内閣委員会 第3号
- 発言数
- 294 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1980/10/30
会議録
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 地方支分部局の整理のための行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、四国行政監察支局等の設置に関し承認を求めるの件を便宜一括して議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中曽根行政管理庁長官。
○国務大臣(中曽根康弘君) ただいま議題となりました地方支分部局の整理のための行政管理庁設置法等の一部の改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 先般、政府は、行政の各般にわたる簡素化、効率化を推進するため、昭和五十五年度以降の行政改革計画を決定いたしました。その一環として、行政機構の簡素化を図るため、本省等に置かれる地方支分部局の整理再編成を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 次に、法律案の内容について御説明申し上げます。 行政管理庁につきましては、中国管区行政監察局と四国管区行政監察局とを統合して中国四国管区行政監察局とし、同局に四国行政監察支局を置くこととしております。 法務省につきましては、札幌入国管理事務所、仙台入国管理事務所、東京入国管理事務所、成田入国管理事務所、横浜入国管理事務所、名古屋入国管理事務所、大阪入国管理事務所、神戸入国管理事務所、高松入国管理事務所、広島入国管理事務所、下関入国管理事務所、福岡入国管理事務所、鹿児島入国管理事務所及び那覇入国管理事務所の十四事務所を東京入国管理局、大阪入国管理局、名古屋入国管理局、広島入国管理局、福岡入国管理局、仙台入国管理局、札幌入国管理局及び高松入国管理局の八地方入国管理局に再編成し、残余の六事務所を支局または出張所とすることといたしております。 大蔵省につきましては、北九州財務局と南九州財務局とを統合して九州財務局とし、同局に福岡財務支局を置くことといたしております。 厚生省につきましては、中国地方医務局と四国地方医務局とを統合して中国四国地方医務局とし、同局に四国地方医務支局を置くことといたしております。 農林水産省につきましては、昭和六十年三月三十一日までに、国有林野事業の改善の進捗状況を考慮して国有林野事業の改善に関する計画につき必要な検討を加え、その結果に基づいて営林局を統合するために必要な措置を講ずるものとすることといたしております。 通商産業省につきましては、名古屋鉱山保安監督部と大阪鉱山保安監督部とを、広島鉱山保安監督部と四国鉱山保安監督部とをそれぞれ統合することといたしております。 運輸省につきましては、新潟海運局と関東海運局とを統合して関東海運局とし、同局に海運監理部を置くことといたしております。 建設省につきましては、筑波研究学園都市営繕建設本部を廃止することといたしております。 なお、行政管理庁の四国行政監察支局、大蔵省の福岡財務支局及び厚生省の四国地方医務支局は、昭和六十年三月三十一日までに廃止するものとすることといたしております。 以上のほか、関係法律の関連規定について所要の整備等を行うことといたしております。 これらの改正については、昭和五十六年四月一日から施行することといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。 次に、議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、四国行政監察支局等の設置に関し承認を求めるの件につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。 ただいま提出いたしました地方支分部局の整理のための行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案による本省等に置かれる地方支分部局の整理再編成に伴い、次の措置を講ずる必要があります。 第一に行政管理庁につきましては、中国管区行政監察局と四国管区行政監察局とを統合して中国四国管区行政監察局とすることとしておりますが、四国における行政監察、行政苦情のあっせん等に関する業務を円滑に遂行するため、高松市に四国行政監察支局を設置する必要があります。 第二に、大蔵省につきましては、北九州財務局と南九州財務局とを統合して九州財務局とすることとしておりますが、福岡県、佐賀県及び長崎県における国の財務等に関する行政事務を円滑に遂行するため、福岡市に福岡財務支局を設置する必要があります。 第三に、厚生省につきましては、中国地方医務局と四国地方医務局とを統合して中国四国地方医務局とすることとしておりますが、四国における国立病院及び国立療養所の業務の指導監督並びに国立病院特別会計の経理に関する事務を円滑に遂行するため、高松市に四国地方医務支局を設置する必要があります。 第四に、通商産業省につきましては、名古屋鉱山保安監督部と大阪鉱山保安監督部とを、広島鉱山保安監督部と四国鉱山保安監督部とをそれぞれ統合することとしておりますが、鉱山保安法の施行等の事務を円滑に遂行するため、大阪市に中部近畿鉱山保安監督部大阪支部を高松市に中国四国鉱山保安監督部四国支部をそれぞれ設置する必要があります。 以上が、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、四国行政監察支局等の設置に関し国会の承認を求めることの提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(林ゆう君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○矢田部理君 中曽根長官に冒頭伺いたいと思いますが、従来から、前長官の宇野さん以来さまざまな行革が進められてきてはいるわけでありますが、宇野さんの後を継がれて、中曽根行革として、どういう方向であるいはどういう視点でこれから行革を進めていかれるのか、行革の哲学とでも言うべき問題等について長官からお話を伺いたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 行革は、その時代の要請に基づきまして、その国の国情を基本にして適切な処理が加えられるべきものと思っております。 行政は、卑見によれば一面においては国家統治の機構及びその機能でございますが、これはまた他面受ける国民側から見ますと、憲法にもありますように、政府の権限は国民に由来し、その結果は国民が享受すると、こう書かれておりますように、国民に奉仕すべき性格を持っておると思います。したがいまして、憲法にも公務員は全体の奉仕者として規定されておるわけでございます。こういうような観点から国民に奉仕するということをわれわれは重要視しなければならぬと思うと同時に、この統治の機構及び機能が簡素能率化されて、そして、国民負担をできるだけ軽減する形で行うことが望ましいと思いますし、時代の変化に即応するような適切な処理がその時代時代に加えられる必要があるように思います。 第一次臨調と言われました十数年前におきましては、日本は高度経済成長の入口にございまして、その行革の構想も、たとえば内閣府の設置とか、あるいは補佐官制度であるとか、統合あるいは発展的な考えに基づいた構想が中に盛られておったと思います。しかし、現在の安定成長期を迎え、かつ戦後三十年間の経験を踏まえまして、今日における国民の要望する行革とは何ぞやということを考えてみました場合に、私は、やはり安定成長期にふさわしいような減量経営を適切に行っていくということ、それからさらに、サービスを徹底さして奉仕ということを充実さしていく必要があると、それからさらに、この激動する八〇年代、九〇年代の将来に向かって、世界的視野に立って日本の行政の本来あるべき姿をもう一回模索してみて、そしてしっかりとした長期的な体系のもとに個々の問題を処理していくと、そういう態度が好ましいと考えております。宇野長官のときにそういうようなスタートを切ったように思います。 宇野長官のときは、わりあいに機構減らしと言われるものに力が入ったように思いますが、同じようなスタンドポイントに立ちながらも、私は機構減らしよりもむしろ仕事減らしの方向に今回は力を入れていこう、それと同時に、未来に向かっての日本のあり方について模索して基礎をつくっておこうと、そういう考え等に立ちまして行革案を策定した次第でございます。
○矢田部理君 行革の前提といいましょうか、いま一番政治や行政にとって問題にっている視点は、ロッキード、グラマン以来、あるいはKDDや鉄建公団なども含めて政財官の癒着が問題にされてきました。汚職の構造がいろんな角度から摘発をされてきてもおります。この癒着や汚職の構造の発生源は政府の行ってきたさまざまな公共投資、補助金行政、さらには巨額の政府調達、そしてまた許認可などを媒介にしてさまざまな汚職、腐敗が噴出をしてきた状況にあるわけであります。 したがって、行革の前提、基本の問題として、行政に対する不信や政治に対する不信が非常に高まっている折でもありますだけに、こういう政財官の癒着の構造を基本的にやっぱり断ち切っていく、その媒介をする許認可とかあるいは補助金行政等について根本的な見直しを行っていくということが基本の問題として据えられなければならぬとも考えるのでありますが、その点長官はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は同感でございます。 官紀を粛正して国民の期待するような清潔な行政を行うということは至上命令でございます。そういう面からも、もし万一癒着というようなことがあれば、これは最も不合理な部面でございますから、そういう面を断ち切るような努力も懸命にしなければならぬと、このように考えております。
○矢田部理君 その癒着の媒介ともいうべき補助金行政がひとつ行管等でも問題にされているわけでありますが、たとえば予算の規模と補助金との関係を考えてみますと、ここ十年ばかりの間に、予算規模の拡大以上に補助金が急速に金額的にも予算の割合から見ても大きく比重を占めるようになってきている。これがまた、実は行政と政治との癒着を生む、さまざまな形で業界、財界との関係をつくる。そこに一つの大きな問題点があろうかと思うのでありますが、補助金等々の問題点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 四十三兆余の予算の中で十三兆余というものは補助金のように承っておりますが、この膨大な部面を占める補助金が腐敗の原因になってはいけないと考えております。したがいまして、この補助金につきましては、かなり大胆に精査して一つ一つ点検をしながらその適否を決めていくべき段階に来ているように思います。
○矢田部理君 先ほど長官は第一次臨調に触れこれ、かつ第二次臨調の構想を描いておられるよ、つでありますけれども、どうも第一次臨調で昭和三十九年に答申をされたにもかかわらず、その後室効はほとんど上がっていない。せっかく臨調で答申をしたにもかかわらず具体化していない。さまざまな課題を実は残してしまっているところへ今度また第二臨調をつくっても、その結果がどうなるのかということを危惧する向きもあります。当面の行革を延ばすために、むしろ第二臨調という中に逃げ込むのではなかろうかというような厳しい指摘もあるわけでありますが、第二臨調との関係、第一次臨調の答申とのかかわり等についてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 第二臨調に逃げ込むという考えは毛頭ございません。第一次臨調におきましては四十項目ばかりの御提言がなされましたが、これで手をつけなかったというのはたしか九項目であると記憶しております。 それで、実行いたしました主な点を考えてみますと、たとえば一省一局削減あるいは総定員法の実施、あるいは行政監理委員会の設置、あるいは総合開発庁の設置という点に対応いたしまして国土庁の設置、あるいは消費者行政強化の点から見まして経済企画庁国民生活局、物価局の設置あるいは国民生活審議会等々の設置、あるいはさらに審議会の整理統廃合、これもかなりその間にやっておりますし、許認可事務の整理合理化、あるいは公団、公庫等特殊法人の統廃合、これも今回実行しておるところでございます。そのほか貿易及び通商の自由化、許認可制度の撤廃、簡素化の問題も外為法の改正等ですでに実行しておるところでございます。 手をつけなかった点はどこであるかと申しますと、内閣府の設置、あるいは内閣補佐官の設置、総務庁の設置、あるいは地方事務官制度の廃止、あるいは行政の公正確保の手続法の制定、こういうような点はまだ手をつけておりません。 この第一次臨調がきましたときと今日とを比べてみますと、約二十年間の時間の経過がございまして、この間に石油危機が二回もありましたり、国際情勢も激変し、国内社会情勢も非常に変化してまいりました。いわゆる高学歴、成熟化した社会が日本に現出いたしましたし、高齢者問題やあるいはコンピューターの発達による情報公開やプライバシー問題というものも出てきておるわけでございまして、この新しい時代に対応するような行政の体系、政府のあり方というものを探索すべき時代に来たと、いわば第一次臨調は発展期の玄関口で作成したのに対して、今回は安定成長時代、しかもそれよりより高次の複雑化した社会に対応すべき行政のあり方を探索すべき時代に来たと、そのように考えまして御提案申し上げている次第でございます。
○矢田部理君 私どもも、長官の言われる行政改革の基本に、奉仕やサービスの問題ともあわせて行政機構の簡素化や能率化をするという点で反対であるわけではありません。非常に大事な点でありますけれども、同時に、長官が言われた減量経営ということを問題に供しますならば、民間でもここしばらく低成長期に当たって厳しい減量経営をやってきました。ただ、民間における減量経営と行政機構の減量経営は、おのずから中身が違ってくるだろうというふうに私どもは考えています。民間では不採算部門を大胆に切り捨てるあるいは下請化する等々、資本の論理に従って次から次といろんな手を打ってきているわけでありますが、行政機構の場合には、長官も指摘をされておりますように、国民に対するサービスや奉仕の面を一つ大きな柱として立てていかなければならない。したがってまた、不採算部門だからといって切り捨てればいいという性質のものではないはずでありますから、その点で減量経営と言われてもいろいろ問題点を含んでいるわけでありますが、その点長官としてはいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は同感でございます。民間の場合は私経済でございまして、主として利潤追求ということが一つの中心になっていると思います。しかし、国家の場合は統治行為でございまして、私経済とはおのずから違う点もございます。そういう性格の差はよく認識して行う必要があると思います。
○矢田部理君 その点で、民間の減量経営をまねるということではないと思いますが、減量経営ということをかなり正確に使っていただかないといささか誤解を招く危険があると同時に、もう一つ大事なことは、財政が非常に危機的な状況にある。その財政と行革との関係についてどのようにお考えになっているでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) この不況を乗り切るために相当な公債を出しまして、そのために財政が非常時的情勢になっていることは周知の事実でございます。しかし、行革は財政のためにのみあるのではございません。これは私前から申しておることでございますが、統治行為という面においては防衛もございますし、外交もございますし、教育もございますし、福祉もございます。そういう国家存立上基本的なこともございますし、必ずしも民間の私的経営とは一致しない部面が非常に大きい、本質的な差であると考えております。しかしながら、また一面において国民に奉仕するという面から見れば、効率的で国民負担をできるだけ少なくして、そして国民の満足のいくような統治形態機能を持つということもまた当然のことでございます。その福祉は国民が享有するということでございますから、国民本位で考えていかなければならぬと思います。 そういう面から見ますと、高度経済成長以来、日本の官庁機構あるいは機能が複雑化し、膨大化し、肥大化した面もございます。中には朝から晩まで一生懸命やっているところがありますが、中にはたばこをくゆらして新聞を見ているというところもなきにしもあらずです。そういうような点で一つ一つをチェックいたしまして、そうしてこのような財政危機に相応した、国民の期待に合うようなできるだけ簡素な効率化した政府をつくるということも、当面の喫緊の問題の一つであるとも考えております。そういうような総合的な観点に立って行革はなさるべきものと考えます。
○矢田部理君 長官の御説明にもかかわらず、財政が非常に今日危機的な状況にあることから、本来なれば増税路線をしきたい。ところが、かつて大平内閣の時代に一般消費税を問題に供して国民から厳しい指弾にさらされた。そこで、にわかに増税路線をしくわけにはいかぬので、とりあえず行革に手をつける。しかし、手をつける中身はそう根本的なものではない。その行革を露払いにして、一般消費税を初めとする増税路線の水先案内役を務めさせるのではないかなどという厳しい指摘もあるわけでありますが、この点長官としてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 行政には行政の本質がございますし、また行革には行革の本質がございます。先ほど申し上げたとおりでございます。しかし現代における行革は、その行政の本質、つまり国民の要望に沿うような簡素効率化した政府をつくっていくという今日の時点の要請も強い点がございまして、その点も民主政府である以上は考慮しなければならぬのであります。だからといって、財政再建が行革に直結する性格を必ずしも持っているとは思いません。しかし、国民が要望しているという点から見ますと、そういう点も考慮の一つには入るべきものであると考えます。
○矢田部理君 法案に関連して伺っておきたい思いますが、このたび提案をされました地方支分部局の整理のための一連の法律、これは全体の行革の中ではどういう位置を占めることになるのでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 時代の要請であります簡素効率化の中に入るべきものと思います。
○矢田部理君 ところが、内容を検討してみますと、どうもそう簡素効率化に役に立つものばかりとは思えない節が幾つかの点であるわけでありますが、この整理再編の基準はどういうところにあったのか、その点をまずお示しをいただきたいと思います。
○政府委員(佐倉尚君) ブロック機関の整理再編成に関しまして、基準は何かというお話でございますが、これは昨年の十二月二十八日の閣議決定では、各機関の設置数、それから管轄区域、あるいはその事務内容、内部組織等について個別に検討の上整理をするようにということが決定されております。この趣旨に沿いまして、今回の整理再編成におきましては、一応八局以上のグループ機関を配置する十一省庁、これにつきましてただいま申し上げましたような閣議決定に盛られておりますその各機関の設置数、管轄区域、事務内容等についていろいろと検討し、その広域的な行政の推進、あるいはその行政需要の変化というものに即応した組織体制の整備の観点から、各機関の実情に即した整理再編成を行おうとするものでございます。まあ一応八局以上のグループ機関を配置するというのが共通的な基準とも言えるかと思いますが、そのほかいろいろな機関があるわけでございますから、いま申し上げましたような各観点からその実情に即した整理を行おうとするものでございます。
○矢田部理君 形式的には、八局以上のブロック機関を持つ省庁について整理再編を行うということのようですが、どうも実質的な検討がかなり不十分だったのではないかというふうに思われる向きもあります。 そこで、それぞれの省庁でどこを整理再編すべきかは決めたのでしょうか、これについて行管そのものもかかわったんでしょうか。
○政府委員(佐倉尚君) 各省庁のどのブロック機関についてその整理再編成を行うかということにつきましては、当然私どもの行政管理庁とその機関の主管庁である各省庁といろいろ協議を重ねまして、いろいろ細かな点までもなるべく詰めて決定していった次第でございますので、各省庁と協議の上、現在の法案に盛られております内容について決めていったというのが実情でございます。
