農林水産委員会 第7号
- 発言数
- 285 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1980/11/27
会議録
○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農林水産政策に関する調査を議題といたします。 まず、水田利用再編第二期対策について政府から説明を聴取いたします。亀岡農林水産大臣。
○国務大臣(亀岡高夫君) 農林水産委員会の御審議に当たりまして、水田利用再編第二期対策につきまして、農林水産省が現在取りまとめつつある案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、第二期対策の説明に先立ち、本年の冷害等による全国的な農作物被害に対する対策について御報告申し上げます。 すなわち、農林水産省といたしましては、省を挙げて災害対策に取り組み、天災融資法及び激甚災害法の早朝発動、自作農維持資金の災害枠の設定、農業共済金の早期支払い、被災地での公共事業の重点施行、規格外米の買い入れ等各般の措置をとり、被災農家の救済に万全を期することといたしております。 また、昨年六月以来農政審議会で御審議願っていた農政見直しにつきましては、先般、「八〇年代の農政の基本方向」と「農産物の需要と生産の長期見通し」という今後の農政の指針ともいうべき答申をいただいたところであります。私といたしましては、この答申を踏まえ、農業の発展を図り、農業者が将来に十分希望を持って農業にいそしめるよう、各般の施策を強力に展開してまいる所存であります。 さて、当面する農政の最大の課題である米の需給均衡の回復につきましては、昭和五十三年度から水田利用再編対策を実施しているところであります。その実施状況を見ますと、関係者の御理解と御協力のもとに、第一期の三年間は、目標を上回る転作が実施されております。しかしながら、米の需給は、現在もなお過剰基調にあり、依然として憂慮すべき事態が続いております。 このような状況のもと、本年は全国的な冷害でまれに見る不作となったわけでありますが、来年度の米の需給につきましては、在庫を十分有しており、特段の懸念はありません。したがって、今後、水田利用再編対策の一層の推進に努め、速やかに米の需給均衡の回復を図ることが、食糧管理制度を健全に運営するために、また農業に対し消費者を含めた国民の理解を得るためにも是非とも必要であると考えております。 申し上げるまでもなく、今後の農業生産の展開に当たっては、生産性の向上を図りながら、需要の動向に即応した農業生産の再編成を図っていくことが、重要な課題となっております。水田利用再編第二期対策については、このような農業生産の基本方向に即し、第一期に引き続き、米から小麦、大豆等への生産の転換及び生産性の向上による転作の定着化の促進を旨として、これを推進する必要があると考えております。 第二期対策の具体的内容につきましては、後ほど事務当局から説明いたさせますが、その概略を申し上げますと、まず、目標規模につきましては、引き続く生産力の向上と消費の動向等を踏まえ、新たな過剰の生ずることのないよう、需給均衡を図ることを旨として定める考えであります。 ただし、農業者の理解と協力を得て進めなければならない本対策の性格から見て、五十六年度につきましては、本年の厳しい冷害の実情等を考慮し、五十六年度の特別の措置として、所要の目標の軽減を行う考えであります。 次に、奨励補助金につきましては、米と転作作物との相対収益性の改善状況、転作の定着の必要性等を総合勘案してその見直しを行うこととし、その際、基本額を引き下げる一方、転作営農の定着性の向上を図る観点から、新たに団地化加算制度を創設する考えであります。 このほか、制度内容の改善につきましては、水田利用再編対策の円滑な推進に資するよう、できる限りの改善、充実を図りたいと考えております。 なお、転作を円滑に進めるためには、排水対策を初めとする転作条件の整備が必要なことは申し上げるまでもないところであります。農林水産省といたしましても、転作条件の整備につき従来から各般の施策を進めているところでありますが、今後とも、関連施策の充実に最大限の努力を傾注してまいる所存であります。 以上、水田利用再編第二期対策の趣旨について申し上げましたが、農林水産省といたしましては、今後とも米の需給均衡の回復と農業生産の再編成に全力を傾けてまいる決意でありますので、委員各位の御理解と御支援を切にお願い申し上げる次第であります。
○委員長(井上吉夫君) 次に、補足説明を聴取いたします。二瓶農蚕園芸局長。
○政府委員(二瓶博君) 現在検討を進めております水田利用再編第二期対策の内容につきまして、お手元に御配布しております資料「水田利用再編第二期対策について(案)」に即しまして、補足説明を申し上げたいと思います。 御承知のように、水田利用再編対策は、米の需給均衡を回復し、需要の動向に適切に対応し得る農業生産構造を確立することを目指しまして、おおむね十年間にわたり実施することといたしまして、昭和五十三年度から発足したものでございます。本対策が発足をいたします際、その基本的考え方等につきまして、「農産物の総合的な自給力の強化と米需給均衡化対策について」という閣議了解が行われておるわけでございます。その中で、本対策は、おおむね十年間を数期に分けて実施し、第一期は昭和五十三年度から五十五年度までの三年間とされております。したがいまして、第一期は本年度で終了し、昭和五十六年度からは第二期に移行するということになるわけでございます。 まず、第二期の期間でございますが、これにつきましては、農家の計画的な転作対応を容易にいたしますため、昭和五十六年度から五十八年度までの三年間とする考えでございます。 次に、第二期の需給計画の内容でございますが、これはお手元の資料の三ページをごらんいただきたいと思います。 米の需給計画ということで、三年間を通じまして、まず潜在生産量につきましては、反収の向上傾向を織り込みまして千三百七十五万トンとし、それから総需要量につきましては、最近の需要の実勢を踏まえまして千五十五万トンといたしております。要調整数量は、この潜在生産量と総需要量との差でございます、ギャップでございます三百二十万トンということに相なります。これに相応いたしまして、転作等目標面積は、六十七万七千ヘクタールといたしております。それから事前売り渡し申し込み限度数量につきましては、総需要量の千五十五万トンから農家消費等の三百二十万トンを差し引いた七百三十五万トンといたしております。 転作等目標面積六十七万七千ヘクタールと、事前売り渡し申込限度数量七百三十五万トンにつきましては、第二期三年間、原則として変えない考えでございます。これは一ページの2の(2)のところにこのことが記載してございます。 ただし、昭和五十六年度につきましては、同年度限りの特別措置といたしまして、転作等目標面積は六十三万一千ヘクタール、事前売り渡し申込限度数量は七百六十万トンといたすことにいたしております。 次に、第二期の奨励補助金についてでございますが、これはお手元の資料の四ページで御説明を申し上げたいと思います。 基本的な考え方といたしましては、転作作物の米に対します相対収益性の改善状況、転作の定着性向上の必要性等を総合勘案いたしまして適正に定めるということにいたしまして、具体的には次のようにする考えでございます。 奨励補助金の基本額は、十アール当たり五千円一律に引き下げまして、特定作物は五万円、また一般作物等は三万五千円とすることにいたしております。 なお、一般作物等のうち野菜につきましては、その需給事情にかんがみまして、十アール当たり一万円引き下げ三万円とすることにいたしております。この点は(注)の一に記載いたしてございます。 それから加算制度でございますが、加算制度につきましては、定着性の一層の向上を図るという見地からいたしまして、従来の計画加算制度を見直しますとともに、これに加えまして計画転作地区において質の高い連携団地を形成して行われる転作に対しまして加算する団地化加算制度を新設することにいたしております。この面につきましては、この資料の二ページの3の(2)、ここに述べてございます。 この団地化加算につきましては、団地の規模に関する要件と作物の統一に関します要件とを設けまして、生産単位の大型化を通じまして真に定着性の高い転作営農の確立を図りたいと考えております。 また、地域特産物の生産振興等地域農業再編成の見地からの転作の円滑な推進を図りますために、都道府県知事が国と協議して指定いたしました一般作物に対しまして十アール当たり五千円加算する地域振興作物加算制度を新設することにいたしてございます。 次に、第二期の制度内容についてでございます。 第二期の制度内容は、原則として第一期と同様といたす考えでございますが、本対策の円滑な推進に資するために、永年性作物に係る実績算入制度、いわゆるカウント制度でございますが、この新設等所要の改善を加えることにいたしております。 最後に、転作条件の整備についてでございます。 転作の円滑な推進と定着化を図りますためには、転作条件の整備を進めていくことがきわめて重要でございます。このため、排水対策等の土地基盤の整備、生産振興対策、価格流通対策等各般の施策の展開を図りますとともに、農用地利用増進法等の積極的な活用等もあわせ図りながら、転作の団地化、集団化を進めていく所存でございます。厳しい財政事情のもとにはありますけれども、転作条件の整備に今後とも全力を挙げて取り組んでいく考えでございます。 以上をもちまして、私の補足説明とさせていただきます。
○委員長(井上吉夫君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山田譲君 私は、まず最初に、最近出ましたいわゆる農政審からの答申について少し御質問してみたいと思います。 まず最初に伺いたいのは、いわゆる「八〇年代の農政の基本方向」、それから長期見通しというものと二つ出されているわけでありますけれども、これについて政府としては閣議決定したというような話を聞いておりますけれども、その閣議決定したのは事実でございますか。
○政府委員(渡邊五郎君) 「八〇年代の農政の基本方向」につきましては、農政審議会の答申をいただいたものでございます。 もう一つ、「農産物の需要と生産の長期見通し」につきましては、農政審議会の答申をいただきまして、閣議においてこの分は決定をいたしたものでございます。
○山田譲君 そうしますと、この二つあるうちで、見通しの方が閣議決定をして、そうして基本方向については閣議決定をしていないと、こういうことでございますか。
○政府委員(渡邊五郎君) 基本方向につきましては、閣議に御報告はいたしましたが、決定はいたしておりません。
○山田譲君 これはやはり見通しと同じように、閣議決定をするというふうなことを考えておられるかどうか。ただ報告だけで済まされているか。そこのところはどんなものでしょうか。
○政府委員(渡邊五郎君) 手続上のことでございますので、私の方からお答えいたします。 長期見通しにつきましては、農業基本法八条に基づきまして、農産物の需要と生産の長期見通しにつきまして閣議決定を要することになっておりますので、これに従いまして閣議決定をいたしまして、「八〇年代の農政の基本方向」は、今後の農政の基本的な方向を指し示し、これに基づいて農林水産省といたしまして具体的な方策を立てていくということで、各界各層の委員の集約された御意見をいただいて、これを尊重して今後施策の展開を図ると、こういう趣旨で私ども理解いたしておりますので、これについて特に閣議決定というふうなことは考えておらなかったわけでございます。
○山田譲君 会長の川野さんの談話として新聞が報道しているところによりますと、この見通しあるいは基本方向というふうなものは、将来こうなっていくであろうというふうなことを書いたものであって、つくったものであって、これをどういうふうに政策として展開していくか、こうあるべきだというふうなことについては、これは今後行政なりあるいは議会でもって決めていくべき問題であるというふうなことをおっしゃっているように新聞でちょっと見たわけでありますけれども、政府としてもその会長と同じような考え方でおられるかどうか、そこをちょっとお伺いしたいんですが、これは大臣ひとつお願いします。
○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のとおりでございます。
○山田譲君 それでは若干中身に入っていきたいと思いますが、長期見通しの中で、穀物の自給率が、三四%から三〇%に下げるというふうなことになっております。それは、御承知のとおり、前回国会で自給力の増強に関する決議がなされているわけでありますけれども、それに完全に反するというふうなことになると考えざるを得ないのでございます。そういうことについて、この閣議決定の際に一切それは問題にされなかったかどうか、議論がなされなかったかどうかということについて大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) このいま御指摘の件につきましては、閣議では議論はございませんでした。
○山田譲君 国会で自給力を強めると、こういうふうな決議がなされているわけでありますけれども、いわばそれと逆行するような見通しになっている。こういうことについて、やはりそれをそのとおりだというふうに議論もなく閣議で決定されたようでありますけれども、当然国会でそういう決議をしてあるわけでありますから、政府がそういう決定をなさる前に国会に事前に相談をなさるというのが当然じゃないかというふうに思うわけでありますけれども、この点についてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 今回の長期見通しにつきましては、国会において議決をいただきました自給力の強化決議を踏まえまして、農政審議会の意思を聞いて、自給力の維持強化に配慮してこの長期見通しを作成をいたしておるものでございます。特に、農林水産省といたしまして、第一次試算を公表をいたしまして広く各界各層の意見を十分聞くと同時に、自給力強化決議後に第二次試算を改めて行いまして、また、食糧の安全保障という視点も新たに加えまして農政審議会の審議をちょうだいしたわけであり、食糧の安全保障の問題等につきましては引き続き農政審議会で検討を継続していく考えをいま持っているわけでございまして、私どもといたしましては、誠意を込めて国会決議の意に沿うべく努力をいたしておるところでございます。 一つ一つの作目をごらんいただきますとその努力の跡がはっきりいたすわけでありますが、何しろ米の消費拡大に努力いたしましても、十年後の米の需要の増大というのはなかなか期せられないという面があり、しかも、畜産関係の養鶏、養豚、中小家畜の肉の需要の増大等も考えますと、やはり飼料穀物の輸入が相当増大することが予想されると、こういうことでありまして、したがって、飼料の増産ということに対しましても、この長期見通しにおいては相当十年後に自給度を上げるという方向を決めておるわけでございます。 ただ、主食用の穀物に限りますと、六八%の自給率と、こういうふうになっておりまして、国会の御決議にもありましたとおり、だんだんと自給率が低下してきておる、このままでほうっておいてはいかぬと、こういう御指摘をあの決議でちょうだいいたしたわけでございます。私も国会の議院運営委員長といたしまして、決議をいたしますときの事情もよく理解をいたしておるつもりでございますので、特にこの点につきましては農政審においても強く要請をいたしたところでございます。しかし、いろいろ努力をいたしましても、このえさ穀物というものを急速に国内で自給力を高めていくということはもう至難中の至難という問題が一つあるわけでありまして、この点がどうしても、えさと主食用の穀物とを一緒にして自給率を計算をいたしますと、数字が御指摘のように五十三年が三四であったものが六十五年には三〇になってしまうと、こういう結果が出てきておるわけでございまして、この点についても相当農政審議会においても議論はあったようでございますけれども、まあやむを得ざる措置と、こういうことでこの需給長期見通しの作成の了承を得たと、こういう次第でございますので、まあ一つ一つの作目ごとの自給率を御検討いただければ政府の意のあるところを御理解いただけるものと考える次第でございます。
○山田譲君 御説明はそれなりに私もわかりましたけれども、しかし、私もこの見通しを読んでいるわけですが、必ずしもいま大臣おっしゃったようなことにはならないんじゃないか。つまり、穀物の自給率については三四を三〇に下げる、そして食用の農産物の総合の自給率を見ましても、七三%を十年後にも七三%にすると、こういうことであって、およそ国会の決議とは逆行するような結論になっていると言わざるを得ないわけでございます。そういう問題について閣議でもって何らの議論もなくすんなりと通ってしまったということについて私はどうも理解しかねるわけでありますけれども、この点どんなものでしょうか。もう一遍お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) やはり農政審議会において専門の皆さん方が一年半にわたってあらゆる角度から議論をし検討を進め、そうして各界各層の意見を網羅して、そうしてその農政審議会において一応の了承を得たということは、やはり政府としても農政審議会の検討の結果を尊重をするという立場から閣議においても議論がなかったものと、こういうふうに考える次第でございます。
○山田譲君 どうもそこのところがよくわからないわけでございます。やはり国会のあれだけの皆さんが与野党一致して決議まで出してくれた、それに対していわばそれに逆らうような答申になっているわけでありますけれども、先ほど最初に私が申し上げましたとおり、川野さんがおっしゃるように、これは十年後のいわばこうなるであろうというふうなことを言ったものであって、このとおりにやれとかそういうことを言っているんじゃないんだと、あとは当然国会なり政府の責任において具体的に政策を立てていくべきである、こういうふうなことを言っているわけです。したがって、答申にそう出たからといって、それを直ちにうのみにして、まあ偉い先生たちがつくったものだからというふうなことでそのまま政府の施策にしてしまうということについてはどうも納得いたしかねるわけでありますけれども、この点について、もう一遍大臣のはっきりしたお答えをいただきたいと思うんです。
○国務大臣(亀岡高夫君) 政府といたしましては、何回も繰り返して申し上げるわけでありますけれども、権威ある農政審議会の御了承を得たものということで閣議決定をさしていただいた。あくまでも農業基本法第八条によりますこれは長期計画ではございませんで、見通しでございます。したがいまして、一番先に山田先生が御指摘になりましたように、これらの目標を達成するために政府はあらゆる努力をする、その努力をする間に国会の御決議の趣旨を十二分に生かしていくことができるような配慮を常にするということは、これはもうわれわれとしては、政府といたしましては当然の責務でございますので、その点は、長期見通しにこういうふうに出ておるからといって安易にその線だけを固執していくというようなことは考えておらないわけでありまして、それを一つの目標、めどといたしましてあらゆる努力をして自給力を強化をする、こういうことに努力することは当然でございます。
○山田譲君 当然いまでも国会の決議というものは生きているというふうに思うわけでありますけれども、この答申どおりにやるということになると国会の決議どおりにいかなくなってしまう。ですから、いま大臣がおっしゃったように、一つの目標としてはこれを考えるけれども、具体的にどういうふうにやっていくかというふうなことについては、国会なりあるいは政府がひとつ考えてやっていくということでございます。そうなると、当然今後も国会の決議というふうなものを尊重する姿勢がおありになるかどうか、そこの点をひとつお聞きしたいと思うわけです。
○国務大臣(亀岡高夫君) もう御指摘のとおりで、国権の最高機関である国会の御意思というものは、これはもう拳々服膺してその実現に努力をするというのが民主政治の根幹であると私は心得て行政に携わっていく決意でおります。
○山田譲君 ぜひそういうことでひとつ拳々服膺していっていただきたい。口先だけじゃなくて、本当に今後もこの自給力の向上というふうなことで努力をしていくようにお願いをしたいと思います。 その次に、中身の方に若干入ってまいりたいと思いますけれども、農政の基本的な方向として食糧の安全保障ということを盛んに強調しておられます。しかしながら、内容を見ますと、先ほど大臣もちょっと言われましたけれども、特に飼料作物なんか多いと思いますが、異常に輸入に依存する色彩が強いわけでございます。自給率を向上させるというからには輸入を削減しなきゃならないというのが当然だと思うんですけれども、何か中身を読みますと、安全保障とはいうものの、実質的にはやっぱり従来どおりの輸入に依存をしていくというふうな考え方がかなり強く出ているわけでありますけれども、その点についてはどういうことでしょうか。
○政府委員(渡邊五郎君) 今回の長期見通しは、農業の体質の強化を通じまして、国内で生産可能な農産物につきましては極力国内生産でこれを賄っていくようにという観点から、総合的に食糧の自給力を維持強化するという観点に立っておるわけでございます。しかし、国内の需要量が大きく、わが国の自然的、経済的諸条件から国内生産で賄えないものもあるわけでございます。先ほど大臣からのお答えにもございました、具体的に申し上げれば飼料穀物、トウモロコシ、マイロの類でございますが、こうしたものはなお海外に依存せざるを得ない、こういう考え方に立っております。国内生産をできるだけ高めるという意味では、小麦についての自給率を六%から一九%へ、あるいは食用大豆につきましては三一%から六一%へ、飼料穀物ないし牧草等を含めました飼料の自給率は二九%から三五%へと国内の自給率の向上には努めますが、と同時に、小麦なりについては輸入量の減少も見込んでおるわけでございます。 ただ、申し上げましたように、国内で賄うことが困難なものにつきまして、これの輸入の削減を直ちに図るということは困難であろう、むしろこうした輸入との関係の問題は、国内におきます生産性の向上なりによりまして輸入との対抗関係において解決せられるべきものと基本的には考えておるわけでございます。
○山田譲君 私は何もすぐに輸入をやめてしまえというようなことを言っているつもりじゃないんで、あと十年のうちにやっぱり努力していかなきゃいけない、そういうことを聞いているわけです。ですから、もう輸入しなきゃどうしようもないんだから十年間ずっと輸入をしていくんだというふうな考えではなくて、やはりもっと積極的に輸入を減らして、国内でできるものはつくっていくというふうな、これは当然のことでありますけれども、そういうことでなければいけないというふうに思いますが、どうもいまおっしゃったことを聞いていますと、何となくあきらめムードみたいなもので、これはしようがないから輸入に頼らざるを得ないというふうなことを言っておられるので、その辺は私としても非常に不満でありますけれども、その点については後でまたちょっと御質問したい点がございます。 先へ進めたいと思いますが、これはもう農林水産省だけの責任ではないと思うんですけれども、一応農林水産省のお考えを聞いておきたいんですけれども、いわゆる農業危機というふうなことが盛んに叫ばれております。そしていろんな面から危機があるわけでありますけれども、とりわけ農業の担い手が、後継者がいなくなっているというふうなことが一番大きな問題ではなかろうかというふうに思います。せっかくこういうりっぱなプランをつくっても、それを実際に実行するその農業の担い手がいないということになれば、これはもう話にならないわけであります。 そこで、その原因はどうしてそうなったかということでありますけれども、これはやはり私が考えまするに、どっちかというといままでの工業優先といいますか、輸出第一主義というか、こういうものの結果ではないかというふうに思います。高度経済成長というものが、やはり日本における工業を中心とした成長があった、そのそれなりの評価は当然あると思いますけれども、どうしてもその後回しといいますか、犠牲というと大げさかもしれないけれども、農業というものが犠牲に供されたということはこれは事実じゃないか。その結果として農村の青年たちがどんどん都会へ出ていってしまう、大工場へ行って工場労働者になっていってしまう、そうして若い農業の後継者がほとんどいなくなってしまったというようなことの結果ではないかというふうに思うわけです。したがって、今後やはり後継者をつくってそしてできたプランをそのまま実行していくということのためには、どうしても後継者の養成が必要ではないかというふうに思います。そのためには、やはり従来やっていたような大工業中心といいますか、あるいは輸出第一主義というふうな考え方、こういった日本全体の経済政策を大きく転換をしていかないというと、やはりいつまでたってもいまと同じような状況が続いていくんじゃないかというふうに思われます。 ですから、このせっかくいただいた農政のビジョンというふうなものを生かすためには、やはり従来からの大工業中心といいますか、輸出中心主義というふうなものを少しでも変えていかなきゃいけない、そうすることによって農政の方へ重点を経済政策として変えていく、こういう考え方が必要じゃないかと思うんですけれども、これは農林水産省だけじゃなくて、国全体の経済政策にかかわる問題でありますけれども、この点について農林水産省としてはひとつどういうふうに対処しようとしておられるか、そこのところをひとつ大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) ほとんど無資源と言ってもいい日本でこれだけの高い生活水準を維持していくためには、やはり石油を買うだけの外貨、また、農林水産物資だけでも昭和五十四年度は二百八十九億ドルという外貨を使っておるわけでございます。石油も三百億ドル以上の外貨を使っておるはずでございますから、これらの外貨をかせぐためにも、やはり鉱工業というもの、技術の革新、開発というものをやり遂げていかなければ、われわれのこの生活水準を維持することはできない、この今日の生活水準でもまだ足りない、もっともっと賃金も増してという意欲がある国民のニーズ等も考えますとき、やはり貿易立国という線も崩すわけにはまいらないのではないか。そうしてそういういわゆる高賃金国家とでも申しますか、高所得国家とでも申しますか、そういうふうになりますと、なればなるほど第一次産業である農業というものが生産性が追いついていけないわけでありますから、これに対する特別の施策というものを私どもも戦後ずっと続けてやってきておるわけでございます。 そういうことで戦後三十数年の間とにもかくにも食糧について非常に国民の動揺を来すというような事態を一度も起こさずにこれた。これもひとえに農家の諸君がやっぱり土から物をつくるという喜びを感じながら生産にいそしんで、食糧の確保、安定供給の力を培ってくれた。この体制をやはり工業化すればするほど、強く一般国民の認識の理解のもとに農業面に対する十分の投資をやっていかなければならない。特に農業は生産性が他産業に比べて低いわけでありますから、その田や畑やあるいは牧草地や、あるいは山林やあるいは漁場や、そういうものを、農家、漁業家、林業家の生きていく、これは精密工場だと言っても間違いではないほどの価値を持たせるような施策を思い切って国がやっていかなければならないと、こんな考え方でおるわけでありますから、そういうふうな施策を打ち出すことによって、私は後継者の諸君、農業に本当に生きがいを感ずる諸君の確保が十分にできていくのではないかと、こんなふうにも考えておるわけでございます。 御指摘のとおり、もう鉱工業の方にだけ力を尽くして、そして国会の決議をちょうだいしなければならないような食糧の自給率の低下をずっと続けてきたという、そういう事態はまことにこれは残念でございまして、しかし、今度国会の決議を契機といたしまして、農地三法の制定もやっていただきましたし、また農政審の答申も出て、国民の農政に対する意向等も大分集約されてきておるときでございますので、国会の御意思をよく体して農政を強く展開してまいれば、私は後継者の確保は必ずできるというような行政展開をしていかなければならないということを、口を酸っぱくして農林水産省の職員の皆さんにも申し上げてきておるところでございます。
○山田譲君 いままでのような重工業中心といいますか、輸出中心というふうな考え方でいく限り、やはりなかなか農家の若い人たちを農村に引きとめておくということはむずかしいんじゃないかというふうに私は考えるわけです。 それで、やはり貿易でございますから、ただ売りっぱなしというわけにはいかない。当然売ればそれに見合うようなものを何か買わなきゃならないということが出てくるのは当然だと思います。そこで、日本の場合ですと、たとえば自動車であるとか、電気機械であるとかいったようなものをどんどん輸出している。そうすれば、輸出すればするほどやはりそれに見合うものとして、先ほどの話じゃありませんけれども、飼料作物というふうなものあるいは小麦とか何とか、そういったものを輸入せざるを得なくなるのじゃないかというふうに考えるわけです。やはりいつも農林水産省の方もアメリカあたりに行って、そして小表を幾らくれとかこういうふうないわば約束事をしてこられるわけでありますけれども、その陰には、やはり日本で機械を、自動車を売っていると、そのかわりにやっぱりこれだけは、じゃ向こうからは穀物を買いましょうとか、こういった一つの暗黙の約束みたいなあるいは取り決めみたいなものがあるんじゃないかと思うんですけれども、その点はいかがなものでしょうか。
○政府委員(渡邊五郎君) 農産物自体につきましてのかつて取り決め等を行ったことはございますが、特に工業製品なりの輸出と見合いのような形で私どもとしてこうした問題を取引とか取り決め等をしたことはございません。
○山田譲君 もちろんはっきりと機械を売るから穀物をくれとか農産物をくれ、こういうことはないと思うんですけれども、どんどんどんどん機械を輸出すれば、当然それは自然の成り行きとして向こうからやっぱり何か輸入せざるを得なくなると、こういうことだと私は思うんですけれども、それを私は言っているわけです。ですから、別に国際間ではっきりした取り決めがあるかないかという問題じゃなくて、余りそういった自動車みたいなものを輸出すれば、見返りとして向こうからそういう農産物を買わざるを得なくなるのじゃないかと、こういう話を言っているわけです。その点はどうでしょう。
○政府委員(渡邊五郎君) あるいは結果的にそういう形になることもあり得るわけでございますが、私ども農産物を輸入する際におきましても、国内におきます需給状況を十分見、かつ購入先をそれぞれの立場から選んでいたしております。私どもとしてはそういう意図的な政策的な配慮を持ってしているつもりはございませんが、なおそうしたことについてはよく注意したいと考えております。
○山田譲君 これは単に注意する程度じゃどうしようもない問題だと思うんですよ。ですから農林水産省としてもっと積極的に、通産省あたりが直接の担当というところになるかと思いますけれども、そういうところに対して発言をやっぱりしないと、やたらに輸出ばかりしていれば当然見返りとしてそれはそういう結果になる。だからそれを注意しているだけじゃ困ると思うんですね。そういうやり方でやっている限りは、先ほど来私が言っているように、どうしても輸出中心主義、そして場合によっては国際分業論といったかっこうでもって日本経済が今後推移していかざるを得なくなる。そういう結果では、先ほど大臣おっしゃったけれども、農村の後継者なんというものはなかなか出てこないのじゃないかというふうに私は思うわけです。 現に私ども農村を歩いてみまして、やはり若い人たちはみんなどんどん都会へ出て行きたがる。どうしても引きとめておこうとすると、お父さんに無理して外車を買ってもらうとか、そういうことを条件にしてじゃ残ってやるというふうな、本当に農業を振興させようというような意欲に燃えて農村に残る青年なんてものはごく微々たるものでしかないというふうに思うわけです。たとえばお嫁さんの問題にしてもそうですけれども、もう私も何十人農村から嫁さんを頼まれているかわからない。ところがどの女性に会っても、とにかく農家じゃいやだというような調子で皆乗ってこないわけです。どうしてもサラリーマンのところに行きたがると、こういう傾向があります。ですから、特にそれは農地をよけい持っていれば持っているほど、そんな大地主のところじゃ絶対行かないというふうな調子になっている。ですからこれは私は一般の女性に対する一つの教育の問題もあるんじゃないかと思いますけれども、そういう一般的な傾向がある限り、優秀な農家の後継者というものは、私は単にお題目だけを並べてもそのとおりにはならない。どんどんとやっぱり大工業の方へ流れていってしまうということじゃないかと思います。 そこで一つお聞きしたいのは、これは官房長御存じかどうかわかりませんが、どなたでも構いませんけれども、ひとつ一時間当たりの賃金あるいは一日当たりの報酬でも構いませんけれども、雇用労働者と比較してどういう実態にあるか、ちょっとお願いしたいと思うんですが。
○政府委員(渡邊五郎君) 計数にわたりますので、ちょっと調べますので、ちょっと後ほど数字が出ましたら答弁させていただきたいと思います。
