農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 196 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/11/06
会議録
○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨五日、田渕哲也君が委員を辞任され、その補欠として伊藤郁男君が選任されました。 —————————————
○委員長(井上吉夫君) 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○村沢牧君 ただいま議題となりました農林年金についてまず質問いたします。 農林年金が、昭和三十四年に厚生年金から分かれたいきさつは、農林漁業団体に優秀な人材を確保するために厚生年金よりもよい年金をつくろうという情熱が実って、共済組合制度として農林年金が発足したわけであります。その後、厚生年金は数次にわたる改正によって内容も大分充実してまいり、今日では農林年金の方が見劣りをするような状態になってきております。 大臣は、この農林年金設立の趣旨に照らして、農林年金の現状をどのように認識をしておられるか、また、農林年金の抱えている課題、それを克服するための対策をどのように考えておりますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のとおり、農林年金制度は、農林水産業の発展に重要な役割りを果たしております農林漁業団体にすぐれた人材を確保していこうということ、さらに、あの当時の厚生年金よりももっといい農林年金をつくろうとして農林業の振興に資していこうと、こういうことで制定をされた制度でありまして、厚生年金から分離をして独自の農林年金制度をつくっていただいたわけでございます。これは今日まで大きくその使命を果たしてきていると確信をいたしております。 しかしながら、高齢化社会への移行、年金の成熟化が進行しております中で、年金財政は、現状のままで推移してまいりますと、大変厳しい事態を迎えかねない状態にあることもこれまた事実でございます。このような事態を克服してまいりますため、長期的視点に立ちまして、各世代間の負担の公平、給付内容の充実と掛金負担のバランス、厚生年金及び各種共済年金との整合性等を十分考慮いたしまして、今後の健全な年金財政の運用を図っていかなければならないと期しておるところでございます。 いずれにいたしましても、現在の組合員に対しては負担すべきものは負担していただけるように御理解と御協力をお願いしながら、国としては尽くすべきことは全力を尽くして努力してまいると、そういう立場で進んでいきたいと考えておるわけでございます。私といたしましては、今後当委員会の御意見、また各界の御意見等も十分承り、また各般の調査研究という成果も踏まえまして、農林年金をめぐる諸課題に真剣に取り組んでいきたいと、こう考えておる次第でございます。 まあ私もこの年金制度をつくります当時の事情もよく承知いたしておるつもりでございますが、いま御指摘になりましたような点、やはり農業基本法までつくってやった農業というものを、本当に一億国民のためのものというふうに発展せしめていくためには、どうしてもこういう特殊の年金制度というものを充実して、農林漁業団体に勤務する職員の質をよくし、人材を集めるというためには、まあほかの年金にもいろいろ特色はありましょうけれども、やはり農林年金には農林年金の特色を生かす努力をするのが、私に課せられた任務であると、こういう気持ちでやっていきたいと考えております。
○村沢牧君 農林年金の抱えておる課題の中心は財政的問題にあるような御答弁であったわけでありますが、もちろん、財政的な問題も重要な問題でありますが、そのほかにもいろいろあるというふうに思います。そのことはこれからの質疑の中でただしていきたいというふうに思いますが、その前に、高齢化社会に対応するために、公的年金制度について、共済年金制度懇談会や、あるいは年金制度基本構想懇談会、社会保障制度審議会はそれぞれ答申や報告を行っておりますが、これは農林年金にもきわめて重大なかかわり合いを持ってきております。そこで、こうした答申や報告を受けて、農林水産省は農林年金のあり方についてどのような検討をしておられますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) この各種年金のそれぞれの制度につきましては、いま御指摘のありました内閣総理大臣の諮問機関であります社会保障制度審議会の建議というのも、五十二年及び五十四年に出ておるわけでございます。また、厚生大臣の私的諮問機関であります年金制度基本構想懇談会の意見等が公表されておるところでございます。これらは、将来にわたる年金制度全般のあり方についての貴重な建議、意見と考えておるわけでありますが、さらに、共済年金に関しましては、本年六月に設置された共済年金制度基本問題研究会、これは今井一男さんが座長になってやっておられるわけでありますが、この基本問題研究会において、これら各般の御意見を参考にしながら、共済年金制度のあり方等について検討されることになっておりまして、農林水産省といたしましても、これらの成果を十分踏まえながら基本的課題に取り組んでいきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○村沢牧君 基本的な課題に取り組んでいかなければならない時期も迎えるでありましょうが、取り組んでいきたいということだけなんですか。何かその答申や報告を受けて、農林年金そのものについて、農林水産省としては検討を進めておるのかどうか。どうですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) いろいろ検討はいたしておりますが、その検討をいたしております過程につきましては、事務当局の方から説明をさせたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) ただいま大臣からもお答えがございましたように、各種審議会あるいは懇談会でいろいろな御意見が出ておりまして、もちろんこれらの御意見、多種多様な角度から御議論が行われておるわけでございますが、私ども、基本といたしましては、やはり農林年金はその制度発足の趣旨というところに力点があるわけでございまして、現在の農林年金制度というものを、いかにこの財政的な問題も含めてこれを克服しながら、将来農林農業団体に携わる方々の福祉をより向上させるという方向でどのような対策がとれるかということを種々検討しておるわけでございます。 ただ、その内容につきましては、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、本年六月に共済年金制度基本問題研究会が発足したばかりでございますので、その内容と成果を十分に検討いたしまして、私どもの基本的な方向とどのような形で整合していくかということを考えながら、具体案を探ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 それでは、以下農林年金の課題、それから今回の改正案に基づく質問をしてまいりますが、まず新法と旧法の格差の是正についてであります。 農林年金の新法、旧法の格差是正については常に論議をされ、それから要求もされ、当委員会でも毎年の附帯決議で政府に強く要請をしているところであります。この新旧格差は、退職年金の最低保障額、通算年金あるいは遺族年金の扶養加算などに依然として続いておるわけなんです。この長い間の課題である格差是正がなぜできないのか、その理由について改めてただしておきたいというふうに思います。
○政府委員(松浦昭君) 新法、旧法の格差の是正につきましては、ただいま先生もお話しになりましたように、その格差の是正に努めるべきであるという附帯決議も毎回ちょうだいいたしておるわけでございまして、その是正にできる限りの努力はいたしておるわけでございますが、先生も御案内のように、共済年金制度共通の原則といたしまして、年金額の算定はその給付の事由が生じた時点によるべきであるというのが、これが原則であるということでございまして、その意味で、旧法年金に対しまして制度的に新法年金の水準を保障するということは、これは困難であるというふうに考えている次第でございます。 また、農林年金は共済グループに入っておりますことから、農林年金のみ有利な取り扱いをするということは困難な事情にあることはよく御承知のとおりでございまして、特に恩給あるいは他の共済組合制度の旧法との均衡の問題がわれわれとしてはどうしても考えなければならない点でございます。特に、その給付の財源を全額国庫負担に仰いでおりますところの恩給制度でございますが、これが何分にも受給者が二百五十万人ということでございますので、この扱いを考慮いたしますと、この格差を完全に解消するということはきわめて困難な問題であるというふうに考える次第でございます。 ただ、そうは申しましても、新旧の格差の是正というものはこれは非常に強い御要望でもございますので、ただいまもお話のございましたいわゆる絶対最低保障額の改善問題につきましては、五十五年度におきましても引き続いてその引き上げに努めた次第でございますし、また旧法適用者の遺族年金につきましても、寡婦加算額の大幅な引き上げといったようなことで、できるだけこの格差の是正に努めるということで対処してまいったわけでございまして、今後とも、これら絶対最低保障額の水準の引き上げ等によりまして、できる限り旧法年金者の給付水準を上げていくということで努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 大臣に質問と要請を行いたいというふうに思うんですけれども、この格差の是正ができないということは、いま答弁がありましたように、共済制度の基本的な考え方として給付事由が生じた時点によるという制度的な問題、あるいは他の共済グループの一員であるというような理由でもって農林年金だけ独自の方向をとるということもなかなか困難である。そのことは制度的には私も理解をしますが、しかし、中身においては格差がなくなるように努力をしていかなければならないというふうに思いますが、大臣のお考え方はどうでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 趣旨としては御指摘のとおりでありまして、私どもといたしましても年々改善も図っておるゆえんもそこにある次第でございます。
○村沢牧君 局長にお伺いしますが、年々努力をしてまいったと。その結果、格差はどのように縮まってきておるのか。具体的に申し上げて、農林年金の給付水準について、また最低保障額について、また遺族年金について、具体的に説明してください。
○政府委員(松浦昭君) ただいまも申し上げましたように、新法旧法間の格差につきましては、年々その改善を図ったところでございますが、まず第一点の御質問でございます給付水準一般につきましてでございますけれども、これにつきましては、昭和四十四年でございますけれども、年金額算定の基礎期間、これは新法は退職時前の一年間、旧法は退職時前の三年間となっておりますが、これにつきましていわゆる調整措置をとるということで、旧法につきましてはこれを一・二倍にするという、いわゆる仮定年額という制度を採用したということで調整を図ってまいっておるわけでございます。 また、最低保障額と絶対最低保障額につきましては、まず第一に昭和四十七年でございますが、絶対最低保障額は新規発生者と同一の額を適用する、つまり、すでに年金をもらっておられる方につきましては、従来は絶対最低保障額につきましては、その適用を受けた時点における絶対最低保障額を適用するということでございましたものを、新規発生者と同様に、年々改定されるものそのものを適用していくという改善策を講じております。また絶対最低保障額の年齢区分を改めまして、七十歳から六十五歳に引き上げたのも四十七年でございます。 また遺族年金につきましては、従来の年齢等による扱い区分、これは六十歳以上、六十歳未満の有子の妻とその他という区分を設けておりましたが、これを撤廃いたしましたし、また組合員期間の長短に応じまして三段階の区分をいたしておりましたのを、二十年以上、二十年未満ということだけにいたしまして、また九年未満の者という区分をも撤廃いたしたわけでございます。 これらの制度的な措置を講じますほかに、その額そのものにつきましても年々引き上げをやってまいりまして、五十五年度におきましても絶対最低保障額の引き上げに努めました結果、たとえば六十五歳以上の者の退職年金につきましては絶対最低保障額、これは六月改定になりますが、これが新法の最低保障額、これも六月改定になります、この額を一万六千円上回る状態になってきておりまして、実は二・三%、絶対最低保障額の方が高いという状態になってきております。絶対額と申しますと、旧法年金者につきましては七十万円でございますが、新法適用者は六十八万四千円という状態に相なる次第でございます。さらにこの点につきましては、まだ六十五歳未満につきましては、かなり改善に努めましたけれども、現在その格差が二三・二%程度ございます。 それから、ただいま申しましたのは退職年金でございますが、遺族年金につきましても、その最低保障額を絶対最低保障額の方をできるだけ引き上げて新旧の格差をなくするようにしておりまして、現在の段階におきましては、旧法と新法の格差を比較いたしますと、組合員期間二十年以上につきましては一五・四%、二十年未満の者については三六・五%の格差という状態まで縮めてまいったわけでございます。なお、この点につきましては今後とも、先ほどから大臣も御答弁のございましたように、絶対最低保障額の引き上げに努めまして、結果としてできるだけ旧法年金者の最低水準額の改善が期せられるように、今後とも努力してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○村沢牧君 ただいま答弁の中で、たとえば最低保障額について、旧法の六十五歳以上の人たちの最低保障額は新法の最低保障額を上回っておるというふうな答弁があったんですが、この答弁については、数字はそうなっていますけれども、なぜそういうふうになったのかということは後ほど指摘してまいりますが、納得できませんがね。 そこで、そのように実は改正をしたけれども、具体的に言って農林年金の給付水準、つまりモデル年金にして、一体新法と旧法とはどのぐらいの差があり、旧法は新法に比べて何%ぐらいになっているのか、あるいは最低保障額については何%か、遺族年金については何%か、それを数字でもって示してください。
○政府委員(松浦昭君) まず、最低保障額の方から申し上げます。 最低保障額につきましては、新旧の格差で申し上げますと、ただいまも御答弁申し上げましたが、旧法と新法の退職年金につきましての格差は、六十五歳以上の場合には、先ほど申しましたように二・三%上でございます。それから旧法との六十五歳未満の者については、先ほど申しましたように二三・二%の格差ということでございます。それから、遺族年金につきましては、組合員期間二十年以上の者につきましての格差を申し上げますと、これが一五・四%の格差でございます。それから組合員期間二十年未満につきましては、三六・五%の格差がまだございます。 それから給付水準そのものでございますが、モデル計算によりますと、二十年の場合で計算いたしまして約七%の格差がございます。
○村沢牧君 二十年のモデル計算ですると七%の格差があったというふうないま答弁ですけれども、私がこの四月質問したときには八六・六%、逆に言うと一二・四%ですか、これぐらいの格差があるという答弁だったんですけれども、その後これだけ縮まってきたということなんですか。
○政府委員(松浦昭君) 縮まってきたわけでございます。
○村沢牧君 そうですか。間違いありませんか。
○政府委員(松浦昭君) 間違いありません。
○村沢牧君 この農林年金は新旧の格差だけでなくて、他の共済年金と比較しても給付水準が低い。たとえば五十三年度末で退職年金について見ますると、農林年金が平均九十五万九千五百四十七円に対して、私学共済が百十七万八千四百円、国共済が百四十五万五千六百円になっておるわけですね。各制度ごとの特殊性や歴史的な経過があるにしても、農林年金が他の制度に見劣りをしないようにしなければならないわけですけれども、最近この厚生年金の給付水準が向上してきたことともあわせて、農林年金の給付水準について今後どのように改善をしていこうとされるんですか。
○政府委員(松浦昭君) 他の年金制度との比較でございますが、ただいま先生も数字をおっしゃいましたが、全年金受給者の平均でとってみますると、農林年金を一〇〇といたしますと、私学共済が一二九、それから国共済が一五二、地共済が一六三、それから厚生年金が一〇三でございます。ただし、これは全年金者の平均でございまして、五十三年度の新規の年金受給者、これにつきまして比較をいたしますと、農林年金を一〇〇といたしますと、私学共済が一一一、国共済が一四二、それから地共済が一四六でございますが、厚生年金は八四でございまして、他の共済に比べれば確かに農林年金が低い状態でございますが、厚生年金よりは給付水準が上ということでございます。さらにモデル計算をいたしてみますと、これは厚生年金が今回改正されます前の状態の差でございますが、厚生年金と農林年金の比較をいたしますと、組合員期間が二十年の者につきましては、農林年金を一〇〇にいたしまして、厚生年金が八三%、それから二十五年で八四%、二十年で七五%ということでございまして、厚生年金よりはモデル計算をいたしますとかなりいい状態になっておるという状態でございます。 なぜこのように他の年金との、特に共済年金との間にギャップがあるかということでございますが、これは先生も十分御案内のとおりでございまして、実は一つは、やはり退職年金受給者の平均組合員期間が国家公務員あるいは地方公務員と比べまして約七年間短いという事情がございまして、これが給付水準に影響しているということがあると思います。それからもう一つは、やはり私学共済などと対比してみますると、どうしても農林年金の場合には農村部の給与水準ということでございまして、私学のように都市に多くおられる先生方の給与の水準と比べますと、やはり地域格差が給与上出ているということから、その給与の水準の差が給付の水準の差に出てくるということであろうと思います。ただ、このようにいわゆる組合員期間あるいは給与の水準につきましては、最近年々農林年金の側におきましても改善が加えられてきておりますので、そのような、実質的にこの問題が——この問題と申しますのは、給与の水準あるいは組合員期間の長さが長くなっていくということによって、実質的にこの問題は格差が縮まっていくというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 他の年金と比較して給与水準が低いという理由についてはわかったわけでありますが、その中で言われております在職期間が短いということですね、このことは、言うならば農林漁業団体の定年制にもつながってくる問題、それから給与水準が低いということも給与を改善をしていかなければならないという問題につながってくるわけですけれども、そういう面で、団体が自主的に努力をして水準を上げてくることに期待をすることはあるとしても、農林水産省自体としても、やっぱり水準を高めるというために、いま私が申し上げたようなことについてさらに指導性を発揮していく必要があろうというふうに思いますが、どうですか。
○政府委員(松浦昭君) 先生おっしゃられますことはそのとおりでございまして、私どもといたしましても、特に定年制の延長に関しましては、先般、私どもは給付開始年齢の引き上げという措置につきまして当委員会でも御審議をいただきまして、法案を通していただいた経過がございます。さような意味で、できるだけ定年制はこれを延長していくという方向で処置をしていかなきゃならぬ、それによって給付水準を上げていくということもまた一面考えなきゃいかぬということでございまして、さような意味で、本年の三月に、経済局長名をもちまして、各団体に対しまして定年制の延長方につきましての指導をいたしている次第でございます。 また、給与の面につきましては、やはりこれは各団体の経営基盤を強化するということが非常に重要であるというふうに考えますので、農協行政全般の中におきまして、あるいは団体行政全般の中におきまして、この団体の経営をできるだけ改善し、強化していくということによって給与の水準を上げていく、それによって実質的な給付水準が上がっていくような指導をしてまいらなければならないと思い、またそのようにしている次第でございます。
○村沢牧君 次は、最低保障額について聞きますが、最低保障額は、新法年金は厚生年金に準じ、旧法は恩給制度に準じて決定をされているわけなんです。この最低保障額は、年金の給付事情が発生した時期によって格差が生じてきている。しかし、最低保障額という性格から言うならば、すなわち現在年金を受給している人が、年金の給付事情が発生した時期が早かったから年金が少なくてもやむを得ない、また、年金の発生時期が早かったから現在の生活が低い程度の生活で送れるというものではないと思うんです。したがって、年金の発生時期によって差があるということは、最低保障額という性格から見た場合これは不合理ではないか、どういうふうにお考えですか。
○政府委員(松浦昭君) この点は先ほども御答弁いたしました点でございますが、先生のお考えと若干違うことを申し上げざるを得ないわけでございますけれども、やはり共済年金制度共通の原則といたしましては、これは、年金の額の算定はその給付の事由の生じた時点によるべきであるということが大前提でございますし、また、恩給制度によって、これに準拠して設けられている旧法適用者に対しましてのいわゆる絶対最低保障額でございますが、これはやはり他の制度との関連もございまして、これを全く新法の最低保障額に合わせるということは、他の制度との並びの問題もあって非常にむずかしいということを申し上げた次第でございます。 しかしながら、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、新法と旧法との間の最低保障額を理論的に一致させるということはむずかしゅうございますが、実質的にこれをできるだけ差を縮めていくという努力はいたさなければいけないというふうに考えておりまして、先ほどから御答弁申し上げておりますように、絶対最低保障額の引き上げに努めまして、まあ一例でございますが、六十五歳以上の者については旧法適用者の方が二・三%程度高いという状態まで改善をしてまいったということでございます。
