大蔵委員会 第2号
- 発言数
- 185 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/11/13
会議録
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に穐山篤君を指名いたします。 —————————————
○委員長(中村太郎君) 租税及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大木正吾君 ぼちぼち来年度予算の骨格についても議論が始まっておると思うんですが、最初に大蔵省、企画庁等に伺いたいんですが、ことしの経済成長の見通し、そして来年に対しましての見通し、これについて議論がありましたら聞かしていただきたい。
○政府委員(廣江運弘君) お答えいたします。 経済見通しでございますが、通常私どもの方では、本年度の実績はどのくらいになるのか、それからまた、来年度の見通しはどのようになるのかということを予算編成の前提となるものとして、また経済運営の基本となるものといたしまして、おおむね十一月下旬から十二月上旬ごろに出そろいますいろいろの資料、わけても十一月末に明らかになります。月−九月期の国民所得計算速報をもとにいたしまして始めます。もちろん内々の準備をしていないわけではございませんが、そういうわけで本格的な作業は十二月になって行われるものと御了解願いたいと思います。 なお、本五十五年度の見通しにつきましては、同様の例によりまして、昨年からことしの初めに見通しを策定いたしまして、それをこの九月の五日、経済対策閣僚会議の際、これは経済企画庁限りでございますが、見直しております。それによりますと、実質経済成長率は当初見通しのとおり四・八%程度におさまるのではないかという暫定見通しを出しております。
○大木正吾君 いまの四・八じゃちょっと数字が困るんで、GNPで見たらどうなりますか。
○政府委員(廣江運弘君) 四・八%は実質で申し上げたわけでございます。先生の御質問は名目で……、当初九・四%と見積もりました。これは本年度の政府の経済見通しでございますが、それを同様に九月の初めに企画庁限りで暫定試算いたしますと、GNPデフレーターの低下がありまして、八・三%と見込んでおります。
○大木正吾君 八・三%、来年の三月までの見通しとしてその程度しかいかないんですか。
○政府委員(廣江運弘君) 九月の段階でそのように見込んでおります。もちろんその後の情勢の変化等がございまして、多少需要項目別の出入り等がございましょう、あるいは消費等につきましてはそのとおりいくのかどうかといったような懸念もございますが、そのほかなかなか根強い設備投資とかあるいは輸出の動向等もございますから、現在の段階ではその程度にいくのではないか、こういうふうに考えております。
○大木正吾君 私も素人だから余りよくわからぬけれども、さっきあなた言った実質四・八%という数字、これは機械的に物価の上昇度合いを足していくと大体一〇・何%、こういう数字になるんじゃないのですか、政府計画どおりいったとしまして、物価の方が。そうならないですか。八・三というのはどういう根拠があるんですか。
○政府委員(廣江運弘君) 四・八%の実質に物価を単純に加えるだけではこういうふうな数字は出ないと思います。四・八%と八・三%の関係には、いわば消費者物価指数とかあるいは卸売物価指数に見合うような、GNP全体の物価指数といったようなものとも言えるGNPデフレーターがございますので、それを勘案いたしまして八・三%程度になるとお考えいただきたいと思います。
○大木正吾君 それにしても自然増収に絡む問題だからもうちょっと正確に、いずれこれは確かめることになろうと思いますが、一応その程度にしまして…… 五十六年度については現在は大蔵と企画庁では話し合いか何か作業的なことでも進めていますか。
○政府委員(廣江運弘君) 先ほどお答えいたしましたとおり、私どもといたしますと、この十一月末から十二月初めにかけますいろいろの重要な資料をもとにいたしまして、わけても国民所得計算の九月までの計算結果が十一月末に出るものですから、上半期の資料ぐらいを整えまして検討に入ります。それからいろいろ大蔵省初め関係の省と御相談をするというわけでございますから、現在の段階でまだ具体的な御相談はいたしておりません。
○大木正吾君 いまのことに直接の関係ではないんですが、大臣、あなたの次に偉い方がどこかの会合でしゃべっておられる来年度の見通しについて一〇%割れ、こういう話もちょっとあるんですが、ぼちぼち来年度予算の編成に入るわけでしょうから、大蔵省は大ざっぱに見て、どういうように来年の経済成長を見ているんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 来年の経済成長については企画庁が一応経済見通しをやるわけですから、その過程で大蔵省も御相談にはあずかると思います。その企画庁の方がまだ資料も整わないというようなことなので、計数に基づいた経済見通しというものはまだできておりません。
○大木正吾君 まあ二兆円の国債減額とか、そういったことのお話がぼんぼん出てくるわけですから、しかしある程度そういったことを、大臣、胸の中にないと余りそういったことは大胆におっしゃれないのじゃないんですか。ですから、二兆円の話がぐらぐらしているかの報道もあるんですが、私どもとしてもなるべく早く赤字は消した方がいいんですが、ああいうことを発想をされた根拠となるものは、やっぱりまあいわば成長、同時に税収ですね、そういうところを背景としておっしゃっていると思いますけれども、ここらの、細かなことは要りませんから腹づもりだけひとつ聞かしてください、腹づもりを。どれぐらいのめどですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私どもが申し上げましたのは、ともかく国債減額を二兆円、やるとすれば。ともかくこの二兆円という数字はどこから出たかということだと。ともかくこの三、四年の間で七兆五千億の赤字国債をなくそうと、そうすると一年にすれば二兆円かと。また赤字国債を減らしていくと言うからには、五十四年度の実績を下回るということもどうもいかがなものか、五十四年度の実績は十三兆台ですから。そうすると、ことしの予算と比べると約二兆円のこれも少なくなるというようないろんな点から考えまして、五十九年度までに赤字国債からの脱却ということはかねてから言われておることでもあり、そういうような諸種の事情を考えた結果二兆円を目途にして減額しようと。その場合においては四兆円程度の自然増収があっても云々という話がそこから出てくるわけでありまして、四兆円の自然増収が仮にあったとしても、四兆円か四兆三、四千億円かその程度では一般歳出の財源はなくなりますと、ゼロでございますということだけは知ってもらわなきゃならないということでございまして、その四兆円というものもそうむちゃくちゃな計算ということでなくて、いままでの実態、いままでの景気の状況から見て去年よりもはるかに好景気になるとだれも思わない。去年よりやや渋いんじゃないか、去年並みかやや渋いかというぐらいの見方の人が多いというところからすれば、四兆円ぐらいの自然増収ということを口にしてもそううんと食い違いはないんじゃないか。細かい数字はまだわからぬけれども、大体いまのうちの腹づもりとしてはその程度というようなところから出ておるということであります。
○大木正吾君 それじゃちょっと角度を変えまして、最近出ました税調答申に対する大蔵省の考え方を伺いますが、幾つか特徴的なことがございますけれども、まず一つ法人税ですね。これについては大蔵省、税調の答申の書き方もあやがあってややこしいですけれども、法人税の方は少し国際的に見ても上げてもいいと、こういう意味のことが書かれているんですが、その問題についてはどうですか。
○政府委員(高橋元君) 十一月の七日に税制調査会からいただいた中期答申の中で、法人税につきましては、負担水準のくだりでございますが、「我が国の経済の国際化が進み、諸外国の経済と切り離して考えることができなくなっている昨今の状況を考慮すれば、我が国の法人課税の負担水準が主要諸外国と比較して著しく高い水準になることは国際競争力等の観点からみて好ましくないが、財政再建が緊急の課題となっている現下の状況からみれば、法人課税に若干の負担の増加を求めることはやむを得ないものと考える。」こうなっております。これがややこしくてわかりにくいというお話でございますけれども、まだ五十六年度歳出の節減、合理化に現在真剣に取り組んでいる状況でございますし、大臣からもいまお話のございましたように、今後の税収の動向もまだ確定をいたしておりません。 しかしながら、五十六年度において相当程度まとまった税収を図る必要が生じるという認識に相なりますれば法人税率の引き上げについては当然検討課題になる、こういう意味に私どもは考えておりますが、中期答申でございますからこれは五十六年度どうせよという直接の御意見ではなくて、今後法人税について中期的に考えていく場合の考え方の基準というものをお示しいただいたものというふうに理解しております。
○大木正吾君 これは去年の十一月ごろですかね、大蔵省、高橋さんじゃなかったかもしれぬけれども、大蔵省から法人税二%税率を上げる、こういう話があったでしょう。それが二月の初めごろに財界の反対もあってつぶれた経過がたしかあるはすですよね。そういうこととの関係からすれば、いま国民が考えていることは、やっぱり税金の不公平問題が一番最大ですからね。そういう関係で、まあ所得税は後で聞きますけれども、法人税を高橋さん、ことしはいじらないあるいはいじくるかどうか、上げるか、このままでいくのかどうなのか、その辺のことについてはどうなんです。税調の中でも議論はことしからやるという話じゃなかったんですか。
○政府委員(高橋元君) 五十六年度どのような税制改正を行いますか、これはこれから、いまもお答え申し上げましたように、歳出の状況、税収の見込み、経済の趨勢等を考えて、大臣の全体の御裁量で進めていくわけでございますけれども、現在のところ五十六年度税制改正をどの税目でどういうふうにやるか、どのくらいの規模にするか、これらは全く構想を固めておりません。その場合どうしていくかは、繰り返しになりますけれども、今後の税制調査会——本日新しい委員が任命されたようでございますが、税制調査会を新しく開きまして五十六年度の税制改正の御審議をいただくわけで、繰り返しになりますようで恐縮に存じますが、中期答申の中では五十六年度を含む今後の法人税についての考え方の基準をお示しいただいた。具体的には五十六年度税制改正についての今後の税制調査会の御審議で答えを出していただく、こういうふうに作業を進めたわけでございますし、中期答申につきましてもさように御理解いただきたいと思うわけでございます。
○大木正吾君 先ほどの大臣の御答弁との関係もございましてちょっと伺うんですけれども、仮に自然増収が九%前後の経済成長というものを背景としまして、四兆もしくは四兆二、三千億という形であれば、結果的には一般の増経費についてもほとんど金がない、こういう話になり、しかも二兆円というなるべくその辺の国債減額したい、こういう話なんですからね。ぼくらも素人ですけれども、素人なりにわかるわけですよ。法人税を二%ぐらい引き上げれば大体四、五千億の増収あるだろうと。同時に他の、たとえば選択増税という立場でもって、交際費の非課税問題とかあるいは物品税、そういったものをさわっていきますれば、やっぱり四、五千億円ぐらいの増収はあるかもしれない。そういったことをやらなければ、渡辺大臣おっしゃっている二兆円という国債減額なかなかできないでしょう。ですから、そういう点について、当然これは税制調査会に対して答申を求める場合には、答申を求める側が何らかのアプローチをせぬかったら答えは出てこないわけですからね。そういう点を含めて、税調を始めたばっかりという話だけではどうもつじつまが合わないんで、その辺のことについて、他の法人税、さらには他の選択的な増税等を含めてどういうお考えか、大臣、局長、どちらでも結構ですけれどもお答えいただきたい。
○政府委員(高橋元君) 大臣からお答えのあります前に、今回の中期答申でございますが、これはたびたび申し上げるようでございますが、現在十一月の十日までで任期の終わりました委員の方々の任期の終わりのときに、今後の次の任期の税制調査会が三年間、またはその後税制調査会として財政再建を考えていくに当たって必要な期間についての現行税制についての総点検、あわせて将来の税制の方向というものを御審議願う趣旨で始めまして、十一月の七日に答申をちょうだいしたわけでございます。 したがいまして、法人税以外——まあ御承知であろうと思いますけれども、各税目にわたりまして、将来にわたって財政再建の必要、また国民が要望する公共サービスの維持のために、各税目について負担の増加をお願いする余地があるという項目が随所にございます。で、それを取り合わせてどういうふうに運んでいくかということにつきましては、中期答申の序言のところに書いてございますように、今後毎年の経済社会の情勢を見通して、毎年度の税制改正でこれを具体化していくんだというふうになっております。でございますから、五十六年度につきましては新しく任命されました税制調査会において、いずれ総理大臣から諮問があり、それに基づいて五十六年度の税制改正の御審議を具体的にいただく、その段階でどの税目をどういうふうに取り合わせていくか、それは歳出の縮減状況なり、今後の税収の動向なり五十六年度の経済の見通しなり、そういうものを全体を頭に置いて具体的に取り組んでいく、こういうことであるというふうに御理解いただきたいと思います。
○大木正吾君 わからないんですよ、さっぱり。要するに大臣がおっしゃった、二兆円までいくか一兆八千億かわかりませんけどね、国債減額をしたいということについて一つの大蔵省は政策的なポイントを置いておられるわけでしょう。そうしますと、経済成長見通しなりあるいは自然増収の関係でいくと四兆前後でもってまあほとんどゼロベースになってしまう、こういうお答えが返ってきている。で、税調自身も別に、ことしから、五十六年度から手をつけていけないとは書いてないわけで、しかも去年の暮れに始めて一遍つぶされた経験もあるわけだししますからね。要するに法人税が何といっても大きな言えば財源、税源という問題でもあるわけだから、もうちょっとその辺のことについて、予算書ができてないことはぼくらも知っているけれどもね、まあぼちぼちこの辺でもって、大体、こういった答申もあるわけだが、ことしはどの税について、法人税をどうしようとかね、あるいは選択増税どうしよう、そういうところについて大体の眼目ですね、要するにきょうから始まっている税制調査会に対してどういう諮問をしていく、どういうふうなまた来年度の財政の見通しを持とうとしているのか、いまのような答えではちょっと納得できませんね、これは。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、歳入と歳出はもう裏と表なんですよね。そこで問題は、いま概算要求というものが出ております。概算要求は七・五%のシーリング枠で出せということで、二兆六千億円ぐらい一般歳出の伸びが出ております。そのほかに、当然人件費も全然見ないというわけにもいきませんでね。ことし人件費四・六%アップをしましたから、その四・六%アップは二兆六千億円に入ってないわけです。したがって、そういうものを取り入れると、ざっと三兆円弱ぐらいのまあ要求が出ているんですね。それをゼロにするということだとゼロベースになるわけです。しかし果たしてゼロに全部できるかどうか、これはむずかしいです。法律を皆直してもらわぬとできませんね、これは。たとえば一つの例をとれば、生活保護だって物価スライドというもの、これはやめちゃって、不景気だから勘弁してしれと。厚生年金にしたって皆同じ。そういう問題がいっぱいあるわけですね。 ですから、もう抑えるものは当然増と思われているものでも極力これは抑え込んでいくほかないじゃないか。だがゼロにはできまいと、これは。で、一方、どれぐらいまで切れるかということで、極力その歳出抑制というものをまずやってみようと。しかし、社会通念上から見てももうとてもこれは法律直らぬというようなものもあるかもわからぬということになると、どこまで抑え込めるか。まだやって結果が出たわけじゃないからわかりませんが、仮に何分の一かに抑えても、かなりの、それの一・五倍ぐらいの税収がなければならぬと。その税収というのは、ではどこから取れるのかということになりますというと、ともかく大したことはないですね、これは。大したものはどうも見込めない。しかしぎりぎり見込めるのはどれぐらいだと、片方でもううんと抑え込めるのはどこまでだと、そのすり合わせをこれからやらなきゃならぬわけです。現在のところまだそのすり合わせば、国会があってやっている暇がないんです。正直な話が。だから国会終了後連日そのすり合わせをやって、両方歩み寄ったところで予算をつくるほかないんじゃないか。ざっくばらんな話が、私に聞かれましてもそれ以上のことは進んでないのです。これは。内部ではいろんな検討はしておりますが、最終的にどこで抑えていくかということはまだ実際決まってないというのはこれは本当なことで、与党のだれにも相談してないです。だれも、私もまだわかってないわけですから。 以上でございます。
○大木正吾君 まあ渡辺さん、大分、余部知っておられてはぐらかしている感じもするんですけども、これ以上のことは余り言いません。 ただ高橋さん、これはあれですよ、たとえば大型消費税という問題についての税調答申出ているでしょう。そうしますと、ことし組む予算は五十六年度ですから、五十九年にゼロにしようということになれば、どっかでもって大型消費税問題についてまた国民の不満が増高することは間違いありませんけれども、やる気なんじゃないですか、おたくの方は。とすると、その前にやるべき問題はやっぱり税制の公平化の問題ですよ。だから私が申し上げたいのは、やっぱりその前に、ことし——大臣の苦労はわかりますよ、わかるけれども、どういうことを、法人税なら法人税についてどうするんだとかあるいは選択増税の場合にはどれとどれをどうするとか、大体もうお忙しいことはわかりますよ、忙しいことはわかるけれども、ぼちぼち主税局長なりあるいは大臣のお気持ちがすわってなければ、なかなかもってこういう税調答申というものに対して政府自身が対応する段階といいましょうか、プロセスができてこない、こういうふうに感じるんですけれども、もう一遍ひとつ、法人税、同時に他の選択増税ですね、そういった問題について全く白紙なのか——まあいいや、もう少し聞き方を変えまして、やっぱりこの中の幾つかについては増税という立場をとらざるを得ませんということなのか、やらないという立場をとられるか、そのどっちでですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは先ほど申し上げたとおり歳出との関係なんですよ。歳出をどこまで切れるか、どうしても切れないというものが幾ら残るか。残った場合は、これは借り入れをするか税金で取るかしかないわけですから。したがって、借り入れはもうふやさないということになりますと、やはりその税が一つの税目なんかで取れるわけないですね、私そう思っているんです。ですからかなりの、何項目かの税目に従って無理のない程度、その歳出をどうしても埋めるとすればそれだけの財源が必要ですから、全部について一遍ひとつよく検討してもらいたいということで、それは全税目について薄く広くになるかどうかわかりませんが、検討はいましてもらっておるというところです。
○大木正吾君 お話の向きが大分歳出を切る方にいきましたので、ついでに、じゃ順序を変えまして伺いますけれども、今年度の自然増収の見通しについては大蔵省はどの程度と見積もっていますか。