○山田譲君 それでは後からお聞きすることにして、大ざっぱに言って恐らく半分くらいじゃないかというふうに私は思うんです。そうすると、収入が半分じゃやっぱりいやですから多い方に皆流れていってしまう、こういうことになる。ですから、どちらが原因か結果かわかりませんけれども、とにかく先ほど私も申し上げましたとおり、この際思い切った経済の政策の転換をしていかない限り、やはり農村の本当の振興、農政の本当の発展というふうなものはやっぱりないんじゃないかというふうに考えざるを得ないわけでございます。 そこで、ついでで恐縮でありますけれども、聞くところによりますと、経済局長松浦さんが近く訪米をされるというふうなことを聞いておりますけれども、その目的はどんなことでいらっしゃるのか、お願いしたいと思います。
○政府委員(渡邊五郎君) ちょっと数字の方を先に申し上げます。 私ども五十三年度の全国の農家平均の所得を計算いたしました。五十三年度におきましては、一日当たり農業所得五千二百四十円でございまして、これは常用労働者五人以上の平均賃金に、製造業の賃金一〇〇といたしましたのに対しまして五七・〇%と、こういうふうになっております。
○政府委員(松浦昭君) お答えをいたします。 十二月の九日、十日の二日間にわたりまして、ワシントンにおきまして、日米の農産物の定期協議がございますので、これに出席いたすわけでございますが、この協議は、かつて安倍・バッツ合意というのがございまして、その合意に基づきまして、日本とアメリカの間での穀物の輸入につきましての合意があったわけでございますが、これが三年間の期間を持ちまして切れまして、その後に大平前総理とそれからカーター大統領との間でコミュニケがございまして、そのコミュニケに基づきまして、毎年定期的に日米間で世界の需給事情あるいは日米間の需給事情等について情報の交換、協議を行うということになっているわけでございます。これの目的のためにワシントンに参るわけでございますが、特に今回は、世界の穀物の需給事情が非常に逼迫化しておりまして、もちろん、先ほどから大臣が御答弁なすっておられますように、あくまでも日本の国内で自給できるものは自給したいというのが農林水産省の基本的な方針でございますが、しかしながら、現時点におきましては、相当穀物等につきまして、世界の需給事情につき十分アメリカ側と話し合って、その供給の安定化を要請しなきゃならぬという事態でございますので、その点について、アメリカ側と十分話し合ってくるというのが一つの目的でございます。 いま一つの目的は、今回農政審議会で御答申をいただきました八〇年代の基本方向及び農産物の需給見通しにつきまして、アメリカ側にこれを十分説明するということが第二の目的でございます。
○山田譲君 そういういろんな説明をなさる際に、やはり日本の国会の決議があるということをよく徹底していただきたいと思うんです。先ほどの農政審の答申だけ説明されたんじゃ、どうも自給率向上というふうなことは余り出てこないわけです。ですから、これとは別にして、やはり国会でもってこういう強い決議がなされているということを十分に説明をしていただきたいというふうに思います。ただ安易にどのくらい買えばいいんだというふうなことじゃなくして、そういう国内事情というふうなものをよく説明をしていただきたいというふうに思います。 それから農政審の答申を見ますと、よく中核農家というふうなことが出てまいりますけれども、この中核農家というのは一体どんなふうなものを考えておられるか、ちょっと具体的に説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(渡邊五郎君) 中核農家につきましては、最初に統計上の定義の方で申し上げますと、統計上の分類する整理上の定義といたしましては、基幹男子農業専従者、これは十六歳以上五十九歳未満という青・壮年層を考えておるわけでございまして、年間自家農業従事日数が百五十日以上の男子がいる農家という定義をいたしております。 〔委員長退席、理事北修二君着席〕 概念的に申し上げますれば、農業総生産の過半を担い、今後の生産力の発展の担い手となる技術や経営能力がすぐれ、高い生産性と農業所得を上げ得る、いわば農業を本業とする農家という概念でございます。具体的な戸数なりを申し上げますと、五十四年で戸数は約百五尺農業粗生産額の五六%を占めている、こういうことでございます。
○川村清一君 ちょっと関連して質問させていただきますが、山田委員が、いま需給の見通しについて質問されておりました。これはお米のことを主として質問されておったのだと思うのですが、私はお米でなくて、牛乳の問題について、ちょっと需給の見通しについてお尋ねしたいと思うわけです。 先ほどの大臣のお話の中にもありましたけれども、第二期転作を行いまして、そうしてこれは、もちろん米の生産過剰で、米の始末に困るといったようなことから、飼料作物を含めて畑作の拡大、そのことは畑作だけでなくて、結局、畜産、酪農においても生産拡大ということを図られているものと思うわけでございますが、この点いかがですか。要するに米の生産過剰を抑えるために、その第二期転作を計画してやらせる。このことはまた一面、これに伴って畑作、それから畜産、酪農、この方の生産が上がっていくんだと、こういうふうに私は理解しているのですが一この理解に間違いございませんか。いやいや、それは畑作、酪農、畜産を含めて聞いているんですよ。一般論です。
○政府委員(二瓶博君) 水田利用再編対策につきましては、これは五十三年の閣議了解にも明確に申し上げておりますとおり、これは単なる米減らしということではございませんで、そういう計画的な米の生産の調整ということもございますが、それとともに農業の再編成ということを考えておるわけでございまして、麦とか大豆とか飼料作物というような畑作物への生産の転換を企図しておるものでございます。したがいまして、二期対策におきましても当然そういう方向で展開をしていきたい、かように考えております。 〔理事北修二君退席、委員長着席〕
○川村清一君 その点はわかるのですが、私は、飼料作物というのを一つ入れているわけで、当然そのことは、畜産、酪農の生産力を上げていく、自給率を上げていくということにもつながるんでしょうと、私はそう理解しているんですが、これに間違いはないかということを大臣に尋ねている。それは畜産、酪農には一切関係ないのですか。
○政府委員(犬伏孝治君) このたびの長期見通しにおきましては、わが国の農業の生産の方向といたしまして、需要の動向に即してその生産をしてまいるということで、その需要の動向といたしましては、食生活の内容にかかわるわけでございますが、畜産物の需要は、これまでほどの高い伸びではないというふうにいたしましても、なお、所得の上昇等によりまして伸びていく、その動向に合わせた生産をしてまいるということで、畜産物の生産につきまして、農業生産の中で重要な部門として位置づけまして振興を図ってまいるということで、六十五年見通しにおきましても、そのような基本的な考え方で見通しをしておるものでございます。
○川村清一君 どうも私は簡単に聞いているんですが、御答弁が長々しくて、そんなこと聞いていないのですよ。私の理解に間違いがあるかないかということを聞いているので、おまえのその理解は間違いなら間違いだと指摘してくれればいいし、そのとおりだというなら、そのとおりだと言っていただけばよい。この次にまた何を質問されるかというようなことを心配されるものだから、用心深く先へ先へと言われて、そんなこと何も聞いてないじゃないですか。 それじゃ私、お聞きしますがね。これは大臣、当然米の転作を奨励すると。その転作作物の中に当然飼料作物が入っているんでしょう。飼料作物が入っているということは畜産なり酪農が振興していくと、こういうことに結びつかなければ、何のために米だけを抑えて、そしてほかのものを——そうすると、それは需給の動向を見てなんて、私がこの次聞くのは牛乳のことなんだ。そうすると、牛乳はもう需給がいっぱいだと、牛乳を、何といいますか、お米のようにもう生産過剰でそれを減反しなければならないなんという考え方があるから、危ないからそんな答弁はできないと思って用心されてそういう御答弁されるんではないかと思うんですが、勘ぐっての話ですが。 そこで、これは農水省から出された資料に基づいて私はお尋ねするんです。これ、関連質問ですから時間はそうとりませんが、その資料によりますれば、基準年五十三年における飲用向けの牛乳、この生産が農家の自家用飲用牛乳十二万六千トンを含めて三百七十三万五千トン、こうなっている。それから、乳製品の需要については、政府の長期見通しの中に書かれておる基準年の需要量というものは、国内生産でもって二百四十万トン、それから輸入でもって百四万四千トン、それから在庫が二十九万一千トン、そして減耗が九万五千トン。乳製品の需要は、国内生産、輸入を含めて三百五万八千トンと、こうなっている。私は飲用の三百七十三万五千トンというものは、これはわかるんです。これは納得するんですけれども、乳製品の需要の中で輸入の百四万四千トンというのはちょっと納得できないんです。 そこで、乳製品の総需要が三百五万八千トンと計算すると、一人当たりの供給量が、この参考資料に入っておる五十三年度において二十六・六キログラムということにこれは該当するんです。三百五万八千トンとすれば二十六・六キログラムにこれなるわけです。これは正しいと思うんです。 ところが、私がこれも農林水産省で出しておる食料の需給表などをずっと調べていきますというと、いま私が申し上げました百四万四千トンのほかに、この乳製品の輸入として飼料用の脱粉が七十一万トン、これは生乳換算ですよ、換算して七十一万トンと。それから乳糖、ミルクカゼインが二十七万トン、それから調製食用脂それからココア調製品、これが二十五万トン、計百二十三万トン。この百二十三万トンというものは、これはいま申し上げた食料の需給表に計上されていないんですよ。いないからして、この百二十三万トンというものが長期見通しの中におけるところの基準年の五十三年度のこの乳製品の総需要量の中に入っていないんです、入っていない。入っていないというのはこれはどういうわけなんだと。この百二十三万トンといういま申し上げたこれらのものは、国内において、やはりこれは飼料用の脱粉とか、あるいは薬品であるとか、あるいは工業用の原料であるとか食品の原料であるとか、こういうものに計上されているわけですね。これを基準年におけるところの需要というものの中に入れますというと、これは相当大きくなりまして、先ほど申し上げましたよりもふえまして、総体でもって八百二十四万四千トンとなるわけです。ところが、政府の方は、基準年における需要七百一万四千トンと、こういうふうにしておることは、これはどう考えても需要を過小評価しておると私は考えざるを得ないわけです。この七百一万四千トンというもので計算するから、五十三年度の基準年次におけるところの一人当たりの消費量は二十六・六キログラムと、こうなるのであって、基準年度をこれで需要を押さえておきますというと、今度は長期の方で、この六十五年度の、これからの十年間の最終年度において、これは伸びれないわけですよ。 御承知のように、もう一生懸命になって政府の方は酪農を奨励いたしまして、そのいろんな政府の施策に基づいて、わが北海道あたりは御承知のように大変な酪農地域をつくりまして、もう過重な借金をしょってみんな四苦八苦の状態である。これは御案内のとおりだと思うんですが、その中でもう牛乳が余ってきている。余ってきているから、いま政府はナチュラルチーズ工場をつくろうなんという計画も立てているんですね。これは一体どういうことなんだ。これもう長期見通しを見るというと、一体五十三年も——どこかにありましたなこれ、ちっとも上がらないんですよね、これは。この参考資料の十二ページに、牛乳、乳製品の五十三年の自給率八九%、それが六十五年度へいっても自給率八九%、同じなんです。まあ人口がふえるから一人当たりは減るのかもしれませんけれども、こういったようなこと。 だから、どういうわけで、私がいま申し上げました、輸入しているこれら飼料用の脱粉だとか乳糖、ミルクカゼインだとか、調製用食用脂、ココア調製品の基準年五十三年の百二十三万トンという輸入量がこの中に加わらないのか。加えていないことが納得できないんだ。それを説明してください。
○政府委員(犬伏孝治君) このたびの六十五年長期見通しにおきまして牛乳、乳製品の需要の見通しを行った際も、ただいま御指摘の基準年次の数字でございますが、御指摘のとおり、牛乳、乳製品の総需要量を七百一万トン、そのうち飲用向けを三百七十四万トン、乳製品向けを三百十五万トン、農家の自家用生乳を十三万トンとしております。これは昭和五十三年度の公表されております食料需給表に基づくものでございます。 このうち輸入につきまして、ただいま御指摘があったわけでございますが、三百十五万三千トンのうち輸入量は、御指摘のとおり、ここで見ておりますのは百四万四千トンでございます。そのほかにえさ用の脱脂粉乳あるいは乳糖、カゼイン、ココア調製品、調製食用脂等がございまして、それの五十三年度の生乳換算量は御指摘のとおり百二十三万五千トンでございます。これを基準年次の総需要量の中に織り込んで、昭和六十五年度見通しにおきましても、それが今後どうなるかということを見通すべきではないかという御指摘ではなかろうかと存じますが、御承知のとおり、この基準年次におきまして見込んでおらないものは、工業用あるいはえさ用等で主として食用に向けられないもの、これが中心であると。したがって、そういうことで食料需給表には載ってないということが第一点。 それからもう一つは、えさ用の脱粉に例をとって申し上げますと、このえさ用の脱粉は、諸外国におきましては過剰乳製品の処理のために特別の輸出補助金をつけまして輸出されておるものでありまして、わが国に入りましてえさ用だけにしか使われないような制度的な担保もされておりまして、食用と截然として区別をされておる。しかも、わが国で生産される乳製品が、脱脂粉乳がえさ用に振り向けられるということは、価格の面から見て、現時点ではとうていそれを見込むことは困難である。そういうことから、需要の分野が異なるというものでございますので、これを一緒にいたしまして需要規模を見ることはかえって現実の実態にそぐわないということから、この需給見通しでは入れていないわけでございます。 もちろん、この工業用あるいはえさ用のものが国産によって行われて、国際競争力を持って国内で使われるというようなことが現実の事態として予測されるような事態、そういうことになれば、当然全体の需要規模として考えることが妥当ではないかと思いますが、現時点において、近い将来でそのようなことになることはなかなか見通すことは困難である。そういうことから、今回の六十五年見通しの基準年次におきましては、輸入乳製品につきましては百四万四千トンということにいたしておるのでございます。
○川村清一君 山田委員の質問中でございますのでぼくはやめますけれども、そういう御答弁ではとても説得力はないですよ。それで、いま農政審の答申に基づき長期の一つの計画を立てておる。その見通しを五十三年を基準にして六十五年に向けての見通しを立てるその過程において、この基準、出発点がやっぱり大事なところなんですね。ところが、いま言ったように、輸入の百四万四千トンというものは、これはそれでいいんですよ。百四万四千トンのほかに百二十三万トン輸入しているんですよ。その輸入は、これはえさ用脱粉であるとかあるいは乳糖、ミルクカゼインだとかあるいは調製食用脂とかココア調製品に使っている。これが日本に入ってきているんです。これは牛乳に換算して百二十三万トン入ってきている。この百二十三万トンは、輸入品であったってこれは食用でないかもしれない。食用でないかもしれないけれども、飼料用脱粉であればこれはいわゆる肉を通して食用になってくるわけですから、こういうものを入れないでおいて、輸入量というものをできるだけ表に出さない。出さないでおいて、牛乳が余るから牛乳の生産を今度は抑えるというような、そういう政策はいかがなものですか。私はそれは納得できない。おかしいと思いませんか、大臣。洗いざらい全部出したらいいじゃないか。そうして、食用になるバター、チーズとかそういうものの乳製品はきちっと百四万トンとして出しておいて、それを超す百二十三万トンというものがあるんですよ。あるけれども、これはこっちに隠して、除いておいて、そうして昭和五十三基準年度の総需要量はこれだけですよと、一人当たり二十六・六キログラムですよと、こう出しておいて、これを基準にして十年間の見通しを立てていって、六十五年にはこうなりますよとというような行き方というものは、私は納得できません。もうやめますが、いずれまた詳しくやりますけれども、大臣の御見解だけを承りましょう。
○国務大臣(亀岡高夫君) 非常に私も日本の酪農全体から見て、いま川村委員の御指摘になられた点については大事な点が含まれておるような感じを持ちますので、この点については農林水産省といたしまして十分検討さしていただきます。
○山田譲君 農政審の答申を見ますと、十年後はこうなるであろうということで、黙っていればこうなっていくであろうというようなことですけれども、やはり米の需要拡大といいますか、その努力は一層していかなければならないと思うのですが、その一つとして、学校給食の問題が私はあると思うんです。それで、学校給食でお米を食べさせるということもやっておられるようですけれども、いままでやってこられたその実績、それはどうなっておるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 学校給食への米飯の導入につきましては、五十六年度までにすべての完全給食実施校において週二回実施することを目標といたしまして、学校給食用米穀の大幅な値引きでございますとか、学校給食用の委託炊飯設備、米飯持参給食用備品に対する助成というようなことも行ってまいりました結果、本格的に米飯学校給食を導入した昭和五十一年から本年の五月までの成果を見ますと、実施校は一万八百四十六校から二万五千八百八十五校に伸びておりますし、対象となります児童生徒数につきましても三百九十五万人から千百五十一万人というように増加をいたしております。また、月平均実施回数は二・五回から五・七回というふうに増加をいたしております。また、五十六年度の目標週二回以上実施している学校は千七百二十一校から一万五千八百三十七校というふうに大幅に増加をいたしておりまして、相当の成果が上がっておるものというふうに考えております。
○山田譲君 やはり人の嗜好というのは少年期に大体決まるというふうに言われているようでありますけれども、したがって、少年期において御飯を食べさせるということがやはり米の需要拡大にも非常に貢献するのじゃないかというふうに思います。そこで、ひとつこの点は一層積極的にやっていただきたいと思います。 そこで、一種の提案というふうなものがありまして、お米を御飯にして、御飯を弁当箱に入れて持っていく、おかずだけ学校給食で出したらどうかというふうな提案も出されているようでありますけれども、何かそれは給食法に違反するとかなんとかいう話があるんですが、この点はひとつ文部省の所管だと思いますので、お答えいただきたいと思います。
○説明員(奥田與志清君) いまお話しの学校給食でございますけれども、先生御指摘のように、学校給食は現在学校教育の一環として行われておりまして、御指摘の学校給食法に基本が定められております。 いま御指摘の米飯給食でございますけれども、弁当を持参するということは学校給食法に違反するというふうなことはございません。私どももそこまでは申しておりませんが、学校給食法の趣旨をよりよく実現するというふうなことになりますとどういう方法がよりいいのかというふうなことになろうかと思うんですけれども、御存じのように、学校教育におきましては、従来からそうでございますけれども、同じものを食べさせることによりまして教師と児童生徒の親近感を養うとかいったようなことが教育的にも重要でございまするので、そういう点に力点を置いて今日までやってきているわけでございます。特に米飯給食につきましては、先ほど食糧庁長官の方から御答弁がありましたように、現在鋭意計画的に導入をしておりますけれども、特に私どもは自校炊飯方式といっておりますけれども、要するに同じかまの飯を食うというふうなやり方がいまのところ五十一年度に比べましてますます定着をしつつあるというふうなことでございまして、御提案がございました白飯弁当を持参するという方式でございますけれども、これまでの例によりましても、いま私申し上げました自校炊飯の方式に比べまして、弁当を忘れた場合の問題だとか、あるいはパンを持参した場合の問題だとか、あるいは教師に弁当を持ってこさせなきゃならぬとかいったような解決すべき問題もありまして、関係者のなかなか賛同も得られにくいというふうなこともございます。そこで私どもは、先ほど申し上げましたように、今日子供も非常に喜んでおりますし、こういう米飯給食を自校炊飯の方法でもっともっと推進していきたいというふうに考えております。
○山田譲君 いまのお話はそれはそれで結構だと思うんです。やはり皆さん同じかまの飯を食うということはいいけれども、ただ、米にする場合は米を炊く施設が金がかかるからなかなか米にならないというふうな話があるものですから、それじゃ弁当に御飯だけを詰めていったらどうかというふうな話になったわけで、ひとつぜひ施設もちゃんとできるだけ努力していただいて、そしてできるだけ御飯を食べさせるようにしていただきたいというふうに思います。 その次に、農産物の流通機構の問題でございますけれども、せっかく農家の方に一生懸命安くつくっていただいたとしても、実際の消費者の方の手に移る場合には幾つかの流通過程を経て非常に高いものになっていってしまう、こういうことは事実だろうと思うんです。ですから、ここで伺いたいのは、ひとつ安く消費者の手に渡るように、すでに生協なんかでは産地直送方式というふうなものをやっているようですけれども、もっと流通機構にメスを入れて、そして農家の方がつくったものができるだけ安く消費者の手に渡るような、そういうことを考える必要があると思うんですけれども、農政審の答申にはあんまりそのことを触れてはおりません。しかし、これは私は大事なことだと思うんですが、それについて農水省のお考えを聞きたいと思います。
○政府委員(森実孝郎君) 農政審の答申におきましては、産地直送等の問題は確かに直接は触れておりません。御案内のように、産地と消費者の中間に立つ市場流通が中心になりまして、それ以外に、たとえば生産者の集配機構等による直接の販売あるいは特約取引等をべースにしました産地直送等の取引等が現在選択的に行われている形でございまして、まさに流通の合理化を図っていくためには、こういった選択される流通機構論自体ではなくて、むしろ物流機能の向上とかあるいは商業機能の充実という点を重視してこの答申がまとめられたものと理解しております。 しかし、同時にこの答申におきましては、これからの流通チャネルの多元化の問題とか比較的狭い地域の循環型流通圏の形成ということを指摘しておりまして、まさに御指摘の産地直送等もそういった視点から評価すべきものと見られていると思っております。 私どもといたしましても、比較的貯蔵性のあるような商品の取引とか、あるいは予約ができる、消費者から購入予約をとれる取引とか、あるいはたとえば低農薬野菜とか高鮮度野菜等に代表されますような特殊な商品につきましては、やはり補完する機能として産直取引を育成する必要があると思っております。 そういう意味で、現在でも生協とか農協のそういった施設についての助成も行っておりますが、われわれも、これから都市住民と農家との交流の問題、あるいは新しい消費者ニーズの変化等も頭に置きまして、それなりに一定の条件のもとではこれを重視して育成してまいりたいと思っております。
○山田譲君 流通機構の問題は、これはなかなか言うべくして簡単に解決できない問題がいろいろあると思いますけれども、きょうの日本農業新聞なんかにも出ておりますけれども、やはり流通機構が余りにも複雑多岐にわたり過ぎている。したがって、せっかくつくられた農産物が安くなかなか消費者の方に渡らないところが問題であるというふうなことも出ておりました。ですから、ひとつ流通機構につきましては思い切ってメスを入れていくようにお願いをしたいと思います。 それからその次に、同じく消費者サイドの問題になってまいりますけれども、食料がやはり非常に鮮度がいい、あるいは安いということが消費者にとって必要でありますけれども、最近は特にもう一つ、安全な食料ということが叫ばれてきております。やはりいろんな化学肥料を使う、農薬を多投するというふうな関係で、野菜がかなりそれに冒されているんじゃないか。そういうものを食べていきますと、やっぱり相当人体にいろんな害が出てくるんじゃないかということが言われているわけです。答申はその点に一切触れておりませんけれども、消費者へ安全な食料を供給すると、こういうことについてひとつ農林水産省のお考え方を聞いていきたいと思います。
○政府委員(森実孝郎君) 食品の安全性の確保という問題は、消費者の食生活の安全を確保する意味でも、食品産業の健全な育成を図る意味でも重要な課題だろうと理解しております。そういう意味で実は農政審答申の中でも、「生産から流通加工に至るまでの過程において、農薬や食品・飼料の添加物の製造・使用、食品衛生等の面で、食品の安全性確保に一層配慮していかなければならない」という指摘が行われていることと理解しております。私どもといたしましても、いま先生から御指摘がありました農薬の残留規制ないしは使用規制の問題、それから野菜の安全性の確保の問題、さらにJAS制度におきましては、加工食品の安全性の確保の問題、こういった各般の施策を講じておりますし、また食糧事務所を通じましてそういった監視の機構も逐次強化しつつあるわけでございます。今後とも、御指摘の点を頭に置きまして厚生省とも十分協力をとりながら、重要な課題として取り組んでまいりたいと思っておるわけでございます。
○山田譲君 それでは次に、いわゆる二期対策、再編対策といいますか、について御質問していきたいと思います。 まず最初に伺いたいことなんですが、つまり実際農業をやっている方が転作に対してどういう気持ちを持っているかということなんです。私もそれなりにいろんな農村を歩いてみましたけれども、どこへ行きましても、減反結構でございますというふうな農民の方はいらっしゃらない。逆に、何とかして山田さん、減反やめるようにがんばってくれということをどこへ行っても聞かされているわけでございます。 それで、減反政策をやられてから十年近くたつわけですけれども、そういった農家の方の考え方がやはり定着をしていない。やはり米というものに、あるいはたんぼというものに非常に執着をしております。しかし、政府のかなり強引な行政指導といいますか、いろんな対策によって無理やりにやらされているというふうなのが実態じゃないかというふうに思うんです。 その理由は何かというと、これは私なりの考えでありますけれども、やはり農家の方々は、二千年来続いた、縄文文化のときから続いている水田方式というものが日本に一番マッチしているというふうなことを、直感的にあるいは経験的に感じておられるんじゃないかと思うんです。そういうことで、そのようなたんぼをつぶすということについて非常な不安感を感じている。そして、なかなか転作をしてもそれを定着をさせようとしない、折があればまた水田に戻したいというくらいの気持ちでいるんじゃないか。私は実際に農村を歩いてみてそういうことを痛感したわけでございます。 それで、これは大臣に伺いたいんですけれども、そういう考え方に対して大臣はどういうふうにお考えになっておられるか。大臣は、減反については農民の方は皆賛成しているというふうに考えておられるか、どうでございますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) もう心から賛成という農家はほとんどいないであろうと、こう思います。いま御指摘のとおりに、私も農村を歩いてみまして感じを受けております。しかし、やはり消費面を考えますと、豊葦原の瑞穂の国と言って、お米を大事にして、もう米が最高の主食ということで、足りない足りないというほど食べて今日の日本の民族文化をつくってきた、こういうことでありますが、民族初めての経験の敗戦というその直後における食生活、欧風化というようなことで急速にパン食の方に移行したということで、とにかく食べてもらえないものをつくって、そしてその処理のために大変な迷惑を納税者にかけるというようなことを続けていっていいんだろうかというところから、この生産調整という問題が行政的にスタートしてきたと思うわけであります。 やはり農家の皆さん方も、稲刈りにパンを持っていって牛乳を飲みながら稲を刈る。また田植えをするときも、もう小昼つくるのがめんどうだからパンを買ってきて牛乳で済まそうと、こういうことを指摘いたしますと、いやそのとおりだと、手がないんだからやむを得ませんと、こういうのが現実なわけです。したがいまして、心の中では米はつくっていきたいんだけれども、しかし、つくっていくと結局自分たちの首を絞めるような結果になるような先が見えてくる、だから、ひとつ生産調整にいやいやながらも協力せざるを得ないということで、私はそういう農民感情のもとに第一期の水田利用再編対策も協力をいただくことができた。第二期も、私自身はそんな気持ちで取り組んでいただいておる農家の気持ちを推測しながら、その御協力をいただけるようなふうに、信頼と納得と協力と、こういう立場でそれぞれの分野に私なりの指示をいたしてきておる、こういうことでございます。気持ちはもう本当に山田委員と同じような気持ちで私はおるわけでございます。しかし、やらなければならないという非常につらい立場でございます。
○山田譲君 大臣の非常につらいお気持ち、いま御説明ありまして私もそのとおりじゃないかというふうに思います。ただ、減反に反対して、そしてじゃお米をこれ以上ふやしてどうなるんだというふうないろんな問題はあろうと思いますけれども、私は特にせっかくそういう農民の気持ち、これをやはり十二分にくんでいただいて、そうしていろんな施策を講じるようにしていただきたい。そこはやっぱりいやいやながらやるというんじゃなくて、率先してそれじゃひとつやりましょうというふうな気持ちを農民に起こさせるような努力をひとつ今後とも続けていっていただきたいというふうに思うわけです。 それからその次に、今度いわゆる第二期対策の目標面積を六十七万七千ヘクタールにされたようですが、これについての、なぜ六十七万七千にしたかというこの算出の根拠を伺いたいと思います。
○政府委員(二瓶博君) 第二期の転作等目標面積につきましては、引き続きます生産力の向上と消費の動向等を踏まえまして、第二期の期間を通じまして新たな過剰の生ずることのないようということで、需給均衡ということを旨といたしまして需給計画を定めることにいたしたわけでございます。 ただいまお話のありますいわゆる転作等目標面積六十七万七千ヘクタールの算出の基礎でございますけれども、まず一つは米の潜在生産量でございます。もちろん、これは潜在水田面積に反収を掛けるということになるわけでございますけれども、その反収の面につきましては、これは最近の反収の向上傾向、これを織り込んだわけでございます。そういうことで千三百七十五万トンというふうに算定をいたしたわけでございます。それから、総需要量でございますけれども、これも最近におきます実勢、これを踏まえまして千五十五万トンというふうに算定をいたしたわけでございます。この両者の差がいわゆる要調整数量ということに相なるわけでございましてそれが三百二十万トン、これに見合います面積ということで見ますというと六十七万七千ヘクタールになるということになると、こういうことでございます。
○山田譲君 答申によると、七十六万ヘクタールというふうなことをさらに減反する必要があるということを言っていますけれども、そうすると、やっぱりこれではまだ足りないというふうにお考えですか。
○政府委員(二瓶博君) 六十五年度の長期見通しにおきまして、六十五年の時点におきましては七十六万ヘクタール余剰水田が出るであろう、こういう見通しでございます。ただいまの六十七万七千ヘクタール、これは五十六年度から五十八年度までの転作等目標面積ということで見たわけでございますけれども、七十六万ヘクタールとの関連について言えば、転作等目標面積は、これはいずれまた第三期があるとすれば、その時点で具体的にその時点の生産状況あるいは米の需給事情等を踏まえて決めることになろうと思いますが、考え方としては、七十六万ヘクタールヘの道程といいますか、そういうものとして位置づけられるのではないか、したがいまして、この六十七万七千ヘクタールというのはこれは五十六年度から五十八年度、その先の六十五年という遠い見通しとしてはやはりこれよりも多い七十六万ヘクタール程度が余剰水田として出るであろう、こういう見通しである、こういう関係でございます。
○山田譲君 その次に、まあ五十六年度限りの措置として、冷害を考慮して四万六千ヘクタールを軽減する、こういうお話でありますけれども、この四万六千ヘクタールの根拠はどういうことですか。
