地方行政委員会 第5号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/11/25
会議録
○委員長(亀長友義君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 地方行政の改革に関する調査を議題といたします。 この際、去る二十日に起きました川治プリンスホテルの火災につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。鹿児島消防庁次長。
○政府委員(鹿児島重治君) 先般の川治温泉火災の概要につきまして御報告申し上げます。 出火いたしました場所は、栃木県塩谷郡藤原町川治四十五「川治プリンスホテル雅苑」でございまして、出火の日時は、十一月二十日十五時十五分と推定されております。この出火を確知いたしましたのが十五時三十四分でございまして、鎮火いたしましたのが十八時四十五分ということでございます。 出火の原因につきましては現在なお調査中でございますが、このホテルのふろ場の天井付近から出火したものと一応推定されております。 この火災に伴いまして、死者四十四名、うち一名は入院後死亡された方でございますが、負傷者二十二名、いまなお行方不明の方一名という犠牲者を出しておるところでございます。 当時このホテルに在館しました人数は百二十七名でございまして、宿泊客がうち百十三名でございます。ちなみに、このホテルの定員は二百二十四名ということに相なっておりますが、なお従業員が十四名おったわけでございます。 物的な損害といたしましては、この建物が全焼いたしまして鉄骨四階建て一部木造モルタル、延べ面積三千七百七十六平米を全焼いたしておるわけでございます。 この火災に対しまして消防隊の出動状況でありますが、出動いたしました車両はポンプ車十六台、タンク車一台、はしご車一台、救急車二台、その他二十四台の合計四十四台でございます。これに伴います出動人員は、他の町村からの応援も含めまして、消防職員四十二名、消防団員三百八十五名、合計四百二十七名ということに相なっております。 この事故に対しましてとりあえずとりました措置といたしまして、まず第一に、翌二十一日消防庁に災害対策連絡室を設置いたしまして、消防庁長官及び担当官が六名現地に出かけております。翌二十二日、各都道府県知事に対しまして、この際旅館、ホテル等の一斉点検を行うよう通達をいたしております。なお、本日関係省庁によりまして旅館、ホテル防火安全対策連絡協議会を開催する予定になっておりまして、旅館等に対する安全対策をこの席上協議をいたしたいということでございます。 以上で報告を終わらしていただきます。
○委員長(亀長友義君) それでは、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○佐藤三吾君 労働省見えておりますか——見えていないようですから、それでは、いま説明のありました川治の問題で、消防庁に若干お尋ねしておきたいと思うんです。 これは地方行政委員会でも理事懇で、早急にひとつ調査に入ろうということにしておりますから、詳しいことはまたその後にしたいと思いますけれども、いま報告を聞いただけでもう疑問が出るのは、一つは、これは昼火事という状態であった。十五年前に、四十一年ですか、水上の焼死事件、それから有馬であるとか、磐梯山の郡山の火災であるとか、こういった事例というのは、夜もしくは夜明けという事態が重なっておるわけですが、それにしても四十五名が死亡する、二十七名が重軽傷を負っている、こういう大惨事を引き起こしておるわけです。まあ新聞報道の範囲ですけれども、足腰の弱い老人層が助かって逆に元気な人たちが死亡しておる、こういう事例も報道されておるわけです。そういった事例から見ますと、十五年前の、いわゆるこの種事件が起こってから幾つか法改正もされておるわけですね。たとえば消防計画なり訓練なり、それから器具の強化なり、防災の規制の強化なり、自動消火器の設置義務なり、煙の注意の報知器なり非常警報なり、こういった幾つかの措置が法的にもされておって、そうしてこういう事故が起こっておる。とりわけ、新聞報道によりますと、一番金のかからぬ訓練の問題ね、これすらやられていない。 〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕 こうなりますと、これはまさにマスコミでも言っておりますように人災で、しかもその人災の中身としては、消防庁の指導責任、そこに尽きるんじゃないか。こういうためにこれだけの事故死が出てきたと言われてもしようがないんじゃないか、そういうような感じがするわけでございますが、この点はいかがですか。
○政府委員(鹿児島重治君) 従来、旅館、ホテル等の火災につきましては、昭和四十一年の水上温泉の火災でございますとか、四十二年の有馬温泉の火災等の経験にかんがみまして、消防法令を逐次強化してまいったわけでございます。それにもかかわらず今回このような事故が起きました原因が幾つかあろうかと思うわけでありますが、現在、出火原因等につきましてはなお究明中でございますけれども、一つには、火災の発見が今回の場合おくれましたこと。それから、出火しました後におきまして、ホテル側が在館者に対しまして通報なりあるいは避難の誘導が十分ではなかったこと。それから、防火区画等が不備でございまして、延焼あるいは煙が急速に充満したというような原因があるのではなかろうかというぐあいに推測をいたしておるわけでございます。 このようなホテルなり旅館につきましては、万一災害が発生いたしますと、非常に大きな被害が出ることが考えられますので、予防査察上も各消防本部は重点的にこれを査察しておったと思うわけでありますけれども、しかしながら、今回のホテルにつきましては、査察の結果指摘いたしました事項が十分に守られていなかったということも今回の災害の大きな原因だろうというぐあいに考えております。今後、なお査察を強化するよう、積極的に指導してまいりたいというぐあいに考えております。
○佐藤三吾君 たとえばこの事件の川治の場合に、七回ほど、査察の結果勧告をしておる、こう報ぜられておるわけですね。聞きますと、四十六年ごろに第一回を行っておる。その結果、いわゆる防災の責任者も決められていない、訓練もやられていない。七回やられてそれらがやられていないから、またさらに昨年の十二月最終的にやったんだと思うんですが、しかし、そういうのが消防庁の指導の実態ですか。
○政府委員(鹿児島重治君) このホテルにつきましては、昨年の十二月に現地の消防本部が査察をいたしまして、数項目にわたる指摘を行っているわけであります。その中には、いまお話しがございました、消防計画の作成でありますとか、あるいは防火管理者の設置という問題も含まれております。このような事項につきましては早急に改善をしてもらう必要があるわけでございますが、従来、各地の消防本部の査察と申しますのは、一般的に申しますとまず不備な事項につきまして指摘を行いまして、この指摘に基づきまして、次にこれの改善についての勧告、行政指導を行う。さらに、この不備が十分に改善されない、当該施設側にいろいろとそういう意欲が見られないという場合に、まあ伝家の宝刀として措置命令を出すという扱いをしてきているわけでございまして、不備な事項がございました場合に、直ちに措置命令という形では従来一般的には行われていないという事情がございます。
○佐藤三吾君 大体年間にどの程度の査察、指示を行って、そしてその結果措置命令がどの程度出されておるんですか。
○政府委員(鹿児島重治君) 最近、数年間見てまいりますと、消防本部によります査察件数は、おおむね百万件から百十万件の間でございます。そして、この査察に基づきまして具体的な措置命令を出した件数といたしましては、五百件ないし千件程度でございます。
○佐藤三吾君 五百件ないし千件程度の措置命令が出されながら、川治の場合には、四十六年に勧告をして、もうかれこれ十年たっておるんですけれども、措置命令が出ていないわけでしょう。そうしますと、大体この措置命令というのは、勧告してから十年以上ですか、十四、五年ぐらいに一回出すんですか。どういうことなんですか。
○政府委員(鹿児島重治君) 川治温泉の場合には、このホテルの場合には確かに措置命令は出されておりません。まあ措置命令につきましては、消防機関がその後も査察を繰り返し行いましてチェックをするわけでございまして、当初査察をいたしました際の不備が十数年放置されていたということではございませんで、最近の不備事項につきましては、昨年の十二月に査察をしましたときに指摘いたしました数件ということでございます。
○佐藤三吾君 去年は大体どのくらいやられていますか。
○政府委員(鹿児島重治君) 昨年の査察の件数は、すべての防火対象物を通じまして約百十一万回でございます。このうち、旅館等につきましての査察件数は六万五千件弱ということに相なっております。
○佐藤三吾君 措置命令は。
○政府委員(鹿児島重治君) 措置命令につきましては、旅館等について申しますならば、消防法の第五条に基づきます措置命令が全国で四件でございます。それから、消防法の第十七条の四に基づきます措置命令が、旅館等につきましては五十件でございます。
○佐藤三吾君 私、きょうは時間がありませんから、この問題はまた調査の上で追及したいと思うんですが、せっかく法律でそういう措置がされておるということは、万一の場合に人命にかかわる重大な問題であるということから、命令を聞かなきゃ命令を聞かせる措置というものがとられていると思うんですよね。川治の場合でも、四十六年から調査に入ってそして具体的な指導が行われておれば——大体措置命令というのは、言うなら、防火壁をつくりなさいとか、いろんな施設をつくりなさいというのが中心だと思うんですよね。しかし、たとえば防災責任者を置くとか、そのもとで訓練をやるとか、これは全く金もかからなければ、業者の方がきちんと受けとめればいつでもできることですよ。そういうことすらやられていない。そういうところに対して命令も出していない。その結果こういう事故が起こったわけです。そう私は断定してもいいんじゃないかと思うんですよ、この事件は。 そういう面から見ると、消防庁のこの指導責任というのは非常に重大だと思う。これは何も旅館の経営者の方が怠慢だったから人災だというのじゃなくて、消防庁の指導の責任を問われる人災と言ってしかるべきじゃないかと思うんですね。そういう内容であるというふうに私は思うんですよ。たとえば、飲食店などに行きますと、「環境衛生優良店」であるとか、よくマークがありますね。ここは公衆衛生上大丈夫ですとか書いたのがね。私は、ホテル業であるとか雑居ビルであるとか、防災の不備が人命につながるようなところについては、もっとやっぱり消防庁は責任を持つべきだと思うんですよ。言うなら、何か人ごとのように、言ったけれども言うこと聞かなかった、私の方には手落ちはございませんというようなかっこうじゃなくて、むしろ私は、消防庁がその所管をしておるだけに重大な責任をとらなきゃならぬ問題だと思うんですよ。 そういう意味で、たとえば防災ができていなければそれできていないというのが一目でわかるようないわゆる措置がとられたり、もしくは、まあ修学旅行で行きましょう、そういう関係者のところがこういうところに行っておったら、これはもう大変なことになるわけですよ、逆に言えば。そういったところについてはそれぞれの措置をとるとか、そこら辺の指導態勢がもっと充実されていいんじゃないかと思うんです。伝家の宝刀だから抜くべきじゃないというのじゃなくて、ここは抜かなきゃならぬところなんですよ。抜かなきゃならぬところは抜いてなくて、そうして次々に悲惨な事故が起こる、こういったことについては、私はもっとやっぱり重大な責任を持って対処していかなきゃならぬと思うので、この問題について、大臣の見解を聞いて、終わりたいと思います。
○国務大臣(石破二朗君) 川治の先般の火災事故でありますけれども、御承知のとおり、午後三時半過ぎといういわば真っ昼間であります。お年寄りが比較的多かったという点はありますけれども、真っ昼間起こった火事で、在館中の約三分の一が亡くなっておるわけであります。これはもうまさに異常中の異常と言わなきゃなりません。原因なり何なり目下究明中でありまして、そう簡単にどうこうという結論を出すわけにはいきませんけれども、いずれにしましても、消防の最高責任者であります消防庁、自治省の責任は重大であると、かように考えております。 こういう災害が起こりますたびに、これを教訓として今後二度とこういう災害の起こらぬように措置しますと言うのが過去の大部分の事例でありますので、そういうことをしてもこれは意味なさぬと思います。関係省庁と十分御相談の上でないと具体的なやり方につきましては申し上げるわけにまいりませんけれども、本当の意味で、二度とこういう災害が起こることのないような措置をとるつもりでありますので、しばらく御猶予願いたいと思います。
○佐藤三吾君 これは大臣、さっきも言ったように、地方行政委員会でも調査に入りたいと理事懇でも議論しておるんです。その際にまた質問をさしていただきますけれども、いずれにしても、さっき大臣も言ったように、昼火事でこういう事故が起こるということは——しかも防災の責任者も決めていない、さらに訓練も一遍もやっていない、こういうことを放置をしてきたという消防庁の責任というのは重大だと私は思うんです。もっと消防庁がそういう意味で指導責任を感じて対処していかなきゃならぬと思いますので、そこら辺はまた調査の結果によって明らかにしていきたいと思います。 そこで、大臣が予想以上に早く来ましたので、早速本論に入ってまいりたいと思います。 実は、いま同じ国会の中で、国鉄再建法の審議がされております。これは国鉄財政再建をどうするかということが中心にあるようでございますが、同時に、やはり都市交通の問題というのは、これは非常に一面、国鉄の再建と同様に重大な意味を持っておると思うので、私はこの問題について本年の四月九日に決算委員会でも取り上げてきたわけです。しかし、なかなかこの問題の解決が前進をしない。今度の自治省の財政白書を見ましても、やはり問題が前進をしておらない。きょうはこういう観点から中心に質問をさしていただきたいと思います。 そこで、五十六年度予算要求もいま最後の火花を散らしておるわけですが、この都市交通問題、年間輸送が三十九億、国内の旅客輸送の中で、バスが二五・五%、路面電車が二三・八、地下鉄が四八・五%を占める重要な役割りを持っておる都市交通問題について、五十六年度の対策、重点というものをどのように考えておるのか。自治、運輸、建設各省の当面の考え方をひとつお聞きしたいと思うんです。
○説明員(金子憲五君) ただいまお話しがございましたように、公営交通事業につきましては、全体として経営状態が非常に困難な状況にございます。 〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕 その中で、公営交通は特に都市交通においては大きなシェアを持っておりますが、その使命を達成するために、一つには財政再建を達成する、もう一つには公営交通機関としての機能を維持をしていくという大きな使命があろうかと思います。 そのような見地に立ちまして、一つは、五十六年度予算につきましては財政再建関係の経費として公営交通事業再建債の利子の補給金、あるいはバスの更新費の補助金といったようなものを計上いたしております。 なお、地下鉄の関係につきましては、建設費に係る補助金につきましては運輸省の所管でございますが、なお、孫利子補給という形で公営地下鉄についての助成を行っております。 そのほか、地方債計画におきまして公営交通事業の整備に要する所要額を計上いたしております。 なお、公営交通につきましては、特に大都市において重要な役割りを果たしておりますが、今後公営交通の将来をどのように持っていくかということを考えていくためには、まず大都市においての陸上交通についての物の考え方、そのあり方を確かめていく必要があろうと思いますので、これについての調査研究を行ってまいりたいと、このように考えております。 以上が五十六年度予算につきましての私どもの考え方でございます。
○説明員(大久保一男君) 都市バス対策といたしまして、五十六年度、運輸省といたしましては次のような予算要求を行っております。 まず第一に、都市基幹バス整備費補助金といたしまして四億四千百万円、第二番目に、バス乗り継ぎターミナル整備費補助金といたしまして二億五千五百万円、第三番目に、バス・ロケーション・システム整備費補助金といたしまして九千四百万円、第四番目に、新住宅地バス路線開設運行費補助金といたしまして一億二千五百万円、合計九億一千五百万円を要求しております。
○説明員(森谷進伍君) お答え申し上げます。 大都市交通のための政策といたしましては、お話しの地下鉄のほか、民鉄の工事等についても措置を講じておるわけでございますが、このうち、公営の地下鉄事業及び東京におきます交通営団の行います地下鉄の建設事業に対しましては、五十六年度の予算といたしまして六百三十三億九千二百万円を要求しております。そのほか、地下鉄の改良工事に係るものとして五億七千三百万円を要求いたしておるところでございます。
○説明員(本山蓊君) 道路局では、バス路線に係る道路整備の推進につきましては、第八次五カ年計画から重点施策の一つとしまして、すれ違い得ない区間の解消、それから円滑な運行確保のための待避所の設置等、それから三番目に、安全な運行確保のための防災対策、それから四番目に、冬季交通の確保、これは除雪でございます。それから五番目に、市街地のバス路線に係る渋滞区間の解消等、この五項目で道路整備を進めておるわけでございますが、昭和五十五年度につきましては八千八百億を計上いたしておりまして、特に五十五年度からはバス路線総合整備モデル事業というのを全国八都市において実施しております。 昭和五十六年度につきましては、現在、全体の事業といたしましては九千三百六億というのを要求しておりまして、さらに新しく地方の都市につきまして生活幹線バス路線整備事業というのを要求しております。 以上でございます。
○佐藤三吾君 これは、まあ国鉄の再建法が審議されておる中で非常に私は疑問に思うのは、いわゆる赤字路線というのが整理の対象になる。とりわけその中でローカル線が最大の焦点になっておる。ローカル線を解消したら国鉄の赤字はなくなるのかということで連合審査でも追及すると、そうはならないと。こういうあいまいな中で国鉄再建という問題が議論されておるようにあるわけですが、私、都市交通の問題にしても、もっとやっぱりそこら辺に関連する問題が出てくるんじゃないかというような気がするんです。 いま金子さんから、都市交通の当面の問題を中心にお話しがございましたが、公営企業というものに対する自治省が考えておる概念というか、私ども率直に言えば、採算は度外視しても都市住民の足を守っていく、そのために必要な資金は国、地方で出していく、こういうものが公営企業の基本につながっていかなきゃならぬと思うんですけれども、この辺に対して、具体的な問題に入る前に、まず基本的な姿勢についてひとつ聞いておきたいと思うんです。
○説明員(金子憲五君) 地方公営企業法にございますように、地方公営企業の基本的な考え方は、「企業の経済性を発揮するとともに、」「公共の福祉を増進するように運営されなければならない。」ということでございます。なぜこういった種類のものが公営企業で行われるか。まあ上水道、下水道あるいは交通事業その他ございますけれども、その中には、民間におきましては大量の資本を必要とする、あるいは民間におきましてはその採算性において問題があってなかなかやり切れない、そういった性格のものが公営企業として行われることが非常に多いということは言われるとおりであろうかと思います。しかしながら、これらのものにつきましては、できるだけ効率的に運営されることが必要である。それが経済的に十分に効率的に運営されることによって、初めてその目的である公益性がまた満たされるというふうに考えております。 したがいまして、御承知のところでございますけれども、行政的に必要とされる不採算部門、これにつきましては、一般会計からの繰り出しの措置を講じ、その他の部分につきましては独立採算でもって行う、このようなたてまえでもって運営をいたしております。
○佐藤三吾君 問題は、そういう観点に立つなら、いま都市交通の中の一番大きな役割りを果たしているのはバスと地下鉄ですね。バスの場合何が原因で、たとえば累積赤字が二千億、不良赤字が七百億、こういう膨大な借金財政に落ち込んでおるのか。これは私は、やっぱりいまのマイカーを含めて、しばしば言われておりますように、バス路線が円滑に機能しない、そういうところからくるバス離れというか、そういうものが顕著にあると思うんですよ。言うなら自治体だけではどうにもならない、そういう外的な環境条件からくる問題、これが一番バスの場合には大きいのじゃないかと思う。まあ自転車がどんどんどんどん伸びてきたこともバス離れを云々と言いますけれども、しかし、一番大きい点はそこにあるんじゃないかと思うんですけれども、こういった外的な条件というのは自治体ではどうにも手の下しようがない。むしろ国自体が——たとえば停留所一つ設けるにしたって運輸省の許可がなきゃできないという仕組みになっていますから、運輸省なり、建設省なり、自治省なり、そういったところが積極的にそこら辺の外的な条件を排除していく、この努力があって再建ができていくと思うんです。そういう意味合いでは一体どういう見解を持っているのか。
○説明員(金子憲五君) 言われますように、公営のバス事業、これが最近経営状態が非常に悪い、あるいは乗客数が減少しておるということの原因は、マイカーがふえる、あるいはこういったようなことが原因いたしまして交通渋滞が著しくなるというようなことで、バスの定時性が失われるということが最大の原因であろうかと思います。これの解決のためには、ただいまお話しがございましたように、地方団体だけの力ではやり切れないところもございますので、関係各省、まあ運輸省、建設省あるいは警察庁等の協力を得ながら、従来までもできるだけの努力をしてきた次第でございます。
○佐藤三吾君 それでは、いま再建都市に対してバスの補助が出ていますね。今年度の要求の中でも一億九千九百万ですか、バス補助が。これが、大都市は一切補助対象になっていない。ところが、大都市がいま一番その問題で苦しんでおる、再建団体では。だとすれば、当然これはその枠の中に含めるべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○説明員(金子憲五君) 公営交通事業の健全化法が昭和四十八年にできまして、それの施行とともに大都市をも含めましてバスの更新につきましては補助が出されておりました。これが四十八年から五十二年まで継続されたわけでございますが、五十二年でその補助期間が切れるに当たりまして、一年だけさらに延長するかどうかという問題が起きまして、その際、大都市だけは落とし、その後地方の中小都市につきましてバス補助事業を継続することにした次第でございます。 大都市だけを補助対象から外した理由と申しますのは、その当時におきまして大都市のバス事業の赤字額が非常に大きい、中小都市におきましては、バスの購入費についての補助金を継続することによって赤字が黒字に転換する可能性が非常に強い。しかし、大都市におきましては、その発生する赤字の額が余りにも大きくて、バスについての購入費補助だけでは赤字を転換することができない。言いかえれば、その補助金の効果が疑わしいものがあったということが一つの原因でございます。そのほか、大都市の乗客数の減少の原因にもなるわけですが、地下鉄が逐次整備されつつある、それによりましてバスの路線の再編整備が必要になる。バスの車両数も減少しなければならないというような事態がございました。それからさらに、当時、大都市におきましては比較的車両の実使用期間、耐用年数が短くなってきた。ところが、民間におきましては十一年ないし十二年の使用期間、耐用年数となっておる。このようなことで、大都市の耐用年数を延ばして全体としての償却費負担を減少させていきたい、このような考え方もあったために、大都市におきましては、どちらかといいますとバスの車体の更新の必要度が少ないと、こういうような関係もありまして、大都市のバス購入を補助対象から外すというような措置を講じた次第でございます。
○佐藤三吾君 いま、三つの理由を挙げたんですけれども、まあ地下鉄の問題は一つわからぬでもない。しかし、地下鉄が仮に延びるとしても、いま早急に間に合うようなしろものじゃないですね、地下鉄をつくっていくにしたって。これはなかなか年数のかかることです。五十二年まで大都市を対象にしながら、五十二年から更新バス補助というふうに変えていったこの経緯も私もよく知っています。しかし、具体的な理由というのは何ですか。一番最後に言ったところにポイントがあるんですか。それとも前の——赤字が一番大きいから補助をよけいしなきゃならぬというならわかりますけれども、大きいから補助の必要はないんだという理屈にはなかなかならぬのじゃないかと思うんです。ここら辺の問題に本音があるのじゃなくて、本音はむしろ、大都市は革新首長が多い、そういうことに対する報復も含まれているんじゃないですか。どうなんですか。
○説明員(金子憲五君) 補助制度を継続するかどうかについての判断でございますが、一つには、最初に申し上げましたように、補助金を交付いたしましても、それが直ちに赤字を黒字に転換するという効果に結びつかないという補助効果論が一つでございます。それから、もう一つの大きな実際上の理由でございますが、当時におきまして、現在もまだ続いておるところが多うございますが、大都市におきましてはバスを更新する必要度が少なかった、したがいまして、補助制度を継続いたしましてもその対象となる車両数が少ない、こういうような事情があったわけでございます。