○政府委員(高橋元君) まだ九月末の税収までしかわかっておりません。その税収は予算全体の三三・六%入ったところでございます。したがって、本年の四月から九月までの税収をもって今後、来年の五月までの五十五年度の実績の見込みがどうなるかということの確定数字はまだちょっとつかめないわけでございます。 実は、五十三年に税収の年度所属区分の変更をしていただきまして、来年の三月決算の税収を本年度に取ることになりました。したがって、これから来年の三月の税収、これは全体の二割を占めておりますが、それが三月決算の結果に基づいてどうなるかということを実地に相当数の会社からいまいろいろ聞き取りをしております。民間の調査機関その他いろいろの御意見もございまして、私どもそういうのを一々目を通しておるわけでございますが、やはり最新時点で来年の三月の税収がどうなるかということを見ませんと、全体としての五十五年度の税収がどうなるかわかりません。 冒頭に申し上げかかっておりました九月末の税収で三三・六%入ったと申し上げましたが、これは前年度に対して一三・九%上回っておりますから、税収全体が年度全体を通じて二・三%伸びれば予算額に達するわけでございますから、そういう意味で言えばおおむね順調に入ってきているということは言えますけれども、五十五年度全体で何千億になるかというようなことを具体的な数字でお答え申すにはなおしばらくお時間をかしていただきたいというふうにお願いいたします。
○大木正吾君 いまあなたおっしゃった九月末のあれはいただいています。持ってきたんですが、これを根拠にして幾つか過去の年次のものも含めて若干計算してみますと、たとえば最近三カ月間、進捗率ベースという立場でもって見ていきますと、私のこれは計算だから余り的確じゃないかもしれませんが、六千五百九十億円という自然増収。同時に前年同月比で見た場合のベースが大体六千二百九十億円ですね。これはちょっと甘い数字になってくる問題として出てきますのは、税目別の積み上げ方式でやりますと九千億前後になるんですね。どれも六千億を切っているものはないわけなんですよ。ですから大体こういったような見方でもっていいか悪いか、おまえ計算が間違っているということになるのかどうなのか、その辺のことを教えてくれませんか。
○政府委員(高橋元君) 単純割り戻しとか税目別の積み上げの割り戻しとか、大木委員御専門でいらっしゃいますのでいろいろ詳細な方法で御計算になったものと思います。同じ方法を用いますれば私どもが手元でやりましても恐らく同じような数字が出てまいると思いますけれども、ただ、ここで二、三問題を申し上げておきたいと思いますのは、実は法人税でございます。これが前年よりも九月末——お手元に数字があろうかと思いますが、進捗が上回っておりますけれども、実は本年の九月に入りました三月決算の税収の延納が非常に多うございまして、本来ならばと言いますか、通常の延納の状況でございますれば五十四年度に入っておったであろうという税収が五十五年度になっておくれて収納しておるわけでございます。それが千億を上回っておるかと思います。そういう特殊な要素もございますので、単純な割り戻しだけで推定をいたすわけにはまいらないというふうには思います。 それと、いまは六カ月決算の法人というのは非常に減りまして、あらかた大法人は三月一遍の決算でございますから、来年の三月にいかほどの税金を申告していただくかということを見ませんと法人税の本当の勢いはわからないわけでございます。 そこで、くどいようでございますが、私どもはミクロで社別に決算の見込みなどを調べまして、それと経済調査機関なり経済企画庁の御意見なり、そういうものを取り合わせてこれから五十五年度の税収の実績値を詳しく調べていきたい。調べた上でと申しましてもそう時間が残されておるわけではございませんから、それに基づきまして、できるだけ正確に五十五年度の実績とそれに基づく五十六年度の税収の見込みと調整をいたしたい、かように考えておりまして、現在はその作業の途中でございますので、まだいまのところ私自身もどれほどの数字になるかということについては確信が持てないわけでございます。
○大木正吾君 大臣にもう一遍話を戻して伺いますけれども、大臣の御決意といたしましての二兆円の国債減額、まあこれに近い数字、その気持ちは変わりがないわけでしょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、私も総理大臣も変わりはありません。
○大木正吾君 高橋さん、余り的確にここで言うと問題起こすという気持ちかもしれませんが、実は、ちょっと私は私なりにいろいろ計算をしてみているんですが、仮に二兆円というものを大臣、今年度あるいは来年度、五十六年度に国債発行の減額をしまして、そうして経済成長なりが仮に四・五%、同時にGNPという名目は、名目が仮に九%台という形でもって平均して向こう三年間、こうやっていきますと、意外にあれじゃないですか、財政再建は速いペースでもって到達点に達する、こういう感じがするんですが、それは早いにこしたことはないんですが、そういうような問題についての大臣感触はどうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も、願わくば一年も早く財政再建をしなきゃならぬ。なぜかと申しますと、もう要するに国債発行をしてきた行き詰まりといいますか、国債がなかなか売れないという状態が現にもう出てきちゃっておるわけですから、これをさらにどんどん発行して、ともかく買ってもらう人がないということになったら大変なこれは問題が起きてくる。したがいまして、そのことの方が社会的に大きな害毒を及ぼす。いままではいままでなりのいろんな意義と価値があったが、大体ここらが限界であるというような観点から、仮に、早く順調にいけばなおさら結構なことだと、そう思っておるわけです。
○大木正吾君 ゼロベースにしましても、最近の大蔵省の方々の新聞やその他の発表によりましても、私自身、これは少しひがんで物を見ているととられても困るんだけれども、ゼロベースのときにはさんざん驚かしておきましてね、同時に今度は景気動向と税収の方では非常にむずかしい見通しがあると、こういうことで、とことんまでとにかく財政が苦しいからがまんしろと、こういうような手法でもってキャンペーンが続けられている。こういうふうに少しひがんでいるかもしれぬけれども、意図的にそういったような大蔵省側のキャンペーンが行われている、こういう感じがしてならないんですが、渡辺さんそういうことをどういうふうにお感じになりますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはひがまれては困るわけでありまして、本当に真実を、真実だとわれわれが信じておるものを申し上げておるというだけのことでございます。
○大木正吾君 予算委員会でまたやり合いがあるかもしれませんけれども、大蔵委員会で穏やかにいきたいと思っておりますけれども、とにかくもうちょっと私たちに言わせれば、いまの自然増収につきましても、高橋さんの手元じゃもうちょっと具体的な過去のから実績がずっと何年間もあるんですからね、ある程度は見込まれていていいはずなんですよ。六千億円前後とか、あるいはもっと低目に見て五千億から六千億ぐらいかという形でもって言うことも結構でしょうね。そういった形でもって試算をしていきますと、私の手元の簡単な計算ですけれども、ちょうど二兆円というものを仮に大臣の言ったとおり実行できますと、一年半か二年ぐらい先に、これはあなた特例公債の方については大体めどがつく、こういう計算が出てくるんですよね。 それでもって、一方では所得税の減税の場合には国際比較でもって全然やる気がない。いまではあなた、もう物を買う気力もなくなってしまったものだから法人の方で物をつくらぬという状態でしょう。ECやそれからアメリカなんかでも、日本の物についてずいぶんと最近は警戒して、百億ドル前後のECは対日赤字が出る、こういう話もありますわね。どうすればいいです。これ一体。こういう関係で個人消費というかあるいは所得税減税というやつは悪いものだと、こういう考え方は改める気はないですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も所得税減税は結構なことだと思って、悪いことなんてひとつも思っていないんです。問題はただ、現在の財政環境からして所得税減税ができないと、そういう環境ではないという判断、しかし所得税減税をしてもっと消費購買力を伸ばして景気をよくしたらいいじゃないかと、こういう議論もございます。しかし景気を伸ばすといっても、日本だけが飛び抜けて世界の中で景気がよくなるなんていうことは常識的に考えられない。アメリカもやっとゼロベースからはい上がろう、ゼロ成長からはい上がろうという状態ですね。ドイツでも二・五%の成長を何とか達成したいと、世界じゅう石油ショックによって富の偏在が行われて、そうしてもう失業とインフレと財政赤字、国際収支の赤字というのは、非産油国のもう共通した病気なんです。 したがって、私といたしましては、やはりそんな高度の経済成長というものは日本だけではできるものではない、だから無理をしなくたっていいんじゃないかという考えが先立っておりまして、そこでいままでともかく皆さんが買い控えをしたということは物価がうんと高いということが原因であって、物価が鎮静をするということになってくればまた国民の安心の仕方も少し違うんじゃないかと。したがって、やはり物価鎮静というものを優先的に考えてやってきた結果が、物価も落ち着き傾向を見せて、ずっと落ち着いてきた。したがって私は、そういうような点から個人消費というものはこれからおいおい、いままで買い控えたという反動もございますから、そういうところで出てくるものと期待をいたしておるわけであります。
○大木正吾君 最近の新聞や経済誌を見ていますと、むしろ大臣逆じゃないですか。物価の安定がカルテルとか、そういった問題等にも関連しまして、正しいコスト関連の問題としてのでなしに、言えばカルテル的な行為によって高値安定というか、そういった傾向があって、むしろ物価を安定させるためにも、言えば需要創出若干でもしまして、そして景気論に対しても安定的なものにした方が、大蔵省としてみればやっぱり税収の期待という問題等も含めて、私はその方が経済としてはバランスがとれた飛行ができる、こういうふうに考えているんですよ。 ですから、最近の国民生活白書等拝見いたしましても、もうとにかくサラリーマンの、あるいは勤労者全体でもそうですけれども、税金とかあるいは社会保険料とかという意味合いの、いわゆる非消費支出がべらぼうにふえていると、その方のふえ率がものすごく高いわけでしょう。ですから、むしろやっぱりいまの経済の認識の仕方というものは、河本さんともきのうちょっと立ち話したんですけれども、とにかく少しくやっぱり物価問題物価問題結構だけれども、物価の安定という問題について中身を吟味せずに、言えば少しくカルテル的な意味合いでもって物価問題が鎮静ぎみに見えているけれども、実は中身は少し違うんじゃないか、こういう話もちょっとしてみたんですがね。だから、少しくやっぱり何か個人消費を、所得減税を少ししましてやるぐらいの調整をした方が、税金の不公平感の観点からも景気の安定感という意味合いの見方からしてもやった方がいいと、こういう気持ちなんですが、大臣この辺のことは五十八年度まではがんとしてやらないつもりですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 何年までやらないかということは、ここは断定をしにくいところでありますが、財政に余裕ができるというような何か安定的な収入が政府にも入るという場合はまた別だと思いますが、目下のところは調整減税をやるゆとりがございませんと、ひとつ御勘弁願いますという考え方であります。
○大木正吾君 大抵のことは渡辺さん勘弁も何もないんですが、ちょっとこのことは勘弁できないんですよね、本当に申し上げて。とにもかくにもこれは五十三年からの据え置きですからね。しかも目立って、サラリーマン自身がかずのこ倒産から勉強したかもしれませんけれども、相当に自分の生活を切り詰めて、レジャー等についてもやはり切り詰めたりしてやっているわけですけれども、ただその中でもって非常に目立ちますのが、何だかんだ言ったって非消費支出という税金等の分担が大きくなっていますからね。 よく大臣おっしゃるように、ヨーロッパ等の比較でもって課税最低限云々ということは、それはわかりますけれども、しかし防衛費の問題とかあるいは雇用保険の関係とか、なかなか総合的な計算できないんですけれども、やっぱり四年も五年も課税最低限ということをやらないことを自然増収という——自然増収という言い方でもってこれは解釈できなくなってしまっているんですよ。要するにこう上がってきていますから率が上がります。自然増税だ、この場合ですね。大体六十万刻みでもって二%上がっていくんですから、上がっている分は増税ですからね、結局は。そういう見方が出てきますから、大蔵省考えているかどうかわかりませんが、とてもじゃありません、そういったことについて調整をしなければ、恐らく大型消費税等についてほとんど不可能という見方も私成り立つと思っていまからね。この辺の限界をどこに置くか、私はむしろ来年、あるいは今日の経済動向からすれば五十六年度に所得減税ということについてぜひ税調等に諮問してもらいたい、こういうように考えているんですがどうでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 五十六年度の税制改正はこれから新税調に総括的な御諮問があった後、お諮りをしていくわけでございます。 中期答申の議論を、御審議をずっと税調で二カ月間お願いしておりました際にも、この答申の中にも書かれておりますように、物価調整減税をやることが必要だと、またそれが適当だという御意見は確かにあったわけでございます。先ほど来大臣がお話しになられておられましたような、そういう見解の委員の方も数多くおいでになりまして、いずれにしても現在六二%程度の税収でもって歳出を支えておる、こういう財政の現状を八割まで上げていきまして、それによって特例公債を脱却するということが基本的な長期の税制の目標であるべきだと、そういうことからいたしますと、財政再建を図っていく段階では物価調整減税等の所得税の課税最低限の引き上げは至難であるというお答えになっておるわけでございます。五十六年度税制改正についての御審議を税調でお進めになる際には、当然そういうことはまた改めて議論になるものと思っております。
○大木正吾君 税調のこの答申もちょっと拝見はしておりますけれども、とにかく過去の経過ということについて、物事は余り急激に物をやり過ぎますと逆効果といいましょうか、結局ハレーションが大き過ぎるわけですから。ただ私たち自身見ていまして、とにもかくにも納税人口がべらぼうにふえていることも間違いじゃありませんし、同時にそれがもう自然増収の域を脱して自然増税という立場でもって物をとらえるべき内容に当然なってきている。こういう点からしますと、むしろ私は積極的に大蔵省は、企画庁の方との相談も必要でしょうけれども、この税調に対して所得税の課税最低限に対しての問題についてどう考えるか、もう一遍具体的な問題としてこれは諮問項目に挙げておくべきじゃないんですか。高橋さんそう考えませんか。
○政府委員(高橋元君) 年度の改正を新税調でどういうふうにお進めになるか、これはまた新しい税制調査会の会長とも御相談をしなければならないわけでございますが、従前から税調に対する諮問というのは項目を細かく指定いたしませんで、たとえば五十二年から去る十一月十日まで任期のあられました税制調査会に対しては、一本「国民経済の健全な発展を目途としつつ、国、地方を通じて財政体質を改善するため、税制上とるべき方策」いかんという御諮問を三年間にわたってお出ししておりまして、その中で五十三年度、五十四年度、五十五年度どうしていきますかということについての御審議を願ったわけでございます。 そういう意味で、五十六年度の税制改正をこれから御審議いただく税制調査会にどういう御諮問が総理大臣からあるか、私いま申し上げるだけのことを承知しておらないわけでございますが、そういう御諮問に応じて五十六年度の税制改正を御審議いただくときに、各税についての問題点というものを事務当局なり委員の方なりから御説明をして、その中でそれぞれの委員の御意見に基づいて御討議が進められる、これが従来のやり方でございます。新税調はどういうふうになるかわかりませんけれども、恐らく同じ方式になろうと思います。そういうときに、当然現在税制が当面しております各種の問題の一つとしてそういうことが取り上げられるであろうとは思いますが、それはまだ私これから税制調査会がどう進められるか、新しい税調の幹部の方の御意見によって決まることでございますから、これはいま必ずそうなるということではございませんけれども、従来であればそうであっただろうということを申し上げておきたいと思います。
○大木正吾君 ちょっと角度を変えて伺います。 国民生活白書が最近出されましたけれども、これは総理府の方おいでかもしれませんが、結局これの文脈を見ていきましても、一々読み上げませんけれども、やっぱり現在の一・七五%公定歩合下げたけれども、さっぱり先行きは見えないという景気動向ですね。そういう中でもって個人消費の低迷が景気動向に対して大きな理由じゃないかということは、大体最近の識者は一致して見ているところですわね。内容的に入っていきますと、今度は税負担の増加、住宅ローン、賃金の自制ですよね、これは渡辺さんもその辺のことはぜひ労働界の問題として知っておいていただきたいし、知っておられると思いますけれども、そういう形の中で結局可処分所得ですね、要するに非消費支出、この辺の問題の増大ですね、そういうことが幾つか書かれていましてね。生活白書の動向について大蔵省は見ておると思うんですけれども、総理府の見解と大蔵省の見解が一致するかどうかわかりませんが、これについてまず総理府の方々の見解は、いま私が指摘した問題のポイントだけで結構ですから、要するに個人消費についてこういう理由を三つ、四つ挙げられていますけれども、そういう理解でよろしいんですね。
○説明員(田島正君) お答えいたします。 私どもの家計調査の結果で見ますと、まず家計の所得動向につきましては、五十二年、五十三年、五十四年度の対前年度の増加率を見ますと、これが二・九%、二・八、二・一とやや伸び率が鈍化してまいりまして、特に五十四年度におきましては、第四・四半期は対前年同期比マイナス一・〇という形になりました。さらに五十五年の四月−六月期はマイナス一・七というように、実収入の対前年度の実質増加率は現在マイナスになっておるという形になります。 さらに消費支出の方を見ますと、これも五十二、五十三、五十四の対前年度の伸び率は二・二%、一・五%、二・三と少しフラクチュエーションしておりますが、五十五年度に入りまして第一・四半期、四月−六月がマイナス二・五%というふうに初めてここで実質消費支出がマイナスになっております。このような状況で、一般的に所得の伸び率ないし家計の実質消費も五十五年度においてはマイナスになっておるという傾向を私どもの結果では示しております。