○政府委員(二瓶博君) 五十六年度の措置といたしまして転作等目標面積を四万六千ヘクタール軽減をするということを考えておるわけでございますが、この冷害等配慮の四万六千ヘクタールの算出の基礎でございますが、これは実は今回の水稲の被害、これは過般十月六日現在のものが公表をされておるわけでございますが、その際の水稲の三割以上の被害面積、これは三十八万ヘクタールほどございますが、そういう被害面積というものをベースにいたしまして、そのほかにも実は三割未満の被害面積もあるわけでございます。これも百四十二万ヘクタール程度の被害面積があります。そういうことを見まして、全体として三割被害というふうにおしなべて見ると、全体として三割被害となるとすればどのくらいの面積になるかというのをいろいろ推計をいたしたわけでございます。この推計をいたしますと九十二万ヘクタール程度に相なります。この面積が全体の水田面積二百八十六万ヘクタールに対しますと大体三二%程度の比率に相なります。これを十四万二千今回上積みをする、五十三万五千に十四万二千上積みして六十七万七千ということでございますので、この上積み面積にこの比率を掛けますと四万六千ヘクタールという数字が出るわけでございます。したがいまして、大体冷害を配慮するといいますか、冷害等の災害の配慮ということでどの程度の面積を全国量として配慮すべき面積として必要にしてかつ十分かという角度で検討しました際に、やはり三割被害というような角度に見合うようなものを全国量として軽減してはどうか、こういう思想に立っての算定でございます。もちろん、これの配分の方はまた、これは全国量を決めるだけでございますので、配分はまた別途の指標なりウエートを使いまして算出をするということに相なろうかと思っております。
○山田譲君 いろいろ数字を言われたけれども、これは数字なんてものは逆算すればどうにでもなるわけですから、どうも余り信憑性が私としては感じられないわけです。新聞その他でもっていろいろ聞くところによりますと、何かいろいろな政治的な駆け引き、取引があってこの辺に落ちついたというふうな新聞報道があるわけですけれども、そうしますと、いまおっしゃったその考え方というのは、もう最初からそういうふうに考えておられたのか、それともその後のそういう圧力というんですか何か知らないけれども、そういった政治的な駆け引きによって変わったのか、そこら辺は、新聞でいろいろ言われているものですから、本当かうそかはっきりさせていただきたいと思うんです、数字の根拠はもういいですから。
○政府委員(二瓶博君) 農林水産省内部でいろいろ検討しまして、冷害配慮ということを——この水田利用再編対策が農家の理解と協力を得てやらなくちゃならぬという事業の性格、それから、冷害というきわめて全国的しかも深刻な被害であったというようなことを背景にいたしまして、二期対策というものを軌道に乗せて協力を得ながらやっていきたいという角度で、冷害の配慮というのを、何らかの配慮をむしろすべきではないかと。ただ需給に影響を与える、支障を与えるということでは困りますが、そういう面もあわせ考えながら考えたわけでございます。 当初は十四万二千ヘクタールの上積みのむしろ八分の一程度、一万八千ヘクタール程度でいかがかと、こう思ったわけでございます。これは、三割以上の被害面積、これが全水田面積の八分の一というようなことで考えたわけでございます。ただ、この冷害配慮につきましては、どういう量で全国量を考えるべきか。私、これは今回初めてこういうことをやるわけでございますし、どういうルールでという明確な算式はございません。したがいまして、いろいろ関係の方面等の意見等も聞きますと、さらに、こういうものがおりた場合の県別の、県が市町村に配分する、あるいは市町村が農家に配分するというようなことも頭に置きますと、なかなか一万八千ヘクタールということだけでは十分ではないのではないかという強い御要請なり御意見もございました。いろいろ考えました末、現在農林水産省案として御説明申し上げておりますものは四万六千ヘクタールというものでございます。
○山田譲君 これ以上この問題は追及いたしませんけれども、いずれにしても、やっぱり農林水産省がちゃんとこういうことでやろうということに対して、いろいろの考え方があると思いますけれども、やっぱりひとつ権威を持って冷害対策というものをやっていっていただきたいというふうに思います。 それから、その次に奨励金の問題でございますけれども、奨励金が今度五千円引き下げられたということですが、そもそもこの奨励金の計算というのは一体どういう計算でもってできているかということをまずお伺いしたいと思うんです。奨励金の金額の根拠ですね。
○政府委員(二瓶博君) 転作奨励補助金につきましては、これは期ごとに見直すということになっておりますので、今回見直しの検討をやったわけでございますが、一つは、やはり相対収益性の関係がその後どうなっておるかというような視点、それから転作の定着性を一層図るというような視点等々から総合的に勘案して検討をいたしたわけでございます。 そこで、まずこの相対収益性の関係につきましては、近年、麦、大豆等の主要転作物の米に対します収益性格差——十アール当たり所得等を指標にいたしますが、こういう収益性格差は、一つは相対価格関係の是正ということで、麦にしろ大豆にしろ、行政価格が上がっておるというようなことあるいは生産対策をいろいろ講じたというようなことで反収等が上がっておるというようなことで、傾向として縮まりつつあるというふうに見受けられるわけでございます。したがいまして、第二期におきます奨励補助金の水準につきましては、米との収益性格差が縮小してきておるという、そういう中で基本額を十アール当たり五千円を下げたわけでございます。 他方、転作の定着化促進というような見地からいたしまして加算制度の方は二段階に分けまして、計画加算額の単価を若干引き下げますとともに、新たに団地化加算といいますものを上乗せをするというようなことで、今回の奨励補助金の水準なり体系というものを考えたわけでございます。
○山田譲君 これは私がある人から聞いた話ですから、もし間違っていたら間違っていると言っていただきたいんですが、そもそも七万円という数字が出てきたのは、十アール当たり米の場合は九万円である、そしてそれに対して麦の場合は二万円しかならない、ですからその差額の七万円をやるようにしたんだ、こういう話を聞いたことがあるんですが、これは本当ですか、うそですか。
○政府委員(二瓶博君) 第一期の際に、七万円、いわゆる計画加算を含めました特定作物七万円でございますが、この七万円の奨励補助金を交付するということで転作は進められるであろうと。それはということで申し上げましたのは、当時稲作所得が十アール当たり九万五千円程度ある、これに対しまして麦、小麦なり大豆、こういう主要な転作作物の所得は大体二万五千円程度である、そういたしますと、九万五千円程度から二万五千円程度引きますと七万円程度になる、そういうことで、特定作物の七万円といいますものが、大体この稲作所得と転作作物所得のギャップを埋めるというような形になるということで説明をした経緯があるというふうに聞いております。
○山田譲君 そうすると、私の言ったようなことが大体本当に近いということになると思うんですが、そうしますと、五千円を下げるという考え方は麦の方が今度は高くなったというようなお考えですか。
○政府委員(二瓶博君) 今回いろいろ試算もいたしまして、この奨励補助金の水準、体系を考えたわけでございますが、大ざっぱに申し上げますと、一つは稲作所得、これにつきましては最近のデータによりますと九万円程度というふうに見ております。それから転作作物の所得、これは小麦なり大豆なりの主要転作作物の所得平均でございますが、大体三万円程度。そういたしますと、大体奨励補助金といたしましてはまあ六万円程度あればよろしいのではないかというふうに実は考えられるわけでございます。したがいまして、転作作物等の収益性というのは相当上がっておるかというお尋ねに対しては、第一期の場合、大体五千円程度というのと比較すればその程度は上がっているものと見ておるわけでございます。
○山田譲君 そうすると、六万円程度の差に対して、この案でいきますと、全部やった場合の話ですが、七万円になるんですが、多少おまけをしているんだというような考え方ですか。
○政府委員(二瓶博君) 今回、特定作物につきまして基本額、計画加算額、団地化加算額を差し上げますと、先生おっしゃいますとおり七万円ということに相なります。したがいまして、計画加算額までで大体六万円に見合うぐらいになるわけでございますが、非常に努力をされまして、いわゆる連檐団地というようなことで団地化に取り組まれて転作をやられるという方につきましては、稲作所得との関係でいえば若干それよりも多くなるというような姿だろう、かように考えております。
○山田譲君 その次に、いわゆる計画加算についてお伺いしたいんですけれども、この計画加算というのは考えているとおりにかなり実際に行われておりますか。
○政府委員(二瓶博君) 計画加算でございますが、第一期の場合におきましてやはり定着性を図るということが必要だという意味から、地域ぐるみの計画転作というものを考え、これについての加算制度を考えたわけでございます。 で、第一期の計画加算の対象率と申しますか、これをながめますと、全転作面積の中で八割方この計画加算の対象になっておるということで、相当これは進展をしておるというふうに見ております。ただ、これらの団地化というような面についてはなお不十分ではなかろうかという意識で、団地化加算というのを今回さらに考えておると、こういうことでございます。
○山田譲君 今度新しく団地化加算ということを考えられるようですけれども、これはあれですか、団地化加算をやれば、全部計画加算の分も出すと、こういうことになるわけですね。それともう一つ、団地化加算の内容を少し具体的に教えていただきたいと思うんです。を持つことができる形になっておりますので、当面はこのような協議の枠組みを通じまして安定的な供給を図ってまいるということを考えていきたいと思っておる次第でございます。
○岡部三郎君 基本的には、いま局長も言われたように総合的な食糧自給力を維持、強化するために、農地、水資源の確保、技術水準の向上、生産の担い手の育成等を中心として国内で生産性の高い農業を築くことが必要であるということを答申でも指摘しておるわけでありますが、そこで、まず農地についてでありますが、優良農地をいかに確保し、その土地利用を進めていくかということは、これは農地政策の基本でありまして、従来からいろいろの手だてが講ぜられてきたわけであります。その結果、人為的な壊廃面積は年ごとに減少しておるわけでありますが、なお耕作放棄等の面積が相当の量に上っており、都市的壊廃よりも多いというようなことははなはだ遺憾でありますので、引き続き強力な施策を講ずる必要があるのではないかと思います。さらに、新たに農用地を造成することも非常に大切だと思いますが、これには相当長期にわたる計画的な努力が必要でありますし、また、絶対量の確保のみでなく、質的にすぐれた生産性の高い農地を得るということが大切でありまして、そのために圃場整備あるいは農道事業あるいは用排水の改良など、幅広い土地改良事業を行わなければならないと思うわけでありますが、特に現行の土地改良長期計画は制定後すでに八年を経過しておりまして、最近の農業情勢に必ずしもマッチしない面も出てきておるわけでありますので、この際これを改定し、土地改良事業の強力な推進を図るべきだと考えますが、この点、これは土地改良に非常に御造詣の深い大臣にひとつお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 農地は農業者にとっての食糧生産の精密機械だと、私はいつも言うておるわけであります。そういう意味から、国土の狭小であり、しかも人口綱密な日本におきましては、この狭い農地を最大限に活用してまいらなければならない宿命にあるわけでございます。したがいまして、この土地条件を完全に整備をして、そうしてそのときどきの食糧需給の動向に応じて田畑輪換といったような土地利用を高めていくような農地に全国の農地をしなければならないという、これはもう農業政策の基本中の基本と、こう考えておるわけでございます。 しかるところ、戦前は地主等によってほんの申しわけ的な土地改良等が行われたわけでありまして、本格的に農業基盤整備というものに取り組んで、これが現実に農家の生産力を高めるという使命を果たしたのは戦後であろうと思います。したがいまして、現代の時点におきましてももっともっと国家投資をして、この農業基盤の整備を図っていかなければならない。特に、従来土地改良十ヵ年計画は、水田造成でありますとか、水田の基盤、農業基盤の整備等がどちらかというと重点的な方向として策定をされておるというふうに私も理解しておりますので、先般農政審議会からの答申並びに長期見通し等の閣議決定をいたしました期に、もう十ヵ年計画も余すところ二年しかないと。いまから新計画に取り組んでももうやっと間に合うか間に合わないかといったような状態にまで押し詰まってきておるので、将来のこの十ヵ年の生産と需要の長期見通しのうらはらになるやはり土地条件の整備という基本的な問題を解決していかなければならないから、その新農地基盤整備長期計画とでも申しますか、そういう立場であるいは田、畑、果樹園さらには農村整備までも含めたいわゆる農業基盤整備長期計画とでも申しますか、そういう方向からの計画作成に取り組めと、こういうふうに構造改善局に指示をいたしたところでございます。 したがいまして、いま岡部委員から御指摘になりましたとおり、農地は何といっても農業政策の基盤でありますので、これが整備のためにほかの省とよく協力をしていかなければなりませんけれども、やっぱりリードしていくのは農林水産省でなければならないと、こういう気持ちで対処していきたいと、こう思っております。
○岡部三郎君 さらに、農業用水の確保は特にわが国のような水田を中心とする農業においては欠くべからざる重要な問題であります。また、これと表裏一体をなす水利権の問題については、大臣は先日の日本経済新聞の記者のインタビューにおきましても特に指摘をされまして、総合安全保障閣僚会議においても一番にこの問題を主張すると、こういうふうな御発言をされておるわけでありますが、われわれ関係者としまして非常に意を強くしておるわけでありますが、この農業水利並びに水利権に関する大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私は、食糧の安全保障の一番のもとは何かというと、やはり土地と水であると。特にこの農業水利、農業水利権と申しますのは、われわれの先人が本当にいろいろな経験上から割り出して、その地域における土地基盤整備をしたときにどのくらいの水が要るかということは、もう本当にいまでも驚くべきほどの先見性を持って各河川ごとに農業水利権というものを確保してあるということを、私は建設大臣を経験いたしましてしみじみと感じておるわけでございます。したがいまして、この農村に与えられた、農民に与えられた水利権というものを十分にこれを活用をし、そうしてこれを確保してまいるということ、さらに新たな水利権を造成していくということ、そうしてこの水を、畑作にいたしましてもあるいは果樹園の経営にいたしましても水田経営にいたしましても、水はますます必要になってくるわけでありますので、この農業水利の確保という面につきましては私は真剣に取り組んでいかなければならないと、こういうふうに考えておりまするし、この水の問題につきまして、農業地帯の地下を流れておる地下水とでも申しますか、こういう地下水に対する法律的な規定というものがまだできておらないじゃないかという感じがいたすわけでございます。 本委員会におきましても、湿田地帯でありますとかそういうところは、天から与えられたそういう条件をフルに活用してそこに適するような農作物の品種を造成してまいるというようなこととあわせて、いまお答えしたように、水利権と土地基盤整備という大きな、ある意味においては国土を本当に農村の地域社会の上から見て改造をしていくというくらいの気持ちを持ってやっていくことが、私は将来農業者が農業に本当に夢を持って取り組んでいける希望を与える大きな一つの施策であると、こう考えておりますので、農林省の各専門家を動員いたしまして、八〇年代の農政の基盤になる水と土地との整備計画をつくり上げていきたいと、こう考えております。
○岡部三郎君 次に、技術水準の向上についてでありますが、農業生産における技術の重要性は言うまでもありません。この向上が従来も農政の進展に寄与することまことに大なるものがあったと思うわけであります。しかし、農林水産省関係の試験研究機関はとかく縦割り過ぎるという批判もないわけではありませんでした。最近では重要課題についてのプロジェクト研究等も熱心に実施をされておるわけであります。この際、さらに一段と推し進めて食糧の安全保障という見地から、従来の研究成果を踏まえて総合的実践的な技術体系を早急に打ち出すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(川嶋良一君) わが国の食糧の自給力の向上を図るためには、農用地を効率的に利用し、また生産性の高い農業を確立することが重要でございますが、特に先生御指摘のような土地利用型農業の技術体系総合化をしていくということが大変重要であるわけでございます。こういうような見地から、水田利用再編対策あるいは地域農業複合化、こういったような研究におきまして、全研究機関を挙げて総合的な研究を強力に推進しているところでございます。さらに昭和五十四年度に移転を完了しました筑波の農林研究団地におきます研究機関の集中のメリットを生かしまして、ここでそれぞれ開発されました高度な技術を第二期について見直して、その考えております案を御説明申し上げておるわけでございますが、三期になればまたその時点でいろいろ検討をされるということになろうかと思っております。
○山田譲君 そうしますと、考え方として、再編対策なるものが十年くらいの間に完成するということになれば奨励補助金はやめるという考え方ですね。
○政府委員(二瓶博君) 水田利用再編対策が五十三年度からおおむね十年間の事業ということで考えておりますので、その間はただいま申し上げましたように奨励補助金の交付ということを考えておりますが、十年経過した後どうなるかということにつきましては、単に奨励補助金の問題だけでございませんで、一体この水田再編もきれいにここでやめ得るかどうか、その時点の米の需給事情なり転作作物の生産性等を見ましてその時点で判断するということになろうかと思います。いずれにいたしましても、やはり今後転作物の生産性の向上を図りまして、奨励補助金に依存しない、脱却し得る足腰の強い転作、営農を育てていくということに努めていきたいと、かように思っております。
○山田譲君 かなり努力をしても、やはりいまのところ奨励補助金があるから辛うじてこの施策ができているというふうな話ですから、もし奨励補助金、相当努力してもこれと全く同じになるというようなことはちょっとここ十年の間考えられないんじゃないかと思うんです。ですから、もしそこでやめるというふうな話になりますと、また再び米の方に逆戻りするというふうなことになりかねないと、現に現在の状況を見ましても、必ずしも転作については農民が本当に定着をしてそれをやっているというふうには思われないわけですので、そこら辺はひとつ今後の問題として十分考えていただきたいというふうに思います。 それから、続いて食管制度の問題でありますけれども、一つだけ御質問申し上げたいんですが、いろいろ問題があるというふうなことを答申でも言っております。そして、これについて農水省としては食管制度を少しでも改善するようなお気持ちがあるのかないのか、もしあるとすれば大体どんな内容を考えておられるか、伺いたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 食管制度につきましては、従来から食管制度を取り巻きます実態に合わせるような改善の努力をいたしておるわけでございますが、やはり現行の食管制度は主として食糧不足時の状態を前提とした法制度になっておりますために、現在の食管制度のたてまえと実態との間でいろいろと問題が生じておるということも事実でございます。したがいまして、今後の食管制度の運用につきましては、米の需給均衡時はもちろん、過剰の時代においても不足の時代におきましても、こういったいかなる食糧事情のもとにおいても、国民の主食である米を政府が責任を持って管理するということができますような、そういうふうな制度とする必要があると考えておるわけでございまして、そのような観点から、総合的な検討を現在行っておるわけでございます。 方向といたしましては、やはり現在食管制度が抱えております問題を解決していくということでございまして、米の過剰問題を解決をしていく、また、消費者の需要の動向に即応した品質別の供給と価格の形成というようなことを図るための流通条件の整備をしていく、また、購入券制度に見られますような制度のたてまえと実態がかけ離れておるというようなものを是正していく、さらには、食管財政を健全化いたしまして、管理経費の節減、合理化を図っていくというようなことの各般にわたって検討をいたしておるわけでございますが、今後関係者の御意向も集約をいたしてまいりまして、可能なものから実施をしてまいりたい。なお、法律制度にわたるものにつきましては、法律の改正についても準備をしてまいりたいというふうに思っております。
○山田譲君 大体その時期は次の通常国会あたりというふうに考えてよろしいですか。
○政府委員(松本作衞君) 準備が間に合いますれば次の通常国会にも法案を提出したいというふうに考えて準備をいたしておるわけでございます。
○山田譲君 それでは最後になりましたけれども、一つえさ米の問題について伺いたいと思います。 いわゆるえさ米について政府はどのように取り組んでおられるか、相当の研究もやっておられるという話も聞いているわけでありますけれども、その研究の結果等どうなったか、あるいは今後どういう見通しがあるかというふうなことについてこれは大臣からお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 実は、この転作作目については、農家はもちろん、私どもも農村を回ってみて農家から相談を受けて非常に苦慮している実態を承知しているわけであります。ですから、農林水産大臣に就任いたしますとすぐに筑波の農業試験場に参りまして、えさ米をどういうふうに取り上げて、どういうふうに研究をして、そして見通しがどうなのかというようなことを実は一番先に確認をしたいと思って、いろいろ私なりに実態を把握するように努めたわけでございます。その結果、農林水産省としてもやはり将来これは非常に大きな問題であるという認識のもとに、できるだけ早く脱粒性というのが——多収品種と申しますか、とにかく日本の米のように一粒もコンバインにかかるまで落ちないというような米に仕上げたということは、これは大変な技術的な進歩だというように技術者の諸君は言っておりましたが、その脱粒性が外国から持ってくる米は非常に強いんだそうでございます。したがって、その脱粒性を改良をして、そうして固定化して、しかも、多収穫の品種につくり上げるためにはどのくらいかかるかと言ったら、五年だとこう言う。五年なんか待っておったらもう生産調整の時代が過ぎるじゃないか、こういうようなことを議論したわけでありますが、どんなに遅くても三年以内くらいに、そのために筑波のようなこういうりっぱな試験場を国がつくったんだから、そのくらいのことはもう努力によってやれないかとこう言うと、そうしたらやっぱり一年に一遍しか収期がこない作目ですから、なかなか安受け合いをしてできなかったら責任になりますからというような議論も繰り返しまして、まあとにもかくにもえさ米というものの品種の固定化というものに全力を挙げる。農林水産省としても技術会議を中心にいたしましてあらゆる機能を動員をしてえさ米の奨励品種を造出するために最大の努力を払っておるというのが現状でございます。
○山田譲君 国としてもそのようにやっていらっしゃるのは評価いたしますけれども、民間でも、民間といいますか、普通の農家の方々でも、非常にこの問題に関心を持って積極的に取り組んでおられる方がたくさんいらっしゃるわけです。そういう人たちに対して、その試験なり実験に対して国がある程度援助をする、こういうふうなことは全然お考えになりませんか。
○政府委員(川嶋良一君) 民間でいろいろ研究をしていることにつきましては私どもも十分承知をしております。関係の方々とはいろいろと情報交換あるいは成果につきまして一緒に検討するといったようなこともいたしております。そういうことでやっておりますが、直接それらの方々に助成をするといったようなことは考えておりません。
○山田譲君 助成とまではいかないにしても、何か聞いた話ですから真偽のほどはわかりませんけれども、ある県においてえさ米の専門の農協をつくろうとした、そうしたところが、何かそれは公益に害するというふうなことで認可してくれないんだというふうな話があるんです。せっかく一生懸命自主的にこういったことに取り組もうとしているのに対して、助成どころか、それを逆に認可もしてやらないというふうな行き方についてはどうしてもわれわれ納得できないんですけれども、これは聞いた話ですから真偽のほどはわからないんですけれども、それはどうですかね。
○政府委員(松浦昭君) 先生のある県とおっしゃられますのは多分鳥取県のお話だろうと思います
○政府委員(二瓶博君) この団地化加算につきましては、計画加算地区内におきましてということで考えております。したがいまして、計画加算地区につきましては、これは計画加算がいくわけでございますけれども、その中で、後で申し上げますが、一定の要件にはまる、そういう連檐団地化されたところで転作をされたというような方につきましては、その団地化にかかわる部分の方についてさらに団地化加算という加算額が交付されると、こういう仕組みでございます。 その中身でございますが、要件といたしましては、一つは団地の規模等の要件がございます。もう一つは作物の要件ということになります。 団地の規模等の要件でございますけれども、これは計画地区にあります三ヘクタール以上の連檐団地、北海道の場合はその三倍の九ヘクタール以上ということになりますが、そういう連権団地。それから、なかなかこういうまとまりが土地条件その他でむずかしいという向きもございますので、複合団地型という角度で一ヘクタール、これは北海道の場合は三ヘクタールでございますが、一ヘクタール以上の連檐団地でありまして、その面積を足し上げましたものが計画地区の転作面積の三分の二以上となるそれぞれの連檐団地、一ヘクタールとか一・二ヘクタールとかいうそういう連檐団地につきまして奨励金がいく。それから山間部につきましては、なかなか一ヘクタールとかというのが、これも土地条件等でむずかしいという問題がございまして、これは一ヘクタールにかえて〇・七ヘクタールにいたす考えでございます。 それから、作物要件でございますが、そういう連檐団地の上で栽培されます転作作物、これが原則として二作物、二団地以上の団地については三作物以内ということで考えております。二ヘクタール以上の団地につきましては三ヘクタール以内というふうに考えております。 なお、輪作体系上、どうしてもこれ以上の作物数にならざるを得ないというところは、これは地方農政局長との協議によりまして、どうしても必要であるということになれば、ただいまの作物数をさらにふやすというような道も開くというようなことで、現在要件の大筋はそういうことで考えております。細部はさらに詰めていきたいと思っております。
○山田譲君 大体何割くらいは団地化加算に該当するであろうというふうにお考えですか。
○政府委員(二瓶博君) ただいま申し上げましたような団地の規模等の要件なり作物要件といいますものでございますので、これは農家の方の取り組み方といいますか、土地条件等もあろうかとは思いますが、そういうことに大きく左右されるものであろうと。したがいまして、現在、一体これが何割ぐらいのカバー率になるかというようなことはなかなか明確に予測しがたい、率直に申しましてそう言わざるを得ないわけでございます。計画転作地区が大体現在八割方そうなっておるということでございますし、計画転作地区の中をいろいろ団地化の関係等も事例調査等をやっておりますけれども、そういう面からすると、ある程度の団地化しているというのが五割程度になるようでございます。したがいまして、農家の方々のいろいろ御努力等もあろうかと思いますが、計画地区が大体八割、その半分ぐらいまではむしろいってもらいたいなという気持ちでございます。
○山田譲君 予算をつくる場合、当然それは考えてつくられたわけでしょう。
○政府委員(二瓶博君) 予算につきましては、これはただいまいろいろ御説明申し上げております農林水産省案というものが確定をいたしますれば、これに沿っていわゆる追加要求といいますか、改定要求といいますか、財政当局に要求したいということで、さらに細部等につきましてはこれから積算をやると、こういうことでございますので、いまの段階ではまだ積算等の作業に入っておりません。
○山田譲君 そうしますと、さっきのお話ですと、つまり計画加算もやりましたと。それから、計画加算が八割くらい、その八割の半分が団地化加算の対象になるであろうというふうな大体のお考えのようでありますけれども、そうしますと、その両方やらない人は五万円しかもらえない、こういうことになるわけですね。
○政府委員(二瓶博君) 計画加算地区にも入っていない方、これは先生おっしゃる線になるわけでございます。計画加算地区にも入っていないところはそうなります。
○山田譲君 もう一つ伺いたいのは、いわゆる地域振興作物加算というのが検討されたようですけれども、この内容を少し具体的に聞きたいと思います。
○政府委員(二瓶博君) 地域振興作物加算制度といいますものを今回創設をいたしたいという考えでございます。これにつきましては、やはり地域特産物の生産振興を図りながら、転作の円滑な推進に資するということをねらいにいたしておりまして、これは一般作物の中から知事さんが、県知事が地域の農業事情等を考えながら、国と協議をして指定した作物に対して、十アール当たり五千円加算するということを考えておるわけでございます。 それで、この一般作物の中から指定するわけでございますけれども、自給上これ問題のありますものはやはり加算をして奨励するというわけにはまいりませんので、そういう自給上問題のあるものは当然これは落とされます。それから、自給上現時点において国全体としても問題はないというふうに見られましても、これは各県とも、わが県のこれは振興作物であるということで一斉につくり出しますと、すぐ過剰になるということでもございますので、先ほど申し上げましたような国との協議といいますか、そういうようなこともやっておるわけでございますが、一県一作物というふうに一応考えております。ただ、これ県といいましても、いろいろ農業地域といいますか、そういう面では違っておる。したがいまして、南の方はどう北の方はどうというようなこともできるようにしたいと考えております。 野菜につきましても、一般的に一律に五千円、自給上の問題もあって下げておりますが、これも地域なり、品目なり、時期を限定するという角度でいけば、野菜もこの地域振興作物加算制度の対象になるというふうに考えております。
○山田譲君 先ほど、予算がまだはっきりしていないようなお話でしたけれども、当然大蔵省にすでに要求されているわけでしょう、この金額で。
○政府委員(二瓶博君) これは固まり次第積算を早急にいたしまして、財政当局に追加要求をいたしたいと、かように考えております。
○山田譲君 固まり次第と言うけれども、まだ固まっていなくて、これから固めるわけですか。
○政府委員(二瓶博君) ただいま農林水産省案ということで大筋につきまして御説明を申し上げておるわけでございます。なお、細部の面等も早急に詰めまして、その上に立ちまして追加要求をいたしたいと、かように考えております。
○山田譲君 この内容は、そうするとまず大体間違いなく決まるというふうに考えてよろしいですか。
○政府委員(二瓶博君) ただいま御説明申し上げております案は、これはいずれ農林水産省として決めましてそれで要求をしたいと思います。要求する以上はこの案の実現に最大限の努力をしたいと、かように思っております。
○山田譲君 この奨励金の考え方ですけれども、これは将来の話でいま確答はできないかもしれないけれども、奨励金というのは一体いつまで続けるおつもりですか。
○政府委員(二瓶博君) 奨励補助金につきましては、これは水田利用再編対策がおおむね十ヵ年にわたる事業ということでございますので、おおむね十ヵ年間、水田利用再編対策事業をやります間はこれは奨励補助金は続けるということになろうと思います。ただ、この奨励補助金の水準なり体系につきましては、これは期ごとに見直すということになっております。したがいまして、今回はます。米の消費拡大の努力は今後もさらに強力に進めていくことが重要であると、こういう立場に立って日本型食生活の定着を考えていかなければならない。その際、米の消費拡大だけではなく、日本人の体質あるいは体格等を考えましても、栄養的に見てバランスのとれた食生活という意味で、主食たる米を中心にいたしまして、畜産物、油脂等を総合的にこれを摂取するような啓蒙普及を進めるべきだろうと。米の消費拡大は当然私どもとしてはさらに強力に努力はする考えでございますが、全体のバランスの上に立った栄養的観点から食生活の定着化を図るべきだろうと、このように考えております。 また、この日本型食生活の需要の見通しに当たりまして従来の見通しと異なりますのは、最も大きい点は、従来は所得の伸びが当然飲食費の伸びになりまして、これが農産物需要の姿になる、このように考えておりましたが、今回の日本型食生活におきましては、答申にもございますように、日本人の今後の食生活のあり方という観点から、適正な栄養比率のもとで比較的欧米水準よりも低いカロリー水準で、日本人のそれぞれ風土に合った形での食生活を形成すべきだということで、需要について従来よりは一種の需要管理的な考え方を導入したことでございます。 したがいまして、長期見通しにおきましてどういう観点からこの見通しを立てたかと申しますと、一つは、畜産物や油脂の消費の伸びを従来に比べて低めて、伸び率が若干低くなっております。米の消費の維持拡大の努力をさらにするということで、第一次試算よりもさらにこの点について力を尽くしております。そうした点で日本型食生活の努力の反映というものをいたしたつもりでございます。で、最終的には、六十五年におきましても、いわゆるPFCと呼ばれますたん白質、脂質、炭水化物のバランスのとれた食生活を維持するということで、米の消費量をほぼ一千万トン前後に維持したいと、このように見込んだわけでございます。