○佐藤三吾君 そうすれば、更新する車両があれば補助対象に当然すると、そういうふうに理解していいんですか。
○説明員(金子憲五君) 現在の判断といたしましては、補助効果について、補助効果が乏しいから補助対象から外すという考えも大きな要素になっておりましたので、補助制度を復活するつもりは現在のところございません。
○佐藤三吾君 そうすれば、たとえばあなたの話を延長すると、大都市については特別に財政再建の措置をとらなきゃならぬ。これはもうとにかくバス補助ぐらいじゃとても手に負えぬ、抜本的な再建が必要だと。そういうものが同時にどうしてとられなかったんですか。
○説明員(金子憲五君) 五十三年度以降におきまして、それまでの地下鉄網の整備の状況とにらみ合わせまして、バス路線の大々的な再編整備を行ってきております。ただ、それによりましても大都市のバス事業、特定の都市におきましては非常に深刻なものがございますので、それだけによっても解決し切れない。その大前提といたしまして、大都市における陸上交通についての考え方をどうするか、その上に立って、地下鉄あるいはその他の国鉄、民鉄とバス路線との関係、そういったものを一度考え直し、その上に立ってバス事業を見直してみる必要があると、このように考えまして、五十六年に大都市交通についての研究会を開き、その結果を待って、大都市バス事業についての考え方を立ててまいりたいと、このように考えている次第でございます。
○佐藤三吾君 それは、あなたが最後におっしゃったのは、大都市公営交通問題調査研究ということでしょう。これは今年度初めて出てきましたね。言うなら、現在もう大都市は赤字を抱えて大変苦しんでおる。都市によっては、そのために七九年度の賃金の改定が一年半もおくれている。これは私はことしの四月九日の決算委員会で取り上げた問題ですけれども。大体、いま調べてみると、これはことしの八月ごろに去年の賃金が支払われたように、清算が済んでおりますけれども。そういうような異常な状態になっておるにかかわらず、これから大都市の問題を研究するのだ、今度の予算をつけて五十六年度から研究するのだと——研究している間は一体どうするんですか。当面の措置をどうするんですか。それを聞いておるんです。
○説明員(金子憲五君) 当然、従来の方向に沿いまして、バス路線の再編整備をやってまいりたい。従来の方向といたしましては、車両数の減少、その他の措置を講じてまいりたい、このように考えております。
○佐藤三吾君 だから、それは結構なんです。それは検討も結構でしょうが、当面、せっかく地方バスについてはバスの更新補助という制度ができてそれが活用されておるわけだから、その中に、何も十一年の耐用年数のものを九年か八年くらいでかえろと言っておるわけじゃないのだけれども、少なくとも、地方にバス補助をするのと同様の条件があるバスの更新については、大都市もこの中に入れて当面対象にしていく、このことを私はきちっとしてもらいたい。こういうことでいま質問をしておるわけです。
○説明員(金子憲五君) バス事業におきましては、大都市と地方の中小都市とは体質に相当の違いがございます。五十二年度から五十三年度にかけまして、当時、石油ショックの後始末が大体終わりかけてきたときでございますが、各種の再建措置についての見直しを行って実施をしてまいりました。その結果、中小都市におきましては、ほぼ単年度においての収支の均衡を見ると、したがいまして今後赤字は逐年減っていくということで、再建の見通しを立てることができたわけです。ところが、大都市におきましては、必ずしもそうはいかない。かえって赤字がふえるところもある。その原因といたしましては、繰り返しになりますが、地下鉄の整備によるバスから地下鉄への乗客の移動、これによる乗客数の減少、あるいは、節約ムードその他によります客離れ、まあいろいろあろうかと思いますけれども、乗客数の減少が著しいというようなことがございます。 これに対しての対策といたしまして、サービスの向上その他の措置もそれぞれ講じてきたわけですが、さらに、大きな原因といたしまして、原価構成上、中小都市に比べましても、さらに民間事業に比べましてははるかに顕著なものがあるわけですが、大都市の交通におきましては非常にキロ当たりの原価が高くなっておるというこの構造的な要因を何とかしなければ、大都市の交通は根本的には立ち直り得ないというふうに考えております。したがいまして、現在のところ、私どもは路線の再編整備を行いつつ、内部努力によりましてこの構造的な要因、これをできるだけ圧縮してまいりたいと、このように考えておるわけです。 具体的な方策といたしましては、合理化、特に、その中におきまして人件費の圧縮といったようなことでございますが、これによってその体質を変えていかなければ、根本的に大都市交通の再建はできないんじゃなかろうか、このように考えておる次第でございます。
○佐藤三吾君 大都市の交通問題を研究していくということは、私は結構だと思うので、これはひとつ日時、構成は、いつごろどういう日程でやるのかということを後で聞かしていただきたいと思います。 しかし、大臣もいままで聞いておったように、そういった研究をし、そうして路線の縮小問題も含めて検討していくことは結構だけれども、いま一番路線バスで深刻なのは大都市なんですよね、赤字の問題で。この現象に対して、内部努力だけでもって済ませるという性格のものじゃないんだ。そういうことで再建ができる性質のものでもない。さっき私が申し上げたように。ですから、そこら辺の問題については、同時並行的に現在あるバス補助はバス補助として——更新補助ですか、正式な名前は。これはひとつ大都市にも適用していくと、こういう方向でぜひ検討していただきたいということを大臣に要求しておきたいと思いますが、よろしいですか。
○国務大臣(石破二朗君) 先ほど来佐藤委員の御質問を拝聴しておったわけでありますけれども、大都市の交通、特にパス交通の問題は解決きわめて困難な問題のように考えております。 御承知のとおり、東京、大阪、名古屋、若干の差はありますけれども、乗車効率十数%から二十数%にとどまっております。結局、悪い表現ですけれども、世間ではよくこれは、こういう場合には、よけいなバスを走らしておるんだと、走らぬでもいいバスを走らせて、結果、赤字が出ておるんだと言われてもやむを得ない実情ではなかろうかと思います。地下鉄もだんだん整備が進んで便利になってきております。それと関係なしにということはないと思いますけれども、そういう状況のもとにおいて、公営企業としての大都市のバスいかにあるべきか。簡単に、これが赤字対策として、国が助成すれば済むというようなものではなかろうと思うんです。こういうものに大切な国民の税金をつぎ込むことはいかがかと、根本的に考え直していただく必要があるのではなかろうかと、かように考えております。
○佐藤三吾君 いや大臣、私も、都市交通問題を検討する、大都市問題を。研究会をつくってそこで研究していくということについては異論はないんです。しかし、大都市ほどそうですけれども、いわゆる自治体だけで対応できる性格のものじゃないんです。このバス問題は。いまあなたおっしゃったけれども、地下鉄も重要ですし——これは後ほどまた質問しますけれども、地下鉄は重要だけれども、しかし、同時にやっぱりバスの、国民の足として、都民の足として、また、市民の足として重要な役割りをやっていることも間違いない。ですから、そういう意味では、これをいまあなたが言うように、よけいなバスが走るという感覚ではこれはどうにも解決のしようのない、都市バス問題を知らない私はやっぱり判断じゃないかと思うので、そういう大臣の答弁について、いただけないと私は思うんですよ。 むしろ、そのよって来る原因でできた問題についての救済は自治体だけの内部努力でさせるということでは、これはなかなか解決できるものではございません。やっぱり国もその責任の一端を担ってやるべき性格のものじゃないかと、こう言っておるわけですから、その意味でこの再建都市のバスの更新補助という制度もできておるわけです。その意味でできておるこの補助が、いわゆる大都市だけは除外という論理というのは、どうしてもこれは私は理論的にも実際的にも矛盾があると、そう思うんです。そこら辺を大臣がもう少しこの問題について、ひとつ検討していただきたいということを言っておるわけです。そういうことはいいですね。
○国務大臣(石破二朗君) 他の都市のバスについては助成しながら、大都市を除外しておるのは不公平じゃないかと、御指摘ごもっともと思います、その点は。検討させていただきます。 ただ……
○佐藤三吾君 もうそれだけでいい。
○国務大臣(石破二朗君) ただ、乗車効率の悪い点は、私が、よけいなバスを走らしておるのだと申したわけじゃありませんで、世間ではそういうことを言っておる人もあるのだが、それもやむを得ぬかと思うと、こう申しただけでありますから、あしからず御了承賜りたいと思います。
○佐藤三吾君 わかりました。 それでは金子さん、その大都市研究会の日時、構成はどうなっているんですか。
○説明員(金子憲五君) まだ研究会についての予算を要求中でございまして、詳しい構成メンバー等については考えておりません。ただ、交通問題あるいは都市問題あるいは財政問題、こういったものについての学識経験者を構成メンバーとして考えてまいりたい、その程度の考えでございます。
○佐藤三吾君 一番この問題で悩んでおるのはやっぱりバス労働者でもあるわけです。また、もし廃止をすることになれば、当面出てくるのはやっぱりバス労働者であるわけですから、労働者の代表をこの中にぜひ入れていただくということを要求しておきたいと思います。よろしいですね、大臣。
○国務大臣(石破二朗君) 即答はいたしかねますけれども、御要望のありました点、十分考慮してまいりたいと思います。
○佐藤三吾君 そこで運輸省に聞きたいんですが、都市基幹バス整備ということで、昨年調査費がついて名古屋で実験が行われておるわけですね、この問題について。その結果、どういうような考え方に立っておるのか、それが一つ。 それから、バス・ロケーション・システムがいま年々整備されておるわけですが、今後の計画はどういうふうな計画を持っておるのか。この点についてお聞きしておきます。
○説明員(大久保一男君) 最初のお尋ねの、都市基幹バスについてでございますが、都市バス対策の一環といたしまして、都市の骨格を形成する基幹的なバス路線、言いかえますと、地下鉄に準ずるような路線のうち、都市基幹バス路線として整備すべきものにつきまして、バス専用レーンの設定による運行速度の向上と定時制の確保と、あわせまして、運行回数の増加とかあるいは車両の低床、広ドア、冷暖房化あるいは停留所施設の整備などを行いまして、水準の高いサービスの改善をいたしまして、マイカーからバスへの需要の転換を図りまして、省エネルギー低公害型の望ましい都市交通体系を形成していくべきものと考えております。 先ほど申し上げましたが、五十六年度の予算要求におきましては、このようなパス路線の整備を促進いたしますため、バス車両の増強、代替、それから冷暖房化、さらに停留所の改善整備に要する経費に対しまして、補助制度の新設を要求してございます。 それから第二のお尋ねの、バス・ロケーション・システムでございますが、来年度は大体三都市を予定しております。
○佐藤三吾君 この都市基幹バスの整備について、いまお話しがあったように、非常に重要な意味を持っておると思うんですが、都市バスの再生という意味でですね。これは昨年大蔵要求をやって、大蔵省からいわゆる削除になったわけですが、大蔵省来ていますか——大蔵省、どういうふうに受けとめておりますか。
○説明員(伊藤博行君) お答え申し上げます。 御質問のように、昨年度も御要求がございました。結果的には予算化されておりませんが、その前に、私どもが都市交通についてどう考えるかという点につきまして、ただいま運輸省あるいはその他の各省庁からいろんなお話しございましたけれども、それと財政との問題をどう絡み合わせていくのかというのが毎年毎年の予算の問題になってこようかと思います。御案内のような財政状況のもとでの予算編成でございますので、他のもろもろの財政需要、たとえば対象を運輸行政という分野に限定いたしましても、非常にもろもろの需要がございます。そういった中で最も緊急度の高いものからという観点から、運輸省と、あるいはその他の省庁と、いろいろ御議論申し上げながら最終的な予算案、政府案にしてまいったということでございます。 そういったもろもろの議論の結果として先ほど先生がおっしゃったようなかっこうになっておりますが、そういった議論のプロセスといいましょうか、あるいは議論をする前提になっております財政事情というのは、本年度といいますか、五十六年度予算編成をする場合におきましても基本的に変わっておりません。もちろん、五十六年度予算がどのようなものになっていくかは今後とも運輸省を中心にした関係省庁と議論を重ねなければなりませんけれども、そういった事情の中での予算編成ということであるということも御理解いただきまして、今後予算編成過程でいろいろな観点から検討を続けさしていただきたいというふうに考えております。
○佐藤三吾君 これは運輸省は、一年間の言うなら調査をやった上で今度は要求するわけですね。運輸省、昨年の経緯もあるわけですけれども、私はやっぱりここのところが一番大事だと思うんです。省エネというのが非常に強調されておりますけれども、ことしの四月の九日の決算委員会の議論でもそうなんですが、やっぱりマイカーの問題とあわせて都市交通の、特にバスの問題が非常に厳しい環境に置かれておるという点で議論をやったことがあるんですが、やはり、鶏か卵かという議論でなくて、むしろそうあればあるほどバスの体制の強化をしていく、大衆の足を守っていくと、こういう観点でひとつ今年度は調査もし努力もしてまいりたいという、そういうたしか運輸省側の答弁だったと思うんですけれども、これはそういう意味合いでは、一年の調査の結果、よほど成算を持って臨んでおると思うんですが、もう一度その問題についての運輸省側のひとつ態度をいただいておきたいと思います。
○説明員(大久保一男君) 御指摘のとおり、都市バスをめぐる交通環境は非常に厳しいものがございます。私どもといたしましては、都市バスは高速鉄道とともに都市における大量公共輸送機関として重要な役割りを担っております。通勤通学輸送を初め市民の足として安定的効率的な輸送サービスを提供すべき任務にあると思います。先ほども申し上げましたように、モータリゼーションの進展とか交通渋滞等によるバスの利便性がかなり低下しておりまして、これに伴うバス離れと採算の悪化ということで、都市バス輸送はその役割りを十分に果たせないような現状にございます。したがいまして、それを打開するために、従来からバス専用レーンの設定等交通環境の改善を推進するとともに、バス事業者に対する輸送サービスの改善指導を行いつつ所要の助成措置を講じてまいったところでございます。 来年度におきましても、先生御指摘の都市基幹バスについては特に目玉と考えておりますので、財政当局の理解を得ながら実現に努力してまいりたいと思います。
○佐藤三吾君 大蔵省ね、いま運輸省の方から目玉として要求するということですが、去年の場合はあなたのところでどういう理由でこれを削除したんですか。
○説明員(伊藤博行君) 先ほど御答弁申し上げましたように、事柄一つずつを取り上げますといろいろな理由があろうかと思います。私ども、限られた財源を予算化していくという宿命のもとで予算編成作業を行っておりますので、対象を運輸省関係の予算に限定いたしましても、いろいろな要求がございます。昨年度も同様であったわけでございますが、そういう他の財政需要あるいは要望、それから当該検討の対象になっております事項のいわば効率性といいますか、その目的が仮に望ましい目的であるにいたしましても、他の手段によってかえ得ないものなのかどうか、あるいは、他の方法と相またなければおよそ効果を発揮しないものなのかどうか、あるいはその他いろんな観点の議論があったかと思います。結果的には、運輸省関係の他の予算化されたものとの相対的な比較においてであろうかと思いますけれども、五十五年度の予算におきましては、先ほど来御議論ございますように調査費ということに相なったというふうに承知しております。
○佐藤三吾君 これは大蔵省の削った理由をいろいろ聞いてみても、なかなか抽象的で積極的な理由はないようですね。これから予算折衝に入るわけですが、これは大臣、答弁要りませんけれども、やっぱり都市バスの再生できるかどうかを問われるぐらいに重要な意味を持っているわけですから、これはおれの所管外だというんじゃなくて、重大な関連性を持っておるわけですから、ひとつ予算折衝を含めてぜひ大臣としても実現できるように当たっていただきたいということを要望しておきます。 それから次に、地下鉄の問題です。これは本委員会でも先般問題になりました。再々問題になっておるわけですが、何分にも地下鉄はキロ当たりの工事費というか建設費が非常に高い。二百五十億もしくは三百億という、こういう実態にあるわけですから、それに対して積極的な態勢がなければ、やろうとしてもできない。こういう現実は、もう皆さん御承知のとおりだと思うんです。今度は、福岡、京都も加わって、地下鉄が非常に大都市を中心に進められておるわけですが、一つは、建設費補助が改善されたと言いながらもなおかつ高い単価から見ると自治体の負担というのが非常に大きいわけですね。これは大臣も先般そういうお話ございましたですね。ところが、とりわけそういう中で改良費については、これはいま全然補助対象になってない。先般、地崎運輸大臣は、私の質問に対して、まあいろいろの経緯があろうけれども、今年度はぜひ実現できるように努力していきたい、とりわけ省エネ化の時代になって、地下鉄の重要性が非常に増してきた、そういう意味で新しい情勢とも言えると、こういう答弁をいただいておるわけでございますが、この点については今日までの経緯は一体どうなっておるのか、運輸省のひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(森谷進伍君) お答え申し上げます。 輸送力増強、保安の向上等のいわゆる改良工事につきましては、五十五年度の予算要求におきましても要求を行ったところでございますが、これにつきましては、こういった工事が必要となる路線の収支が比較的良好であるといったこととか、その他いろいろ問題点もございまして、最終的に予算化されなかったという経緯があるわけでございます。 運輸省といたしましては、先ほど御答弁を申し上げましたように、五十六年度の要求で五億七千二、三百万要求をいたしておるわけでございますけれども、こういった地下鉄の機能の向上を図るために行われる工事が、直接的にはその後の増収につながらないとか、あるいはこういった工事に伴う資本費の負担が経営の悪化要因となると、こういった点もございますので、対象工事の重点化を図りながら現在折衝をいたしておるところでございます。
○佐藤三吾君 これは主計官は去年の主計官じゃないね、運輸省担当の主計官はかわったようだね。私は去年この問題で主計官とも議論やったんですが、そのときに言ったのは、もうけておるところの路線だからそこに補助する必要はないんじゃないかという、非常に地下鉄というものを知らないような答弁が返ってきたんですよね。私も大変憤慨した経緯を覚えておるんですけれども。これは、地下鉄の会計というのは一つなんですよ。路線ごとに会計があるわけじゃないんですね。そういう面ではまさに何をもってそんな議論をするのかなと、主計官というのは人種が違うのかなというぐらいに感じたこともあるんですが、この点は、いま運輸省からも再度そういうことで、省エネ時代で地下鉄が都市の交通の足として重要な意味を持ってきておるということで強調されておるわけですが、この辺は少しは変わったんですか、どうなんですか。
○説明員(伊藤博行君) 地下鉄の建設費助成につきましては、現在九事業者に対しまして助成が行われておると承知しております。 そもそも、地下鉄の新線建設につきましてこの助成制度がとられている理由というものは、私の理解いたしますところでは、投資の介入期間が比較的長い。ある程度の期間をとって考えれば収支のめどが立つけれども、比較的初期の段階にそういったコストが比較的大きくかかってくるというようなことから、比較的前半といいましょうか、前の段階での投資コストを柔らげるというようなことで設けられておるというふうに理解しております。まあ計算の方法等はやや技術的になりますので省略いたしますけれども、現在の制度がそういった介入期間が長いということに着目して制度が組み立てられているということからいたしますと、改良工事の場合がいわば根っこの部分とどういうふうに違うだろうか、あるいは同じなんだろうか、あるいは当初の収支計算を行う場合に一体どういう効果が出てくるんだろうか等々、いろいろ検討しなければならぬ問題が多いように思います。 まあ昨年のお話、私もいま初めて伺って、議論の経緯が——若干違ったことを申し上げているかもしれませんが、もし前主計官がもうかっているということを申し上げたといたしますと、それは路線別ということを単年度で見た場合に、ある程度の期間をとればどの路線も一応収支が出てぐるという前提でそもそも工事がスタートしておるということを踏まえて、比較的古くにスタートしたようなある路線についてはプラスが出てきておるということをあるいは言ったのではないかと思います。それから、そういった投資後の経過期間が比較的長くなっておる法人につきましては——公法人含めまして、法人につきましては、各種の路線をトータルしても利益が出ているというような、あるいは利益が出る傾向になってきておるところもあるというようなあたりをあるいは言ったのかもしれません。まあ昨年の経緯は経緯といたしまして、地下鉄の新線建設につきましての助成の考え方というのは冒頭に申し上げましたようなことで行われているというふうに承知しております。 五十六年度に新たに要求されている部分をどう考えていくかという点につきましては、これは先ほど来申しておりますように、他のいろんな関係、運輸省関係だけでも、しかも陸上部門だけをとりましてもいろんな関係の御要求がございます。そういったもの全体をそれぞれどう考えていくかということの中で検討をさせていただきたいというふうに思っております。
○佐藤三吾君 まあこれから検討すると。それは中身としては今後詰めていくだろうと思うんですが、しかし、この路線はもうかっておるから、そのもうかっておる路線の改良工事だから補助対象にする必要はないんだと、そういう考え方というのは、ぼくは誤りだと思うんですよ。あなたがさっきに言ったように、なぜ補助をするのかと言えば、長期に返済しなきゃならないもので、しかも大変な単価の高いというか、工事費の高い事業です。将来何年かたてば採算がとれるかもしれぬ、もう二十年か三十年かたてばとれるかもしれぬけれども、しかし、当場としてはちょっと自治体で手に負えるしろものじゃない。そういうことで、一時的にも国家として、国としてやっぱり相当な助成をしなきゃならぬということでこの補助金制度をつくっていった経緯から考えてみますと、改良工事も同じだと思うんですよ。ですから、そこら辺はひとつ、今度はそういう感覚じゃなくて、もっとやっぱりいまの地下鉄会計の実態というものをとらえていただいて、その中から深刻な状態というものはおわかりになると思いますから、そこからひとつぜひこの問題に対する生きた助成ができるように、そういった観点からひとつぜひ詰めていただきたいと思うんです。 私は、大阪の現地にも参ってみました。確かにいまの実態から見ると、いわゆる改良工事というのはそう時間を置いて検討するようなそういうしろものじゃなくて、需要と供給の関係ございましょうが、非常に手狭になっておることは事実ですから、下手をするとこれはまた人命問題まで起こりかねぬということにもなりかねぬ性格のものだと思うんですね。そういう緊急性を持っておるところが、いわゆる大蔵省のそういう態度でもって事態が前進しないということは大変問題があると思うので、ことしはひとつそういう観点からもぜひこの問題が実現するように検討をいただきたい、そういうふうに思います。 これは大臣もひとつぜひこの問題については、これについての答弁はほかの議員からの質問の中でいただいておりますから、あえて二重、三重いただきませんけれども、お願いしておきたいというふうに思います。大蔵省、運輸省結構です。 それから、次に自治省に返りますが、五十四年度の賃金がことしの八月までかかると、こういう事態がありましたね、再建団体について。私はやっぱりこの問題は、先般の委員会でも質問したように、労働者の賃金というものは、たとえば労働基準法を見ても最優先に保障されなければならないということで規定されておりますように、そういう重大な意味を持っておると思うんです。確かに国鉄も六兆円の借金を抱えておる。しかし、仲裁裁定は御存じのとおりに十月三十一日にはもう完全に実施されておるように、再建問題と賃金の問題を絡ませること自体というのは、非常に私は基本的に間違っておると思うんです。今回、八〇年度の賃金が間もなく国会の中で措置されるだろうと私は思いますが、こういう時点で、今年度の賃金の支給について、都市交通の問題、どういう見解を持っておるのか、これはへたをするとまた問題になる性格を帯びていますから、ひとつ自治省の態度というものを聞いておきたい、こういうように思います。こういう問題について、また絡ませるのか絡ませぬのか、少なくとも私は賃金は別個に取り扱うべきだと思うんですが、いかがですか。
