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93回国会参議院1980/10/23

大蔵委員会 第1号

発言数
210
登壇者
20
会派数
7
開催日
1980/10/23

会議録

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  調査承認要求に関する件についてお諮りをいたします。  本委員会といたしましては、今期国会開会中、租税及び金融等に関する調査を行うこととし、その旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。  先般、当委員会が行いました租税及び金融等に関する実情調査のための委員派遣につきましては、九州班及び近畿班からそれぞれ報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 租税及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 渡辺大蔵大臣に最初の、当面の問題の質問をさせていただける光栄に浴しましてありがとうございます。  そこで、当面の経済動向について大蔵大臣はどうお考えになっているかということについて最初にお伺いをしたいと、このように思います。  大蔵大臣になった当時といまと大分情勢変わってきているんじゃないだろうかというふうに思います。この前この席上で、七月の二十四日でしたか、ごあいさつをいただいたときの大蔵大臣の考え方は、どちらかというと物価に重点を置いての両にらみという考え方、こういうものであったように私は理解をしているわけでありますけれども、当時と比べていろんな情勢も変わってきたように思うんですけれども、特に物価と景気動向、こういうことについて渡辺大蔵大臣は、いまの経済動向、それから年末から来年の年初にかけての経済動向、そうしたものをどのようにお考えになっているのか。このことによって今後の財政問題もいろいろ問題が出てくるであろうということも考えられますので、その辺の御認識を伺っておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、いまの日本の経済というのは、世界の経済とも実は重大な関係がございます。この間もIMFの会議があったわけでございますが、世界じゅう非産油国においては、インフレーション、景気の後退、国際収支の赤字というふうな三重苦によって非常に苦しんでおる、これは共通をしておるわけでございます。アメリカのように、石油のとれる国でも同じことでありまして、一方物価の問題は、日本などは優等生の方で、四月から卸売物価が徐々に下がって、二四%をピークにずっと一五ぐらいまで下がってきておる。小売物価についても八%台に乗りましたが、これはもう少し様子を見なければなりませんが、私はもう少し下がってくる方向に出るんじゃないかと、そういうように見ておるわけでございます。  一方、景気の面においては、いろんな指標等から見て、景気の拡大テンポにかげりが出てきたということも事実でございます。したがいまして、八−九月の初めに政府はそれらの景気対策ということで、公定歩合の引き下げあるいは第三・四半期の公共事業等の大幅な前年対比の増額というような手を打ってきておるわけでございます。どちらにその比重があるかと申しましても、やはり物価が高騰することは消費を減退させることでありますから、やはり物価が高騰することは困る。したがって、物価が高騰しない、つまり物価に悪影響を及ぼさない範囲内で景気にも十分に配慮していくと、そういうような考え方でございます。  来年の動向等については、経済企画庁等における見通しの数字が出ておりませんから、正確な見通しを申し上げることはできません。しかし、非常に不確実性の時代はやっぱり続いておるわけであって、ことに石油の供給事情、この問題は非常にいろんな不安定な問題を抱えておるわけであります。しかしながら、これらについてはイラン、イラクの紛争というものがなるべく早い時期に平和裏にひとつ終結をしていただかなければならないと、これが狂いがきたんではみんな狂いがきてしまうわけですから、その方で政府としてはあらゆる手段を通じて、外交ルートを通しても平和への努力をしておるというのが実情でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 確かに景気のかげりというようなもの、特に国民の消費支出の減退、あるいは中小企業の設備投資が予想以上に伸びていないというようなこと、あるいは冷夏によるところの農作物の不作、まあこうしたものが大きな問題を持っていると思うわけでありますけれども、しかし、企業の収益というのは引き続き上昇をしているということであろうと思いますけれども、そういう中で公定歩合の再引き下げというのが最近の新聞ではほとんど確定的なように言われているわけでありますが、公定歩合の再引き下げという——公定歩合は恐らく日銀のこれは専管事項だろうと思うんですが、どうも最近は日銀の専管事項になってないような感じが私はしまして、あっちこっちからとんでもない方から声が起きてきて、そして日銀が屈服させられるというような感じすらするわけでありますけれども、まあそれは別問題として、大蔵大臣は現段階でどう考えるのか、公定歩合についてはどう考えるのか、この点について。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 現段階においては大蔵大臣は白紙でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まあ恐らく白紙ということは大蔵大臣の側からそういう話をしないということで、腹は決まっているだろうと私は思いますけれども、一般的には再引き下げをしろということでありますが、もし再引き下げをするということになりますと、預貯金の金利問題というのは避けられないと思いますし、預貯金の金利をそのままにして公定歩合を下げるというわけには恐らく金融コストの面からとてもそういうことはできないだろうと思いますし、他方には政府としても銀行関係に国債を持たせなくちゃならないというお願いをする面がまたこれ非常にあるわけでありますから、預貯金の金利を引き下げるという問題はどうしても避けて通れないと思いますけれども、最近はグリーンカードを通じて郵政省関係と大蔵省関係——まあ大蔵省というよりも銀行関係でありますけれども、熾烈な争いをやっているというようなことになりますと、一体郵貯について果たしてもし再引き上げをする場合にうまくいくのかどうなのか。いままで郵貯が金利を引き下げるということについていつもかなり抵抗をしてきた。これが日本の公定歩合の機動性というものを、ある意味ではいつもこれが何か引き延ばしていく足かせといいますか、そういうふうなものになってきたのがいままでの経験だと思いますけれども、その辺は一体大蔵省はどう見通していらっしゃるのですか。まあ恐らく白紙だというふうにはおっしゃってはいるものの、新聞で報道されるところでありますけれども、前川総裁も大体いいところへ来たというふうでありますから、結局貯金、特に郵貯との関係、これはむずかしい関係になるかならないか、その辺はいかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) まあこの金利の引き下げというものは景気対策としてやれということは、もうどなたもおっしゃることです。しかしながら、公定歩合を下げても、それが貸出金利に連動しないということでは景気対策にはなりません。いままで公定歩合を下げても、それは短期のプライムレートには影響しますが、いわゆる設備投資といわれる長期の貸出金利にはほとんど影響がないと。これでは引き下げても意味がない、景気対策としては余り意味がないということになりますから、やはり景気対策としての金利を下げるということになれば、長期の投資をする設備資金、これの金利が下がらなければならぬ。そういうことになってまいりますと、やはり逆ざやということは銀行経営をおかしくするわけですから、当然にそういうようなことをやるためには預金金利も下げなければならないということになろうかと思います。  その際に、いま竹田委員のおっしゃることは、金融機関だけが預金金利下げて、郵貯が下げなければ下げられないじゃないかと、当然そういうことになるわけであります。一日、二日ということならいざ知らず、長期間にわたってそこで金利差がつくということになると、非常にこれは資金が郵貯にまたシフトするという問題が起きますから、これは国全体の問題でございますから、いつの時期かはわかりませんけれども、そういう時期が来たときには、当然それは話し合いをして、やはり国全体の政策というものに郵貯もひとつ協力をしてもらわなきゃならない。もう一つは、確かに国債の問題もございますから、それらの調整も考えなければならないと、こういうわけであります。それは御趣旨のとおりでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうなんですか、これね、一カ月も半月も公定歩合を下げるということがペンディングみたいになっていると、それでなくてもいま国民というのは——大蔵大臣も責任あると思いますがね、相当いらいらしていると思うんです。いらいらしていると思うんです。いろんなことで。そのいらいらが社会的にいろいろな問題を起こしているわけでありますけれども、そういう期間というのは、こういう転換期には、私はなるべく短くすることが経済の運営を円滑に持っていくゆえんだと思いますし、それにはやっぱり大蔵大臣の力量、手腕というものがここで大きく物を言う。渡辺大蔵大臣にとっては貯金金利の引き下げの問題をどう処理するか、一番最初の大きな難関になるかもしれない、こんな気がするわけですけれども、その辺もう少し、何かさっきの話では傍観者的な、解説的なお話であって、執行側としての決意的なお話は実は聞けなかったわけでありますけれども、その辺はどうなんでしょう、もう一回。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は何回も言うように、公定歩合をいつ下げるとか、どうするとかということは、それは白紙だと、これはそう言わざるを得ないわけですから。しかしながら、景気対策ということを考えた場合には、預金金利の引き下げというものが一緒でなければ景気対策には非常にプラスになる面が少ない。預金金利を下げられるという場合には——物価と金利は連動はいたしておりません、これは直接密接な関係というものではございませんが、物価が上昇傾向にあるときに預金金利を下げるのだということも現実的ではない。  したがって、物価の見通し、本当に小売物価が落ちついて、落ちついた方向に下がるというしっかりした証拠が出てくれば、その時期にやはりそれはやらなきゃならぬということだと私は思うのでありまして、いまの段階ではいろいろうわさはされておりますが、はっきりしたものを持ってないから、私としてはどうするということはまだ腹が決まってない。しかし、あなたのおっしゃる趣旨はよくわかるのであって、私も考えておるわけです。ですから、それはもうそういうはっきりした情勢になれば、機動的に、速やかに、適切に対処をするというわけであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 本当にそれは機動的に、適切に、速やかに対処できますね。決して郵政省との間で、またごたごたをやるということはありませんね。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は郵政大臣兼務ではないのでありますが、しかし、郵政省といえども国民経済全体のことについては理解を示してくれるものと深く確信をしております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 深く確信をしているという御決意のほどを伺ったわけでありますから、これはじっくりとひとつどういうふうになさるか見ていたいと思いますけれども、私はいまの経済情勢からあなたがお考えになるほど簡単ではなかろうと思いますけれども、しかし、何と言っても大蔵大臣は金融行政の責任者であることは、郵政大臣以上に大きな責任者でありますし、そういう意味では大蔵大臣の責任が非常に重い。このことをひとつはっきりと御認識いただいているとは思いますけれども、重ねて申し上げておきたいと、このように思うわけであります。  確かに、一つは景気のかげりから公定歩合の引き下げという方向に非常に走っているように思いますけれども、ただ昔と違いまして、最近の公定歩合というのは国内だけの問題で決定できないという対外的な要素というものが非常に含まれているわけでありますから、下手に金利の引き下げをやった、資金がほかの金利の高い方に動いてしまったから国際収支が赤字になってしまう。いま日本もやっと赤字が、何か月ごとで見れば収支が均衡状態に近づいてきているようでありますけれども、しかし、この前の経験でもありますように、公定歩合の上げ方が諸外国とのうまいタイミングに合わないと、せっかくの均衡も破れてしまって赤字になってしまうということがあるわけであります。  特に最近は、アメリカの方ではむしろ金利が上がってきている。たしか一一%あたりからプライムレートはさらに上がってきている。こういう状態で、たしか上げてきていると思いますけれども、九月の末でしたか、一%ぐらいの引き上げをやっているわけですけれども、そういうことと関連して、同時にまた四ドイツの経済というものが余りうまくいってないというようなことを考えてみますと、必ずしも私は、そうした国際収支と日本の公定歩合の引き下げとの関係というものが果たしていまの段階で安心なのかどうなのか、この辺については一抹の不安を持たざるを得ないし、もしそういうような形で国際収支が悪くなって円安にでもなるということになりますと、最近の物価情勢というものがまた反対の方向に行かないという保証はないわけでありますから、そういう意味ではここの公定歩合の動かし方というものは非常に重要な時期に私は来ていると、こういうふうに思うんです。  そういう点で、対外的に見ていまの時期にもし下げると、下げるとしても一%くらいになるだろうと思いますけれども、あるいは〇・七五%くらいになるかもしれませんけれども、下げるということになりますと、一体そういう国際収支なり為替相場への影響というものはどんなふうになるだろうか、いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それは非常に重要な問題なんです。したがって、この前の公定歩合のときにも——いま国内物価のことは大体見当がつきますが、国際的に高金利のときに公定歩合を下げるということがどういう影響を及ぼすか、非常にこれはやっぱり心配なところであります。ことに預金金利という問題と絡めてまいりますと、いま先生のおっしゃったような問題があるわけでございますから、やはり慎重にそれらの影響というものも考えてやらなきゃならない。ただ、この間は公定歩合下げて円が安くなるんじゃないかという一部に心配がありましたが、それとは逆に円が強くなったということですね。同じことが二回言えるかどうか非常にこれはむずかしい。ただ日本の現在の経済情勢、特に日本の産業というものが非常にりっぱな動きをしており、国際収支、経常収支等がつい最近改善をされてきておるというようなことなども手伝って、やはりこの円のレートというものが安くならないでむしろ高目になってきたんじゃないか、こう見ておるわけであります。  しかしながら、ドイツも公定歩合を今回見送ったと、引き下げを見送ったという裏には、やはりアメリカ等の金利水準という問題も見ておるわけですから、それによって資本の大きな流出ということはドイツにとっても困る。同じようなことは日本についても言えるわけであって、やはりそういうことも一緒に頭の中に入れて考えなければならぬと、そう思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 何か最近は、とにかく外野席から公定歩合を上げろ、下げろ、あるいは景気問題も外野席からいろんな意見が出てきてそれに屈服させられるというようなことが少なくないわけでありまして、そういう点が冷静な判断を必要とするにもかかわらず、冷静な判断なしに力で押しまくられるという例が最近は非常に私は強くなっているというふうに思います。国内の景気問題だけではなくて、最近のやっぱり石油問題などというものももっと慎重に考えていかなければならないわけで、特に石油に弱いということは国際的に定評のある日本の経済、幾らか強くはなっているようでありますけれども、それでもまだ石油には弱い日本経済ということでありますから、ただいたずらに景気のかげりだ景気のかげりだということで公定歩合を下げるというようなことも、もう少しひとつ慎重な立場で臨んでもらわなければいけないんではないだろうかということを特に要望しておきたいと思います。  それから二番目、第二の財政再建の問題に入ってまいりますけれども、財政再建について大蔵大臣の基本的な考え方、これをまずお聞きをしておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 時間の関係もありますから簡潔に申し上げますが、要するに現在は七十一兆円という五十五年度末の国債残高を有する。しかも、これはことしの予算だけで見ると約三分の一近い国債依存度がある。このような状態を継続していくということはもう不可能に近くなってきておるということであります。したがって、一日も早く国債依存度を減らしていきたい、そういう考えであります。  したがって、政府といたしましては、五十六年度予算に向けまして約二兆円程度を目途として国債の減額をやっていこう。そのためには、やはり何といっても経費の節約と冗費の排除ということが必要でありますから、徹底した行財政経費の洗い直しを行う。それでやはり時世に合わした、限りある予算の中での濃淡というものをつけて、めりはりのついた予算を編成していかなければならない。極力抑え込んではいきますが、どうしてもなかなかいまの収入の中では抑え込み切れないというような場合には、やはり高福祉には高負担ということは避けて通れない道でございますから、何らかの国民の適切な負担というものは考えざるを得ない。しかしながら、この経費の節減だけで、それで政府のサービスが下がっても負担増は困る、それでいけるという場合にはそれでいくということで、いま徹底的に経費の見直しをやっておる最中であります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 渡辺大蔵大臣はいままでの大臣より変わって、大衆の中に財政問題を持ち込んできているということは、私はいいことだというふうに思います。お茶の間でわかる財政、お茶の間でも討論できる財政問題ということは非常にいい構想であるし、賛意を表したいと思うんですが、そこで、渡辺大蔵大臣はそういうことの一つの方法として、横浜を初めとする各都市に行きまして財政問題の説明会といいますか、公聴会といいますか、何というふうに言ったらいいかわかりませんけれども、おやりになったようですが、その実績はいまどんなふうになっておりますか。二十三全部おやりになった、そしてその結果はどんな答えが国民から返ってきたか。まあ横浜でやっているのを見ますと、必ずしも国民とは言えなくて、それぞれの自治体の代表だとかあるいは何かそういう団体の代表というので、必ずしも大蔵大臣のねらったお茶の間の議論ということにはならないような感じを、私は横浜の限りでは感じたわけでありますけれども、結論的にはどんな答えが返ってきたか、これは事務局の方でも結構ですから……。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○政府委員(吉野良彦君) 御指摘のいわゆる財政再建問題についてのキャンペーンの事績でございますが、実は八月の二十日から九月五日にかけまして、全国の二十三都市でいわゆる財政金融懇談会というような形でいろいろな催しが行われたわけでございます。  この中には、ただいまま先生がお話しございました横浜で渡辺大臣御自身が御出席の上開かれたものもございます。そのほかに渡辺大臣は八月の末に大阪でも以後お出向きになられまして議論に参加をされていらっしゃるわけでございます。  この財政金融懇談会の中身でございますが、従来はとかくこの懇談会のメンバーはいわゆる経済団体の方々に限られているという傾向があったわけでございますが、今回は特に大臣の御意向も踏まえまして、広く教育界あるいは婦人団体、それからまた労働団体等にも幅を広げて、できるだけ幅広い出席をお願いをすると。それからまた、ところによりましては一般公開というような形で一般の方々の参加もお願いをするというような形で進められたわけでございます。  これはなかなか、計数的に申し上げるのはいかがかと思いますが、この二十三都市で開かれました懇談会への出席者で見ますと、一会場当たり平均でございますが、七十二名というようなことになっておりまして、前年までの大体倍ぐらいに出席者の方々もふえていらっしゃると。それからまた、おおむねこの種の懇談会は大体まあ二時間ぐらいを予定をいたして開かれているわけでございますが、この予定時間を三十分ないし一時間延長せざるを得ないというようなほど熱心な質疑応答があったというふうに考えております。  それらの懇談会での御議論の中身でございますが、これもいろいろな角度から幅広くいろいろなお立場に沿いながらいろんな議論がございましたので、なかなかこれを簡潔にまとめることは困難でございます。ございますが、中には陳情めいたお話もございましたけれども、しかし、大宗といたしましてはやはり現在の財政が置かれている厳しい事情、財政事情の厳しさについてかなり認識を広めていただいたと。それからまた、そのことと関連いたしまして、財政再建ということが国民生活と密接な関連を持って非常に重要なことであるということがかなり一般の方々にも広く御認識をしていただいたと。  それからまた、具体的にそれでは財政再建をどうやって進めていったらいいかというような方策になってまいりますと、これはいろいろ幅広い御議論がございまして、やはりまず行財政の改革によって歳出の削減を図るべきであるというような御意見がかなり多うございますし、それからまた同時に、それにしてもおのずから歳出の削減というものには限界があろうから、その場合にはやはり応分の負担を国民としても覚悟をしていかなければなるまいといったような御意見もあったと。  非常に大ざっぱに申しますと以上のような状況であったというふうに承知をいたしております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 吉野次長、その大体まとめたものはこの委員会に提出していただけますか。  これはやはりわれわれとしてもかなり多くの国民から素直に引き上げた議論だろうと思いますし、その中には恐らくかなり参考になる意見もあると私は思うんです。あるいはいままでの政府のやってきた、特に大蔵省のやってきた財政再建に対する批判的な考え方もかなりその中には当然あると思うんです。これはわれわれとしてもそうした意見をこの場を通じて討議をする、このことも非常に私は重要なことだと思いますから、それは早急にひとつ当委員会に出していただきたいし、委員長もそのようにひとつお取り計らいをいただきたいものだと思いますが、いかがでしょう。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○政府委員(吉野良彦君) いわば役所として公式に取りまとめたというものは実はないわけでございますが、御案内のように大蔵省でいわゆる広報誌といたしまして「ファイナンス」という雑誌を毎月発行さしていただいておりますが、たまたまこの「ファイナンス」の十月号に「財政金融懇談会特集」という形で、この「ファイナンス」という雑誌に、どこまでただいま先生の御指摘になった御要望にこたえられるか必ずしも自信はございませんが、一応要領よくまとめたものが掲載をされてございますので、その「ファイナンス」の一部分を御提出をさしていただければありがたいと、かように存じます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 「ファイナンス」というのは、これは大蔵省サイドで編集をされているわけでありまして、まあ前々から若干、「ファイナンス」というのはそのまま読んでそのとおり受け取っていいものかどうなのか当委員会でも議論になったことがかつてあります。そういう意味で、できたらその編集しない前の、生の声が載ってるようなものをひとつ出していただけたらその方がいいと、その方が財政金融懇談会の趣旨にも私は合っていると思いますから、そういうふうな「ファイナンス」にまとめるということになるとかなり集約したものになってしまっていると思いますから、なるべくそのままのものをひとつ出していただきたいと私は思うんです。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○政府委員(吉野良彦君) できるだけ御要望に沿うように、中で相談をいたしまして工夫をしてみたいと存じます。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 両面という質問があるわけでありますが、大体どこへ行っても似たような質問が多いんですよ。まあ意見とか、その主なるものは、私が出たところなんかを見ると、一つは財政の問題についてよくわかったと、しかし、こんなにでっかい借金ができるんならその前に何でもっと早く知らしてくれなかったんだというようなのもありますよ。それから、行政改革を徹底的にやって、それで経費を極端に削減をしろと、人員整理までやれみたいな勇気のあるのもあります。それから早い話が、何といいますか、物価にもっと重点を置いて、立場立場でみんな違うわけですから、物価をやっぱり最優先で考えてもらいたいとか、ある程度の国民の負担はまあ仕方がないというふうなのもありますし、それから不公正の税制をもっと切り込んで直してくれというようなのもございますし、まあいろんな各界各層の人が出ておりますから、中にはもうかなりその地域の陳情——財政再建と別なような話ですな、飛行場をつくってもらいたいとか、やれどうこうしてくれとかいうのもあれば、公共事業減らしたっていいんじゃないかというのもあれば、いろいろそれぞれの界の代表者ですから、自分の立場を代表するような御意見であったと。大体そういうようなものが柱で、そのほかまあいろいろございますが、そんなのが共通したものとしてあったということをこの際御報告いたします。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 財政再建に対して国民は、どうも本当の意味で財政再建をやろうとしているのかどうなのか、これは非常に疑問持っているわけですね。たとえば経団連の専務の奥原さんなんかも、彼の書いたものを読むと、財政再建を盛んに言ってるけれども、結局返ってくるものは、増税かインフレかの選択しか国民には与えられていないだろうというようなことすら書いているわけですね。まあ言うならば、政府・自民党の一番身近な人ですらこの財政再建については信頼していないと、こういうふうに言ってもいいと思いますね。そのぐらい強いことを言ってるわけでありますから、国民としてはもう全く、財政再建というのは一体どんなふうにやっていくんだろうかと、まあ初めてのことでもありますけれども、政府として、大蔵省でも同じでありますけれども、この財政再建はただ増税とか、ただ口だけの合理化だとか口だけの行政改革ということじゃなくて、具体的にどういう手順でやっていくのか、これをはっきりしてくれないと、何だ、がたがた騒いで結局は国民に増税を押しつけるのか、こういうことしか出てこないと思うんですよね。  ですから、本当に財政再建やると言うならば、そのプログラムあるいは手順、こうしたものを明確に国民に示して、その手順に従って徹底的にやっていくということでないと、国民からの信頼を私はかち取れないだろう、こう思うんですが、どうですか、大臣。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、ことしの夏からやはり徹底的な合理化、見直しというものをやるということでやってきておるわけですが、たまたま財政審等から、要するに何といいますか、二兆円国債を減額するということになると、四兆円ぐらいの自然増収があっても歳出伸び率はゼロぐらいになっちゃう。もし伸び率ゼロというような場合はどういうふうな矛盾が起きるかというものを、それぞれの各省で重立ったものについて例示的に出してみたらどうかというような意見があって、それであのいわゆるゼロリストというものを出したわけです。  ところが、これはよく考えてみれば、ことしと同じだけの予算は出しますよと、一般歳出では。ところが、それだけでもけしからぬけしからぬという話なわけですね。現実の問題としては、一般国民はもっと経費を切り込め、ことしと同じだけでなくてもっと切り込めと言う人あるわけですよ。だから非常に厳しいものである、その覚悟はしてもらわぬとできないのであって、われわれとしてはまず経費の切り込みというものを思い切ってやって、どこまで切り込めるか、それをちゃんとつかまえた後において、そうして全部切り込めればもうそれでいいと。切り込めない場合は、経費が賄えなければ、財源がなければ賄えないわけですから、財源をどういうふうにするかという具体的なものはその後でなければ出てこないわけです。  ですから、いまのところは要するに徹底した経費の切り込み、合理化、節減というものをまず第一番目に目下作業をしておる最中でございますが、いずれそれができ上がってまいりますと、どういうふうに対処するかということについては、当然予算編成と同じくある程度の見通しについてもそれを提示をして皆さんの御理解を得たい、こう考えておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 何かいまゼロリストのことを大臣おっしゃっているんですが、あのゼロリストぐらい国民をばかにしたものはないと思うんですよね。伸ばさなくなったらどうなるのか各省で書いてこい、各省じゃとにかくゼロじゃ困るような書き方をしてきますよね。たとえば、住宅金融公庫の五・五%のを一一・一%ですか何かになっちゃうだとか、教科書についてはどれだけはやれるけれどもどれだけはやれないという、まさに非現実的なものを並べさしているでしょう。自衛隊の燃料費のところの問題も同じですよ。  あれをまとめたのは大蔵省がまとめたんでしょう、紙は。意見は全部各省庁でしょう。こんなものをやらして大蔵省のスクリーンを通したものかと言ったら、大蔵省のスクリーンを通ってないでしょう、何も。あれ通っているんですか。たとえば、いま私の挙げたような問題は、大蔵省の担当主計官はその省庁のことについてはある程度わかるでしょう、いままでやってきておるんだから。これは現実的なのか現実的でないのか、そのぐらいの判断はできると思うんです。ただそれを並べて、各省庁が出してきたものを並べただけで、これがゼロリストでございますと。あれはせっかく金と人間をかけて、幾らかかったか知りませんけれども、まさに冗費の最大たるものですよ、ゼロリストは。だれも信用していませんよ。新聞だってそうでしょう、自民党さんでさえあれ信用しちゃいないでしょう。  だから、本当にそういうことをやるなら、大蔵省なら大蔵省の立場というもののスクリーンを一回通したものでゼロリストをつくるのならわかりますよ。結局あれは大蔵省がつくったものというふうに国民は見ていると思うんです。細かいことはわかりませんから。何てくだらないものをつくったんだろう、金が足りなくて困るというときに人件費と金をかけて、何てこんなつまらないものをつくったろうというのが私は国民の批判だと思うんです。だからあのゼロリストをせっかくつくってやったけれども、大蔵省のスクリーンを全然通ってないということですよ。そんなものはだれが信じますか。だから、あれはただ国民に対するおどしだとか、増税以外にはないだろうとかという世論誘導にしか使ってないという不信がもうあるんじゃないですか。  そういうことに対する反省をしてもらわなければ、国民はますます財政再建に対して協力しなくなる。大蔵省の言っていることは何言っているかわけがわからぬ。しかも、いろんな内部のことは全然あれでしょう、国民に知らしてないでしょう。あなたは国民に、教えてくださいとか理解してくださいということを盛んに言っているでしょう、あらゆるところで。理解できるようにわれわれに情報公開していますか。ちっともしてないじゃないですか。一般会計だけじゃこれはだめですわな。特別会計の問題もあるでしょう、政府関係機関の関係もあるでしょう、特殊法人のこともあるでしょう。こういう特殊法人や特別会計やなどのことは国民には全然わからぬ。現実にそうでしょう、財政投融資の計画の問題だって、国会に詳しいものを出したことはないでしょう。そういうことで国民にわかれわかれ、さあ経済再建だ、むだは省きましょう、増税には協力してくれと言って、いまのような大蔵省のやり方で国民は協力できますか。もっと役所の内部の冗費のところを出したらどうですか、はっきり。自分たちのことは出さない、人のことは出すけれども自分たちのことは出さない、こういうあり方というものでは私は財政再建はできないと思うんです。  もっと大蔵省が国民に対して、いままで知らせなかったような、あるいはいままで疑問に思っていたようなことをもっと公開していく、財政の仕組みをもっと一般会計だけじゃなくてほかの会計をも含めてはっきりさせていく、そういう体制を私は渡辺さんに期待をしている。それでこそお茶の間で議論ができるんです。二十三回おやりになって何を説明されたか知りませんけれども、まあ「歳出百科」という本を持ち歩いたようでもあります。あるいはこのダイジェスト版、色のついたのを持ち歩いたようでもある。それ以上のことはないわけです。そういうことで本当に、私どもはまず冗費の節約をやっております。私どもは経費の節減をやっておりますと、国民は信じっこないですよ。国民の頭に焼きつけられているのは、役人というのは親方日の丸なんだというやつがまずぼんときている。それで後、こう言ったところで私は信頼されぬと思うんです。  そういう点で、もっとどうなんですか、渡辺大臣はそういう意味じゃ大蔵省出身じゃないから非常に私はその点は買っているわけです。もっと内部のものを国民の前に提供したらどうですか、情報を提供したらどうですか。それが、あなたが国民から知恵をいただきたい、国民にわかっていただきたいということじゃないですか。何にも見せないで、わかっていただきたい、知恵をかしてくださいと言ったって、わかりっこないですよ、そんなもの。  とにかく、財政の仕組みなんというのは率直に言ってむずかしいんです。一般の国民に。それなのに何にも説明を示さないでやるということについては、これ問題あるんじゃないですか。  私は、財政再建の手順というのはそういうことを言っているんです。本当に国民にわかるようにやったら私は国民は協力すると思うんですよ、自分の国ですからね。何とか平和に、何とか暮らしも安心してできるような、そういうことを望んでいるんですからね。いまのようじゃ知恵の出しようないですよ。こういうやり方についてどうですか、大蔵大臣、もう少し国民にわかるように材料を提供していく、そういう意思はございませんか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はわかりやすく話しているんですよ。ですからね、「歳出百科」なども出していると。しかし、これもかなり評判はいい。まあ御批判なさる方もありますよ、ありますが、学者先生などからは大変重宝でいいやというおほめの言葉がいっぱいありますよ。一般の人からもございます。  それから、この「財政再建を考える」というパンフレットにいたしましても、ちょっとむずかし過ぎると。これでも私言っているんですがね、漫画でも入れてもう少し砕けてもいいんじゃないかと言っているんですが、やはりこれによって何でその国債というものができたのか、どこに使われたのかということがよくわかる、外国との比較もわかる、負担の水準の比較もわかる。それでおほめの人の方が圧倒的に多いですな、私のところへ来る人は。  それから、このゼロリストの問題でございますがね、表現がともかく現実的でないと、これはまさにそういう御指摘がございます。しかしながら、予算を増額しないと、たとえば、要するに公務員のベースアップはできませんよと、あるいは小中学校の先生のベースアップも予算を増額しなければ二分の一負担はできませんよと。しかるに二十九万人も生徒がふえるんですから、いまの基準でいっても先住は一万人ふやさなければならないという状態にございますと。二万人ふやすどころか、それはできないし、ベースアップもできないんだ。中でやりくりしろ、文部省の中でやりくりしろと言ったって、そんな莫大な金は文部省の中にないですね、これ実際問題として。  ですから、そういうようなことで、同じだけの予算規模というものは、あの中でどこかを切ってそういうもので足りないところをふやすわけですから、今度は。切られなくたって怒るんですから、切られる人はもっと怒りますわな。これはもっと怒る。ですから、やっぱり一遍はああいうものが出ることは差し支えないんじゃないかと、そういう面で非常に関心を持ってもらったという効果はああるじゃないか。そのかわり、大蔵省はともかく機械的にやってけしからぬと、どこかばっさり切ってその切ったやつをこっちヘ乗っけてというものを出せというんでありますが、それは予算の段階で出すわけですから、その過程においてもし動かさなければそういうことになるから、どこかを今度は減らすわけですから、逆に。減らしたものが出てこなければ騒ぎになりませんが、ばさばさ切ればさばさ切れと言うけれども、ばさばさどこを切るのか非常にむずかしい問題がありますが、あえてこれはかなり思い切ったことをやらざるを得ない。  その結果が、いま先生がおっしゃったように、どこかが沈んでどこかがふえるというものも出てくるということにもなるでしょう。どれぐらい切り込めるかと、切り込める範囲で埋めるわけですから。どうしてもこれ以上これは国民のコンセンサスが得られない、そんなに切ったんでは、というものについては新たな負担をお願いする以外にない。何かそれらについていい道があったらば教えていただきたいということを言っているわけでございますから、そのように御理解をひとついただきたいと存じます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 もう少し時間を本当はいただいて、この辺からもう少しいろいろ補助金の問題とかあるいは行政改革のやり方、こうした問題に入りたいと思っていたんですが、もう私の時間あと二分くらいしか与えられておりませんので、またひとつ委員長にこういう機会をつくっていただくことにしたいと思いますけれども、一問だけ聞いて、あとたくさん聞きたいことがあるんですが、終わりたいと思うんです。  全銀協ですか、この方から国債の引き受け、前には一兆円ことしは割り当てを減らしてくれと、今度は二兆円減らしてくれという話が来ているわけでありますけれども、もしそれでぐあいが悪かったら資金運用部の方でそれを引き受けてくれればいいじゃないか、そっちの方へ郵貯を通じて大変金が行っているからいいじゃないかと、こういうお話でありますけれども、これはどんなふうに財政当局では考えていらっしゃるんですか。その二兆円減額をして、国債発行を二兆円減額してその分を全部シ団の割り当てを減らせば要望どおりになるということでありますが、どうなんですか、これはそのとおりいきますか。

