流通問題につきましてはかなり前から調査をいたしておるわけでございまして、二段階に分けての調査でございますが、輸入・精製・元売の段階の調査は一通り終わりまして、これはことしの五月にすでに公表いたしております。 問題はそれから先でございまして、卸・小売の段階の調査が一番むずかしいわけでございまして、まさにそこにいまお話がございましたような系列化の問題等も伏在をいたしておるわけでございまして、これはアンケート調査をやりまして、現在その結果に基づいていろいろ事業者から説明を聞いている途中でございますけれども、確かにわれわれの感触といたしまして、従来複数の取引があった小売店が単数にしぼられつつあるという傾向はわれわれの調査でも出ておるわけでありまして、多少長くなりますが、この調査を始めましたときは、実はさっき通産省からお答えがございましたように、ガソリンその他の過剰の状態でございまして、業転玉が妖怪のように業界の中を彷回しているという状態で、将来供給について不安のあります石油商品についてどうしたら流通の秩序づけができるかという観点から実は調査を始めたわけでございますが、しかし調査をしている最中に今度は第二次石油ショックが起こりまして、石油の供給が不足するという事態になりました。また一時的には余るというような、大変振幅の激しい業界でございまして、そういう中で駸々乎としてこの流通の秩序づけと申しますか、供給の確保という観点から系列化が進められているという、そういう実感を持っておるわけでございまして、一体これがいいことか悪いことか、研究会の答申についても御勉強いただいたようでございますが、石油商品という特殊性なり、あるいは揮発油販売法という法律の性格等がありますから、全く自由な商品の流通形態と同じように一方的に系列化が悪いというふうにきめつけていいかどうかにつきましてはまだ実は結論を出しておらないわけでございまして、われわれとしましてももう少し実態を把握した上で、何らか必要があれば通産御当局にも意見を申し上げると、こういうふうにいたしたいと思っております。
○小笠原貞子君 具体的に問題がたくさん出てきておりますので、ぜひいろいろな立場から御調査もいただきたいと思います。 その中で大きなまた一つの問題は、実績主義というのが昨年私たちを非常に苦しめました。この実績主義でいきますと、小売業者は他の製品を取り扱えなくなってしまう。消費者も当然買う自由というものがなくなってしまって、実績主義そのものが系列化そのものにつながっていっている。そして消費者は全く選択の余地なしということで、これも独禁法上の問題の一つと私は考えられると思うんですけれども、いかがでございますか。 そうして、ついでに通産省にもお伺いしたいと思うんですけれども、供給に不安はないと先ほどおっしゃいました。そうすれば——実績主義ということでもう本当に去年いじめられました。こういう実績主義でことしはいじめないでほしいというのがみんなの希望ですし、その実績主義でやるという去年みたいな二の舞は繰り返さないように通産省としての御指導もいただきたいということを御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(橋口収君) 前年と同量の取引しか認めないと申しますか、そういうのが一種の実績主義だと思いますが、昨年のいまごろにもそういう実績主義についての御質問をしばしばいただいたわけでございます。当時はそれに加えて抱き合わせ販売というようなことが問題になったわけでございます。私どもも抱き合わせ販売についての調査もいたしまして、件数はそうたくさんございませんが、たとえばお米だとかあるいは家電製品との抱き合わせというような実態もあったわけでございまして、これにつきましては是正排除の措置をとったわけでございます。 