○説明員(金子憲五君) 御指摘のように、五十四年度の各交通事業の再建計画の変更に当たりまして、五十四年度においての給与改定が実施できなかったと、それが本年度の八月、九月ぐらいまで延びたというようなことがございます。 五十五年度においてそれがどうなるのか。五十五年度の再建計画の実施状況、今後の見通し等を考えなければなりませんが、現在、各都市におきましては、この十二月一日からの料金改定を予定しておるところが多うございます。それらの料金改定の状況、その後の実施状況等を見ながら考えてまいりたいと、このように思っております。
○佐藤三吾君 いま言ったような私の趣旨もその中で判断して、このことがまた昨年と同じような二の舞になるようなことのないように、ひとつぜひ注文をつけておきたいと思います。 時間がございませんから、以上で都市交通問題を終わりまして、最後になりますが、身障者問題で二、三ひとつ聞いておきたいと思います。 来年は国際障害者年で、それぞれ準備が進められておるわけですが、 〔委員長退席、理事熊谷弘君着席〕 依然として健常者中心の社会というのがいまの実態であろうと思うので、特にきょうは雇用の問題にしぼってひとつお聞きしてみたいと思います。 十月二十一日に労働省が発表して、本年の六月一日の実態が出されております。それを見ると、雇用率が三百人以上の企業で〇・九七%と非常に悪い。それから、特にその中で、千人以上の大企業の場合が〇・六%と、未達成企業が八一・五%と、こういう数字が出ております。これはまあペナルティーを払えばそれで済むんだという安易感があるのじゃないかというふうに思うんでありますけれども、この点一体労働省としてはどう考えておるのか、実態とあわせて御報告いただきたいというのが一つ。 それから、産業別の中でも、特に化学工業、卸売小売業、それから金融、保険、不動産、こういうところが特別に悪いですね、雇用率が。これはどうして悪いのか私にも理由わからぬのですけれども、どこら辺に問題があるのか、ここら辺をぜひひとつお聞かせいただきたい。
○説明員(若林之矩君) お答え申し上げます。 本年六月の一般の民間企業におきます雇用状況でございますが、先生御指摘のとおり、全体では一・一三でございます。法定雇用率は一・五%でございますが、一・一三でございまして、昨年が一・一二でございますので〇・〇一ポイントの伸びにとどまっているということでございます。 〔理事熊谷弘君退席、委員長着席〕 三百人以上の企業につきましては、ただいま御指摘のように〇・九七でございまして、昨年〇・九四でございますので、〇・〇三ポイント伸びたということでございます。 御指摘のように、依然として大企業では雇用率が低く、しかも未達成企業の割合が非常に高いというのが現状でございます。私ども、そういった意味で、特に大企業を中心といたしまして指導を強力に進めているわけでございまして、未達成の企業に対しまして雇用率の達成計画の作成命令というものをこれまで一千百十六件発出をいたしておるわけでございます。さらに、この計画の進捗の好ましくない企業につきましては、適正実施の勧告というものを出しておりまして、これが百十三件になっております。こういった中で、最近大企業の雇用に対する理解はかなり高まってきておりまして、本年実は前年に比べましてネットで六千七百三十五人障害者の数がふえましたけれども、これは昨年は二千人でございましたが、ことしは六千七百三十五名になっております。 これを企業別に見てみますと、大企業ではそのうち五千二百五人、昨年は二千百二十七人ということでございまして、だんだん理解が深まってきているところでございますが、私ども特に大企業を中心に今後指導を強力に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 産業別に見ますと、先生御指摘のように、化学工業、卸小売、金融、保険というところが率が低いわけでございまして、実は金融、保険業——金融業につきましては、九月に都市銀行の労使のトップにお集まりいただきまして労働大臣から強く要請をいたしました。また、先ごろは化学工業の労使のトップに参集いただきまして、労働大臣から雇用率の達成について強くお願いをしたわけでございます。 そういった席で出されておりましたのは、金融業というものは対人関係業務というようなものが比較的多くて、そういった面で障害者の方の職場が製造業等について比べますと少ないといったような御指摘がありました。化学工業につきましては、いわゆる有害、危険業務といったような面から阻害要因があるということでございましたけれども、私どもそういった面につきましては克服しておられるところが多々あるわけでございまして、そういった例も示しながら職場の開発を進めていただくように強くお願いをしておるところでございます。
○佐藤三吾君 それにしても、たとえば化学工業で未達成が六割ね、企業で。それから卸小売業で七三・二%でしょう。金融でいくと今度は七三・五%、七割を超える企業が達成できてない。これは私はやっぱり、努力をするすると言っても、現に努力をしていないじゃないか。これは五割か六割までいっておって、三割、四割とか二割残っていますとか、こういうならわかるけれども、全然あべこべなんだ。何か基本的に原因があるんじゃないですか。あなたの方の指導の弱さがあるのか、どこかに何か基本的な問題がありそうな感じがするんですけれども、それはないですか。
○説明員(若林之矩君) 障害者の雇用問題につきましては、法制面では三十五年以降私ども指導を続けてまいったわけでございますけれども、昭和五十一年に法律の全面改正をいたしました。現在、その五十一年法に従いまして強力な指導を進めてきておるわけでございますけれども、基本的にはやはり今日まで企業の障害者問題全般に対する理解がきわめて低かったという点が、やはり欧米と比較いたしましてわが国のこれまで障害者の雇用を阻害してまいった一番大きな問題であるというふうに考えております。
○佐藤三吾君 ぼくは、民間の場合の法定雇用率が一・五ですか、その一・五というのが絶対じゃないと思うんですよね。むしろ二になり三になっていかなきゃならぬ。ところが、一・五の法定の雇用率も未達成が七割も八割もあると、こういう実態なんだからね、これはやはり、言いかえれば罰金ですか、あれは反則金になるんですか、一人について何ぼとか払えば免責されるという、そういうところに一番大きな原因があるんじゃないかと思うんです。だから、そういうものではないということがきちっと理解されていかないと、これはなかなか私はやっぱり達成できないと思うので、そこら辺をひとつぜひ今後対策を強めていただきたい。これは障害者の皆さん方の言い分も、あれは一人三百万ですか何ぼですか、とにかく金を払えばもう雇わぬでもいいんだというのがありありとしているというんです。企業に行ってみると。だから、決して皆さんの問題を重視してないというわけじゃございません、ちゃんとその反則金ですか、それは払っていますから、それで責任はちゃんと持っておるんですと、こう言っておるというんだね。こういうところに私は基本的な誤りがある、指導の不徹底があると、こう思いますので、ここら辺はひとつぜひ対策を強化していただいて、来年の障害者年に少なくとも金融、保険、不動産というところはこういう実績でないようなきちっとした体制をつくっていくべきだと思います。 問題は、そういったことの一番大きな原因になるのは、国自体、地方自治体自身も守ってないじゃないか。法定雇用率を決めながらおたくさんの本体が守ってないじゃないか。労働省は守っているといってもようやく丁九ぎりぎりじゃないか。自治省と国土庁と沖繩開発庁と科学技術庁、これは達していないじゃないかと、こういうのがその問題の本質にあるんじゃないですか。どうですか。
○説明員(若林之矩君) 先ほどの納付金の問題につきましては、先生御指摘のように、これはペナルティーでございませんで、事業主の間の社会的責任を経済的に調整する制度でございますから、これを払うことによって雇用率の責任が免除されるというものでは全くないわけでございまして、その点は先生御指摘のとおりでございます。私どもも常々そのように指導をしてきておりますけれども、今後ともそれらの点について誤解のないように指導を進めてまいりたいと存じております。 ただいまの、国の機関の問題でございますけれども、国土庁につきましては国の法定雇用率一・九%に対しまして一・一二%でございまして、これは未達成でございます。それに対しまして、科学技術庁、これ一・八六でございます。それから沖繩開発庁一・八三、自治省一・八〇でございますが、これらの三省庁につきましては、法定雇用身体障害者数は職員数に法定雇用率を乗じまして端数を切り捨て得た数値が法定の義務になっておるわけでございまして、これらの省庁につきましては、一・九%を下回っておりますけれども、法定雇用の義務は果たしているということでございます。
○佐藤三吾君 義務は果たしておるといっても、ぎりぎりじゃないですか、逆に言うなら。大まけにまけてみてもね。問題は、労働省が三とか四とか五とか、自治省がやっぱり少なくとも二とか三とか、こういうように、少なくとも人に言う以上やっぱりみずからえり正すと、これが基本じゃないですか。そういう意味で私はこれは——大臣どこへ行ったのか、肝心のときに大臣おらぬじゃないか——ここら辺はひとつきちっとしてもらいたいと思うんです。 それからもう一つ、都道府県、これは非現業が一・五三、一番悪い例は教育委員会が一・一七だと、こういうんですね。確かに教育委員会は未達成が四十六都道府県になっておる、これはそういう数字を裏打ちしておると思うんです。しかし、未達成県も二県あるわけでしょう。これはどかとどこですか。同時にまた、市町村は八百十五の市町村が未達成になっている、非現業で。これは自治省としても責任重大だと思うんだ、ここら辺の問題は。この辺について見解をお聞きして、これはひとつぜひここら辺の達成に全力を挙げていただきたい。まずやっぱり国、地方自治体、その他が法定率を守って、それを上回って、そしてやっぱり民間にもひとつぜひその点を理解してもらうと、この姿勢が私は基本だと思うので、この点をひとつお聞きしておきたいと思います。時間がございませんが、何か大臣はすぐ帰ってくるようですから、大臣からも答弁いただきたいと思います。 それから、未達成の市町村八百十五については、きょうここで発表できなければ、私の手元に、ぜひどこどこが未達成なのかを明らかにしてほしいと思います。 それから、埼玉、神奈川、東京など六県、名古屋、神戸などでは身障者のみの選考採用という制度をつくってやっておる。そのほかの自治体はほとんどやっていない こういう実態も出されておりますから、ここら辺もひとつ、やはり身障者に ついては特別に選考雇用の機会をつくっておく、制度的にもきちっとしておく必要があると思うので、そこら辺の見解も承っておきたいと思いますし、それから、採用の実態を見ると、軽、中度の人が非常に多い。都道府県では重度の人は五分の一しか採用されていない。市町村は八分の一しか重度が採用されていないですね。ここら辺にも問題がありそうな感じがしますから、ここら辺についての見解も承って私の質問を終わりたいと思います。労働省、自治省の方からひとつぜひお願いします。
○説明員(若林之矩君) ただいま先生御指摘のとおり、雇用率は、その数字になればいいというものではございません。国、地方公共団体等は民間に率先して障害者を雇用すべき立場にあるわけでございまして、そういった観点から、本年九月政務次官会議で申し合わせを行ったところでございます。「国、公共企業体、特殊法人及び地方公共団体における身体障害者の雇用促進について」という申し合わせでございまして、ここの中で、「国は、法定雇用率未達成の機関はもとより、これを達成している機関についても、民間における身体障害者の雇用促進の気運を高めるために、一層その雇用促進を図る必要がある。」ということを申し合わせているところでございます。さらに、先生ただいま御指摘のように、特に最近における障害程度の重度化傾向にかんがみまして、重度障害者の雇用促進が重要な課題でございますので、身体障害者、特に重度障害者の雇用の促進を進めるために各般の措置を講ずるということを申し合わせているところでございます。その中で、「任用候補者名簿に記載された身体障害者を積極的に採用するほか、選考により採用する官職について身体障害者を積極的に採用するよう努力を払うこと。」、「身体障害者を採用するため、各機関において職域開発の研究に積極的に取り組むこと。」と、こういったことを申し合わせているところでございます。今後このような申し合わせの線に沿いまして積極的にこの雇用の促進に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 最後に、先生より、未達成の県名及び市町村名を示すようにという御指摘でございましたけれども、実は私ども、このような状況につきましては、都道府県ベースにつきましては私どもが報告を受け、市町村については各都道府県が報告を受けるという形になっているわけでございまして、毎年六月にその状況を把握しているところでございますけれども、これは私どものこれら機関に対します指導の資料として聴取をいたしているものでございまして、これら機関の達成の状況につきましては、それぞれの地方公共団体がそれぞれの議会に対して明らかにし、またその達成の方途についての御審議をいただいているところでございまして、私どもといたしましてはこのような未達成名につきましては発表を差し控えさせていただきたいと思います。
○政府委員(宮尾盤君) 幾つか御質問の点がございましたので、私の方から細部の点についてお答えを申し上げておきたいと思います。 一つは、都道府県の非現業部門での雇用率の未達成の問題でございますが、御質問の中にございましたように、知事部局等においては一・九%を上回る雇用率になっておりますけれども、御質問の中にございましたように、教育委員会部門で雇用率の一・九を達成をしていないという状況がございまして、都道府県全体としては雇用率が下がっておると、こういう状況にあります。これはまあ児童を教育をする、こういう立場からいろいろな制約条件があるということでこういうことになっているというふうに私ども理解をしておりますけれども、いずれにいたしましても、全体として法律で定められた雇用率が達成できるように今後とも努力をしていかなければならないというふうに思っております。 それから、身体障害者を採用するための試験制度等の関連でございますが、一般的には、試験に当たりましては何ら制限を設けないで、一般試験に身体障害者も受験できる仕組みをとっておりますが、特に御質問の中にございましたように、一部の府県におきまして、特定職種について身体障害者の方々に対する試験制度というものを、選考等の方法によりまして実態に合った形でできるだけ採用する努力をしておる、こういうところがございます。私どもといたしましては、これは職種というものを、いろいろ身体障害者に合うような職種というものを開発をしながら、そういう中で試験方法等もいろいろ検討をしながらできるだけ身体障害者を採用をしていく、こういう努力が必要であろうというふうに考えておりますので、そういう点についても、今後地方団体を指導してまいりたいというふうに思います。 なお、中、軽度が非常に多いということでございますが、確かに、その障害の程度によりまして、地方公共団体のいろいろな一般業務というものをやっていく場合に、重度の場合、それなりの職場をうまく開発をしなければ採用しにくいという事情も幾つかあるだろうというふうに思いますが、こういう点につきましても、地方団体でもいろいろな工夫をこらしているところもありますが、そういう努力がさらに必要であるというふうに私ども考えておりますので、職域開発等を積極的に進めながら、できるだけ重度の障害者についても雇用ができるような努力はしてみる必要があるというふうに思っております。 自治省といたしましては、身体障害者雇用促進法の趣旨に沿うように、これまでもいろいろな機会を通じまして各地方公共団体に趣旨を徹底をしてまいっておりまして、ことしも総務部長会議等を通じてその指導をいたしたわけでございますが、今後ともこの指導の徹底を期してまいりたいと考えておる次第でございます。
○国務大臣(石破二朗君) 先ほど、ちょっと所用のため欠席しまして、大変失礼いたしました。 身体障害者の雇用促進に関する問題でありますが、すでに担当者からお答え申し上げたと思いますけれども、自治省におきましては、法定の基準を達成いたしております。 地方自治体の基準達成の状況でありますけれども、県の職員のうち、非現業部門において基準に達しないもの若干あるようであります。今後とも、少なくとも基準を達成するように、あれこれ理由はありましょうけれども、法律に定める基準は必ず守るように指導をしてまいりたい、かように考えております。
○和泉照雄君 消防庁にお尋ねをいたしますが、先ほど川治プリンスホテルの火災事故について報告を受けたわけでございますけれども、先ほどお話しがありましたとおり、昼火事にかかわらず、死者、行方不明が四十五名というまことに痛ましい事故で、衷心から御遺族の方々にお悔やみを申し上げるわけでございますが、ここで非常に問題になる点が二、三ございますので、その点を質問してみたい、このように思います。 新聞の報ずるところによりますと、最も重大な問題は、火元ホテル側に驚くばかりの防災体制をなおざりにした事実があるということでございます。火災の発見、通報のおくれのほかに、従業員の避難誘導の不手際、防火壁などもなくて、建物の構造自体も防火的になっていなかった点、消防法の第八条に規定してあります防火管理責任者も決められておりません。また、昨年の十二月に藤原町の消防本部が出した改善命令が、一年間も全然実行をされていなかった点が非常に問題であると思うのでございます。 そこで、消防組織法の第一条によりますと、「消防の任務」は、「その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害に困る被害を軽減することを以て、その任務とする。」と、このように規定されておるようでございますが、私は、旅館、ホテル等は安全性の確保ということが人命を預かる基本理念であるということからして、もうけ主義第一に走ることはまことに遺憾であると言わざるを得ないと思います。改善命令を守らない業者は営業停止の厳しい措置をとるべきではなかったのか、この点が第一点であります。 第二点は、いわゆる消防署の改善命令が、一年間も放置されて守られなかったという、また守らせなかったという消防署の責任は、私はきわめて重大であると思います。守らなかった業者もこれは責任が重大でありますけれども、守らせられなかった消防署の責任はこれはゆるがせにできないと、このように思うわけでございます。それが第二点。 第三点は、免責施設というのがあるようでございますが、これらも含めて、この際安全性を再検討をする必要があるのじゃないか、この点が三点目であります。 四点目は、火災が発生をすれば同ホテルの二の舞を起こす危険性のある旅館、デパート、雑居ビル等が全国で一万二千棟以上もあると言われておりますけれども、これに対する対策はどのように考えておられるか。 以上四点をお答え願いたいと思います。
○政府委員(鹿児島重治君) 今回、火災が発生いたしましたホテルにつきましては、延べ面積が三千五百八十二平米ございました。収容人員が二百七十七名でございますので、現在の消防法令からいたしますと、消火器のほか、屋内消火栓設備、自動火災報知設備、漏電火災警報器、非常警報設備、避難器具、誘導灯、誘導標識、このようなものを備えつけなければならないことに相なっておるわけであります。これらのうち、自動火災報知設備につきましては、最近増築いたしました一部につきましてまだ未設置の部分があったということ、それから現在設置されておりました誘導灯につきましては、これが小型でございまして大型のものにつけかえる必要があったということでございます。それからいま一点は、屋内の消火栓設備に非常電源を設置する等、その改修の必要があったということが指摘されているわけであります。このような各種の消火設備につきましては、従来から、現地の消防本部が査察のたびに指摘をいたしまして、逐次改善が行われていたわけでありますけれども、なお、いま申し上げたような不備な点があったということで、すでにお聞き及びかと思いますが、自動火災報知設備につきましては、火災の当日もなお改修が行われていたという状況でございます。 このようなことで、消防機関といたしましては、先ほどもお答えしたところでございますが、査察の結果不備な点がございました場合には、一定の措置を行政指導いたしまして、なおかつ、その改善がはかばかしくない場合に措置命令という手続をとるのが一般的なやり方でございます。まあ今回の場合は、措置命令というところまではいうておりませんが、改善を指示しながら旅館当局の改善措置というものを期待していたというところが実態でございます。 このように、消防当局の指示というものが速やかに徹底いたしませんでしたことはまことに遺憾でございまして、二十三日付で私どもが通知を出してございますが、この一斉点検におきましては、一斉点検の結果著しい不備がございましたものにつきましては、早急に改善の措置を進めるよう消防本部としても指示を行うように、このように示達をいたしておるところでございます。 それから、このような各種の設備に関連いたします。たとえば面積の基準でありますとか、あるいは火災の発生後の措置等につきましては、先ほど来申し上げておりますように、すでに各種の消防用設備の義務づけを行っておるところでございますが、今後、かかる事態が発生いたしませんよう検討を続けさせていただきたいと思います。 それから、全国の不特定多数が出入りいたします各種の防火対象物でありますが、その中でどの程度の危険のものが何カ所あるかということにつきましては、私ども、必ずしも詳細な資料が手元にはございません。しかしながら、全国で予防査察をいたしました結果、非常に数多くの指示がなされていることは事実でございます。したがいまして、現在既存の各種施設等につきましては、今後かかることがございませんように、先ほど来申し上げております査察を強化することによりまして、早急に改善を講じさしてまいりたい、かように考えております。
○和泉照雄君 自治大臣にお尋ねをいたしますが、特に消防法の第八条で、防火管理責任者を置くということが決められておるのにかかわらずそれも置かなかった、それから、改善命令が一年間も放置されておったということは、やらなかった方もですけれども、やらせなかったという消防署の責任は私はまことに重大だと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(石破二朗君) 法律に定めるところが実行されていない、それを消防の最終責任者が見逃しておったということありとしまするならば、これは重大な責任問題であります。 さらに、私自身もうちょっと勉強しなきゃよくわからぬので、不思議に思っておるんですけれども、何か、消防上、消火上欠点がある、法律の定めるところにも違反しておるというのを発見しても、すぐ直せという命令も出さないで、何か行政指導のようなことをしておって、なお聞かぬ場合に措置命令のようなものを出すのが従来のしきたりだということでありますが、そうなりますと、この消防法という法律はだれのための法律だと言わざるを得ないと思うんです。まあ旅館にされても、お客さんをよけい来てもらいますためには、ちゃんとしておりますと言った方が本当はいいはずなんです。したがいまして、消防法令を厳格に守らすことが、お客さんはもとより、経営者にもいいことだと私は思うんです。なぜそれをこれまで、従来のしきたりですなんて言っておるのか、実は、申しわけありませんけれども、十分究明いたしておりません。早急に御納得のいくような方法で善処いたします。
○和泉照雄君 やはり、人命を守るということが消防法の第一条にもちゃんとあるんですから、そこらあたり、経済性を余り重視するということも——考え方がですね。人間の命が大事なんだ、そういうようなことからやはり処理をされることが大事じゃないか。いまから校内暴力とかあるいは暴走族の問題も質問をいたしてまいりますが、やはり同じような私は精神を根底に置かないと解決できない問題ではないかという感じがしますので、特にこの火災の問題は、大臣がいまおっしゃったその精神を生かして処理をしていただきたいと、強く要望をしておきます。 次は、校内暴力について警察庁にお尋ねいたしますが、最近、中学校で粗暴、凶悪化の目立っている校内暴力事件についてお伺いするわけでございますが、去る十一月の十一日の閣議前の雑談で、これは新聞に載った記事でございますけれども、校内暴力の問題が話題になったときに、文部大臣に、何とかならないかとある大臣が問いかけたようでございますが、田中文部大臣は、先生は地方公務員だから自治大臣がと言って、逃げの姿勢であったという記事が載っておるようでございますが、これは素人でも、義務教育というのは、その指導助言は文部省の初等中等教育局から地方自治体の教育委員会にされることは当然だということは、これはもうみんな知っておるとおりでございます。特に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十三条九号によっても、教育委員会は教員、生徒、児童の安全に関する職務権限があることが規定されていることから、当然、校内暴力問題というのはこれは教育問題でございますから、文部省の責任範囲だと思いますけれども、文部当局の御見解を伺いたいと思います。 また、地方自治体で起こっておる問題でございますので、地方自治法第二百四十五条によって、自治大臣は「助言又は勧告することができる。」と、このようになっておりますので、自治省も全然関係がないと言うわけにはいかないと思うのでございますが、この点はいかなる御見解をお持ちであるか。 そして、文部省、自治省とも、本件の発生の原因をどのように把握をして、これに対してどのような対策を考えていらっしゃるか、御見解をお伺いしたいと思います。