○大木正吾君 いま総理府の話があったような状態で、私どもとしてもそちらの資料をいただいて、これを見ているわけですからね。しかも加えて、たとえば貯蓄の国民の動向の中でも、サラリーマンの場合の結局個人貯蓄の比率は、一般平均を百二十万ぐらい下回っていますね。こういったことを考えていきますと、やっぱりまあ何だかんだ言いましても、その中においてこういう状態を脱却させるためには、大臣これはもう税制ということはいわば媒介としまして一番いいわけですからね。私はやっぱりいまお話があったような実質生活の下落、しかもその理由はこの中にありますが、税負担の増加とか住宅ローンとかさらには社会保険料の問題とか、そういうふうになってくるわけですから。もちろん毎年毎年課税最低限を上げてきた時代とは違いますよね。違いますが、そのベースというものをあるいは三年に一遍とか見直しをする年を考えながらやらぬと、むしろこれは私自身心配しますことは、一・七五%公定歩合を下げても全然景気は、きょうのお天気じゃないけれども、先行き見えませんしね。同時にECだって大変なことを今度言ってくるかもしれません、アメリカがあのとおりですからね。国内消費ということを少しくやっぱり需要の喚起をしませんと危ないということがあるから私は申し上げているわけで、単にサラリーマンの方々の税金がというだけの話じゃないわけですからね。 いまの問題について、国民生活白書について大蔵省の主税局はどうお考えですか。税金のためにもと理由が入っておる、こんなことは例が前になかったことなんですけれども、高橋さんどう思いますか。
○政府委員(高橋元君) 生活白書それから毎月の勤労者世帯の収支、そのほか私どもは常時消費について発表される統計なり家計についての統計なりいろいろ勉強しているつもりでございます。 先ほど大臣からお答えのございましたように、現在物価の安定を図ることがかえって消費を堅調ならしめるゆえんではないかということ、したがって所得税の減収が特例公債の増発につながることは現在の財政状況から明らかでございますから、そういう面からも財政面のインフレ要因をふやすことによってかえって国民生活なり経済の実態を悪化させるという要因もあろうということ、そういうことを全部含めまして私ども、いまもお話がございましたことでございますが、五十六年の税制改正の御審議に当たりまして、現在の家計の状況なり国民経済上の消費の状況なりそれから財政の状況なり、全部問題点を御説明をして御審議をいただくというふうに考えておるわけであります。
○大木正吾君 物価の問題についての認識はそう違いないと思いますけれども、私はむしろこれは、物価の上昇状態というものは最近まあ安定してきているわけですけれども、物価問題の中身ですよ、問題はね。カルテル的な行為でもって安定している物価ということは、これはまさしくまあ言えば本当の安定じゃないわけでしょう。需給バランスというものがとれた中での安定でなければいかぬわけですから。むしろ最近の動向からしますれば、物価を安定させるためにもあるいは景気をある程度安定させるためにも、需要の創出といいましょうか個人消費の拡大というか、そういったことについて経済の進度というものを考えるべき時期だと、こう見ているわけですよね。その辺のところ、渡辺さんどうですか、私の考え間違っていましょうかね、これは。 要するに個人消費を拡大しましてね、そして少し需要を喚起することの方がむしろ物価なり経済の安定、そして税の確実な、着実な収納ですかね、そういった面では正しい方向と考えておるんだけれども、そう思いませんか、最近の動向を見て。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は一つの考え方だと思っております。思っておりますが、先ほどから繰り返して申し上げますように、仮にそれじゃ所得税減税をやるとしても、一千億や二千億ということでは何にもならない話でありますから、かなりの額になる。ということになれば、じゃその財源はどこから徴収をしてくるのかということにつながりますし、それじゃ国債発行の減額をその分しなくていいのかという話になってくるわけです。そういうようなことを総合的に考えますというと、いままで物価が荷かったために消費の鈍化を招いたことは事実だけれども、ここでいろいろな物価安定策をやってきた結果、国民の協力が得られて、物価は鎮静方向にきていると。したがって、いままでの買い控え状況というものはここで預金金利の引き下げ、貸出金利の引き下げという政策と相まって、私は個人消費は伸びるんではないかという見方でありますから、無理をしなくてもいいんじゃないかと。 それからもう一つは、世界じゅうどこを見ても石油のためにみんな貧乏しておるわけであって、全部もう生活水準はある程度侵食されたことは日本ばかりじゃないんです。世界じゅうなんですね。イギリスなどはもう二一%ぐらいの物価高になって——いまでも一五、六ですから。アメリカ だって一四、フランスも一四と、イタリーも二一、二。こういうことで、その半分も月給は追いつかないという状態からすれば、日本の方はその石油による侵食率は、生活の侵食率は一番少ないという状態でもあるので、お気持ちはよくわかるんだけれども、この際はそれらの外国との比較から考えても、まあ財源の調達について新しい税目の目安もはっきり立ってないという中ではしばらくごしんぼういただきたいと、こう思っておるわけでございます。
○大木正吾君 それじゃ改めてまたもとに返りますけれども、聞き直しますけれども、大型消費税というものについては、大臣は導入するお考えはございませんね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いわゆる大型消費税と言われるものですね、これについては国会の決議というようなものもございました。したがいまして、来年度予算で犬型消費税を導入するという考えはございません。
○大木正吾君 鈴木内閣みたいなもので、鈴木内閣中には一%の防衛費を上げないとかね、あなたが大臣の間はやらないということでもこれは困るわけですよ。だから、やっぱり大臣は歴代つながるわけでしょうけれども、なるべく実力大臣だからがんばって長くやってもらいたいんですがね。 そういった中で一番問題がありますことは、仮にいまあなたがおっしゃったけれども、私は国際的なことについて議論しようと、その角度からやりますが、それは別におきまして、自然増収大体四兆三千億、ことしの場合四兆六千億くらいになりましょうか、そういったものが中に占める、要するに勤労者あるいはサラリーマン、そういった方々の所得税のウエートが毎年高まっておるんじゃないですか。そういったこととの兼ね合いでもって、やっぱり中身を少し吟味しながら答えを出してもらわぬといけないんですよね。税の不公平ということを直すことが最大の問題ですからね。たとえば全然手をつけようとしないところの証券取引高税の問題等もありますよ。言いたいですよ、私はそういうことはきょう申し上げませんけれども……。とにもかくにもやっぱり税の公平化をねらうことは最大の眼目ですからね。 その意味合いからも、国際的な慣行じゃなしに、日本国一億二千万の国民が税の公平感ということに対して満足ができる状態をつくる、そのことが先決の問題ですね。そうすると、いまの所得税の自然増税問題については、やっぱり法人税との関係とかそういうところと見合いながら、当然考えておかなければ弱い者いじめになって終わってしまう、こう考えますが、大臣の苦労わかるけれども、そこの中身をもうちょっと吟味して考え直してもらえませんか、こういうふうに申し上げるのですがね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 十分に吟味さしていただきます。
○大木正吾君 それじゃ質問の最後の項になりますが、若干変わった形のことを伺いますが、行管庁等が話題にしておる問題で、たとえば電電の納付金の問題等について、これは行管庁の方の主張でしょうか、それとも大蔵省かわかりません。けさはまた、日航さんの株式の問題についてのお話が自民党の内部にあるという話も新聞報道されていますけれども、電電納付金についてはことしの予算の中でどういうふうに扱う御決意といいましょうか、どういう気持ちでもってこの問題を見られておられますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 財政当局といたしましては、御案内のような財政事情のもとで歳入歳出両面にわたる見直しが実は要請をされております。したがいまして、臨時異例のことでございますかもしれませんが、電電公社に対しましても何らかの御協力をお願いできないだろうかということを含めて、目下検討をしなければなるまいと、こう思っております。
○大木正吾君 電電の貸借対照表を持ってきてみたんですけれども、この中に利益剰余金という項目がありまして、五十五年末に一兆四千五百億弱の剰余金というものが計上されているんですね。逓信委員会でもちょっと聞いてみたんですけれども、逓信委員会で聞きましたら、これは電話局の既建設部分あるいは局内における機械の部分、さらに言えば道路を突っ走っている地下ケーブル、こういったものに全部使ってしまっている金であって、貸借対照表の立て方としますと項目的には利益剰余金になっているけれども、金庫の中にもう国債買ってしまってあるわけじゃない、こういう話なんですね。 そうしますと、これはどういう方法でもって電電から納付させるか。ちょっと私たちから見ますれば電話局を建てるサービスを減らすあるいは新しい開発計画をおくらす、そういったことについてそんなに急ぐことないからやめろということを言いながら取り上げるしかないだろうと考えているんですがね、その辺はどうなんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ともかく累積利益金が一兆六千とか七千とかというものについては、それは大部分が固定資産になっておるということも私は十分に承知をいたしております。ただ、なぜ電電公社という名前が出たかというと、これは例示的な話でございまして、ともかく国が借金を返すと、そして必要な場合においてはある程度税金も増徴しなければならないというようなときに、政府の関係機関で何がしかのものであっても売れるものは極力売る、出せるものはお互いに出し合うと、そういうような政治姿勢というものが非常に大切だという観点から、あらゆる政府関係機関についてもそれは検討されておることでございまして、ただその一例として電電公社という名前が出たわけであります。
○大木正吾君 大臣お忙しいので、余り深くは申し上げませんけれども、これは間違いなく結果的にはこうなるんですよね、この話をずっと調べていきますと。行管のおっしゃっていることは、とにかく百十一法人の中でもってわりあいに景気のよさそうなところを少し取り上げる、こういう話から始まっているみたいですけれども、中央競馬会というのはギャンブルのセンターですわな、結局。日本航空の場合には、これは政府が株式を持っているわけですね。電電公社というものはこれはまあ結局世界にも例がないんだけれども、電話つけるときに債券を買わされるわけですからね。そんな国はどこにもない、先進国にもないですよ。ですから、国民の電話料金とか電話債券ででき上がっているものですから確かに経営は安定しているかもしれませんけれどもね、少し見方をやっぱり中央競馬会とかあるいは日航さん方とは変えて大蔵省見ておかないとまずいと。同時に下手をすると、間違いますと、これは料金値上げ問題につきまして、電電公社の電話料はまだ法定主義に入っているはずだけれども、法定主義を外すとかあるいは値上げの時期を早めるとか、そういった問題で結果的には国民に対して大変な負担増あるいは迷惑をかける、こういうふうになりかねませんからね。ここのところは主計局等の担当かもしれませんけれども、大臣御理解のようですから、よくその辺のことは吟味して扱ってもらいたいと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いろんなことを配慮しながら政治の姿勢は政治の姿勢ということにしなければならないのではないかと、こう考えております。
○大木正吾君 ちょっと含みのある答えになりましたけれども、よろしくお願いします。この辺のことはよく吟味していただきますよ。 これは最後に、本当に最後ですけれども、レーガン政権の誕生とともに物騒な話で、新しい兵器の開発などについてもアメリカは国防予算一割ふやす、こういうふうに新聞報道が出ておりますが、きのう鈴木総理は安保沖繩・北方領土の特別委員会へ来られましてね、そしてGNP一%、これは原次官がしゃべった問題との関係で、質問に対しての答えなんですけれども、一%は変えない、こういうことをはっきり答弁されているんですが、大臣恐らく百万の味方を得たという気持ちがしたと思うんですが、共通の御認識で、総理と同じ気持ちでもってと受けとめてよろしゅうございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) この防衛の問題は、事大蔵省だけで取り仕切るというわけになかなかいかない。当然防衛の予算の中身についてはそれはもう聖域はなく、われわれとしては不急不要のものについてはどんどんカットするという考えを持っております。全体の問題としては、高度の政治問題でございます。したがいまして、私も鈴木内閣の一員として大蔵大臣を引き受けている以上は、当然総理大臣と違った考えを持つはずはないのでありまして、総理大臣と同じでございます。
○大木正吾君 これは大臣がそうおっしゃっていただいて大変いいんですけれども、結局シビリアンコントロール問題とも絡んできまして、大変なやっぱり防衛庁の、特に制服組の方々は激しい議論を出す方もおられるし、まして今度は防衛庁の事務次官がこういうことをおっしゃることは大変な問題ですから、ぜひこれは総理の意見とまず対応していただきまして、そして国民に対して赤字公債の征伐は早くやるんだということを説くならば、この辺の問題についてのしっかりひとつ鈴木内閣の、まあ言えば一番のこれはもう財政の元締めですから、そういう立場でもって国民が考えています。%限界、そういったことをしっかり守っていただくことを私の方からお願いいたしまして、質問を終わります。
○鈴木和美君 私は、過般の参議院の選挙で初めて当選をいたしました鈴木和美です。 まだ勉強中でございますので、委員長を初め各先生方のこれからの御指導、御教示をお願い申し上げたいと思います。同時に、大蔵大臣初め政府関係の皆さんの御指導、御教示もお願い申し上げたいと存じます。 私は残されました時間、特にこの九十三国会で取り上げられました地方支分部局の整理のための行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案に関係いたしまして、大蔵省関係の北九州財務局と南九州財務局とを統合して九州財務局として同局に福岡財務支局を置くという件について、しぼって財務行政の関連事項などを質問したいと存じております。なお、大蔵大臣には国庫大臣というよりも主務大臣という立場からお答えをいただくことをお願い申し上げておきたいと存じます。 まず第一に御質問申し上げたいことは、一般論としてでありますが、大蔵大臣にお聞きしたいと思います。 それは、現在大蔵省が所管をいたしております本省、国税、財務、税関行政などにつきまして、大蔵に働いている職員は他の省庁に働く職員と比較してよく働いていると思いますか、それとも余裕があると思っているのか、お聞きしたいと思います。なぜかと申し上げますと、私は各省庁の本省の機構や各課などについても全部一応調査いたしました。同時に大蔵本省の今日の勤務の状況などについてもある程度知っているつもりであります。地方に参りますと、合同庁舎の中でも電気が夜遅くついているのは大体大蔵省関係の役所だと思っています。そういう意味で主務大臣の大蔵大臣の認識を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大蔵省も非常に仕事の量がふえておりますし人はふえていないというようなことから、大蔵省は率先してやっておりますから、そういうようにほかから批判されるようなところはきわめて少ないと、そう考えております。
○鈴木和美君 いまのお答えはよくやっているというように理解してよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 結構です。
○鈴木和美君 それではその次に、これからの大蔵の実務行政というような部門、つまり国税にしても税関にしても財務にしても、ますます経済状態の拡大に伴って仕事の量が拡大してくると思うんです。特に多様化した行政需要に対する財政金融政策の発動はタイムリーでなきゃなりませんし、同時にきめの細かいものでなきゃならぬと思うんです。そう考えてきますと、これからも大蔵関係の各出先機関、本省も含めて、これからも大変な業務が続くであろうというように認識しているんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 場所によっては、特に国税庁なんというのはいろんなグリーンカード導入というような問題等もあって、仕事の量が一時的には非常にたくさんふえるということは事実でございます。
○鈴木和美君 そういう認識からしますと、もちろん国民的な行政改革の要請というのは当然あります。しかし行政改革を考える場合に、いま大臣のような認識であるならば、大蔵省の行政改革というものは他の省庁とただ同一視しながら考えるというようなことでない方が実際の問題として当然だと思うんです。それがただ主務大臣と国庫大臣と両方の権限を持っているために、優先してとか率先してとかというような言葉の中にたまたま大蔵の職員が苦労する面がたくさんあると思うんです。ですから、これからの行政改革などに対応する大蔵省の態度としてはやはり毅然たる態度を持っていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大蔵省は非常によくやっております。やっておりますが、合理化すべきものは合理化をしなきゃならない、これも事実でございます。やはり大蔵省がほかの省から何だと、あそこに緩みがあるじゃないかと言われることは困るわけでございますから、それはわれわれとしてはまず隗より始めよと、行政改革というものはこれはみんなやりたくないんですから、大蔵省もともかく全然やらぬのだというんでなくて、できるだけのことはやっぱり率先をしてやるということが必要だ、そう思っております。
○鈴木和美君 一般論としてはよくわかります。一般論としては。しかし現実に各出先機関——本省含めまして、そういう合理化の可能性というのが実際あるんでしょうか。私はいまのところないと思うんです。なぜならば、本省においてもこれは無料超勤とは言いませんけれども、とにかく大変な仕事量を抱えています。国税にしても税関にしても、徴税機能というのはこれからますます深くなっていくと思うんです。財務局にいたしましても同じだと思うんです。そういう意味では非常に大蔵省の中はぎりぎりいっぱいの政策でやっていると私は思うんですが、一般論としての大臣の答えはわかりますが、そういう認識でおってほしいと思うんです。 さて私は、次の問題として、今回大蔵省が一省一局提示するというような中で財務局の問題が取り上げられましたが、南九州、北九州の問題は衆参両院におきましてそれぞれ議論されておりますから、その中身にいま触れようとは思いません。ただ、大蔵省から何か一局出すときに財務局が選ばれたというこの理由について明らかにしていただきたいと思うんです。
○説明員(名本公洲君) ただいま先生御指摘がございましたように、各省一律に八局以上の地方支分部局を持っておりますところにつきましては地方支分部局の削減を行っていくという政府の方針が昨年末決まりまして、その中で大蔵省といたしましては財務局ということが閣議で決定を見たわけでございます。 大蔵省の出先機関は先生御案内のとおり、国税、税関、財務とあるわけでございますけれども、国税につきましては申告者数の増加は非常なものでございますし、しかも税執行上の公平ということも強く叫ばれておるときでございます。また税関につきましても、海外渡航の人数は非常に急速にふえております。また輸出入の申告件数にしましても、最近の増加は大変なものでございます。財務局も行政需要におきましては増加を見ておるわけでございますけれども、他の二つと比べまして、どうしても一局を削減していくという観点から判断をいたします場合に、財務局以外の国税、税関については、これは削減ということは不可能であるという判断のもとに財務局を選ぶということに相なったわけでございます。