○矢田部理君 八局以上あるところでも除外した省庁はございますか。
○政府委員(佐倉尚君) 除外されたところということでございますけれども、一応検討の対象にはすべてしております。ただ、いろいろな諸条件、各省庁との協議等の過程で防衛施設局とか、そういったところは現地のそういういろんな事務があるというようなことが考えられるところにつきましては今回の整理の対象からは除外したところがございますが、一応検討の対象には全部しております。
○矢田部理君 私は、検討の対象にしたかどうかじゃなくて、除外した省庁ということで伺ったのですが、防衛施設局、防衛庁関係がこの対象から結果的には外されている。これはどういうわけでしょうか。
○政府委員(佐倉尚君) 防衛施設局につきましては、基地の確保あるいはそれの安定的な使用という業務の性格等にかんがみまして、整理に関する各方面のコンセンサスが今回は得られなかったということでこの法案には盛られておらない次第でございます。
○矢田部理君 そういう意味で言えば、各省庁とも必要に応じてそれぞれブロック機関を配置をしているのでありまして、いま程度の理由で防衛施設局を排除する理由にはならないと私は考えるんですが、どうもいろいろ検討してみますと、防衛問題がきわめて政治的に大事である、とみに最近浮上してきているということから、たとえば来年度予算についても防衛予算だけは特別枠をつくるということで、全体として、政府全体の中に防衛庁、自衛隊関係を特別視する思想の一つのあらわれではないかと思われるのでありますが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(佐倉尚君) 私どもの方の考え方では、別に特殊視しているということはございませんで、全部検討の対象にしたわけでございます。防衛施設局につきましては、先ほど申し上げましたように、全体のコンセンサスが今回は得られなかったということでございまして、防衛施設局を特殊視して外したということでは決してございません。
○矢田部理君 他の省庁についてはかなり無理をして押しつけているきらいがないでもない。また、そういうことが顕著にあらわれていることもあるのでありますが、防衛庁だけ特別扱いをするというやり方についてはいかにも納得できないところでありますが、各省庁の問題点等について逐次質疑をしていきたいと思います。 最初に、法務省でありますが、法務省が入管関係の各事務所等について整理再編をされた、あるいはされようとしている経過と理由についてまず説明をいただきたいと思います。
○政府委員(小杉照夫君) 私ども、今回の行政改革の目的は行政の簡素化、効率化にあるというふうに考えておるわけでございますが、その意味では、不要のものを整理するばかりではなく、私ども入管のように業務量が著しく増大しており、また業務の内容というものが過去三十年間かなり変質をしておるわけでございますが、そのような質の変化というようなものに対応して最も現状に合致した姿、それに再編成することもこれまた必要なことではなかろうかと考えておるわけでございます。 入国管理事務所の場合は、戦後の業務量及び業務内容に著しい変化があったにもかかわりませず、発足以来過去三十年間ほとんど組織の骨格に変更を加えてきていないというのが実態でございまして、今回のこの行革の機会に入国管理事務所を対象にして合理化を考えること、これもまたひとつ時宜を得た措置ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○矢田部理君 法務省の入管業務というのは、特に高度成長期以降急速に出入国関係の人たちがふえて、むしろ増員要求が出されているというような状況もあるように聞いております。業務の実態が最近どういう傾向にあるのか、その点をお話しいただきたいと同時に、増員要求等も出されている折から、そこを再編整理したからといってどうも簡素化、能率化、とりわけ簡素化の要請にこたえるということにはならぬのじゃないかという感じもしないではないのですが、その点いかがお考えでしょうか。
○政府委員(小杉照夫君) ただいま先生から御指摘ございましたように、入管の業務量というものは近年飛躍的な増大を示しております。現に外国人の出入国の数だけでも十年前に比べますと実に何と四倍強、日本人の出帰国に至っては八倍というような急増ぶりを示しておるわけでございます。それに加えまして、近年地方空港の国際化というような現象もございまして、昨年だけをとりましても、小松、長崎、熊本というような地方空港に国際線が就航する等、私ども出先の事務所のないような場所に新たな業務が発生する、そういうような意味で業務量の増大はまことに著しいものがあるわけでございます。 このような業務量増大に対応するためにはどうしたらよいかということになりますと、確かに定員の増であるとか予算の大幅増加あるいは機構の新設、増設というような方法で対応するのが恐らく高度経済成長期であれば当然の正攻法であったろうと考えるわけでございますけれども、御承知のとおりのここ数年来の国家財政事情のもとで、このような増大いたしました業務量の処理のために何がわれわれとしてできるかということを考えてみますと、大幅な定員増、予算増、機構の新設というものが認められない現状でありますので、結局のところ、現在私どもに認められております定員あるいはすでに認められております予算の幅というようなものの範囲内で人員を適正に再配置するということによって行政サービスの効率化を図るということしか方法がないのではないか。実はそういう考え方に立ちまして、私ども過去数年来入国管理事務所の機構の改編ということを研究しておったわけでございます。で、結局そのような人員の適正配置というものを可能ならしめるための機構再編成、改編ということを検討しておったその考え方と、今回の行政管理庁でおとりになられました行政改革の考え方というものが、思考過程においては若干スタートは違うかもしれませんけれども、結果においてマッチしたというのが現状でございます。
○矢田部理君 その入管業務の中には、言うならば管理部門、密輸とか密入国を押さえるというような権力的な部分と、それから出入国者の数の増大に伴ってその事務処理、サービスの部門が両面あろうかと思うのでありますが、従来十四事務所あったものが八つに整理統合されるということになった場合に、とりわけサービス部門についてどういうふうな変化が起こるのか、これが弱くなる傾向がないのか等々含めて法務省の考え方をただしておきたいと思います。
○政府委員(小杉照夫君) 現在十四ございます事務所をこのたび八局の形に再編するわけでございますが、この再編の結果、いままで十四の事務所にほぼ平等に振り分かれておりました管理部門の要員というようなものがその他のサービス部門に配転する余地が出てくるわけでございます。そういう意味で、再編によって生じまする管理部門等の所掌事務の変動に合わせまして合理的な人員の配置というものが可能になると考えておるわけでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、業務量が著しく増加しておるという現状から見まして、総体として現在私どもが持っております定員を縮減するということはできないというふうに考えておるわけでございます。 また現に、今回の行革によりまして格下げになる事務所等がございますけれども、たとえば横浜、神戸というような事務所におきましては、管内に在留しております外国人が多いこともございまして、これらの外国人に対する行政サービスが低下しないよう在留管理業務を従来どおりやらせるというような方針で現在検討を進めておりますし、また、その他下関あるいは鹿児島のようなケースにつきましても、在留審査関係の諸申請を局へ取り次がせるというようなサービスをすること等によりまして、行政サービスが全体として低下することがないように考えておるわけでございます。 ただ、以上のような施策を実況してまいるためには、何としても所要の人員増というものが確保されることが必要でございまして、そのような意味で、現在所管当局にもその旨強く要望を続けておるということでございます。
○矢田部理君 そうしますと、従来管理部門にいた職員がサービス部門に移ると。これは大量な配置転換なり、サービス部門への転換なりを予定をしているのでしょうか。
○政府委員(小杉照夫君) これは、現在具体的な各局、支局あるいは出張所ごとに詰めを行っておる段階でございますけれども、私どもといたしましては、そのような形の人員再配置というものを積極的に考えたいというふうに考えておるところでございます。
○矢田部理君 配置転換等に伴って、当然、職員の労働条件とか居住の環境とか、いろいろな変化が起こってくるわけでありますが、その辺、職員との間の交渉なり、話し合い等は行われているのでしょうか。
○政府委員(小杉照夫君) 現在、この法案が通ることを前提に、そのような話し合いを行う準備をやっておるというところでございまして、現実にだれがどこに移るかというような個々の問題につきましてはいまだ最終的な決定はないわけでございますので、個別的な折衝というようなものは行っておりません。将来はそのような形の話し合いというものは必ずや持たれるものと考えております。
○矢田部理君 職員が大量に配置転換するあるいは異動するということになりますれば、さまざまな労使関係の問題も起こってくると思いますが、職員の意向なども十分尊重して誠実に話し合いをされることを特に期待をしておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○政府委員(小杉照夫君) 先生のお話を十分体しまして処理に当たりたいと考えます。
○矢田部理君 大蔵省関係の方、見えておりますか。——大蔵省に伺っておきたいと思いますが、大蔵省は省内には幾つかの部門があるわけでありますが、特に財務局を整理の対象とした理由、経過などをまず御説明をいただきたいと思います。
○説明員(名本公洲君) 大蔵省には、御案内のとおり、大蔵省の税関係のものを除きました総合出先機関として財務局、関税を担当をします税関、それから国税を担当しております国税局、三つの出先を持っておるわけでございますけれども、そのいずれにつきましても、昨年暮れのブロック機関の整理統合について大蔵省としては考えていくということを検討してまいります場合、先ほども法務省の方からお話がございましたが、税関について見ますと、出入国者が外国人、日本人を含めまして非常に増加をしておるわけでございまして、また貿易につきまして輸出件数、輸入件数ともに大変増加を見ておるというような状況が税関についてはございます。また、国税について見ますと、納税申告の件数は大変な量に最近上ってきておりまして、いわゆる課税の公平という面が強くいろいろ各方面から指摘されておりますが、そういう面を充実してまいりますにつきましても、国税当局につきまして整理再編成ということ、統合整理ということを考えてまいるのはなかなか実情にそぐわない。言ってみれば、私どもの方として申し上げてみますならば不可能に近いというふうに考えられるわけでございます。 財務局につきましても同様な事情があるわけでございますけれども、この三つの性格の異なります出先機関について見るならば、どちらかと申しますと、財務局についてこれを行うことの方が行政を完全に遂行してまいるという意味においてはまだ耐え得る、あるいは何とかやっていけるという面があるということによりまして、財務局の統合ということにおいて大蔵省といたしましてはお願いをするということになったものでございます。
○矢田部理君 全国でブロック関係の財務局は十カ所あるというふうに伺っておりますが、その中で、規模的にも中位にある南北九州の財務局を選定をされたのはこれまたどういう理由によるものでしょうか。
○説明員(名本公洲君) 財務局は、先生御指摘のとおり、現在十局ございます。この十局のうち、一局を削減していずれかに統合するという点につきまして種々検討を行ったわけでございますが、各省庁のブロック機関の状況等を見てまいりますと、どちらかと申しますと九州一局という省庁がかなりあるわけでございまして、私どもといたしましては、どの局もいずれも大変重要な局であるというふうに考えておりますが、各省庁におきます各種のブロック機関等のあり方等をも考えながら検討いたしてまいりまして、九州を一つのブロックとして考えるということはまたかなり合理的な判断ではなかろうかというふうなことでございまして、九州につきましてこれを統合を行うというふうに決定をいたしたものでございます。
○矢田部理君 その九州の問題でありますが、福岡と熊本で長い間いろんな論議が交わされてきたように思われます。そういう論議の経過を経た上ではありましょうけれども、北を南の方に統合するという方向づけをされたのはこれまたいかなる理由によるものでしょうか。
○説明員(名本公洲君) 南北両財務局を九州財務局に統合するに当たりまして、本局を熊本に置くか福岡に置くかというのは、これは大変むずかしい決定を大蔵省としてはいたしたわけでございます。その決定に当たりましては、非常に長い議論を省内においても行っておるわけでございますが、つまるところ、行政需要、それから地元の実情、それから財務局——かつては大蔵省は出先機関としましては、税関を除きまして財務局一本であったわけでございます。国税庁が税務の執行機関として戦後分かれますまでは財務局一本でやっておりましたが、その当時以来の財務局の設置場所の経緯であるとか、そういうふうなものを種々検討いたしました結果、総合的な判断の上で最終的に熊本に本局を置くという決定をしたような次第でございます。
○矢田部理君 どうも一つにまとめるに当たって、福岡から熊本に持っていった経過にはかなり政治的な綱引きが行われたというふうにも言われておりますが、あなたの挙げた理由の中に、行政需要ということが言われました。行政需要から考えてみますと、これはまあ客観的なデータでありますが、むしろ福岡の方が経済活動も盛んだし、九州において経済の中心地でもあるわけでありますだけに行政需要は多いのではないかというふうに思われますが、その点いかがでしょうか。
○説明員(名本公洲君) 財務局の行政需要でございますが、確かに大蔵省、経済官庁でございますので、経済活動全般という面をとってみますと、御指摘のとおり、九州におきましては北九州の方にウエートがあるということは事実でございます。しかし財務局は、大蔵省の総合出先機関といたしまして、非常に数多くの事務をこなしておるわけでございます。そのおのおのの事務につきまして、なかなか件数的に把握をすべてのものができるわけではございませんけれども、件数的に把握できるようなものについて考えてまいりますと、たとえば、財務局の中に主計課がございますが、主計課事務として大きなウエートを占めております公共土木、農業施設等の災害の査定に対する立会業務、あるいは共済組合に対します監査というのは、これは主計課の主な仕事の内容でございますが、そういうふうなものについて見ますと、これは北九州よりも実は南九州の方が件数、そういうものから見ますと多うございます。 また金融、証券業務につきましては、金融、証券活動から見ますと確かに北九州にウエートが多いことは事実でございます。しかし、財務局、財務部におきまして主力として取り扱っておりますものは、実は地方銀行、相互銀行よりも信用金庫になっております。信用組合の業務はこれは都道府県が行っておりますが、信用金庫ということになってまいりますと、実はこれも数としては現在の熊本財務局管内の方が多いというような実情もございます。 また、理財系統の業務で大きいものに起債の業務がございます。起債の業務、これはまあ北は三県、南は四県という管轄区域になっておることもございますが、融資件数から見るならば南の方——これは金額的に見ますと北九州財務局の方が多うございますが、管理という面から見ますとこれは件数の方が多くなっておる。 それから、財務局の業務の中で非常に現在全体として大きなウエートを占めておりますのが管財、いわゆる国有財産管理業務でございます。国有財産管理で直接財務局が管理いたしております普通財産をとってみますと、これは北九州財務局の方が件数、面積とも多うございます。しかし、国有財産の総括大臣といたしましての大蔵大臣、その事務を所掌します財務局でございますが、国有財産全体を総括するという意味におきまして、各省の行政財産についての指導、監査ということも、これも業務になっているわけですが、そういう面になりますと、これは三県、四県という分け方の結果かとも思いますが、熊本の方が多いというようになっておりまして、私どもの財務局、財務部の仕事のそういう行政需要というものを細かく見てまいりますと、一見北九州の方に非常に大きなウエートがあるようにも考えられるわけでございますけれども、細かく見てまいりますと必ずしもそのようにも言いがたい面があるというのが実情であります。
○矢田部理君 大分苦しい答弁をされているようでありますがね。あなたが一々、一つ一つ事例を挙げて言うと、私もそれを挙げて反論をしなきゃならぬわけでありますが、たとえば職員数を見てごらんなさい。北九州は二百二十四人です。南の方は二百六人。職員数から見れば、北九州の方が行政需要が多いから数多く配置していたんじゃないんですか。南の行政需要が多かったら南に多く配置すべきなのであって、あなたがいま一々挙げた例は、それ自体は事実かもしれませんけれども、全体としての行政需要ということを反映している話とはとうてい聞こえないんです。そういう自分の都合のいいところだけつまみ食いして説明するやり方は大変けしからぬ話ですよ。これはどうして北九州がいままでの要員配置が多くて南九州が少なかったのか、あなたの言う南九州の方が総体としては行政需要が多かったということであるとするならば、定員配置が間違っているかということになるわけでありまして、その辺はいかがでしょう。
○説明員(名本公洲君) 先生御指摘のように、南北財務局におきます定員は北九州の方が二十人程度多いことは事実でございます。これは、行政需要がその割合において高いということを示しておるというふうに考えます。 しかし、私が申し上げましたのは、一般に北九州と南九州を比較いたしました場合に、問題にならないほど北九州の方が行政需要が多いというふうに一見考えられるわけでございますが、必ずしもそうではないということを申し上げたわけでございまして、南九州の方が行政需要が多いというふうにもしおとりいただきましたならば、それは大変恐縮でございますが、私が申し上げようといたしましたのは、なかなか南とも北とも一概には判定しにくい部分があるということを申し上げたわけでございます。
○矢田部理君 あなたは、九州を統合するに当たって南の方に持っていった最大の理由として第一に挙げられたのは行政需要だと、私がその中身をただしていったら、幾つかの事例を挙げて説明したではありませんか。私は、何も南や北に直接の利害を持つわけでは全くありませんけれども、やっぱり行政改革というのは、ある意味で客観的に、あるいは地元の実情に十分即応した形でやらなければ、政治的な介在や綱引きによって行われるというやり方が公然とまかり通っていることに私は非常に不満を持っているわけなんです。 一つ一つ聞きましょう。あなたも説明したから。国の出先機関は、南北で分けますとどちらが多いですか。
○説明員(名本公洲君) 各省庁のものにつきましてちょっと数字を持っておりませんが、福岡にある局の数字の方が多いと思います。
○矢田部理君 国の出先機関との連携調査が必要な財務局だと思いますが、私の調査では、北九州全体で国のブロック機関は三十二です。南は九カ所にしかすぎません。 財務局の大きな仕事の一つとして金融機関の関係があるわけでありますが、金融機関はどうなっているでしょうか。先ほどあなたは信用金庫だけの例を引かれて、南の経済が弱いからどちらかというと信用金庫的規模のものの数は南の方が多いと思いますが、全体の金融ということで考えてみるとどういう数値になるでしょう。
○説明員(名本公洲君) 金融機関の、都市銀行は別にいたしまして地方銀行、相互銀行について見ますと、これは行数で申し上げますと、地方銀行は北九州が五行でございます。南九州は四行。これは行数ではございませんで店舗数の方が実態をよくあらわすかと思いますが、店舗数も同時に申し上げてみますと、地方銀行は、北九州財務局の管内にございますものは五行で四百二十七店舗、南九州が四行で三百五十八店舗でございます。相互銀行は、北九州が六行でございまして店舗数が三百六十店舗、南九州は六行で二百五十四店舗ということになっております。信用金庫は、北九州地区が二十二金庫、二百三店舗でございまして、南九州は二十五金庫の二百四十三店舗、こういうことになっております。
○矢田部理君 全体として北九州が多いんでしょう。信用金庫だけ説明するから変なものになってしまう。 証券関係の会社はどうでしょうか。