○説明員(垂木祐三君) 御説明をいたします。 最近、校内暴力が非常に発生を見ておることは、私たちといたしましても大変遺憾に思っておるところでございます。校内暴力といいますと、一般的に学校教育の場におきまして生徒によって引き起こされる事件でございます。その校内暴力の原因といたしましては、いろいろ複雑な原因が絡んでおるかと思うのでございまして、たとえば本人の素質の問題とか家庭の環境とか社会的な風潮とか、そういうようなこともいろいろ絡んでおるかと思うのでございますけれども、やはり学校の場で発生しておるわけでございます以上、学校教育のあり方にもいろいろ問題があるのじゃなかろうか、こういうふうに思っておるのでございます。 学校教育といたしましては、御案内のとおり国家社会の有為な形成者としての基本的な資質の育成を目指して教育が行われておるわけでございまして、生命の尊重とか、暴力が否定されなければならないわけでございまして、そのような点につきまして、学校教育におきましても十分学校教育活動全体を通じまして指導をいたしておるところでございます。したがいまして、学校教育の場におきまして生徒が暴力事件を起こすことにつきましては、教育の至らなさにつきまして、学校におきましても教育委員会におきましても、あるいは教育行政を担当いたしております文部省におきましても十分反省をいたしまして、このような事件が発生しないように十分努力していかなければならない、こういうふうに思っておるわけでございます。
○政府委員(砂子田隆君) ただいま地方自治法の二百四十五条第一項の規定についての御質問がございましたが、ただいま文部省の方からお答えをいたしましたとおり、教育に関する問題は、もう先ほど先生がお話ししておられましたが、文部省の所管でございます。しかも教育の独立という戦後以来の立て方がございまして、知事が教育に直接携わるというのはむしろしない方がよろしいということで、実はそういう形の法律になっておるわけでもあります。そういうことから申し上げまして、一般的には、やはりこの問題につきましては所管省庁の指導監督のもとに行われるべきものであるというふうに理解をいたしております。 もともと二百四十五条の規定というのは、御案内のとおり公共団体の組織なり運営の合理化に資するための非権力的な指導をするというのが長のたてまえでもございます。知事に調整権があるといたしましても、なおかつその域を出ないものだというふうに考えておりますが、文部省等の方から自治省の方に共同の通達でも出してくれというお話がございましたら、そのときにはそれなりの措置をしたいとは思いますが、どうもこちらから出ていくのもいかがかというふうに考えておる次第であります。
○和泉照雄君 文部大臣が逃げの姿勢であるものですから、もう非常にやっかい視して責任を回避するようなことがあってはいかぬので質問したわけでございます。 次は、警察庁にお尋ねをいたしますが、警察庁は去る十九日に全国防犯・保安部長会議で、校内暴力に強い姿勢で臨んで、悪質な者は学校からの要請があれば教育の場を乱さない範囲で現行犯逮捕をすると、そのような積極的な取り組む方針を明らかにされたようでございますが、このような方針を決定される経緯についての御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(谷口守正君) 先生御指摘のとおり、この校内暴力、特に教師に対する暴力事件というものが各地で発生いたしまして、大きな社会問題になっておるわけでございます。 警察が取り扱った事例でございますけれども、本年上半期の発生件数を見ますと六百五件になっております。前年同期に比べまして一一・四%の増加となっておるわけでございます。このうち、特に問題になりますのが教師に対する暴力事件でございます。これが百四十件でございまして、前年同期に比べまして実に四八・九%と、大幅な増加となっておるわけでございます。この百四十件のうち百二十六件、九割までが中学生の事件でございまして、きわめて憂慮される事態だと、こう思うわけでございます。 そこで、この教師に対する暴力事件につきまして、私どもが取り扱った事例を通じてわかります特徴点を申し上げますと、第一に、非常に凶暴性が強くなったということでございます。中学生といいましても、最近体格が非常によくなって先生をしのぐぐらいというようなこともございますし、鉄棒などを使っての凶悪なというか凶暴性のきわめて強い事例が多くなっておるわけでございます。それから第二の特徴点は、校内のいわゆる番長グループによるものだけではなくて、その背後には卒業生やあるいは暴走族、地域不良グループなどの校外の粗暴集団の存在が認められるということでございます。中には暴力団が絡んでいるというような事案もあったわけでございます。それから第三には、暴力をふるう生徒は一般に言いまして学校の授業についていけないという者が多いということでございます。第四は、被害者でございますけれども、生徒指導担任の教師、あるいは生徒指導にきわめて熱心だという先生がほとんどでございます。それから第五には、従来、東京とか大阪とか、そういった大都市で発生するのが例でございましたけれども、最近は、農漁村など、いわゆる地方部においても発生しているということでございます。それから、最後に第六でございますけれども、かつては卒業式の前後にこういうような事件が起きたわけでございますけれども、最近は、もう年間を通じて発生しているというようなことでございます。 以上、特徴点を申し上げたわけでございますけれども、このように校内暴力、特に教師に対する暴力事件の状況はきわめて憂慮すべき事態になっていると、こういうふうに思うわけでございます。 それでは、この対策をどうするかということでございますけれども、私どもといたしましても、先ほど文部省から答弁がございましたように、この校内暴力の問題は、本来学校教育の場においてその未然防止を図ることが最も望ましいと考えておるわけでございます。しかしながら、ただいま御説明申し上げましたように、最近の校内暴力事件を見ておりますと、学校教育の限界を超えて、警察としてもその収拾に乗り出さなければならないというような事案が増加しておるということでございます。そこで、この種事案に対する対策でございますけれども、未然防止対策と、それから事件発生時の措置と、二つあると思うわけでございます。 第一に、事件の未然防止対策についてでございます。この点私ども重視しておるわけでございまして、教育委員会、学校などとの連携を緊密にいたしまして事件を早期に把握するということをしたいと思うわけでございます。ほとんどの学校では学校警察連絡協議会というものが設置されておるわけでございますけれども、そういった場を通じましてお互いに話し合うということで、事件の徴候を速やかに把握し、これに的確に対応してまいりたい、こう思っておるわけでございます。いままで起きた事案を見ておりますと、何らかの前兆があるということでございます。具体的に言いますと、急に先生に対する言動が粗暴になってくるとか、あるいは学校の窓ガラスが多数壊されるというような徴候があるわけです。そういった徴候が出た場合に、早目に手を打てば最悪の事態が回避できるのではないか、こう思うわけでございます。それ以外に、私どもといたしましては、学校外での補導活動を強化する、あるいはPTAの皆さん、それから地域社会への働きかけを警察の立場においても行いまして、未然防止に努めてまいりましたし、今後ともこれを重点に対処してまいりたいと、こう思っておるわけです。 そこで第二に、不幸にして事件が発生した場合の措置でございます。これにつきましても、事態のいろいろな情報につきまして学校当局から速やかに御連絡をいただきまして事件の内容を的確に把握する、そしてその態様に応じまして所要の措置を講じてまいりたいと、こう思っておるわけでございます。それとともに、関係生徒の補導を通じまして、事件の拡大防止あるいは再発防止を図ってまいりたいと、こう思っておる次第でございます。
○和泉照雄君 いろいろお聞かせ願いましたが、文部省にお尋ねをいたしますが、いま、こういうような校内暴力の対象になるというのは、授業についていけない生徒と、こういうことになりますと、同校進学競争の過酷な問題とか、あるいはまた、家庭教育の問題とか、学校の管理の問題とか、いろいろあろうかと思うのでございますが、私は、問題がこういうように大きくなってきたのは、やはり教育理念が確立をしていなかったのが一つの大きな原因じゃないか、そうして、こういう問題が起こると外に対して隠そうとする、そういうことから処理が非常に遅くなり、誤り、大きく爆発する、そういう要因を含んでおったのじゃないか、こういうようなことも思うわけでございます。もう少し教師が毅然たる態度を持つと、やはり内面的な理念を確立するということが一番大事じゃないかと、こういうふうに思うわけでございますが、それに対する御所見を聞かしていただきたい。 それから、前に中学校でそういうような事件があったのでありますけれども、いま、教師と子供と、親と教師と、親と子との対話が非常に励行されてスムーズにいくようになってから絶無になったといういい例があるわけでございますが、そういう対話の欠如も大きな原因ではないかと、こういうふうに思うんですが、その辺の見解をお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(垂木祐三君) 御説明いたします。 先ほど文部大臣はこの問題逃げておるのじゃなかろうかというような記事を引かれたわけでございますけれども、文部大臣といたしましても決してこの問題から逃げておるわけでございませんで、前向きに一生懸命取り組んでおるわけでございます。 実は、この非行問題につきましては、つい最近に始まったわけじゃございませんでして、以前からいろいろこういう問題が出ておるわけでございまして、文部省としてもしばしば通知を発して、学校あるいは教育委員会に対しまして指導をいたしておるところでございます。最近、特に校内暴力などが頻発をいたしておるわけでございますので、実はきょう付、十一月二十五日付をもちまして、文部省の初中局長と社会教育局長の連名をもちまして、都道府県教育委員会あるいは都道県知事に対しまして、「児童生徒の非行の防止について」の通知を発したところでございます。 その主な内容といたしましては、先ほど先生の方からも御指摘がございましたけれども、学校教育に不適応を生じて児童生徒が非行に走っていることもいろいろ指摘されておりますので、児童生徒が指導内容について十分理解し、興味、関心を持って意欲的に学習に取り組むことができるように十分配慮することとか、あるいは、児童生徒の個性や能力に応じた指導を行いまして、その一層の伸長が図られるようにすることとか、あるいは、進路指導の面におきまして、生徒が将来に対します目的意識を明確に持って、的確にみずから進路の選択を行うことができるようにすることとかというようなことを学習面につきまして指導をいたしておるところでございます あるいは、二番目といたしまして、生徒指導の面でも、教師が生徒理解の深化や全教師の協力体制を確立するように指導をいたしておりますとともに、学校の指導方針を明確にいたしまして、ささいな暴力行為でありましてもこれを看過することなく、毅然たる態度を持って生徒指導に当たることというような指導をいたしておるわけでございます。 さらに、この通知の三番目といたしまして、学校は家庭や地域社会の関係機関等と十分連絡をとって取り組むことが必要であるということを指導いたしておるわけでございまして、学校が日ごろから家庭と連絡を密にいたしまして、いろいろな機会を通じまして学校の指導方針を家庭に理解してもらう、あるいは生徒の日常の行動につきましても、学校と家庭との間で相互に情報を交換いたしまして、家庭と学校とが協力して児童生徒の育成に努めるとか、あるいは学校が地域社会におけるいろいろな関係の機関とか団体とか、そういうようなものと密接な連絡をとりまして情報交換を行うとかいたしまして、児童生徒の問題行動の把握に努めたり、あるいは児童生徒の非行の防止につきましては、必要に応じまして関係機関との連携、協力のもとに一体となってこれに取り組むようにすることと、以上申しましたようなことを主な通知の内容といたしまして都道府県の方に指導をいたしておるところでございます。 それから、このような事件を未然に防止するためには、親と子供の対話がきわめて重要なのではなかろうかというような御指摘がございました。これは全くお説のとおりでございます。学校におきましても、教師と生徒との間で日ごろから接触を密にいたしまして、好ましい人間関係の育成ということを強調いたしておるわけでございますけれども、家庭におきましても、親と子の対話と申しますか、人間的な触れ合いを一層密接にしていかなければならない。そういうような意味で、文部省の方といたしましても、いろいろな機会を通じまして指導をしていきたいと、こういうふうに考えておるわけであります。
○和泉照雄君 次は、暴走族について警察庁にお伺いをいたしますが、道路交通法の改正で一時鳴りをひそめておりました暴走族が、最近また急増をしているということでございます。また、ことしの夏は相当に暴れたようでございます。 まず初めに、暴走族のグループ数、人数、構成メンバー、ここ二、三年にわたってどういうような状態なのか。それから、最近の暴走族の傾向について、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 御指摘のとおり、一昨年十二月の道路交通法の改正によりまして一時鳴りをひそめていた暴走族でございますけれども、昨年の秋ごろからまたその動きが活発になってまいったわけでございます。本年の六月現在で調査いたしましたところでは、グループ数が八百三十五、構成員が三万五千百五十一人を把握いたしておるところでございますが、いずれもこれまでの最高の数字でございます。 特に最近の特徴といたしましては、その構成員の中で少年の占める比率が高くなってきております。六月現在では七八・九%でございますが、これは五十一年末の当時では六三・二%でございましたので、相当少年がふえておるということでございます。また、その少年の中でも、十七歳以下の者が半数以上五一・一%を占めております。低年齢化の傾向が見られるわけでございます。 また、凶悪化と申しますか、行為自体が大変に悪質化しておるというのが実情であろうかと思います。単に道交法の違反だけでなくて、対立グループと抗争いたします刑法犯、あるいは一般の市民を巻き込みます刑法犯、警察官に暴行を加えるような刑法犯、あるいはシンナー等の特別法犯、そういったものとの結びつきが強くなっておるというのも特徴でございます。 しかしながら、構成員等につきましても、過去一カ年のサンプル調査等で見ますと、警察の検挙、補導、その後の行政処分等によりまして、約六割以上の者が暴走族グループを離れておると、こういったような統計もございます。しかし、それ以上に新しい構成員が次々に入ってきておるというのがまた特徴であろうかと思います。つまり、予備軍が大変に多いと申しますか、それで中心になる者はずっとグループの構成を引き続きまして中核となっておるわけでございますけれども、その他大ぜいの者も多い。そういう者は検挙、補導等によりまして、そこから離れていくといったような少年特有の傾向も見られるわけでございますので、私どもといたしましては、やはり悪質なものにつきましては検挙を続ける。その過程によりましてグループを解散し、少年たちをそこから離れさせるといった努力を続けてまいりたいと思いますし、さらに社会一般でもう少し広い意味での対策もお願いしたいというふうに考えておるところでございます。
○和泉照雄君 次は、総理府にお尋ねをいたしますが、去る七月の三十日に関係省庁と都道府県を集めて暴走族緊急対策会議を開いたようでございますが、そこで、暴走族対策会議を全国的に組織するというのが第一項。第二点目はたまり場から締め出し。三点目が自動車の改造防止のために部品業者に協力を求める。この三点を申し合わせをしたようでございますが、その後具体的にどのような措置が行われたのか、また効果があったのか、お知らせ願いたいと思います。 そこで、ついでにお尋ねをしますが、先ほどの、同年代の犯罪として校内暴力とか家庭暴力とか、こういうように中学生が起こしておるわけでございますが、これと暴走族も同年代でございますが、ここらあたりの特異性といいますか、区別があるのかどうか。そこらあたりもあわせてお知らせ願いたいと思います。
○説明員(田中宏樹君) お答えいたします。 先生御指摘いただきましたように、七月三十日に、ことしに入りましてからの暴走族の活発化ということを中心テーマにいたしまして、一つは関係省庁にお集まりをいただきまして関係省庁の会議、それから午後は、特に暴走族が頻発をしております府県を中心にいたしまして都道府県の会議というものを招集をいたしまして対策を話し合いました。 それで、先生御指摘になられましたような問題点を中心に議論がなされまして、これら議論を踏まえまして、関係省庁で現在講ぜられます施策につきまして事務的に詰めを行いまして、九月の二十四日でございますが、「暴走族に対する総合対策の推進について」ということで、関係省庁申し合わせということにまとまりました。各省庁これによりまして、六項目にわたります総合対策でございますが、これによりまして、一つは先生御指摘いただきましたように、各都道府県にも関係団体、いろんな青少年団体も含めまして、警察の取り締まり対象のみならず青少年の面ということも入れまして、暴走族対策会議等の協力体制の一元化といいましょうか、こういうものをつくりますこと。それからもう一つは、実は各県で県議会の決議等もいただいております。十八府県が暴走族追放の決議などをされているわけでございますが、このような暴走族追放の県民会議等を開催することによりまして、暴走族を許さない世論の喚起といいましょうか、世論の醸成といいましょうか、そういうこと。あるいは暴走族グループの解散指導を強化していただくというようなこと等を通じまして、それから先ほど申し上げましたような、先生御指摘いただきましたような改造車両等についての強力な指導といいましょうか、これを防止するような方策というものも含めまして、各省庁の対策を行ってきたところでございます。おかげをもちまして八月以降やや鎮静化を見まして、最盛期五、六月ごろの週末七千人という集まりぐあいでございましたが、八月以降やや鎮静化し、半分あるいは三分の一程度で推移をしてまいりましたのでやや安心をしたところでございます。 それからもう一点、二点目でお話しがございました、ことしあたりでございますが、青少年の非行問題といいましょうか、戦後第三次のピークを迎えまして、また非行関係の事案が多いようでございます。私どもの関係いたします暴走族、交通安全でタッチをいたします暴走族もその関連で、車を使います青少年の非行という面が一つございます。それからもう一つは、遊び型非行といいましょうか、非常に最近の非行は遊び型あるいは暴力を伴う風潮というものに毒されました、まあ凶悪化といいましょうか、そういう傾向がございます。私ども、部局は違いますが、総理府には青少年対策の総合調整の場所もございますので、これらを通じまして文部省その他関係省庁の協力も賜りながら、両面作戦で交通の面も努力をさせてもらいたいというふうに思っております。
○和泉照雄君 それから、暴走族と校内暴力との区別。同じ年代ですがね。
○説明員(田中宏樹君) 年代的には同じような年齢の、中学生を越します。あるいは高校生という年齢グループでございますが、少し性格的に違いますのは、一つは、暴走族になっております青少年を分析いたしますと、実は、何といいましょうか、非常に内向的な、あるいは自閉的なと申しましょうか、学校に行きたがらないということで問題になるという青少年がグループの中心ではございませんで、暴走族になっております青少年は、どちらかといいますと非常にはで好き、社交好き、それとメカ好きといいましょうか、友だちでグループをつくって大騒ぎをするのが大好きという連中でございまして、先ほど交通局長もお話しいただきましたように、それともう一つは一過性が非常に強い。ある程度の時間がたちますとすぐ暴走族を巣立っていってしまいまして、健全な青年に育っていくという面もございます。御理解をいただきながら対処をしてまいりたいと思っております。
○和泉照雄君 まあ一過性に、大事な時期に犯罪を犯すというようなことがあってはなりませんので……。この前私は何かの報道で、多摩川で警察の方が暴走族の一グループと、野球でくたくたに訓練というんですか、体を使ったら、そういうような傾向がなくなったということを聞いておりますが、そういうようなこともやはりこの防遏の一つの示唆を与えたことじゃないかと、こういうように思うわけでございます。 話はちょっと飛びましたけれども、先般私たちは、地方行政委員会の視察で、福島県と宮城県に行ってまいりました。福島県は暴走族の撲滅の宣言をまだしていないようでありましたが、宮城県は県を挙げでやっておるところであったようでございますが、福島県の県警本部長にお伺いをしましたところが、宮城県の仙台方面から暴走族が入ってきて大変迷惑をしておる。で、県境に検問所を設けて——関東圏という一つの位置でもありますので、結局両面から大変な暴走族の被害を受けておるのが実態だと、こういうような話もありました。 そこで大臣にお尋ねをするんですが、いまのお答えで、四十七都道府県の中で十八都道府県がそういうような積極的な取り組みをしておるわけでございますが、国家公安委員長として、やはりこういうやつは全国的な一つの組織体といいますか、網を張るといいますか、そういうようなことをやることが青少年の健全育成のためにも私は大事な手段ではないかと思うのですが、御見解のほどをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(石破二朗君) いわゆる暴走族対策についてでありますけれども、御承知のとおり、総理府の方で何か交通総合対策のようなことは御所管になっておるようでありまして、私の方がどの程度の責任を負えばいいのかわからぬ点がありますけれども、いわゆる暴走族についての自分の考え方について申し上げてみたいと思います。 世の中少し甘過ぎると私は思います。以前はたしかカミナリ族と言ったと思います。いまそれが暴走族と言われておりますが、これはりっぱな犯罪であります。それを、若い者であるからとかなんとかということで、カミナリ族あるいは暴走族——俗に若い者はかっこいいことを好むということがありますけれども、どうもそれに迎合するような取り扱いをしていはしないかと思います。さらにまた、暴走族等をやっても、今日生活に困るということはない。大変結構な世の中ではありますけれども、あんまりどうも世の中が太平過ぎて、少しぐらい不心得なことをし、世間様に御迷惑かけても、自分が一生オマンマ食うには差し支えないような機構に今日の社会がなっておる、その辺に本人の甘えもあるのじゃないかと思います。 さらに、校内暴力の問題でありますけれども、これはまことにどうも言いにくい言葉でありますが、学校の先生方、今日はもうそういうことはないと思いますけれども、本当に法律どおりの——法律のいい悪いは別です。その法律の。批判の余地はありましょう。しかしながら、法治国である以上は悪法であろうと何だろうと、学校の先生が本当に法律を遵守しておるかどうか、子供はよく見ておると思うんです。私は。その辺にも一つの原因があるのではなかろうかと思います。さらにまた、今日中学校は義務制でありますけれども、結構むずかしい教科内容を実施しておると思うんです。果たして義務制であれだけのむずかしいのについていくだけの能力が本当にあるのかどうか。本当は自分は学校に行きたくないんだけれども、無理やり行かされるんだというような気持ちがあるとしまするならば、どうしてもよからぬことをやりかねぬ。さらにまた、これもそうですけれども、少々成績が悪くても不心得をやっても、一生食うには困らない。社会保障もありがたいことにうまく行き届いております。その辺、いろいろむずかしい問題がありますので、単にこれは公安委員会等だけでどうこうできる問題じゃありませんけれども、その辺の根本的な——できるものならお互いが、大人が共通の認識を持って青少年の指導に当たらなきゃならぬのではなかろうかと、かように考えております。警察の責任を免れようとする意図は毛頭ありません。