○鈴木和美君 いまのお話でまいりますと、大蔵省のつまり出先機関という中で、財務局だけが人員削減及び今日までの合理化をすべて受けているわけですね。時間がございませんから数字のやつは省略しますが、定員を見ても全部財務局だけだと思うんです。そういうものから考えますと、名本説明員の衆参両院においての説明全部、議事録読まさしていただきました。議事録を読まさしていただきましたが、私は、なぜ財務局が選ばれたかという理由について本当のところはよくわからないのです。いまでもわかっていません。ただ感想、感じで述べますと、大蔵省内における財務行政、財務局の位置づけというのが何か低いみたいな感じがあるもんですから、直ちに財務局にストレートにそういう問題が取り上げられる、しわ寄せされるというような感じなんですが、そんなことはございませんでしょうか。
○説明員(名本公洲君) 財務局・財務部は、税関係、国税、税関を除きます大蔵省業務の全体についての総合出先機関でございまして、証券、金融、主計、管財、すべての面にわたっておるわけでございまして、それらの現地性の強い業務を各おのおのの地域において果たしておるわけでございまして、それと同時に、大蔵省の政策を決定するに当たりましての地方経済界の状況とかあるいは大蔵省が定めてまいります政策の地方への徹底とか、そういうパイプ役といたしまして非常に重要な地位を占めておるというふうに私どもも理解しておりまして、決して他の出先——国税、税関に比較しましてこれが軽いものというふうな認識は毛頭持っていないところでございます。
○鈴木和美君 いま同様の重要な仕事であるというお答えなんですが、実際昭和四十二年から経過をずっと追ってみますと、結局は財務局にしわ寄せに結果としてなっているんじゃないでしょうか、事実経過はいかがでしょう。
○説明員(名本公洲君) 定員の面について申しますと、先生御指摘のように四十年代から最近にかけまして財務局の定員はかなりの減少を見ております。しかし、財務局が果たしてまいりました行政サービスという面について申し上げますならば、各種の事務の電算機による処理でございますとか、あるいは係を廃止いたしまして職員を機動的に運用していく、あるいは各種の事務で民間に委託できるようなものは委託をしてまいるとかいろんな工夫をこらしまして、行政サービスの面では向上をすることがありましても低下することのないように手当てをしてまいっておりまして、定員の面におきます削減を十分カバーいたしてきておるというふうに考えております。
○鈴木和美君 私は、いま御説明をいただきましたけれども、資料並びに今日までの経過を見ても、やはり財務局というものが仕事の内容や仕事の、つまりやってもいい、やらぬでもいい、効果が直ちに上がらない、また見えないというような問題などもあるものですから、どうしても財務局にしわ寄せが多くかかるというような、残念ながらそういう事実だというように私は見ておるんですが、いかがですか。
○説明員(名本公洲君) 先生御指摘になりましたように、財務局の事務というのは、たとえば国税について申しますと、税務署が直接一般住民の方々と接触するわけでございます。税関にいたしましてもたとえば海外からお帰りになる方が税関をお通りになる、一般住民の方が、一般国民の方々が直接コンタクトなさる役所でありますけれども、財務局はどちらかと申しますと金融機関、証券会社、あるいは国有財産にいたしましても国有財産に関係のある、利害関係のある方々、あるいは融資業務にいたしますとこれは地方公共団体という方々と接触をするわけでございまして、直接住民の方と接触をするという業務が非常に少ないという面があることは事実でございまして、そういう面から財務局というものが一般住民の方々とは比較的なじみが薄いということがあるのは事実かと存じます。 しかし財政再建というような問題が非常に重要になってまいりまして、一般の方々に、大臣がよく申されますようにお茶の間の中へそういう問題が入っていくというようなときには、総合出先機関としての財務局・財務部が一般の方々との接触を深めて、財務局の存在というものもその結果としてよく理解していただけるというふうにならなければならないのではないかというふうなことも考えておるわけでございますが、現在の状況におきましては、比較的一般の方々となじみが薄いということは先生御指摘のようなことだろうと思います。
○鈴木和美君 先般財務担当者の全国の会議などが開かれて、大臣が財務行政の見直しと認識の重要性を説かれたそうで、大変私うれしく思っております。 しかし現実の問題では、いま名本さんが説明なさったように、まだ住民との結びつきやPRという点が非常に弱いんだと思います。これをどうやって強めるかということに対して本格的な検討をしてほしいと思うんです。 そのときに、二つ私は問題点を感じているんですが、一つは機構上の問題なんです。機構上の問題で、昭和二十四年のときに国税と財務が分かれました。そのときに、徴税機関であるから国税の方は縦につながっていっていますけれども、財務は仕事の関連上、本省の仕事と出先機関の仕事とダブってやっている面などもありますね。そんなもんですから、結局統括が一本にできないために大変複雑さを増して、結局は財務の行政の担当者の発言権とか発言力が弱まっちゃうのじゃないかと思うんです。だから私は、一つのアイデアかもしれませんけれども、たとえば本省で都銀はすべて検査、指導をやってますけれども、信用金庫その他地方の銀行は出先がやる、こういう問題というのは一本化して、同じように出先機関に任せるというようなことはできないものなんでしょうか。そういうことをやることによって財務局全体の力を増すということはできるんじゃないかと思いますが、そんなことはできませんでしょうか。
○説明員(窪田弘君) 金融機関の検査につきましては銀行、相互銀行、これは営業の範囲が制限がございませんし、店舗網が財務局の管内を越えて存在する場合が多いということで、原則として本省がやっております。信用金庫、労働金庫、信用保証協会、これは財務局が担当しております。しかしながら、地方銀行、相互銀行につきましても経営規模が中程度以下で、かつ地域的にも余り分散してないというような場合には、財務局がやっている場合が実際問題としてございます。 そういうことで、私どもは、どこが担当するのが最も効果的かあるいは効率的にできるかということで現在の分担を決めているわけでございまして、現在の分担関係を変えることは考えていないわけでございます。
○鈴木和美君 大臣、私は財務局の問題を論するときに、こういう角度で論じたいと思うんですが、これからの経済発展状況などを見ますと、どちらかというと国税とか税関というのはお医者さんの論理で言えば治療医学だと思うんですね。財務局というのは予防医学だと思うんです。で、どれを優先させるかということは問題ですけれども、これからの金融体制や経済情勢を考えれば、むしろ予防医学というものをしっかりと体制整備をしておかなきゃならないと思います。 私は四つの観点から思うんですが、一つは、これからの経済情勢を展望すれば、財務局がもう少し充実されなきゃならぬという理由の中に、金融機関とか証券業界が不景気になればなるほど不正が起きる温床というのがどうもあるんじゃないかと思うんです。そういう防止策が何としても必要だと思うんです。二番目は、土地の問題が非常にいま高いですね、土地が。国有財産を扱う財務局が民営の普通財産の売買に関しても国有財産の管理、処分をめぐって民営を官営がリードしなければならぬような時代にいまあると思うんです。三番目の問題は、大変過密化が進むと同時に災害——冷害もそうですが、災害の発生する度合いが非常に頻繁にあると思うんです。四つ目は、経済調査活動の充実だと思うんです。比較的都市部は証券会社とか日銀とか、いろんなもののそういう経済情勢の分析がありますが、地方に行けばやはり財務局の経済分析というのが重要視されていると思うんです。そういう面からいきますと、逐年私は財務局の能力の充実、体制の充実というのは全く必要だと思うんです。いかがでございましょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それぞれ大蔵省の機関は任務を持っておるわけでございまして、あなたのおっしゃるように、財務局はじみちな仕事でございますが、地方と密着をしていろいろな指導、国有財産の管理等やっておるわけでございますから、そういう意味では重要なポジションでございます。
○鈴木和美君 大変評価されてありがとうございました。したがいまして、これからぜひ皆様にお願い申し上げたいんですが、財務局がそれだけ重要な任務を持つというのであれば、これからの行政改革やその他について財務だけが常にしわ寄せされるというようなことのないような対策をとっていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 財務だけがしわ寄せされるというようなことは、それはさせたくないと思っております。
○鈴木和美君 ここに財務局の発表いたしました財務行政の三十年史の問題があるんですが、ここにこういう問題が書かれていますが、その具体的な施策についてちょっとお尋ねしておきたいと思うんです。 「財務局の今後のあり方」という中にたくさん書いてありますけれども、要するに「証券会社の指導監督を通じた投資者保護の確保、地方公共団体への資金運用部資金の貸付けや公園用地としての国有財産の貸付けを通じた住民福祉の実現等について」十分民意と遊離しないように配慮が必要であると書かれております。同時に、基本的には「地域における財務局の位置づけを確固たるものにすること」が大切だと、こういうふうに書かれていますが、この具体策、将来のビジョン、展望などはお持ちなんでございましょうか。
○説明員(名本公洲君) 財務局につきましては先ほどもお答え申し上げましたが、一般の住民の方々に比較的なじみが薄いということを申し上げましたのですけれども、そういうことがあってはならないわけでございまして、特に現在のような財政の事情のもとにおきましては、十分に一般の方々に財政運営についての御理解をいただくには財務局・財務部というものが地元に密着をしていくということが大変重要であるわけでございまして、そういうこともございまして、これは最近のことではございませんですけれども、始まったのは最近のことではございませんが、いわゆる金融財政懇談会などを可能な限り頻繁に開催をさしていただきまして、これは財務局・財務部が主宰してするわけでございます。そういう機会を多くつくることによって、特に今回は財政の問題に関しまして大臣を先頭にしまして、そういう機会を設けまして各地で懇談会を催したわけでございます。 今後はそういう機会もさらにつくっていく。それと同時に、財務部あるいは財務局におきまして、民間におきます各種の会合があります場合は、できる限りそういうところへ出ていって大蔵省の施策なり、そういうものについても御理解をいただくチャンスをつくる。そうしてまた、そういうチャンスを従来から求めてきておりますから、今後ともそういう方向を進めていかなければならないというふうに考えております。
○鈴木和美君 一般論としての最後でございますが、私がいままで申し述べてまいりましたように、財務局、財務行政の重要性というものはますます本当に強くなっていると思うんです。時間がありませんのでやりませんけれども、特に昨年の新潟の大光相互銀行の問題における財務職員の果たした役割りとか、今日国有財産の管理処分をめぐっても役所の指導ですから、ちょっとしたつまずきがあれば大変なことだと思うんです。そういう意味で、財務職員が本当に日夜を分かたぬ仕事に私は従事していると思うんです。そういう意味からも単に住民と直接関係がないとか、やってもやらぬでもいいというような業務であるとか、どちらかと比較すれば財務がやりやすいとかというような感じだけでなくて、財務行政の充実のためにも一段の御配慮、御協力を賜りたいと思うんです。 それから次に、具体的問題に入らせていただきますが、先般北九州財務局と南九州財務局の統合の問題が、全会一致で附帯決議がつけられまして審議が終了いたしました。そこでこれから具体的な問題として、政令とか省令で具体的な問題は決められるんだと思いますが、それに絡んで二、三見解をお尋ねしておきたいと思うんです。 その一つは、議事録を読む限りにおきましては、福岡に財務支局を置く。そしてその財務支局は、従来とそれほど機構というか権限というか住民サービスというか、そういう問題は低下させないようにしていきたい、こういう議事録の内容を見させていただきました。そのことは私が言うように理解してよろしゅうございましょうか。 たとえば理財部門においては金融、それから理財、証券、融資、主計関係の仕事、経済調査、それから大きい二番目として、管財部町においては国有財産の総括の問題、普通財産の調整の問題、普通財産の管理処分、徴収、国有財産監査官の問題、国有財産鑑定官の問題、国家公務員宿舎の統括の問題、国有財産地方審議会などの問題は従来と権限権能は変わりないと、こういうふうに理解してよろしゅうございましょうか。
○説明員(名本公洲君) 九州におきまして南北財務局を統合し、福岡には財務支局を置くことと相なるわけでございますが、財務支局におきます業務につきましては、この五十五年度行政改革が簡素にして効率的な行政運営ということを目的といたしております。その目的に沿って今後の機構、権限等を考えてまいるのは当然でございますけれども、その結果が行政サービスの低下につながるということがあっては、これはならないというふうに考えております。 したがいまして、具体的にどのような組織あるいはどういう定員をそこへ張りつけるかという問題は、今後の関係当局との折衝にまつ話でございますけれども、私どもといたしましては行政サービスの低下につながらないように、ぜひとも所要の内部組織、定員というものは確保してまいらなければならない、かように考えておるところでございます。
○鈴木和美君 もう一つの問題は人事権の問題ですが、同時に管轄する区域の問題などにつきましては、六十年までの間は当然福岡支局は従来の北九州の管轄を持ち、それから職員もそこで従来どおり働いていく、そういうふうに理解してよろしゅうございましょうか。
○説明員(名本公洲君) 支局の管轄区域につきましては、法律によりまして政令で定めることになっておりますが、現在のところ私どもといたしましては現在の北九州財務局が所管いたしております三県を管轄区域にいたしたいというふうに考えております。 次に、人事権の問題でございますが、この人事権につきましては一番基本的な問題は、現在北九州財務局に勤務している職員の勤務条件が低下しないということが最も基本的な問題であろうかと思います。その上で人事権をどこへどうするかという形式的な問題が出てくるんだろうと思いますけれども、実際に現在北九州財務局で働いております職員は、その採用されましたときは北九州財務局の管内で勤務するという前提で採用されておる。採用に当たっては職員はそういうつもりで入ってきておるというようなこともございます。そういう点も十分今後とも考えてまいらなければなりません。人事権をどうするか、これもやはり組織の問題とも絡んでまいります。そういう実態というものも考慮をしながら関係当局との折衝を通じて実態的に職員に不安が起こらないような、そういうものにしてまいりたい、かように考えております。
○鈴木和美君 なお、政令で定めるまでの間にこの北九州問題がサンセット方式になって「するものとする。」というお話ですが、この件は議事録で読む限りでは五年間態様を見て、存続するという問題も含めて検討するものなんだとそういうふうに読ませていただいたんですが、よろしゅうございましょうか。
○説明員(名本公洲君) サンセット方式で六十年三月末におきまして、そのときの実際の行政需要、そういうものを見ていかなる体制が必要であるかという判断の上に立ちまして、そのとき必要な制度というものを法律でまたお願いをするということでございます。
○鈴木和美君 最後になりますが、人事の配置及び現在福岡は調整手当が六%ついてますね。南九の方に行きますとそれがなくなりますね。同時にいま名本さんがおっしゃったように、北九州に勤務しておった人たちはそこで未来永劫仕事をするという前提で採用されておったものですから、家をつくってそこから通勤する人々が多いわけですね。今回広域になりますと、単身赴任で行かなきゃならぬというような問題もありますね。非常に労働条件が変わってくると思うんです。それからポスト、等級、そういう問題についても当然支局長が、つまり局長と同じ権限を持つということになりますれば等級の問題というのも出てくると思うんです。同時に住民福祉が低下しないようにするための人員を抱えるということであれば、当然それに関連する管理部門の人もある程度抱えなきゃならぬということになりますね。そういう問題についてこれからどう措置されましょうか。
○説明員(名本公洲君) 支局を置くわけでございますので、その支局が円滑に運営されていくようにするための管理部門というのは、これは当然必要でございます。そのための管理部門というものは、これは置いてまいらなければならないというふうに考えております。 また、先生御指摘がございましたように、職員の勤務条件というものにつきましても、これは参議院の内閣委員会におきましても附帯決議をいただいておるわけでございますが、十分誠意をもってその勤務条件が低下しないようにやっていくという附帯決議の御趣旨に沿いまして考えてまいらなければならないし、そのために大蔵省としましては従来から身上申告書等で個人の意向の把握に努めておりますし、また労働組合の意見も十分伺いながら人事については対処してきておりますけれども、今後もそういう方向でやってまいりたいと、かように考えております。 また、支局になることによりますいわゆる級別定数の問題でございますが、いわゆる職員の等級格づけは人事院規則の標準職務表の定めるところによるわけでございますけれども、その標準職務表によりますといわゆる管区の機関、複数県を管轄する機関の局長、部長、課長、係長、職員というものの等級というものがそこに掲げてあるわけでございまして、支局というのは集まるところは数県、現在私どもが考えておりますところは三県でございますけれども、数県を所轄する機関であって、標準職務表から申しますといわゆる管区機関ということにも相なろうかと思います。そういうことも踏まえてこれは人事院との折衝を要する問題でございますけれども、職員の処遇という面、処遇の維持という面に配慮をしながら人事院と十分な折衝を遂げたいと、かように考えております。
○鈴木和美君 大臣、最後でございますが、先般附帯決議がつきまして、読み上げるまでもないと思いますが、参議院では、 一、本法律案審議の過程において政府の言明せるとおり、公務員の出血整理、本人の意に反する配置転換を行なわないこと。 二、各行政機関における職員の定員については、行政需要に応じた人員を確保し、職員の労働が過重にならぬよう努めること。 三、定員外職員については、その実態について速やかに検討し、定員化を含めて合理的な処遇の改善を図ること。 四、人事院勧告の完全実施を期すること。 以上四点の附帯決議がついたわけでございますが、先ほど財務局の地位向上につきましても大臣から御答弁がありましたので大変力強く感じております。 ついては、これから政令、省令を定めることになりますし、現地で生の人間の配置転換なども生ずるわけです。そういう意味から考えますと、労働組合との間に物が決まってから相談をするというのじゃなくて、事前に何でも労働組合と話し合いながら円満な処理が図られるようにぜひ御指導いただきたいと思いますが、大臣の見解はいかがでございましょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 地方支分局整理法に対します衆参両院の内閣委員会の附帯決議がございますが、この趣旨を踏まえまして円満に対処したいと存じます。