渡辺喜一大蔵省理財局長

○政府委員(渡辺喜一君) 特にシ団の中でも金融シ団関係からお話しのように総枠として二兆円の減額をやってくれと、それからシ団引き受けについては二兆円以上、つまり来年度のシ団の引受額を七兆円を切ると、六兆円台にしてくれというふうな要望が出ておるわけでございます。  今年度のシ団の引き受けが九兆ちょっと上回るという程度でございますので、七兆円を切るということは二兆をちょっと上回る程度の減額をシ団引き受けについてはやってくれと、こういうことだろうと思います。  先ほど来大臣から御答弁申し上げましたように、来年度の予算編成につきましては国債の発行枠を二兆円程度減額ということをめどにいま努力をしておるところでございますが、シ団の引き受けをどうするかという点につきましては、これは今後の金融情勢、金融機関の資金事情というものがどういうふうに進展していくか、それからまた一方、運用部の持っております重大な機能である財政投融資、これについての資金事情それから資金需要、こういうものがどういうふうに進展していくか、それらを総合的に勘案してこの予算編成の過程の中で考えていきたい。もちろんそれを決めるにつきましてはシ団とも十分協議をして納得のいく形で決めていきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 重ねてその点でお伺いしますけれども、シ団の方を減らせば資金運用部の方をふやせばいいじゃないかという考え方がありますね。現にいままでも資金運用部で大蔵省の方も引き受けしたり、心中のものを買い上げたりしておりますね。郵便貯金がふえているからそういうことができるのかどうか知りませんけれども。しかし、こういう方向というのは、私は資金運用部の将来に非常に過ちを引き出すと思うんですね。ですから、そのシ団が引き受けないからそれを直ちに資金運用部で引き受けりゃ、それでつじつまが合うじゃないかというようなことはなさらない方がいい。やっぱりもう少し、資金運用部というものは一体どういう役割りをしているのか、こういうことをもう一回徹底的に考え直して、その上に立ってこれは計画してもらわないと、安易に資金運用部に金が余っているからこれで買わせればいいじゃないかということになると私は大変だと思って、これについては十分ひとつ御検討の上やっていただきたいということを特に要望して、私の質問を終わりたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 大変いい意見でございますから、十分に検討さしていただきます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 引き続いて経済、税制問題などを通告をしてあるんですが、その前に、昨日の参議院決算委員会で東京信用金庫問題をめぐって幾つかの論議があったようでございますので、私は昭和五十二年の五月二十六日、五十三年の七月六日の決算、五十四年の五月二十二日、実は三回にわたって昨日御論議があったような問題をつぶさに委員会で取り上げて質問を展開をしてきたわけであります。ところが、その都度大蔵省なり警察庁なりは、調査をして善処すると答弁をされてずっときたわけです。しかし、それが一向に改められない結果、昨日の決算委員会というような形になったんだろうと実は思います。  私は視点を変えて、金庫全体の責任問題をきょうは問いたいのでありますが、大蔵省OBがここに天下って現在理事長をされているわけであります。その人を云々するわけではありませんが、そういう体制にあるわけです。また、元銀行局長や幹部などとのつながりもかなり深くて壁掛けが贈られたとか、いろいろの資料を私は入手をしていますが、そういうことをきょう問題にしようと実は思っておるわけじゃありませんけれども、ともあれそういうつながりがある。それから、これはきょうの新聞にも出ていましたが、お祝い金が出た、出ないというような問題もある。これも証拠書類はある。それからまた、現大蔵大臣が、いまの立場でではなくて政治家としての献金問題などもあった模様である。  こういうことを考えてみますと、大蔵省はこの金庫に対する監督、検査に手心を加えてきたので  はないかという疑問をずっと私は持ち続けたから、大蔵委員会で善処を要望するために過去三回にわたって実は真摯に取り上げてきていたつもりなんです。で、こういう疑惑というものについてはやっぱり一掃されるような努力がまずあってしかるべきだと、こう思うんですが、新大蔵大臣にまず姿勢を伺いたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 大蔵省は信用金庫の監督者でありますから、私はやはり厳正に監査をして金庫の健全性というものを確保し預金者の保護もしなきゃならぬ、一方、中小企業者へのいろんな金融を通しての中小企業者の発展のための助言もしていかなきゃならぬ、そういう二つの面があろうかと存じます。  たまたま私の名前もいま出されましたが、私は十何年か前に、当時商業ベースで約一億円前後の融資について紹介したことあるんです。その次は二億五千万円程度の、できたばかりの工場を担保にそいつが成立したということであって、それ以降数年たってからかなり増額の融資が行われたというんでありますが、私は一切タッチをしていないんです。商業ベースの——調べりゃ証拠ははっきりわかっている。そういうようなことでありまして、何らそれ以上の問題ありません。  たまたまこの四十八年かなんかに、きのう御指摘のような、私の関係している政治団体が今度は金庫の方から政治資金を受け取ったということも事実でございます。私は当然大蔵委員でもないし、出時大蔵大臣でもないしするので、そういうふうな不良な貸し付けが部分的にあったかもわからぬが、そんなことまで私わからぬわけですから、きょうも赤旗の紹介欄を私は読んだんだが、非常に大きな全国で十何位の銀行だと書いてある程度の、その程度の認識しか私はなかったわけであります。したがって、たまたま大蔵大臣になるんだったら受け取らない方がよかったんですが、なるつもりもなくってそれでお受け取りしたんですが、そういうことでもらって、関係団体であっても献金を受けておること自体が何か公正を欠くみたく思われるんでは困るから、それはお返ししなさいということで返してもらいたいということを頼んでおきました。したがって、私といたしましてはどこの銀行であろうと厳正公平にそれは指導監督をしてまいりたい、さように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ところで、この東京信金というのは御存じのとおり決算承認金庫なんですが、これが昨年、ことしと検査が実施されていないわけでしょう。これはどういうわけですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 金融機関の検査は、その金融機関の種類によって若干違いますが、大体一定のインターバルがございまして、二年または三年、必ずしもそう機械的にやっておるわけではございませんけれども、当金庫につきましてはまだその周期が現在まで来てないということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 五十四年の五月二十二日の大蔵委員会で、私は東京信金は官庁欺罔工作をしていると指摘をして、そして銀行局長に文書があれば再調査したいと答弁をさせているわけです。そのとき私は証拠を持っていた。いまもこの証拠はある。不良融資をして、しかもそれを大蔵省の検査の目をごまかすために担保があったように見せかけている。大蔵省もそんな単純な工作に実はだまされてしまった。だれが考えてもあのとき問題にしました清和産業という倒産会社、あるいは倒産寸前のミキ通商に十億円もの担保を肩がわりして差し入れるなどということは考えられないわけですよ。そのことを私はあのとき申し上げておいたわけです。しかも、この二つの会社は、経営者は事実上同じで名うての金融詐欺師的な者である。検査官がそんなことがわからずにだまされたということは、私にはとうてい考えられないわけです。検査にはやっぱり手心が加えられていたのではないだろうか。  で、その文書を読み返してみたんですね。特に当時の清水品専務が書かれた経過の文書です。そうすると、三番目に大変重要なことが書いてあるんですよ。「当時、西社との取引内容について警視庁らの捜査を受けていたし、又管財の検査も迫っていた為、一時第三者からでも両社の為に担保の提供を受けて債券保全の形態を整え、検査の体を交わすと共に」、検査から何か逃れるとともに、「その筋の捜査の内容を知り将来の見通しをたてるよう、善処する必要があった。」こういうような文章にずうっとなっていまして、当時の浅野理事長から三好建設不動産株式会社代表取締役に確認書が提出をされているんですが、この書類の捜査をめぐりまして、「尚担保設定の手続を実行したのは十月十二日か十三日頃であったが、書類上は五月と七月に遡って作成した。」署名、捺印。これが専務の文書、自筆のものです。  これはもう明確に一つの証拠なんだからここを調査をしなさいと言ったら、調査をしてそして善処する、こうなっておったまま大蔵省は——まあ私も改選期に入りましたからあれでしたが、ナシのつぶてであった、こういう状態なんですが、どうなっているんですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御指摘の清和産業に関する貸し出しに関連しました三好建設不動産の担保差し入れのお話かと思いますが、これにつきましては、検査当時におきましては金庫側から御指摘のございました担保差し入れ日の遡反及び確認書の存在というものについて何ら説明がなかったわけでございます。  その後、先生の御指摘もございまして調査いたしましたが、遡及ということは事実のようでございますし、確認書、これはいろいろ議論がございまして、何度か確認書というものが書きかえられておるというようなことも事実としてあるようでございますが、いずれにせよそういった事実は私どもも調べられる範囲で調べて把握しております。これが検査欺罔かどうかという問題になりますと、当時やっておりましたのがいま御指摘があったかと思いますが、清水という元専務で、この人はもう退職しておるというようなこともあり、行為時から五年経過しておるというようなこともありまして、故意の存在を確認するには至りませんでしたけれども、いずれにせよそういう事実があったということは確認しております。  で、そういたしますと、検査時においてその説明が不十分かつ不正確であったということは否めないというふうに考えますので、信用金庫として適当な行為ではないというふうに考えまして、適正に指導してまいりたいと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうなってきますと、大蔵省の検査を欺罔するために日付の書きかえや遡及やいろいろなことをやっているわけでありますから、これは明確に信用金庫法第九十条に違反をする。「一年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金」にも当たるわけでありますが、これは警察庁、社会的に非常に重要な問題ですし、もう時効が迫っている、時効前後にあるわけでありまして、どういうふうに対処されますか。またこれは当時の理事長——現会長の責任というのはもう免れないことだけはいまの銀行局長の答弁で明らかでありますが、どういうことになりますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 先ほど申しましたように、何分五年も経過した事項でございますので、当時の複雑な事実関係を詳細正確に把握するということは非常に困難でございまして、そういった意味で故意の存在の認定も含めまして、必ずしも一〇〇%現在の段階で事態を把握するわけにはいかないという状態でございます。  そういう意味で、検査時の金庫の行為が信金法の九十条違反だと断定することは、私どもとしては断定するに至っていないという状態でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 五十四年の五月ですから、もう一年以上も前に私はこの問題は提起しているわけです。そして時効がこういう形でもってやってくるような時期に断定する、しないのことをいまごろ言われておっても非常に困るわけです。  ということは、警察庁から出席をされていた小林朴局長は、第一義的には大蔵省がこの犯罪というものをどういうふうに定義をするか、それを受けて私たちの出番であるから、それが出てきたならば真剣にやりますと、こういうことになっていると同時に、当時の小林局長の答弁を引用すれば、一般論としてはこれはもう事実関係を調べながら警察庁としても処理をしなければならぬと、こう答えているわけですね。警察庁どうです。