○説明員(名本公洲君) 証券も、東京に本店があるものを除きまして、北九州にございますのが三社、それから南九州は一社でございます。店舗数は北九州が六十四店舗、南九州が三十三店舗ということになっております。
○矢田部理君 さらに理財関係の仕事として、資金運用部地方資金貸し付けが行われているわけでありますが、その残高は南と北で分けてどうなっているでしょうか。
○説明員(名本公洲君) これは、地方債の貸付件数で申しますと、北九州が三千五百三十件、南九州が四千七百七十三件でございます。金額的に申しますと、これはいわゆる一般に言われる転がし資金でございませんで長期の融資残高でございますが、先ほども申し上げましたように金額では北の方が多うございますが、約八千三百六十億、南九州の所管しておりますものが約六千二百六十億でございます。
○矢田部理君 一々聞いていくと幾らでもあるんですが、そのほか、たとえば業務の一つとされる有価証券の報告書提出会社数、これも北の方が圧倒的に多い。証券取引所は北にしかない。さらに、国有財産の管理等についても北の方が圧倒的であるということを考えてみますと、あなたが言われるように大蔵省は経済官庁でしょう、経済のニーズにどうこたえていくのかということが出先機関の、とりわけ地方経済とのかかわりで大きな役割りを持っているとされているとすれば、どう見たって南の方に持っていくという合理的な根拠はない。きわめて不合理な政治的な綱引きで南の方に決まった。 長官、こういうことがいろんな部署で行われている。各省庁見ましても、どうも省庁の中でも弱いところが、あるいは政治的にバックアップの小さいところがやっぱり整理統廃合の攻撃にさらされる。こういうことで、行政改革の一つの視点としてはやっぱり公正さを保つ、地元のニーズにこたえるというようなファクターがあろうかと思うんですが、こういう客観的な根拠のない、きわめて不合理なことが公然とやられようとしている。長官、この点どうお考えでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) 各ブロック機関は、その各省庁におかれていろいろな総合的な観点から御選定願ったものだと聞いております。 いまの九州の南北問題につきましては、確かにおっしゃるように経済活動は北の方が稠密でございまして、経済的に見る限りは、確かに北の方がそういう点では重要性を持っておるようにも思われます。しかしまた、国有財産管理とかあるいはそのほかの総合的ないろんな面を考えてみますと、南の方の重要性もまた否定することはできないと思います。 結局、私の感じを申し上げますと、官庁の配置というものはできるだけ、まあ合理性も大事でありますけれども、国土全体に普遍的に置いて、バランスをとって置くということも、これからの考え方として一つの要素ではないかという気もいたします。新宿に副都心というのができましたけれども、やっぱりあれで新宿というものがぐっと伸びていった。そういうようなもので、ある程度国土全体のバランスというものもこれからは考えていく必要がありはしないか。東京にばかり官庁が集まって人口が稠密になる、北九州ばかりに集まって水が足りなくなる、そういうようなことも考える要素があるんではないかと、私個人の考えでありますが、そういう点も考える必要があるんじゃないか。 それで、南北の論争をいろんな面から考えてみますと、兄たりがたく弟たりがたし、両方重要性においては兄たりがたく弟たりがたしと、結局、最後は住民の愛惜度といいますか執着度といいますか、これも同じである。それで、最後に判定するということになると歴史になりやしないかと。そうすると、南の方は明治二十九年にできて相当古い長い歴史を持っておって、そういうような沿革から見て南の方に軍配を上げざるを得なかったのではないかと、私はそういうふうに考えて見ておったところでございます。
○矢田部理君 長官は合理主義者だ思っていましたが、なかなか情緒的な話で……。 歴史で事を決めるということになりますと、果たしてこれから先の行革はどんなものになるのかということで、きわめて心配になってきます。もともと行政官庁の中でも経済面を主として担当する官庁ですから、経済的なニーズにこたえるということが基本じゃないでしょうか。そういう基本的な合理性すらもやっぱり譲歩して、歴史に焦点を置くということになりますと、行政改革の先行きがきわめておもんばかれるわけでありますが、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 確かに、行政改革は合理性の追求が第一でございます。それはお説のとおりでございますけれども、また別の観点から見まして、甲乙つけがたいという場合にはそういう歴史に頼るというのも一つのやり方ではないか、そういうように考えます。
○矢田部理君 率直に言って、長官の御説明も歴史か経済かということになれば歴史をとると、しかも行政需要の角度から見ればこれはもう客観的事実でありますから、何としてもそれは大蔵省の説明には事実として納得しかねる、説得性がない。この点は質問としては留保をしながら次の問題に移っていきたいと思いますが、了解しておりません。 そこで、各論のさらに各論に移りたいと思いますが、南北を統合するに当たって、附則で幾つかの整理のための法文、法案が予定をされています。附則の八条、十三条、十七条でありますか、八条は御承知のように信用組合などの金融機関に関するもの、十三条が外国証券業者にかかわるもの、そして十七条は証券、相銀、信金などに関する条項でありますが、これは北を廃止する方向で検討するに当たって南に持っていく。当面、北については財務支局として残すということから、権限を支局にも与えるという趣旨の法律のように思われるわけでありますが、そうでしょうか。
○説明員(名本公洲君) 財務局本局を熊本に置くことといたしておりますので、先生先ほど来御指摘のように、金融、証券の業務におきましては北九州の方が九州全体にとりましてもウエートが多うございます。そういうことから、福岡財務支局長に財務局長と同様の権限を与えて、金融、証券業務につきましては福岡財務支局長限りで種々の行政が行えるように措置をするというものでございます。
○矢田部理君 そうしますと、北の方は廃止をするが、従来財務局長が持っておった権限はそのまま今度は支局長ということになりましょうか。支局長に全部権限を与えることになるんでしょうか。従来財務局長が持っておった権限をすべて支局長に委譲するということになるんでしょうか。
○説明員(名本公洲君) この法案にございます各法律で財務局長が行使しております権限は、同様に支局長に与えるということでございます。
○矢田部理君 委譲されない権限はありますか。
○説明員(名本公洲君) 附則で手当てをしてございます証券、金融に関する部分につきましての権限は委譲されますが、支局長は当然のことながら本局の局長の部下に当たるわけでございますから、そういう面におきます指導監督というものは当然受けることになります。この法律に書いてありますもの以外につきましては、まだ今後の検討を要する問題でございますけれども、本局の指示を受けながらやっていく部面がかなり出てくるであろうというふうに考えます。
○矢田部理君 抽象的な答えなんでわかりにくいんですが、この証券、金融に関する権限は支局長に与えるということで附則で規定が置かれることになったわけでありますが、たとえば国有財産管理の重要な一つでありますところの公務員宿舎に関する権限が局長にはありますね。たしか国家公務員宿舎法に規定をされていると思うんですが、他の法律の条項に基づく権限は今度の附則で支局長に与えることになっているのに、国有財産、なかんづく公務員宿舎等に関する権限については法改正が提出されていない。これはいかなる事由に基づくものでしょうか。
○説明員(名本公洲君) この法案の附則で措置してありますもの以外につきましても、北九州におきまして統括的に行政を執行した方が効率的であるというような部分につきましては、財務局長から支局長に権限を委任するということを今後考えてまいりたいというふうに考えておりますが、たとえば国有財産について申し上げますと、これは法律の手当てをいたしてございませんが、財務局長にという条文ではございませんで、財務局長だけでなくその他の支分部局、たとえば財務部長でも現在権限を持っておりますが、そういうふうな委譲ができる法律のたてまえになっておりますから、今回のこの法案におきましては特段の手当てをいたしてないわけでございます。
○矢田部理君 公務員宿舎法七条三項では、財務局長が持っていた権限を委譲するためには、先ほどの金融関係の法改正とあわせて法改正が必要なんじゃないでしょうか。
○説明員(名本公洲君) 財務局長から、これは内部的な事務手続といたしまして、現在でも財務部長に権限をかなりの部分、宿舎についても委任いたしてございますが、必要に応じましてそういう内部的な事務の委任ということを行うことを一つの問題としては考えてまいらなければならないだろうというふうに思っておりますし、法律的には可能であるというふうに考えております。
○矢田部理君 部分的に委譲したりなんかすることは可能でしょうが、全国的に財務局長が持っておった権限を支局長に与えるためには、法改正が必要なんじゃありませんか。法改正なしに全部与えることができますか。
○説明員(名本公洲君) 全面的に支局長に与えてしまうことには法律的に問題があろうかと思いますが、この問題につきましては、公務員宿舎は公務員に対するものでございまして、私ども今回この法案につきまして種々な検討を遂げたわけでございますが、その際には、住民に対するサービスにおいて低下することがないようにということを考えてまいりました。先生御指摘の公務員宿舎につきましては、これは公務員に対するものでございますので、ある程度のそういう面におきます行政不便というものは公務員全体としてあるいは忍んでいただかなければならないこともあろうというような考え方で、現在公務員宿舎の管理という面につきまして必要な、そこに入居しておる公務員に対します行政という面は、現在の状況におきましても財務部に権限を委譲いたしまして行われておりまして、不適当な状況になっておるという状況にはないというふうに考えておりますので、現在の法律のままで管理運営は十分やっていけるものというふうに考えたわけでございます。
○矢田部理君 どうも大蔵省にしては歯切れの悪い説得性のない答弁なんですね。つまり、支局長に理財関係については全面的に権限を委譲する。財産管理部門については、法律上の権限規定があるにもかかわらず、これについて法改正をしない。きわめて片手落ちなやり方なんじゃないでしょうか。いま大変苦しい無理やりの説明をしておりますけれども、あなたの説明じゃ全く説得性ありませんよ。やはり整理とか統廃合に当たっては、住民サービス、経済のニーズに応じてどうやるかということとあわせて、そういうところをやっぱり明確にしていかないと非常に地域的に混乱が起きる。権限の分配や委譲の関係がどうなるのかということは、とりわけ法改正が必要なものについてはこの際一括して出すべきなんでありまして、一部を出して一部が従前のままということだと現地でも混乱が起きるし、権限の分配についても不明確さが残る。何とかやっていけるとか、運用面でとかという性質のものじゃないはずです。特に幾つかの法律を、関係法令を挙げて附則でその改正を提案をしている以上は、一部だけ提案をして一部だけ残すというやり方では全体の整合性の問題もあるわけでありますから、この辺についても再度やっぱり検討を求めたいと思います。 いろいろありますけれども昼になりましたから、その検討の結果を午後に伺いたいと思います。午前はこの辺で終わりにしておきます。
○委員長(林ゆう君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 —————・————— 午後一時四分開会
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 地方支分部局の整理のための行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案の審査のため、来る十一月四日の委員会に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認めます。 なお、参考人の人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————・—————
○委員長(林ゆう君) 休憩前に引き続き、地方支分部局の整理のための行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、四国行政監察支局等の設置に関し承認を求めるの件を一括して議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○矢田部理君 午前に引き続いて、私の方から質問をいたします。 大蔵省ですが、午前の最後に問題にしました国家公務員宿舎法の関係でありますが、本来ならば附則で金融、証券関係法の改正とあわせてこの改正をすべきだったというふうに考えるわけでありますが、それが出ておりません。その点については非常に問題が残るわけでありますが、特にこの宿舎法の七条三項では「大臣は、財務局長に、宿舎の設置等の総括に関する事務の一部を委任することができる。」、財務局長には委任できるが、支局長には委任できる規定になっておりません。公務員は身内だからという考え方があったのかもしれませんけれども、しかし公務員たりとも居住の関係では市民生活を営むわけでありますから、単なる身内論だけで宿舎や居住の関係を律するのはいかがかとも思いますので、少なくとも運用の面でそういう業務に支障のないように十分に配慮すべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○説明員(名本公洲君) 先生御指摘のように、国家公務員宿舎法におきまして、財務局長に大蔵大臣から総括に関する事務が委任されてございますが、総括に関する事務は、御承知のように公務員宿舎には……
○矢田部理君 いまは私の質問にだけ答えてくれればいい。
○説明員(名本公洲君) 宿舎には、各省庁別の宿舎と合同宿舎と両方ございまして、各省庁が設置します場合にその総合調整を図るという業務でございます。これにつきましては、財務局長の方に法律によりまして委任するということになってございますので、直接の入居関係あるいはその維持、補修、そういう面につきましては、現在すでに財務部の方に、あるいは財務局所在地の県でございますと財務局所在地の県で財務局長がやっておりますが、そのようになっておりまして、入居する職員についても不便は及ぼさないという実態になっておるわけでございます。ここで「財務局長」となっておりますが、総括に関する事務、総合調整の部分でございます。
○矢田部理君 私が言っている質問に的確に答えてください。 つまり、財務局長が持っておった権限が支局長にはいかないという法制になっているから、本来ならば他の法律を附則で全部改正しているのに、ここだけ残してしまったということは法律の体裁上も問題が残るし、かつ、運用上も問題が残る可能性があるから、少なくとも今後、だからといって支障がないように運用、運営をやるべきだ。そうしますという答えさえいただけばいいんで、説明を聞かなくたって私は調べているからわかっているんです。
○説明員(名本公洲君) 総括に関する事務につきまして必要に応じまして福岡支局長にも委任いたしまして、事務に滞りのないようにいたしてまいりたいと、かように考えます。
○矢田部理君 ちょっと不十分ですが、次の問題に移ります。 この地方支分部局整理のための法律は、各省庁にまたがっている関係もあって、したがって法案そのものが統一性を欠いているといいますか、いろんな乱れや状況に応じた対応があるわけでありますが、その一つの特徴に、財務局あるいは地方医務局、行政監察局などが当たるわけでありますが、六十年の三月末日までに「廃止するものとする。」という規定がございます。で、「廃止するものとする。」という規定があるのはこの三つだけでありまして、他はそうはなっていない。局を部に格下げするとかという性質のものになっている。さらに、林野庁関係について言えば、ほかの省庁は部局を特定をしているわけでありますが、特定すらしていないという点でも非常に問題が残るわけでありますが、この点は後に問題にするといたしまして、この「廃止する。」と言わずに、「廃止するものとする。」という規定になっているわけでありますが、「廃止する。」と「廃止するものとする。」との違いを行管庁からまず説明をいただきたいと思います。
○政府委員(佐倉尚君) 御指摘の「廃止するものとする。」ということは、決められました期日までに廃止するかどうかを検討して廃止の手続を改めてとると、こういうのがその「廃止するものとする。」ということの文意の解釈であるというふうに承知しております。
○矢田部理君 そうしますと、この法律で直接廃止をするということではなくて、廃止するためには新たな手続をとると、こういうことになるわけですね。
○政府委員(佐倉尚君) 「廃止するものとする。」という文意から、そうなるものと承知しております。
○矢田部理君 そこで、また財務局に戻って伺いたいのでありますが、福岡は財務支局とすると。この支局になった福岡は、さらに六十年の三月末日までに「廃止するものとする。」という規定につながることになるわけでありますが、具体的にどんなことを考えておられるのか。つまり、廃止の方向づけで逐次仕事なり人なりを減らしていくという漸減方式をとるのか。支局としては、従来財務局自身が持っておった権限を大部分引き継ぎながら、そのままの状態で六十年三月末まで維持をしていくという考え方なのか、その辺をまず伺っておきたいと思います。
○説明員(名本公洲君) 財務支局であります間におきましては、私どもといたしましては住民の方々に対します行政サービスが低下することのないように、なるたけに種々簡素合理化は図ってまいりますけれども、それによって行政サービスが低下することのないような形でこの五年間を福岡財務支局があります間は存続をさしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○矢田部理君 そうしますと、ほぼ現状どおりに六十年三月末日まで現体制を維持してやっていくということが基本になりますか。
○説明員(名本公洲君) 特に福岡におきましては金融、証券に関します行政需要が多いということもございますので、法律で手当てしてございますが、そういう面につきましてはほぼ現状のままこの五年間は推移せざるを得ないというふうに考えております。先ほどお話のございました管財系統の業務、それから特に管理部門等につきましては、一層簡素合理化の方途を講じてまいることが必要であろうかというふうに考えております。
○矢田部理君 基本的にはほとんど変らないと、財務局長がやっておったのは支局長になる、権限的には。体制としてもそういう立場でいくということでありますから、それはそれとしてお聞きをしますが、そうしますと、六十年三月末になったときに今度はばさっとやるんですか。新たな手続をとるという手続というのはどういうことを意味しているのか。これは行管庁と大蔵省と双方に伺っておきたいと思います。
○政府委員(佐倉尚君) サンセット条項とわれわれ呼んでおりますけれども、六十年三月三十一日に三つの機関につきまして「廃止するものとする。」という規定でございますが、これは「廃止するものとする。」というのは、当然のことながら現在の判断、方針を書いたものでございまして、その期日までにいろいろ状況等あるいは事務処理をさらに効率的にやれるものかどうかといったような点をそれぞれ詳細に詰めていきまして、それで六十年三月三十一日に廃止するという手続をとるという現段階における方針、判断をこの条項で示しておるというふうに考えられるわけでございます。でございますので、そのときにどういうふうな手続あるいはその後どのような措置をとるかということは、そのときまでにいろいろと検討して決めていく問題であるというふうに考えています。
○矢田部理君 どうもいまひとつわかりにくいお話なんですね。 そうすると、その段階でその時点における条件等を考慮して新たな立法措置なり行政措置をもう一度とるという趣旨なんですか、手続という意味は。