○鈴木和美君 以上をもって質問を終わります。
○多田省吾君 まず初めに大蔵大臣にお尋ねしたいと思います。 強いアメリカを標榜するレーガン氏が次期大統領に地すべり的な大勝利を博したわけでございますが、やはり従来から心配されていたように、日本に対する防衛義務の履行を強く迫るとかあるいは自動車問題、電電問題あるいはたばこ問題等、国際経済問題で相当日本が圧力を受けるのではないかと心配されているわけでございます。 また、同時選挙において、やはり保守系議員が多数当選したということもありまして、レーガン氏自身は自由貿易を標榜しておりますけれども、やはり保護主義がまた台頭するのではないかと、このようなおそれもございます。まあ日米自動車問題につきましてはシロ判決がITC——国際貿易委員会で出たわけでございますが、やはりメーカーや労働組合等から強い反発があり、米議会においても日本の自動車を輸入制限すべきだというような声も高まっているようでございます。自動車問題一つ取り上げましても、やはり日本からの輸出が減りますと、これは現在自粛しているようでありますけれども、来年あたりは大変なこれは日本経済にとって縮小傾向が見られて、日本の経済がまた実質成長が大幅に落ち込むというようなことが起こり得るわけでございます。 まあ聞くところによりますと、自民党の総務会長が今年じゅうにレーガン氏に会って、来年鈴木総理とレーガン新大統領との話し合いが持たれるのではないかというような観測もございますが、まあ実力大臣である大蔵大臣も多分行かれるんじゃないかと思いますけれども、こういった点に関しまして大蔵大臣はどのようなお考えをお持ちでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まあこの日米両国関係は非常に防衛問題ばかりでなくて経済問題、国民生活に直接関係するような大きなしかも密接なつながりを持っております。今回大統領の改選によりましてレーガン大統領が当選したわけでございますが、そのレーガンさんのスタッフその他がはっきり決まりませんから断定的なことは申し上げられませんけれども、基本的には日米間の経済政策等については大きな隔たりはないものというように考えておりますし、今後とも日米両国間でぎすぎすした問題が起きてくることは困ることでありますから、そういうことのないように対処してまいりたいと考えております。
○多田省吾君 具体的な問題でお尋ねしますが、たばこの輸入拡大の問題についてお伺いしますけれども、この点はやはり日本のたばこの葉の耕作者に大変な影響を受けるわけでございますが、この日米たばこ交渉というものが日本側の譲歩にもかかわらず、まだアメリカ側と最終合意を見ていない状況にあると思いますけれども、レーガン新政権になると問題解決がさらに遠のくという心配もございます。これは年内にカーター政権下で解決をするのかあるいは新政権に移行するのか、この辺の感触をお伺いしたいと思います。
○政府委員(萓場英造君) お答え申し上げます。 輸入たばこ、なかんづくアメリカ製のたばこ製品に関する輸入拡大に関する交渉につきましては、昨年来事務ベースで数次の交渉を続けてきておりますが、先般USTR——アメリカ通商代表部のアスキュー代表の来日がございまして、その際日本側の大来政府代表との間にお話し合いが持たれ、大筋のお話があったわけでございますが、なお両方の主張について詰めるべき点がございますので、鋭意その前後を通じまして事務的な協議を続けております。 日本政府といたしましては、先生御指摘がございました国内葉たばこの問題、その他いろいろな問題を慎重に配慮しながら米側の主張も聞くべきものは聞き、なるべく早い機会に事務的な詰めを行いたいという状況でございます。
○多田省吾君 前回も御質問申し上げましたが、十一月七日に政府税制調査会の中期答申が出まして、大型間接税の新設あるいは所得税減税を見送る、こういったいわゆる大衆増税路線が答申されたように思います。ですから三年前の五十二年の中期答申とほぼ内容が類似したようなものという感を強く受けるわけでございます。こういう財政再建の時代に大蔵大臣も非常に大変かと存じますけれども、やはり国民大衆が少しでもなるほどと思われるようなそういう対策を国民は期待しているのではないかと、このように思います。 で、この前もこのような物価高における、いわゆる実質増税になっているところの所得税を、物価調整減税の必要性を御質問したところ、大臣はその中で、個人消費の問題で、それを押し上げる効果が確かにあるということをお認めの上で、そういう面では意義がないわけではないというような感触を述べられたわけでございます。また報道によりますと、すぐではないけれども中期的にはやはり物価調整減税も考えないわけではないというような御発言もなさったというふうにお伺いしておりますけれども、このまま推移しますと、やはり私は生活保護世帯の方々にまで所得税がかかってくるようなおそれもあるのではないかと、このように思います。またやはり個人消費というものが最近実質賃金の低下によって相当落ち込んでおりますので、景気にも非常に大きく作用しているのではないかと。これはもう実際そうなっておりますので、その辺から考えましても、やはり私は物価調整減税というものはお考えになった方がよろしいのではないかと思いますけれども、大蔵大臣はどのように思われますか、再度お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほどからも再三御答弁申し上げましているように、物価調整減税をやる財政上のゆとりが現在ないというようなことで、これについては諸般の事情からひとつ御容赦を願いたいと、こう考えておる次第であります。
○多田省吾君 いま現在はそのようにお答えになっておりますけれども、これは将来にわたってお考えが変わらないのか、あるいは中期的に考えてやはり数年後物価調整減税も考え得る余地があるのか、その辺はいかがでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) できることならば私もやりたいと思っておりますが、問題はそれにかわる安定的財源というものができた場合においてはそれは考慮されるべきものと考えております。
○多田省吾君 今回の税調の答申につきましては、消費にかかわる大型間接税の新設ということで、いま衆参両院に対しましても大型間接税新設反対とかあるいは新一般消費税新設反対とか、相当陳情、請願も数多く来ておるわけでございます。また、小倉税調会長の感触として、報道によればこの前のような一般消費税——各般にわたる一般消費税はどうしても中小企業あるいは国民に大きく影響ありますので、いわゆる庫出税というような姿で最初のメーカーにまず間接税をかけて、それをだんだん川下に及ぼしてくるような税制を考えているような報道もございました。 私どもは、このような新しい型の一般消費税あるいは新しい大型間接税は、五十七年度以降においても絶対にこういう大衆課税は設けるべきではないと考えておりますけれども、この前も大蔵大臣は五十六年度におきましては当然一般消費税は国会決議もあり、やりませんと、しかし五十六年度も決まっていないのに五十七年度以降については何も申し上げることはないというような御答弁もございましたけれども、あえてまた私はお尋ねしますが、やはり五十七年度以降においても、大衆課税を考える前に歳出の問題あるいは不公平税制のもっと是正をする問題、それから所得税等ではなくて、やはり富裕また財産を持っておられる方にまだ余裕がありますから、そういった面の増税をむしろ優先に考えるべぎではないかというふうないろいろな考え方があるわけでございまして、そういう方面をまず第一に考え直すべきではないか、このように私は思いますけれども、大臣の考えはいかがでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 増税をする前には不公正税制を直せと、当然のことでございまして、問題は不公正税制とは何だという問題から始めなければなりません。よく特別措置法が不公正税制のように言われておりますが、これは物の考え方でありまして、特別措置法皆なくしてもいいんだというような国民の大多数の方が望むなら、私はそれは一つの考え方で、全部なくすことに反対いたしません、賛成します。しかしながら、中身は御承知のとおりこれはほとんど大部分が個人の減税、つまりマル優制度とか住宅貯蓄とかそういうものでございますから、これはなかなかこれそのものが不公正税制だという考えに立てるかどうか非常に疑問がございます。その他の問題につきましても、私はこういうものが不公正だというものであるならばひとつお示しをいただいて、一緒になって真剣に議論をし、なくすべきものがあればなくしたいと、そう思っております。 歳出の削減についてはやはり徹底的にやらなきゃならない、こういうようなことでございますが、問題は当然増というものについてどうしても歳出が要なんだと、その歳出を結局予算をつけてくれと、つけろと言われた場合においては財源が必要なわけでありますから、その財源がなければそれは予算化することはできませんので、その歳出の要求をするときには財源もあわせて考えなければならないと、だからその歳出が優先するのか、それともそれはもう税金まで取ってやるんなら要らないというのか、それはそのときの私は政治情勢であり国民の理解の仕方であると、かように考えております。したがいまして、五十七年度以降においても当然増的なものは増加をするでしょう。そういうときに、それを増加をさせるかさせないかという判断のときに私は増税問題は考えらるべきことであって、いま直ちに消費税をやるともやらないとも申し上げる段階ではないと、かように考えております。
○多田省吾君 大臣のおっしゃるように、まあ租税特別措置法における租税特別措置を全部やめるべきだというようなことは、私もやはり言えないと思います。やはり中小企業に対してあるいは国民大衆に対しての租税特別措置もその中に相当含まれておりますから、そういうことは申しませんけれども、まだ租税特別措置法の中にはやはりもう少し改廃すべきものがあるのではないかと、具体的にはここでは取り上げませんけれども、そのように思います。 また、この前も不公平税制の是正につきまして二、三いろいろ具体的に申し上げたわけでございますが、そのほかにやはり法人税の中にも引当金を初めといたしまして、法人税そのものに優遇措置的なものが外国の税制と比べるとやはり相当含まれておりますので、そちらもお考えになっていただきたい、このように思うわけでございます。 次に、私は財政投融資計画についてお伺いしたいと思います。ここ数年、財投計画額のうちのいわゆる繰越不用額というものが年々増加いたしまして、五十三年度は計画の三分の一に当たる四兆七千億円、五十四年度は三兆六千億円が計画どおりに使用されないという状況でございます。このような使い残しの状況が批判されますと、いわゆる日本開発銀行あるいは北東開発公庫というような機関が雄町金融機関の分野まで強引に進出しているのではないかということが報道されているわけです。たとえば越谷サンシティーでは全融資額の八〇%を占める六十四億円の開銀融資、また仙台の地方百貨店の場合は工事費の六〇%に当たる六十億円、さらに新潟のホテルでも工事費の四〇%の四十八億円の北東開発公庫の融資等がございまして、出先では民間金融機関と摩擦を起こす例が非常に多いと聞いております。そこで理財局では民間金融機関に対してこの問題に対してヒヤリングを行ったと聞いておりますが、大蔵省として今後どのように対処していくのか、やはりこのような財政投融資計画、五十六年度の要求もいわゆる増分主義が一般会計のみならず財政投融資計画にも及んでおりまして、非常に多額のまた要望があるわけでございますけれども、この際私は、いわゆる郵便貯金とかあるいは厚生年金、国民年金等の出資でございますので、出資者大衆への還元融資というものをやはり強めていくべきではないか、このように思いますけれども、どう考えておりますか。この二点をお伺いします。
○政府委員(渡辺喜一君) まず最初に、郵便貯金等が最近かなり増勢をたどっておるという御指摘でございますが、特にここのところ七、八、九月等はおっしゃるとおりかなり郵便貯金等の揚げは好調であるということでございます。ただこういう状況が今後ともずっと続くのかどうか、特に最近の金利の変更等金融情勢の変化を踏まえて、まだ私どもとしては年度間を通じた見通しというのはなかなか立てにくいという状況でございますので、その辺の推移を今後慎重に見守っていきたいと考えておるわけでございます。最近までのところで郵便貯金等の増収があったからといって、必ずしもこれによって財投が非常に潤沢になって運用がルーズになっておるということは決してございません。運用部の資金というのは財投というのが非常に大きな運用の柱でございますが、同時に、最近特にこの五十年度以降の国債の大量発行によりまして、国債の消化というものがなかなか市中金融機関その他の引き受けだけではこなし切れないというような状況になっておるわけでございます。運用部もやはりそれ相当の国債引き受けをしていかなければいけない、こういうことで国債引受需要というものがかなり強くなっておるわけでございますので、直ちにそのいまの状況が運用部の運用が非常に潤沢になっておるということにはつながらないわけでございます。 理財局の方でこの民間金融機関についてヒヤリングを行ったということでございます。これは例年財政投融資の計画の編成の過程におきまして、要求省庁でございますとかあるいはその他関連機関等からヒヤリングを行っておるわけでございます。これは従来から事務的に行ってきておるということでございまして、今回も来年度、五十六年度の財投計画編成に絡みまして民間金融機関等も含めましてヒヤリングを行っておるわけでございます。おっしゃるような個々の財投の運用上、民間金融機関との競合というようなトラブルがあるかないかというような点も含めてヒヤリングをしたわけでございますが、全般といたしましては、特に直接競合するというふうな具体的な例というのは余り聞かれなかったわけでございます。財政投融資というのはやはりそれぞれ特定の政策目的の範囲内で運用をいたしておるわけでございますから、末端においてあるいは何か競合するようなことがあるかもしれませんが、それは非常にまれなケースといいますか摩擦的なケースでございまして、全般的にヒヤリングの結果では特に問題とすべきような競合案件というのは聞かれなかったわけでございます。政策金融でございますから、あくまでもこれは民間金融の補完ということでございます。したがってまた、必ず民間金融と協調して融資するというようなことでございまして、競合よりはむしろ協調と、こういうことでやっておるわけでございます。理財局といたしましても、今後とも関係官庁と十分相談をしながら、財政投融資がスムーズに運用されてまさに補完金融としての機能を十分発揮するように指導をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○多田省吾君 最後にお尋ねしますけれども、五十五年度の財政投融資計画のいわゆる使用状況も相当不使用部分が多くなっているのではないかと、五十三年度分は先ほど申し上げましたように四兆七千億円、五十四年度も三兆六千億円が計画どおりに使用されていないわけでございます。この前も本会議質問でもこの面の質問がありましたけれども、途中ですから現在においてはそういうことはありませんというような答弁がありましたけれども、私は五十五年度も五十三年度あるいは五十四年度と同じように相当三兆円、四兆円というような使い残しが残るのではないかと、このように考えます。そうしますと財政投融資計画はいわゆる曲がり角にいま来ているんじゃないか、ですからやはり五十六年度においては計画をもう少し考え面すべきときではないか、また先ほど申しましたように、もっとやはり大衆還元できるような方策を考えるべきではないか、このように私は思いますが、再度御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(渡辺喜一君) 五十四年度におきます財投の繰越額が二兆九千四百五十六億円、それから不用額が七千二百八十四億円でございます。 毎々申し上げますように、繰越額というのはこれは大部分が地方公共団体でございまして、これは財投ベースからいきますと三月末を越えますから繰り越しでございますが、地方会計におきましては四月、五月というのは出納整理期間でございますから、必ずしも繰り越しではない。受ける方から言えば年度内でございまして、したがってこの部分は必ずしも繰り越しとは言えない。現に四月、五月でほとんどすべてが消化されておるという状況でございます。本当の意味の使い残しというのはこの不用額の方でございます。これはいま申し上げましたように、五十四年度は七千二百八十四億円でございまして、五十三年度に比べますと半分以下に減っておるという状況でございます。私ども御批判を受けましてできるだけ効率的な財投資金の配分に心がけまして、五十四年度は五十三年度の半分以下に不用額を減らすことができた、今後ともこういう方向で効率的な財投資金の運用に努めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○塩出啓典君 時間も大分遅くなりましたので、ひとつ答弁の方も簡潔にお願いしたいと思います。 銀行預金から郵貯へのシフトが問題になっておるわけであります。今年の四月から八月までのデータでは郵便貯金が四兆四千九百十三億円、前年同期比四八%増、都市銀行が九千百九十二億円の預金増で前年度に比べては増加量が二八%減っておる。そういう中で先般九月二十六日に大蔵大臣、郵政大臣のいろいろ合意があったわけでありますが、その後もいわゆる郵貯へのシフトは依然として続いておると、こういうように聞いておるわけでありますが、状況はどうでございますか。
○政府委員(吉田正輝君) 御指摘のとおり、郵貯が増加しておるのはただいま先生がおっしゃった数字のとおりでございます。この理由でございますけれども、やはりこれは、一つは金利天井感の台頭によります長期の高利回り金融資産に対する選好といいますか、要するに金利が高まってきたところでそれに対する選好が強まっているということが一つございますけれども、もう一つは、やはり民間金融機関と比べまして制度上の差異などが響いているように思っております。
○塩出啓典君 いま原因について言われましたけれども、これは何かアンケート調査をするなりそういう調査に基づいたことであるのか、ただ銀行局としてそうであろうという感想を述べておるのか、その点どちらですか。
○政府委員(吉田正輝君) ただいま感想であるか科学的なアンケートであるかという御質問でございますけれども、いろいろ私どもの方も金融機関あるいは預金者等の調査をやっておりますけれども、その中でやはり郵貯につきましては、金利あるいは商品性あるいは店舗網等についてのアンケートで、郵貯を選好する傾向があるということが言えると思っています。
○塩出啓典君 余り科学的なデータに基づいたお答えではないようでございますが、それはそれとして、こういう状況は好ましいのか好ましくないのか。好ましくないとすればどういう点が好ましくないのか。
