農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 198 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/10/23
会議録
○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十二日、鶴岡洋君が委員を辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。 —————————————
○委員長(井上吉夫君) 農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○坂倉藤吾君 本日は、農政の基本的部分に少し的を当てて幾つかの見解をお聞きをいたしたい、こう思っているわけです。 その前に、いま衆議院で論議が行われております農住組合法案、これは国土庁が提出をされているわけですが、関係する建設あるいは農林水産、それぞれ協議の上で法案が提案をされている、こういうことになっておるわけでありますが、大都市地域における市街化区域内の農地をこれを住宅地に転換をしていこう、こういう趣旨合いのものである、そのことは承知をいたしておるのです。したがって、これは農業政策の上からいきましても、何といいますか、その占める率そのものは非常に小さいわけでありますが、大変な幾つかの問題を有していると、こういうふうに思うのです。この法案に対しますいわゆる省の見解、省の見解というよりも、これは大臣見解をぜひ承りたいと、こう思いますし、特にこの法案に農林水産省として同意をしたその同意の一番根拠になっておるもの、この部分について御説明を賜りたいと、こう思うのです。
○国務大臣(亀岡高夫君) 市街化区域内の農地を宅地へ転換をしてまいるということにつきましては、市街化地域を設定をいたした際には当然そのようなことを期待しながら市街化地域にいたしたわけでありますが、ただ、その転換を進めてまいる過渡期におきまして、農地に何ら市街化としての必要条件も整わない地域、下水道もなければ水道もなければ、そういういわゆる市街化地域に必要欠くべからざる施設のない地域等に農地があり、しかも農業でなければ生計を立てていけないという立場の方もおられるわけでありまして、そういう方々に対して一応宅地並み課税等の措置をとって、逼迫しております、地価高騰を招いております不足ぎみの宅地、これを提供してまいるというまた別の目的もこれは達成していかなければならないということで市街化地域に設定をして、できるだけ早く宅地化していこうという構想をそれぞれ立法化いたして進めてまいっておるわけでありますが、現実はなかなか、御指摘のありましたとおりいろいろな問題がございまして、農地の宅地化ということがはかばかしく進んでおらない。これはやはり何としても、農地を持っておる農家の協力というものがありませんと宅地化ということは非常に困難であるということは、私も建設大臣をやりましてしみじみと経験をいたしたわけでございます。 そこで、農家はもう農業でなければ生計を立てていけないんだという立場を尊重しながら、しかもなおかつ宅地化の方途はないものであろうかということをいろいろ検討いたしました結果、農業団体と農家とそれから建設省関係、国土庁関係、もろもろ相談をいたしまして、そして所有しております農地の半分を宅地化すると、そのかわりその半分は農業を当分経営をすることのできるような仕組みをつくって、そして両方の目的をだんだんと果たしていくようにしなければならぬのではないかと、そういう話し合いになってまいりまして実はこの農住組合法という構想を固めまして、これを提案を申し上げたと、こういうことに相なっておるわけでございまして、農林水産省といたしましても、やはり都市における宅地の提供という大きな目的を果たし、なおかつ、そこに農業を経営しておる現実の農家、その農家の方もほかの職業には転向しようがない、そういう方々の気持ちもあわせて施策の上に反映していくことができるようにと、そういう形でこの立法を提案をさしていただいておる、こういうことでございます。
○坂倉藤吾君 いまの大臣の御説明でいきますと、市街化区域の線引きをしたんだから当然そこは農地じゃなくて市街化をする、住宅化をしていく、つまり言いかえれば、そこには本人がどうしても農業で生計を維持をしていきたい、こういう立場の者は憲法上それを犯してまでという強制力は働かないが、国の行政の筋合いとしては、農林水産省の立場からも農地そのものはなくして住宅化をしていきたい、こういう方向で同意をしたことだから、当然耕作者の言い分とその辺の中をとって農住組合法がまあまあ適当ではないかというふうに判断をした、こう理解していいんでしょうか。——うなずいてみえるようですから、そういう趣旨に間違いないと思うんです。 そうなりますと、今日までありました生産緑地法との関係、あるいはこれは全中がむしろ早くから取り組みまして、市街化区域におきますところの対策の問題として、いわゆる農住利子補給法、こういう形でむしろ宅地化の問題等については努力をしてきた経過があります。そうしますと、その法案で処理ができない、こういうふうに判断をされた、その辺はいかがなものでしょうか。
○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。 生産緑地法が制定されまして、私どももこの制度自体についての評価はいたしておりますが、現実的な実際の指定後の状況を見ますと、昨年三月末で生産緑地の第一種、第二種のそれぞれの指定面積は合計五百四ヘクタール、個所数にいたしまして九百三十三カ所ということになっております。これには都市計画区域内におきます緑地の許容範囲という一定の限度もあるようでございまして、やはり制度自体の有効な面もございますが、おのずと限られてくるという問題が一つございまして、それから利子補給によります宅地の制度もございまして宅地化していくということでございますが、この制度、指導事業として建設省で実施しておりますが、これ自体当該一定地区の農地の全面的な転換を条件といたすというような原則に立っておりまして、事実上の問題としてはなかなか全面的な土地の利用転換ということでは地元の納得がいかない。やはり農業と宅地化といいますか、都市化という土地利用が併存するような形態を制度的に認めていく必要があるのではないか、そのような観点から農住組合制度へ移り変わってきた、このように理解しておるわけでございます。
○坂倉藤吾君 どうも出発点が違いますのか、あなた方と、私の発想と、よく答弁が理解できないんです。その一つは最初から出発をしてながめてみましたときに、いま住宅政策の問題にいたしましても、農業政策の問題にいたしましても、相当根本的に私は見直すべき時期に来ているんじゃないのか、これがまず第一なわけです。そういう観点からいきますと、いま世界的に見ましても、あるいは日本の都市の住民等から強く出されてきております状況等をながめてみましても、人間として住み得る環境の中のいわゆる都市の緑地の問題ということが一つ大きく浮かび上がってきているわけですね、住環境の問題として。この辺に対していわゆる農林水産省の立場というものは、それらに即応しつつ、しかも農業政策を生かし得る一つの問題点というのは着目をしなければいかぬのじゃないか。第一にこれがあるんです。そうしますと、いま大臣の所見あるいは事務当局のお話等からいきましても、そういう観点はもう市街化区域の線引きをしたんだから全くないという話になって食い違うんですね。その辺はもう見直さなくていいんでしょうか。 それからもう一つの問題は、私はやっぱり都市に対する生鮮野菜等の供給の非常に手近なところの問題としてぜひともこれは必要なんじゃないんだろうか。いま西欧諸国等をながめてみましても、都市建設に必ずその都市に伴うところの生鮮野菜供給源というものについて十分都市計画の中に踏み込んでむしろこれを確保していこう、積極的に確保していこう、こういう立場というのが貫かれておる。ところが、現実に日本の場合のいま都市に対するいわゆる市街化区域内農地から送り込まれる割合というのは、一〇%を超えているわけです。貢献度というのは。そういうものの価値について一体農林水産省は見直しをしなくていいんだろうかどうだろうか、ここのポイントを明確にしてもらいたい、こう思っておるんです。
○国務大臣(亀岡高夫君) まあ都市機能の中で緑地帯というものの必要性というのはこれはもう御指摘のとおりであるわけでございます。しかし、この市街化地域の整備に関係する諸法律を制定する際に、とにかく十年以内に市街化地域内は都市化をする、市街化地域として造成をしてまいる、こういうことでございます。したがいまして、農林当局としては、農業経営をする希望者の意思というものはこれは農林水産省としては十分尊重していかなければなりません。したがって、先ほど申し上げたようにいろいろな手法をもって、まあ農林水産省でなければ緑を保持していくことができないというわけではございませんので、やはりこれは建設省としてあるいは国土庁として、大きな立場から、その都市に何%の緑地帯が必要である、こういう都市計画の中でそういうものが調整をされていくというのが私は筋道であろうかと思うわけでございます。ただし、その市街化の中に農業を営む者がおるわけででありますから、そういう方々の生計、生活、そういうものはやはり農林水産省としては十分に尊重をし、やはりその意図が達せられ、しかも国の立法の趣旨がそこに調整をされてともに達せられるというところに力を入れてまいるということは、これは私は一つの筋道ではなかろうかということで、私、建設大臣のときに、宅地並み課税、非常に厳しい、激しい論の出ておったときでありますけれども、生産緑地法を制定さしていただいたというのも、実はそのときの国会の論議においても御指摘をいただいたような線を私どもも十分当時の建設省としては考えてきておる、こういうことでございますので、その点は坂倉委員と考えの相違はそうないのではないかなという感じを持っております。御指摘の点は確かにそのとおりである、こう考えております。
○坂倉藤吾君 まあきょうはこの問題を余り深く突っ込もうと思っていないんです。いずれまた連合審査その他でこの問題を専門に論議をする機会があろう、こう思うのであります。 しかし、どういたしましてもいままでの実績等から考えても、この市街化区域内の農業に対する国の政策というものは何も当たっていませんね。むしろ、もう線引きをしてしまったんだから、そこの農業は好きでやっているんだから自分で努力しなさいよと、こういうかっこうに今日までほうりっ放しにされてきておるというのが現実だろうと思うんです。果たしてそれでいいんだろうかどうだろうか、ここをやっぱりきちっと見直してみるべき必要があるだろう、その社会的貢献度その他からいきまして。私は重要なポイントだと思うんです。 それは全国的に見ましても、数量的にいけば二十万ヘクタールばかりの市街化区域内の農地、都市農地ですから、だからこれは率は少ない、こう言うけれども、実際にそこに人間が集中をして住んでいる、住んでいるところに対するところの津地のこの価値観というものについて、私はきちっと見直して、そこにもやはり農政の日の当たるような対策というものが立てられていかないといかぬのではないだろうか。これは価格政策の問題からいきましても私はひとつぴしっとすべきだろうし、それから今日の農業の構造政策の点からいけば、ほとんどこれは手はつけられていない、放置をされている、果たしてそのままでいいんだろうか。ここへ向けて農住組合法でむしろそれを消滅をさしてしまおう、逆に言えば。そしてこの農住組合法が中身として示しておりますように、たとえば一ヘクタールなら一ヘクタールをこう切りまして、それ以下のところについては、これはもう自動的にどこかと集めてこなければあなたはもう農業を認めませんよという法案になっている、趣旨からいくと。しかも、それ以上の区画があって、それを存続させようとすれば当然宅地並み課税の問題が引っかかってくる、こういう仕組みになって、どんどんどんどん追い込んでいく姿、これがはっきりこの法案の中に私は出ていると思うんです。 そういう形をとらして果たしていいんだろうか。そこが、私は、農林水産省として今日の農業全体をながめた中でなぜこの法案に同意したんだろうかということについて疑問でかなわぬわけです。したがって、その辺をお聞きをしたいと、こういうことで質問をしてきたわけです。また、それは発想は同じですよと幾ら大臣が言われましても、どうも発想は同じじゃないはずなんでして、ぜひとも私はここの価値観の問題についてきちっと見直してもらうべきだろう、これが一つなんです。 それから、いまのところ首都圏、中部圏、近畿圏のこの三つに分かれております。しかもこれは全体の市街化区域内農地のうちの約半数を占める、九万五千ヘクタール、こうなっています。したがって、そこを締めてしまえば大勢が決まるんだろうという考え方なのかどうか知りませんけれども、少なくとも、それほど皆さん方が同意をし、これからこういうふうにやっていった方が政策上よかろうというのなら、なぜ中核農地まで拡大をしないのか——いわゆる中核都市です。中核都市まで拡大をしていかないのか、その辺がきわめて疑問なんです。三大都市に限定をしたということについても問題がありというふうに言わざるを得ない。したがって、中途半端なかっこうの法案ではなかろうかというふうに今日の段階としては指摘をしておきたい。もし、いま私が申し上げたことにさらに説得を要するというふうに判断をされれば御答弁をいただきたい。
○政府委員(渡邊五郎君) 私どものこの都市計画制度と、農林水産省がこれまでとっております農振制度というような制度の土地利用に対する考え方について、多少食い違いがございましょうが、御承知のとおり、都市計画区域を設定いたしまして十年以内に都市化するということで、したがいまして、農地制度上、これらの市街化区域の農地につきましては農地転用につきまして届け出制に移行したと。したがいまして許可制を要しない、極端に申しますと、かなり農家の判断で農地の転用ができるという条件におきまして、そうした意味では、農振地域なりで今後優良農地として確保していく農地とそれらの農地との間に差がつくというふうに判断しておるのが一つございます。 ただ、そうした市街化区域の農地におきましても、やはりそれぞれの地域の実情によりまして事業を、農業施策として行うべき施策は実施する。ただし、長期的な効用の及ぶような土地改良のような助成はいたしかねますけれども、災害復旧あるいは施設、短期的な効用の及ぶ機械施設の導入とか、病害虫防除、復旧事業等は当然実施していくという立場でこの制度のスタートをいたしたわけでございます。 制度の前提といたしまして、十年以内に都市化していく、都市化の整備が当然進んでいくということが私どもとしても前提として考えておりました。ところが実際にはなかなか都市化が進まない、あるいは整備がなかなか追いつかないというのが実態でございます。そうした中で、先ほど先生から御指摘のような生産緑地あるいは農地の転換につきましての利子補給の指導事業等も行われまして、ただこれらはすべて都市的利用かまたは農地的利用かいずれかの二者択一というようなことを前提にするようなものでございまして、やはり市街化区域の農業者の立場からいたしますと、農業をなお継続せざるを得ない事情というのもかなり根強く残っておると、また一方では都市的な対応もしたいという両方の要請を持っていることも事実でございます。こうした事実に私どもとしてはやはり着目して、現実に柔軟に対応するような制度的なものがあるべきであるというふうな考え方に立っておりまして、したがいまして、今回国土庁から提案されました農住組合は、それなりの次善の策としては妥当なものというふうに私どもとしては考えるわけでございます。 今回三大圏におきまして特にこの制度を実施するというふうな提案でございまして、私どもは三大圏における宅地事情等から、そうした問題提起自体は了解いたすわけでございます。 中核都市の問題につきましては、今後国土庁なりからの考えに応じて、その段階において私どもも判断してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○坂倉藤吾君 きょうは、先ほども言いましたように、そのことで深く突っ込もうと思っていませんから、一応皆さん方の考え方は承ったということにしておきたいと思います。 食糧自給力強化に関する決議、これは前々国会、衆参両院で行われたわけですが、この食糧自給力強化に関する決議を具体的にどういう施策でもって実行をしていこうとするのか。もうすでに私は骨組みはつくられてきている、こういうふうに判断をするんですが、その辺についての大臣のお考えをまずお聞きをしたい。
○国務大臣(亀岡高夫君) 食糧の安定的供給ということと農家の進展を図ってまいるということは、これは国政の基本であると認識をいたしております。このために、先般、年々外国からの食糧輸入、農林水産物資の輸入が膨大なものになってきておると、したがって自給力を強化しなければいかぬという当院の御決議をちょうだいしたわけであります。その上に農地関連三法等も制定をし、あるいは改正をしていただいたわけであります。 したがいまして、当省といたしましては、八〇年代の農政の方向と農産物の長期見通し、長期展望というものを、これはもうぜひともしっかりしたものをつくり上げなけりゃいけない、確立しなければいけないと、こういうことで農政審議会に数年前から諮問をし、御検討をいただいておる次第でございます。この答申が近くいただけるものと確信をいたしておるわけでございます。こういう問題で長期展望の確立を図りまして国会で制定していただきました農用地利用増進法等の積極的な活用をこれはどうしても図っていかなければならないと、日本の農業の一番のネックと指摘されてきておりました、やはり生産性の高い、足腰の強い農業の確立という問題に努力をしてきておったわけでありますけれども、なかなか規模拡大というような面についての施策の十分なる効果を期待し得るところまでいっていなかったわけであります。したがいまして、国会の御決議と農用地利用増進法等の関連法案の制定を機といたしまして、規模拡大による中核農家の育成といったような方向に大きく力をいたしてまいりたい。 さらに、需要の動向、これが大変重要な役目を果たすわけでありますので、需要の動向や、地域の実態に即した農業生産の再編成という問題も解決していかなければならぬわけであります。そのほか、農業技術の向上という問題でありますとか、あるいは優良農地の確保の問題でありますとか、あるいは水資源の確保等を通じまして総合的な食糧自給力の強化を図っていかなければならないと。こういうことで、私も就任以来、省を挙げてこの問題に取り組んでおるところでございます。
○坂倉藤吾君 考え方はいまお示しになりました。私は、むしろそれをさらに突っ込みまして、具体的に柱を立ててもうお話をいただける時期じゃないのかと、こう期待をして御質問を申し上げておるわけです。
○国務大臣(亀岡高夫君) 昭和六十五年度の農産物の需要と生産の長期見通し、これが基本になろうかと思います。したがいまして、この問題につきましてもいろいろ農林水産省としても取り組んでおるところでございますが、いま現在のところ、昭和六十五年度に向かいまして米と野菜は完全に自給をしよう、それから果樹、畜産物も相当高い自給率を獲得をしていこうと、八割から九割、牛肉は七割と、こういうこと。それから麦や大豆、これはもう外国からの輸入が年々ふえてきておるということでございまして、この輸入を少なくしていくことが自給力の向上ということになってまいりますので、少なくとも小麦は、日本めん用の全部を賄うということを目標にしてまいっているところであります。さらに大豆は、豆腐、納豆、その一部という食用にしておるのは、全部内地産の大豆で賄っていこう、そういう目標を立てておるわけでございます。さらに——大豆は、豆腐、納豆用の六割と、いま全部と申し上げましたが、六割の自給を図っていこうという目標を立てたい。さらに、牧草等の飼料作物、これもできるだけ生産を拡大をいたしまして、六割の自給力をつけていきたい、こういうことであります。 そのほか、中核農家の育成という問題につきましては、所有権の移転でありますとか、賃貸借のほか作業請負、経営受委託という幅広い形態で規模拡大を図っていこうと。このために、各県あるいは農業委員会等の協力を得ましてこの目的を果たしていきたいと。中核農家が、日本農業の中でその割合を相当な部分を占めていくことができるように指導していこうと。 と同時に、やはり先ほど申し上げましたように、麦や大豆の大部分を輸入に頼ってきておる作目につきましては、できるだけ国内で賄って、日本の食用として使っている分の六割を自給をすると。さらに飼料作物、これがもう本当に二千万トン近い輸入をいたしておるわけでありますので、飼料作物等を中心に、やはり今日までやってきております転作等を中心にして実施をしていきたいと。 さらに、何といっても技術の向上、品種改良、こういう面の努力がきわめて重要であるわけでございますので、特に自給力の低い、弱い作目等についての品種改良、これはややともいたしますと、もう小麦等についてはほとんど試験研究が中断しておったといったような事態もあるわけでございますので、やはり技術者に意欲を与えて、そうしてこの牧草やらあるいは小麦、大麦、大豆、裸麦あるいはえさ米といったようなそういうものの技術開発、品種改良、そういう点にも力を入れてまいりたい。そうして日本農業の持つ宿命と申しますか、非常に狭隘なというで自給をしてまいるという困難な条件ではありましても、私は必ずこれは克服していくことができると、こういう確信のもとに指導をいたしておるところでございます。
○坂倉藤吾君 ずっと、なかなか詳しく御説明をいただいたわけなんですがね。大変問題があり過ぎまして、一〇〇%自給率といって言われてきましたのはいまでも過剰傾向の問題です。これはあたりまえの話でありましてね。現在過剰のものをさらにという話じゃないんでしょう。そのために米の需給調整、その他が始まっているわけでありまして、これは果樹、特にミカン等もそのとおりなんですね。むしろいま外国に頼っていわゆる輸入に頼ってやっているものをどういうふうに伸ばしていくかということが、これが自給力向上の基本にならなきゃならぬのでして、それをどう具体的に実践をしていくかという課題だと思うんですね。 そうしますと、いま大臣ずっと御説明をいただきましたが、どうも私どもの目につく資料、数字を含めてなんですが、その辺が明らかじゃありません。だからきょう私は御質問をしておるわけなんです。それで端的に申し上げて、これは先ほども言いましたように国会決議がありますが、その前に五十三年の一月、これは閣議了解で、「農産物の総合的な自給力の強化と米需給均衡化対策について」というのが、これが確立をされておるはずですね。国会決議をまつまでもなく、むしろ自給力あるいは自給率、個々具体的な自給率、これらの向上の問題というのは、農業政策の柱になっていなきゃならぬと思う。そういう立場からいきますと、私は自給力を強化をしていくというものは、幾つかの柱はあるけれども、大きく分けまして、当面する課題というのは、まず第一の柱というのは米の消費拡大だろう。二つ目の問題はこれは水田利用再編対策、いまとられている課題だろうと。さらにもう一本の柱というのは、将来の世界の、これは大臣も言われましたが、世界の穀物の需給状況等を判断をしてみて、やはり日本における非常事態に備える、あるいは調整機能を十分に持つ、こういう立場からいって、いわゆる備蓄を一体どういうふうに、技術改良も含めてなんですけれども、確保していくのか、こういう課題であろうと思うんです。 さらにもう一つは、やはりこの能力、効力というものを最大限に生かしていく技術開発は当然これは伴ってくるわけなんです。私はそういう柱に基づいて具体的な農業政策の基本というものが展開をされていかないといかぬのじゃないだろうか。そうしますと、いまとられてまいりました、たとえば米の消費拡大の問題、あと具体的にお聞きをいたしますけれども、消費拡大の効果というものは一体どうなってきているんだろうか、先行きどうなるんだろうか、こうしたことをもう一遍いままでやってまいりましたことだけに、そのことをきちっと現実を把握をするという立場が必要なんじゃないのか。そうして運動の展開時点と運動を展開をしてまいりました今日の状況と十分に比較をしながら、その中に何か問題を探り出すということが今日行われなければならぬだろうと、こう思うんです。いわゆる水田利用再編の問題にいたしましても、第一期を完了したと。第一期を完了した、これから第二期にかかる、こういう状況の中で、第一期の総括というものがきっちり行われて第二期というものが展開をされていかなきゃならぬ。そういう具体的な突っ込みというのは今日あるんだろうか、ここが私はポイントじゃないかというふうに思います。そういう観点でのお話が残念ながら出てこないわけでありまして、そこに一つ大きな問題点があるというふうに言わざるを得ないと思う。 同時に、いま現に諸外国に頼っているいわゆる特に穀物なんですけれども、これにいたしましても、現行は、いま言われておりますのは、世界の穀物需給というものは、在庫がもう一〇・七%と、いわゆる一二%切っちゃって非常に危機的な状況に来ている。しかも、これからの天候その他のいろんな状況を判断をしてみたときに、非常にもう危険ラインに来ているんじゃないのか、こういうふうに言われている。それだけに、日本の国内のやはりこの自給力体制、自給率体制については明確にしなきゃならぬと思っている。 ところが、これは十月十五日の資料版です。これは確かに集約をした時点がずいぶん古いと思うんですね。古いと思いますけれども、この農業観測からいけば、世界の穀物需要については比較的落ちついているし、堅調だと、こう結んでいるんですね。果たして堅調なんでしょうか。いま危機を訴えている段階で、これは十月の十五日号なんですよ。十月の十五日号のこの中に、世界の海外農産物の状況は堅調だと、こう総括をしている。これは少なくともこれを出す限りは、この時点の問題と今日状況というものは明確に指摘をしておかないと、これは誤解を生むんじゃありませんか。こういう問題が一つあります。 同時に、先ほど御説明がありましたけれども、穀物の自給率について、いま農林省が諮問をされておる段階の飼料というのは、これは一体どういうふうに想定をされているんでしょう。たとえば、五十三年度三四%の穀物自給率は、六十五年度については三〇%になっている。これで、自給の問題は一体どういうふうにこの中での努力というのは行われていくのか、さっぱりわからないのであります。食用穀物の場合は、五十三年六八%のものは六十五年も同じ六八%ですよ。こうなっている。粗粒穀物につきましては、五十三年度二%のやつは六十五年に三%になります。一%上がります。長期見通しです。果たしてこれは、自給力強化あるいは自給率を向上しよう、こういう立場の意欲的な問題というのはどこに働くのですか。働いてなおかつ現状が上がらないという分析なんでしょう。私はさっぱりわからぬのです。その辺はきちっとひとつ説明をしてくれませんか。 言われました飼料作物等の問題にいたしましても、飼料の自給率は、五十三年度二九%、これは確かに少し上げて六十五年見通しは三五%にしよう、こうなっている。これは少し上がっている。果たしてしかしこれだけの数字で、国会決議をし、具体的に引き上げようとしている努力というのは一体どうなっていくんでしょう。さっぱり私自身はわからぬのです。ひとつ説明をしてくれませんか。