○村沢牧君 それでは、その最低保障額あるいは絶対保障額は、現在の農林年金組合員の給与の実態あるいは年金給付水準の状況から見て妥当な額であると、そのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(松浦昭君) 現在の最低保障額及び絶対最低保障額の水準でございますが、この制度の本旨を考えてみますると、これはやはり給与の水準が低い、また組合員期間が短いといったような方々でありましても、やはり社会保障的な見地から、一定の給付水準はこれを維持し、保障するということのために設けられたものでございまして、新法の適用者あるいは旧法の適用者によっての区分はございますものの、やはりそのような最低の保障ということをいたすために設けられた制度であることはそのとおりでございます。 ただ、これらの保障額の適用されない者とのバランスということも考えなければならないわけでございまして、このような保障額が適用されない、つまり絶対最低保障額あるいは最低保障額以上の給付を受ける方、この方は、やはり一定の給付を受けるためにこれに見合った掛金の負担はなさっておられるわけでございます。しかしながら、より低い掛金で最低の給付水準を保障してもらえるこの最低保障額適用の方々との間の均衡関係というものを考えてみますると、やはり掛金をより少なく負担しながら一定の水準は保障するという方々とのバランスというものを考えざるを得ないというふうに考えますと、この仕組みとかあるいはその水準は、現在の給付内容というもの全般を考えてみました場合にはそれなりに妥当性を持っているというふうに考えておるわけでございます。 しかしながら、やはり最低保障額と絶対最低保障額との格差の是正等、これらの問題につきましては、やはり今後検討すべき課題がなお存するものと考えておりまして、他の年金制度との均衡も十分図りながら今後の検討を続けてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 今回の法律改正によって、新法の退職年金の最低保障額は六十八万四千円になっておりますが、その積算の根拠を説明してください。
○政府委員(松浦昭君) 退職年金の最低保障額の積算であるというふうに理解をいたしますが、今回の改正におきましては、改正前の状態で申しますと、基本年金額の方は、一千六百五十円掛ける二百四十プラス三万円掛ける二・四、これは二百四十掛ける千分の十でございますが、プラス八万四千円で五十五万二千円でございました。これを今回の改正によりまして、二千五十円掛ける二百四十プラス四万五千円掛ける二・四プラス八万四千イコール六十八万四千円ということで退職年金の最低保障額を改正した次第でございます。
○村沢牧君 いろいろ数字を並べていただきましたが、わかりやすく言えば、退職年金の最低保障額の計算上、定額部分ですね、これは厚生年金に準じていろいろ局長からお話になったのを計算すると四十九万二千円になると、そういうことですね。それから、報酬比例部分も厚生年金に準じて引き上げて、これを計算すると十万八千円になると、これもいいわけですね。——つまり、定額部分、報酬比例部分は厚生年金に準じて引き上げておるけれども、もう一つの要素である加給年金部分については現行どおりに据え置きをされていると、これもお認めになりますね。いいですか。
○政府委員(松浦昭君) 結構です。
○村沢牧君 加給年金部分は、計算をすると、いまお話がありましたように八万四千になると。これは据え置いておるわけですね。しかし、今回厚生年金は加給年金部分についても引き上げを行っているわけなんです。加給年金部分を厚生年金並みに積算していくとすれば幾らになりますか。結論だけでいいです。
○政府委員(松浦昭君) 加給年金額は二十一万円でございますので、八十一万円になります。
○村沢牧君 加給年金額は八十一万円になるんですか。
○政府委員(松浦昭君) 違います。加給年金額の部分が二十一万円と計算をいたしますと、トータルが八十一万円ということでございます。
○村沢牧君 加給年金部分は厚生年金並みにすると二十一万円になると。そうすると、加給年金部分は八万四千円に据え置いておりますから、この二十一万円から八万四千円を差し引いた差の十二万六千円だけ加給年金部分の方が言うならば低く抑えられている。したがって、厚生年金並みにこの最低保障額を上げるとしたらば、いま局長が言ったように八十一万円になるはずであると。それを、今回の改正は厚生年金の引き上げに伴っての改正措置だと言っているけれども、しかし、厚生年金にこのことは準じておらない。その理由は何ですか。
○政府委員(松浦昭君) 退職年金の最低保障額の算定につきましては、厚生年金の基本年金額と、それから加給年金額を基礎として計算をしてまいったわけでございますが、確かに先生御指摘のとおり、今回、厚生年金におきましては加給年金額の大幅引き上げを行ったために、共済年金における最低保障額の積算の基礎としている加給年金額については、農林年金の方は据え置きで算定をしているという状態でございます。 その理由を申し上げますが、先生も御案内のように、農林年金につきましては、その給付額の算定に当たりましては厚生年金の加給年金額に相当するものはないわけでございます。これは最低保障額という意味ではなくて、通常の給付額を算定する場合でございますが、この場合には、厚生年金の方は加給年金額というものをつけますけれども、農林年金につきましてはその給付額の算定に当たりましてこれはつけておらないわけでございます。これはいろいろな年金制度の物の考え方の違いでございまして、農林年金の方は、いわばその家族全体を一つの単位としてとらえて、それに対してどれだけの年金を保障するかということを考えておりますし、厚生年金の方は、これはその家族の中の構成というものに着目して、子供がいるかとかあるいは妻がいるかとか、そういうことに着目して加給年金額をつけていく、こういう制度の違い、物の考え方の違いであろうというふうに考えます。ただ、最低保障額の算定に当たりましては、これは農林年金の最低保障額の算定でございますが、その場合に、最低の給付を保障する基準という場合には、この加給年金額の要素を導入いたしまして最低保障額を決めているということにすぎないわけでございます。 そこで、厚生年金では、加給年金額は、先ほども申しましたような基本年金額と相まって給付そのものの額を決定するということになっておりますが、農林年金はそうはなっておりません。そこで、今回の農林年金の最低保障額を設定する場合にこれをどう考えるかということでございましたが、厚生年金の加給年金額が余りにも大幅な引き上げでございましたので、農林年金の最低保障額にそのまま導入するということが、果たして最低額の保障ということで考えました場合に妥当かどうかということにつきましてはなお検討する要があるということでございまして、そのために、この部分を最低保障額の適用に当たりまして導入しなかったというのが理由でございます。 一例を申し上げますとおわかりになっていただけると思うのでございますが、厚生年金における加給年金額の方は、実際に扶養している妻または子がいる場合に加給されるものでありますけれども、最低保障額の方は、これは農林年金でございますから、別に妻、子といったような扶養者がいなくてもこれは加給されるという形になりますので、当然その場合にはその差が出てくるわけでございまして、つまり、農林年金の場合には、最低保障額を適用される方については、たとえ子あるいは妻がいなくても、子、妻がいるという状態において最低保障額が保障されるというかっこうになります。このような差が当然ございますので、そのような最低保障額を設定するに当たって、このような大幅な二十一万円といったような大きな加給年金額を導入すべきかどうかということについて問題があり、適用しなかったという次第でございます。 このような事情から、今回の改正においては最低保障額の加給年金部分の改正は見送ったわけでございますけれども、なお、その額を幾らにするか、つまり、最低保障額の加給年金部分を導入する場合に現在の八万四千円でいいかどうかという問題は依然として残っているわけでございまして、この点につきましては、関係各省ともども、審議会あるいは研究会の御意見等も十分に拝聴いたしまして、今後の検討課題ということでさらに検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 長々と御答弁いただいたんですが、厚生年金と農林年金の違うことも知ってはおります。しかし、最低保障額については加給年金制度をいままで導入していたんです。そして厚生年金に準じて額を決めておったんですね。今回はこの部分については厚生年金に準ずることなく据え置いてきておる。そうしてくると、いろいろと答弁があったわけですけれども、先ほど局長が答弁をしたように、最低保障額というのは、給与の低い人に対して社会保障的な考え方から一定の額を保障していくんだということになれば、最低保障額だってやっぱり、厚生年金もこういう制度に上げたんだから上げていくべきではないか。ただ、将来の財政上窮屈になるから、このまま八万四千円を二十一万円に上げるということは大変だという御意見もあるようですけれども、しかし、それは理論上間違っている、最低保障額の理論上ね。ですから、最低保障額は仕組みの問題であるから、財政上の問題じゃない。農林年金財政が苦しくなっていることは承知しているけれども、苦しくなったからといって最低保障額を抑えていくなぞというのはいけないと思うんですが、その辺はどういうふうに考えるんですか。 と同時に、もう一点、年金受給者の中で最低保障額によって計算されるのはどのくらいの割合があるんですか。
○政府委員(松浦昭君) まず、後者の方から御答弁申し上げますが、最低保障額の適用者の方々でございますけれども、昭和五十四年度末における年金受給権者総数は八万六千八百五十三人でございまして、うち最低保障該当者数は一万八千四百三十三人でございます。したがいまして年金受給権者数の二一・二%でございます。 それから前者の方のお答えでございますが、また先ほどの答弁を繰り返すようで恐縮でございますけれども、確かに先生おっしゃいますように、従来の退職年金の最低保障額、これを設定する場合には、厚生年金に準じまして加給年金額というものをそのまま算入したということは事実でございます。しかしながら、先ほども申し上げましたように、農林年金そのものは、加給年金額というものを基本的な年金額、つまり年金額そのものを算定する際には使用しておらないわけでございまして、最低の保障をする際にその部分をどのように見るかということの一つの要素としてこの加給年金額というものを導入しているわけでございます。その点が基本的に私は違うと思います。したがいまして、加給年金額をどの程度まで引き上げるかということは、常に厚生年金の場合にスライドしてやらなければならないという論理にはなかなか成り行かないのじゃないかというふうに考えるわけでございまして、もちろん現在の水準がよいかどうかということについては問題がございますし、今後も検討をいたさなければならないというふうに考えておりますが、二十一万円をストレートに導入しなければならないという、そういう考え方には立っておらないわけでございます。
○村沢牧君 厚生年金の引き上げに伴ってそのままストレートにスライドをしていくという考え方については検討するというような、考えなければならないというような答弁があったわけですけれども、従来はそれをやってきたんですね。しかし、今回に限ってなぜやらないかということなんだ。いま答弁になられましたように、年金受給者の中では最低保障額によって計算される人たちは二一・二%もあるんです。さらに、たとえば新法年金の中においても、年金を受ける資格を持っているけれども、年度途中と申しますか、一定の年齢で退職をして、若年停止を受けている人たちもあるわけですね。こういう人たちは最低保障額によって計算する場合が多い。こういう状況の中から、やっぱりこれは最低保障額の性格から言って引き上げなければならない、そのように私は思うんです。 それから、そのことはさらにまた詳しく聞いてまいりますが、この最低保障額を六十八万四千円でなくて八十一万円にする、つまり厚生年金に準ずる、そうした場合には、障害年金もあるいは遺族年金も関連をして上げなきゃいけないというふうに思いますが、それはどういう形になりますか。八十一万円にした場合には障害年金はどういうふうになるか。いろいろ経過の説明や、内容はいいですから、数字だけ言ってください。
○政府委員(松浦昭君) 退職年金の最低保障額を仮に八十一万円として計算いたしますと、障害年金の最低保障額は、一級で九十六万円、二級八十一万円、三級五十万一千六百円となり、遺族年金については五十九万一千六百円となります。
○村沢牧君 ですから、最低保障額を上げれば、障害年金も、遺族年金の最低保障額も上がってくる。これは、年金受給者にとって大変な影響を及ぼすことだと思うんです。 しかし、私はきわめて不満だと思うことは、今回の法律の提案についても、提案理由として、厚生年金における定額部分の引き上げ及び報酬比例部分の最低標準報酬額を引き上げたことに伴って、この退職年金の最低保障額を上げるんだと書いてある。これ以外に加給年金のことを一言も触れておらないのですね。ごまかしているんです。ですから、先ほど来私は、新旧格差の是正について質問もし、要請をしてきたんですが、新旧の格差があるということを指摘されるものだから、一方の新法の方の最低保障額の方は上げるのを抑えておいて、旧法は少しずつ上げていって、それを近づけしめていこうなんてそんなこそくな手段であっちゃならぬと言うんですね。だから、これはどうしても最低保障額は上げなきゃいけない、上げるべきだというふうに思いますが、その額についてはいろいろ検討しなきゃならないという局長の答弁もあったんですけれども、額はともかくとして、大臣、いまお聞きのとおり、厚生年金は上がったけれども、農林年金の方は一部分据え置いておるのです。これは上げるべきだと思うが、大臣どうですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほど来お答えいたしておりますとおり、二十一万円ストレートに厚生年金に準じてということはなかなか困難でありますけれども、内容的には、先ほど来申し上げておりますとおり、充実をしていくという点については答弁を繰り返して申し上げたとおりでございます。
○村沢牧君 局長、それでは今回は、こういう法律を出したからここですぐ修正するというわけにもいかないでしょうけれども、私どもが修正してもいいですが、次期提案するときなんかに向けてこれを改正しますか。
○政府委員(松浦昭君) 当然、私どもの年金だけで、農林年金だけでこの問題を解決するわけにはまいりませんので、関係各省と十分協議をいたさなきゃなりませんけれども、私どもといたしましては、ただいま大臣からも答弁いたしましたように、その内容の充実という意味で、この加給年金の加算分をどのようにするかということは早急に検討いたしたいというふうに考えております。
○村沢牧君 共済グループの一員であるから、他の共済年金との関連もあるでしょうけれども、最低保障額によって計算をされるものは、他の共済年金よりも農林年金が一番多いと思うんですよ。ですから、このことを主張するのは農林年金であり、農林水産相、あなただと思うんですが、ぜひ積極的に取り組んでください。次期通常国会の提案まで待っています。 次は寡婦加算ですが、今回の改正によって、というよりも先回の、去る五月の改正によって旧法の寡婦加算は大幅に引き上げた。たとえば、遺族である子が二人以上いる寡婦については八万四千円が二十一万円になったけれども、新法の遺族年金は依然として八万四千円、遺族である子が一人いる寡婦については六万円を十二万に引き上げたけれども、新法は六万円、六十歳以上で遺族である子がいない寡婦については四万八千円を十二万円に引き上げたけれども、新法は四万八千円ということになっていますね。つまり、これは逆加算になっている。この理由は一体何ですか。
○政府委員(松浦昭君) いわゆる新法による遺族年金に係る寡婦加算の問題だと思いますけれども、この額につきましては、今回の法案でも残念ながらその引き上げは見送ることにいたしたわけでございます。 その理由を申し上げますと、寡婦加算の額を大幅に引き上げたことに伴いまするところの遺族年金全体としての水準の問題というものをよくもう一度考えてみなければならぬということもございますし、また、寡婦以外の方に係りますところの遺族年金とのバランスということももう一遍考えてみなければいかぬという問題がございます。 しかし、基礎的にと申しますか、私ども今回、新法の寡婦加算につきましてこれの改正を見送りました理由は、前国会でも申し上げましたが、厚生年金におけるいわゆる子のない四十歳未満の妻、通常、俗称子なし若妻と言われておられる方々でございますが、この方々に対しますところの遺族年金上の取り扱いとの関連におきまして、国家公務員の共済につきましては、三月二十五日におきまして、四十歳未満の子のない妻に遺族年金を支給しない、つまり、失権手続をとるというような厚生年金の改正につきましては、やはり寡婦加算につきましての大幅引き上げを行いますことに伴いましてまだ多くの問題を含んでいるんじゃないか。したがって、遺族年金のあり方ともあわせまして十分検討して、なるべく早く答申を行うようにという御答申があったわけでございます。そのようなことから、やはり基本的に、この子なし若妻の問題も含めまして、厚生年金とのバランスその他も考えた上でこの問題に対処しなければいかぬというふうに考えまして、御指摘のような問題もあったわけでございますが、関係各省ともども相談いたしましてこのようなことにいたしたわけでございますが、今後は、関係の審議会等の御意見も拝聴いたしまして、なるべく早い機会にこの是正はしなきゃいかぬというふうに考えておる次第でございます。
○村沢牧君 遺族年金のバランスをもう一度考えてみなければならないという答弁があった。それは考えてみて、この寡婦加算は、旧法についてはこれだけ上がったけれども、新法は据え置くんですか。 それからもう一つ。いま答弁の中で、厚生年金で、四十歳未満の子のない妻の年金についていろいろ論議があって、法改正が提案された、そういう話があったんですけれども、これは今回の厚生年金の法審議の中で修正をされてこれはなくなったわけだ。これは厚生年金に載っていないでしょう。この問題はどういうふうに考えるのですか。
○政府委員(松浦昭君) 確かに、今回の厚生年金法の最終の姿は、子なし若妻の問題がとれているということはよく存じております。 そこで私どもとしましては、先ほど繰り返して申し上げましたが、この動機は確かに子なし若妻の問題であったということでございますが、遺族年金の全般についての考え方ということをここでしっかりと固めて討議をしておくということが必要ではないかというふうに考えまして、今回の新法につきましての寡婦加算の状態につきましてはこれを見送ったということでございます。新法については、つまり改正をしていないということでございます。
○村沢牧君 この新法の寡婦加算について、本年四月、当委員会で農林年金問題の審議の際にこの是正を私は求めたところ、あなたは、できるだけ早く検討して、最も早い時期の国会に、必ずしも次の通常国会とは言わず、できるだけ早い臨時国会でもあったら提案をしたいという答弁をして約束をしているわけなんですね。しかし、この臨時国会が開催されて提案されているけれども、なぜこのことを検討して出さなかったのですか。いつまでほうっておくのですか。
○政府委員(松浦昭君) 私、そのようなことでなるべく早くひとつこの問題が解決をいたして、新法の寡婦加算につきましても改正をいたしたいということを申し上げたことは事実でございます。ただそのときは、あの国会で私どもはこの今回の提案をいたしております法律が通るということを考えておりましたし、また、厚生年金の方も通るというふうに考えておりまして、その上で厚生年金とわが方の法律との間のバランスをどうとるかということを考えていきたいと思っておりましたが、残念なことに両方とも通らなかったわけでございます。もちろん、その間私ども怠けておったわけではございませんで、いろいろと検討もいたしてまいったわけでございますが、やはり一つのステップとして今回の法律を通し、それからまた次の段階としてこれを考えてまいりたいというふうに思っておるわけでございまして、その意味では、この寡婦加算の新法の格差という問題は当然重要な問題でございますから、関係各省ともども相談いたしまして、できるだけ速やかにこの問題については解決をつけたいというふうに思っておる次第でございます。
○村沢牧君 厚生年金で、この四十歳以上の子のない妻の年金が政府提案どおり通らなかったと、きわめて残念そうな言い方をしていますが、これは四党合意で認めたことですから、私ども国会で認めたことですから、これに対して不服を言ったってしょうがないと思うんです。 それで、そのことは別として、新旧の寡婦加算の格差をこのままほうっておくのか、次期の国会には必ず出すのか、そのことを伺います。
○政府委員(松浦昭君) 決して私どもは子なし若妻について不服があるというようなことを申し上げたことは一度もございませんで、前回の国会におきましても武藤大臣が御答弁なすっておられると思いますけれども、私の記憶では、やはり子なし若妻の問題は問題があるんじゃないかと。農林年金の方としては、こういうものを直ちに受け入れることはできないんじゃないかというふうに御答弁申し上げたはずでございます。もちろん、この新法の寡婦加算の問題につきましては、これは改正をしなきゃならない問題であるという問題意識は十分頭の中に入っておる次第でございまして、ただ、もちろんこれは各年金共通の問題でございますから、ここで私どもの立場だけでいつの時点ということは申し上げかねるわけでございますけれども、しかしながら、とにかくできるだけ速やかにこの問題は解決をいたしたいというふうに考えているということをはっきりと申し上げておきたいと思います。
○村沢牧君 そこで、この遺族年金の基本的な考え方についてこの際聞いておきたいんですけれども、遺族年金の水準を思い切って上げるべきだという要望は、受給者の中にも強いし、審議会等においてもそういう答申が出されておる。 そこで、遺族年金のあり方についてでありますけれども、寡婦加算を引き上げて当面乗り切っていこうとするのか。それとも遺族年金そのものを引き上げようとするのか。そしてそうした結果は、将来、退職年金に比較して遺族年金はどの程度の率まで持っていったらよろしいというふうに考えていますか。