○岡部三郎君 ぜひそういうことで努力を積み重ねていただきまして、米の消費減退に歯どめをかけていただくようにお願いをしたいと思うわけであります。 次に、食糧の安全保障についてお尋ねをしたいと思います。 言うまでもなく、食糧はエネルギーとともに国民生活の基礎をなくす重要な物資であります。これをいかに確保するかは国の安全を左右する重要な問題であると思います。特に本年は世界的な異常気象によりまして、アメリカを初め、ソ連、中国、オーストラリア、アルゼンチン一と、世界の主要な穀物生産国において軒並み不振であるということが言われております。このため、穀物市況は一九七四年以来の高値を記録しており、わが国にとってはきわめて憂慮すべき事態だと思うわけでありますが、このような穀物市況に対し、農林水産省はどのような御見解をお持ちなり、またその見通しはどうなのか、また安定輸入のために当面どのような対策をとろうとされておるか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 先生御指摘のとおり、本年の世界の穀物生産につきましては、米国の熱波による飼料穀物等につきましての被害、さらにはソ連の二年間にわたる連年の不作、さらには南半球の諸国が干ばつ等の被害を受けておりまして、世界各地での異常気象によります農作物の被害は非常に大きなものがございます。日本のみではないわけでございます。 このような状況下にございまして、世界全体の穀物生産といたしましては、FAOが十月三十一日に発表いたしました見通しによりますと、十四億一千八百万トン程度と言われておりまして、また米国農務省の十一月十二日の見通しにおきましても、十三億九千五百万トンという公表でございます。これは前年を若干下回るということで、これまた二年間世界の穀物生産が前年度の生産を下回るという状況になっておるわけでございます。 また大豆につきましても、米国の大幅な減産によりまして、世界全体では対前年一三・二%減の八千百六十万トンという程度になると見られております。特に粗粒穀物の在庫水準、これは七・三%の水準でございまして、過去の需給逼迫時、これは先生おっしゃいました七三、七四さらに七五、七六を下回るというふうに見通されておりまして、また穀物全体でもFAOの安全在庫率、これは大体一七ないし一八%と言われておりますが、これを切りまして一四%程度となっているというふうに言われておるわけでございます。 このような状況を反映いたしまして、穀物等の国際価格、特にシカゴ相場はブッシェル当たり小麦は四ドル五十セント前後、トウモロコシは三ドル七十セント前後、大豆は九ドル前後ということで、きわめて強含みに推移しておりまして、この価格動向は、当面現状程度の高水準が続くというのが一般的な見方でございます。したがいまして、このような事態のもとにおきましては、将来の畜産物につきましてのいろいろな影響あるいは物価水準への影響というものが懸念されるところであります。さらにもう一年、明年も不作ということになりますと、これは相当深刻な事態が生ずるということが懸念されるわけでございます。 そこで、これの対策でございますが、このような逼迫した需給事情に対応いたしまして、先ほど山田委員にも御答弁申し上げましたように、政府としましては、昨年大平総理が御訪米なさいました際に、大平・カーター間で共同声明が出されまして、それに基づく定期協議がございまして、これが十二月の九日、十日にワシントンで開催されます。その際、世界の需給事情につきまして、十分に討議をいたしますとともに、わが国の需給事情及び輸入必要量、あるいは米国の供給量等につきまして十分に話し合いを行いまして、米国からの安定的な供給を強く要望いたしますと同時に、この考え方、ここにおきますところの要望が新政権にも引き継がれますように相手方に求めてくるという考え方でございます。
○岡部三郎君 さらに中長期的には、穀物、特にえさ用穀物の市況は今後も相当タイトになっていくのではないかということが見通されるわけでありますが、安定的な穀物輸入を将来とも確保するために、たとえば主要輸出国との間で二国間の輸入取り決め等を結ぶ考えをいま農林水産省はお持ちかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) わが国の食糧の安全保障という観点から申しましても、国内でできるだけ自給度を向上するということが必要なことはもとよりでございますが、しかしながら、日本の国土の狭小性等を考えますと、今後とも海外からの供給に相当量を依存せざるを得ないという穀類等につきましては、どうしても長期的視点に立ちまして、輸入の安定化というものを図ることが必要であるというふうに考えられます。 このような観点から、今回の農政審議会の御答申におきましても、わが国の自給力と、これに対応する輸入量というものを十分に踏まえまして、長期輸入取り決めということも、このような取り決めを締結することも、一つの有効な手段であるというふうにおっしゃっておられ、私どももそのように考えるわけでございます。しかしながら、当面直ちにこのような取り決めを結ぶべきかどうかということにつきましては、私どもいま少し慎重に判断をすべきじゃないかというふうに考えておりまして、もちろん、現在の穀物需給の事情はかなり憂慮すべき状態にあることはもとよりでございますが、なお、主要輸出国の長期取り決めに対する態度、さらには国際小麦協定に見られますような、いわゆる多国間協定というようなものがどのように発展していくか。これは現在小麦協定が目下交渉中でございます。このような協定によって需給の安定を図っていこうという国際的な動きといったようなことなどなどを十分に慎重に見きわめてその二国間協定には対応していく必要があるんじゃないかというふうに考えます。 そこで、当面といたしましては、先ほども御答弁申し上げましたように、幸いに一番の主要輸入国でございますところの米国との間に定期の協議が、現に鳥取県におきまして、足鹿覺先生が中心になられましてえさ米の専門農協の設立をなさろうということで、たしか設立準備会は本年一月、それから創立総会が本年三月に行われておるということは聞いております。それで、ことしの秋の収穫状況を見た上で鳥取県庁に対して認可申請を行うということをお考えになっておられる。まだ申請書は出ていないということは聞いております。 この餌料米農協の設立認可につきましては、これは県内の単協でございますので、当然農協法上は鳥取県知事の機関委任を受けていることでございまして、私ども農林水産省としましては、当然現場の考えというものが尊重さるべきであると思っておりますし、私どもとしましては、従来までの経緯におきましてこの許可をすべきであるとか、あるいはすべきでないとかいうことを私どもの方から申したことは全くございません。ただ、県の方の意見を私ども聞いておりますと、やはりえさ用の専用米につきましては採算性がどうかという問題であるとか、あるいは品種が固定しているか、あるいは今後の開発にまつべきじゃないかといったような議論、あるいは流通経路の議論といったようなことがございまして、やはり農協の経営基盤として成り立つかどうかということにつきまして県庁としてはいろいろと判断をいたしておる、まだその点につきまして検討中であるというふうに聞いております。 さらに、私ども率直に申しまして、県から問い合わせがありました場合には設立の認可をするかしないかといったようなことの回答はいたしておりませんけれども、やはり現在の段階では農政上その位置づけにつきましてはなお検討中の段階であるし、またえさ専用米につきましては、なおただいま大臣からも御答弁がございましたように、いろいろとこれから試験、実験を十分やっていかなければならない段階であるということは率直に申しております。そのようなことで、この設立の認可申請が出されました場合に、鳥取県としてこれに対応する場合にはかなりこれに慎重に対応するんじゃないかというふうに私どもは思っております。
○山田譲君 慎重に対応していただかなきゃ困ると思うんですよ。国が、一生懸命やっているのに民間の人が——民間というか、実際の農家の方が自主的に自分たちでやろうとして立ち上がっている者に対して、何か意地悪するようなそういう方向は間違いであって、むしろ積極的に県当局としても、それに対していろんな意味で指導したり助言をしてやるというのが当然じゃないかと思うんです。余り冷たい目でそういう人に対して冷遇するようなことはぜひやめていただきたい。それどころか、もっと積極的にえさ米の問題には取り組むようにお願いをしたいと思います。 時間が参りましたから最後に一つだけ、これはたまたまきのうの朝日新聞の夕刊に出ておりましたからごらんになったと思いますけれども、「政府米は食べません」、「貸し付けにソッポ」ということで冷害対策の問題が出ております。大臣もごらんになったと思いますけれども、新聞の報道ですから全部私も信用しているわけじゃありませんが、もしこのとおりだとするとこれはゆゆしき問題である。何か冷害に遭って困っている方に、困っているんだからどんな米でも構わねえというふうなそういう考え方じゃ非常に困るわけでして、やっぱりちゃんとしたお米を貸し付けであっても食べさせるということを考えるべきだと思いますけれども、この報道についてどうお考えですかね。
○政府委員(松本作衞君) ただいま御指摘ございました新聞報道の件につきましては、私ども今回の冷害対策といたしまして、飯米に困るような農家について政府米を都道府県、市町村のルートを通じて売り渡しまして、その代金を一年間延納させるというような措置を講じたわけでございまして、この措置に基づきまして各都道府県から希望を現在とっておるわけでございます。新聞報道がございました宮城県からもそういうふうな希望をとったわけでございますが、その希望は大半は標準価格米ないしは徳用米、徳用上米というような、ともかく値段の安い米を出してくれということが県からの希望でございましたので、そういうふうな希望の線に沿って私どもは対処をしてきておるわけでございます。 新聞報道によりますと、農家の方がそれは受け入れられないというようなことがあるようでございますが、私どもといたしましては、これらの米は一般の消費者にも食べていただいておる米でございまして、特に災害農家に対して特別悪い米を出すというようなことは考えておらないわけでございますが、こういった県の要望というようなものも織り込みながら今後も措置をしてまいりたいと考えております。
○山田譲君 質問を終わります。
○委員長(井上吉夫君) 本件に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時十七分休憩 —————・————— 午後一時二十分開会
○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○岡部三郎君 今回、「八〇年代の農政の基本方向」と題する農政審の答申がなされたわけでありますが、農業のあり方をめぐってさまざまな意見が交わされておるときに、今後の農政の指針とも言うべきこの答申がなされたことはまことに意義深いものがあると思います。特に、国民の健康という観点からも、日本型食生活を重視し、これを定着せしめることの重要性、不測の事態に備えての国民食糧の安全保障、豊かな緑の地域社会をつくる農村整備あるいは食品産業の問題など、従来と異なった観点から農政の諸問題をとらえている点は、この種の答申としては画期的なものではないかと高く評価をするものであります。 そこで、内容についてでありますが、まず日本型食生活の定着という問題についてお尋ねをしたいと思います。 今日、日本人の平均的な食生活は、栄養的に見ましてもすでに望ましい段階に入っており、むしろ欧米人の方が脂質等をとり過ぎた不健康な食生活をしているわけでありますから、日本人の食生活はこれ以上西欧化する必要はなく、むしろ早くこういった日本型食生活を国民の間に定着させるべきだということをこの答申では強く指摘をしているわけでありますが、そこでまず、この定着化の努力とは具体的にはどういうことを指しておるのか。従来食糧庁を中心にされまして、米の消費拡大のための大変な努力を重ねられておるわけでありますが、こういった努力とはどう異なるのか。さらに、同時に発表されておりますこの六十五年の需給見通しでは、こうした努力の結果をどの程度見込まれておられるのか。この三点についてまずお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。 今回、基本方向の中に日本型食生活の定着という問題を取り上げたわけでございますが、基本的には、食生活に関することは個人の自由な選択の領域でございますが、やはりこれをある自由な分野で想定するということではなく、新しい観点から、栄養的観点、それから食糧の自給力維持というような観点も加えまして、日本型食生活を定着させる努力が必要であるということを提案したわけでございます。このためには、先ほど申しましたような自由な選択の領域でございますので、それ相応に栄養知識の普及あるいは学校教育等の徹底等の手段によりまして、できるだけ日本型食生活が一般に普及するように努力することがまず第一じゃないかと、このように考えております。 その際、答申の基本方向にも述べておりますように、やはりわが国の食生活の中心になりますのは、米を主食といたします食生活の構成でござい素材といたしまして、新しい農業技術体系を、しかも現場で実践的に確立をしていくということを強力に推進してまいりたいと考えておるところでございます。このために、こういったようなことを主たる任務といたします新しい試験研究機関といたしまして、農業研究センターを同団地に建設すべく目下努力をしているところでございます。
○岡部三郎君 最後に担い手の問題でありますけれども、私は農村を回りながら古老の人たちから、自分一代はやむを得ないけれども、自分らの子供や孫に百姓を継がせたくないというような話を聞くことがままあるわけでありますが、こういうときには本当に寒々としたものを感ずるわけであります。こういうことのないように、農家の人たちが、大臣が言われるような旺盛な百姓魂を持って、民族将来にとって大事な農業を続けていただくためにも、都市勤労者に比べて見劣りのしない所得と、それからまた嫁さんも喜んでくるような住みやすいふるさとづくりに努めなければならないというふうに考えておるわけであります。連帯あるいは協調といった、都会ではすでに失われかけた人間的なつながりも農村にはまだ残っておるわけであります。さらに、この上に生活上の利便を増進する諸施設を整備することによりまして、よりよい地域社会をつくり上げることもできるのではないかというふうに考えるわけであります。こうした面で、現在実施しておりますモデル事業等につきましては、非常に要望も強いようですし、極力その進捗を図っていただくとともに、長期的な展望のもとに、この際、制度的な検討も加えて農村整備のより一層の推進を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○政府委員(杉山克己君) 農村整備につきましては、農業と農村の健全な発展を図るという観点から、生産基盤の整備とあわせて、従来都市に比べて立ちおくれておりますところの生活環境の整備を図るということが重要な課題となってまいっておるわけでございます。このため農林水産省におきましては、従来から農村総合整備モデル事業、こういった事業に代表されるのでございますが、そのほかの生活環境の整備もあわせ行う各種事業によりまして農村の生活環境の改善を進めてきたわけでございます。いろいろ最近予算事情が厳しゅうございますが、私どもといたしましては、今後ともこの生活環境の改善を農村を一体として総合的に整備する事業を重点として取り上げてまいりたいというふうに考えております。 それからさらに、特に最近におきましては、農村の役割りについての世の中の認識についても新しい流れが見られるわけでございます。農村が、食糧の安定供給の場というだけでなく、国民の居住の場、就業の場の提供といったようなことで多面的な機能と役割りを課せられるようになってまいっております。 そういう役割りを発揮しながら、農政の基本課題にこたえつつ健全な地域社会を発展さしていくということのためには、農村空間の基本的な特質、これはいろいろございますが、そういう特質に即応した農村整備を計画的に進める必要があると考えております。この点につきましては、さきの農政審議会の答申でも触れられているところでございます。 私どもいま申し上げましたような農村総合整備モデル事業の実績、そのほかの事業の実績、さらには農政審議会の答申等にあらわされておるところの新しい農村の役割りなりその整備のあり方について十分検討を加え、長期的な目標、また長期的な視点からの農村計画制度等の検討を進めたいと考えております。
○岡部三郎君 次に、水田利用再編対策について二、三お尋ねをしたいと思います。 転作の問題につきましては、今回二期対策の農林水産省案が発表されたわけでありますが、言うまでもなくこの転作をスムーズに進めるためには、転作物の生産性の向上を図って、米作と同じような所得を得られるようにするということが基本であります。そこで、この一期対策期間中、麦、大豆等の特定作物につきましてどのくらい生産性が高まったか、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(二瓶博君) 農産物の生産性につきましては、年ごとの気象条件等に左右される面が強いわけでございます。したがいまして、ある程度中長期に見る必要があるわけでございますけれども、これを第一期の水田利用再編対策の実施期間、すなわち五十三年から五十五年、この実施期間中における小麦、大豆の生産性の動向、それと、それ以前でございます五十年から五十二年の期間との比較から一応試算してみますというと、次のようなふうになっております。 まず小麦でございます。これは田畑計で見ておりますが、まず収量の面でございますが、十アール当たりの収量は平均で六十七キログラム増加をいたしております。それから労働生産性という角度で所要労働時間、十アール当たりでございますが、これを見ますというと、五十一年から五十四年の三年の間に五・八時間の減少を示しているということで、一応収量が増加し労働時間は減少しておるという姿になっております。 それから大豆の方でございますけれども、これも田畑計でございますが、収量は平均で十キログラム増加をいたしております。それから所要労働時間でございますが、これにつきましては、五十一年から五十四年の三年の間に七・六時間の減少ということに相なっております。収量は十キロふえ、所要労働時間は七・六時間減っておるということでございます。 いずれにいたしましても、麦、大豆等の一層の生産性の向上を図るということはこれらの作物の定着を進める上で非常に重要な課題である、かように認識いたしておりますので、今後とも排水条件の改善等土地基盤の整備を進める。あるいはまた、生産組織の育成なり中核的農業者への土地利用の集積、さらに高性能機械施設の導入というような各般の施策を講じまして生産性を高めるということについて努力をしていきたい、かように考えております。
○岡部三郎君 ぜひこの転作物の生産性の向上に努めていただきまして、転作の定着化に努力をしてまいらなければならないと思うわけであります。ただ、平均的には相当の生産性の向上を見たとしましても、本来、麦、大豆等は乾燥地帯の作物でございますから、いま局長も言われたように、排水条件のいかんにより収量に大きな差が生ずるわけであります。 先週の土曜日でしたか、私NHKのテレビを見ておりました。ニュース解説で二期対策のことを言っておったわけでありますが、その中で一つのデータが示されておりました。これによると、大麦を湿田と半湿田に同じように栽培をした場合に、収量については半湿田は乾田に比べて大体半分ぐらいだ。二分の一だ。しかし、質は若干半湿田のものの方が悪いわけでありますから、販売代金では大体四割ぐらいになる。さらに、コストは半湿田の方がよけいにかかるわけでありますから、収益になると一割ぐらいになる。こういうデータが示されておったわけであります。 これはあくまでも一例にすぎないと思いますが、要するに転作物は、米作に比べまして土地条件、特に排水条件による差が極端に大きいということを示しておるのではないかと思います。したがって、排水条件の整備が非常に重要な課題であります。そこで、現在畑作可能な乾田の面積はどのくらいあるのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(杉山克己君) 排水条件の面から畑作物の導入が可能な水田はどのくらいあるかということになりますと、私どもこれを三段階に分けて調べております。その一つは、冬季、つまり用水をやめた後の地下水位が七十センチメートルより深い水田、これは通常の作物ですとそのままでもって栽培が可能でございます。いわば乾田ということになるわけでございますが、これが昭和五十年三月の調査では百七十七万ヘクタール、全水田面積の五九%ということになっております。その後若干これが乾田化が進みまして昭和五十五年三月時点では、これは推定が入りますが、約百九十万ヘクタール、パーセントにして六五%ということになっております。それから、地下水位が七十センチメートルから四十センチメートルの間にあるもの、これが五十年三月で九十七万ヘクタール、三二%、五十五年三月で八十万ヘクタール、二八%と、こういうことになっております。この七十センチないし四十センチメートルの地下水位の水田は、簡易な排水事業を行えば比較的湿害に強い作物なら畑作物の導入が可能であるというふうに考えられております。なお、四十センチメートルよりも水位が浅い、いわば普通の畑作物の栽培は困難であるけれども、イグサとかレンコンならば可能というような水田面積は五十年三月時点で二十七万ヘクタール、九%、五十五年三月時点で二十一万ヘクタール、七%と、こういう状況になっております。
○岡部三郎君 そうしますと、土地改良等によって今後相当ふえる可能性はあるとしても、現段階では大体百万ヘクタールぐらいが湿田または半湿田という状態にあるわけでありますが、これを解消するためには相当の日時と費用を要することだと思います。 さらに、畑作物を本格的につくるためには、地下水ばかりでなくて地表水の排除も必要なところもあります。また、河川計画の変更を伴うという場合も生じてくるわけであります。したがって、一方で排水条件を改善するための努力はこれからも最大限に行わなければならないことはもちろんでありますが、どうしても乾田化が困難だというところについては、湿田でも十分栽培できるような新しい作物を導入をするか、または米をつくってこれを多目的に活用させるか、こういう道を考える必要があろうかと思います。そこで、この前者の例としまして、農林水産省はいまハト麦を推奨されておられるわけでありますが、このハト麦について、現段階で転作物として大幅な栽培が期待できる状態にあるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(二瓶博君) ハト麦につきましては、現在までの試験研究の成果等によりますというと、まあ生産面につきましては、これは湿田におきましても栽培が可能であるということに相なっております。それから需要の方の面でございますけれども、これは穀実のたん白質なり、それから特にぬか層などそうでございますが、脂肪の含有率が非常に高いというようなこともございまして、食品原料として有望であるというようなことから見まして、転作作物として今後普及し得る可能性の高い作物の一つというふうに考えております。現在も転作作物ということになってはおりますけれども、まだ面積的にもそう多く転作されておりません。 〔委員長退席、理事鈴木正一君着席〕 しかし、これをそれでは本格的な普及を図るということにつきましては、一つはやはり各種食品への用途開発等によります需要そのものを広げるという問題、それから生産を拡大します際にやはり種が問題になりますが、優良種子の増殖確保というのが大事であろうかと思います。これはほうっておきますとジュズダマ等とすぐ交配をするという問題もございます。したがいまして、優良種子の確保、増殖というのが緊急な問題でございます。それから新しい作物でございますので、地域別の耕種基準というものががっちりしたものがまだできておりません。これも急いでつくらなければならないかと思います。それから機械化の体系の確立、これも必要なわけでございます。いろいろ収穫の問題につきましても、背丈が高過ぎるので稲作用のコンバインが十分使えないというような話もございます。そういう関係での機械化体系の確立も必要だと思います。それから何といいましても、やはりつくったものが十分有利に販売できるというような形をとらなければいかぬと思います。そういう意味では、契約栽培等、流通体制の整備ということが必要であろうと思います。 以上申し上げましたような、まだ今後解決すべき課題がいろいろございます。そういうことで、とりあえずは本年度から実験事業といいますか、そういうものを予算措置も講じてやってはおります。しかし、やはり関係者の協力を得まして、以上申し上げましたような課題の解決に努めながら需要に見合った生産の拡大ということをやっていきたいと、需要もふやしていき、それに見合いながら生産もふやしていくというような形で今後ハト麦をふやしていきたいと、かように考えております。
○岡部三郎君 そこでえさ米の問題でありますが、これにつきましては当委員会においても何回か論議されております。また午前中山田委員からの御質問もあり、大臣からのお答えがあったわけでありますが、私もこのえさ米が実用化されれば、まことにこれは結構な話だと考えるわけであります。さらに収益性あるいは識別性という点に大きな問題がある。また、多収穫品種の改良にもさらに努力を要するということでございます。この識別性につきましては、これは工夫次第では私は解決の方法もあるのではないかと思うわけでありますが、収益性については、食用米との格差が現在余りにも大きいということから、これを縮めることはなかなか容易ではないというふうに考えます。 そこで、収益性の差を縮める一つの方法として、米を一たんエチルアルコールの原料として利用して、そのかすをえさとして活用したらばいかがかと思うわけでございます。御案内のように、ガソリンの節約を図るために、これにアルコールを混入して使用するということはすでにアメリカその他の国で実用化されております。わが国でも、五十五年度から三ヵ年計画で通産省がその実現性について調査研究を開始しておるところであります。この結果、アルコールの燃料化ということがわが国において実用化されますと、その需要は現在よりもけた違いに大きくなるわけでありまして、その供給源を何に求めるかということは重大な問題であります。 そこで、米を原料としてエチルアルコールをつくる場合、果たして採算がとれるのかどうかという問題は今後十分検討してみなければなりませんが、石油関係のある民間技術者の試算によりますと、一五%のアルコール混入の場合に、アルコールにはガソリン税をかけないという仮定のもとに、現状のガソリン価格を基準として計算をしますと、原料米はトン当たり六万七、八千円になる。つまり、理論的にはこのくらいの価値があるということを言っておるわけであります。さらに副産物の利用あるいはもみ、わら等の活用、将来におけるガソリン価格の高騰等を考えますと、いますぐは採算が合わないとしても、多収穫米等の改良とともに数年後にはかなり希望の持てるものではないかと思うわけであります。 さらに、ローカルエネルギーとして農村内部でこれを活用するということになれば、集荷あるいは輸送等に要する経費も少なくて済むわけで、能率的です。しぼりかすは非常にたん白質の高い、また多くの酵素を含んだすぐれたえさであるばかりでなくて、発酵時に発生する炭酸ガスは、農産加工あるいは施設園芸等にも利用でき、水田の機能なりあるいは米づくりの技術がそのまま存置されるという意味におきましても、潜在的自給力の維持強化にもつながるわけでありますし、大変将来性のあるものだと考えるわけでありますが、農林水産省としては米をアルコール原料等として多目的に活用することをこの際研究してみたらばいかがかと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) 古米をアルコール原料に用いる点につきましては、すでに通産省のアルコール事業部におきまして製造試験を行っておりまして、これに対して五十四年度には、食糧庁といたしましても、古米の売却をして実験の促進に協力をしておるところでございます。 しかし、現段階におきまして通産省の方から聞いた話によりますと、その実現を図るに当たりましては、やはり原料価格の問題がございまして、ただいま先生からの御指摘もございましたけれども、一方輸入糖みつとの代替関係というようなことを考えますと、やはり相当程度安い価格でなければならない。また、このアルコールに古米をしていくという場合には、廃液処理の設備投資が必要になるというようなことで、この投資関係の経費もかかるというような問題がありますのと、設備投資をする以上は長期的に原料の安定的な供給ができるかという問題等がございまして、なお検討の余地が多いようでございますが、今後通産省とも協議をして検討を進めてまいりたいと考えております。
○岡部三郎君 さらに、この米のみでなくて、アルコールの原料あるいはえさ用に転換のできる効率的な植物を世界じゅうから探し出しまして、これを作物として栽培、副用する研究もこれから強力に行うべきだと思うわけでありますが、技術会議では、五十六年度以降の重点的な課題としてこれに取り組もうとされておられるやに聞いております。このバイオマス変換計画の内容及びこれが水田の機能の維持、活用につながるかどうか、この辺をお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(川嶋良一君) 私どもがいま実行しつつありますバイオマス研究でございますが、これは本年度は調査の段階でございますが、来年度から本格的な研究を始めてまいりたいという段階でございます。 それで、先生御指摘のような、まずバイオマスとして利用可能な新植物、これを世界じゅうからいろいろ探す、さらにそれのわが国における、あるいは世界各地における栽培法、こういったようなものも検討いたしまして、その技術の確立を図っていくということでございます。さらに、そういったような新植物あるいは従来からいろいろございます未利用資源あるいは農業の生産廃棄物、こういったようなものを飼料、食糧、エネルギー、こういったようなものに変換をしていく、あるいはそれを利用していく技術を確立していくということが内容でございますが、ここで私どもが特徴といたしておりますのは、農林水産関係では、酵素とか微生物とか、こういったようなものの技術水準が非常に高いわけでございます。いろいろなものを変換をしていく場合に、分解ですとか濃縮ですとか、あるいは合成ですとか、いろいろ手順があるわけでございますが、こういったようなものに石油などを用いませんで、こういったような酵素とか微生物等を使ってエネルギーを省力してやっていくといったようなことが大変大きな私どもとしてのメリットではないかというふうに考えているわけでございます。さらに、こういったような研究は、できたものが利用される場合、工業のような一点集中巨大型と、こういったようなものではございませんで、農業の実態に即しましてきわめてローカルな、分散的な、しかもそこの中で循環をするシステムといったようなものが確立されていくということになるわけでございます。そういうわけでございますので、わが国の土地利用のきわめて中心的な利用の形式であります水田に関係いたしまして、その多目的な利用と、こういったようなものと十分つながるということを期待をして研究を進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○岡部三郎君 わが国の農政はいまや非常に困難な段階に差しかかっておると思います。一方で国民の食糧に対する多様な要求にこたえるとともに、不測の事態に備えて国民食糧の安全保障を図るという、一見矛盾した二つの要求を同時に解決をしなければならないというところに八〇年代の農政のむずかしさがあるのではないかと思います。そして、これらを打開するためにはこれからまたいろいろな施策を講じていかなければならないと思いますけれども、それらの施策はいずれもすぐれた科学技術の裏づけのあるものでなくてはならないと思いますし、また、日本の風土的な特質を踏まえたものでなくてはならないのではないかと思います。農政審の答申により基本方向が示されたいま、どのような御決意で八〇年代の農政に当たられようとしておられるのか、大臣の御見解をお伺いをして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 今回の農政審の答申は、委員の皆様方、また専門委員の皆様方が一年半にわたりましてあらゆる点から検討をいたしまして、ずいぶん幅広く論議をされておりました農業問題につきまして、その考え方の幅を非常に狭めて一つの方向を出していただいたと、非常に貴重なものであるというふうに受け取っておるわけであります。したがいまして、これを具体的に施策の上にあらわすにつきましては、ただいま御指摘のありましたとおり、何といってもおてんとうさま相手の産業ということになるわけでありまして、人一倍科学技術の上に立脚した政策を進めなければならないということはもちろんでありまして、しかもわが国は南北に非常に細長いということでありまして、画一的な施策ではなかなか適地適作といったような面についても十分な成果を上げることができないわけでありますので、そういう気候、風土に適した品種改良でありますとか、品種の造成でありますとか、そういうものをやりまして、そうしてやはり何といっても私はこの二千年来の日本の文化をつくり上げてきたこの水田文明というものを中心にして、日本の民族が今後百年、二百年、千年、二千年と生きていく上においてはこれがもう大事なんだということをやはり日本人一人一人が認識をして、そうして自分の生活の面における食生活の確立等もやっていけるような国民的雰囲気と申しますか、そういうものもあわせてつくり上げていく、その先駆役を農林水産省が務めるぐらいの気持ちで事柄を具体的に進めてまいりたいと、こんな気持ちでおるわけでございます。