○政府委員(渡邊五郎君) 私の方からお答え申し上げますが、まず海外の状況でございます。 昨年からことしにかけましての世界の穀物の生産は、確かにソ連等におきます減産から、小麦、飼料穀物等が前年を下回ったことは事実でございますが、前年が史上最高を記録したというような状況下にに対しまして下回ったわけでございます。また大豆につきましては、生産が史上最高でございました前年度をさらに上回っているというような状況でございまして、全体的に申し上げれば前年よりは多少引き締まってきておることは事実だと思いますが、当面の私どもの考え方からすれば、需給が特に逼迫する状況というふうに現状を判断していないわけでございます。ただ、今後十年なりの長期を考えました場合に、先々の問題といたしまして、発展途上国におきます人口増、あるいは先進国等を中心にしました畜産物の需要増に伴います穀物需要の増加等の要因をはらんでおります。将来におきましてのこれらの問題は、やはり私どもなりに重要な課題として今後の食糧の安定的な確保という問題は、この農政見直しと申しますか、需要見通しの中でも踏まえて、これからの農政については考えていかなくちゃならない。そうした意味でのこれからの備蓄の対策、あるいはいわゆる安全保障といわれるような問題に対する対処のあり方というものを、現在農政審議会でも御審議をいただいておるわけでございます。 それから、自給率についてのいろいろな御質問がございました。先ほど大臣から逐一各作物についての考えは申し上げましたが、私ども、その前提になります、これからの日本の食糧の需要構造の問題が実は大前提に一つございます。それは、従来この種の計画は欧米型の食生活へ移行するということを、一つの目標といいますか、ターゲットといたしまして計画が組まれてまいりまして、欧米の一日一人当たりのカロリーが三千カロリーと言われておりますが、それに近く、あるいは接近するように、前の見通しでも二千六百カロリーとか、その以前にはもっと高いカロリー水準で評価してまいりましたが、最近の動向をつぶさに分析いたしますと、日本人の食生活自体が二千五百カロリーをもって恐らく今後十年後も推移すると見られると。比較的わが国におきましては、低カロリーで、かつ、しかもその栄養構成におきましていわゆるPFCと言われます、たん白なり、脂肪なり、あるいは炭水化物のとり方についてのバランスを維持しながら、そうした食生活をこれから定着させなければならない。したがいまして、わが国におきましては、従来の計画の考え方のような欧米水準を一つの目標をした考え方でなく、日本型の計画目標を追求していかなければならない。 そうした意味でのこれからの米のあり方等を考えますと、やはり基本的には米を中心にした、主食にいたしました日本型の食生活を基本にして持っていかなければならない。ただ、現実的なこれまでの需要の動向からいたしまして、いまの若年層がさらに高齢化していくような十年後を考えますと、やはり、畜産物の増あるいは油脂等の増というものについては、従来ほどでないにしても、若干の増加をもっていくと、こういうような想定で現在の需要構造を考えておるわけでございます。 したがいまして、畜産物等の増加は、二千五百カロリーの枠内では、当然、炭水化物といいますか、穀類の消費の減と置きかわりが起きてくる、いわゆるトレードオフの関係に立つわけでございます。米の消費の拡大に努めるとしましても、やはり米消費自体が、主食としての地位を持っているにしても、減は免れない。それにかわりまして、畜産物——豚、鶏というような中小家畜の増加がございます。これらの中小家畜の問題でございますが、これらの増加は、現在でも飼料穀物——トウモロコシ、マイロに頼る。わが国におきまして、これにかわるような穀物が現実にない、かつ、計画におきまして見通し得られるほどの飼料穀物を算定しがたい現状におきましては、やはり穀物全体についてわが国の生産水準を維持するにいたしましても、これらの中小家畜の増に伴います飼料穀物の輸入増は避けがたいことというふうに考えております。 したがいまして、飼料穀物と食用穀物とをあわせました穀物自給率としては低下することはありますが、飼料作物全体に、一方大家畜を含めました飼料作物の自給の水準につきましては、現状が二九%でございますが、これらはむしろ、牧草等を六割近くふやしまして、三五%ぐらいにまで引き上げなければならないだろう、こうした観点で私どもの自給の考え方を持っておるわけでございます。 また、これらの中身につきましては、いずれ農政審議会の結論が出ましてから詳しくお話し申し上げたいと存じております。
○坂倉藤吾君 農政審議会、結構なんですけれどもね。農政審議会に提出をされる資料はあなたのところから全部出るわけでしょう。もちろん、審議会に加わってみえます団体の代表の方はそれぞれ調査もされ、資料をお持ちですよ。お持ちなんですが、一番中心になる資料は皆さんのところからお出しになる。そこに、農林水産省としてはどういうふうにここに重点を置いてどういうふうにしていかなきゃならぬかということが一つの課題になってそして審議が行われておると思う。そうじゃなきゃ意味がない。 ところが、いまずうっと説明をされましたけれども、私はどうしても納得できないんですよ。なぜかといいますと、これは需要は確かに変化をしていくんです、需要は。変化をしていきますが、その変化予測は、いままでの統計から見て、いま御説明がありましたように大体予想がされる。その予想がされることに対して自給力を強化をしようということは、その需要動向を当然根底に置きながら、その中で占める割合をどういうふうに日本の国内で上げていこうかというところに問題があるはずなんです。そうでなかったら意味がないんでしょう。 そうしますと、先ほども申し上げましたように、たとえば食用穀物で五十三年に六八%のものが六十五年にさらに全然変化なしに六八%といういわゆる自給率というのは、一体どういうことなんですかとお聞きをしておるんです。さらにまた、粗粒穀物について五十三年二%だという。その二%のものが六十五年に三%、わずか一%、これは一体どういうことなんですか。しかも、もとがパーセントでやっていますと、それは一%あるいは同じと、こういう話になるかもしれませんが、現状不足しているものが不足のままでそのまま推移をしていく。もともと少ない数字のものが一%上がってどれだけの価値があるんですか。そこに農業政策の基本というものがぐっと働いてここの数字が変化が出てこないようでは、何のために金を使っておるのかという話になりますよ。そこの問題を説明をしていただかないと、私はこれは納得できないんですよ、正直申し上げて。 たとえば大豆にいたしましても、生産量五十三年度十九万トン、これが六十五年見通しでは四十二万トン。確かに数字から言えば十九から四十二に上がっていく。上がってはいくけれども、これは需要量に対して一体どれだけの価値があるんですかというんです。しかも、いま水田利用再編対策で、むしろそういうものについて重点作目を選定をして、特にその積み上げを図ろうとしてこうやってきているわけでしょう。その問題の価値というのは一体どこへ逃げていくんですか。そのことからもう一遍きちっと見直しをして出直しをすべき時期じゃないんだろうか。そこからやっぱり出発をして、そして農政審議会なら農政審議会できちっとしたものを提起をしていかないと、いままでの流れのままで果たしていいんでしょうか。これは単なる試算だと言えばそれまでの話ですよ。しかし、単なる試算だと言っても、こういうふうにはじかざるを得ない、ここの問題は一体何なのかということを突っ込んでひとつ検討をされるべきじゃないんでしょうか。その辺は一体どうなっているんですかね。
○政府委員(渡邊五郎君) 先ほど申しましたように、わが国の食生活の見通し、需要構造というものを前提にいたしまして、わが国の置かれている条件のもとにおきまして最大限の努力をすると。ただ問題は、たとえば飼料作物の場合に、この穀物を国内で仮に生産するといたしましても、やはり膨大な価格差補給とか、そういう問題を考えれば別でございますけれども、現実に開放経済下におきますわが国の食糧の需給ということを前提にいたしますと、やはりトウモロコシ、マイロ等は海外に依存をする。海外に依存をする部分についてはこれを備蓄なり安定的な供給の確保を図っていくべきものと考えるわけでございます。自給力を高めていくということは当然でございますから、私どもも米麦等につきまして、主食用の穀物の生産水準は落とすようなことは考えておりません。これを維持していくことは当然でございます。 ただし、御承知のように、現在過剰になっている生産物から不足の生産物へ移行しなければならないという農業生産の再編成問題があるわけでございます。それは地域の状況なりに応じて、これから、目下進めておることは御承知のとおりでございます。したがって、小麦なり大豆なり、現在わが国の土地条件あるいは担い手の条件なりを考えて、最大限わが国としてやり得るということを考えまして、いま農政審議会にお諮りしておりますのは、先ほど大臣から申しましたように、小麦については日本めん用の全部、あるいは大豆については生食用の六割程度までは自給するように進めていかなければならない。これ自体も相当至難な問題は抱えておりますけれども、現実の担い手の条件あるいは土地の条件、これらを考えて、私どもとしてはできるだけの自給度を高めていく。また農政審議会の各界の皆さん方の御意見も十分に拝聴しながら、こうした自給力の向上の方途を私どもとしては考えておるわけでございます。
○坂倉藤吾君 言葉でそうやってしゃべっていますと、気分的にはわかったような気になるんですよ。ところが、これは具体的に数字にあらわれてくるものでありまして、しかもあなたがさっき言われましたように、大胆な価格政策をとれば別なんですがと、こういうんですが、価格政策をとればそれは解決をするというのなら、そのことの検討はどうなっていますかと、こういうふうに私は問いたいんですよ。これはたな上げする、こうやればできるんですからたな上げをしますと、いまそれをとるかとらないかということの論議を抜きにして、これは別なんですと、こういう話じゃ、それはどれだけ国会で自給力強化の決議をしましても抜本的な問題に触れることができません。先ほどから言いますように、農業の基本としては、構造政策、価格政策両方が相まってそして展開されていくわけでしょう。そのうちの価格政策は、これはとれませんとか、とりますとか、その選択はもう少し根本から論議をすべきじゃないんでしょうか。だから、そこが隘路になっていて自給率が高められませんよと、精いっぱいやりましてもこれだけですよということがいいのか、あるいは思い切った政策をとって高めることがいいのか、論議があるんなら論議を展開すべきじゃないんでしょうか。これはだめですよと言ってたな上げをして抜本的な解決策になりますか。結局できませんから数字はこんなのですよと、これは一体だれに押しつけるんですか。それこそ、これはまあ審議会も結構でありますし、国会の場にも当然そうしたことをぶっつけて論議をすべきそういう時期じゃないんでしょうか。そのことだけを申し上げておきたいと思うんです。きょうの段階でこれのやりとりしとったってどうもらち明かぬように思いますが、らち明きますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 坂倉委員の御指摘の点、私どもも十分検討をいたしてきておるところでございます。したがいまして、先ほど御指摘のありましたとおり、余剰を出しておる米につきましては、十年前から生産調整ということで相当思い切った転作奨励金等も支出をいたしまして、その方向に一路努力をいたしてきておるところでございます。自給率一〇〇%の米は何も自給率一〇〇%と説明しなくたっていいじゃないかという御指摘もあったわけでありますけれども、そこが、いま日本の農政の中の一番重要な問題として指摘していかなければならない水田利用再編成の問題になってきておるところでございます。したがいまして、これらの問題につきましても、冷害の、いまのところは内容はまだ決めておりませんけれども、この冷害対策の処置が一応農家の手元に届く段階を見て二期対策に取り組む政府の姿勢を明らかにしていきたいと、こういうふうに具体的には考えておるわけでございます。 もうおっしゃるとおり、とにかく自給力を上げるためには、外国から入ってきておるものを入れないで国内で生産できるようにすべきであると、これはもう仰せのとおりです。しからば、それがすぐ来年、再来年からできるのかということになりますと、これはなかなかそうはまいらないわけであります。したがいまして、やはり長期見通しを作成をいたしまして、そうして農家の協力を得ませんと、幾ら政府がりっぱな計画を立て、りっぱな数字を並べましても、これは実現は不可能であるわけでございます。 どこの国でも農業生産というものが政治の中で非常に困難な問題として出てきておりますことは、坂倉委員も万々御承知のところでございます。したがいまして、私どもといたしましては国を挙げて——農林水産省だけでなく、国会の御意向も、農業者自身の意向も、さらには自治体、団体、国を挙げてこの転換期の農業をどう進めてまいるかということにつきましては、私どもといたしましては国会決議と、それから、前々からもいろいろやってきておりますけれども。やはりこの国会決議と農地三法関連法案の制定ということを再スタート線として、そうして御指摘のような線に十分慎重に取り組みながらやってまいりたいと、こういうことも農政審議会にも強く私から申し上げまして、そうして農業基本法ができまして以来何回か長期見通しを立てていただきました。しかし、これも途中で変更しなければならないような経験もしてきております。もう今回はそういうことがないように、十年間、今回定めていただく長期見通しによって、農政の見直しという線にのっとって、途中で変更をするようなことのないようなものをつくっていきたいと、こういうような気持ちで対処いたしておることを御理解いただきたいと思う次第でございます。
○坂倉藤吾君 いま大臣から表明のありましたことを具体的にまたお聞きをしていくことになりますが、大綱的に決意のほどは、先ほども言っていましたように了解するんですよ、決意のほどは。しかし、それが具体的になってまいりますと、突っ込みが足らないといいますか、もう少し私は実態をきちっと把握をした上に立って、しかもいままで進めてきた路線を総括をして先行きをきちっと示していきませんと、農業に従事をする人自体がいま戸惑いを起こしているのが事実なんですから、実際の担い手の方々が戸惑いを起こしながら自給率も何もあったものじゃありません、正直申し上げて。確信を持って熱心に取り組めるような体制がつくられてこそ、初めて私は前進を開始をすると思うのです。私はそういう意味では残念ながら現状は不満だらけ、先行き不安だらけ、こういう立場の中で農業に従事をしておる方々がほとんどであるというふうに実は言わざるを得ないわけです。この現状をまずここから出発をさせるようにぜひとも論議展開を図ってもらいたいと、こういうふうに要望しておきたいと思います。 次に、米の需給調整問題、これは水田利用再編対策も含めてお尋ねをしていきたいと思うのですが、消費拡大政策の一つの今日的骨組みですね。これは食糧庁が五十三年の六月に消費拡大の一つの骨組みを出しました。今日それがずっと踏襲をされてきておると私は認識をしております。したがって、もう一度今日段階におきます消費拡大政策の骨組みの問題、それからそれに対する効果を一体どう評価をしておるのか。さらに、今後の拡大見通しといいますか、具体的政策でこういうふうに展開をしていくであろう、この辺の予測を含めてひとつ御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 米の消費拡大対策につきましては、本年度も百八十億円の予算を計上いたして努力をしておるわけでございますが、その骨組みといたしまして、一つはこの消費拡大運動を国民の方々全体に徹底いたしますために、地域ぐるみの米の消費拡大ということで、市町村を中心といたしまして地域ぐるみの米の消費拡大事業を進めていただいております。 それから第二番目は、米の消費を学童のうちから身につけてもらうということで、学校給食事業を計画的に進めるという事業でございまして、その場合の米の価格につきましては値引き売却をいたしまして、この学校給食の計画的な推進を図っております。 それからまた、米の消費を多方面に広めていくということで、米の新加工食品の開発、普及を進めておりまして、そのための試験研究用等の米につきましては安売りをするというようなこともいたしております。 それからまた、これらの米の流通を促進いたしますためには販売業界の努力が必要でございますので、販売業界における消費拡大の努力を続けさせることにいたしまして、特に小売段階におきまして消費者との間の密接な連絡をつけるということで、米の会というようなことで、小売段階における消費者の理解とそれに伴います消費拡大を進めるようにいたしておる次第でございます。 それとともに、国の供給におきましてもできるだけ消費者の好みに合った米を供給していくというようなことで、できるだけ良質米の安定的供給というような、消費者の好みに合った米の供給を図っていくというような努力をいたしておりまして、これによって消費の拡大を図っておるわけでございます。 その効果がどうなったかという点につきましては、それぞれの事業につきましては、たとえば学校給食事業等におきましても計画的に進んでおりまして、五十五年の五月現在におきまして、この学校給食の米飯供給の普及率が八四%というようなところまで進んでおるわけでございますし、それから各方面にわたりまして米についての理解が深まってきておるということは言えるかと思うわけでございます。 ただ、数字的に申しますと、米の消費というものは、全体として国民の食生活の変化に伴いまして減退傾向が続いております。したがいまして、全体としての米の減退傾向を食いとめるところまでは至っておらないわけでございますが、先ほど官房長からも申し上げましたように、今後日本型の食生活というものを米を中心にして定着させていくということについては漸次そのような方向が出ているものと考えておりますので、従来のただ統計的な傾向線によって米が減退していくというようなことではなくて、こういった食生活のあり方を定着させていくということを含めて、消費の、需要の確保に努めていきたいと考えておる次第でございます。
○坂倉藤吾君 大体五十三年度基礎ができ上がって、それが継続をしてやってきているというふうにいまお話を聞きますとなるわけですが、最近消費がやや減少から横ばいといいますか、こういう状況になったというのはこれは何が原因か、その辺は突っ込まれておりますか。
○政府委員(松本作衞君) 米の消費の動向につきましては、具体的には、政府の売り渡し数量だけをとってみますと、いわゆる政府が管理しております自主流通米も含めました販売数量だけをとってみますと、五十四米穀年度におきましては前年に比べまして十六万トンほど売り渡し量がふえたという実績が出ております。それからまた五十五米穀年度に入りましても、前年に比べてほぼ横ばいということで、少なくとも減少はしておらないというような状況になってきておりますので、私どもとしては、先ごろ来努力しております消費拡大の効果が漸次出ているのではないかなということも期待されるわけでございますが、ただ、政府の売り渡し量だけでは必ずしも全体の需要の動向を断定するわけにはまいりません。特に、政府の管理量がふえてきたということが直ちに消費拡大になっておるということまで断定しかねるわけでございますので、私どもといたしましては、先ほど来申しました消費拡大の努力を今後続けていくことによりまして、こういった傾向を消費全体に定着させるように努力をしていきたいと考えております。
○坂倉藤吾君 最近の消費量調査からいきますと、ことしの春あたりからごくわずかですが、前年と比較をしてみたときの統計では少しずつやはりふえてきているわけですね。これがずっと続いて上昇していけば、いま言われましたように、消費拡大運動がやや地についてきたのかなという評価も成り立つとは思うんですが、その辺はまだきちっと突っ込みにはなっていないということでしょうかね。ぜひ、大切な一本の柱でありますので、細かい分析の上に立ちながら運動総括をしつつ進めてもらいたい、このことを要望をしておきたいと思うんです。 ただ、その消費拡大運動を展開をしていく中で、これはよく学校当局から問題が提起をされるんですが、農村地域で、米作地域で、地元で生産をされる米がありながら、なぜよその米を買わなきゃいかぬのか、地元の米をなぜ入れてもらうわけにはいかないのか、こういう問題があるんですが、この辺は一体どうお考えですか。
○政府委員(松本作衞君) 学童にできるだけその地域でできた米を消費させるということは考え方としては望ましいことであるというふうに思っております。したがいまして、われわれもできるだけそういうふうなことを指導したいと思っておるわけでございますが、実態といたしますと、やはりある程度まとまったところで搗精をして、その米を学校に回すということになるものですから、必ずしもそれぞれの地域にまとまった搗精場所がないというようなことからいたしまして、やはり搗精のできるところで搗精した米を、精米にした米を供給をするという形をとっておるわけでございます。この点につきましては、やはりそれを、すべて個々の米をある程度離れたところに搗精を委託してまた戻すということになりますとコストがかかってくるというような問題もございまして、まあ必ずしもすべてその村でとれたものを回すということには問題があるわけでございますが、方向といたしましては、いまのような地元の米をなるべく学校に供給していきたいということは考えてまいりたいと思っております。
○坂倉藤吾君 細かく、Aという地域でとれたものがA地域の学校の方へ全部行かなきゃならぬというふうに私は言っているわけじゃありませんでして、少なくともある程度の単位を区切りました地域の近くの米がなるべく手に入る、こういう仕組みを、これは制度上どうにもならぬわけですから、その辺の検討をぜひ加えておいていただきたいと、こういうふうに思うんです。 それから水田利用再編対策の関係ですが、これは五十三年度から五十五年度、転作等目標面積が出されまして、これが具体化に遂行されていったわけでございますが、この達成率、これはまあ全部一〇〇%を超えているわけなんですが、その達成率を明らかにしていただきたいことと、同時に、この一〇〇%を超えて達成をしたということが三年間続いてまいりまして、その続いてきた、一〇〇%以上になったというその結果を判断をしてみて、一体何が原因なんだろうか、農家がそこまで積極的に喜んで協力をしたのかどうなのか、この辺は一体どう判断をされているのか、ひとつお聞かせをいただきたいと思う。なるべく二瓶さん簡単に。