○政府委員(吉田正輝君) このように郵貯が著増いたしますと、結果的には金融市場におきまして民間部門と公的部門の比重が、どちらかといいますと公的部門に偏りまして民間部門の比重が低下してくる。その結果、金融構造上にも大きな変化が出てまいりまして、産業資金の供給等にも変化が出てくるというようなことがございますし、それからもう一つ重要なことといたしましては、金融政策の有効性を阻害するというような問題が出てくると思いますので、私どもといたしましては郵貯と民間金融機関の競争条件につきましては、平等化という方向で広い視野から十分検討してまいりたいと、そのように考えています。
○塩出啓典君 いまのお答えでは金利の天井感が来たと、それから制度上も郵貯の方が非常に有利であると。これは何もいま始ったことではないわけですけれども、いまのお答えでは、最近いろいろ言われておりますグリーンカードへの移行に伴う制度上の郵貯と銀行預金その他との差から移行が行われておるんじゃないかと、何かそういう説明でもしないといまのような急速なシフトというものは説明できないんじゃないかと思うんです。その点はどう考えていますか。
○政府委員(吉田正輝君) いま抽象的に金利の天井感あるいは今後先安が出てくるところで、いま高いところで預金しておくとか、そういうふうに申し上げましたけれども、一つは、いままでも金利がそういう場面にまいりましたときにはそういう傾向は確かにありました。そのときには郵貯が激増して民間部門の金融機関への貯金は微増というような傾向。片方が激増、片方が微増と、常に預貯金は増加の傾向をたどるわけでございますけれども、郵貯の方が激増、民間預金の方は微増というような形、このたびのように郵貯が激増いたしまして民間部門が激減するという現象は過去の例を見ましても初めてでございますので、必ずしも科学的ではございませんけれども、いろいろのことから見ましてそのように考えております。
○塩出啓典君 それで銀行ももう少し国民に魅力的な商品を開発してはどうか。たとえば複利預金とかあるいは予告つき定期預金とか、こういうようなやはりもうちょっと魅力的な預金を開拓するとか、こういう努力が私は非常に足りないんじゃないかと、そういう点銀行サイドとしても、ただワイワイ騒ぐだけじゃなしに、みずからの姿勢も反省すべき点もあるんじゃないかと、この点はどう考えていますか。
○政府委員(吉田正輝君) 御指摘のとおり、このところやはり金融機関の大衆化、国民化というのは大層進んでおります。大衆が預金する傾向がふえてきた、こういうことにも対応いたしまして、ほかにも金融機関にもいろいろの国際化の波とかございますけれども、大衆化の波も来ておるということでございます。 そこで私どもといたしましては、やはり社会的、公共的機関である金融機関が国民のニーズの多様化に対応して、そのニーズにこたえ得るように、いろいろと個人的な、先生御指摘のような魅力ある商品などを開拓するようにということも指導をしておりまして、金融機関の方もそういう点は自覚してきつつあるあるいは相当自覚は深めたと思います。ただしこの問題につきましては、一方ではやはり民間金融機関というのは収益機関でございまして、大切な預金を預かっておる、ある程度の収益を維持しなければやはり信用機関としては成り立たぬという問題もございますので、ただただ魅力だけを収益性を無視して高めるというわけにはいきません。いずれにいたしましても、それにいたしましても先生御指摘のとおり、やはり預金者の金融資産選択がある場合に、これは預金者の方に対しては流動性が十分あるような預金、しかも魅力ある商品、それから銀行の方からあるいは金融機関の方から申しますと安定的な資金を確保するというような意味で、たとえば先ほど先生が御指摘のような新種の定期預金などはやはり一つは今後検討していく課題であると思います。これにつきましては、御質問の商品、ちょっとお触れになりましたけれども、私どもの方には正式な話はまだ受けておりませんけれども、民間金融機関の間でもいろいろと検討が行われているようでございます。私どもとしては、もし正式な話があった段階で、その構想が国民のニーズに沿い、かつ実質的に民間金融機関の資金調達力の拡充につながるような観点から見まして受け入れられるようなものでございましたら、前向きに検討してまいりたい、そのように考えております。
○塩出啓典君 いま民間金融機関は、やっぱり預金者の金利も払っていかなくちゃいけないわけですから、採算を度外視してできないということですけれども、私は、郵便貯金もやっぱり国民の貯金を預かっているわけですから採算を度外視してはやっていないと思うんですけれども、その点はどうなんでしょう。私は専門外でよくわかりませんけれども、そういう財政的な面から郵貯と銀行というのはかなり差がある、郵貯の方は比較的財政的にも豊かである、制度上そうなっておる、こう理解していいわけなんですか。
○政府委員(吉田正輝君) 郵貯と民間の収益性の問題の御指摘でございます。民間金融機関はいろいろの形でございますけれども、株式会社あるいは協同組合形式、いろいろございますけれども、いずれにいたしましても、ある程度の自己資本を充実しながら——自己資本が充実しているということは、これは収益を確保しながら自己資本を充実していくということでございますけれども、それによって無コストの資金も持ち、貸出資金を低利にしていくというようなこともございます。それから一方では、やはり株主その他に対する責任もございます。そこで内部蓄積等も必要になってくるわけです。内部蓄積が高いとやはり金融機関としての効率性も発揮でき得るという面があろうかと思います。これに対しまして郵便貯金の場合には、これは必ずしも私の所管ではございませんけれども、郵便貯金の場合にはそのような民業としての、これは金融機関に限りませんですけれども、民間の機関としての収益性維持の必要はないと、このように考えております。
○塩出啓典君 銀行というのは一等地にでかい支店をつくって、なかなか庶民はげたばきでは入りにくいと。そういう点は、郵便局というのは路地裏にもありまして資金コストも非常に安いわけでありまして、そういう点で、やっぱり各地へ行ってどんどん新しい団地など銀行の支店を出してほしいという希望もあるわけですね。だからもっとそういう郵便局のようなひとつ路地裏作戦、まあ外国なんかはわからぬようなところに銀行があるわけでありましてね、そういうやはり銀行の姿勢というものをもっと改めて、もっとミニ店舗をふやすとかそういう指導をすべきじゃないか、そういう方向に金融機関もやっぱり変わっていくべきじゃないかと、その点はどうなんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは私が銀行大会で言ったんですよ、同じことを。ともかくデラックスなものをつくって、それで二万や三万持って恥ずかしくて入ってこれないというようなことではだめなんだから、それはもう少し店舗なども質素にしろということを私言ってるんです。余り過当競争になっても困りますが、今後店舗をふやすというような場合においては、そういう御意見は貴重な御意見として参考にいたします。
○塩出啓典君 先日も私の友人が、実は家を増築をしたい、百五十万かかるということで ある都市銀行に頼んだわけであります。その都市銀行から家を買うときのローンをずっと借りて 半分ぐらい払っておったわけですけれども、ところがその都市銀行が言うのには、百五十万ぐらいの小口はうちは扱わぬから、もっと小さいところへ行けと、こういうように言われたわけでありますが、大体銀行局としてはそういう小口の扱いは都市銀行はするなと指導しているのかどうか、その点はどうなんですか。
○政府委員(吉田正輝君) 端的に申し上げますと、そのようなことはございませんで、逆に私どもといたしましては、やはり先ほど申し上げましたような国民のニーズというのは非常に多様化していきつつあると、それから消費者ローンという分野はきわめて重要であるということで、あらゆる機会をとらえまして、たとえば銀行大会あるいは地方銀行大会、大蔵大臣の方からも、そういう消費者ローンなり何なりを拡充するようにというふうに指導しております。 ただ、小口のものにつきましては、それがコストがかかるとか審査が大変であるとか——預金者の金を預かっているというようなことで私どもも審査の点をある程度は指導せざるを得ない立場でございますし、銀行もそういうところはございますけれども、基本的には私どもは、健全な小口の資金需要に対しましては前向きに取り組むように指導しております。この点につきましてはある程度、次第に最近では増勢をたどっておりまして、一般消費者ローン等も含めますと、一般消費者ローンについては大体この五年で倍ほどになっております。それから住宅ローンについても、かなりの増加を示しておると思っております。 いずれにいたしましても、銀行の住宅ローンや消費者金融など、個人融資を充実していくことは必要であると考えておりますので、御指摘のように、今後も一層この点について充実並びに指導を図ってまいりたいと、かように考えております。
○塩出啓典君 ぜひそういう方向に指導していただきたいと思います。 で、何となく最近は、サラ金とかあるいは信販業界とか、そういうところが非常に増大をしておって個人ローンというものが急速に伸びておるわけで、何となく銀行はそういうことをやらないという方向になりつつあるんじゃないかと思うんですけれどもね。そういうひとつ方向に銀行としてもいっていただきたい、このことを強く要望しておきます。 それで、この郵便貯金がまあ庶民大衆の貯金として、これを優遇するために利子なども一番いいわけであります。しかし、いわゆる限度額が一人三百万円と。それが架空名義の預金とか、いわゆる金持ちの脱税に使われているという、こういう話をよく聞くわけでありますが、こういうことは事実であるのか、その点は大蔵省はつかんでおりますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まあどれぐらい脱税に使われておるかということはわかりません。わかりませんが、たまたま国税庁などで押さえたものの中で、億とか、数千万円とか、百冊通帳とかいうのがたまたま散見されるというものから類推すると、あるんじゃないかなという気もするわけであります。したがって、こういうことは必ずつかまえなきゃならぬわけでありますから、国家の恩恵のもとにぬくぬくとそれができるんだということではこれは社会的不公正でございますので、そういうことができなくなるようにグリーンカード等を通して、やっぱり郵便局は国の機関ですから、やはり私としてはそういうものを絶滅を期すようにしなければならないと、そう思ってやっておるわけでございます。
○塩出啓典君 まあそういうことで、このグリーンカード移行に伴って五十九年以後払い戻しのときに確認をすると、こういうようなことが郵政大臣、大蔵大臣の話の間で合意を見たようでありますが、しかし私は、現在においても本人確認あるいは限度管理等はやっぱり厳しくやっていかなくちゃいかぬ、五十九年以後にやるというのは余りにもちょっとのんびりしているし、大蔵大臣も非常に寛容であるなという感じがするんですが、その点はどうなんですか。現段階においてもいわゆる本人確認とか限度管理というのは、ぼくはやっぱり法的にもやらなければならないようになっているんじゃないかと思うんですが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 仰せのとおりでございます。税法の適用に当たりまして、郵便貯金は官業であります。また庶民の大切なお金を預かる金融機関であるということを考えましても、税法上の扱いで、一方は非課税貯蓄の申込書を出して金融機関の方は初めて非課税の手続に乗りますし、郵便貯金は制度的に預入された限り三百万円を限度として故意または重大な過失がない限りは課税されないということになっておりますので、そこは郵便貯金の限度管理が厳格に行われることが基本である、そういう認識でおります。 先般、九月二十六日に大蔵大臣、郵政大臣の間で御承知のような合意があったわけでございます。その合意事項を閣議に御報告がありました際に、郵便貯金事業について一部誤解に基づいて脱税に利用されているとかの風聞を払拭する必要がある、その意味で郵便貯金事業につきましては、郵政監察によることはもとより、検査院、行管、国税庁などの機関を通じてその適正な運営が確保されるよう具体的な対応が必要であるということが閣議の席上で確認をされ、また閣議後で官房長官から発言があったところでございます。 そういうことで、私どもといたしましては、郵便貯金が郵便貯金法の規定に従いまして限度内に維持されるように常に管理されるよう、従来からもさようでございますし、今後とも一層、五十八年以前におきましてもその注意と申しますか喚起し、また実効が上がるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○塩出啓典君 どうも、いまの答弁聞いておっても余り効果の上がるような感じがしないんですけれどもね。だから、やっぱり国税庁も一緒にやるということでね、そのあたり具体的に私は何かやってもらいたいと思うんですよ。もちろん現在は郵便貯金の方はオンラインシステムがまだできておりませんし、まあ名寄せをするにしてもおのずから限度はあると思うんですけれどもね。けれども、いま直ちにできることはやっぱりあると思うんですね。で、国税局等の税務調査は非常に民間の企業については厳しいわけでありまして、これは厳しいということは悪いことではなしに、税の公平から見れば非常にいいことなんですけれども、一方郵政省の管理にある郵貯の問題については、そういう何となく靴の上からかくような、そういうような感じでは国民の皆さんの理解は得られないんじゃないか。そういう意味で、ただ閣議了解をし、これを官房長官の談話として発表するだけではなしに、こういうようにやっておるんだと、そういうことを国民の皆さんにまたわれわれにも、なるほど努力しているんだ、国税庁は、大蔵省はやっぱり税の公平さを保つためにやっているんだと、こういうことを何らかの形で私は一歩踏み出してもらいたいと思うんですが、その点大蔵大臣お考えはありませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは私の方もやりたいんですよ。郵便局の中だって調査したいんですよ。したいけれども、大蔵省はその権限がないわけですね、大臣が違うんだから。だからこれは、まず一義的にはもう郵政省が良心に基づいて、国家機関でもあるし、そういうようなおかしな資金は受け入れないと、要するに完全に限度管理は全責任を持ってやるということになれば一遍に解決つく話なんですから。だから、大蔵大臣を責めるよりも郵政大臣を責めてもらいたい、本当から言ったら。われわれはやりたいわけですから。しかしながら、向こうもやりますと言っているんだから、私はいまちょっと見ているわけなんですがね。ですから、両方で話し合って事務的に方法論は詰めてくださいということをやっておりますから、そこで公平の確保を図っていきたい、こう思うておるわけであります。
○塩出啓典君 ひとつこの点はわれわれも郵政大臣にもまた別な機会に要望いたしますが、これはやはり国全体の問題であり、財政の再建というのはあるいはまた税の公平というものは、私は事大蔵省だけの問題ではない、国全体の問題であり鈴木内閣の問題ではないかと思うんですね。そういう意味で、権限のあるなしにかかわらず、いま大蔵大臣が言われたように本当にこの問題については郵政大臣ともとことん話し合い、また鈴木内閣の権威の上においても一歩前進するように今後とも努力をしていただきたい、このことを要望しておきます。 それから次に、先般税制調査会から「財政体質を改善するために税制上とるべき方策についての答申」が出たわけでありますが、新聞等の論調では、増税一直線とかあるいは三年間は物価調整減税がないということで国民に非常に重税感がある、こういうような報道が出ておるわけでありますが、大蔵大臣としてはこの税調の答申についてはどういう御所感であるのか、簡単にお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、実情に即した財政専門家として、経済のまた専門家としてのりっぱな、非常に参考になる答申だと、そう認識します。
○塩出啓典君 答申では二十九ページにこういうことを書いております。「税負担配分の垂直的、水平的公平が、制度的にも、実質的にも、確保されるべきことはいうまでもないであろう。」こういうことを書いておる。なかなかいいことを書いておるわけでありますが、きょうの委員会でも問題出ましたけれども、いわゆるこの課税最低限の引き上げを三年間もやっていないわけで、これからも三年間やらないと、そういうことに対して先ほどから大蔵大臣は財源がないからやらない。しかし私は、これは財源があるないも大事ですけれども、やはり税の公平という点から、物価調整減税等もやらないということは結果的にはますますトーゴーサン、クロヨンとか言われる給与所得者に対する税負担というものを過重にし不公平を増大させるんではないか、こういうことを心配するわけでありますが、それについてはどう考えていますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、よくトーゴーサンという言葉がございますが、理解できないんです。これは。中小企業などでも最近は青色申告がふえて、そうしてまじめな記帳が非常に多くなっておる。したがってまた、実態論からすればそんなに緩みがある課税把握の実態じゃない。農業なんかの問題でも、農家はいい家に入っておって収入が比較的少ないのに自動車持っているとかという点から私は言われるんだろうと思いますが、農村などの場合にはもともと掛かりがかからないということが事実なんですね。家がもう先祖伝来のものであったり、食う物は自分の畑にあったりするものだから経費がかからない。そういう点で余裕があって、生活面で確かに車持っているなんということはできやすいということなんだけれども、所得の把握ということについてはまあ十と三と違うというほどの違いはもうない。しかしながら、農業所得等についても課税の適正は今後とも期していかなきゃならぬ、かように考えております。
○塩出啓典君 大蔵省からいただいた資料では、五十六年度の予算編成でいわゆる予定される歳入と予想される歳出との差が約三兆円ある、もちろん二兆円の国債を減額するとしてですね。で、いま先ほどからのお話で増税をどうするか、経費節減をどうするか、こういうことに大蔵省も努力されておるようでありますが、大体大蔵大臣の目安としてはこの三兆円の差というものを、たとえば増税一兆円、経費節減二兆円とか、このあたりの目標をどこに置いていま努力されておるのか、これを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは頭から枠をきちっとはめてやっておるわけではありません。結果的にそういうふうなことになればいいんでしょうけれども、まず経費を徹底的に洗い直して、どこまで切り込めるかという作業を目下やっており、一方においてはどれぐらいその負担分について無理のないところで税収が図れるかという研究を、両面でやっておるというのがきょう現在の姿でございます。
