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93回国会参議院1980/11/20

農林水産委員会 第5号

発言数
333
登壇者
20
会派数
7
開催日
1980/11/20

会議録

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る六日、伊藤郁男君が委員を辞任され、その補欠として田渕哲也君が選任されました。  また、去る十一日、下田京子君が委員を辞任され、その補欠として佐藤昭夫君が選任されました。     —————————————

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) 農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私は林業問題について質問いたしますが、林業白書を見るまでもなくて、近年わが国の森林、林業をめぐる諸情勢はきわめて厳しいものがあります。すなわち、外材の輸入の増加、国内林業生産活動の停滞、縮小、さらには労務者不足などによって、七〇年代の林業はその展望を見失ってきたとも言えるというふうに思います。こんな状態をいつまでも放任をしておくわけにはいかないわけであります。  大臣にまずお伺いいたしますけれども、林業の果たすべき役割り、わが国林業の現状、さらに八〇年代の展望、そして国内林業を維持発展させるための課題について所見を示してもらいたいというふうに思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘の、わが国林業はまことに厳しい現状にあることは私も十分承知をいたしておるわけであります。申し上げるまでもなく、わが国の林業は国民生活に不可欠な木材等の林産物の供給という重要な役割りを果たしてきたし、また果たしてきておるばかりではなく、山村地域における重要な資源産業として地元住民に雇用の場を与え、また、地元住民に所得の場を提供してきておるという働きも見逃すわけにはまいらぬと思うわけであります。そのほか、何といっても治山治水という立場から国土の保全、また、水資源の涵養、森林は山の上にあるダムの役割りを果たしておるとさえ言われておるわけでありますが、そういう役割りも果たし、また自然環境の保全、形成等の面においても大変重要な役割りを演じてきておる。特に私は、植物が人類に酸素を供給するというようなことはあたりまえのことでありますにもかかわらず、そういうことを深刻に認識するという面についてはもっともっと認識をしなければならぬのではないかとさえ思うほど、そういう重要な役割りを森林が果たしてきておる、このように私自身は認識をいたしておるわけでございます。  しかし、今日のわが国の林業をめぐる情勢を見てまいりますと、安定経済成長という情勢の中で、御指摘のありましたように、木材需要が伸び悩んでおる、木材自給率が低下をして、しかも外材主導型の形になってしまっておって、その価格も低迷をしておるといったような状態、さらには資源的な制約、林業生産基盤の立ちおくれといったような点から、林業生産活動が、まあまことに遺憾ではありますけれども、停滞ぎみである、こういうふうに見ておるわけであります。しかも国産材の流通、加工部門の機能が中小企業といったような弱体化が依然として続いておるということで、どちらから見ましても非常に厳しい、こういう情勢の中で八〇年代以降の展望をどう認識をし、どういう手だてをしていくかということが私は大変大事になってくると考えております。  八〇年代以降の展望につきましては、本年の五月に、「森林資源に関する基本計画」並びに「重要な林産物の需要及び供給に関する長期の見通し」というものを改定をしてきておるところでございますが、この見通しによりますと、わが国の森林資源はその成熟度を加え国産材の供給力は戦後の努力によって徐々に増大することになるというふうに言うことができるわけであります。国内林業を発展をさせ、これら基本計画、長期見通しの実現を図ってまいりますためには、具体的な施策の裏づけが何としても必要であります。これについては、すでに林政審議会においても検討をお願いをいたしているところでありますが、森林資源と林業生産基盤の整備ということが何といっても大事でありますので、こういう公共投資については年年努力をしてきておるところでございますが、今後もこれらの面に、厳しい公共投資抑制の中でありましても、思い切ったやっぱり予算措置を講じなければなるまいと、こういうことで、私自身も就任早々、山の問題については特に農林省としてみんなで気持ちをそこに集中するような方向に持っていくべきではないかということで、概算要求等においても、一度にそういう体制をつくり上げることは微力にしてできませんでしたけれども、そういう方向だけは私は何としてもつくりたいということで指導をいたしておるところでございます。  また、地域林業の形成を通じまして、川上から川下に至る国産材供給体制をどうしても近代化し、整備をしていく必要があるということで、この点にも力を尽くそうということにいたしておりますと同時に、やはり後継者、担い手、こういう山を愛する後継者と申しますか、担い手をつくり上げることが、これはもう全国民的な立場からそういう施策を展開をしていかなければならぬのではないかと、こういうことで、そういう点を基本として林野庁を督励をして指導してまいっておると。こういうことが私の林業に対する一つの姿勢とでも申しますか、方向づけと、こういうふうに考えてやらしていただいておるところでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いま答弁がありましたように、本年五月、「森林資源に関する基本計画」並びに「重要な林産物の需要及び供給に関する長期の見通し」の改定を行ったわけであります。四十八年につくった計画が、あるいは見通しが、実績と大きく乖離をした、計画よりも実績が下回って実情に即さなくなった、したがってこれを変えなければならなかったという説もあるわけでありますが、しかし、基本計画というからには、単なる一時的な変動によってその都度改定すべき性質のものでもないというふうに思うんです。従来の計画をなぜ変えなければならなくなったのか、その理由と、目標どおりに実績が上がらなかったことに対する反省がなくては今後の施策は生まれてこないというふうに思うんですけれども、これについてどういうふうに思いますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ただいまお話ございました、昭和四十八年に策定されました「森林資源に関する基本計画」並びに「重要な林産物の需要及び供給に関する長期の見通し」は、四十八年の二月に閣議決定された、経済社会基本計画におきます国民生産の伸び率等を前提といたしまして目標数値等を算定しておるのでございますが、わが国の経済は、この年を境といたしまして高度成長から安定成長へと基調が変化したということでございまして、目標数値等と実績との間に顕著な乖離を生ずるに至ったわけでございます。この森林資源基本計画及び林産物の長期見通しは、わが国の森林資源の整備の基本的方向を示しておるものでございますから、いま先生が御指摘ございましたように、一時的な実績との乖離によって改定すべき性格のものではないというふうに承知はいたしております。しかしながら、四十八年以降、先ほども申し上げましたように、わが国経済の基調の変化、これは経済の基本構造に長期的な影響を及ぼすものと考えられまして、森林、林業を取り巻きます環境条件も大きく変化をしてまいるというふうに判断されたことから、計画及び見通しの改定をしたものでございます。  なお、新たな計画と見通しにおきましては、目標等の達成のために、森林資源基本計画の目標達成の課題といたしまして、「森林計画制度の充実とその適正な運用」のほか八項目、将来の林産物需給におきます課題といたしまして、「国産材の計画的な供給体制の確立」ほか三項目を掲げまして、今後の林政の重点施策として取り組むということにいたしておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 計画と実績が乖離した要因は経済社会の変動にあるような答弁でありますけれども、経済事情や国際的な変化があることは、これは否定するものではありませんけれども、それ以上に、林業振興に関する国の政策やあるいは林業内部にひそんでいる問題の方が私は大きいと思うのですが、これらについてはどういうふうに理解してますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) そこで、ただいま私から御答弁申し上げましたように、新しい計画につきましては、目標達成の課題といたしまして、一つは森林計画制度の充実とその適正な運用、二つは造林、林道等の林業生産基盤の整備拡充、三つは林業構造の改善、四つは健全な山村地域社会の維持形成、五つは保育及び間伐の適正な実施、六つ目に森林の公益的機能の高度発揮のための施業の推進、七つ目に林業労働力の確保、八つ目に国産材の生産、加工、流通の近代化及び合理化、九つ目に試験研究の推進という九つの課題を掲げておるわけでございまして、この課題を今後着実に実施をしていくということがこの計画達成の大変重要なポイントになるというふうに考えておるわけでございます。  また、将来の林産物の需給におきます課題といたしましては、国産材の計画的な供給体制の確立ということ、木材加工業の体質改善の推進、あるいは外材輸入の確保、あるいは木質系エネルギーの活用促進というようなものを課題として掲げてありまして、これをやはり的確に推進をしていくことがこの見通しが達成できるというふうに考えておりまして、裏返して言いますと、いままでもこれらにつきまして努力はしてまいりましたけれども、必ずしも十分ではなかったという反省があるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 長官、いま読み上げた課題や項目は全部これに載っておりますから、そんなことは承知しておるんですよ。ただ、私が指摘をしたことは、いままでの林業政策なりあるいは林業の内部におけるいろいろの問題に、これは的確に農林水産省が対処してこなかった。そのことの反省がなくてはだめなんですよ。それについてはどうなんですか。もう一回答弁してください。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ただいまも申し上げましたように、具体的に政策課題を設けたということは、従来の基本計画その他にはこういう課題は載っていなかったわけでございます。やはり一つの反省点に立ってこういうものを具体的に示して努力をしていこうということであるということでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、大臣の答弁や長官の答弁の中で、森林や林業の果たすべき役割り、さらにはこれから林業振興を図っていこうとする決意の披瀝があったところでありますが、国土の六八%を占める森林を経済的にも公益的にもさらに発展させるためには、林業に対して国民的な幅広い理解を深めることが必要だというふうに思うのです。特に森林、林業あるいは自然緑化等に対する理解を高めるために、学校教育の果たすべき役割りも大変に大きいというふうに思うのです。文部省の従来の指導要領では、義務教育の社会科の中で日本の産業というのがあって、そこで林業が取り上げられておったわけでありますけれども、五十五年四月一日、すなわち本年度から改定をされた指導要領では、林業という項目が消されてしまった。したがって、指導要領に基づいて作成をされる教科書でも、森林、林業について触れておるのはごくわずかである。教科書から林業が省かれてしまったわけですね。大臣、林業の重要性を言っておるときに、また、林業は長期的政策であるわけでありますから、将来を担う児童生徒に対して教育をしていく指導要領から林業ということが外されてしまった、これに対して大臣はどういうふうに思いますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 実はその点につきましても、指導要領をつくるに当たりまして十分検討は進められたものとは思いますけれども、やはりその他の産業と同一のケースとして指導要領の中で取り上げたということは、私はこれはもう大変なことではないかと、こう——実は私も農林水産大臣を拝命いたしますと、まあ遅まきながら実はその指導要領を取り寄せて見てみたわけでございます。大体農業を、米というようなものをどういうふうに子供たちに教えているのか、水産業をどういうふうに教えているのか、あるいは林業というものをどういうふうに教えているのか。このいずれをとってみましても、やはりその他の産業、工業とはまた異なった、生産性は低いけれども、どうしても国民の生命を保つには、人類の平和と文化を保つには必要な事柄でありますから、特別にやっぱり項目を設けて系統的に教えていくのが常道ではないのかなというような感じを持って実はいろいろ見てみたわけでありますが、たしか前の指導要領にはあったように記憶をしておるわけです。実は二十年前のやつを見ましたときも確かにあったように記憶しておったわけですが、それがないのに私はいささかびっくりいたしたわけであります。そこで、直ちに文部省の方に対しまして、林野庁を通じましてその辺の消息等を緊密に連絡をとらせ、政府としても、この林業問題については、やはりいま先生から御指摘いただいたように大事な問題として、公共性の高い、欠くことのできない国の基本政策であると、こういうことで、全国民がこれは酸素を吸い——まあみんなお笑いになるんですよ、酸素を吸うと言うとみんな笑うんです。ところが、この酸素というものは、この間のアメリカの衛星が土星を回ったときに……

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そんな余分なことはいいですよ。肝心の質問に答えてください。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) はい。  窒素しかないんです。その窒素しかないところに植物が酸素をつくってきて、その酸素で人類が生きておるというこの現実を忘れてしまったら私は大変なことになる、こういう気持ちも実はあるわけです。  それで、それぞれの政党においても教科書の状態の検討の機関がそれぞれ設けられておるようでありますから、わが党の方でも、そういうところに持ち出しましてひとつ御検討をいただくように手はずを整えておると、政府としてもまた検討しておると、こういうことでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いろいろ答弁があったわけですけれども、義務教育の指導要領あるいはそれに基づく教科書から林業が削除されたということは大臣としては大変に遺憾である、何とかして林業を取り入れていくという努力をしていく、そういうことでいいですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) そのとおりでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 文部省にお聞きをするんですけれども、いろいろ言いわけはあるとしても、指導要領から、それに基づく教科書から林業が削除されてきたと。これは何といっても林業軽視ではないか。一体、文部省は林業に対してどういう考え方を持っておるんですか。従来は学校林だとか、あるいは子供に学校で緑と取り組むんだといろいろなことを教えているわけなんですけれども、なぜこういう形になったんですか。どういうふうに思いますか。

國松治男文部省初等中等教育局審議官

○説明員(國松治男君) お答えを申し上げます。  今回の教育課程の改定に当たりましては、いままでの学校教育が知識の詰め込み主義であったというふうな反省がございました。もう少しゆとりのある学校生活を送らす。知識だけでなくて、知、徳、体の調和のとれた子供たちを育成する、そういうふうなものであるべきではないか。教育課程審議会でもそういった御検討をいただきました。いまお話しいただきました点につきましては、小学校の社会科の学習におきまして、各種の産業を網羅的に取り上げるというふうなことではなくて、地理的環境としての国土というふうなものを学習させるというふうなことではないか、わが国の食糧生産あるいは工業生産というふうなものを重点に置いて指導するというふうなことに相なったわけでございます。いわば視点が、小学校におきます社会科の学習の視点が変わったというふうに申し上げられるかと思います。  ただ、今回の教育課程の改定におきましては、先ほどの反省もございますので、小中高一貫をして見直してみようというふうなことがございました。小学校におきましてはそういうふうなことになったわけでございますが、中学校におきましては各種産業の学習もしていただく。なお、今日高等学校の進学率も非常に高くなっておりますので、私どもといたしましては、小中高での学習の中で林業の学習もしていただくというふうな考え方でおるわけでございます。なお、小学校におきましても地域の特色に基づいた学習はするというふうなことになっておりますので、それぞれの学校の工夫された教育はなされておる、こういう現状でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 その答弁も納得ができないんですがね。ゆとりのある学校生活、ゆとりのある人間形成をする、そういう考え方になるならば、たとえば山や緑や自然環境、これをさらに重要視しなきゃいけないんじゃないですか。なぜこれを外すんですか。    〔委員長退席、理事北修二君着席〕 そしてまた、指導要領ではそういうことになったけれども、地域によって、あるいは学校によって林業も取り入れてもらうんだというようなことがあったんですけれども、指導要領から外してしまって、しかも時間を短縮して、現場の先生たちが取り組んでいくという自信があるんですか。第一、文部省が林業というものに対して理解がないんだよ。軽視しているからこういうふうになっている。林業に対する理解はどうなんですか。

國松治男文部省初等中等教育局審議官

○説明員(國松治男君) わが国の産業、いろんな面があるわけでございますが、林業につきましてもきわめて重要なものというふうに認識をいたしております。それについての学習をどの段階でどういう形でやるかというふうなことにつきまして、従来、小学校の段階では各産業を網羅的に学習をしておったわけでございますけれども、小学校においては、先ほど申し上げましたように、食糧生産あるいは工業生産というふうなものを中心にした学習をするというふうな視点に変えましたために、小中高を通じて林業の学習をしていただくというふうな形で進めていきたいと考えておるわけであります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 林業の学習を進めていきたいということは、指導要領にはないけれども、教科書を作成する段階において林業のことも取り入れていく、そういう指導をなされる用意があるんですか。

國松治男文部省初等中等教育局審議官

○説明員(國松治男君) 教科書は、指導要領にのっとって民間の発行会社が作成をするということになっております。先ほどから申し上げておりますのは、たとえば中学校のところでは林業という言葉がございませんが、主な産業について学習することが書いてございまして、その主な産業としては当然林業も入りますよというのは、私どもの方の指導書でも触れておるところでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 この問題を論議しておってもらちが明かないけれども、しかし、指導要領で外してしまって、しかも指導要領から外してしまったから教科書で取り上げるということができないという。教科書にないものが現場の先生が本当に教えていくようないま余裕があるんですか。どうなんですかね。

國松治男文部省初等中等教育局審議官

○説明員(國松治男君) 教科書に全く載っておらないということではございませんで、地域の学習をするわけでございますので、現在小学校につきましては先ほどからのお話のとおりでございますが、小学校の教科書でも記述がございます。中学校につきましても林業の記述が出てまいるというふうなことになっておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それは改めて私は文教委員会なりでまた追及しますけれども、いま審議官から答弁のあったように、なるほど若干は載っている。しかし、従来は日本の産業の中で林業が取り上げられておったから教科書はかなりのスペースをとって林業を載せておったんですけれども、いまは指導要領から外しちゃったから、載ったってわずかなんですよ。知っているでしょう。ページ数だって項目だってね。これじゃだめなんですよ。ですから、文部省としてもこれからの検討課題として、ぜひ、従来やったように林業を教科書の中に取り入れていく、そういう方向でひとつ検討して進めてください。  さて、次の問題ですが、(「答弁、答弁」と呼ぶ者あり)答弁ということが出ておりますので、答弁してください。いいですか。

國松治男文部省初等中等教育局審議官

○説明員(國松治男君) 御案内のとおり、教育課程の改善が行われました。お話がございましたように、本年度から小学校の学習指導要領を実施をいたしております。学習指導要領をころころ変えますのは現場に対しましていろいろ問題があるわけでございますが、また一方、同時に、常に研究はしていかなければならないというふうに考えておりますので、そういう研究の過程で先生の御意見も十分検討させていただきたいと思います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 時間の関係がありますから次へ進みますが、新しい林業の基本計画では国産材を振興することに重点を置いていくという答弁もあったわけでありますけれども、そのためには、国産材を振興するためには、受けざらがやっぱりつくられなければならないというふうに思うんです。受けざらはいろいろあるというふうに思うんですけれども、たとえば充実をした施業方針なり、あるいは流通、加工の問題もあるでしょう。  その中で、私は一点、林業労働力について伺ってみたいんですけれども、林業の労働力は、現在二十万人を割って、しかも年齢別の構成を見ると四十歳以上の人が七〇%も占めておるわけですね。非常に高齢化や婦人化が進んでいる。今後国産材を振興するといっても、生産活動に従事する人たちが減ってしまっては仕事にならない。一体、基本計画や需給の長期見通しを達成するためには、日本林業を支えていく基幹的労務者はどのくらいが必要だというふうに思われるんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ただいまお話ございました基幹的な林業労働者の必要数ということでございますが、現在におきましても、先生御承知のとおり、林業労働が季節性を持つという特色等から、主として農家、林家からの兼業労働力によって補われておるという実情にございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 「きかん」というのは「幹」ですよ。季節の「季間」じゃなくて、中心ですよ。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 労働力自体にある程度の流動性があるというようなことから、その数を明確にするいまの「幹」の、「基幹」ですね、明確にするということが非常に困難でございます。  あえて大まかな見通しを申し上げますと、将来の森林資源整備の目標を達成するために必要な投下労働量、これは、労働生産性に変化がないという前提を置きますと、伐採の増大等に伴いまして総体として増加することが見込まれるわけでございます。しかしながら、半面、今後の林業労働力は、これからの経済の動向等にも左右されますけれども、現時点ではおおむね横ばいに推移するというふうに想定されますので、今後、林道の整備あるいは林業技術の向上等によりまして、労働生産性を一層向上させるということが重要であるというふうに考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 きわめて抽象的な答弁で、聞いておってもわからないんですがね。私は、的確に何十万人、何十何万人必要ですなんていうこと、そんな答弁を求めているわけじゃないんです。現状のような形でいいのか、二十万を割ってもいいのか、この日本林業を支えていくためには。そのことを聞いているんですよ。そのことがわからなくて国産材を振興するためなんて言ったってだめなんだ、それは。どうなんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 実は「基幹」というお話がございましたので抽象的なお答えになったわけでございますが、当然、必要労働力というものは見通さなきゃいかぬわけでございまして、実はこの資源基本計画を改定する際にいろいろ試算をしておるわけでございますが、たとえば五十一年造林、伐出の労働力を一〇〇といたしますと、これから仕事の量がふえてまいるわけでございますからふえるわけでございまして、たとえば五十年後には一九%、つまり約三割ぐらい必要量がふえるという試算をしておるわけでございまして、もちろん、お話しのとおり、二十万から十八万に落ちたということ、あるいは今後落ちていくということになりますと大変な問題になってまいりますので、どうしてもこれは確保していかなきゃならないということは認識の根底にあるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 今後林業従事者をさらにふやしていかなきゃならない、そのためにはその確保対策はどういうふうに講じていくんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 林業従事者を将来にわたって安定的に確保していくためにはいろいろな手だてが要るわけでございますが、まず一番大事なことは、林業を産業として魅力あるものにするために、林業振興施策をさらに積極的に講ずるということが必要でございますし、また、就労の場にあります山村を住みよいものとするための生活環境条件の整備を行うということもぜひ必要でございます。また林業従事者の就労条件の改善も当然に必要でございまして、これらのことを総合的に行っていくことが必要であるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、従来から、先生御承知のとおり、造林とか林道あるいは林業構造改善事業等、林業の振興のための施策を講じておるわけでございますし、また林業地域総合整備事業等の山村の生活環境整備のための施策も講じております。また林業労務改善促進事業、あるいは林業退職金共済制度等の推進等の就労条件の改善のための施策等も進めておるわけでございますが、必ずしもこれが十分ではないわけでございまして、今後ともこの施策の拡充を通じまして従事者の確保を図ってまいりたいというのが基本的な姿勢でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私が聞いている趣旨は、十分でなかったら今後とも対策を講じなければならない、その具体的な対策は何かということを聞いているんですよ。  明快な答弁がありませんから、その一つとして、私は林業従事者に対する退職金制度について聞いておきたいんですけれども、民有林の林業労働力を確保するために退職金制度を創設しよう、そのために、昭和五十三年から国や地方自治体、事業主あるいは労働者の資金の拠出によって準備を進めてきたわけなんです。そしてこの制度は、五十二年から五十五年までの三カ年間を準備期間として、五十六年からは中小企業退職金共済法に基づく林業退職金共済組合として発足させる、そのことを国会審議の中でも明らかにしてきたわけなんです。五十六年度予算編成の時期になっていますけれども、明年度から確実にこの制度が発足できますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) お話しのとおり、昭和五十六年度に中小企業退職金共済法に基づきます林業単独の林業退職金共済制度を創設することを目途に、林野庁におきまして、五十三年から三年間にわたってそれに必要な条件を整備いたしまして、林業退職金共済制度へと移行するための積立事業を内容といたします林業従事者中小企業退職金共済制度適用促進対策を実施してきております。この結果、当初本事業で予定しておりました林業の退職金共済制度創設のための条件は整備されてきておるわけでございます。しかしながら、この中小企業退職金共済制度に係ります特殊法人の再編改組を昭和五十六年度に行う旨の行政改革計画が五十四年十二月の閣議において決定されましたために、独自の林業退職金共済制度の確立が困難となったわけでございます。したがって、林野庁といたしましては、既存の特殊法人の再編改組の時点で林業がこれに加わるという形で林業に係る退職金共済制度が実現するように、鋭意労働省と関係方面と協議しておるところでございまして、私どもとしましては、五十六年度中にはぜひ実現さしたいということで努力をしているところでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 労働省と約束して、五十六年からは中小企業退職法に基づく共済規定をつくりますよということでみんな積み立てして準備してきたんですよ。いまお話があったように、条件は整備された。ところが、なかなかそれがむずかしいということですね。一体何をやっているんですか。  労働省の見解を求めます。

佐藤仁彦労働省労働基準局賃金福祉部福祉課長

○説明員(佐藤仁彦君) ただいま長官からお答えがございましたような事情にあります。私どもといたしましても、林野庁が退職金積み立て事業を三カ年計画に従いまして実施し、その推移は順調であると承知いたしております。  で、その事業で予定しております事業主の協力態勢でございますとか、あるいは事業を開始いたしますための参加事業主等の条件が満たされていることを確認しました上で、中退法に基づく特定業種退職金共済制度に引き継ぐことにしたいと考えております。ただ、林業退職金共済事業の実施主体につきましては、政府の行政改革の方針とも関連がございますので、明年度、中小企業退職金共済関係法人の再編改組を行いまして、ここにおいて林業に関する退職金事業が実施できるように労働省としても努めてまいりたいと考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 努力をしてまいりたいという答弁だったんですが、明年度確実に、四月から——明年度というのは四月から始まるんですから、発足できる自信を持っていますか、見通しを。

佐藤仁彦労働省労働基準局賃金福祉部福祉課長

○説明員(佐藤仁彦君) 林業退職金共済事業を中退法に引き継ぐことにつきましては、引き継ぐことのいろいろなもろもろの条件と、それから実施主体をどうするかという問題があることは御承知のとおりでございます。  その条件につきましては、長官からも答弁がありましたように、林野庁における補助事業が順調に推移していることによってある程度条件が整ってきているものと私どもは承知しておりますが、その実施主体の方につきましては、昨年暮れの政府の行政改革計画に基づく中退法関係法人の再編改組を行いませんと、それを受ける主体ができないということでございます。現在、再編改組問題については、一応の案を持ちまして、次の通常国会に法案を提出すべく鋭意関係方面と協議中でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 その組織が再編改組されれば、退職金共済制度は、林業に関してできる、そう理解していいですか。