○岡部三郎君 終わります。
○中野鉄造君 私はまず最初に、今回の農政審の答申を見て感じたことをお尋ねいたしますが、わが国の今日の農業は、農業基本法設定後一貫して今日まで政府主導による日本農業の近代化政策がとられてまいりました。その結果として、功罪それぞれあるわけでございますが、特にこの近代化政策によってもたらされた弊害としては、まず大規模化したために急速に機械化された、そして金肥の多投化、そして専門化、そしてこれらの複合的結果として地力の減退等、いろいろなマイナス面も出ておりますが、これらについては過ぐる五十年の答申の際も、また今回の答申の中にも、ほとんどこれらに対する反省点というものが見出されませんし、その反省から出発した対応策というようなものも見受けられないわけですが、この点、大臣はいかにお考えでございますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 基本法農政の反省がないのではないかという御指摘でございますが、私はやはり基本法農政によって、今日の高度成長下において他産業がぐんぐん進んでいった中で、とにもかくにも農業者が農業生産意欲を失うことなく今日まで来ておるという点は、やっぱりこれは認めざるを得ない一つの基本法農政の結果であろうと思うわけでありまして、そういう点も十二分に認めつつ、その上に立って今回の農政審議会の答申がなされておるものということでございまして、やはり農業基本法の立法の精神というものは私は農政審議会の答申、の中に生きておるというふうに理解をいたしておるわけでございます。 御指摘のような点も確かに出てきておるわけであります。これはやはり高度成長という他産業の非常に急速な進歩と、何としても第一次産業であります農業の特性、本質からいたしまして、やっぱり長期的な視点に立って、そしてこれを足腰の強い農業にしていかなければならない、こういうことで、そのための一つの方向を農政審が示してくれたと、こういうふうに私は受け取っておる次第でございます。したがいまして、日本本来の食構造と申しますか、食生活の態勢を確認しつつ、これを定着化しながら、脂肪、たん白質、炭水化物といったようなものの調整のよくとれた食生活の上に立ったいわゆるカロリー計算と申しますか、そういうものをもとにしていろいろと積み上げて、そうして日本の農政の方向を定め、そして生産性の高い、しかもそのための中核農家の育成という点も指摘してあるわけでございまして、決して基本法の精神を曲げるというようなことはなく、やはり反省すべきは反省をしながら八〇年代の方向を示したものと、こういうふうに私は受け取っております。
○中野鉄造君 大臣、今回の答申の中にはそうした過去の反省は反省として十分盛り込まれていると、こういうような御答弁であったように私受けとめますが、今回の答申——もうすでにこれは済んでしまったことを言っても仕方ございませんけれども、もう一つ私が感ずることは、前回すなわち五十年の農政審の場合もあるいは今回の場合も、そのメンバーの方々をポスト的面から見ましてほとんどかわりばえがしない。つまり言いかえれば、ペーパーワークから一歩踏み出したいわゆる実務的立場にある方はいらっしゃらない。これで果たして妥当であり公正な、そして国民に説得力のある答申ができるのかとはなはだ疑問に思えて仕方がないわけですが、この点いかにお考えでございましょうか。
○政府委員(渡邊五郎君) 農政審議会の委員は十五名でございます。しかし、今回の農政審議会の審議に当たりましては、このほか専門委員六十一人、合わせまして計七十六人というようなかなりの数の学識経験者の方々に集まっていただいたわけでございます。その中には生産者団体を代表する方、あるいは消費者団体を代表する方、経済界、地方自治体、学者、研究者等も加えまして七十六名でございます。こうした人々によって構成されておりますが、実務的という意味を、農村自体に近いとか、あるいは農業自体の問題というようなことにより接近した物の見方というようなこともございましょうから、この審議に当たりましても、機会のあるごとに各地へ頻繁に農民なり農業団体、地方公共団体と接触のある方も選んだつもりでございます。特に答申の取りまとめに当たりましては、それぞれの部会なり専門委員会をたび重ねて開催すると同時に、東北、中国、九州で専門委員によります現地調査を実施いたしまして、また現地での意見を聴取いたしまして、今回の答申におきます農業、農村の動向を十分反映するように工夫したと思います。私どももそうした点についてはできるだけのお手伝いをしたつもりでございます。
○中野鉄造君 次に、今回の答申の中に、これも非常に私印象的でございますが、唐突に日本型食生活というものが持ち込んでございまして、その中に、二千五百カロリー水準が今後も続くであろうとして、さらにPFC熱量比は理想型に近い独特の日本型食生活を形成、今後の定着の努力を求めると、こういうようなことがありまして、あたかもこの現在の日本型食生活というものが世界的に高い評価を受けているような印象さえ受けるわけでございますが、これには何か科学的根拠でもあるのでしょうか、お尋ねいたします。
○政府委員(渡邊五郎君) このたびの食生活におきます日本型食生活につきましての多少前提なり経過がございます。これまでこの種の農産物の需要の見通しにつきましては、一つは先進諸国、特に欧米諸国を目標といたしまして、栄養水準におきましてこれに追いつくことを目標にしまして、比較的高い栄養水準あるいは欧米型の食生活というのを一つのターゲットといたしまして、これまでの計画なり見通しは見てきた。そのことと、もう一つは、需要自体につきましては、所得の伸びに応じまして、飲食費、それぞれの嗜好に合った食料を選んでいくということを前提にいたしましたが、むしろこれからの食生活におきます需要面におきましても、やはり国民の健康という視点からの需要の多少なりともあるべき姿、管理されるべき姿というものを考えていくということが一つでございますのと、やはりわが国のこれまでの経過をたどりましても、必ずしも欧米諸国の栄養水準というものが目標となり得ないということで日本型食生活というものを提唱しておるわけでございます。 特徴といたしましては、いま先生御指摘のとおり、カロリーが比較的低い、しかもその中でのたん白質なり脂質の関係のバランスにおきましては日本独特のスタイルをとっていることも事実でございます。これらは現在外国におきましても注目されている栄養構成だというふうに私どもは承知いたしておりますし、この栄養水準のとり方につきましては、農政審議会の専門委員といたしまして、栄養学者にも御参加を願っております。厚生省とも連絡をとりながら、厚生省の公衆衛生審議会が昨年の八月に答申をいたしました、「日本人の栄養所要量」に記載いたしましたPFC、たん白、脂質、炭水化物の熱量比の適正比率目標を基礎にいたしまして検討を進めて、日本型の食生活と、米を中心といたしました各種の栄養をバランスよく食べていくという食生活のあり方を答申で取り上げたものでございます。
○中野鉄造君 私がお聞きしたいのは、この日本型食生活、これも結構でしょうけれども、果たしてそれだけで済まされるかということでございまして、すなわち、もう大臣も御承知のことと思いますが、この十数年、とみに多発しやすくなった子供の骨折あるいは子供の糖尿病、あるいはまた昔とは全く違ってきた強靱さというものをなくした虚弱児童の増加、あるいはまた、生まれて初めて生えてくるいわゆる幼児の乳歯ですか、乳歯がはなから虫歯であって、虫歯で生えてくると、こういうような、およそわれわれの子供の時代では考えられなかったようなことが数限りなく見聞されるわけでございますが、これらはすべて子供の直接、間接的な食生活に起因していることは、これは否めない事実であろうと思います。こういう点に対する反省もさらになく、それどころか、いまの食生活がベターとされているようにさえ思われますけれども、このような現実をいかにとらえられておりますか、この点お尋ねいたします。
○政府委員(渡邊五郎君) 先生おっしゃるとおり、今回の食生活におきましては、PFCという大きな栄養三要素の比率につきましての枠組みを初めてとりまして、私どももこれだけで十分というふうには考えておりません。 先ほど御紹介いたしました公衆衛生審議会の答申におきましても、昭和六十年におきます日本人一人一日当たりのカルシウム所要量は〇・七グラムというふうに言われておりますが、現在五十三年の実績は〇・五六グラムということで、まだ不足しておることは事実でございます。私ども、バランスのとれた食生活という、日本人の体質なりに適したこれからの食生活のあり方に、そうした各種の栄養素、微量栄養素までも含めてこれから研究していかなければならない重要な問題と思います。御指摘の点については、今後とも農林水産省として深い関心を持ちまして検討さしていただきたいと考えております。
○中野鉄造君 いま私が指摘した点については、十分それは今後検討していくと、こういうようにおっしゃっておりますから、ひとつくれぐれもこの点はお願いいたしておきます。 次に、輸入食糧について、答申の中には、いままでと余り格段の差はない数量のまま徐々に推移していくというような見通しでございますけれども、かつて七十七ヵ国グループと言われた発展途上国が、今日いまや百ヵ国近くの勢力にふえております。いずれにしても、こうした発展途上国グループの発言力、影響度というものは、今後さらにこれは増大していくでございましょうし、このままわが国の輸入量が推移していった場合に、いつの日かこれらのグループから総反発を食らい、大変な事態が起こらないとも限らないわけですけれども、この点についていかがお考えでしょう。
○政府委員(松浦昭君) 長期的な視野で世界の食糧情勢を見ました場合に、たとえば、FAOの二〇〇〇年に向けての農業という報告書によりますと、二十一世紀には世界の人口が六十億になる。さらに相当食糧生産が伸びたとしても、なお二億四千万人の栄養不足人口が生じ、二千万トンの食糧援助が必要であるというような報告書もございます。 このような状況から、ただいま先生御指摘のように、だんだんと発展途上国の発言力が増してくるということで、その場合に日本の輸入が十分確保できるかという問題は、十分にこれを考えておかなければならない問題であるというふうに考えます。たとえば、先般のベニス・サミットにおきましても、石油と並んで食糧の問題というものが取り上げられてまいりましたし、また、明年話し合いが開始されると言われておりますいわゆるGN、これは国連の場においてゼネラルネゴシエーションという形で南北が話し合うわけでございますが、その場におきましても一食糧問題というものが大きくクローズアップされるというふうに考えておるわけでございます。 このような状況のもとにおきまして、将来、先進国だけが暖衣飽食をして、一方、発展途上国は非常に飢えに泣くというような状態がございますれば、これは当然平和にもつながらないという問題でございまして、この点はわれわれも十分心しなければならない問題であるというふうに考える次第でございます。 先ほど岡部委員の御質問にお答えいたしまして、二国間の取り決めにつきましてもやはりグローバルな協定というものを考えなければいけないのじゃないかということで、一つの視点として申し上げましたのも、このようなことの配慮ということもあるわけでございまして、今後これに対応してまいりますためには、何と申しましても、日本の国内での自給力の向上、維持というものを図っていくということが第一のポイントであると思いますが、それと同時にまた、発展途上国に対しまする対応策というものが必要であるというふうに考えるわけでございまして、まず第一は、現在小麦協定等におきまして論議されておりますところの世界的な食糧備蓄に対しまして、日本国も貢献をしていくということが一つの方法だろうと思います。 それから第二に、食糧援助に対しまして応分の協力をするということが第二の重要な点であろうと思います。 それからまた、第三の点といたしましては、わが国が蓄積している技術、あるいはわが国の経済力を活用いたしまして、食糧の増産に対する協力をしていく、それによって世界的な規模で食糧の増産というものができる方向に向かっていくということが非常に肝要かというふうに思います。 このような努力をいたしながら、一方において食糧の輸入の確保ということを図っていくということによりまして、今後の対応策ができていくのではないかというふうに考える次第でございます。
○中野鉄造君 同じく輸入品に関する件でございますけれども、今後ますます加工食品のシェアというものは拡大することが予想されるわけですが、それに伴ってまた加工食品の輸入量というものも増大していく可能性が多分にあるわけなんです。この件についてはこの長期見通しの中には全く触れられておりません。しかし、現に聞くところによりますと、近い将来、アメリカで栽培された日本米で、アメリカで醸造された日本酒が日本に輸入されてくるというようなことさえも聞いておりますが、このようなアルコール飲料に限らず、お菓子類、マカロニあるいは果実等の加工品の輸入については全く触れられていないわけですが、もちろんこれらの見通しというものがこれから果たして何年通用するかわかりませんが、少なくとも毎年発行されております食料需給表の中に、これらの数量というものが当然報告または明示されるべきではないかと思いますが、この件についてどうお考えでございますか。
○政府委員(渡邊五郎君) まず、今回の長期見通しなりの作業でのこの加工食品の取り扱いについて申し上げますが、これは原則として製品輸入は原料換算いたしまして、原料輸入という形で処理しておりまして、原料表示でこれを行っておるわけでございます。このもとになりましたのが、いま先生御指摘のような食料需給表のデータでございまして、この食料需給表では、製品の輸入は原料に換算してという原則で処理いたしてきておるわけでございます。 ただ、御指摘のように、非常に最近加工食品の種類もいろいろ多く多様になってまいりましたのと、量的にも無視しがたいものになってきております。これまで食料需給表の取り扱いは、FAOの作成手引きに準拠いたしまして、国際的な統一された基準で作成をしてまいっておりますが、二十六年以来その方針を変えていないということで、必ずしも現状にマッチしているかどうかという問題は確かに御指摘のとおりあろうかと思います。こうした分類については、私どもとしまして、特に需給表の問題といたしましては今後研究させていただきまして、この取り扱いについては私どもの研究課題として、統計的な今後の連続性等の問題もございますが、できるだけ改善に努めたいと、このように考えております。
○中野鉄造君 もう時間がありませんが、わが国の農業、食糧政策の確立のためにも、その背景には力強いやはり世論というものが常に支えとなっていかなくてはいけないわけですけれども、昨日の夕刊にも出ておりましたように、農業者ではない一般消費者から見れば、まるで感情を逆なでするような記事が出ておりました。こういうことでは、ますます農業に対し過保護だとかそういったような批判の声は強まる一方ではないかと思いますが、国民の農業に対するより深い理解を深めるためにも、そのコンセンサスの形成について効果的な方策を大臣はどのようにお考えになっておりますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私も当委員会においてたびたび申し上げてきておりますとおり、第一次産業である農業政策を推進してまいりますためには、基本構想にも示してありますとおり、相当思い切った国家投資もしていかなければならないというわけでございます。すなわち、これは納税者の負担において農業分野の生産向上の努力をさせてもらう、こういう形になろうかと思います。したがいまして、やっぱり国家としても、政府としても、一般国民としても、とにかく農家の方々に生産意欲を旺盛にしてもらって、そして農家は農家としての努力を積み重ねてもらって、そして生産性の高い安くていいものを提供してもらいたいというのが、これはもう全国民の要望であることには間違いないわけであります。しかしそれまで持ってまいりますためには、これはもう本当に相当な国家投資もしていかなければならないと、こういうことでございます。そういう道を達成すべく国会で食糧自給力強化の御決議もいただき、農地三法の制定もちょうだいをし、そしてそういう環境を着々とつくっていただいておるわけでございます。 したがいまして、農家は農家としてのいわゆるプロ魂と申しますか、そういう気持ちをやはり国民の前にあらわして、われわれはこのとおりやりますと、したがってどんどん投資を認めてもらって、それを実行して、基盤整備なりいろんなことをやって生産性の高い農業が展開できるようにしていくというのが私は筋道であろうと思います。そういう意味におきまして、農家に対して要請をすべきところは厳しくやはり要請をすると同時に、やっぱり農家の立場の再生産を本当に意欲を持ってやり遂げてもらうような農家、精神に満ちあふれた農家になってもらうような環境、バックグラウンドを政府がきちんとつくってまいる、こういうふうな道を進まなければならないと、こう考えておりまして、いま御指摘になったような線は、本当に私どもとしては残念だなという感じがいたすわけでございます。 〔理事鈴木正一君退席、委員長着席〕
○中野鉄造君 最後になりましたが、えさ米の件についてお尋ねいたしますが、この件については先ほどからいろいろ論議も出ておりますし、それに対する御答弁もありましたので、私は余りくどくは聞きませんが、ただ一つ今後の検討課題として、ちょっと先ほどのお話の中にも多収穫品種というお話が出ましたけれども、たとえばその多収穫品種である韓国系のミリアン二十三号だとかあるいはイタリア糸のアルボリオといったような、そういったような、十アール当たり七百ないし八百キロというようなこうした品種についてもいま検討されておりますか。
○政府委員(川嶋良一君) それらの品種につきましては、えさ米の問題が起こる前から私どもの水稲の品種改良の一環として検討を進めておりまして、特にえさ米の問題が出てまいりましてからは、外国の品種は改良する点が非常に多いわけでございますが、品質の点が抜けますので大変有利ではないかと思っております。いまいろいろ研究をしております。それから、交配もしております。ただ、品種改良でございますのですぐに出てまいりませんけれども、そういった点については一生懸命研究を進めていると、こういうところでございます。
○中野鉄造君 終わります。
○鶴岡洋君 いま同僚委員からお話ございましたけれども、私も端的にお伺いしますが、大臣にまず第一点は、農政審の答申の出された意味、先ほどお答えございましたけれども、政府として、端的に農政の基本を見直さなければならないと考えて出されたのか、また時代が変わったこともあるでしょうし、世界の食糧事情が変わったということもございますでしょうし、日本人の食生活はこうしなければならないということでこのようになったということも言えるでしょうし、いろいろあると思いますけれども、先ほどの答えからお聞きしまして、端的に農政の基本を見直さなければならないんじゃないかということでこの答申が出されたのではないか、このようにも考えますけれども、その点いかがですか、大臣。
○国務大臣(亀岡高夫君) やはり米の供給の過剰状態という現実、これが国民の食生活の面からこういう形になってきておるという動かすことのできない現実、こういうものがはっきりいたしてくるに従いまして、これをこのままにしておったのではもう日本のいわゆる農政の基本と申しますか、農家の収入の基本を得てきた食管法そのものもがたが来る、こういうことで、この辺で基本的な農政の方向を見直すべきではないかと、こういうことで政府といたしましても農政審議会に諮問をいたしたと、こういうふうに承知をいたしておるわけでございます。しかも、今回そういう政府の趣旨に対しまして、農政審議会も一年半にわたりまして、先ほど官房長からも申し上げましたように、あらゆる角度から日本農政の現況を分析をし、また新たな食生活の諸構造というような立場も取り入れ、しかも食糧の安全保障というような観点も織り込んで、そうして八〇年代の農政はこうすべきであると、こういう答申をちょうだいしたわけでありまして、いままで農業問題についてあるいは林業問題について非常に幅広くあった国民の各種各様の論議を、非常に幅狭い状態に意見を集約をしてくださったということで、そういう面において私は非常に全国民的な立場からの答申と、こういうふうに理解をいたしまして、これを政府の責任において一つ一つ解決をし、具体的に施策として進めていかなければならない、こういうふうに決意をいたしておる次第でございます。 この答申が示しておりますとおり、何といっても農業の生産の再編成ということで、先ほど来御審議も賜っております第二期対策等も、厳しい道ではあるけれども越さなければならない問題であるというようなこと、さらには中核農家の育成で規模拡大をして生産性の高い農業をしてもらう、さらには農村整備と環境を整備して、そうして農村も都会にひけをとらないような生活状態のもとにおいて農業経営をやってもらえるような環境を農村の地域社会にもつくってまいる、こういうことの基本を、やはり食生活の態様というようなものの発想の上に立った答申でありますので、私どもは、繰り返して申し上げるわけでありますけれども、これに盛られた方向を十二分に踏まえまして具体的な施策を進めてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○鶴岡洋君 そうすると、五年前にも答申が出ておりますけれども、その前は総合農政、選択的拡大とかいろいろありましたけれども、今度のこの答申については、いわゆる以前の答申から見ると見通しの甘さというものがあったということも含まれてそのように自覚しておられますか。甘さがあったかどうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほど一人当たりのカロリー計算と申しますか、栄養の方向をヨーロッパ並みにしていくというようなターゲットを設けましてやったわけでありますが、今回そういう面において反省があった、日本もあれだけの高カロリーをとればむしろ栄養過剰状態になるのではないかというような反省、そういうような確かに行き過ぎを是正するという面があったかと思います。したがいまして、今回は、前と違いますことは、やっぱり国権の最高機関である国会が後ろ盾になって、とにかく農業の立場というものをきちんと確立していただいたということは、これは私は戦後の農政推進に当たっては何よりも力強いものと、そのおかげで従来私どもが農地管理事業団法を法制定をしてそうして規模拡大をやろうと思って十五年前からいろいろ努力をしましたけれども、なかなかそういう体制ができなかった、それがこの国会の御決議を契機といたしまして規模拡大の効率的な環境というものをきちっとおつくりいただいたと、こういうことがありますので、この八〇年代の基本構想というものの中において行政を進めてまいります私どもといたしましては、その分、勇気を持ってと申しますか、自信を持ってと申しますか、行政官の諸君はそういう気持ちで私は今後農政に取り組んでいけるものと、こういう考え方をいたしておる次第でございます。
○鶴岡洋君 それじゃもう一点。答申の参考資料によると、六十五年のそれぞれの見通しは政策目標と考えるか、それとも単なる見通しと考えるのか、その辺はいかがですか。
○政府委員(渡邊五郎君) 今回の長期見通し自体は、べースにいたしましたのは、最近の品目別の生産なり消費の動向あるいは今後の経済、農業労働力、生産技術等の動向をできるだけ客観的に見きわめまして、その上に立ちまして、需要面では日本型食生活の定着とか、生産面では国内で生産可能な農産物は極力国内で生産するという政策努力を重ねまして作成いたしたものでございます。単純見通しというか政策目標というかということになりますと、やはり客観的な趨勢の上に立った政策的努力を織り込んだ見通しというふうにお答え申し上げるべきものだと思います。 なおこれは、書いてございますように長期見通しでありまして、いわゆる計画とは異なります。今後の諸施策の展開に当たりましても十分参酌さるべきガイドポストとなる性格のものでございまして、具体的な施策を裏打ちした需給計画というようなものとは性格を異にしているというものでございます。
○鶴岡洋君 そうすると、積極的に政策を遂行した場合の見通し、こういうことになるわけですけれども、それよりも、ここまでどうしてもやらなければならないということではなくて、やはり努力目標にして立てた以上は真剣に取り組んでもらいたい、このようにお願いをしたいわけです。 これと矛盾するかどうかわかりませんが、私が思うのには、もちろん日本は長い国でありますし、地域差もありますし、それから極端に言えば一年間に日本の人口が一億人もふえるわけでもございませんし、また百キロのお米を食べていたものが次の年には三十キロなんて、こういうこともございませんし、ましてやこういう精巧なコンピューターができた時代でもございますし、反面、天候にも左右される、先ほど言った地域差もあるということも考えますけれども、私が思うのには、政治というものは百年の大計を考えてと、こういう立場に立ってやらなければならない。そういった意味から日本の食糧ということを考えたならば、八〇年代の農政の基本方向とありますけれども、やはり長期的な、もっと長期的な施策といいますか、方向づけをすべきではないか。私はこのように思うのですけれども、この辺はどうですか。
○政府委員(渡邊五郎君) 今回八〇年代の農政の基本方向ということで、長期見通しも十年間というふうにいたしております。 お話しのように、農業は他の産業に比べましても非常に時間を要する産業でございます。そうした意味で、できるだけ長いということも御意見としてはわかりますが、三十年あるいは五十年といった超長期の問題になりますと、非常にこれらを動かします諸要因の変動が不確定でございます。なかなか確度のある一つの見通しが立てにくいというような現実的な制約もございますし、他の経済社会計画とか国土利用計画等におきましても、おのずとそれらとの整合性を考えましても、現在十年先ということで見通しを立ててきております。私どもも特に八〇年代の農政では、ただいま転作の問題等大きな生産再編の問題がございますので、こうした問題を乗り越えて、さらに超長期の見通しが立てられるような展望を開きたいという願望は持っております。それにはまず八〇年代におきます生産の再編成をりっぱにし遂げるということが急務と、このように考えております。
○鶴岡洋君 もう一つ、答申の中を見て感じることは、食糧ということは、農作物ももちろん食糧ですけれども、われわれはおかずを食べるのに漁業の魚介類も必要でございます。そういうことで、漁業の方については資源管理型漁業への方向がいまますます強まっておりますけれども、実際問題としてこの審議会でも討議されたとは思いますけれども、農作物とそれから漁業、これをあわせてのやはり私は食糧だと思うんです。そういう点について、今後のあるべき姿というのはどういう姿であるべきか、その点いかがでしょうか。
○政府委員(今村宣夫君) 御指摘のように、四面海に囲まれているわが国にとりましては、魚は欠かすことのできない動物性たん白質の供給源でございます。したがいまして、私たちは、漁業がそういう国民食糧の過半を提供しておるという役割りをどう果たしていくかという問題につきましていろいろと苦心を重ねておるつもりでございますが、わが国の食生活は御存じのような形での最もすぐれた形態で定着をしつつございます。そういう方向に即して、栄養価の高い漁業水産物の供給による総合的食糧の自給力の維持ということはぜひとも必要であるという認識に立っておるわけでございます。 したがいまして、私どもといたしましてはやはり今後、先生のおっしゃるような管理型漁業と申しますか、いままでのようなとる漁業からつくり育てる、つくり育てそしてそれをとる漁業という形にどうしても持っていかなければいけないと思っています。そのために最も必要なのは、やはりわが国の二百海里水域内における資源の培養とそれの有効な活用が第一点でございます。同時にまた、遠洋漁業につきましては、諸外国との外交の推進その他によりまして何とか現在の水準を維持していきたいというのが念願でございまして、そういう観点に政策を集中してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○鶴岡洋君 そういうことはよくお聞きしているわけです。そうではなくて、食糧ということを考える場合に、長期見通しの中で農作物も魚貝類もやはり一緒になって考えていかなければならないんじゃないか。答申の中でそれも見られますけれども、食糧庁と水産庁との方の連携をうまくやってそして日本の食糧を考えないか、こういうふうに私は言っているわけです。その点はいかがですか。
○政府委員(渡邊五郎君) 御指摘の点につきましては、先ほどお答えいたしました日本型の食生活の中におきましても、わが国の食生活の特色といたしまして、動物性たん白質の中の半分を魚貝類が占めているというようなことも指摘されておりまして、こうしたことが国民の食生活にとって非常に重要な部分という評価もございます。私どもはこうした水産物並びに畜産物等のバランスをとりながら、これから日本型の食生活の定着を図るように努力をいたしてまいりたい。またそのためには、省内におきましてもそうした総合的な食糧の行政につきましても調整して、日本型食生活の定着に努力してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○鶴岡洋君 次に、備蓄についてですけれども、最近国連食糧農業機関、FAOが世界の食糧事情に警告を出しました。これはきのうの新聞ですけれども、「今年六月末に一三%台だった世界の穀物の在庫率は、来年六月末には一〇・五%まで低下しそうだという。消費量の一か月分を切る在庫量まで落ち込みかねない気配である。これまでの最低だった七六年の一〇・七%さえ下回りそうで、最近の穀物相場の上昇は、これを反映しているといえよう。」と、こういう記事でございますけれども、もちろん農林水産省として考えの中にはこれは十分に入れなきゃいけないと思います。 しかし、現在三四%の日本の自給率がそこで憂慮されるわけですけれども、答申でも、食糧の安全保障上、「食料供給に変動をもたらす事態としてより重要なのは国際的な要因によるものである」と、こういうふうにありますけれども、先月、私決算委員会でこの備蓄の問題を取り上げました。その際の答弁を総括して言うならば、わが国の備蓄に対する理念、考え方及びその体制が余りまとまりのあるものとして私はとらえなかったわけです。答申にも言う、食糧が外交上の手段として用いられる可能性がある以上、この体制づくりを早急に進めるべきであると私は考えますけれども、この点いかがですか。
○政府委員(渡邊五郎君) 御指摘のとおり、国際的な要因等によりまして食糧供給に変動が生ずるということがございます。かつてそのような経験もわが国はしております。したがいまして、輸入の削減等がされるような事態というものも想定いたしまして、各種の農産物について、主要なものについて備蓄政策をとっております。米につきましては、もう御存じのように六百五十万トンというような形の過剰な在庫を保有しておりますので、これ自体食管制度によって保障されておりますので、御心配をかけることはないわけでございまして、今回の冷害におきましても自給上の問題は起こしていないわけでございます。食糧用の小麦につきましても、食糧管理特別会計で約二・六ヵ月分を保有いたしております。飼料用の穀物、トウモロコシ等につきましては、配合飼料主原料の約一ヵ月分を、これは通常の在庫のほかに一ヵ月を別途備蓄いたしております。大豆につきましても、食品用の大豆需要の約一ヵ月を備蓄するというような形態をとっておるわけでございます。 ただ、備蓄というのは、やはり農産物の性格からいたしまして、品質との関係等を考えますと、やはり回転していくような性格を持っておりまして、そうした点での一つの限界と、負担の問題もございますが、私ども今後の需給規模の変動に応じて、的確な在庫と申しますか、備蓄水準を維持してまいらなければならないということで、今後とも検討を深めてまいりたいと考えております。