○政府委員(二瓶博君) 第一期の五十三年から五十五年の達成率を明らかにしてくれという話でございますので、具体的に申し上げますと、初年度の五十三年度の達成率が一一二%、五十四年度が一二一%、五十五年度は増額改定をいたしたわけでございますが、六月三十日現在の実績見込みでは一〇七%という達成見込みになっております。 それから、この達成した原因は何であるかということでございますが、これは最近のやはり米の需給事情、基調的に米が過剰であるというような問題についての認識、それから長期的に見てやはり農業再編成、農業生産の再編成が必要だというようなことが、転作をされます農家を初めといたしまして、農業団体等関係者の方々に浸透しまして、それがこういう達成率という面に反映されているものというふうに理解をいたしております。
○坂倉藤吾君 五十五年度はもう出ているんじゃありませんか。まだ出ていませんか。
○政府委員(二瓶博君) 五十五年度は、現在のところの最新のデータは六月三十日現在の実施見込みでございます。もちろん八月一日でいろいろ確認をするとかいろんな問題がございますので、そういう面については集計を急いでおるわけでございますが、まだ最後的にその段階のものが集計ができておりません。
○坂倉藤吾君 私のところの県の状況からいきますと、六月段階では、全国達成率一〇七に対して一%低い一〇六だったわけです。それが確定数字からいきますと——確定数字というのは五十五年度概算払い時の集計になりますわね、これでいきますと一一五・三%。高いところはこれは大変な数字を出しておりまして、市町村別にいきますと、一三〇を超えているところなんかざらに出ているわけですね。こういうふうになってきた原因について、いま二瓶局長、農家の理解と協力が得られた成果だと、こういうふうに評価をされている。実際にお歩きになりまして、この転作について実際に理解と協力が得られてこうなっているというふうに本当にお考えでしょうか。
○政府委員(二瓶博君) 一般的に申し上げまして、私は先ほど答弁したことが言えると、こう思っております。個々の農家一人一人に当たって、中にはあるいは必ずしもそうとまで言い切れない方もおるかもしれませんが、総じて言えば、私が先ほど申し上げたとおりであると、こう理解しております。
○坂倉藤吾君 その辺がずいぶん違うわけでございまして、確かに全国的にも、いま全国集計が、言われましたように全部一〇〇%を超えている。ところが中身は、政府の言っていることはわかった、おれたち一生懸命にやろう、こういう立場での態勢ではないはずですね。ごうごうたる非難がある。ごうごうたる非難の中にこの問題の数字が出てくる、ここがきわめて問題なわけであります。これは、いまの鈴木総理が最初に提起をされましたときに、その後引き受けてすぐにペナルティー問題が出ましたですね、達成の悪いところについてはペナルティーをと。こういうことで、これは撤回をされました。こういういきさつがある。これはこの委員会の中でも論議をした。 現実問題として、私はこの一〇〇%以上になっていることについて、評判が悪いのに一〇〇%以上になっていることについてはおおむね二つの原因があると思う。 その一つは、一番大きな課題は、これは具体的に地方農政局の問題に移ると思うんですが、あるいは県の農業担当のところの問題にもなるわけですが、 〔委員長退席、理事坂元親男君着席〕 実は国の方から県別割り当てがある、県でこれを地方別に割り当てる、こういう段階の中でいま一番具体的なのは、転作をしていこうとすれば転作に可能な水田をこれを編成がえをしなければならぬ、いわゆる圃場整備その他をしなければならぬ、いわゆる構造政策の問題と合わさってこの水田利用再編の問題というものが行われているわけですね。当然の話であります。そうしますと、片方で転作に向くような土地造成をしていかなければならぬという、こういう課題にどうしても資金を食い、そこの計画を優先してやってもらわなければならぬという課題とぶつかってくるわけですね。こういうような状況の中で、具体的にはそういう圃場整備事業を実施をしていくことに対して、おまえのところの転作目標に対するところの協力度合いは一体どうなのか、ここが一つの隘路になっている。言うならば、いわゆる政策ペナルティーが具体的に働きまして、そして何としても目標は達成をしないとあとの援助が受けられない、政策的援助が受けられない、だから、いやなんだけれどもこれだけはしなければいかぬなという、こういう形に展開をされているというのが今日の状況じゃないでしょうか。この辺は私はきちっと現実的な姿に立って把握してもらいたい。 これは人情が働きますよ。批判的な農家、非協力的な農家、こういうのは余りめんどう見てやらぬぞというのはあたりまえの話ですわな。協力をどんどんしてくれるというところから優先をしてやりましょうやと、これがあります。これを一つの地域に取り上げてまいりますと、結局農家個人個人の協力度合いになるんですが、一つの同じ地域の中でAとBが協力をしないので全体の問題が達成しない、おまえたちが協力をしないから困るじゃないかと、こういう問題が地域の中では具体的に展開をされている。したがって、そういうことの積み上げがこれが一〇〇%以上に数字としては上がってきている。これは省としては、出した方針が具体的にいくんですから、数字の上から表を見ておれば、なかなかみんな協力をしてくれるし、わが政策はみんなから支持をされているということに誤解をされているんじゃないか。実態と現実というものについて私はもう少し突っ込んでもらいたい、これがまず第一。 それからもう一つは、たとえば私の三重県なら三重県に対して転作目標面積が入る、それに対して、どこでどう達成をしようと、県段階として一〇〇%になれば省の方はそれでオーケーですね。そうなんでしょう。ところが、一〇〇%を達成をしようとすれば、それをやはり細分化をしていかなければならぬというのは国も同じでありまして、県も同じなんです。これは市町村も同じなんです。そうすると、それぞれの村落の中で、たとえばAという町の一つの村落が四つも五つもある、この中で最初の一つの村落が一三〇%やれば、必ずしも耕地面積が均等じゃありませんけれども、そこの目標に対して一三〇%やれば、二のところはこれは九〇%であっても、トータルとしてその地域が一〇〇%になればいいはずなんです。ところが、現実にはそうならないんですね。一三〇%やったところは、一三〇%はそのまま据え置きで、そことは関係なしに二のところも三のところも一〇〇%やりませんと後々支障が生じてくる。こういう仕組みになっているからこの数字が上がってきている、この二つの仕組みが私は押し上げた結果だと思う。ここの点は、私は実際に上がってきている数字が満足すべき数字なんだということで手放しで喜ばれるんじゃなくて、もう少し掘り下げてその辺のところについての検討をやってもらわなければいかぬ、こういうふうに考えるんですが、その辺はどうなんでしょうか。
○政府委員(二瓶博君) まあ水田利用再編対策、これはやはり農政上の最重要問題の一つだという認識に立っておるわけでございます。したがいまして、農林水産省所管の各種事業の中で転作をやりやすくする効果を持つ事業、たとえばいま御指摘のあります基盤整備などもそうでございますが、こういうものにつきましては、これをできるだけ本対策の推進に役立つように活用していくべきものであろう、こういうふうに考えております。そういうようなことからいたしまして、水田利用再編対策に関連をします諸事業につきましては、限られた事業予算でもございますので、新規地区の採択なり継続地区等への予算配分に当たりましては、原則といたしまして転作目標を達成しておる市町村なり、あるいはまたただいま申し上げましたような関連事業の実施によりまして目標達成が確実と認められる市町村、そういうところの要請に優先的に配慮するよう地方公共団体を指導をいたしております。ただ、これは達成ということでございますので、超過達成の度合いに応じてというような指導は特にいたしておりません。なお、こういうことでこれは国全体なり県全体の目標達成という面で効果があったということは、これは坂倉委員の御指摘の面があるかと思いますが、このことがあるから超過達成をしたのである、この様相がすべてであるというふうには考えておらないわけです。基本的には、私最初から申し上げましたような、やはり転作をやられます農家なり市町村なり農業団体なりの米の需給事情や農業の生産の再編成、こういうものに対する必要性の理解というものが基本的にやはり超過達成の主原因であろうというふうに思っております。 なお、県が市町村へ、市町村が集落へということで割り当てをやった際も、ある集落が一三〇%、他のところは九〇でも一〇〇を達成するのにそこもやはり一二〇になっておるというようなこともあろうと思いますが、これもやはり相当基本的にはそういう面の理解というものが根底にあってこういうことになってきておるんではないかというふうに理解ましておるわけでございます。
○坂倉藤吾君 理解はいいんですが、現実の姿をそこまで突っ込んで論議してみてくださいよ、現実にやっている人たちと。そこには大きな隔たりがある。確かに冒頭二瓶局長が言われました考え方、私はそれは甘過ぎると思うのです。そうじゃありません。甘過ぎることがいいか悪いかの問題はその後の問題なんです。問題は、熱を込めて本当に転作がいま日本にとってきわめて必要なんだという理解、そういう立場からの協力でしたら、私は転作作物の問題に関してももっと真剣に取り組まなければならぬ。ところが、現実問題としてはいわゆる補助金、これがついているからという理由が圧倒的に多いはずです。言うならば、まきっ放し、植えっ放し、こういうかっこうで今日名目上水田から他に移りましたという形のままで、熱が込もった耕作になり切っていない。私はこれは非常につまらないことだと思う。 これは幾つかの条件はありますよ。それはまあ後でも論議をしたいと思うんですが、幾つかの条件が重なっています。重なっていますけれども、現実にながめてみたときに、転作作物はその定着度合いから見て一体どうなのかという評価と絡んでくる問題でありまして、ぜひこれは突っ込んで現状把握をしてもらわなきゃならぬと思います。残念ながら今日のわが県におきますところの転作の状況からいきましても、そこまで熱を入れて真剣に、じゃ水田からこれをひとつ精いっぱいやろうじゃないかというところに入っていないんです、残念ながら。そこに魂が込もるような対策が行われていきませんと、私は農政は大失敗を起こすだろう。だから、補助金がなくなればもう一遍水田に戻りますよ、正直言って。そういう状況のままでいいのかどうかということを私は真剣にやはり考えるところだ、ここが問題点である、そういう意味でこの数字の問題も指摘をしておるわけです。 さらに、これは別に反論をするわけじゃないんですけれども、いま転作に協力をしています農家の規模別の調査というのは行われましたか。もし転作に最も協力をしている規模別の協力度合いというものが明らかになっておるんなら、それをひとつお知らせを願いたいんです。
○政府委員(二瓶博君) 規模別の農家の協力度合いということでございますが、詳細なデータは手元にちょっといま持っておりませんが、五十四年度におきまして大体全国二百八十五万八千戸の農家が転作に御協力をいただいておる。北海道が大体六万三千戸、都府県が二百七十九万五千戸ということでございます。なお規模的に申しますと、全国平均では十五・七アールの転作、北海道は百四十二・六アール、都府県の方が十二・八アルーという転作の面積になっております。これの規模別のというのはちょっといま手元にございませんので、後ほど調製を……。 それから申し上げますと、都府県のあれで見ますと、転作をした農家率でございますが、これが〇・三ヘクタール未満が四六・四、それから〇・三から〇・五ヘクタールの間が七二・二、〇・五ヘクタールから一ヘクタール、これが八四・〇、一・〇から一・五ヘクタール、これが八九・四、それから一・五ヘクタールから二ヘクタール八九・六、二ヘクタール以上というところが八八・九という農家の実施率ということになっておるわけでございます。 〔理事坂元親男君退席、委員長着席〕
○坂倉藤吾君 ひとつそれを資料でいただきたいと思うんです。で、いま挙げられました数字は、全体のやつのたとえば規模別にどれだけ集まったかという数字が出ているわけですか。どうもそうじゃないように受けとめられるんですが。これはたとえば〇・三から〇・五の所有者がどれだけおって、そのうちの何%が協力をしたか、こういうことになっているわけですね。そうですね。——そうすると、その数字の一番高いところが協力度合いが一番よかった、こういうことに理解できるわけでしょう。 そうしますと、私はいまお示しいただきました数字から見ましても、〇・三アール未満の四六・四というのは一番低いですね。私はそこが問題だと思うんです。したがって、そういう状況というのは一体何が原因なのかといえば、週休二日制——いわゆる専業、それから第一種、第二種、しかも雇用か自営兼業かと、こういうたてまえからいきますと、いまは第二種の雇用兼業が一番多いわけですね。圧倒的に多いわけですね、世帯からいきますと。そういう状態の中で、結局そういう兼業をしながら営農のできる規模、年寄り、あるいはそういう夫婦が共かせぎに行っておって、しかも土、日をかけて耕作のできるような規模、こういうところがいま農家の圧倒的なあれですね。そういうところは自分の家の食いぶちだけはぜひ残しておきたい、こういうところで、そこが隘路になっていますね、現実問題として。私は、そこを一体どういうふうにこれから位置づけをするのかということがありませんと、水田利用再編のネックがそこですから、ぜひその辺を整理をした上に立っての計画というものが立てられていきませんと問題が残るんじゃないかという観点を一つ持っているわけです。 これは私は前にもここで指摘をしまして、深追いはしませんでしたが、ちょうど五十三年の七月のこの委員会だったと思いますが、そのときに、ちょうどいまの鈴木総理から中川大臣に引き継ぎまして、中川大臣が新年の初頭のあいさつのときに、いわゆる公務員の転作への協力問題というものを提起をされました。あいさつの中で呼びかけられたのですね。そのときに、じゃ公務員が一体どれだけの土地を持っているのか、何人の公務員がそういう所有者なのか、こういう問題があり、それがどういうふうにこの転作の中で協力がされていくのか、こういう点について現状をお聞きをしたわけです。具体的に返事がありませんでした。まだ今日の状況ですからそこまでなかなか調べがつきませんという話で、私もそれは了解をしたわけです。 しかし、今日転作を進めていこうとすれば、当然一番国の政策を理解をし、しかも協力が得られる、こういう立場の展開から言えば、そこが一体どういうふうに変化したのか。これはきわめて興味を持たざるを得ないポイントなんです。そうしますと、私は公務員関係の協力というのは、実際に歩いてみまして、取り上げて公務員が協力しているという体制にはなり切っていない。なり切らないのは、先ほども言いましたように、最小のところをもう確保していまして、それ以上はもう私の方はだめですよと、こういうところにみんな来ているわけですね。そこはもう進まない。 そうなりますと、いわゆるこれは中核農家への土地集積の問題にも関連をしてくるんですけれども、なかなかあちらこちらへ細かく残ってしまいまして、そして結果としては圃場整備その他の関係等を進めるにしても問題が発生をしてくるし、それからこの転作作物の段階の中で、本来専業農家として、しかも余り分類をしてしまうと今度は労力問題から破綻を来すというようなところの方がむしろ強制的に協力をさせられるという、大変ゆがんだかっこうに今日移りつつある。こういうことを現実の姿としては言わざるを得ないんです。ここが私はきわめて大きな問題点ではないのか、こう思うんですが、その辺をきちっと分析をしておいて、そして新しい対策について私は立ててもらいたい、こういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(二瓶博君) 〇・三ヘクタール未満の農家の中で転作を実施しておる、要するに協力しておるという農家が四六・四%という一応の調査の線があるわけでございます。まあいわゆるこの辺であれば第二種兼業農家というようなことでございますので、低いというのは、やはり飯米農家でございますので、自分の食べる分だけは確保して何で悪いのだというようなことがどうも根底にあるようでございまして、こういう都市的な大都市等を含んだ都府県等におきましても、非常に配分その他転作の推進でも頭を抱えておるという実態があるわけでございます。この辺の問題につきましてはさらに詰めていかなくちゃならぬかと思っております。 まあ公務員の問題につきましても、五十二年、さらに昨年の五十四年、率先対処を呼びかけておるわけでございます。そういう声に相当こたえてくれておるものと期待はいたしておりますけれども、こういう公務員等も含めまして、やはりまあ二種兼の農家の方が転作にどう協力していただけるのか、その辺の実態なり、その辺の推進の方策というものは確かに大きな課題であろうと、かように考えております。
○坂倉藤吾君 ところで、第二期の基本構想、これは慎重にということでこの前も大臣言われていますし、先ほどのお話の中でもまだすっきりしていないようですが、いつになるとはっきりするんでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 大体十一月の半ば以降に明らかにしたいなという気持ちでおるわけであります。
○坂倉藤吾君 正直申し上げまして、私はこの二期がたな上げならいいんですよ。ぜひそうしてもらいたいと思います、むしろ。ところが、具体的にやろうとしますと、もういまたとえばわが県におきましても、麦作に少し力を入れようじゃないか、麦を。もう時期が来ているんですね、時期が。だから、これ早くしませんと計画そのものが立ちません。当初予測をされておりました計画でいくということになるとこれまた大変な問題があります。したがって、この時期的な問題。確かに、この冷害対策で大変なことはよく承知をするわけでありますが、それだけにむしろ二期対策の基本的な構想というものは早く明らかにすべきじゃないんだろうか、この思うのでありまして、ぜひその要望にはこたえてもらいたいと思います。もっと繰り上げてもらいたい。最短縮をいたしましていつごろになりますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 重ねて申し上げますけれども、まあ来月の半ば以降という大体のめどで、各界、各層の御意見をよく聴取をいたしまして結論を出したいと、こう考えております。 と申しますのは、やはりいろいろ学者の間におきましても、来年度の天候、気象等につきましても、冷害はまた続くのではないかといったような説もございまするし、さらには最終的な日本の収穫時期においての統計数字というようなものも十分検討いたしまして結論を出していかなければいかぬと、こう考えております。
○坂倉藤吾君 繰り返すようですけれども、二期が遅く計画が出てきて、しかもそのことが、先ほども申し上げましたように、幾つかの政策ペナルティーに該当するような形になって、そしてそのことが強要されるというようなかっこうになりますと、これはもう大変いろんな意味合いで農林水産省の使命が問われることになるだろう、こういうふうに判断をしておりますので、先ほど二瓶局長は、見通しをしつつ、そういうペナルティーという課題じゃなくて、協力のあるものについてやっていこうと、まあこういうふうに答弁をされていますけれども、これは、突っ込んでいきますと、協力があるかないかということが一つの尺度になるわけですから、そういう問題が具体的実践の中で出てきて、遅く決めた第二期計画が推し進められるようになるとすれば、これはとんでもない間違いになりますから、そういうことを十分に配慮をしてやってもらわなきゃ困るということだけきょうは申し上げておきたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) もうお言葉のとおりでございまして、十年前から生産調整を実施をし、特に先ほど来局長から申し上げておりますとおり、第一期水田利用再編対策におきましても、個々のケースにおいてはいろんなことがあったかもしれませんけれども、総体的に見ますと、農林水産省が示してまいりました計画に対しまして、全体としては御協力をいただいてきたと。だからこそ、とにかく農家にとってはいろいろな不満、不平、そういう中で、このことが強制じゃなくて、やはりお互いの理解のもとに、日本の特に米作農家の将来、さらには食糧管理制度の堅持といったような立場から、みずからを守る一つの措置であるという、やっぱり農家の御理解、これがなければ私は第二期対策も円滑にいかないということは十分心得ておるつもりでございます。したがいまして、こういう冷害のときに、この第二期対策というものは避けて通れない問題ということはみんなわかっていただいておるわけでありますから、その辺のところをどう調整するか、できるのかできないのか、その辺はぎりぎりのところまで検討をさしていただいて決心をしたいと、こういう気持ちでございます。
○坂倉藤吾君 次に、中核農家への農地集積の問題です。 これは農地三法のときに相当論議をされている課題であると思うんですが、まあ時間の関係もありますので私の方から申し上げておきますと、いま農業政策の柱というのは、論議をしていくときにおおむね専業農家中心に今日まで進められてきたわけです。で、なるべく専業農家的にしていくがためには、やはり農地規模その他も拡大をしていかなきゃならぬ。そういう意味で、中核農家への農地集積という問題がずっと柱になって進んできた。これはまあ前回提供されました白書等からながめていきましても、そういう方向とは別に、今日の農家経営、農家を支えている主体というのは一体どういうふうに変化をしているんだろうか、こういうふうに見ますと、前々から言われているんですが、たとえば五十四年度の場合の専業農家率というのはわずかに一二・五四。あんまり移動がありませんね、ここ当分。ほとんど専業農家数というものは変化をしていない。むしろ専業農家は、五十年に比較をしますと五十四年の場合減っているわけですね。五十年の場合は専業農家数は六十一万六千五百、これが五十四年になりますと五十九万四千百十、こういうふうにむしろ専業農家が減ってきているでしょう。そして逆にいきますと、一種、二種それぞれありますが、これが農家世帯の中の八八%近くになっておって、しかも二種兼業はそのうちの全体に占める割合としては七〇%になってきている。白書の中でも言っているように、兼業農家に相当軸を当てて農業そのものについての基本を置いていかないと間違いを犯す、こうなってきているわけですね。ところが、そこまで踏み切っていない、どっちつかずになっておる。したがって、農業政策としては、専業農家は専業農家としてきちっと据え置くと同時に、農業の主体になっている一種、二種の兼業農家に相当焦点を当てた農業政策というものが展開をされなければならぬだろう。 そういう意味から言って、中核農家への農地集積の問題というのは、一体今日段階としてどう評価をすべきなのか、将来にわたってどう評価をすべきなのか、こういう観点が一遍再検討される時期にきておるというふうに私は思うんです。いままで確かに中核農家への農地集積ということで来たけれども、果たしてそれでいいんだろうかどうなのか、それでそのことがきちっと達成ができていくんだろうかどうだろうかというようなことが、私はきわめて今日段階として重要な課題であろう、こう思うんです。この辺についてのひとつ見解を聞いておきたい、こういうふうに思います。