佐藤仁彦労働省労働基準局賃金福祉部福祉課長

○説明員(佐藤仁彦君) 再編改組がなされましたならば、その法人におきまして林業に関する退職金共済事業を実施するよう、私どもとしてもその方向で努力いたしておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 これは大臣にお聞きをし、要請しておくんですけれども、いままで私が申し上げて答弁があったように、ともかく林業労働者の身分安定のために退職金制度をつくろうと、みんなで努力して積み立てまでしてきたんですよね。ところが、行政改革の一環でどうも危うくなってきた。こんなことは許されないと思うんですね。重要な問題だと思うんですよ。したがって、大臣は、労働大臣なりあるいは行管庁長官なりと十分話をする中で、責任を持ってこの事業を発足させる、そういう姿勢がなくてはいけないというふうに思うし、その責任があるというふうに思いますが、どうですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘を受けるまでもなく、これはもう三年間努力してきた結実を、昭和五十六年度に実施をいたさなけりゃならぬという立場で行政改革の問題とぶつかったというような事態はありますけれども、私どもの林業労働者の福祉を増進するという立場から、予定どおり五十六年実施という立場で、強力に、行管庁並びに労働省とも力を合わせて実現を期していくようにがんばります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 次は、国有林問題について伺っておきたいんですけれども、国有林の事業改善特別措置法が昭和五十三年に公布、施行されて、政府は改善計画をつくって経営の合理化を図ってきたわけでありますけれども、その進捗状況と今後の方針についてひとつ。長々と答弁は要りませんから、簡潔に答えてください。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 経営改善の進捗状況でございますが、五十三年九月に策定いたしました国有林野事業改善に関する計画に即しまして、次のような措置を講じておるわけでございます。  一つは、組織機構の簡素合理化でございますが、北海道五営林局の、北海道営林局及び四支局への再編整備、それから改善計画期間中に、一割を目途として営林署の統廃合を行うことといたしまして、五十四年三月一日に九営林署の統廃合を実施いたしております。  それから事業所等の統廃合につきましては、改善計画着手後二年間で約百事業所の統廃合を行っております。  それから二番目が、高齢者の退職促進等によります要員の縮減でございますが、改善計画着手後二年間で、定員内、定員外合わせまして約五千人の縮減を行っております。  三番目に、作業仕組みの改善合理化、職務意欲の向上等によります労働生産性の向上でございますが、改善計画着手後二カ年間で、たとえば素材生産におきましては、約一〇%の向上が図られております。  そこで、今後の進め方でございますが、今後とも国有林野事業の改善に関する計画に沿いまして、長期的観点に立って国有林野におきます森林資源の整備充実を図るとともに、組織機構の簡素合理化、要員規模の適正化、事業運営の能率化、収入の確保など、各般にわたる改善を進めまして、国民の負託にこたえる国有林野事業の運営に努めてまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いまの答弁を聞いておりますと、この改善計画は営林局の整備あるいは営林署の統廃合、事業所の統廃合、また請負の導入、それから五十三年、五十四年で五千人もの人減らし、言うならば機構の縮小であり、人減らしであり、請負の拡大であって、赤字解消だけに重点を置いた改善計画である、またその実績である、こういう指摘をせざるを得ないのです。特別措置法は、国有林財政の健全化を図ることも一つの目的でありますけれども、同時に国有林の持つ使命の重要性にかんがみて、長期的視点に立って森林資源の保続を図っていく。言うならば、いい山をつくっていくんだ、このことも大きな柱であったはずですけれども、この辺はどうなっているんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) おっしゃるとおりでございまして、赤字解消だけをやっておるわけではなくて、やはりよりよい山づくりを進めていくということが非常に大きな使命になっておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 使命になっていることを承知しておって、それは具体的にどういうふうになっているんですか。いい山になっているんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 山全体といたしましては非常に従来より良好になっておりますけれども、たまたまこの人口造林地等につきまして、成績不良の人口造林地がまだ残っておるということでございますが、その解消に努力しておるわけでございまして、山が悪くなっているというよう九認識は私どもは持っていないわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 森林資源の保続を図るために、機構の縮小だけでなくて、もっと山に金をつぎ込むのだとか、あるいはまた、その施業ができるように機構もよくするのだとか、そういう面の努力はどういうふうにしているのですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 先生御承知のとおり、いま国有林野事業特別会計、いわゆる収入だけでは歳出を賄っていけないというような状況下にございまして、したがいまして、いま財投資金を相当多額に導入いたしております。また、林道、造林等につきまして、一般会計からの導入も積極的に図っておるわけでございまして、そういう面で、仕事を着実に実施していくための裏づけを確保しながら進めておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、どうも明確な答弁がはね返ってこないんですが、聞いておっても、改善計画というのはさっき私が指摘をしたように、機構を縮小するんだとか人減らしをするんだとか、あるいは請負を拡大をしていくんだ、言うならば国有林財政の赤字解消対策だけだ、そういうふうに言わざるを得ないんですけれども、どうなんですか、それは。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 先ほどお答えいたしましたように、組織機構というのは明治以来ほとんど手がつけられていなかったわけでございます。また、要員につきましても、昭和三十年代、伐採量で例をとりますと、年間二千四百万立方ほど伐採量があったわけでございますが、現在はこの伐採量は大幅に縮減いたしまして、千四百万立方台に落ち込んでおるわけでございます。もちろん資源整備の状況によって、将来伐採量はふえてまいりますけれども、当分の間千四百万立方台の伐採量が持続をするということでございますので、私どもその実行官庁でございますので、それらの事業量に適応したやっぱり要員規模に縮減しなきゃならぬということが一つの大きな柱になっております。そういう面で、人を減らして仕事をしないということではなくて、仕事を適正に確保するためにむしろ人を合わしていくという作業をいま進めておるわけでございまして、そういう点で、どうしても組織機構にいたしましても、これだけ世の中が変わってまいりまして従来どおりの組織機構というわけにはまいりませんので、やはり現在の社会情勢に適合した組織に改めていくという努力をしておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 長官、言葉じりをとらえるわけではありませんが、いま長官の答弁の中で、人を減らして仕事をしないということじゃないということですね。あなたは長く林野庁におられるんですけれども、林野庁というのは従来はそれじゃ人を減らして仕事をしなかったんですか。そんな認識であなたずっと林野庁をやっていたんですか。  大臣にお聞きをします。国有林の持つ使命と経営方針について大臣にただしておきたいと思うんですけれども、林業は長期的視点に立って、国家百年の大計に立って私は処理をしなければならないというふうに思うんです。したがって、一時的な経済変動で右往左往すべきものではなくて、また赤字財政だから山に手が入らないということではなくて、長期的な展望の中から経営を考えるべきだと思うんですね。また、単年度の木材販売成績を上げて収支のつじつまを合わしていく、そういうことではなくて、森林の持つ公益的な機能あるいは治山治水、災害防止、緑の効用等も十分考慮して経営をしなければならない。国家百年の大計に立つ国有林の経営というものを大臣はどのように考えますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 村沢委員も十分御承知のところでありますが、戦後日本が昭和四十年の初期に至るまで、再建、再建という、そういう時代に日本の林業の果たしてきた使命というものは、農業と同じく非常に大きなものがある。その間、国有林は独立採算制でその使命を十分に果たしてきた、こう私は認識をいたしております。ところが、高度成長に伴い、外材の輸入というこういう環境の変化によりまして、日本林業が非常に窮屈になり、そうして独立採算という立場からはなかなか経営が困難になるという事態になってきたことも御指摘のとおりであります。国有林の使命といいますのは、もう先生がすでに御指摘になりましたので繰り返しませんけれども、とにかく国土の保全はもちろん、さらには良材の生産とそうして供給ということで、治山治水、環境の浄化等々の仕事をやってきておるわけでございます。したがいまして、私はこの林業というものの本質を考えてみますと、これはもう民有林、国有林に限らず、手仕事でなければ木を植えることはできないという、農業のように機械化がなかなかできないというところにやはり大きな問題があろうかと思うのです。これはちょうど郵便事業なんかと相似たところがあるのではないか。したがいまして、そういう点の体制をきちんとしていきませんとこれはなかなか進展を期していくことはできない、こういう感じを私は持っております。したがいまして、先般の十カ年計画が、今後の国有林経営をしてまいりますためにはもう本当にぎりぎりの線で、あの線よりも合理化ができるということは、もうよほどの傾斜面における間伐やらあるいは植林やら、そういう仕事を機械化できるという時代でも来るならいざ知らず、その時代が来るまでには、やはり十カ年計画で定められたあの体制というものが国有林経営のための最低の線である、こういうような認識を私は実は持っておる次第でございます。  したがいまして、今後も国有林につきましては、やはり私は林業経営から生み出される利潤だけで日本の山が果たして維持管理していくことができるのかどうか、こういうことだろうと思うわけであります。したがいまして、先ほど来議論の中心になっておりましたとおり、やはり森林の人類に果たしておる大きな公共的な役割り、公共的な使命というものが十分に国民から理解をされて、そうして山を維持管理するためには国民一人一人がその負担を担うといったようなくらいの世論喚起まで持っていく必要があるのではないか、こういう感じが私はいたしておりまして、そのような考え方を林野庁の皆さん方にもよくお話しいたしまして、そうしてもっと、いままでもよくやってきたと思うわけでありますけれども、さらに馬力をかけて大きな希望と自信を持ってやるようにということで指導をいたしておるところであります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 大臣の答弁もあったわけですけれども、要するに国有林の健全な維持をしていくためには、単なる国有林から上がる収入だけを頼りにしておってもなかなかむずかしい問題もあるわけですね。しかし、国有林を改善するためには何といったって人と金をかけなければならない、このことは言うまでもないと思うんですね。しかし、ただ金をかけるだけでなくて、いま植林をし、完全に保育をしていったならばこの山は一体何年後にはどうなるのか、どういう生産が上がるのか、そのことが国有林としての機能をどういうふうに高めてくるのか、こういう見通しの上に立ってそれにふさわしい施業をしていかねばならないというように思うのですけれども、国有林の施業のあり方について長官どうですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) おっしゃるとおり、森林経営というのは施業計画が基本になるわけでございまして、国有林といたしましても、全国森林計画を受けました経営基本計画をもとにいたしまして、それぞれの地域につきまして地域施業計画が樹立されておるわけでございます。この施業計画の中に、やはり先ほど来お話のございます森林の保続経営という理念が貫かれておるわけでございまして、この施業計画に従って確実に実行を確保していくということが最も重要な課題であるというふうに考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、この基本計画あるいは長期見通しの目標を達成するためには、あるいはいい国有林をつくるためには、この計画書にも書かれておりますけれども、いろいろやらなければならない課題がたくさんあるわけなんです。その中で、私は国有林にとって最も重要と思われるのは造林及び保育ですね、間伐の適正な実施であろうというふうに思うんです。  私は一昨年この委員会で、国有林の不良造林地の実態を取り上げて林野庁の見解をただしたところでありますけれども、その際私は不良造林地は人工造林面積の二〇%、四十万ヘクタールぐらいあるのではないかという、こういう指摘をしたところでありますが、それに対しては林野庁は、生育が非常に悪い面積が一万五千ヘクタール、保育を必要とする面積が三万ヘクタール、計四万五千ヘクタールの不良造林地があるということで意見がかみ合わなかったわけであります。しかし、林野庁はその後各種の国有林の一斉調査を行って、不良造林地についても洗い直しを行う、そしてそれの改善を図っていくという大臣の答弁もあったわけでありますけれども、この不良造林地の調査の結果はどうなっているんですか。そうしてそれはどのように改善されたんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 生育の不十分な造林地等につきましては、五十二年四月一日現在の調査結果によりますといまお話のございました約四万五千ヘクタールと申し上げたのでございますが、その後五十三年度の事業の結果を踏まえまして五十四年四月一日現在で再調査した結果、その面積は約五万八千ヘクタールというふうになっておるのでございます。そこで、五万八千ヘクタールのうち生育不十分な造林地約三万五千ヘクタール、早期に保育を要する造林地約二万三千ヘクタールというふうになっておりまして、これらにつきましては、生育不十分な造林地は五十四年度以降五年ないし六年間、あるいは早期に保育を要する造林地につきましては三年ないし四年間で効率的な方法によって計画的に解消するということにいたしまして、鋭意その実行に努めておるところでございます。  なお、この五十四年度には、生育不十分な造林地七千二百ヘクタール、早期に保育を要する造林地一万一千二百ヘクタールについて解消をしておるのでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 不成績造林地が五万八千ヘクタールある。その内訳は、五十三年のときに皆さんがおっしゃっていた四万五千ヘクタールのうちどのぐらい改善をして、そしてなおかつこの五万八千ヘクタールまだ残っているのか、その改善状況はどうなんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 業務課長に答弁させます。

田中恒寿林野庁業務部業務課長

○説明員(田中恒寿君) 五十二年の四月一日把握いたしました不成績造林地は四万五千三百でございましたが、五十二年、五十三年度と両年度にわたりまして三万一千六百ヘクタールを解消いたしております。したがいまして、その時点で残りましたものは一万三千七百ヘクタールでございますが、その後いろいろそういう不成績造林地の物の見方などにつきまして、全国有林の職員がいろいろと目をそろえたり、いろいろ考え方を整理をいたしまして、全国有林につきましてのそういう見直しを行ったわけでございます。その結果、追加となりましたものが四万四千七百ヘクタール。これは五十四年四月一日現在の調査で追加となったわけでございます。したがいまして、先ほどの残面積と新たな調査によります追加を加えまして、正確には五万八千四百ヘクタール、このようになってございます。  なお、このうち一万八千四百につきましては五十四年度をもって解消をいたしたところでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それではいまお話のあった不良造林地五万八千ヘクタールの局別の内訳を明らかにしてください。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 局別には、北海道三千二百、旭川七千十、北見四千五百四十、帯広五千六百五十、函館四千百、青森五千四百四十……

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 ちょっと待ってください。北海道全部で幾らですか。北海道は局一つでしょう、いま。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ちょっといま足しております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 青森は。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 青森が五千四百四十、秋田一万一千四百九十、前橋三千七百七十、東京八百五十、長野四千七百九十、名古屋一千二十、大阪二千二十、高知六百三十、熊本三千八百七十。北海道全体で二万四千五百でございます。したがいまして、総合計五万八千三百八十ということになります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 しかし、林野庁の調査というのも、そう言っちゃ失礼ですけれども、余り何か信頼していいんだか悪いんだかというような数字ですね。たとえばこの五十二年度の際、秋田は二百五十不良造林地があると言ったですね。答弁載っていますよ。ところが、きょういま聞いてみれば一万一千四百九十だというんですね。一体どういう調査をしているんですか。たとえば長野営林局の場合、五十二年の調査では千百五十の不良造林地があると言った。いまお聞きすれば四千七百九十だと言っているんですね。しかも、こうした数字は現場に働いておる皆さんもいろいろ調査をしておるけれども、その数字と合っていない。現場の皆さん方の方がうんと数字が多いわけですね。この数字は自信を持った数字ですか。

田中恒寿林野庁業務部業務課長

○説明員(田中恒寿君) お答え申し上げます。  私どもといたしましては十分自信を持った数字でございます。  ただ、山の現状を見まして、たとえばこれが直ちに手入れを要するというふうに判断をいたしましても、それが本年の計画になっておるもの、あるいは来年の計画になっておるもの、いろいろそういうものを、現在での早急に手入れを要するとして挙げるべきかどうか。あるいは生育の不十分な林地として計上いたします際にも、大体どの程度の生育までをそういうふうに分類するか。そういうこと等につきまして十分全国の営林局の担当者の考え方、目をそろえておりません調査が先ほどの四万五千の数字でございますので、その後何回か会議、打ち合わせ、研修をいたしまして、そういう山の見方の基準を大体全国的にそろえまして行いましたので、私どもといたしましてはこれは十分自信を持った数字であるというふうに申し上げるわけでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 関連して私ちょっとお伺いしますが、国有林野事業改善特別措置法を審議したときは私もそれに加わっておりまして、当時も私は理事でございました。所管大臣は中川農林大臣でございまして、ずいぶん時間をかけて当委員会で議論したわけです。われわれは、いま村沢委員が申し上げましたように、不良造林地が四十万ヘクタールある、これは社会党の調査によりもう絶対われわれは確信を持っておる、こういう立場で議論いたしまして、林野庁の方は四万ヘクタール、結局われわれの言う十分の一しか不良造林地がないという、そういう御見解であった。そしてその後われわれはこの足を使っていろいろ手分けして現地の造林をずっと見て歩いた。私も北海道の山を二つ三つ見ましたが、とてもとてもそんなものではないわけです。それで、いま四万五千ヘクタールと、大体その当時と変わらないんです。こんなことはあり得ないわけです。それはまことに私はけしからぬと思うんです。このことにつきましては、最終的にあの法案をここで採決に入る前に一問一答で私と中川農林大臣とやったわけです。私が質問し、そして農林大臣が答弁し、次また質問をし、そして答弁する。よけいな言葉は一言も入れないで、私はここを質問するから大臣はここを答弁しなさいというところまで詰めていってやってあれは終結いたしまして、ここで採決したという、こういう経緯があるわけであります。それでそのときに中川農林大臣は、この不良造林地については改めて見直すと、よく調査をすると、責任を持って調査すると、見直すということを言明されておるんです。それがいまのような返事で返ってくるということになれば私自身としても絶対認められない、これは。  そこで、私は関連して質問を申し上げました。そのときの最終当事者として、私が質問して答弁をいただいた立場から申し上げましたので、これに対する御答弁をはっきりしてください。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) おっしゃるとおりの中川元大臣の御答弁がございました。それに沿いまして、先ほど申し上げました五十四年四月一日現在の再調査をいたしたのでございます。その結果、差し引きございますけれども、五十四年四月一日現在では五万八千ヘクタールという数字を得ておるわけでございまして、私どもの組織を動員いたしまして調査をした数字でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、人工造林はしたけれども、成績が悪くて、これは改善をするのではなくて天然林に落としたものもあるわけですね。これは一種の不良造林地だと思うんですね。そこで、林野庁全体で一体どのくらい、人工造林をしてそれでこの生育が悪くて天然林に落としたのか、その数字を報告してもらいたいわけですけれども、私もいままで要求したけれども、なかなかそれが出てこない。そこで、それではごく一部分を区切って、五十二年に四万五千ヘクタールの不良造林地があった。その中で天然林にしてしまったのはどのぐらいあるんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 四万五千ヘクタールにつきましては、五十二年、五十三年度におきまして    〔理事北修二君退席、委員長着席〕 二千四百ヘクタールを天然林に編入しております。この二千四百……

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いいですよ、その数字で。  いまお話しのように、不良造林地だと言った。しかし、その後の調査でこれは天然林にしてしまう。そうすると、いま残った不良造林地から消えてしまうわけですね。こんなことをいつまでやっておったって、幾ら金かけたってだめですよ、あなた。山に木を植えて、木がうまく育たなかったと、これは今度は天然林にしますと、そんな経営しておったら、幾ら国有林に金をつぎ込んだってだめなんだ、それは。一体そんな数字はどのくらいあるか、つかんでいますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 当初の目的としましては人工林に仕立てようという意図でやっておるわけでございますから、おっしゃるような方向でいけば人工林としては成林できない、そのまま天然林に落とすということではなくて、やはり人工林としてどうしても仕立てられるという見通しがあれば、改植なり補植なりやって人工林として仕立てていくわけでございますけれども。天然生林に区分いたしましたのは、その後天然生の稚樹がどんどん入ってまいりまして、むしろ天然生林として今後保育管理をしていった方がよろしいという判断のもとに天然生林に編入をしておるわけでございます。そういう意味で、放置をするということではないわけでございますので、御了解を賜りたいと思います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それも言いわけでしてね。天然生で育てた方がいいということがわかっていれば、なぜ造林をするんですか。そんな技術が現場でわからないんですか。造林をして何年かたってみたけれども、育たないから天然林にしてしまう、天然林にしたものは不良造林地ではない、こういうことをやっているから国有林行政はだめだというんですよ。  そこで、私は最近この三カ月間に、長野営林局の幾つかの国有林の実態調査を行ったわけなんです。この調査は地域の全林野労働組合あるいは自治体の理事者、議員、それに林政共闘会議など、こういう要請に基づいて、それらのメンバーとともに現地を歩いてきたわけですけれども、地域の住民による国有林の調査が最近各地で行われているということは、国有林を荒らしほうだいのいまの現状をほうっておいてよいのかと、こういう不安が高まっているから、こういう運動が起きているんですよ。そこで、調査に参加した人たちが一様に言うことは、国有林がこんなに荒れているとは知らなかった、国有林にはもはや学ぶべきものはない、国有林を営林署だけに任しておけない、一体林野庁の改善計画というのは山荒らしを促進する計画だと、こういう怒りと不信感が一様にはね返ってくるんです。私自身、現地を調査するたびにむなしさを感じ、こんな状態をなぜ放任をしておくんだと、手を打つことのできない国の行政に怒りを感じているんです。その実態については後ほど申し上げますけれども、また、私が言わなくても長官は御承知だとは思うんですけれども、林野庁長官は、いまの国有林の荒廃した現状をどのように認識しているんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ただいま先生が御指摘になりましたように、営林署に任しておけないというような御批判があるとすれば大変遺憾なことでございまして、そういうことが絶対にないように私どもも現場を指導し、かつ私どもも現場を見て歩いておるわけでございまして、私どものいままでの数少ない経験ではございますけれども、見た範囲内では、確かに成績不良な造林地ももちろんまだ残っておりますけれども、全般的な傾向といたしましては、最近非常によくなってきておるという理解をしておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 須藤長官、あなたは林野庁長官に就任してから一年三ヵ月間になるわけですね。この間、国有林の現場、特に不良造林地の実態なんかについて見たことがありますか。何回見てみました。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 全国全管内はまだ十分歩いておりませんけれども、北海道、東北の一部、それから九州の一部等について見て参っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 その中で私が指摘をしておるような不良造林地について、どのように感じますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 一言に不良造林地と申しますけれども、これらにはいろいろ原因があるわけでございまして、まず第一、適地選定が誤ったという問題もございますし、それから気象等によります災害が予想よりひどかった、あるいは病虫害による災害と、いろいろな問題がございます。そこで、これを簡単にこの造林地をどうするかということは技術的にも非常に困難でございまして、やはり綿密な周囲の林況の状況なりあるいは気象条件なり十分観察をする必要があるわけでございます。そういう意味で、観察をしながら今後の取り扱いを決めていくという林分もございますし、あるいは思い切って改植をする、あるいは思い切って天然更新を図るべく、天然更新の補助作業を行うとか、いろいろなケースによって変わってまいりますが、そのような技術的な観点に立ちまして、できるだけいい山づくりをしていくという方向に持っていくべきであるというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 業務部長、あなたは直接国有林を管理する立場にあるんですけれども、鈴木業務部長は業務部長に就任して一年二カ月。この間、私が申し上げたような不良造林地なり、問題の山は何回ぐらい調査しておりますか。