○鶴岡洋君 申しわけないが、答弁は簡単にお願いしたいと思います。 じゃ、二期対策に入りますけれども、減反政策は第二期に入るわけでございますが、これがいつまで続くのか、続けるとすれば最終目標はどうなるのか、簡単にお答え願います。
○政府委員(二瓶博君) 水田利用再編対策は、先生御案内のとおり、五十三年度からおおむね十ヵ年の事業ということでやっておるわけでございます。十ヵ年という長期間対策の中身なりを固定するというのは非現実的であろうということからいたしまして、これを数期に分けまして、転作等目標面積というものも各期ごとに、その時点におきます米の需給事情というものに即しまして決定をするということにいたしておるわけでございます。したがいまして、現時点で最終的な目標面積、これが具体的にどの程度になるかということにつきましては申し上げかねるということを言わざるを得ないということでございます。その点御了承いただきたいと思います。
○鶴岡洋君 この二期対策でございますけれども、この答申の中にもありますが、総合的な自給力の強化ということも含まれているわけです。米が余ったからこれはバランスをとる上に減反が必要だと、これもわかります。その反面、自給力の強化ということもうたわれているわけです。 そこで、この水田再編がどんどん進むと、もちろん麦や大豆、この転作作物がどんどんつくられるようになっていく。もし転作作物に対する奨励金がなくなった場合にはこれはどうなるのか。そうすると、飼料の面に回る総合自給率の、それでなくともいまどんどんパーセンテージが低下しているわけです。なおさら奨励金が出されなくなった場合にはこれは困るじゃないか、危機に瀕するじゃないか、こういうことを考えるわけですけれども、この見通しはどうですか。
○政府委員(二瓶博君) 先生おっしゃいますように、水田利用再編対策、単なる米減らしでございませんで、農業生産の再編成ということで、麦なり大豆、飼料作物等への転作をお願いをいたしまして、総合的な自給力を高めようということでございます。問題は、麦、大豆等につきまして、近年生産性なり収益性、これは向上はしているということは統計的にもはっきりしておるわけでございます。ただ、一般的に見ますというと、なお米の収益性と比べますとまだまだ低い水準にあるというふうに言わざるを得ないわけでございます。したがいまして、現時点では奨励金なしで定着できる段階にまで至っていないというわけでございます。 問題は今後でございますけれども、やはりこのおおむね十ヵ年水田利用再編対策をやります間におきましては、各期ごとに奨励金の水準なり体系というものを見直して固めていかなくちゃならぬかと思います。したがいまして、その水準なり体系はそれぞれ変わるわけでございますけれども、奨励金は、水田再編をやります際におきましてはこれは交付するということになろうかと思います。しかし、いずれはこの奨励補助金というものがなくなるということがあり得るわけでございまして、その段階においては、この奨励金がなくなったときにまた稲作に戻るということでは困るわけでございます。したがいまして、漸次この生産性というものを高めていくという努力を傾注していくという必要があると思います。具体的には経営規模の拡大なり、あるいは技術水準の向上等によりますコストの引き下げなり、あるいは価格対策の適切な運用というようなことが具体的なその施策になろうかと思います。そういうことをねらいにいたしまして、目標にいたしまして、今後逐次これら作物の収益性の向上を図りながら、奨励補助金依存を脱退し得るそういう足腰の強い転作営農を育てていきたい、かように考えておるわけでございます。
○鶴岡洋君 この二期対策ですけれども、三年間固定して六十七万七千ヘクタール、来年度、五十六年度は冷害等の関係があって四万六千ヘクタール、これだけ減らすと、こういうことのようでございますけれども、四万六千ヘクタールの根拠というのは先ほど私がお聞きしましたので結構でございますが、これが固定化したということで、来年冷害とかまた豊作とか、これはわかりませんが、天候のぐあいでわかりませんが、もし平常であった場合に、ことしのその四万六千ヘクタール減らした分だけ五十七年、五十八年度に上乗せをしないかどうか、確認をしておきたいと思います。
○政府委員(二瓶博君) 五十六年度の特例措置ということで四万六千ヘクタールの軽減措置を考えておるわけでございますが、今回これを軽減をする。その際に、この軽減したものを五十七年度なり五十八年度に上乗せをするというようなことがあるのかということでございますが、これにつきましては、五十六年度で引きっ放しといいますか、そういうことで考えたいというふうに思っております。
○鶴岡洋君 それでは、最後に転作作物について。 これも非常に問題があるんですけれども、転作するのはいいけれども、何をやったらいいのかと、これが現場の大変な声でございます。そういうことで、いまハト麦が、この作物でございますけれども、将来非常に有望だと、このように私聞いております。このハト麦に関して今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(二瓶博君) ハト麦につきましては、これは現在も転作作物になっておるわけでございます。それで今後、この転作作物として有望かどうかという問題になるわけでございますけれども、ハト麦につきましては、現在までの試験研究の成果等によりますれば、生産面につきましては湿田においても栽培が可能であるというふうに言われております。それから需要の方でございますけれども、これは子実のたん白質というものが多い。あるいはぬか層、これには脂肪の含有率が非常に高いというようなこともございまして、食品原料といたしましてきわめて有望であるというふうに見られております。そういうことでございますので、今後普及し得る可能性が非常に高い作物の一つであろう、かように考えております。 ただ、何といいましてもまだ新作物でもございますし、また需要の面の方も、食品としての需要等につきましてはこれから開発をしていかなければならぬというような問題がございますので、そういう解決すべき課題というものを関係者の協力も得ながら解決に努めまして、需要に見合った生産というものの拡大を進めていくようにしたいと、こういうふうに考えております。
○鶴岡洋君 どうもありがとうございました。
○中野明君 最初に、外務省にお尋ねをしたいんですが、御案内のように、ことしは世界的に気候が異常でありまして、お隣の韓国でも大変な不作で、お米が不足して、欲しいというような報道がなされておるんですが、外務省の方、正式に韓国の方からそういう要請といいますか、そういうことがあったのかどうか、ありましたらその経緯をちょっと説明していただきたい。
○説明員(長谷川和年君) お答えいたします。 韓国がわが国に対して相当量の米の輸入を求めてきていることは事実でございます。他方、韓国は米の輸入につきまして米国と目下話し合っていると聞いておりまして、韓国と米国との話し合いの結果いかんによりますけれども、わが国としては、まず韓国と米国との話し合いの結果を見る必要があるといろいろ考えておりますが、その話し方としましては、向こうの政府からこちらの政府に話があったというふうに了解しております。
○中野明君 そうすると、話がまとまれば、一応現在わが国では在庫があるわけですから、これは要請があれば向こうに輸出してもよろしいと、こういう考え方なんですか。大臣、どうですか。
○政府委員(松本作衞君) 過剰米の輸出につきましては、ただいま御指摘がございましたように過剰な状態でございますから、相手国の事情等によりましてわれわれとしては輸出をすることは望ましいと思っておるわけでございますが、この過剰米輸出につきましては、御案内のように、FAOの余剰処理原則によりまして利害関係国、特に従来の米の輸出国の了解をとる必要がございますので、このような関係国の了解をとりつけられる範囲で輸出を行ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○中野明君 外務省にもう一点尋ねますが、ほかに、他の東南アジア方面からそういう要請が来たことがあるかどうかということと、それから、難民の救援にどの程度いままで出しているか。
○説明員(長谷川和年君) お答えいたします。 東南アジアの国から本年度米の援助の要請はございませんです。
○中野明君 難民。
○説明員(久保田穣君) 難民の援助につきまして、米の援助を行っておりますが、本年度におきましては五十億円相当の日本米及びタイ米、日本米が三万トン、タイ米が約二万五千トンでございますが、これを国際機関、WFPを通じまして援助いたしました。それからこれまで、昭和四十三年度から難民を対象とするお米の援助を、累計いたしますと総額で十四万トンに達しております。ただいま申し上げましたカンボジア難民以外に本中東のパレスチナ難民等に援助を行っております。
○中野明君 それで、いろいろ外交的なこともあるやにいまお話がありますが、この問題で話がつけば、食糧庁としては韓国に出してもよろしいということのようですが、出すとするとどういう種類のお米を出される考えなんですか。
○政府委員(松本作衞君) 現在過剰米といたしましては、五十三年産以前の米があるわけでございますが、私どもといたしましては、国内米の操作の関係もございますので、五十二年産米を主体として輸出をしてまいりたいと考えております。
○中野明君 それでは、いろいろ外交的なこともあるようですから、こういうときですのでできるだけ、米が過剰になっているわけですので、こういうときにはぜひ出してあげればよろしいんじゃないかと思いますが、いまの御答弁で大変古いお米をというお考えのようですが、それはどうなんでしょう、食用として向くんでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) これは、五十二年産米についてはわれわれも試食をしておりますが、十分に食用として向くと考えておりますが、特にこの輸出に当たりましては、これを精米にして、なるべく品質を均一なものにして出すというような配慮もしてまいりたいと考えております。
○中野明君 五十二年産米とおっしゃいますとどう言うんですか、普通の呼び方で。古古古ですか。古が三つつくんですか。それが食糧に向くんだろうか。私どもいままでの理解では、そんなに古くなったのは食糧にならぬのじゃないかというふうに理解しておるんです。いまのお話では大丈夫だというんですが、そうなんですか。
○政府委員(松本作衞君) これは先ほど申しましたように、私どもも試食をいたしまして十分食べられる米でございまするので、特に食糧が非常に不足している場合にはこの米が十分利用ができるものというふうに考えております。
○中野明君 話さえついて、先方がそれでよろしいと言うのならば、大いに、在庫があるんですから、できるだけ多く輸出をされることを、そういう話がつくことを私どもも期待をしておきます。 それでは外務省の方結構です。御苦労さまでした。 次に大蔵省にお尋ねをしますが、けさテレビのニュースで、消費者米価と麦価ですか、これを値上げせなければいかぬという方針を固めたというようなニュースが流れたわけなんです。朝から余りいい話じゃなくて、私どもも頭にきたわけなんですが、経緯をちょっと説明していただきたい。
○説明員(的場順三君) 御承知のとおり、財政再建というのは一つの非常に重要な政策課題となっておりまして、農林水産関係の予算全般につきましても、農林水産省と相談をしながら、できるだけ節減、合理化を図っていくという方針で現在せっかく検討中でございます。 ただいまお尋ねの消費者米麦価の件でございますが、実は昨日、財政制度、審議会におきまして、農政全般について過去の経緯、それから農政審の御答申、それから特に食管、これは食管調整勘定繰り入れ、いわゆる米の売買に伴う損失の部分、それから米の先ほどございました輸出等に伴います特別損失を補てんする部分、そういったものを含めた食管繰り入れと、米をつくらない、他作物に転用するための水田利用再編対策、これ全体を含めて予算上は食糧管理費と申しておりますが、食糧管理費は三Kの一つとして非常に重要な問題である、財政当局から見れば改善、合理化していくべき問題であるということでいろいろ御議論をいただいたわけでございます。従来から、この食管にかかわりますいろんな経費の節減、合理化につきましては、財政審にもお諮りし、財政審の御意見も伺いながら実施をしているところでございますが、その中の一つとして、売買逆ざや、米の売買に伴う損失、これはコスト部分は一応別でございますが、買い値の方が売り値よりも高い、売り値の方が安いということになっておりますので、その売買逆ざやは順次解消していくことが適当であるというふうなことを従来から示唆いただいております。そういう方針に沿ってことしもやったらいいのではないかというふうな御示唆もございましたので、大蔵省としては、これからでございますけれども、農林水産省と相談をし、全体の予算を節減、合理化するためにそういう方向で検討いたしたいと思っております。 以上でございます。
○中野明君 鈴木内閣の基本的な政策の一つの柱に、物価対策、こういうことを言っておられます。現在、所得減税が数年も行われていないものですから、実質的には各家庭の実生活というものはそれだけ内容が落ちてきておるわけです。収入減になっておるわけです。そういうときに、主食である消費者米価の値上げがもし実施されるとしたら、三年続いて上がるということなんです。これはもう物価に及ぼす影響、心理的影響も含めてこれは大変なことだと思います。そういう点で私どもは絶対反対なんですが、理屈としても、財政を再建するといいましても、やはり国民の納得、理解が得られないと再建にはならぬと思います。 そういう意味で、大蔵省の方にも聞いてもらいたいんですが、片方では、お米の消費の拡大をやろうとしてどんどん予算を使っている。一方では、ことしこういう冷害でお米が取れなかったということで、古米なりあるいは古古米を混入して国民の皆さんに食べてもらわなければならぬという現状になっております。こういう状態でまだ値上げをする。片方でお金を使ってお米をどんどん食べてくださいといってPRをしておりながら、片方で値を上げる。あるいは、ことし取れた新米よりも、古くなるほどお米の味が悪くなるというのはこれは常識ですから、そういう古いお米をまぜて食べてもらわなければならぬという現状になっている。こういう時期に、消費者米価を値上げするぞというようなことを朝からどんどんニュースでテレビを通じて流されたら、これは非常におもしろくない。国民として納得できない、こういう感じがするんですが、大臣は、まだこれからの折衝になってくると思うんですが、どうお考えになりますか。もう、ちょっと私は納得できない。せっかくお米の消費の拡大をしようとしているとぎ、しかもことしのように減収で、在庫を処理していく上においては、非常に農家の方には気の毒だったかもしれませんが、在庫を処理していく上にはある程度ほっとしている、こういうときですね。そのときにお米の方は少し味の悪いのが入ってくるわ、そしてどんどん食べてくれと言っている。そのときに値を上げるということになると。この矛盾をどうしても私ども感じてしようがないんです。果たして大臣、どうお考えになりますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私としては、七月から八月にかけての米価審議会において、今年中は消費者米価値上げは考えておりませんと、こう申し上げてきているところでございます。それじゃ来年はと、こういうことでありましたが、まあとにかく予算編成の時期にどういうふうに食管の中身がなるか、そういう点も考えて対処したいと、こういうことを言うてきておるわけでございます。したがいまして、いまの心境はどうかと言われると、今年は変わっておりませんで、今年は消費者米価には触れたくない、こういう気持ちでございます。 しかし、やはり来年度予算原案を作成するにつきましては、そこを避けて通れないという問題が現実にあるわけでございます。したがいまして、その時点に至った際に大蔵省との協議に応じて話し合いをつけていきたい、こう思っております。 御指摘のように、物価問題が鈴木内閣の大きな柱であることは私も十分承知をいたしておるところであります。まあ一言言わしていただくならば、今回、今年度の物価安定のために全国農民が、特に野菜農家の諸君やあるいは水産漁業家の諸君のその努力によって、結果的に見ますと非常に物価が安定しておると、こう申し上げても私は過言ではない。それだけに、農業者、水産関係業者が苦労を積み重ねておると、こういうことも一般国民には知っていただきたい、こういうことでございます。そういう農業の近代化を図っていきますために何をどうすべきかというようなことは先ほど来申し上げてきているところでございます。そういう際に、お金がなくて何もできませんと言うわけには農林大臣としてはこれはいかないわけでありますから、そういう中でどういう知恵を出すかということはもう少したってから考えていきたいと、こんな気持ちでおるわけです。
○中野明君 いま大臣は食管会計の赤字がどうなるかというようなことも言われましたが、ことしの冷害の大凶作で、大体いままで数字も出しておられますが、最終的にもうほぼ見通しも立たれたんではないかと思います。当初予想しておったよりも何万トンぐらい減量になりますか、買い入れは。そしてそれは金額でどれぐらいになりますか。
○政府委員(松本作衞君) 現在まだ政府の買い入れがおくれておりまして、どれだけのものが出てくるかということは明確に申し上げる段階になっておりませんが、全体の生産量が約百万トンほど需要に対して少ないわけでございまして、これに近いものが政府の買い入れ量としても減少してくるのではないかというような予測もできるわけでございます。自給上はそのようなことも前提にしながら検討をいたしております。 なお、金目につきましては、いろいろとコストの見積もり方等がございますので、いまの段階ではまだ明確に計算をいたしておりません。
○中野明君 そうしますと、確かにいまおっしゃるとおりで、すぐに数字は無理かもしれませんが、いずれにしても先ほどのお話で、五十二年のお米がもし韓国に買ってもらえるということになるとこれは非常に食管としても助かることですし、また、いまのことしの買い入れ数量も減ってまいりましょうし、いろいろと食管会計にはかなりそういう面で当初予想しなかった面が状況として出てきている。こういう状況のときに消費者米価をたちまち値上げを考えるということは、私は国民の理解と納得は得られぬのじゃないか、こういう考えをいまなお持っております。その点は大臣にも十分御承知の上で対処をしていただきたい、こういう考えでおりますので申し上げておきます。大蔵省、結構です。 それから次に、今回の農政審の答申では食糧の安全保障ということが非常に大きな一つのうたい文句になってきたわけなんですが、それにいたしましては、長期の見通しでこの穀物の自給率、これが五十三年度三四から六十五年度で三〇にまだ下がると。となりますと、一体これは食糧の安全保障という考えからは逆行しているんじゃないか、こういうふうに理解せざるを得ぬのですが、この点大臣どうお考えになりますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほども申し上げましたとおり、作目個々にごらんいただければ、各作目ごとの自給率はすべて上げていこうということでございます。しかるところ、畜産物関係、特に中小家畜の肉の需要増ということに伴いましての輸入飼料というもの、これは特に穀物というものは日本でなかなか戦後のいろいろな努力にもかかわりませず、増産ということはちょっと困難であるとこういうことでございまして、総体的に食糧とえさの穀物を合わせて自給率というものを出しますと、いま御指摘のように三四から三〇に下がるような形になる。これはまことに、国会の御決議があり、しかもこれからの八〇年代の方向を農民に示す際にこの数字はぐあい悪いじゃないかと、こういう気持ちも、私もいろいろ説明を聞いたときにはいたしたわけでございますけれども、しかし、やはりあらゆる努力をしてもこういう体制につくり上げていくことすらなかなか容易ではないという日本のこの現実、とりわけ米に対する米離れと申しますか、米の需要増を若干でも見込めるような情勢であるならば大変いいわけでありますけれども、相当なお金もかけ努力をいたしましても、米のいわゆる消費の停滞というものはとどまらないこういう情勢でありますので、私としても、この数字はこれはもう農政審議会の七十数人の方々のあらゆる点からの検討によって、もうこういう数字になるのもやむを得ないと、こういうことで出された結論であるからということで了承をいたしたわけでございます。 しかし、私どもは政治家であり、私どもはやはり農林水産省がお預かりしておる行政の責任を持たされておるわけでありますから、そういう一つの長期見通しを立ててはいただいたわけでありますけれども、それをよりいい結果を出す最大の努力をしてまいるということはこれは当然のことでありますので、そういう方向に全力を尽くしていきたいと思います。
○中野明君 そこで問題になりますのは、この飼料穀物の生産は転作の一つの大きな柱になってくるわけなんですが、この農政審の答申でも、「飼料穀物生産についての長期展望を明らかにすべきである」と明言しております。これはいつごろこういう展望をお示しになるお考えですか。
○政府委員(渡邊五郎君) 飼料穀物生産の検討という点につきまして農政審議会からの答申をいただきまして、御指摘のように長期展望を立てろという点がございます。特に、この点はいわゆるえさ米の問題に触れましてこういう御指摘を得ておるわけでございまして、私どもはさらに農政審議会のこの答申後関係の方に集まっていただきまして、飼料穀物の国内生産の可能性等について検討を早めまして長期展望をいずれ出したいと、このような手順で考えております。
○中野明君 それでは、時間がありませんので、もう一点だけお尋ねしておきます。 この消費の拡大、先ほど申し上げましたように、お米の消費拡大に大変予算をつけて一生懸命努力を始められたんですが、けさほどの二瓶局長からの御説明では、農家の消費するお米、これが二期目に入りまして三百二十万トンという計算になっておりますが、現在はこれ三百三十万トンで計算しておったんですが、これが減るということは、農家が食べられるお米が減るということはどういう理由なんですか。
○政府委員(松本作衞君) 農家消費の関係につきましては、食糧庁におきまして需要の実態を調べておるわけでございますが、やはり農家におきましても消費量の減退が見られておりまして、その分を考えませんと限度数量の計算上問題が出てまいりますので、私どもといたしましては、実態に合わせまして三百三十万トンから三百二十万トンということに減少をいたしまして、その分限度数量としてはふえてくるということもやむを得ないのではないかと考えておるわけでございます。
○中野明君 米を食べてくれと、こう言ってPRをし、国民に要請をするわけですから、やはりこれ率先垂範という言葉がありますが、農家並びに関係の農業関係団体ですか、そういうところが一番熱心にみずからも米の消費をしていくという考え方に立たなければ、これはもう幾ら予算を使って米を食べてくれと言ったって話にならぬと私は思うんです。そういう点、とにかく成り行き任せで、お百姓の人がお米を食べなくなって、先ほど大臣もおっしゃっておりましたように、パンを食べながら農作業をするんだからしょうがないわと、こういう考え方で米の消費拡大に取り組んでおったとしたら、これはもう話にも何もならぬのじゃないかと、私はこう思うんです。ですから、こういうふうに実情に合わすように数字の上で十万トン減らしたんだと、長官は事務的におっしゃいますけれども、私はその姿勢では米の消費拡大はとうていできない、まだまだ減っていくのじゃないか。相当本腰を入れて米の消費拡大に努力をしないと、この長期計画だってもう大変なことになってしまうのじゃないかと心配をするから申し上げているのでありまして、こういう点、どうも私一般の国民の皆さん方も納得できないのじゃないかとそういう気がしてなりません。ぜひこれは取り組む姿勢として申し上げておるのでありまして、数字は冷厳な結果として出てきた数字でありましょうから、これを机の上だけでいらえというような、そういう私はいいかげんなことを言っているんじゃなしに、やはり取り組む精神と姿勢としてはこれは非常に情けないことだなと。こんな状態で果たして米の消費拡大ができるだろうかという心配をして申し上げておるわけです。 それからもう一点は、先ほど官房長がたびたびメモをお読みになって、日本型食糧ということを何回もおっしゃったんですが、この農政審の答申の中にも、日本型食生活、「日本型食生活の具体的な姿を食事メニューの形で示す」、示せというようなことを言っているんですが、日本型食生活、これはどういうメニューを考えておられるんですか。
○政府委員(松本作衞君) 最初の農家消費の減退に対して十分な努力が必要ではないかということに対しては、御説のとおりであろうと思っております。そういう点につきましては、農業団体におきましてもそのような取り組む姿勢は示しております。いろいろな形で消費の拡大運動もやっておるわけでございますが、国といたしましては、特に農村部におきまして地域ぐるみの消費拡大運動をしていく必要がある、このような消費拡大運動は、いわゆる米の生産調整ないしは地域における農業生産の再編成というようなものと結びついて、需要の拡大を図っていくというような必要があると考えておりまして、本年度から町村を指定をいたしまして、このような地域ぐるみの消費拡大事業に取り組んでおるところでございます。その推進に当たりましては、農業団体におきましても中心的な役割りを果たしてきておるわけでございますので、私どもといたしましては、こういうふうな事業、運動も通じまして、ただいま御指摘がありましたような点につきましては今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
○政府委員(渡邊五郎君) 答申の基本方向の中で、「日本型食生活」ということが言われております。特徴といたしましては、カロリーが一般に世界的にも低いという、一日当たりのカロリーが二千五百カロリーというような低カロリー、比較的総体的な低カロリー、かつたん白質、脂質、炭水化物の割合がバランスがとれている。しかも、炭水化物の中で動物性たん白質と植物性のたん白質との比率が相半ばしている、動物性たん白質について言いますならば、先ほど申しましたように、魚類のたん白質と動物性のたん白質が半ばしている、こういうような栄養バランスがとられているということがわが国の国民の健康に非常に資するタイプであるというふうに指摘されまして、日本型食生活というのが提唱されたわけでございます。御指摘になられました「食事メニューの形」ということも、これからのこうした日本型食生活を定着させていくということが、食糧の今後の自給力維持の観点からも重要な点でございますし、栄養的な観点からも必要だという点で、これらを定着させる努力を今後一般に普及していく一つの形態として、食事メニューのような形で提案すべきではないかという、これは農政審議会の委員さんからの御提言としてございます。私ども、こうしたものを目下研究をいたしまして、早急にこうしたものが一般の人に普及できるような食生活のあり方についてのPRをいたしたいと、こういうふうに考えておりまして、目下のところ具体的なものを持ち合わせておるわけではございません。
○中野明君 それでは時間が参りましたので、いずれまた機会を見て御質問したいと思いますが、最後に一言だけ。 きょう請願の審査もしておりましたが、二期水田利用の再編対策に対する請願が圧倒的に多いわけです。ところが、私どももこの冷害で凍結ということを強く申し入れをしましたが、まことに残念ながら、どこでどう決まったのか、けさほどの説明のような形になりました。しかし、積算の根拠が、冷害配慮というものの積算の根拠が、御説明を聞いておっても非常にあいまいのような気がして、これでは恐らく各都道府県に配分をするときにまた問題を起こすのじゃないかと心配をしておりますが、その点万遺憾のないようにお願いをして終わりたいと思います。答弁は要りません。
○下田京子君 水田利用再編第二期対策についてお尋ねしたいと思いますが、これは十一月二十五日の農林水産省案だということでけさほど御説明いただきました。この問題につきましては、他の委員からも御指摘ございましたけれども、ここ数日の間に、大臣、福島県だけでもこれほどの、これ全部農協からなんですけれども、水田利用再編二期対策の実施に当たっては、冷害の実態を踏まえて面積の拡大をしないこととそれから奨励金の単価の引き下げを行わないこと、この二点にしぼってたくさん電報が届いているわけなんです。ところがその内容を見ましたら、この内容はまさに農協、農民、そして関係者の意思を踏みにじる内容であるということを指摘せざるを得ないと思うんです。第一には減反面積の大幅拡大。これは五十三万五千ヘクタールから六十七万七千ヘクタールというふうなことで、特に冷害の実情を考慮して四万六千ヘクタールというふうになっているけれども、実際に本当にどうなんだろうかという点で、以下いろいろとお聞きしていきたいわけでございます。 そこで、実際にお尋ねする第一の問題としまして、たとえば青森県、御承知のように作況指数でも一というようなところがございます。そういう激甚地域、収穫皆無というようなところに対して、この四万六千ヘクタールの冷害いわゆる配慮分といいますか、考慮分といいますか、そういうものが考えられた際に、五十五年度に比べて上積みされないということがはっきり言えるんでしょうか。これは大臣に。
○政府委員(二瓶博君) 四万六千ヘクタールの配分でございますけれども、これにつきましては冷害等の被害の程度を反映させて行いたいと、かように考えております。しかし、具体的にどういうような指標なりあるいはウエートというものをとって配分するかということにつきましては、まだ何ら決めておりません。したがいまして、ただいまお話ございましたような、青森県で収穫皆無というようなところが現にあるわけでございますけれども、これについて上積みがいくのかいかないのか、それについてはこれは何とも申し上げられないわけでございます。 なお、ちょっと付言いたしますと、国の方では県別配分を適正にやりたいと思っておりますが、配分を受けましたものにつきましては、県内の事情に一番精通しておられます知事さんの方が市町村別に分けますし、市町村はさらに市町村の農業者別の動向がわかっておりますので、市町村の長がさらに配分をするということになるのかと思います。そういうこともございますので、最終的に収穫皆無のところに上積みがいくかいかぬかということにつきましては何とも申し上げかねるわけでございます。
○下田京子君 冷害を考慮した配分と言いながら、実際に収穫皆無のところに五十五年に上積み分があるのかないのか何とも言えないというふうなことでございますけれども、さらに具体的にお尋ねしますと、これは岩手県なんかで大変心配されて出されてきたところなんですけれども、五十一年、五十五年と、岩手県の場合には地域によって大変な被害をこうむっているわけなんです。そういうところで、冷害が続いているから、だから米づくりに適さないんだというかっこうでもって減反の配分率が高くかぶってくるんじゃないかという心配の声がずいぶん出されたわけなんです。としますと、仮にいま言うように、国の方は県には考慮してやりますよと言っても、その考慮する際に、考慮の基本になるのは三年間の固定目標をばんとこうやるわけでしょう。ですから、その固定目標が全国平均の上積み率のいわゆる二七%、それを上回って仮に岩手なら岩手にやられたとしますね。とすれば、その結果として全国平均の上積み率を超えるというような事態も出てこないとも言えないわけです。そういう結果になったらば、実際に冷害を考慮して配慮した配分というかっこうになるんでしょうか。
○政府委員(二瓶博君) まず、六十七万七千ヘクタールといいます二期の転作目標面積、これの配分、それからもう一つは、冷害等を配慮しての五十六年度の特別措置としての四万六千ヘクタールの配分、二つの配分がございますが、これは両方とも配分をしたい、同時に行いたいというふうに現在のところ考えております。 そこで問題は、六十七万七千ヘクタールの配分でございますが、これにつきましては、地域地域によりまして非常にこの配分につきまして御意見が分かれております。相当隔った御意見が出てまいっておりますので、これに対してどういうふうに配分するかということにつきましては、率直に申しまして非常に苦慮しておるということでございます。しかし、いずれにいたしましても、これにつきましては行政の責任におきまして適正に配分をしたいということでございます。したがいまして、ただいま岩手県につきまして平均よりも上がるかというようなことにつきましては、現段階では何ともお答えのしようがないわけでございます。 なお、四万六千ヘクタールの配分につきましては、先ほど申し上げましたようなことでございます。
○下田京子君 これまた、実際に冷害の配慮になるかならないか、現実の問題がわからない。農家の皆さんというのは、本当に冷害分を考慮してくれたか、配慮してくれたかということは、去年よりも上積みがないということで、ああ配慮になったんだなと、こうわかるわけですね。それはわからぬと、こういう結果がいま答弁されたわけですね。 じゃさらに、同じような問題でございますけれども、冷害を配慮してというかっこうになりますと、たとえば秋田県の場合、県全体としては冷害の被害が少ないと、こういうふうになっておるわけです。しかし、地域によっては、私たち委員会でも調査に行ってまいりましたが、鹿角など山間地域によっては激甚地域もあるわけですね。としますと、実際に四万六千ヘクタールのいわゆる冷害状況配慮分の配分の問題ですけれども、秋田県はまあまあ冷害が大したことないよというかっこうでその冷害分が見られなかったらどうですか。そうしたらば、実際には激甚地に、当県内に激甚地があったとしてもそれを考慮した配分ということがやれるでしょうか。つまり、国はぽんと県にやりますけれども、県が市町村、そして個々の農家にといったときに、果たして本当に公平な立場で冷害を配慮し、考慮した、そういう形のものになるんだろうかという問題です。