○政府委員(杉山克己君) 農地の集積を図っていく場合、どういう農家を対象にそれを考えていくかということでございますが、確かに専業農家が一つの核になりますが、それだけが今後の農業の担い手というわけではないと存じます。その意味で、中核農家、いわば優秀な労働力を持って農業について意欲を持って生産を続けていきたいという農家を対象に考えるということが出てまいってきているわけでございます。 今日、中核農家という場合は、定義は御承知のように十六歳以上六十歳未満の労働力が年間百五十日以上就農している、そういう農家を中核農家と言っているわけでございます。これはおおむね百万戸程度あるわけでございますが、こういった農家に将来焦点を当てて農地の集積を図ってまいりたいというように考えているわけでございます。 その場合、実績をどう見るか、それから今後の動向についてどう把握するかということを見てまいりますというと、御承知のように、農用地利用増進事業、これが昭和五十年以降かなりの流動化の実績を上げてまいっております。その内容をまた見ますというと、全体としても実績が上がっていると同時に、それはいわゆる経営面積の大きい上層農家へ特に集積が進んでいるというような実情にあるわけでございます。私ども今後どもその農家数を将来何戸にするとか、あるいはどれだけの規模に持っていくんだというようなそういう割り切った一つの類型的な発想でなしに、地域全体としての営農のルール化といいますか、土地利用の合理化を含めた全体の地域の一番合理的な営農の促進ということを考えてまいります場合、専業農家、それから兼業農家を含めまして、中核農家として考えられる対象を十分に把握してこれを育てていきたい。そのための制度的な流動化の措置としても、先般農地三法を改正して法的な根拠を設けたというようなこともいたしておるわけでございます。そういうような考え方のもとに今後その施策を進めてまいりたい、こう思っております。
○坂倉藤吾君 もうあと時間がございませんので、これはいま杉山局長御答弁いただいて、現状はおっしゃるとおりでよく理解できると思うんですね。ただ、そのまままでいいかどうか、この辺について、先ほども申し上げたように、もう一遍検討してみてくれませんか。私、相当その問題に関しての意見を実は持っているわけでありまして、いずれまた機会を見て論議をしてみたいと、こう思っております。 それから、最後になりましたが、実はこれも簡単に引き合わす話ではないんですが、いま農林水産省の中でいわゆる食管制度そのものについての検討が行われている、こういうふうに聞き及んでいるわけです。これは改正提案をされる意思があるかないか、そのことだけひとつきょうはお聞きをしておきたいと、こう思うんです。
○政府委員(松本作衞君) 食管制度につきましては、運営改善も含めまして全体的な検討をいまやっておるところでございまして、関係方面の御意見等も聞く必要がございますが、私どもといたしましては、やはり制度、法律問題も絡んでくるものというふうに考えておるわけでございます。
○村沢牧君 ちょっと。 時間が二分ぐらい残っているようでありますので、私はきょうは質問でなくて、次回の委員会で論議をするために資料要求をしておきたいと思うんです。 冷害については先ほどの委員会でもいろいろ論議をされ、それからまた、これからも論議をされていく問題でありますが、その中で特に救農公共事業ですね、これについてもいろいろと委員から質問もあり、要求もありました。この際、農林水産省は公共事業を早期発注をしてこたえていくから御安心くださいというような答弁をしておるわけでありますが、そこでこの公共事業というのは、冷害地に必ずしも公共事業があるとは限っておらないというふうに思うんですね。しかもまた、公共事業は今日まですでに個所づけ等も決まっておるわけです。だから、ある県の公共事業を冷害の大きい県へ傾斜配分することはできないと思うんですね。さらにまた、冷害の非常に激甚な地域へ他の地域の公共事業を持っていくわけにはいかないと私は思うんですよ。 そこで具体的にお伺いしておきたい点ですが、たとえば農林水産省が予定をしておる公共事業——構造改善事業もあるでしょうし、圃場整備もあるだろう、畑総も農道もあるでしょうが、冷害地へ果たして持っていけるのかどうか。すでに冷害の調査もだんだん進んでおるわけでありますけれども、そこで要求をしておきたいことは、たとえば三〇%以上被害を受けた市町村に対して、その地域に皆さん方が言われる公共事業はどれだけあるのか、そのことを次期委員会までに資料として提出をしてもらいたいというふうに思うんです。 委員長にお願いしますが、資料要求をしておきたいと思います。
○委員長(井上吉夫君) いいかな。
○政府委員(杉山克己君) 個々の市町村についてどの程度まで詳しいデータができますか、ちょっと検討してみないとわかりませんが、できるだけ資料を整備して御要望にこたえたいと思います。
○委員長(井上吉夫君) 本件に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時三分休憩 —————・————— 午後一時三分開会
○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○中野明君 大臣が途中で御用があるそうですから、最初に大臣にお尋ねしておきます。 総理が、所信表明の中でも総合安全保障の推進ということを非常に強くうたっておられますが、この鈴木内閣の閣僚であられる農林水産大臣に、総合安全保障ということについての大臣の考え方というものをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 総合安全保障の推進ということを総理が所信表明で申されておりますことにつきましては、御指摘のとおり、国の安全を確保してまいるというためには、防衛的な側面だけではなく、経済、外交を含めた広い立場からの努力が必要であると考えておるわけであります。しかも、食糧は国民生活にとって最も基礎的な物資でありますので、その安定的な確保を図ってまいるということは、わが国の総合的な安全保障にとってきわめて重要な課題であると私は考えておりまして、そういう意味において、総理が、いみじくも総合安全保障の推進ということを内閣の重要政策の一つとして国民の前に明らかにされたことはまことに適切であると、こう考えておる次第でございます。
○中野明君 それで、総合安全保障会議といいますか、どういう形になるかわかりませんが、当然そういう関係閣僚が、関係官も入れてそういう会議を持たれることになるのではないかと私どもも想像しておりますが、当然いまの大臣のお話にもありましたように、農林水産大臣は、この安全保障会議の重要な閣僚の一人としてお入りになる見通しがおありかどうかということです。
○国務大臣(亀岡高夫君) 総合的な安全保障の視点から、高いレベルで食糧、外交、経済協力、エネルギー等の諸施策の整合性を確保するため、現在御指摘のとおりのような検討がなされておることは聞いておりますが、まだ具体的に私どものところに相談は来ておりませんけれども、先ほど申し上げましたとおり、食糧の安定的確保は総合安全保障の重要な一環をなすものでありますから、前述のような具体策が固まるまでに、当然、農林水産省はその中で重要な役割りを果たしていけるものと、こう確信をいたしておるわけであります。
○中野明君 非常に、安全保障と言いますとどうしても防衛ということに論議が固まり過ぎ、華やかに議論されている。そういう陰で、ともすれば食糧という非常に大事な担当をなさっている農林水産大臣が、この総合安全保障会議に欠けるというようなことがあったらこれは一大事でございますので、特にこういう移り変わる国際情勢の中では、恐らく食糧を外交の戦略の一つに使ってくる可能性というのは十分考えられる時代でもございます。そういう面で、これは大臣の先ほどのお話で大体私も安心をしておりますけれども、ぜひこれはこの中へ入っていただいて、そうして十分国の安全保障の中での位置づけといいますか、農業の重要性というものを強調するそういう場所を確保していただきたい、このことを強く要望いたしておきます。いま一度御答弁願います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 御趣旨の線を体しまして、先ほどもお答え申し上げた線に沿いまして全力を挙げて努力してまいります。
○中野明君 それでは、きょうは私、林道関係のことについてお尋ねをいたしたいと思います。 いま、林野庁は見えていますか。——それでは、林野庁の問題に入る前に、水産庁、一つだけお尋ねをしておきます。 いま政務次官も残っておられますが、先日全国の漁港大会が持たれましたが、この第六次の漁港整備計画、これが五十数%というような進捗状況で、非常に関係者が心配をいたしております。これの見通しと、そして第七次の計画、これについてのお考えをお知らせいただきたい。
○政府委員(今村宣夫君) 現在の第六次の漁港整備長期計画は、昭和五十二年度から始まりまして、五十七年度末までの六年間に総事業費一兆四千五百億円で漁港の整備を図るという計画でございます。現在の状況を申し上げますと、五十五年度末における計画の進度は五六%になる見込みでございまして、御指摘のように、計画の完全達成にはかなりの努力が必要であるという状況に相なっております。 私たちとしましては、財政事情非常に困難な事態でございますけれども、できる限り重点的効率的な事業の推進に努めまして、計画実施の効果を早期に発揮させるように努めていきたいと思っております。 新しい漁港整備計画の策定につきましては、現在関係者の要望が非常に強いことも十分承知をいたしておりますので、漁業の動向でございますとか、その他諸情勢を見きわめながら、十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○中野明君 どうなんでしょう、かなりの努力が必要だというお話なんですが、本当に現状のままで計画は達成できるんですか、どうですか。
○政府委員(今村宣夫君) 五十六年度の概算要求が漁港につきまして一〇九・一二%の要求をいたしております。これが満度に仮に認められたといたしまして、五十六年度の進捗率は七三・四%に相なります。そういたしますと、五十六年度の概算要求は相当大きなものを認められなければこれの一〇〇%達成ということは困難であるというのが現状でございます。 そういう状況で、漁港の整備計画は、ほかのものの、五カ年計画と違いまして、六年計画であるということもございますし、始まったのが一年遅かったということもございまして、現在のような財政状況にごつかりまして、いま申し上げたような状況に相なっておるわけでございます。
○中野明君 財政事情が大変なときというのはよくわかるのですが、この漁港の整備というのは非常におくれておるということを私どもも現場に行って感じるわけでして、特に、予算が細切れについてくる関係で、せっかく予算で継続的に漁港の整備をしているんですが、台風なんかやってくると、せっかくできたところがまたもとのもくあみになって、そして予算だけは確かにふえているんですけれども、整備がなかなか思うように進まない。金ばっかり食って同じことをやりかえているというような感じのところもあるわけです。そういう点、ぜひこれは強力に、予算のむだ遣いということを防ぐ上からも強力に推進をしていただいて、そして早期に修築を仕上げる。改修を仕上げるという、そういう考え方で臨んでいただかないと、結局は予算がむだ遣いになる、私はこのように感じるわけですが、この点どうでしょうか。
○政府委員(今村宣夫君) 漁港の重要なことにつきましては、私たちもこれを十分認識をいたしているところでございまするし、また、これの早期達成ということにつきましても、今後十分な配慮と努力をいたすつもりでございます。今後可能な限り重点的、効率的な事業の推進を進めまして、計画実施の効果を早期に発揮させるように努力いたしたいと思います。
○中野明君 では、林野庁が見えたようですからお尋ねをするんですが、四十八年から森林開発公団で実施をしておるようですが、大規模林業圏の開発計画、この計画の概要と事業の実施状況、これを簡単に説明していただきたいんです。
○政府委員(須藤徹男君) 大規模林業圏開発計画は、燃料革命等によりまして低位利用のまま残されておりました全国七圏域の広葉樹林地帯におきまして、林業を中心とした地域開発を推進するために、広域林道ネットワークの整備、計画的な造林の推進、森林レクリエーションエリアの整備等を総合的に進めようとする計画でございます。このために、その先導的な事業といたしまして、四十八年度から大規模林道の整備に取り組んでいるところでございまして、また、この地域におきます造林の推進等につきましては、各種関連施策等の積極的な活用によりましてその推進に努めておるところでございます。
○中野明君 この大規模林業圏の開発計画の中で、林道開設事業、これが一つ実施されているように私も承知をしておるわけですが、現状のままで果たしてこれ、計画だけはあるんですが、いつでき上がるのか。それぞれの地元では、大体この調子でいったら百年かかるんではないかというような夢のような話も出てくるような現状なんです。林野庁としては、この目標を、一体何年ぐらいで達成しようと思っておられるんですか。
○政府委員(須藤徹男君) 先ほども申し上げましたとおり、四十八年度から先導的な事業といたしましていまお話しの大規模林道の整備に取り組んでおるわけでございますが、お話しのとおり、この進捗が大幅におくれておるということでございます。昨今の財政事情等から、その推進につきましては非常に厳しい状況になっておりますが、この事業の重要性にかんがみまして、鋭意その促進に努めていきたいというふうに考えておりますが、当初昭和六十五年を目標にしてやっておるわけでございますが、現在の状況を踏まえますと相当これはおくれるというふうに見ておるわけでございます。
○中野明君 この計画が発表されて、地元はそれぞれの地域で非常に大きな期待を持っておったわけですが、それと現状とが余りにもかけ離れて計画倒れじゃないかという心配すら私はしております。この問題で、先ほども申し上げましたように、このままでいったら、六十五年どころか百年計画——昭和六十五年言うたらあと十年ですが、百年たってもできぬじゃないかという声すら上がっておる現状の事業なんです。林野庁は当初は非常に意気込んでおられたように思いますが、だんだんだんだん日がたつにつれてこの取り組む姿勢が弱く、しかも薄くなっているじゃないだろうか、私はそのように心配をしておるわけであります。 そこでお尋ねをするんですが、俗にスーパー林道と言われておりますが、特定森林地域開発林道、このスーパー林道の見通し、そしてこれと大規模林道開発の関連、これどうお考えになっていますか。
○政府委員(須藤徹男君) いわゆるスーパー林道、正式には特定森林地域開発林道と言っておるわけでございますが、この事業は、昭和四十年度から全体計画二十三路線、総延長約千百七十キロメートルをもって開始されたわけでございます。昭和五十四年度までに十五路線、延長七百二十九・六キロメートルが完成いたしまして、残る八路線の延長四百四十一・一キロメートルのうち、昭和五十四年度までに二百七十三・六キロメートルを完成し、昭和五十五年度以降、実施予定延長が百七十・五キロメートルという現状になっておるごとくでございます。なお、このスーパー林道とそれでは大規模林業圏の大規模林道との関連でございますが、当時スーパー林道は、当時未開発な豊富な森林資源を開発するために、先ほど言いましたように、全体計画二十三路線を開設改良するということでございまして、一方、大規模林業圏開発の大規模林道は、広大な広葉樹林が残されておりますいわゆる旧薪炭生産地帯を総合的に開発するために全国に七つの大規模林業圏を設けまして、先ほど来申し上げておりますような大規模林道の開設に着手しておるわけでございまして、全体計画が二十九路線ございますが、そのうち二十路線につきまして政令指定を終わりまして、現在十八路線について事業を実施しておるということでございます。
○中野明君 スーパー林道が終わったら、スーパー林道に向けておった予算というんですか、それを大規模の方に振り向けるというお考えはあるんですか。
○政府委員(須藤徹男君) 私どもといたしましては、スーパー林道の開設のための所要予算が今後漸減してまいりますので、できれば大規模林業圏開発林道の方に回してもらいたいという強い要望を持っておりまして、今後とも努力してまいりたいというふうに考えております。
○中野明君 そこで具体的にお尋ねしますけれども、御承知のように、三全総が発表されて、地域開発、地方の時代とか、定住圏構想とかいろいろ言われておりますが、その中に四国西南地域も重点地域として指定をされておるわけなんです。現在行われております大規模林業圏の構想もやはり四国西南地域が入っておるわけです。国の基本的な方針としても、この地域、特にこれは三全総の中でも明らかに明示しておりますように、森林資源とか水産資源、林業、農業、こういう関連でこの地域はこれからもっとやらなきゃいかぬということを強く書いておるわけです。ところが、このせっかくの構想で指定をされて、政令の指定を受けて開発をしているわけなんですが、極端な例を挙げますと、四国西南の土佐清水−東津野線というのがありますが、これが八十四・五キロの計画が現在二・六キロしかできておりません。だから進捗率は三・一%、話にも何にもならぬ。二・六キロぐらいつくってもらってもどうしようもないという現状でありますが、これでは、構想は非常にりっぱなんですが、構想と実態とは余りにもかけ離れている、こういう点について、三全総でも相当森林資源の開発ということについての西南地域の可能性ということを強くうたっている地域でもありますし、御承知のように、それはあなたに申し上げても釈迦に説法のような感じになりますけれども、この林道というものを開発していただかなければこれはどうしようもない地域であります。そういう意味で、四国西南地域のこの線についてのお考え、ぜひこれは山村振興という上からも強力に推進をしていただきたい、このことを最後に強く要望いたします。 御返事をいただいて私の質問を終わらしていただきます。
○政府委員(須藤徹男君) ただいまお話ございました四国西南地域は、先ほど申し上げました全国の七圏域の中の一つでございまして、この開発の重要性というのは私ども十分認識しておるわけでございますが、この西南地域におきます大規模林道の路線数は六路線ございまして、そのうちの三路線のうちの一つが清水−東津野線でございます。御指摘のとおり、進捗率まことにはかばかしくないわけでございますが、四国西南地域の全体として今後進度を早めていくように予算獲得に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○中野鉄造君 私はまず最初に佐賀県有明地区湛水排除事業の現状と対策についてお伺いいたしますが、御承知のとおりに、この地区はもう水害常襲地域でありまして、この有明干拓には全国各地から農業を志す人々がいま三百十九世帯入植いたしております。この方々は、住みなれた故郷を捨てて生涯をひとつこの土地にかけよう、そういう心意気で、文字どおり専業農家として黙々と米づくりにいそしんでおられるわけなんですけれども、雨季を迎えるたびごとに、隣接した有明海の干満の差が非常にひどうございますので、干拓地であるところから落差が少ない、そういうところでもう非常に排水が悪い、数日にわたり冠水するというようなことが毎年繰り返されているわけですが、ことしはとりわけ冷害と相まって近年まれに見る長雨で、圃場がもう完全に水没いたしまして、干拓以前の昔の海が再現した、こういうような状況であったわけでございます。こういう事態は、毎年冠水期間の長短はあってみてもその繰り返しでありますので、特にことしはこれが長かったために、この地域では収穫が皆無になっている、こうなっております。これはもうすでに御承知と思いますが、ことしの水害時には、農政局から借り受けた十台ぐらいの小さなポンプで排水はいたしましたけれども、降り続く豪雨と上場からの流水量がはるかに多くて、一向にその効果の兆しが見えなかったということも聞いております。ところが、今回地元の方々の積年の要請がようやく実りまして、今年度は大型ポンプの設置がなされるやに聞いております。具体的に今後のこの地域に対する対策、事業計画の内容をひとつ確認の意味も含めてお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(杉山克己君) 全体的な、先生がおっしゃられた有明干拓地区の地盤沈下対策事業としての排水対策、これは実は建設省の河川事業でございます。詳細はあるいは建設省の方に別途お尋ねいただければよろしいかと存じますが、私ども承知している限りでは、只江川の地盤沈下対策河川事業は全体事業費として三十三億四千万円、それから五十四年度までは十八億三千五百万円で五十五年度の事業費は六億五千万円ということになっておりまして、その六億五千万円の中で、先生がいま御指摘になりました新堤防の改築、それから大型ポンプの製作、据えつけというようなことが行われるというように承知いたしております。私ども聞いておりますところでは、その五十六年度も、五十六年度の雨季以前に据えつけを行い稼働させたいというような意向であると承知いたしておるわけでございます。 なお、ことしの現に湛水したものの排水、これは私どもの湛水排除事業としてこれは行い得るわけでございますが、今回七月上旬梅雨前線豪雨による被害につきましては、これはいわゆる激甚災ということで、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律第二条、これによる指定を受けておるわけでございます。その指定を受けた事業、これは具体的には、農作物の被害を最小限にとどめるように地元土地改良区が応急的に湛水排除を行ったわけでございますが、これに対してすでに私どもの方では現地調査も終了いたしております。そして、排除に要した応急排水ポンプ等の経費につきまして、約八百万円でございますが、これは現在予算措置を講じるための手続を進めているところでございます。
○中野鉄造君 この件についてはひとつ鋭意御努力をお願いいたしします。 次に、ことしは例年にないこうした冷水害に伴いまして、全国各地方の自治団体から天災融資法適用資金の枠の拡大だとか、あるいはまた自作農維持資金の枠の拡大、こういう要請が国の方に来ていると思いますが、この点について、ことしの冷害はこうした近年にない悲惨な状態でありますし、こうした各地の要請に対して十分な配慮はなさっているとは思いますが、そこてこの天災融資法の発動は発動は大体いつごろなのか、その点をお尋ねいたします。
○政府委員(松浦昭君) 今次の冷害等につきましては、ただいま先生おっしゃられましたように非常に深刻なものでございまして、目下十月六日の現在で最終調査を実施いたしまして、この結果を踏まえまして、あわせて資金需要の把握も現在行っておるところでございますが、大臣も何回か申されましたように、できるだけ早くこの天災融資法の発動をするようにということで御指示がございまして、五十一年の場合には十一月の二十九日に政令の公布が行われましたが、今回はできるだけそれを早めて、十一月の十日から十五日の間に政令の公布をするようにということで最大限の努力をいたしておるところでございます。
○中野鉄造君 どうかいま申しましたようなことで、農家の人たち、ひとつ一日も早くこの救済措置をお願いしたと思います。 一例を挙げますと、佐賀県の場合の自作農維持資金融資枠というものが十億円、それと天災融資資金の枠が二十億円、合わせて三十億円が出てておるはずでございますが、特にこの有明干拓C地区を例に引きますと、収穫皆無でいろいろな支払いがあると、生活維持のためにもこの地区の大体一世帯当たり約百万円の資金が必要であると聞いております。この資金も、借り入れもしてもまたどうしても借りたものは当然返さなくちゃいけない。これはもう全国的なことにもなりますけれども、そういう点を考えてみましても、共済金から出るお金はいただけたとしても、収穫皆無であれば、農家にかかってくるその負担というものはこれはもう大変なものであるということはわかりきったことなのでして、そうした生活資金だけでなく、農機具、肥料、農薬代等の支払いもあるでしょうし、そのためにまた借金をしなければならないと、こういうように借金が雪だるまになっていくというような現実があるわけですが、その上に、ほとんどの方々はすでに予約概算金を受けておられるんじゃないかと思います。これもまた返納していかなければならないと。ちなみに五十一年の災害のときには、こうした状況下にあったわけですけれども、五十一年にはこの予約概算金に対する延納ということはなかったと聞いております。そこでお尋ねいたしますが、この予約概算金の延納についてどのように対処されようとしているのか。つまり、農水省告示千三十四号というのが五十五年の七月八日に出ておりますが、こうした収穫皆無といったような地域の方々に対して、この告示内容から見てどのような取り扱いをなされるのか、その点をお尋ねいたします。
○政府委員(松本作衞君) 予約概算金につきましては、これは現物を売り渡しを受けることを前提としてお払いをしておるわけでございますが、収穫皆無によって現物が売り渡しができないというような場合には、来年の四月ないしは五月までの時点において支払いをしていただくのが原則でございますけれども、この支払いができないような場合には集荷団体に代位弁済をしてもらうということになっておりますので、この集荷団体が支払いをするということによりまして、直接農家からの支払いを延期することが可能であるというふうに考え、そのような指導をいたしておるところでございます。