ただ、実績主義というのは、前年同量の供給しかできないということだけで直ちに独禁法上問題があるかと申しますと、これは、率直に申しまして、なかなか取り上げにくい問題だと思いますので、それに付随して、あるいはそれを実現するためにもろもろの不公正な手段を使うということであれば、これは問題でございますし、基本的には、先ほどもちょっと触れましたように、石油の流通構造につきまして系列化の方角に次第次第に進んでいくというような形が一体いいのかどうかということを基本的には取り上げてみる必要があると思うわけでありまして、業転玉が生まれたときには、価格が下がって不当廉売で取り締まりをしろと言われまして、私どもも札幌石油商業協同組合を不当廉売で調べたこともあるぐらいでございまして、それが半年もたたないうちに今度は価格が上がって、価格カルテルで調査をするということの繰り返しでございますから、やはり流通構造それ自体について何らか長期的な展望に立った改善策なり是正策というものが必要ではないかと思っておるわけでございまして、これにつきましては、先ほど申しましたように、もう少し調査、勉強いたしまして必要な意見を申し上げたいというふうに思っておるわけでございます。
○政府委員(志賀学君) 先ほどお答え申しましたように、マクロ的には安定供給を確保し得るというふうに私ども思っておるわけでございますけれども、ただ個々の取引におきまして不当な行為が行われる、これは厳に戒めるべきであるということで、適正な流通を確保するために従来からも流通段階における不当な行為がないように監視体制というのをしいてきておるわけでございますけれども、今後もそういう不当な行為がないように十分な監視を行っていきたいというふうに思っております。
○小笠原貞子君 公取の方、もうよろしゅうございます。ありがとうございました。 今度は福祉灯油の問題でお伺いしたいと思います。 先ほども問題が出ましたけれども、価格は十八リットル一かん去年の四月で六百二十五円、現在千四百円、二・二倍と急速な非常な値上がりでございますし、道庁がまとめたのによりますと、一世帯の年間使用量は平均ドラムかんで十一本、値段にしますと十五万円を超えるというような大変な北海道ならではの苦労があるわけでございます。そういう中で一番大変なのは年金生活者や母子世帯、障害者を持った方々、生活困窮者、こういう方であるということはもう御想像いただけると思うんですけれども、私いろいろ申し上げますよりも、実際の手紙を見ていただきたいと思うんです。 この方はこう書いています。「私の家庭は、現在全聾の」——耳が全く聞こえない「夫五十歳と私四十八歳、中三の娘の三人家族です。夫の仕事はアイヌ民芸の熊彫りですが、職場は零細企業のため経営も思わしくなくいまだに」——これは十月四日付ですが、「いまだに九月分の賃金さえ手にしていない状態です。労賃も大変低く、昨年は手取り七万が平均で、今春からやっと八万、九万の賃金を得るようになりました。」そして、「私は病弱のため働くこともできず、家計の穴埋めは夫の障害年金と児童扶養手当とを充て辛うじて生活しております。」そして「いま冬を目前にして眠れぬほど悩んでいるのは灯油の問題です。昨年の冬から今春にかけて死ぬほど苦しみました。」「私の家庭ではとうとうポット式」——といいますのは、北海道は大きな石油ストーブで煙突をつけたストーブでなければ暖房をなかなかとれません。これが「取りつけることができませんでした。」東京なんかで使っているようなああいうポータブルのストーブしかつけることができなかった。「十一月、十二月厚着をしてそれでも何とか耐えましたが、一月に入るともう思考力も気力も奪われてしまうほどの室内の寒さでした。一月の末に娘がかぜをひきました。」「私に感染して気管支炎を引き起こしました。ぜんそく性気管支炎で激しい発作におそわれ」て、そして「三十九キロの体重が三十五キロになり、通院中何度もめまいにおそわれ、地下鉄の往復に恐怖を覚えました。」絶えずのどに絡まってくるたんを吐き出すという力もありませんでした。そして五月の終わりやっと暖かい日差しが出たときに、「生き延びられた、そんな思いでした。」と。この方がまたことしこういうように生きていくという問題として訴えを下さったわけです。 それから今度は年金生活者の方ですけれども、「私の家は十二万六千円の年金生活です。」いろいろ書いてございます。「昨年は灯油の実績主義に泣かされました。少しでも安く灯油を買うためにそりを引いて十八リットルかんを二かんずつ石油スタンドに通うと運賃がかからなくて得になるという生活の知恵」で、冬そりを持ってそして二かんずつ買ってきました。ところが実績主義のために系列化されてしまって大変な苦労をいたしました。 