漆間英治警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(漆間英治君) 私警察庁の捜査二課長でありますけれども、きょうお呼びを受けた件というのは別の件であるというふうに承知をいたしておりまして、ただいまの件で御質問があるというふうに承知いたしておらなかったものですから、その関係は調べておりません。したがいまして、責任のある答弁ができませんことを御容赦願いたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いまの私と銀行局長とのやりとりを聞いていて、一般論としてどう考えられますか。

漆間英治警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(漆間英治君) もう少し事実関係が煮詰まらなければ判断ができないと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いま言われているように、時効かどうかすれすれのところに私はあると思うんです。これは私の素人の考え方ですが。したがって、ここのところは早急にあなたの方ででも捜査をされないと、安易に——私の方はもう何も一年前にやっただけじゃないんですからね、その二年ぐらい前からこれはずっと何回かやってきているわけです。大体私は金融問題を一遍で片づけたことはないのでありまして、大光相互銀行の問題だって御存じのとおり、私は本委員会でもって五年がかりでもってあの結着、しかも一番最初に五年前に私が言ったとおりの結論が五年後に出たんですよ。その間にあなた方の怠慢があって、ずっと調査を延ばされてきて返答がもらえなくて、結果的にああなったわけです。もうこれはぎりぎりのところに来ていますからね、ここの部分だけは明らかにしてもらいたい。

漆間英治警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(漆間英治君) 事柄の中身、私よく承知いたしておりませんので一律な判断は避けたいと思いますけれども、ただいまお聞きしている限りで判断をいたしますと、どうも信用金庫法の違反の問題ではないかというような感じがするわけですが、それは私の実は守備範囲ではないのでありまして、その内容についてよく存じておりません。しかし、事柄の性質上、信用金庫法の運用に関する問題でありますから、これはやはりまず当該監督行政庁である大蔵省の判断が先行し、その調査の結果、犯罪に該当する事実があるとすれば当然告発がございましょうから、それを受けて警察がこれを捜査するというのが私はたてまえであるというふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 局長が地方行政委員会へ行っていらっしゃるというから、課長できょうがまんしたんですけれども、そういう答弁になるのなら局長に来てもらわなければならぬわけですけれども……。  まあこれを受けて大蔵大臣、やっぱりこの問題について大蔵大臣として見解をちょっと述べていただきたい。銀行局長、急いでもらわなければ困るわけでね、ずるずるいくんじゃ困るわけですよ、これは。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は素人ですから、局長も知らぬことは私にもなおわからない、実際。いま初めて聞きまして、後でよく聞いてみます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 さっき大臣の答弁があったんですが、私は大臣が触れられたからあえてちょっと触れておきたいんですがね。  この東京信金が大臣の関係の日研製薬に融資をされた——大臣の関係のと言っていいのか、よく知らぬが、おいごさんか何かが会計をやっておられたか、なんかいらっしゃった。それはもう昔から指摘をしているところですが、四十四年七月十九日に実はこの会社が薬事法で違反に問われたんですよ。このことは新聞にずっと出たわけです。天下に公表されたわけですね、報道された。ところがその後に、確認をしておきたいんですが、いま大臣の答弁によれば融資のあっせんはされていないと言われるんですが、その後にもやっぱり大臣は融資あっせんのための話をやられて、浅野理事長か何かとやられて、そして担保不足が四千四百万円生じるという結果を生むところのそういう融資が引き継がれる。金庫当局は大蔵から天下って行った皆さんを中心としながら、この融資というのはこの辺で打ち切らなきゃならぬというふうな論議があったけれども、そういう形になったと、こういうふうにわれわれの調査結果はなっているわけですが、こういうことはなかったということになりますか、さっきの御答弁では。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ともかく十年以上前の話ですからね、私はいまここで正確な前後関係というものはよく断定できませんが、要するに担保を入れなければ融資できないということで、できたばかりの工場を——どこでしたか、三鷹か中野か、どっかその辺の工場を担保に入れて、それで適正な商談といいますかね、契約ができたということは知っています。それ以後になって、それが違反事件の後か先か、私よく記憶がはっきりしませんが、恐らく後かもしらぬし、先かもしらぬし、その前後かもしれない。しかし、いずれにしても私が紹介したときにはそんな大きな話じゃないんです。私がもう手を引いて五年も六年も過ぎてから経営者も全部変わっちゃって、それからだんだんだんだんでかくなったと。大体その会社がいままで生きていたかどうかも私も知らない、最近になってからね。だから、そんなこともあったかなということで、私はタッチしておりませんから、十年以上。ですから、私が口をきいてどんどんふくらましたというようなことは絶対にないです。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで銀行局長ね、日研製薬への融資以外にも数多くの不良融資があることを私は指摘をずっとしてきました。一々言いませんがね、エヌエスシー、ミキ通商、清和産業、株式会社松本あるいは太田興産、フェアレーンズ、北斗、平和観光以下まあ幾つかありましたよ。これらたくさんのところの不良融資の処理や償却状態というのはその後どうなったんですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) それぞれ検査の都度、分類資産のフォローアップというのは行いまして現状を把握しております。ただ、個別の検査の結果になりますので、答弁は御容赦願いたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 後で聞かしてもらいましょう。  そこで、これも言えないと言えばそれまでですが、松井産業への融資が四億九百万円焦げついてましたがね、これはどうなったんですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) その点も同じ理由で御容赦願います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうこう言っていらっしゃるとあれになりますよ。そのうちに一遍ゆっくりここのところを聞かしてもらってから再質問いたしますがね。  五十五年度の上期の仮決算は新規延滞が約四十億円も発生しておりますね。経常収支段階で赤字になると私は思うんですが、これまでから余りにも不良債権が多くて赤字転落の危険性があるということを、私はまあそういうふうに素人なりに思ったもんですから何回か指摘をしてきましたが、その後、経営というのはかえってずっとやっぱり悪化をしてきていると思われるんです。大蔵省の指導方針、これどうだったんですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御承知のように、たびたびここ数年の間に検査をいたしまして、検査の結果に基づきましてそれぞれしかるべき指示、処置というものをとってまいったわけでございます。  ただ、現状におきまして著しく赤字になるというような現状ではないということを申し上げておきます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この問題で最後で述べておきますが、私はこれまで繰り返し東京信金の問題を取り上げてきたのは、社会の公器である金融機関の経営が乱脈である。その原因はどうも浅野会長が金庫を私物化しているように客観的に考えられる。ところが、その責任がどうも明らかにされない。で、大蔵省も経営責任を問うてはこなかったように思われる。それが今日の事態に至らしめているというふうに考えられるんですが、これは大臣、経営責任についてやっぱり明確に調査、追及をされる必要があると思いますが、いかがですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 浅野会長につきましては、かつて理事長であったわけですが、検査の結果の責任ということもございまして、五十二年の十二月に会長ということになっております。その後五十三年一月、五十四年二月とそれぞれ検査をいたしております。検査の結果については一々申し上げませんが、その都度会長である浅野さんについてもしかるべき措置をとっております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 しかるべき措置といいますと……。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) これは個別の話でございますのでお許し願いたいわけですが、金銭上の処分をしておるということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大臣、これはお聞きになったとおりでありまして、金銭的にどういう形で、浅野さんはどういうふうにしたというふうなことも調査は上がっていますけれども、いまの大蔵省から行っていらっしゃる理事長は全くつんぼさじきに置かれながら経営運営が行われている、そして疑惑を呼ぶようなたくさんのことが出てくる。こういう状態の中でやはり代表権を持ったまま会長で前理事長いらっしゃるわけですけれども、この辺についてもやはりもう明確にしなきゃならぬときが来ているんじゃないだろうか。金銭返したからいいというような形のもので推移していくという筋合いのものじゃないだろう。したがって、大臣この辺は、就任をされたあれですが、一遍十分に事情を調査をされて厳正な処置を対応としてやるべきだと思うんですが、いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、大臣として個別案件には余り関与しない。それはやはり事務当局が厳正に関与するものだと、そう思っております。責任の問題は、大蔵省としてはそれぞれの検査の結果に基づいて責任はとるべきものはとらしてきたという報告を聞いておりますから、それで済んでおるものと考えます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 新しい疑惑が生じていますし、先ほど来論議をしたように、決して五十四年の五月段階で指摘をした問題について私は結論が出ているとは思いません。まだ結論が出ていないと、こう言っているわけですから。したがって、結論を出すべき指導というのは、あなたが大臣として責任ある立場にあるんですから、事務当局に任せきりであって、安易にこう時効が成立するのを待っているという態度じゃいかぬわけですから、そこのところを申し上げているわけです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) よく調査をいたしてみます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 銀行局長、何遍も調査調査でもって済まされていったんではいけませんから、これはっきりしてください。よろしいですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) この二、三カ月、さっき御指摘のございました点についてもかなり精力的に調査しました結果、現状ではさっき申し上げたようなことで、まだ最終的にわからない点もございますけれども、現状でわかるだけのことは調べておるというつもりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それだから、そこのわからないと言われる部分についてやっぱり調査を急がれると、このことを強く希望しておきます。後ほどまたあれしますけれども……。  次に、群馬県の吾妻信用組合に関連する問題であります。この信用組合は略称吾信と言われるのですが、一組合員が嬬恋支店の元支店長を業務上横領、私文書偽造で告訴している事件がいまあるわけです。この組合員は、ほかに同元支店長を約一億四千六百万円の背任で告発していたのですが、これは時効で取り下げています。またこの事件に関連して、この組合員は五千万の預金払戻請求の訴訟を起こしている。一方、同信用組合の側では、この組合員に対して七千七百三十五万の貸し金の請求の訴訟を起こしている。この事件は昭和四十六年から五十一年にかけてのものであります。  で、九月三十日と十月二日に群馬県議会でこの問題が問題になっていまして、私は新聞で克明に読みましたし、後ほど速記録をもらって読ましてもらいましたが、境野という群馬県議会議員が次のように質問しているわけですね。吾妻信用組合嬬恋支店で、A氏——これは安斉さんという元支店長が、支店長当時にずさんな預金貸し付け、返済業務が行われ、T氏——これは戸部さんという人、全く覚えがない一億四千八百十万円の貸し付けがあるとされた。私の調べでも同支店では預金払戻請求書には印鑑がなかったり三文判が押してあったり、勝手に預金が引き出されていた事実がある。また約束手形を二重に書かせて、二枚分の返済をさせて金を二重取りした事実もある。T氏は四十五年から自分名義の預金通帳の交付を求めたが、同支店はがんとして応ぜず、その結果五年間も不正が隠されていた。こうした事実は私も調査をしましたが、確認をいたしました。  私の調べでも、預金管理、手形管理など全くずさんきわまりない状態であります。もう白紙に印を押させて出させているというのはいっぱいあるわけでありましてね。県は四十九年十一月と五十一年六月の二回にこの信用組合を検査した。その際の現物検査の臨店舗の対象に嬬恋支店が入っている。このずさんな業務管理についての報告を県からは受けていらっしゃいますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 信用組合でございますので、第一義的には県当局ということになります。  この問題につきましては、群馬県の県当局から説明を受けておりますが、まあ御指摘のございました吾妻信用組合の元嬬恋支店長の融資に係る問題というような件につきまして、かなり安易かつずさんな貸し出しがある、あるいはまた貸し出しあるいは預貯金取扱業務について十分な管理、プロセスというものがなされていなかったというようなことのようでございますが、現在いろいろなこの案件についての訴訟問題が発展しておるようでございますし、両者の意見も食い違っておるというようなところも多々あるようでございますので、県の方でも訴訟中の事項については、なお訴訟の進行によって事実を確認したいという態度であるというふうに聞いております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、県の商工労働部長が県議会で、県は二回の検査で、同支店の安易かつずさんな貸し付けは知っていた。四十九年以前に安易かつずさんな貸し付けがあったと認めているわけですね。この事実はどういうことでしょうかね、どういうふうに確認したらいいんですかね。安易かつずさんな貸し付けということを県は認めた。認めているからには、それに対する改善、それに対する責任を明らかにすべきであると私はまあ考えるわけですがね。そういうことでいいですか。そういうことでしょうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 実は私も必ずしも正確かつ詳細にこの問題存じておりませんが、安易かつずさんな貸付業務というのは、かなりの期間にわたって無稟議あるいは名義貸しあるいは無担保貸し付けというようなことが、この元嬬恋支店長によって行われたということが県の検査で発見されておるということを言ったんだと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 県は安易かつずさんな貸し付けについて、いま言われたような形で恐らく理解をして知っていた。預金の処理についてもずさんきわまりないものであると、これはもう驚くべきものですがね、書類ずっと見てみますと。まず預金の通帳が発行されていない。そして戸部氏に白紙の預金支払い請求書に印を押させて、それを数千枚支店長の手元に提出させている。支払い請求書の中には三文判どころか印鑑を押していないものまであるんですね。一般論としてこのような預金管理は認められないでしょう。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 信用秩序の維持を行っております金融機関として、もしそういうことがあればはなはだ遺憾であると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それで、これが認められないとすると、この責任というのはどこにありますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) まず第一義的には当該元支店長の支店全体に対する事務管理の問題及び融資判断の問題等になると思います。で、その際、あわせましてこの信用組合自体の内部監査というものがどういうふうになっておったのか、この辺も調べてみる必要があるように思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私もそう思うんです。信用組合の内部監査というのは大変不徹底であるというようなことで、この辺はそれは大蔵省、直接的信用組合の問題ですからどういう形のことをやられるあれがあるのかはよくわかりませんけれども、県を通じてやっぱり十分に過去にさかのぼって指導をする必要がある、そう思いますが。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) この点はよく実態を把握しまして、把握すると言っても県で把握するということになりますが、信用組合が適正な公共機関としての事務遂行を行うように十分県を指導してまいりたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 さらにこの安斉さんという支店長は、戸部さんの預金口座に不足が生じたとして組合が仮払いして立てかえたというようなことで、後日これを勝手に引き出しているわけです。ところが、口座に残があるときにも仮払いが行われている。これは裁判所に提出された戸部さんの普通預金元帳にはっきり記載されているんですね。こうした操作は、私は金融の事務手続としては認められない、預金管理行為というものを逸脱して、違法性が私は存在をすると思うんです。で、一般論としてでも結構でありますが、これは大蔵省そうでしょう。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御指摘のような事実があれば非常に問題だと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 安斉元支店長は、戸部さんに対して安斉氏の指摘した、指示した金額を書き入れた約束手形を振り出させる。それに第三者の架空名義の裏書き署名をする、吾信が第三者に手形割り引きの形で貸し付けようとする、した。そして、この金を戸部氏の預金口歴に振り込む、その上でさきの白紙に押印をしたところの預金払出請求書を使って引き出す、こういう操作になっている。そのために預金払出請求書を提出させたわけですね。このような形で約一億四千六百万円相当程度がつくられた。で、これは組合への私は背信になるし、その金を支店長が使っていれば業務上横領になると思う。警察、そうですね。