鈴木郁雄林野庁業務部長

○説明員(鈴木郁雄君) 私、業務部長に就任いたしまして、いまおっしゃいましたように一年二カ月でございますが、全国に十営林局ございまして、各営林局、最低一度は現在まで現地に行っておりまして、現地に参りまして、営林署に参り、また現地に足を踏み入れまして、伐採の現場あるいは造林の現場を調査をいたしております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私は、いま取り上げているような問題を指摘をするということは、国有林の悪いところを探ってあなたたちを追及するためにこういう質問をしているわけじゃないんです。そのために調査をしているんじゃないんです。あるいは国有林の現場に働く人たちも、もう私たちは現場に働いているけれども、このままではもう見ておれぬと、何とかしなければならないという、こういう気持ちから、全国各地で国有林を調査する会が起こってきたんですよ。だから、長官も業務部長もなるほど営林局は回ったでしょうけれども、山の現場を見なくて机の上だけで山を見てちゃだめなんですよ。国有林はいまそんな状態じゃないんだ。ですから、いろいろ私が具体的に質問してまいりますから、本当に現場を見た人だったら答弁できるというふうに思いますから答弁してください。  そこで、私はここに多くの調査資料を持っているわけです。これらに基づいて一々ここで指摘をして答弁をしてくださいと言ってもできないと思う。またそちらの方へも調査資料を要約したものを出してありますけれども、これは直ちに答弁できませんね、きょう。できますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 先生から御指摘がございました長野営林局管内の現地につきましては、私もこの現地につきましては見ておりませんので御答弁申し上げかねますので、今後現地を詳細に調査いたしまして御報告申し上げたいと思っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 委員長に要請しますが、いま申しましたように、調査資料を要約したものがありますが、いま長官の答弁のように、ここでは答弁できないということでございますので、これを資料として提出して、後日資料でもって御回答いただきたいと、そのように取り計らってもらいたいんですが、よろしいですか。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) はい。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いいですね。それじゃここへ資料と写真を添えて出しますから。  そこで、私はいま資料として、長野営林局管内の飯山、大町、それから奈良井、上松、野尻、松本の各営林署の具体的個所を明示して、林班を明示して資料を提出いたしました。そこで、いますぐ御答弁ができないというふうに思いますから、またできないという答弁でありましたから、これに対して林野庁の見解、すなわち不良造林地になった原因、皆さんが言われる不良造林地の林班ごとの面積、今後の施業方針、それをどういうふうに改善をしていくかという改善期間、これを林野庁長官としての責任のある答弁を資料として早急に出してもらいたいんですか、いいですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) そのとおりにいたします。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それでは、個々の個所についての答弁は、後日資料でもって求めます。  そこで、これらの調査の結果、一般的に指摘をしなければならない問題については後ほど申し上げますけれども、各営林局は造林事業方針書というものをつくっているわけなんです。長野営林局について言うならば、昭和四十八年に制定した方針書を本年度改定をした。これは長野に限らず、林野庁の指導方針に基づいて全営林局が改定したものだというふうに思うわけでありますけれども、造林方針書を変えなければならない理由は何か、新方針書が従来の方針書と変わった点は何か。答弁してください。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) まず、造林方針書を変更した理由でございますが、一つは、造林事業の実施基準を定めます造林方針書は、作成後相当年数を経過しているものがあるわけでございます。特に昭和四十八年、国有林野における新たな森林施業についての制定を受けて改定がなされていないものもあるということが一つでございます。それから二つ目には、改善実施方針におきまして、施業の基準は、造林方針書等に定め云々と、造林方針書の位置づけが明確に明定されたということでございます。それらのことから、実行結果、技術経験、試験成果等を慎重に勘案いたしまして、現地の実態に即し、林業の長期性を踏まえた効果的な施業が確保されるように内容の改善を図ることにしたものでございます。  次に、古い方針書と新しい方針書の相違点でございますが、昭和四十八年におきます新たな森林施業についてを制定した後、造林方針書の改定がなされていない営林局あるいは営林支局につきましては、従来の拡大造林を基調といたします森林施業から、適地適木、適期適作業の原則をより重視した森林施業の考え方に基づいた造林方針書にしたということ。それから造林事業は、その成果を見るに長期を要するものでございますので、基本方針及び実施基準がしばしば変更されることは好ましくないということから、造林方針書におきましては、事業実施上の基本方針と実施基準の大綱を示すことにいたしまして、具体的な作業方法等につきましては必要に応じ別途指導することにいたしたのであります。ただ、従前の造林方針書作成以後の試験成果、技術経験等を内容に反映するということにいたしたわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 造林方針書の改定された文を見ると、その言い回しがきわめて抽象的な表現が多く、また従来は作業種類やあるいは回数なんかも定めておったわけでありますが、今回も定めてはおるけれどもその回数を減らしておる。保育を減らしてもいい山をつくっていくんだという、そういう技術水準が高まってこういうことになったんですか。新しい方針書に基づいて作業を行えばいい山づくりができる、そういう自信を持っての方針書ですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ただいまも申し上げましたとおり、従来の実行経過なり技術経験、試験成果等を慎重に勘案いたして決めておりますので、当然、そういう方針に従って現地の適応を十分見きわめながら実施をすれば十分な山づくりができるということで方針を決めておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、私が調査して感ずることについて、二、三申し上げますが、まず造林でありますけれども、造林はしたけれども活着をしない、枯れてしまった山がずいぶんあるんです。たとえばそこに資料としても出したんですけれども、奈良井営林署の橋戸国有林は、昨年地ごしらえ、植えつけをしたところ、四〇%も枯れていると、こういう指摘がされているんです。山に木を植えて枯れないようにするというようなことは、林業技術のまさに初歩なんです。そこの現場を調査してみますると、これは植林木が枯れたということは、気象障害によるのだとかあるいはいろいろな言いわけをしておるんですけれども、多くの場合は、樹種の選定の誤りであり、あるいは造林をするに少ない人数で作業をさして、地ごしらえ、造林作業の手抜きによるものであるというふうに指摘をせざるを得ないんです。あるいはまたこれが直営でなくて請負によってやったというふうに言わざるを得ないんです。一体造林に対してはどういう指導をしているんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) いま御指摘ございました、いわゆる不成績になっております造林地の理由につきましては、先ほども申し上げましたけれども、いろいろな原因が複雑に影響し合っておるわけでございまして、特に立地条件に影響される度合いが強いということで、単純に分類するということはきわめて困難でございますが、主要な原因といたしましては、気象害、適地選定の問題、病虫害等によるものというふうに考えておりますが、また、作業上の問題といたしましては、苗木の取り扱いあるいはその植え方、いろいろあろうかと思うわけでございます。そういうことで、昔から国有林では、枯損が出る、あるいは活着率が低いということはその現場の技術者の恥としたものでございまして、私たちといたしましては、そういうことがないように十分な選定につきましても検討を行いますと同時に、取り扱い等につきましてもそのような指導を進めておるわけでございまして、今後できるだけこういうことがないようにやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 長官も大分言いわけばかりしておるんですが、立地条件が悪くて造林しても無理だと、気象障害があるということだったら、なぜそこに造林するんですか。そういうことがわからないんですか、あなたたちは長く山へ行っておって、現場におって、現地の人たちが。  ですから、私はそれに関連してお伺いしますけれども、造林事業も直営が減って請負が非常に多くなった。この請負事業が造林を粗放にしているんですよ。ある営林署の造林事業を請け負った会社は、これは労務者を抱えておらない、したがって、地域の土建業者に下請をさしているんです。業者を下請をする場合には必ず当然のことに天ばねをするわけですね。実際に作業をする人たちはまさに孫請のような形で作業をしているから、これは単価も低いために、能率を上げるためにはどうしたって粗放になってしまうんですよ。この造林事業の請負に対してどういうふうに感ずるんですか。こんな請負をさしていいんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 造林事業の実施に当たりましては、国有林野事業の改善に関する計画に即しまして、直用と請負の適切な選択を行いつつ実施しておるわけでございまして、五十四年度につきますと、約六割を請負事業によって実施しておるわけでございます。また、五十四年度において造林事業の請負契約をいたしました事業体は約千二百六十でございますが、これら請負事業体につきましては、民有林、国有林を通じた地域林業の担い手としてふさわしい近代的林業事業体として育成整備を図るために、請負事業に係る林業事業体の登録制の整備、安定的計画的請負事業の発注等、林業事業体の経営の安定強化、責任施行の体制の確立、労務改善に関する指導の強化等の措置を講じておるところでございまして、今後ともいま申し上げました方針に従いまして、雇用の安定、労働条件の整備が図られるような健全な請負事業体として発展するように努めていきたいというふうに考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 長官、そんなの読んだって、そのとおりやっていれば問題はないんですよ。しかし、あなたたちは、現場の営林署はある会社に請負させる。その会社は造林をする労務者を抱えておらないんだ。だからまた下請をさせる。そしてまた下請だということになっているんだよ。そのことが一体いいのかどうか、聞いているんだよ。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) いま申し上げましたように、登録制を実施いたしておりますから、当然不適格なものは請負事業体としては対象としないという方針で臨んでおるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そういう労務者も抱えていないような不適格なものを請負さしていませんか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ただいま御指摘ございました点につきましては、昭和五十四年度の造林事業請負事業体の一部が、実行過程において他の企業より応援を求めるなど一部疑問の点がありまして、注意を促したところでございますが、現在におきましては、これらも解消いたしまして適正に実行されておるという報告を受けております。なお、今後とも引き続き適正な請負の実施について十分指導監督をしてまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、造林にしても、あるいは製品生産にしても、その他の事業でも、非常に請負が多くなった、これが改善計画の目的とするところのようでありますけれども、その実態を見ると、請け負った会社がまた下請、孫請をさしている。さりとて、営林署が造林契約をするときには必ずしも安過ぎるという単価でやっているわけじゃないんだ。こんなことをするんだったら、皆さん方が本当に直営で、山を愛していくという営林署に働く人たちに仕事をさしたらどうなんです。こんなことをしておったって山はよくなってこないですよ。これは答弁は要らない。  次に、不良造林地の最大の原因は保育の手おくれなんです。私が調査をした幾つかの国有林も、保育の手を抜いたことによってせっかくの造林地が雑木林になったりササ山になってしまっている。しかし、保育を全然やらないというわけじゃない。たとえば下刈りを六回やらなければならないところを四回でやめてしまっている。最後の手が抜けているんですね。抜けているということは、営林署長だってやりたいんだ。やりたいけれども金がなくてできないんだ。しかも、やり方も、これは全伐じゃなくて筋刈りである。つる切りにしても、広い面積のところへわずかな人間で作業しようとしたって能率が上がらない。実際に現場に働く人たちが、こんな保育をしていても意味がないと。ただ少ない予算と労力だけで形だけ整えようとする、そこに無理があるんです。働く人たちだって労働意欲がわいてこないんですよ。この保育に対する基本的な考え方はどうなんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) これは先生おっしゃるとおり、活力ある健全な森林を造成するためには保育は不可欠でございまして、造林方針書の基準に基づきまして、現地の実態に即し、効率的かつ確実に成林を図るという考えで実施しているところでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、林野庁としては、各営林局あるいは営林署からの積み上げであろうというふうに思いますけれども、保育に必要なだけの仕事ができるように予算配賦なんか適切にやっていますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) いまも申し上げましたように、営林局署、営林局あるいは営林支局が定めます造林方針書に基づきまして、現地の実態に即し、その適切な実施ができるように予算配分を行っておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 予算配賦を行っていれば、先ほど来指摘をしておるような不良造林地なんか出てこないと思うんですね。  そこで、私は林野庁を通じて、「長野営林局管内国有林の保育事業について」という資料を徴しました。これによると、たとえば下刈りについては、造林方針書に基づく保育をしたならばどれだけの面積をしなければならないのか、それに対して実行はどうかという資料を徴したところ、下刈りは、いずれも各年度別に見ても、方針書に基づく事業量よりも実績の方が多い、こういう数字が出ているんですね。つる切り、除伐については、五十二年度や五十三年度は実績の方が少なかったけれども、五十四年度については実績の方が多い。枝打ちについては実際やらなければならない面積の約二分の一である。こういう資料が出ているんですけれども、実際にやらなければならないと思われるこの基準の面積以上にやっておってなぜ不良造林地ができるんですか。山が荒れるんですか。こんな資料を出してくる感度というか、一体自分たちの山をよくしていくためにはこういうふうにしなければならないということを、現場の署長にしても局長にしても理解しておらないと思うんだ。  林野庁に聞きますけれども、この資料は適正な資料と受けとめていいですか。

田中恒寿林野庁業務部業務課長

○説明員(田中恒寿君) 先生の方に御説明を申し上げました資料につきましては、ちょうど私どもが一番必要な下刈りなどの事業量につきまして、御存じのとおりの大変厳しい予算事情等がありまして、やはり十全でない時期が五十一年以前等にはあったわけでございます。その後、五十一年から財投の資金の御援助、さらには一般会計資金の導入等もございまして、われわれの自主的な努力と相まちまして、手おくれ分につきましてのそういう追加事業等を実行できるようになりましたのがこの五十二、三年からでございましたので、この当時の事業量につきましては、やはりそれに先立ちます手おくれ分の事業量の消化がありますので、実績といたしましては、計算事業量よりは多少上回っておるということになっております。これが下刈りの部分についてでございます。  ただ、枝打ちにつきまして非常に計画量よりも下回っておりますのは、品質の向上のためには不可欠ではございますけれども、下刈り程度の緊急性、そういう阻害因子とはならないということで、順序として多少後年次に繰り延べられる傾向もあったということから、この枝打ちにつきましては約半分程度の実行にとどまったと、必要な下刈りにつきましては積極的におくれた分を上積みして実行したというふうに考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いまの答弁を聞いておりますと、保育に必要な予算配賦というんですか、手当てはしておるというようなふうにも受けとめるわけなんですけれども、私は下刈りだとか、つる切り、除伐、枝打ち、こういう保育を必要とする人工林は非常にふえてきておると思うのだ。いまのような予算の配賦、考え方でよろしいのかどうか、その実態はどうなんですか。

田中恒寿林野庁業務部業務課長

○説明員(田中恒寿君) 下刈り、除伐、つる切り等の必要な保育事業量につきましては、最高の事業量のときで約七十万ヘクタール、その後拡大造林、人工造林のテンポが多少落ちておりますので、しかし、十年前後の造林地を一番私ども多く抱えているわけでございまして、やはり当分は五十万から六十万ヘクタールの保育事業量は継続するものと考えております。私ども、大体この二、三年その程度の事業量は実行してまいりました。したがいまして、先ほど申し上げました財投、一般会計の御援助をいただきますのと同時に、私どもの作業員等を十分活用いたしまして、この事業量につきましては消化をできるものと考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いろいろと答弁をお聞きいたしておりますと、現在やっている予算なりあるいは施業で国有林はうまくいくというふうなことにも受けとめるんですけれども、私たちの現場を見た感じはそういうふうに思えない。  そこで、いまの林野庁の予算や考え方では、広大な人工造林地に充実した手入れをすることはできない。そうだとするならば、すべての人工林に対して形式的に手入れをするのではなくて、ある一定の地域を区切って、それはいろいろ見方もあるでしょうけれども、そこに徹底的な手入れをしてみたらどうか。手をかけた分についてはいい山になる。そしてその結果があらわれてくるわけですね。そして手をかければこんなりっぱな造林地になったんだということで、次はまたやろうじゃないかという意欲もわいてくるんですよ。ただ漠然として形式だけでやっていくのじゃなくて、そういうことは考えられないかどうか、考えたことありますか。

鈴木郁雄林野庁業務部長

○説明員(鈴木郁雄君) 国有林におきましては、財務事情とか労務事情を総合的に勘案いたしまして、必要な保育事業の確保に努めているところでございますが、特定の地域だけに手厚い保育を行うということにつきましては、現地の実態に応じましてどうかなというふうに考えておるわけでございます。従来主として天然林からの高品質材を供給してまいりました地域で優良な天然林が減少いたしております。このまま推移いたしますと、将来その供給量が著しく減ずるということが予想されますので、このような地域につきまして、高品質材等の生産林、これを設定いたしまして、一般の造林地よりより手厚い保育を加えまして集約的な施業を行いまして高品質材を生産すると、このようにやってまいりたいと考えるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、森林政策は、申し上げるまでもないけれども、長い期間を要するわけですね。したがって、現在成木になっている森林は、先輩、先人がどのように苦労してどのように育ててきたかということはいまの人には詳細わからないわけです。私もわからない。営林局には活字の上の技術はあるけれども、現場から習得した技術はない。皆さん方の答弁を聞いておっても現場と合っていないんですよ。したがって、不成績造林地の改善対策を指摘をすると、先ほど来お話がありますように、これは観察林だの、カモシカ被害だの、気象障害だのと、言いわけばかりしておるのですね。一体、これいつまで観察するんですか、そのことについて答弁願いたい。  それから、そうしてその地域は人工造林では絶対だめなのか、どういう樹種を植えてどういう手入れをすれば人工造林としてりっぱな山になるのか。ただ見ているだけでなくて、そういう山によって、試験地なり実験地を設けて研究してみたっていいじゃないかと思うんです。どうお考えですか。

鈴木郁雄林野庁業務部長

○説明員(鈴木郁雄君) 人工造林地の成育の状況等につきましては、五年ごとに地域施業計画を編成いたしまして、その際に現況を十分調査しまして今後の五年、十年の取り扱いというものを定めてまいるわけでございますが、その編成の時点時点でこの林分の成育状況を見まして、今後人工林として手を入れて存続していくか、あるいは改植をするか、また人工補整林ということまで言っておりますが、天然林施業的な手を加えまして造林木と天然木を共存さしていくかと、このようないろいろな方途を五年ごとに見直しましてやってまいるわけでございますが、このためにも、代表的な樹種につきましていろいろ試験地を設けまして、その地域地域に合いました保育の方法を考えるというようなこともやってまいりたいというように考えます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 各地に試験地を設けておることも承知をしておるのですけれども、たとえばその林班なりその地帯でもってどういう樹種を植えたらいいのか、どういうように手入れをしていいのか、小面積であっても営林署にそれをやらしてみる、そしてその中で研究をさしていく、こうしたことも大事だろうというふうに思いますから、十分検討してもらいたいというふうに思うんです。  そこで、さらにまた地域的な問題に入るんですけれども、長野営林局管内には国有林の不良造林地が非常に多い。わけても木曽谷は顕著です。木曽谷は、その歴史を見てもわが国国有林の代表的な存在であって、かつては国家財政にも多大の貢献をしてきた。また木曽ヒノキは、「木一本首一つ」、すなわち木を一本盗伐すれば首が一つ飛ぶと、こう言われるくらい先人が大切にして育ててきた、いわばこれは江戸時代における文化的な生産物なんです。ところが、この二十年間に成長量の五倍に達するような乱伐をした。加えて台風災害等によって、やがて木曽ヒノキという資源が枯渇してしまうような状態になっているのですね。この二十年間に、皆さん方は、政府は、江戸時代からの文化的な資産の大半を食いつぶしてしまったんです。伐採跡地にはほとんどカラマツを植えている。木曽谷の国有林はポドゾル地帯あり、あるいは風化花崗岩ありて、御承知のとおり、人工造林にしても、天然更新にしても成育が非常に悪い。成林したとしても経済的になかなか採算のとれるような森林になるとは思われない。こういう不良の林地に対して、今後どういうふうに改善していこうとするんですか。

鈴木郁雄林野庁業務部長

○説明員(鈴木郁雄君) 木曽谷につきましては、先生御指摘のように、十万四千ヘクタールの国有林のうち約三万五千ヘクタール、ポドゾル化しました土壌地帯がございます。このうち、造林木等の成育が特に悪い湿性ポドゾル化土壌につきましては約九千ヘクタールございます。この土壌は、石英斑岩を母材としました埴質壁状の理学性の悪い土壌でございますので、林木の根の発達が妨げられる、あるいはササの繁茂と相まちまして造林木の成育が悪いと、こういう状態でございます。現在は木曽ヒノキが立っておりますので、これを伐採しまして更新するということに相なりますと、非常に技術的にいろいろ問題の地点がございます。このような地帯につきましては、当分杉を見合わせて今後いろいろ対策を考えていくと、こういうぐあいにやってまいりたいと思っております。  なお、このような地域の施業確立のために、昭和四十一年度に王滝営林署の三浦地域に約四百四十ヘクタールの実験林を設けてございます。皆伐人工造林あるいは漸伐あるいは択伐と、いろいろな更新方法につきまして現在実験を行っておりますので、この成果を待ってさらに優良な森林の造成に努めてまいりたいと、このように考える次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いろいろと施業を進めており、今後もしていくという趣旨の答弁でありますけれども、いま私が申し上げましたように、木曽ヒノキはわが国でも他に類のないすぐれた材であって、しかもこれを今後とも持続をしていくためには目先の利害だけにとらわれておってはだめだと。長期的な展望に立った施策をしなければならないわけなんですが、私はこの点について、昭和五十三年十月十七日に当委員会でこの方針を政府に要求をしたところ、林野庁長官は、木曽谷は非常に歴史の古い林業地である、したがって、木曽谷が未来永劫にそういう林業地であるようにするために、特定地域の森林施業基本調査というのを進めておる、この調査をまとめて木曽谷の森林施業計画をつくってまいりたいという答弁をしているんですが、これはどういうふうに進行しているんですか。

黒川忠雄林野庁指導部長

○説明員(黒川忠雄君) 特定地域森林施業基本調査でございますが、これは木曽谷のヒノキ林の調査の結果の提言でございますが、その要点を申し上げますと、「木曽ヒノキ林を学術参考保護林筆禁伐林として保護することと併せて、国土保全等の公益的機能に配慮しつつ択伐により若返りを図る必要があること」ということがまず第一点でございます。  それから二点目は、「自然環境条件から皆伐して人工造林するのが適当な林地については、ヒノキ人工林の造成を進めるとともに、木曽ヒノキ供給量の減少に対処するため、長伐期林分を増加させる必要があること」ということが二番目であります。  それから三番目が、「湿性ポドゾル地帯における確実な更新技術体系の確立、崩壊地の多い風化花崗岩地帯における森林の復旧、林地の保全に努め、活力ある森林を維持造成する必要があること」。  四番目が、「木曽の観光は、地域産業の重要な柱であるので、レクリエーションの森の適切な配置等により、木材生産と森林レクリエーションの調和を図る必要があること」という、概要を申しますと四つの主たる提言がなされております。したがいまして、これらに基づきまして、現在木曽谷における森林施業は、昭和五十一年度に樹立した第三次地域施業計画により実施しておりますが、五十六年度に次の施業計画を樹立することになりますので、これらの提言を十分その計画の樹立に当たりましては踏まえまして検討をいたしたいというふうに思っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 ちょっとわからなかったけれども、時間が来るので次に進みます。  そこで、もう一つだけ治山事業について聞いておきたいんですが、国有林内の治山事業も、大変これは計画も事業実績もおくれておるわけであります。その中で一点具体的に質問をいたしますが、私は、国立公園であり国有林である上高地の治山事業あるいは災害防止事業をどういうふうにするのかということで、過般政府に対して質問主意書を出しました。  簡単に読んでみますると、「上高地最上流部の治山、治水事業については、昭和三十七年に行われた北陸地方建設局と長野営林局との業務調整協定会議の結果、一時保留となり実施機関が未定となっているので、これを早急に開始すべきではないか。」という質問主意書に対して、内閣の答弁は、現在建設省、林野庁両省庁間において協議中である、この趣旨の答弁がされておるんですけれども、これについてはどういうことになっていますか。

鈴木郁雄林野庁業務部長

○説明員(鈴木郁雄君) 上高地の保全事業につきましては、毎年地方連絡会議等におきまして関係機関が協議いたしまして、その年々の事業の計画を突き合わしているわけでございますが、昭和三十七年に、ただいま先生お話しがございました三十七年の協定によりまして一部保留となっておりました上高地の最上流部の取り扱いにつきまして、建設省と林野庁の間で鋭意協議を進めておりましたが、このたび横尾谷の合流点から明神池までの梓川本流でございますが、この地区につきましては建設省で施行すると、その他の河川、支流を含みます河川につきましては林野庁が担当いたしまして事業を実行していく、こういうことで合意いたしまして、各機関におきまして現在事務手続を進めているという段階でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そのことについては建設省、林野庁で合意をしたということですね。

鈴木郁雄林野庁業務部長

○説明員(鈴木郁雄君) はい、そのとおりでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私はいままでいろいろ指摘をしてきたわけでありますけれども、国有林をよくするためには、やっぱり人も金も余り節約しちゃっちゃ国有林はよくならない。  そこで、この改善計画を見ると、国有林関係署の要員は激減をしているわけです。たとえば長野営林局の場合、五十三年、五十四年で三百八十三人が退職したのに対して新規採用は三十一人、国有林全体では五千四百二十七人退職に対して五百一人しか補充しておらない。一体、こんなことでもって本当に国有林が管理ができますか。何年間で何人くらい今後とも減らしていこうとするのか、その辺について答弁してください。

小島和義林野庁次長

○政府委員(小島和義君) 先ほど長官から申し上げましたように、国有林野事業、現在伐採量を中心といたしまして事業量が縮小の過程にあるわけでございまして、そういう時期でございますし、人員の縮小ということについて心がけておる最中であります。御指摘ありましたように、高齢者の退職の促進とあわせまして、新規採用につきましても抑制ぎみに運用をいたしておるわけでございます。  ただ、まあ将来それではどれぐらいの規模にするのかというお尋ねでございますが、各種事業、とりわけ生産事業につきましては、将来の能率性の尺度というものによりまして事業規模を決定すべき問題でございますし、また、いまやっておりますいろんな仕事のやり方というものもこれからいろいろ内容的に改善をしていかなけりゃならないという面がございまして、まだ人員を的確に見通しを立てるということにつきましては余りに流動的な要素が多い、こういうことでございまして、現段階で幾ら幾らというふうな形で固定的な見通しを申し上げるという段階には至っていないわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 森林整備の基本計画や、あるいは国有林の伐採量等も皆さん方は計画を立てておるわけなんです。しかし、この要員はいま申し上げたように激減をしている。たとえば、二十一欠一補、三十四欠一補、三十四人やめて一人補充する、こんなことで長期計画に基づいた国有林の管理運営ができますか。

小島和義林野庁次長

○政府委員(小島和義君) 恐らく、いまおっしゃられました数字は、定員外職員についてのある局の数字であろうかと思いますが、定員外につきましては、ただいま基幹作業職員制度を発足させまして、従来の定期作業員等を基幹作業職員に繰り入れていく、任用していくと、こういう過程にあるわけでございます。そういった事情もございまして、特別厳しい運用をいたしております。  また、伐採量の減少ということについて、もろに影響を受けてくる分野でもあるわけでございますので、そういう意味で大変厳しい運用をいたしておりますが、将来の規模につきましては、先ほども申し上げましたように、企業の能率性といった尺度も十分勘案しながら将来の要員規模を決めてまいりたい、こう考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 時間が参りましたから質問を終わりにいたしますが、最後に大臣、私は林業を取り巻く情勢から、さらに発展の方向、特に国有林の現状を指摘をして政府の答弁を求めたところでありますが、お聞きのように、いまの国有林は大変に重要な段階になってきておると思うんです。林野庁の皆さん方も鋭意努力をしていることは認めますけれども、さらに、先ほど申しましたような国家百年の大計に立って国有林をもう一度見直す、ただ財政的だけの問題じゃなくて、いい山にしていくんだと、そういうことでひとつ前進する方向を大臣の手によって立ててもらいたいと、そのように思いますが、そのことを要請をし、同時に大臣の決意をお聞きをして、私の質問を終わりたいと思うんです。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 二時間にわたる論議の中からいろいろと御指摘をちょうだいしたわけでありますが、そういう御指摘の点も十分踏んまえまして、国有林野事業の重要性にかんがみましてその使命を十分に果たし得るように、私といたしましても、先ほど来申し上げてきましたような気持ちを持って推進をしてまいりたいと、こういう気持ちでございますので、よろしく御指導願いたいと思います。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) 本件に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時四分休憩      —————・—————    午後一時九分開会