○中野鉄造君 こうした現状にかんがみまして、この点もひとつよろしくお願いしたいと思います。 次に、水産関係についてお尋ねいたします。 政府はこの十七日の閣議で、以西底びき網業界の減船補償問題について正式態度を決めたわけでございますが、この減船規模を六十隻として一隻当たり五千万円、総額三十億の補償をする、こういうように決定して、以西底びき網業界の補償要求は減船一隻当たり一億円を示されました。そこで、こうした業界の自主規制による減船、それに伴うところの漁獲量の減少は当然これは起こってくると思いますが、結局それが魚価にはね返りまして、国民の食生活へも影響を及ぼすのではないかと思いますが、一方また、やはり以西底びき網業界の健全な存続ということは、これは国策としても重要なことであると思いますし、この辺の絡み合いを踏まえて、政府としては今後こうした自主的業界の再編成に対して十分な力をかしていただくべきじゃないかと思うんですけれども、この点についてお尋ねいたします。
○政府委員(今村宣夫君) 今回の以西底びきの減船に対しましては、国はこれに対して交付金を交付することを考えておりますが、これは御存じのように、日韓両国の長い間懸案でございました北海道沖の韓国操業問題につきまして政府間の交渉を行いまして、その一環といたしまして、済州島周辺の従来問題になっておりました規制問題について日本がどう対応するかということの問題としての処理でございます。したがいまして、以西の今回の減船は、いわば政府間の交渉、国際的な交渉の結果生ずる減船であるということに着目をいたしまして減船の交付金を交付をしようとするものでございます。一方、たとえばカツオ、マグロ等の業界に見られますように、協会、団体が自主的にこれを減船を行いまして、その業界の体質改善を図るという問題がございます。 したがいまして、その起こってくる事態の性格的な相違ということはそこに当然あるわけでございまして、私たちといたしましては、カツオ、マグロのように、国際的な問題の規制を受けて減船をするのではなく、その構造を強化するという、そういう観点から減船を行います場合には、これに交付金ということを考えるのではなくて、相互に共補償をすることによって減船をしていく、その資金について低利融資その他の対応によって十分これを援助してまいる方針としておるところでございます。
○中野鉄造君 一応いまの御答弁の趣旨はよくわかるんですけれども、やはり漁民の感情としては、片方はそういうようなことでいろいろ国から直接補償をしてもらえる、片方はそうした基金的なものから間接的な形での補償しかしてもらえないというところに、やはりどうしても不満というか、そういうものがあるんじゃないかと思いますが、この点についてはどうでしょうか。
○政府委員(今村宣夫君) 従来、国が交付金を交付しておりましたのは、御存じのように北洋のサケ・マスでソ連のクォータが急激に減らされたと、あるいはまた日ソ、ソ日の協議によりましてクォータが急速に減らされたと、あるいは今回のように、外国のクォータは減ったわけではございませんけれども、国家間の交渉によりまして、好むと好まざるとにかかわらず減船をせざるを得ないという状態に置かれたものに対して交付金を交付するということでございまして、団体がみずからその構造を改善するために減船を行うということに対して交付金を交付いたしたことはございません。したがいまして、業界から見ると、何か以西には交付金が出てわれわれの自主減船には交付金が出ないのはおかしいではないかということがあるいはあるかもしれませんが、今回の以西が、もし仮に今度の日韓の問題としてではなくて、自主的に以西の構造を強化するために減船をするということであれば、これは交付金はとうてい出し得ないわけでございまして、そこに国としての対応に相違があることは私はやむを得ないことではないかと思います。しかし、業界が自己の体質を改善するためにこれの減船に取り組むということでありますれば、これは政府としても十分これに対応してまいらなければいけないことは当然でございまして、農林漁業金融公庫資金の低利融資その他によってこれを支援していくということを考えておるところでございます。
○中野鉄造君 これとちょっとよく似た問題でございますけれども、もう一つはカツオの漁船、カツオ漁業が南太平洋方面に漁獲に行きまして、いわゆるパプア・ニューギニア、南太平洋のフォーラム諸国等に対してはいわゆる高い入漁料をこれは納めております。しかし、北洋のサケ・マス漁業に対しては、政府はサケ・マス漁業協力事業費補助金を一九七九年においては十四億七千二百万円ですか、出しております。ソ連に対して、三十二億五千万円を払っているうちの四五・三%に当たる補助金を出しておるわけですが、この補助金はサケ・マスをとるための入漁料と、こういったような性格を持っていると、このように私はもう理解するわけなんですが、片や先ほど申しましたカツオ漁船の場合は、南太平洋における入漁料を政府としては何らかの形で補償をしてもよいんじゃないかと思うんだけれども、何にも払っておられない。特にこの間私、鹿児島の枕崎の方に参りましたけれども、この枕崎市では、カツオ漁船に対して市の財政の中から入漁料の五〇%を負担している。そして、こういうように業界、漁民の方を市が保護をしているというような実態がございますけれども、こういったような点についても、先ほどの御答弁のように、北洋と南方の方ではちょっとその次元が違うと、このようにおっしゃるかもしれませんけれども、やはり同じく漁民感情としてこれも何とも納得がいかないような思いがあるんじゃないかと思いますので、この点もひとつ御答弁お願いします。
○政府委員(今村宣夫君) 私たちは入漁料につきましては、本来操業経費の一部として考えるべきものであるというふうに思っておるわけでございます。したがいまして、これは漁業者自身が負担をしてもらうものであって、国が入漁料について助成をするということは考えていないわけでございます。しかし、南太平洋諸国に出漁をいたします、カツオ・マグロ等もそうでございますが、そういうものは非常に入漁料が高い、ほかに比べまして、たとえばアメリカなどと比べまして高いと。それから支払い方式として、精算方式、たとえばアメリカですと精算をするわけですが、とれてもとれなくても入漁料を幾らといって一括支払うような、そういう方式をとっている国が南太平洋では多いというふうな事情に着目をいたしまして、昨年度南太平洋漁業振興基金というのを設けまして、入漁料の支払いに充てるための資金について利子負担の軽減の措置を講じてきたところであります。五十四年度に政府が基金に交付したお金が九億円であります。五十五年は三十三億円を計上をいたしておるわけでございますが、団体の方の基金造成がなかなかうまく進まないという状況にございますけれども、国といたしましては、そういう入漁料につきまして低利融資の措置を講じておるところでございます。 先ほど御指摘のございましたサケ・マス協力基金三十七億五千万円の性格でございますが、これにつきましては、ソ連の母川国としまして、極東サケ・マスの資源の保存、再生産等のために多額の経費をソ連が出しておるわけでございます。また同時に、わが国が公海などにおいて漁獲しておりますサケ・マスのほとんどがソ連のサケ・マスでございます。したがいまして、ソ連のそういうサケ・マスの増養殖に協力をするという観点で金を出しておるわけでございまして、私は一般的な入漁料とは性格が異なるものであるというふうに理解をいたしておるわけでございます。
○中野鉄造君 おっしゃることはわかりますけれども、やはり漁民の感情としては、何か片手落ちになっているような気持ちが非常に強いわけなんです。直接入漁料を漁民の方々に支払うということはこれはやっぱりできないかもしれませんけれども、何らかの形でそういったようないろいろな助成措置をひとつ今後御検討いただきたいと思います。 先ほどちょっと答弁漏れがありましたけれども、こういった一連の減船に伴って、当然そこには漁獲量も減ってくると思いますが、それが魚価にはね返るんじゃないかという懸念がするわけなんですが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(今村宣夫君) 減船を行ったから直ちに漁獲量が減少するかどうかということは、私は問題ではないかと思います。たとえば以西をとりましても、やはり減船をするということは、いままでたとえば百隻の船で百トンの漁獲を得ておったと。それを仮にいまから五十隻の船で百トンの漁獲を得るという形が、減船をやることによるその業界の体質の強化という趣旨でございますから、減船を行いましたから直ちに漁獲量が減るというふうには思っていないわけでございます。幸いにしてといいますか、二百海里以後も、いろいろ関係者の努力によりまして漁獲量一千万トンをまあ維持をしておるという状態でございますから、私は減船をすることによってさらに効率的な操業が行われるということを期待をいたしておるわけでございます。 〔委員長退席、理事坂元親男君着席〕
○中野鉄造君 今度は逆に、これも鹿児島の現地に行っていろいろお話を伺ったんですが、現在、カツオが非常に過剰ぎみである、こういったようなところから、漁民の方々も非常に苦慮されておるわけなんですが、このカツオの消費拡大に対して、現在各方面に対策、御指導がなされていると思いますが、どういうような指導効果があらわれたのか、その点をお尋ねいたします。
○政府委員(今村宣夫君) カツオの需給でございますが、本年は水揚げが近海物を中心に順調でございますが、越年をいたしました在庫がわりあい低水準であったということと、それから輸出が冷凍物を中心に好調であるということがございまして、価格は前年をかなり上回って推移をしてございます。 〔理事坂元親男君退席、委員長着席〕 たとえば、四十年の一月の対前年同期と比べると、一二六%というふうな形になっておりまして、昨年はカツオが非常に豊漁で価格は非常に低かったということ、在庫も非常に多かったということでございまして、カツオの値段が非常に底をついた状態でありますが、ことしは価格としましては昨年よりもいい状況でございます。 しかし、御指摘のように、カツオの消費拡大を推進することは漁業の操業の安定に資する上で非常に重要なことでございますので、私たちとしましては、いろいろと消費拡大対策を推進をいたしておるわけでございます。一例を申しますと、カツオの冷凍形態での流通を促進をいたしますために、カツオを産地で消費者の購入しやすいようにコンシューマーパックの一つの単位に処理加工しまして、これを消費地でそのまま市販をする事業でございますとか、あるいはカツオを利用した料理の材料に適したかん詰め、素材かん詰めでございますが、そういうものの消費定着を促進するために、いろいろと料理講習会を開催する等の事業を引き続いて実施をしておりますが、さらに、テレビその他を通じまして料理方法等について情報を提供するという事業も行っておるところでございます。いろいろできる限りの方法を通じてカツオの消費拡大については今後も進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○中野鉄造君 じゃ次に、全国の現在の漁業者の中でも、小型発動機船による沿岸漁業者、俗に言う零細な漁業でございますが、こういう方々が非常にいま多いわけでございます。しかし、御承知のように、石油価格の高騰で燃費が高く、しかも、以前の木造船から最近はプラスチック船に建造ということで、その価格も非常に高くなっております。まあこうした高負担の中で漁業を営んでおりますけれども、基本的に一般漁業生産活動はどのような法律のもとに保護がなされているのか、その点お伺いいたします。
○政府委員(今村宣夫君) 沿岸漁業者の生産活動を保護する制度としてどのようなものがあるかという御指摘でございますが、まず漁業法がございます。それから水産資源保護法がございまして、同時にこれらの法律に基づいて都道府県知事が漁業調整規則というのを定めることになっておるわけでございます。漁業法で申しますると、沿岸漁業者の漁業利益、これを物件と見まして、漁業権の免許制度あるいは漁業権の侵害に対する罰則規定を設けておるところでございますし、水産資源保護法では、資源を保護培養して漁業の発展に寄与するために、爆発物でありますとか、有毒物を使用する漁法の禁止等の規定を設けておるところでございます。 また、都道府県漁業調整規則では、禁漁区、漁業期間あるいは禁漁の期間の設定等々の漁業の規制を規定をいたしておるところでございます。
○中野鉄造君 いまおっしゃったようなそうしたいろいろな法律の保護のもとに、漁民が本当に安全に、しかも心配なく操業ができればいいわけですけれども、それが最近非常に脅かされているというような現実があるわけでございます。年々こうした燃費の高騰あるいは漁獲の減少といったような中でささやかに生産活動を営んでいるのに対して、いま申しますような、その法律を犯しての密漁が頻繁に行われております。関係漁協あるいは漁業者は、その被害に非常に苦慮しておるわけですけれども、このわが国の密漁、漁業違反の事例にはどういうものがあるか、その点をお尋ねいたします。
○説明員(木村操君) お答えいたします。 底びき網漁業、カツオ・マグロ漁業、サケ・マス漁業、まき網漁業の無許可操業とか、あるいは許可内容の違反操業などのほかに、潜水器を使用いたしまして不法に操業をするとか、あるいは外国漁船が領海内に侵犯操業をする、こういう事例がございます。
○中野鉄造君 潜水器漁業の密漁実態の具体例をひとつ挙げていただきたい。
○説明員(木村操君) ウニとかアワビ、サザエその他貝類でございますけれども、最近非常に需要も増大しておりますし、高価になっているというようなこともございまして、主としまして北海道の東部、三陸沿岸、瀬戸内海、九州沿岸においてこの種の密漁がございます。潜水器を用いた密漁は、高速船を使用いたしまして、夜間計画的に行うなど、非常に悪質な傾向にございます。このため、虞犯海域において巡視警戒はもちろん、情報収集、内偵、張り込みなど積極的な取り締まりを行っているところでございます。
○中野鉄造君 もう時間がありませんので先を急ぎますが、私の調査したところによりますと、この五十四年の、いま申されましたような潜水器漁業による違反を見ますと、全管区で六十二件あるわけでございまして、その中でも九州の長崎、佐賀、福岡、これらを中心とした第七管区の地域でその約半数の件数、この管内で多いというわけになっていますけれども、この特に九州方面の地域での密漁違反事例が多いのは、アワビあるいはサザエ、ウニを中心としたこういう魚介類の非常な宝庫である。この地域の生産者にとっても、それはそのまま生活権のすべてであると言っても言い過ぎじゃないわけですけれども、ここで長崎県の上五島の小値賀漁業組合漁業者の被害の例を引きますと、アワビについては、以前は二カ月余りの漁業操業をやっていたものを、現在は十五日間に期間を短縮しまして、いわゆる資源の保全という意味から操業を短縮して、しかもまたその収獲も総トン数を決めまして、そのトン数に至ると操業を打ち切ると。あるいはまた漁業の後継者や、アワビの保護のために稚貝を購入して育成するなどの、こういう努力をしているわけですが、それを密漁者は高速艇で、しかも船べりから海に飛び込むんじゃなくて、船倉の中からアクアラングをつけて海中に入る。そして巧妙に計画的に、アワビの大小を問わず、もう根こそぎそれをかっさらっていくと、こういうような事例が非常に頻発しているわけでございます。 先ほども申しましたように、現地の漁師さん方は、もうアワビの十センチ以内のものはとらないようにして、もしそれをとってもまた海に放流すると。そこまでして保全をしているにもかかわらず、いかに小さいアワビでも何でも根こそぎ持っていくと、こういうようにして非常に生活を脅かされているわけでございまして、過去には、全漁民が漁を休んで、そして全船出動でこの監視に当たったり、あるいは監視の当番制をしいたりしておったわけですけれども、たまたま密漁船を見つけても、密漁船からいろいろな物品を投げつけられてけがをすると、こういう事故まで発生いたしております。そこで、現在、小値賀漁港では、生産者一同の方々が話し合って、みずからの海はみずから守る、こういうことで、約二千万円の自衛船をつくりましてそして監視に当たっておりますが、この自衛船の年間の維持費だけでも少なくとも約一千万円以上はかかるんじゃないかと私は思います。ことしのように不漁のときはその負担はまたさらに大きくなってまいりますし、この負担は今後とも生産者にのしかかって続くわけでありまして漁業者の生活権にかかわることでもありますし、またそれだけに、その密漁船とたまたま仮に接触した場合に、その警備船に乗っている人たちの漁民の怒りが爆発いたしまして、漁民の方からむしろいろいろな血なまぐさい事件さえも起きかねないというような、そうした非常に先鋭化した状況にあるわけですけれども、海上保安部を中心に努力はなさっているとは思いますけれども、こうした地域の監視取り締まり体制をひとつさらに強化をしていただきたいと思うわけでございます。 この地域は佐世保海上保安部神ノ浦分室が担当しておるわけですけれども、監視員の人員の体制が現在のままで果たして十分であるのかどうか、そこいら辺も、こうしたことにかんがみましてお尋ねいたします。
○説明員(木村操君) 御指摘のとおり、あの海域におきましては、宇久島に神ノ浦分室というのがございますが、さらにその上部機関といたしまして佐世保海上保安部がございますが、佐世保海上保安部もそのあたりの取り締まりには留意をいたしております。そのほか、この海域につきましては、この周辺の長崎海上保安部、それから福江の海上保安署と、このあたりも分担をいたしまして取り締まりに当たっている状況でございます。 通常の場合はそういうことでございますが、さらに必要に応じまして、いろいろ事態が悪化したような状況におきましては、たとえば対馬に三十メートル型の高速艇がございます。そういうようなのを下げて取り締まりに当たらせるとか、あるいは福岡にも巡視船はございますし、その他いろいろございますので、そういう船艇を動員いたしまして集中的に取り締まりを実施いたしたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○中野鉄造君 私の手元に、先ほど申しました警備船の船長をしている方からのお手紙も来ておりますけれども、本当に現場の漁民の方々としては生活がかかっているわけなんでして、それだけに、どうかひとつこの点の取り締まりを強化していただきたいと思います。 重ねて聞きますけれども、地元の漁民の方々からのこうした出動の要請があった場合にはどういうような体制で行われておりますか。
○説明員(木村操君) 地元漁業者からの要請がございますと、直接的には先ほどお話ございました神ノ浦分室の巡視艇が対応するわけでございますけれども、さらにその付近に配備しております巡視船もおりますので、要請の都度出動をさしている状況でございます。そのほかに、情報の収集とかあるいは取り締まりのために、要請以外にも配備いたしておりまして、これまで五十年からこの九月三十日現在まで、要請がございまして出動した回数が七十八回ございます。その他哨戒を含めまして五百四十回の出動になってございます。
○中野鉄造君 こうした取り締まりによって検挙されたそれらの人たちに対する処分の結果はどうなっていますか。
○説明員(木村操君) 過去五年間の検挙件数でございますが、この地域におきまして十五件検挙いたしております。その処分結果を申し上げますと、四カ月ないし五カ月の懲役刑、ただしこれは執行猶予三年と執行猶予がついてございます。これが七件ございます。それから、一万円から二万円の罰金刑、これが六件ございます。それから次に、起訴猶予が一件、現在まだ処分が決まっておりませんのが一件と、計十五件でございます。
○中野鉄造君 非常にこの数年、アワビだとかサザエの市場での価格がいいことに目をつけて、暴力団が資金かせぎにしているということは、これはここに手元に週刊誌を持っていますけれども、わずか一時間で三百万円のアワビを密漁して高速艇で逃げていったと、こういうような事実。これは三陸沖での事件ですけれども、こういったようなことも起こっております。いま申しますのは逮捕されておりますけれども、この岩手県の宮古漁港でのアワビ密漁、これでも明らかなように、いま申しましたように、わずか一時間ぐらいで数百万からのアワビをとって、これはそのときだけの被害がそうでありまして、過去の被害を合計するならばそれこそ数億円ではなかろうかというようなことが言われておりますが、この場合も窃盗容疑ではなく、いわゆる漁業調整規則違反という県条例しか適用できない、こういうようなことになっています。いま御答弁がありましたように、どう考えても、こうした実害から考えてみまして、密漁に対する罪が軽いということが思われるんですけれども、これは法的に検討する必要があると思うんですが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(今村宣夫君) 御指摘のように、密漁に対する罰則につきましては、現行の罰則が密漁防止に効果的であるかどうかということにつきましては問題がございます。したがって、漁業法上の罰則を強化をしてくれという陳情を私も受けております。漁業法は昭和二十四年に制定をされて以来ずっと罰則規定も直っておりませんので、そういう意味では、罰則が低過ぎるということが、御指摘のようなことがあると思っております。しかし、罰則は、御承知のように全体的な罰則体系との関連もございます。したがいまして、これらの点につきましては十分検討をしなければならない問題であると思っておりますが、漁業法を将来改正する場合におきましては、この点について私たちとしても十分検討をいたしたいと思っております。
○中野鉄造君 ぜひひとつ、いろいろな全体的な罰則とにらみ合わせてやはりこれは検討すべき問題であるとは思いますけれども、本当に悪いことをしたものがもうけるというようなとりもうけというようなことにならないように、この点ひとつ鋭意御検討をお願いしたいと思います。それと、先ほど申しましたような、こうした漁民の方々が、自分たちの自衛のために本当に大変な負担を負いながらも、自衛船をつくったり、あるいはそれの運営、維持をなさっておるわけですけれども、こういうような場合には何らかの名目で何らかの措置ができないものかどうか、この点お尋ねいたします。
○政府委員(今村宣夫君) やはり漁業者は、自分の財産でございますから、これをいろいろな自衛的な措置を講じて守っていかれるということは、これは必要なことであると思いますが、これに国が補償をいたしてやるかどうかにつきましてはいろいろと問題のあるところではないかと。やはり漁業取り締まりという観点に立ちますれば、これはやはり司法警察権を有する者が取り締まるということでございましょうから、やはり私たちの努力はもとよりでございますが、海上保安庁等におきましてもさらに特段の努力をお願いをいたしたいと思う次第でございますが、漁業者みずから自衛することについて、国がこれに補助金を出すとか、あるいは別の方法で支援するとかということはいろいろ問題があるところではないかと思っております。
○中野鉄造君 どうかひとつ、そういったような漁民の人たちがよけいな負担をしていくというようなことがないように、より一層の取り締まり強化、そういったような点でもお願いしたいと思います。 こういったような事実に関連いたしまして、これから先、二百海里時代あるいは燃油の高騰、魚離れの消費傾向、あるいは地域開発との調整などの諸問題を背景に展開される今後の水産振興施策について、いわゆる地方の時代にマッチした、地域の特性を基調とした強力な国の指導が期待されるわけでございますので、この点について二つ、三つ質問いたしますが、いま申し述べましたような今日的課題を抱えながらの漁業となりますと、必然的に将来ますます栽培漁業の推進ということが望まれるわけですけれども、こうなりますと、技術性、経済性、そして社会性、この三つが十分に整合されたものでなければこれはならないと、こう思います。この点についての御見解とともに、どのように指導をなされていこうとするのか、お尋ねいたします。