漆間英治警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(漆間英治君) この件に関しましては、その戸部さんの方から元支店長を五十四年の七月七日に群馬県の長野原警察署に告訴並びに告発がございました。告訴は、戸部さんが元支店長に預けた五百万を横領したという告訴。それから告発の方は、いまの御質問にありましたような事実が背任であるということで告発がございました。  それについて捜査を遂げました結果、五十五年の三月十日に、関係書類を検察庁に送付いたしました。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 また戸部氏は、昭和四十八年十三月ごろ土地を売った手付金五百万円——いま言われたやつですがね、安斉支店長にこれを預けた、この事実は安斉氏も認めているわけですね。ところが、この五百万円が行方不明になったんです。普通預金として入金した事実も戸部さんに返還した事実もない。これは検察審査会の議決書の中で明らかになっているわけです。で、この事件が戸部さんにより業務上横領で告訴されたが、なぜか検察は不起訴処分にした。戸部氏の側からこの処分に対して不服の申し立てがあった。前橋検察審査会で審査した結果、不起訴は不当であるとの議決がなされた。こういう一連の流れなんです。  そこで、この件について検察側の再捜査、これは進んでいますか。十二月時効になるような問題ですから。

井嶋一友法務省刑事局刑事課長

○説明員(井嶋一友君) 前橋の検察審査会が、ただいま御指摘のように、本年七月十八日に地検の検察官の不起訴処分が相当でないと議決をされておりますことは御指摘のとおりでございます。  そこで、前橋地検ではこの議決群を本年八月二日に受理いたしまして、直ちに再捜査に着手をいたしております。  なお、この告訴人の戸部さんと被疑者である安斉支店長との間には、この事件以外にもう一つ告訴事件が現在前橋地検に係属をいたしておりまして、この二つの事件をあわせましてただいま捜査を続行しておるというところでございます。  この二つ目の告訴事件と申しますのは、先ほどお話がございましたように、戸部さん名義の預金払戻請求書を偽造をして戸部さんの口座から預金を払い戻して着服したと、こういう私文話偽造行使、業務上横領という被疑事実でございます。  で、これらのこの両事件につきましては、前橋地検に問い合わせましたところ、安斉支店長とこの告訴人である戸部さんとの長年にわたる親密な関係を背景といたしました長期間の融資が行われまして、その後この信頼関係が破綻を来したということからいろんな形のトラブルが発生しておるというこの複雑な背景の中にある事件だというふうに言っておりますが、検察庁ではただいまこの両事件を精力的に再捜査をいたしておりますところでございまして、私どもは先生御指摘のように、十二月に時効になるという問題も含んでおりますので、この経緯を見守りたい、こういうふうに思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私はやっぱり急いで厳正な処分を要望しておきたいと思うんです。  それはどういうことかと言いますと、最近になりましてもこのいまの戸部さんだけじゃなくて、同様の被害を受けた事件が、やっぱり一人が勇気を持って告発をしたものですから次々と出てきたんですね。その次々と出てきたものにつぶしがずっと入っている。これはもうみごとなつぶし方です。私はたくさんの金融事件を実は当委員会なり決算委員会でこの十二年間やってきたんですがね、この信用組合の問題を取り上げようとしたときに来たつぶしが一番多いんです。いままで十二年間の中で。きのうなんかほとんど私は身動きできないぐらいの状態にあるぐらい。したがって、私はますます疑惑を強めているんです。大光相互銀行のときもたくさんのことがありましたけれども、こんなひどいことはなかった。  で、そうしてずっとあれをしてみますと、ほかにも多数事件が存在をしていて、話し合いが、吾信といやいや応じたところもあれば応じない人たちに対しては最近長野県松本市の極東組などというものが仲介に入ったというような形になってきまして、そうしてそれとの間でもっていろいろの工作が明らかになりつつあるというようなことまで出てきているわけですね。私は、こういうような事態を生むということは非常に不幸なことですから、これはやっぱり早急な処理というものをこの機会に強く求めておきたいんですが、よろしいですか。

井嶋一友法務省刑事局刑事課長

○説明員(井嶋一友君) この席で御議論になりました問題点につきましては、しかるべき方法で検察庁に伝えたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 支店長が戸部氏の名前を使って手形を振り出したのは、それによって得た一億四千六百万を浮き貸しするためであったと組合は戸部氏に説明しているようですが、この点について大蔵省、そうですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) ちょっと細かいことにわたりますので、私は直接聞いてはおりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは局長、ちょっと事実関係調べてみてくれませんか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 事実関係をよく調べてみます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この安斉氏が、五十年五月まで支店長をしていたんですが、その後どうしているかは知っていますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 存じません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 実はこれは結果的には依願退職だと聞いているんです。で、この処理も実はおかしな話でして、依願退職にもかかわらず吾信は一億四千六百万円の吾信側のいわゆる浮き貸しの責任をとらせる、そういう形で半分の約七千九百万円を安斉氏にしょわせた。安斉氏に手落ちがないのであれば何もこんな金を私はかぶせる必要がなかったんだろうと、こう思うんです。この事実は御存じですか。あるいはもし知らないとすれば調査を求めたいんですが。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 五十二年三月三十一日付で依願退職となったということは聞いております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 後の、金をかぶせたという点。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) その点は聞いておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっとかぜ引いとってお聞き苦しいと思うんですが、どうも吾信はこの元支店長をかばっている節があるように私に思われる。戸部氏に現理事長が、安斉氏は背任に値するが、事を穏便に済ませたいといった趣旨のことを言明したと。私の調べでは、安斉氏は五十年にいま言われたとおり嬬恋の支店長をやめた後、一時吾信の傍系会社である吾妻商事株式会社、現在の吾妻信興株式会社に出向した。ちなみに、この会社は本店住所は調べてみたら吾妻信用組合と同じで、役員も取り寄せてみましたけれどもほとんど吾妻信用組合と一緒なんですね。で、こういうことで不動産を扱っていると。そこでこの不動産会社がらみの疑惑が出てきているわけです。私はどうもこの金融機関というのは不動産の土地転がしをずっとやったような疑惑をいま持ちつつあるんですが、というのは、安斉氏にかぶせた約七千九百九十万円の弁済をさせるために、吾信が安斉氏に金を貸した。その金でこの吾妻商事から土地を買わせて、さらにそれを転売させた。つまり土地を転がして、そしてそういうことを安斉にやらせた。この点は県も承知しているのであります。  十月二日の群馬県議会で、さっき述べた境野県議会議員がこの点を質問した。それに対してこういうふうに県は答えたわけですね。同信用組合の報告によると、安斉元支店長は同信用組合から融資された金で吾妻信興という会社から不動産を買い、それを売って約七千万円の利益を得て負債を返したと聞いていると。そうすると、県は組合ぐるみの土地転がしを認めたわけです。これは組合が不正の疑惑を隠すためにしたものであって、支店長の不祥事が組合ぐるみであったことを私は示していると思うんです。大蔵省、この点は厳正に調査をされて明確な処置をとるべきだと私は考えますが、いかがですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 十分県を指導しまして、適切に処理したいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 捜査当局、両方ともこの点どうですか。

漆間英治警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(漆間英治君) ただいまお聞きしただけで直ちに捜査の対象となるような事実があるかどうかわかりませんが、御質問があったという趣旨とその事実を関係警察に通知したいと思います。

井嶋一友法務省刑事局刑事課長

○説明員(井嶋一友君) 先ほど申しましたように、現に捜査中の事件とかかわり合いのある事項の御指摘かと思いますので、私、この場での詳細な御答弁は差し控えさしていただきたいと思いますが、せっかくの御指摘でございますから、先ほど申しましたように、本日のこの質疑の模様を検察庁に伝えたいというふうに思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 では最後に、支店長は信用組合を代表しています。したがって、この吾妻信用組合の経営者の責任も明確にされなければなりません。大蔵省に私はそのことを求めておきます。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 訴訟中でまだ事実が確定してない点も多々あろうかと思いますけれども、事実の確定を待ってしかるべく県を指導したいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと本論にそれじゃ返らしてもらいますが、時間ももうわずかになりましたから、しかも同僚竹田議員から突っ込んだお話がありましたので重複を避けまして、予算委員会の後始末も含めて二、三申し上げておきたいんです。  来年度予算の編成作業が現在進められている。で、松下主計局長が「金融財政事情」の十月二十日号で「財政再建と五六年度予算編成の考え方」と題して、現在の財政事情と来年度予算編成の考え方、それを示されているわけです。こういうふうに言っているんですね。「次に公共投資の水準が近年どれくらいに達しているか。たとえば道路の舗装率をみると、四〇年には国道・県道の二四・六%が舗装されていただけだが、五四年度になるとこれが八三・二%に達している。下水道は四〇年度の八・三%が五三年度には二六・七%。人口一〇〇万以上の市だけについてみると、六八%の普及率になっている。住宅についても空家の割合が三八年の二・五%からいまや七・六%ぐらいにまでふえている。ここであらためて見直してみると今後はいままでのような駆け足でなくてもよろしいのではないかという感じをもっている。」こういうふうに二十五ページで述べているわけです。  この前段の認識について突っ込んでいけばいろいろと問題があろうかと思うんですが、たとえば「空家の割合」などという指標は、私はまあこれは後ほど論議してみたいと思ったんですが、こんなのは妥当だとは思いません。しかし、まあきょうは触れません。  そこで言われていることは、要するに公共投資を切り詰めるということのようなんです。そこで、財政事情から見ても、これはまあ財政当局のスタンスとしては、水準も上がってきたし、これからは急がないでもいいのじゃないかという、そういう意見に大臣とっていいですかね、これ。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はよく読んでないんでわかりませんが、まあ二百四十兆の経済社会七カ年計画とのにらみ合いで物を言っているんじゃないかというふうにいまの話では聞いておりますが。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこなんですがね。この公共事業による景気刺激効果については、これは私たちは石油ショックの後、端的にそのことを指摘してきたわけです。「財政再建を考える」という、さっきからいろいろ大蔵大臣宣伝されて、これはいいもんだいいもんだと言われていますが、考えてみれば、国債発行のときに日本社会党は、将来、こんなことやってたらこうなりますよということを言ったが、いま裏書きして大蔵省は国民に、こうなってしまいましたと説明してるんであって、何がいいのかさっぱりわからぬのですが、私は、財政当局を含め政府・自民党は公共事業による景気刺激に積極的だったと思うんですよ。だから公共事業の経済効果が低下してきたのかどうか、それは今後の経済運営にとって私は重要な問題だと思っているんです。ここのところの認識の問題は。  で、注目しなきゃならぬのは、予算委員会でも言ったけれども、経済社会七カ年計画なわけでしょう。この計画は、昭和六十年までに二百四十兆円、いま言われたような公共投資を行うことを大きなファクターとして策定されているわけですよ。で、大蔵省が公共事業の執行をできれば抑制して、いわば公共事業も財政再建に協力させたいという気持ちでいるときに、そして事実昨年も本年もそうしようとしてきたんです。七カ年計画の二百四十兆円もの公共事業の執行は一体できるのだろうか。単純に割り算をしてみれば一年に三十四兆円余りなんですね。しかも五十四、五十五年度は抑制をしており、そうすると今後は相当大幅な増大が必要になるわけでしょう。今後毎年幾らずつ支出していくことになるんですか。で、そのうち一般会計、財投、地方財政の支出金額はそれぞれ一体どういう数字になるんですか。そして私は、総額二百四十兆円は一体可能なのかというようなことを考えてみるんです。妥当なのかと。積極的に実施されるのかどうなのかというのは大変疑問になってきているわけですよね、いかがなんです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) そのような有力な見方もございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いま言ったように、一般会計、財投、それから地方財政の支出金額、それぞれどのぐらいに考えていっているんですか。

水野繁大蔵大臣官房審議官

○政府委員(水野繁君) お答え申し上げます。  経済社会七カ年計画は、先生御存じのとおり、二百四十兆という公共投資を出しておるわけでございますけれども、それらを含めまして現在経済審議会でフォローアップ審議中でございます。その過程でもってわれわれ審議会にいろいろ意見も述べながら申し上げていきたいと、こういうふうに考えております。  現在のところ、その先のところまでは決まっておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 委員長、論議にならないですよ。論議してくれ、論議してくれ言うけれども、そういうことじゃもう話にならぬ、出さないんじゃ。  私ももうあと一分ですから、どっちみち次に二時間ぐらいもらって基本的に税財政の論議をやらしてもらいますが、最後に要求だけ言っておきますが、私は、大蔵省の最近の動き、それからいまの政府答弁などを伺っていまして、財政再建とは一体何なのかという疑問を抱かざるを得ません。つまり財政再建というのは果たして至上課題なのか、それが最優先されなければならないのかということについてでありまして、まあ時間がありませんから立ち入った議論はいたしませんが、思いやりのある政治を鈴木内閣は掲げているわけです。財政再建を大命題として国民に耐乏生活を要求することに矛盾はないのか、国民生活の方から財政再建を考え直すべきではないのかと、そういう疑問を率直に持ちます。私は揚げ足を取るなんというようなことを考えてはいません。さっき言った空き家率という指標でも国民の住宅は一応充足されているという判断、これ自体はもうおかしいわけですね。そういう観点が今日問われているんだと、そういうことが問われているんだということを十分認識していただきたいという意見を述べて終わります。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 渡辺大蔵大臣に対する本日は最初の質問でございますので、基本的なことをお伺いしたいと思います。まあ限られた時間でございますので答弁も簡潔で結構でございます。  大蔵大臣は、かつては農林大臣として予算の確保にがんばられたわけでありますが、いまは大蔵大臣となって攻守ところを変えておられるわけであります。今年度の予算編成、非常にいまだかつてない財政再建の必要が叫ばれている中で、先般から問題になっておりますように「歳出百科」をつくるとかあるいは大臣を先頭にして財政再建のキャンペーンを全国で繰り広げるとかあるいは大変反響を呼んだゼロリスト、これはいい反響か悪い反響かは別として、そういう御努力をされてきた大蔵大臣、関係者の御努力を多とするわけでありますが、今日までの率直な大蔵大臣としての感想を最初にお伺いしておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も大蔵大臣になろうと思ってなったわけじゃないんですが、非常に重大な局面であって、このままの状態で放置をすることはこれはインフレを招きかねないと、国家財政が破綻に窮して、いずれにしてもこのままの状態で放置をすればいいことはない。したがって、そういうような事態を回避するためにはだれかがやらなけりゃならない道でございますから、私は財政の再建というものをひとつ責任を持って推進をしていきたいという心境でございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 九月の閣議で予算編成の方針、たとえば国債を二兆円対前年度に比較して減額をする、あるいは従来の甘えを排して厳しい査定を行う、年内に編成を終える、さらに現行税制の枠内で編成をし新しい税の創設はしないと、こういうような方針のもとで予算の編成が進められておるように聞いておるわけでありますが、大蔵大臣の感触として、この予算編成の方針というものはほぼ貫かれる見通しがあるのかどうか、そのあたりの感触を承りたいと思うんですが……。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは予算編成でございますから、与党はもちろんでございますが、それぞれの方々の御協力を得てぜひ貫きたいという決意でございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 昨年に比べて国債を二兆円減らすという、そういうことが閣議で決まっておるわけでありますが、この根拠は何か。と申しますのは、昭和五十五年度の財政収支試算では国債が十二兆円になるのはたしか昭和五十九年度前後であったと思うのでありますが、それが昭和五十六年度に二兆円にするという五十五年度の財政収支試算から余り日にちもたっていないわけですが、この理由は何ですか。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○政府委員(吉野良彦君) 五十六年度におきまして公債を二兆円程度減額をするという目途で現在作業をしているわけでございますが、これは先生も御承知のとおり、いわゆるサマーレビュー作業といたしまして、ことしの五月ごろから、各省庁と幅広く前広に、五十六年度予算編成に向けて論点を詰めていこうという作業を始めたわけでございますが、その作業を始めるに当たりましての前提として試算をつくったときに、公債を二兆円減額をするという前提を置いた試算をつくったというところにそもそものスタートがあるわけでございますが、このときの考え方でございますが、先生も御承知のように、昭和五十五年度予算におきます公債発行額は十四兆二千七百億円でございます。これは一年前の五十四年度の当初予算に比べますと一兆円の減額になっているわけでございますが、御承知のように五十四年度の実行の過程におきまして、その後自然増収等もございました結果、五十四年度の公債の発行実績といたしましては十三兆四千七百億円にとどめることができたわけでございます。そこで、結果的には五十五年度の十四兆二千七百億円と申しますのは、五十四年度の実績を実は上回る水準になっているわけでございます。  そこで、私どもといたしましては、財政再建を五十五年度よりもさらにもう一歩進めますためには、五十四年度の発行実績十三兆四千七百億円というようなものをにらみまして、五十四年度実績よりも一兆円程度は五十六年度には減らしていきたい、かように考えたわけでございます。その辺が公債五十六年度二兆円減額という目途を置いたゆえんでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 私たちは、公債発行は少ないにこしたことはないわけですけれども、けれども余り急激に減らすと、経済は生き物でございますので、そういう意味で、もうちょっと長期的な観点から財政計画というものをつくっていかなくちゃならぬと。そうやって出てきたのが財政収支試算であると。ところが財政収支試算とは全く違った方向にいっていると。こういうことでは何となく余り計画性がない。前々から言うように、そういう財政再建のやはり長期計画をつくって、長期的観点に立ってやっていくべきじゃないかと、この点はどうなんでしょうか。大蔵省としてはこういう長期財政計画をつくると、そういう方向に努力をしているということなんですが、その点はどうなんですか。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○政府委員(吉野良彦君) 財政再建をいわば中期的と申しますか長期的と申しますか、そういった観点に立って進めるべきであるという御指摘は、私どももそのとおりに存じております。  で、いままで何回か国会に御提出申し上げましたいわゆる財政収支試算も、これはきわめて機械的な、直線的な試算でございますので、いろいろ御批判はございましたが、この財政収支試算もそういった中長期的な展望を踏まえての財政運営という目標に向かっての一つのアプローチではあったわけでございます。ただ、繰り返しになりますが、余りにも機械的、直線的な試算にすぎません。  そこで、これも何回か国会の方でも御論議がございましたが、財政計画とも言うべきものをやはりつくってみるべきであるという御指摘もございまして、これも一両年前から財政制度審議会等にもお諮りをいたしまして、いろいろ策定に向かって努力をいま進めているところでございます。しかし、先生も御承知のように、財政計画をいざつくってまいるということになりますと技術的にもいろいろむずかしい問題がございます。そこで、現在のところいつまでにこの財政計画というものをつくってお示しができるかという点になりますと、正直申しましていつまでに出せるというようなことを申し上げられる状況にはまだなっておりませんことを、これもまた御理解を賜りたいと思います。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 五十四年度は、先ほど吉野次長から話がありましたように、かなり自然増収が大きくて国債の発行を減らすことができたわけでありますが、今年度は状況はどうなのか。国家公務員のベースアップ財源あるいは国債金利の負担増、さらには異常冷夏による災害対策、そういうような財政需要、そういう点を考えて、今年度の財政は自然増収、税収との絡みでどういう状況でございますか、これをちょっと承っておきます。