○和泉照雄君 次は、暴走族に対する警察官の検問の体制についてちょっとお尋ねをしてみたいと思いますが、ことしの八月の十日、山口県の岩国市で暴走族の検問をしていた警察官が車にはねられてけがをして、そのショックで威嚇発砲を一発発射してしまうという事件が起こったようでございます。また、十一月の十六日、名古屋で乗用車をとめたところ、六人組が降りてきて警察官に殴りかかり、やむなく発砲して二人にけがをさせるという事件が起こっております。岩国では、乗用車十六台、オートバイ八台、六十人のグループにパトカー二台で追跡したということでございます。そして名古屋の場合は、六人組の暴走族に一人で職務尋問した。ここらあたりの体制にもいろいろ事件が起こる原因があるのではないかと思いますが、もう少し厳重な体制で対処すべきではないかと思いますが、御所見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 暴走族がよけい出ますのは、ほぼ土曜日の夜からでございますが、先ほど総理府の方からもお話しがございましたとおり、ピーク時には七千人以上暴走族が出ております。現在でも約三千人程度出ておるわけでございますが、警察官は、全国で約一万五千人ぐらいを動員いたしまして警戒あるいは検問あるいは検挙等に当たっておるわけでございます。残念ながら、ことしになりましてからもすでにこのための殉職者を一人出しております。それから、正確な数字は把握しておりませんが、負傷者五十名以上出しておるという状況にございます。 殉職者を出しました折には、検問をやっておりまして、それぞれの機材等も置き車等も置いていたわけですけれども、その裏側を通りまして警察官をはね飛ばしたと、こういう事案でございます。それからまた、御指摘の、山口、愛知等の事案がございましたが、愛知等の場合には、外勤の警察官が自転車で警ら中に、たまたま通りかかりました暴走族が、警察官が一人だと見てかかりまして、そこで故意に信号無視をやりまして、しかも警察官に、「おれは無免許だ」式の、何といいますか、挑戦的な言葉を吐きまして停止したようでございます。したがいまして、警察官が参りまして職務質問をやりましたところ、いきなり殴りかかられた。しかも、制止しようとした警棒を取り上げて、逆に生命に危険が及んだので発砲したというようなきわめて厳しい状況でございます。 先ほど申し上げましたように、最近の暴走族は大変悪質化いたしておりまして、警察が警備体制をとりますと、その裏をかく、それをもって、何といいますか、悪い言葉で言いますと、それが彼らの勝利であるというような言い方をしておるようでございまして、単に車好きの者が走っておるということでなくて、警察に対しましての挑戦をやっておると、こういうふうに考えておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましても、十分検問の体制等につきましては、警察官のみならず、車を停止させます場合の事故も起きちゃいけないということでいろいろ検討をいたしておるわけでございますが、最近では現場で押さえるということはなかなかむずかしゅうございますので、事後捜査をあわせてやりまして、事後捜査によりましてまた検挙するというような方途を考えておるところであります。 そういった厳しい中で仕事をいたしておりますので、十分今後ともそういった不祥事故の起こらないよう留意してまいりたいというふうに考えております。
○和泉照雄君 暴走族の最後の質問でございますが、では、この暴走族を撲滅する措置として考えられることは、まず私は、免許の年齢の引き上げが一点。第二点目は、車両の改造ができなくなるような業者への指導、罰金の強化、親に対する賠償責任の強化、それから高校生には登校用のみ五十CCを許可する、百二十以上は許可をしないというようなこと等がいろいろあろうかと思いますが、特に罰金の強化ということは神奈川県警、埼玉県警で実際に高額罰金を科しているようでございますが、これも含めて警察当局としては暴走族に対して運転免許行政上の対策として効果的な対処についてどのような措置をお考えになっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(池田速雄君) 御指摘の、運転免許の年齢につきましては、大変むずかしい問題を含んでおろうかと思います。最近私どもが憂慮をいたしておりますのは、先ほど暴走族の低年齢化が目立つということでございますけれども、その中には、免許を持てない年齢の十五歳の構成員も見られるわけでございます。また、事実、ことしになりましてからの交通事故を見ておりましても、無免許の運転者が相当数が多くなってきております。こういったこと等もあわせ考えますと、これだけ進展してまいりました車社会の中でどうしたらスムーズに、特に青少年を車社会のいいドライバーとして育成していくかというのは大変むずかしい問題であろうかと思います。 また、現実には、数は少ないかもわかりませんけれども、僻地等におきましては通学等に利用されておる例もありますし、また、勤労青少年の問題等もあるわけでございます。したがいまして、当面の措置といたしましては、私どもといたしましては特に年少者に対しましては免許を与える際に十分講習を行う。警察官の手によります講習をやって、十分注意をした上で免許証を交付いたしたい。そしてまた、免許を取得した者が法令に違反し、あるいは暴走族の典型でございます共同危険行為等の禁止に違反いたしました場合の行政処分につきましては、できるだけ速やかにこれを検討いたしまして処分を強化する、そういう方策を現在検討をいたしておるところでございます。免許を与える際には十分注意して、その後の違法行為につきましては厳しく点数制度の面でも対処してまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
○和泉照雄君 最後の質問になるわけでございますが、時間もありませんが、あと二、三問。 五十五年の三月二十四日の参議院の決算委員会で私が取り上げた問題で、いわゆるアベック連続蒸発事件の問題について再度お伺いをいたしますが、これは五十三年の夏、わずか四十日の間に福井県、新潟県、鹿児島県、富山県の海岸で若いアベックばかりが蒸発したり、誘拐されそうになった事件でございますが、前回の質問では、特に富山県において起こった誘拐未遂事件について、遺留品がほとんど外国製品であるということから、外国の情報機関による犯罪の疑いがあるのではないかとただしたわけでございます。 当局は、手口が大胆でもあり、荒っぽくもある、政治的な目的も含めいろんな角度から捜査していると答弁をされておりますが、遺留品の製造元の解明も含めてその後の捜査の進展について御答弁を願いたいと思います。
○政府委員(谷口守正君) お尋ねの事件は、昭和五十三年八月十五日、富山県高岡市内の島尾海岸松林内で二人づれの若い男女の方が四人組みに襲われ、タオル等でさるぐつわをはめられ、手錠をかけられ、寝袋に押し込められたという事件でございます。 富山県警察におきましては、事件発生以来、この島尾海岸一帯の聞き込み、それから通行車両の検問、旅館、民宿に対する調査等、犯人の足どりの捜査を進めてまいったわけでございます。それとともに、現場に遺留されましたタオル、寝袋、手錠等の製造元、それから販売経路につきまして捜査を実施してまいりました。 この遺留品に対する捜査の関係でございますけれども、まず、被害者の方を押し込んだ寝袋につきましては、昭和三十年ころの製品と認められるわけでございまして、東洋レーヨンほか七社のメーカー及び関係業者百五十社につきまして調査をしておるわけでございます。手錠につきましては、製造メーカー六社につきまして調査をしておるということでございます。それから、タオルが三本あったわけでございますけれども、その一本につきましては大阪市のある会社で製造されたということを突きとめて、現在この販売ルートを追跡中でございますが、何分大量に販売されているというようなことでその経路については明らかでないということでございます。それから、さるぐつわとして使用されましたゴム製品につきましては、全国のゴム工業会加盟業者八百五十社につきまして調査をしているというようなことでございます。以上のような遺留品に対する捜査でございますけれども、残念ながら、タオル一本につきまして製造元がわかっただけで、その他の遺留品につきましては製造元さえもわからないというような状況でございます。 そういうことで、いままでの捜査の結果、犯人に結びつくような情報が得られないという状況でございます。しかしながら、本件事案の性格にかんがみまして、富山県警察におきましては、今後とも引き続き所要の捜査を行いまして、犯人の早期検挙に努めてまいる所存でございます。
○和泉照雄君 当然捜査当局ではもう御存じと思うのでございますが、昭和五十五年の二月一日の発行の「軍事研究」二月号、これでございますが、これに、「他国人をスパイに養成・助かった五人のレバノン女性から発覚」というのが掲載されておりますが、御承知かどうか、御承知であったらその詳細を説明を願いたいと思います。
○政府委員(鈴木貞敏君) お答えいたします。 いま先生のおっしゃったその本でございますが、それは私、実は存じません。私、承知いたしておりますのは、昨年の十一月二十二日付の「統一日報」でございますか、これにその類の記事がございます。 要点を申し上げますと、この記事によりますと、レバノンのキリスト教放送「希望の声」というのが昨年の十一月十七日報道をしたところによると、女性一人を含む四人のレバノン人大学生が、約一年三カ月前北鮮のスパイ養成所に強制的に連行されてスパイ訓練を受けた。同放送は北鮮に連れていかれた女性の言として、ベイルートの大学生四人が日本の大企業への就職をあっせんすると近づいたある人物に雇われ、日本に行くとだまされて北鮮に連れていかれたと伝え、そこで対米スパイ訓練を受けたことを明らかにしたと、こういう内容の記事でございます。
○和泉照雄君 大体そういうようなことのようでございますが、もう少しこの記事は詳しいわけでございまして、この記事によりますと、レバノンのL・オリエント紙の昨年の十月三十日付、同じくアイケ紙の十月三十日付、またいまおっしゃった「統一日報」十一月十八日付、それから「世界日報」十二月二日付に同様の趣旨の記事が報道されていると、このように掲載をされております。 この記事によりますと、その某国の都市においては、レバノンや中東、ヨーロッパなどの世界各国の若い男女や在日韓国人もいて、連れ込まれ、スパイ養成されていたということである。また、五人のフランス人とオランダ人、西ドイツ人がやはりスパイ訓練を受けていたとこのレバノンの女性らが証言をしております。さらに、レバノンの女性が脱出をして、クウェート大使館に逃げ込んで、レバノン大使館に保護されたことから政府の知るところとなって国際的な問題となって返されたわけでございます。 このようなことでございますので、皆さん方は、犯罪捜査規範というのがありますが、こういうような記事からして、もうレバノンにこの事件の照会をおやりになったことがあるのかどうか。
○政府委員(鈴木貞敏君) 結論的に申しますと、いまおっしゃいました各種記事等に基づきまして、日本警察、わが警察としましては、照会はいたしておりません。すべて諸外国で、日本を場としたものはないようでございますが、直接日本の公的の面で打つべきそういう手はずとしては打っておらない。したがって、じゃ、いまお伺いして、これから早急にやるのかという点につきましても、十分検討いたしますけれども、われわれ、国内法に触れるというふうな問題はちょっとないようにお伺いしますが、さらに検討さしていただきます。
○和泉照雄君 最後に、最近の浦和の地裁で、北鮮スパイの出入国事件というのが取り扱われておりましたけれども、在日韓国人と思っていたところが実は日本人であったと、こういうような、特に欧米人が在日韓国人というふうに見たのが中には日本人がおるのではないかと、私はこういうような感じがしてならないわけでございます。というのは、富山県の場合も未遂でございますし、鹿児島県の吹上浜の場合も遺留品がほとんどなくて、失踪するというようなことはない家庭状況なのに忽然としておらなくなったということ、こういうような端緒がございますのですから、ひとつぜひ国際的なそういう捜査の手を伸べていただいて、向こうに連れていかれた人の話を聞くなりして、端緒の把握に努めていただきたいと、このことを特にお願いしておきたいんですが、いかがですか。
○政府委員(鈴木貞敏君) こういう国際化の非常に進展しておる世界及び日本の立場でございますので、いろいろのそういう世界各国の情勢、治安情勢、そういったものには重大な関心を持ちましてわれわれも勉強しているところでございますが、この種の、まあ諜報謀略といいますか、そういう面に関するいろいろの記事も多いわけでございます。われわれは国外に出た際、そういう件につきましても十分関心を持ち、当該治安機関からその状況等も聞いたりしながら、日本の国内治安へのはね返り及びこれからの動向をいろいろ先取りしまして、手を打っていくためのひとつ勉強を引き続いて続けていきたいとこう思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○神谷信之助君 きょう私は、暴力団の取り締まり対策と、それにかかわる政治家の政治姿勢及び鈴木内閣の姿勢にかかわる問題についてお伺いをしたいと思います。 そこで、まず閣僚の一人である自治大臣にお伺いいたしますが、本国会冒頭で鈴木総理の所信表明演説がありました。その中で、政治倫理の確立というのがその重要な課題の一つに挙げられています。今日、航空機疑惑を初めいろいろな汚職腐敗事件が相次いで、このことに起因をする政治不信というのはきわめて憂慮すべき事態になったということはもう大臣御承知のとおりだと思います。したがって、それにこたえる立場から、鈴木内閣の重要課題の一つに政治倫理の確立というのをお挙げになっていると思うんです。 ただ、実際に内閣がとってこられておる具体的なあらわれを見ますと、いろいろ報道されておりますように、いわゆる灰色高官と言われている人が党三役の一員に加えられる。それはその後選挙民によって審判を受けている、したがっていつまでも灰色高官と言うことはどうかということがその大きな理由の一つになっておりますけれども、しかし、いま現に進められているロッキード公判では、御本人は否定をされているけれども、検察側の公判廷での主張では、政治献金がなされている。しかも、それは一定の意図を持った、いわゆる政治的収賄といいますか、賄賂としての性格が多分にあるという意味の論証がいまなされつつあるわけです。そういうのを国民が見ますと、本当に政治倫理の確立を鈴木内閣は図ろうとしているのかと、こういう疑問が広まるのはあたりまえだ。あまつさえ、衆議院では航空機の特別委員会を廃止されるし、参議院では一応設置ということになりましたけれども、しかし、松野さんのあの偽証の問題について、本人の証人喚問すら自民党の反対によって実現をしないという事態が相次いでおります。 したがって、こういう点を考えますと、本当に政治倫理の確立ということを鈴木内閣が重要な課題となされておるならば、そのような国民の疑惑に対して、国会を通じて事実を明らかし、国民の不信を取り除くという態度に立って初めて国民に信頼をされるということになるわけですけれども、その点が欠如をしているというのは、私は逆に国民の不信をますます増大をするという結果になっている、こういうように思わざるを得ないんですが、この点について、閣僚の一員である大臣のまず御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(石破二朗君) 政治倫理の必要なこと、鈴木総理大臣が今臨時国会の冒頭に当たりまして申し述べたとおりであります。きわめて必要なことと思います。 ただ、政治倫理とは何かということでありますけれども、政治家に求められる倫理という意味だろうと解釈するのでありますが、倫理ということになりますと、御承知のとおり非常にむずかしい言葉だと思います。政治家——一般人ではないので、政治家に特に求められる倫理とは何かと言いますと、倫理という言葉がむずかしい上にさらに政治家に求められる倫理ということになると非常にむずかしいと思うのでありますけれども、やっぱり政治といいますものは、特に国政は、国家国民の利害に直接責任を持つのが政治家だと言わなきゃならぬと思いますが、そうだとしまするならば、政治家である以上は一身を顧みずに国家国民のために尽くす、誠実に尽くすということが政治家に求められる最大の、最高の私は倫理ではなかろうかと思います。金銭に関するがごときものは、これは一身を犠牲にして国家国民のために尽くすという最高の倫理に比べますと、私はつまらぬものだ、次元の低い問題だと言わざるを得ないと思います。しかしながら、その低い次元に属する金銭の問題についてすら世間の疑惑を受けるというようなことがありましては、これはまあ政治倫理などという高等な言葉で表現すべき問題じゃないので、論外だと、言語道断だと言わなきゃならぬと私は思います。 ただ、神谷委員、たしか灰色という言葉をお使いになったかと思いますけれども、灰色とは一体何だと。本当に私はそう思うんです。世の中に、黒白をはっきりするという言葉が俗に言われますけれども、クロかシロかと。簡単に過ぎるかもしれませんけれども、それ以外にはないんじゃないか。私は黒白をはっきりさすべきであろうと思います。そこで、その黒白というものを一体何をもってクロと言い、何をもってシロと言うかでありますけれども、そこがむずかしいところでありますが、みそもくそも一緒にするつもりじゃありませんで、わかりよいたとえで申し上げますから、失礼ですけれどもお聞き流しいただきたいと思いますが、終戦直後、食糧がなくてお互いもうずいぶん苦労しました。当時、新聞記事によりますと、一切のやみ物資に手を出さないという信念を貫いたがために栄養失調で亡くなったと、これは美談として伝えられて今日に至っておるんです。といいますことは、やっぱり人間というものは、みんなそう高尚なものじゃない、いよいよ困ったらどうも余りそう高尚なものじゃないんだと言わざるを得ないと思います。 そこで、航空機疑惑についてでありますけれども、私はその事実がどうだったかはっきりしませんし、法律上も、どうもこれをいまさらどうこうすることはできない、状況じゃないかと思うんです。そこで、そういう人に対して、何回かの選挙に当たって多数の有権者がシロと判定した上でのことかどうかわかりませんけれども、信任の意思を表示したというのも、一種の黒白をつける一つの物差しと考えてもいいのではなかろうかと思います。実は私、神谷委員の御指摘になる方、大体見当ついておりますが、私、個人的にもその人とは非常に懇意なんです。そういうことがありまして若干身びいきになったかもしれませんけれども、正直なところそういうふうに考えております。 繰り返しますが、政治倫理とは、金銭等のそういう次元の低い問題じゃないので、もっと大切なものがあるはずだ。しかしながら、政治倫理なんという高尚な言葉で表現できないような金銭にまつわる問題等、これはもう言語道断である。いやしくも悪銭には手を出すべきでない、これははっきりクロとすべきであると私は考えております。
○神谷信之助君 いま大臣の御見解をお聞きいたしました。そこで私、それをお聞きしながら、確かにおっしゃるように、政治家が国民の利害に直接責任を持って、そして誠実に、一身を顧みもしないで国民の利益のために、あるいは国家百年の計を樹立をするために研修をするのは当然であるという点からそういう倫理を確立する、しかし、そういう高尚な面だけではなしに、低次元の、金銭の問題ということになればこれは言語道断だと言っている。問題は、そういう金銭が介在をする低次元の問題がはっきりさせられないために、また、はっきりしようとなさらないために、実はいまなお疑惑が続いているというのが、私はいまの現実の姿だと思うんです。 先ほど私は、いわゆる灰色高官と言いましたけれども、ですから、そういう意味では灰色高官の定義は社会的に明確になっているというのかどうかについては確定的には言いませんが、しかしまあ一般的に言うなれば、一つは、刑事事件には該当しない、しかし金銭の授受はある。そして、その性格は、きわめて賄賂的性格、これもある人もあればその薄い人もあります。灰色高官と言われる者が発表されたときにですね。そういうようになっています。だから、刑事事件ではないことは明らかである、しかし、その金銭の授受に対して、授受をお認めになった方もあれば、否定をなさっている場合もある。しかし、いまなお現実に進められている公判廷では、検察庁は授受があったという事実に基づいて公判を維持をしています。そういう事実を見ると、これは単にその当該選挙区の選挙民が信任をしたかどうかというだけではなしに、みずからその金銭の授受について、授受がなければないとする証拠、あるいは授受したとすれば、それはしかしそういう後ろ指を指されるような授受でないならばないなりの証明を国会を通じて明らかにすべきでしょう。ところが、そういうことを避けてお通りになればなるほど、これは疑惑が強まるわけであります。 とりわけ——これ当委員会の問題ではありませんし、公選の特別委員会でこれから審議をされるわけですから何ですが、しかし、たとえば問題になっている、われわれが常に追及している企業献金にしても、企業が利潤の追求をその基本目的に掲げている限り、企業の利益を抜きにして企業の献金、政治献金というものはあり得ないし、これは経済法則に基づくものだし、しかも今日、日本が経済的範疇で言うなれば国家独占資本主義と言われる段階に入っているとするならば、国の政策決定が独占大企業に大きな影響、その利害得失に大きな影響を与えるということも事実です。したがって、その決定権を持っている政治家に対して、それなりのいわゆる政治献金という名前の金銭を贈る、そういうことが日常的に、しかもそれは現行法で合法的に行われておって、いざというときには企業の利益を守ってもらう、そういうことが今日通常に行われているというのが国民の認識なんです。国民の方は、それだけの政治献金をする力は、経済的にはありません。大きな企業であれば五百万でも一千万でも企業献金をすることができる。 つい最近起こりました例の埼玉の富士見病院事件、あの北野理事長が元自治大臣の澁谷さんやあるいは前厚生大臣の齋藤さんに五百万円なり一千万円なりのお金を贈ったというのも、贈る方はそれなりの意図を持ち、もらう方はその意図が通じておったかどうかは別にして、意図を持って贈り、しかも巷間では、それによって警察が手控えをしたのではないかという疑いを持たれたり、あるいはそれによって融資をうまくやってもらったのではないかという疑惑を持たれたりしているわけです。この事実は、刑事事件になるならないは別にしても、政治家とすれば、そういう疑惑に対してはやっぱり国会を通じて正々堂々その事実を明らかにし、そしてその趣旨を明確にするということなしには、臭い物にふたをしている限りはいつまでたってもこの疑惑は消えないわけでしょう。逆にますます不信は広がるわけだ。私はそのことがきわめて今日の重大な問題だというように思うんです。 しかし、いま私は一般論の問題としてそういうことを言うのではなしに、きょうは、実は、そういう問題を今度は暴力団との関係で、ひとつそういう場合に一体政治家というものはどうあらねばならないのか、こういった問題をひとつ明らかにしていきたいと思うんです。 そこで、警察庁にお伺いしますけれども、警察業務の重点の一つとして、「暴力団の取締り」というのは、警察白書を見ましても強調されております。そして、その取り締まりの基本というのは、一切、いかなるささいな犯罪行為でも、これをやっぱりはっきり追及をして組織的に壊滅をするという方向を追求をしながら、一つはその資金源の根絶、もう一つは市民社会からその暴力団を孤立させる、こういう二つの方向を、この二、三年来ずっと警察白書見ますと大体強調されております。そういう点について、警察の暴力団対策ですね、重点的な方向というのをひとつまず報告してもらいたいというように思います。
○政府委員(中平和水君) まず、暴力団の現況を簡単に申し上げますと、昭和五十四年末の警察で把握しております全国の暴力団の数は、二千五百十七団体で、構成員の数で十万六千七百五十四人ということになっております。これを昭和五十四年中に六万二千三十五件、五万一千四百六十二人を一応検挙いたしております。暴力団の組織のピークは昭和三十八年ごろだったと思いますが、大体五千二百団体で十八万幾らおりましたから、当時に比べますと、大体団体の数は半分、それから構成員の数は四割減と、こういうことになって、それなりに私どもは成果を上げていると思っておりますが、ただ、暴力団の中で、たとえば山口組だとかいうように特定の暴力団というものは、非常に広域化し、系列化し、依然として大変根強い勢力を持っている。こういう現状になっております。 それから、暴力団のよって立つ資金源にいたしましても、従来は、賭博とかノミ行為とか覚せい剤だとか債権取り立て、そういうものでございましたが、だんだんに最近は、企業恐喝だとか、総会屋に暴力団が関連を持つとか、暴力金融だとか、あるいは最近の民事介入暴力だとか、そういうふうに全体的に知能化してきている傾向は、これは明らかに出てまいっております。 こういう暴力団の現状認識に立って、現在、要するに暴力団の根絶を目指して警察は総力を挙げて取り締まりをしているわけでございますが、取り締まり対策の基本の一つといたしましては、やはり暴力団を大量に反復検挙することによって社会から隔離し、組織を弱めていくということ。それから、暴力団のよって立つ資金源について鋭いメスを加えることによって、よって立つ暴力団の持つ経済的基盤を崩していく。それから、暴力団が戦闘の主武器として拳銃等を持っているわけでございますから、拳銃等の凶器を、集中的に検挙して取り上げてしまう。それから、やはりこうした取り締まりとあわせて、暴力団の存在を支え、あるいは暴力団犯罪を助長しているような社会的な土壌を崩壊させるために、公共団体とか、企業とか、いろんなところに、国民各層の協力を得て暴力排除の活動が展開されていく、そういうことによって暴力団のよって立つ社会的基盤を崩していくと、そういう総合的な対策の上に立って暴力団の取り締まりを現在進めておると、こういうところでございます。
○神谷信之助君 そういう暴力団の根絶を目指して警察の方で努力をなさっていただいているんですが、しかし現実には、数としては減ってきましたけれども、いまもおっしゃっているように、広域化あるいは系統化、系列化、これは逆にまた進んでくるし、しかも資金源も——いわゆる合法的な資金源ですね。ここにずうっと手を伸ばしてきていますから、根絶を目指しながらも、具体的には、現実にはきわめて困難な条件というのがますます強まっているわけです。 そこで、きょう私は問題としたいのは、一つの具体例として、ここに福岡県の北九州市で、暴力団関係の会社の祝賀会が開催をされました。これは暴力団草野一家の大東亜会、これの会長が佐古野繁樹という人ですが、その細君を社長とする九州興産株式会社、これの創立総会が十一月十八日の五時過ぎから約一時間半ほどにわたって開催をされました。それについて、翌十九日の夕刊に、毎日新聞や西日本新聞、朝日新聞、読売新聞が一斉に報道しています。読売なんかこれは写真入りで出ていますね。これを見ますと、この写真には、驚くべきことには、通産大臣の田中六助さん、あるいは前防衛庁長官の三原朝雄さんの花輪というのですか、盛り花というのですか、これが贈られています。写真が載っています。こういう事態が発生をしているんですが、この点についての警察の方の掌握状況について、まず報告をしてもらいたいというふうに思います。