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 林業の当面する問題からひとつ質問いたしたいと思います。  最近の林材界の情勢を見ますと、大変木材価格等が低迷、むしろ下落を大分続けておりまして、木材業の倒産等が非常に多いわけでございますけれども、先般も大会があり、またテレビのニュース等でも大きく取り上げられておりますけれども、その事情についてまずひとつ御説明を願いたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ただいまお話ございましたように、最近木材業界は大変苦境に陥っておるわけでございますが、その要因となります木材需給、価格の動向についてまず御報告を申し上げ、業界の実態についてさらにつけ加えさしていただきたいと思います。  まず木材需給の動向でございますが、木材需給は、御承知のとおり住宅着工が著しく減少いたしておりまして、一月から十月までの累計で申しますと、前年同期比一三・七%減というような状況になっておりまして、この影響を受けまして荷動きが非常に低調に推移しておるということでございます。また、港頭在庫量は、需要の低迷を反映いたしまして適正水準を上回るものとなっているということなどによりまして、需要供給は依然として緩和基調で推移をしておるということでござ  います。  次に価格の動向でございますが、木材価格は、需要の大幅な減少及び外材の産地価格の下落等を反映いたしまして、製材では本年五月以降、合板でも本年四月以降下落傾向を続けてまいりましたけれども、ごく最近では下げどまりの様相を呈しておるわけでございます。  そこで、このいま申し上げましたような住宅着工の低迷でございますとか公共事業の抑制等の影響を受けまして需要が非常に減退しておりますので、木材産業は昨年とは打って変わって厳しい経営状況にございます。企業倒産も増大しておるわけでございまして、五十五年一月から十月までの倒産件数は七百七十七件、前年同期比一二七%、また負債総額におきましても千六百七十億ということで、前年同期比一八一%というような状況になっておるわけでございます。  以上のような現況にございます。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 ただいま、住宅着工等の落ち込みによって木材の需要が減退をいたした、そのために価格等も非常な下落をいたし倒産もふえている、こういうような御説明でございます。背景としてそのとおりだろうと思うんですけれども、そういう事態に対処するのに、供給方面でも、それにバランスのとれたものであれば価格の適正な維持ができるというふうに考えるのでありますけれども、御承知のように、日本の林産全体が七割近い外材によって占められております。製材等もそのとおりであります。あるいはパルプの原料等もそのとおり、おおむね七割。特に日本の建築材と競合するものはアメリカ材、丸太あるいは製品、あるいはカナダの製品でありますね。こういうものの輸入というものを適正にしていくならば、仮に住宅の建築等の戸数が減っても、それに対応した輸入をしていただくならば、私はそんなに下落しなくたってよかったんじゃないかなというふうに考えます。  実は私もよく調べてみましたら、五十三年まで御案内のように大変な不況が続いておりましたけれども、五十四年の半ばから大変木材の価格等も長い間の低迷を脱出いたしました。その背景には、一つの例、これは一番日本の木材に影響いたしておるアメリカ材でありますけれども、この輸入の量を調べますと、毎月大体八十万から九十万立米ですね。ところが、五十四年の後半からそれが百万を超しておる。こういうふうなことで、実は五十四年の後半が若干値がよかったのが、今度は五十四年の暮れと五十五年の初めにかけて非常に下がっております。そこでまた今度は八十万立米あるいは七十四万立米に戻っております、輸入が。そうすると、また今度は五十五年の二、三月ごろから値上がりをしてくる。そうすると、今度はまた輸入の方が百万立米を毎月超しておると、こういうふうな状態がわかるわけでございますが、それがずっと続いたために、またことしの後半になって、御承知のような非常な値上がりが続いている、こういうことだというふうに私は資料を見まして感じたのでありますけれども、その点、林野庁はどういうふうに理解をされておりますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ただいま先生御指摘の米材の丸太を例にとりますと、おっしゃるとおり、五月から十月ごろまでがわりあい多くて十一月から翌年の一月ごろまでが少ないという、こういうパターンを繰り返しておりますが、これはやはり国内の住宅着工の状況とも比例をしておるような感じがいたします。ただ、この輸入したものは、輸入契約をしてすぐ丸太が来るわけではございませんので、その辺のタイムラグはあろうかと思いますが、実は今年度は五月までは非常に好景気で参ったわけであります。したがいまして、年度当初ではことしの住宅着工戸数も恐らく百四十五万戸はいくだろうという見通しがあったわけでございます。そういうところで、輸入の方もそういう方向に従って輸入を進めてきておったわけでございますが、ところが、五月以降急速に建築着工が減ってまいりました。先ほど申し上げましたように昨年同期に比べて一三・七%、これはこの最近の十月以降を見ますともっと二〇%以上減っておるわけであります。そういう需要の急激な減少という事態がその当時どうもよく見通せなかったという点にあろうかと思います。  そこで、私どもといたしましては、おっしゃるとおり、この需要に見合った外材の秩序ある輸入ということがどうしても必要でございまして、木材需給対策中央協議会におきまして四半期ごとの需給の見通しを立てておるわけでございますが、この線に沿いまして関係業界を強力に指導してまいったわけでございます。で、ごらんのように、本年の七月以降輸入が次第に減少を示しておるわけでございます。  こういう関係がございまして、なかなか簡単にはまいりませんけれども、私どもといたしましてはできるだけ短期の需給見通しを的確に立てまして、それに基づいて関係業界を強力に指導していく必要があるというふうに考えておりまして、現在もそういう線で指導を進めておるところでございます。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 この前の四十三年——四十二年ごろからですか、のときも実は外材の輸入が非常に問題になりましたね。それで、外材の輸入を適正にしていただかないと国内の需給がアンバランスになる、それに伴って価格の暴騰暴落というようなことが起きてくると、こういうことで、強く林野庁にはわれわれもその秩序ある輸入を行政指導したらどうかと、こういうことを申し入れをしておったわけでございますが、ただいまお話を聞きますと、木材需給対策中央協議会、こういうものをおつくりになって、何か四半期か何か見通しをお立てになっておるようでございますけれども、それはひとつ、林野庁その他、どんな方で構成されておるんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 業界としましては、外材を扱っておる方々、それから国産材を扱っておる方々、あるいは森林組合つまり生産者の代表、それから学識経験者、それから役所側といたしましては建設省それから私ども林野庁ということで、できるだけ広い範囲で御意見を聞くというような形にいたしております。この制度ができる前までは年に一回の需給見通ししか立てていなかったわけでございますが、いまお話ございましたように、前回の問題があって以来、四半期ごとに需給見通しを立てる、これに沿ってそれぞれ輸入につきましても指導をしてまいるということでやっておるわけでございます。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 それでは、建設省とかそれから輸入する商社とか、その他学識経験者と、大変入っているというんですね。そして、これからの三カ月なら三カ月というものを見通して、いろいろ需給計画、見通しというものを立てておるんですが、それが狂ったということになりますね。八十四立米やそこらのものが百万立米ずつ今度は入ってきて、三カ月もするとその影響が出てがたっと下がっているわけですから、皆さんの学識経験者、それから建設省、農林省、それからいろいろ商社まで入って見通しが狂ったということですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 見通しと実績につきましては後ほど資料で御説明をいたしますが、いずれにいたしましても、先ほど私申し上げましたように、需要の見通しの食い違いももちろんございますし、それから、行政指導をしておりましても、商社自体の、いわゆる何と申しますか、商売上の見通しの狂いというのもあるんだろろと思いますけれども、そういうものが関連いたしまして見通しどおりなかなか実行ができなかったということだと思います。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 それは、林野庁も入っているんですし、建設省等も入っているわけですから、これからあんまり狂わないようにひとつしっかりした見通しを立ててください。  それと同時に、商社まで入ってせっかくそういう需給の見通しを立てているわけだから、その見通しに沿った輸入等を商社がやっているのかどうか、それをひとつ検討したことありますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 最近、カナダの製材が十一月以降輸入がストップをいたしております。そういうのは、皆、需給対策協議会の見通しに合わせまして、私どもとしてはそういう方向にひとつぜひやってほしいという指導、行政指導といいますか、こういう結果であろうというふうに考えております。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 木材価格が、国産材も幾らが適正かということは、これは議論のあるところだと思います。しかし、暴騰暴落が一番困るんです。先の見通しが全然立ちませんし、せっかく造林意欲なり、あるいは山を手入れしようとする意欲ができたところでまたばたっと暴落されますと、水を差されたようなことになりますから、やはり適正な価格というものを維持するために、そのために需給というものをバランスをとっていただく。しかも、その一番大きな要因をなすのは外材ですから、この外材の輸入というものを、単に見通しを立てるんでなくて、それに沿って適正にやっていただいているのかどうかということの行政指導をひとつ強くやってもらいたいと思うんです。というのは、見通しを立てただけで後は余り行政指導はやっていないんじゃないか、こういうような声もあるわけですから、どうぞひとつ、その点は行政指導でできないならば、絹織物なんか通産の所管でありますけれども、御承知のように、糸の一元輸入を農林省でやっても通産関係の織物でしり抜けになっている、こういうことで、実は織物の輸入の事前承認というようなことで行政指導をやってもらっているようでありますけれども、外材もそういうことはできませんか、どうですか。

小島和義林野庁次長

○政府委員(小島和義君) 生糸と木材につきましては、商品的にかなり違った性格を持っております。もちろん、生糸につきましてもいろんな規格の差はあるわけでございますが、中心的な流通商品というのはごく限られた規格のものでございます。それに比較いたしますと、木材の場合には非常に樹種、規格、数が多いわけでございますし、また、その関係する国も、生糸、絹織物に比較いたしますと非常に多いという実情にございます。また、生糸の場合でございますと、事業団が一元的に現物管理をいたしておるわけでございますが、木材のようなバルキーな商品につきまして特定の機関が一元的に管理するということもなかなかむずかしいわけでございます。そんなこともありまして、一元管理というものについてなじまないものにつきまして、必要に応じて輸入貿易管理令上の措置が行われるという事態がございます。過去におきましても、米材丸太につきまして同じようなことをやった時期もあるわけでございますが、一般的に恒常的にそういう措置をとるということにつきましてはいろいろ問題が多いのではないかと思っております。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 ちょっといま勉強不十分で、私よくわからないんだが、前にどういう例があったという、いま何かおっしゃいましたが、その例をひとつ素人にもわかりやすく説明してください。

小島和義林野庁次長

○政府委員(小島和義君) これはむしろアメリカ側の要請もあったわけでございますけれども、米材丸太につきまして年間の輸入量を一千万立米にとどめるということで三カ年ほど承認制をとった、こういう時期がございました。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 時間がありませんから、この問題ばかりかかわり合っていられないから前に進みますけれども、いずれにしましても、後ほどまた触れますけれども、日本の木材というものはいま製材量で二千万立米ぐらいですか、パルプや何か全部入れて三千万立米、三千二、三百万立米でしょう。これは潜在生産、潜在といいますか、生産力がもっともっとあるはずでありますね。それが出てこないというのはやっぱり外材の圧迫なんですよ。ですから、後ほどまた触れますけれども、これから日本の森林を育成するためにも、外材の適正な輸入、これをひとつ強力にやっていただきませんと、国内の林業なんかはもう壊滅してしまう。ですから、単に行政指導するんだといううたい文句だけでなくて、実質的にひとつ行政指導、あるいは強力な、公的なものでなくても、必要ならばそのぐらいの考えを持ってこれから外材の輸入に対処していただきたい、こういうふうにお願いを申し上げておきます。  それで次に、国内の森林についてお尋ねをいたしますけれども、国内の人工林が大分戦後ふえてまいったのでありますけれども、その人工林の比率あるいは蓄積量というものはいまどのぐらいになっていますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 人工林の面積は約一千万ヘクタールでございますが、蓄積は約八億立方ということでございます。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 それはいまの戦後植林したものの蓄積でございますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) そうでございます。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 日本全体の、日本の森林資源全体の。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) それでは、全体の蓄積を申し上げますと、現状では大体二十二億立方でございます。そのうち人工林でございますね、人工林が八億立方ということでございます。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 これは針葉樹だけ。もっと、広葉樹を入れりゃ多いと思うが、それはどうですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 広葉樹の人工林は非常に少ないわけでございます。もちろん蓄積量には針葉樹、広葉樹、全部入っております。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 二十二億には全部入っていますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 全部入っております。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 入っているの。これにはそう書いてないな。二十二億。それから広葉樹には十三億立方ぐらいありますね。これは二十二億に入っているの。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 二十二億立方にはすべて入っております。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 すべて。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) はい。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 そうなりますと、日本の人工林の蓄積というのは二十二億立方あるといたしますと、仮に針葉樹で四十年から、あるいは五十年伐採、長いので五十年、あるいは広葉樹ですと、二十年なり三十年ですかね、仮に平均して四十年としましても、サイクルしても一年に、四十年とすれば二十二億ですから五千五百万立方の木は供給できると、こういう計算になりますな、どうですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 平均伐期を四十年、すべての森林が伐採対象ということになりますと、そういう計算になります。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 いや、それは針葉樹は長いのもありますけれどもね、広葉樹なんか二十年、三十年のがありましょう。そういうものを平均すると四十年ぐらいになります。いずれにしましても、現在の日本の国産材の使用は三千二、三百万立米というわけですから、供給可能なのは五千万ぐらいあるわけだ。それが外材によってうまく利用できないで、山で死んでいるということです。だから、広葉樹なんかはほとんど利用価値がないままに放置されておるし、それから、せっかく戦後造林したのも保育も進まない、間伐も進まない、こういうことになると思うんですが、どうですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 確かに、日本の木材需要の七〇%を外材が満たしておるわけでございますが、いま先生御指摘のとおり、林道の未整備とか、いろいろ国産材を生産する条件が非常に厳しいわけでございまして、そういう面では、いまの日本の資源力といいますか、現在の産出量よりは多少余裕があるということは事実でございます。しかし、人工林一千万ヘクタールと申し上げましても、その七〇%が二十年生未満の幼齢林であるという資源的な特色もございます。そういう特色もございまして、必ずしも資源があるから生産量がもっと出てもいいんじゃないかという簡単な結びつきにはならないというふうに考えております。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 林野庁長官としてはまことに消極的な回答ですね。そんなことでは、これからの日本の林業というものは盛んになりませんよ。資源はあるんですよ。それを利用できないような条件になっているから利用できない。それが今度は影響して国産材のいろんな振興、日本の林業の振興を阻害しているというふうに私は考えますよ。ですから、林野庁長官は、その辺は自分の職責なんですから、もっと積極的に、大いにこれから日本の林業を振興するために、国産材を大いに供給できるように、そのためにもちろん外材を抑えなきゃなりません。あるいはこれからいろんな施策が必要でありましょう。山というのは、いままでどちらかというと、山持ちが自分で個人財産をつくるんだと、こういうような考えもやはり大蔵省あたりにはあるのでありましょうから、いろいろ林野庁でもがんばって、予算なんかなかなか困難はいたしているとは思いますけれども、しかし、林野庁長官自身そんな消極的でない、ひとつ積極的な態度を望みます。  そこで、かつて何年か前に、森林は公共的な広域的な機能を御承知のようにたくさん持っているわけだが、これを金で換算して出したことがありますな、四十八年かに。その後そういった計算はやっていませんか。十二兆幾らか、十三兆の計算を出しましたな。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 昭和四十八年だったと思いますが、森林の広域的な機能を金に換算いたしまして十二兆八千億という試算を出したことがございますが、その後これについて、いろいろな機能の評価の方法につきまして、いろいろいま検討いたしておりますが、たとえば、これをこのまま現在の価格に換算いたしますと、大体二十三兆から二十四兆という計算になるわけでございますが、いま御指摘のその後計算したことがあるかというお話でございますので、それは具体的に計算したことはございません。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 広域的な機能、日本の森林が二十三兆、二十四兆というものを貢献しているわけだ。そういうことを考えると、一方、国産材で、材を生産して、それによって受ける森林所有者の利益、国有林も含まれておりますけれども、現在、毎年幾らになりますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 国有林、民有林合わせまして、大体素材価格に直しまして八千億くらいだと思います。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 八千億。そうすると森林所有者が、あるいは国有林も含めて毎年森林生産で上げる収入というのは八千億というと一兆円にならない。一方において、公共的には二十三、四兆の広域的な機能を果たしておると、こういうことになりますと、これは森林というものは、本当に国がもっと公共事業、あるいは公共という名がいけなきゃ機構でもいいや、そういうものをあれして森林を培養、育成していくということは、これは日本の国民生活の上にもあるいは国土の保全の上にも非常に重要なことだと思います。  そこで実は林業に対する基本的な考え方を大臣にひとつお伺いいたしたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 貿易立国でなければ生きていけないという日本の宿命もわからないわけではありませんけれども、農林水産物資等においては、第一次産業ということで、そういう面においても十分考慮すべきであるということで、こういう自由貿易の時代においてもまだ二十二品目の非自由化ということをやっておるわけでありますが、木材はすでにもう自由化されておるというところに大きな一つの困難な問題があると、こう認識いたしております。したがいまして、先ほど来長官から答弁申し上げておりますように、商社あるいは材木関係の貿易関係の関係者に寄ってもらいまして、適正輸入量というものをきちんとやってもらわないとどうにもならないと、思惑でどんどんやられたのでは日本の林業は死んでしまうと、こういうことでいろいろと手を尽くしておるわけでありますけれども、先ほど来御議論のありましたとおり、なかなか政府が企図しておるような線に非常に行っておらないというのが、これはもう偽らざる現実でございます。最近になりまして、私も就任早々この点厳しく各業界に申し渡しをいたしておるわけでありますけれども、若干輸入量が縮減をされてきておるという実態が見えてきておるわけでございます。  自動車の場合を考えますと、日本からアメリカにあれだけの輸出がされておるということで、いろいろアメリカの議会筋もこの問題について、自由貿易、自由貿易と言っておるアメリカの中でさえも、やはり何らかの規制を日本政府に迫るべきであるという声が出ておるわけであります。やはり日本の国会におきましても、そういう声を衆議院でも参議院でもちょうだいをいたしておるわけでございますので、政府といたしましても、この輸入という問題をやはり少しでも、できるだけ話し合いをして、適正輸入量の実現に持っていくということが私は一番であろうと、こう考えております。  と同時に、午前中にも申し上げましたように、日本林業に対する基本的考え方というものは、いま鈴木委員がお示しになった線と一緒の考え方でございます。確かに今日まで、林業者の努力と林業者の経営利潤というものに寄りかかって、日本の林業経営、治山治水等が、林業政策というものが進められてきたという感じがしないわけでもございません。もう少し国の力が入ってもよかったんじゃないかなという感じはいままでもしておりましたけれども、私はこれから、ますます農林水産業以外の産業がどんどん賃金がアップをしたわけでありますが、農山村においてはそういうことがなかなか容易じゃないと、そういう点を考えれば考えるほど、また公共的な性格が林業関係はことのほか強いわけでありますから、この点についても、やはり十分国家投資というものが全国民の理解のもとに実施さるべきであるし、林野当局としても、私どもといたしましても、その点を強く今後主張していきたいと、こんな気持ちでおるわけであります。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 次に移ります。  ところで、国産材あるいは国内の林業の振興で当面一番重要な問題は、戦後造林しました植林地の間伐だと思いますけれども、その要必要間伐面積、特に緊急を要するような面積、それはどのぐらいありますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 現在間伐を必要とする林齢に達しまして、当面ここ五年間に緊急に間伐を必要とする面積は約百九十万ヘクタールでございます。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 戦後造林の面積の何%で、何齢級ぐらいになっておるところですか、それは。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 対象林齢は四齢級、五齢級でございまして、戦後植栽した面積の約二割でございます。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 そうすると、この百九十万ヘクタール、これを何年ぐらいでやらなきゃいけないということを考えていますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 五年間でやらなければならぬというふうに考えております。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 五年間といいますと、大体一年に四十万ヘクタール。現在実績はどのぐらいですか。林業総合整備事業なんかやって間伐に取り組んでいただいているようですけれども、現在の実績はどうですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 現在は少しずつふえておりますが、年平均十万ヘクタールということでございます。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 大体四十万ヘクタールぐらいやらなきゃならぬのを一年に十万ヘクタールということだとすると、今後どうするつもりですか。その方策いかん。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 間伐につきましては、いま先生から御指摘もございましたように、いま林政の最重要課題でございまして、従来から間伐林道の開設、あるいは林業改善資金の融資によりましてこの促進を図ってきたと、あるいは新しい林業構造改善事業におきましてもこれを取り上げておるわけでございます。また林産事業といたしましては、間伐材等の小径木の流通、加工、利用開発というようなことも進めてきたのでありますけれども、先ほども申し上げましたように、非常に重要な事案でございますので、私どもといたしましては、五十六年度以降抜本的な間伐促進策を講ずる必要があるということでございまして、五十六年度の予算要求におきましても、緊急に間伐を必要とする森林に対しまして、集団的な計画的な間伐を促進いたしまして、活力ある健全な森林の造成と同時に、林業及び山村の育成等を図るために、間伐材の生産から流通、加工に至ります間伐促進総合対策を要求しておるわけでございまして、この対策をぜひとも実現するように努力をしておるところでございます。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 そうすると、いまの間伐促進総合対策ですか、これは来年からやりたいと、五十六年からやりたいというような御趣旨のようですけれども、すでにそれは、それに対する予算は要求いたしておりますか。幾らぐらい要求しておりますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 先ほど申し上げましたように、五十六年度の予算として現在要求をしておるということでございまして、総額四十七億でございます。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 これは農林水産省としても最重点の項目でしょうか。どうでしょうね、大臣いかがでしょう。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) これはもう林業関係では最重点施策の一つに入れてあるわけであります。どうしてもこれは確保しなければならない、こういうふうな気持ちで対処いたしております。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 ぜひひとつ実現できますように、大蔵当局と強力に御折衝をお願いをいたします。  時間もだんだんなくなってきますから、次の問題に移りますが、今後、日本の林業振興にはどうしても森林組合が中核になっていただかなきゃならないと思います。そこで、森林組合の育成その他について、ここでまた詳しくお尋ねしたり議論をする時間がないので、具体的な問題で一つお尋ねをいたします。  と申しますのは、森林の後継者というものも少なくなっておりますから、どうしても森林組合の作業班というもの、こういうものを活用していかなきゃなりません。そういう傾向にだんだんなっておることはこれは御同慶の至りでありますけれども、これを今後とも充実して活用していかなきゃならない。そのためには、御承知のように森林業者の退職金の共済制度というものを、御案内のように五十三年ですか、五十三年から準備期間としてやっておりますね。その三年間の実績といいますか、それから来年からどうするつもりなのか、この点をひとつお尋ねをいたします。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 五十六年度に、この中小企業退職金共済法に基づきます林業退職金共済制度を創設することを目途に、いまお話ございましたように、五十三年度から三カ年にわたりまして必要な条件を整備いたしまして、この制度へ移行するための積立事業を内容といたします林業従事者中小企業退職金共済制度適用促進対策を実施してきたところでございます。この結果、当初、本事業の予定いたしておりました林業の退職金共済制度の創設のための条件が整備されたという段階にあるわけでございます。  三カ年間の加入実績でございますが、林業事業体五十五年までに約二千二百と、その従事者数が約三万五千人ということに相なっております。また、積立金につきましては、五十五年度末では二十億の見込みでございます。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 五十三年から準備をしてきたわけですが、その準備をするのには、当然この退職金共済法に基づいて組合をつくるわけですから、労働省とその当時から連絡をしながらやってまいったんでしょうね、その点。  それから中小企業退職金共済法に基づく条件というものが、大体この三年間で満たされるようになったというふうにお考えですか、どうですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) お話しのとおり、従来から労働省とそういう連携をとりながらやってまいったわけでございますが、昨年の行政改革計画の関連におきまして、独自の林業退職金共済制度の確立が困難になったのでございます。しかしながら、こういう予定で進んできておりましたので、既存の特殊法人の再編改組の時点で林業はこれに加わるという形で制度を実現するように、労働省など関係方面に強く働きかけを行っておるわけでございまして、今後ともその方向で一層努力していく所存でございます。なお、条件整備はできておるのかという御質問でございますが、私どもは十分整備はできておるというふうに考えております。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 今度は労働省に質問をいたします。  ただいまのように、三年前から準備を進めておる、その準備を進めるについても当然林野庁は労働省と協議されて進めてきたと思いますが、もともとこの事業を準備するのについては、本院の予算委員会で五十二年四月六日に石田労働大臣だったと思いますけれども、林業についても中小企業退職金共済法の適用を考えなければなるまいと、こういうような御答弁に出発して準備をしてきたことは御承知のとおりだと思います。そしてまた、いまお聞きしますと、大体その法律に基づく要件というものをおおむね満たされ得るような条件になったというふうに聞いたわけでございますけれども、申請した場合に、労働省はそれを認可をしますか。当然するんでしょうね、どうでしょうか。

佐藤仁彦労働省労働基準局賃金福祉部福祉課長

○説明員(佐藤仁彦君) 労働省といたしましても、林野庁が、ただいま長官からお答えがありましたような退職金積立事業の助成事業を行ってきており、そして当初予定していたような条件整備ができつつあるということを承っております。  で、そうした条件が整っておれば労働省として認可するかというお話でございますが、私ども中退法を適用いたしましてその積立事業を引き継ぎますには、それなりの要件を備えていることを確認する必要があるということにあわせまして、その事業を実施する実施主体を確保する必要があるわけでございます。その実施主体の方の問題は当然労働省の問題でございますので、私ども真剣に検討いたしておりますが、先ほど長官の方から御答弁もありましたとおり、行政改革との関連もございまして、新たな法人を設立することはきわめて困難な情勢でございますので、従来からございます退職金共済組合関係法人を整理統合いたしまして林業の退職金事業を実施することができるようにしたいと、そのように考えまして、その関係法案を次期通常国会に提出すべく、現在鋭意努力中でございます。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 法律改正してもひとつ実現しようということでありますからなんですが、念のために聞いておきますけれども、仮にいろんな事情でおくれるとしましても、これを出された場合に、あなたの方で条件がそろっておれば認可しないというような根拠はありますか。法律的にありますか。いまの行革というのは政府の方針ですね。それは法律的にはどうなります。まあ政治としてはわかりますけれども、法律的に認可しないとあなたの方ではねつける何か根拠がありますか。