○政府委員(松浦昭君) 遺族年金につきましては、従来から恩給制度等に準じまして、最低保障額を毎年引き上げるという措置をとってまいりますと同時に、遺族年金は、やはり遺族たる寡婦の方の年齢、つまりお年寄りの寡婦の方というものはやはりそれだけに手厚い保護をしなきゃいかぬ、あるいはお子さんがあるかないかといったようなことによって保障の度合いにつきましてやはり必要性が異なるという面がございます。そのようなことを考えまして、一律に支給率を引き上げるということはいたしませんで、特にこのようなお年寄りの寡婦の方、あるいはお子さんのない寡婦の方というものを中心にしまして、そのような特に配慮を要すると思われる方々に特別の寡婦加算という形で改善をするということでやってまいったわけでございます。 一方で考えて見ますると、寡婦加算額の引き上げがかなり大幅に行われてまいっておりまして、このような状態になります場合には、寡婦とそれ以外の方とのバランスということもこれまた考えなきゃならぬ状態になっているのじゃないかというふうにも思います。 そこで、目下のところ一元的に、遺族年金の将来の支給率を一体幾らにするか、あるいは寡婦加算を支給率との関係でどう持っていくかというようなことについては、ちょっと現在の段階でその方向を描く段階に至っておらないわけでございますが、今後も、先ほど申し上げましたように、支給率の問題も含めまして遺族年金全体としての将来のあり方というものを、関係省庁あるいは関係審議会の御意見なども聞きながら検討していきたいというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 大臣、いま私は新法の最低保障額の額の引き上げについて、寡婦加算の新法に対しての改正について、二つの問題について質問をし要求をし、局長、大臣から答弁もあったわけですけれども、この際、次期国会に向けてこの二つの問題については改正をする、そういう姿勢で取り組んでもらいたいというふうに思いますが、答弁できますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほど来の論議でも私もよく理解をいたしておるわけでありますが、まあ国全体といたしましても、この年金制度全般についてもいろいろと問題、論議のあるところの中で、どういうふうにしてこの農林年金を充実してまいるかということについては、大変私どもといたしましても努力はいたしてきておるわけでございますけれども、なかなか思うとおりに進展をしないと。したがいまして、御指摘を受けておりますこの寡婦加算というような問題につきましては、当然来年度の予算要求とも関連いたしまして、法律改正まで持っていきたいというふうな気持ちでおる次第でございます。
○村沢牧君 寡婦加算については具体的にお話があったんですが、最低保障額についても、私が指摘をしたとおりですから、よく検討してください。検討ではなくて、改正に向けて取り組んでください。 次は財政問題に入りますけれども、農林年金にとって財政の健全化が大きな課題であることは申すまでもないわけです。五十三年度の財政検証も行ったようでありますが、その結果に基づいて、農林年金の財政の現状と将来展望について説明してください。
○政府委員(松浦昭君) ただいま先生五十三年度の年金財政の結果ということでございますが、実は五十四年度も私ども出しておりますので、そちらの方で、新しい数字で御説明申し上げます。非常に最近出たものでございます。 農林年金の給付額でございますが、昭和五十四年度につきましては六百二十七億でございます。それで、五年前に比べまして三・三倍、十年前に比べまして十倍以上の伸びになっております。それから、人口の老齢化等を反映いたしまして、成熟率でございますが、これは、もう先生御案内のように、加入組合員に対する年金受給者の比率でございますが、昭和五十四年度には五年前の七・九%から一一・八%というぐあいにきわめて上昇しておりまして、今後においても他の年金制度に比べて急速に悪化する傾向を強めているというふうに考えられます。 それから収支比率でございますが、これは支出に対する収入の比率でございますけれども、この成熟率を反映いたしまして、五年前の三・二倍かち五十四年度は二・一倍に減少しております。現状このまま推移いたしますと、この比率もかなり急速な減少ということになるのじゃないかというふうに思います。 それからさらに積立倍率でございますが、これは給付金総額に対する積立金の比率でございますけれども、これにつきましても五十四年度は九・一倍でございまして、五年前はまだ十三・五倍ございましたけれども、大幅な減少を見ておりまして、今後も成熟率と同様に悪化していくのではないかというふうに考えられます。
○村沢牧君 そうした現状の中から、あるいは将来の見通しの中から、財政健全化のためにはどういう対策を講じなければならないのか。
○政府委員(松浦昭君) 目下のところ、このような財政状態を前提にいたしまして、いわゆる財政再計算をやっているところでございます。この再計算の結果はまだ出ておりませんが、恐らく、このような状態を反映いたしまして、財源率あるいはさらに最終的な掛金率まで出してみますると、やはりある程度までの掛金の上昇はやむを得ないという状態になってくるんじゃないかというふうに思います。そこで、また後ほどお尋ねあると思いますけれども、国庫補助率等につきましては国としても十分に最大限の努力をするということと同時に、また、負担していただく分はやはり組合員に負担の御努力を願うということでやってまいりたいというふうに思います。
○村沢牧君 まあ掛金率も当然質問をしなければならないというふうに思うんですがね。その前に聞いておきたいんだけれども、農林年金の掛金はほかの年金制度に比べて高い。国鉄に次いで第二の高率になっているわけですね。年金の水準は、先ほど説明があったように低いけれども、掛金だけは他の年金よりも高い。これにはやはり基本的な原因、理由があると思うんですね。私はその一つは、農林漁業団体の職員の賃金水準が低いために、最低保障やあるいは通算年金方式などによって適用される人が多いということ。一つは、定年制が低いところにあるために年金の支給開始が早いということ。さらにもう一つは、厚生年金から引き継いだところのいわゆる不足財源が、他の年金と比べて掛金に織り込まれている、こういう基本的な問題があると思うんです。そのほかにも要素があるでしょう。こうした問題を無視して、安易に掛金を引き上げようとすることは許されないと思う。基本的な問題についてはどのように努力しているんですか。
○政府委員(松浦昭君) 現在の農林年金の掛金でございますが、財政再計算を目下やっているところで、まだ新しい掛金率は出ていないわけでございますけれども、現在の掛金率は御案内のように千分の九十八でございます。私学共済が百四・五、国共済が百三、地共済が百四、国鉄が百二十三という状態でございまして、厚生年金も今回引き上げが行われましたので、現状においてはむしろ最も低い水準ということでございますが、これが将来どうなるということは財源率の計算いかんでございます。 〔委員長退席、理事北修二君着席〕 そこで、ただいま先生御指摘のような基本問題についてどのように考えるかということでございますけれども、やはり先生御指摘のような最低保障の適用者が多いことは、その要因が、先ほども御答弁申し上げましたが、在職期間が短いこと、それから給与水準が低いというところにやはりあるということは先ほど御答弁いたしたとおりでございまして、これはやはり漸次改善されてきておりますし、今後とも改善をするように努力し、また指導していかなけりゃならぬというふうに思っておる次第でございます。 また、支給開始年齢が早いことにつきましても、これはやはり先ほど御答弁申しましたが、次第に延長はされているものの、まだまだの状態でございまして、定年年齢の延長の指導をしていかなけりゃならぬというふうに思います。 それから、もう一つ御指摘がございました不足財源につきまして、農林年金がその発足の経緯からいたしまして、やはり母体であった厚生年金、これが引き継がれたもとでございますけれども、その当時、折半負担をいたしておりまして、これは他の国共済などとはまた違った負担の仕方をしてまいったわけでございまして、その折半負担の原則というものをそのまま引き継いだ次第でございまして、この不足財源、引き継いだときの不足財源につきまして、これを何らかの形で変えるということはなかなかその筋としてむずかしい状態にあるわけでございます。 このようなことで改善の努力もいたしておりますし、またむずかしい部分もございますが、しかし、農林水産省といたしましても、従来から掛金の負担の軽減のためには国庫負担の引き上げ等を漸次やってまいったわけでありますし、また今後ともこれをやっていきたいというふうに考えておる次第でございます。ただ一方で、やはり十年間も掛金率が据え置かれてきたわけでもございますし、また、これまで十年間に、直近一年の平均給与による給付算定方式の導入とか、あるいは通算方式の導入とか、また先ほどからるる御説明いたしております最低保障額の引き上げというような形で給付の改善の方もいたしてまいっておる次第でございます。 〔理事北修二君退席、委員長着席〕 そういうことを考えますと、掛金の引き上げにつきましては農林年金の長期にわたる財政の健全化のためにどうしても避けられないところであるというふうに考えるところでございまして、先ほど御答弁申しましたようなことで国も努力をいたしてまいりますが、やはり組合員の方々にも御理解と御協力をお願いしたいというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 局長は、私が農林年金の掛金は高いと言ったら、実は公務員年金は百三で、公共企業体は百二十三で、地方公務員は百四だとか、そうすると農林年金は九十八なんと言う。これはいま申し上げた百三とか、百二十三とか、百四というのは、再計算した後のあれですよ。ことしそういうふうになったんですよ。それと農林年金の従来の九十八と比べてみて、農林年金の掛金は高くないなんて、そんな答弁をしちゃだめですよ。これから聞いてまいりますけれども、上がってくるんですからね。そんな不まじめな答弁をしちゃだめだ。 それで、お話がありましたように、農林年金の財政再計算をことしじゅうに行わなければならない。一体その結果、おおよそどの程度の掛金になるのですか。
○政府委員(松浦昭君) ただいま財政再計算をやっている真っ最中でございまして、確定的なことは申し上げられない段階にあることは先生もよくおわかりになっていただけるものと思います。ただ、試算と申しますか、そういうことで大体どのぐらい上がるだろうかということを見込みますと、現在の総財源率、これは数理的保険料率に加えますところの整理資源率の合計値でございます。これは現在の掛金を計算いたしました昭和四十九年度末を基準として計算いたしますと千分の百七十二・四一でございますが、これは五十年度から五十四年度までの組合員の給与の改善あるいは年金者の年金額の改善等を見込んで計算しておりませんから、これを見込んで財政再計算をやってまいりますと、五十四年度末現在で総財源率がおおむね千分の二十程度の数値で増加するんじゃないかということでございます。これを掛金率に換算してみますると、もちろん修正率とか、あるいは国庫負担の問題であるとか、あるいは利差益充当分とか、そういうものがどうなってくるかということは全く仮定でございますので何とも申し上げられないことでございますけれども、これを従来の修正率、つまり、七七・五%で修正するといったようなことで仮定計算いたしますと、千分の二十までは上がらないと思いますけれども、千分の十を相当上回る程度の掛金率の上昇になるというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 掛金率は、現在の算出基礎をそのまま適用すると千分の十から二十の間ということは、この答弁はここずっと変わっておりません。まあ変わっていなくても仕方がないと思いますがね。 そこで、それでは掛金率が幾らになるかということを考える場合に、積立方式ですね、先回から修正積立方式による財政方式がとられて、修正率を七七・五%として掛金に反映したわけなんですが、今回の再計算に当たって、修正積立方式の考え方はどういうふうに配慮していこうとするのか。そうしてその修正積立方式を取り入れる場合、どの程度の修正率が後代負担ともあわせて適当というふうに思われますか。
○政府委員(松浦昭君) 先ほども申し上げましたように、いわゆる財源率計算の場合の総財源率はわりあい、何と申しますか、機械的に出てくるものでございますけれども、この修正積立率のところは、まさに政策判断と申しますか、そういう要素を非常に持つところでございまして、率直に申しまして、やはりいま財源計算につきましていろいろ御諮問を申し上げて御意見を承っております農林年金財政研究会の御検討をお願いした上で判断をしなきゃいかぬというふうに考えておりまして、ここでどのようにするかということを申し上げるのはまだ時期尚早じゃないかというふうに考えるわけでございますが、私どもの気持ちを申し上げてみますると、この農林年金の財政方式は、従来いわゆる平準保険料方式を採用いたしてまいりまして、前回の再計算からこれを改めまして、と申しますのは、財源率が非常に大幅に上昇したということからいわゆる修正積立方式というものを採用いたしましたのは経過として御存じのとおりでございます。 ただ、このような必要財源率に修正率を乗じますということは、現在の組合員の負担の急激な増高は避けるということができましても、やはり後代負担が増していくということでございます。このような公平の関係、バランスの関係というものを考えてまいりますと、やはり将来の年金制度の健全な運営に不安を招くという問題があるというふうに私ども思っておりまして、この面では、この修正率の問題はきわめて慎重な配慮が必要であるということが私どもの感じでございます。 ただ、全体の掛金の額がどうなるか、これもございますし、また、どの程度までこの修正率を決めるかということにつきましては、先ほど申しましたような農林年金財政研究会の専門家の方々の御意見を十分に承った上で決めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 修正積立方式は取り入れなければならないだろうけれども、その率については十分配慮していく、検討していくという答弁があったんですけれども、それはそれとして聞きおくとして、この利差益充当分はどういうふうに考えているんだろうか。先回は千分の四・五九でもって計算したわけですが、今回はどのような状況になりますか。
○政府委員(松浦昭君) この点も修正率と並んで非常に政策的な配慮が必要な部分であると思います。と申しますのは、実態を申し上げますと、積立金の運用につきましては五・五%以上の利回り確保ということを義務づけているわけでございますが、実際はこれを上回る運用利率になっておりまして、五十四年度は七・四五%という状態でございます。したがって、ここに利差益が生ずるわけでございます。御指摘のように、前二回の再計算におきましては、当面の掛金率を抑制するためにあらかじめある程度の利差益を見込むというやり方をとっておりまして、実はこれは他の年金制度ではとっていない方法でございます。ただ、現在のような年金財政の厳しさが深まりまして、将来の積立金も減少に向かうというような状態を考えますと、そのような懸念のある状態のもとにおきまして、従来のような利差益を相当程度までぶち込んでしまうということがいいかどうかということにつきましては、この点もかなり慎重に検討しなきゃならぬというふうに考えているわけでございまして、これもまた農林年金財政研究会に御検討をお願いしておりますので、その御検討の結果を待ちまして慎重な検討をしたいというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 質問してまいることは全部検討をしておるという答弁なんだけれども、いつまでにこれは決めるんですか。
○政府委員(松浦昭君) 実は、今回の財政再計算は、従前と違いまして、かなり複雑な要素がございます。と申しますのは、前回よりもいろいろな給付の内容につきまして変更、変化、改善を加えておりますので、そのために現在実は従来よりもやや手間取っておるわけでございます。私どもの想定といたしましては、恐らくこの財源率の計算ができてまいりまして、研究会の御意見も聞いた上で決め得る状態というのは、十二月末ごろではないかというふうに考えております。
○村沢牧君 十二月末といっても、あと一カ月有余になってきていますがね。ですから、いまの答弁を聞いていても、きわめて抽象的でちっとも出ておらないんですからね。それはまあこれ以上の答弁を求めてもはね返ってこないというふうに思いますから次に進みますけれども、先回は農協相互扶助事業助成金からの協力も期待をして掛金を決定しておるわけですね。この農協相互扶助事業と年金財政あるいは掛金率とを直接関係させることは正しくない、それは知っておりますけれども、しかし、今度再計算する場合においても、このことをやっぱり無視するわけにはいかぬと思う。そこで、五十五年度のこの相互扶助事業補助金は二億六千五百万ですね。明年の予算では、どのような考え方を持ち、どのような金額を要求をして実現をしようとしているんですか。
○政府委員(松浦昭君) 相互扶助事業につきましては、もう内容は詳しくは申し上げる必要ないと思いますけれども、やはりこれは掛金の内容とはある種の関連を持ってくるわけでございまして、その充実に今後とも努めてまいりたいと考えております。五十六年度予算におきましては、実は三億円を予定しておる次第でございます。
○村沢牧君 明年度予算では三億円を予定している。では、このままこの事業は続けていくということですね。
○政府委員(松浦昭君) 今後とも、この相互扶助事業につきましてはこれを続けていく、充実していくというつもりでございます。
○村沢牧君 昨年、この農林年金法の改正によって支給開始年齢を五歳延長したわけですけれども、これは掛金率にも当然影響してくるというふうに思うんですけれども、今回の再計算にはどんなメリットがあるのか。あるいはまた将来の年金財政にどういう影響を与えるんですか。
○政府委員(松浦昭君) この点を申し上げますと、先ほど私が申し上げました、総財源率で約千分の二十という点がかなりおわかりになっていただけるんじゃないかというふうに思うわけでございますが、支給開始年齢の引き上げの措置は本年の七月一日から施行されたところでございますけれども、四十九年度の財源率を基礎として試算いたしますと、この措置によりまして千分の十五程度数理的保険料率を減少させることができるというふうに考えられます。 ただ、これが、数理的保険料率をストレートにこの十五全部が減少というわけにはいかないのでございます。と申しますのは、その一方におきまして、先生御案内のように、退職一時金の廃止、それからそれに伴いまして通算退職年金に係る財源の増がございます。これは砕いて申し上げますと、退職一時金制度をやめまして、一定の部分を必ず保留して将来の退職年金に備えるというあの制度をやめてしまいまして、通算退職年金制度そのままを適用しまして、それに必要な財源率というものを皆今度は財源計算の中に入れていくという制度をつくりました。このために、実はその財源増といたしまして千分の八ほどが上がるかっこうになります。そうしますと、ネットで申しますと、この十五とそれから八との関係で、相殺いたしまして、数理的保険料率の方は千分の七程度が下がるだけというかっこうになります。 さらに加えまして、これはもう先生御案内のように、いろいろと支給内容等を改善してまいりました結果、整理資源率の方でございますけれども、これは五十年から五十四年の間にやはり千分の二十四程度上がらざるを得ないということになります。そうしますと、先ほどのようなことで、全部足して申し上げますと、やはりこれは千分の二十ぐらいがどうも上がりそうであるという計算になっていくということに相なるわけでございます。
○村沢牧君 大臣にお聞きしますが、厚生年金は、今回の法律改正に当たって、四党の合意事項として掛金率を千分の三圧縮するという、これは法律事項ですから、修正を行ったわけですね。厚生年金と農林年金は、その内容において、仕組みにおいて異なるということは承知をしておるんですけれども、その精神は農林年金にも生かさなければならない、このように思いますが、大臣の見解はどうですか。
○政府委員(松浦昭君) ちょっと大臣の説明の前に……
○村沢牧君 大臣の見解でいいですよ。説明は要らないです。
○政府委員(松浦昭君) 実態の説明をちょっといたしまして……。 お答えをいたします。 厚生年金の今回の改正におきまして、掛金率の引き上げ幅が急激な上昇を避けるために圧縮されたということは、国会の御審議の経過をよく私ども承知しております。ただ、農林年金の掛金率の設定というのは、先生御案内のように、修正率とかいろいろなものを掛け合わせたりいたしましたけれども、伝統的に、年金財政の長期的健全化の観点から、やはり財政再計算の結果を理論的に計算いたしまして、その必要とされる率というものをもって掛金率とすることで、基本的な考えで通してきておるわけでございます。したがいまして、今回の掛金率の設定に当たりましても、修正率とかあるいは利益率とか、そういうものをいろいろと考えてまいりますが、基本的にやっぱり数理的なきちんとした計算のもとに行っていくという考え方は貫いていきたいというふうに考えるわけでございます。もちろんその場合に、国庫負担の引き上げとかそういう問題につきましては、当然われわれも努力をいたしたいというふうに考えておるわけでございますけれども、一方でやはりこういう理論的な計算のもとに出てくる掛金については……
○村沢牧君 その程度の答弁を聞いているんじゃないよ。
○政府委員(松浦昭君) 組合員もひとつよくお考えを願いたいと、御理解を得たいと思っております。
○村沢牧君 もう一回聞きます。 私が聞いたのは、局長にそんな答弁をしてもらうことを求めたんじゃないのです。だから、厚生年金も掛金率が千分の百九ですか、こうなっちゃ大変だと、だから四党修正で圧縮したんですよ。ですから、農林年金にもその気持ちは、精神は生かさなきゃならない。つまり、農林年金の組合員の給与の実態、それから他の共済年金との均衡から、組合員の負担を急増さしちゃいけない。そこで局長は、農林年金の掛金の計算は理論的に数理的にやるんだというようなお話をしておるんですけれども、先ほどから聞いてくれば、修正率にしても利差益率にしても、全部政策的な問題だと。これは理論的じゃないじゃないか。そして決めるのだと言っているんでしょう。ですから、その精神を生かして、大臣、この農林年金の掛金率を若干高めることはいたし方ないとしても、急増さしちゃいけない、その見解を聞いているんです。
○国務大臣(亀岡高夫君) 福祉国家として高福祉を目指して努力いたしておりますことはお互いさまでございます。高福祉、高負担というような道筋も通らざるを得ないというような予測も立っておる中で、とにかく各党合意によりましてできるだけやはり国民の負担を少なくしながらりっぱな制度をつくっていこうということで今回の合意ができたものと考えております。したがいまして、やっぱり社会保障制度の一環であります農林年金制度におきましても、できることなら、できるだけ掛金率を少なくしてうまい年金設計をつくり上げていくという努力をすることが私どもの責任であると、こういう考え方を私は持っておるわけであります。 したがいまして、今日までもいろいろと皆さん方のお知恵を拝借しながら、この前の財政計算のときにおきましても、できるだけ掛金率を軽くして、そして給付をよくしよう、こういう努力をさしていただいたことは御高承のとおりでございますから、これからも理屈上はいろいろな数字が出てくると思います。しかし、やっぱり負担すべきところは負担していただくということがありませんと、こういう年金制度とかそういうものは、これはもう成り立たないわけでありますから、そういう点も十分考慮はいたしまして、農業団体の皆さん方にも御納得のいくような線で御協力をちょうだいしながら、来年度予算編成に対して全力を尽くしていきたい、こういう考えでおる次第でございます。