○政府委員(中平和水君) 具体的な氏名を申し上げるわけにはまいりませんが、お尋ねの、暴力団の幹部の奥さんが生コンの会社をつくりまして、それの、何といいますか、創立の祝賀会というのをやっているわけでございます。その祝賀会の席に、地元の国会議員あるいは県議会議員、市議会議員、そういう方々の花輪が贈られ、あるいは祝辞が述べられた、こういうことを私どもも新聞で十分に承知をいたしております。 ただ、この会社は、暴力団自体は一人もおらぬわけでございます。暴力団の奥さんがやっておりまして、役員とかそれから職員なんかには、これはそういう者は一人も入っておらぬ、こういう会社でございます。そうして、祝賀会場はこのビルの三階の一室で行われております。したがいまして、祝辞はもちろんでございますが、花輪なんかも全部部屋の中に飾られておったような状況でございまして、そういういきさつでございますから、警察としては、当日その中に踏み込んでいって中で確認するわけにいきませんので、中に入っては見ておりません。しかしながら、出席者の一部の人たちからの聞き込み等によりまして、当日祝賀会の会場の中に、先ほど申し上げましたように、県選出の国会議員数人、県会議員及び地元周辺市の市議会議員数人の名前のついた生花が飾られておった事実、それから来賓として北九州市の市議会議員のお二人の人が祝辞を述べたと、こういう事実は承知をいたしております。
○神谷信之助君 先ほどちょっと触れましたけれども、なかなか暴力団の方も巧妙になってきて、おっしゃるように、この草野一家、これの一つの組ですね、その組であります大東亜会、その会長の奥さんが社長になっておる。それで、関係業者も出資をして株主になっている。そして、その会社の設立祝賀会と、こうなっています。しかしその会場には、草野一家の総長草野高明氏、それからこの大東亜会の会長の佐古野繁樹氏、二人とも現に出席をされておる、報道によりますと。私も現場におったわけじゃありませんからわかりませんが、報道によればそうなっておる。ですから、恐らく警察の方でも、この両氏が少なくとも出席をされているということはいろいろお聞きになって御存じかと思いますが、まあそういう関係ですね。 そこで、この草野一家という暴力団ですが、これは去年の暮れからことしにかけて、しばしばピストル抗争事件を起こしている、警察としてはきわめて関心を持っている暴力組織ではないかと思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(中平和水君) この草野一家というのは、これは北九州市一円に勢力を持っておるいわゆる暴力団でございまして、団体の数が十団体、構成員三百六名でございまして、警察といたしましては重点的に視察しておる対象であることには違いございません。
○神谷信之助君 去年の暮れなりことしなりのピストル抗争事件、これは御承知でしょうか。
○政府委員(中平和水君) 五十四年の十二月の二十三日にこの草野の組員が相対立する団体である田中組の細長を拳銃で射殺した事件もございます。それから、五十五年の六月には、草野の配下にある暴力団員が田中組の事務所へ拳銃を撃ち込んで、組員に十日の傷害を与えた事件もございます。その後、未検挙ではございますが、今度はこの草野の事務所と草野の関係のところ等に氏名不詳の者が拳銃をぶっ放したりしている事実もございます。これは鋭意現在捜査中でございます。
○神谷信之助君 公安委員長、いまお聞きのように、この草野一家というのは、地元の工藤会の田中組の組長を去年の暮れにピストルで射殺している。それから両方の暴力団同士でピストルによる抗争事件というのは相次いでいるわけです。いまおっしゃったように、ことしになっても、六月の二十七日に草野一家の方の組員が田中事務所に襲撃をかけた。それから、最近一カ月の間に、未検挙になっていますが二件。これは、草野一家及びその配下の組の事務所、これにピストルを撃ち込むというような事件もあった。したがって、いますでに大東亜会では、表の戸も鋼鉄製に改造するとかそういう対抗手段をやっているところです。したがって、市民にとっては非常に不安を持つ危険な暴力団体であるというのは、これは十分理解できるというように思うんです。 そこで、新聞が取り上げております論調ですが、たとえば毎日新聞は、こういう政治家が花輪を贈ったり祝辞を述べたりしたことについて、これは「余りにも無神経 暴力追放に水をさすもの」と、そういう趣旨の記事だと思うんです。それから西日本新聞では、「非常識」という市民の強い批判の声が挙がっておると、こういうように言っています。それから読売では、「選良の無神経さに苦り切る」、これは警察署の態度です。現地の警察署が選良の無神経さに苦り切るという見出しです。それから、「暴力追放に水 苦虫の警察」、これも同じ読売新聞です。そういう見出しになっています。 そこで、そういう事態が発生をしたんですが、それに対して、いまおっしゃいましたが、警察の対応としては、確かに暴力団の関係者は会長の奥さん——奥さん自身は暴力団の組員になってないかもしれませんね。なってないかもわからぬし、そうかもわからぬ。それはわからぬです。しかし、そういう別の人を立ててそういうことをやる、それに政治家も引っ張り込まれるというような事態ですね。報道によりますと、現地の小倉署なり若松署ですか何かでは、そういう抗争中だから、あんまりはでなことをしなさんなという注意もされたんだと。したがって、従来なら道路にばあっと華々しく花輪を並べるのをやめて、道路にはしないで会場の方に並べたというような報道もあります。それは公式であったか非公式か知りませんがね。まあ恐らくそういう暴力団の抗争がずっと相次いでいるわけですから、治安に責任を持つ当該警察署としては、表向きは合法の企業ですから公式には物を言えないにしても、しかし暴力団の抗争に火をつけることになるようなことはやりなさんなというぐらいの非公式の話はなさっているだろう。また、当然そういう関心を持って、そしてそのことで無用な暴力事件が起こるようなことを防ぐというのは、防犯の立場から言ってもこれは当然のことだろうと思うんです。現に、報道によりますと、これはどの新聞も書いていますが、現場には十数人ぐらいの警官を配置をして警戒に当たったけれども、まあ幸い事なきを得たという報道になっています。 だから、事なきを得たのはいいんですが、そういう点について、いまの刑事局長の答弁は、報告に基づく公式の報告だけなのか、その点でちょっと、非公式のそれは行動で、警察行為のうちに入るのか入らぬかそれは知りませんが、そういう種類で一応警戒に当たっていたということになるのか、この辺どうなんですかね。私は当然、そういう団体が言うならばカムフラージュをしてやっているのは全国あっちこっちあるわけですから、新たな暴力ざたを起こさないためにも、防犯の見地からもそういうのに必要な措置をとるのは当然な警察の行為ではないかというように思うんですがね、いかがでしょうか。
○政府委員(中平和水君) 大変むずかしい問題でございまして、この会社自体はまだ営業活動を開始いたしておりません。それで、まあ会社員の中にも、先ほど来申し上げております暴力団の組員らしき者は一人も入ってない、こういう形で一応発足をしようとした会社でございます。しかしながら、背景といたしましては、その主人になる人物はこれはれっきとした暴力団員である。それから、現実にその組と対立抗争をしておる関係の組もある。したがって警察といたしましては、合法的なその企業活動、これ自体を否定するわけにもまいりませんが、しかし、一番近い関係にある主人がそういう関係者でありますから、暴力団の万が一にも資金源になってはならないと、こういう立場を、警察としてはこれは当然とるべき立場でございます。 したがいまして、そうした観点から、一つには、当日やはり多くの人が、同業者が招待を受けているわけでございますが、これにつきましては、そういうことだから、ひとつまあはでなことにならないように十分注意するようにという形での、事実上の警察的な注意、勧告は一応いたしております。それから、当該その暴力団の幹部につきましては、現実にいろいろ対立関係にある組もあることでございますから、そういうところには、その人たちは立ち寄ることなかれと、こういうことで、かなり厳しい警告は一応いたしております。 なお、そういう前提に立って、私どもある程度事実関係から、当時これは当然視察、内偵しなきゃいかぬし、あるいはそこで不測のことが起こってもいけないし、そういう機会を通じてまた違法な行為等を発見すれば当然これは検挙活動に出てまいるわけでございますから、隠密裏に、制服ではございません、私服の刑事を周辺に九名ぐらい配置いたしまして、その動向を見ておったわけでございますが、外部的に見る限り特に現象的に変わったことはなかった。当日、暴力団も、ただいま申し上げましたその主人になる男とその上の幹部と、そのあと一、二来ておった程度で、お客の中に暴力団が大変いたわけでもないし、そういう状況の中で推移し、警察としてはそういう立場で措置をとったということでございます。
○神谷信之助君 それで、次は自治省の選挙部にお伺いしますが、公選法の百九十九条の二の一項では、御承知のように「公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄附をしてはならない。」という規定がありますね。この「寄附」の中身は、金品を含んで、いわゆる花輪とか「しきび」とか、そういうものも含まれるというのが自治省の解説でも明らかになっていると思うんですが、したがって、そういう点からいいますと、これは、いま言いました方々ですね、通産大臣の田中六助氏、それから元防衛庁長官の三原朝雄氏、それから衆議院議員の麻生太郎君、参議院議員の藏内修治氏、それから衆議院議員の宮田早苗氏、それから吉村さんですか、福岡県議会の議長、それからいまありました北九州市会の副議長の重田さん、それから同市会議員の大庭勇さんですか、というのが花輪を贈ったり、あるいは祝辞を述べたりということがなされています。 報道によりますと、十八日の午前中に注文があってリストが出されて、二十六本十三セット二十六万円が支払われた。それから直接自分の方で注文をされた方、それらを含めると合計三十二本、十六組ということになっていますが、これらはいま言いました寄附に該当する、いわゆる百九十九条の二の一項に該当するものになるのじゃないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(大林勝臣君) 御案内のように、百九十九条の二では、一定の場合を除きまして、名義のいかんを問わず候補者の寄附というのは全面的に禁止されておるわけでありまして、その時点でさらに明らかにするために、寄附の定義のところにおきまして、一般的に寄附と言われます「金銭、物品その他の財産上の利益には、花輪、供花、香典又は祝儀として供与され、又は交付されるものその他これらに類するものを含むものとする。」という確認規定を置いたわけであります。 今回の問題、私どもも新聞報道で知りまして地元に照会をしてみたのでありますけれども、先ほど警察の方からも御答弁がありましたように、部屋の中で陳列してあったようでありまして確認はされておらないのでありますけれども、新聞で写真入りで報道されておるというようなところを見ますと、そういった寄附が行われるということは、百九十九条の二の規定に違反するということになりまして、大変残念に存じております。
○神谷信之助君 この違反行為については、罰則規定が二百四十九条の二にあります。これに「違反して当該選挙に関し寄附をした者は、一年以下の禁錮又は十万円以下の罰金」、それから、「通常一般の社交の程度を超えて」寄附行為をした者、これは「当該選挙に関してこれらの項の規定に違反したものとみなす。」ということで罰則規定がありますね。 そこで、この「当該選挙」というのは、選挙の告示以後に限るのか。選挙の告示以前も含まれるとすれば、以前はどの辺までに該当するのか。この辺はいかがですか。
○政府委員(大林勝臣君) 「当該選挙に関し」という言葉は選挙法の中にあちこちに出てまいるわけでありまして、選挙に関するというのがいかなる意味かということがいつも問題になるわけであります。強いて言えば、選挙に際し、選挙に関する事項を動機としてというふうに従来解釈をされておりますので、選挙に際しとはまず何であるかという話になるわけでありますけれども、通常一般の時点というよりは、むしろ目の前に選挙が近づいてきた、世間にも選挙色というものがかなり出てきたというような時点を選挙に際しというふうに考えておる次第でありまして、その他選挙に関する事項を動機としてというのは、それぞれのやっぱり時期とか態様ということで判断せざるを得ないと存じます。
○神谷信之助君 先ほど、これは新聞報道で出ておった名前ですが、それで申し上げましたが、国会議員の場合は、選挙は、参議院の場合はもう三年後ですからこれは決まっていますね。衆議院の場合いつかというのは、これは解散なりなければ任期中はないわけですし、これは不特定になります。したがって、選挙に際しという場合に該当するかどうかというのはきわめてむずかしくなる。それから、通常の社会的範囲というか常識を超えてという、その概念もきわめて、花輪を贈ったというのは一体どうかという問題きわめてむずかしくなります。だから国会議員の場合は、先ほど言いました百九十九条の二に違反はしている行為なんだけれども、しかし刑事罰をもって科するほどの事案になるかどうかというのはきわめて微妙であります。 ただ、北九州市会議員の場合は、これは来年早々の市会議員選挙を控えて、すでに立候補する予定者はもう各党ともその氏名が明らかになり、そしてそれぞれ事務所も開設をしているのがほとんどになっていますから、これが選挙に際しの範囲に入るかどうかというのは、争いはあるけれども一つの問題点はあります。 しかし、いずれにしても私は非常にこれは、片一方では暴力団の取り締まりをしながら、片一方ではその関係会社、いろんなカムフラージュを最近はずっとしてきているわけですから、いま言いましたこの大東亜会にしてもほかに土建会社も持っています。現実に。ですから、そういう会社を持ったりしていますから、片面では企業活動をやって資金源にし、それで片一方では暴力行為も行っているという状況が続いているわけですね。そういうのに対して、会長の奥さんが社長になっているけれども、あとは暴力団の関係者はないと、こういうことで、それが法律的には問題はないということになってしまいますと、逆に、公選法違反の事実は残って、しかもそれは刑罰をもって罰せられることはない。こういうことで、片一方で報道だけは残ると、こういうことになりますと、まさに暴力団とそれらの政治家というものがそういうように相互援助し合う、そういう間柄だというように一般市民は見ても、それはけしからぬと言うわけにいかぬという状況になる。だからまさに警察当局としてはにがにがしい事態だというように思われたんだろうし、そういう論調になっています。新聞の記事も。こうなりますと私は、政治家の政治倫理として、これは非常に重要だと思います。 ただそこで、報道をずっと細かく見てみますと、たとえば田中通産大臣の秘書の談話として発表されているのは、全く面識もないし頼まれたこともない、迷惑至極だと、こうおっしゃっています。だからこれは、勝手に名前を使われたんだというようにおっしゃっている。それから、三原さんのところの東京事務所の方は、全く知らないとおっしゃっていますが、地元の後援会事務所の方では、支持者から頼まれて、その会社がどういう性格かというのを確認をせずに事務的に注文をしたんだと、こういうように報道されています。麻生さんの秘書の方は、十八日の朝に後援者から東京事務所に対して花輪依頼の電話があったが、その会社のことがよくわからなかったのでお断りした、それにどうしてうちの花輪があったのかよくわかりませんと、おっしゃっています。それから宮田さんの方の秘書は、私どもは法の規定に従って間接的にも直接的にもそういうことはやらないたてまえだし、現に依頼も受けておらないと。それで本人の談話も載っておりますが、それによりますと、本人も、いろいろ調べてみたけれどもだれが出したかわからない、無断使用は非常に迷惑だとおっしゃっている。それから、花輪を出し、そして祝辞をお述べになった北九州市議会の副議長の事務局長は、出資者に後援会員がおって、頼まれて事情を知らずに出席をしたと。本人も一えらい困ったことになったというような談話が載っています。それで、若松地区の業者が株主になっておって、それで会社をつくったのであいさつをということで頼まれてやったので、暴力団とは知らなかった、花輪は直接控室の女子職員に頼んで出しましたと。こういうふうなのが載っていますね。 そうしますと、一つは、支持者が株主であったり業者であったり、そこから頼まれて、よく調べないでやりましたというのが一つの類型。もう一つは、全く知らないのだ、無関係です。勝手に盗用したんだ、迷惑至極ですと、こういうことになります。こういうことになってきますと、私は、一体どうしたらいいのかという問題が起こる。従来から、暴力団の監獄から出てきたその祝賀パーティーとか、あるいは葬式、告別式ですね、こういうのに政治家の「しきび」なり何なりが並べられたということがしばしば問題になっておる。それに対してほとんどの人は——私の記憶する限りでは全部のように思いますが、ほとんどの人は、少なくとも全然私は知らなかった、迷惑至極だということなんです。そして、それがそのまま放置をされて、ずうっときているんですよ。それがけじめをつけられて、それに対して何とかきちっとしたけじめをつけた措置をなさったということは一遍もない。だから、一般市民から言うと、暴力団を恐れずに、暴力を受けたら勇気を持って警察に通報しなさいとおっしゃるけれども、そういうようにバックにはちゃんと政治家がついておるし、警察の方もそれを恐れてなかなか手出しができぬのではないかというように見ざるを得ない条件というやつがある。蓄積されている。これは、先ほど冒頭に申し上げました、金銭の授受に対して国民がいろんな疑惑を持つ、そのことについてみずから国会を通じて明らかにしない限り、私は、これははっきりしない問題だというように言いましたけれども、ですからきょうの委員会にも、当の田中通産大臣の出席も要請したんですけれども、御都合で来られなかったわけですね。私は、切り捨て御免というか、抜き打ちにやるのはいかぬと思いましたから、事前にその点も御通知申し上げて、その点についてもちゃんと釈明してもらうと同時に、それに対する措置をしなきゃならぬだろうと。いま申し上げた、刑法でひっかかるということがなかなかむずかしいようですね。 これは刑事局長の方にもう一遍お伺いしますが、私も大分調べたんだけれども、たとえば刑法の二百三十三条で、偽計をもって信用を失墜させる行為というやつですね。これは懲役何年かの罰則もついています。しかし、信用を落とさせる目的を持っておったのかどうかということは、これはむずかしいでしょう。私の名前を勝手に盗用したらこれはもう明らかにそういう意図だというやつが立証できるかもしれぬけれども、そうでない関係だということになるとこれはむずかしくなります。あるいは支持者なり後援会員がその業者であったり、あるいは株主であってそれに頼まれてということになりますと、ますます信用を失墜させる目的を持ってというのはむずかしくなるから、これはこの二百三十三条を該当させるというのはむずかしいし、そのほか刑法上どういう条項が適用できるかどうかも大分研究はしてみたんですけれども、なかなか、素人ですからわかりませんがね。その点ひとつ何かそれらについて法的に措置ができる——田中さんの秘書がおっしゃっているように、迷惑至極や、勝手にやられたというのやったら、それに対してちゃんと制裁ができるようにしないと、そういうことを仮に勝手にやっても怒られないような間柄だということになってしまいますからね、客観的には。だから、この点が一つある。 それともう一つは、今度は具体的に閣僚の一人でもありますからね、自治大臣としてこの点について、同じ閣僚の仲間として、どういうようにこれを措置をして、そういう疑惑をみずから解明する、あるいはそれに必要な措置をどうやってとるのか、この辺についてお伺いしたいと思います。 まず刑事局長、法律的に対抗する手段ありますか。
○政府委員(中平和水君) ちょっとこれ、事実関係を十分に把握した上で申し上げないとお答えいたしかねますが、明らかにその信用、名誉を失墜させる目的で仕組んでやったとすれば、そういうふうな条項、信用棄損だとかあるいはまた名誉棄損、そういうものになるだろうと思いますが、これは一般的には私は大変むずかしいと思います。ほかにちょっと、いま御質問を受けながらあれこれと法律を思い浮かべてみましたが、直ちにちょっと当てはまる法律はないように思いますが、なおそれなりの研究はしてみたいと思っております。
○神谷信之助君 だとすると、結局そういう疑惑、あるいはそういう国民に不信を持たれるようなことが本人の意図いかんにかかわらず行われたという場合ですね、政治家として、それを政治的、道義的にはっきりさせるということ。特にそれは閣僚の一員であって、しかも各紙が社会面のトップなり何なりに写真も出て報道されている。あるいは元防衛庁長官三原さんも入っているわけですから。そういう事態について一体どうしたらいいのか。 まあすぐごうごうという結論は簡単にはむずかしいだろうと思いますけれども、私は基本は、先ほど言いましたように、そういう疑惑に対してみずからはっきりさせるしかるべき方法をとるべきだ、そうして、そういうことを再び許さない措置、これを法律的にどういう措置がとれるのか。あるいはまた、仮に法律的にとれなくても、それまでの間どういうことがやれるのか。こういうことをやっぱりはっきりさせていかなきゃならぬだろう。これはますます暴力団というのは巧妙になってきますから、資金源をつくっていく上で。しかも、そういう肩書きなり名士なりをバックに持つことによって社会的合法性というものを持とうとしますから、そういう危険もきわめて多いことですから、この点について、閣僚の一員である大臣の見解をひとつお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(石破二朗君) なるほど、私も鈴木内閣の一員ではありますけれども、どうも田中通産大臣に関しますることをどうしたらいいのか。特に御質問の御趣旨が、通産大臣としてどうしたらいいと思うかというような趣旨の御質問のようでもありますし、きわめてむずかしい問題だと思います。真相がわからぬので困るんです。真相が。新聞の、花輪が提供されたというのはどうもこれは事実らしい、こいつだけは。ところが、通産大臣の秘書の方は、いや、うちは全然関係ないと。これが事実かもしれません。ところが、お読み上げになりました新聞記事によりますと、花輪を受けたほうの方の談話というものが載っていないようでありますが、仮にその談話が出たとしましても、いや、事実ちょうだいしたんですとおっしゃるかもしれません。その辺、要しまするに事実関係がはっきりしておりません。あるいは通産大臣も被害者だというふうにお考えになっておるかもしれません。警察におきましても真相究明に、非常にむずかしゅうございますけれども、何とかして努力して真相を明らかにしたいと思います。 結局は、最終的には事は政治家に関する問題であります。選挙があります。当然有権者は、新聞にはああいうふうに出ておったけれども、あの人はそういうことをする人じゃないと、有権者が判断するかどうかというところにまつ以外にはないじゃなかろうかと私は思います。警察が努力しましてもなかなか真相究明——仮に公職選挙法違反で処罰の対象になるというようなことになりますれば、警察も当然、捜査をしてくれるとは思いますけれども、捜査はしてみたけれどももともと犯罪は成立しないのだというのではどうも、それほど警察も暇ではないはずでありますし、なかなかむずかしいんじゃないかと思います。結局有権者の判断にまつという以外にはないじゃなかろうかと、かように思います。
○神谷信之助君 これはしかし、十八日の午前中に花屋さんに注文をしたらしい。そしてその花屋さんもわかっている、新聞によりますと。来たのは中年のサラリーマン風の男というように出ています。そして、田中六助さんを初め、この人の名前で出してくれと言ってリストを出している。それでお金は二十六万円渡したというのはわかっております。そのほかに個別に注文をなさった方もあります。ですから、事実を確かめようとすればできないはずはない。これが一点。 しかも、ずうっと聞いてみますと、たとえば田中六助さんの秘書の話によると、全く面識も関係もないと。全く面識も関係もない人に花輪を出すという、これは通常の社会常識を外れますから、まさに百九十九条違反によって二百四十九条の罰則の適用の対象になり得る可能性がある——そうかどうかわかりませんよ。だから、少なくとも警察当局としては、その点の事実関係を調べて明らかにし、また必要な措置を御本人もおとりになるというのがあたりまえでしょう。私は、自治大臣に聞いているのは、自治大臣は一つは国家公安委員長でもある。だから警察権が適正に行使されることについて、そして社会秩序と国民生活の安全について責任を持つ、そういう職責を持っている。同時に、公職選挙法を厳正に執行するまた立場にもある。そういう職責を持つ閣僚の一員であるあなたが、いま私が指摘したように、閣僚の一人である田中さんがそういうことで新聞で報道されておるとすれば、同僚閣僚の一員である田中さんに、そういう立場からいって、事実を明らかにする必要がありますよと、必要であれば警察に言って調べてもらってはいかがですかということも言ってもいいでしょう。あるいは警察自身はそういう点については、これは明らかに公選法違反の疑いがあるわけですから、事実そのものは百九十九条の二の一に当たる。で、罰則の適用の可否というやつが問題なんです。しかし、それは事実を調査をしなければ適用の可否はわからないわけです。ですからそういった点についてひとつ明確にしてもらわないと——いつも「しきび」を出しても何をしてもやったことないんだから。警察もグルになっているんだから。そういうことを徹底的にして、そうして、全く盗用しているなら盗用しているということではっきりさせていく。そこに刑法違反の問題はないのかどうか。犯罪行為になることはないのかどうか。そうしなかったら、こうやって報道されて、これ、恐らく福岡、九州一帯に出ているんでしょう。その地域の人たちの政治不信をぬぐい去るということはできない。 私は、だからそういう意味で、先ほど大臣も、警察の方も必要な調査をすべきだという趣旨のことをおっしゃっているけれども、やっぱりはっきりさせなければ、私は、うやむやにしたら大変なことだというように思いますが、最後にもう一度、その辺はっきりしてもらいたい。