佐藤仁彦労働省労働基準局賃金福祉部福祉課長

○説明員(佐藤仁彦君) 林業関係の退職金事業を引き受けますために新しい法人をつくる、そのために法律を改正する必要があるというわけでございますが、現行法のたてまえで申し上げますと、林業関係の退職金事業を行いますためには、労働大臣が林業を特定業種として指定する必要がございます。この指定要件は、法律にもございますいろいろな要件、たとえば期間雇用者がその主体を占めているかとか、そういった目に見える条件にあわせまして、関係業界の御協力がなければ実施できない。すなわち転々労働者、どの事業主に雇用されるかわからない、すなわち雇用主体が日々変わることが多い方々を相手にするわけですから、多くの林業経営者が加入いたしませんと、この制度は実効あるものとなることはできないというような要件もございます。  そうした事業主の要件も必要でございますし、さらに、労働行政から見て、その中退法に基づく退職金事業を行う必要があるかどうかというような行政上の判断もあるわけでございます。  そういう点につきましては、今後林野庁からも十分御意見を承りながら考えてまいりたいと思います。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 先ほどから法律改正してまで何とかしてやろうというような考えのようですから、これ以上申し上げませんけれども、三年間も労働省と林野庁、農林水産省、協議してここまで準備を進めたことでありますから、どうぞひとつ、来年度は行政整理等の関係でいままである法人を何か二つにしなきゃならぬ、そこに新しいものをもう一つつくるということは困難だというようないろいろな話は聞いております。聞いておりますけれども、どうぞひとつそういうものも十分、これは労働省の所管でありますから、円滑に来年度から発足できるようにひとつ御努力を賜りたいと思いますが、その点また確認をしておきます。答弁を要求しておきます。

佐藤仁彦労働省労働基準局賃金福祉部福祉課長

○説明員(佐藤仁彦君) 林野庁におきますそうした助成事業が順調に進みまして、中退法の適用を受けることがあらゆる面から見て可能になるようになることを期待いたしまする一方、それを受けて事業が実施できるような実施態勢を整備するよう最大限の努力を払ってまいりたいと思います。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 それじゃ労働省、もう結構です。時間が若干ありますので、簡単にあと一、二問質問いたしますが、特用林産物、シイタケ、ナメコ等を中心として、御承知のように、二千八百億ぐらいの生産を上げております。先ほど木材生産が八千億、こういう話ですが、それに比べても大変なこれは産業になってきておるわけですけれども、ますますこれは助長していかなきゃならない。林業は、御承知のように長期産業ですから、四十年、五十年たたなきゃ収入がない。そういう環境の中で特用林産物は毎年のように収入があるわけですから、これをうまく組み合わすことによって森林所有者、林家の経済というものが守られていくと思いますので、来年度ひとつ特用林産物にどういったような施策をする考えなのか、伺っておきたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 特用林産物につきましては、ただいま先生からお話ございましたように、国民生活の多様化、自然食品、健康食品に対する嗜好の増大に伴いまして、特にキノコ類を中心に需要が全体として増加しております。生産額につきましても、五十四年度生産額二千八百二十億というような生産額になっております。また、キリとか漆、竹等につきましても、伝統的工芸品産業の振興に重要な役割りを果たしておるということでございますし、これらの特用林産物の生産は、農林家の重要な収入源となっておりますし、農山村の住民の定着化と地域の発展に重要な役割りを担っているところでございます。  したがいまして、この振興を図ることはきわめて重要な事項になっておりますけれども、五十四年三月には特用林産振興基本方針を定めまして、また五十五年二月にはシイタケ需要見通しを策定いたし、公表したところでございます。今後、これらに基づきまして需要の動向を見定めながら計画的、安定的な振興を図ることにいたしておるわけでございます。  特に現在実施中の主要な対策は、一つは特用林産物の需給の安定を図るための協議会を開催しておりますし、またキノコ原木、キリ、漆、竹等の樹林の造成、それからほだ場作業道等の生産基盤の整備、シイタケ原木の需給の逼迫等に対処いたしまして、路網の整備、樹林の改良等を内容といたしますシイタケ原木供給のためのパイロット事業の実施、特用林産物の生産、加工、流通改善施設の整備、種苗法に基づきますキノコ種菌の品質検査等の実施あるいは特用林産物の需要開発調査の実施ということでございますか、このほかにも林業構造改善事業、あるいは入会林野等高度利用促進対策事業、あるいは造林事業等におきましても、樹林の造成、生産基盤の整備、生産、流通、加工施設の整備、シイタケ原木の育種及び育種林の整備等を実施しているほか、生産性向上を目的とした試験研究、技術開発とその普及に努めておるところでございまして、明年度も引き続きこれらの施策を拡充してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 時間がまだ若干ありますから、もう一点だけ、マツクイムシのことについてお尋ねをいたします。  注釈を加える必要がありません。茨城県あるいは栃木県まで、本当に膨大な量の被害を受けておるわけですけれども、その被害量はことしは若干寒冷であったために恐らく少ないかと思いますけれども、ことしの発生量、それから茨城あたりへ行きますともう枯れたのがそのままあるんですね、山にそのままで。大臣も筑波の研究都市に行かれてあの試験場をお回りになったでしょうから、あの付近へ行く途中にももう物すごい枯れたのがそのままに放置してあるんですけれども、こういうものの処理。それから本当にいまの防除方法で完全なのかどうか、もっとやはりしっかりした防除方法というものを考えなきゃならないのではないか。そのためには、試験場あたりは、商売なんですからもっと真剣に取り組んで、何か新しい方法を——何か新聞によると、木に注射するとあれだというようなことも出ていましたが、試験研究機関なんかが、私はいずれまた機会があったら申し上げようと思うんですけれども、当面そういう必要なことに重点的に研究を集中して、そして効果の上がるような方策を早く見つけるべきじゃないかと思うんですけれども、マツクイムシについて、時間もなくなりましたから、その被害状況なり今後の防除の方策なり、簡単でいいですから、あと二分ぐらいしかありませんから、その程度でひとつ御答弁を願います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 昭和五十五年度は、九月末現在で取りまとめたところによりますと、前年同期に比較いたしまして七割弱、約百万立方ということになっておりますけれども、御承知のとおり、今年は六月までは高温寡雨であったと、その後涼しい夏が続いたわけでございます。マツクイムシのマダラカミキリの発生が一番ピークになりますのは六月から七月でございます。そういう関係で、十月以降被害が発生している地域もある模様でございまして、年間の被害量については今後の推移を待たなければはっきりした見通しが立てられないという状況になっております。  なお、この防除方法でございますが、従前から、予防措置といたしまして特別防除、つまり空中散布による継続的な実施とかあるいは伐倒駆除を拡充をしておるわけでございますが、なお被害がなかなかおさまらないということでございまして、新たなマツクイムシ防除技術の開発を、林業試験場が中心になりまして、これはずっと前から進めてきておるわけでございます。しかしながら、いま決め手となるものがまだ決まっていたい。非常に多方面の研究を進めておることは事実でございます。  それからもう一つは、林木育種場におきまして、マツノザイセンチュウの抵抗性育種事業等を進めておるわけでございまして、育種事業でございますので、直ちに結果が出るということにはなっておりませんけれども、そういうようなじみちな努力は続けておるつもりでございます。