こういうように年金生活者の方、そして生活の御苦労をなすっていらっしゃる方の苦労は、本当に幾らわかっているとおっしゃっても、私はわかっていただけないと思うわけでございます。北海道の場合では十九市町村、岩手県は二十一市町村、青森県でも自治体単独事業として福祉灯油を実施しております。われわれは何とかこれを国の段階でも生活保護世帯、母子、障害者、老人、年金の生活者を対象にして実施すべきであると考えているわけでございます。自治体としても大変なんですね。国として何らかの助成も考え、援助もしていただきたい。自治省、厚生省、通産省、経企庁、それぞれの方々がこういう問題については——もう北海道なんかではこの問題は凍死するのが二、三人出てこなきゃ解決つかないというようなことまで大きな声で言われているような状態でございます。ですから、各省庁協力し合って生きていけるようにしていただきたいということでございます。自治省、厚生省、通産省、経企庁、皆さん御協力して何とか考えていただけるかどうか、時間がもうございません、簡単にお答えをいただきたいと思います。 また、厚生省にお伺いしたいんですけれども、この高くなった灯油によって生活保護世帯の方は冬季加算があるということになりますけれども、五十四年の伸び率は約一〇%ほどであります。ところが灯油の伸びは二・二倍になって実情には全く合わない。今後こういうような問題についてどのようにお考えになっていただけるのか。また生活保護をもらっている人はいいわよと。生活保護をもらわないでがんばっているというボーダーラインの人たちが北海道だけでざっと二十万世帯はいるというふうに見られるわけですね。だからそういうボーダーラインの層の人たちにも何とか凍死しないで生きていけるというような立場で考えてお答えをいただきたいと思います。 時間がありませんので続いて質問をいたします。プロパンについて一言お伺いしたいんですけれども、プロパンの問題も、北海道価格百六十四円というのが五十一年でございます。約一〇%の差でございました。ところが五十四年には三百二十五円、この一〇%の差であったのが二〇%、倍の格差が出てきているわけです。だんだん開いてきて、北海道価格というプロパンの問題が大きく出てくるんですね。だから、これは通産省も乗り出して検討すべきだ、調査をしていただきたいと思います。 それからプロパンの具体的問題で元売の仕切り価格、これは北海道で格差がないというふうにいままでお答えになっていらしたと思うんですけれども、これも北大の名誉教授の伊藤俊夫先生という方がいろいろお調べになりまして、プロパンの流通実態調査報告書というのをお出しになっているんです。この中で、北海道のタンクに入るまでに輸送コストとして十キロ当たり三十円かかっていると。つまり仕切り価格は同じですよとおっしゃるけれども、実際調べてみると仕切り価格から差が出てきているということが明らかになってきたわけでございますので、この仕切り価格に差をつけない、ついていないんだとおっしゃるならば、すぐにお調べをいただいて対処をしていただきたいということでございます。 時間がないので質問をずらっと並べましたが、各担当からお答えをいただきたいと思います。
○委員長(丸谷金保君) あと一分でございますから、簡潔にひとつ。
○政府委員(志賀学君) 福祉灯油の問題につきましては、確かに最近灯油の価格が六月をピークにいたしまして、安定はしておりますけれども、レベルといたしましては、原油価格の高騰もございまして確かに高いわけでございます。私どもの方にもよく北海道の方あるいは東北の方がお見えになりまして、福祉灯油の要望をされてまいります。私どもとして灯油の全体の需給の確保あるいは価格のできるだけの安定というのに努力いたしますけれども、いずれにいたしましても、この問題は福祉政策の一環として検討すべき問題ではないかというふうに思っておりまして、関係省庁にその都度御連絡を申し上げておるという状況でございます。 それからプロパンの問題でございますけれども、確かに北海道と全国平均との間でギャップがございます。たとえば九月で申しますと、私どものモニター調査によりますと三百二十一円の差がございます。これは平均でございますと大体一三%ぐらいのギャップでございます。これについて私ども従来から格差解消のために努力をしているところでございまして、一つは元売りに対しまして仕切り価格を同じにするようにという指導をやってきております。今後もこれは続けてまいります。 ただ、基本的には流通の問題だろうと思っております。この点については、早く中小企業近代化促進法に基づきます構造改善事業を実施に移しまして流通の近代化を図っていくということが基本的に必要だというふうに思っておりまして、この点についても早く構造改善事業計画を策定するように現在強く指導をしておるところでございます。