○国務大臣(石破二朗君) 真相究明なかなかむずかしいとは思いますけれども、やっぱり政治家の名誉にも関することでありますので、警察当局、御苦労ではありますけれども、真相究明のためにさらに努力してくれるように私からも要請するつもりであります。
○神谷信之助君 終わります。
○伊藤郁男君 最初に、念のために消防庁にお伺いをしておきたいと思うんですが、あの人事院ビル——自治省それから警察庁、消防庁が入っていると思うんですが、 〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕 この消防庁の防火管理者は一体だれか、念のためですがお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(鹿児島重治君) 自治省の第二合同庁舎につきましては、国の財産としてそれぞれ財産の管理が定められておるわけでありますが、各課各室につきましてはそれぞれ防火責任者を置いてございますが、建物全体としての防火管理につきましては、当該国有財産を所管いたしております人事院が防火責任を負うという形になっております。
○伊藤郁男君 そういうように明確にお答えをいただければ納得をするわけです。川治温泉ホテルの問題がありまして、そのことで関連をいたしまして、実はわが党の政策審議会を通じまして、先ほどまで、一体防火管理者はだれかと確認をしておったんですが、明確な返事が全然返ってこないわけですね。だれだかわからぬ、こういう状況なんです。だから、まあせめて消防庁ですから、そういうことの問い合わせに対しまして、下の職員まで含めて明確にこれだとはっきりした御答弁が返ってくれば私どもは安心をするわけですが、そういうのが全然ない。こういうことで念のためにお伺いをしてみたわけでございます。ひとつその辺は厳重に、職員も含めまして、そういうことに対しては的確に国民の皆さんに、問い合わせがあったらお答えができるように態勢をとっていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。 そこで、川治温泉ホテルの例の火災の問題につきまして、私もお伺いをしておきたいことが数点ございます。 新聞報道によりますと、現場に到着した消防団員、これが水量が少なくてもう水を求めるために右往左往して駆けずり回ったと、こういうように書いているわけでありますけれども、その原因は何だとお思いになりますか。
○政府委員(鹿児島重治君) 消防隊が到着いたしましたのは、消防団あるいは常備消防、いずれも十分内外で現場に到着をいたしておるわけであります。私どもが受けております報告によりますと、直ちに消火作業に取りかかったということでございまして、水利につきましては、地元に幾つかの防火水槽がございますし、また、河川の水利につきましては、火災が発生してから一時間後にダムが放水されまして河川水利も利用したと、このように聞いております。
○伊藤郁男君 消防法二十条によりますと、「消防に必要な水利の基準は、消防庁がこれを勧告する。」とありますが、この基準は満たされておったでしょうか。
○政府委員(鹿児島重治君) 消防に関する水利につきましては、現在、消防水利の基準というものを昭和三十九年に消防庁の告示として発表いたしております。
○伊藤郁男君 その基準が満たされておったのかということを私は答弁を求めているわけです。今回の問題につきまして。
○政府委員(鹿児島重治君) この消防水利につきましては、いわゆる人工水利といいますか、貯水槽の基準でありますけれども、藤原町の場合にはこの水利の基準は十分に満たされておらず、七〇%程度であったというぐあいに聞いております。
○伊藤郁男君 建設省にお伺いします。 鬼怒川の上流には二つのダムがある、御承知のところでございます。その上に、来年度完成を目指しまして川治ダムの工事が進められておる、これも御承知のところです。それが水量の少ない原因となっているんだと、こういうように言われておるわけですが、その点はどうでしょう。
○説明員(広瀬利雄君) お答え申し上げます。 今回の火災現場は鬼怒川の上流でございますけれども男鹿川の支川でございまして、川治ダムは火災現場より下流において合流する河川に築造されたダムでございまして、今回の、男鹿川上流のダムは五十里ダムだけということでございます。
○伊藤郁男君 藤原町からいま県議会に要請している問題があります。それは、国に関連をいたしまして、政府に関連いたすものとして要請している問題があります。それはこの水量確保の問題でございまして、わが党の県会議員が現地に入りまして、この問題を調査をして、現地からいろいろな報告を受けておるわけでありますけれども、藤原町はこういうように言っているわけですね。町の中を流れる男鹿川が最大の水利であるのに、上流に五十里ダム——いまの五十里ダムですね。五十里ダムを建設したために水量が極端に減少し、今回の消防活動の最大の障害となったと、こういうように言っているわけですが、その事実関係はどうでしょうか。
○説明員(広瀬利雄君) 五十里ダムからは、三十八年度当時から観光放流ということで、毎秒〇・四六トンの放流をいたしております。〇・四六トンという数字がどういう数字かということで私ども試算したわけでございますが、今回の消火に当たりましてどういうふうな消火活動計画がなされていたかということはわかりませんけれども、私どもの調べですと、三十三リットルというのがポンプ車一台当たりの容量だというふうに聞いておりますので、〇・四六トンの水が観光放流として常時流れていたということを考えますと、十数台のポンプ車が河川の水を使用することができたというふうに考えております。
○伊藤郁男君 そうすると、今回の消防活動の最大の障害にはならなかったんだと、こういう判断をしてよろしゅうございますか。
○説明員(広瀬利雄君) 私どもの調査によりますと、ただいま申し上げましたように常時〇・四六トンの観光放流がなされておりまして、その上、私どもの方のダムの管理の方から、ダム放流が必要であれば放流しようというような申し入れをいたしまして、その要請を受けまして、先ほど消防庁の方からお話しがありましたように、一トン追加いたしまして、約一・五立米の水を放流いたしておりますので、私どもはダムが消火活動に障害があったというふうには理解しておりません。
○伊藤郁男君 そうすると、先ほどの消防庁の報告によりますと、消防隊の出動状況で、ポンプ車十六台、タンク車一台と、こういうことで十六台ポンプ車は出ているわけですね。いまのお話だと、消防車十数台の消防活動の分は賄えるんだと言っておるわけですが、結局十六台出ておるわけですね。だから先ほどの新聞報道のように、本当にもう水がなくて、水を求めて走り回っていたという実情がそのことによってわかると思うんですよね。この点はどうなんですか。それで十分に賄えたのかどうかということです。
○説明員(広瀬利雄君) その辺になりますと、先ほども申し上げましたように消防計画等の範疇でございますので、私はちょっと事実関係調査いたしておりません。ただ、河川から仮に全部取るとしても、十数台のポンプ車の、容量の水はあったと、かように申しておるわけでございます。
○伊藤郁男君 そこで、藤原町はこの五十里ダムを建設をしたときに、その当時、水量確保の問題につきまして、建設省に対しまして、このダムを建設をすると水量確保が十分ではなくなってしまう。だから、十分に水量が確保できるようにしてほしいということを強く要望をし、建設省もそれはそういうように守りましょうという約束をしている、こういうことを言っておるわけでありますけれども、この事実はなかったですかあったですか。
○説明員(広瀬利雄君) これも先ほど申し上げましたように、三十八年度当時からでございますけれども、〇・四六トンの観光放流をいたしておりまして、県知事と私どもの地建の局長でございますが、その辺の協定もいたしておるわけでございます。
○伊藤郁男君 その協定の内容はどういうことですか。
○説明員(広瀬利雄君) 〇・四六トンの観光放流をするということでございます。
○伊藤郁男君 しかしそれは、〇・四六トンの放流をするということは、この五十里ダムができたために水量が少なくなる、そのためにそれだけのものを確保すると、こういうことがその協定書の中心になるのですか。十分にそれでいいんだということを地元が納得したのかどうか。 〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕
○説明員(広瀬利雄君) 私どもは、観光放流ということでございますので、一応地元の方々の御納得は得ているというふうに理解いたしております。
○伊藤郁男君 どうもこの問題は、いろいろ言っておりましてもすれ違いになってきているようでございます。したがいまして、当委員会でも現地調査を行うということになっておりまして、その後の質問におきまして、事実関係をさらに調査をいたしまして、再度質問をしていきたいと、こういうように思います。
○説明員(広瀬利雄君) 一つだけ追加させていただきたいと思いますけれども、今回のような突発事件につきましては、ダムからの放流を追加して行ったというような事実もございますし、今後とも、観光放流を増量するという方向ではなくして、そういう突発事件についてはそのときそのときに適切な処置をしていきたいと、かように思っているわけでございます。
○伊藤郁男君 次の問題で、消防庁の当局にお伺いをしておきたいと思います。 先ほども御指摘がありましたけれども、従業員は、当時、鳴った警報機を、テスト中だから御心配なくというように館内放送をしたと、これもまた新聞報道をされているわけです。そこで、そういう問題で、いわゆる消火、通報、避難の訓練の方法、このような誤解が生じないような消防計画というものにこの場合は一体なっていたのかどうかですね。しばしば私どもも旅館やホテルに泊まることがあるわけですが、警報機がときどき鳴ることがあります。それに関連をいたしまして、本当の火災が発生をしたのか、あるいはそうでないのかということは、誤解を生じないような処置というものが一体とられているのかどうか、これをお伺いしておきます。
○政府委員(鹿児島重治君) このホテルの場合につきましては、大変遺憾なことに、防火管理者が選任されておりませんでした。また、消防計画も定められておらず、したがって、避難訓練等も最近は実施されていないという状況にあったわけでございます。消防計画が定められておりますと、避難訓練のあり方につきましても当然計画中に盛り込まれるはずでございまして、その場合には、今回のように報知機を整備をしているという場合には、整備の始めと終わりに、現在訓練でかくかくしかじかのことを行っている、それが終わったということを必ず知らせるという仕組みになっております。
○伊藤郁男君 火災が起きていないのに警報機が鳴るという、これは先ほど言いましたようにしばしば経験をしているわけですが、それは一体どういうことなのか。結局警報機そのものが部屋の温度その他に敏感に反応する、これはもう当然そうあってほしいわけでありますけれども——そこでこの新聞に、あるビル管理者が投書をしております。それを読みますと、結局そういうことによって火災報知機の特性そのものが即欠陥に通じておるんだ、そういうすぐ敏感に応ずること自体が、火災も起きていないのに通報をするということで、それが欠陥になる。そういうことがしばしば行われておりますと、そこの従業員なりが警戒心を起こさなくなってしまう。そういうことによって本当に今度起きたときに、これもそのことによるものではないかということで、安心感を持ってしまうということがあるのではないか、そのことがきわめて重要なんだということをビル管理者自身が言っておりまして、したがって、そういうことに対する明確なる対処方法がなければ、なかなかこういうものは防げないのではないかということを言っているわけでありますが、この点どう思いますか。
○政府委員(鹿児島重治君) 今回の火災の場合は、いまお話しがございましたような誤作動だったという報告は受けておりません。しかしながら、現在各所に設置されておりますいわゆる火災の報知機でありますか、それが、熱を感知いたしますもの、あるいは煙を感知いたしますもの、いろいろな方式があるわけでございまして、特に煙感知の場合には若干誤作動があることは事実でございます。できる限りこの精度を高めるよう研究はいたしておりますけれども、感度を鈍らせますと今度は実際に火災を報知しないという問題も出てまいりますし、若干の誤作動はいまの技術ではやむを得ないのではなかろうかと、かように考えております。
○伊藤郁男君 そういう誤作動がある、そういうことに対して、誤作動があるから気をつけなさい、こういう点にはこういう方法で対処しなさいというような、そういう微妙な点に関するところの指導というものも私は必要だと思うんですが、その点についてはどうでしょう。
○政府委員(鹿児島重治君) 感知器を含めました消防設備につきましては、消防設備の点検資格者という制度がございまして、一定の期間にこれを点検するということになっておりまして、その点検によりましてできる限り誤作動を少なくするという措置をとっておるわけでございますが、点検をいたします際には、当然にある程度の誤作動もあり得るということを管理者には周知させるようにいたしております。
○伊藤郁男君 そこで大臣にお伺いをしたいわけですが、今度の事件はまさに人災であったということは、もういろいろ種々の数字で明らかになっていると思うんです。その中で、私はやっぱり重要なものは、その自治体が温泉というものからかなりの財源を得ている。したがって、その温泉はかなり地方の経済に対して影響力を持っている。その中にも有力な人もたくさんおる。したがって、消防庁が法律に基づいてこういう管理者を置け、こういう防災訓練もやれ、こういうところに気をつけろと、こう言っても、なかなか旅館のそういう有力者と地方自治体が、旅館の方はそういうものをつくると金もかかる、暇もかかるということで、まあまあ待ってくれ、こういうようななれ合いのようなことが現実に起こっているのではないか。しかし、そのことが結局は、こういうような事故がありますと国民一般の印象を悪くする、結局温泉が衰退をしていく、地方自治体にもいろいろな影響を与えると、こういうことで、旅館側の余りの営利主義というものがそういうものを阻んでいる、こういうことではないか、こういうように思います。やっぱり地方自治体の繁栄のために、一体になって定められたことは即実行していく、そういう態勢、雰囲気というものをつくっていかなければならぬと私は考えておるわけでありますが、自治大臣の御所見をお伺いをしておきます。
○国務大臣(石破二朗君) 先般の川治温泉街の火災事故は、私ども関係者深く反省し、本当に今後二度とああいう事態を起こさないように努力しなければいかぬと思います。 ただ、その中で、もう少し研究しなければ軽率のそしりを免れぬかもしれませんけれども、お聞き取りいただきたいと思いますのは、わが国の戦後の消防制度、これが地方自治にやっぱり根拠を置いております。しかもこれは都道府県知事じゃないので市町村長に消防の責任を負担さしております。で、もう少し研究しなければとお断わりしましたのは、たしか消防庁の長官といえども、消防に関してああしろこうしろという指図はできない仕掛けになっておるかと思うのであります。これが実際問題として市町村——市はとりあえずいいとしますか、町村となりますと、藤原町でございますか、川治に有力者がいらっしゃるから云々というお話しがございましたが、そういうことはないと思いますけれども、しかしながら、実際問題として消防の能力ありやなしやということになると問題であろうと思うのであります。私は、せっかく戦後できました地方自治を崩すつもりは毛頭ありませんけれども、もう少し都道府県知事というものに地域の消防、防災の責任を負うてもらうように改正の方法はないものかどうか、検討さしていただきたいと思います。 なお、当委員会におかれまして近く現地を御視察願う御予定と承りましたので、申し上げぬでもいいことかと思いますけれども、先ほど、建設省の開発課長が、毎秒〇・四六トンの観光放流をしております。十数台のポンプの使用に耐える能力があると申しましたが、まあそれは事実そのとおりでありますけれども、ダムのありますのは川治の温泉街から約八百メートルの上流、至近の距離にあるんだそうです。その間、ダムを操作して、恐らくボタン一つ押せば放流できると思うんですけれども、放流して水を流そうと思えば三分か五分あれば温泉街まで水が届くんだそうです。つまり、その間に——まだ三分、五分では消防車来ていないんです。この間も。でございますから、まさかこういう火事になりはすまいと現地の方々が御判断になった結果かもしれませんけれども、一時間後に水が出たと、一トンの。こういう辺も、やっぱり消防体制というものが不完全だったんじゃないか。消防法、地方自治法の本旨に反しない範囲で消防体制というものを再構築する必要があるのではなかろうかと考えております。
○伊藤郁男君 まああしたから秋の全国火災予防運動が始まるわけですね。したがって、この予防運動の期間を通じまして、消防庁としてはこの事件を教訓にしてどのような対策を講じていこうと考えておられますか、お聞きをしておきます。
○政府委員(鹿児島重治君) 二十六日から秋の火災予防運動が開始されるわけでございますが、この火災予防運動の中では、最近の火災の状況にかんがみまして、いわゆる社会的弱者と申しますか、お年寄りの方あるいは幼い方々の焼死者が非常に増加しているということもございまして、こういう社会的弱者の方々の、防火といいますか、火災予防が十分徹底するようにということを今回の運動の大きな項目の一つに取り上げているわけでございます。 また、今回の火災にかんがみまして、先般二十二日付で消防庁長官名で全国に通達を出してございますが、特に、不特定多数の者が出入りいたします旅館、ホテル等につきまして、一斉に査察を実施いたしまして、ちょうど火災予防運動期間中でもございますが、査察をいたしまして、その結果を消防庁まで報告していただくようにお願いしておるところでございます。
○伊藤郁男君 いつも事故が起きてから対策が後から追っていくということでございまして、そういうことのないように十分にやっていっていただきたいと思います。 そこで、これは八月に起きた事件でありますけれども、静岡ガス爆発事件ですね、この問題に関連をいたしまして、これも二、三お伺いをしておきたいことがございます。 このガス爆発事件についての原因究明、まあ徹底的にやっておられるとは聞きますが、まだ原因がはっきりしない。一体原因究明は進んでおるのかどうか。このことをまずお伺いをしておきます。
○政府委員(中平和水君) 事件は八月十九日に起こりまして、現在も八十名の捜査体制を組んで、関係者からの事情聴取等もやっております。きょう現在で千九十一名の方から事情を聞き、そして関係者の供述から、事柄の真相、責任はどこにあるか、そういう観点からの捜査を進めております。 しかしながら、この問題は何といいましてもこれは鑑定が大変中心でございまして、第一次爆発がいかなる原因で起こり、その着火源は何であったか、また、第二次爆発がどういう原因で起こり、その着火源が何であったかと、そういうことにつきましてはこれは大変むずかしい問題でございまして、現在私ども科学警察研究所で鋭意この鑑定をやっておるわけでございます。まだ鑑定の結論はいつ出るかという見通しはついていないと、こういう状況でございます。
○伊藤郁男君 この種の事故では、いつも原因究明がずっとおくれるわけでございますけれども、一体どのくらい期間がかかるものかどうか。
○政府委員(中平和水君) これはケースによりましてどうとも言えませんが、今度の場合、まず第一の要するに可燃性ガス、これが一体何であったかということにつきましては、都市ガスとかあらゆる可能性を消していって、最後に残るのがこれが当該ガスということになるわけでございます。当該ガスがわかっても、今度は一体その着火源は何で、どのようになってああした爆発が起こったかということで、これまたいろいろたくさんの材料があるわけでございます。これをまた一つ一つつぶしていって原因を究明してまいらなきゃいかぬ。そういうことで、これは非常に事柄が大きな事故であればあるだけに、やっぱりその原因の解明については、万一間違っては大変なことでございますから、あらゆる可能性をつぶしていく、そして最後に残ったものが原因であると、こういうことが確定されるわけでございますから、やっぱりこれは、いつまでにでき上がるかということはちょっと申し上げられませんが、可及的速やかにやるという方針で科警研は全力を挙げてやっております。
○伊藤郁男君 たとえば一年とか二年とか、そういうことも言えないんですか。あるいは三年とか。
○政府委員(中平和水君) まあ二年も三年もかかることは、私は、これはないと思います。やっぱりこれは、なるべくならば一年ぐらいの間では何とかしなきゃいかぬという気持ちでおりますが、何分にも非常に複雑な原因で起こっておりますから、これはケースによって半年ぐらいで、あるいは三月ぐらいで出るのもありますし、二年ぐらいかかるようなケースもございますし、したがってこのケースがどれに当たるかについては、ちょっと、いまにわかに私の立場で明らかにするわけにまいらぬと、こういうことでございます。
○伊藤郁男君 原因究明の中で、メタンガス説は消えていないんですか。
○政府委員(中平和水君) メタンも、第一次の爆発の有力な原因の一つであると、こういうふうに見ております。その辺は変わっておりません。
○伊藤郁男君 私は、この静岡ガスの問題で、商工委員会の理事懇談会があるときに申し上げたことがあるわけでありますが、メタンガス説には大いに私は疑義がある、こういうことを提起をしておるわけでございます。メタンガス説ということになりますと、あれは地下雑排槽、ここにたまったところからガスが発生したメタンガスなんだと、これが何らかの原因で発火をして第一次爆発が起こったんだと、こういうことになりますね。そうして、雑排槽ですから事故責任者というものはもう数知れない不特定多数の者になるわけですね。結局事故責任者が最後まで明らかにならない、うやむやになってしまうのではないか、そういうことも考えられるわけですね。 したがって、私は、メタンガス説というものはあるかもしれませんが、当時の事情からいきましてもメタンガスでは絶対ないと、こういうように考えまして質問をしているわけでございますけれども、この説は有力なのか、それともそんなに有力ではないのか、その点だけお伺いしておきます。
○政府委員(中平和水君) 私が承知しております範囲では、メタンガスは一応有力であると、こういうふうに見ております。現実に、当時地下の湧水槽にはメタンが発生しておったことも、これはまた事実でございます。しかしながら、このメタンが果たして爆発の原因であったかどうかにつきましては、これはあらゆる可能性、都市ガスの場合だって考えられるし、あるいはアセチレンガスだとかあるいはブタンだとか、いろんな可燃性のガスは地下にもあるわけでございますから、それをやはり一つ一つつぶしていって、最後に残るものがこれが爆発の原因をなした可燃性ガスということになるわけでございまして、真実はこれは一つしかないわけでございますから、仮にそうなった場合に、たくさんの原因が競合して特定の行為者が明らかにならなくてもこれは仕方がないわけでございまして、要するに、真実の爆発の原因が何であったかということを究明するのが私どもの捜査でございまして、そういう立場で究明をしているわけでございます。 それから、第二次の爆発につきましては、これはおおむね都市ガスでございますが、その第二次の爆発に至るまでの経過においてやはり責任をとるべき者はないかどうか、これはまた別の観点から見ておるわけでございます。
○伊藤郁男君 とにかくこの種の問題は、亡くなった方の遺族の方々、負傷をされた方々、そういう者の心情を思うと、とにかく一日も早く事故原因を明らかにして自後の対策をとっていただきたい。こういうことがその方々の要望であり、重大な関心事だろうと思うわけでございまして、早急に事故原因の究明を一刻も早く明らかにするように要望をしておきます。 それでは、次の問題で質問をしておきます。これは公明党の和泉さんも質問をされました暴走族に関連をいたしまして、この点も二、三お聞きをしておきたいと思うわけでございます。 最近、東京の青山通り、午前四時ごろのいわゆる交通取り締まりの警察官がいないのを見計らって、猛スピードで、スピードを競うという、まああれは何族かわかりませんが、そういうのが起こってきた。それにまたやじ馬が集まって、だれが早く駆け抜けるかということで、これはまたやじ馬が集まって騒いでいる。それを今度は週刊誌が取り上げている。しかも、グラビアに大々的に写真を何枚も何枚も載せて、しかも英雄扱いだと、こういうことが現実にあるわけですね。非常に困ったものであると思うんですが、これを放置しておいていいのかどうか、警察庁にお伺いをしておきます。