○政府委員(佐倉尚君) たとえば、これは先の話でございますから確定的なことはもちろん申せないわけでございますけれども、この条項の設けられている三つの機関につきましてはほかの機関——ほかの機関と申しますのは、たとえば財務局であれば各県に財務部があるわけでございますけれども、そういうものとの均衡、それからその事務をどのように配分していくか、大きな問題から小さなものまでいろいろとございますけれども、そういうものを適宜必要に応じて詰めていって六十年三月三十一日までに所要のいろいろな措置ができるかどうか、あるいはできる必要があるかどうかということをさらに検討して決めるというふうに考えられます。もちろん、現段階でこの方針が示されているということは、やはりこの法案に盛られております機関の簡素化、効率化という方向でやるということでございますので、現段階におけるその方針をここに盛り込んだものというふうに考えられます。
○矢田部理君 どうも何度聞いてもわかりませんね。特別な立法措置でもまたするということなんですか、その段階で、六十年三月の時点で、その後の経過や条件を見て。この法律だけでは即廃止ということにはならぬと、新たな手続きをとるんだと。その新たな手続というのは、新たな立法措置をその後の経過を見てとるという趣旨なのかどうかということも含めて答えて下さい。
○政府委員(佐倉尚君) この条項の置かれました趣旨は先ほど御説明したとおりでございますが、ここに置かれている三種類の支局につきましては、現在お願いしておりますこの整理法案で自動的に廃止するということにはなりませんので、そのときに改めて法律の手続が必要かと存じます。
○矢田部理君 五年先に改めて立法措置が必要だということならば、行政の方針としてしかるべく内部的にその作業を進めりゃいいじゃないですか。いま立法は必要ないじゃないですか。その六十年の三月末の段階で、行政内部で進めたさまざまな効率化なり簡素化なりがどういう状況で進んできたかということをにらんで改めてそのとき考えればいいことじゃありませんか。話としてきわめて不徹底でもあるしあいまいでもあるし、無用ないろんな混乱が生ずることでもあるし、どうもあなたの説明はわかりませんね。
○政府委員(佐倉尚君) いま御議論になっておりますこの部分は支局を置くわけでございまして、この支局については六十年三月三十一日までに廃止するわけでございますが、そのときに改めてその手続をとるということでございます。それで、そのときまでに重大ないろいろな環境等の変化がなければ、この廃止するという方針で措置がされるというふうに承知しております。
○矢田部理君 わかりました。これは揚げ足取るようだけれども、そうすると環境の変化があれば廃止しないということになるわけですね、ということも少なくともあり得る、論理的には、ということになりますね、あなたのいまの言い方によれば。
○政府委員(佐倉尚君) 現段階においては、その「廃止するものとする。」という基本的な方針、判断が示されているわけでございます。
○矢田部理君 そうすると、これは単なる精神条項みたいなものですか。任意規定とか訓示規定とかという議論もありますが、いわば行政の努力目標的な規定ですか。
○政府委員(佐倉尚君) この法案の目的は、やはり機関の簡素化、効率化でございますので、それをさらに徹底して、この三つの機関につきましては六十年三月三十一日というサンセット条項を設けたものというふうに考えます。でございますので、単なる訓示規定というよりは、やはりこのときに廃止されるものとするという現段階の基本的な方向、判断、方針をここに示しているものというふうに理解しております。
○矢田部理君 いずれにしても、そうすると、結論的に言えばこの法律そのもので廃止になるのではなくて、新たな立法措置をその段階でとると。環境の変化があれば、現段階の判断であるから、そのときにはまた別途の判断もあり得るというふうに今度は私の方では理解させていただいていいわけですね。
○政府委員(佐倉尚君) 「廃止するものとする。」ということは、先ほどから御説明しましたとおりでございますけれども、その際に、その支局を廃止してどのような措置をとるかという点は現段階でははっきりと詰めることができませんので、この段階でそれらの判断を下して措置するものというのがいまの段階の方針であり、判断でございます。先生、途中の環境の変化に重大なものがあれば改めて廃止しないこともあるのかというふうなお話でございますけれども、現段階においては「廃止するものとする。」ということでございまして、重大な環境の変化があるというふうにいろんな各方面の御判断があれば、また(「話は別だ」と呼ぶ者あり)話はそのとき、そのときの話になるのかもしれません。けれども、現段階としては「廃止するものとする。」という方針が示されているわけでございます。
○矢田部理君 余り各論的なことばかりで恐縮なんですが、どうも各論を聞きますと、長官の哲学とは別に大分いろんな乱れや問題がいずれ六十年末ごろにはさらに持ち越される可能性はきわめて強いというふうに受け取らざるを得ないわけでありますが、この段階でも、しかし財務局に関して言えば、地域住民なりあるいは関係業界なりに対するサービス等々は低下させないという一線は維持するんですか、財務局としては。
○説明員(名本公洲君) 先生の御指摘の点は五十九年度末のことかと存じますが、私どもといたしましては、五十九年度末で支局が廃止されるという段階におきまして、住民に対する行政サービスを維持していくという観点からどういう体制が最も適当であるかというのをその時点において判断をいたし、所要の措置をとらなければならないというふうに考えております。
○矢田部理君 どういうことを五十九年度末に想定するのかは知りませんが、たとえば、いままで財務局に出向いておった人たちは一々今度は熊本まで行くことになるんですか。少なくともそうでないと川が足りないことになりますね。そこら辺はどういうふうに……。
○説明員(名本公洲君) 今後、先ほども管理局長のお話がありましたけれども、財務部についてどのように持っていくかという問題もあるわけでございますが、財務局から財務部への事務の委任というようなことが大幅に進んでまいりますと、現在財務局へ出向いていた人が、現在の支局がないといたしました場合の財務部で仕事が済むようになるということもあり得るわけでございます。いろんな点を総合勘案しながら五十九年度末で考えなければなりませんが、現状の事務の執行体制からまいりますと、たとえば金融、証券につきましては、やはり福岡において用が足りるように五十九年度以降につきましても何らかの措置を必要とするのではなかろうかというように考えますが、証券、金融以外の面につきましても、行政サービスという面から考えまして、なお残すべき必要があるというものは福岡に残していかなければならないしと思います。しかし、可能なものにつきましてはやはり本局で取り扱うものも出てくると思いますので、たとえば福岡から熊本へお越しいただくというような事務も出てくるものというふうに考えなければならないというふうに思っております。
○矢田部理君 そうなると、これは五十九年度末には新たな手続といってもかなりの法改正、機構改革等々も踏まえて考えなければいかぬことになりますね。今度のこの三条の関連だけでも、証券取引法だとかさまざまな法律の改正が附則で出てくるわけですが、本来行革というのはそういうことも含めて、ある種の準備期間は必要であろうと思いますが、まとめて今後の行政の機構なり全体の行政の構想はこうなんだということを示すのが行革なんじゃないでしょうか、本来的に言えば。三年後は暗やみで、情勢の変化があれば廃止することもあるし廃止しないこともある。また、廃止するについてもさまざまな法改正をやらなけりゃならぬということになりますと、ここはどういうことになっているのか、この条項は。南北戦争熾烈をきわめたようでありますが、きわめて政治的におさまりがついた。しかしどうもおさまっていない。 これは財務局だけではありませんで、たとえば四国で、厚生省の関係では地方医務局の改廃が同時に問題にされているわけでありますが、厚生省としてはどういうふうに考えておられますか。
○説明員(田中健次君) 地方医務局は管内の国立病院あるいは療養所の指導監督を行っておりまして、特に各国立病院あるいは療養所の人事の問題あるいは経理の問題、あるいはその建物の関係でございますけれども、建物の設計あるいは検査等、各国立病院あるいは療養所が住民に非常に良質な医療を提供できるように中間の管理をやっておるわけでございます。 で、四国につきましても、御承知のとおり、お願いをしております法案で支局になりまして、六十年三月で廃止するものとするということでございますけれども、私どもといたしましては、その間広島の支局を通じましてやることになるわけでございますけれども、できるだけ四国の施設の実情その他十分に承知して病院、療養所の指導をしたいということで、できるだけ人事なり経理なりその他の権限は四国に留保さしてやりたいというふうに考えておりますけれども、六十年三月の時点になりまして、そうした状況でいろいろと国立病院、療養所を指導した結果の業務の状況その他等あるいはこれは国立病院は特別会計で経理をしておりまして、経理の内容も重要でございますので、その辺の実情等も踏まえまして、基本的には廃止するということでございますけれども、その後の措置につきましては、そうした経過を踏まえて考えていきたい。病院、療養所の国民への医療のサービスの低下を来さないようにできるだけ配慮をして、その結果を見て考えていきたい、かように考えております。
○矢田部理君 基本的には廃止したいと思っているが、その時点における医療サービスを低下させないために考えていきたいということであるとすれば、事実上何らかの形で残していくということになるわけですか。
○説明員(田中健次君) その点につきまして、これから六十年までの経過を見まして、関係省庁とも関連する問題でございますので、いろいろと御相談をして対処していきたいと考えております。
○矢田部理君 この廃止するものとする三局の中にお手本を示すべき行管庁が入っているんですが、行管庁はどう考えているんですか。
○政府委員(林伸樹君) 行政管理庁も来年の四日一日から支局にするわけでございますが、私どもといたしましては、支局にする段階で、まずできるだけ簡素な組織にしたいということで、たとえば管理業務等の合理化で人が減らせられないかとか、あるいは各ブロックでつくっておりますいろんな監察とか相談の基本計画だとか、あるいは管内の調整とか、そういうものを本局に集められないかというようなことで、できるだけまず支局にした段階で簡素な組織にしたいということでただいま検討中でございます。 それから、支局にした後も、運用してみましてできるだけさらに簡素化の余地があれば、監察なり相談なりの機能をできるだけ落とさない、しかも効率的に運用していきたいという精神で、できるだけその期間も簡素化の検討を進めてまいりたいと思います。 そして、期間経過した後の措置でございますが、こうした支局の運営状況を慎重に検討いたしまして、六十年の三月三十一日、その前の段階で慎重にその後の体制につきまして検討いたしたいということに考えております。 以上でございます。
○矢田部理君 ここで長官に見解を伺わなければならぬことになるわけでありますが、どうも今度の地方支分部局の改廃というのは、何となく帳づらを合わせるために一省庁一ブロック廃止とか改編とかという方針を出したために、現場の実情とか問題点等を率直に言ってつかみ切れないまま全体が帳づらを合わせるために進んでいったという点が一つと、それを受けとめた各省庁は、言うならば一番弱い部門に問題をしわ寄せさせて、一応政府の方針なのでそれに見合った対応を形だけとるということとして仕切られた経緯がいろんな省庁から聞こえてくるわけです。まあ形は廃止するようにかっこうをつけるが、実際は残るんですよというようなところもある。 それから、特に現場を持っている出先の官庁にとっては、簡素化といったってできないんですよ。後で問題にするたとえば商工関係の職場なんていうのは、鉱山保安の仕事でしょう。これはまあ別途議論をしますけれども。むしろいまでさえ人手不足で十分な監視、監督等ができないというようなところもあるし、林野のごときはすでに改善特別措置法で具体的な合理化計画が非常に急ピッチで進んでいる。そういう現場の実情なり行政機構内部における問題点なりを十分に踏まえないで、とにかく一省庁一カ所だと、防衛庁はまた別だというようなことで、形式的に問題を押しつける、特例を設けるということで、行革にいわば一貫した方針、内容的な問題が提供されていないことに起因するのではないかと思うのでありますが、長官としていかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 出先機関の整理統合は第一次臨調の答申にもございまして、その答申の趣旨を踏まえて今回行ったものであると思います。簡素合理化、能率化という精神に従ってこれを統合するということに出たと思いますが、御指摘のように、非常に苦しい立場がありまして、それは住民の皆さんに対するサービスを極力低下させないようにする、そういうことと、それから簡素化するということと、相対立する要素があるわけであります。しかし、行革の思想からすれば、簡素化ということとまたサービスの低下を防ぐということと両立させなければならない。そういう苦しい立場がございまして、それが支局という思想になって出てきたと思います。本局を支局とすることによって簡素化ということにこたえる。しかし、支局として廃止しないという点においてサービスの低下を防ぐ、そういう苦心したことであると思います。 しかし、御指摘のように、六十年の三月の処理という問題について、やはり簡素化という方向からこれはまあ廃止したいと、そういう一応の方針を確立して、その方針のもとに努力はやっぱりしていくと。ただ、住民サービスは低下させないという中でそれをどういうふうにしてやるか。さらに下部機関に権限を委譲していくのか、あるいは交通通信の発達によって出張とかあるいはそのほかによってそれを救済するのか、これからそれは苦労してやることであると思います。そういういろんな対立した要素を、これからの時間の過程において、またいろいろ行政の機能の改善の仕方において解決しながら一生懸命やっていくという方針で、これが法案にそのとおり出ていると思います。
○矢田部理君 長官の御説明にもかかわらず、どうも行政機構あるいは仕事の内容等々について実態的な把握が不十分のまま、しかも基本方針も形だけの方針を出したために、言うならば各省庁が一つぐらいはスケープゴートを出さなければならぬという趣旨で、それぞれ弱い部分に目を当てて形だけは合わせる。しかし、実態は従前と大差がないという方向でその場を切り抜けようという形跡が随所にあらわれてくるわけでありますが、いずれにしましても、廃止とか改廃という方向が打ち出されることになりますと、もう一つの問題は、住民とか関係者に行政サービスを低下させてはならないということとあわせて、そこに働く労働者に対する対応を一体どうしていくのかということが、当然のことながら問題になってまいります。 特に、これはいろんな議論がありますから、仮に廃止ということで問題を考えた場合ということで想定をしてみたいと思うのでありますが、実際上廃止をされてしまうと、当然のことながら配置転換とか職種の変更とか、さまざまなことが想定をされるわけでありますが、そういう場合の労働条件とか配転について格別の配慮がなされるのかどうか、あるいはどういうふうにその点を考えておられるのか。 特に問題なのは、廃止をされた場合に、高級公務員はしばしば転勤をしておりますが、用務員の方とか高齢者の方とか婦人などは、通勤距離の遠近等もありまして、実際上配転に応じられないというようなことも事実の問題としては出てくるおそれがあるわけでありますが、そういうことについて各省庁はどういうふうに考えておるのか、特に大蔵省から伺っておきたいと思います。
○説明員(名本公洲君) 職員の配置転換につきましては、従来からいろいろ行ってきておるところでございますけれども、先生御指摘のように、職員の意向を十分聞きまして、意向に沿うように、今後、この措置による結果の配置転換その他につきましては十分考慮をしてまいらなければならないというふうに考えております。
○矢田部理君 これはまとめて伺いたいわけですが、厚生省、次に聞きますが、その前に大蔵省としては職員団体、職員の組合がございますね、これとも事前に十分に協議をする、話し合いをして、本人の意向なども十分吸い上げながら今後の対応をしていくということはもちろん約束できますね。
○説明員(名本公洲君) 私どもの方におきましては、異動そのものにつきましては職員から身上申告書などを徴しまして、十分職員の意向をまずくみ上げて、その上でまた個別に職員の意向を聴取しながら異動の作業を従来からやっておりますけれども、特に今回の南北統合となりますと、たとえば北九州財務局で採用された職員は、採用された当時は言うなれば北九州三県で異動するというたてまえで職員本人も採用に応じておるようなこともございますので、そういう面につきましてはなお一層職員の意向を聞き、十分尊重をした異動をやっていかなければならないというふうに心得ておるわけでございます。 なお、職員組合と個別の異動につきまして協議をしながらやるという点につきましては、私どもの方としましては、それは管理運営に関する事項に該当するものというふうに理解をいたしておりますので、それは個々の異動につきまして職員組合との協議をするということは従来から行っておりません。全般的な職員組合の意向というものは十分吸い上げながら、異動の措置につきましてはやっていかなければならないというふうに考えております。
○矢田部理君 職員個人からは意向を聞くけれども、配転その他については管理運営事項だから職員組合からは意向を聞かないかのように私は受けとめたんですが、そういう趣旨でしょうか。それはそうだとすれば大変な間違いなんでありまして、山崎委員から……。
○説明員(名本公洲君) 職員組合の方からも、職員組合といたしまして職員の異動につきましていろいろ希望、要望、そういうものが出てまいります。これにつきましては十分話を聞きまして、その意向に沿うように努力をしてまいりたい、かように考えております。
○山崎昇君 ちょっと関連。 いまの配転問題は、これは昭和四十四年に総定員法ができるときに、時の総理と、佐藤さんでしたが、私どもずいぶん議論をした。当時佐藤総理が私に答えたのは、転勤というのは労働条件の変更を伴うわけです。だから事前に本人の了解を得るようにいたします。言葉を変えて言えば、本人の了解のないような配置転換はいたしません。第二に、団体の役員等の場合にはその団体の了解を得るようにいたします。ここまで佐藤総理が答えられたんです。そして、当時の記録あるわけでありますけれども、あの総定員法と公務員法の分限の規定との間に議論があって、総定員法に関する限りは分限の規定はこれは死文でありますというのが、当時、荒木という行政管理庁の長官の答弁なんです。したがって、あの附帯決議というのは、その結果として無理やりな配置転換はいたしません、こういう約束になっているんですよ。 ですから、管理運営事項なんということで簡単にあなた方は考えてもらっちゃ困る。特に労働条件の変更を伴うわけでありますからね。生活が破壊されるおそれもあるわけだから、そういう点は十分あなた方は判断をして、この配置転換については慎重な扱いをしてもらいたい、こう思うんですが、どうですか。これは最後には行管長官からもお答えを願いたいと思います。
○説明員(名本公洲君) 総定員法制定当時、この委員会におきましてちょうだいいたしました附帯決議につきましては、私ども十分その御趣旨に沿うように運営してきたわけでございますが、今後ともその方向で十分職員それから労働組合の要望を聴取いたしまして、慎重な態度で職員の異動につきましては対処してまいるという決意でございます。
○山崎昇君 行管長官から……。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今回の行革に当たりましては、この参議院でなさいました決議の趣旨を尊重してやるべきものと心得ております。
○矢田部理君 厚生省その他も同趣旨のものとして受けとめてよろしゅうございますね。
○説明員(田中健次君) ただいまの御趣旨を体しまして対処いたしたいと思います。
○矢田部理君 そこで、配置転換については話があったんですが、たとえば支局が廃止をされるということになると、いわばその地域で採用された人たちは非常に遠隔地に行かなきゃならぬ。それも老齢であるとか婦人であるとか、あるいは用務関係の仕事をしている人は事実上むずかしくなるわけですよ。そういう場合の措置についても、前に生首などは飛ばさないなどということがたしか衆議院か何かで出ているようでありますが、直接首を切るとかやめさせるということじゃなくても、事実上やめざるを得ないような事態をも想定できるわけでありますが、そういう場合については、やめさせる以外の方法でできるだけ配慮をするというようなこともあわせて約束できますか。