○小笠原貞子君 北海道のタンクに入るまでにすでに元売りの段階で格差が出ているということはお認めになりますか。質問したのはそのことなんです。
○政府委員(志賀学君) 私ども従来から仕切り価格を同一にするようにという指導をやってきております。私どもとしては特に割り高ではないのではないかと思っておりますけれども、そういう御指摘でございますのでさらに指導をやってまいります。
○説明員(加藤栄一君) 生活保護につきましては、五十五年度の生活扶助基準でございますが、経済見通し等を参考にいたしまして国民の消費水準の動向に合いますように八・六%、年度でございますが、基準の引き上げを行ったところでございます。 また、冬季における採暖のための需要につきましては、生活保護の一般基準の中にも光熱費分がございますし、また冬季加算につきましても配慮をいたしておりますので、現在の段階での動向ではこれで対応していただけるんではないかというふうに考えております。 また、各自治体で福祉的な措置をとられるということにつきましては、その地域の一般住民との権衡を考慮して行われるものでございますれば、これは地方団体の方針にお任せしたいと考えております。 また、お話のありましたボーダーラインの方々でございますが、これにつきましても、物価の変動等を総合的に勘案いたしまして、福祉年金あるいは児童扶養手当等の各種給付につきまして所要の改善を行うように国民年金法等の改正案をいま国会に提出しているところでございます。これによりまして対応していただきたいというふうに考えております。なお、今後の物価動向につきましては十分注意をしてまいりたいと考えております。
○説明員(緒方勇一郎君) 御指摘のように、地方公共団体は住民のための福祉施策として種々の単独施策を実施しておりますが、これら地方公共団体が独自の政策的判断から任意に実施いたします施策につきまして個々の施策を取り上げてそれを交付税の算入対象とすることは困難でございますので、地方公共団体が単独で実施いたします福祉施策の財源につきましては総体として措置することといたしております。今後もこの方向でその充実に努めてまいりたいと考えております。
○木島則夫君 物価の先行きに私も大きな危惧を持つ一人でございます。したがって、長官が確約をされました六・四%の物価抑制というものはこれはもうぜひなし遂げていただきたいと強く要望を私も表明いたします。 さて、消費のかげりが心配でございます。確かにことしの冷夏が消費を停滞さしていることはわかるんですけれど、だからといって冷たい夏だから住宅を建てるのを見合わせておこうとか、車を買うのをやめておこうということには直接つながってまいりません。何といっても賃金生活者の実質賃金というものが減っている、目減りをしている。そこに大きな原因があるわけでございますから、公定歩合の引き下げも大いに結構でありますけれど、政府の最優先課題は何といっても物価抑制である、このことについてもう一度繰り返して、中でも激しく上がっております土地の問題についての長官の基本的な御認識をお尋ねをしておきたいと思います。 その前に、政府が示されました物価対策六項目の中で地価の抑制について五番目にこれを取り上げていらっしゃるんです。当面の物価対策ということですから、地価の抑制が五番目にくることについて私はとやかく申し上げないけれど、この土地の値上がりというものと物価というものとの関連度、まずその認識を長官にお伺いをしておきたいと思います。先ほども同僚委員に答えられまして、物価の最大のがんが土地の値上がりであるという御発言がたしかあったように伺っております。まずこの土地の値上がりと物価との関連についての御認識は、長官いかがでございますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 消費者物価が安定をいたしませんと個人消費も動いてまいりませんし、それからまた金融政策も機動的に運営をするということになっておりますけれども、これも機動的に運営をすることができない。