○政府委員(二瓶博君) 冷害配慮の四万六千ヘクタールの配分につきましては、先ほど申し上げましたように、現段階におきまして、具体的な指標なりウエートというものがどうかということはまだ決めておりません。そこで、ただいま先生からお話ございますように、今回の冷害等の被害といいますものにつきましては、県がおしなべて相当やられておるという地帯もございますし、ただいまお話のございますような秋田県のように、激甚地があるというほかに、非常に収量のよいところもあるようでございます。そういうような県内一色でない県もあるということ、確かに実態はそうでございます。したがいまして、今後この配分というものをどういう要素でどんなウエートでもってやるかということにつきましては、十分慎重に検討いたしまして適正な配分をやりたい、かように考えております。
○下田京子君 この点では、大臣、最後にお答えいただきたいと思いますけれども、慎重に適正にということ、それはいいんです、言葉上はですね。しかし、現実に冷害を配慮する、考慮するということは、その冷害を受けた個々の農家の最末端で減反がどうなるかなんですから、そこにきちんと不公平感がないようなそういう配慮になるかという点でのお約束はできるわけでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 政府を信頼していただいて、まあうまくやったなという、そういう形になるように努力をいたしておるわけでございます。
○下田京子君 努力していただくのは結構でございますが、冷害がひどかった、そしてまた自家飯米も政府に頼るというふうなそういう農家が、冷害を配慮した、考慮したと、政府を御信頼くださいと言って、あけてみたらばこうだったという、五十五年に上回るものが配分されたということになればやっぱり問題でありますし、そういうことがいまの幾つかのところからも予想はできるわけですね、問題点が。私はやっぱりこれは据え置くと、上乗せをしないという農協と農家の皆さん方のそういう趣旨に沿ってやっていただくことこそが本当に政府が信頼されるんじゃないかと、冷害農民の期待にこたえることになるんじゃないかと、こういうことを申し上げておきたいと思います。 その次に、お米の需給問題でお尋ねしたいわけですけれども、食糧庁長官の方にお尋ねいたします。 昨日二十六日、衆議院の農林水産委員会の中で、わが党の野間議員の質問を通じまして食糧庁長官並びに大臣の御答弁等をいただく中で幾つかの点が明らかになったと思うんですが、需給上の問題でまず第一点は、五十六米穀年度末の翌米穀年度への繰り越し、持ち越し量がどのくらいになるかというと、一つは約八十万トン程度と。それから五十七米穀年度末に翌年持ち越し分というのが、いわゆるその米の減反緩和分として見込んでいる分、聞けばおよそ二十五万トン程度だということですから、二十五万トン程度と八十万トン足せば約百五万トンぐらいになりますね。で、五十八米穀年度末にもやはり持ち越し量が百五万程度あるわけですね。ということは、この水田利用再編の二期対策の需給計画を立てるに当たってのまず前提になっているのは備蓄百万トン体制ということが言えるんじゃなかろうかと、こう私は見るわけなんです、この数字から言ってですね。 そういうことが明らかになっているわけなんですが、具体的に長官にお尋ねしたい点の一点は、きのう大臣が、五十三年産米でも低温倉庫で保管されているお米というのは生きているお米だからおいしいお米だよと、こういうふうにおっしゃった。それじゃ現実に五十三年度産米で低温貯蔵にどれぐらい保管されているのか。数量です。 それから二点目には、そういう低温貯蔵米が、仮に五十七米穀年度で使うとしたら四回の梅雨を越さなきゃならないということになりますね。そうしますと、そのときの質はどんなものになるか、また、それが五十八年になるといったときには質的にどういう状況になるかという点の二点をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 五十三年産米で現在低温貯蔵にしておるものは約二十万トン程度でございますが、ただいま第二番目の御指摘の、順々にそれをそのままにして後で食べていくということの御指摘がございましたが、この需給操作につきましては、順次前の年のやつを食べて次の年に当年産米を送っていくというような形の需給操作をしてまいりますから、先ほどの五十八米穀年度末のものにつきましては、これはその前の年のものを主体として備蓄をしていくという形になるわけでございます。 なお、先ほど百万トン備蓄体制ではないかという御指摘がございましたが、きのうも野間先生にお答えしたわけでございますが、私どもといたしましては、五十六米穀年度末におきまして八十万トン程度の五十五年産米を保有できると考えておるわけでございますが、そのほかに五十三年産米で百十万トンほど残る予定でございますから、それらのものも一緒に操作をいたしますと、全体といたしましては二百万トン程度のものが備蓄体制として残るというふうに考えておるわけでございますが、それ以降の分につきましては今後の作況の事情等も十分に考えてまいらなければなりません。従来の実績からいたしますと、五十二年には一〇五、五十三年には一〇八というような豊作が最近においてもあらわれておるわけでございますから、このような事態が発生いたしますれば直ちに百万トン以上のものが新たに在庫として残るというようなこともございまして、食管が現在多大の過剰米を抱えておるというような状況のもとにおきましては、これ以上過剰を発生させないということについての配慮も必要でございますので、そのような点もにらみながら考えておるということを御理解いただきたいと思います。
○下田京子君 前に戻って、従来ですと、基本的には新米プラス古米という考え方でやってきたでしょう。ことしの場合には冷害があったということでもって、新米にそれに古米、古古米まで入れてやると。しかし、三年古米を使うとか四年古米も入れるんだよなんていう話はいままで聞いたことないわけですよね。そういう体制にもしなったということになれば、これはまさに異常事態だと思うんです。そしてまた、そういうことを前提にしての米の需給計画ということになったら問題だと思いますね。で、いま言われたその作況の話なんですけれども、備蓄水準を百七十万トンから二百万トンだということで説明されておりますけれども、いま長官が御答弁になったように、豊作を見込んでの話でしょう。ということになると、豊作を見込んでそういうことをやっていくということは、本来安全的なもの、国が最低必要だということの論理から言ったら矛盾するんじゃないですか。これから三年間の二期対策の間で豊作が見込まれなかった場合はどうするんですか。安定的な食糧の確保が農水省の責任においてなされないということを、逆にいまみずから長官が御説明されたことになるんじゃないでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) 備蓄につきましては、備蓄をしていきますれば、不作の場合にはそれを消費をしていかなければなりませんから、毎年備蓄をして毎年それを取りつぶすということがない限りは、やはり古米ばかりではなくて古古米等も消費していかなければならないわけでございますので、不作の年におきまして古古米を消費するということは当然に考えていかなきゃならないことであろうと思いますし、この点につきましては消費者の方々にも御理解を得なければならないと思うわけでございます。 で、先ほど申しておりますように、五十六米穀年度末におきましては、五十五年産米で直接八十万トンが残りますほか、五十三年産米の操作も加えますれば約二百万トン程度残るわけでございますが、それ以降の点につきましては、私どもといたしましてはやはり作況の動向を見ていかなければならないわけでございまして、一方におきまして五十八年までには過剰米が残っておるわけでございますから、やはり万々一そのような大不作が生ずるような場合にはその点も含めて考えていかなきゃならぬということを申し上げておるわけでございまして、通常の平年作、先生がおっしゃいますような平年作を前提として考えろというような場合には、約百万トン程度のものがあれば十分に安定的な需給操作ができる。ないしは、四十六、五十一年が不作でございましたが、四十六、五十一年程度の不作であれば、この百万トン程度を持っておれば十分に需給操作ができるというふうに考えておるわけでございます。
○下田京子君 さっきの話に戻りますけれども、五十三年度の産米でいま低温倉庫で保管しているのが二十万トン程度しかないというお話でしょう。そうすると、これは生きているお米なんですよ。いまいろいろ、現在お米がこれだけ備蓄される、使われると言っていますけれども、本当に生きているお米として、これから、今後の三年間ですよ、二期対策の三年間の中でそれが本当に主食用として確保されるという保障がどこにありますか。だから、質の問題も含めて、量と質の問題でさっきお尋ねしたわけです。基本的には単年度需給で計画を見込んでいるわけでしょう。ですから、その単年度需給計画の中で、豊作があればということが前提で二百万トンも可能だよという話ですけれども、仮に豊作がなかったら百万トンを割る場合だってあるわけですね。そういう状況の中で本当に政府が責任ある備蓄体制といったらば、一体、常にいまはその百万トン体制じゃないよ、百七十万あるいは二百万だよ、こうおっしゃっているんだったら、そういう形での備蓄体制というものをとってしかるべきじゃないでしょうか、こういうことを指摘しているわけです。 そうなれば、当然のこととして、これは大臣にお尋ねしたいわけなんですけれども、四万六千ヘクタール、冷害で緩和措置したよといいますけれども、五十六年度全部その減反の面積を拡大しないで据え置いたにしても、どのくらいの量になるわけですか。約五十万トンでしょう。ということになれば、単年度でずうっと見ていって、持ち越し量がどのくらいかということでずうっと想定していけば、これは二百万トンもそれだって確保できないような状態になるんじゃないでしょうか。そういうことをお考えの上、死に米ではもう大変な問題ですよ、本当に生きているお米を主食用として保障できるかどうかという点から見たらば、これはやっぱり問題じゃないか、こう思うわけです。
○政府委員(松本作衞君) 五十三年産米でございますが、五十三年産米に限らず、五十二年産米につきましても私ども試食をいたしておりますが、これは、低温貯蔵米でなくても十分に食べられる米になっておるわけでございます。 先ほどから申しておりますように、私どもといたしましては、通常の年におきまして百万トン程度で需給操作が十分できる、ないしは四十六、五十一年程度の不作の場合でも十分に需給操作はできるというふうに申しておるわけでございますが、一方におきまして、過剰米が五十八年までは百万トン以上のものが残るわけでございますから、そういった過剰米を持っておる時点におきましては、万々一という場合にはそのような過剰米も使っていくということも考えなければなりませんが、通常の不作であれば十分いま考えておる範囲で需給操作ができるということを申しておるわけでございます。 一方におきまして、たびたび申しておりますが、現在こういった過剰米を抱えておるときでございまして、このために非常に膨大な食管の負担をしていかなければなりません。従来の過剰米処理だけでも、直接経費だけで一兆四千億円、間接経費も入れますと二兆円以上のものがかかるわけでございますから、こういった食管の財政というようなことも考えますれば、ただ備蓄量が多ければいいということだけにはならないというような事情があることも御理解いただきたいと思います。
○下田京子君 過剰米六百五十五万トンあるよということですけれども、実際に五十六米穀年度では五十四年産米で持ち越し分として百七十五万トン見込んでいるわけですよね。ですから、ことし冷害があったというかっこうでもまあ何とかやっていけるわけでしょう。だから、それは翌年に持ち越しできる分が八十万トンほど出てくるわけでしょう。いま言った、六百五十五万トンあるよということですけれども、五十年から五十二年産米で三百五十万トンあるわけでしょう。それから五十三年産米で百三十万トンでしょう。五十四、五十五年で百七十五万トンでしょう。それがいま言ったように、今後の二期対策の三年間を見込んだ場合に、実際にそれじゃずうっといま計画していった中で、五十年−五十二年産米で残っている三百五十万トンまで使わなきゃならないなんていうことは異常事態だということなんですよ。万々万一そういうことがということをおっしゃっておりますけれども、やはり需給計画というものは、平年作を中心にしながら、そして豊作を見込まなければやれないなんていうことでなくて、逆にもし万が一冷害が続くというふうな中でもきちんと保障できるような体制というのはとるべきじゃないかということを、これはもう、もうちょっと時間がないとやりとりでなかなかむずかしい点ですけれども、非常に政府の備蓄計画といいますか、需給計画というものが現実と合っていないと私は思いますし、その問題を指摘しておきたいと思います。 それから次に、冷害との関係で、最後になりますが、労働省。 いまも、冷害農民にまた冷害地域に、減反上積み分を緩和せよ、あるいは据え置くようにということで話を進めてきましたけれども、大臣もこれはお聞きだと思うんですが、この冷害の中で出かせぎ者が非常にふえているわけですね。青森県の出稼対策室でお聞きしましたら、職業安定所の紹介でもって出かせぎされている方が、昨年は六万三千六百九十八人おったそうですが、ことしはそれを五千人ぐらい上回るんじゃないかというふうなお話です。実際には職安を通じないでいく人等含めますと、青森県だけで十五万人の出かせぎ者になる、こんなお話をされておりました。そんな中で、去る十一月十九日、千葉県の佐倉市で、これは宅地造成の現場においてなんですけれども、ショベルカーで掘った深さ二メートル、幅三メートルの穴に入って、青森県南津軽郡平賀町の水木作一さんという六十一歳の方と、竹村東一さんという四十二歳の方が悲しいことにお亡くなりになりました。 この問題について、私は、最初に労働省にお聞きしたいわけですけれども、労働省ではこういった出かせぎ者にいろいろと万全の対策をとるようにということで通達も出されておりますし、また、十一月十日には労働大臣みずからが全国の労働基準局長をお集めになって、その会議の中で、労働災害はある程度起きても仕方がないという気持ちは許されない。特にことしは冷害で出かせぎが増加することが予想されるし、家庭を離れて働いている人々の命や健康が損なわれることがないように最大の努力を傾注する必要があるという訓示を与えておるわけですね。しかし、そういった措置をとったにもかかわらず事故が起きました。この事故で亡くなられた遺族の奥さんですけれども、主人はもう帰らない、どうしていいかわからないけれども、二度と再びこうした事故が起きないようにということを訴えておられました。そのことに答えていただく点で、第一に、もうこういった事故を教訓にして、同じような現場をこの際総点検していただきたい、これが一点。 それから、今回の事故について、直接的にはいま調査中であると思うんですけれども、聞くところによれば、労働安全衛生規則三百六十一条の違反の疑いもある、こういうことでございます。業務上の災害を明確にして、遺族年金、葬祭料その他の補償を早期にやることはもちろんですけれども、会社が誠意を持って取り組むように御指導いただきたいという点をまずお尋ねしたいと思います。
○説明員(山田正美君) お答えいたします。 先生御指摘のような私ども行政上の経緯がございまして、労働災害がことしになって、去年に比べまして若干増加ぎみであるというような点、あるいは出かせぎ労働者が少しふえてくるのではないかというようなことをおもんぱかりまして、先般、これは普通ですと年度計画でいろいろ労働災害防止の行政を推進しておりますので、改めて途中でこういう新しい指示を出すというのはある意味では異例の措置とも言えるかもしれませんけれども、私ども労働災害の防止のためにやはり全力を傾注すべきであるという観点から通達を出しまして、あるいは局長会議を緊急に招集したというようなことでございます。 今後の問題といたしましては、このような通達の趣旨、あるいは会議におきますわれわれの考え方、こういうものをもとにいたしまして、通達、そういうものの浸透を図りますとともに、行政機関の取り組み、あるいは労働災害防止団体、事業者団体等に対しても指導要請を強めながら、労働災害の防止に全力を投入していきたいというふうに思っております。おっしゃるようなこういう現場、非常に危険でございます。したがいまして、特に出かせぎ労働者を中心にしまして、労働災害の防止対策を強化するように今後とも進めてまいりたいというふうに考えております。 それから、具体的に御指摘のありました件につきましては現在調査中でございます。したがいまして、余り具体的なことはこの際申し上げかねますけれども、労働安全衛生法に違反するというようなことが判明いたしました場合には厳重な処置をするというふうに考えております。
○下田京子君 最後に、もう時間なんですが、一点大臣の方にこれはお尋ねしたいわけですが、いまそういうことで労働省の方ではいろいろ対応もしていただいております。このお宅というのは、特に竹村さんのお宅の御遺族の方々というのは、奥さんが弘子さんといいましてまだお若いですし、おばあちゃんがマキさんといって六十六歳なんです。長男が光輪君といって高校一年生です。次男に小学校六年生のやはり男の子がおります。この長男の方が七年前に、小学校三年生のときですか、東奥日報社で主催されました県下のそういう歌のコンクールというか、詩のコンクールに出品した際に、「冬」と題して第一位になられているんです。そのときの詩の一部なんですけれども、両親のいない出かせぎ留守家庭のさびしさを書いてこう言っています。「家の中には/ぼくと、おばあさんと、弟しかいない/「ゆきけるころね、/もどってくらはでな」/と言って/出かせぎに行ってしまった」、まあいろいろありますけれども、でも、ことしは雪が降るころ、積もるころも、お父さんは戻らない人になってしまったわけなんですね。 大臣はこの出かせぎ者の問題というのは、基本的には農民です。出かせぎをしなければ暮らしていけないような状態を基本的には解決しなければならないわけですけれども、こうした出かせぎ者に事故が起きないようにということもまた考えていただかなければならないと思うわけなんです。農水省としては、いろいろと冷害に対して救農事業もやったなどと言われておりますけれども、それなりに効果はあったにしても、期間が短いとか、雇用保険の適用が受けられないとか、賃金が安いとかいう問題があって、一番先に申し上げましたように、青森県ではことし非常にまた出かせぎ者がふえている、十五万人にも上る、こういった中での事故でございます。ですから、それだけに、新たな対応と、そしてまたこういった農村地帯に対する基本的な農政のあり方という点で決意を新たに取り組んでいただきたいと、こう思うわけです。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私も十一月二十日の東京新聞の朝刊を見まして、冷害被災農家が出かせぎに来られて、水木さんという方と竹村さんという方が亡くなられた記事を見まして、何かこう殴られたような、ショックを受けたような感じが実はしたわけでございます。冷害対策にもっと手があればこういうふうにならなかったのかなという思いをいたしてみましたり、しかし、やはりこの農村の地域社会、特にこの冷害等でダメージを受けた農村の地域社会に雇用の場があればこういうふうにもならなかったのであろうなと。やはりこの積雪寒冷地帯、あるいは台風常襲地帯、湿田単作地帯、海岸砂地帯、そういう特別の農業環境を持っております地帯に雇用の場がなかなかできないということ、これらの反省もいたしておるわけでありまするし、さらに今後八〇年の基本構想の中にもありますとおり、規模拡大をするというようなことになりますと、ある程度の規模拡大をしていけば、当然そこに雇用の場を造出してまいりませんと職にあぶれる人が出てくるというふうなことになりますと、ますます農村は過疎になっていくと、こういうことでありますので、そういう面からも、この農業政策を実施してまいりますためには、やはり農林水産省だけの立場じゃなく、政府全体として、やはり農村の地域社会にも雇用の場を造出をしていくような政策というものがなければならぬということで、実は私も事務当局に命じまして、いろいろないわゆる自然環境の、立地いたしております農業地域社会に、農政だけの立場からでなく、もう農政からだけの立場ではどうしようもない問題が幾つか考えられるわけでございます。税面でありますとか、そういう面からも、あるいは交付税面からも、もっと地域社会の実情というものに十分合ったものをやってまいりませんと雇用の場がつくれない。そういう事柄がやはり今回のこういう出かせぎを増加させ、そうしてこういう悲惨な気の毒な犠牲者を出してしまってまことに申しわけないと思うし、同情にたえないわけでありまして、二度とこういうことのないように、やはり基本的な政策の面からも対策を講じていかなけりゃならぬなと、そのときそういう感じを持ったわけでありますので、率直に自分の感想を申し上げまして御理解をいただきたいと思います。
○田渕哲也君 まず、「八〇年代の農政の基本方向」にあります「日本型食生活の形成と定着」ということについてお伺いをしたいと思います。 戦後の日本の食生活指導は、欧米諸国の食生活への接近ということを一つの目標にしてきたということが言えると思います。ところが、この背景にはアメリカの小麦戦略というものが大きく影響したと言われております。しかも、この小麦戦略の陣頭指揮をとったと言われるリチャード・バーム氏は、米食民族の食習慣を米から小麦に変えていくことは可能であるということを日本の実践を通じて確信をしたと、そしてこれから第二、第三の日本を他のアジア諸国につくっていくんだと、こういうことを言っておるわけでありますけれども、このバーム氏の見解、あるいはアメリカの小麦戦略というものと日本の食生活というものについて、大臣はどのような見解を持っておられますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) もう私は昭和二十年代からそういう感じを受けておりまして、そうしてこの学校給食会に対してはもう本当に亡国的な組織であるとさえ、実は学校給食大会にも参りまして言うたことは一度や二度じゃないわけであります。したがいまして、こういうふうになってまいりましてから、非常に残念に思うわけでありますけれども、やはりアメリカの当時の軍の占領政策を推測いたしますと、いま先生が指摘されたようなことを考えたのではないかというような感じを実は当時から私も持っておった次第でございます。したがいまして、官房副長官になりましたときも、当時の行政管理庁長官にお願いをして、もう学校給食会というものは、これは特殊法人であるけれども、こういう粉食奨励ばかりで日本文化を壊すような食生活を教えていくようなことはもう要らないんじゃないかと言ったら、行政管理庁長官が大変共鳴されまして、よし、じゃこれは整理をしようということで、あれは閣議決定で整理することに実はなったわけでございましたが、私どもがちょっともう目を離しているうちにまたもとの学校給食会に戻ってしまっておる。それでたびたびまた大会に乗り込みまして、米給食をやるように働きかけを、私どもとしては微力でありましたけれども、やってきたわけでありますが、やっと米が過剰になり出して、その原因は何かというようなところから、農業団体もあるいは農林水産省も文部省も、学校給食を取り入れるようになって現在週二日と。私は週二日じゃ足りない、五日間のうちやはり三日学校給食で米給食をさせないと子供の食生活として確立されていかないんじゃないかと、そういうことで、文部省にももう一日ふやすように努力をしていただいておるわけでありますが、なかなかこの学校給食会というのが根強うございます。もう現に学校給食を米飯給食にしようと、ある町なり村の、これは私も農政連活動でやったことがあるんでありますが、そういうことを働きかけてそういうふうにしようとしますと、どの方面から圧力がかかってくるんですか、いろんなことが言われるわけであります。そういう事情もありましてなかなか進まなかったわけでありますが、最近になって文部省も積極的に米飯給食をやるというようになってきておりますので、私どもとしても、政府の中で文部省と協力をしてもっともっと米飯給食が強化されていくように努力したいと、こう考えております。
○田渕哲也君 学校給食の問題にも触れられたわけですけれども、この学校給食が、現在週二日にせよ米食が進んできたというのは、やはり米の代金に対して六割引いておる、そういう制度が非常に大きな貢献をしたと思うんです。ところが、この制度は五十六年度までということになっておるわけで、その後についてどう考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) この学校給食用の米穀の値引き措置につきましては、私どもとしては今後とも継続してまいりたいというふうに考えておりますが、財政面もございますので、今後財政当局とも折衝してまいる必要があるかと思っております。
○田渕哲也君 次に、やはりこの農政の基本方向の中で食品の安全性ということについて触れられております。特に品質、安全性に対するきめの細かい配慮が必要であるというようにうたってあるわけですけれども、ことしの七月に東京都の衛生研究所は、輸入の柑橘の白カビ防止剤のオルトフェニルフェノールナトリウム、これに発がん性が認められたことを明らかにしておるわけです。それで、この点について野呂厚生大臣は、七月十一日の閣議で、データを検討して早急に結論を出すということを言われておるわけですけれども、その後政府はどう対応されたのかお伺いをしたいと思います。
○説明員(藤井正美君) OPPナトリウムにつきましては、七月の五日に東京都から膀胱がんの発がんが見られたという報告をちょうだいいたしました。この実験結果は、優性致死法という他の実験目的で始められた結果から膀胱がんが偶然観察されたという実験結果でございますので、種々問題点が指摘されました。科学的にOPPナトリウムが発がん性物質であるかどうかという点に疑問が掲げられております。疑問点の第一点は、膀胱結石によるがんの誘発ではないのかという点でございます。こういった点を科学的に確認するために、厚生省といたしましては七月の十六日に関係学者を集めましてしかるべき追試の方法を立案し、八月から現在追試を続けている次第でございます。
○田渕哲也君 追試は大体いつごろまでかかるんですか。
○説明員(藤井正美君) 発がん実験は、通常二年半の飼育がかかるわけでございます。その結果発がん性物質が、発がん性が明らかとなったといたしましても、OPPは三つの文献で発がん性がないということが証明されております。したがいまして、OPPナトリウムを柑橘類に使いましても、有機酸によりまして使われた形でOPPに変わっておりますので、直接的にはこの発がん性問題とOPPナトリウムとの関係は関与しないという立場から現在追試を見守っている次第でございます。
○田渕哲也君 やはり国民の健康に関することですから、それまでそれをたとえば食べた人ががんにかかってしまうということもあるかもわからない。だから、できるだけやっぱり迅速に結論を出すなり何らかの措置をすることが必要だと思いますけれども、いまのところは静観ということですか。
○説明員(藤井正美君) 発がん性の実験を完全に国際的評価にたえ得る形でやるのには二年半の時日を要しますが、発がん性の契機と申しますか、メカニズムと申しますか、こういった方面のみを探求してまいりますならば約一年ないし一年半ぐらいでこの経過がわかることがあり得ます。こういった点、いろいろな手法を五種類ほど組み合わせておりますので、経過がわかり次第対処していきたいと考えております。
○田渕哲也君 食品添加物について人体への影響が心配されるケースが多いわけです。アメリカでは、添加物許可申請の附属資料、これは申請会社が作成したものまでを含めて官報に掲載して一般に公開しておるわけです。ところが、わが国の場合にはこれは非公開ということになっているわけです。これはやはりアメリカのように公開制にして、そういう疑問が出たならばできるだけ早く対処できるという形にすべきではないかと思いますけれども、いかがですか。
○説明員(藤井正美君) いまの御質問の点に関しましては、関係機関で情報公開法というものが検討されておりますので、総括的にはそういう法律の過程の中で検討を加えていきたいというふうに考えております。現在の食品衛生調査会の内容につきましては、確かに討論内容については一括して調査会の委員長が公開するという以外、資料については必ずしも全部公開いたしておりません。しかしながら、わが国に限らず、また食品添加物、医薬品等を通じましてこれらを科学的事実から審査をいたします場合には、すでに学術雑誌に公開された論文、これを対象にして審査をすることが原則になっております。したがいまして、この調査会にどういう資料が出されたかということは別といたしまして、関係文献はほとんどすべて網羅して提出いたしますので、重要なこの知見というものはすでに学術雑誌に掲載されたものに盛られているという形で、事実上は公開と変わらないというふうに考えております。
○田渕哲也君 次に、食糧の安全保障の問題についてお伺いをしますけれども、不測の事態に備えて食糧備蓄のあり方について国民的合意と協力が必要である、このように基本方向の中にあるわけです。この備蓄の規模あるいは備蓄の主体、あるいはその負担の問題について、政府は具体的な方針というものを持っているのかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。 現在、主として海外に依存しております飼料穀物、大豆、小麦等につきまして備蓄政策をとっておりまして、現在、飼料穀物と大豆は通常在庫のほかに約一ヵ月分、小麦については二ヵ月分を国が備蓄いたしております。主体といたしましては、食糧用の小麦はこれは食糧管理特別会計の負担におきまして現在行っておるわけでございますが、飼料穀物のトウモロコシ、コウリャンにつきましては配合飼料供給安定機構という団体におきまして備蓄をいたし、大豆につきましては大豆供給安定協会という団体におきまして食品用の大豆の約一ヵ月分に相当します七万トンを備蓄いたしておりまして、なおこれらの団体につきましては国からの助成措置を講じておるところでございます。
○田渕哲也君 食糧の安全保障を考える場合に、この備蓄の問題とあわせて、やはり有事の際の食糧生産も含めて食糧自給プログラムというものがなければならないと思うのです。西ヨーロッパ、なかんずくスイスにおいてはこの食糧の安保政策で学ぶべき点が多々あると思うんですけれども、スイスの場合は、平時の場合、国民のカロリー需要の約六〇%を自給しているが、もし、国際紛争や長期にわたる食糧輸入の中断等が起こった場合には、次の三つの柱から成る計画を立てておるわけです。そのまず第一は、配給制を実施して食料品の摂取カロリーを削減をする、第二は、食肉生産をバレイショなど耕種作物生産に転換をする、第三は、耕地面積を拡大をして、三年間で有事の必要カロリー水準における完全自給を達成する、そしてその間の不足する分を備蓄で賄うと、こういう三本柱があるわけですけれども、それと同時に、この備蓄について、国家経済防衛準備に関する連邦法、それからパン用穀物供給法によりまして供給業者とかその他に備蓄を義務づけをしておると同時に、家庭の備蓄ということを勧奨しておるわけです。 食料の安全保障と言うからには、私はこういう有事の際の自給プログラムというものをやっぱりつくって、平時からそういうものに備えておかないといけないと思うんですけれども、この点についてはどう考えられておりますか。
○政府委員(渡邊五郎君) ただいま御指摘のように、この問題につきましては、農政審議会の答申におきましても御指摘のような方向で示唆されておるところでございます。輸入食料の安定的な確保の努力は通常必要でございますし、短期的には先ほどの備蓄政策で対処いたし得ますが、多少とも長期化する事態に備えて、御指摘のようなスイスの例というような問題もございます。また、そうした不測の事態の想定は、食料だけではなく、各種の物資にも及ぶというようないろいろな条件のもとでプログラムを考えなくちゃならないのではないかということが審議会で指摘もされております。同時にやはり、国民的な合意というものがスイスのように形成されないとこうした問題ができないというようなことも指摘されまして、農政審議会ではこれは重要な課題であると、御指摘のような問題を考えますと非常に重要な問題であるということで、今後具体的なプログラム等の検討を続けるようにという御指示を得ておりまして、私どももそうした意味で検討なり研究体制をしきたいと思っております。