○説明員(名本公洲君) 職員につきまして出血整理は行わないというのも当委員会の附帯決議になっておるわけでございます。私どもとしましては、その御趣旨に沿って今後対処してまいりたい、かように考えております。
○矢田部理君 次に、通産省関係につきまして伺いたいと思います。 通産省の関係では、鉱山保安監督部につきまして、四国を広島に、大阪を名古屋に統合すると、残されたところは四国と大阪に支部を置くということに法案はなっているわけでありますが、省の中で特に鉱山保安監督部を選定されたのはどういう経過と理由によるものでしょうか。
○政府委員(柴田益男君) お答え申し上げます。 通産省といたしましては、今回の地方支分部局の再編成につきまして種々の可能性について検討を行いました。行政管理庁とも相談して決定したところでありますが、この決定に当たりましては比較的共通した災害防止業務、たとえば石灰石鉱山の災害防止業務あるいは鉱害防止業務——鉱山の鉱害でございますが、たとえば瀬戸内海への排水とか煙の問題、こういう鉱害防止業務を遂行している名古屋と大阪、広島と四国の鉱山保安監督部の統合を行うことは適当であると考えまして決定した次第でございます。
○矢田部理君 鉱害防止等について共通項があるというのは、何も名古屋と大阪だけではないし、四国と広島の関係だけではないと思うんです。全国共通の課題でもあるし、そういう意味で連携をとったり共通の問題として対応しなきゃならぬブロックは率直に言ってたくさんあるわけでありますが、とりわけ、四国を広島にし、大阪を名古屋にまとめるということはどういうことかということを聞く前に、私が伺っているのは、通産省がいろんな部局を持っている中で、特にこの鉱山保安という関係にしぼったのはどういうことか。他のブロックだって共通項はたくさんあるし、また統一的な行政をやるわけですから、そういう意味での問題点は同じようにあるわけでありますが、鉱山保安ということにしぼった理由、もう少し明確にしてほしいと思います。
○政府委員(柴田益男君) 鉱山保安監督部にしぼった理由いかんという御質問でございますけれども、四国なりあるいは大阪なりの業務を見てまいりますと、鉱山数あるいは許認可件数あるいは検査数等々、広島なりあるいは名古屋に比べまして少ない、あるいは二局六鉱山保安監督部の中で一番業務の数が小さいというところも勘案してこの二つにしぼってきた次第でございます。
○矢田部理君 これも率直に言わせていただきますと、鉱山保安の仕事というのは、鉱山保安法を見るまでもなく、きわめて重要な現場的な作業なんですね。労働者の災害防止、全体としての危険防止から、地域住民に対する鉱毒鉱害を防ぐ、あるいは資源の開発等も含むきわめて率直に言えば重要な部署だというふうに私は受けとめているわけなのでありますが、したがってまた、通産業務の中でなぜそこを選んだのかということについては説得性を欠くというふうにも考えるわけでありますが、部を支部にした場合にどういう問題点が出てくるのかということを逐次伺っていきたいというふうに思います。 特に、鉱山保安法では鉱山保安監督部長にさまざまな権限を付与しています。これは他の省庁の事務分掌とは違った、法律でさまざまな権限を与えている。保安業務の重要さを示すものだというふうに思うわけでありますが、これが支部になった場合に——支部長ということになるんでしょうか、どういうことになっていくのか、権限の委譲その他がどういうふうに行われるのかということについてまず伺いたいと思います。
○説明員(柴田幹夫君) お答えいたします。 鉱山保安と申しますのは、先生御指摘のとおり、災害の防止あるいは鉱害の防止といった非常に人命にかかわります重要な業務でございまして、またそれとともに、機敏な対処ということが非常に重要になってまいります。かかる観点から、鉱山保安法におきましても部長に権限がきちっと定められておるわけでございますけれども、われわれ、今回の統合によりまして四国と大阪を支部という形にいたしました後も、部長の権限というものは事務の内部委任ということによりまして従来と変わらないような形で対処してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○矢田部理君 局部長が持っている鉱山保安法に基づく諸権限、これは法律事項になっているわけですね。したがって、これを支部長に与えるためには特別な法律が場合によっては必要だというふうにも考えられるわけで、内部的な問題としてだけでは処理できないのではないかというふうに思われるのですが、いかがでしょうか。
○説明員(柴田幹夫君) お答えいたします。 われわれの解釈といたしましては、事務の内部委任という形で十分対応できるものと考えております。
○矢田部理君 省令で決まっている権限、権限の根拠が省令にある場合には省内で可能でしょうけれども、法律で決まっている権限を委譲するためには別の根拠法令が必要だと思いますが、それはどう考えますか。
○説明員(柴田幹夫君) お答えいたします。 いろいろの法律におきましても、たとえば当省の法律では通産大臣はかくかくの権限を持っているという書き方になっておりますが、実際、すべての書類が通産大臣まで行くかと申しますと、やはり内部の専決処理という形で行われておるわけでございまして、この場合もそれと同様の事務の内部委任という形でやっていけるという趣旨でございます。
○矢田部理君 解釈じゃなくて、法律上の根拠ありますか。
○説明員(柴田幹夫君) 私の申しておりますのは事務の内部委任、専決処理という形でおろしていけるということでございます。これはかつての平、宇部の支部がございましたが、そういったときもそういう形でやっております。
○矢田部理君 それはおかしいじゃありませんか。 鉱山保安法で部長の権限として幾つか特定されておりますね、施設の許認可事務とか保安規程に関する部分とか、施業案の実施監督に関するものと、これは部長に法律が権限を与えているんです。支部長には権限を与えておりません。この許認可なり監督権限の重みを示すものだと思いますが、そういうものを勝手に、従来の慣行がどうであったかは別として、支部長におろすと、省内の処理だけで可能だというわけにはいかぬのじゃないですか。
○説明員(柴田幹夫君) お答えいたします。 ちょっと舌足らずかもわからなかったのですけれども、もちろん名ですね、いろいろ命令を出したりする名の面、これはもちろん部長という形になっておりますが、それを実質的にやっていくというのが事務の内部委任、専決処理で支部長が実質やっていけるというような形にしていきたいということでございます。 趣旨は、先ほど申しましたように、鉱山というのは一たん災害が起こりますと機敏に対処しなければいけない。そういうときに一々、四国の場合ですと広島にお伺いを立て、あるいは大阪の場合ですと名古屋にお伺いを立てる、こういうことをいたしておりますととても間に合いませんので、そういう内部委任という形でやっていきたいと考えておる次第でございます。
○矢田部理君 それができないと言っているんです、考え方がどうかは別として。 部長の判こを二つつくって支部長にも預けておくことになるんですか、そうすると。法律はそう言ってないんですよ。明確にこの権限を与えた者、与えてない者、特にこれは司法警察員としての資格を持つ者も含まれているわけですから、普通の行政内部の事務分配、権限配分とはちょっと質の違う性質のものなんですね。
○説明員(柴田幹夫君) お答えいたします。 お言葉でございますけれども、われわれといたしましては、事務の内部委任で業務に支障がないような形でやっていきたいと考えておる次第でございます。
○矢田部理君 ちょっと問題の本質を理解していないようだ。事務に支障があるかないかの問題じゃなくて、たとえば鉱山保安法の八条にはちゃんと、鉱山保安監督局長または鉱山保安監督部長はかくかくの、たとえば工事の着手を禁止したり、計画の変更を命ずることができる。こういうことで、職名といいますか、地位を特定して法文上規定をしているわけでありますから、それ以外の人が禁止命令や変更命令を出すことはできないんですよ。そんな代理とか委任に親しむ性質のものじゃないんですよ。そんな解釈はだめですよ。どうしてもやるのなら、鉱山保安法そのものを改正しなけりゃこれは筋が通らない。
○説明員(柴田幹夫君) われわれといたしましては、もちろん鉱山保安法の権限というのは局、部長という形になっておりますけれども、それを事務の内部委任ということでやっていく、したがいまして名はもちろん部長名ということでございますが、それの専決処理というものを支部長におろしていくということができるというように解釈しておる次第でございます。
○矢田部理君 そんなことが勝手にできるのなら、ここに法律で局長と部長だけに与えた権限、だれでもできることになるでしょう。そんなことができないのが法律で決めた趣旨なんですよ。その他の権限については、たとえば設置法なりしかるべき事務分掌に与えるということがあれば別として、ここに特定をされたのは、内部的にそういう範囲を拡張することはできない、この人たちに実は限定された権限なんです。行管庁、そうでしょう。うなずいておられる。 そんなことをやられたらこれは行政が乱れるし、特に保安監督という非常に重要な仕事について勝手なことがやられる。これはだめですよ。
○政府委員(佐倉尚君) この法律全般にかかわる問題でございますから、私からお答え申し上げます。 もちろん、その権限の委任その他ということはこの法律の規定で決まっているわけでございまして、法律の定めがない限りそれはできないわけでございますが、ただ内部事務の専決規程というものは、その権限を有する者の責任と権限において専決規程等を設けることはできるというふうにやっております。(「それは訓令でやるという意味、専決規程を訓令でつくるという意味ですか」と呼ぶ者あり)内部事務処理の問題としまして、専決規程を訓令等で定めるということでございます。
○矢田部理君 だから、それは内部的な処理を実際上どうやるかは別として、対外的には、支部長になろうとそれ以下の職員であろうと、判こさえ預けておけばできるんだということになったら、これは法律は乱れますよ。実際上の仕事は現場的な対応でやらざるを得ないでしょうが、最終的な判断とか結論とかというのは、判こ一つ預けて内部処理でやれるんだということにはならぬはずです。やっぱり部長なり権限を与えられた局長が目を通して決裁をするということがシステム的にできていなければどうにもなりません。特に鉱山保安というのは、そういう意味を込めて通常の法律と違った特別立法を使っているわけです。非常に危険業務が多い。人命の安全や財産の保全に直接かかわるということであるだけに、この権限規定、根拠規定をやっぱり明確にしているというふうに立法上思われるわけですから、通常の法律の内部委任とか分掌とかというのとは性質が違うものというふうに理解しなけりゃならぬと思うんですよ。
○政府委員(佐倉尚君) 先生お話しのように、対外的な権限と責任というものは法律によってはっきりと規定されているわけでございます。それを下部に法律の規定によらずして委任するということはできません。 先ほど申し上げましたように、内部の事務処理としまして、責任と権限のある者の判断によって内部的に専決規程を設ける等によって内部事務処理をやることは当然あるわけでございますが、その場合にも、対外的にはあくまでその権限と責任は、法律によって所有する者の責任と権限でございます。 いまお話しのこの鉱山保安監督関係の法文につきましても、当然一般のただいま私が申し上げましたようなことによって運営されているわけでございます。
○矢田部理君 内部的にどう処理するかはそちらの部内の問題でしょうが、これは禁止命令とか変更命令とか、いろんな措置を、あるいは監督権限の発動があるわけですが、それは対外的な問題でしょう、主として。それについてはここで特定をされた部長なり局長なりしかできませんと。それはいいですね。
○政府委員(佐倉尚君) そのとおりと解釈しております。
○矢田部理君 そうだとすれば、鉱山保安法の種々の監督指揮等の権限は支部長にはないと。にもかかわらず、実際は現場的には直ちに対応しなきゃならぬようなさまざまな危険とか鉱害とか人災とかということが起こる可能性を秘めているわけですね。また、現に起こっているわけであります。その場合に、部長が持っている権限は支部長に与えるんですから大丈夫ですよという説明では、ちょっと説明がつかないわけであります。 こういう問題を実際にどういうふうに処理していくか。きわめてこのブロック法の対象になったについては問題が多過ぎるというふうに考えるわけですが、その辺、いかがでしょう。
○政府委員(柴田益男君) 四国に新しくできます支部とかあるいは大阪の支部には、広島なり名古屋からいわゆる内部の事務委任という形で実質的に委任してまいりますので、保安行政の遂行上は実質的には問題はない。対外的には、先生が再々おっしゃっておりますように、責任と権限は広島の部長なりあるいは名古屋の部長が負うということになりますけれども、実質的な業務遂行上は内部の委任によりましてそれぞれの支部長が行うということでやってまいるということにしております。
○矢田部理君 いや、説明にならぬでしょう。 内部処理は、私も結構だと言うわけにはいかぬが、そういうこともあり得るだろうと。しかし、この鉱山保安法で規定しているさまざまな権限条項、指揮監督等々の行政措置は全部対外的な問題ですよ。内部的には大丈夫ですから実際も大丈夫ですということにはならぬので、対外的な関係の処理がこれではできなくなると。内部的にはなあなあでもあるいはできるかもしれません。対外的にはもう少し厳格に権限と責任をやっぱり明確にしなきゃならぬ性質のものなんであります。その点で、どうしても支部長に実際上のそういう仕事をさせるということになりますれば、当然鉱山保安法の改正を伴わなければ対外関係の具体的な指揮とか監督はできないと。その点でこの法案はやっぱり見直されるべきだというふうに考えていますが、どうですか。
○政府委員(柴田益男君) お答えいたします。 先ほど保安課長の方からもちょっと先例を申し上げましたが、かつて平の石炭の支部とかあるいは宇部の支部と同じように、東京の監督部あるいは広島の監督部から支部長に事務委任を行いまして実際やってきた経緯もございまして、保安行政を円滑に遂行した経緯もございますので、われわれといたしましては、法律の改正ということではなくて、こういう事務委任で十分やっていけると、そういうふうに理解しております。
○矢田部理君 従前、慣行的にやっていたとかということは根拠にならないんです。それは間違っている。内部的な処理はともかくしてと、対外的にはできないというのは行管庁のいまの態度でもあるわけだから、対外的な関係が、単に権限の問題じゃなくて、責任の問題としても問題になるわけです。だれが指揮したのか、だれが行政命令を出したのか、そんなことを内部的な処理でできるはずはないんで、もう一回検討して正式に答えてください。いまの説明では納得できません。したがって、この件についても留保をしておきたいと思います。時間がだんだん迫ってきたので、質問をここは留保しておきます。 それから、現状を考えてみますと、現状でも保安監督部の仕事は生命、財産を守るについて十分な機能ができていないと、十分な仕事が行われていないというふうに考えられます。で、どういうことかといいますと、実際問題として、現に生きている鉱山もありましょう。それから閉山した山もあるわけでありますが、そういうところの保全管理、危害防止等々については非常に現場的な仕事が大部分なんですね。なぜできていないかということになりますと、現地の実態を見ると、一つには、定員が非常に不足しているんです。まあ定員法その他の枠で厳格にしぼられていることもあるわけでありますが、たとえば幾つかの事例を挙げてみますと、定期的に巡回検査をやらなきゃならぬことになっているわけです。企業の規模その他の格によって定期性、定期的なものが予定をされているわけでありますが、実態としては予定をされた六割程度しか巡回が消化できていないという状況もあります。 あるいはまた、堆積場の管理などがもう一つ重要な仕事とされているわけでありますが、この堆積場というのは、カドミとか水銀などの重金属あるいはシアンなど、毒性の強いものが実はその堆積場にはかなりあるというふうに言われているわけでありますが、こういうものが流出をいたしますと、近隣の住民や河川に大変な被害、莫大な損害を及ぼすことになるわけでありますが、こういうところに対する管理、検査等がきわめて不十分。 時間があれば詳細に事実を出してもいいと思うんでありますが、あるいはまた、鉱山の火災発生率とか事故等考えてみますと、最近、昔よりは減ったと言われておりますが、それにしましても他産業に比べて依然として事故等が多いわけでありまして、したがって鉱山の監督保安という業務は一日たりともおろそかにできない。さっきも答弁でお話がありましたように、場合によっては災害が起さたということになりますれば、非常に緊急性を要する。それが、権限も責任も不明確なまま、内部的にはあるいは慣行的にやってきましたというだけで処理をされるということになりますと、今後行政攻革という、とりわけこの一省一ブロック削減という観点からは何か意味があるのかどうかは知りませんけれども、実態的には大変に問題が残る職場なんですね。形式的に押しつけたのも問題だし、通産省がまたこの鉱山保安監督に焦点を当てたのも問題が多いわけでありますが、そういう点について通産省は一体どういうふうに考えているのか。他の省庁とここだけはやっぱり違う。現場を始末をするときには、やっぱり現場の実態なり問題点なりを十分に把握して問題に対応していきませんと、ただ帳づらを合わせるためにだけやるということになりますと多くの問題を残すということの一つの証左になろうかと思うのでありますが、改めて通産省の見解を求めたいと思います。
○政府委員(柴田益男君) お答え申し上げます。 先生まさにおっしゃったとおりでございまして、鉱山保安行政、時代の要請に従いましてますます重要になってきているわけでございます。われわれもそういうことを背景にいたしまして、過去ずっと増員要求をしてまいりました。来年度につきましても、この鉱山保安監督の行政につきましては四名の増員要求をし、そういう仕事の需要に応じてまいりたいというふうに考えておるわけでございますけれども、今回の四国と広島あるいは大阪と名古屋、こういう統合によりまして広域的に保安行政に対応し得るという新しい行政効率化の観点も入ってまいりましたので、こういう対応もできますもので、こういう新しい統合によってなおかつ鉱山保安行政が充実強化するような運営をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○矢田部理君 先ほどの権限の問題については、質問を留保しておきますから、もう一度明確に内部的にも整理をしてお答えをいただくことにしまして、あと私の時間は幾らもありませんので、林野の問題に移っておきたいと思います。 きょうは、実は農水大臣に出席をいただきまして、とりわけ今度の行革の中で大きな問題を抱えている林野の問題については質疑を行いたいと思ったのでありますが、農水大臣が出席をしません。したがって、別の機会に出席を求めて、改めてその問題については触れていきたいと思いますが、せっかくきょうは林野庁の方でお越しをいただいておりますので、林野庁としての考え方を一、二点伺って、きょうのところは私の質問を終わりたいと思います。 一つは、これは前々から議論があったところでありますが、五十三年に林野事業の改善のためにということで、御承知のように改善特別措置法をつくりました。この特別措置法は、改善計画を立てて、今後十年間で改善を図っていくということでずっとやってきているわけであります。で、まず行管庁長官に伺いたいと思いますが、この改善特別措置法は林野に関する行革の一環だという位署づけ、意味づけをしておられるのかどうか、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(佐倉尚君) お話しの国有林野事業改善特別措置法、これは当然その林野事業の中身等に改善を加え、できるならば簡素化、能率化というものを目指しているという意味において、やはり行政改革の一環としてもいいんじゃないかというふうに考えております。