○政府委員(今村宣夫君) 本格的な二百海里時代に突入をいたしておるわけでございますから、私たちは一つはやはりとる漁業から、つくり育てそしてとる漁業へというふうなことに重点を置いてまいらなければならないというふうに考えておるわけでございます。同時にまた、外国の二百海里内においての安定的な漁獲の確保ということもこれに並んで重要でございますが、栽培漁業につきましては、すでに国におきまして栽培センターを設置をいたしまして以来、試験、研究を行ってきておるわけでございます。それから、同時にまた県におきましても栽培センターを設置をいたしまして、鋭意その稚魚の育成その他の努力をいたしておるわけでございまして、現在までに、サケ・マスはもとよりでございますが、クルマエビその他、そういう余り遠くへ行かない魚種の貝とかクルマエビにつきましては、これは非常な進展を見ているわけでございます。これは、地域によりましてそれぞれ特定の特色のあるそういう事業を実施をいたしておりますが、将来はタイのように相当周遊性のある魚種についての栽培というものをどういうふうに考えていくかということが一つのテーマであろうかと思います。これは相当広域にわたって回遊をいたす魚種でございますから、これにつきましては相当の体制の整備等を図ってまいらなければいけない問題であるというふうに認識をいたしておるわけでございます。
○中野鉄造君 以上であります。終わります。
○藤原房雄君 過日の委員会、そしてまたきょうも午前中から、深刻さを増しております冷害問題についてはいろいろ議論がございました。私もあの調査団の一員に加えさせていただきまして、北海道、またみずから東北各地を回ってまいりました。五十一年と違って大変な深刻さがますます深まっておるのが現状だと思うのであります。過日もいろいろ議論がございましたのですが、まだ検討ということが非常に多い現状でございまして、こういうことで——時間もございませんから重複は避けるようにいたしたいと思いますが、確認という意味で二、三問題をお聞きしたいと思うのであります。 最初に大臣に。このたび大臣も精力的に各地を回られて、その状況は私どももお聞きしておるところでございますが、今度の冷害を回られまして、五十一年または四十六年ですか、にもありまして、大臣も政治家としてこういういままでの災害にも心を痛められてごらんになったろうと思うのでありますけれども、特にこのたびの災害はいままでにない状況ということで、どのように御認識していらっしゃるかという点からまずお聞きしたいと思うのであります。
○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のように、今回の冷害はことのほか激甚をきわめておりまして、特にこの冷夏の影響で全国的にも冷害が及んでおるというところに大きな特色があり、また特に厳しい、ひどいところは、青森、岩手、宮城、福島等、私行ってまいりましたけれども、もう本当に何百ヘクタール、何千ヘクタールというところが全く青立ち、一粒の米も実を結んでいないという惨たんたる状況を見まして、農家の諸君も飯米の心配をしなければならないと、まず一番先に飯米を何とかしてほしいという声が、集まっておられた農家の方々が異口同音に叫んでおられた状況を拝見をし、また私参りましてまず驚いたのは、ああいう黄色いたんぼ、黄金の波を打つような、まあかっこうだけはそういうような形をしておるわけであります。しかし、鳥が一羽もいない、ツバメもいなければスズメもいないということで、真っ先に、いつもこの辺は鳥はいないのかと反問したくらいの状況でありまして、それほど冷害が深刻であるということを確認をいたしまして、これはもう本当に全力を挙げて被災農家の対策に万全を期さなければいかないという強い感じを受けて実は帰ってきた次第でございます。 したがいまして、帰ってきますると早々に——五十一年度冷害に比べてもその後の統計情報部の調査によりましてもどんどんと被害を増すと、こういうことで、被害の調査の回数もできるだけ多く、そうして被害の実態を十分に把握して万全と思ってやった対策が、被害データの方がお粗末であったためにその対策が万全を期することができなかったというようなことのないように、省を挙げてひとつ冷害対策に取り組もう、こういうことで督励をして取り組んでおる次第でございます。
○藤原房雄君 農林水産省の、大臣を初め皆様方の御努力は私どもそれなりに評価をいたしておるところでありますが、いま大臣のお話にありましたように、ことしの冷害というのは障害型の災害ということですね。五十一年のときには障害というところまでいきませんでしたから、時間がたつに従ってある程度回復したという面もある。今回は時間がたつに従ってだんだん深刻になった。しかし、経済情勢とか財政状態、いろんなことがございまして、冷害の実態、余り大きい声で叫ぶよりももう少し見ようじゃないかということが多かったわけですが、時間がたつに従って実態がだんだん厳しくなったというような状況です。そういう点では五十一年とは大きく違いまして、これは指数から見ましてもどこから見ましても、五十一年より一歩も後退するような対策であってはならぬ。対策につきましても、当面する対策と、また長期的な、恒久的な対策といろいろあると思いますが、いずれにいたしましても五十一年を下回るようなことではならぬ。過日の委員会におきましても、それぞれの項目につきましてはそれなりの御努力をなさっていらっしゃるようでありますが、いずれにしましても、五十一年より経済情勢やいろんな面で変動もございまして、これを下回るようなことではならぬだろうと思います。 特に、このたびの冷害は標高の高いところとか、地域的に、集中的に、皆無といういま大臣のお話がありましたが、収穫皆無というところが非常に多い、市町村でもうほとんど。三沢にも大臣いらっしゃったようでありますが、あそこはもう九十何ぼということですから、指数にすると一位になるのか、一位にもならないんじゃないかというふうな、こういう状況でありますから、非常に集中的に、三割とか四割とかとれるならいいんですけれども、全然ということで、それだけに、こういう被害を受けているところにつきましては、深刻さというのは、全体的な数値を見ましてもこれは大きな差がありますけれども、地域的に収穫皆無という、こういうところが、市町村が、地域が、部落が非常に多いという。こういうことでは、飯米等の融通というのは、五十一年にある程度地域で考えたようでありますけれども、ことしはもうそういうことはできないという。いま大臣もちょっとお話ししておりましたけれども、こういうことを考えるにつけ、五十一年とは違った深刻な状況にあり、それなりの強烈な態勢で対処をしなければならないと思います。私、山形へ行ってある八十年輩の方に聞きましたけれども、八十になるけれどもこんな冷害はいままでも初めてだと言う方がいらっしゃいましたが、まさしくそのとおりだろうと思うのであります。 各項目については、もう時間もございませんから私も一々お尋ねすることはできませんが、天災融資法それから激甚災害法の発動のことについてであります。 先ほどもお話ございましたが、六日の日に大体もう最終被害額というものは集められておるようでありますが、これは資金需要と農家の方々の希望と、それから政府の方のそれに対してどこまでこの財政の窮迫の中で準備できるかという、こういうこととの関連もございまして、農家の希望どおり全部入れられれば一番いいんですけれども、そういうことで天災融資法と激甚災害法、またはこれに伴います自作農維持資金の確保ということは、これは農林大臣は農民を守る立場にあるわけでありますから、財政当局からいろんな厳しい条件があろうかと思いますけれども、やっぱり農民サイドに立ってこれは一日も早く、そしてまたこの需要にこたえられるような確保のための最大の努力をしていただかなきゃいかぬと。そんなことはもう当然のことでありますけれども、まずそこらあたりの大臣の決意のほどをちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 藤原委員仰せのとおり、私といたしましては、被災農家ができるだけ早く一つの方針を立てることのできる態勢をつくってあげなければいけないと、そうして来年の再生産に取り組む勇気を起こすことのできるようなところまでどうしても持っていかなければいかぬということで、どんなことがあっても五十一年よりも後退するようなことのない施策を行わなければいけないと、こういうことで融資枠の確保、条件のできるだけの緩和等については全力を挙げてただいま折衝をいたしておるところでございます。
○藤原房雄君 それから農林水産省も、それぞれ諸官庁とお話ししながら被災地における雇用確保、救農土木事業等についての御努力はございますが、これはもう報じられておりますように、被害を受けたところは非常に立地条件もそうよいわけでございませんで、積雪寒冷、こういうところが多いということで、長期にわたって仕事ができないとかいろんな隘路がございまして、その町村に合った仕事をきちっとしなければ、実際は名のみあって実体がない、こういうことで、秋田等においては、申し込みを受けましたところ申し出た方が少なかったということも報じられております。私も各地回りまして、やっぱり長期間働き得ないということや賃金の格差やいろんなことのために、地元でせっかくつくってもということが言われております。このことについては、やっぱり私どもも、これはこのたびの厳しい冷害、もう皆無ですから、こういう収入のない方々のために再生産、そしてまた来年までの生活を確保するということの、現金収入ということのために、これはいままでのこういう施策ではどうも救い得ないのではないか、特別な施策をしなきゃならないんじゃないか、このように考えております。これはまた後ほどいろいろ御提言申し上げたいと思っておりますが……。 それから飯米のことでございますが、先ほど大臣もお話ございました、飯米を確保してくれというほど非常に厳しい状況にあることはよく大臣も御存じのとおりだと思いますが、この飯米も農家の方はおしなべて平均的には十月そこそこまでの飯米は大抵確保しておるわけでありますけれども、それ以降というのはもう新米が出るわけでありますから、まあ皆無なんというのはもうおよそ想像していないという、こういう現状の中にありまして、もう間もなく飯米もなくなって、十一月に入りますと、もうどうしても手当てしなきゃならぬという。いろいろいままでの農林水産省のお話を聞きますと、いま各市町村でその需要状況とか実態調査をいたしておりまして、それが県に上がって、県から農林水産省ということのようであります。また、食管法との関係がございまして、右から左というわけにいかないような仕組みになっているのであります。現場に参りますと、その手続や何かというのは大変な手続が要るようなんですけれども、農家の方がお金を出して米を買わなきゃならないというのは、これは実は大変なことでしてね。せっかくこれを一年の据え置きとかいろんな措置はされておるんですけれども、さっき申し上げた、ある地域、ある町村、集中的に収穫皆無という、こういう厳しい現状の中で、この飯米に対しましてもいままでの措置だけでは救えない。飯米対策も早急に対処のできるような施策がぜひ必要だと思うんですけれども、どうでしょう。
○政府委員(松本作衞君) 被災農家の飯米対策につきましては、ただいまお話がございましたように、食糧庁といたしましても、早急に需要量を現在市町村と県を通じまして徴収をしておるところでございまして、それがまとまり次第、県、市町村のルートを通じて卸売価格によって代金を一年間猶予できるという前提で米の売り渡しをしてまいりたいということで、せっかく準備を進めているところでございますので、ただいまの御指摘もございますので、早急にこの手続を促進するように努力をしたいと考えております。
○藤原房雄君 金額のこととかそういう流通経路とか、そういうことはいろいろ御配慮いただいたことはよく知っておるんですが、とにかく、事務の繁雑さ、こういうものもできるだけひとつ簡素化して、さっき申し上げたこういう現状を踏まえまして、ひとつ早急に農家の方々、希望する方々の手に現物が一日も早く入るような施策を必要とするということを私言っておきます。農家の方々が希望する飯米を手にするということを早急にできるような事務上の簡素化とか、そういうものの手続上の問題についてひとつ御検討いただきたい。一日も早く手に渡るようにしていただきたいと思うんです。 それから、まあいままで過剰傾向にありましたから、余り問題はなかったんですけれども、自主流通米が、最近は協議会等での話もなく、いまのところ値上がりになっているということが言われておるわけでありますけれども、生産者米価が値上がりになったことに伴ってのことだろうと思いますけれども、自主流通米の価格決定というのはそれなりに私も理解をしておるわけでありますけれども、それが余りこういう冷害ということの中で常識を逸するようなことがあるのならば、これは問題だろうと思うんです。この自主流通米が値上がりになっているというような現状等については、農林省としてはどういうふうに把握していらっしゃいますか。
○政府委員(松本作衞君) 自主流通米の価格交渉につきましては、集荷団体であります指定法人と卸売業者との間で現在具体的に話し合いが続けられておる段階でございます。一部のものにつきましては決定されたものもあるようでございますが、漸次、各産地銘柄別に話し合いが続けられておる段階でございます。 今年は生産者米価の引き上げがございましたので、それに絡んで自主流通米の価格もある程度の上昇が見込まれておるわけでございますが、集荷団体及び卸売団体とも、この自主流通米制度は長続きしていかなければならない制度でございますから、そのような安定的な取引を果たすために、価格につきましても良識のある価格水準で話し合いが続けられておるものというふうに考えておりまして、無謀な値上がりというようなことは十分慎まれておるものと理解しております。
○藤原房雄君 その点、地元ではいろいろ問題が、問題というか、心配の筋がありますので、ひとつ御配慮していただきたいと思うんです。 時間ですから最後に申し上げますが、農家の方々が異口同音に言うのは、第二期の減反計画ですね。水田利用再編対策に対しての危惧というのが一番大きいわけで、北海道に参りましたときにも、これが冷害、冷害ということで余り騒ぎますと、またそういうところで米をつくるからという言葉がはね返ってくるんじゃ大変だということで控え目に、東北におきましてもやはり山間地、高冷地帯、こういうところで非常に気にしながら現状を訴えておるというのは、よく大臣もおわかりになっていらっしゃることだと思います。午前中の質疑にも、水田利用再編対策については農民の理解を得ているというお話でありますが、まあやむにやまれずということでここまで来たと思うんです。これはいろんなバランスの中で行われていると思うのでありますが、一つは奨励金の問題、それからまた、転作をするといいましても、その土地に合ったものという、まあこれはなかなかむずかしゅうございまして、北海道の北見で、相当転作をしましてタマネギを植えました。ちょっと作付面積が多過ぎるということになると、去年のように大暴落といいますか、価格がすぐ下がってしまうという、こういうことで、同一種のものを大量に転作をするというわけにはいかぬ。北海道のように大きな面積を持っているところは、どうしても転作しますと面積が大きくなるわけでありますけれども。こういういろんな条件がございまして、そういう中で農民は今日まで苦労しながら、奨励金と、それからどういう転作作物がいいのかということで苦労しながら今日まで来ておるのが現状です。 そういう中で今度冷害を受けました。稲作だけではなくて畑作についても大変な被害を受けたわけでありまして、本来稲作をしておりますとそれなりに共済制度等があったわけですけれども、畑作に転じたために、共済制度も、これは共済制度があるんだから入ればいいじゃないかと言うかもしれませんが、転作面積ということでありますから、これはなかなか共済に積極的に入ろうというそこまでのことは手続をしておらぬ、そこまでの理解もない、こういうことで、こういう冷害がありますと本当に二重三重にいろんなことが覆いかぶさってくるというのが現状です。 こういうことから、第二期のこの対策を講ずるということでこれを推進するということになりますと、やっぱりそれなりに環境整備といいますか、よくいままで農林省の担当の方々が言っておりましたけれども、水田利用再編対策に協力しても稲作をつくっておるよりもそう収入減にはならないという形で進めていきたいというようなこともよく言っておりましたけれども、現実こういうことに直面しますと、二重三重のパンチを受けると、こういう現状の中で、来年また再び過重な次の減反が強いられるということになりますと、農家にとりましてはこれは大変なことだと思います。ことしの減収面九十一という指数を概算しますと、農林水産省でもいろいろ数字を出しているんだと思いますが、時間がありませんから一々聞く時間はございませんが、およそ百万トンことし当初計画よりも減収ということになりますと、少なくとも二十一万ヘクタール減反したと同じような計算になるわけですね。限度数量に達しない。こういうことから言いまして、来年はもちろんこれは見合わせるのは、農家と農民の立場に立ちますと、この負債をはね返すためにはやっぱり営農が中心になるということから考えますと、これは当然のことだろうと思いますし、さらにまた、一回冷害を受けますと三年、四年はどうしてもその後遺症が残ると、こういうことからいたしまして、やっぱり農家経済というものを考える農林大臣、農林水産省という立場からしますと、できるだけ第二期の減反政策についてはこれは慎重の上にも慎重、まあ大臣もいろいろ勘案して今日まで検討し、そしてそういういろんなことの上から十一月中に発表したいということも午前中言っておりましたけれども、これは本当にいままでのこういう姿の中で、どうしても来年はこれは凍結ということが農業団体からも知事会からもいろいろ言われておりますけれども、これは本当に考えてもらわなければならないことだと思います。 そしてまた、このたびの農政審から出されました八〇年代の農政の基本方向、こういうものを見ましても、中核農家の育成とか、こういうことがまた言われているようであります。北海道は北限地帯だからということだけでいままでのような比率でやりますと、これは機械化によって大規模の営農をやっている者に対して、合理的な営農を進めているところに対してまた過酷な仕打ちを強いることになり、いまここでもう一度こういう大きな冷害に遭った中で、国際的にもいろいろ需給関係のむずかしい中でありますから、これは慎重な配慮が必要だろうと私は強く大臣にも申し上げて、検討のひとつ大きな材料にしていただきたいものだと思うのであります。 私は、そういうことで、これから今日までとられました対策、五十一年をさらにひとつ大きく推進させるような形で金融政策やその他の対処をしてもらいたい。それから、これから進められようとしております第二期の減反政策につきましても、これは新たな視点からひとつ考え直していただかなければならぬ。また、長期的に見ますと、耐冷性品種、そのほか、こういう冷害の中でもある程度防衛できた農家の方々もいらっしゃる。こういう中で長期的な対策をきちっと組まなければならない、講じていかなければならぬ、こういうことで、対策また指導、こういうことに万全を期してこのたびの冷害に臨んでいただきたい。本当に農業を守るという立場に立っての農林大臣の決意のほどをちょっとお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(井上吉夫君) 時間が参っておりますから、簡明に願います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘をいただきました点に十分注意を払いましてやってまいりたいと考えておる次第でございます。 日本の将来の農業という、農政という立場から考えましても、午前中からるる申し上げておりますとおり、第一期の水田利用再編対策は、各界各層、農家の方々、農業団体、県、市町村の協力を得て、とにもかくにも厳しい条件の中で、本当に農家にとっては、まあ何と申したらいいんでしょうか、もう米づくりに意欲をかけておったその米づくりができないという、非常に気持ちの上からも農家の気持ちに反するような水田利用再編対策をやらなければ、とかく米の過剰ということで、農家を守ってきた食管の制度そのものにも大きな影響を与えてくるということで、第一期計画は協力を得てなし遂げることができたわけでございます。 いよいよ第二期ということになりましてこの冷害と、こういうことでございますので、国会から、先ほども御要請のとおり、自給力を片方では上げろと、こういう強い御要請もある一方、農政をもっと明るい、見通しのきくものをつくれ、こういう厳しい御要請、それらこれら勘案いたしますとき、米の需給のバランスをとっていくという施策は避けて通れない、こういう気持ちを私としては持っておるわけでございますが、しかし、政治でございますから、よくこれからも被災地の方々のお気持ち、関係者の方々のお気持ちを十分に承りまして、そうして十一月中旬以降に自分の決意をしていきたい、こういう考えでおるわけでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○下田京子君 大臣、きょうは北海道農業ということで、特に幾つかの点にしぼってお尋ねをしたいと思うんです。 大臣も御承知だと思うんですけれども、北海道農業と言えばお米に酪農に畑作、これが三つの柱になっております。こういう中で、減反率が、お米の場合特に四三・六%という高いことになっていて、これから本当に酪農も過剰だ、畑作も低迷しているということで、皆さん非常に苦慮しておられること、御存じのとおりだと思うんです。 そんな中で、北海道の冷害は一体どんな状況なのかということなんですけれども、率直に言いまして、私案は九月に留萠、それから名寄とか士別の方に行ってまいりました。あと、もう収穫時期になってまいりましたので、先週十月十六日ですか、農水が終わった後、同僚議員の小笠原議員と御一緒しまして、胆振地区の鵡川あるいは日高管内の平取、石狩地区の江別、当別、こういったところを見てまいりまして、懇談もしてきたところなんです。 その中でまず出されたことは、大臣は東北に行ったけれども北海道にどうして来ないんだ、北海道の冷害の実情、そして北海道農民の冷害の中で、これから先農業をどうしたらいいかというそのことについてどういう理解を示しているのか、こんなことが出されました。そして同時に、北海道の冷害の問題については大変な実態であるというような、これは東北各県とも同じようなところがありますが、またさっき言いましたように、減反率が高い、地域によってはもう六割も減反しているなどというような状態もありますだけに、専業であるということも加わって、また別途特別な窮状があるということを私は理解できたわけなんです。特に鵡川では二・五分作、平取に行きましたら三・五分作というふうな状態であります。こういう状況の中で、さらにまた減反が拡大されたら大変だ、こういうわけなんです。だから、二期対策の関係もございますけれども、とにかく北海道にこれ以上もう減反の上乗せはしないでくれ、これが道民の皆さんの一致した声であるということを私はかわってお伝えしたいと思うんです。つまり、九月の十一日に全道で農業の関係諸団体が集まりまして、これ以上の米減反拡大はやめてくれという危機突破大会が開かれております。こうした北海道農民の声に大臣どうおこたえいただけるのか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 実は下田委員も御承知のとおり、私は昭和二十年代から北海道積雪寒冷地帯の雪と寒さにあえぐ地帯のもろもろの問題と取り組んでまいった次第でございまして、北海道も大臣就任後はなかなか行くチャンスを得ておりませんけれども、北海道の事情はよく心の中にきちんととらえておるつもりでございます。 御指摘のように、今回の冷害に当たりまして、北海道の受けた打撃というものも金額にして一千億に近いと、こういう実情でありますから、それは被害を受けられた農家の方々がいま申されたようなお気持ちでおられるということは私も万々承知をいたしておる次第でございます。したがいまして、一番先に御指摘のありましたように、稲作だけじゃないと、畑作も非常な被害を受けておると、しかも北海道は畜産と米とそれから畑作物と、こういうことを柱にしてやってきておると。しかるところ畑作関係の被害も大きい。ところが、米のように共済の徹底が、まだまだ畑作共済は実施したばかりでございまして、農家の中にしみ通っていないと、こういうこともよく存じておるわけでございます。したがいまして、今回の冷害対策に当たりましても、北海道につきましては内地と同様、その対策の万全を期するためにいま全力を挙げなければならないと、こういうことを指摘いたしておるところでございます。決して北海道を軽く見るというような気持ちは全くございませんし、しかも、第二期水田利用再編対策につきましても、これはこの間も北海道放送の場を通じまして北海道の農家の方々に申し上げておいたわけでございますけれども、第二期対策についてはよく各界各層の御意見を伺って、そして将来の日本農政の発展、充実にプラスになるような形で進めていきたいと、こういう気持ちでおりまして、その内容については十一月の中旬以降に結論を出していきたい、こういうことでございます。