鈴木省吾自由民主党・自由国民会議

○鈴木省吾君 時間ですから、やめます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 最初に林野庁長官にお尋ねしますけれども、ことしのこの冷害対策で、林野庁としても救農のために十億予算を組んで事業をするということで大臣からたびたび答弁をいただいているわけなんですが、これ実際にもう事業は始まっているんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 国有林野事業におきまして、主として造林あるいは林道の修繕等、まあ一番現金収入の率の高い事業を特に選びまして、冷害地域の特にひどい地域につきまして、いまお話ございました十億、そのほかに治山事業につきましても三億ほどすでに実行に着手いたしております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 実は大臣もすでに御承知かと思いますが、昨夜からけさにかけてテレビニュース等で、青森県からいままで出かせぎに出たことのない人がことし初めて出かせぎに来て、そして二人、土木事業で生き埋めになって亡くなったと、こういうことが報じられているわけです。ですから、私どもかねがね議論して心配しておりますのは、せっかく国の方でも努力をして、土木事業を初め救農対策をしておられても、果たして、前回の例もそうなんでしょうけれども、実際に最末端に行って地元で仕事があるんだと、こういう安心感というものがないのか、ことし冷害で青森で一番ひどくやられたところから初めて東京へ出かせぎに来て、そしてきのう二人亡くなっていると。まあニュースの報じるところによりますと、出かせぎのそういうことになれていないから、危ないから逃げよと言われたんだけれども、本人が初めて来たものでうろうろしておって生き埋めになったと、こういうことなんです。そういう点で、非常に実際現場へ行ってみて、果たして土木事業なり救農の現金になるような仕事が本当に行われているのかどうか、非常に私は心配になるんですが、その辺、いまの事故を含めて大臣から一言だけ御感想を聞きたいんです。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 実は私もけさほどあのニュースをテレビで見まして、本当に身を切られるような感じに浸ったわけでありますけれども、まあそれだけに、救農事業というものを速やかにしかも確実に実行するようにということで最善の努力をしたつもりでございましたが、犠牲者が出たということは大変申しわけない気持ちで実はいっぱいであったわけでございます。それにつけましても、農林関係で指示をいたしました二百数十億、事業費にいたしまして五百億近い仕事が確実に消化されているかどうかということは、しょっちゅう事務当局を督励をしておるわけでございますけれども、報告としては、もうすでに予算の配分も終わり、この十一月に入って実施の段階に踏み切っておると、こういう報告は受けておる次第でございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 せっかく国の方でそれだけの対策をされるわけですから、やはり地元の人たちから喜ばれ、そしてまた信頼されるようなそういう事業になるように、後も督励をしていただきたい、このように思います。  それでは、けさほど村沢委員からも御指摘があったやに私承知しておりますが、文部省の小学校の学習指導要領、ことしの教科書から、日本の産業の中で林業が教科書から姿を消したということなんですが、これは林野庁長官はそういうことをいつごろ御承知になったですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) たしかことしの六月か七月ごろだったと思います。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 これが非常に私どもももう遺憾にたえないわけでして、所管が違いますから、私どもも気づくのが遅かったわけですが、すでにこの学習指導要領というのは昭和五十二年の七月に出ているわけです。ですから、五十二年の七月といいますと、いまから三年以上前ですね。そして、その中に明らかに林業が姿を消したということ、これはほかの方ならば別にどうとも思いませんが、林野庁全体として、これは日本の林業というものを、責任を持って日本の森林を守っていこうというのが林野庁の最も大切な仕事だろうと思うんですが、その林野庁にしては、ことしの六月ごろとおっしゃるんですから、気づきようが余りにも遅いんじゃないかと。こういう点、長官だけが気づくのが遅かったのか。林野庁にも人がたくさんおられるわけなんですが、そういう点でもっと早く気がついて、これは大変だと。要するに林野庁というのは森林を中心に、林業中心の役所ですから、だから小学校の教育に自分たちのいわゆる責任を持ってやっている産業が姿を消すということになると、これは容易ならざることで、大問題だろうと思うんです。こういう点、御感想を込めてもう一度御答弁いただきたい。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 先生おっしゃるとおり、後で調べてわかったことでございますけれども、教育課程審議会の答申を経て五十二年に改定されて、五十五年四月一日から施行されたというふうに承っておるわけでございますが、私ども林業をあずかるものとしましてはまことに遺憾な事件であるというふうに考えておりまして、特にいままで私どもは、学校教育と森林、林業という面につきましては現場を通じていろいろな施策もやっておりますし、相協力してやってきておるわけでございます。たとえば国有林におきましては学校部分林の制度がございまして、これは昔から、学校の生徒が森林で部分林の植栽、保育をやるという体験を通じて、森林の重要性というものを感得されるという制度もございましたし、また最近では緑の少年団というような、小学校の生徒を中心といたします団体活動も非常に活発になってきておるという面で、まるで逆行するような感じでございまして、大変ショックを受けたわけでございます。そこで、それ以来どういう経緯でこういうことになったのかということも詳しく調べをいたしまして、林業団体、関係団体等によりますいろいろな方面に対する働きかけ、あるいは林学会におきます検討というようなことをやっておりまして、今後の改定の際あるいはさらに臨時的に改定をしていただいてでも、何とかこの小学校の教育の中に森林、林業の姿を十分浸透するようなことをぜひともやっていただきたいというふうに私ども考えておるわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 これは本当に気づかれたときからすぐ大騒ぎをされてアクションを起こされるべきだと思うんですけれども、将来の改定とかなんとかじゃなしに、すぐにでも申し入れをするなりなんなりして手を打たなければ、学校教育というのは、これはもうその人の人格形成の基本でございますので、小学校の教育の中で林業がなくなるということは、これはもう大変なことだということでございます。特に毎年、植樹祭ですか、これをもう県別にめぐって大々的にやっている。もうすべての面で国土緑化、林業ということで政治の方向もそういう方向に行っている。なのに文部省がこういうことを、御相談があったのかなかったのかそれはわかりません。恐らく独断でしょう、相談があって林野庁がそれを了解するわけはありませんから。こういうことについて、本当にどういうんですか、政府の考え方の中に第一次産業を粗末に考えている、特に林野庁としては、庁の存立にかかわる大問題で、もう庁を挙げて立腹し、抗議を申し入れるというぐらいの姿勢がなければならぬのじゃないか、このように思うわけでありますが、けさほど大臣も御答弁になっておるようですが、いま一度大臣からこの問題についてどういうふうに今後処置されようとしておられるのか、もう一度お考えをお聞きしたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 私が七月十七日に農林水産大臣に就任をいたしまして、一週間日ほどに文部大臣に対してこのことをきちんと実は申し入れをいたしたわけであります。したがって、文部大臣の方においても大変この問題に関心をお持ちいただいておるわけでありますが、そうかといってすぐ教科書を刷り直すというわけにもこれはまいらないわけでありますので、やはりそれぞれの筋道を通して教科書のいわゆる指導要領をどう取り扱うかというような問題については、やはり先ほど申し上げましたように、私どもの方としては政府の中ではもちろん、また党の方でもいろいろ御検討いただくという手はずをとらしていただいておる、こういうことでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 手続上、来年の教科書から変えるというにはいつまでがリミットになるとお考えになっているんですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) これは、もう指導要領も何年か何年かの検討の結果五十二年にでき上がりまして、その五十二年の指導要領に基づいてたしか今年度の教科書から適用ということになっているのじゃないかなと、こう思うわけでございますが、その辺私専門じゃありませんのであるいは間違っているかもしれません。そういうタイミングでありますとすれば、なかなかこれはすぐにというようなことはできるのかできないのか、まあそういう点は不明でありますけれども、私どもとしてはできるだけ早くやはりそういう方向に改訂をしていただけるような、まず世論を大きく起こしていかなければならぬのではないかというようなことを実は農林水産省としても考え、行動をいたしておる、こういうことでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 これは、次の改定がもしそれまでどうしようもないということになると何年も空白ができるわけでして、これは大問題だと思いますので、中間、臨時でも挿入をして——そんなに大改正じゃないわけですから、いままであったのを外したわけですから、それを入れてもらうようにひとつ大臣の方からも努力をお願いしたいと思います。  それでは、次に林業の経営のことについてちょっとお尋ねをしたいんですが、林業の所得というのが、一般の経済成長が非常に目覚ましい発展を遂げているのに比べましてなかなか伸び悩んでいる、停滞しているということはもう御承知のとおりかと思いますが、五十四年度の林家経済調査の結果というのはまだ出ていないようであります。私いただいておるのは五十三年度農水省の統計資料ですか、それで見てみますと、五十三年度の調査結果で見ますと、四十九年度に三十一万二千円ですか、それが五十三年に三十二万円、ほとんど伸びておりません。横ばいでございます。今後におきましてもそう環境が急に好転するということは考えられないんですが、将来もこれまだまだ下落傾向がこの状態でいくと出てくるのではないか、こういうふうに私どもも想像いたします。こういう点について、まず林野庁の方でどういうふうに見ておられますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 御指摘のように、五十三年度の林家経済調査の結果では所得が伸び悩んでおるということでございますが、この基本的な原因といたしましては、森林資源の構成が若齢に偏っているということから主伐林分が少ないということ、あるいは間伐材の需要が不振である。もっと基本的には材価が低迷をしておる。一方、保育等のいわゆる経費が高騰しておるということなどにあろうかと思います。  したがいまして、林業所得の向上につきましては、当分の間は森林資源構成上の問題もありまして、伐採量をふやして増収を図るということは困難ではないかというふうに見通しておるわけでございますが、いずれにいたしましてもこの林道等生産基盤の整備あるいは間伐の促進、地域林業振興等を通じます林業生産活動の活発化を図りながら進めていく必要がある、また、木材価格の安定を図るために関係業界に対する指導、木材需給、価格等の情報提供等を通じまして外材の秩序ある輸入に努める、あるいは近年国民生活の高度化、多様化に伴いまして、特用林産物の需要の増大に対応いたしまして、これらの生産規模の拡大を図りながら林業所得を向上させていく努力をしなければならぬというふうに考えておるわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 それに比べまして経営費がどんどん上がってきている、こういう実情は御承知かと思います。  それで、この統計で見ますと、一戸当たりの林業所得というのが地域別に出ておるわけなんですが、これでいきますと、保有山林が二十から五百ヘクタールの層の一戸当たりと、こうなっておりますが、これから見まして、全国平均では五十二年度八十五万八千円、五十三年度が九十五万五千円、これに対しまして北海道が非常に悪くて赤字が出ております。これはどういう理由によるんでしょうか、恐らくこういう状態であれば国有林も同じだろうと思うんですか、今後の北海道の収支見込みについて、長官はどういうふうにお考えになっていますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) この原因につきましては、先ほど来お話ございましたように、材価の低迷でありますとか、保育経費の増高等、これは全国的な問題でございまするが、特に北海道につきましては人工林の齢級別構成が、ことに三十一年生以上の利用期の林分が少ない。たとえば全国平均では三十一年生以上の割合が二〇・三%でございますが、北海道の場合には四・四%ということに相なっておるわけでございます。  それからもう一つは、樹種別に見ますと本州の杉に比べまして価格が非常に安いということがございます。それからまた、杉に比べて価格の安いカラマツの占める面積が民有林の場合には非常に多いということでございまして、たとえば民有林のカラマツの占める割合は北海道では五四%、全国では一〇%ということでございまして、これらの特殊性がございまして全国に比べて一段と厳しいということでございます。  したがいまして、国有林の経営につきましても、北海道はエゾ、トド、カラマツというような樹種でございまして、内地の杉、ヒノキに比べますと価格が著しく低いという実態にございまして、経営状況は非常に厳しいということでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 経営状況が厳しいということは、それはおっしゃるとおりなんですが、赤字になっておりますのでこのままでいったのでは私ども素人考えでもどうしようもないんじゃないかと。ですから、何か北海道のそういう特殊性があるのでしたら、北海道だけの対策といいますか、そういうことをやはり何か新しい考えを持たないとこのままではこれ成り立たぬのではないかと、こういう心配をするんですが、何かそういう点について対策をお考えになっているんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) この樹種別の価格の問題につきましてはなかなかむずかしい問題でございまして、やはり私ども北海道の材価の見直しということを常日ごろ言っておるわけでございますが、なかなか簡単にはまいらない点がございます。  そこで、北海道の林業の今後の助成といいますか、てこ入れというんですか、そういうことで従来からやっておりますのは、造林補助金の適用の拡大を実はやっておるわけでございまして、これは単年度限りの処置でございますが、五百ヘクタール以上の大面積ですか、所有に対しましても、本来ならば融資でいくべきところを造林補助金の対象にするというようなこともやっておりまして、やはり北海道のそういう非常にマイナスに作用している面を幾らかでもカバーするという努力は私どもとしてはやっておるつもりでございますが、なお今後とも何かいい手だてがあれば積極的に対応していく必要があるというふうに考えております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 いまのお話では、従来の手だてを何とか少しでも拡大していこうというお考えのようですけれども、そういうやり方では抜本的な解決にならぬのじゃないかという気がするので、何か北海道の林業に対しては新機軸を林野庁としてもお考えにならないと、このままでいけば恐らく国有林野も同じような形で赤字の積み重ねがますますふえてくるのではないかという心配を私どももするわけですが、この点、林野庁の方でせっかくの努力をお願いしたいと思います。  では次の問題に移りますが、本年の五月二十三日でしたか、閣議決定をされました「森林資源に関する基本計画」並びに長期見通しですか、これについて先ほど来話が出ているようですが、この改定をされた理由としてはいろいろ挙げておられるようです。しかし、改定された結果、現行の、現在の計画よりも最終目標の森林面積で六十六万ヘクタールですか、需要で千四百十立方メートル、それぞれ減らす計画、トーンダウンをしておるわけですが、その積算の根拠はどうなっておるんですか。もう一度説明をいただきたいんです。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 新たな森林資源に関する基本計画におきましては、まず人工林施業の対象森林について見直しを行っておるわけでございます。人工林の目標面積を七十五万ヘクタール減少させたのでありますが、これはシイタケ原木確保のための萌芽林施業を含めまして天然林施業の対象面積をふやす必要があるのではないか、あるいは人工林化が進んでいる一部の地域ではいままでの目標面積が大き過ぎるのではないかというようないろいろな問題点が従来指摘されておったわけでございまして、これらの観点から、都道府県の意向も十分聞きまして検討した結果、減らしておるわけでございます。  また拡大造林の進度につきましても、前計画より十年程度おくらせることにいたしましたけれども、これは将来の人工林の齢級別面積配置の適正化等を配慮したものでございます。  これら目標人工林面積の減少と拡大造林の進度をおくらせたこと等によりまして、伐採量も減少するということに相なっておるわけでございます。  また、林道につきましては、目標総延長はやや増加させたわけでございますが、開設進度は、前計画におきましては拡大造林の終了時までに林道整備を完了させることとしていたのを、新たな計画におきましては、主伐、間伐等森林施業の展開に応じて必要となる延長を必要とされる時期までに整備するように改めておるわけでございます。  このようなことから前計画との事業量の差が出ておるわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 林道をお尋ねせぬのにお答えいただいておりますが、私も林道のことは当然お尋ねしようと思っておりましたが、林道のことで全体数をふやしておられるということなんですが、全量を完成させるということになりますと、これまた今後の財政事情なんかを考えますとなかなか困難な面があると思いますが、来年度の予算でどの程度の要求をなさっているんですか、またその見通しはどうなんでしょうか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 五十六年度の予算要求におきましては、一般林道、農免林道、あるいは公団林道等全部合計いたしまして千八百十二キロでございます。国費で八百六十九億三千六百万、前年対比一〇九・二という要求をいたしております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 見通しはどうなんでしょう。大体確信はお持ちですか。それだけ、全量確保できますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 私どもといたしましては、ぜひとも、この量でも少ないぐらいでございますから、確保したいということで努力をしておるわけでございますが、聞くところによりますと大変財政状況が厳しいということでございまして、公共事業の伸びがどの程度期持できるか、大変憂慮すべき事態になっておるというふうに考えておるわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 財政事情の厳しいのは私どもも承知しておりますが、林業というのは、あなたに私から申し上げてはこれ逆でございまして、相当これ長期な計画のもとにやっていかなきゃならぬのが林業全体の事業計画でございます。ですから、当面、当面の財政事情で一つ一つ計画を振り出しに戻されたり、振り回されたりしているようなことでは国家百年の大計が立ちません。五年や十年で事が済む事業でございませんので、そういう点はよほどしっかりした姿勢で長官自身、それは財政事情が厳しいから大変だろうとここで御答弁なさるのは当然だろうと私も思いますが、しかし、折衝に当たっていまのような弱気といいますか、それでは取れるものも取れぬのじゃないかと心配をするわけでして、もっと確信を持って日本の林業というものを、最初に戻りますが、教科書から姿を消されるような、そんな事態を迎えるということになったときの林野庁の長官の気迫といいますか、そういうもので体当たりをしていただかないと、それこそこちらの方から財政が大変でしょうからというようなことでは取れるものも取れなくなるんじゃないかと心配をいたしますので、この場所ではそういう委員会に対する御答弁、理解できますけれども、折衝に当たっては不退転の決意でひとつお願いをしたい、こう要望しておきます。  それから、先ほども鈴木先生からもお話が出ておりましたが、間伐材の問題でございますが、もう人工造林が戦後ふえて、植林しただけで枝打ちも間伐の手入れもない、そういうところが非常にふえてきて、先ほどの御答弁では百九十万ヘクタールですか、こういう状況だと御答弁が出ておりますが、この間伐促進の総合対策、これを五年でとおっしゃって、現在の実績は年十万ヘクタールですか、これじゃもうどうしようもありません。この促進の総合対策、これについてどういう計画でどういうやり方をなさろうとしているんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 間伐がなぜ行われていないかというその原因の探求から必要になるわけでございますが、一つはこの搬出施設、林道とか作業道、これらの未整備が、つまり基盤整備が非常におくれておるという基本問題がございますけれども、もう一つはやはり間伐材の需要の喚起が十分でないということもございます。それからもう一つは、戦後せっかく植えられた森林所有者、非常に零細な所有者が多いわけでございまして、対象林地が非常に分散しておるという問題がございます。また、これらの林家の方々は戦後初めて植栽されたという方々が多いわけでございまして、間伐の必要性あるいはその技術的な手法もお持ちになっていないというふうな点もあるわけでございます。  そこで、やはりこの間伐総合対策といたしましては、従来の個々の対策の進め方ではどうにもならないというところから、いわゆる間伐促進体制整備をまずする必要があるということでございまして、計画的に間伐を促進するために、まず都道府県が間伐促進重点市町村の生産基盤、間伐の担い手等に関します都道府県におきます総合方針を策定していただく。それから間伐対象森林の団地化を行うための間伐推進員を登録していただく、あるいは間伐実行等の調査の実施をしていただく、あるいは間伐材の計画的生産、流通、加工に関する協議や指導を行います間伐促進協議会を設置するというようなことをまず体制整備事業として考えておるわけでございます。  それから、それに従いまして、先ほど言いましたような零細所有を集団的にやはり間伐を実施していく必要がございますので、間伐促進重点市町村におきまして、初回間伐対象森林の現地調査、森林所有者の間伐実行に関する意向調査、これらの調査結果を踏まえました初回間伐の実行及び間伐作業道の配置等に関します集団間伐実施計画の策定、これは一応五カ年間というふうに考えておりますが、策定を行う。  また、この間伐促進の普及指導事業もどうしても必要になってまいります。間伐促進重点市町村を核といたしまして、間伐に関する知識に乏しい森林所有者等を対象に間伐に対する認識の高揚を図るために、都道府県によります間伐促進モデル技術の現地展示、実技を主体とした特別講習会をやるというようなことが普及事業でございます。  それから間伐材の安定取引促進事業がやはり必要でございまして、価格変動準備資金を造成いたしました三十四の県の森林組合連合会がございますが、これが当該準備資金にかかわる取引を円滑かつ効率的に行うために、この事業に間伐材を出荷する森林組合等及びこれを購買する買い取り業者との、規格、時期、数量、価格等の打ち合わせ並びに標準価格の設定、改定に必要な調査を行う。  それから間伐材等小径木流通加工・需要開発促進事業でございますが、主要地域におきまして間伐等小径木の流通、加工体制の整備、需要開発を推進するため、間伐促進協議会の承認を得て都道府県、協同組合等によります小径木の総合加工施設の設置、間伐材、同製品の展示等を実施する。これが推進事業でございまして、それ以外に実際に集団間伐実施事業をやるわけでございます。間伐促進重点市町村は、間伐対象森林の集団化、間伐推進員の活用によります集団化のための説明、説得を行うとともに、森林組合、林業者等の組織する団体等によります集団化された間伐対象森林の間伐を実施するということでございます。  それから集団間伐基盤整備事業でございますが、市町村森林組合、林業者等の組織する団体等が都道府県間伐総合方針、市町村集団間伐実施計画に基づきまして、間伐促進重点市町村において間伐促進の拠点となる林道、作業道の作設及び間伐材の円滑な生産、流通に必要な機械、施設を整備するほか、集団間伐と一体的に行います就労安定事業を林野庁長官の承認を受けた特認事業として実施する。  このような間伐にかかわります各般の手だてをひとつ一緒にやってやろう、つまり川上から川下まで至る対策をやっていこうというのが間伐促進総合対策の内容でございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 いま、各般にわたって大変結構な計画なんですが、これが実際に促進されなければ机上の空論に終わってしまうわけでして、先ほど来最重点の施策の一つと、こうおっしゃっておるわけですから、ぜひこれは、いま計画は発表されましたが、促進を強力にお願いをしたいと、このように思います。  それでは、時間の関係で、次にマツクイムシの問題に入りたいと思います。  先ほども少し触れておられましたが、近年マツクイムシの被害というものが増大をしてまいりまして、関係の各県が対策に非常に苦慮しております。被害の状況をまず最初に御説明をいただきたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 昭和五十四年度におきましては、前年度の異常被害の影響などによりまして全国で民有林、国有林を合わせまして二百四十三万立方、対前年比一一七%というふうになっておるわけでございますが、昭和五十五年度は、九月末現在で取りまとめたところによりますと、前年同期に比較いたしまして六七%の約百万立方となっておりますが、十月以降に被害が発生するものもあり、年間被害の量については今後の推移を待たなければならないという状況下に置かれております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 ことしの四月に森林保全課から出されておる資料を見ますと、これは五十四年の九月末までしか出ておりませんが、これでいきましても五十三年度よりも五十四年度九年末の方がまだふえている、こういう地域がかなりの県にわたっております。いま長官がお話しになったんですが、五十五年九月末現在で昨年よりも被害がふえているところの県は幾つありますかね。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ここに表がございますので、県名を申し上げます。  山形県、それから福島県、それから栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京、石川県、福井県、それから岐阜県、それから静岡県、愛知県、三重県、それから奈良県、沖繩県、以上でございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 非常に何ですね、昨年私がいただいた資料は五十三年から五十四年にかけてですが、それで見ますと、大体西日本は鳥取、島根、広島、香川、愛媛、福岡、この方面は去年はふえておるんですが、いまのお話では少し沈滞化したように私聞いたわけですが、逆に東の方といいますか、そちらの方がどんどんふえてきているというような傾向に見えます。まあいつだったか私もテレビを見ておりましたら、日本三景の一つの松島ですか、松島の松もやられたとか、四国では屋島はもう全滅しましてひどいものです。そういう現状で楽観はできない、だんだんだんだん東へ移ってきているんじゃないかというふうに見ますが、この点はどのようにごらんになっていますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 確かに、たとえば先ほど申し上げました山形県等はいままで全然なかったわけでございますから、わずか百立方でありますが、いずれにしてもいままでなかったところに幾らかずつ発生をしておるという傾向は否めない事実でございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 ある学者によりますと、いまのようなマツクイムシの防除対策というんですか、駆除対策では、日本の国から松が一本もなくならないとおさまらないだろうと、こういうことを言う人もおるんです。いまおっしゃっているように、西日本が非常に停滞傾向だというのは、私どもも現実に屋島なんか全滅してしまったんですから、もうそれ以上マツクイムシも食う場所がありません。だから、だんだんだんだん東へ東へと移動してきてるんではないかと、こういう感じを受けるわけです。それについて防除ないし予防、これについての対策は非常に手ぬるいんではないかと思うんですが、一体これ、予算をどれぐらい使っておられますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 予算につきましては、この被害状況を踏まえまして年々拡充を図ってきておるところでございます。五十五年度におきましては保安林等公益的に重要な松林と被害の先端拡大部の松林等につきましては特別防除費を四十一億七千万、これはまあ対前年比一〇〇%でございますが、地上散布費を五億二千万、対前年比一一八%、特別防除等の実施が困難な松林につきましては、被害木の伐倒駆除費を十四億五千万、対前年度三一三%計上しておるわけでございます。また、地域全体の防除効果を高めるため、防除等被害地の森林造成及び復旧を一体的に推進するマツクイムシ被害緊急対策を新たに実施しておりまして、このため、新規に市町村事業計画樹立費五千万及びマツクイムシ被害緊急対策治山事業費を七億二千万、またマツクイムシ被害地緊急造林事業費を六億六千万計上いたしております。さらに被害木の有効利用を促進し、あわせて駆除効果を高めるため、被害木の伐採、搬出等に要する費用について新たに林業改善資金による無利子融資を行うことといたしまして、融資枠三億円を計上いたしたわけです。以上の各種の措置を含めた全体のマツクイムシ防除関係予算は、森林病害虫防除事業に関するもの六十六億円、治山、造林等公共事業に関するもの十三億八千万、総額七十九億八千万でございまして、五十四年度に比較いたしまして一四八%ということに相なっておるわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 大変なお金をつぎ込んで全然絶滅できないというのは非常に私どもも遺憾に思うわけですが、来年はどれぐらい概算要求されているのですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 総計で八十七億八千万でございます。五十五年度対一一〇%ということでございます。なお、林業改善資金の貸付枠につきましては三億円から五億円にふやしておるわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 で、防除と予防と二つに分かれると思いますが、この防除の研究は一体どこまで進んでいるんですか。もう全然現状よりもやる方法がないんですか、どうですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 新たなマツクイムシ防除技術の開発状況でございますが、従来国及び公立の林業試験場で各種の防除技術の試験研究に努めてきておるわけでございますが、昭和五十三年度から大型プロジェクト研究、松の枯損防止新技術に関する総合研究といたしまして、国立及び公立の林業試験場が共同して五カ年計画による総合的な試験研究を行っておるわけでございます。  主要な研究項目は、一つは天敵、微生物等の検索と利用技術、二つは誘引剤の高度利用技術、三つは薬剤の樹幹注入等によります単木処理利用技術でありまして、できるだけ早期に有効な防除方法を開発し、実用化を図りたいというふうに考えておるわけでございます。  また、五十三年度からは、国立林木育種場が中ひとなりましてマツノザイセンチュウ抵抗性育種事業を開始いたしたところでございまして、数年後には抵抗性個体の確定を図りたいというふうに考えておるわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 非常に多額の国費を投入して防除なり予防なりをなさっているのですが、これという決め手がないように感じておりますが、このマツクイムシの被害が激しくなりまして防除特別措置法というのができました。この第三条には、「農林水産大臣は、昭和五十二年度以降の五箇年間において松くい虫が」云々とありますね、「松林に発生している異常な被害が終息することとなるように、」と、五年間で大体もう終息してしまうようにということでこの法律ができたわけですが、いまの状態では、新しい防除技術の研究もやっておられるようですけれども、これという決め手がないように思いますが、現状では、これは五年ですから、もうあと一年で期限が来てしまうんですが、この期限内にこの法律の目的とか基本方針を達成するという、こういう見通しはあるんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) このマツクイムシは、従来の試験結果から見まして、気象条件と非常に関係があるということがわかりました。五十三年に御承知のような全国的に高温寡雨という実態がございまして、それまで減少傾向にありましたのが一遍に倍増した。五十四年度もその影響を受けてさらにふえたということでございまして、残念ながら現在の見通しといたしましては、その法律にありますように、五十六年に終息を図るという見通しはなかなか立てにくいというふうに考えておるわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 そうなりますと、その時点ではこれ延長ということも考えなきゃならぬということになりますが、その点のことはその時点でないとわからないと思いますが、しかし、期限がきたからもうマツクイムシはやめたと、勝手に松を食べなさいというわけにはいかぬと思うんですが、どうですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) この松くい虫防除特別措置法の取り扱いでございますが、先ほど来先生から御指摘ございますように、やはりマツクイムシ対策全般についての広く各分野の方々の御意見を聞いた上で検討を進めるということにいたしておるわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 各分野で意見を聞いたからといって、これは続けるかやめるかしかないわけなんですが、いまのままでいきますと、先ほどの御答弁で、とてもじゃないが法律に書いてある方針どおりにいきそうにありませんと、こう言うんですから、いまここであなたにそのことを詰めてみたってしようがありませんが、私の感じでは、このままではもう延長は必至だと。そしてもう、それまでに決め手になるようなそういう新技術を開発していただかないと、先ほど来申し上げているように、日本の国から松がなくなってしまうというぐらい言うている人もおるぐらいですので、ますますこれ、北へ北へと、東北方面にも及んできているような状態ですから、せっかくの努力をお願いしておきたいと思います。  それで、次は具体的な問題になりますが、立木を駆除する事業の中に一種、二種という区分をつけておられます。これがいろいろ言い分があるようですが、こういう区分をなくして、すべての立木駆除に伐採費を導入してもらいたい、こういう要望もあるんですが、この点はどうお考えですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 伐倒駆除の一種、二種の区分でございますが、伐倒費用が伐倒木の販売収入によって償われるものを一種、それから、伐倒木が販売できないか、あるいは伐倒費用が販売収入を上回るものを二種として区分しておるわけでございまして、いまお話しのような、一本にしたらどうかというお話もございますけれども、私どもといたしましては、一、二の種の比率につきまして、五十一年度は、つまり、販売収入によって賄われる、償われるという一種が九でございまして、二種の方が一という比率であったわけでございますが、五十五年度は四対六と、逆に二種の方をふやしてきておるわけでございまして、毎年実態を踏まえながら予算上の改善を図っていきたいというふうに考えておりまして、そのような方向で私どもとしては進めてまいりたいというふうに考えております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 いま伐倒費用を賄える、あるいは賄えないということで一種、二種と分けておられるようにおっしゃっておるんですが、この賄えるということは、切り倒したその松が売れるということですか。どうなんでしょうか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 販売収入によって賄われるということでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 そういう区別をするという、そこがまたいろいろトラブルが起こるもとにもならぬだろうかという気がするわけです。たとえて言えば、全然これはもう、売れるものを売れないというふうにしてみたり、そういうところで、その判定というものはごく少数の人しかできないでしょうし、そういうことになりますと、またそこからいろいろトラブルが起こったり、問題が起こったりするもとにもなるんじゃないかという気もいたしますので、先ほどこの比率も変わってきておるというふうなこともおっしゃっておりますが、最初に九対一だったのがその次は逆に四対六ですか、そういうふうに、こんなに一種と二種が変わるというのはどういうことなんでしょう。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 当初、やはり西の方が非常に多かったわけでございますが、対象になる松林そのものが比較的中径木以上、つまり、大径木、そういうものが比較的多かったように私ども見ておるわけでございます。したがいまして、結構売れて、販売収入で賄えるという状態が非常に多かったというふうに私、見ておるわけでございます。その後被害が全国的に広がってまいりまして、中小径木にも被害がどんどん出るという状況下にございまして、まさにこれは販売の対象にならないという立木がふえてきておるという実態があると思います。したがいまして、先ほど御答弁申し上げましたように、実態に沿ってこれを直していこうというふうに考えておるわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 普通に考えますと、販売の対象にならないのがこれからますます多くなってくると思います。ですから、これはもう一本にしてしまった方がいいんじゃないかという気がしてならぬからお尋ねをしておるわけですが、それとともに、損失の補償金ですか、これを実勢の単価に引き上げてもらいたいという要望もあります。これは実勢単価に相当かけ離れているということになりますと、やはり駆除対策に問題があると思いますが、その点は、実情はどうなっているんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 立木伐倒駆除の損失補償の単価につきましては、実情を十分考慮いたしまして、予算上毎年改善を図ってきておるところでございます。また、予算の執行に当たっても、地域の実態を踏まえまして適切な実施に努めてきたところでございますが、今後とも実勢と乖離がないように努めていきたいというふうに考えておるわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 いま一口に言うのはむずかしいのかもしれませんが、どの程度実勢価格と差があるのですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 配分単価では大体五十五年度、一種では大体立方メーター当たり四千八十一円、それから二種では八千六百四十七円ということで、実質単価とは余り差がないというふうに私ども見ております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 差がなければ私はそういう要求が出てこないと思うのですが、かなりやはり現実には差があるように私どもも伺っておるわけです。ですから、差がないように処置をされることを強く要望しておきます。  それからもう一つ、私主張したいことは、大臣もいまおいでになりましたが、どうしてもこの予算制度というのは、いい面と悪い面を確かに持っております。こういう特殊なマツクイムシの被害というのは、これはいわば伝染病ですね。だからこの伝染病というのは、いつ起こってきてどういうことになるかわからぬ。人間の場合でしたら、あるいは家畜なんかの場合でも、かなり強力な措置が講じられるわけなんですが、これは森林といえども同じだろうと思います。最終的には精神は同じで、伝染病ですから、何か予算で枠をはめられているというところにやはり根絶できない一つの理由があるのではないだろうか、こういうふうに思うわけです。と申しますのは、やはり予算で縛られているものですから、もうちょっとやりたいと、とことんまでやりたいというときでも、ことし予算がないからもうこの辺でと、こういうような形に地元においてなっているのではないかという気もしないでもないんですが、そういうときには、思い切ってこういう特殊の病気、伝染病でもあり、一つの災害とも言えるわけですから、予備費をどんどんつぎ込んででも発見できれば手を打つと、こういう柔軟性がこういう性質のものの対策には必要だと思うんですが、幾らかそういう処置はとっていらっしゃるんじゃないかという気もいたしますが、その点どういうようになさっていますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) おっしゃるとおりの事態が出てまいりますので、できるだけ被害の現地の状況に即したように法律的な執行が行われるということが一番望ましいわけでございまして、全体の予算といたしましては、五十三年度約五億三千万ですか、それから五十四年度は七千九百万、予備費なり流用なりをお認めいただいておるわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 そういう点では、相当下まで考え方も徹底しているんですか。予備費をどんどんつぎ込んででも、せっかく特別措置法をつくって根絶しようということで、毎年六十六億とか七十億とかいうふうに多額の国費をつぎ込んでやっているわけですから、こういう伝染的な性質を持っているものは、九分九厘までやっておいてもあとの一厘が残ったことでまた次に蔓延すると、こういうことは常識的に考えられるわけですから、徹底した駆除をするためには、わずかなお金を惜しんだために後また大変な予算が要ると、こういうことになりますので、その点大臣からもぜひ、伝染病と同じ性格でございますので、発見され、県からの要請があれば、予備費からでも導入して法律の精神にのっとって根絶するための措置を講じると、こういうふうなお考えはお持ちですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 国会で法律制定をしてこのマツクイムシの撲滅を期そうという御趣旨はその辺にあろうかと思いますので、予算が間に合わなかったために被害を未然に防止できなくて蔓延さしてしまったということのないようにということで、全力を挙げて今日までやってきておるわけでありますし、今後もそのような趣旨でやってまいりたい、こう考えております。と同時に、実はこれはもう本当に昔、山にもっと人がおれば、こんなふうにマツクイムシに荒らされるというようなことは私はなかったろうと思うんです。そういう意味におきましても、こういう事態になりましたのが残念でならないわけでありますけれども、やはり森林に対する国民の関心、一人一人が汽車に乗り自動車に乗って、あすこに松の木一本おかしいのがあるぞと、こう県事務所に電話の一本もするぐらいの気持ちがあれば、私はこんなに広がらないで済んだろうと。私自身、どこへ旅行いたしておっても、そういう木を見ますと最寄りの事務所に連絡をするというようなことを今日までやっておるわけですが、福島県なんかも、いままさに茨城県の県境を越えてマツクイムシの侵入がなされつつある一番大事なときだということで、県民挙げてマツクイムシの防除に取り組んでおるということでございまして、やはりもう本当に広がっちゃってからではどうにもならない。やっぱり一本、二本のころに完全にこれを切って、倒して、そしてこれを焼くという徹底したことをやっていけば、私はある程度防除ができるのではないかと、こういう感じがありますので、機会あるごとに政府といたしましても国民の意識を高揚し、防除に協力をいただくということに努力をいたしておるわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 それで、林野庁として先ほど間伐のところでも長官から御答弁があったわけですが、戦後零細な林家ができまして、そして間伐のことについてもあんまり知識がないというような意味のお話もありました。そういう状態ですから、一般の山を持っておられる方々の自覚というもの、いま大臣は、車に乗って見かけてもと、これは本当に大切なことだと思いますが、それよりももっと以前に、山を持っておる民有林の方々の自覚というのですか。これはやはり伝染病ですから、自分のところの山の木がやられてそれで知らぬと、よそはもう知らぬのだというのでは困るわけでして、こういう点について、間伐のときに御答弁になりましたが、山を持っている人たちに対するPRといいますか、何かそういうことでちらしを配ったりあるいは指導なさったりしたことはあるんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) これは都道府県におきまして徹底的にそういうPRを現に行っておるわけでございます。本当に山をお持ちになって自分が林業を経営しているあるいは自分の大事な山だという自覚のある方々はやっていただけるわけでございまして、協力していただけるわけでございますが、ただ単に所有しておられるという方々は、やはり松なんていうのはほとんど値打ちはないと、財産価値もないということで無関心でおられるという方が非常に多いわけでございまして、これらの層に対するPRをどうするかということが一番現地でも頭を悩ましていることでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 いや、頭を悩ましているだけではいかぬのでありまして、徹底をしないと困るわけでして、特に最近は恐らく、いまの答弁にもありましたように、山を一つの資産と考えて、そして山だけ持っておってそこに住んでいない、もう都会へ出ちゃっている、そういう人も相当おると思うのです。そうなりますと、これはもうほったらかしですから、何ぼ地元でPRしてもそこにおらぬわけですから、そういう人たちに対してでも、やはりこれ一般向けに、日本の森林を守るためにはあるいはマツクイムシの暴威から山を守るためにはということで、相当林野庁も予算を使っておられるわけですから、そういう面でのPRのパンフレットというのかちらしというのですか、そんなに大したものじゃないと思うのですが、あるいはその他報道機関を通じてでも広告をされたり、そういうことはあるんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) これは林野庁としても従来からやっておりますし、先ほど申し上げました都道府県あるいは市町村でも行っておるわけでございまして、先ほど頭を悩ましているということでございますが、そういうただ頭を悩ましているということではなくて、そういう実態がございますと。したがって、これらについて、たとえば県知事が代執行するというようなことで対処しておるわけでございまして、それを全く放置しているという意味ではございませんので御了解を賜りたいと思います。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 ときどきテレビのコマーシャルでもお使いになったらどうかというような気がしますよ。たばこなんかでも、これは体に毒だとか害があるとかいって騒がれつつも適当にコマーシャルやっていますわね。ですから、やはりこれ全国民的な関心を集めないと撲滅するのは不可能じゃないか。いまの大臣のお話じゃないですけれども、国民一人一人が山へ行って気がついたら、あそこの山でマツクイムシに一本やられておるぞと、何とかしろということを、もし気づいたらどこそこへとか、そういうようなPRをどんどんやっていかれないと、これ大変なお金をつぎ込んでそして法律までつくって、五年たっても全然見通しありませんというのでは、本当に能がないんじゃないか、こういう気がしてなりませんので、あえて申し上げさしていただいたわけでございます。  それでは、時間の関係でもう一点だけお尋ねをしたいと思いますが、やはり国民の森林に対する関心ということを深めるために、いろいろ少年の森とかなんとかいうことでいままでなさってきたようですが、現在では二十一世紀の森というのですか、そういうことで整備事業を行っておられるようですが、いままで大体幾つぐらい、過去のことから含めまして何カ所ぐらいこういうのが整備できておるんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) この事業は、名前が二十一世紀の森になりましたのは最近でございますが、実はこれと類似する事業をやっておりまして、昭和五十年から五十六年度の五カ所を入れまして三十一カ所——五十六年度はまだ要求中でございますから、五十五年度末で二十六カ所ということに相なっております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 来年は何カ所を要求されているんですか。それはいつごろ大体指定をされるんですか。これは相当要望があるように思いますが、何カ所ぐらいから要望が出ているんですか、合わせて。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 五十六年度につきましては五カ所を要求いたしておるわけでございますが、各県の要望は大体九カ所ぐらい要望があるようでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 ぜひこれは、いま申し上げておりますように、やはり山に対する認識を高めるという上でも、国土の保全の上からも大切なことだと思いますので、この事業は精力的に整備をしていただきたい、このように思います。  それから、最後になりましたが、先ほどもお話が出ておりましたように、林業の労働者の後継者、これの対策のためにも、共済金の制度はこれはかねてから御準備をなさっておったようですし、労働省からもああいう御答弁が出ていましたが、精力的にこれはぜひ実現の方向に努力をしていただいて、そしてやはりそういう面からも後継者が山林事業に喜んで従事できるようなそういう体制をつくる必要がある、これは私も同感でございまして、この点についての長官並びに大臣の決意を最後にお伺いをして終わりたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 事務当局といたしましても五十六年度発足を目標に三年間続けてまいったわけでございますから、ぜひとも五十六年度に実現が図られるように最大限の努力をしたいと思っております。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 農林水産省といたしましても、重点項目の一つとしてぜひ五十六年度から実施をしていきたいということでがんばっていきたいと思います。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 私も、まず初めに林業対策の関係で少しお尋ねをしておきたいと思いますが、言うまでもありませんが、わが国は国土の三分の二が森林であるという世界でも有数の森林国である。また、戦後も植林した人工林の面積が一千万ヘクタール近くであって、十年後には伐採利用が可能になってくる展望もあるという点で、この資源を活用してわが国の林業を長期的に発展をさせていくための総合的施策が本日もいろいろ議論をされているわけでありますが、私、特にこの林業の担い手対策といいますか、その問題で、同僚委員からも御質問が出ておりますが、一、二まずお尋ねをしたいと思います。  林業労働者を確保していく上で、少なくとも他産業労働者並みに労働条件の改善を図る必要があるということで、十月末に開かれた森林組合振興対策会議、ここでは森林組合の労働力確保について、特に若年労働力の定着を目指し、農林年金、雇用保険、健康保険等の福祉制度を導入していくことが打ち出されているわけであります。  まず林野庁にお尋ねをいたしますが、これら林業労働力の確保の点から行っておる施策の現状と今後の改善方向、これの御説明を願いたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ただいま先生からお話ございました、先般全国森林組合連合会、森林組合振興対策会議を開催いたしまして、労働力の確保のための具体策などを検討してきたというふうに聞いておりますが、林野庁といたしましてもこの問題は重要な問題と認識しておるわけでございます。若い優秀な林業従事者を確保していくためには、収容の場としての林業を産業として魅力のあるものにするとともに、林業従事者の就労条件の改善を図っていくことが必要であるというふうに考えております。このために従来から造林、林業構造改善事業等各種の林業振興策を講ずるほか、林業従事者の就労条件の改善策といたしまして雇用保険等社会保険制度への加入促進や、あるいは雇用の長期化、安定化等を図るための林業労務改善促進事業あるいは林業の就労実態に即した退職金共済制度を創設するための林業従事者中小企業退職金共済制度適用促進対策を講じておるところでございまして、今後ともこれらの施策の整備充実を通じまして若年林業従事者の確保を期してまいりたいというふうに考えているわけでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 同僚委員の御質問にもあったわけですが、いわゆる林業労働者の退職金問題、退職共済組合の確立の問題でありますが、御答弁で、五十六年度当初から正式発足をさせていくんだ、またそれに必要な立法もこの通常国会に準備をしたいという御答弁になっているわけですが、片や五十六年度の概算要求を拝見をしますと、これまで実施してきた積立金への国庫助成が外されているという、この理由は何か。これは本当にもう五十六年度当初からいわゆる林退共、これの発足を必ずやるんだということのあらわれがこういう形になっているんだということで理解をしてよろしいのですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) おっしゃるとおり、これは昭和五十三年度から三年間積立事業を実施するということでやってきておりまして、五十六年度当初発足ということを目標に進めてまいりました。したがって、これについて、私ども先ほど来申し上げておりますとおり最善の努力を払っていきたいというふうに考えておるわけでございまして、そういう意味で五十六年度の概算要求には入っていないということでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 同様に年金の問題ですが、森林組合の常務班員が正職員として雇用され、農林年金への加入の道というのがあるわけですけれども、これは現状どれぐらいの状況になっていますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 森林組合の作業班員で加入いたしておりますのは、五十三年二千三百五人でございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 まだ数として全国的にも非常に少ない状況だと思うんですけれども、ぜひともそういった方向について国としての積極的な指導を強めてもらいたいと思うんですが、その指導方針はどうですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) この農林年金制度は、どちらかといいますと通年雇用、月給制のものということでございます。したがいまして、今後森林組合の作業班の諸君が通年雇用の形態がどんどんふえてくるという方向に向かうわけでございますから、その場合には当然こういうところに加入をしていただくということに相なろうかと思います。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 仕組みを尋ねているんじゃないんで、国としての指導方向をひとつ強めてもらいたいということを質問しているわけです。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 先ほども申し上げましたように、雇用の長期化、安定化ということを従来から指導を進めておるわけでございまして、そういう方向で指導を進めてまいりたいというふうに思っております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 昨日も一斉に新聞に報道されておりますが、いわゆる水田再編第二期対策の問題で、これも新聞報道によりますと、二十五日に農業生産対策中央協議会を開いて正式に確定をするというような報道がありますので、この問題についてこの機会にぜひ幾つかの御質問をしておきたいと思います。  新聞報道によりますと、農林水産省は十八日自民党と調整をして、五十六年度以降の水田再編第二期対策の基本方針を定めた、その内容は、減反目標面積を三年間固定をして、現行の五十三万五千ヘクタールから、十四万二千ヘクタール減反をふやして六十七万七千ヘクタールとする、ただし、五十六年度は冷害への配慮で四万六千ヘクタールを減らす、この減反を削減をする、転作奨励金については基本額を十アールあたり五千円引き下げ、計画加算金を約五千円引き下げる、新たに団地化加算等を新設する、特定作物で一万円プラスと。おおよそこういう内容で新聞の報道になっているわけです。  言うまでもなく、ことしが異常気象による約七千億円と言われる戦後最大の冷夏に基づく被害が起こっておる、戦後第二の凶作だというふうに言われているわけですし、激甚法の指定県が三十四都道府県に及んでいるということで、全国的に各自治体当局からも、減反のこれ以上の上乗せ、上積みをぜひやめてもらいたい、二期対策の延期をしてほしいということがかねがね強く要望をされてきた問題だったと思うんです。ところが、新聞の報ずるところによれば、農林水産省と自民党との間でこういう調整という結果に至ったというふうに報ぜられておるわけですけれども、もちろんこれは私最終方針だとは考えたくないんです。当然今後とも必要な各方面、分野の意見を聞き、さらに必要な検討が加えられていくはずだというふうに私は思っているんですけれども、一つは、こういう調整の結果に至ったことについて農家の皆さん方の切実な声、自治体当局の声、これをどういうふうに判断をされたのか、これが果たして最終方針なのか、この点について、まず大臣にお尋ねをしたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 再編対策につきましてはもう何回か申し上げてきておるところでございますが、米の需給の均衡を図りましてそうして将来の農政を確立するために避けて通れない道であるということでありまして、これはもう本当に大事な課題である、こういうふうに認識をいたしておることはもう何回か申し上げてきたとおりでございます。  今回の冷害によりまして、五十五年産米の予想収穫量は九百八十二万トンというまことに近来にない不作、こういうことになったわけでありまして、大変残念な結果になったわけでありますけれども、しかし、在庫を十分に持っておるわけでありますので、米の需給には特段の問題はない、こういうふうに考えておるわけであります。現下の米の供給過剰傾向、そういう基調から見まして、米の需給の均衡を急速に回復しなければならない、そのためには転作面積は御指摘のように三年間でぜひ米の需給の均衡を図りたい、こういうことであったわけでございます。  しかし、御指摘のように、激甚なる被害を受けた農家の皆さん、団体の皆さん、知事さん、市町村長さん方からもいろいろと要請がございましたわけでございますと同時に、やっぱりこれは、もう農林水産省が幾ら決めましても農家、団体、市町村、県等の心からなる御協力がなければこの事業はなし遂げることができないという面もあるわけでございますので、五十六年度の特例措置として、五十六年度に限って何らかの処置をなすべきである、こういうことで、事務当局と党の方といろいろ調整をいたしてきたところでございます。大体の方向が見えてまいりましたので、一応私としてはこのような線で決断をしたい、こういうような気持ちで事務当局に対して最終的な計数の整理等をいたさせておるところでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 とにかく減反は至上命題だ、しかし来年の五十六年度については、ことしの凶作ということもあり一定の配慮もしたんだというふうに言われているわけですけれども、内容的に見た場合に、とにかくことしの特別配慮分といいますか、四万六千ヘクタール分、これを差し引きをしてみても結果として九万六千ヘクタールの減反の拡大、一八%の拡大という農民にとっては非常に過酷な方針になっているというふうに言わなくちゃならぬと思うんです。  しかも、米の需給操作上も問題があるんじゃないか。この四万六千ヘクタールの冷害配慮分、これは平年作でいきますと約二十万トン分ぐらいになるんじゃないかと思うんですが、五十六米穀年度で五十四年産米の古米百七十五万トンを仮に優先消費をしても、五十五年産米の五十七米穀年度持ち越し分は冷害配慮分合わせても百万トンになる。そうしますと、その時点では、五十三年産米というのは古古古米となって基本的に主食用には回らないということにならざるを得ないと思うんですが、こういうふうに見ますと、この六十七万七千ヘクタールの三年間固定の減反目標面積は単年度需給均衡を図るものであって、備蓄の積み増し分、これは含まれていない。そうしますと、今後百万トンのランニングストックで米の需給操作をするということになるんじゃないかと思うんです。で、ことしの冷害の被害は平年作ベースで約百三十三万トンの減収だと言われているわけでありますが、再びことしのような冷害が発生をするということになった場合に、結果としては米を外国から輸入しなければ回らないということも数字的には出てくるんじゃないか。そういう点から考えてみて、減反目標を来年度上積みをするなという要望が非常に強いわけでありますけれども、そうした場合でも翌年度持ち越し分は約百五十万トンである、現行の二百万トンの持ち越しの体制よりも上積みを来年しなくても水準が下がる、こういう点から考えてみて、来年度の減反目標の上積みをするなという要求は至極当然の要求じゃないか。需給云々ということを言われますけれども、その角度から見てもその方が道理が通っているんじゃないかというふうに思うんですが、その点についての見解はどうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 米の需給につきましては、ただいま御指摘がございましたように、五十四年産米だけで現在約百七十五万トンほど所有しておるわけでございますが、今年の不作によりまして単年度の需給関係だけを見ますと、御指摘のように約百万トン不足をするわけでございます。したがいまして、五十四年産米だけでは、本来であれば約八十万トンほど残ると考えておったわけでございますが、それが生産調整の緩和をいたしましたために約二十五万トン弱程度のものがプラスされることになりますから、お話しのように五十四年産米を基準として考えますと、約百万トンほど在庫が五十六米穀年度末において残ることになります。通常この程度の在庫があれば需給操作上何ら心配がないというふうに考えておるわけでございますし、ある程度の不作がまいりましても百万トンの繰り越し量があれば足りると考えておりますけれども、なおそれ以上大幅な災害があった場合はどうするのかということにつきましては、別に五十三年産米が現在約百三十万トンございますし、今米穀年度中のものを織り込みましても約百十万トン程度は残ると考えておりますので、これらのいわゆる従来からの過剰米がございますので、いざという場合にはそれを考えるということもできるというふうに思いますと、私どもといたしまして需給操作上は心配がないものということでこの水田利用再編対策の方向を考えた次第でございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 その答弁で言われております五十三年産米を主食用として回すということが果たしてできるのか、妥当なのかという問題をここで指摘をしているわけです。  時間がありませんので、別の角度から質問をいたしますが、奨励金基本額の引き下げをめぐる問題ですけれども、いろいろ新聞報道による説明によれば、基本額にプラス計画加算プラス団地化加算、こういうことで、合計で見れば転作奨励金の水準は現行水準を維持したというふうに説明をされておりますけれども、内容を見れば決してそういうことにはならぬだろうと。基本額というのは言うまでもなくすべての転作面積が対象になるのだ。ところが、計画加算は現在でも約対象八割、団地化加算に至っては、これは新制度でありますのでその見通しを確と正確に推定をするということはむずかしいかと思うのですけれども、農蚕園芸局が五十四年六月に調査をされた「水田利用再編計画樹立地区における転作田の団地化実態調査結果」というのがありますが、そこによりますと、ほぼ完全に連檐している団地というのが約四割だというふうに書いております。そういう点から見て判断をしますと、現状では団地化加算の対象となる面積というのはきわめて限定をされているのじゃないか、大部分は基本額マイナス五千円、計画加算マイナス五千円、計一万円の奨励金の減額になる。しかも関西方面、西日本に多い野菜、この関係については基本額でさらに五千円削減をされるという非常に過酷な内容になっていると思うのです。こうした今回の考え方、方針というのは、報道によりますと、稲と転作作物の所得差をカバーをする、大体それができてくるのだ、いまそういう方向に進んでおるのだということが言われているわけですけれども、しかし、実際果たしてそうなっているのかということで、農水省がお出しになった資料、たとえば五十五年の「水田利用再編対策について」というこの十二ページに、「主要農産物の収益性の推移」ということで、たとえば小麦、大豆等について数字が上げられていますけれども、しかし、これは言うならば畑作大豆についての収益性の数字であって、転作が主たる対象になります田作大豆、これについての数字というものは出されていないという点で、このような数字を根拠にして収益性のバランスがとれてきていると、そういう方向へ向いてきているという根拠にするということにはきわめて不十分というか、ごまかし的な数字的資料じゃないかというふうに指摘をせざるを得ないわけでしょう。そうした点についてはどういう見解ですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) ただいま先生からお話ございました、「水田利用再編対策について」という中の十二ページに、「主要農作物の収益性の推移」というものを収録をいたしております。その際に、大豆につきまして生産費調査によりますもので掲載をいたしておるわけでございますが、これにつきましては、先生のおっしゃるとおり畑作のデータで書いてございます。  なぜそれでは田作関係のデータで書いてないかということでございますけれども、これは田作大豆の関係の生産費調査、これは五十二年からやっております。対象の調査戸数がわずか九戸というようなことで、これにつきましては本当の事例調査でございまして、いわば代表性というようなかっこうからすると非常にプアではないかというようなことでございます。そういうことでございますので、この「水田利用再編対策について」という資料の際には、むしろ畑作のものを掲載をしておる、こういうことでございます。  なお、ただいま申し上げました田作大豆につきまして九戸の分でございますが、これにつきましても公表しましたデータからいたしますと、当然五十二年ないし五十四年、こういうものの比較からいきますと、大豆につきましても、所得の方は、収益性の方は五十四年は五十二年から相当上がってきておるという、収益性が上がっておるという傾向は十分見受けられると、かように考えております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 いまの説明の中にも若干触れられておりましたけれども、片一方、同じく農林水産省の出版物でありますが、五十三年度の工芸農作物等の生産費という、ここの二十一ページの表七、ここでは明らかに田作大豆については一日当たり労働家族報酬という点で見た収益性マイナスということが明確に出ている。ですから、水田を転作をした、そこでつくられる転作作物の収益性というのは非常に疑わしいと、非常に低いということが農林水産省の出版物でも出ているわけです。ただ調査の対象になるサンプルが、対象数が少ないんだということでありますけれども、ぜひとも本当に、果たして転作を強要をして、そのことが農家の皆さん方の暮らしにとってどういうことになるのかというそこを客観的に判断をするためにも、大臣にお願いをしたいのでありますが、ぜひこうした問題についてひとつ十分な体制をとって、まず実態の調査をきちっとする、その実態に基づいた農林水産省としての対処方針をつくり上げていくということを大臣にお願いをして、時間ですので私の質問を終わります。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) もう農林統計は、農家の実態を十二分にあらわすために、今回の冷害等に当たりましても、また二期対策の各種資料に対しましても、やはり何といっても農家の信頼を得るという立場から本当に真実に近い統計数字であるようにという立場を常に忘れてはならないと、そういう立場で取り組むように指導をいたしてまいっておりまするし、なお、ただいま指摘されたような点を十分考慮いたしまして今後も指導をしていきたいと、こう考えます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 終わります。    〔委員長退席、理事北修二君着席〕