○田渕哲也君 これは、有事の際の食料の安全保障ということと、それから自給率の向上というのは非常に密接な関係があるわけですけれども、ただ、平時において自給率を高めようとすると、どうしても反面コストの問題が絡んでくるわけです。すべて自給で賄おうとするとかなりの高コストにならざるを得ないという面も含んでいる。だから、平時の面は一〇〇%自給というのは特にわが国のような場合にはなかなか望めないと思いますけれども、また、有事の場合もどういうものが想定されるか、短期の場合で済むのか長期化するのか、それぞれに従って対応策を立てる必要があると思うんです。そして、備蓄というものもそういうものと絡んで備蓄政策をとっていかないと、べらぼうに多くの備蓄をすることも不可能でしょうし、そういうプログラムをぜひ早期に確立をしていただきたいと思います。 それから同時に、食料の安全保障という見地から考えても、海外における食料生産の情報といいますか、そういうものの情報収集機能というものが大事になると思うんです。この食料の情報収集機能の現状はどうなっているのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 先生御指摘のように、もちろん国内の自給度の維持向上ということが非常に重要でありますが、また同時に、わが国は穀物を中心にいたしまして相当量の農産物を海外の供給に仰いでいるのが現状でございまして、農産物の国際需給などの情報把握というものが非常に重要であるというふうに思います。このために、現在世界の二十七ヵ所に三十四名の農林省出身の在外要員を派遣しておりまして、各公館に配置しております。また、国際機関あるいはジェトロ等にも農林水産省の出身者が出ておりまして、穀物等の情報は刻々入ってくる仕組みになっております。それからまた、たとえばアメリカのような場合には相当な豊富な情報量も持っておりますし、また、人工衛星等を使いまして世界の穀物の需給動向を把握しているという状況でございまして、これらの穀物輸出国との間に需給に関する情報、意見の交換等も定期的にやっております。また、FAO等の国際機関が定期的な情報を提供してくれるようになっておりまして、とにかく海外の情報の的確な把握ということは非常に重要でございますし、また昨今のような国際需給の情勢ではさらに一層この重要性が増しているというふうに考えておりますので、先生御指摘のとおり、このような点につきましては今後とも万全を期してまいりたいというように考えている次第でございます。
○田渕哲也君 次は、農産物の貿易問題も含めて、この基本的な戦略の確立ということでお尋ねをしたいと思いますけれども、ことしの八月の末にニュージーランド政府は、日本政府に対して、日本国内で検討中の国産チーズ振興計画案が実施されると、ニュージーランドのプロセスチーズ原料用ナチュラルチーズの対日輸出に大打撃を与える、計画を再検討してもらいたい、こういう覚書が手渡されたということを明らかにしております。これに対して政府はどのように対応されてきたのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(犬伏孝治君) 御指摘のように、ニュージーランド政府は、外交ルートを通じまして、わが国の一万トン規模の国産ナチュラルチーズ製造工場の建設構想につきまして、この工場が建設されますと、プロセスチーズ原料用のナチュラルチーズを日本に輸出しておるわけでございますが、その対日輸出量が減少するおそれがある、しかもこのような対策に政府が助成をすることは問題であるという趣旨の懸念を表明をするということでございました。これに対しまして当方といたしましては、従来のニュージーランドとの友好関係を維持し、不必要な摩擦を避ける見地から、わが国のプロセスチーズの将来の需給事情を説明いたしますとともに、わが国酪農の安定的発展を図るためには、需要の伸びの期待されるこのナチュラルチーズの生産振興が重要な課題であるということを説明をいたしまして、理解を求めておるのでございます。そういうことで本計画の円滑な推進を図ってまいりたいと考えておるのでございます。
○田渕哲也君 そうすると、ニュージーランド政府との間には大体了解はついているわけですか。
○政府委員(犬伏孝治君) 私どもの方の説明をいたしたところでございますが、それについて完全に了解をしたというところまでにはまだ至っていないのが現状でございます。引き続き努力をし、わが国の計画が円滑に実施されるようにやってまいりたいと考えております。
○田渕哲也君 基本的にはこれは日本の国内の政策でありますから、ニュージーランドにとやかく言われる筋合いではないかもわかりません。しかし、これからの食料戦略ということを考えた場合に、やはり国産で育成すべきもの、それから輸入に頼るべきもの、そういう総合的な戦略をやっぱり確立せぬといかぬと思うんですね。それから、先ほど述べた安全保障政策という見地も加味をして、そういう基本戦略というものを持ってやらないと、行き当たりばったりで個々にいろいろ対策を立てますと、将来、せっかく苦労して国産で努力をしてきた農民が、今後は輸入の攻勢にさらされて危殆に瀕するというようなことにもなるでしょうし、あるいは対外的な摩擦を生じて、食料の安定供給あるいはわが国の他の貿易ということに支障を来すということにもなりかねないと思うんです。したがって、やはり農業生産並びにこれは貿易問題も含めて、基本的な戦略を考える必要があるのではないかと思います。 アメリカでは今度はレーガンが勝って新しく大統領になったわけですけれども、このレーガン政権下におけるアメリカの農産物貿易政策、これはどのような政策になることが想定されるのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 共和党政権の農業政策の基本というものが、大統領がかわっても大きく変わるというようなふうには見ておりません。 なお、レーガン次期大統領の選挙中のいろいろな主張等を集めてみますと、できる限り政府による介入、規制を排して、市場原理による農産物価格の形成を通じてアメリカ農家の農業所得の増大を図っていこうと、こういう基本的な考えがあるようでございます。また対外的には農産物輸出の拡大を進めるというふうに選挙中には言っておるようでございます。しかし、現在日米の農産物貿易におきましては、特別の問題はいまのところはないわけでございますが、共和党政権になってもこれらの基調には大きな変化はないであろうというふうに考えておるわけでございます。それと同時に、どういう方が農務長官、農業関係のスタッフに就任されるかというようなこともよく慎重に観察をしながら、アメリカ政府との、やがてできるであろうレーガン政府との接触に誤りなきを期していきたいと、こんなふうに考えております。
○田渕哲也君 日米農産物交渉は昨年妥結をして、一九八三年までの輸入枠が決定したわけです。そして、一九八四年以降の取り扱いについては、一九八三年に日米間で交渉するというふうに聞いておるわけですけれども、アメリカの特別通商代表部のシュトラウス氏が、去年の六月、アメリカ上院農業委員会の公聴会で、日米農産物交渉の報告をしておるわけです。その中に、「我々は、牛肉、かんきつ、ジュースについて一つの戦いに勝った、しかし現在は、日本市場の自由化という長い過程に一歩踏みこんだばかりである。いずれ各障壁を取り除き、一九八三年には、今の八倍を日本に売り込んでいよう」、こういう報告をしておるわけであります。したがって、これからアメリカの農産物の日本に対する輸出圧力というものは非常に高まってくるだろう。それに加えて、最近は自動車の貿易摩擦、あるいはそのほかの日本の工業製品の貿易摩擦というものが激化しておるわけでありますけれども、こういうものと絡んで、非常にそういう農産物の輸入攻勢が強まってくるということは想定されるわけです。 ところが、この農政の基本方向に示しておるようなきわめて総花的あいまいな姿勢で、これからのこういう農産物交渉を乗り切れるのだろうか。やはり日本としての経済全般を考えた戦略、それから日本の農政を考えた戦略、そういうものを確立して、そういう確固たる方針に基づいて、入れるべきものは入れる、断わるべきものは断わる、そういう態度が必要だと思いますけれども、これからのこういう交渉に対する政府の姿勢というものをお聞きをしたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 確かに先生おっしゃいますように、MTNの交渉におきましては、オレンジあるいは牛肉等につきまして相当強力なアメリカ側のプレッシャーと申しますか、そういうものがあったことは事実でございますが、これに対しまして、輸入枠の設定等につきまして非常に難航した交渉ではございましたが、わが国の農業生産の後退を招かないという立場を貫きながら本件の交渉は終了いたしたわけでございます。 ただいま御指摘のように、一九八三年度におきましてさらにこれが再交渉ということになるわけでございますが、その際の圧力というものも相当なものがあるのではないかというふうに私ども考えておるわけでございます。 しかしながら、私ども基本的に申しまして、大臣が再三申しておられますように、やはり国内で自給すべきものは自給をし、そうして国内で足らないものを外国から輸入するという基本政策はわが方としては貫いてまいっておるつもりでございまして、さような意味で、いろいろな交渉の過程においてむずかしい問題が生ずる、また、二国間の摩擦というものも回避しなければならぬという問題はございますけれども、基本的に国内の農産物の生産にとりまして支障のない形でもって慎重にこれには対応してまいらなければならないというふうに考えておる次第でございます。
○田渕哲也君 時間がなくなりましたので、あと一言だけ大臣にお伺いしたいと思いますけれども、この農政というものを、ただ単に日本の農業を何でもかんでも保護するというだけではいけないと思うんです。日本人は外国に比べて、米でも大体数倍、牛肉でも数倍高いものを食っておる。したがって私は、農政で自給率を高めるということも大事ですし、それから農業全体のバランスのとれた発展も大事ですけれども、もう一つの視点として、日本人がどれだけ安い食糧を供給されるのか、これが非常に大事だと思うんです。だから、外国からの農産物の輸入も、そういうコストの面、それから日本の農業の近代化を進めて国際競争力をつけていく、基本的な体質を強化していく、そういった面も考えながら輸入政策というものも考えていかないといけないと思うんです。こういうアメリカ並みに農産物のコストを下げるというのは不可能でしょうけれども、せめてEC並みぐらいを目標にすべきではないかということもよく言われておるわけですけれども、大臣はこの点についてどう考えておられるのか、お伺いをして、終わりたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 農政の長期的立場から言えば、田渕先生の指摘された方向が私は正しいと、こういうふうに理解いたします。しかし、それに至るまでの間においてはいろいろとやはり苦難の道を歩かなければならないわけであります。その苦難の道を歩いてまいりますためには、農家の努力ももちろんでありますが、やはり先ほど来申し上げてきましたとおり、日本の農業の生産性を高めるためのいろいろな努力、それが特に、今年のさきの通常国会で規模拡大という法的背景を与えていただいたわけでございまするし、いままで私どもの一番苦労をしておりましたその規模拡大の推進というものが、なかなか気はもんでも進みにくかった。それを法律的に突破口を開いていただいたわけでありまするし、そういう点と、それから二種兼業農家等との協力体制の推進というふうなことも十分取り入れまして、そうして自動車でもテレビでも非常におくれてスタートした日本ではあったわけでありますが、やはり技術の開発や努力によって、とにかく先進国を追い抜くという立場まで来た日本でありますから、農業といえども、やはり今後十年、二十努力をすることによって、御指摘のような体制をつくり上げることが不可能であるというようなことはないと、やればできるんだということを私どもとしても農家の皆さん方に呼びかけ、そうして呼びかける以上は、やはり政府としてもやるべき処置はちゃんとする、こういう構えで進みたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 初めに大臣に御配慮願いたいことがあります。 消費者米価の問題でありますけれども、実はお米が大幅に値上げされるという情報がありまして、これは国民生活にとってもまことに重大な問題であるわけですが、特に沖繩県民の立場から、現在特別措置法によって配慮されておるわけです。ところが質的には古米、古古米をいま沖繩県民は食べておるわけです。ところが、いま沖繩の経済界を、生活を直撃しておるのが電力値上げの問題であります。二月と十月と年に二回も電力が値上げされまして、これが沖繩の企業、そして家庭生活に大きな脅威を与えておる状態であります。年に七〇%以上の電力の値上げ、それに今度また米価が大幅に上げられるということになると、これこそもう二重三重の感じでありますので、大臣に申し上げたいことは、ぜひこの事情を踏まえて、沖繩の消費者米価については特別の御配慮を願いたいと、こういうことを一応申し入れておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 消費者米価につきましては、先ほど申し上げましたとおり、私といたしましてはいまの時点においてはまだ検討もいたしておらないわけでございます。先ほど申し上げましたとおり、来年度の予算編成という時点になりますと、これはどうしても態度を決めなければいけませんので、その時点に相なりました際には、政府部内において消費者米価をどうするかということについての検討をさせていただきたいと、こう思う次第でございます。普通でありますと、こういう凶作の際には新米は値が上がるというのが情勢でありますけれども、幸い食管法という法的措置が講じられておりますので、世界的な食糧不足、不作等の状態、国内においてもこういう状態でありながら、とにかくこういう食糧についての不安感というものを全く味わわなくて日常生活を続けることができておるという、この食管法というものをやっぱり守ることも農林大臣としては考えざるを得ないわけでありまして、その辺の点も十分考慮いたしまして決断をしていきたいと、こう思う次第でございます。 喜屋武委員の御主張に対しても検討をしていきたいと考えております。
○喜屋武眞榮君 次に、また大臣にお尋ねしたいんですが、二十一世紀は地球は貧しく住みにくくと、こういう見通しを持っておるようですが、また二十一世紀は人間と家畜の食糧の争奪戦となると、こういうことも言っておるのであります。 そこでお聞きしたいことは、八〇年代の日本の食糧はどうあるべきであるか、この点非常に幅が広いですので、農業の面、畜産の面、そして水産の面、こういう柱からひとつ簡潔に大臣の見解を承りたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) まず農業は、国会の御決議にもありましたとおり、自給力を強化してまいるという立場で農政を進めてまいりたい。と同時に、やはり生産性の高い農業を経営することができるような環境づくりも積極的に進めてまいらなければいけない。同時に肉畜類に対する政策は、基本方向にも示してありますとおり、もっとやはり肉畜の増産を図るべきであるということでありますので、その方向に進めてまいりたい丁 酪農につきましては、当委員会からもいろいろ御指摘がありました点等も十分検討を加えまして、やっぱり酪農は酪農としてのあるべき姿の中で発展をしてまいる。たとえば牛乳が余ったときにはバターにする、チーズにするというのが、これは常識であろうかとも思います。ところが、日本の場合には、そのチーズ、ナチュラルチーズという、そういう生産体制が欠落しているんじゃないかとさえ思われるような状態で日本の酪農がいま進められておる。したがいまして、もうすでにそういう弱点に乗じて外国の製品がどんどん入ってきておる。いま日本の酪農の体制を正しいあるべき姿に戻そうとすると、外国からの非常ないろいろな力が及んでくると。そういうものは私は話し合いによって、この間もニュージーランドの大使が見えましたけれども、十分話し合いによってお互いの立場を理解する中で私は解決の道を見出していかなければならぬと思いつつ、酪農の面についてはそういう方向に進めていきたいと。 林業でございます。いまいみじくも二十一世紀は非常に貧困の時代に入ってくるんじゃないかというような御指摘がありましたけれども、やっぱり林業も非常にこれは大事だという感じがいたします。これは時間がありませんので多くを申し上げませんけれども、やっぱり木を植える面積がわが国においても年々年々びっくりするほど減っておりまして、もういまや二十万ヘクタールを割っているんじゃないか、数字はよく記憶しておりませんけれども。 そんな状態でありますので、これはもう大変な問題として取り組んでいかなければなりませんし、特に一千万トンを確保しておりますたん白資源である漁業、これは環境に、特に遠洋漁業なんか、とにかく二百海里の時代になりまして入漁料はどんどん高くなる、しかも漁獲条件がいろいろと厳しい国際圧力が加わってくる。もう私のところに毎日五千通くらいずつアメリカから航空便が届きまして、鯨をとるのはけしからぬ、捕鯨は直ちにやめよと、こういう手紙がもう数万通舞い込んできておる。これ一事をもってしても日本の漁業もなかなか将来容易じゃない。しかし、容易じゃないといって引っ込んでいたのではしようがないわけでありますから、やはり根気強く関係国との話し合いを続けて、信頼関係を確立して、そうして漁獲の資源確保に遺憾のないようにしていかなければならない。これがためにも、私どもといたしましては外務省と緊密な連絡をとって、そして各国との漁業問題の塩路を打開していく、こういうような立場でいま懸命の努力をさせていただいておると、こういうことでございます。
○喜屋武眞榮君 次に、日本国民の重要食糧の一つであります砂糖の自給率につきましては一体どのように考えていらっしゃるか、これをお聞きしたいと思います。
○政府委員(森実孝郎君) 現在わが国の国産砂糖は、平均いたしまして大体七十五万トンないし八十万トンの水準に達しております。これは特に最近における北海道のビート糖の増産が大きく役立っております。ようやく自給率も二五%程度の水準に達してきております。今後の動向といたしましては、消費は率直に申し上げまして頭打ち現象でございまして、一部異性化糖等のでん粉による代替が進むものと考えられます。一方生産につきましては、なお北海道のビート糖についての増産が織り込まれますほか、もう一つは、甘蔗糖につきましてはやはり反収の増加を織り込んでおりまして、今回の長期見通しでは約三二%の自給率を達成したいという計画でおります。
○喜屋武眞榮君 そうしますと、日本国民の生活からも甘味資源の補給基地として、また沖繩県民の立場からも主幹作目の重要な一つとしてのサトウキビの今後の生産の見通し、これをどのように見ておられるか、持っておられるか、そのことをお聞きしたい。
○政府委員(二瓶博君) 生産の見通しでございますが、六十五年度を目標年次にします長期見通し、最近交渉いたしたものでございますが、この見通しにおきましては、他作物との競合なり合理的な輪作の関係等の事情もいろいろ考え合わせまして、収穫面積、生産量とも相当の増大を見込んでおりまして、六十五年は収穫面積三万八千ヘクタール、生産量三百二十三万トンというふうに見通しをいたしております。
○喜屋武眞榮君 その見通しを達成させるためにはいろんな条件を整備せぬといかぬと思いますが、そういった裏づける条件整備はどのように考えておられますか。
○政府委員(二瓶博君) この六十五年度の生産の見通し、これを達成いたしますために各般の施策を展開していかなければならぬわけでございますが、生産対策の面といたしましては、サトウキビの生産の機械化、省力化という面、それからサトウキビを基幹としました畜産、野菜等との有機的な結合によります営農改善、それから優良種苗の育成普及、土壌改良というようなことが考えられるわけですが、さらに基盤整備の関係等も強力にやっていく必要があろうかと思っております。
○喜屋武眞榮君 順序不同ということになるかもしれませんが、重点的に言いますならば、何といっても基本は基盤整備、これが最重点にならなければいけないと思います。それから機械化の問題も挙げられましたが、県民要望としては、いまの沖繩の基盤整備も十分本土並みにいっていない現状では大型機械は不要だ、中型と小型を欲しい、こういった強い要望があります。これに対してはどう考えておられますか。
○政府委員(二瓶博君) 大型の収穫機械といいますのは、これは沖繩本島等を考えました場合は確かに問題であろうかと思います。大東島等で使われておるということでございます。そこで、やはり今後の問題といたしましては中型の機械、これについて焦点を合わせていろいろ検討しているわけでございますが、中型につきましても現在全茎式と切断式の二種類、これの収穫機の開発を進めておりまして、大体もう機構的にはほぼ完成しておるわけでございます。ただ、これらの機種につきまして、多種多様な圃場条件に適合をするというふうな改良をやはりやる必要があろうということで、本年度から沖繩県、それから鹿児島の方もやっておりますけれども、県が主体となりまして、農業試験場なり機械化研究所、それから地域農業の指導者等とともに現地適応のための実証展示、それから問題点の解明というようなことに取り組んでおりまして、国の方もこれに対して助成を行っておると、こういうことでございます。
○喜屋武眞榮君 私が申し上げたいことは、本土と沖繩の基盤が違いますので、本土の物差しでそのまま沖繩に当てようとするとせっかくの好意や配慮がいい結果にならないと、こういうこともあり得るので、どうか沖繩の実情に即した、そして県民の要望にこたえる、こういう姿勢を持ってもらいたい。そうすれば名実ともに実績が上がってまいると思うのです。 次に、含みつ糖の保護育成の問題、それと従来の変則な生産奨励費、あれを基本価格に織り込んでもらいたいという強い要望がありますが、この二つについての御見解をお聞きします。
○政府委員(森実孝郎君) 含みつ糖の問題につきましては、何といっても今日の需給実勢から分みつ化の促進が一つの課題と思っておりまして、本年から強い御要望もございまして、伊是名の新設工場に着手したわけでございます。また同時に、こういう用途の拡大には努めてまいりたいと思っております。 今日の状況を考えますと、なお含みつ糖については、それに依拠せざるを得ない島もあることは事実でございまして、そういう意味においては、やはり現在の価格差補給措置というのは当面継続する必要があるのではなかろうか、そういう方向で努力をしてまいりたいと思っております。 それから二番目は生産奨励金の扱いの問題でございますが、御案内のように、今年のサトウキビの価格決定に当たりましては、収益性の動向なりあるいはことしの災害も考慮いたしまして、大臣からの強い御指示もございまして、ビート、バレイショ、ガンショ等は七・三%の引き上げを図ったわけでございますが、サトウキビについては特に七・六という引き上げを図ったわけでございます。その中で奨励金は従来どおり千百円を残しております。 この扱いを今後以降の価格決定に当たってどう考えるか、これはなかなかむずかしい問題だろうと思いますが、一つは農家手取りを形成していることは私どもも評価しているところでございますが、同時にやはり作付の動向とか収益の動向等に応じて設けられた問題、特に現在の奨励金は過去においてパリティ方式が不備だった時期、これを補完する方式として設けられたという経過もありますので、なお状況を見きわめて、やはり奨励金本来の性格を十分着目しながら決めていかなければならないと思っております。
○喜屋武眞榮君 次に、基幹作物の一つでありますパイナップルの生産についての今後の見通しについてはどのように考えておりますか。
○政府委員(二瓶博君) パイナップルの生産の見通しでございますが、これにつきましては、果樹農業振興特別措置法によります果樹農業振興基本方針というものがございますが、これにつきましては今月の十三日に果樹農業振興審議会の答申を得たわけでございます。その中で、パイナップルにつきましては、六十五年度におきまして需要の方は二十九万トンと見ておりますが、生産の方は、これは優良系統種苗等によります反収の向上なり国産果樹需要の拡大というものに対応した生産の伸びというものも期待をいたしまして、六十五年度におきまして十万トンと見込んでおるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 立ち上がりつつある沖繩の農業振興の中で、特にいま大きな呼びかけになっておりますのは地場産業の育成ということ、こういった柱が強いわけですが、そういった立場から、これも内外のバランスの問題にもかかわるわけでありますが、冷凍パインの輸入の抑制。輸入が多過ぎまして、沖繩の冷凍パインの非常に大きな圧力になっておる。次には関税の引き上げの問題。輸入関税をぜひ引き上げてもらいたいという強い要望がありますが、この点についてはどのように考えておりますか。
○政府委員(二瓶博君) 冷凍パイナップルの輸入、さらにこれを原料といたしますパイナップルかん詰めの生産抑制というような面につきましては、かねてから関税暫定措置の延長ということで、三五%の関税を現在適用しておりますが、そういうこと、それから、冷凍原料使用の文字の拡大なりあるいは着色料使用の場合の表示の義務づけというようなこと、あるいはかん詰めの製造業者なりあるいは輸入商社への自粛要請、輸出国でありますタイヘの秩序ある輸出の要請というようなことでいろいろ抑制の努力をやってまいっておるわけでございます。そういうようなこともございまして、最近の冷凍パイナップルの輸入量につきましては昨年以来減少をしてきております。特に本年におきましては、この一−九月で前年同期比五七%ということで九千トン弱になっております。したがいまして、年間を通じても、歴年の五十五年というのを通じても大体一万トンにとどまる、前年の半分ぐらいというふうに考えております。 それから、冷凍パイナップルを原料といたしますかん詰め、これの生産の方でございますが、これも一−六月で見ますというと前年の約半分でございます。五二%程度の生産にとどまっております。年間通じましても六十万ケース程度で前年よりは相当減るというふうに見ております。 したがいまして、お尋ねの冷凍パイナップルの関税の引き上げという問題につきましては、これは五十年の四月に三五%に引き上げたわけでございますけれども、さらにこれを引き上げるということにつきましては、ただいま申し上げましたような冷凍パイナップルの最近の輸入の動向を見ますと減ってきておるというようなこともございます。これを原料とするかん詰め生産量もやや減ってきておるということ、それから、国際環境等から見ましても、関税を上げるという問題につきましては非常に問題があるようでもございます。そういうようなことで、いろいろ考え合わせますと、この三五%という関税をさらに引き上げるということは困難である、かように考えております。
○喜屋武眞榮君 あちら立てばこちら立たずといった国の立場からいろんな配慮があることもわからぬわけではありません。しかし、何と申しましても国内需給を向上させる、このこともまた基本的な農政の柱でありますので、その点ひとつ御配慮を願いたいと思います。 次に、沖繩における端境期野菜の振興についてどのように考えていらっしゃるか。
○政府委員(森実孝郎君) 御指摘のように、端境期、冬場におきましては、沖繩においては露地あるいは簡易なビニールハウスで野菜が生産される。カボチャ、サヤインゲン、スイカ、サトイモ、ニンジン等多岐にわたって生産されております。こういった気象上の立地を生かした野菜振興ということについてはいろいろ議論もあるようでございますが、私どもやはり本来前向きに取り組むべきものだろうと思っております。そういう意味で、品目の選定、基盤整備、地力培養、病害虫防除等に重点を置いた生産振興施策について予算の確保に努めるとともに、特に長距離輸送という問題がございますので、冷蔵施設の設置やコンテナ輸送の推進等の流通合理化対策につきましても、なかなか厳しい財政事情でございますが、予算の確保に努めてまいりたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 この問題に関連して、特にこの障害になっておりますのはウリミバエとミカンコミバエの問題です。 これは久米島で一応テストで成功しておるわけですが、問題は、沖繩全体が、いわゆる本島のウリミバエ、コミバエが完全に駆逐されない限り、この生産を幾ら振興しましても、本当の沖繩の発展につながらない、振興につながらないわけであります。この対策についてどのように考えておられるか。またその予算の裏づけの見通しもお聞きしたいと思います。
○政府委員(二瓶博君) ウリミバエとミカンコミバエの防除対策の面のお話でございますが、まずウリミバエでございますけれども、ただいま先生からお話ございましたように、久米島におきましてその根絶に成功したということがあるわけでございます。したがいまして、今後この久米島におきます成功例というものをベースにいたしまして、将来は沖繩全島、当面は、やはり全島といきなりまいりませんので、当面は宮古島を対象に本虫の根絶を図るということを目途にいたしまして、本年度から大規模な不妊虫増殖施設を設置するということで現在工事に取りかかっておる、こういうことでございます。 これの予算の関係でございますけれども、ウリミバエの予算は沖繩開発庁計上に相なりますが、五十五年度におきましてウリミバエの関係が五億五千三百四十二万三千円でございますが、来年度はさらにこれを増額していきたいということで六億強の予算を要求をいたしておるわけでございます。それからミカンコミバエでございますけれども、これにつきましては、五十二年以降沖繩群島を一円とします広域にわたりまして誘殺板による防除を実施してきたわけでございます。その結果著しく密度が低下をしてきております。当然五十六年度におきましても引き続き防除を実施をし、早期根絶を図っていきたいということでございます。そういう考え方で、予算の方につきましては、ミカンコミバエの防除費といたしましては五十五年度二億六千万ほどでございますが、五十六年度も引き続き二億六千数百万円の予算を要求をしたいということで要求をしておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 急ぎます。 最後に、先ほど大臣にお尋ねした畜産との関連がございますので……。 沖繩の畜産で自負しておりますのが肉牛の生産です。これは全国的にも非常に質がいいという評判もあるわけですが、その肉牛の生産の今後の振興、これについて国としてどう考えておられるか。 以上お尋ねしまして、私の質問を終わります。
○政府委員(犬伏孝治君) 沖繩県は、気候的に見ましても肉用牛の生産適地として考えられますので、その特色を生かしながら優良家畜の導入、それから畜舎等の共同利用施設の整備、さらには飼料基盤の整備充実等々の各般の振興対策を実施をしておるところでございます。 具体的には、肉用牛を計画的に導入するための肉用牛生産推進事業、それから優良な種牛、種雄牛を導入するための種雄牛増殖推進事業、さらには集団的な基地を形成をするための肉用牛集約生産基地育成事業、この事業におきましては、昭和五十五年度では継続五地区新規二地区を実施をしております。また、農用地開発公団の事業といたしまして畜産基地建設事業を石垣島及び本島におきまして実施をし、あるいは計画をしておるということでございまして、これらの事業を通じまして、沖繩県の特色のある肉用牛生産の振興が図られますよう対策の推進を図ってまいりたいと考えております。
○喜屋武眞榮君 牧草の点はどうお考えですか。
○政府委員(犬伏孝治君) 肉用牛の生産の中におきまして、飼料基盤を造成、充実するということがきわめて重要でございまして、先ほど申し上げました畜産基地建設事業におきましては、公団事業として一体的に行っておりますほかに、公共事業におきまして草地開発整備の補助事業も、地域の実情に応じた採択を行って推進をしてまいっておりまして、これらにつきましても、今後十分推進を図ってまいりたいと考えております。
○委員長(井上吉夫君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(井上吉夫君) これより請願の審査を行います。 第一〇八号異常天候による農作物の被害対策に関する請願外七十六件を議題といたします。 これらの請願につきましては、理事会におきまして協議いたしました結果、第一九六号食料農業政策の確立に関する請願、第三三六号異常気象による農作物の被害救済措置に関する請願、第三九〇号農業者年金制度の改正に関する請願、第二四八一号漁港の整備促進等に関する請願、以上四件は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第一〇八号異常天候による農作物の被害対策に関する請願外七十二件は保留とすることに意見の一致を見ました。 つきましては、以上のとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(井上吉夫君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産政策に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、一本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十四分散会 —————・—————