○下田京子君 大臣、北海道を軽く見ていないと、こうおっしゃっておりますけれども、とすれば私がいま聞きましたのは減反率が四三・六%でしょう。だから、二期転作の話は別、これ以上とにかく拡大するなよという御要望にどうこたえるのか。時間がございませんから、それをよく考えていただきたい。いまおっしゃっているように、北海道を軽く見ていないというのでしたら、実際にそれを政治で示していただきたい、こう思います。 同時に、いま大臣が、ちょっと言葉の端をつかむようで恐縮なんですが、冷害についても内地と同様にやっていきますということなんですが、内地ということはちょっとおかしいと思いますね。やっぱり他の都府県並みにということなので、これはちょっと指摘しておきたいと思うんです。 以下具体的なことでですけれども、大臣言われましたように、北海道というのは雪と寒さの中で、つまり大変な積雪寒冷地帯です。そういう中で、実際に救農事業のお話もこの前もやりましたけれども、大臣は既決公共事業の中で十分だと、いろいろ検討したけれども、それしかないんだと、こうおっしゃっておられます。しかし、だとすれば、せめて既決公共予算の中でも、仮に農業基盤の問題にしましても、それを第三四半期に限ってと、こうなっておりますけれども、とにかく前倒しで全部いまやれるようなことを仕組んでもらえないかという声が、道庁初め関係者の方々から出されたんです。具体的な数字を申し上げますと、これはもう御存じだと思うんですけれども、第三の四半期契約目標では、農業基盤に限って特別枠救農事業として全体で二百億組みましたね。北海道の場合にはそのうち三十二億八千万円ということになっているわけです。しかし、全体の農業基盤の公共予算がどのぐらいあるかと言えば、一年間全体で北海道にいくのは割り当てになっているのが九百六十二億円です。第三の四半期分まで見ますと八百八十五億円ですね。これは全体の中での九二%になりますが、残が七十六億五千万円あるわけですね。ですから、それを少なくとも今回の冷害対策として契約目標にぽんと落としてくれないか、これが一点です。 それからもう一つは、事業の中身の問題なんですけれども、やっぱり北海道は北海道に合った形でその地域のいろんな環境整備や農業基盤や防災対策に役立つ方向でということで一つ具体的な御要望が出されているのが、これはやませ対策にもなると思うんですけれども、防風林の話と防風ネット、これをこうした救農事業としてひとつ考えられないかという提案も出ておりますので、この二点。時間が非常に限られております。簡単にこれは大臣の方からお答えいただければと思います。——大臣からお答えいただきたいんです。済みません。
○国務大臣(亀岡高夫君) 細々した問題でありますので局長から答弁させようと思いましたのですが、私からということですから申し上げますと、とにかく二百億という特別枠を設定したわけでございます。これはもう各県に割り当て、農政局を通じて道府県に行っていると思います。したがいまして、そのほかにも、とにかく第三・四半期の公共事業で積雪前に着工できるというのは当然これはもう実施できるように指導してまいりたいと思います。
○下田京子君 次の具体的な話もお聞きしたいんですけれども、いまの大臣の御答弁は、つまりは指導していくということになると、第三・四半期だけでなくて第四・四半期もこの際出しますよというふうに理解してよろしいですか。——大臣にひとつ、政治的なことなんで。
○国務大臣(亀岡高夫君) いや、それはそうじゃなくて、やはり政府としては第三・四半期ということでこの間の経済閣僚会議でも決定をいたしておりますので、一応その範囲内でやっていこうと、こういうことでございます。
○下田京子君 もう一つ。もう一つ、防風ネットの話。
○国務大臣(亀岡高夫君) 防風ネットは、下田委員も御承知のように、吾妻山ろくの国営開拓パイロット事業でもセットをいたしました。なかなか風の強いところ、北海道も恐らく冬になると風が強いということになりまして、せっかく設置をいたしましても、本当に農のためにプラスになっていくかどうかというようなことは私はここで軽々に申し上げられないのではないかと。私の経験上から言ってそんな感じがいたします。
○下田京子君 こたえてやりますよと言っていますけれども、実際にはやっぱり積雪寒冷地帯であって早期発注が必要だと言いながら、しかし第四の四半期のやつはだめだと、こう言っていますと、大変やっぱり現地の人はがっかりすると思いますね。ですから、時間もありませんから、積雪寒冷地域であるということで、第三の四半期だけじゃない、第四・四半期のもとにかくやってくれということは重ねて要望もしておきたいと思います。 それから規格外米の問題なんですが、かなり収穫されておりまして、大変な規格外が見込まれそうなんですね。いま現物を忙がしくて持ってこないでしまったんですが、この前鵡川町の川東地区の共同のもみ乾燥施設で調製した物を実際に食糧庁の検査課の方に見ていただいたんです。これはどのくらいのお米として見られるんでしょう、そう言いましたところが、五十一年度の基準では規格外の基準が三つあったと思うんですね。つまり、未熟粒の混入の甲と乙と、それに青未熟混入規格玄米というのがあったと思うんですが、青未熟でしか買い上げることができないだろうと、こういうお話だったんです。そういうわけですので、早急に規格の基準を決めまして、それでもって政府が買い上げられる方向を検討してもらいたいということで、どういう状況になっているかお聞きしたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 規格外米の問題につきましては、ただいま御指摘がございましたが、私どもも現物等を取り寄せて見ておりますが、現地の実態を早急に把握をいたしまして、規格米の買い上げに必要な措置等につきまして現在関係方面と交渉をいたしておりますので、早急に結論を出したいというふうに思っております。
○下田京子君 つまり、規格をどう決めるかという方向で検討しているというふうに理解してよろしいですね。 それからもう一つ、規格の中での着色粒の話なんですけれども、農家の人の中にちょっと混乱がございますので、その着色粒は搗精後着色がなお残った場合というふうに理解してよろしいかどうか、念のため確認いたしたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 着色粒と考えておりますのは、いまお話しのように搗精後の精米の段階で着色が残るようなものについて考えておるわけでございます。
○下田京子君 次の北海道農業の問題で、やっぱりいまの冷害問題とあわせて、それから減反とあわせて、その関係でいま本当に大きな農家の人たちの不安になっているのが、特別自主流通米の問題なんです。その点で幾つか確認をいただきたいわけなんですけれども、実はこういうものが北海道の農家の方々のところに配られております。つまり、「稲作農家の皆さんへ」ということで、「特別自主流通米への取組みとそのための分担金の拠出を」と。出しているところは北農中央会、指定集荷団体あるいは指定集荷業者でやられておりますが、道産米販売拡大対策委員会というところで出しているものなんです。ここではこういうチラシをなぜ出したかというと、北海道の米づくりがこのままいったんでは減反がどんどん拡大してしまうと。だから特別自主流通米を設定することによって減反が削減、緩和されるんだと、こういうふうに言っているわけなんです。確認したい点なんですけれども、大臣、これは特別自主流通米をやることによって減反削減がされるかどうか、ここを確認いただきたいわけです。
○政府委員(松本作衞君) 北海道における特別自主流通米の問題につきましては、いままでの経過もございますのでちょっと申し上げたいと思いますが、実は現在の国の米の管理の実態の中におきまして、御案内のように過剰が非常に累積をしておるわけでございますが、その中で品質別に見ますと、北海道の五類米につきましては約三分の二程度が売れずに残っておるという実態がございます。このままの状態を続けてまいりますと、結果的には北海道についてその売れない部分のいわゆる生産調整をお願いをするというような問題も出てまいるわけでございますが、しかし一方におきまして、現在売れないという状況は、価格が現在の五類米の売り渡し価格では売れないということでございますので、こういうふうな価格条件を固定したままで直ちに生産調整を必要だと言い切れないのではないかという問題がございまして、そうなってまいりますと、やはり政府の売り渡し価格を下げていく、そうなってくれば政府の買い入れ価格も下げていくという問題が出てまいりますが、そういうふうな道をとるか、それとも、そういうふうな道をとると言っても、どれだけ価格を引き下げれば売れるのかというようなことについて明確な実態が出ておらないという事情のもとでは、むしろ生産者団体が自主流通米というルートを通じまして米を販売してみるということによって、どの程度の格差であれば北海道の米も十分売っていけるのか。ないしは北海道の米でも、品質によってはどの程度の値段まで売っていけるのかというようなことを、むしろ実績をつくっていく方が望ましいのではないかというような考え方もあったわけでございます。 これらの問題につきまして、北海道の農業団体関係者の方々等ともお話し合いをしてまいったわけでございますが、北海道の農業団体といたしましては、この機会にみずから自主流通米というものをつくっていこうというようなことで決定をされまして、いまお示しがありましたような、農家の方にも、そのような趣旨を指導をして御理解を得ておるというふうに聞いておるわけでございまして、国といたしましても、これに対しましては特別自主流通米の奨励金ということで、一俵当たり千八百五十円というような金を出すことにいたしたわけでございますので、いまお尋ねがありましたように、直ちに生産調整等云々ということではなく、将来の方向としてこのままの状態を続けていくと生産調整が非常に重くなってくるということも考えられる、そういう道を避けるためには、やはりこの自主流通米という道を選んでみるというのが農業団体のお考えでもあるかと思っております。
○下田京子君 農業団体の考え方がどうだという話ですけれども、これは政府と農業団体と話してやられているわけですね、その特別自主流通米。私が伺いましたことは、このままでは減反が強化されると、だから特別自主流通米に取り組むんだと、これに取り組めばやがて減反が緩和されると、こう出しているわけですよ。だから、そうなるのかということを聞いているわけです、いろいろあれこれを聞いているんじゃなくって。農家の人はいろいろ心配していますけれども、ことしの米価決定というのは昨年対比でもって約二・三%アップになりましたよね。しかし、実際には、北海道の場合には激変緩和措置ですか、これが奨励金が廃止されたということでもって、一俵逆に二百四十円ほど値引きされる結果になると思うんです。さらにこの特別自主流通米に取り組むためにということで、一俵当たり二百円の拠出を農家が出していくわけです。そうすると、一俵当たり五十五年産米で政府価格より実際に四百四十円も値引きして売らなきゃならない。そんなばかな話があるんだろうか。しかし、将来減反が緩和されるというなら出しましょうということで出しているんですよ。だから、そういう方向になるのかとそれを聞いているわけです。
○政府委員(松本作衞君) ただいまも申し上げましたように、この特別自主流通米をつくり出そうということで農業団体と私どもがお話し合いした経過はそのようなものでございまして、したがいまして、直ちに減反についてこれがあるからどうこうするというような話は出ておらないわけでございますが、将来の方向としてこのままでいけば減反が強化される、そういうふうな条件が考えられる。それを避けるためには、こういうふうな特別自主流通米の道を開くのが望ましいことだということで理解をしているわけでございます。
○下田京子君 大変はっきりしないですね。このままだったら減反は強化される。じゃ、特別自主流通米の方を取り入れたら減反緩和されるのかというと、そのことについては何にも答えない。それじゃまるで何か農民に対して、何となく幻想を抱かしているような内容でしかないということになってしまうんじゃないですか。大変これは問題であると思うんですけれども、そういうふうにこれ理解していいんですか、減反緩和にはならないよと。
○政府委員(松本作衞君) 先ほど来申しておりますように、この特別自主流通米制度は、これからの北海道の米の流通をどう持っていくかという考え方の上に立っておるわけでございまして、直ちにこれによって減反をどうこうするというような直接的な関連を持っておるわけではないというふうに考えております。ただ、農業団体の方としては、そこに書いてある内容を承知しておりませんけれども、いままでのお話し合いの経過が、このままでいけば減反を強化しなければならないというような事情を避けていきたいという気持ちが出ておることは当然であろうと思っております。
○下田京子君 そうしますと、はっきりしたのは特別自主流通米のそういう制度を活用してやっても、政府としてはいますぐとにかく減反が緩和されるということは約束できない、こういうことがはっきりしたと思うんですね、そう理解してよろしいですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) その点についてはまだ何も決めてはおらぬわけです、第二期対策については。いまの下田委員の御意見も、御意見として十分決定の際の要素として考えていきたいと、私としては大変参考になる意見を聞かしていただいたと、こう思っておるわけです。
○下田京子君 非常に不明朗であるということがはっきりしました。 それで、ちょっとここで確認したい点なんですけれども、この北海道の特別自主流通米というのは予約限度数量の枠外ですか、枠内ですか。農家の人が、この点でのはっきりした理解がないのでお聞きしたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) これは自主流通米でございますから、あくまでも予約限度数量の枠内でございます。
○下田京子君 そうしますと、これは最終的には、さっきもちょっと局長からお話がございましたけれども、値段の話ですね、値段の話。五類の一等米ですか、一等米の政府価格より値引きされない方向できちんと指導がされるかどうか、その辺はどうですか。
○政府委員(松本作衞君) これはいわゆる自主流通米というのは、品質に応じた価格が定められていくわけでございますから、その価格の内容がどのようなものになるのかというのはこれからの話し合いによるわけでございますが、この特別自主流通米制度をつくった趣旨が、現在の政府売り渡し価格のままでは売れないで非常な過剰になって残ってしまう。それを今後解決していくために、あるべき北海道米の価格水準をつくり出してみようということでございますから、五類の政府売り渡し価格よりも下がる場合があるというふうに考えております。
○下田京子君 これは大変問題じゃないでしょうか。どうしてかといえば、政府売り渡し価格よりも価格が値引きされることがあり得ると。で、そのことについては政府は何ら指導されないわけですか。ということになりますと、今回組んでいる特別自主流通米の対象としては、とにかく同じ五類の一等ということじゃないわけですね。五類の一等米の中でも、モデル的実施という点で農協も指定するし、そして、特に優良なお米という形でやっているわけなんです。そういう政府米と同じ五類の一等米であっても、特別自主流通米で流れる方が品物がいいのに値引きされて売られるといったら、一体どういうふうな流通経路が出てくるんですか、大変混乱するんじゃないかと。しかも政府の予約限度数量の中での話なんですから、またまたこれは問題が大きくなるんじゃないか、こう思うわけなんですが、いかがですか。
○政府委員(松本作衞君) 同じ五類米でも、品質によって本来価格がいろいろ違うことがあり得るわけでございますが、政府の買い入れ価格、売り渡し価格というのは一本で現在決めておるわけでございます。その結果、政府の現在の売り渡し価格では十分に売れないという実態が出ておる点を、どのような価格水準で、どのような品質のものであれば売れていくのかということをつくり出していくという考え方でございますから、その場合には、自主流通の考え方に基づいて、品質に応じた価格というものがどのようなものとして形成されてくるかというのは、これからその価格の結果を見てみなければわからないわけでございますが、先ほど申しましたように、政府の買い入れ価格よりも低い価格のものが出てくることもあり得るというふうに考えております。
○下田京子君 品質でまあ価格が決められるというのは一理あるような気もしますけれども、私がいま言いましたように、今回の特別自主流通米という場合には、北海道で組んでいるのは、政府に売り渡す五類の一等米よりもいいものをそろえて売るわけなんです。それが安く値引きされるなんということになったらば問題じゃないかということを言っているわけなんですよ。 それでは問題の角度を変えまして、それが実際に売れなかったときにそれはもう政府が責任を持って買うというのは当然だと思うんですけれども、その点はどうなんでしょう。——大臣に答えていただきたいと思う。もう時間がないし、政治的なことですから。
○国務大臣(亀岡高夫君) 食糧庁長官からお答えいたさせます。
○政府委員(松本作衞君) この点につきましては、ことしから制度を始めるわけでございますので、農業団体とも話し合いを詰めておる段階でございませんけれども、私どもといたしましては、やはりこういうふうな特別自主流通米ということで売れる米をつくっていくということでございますから、その限りにおいては、その自主流通米の道が実現されるものというふうに考えておるわけでございます。もちろん、大部分の米については政府が買うわけでございますから、あえて自主流通米になったものがわざわざ政府に戻るというふうに考えなくても、一般的には政府の買い入れというものは当然継続していくわけでございますので、そのような形で自主流通米に流れるものと、それから政府に来るものというのが仕分けできるものと考えております。
○下田京子君 そうしますと、最終的にはこれから価格についても話し合っていくということですが、価格の折り合いがつかない場合に、これは政府がUターン米というか、そういうかっこうで受けてやりますよというふうに理解してよろしいですか。——大臣に答弁いただきたいんです。もう時間なんですよ。
○委員長(井上吉夫君) 技術的でしょう、これは。
○政府委員(松本作衞君) その問題は、先ほども申しておりますように、本来取引がされるようなものについて、いま集荷団体でも卸売業界と話し合いに入ろうとしておるわけでございますから、初めからUターンするというようなことを前提にしてはおらないというふうに考えております。
○下田京子君 最後になりますけれども、制度としてUターンできる仕組みがあるわけですから、もし折り合いがつかなかった場合にはそうしてやるのかという点だけをお聞きしておきたいと思います。最後にこれは大臣に、お答えください。
○国務大臣(亀岡高夫君) 食糧庁長官からお答えしたとおりでございます。
○下田京子君 困ったね。答えてないですよ。
○国務大臣(亀岡高夫君) 食糧庁長官から申し上げたとおりでございます。
○下田京子君 いやいや、仕組みの話を聞いているんだから違いますよ。
○国務大臣(亀岡高夫君) それでは改めて食糧庁長官からお答え申し上げます。
○政府委員(松本作衞君) ただいまも申し上げておりますように、現在農業団体が進めております自主流米通の仕組みなり数量につきましては、これだけ売ろうということで現在農業団体が卸売団体と話し合いを始めておるわけでございますので、初めからこれをUターンするものというような前提で考えておるのではないというふうに理解をしております。
○下田京子君 初めからどうこうということでなくて、制度としてはUターン米で取り扱うことも可能なんだから、そういうときには実効ある措置をとっていただけるんでしょうねということを私は何度も申し上げたわけなのであります。これは問題の指摘だけで終わりたいと思います。
○喜屋武眞榮君 私は、最初に、差し迫っておりますサトウキビ、そういったカンショ糖の価格決定につきまして、実はこの関係団体からたくさんの要望、陳情を受けておるわけですが、内容的には大体集約されておりますので、また時間の都合もありますので、この時間には、一つには、「昭和五十五年度産さとうきび生産者価格等に関する要請書」、鹿児島県と沖繩県において調整された内容のことについて。もう一つは、甘味資源を守る全国共闘会議という団体を初め、多くの団体から連名で出ております。もう一つは、沖繩県サトウキビ対策本部。この三つの要請に基づいてただしていきたいと思うのであります。 まず最初に、十月の十七日に例のてん菜及びてん菜糖、そして芋及び芋でん粉の価格決定がなされておるわけですが、そこでお聞きしたいことは、このてん菜糖の、あるいはてん菜の価格決定に基準を置いて、サトウキビ、そしてカンショ糖の決定もなされるのであるか。あるいはそれは別個の問題としてこれから検討していかれるのであるか。その点を最初にお聞きしたいと思います。
○政府委員(森実孝郎君) 御案内のように、去る先週、てん菜の価格を決定したわけでございます。農家手取り全体として七・三%のアップを決定したわけでございますが、これはパリティ指数を基準としまして、生産性の動向なり、他作物とのバランスを総合的に勘案して決定したものでございます。 サトウキビにつきましては、十一月の中旬ごろ決定したいと思っておりますが、これも同様にやはりパリティ指数を基準といたしまして、生産性の動向とか、他作物とのバランス等も総合的に勘案して決めたいと思っております。その限りにおいては、他作物とのバランスという限りにおいては、やはりビートの価格決定が一つの重要な参考資料であることは事実でございます。あくまでも独自の立場で決定いたしたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 慎重に検討していらっしゃるところだと思いますが、この関係団体からの切実な要望といたしましては、生産奨励金を織り込み、それから適正な農家所得を補償し、再生産が十分確保できるようにと、こういう筋の強い要望があります。これは申し上げるまでもなく当然だと思うのでありますが、それで、最低トン当たり二万六千円以上、こういう要望が出されておるわけですが、現時点における検討と、その二万六千円との結びつきはどんなものでしょうか。ひとつ感触でもお聞かせください。
○政府委員(森実孝郎君) 先ほど申し上げましたように、十一月中旬ごろに決定したいと思っております。考え方としては、やはりパリティ指数を基準とし、他作物とのバランス、さらにサトウキビの沖繩、南西諸島における基幹作物としての重要性を考慮して総合的に決定したいと思っております。二万六千円の御要望については伺っておりますが、私どもは、ただいま申し上げましたような考え方に沿って決めていきたいと思っております。数字については、まだ何ら結論を出しておりませんので、比較してお話しすることは避けたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 基本的な条件をおっしゃったが、さらに鹿児島、特に沖繩の立場から配慮しなければいけない、こういった点はお感じではありませんか。
○政府委員(森実孝郎君) 基本的には法律の価格制度の仕組みの中で決めなければならないと思っておりますが、やはり私、一つ事情が違ってきたのは、十九号台風をどう見るかという問題があると思います。現在、県で最終の調査中でありまして、今週中には県の調査がまとまるはずでございます。私どもも、担当者を派遣いたしまして最終的な状況を来週にでも十分把握したいと思っております。 この台風の被害によって、われわれは一つにおいては災害対策というものについて万全を期すための努力をしたいと思っておりますし、また同時に、ここで得られましたデータというものは、たとえばブリックス等は一つの新しい諸元として織り込んで、サトウキビ、砂糖の価格を決めなければならないと思っております。
○喜屋武眞榮君 さらに、これは鹿児島も関係しておりますが、特に沖繩では宮古、八重山の干ばつの被害、このこともお忘れになってはいけないと思うんです。さらに、沖繩の場合、これは二、三日前、非常にキビ作農家は収穫前になってまた大変なことになったということの一つに、貨物自動車の運賃値上げ、キビを運ぶ自動車の運賃値上げ。五一%値上げ申請されておるんですね。そうなると、もうこれも大変なことだというので、いまから悲鳴を上げておる、この実情もあります。それで、あわせてこのこともひとつ調査くださり、また、台風災害の調査がまだ十分まとまっていないということでありますが、そのまとめと、さらに加えて、その災害補償の処置もひとつお忘れにならぬように緊急に手を打ってもらいたいことを要望いたしまして、この価格の問題についての質問を終わります。 第二点として、五十六年度から、さとうきび作経営改善総合対策事業、これの創設をして、複合経営の確立を図る、こういうことが言われておるんですが、これに対する予算の裏づけと、その事業の内容、これがどんなものであるかひとつお聞きしたいんです。