○村沢牧君 そこで、農林年金財政の健全化や、あるいは組合員の負担の急増を避けるためにはどうしても国庫補助率を引き上げなければならない、問題はそこに帰してくるというように思うんですね。そこで給付に対する国庫補助率を百分の二十以上に引き上げるという要望が強く出され、当委員会においてもこれもまた毎年附帯決議でもって要請しているわけです。この国庫補助率は昭和四十七年以降八年間も据え置きをされている。 それからさらに、財政調整費補助の増額を図ることについても、これまた附帯決議でもっても要請をしている。なるほど、財政補助率については昨年〇・〇五%引き上げて現在一・八二%であるけれども、これは団体等の要求によっても三%以上にしてもらいたい、こういう要望も出されておるわけなんです。 そこで、こういう要求や附帯決議を受けて、農林水産省としては今日まで一体どんな取り組みをしてきたのだ。五十五年度予算編成でも大臣折衝にまで持ち込んでやったということは聞いておるわけなんですけれども、明年度どうするのか。 そこで重ねて申し上げておきますけれども、本年四月、当委員会で農林年金審議の際、当時の武藤農林大臣は、農林年金は、他の共済年金と横並びは横並びとしながらも、農林年金としての何か独自なものを打ち出すことができないかどうか、独自性を出したい、そして来年度の予算編成までにこれは農林水産省としても十分検討して大蔵省と折衝すると、こういう答弁をしているんですが、どんな独自性をうまく出して要求しているんですか。これは大臣ですね、ひとつ大臣の方から御答弁願いたい。
○国務大臣(亀岡高夫君) この補助率アップをするということが、先ほど申し上げた掛金をできるだけ軽くするという一つの方策であることにかんがみまして、私といたしましても、この制度をつくってから今日まで、毎年予算編成の際には私も深夜に至るまでいろいろと苦労した経験を持つ一人でございます。したがいまして、農林水産大臣を拝命いたしますと、来年度の概算要求をつくるに当たりましても、この点は特に意を用いまして、一八%で長らく据え置かれたやつを、とにかく二〇%はこれはもうどうしてもやらにゃいかぬぞ、こういうことで指示を与えた次第でございます。 と同時に、武藤大臣の気持ちも十分わかりますので、私としても、やはりこの年金制度を充実さしていくための何かうまい方法はないものか、まあ一言で言えば。そういうことも事務当局として考えられないかというようなことを指図しながら、いま盛んにその折衝をさせておるところでございます。 具体的なところは、事務当局から申し上げることができますればいま申し上げさせたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 現在、私ども五十六年度の予算編成に当たりまして提出している概算要求案は、給付の補助の定率補助二〇%、それから財源調整費三%という引き上げの案を出しておりまして、これはなかなかむずかしい情勢にあるということは十分承知しておりますけれども、ただいまの大臣の御決意あるいは前回の武藤大臣も御決意を披瀝なすっておられた次第でございまして、この実現ということにつきまして最大限の努力をしてまいりたいと思います。 それを具体的にどのような形でやるかということにつきましては、いろいろ秘策を練っておるわけでございまして、その点につきましては、今後どのようなやり方をするかということをごらんになっていただきたいというふうに思う次第でございます。
○村沢牧君 やり方については、秘策を練っておるし、先を見てくれ、期待してくれという御答弁であったけれども、それはまあ結構ですよ。そこまでこの委員会で聞こうとは思わぬけれども、大臣の決意として——大臣もみずから農政通だと言われておるし、農林年金のことについては十分承知をしておるというふうにおっしゃっていますから、せっかくそういう大臣ができたんですから、ここらでまた一八%なんということじゃなくて、最大限努力をして上げていくという決意のほどをひとつ一回示してください。
○国務大臣(亀岡高夫君) 厳しい国家財政の中で、また財政再建を至上使命としております内閣のもとにおきまして、とにかく概算要求の厳しい枠の中でこれだけの概算要求——いま事務当局から申し上げたように、二〇%ですか、それから調整関係の方も三%引き上げようということで概算要求いたしているわけであります。概算要求いたしたものが無残な姿で削られるようなことになっては、これは農林水産省全体としての権威にもかかわるというような意気込みでがんばっていきたい。それにつきましても、当委員会のこのような御支援を感謝をいたすわけであります。
○村沢牧君 せっかくひとつがんばってください。 次に、定年制の問題について一、二伺っておきますけれども、農林漁業団体職員の定年制を延長しなければならないことは、農林年金に関連してだけでなくて、すべての高齢化社会の中においてその積極対策が迫られているわけですね。特に年金に関連して言えば、支給開始年齢の引き上げあるいは年金財政の上から、定年延長は避けて通れない問題だ。 そこで、先ほども答弁があったんですけれども、農林水産省も本年三月、経済局長名をもって定年制延長に関する通達を行ったことは承知をしておるんですけれども、そういう通達を受けて団体がどのように対応しているのか、あるいはその成果について局長はどのように判断していますか。
○政府委員(松浦昭君) ただいまおっしゃられましたように、昭和五十五年の三月に、経済局長名で定年制の延長等に関しましての通達を出したわけでございますが、これを受けまして、農協の場合でございますが、全国農協中央会が各都道府県の農協中央会に対しまして、定年制の定年年齢の延長等につきまして指導する通達を出したわけでございます。これで傘下の下部団体に対して趣旨の徹底を図る体制をつくったわけでございますが、この結果、本年の四月以降、全国農協中央会は各都道府県の農協中央会から、このような指導をもとにいたしまして、定年延長問題と農協の高齢化対策の取り組みの進捗状況について逐次報告を受けるという体制をとっております。それで、その結果は農林水産省に対しましても報告をしてきておりまして、逐次それは聴取いたしております。この報告によりますと、現在までに四十七都道府県の農協中央会の中で、三十の都道府県の農協中央会が定年延長趣旨の徹底指導方策ということにつきまして研究会とかあるいは審議会とかを設けまして、何らかの形でこれに取り組むということになっておりまして、目下それが進行の状況でございます。 ただ、私ども聴取いたしております限りにおきましては、まだその成果が上がってまいりましてどのような状態になるというところまではいっておりません。むしろ、その成果は今後にまつという状態でございます。
○村沢牧君 農協について言えば、五十五歳以下の定年を施行しているのが男で四一・七%、女で五一・五%というような数字になっていますね。 長野県の場合は連合会が五十六歳、ほとんどの単協は五十五歳という定年なんです。定年を延長しなければならないということはたてまえ論としてはみんな承知をしている。しかし、定年延長を阻害する要因もいろいろあると。給与体系を初め、労務管理の問題等もあって、簡単にはなかなか進まないんです。定年延長の問題は労使間の問題であるとしても、しかし、農林水産省としても一つの指導方針、あるいはこうあるべきだと、これを持たなきゃならないと思いますが、どうですか。
○政府委員(松浦昭君) もとよりこの定年制の延長につきましては、各連合会なり組合なりの財政状態もございますし、また給与体系その他、非常に各般にわたる検討を要することでございまして、これを改善するということはなかなか容易でないということは事実でございます。また一この問題は労使間の問題であるということもあるわけでございますが、私どもやはり基本的に考えておりますことは、先般当委員会にもお諮りをいたしまして支給開始年齢を引き上げたという非常に大きな事実があるわけでございます。そのためにはやはり定年制を延長していかなければ、このようなお願いをした事態とはそぐわないことが起こるわけでございまして、さようなことからも、私どもとしましては、この定年の年齢の延長につきましては、非常にむずかしい問題はあるかもしれないけれども、とにかくこれに正面から取り組んでほしいと。そしてまた、その状況についても逐次われわれも報告を受け、指導していくという体制をとっているわけでございまして、今後ともその指導方針というものは貫いてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○村沢牧君 農林年金の問題については政正点も今回少ないわけでありますので、私は農林年金問題については質問をちょっと打ち切って、先回の委員会でも資料要求もいたしておりますから、この際、冷害対策について詰めをしておきたいというように思います。 冷害対策については、今日までいろいろ論議をされ、要請をされてきたところでありますが、いよいよ詰めの段階になってきたというように思います。それで具体的に項目的に伺ってまいりますけれども、天災融資法及び激甚災害の発動は、十一月の十日以降行うというふうに言われておったんですが、いつやるんですか。 二つ目として、自作農維持資金の災害枠の確保、貸付限度枠の引き上げはどのようにするのか。 三つ目として、つなぎ融資及び既貸付金、これの償還条件の緩和措置はどのようにするのか。 以上、三点について率直に答弁してください。
○国務大臣(亀岡高夫君) 天災融資法、激甚災害法のあれは、あすの閣議にかけることのできるようにということで準備をさしておりますから、その決定をしていただきますと、十日の日に公布ということにしたいと、こういうことでやっております。 二以下の問題については事務当局から……。
○政府委員(杉山克己君) ただいま大臣が言われましたように、十日の公布ということでもろもろの手続、準備を進めておるわけでございます。 その中で、自作農維持資金につきましては、これは御承知のように、被害の額、それから共済資金がどれだけ支払われ、さらに天災融資法に基づく経営資金がどれだけ手当てされるかということを見た上で、それでも足りない部分について手当てするということになっております。そういう関係から、若干手間がほかのものよりもかかるということはございますが、その日程にできるだけおくれないようにということで目下関係県等とも詰めを行っているところでございます。額等につきましても各県との調整をただいま行っておるところで、それほど遅くない時期に確定するというふうに考えております。 全体の枠の拡大はもちろんでございますが、北海道、それからその他の一般都府県というふうに分けまして、特例枠を設けるか、限度枠をどれだけ引き上げるかということについても早急に結論を出すというような段階までまいっております。
○村沢牧君 次は、災害補償対策ですけれども、共済金の早急支払い対策はどのように進んでおるのか。また、確認しますけれども、これは年内に完了するのかどうか。 それから二つ目として、損害評価の特別措置はどのように講じたのか。 以上二点について。
○国務大臣(亀岡高夫君) できるだけ早くという指示を与えてきておりまして、いまのところ、結論から言いますと、全被災農業共済組合におきましては、年内に本払いが全部完了するという方針のもとにやっております。もうすでに仮払いをやりました県につきましては、水稲につきましては八連合会四十組合等について仮渡しを行ったほか、十一連合会四十五組合等で仮払いを近く行うという報告を受けております。 また果樹につきましては、一連合会四組合等にすでに仮渡しを行っておるところでございます。 なお、国としても、請求に応じまして再保険金の概算払いをすでに支払いを始めておりまして、本日、青森県の農業共済組合連合会に対しまして八十四億円支払いをいたしております。果樹につきましては、十月三日に大阪府の農業共済組合連合会に一億五千万円支出をいたしておるところでございまして、このように逐次仮払い、仮渡し等も行っておりまして、年内には本払いが全部完了すると、このような手配を進めております。
○政府委員(松浦昭君) 先ほどのお尋ねの点の、つなぎ融資をちょっと申し上げておきますが、つなぎ融資につきましては九月二十四日付ですでに各関係機関に依頼をしたところでございまして、現在、青森県を初めとして、東北各県を中心に多くの府県におきましてその実情に応じましてつなぎ融資を実施している状況にあります。 それから、お尋ねの、農業共済に係る損害評価の特例措置でございますが、本年の水稲は、冷害によりまして食用にならないような米が大量に発生しているということにかんがみまして、農業共済における損害評価においては、このような米の取り扱いについて特例措置を講ずるということで、すでに十月二十四日付で通達をいたしております。 その内容を申し上げますと、農業共済組合連合会の実測調査資料のうちで、縦目ぶるい一・七ミリメーターの選別では政府買い入れ基準に達しないものにつきましては、被害粒を控除いたしまして買い入れ基準に達するかどうかを判定すると。その被害粒は当然被害の分に入るわけでございます。そこで、さらにまだ政府の買い入れ基準に達しないというものにつきましては、縦目ぶるい一・八ミリメーター、これでもう一度選別をしまして、それで初めて買い入れ基準に達するものはそれをもって収量とする、これは前回五十一年にはやっていなかった措置でございますが、それをやる。それから、それでも買い入れ基準に達しないものにつきましては搗精試験を行いまして、その搗精歩どまりの低下分をも減収として見るということで今回の損害評価をやるということにいたしまして、すでに通達をいたしたところでございます。
○村沢牧君 いろいろ対策を進めておられるわけですけれども、そうした中で、やはり私はどうも釈然としないのがこの公共事業による雇用促進ということなんですがね。そのために、先日も委員会で要請して資料もつくってもらったわけですけれども、特別事業費枠を設定して対処していく、その特別事業費枠は二百四十億円である。しかし、これは既決予算の一部であって新規の予算ではない、また予備費の充当でもない。冷害がなくても第三・四半期及び第四・四半期には発注しなければならない予算ではないか。 そこでお聞きをしますが、一体五十五年度公共事業枠はどのくらいあって、それから上半期にどれだけ発注して、第三・四半期、第四・四半期分としてはどれだけ残っておるか、そうしてその中の一部が二百四十億ということになるのだというふうに思うんですが、その辺についてどうですか。
○政府委員(杉山克己君) 公共事業は、ほかに林野とかあるいは水産関係もあるわけでございますが、私どもの土地改良、農業基盤関係が一番大きいわけでございます。これについて申し上げますと、五十五年度の予算現額は総額九千百七十一億円でございます。そのうち上半期までに契約を終えておる額が五千五百五十八億、執行率約六〇%ということになっております。そこで第三・四半期の契約目標でございますが、これは一般の枠が千五百七十九億、それから特別枠として二百億、これは全体二百四十億のうち農業基盤関係が二百億ということでございます。あわせて千七百七十九億、そのうち——そのうちといいますか、以上の結果、第三・四半期の現在で未契約の額、目標は七千三百三十七億ということになるわけでございます。下半期だけを取り上げますと目標額は三千六百十三億。要するに第三・四半期の初めにおいてまだ契約が残っておる額は三千六百十三億であった、こういうことでございます。
○村沢牧君 ですから、二百四十億だとか二百億と言っているけれども、第三・四半期以降にやらなきゃならないものが三千六百十三億あるんですよ。そのうちの二百億じゃないか。特別枠だとか特別事業何とかと言っているから、一般の農家の人たちは何か別なものをつくってくれたと思っているけれども、そうじゃないんだよ。だから、決して皆さん方が胸を張って特別枠でもって処理するなんということは言えた筋ではないと思うんです。 そこで、私は資料要求したんだけれども、五〇%以上の被害を受けた町村に果たして公共事業がどれだけあって、第三・四半期にはどういう措置をしていくのかという資料を求めたところが、大変でそれはできないということで、青森、岩手の資料をいただきました。これなんか見ても、多くの市町村には、なるほど公共事業を持っておるところもありますが、激甚地で公共事業の存在しない市町村もある、町村があるわけですね。長野県の場合においても、被害率五〇%以上というとかなり大きいんですが、その町村が六つあって、三つの町村には公共事業はないんですね。公共事業の個所づけも何にもないところで、こういう冷害を受けたから公共事業を希望するもの、ぜひやらしてもらいたいという希望もある。そういう場合にはどういう対処をするんですか。
○政府委員(矢崎市朗君) ただいま長野県の例について御質問ございましたが、全国的に言いますと、現在農林水産関係の公共事業で、たとえば農業基盤整備事業で言いましても、地区数では全国で一万五千地区で現に事業を実施いたしております。市町村で申しますと、全市町村のおおむね九〇%近くが基盤整備事業の何らかの公共事業を実施している、こういう現状にあるというふうに考えておるわけです。 で、実施していない市町村でございますが、主に大都市周辺でございますとか、それから農地がきわめて少ない山村のようなところで比較的実施をしていない地域がございまして、また、別途こういう地域におきましては林野の公共事業が実施されているところが非常に多いわけでございます。それもあませまして今回の施行促進の実施をする、こういう考え方でございますので、その辺をうまく適時かみ合わせてまいりますれば、まあほとんどの市町村におきまして何らかの対応が可能になるのではないかというふうな一応の私ども検討をいたしておるわけでございます。 しかし、それでもなおかつ公共事業が行き渡らないという市町村もあろうかというふうに思います。この場合、御案内のとおり、別途国有林野事業におきましても緊急的な造林事業も実施いたすということになっておりますし、また非補助の事業につきましては、農林漁業金融公庫の土地改良資金あるいは造林資金という非常に長期低利の資金がございますので、これを優先的に活用してまいりたい。また、そういった事業につきましては、特に関係省庁にもお願いをいたしまして、起債枠の確保なりあるいは特別交付税の交付についても十分な配慮をやっていただきたいということでお願いをしておるわけでございます。こういった措置全体を総合的に何とか今回の被災者の雇用吸収に役立ててまいりたいというのが現在私どもが考えているところでございます。
○村沢牧君 公共事業をやりたくても公共事業がない市町村が現にあるんですよ。そのことに対してどういう措置をとるのか。 それから、公共事業と言っても、その中身は必ずしも雇用確保につながるかどうか、これは明確じゃないというふうに思うんです。今日の公共事業の多くは、その事業のうち多くのものが材料費や機械力やあるいは業者の経費に回されておる。果たして皆さんが言う公共事業は救農事業としていけるかどうか。あるいはいまの公共事業は、建設業者が請け負って、みずから雇用している労働力とみずから所有している機械によって仕事をこなしているんです。こうした業者に対して、冷害被災農家を優先的に雇用するという保証があるのかどうか、どうですか。
○政府委員(杉山克己君) 確かに先生おっしゃられるように、昔のように公共事業の中で占める労務比率の率は高くございません。おおむね二〇%から二五%程度が一般の場合でございます。しかし、二〇%ないし二五%の労務比率でも、事業費の額が大きくなればそれだけ労務費も大きくなるということでございますし、それから、そういう中でもできるだけ、やはり同じ事業の中でも工種によっては労務比率の高いものもございます、そういうものを優先的に工事として進めるようにということで指導をしてまいっておるわけでございます。 具体的に申し上げますというと、十月十七日付の局長名通達をもちまして、全国の各事業主体に対しまして、被災農家の就労が円滑かつ効率的に行われるようにということを指導いたしております。それと同時に、またこれとあわせまして、施工業者の団体でありますところの土地改良建設協会、これに対しましても、事業主体それから関係公共団体と連携をとりながら、被災農家の就労が円滑かつ効率的に行われるよう特段の配慮を要請するということで通達を出しているところでございます。あと、具体的にそれぞれ各県にもお願いして、この指導の徹底方を期しているところでございます。
○村沢牧君 公共事業は政府が当然発注しなければならない事業ですが、冷害地において被災農家を優先的に雇用しなさいというこの保証、もっと突き詰めて言うならば、入札条件なり何なりを付してやることができるんですか。
○政府委員(杉山克己君) これは事業の種類、それから工種によりましてきわめて多様でございますので、一律にそういう契約条件として義務を課するということはなかなか実態にそぐわないという面がございます。実は五十一年の際に、そういう労務比率を三〇%以上のものに限る、それから被害率五〇%以上の農家がまとまっているところからそういう農家の労働力を吸収するようにということで実施したわけでございますが、それが非常に実行上多大の障害を来したと、種々問題を起こしたこともございまして、その点は一律そういう形で契約条件にするということにはいたしておりません。いま申し上げましたように、通達によりまして関係の事業主体、それから事業の施工業者、こういった方面の協力といいますか、努力を要請しているところでございます。
○村沢牧君 その辺もきわめて不鮮明なことですけれども、そこで、公共事業を早期に発注して雇用対策を確保していく、公共事業の方が予算が決まっているから早いんだといういままでの答弁であったわけですけれども、実際、この冷害地では、被害が大きくなることがわかった八月ごろから、ずっと何か事業を起こしてくださいという要望が非常に強かった。しかし、公共事業公共事業と言っているけれども、まだ実際の事業開始になってはおらないではないか。皆さん方がやれと言って種々通達をして、予算枠はなるほど農政局まで行ったけれども、現地で仕事になっているのかどうか。すでに、冷害地は積雪寒冷地が多いわけですから、もう十一月半ば過ぎれば仕事にならないんですよ。一体その辺はどんなように進んでいるんですか。
○政府委員(杉山克己君) もう予算額の配分は、一般の枠も、それから追加になりましたその二百億の分も含めまして、農政局を通じ県別に配分を行われております。それで、具体的にいま市町村への張りつけが行われているところでございまして、それと並行いたしまして、先生おっしゃられるように、工期の都合の問題がございますから、市町村等では契約上の実務はそれぞれ進めているところでございます。事業の実施には支障を来すことのないよう、せっかくの予算の配分でございますから、これを生かすように努めてまいりたいと考えます。