○矢田部理君 行政改革の一環としてもいいじゃないかということじゃなくて、林野における行政改革そのものであるというふうに私は理解をするのでありますが、それが改善特別措置法で五十三年に決められた、御承知のとおりであります。その特別措置法に基づいて統廃合も含めて機構の簡素化、長官の言うところの簡素化やさまざまなことを具体的にもうやっているわけですね。北海道で五つの局があった営林局を一つにまとめて他の四つは支局化したなどもその一つの重要な中身になるわけであります。そういうことで着々と法に基づいて実際上の行革が進んでいる。それはそれとして、その改善をこの十年間やるということになっているわけです。で、六十三年までそれが続くことに実はなるわけですね。ところが、今度その上にもう一つ、実はブロック法ということで行革案が出たわけです。これは五十九年度末までに一局、もう一つつぶしなさい、こういうことになっているわけです。同じ法律でありながら、他の省庁に関する部分は言うならばどのブロックをどう統廃合をするのかということが指定をされているのでありますが、林野に関する限りその指定がなくて、とにかくどこでもいいから一つつぶしなさい、こうなっている。統合しなさい、こうなっている。まことにこの全体のバランスから言えばおかしな形の法文に実はなっているわけでありますが、その点が一つ。 それからもう一つは、十年計画でいまずっと走っているわけです。六十三年まで全体をこの改善計画で進みなさいと、進めているわけです。そして、六十三年になったら改めてその後どうするかを検討しなさいと法は実は命じているわけであります。そういう基本的な法律が行革に関してあるにもかかわらず、今度は五十九年度末までにもう一つつぶしなさいということのかぶせ方をしているわけであります。これがいずれも法律で決められているわけでありまして、法の整合性から見ても、どう見てもおかしい。五十三年にスタートした改善計画は、まだスタートしたばかりなんです。 こういう実は矛盾に満ちたやり方をとっていることはいかにも納得しがたいところなんでありまして、その点で、一つには農水省に一局一ブロック削りなさいと言った場合、なぜ農水省は林野庁に改善計画という法律を事前につくって現に進めておりながら当てたのか、どうして行管庁もそういう協議に参加をしてこういう法律になってきたのか、法律の整合性、内容の問題点等も含めて、きょうはそろそろ時間でありますから、行管庁と農水省からそれぞれ、あるいは林野庁も含めて伺っておきたいと思います。
○政府委員(佐倉尚君) ただいまのお話でございますが、特別措置法の方はお話しのとおり六十三年までということでございます。ブロック整理法案に盛られております中身は、御存じのとおり五十九年度末までという期限で行っておるわけでございますが、ブロック整理法案の方は営林局の統合という問題に一応限定して考えているわけでございます。 それで、改善特別措置法の方の進捗状況に合わせてその期限までに営林局の問題について結論を出していただき、五十九年度末までにどこかを一つ統合していただくということは可能であろうということで、こういうふうにお願いしているわけでございます。でございますが、ただいま御指摘のありましたように、どこをということが盛られていないわけでございますけれども、これはお話しのとおり特別措置法の方の進捗状況ともにらみ合わせ、また各種の問題を考慮して決めていただくものというふうに考えております。
○矢田部理君 ちょっと法文読んだだけでもおかしいと思いませんか。特別措置法は六十三年までにずっと進めて、その結果を待って次やろうと、十年間の構想で現にそれを進めてきている。つまり、十年という予定で全体を進めるわけですね。ところが、今度のブロック法では十年をたたずして五十九年度末までにやれと。これはもう少し法文に即していずれ各論をやりますけれども、だれが聞いたっておかしな話じゃありませんか。林野庁なり農水省、一曹だけきょうは答えてください。
○政府委員(須藤徹男君) 本法案におきます営林局分の規定は、結論的には営林局という組織機構のみを重点的に対象にしておるわけでございますが、いまお話しの国有林野事業改善特別措置法附則第二項におきましては、改善計画の実施状況及び収支の状況について検討を加え、というように、検討の対象は組織機構のみならず、要員関係、事業の能率性、収支状況等きわめて幅広い範囲のものとなっておるわけでございます。その意味では、国有林野事業改善特別措置法附則第二項と本法案との関係は、検討の範囲において全体と一部の関係にあるとみなされ、かつ検討の時限が昭和六十年三月三十一日というふうにされておること等から見まして、本法案は国有林野事業改善特別措置法附則第二項の特則的な規定ではないかというふうに理解をしておるわけでございます。
○矢田部理君 五十三年につくったばかりの法律で、改善計画でうまく進んでいないとかその後の特別な情勢変化があったとかということなら別として、それよりも早めてやらなきゃならぬという特別の事情が何かありますか、特別措置法は基本規定、これは特別規定だというようなのはいかにもこじつけじゃありませんか。 いずれにしてもこの問題は、少しく問題が経過的にも内容的にもあり過ぎますので、いずれ農水大臣の出席を求めて、改めて本格的な論議をしていきたいと思います。 野田委員の質疑が予定をされておりますので、きょうはこの程度で私終わります。
○野田哲君 今回の行政改革の問題ですが、中曽根長官には、いろいろ政府委員とやりとりをして、最後に見解を承りたいと思うんです。 ただ私は、先ほどの矢田部委員の質問の中で長官の原則的な考え方も承りましたけれども、国の行政機構の改革という問題になってくると、やはり私は一番しっかりして前提とならなければならないのは、一つは国家目的が一体どこにあるのか、そして政策体系、これと整合性を持ったものでなければならないと思うんです。八〇年代の日本の政策ビジョンというものが、社会保障制度はどうするのか農業はどうするのか交通政策はどうするのか等々の政策体系というものがまず明らかにされて、それに見合っての行政機構、こうあらなければならないと思うんです。戦前戦後の大きな機構改革は大体その点が、よしあしは別にして、はっきりしていたと思うんですね。たとえば東条内閣のもとで進められた大きな行政機構改革、軍需省を設置したりあるいは大東亜省を設置したりというようなときに、明らかにこれは戦争遂行という目的に向かって行政機構が大きく改められていったという点。戦後の大きな行政機構改革、これは戦争遂行体制に向かっての行政機構を民主化をしていく、これが基本になっていたと思うんです。 これらの議論は、いずれ中曽根構想のもとに提案される第二次臨調のときに改めて長官の見解を承りたいと思うわけでありますが、今回出されいる支分部局の問題でありますが、私はこれはそういう点から考えていかにも画一的、機械的過ぎはしないか、各省庁それぞれどこか一つずつつぶすところを持ってこいと、こういうような形で取り扱われているんじゃないかという気がしてならないわけなんです。先ほどの矢田部委員の質問の中でも議論されておりました九州の財務局の問題でも、一昨年の提案は熊本を廃止をする、こういうことであったわけです。それが今度は北九州の方を廃止をする。まさに行政機構という問題でこれほど朝令暮改もはなはだしい例はないと思うんです。 もう一つ私は、今度の行政機構改革では四国を総体としてはつぶしていく、こういう構想が一貫して出ているんじゃないかと思うんです。桧垣さんもここにおられますが、四国がつぶされているんですよ。内閣委員長のところも一番これは便利が悪くなるんですよ。四国をつぶして、四国にある行政機構を、日本地図を開いてみたら、瀬戸内海の向こう側に広島があるから、あそこにくっつければ一番早いんじゃないかというきわめてこれは便宜主義的な安易な考え方だと思うんです。私は広島ですから、四国の状態もある程度通じておりますけれども、四国の実情から言えば、たとえば交通経路一つをとってみても、四国から広島へ向いての交通経路というのは松山のところから広島へ向かっての船便が一本あるだけです。飛行機や汽車の向いているのは、すべてこれは東京か大阪へ向いているんです。四国から出た汽車が宇高連絡船で渡って、宇野線を経て岡山からこう下って広島に向かっている汽車は一本もないんです。ダイヤもすべて岡山での乗りかえのダイヤというのは上りの方向へ向いてのダイヤに合わしてあるんです。商業圏にしても経済圏にしてもあるいは婚姻関係にしても、広島との関係というのはほとんどないんです。それを海を渡って一番近距離にあるからということで広島にくっつけるというのは、私は現地の事情を全く無視していると思うんです。内閣委員長のところの高知県の中村、宿毛の方から広島へ行こうとすれば、朝早く立って広島へはもうかなり深夜でなければ着けないんですよ、これは汽車に乗って行く場合。飛行機の便は 一本もないんです。高知県などから大阪へ行こうとすれば飛行機の便は幾らもあって、高知からですと一時間あれば大阪へ着けるわけです。そういう面から全くこの実情に合っていない。こういう点をまず私は指摘をしておきたいと思うんです。 具体的な問題で、まず新潟の問題について伺いたいと思うんです。 新潟の海運局を廃止をするということになっています。これも海運行政の実情を見ると、どこか一つつぶすところを持ってこいということで結局新潟がつぶされた、こうとしか思えないわけです。今度の海運関係の行政機構図を見ると、表現は悪いかもしれませんが、日本列島を輪切りにして全部日本海側を太平洋側の海運局で受け持つ、こうなります。たった一つだけあった新潟の海運局をつぶしてしまうわけです。海運関係から言えば、日本海は全然なくなってくるわけですから、日本海の海の状態あるいは気象条件というものと太平洋側の気象条件というのは全然違うわけですね。それを日本海の海運行政を新潟をつぶして横浜で受け持とう。こういう状態になっているわけですが、運輸省の海運局に聞きたいわけですけれども、どうして数ある海運局の中で日本海側にたった一つあった新潟の海運局をやり玉に上げてつぶさなければならなかったんですか。
○政府委員(永井浩君) 運輸省の海運関係の出先機関といたしましては十の地方海運局があるわけでございますが、この中で新潟海運局は、相対的な問題でございますけれども、管轄区域が新潟県、長野県の二県で非常に狭いということと、それから業務量が他の海運局に比較いたしまして相対的に少ないと、こういうことで新潟海運局を関東海運局に統合すると、こういうことにしたわけでございます。
○野田哲君 そういたしますと、新潟海運局の管内には佐渡島も含まれているわけですが、現地の人たちはこれからは、いろいろ運輸省に海運の問題で登録をしたり許可をもらったりするのは、全部これ横浜へ足を運ばなければならないと、こういうことになるわけですか。
○政府委員(永井浩君) 新潟海運局を関東海運局に統合いたしましても、新しい組織といたしまして新潟に海運監理部を置くということにいたしております。この海運監理部につきましては、この御審議中の法案の附則で書いてございますように、各実体法の大臣の権限の委任規定を従来の海運局長と同様に監理部長に委任できる、こういう形にしておりますので、関係者あるいはその他一般の方が横浜までおいでいただかなくても新潟で従来と同様な事務処理ができる、このようにしたいと考えております。
○野田哲君 全然変わらないんですか。同様にとあなたは言われたが、全然変わりませんか。
○政府委員(永井浩君) そこの法律に書いてございますように、管内全体の企画とか調査、こういったものにつきましては関東海運局で取りまとめますが、そのほかのたとえば海上運送法の海上運送事業の監督とか、あるいは港湾運送事業の監督あるいは船舶の検査、船員問題の取り扱い等については従来と同様にしたいと、このように考えております。
○野田哲君 それは将来ともに全然変わらないと、こういうことですか。
○政府委員(永井浩君) 将来大きな経済情勢の変動等がある場合は別にいたしまして、当面変えないつもりでおります。
○野田哲君 先ほどの矢田部委員の議論の結局同じ蒸し返しになるわけですが、われわれが審議をして法律を変えて新潟海運局は廃止になる。こういう法律を決定をしても中身はちっとも変わらない。こういうことであれば、何のためにこれは法律で廃止を提案をしているんですか。意味がないじゃないですか。
○政府委員(永井浩君) 先ほども申し上げましたように、全般の政策の基礎になりますような調査とか統計とか、そういった共通問題につきましては関東海運局が自分の手で処理をするということでございますが、事業者その他国民の方と直接接触するような事務については従来どおり海運監理部で処理する、こういうことでございます。
○野田哲君 そうすると、もしこの法律が成立したときには、その時点においても将来変わりないということであれば、新潟から横浜にこの法律改正が行われたために転勤になる人——局長というポストはなくなるでしょうが、それ以外は職員の異動はないと、こういうことですか。定数の異動もないと、こういうことですか。
○政府委員(永井浩君) 先ほど申し上げましたように、調査、統計等の、あるいは企画事務につきましては関東海運局に移管いたしますが、その他の事務については従来どおり海運監理部で処理いたします。ただ、内部の組織、定員につきましては、現在行政管理庁と協議中でございます。
○野田哲君 法律を改正をしても仕事については、統計とかあるいは企画とかそれ以外の業務はちっとも変わらない、こういうことであれば法改正は必要ないじゃないですか。内部運営でできるじゃないですか。どうですか、行政管理庁。
○政府委員(佐倉尚君) ただいま海運局長の方から御答弁がありましたけれども、新潟海運局を廃止しまして海運監理部ということにすることによりまして、対国民への行政サービスはなるべく低下させないという意味におきまして、その面の事務はできるだけ監理部に残す、ただ一般の共通管理業務等できるものは関東海運局の方へ移管するということでございます。海運監理部の内部組織をいま申し上げました事務に合わせてどのように組織するかというのは、現在運輸省と相談して詰めているところでございますが、少なくとも共通管理部門その他について簡素化が図られるものというふうに考えております。このブロック整理沖は、やはり各組織の簡素化、効率化が趣旨でございますので、その点はぜひ簡素にして効率的な処理機関にしたいというふうに私どもは考えております。
○野田哲君 あなたは住民との関係はなるべく変えないようにと、こう言ったわけですよ。海運局長は全然変わらないんだと、こう先ほど答えられたんです。住民の関係については全然変わりませんと、変わるのは企画とか統計等内部業務が変わるだけで、住民との、国民との関係は全然変わらないと、こう言われたんですが、あなたはなるべくと言うんですが、全然となるべくとどこがどう違うんですか、具体的には。それははっきりしてくださいよ。
○政府委員(佐倉尚君) 新潟海運局廃止に伴いましてその後に置かれる海運監理部の組織等につきましては、先ほど申し上げましたように予算編成過程と並行しまして現在詰めているところでございますが、国民に対する、民間に対する行政サービスというものはできるだけこれを落とさないでやっていくと、なおかつ簡素効率的な組織をつくる、再編成をするということでございますが、私がいま申し上げましたのは、少なくとも一般共通管理業務的なものはある程度の簡素化が図られるのではないかというふうに申し上げたわけでございます。どういう権限等を残すか、あるいは関東海運局の方に移すかということも目下詰めているわけでございますが、趣旨としましては、できるだけいま申し上げましたような対国民への行政サービスを落とさないで、なおかつ簡素にして効率的な組織をつくっていくということの兼ね合いでございますので、両方の趣旨がどのように生かされるか、どこに接点を求めるかということで現在詰めているところでございます。
○野田哲君 海運局長に再度伺いますが、あなたは対国民との関係、国民の皆さんには利便は全然変わらないんだと、こういうふうに言われたわけです。行政管理庁の方はなるべくとかできるだけとか、こういうふうに言われたんですが、明らかにこれは幾つかはやはり変わってくる。国民の側からすれば、新潟で処理されていたものが横浜まで行かなければできないような部分ができる、こういうニュアンスがあるわけですが、担当局長、その点はどうなんですか、もう一回伺いますが。
○政府委員(永井浩君) 御審議いただいております法案の附則で、新潟海運監理部長は従来の海運局長と同等の権限が行えるような委任規定をそれぞれの実体法を改正いたしましてできるという形にしておるわけございます。その中身につきましては政令あるいはは省令でそれぞれ決まるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、国民あるいは部外者の方との関係は変えないという基本的な考え方を私どもは持っております。
○野田哲君 部外の人との関係は変えない、それが貫かれればそれで私は結構だと思うんです。将来的にもそうであればいいと思うんですが、そうなってくると、私どもこの行政機構改革の問題を一生懸命に議論する。議論して、たとえば新潟海運局は廃止をするという議案が提出をされた。この是非について議論をしているわけですけれども、あなた方の方では、法律が通っても局長の権限は内部の規定によって現地に残してくるんだから、国民との関係ではちっとも不便を与えるようなことはないんだと。局長の権限が局を廃止しても現地へ残るんだったら意味がないじゃないですか、この法律は。そんな簡単なものなんですか、局長の権限というのは、こうなってくると、これはやっぱり私は最後に長官の意見を伺いたいと思っていたんですが、どう感じられますか、これ長官。
○国務大臣(中曽根康弘君) 行革につきまして、大局的なところは簡素効率化ということで押さえて、そして局部局部になりますと、各論的部分におきましては摩擦も起きますし、あるいは国民の皆さんにサービスが低下するおそれのあることも出てくることは事実であると私は思います。しかし、それを極力防いで、そして大局的な簡素効率化という大目的を達成するということがこの苦しい立場でやる行革の立場にあると、正直に申してあると思うのであります。 そこで、監理部を置きまして、権限はもとのままにできるだけしておくようにして実務的に支障を来さないと、そういう配慮でこういう規定ができたのでありまして、実務的に支障を来さないようにわれわれも配慮して行っていかなければならぬと、こう思っております。
○野田哲君 そういたしますと、海運関係では局長は確かに一人減りますね。新潟海運局長というポストはなくなる。しかし、対外的な分野の権限は部内の規定によって委任をしていくから、対外的な処理はすべて現地でできるんだと、こうなってきますと、これは行政管理局長、人事院でないと正確な答えができないかもわかりませんが、こういう問題になってくるとは思わないから人事院は出席を求めておりませんが、公務員には等級がありますね。権限がそのまま残るんであれば、この残った新潟におけるポスト、等級というのは一体どうなるのかという点、人事管理の面で当然私は問題が生じてくると思うんですが、その点に関連をして行政管理庁と海運局両方から伺いたいんですが、いまの新潟の海運局長は国家公務員俸給表の何等級ですか。指定職ですか、それとも一等級、二等級、どうなっているんですか。
○政府委員(永井浩君) 行政職俸給表(一)の一等級でございます。
○野田哲君 横浜の局長はどうなっていますか。
○政府委員(永井浩君) 標準定数は指定職でございますが、現在局長の職にある者は一等級でございます。
○野田哲君 そうすると、新潟を廃止をして部になったときの部長の等級というのはどうなるんですか、これは。
○政府委員(永井浩君) 内部組織、定員並びにそれぞれの給与につきましては、今後関係省庁と詰めていきたいと、このように考えております。
○野田哲君 行政管理庁の管理局長、いまお聞きのとおりですね。現在は新潟の局長は行政職の一等級、それから横浜の局長も指定職のあれになっているけれども現実には行(一)だ。で、新潟の今度局が廃止になったときの部長のポスト、これはこれから相談するんだと、こういうことですけれども、権限を全部委任をするんだったら一等級で残さなきゃならぬでしょう。どうですか、その点。
○政府委員(佐倉尚君) 職員の等級に関する問題は私どもの所掌ではございませんけれども、ただいまの権限を全部残すかどうかという話でございますが、先ほどからの海運局長の答弁にもありますように、対民間の許認可権限等、こういうものはおおむね監理部に残すのがよろしいんじゃないか、これはやはり行政サービスの低下を極力抑えるということでございますので。ただ、ほかにもいろいろあると思いますが、そういうものでできるものは関東海運局の方へ移す、それによって組織を簡素効率的に設置するということの趣旨を貫こうとしているわけでございますので、その場合のいまの新潟海運局長とそれから後に置かれます海運監理部長とのグレードがどうなるかということと直接関係があるかないか、その辺の議論からしなくちゃなりませんと思いますが、それは、その等級を扱う関係機関がいろいろ御判断いただくことになるというふうに思っております。ただ、権限関係ではいまのようなことでございます。