○政府委員(二瓶博君) ただいま先生からお話ございましたように、五十六年度から新たに、さとうきび作営農改善総合対策事業といいますものを新規に実施したということが概算要求をいたしておるわけでございます。ねらいの方は、ただいま先生からお話ございましたような、サトウキビと野菜、畜産、花卉、養蚕等との有機的結合によります複合化ということを念頭にいたしておりますが、要求総額といたしましては十二億二百万円という予算になります。それから、事業内容といたしましては、栽培用の機械施設とか地力培養用の施設なり、そういう機械施設の関係、それから簡易な土地基盤の整備というようなこと、それから、やや広域的な利用というようなものについても助成を考えておりまして、耕土改良用機械なり、あるいは堆肥センターなり、集中脱棄施設なり、それから、養蚕との関係もございますので、稚蚕共同飼育施設というようなものも内容として考えておると、こういうことでございます。
○喜屋武眞榮君 そうすると、十二億二百万円裏づければ十分だという考え方での計上か、あるいはこれでは足りないという考え方の計上であるか、どっちでしょうか。
○政府委員(二瓶博君) 五十六年度は初年度でございますし、そういう意味では五十六年度としては十二億二百万円ということが適当であろうと考えております。もちろん、これは、初年度でございますから、今後さらに継続的に要求をしていきたいという心組みは持っております。
○喜屋武眞榮君 ずばり申し上げて少ないのではないか、この事業を確立していく、充実さしていくためにはどうしてもこれでは少ないという考え方を私は持っておりますが、ひとつぜひ次年度はふやしてもらうように、私はそれを重ねて要望しておきたいと思います。 第三点は、サトウキビ病害虫の総合防除事業を強く要望されておるわけなんです。それに対する予算の裏づけと防除対策、これをお聞きしたいんです。
○政府委員(二瓶博君) さとうきび病害虫総合防除対策事業、これは今年度七千二百万の予算でございます。明年度概算要求といたしましては、増額をいたしまして七千九百万円の要求ということにいたしております。 沖繩につきましては、先生御案内のとおり、黒穂病あるいはアオドウガネというようなものもございますので、こういうものの防除というものについて力こぶを入れていきたい。特に五十六年度の面におきましては、従来黒穂病につきましてなかなか適当な防除のやり方はなかったわけですが、種苗消毒という面につきましてやや効果の上がるというようなことが判明いたしましたので、こういうものについての助成というものを新たに織り込んで要求しているということでございます。
○喜屋武眞榮君 まあ病害虫の防除対策の一部はお聞きしましたが、その対策の中で、品種の改良との関係も非常に重大であると思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(二瓶博君) ただいま申し上げましたのは、病害虫総合防除対策事業ということで、いわゆる事業面の予算を申し上げたわけでございます。もちろん先生御指摘のとおり、サトウキビの品種改良なりあるいは優良品種の普及ということもこれも非常に大事なことでございます。したがいまして、品種改良の面につきましては、九州農業試験場の温暖地研究室なり、あるいは沖繩県の農業試験場の本場なり、宮古支場、鹿児島県の徳之島糖業支場等において品種改良もやっておりますし、普及の面につきましては、鹿児島並びに沖繩のさとうきび原原種農場におきまして原原種苗の増殖、配布を行うというようなことを考えておるわけでございます。特に沖繩のさとうきび原原種農場につきましては、これが十分早く機能するように、施設の整備その他につきましても現在力こぶを入れてやっておるつもりでございます。
○喜屋武眞榮君 この点につきましては、増収という前提においてひとつ総合的な検討を配慮していただいて、そしてせっかく一昨年からすべり出した原原種農場、これの成果も上がりつつあるということを喜んでおるわけですが、ぜひこの成果が早く生産農家に普及、配布できるように、この点ひとつ最大の努力をお願いしたいんです。 次に、これも沖繩の特殊事情から来る基幹作目のサトウキビに対する熱望、熱烈な願望、含みつ糖に対する助成措置ですね、含みつ糖の、黒砂糖に対する助成措置の継続。いまはどちらかというと不安定な形での助成の形になっておりますが、同時に、早急に分みつ糖並みの長期安定の保護措置をしてもらいたいという、このことに対する政府の見解をお聞きしたいと思います。
○政府委員(森実孝郎君) 含みつ糖の問題につきましては、需給実態から見て若干生産が過剰であるという問題がございます。その意味で、実は分みつ化の工場設置について政府も本年度の予算から助成をしている経過があることは御案内のとおりでございます。しかし、残されました含みつ糖につきましては、私ども従来どおりの助成措置を継続すべきものと観念しております。そういう方向で調整に当たりたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 含みつの過剰といういまお話がありましたが、過剰を調整していくためには、やっぱり沖繩が離島県の多島県であるためにそこにまた簡単に理屈どおり割り切れないところ、押し切れぬところがあるわけですが、その場合にどうしても、まあ追い詰められて、転作といいますか、転作をしなければいけないということにならざるを得ない、そういう声があるわけなんです。その場合に、果たしてサトウキビにかわる転作の作目は何があるか、そしてサトウキビと同様な収益を上げ得る可能性の作目は何があるか、このことについて政府もいままで示したこともないし、また生産者が、自体で考えてみてもどうしてもキビにかわるべきものがない、こう訴えておるわけなんです。ですから、結論として言いたいことは、ぜひ、含みつ糖でなければいけないという、これは宿命的なものがあるわけですので、喜んで分みつに転向したいという条件があれば別ですが、そうでない限り、国の施策だからということで、あるいは県の方針だということで一方的に押し切ることのないように、保護措置を、安心して生産に従事できるようにこのことを重々ひとつ御配慮願いたいんですが、この点についてひとつ大臣の所見を承りたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) その件につきましては、従来どおり農家の立場というものを大事にしてやるように十分心得ていきます。
○喜屋武眞榮君 次に要望したいことは、これは私が今日までたびたび要望したわけですが、まだきちっとした政府の見解を聞くことができませんが、沖繩の基幹作目のサトウキビ、そして砂糖ということを考えた場合に、全国で、沖繩の県単位ではサトウキビ、鹿児島県も、といいましても奄美大島の一部である、こういった立場から、国立の糖業試験場を沖繩に設置すべきである、またしてほしいと、こういう要望。また、先ほど申し上げた要請の中にもその項目もうたわれておるわけなんですが、このことについてひとつ政府の見解をお聞きしたいんです。
○政府委員(川嶋良一君) サトウキビを初め沖繩の試験、研究につきましては、いろいろと国としても重点的な施策をしているわけでございます。サトウキビにつきましては、先ほど農蚕園芸局長からお答えいたしましたようないろいろな措置を講じているわけでございますが、そのほかに、試験、研究の遂行に当たりまして必要な施設の整備等につきましても、沖繩振興開発特別措置法に基づきまして国の方でいろいろと整備を図っております。また、研究員等の研修等も行っているところでございます。そういうことで、大変きめ細かく対処をいたしておりますので、国といたしましては、沖繩に特に国立の糖業試験場を設置するというようなことは考えていないところでございます。
○喜屋武眞榮君 考えておられない。
○政府委員(川嶋良一君) はい。
○喜屋武眞榮君 いまのところ考えておられぬということに受けとめたいのですが、私があえて要望いたしたいことは、まず第一点は、優良品種の改良と普及の促進という立場、第二点は土壌の改善、第三点は病害虫の防除、第四点は地域に適合した収穫機械の開発、第五点は副産物の有効利用、第六点は甘味資源の補給基地としての沖繩の立場を重視していくこと、こういった立場から、私はどうしても国立の糖業試験場の必要性を訴えたいわけですが、いまのところ考えておられぬということであるならば、この目的をいまの政府の考え方に立って、結局その目的がいまの状態の中でも十分達成されればいいわけでありますのでね。まあ県立農業試験場もあるわけですが、とにかく私並びに生産者、農民が切実に要望しているその条件が、それぞれのルートを通じてこたえてもらえればまた問題は別でありますが、それならば申し上げたいことは、その時期までは、ぜひいい意味において、それを必要としなくてもこういうふうにして解決できるんじゃないかと、またやっておるんだと、こういう実を示してもらうことを私、重ねて要望いたしたいんですが、どうでしょうかな。
○政府委員(川嶋良一君) ただいまお話のありました件につきましては、国並びに県一体となりまして今後とも推進をしてまいりたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 次に、これは日本の農業の開発ももちろんでありますが、特に沖繩の立場から、水と電力の問題、この問題が非常に重大になってまいります。そこで、電力の問題はきょうは触れませんが、水の問題も、沖繩の場合は生活用水、工業用水、農業用水いろいろあるわけですが、ただいまは農業用水の開発という一点にしぼってお尋ねしたいんです。 日本一の、全国一の雨の多い県で日本一水の不自由な沖繩県と、こういった矛盾があるわけですが、それも別といたしまして、去年、宮古を一つのテストとしましていわゆる地下水ダム、この開発に一応成功しておられると。これは世界的にも初めてだとお聞きしておりますが、地下水ダムの開発ですね。その宮古における地下水ダムの開発の結果と、それをどういま活用しておられるか、また活用しようとしておられるか、そのことが第一点。 次に、今度はそれに自信を得て南部地区、南部の地下ダムの計画をまた進めておられる、こういうこともお聞きして、喜んで、あるいは期待をいたしておるわけですが、この南部地下ダムが完成、成功すれば、南部一帯の農業用水を全部賄うことができるという予想も語られておるわけですが、そうなるとますますこれはすばらしい事業だと、こういうわけなんです。それで、これが成功すればさらに沖繩全体にこのシステムを広げる、こういった政府の意図があられるかどうか。 時間の関係でずっと続けて問題提示をいたしましたが、以上お聞きします。
○政府委員(杉山克己君) 先生おっしゃられましたように、沖繩は大変雨量は多いけれども地形あるいは地質上きわめて保水のむずかしいところでございます。そういう意味で、ダムそれから湛水湖、特にいまお話のありました地下ダムといったようなさまざまな形で水の確保あるいは開発に努めているところでございます。今日まで主として各種の調査を行ってまいったわけでございまして、そのうち実施に移せるものから実施にかかるということで、たとえば国営の灌漑排水事業も名蔵川地区で行っているとか、そのほか各種の用排水事業も行っているところでございます。 そのうちの地下ダムにつきましては、これはまあ沖繩県の水需給の現状からいたしまして一番有望な方法ではないかということで、特に五十年以来念入りな調査を進めてまいったわけでございます。宮古島におきましては、すでに築造技術がほぼ確立できまして、実用の見通しが立っている段階に至っております。それから、宮古島、ほかの地区でも、当然適地の調査を進めており、実施に移せるものから移すということで考えておりますが、宮古島だけではなく、沖繩本島においても同じような需要なり要望があることは承知いたしております。そこで、私どもといたしましては現在地下水調査、適地がどういったところで求められるかというような一般的な調査でございますが、これにつきましては宮古島で十二カ所、それから沖繩本島、これは南部を中心にいたしまして十三カ所、それから離島等その他のところで五カ所ということで、これは五十三年以来五十六年までかかって調査を行うということにいたしておるわけでございます。今後、調査の結果によりましてそういう開発の可能性が生まれてくるものというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 いま調査を一応終えられたわけですかね。それから着工の段階は五十六年からになるのかな。その辺はどうですかな、そういった見通しは。
○政府委員(杉山克己君) 全体のことを一緒に御説明いたしましたので、中身を分けて御説明する必要があるかと思います。 宮古島の調査は、これは現在まで先行して行われておりまして、調査期間は四十九年から五十五年まで行われたわけでございます。これについてはすでに一部において実用化の見通しが立ってモデル的なダムの建設にかかっているところでございます。いわば実施にかかったというふうにお考えいただいて結構でございます。 それから、先ほど申し上げました一般的な適地調査、これはいま申し上げました宮古島の分も含めまして全体の個所数、宮古島は十二、本島十三、その他が五ということで申し上げました。これはまだ、いま申し上げました宮古島以外のところでは実用化の段階には至っておらない、適地がそもそも得られるかという調査をしているところでございます。
○喜屋武眞榮君 これで終わりたいと思いますが、時間がございませんので、この問題はまた次に譲りたいと思いますが、ぜひひとついまのは私はすばらしい調査であり、そしてこれが着工されればさらに大きな希望が持てる、さらに実りある沖繩の農業開発が期待できると、こう思っておりますので、必ずこれは不発に終わらさぬようにひとつ続けていただきたい、こういうことを最後に大臣にお聞きしたいんです。 その前に問題点を一つ。沖繩の地酒である泡盛の原料が、二百年の歴史を持っておるんですが、タイの砕米を輸入しているわけなんです。それで、詳しいことは申し上げませんが、これを地場産業の育成、自給生産という立場からも泡盛の原料を県産に転換したい、こういった意図もあるわけなんです。ところが、それにはやっぱり泡盛に適する品種が大事でありますので、適当な品種を早く取り寄せてこれを栽培し、そうしてそれを米に実らせて泡盛の工場をつくって醸造すると、果たしてタイの砕米とどうなのか、まあそういうことは今後の問題になるわけですが、こういった意図も、非常に自主的に張り切った気持ちで沖繩の自給生産、そうしてその伝統工業の泡盛の原料を、外国に依存せずにみずからの土地でみずからの力で生産していこう、こういう意図もあるわけなんですが、そういった点について政府も意図しておられるかどうか、お聞きしまして、さっきのもあわせてひとつ大臣のお答えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) まず、泡盛の原料の米の品種改良につきましては、もうすでに沖繩の県農業試験場で品種改良に取り組んでおるわけでございます。そして、国の方といたしましても、農林水産省といたしましても、これに指導、援助、助言を与えてきておるということで、御承知のように、一つの目的を定めて、その目的に適した品種をつくり上げる、その品種を固定化していくということは、これはもう口では簡単に品種改良と言いますが、一つの作目をつくり上げていくということはこれはもう大変な仕事でございますので、御指摘のとおりなるたけ早くその品種を造出するように全力を挙げておるところでございます。 それからダムの問題ですね。これはもう水は何といっても大切は大切な資源でありますので、これをいかにして活用していくかということについては、これはもう農林水産省といたしまして、特に農作物栽培には水が何よりもこれは大事なものでございます。したがいまして、局長から御説明申し上げましたように、国営事業として適地があればということで、いま二十数カ所の地域調査もしておるわけでありますから、それらの地域に対しましてもできるだけ早く調査を完了をして、完了したものから適地についてはダム建設に取りかかってまいると、そういうふうにしていきたいと、こう考えております。
○委員長(井上吉夫君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(井上吉夫君) 次に、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。亀岡農林水産大臣。
○国務大臣(亀岡高夫君) 農林漁業団体共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 この法律案は、厚生年金保険における年金額の引き上げに伴い、国家公務員共済組合制度その他の共済組合制度に準じて、年金の算定の基礎となる定額部分の額の引き上げ等を行うことにより、給付水準の引き上げを行おうとするものであり、さきの通常国会に提出し審議未了となった法律案と同一の内容でありまして、法律案の附則につきまして若干の条文の修正を行っております。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、年金の算定の基磯となる定額部分の額の引き上げであります。これは、通算退職年金の額の算定方式により算定することとされる退職年金等の額のうちの定額部分の額を引き上げようとするものであります。 第二は、退職年金等に係る最低保障額の引き上げであります。これは、昭和三十九年改正後の農林漁業団体職員共済組合法、いわゆる新法に基づく退職年金、遺族年金等に係る最低保障額を昭和五十五年六月分から引き上げようとするものであります。 以上が、この法律案の提案理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(井上吉夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案の自後の審査は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(井上吉夫君) 次に、昭和五十五年における冷害等に係る被害農業者のために被害市町村が実施する緊急冷害等対策事業に関する臨時措置法案を議題といたします。 発議者衆議院議員小川国彦君から趣旨説明を聴取をいたします。小川国彦君。
○衆議院議員(小川国彦君) 私は、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました昭和五十五年における冷害等に係る被害農業者のために被害市町村が実施する緊急冷害等対策事業に関する臨時措置法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 今年の異常気象による農作物の冷害などによる被害は、昭和五十一年冷害被害を上回り戦後最大の被害となり、減反政策の強化の中で苦しんでいる農家経営に深刻な打撃を与えています。 私も、東北六県を初め、千葉、茨城、九州の福岡、佐賀の十県に冷災害の実態を一カ月有余にわたり調査してまいりましたが、特に国全体の被害の四八%にも当たる東北六県の冷害の状況は、「餓死の年」と呼ばれるほどに深刻でありました。 青森県の山間部、平野部、岩手県の山間部、宮城県、福島県の海岸部と山間部、秋田、山形の山間部と、被害の甚大さは、至るところで収穫ゼロという農家群を多数発生せしめておりました。 これを救済するために在来の法律では、天災融資法の発動及び激甚災害法の適用、またはこれに基づく融資限度額の引き上げ、利子及び償還期限の延期等の施策が用意されております。もちろん、天災融資法は、二県七十億円以上の被害があれば当然適用されるものであります。 しかし、問題は中味なのであります。 たとえば、天災融資法の資金は、営農のための農機具その他の購入資金であって、生活費には使えません。そこで自作農創設維持資金がこれに充当されるのでありますが、生活資金の借入限度額は百五十万円までであります。したがって昭和五十一年災害で百万円借りた農家は今回は五十万円しか借りられないのであります。これは、農家一世帯五人から七人という世帯の最低生活費にはもちろん及ばず、飢えて死ねというに等しいものであります。 被災農家の窮状はさらに厳しく、被災農家からの要望は、政府売り渡し米の概算金の返納期限の延期と利子の減免にまで及んでおります。 本来なら、前払い金でありますから、政府売り渡し米が出せないときは、当然その金は返済すべきものであります。一俵当たり約三千円の概算金、しかし、零細経営農家の状況は、それさえ仮せないところに追いこまれているのであります。 こうした明日の生活資金にも事欠く農家の状況は、収穫皆無農家が過半数を占める青森、岩手の両県に多く見られるのでありますが、同様の状況は、宮城、福島の海岸部、山間部、秋田、山形の山間部等、随所の農家群に顕著に見られるのであります。 これらの地域においては、一様に抜本的な緊急冷害等の対策事業を望んでいるのであります。 ここには、明らかに現行の法制度では救済し得ない状況が存在しているのであります。 われわれは、このような激甚な冷害地の被害農家の窮状にかんがみ、一日も早く被害農業者を救済し、生活の安定を図り、農業の再生産を確保するためにこの法律案を提案する次第であります。 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。 第一は、この法律の目的であります。 この法律は、昭和五十五年六月から十月までに冷害、水害または風水害によって損失を受けた被害農業者のために、被害市町村が実施する緊急冷害対策事業に要する経費の財源として国が緊急冷害等対策交付金を交付するなどの措置を講じて、被害農業者の生活の安定と農業の再生産を確保することを目的としております。 第二は被害農業者、被害市町村の定義であります。 まず、被害農業者は、農業を主な業務とする者であって、昭和五十五年六月から十二月までに収穫される農作物、畜産物及び繭の冷害等による損失額が、その者の平年における農業総収入額の百分の十以上である旨を市町村長の認定を受けたものとしました。次に、被害市町村は、その区域内における被害農業者が二十人を超える市町村といたしました。 第三は、緊急冷害等対策事業の内容であります。 被害農業者の生活安定と農業の再生産の確保のため、被害農業者に緊急かつ臨時に、就労の機会を与えることを目的として、被害市町村が地域の実情に応じて将来の冷害防止に役立つ事業を創設し、被害農業者の技能、体力等の状況に照らして実施するものとします。この場合、被害農業者の現金収入を確保するために、事業費のうち労力費の占める割合を百分の五十以上としました。 第四は、緊急冷害等対策事業の計画と承認であります。 まず、被害市町村は、この法律によってこの事業を実施するときは、緊急冷害対策事業計画を定め、都道府県知事を経由して主務大臣に提出し、承認を受けなければならないこととしました。次に、主務大臣は、承認の申請を受けたときに、当該市町村の区域内における被害農業者数、及び当該区域の自然的、経済的条件を勘案して適当であると認められるときは関係行政機関の長と協議して承認することとしました。なお、事業計画の変更についても準用することにしております。 第五は、緊急冷害等対策交付金についてであります。 国は被害市町村に対し、冷害等対策事業計画の実施に当たり、必要とする経費の財源として、当該経費の三分の二を下らない範囲内において交付金を交付することとしました。 第六は、起債の特例措置であります。 被害市町村が冷害等対策事業の実施に当たって必要とする経費を地方債をもって財源とすることができるようにしたことであります。なお、この地方債は資金事情が許す限り、国がその全額を引き受けるものとし、元利償還に要する経費は、地方交付税の基準財政需要に算入することとしております。 以上、この法律案の提案理由及びその内容について御説明申し上げました。 この法律案は、全国で冷害等のために、年間生活費はもとより、現金収入の道を断たれ、自家飯米すら持たない被害農業者のきわめて切実な要望にこたえ、その迅速な救済を期する法律案であることを御理解され、十分なる御審議の上、速やかに御可決されんことを切望いたします。
○委員長(井上吉夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案の自後の審査は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十九分散会 —————・—————