○村沢牧君 努めてまいりたいという気持ちはよくわかるけれども、仕事は進んでいないということなんだよ。だから、本当に公共事業でもって雇用促進を図っていくのだったら、もっと早く進めなきゃだめなんだ。そんなに待っておれないですよ、被害農民は。ですから、そのことは強く要請をしておきます。 そこで大臣、私は先回も指摘をしたんだけれども、雇用の確保を図るためには、公共事業よりも、一番身近な自治体の計画する事業の方が現地の実態に即しているし、事業の開始も早いと思うんですね。したがって、冷害地の県や市町村は国の事業だけを期待しておれない、単独の事業等をすでに行っているわけですね。むしろ、皆さんが本当に雇用促進を図っていくとするならば、こうした事業に対して一定の補助金を出す、そうすればより前向きな仕事ができるというふうに思うわけですね、これに刺激をされて。したがって、自治体が行う事業に対して必要な起債を認める、それから償還の際には交付税で何とか配慮していく、補助金も出そう、そういうことをいまからでもやっぱり取り組む必要がある。私は冷害がこれだけ大きくなってきたんだから、当然既決予算の範囲内ではもう処理ができない問題も出てくるだろうと。補正予算も組まなければならないかもしれない。あるいは何だかんだ言ったって予算費だって出さなければいけないと思うんですよ。そういうことがいまの段階になってもできないのかどうか。私は遅くないと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) この前の委員会、またただいまの御質疑を通じまして、冷害対策については私ども最善の努力をしてきておるところでございます。何といっても、私どもも当初、かつての日雇い関係の事業のようにああいう仕事を労働省を通じてと、こう考えましたわけでありましたけれども、ああいう適切な事業が現在法律的にないというようなことで、これはもう各町村にまずもって県事業なりあるいは町、村、市単独の事業でとりあえずの、もう最も早くできるそういう種類の仕事は市町村ということになりますので、これは自治省にもお願いをいたしまして、そういう被災地から要請があった場合にはまず起債を認めてほしいと、そうしてその起債については交付税等によって処理をすると、こういう措置を自治省としても早く決めていただきたいと。大体特別交付税制度というものは、災害に遭ったときにその災害対策の万全を期するということであの制度が始まったと私も記憶いたしておるわけでございましたので、そういう点も強く自治省に申しまして、とにかくただいまも関係局長から申し上げましたとおり、農林水産省の事業がことしの事業でさえも手間がかかる、時間がかかると。現地に行ってくわ入れ式をして工事を始めるまでには少なくとも二カ月ぐらいかかっちゃうと、そういうことではもう現地が困るんだからということで知事さん方にもお願いをむしろした。もうお願いするよりも、青森、岩手、宮城、福島等の激甚のところにおいては、もう県単の単独予算を組んで工事を始めておるわけであります。その後にただいま申し上げたような国の仕事が行って、そこで両々相まって雇用の場をできるだけ多くつくり上げていくという努力をいたしておるところでございます。 補助を出せと、こういうことでございますが、いま補助金を出すということになりますと、これまたもう少なくとも三カ月、補助金の事業の計画をし、そうしてそれを測量をして設計をしということになりますと、五十一年のときにも非常に時間を食ったわけでございます。そういう点、私どもとしてはできるだけ早く、もうとにかく来年の農作業が始まるまでの雇用ということに重点を置いて対策を講ずべきであると、こういうような考えでやらしていただいておるものですから、この点ひとつ御理解をいただきたいと思う次第でございます。
○村沢牧君 時間が来ましたから質問を終わりますが、冷害対策については、先ほど答弁がありましたように、激甚地指定はあす閣議決定して十日に発動するということでありますから、より積極的なこの対応をしてもらうように、先ほど私が要請をしたこと等も含めて前向きで取り組んでもらうことを要請して私の質問を終わります。
○中野鉄造君 まず最初に、農林漁業団体職員共済組合の組合員の数と年金受給者数の関係は現在どういうふうになっているのか、また、今後の動向をどのように分析され、これに対しての具体的対応策はどういうふうになっておりますか。その点を大臣に御質問いたします。
○政府委員(松浦昭君) 組合員と年金受給者の現状あるいは今後の動向、それに対応する具体的な対応策でございますが、まず事実関係から申し上げますと、農林漁業団体職員共済組合の加入者数は近年おおむね横ばい状態でございまして、今後もこのような状態が続くものと想定しております。人数を申し上げますと、昭和五十四年度末の加入者数は四十七万四千人でございます。他方、年金を受けておる受給者数の方でございますが、こちらの方は現在急速に増大をいたしておりまして、十年後には、昭和六十五年でございますが、十三万七千人、二十年後には十八万五千人、三十年後には二十万三千人程度になるものというふうに予想しております。したがいまして、成熟率でございますが、これは加入者に対しますところの受給権者の比率でございますが、十年後は二九%、二十年後は三九%、さらに三十年後は四三%になるというふうに想定をいたしております。 このために、率直に申しまして、現在の現行掛金率のままに推移するということで仮定をいたしてみますると、昭和五十八年度には——これは四年後でございますが、年金給付が掛金収入を上回るという状態になりますし、昭和六十五年には年間総支出が総収入を上回るという状態になりまして、さらに昭和七十四年になりますと、保有資産が尽きてしまいましてゼロになるという状態になるというふうに想定されるわけでございます。 したがいまして、このような年金の財政状態でございますので、今後その財政の健全化ということは真剣に検討していかなければならないというふうに考える次第でございまして、現状では約十年にわたりまして掛金は据え置き同様になっております。この掛金率のあり方、この点についても十分に検討しなければならないし、また今回の財政の再計算に当たっては、この掛金率についても見直し、検討を行っていかなければならない、かような事情にあるというふうに考えている次第でございます。
○中野鉄造君 いまの御答弁の内容についてはこれからまたずっと後で触れていきますが、今回のこの改正案の内容についてお尋ねいたすわけですが、まず厚生年金がその基本となっておることはわかりますが、その月額千六百五十円が二千五十円になっております、この根拠をお尋ねしたいと思うんです。つまり、この決定以来今日までの物価指数の状況から見てなかなか納得しがたい数字でありますし、またこれから数年この二千五十円ということになれば、今後の物価上昇指数に果たして妥当であるか、つまりついていけるか、さらにその懸念を深くするわけですが、この点をお尋ねいたします。
○政府委員(松浦昭君) 厚生省もお見えになっておられますので、補足してあるいは御答弁があるかと思いますが、農林年金の立場から申しますと、年金額の算定方式のうちで、私どもは、いわゆる定額部分と報酬比例部分というものがあるわけでございますけれども、このような方式によりまして算定いたします、いわゆる通年方式によって定められている定額部分につきまして今回改正を行っているわけでございます。 で、厚生年金——この改正は厚生年金の改正に準じて行ったわけでございますが、私ども厚生年金側から承っている状況を申し上げますと、厚生年金の方では、年金額の水準といたしまして、直近男子の平均標準報酬の六〇%程度を確保するという考え方を維持するということを基本にされておりまして、定額部分と報酬比例部分の割合を五〇対五〇ということにするというこの二つの要素から、定額部分の単価を千六百五十円から二千五十円に引き上げておいでになったというふうに聞いておりまして、これを私どもの算定基準として取り入れ、今回の改正を行った次第でございます。
○中野鉄造君 それは一応わかりましたけれども、そうしますと、この農林漁業団体共済としては必ずこれを受けなければならないのか、その辺について、厚生年金がこうだからということのようですけれども、いま申しますように、必ずこの厚生年金を基本にしたものでいかなければいけないのか、それとも農林の方はこれ独自でいってもいいのかいけないのか、この辺のところをお尋ねします。
○政府委員(松浦昭君) 農林年金の場合におきますところの年金額の算定の基礎になります、先ほど申し上げました定額部分でございますが、これは昭和四十九年の制度改正におきまして、厚生年金の給付水準を確保するために、厚生年金の年金額算定方式を導入したという経緯がございまして、その経緯から申しまして、その単価につきましては、従来から厚生年金の定額単価を採用するということになっております。したがいまして、このような経緯から、当然のことでございますが、農林年金におきましては定額部分の単価を改正するという際にも農林年金単独でこれを行うということはできないことになっておりまして、常に厚生年金の定額部分の単価と横並びで行うという性格になっております。この措置は決して農林年金だけの措置ではございませんで、他の各種共済組合制度の共通の原則でございまして、農林年金のみで、独自でこの定額部分の改正をするということは困難な状況にございます。
○中野鉄造君 この農林年金の制度ができてからもう早くも二十一年、この共済組合加入者が、組合員の方々がいま非常に心配されているのは、この現状、つまり年金受給者とそれを支える掛金支払い者のそのバランスが、厚生年金と比較してかなり今後鋭いカーブで上昇していくのではないかと、こういうようにいま考えられているわけです。この点どのようにお考えになっておりますか。すなわち、いまはいいとしても、自分たちがその年齢に達したとき、果たして支給してもらえるかどうかというのを心配している向きもあるんですが、この点をお尋ねします。
○政府委員(松浦昭君) 先生御指摘のとおりでございまして、農林年金の組合員数に対する受給権者の数、すなわち成熟率でございますが、これを過去の状況を振り返ってみてみますると、五カ年の間で五割、実は増加しているという状況でございます。このような増加率を他の年金と比較いたしましても、各共済年金の中でもこの成熟率のテンポは厚生年金に次いで高い成熟率といり増加のテンポをたどっているという状況でございます。加えまして、農林年金の成熟率は十年後で二九%、二十年後三九%、三十年後四三%ということで先ほど申し上げたわけでございますが、そうなりますと、厚生年金のそれよりも絶対的な水準におきましてかなり高くなるという状況で想定しなきゃいかぬという状況でございます。 このような状況のもとにおきまして、いかにして財政の健全化を図るかということでございますが、このままの掛金率の状態でまいりますと、先ほども申しましたように、間もなく年金給付が掛金収入を上回る、さらには年金総支出が総収入を上回る、さらに七十四年には保有資産もゼロになるという状態になってしまうという状況でございまして、大変な事態を招くわけでございまして、さような意味で、年金財政の健全化ということは当然真剣に取り組まなければならない。そこで、掛金率につきましても、今回の財政再計算の中で、先ほど大臣もお話しになりましたように、組合員に負担していただく部分はどうしても負担していただかなきゃならぬということで、よく御理解と御協力をお願いするということをいたしたいと思っておりますし、また、国も掛金の国庫負担、その他につきまして、最善の努力を尽くさなきゃならないという状況にあるというふうに考えております。
○中野鉄造君 この現況を見まして、今後の対策を立てるためにいまこの年金財政再計算がされているわけですけれども、厚生年金の国庫負担率が二〇%、それに対して農林漁業団体の年金への国庫負担が一八%となっておりますが、その根拠についてまず農水省からお願いいたします。
○政府委員(松浦昭君) この国庫補助率が一八%になっているという経緯につきましては、まさに経緯論を申し上げる以外にないわけでございますが、農林年金の国庫補助率は、制度発足当時、これは昭和三十四年の一月でございますが、その当時におきましては、農林年金が分離してまいりました母体であります厚生年金、それから最も類似点の多い私学共済、これとの横並びの一五%であったわけでございます。一五%ということで設定されたわけでございます。ところが、その後、厚生年金の国庫補助率が二〇%に引き上げられたという事態が生じまして、そこで農林年金の国庫補助率についても、これをぜひ、それに合わせて上げてほしいということで今日まで要求してまいりまして、昭和四十一年の十月から一六%、四十七年四月から一八%に引き上げられたという経緯でございます。そこで今日に至っているという状態でございます。 なお、国家公務員共済あるいは地方公務員共済等の国庫補助率は、昭和三十九年の十月に一五%に引き上げられて以来その水準で今日まで至っているわけでございます。 さらに、農林年金につきましては一八%の補助率でございましたので、さらに財源調整費補助ということでいろいろと予算要求してまいりまして、従来定額で給付費の一・七七%相当額の補助が行われておりまして、五十四年度以降はこれを改定いたしまして一・八二%相当額ということになりました。これを先ほどの補助率に仮に加えますれば一九・八二%という状態まで持ってまいりまして、ほぼ二〇%に近いというところまで持ってきたという状況でございます。
○中野鉄造君 厚生省、お願いします。
○説明員(長尾立子君) 厚生年金の国庫負担率でございますが、厚生年金は制度発足の当初国庫負担が一〇%という形でついておったわけでございます。現在の法律——昭和二十九年に制定されたのでございますが、この法律ができましたときに、現行制度になりましたときに、事業主及び被保険者の負担能力というものを勘案いたしまして一五%ということに引き上げられたわけでございます。現行二〇%になりましたのは昭和四十年の改正においてでございます。 この間、二〇%になりました事情でございますが、私ども先輩から伝え聞いておるところによりますと、この前年に国家公務員共済組合におきまして国庫負担率が一〇から一五に引き上げられたというような事情がございますことと、当時厚生年金の給付水準というようなもの、これ現在でもそうでございますけれども、共済よりも若干低いわけでございますが、こういう問題。それから、給付のその他の仕組み等を勘案いたしました上で、私どもの方は二〇%になったというふうに伺っておるわけでございます。
○中野鉄造君 このほかの公的年金においても、将来の展望は財源的にも非常に受給者が上昇することが、これは必至でございますし、そうした全体的な立場で国が誤まりのないように取り計らっていかなければならないわけですが、その中で、この農林漁業団体共済も最も厳しい公的年金であろうと、こう思うわけです。この点についての大臣の御見解をお願いいたします。
○国務大臣(亀岡高夫君) わが国の公的年金制度におきましては、現在八つの制度が分立いたしておるわけでございます。これはそれぞれ被保険者の態様に応じまして目的、沿革をそれぞれ持って発展してきたものでありまして、これらの事情を無視して一律に統合を図るというようなことは大変困難であるというふうに一応私は考えておるわけでございます。 しかしながら、先ほど来議論のありましたとおり、今後の問題としては、年金受給者数の増加、受給者の高齢化、あるいは年金制度の成熟化が進む中で、年金財政の長期にわたる健全化、安定化を図る上からも、年金制度全体の制度体制のあり方と、この中における各制度をどういうふうに位置づけていくかというようなことが検討されなければなりませんし、また、そういう要請が高まってくるものと考えておるわけでございます。この観点から、年金制度基本構想懇談会——これは厚生大臣の諮問機関でございますが、その提言など、各方面からいろいろの意見が出ておるわけでございます。そういう意見を踏まえながら、一億国民のための年金制度、まあ永遠にわたって不安のない年金制度、そういう制度を今後確立をしていかなければならないのではないかと、そういうことで、厚生省が中心になりまして各省とも鋭意検討に力を入れておるということでございまして、私どもといたしましても、この農林年金制度というものをそういう体制の中でどういうふうに遠き将来持っていくべきであるかというようなこともやはり検討をいたさなければならぬと、こう考えておる次第でございます。
○中野鉄造君 いま大臣のおっしゃった年金制度基本構想懇談会というのは、昨年の四月の十八日に行われたわけですが、その際に提出された報告の中に、「現行の個別制度の分立を前提として、このような財政、費用負担面の制度間のアンバランスを是正するためには、」「制度間で財政調整を図っていくことを検討する必要がある。」と、このような報告がなされているわけですが、現実的にこの検討課題はこれは可能なものでしょうか。そしてその後昨年の四月以来、いまどういうふうになっておりますか、その経緯をお尋ねいたします。
○説明員(長尾立子君) お答えを申し上げます。 先生御指摘の、年金制度基本構想懇談会の今後の公的年金制度全般をにらみましての財政問題についての御提言でございますが、御報告書の趣旨は、現在八つに分かれております各公的年金制度の存在というものを前提といたしまして、現実的に今後の財政問題をどう考えていくかという視点に立って報告をいただいておるわけでございます。 この御報告におきましては、現在八つに分かれております公的年金制度のうち、国民年金というものの位置づけをどういうふうに考えるかということにつきまして一つの御提言がございます。いわば国民年金をひとつの基礎的なものとして考えまして、俗に二重加入方式というような形で国民年金を考えてはどうかという一つの案があるわけでございます。 一方、被用者年金におきましては、被用者年金の終身的な制度といたしましては厚生年金があるわけでございますが、職域年金と言われております共済組合との間に、その給付の体系なり、財政方式などにおきまして非常に大きな違いがあるわけでございます。現在の各制度がそれぞれに分かれております現状から考えますと、まず、その厚生年金と共済組合の中にあります給付体系及び財政方式というものについてどういうような調整というものが将来において可能なのかというところをまず一つの手がかりとして考えていくべきではないかという御提言であったと思うわけでございます。 ただいま御検討いただいておりますように、各共済組合におきましては、俗に通老方式という形で、厚生年金の給付体系に見合う形を持っておられるわけでございますが、本来的には共済組合のそれぞれの給付の体系は厚生年金と大きく違っているところがあるわけでございます。共済組合の方では各共済組合をにらまれまして、共済制度全般の検討を始めていただいておるというふうに伺っておるわけでございますが、私どもといたしましては、各共済組合自体の御検討を待ちまして、この全体的な体系というものがどういうふうに持っていけるか、最初申し上げました国民年金との関係も含めまして検討さしていただくということになるのではないかと思っておるわけでございます。 先生御指摘のように、各制度それぞれに沿革はございますけれども、やはり公的年金制度につきましてはできる限り整合性のあるものとしていくことが望ましいということは御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましても公的年金制度の均衝ある発展が図られますよう、さらに政府一体となりまして取り組んでまいりたい、こういうふうに存じております。
○中野鉄造君 この厚生年金の掛金率、改正前は千分の九十一、改正後は千分の百六とこうなっておりますが、農林漁業団体の場合千分の九十八でありまして、厚生年金法の改正前と比較しまして約七高く掛金を支払っておるということになりますが、当然、年金のバランスを維持していく観点から、掛金の引き上げということもこれは考えられると思いますが、この時期と掛金率はどういうふうなものになりますでしょうか、お願いします。
○政府委員(松浦昭君) 農林年金の財源率再計算は、まさに目下鋭意やっているところでございます。昭和五十四年度末の統計資料に基づきましていろいろな要素を考えてまいらなければならないわけでございますが、たとえば組合員の加入、脱退の状況、死亡率、余命年数、有遺族率、昇給状況、さらには年金者の受給期間の変動等、計算の基礎となる数値を決定いたしまして、昭和五十五年の四月一日現在の給付内容を前提といたしまして将来の年金給付の額を推計しまして、これに必要な財源率を計算するというやり方でやっているわけでございます。 しかしながら、今回の再計算は実はやや複雑な要素を持っておりまして、昭和五十四年度の制度改正によりまして、年金の支給開始年齢が引き上がりました。また、減額退職年金の受給年齢の制限であるとか、あるいは退職一時金制度の廃止と通算退職年金制度の改善、さらに脱退一時金制度の創設等、従来の計算内容を踏まえまして、若干変更を加える部分が相当でございます。このために、計算はやや複雑でございます。このような事情を踏まえまして、実は農林年金におきましては、学識経験者七人で構成しますところの農林年金財政研究会、これは座長が庭田先生と申される慶応大学の教授でございますが、 〔委員長退席、理事北修二君着席〕 この方にお願いいたしまして、目下年金財政をめぐる諸問題について検討をお願いしつつ計算作業を進めているという段階でございます。ところが、先ほど申しましたような、やや計算において複雑な事情がございますので、例年より若干作業がおくれておりまして、その財源率が確定いたしますのは、先ほども申しましたように、十二月末ごろではないかというふうに申し上げている次第でございます。
○中野鉄造君 国の財政事情は、これはもう非常に苦しいことはわかっておりますが、厚生年金の国庫負担率よりも農林漁業年金の国庫負担率が二%ほど低く見られているというのは、非常に理解しがたい面があるわけです。なぜならば、農林漁業団体の共済組合の組合員も厚生年金組合員にしても、何らかの形でやはり日本の経済を支えている方々ですし、この人々と同列に扱うよう政府は努力されてはいかがかとこう思うんですが、この点、農水省はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(松浦昭君) 国庫補助の問題をお話しいたします前に、先ほど若干触れなければならなかった点を申し上げておきたいと思いますが、先ほどのようなことで掛金率の計算をいたしてまいりまして、まだその途上にございまして、実は試算の段階であるわけでございますが、先ほど村沢委員にも御答弁申し上げましたように、総財源率で千分の二十程度の——これは約でございますが、数値で総財源率が増加すると見込まれておりますし、またさらに、これに修正率なりあるいは利差を考えましても、なおかつ千分の二十まではいかないと思いますけれども、千分の十を相当上回る程度の掛金率の引き上げは行わざるを得ないんじゃないかというふうに考えているわけでございます。 そこで重要な問題は、まさに国庫負担の問題になってくるわけでございますけれども、農林年金に対しまして、厚生年金より補助率について下がるのはおかしいと、同列に扱うように努力してはどうかということになるのではないかというふうに思います。御案内のように、農林年金に対しますところの国庫補助率は現在一八%でございまして、厚生年金が、先ほども御答弁もありましたように、二〇%となっております。二%の格差があるわけでございます。こうした格差を是正いたしますために、農林水産省といたしましては、国庫補助率の引き上げに関しまして、予算編成の際、従来までできるだけ最大の努力をいたし、また大臣折衝まで毎年持ち上げて交渉いたしてまいったところでございますが、財政当局の御見解を申し上げますと、国庫補助率につきましては、各年金制度の仕組みあるいは給付内容に応じて全体として均衝をとることが重要であり、農林年金だけを補助率の引き上げの対象とするわけにいかない、このような均衡を破ることになるということから、五十五年度におきましてもその実現を見なかったわけでございます。 〔理事北修二君退席、委員長着席〕 私どもとしましては、しかしながら、この点についてはやはり他制度との均衡を踏まえつつもこれを前向きに解決していかなきゃならぬというふうに考えているところでございまして、五十六年度予算に当たりましても、国庫補助率の二〇%までの引き上げということを要求しているところでございまして、これが実現につきましては先ほど大臣からの御決意の披瀝もあったところでございます。