こういうことでございまして、やはり消費者物価を安定させるということが諸政策の一番の根幹であると、このように私どもは理解をいたしております。消費者物価を安定させるということは、それだけではなく、即それは景気対策にもつながるんだと、そういう理解のもとに政策を進めておるところでございます。 それから土地の問題につきましては、これは日本経済のいわば一つの大きながんだと、このように私どもは考えておりますが、先ほどもちょっと触れましたけれども、ことしの住宅建設計画が二割も落ち込んでおる。二割といいますと三十万戸から落ち込んでおるということになりますが、そうなりますとこれは非常に大きく足を引っ張っております。その背景は何かといいますと、やはり土地の急速な値上がり、それから建設費の値上がり、それから金利が高くなっている、所得が伸びない、こういうところにあろうかと思います。したがいまして、この全部を解決いたしませんと住宅政策は進まないわけでございますが、特に一番の問題点は土地にある、このように考えております。 土地価格そのものは消費者物価にはそう大きな影響は直接にはございません。しかしながら物価問題全体にとりまして非常に心理的な影響もございますし、とにかく住宅政策がうまく進まないということは経済政策全体がうまく進まないということにもつながりますので、何とかこの土地問題を解決する方向に持っていくいい方法はないかということを関係者の間でいろいろ相談をしておるわけでございますが、やはり需給問題だと私は思うんです。特に三大都市圏における土地の需給関係が最近窮屈になっておる、そこに一番の原因があるわけでございますから、その問題を解決するためには都市の改造計画もしなきゃいかぬと思いますが、同時に現在の住宅地域、高さの制限等もございますが、これを立体化していく、そういう方向にも持っていかなきゃならぬと思います。それから三大都市圏における遊休地の活用、農地を含む遊休地の活用、こういうこともぜひ必要だ、このように思います。あるいは中期的に考えますと近郊地域への交通網の整備、これも大きな要素であろうかと思いますが、とにかくいますぐ役に立つことは都市の立体化と遊休地の活用、この二つでなかろうか、こう思いますが、いずれにいたしましても、土地価格の急上昇ということが日本経済の足を大きく引っ張っておる、こういう理解の上に立ちまして土地政策を進めていかなければならぬと理解をしております。
○木島則夫君 この土地の上昇、土地問題が日本経済の大きながんとなっているという厳しい御認識は、私もそのとおりであろうというふうに思います。細かい数字をここで挙げたり、いま大蔵省の内部で論議されているようなそういう議論をここでしょうとは私も思っておりません。したがって、きょうはこの土地問題、特に長官が指摘されました地価上昇の最大原因が土地の供給不足にあるという御指摘、私もそのとおりであろうというふうに思います。これは政府がその土地政策をいままで野放しにしてきた——一生懸命おやりになってはおりますけれど、適宜適切な対策というものがなされてこなかった、野放しにしてきたことが、土地は必ず値上がりするんだという土地神話をつくり出してしまって、土地を手放さない、土地を手放すことをちゅうちょさせる、そういうよりどころをつくってしまったところに私は一番大きな問題があろうと思うんですね。 物価対策がこの委員会でもしばしば論ぜられておりますけれど、その土地の問題を真っ正面から取り上げていっても、これはなかなか問題が大きくて複雑でむずかしいので、ちょっとやそっとで解決しないんだという、半ばあきらめムードみたいなものが出てきてしまって、直接物価対策の対象として議論されない。そういう傾向が出てきてしまったとするならば、これは私はゆゆしい問題であるというふうに思いますね。 長官、いかがでございましょうか、ここにも「国土利用計画法の的確な運用」とか、あるいは価格の監視、こういうことをお挙げになっております。たとえば国土利用計画法が四十九年にできて、じゃどうかと言えば、規制区域が指定されたことはないとか、ただ地価が上がったとか、公示価格は幾らであるかとか、そういうことだけを企画庁がおやりになったとしても、これは一向に土地問題の解決にはならない。 