田渕哲也民社党・国民連合

○田渕哲也君 まず、海外の森林資源の状況についてお尋ねをしたいと思います。  政府の統計資料によりますと、わが国の木材総需要量の六八・五%を海外に依存しておるわけであります。そして、このような傾向は当分の間続くと思われますけれども、木材の安定確保を図る見地から、国際的需給動向を正確につかむことが必要だと思います。政府は世界の森林資源に関する今後の需給見通しをどのように考えておられるのか、まずお伺いをします。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 世界の森林資源の大部分は北米、東南アジア、ソ連邦、南米地域に賦存しておりますが、わが国と関連のあります地域にしぼってみても、FAO等の見通しによりますと、東南アジアにつきましては主産地がフィリピンからインドネシアやマレーシアのサバ州へと移行いたしまして、資源の先細りがすでに見えつつある。また、今後優良材の確保が次第に困難になるとともに、製材、合板への現地加工がふえ、それらの域内消費が増加すると見込まれる。  また、北米につきましては、二十世紀末には西海岸の民有林の天然一次林の長大径木がほとんど伐採されてしまい、それ以降輸出用材は一次林の伐採跡地に生育した二次林材が中心となるとともに、小径木化が顕著になると見込まれていることです。また二十一世紀に入ると製紙原料の不足する可能性がある。  ソ連邦につきましては、伐採地点が奥地化して、積み出し港までの搬出コストが増大すること。また樹種も、これまでのエゾマツ、トドマツ主体からカラマツ主体へと移行すると見込まれることなど、供給上の制約要因が少なくない上に、木材需要は、開発途上国における需要の増大等もあり、今後も増大し続けるものと考えられ、木材需給は年を追って窮屈になっていくものというふうに私どもは見通しておるわけでございます。

田渕哲也民社党・国民連合

○田渕哲也君 世界の木材需給は今後逼迫の方向にいくだろうというお答えでありますけれども、そうするとわが国におけるこの木材の安定供給という見地から非常に問題が生じてくるわけであります。それに対する対策としてどのように考えられているのか、お伺いします。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) いまお話し申し上げましたように、長期的には需給が逼迫してくるわけでございますが、いずれにいたしましても日本は先般公表いたしました林産物の長期需要見通しにつきましても、今後当分の間、外材を確保しなければ日本の需要を満たすことができないという現状にございますので、今後とも外材の安定輸入確保ということが重要な課題になってまいるわけでございまして、やはり今後海外の資源開発といいますか、推進を進めていく必要がある、また供給地の多様化を図っていく必要があるというふうに考えておるわけでございます。

田渕哲也民社党・国民連合

○田渕哲也君 それと同時に、海外の森林の乱開発、乱伐というようなこともあるわけで、それに対する修復、つまり造林というようなことも必要になると思います。それに対する技術援助とか、資金援助について考えられているのかどうか、いかがですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 海外の森林資源開発の推進は、開発途上地域の発展に寄与するとともに、あわせて将来にわたる木材供給の安定化に資するという点から、重要な意義を有しておると考えておるわけでございまして、このため東南アジア地域等開発途上国におきます森林資源の開発造成等におきまして、資金、技術の両面にわたり積極的な支援を行っておるところでございます。具体的には、相手国の要請に基づきまして国際協力事業団を通じて専門家派遣、相手国技術者の受け入れ研修、機材の供与等のほか、相手国の林業開発計画の策定等を実施しているところでございまして、今後とも鋭意その推進に努めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  なお現在、技術協力をやっております大きなプロジェクトは六つございまして、フィリピン、インドネシア、ビルマ、南部パラグアイ、インドネシア南スマトラブラジル、この六つの地域で大規模のプロジェクトに協力をいたしておるわけでございます。  また、開発調査等につきましても、その他四地域につきまして開発調査を進めておるところでございます。

田渕哲也民社党・国民連合

○田渕哲也君 それから最近の傾向として、アメリカ、カナダ、インドネシア、マレーシア、こういう木材輸出国の方では丸太輸出というものをできるだけ制限をして、製材あるいは加工したものを出すという方向になりつつあるわけです。そうしてこれが進みますと、わが国の木材加工業界に非常に大きな影響を及ぼすと思いますけれども、これに対する見通し並びに対策についてお伺いをしたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) わが国の木材加工業がその原料の大半を外材に依存しているというのは先ほど申し上げましたが、いまお話しのように、最近の外材産地国におきます資源事情の悪化、丸太輸出規制の強化、製品輸出の促進等の動きがございまして、今後基本的には丸太の輸入が減少することは避けられない情勢にあるというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、丸太輸入の急激な減少は、わが国の零細多数の木材加工業界にとりましてはもちろん、国内の木材需給の安定を図る上からも望ましくないわけでございまして、このため、政府といたしましては、外材産地国におきます資源の維持培養に対する協力、日米林産物委員会の開催等、政府レベルでの情報、意見の交換等を通じまして、丸太輸入の急激な変化を避けるように努めているところでございますが、今後とも関係業界の方の意見を十分踏まえながら、適宜適切な措置を講じていく考えでございます。  また、国内製材業者への対策につきましては、現在企業体質の改善等を図るために、中小企業近代化促進法に基づきまして、生産規模方式の適正化、設備の近代化等を内容とします構造改善事業を実施しているところでございまして、今後の製材業に対する原木供給事情の変化に対応いたしまして、供給の増加が見込まれる国産材への原料転換、中小企業事業転換対策臨時措置法等に基づきます円滑な事業転換等につきまして指導を行っていく考えでございます。

田渕哲也民社党・国民連合

○田渕哲也君 政府の出された「重要な林産物の需要及び供給に関する長期の見通し」によりますと、昭和六十一年には国産材供給量が四千六百万立方メートル、これが七十一年には約五千八百万立方メートル、このように漸増する見通しとなっておるわけであります。そうして七十一年には国産材の自給率が四三%まで高まると、こういう見通しを立てておられますけれども、この見通しは達成可能かどうか、お伺いをします。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 今回改定いたしました「森林資源に関する基本計画」並びに重要な林産物の需給の長期見通しにつきましては、それぞれ政策課題を掲げてございます。基本計画には九項目、需給見通しには四項目の政策課題を掲げておりまして、それらの課題をそれぞれ着実に実施をしてまいるという前提のもとにぜひとも達成をしていきたいというふうに考えております。

田渕哲也民社党・国民連合

○田渕哲也君 ところが、この国産材重視の方向を進めようとしながら、その条件というものを見ますと、必ずしも満足すべき状態ではない。特に間伐とかあるいは保育、林道網の整備あるいは担い手の養成、こういった面から見まして非常に施策が立ちおくれておると思うんです。このままいくと、この長期見通しも単なるペーパープランに終わってしまう可能性がある。  まず第一の間伐の問題でありますけれども、間伐期に、戦後の造林による人工林がすでに間伐期に来ておるにかかわらず、間伐が進捗していないのが現状であります。これについて、間伐がおくれておる理由は何か、またその対策について具体的にどう考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 間伐が確かにおくれておりまして、林政上の重要な課題になっておるわけでございますが、その原因といたしましては、やはりこの林道、作業道等の基盤整備がおくれておるという基本的な問題がございますが、そのほか間伐材の需要あるいは需要開発がなかなか思うに進まないということもございますが、もう一つは、戦後植えられました農林家の方々の対象面積が非常に零細でございまして分散しておるということがございますし、また、これらの方々は、戦後初めて人工植栽をされた方も多いわけでございまして、間伐に対します必要性あるいはこれらの技術も持ち合わしていないという実態もあるわけでございます。したがいまして、これらのいろいろの問題を解決していかなければ、間伐を今後推進することはなかなかむずかしいということでございまして、従来からこの間伐林道の開設でありますとか、林業改善資金の融資制度の中に、これは無利子融資でございますが、この間伐対策を織り込むとか、あるいは新しい林業構造改善事業の中でもこの間伐対策を取り上げておるわけでございます。  また、林産事業面では、この小径木の流通、加工、需要開発促進事業も推進しておるところでございますし、具体的には日本住宅・木材技術センター事業におきます間伐材の需要開発事業等の措置を講じておるわけでございますが、ただいま御指摘ございましたように、特に近年この間伐を必要とする対象部分が増加をいたしておりますので、五十六年度予算におきまして、緊急に間伐を必要とする森林の集団的かつ計画的な間伐を促進いたしまして、活力ある健全な森林の造成と間伐材の有効利用、林業及び山村の育成等を図るため、間伐材の生産から流通、加工に至ります間伐促進総合対策を要求しておるところでございます。

田渕哲也民社党・国民連合

○田渕哲也君 間伐と同時に重要な点は、林道網の整備でありますけれども、この整備計画は当初の計画から見ると四分の一という状態で非常におくれておる。これも非常に問題だと思いますけれども、これに対してはどういう対策を立てられますか。    〔理事北修二君退席、委員長着席〕

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 林道の整備に関します基本的な計画は、森林資源に関する基本計画によって定めておるわけでございますが、総延長二十七万四千キロメートルを林道の整備目標といたしまして、昭和百年度末までに全量を完了することにいたしておるわけでございます。  昭和五十二年度末におきます林道の整備状況でございますが、総延長九万二千キロでございまして、目標に対する達成状況は三四%となっておるわけでございます。  今後この森林資源に関する基本計画等に基づきまして、計画的に整備をする必要があるわけでございますが、一つは、民有林林道事業等におきます予算枠の拡大を図る。農林漁業金融公庫の林道資金の積極的活用による非国庫補助林道の推進及び効率的な施工技術の開発と、執行率の高い線形の設定を行うほか、間伐の推進のための作業道を改修する等によって林道の計画的な整備に努めていきたいというふうに考えておるわけでございます。

田渕哲也民社党・国民連合

○田渕哲也君 それから第三番目に、この担い手対策でありますけれども、わが国の林業労働者の中で四十歳以上の者の比率は八五%を占めておる。三十歳未満の者はわずか五%というふうに言われております。若い人がもうほとんど林業には従事しないわけでありまして、こういう状況では将来のわが国のこの林業というものは本当に暗たんたるものがある。これに対して具体的にどういう対策を考えられているのか、お尋ねします。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) おっしゃるとおり、林業の担い手のグラウンドであります山村、これが非常に過疎化をいたしまして、林業従事者の年齢も年々高齢化の道をたどっておるわけでございますし、また総数といたしましても、最近まで横ばい傾向で参りましたのが、五十四年度は若干落ち込むというような現況にあるわけでございまして、おっしゃるとおり、この将来の担い手確保ということはまことにいま重要な段階に来ておるというふうに認識をいたしておるわけでございます。  そこで、将来にわたって安定的に確保していくということは、林業を産業として魅力あるものにするための林業振興施策を講ずることがまず重要でございます。林野庁といたしましても、地域林業振興という旗印を掲げましていろいろな施策を講じておるわけでございますが、就労の場である山村を住みよいものとするための生活環境条件の整備を行う、あるいは、林業従事者の就労条件の改善、次代の林業を担う林業後継者の養成確保を図る等、総合的に行っていくことが必要であるというふうに考えておるわけでございます。従来から、造林、林道、林業構造改善事業等、林業の振興のための施策、林業地域総合整備事業等、山村の生活環境整備のための施策、林業労務改善促進事業、林業退職金共済制度の推進等、就労条件の改善のための施策、林業後継者に対する教育指導体制の整備等、林業後継者養成事業、並びに、児童生徒が森林、林業に関する理解を深め、林業体験を行う二十一世紀の森の整備等を進めてきたところでございまして、今後ともこれらの施策の拡充を通じまして林業従事者の確保を図ってまいりたいというふうに考えております。