○中野鉄造君 大蔵省お願いします。
○説明員(安原正君) ただいま農林省の方から御説明がございましたですが、公的年金給付に対します国庫負担につきましては、先ほど来御説明がございましたように、いろいろな経緯を経ながら現在のバランスができ上がっておるわけでございまして、それは各制度の給付の内容、被保険者グループのいろんな差異等の事情を総合勘案して定められておる、それなりにバランスのとれた形になっておるというぐあいに考えております。農林共済年金に対する国庫負担を引き上げろということで毎年御要求を受けておるわけでございますが、先ほども農林水産省から御説明がありましたように、個別にバランスを崩すような引き上げということはとうてい考えられない。 それでは全体の問題ということになるわけでございますが、御案内のように財政は危機的な状況にございまして、いろんな改善の御要求をいただくわけでございますが、それに対応する力がない。むしろ現在の年金の国庫補助を維持していくことすら容易でないという状況に立ち至っておるわけでございまして、年金に対する国庫負担の引き上げというのは困難であると考えております。
○中野鉄造君 まあ財政が厳しいことは十分にわかっているんですが、いま申しました不公平であるということのほかに、もう一つ非常にアンバランスな点は、この共済五法の中での国庫負担のあり方について根本的などうも不公平というものがあるように思います。というのは、いわゆる国家公務員あるいは地方公務員、公共企業体の職員、この三共済に対しては掛金に対して国庫負担をしておられる。ところが、農林漁業団体共済の場合は受給されるときに国庫負担をすると、こういう違いがあるわけでして、したがって、受給者数も当然加入者数に対して割合が少ないわけですから、その国庫負担に要する補助額に格差が生じてくるのはこれは当然であるわけでして、この点について改正する意向はないかどうか、この点お尋ねいたします。
○政府委員(松浦昭君) 先生御指摘のように、農林年金につきましては厚生年金から分離したという経緯もございまして、厚生年金の給付費補助という考え方を踏襲いたしてまいっておりまして、制度発足以来、掛金補助ではなくて給付費補助になっているわけでございます。ただ、私どもの考えを申し上げますと、年金財政というのは、あくまでも掛金で負担する収入と年金給付を行う支出とが均衡するようにたてまえとしてできておりますので、掛金補助をとりましても給付費補助をとりましても、基本的な優劣というものはないというふうに考えている次第でございます。 ただ、細部にわたりましてこの優劣を論じます場合にはいろんな観点があると思います。一つ取り上げて申しますと、たとえば掛金補助でやりますと、その場合には補助金が運用できるというメリットがございます。しかしながら、一方でインフレ等の社会経済の変動によりまして補助金がいわば目減りをする、減価をすると。あらかじめ入れてしまいますから、目減りをするという面もございます。また、給付費補助をとりました場合には、補助金の運用はできませんけれども、年金改定等によりまして年金額が増額されるというような場合にはそれに伴って事後に補助をいたしますので、補助金も増額されるという、そういう有利な面がございます。これは細部にわたりますとメリット、デメリットいろいろあるというふうに私どもは言えると思います。したがいまして、双方ともメリット、デメリットがございますから、基本的にはこのような優劣の差はないという状況のもとで、われわれといたしましてはこの給付費補助というものを続けていっていいというふうに考えておるわけでございますが、ただ、テクニカルな面を申し上げますと、給付費補助をもし掛金補助に直すということで切りかえるということになりますれば、すでに年金を受給しておられる方がおられます。この方々につきまして掛金をいつ納入してどのようにそのときに負担をしたかということを全部計算していかなければなりませんので、この切りかえは技術的にきわめてむずかしい問題であるという点があるということを御指摘申し上げたいと思います。
○中野鉄造君 その点はよくわかりましたけれども、先ほどの大蔵省の御答弁といい、いまの御答弁といい、やはりどうしても多少そこには不公平というものがあるというような感を禁じ得ないわけですから、その点ひとつ今後の課題として御検討をいただきたいと思います。この公的年金制度の国庫負担のあり方から見て、資金運用の仕方についても、いまお話がありましたように大幅の違いが私は出ると思います。したがって、この点を見ましてもこうした不公平は否めませんので、こうした公正な立場を貫かれるよう重ねて検討をお願いいたします。 次に、農林年金を健全に維持していかなくてはならない、これを踏まえて年金財政再計算をいまなされているわけですが、単独でこの共済年金を永久に維持していく場合、今後どうした点にその問題があると思われるのか、この点大臣にお尋ねいたします。
○政府委員(松浦昭君) まず私の方から現状を御説明申し上げます。 農林年金につきましては、先ほどからも申し上げておりますように、高齢化社会へと移行する中で一番大きな課題と申しますのは、何と申しましても、年金財政の悪化に対処いたしましてこれを何とか健全な方向に持っていきつつ、長期にわたって農林年金制度を維持発展させることにあるというふうに考えております。こういう観点から財政事情を他の年金制度と比較してみましても、先ほどからるる申し上げておりますように、成熟率の点におきましても、あるいは年金の収支比率の面から見ましても、あるいは私学共済、厚生年金に次ぐ順位になっておるわけでございまして、現時点における財政事情の水準の面から申しますと、各年金制度の中ではさほど財政の悪化は進んでいないように見受けられますが、しかしながら、今後の問題というものを考えてみますると、非常に財政状態というものはむずかしい状態になっていくということは当然予測されるということで、先ほどから御答弁を申し上げているとおりでございます。 そこで、振り返って考えてみますというと、農林年金につきましては、掛金につきましてほぼ十年間にわたりまして据え置き同様の状態を続けているわけでございまして、各年金制度との比較におきましてもとりわけ急速に成熟率が高まっており、また収支の比率も悪いという状態でございまして、このためには、現行の掛金率のまま推移いたしますと非常にむずかしいことになるということは、先ほどもいろいろな数値をお示し申し上げながら申し上げたところでございます。 このためには、やはり財政の内容を健全化するということが必要でございまして、そのようなためには、長期的な視点に立ちまして各世代間の負担の公平、あるいは給付内容の充実、それと掛金負担のバランスということも考えてまいらなければなりませんし、また、厚生年金あるいは各種年金との整合性ということも考えまして、財政の健全な運用を図っていくということが何より肝要と思います。この点はまさに大臣のおっしゃられたとおりであると思います。 そのためには、ただいま財源再計算もいたしておるわけでございますが、先ほどからも申し上げておりますように、国として尽くすべき努力は最善の努力を尽くすと、しかし、やはり現在の組合員の方々に対しては、このような財政の事態というものも十分に御認識いただいて、負担すべきものは負担していただくということで御理解を願いたいというふうに考えておる次第でございます。
○中野鉄造君 大臣お願いします。
○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほど局長からも申し上げましたとおり、現行の掛金率のままで推移したと仮定いたしますと、昭和七十四年には保有資産がゼロになる、こういう一つの過程が計算できるわけであります。 したがいまして、こういうことになったのではせっかくの趣旨が生かされてまいりません。こういうふうにならぬようにするためには、ただいま局長から申し上げましたような点を十分配慮いたしまして、そうして農林漁業団体の職員に人材を確保し、そうして一億国民の食糧を供給するのに意欲を燃やして農村ががんばっていけるような事態をつくり上げなければならぬわけでありますから、そのためには厳しい財政事情という中にあることはわれわれも十分承知をいたしております。そういう中でもやはり選択をいたしてまいりまして、そうしてやっぱり人間がかじかんでしまっていじけてしまったのではこれは財政再建も何もできないわけであります。やっぱり伸び伸びとして生活に不安なく、老後に不安なく、もりもりと働くと、そこから財貨が生み出され、そこから税金が生まれて、そうして財政再建が成り立つと、これが政治家としての私は常識であろうと思います。したがいまして、やっぱり一億国民に勤労意識、憲法に示された勤労の権利を有し、義務を負うというこの国民としての生きがい、国民としての働きがいを思う存分与えてやるような政治、それをわれわれはやらなければならないと、私はこんなふうに考えておりますので、農林大臣経験者の大蔵大臣でもありましょうから、まさか役所の言うなりにはならぬ、こう思っておりますので、五十六年度の予算要求に当たりましては全力を挙げてがんばりたいと、こう考えております。
○中野鉄造君 いま大臣のおっしゃるとおりまことにそれは理想でございますけれども、現実は非常に厳しいものがあります。こういったような意味からも、今後共済年金の組合員数の動向について考えてみましても急速にこれがふえるという要素はありませんし、それに反比例して年金受給者はだんだん増加していく、こういうことを考えてみますと、掛金がだんだんこれが高くなっていく、かなり個人負担が重く苦しくなっていくということはこれは避けられないと思います。こういう繰り返しをしていくことになりますと、これに呼応して、いま申します国庫負担の比率の上昇ということをやっぱり私たちは考えるわけですが、その点について大蔵省はどういうふうなお考えでしょうか。
○説明員(安原正君) 先ほども御説明申し上げたとおりでございますが、公的年金というのは社会保険のシステムで運営されているものでございまして、あくまで年金給付を保険料財源でもって賄っていただくというのが基本でございます。国庫負担というのは特別の事情も勘案しまして補完的に行っておるものでございます。 それからもう一点申し上げておきたいのは、主要各国同じような社会保険システムで年金制度を運営しているところがございますが、諸外国のこういうわが国に似たような例に徴しましても、わが国の国庫負担の率というのはすでに手厚い状況になっておる。それから、先ほども申し上げましたように、財政が非常に危機的な状況になっておるというようなこともございますので、いま御要望のありました国庫補助の引き上げというのはきわめて困難であるというぐあいにわれわれは考えております。
○中野鉄造君 時間がありませんので、最後に、年金制度基本構想懇談会の報告の中に、各制度の年金財政計画のチェックということで、「長期的な年金財政に与える影響に十分な考慮を払わないまま、それぞれの制度が給付の改善を行ってきたことが、年金制度全体の長期的な財政の安定を阻害してきた面が少なくないと考えられることから、」「各制度の年金財政計画を共通の基準の下にチェックし、」「必要な措置をとるべきことを勧告しうる年金数理委員会ともいうべき共通の機関の設置が望まれる」、こういうような報告がなされて、非常に現状を厳しく見詰めておりますが、この中に言われている、「長期的な財政の安定を阻害してきた面が」云々と強調されている点、この点の認識をどのように判断されておりますか。これ大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(亀岡高夫君) 確かに、いま指摘されましたような点なきにしもあらずという感じもいたします。したがいまして、先ほど申し上げましたように、やっぱり一億国民のための年金制度を私どもはどうしてもつくり上げなければならぬわけです、これは。したがいまして、いま、八つのそれぞれの共済年金制度が、それぞれの分野において、それぞれの沿革を持って制度ができて施行されておるわけでございます。制度のできた時代の日本の経済力と申しますか、そういう面、今日における日本のそういう経済力の面等も考慮いたしますとき、やはり、このままの状態できいますと各種年金制度は成り立たなくなるという見方もできるわけでありますから、その面についてはやっぱり厳しい施策を私どもとしては考えていかなければなりません。やっぱり高福祉高負担ということでなければ福祉政策というものの充実を図っていくことはできない、これは先進国ですでに実験済みであるわけでございます。したがいまして、日本としても、こういう点をどのような方向でとらえて、どのような青写真をかくかというところで大変お互いに苦労をしておるというところであろうと思うわけでございます。したがいまして、農林水産省といたしましても、この農林年金の設置されたゆえん、設置された精神を十分に踏まえまして、そうして将来においても不安のないような形につくり上げてまいりますためには、やっぱり組合員の皆さん方にも負担すべきものは負担していただく、国としても出すべきことは最善の努力をする、こういうふうに両々相まっていくべきである、こういう考え方で農水省としてはやってきておりまするし、今後もやっていきたい、こう考えております。
○中野鉄造君 終わります。
○委員長(井上吉夫君) 本案に対する午前の質疑はこの程度とし、午後三時まで休憩いたします。 午後零時五十四分休憩 —————・————— 午後三時三分開会
○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○中野明君 最初に大臣にお尋ねをいたしますが、けさほど来議論がございましたが、わが国の年金制度の改革問題、これが老齢化社会を迎えるに当たりまして大変大きな問題としてクローズアップされておりますが、総理の諮問機関としての社会保障制度審議会で基本年金構想というものが建議されております、いわゆる二階建年金と言いますか。私はいろいろ考えてみますと、最終的にはやはりこれに移行していかなければどうしようもないんじゃないかという感じは持っておりますけれども、現時点では、大臣としてこの基本年金構想、これについてどういうふうにお考えになっておるか。
○国務大臣(亀岡高夫君) この問題につきましては、御指摘のように、福祉国家建設のための基本的な施策ということに相なるわけでございまして、一億一千万という多くの国民を抱え、六千万に近い勤労者を抱えておる日本、その中でこの年金あるいは保険といったような制度をどのように持ってまいるかということにつきましては、それぞれの機関でそれぞれの提言等があるわけでございます。しかし、こういうところに一つのかかれた理想図と申しますか、方向と申しますか、そういうところに参りますためにも、そこまでに持っていくための努力というものがあるんじゃないかという感じがいたします。たとえば給付が大体同じであるとか、国民の負担が大体同じであるとか、あるいは赤字が適当に解消されるめどがついておるとか、何かそういう諸条件をそろえるというところに私どもの現段階における努力があるのではないか。そういう事情が、大体方向が頭がそろってくれば、一つの本当に国民年金といったような形の国民的合意ができてくるのではないか。さらに、その基本的な問題はそういうふうに合意をいたしました上に、それぞれの特色ある、また自己努力による職域ごとのといったような部分が積み加えられていく方向が一つの方向ではないかという社会制度審議会の御答申であったわけでありますが、その方向に行くのが妥当なのかなというような感じを持っている程度でございまして、そこまで行く際の農林年金というものにどういう特徴を持たせるために私どもは検討をしていかなければいかぬのかというようなことをぼちぼち勉強をさしていただいておると、こういうところでございます。
○中野明君 いま大臣も述べておられましたように、わが国の老後の最低の所得の保障、これが非常に大きな問題になってきておりまして、当然この公的年金制度に関する関係閣僚懇談会というものも持たれているやに聞いております。そういう中でせっかくの努力をしていただいて、何とか一億国民が合意できるような線に持っていかなければならぬ、私どももそう考えておりますが、いまおっしゃいましたように、そこへ持っていくに当たってのこの農林年金というものをどう充実させていくか、そしてまた、どういうんですか、他の制度との不均衡ですか、これをどうなくしていくかということが、これが当面の急務であろうかと思います。その点は私もよく理解できるんですが、年金全体を考えてみますと、年金制度の基本構想懇談会ですか、これではいまの基本年金構想というものに対してちょっと否定的な考えも出ているやに聞いております。非常にむずかしい問題でございますが、いずれにしましても、長期にわたってそれぞれ経緯があって制度が分立しておるために、一面から言えば社会的な連帯感を分担していると、そういう意見もございます。各グループの構成を達成するというよりも、既得権を擁護していこうと、そういう考え方が強いからむずかしいんじゃないかという説もあります。 あるいは財政が非常に窮乏しているときですから、さあこれ以上国庫負担というものはどうかというような意見もちらほら出ておるわけですが、しかし、いま大臣が御答弁になりましたように、この農林年金の内容を充実させていくためには、どうしても国庫補助というものも他の制度と遜色のないように公平にしていただかなければならぬ。けさほど大蔵省も来て答弁しておりましたが、まことにもって、いかに財政が苦しいといえども、財政が苦しいから不公平でよろしいという議論は成り立たぬと思います。ですから、やはり国の補助も公平にしてもらいたいし、特に今回改正に当たりましても各種各方面から要望が強くなっておりますし、歴代の大臣も、この国庫補助率、当面給付に対する国庫補助を二〇%に持っていきたい、これには最大限努力するということを歴代の大臣がお答えになっております。亀岡大臣もけさほどからその決意はお述べになっていらっしゃるんですが、どうかひとつ、この点につきましては、やはり厚生年金との差もございます。せっかく厚生年金から分かれて、優秀な人材をという、そういう趣旨からいきましてもおかしいと思いますので、この点ぜひ最大限の努力をしていただいて、来年の予算折衝に当たってぜひかち取っていただきたい。またそれに伴って財源の調整費、これについても三%の実現に努力してもらいたいというのはもう前々からの要望でございますので、この点いま一度大臣に……。
○国務大臣(亀岡高夫君) この点につきましては、概算要求にもきちんと要求をいたしてありますので、これはぜひ確保をしなければならないという決意で臨んでおることは先ほど申し上げたところと同じでございます。
○中野明君 局長に。 ちょっともとに戻りますが、いまのこの基本年金構想ですね、これについて局長としての感触というのか、一応どういうお考えを持っておられるか、お尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 先ほど大臣が御答弁をなさいましたとおりでございますが、何分にも年金制度の非常に長い将来というものを考えました場合に、確かに内閣総理大臣の諮問機関でございます社会保障制度審議会の建議、これは五十二年と五十四年に出ておりますが、この考え方というのは一つの考え方ということで私どもも理解できるわけでございます。しかしまた同時に、各年金がおのおの育ってまいりました沿革、経緯というものがございます。これを尊重しながら、現実的な方向でその整合性を図っていきたいという考えもまた非常に強い御意見でございまして、厚生大臣の私的諮問機関でございます年金制度基本構想懇談会の御意見はまさにそういった第二のお考えというふうに思うわけでございます。 大きく大別いたしましてさような二つの流れがあるわけでございますが、そこに近づいていく道というのはいろいろな道があろうと思います。私どもといたしましては、やはり個々の年金、八つございます共済年金の仕組みというものを充実する中において、将来の構成というものを見出していくというのが最も賢明な現実的な方法であろうというふうに考えるわけでございまして、特に私ども注目いたしておりますのは、ことしの六月に大蔵大臣の私的研究機関ということで共済年金制度基本問題研究会というのができたわけでございますが、ここで権威の先生方がお集まりになりましていろいろと御検討なさるのでございまして、その際に、私どももそこにおきますところの御議論を十分拝聴いたしまして、今後の方向というものを見出していきたいというふうに考えている次第でございます。
○中野明君 それで、これまた非常に関心の高い大きな問題になっております掛金率でございますが、現実に負担の割合というもの、掛金率の負担の割合を、労働者とそしてまた使用者とが三対七、こういうようなところで実施しているところもあるやに聞いておりますが、こういう点について、これはやはり掛金がどうせ、いまのけさほど来の議論を聞いていますと、当然上がってくる。こういうことを考えますと、九十一国会でしたか、附帯決議でも、組合員の負担に急激な増加を来さないということ、これはもう強く各党一致して附帯決議をつけておる経緯もございますが、そういう点でこの負担率の割合というものを何か法制化して、七対三なら七対三に、そういう考えは持てないものか、この点についてどういう御見解をお持ちですか。
○政府委員(松浦昭君) 先生も御案内のとおり、現行の農林年金の法制のもとにおきましては、掛金の負担は組合員と団体の折半になっているわけでございます。もちろんこの規定は、たとえば農協の場合をとりますと、農協の職員等が二分の一を下回る負担であるからといって別に法律に違反するわけではございません。また現実に、若干の連合会等におきましては、この折半負担を超えまして、むしろ団体側の負担が多いところもございます。ただ、これを法制的に折半負担を改めまして、団体側の負担を多くするという法制化をいたしますためには、やはりその団体の持っている財政基盤なりそういうものがよほど強固でないとなかなかむずかしいわけでございまして、現状から申しますと、やはり、強制ではございませんが、原則折半負担というのが最も現実的な方法であるというふうに考えておるわけでございますし、また同時に、国民年金を除く公的年金は折半負担を原則といたしておりますので、この原則につきましては今後とも維持していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○中野明君 原則はよくまかります。で、現実にそういうふうに双方が話し合ってできているところもあるんです。これは非常にいいことだと思うんですが、そういうことにやはり、どういうのですか、農林水産省の方としてブレーキをかけることなくして、やはりそれを、法制化は無理としても、そういういい方向に持っていくような指導をしようと、そういう御意思はおありですか。