私は気に入らないと言っちゃいけないんですけれど、大体物価対策六項目ある中で五項目に、こんな下位のランクにこの地価の抑制ということが位置されたというこの辺の御認識は、これは物価局長に伺いたいんだけれど、どういう御意図のもとにランクが五番目に来ているんですかね。私はさっきの長官の御認識と——何も五番目だからランクが低いと短絡はしないけれど、この辺の取り組み方、掲げ方というものが、もう土地の問題を幾ら議論してもそれはちょっとやそっとで解決しないんだという、物価問題の対象外に置かれてしまった錯覚につながっているとしたら、これはゆゆしい問題であるという意味での指摘であります。物価局長いかがですか。
○政府委員(藤井直樹君) 地価の問題がきわめて重要であるということについては私どもも全く同じでございます。 この順番の問題でございますが、順番が後であるからといってその重要性にいささかも変わりはないわけでございまして、私ども公共料金などは非常に重要なことだと思っておりますが、これが四番目に来ているというようなことにつきまして、それはそういう順番を考えて物事の軽重を論じようということではございません。ただ、地価につきましては、やや強いて申しますれば、直接的な物価の関係についてまず記述をいたしまして、最後のところで地価を取り上げたということでございまして、最後にあった方がまた締まるという点もあるかと思いますので、この地価の問題の認識については先生がおっしゃるとおりでございます。
○木島則夫君 長官、きょうは、土地の供給を容易ならしめるために税制面でどうしたらいいかとか、細かいことは私は質問いたしません。ここでは時間もございません。 で、長官にお伺いをしたいんですけれど、地価を抑制する、そのことにつなげて土地の供給を容易ならしめる上で一番大きながんになっている、障害になっている、ここに問題点があるということを長官がずばり御指摘をされればどういうことになるか。もちろんいろいろな問題が総合的に深く絡み合っているということは私もよくわかっておりますけれど、土地問題の一番のむずかしさ、これはどの辺にあるというふうに御指摘をされ、それに対する対応をどうしていったらいいか、この辺のひとつポイントのしぼり方を長官に聞かしていただきたい、こういうふうに考えます。
○国務大臣(河本敏夫君) これは税制問題も若干あるかもわかりませんが、この土地の値段といえども需給関係から来ておる、私はこう思うんです。土地が手に入りやすい、いつでも買える、こういう状態をつくり出せば値段は上がらないと思います。 そこで、先ほども申し上げましたが、都市改造計画、これはいま東京、大阪、名古屋、三地区で試験的にやっておりますけれども、これを試験的な規模でなく大々的にやるべきだ、私はこう思います。それからさっき申し上げましたように大都市全体に立体化計画を進める。それから先ほど申し上げました、遊閑地が相当大規模にございますから、その遊閑地の活用をすぐ具体化していくということ。大体考えてみますとその三つだと思うんですが、この近郊地区への交通網の整備は、これは若干時間がかかります。たとえば東京湾に橋をかけるという計画なども、これは川崎から木更津へ橋をかけるという計画でございますが、これなどは数年間に約五十億ぐらいかけましてずっと調査をしてまいりました。いつでも工事はスタートできるという状態になっておるんですけれども、ただ一部に反対がございましてスタートできない。もしこれが実現いたしますと、房総半島へ川崎から十分もあれば行ける、こういうことになりまして、房総半島はもう一面平地でございまして、高い山でも三百メーターぐらいしかない、ほとんど過疎地帯であるということを考えますと、東京都以上の大きな面積が利用できるということにもなりますから、そういう計画も急いでやらなければなりませんが、若干の時間がかかる。緊急にやるということになりますと、やはり先ほど申し上げましたような三つのことでなかろうか、こう思います。