○政府委員(池田速雄君) 暴走族の取り締まりにつきましては、警察といたしましても全力を挙げておるところでございます。 ただいま御指摘の東京の青山通りにつきましては、九月の末ごろからと思いますけれども、主として四輪の自動車によりまして、しかも、一般的には暴走族は最近少年が多いわけでございますけれども、成人の運転者が集まってまいりまして、ちょうどあの区間が信号機がない、相当の距離にわたりまして直進で走れる、道路幅員も片側三車線程度あるというようなことから、そういった事態ができてまいりましたので、警察といたしましては、当該日には事前の対策を組みまして、一般の通行の方々にもいろいろ御注意申し上げますとともに、蝟集しております者、それから深夜近くになりまして周囲に参って車を違法に駐車しておる者に対します措置等を強化いたしますとともに、夜中には車線を一車線は規制すると、こういったような措置も講じてまいりまして、一般の方々に御迷惑にならない範囲で交通の規制をいたしまして、これが取り締まりに当たっておるわけでございます。 その結果、当初の一、二週若干そういう動きがあったと思いますけれども、その後は事前の警察官の配置その他によりまして大きな違法事案等は抑止し得たものというふうに考えておりますし、回を重ねるに従いまして、見物に集まってまいりました方々も解散して、最近ではほとんどその数を見ないと、こういう結果になっておろうかと思います。 御指摘の、第二点の、これはなかなかむずかしい問題だと思いますけれども、それをあおるような記事等につきましては大変私どもも遺憾に存じておる次第でございます。
○伊藤郁男君 それは青山からはなくなったかもしれませんが、また新しいところを求めていくのではないか。名古屋などは相当幅の広い道路がありますし、あそこも暴走族で悩んでいる。こちらから行くぞと言って対面でスピードを上げてやってくるというような、そういうことも聞いておるわけでありますが、全国的にやっぱりこういうことが起こらないようにどこからも締め出すと、そういうような対策がとれないものかどうかお伺いをしておきますが。
○政府委員(池田速雄君) 暴走族につきましては、大変その地域の静穏を害するというような点もございまして、警察といたしましても、交通警察の立場から、あるいはその主流をなしております少年警察の立場から、あるいは地域の平穏を乱すという治安の立場から、警察といたしましても全力を挙げておるわけでございます。特に土曜の夜から日曜日の朝にかけましての蝟集状況、現在でも三千人程度ずつ出ておるわけでございますが、これに対しましては警察官一万五千人以上も毎週動員いたしまして対処いたしております。できる限り、法令違反につきましては積極的に検挙を行いましてこれが解体を図っておるところでございますけれども、こういった運転者に対します措置等につきましても、たとえば免許の行政処分等につきましても十分かどうか私どもも検討を加えておりまして、できる限り強い姿勢で臨んでまいりたいというふうに考えております。 また、同時に、暴走族につきましては、場所と申しますと幾らでも可能な場所はある意味ではあり得るわけでございますし、時間的にも警察の目を盗むということも容易でございます。要は、やはり地域におかれましても、あるいは職場におかれましても、学校におかれましても、そういったものがけしからぬのだと、そういう暴走というのは許されないと、こういう気運を盛り立てていただきますことも必要であろうかと思います。 そのために、中央では総理府におかれましても、関係の省庁お集めいただきまして、八省庁によりまして九月には暴走族をなくするための施策についての申し合わせをいただいておりますし、都道府県におきましてもすでに十八の府県等では議会でそういった決議をやっていただきまして、それぞれの行政機関あるいは地域、職域、学校といったようなものを集めましたそれぞれの暴走族追放の組織をおつくりいただいて暴走族をなくするために御努力いただいているところでございますが、こういった一般の方々の世論を背景に、警察といたしましてもさらに全力を挙げてまいりたいというふうに考えております。
○伊藤郁男君 暴走族の対策の一つとして、いわゆる点数制度の改正、これを考えられていると聞いておるわけでありますが、どのように改正をされていこうとしておるのか、その点をお伺いをしておきます。
○政府委員(池田速雄君) 暴走族の一番の中心になります犯罪は、共同危険行為等の禁止違反でございますが、これは一昨年の十二月に道路交通法の改正によりまして新設していただいた規定でございますけれども、当時の法律に基づきます点数制度のもとでのこれに付します基礎点数と申しますか、そういうものによりますと、実は、停止の中での重い点数を付すと、こういうことになっていたわけでございます。その後の様子を見ておりましても大変に行為自体が悪質化しておりますし、また多数の違反がございますし、また個別にそういう犯罪を犯します者のその後の運転マナーを見ておりましても、類犯と申しますか、停止が解けた後にさらにまた違反を起こす率というものも一般の運転者の方に比しまして大変に高いと、こういったような実態が出ておりますので、実は、点数といたしましては、現存酒酔い運転につきましては十五点という点数を付されておりますが、これは前歴その他がございませんでもすぐに一年間の取り消しをやりまして一年間免許を取れないと、こういう点数に該当するわけでございますので、それと同じ評価をさしていただくようにしたらどうかということを検討いたしておるわけでございます。 また、そのほか無免許運転につきましても、現在付しております点数を引き上げて、取り消しまではまいりませんけれどもそれに近い数字、あるいは同じ速度違反につきましても、最近よく見られますように、大変超過速度の高い違反が見られてそれが事故に直結しておるわけでございますけれども、そういう違反につきましても、取り消しまではまいりませんでも相当高い点数を付したらどうかということにつきまして、現在、有識者の方々その他の御意見をお伺いしておる段階でございますので、成案を得次第早急に実施してまいりたいというふうに考えております。
○伊藤郁男君 これは自治大臣に御見解をお伺いをしておきたいと思います。 それは、先ほどの和泉さんの質問と御答弁をお聞きして、暴走族の実態は明らかにされておるわけです。グループ数も人員ももう最高になっておる。それから、構成員がまた年齢が非常に低くなって、暴走族の世代交代が進んじゃって、いま十六、七歳が主力になってきているんだ、こういうことですね。それから、同時に、その行動が非常に悪質化し、凶悪化する。要するに機動性ある少年ギャングになっちゃっている。強盗、強姦、それから傷害、恐喝、覚せい剤の犯罪、こういうことまで広がっているわけですね。根は非常に深い、こういうように思わざるを得ないわけです。 先ほどは一過性の問題であってこれを過ぎれば病気が治って健全になっていく人もあるんだというような甘いことも言われております。まあ大臣は、それは甘いんだと、親も甘いし、世間も甘いし、大体みんな甘くなっているからこういうことが後を絶たないんだと、こういうような御発言があったわけでありますが、私は、いまのように罰則の点数をぐっと上げて、その取り締まりを強化して、一時的にそれを鎮静化しても、また起こってくる、こういうところに問題があると思います。世代交代が行われて新しい暴走族予備軍が続々とまた出てくる。やっぱり根は相当深いところにあるし、そのよって来る土壌に深くメスを入れていかないと根本的な対策にはならぬのではないか、こういうように思います。特に将来のわが国を背負っていく青少年でございますから、そのことに十分にメスを入れて、もう一歩——単に厳罰で臨む、取り締まりを強化するということではなしに、もっと一歩進んだ対策が必要ではないか、こういうように私は考えておるわけでありますが、大臣の所見をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(石破二朗君) いわゆる暴走族の問題は、御指摘のとおり重大な社会現象の一つであると、かように考えます。仮にこれが一過性だとしまするならば、それだけにまた危険な要素を含む。何か事があるときにはわっとこういうものが付和雷同する可能性多分にありということを考えておかなきゃいかぬと思います。 根本的な対策につきましては、総理府の所管でこういう問題の解決のための委員会等ができておるはずでありますから、そっちで御検討を願うといたしまして、警察といたしましては、取り締まりはやっぱり厳重にする必要があると思います。厳重に。先ほども、ちょっと、言葉が足りませんでしたが、何か暴走族とか、あるいはカミナリ族という語感は、犯罪という観念と遠い感じがいたします。凶悪犯扱いにして私はしかるべきものであろうと、かように思います。全然責任のない者に事故を、危険を及ぼすわけですから、これは凶悪犯として私は差し支えないと思います。そのぐらいな覚悟で、法律に許されております範囲内で、厳重な取り締まりを警察としてはやっていきたいと、かように思います。
○伊藤郁男君 時間が迫ってまいりましたので、あと一点だけ、これも大臣の所見をお伺いをしておきたいわけであります。 地方財政の再建策の一環として、電電公社など三公社が地方自治体に納めている例の固定資産税相当分の納付金の問題で、その二分の一の減額措置というものが現在行われているわけでありますが、これを廃止をしていきたいと、廃止を検討しているんだということを聞いておりますが、その内容はどういうものでございましょうか。
○国務大臣(石破二朗君) 政府委員から正確に答弁をさせていただきますので、御了承いただきたいと思います。
○政府委員(石原信雄君) 御案内のように、三公社につきましては、その本来の業務の用に供する固定資産については、固定資産税は課税されておりません。これにかわる措置といたしまして、三公社の資産については納付金制度が設けられておるわけでありますが、この納付金について、三公社の持つ公共性ということから、その二分の一が納付金の算定標準額ということになっております。そういうことで、三十一年にこの制度ができて以来、ずっと二分の一の特例といいましょうか、そういう形で今日に至っているわけでありますが、最近、電電公社の剰余金を国庫に納付させるという話が出てまいりまして、自治体当局からは、そもそも公共性があるということで二分の一の措置がとられているのに、剰余金があるからこれを国庫に納付するというのであれば、この二分の一の特例といいましょうか、このシステムを改めて、一〇〇%算定標準額にするようにという要望が出されております。 私どもといたしましても、この制度は長いいきさつがあるわけでありますけれども、今日の段階で、三公社について公共性ということを理由に二分の一の特例措置が設けられている、そのことが今後とも維持されべきものなのかどうか、これらにつきましては、三公社の納付金、特に電電公社について納付金制度がどうなるか、こういったこととも関連がありますので、今後関係省庁と検討をしてまいりたいと、このように考えております。
○伊藤郁男君 電電公社の、それ全部を国庫に吸収してしまう、こういうことになると、この二分の一の問題も非常に重要な影響を与えますので、自治省としては、この問題については減額措置の廃止に向かって、地方財政の再建が急務でありますから、そういう方向で十分に対処をしていただきたい、このことを要望いたしまして、質問を終わります。
○美濃部亮吉君 私は、いままでとは大分さま変わりな話題について、自治大臣及び文化庁に御質問をしたいと思います。 と申しますのは、お魚のキスの一種であるアオギスと、それからそのアオギスが生息しておりますなぎさを天然記念物に指定をして、アオギスの絶滅を防ぐと同時にその生育しておりますなぎさ、すなわち海を守るべきだという、そういう問題について質問をいたしたいと思います。 初めに、ごく一般的な問題、さらに天然記念物について少し御質問をしたいと思うんですが、動物について天然記念物に指定される基準は、「日本特有の動物で著名なもの及びその棲息地」。あるいは「保護すべき天然記念物に富んだ代表的一定の区域」というふうに規定されていると思います。条文はもっと非常に細かくいろいろ述べておりますけれども、大体こういうことになるのではないかと思います。それから、文化財保護法第二条の四ですかによりますと、何を文化財として保護をするかと申しますと、「庭園」その他いろいろ並べてございますが、「海浜」もその中に入っております。それで、海浜だけをとりますと、「海浜、」「その他の名勝地で我が国にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの」を保護するのであると、こう言っております。それから、第五章八十条では、「史跡名勝天然記念物に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、文化庁長官の許可を受けなければならない。」というふうに規定しております。そうして、さらに第七章に罰則がございまして、いま申しました「史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は二十万円以下の罰金に処する。」というふうに罰則を決めております。つまり、動物につきまして天然記念物の指定を受けますと、その動物を保護し、その生息地の環境を法的に守り得るということになると考えられるのでございますけれども、文化庁、それに間違いはないでしょうか。
○説明員(小埜寺直巳君) ただいまの先生の御質問にお答え申し上げます。 まず最初の、天然記念物に指定されるかどうかという点でございますけれども、その点につきましては、先生の御説明になりましたとおり、文化財保護法の第二条の第一項の第四号の、まず記念物に当たるかどうかという問題が一つございます。その後、記念物にそれが当たります場合に、文化財保護法の体系から申し上げますと、いわゆる重点主義という立場をとっておりまして、記念物に当たるものがすべてそれが天然記念物に指定されるかというとそうではなくて、その中で特に重要なものを文部大臣が指定をするというたてまえになってございます。その場合に、指定に当たりまして、やはり事柄が非常に専門的な事柄でございますので、文部大臣あるいは文化庁の長官の諮問機関でございます文化財保護審議会に諮問をいたしまして、その答申をいただきまして、その答申を受けまして指定をするという段取りになってございます。 その後、それではその指定されたものがどのような効果があるのかという点でございますが、これは先ほど先生が明確にお述べになりましたとおり、文化財保護法の八十条の規定がございまして、指定された天然記念物に関しまして、その現状を変更し、保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、文化庁長官の許可を得なければならない。この許可を受けずにそのような現状変更行為を行った場合には、罰則の適用、これは百七条の三という罰則の規定がございますし、それから「現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者」につきましては、「五年以下の懲役若しくは禁錮又は二十万円以下の罰金に処する。」これは百七条の二の規定でございますが、こういうふうに現行法の体制はなってございます。
○美濃部亮吉君 そうすると、天然記念物に指定されるのは、いろいろむずかしい条件がございますけれども、天然記念物に指定をいたされますと、その天然記念物は保護され、その生息地も保護されるということになることは大体間違いはないと思いますが、そうでありますとすると、もし、アオギス及びその生息地が天然記念物に指定されますと、アオギス及びその生息地は法的に保護されるということになると考えていいのではないかというふうに思います。 そこで、たびたび出ましたアオギス、これは私も全くの素人でございますからよくわかりませんけれども、このアオギスというのは、キスの一種で、体の色が青みが強くて、シロギスに対してアオギスと言われているそうでございます。また、背のひれに斑点があるとか、胴体の側面が黄色であるとか、比較的容易に識別できるんだということでございます。そうして、シロギスは、皆さんときどき召し上がるわりあいにおいしい魚でございますが、シロギスは水の汚染にわりあいに強くて、水が汚染されても生き残る可能性が大きいけれども、アオギスは抵抗力が非常に弱くて、水が汚染されますとそれにつれてその数を減じていくということでございます。 それで、魚類で天然記念物に指定されておりますのは、淡水魚である——これはチンプンカンプンですけれども——ミヤコタナゴというものと、イタセンパラ、アユモドキというのと、ネコギギというのとだそうでございます。これらは一向に著名でない。恐らくここにいらっしゃる皆さん方も、その名前を聞いて、あああれかとお思いになる方は一人としていらっしゃらないであろうと思います。そういう魚は決して著名ではございません。それに対しましてアオギスは、学名はシラゴ・ジャポニカと——またこれも問題があるんだそうです。これは非常に昔つけられた名前でいまはこう言わないんだというふうにも申されますけれども、かつてはジャポニカと名づけられていたということは、日本の固有種であるということがわかると思うんです。それから私も、アオギスをつるのに脚立をつくって、その脚立の上からつっている光景をうろ覚えに覚えておりますけれども、江戸時代から東京湾にアオギスというのはたくさんにおりまして、脚立の上に乗ってそれをつって江戸の人たちが非常に喜んだということでございます。 そのアオギスが、戦前東京湾にいま申しましたように多くすんでおりましたけれども、昭和三十年ころから工場の汚染、それから海岸の埋め立てで——このアオギスというのは、きれいななぎさでないとすんでいられないそうで、埋め立てによって東京湾からは絶滅いたしました。そうして、アオギスは東京湾だけでなく地方の海岸からも姿を消したと思われてきたわけでございます。 しかし、最近になりましてこのアオギスが方々で、方々といってもそんなにたくさんはありませんけれども、数カ所で生き残っているという、アオギスの復活が示されたということでございます。その生息している地域は、徳島市の吉野川の河口、福岡県の豊前海の海岸、それから大分県の杵築の守江湾、山口県の周防沿岸、この四カ所でアオギスがとれるということが言われております。 それでございますから、アオギスというのは日本の固有の魚であると言っていいのではないか。中国とかなんとかいう所にもフィリピンにもすんでいるそうではございますけれども、しかしながら、一時にせよジャポニカという名前がつけられているようなキスでございますから、日本固有のものであると考えても差し支えないんじゃないか。そうして、その生息地は水のきれいななぎさで、つまり自然のままにいまも昔どおり残っているなぎさにしかすんでいない。そういうなぎさが吉野川の河口その他数カ所に残っていて、そこでアオギスが繁殖している。そうしてまたアオギスは、江戸以来東京湾で脚立でつって大いに都民が楽しんだというふうに著名な魚であるということで、私は、アオギスを天然記念物に指定してその絶滅を防止して、その生息している美しいなぎさを長く保存していくということはまことに妥当なことであり、そうしてそれが、地方地方の海を、自然のなぎさが破壊されて人工のなぎさになっていくということを防ぐほとんど唯一の手段ではないかと思うんです。 それで、先ほど言うのを忘れましたけれども、海の魚で天然記念物になったものは一つもございません。日本の海岸の半分以上が人工の海岸になって、アオギスがほとんど全く住むことができなくなってしまいました。これ以上海岸の自然をつぶしてアオギスが絶滅するということは、私には耐えられないことのように思われます。 こういう問題について、自治大臣の御意見とそれから文化庁の御見解とを聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(石破二朗君) 美濃部委員御謙遜になりましたけれども、私の方は正真正銘アオギスなどというものにつきましては無学でありまして、お答え等とてもできませんけれども、国民の皆さんの御理解が得られますならば、何とかして日本古来の生物が末長く生息することができますように、また、それが生息しまするに適する自然の美しい海岸が保存されますように希望するものであります。文化庁におかれましてせっかく御検討いただければ、大変幸せに存ずる次第であります。
○説明員(小埜寺直巳君) ただいま先生からお話しがございましたとおり、アオギスの問題、なかなか指定むずかしゅうございまして、私どもこのアオギスの問題非常に関心を持っておりまして、内々には一部の学界の先生方にも御相談申し上げているわけでございますが、非常に分類学的にも形態学的にも学説が分かれているようでございまして、天然記念物に指定するに当たりましては、いずれにいたしましても、とにかく対象が特定していないと非常に困難でございます。 そのような事情でございますが、ただいま自治大臣からもお話しがございましたように、文化庁といたしましても、今後ともこのアオギスの学問的な位置づけ、あるいは生態等の把握、その他学術的な研究の動向を見きわめまして対処してまいりたいと思っております。
○美濃部亮吉君 私の質問を終わります。
○委員長(亀長友義君) 本日の調査はこの程度といたします。
○委員長(亀長友義君) 次に、地方公務員災害補償法及び消防団員等公務災害補償等共済基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。石破自治大臣。
○国務大臣(石破二朗君) ただいま議題となりました地方公務員災害補償法及び消防団員等公務災害補償等共済基金法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 政府は、すでに、一般労働者の災害補償について、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案を、また、国家公務員の災害補償について、人事院の意見の申し出に基づき、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を、それぞれ今国会に提出いたしておりますが、地方公務員の災害補償制度につきましても、公務上の災害または通勤による災害を受けた職員及びその遺族の保護の充実を図るため、これらと同様の措置を講ずる必要があります。 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 まず第一は、遺族補償年金の額の引き上げであります。現在、遺族補償年金の額は、遺族の人数の区分に応じ、平均給与額の年額の三五%から六七%に相当する額となっておりますが、これを遺族の人数の区分一人の場合を最高として、平均六・一%引き上げ、平均給与額の百五十三日分から二百四十五日分に相当する額にすることといたしております。 第二は、身体障害に対する評価の改善であります。神経系統の機能、精神または胸腹部臓器の機能に著しい障害を残す場合において、現在、常に介護を要する程度の障害は障害の等級第一級として、終身労務に服することができない程度の障害は障害の等級第三級として評価しておりますが、それらの障害により随時介護を要する状態にある場合について、新たに障害の等級第二級として評価することといたしております。 第三は、障害補償年金差額一時金の支給に関する制度の創設であります。当分の間、障害補償年金の受給権者が死亡した場合において、すでに支払われた障害補償年金及び障害補償年金前払い一時金の額が障害の等級に応じ、それぞれ平均給与額の五百六十日分から千三百四十日分に相当する額に満たないときは、その遺族に対し、その請求に基づき、補償として、その差額に相当する額を支給することといたしております。 第四は、障害補償年金前払い一時金の支給に関する制度の創設であります。当分の間、障害補償年金の受給権者が自治省令で定めるところにより申し出たときは、補償として、障害の等級に応じ、それぞれ平均給与額の五百六十日分から千三百四十日分に相当する額を限度として自治省令で定める額を前払い一時金として支給することといたしております。 第五は、小口資金の貸し付けを受けるための措置であります。年金受給者が一時的に必要とする資金の需要に応ずるため、年金を受ける権利を担保として国民金融公庫または沖繩振興開発金融公庫から小口の資金の貸し付けが受けられる道を開くことといたしております。 第六は、遺族補償年金に係る一時金に関する規定、年金たる補償の支給事務の簡素化を図るための規定その他所要の規定の整備を図ることといたしております。 以上が地方公務員災害補償法及び消防団員等公務災害補償等共済基金法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 なお、本法律案については、衆議院において、遺族補償年金の額の引き上げに関する規定の施行期日について、「公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日」を「公布の日」に改め、同規定を昭和五十五年十一月一日から適用することとし、これに伴う所要の規定の整備を図る等の内容で修正可決されております。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(亀長友義君) 本案に対する質疑は次回に譲りたいと存じます。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十一分散会