高橋元大蔵省主税局長

○政府委員(高橋元君) もう間もなく九月末の税収がわかるわけでございますが、現在、八月末まで実績が判明いたしております。  前年度の決算に対しまして一四・六%八月末までに伸びた税収でございますが、予算全体に対しましては二八・三%、金額で申しますと七兆四千六百七十七億というのが八月までの税収でございます。これは、前年度の同期の、税収が前年度の決算額に対する割合——これを俗に進捗割合と申しておりますが、前年度の進捗割合が二七・五でございましたのに対しまして、ただいま申し上げましたように本年度は二八・三でございますから、前年同期よりもやや税収としては好調であるというふうに申してよろしいかと思います。ただし、いまもお答えを申しておりますように、全体のまだ三割まで税収に入っていないわけでございます。  それから、昨年の三月に決算で五月に税金を納めていただいた大法人では延納が非常に多かったわけでございますので、本来なら五十四年度の歳入になるべき法人税が五十五年になって延納の支払いとして入ってきております。  そういったいままでにない要素がございますので、これから先、五十五年度を通して全体としてどのくらい自然増収があるかというお尋ねでございますが、いま私どもが把握しております程度の実績では年度全体を見通すには資料として確信が持てない段階でございますので、今後の推移をよく見守りたいということで御理解がいただければありがたいと思います。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 ゼロリストというものを大蔵省がつくって、これは非常にいろいろ論議を呼んだわけでありますが、まあいい悪いは別として、反響を呼び、国民の注意を引いた。そういう点では成果があったと恐らく大蔵大臣は考えているんじゃないかと思うんでありますが、それはそれとして、私は——これは私だけではない、一般に言われていることは、今日までのわが国の予算編成というものが、いわゆる増分主義、前年度に対してどうか、そういうことできておる。これを本当に改めていかなくちゃいかぬ、いわゆるゼロベース予算、こういう考え方でいかなくちゃいかぬ、こういうことが言われておるわけで、私たちも確かにそのように思います。  そういう点から考えますと、今回のゼロリストというのはちょうど増分主義の考え方を裏側から見ているような、一律に減らせばこうなるという、そういうことであって、私はそういう点では非常によろしくないんじゃないか。むしろ私たちが望んでいるのは、一律に減らす、一律にふやすということではなしに、その中に必要性に応じてふやすものもあればまた大幅に減らさなければならないものもある。本当にむだなところ、できるだけ影響の少ないところから減らしていく。そういう意味で、そういう立場からの資料をやはり大蔵省として国民の前に示し、そうして国民の皆さんの理解と協力を求める。私はこのようにすべきではないかと思うわけでありますが、大蔵大臣としては、いままで「歳出百科」とか、いろんなそういう国民にPRするための資料もつくり、その努力をしてきたわけでありますが、いま私が言ったような意味でのリストをつくり、国民の前に、またわれわれ国会に対しても明らかにする用意があるかどうか、その点どうでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 減らすと言えば歳出の話でありますから、歳出の中身についてわかりやすくということになりますと、「歳出百科」というのはかなり実は克明に歳出の中身を重立ったものについて書いてあるわけです。減らすということになってまいりますと、何が一体減らすことができるのか、われわれはそういうものを国民に示しておるわけですから。私がこことここを減らすんだと言ったら、そのとおりしなかったら食言になりますからね。私は腹の中じゃ考えているところありますが、いまの段階でこことここを減らしたいということはなかなか言えない。  問題は、やっぱり一番目につくのは、よく言われるのは補助金ですよね。十四兆近い補助金があるじゃないか、大蔵大臣ばっさり切れと言う人がありますが、その補助金の八割というのは法律でつくられているものなんです。ですから、大蔵大臣が勝手にばっさりと言っても、法律で税率や額や決まっているものはなかなか私一人でばっさりというわけにはいかない。しかも、また別な見方をとれば、その八割の中で三分の二以上のものがこれは文教と社会福祉ですよ。全体の補助金の約八割は文教、社会福祉、公共事業ですよ。となりますと、ばっさりやるのにはでかいところ、八割のものをばっさりやらなければ出てこないわけですから。ところが、そのようにばっさりとうまくいくかどうか。私は皆さん方にお聞きしたいのはそこなんでありまして、どこかでうんと減らしてどこかへいっぱいつけるんだよと、二割のやつを全部なくしちゃったってとてもじゃないが足らぬわけです。  だから問題は、——よくドイツでもそういうことを言われておるんですが、ドイツの場合だって一割ぐらいの政策経費——当然増が大部分で、一割ぐらいの政策経費だ。その一割ぐらいのやつをばっさり全部切ってしまうと政党の存在につながるような、あるいは民主主義の根本にかかわるような問題にぶつかる。それほどむずかしい。まずむずかしいということを知ってもらわなければならない。ですから、皆さんがもっと切れと言うなら、こことここの場所を切れということを具体的に教えていただくと私の方はやりいいんですよ。私がここで、こことここを切ると言ったら引っ込みがつかなくなるわけです。だから歯切れが悪いと言われる理由はそこにあるわけであって、みんなの意見を聞いた上で最終的に判断をしたい、そう思って、内々では各省間でも、これは切れるじゃないか、これはなくしたっていいじゃないかということはいまやっているわけです。  ですから、ぜひとも公明党あたりでも、こことこことここと、こう指を指して教えていただくと大変ありがたいと、私は各党の野党の皆さんにもお願いしたいんです。むしろ。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 これから一般論ではなくてやっぱり具体論として、確かにばさっとそうよけい切れるところはない、少しでも、わずかでも積み上げていくと、こういうことじゃないかと思うんですけれども、私たちもちろんいろいろ案があれば出しますけれども、しかし、私も専用家ではありませんし、一番その財政を担当していくのは大蔵省でございますので、そういう意味で、いわゆるゼロベース予算ということにつきまして、いままでも大蔵省としてはこういう考え方を導入してやっているんだと、そういうことを私は聞いてきたんですけれども、いまの大蔵省の体制、メンバーで、その予算一つ一つの項目について本当に深い検討が十分できておるのかどうか。この点われわれは外から見ているわけで、よくわからないんですけれどもね。本当にそういう点はどうなんでしょうか。いままでと違って今年度は特にこういう点に力を入れてやっているんだと、何かそのあたりがわれわれとしてはよくわからない。もっとわかるように、こういうようにやっているんだということを説明をしていただくと非常にありがたい、その点はどうでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常に厳しい財政事情の中ですから、このような財政事情の中ではがまんしてもらってもいいじゃないかと思うようなものや、ことしと同じ額ぐらいで御勘弁願えないかというようなものや、いろいろあるわけでございまして、そういうものについては個別的にいま各省との折衝も——折衝といいますか内相談ですな、そういうものもやっておるわけです。  したがって、一番知っているのは各省が一番知っているんですから、本当のことを言えば、あなたのおっしゃるようにゼロベースですよと。ことしと同じ予算の中でまず各省の中で大事なものがあったら、どこか減らして入れかえて持っていらっしゃいというのも一つの方法ですね、これは。私はそういうような過程が一遍あってもいいんじゃないか、表へ出す出さないは別としても。それこそ一律というのはいかぬいかぬとおっしゃいますが、たとえば佐藤内閣のとき、一省一局削減ということをやりましたが、どこの省は二つ局を減らして、どこの省は一つ減らしてという判断は、やってできないことはないかもしらないが、現実の問題として非常にむずかしい。  したがって、いままでの予算の配分というのはそれぞれ重点をつけて配分されているわけですから、まずゼロベースの中で結局同じような配分であれば、その中で時代の変化に応じて必要なものと、それからまあまあがまんできるものがもしあれば、その中でまずやりくってもらうと。どうしてもやりくれないという分もあるでしょう、そんな切るところなんかないと。本当にそいつは伸ばさなければならないのか、どうしても伸ばさなければならないならば、その財源はどうするのかというものがその次の段階なんですね。切れという要求と伸ばせという要求と二つあるわけですから、伸ばすのには財源も一緒に賛成してもらわなきゃ伸ばしようがない。切れと言うからには切る場所を教えてもらわぬと、これを切れということはなかなか具体的に出てこないわけですよ。  したがって、防衛庁の予算伸ばしてけしからぬとかと話が出てきますが、あとはどこのところを切れという話がさっぱり出てこない。ですから、そこをひとつ教えていただけば非常に私はありがたいな、そう思っているわけです。歳出の中身については議員の皆さんは皆御承知なわけですから、予算書も出ておることでもありますし、だから切るところはどことどこを切ったらいいかということについて、私は具体的に御指示を本当にいただきたい。それを国民の皆さんにもお願いしたい。一般の人からよく言ってきますよ、公務員の人件費を切っちまえとか、それからもう補助金や何か全部いままでどおりでいいじゃないかとか、一般の人から言ってくるが、公務員の人件費をばっさり切ると言ったって、果たして現実にそれじゃどうするのかという大きな問題もあるんです。ですから、私はやっぱり責任ある立場で、現実に合ったような切り方というものをひとつ皆さんからお知恵を拝借したいと言うのはそこを申し上げているわけであります。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 大蔵大臣の話を聞いておるともう予算は切るところがない、そういうように聞こえてならないわけであります。  私も科学技術の方を担当してきておるわけですが、やはり科学技術のいろんなそういう限られた研究投資をどこに配分していくか、そういうような点でも、一たび予算がつくとやっぱりそれに一つの学者のグループができる。そのあたりの予算は年々ふえていく。けれども、ここによりすぐれた新しいアイデアというものがあってもなかなか予算はつかない。そういう中で現在の予算の配分についても大蔵省をだましさえすれば取れるのだ、こういうような声も聞かれるわけであります。  しかし、実際に限られた大蔵省のメンバーの中で本当にそこまで公平な予算、最も効率的な予算の編成は、やはり非常にぼくはむずかしいと思うんですけれどもね。国民は、議員の人は皆知っていると言いますけれども、予算書見ても、予算書幾ら読んでもなかなかどうなっているかということはわからないわけです。もうちょっとそういうような点を公開をして、予算編成の過程、いろいろなものをやっぱり公開をして、そういう中からまたいろいろいい方向にもいくんじゃないかと、私はそういう気がするんです。  そういう意味で、専門家の優秀な人の多い大蔵省でございますから、ゼロリストではなしに、ゼロベース予算リストみたいな、こういうものをつくって、そして国民の理解を求める。こういうように、問題をやはり大蔵省の方から、ひとつこれはどうか、財政再建のためにはこれは必要なんだという、こういうことを私は出すべきではないかと思うんですが、その点どうでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 結果的に申しますと、ゼロリスト予算というのは金額ではゼロベースなんですよ。金額ではゼロベースなんです。ただ例示の引き方が、要するに来年は三十万人生徒がふえます。そうするといまの学級編制基準ですと一万人学校の先生をふやさなくちゃなりません。しかし、ゼロベースですと一万人はふやすことはできませんから、学級編制基準を緩和するどころかもう少しすし詰めに、暫定的にすし詰めに四十人学級から逆の方向にやってもらうほかないですよ。一つのこれも考え方ですね、財政危機なんだから。一つの考え方。人はふやさない。  もう一つは、そのほかに、ベースアップは一年がまんしていただきますと、これも一つの考え方ですね。その考え方でおさまるかどうか。よく行政整理をやって人をばっさり切っちゃえと言う人がありますがね、民間には。じゃ、退職金をやらずに一万人でも十万人でもばっさり切るなんということは不可能なわけですね。急激にそんなことをやったら、一年分の月給で済むものを三年分も一遍に払わなくちゃならないことで、財政再建とは逆な話になっちまうんですね、当面目先の話としては。それは十年間の国債でいいじゃないかとか簡単に言う人がありますがね、なかなかそう簡単にいかないじゃありませんかという実相を知ってもらう。  それから、大蔵省は隠している隠していると言いますが、歳出なんか隠していないんですよね。「歳出百科」でもかなりあそこに、こういうふうに使っておりますということを書いて出しておるわけです。ただあれを見ると、なかなかどれを切っていいかわからなくなっちまうというのも本当かもわかりませんよ、それは実際は。だからふやせという陳情はいっぱいあるんですが、ここのところを切ってくれという具体的なのはめったにないですね、これは。そこを一緒になってひとつ探していただきたいと、私らは血眼になって探しているわけですから。そういう意味なんで、ゼロベースということは一つの大きな考え方で、それはゼロリストと見方を違えただけで、実態論は同じようなものじゃありませんかと、そう思っているわけでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 予算を減らすということは、それはいろいろ抵抗もありますし、われわれも減らせなんていうことを余り下手に言えば、これはいろいろ影響がありますから表向きは言えませんけれども、しかしやはり国の将来を考えれば、やっぱりやらなきゃならぬものはおのずとぼくは決まってくると思うんですね。また、そういう反対があっても、やっぱり国会の良識でそれをやり抜いていかなくちゃならぬ。そういう点にはわれわれも野党として、野党ではありますけれども、大蔵大臣、大蔵省に本当に協力していこうという気持ちもあるわけでありまして、そういう意味では、私はやっぱり大蔵省としても一つの方針を持って貫いていくという、こういう姿勢を持ってもらわないと、われわれの方からこれを切れなんていうことは、心の中で思ってもなかなかこれは言えないわけなんですね。(笑声)わが公明党が政権を取って、われわれが大蔵大臣にでもなればそれは言いますけれども、私はそういうものじゃないかと思うんですね。だから大蔵大臣は、また大蔵省の皆さんは大変ではございますけれども、やっぱり悪役を喜んでひとつ買って、そうしてぜひがんばってもらいたい、そのことを心から要望いたします。  あとちょっと時間がありますけれども、やるとまた食い込みますので、これで多田委員の方の質問に譲ります。

多田省吾公明党・国民会議

○多田省吾君 私は最初に、総合経済対策についてお伺いします。  最近の経済動向について見ますと、景気動向指数では五月以降三カ月連続して五〇%のライン割れを示しております。経済企画庁は景気の下降が一段と進行していることを認め、なお二、三カ月は五〇%割れの状況が続くと見ているようであります。また、九月の日銀券発行高の伸びも鈍化傾向を強めておりまして、これは平均発行の前年比増加率は四・四%、これは昭和三十三年十一月の四・〇%以来の低い伸び率になっております。さらに九月の中小企業を中心とした倒産件数は依然として高水準にありまして、負債一千万円以上千六百八件という倒産です。これは前年同月比で一九・七%増、本年最高であり、年間でも史上二番目という状況でございます。  一方、物価について見ますと、卸売物価は昨年三月以降の急騰がやや鎮静化したように見えますものの、先行きはなお予断を許しません。また消費者物価は、ほとんど八%台の上昇が続いております。  このような状況で、政府は九月五日に総合経済対策を策定したわけですが、一カ月以上経ておりますけれども、私は、効果が余り上がってない、このように思われてなりません。具体性のある今回の対策といいますと、公共事業の推進の項目ぐらいでございまして、全体として新味にも欠ける、効果も薄い。私は対策の見直しが必要ではないかと思われます。  また、先ほども質問がございましたが、公定歩合の第二次引き下げということも言われておりますけれども、大蔵大臣としては、これは日銀の専権事項ですから白紙という言葉でやっておりますが、しかし大蔵大臣は十六日の地銀大会では、もし公定歩合の再引き下げに当たっては、預貯金金利も含めた金利を全面改定するという発言もなさっているように報道で聞いております。そうしますと、これは消費者物価の上昇ということも当然考えられますから、物価の動向も非常に厳しいものがございます。そういったことで、私は第二次の対策というものを政府は考えておられるのか、また物価対策をどうするのか、その辺のことをひとつ大蔵大臣にまずお伺いしておきます。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほどの御質問にもお答えをしたように、私どもといたしましてはやはり物価の問題は非常に重要な問題ですから、やはり物価がうんと上がっちゃったら、結局は実質的に景気がマイナスに落ち込むということにこれはならざるを得ない。そこで、やはり物価対策というものは景気対策と一緒だというように私は考えているんです。しかしながら、景気自身に、景気に直接的な何かてこ入れと、あるいは準直接的なてこ入れというものは何かないかというようなこと等については、物価に悪影響を及ぼさない範囲で公共事業の前年対比の枠の拡大を図ったり、その他いろいろの処置をあわして九月五日の総合対策で発表しておるような次第でございます。

多田省吾公明党・国民会議

○多田省吾君 そうしますと、九月に立てられた総合対策では大臣も公共事業対策ぐらいしか効果炉なかったということをおっしゃっているのか、それとも今後第二次対策というものの必要性を考えておられるのか、もう一回お尋ねをします。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 公定歩合の弱き下げもいたしましたし、それから公共事業の枠拡大もいたしましたし、その他のこともやっておりますから、その浸透度合いというものを目下注意深く見守っておるという次第であります。

多田省吾公明党・国民会議

○多田省吾君 五十六年度の税収見込みですが、先ほどのお答えのように本年五月のサマーレビューに当たっての前提として設けられた計数の基礎としての税収予測というものは本年度に比べまして四兆三千億円ほど期待できると、現行税制のままでも期待できると、こう言われておりますけれども、現在はどうなんですか。現在は国債発行予定額を二兆円減額するということは変わりないと思います。ただ、最近の経済動向から見て、それを変更する必要を考えられないのかどうか。来年度の税の自然増収はもう少し私は上回ると思いますが、どう考えておりますか。

高橋元大蔵省主税局長

○政府委員(高橋元君) 三十兆七千億というただいまお話しの数字でございますが、これは本年の五月に、まだ五十四年度の税収の実績が生まれます前に五十四年度の補正後予算に対して五千億程度増収が見込まれるという状況で、それから一二%ずつ税収が二年延びるということをしまして、五十六年に延長して三十兆七千億としたわけでございます。したがって、それと五十五年度の当初予算の差は、ただいまのお話にありますように四兆二千九百億でございますが、実はこの四兆二千九百億は五十五年度の税収実績なり五十六年度の経済見通しなりを踏まえて税目別に積み上げたわけではないのでございます。したがって、五十六年度、これは五十五年度の税収実績、先ほどもお答え申し上げましたようにもう少し実績の判明するのを待ち、かつ五十五年度、五十六年度の経済情勢についての政府の見通し等も踏まえまして具体的に策定いたしてまいるわけでございますので、現在三十兆七千億というサマーレビューの枠に書きました税収に対してどれほど上に行き、また下に行くかということについてお答えするだけの確信を持ち合わせておりませんので、御理解をいただきたいと思います。

多田省吾公明党・国民会議

○多田省吾君 それでは、いつごろまでにこれははっきりした策定をなさるおつもりですか。

高橋元大蔵省主税局長

○政府委員(高橋元君) 五十六年度予算編成の時期、このときには当然歳入全体の見積もりをいたすわけでございます。五十五年度の実績及びそれを踏まえましての五十六年度の税収見込み、これを策定をいたしますが、まだ二カ月は時間をかしていただくことになろうと思います。

多田省吾公明党・国民会議

○多田省吾君 その際もいまおっしゃった四兆二千九百億円は、私は当然上回るのではないかと予想しますが、いかが考えますか。

高橋元大蔵省主税局長

○政府委員(高橋元君) これはいまのところお答えをするだけの確信を持っておりませんが、八月末の税収は、先ほど申し上げましたように、前年よりは収納の状況が好調である。これは先ほど塩出委員にお答えを申し上げました。しかしながら、これから先どうなるか、また八月末までには、いままででございますと五十四年度の税収になっておった法人税が一千億を上回る程度の規模で五十五年度に入ってきておりますので、それらの点も考慮いたさねばなりませんので、いま五十五年度どうなるか、その上五十六年度どうなるか、ちょっと私といたしましては、申しわけございませんが、見当がつきかねるというお答えで御勘弁をいただきたいと思います。

多田省吾公明党・国民会議

○多田省吾君 けさの報道によりますと、政府の税制調査会のいわゆる企画特別部会、昨日実質審議を終えたそうですが、十一月上旬ごろ税調の中期税制改正答申が出ると言われておりますが、答申はおおむねいつごろになりますか。

高橋元大蔵省主税局長

○政府委員(高橋元君) 三十九年、四十三年、四十六年、五十二年でございますか、税制調査会の任期は三年でございますので、任期の参ります直前に次の三カ年及びそれを含む中期を見通して税制についての考え方の基本をお示しをいただく、いわゆる中期税制答申というものをお出しいただいております。今回も本年の十一月十日をもって現任の委員の任期が満了いたしますので、十一月十日前にそのような答申をちょうだいをするという運びになって、現在審議が進められておるわけであります。