○木島則夫君 東京都知事が推進をしようとしておりますマイタウン構想ともそれはつながってくるというふうに私は思います。きょうはそのこととの関連づけについてはお話はいたしません。 この企画庁の対策の五番目で地価の抑制について土地の適正有効利用の仕方についてお触れになっております。発想の転換が必要じゃないかと思います。いま長官がおっしゃったような構想は、これは非常にいいと思うんだけれど、なかなかそこまで思い切った踏み切り方ができない。たとえば国鉄の操車場であるとか電車区ですか、こういった空間利用あるいは地上利用を工夫するとか、当然こういうことがいまのお話の中に入ってくるんだろうと思います。たとえば都営住宅等の平家、二階建て、こういったものの高層化を積極的に推進する。こういうことをやりまして土地の空間あるいは地上の利用価値をもっと推進していく。それから公的土地の有効利用を政府がまずもって行っていただく。こういうことを私は推進していかなければいけないと思います。長官がお触れになったとおりだと思います。 要は、私は経済企画庁長官が大変な実力者でいらっしゃるからここで御要望申し上げたいんだけれど、えてして経済企画庁というのはプログラマーに終わってしまって、実施官庁の間の調整とかバランスをとるだけで事が終わってしまうということでは困るんですね。日本の経済なり物価の行方というものを中長期的に、大所高所に立ってごらんになりながらコントロールしていくわけでありますから、実施官庁の間の単なる調整弁であるとか調整役になってしまったんではこれは意味がないと私は思います。ましてや大変な実力をお持ちの長官なんです。どうですか、経済企画庁として、実施官庁がちゅうちょしていたり、お互いのなわ張りの問題などを主張しているようなことがあったら、びしびししかっていただいて、私はアプローチをするくらいの積極性があっていいと思うんだけれど、こういう私の考え方というのは、長官、間違っていますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 土地問題が当面の非常に大きな課題であるということは、これはもうそのとおりだと思います。これは二、三の官庁だけがその気になりましてもなかなかむずかしゅうございまして、内閣全体としていま日本経済のがんはどこにあるんだということをよく認識して、内閣全体の課題として取り組んでいく、こういうことが必要ではなかろうか、このように痛感をいたしております。
○木島則夫君 物価に非常に敏感な影響を与える季節野菜の問題など大いにここで論ずることも必要なんだけれど、物価の根幹、経済の根幹になるこの土地問題、こういうものも具体的にこれから私も取り上げていきたいと思います。 で、季節野菜の値上がり、高騰が台所を直撃する、あるいは物価に非常に敏感な影響を与えるという議論についてはもう先ほどからさんざんやられております。したがって一つだけ、長官、中間マージンというのは非常に大きいんですね、いろいろの統計を見ておりましても。たとえば生産者価格、それから卸売価格、また小売価格に至るその段階というものの中で占める中間マージン、中間経費というんですか、こういうものが非常に大きい。したがって経企庁としては、物価監視というものを督励されてやっていらっしゃると言うからには、正月であり暮れでありというこういう季節にこそこういうものを督励されてひとつやっていただきたい、より行動的にやっていただきたい。これはもう要望ですからお答え要らないです。 まだ時間も少しあるようだけれど、別に時間いっぱいやるのが能じゃないですから、私はこの辺でやめておきます。長官、くれぐれも六・四%、これは確約をされましたように的確にひとつお守りをいただきたい。その決意のほどを最後に伺って私は質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 六・四%を実現するということはいまの内閣の最大の公約でもございますから、これはもう内閣挙げて企画庁が中心になりまして実現をするつもりでございます。 また、農産物の問題についてのお話がございましたが、生産者の段階から最終消費者にいきますと平均で三倍以上にもなりますので、流通経路の問題が大きな課題だ。それは十分認識をしておりますので、その点も心得て進めてまいりたいと思います。
○木島則夫君 ありがとうございました。
○委員長(丸谷金保君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五分散会 —————・—————