○塩出啓典君 それで二兆円国債を減額するというその根拠ですね、根拠は余りはっきりしない。やはり国債を減らすのは早く減らすにこしたことはないわけですけれども、しかしそのために物価調整減税もやらない一個人消費も伸びない、実質的な増税だと。そうしてやはり経済というものがだんだん弱ってきてはこれではいけない。ある程度の経済の成長というものを見込みながら、その中でやはり財政というものを改善していかなければならない。そういう点を考えて私は二兆円というのがいいのか、そのあたりの根拠がどうもはっきりしない。やっぱりこれはもう少し予算編成の段階でいろいろ検討して、二兆円というのはかなり場合によっては弾力的に考えていかなければいけない。二兆円減らすことが目的ではなしに、やっぱり徐々に財政を混乱なしに再建していくことが一番大きな目的で、そういう点から二兆円というのはある程度弾力的に考えるべきじゃないか、この点はどうなんでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは余り弾力的に考えますと、ずるずるともとへ戻っちゃうんですよ。これは非常に借金を払うということはきついことですから。金を借りることは一番やさしいことなんです。貸せる人があれば、払うということを考えれば借りるのは大変だけれども、払わないつもりならこれほど楽なことはないんです。したがいまして、この二兆円の問題というのは、ともかく昭和六十年から今度は国債の元本を返さなければならぬ。いま利息だけでしょう。今度は元金も返し始まるわけですね。利息だけ言っても、すでにことしでも税収の二割近いものが利息になっているわけです。もう税金がふえても二割を超すぐらいのものが利息で、そのほかに元金となると税金の半分ぐらい。こんな調子でやっていったら国債の利払いだけになっちゃう。何のために税金を取っているかわからなくなってしまうということが一つだし、結局払えないから借金をしてまた借金の利息を払って元金を返すということは、もう悪性なインフレにつながる危険性が出てきているわけですよ。 でありますから、ここらが限界だということで、六十年の借金返済の前に少なくとも消費的な借金はしないことにしましょうということでございまして、この二兆円というものについては、昭和五十四年の実績が十三兆で済んでいるわけですから、したがって、それよりも上回ったんでは財政再建の方向へ行かないので、それよりも下回るということは十二兆台ということになるので、ことしの予算の十四兆から比べて二兆円だし、七兆五千億円を昭和五十九年までになくすということになればこれも二兆円だし、いろんな点から、別に学問でやったわけじゃありませんが、そういうような観点からこれ以上もう国債はふやせない、三兆もやりたいと言ってもこれはなかなかできない。できそうなぎりぎりはどこかということになって、二兆円というものを目途として減額に踏み切るということを決定したわけでございます。
○塩出啓典君 最近の新聞で、いわゆる教科書の有償化が昨年に続いて浮上しているわけであります。財政制度審議会においても教科書有償化が了承されたようでありますが、大蔵大臣としてはこの有償化を本気でやるつもりですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは自民党の中でも大論争のあるところでございまして、去年の党の話し合い等においても、要するに子供の教科書ぐらいは、まあ二千円とか三千円とかいうぐらいのものは親が子供に買ってやる方が愛情があっていいんじゃないかという政治論議が実はあるんです。一方において子供を塾にやって一万円も一万五千円もやっているんだから、小中学校の教科書二千円とか三千円とかいうぐらいのものは親として買ってやった方がいいという非常に強い意見等もございます。そういうようなこと、また世界的に見ても教科書を無償で交付というのは少ないのですね。みんな無償貸与という制度があるんです。お貸ししますという。したがって私は、無償で交付するということが本当にいいのかどうなのか、こういうような財政事情のもとでは根本的に一遍考え直す必要がある、こういうふうに考えておる次第でございます。
○塩出啓典君 私はこれは反対であるということを表明をしたいと思います。 補助金も、前々から当委員会で大蔵大臣も言っているように、二千数百件、十三兆円の補助金がたくさんあるわけでありまして、その中でなぜこの四百億円余の教科書のみが毎年議題に上るのか、これは私は非常に理解に苦しむわけでありまして、やっぱりそういうすべてのものをよく検討して、そういう中から本当のむだなものから除いていくべきである、私はそのように思うのでありますが、いつも教科書有償化というものが議題に上る、昨年も上った。これは恐らく大蔵省にもそういう考えがあることが反映して出てくるのじゃないかと思うんですが、これは理由は何ですか。教科書有償化だけがよく議題に上るのは何か理由があるのかどうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、われわれも国民の方々に聞いてみましても、もうともかく国の財政事情がそういうようなときにお国から教科書をもらわなくたって親が二千円や三千円のものは買って差し上げますという人の方が、われわれのつき合う範囲では実際は多いんですよね。それから親の愛情の問題だと。学校給食の話と同じでして、親の愛情として教科書ぐらいは買ってあげたいという人がいっぱいいるということも事実なんです。そういうような現実の問題としてこれはもう毎回実は議論になっておるんです。したがって、これは根本的にひとつ考え直したらいいだろうということで検討をしておるわけでございます。
○塩出啓典君 これは、私のつき合う人の中ではそうでない人が多いわけでありまして。(笑声)しかしこれは非常にわかりやすいんですね、国民の皆さんに。教科書は無償になっている、わかりやすいわけですけれども、国民の見えないところにいろいろな補助金もあるわけでありまして、私は、見えやすいところのものだけじゃなしに、国民の知らないところにあるところのものにも灯を当てて、そしてそういう全体観の中に補助金の整理合理化にも努力をしてもらいたい、これを要望しておきます。 最後に、今度の税制調査会の答申の最後の方に「賦課権の除斥期間の見直し」というのですか、これは恐らくいわゆる脱税の時効の問題じゃないかと思うのでありますが、これを五年間を延長すべきである、こういうような内容があるわけでありますが、私は、時効であるために脱税が許される、徴収できない、こういうようなことは非常によろしくない。しかも、国税局においても人員の関係で毎年調査もできない、三年なり四年に一回ということになりますと、やはりこの税制調査会の言うように「賦課権の除斥期間の見直し」はするべきではないかと思うのでありますが、その点のお考えを承っておきます。
○政府委員(高橋元君) 国税庁の要員がなかなか定員管理のもとで十分でないというようなこと、納税者が非常にふえてこられるというようなことからいわゆる実調率が下がっておりまして、実調率が下がることがまた課税の実質的な公平ということに対してマイナスの影響を持っておることも事実でございます。今回の税制調査会の中期答申でいまお話のございました「賦課権の除斥期間の見直し」が提案されましたのは、一つは制度それから執行両面を通ずる水平的な公平というものをこれによって確保していくということでございますが、これにつきましては、いわゆる公債権の、国の債権の時効期間それから納税者の方々の帳簿の記張水準ないし保存期間、それからさらには法的な安定性等いろいろな検討すべき問題がございますけれども、中期答申でこういう基本的なお考えをお示しいただきましたので、さらに関係のいま申し上げたような問題点について詰めを行いまして、前向きに具体的に対処してまいりたいというふうに考えております。
○近藤忠孝君 大臣、これは通告してなかったのですが、最初に財務局問題について、先ほど鈴木委員からは詳しい指摘がありましたけれども、二点についてお聞きしたいと思うのです。 北九州財務局の職員は廃止になる関係で労働条件について不安を持っておるわけですが、そこで二点。第一点は、来年四月一日から新体制がスタートいたしますが、行政サービスの低下や職員の処遇に不都合が起こらないように、予算面初め多方面にわたって十分配慮するよう求めたい。それからもう一つは、職員の処遇など労働条件の問題について全財務労働組合と十分話し合って解決すること。この点について大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほどお答えをいたしましたように、衆参両院の内閣委員会の決議の趣旨を踏まえて円満にやるように配慮をしたいと考えております。
○近藤忠孝君 次は財政の機能の問題で、前回も議論をいたしたんですが、この「歳出百科」には「財政の機能」として所得再配分機能ということの説明もあります。ただ実際これをよく見てみましても、資源配分の調整の方の機能についてはいろいろ詳しく対策その他書いてあるんですが、この所得再配分機能については明らかにされてないわけです。これはいろんな質問いたしましても明確な答弁がありません。むしろ実際は反対の方向、たとえば社会保障の分野では、国際的に見て遜色がないなどというのとは逆の方向を進んで、むしろ切り下げる方向を示唆をしているのですが、今後この機能についてはどうするのか、これについての基本的なお考えを聞きたいと思うんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 財政は、かなり私は、日本の財政はいろいろ言われますが、再配分機能を持っていると思うんです。所得税の場合は、住民税と両方合わせますと八千万以上は九三%というような世界に例を見ない、スウェーデンと並んで物すごい超過累進税率になっているわけですよ。したがって、相続税などもかなりこれはきつい税率になっています。ですからそういう意味では、私は、財政はかなり再配分機能を持っておると、こう言って差し支えないんじゃないかと、こう考えています。
○近藤忠孝君 この点は私の方で具体的に前回ジニ係数をお示しいたしまして、実際所得格差が広がっているんじゃないかと、こういう指摘をしたんですが、大臣から直接そういうことについてお答えがなかった、あるいは御存じなかったのかなと思っておるんですが、しかしむしろ実際は、前回もお示ししたように、この機能は低下傾向をたどっているというのが数字が示すところであります。このままの状況で進むと、国内では所得格差は逆に広がっていくんじゃないか、こういったことを心配するんですが、どうでしょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 細かいことは事務当局から答弁をさせますが、このジニ係数というものにつきましては、日本の場合はもう大体が、所得格差はインドとかアメリカ、フランスなんかよりもないわけですよ。したがって、もう所得税引き後ではかなり詰まっているわけです。ただ、そこであなたの言いたいことは、要するにその社会保障費の負担というようなものについて超過累進性が少ないんじゃないかということを言わんとしているのかどうかわかりませんがね。大体中間層はみんなこううまくいっていると、特に高額所得の人も社会保障費を受けているわけです。日本の場合は。医療とか何かで保険に入っている場合には、百万円収入があったってやっぱり保険は本人はただとかということになっているわけです。したがって、そういうような点で私はいろんなことを言われますが、それはやっぱりこれだけ保険制度が普及して、そうして国内の中間階層がずうっと広がった中では、このような数字が私は出てくるんじゃないかと、こう思っておるんです。
○近藤忠孝君 これは「所得階級別税負担表」で、実際これは事前に資料も具体的にお示しをしておるので、きょうは勉強してきてもらったと思うんですが、この数字——実収入に対する比率、税負担の比率です。第一の階層ですね。要するに一番低い方、そこでは所得税が〇・三三、これは昭和四十年です。それに対して五十一年は〇・八三と、〇・五これは逆に負担がふえておるんです。それから税全体を見てみますと、二・八〇から三・二四、これは〇・四四ふえておるんですね。それに対して一番高い方の階層を見てみますと六・二八から五・〇五と、一・二三これは逆に上の方は税負担率が減っておるんですよ。これは所得税です。それから全体を見ましても、九・八一から九・五〇と、これも〇・三一減っておるんですね。大臣の言うことと、理解しているところと実際は大変違うんじゃないか、こう思うんです。どうでしょう。
○政府委員(高橋元君) いまのお示しのございました資料でございますが、四十年表と五十一年の私どもの方から当委員会にお出ししております数字とは全くつくり方が違っておりますので、時系列的な変化をこれで御推測いただくというわけにはいかないのではないかというふうに実は失礼ですが考えておるわけでございます。と申しますのは、四十年表はここにごらんいただきますように、所得金額が、収入金額が月三万円、四万円、五万円、六万円から十二万円まで一万円刻みでふえていくと、その場合の税負担というものを推計して出しておるわけでございます。家計調査から課税物品に対する支出弾力性を算出いたしまして、これに各所得に対する理論値としての支出金額を推計する、こういう方式でつくりました。ところが五十一年表は、家計調査の実数によりまして特別集計を統計局にやってもらいましてつくりましたものでございますから、刻みが第I十分位から第X十分位までというふうになっております。したがいまして、対応する所得収入金額は十三万六千円から始まりまして四十四万三千円まで、それぞれ所得収入階層別に人間を十分の一ずつに区切りまして、そこの平均の実質の家計支出に基づいたただいま申し上げたような計算をいたしておるわけでございます。したがって、四十年表では一番下が三万円、一番上が十二万円でございますから、そこは四倍の差がございますけれども、五十一年表は、ごらんになりますように一番下の実収入が十三万六千円、最高が四十四万三千円でございますから、そこの開きは三倍何がしでございます。三・三倍でございます。したがって、四十年表の所得が非常に広く広がっておりますのに対しまして、五十一年表は上下の格差が小さくなっておる。そこで四十年表のいまお話のありました税負担率は、最低所得に対して最高所得は三・五倍でございますけれども、五十一年表では二・九倍、こういうふうに一見累進性が弱まったように見えますけれども、これは先ほども申し上げましたように、全く表の刻み方が違っておりますので、比較の対象にはならないということになります。 それともう一つつけ加えて申し上げたいと思いますのは、四十年表には通行税、固定資産税というようなものを考慮しておりませんが、五十一年表にはそれが入っておりますので、総体としての家計の税負担はそれだけ大きくなっておるということもつけ加えさしていただきたいと思います。
○近藤忠孝君 数字の基礎が違うと言うんですが、しかし国民の感覚から申しますと、私が指摘したことの方が国民の感覚に合っておるのです。これは総理府広報室編の「世論調査」それの七十二ページによりますと、実際税金についての不公平感——公平になっているという人が一二%であるのに対して、不公平になっている人は何と四二%。それでこれは最近のものですが、五十五年の分ですが、前回の五十年の調査のときよりも不公平になっているというのは逆に五五%とふえておるんです。それはやはり国民の実感だと思うんですね。こういう数字を大臣は御存じでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 数字はどうか知りませんが、国民の実感としては四十年のころよりも現在のころの方が生活が豊かになったと思っているのも私は事実だと思います。
○近藤忠孝君 いま私は生活のことじゃなくて、税の不公平感、これを聞いたんです。その点はどうです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はそのようには考えておりませんが、そういうような不公平感があるというのは何を基準として出しているかよくわかりませんけれども、私は四十年代よりも現在が不公平感が強いというようには思っておりません。
○近藤忠孝君 これも先ほどの塩出議員の質問につき合う範囲の問題なのかもしれないと思うんですけれども、しかし、実際これは総理府広報室で五十年と五十五年の比較ですが、実際国民の感覚はこうですのでひとつこれは十分に頭に入れてほしいと思うんです。 そこで、税調の中期税制答申ですが、これによりますとGNP二%の増税が、税負担が必要だと、こう書かれておるんですね。そうなりますと、いまのことを単純に計算いたしますと、二年後の五十七年には国税関係で六兆一千億円、それから地方税関係で三兆円、合計九兆一千億円が負担増になる。国民一人当たりふえる分だけで三十一万七千円という数字なんですね。こういう傾向が出てくるんです。この二%増となりますと。これはもう当然のことだと思うんですが、こういうことについてますます国民に対する税負担、そしてその中身が問題ですが、私は負担増が大きくなってくるという国民のまた不公平感がふえてくる可能性がある、数字が現にあると思うんですね。これについてはどうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはGNPに指数をかけた一応の計算だけであって、そういう政策をとるかどうかということを政府は決定しておるわけではありません。ありませんが、仮に今後ともいろんな社会福祉とか社会保障とかいうものが伸びるとすれば、その財源はどこかに必要なわけですから、老齢化社会が進んで費用がふえないんならいいですよ、ふやさないんなら。ふやすんだということになればどこかでそれは調達をしなきゃならないということと、それとの兼ね合いにおいて政策決定はされなきゃならぬと、こう思っております。
○近藤忠孝君 ただ、いまの大蔵省の考えですと所得再配分機能の面は余り重視してないように見えますので、私はこの中身はこれからの問題だと思うんです。 そこで、あとは具体的な問題といたしまして、いま言った観点から小規模事業対策の問題について若干聞きたいんですが、従来青色申告会育成策として商工会または税理士会の手で進められてまいったんですが、こういう面について国税庁としてはどういう見解で対処しておられますか。
○政府委員(川崎昭典君) 御承知のとおり、限られた職員で多数の納税者を賄わなければならないという状況でございますので、納税協力団体の協力を得て記帳能力を高めていくということでずっとやってまいっておるわけでございます。したがいまして、税理士会の自主的な指導をやっていただく反面、また税務署の方から税理士会にお願いをして記帳指導をやっていただくということをやっておるわけでございます。
○近藤忠孝君 私は、その過程で幾つか問題が出ていると思うんです。詳しくは申しませんが、きのうも公選法特別委員会で指摘をした問題ですが、商工会がそれをやる過程の中で政権政党と癒着をしているということで、実際補助金をもらっている団体でありながら自民党のある議員さんに献金しておるんですね。明らかに違法だと思うんですが、私はその問題はきょうは特別にそれ以上申しませんが、幸い大蔵大臣は税理士さんでもありますので、いま話が出ました税理士とそれから税務署の関係について聞きたいと思うんです。 これは基本的な問題ですが、税理士というのは税務署の下請機関ではないと思いますね。それから同時に、今度は税務署が逆に特定の税理士さんの便宜を図るようなことなどをしてはならないと私は思うんですが、その点どうでしょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も税理士やめてもうしばらくになるものですから、詳しいことはかなり忘れてしまったわけでございますけれども、それは不公平なことをやっちゃいかぬということは当然であろうと思います。
○近藤忠孝君 具体的な問題としますと、いろいろ記帳義務などに税理士の協力を得ておるんですが、税務署が特定の税理士をあなたの指導税理士だと具体的に紹介すること、私もこれは行き過ぎだと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(川崎昭典君) 先生がおっしゃっておられますのは、納税者の特定の人に特定の税理士さんが指導に当たるということをやっておるわけでございますが、それはやはり具体的に何月幾日どの場所でこの先生の指導を受けてくださいというふうにお話をいたしませんと、納税者の方で指導を受ける気持ちがございましてもこれはいつどこへ行っていいかわからぬという話がございますので、そこは税務署が納税者の御希望も聞きながら具体的に指導をしてくださる税理士さんのお者前をお教えしておるわけでございます。