多田省吾公明党・国民会議

○多田省吾君 大蔵省では財政再建策を法律化することを検討し始めたと、このように聞いておりますけれども、この法案の性格、方向性などについてお伺いをしたいと思います。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○政府委員(吉野良彦君) いわゆる財政再建立法という問題がいろいろな機会に御論議になっているわけでございますが、私ども五十六年度予算編成を目指しまして、先ほど来からもいろいろ御議論がございますように、既定の経費につきましても、根っこになっております制度なりあるいは仕組み、あるいはルールといったようなものにまでやはり見直しを進めまして、できるものにつきましてはその改善を進めていきたいというふうに考えているわけでございます。もちろんその見直しの作業はすでに終わっているわけではございませんし、これから年末までの予算編成の過程で具体的に詰めていくということになるわけでございますが、その見直しの結果、事柄によりましてはもちろん立法措置をお願いをすべきこともあり得るというわけでございます。  そこで、具体的にそうなりました場合に、立法措置をどういった形式でやっていくのかということでございますが、この点につきましては、やはり見直しをする内容、立法措置を要する内容いかんにもかかってくる問題でもございますし、それからまた、幾つかの立法事項を一括をするというようなことを仮に考えます場合にも、立法技術上の問題といたしましていろいろ詰めていくべき問題もあるように存じます。したがいまして、現在のところ伝えられますような財政再建特別措置法といったような具体的な立法形式についてまで結論を得ているという事情では全然ないわけでございます。したがいまして、歳出の中身の見直しの作業と並行いたしまして、立法の問題も必要があれば検討をしていくという筋道かと存じております。

多田省吾公明党・国民会議

○多田省吾君 じゃ、大蔵大臣に端的にお尋ねしますけれども、必要があれば財政再建特別措置法のようなものを一本化したようなものを含めて考えると、こういういま発言もございましたが、大蔵大臣としてはいわゆる西ドイツの一九七六年からの財政構造改善法のような、ああいうものを考えていらっしゃる含みがあるんですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) いろんなものを勉強いたしております。

多田省吾公明党・国民会議

○多田省吾君 政府の税調の中期税制答申が、十一月十日までに任期切れ前に当然出るわけでございますけれども、そうしますと、もし財政再建特別措置法なんかを考えているとすれば、その後になるんですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) したがって、いま勉強をしておりますということであって、後とか先とかいうことを申し上げられる段階ではありません。    〔委員長退席、理事藤井裕久君着席〕

多田省吾公明党・国民会議

○多田省吾君 次に、私は物価調整減税についてお尋ねいたします。  まあこれは本会議、予算委員会等でも何回も質疑があったわけでございますけれども、そのたびに大蔵大臣は諸外国と比べて所得税は日本は低過ぎるんだとこういう答弁で、いわゆるわれわれに言わせますとごまかしていらっしゃると思うんですよ。で、たとえば諸外国で課税最低限が低いといいましても、所得税が日本よりも多く取られているんだといいましても、私はそういう比較はおかしいと思うんです。たとえば社会保障給付率を考えましても、これは一九六六年でございますけれども、西ドイツでは対国民所得比がもう二一・八%、フランスも一九・七%、イタリアも一八・七%、スウェーデンは一七二二%、イギリスは一五・〇%、非常に社会保障給付費が多いわけです。国民に還元されている部門が非常に多いわけです。ところが、一九七二年の日本はわずか六・四%、まあ最近は少しは高くなっていると思いますけれども、諸外国と比べて非常に社会保障給付費初め国民に還元されている面が少ないわけですね。まあそういった面もあります。  また、防衛費等の問題もありましょう。また私たちは、やはりわが国においては石油依存度が高いわけでございますから、個人消費を増大させて経済成長を図るということが相当大事な問題になってまいります。そういった点から考えますと、もうすでに昭和五十三年度から全然物価調整減税がございません。この三年間、やはり実質賃金が物価の高騰とも相まって非常に低下しております。ですから、個人消費もいま伸びないじゃありませんか。また、やはり勤労者の生活というものがますます逼迫している状態でございます。もし大蔵大臣の論法でいきますと、もういつまでたってもこの物価調整減税はやらないんだということになりますと、ますますいわゆる実質増税というものが多くなるわけです。  ある学者の計算でも、もし昭和六十年までの六年間物価調整減税すらやらないとすれば、サラリーマンの税引き前の実収入が名目で年七%ずつ伸びたと仮定しても、昭和六十年には昭和五十四年の一・五倍になりますけれども、勤労所得税の方は土・四倍にふくれ上がると。もう大変な実質増税になるわけです。大蔵省の試算でもそうじゃありませんか。夫婦と子供二人の標準世帯で年収が三百万円の場合、年収が八%ふえると税負担は二七%増加をするという結果をまとめられております。そのほかいろいろな数字がありますけれども、いろんな点を考えてやはりいま現在、政府が目標としている消費者物価の本年度の六・四%をぐんと上回って八%台を続けている現状において、物価調整減税というものがどうしても必要だと、そして個人消費を高めまた経済成長も図る、国民所得の増加も図る、それでこそやはり税収も伴ってくるわけでございます。物価調整減税についてお考え直しすることはありませんか、もう一回お尋ねします。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 諸外国で社会保障費が非常に多いと、国民所得に対して多いと申しますが、それは財源はどこから出しているんですかと。それだけ多く国民に配るためには、どこからか取ってなければ配れないわけですから、どこの国でも。したがって、租税及び社会保障費の負担率というものは、日本は国民所得に対して三一%だけれども、ドイツは五二%、イギリスは四七%、スウェーデンは七二%というように、よけい取り上げるからよけい配れるんであって、取り上げなければ配れないと、だからその負担を比較をするのには、取られている方の比較もしなければ、配る方の比較だけされてもこれはちょっと困るわけなんですよ。ですから、私はそれだけの負担の比較で一概にどうこうということを議論することはできないんじゃないですかということを言っておるわけです。  それからいまおっしゃったように、物価調整減税をやって消費を伸ばせと、これは一つの御議論なんです。しかし、いまの消費停滞の状況、特に設備投資等の状況を見ますというと、やっぱり物価高というものが一つの問題なんでありますから。貯蓄はふえているわけですから、貯蓄は。郵便貯金なんか零細預金だと言われているが、あんなにふえちゃって、本当に零細預金だけなんだろうかと思って私の方はむしろ疑問に思っているぐらいです。でありますから、高金利のために、それと要するに物価がもう少し過ぎたら下がるんじゃないかという物価値下がり待ち、こういういろんな要素があって、設備投資や何かについて足踏み状態が行われておる、特に中小企業の場合ですね。大企業の方は自分の金を持っていて自分で使っているから、金利なんかそれほどの関係はなく設備投資が旺盛だというふうな状態を見ると、やはり私は物価がもう少し下がってくれば、それによって個人消費は伸びるという見通しを持っておるわけです。したがって、われわれとしてはいまここで物価調整減税をストレートにやるというだけの財政的余裕もございませんし、それはやっぱり考え直せと言われましても、なかなか考え直すというわけにはいまのところいかないというわけであります。

多田省吾公明党・国民会議

○多田省吾君 私はもう率直に言いまして、大蔵大臣のお考えは倒錯しているんじゃないか、こう思います。  このままでいったら私は大変だと思いますよ。勤労者にだけ負担をかけ、しかも個人消費も伸びない、また税の不公平はますます強まる、それで政治不信に陥る、悪循環に陥るだけだと、私はこう思います。ですから、私はなお、大臣の御答弁がありましたけれども、やはり物価調整減税は図るべきだと、このように考えます。  それから税金について最後に二、三お尋ねしたいんですが、昨年の十二月に国会決議もございまして、一般消費税の導入はしないということになったわけでございますが、どうも竹下前大蔵大臣もまた渡辺大蔵大臣も、一般消費税は、すなわち税調の答申の一般消費税はやらないけれども、何かそれと似たような税金を新設するようなおそれもあるし、総理大臣は新税は考えてないと言っても、ちょっと心配だ。それから昭和五十七年度におきましては、どうも政府の税調の審議過程から見まして、一般消費税という名前でないかもしれませんけれども、報道によりますと、消費や流通に着目した幅広い税というような名前で、昭和五十七年度から新税を導入しようというような答申が出そうだと、こういうことも伝えられております。それも私たちは大反対でございますけれども、そういったいわゆる一般的な消費税に対する渡辺大蔵大臣のお考えがどうなのか。  それから先ほど大蔵大臣は、歳出につきましても、補助金なんかも、各党が総論だけじゃなくていろいろな項目別の減らす案を出されたらどうかという御提案がございました。これは塩出さんも言われましたように、私たちは本年の通常国会におきましても、社公民三党の歳出あるいは歳入の具体案を修正案としても出しておりますし、また大臣もおっしゃったように、来年度の歳出につきましても防衛費だけの別枠扱いというものはよくないと、あるいはその他の中道四党の行政改革案等も具体的に出しているわけです。  で、私たちがもし予算の作成権があるならば、細かいものもどんどんそれは全部出しますわ。しかし、やはり政府が一番責任を持っているわけでございまして、いろいろな細かい情報も全部大蔵省で握っているわけですから、そしてわれわれにはそれをはっきり示されようとしておりません。通り一遍の上っ面はそれはいろいろ資料を出されるかもしれませんけれども、奥の奥まで私は出していらっしゃらないと思います。そういうことで、私たちは野党としての努力というものは常にやっているという考えでございます。  税制について最後にお尋ねしておきたいんですが、どうなんですか、税調でも言っているように法人税の増税、これは来年度はきちっとやられるかどうか。それからいわゆる利子・配当課税の特例、選択課税、分離課税というものは廃止の方針が決められておりますけれども、株式譲渡所得への事実上の非課税、法人の受取配当への非課税、こういったものはまだやろうとなされていないようですし、それから土地譲渡所得への軽減措置なんかも手つかずの状態でございます。われわれは野党として土地増価税等も主張しておりますが、これも政府は手をつけようとしておりません。それからさらに、われわれは富裕税の創設とか、また学者の一部には法人財産税の導入すら主張している学者もおります。また現法人税の中でもいろいろまだ問題がございます。大法人にだけ有利な税制になっております。われわれが主張している法人税の累進税率採用でも、やっぱり政府はいろいろな理由を設けてそれに賛成しようとしません。こういった税制について、渡辺大蔵大臣はいま現在どのように考えておられるのか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 税収の問題については、いろいろ税目ごとの負担の水準の均衡等も含めて広く見直しておるということであります。

多田省吾公明党・国民会議

○多田省吾君 ですから、私がいま挙げたような法人税の問題、土地増価税の問題、法人税の累進税率採用の問題あるいは富裕税の問題、法人の受取配当の課税の問題、こういった問題に対しましてはいま現在どうお考えですか。

高橋元大蔵省主税局長

○政府委員(高橋元君) 補足してお答え申し上げます。  いまお示しの法人税でございますが、先ほども大臣からお答えのありましたように、現在の段階では歳出をできるだけ圧縮をいたしまして、予算の何と申しますか歳出面での整理、合理化ということを精力的にやっておるわけでございますから、そういう努力をいたしましてなおかつ財源が不足をしてまいる、その財源について国民の御理解を得て税の増収を図る措置を講じなければならないというときに、その規模がかなりのものになります場合には、当然法人税の税率の問題も検討の課題になるであろうというふうに存じますが、現在の段階でどうこうするということは、五十六年度の具体的な予算編成の必要性というものとの兼ね合いでございますから、ただいま直ちにそれをやるというふうにお答え申し上げるわけにはいかないんですが、検討の課題としてこれは当然なるであろうというふうに考えます。  それからもう一つ、その次にお話しのございました法人の受取配当なり法人の累進税率の問題でございますが、これにつきましては法人税のいわば基本的な仕組みと申しますか、そういう事柄に属することであろうと思います。法人間の受取配当についてその都度課税をしてまいるということになりますと、法人を通じて投資をする場合、個人が直接投資をする場合、その配当に対する課税の状況が著しく異なってくるということに相なります。そのほか種々の理由から、仮に独立課税ということをやっておりますアメリカまたオランダの例をとりましても、すべて法人間の受取配当というものには課税をしておらないというような状況もございまして、この点につきましては、本年の四月から八月の末まで税制調査会の中の企業課税小委員会で詳細検討いただいて、さような法人間の受取配当ということについては課税をしないで、最終的に個人に分配された段階で課税をすべきだというお答えをちょうだいしておるわけであります。  法人に累進課税を課する問題につきましても、やはり法人にはたとえば効用というものがございません。効用逓減という考え方はないわけでございますから、したがいまして、法人につきましては累進税になじまない税率構造であるというお答えをいただいておりまして、それらにつきましては、現在中期の税制の審議の中でもう一度企画特別部会及び総会において御審議が進められておるわけでございます。  土地の増価税の問題は、かながねお答え申し上げておりますように、未実現の所得に対して課税をすることになるので、所得課税のたてまえからの疑問がある。それから資産課税であるとしますならば、現行の税制での一般的な資産課税であります固定資産税との調整をどうするかという問題、そのほか増価税につきましてさまざまな問題があって、これを実現することはかなりむずかしいであろうというふうにかねがねからお答え申し上げております。そういう考え方で、現在これも税制調査会で御検討が進められておるわけであります。    〔理事藤井裕久君退席、委員長着席〕  富裕税につきましては、これは経常的な財産税でございますから所得税の補完税という性格ということに相なりますが、わが国の所得税の最高限界税率は住民税を合わせましてすでに九三%というようなことになっておりますので、富裕税を導入するとしましても補完税としての機能として期待できる部分は狭いんではないか。したがって、税収として多くを期待することはできないんではないかというふうに考えますが、そのほか資産と申しましても富裕税でございますから資産にかかっていくわけでございますが、不表現資産の把握の問題、土地や非上場株式の評価の問題、こういった執行上の問題点が大きいわけでございますので、引き続き検討を進めさせていただいておるという状況でございます。

多田省吾公明党・国民会議

○多田省吾君 大臣から歳出の補助金の細かい内訳についても、減らす分等について野党から意見を聞きたいというようなお話がございました。それはそれとして、やっぱりもし歳入増が必要であるならば歳入の問題でも同じであると思います。野党としてはいろいろな案を出している。ところが政府の方では非常に消極的でなかなかやろうとしない、こういう点が非常に多いように思います。  最後に一点お尋ねしますけれども、昨年の十二月に一般消費税導入反対という国会決議が両院でなされたわけでございますから、当然五十六年度においては一般消費税の導入はないわけでございますが、竹下前大蔵大臣等も当委員会におきまして、いわゆる税調答申の一般消費税はないけれども、それに近いような、似たような一般的な消費税についてはそうじゃないんだというような答弁をなさったこともございます。大蔵大臣もそのように考えておられるのか。私は、総理は新税は来年度もやらないとおっしゃっていますからそういうことは万々ないと思いますけれども、その点が一つと、それからもう一点は、私は昭和五十七年度以降においてもいわゆる一般消費税的な大衆課税はやるべきではないと思いますが、五十七年度のお考えは大蔵大臣としてはいかがでございますか。この二点を最後にお尋ねをして終わりたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 五十六年度もまだ決まってないんですから五十七年度はなおさらまだ決まってないと。ただ、この際中期税調の答申というようなものがどう出るか、そういうようなものを見た上で私は判断をしたい、こう思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 財政再建に臨む大蔵大臣の基本的な姿勢について、最初二点お伺いいたします。  一つは、今月の十二日、札幌北税務署長と副署長二名、合計三名が公用車で日曜ゴルフをした。その点を指摘されますと、その事実は認めたんですが、それは職員と納税者が癒着しやしないか、そういう身上視察である、いわば公務である、こういう弁解をしている事実があります。大臣はこういうことを公務とお認めになりますか。

川崎昭典国税庁次長

○政府委員(川崎昭典君) 日曜日に私的な関係でレクリエーションとしてゴルフをやったようでございまして、公務ではないと考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そうしますと、これは明らかに公用車を使いましてね、まさに公私混同、こういったことがあっていいか、これはひとつ大臣にお答えいただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) そういうようなことがあってはなりませんから、これからも厳正に注意をしてまいりたいと存じます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 この点に関して新聞記事など読みますと、署員全体についてどうも綱紀に緩みがあるように思われるというのが一つと、それからいままでも何度もあるんじゃなかろうか、こういう点があります。  そこで一つは、この問題に関してさらに調査をして御報告いただきたい。と同時に、これに対して許せないとおっしゃったんですからどういう措置をとられるか、これについてお答えいただきたいと思います。

川崎昭典国税庁次長

○政府委員(川崎昭典君) おっしゃるように遺憾なことでございまして、綱紀全体を引き締めるように、このようなことが二度とないように全職員に注意をしてまいりたいと思います。また行為者につきましても厳正な措置をとりたいということで検討いたしております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 もう一つは、先ほどからばっさり削るかどうかという問題があったんですが、防衛費については九・七%について、これは別枠かどうかという点で問題になりました。それについていままでの総理大臣並びに大蔵大臣の答弁見てみますと、決してこれが確定したわけではなくて概算要求としての枠だと、予算決定されるかどうか今後の問題だと、こう答えておるんです。  ここでお聞きしたいのは、大臣が本心そう思っているかどうか、大臣としては腹の中ではもうすでに九・七%の別枠を決めておられるんじゃなかろうか、そういう腹がもう固まっているんじゃないかと、こう思うんですが、その点いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 社会保障でも防衛費でも聖域ではありませんということを答弁してありまして、問題は中身ですから、中身についてはきわめて専門的なものが多いので、それぞれ専門家を通して今後予算の要求の中身については厳重な査定をしてまいりますと、こういうことであります。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 先ほど来、ばっさり削るのは大変むずかしいので、わずかな額でも一つ一つ削っていくのの積み重ねでいきたいと、こうおっしゃったんですが、そういう意味では、たとえば一億でも二億でも、あるいは総予算の〇・〇一%でも〇二%でも必死の思いで削っていくと、そういうことが必要だと思うんですが、そういう姿勢はお持ちでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 効果のないもの、それからむだだと思われるようなもの等については、厳正に査定をしてまいりたいと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 「月別自由民主」で、大臣が藤原弘達氏と対談しておるんです。その中でこの軍事費についてですが、「たとえば防衛費の問題でもね、五百億円ですよ。ということは他の役所より二・二パーセント余計に認めたということです。防衛庁の予算が二兆二千億円だから。しかしね、日本の来年度予算は四十五兆か六兆円ですから、その中の五百億円といったら千分の一の話ですよ。」こうおっしゃっておるんです。  私はこの発言の中に二つ問題があろうと思うんですね。一つは、わずか千分の一——〇・一%だという、こういう感覚。それからもう一つは、もうすでにこの発言の中に単なる概算要求の段階じゃなくて、最終的にもこういう別枠を認める腹が固まっている。それを「自由民主」という内輪の雑誌ですから、思わず本音を漏らされたんじゃなかろうか、こう思うんですが、どうでしょう。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それはわずかな話というところに力点があるんではなくして、五百億円というのは予算の千分の一ぐらいだと。これは、いかにも世間では何か防衛費の予算だけがべらぼうにでかくふえちゃったというような印象を持っておるので、そういうことではないんですというところに力点を置いて、例示的に話したことであります。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 ただ、この発言を見ますと必ずしもそうもとれないし、また万が一こういう姿勢がありますと、当の大蔵大臣がそういう、たとえば〇・一%だとかね、そういうような感覚ですと、これはとても全体の必要な削減はできないと、こう思いますので、この点はそういうお考えをお持ちにならないようにということを指摘したいと思います。  それから次に、財政の機能の問題で、所得の再配分の問題につきまして、これは経企庁発行の「物価レポート」ですが、その中で、公共料金などの問題よりは「累進的な税制や社会保障等を通じて所得の再分配を行った方が国民経済的にみて効率性が高く、」としておるんですが、大蔵大臣もそういうお考えでしょうか。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○政府委員(吉野良彦君) 御指摘のように、いわゆる財政——歳入も歳出もともにそうでございますが、いわゆる所得再分配機能を持っている側面がございます。しかし、ただいま先生御指摘のように、公共料金とそれから歳出と、一概にいずれが所得再分配機能が高いかということは、それぞれの具体的な公共料金の内容、それからまた歳出の内容に応じて比較をいたしませんと、一概にいずれが高い、低いというようなことは、なかなか断定することはむずかしいんではないか、かように考えます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 この「物価レポート’80」、その九十九ページですが、はっきりと書いてあるんですね。断定してます。公共料金の場所でですね。実は、ここでは公共料金を抑えろという要求に対して、まあそうじゃないんだということを一生懸命弁解した場所では、税金の方が効率が大きいと、こう強調しておるんですよ。これはやっぱり大蔵省の態度とは違うということですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は中身を見ていませんから断定的なことは申し上げられませんが、役所が違うと多少ニュアンスも少し違うという点はあろうかと思います。それは厚生大臣の予算要求と大蔵大臣の同じ費目に対する考え方というものが、最初からぴちっと全部一致しているということばかりありませんから、多少ニュアンスの違いはあるいはあるかもしれません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そうしますと、経企庁の方では大蔵省の方にかなり期待して、税制、社会保障の方に期待しながら、大蔵省の方はどうもまた違うという、こういったことですと、本当に果たして税制の運用うまくいくんだろうか、こういう点疑問に思うのですが。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 最終的には閣議で決める話ですから、その時点になれば一緒に当然決まるということです。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そこで、中身の問題として所得の再配分の機能の問題ですが、日本において最近国民の所得格差は縮まっていると思いますか、その逆でしょうか、大臣どう認識していますか。