○政府委員(松浦昭君) 私どもの態度は、やはり法律が折半負担でございますから、折半負担というものを原則にしているというこの態度は農林水産省としては崩さない方針でございますけれども、しかしながら、連合会の方あるいは単協等でその能力があるところはこれを決してチェックするというつもりはございません。したがいまして、財政の事情に応じまして団体側がよけい持つということはあり得ると思っておりますし、またそのようなことでよろしいのではないかというふうに思っております。
○中野明君 それからもう一つは、前々から問題になっておりますが、沖繩県が本土に後から復帰してまいりましたので、やはり完全通算をすると、こういうことについて国の方で財政負担をしてきちんとやはり公平にしてあげると、こういう要望が非常に強いのですが、この点についてのお考え。
○政府委員(松浦昭君) これはまた経緯を申し上げて大変恐縮でございますが、沖繩がわが国として、国の一部として復帰をいたしました際に、この年金の措置をどうするかということが一つの大きな問題であったことは事実でございます。その際にとりました措置は、本土の農林年金制度に準じまして、昭和四十五年の一月一日に発足させたわけでございますけれども、その場合、沖繩の農林年金制度発足前の農林漁業団体の在職期間につきましては、掛金を納付していないにもかかわらず組合員である期間とみなしまして、給付額の算定に当たりましては制度発足後の組合員期間と同様の扱いをしたわけでございます。ただし、これはあくまでも掛金を納付しないという、そのような状態のもとでこのような特例的な扱いをいたしました。 そこで、沖繩の本土復帰に当たりまして、年金制度は本土と同じように適用することにいたしましたけれども、やはり本土の組合員は掛金を負担しておったわけでございますから、その均衡を考慮いたしまして、沖繩の制度発足前の掛金を納付していない期間につきましては、従来どおり退職年金等の受給資格期間としながらも、給付についてはこの受給資格期間のうちで沖繩の制度発足時までに引き続いた期間のみを対象としまして、これについては四五%の減額ということにいたしたわけでございます。 したがいまして、これにつきましては、このような経緯がございまして、一方で掛金負担はしないけれども組合員期間としたという状態があるものでございますから、これを全く本土並みの扱いをするということは無理があるわけでございまして、そのような意味で、この措置は他の年金制度との関係もございますし、この措置が妥当なものであるというふうに考えておる次第でございます。
○中野明君 一応その経緯は私もよく了解はしているわけですが、何しろ非常に向こうは特殊の事情がありまして、沖繩は沖繩なりの特殊事情があるものですからあえて申し上げているわけでありまして、将来にわたってやはり検討課題の一つにしていただきたい、このように思います。 それから、遺族年金の扶養加算について一点お聞きをしておきたいのですが、この現行の遺族年金の扶養加算というのは、最低促障を適用する前の遺族年金額に加算することになっている、こういうふうに承知しておりますが、このために、加算した後の額が最低保障額に満たない場合は、実質的に扶養加算がつかないというようなふうに理解できるんですが、この最低保障の該当者にも扶養加算を行ってくれと、こういうような要望も私ども聞いておるわけです。この遺族年金の場合に最低保障に該当する人が八割も占めているというような現状から言って、これはそれなりの私は要望だろうと思うんですが、この点。
○政府委員(松浦昭君) ただいまの先生のお話でございますが、新法適用者の最低保障額についていわゆる扶養加算というものが入っているかいないかということでございますけれども、実は最低保障額の適用に当たりましては、われわれは、先ほど村沢先生にもお答え申し上げましたように、いままでその算定の基礎といたしまして、厚生年金の扶養加算の分、これは一応算定の基礎に入れているわけでございます。ただ、その入れ方が、先ほども申されましたように、厚生年金の新法の扶養加算の分までも額として入れなかったということでございます。 ただ、あるいは御質問の趣旨は、そのような最低保障の額のところではなくて、一般的に給付として農林年金の場合にそういう加算をするかしないかということのお尋ねかとも思いますけれども、その点につきましては、午前中にも御答弁申し上げましたように、この年金制度というのは厚生年金と若干物の考え方が違いまして、加給加算につきましては、厚生年金は妻とかあるいは子のある状態、つまりその家族の構成に応じてこれを支払うという加給加算制度をとっておりますが、農林年金の場合には、家族一体としてどの程度の保障をするかということで伝統的にやってきておりますので、これは制度の仕組み上共済年金の一つの特色でございまして、これはなかなか変えることがむずかしいというふうに思っております。
○中野明君 それでは、農林年金の組合員数の増加というものが非常に頭打ちになってまいりまして、その反面で年金受給者がふえると。そのために財政が圧迫されて将来は財政の破綻の危機にあると、こういうのが現状のようでございますが、正職員でない人、いわゆる臨時職員ですか、こういう人たち、臨時職員の中にはかなり長く三年も五年も勤続しているような実態もあるやに聞いておりますが、こうした臨時職員の中に、農林年金に加入しているところもあるし、あるいは経営者が手続をとろうとしないために厚生年金か国民年金に入っているとか、いろいろそういう話を聞くんですが、これはどうなんでしょう。農林水産省として、そういう点について、これ非常に私も年金のことについてはもう種類がたくさんあって、どんどん改正されてなかなかむずかしい、わかりにくい。これはもうだれもが感じるところだろうと思うんです。そのために年金のことをもし尋ねようとしても、なかなかそれを適切にわかりやすく説明してくれる人というのは非常に少ない。そういう場所もないし、そのままで、そういうことのために手続をとれとも勧めないし、本人もわからない、こういう現状もあるんじゃないだろうかという気もするわけです。非常にそれがためにいろいろ基本年金構想とかというようなことが出てくるんだろうと思いますが、こういう点についてどういうふうにお考えになっているんですか。
○政府委員(松浦昭君) 農林漁業団体に臨時に使用される方で二カ月以上の期間使用されている方につきましては、農林年金法の第十四条第一項の規定がございます。その規定は、「農林漁業団体又は組合に使用される者で農林漁業団体等から給与を受けるもの(次に掲げる者を除く。)は、すべて組合員とする。」という規定でございまして、この「除く」という方の中に、「二月以内の期間を定めて使用される者」ということになっておりまして、当然二カ月以上雇用される方につきましては、これは農林年金の組合員とするという定めになっております。したがいまして、農林漁業団体は、職員を採用いたしまして、その職員がたとえ臨時でございましても、農林年金の組合員資格を有することになった場合には、その職員が農林年金の組合員であるということを届け出なければならないということになっているわけでございます。したがいまして、農林年金の組合員資格を有する者であるにもかかわらず、農林年金に加入していないという実態があった場合には、農林漁業団体の事務手続が遂行されている限り、そのようなことば発生しないというのがたてまえでございまして、むしろ、そのようなことがあれば問題であると私どもは思っております。したがいまして、仮にそのような事態がありますれば、農林水産省といたしましても、当該農林漁業団体に対しまして農林年金の組合員資格取得の事務手続をするように指導いたすという体制でございます。 ただ、確かにただいま先生おっしゃられましたように、農林年金のこの法律内容というのはきわめてむずかしくて、私どもにとりましても非常にむずかしいぐらいでございますから、確かにむずかしい法律でございます。したがいまして、これを一般の方々がおわかりになるのはなかなか容易ではないということは私もよくわかるわけでございます。そこで私どもといたしましては、この年金受給者あるいは組合員に対しまして、できるだけこれを理解していただくというための対策をとっておりまして、たとえば各種資料の配付パンフレットでかなりわかりやすく書いたものもございます。あるいは都道府県の農林年金の連絡協議会の年金実務相談を対象に研修等をやるというようなこともやっておりますし、それからさらに五十三年度から、都道府県農林年金連絡協議会と連携をしまして、各県ごとに数名の相談員を、地区、これは郡単位でございますが、ここに設置いたしまして年金受給者の相談に応ずるという制度をつくってございますので、それを御活用いただきたいというふうに思う次第でございます。
○中野明君 いまおっしゃること、私も大体理解できるんですが、大体どうですか、わかっている人が県に一人とか二人とか、そういう状態ではちょっとあれだろうと思うので、やっぱりはっきり、あそこへ行けばわかるというところを明示してあげる必要があるんじゃないだろうか。私も、今回この法案が出てきましたので自分なりにいろいろ読んでみましたけれども、なかなかわからぬ、とてもむずかしいことになっているなと思うのが現状であります。いま局長がおっしゃったとおりでありまして、局長はわかっておっても、ほかの人はなかなかわからぬ。ましてや、その担当者までわからせるにはよほど骨が折れるということなんで、そういう点をもっと親切にしてあげて、やはり普通の生命保険なら勧誘員まで全部わかりやすく説明しますわね。だけど、恐らくこれをまともによくわかるように説明できる人というのは少ないんじゃないだろうか。そういう気がしますので、その辺はひとつ、先ほどおっしゃったように、やはりそういう決まりになっておればちゃんと徹底させるように、このように強く要望をいたしておきます。 大臣、とにかくいまお話ししているように、なかなかこれむずかしい複雑怪奇なことになっているようですけれども、いずれにしても、やはり皆さん方の要望と、そしてまた現状を見ましたら、どこまで国庫補助をこれに、せめて厚生年金並みに取ってくるかというところに帰一するような気もいたします。そういう点で、これはもうたびたび御答弁いただいておりますので御答弁は結構でございますが、大臣の最大限の努力をしていただいて、けさほど来大臣がおっしゃっておったように、農林大臣をしておられた大蔵大臣でありますから、先ほどの大蔵省の役人みたいなああいう物の考え方では、これは話になりません。本当に財政が苦しくっても、苦しければ苦しいなりに公平に理解できるようにしてくれればいいけれど、苦しいからもういまさらどうもならぬのだというような言い方に聞こえましたので、その点大臣ひとつがんばっていただきたい、このように思います。 それで、私も村沢先生が先ほどちょっと最後にお詰めになっておりました冷害対策の問題で一点だけお尋ねしておきますが、この前大臣に申し上げましたように、現在の救農に対する二百四十億というこの事業のお金は、冷害ということが起こらなくても当然確保してあったお金であって、私たちが強く要望しているのは、こういう異常災害、特殊のことが起こったんですから、これに対して予備費なりあるいは一般会計からこれをつぎ込んで初めて助けたということになるんじゃないだろうかというのが私どもの考えです。ですから、その点、時間は少々ずれても、何かの形で穴埋めをしてあげなければ冷害でやられた人はどうしようもないじゃないかということでございますので、これは前回も大臣に申し上げましたように、時間がかかってもよろしい、長期にわたってもよろしいから、それだけの穴埋めをしてあげないと農家の皆さん方はもうどうしようもないじゃないかという考えでございます。その点ひとつ御理解をお願いしたいということ。 それから、大体冷害の結果も出てまいりまして、そして激甚のこともけさのあれでわかりました。そうなりますと、問題になってくるのは生産調整のことです。私は、ことしの生産調整に対する考え方は冷害対策の一環として考えるべきじゃないか、こういう考えを強く持ちます、余りにもひどい、厳しい戦後最大の冷害ですから。この点について、大臣、基本的な考え方として私はことしは冷害対策の一環として考えるべきじゃないか、こういうふうに思っておりますが、この点のお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 中野委員のお考えはお考えとして十分承っておくところでございます。この前も申し上げておりますとおり、十月いっぱい冷害対策に全力投球をすると、そうしてその見通しにめどをつけて第二期対策に取り組みたいと、こう申し上げてきておるところでございます。しかるところ、先ほど申し上げましたように、あすの閣議で御決定をいただければ十日に政令公布ということで、一応の冷害対策としてのあらかたの措置というものが処置としても完了するわけでございますので、その後に二期対策に取り組みたい。いままで衆議院におきましても参議院におきましても、各委員会からそれぞれ二期対策に対するいろいろの意見もちょうだいをいたしておるわけでございます。御決議等も災害対策委員会の方からもちょうだいをいたしておるわけでございますから、それらを十分考慮をいたしていかなければならないという感じには最近なってきておるわけでございます、私自身。まあしかし一面、農政の見直し並びに農業基本法に基づきますところの長期見通しというようなものも答申が出ておりますわけでありますので、やはり永遠に続く日本の農業、永遠に続けて繁栄させていかなければならない日本の農政というものを、それじゃ全然考慮しないでもいいかという問題も一面にあるわけでございます。この辺の調整をどうとるかということが大変私にとっては頭の痛い、率直に申し上げていまいろいろと苦慮をいたしておるところでございますが、いろいろ与党とも打ち合わせをいたしまして、そうして何としても来年の避けて通れない生産調整がばらばらになって実行できなかったというようなぶざまなことの起こらぬように、農家の皆さん方はもちろん、団体、市町村、県、それぞれ御協力をちょうだいできるようなおさめ方をしていきたいなと、こんなつもりでおるわけでございますので、もうしばらく時間をかしていただきたいと、こう思います。
○中野明君 大臣のおっしゃることはわかるんですがね。農業を本当に長期展望に立って大切なものに考えられるならばなおさらのこと、こういう異常災害ですから、この私の申し上げているのは、物の考え方として、冷害対策の一環としてことしは考えると、こういうようにしていくことの方が農家の皆さん方も納得できるし、そしてまた長期の展望に立った農業の構想にも理解ができるんじゃないだろうか、こういう考え方を持つものですからお尋ねをしたわけですが、この私のこういう考え方はおかしいでしょうかね。
○国務大臣(亀岡高夫君) いや、もう中野委員のその御主張は十分私といたしましても理解できるところでございます。私自身といたしましても、九月中にやってしまいたいという気持ちでおったわけでありますけれども、やはり戦後二番目の大被害をもたらしたこの冷害というものに遭遇いたしまして、やっぱり避けて通れない道だ、避けて通れない道だとばかりもこれは言っておれないなあというような感じになってきておると、こういうことでございますので、それじゃ具体的にどうするかということになりますと、これはなかなかまあ、とにかく地域性を非常に強く主張される例もございまするし、また学問的に、高いところで米をつくること自体が云々といったような意見もございまするし、いろんな意見が出てまいります。そういう意見を十分にこなしまして、もう私としても、お示しした上においてはああこれ以上のことはないのかなというような気分で皆さん方に見ていただけるようなものをつくりたいということで苦労をいたしておるということでございますので、御理解を賜りたいと、こう思います。
○中野明君 以上で終わります。
○下田京子君 大臣、年金といいますと、お話しのとおりに、やっぱり老後どれだけ安心して希望を持って暮らしていけるかという、大事なことであることはもう言うまでもないと思うんです。ただ農林年金の場合には、もういままでいろいろお話しになられておりますように、いま財政の再計算期にありまして、非常に財政問題がやっぱり大きな課題になっていると思うんですね。そんな中で、仮の計算であるけれども、掛金率、これはもう千分の二十には達しないけれども、千分の十を相当超える程度の範囲で引き上げざるを得ないんではなかろうかというふうな話が衆議院でもそして参議院、いままでも話になってまいりました。しかし、私は大事なことは、やはり安易に掛金の引き上げという方向にいかないで、本当におっしゃるように、安心していまも働き、また老後を暮らしていけるようなそういう年金制度、財政の仕組みはどうあるべきかということをやっぱり根本に据えなければならないと思うんです。それは今後やはり長期的にある一定の議論を積み重ねなければならないと、こう思うわけでありますが、掛金の引き上げをあたかも前提としたごとく、いままでも局長御答弁されておりますけれども、掛金を据え置くと十年後には成熟率が二九%だと、いや二十年後になると三九%になると、そしてまた三十年後になると四三%だと、こういうお話をしているわけですね。さらに給付が掛金を上回るですか、それが四年後だと、あるいはまた年間総支出額が総収入を上回るのは十一年後になると、また二十年後になると保有資産がゼロになるんだということを繰り返しお話しになっているわけなんですね。しかし、だからこそ、ここで本当に当年金財政の仕組みはどうあるべきなのかということを考えたときに、大臣も決意を繰り返し述べられておりますけれども、八年間も据え置かれてきた国庫補助金の引き上げあるいはまた財源調整費補助の引き上げと、これは当然しかるべき問題だと思うんです。 問題は、さっきのお話にもありましたけれども、大蔵当局は第一に、まず財政危機を言われるわけですね。そして、現在の補助率を維持するのも大変だと、こういうわけですね。だからこそ、皆さん方から要望されている国庫補助率の二〇%あるいはまた財源調整費補助の三%というのは大変困難でありますと、こう答えるわけですね。それはよほどの、当年金がそれだけの最低の補助を必要なんだという理論的な根拠を持って当たらないとならないと思うんです。決意のほどはもう他の委員に何度もお話しになられております。その決意は大事だと思うんですよ。しかし、その決意だけでは大蔵省を説得できません。そして農林水産大臣をやった大蔵大臣なればこそ実情を知っていますから、だから本当に理論的な根拠をもって、農林年金が他の年金と比較してこういう特殊性があるんだ、だからこれだけ補助金を引き上げなければならないんだというところが大事だと思うんです。その理論的根拠を確信を持っていま私にお述べいただきたい。いままでは決意だけしかお聞かせいただけないので、理論的な根拠をひとつここで聞かしていただきたいと思うわけなんです。
○国務大臣(亀岡高夫君) この農林年金の立法をいたしますとき、年金設計をいろいろと計算をいたしまして、そうして先ほど局長から答弁したような線でスタートをいたしたわけでございます。そして一五%から一八%と国庫補助率を上げてきたということで、その後からは、なかなかざっくばらんに申し上げまして、農林年金だけ補助率を上げるということになりますといろんなほかの年金も後をついてくるというふうなこともございまして、非常に苦労をしながらいろいろと処置がないものかというふうなことを検討をいたしておるわけでございます。 したがいまして、理論的根拠がなければ押しがきかないではないかと、そういう考え方もありまするし、しかしやっぱり何といっても大蔵の連中というのは頭がいいのが一番いっぱい入っているわけですから、理屈ではなかなか、私の経験では、むしろ理屈というよりも実情というものをよく理解せしめていかなければならない。理屈がいかに通っておりましても、現実の政策が、政治が本当に農家のすみずみまで及んでいくというようなことでなければ私はその立法の趣旨が貫けないと、こういうことでございます。理屈でやっておったんでは、これはもう私はある程度の理屈は、先ほど局長から申し上げたとおり、もう保険設計が成り立たないというようなことでも、財政再建という至上命令のために何も処置ができないということであるのかどうかということであろうかと思います。と同時に、一番先に申し上げましたように、団体職員の諸君が、本当に本気になって使命感に基づいてその職責を遂行していくことによって日本の農家が発展をしていくことができるという立場でこの立法がなされておるわけでございますから、やっぱり両々相まつものと私は考えるわけです。農家の方もよくなっていけば農協の職員の給与のベースもよくなってまいる。給与のベースがよくなっておればまあ保険、年金財政の中にも好影響を及ぼしてくる。また一面、農家がよくなっていけば国の立場もこれはおのずからよくなってまいるということになっていくわけでありますから、私はまあ本当に全力を挙げて今回はこの年金制度の充実に努力をしていきたいと、こう考えてきている次第でございます。
○下田京子君 理屈というのは現実を踏まえてだと思うんですよ。ですから、いわゆる単なる理想的な理屈をというんではなくて、あくまでも現実をどういうふうに踏まえてどう主張するかということを私は聞いているわけなんです。これは前武藤農水大臣が、他の横並びなのか、あるいは農林年金の特殊性を主張するのか、どちらでいくかということでは、事務当局ともよく相談して腹を据えてかからぬといかぬと、こう言っているんですよ。だから私はそこを受けて聞いているんです。 その点でいけば、いま大臣がお話しになりました農家がよくなればという話なんですが、農家がよくなるためには農政全体をどうするかということが入ってくるんですね。これは基本ですよ。そして同時に、そうすればやっぱり農林共済の団体もよくなるだろうということなんですが、そこだと思うんです。つまり現在の、あれこれあると思うんですけれども、農林年金の置かれている特殊性というところをきちっと押さえてかかることが私は大事だろうと思うんですね。これは言うまでもないことだと思うんですが、あえて主張したいと思います。この年金の発足当時から歴史的にこれは問題になってきたところだと思うんです。一つは給与水準が非常に低い。ですから年金の給付額も低くなるわけですね。それは勢い、必要な年金の給付額の改善を図ろうと思えばいろいろ財政的なことが出てくるわけですね。ここが私は一つの大きなネックになると思うんです。 前にも他の委員にお話がございましたが、この政府資料によると、いかに農林年金が給与水準もそれから年金水準も低いかということを、政府資料で私の方からも申し上げたいと思います。これは御存じのことだと思いますけれども、農林共済が一〇〇とすれば私学の方は一二〇でしょう、公共企業体が一一四でしょう、地方公務員は一二七でしょう、国家公務員が一一八でしょう、これが給与水準ですね、五十四年の三月時点で。どれだけ農林年金の置かれている給与水準が低いかということを物語っていると思うんです。ですから、勢いその年金の給付額もこれは低いということはもう言うまでもないと思うわけです。ここのところを押さえて、発足当時からのこういう農林年金の特殊性、現実、大臣が言われるその現実をいかに踏まえて大蔵に折衝するかということだと思うんです。これは言うまでもないことだと思うんですが、そこを踏まえてぜひ、いわゆる単なる理屈じゃなくて御奮闘いただきたいということで、決意を再度お聞きしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) もう御指摘のとおりでございまして、農林漁業団体の職員の給与水準は御指摘になったとおりでございます。そういう給与にあったにもかかわりませず、戦後、本当に一億国民のための食糧供給、農林水産物資の生産に全力を挙げてまいりました日本のこの農村の姿というものを、やっぱり私は政治家である以上は忘れてはならないという感じがいたしてならないわけであります。いかに鉱工業生産が伸展をし繁栄をし、そうして国民総所得が伸びてまいりましても、やはり食わないで生きていけるわけはないわけでありますから、この重要さというものを、やっぱり国家公務員の諸君は、大蔵であろうと農林であろうと通産であろうとみんな理解してもらえる、また理解させなければならないというようなそんな気持ちも私は抱いておりまして、そういう気持ちで大蔵と折衝をしていきたい、こういう感じでおるわけでございます。