○野田哲君 こうなると、これはやっぱり人事院にも来てもらって議論しなきゃ。人事管理の面と行政機構の面、やはり整合性を持たなければいけないと思うんですよ。権限は全部委任するんだというんであれば、これは肩書きは変わっても職務と権限によって等級が決められるということになっているんだから、職務は変わらないんだということであれば、当然これは等級もそのまま一等級で続けていかなければならないと思うんですよ。これは一昨年でしたか、行政管理庁は承知されていると思うんだけれども、北海道の営林局をずっとみな支局にしましたね、札幌だけにして。そのときの支局の長は全部もとの等級で残しましたね。あの例もあるんだからね。そうなってくると、結局はこれ何のために行政改革だということで大きな議論をして法律改正するのか、意味がないじゃないかということですよ。そっくりそのまま残して従来どおりやっていっていいじゃないかと、こういうことになってくるわけです。 きょうのところは、そういうことで私は新潟の問題一つを問題にしたわけですが、これは法案全部に共通をした問題があると思うんですよ。そういう点を指摘をして、次の問題に入っていきたいと思うんです。 先ほど矢田部議員のやりとりの中でも出ておりましたけれも、今度の行政改革の法案に関連をして、鉱山監督の行政の問題でやりとりがありました。具体的な事項について伺っていきたいと思うんですが、警察庁は見えていますか。——新聞報道がかなり大々的にされておりますが、兵庫県警で九月に捜査が行われた、大阪に本社のある扇谷興業、それから姫路にある西興物産、東京の伊藤商会、それから姫路市の近藤商店、これらの商社に係る外国為替管理法違反事件、この経過なり処理について、現地の事情を報告を受けておられると思うんですが、述べていただきたいと思うんです。
○説明員(斉藤明範君) ただいまの御質問の事件は、非鉄金属あるいは鉱産物等の国内販売あるいは輸出入を業としておりますいま御指摘の四業者が、昭和五十三年三月から五十四年十一月までの間に大手鉱山二社でございますが、これから硫化砒素滓を仕入れまして、これを韓国の業者に亜砒酸の精製原料といたしまして輸出した事件でございます。で、輸出しておきながら、なおかつその上にこの四業者が韓国の業者へ五千六百万円支払っておる事件でございます。 この事件につきましては、兵庫県警の報告によりますれば、四業者が合計五千六百万円を韓国の業者に対して許可なく支払ったという外為法第二十七条一項二号違反、つまり非居住者に対する支払い、これらの違反で去る九月二十七日神戸地方検察庁に送致した事案でございます。 送致事実の概要を申し上げますと、被疑者等は銅製錬の過程で発生する硫化砒素滓が砒素等を含有しており、処理に困っていることに着目をいたしまして、国内の大手製錬所に働きかけてこれを買い受け、これを亜砒酸の原料として処理費をつけて韓国に輸出し、その見返りとして製錬所から白煙灰等の別の中間原料を有利な条件で買い取り利益を得ることを企てて、五十三年五月二十三日から五十四年十一月十九日までの間、五回にわたって硫化砒素滓約千二百八十一トンを韓国ソウル所在の非鉄原料商社でございます大志産業に対しまして輸出し、亜砒酸を取るための処理費として、五十三年七月十日から五十四年七月十九日までの間、四回にわたり、いずれも大阪市所在の扇谷興業株式会社の応接室において、来日しました非居住者である大志産業の代表者金斗宗に対しまして円貨現金及び小切手によりまして合計五千六百万円を不正支払いしたものでございます。
○野田哲君 大手の二社というのはどこであるのか、それからその大手の二社の砒素滓が出た場所は一体どこであるのか、この点明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(斉藤明範君) 大手鉱山の二社は、ちょっと本社の所在地はわかりませんが、出た場所でございますけれども……
○野田哲君 いや、名前とどこの事業所か。
○説明員(斉藤明範君) 日本鉱業株式会社佐賀関鉱山の佐賀関製錬所が一つでございます。それから、住友金属鉱山株式会社別子鉱山東予製錬所の二か所でございます。
○野田哲君 この砒素滓というのは、これは硫化スライムあるいは黒ペレット、こういうふうな名前のものですか。
○説明員(斉藤明範君) 業界の間ではそういうふうに通称呼ばれておるというふうに聞いております。
○野田哲君 それからもう一つ、処理費の見返りとしてこの中間原料を云々というところがあります。これは白ペレットと呼ばれているものですか。
○説明員(斉藤明範君) いろいろ呼び方がございます。先ほど白煙灰というような言い方をいたしましたが、白煙灰だとか、含銅スライムとか、そういうものでございます。
○野田哲君 この砒素滓、これらの鉱業廃棄物、これは鉱業廃棄物の処理等に関する基準を定める省令というのがあるわけですが、この中で定めている有害廃棄物に該当すると思うんですが、そういうことですね。通産省でも警察庁でもどっちでもいいですが。
○説明員(弓削田英一君) 御案内のとおり、鉱山保安法におきまして鉱業廃棄物ということで規定を設けているわけでございますが、この鉱業廃棄物は鉱業の実施によりまして生じました不要物でございまして、ばいじん、鉱滓等をいうと、こういうことに実は金属鉱山等保安規則で規定されているところでございます。で、この場合、不要物というのは一体何かということになるわけでございますが、みずから利用しまたは他人に有償で売却できないために不要になったものと、こういうふうに私ども解しているわけでございます。
○野田哲君 ことしの九月に、先ほど報告がありましたように、兵庫県警で捜査された扇谷興業、西興物産、伊藤商会、近藤商店等の外国為替管理法違反事件、このことに関連をして住友金属鉱山別子事業所、それから日本鉱業佐賀関製錬所から出た鉱滓、硫化スライム、黒ペレットが砒素鉱滓の不正輸出じゃないか、こういうことで大変大きく報道されたことは通産省も承知をされていると思うんです。 そこで、通産省に具体的に伺いますが、鉱山保安法の三十五条では、先ほど矢田部議員との間のやりとりにもいろいろ出ておりましたが、「鉱務監督官は、保安の監督上必要があるときは、鉱山及び鉱業の附属施設に立ち入り、保安に関する業務若しくは施設の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査し、又は関係人に対して質問することができる。」、こういう規定があるわけですが、この条項に基づく立入検査といいますか監督といいますか、これをやられていると思うんですが、その点はいかがですか。
○説明員(弓削田英一君) この問題が発生いたしまして、通産省といたしましては本年三月以降、この二社のみならず、すべてのこういう製錬所を持っている会社に対してヒヤリングを行うと同時に、この二社に関しましては、それぞれこれを所管しております福岡鉱山保安監督局並びに四国鉱山保安監督部において、先生御指摘のような調査をいたしておるわけでございます。
○野田哲君 金属鉱山等保安規則というのがありますね。この金属鉱山等保安規則によりますと、第四条で「鉱業権者は、保安日誌その他の記録を二年以上保存しなければならない。」、それから二百九十九条ですか「鉱業権者は、有害鉱業廃棄物の一月ごとの種類別発生量並びに運搬及び処分の方法ごとの量並びにその年月日(運搬及び処分を他人に委託する場合を含み、受託者の氏名は名称、住所及び許可番号を含む。)を帳簿に記載しなければならない。」「前項の帳簿は、五年間保存しなければならない。」、こういう規定があります。 そういたしますと、通産省としては、この立入検査によって、この金属鉱山等保安規則による規定で、日本鉱業の佐賀関製錬所なり、あるいは住友金属鉱山別子事業所から発生する砒素を含んだ鉱滓の発生状況、あるいはそれがどのような形で処理をされていったのか、こういう状況についてはそれぞれ詳細に把握をされていると思うんですが、いかがですか、この点は。
○説明員(弓削田英一君) 先生御指摘のとおり、ただいまの各事項につきましては、規則に基づいて保安日誌に記載される内容でございまして、先ほども申しました現地調査の際にも、福岡鉱山保安監督局並びに四国鉱山保安監督部の監督官はこの日誌を見ているわけでございます。私ども、この両局部の調査結果によりますと、砒素を含みます鉱滓でございますか、これの発生状況等でございますが、先ほど通称黒ペレットということで、これは住友金属鉱山の東予製錬所で通称そう呼んでいるわけでございます。これの発生状況でございますが、最近三年間程度を申し上げますと——発生状況、私、あるんでございますが、ちょっと見当たらないんでございますので、保管状況から申し上げますと、私ども現地調査を実施した際に保管してございました黒ペレットは合計二千百九十一トンでございまして、貯鉱の一部をブロックで区画をいたしまして、ばら積みで保管していると、こういう状況でございます。 それから、これの搬出実績でございます。五十二年から五十四年度にかけまして、各年度若干の数字の違いはございます。トータルで約千六百トン、黒ペレットが外部へ搬出された、こういうことを確認をいたしております。それから、日本鉱業の佐賀関製錬所でございます。保管状況につきましては、この検査当時千五百二十トンを製錬所に保管をしておりまして、それぞれ外部へ流出をしないように貯蔵ピットでございますとか、あるいはコンテナバッグ等に入れまして保管しておりまして、これが合計千五百二十トンでございます。それから外部への搬出状況でございます。これも住友のケースと同じように若干年々差がございますが、私どもの調査したところによりますと、五十三年の三月から五十四年の九月にかけまして約七百三十トン、この場合、日鉱佐賀関の場合は硫化スライムと実は呼んでいるわけでございます。これが外部へ搬出されております。こういうことを私ども調査の際に把握しているわけでございます。
○野田哲君 この搬出先は日鉱の七百三十トン、これは報道されておりますが、すべて韓国の方へ行っている、こういうことですね。
○説明員(弓削田英一君) 日鉱のケースにつきましては、日本鉱業から直接売却した相手方は西興物産、こういうことでございます。
○野田哲君 この黒ペレットと呼んでいる住友金属鉱山の五十二年から五十四年の千六百トン、これの搬出先の内訳はわかりますか。
○説明員(弓削田英一君) 全量伊藤商会へ売却されております。
○野田哲君 この搬出というのは、住友の場合も佐賀関日鉱の場合も船ですね。その点はどうですか。
○説明員(弓削田英一君) 先生御指摘のとおりでございます。
○野田哲君 これらの砒素を含んだ鉱滓、これは当然有害性を持っているわけですから、この処理については法律的な規制によって行われていると思うのですが、法律的に言えばどういう処理の方法があるわけですか。埋め戻しとか、あるいはドラムかんなりコンクリートに詰めて貯蔵するとか、あるいは中間原料として使用する場合もあるんだろうと思うのですけれども、大体どういう処理が考えられるのですか。
○説明員(弓削田英一君) 一般的に鉱業の実施に伴って出てまいります鉱業廃棄物でございますが、この鉱業廃棄物によります鉱害を防止するために、鉱山保安法に基づく金属鉱山等保安規則及び鉱業廃棄物の処理等に関する基準を定める省令、こういうのがございます。この二つに基づきまして、私ども鉱業廃棄物の規制を実は実施をしている、こういうことでございます。すなわち、鉱業権者は鉱業廃棄物をまず保管をいたしますときは砒酸が流出しないようにする、それから、みずから処分するときはいろんな処分の形態があるわけでございますが、堆積場及び埋め立てする施設につきましては、事前に規則に基づいて認可を受け、あるいは届けを要すると、こういうことに実は相なっているわけでございまして、当然のことながら、埋め立てをする場合には公共用水域を汚染しないように所要の措置を講ずることが規則で定められているわけでございます。と同時に、他へ処分をいたしますときには、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、これは厚生省所管の法律でございますが、この法律に基づきまして、都道府県知事の許可または指定を受けた者に委託しなきゃいかぬと、こういうことになっているわけでございまして、こういうような規制を通じまして私ども鉱害防止等の措置を行っているわけでございます。
○野田哲君 厚生省見えていますか。——このいまあなたが聞かれていた処理業者ですね。大阪に本社のある扇谷興業とか、あるいは姫路の西興物産、それから東京の伊藤商会、姫路の近藤商店、こういう業者はこれは正規に登録されておりますか。登録されておれば、どこにどういう形で登録されているか、明らかにしてもらいたいと思います。
○説明員(杉戸大作君) 県の方には登録されておりません。
○野田哲君 そうすると通産省、厚生省の方はいまのお答えで登録されていないと、こういうことですが、あなたの方では立入検査をした、そして金属鉱山等の保安規則による帳簿も見たと、こうなっているわけですが、その中では委託する場合は受託者の氏名や名称、住所、許可番号、こういうものも帳簿に記載されていなければならないようになっているんですが、その点は見落としたんですか、それとも目をつぶったんですか。
○説明員(弓削田英一君) 私先ほど申し上げましたのは、いわゆる鉱業廃棄物を他人に処理を委託するケースについては、ただいま厚生省からもお話ございましたように、都道府県知事の許可あるいは資格を有する人に委託しなきゃいかぬ、こういうことでございます。果たして本件砒素を含みます物質が廃棄物に該当するかどうかと、こういうことが実は問題になるわけでございます。先ほども、廃棄物をどういうふうに鉱山保安法あるいは規則等で考えているかということで御答弁申し上げましたが、繰り返しますと、鉱業廃棄物と申しますのは、鉱業の実施によって生じました不要物——これにはばいじんとか鉱滓とか、こういうものがすべて入るわけでございますが、この場合不要物とは、みずからこれを再資源化するとかいったような形で利用いたしますとか、あるいは他人へ有償で売却できない、そのためにどうしても不要になったもの、こういうものを実は鉱業廃棄物ということで法律では規定しているわけでございまして、こういうものについては、先ほど来申し上げておりますように、廃棄物処理法によります許可を受けたあるいは資格のある者にこれを委託しなきゃいかぬと、こういうことでございまして、私どもは本件黒ペレットあるいは硫化スライムについていろいろ実態の調査もし、警察当局ともいろいろ本件処理について協議も行ってまいったわけでございますが、本件硫化スライム等につきましては一応有償で売買されていると、こういうこと。二番目には、輸出された先——韓国でございますが、それが韓国において亜砒酸の製造原料として使われた、こういう事実があることに照らしまして、本件物質については鉱業廃棄物ではないと、こういう解釈をとっておるわけでございます。
○野田哲君 つまり、そうすると廃棄物ではなくて原料として売られたんだから、この四つの、先ほど言った者が産廃の取り扱いの業者の登録がされてなくてもいいんだと、こういうことですね。いろいろおっしゃったが、つまり簡単に言えばそういうことなんですね。
○説明員(弓削田英一君) おっしゃるとおりでございます。
○野田哲君 そうすると、あなたの方では現地を調査をされて、これらの品物が二つの、日本鉱業なりあるいは住友金属鉱山なりから西興物産等に渡される価格は、トン当たり幾らで渡されたか承知をされていらっしゃるわけですか。
○説明員(弓削田英一君) この種の鉱滓の価格に関しましては、先生御案内のとおり、鉱滓自体につきまして、たとえば砒素の品位でございますとか、その他原料が変われば当然変わってくるわけでございますから、当然出てくるものが常に一定品位ではないことがあるわけでございます。また、これらを再生利用いたしました場合に、その製品が幾らで売れるか、その辺のところはまさに市況いかんによるわけでございます。そういうことでいろいろ値段の変動が実はあるわけでございます。 私どもが調べた範囲内では、御案内のとおり、東予につきましては七回にわたりまして約千六百トン、合計金額七百二十三万円で黒ペレットが売られ、また佐賀関製錬所につきましては三回にわたりまして七百三十トン、合計百七十二万円で売られておりますから、その単価を私ちょっと計算しておりませんが、平均、佐賀関につきましては二千三百五十円、それから住友金属の東予製錬所につきましては四千五百円と、こういうことに相なっております。
○野田哲君 日鉱については二千三百五十円、それから住鉱については四千五百円ですね。これらは船で運ばれたわけですが、容器はどうなっていましたか。ドラムかんだったと思うんですが、どうですか。
○説明員(弓削田英一君) 包装につきましては、先生いまおっしゃいましたようにドラムかん及び木箱で、一部フレキシブルコンテナ等を利用したようでございます。 以上が東予製錬所のケースでございますが、日鉱佐賀関につきましてもドラムかん、コンテナバッグ、これを使ったようでございます。
○野田哲君 いまの言われた価格ですね、これはドラムかん込みになっていますね、その点どうですか。
○説明員(弓削田英一君) 価格は包装等を含みませんで、中の内容物だけの価格と、こういうことでございます。
○野田哲君 そうすると、このドラムかんはどこが用意をしたものですか。
○説明員(弓削田英一君) 二つの製錬所についてちょっと若干違いますが、住友の東予製錬所につきましては商社負担、日鉱佐賀関のケースにつきましては製錬所負担、こういうことに相なっております。
○野田哲君 住友については商社、それから佐賀関については製錬所側ですね。 通産省ではいまドラムかん一本の価格大体どのぐらいだか承知されておりますか。
○説明員(弓削田英一君) 私、その辺の事情詳しくございませんで、聞くところによりますと、二、三千円ぐらいの値段だろうということのようでございます。
○野田哲君 大私二千円ですよ、最低。そして、一トンで——いいですか通産省、最低二千円ですよ、ドラムかん一本が。そして、砒素鉱滓を一トン入れるためにはドラムかんが四本要るわけですね。そうすると、ドラムかんの価格だけで八千円です。そうすると、先ほど言われましたかん込みの価格でいったら、これは売った価格よりもドラムかんの値段の方が高いんですよ。これでも一体原料として売られたというふうに感じられますか、いかがですか、その点。
○説明員(弓削田英一君) ただいま申し上げましたように、必ずしもすべてのものがドラムかんで……
○野田哲君 ちょっとはっきり、ここへ聞こえないんですがね。
○説明員(弓削田英一君) 先ほど御説明申し上げましたように、必ずしもこの種のものがすべてドラムかんで運ばれたわけでもございませんし、木箱ということもございまして、私どもその辺、一体どれぐらいの費用がかかっているか、まだ若干つかみかねていると、こういうところでございます。(「全然聞こえない」と呼ぶ者あり)
○野田哲君 これはよく聞こえるようにひとつやってもらいたいと思うんですよ、大事なところですから。 警察庁の方に伺いますが、先ほどの御報告ですけれども、見返りとして云々という報告がありましたね。つまり、これは別の原料として売れるものを安く渡してこの見返りにしたと、これは白ペレットという品物ですか、どうなんですか、これは。
○説明員(斉藤明範君) おおむね白ペレットが多いわけでございますが、中には含銅スライム、それからレジデュというのは銅滓だそうですが、白煙灰、すずスカム、こういったようなものです。見返りは。
○野田哲君 この白ペレットというのをどれぐらいの量売っているんですか。で、その価格はどうなっていますか。
○説明員(斉藤明範君) 白ペレと称するものは主として住友金属鉱山の見返り滓でございまして、これ個別に足してみなければちょっとわかりませんが、見返り滓として五回買っておるわけです。それから、日本鉱業ではすずスカム、白煙灰、レジデュ、含銅スライムといったような名前で何回か見返り滓を安く買っておるわけでございます。 おおむね見返り滓の価格は、住友金属鉱山の白ペレットの場合はトン当たり五百円で買っておるというふうに承知をいたしております。それから、日本鉱業の先ほど申し上げましたいろいろな見返り滓につきましては、価格がいろいろでございますが、四千円とか七千円とかおおむね八千五百円とか、いろんなランクがあるようですが、大体そんなところでございます。
○野田哲君 住鉱の場合、白ペレをトン当たり五百円、三千七百トンで金額総計で百八十五万円、こういうことだろうと思う。単価は五百円ですね。 そういたしますと、通産省に伺いますが、この白ペレットのトン当たりの市場価格は現在どうですか。
○説明員(松下弘君) 白ペレットにつきましても、その都度、銅が入っていたり、あるいは砒素の含有率の違いあるいは鉛の含有率の違いによりまして値段が決まっておりませんで、そのときの、しかも銅の建て値、回収する金属の値段あるいは処理しなければいけない砒素等の含有率によりまして値段が違いますもので、一概に幾らということは決めかねるものだと思います。