○近藤忠孝君 これは五十二年十一月十七日の衆議院決算委員会の議事録ですが、これは安藤議員が指摘したのに対して、国税庁長官磯邊さんです。「税務署側で特定の税理士を納税者に紹介するということは、」これは行き過ぎだと、「これはないと思っております。」ということですが、いまの答弁ですと現にあると、しかもそれは構わないというと、これはもう明らかにこのときの態度が変わっているということになると思うんです。いつ変わったんですか。
○政府委員(川崎昭典君) 税務署なり国税当局が特定の税理士さんを紹介するといいますか、押しつけると、そういう意味では態度は変わっておりませんので、この人に限ってやってもらえというふうなことをやっておるわけじゃございません。ただ、時間と場所とを決めて、この先生が納税相談なり記帳指導をやってくださるということは、これはやはり実際の段取りとして行いませんと事が進まないということで先ほども申し上げたわけでございます。
○近藤忠孝君 これを大臣証拠で見せますので、ちょっと調べてください。(近藤忠孝君資料を手渡す) 最初は、これは高岡の税務署が税務署長名で二口さんという税理士さんを具体的に紹介をして、そうしてこれがあなたの指導税理士です。いま答弁あったように決していつ相談を受けなさいということじゃなくて、この人があなたの指導税理士だということで指摘をするんです。 もう一つは大阪の門真税務署であります。ここでも全く同じこと、片方ははがきですが、片方は封書でやっておるんですね。しかもその税理士さんはその二口さんじゃないんですが、そういう紹介を受けた税理士さんは一年間無料でやりますと、しかし一年たったら私をあなたの顧問にしてほしいと、こう言っておるんですよ。私自身は税務協会や税理士会がやること、税理士会の場合は構わぬと思いますが、そういったところが具体的に一人の人を決めてやること、それ自身問題だと思うんです。紹介するんだったら何名かその地域の人を指名すればいいんですが、そのような弊害のあるやり方を現にやっておる。しかもさらにそれが具体的に一年後には有料にしろと。ほかの民間団体が税理士を紹介した場合と税務署が紹介した場合これは全然違うんです。私は弁護士ですが、弁護士の場合も警察が弁護士を紹介する場合もたまたまあるんです。勾留中に私が行って警察をかなり強く追及したらあの弁護士はだめだというんで、ほかの警察と余りやり合わない弁護士を勾留中の人間に紹介しまして、これは当時大事件になった。私はそれと同じような面がその場合にあるんじゃなかろうかと思うんです。ですから、これはむしろ大臣というよりも、税理士さんとしてやっぱりそういうことはいいんだろうかと、まだ資格はあるんですからね、ひとつそういう面からお答えいただきたいと思うんです。
○政府委員(川崎昭典君) ただいま先生御指摘の具体的事例につきましては私ども承知をいたしておりませんので、また調べさしていただきたいとは思いますけれども、この先生に限り一年間無料でやっていただいて、それが終わったら有料になって必ずやってもらえというようなことをもしやっておるならば、おっしゃるとおり適当でないと思いますので、こういうことはやっちゃいけないと考えるわけでございます。
○近藤忠孝君 私は具体的にその紹介された人が言ったということ、これは税務署がそこまでは言ったとは言ってないんです。言ったらそれは大変な話です。しかしそういったことをやりますと、いま指摘したようなはがきや封書が行きますと、これは一般の人は二つの意味で、一つは税務署から来たからこれは仕方がないと思うのと、あるいは税務署が紹介した税理士さんだからうまくやってくれるんだろうといろんな誤解が出てくるんです。私は現にそれは署長にも会いまして、高岡の場合これはあかんことだろうと言ったら、いや、いいことでまだやると言うんで、これは大問題になった。どうですか大臣、そういったこと、誤解を招くようなことを、税理士さん経験されておるんだからそういうことは十分実感でわかると思うので、ひとつお答えいただきたいと思うんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) よく実態を調べてみないと何とも申せませんが、余り誤解を与えるようなことはやらない方がいいということで、これは個別案件につきましては、私もう少し聞いてみないと、ここでどうこうということは、答弁することは差し控えさせていただきます。誤解を与えない方がいい、それはそのとおりであります。
○近藤忠孝君 誤解というのは、私が指摘したような二点です。一つは税務署から来たから仕方がないといって、いわば税務署が押しつける形、これではまずいと思います。それからもう一つは、うまくいくんじゃなかろうかと、こういう面があると思うんです。いま私が指摘したような面は、やっぱり誤解を受けるような面じゃないんでしょうか。どうですか、大臣。
○政府委員(川崎昭典君) 先生御指摘の二点につきまして、そういう誤解が生じないように配慮するように各税務署なり国税局の方を指導してまいりたいと思います。
○近藤忠孝君 その点で大臣、具体的にもうあちこちで起きていますから、ひとつそういったことをやめるように指導されたいということを申し上げて質問を終わります。
○三治重信君 きょう国債の償還問題やそれから実際発行された国債がどういう状態になっておるか、またそれが諸外国と比べてどういうふうに位置づけられているかというようなことについて御質問をし、説明を受けたいと思います。 それでまず第一に、非常に国債の消化が云々されておるわけなんですけれども、ことに昨年、ことしの国債の消化状況と、それから特優制度がつくられたけれども個人消化が非常にまだ少ないじゃないかと、個人消化をふやす努力というものが、また方策というものがどういうようなふうに行われているかというのを簡単に御説明を願いたい。そうすると幾らでも説明の材料があるんでしょうが、ことに去年の、五十四年の国債の市中金融機関、証券会社、資金運用部、日銀、それからことに都銀、まあ市中金融機関でも都銀その他の金融機関の消化の割合と今年の四月−十月の割合が非常に変化がありますね、割合の変化が。今年はまだ来年の三月までの償還の割合によって各消化機関の割合も変わってくるわけでしょうけれども、こういうような点について、余り毎年消化の機関が上下をするというのは非常に国債の消化を不安定なものにする。理想的なといいますか、金融機関に余り大きな負担をかけなくて、各消化機関が公平というんですか、ある程度比例をもって消化をされていくのがよりいい消化の状況じゃないかと思うんですが、そういうような具体的な問題とあわせてひとつ簡単に御説明願いたい。
○政府委員(渡辺喜一君) まず最初に、五十四年度並びに今年度の国債の消化状況でございますが、五十四年度は全体で実績が十三兆四千七百二十億円でございます。そのうちシ団の引き受けが、十年債と五年割引債と合わせまして九兆七千七百二十億円、それから市中で公募入札で出しました中期利付国債が一兆三百五十九億円、残りが運用部の引き受けでございまして、これは十年国債が一兆五千億、それから中期国債が一兆一千六百四十一億、合計二兆六千六百四十一億円というような内容になっておるわけでございます。で、昨年度は当初は十五兆二千七百億円を予定したわけでございますが、その後自然増収等を見合いに国債の発行計画を減額いたしまして、最終的には、いま申し上げましたように実績としては十三兆四千七百億円で何とか国債の消化が行われたと、こういう状況でございます。今年度は、昨年度とは消化環境が一転しましてかなり好調に推移しております。発行計画といたしましては、年度間に十四兆二千七百億円を予定しておるわけでございますが、上半期の実績が七兆四千七百六十三億円ということで、ほぼ五〇%を達成しておると、こういう状況でございますから、去年に比べますとかなり好調に消化が進んでおるという状況でございます。 個人の国債消化につきましては、私どもかねてよりこの国債消化の形態における一つの重要な柱である、こういう考え方に基づきまして個人消化の促進にいろいろ意を用いてきたわけでございます。最近週刊誌その他の刊行物等にもこの国債についてのPRの広告などを出させていただいておるわけでございます。国債についてのイメージを国民に広く植えつけていく。それによって国債もやはり金融資産の選択の中における一つの大きな資産であるという認識を広く持ってもらいたいと、こういうことで努力をいたしているわけであります。 それから証券会社が直接個人消化を担当するわけでございますので、証券会社に対しましてもかねてより協力も依頼し、またたとえば国債市場における金融等につきましても、できるだけ円滑な金融がつくように私どもも配慮をいたしてまいっておるわけであります。おっしゃいますように、個人の消化、これはなかなか統計が実はないわけでございます。私どもがつかんでおります数字というのは、証券会社が引き受けて販売した金額、こういうことでございまして、その大部分は恐らく個人に行っておると思いますが、中には法人等もこれに入っておるということでございますので正確な意味の個人ではございませんが、証券会社の引き受けた金額、こういうことで申し上げますと、五十四年度は先生のおっしゃいましたようにかなり不振でございまして、総額で一兆八千四十一億円と、これは国債の発行総額の一三・二%ということになっておるわけでございます。 で、今年度に入りましてから、これも環境が好転したおかげで大変順調に進んでおりまして、この上半期、九月までですでに二兆九百八十四億円を消化いたしておりまして、上半期における総発行額の二七・七%、約三割近いものが個人向けに販売されたわけでございます。どうしてもこの個人消化というのは金融環境に非常に左右される。特に金融が逼迫していく時期、つまり金利が上がっていく時期におきましては大変環境としては厳しい状況になる。逆に金融が緩和していく、金利が下がっていく時期におきましては大変好調に売れていく。どうしても先行き金利が下がる——下がるということは債券の価格が上がると、値段が上がるということでございますので、安いうちに買っておこうということでよく売れているわけでございます。五十四年度はまさに一番逆風の時期でございまして、年度間に金利がどんどん上がっていく、そういう時期でございますから、もうちょっと待てばもう少し価格が安くなるというようなことでなかなか買われないということで大変苦労をしたわけでございますが、今年度は幸い金利の下降期に直面いたしておりますので、そういう意味では個人消化はかなり順調に進んでおるということでございます。 御意見のように、余りこれが金融の情勢次第で大きくぶれるというのは国債の安定消化という面で大変問題があるわけでございまして、私どももなお一層この個人消化の安定化ということには努力をしていきたいと考えておる次第でございます。
○三治重信君 それで最近グリーンカードの制度が法制化されたということからも、いわゆる預貯金の金融機関閥の移動が行われているわけなんです。そのことについてきょうはとやかく言いませんけれども、郵便貯金の預金が非常に増加しているということを伺っているんですが、もしもこういうふうに金融機関間の預金の移動が、増加額の残高の移動が非常に変わってくるときには、こういうような国債みたいなときには預金の増加する機関についてはわりあいによけい買ってもらうようにし、またそういう預金の増加がそうない機関については少なくするとか、そういうようなことはやっておられるのか。ことに郵便貯金の方は去年はえらい消化が少ないんですよね。だからちょっと郵政省の方に去年の郵便貯金の対前年、五十三年の増加額がどれぐらいになっておるのか、また最近の対前年、去年は郵便貯金の方も特別少ないのかというようなことをちょっとお聞きしたいと思うんですが、そういう金利なりいろいろの制度のちょっとした改正によって預金者が預金を移動する、こういうふうなことについては、今度はこのたくさんな公債を抱えた経済をやっていくためには、そういう預金の残高の増加について国債の割り当ても少し対前年に対して変えるという対策というものが必要じゃないかと思うわけなんです。今年はこの消化が順調な上に、さらに資金運用部もえらいたくさん消化しているわけなんですが、そういう関係についてはどういうような検討が行われているか。
○政府委員(渡辺喜一君) 御指摘のように郵便貯金は去年ははなはだ不振でございまして、私ども資金運用部の原資計画といたしましては当初七兆二千億円を予定いたしておったわけでございます。七兆二千億円のネット増というものを予定いたしておったわけでございますが、実績は六兆八千九百億円ということで、いわば歳入未達というような状態で終わったわけでございます。それに比しまして今年度に入りましてから、特にこの夏場の七月以降郵便貯金の増勢が急激に高まってまいっておるわけでございます。四月から十月までの状況を申し上げますと、累計で五兆七千五百二十億円郵便貯金の増加額が記録されておるわけでございます。これは昨年度の同時期、昨年度の四月−十月をとってみますと、三兆九千五百七十五億円ということでございますから、昨年度に比べますとかなり大幅な増加になっておるという状況でございます。今年度は昨年度に比べまして七千億円多い七兆九千億円というのを原資として見込んでおるわけでございますので、まだ七兆九千億円にはもちろん達していない、今後こういう状況が金融情勢の変化、特に最近の金利引き下げというふうなことを踏まえましてどういうふうに変化していくかということはなかなか見通しは困難な状況でございますので、これから十分その辺の動きは注視していく必要があるかと思いますが、少なくともきょうまでの状況を見ますと、昨年度に比べてさま変わりに郵便貯金の増勢が続いておるということだろうと思います。 したがいまして、国債の消化につきましてもできるだけそういう資金の状況に応じた消化を図っていく、こういうことでございまして、今年度の計画におきましても、資金運用部の運用計画におきましても、当初の計画で二兆五千億円と、これは昨年度の当初計画に対して一兆円多い資金計画を組みまして国債引き受けを行っておるわけでございます。しかも年度中の資金の増加を見まして、年度途中でさらに七千億円これを増額するということを現在方針として決めておるわけでございます。さらにまた、今後の動向を見ましてもう少し資金運用部が引き受けた方がいいのかどうかという点も検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
○三治重信君 国債が累積されて非常なインフレになる、大変なことになるということも一部言われてますけれども、また一面、国債は個人にとってみれば非常な一つの財産であるわけなんです。その財産が、国民総生産——GNPに対して国債がそんなにその割合が、GNPがどんどん伸びていけば、国債が相当ふえても国民経済にそんなにインフレ的影響を及ぼすわけじゃないのだというふうな議論があるわけなんですが、こういうようなことについて大蔵省の方は国債を何としても五十九年度までにゼロに——五、九年になっても赤字国債が減るだけで建設国債はまだ残しているわけですね。そういうふうな建設国債だけになっても公共事業を景気対策として伸ばしていくということになってくると、国債のトータルの残高が国民経済に及ぼす影響と、それがインフレになるかならぬかという判断でGNPに対する国債の発行残高、あるいは毎年発行する国債の金額に対する国民所得の割合、こういう国民経済全体の中の割合というもの、それが時系列的に余り伸びなければそのインフレ効果がない。いまのところ見ていると非常にどんどんどんどんふえるから、ここでみんながインフレ的な傾向をもたらすと、こういうことが心配になるのじゃないか。そこで国民総生産や国民所得が伸びていけばその割合がどの限度ぐらいまでならインフレにならぬかというような研究をやっておられるか、あるいはそういうことについて諸外国の財政学者や何かは、アメリカのサムエルソンの経済学なんかには国債は相当ふえていったってアメリカの経済がどんどんGNPが伸びていっているから、全体から見るとそんなにインフレにならぬのだと、国債というのは国の財政需要が多くなって適当に出していくためにはそういうGNPが多くなっていくんだから、その割合を検討していけばそんなに悪性インフレにはならぬというようなことが書いてあるわけなんですが、そういうことについて検討されているのか、また今後、これがやはり発行残高、毎年のGNPがふえるからいいとかなんとかいう問題でいいのか、あるいは毎年発行する国債の金額に対する国民所得の割合、どちらがよりこのインフレの限界についての見解としていいのか、そういうことについて財政の破綻を少なくしていくのはもちろん結構なんですけれども、やむを得ない公債発行について、また国債の累積についてインフレ的なものをそんなに心配しなくても、国民経済全体として急激な増加がなければ、この程度という目安があるのかどうかということについてちょっと御説明——わからなければ、わからぬでもいいし……。
○政府委員(渡辺喜一君) 大変むずかしい御質問でございまして、私も専門家でないのでどうもはっきりしたお答えはむずかしいかと思いますが、その国債の発行、特に大量の発行あるいは累積がインフレになるのかならないかということについては、学者の間ではどうも両説があるようでございまして、なかなか決定的な説というのは見当たらないという感じがいたしておるわけでございます。 私どもこれまでの実際に国債発行をやってまいりました感じから申し上げますと、国債の発行がかなりの量であってもそれが市中の金で消化されている限りにおいては、何とかインフレにならないでやっていける。現に五十年度から大屋発行が始まったわけでございますが、今日まで諸外国に比べましても、わが国のインフレ状況というのはかなり、むしろいい状況を保っておる。一方、国債の発行の量あるいは財政に占める比率というふうなものは、逆に諸外国に比べてわが国の方がかなり高い。にもかかわらず、インフレの状況はむしろかなりいい状況を保ってきておるというようなことから見ましても、国債の発行が市中で消化されている限りは何とかインフレにならないでいけるのではないかという感じを持ったわけです。 ただ、だんだん毎年毎年発行される国債は市中に累積していくわけでございますから、この累積残高が余りにも大きく、経済の規模に対して余りにも大きくなってきますと、当然のことながら毎年毎年新規に発行される発行環境というものが非常に悪くなってくる。各投資機関あるいは個人というものが相当量の国債をすでに保有してしまっておるという状態になっておりますと、そこへ新たな国債をさらに引き受けてもらうということはなかなかむずかしくなるわけでございますので、発行環境はだんだん悪くなっていくというようなことだろうと思うわけでございます。余り大量の国債を市中の容量以上に無理して発行していくということになりますと、どうしても国債の発行条件といいますか利回りを相当上げていかないと、なかなか消化できない。国債の利回りが他のもろもろの金利に先行してどんどん上がっていくというような状況になっていりますと、これはいわゆるクラウディングアウトと申しますか、本来必要な民間の資金需要というものが賄いがたい、賄いにくくなっていくというような金融環境になってくるわけでございまして、そういうことになりました場合に、それを何とか是正しようということになりますと、どうしてもインフレというふうな形でないと、そこの是正ができないというようなことになってくるんではないかと思うわけでございます。
○委員長(中村太郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十四分散会 —————・—————