○下田京子君 具体的にお尋ねします。これは局長の方でよろしいですが、掛金の引き上げの問題ですが、実際に掛金率の引き上げ要因は何なのかということなんです。 一つはやっぱり数理的保険料の問題があると思うんです。私はことしの四月のときにお伺いしましたときには、むしろ数理的保険料の方で言えば引き上げ要因というよりも財源の余裕としておよそ千分の八ぐらいあるだろうと、こういう御答弁をいただいているわけなんです。つまりその中身としては、支給開始年齢引き上げによっておよそ千分の十五ぐらい浮く。それから二つ目には、退職一時金の制度をやめましたから、そのことによって約千分の二十三ほど浮く。ですから、合計して千分の三十八ぐらい浮くわけですね。しかし一方で、通算退職年金ということになってきますから、その掛金負担が約千分の三十だと言っているわけです。プラスマイナス千分の八はこれは余裕財源としてありますよと、こう言っているわけですね。数理的保険料で、その後掛金引き上げの要因というものが何かあるんだろうかというのが一点。 それから二つ目が、やっぱり問題なのは、私は数理的保険料でもって掛金率の引き上げ要因ということには余りならぬと思うんです。問題は整理資源率の方だと思うんです。四月時点では、局長は約千分の二十から千分の三十の範囲で整理資源率の引き上げが考えられると、こう言っているんですが、具体的にどの要因で何%というのは、いま計算中でしょうからお答えいただけないと思いますが、一体何が原因でもってそれだけの引き上げが予想されるのか、その要因をかいつまんで、時間がございません、非常に簡単で結構です、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 確かに、御指摘のように数理保険料率の方では、むしろ次期再計算期におきましては若干の浮く分が出てまいります。お話しのように、支給開始年齢につきましては、これは千分の十五浮くはずでございまして、それからまた、退職一時金の廃止につきましては千分の二十二、それから通算退職年金につきましては、これはマイナスの三十ということでここで結局差し引き八ぐらいの差が出る。しかしながら、整理資源率の方が約千分の二十五違ってくることになっておりまして、これはむしろ掛金率を上げる要因でございます。差し引きやはり千分の二十近く、十八とか十七とか、そういう数字でどうしても財源率が上がるというところにポイントがあるわけでございます。
○下田京子君 そうしますと、いわゆる不足財源ということですけれども、これも衆議院で御答弁いただいている数字を見ますと、五十四年度末で約二兆二百四十五億円ということになっておりますね。私はその根拠が何かということで聞いたわけなんですよ。 つまり、もう時間がないから私の方から言いますと、これはやはりインフレ、物価上昇率、そういうものが大きなやっぱり要因になってくると思うんです。そのほかいろいろあると思うんですよ。しかし、一番大きいのはインフレによる物価上昇率、これはそのことによって年金の改善にもはね返っていくわけですから、そういうかっこうで不足財源が生み出されてきたと思うんですよ。そうすると、インフレというものは、これはその年金の仕組みだとかあるいは労働者だとかに責任がある問題かというと、そうじゃないと思うんです。いまの日本の政治経済の大きなそういう施策にあると思うんですね。とすれば、やはり私はその国庫補助金の問題というのは、本当にこれは国の責任でもってやらなきゃならないことだと思うんです。 最後にまとめて三つお尋ねしたいんですが、先ほど言われました国庫補助率の一八を二〇%にすると。それすらも容易でないという話がありますけれども、これは今回は何としてでもがんばってくださるでしょう、期待します。これは財政再計算とは切り離して要求すること。そして今度の財政再計算に当たっては、団体でも要求されておりますけれども、三〇%の引き上げという話が出ています。いますぐということが無理であっても、そういう新たな形での角度からの国庫補助のあり方というものはどうかという検討が一つ必要だろう。 それから二つ目には、初期債務の話です。これは厚生年金から分離したとき、約百二億円積み立てたと、その利子相当分ですよね、この初期債務というのは。この初期債務は労使折半しているわけですね。これは財政研究会のメンバーであります松本浩太郎氏なんかも、当然これは事業主が負担すべきだということを指摘されているんです。これはどこで言っているかというと、ここの「農林年金」の五十二年の二月号の資料に出ているのですけれども、これはもう初期債務控除云々と、こうありますが、労使折半云々じゃなくて、当然事業主が一方的に負担しなさいと、こう言っているんです。そういうことも含めますと、この初期債務は当然もう事業主という方向で考えるべきではなかろうかという問題です。 もう一点と思ったのですが、時間がありませんから二点にしまして、この二点ですね、ひとつどうかという点でお答えいただきたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) まず国庫補助率を二〇%に引き上げるということにつきましては、先ほど大臣から何度も御決意を披瀝なすったところでございまして、事務当局も大臣を補佐いたしまして全力を挙げたいということでございます。 それからさらにこの率を引き上げるかどうかということにつきましては、まず二〇%ということが前提でございますので、そこに全力を傾注したいと思います。 最後に初期債務でございますが、初期債務は、御案内のように、厚生年金から農林年金が引き継いだときにこれは折半原則ということでこれを受け継いだわけでございまして、たとえば国共済のように恩給を引き継いだ際に金額事業主負担であったものを引き継いだという事態とは違っておると思います。したがいまして、これを事業主負担なりあるいは国庫負担にするということはきわめてむずかしいということを申し上げざるを得ないと思います。
○下田京子君 非常にむずかしいということではなくて、その財政の研究をしているメンバーからぴちっと指摘もされていることなんです。都合がいいときにはそういう研究団体の御意見を承ってとこう言って、片一方で指摘されているときにむずかしいのじゃこれは問題でありまして、やっぱり今後の全体の年金のあり方もございますでしょうけれども、当然これらは研究していただきたい。もう繰り返し要望しておきます。 次に移りますけれども、毎回農林年金の法案のときに私、お願いしてまいりましたのが、いわゆる労働者の雇用問題なんです。特に男女の差別の問題について改善をいままでも何回かお願いしてまいりました。 そこで大臣御承知だと思うんですけれども、ことしは国連婦人の十年の中間年ということでもって、デンマークで世界会議が開かれたわけなんです。この世界会議の中では、婦人に対するあらゆる形態の差別をなくしていこうというものなんで、日本もそこに署名をしているわけなんです。一日も早い国内法の整備とあわせて批准をという声が関係者から大きく高まっております。 これはもう大臣も当然所管を通じて参加されていることなんですが、一方、じゃ国内にあってはどうかということを見ますと先ほども他の委員からちょっとございましたが、臨時、嘱託の問題なんです。特に私はその中で、女性であるという理由だけで臨時そして嘱託というふうな雇用形態が最近多くなっているんで驚いているわけなんです。 福島県の実情を調べてまいりました。大臣は福島県の方がわかると思ったから私も直接聞いてきたんです。単協を指導していくいわゆる農協の五連組織なんです。その五連の中でももう中心になる中央会、それから県信連、経済連、こういったところで、実は女性であるがゆえに女性だけに臨時、嘱託雇用がふえているということなんです。しかもその中で、農協中央会は五十一年から正職員は一人も採用していません。そして現在は五十五年の七月一日現在で正職員はたった八名、ところが嘱託、臨時が十六人です、こういう比率です。それから今度は県信連の方を見ますと、五十三年以降は正職員は一人も採用していません。七月一日現在で正職員が十七人、ところが臨時、嘱託が二十六人です。それから経済連の方はどうかというと、同じく五十三年から正職員採用ゼロ、そして現在正職員が三十二人、ところが臨時、嘱託が七十人なんです。こういう状態について大臣はまずどういう御感想をお持ちなのか、そしてまた何らかの形で改善を考えておられるならば、その具体的な御決意を聞きたい。——これは大臣に。だめだ、だめだ、時間がないんだから。
○政府委員(松浦昭君) ちょっと簡単にやります。 お尋ねの点につきましては、確かにさような実態があるやに私どもも聴取しております。これらにつきましては、基本的にはやはり個々の事業体の雇用体制に属する問題でございまして、これに取り組む姿勢というものがどうであるかということはむしろ労働行政の問題であるというふうに思っておりますけれども、私どもも農協行政の立場から申しますれば、やはりかような事態を改善していくというためには農協経営基盤の強化というものが必要であるというふうに考えまして、私ども行政の立場からは、さような意味で系統農協の経営改善を推進していくということにいたしたいというふうに考えております。
○下田京子君 後で大臣の最後の決意はお聞かせいただきます。 労働省の婦人少年局においでいただいていると思うんですが、労働行政なんだよというところに問題があることは後でまたちょっと述べます。つまり、それはなぜかと言うと、さきに国際的な形で日本も参加して署名をしてきました。その中の第十四条の中に、実はその農村婦人全体の問題が書いてあるんです。二つにわたって、特にその中で権利の問題が八つの権利として具体的に挙がっているんです。それを労働行政だというかっこうですりかえてやられたんでは問題だと、基本的には労働行政だと言いつつもわれわれもやっているとおっしゃったから救われますけれども、それで責任を転嫁するということにはならぬと思うんですね。 それは指摘しておいて、婦人少年局の方がいろいろと御苦労されておりまして、十年の中での前半期計画でもいろいろと指導されてきまして、約一万八千件の中で五割ほど改善されたと、こう聞いております、大変だったと思うんですが。一方、こういう改善結果が出ているにもかかわらず、行革の対象になっているということは私たち残念なんです。もっと体制を強めていって、いろいろとお骨折りをいただきたいと、こう思うわけなんです。 そこで具体的にお尋ねしたいのは、いまのそういう臨時、嘱託雇用等の実情をどの程度把握されているか、あるいは今後どういう改善指導を考えられているかというのが一点。 それからもう一つは、後半期計画でぜひすべての差別を撤廃するというところを基本に置いたそういう計画を立てていただきたい。つまり、前半期計画で、五十五年、五十六年の二年間で五十五歳以下の差別定年は撤廃と、こういうことなんですけれども、年金の支給開始年齢が引き上げられておりますから、そういう関係から、やはりすべての差別を撤廃していくという方向で行動計画を練っていただけないか、この二点をちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(佐藤ギン子君) お答え申し上げます。 いまの実情を把握しているかというお尋ねは、農協についてかと存じます。農協における女子職員の採用条件につきましては、私どもまだ十分には必ずしも把握がいっておらないわけでございますけれども、一部の農協で、いま先生御指摘ございましたように嘱託とかあるいは臨時として採用されている者がおるということは聞いているわけでございます。それぞれの事情につきまして、どういう理由でそういうふうになっているかということがまだ私ども十分調査がいっておらないわけでございますが、もし女子であるというだけの理由で男子と比べて不利に扱われているということであれば、非常に問題であるかと存じます。 私どもは、従来から、女子が女子であるということだけを理由として男子と違う待遇を受けるということがないように、いろいろな機会を通じまして啓発指導などをやってきておるわけでございまして、先ほど先生から御指摘がございましたように、特に定年制についてはいろいろと力を入れてきておるおるわけでございますので、今後さらにこうした面の努力を続けてまいりたいというふうに考えております。 それから差別撤廃条約との関係で後半期どうしていくかというお尋ねでございますが、この点につきましては、先生御存じのとおり、総理府に置かれております婦人問題企画推進本部の方で、この差別撤廃条約の批准のために、後半期の行動計画の重点目標として各省が諸制度の諸条件の整備に努めてまいるということに申し合わせが行われておるわけでございます。私どもといたしましても、特に職場における男女平等を確保するということについて非常に関心を持っているわけでございまして、この問題につきましては、現在関係審議会で審議を行っているところでございます。 その審議会におきましても、こうした男女平等を確保するということは重要であるということについては皆様御意見が一致しているわけでございますけれども、それでは実質的な男女平等というのはどういうものなのかということについてさらに詰めた検討を行うようにということでお申し合わせがなされまして、私ども労働省にお申し入れがございましたので、現在男女平等問題専門家会議というものをつくりまして、そこで検討を行っておるところでございますので、私ども、こうしたものの結論を踏まえて男女平等実現のための最も適当かつ効果的な措置を検討していきたいと考えております。
○下田京子君 最後に一点、これは大臣お答えください。 さっきは福島の具体的な例での感想を求めたのでお答えにくかったということは理解ができますか、全国的な——大臣よろしいですか、全国的な傾向なんです。青森もそうなんです。私どもなりにそういう調査はしておるんですが、もう三月十七日にいろんなそういう差別をなくしていくと、あるいは雇用形態の問題なんかも含めて通達も出しています。だから、通達行政というふうな批判を受けないように、通達したその後は一体どうなのかという点で、ひとつ臨時、嘱託の現況がどうかということの御調査も踏まえて今後の指導、改善を図っていただけるようにということ。 それからもう一つ、さっき言いましたが、大臣も参加しておられます。つまりはそういう差別問題を撤廃していくためにぜひ御尽力いただきたいという点での決意を一言聞かしてください。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私は、まあ下田委員にもう少し勉強していただきたいなという感じがするわけであります。 と申しますのは、やはり農業団体というものは、組合員が高度経済成長に乗り切れないで、現時点においては非常な、何と申しますか、比較的所得が高くない農家の皆さん方であるわけであります。したがいまして、組合員の総会なり何なりにおいて定款を決められて、予算を決められて、そうしてその中で農家に対する最高のサービスをやっていこうと、こういうことで農協の皆さん、農業団体のそれぞれの立場でできるだけの少人数の職員で、そうして最大の農協としての活動をしていきたいと、これが私は農協精神ではなかろうかと、こう思っておるわけであります。したがいまして、働いていただく以上はもう一生働いていただきたいという気持ちは持ちながらも、彼此これ考えてまいりますとやっぱり人件費というものはばかにならないと、そういうことで、また臨時でもやむを得ないということでそういう募集の仕方をすると。そうしてそれに納得してお互いにその農協の実態を理解をし、そうして臨時でもやむを得ませんということでお互いに納得し合って職場に勤務いたしておるわけでありますから、そういう実態を私はあながち、実にそれはいかぬと、まあこう言うわけにはまいらぬと、こう考えるわけであります。 それじゃ将来どうするんだと。それは将来農政の見直しとあるいは長期見通しとに示されておりますとおり、やっぱり日本の農村に力をつけて、そうしてやがては今後十年か二十年たった場合にしっかりした日本の農政、農家というものをつくり上げていって、そういう面から下田委員のように指摘を受けることのないような事態につくり上げていかなければならないということも、これまた一つのわれわれ政治家に与えられた使命でもあると、こう考えるわけでありますから、現在が、現時点がどうかということにつきましては、もう少し農協の幹部の苦心、意見等も十二分に調査をお願いしなければならぬのではないかと、こんなふうに直感をいたした次第でございます。 また、この婦人年につきましては、私も議運の委員長をやっておりまして、コペンハーゲンにおいでいただくことについて若干関係したわけであります。したがいまして、農村婦人の生産活動への参加という問題につきましては、いろいろと就任以来各局を通じて指導をいたしておるところでございます。特に農村の生活改善をしてまいりますための組織も農林水産省内にはあるわけでございます。そういうわが政府の農林水産省の組織を通じまして、どうしても農村の婦人の健康の増進、また職場につきましてはもう六〇%以上生産にタッチをいたしておるという現況でもありますので、せっかくそういうふうにして働いておられる婦人の方も、いろいろな農産物価格の決定等に対する賃金の問題等になりますと、どうしてもそこに差が出てくると。しかし、それは年々何とかして縮めていこうという努力もいたしておるわけでありますから、この差別撤廃に関する条約がそれぞれの国の理解を受けて批准をいたすことのできるまでには、日本も相当そういう面での体制が整うものと、こう確信をいたしておるわけであります。 ちなみに、まだこの条約の批准をいたした国は八カ国くらいしかないと聞いておりますので、日本もそういう面においては順次私どもとしても努力をしてまいると、こういうことでございます。
○委員長(井上吉夫君) 他に御発言もないようでありますから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もないようでありますから、これより直ちに採決に入ります。 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(井上吉夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、坂元君から発言を求められておりますので、これを許します。坂元君。
○坂元親男君 私は、ただいま可決されました農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び第二院クラブの各派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、農林漁業団体の運営の円滑化と役職員の老後保障に資するため、本制度の実情に対処し、財政基盤の強化、年金給付の改善等が一層促進されるよう、次の事項を検討し、その実現を図るべきである。 一、年金財政の安定を確保するため、給付に要する費用に対する国の補助率を百分の二十以上に引き上げ、更に財源調整費補助等を増額すること。 二、農協等相互扶助事業を継続実施し、今後その整備拡充を図る等、本制度への寄与を強化すること。 三、財源再計算の結果による不足財源の処理については、掛金の負担について、後代負担及び他制度との均衡を勘案するとともに、農林漁業団体の持殊性を踏まえ、組合員負担の急激な増加をきたさないようにすること。 四、年金給付の実情にかんがみ、最低保障額の引上げを図るとともに、特に旧法年金の給付改善については、最低保障額につき新法の水準を考慮する等、新法年金との格差是正に努めること。 五、遺族の生活保障を進める観点に立ち、遺族年金については、その支給率の改善を検討するとともに、旧法年金の寡婦加算額の引上げに対応し、新法年金に対しても今後その必要な措置を講ずること。 六、既裁定年金の改善については、公務員給与の上昇に対応した自動スライド制の導入を検討すること。 七、退職年金等の支給開始年令の引上げが既に実施されたことに対応し、本制度の対象団体については、その多様な実態に即し、経営基盤の整備強化を図り、職員の定年制の延長、給与体系の整備等、その雇用条件の改善が進められるようその体制づくりを適切に指導すること。 八、本制度の成熟化の進行に対処し、年金制度の長期安定化方策につき一段と研究・検討を行うとともに、年金相談体制の整備を図り、更に組合員、年金受給者の理解と意向の反映が期せられるような措置を検討すること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(井上吉夫君) ただいま坂元君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(井上吉夫君) 全会一致と認めます。よって、坂元君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、亀岡農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。亀岡農林水産大臣。
○国務大臣(亀岡高夫君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努力してまいりたいと存じます。
○委員長(井上吉夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(井上吉夫君) 次に、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。 農住組合法案について、建設委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十八分散会 —————・—————