長門保明厚生大臣官房企画室長

○説明員(長門保明君) 厚生省におきましては、三年に一度所得の再分配調査をいたしておりますが、それによりますとジニ係数という形でその分配の均等度を調べてございますが、これで見ますと、直近の二回の調査の結果について申し上げますと、昭和五十年に行いました調査。内容といたしましては、前年の四十九年のものでございますが、四十九年の当初所得のジニ係数が〇・三七四七となっておりますが、これが三年後の五十三年に行いました調査では〇・三六五二というふうになっておりまして、このジニ係数はゼロに近づくほど分配の均等化が進んでいるということになるわけでございますが、当初所得につきまして以上でございまして、再分配後の所得につきましては、五十年調査の結果が〇・三四五五、これが五十三年度調査におきましては〇・三三八一というふうな姿に相なっております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私どもの方にいただいた資料によりますと、ちょっと数字が違うんですが、いまのは厚生省ですか。

長門保明厚生大臣官房企画室長

○説明員(長門保明君) はい。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 たとえば、これは四十二年と比較してみますと、当初所得が〇・三七四九、五十三年が先ほどおっしゃったとおり〇・三六五二。それから社会保障後のジニ係数、四十二年が〇・三四二三、それに対して五十三年〇・三六〇八と。それから再分配率、四十二年が八・七、四十七年五・七、五十年四・五、五十三年一・二と。この数字を見てみますといずれも格差が広がっておるし、特に再分配率、これはかつて八・七だったものが一・二という、ほとんど数字上効果を発揮していないような数字が出ているんですが、この数字は間違いないんでしょうか。

長門保明厚生大臣官房企画室長

○説明員(長門保明君) 先ほど申し上げました再分配後の所得のジニ係数、これは、再分配はその内容といたしまして社会保障関係では社会保障の拠出金——社会保険の保険料でございますが、これを徴収し、それから社会保障の各種の給付を行う、これを相殺した結果のものと、それからこれにもう一つ課税による再分配、この作用がございますので、この両者を合わせましたものが先ほど申し上げました数字でございまして、当初所得に対しまして社会保障の拠出と給付、この関係のみを取り上げますと、先生ただいまお示しの数字のとおりでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 大臣、数字の上で所得格差が広がっておるし、それからこの場合社会保障ですが、税制上も私は同じことが基本的に言えると思うのですね。再分配率、要するに税制や社会保障の所得格差に対する効果が数字上減っておるんですよ。  そこで私は、大臣に基本的な考えとしてお聞きしたいのは、もう一つの機能、資産配分の問題ですね。その点についてはこれはもう軍事費あるいは海外協力費をふやす一つの根拠にそれを使っておるんですが、所得分配については実際上こういう数字がありながら、逆にこの「歳出百科」などによりますと削っていこうという方向へ出ておると。となりますと、ますます格差が広がってきやしないかということを心配するんです。この点特にジニ係数に関して、大胆としての御認識をひとつお聞きしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常に専門的な問題でありますから、政府委員をして答弁させます。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○政府委員(吉野良彦君) ジニ係数という専門的な係数をお示しでの御議論でございますが一厚生省の五十三年のこの調査も私拝見をいたしたわけでございますが、この調査のベースになっておりますデータそのものの数につきましての制約等もあろうかと存じますし、それからまた、この係数が先ほどお示しになりましたように、いわゆる社会保障による再分配率でございますか、これが低下をしているということでございますが、これがどうしてまあそういう低下になっているのかというような分析もまだ必ずしも十分には行われていないように聞いております。私どもも厚生省の方からこの分析につきましてもよく説明を受けまして、考えてまいりたいと思います。  ただ一般的に申し上げますと、いわゆる社会保障関係の予算は、先生も御存じのように生活保護でございますとかあるいは社会福祉施設に対する補助でございますとか、特に生活保護の関係はいわゆる所得再配分機能がかなり高いグループの経費かと存じます。そういったもののほかに、いわゆる医療の関係あるいは年金に対する補助、これは生活保護などのグループに比べますと、いわゆる所得再配分機能がどちらかと言えば小さいグループに属するのではないかというふうに考えます。いずれにいたしましても、社会保障予算はそういったいろいろなタイプの経費が全部入っているわけでございますから、この社会保障関係予算の総額の増減が直ちに御指摘のいわゆる再配分率でございますか、この再配分率の上下でございますか、そういう増減に直接に結びつくというような性質のものではないように私は理解をいたしております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 いまの答弁聞きますと、厚生省では盛んにこの数字を使っておるんですが、大蔵省としてはまだそれに対する考えも定まっていないというように理解をしたんですが、これ大蔵省大臣官房審議官の福田幸弘さんという人が「財政再建と税制」こういう本を書いています。これによりますと、このジニ係数使いましてね、逆に日本の場合には諸外国に比べて所得格差少ないという方に大いに活用しながら、そして国民の実際の所得格差が傾向として広がっているのかどうかについてはまだ考えが定まっていないと。というのは、どうも余りまじめな態度ではないんじゃなかろうかと、本当に国民に責任を負って財政を運営、運用していくという態度ではないんじゃなかろうかという点が一点です。時間がないからこれは指摘だけです。  それから大臣は、先ほどこれは専門的なことだというんで答弁は避けておられたんですが、大臣、大変国民にわかりやすくこの税制、財政についてお話しになったと思うんですが、この係数上所得格差が最近広がっておったかどうかということは御存じない状況だったんですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは私は、日本だけの問題じゃなくて世界的にも調べてみなきゃならぬのじゃないかと思うのです。なぜかというと、それはもう産油国に富が偏在をしてしまって、どこの国でもインフレとかあるいは失業とか、いろいろな面で何らかの形で非常な生活はダウンをしておるわけであって、日本だけがダウンをしているんだということじゃないですから、外国との比較もしてみないと、日本の過去と現在だけを比べても一概にどうこうと言うわけにはまいらないと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 直接の答弁はなかったんですが、まあいいでしょう。  あと最後に一つお伺いしたいのは、財投の使い残し問題については、一昨日も衆議院の方で中曽根行管庁長官がこの使い残しがあるという問題との関係で大いに見直しをしていきたい、こう答弁されました。  で、使い残しの多いのが住宅公団、輸出入銀行、開発銀行であります。これらの実際の貸し付けの中身を調べてみますと、果たしてこの政策目的に合致しているんだろうかどうか、この点大変疑問に思うのです。  たとえば、これは北海道東北開発公庫ですが、旅館——ホテルも含んでいます。それに対して五十三年には百八十三億円、五十四年は二百二十二億円。それから百貨店——これはスーパーなどが多いと思うのですが、五十四年については七十五億円と、大変多いわけであります。で、それは大蔵省からいただいた開発銀行の資料でもほぼ同じ、多額の傾向が出ています。たとえば旅館について五十三年二百四十四億、五十四年百五十三億等々ですね。で、果たしてこれが政策目的に合致しているだろうか。これらの銀行はもちろん政策目的を大変重視しなきゃいかぬところですから、その点で見直しの必要はないかどうか、御答弁いただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 使い残し等に、なぜそういうものが使い残しになったか、政策目的に合致しているかどうか。それは厳正に見直していきたいと、かように考えています。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 いま私が挙げたホテルとかスーパーですね、これはむしろ民間の資金でやるべきものなんだと思うのですね。私具体的に指摘をいたしましたので、これが果たして合っているかどうか、大臣のお考えいかがですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御指摘のありましたホテル、百貨店でございますけれども、これはホテルであるため、百貨店であるために融資しているわけではございませんで、特定の政策目的、たとえて申しますと、良好な都市環境整備を目的として行っております都市再開発、開発の一環としての整備事業であると、あるいはまた地域開発の一環として。特にまあ東北地方あたりになりますと、これは産業振興開発に非常に効果的であるというような観点から、国際観光というような面でのホテル、旅館というようなものに融資をしているわけでございまして、決して単なるホテル、単なる旅館あるいは単なる百貨店ではなく、そういった政策目的に即したものとしての融資が行われているという現状でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 もちろんそういう目的で出ていることは承知しておるのですが、これは現在考えましてね、大臣、ある時期にはそういう名目で出したにしましても、これからは私は決してそういう状況じゃないんだろうと思うのです。  そこで、そういう中身の問題も含めて見直しをされると、こう聞いてよろしいでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それは時代が変われば時代にかなって見るのが当然でありますから、本当に政策目的に合っているか合っていないかというようなことは、いつの時代でもやはりよく見直して、いつだって見直していかなきゃいけないわけですから、私はやっぱり見直すものは見直したらいいんじゃないかと、そう思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 終わります。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 不公平税制の問題について具体的な部面も含めて御質問したいと思うんですが、先般五十九年から利子の総合課税のための準備、また配当課税の総合課税のための準備としてグリーンカード制度を導入する法律改正が行われたところなんですが、これがいま非常に各部面で問題と申しますか、いろいろのそれぞれの利害関係者が疑問なり心配を出しておるところでございます。その中で一、二もうあるいはほかの方が質問されている、あるいは法案審議の過程の中でもう明らかにされている点があるかと思うんですけれども、その点はひとつお許し願いまして、個人所得の総合課税のために、この利子・配当課税を総合課税するためにグリーンカードシステムを導入したと、こういうふうに常識的には考えておるわけなんですが、しかしこのグリーンカード制度そのものは、いわゆる少額預金の非課税制度のためのグリーンカード制度になっているわけなんですが、そうするとグリーンカード制度を導入、カードをもらわなかった者は今度は利子の分離課税を廃止してしまうとかえって何といいますか、三五%の分離課税がなくなると、その分離課税の課税はかえって軽減されるという部面も一部には出てくるんじゃないか、こういう問題。この税法の改正の細かく出ているやつではちょっとそれは漏れがないようにできているんだろうと思うんですけれども、その点ひとつお話をしてもらいたい。  それで法人だと、いわゆる法人のこの登録の制度をもって提出を求めてそれを確認しろと、こういうふうになっているわけなんですけれども、そういう法人でなくっていわゆる非課税、たとえば宗教法人とかそれから学術研究団体、公益法人というような、個人所得や法人所得というものを納めていなくていわゆる課税の対象団体でない、しかし、こういう団体でも経済行為は営むわけですから相当預金がある部面があると思う。ことにまた、宗教法人とかその他政治団体でも政治資金規正法によっていろいろな団体ができるようになっているんですが、これでも寄付を受けてそれが全部右から左へすぐ使われるわけじゃなくて、やはりあるいは一定の期間預金をされると、こういうようなときにいままでだと支払われた利子は全部源泉分離課税で取られる。そういうものも何と言うのですか非課税、一般的な個人や法人以外の非課税団体についての預金のやつについてはどうも、解明されていることと思うんですが、どういうふうな考え方で対処されるのか、またそれはそういうふうなことは心配要らないんだということなのか、ひとつ御説明を願いますとともに、このグリーンカードで一番いま個人所得、ことに中小企業の、零細企業のおやじさんなんかが一番心配しているのは総合課税——いままで分離課税だから預金やなんかについては税務署に調べられないだろうと思ってその所得の根源については余り記憶がないし、証拠書類もいまなくして預金をずっと繰り返している、いざというときには使おう、一般的に言えばいわゆる隠し財産的なものになる。今度は総合課税にいくときには、これをもうスムーズに配当課税もすっかり総合課税にして移行するためには、この預金の元本の出所のせんさくについて非常に中小企業やいわゆる小金持ちの人たちは心配をしているんですが、こういうふうにそれまでに相当財産調べを余りきめ細かくやると、この所得が今度はいわゆる預金、債券所得からほかのところへ、どこかへ隠そうかというようなことになりゃせぬか。こういうことのないように、現金所得、預金所得や債券所得はそのままでこの利子だけが総合課税になるんだ、こういうようなことをもう少しやらぬと不安が非常にあると思うんですが、その二つの問題についてひとつ御見解を御説明ください。

高橋元大蔵省主税局長

○政府委員(高橋元君) 本年の三月に御審議をいただきました所得税法の改正でグリーンカード制度の導入を五十九年一月からいたすということになったわけでございますが、それによりまして、要求払いの普通預金等の預金につきましては五十九年以降も従来どおり二〇%の源泉徴収をした上で申告不要、こういうことになりますが、それを除きますと、いわゆむ貯蓄性預金につきましては、ただいまもお示しのございましたように、公平かつ実効的な総合課税を実現するために、郵便貯金を含めて非課税、課税、両方の貯蓄を通じまして本人確認と名寄せを実現をする、効率的かつ適確に行う、そういう方策としてグリーンカードが役立つことになるわけでございます。  したがいまして、五十九年の一月からは、現在租税特別措置法をもって実施しております源泉分離選択課税制度は廃止される。これはやはり同じように本年度の税制改正でお認めをいただいておるわけでございます。  お尋ねの第一の点は、たとえばマル優と申しますが、非課税貯蓄をしている人はグリーンカードによって本人確認がなされて限度管理がされるけれども、課税貯蓄をしている人についてはグリーンカードの適用がないから、かえって現在の源泉分離選択をしまして三五%の税率が二〇%に下がってしまうのではないかということであったと承知いたしておりますが、その点は本年の所得税法改正で利子、配当、償還金等の受領者の告知という制度がございます。これは、現在の法律でも利子、配当等、それからまた割引債券等の償還金を受け取ります際には、受け取りをする人は金融機関に対して氏名、住所、それを告知しなければならない、こういうことになっております。その制度にグリーンカードを乗せまして、告知をいたします際に少額貯蓄等利用者カードを提示し、または法人の登記簿の抄本その他の書類を提出しなければならない、こういうことにしております。  したがいまして、課税貯蓄につきましても利子、配当、償還金の受領される際に御本人であることをグリーンカードを提出して告知をしていただければ最も簡素にわかるわけですし、それ以外の場合にもいま法律の条文で申し上げました法人の登記簿の抄本その他の書類、それは政令で定めるわけでございますが、そういう書類を金融機関の窓口に出していただいて、そこで正確な御本人であるということを確認をいたしておるわけであります。その上で、現行の制度によります支払調書という形で所得に総合いたすわけでございます。  したがいまして、いまおっしゃるように、三五%がかえって二〇%になる、課税貯蓄を利用している者の方が予期せざる利益を受けるという心配はない、私どもはかように思っておりますし、本年の税法の審議の際にもさようなお答えをいたしておるわけでございます。  第二点は、宗教法人等につきましては、これは現行の法律でも源泉分離選択課税の必要がないことになっておりまして、宗教法人それからその他のいわゆる非課税法人というものがございます。所得税法の別表に詳しく書いてあるわけでございますが、非課税法人につきましては、受け取る利子は現在でも源泉徴収をいたしません。したがって、収益事業から生ずる所得は法人税をかけるわけでございますが、いわば本体事業と申しますか、本体事業に関連する収支または本体事業に帰属する財産についての課税を受けないわけでございますから、グリーンカード制度の導入前後によってその取り扱いが変わらない、こういうことでございます。  それから、第二点のお尋ねは国税庁の方からお答えさせていただきます。

小幡俊介国税庁直税部長

○政府委員(小幡俊介君) 架名預金を正当名義の預金に書きかえるという問題でございますけれども、これは、実は同じような問題がかつて名古屋国税局管内であったわけでございます。当時、四十七年の暮れごろから五十一年の春ごろにかけてでございますが、名古屋国税局管内の金融機関が架名預金をなくそうと、こういう運動を展開をされまして、名古屋国税局におきましてもこの趣旨は非常に結構だということで、税務運営の面でも協力をしようというふうなことになりまして、大口、悪質なケースを除きまして、そういう場合にはいわゆる脱税摘発的なことはやらないで、個々の納税者の実情に応じまして適切な修正申告の指導をする、こういうふうなことをやったことが過去にあるわけでございますが、今回グリーンカード制度ということになりまして、また同じように他人名義あるいは架空名義で行っていた預金を正当名義に変更する、こういうふうなことが出てくるかと思うわけでございますが、こういうふうな場合に、納税者の方から自主的な申し出がありました場合には、私どもといたしましてもグリーンカード制度を定着さしていく、そしてまた利子所得の総合課税を円滑に実施していくということが非常に大事なことでございますので、大口、悪質な脱税の事例は別といたしまして、かつての名古屋方式というものも参考にしながら何らかの対応策というものを検討してまいりたい、かように考えておるわけでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 そうすると、そういう問題についてはまあ大口か、ある程度それは情状酌量的なものがあるかということは税務当局の判断によると、こういうことになるわけなんだろうと思うんですが、ひとつそれじゃそういうことを……。結局、われわれがいろいろ会合のときに、これはある程度総合課税という名目はいいけれども、それは一種の脱税摘発ということでしぼり上げられると、商売なり何なりやる気がなくなっちゃうと、こういう問題が一つあるから、そういう問題についてまたいろいろ具体的に実施の上で誤解もあれば、また双方の、税務当局とそれから実際のおやじさんたちとの意見の、言葉のやりとりのトラブルも出てくるかと思うんですが、そういうときにはひとつトラブルを余り大きくしないで処理するように特に御配慮を願いたいと思うんです。  それと、いまちょっとわからぬ、これは法案審議のときにどうも話が、話というのか、説明がいまついているようなんですけれども、いまのお話しだと、いまでも非課税団体のやつは利子には課税されていないんだから取り扱いは変わらぬということなんですか。それとも、何と申しますか、そういういまの分離課税の場合に、そういう宗教法人とか、政治資金規正法でいけばその他の政治団体、いわゆる個人後援会の名での貯金なんかのやつはみんな分離課税されてるんじゃないか、宗教法人なんかは別として、一般の申し合わせ的なのや、そういうちょっと非営利団体の名での貯金なんかは、これはみんな分離課税になってるんじゃないかと思うんですけれども、今度、それ、利子を払われるときに、税務当局に通知して、それによって、多分それは通知だけでそれは終わるんだから何でもないんだということになるのか、その点どうなんですか。

高橋元大蔵省主税局長

○政府委員(高橋元君) 現在でも所得税法の別表に掲げております非課税法人というのがあります。先ほどお話のございました宗教法人でございますとか、社会福祉法人でございますとか、国民年金基金でございますとか、ランダムに読んでいきますといろいろなものがございます。そういう非課税法人に指定されておりますものにつきましては先ほどお答えしたとおりでございます。  ただ、非課税法人でなくて、任意の団体というのが数々ございまして、こういうものにつきましては課税という扱いになっておりますから、そういうものにつきましては、やはり、まず第一次的に、グリーカードをもって告知をしていただく、それができなければ、グリーンカードがなくて、何らかの団体の実在を証明するような通知をしていただくということで告知をしていただくわけでございます。したがって、その分は課税でございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 そうすると、何というのですか、権利能力なき社団みたいに法人格のないのでもグリーンカードをもらえるんですか。一つの団体の名前を持っていうたり何かすると個人でなくてもグリーンカードをもらえるんですか。