○野田哲君 これは含有率等によっていろいろあるということで具体的な数字は答えられなかったんですが、全くこれは相場はないわけですか、世間一般の市場の相場は。
○説明員(弓削田英一君) ただいま現在におきまして、白ペレットは市場に流通してございませんで、いわゆる市場価格というもの、現在の市場価格というものはございません。
○野田哲君 あなたの言われる語尾がよくわからぬので、もう一回言ってください。
○説明員(弓削田英一君) ただいま白ペレットにつきましては、現在のお値段を先生お聞きでございます。現在、これ市場に流通しておりませんので、価格はないと申し上げる以外にございません。
○野田哲君 いま警察庁から報告のありました白ペレットですね、これは住友金属鉱山から来るときは三千七百トン、トン当たり五百円で、計百八十五万円で伊藤商会に渡された。これを伊藤商会から西興物産、それからスミエイト興産、ここに渡された。このときには八千八百万という価格で渡されている。五百円で渡されたものがトン当たり二万三千円ないし二万六千円、こういう価格になっているわけです。この八千八百万の中から西興物産が四千四百万、そして大志産業に四千万、これは近藤商店の保証小切手で渡されている。こういう金の流れになっているんじゃないかと思うんですが、警察庁の方でこの外為法関連でいろいろ金の流れを把握されたと思うんですが、その辺の把握をされておりますか。
○説明員(斉藤明範君) 外為法違反というのは、日本の国内において非居住者に対して支払うこと自体が違反になるわけでございますので、この見返り滓の物の流れ、金の流れというのはある程度聞いてはおりますけれども、そういう細かい確実な数字をちょっと手元に持ち合わせておりません。概略のものしか持っておりませんので御了解いただきたいと思います。
○野田哲君 その概略のところをちょっと示していただけませんか。
○説明員(斉藤明範君) ただいまの御指摘になられたかっこう、おおむね大体そういうことであろうかと思います。いろいろ中間四業者が転売、転売しておりますので、その辺の利益はどうかということはわかりませんが、総体的に申し上げまして、要するに委託された硫化スライム、黒ペレットそれから見返りでもってかせいだ金、これの単純に差し引き計算をしますと、要するに韓国の金に渡した五千六百万円を差し引いても、単純で計算いたしますと大体四千万近い収益を上げておる。その間転売がありますので個々具体的にはちょっとわかりませんが、おおむね大体そういうことであります。
○野田哲君 通産省の方では、いまのやりとりの中で、片やこの日本鉱業あるいは住友金属鉱山から出る砒素鉱滓、これについてはドラムかんつきで渡すとこれはもうドラムかん代の方が高くつく、こういうような価格で渡されて、そして別にこの白ペレの例をとると、同じ会社から数千万円の利益が上がるような非常な低廉な価格で別のものが、白ペレが渡されている。この一連の商取引について立入検査をやって不審なものを感じるようなことはなかったんですか。
○説明員(弓削田英一君) 先生御指摘のとおり、かなり売り値が低いんじゃないかというような御指摘でございます。私ども住友金属鉱山からヒヤリングをしたところでございます。黒ペレットにつきましては、今後木材防腐剤として再生利用するということで実は計画が進行していたわけでございます。現実問題としてこの工事がおくれておりました。また白ペレット等につきまして、実は銅を回収するために四阪島の製錬所に施設を設けて操業したこともあるわけでございます。コスト的に引き合わないと、こういうこともございますので、操業を中止したような事情もございます。非常に在庫量がふえまして、結果的に先生御指摘のとおり大幅な価格低下をやらざるを得なかった、こういうことで私ども聞いておるわけでございます。 私どもといたしましては、今回の事件にかんがみまして、たととえ原料として売却するケースにおきまして、やはり事前に取引先なりあるいは用途等を確認する等適切な取引をやる、こういうことが必要じゃないか、こういうことで考えておりまして、業界に対してもそのように指導をすると同時に、立地公害局長から各監督局長に対しまして、この種のものの発生、保管あるいは搬出等の状況を十分チェックをし、鉱山保安法による規制に準じまして監督局部におきます指導監督を強化するように実は通達したところでございまして、今後こういうことのないようにひとつ監督指導を進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○野田哲君 警察庁に伺いますが、この日本鉱業と住友金属鉱山、佐賀関とそれから愛媛県の別子、ここからいまのやりとりのように大量の砒素鉱滓が四業者を通じて韓国に持ち出された——持ち出されたというか輸出された。しかし、明らかにこれは、価格構成を見ると、砒素鉱滓については処理に困って白ペレットを異常な安い価格でつけて渡したというのは、これを処理させるための処理の手数料、こういう疑惑が持たれるわけですけれども、警察庁の扱いでは四業者の外為法違反ということだけですね、処理については。鉱山保安法は全く一切住友なり日鉱については関係ないんですか。
○説明員(斉藤明範君) 先ほど来申し上げましたように、この事件の糸口は外為法違反でこういうことが出てきたわけでございまして、いろいろ御報告申し上げましたようなことを考えますと、どうもおかしな輸出の仕方ではないかというふうに私ども見ておったわけでございまして、そのおかしなやり方がどういう法に触れるかということになりますと、それが仮に不要物である、つまり鉱業廃棄物であるといたしました場合には、鉱山側の方は鉱山保安法の委託基準違反、取り扱いました中間四業者は廃棄物処理法違反、こういうことに相なるわけでございますが、先ほど来いろいろ御答弁申し上げておりますように、調べの過程におきましては、鉱山側はあくまでも、砒素を韓国で精製するために輸出してほしいというから渡したんだ、売ったんだと、こういうことでございますし、また中間四業者も、はっきりと韓国へ持っていってこれを捨てる、いわゆる廃棄物として捨てるということまでは出ていないわけでございます。そこで、大変おかしさは残るわけでございますけれども、鉱山側もそういうことで原料として出したということでございますし、中間四業者も、金もうけが目的であったんだろうとは思いますけれどもそういう言い分でございますし、片方、韓国におきましても、私どもが承知しておる段階では現実に砒素をそれで精製をしておるという事実もございまして、結論するところ、この硫化砒素滓、硫化スライムなり黒ペレットを廃棄物として韓国で処分する、つまり捨てるという意思を立証するということは大変むずかしいわけでございます。片方、また韓国で現実にその物件を原料といたしまして亜砒酸を精製しておるという現実にかんがみまして、おかしさは残るわけでございますけれども、鉱山保安法なり廃棄物処理法を適用するにはむずかしい、こういう結論になったわけでございまして、外為法だけで送致をいたした、こういうことでございます。
○野田哲君 韓国の現地からの情報では、仁川港に別子と佐賀関から出た砒素鉱滓が野積みにされている、大変住民は迷惑をこうむっている、こういう情報があるわけです。警察庁の方なり通産省の方では、あれは材料として売ったんだ、だから鉱山保安法にはかからないんだ、こういうふうにおっしゃっているわけですが、この価格構成、白ペレなんかの状態を見ると、明らかにこれは常識的な商取引とは考えられないし異常な状態です。そこへもってきて、現地では野積みにされてほうりっ放しになっている。こういう状態があるのですが、もしそれが事実とすれば、これは当然鉱山保安法違反ということになると思うんですが、いかがですか。
○説明員(斉藤明範君) 私どもが聞いておりますのは、ほとんど仁川港に揚がっておるわけでございまして、その一部はその物を利用して精製をしておる。一部分については仁川港の韓国の税関の安全倉庫に保管をされておるということで、仁川港に野積みというのは私どもちょっと聞いておらないわけでございますが、そういう倉庫にそのまま残っておる。そういうことは、多分韓国でこの問題が問題になりました時点で恐らくそういう措置がとられたのではないかと思います。で、相手方の金斗宗につきましては、韓国の新聞によりますと、環境保全法等の違反で懲役一年執行猶予三年という判決があったやに承知をいたしておりますが、それ以外にどういう違反に問われたかということにつきましては私ども承知をいたしておりません。それで、この環境保全法等の違反と申しますのは、精製工場に持っていった段階で恐らく雨ざらしの状態で置いておったのがたれ流しみたいになったのではなかろうかということを韓国の新聞等で承知をいたしております。
○野田哲君 通産省の方では、こういう砒素を含む鉱滓などを外国へ輸出をする場合に、業者の言い分が、これは原料だと、こういうことであればそれだけでオーケーということになるんですか。当然、これだけの有害性を持ったものですから、輸出先でこれが何に使われるのか、そして、これは当然輸出先でも国としても裏づけを持ったものがなければ、私は業者の、商売人の口上だけをうのみにするということは監督官庁として少し手が抜けているのじゃないか、こういうふうに思うんですが、その点いかがですか。
○政府委員(松村克之君) 御答弁いたします。 いま先生から御指摘がございましたように、私どもも、これらの両社が今回の事件におきまして黒ペレットあるいは硫化スライムを韓国に輸出したということを主張しているわけでございますけれども、この点につきましては、いま警察の方からもお話がございましたように、これを鉱山保安法違反と考えるには十分でないと思いますが、やはり今後これらの有害物、これらの砒素含有物だけではなくて、とにかく有害物を含有するようなものを取引する場合に当たってはもう少し慎重にやってほしいと。事前に、引き取り先でございますとか、あるいは引き取り先における用途というものを確認するというような適切な取引を行ってほしいということを、私から今月両社の代表に申し渡したということでございます。
○野田哲君 今月、立地公害局長から業者にそういう趣旨を申し渡したということですが、こういう有害性を持った鉱滓ですね、これは処理の仕方によっては大変な害毒を与える。こういう性質を持ったものをいままでは輸出の場合にも何ら裏づけなしにオーケーを与えていたわけなんですか。
○説明員(竹内征司君) 現在まで、私どもの方では輸出に関しましては物の規制あるいは決済方法の規制をやっておるわけでございますが、物の規制につきましては、輸出貿易管理令というところにおきまして品目を定めてございます。その際には国内の需給問題あるいは国際的な外国貿易の健全な発展上の問題、そういうふうなことから品目を定めてございますが……
○野田哲君 ちょっとよく、もうちょっとはっきり。
○説明員(竹内征司君) 特定の物資、現在のところそういう産業廃棄物もしくは鉱滓というふうな形での品目の定め方はしてございません。したがいまして、本件のような問題につきまして、現在のところ、有償で通常の輸出をするということにおきましては、貿易管理令上の規制はかかってございません。
○野田哲君 ちょっとよく、歯切れが悪いんでわからないんですが、つまりあれですか、外国へ運ばれてどういう使われ方をしようが、それは日本のこれらの問題を監督する通産省としてはあずかり知らないと、こういう扱いであったんですか、簡単に言えば。
○説明員(竹内征司君) 通常の輸出の場合におきまして、それが相手国におきましてどういう取り扱いをされるかということではなくて、どういうふうな取引形態において行われておるのかということで規制をかけてございまして、その物が通常の、有償で輸出されると、通常の限度として輸出されるということでございましたならば、それは相手国においてどういうふうな使用形態をとるかということにおきまして規制はしていないということでございます。
○野田哲君 つまり相手国がどうしようとそれは関知しないと、こういうことですね、簡単に言えば。あなたのようなむずかしい言葉を私は使いませんよ。簡単に言ってそういうことですが、そうすると、通産省としては住友なり日鉱なりもそのことは全く、玄界灘を向こうへ越したらどう処分されようと全く関知しないという態度で渡したものだと思うんですが、それでいいと、こう言われるわけですね。
○政府委員(松村克之君) ただいま私申し上げましたように、今後こういった有害物を含有する物の取引に当たりましては、事前に相手国における引き取り先、これが非常に信用のおける信頼できる相手であるかどうか、またその相手側においてどういった用途に使われているか、こういったことを十分確認するようにという注意をいたしたわけでございます。
○野田哲君 警察庁に再度伺いますけれども、警察庁の方では住友なり日本鉱業の関係者から事情聴取をされたと思うんですが、これらの住友なり日鉱の方ではその点はどういうふうな説明をしているんですか。
○説明員(斉藤明範君) 外為法違反事件の裏づけ捜査のために、当然両鉱山側からは話を聞いております。要するに、硫化スライムとか黒ペレットというのは一体どういうものであるか、あるいはどういう処理をされておるのか、あるいは現場の写真とか現物もいただいてきておるわけでございます。その過程で、中間四業者が原料としてくれと言うからくれてやったんだと、こういうことになるわけでございます。
○野田哲君 新聞の報道でも、日鉱なり住友の言い分としては、中間四業者が与えたんだと、こう言っていますね。どこへ運ばれるか知らなかったんだと、こういうふうな主張をされているようですけれども、通産省の方に伺いますが、それぞれ港から出されていますね、これらの韓国へ行った品物は。住友の場合で言えば、これは住友の専用港ですね、東予港、それから日鉱の場合には佐賀関港、ここから出ているわけです。東予港の場合で言えば、七九年、昨年の十月二十二日に「ユンヤン号」という船が四百四十八トンの鉱滓を積んで韓国へ向けて出港している。それから、日鉱佐賀関の場合で言えば、七九年四月十八日に「サンイル号」、二百七十七トン、それから九月二十三日に「ナムサン号」、これが三百五十トン、韓国に向けて出港しているわけです。こういうふうにそれぞれ直接東予港なり、あるいは佐賀関港から韓国の船が積んで出港しているわけです。当然、これは外国の船でありますから船には国籍を明示をする、船籍を明示をする旗を立てているし、それから港湾管理のために何をどれだけ積んで、どこへ向けて出港するかということも所定の届け出をそれぞれの地区で港湾管理者等にされなければならないわけですから、当然またこういう物を積むわけですから、当該企業においても保安日誌の中にこれらの扱いをした記録というものは記入されていなければならないはずなんです。だから、当然この積み荷の段階で、四業者がくれと言うから渡したんだということではなくて、明らかにこれは韓国へ積み出される物だということ、しかも船は韓国の船で積まれて出るんだということは積み荷の段階ではっきりしていたと思うんですが、これらの状況、通産省は現地で立ち入りで把握をされているはずだと思うんですが、いかがですか。
○説明員(弓削田英一君) これらの物は、それぞれの製錬所から西興物産あるいは伊藤商会でございますか、へ行った段階で保安法の対象外と、こういうことになりますので、そこまでは私どもは保安日誌その他で確認はいたしておりません。
○野田哲君 つまりあれですか、どういう船に、どこへ向けて積んだかということは保安監督外のことだと、こうおっしゃるんですか。
○説明員(弓削田英一君) 御指摘のとおりでございます。
○野田哲君 保安日誌などにはこういうことは書く必要はないんですか。この砒素鉱滓をいついつ船で、どこへ向けての船にどれだけ積んだということは書く必要はないんですか。
○説明員(弓削田英一君) 保安法の対象外であればその必要はございません。
○野田哲君 つまりそれは原料だからということなんですか、保安法対象外というのは。なぜ保安法対象外だとおっしゃるんですか。
○説明員(弓削田英一君) 先ほど来御説明しておりますように、それぞれ伊藤商会あるいは西興物産に売った以降については保安法の適用がないと、こういうことで申し上げているわけです。
○野田哲君 これはマイクが悪いのかな、よく聞こえないんだな、もう一回。
○委員長(林ゆう君) はっきり答えてください。
○説明員(弓削田英一君) 先ほど来お答え申し上げておりますように、伊藤商会あるいは西興物産に売った段階以降は保安法の適用はないと、こういうことでございます。
○野田哲君 そうすると、保安法が私に言わせるとしり抜けだと、こういうことだと思うんです。これだけの疑惑を持たれたものが韓国へ、外国へ積み出されている。現地でも問題になっている。しかし、現実的には外為法の違反の措置しかとれない。積み出し側それから送られた側とも、国民の安全を守ることについては何らの規制がないし立ち入りができないと、こういうような点、あるいはまた、港から堂々とそういう形で危険な物質が積み出されていることについても何ら規制がいままでできないと、こういう点は、やはりもうそこまで言われれば鉱山保安法の欠陥、しり抜け、こういうふうな点を指摘せざるを得ないと思うんですが、今度対象になっているこの通産省の四国における鉱山関係の機構、ここは現場を監督される職員は何人いらっしゃるんですか。
○政府委員(松村克之君) 四国の鉱山保安監督部につきましては、全員で十七名でございます。
○野田哲君 今度はそれで機構改革が、もしこの法律が通ればどうなるんですか。
○政府委員(松村克之君) 今度行政改革につきましては、四国の鉱山保安監督部は広島鉱山保安監督部の支部ということになるわけでございますが、その内容につきましては、今後関係省庁と御連絡をして決めていきたいと、こういうふうに考えております。
○野田哲君 長官は途中退席をされたんですが、いままでずっと警察庁なりあるいは通産省の政府委員とやりとりをしていたんですが、この九月来、新聞でも大変大きな報道をされている住友金属鉱山別子、それから日鉱佐賀関、ここから砒素を含む鉱滓が大量に韓国へ積み出されている。形の上では原料という形で積み出されているわけです。実質的にはきわめて異常な安い価格で渡されて、そしてそれとは別に白ペレットという、これは非常に価格の高いもの、これをただ同然のような価格で渡して八千万円からの利益が上がるような価格で渡しているわけです。つまり、これは一般的な客観情勢としては、この砒素鉱滓を国内で処理することに困って、そして韓国へ捨てるために運んだ、そしてその処理費用として、処理費用という形で出すわけにいかないから、白ペレットを渡し、これによって利益を上げて処理費に充てている、こういう疑惑はもうきわめて濃厚なんです。警察庁の方でもその後白ペレットのやりくりに非常に疑惑を持たれている。しかし、いまのこれらの鉱業所に対する監督なり、あるいは鉱山保安法から言えば、まさに野放しのような状態なんです。これだけの大量な有毒物質が渡し先で何に使われるか、このことは確かめもできないし、野放しのような状態で、結論的に言えば外国へ鉱害が輸出をされているわけなんです。アメリカが核の廃棄物を南の島へ捨てる、日本も南の島へ核の廃棄物を捨てようとして現地から抗議を受けている。こういう状態と全く同じケースの、韓国へ非常に有害な物質を輸出をするという名目で、実際はこれは捨てているんです。こういうような野放しのような状態がある。鉱山保安関係の業務一つをとってみても、それぞれの職員が努力しても及ばない、しり抜けの点、法律的な措置等があるんだと、こういう点をひとつぜひ私は具体的な事実として申し上げて、これからの行政機構改革の中で、いたずらに画一的に数を減す、どこか各省ごとに一つずつ出先機関を、局を廃止をすることを求める、こういうことでなくて、やはり国民のニーズに応じそして行政の必要に応じた対応をしていく、こういう措置をとるべきじゃないかと思うんですが、行政管理庁長官の見解を伺って、きょう段階での質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 御指摘のケースは私も新聞で拝見したところでございますが、鉱害を巧みにああいうような形で輸出しているような脱法行為のように新聞も報じておりますし、そういう疑惑も非常に濃い事件ではないか、きわめて暗い印象を持って読んだものでございます。鉱山の保安監督等につきましては、今後とも人間の環境や生命に影響するところがきわめて大でございますから、いろいろ行政改革をやる際にも慎重に一つ一つのケースをよく見きわめてやるよりにいたしたいと思います。
○委員長(林ゆう君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。本日はこれにて散会をいたします。 午後四時十九分散会 —————・—————