田渕哲也民社党・国民連合

○田渕哲也君 以上のようないろいろ条件整備というものが重要でありますけれども、この政府の林産物需給の長期見通し、これを実現するために、やはりかなり財政措置というものが必要になると思うんです。この財政措置の予算、予算といいますか、この財政再建の状況の中でそれだけの財源というものが確保できるのかどうか、この財源対策というものをまずお伺いしたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) これは午前中からの諸先生方からのいろいろな御議論の中にもあったわけでありますが、これらの施策を進めてまいりますためには、どうしてもやはり財源というものにぶつかるわけであります。したがいまして、非常に厳しいこういう中ではありますけれども、こういう中であればあるほど、やはり大事なものには重点的に予算をつけていくということをいたしませんと、なかなかこのようなときの財源確保というものはむずかしい、こういうふうに考えておるわけでございます。したがいまして、今回も来年度の予算要求の中には、とにかく間伐という問題をひとつ目標を置きまして、とにかくこれは新規ではあるけれども、とにかくこれを一つの目玉として、そうして林野に対する一つの方向づけということで予算の成立を図っていこう、こういう気持ちで臨んでおるわけでございます。しかし、国土の七割を占める林野に関する重要さ、林野振興の重要さというものはなかなか予算の上にあらわれてきておるとは言えないと私は感じております。したがいまして、先ほど午前中の論議にもありましたとおり、本当に迂回路のようではありますけれども、やはり子供の教育の面から力を入れまして、そうして世論の喚起と同時に、やはり山に対する国民の理解というものを農林水産省が中心になって、政府が中心になって確立をしてまいる。そうしてやはり山で働くことに誇りを感じ、また山で働くために都合のいい環境をつくり上げていかなければならない。林道しかり、山村振興しかりといったような問題もあるわけでございまして、とにかく治山治水を初め、山関係の国家投資をしていかなければ民族本来の繁栄はむずかしいんだということを、一人一人の国民の心の底に刻みつけるような農林水産行政というものをやはり展開していきたい、こんな気持ちで臨んで取り仕切っておる次第でございます。

田渕哲也民社党・国民連合

○田渕哲也君 大臣の言われたことも重要なことだと思いますけれども、やはり先立つものは金である。ところが、その財源も財政緊縮の中でなかなか十分なものを取るのは困難だろうと思います。  そこで、一つの方法として、林業というものはその林業独自で造林をして、それから木を育てて、伐採をして、それでもうける、そういうことではなかなか成り立たない面が多いと思うんです。ところが、りっぱな森林をつくるということは、大臣も言われましたように、日本の国土の利益、水源の涵養とか、あるいは土砂流出の防止とか、あるいは環境をよくするとか、そういったその事業の収益を目的とする以外に非常に大きな国益に寄与しておるわけであります。これは林野庁の計画課の試算によりますと、森林の有する公益的機能を評価してみたということで、これによりますと、年間約二十三兆円の公益的機能を果たしておるということであります。そこで、その中で受益者負担の考え方を入れまして、たとえば水源涵養のための評価額は約三兆円と言われておりますけれども、その一部をたとえば水を利用する人から取る、そういうようなことで独自の財源対策ができないものか、あるいはそういうことについて検討をされているのかどうか、お伺いをしたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) いま先生のお話にございました、森林の有する公益的な機能に関しまして何か財源を考えられないかというお話でございますが、やはり受益者負担という一つの考え方がございます。やはり受益と負担の具体的な因果関係の明確化という問題がございますし、費用負担に関する国民的なコンセンサスの確立、あるいは徴収コストと収入との関係の見きわめ等の問題があることから、十分検討に値する問題であるというふうに考えておるわけでございます。  現に、水資源に関しましては、地域的な問題解決といたしまして、流域単位に上流、下流の住民のコンセンサスのもとに、下流住民の拠出金等によります上流域の森林の整備を行っている地域が、すでに全国に数カ所出ておるわけでございます。  また、この水資源の涵養あるいは国土の保全、レクリエーションの場の提供等、いわゆる公益的機能は一般に公共財と考えられるけれども、その提供に関しても造林等の森林整備の費用を要することから、受益者負担をさせてはどうかという考え方もあるわけでございます。  こういうような考え方に基づきまして、林野庁といたしましても、先ほど申し上げました受益と負担の具体的な因果関係の明確化に努めるべく検討を進めておるところでございます。

田渕哲也民社党・国民連合

○田渕哲也君 それからもう一つ、森林事業というのは非常に長期の事業でありまして、苗を植えてから木材となって伐採されるまでに四十年、五十年とかかるわけであります。だから、かなり財力というものがないとできないわけでありますけれども、長野県佐久郡の小海町の例では、ふるさとの森事業ということで一口六十万円拠出をさして、伐採のときにその収益分を返すというような方法がとられておりますけれども、こういう例にならって、その財源を得るためにたとえば森林債のようなものの発行ということは考えられないのか、この点はいかがでしょうか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) いまお話にございましたように、森林の造成にはきわめて長い期間を要するわけでございまして、造林投資の成果を得るまでには長年月かかることから、伐採に至るまでの中間におきまして、都市住民等との分収契約によって収入を得るという資金確保の方策は、林業者の意欲向上を図るとともに、都市と山村との交流による山村振興という面でもきわめて意義があるというふうに私ども評価をしておるわけでございます。このため森野庁といたしましては、森林の評価、管理等に適正を期し得る市町村有林等公有林を対象として、都道府県の適正な指導のもとに、成林の見通しのついた二十年生前後の人工林について分収契約の締結を実験的に行う特定分収契約設定促進特別事業を昭和五十一年度から実施しておるところでございまして、五十六年度におきましては、この制度の普及を図るために、新たにふるさとの森造成促進事業というものを予算要求しておるところでございます。  このような事業の成果も踏まえまして、御指摘のような森林債については今後慎重に研究をしてまいりたいと考えております。

田渕哲也民社党・国民連合

○田渕哲也君 それからもう一つ、木質系エネルギーの開発でありますけれども、これは現在のような石油危機の状況の中で、エネルギー供給の多様化あるいは省石油という観点から検討されるべき課題だと思いますけれども、現在の木質系エネルギーの活用の現状はどうなのか。それからそれが将来にわたって見通しはどうなのか。さらにそのエネルギー源として利用できるような要素があるのか。そして問題点はどういう点か、この点についてお伺いをしたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 木質系エネルギー利用開発のために昭和五十四年度から大型プロジェクト研究、国産材の多用途利用開発に関する研究の一環といたしまして、現在未利用状況にあります林地残材、工場廃材、間伐材等をエネルギー源として活用促進する燃焼器具の開発、改良等の研究を、国立及び公立の林業試験場が協力して行っております。また、国立林業試験場におきましては、木材の簡易搬出機、木材の破砕加工運搬施設などの研究開発に着手しておるところでございます。  なお昭和五十五年度におきまして木質系エネルギー活用促進調査といたしまして、木質系エネルギーを現代の社会構造、生活様式に見合った活用促進を図るための基礎調査並びに活用のための基本システムの設計等を内容とした調査を実施しておるところでございまして、これらの調査の結果に基づきまして今後の木質糸エネルギーの活用の見通しというものも立ててまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

田渕哲也民社党・国民連合

○田渕哲也君 時間になりましたので、最後にもう一点だけ、質問したいと思いますが、最近は住宅投資が減少しておりまして、材木の需要が著しく落ち込んでおるわけです。これに従って製材業者の倒産が相次いでおるわけですけれども、これに対して緊急にやはり救済対策を立てる必要があると思うんです。これについてお伺いをします。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) いまお話ございましたように、最近におきます製材業は特に住宅着工の低迷等の影響を受けまして、需要が大幅に減少し、入荷、在庫の増加、市況の低迷ということから、倒産も相当出ておるわけでございます。このような現状にかんがみまして、林野庁といたしましては、関係省庁とも緊密な連携を図りながら製材業に対する当面の不況対策としてとった措置は次のとおりでございます。  一つは、主要木材の短期需給見通しの策定、公表と、これに即した外材の輸入抑制についての関係業界に対する指導を行ったということ。二つ目には、中小企業信用保険法の倒産関連業種に指定をいたしまして、これによって信用補完面での付保限度額の引き上げ等の特別措置を受けることができるということになっております。また三つ目には、雇用保険法の景気変動等指定業種に指定をいたしまして、これによって被保険者に休業手当を支払った事業主に対し、雇用調整給付金が支給されるということになっておるわけでございます。また、中小企業一般向けの円滑な融資の確保につきましては、中小企業庁長官から政府系中小企業金融機関等に対し指導が行われておりますが、重ねて林野庁長官からも、木材関連産業に対する円滑な融資方を要請しておるわけでございます。林野庁といたしましては、今後とも製材業の経営状況等、事態の推移を十分見守りつつ適宜適切な措置を講じていくつもりでございます。

田渕哲也民社党・国民連合

○田渕哲也君 終わります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 私はただいままで多くの皆さんから、わが国の林業の現状、そして問題点、そして今後の政策、こういったもろもろの問題に対してそれぞれの立場から質疑が交わされましたので、時間の関係もありますので、特に特殊事情下における沖繩県の林業、これを中心に質問を進めてまいりたいと思います。  その前に、一つだけどうしてもこの場でお聞きしたいことは、沖繩県民、特にキビ作農民が大きな期待と関心を寄せてまいりましたサトウキビの価格の問題が決まりましたので、そのことについて一言大臣にお尋ねいたしたいと思います。  まず、結論を申し上げますと、トン当たり二万六千円以上という目標を掲げて今日まで要請を続けてきたわけです。ところが結果的には二万八百二十円、県民の期待とその要求からはるかに落ち込んでおるわけでありますが、これに対して私も非常に不満を抱くものであります。ところで、今日までたびたびの機会に、大臣は、沖繩の台風災害、そして沖繩の基幹作目であるサトウキビの問題だから十分配慮する、こういうことを大臣初め関係者が語っておられたわけです。その台風災害と基幹作目であるというこの立場からどのように何を配慮されたのであろうか、そのことをお聞きしたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 確かに喜屋武委員仰せのとおり、私はこの委員会でも申し上げてきたところでございます。沖繩産サトウキビの価格決定を十一月十八日に延ばしましたゆえんも、台風等の結果をよく見てその実態に合うような価格決定をしたいということであったわけでございます。しかるところ、すでに北海道のてん菜糖の価格決定をさきに見たところでございます。これも北海道のてん菜糖農家の十分の御意向に沿うこともできずに価格決定をしたという経緯もあるわけでございます。なかなかやはり平均的な価格を決めてまいりますために、農家一人一人の感情にはなかなかぴたりと合ったような価格決定というものが農産物は非常にむずかしいと、農産物の価格を決めるということは非常にむずかしいということは御理解いただけると思うわけであります。そういう事情の中で、このサトウキビの価格決定に当たりましては、やはり沖繩の特殊事情ということを十分考えたつもりでございます。それが七・六%のアップの二万八百二十円という価格に決めさしていただいたということは、これはもう私といたしましても、やはりてん菜糖等とのバランスを考えました場合には大変心を迷わしたわけでありましたけれども、やはり委員会等でも、沖繩の特殊事情ということも、また復帰後間もないということも十分考えますと、こう申し上げてきた次第でございますので、そういう点をやはりアップ率の上において実現をしなければというような気持ちもありましてこのように決めさしていただいた、こういうことでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 それじゃ次に本論に入ってまいりたいと思いますが、沖繩の林業、御承知のとおり三十五年前の沖繩戦で壊滅に帰したと。もともと沖繩は緑豊かな島であったわけです。県であったわけです。ところが、戦後この方やっぱり家庭に緑を、地域に緑を、街路に緑をと輪を広げて、そして造林計画が今日までずっと進められてきたわけなんです。けれども、沖繩の特殊事情と私申し上げましたのは、五三%を占める基地の中で、特に最近においては目に余る軍事演習がいろんな形で派生しておるわけなんです。だから、県や国の造林計画とこの基地との矛盾、相入れない、こういう状況の中で沖繩の造林計画が進められなければいけない。このことについて大臣はどのようにお考えでしょうか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 沖繩の林業振興を図らなければならないということは、もう申すまでもないところでございます。しかし、一方基地というものも現実に存在をしておると、こういうことであるわけでございまして、そういう面においてその調整をどうとっていくかということに問題があろうかと思います。したがいまして、農林水産省といたしましては、やはり沖繩の気候的、風土的、また台風が多いというような点から、そういう点を十分考慮した林業の進展を図るような体制をとっていかなければならない、こういうことで努力をさしていただいておる次第でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 このことは、造林という立場からは直接の農林大臣の立場でありますが、ところがその背景には、なぜそうさしたかという背景にはどうしても外務省アメリカ局の立場がある。そうしてまた、基地という施設の立場から防衛施設庁があるわけなんですが、その立場から、簡単でいいですから一つその問題を述べてもらいたい。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 沖繩の基地は日米安全保障条約に基づいて設置をされておるものでありまして、これは日本の安全保障という、しかも日本の平和というものを維持するために絶対に必要であるという立場で設定をされておるわけでございまするから、その基地から受けるいろいろの住民に対する影響というものはできる限りこれを軽減をしていかなければならないと、こういうことで基地関係の立法措置等も講じてきておることはもう御承知のとおりであるわけでございます。したがいまして、農林水産省といたしましては、そこに基地があるから、ないからということではなく、やはり沖繩の県民の幸せを十分に確立をしてまいりますために、農業も林業も水産業も進展をさしてまいるという立場から、私は関係の行政を進めさせていただいておると、こういうことであるわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 じゃ具体的な問題を進めてまいります。  先月の十月二十九日から十一月の一日、四日間にわたって米軍演習による山火事が続いた。そして、県議会でも大騒ぎをしまして、臨時議会を開いて、与野党全会一致で決議して、しかも抗議するという、いままでも余り例のなかった姿勢で政府に代表が来て強く要請しておりますが、このことについては外務省、防衛施設庁、御存じでしょうか。御存じでしたら、それに対する一つの見解を述べてもらいたい。

丹波実外務省北米局安全保障課長

○説明員(丹波実君) いま先生が御指摘になられました沖繩県の御要望につきましては、私自身代表団の方を応接いたしましたし、その先生がお持ちの要望書につきましても、その後外務省内の上司にも回覧しておりますし、外務省としては十分承知しております。

梅岡弘防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(梅岡弘君) 防衛施設庁といたしましても、先月の四日間にわたる山火事を重大視しております。この問題につきましては、現在那覇防衛施設局の担当官を現地に派遣いたしまして、被害の実態の詳細な調査をいま続行しております。私どもとしては、損失の補償と、残る防災、治水等の問題についても十全な措置をとるように検討したいと、このように考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 承知しておるという抽象的なお答えでは私は断じて満足しませんが、承知をしておるならば、その承知をどう受けとめて、それに対してどういう対策を持っておられるかということを聞きたいんです。

丹波実外務省北米局安全保障課長

○説明員(丹波実君) ただいま農林大臣から申し上げたことに私としては余りつけ加えることはないわけですが、政府といたしましては、日本の安全を守るという観点から、安保条約に基づきまして日本に基地を置いておると。その基地が沖繩に非常に集約しておるというのは客観的な事実だろうと思います。私たちは、その基地が円滑に運用されるためには周辺住民の理解をどうしても得ていかなければならないと。また、基地のためにいろいろな基地公害、あるいは先生が御指摘になっておられます山火事のようなことも起こると、こういうことでは理解が得られないということで、一つ一つできるだけ問題を解決していきたいと。先般の山火事につきましても、外務省として、横田の司令部の方に遺憾の意を表して、できるだけの努力をして消火しろということは申し入れたわけですが、今後とも沖繩県民の御要望を受けまして、合同委員会とかいろんな場があるわけですから、できるだけの努力をしていきたいと、こういうように考えております。今後再発しないようなそういう意味でのできるだけ努力をしていきたいと、こういうように考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 またあいまいな、できるだけ努力をしていきたいということが出ましたが、このことについても私は断じてそれで引き下がりません。でも、これは一応あれしておきます。  それでは、いまのお話の中で、地域住民や、広げれば県民ということなんですが、これは県民代表の四十四名の県議会議員の全会一致による抗議文ですから、私が間接に話すよりは、これを読み上げますから、文は短いですから、一応お聞き願いたいと思います。     米軍演習による山林火災に関する意見書   去る十月二十九日、米軍演習によるキャンプ・ハンセンの演習場で発生した火災は、四日間も燃え続け約一一〇ヘクタールもの大規模山林火災事故となり、計画造林地域へも延焼した。   キャンプ・ハンセンの演習場を含む沖繩本島北部山岳地帯は、広大な国、県、市町村、民有林地域で、水源かん養林地となっているばかりでなく本県の重要な森林資源地域である。   このようなかけがえのない自然が米軍演習によって破壊されていくということは、県民の生命財産の安全を脅かすものであり、大きな憤りを覚えるものである。   本県議会は、これまでも米軍演習による事故に対し厳重に抗議してきたにもかかわらず、こ種の相次ぐ事故は、誠に遺憾である。   よって本県議会は、今回の無責任、無防災の態勢下の演習に対し強く抗議し、下記事項が速やかに実現されるよう強く要請する。  一 山林火災の原因となる演習並びに住民に被害を及ぼす一切の演習を即時中止すること。  二 演習による一切の被害について完全に補償をすること。  この二つが県議会における全会一致の決議なんですが、これに対して、よく承知しておるとか、地域住民のという、こういうまやかしのことは、その場限りのことは、幾らあなたがおっしゃっても、われわれはそれをああそうですかと、こう聞くわけにはまいりません。さらに、その直接の被害者である民有地の地主、そうしてその流れ弾や破片弾が落ちる、その向こうの恩納岳の(図を示す)これが恩納岳でありますが、この区民は金武村の伊芸という区民なんです。その区民が、きょうはここにデータ持っておりませんが、復帰後あるいは戦後、何十回となくいろんな形での危険が民家に来ております。この人々の要求にはさらに一項、「基地・演習場を直ちに撤去せよ。」こういう強い一項がはさまれておりましたが、これはこの県議会では抜かれておりますがね。このことに対して、ただ高見の見物みたいなようなしらじらしいことで言ってみたところで、これはただは許せませんよ。  こういうことでありますので、いま私がこの読み上げた、簡潔にして一応二つの項目に集約されておりますが、これに対してどういう対策をとって、どういう現状にあるのか、そのことをはっきり答えてもらいたい。

梅岡弘防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(梅岡弘君) 防衛施設庁といたしましては、先ほども農林大臣あるいは外務省の安全保障課長からお答えしました形で、日米安全保障条約のもとで施設を提供し、米側が所用の演習を行うということを中止する立場にはございません。ただ、何をやってもいいということではございませんで、周辺に被害は及ぼさないように、また公共の安全に妥当な考慮を払うということは地位協定の三条三項にもございます。その点については、事あるごとに、沖繩にはいろんな事故が大変多うございますが、私どもの立場において、米側の中央、地方の司令部ないし部隊に対して要請なり抗議といったものを申し入れております。  また、今回の被害につきましては、先ほど簡単に申し上げましたが、現在調査している被害の実態に即しまして補償なりあるいは周辺に被害を及ぼさないような対策措置を講じてまいりたい、このように考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 ある程度実態は把握しておられると思いますが、それに対する一応完全補償が具体的に進められておりますか。

梅岡弘防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(梅岡弘君) 演習場の中の被害につきまして、あるいは若干場外にも類焼しております。それらにつきまして、個々の立木の状態あるいは焼失の程度といったものの非常に細かい調査を現在やっております。この補償については、早急に処理したいと思います。  なお、周辺の対策でございますが、これにつきましては、水源涵養林、その他現場の実情等、いわゆる基地周辺の集落その他の相互関係というものをしっかり踏まえないことには十分意味のある対策が講じ得られませんので、この点に関しましてもそれ専門の係官を派遣いたしまして、その実情把握と対策の検討ということに着手しております。ただ、具体的にいかほどの補償額になる、あるいは具体的に周辺対策にどのようなものをつくるということにつきましては、ただいまの段階ではまだ御報告、御説明申し上げる段階には至っておりません。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 じゃこの問題で日米合同委員会で具体的に取り上げて審議し、その結果はどうなっておりますか。

丹波実外務省北米局安全保障課長

○説明員(丹波実君) 本件につきましては、アメリカ側に調査を申し入れておる段階で、かつ被害の状況等は現在調査中でございますので、そういうことを踏まえた上で、私といたしましては、将来合同委員会で何らかの形で提起してみたい、こういうふうに考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 この問題は、私はあえて警告と言っておきますがね。このように安保がどうの地位協定がどうのという隠れみので——日本国民である沖繩県民の生命、財産、人権もろもろの憲法の保障する一切の権利は沖繩県民も等しく享受すべきであるはずであります。それを安保がどうの地位協定がどうのと。何事ですか、それは。われわれは日本国民でないのか、こういうところに問題はあるわけです。そこをどうすれば沖繩百万県民も等しく憲法のもとに日本国民としての権利と義務を享受することができるかという、こういうことをそらして、ほかの次元でどうだこうだと言ってみたところで、一体沖繩県民の生命、人権、財産はどうなるのか、このことを抜きにしていい加減にあしらうようなことがあったんじゃ、ただは承知しませんよ。しかも沖繩の復帰は本土並みということが大前提じゃありませんか。私は幾たびかこのことをいつも強調してきておるつもりですが、はね返る言葉は何かしら味もそっけもないような形で、その場逃れの返答が来ることに憤りを感ずるわけです。  それで、実はマツクイムシについてもそのような基地の中と基地の外との関係があるわけですが、この前もマツクイムシのことについては、基地の中は米軍が、基地の外は日本政府かと、こういうたてまえ論がはっきりしております。果たして基地の中は日本政府が責任を持ってマツクイムシの絶滅に対して、ある意味においては監視、ある意味においては激励をして、沖繩のマツクイムシをなくするために具体的に取り組んでおられるかどうか、まずそのことをひとつお聞きしたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 米軍基地内におきますマツクイムシの駆除につきましては、当該地の管理責任者であります米軍によって自主的に行われることが妥当と考えられることから、外務省及び防衛施設庁の協力を求め、その結果、五十年度以降米軍により駆除が行われてきたのでございます。五十四年度の被害につきましては約千本の被害木の伐倒駆除が行われており、五十五年度被害についても引き続き米軍による駆除が行われるよう、沖繩県が那覇防衛施設局に協力を求めているところでございますが、適切な駆除が行われるよう、林野庁といたしましても今後一層関係省庁等の連絡を密にしてまいりたいと考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 基地内におけるアメリカに一応任せるということになっておるが、その経過をたどってみますと、四十九年、五十年、五十一年、五十二年、五十三年、五十四年と、この沖繩の中におけるマツクイムシの現状がある。五十一年と五十二年はぐっと減っております。ところが、五十三年、五十四年がまたぐっと上がっておる。そうすると、アメリカが無関心でそれを軽視しておるためにまたマツクイムシが増長したのではないか。日本政府が監視をして一緒にやっていくという熱意があればだんだん消滅してくるのではないかと。この数字は何を物語るだろうかということを私は聞きたいわけですが、あえてもう聞く必要もないと思うんです。ここに私は、基地の中における治外法権的なそういった形で、そしてその被害は沖繩がもろに浴びる、こういうことに私はつながると思うんです。そのマツクイムシも基地の中から起こっておるとも聞いておる。マツクイムシはアメリカから持ち込んできたということも聞かされておりますが、その真相は聞いておる程度でわかりませんが、そしてそれが基地の外へ沖繩ではずっと蔓延してきて収拾つかないぐらいまでになっておる。前後するようでありますが、山火事の問題にしても、七万八千本の松が山火事で焼けておる。  こういうことをいろいろ総合して申し上げたい結論は、日本政府の管理体制、政府の基地管理の能力。基地管理の能力があるとするならばその誠意、姿勢ですよ。誠意があるかどうか。その誠意と能力。アメリカに対して非常に弱腰でないか。これは裏を返せば県民無視ということになるわけなんですね。このようにして、いろんな形で沖繩県民は痛めつけられておるのですよ。  しかも、最後に一言申し上げますが、あの恩納岳は日本の富士山——恩納岳というのは歴代の詩人が、県民が本当に沖繩の平和のシンボルとしてあがめておるのですよ。そうしてその恩納岳の心は沖繩県民の人間関係、男女関係の愛情の重さを歌った歌がある。「恩納岳彼方里が生れ島森ん押しぬきて此方なさな」という、沖繩の歌を代表する象徴的な平和の森、そうして愛情豊かな森、それに対して米軍はぼんぼん実弾を撃ち込んで、山は荒れ、水源はこわすし、泥水になってダムにたまる。そうしてこの前もヘリコプターで消火してやっととめた。すると今度はその消火剤が溶けて流れてまた公害のもとにならないかといっていま騒いでいる。こういう生き方をしているのが沖繩県民なんですよ。それで、今度県民が特に怒り心頭に発しておるのはそれなんです。いわば沖繩における平和のシンボルのあの恩納岳、そうして沖繩の人間関係の愛情のシンボルの恩納岳をもめちゃくちゃに悲惨な状態にいまぼんぼん崩しておるのですよ。  以上申し上げまして、また残りは次の機会にいたしたいと思いますが、どうか最後に、こういうわけですから、農林大臣、ひとつ御所見を賜りまして終わります。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 沖繩県民も日本国民でございまして、これは日本国憲法のすべての基本的人権を享受するということは、もう指摘されるまでもなく私どもはきちんとその点は遵法をいたしてきておるわけであります。したがいまして、先ほども申し上げましたように、その日本国民が被害を受けた面につきましてはこれは十分補償をしなければなりませんし、また施設が、あるいは上の木が燃えて損失を与えたということにつきましては、やはり治山なりあるいは造林なりというような立場でちゃんと処置をしていかなければならない、これはもう当然である、こう考えて指導していきたいと思っております。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  次回の委員会は明二十一日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十八分散会      —————・—————

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