小幡俊介国税庁直税部長

○政府委員(小幡俊介君) 法人、それからいわゆる人格なき社団、こういうのがあるわけでありますが、グリーンカードの発行、交付の段階におきましては、個人のみならずそういう法人並びに人格なき社団に対しましてもグリーンカードを交付するためのいろいろな対応を考えておるわけでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 わかりました。  そうすると、何というのですか、営利法人以外でも貯金のあるのはグリーンカードを団体名でもらえる、こういうふうに理解していいわけですね、申請をすれば……。わかりました。また一遍、具体的なやつはまた現地でやります。  それから法人税の問題ですけれども、法人税が比例課税で公平だという議論もそれは一つあるのですが、ただ、いままでも、問題は特に中小零細企業、いわゆる法人らしくない法人と言っていいんですか、実態は個人企業的な法人が非常に多い。法人の中でもそういうのが非常に多いわけだと思うわけですが、これについても、それはいま、こういう本当の零細企業まで法人税率を上げるという検討のときに対象になるかならぬかという問題をいま聞いても検討中だということになるだろうと思うんですが、そこで、私の考え方というのですか、意見を申し上げますと、いま交際費課税で、これは非常に逆の現象的に、五千万円以上は二百万円の非課税がある、一千万円以下の中小企業については四百万円の非課税の範囲。交際費の枠はその二倍も広がっている。本当の零細企業では、そんな四百万円の枠があっても非課税の交際費がそう使えるわけでもないし、またそんなことをやっていればそういう会社はつぶれてしまうわけなんですけれども、それにしても、この交際費という名目でいわゆる個人企業的な法人の中では、一般のサラリーマンから見ると自分の遊ぶ金もみんな会社の交際費として免税になる、こういうひがみといいますか、実態的な判断が非常にあるわけなんです。  そこで私は、法人税を引き上げなければならぬときには、中小零細企業の法人税の税率はむしろ現行のままにして、交際費非課税の方の枠を縮めていって、こういうふうな個人的な交際や遊興的な遊びまで会社のツケで全部非課税、いわゆる経費で落とす、こういうことがもう少し制限されるようなことが、法人税率を上げて税金を取るよりか、交際費非課税の方を、中小企業といえども少し非課税の範囲を狭めていって税率は上げないような方法、こういうふうなのが中小企業の、零細企業のいわゆる財政、経営の方向としては正しいのではないかと思うんです。法人は何でも今度は別格でうんと上げていこうじゃないかと、こういうことで中小企業のおやじさんというのは非常に心配が多いわけなんです。しかし、そこで法人税の増税という問題についての考え方の中で、交際費課税の方はひとつ厳重にやっていくけれども、中小零細企業については、法人税率は、一般的な中堅以上の法人税率を上げる場合でも中小零細企業は上げない、そのかわり交際費課税というものについてはもう少し締めていくと、こういうふうな方向のやつが私は正しいんじゃないかと思うんですが、ひとつそういうことについての御配慮をお願いしたいと思いますが、御意見があればひとつ……。

高橋元大蔵省主税局長

○政府委員(高橋元君) 個人類似法人、全体の法人が百六十万ぐらいございまして、その中のほとんどの百五十何万というものは、おっしゃるように個人類似法人である場合が多いと思います。基本的には個人類似法人について個人所得課税をしたらどうかという議論が昔からあるわけでございます。これにつきまして、ずいぶん長い間検討してきておるわけでございますが、会社法によって設立せられた会社の中で、一方は所得税課税の対象になり、一方は法人税課税の対象になるということが執行上もまた法制上も可能であるかどうかという一番むずかしい問題がございます。恐らく個人類似法人について税制上扱いを異にするという結論を出すことは至難であろうと思います。  そうなりますと、中小法人に対していかなる税率を適用するかということでございますが、昭和三十年に、当時たしか議員立法であったと思うんでありますが、当時の基本税率四〇%に対して三五%という軽減税率制度が導入をされました。その後、法人の基本税率が引き下げまたは引き上げが行われてきたわけでございますけれども、基本税率を引き下げましたときには引き下げ幅を大きくし、引き上げが行われたときには据え置くという経緯を繰り返してまいりまして、現在は基本税率四〇%に対して二八%というふうに非常に格差が開いてきておるわけであります。  法人税の税率は、まあいろいろ御見解はございますけれども、これも税制調査会でたびたびの御検討、また非常に掘り下げた御検討を願って出ております結論で申しますと、企業の規模、形態に対して中立的であるということが法人税制のあるべき姿で、したがいまして、法人税率は本来単一の比例税率ということが適当であるということで答えが出ております。しかし、中小法人に対する軽減税率制度と申しますのは、政策的見地に基づく中小企業対策のための特別措置というふうに認識をいたすわけですが、そういう意味で、アメリカ、イギリスにも軽減税率制度があるわけでございますけれども、そういう軽減税率をさらに広げていくということは、これは現在の税制の全体の中で適当というふうには言えないのではないか。  したがって、法人形態で事業を営む場合の税負担と個人形態で事業を営む場合の税負担、このバランスについてできるだけ配慮する必要がある。現在、年七百万円の所得までは御承知のように二八%の税率となっておりますが、仮に個人形態よりも法人形態の方が税負担が軽くなりますと、したがって税負担回避のための会社分割というような問題も出てまいりますし、中小法人に対しましては税制上特別措置が数多く講じられておるということもございますので、中小法人に対する軽減税率制度をさらに拡充することは適当ではないので、今後のあり方としては、基本税率との格差を縮小する方向で検討することが適当であるというのが九月二十六日の税制調査会のお答えでございます。  これらにつきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、いま全体の中期税制の考え方の答申の中で御審議を願っています。ただ、基本的な考えとしては、軽減税率をさらに拡大していく、または据え置くとということは、法人税全体の考え方の中で適当と言えないのではないかという考え方を持っております。  その次に、交際費の問題でございますけれども、交際費は、現在お話しのような二百万円、三百万円、四百万円と資本金規模が小さくなるほど定額控除額がふえるという形で、それを超えますと九割益金に算入されるという税制がございますけれども、これは来年の三月をもって適用期限が切れるわけでございます。これは租税特別措置でございますから、来年の三月に交際費の制度が終わるわけでございます。したがって、その後どういう交際費の課税制度にするかということは、これから五十六年度の税制改正の具体的な審議の中で議論をしていくわけでございます。  お話しのありますように、定額控除制度をむしろそろえてしまった方がいいんじゃないかという御指摘もございます。たとえば資本金一億円未満のいわゆる中小法人の交際費の損金不算入割合は、これは五十三年の統計でございますが、一九%が課税されるという、そういう損金不算入が一九でございますけれども、一億円を超えます大法人の損金不算入割合が七六・五で、否認率が非常に違うわけでございます。そういう点等もございますので、いまのお話の点も含めて、今後五十六年税制改正の中で五十六年度以降適用される交際費制度についてどういうふうに考えてまいるか審議検討を進めてまいりたいというふうに存じます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 郵政省の方は来ていらっしゃいますか……。  まず郵政省に聞きますけども、先ごろ新聞にもちょっと出ましたが、例の郵便貯金の限度額を拡大することとか、あるいはシルバー預金というんですかね、愛称ということで報道されておりましたが、それについて大分煮詰まったと聞きましたけども、大体どの辺で構想が固まって、そして実現をどのあたりに置いておられるか、簡単にまず説明してください。

小倉久弥郵政省貯金局第一業務課長

○説明員(小倉久弥君) ただいま先生がおっしゃいました、私ども、愛称シルバー貯金と言っておりますが、これは高年層の方々につきまして、郵便貯金の預入限度額を現在の一般の限度額のほか別枠で一千万円まで預入できるようにするということについての内容を来年度の予算要求事項として出しておるものでございます。まあ、高年層ということでございますが、御案内のように、高齢化の傾向を強めておりますわが国では老後の経済生活の安定充実ということが非常に重要な課題となっておりますので、言うまでもございませんが、最近のわが国の社会保障制度も漸次整備されてきてはおりますけれども、なおみずからの貯蓄で老後の生活の維持を図る、そういういわば自助の努力が基調になっている、こういう社会であることには変わりはございません。こういう観点から、高年層の方々が努力して蓄えられたあるいは蓄えられる預貯金を、国として積極的に保護していかなきゃいけないんじゃないだろうか、こういうような観点から、国民の経済生活の安定を図る貯蓄手段を提供しております郵政省といたしまして、一定年齢以上の高年層の方々が郵便貯金をなさろうと、こういう場合には、先ほど申し上げましたように、郵便貯金の預入限度額、現在これは一般の郵便貯金につきましては三百万円ということになっておりますが、これとは別に一千万円の別枠を設けまして、非課税で郵便貯金に預入できるようにしたいというふうに考えているものでございます。  これにつきましては、先ほどもちょっと申し上げましたが、五十六年度——来年度の予算の私どもの重要施策の一つとして現在大蔵省に提出しているところでございまして、今後予算折衝の過程を通じまして、ぜひとも私どもといたしましては実現していきたいということで努力をしてまいりたいと、こういうことでございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 その限度額の話はどうなりましたか、一般の三百万は……。

小倉久弥郵政省貯金局第一業務課長

○説明員(小倉久弥君) それから、いま申し上げましたのは高年層の方々に対する別枠でございますが、現在、先ほども申し上げましたが、郵便貯金の一般の預入限度額はお一人三百万円までとなっております。これは四十八年の十二月に百五十万円から現行の三百万円に引き上げられまして、それ以降七年間ずっと据え置きになっております。その間、たとえば国民所得の伸びとか貯蓄額の伸びといいますものも二倍近くになっておりますので、ぜひ私どもとしては五百万円に引き上げでほしいということで、これもあわせまして来年度予算の私どもとしての重要施策として大蔵省へ提出したものでございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 いまの構想について大蔵省の立場ではまだ結論は出てないのかもしれませんが、どんな感触をお持ちですか。

高橋元大蔵省主税局長

○政府委員(高橋元君) これからもちろん政府間で検討してまいることでございますが、ただいまの考えを申し上げますと、現在、老年者年金特別控除、または老年着控除、それから給与所得控除等々の制度がございまして、普通の年金をもらっておられる方、この老人夫婦を考えますと、年金部分は非課税になりますほかに、利子所得を八十一万円回っても課税されないという答えになります。そうなりますと、八十一万円の利子所得でございますから、元本にして一千万程度のものは現在の利率でも課税されない。その上にシルバー預金の別枠の非課税の枠を積むことは必要でも適当でもないと、こういうふうに申し上げたらいいのかと思っております。  それから、郵貯の限度額でございますが、これは現在の貯蓄動向はこれは野末委員よく御存じのように、大体所得と同じぐらいの貯蓄を持っておるというのが平均の勤労者の姿であり、その半分が金融資産であるということであります。そういう状況を考えますと、一人三百万円、郵貯が三百万円、それから国債別枠を入れますとまた三百万円、合計九百万円という非課税貯蓄の枠が出てまいります。  先ほど申し上げましたような貯蓄の動向なり非課税枠の利用の状況からいたしますと、三百万円の非課税限度をこれ以上上げることは適当でないというのがただいまの私の考えであります。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 まず枠の問題ですけれども、これはぼく個人もちょっとこれを五百万に上げるという必然性といいますか、実情に合わないと。いろんな考え方ありますけれども、たとえば平均貯蓄額などを見てもおかしいと。四十八年から引き上げになってないからこれを上げるというのはちょっと余り積極的な理由にならないしと、まあ思いまして反対なんですが、同時にまた、それを上げますと今度マル優とのかかわり合いも出てきますから、この限度枠の問題については大蔵省と同じ考えを持っていますが、さて高齢者の預金に対する扱い方となるとちょっと考えなきゃならない、検討すべきところもあるんじゃないかというふうに考えていますね。いまの郵政省の説明ですと別枠一千万ということでしたけれども、そういう枠が幾らとか、それからあるいは大蔵省の説明にありましたけれども、年金の部分の非課税とそれから利子所得が、ほかに収入がなければ利子所得そのものがそんなに課税されるわけでもありませんけれども、もう少し何といいますか、老後への不安感ということですね、あるいは高齢を迎えて特別の収入がなくなった時点において預貯金の利息を頼るというような高齢者心理、そういうものを考えますと、やはり利子に対して課税されそうだということは大分ショックじゃないかと思うんですね。  それでそれはどういう理由で具体的に説明できるかといいますと、まずマル優の枠が三百万あって、国債で特別マル優三百万あって、郵貯が三百万あってとか言いますが、国債の場合はやはり一般には余りなじみがないのと、それから銀行預金や郵便貯金に比べれば非常に不便な部分がありますから、ですから利殖という点で考えればともかくとして、流動的な、いつでも頼りになる安心感を支えるお金としては不向きだと思うんですね。そう考えると、やはり実際に使える枠は六百万しかないと。マル優三百万と郵貯三百万と。  そうなると、たとえば退職金をまあ一千五百万ぐらい平均になるのかどうか、三十五年勤めればそのぐらいになると思いますけれども、あるいはそれ以上。その場合にこの退職金をどうするかというあたりで、まず預貯金の方に持っていくのが普通のサラリーマンの場合特に常識なんですがね、この退職金をまとめて預かってくれるような商品というのは現実にないわけですね。しかもそれを三百万ずつ分散するったって、奥さんの名前とか子供の名前ですると、またそこには別の課税問題が起きてきたりしますので、ここら辺でやはり非常に不安感を持つんで、いまの郵政省のシルバー貯金などという構想は、まあ早く言えば大衆受けすると。しかし、その大衆受けする背景には、やはり高齢者の不安心理を非常に救ったということが言えると思うんですよ。ですから数字だけで言うと、大蔵省の考え方もそんな必要はないだろうとおっしゃるけれども、果たしてそれで済ませられるかどうかと、ここが一番問題だと思うんですね。  そこで大蔵大臣、お聞きしたいんですが、ぼく個人も、郵便局がシルバー貯金を別枠で一千万やるなんていうことはちょっとむちゃだと思うんです。実は。当然民間との関連も考えなきゃいけませんからね。しかしながら、そういうことを抜きにして、いまの郵政省の考えている構想を、郵貯とか銀行預金とかいうことなしに、高年齢者の預貯金というものに対してはそういう措置というのはやはりある程度必要になってくるんじゃないかと。いまはすぐでなくても、やはり数年を経ずして必要になってくるんじゃないかというふうに考えてるんですがね、大臣、いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) まだ私のところまで上がってこないので何とも判断はいたしかねますが、いままでの大蔵省のスタンスからすれば、そういう必要性はないんじゃないかということが言われておるわけでございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 たとえば、じゃ具体的に、まあ大蔵省の方は老後の不安はそれほどないかもしれませんが、民間のサラリーマンが、定年が仮に延びようが二十年ぐらいの老後の生活があると。それをどうやって経済を支えていくかということを考えた場合に、たとえば公的年金だけじゃ足りないから、個人年金のようなものを、まあそういう商品も出てきましたからそれに入るとしますね。そうすると、この年金型版金というのは十年積み立てて、十年据え履いて、十年支給というようなサイクルで来るんですが、このマル優枠が三百万でしょう。そうするともう枠を突破しちゃうんですね。で、突破するからいかぬと言うんじゃないですけれども、そうなると、この高年齢者の老後を支えるような預貯金に関しては、現実にこの三百万じゃやっぱり足りないと。毎月二万円ずつ積み立てて、ボーナスに五万円ぐらい積み立てると、もうすぐに十年やれば積立期間中に三百万なんか突破しちゃうんで、全く意味なくなっちゃうんですね。  ですから、公的年金で十分でないから私的年金をというつもりで積み立てを始めても、やはりここでこの三百万の枠が高年齢層にとってはちょっと痛いわけですね。そこら辺も考えないと、やはり大蔵省の考え方は冷たいというふうになるんですよ。それで、冷たいとか温かいとかというような感情的なことでこういう法案に関する部分をあれこれ言うのはおかしいとは思いますけれども、やはりどうでしょうか、商売やってる人のように資産がある人と違って、サラリーマンは現実には大体定年間近にならないと老後のこと本格的にやらないんですね。そうなるとなおのこと、自助努力といってそれを幾らあれこれやれと言っても、非常に資産運用で不器用だから、やはり最後は利息に税金を取られてしまうというようなこの現実を非常に不安に思い、まあ冷たく感じる。ここら辺を何とかすべきじゃないかと思うんですよ。  そこで大蔵省の考え、いまのところ必要ないということですが、さらに検討していただくためにぼく個人の考え方を聞いていただきますと、やはりシルバー貯金というものが別枠であってとか、あるいは老人だけに特別の何かをとか、いろんなふうにしてあれこれ貯蓄機関によって自己主張しちゃうと、これは非常に複雑で調整がむずかしくなりますね。ですから、シルバー貯金と、老人——まあ言葉がいけども、まあいわば老人マル優みたいな、そういうものを退職金なら退職金に限ってはこれをある程度考えるという方向を、どうでしょうかね、検討していただけないものかと、こう思ってるんですよ。これによる減収額はそれほどではないようにも思いますし、また減収がこわくてこれをやらぬというのもどうかなと思ったりしましてね。やはりせっかく郵政省からこういう構想が出たと。しかし、ぼくはこれを来年認めるというのはとてもむちゃで、これはおかしいと思いますよ、実際。現に民間の金融機関とのいろんな競合問題が起きてますからね。これは大衆は銀行でも郵便局でもいいんですけども、やはり制度的におかしいですから。それならば、これをむげにだめだと言うんでなくて、大蔵省も考えるべきだと、こう思うんですが、いかがですか。

高橋元大蔵省主税局長

○政府委員(高橋元君) 非常に示唆に富むお考えでございますけれども、お言葉を返すようで大変恐縮に思いますけれども、現在私どもが把握しております平均の世帯の貯蓄というものをとってみますと、いわゆる五分位のちょうど真ん中に当たります第三分位、これは大体年収が三百三十万から四百二十万ぐらいの間の方々であります。そういう方々が持っておられますところの定期性預金は百七十六万七千円、これは去年の末の総理府の統計であります。それから第五分位、一番高いところ、これは五百五十六万円以上の年収のある方々でありますが、三百二十九万九千円というのが定期性預金の平均のようでございます。  それから、退職金についてお示しがございましたが、私どもが、これは労働省の賃金労働時間制度総合調査報告、これの退職金の、少し古い五十三年の資料でございますけれども、高卒三十五年という方の退職金は、一番規模の大きいところで千二百八十万、それから従業員三十人ぐらいのところになりますと七百六十七万という数字になっております。  で、まあ、非常に長い目で見て、今後の老人対策としての福祉預金というものを考えてはどうかというお示しでございます。現在、お答え申し上げたような課税最低限の状況なり、非課税貯蓄の枠の状況なり、退職金の水準なりということからしますと、いますぐそういう必要性があるというふうに私どもは考えかねておるというふうにお答えしたとおりでございますけれども、まあ、そういう民間金融機関で老人のための福祉預金構想というものはいまのところ浮かび上がっておりませんけれども、将来の問題としてそういう構想が浮かび上がってきた場合には、まあいろんな方面の意見を聞き、また実情も調べてみなきゃならないことでございますけれども、内容について預金制度としては検討に値すると思いますが、いまの段階で非課税をそこまですぐ及ぼすか、及ぼすような検討をするかというお示しであれば、ちょっと私、そこのところまでいま必要性について思い当たっていないというお答えを申し上げたいと思います。

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三分散会      —————・—————

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