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93回国会参議院1980/10/23

商工委員会 第2号

発言数
170
登壇者
28
会派数
6
開催日
1980/10/23

会議録

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨二十二日、松尾官平君が委員を辞任され、その補欠として長谷川信君が選任されました。     —————————————

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

川原新次郎自由民主党・自由国民会議

○川原新次郎君 大島つむぎの振興と生産者の保護について大臣並びに当局にお尋ねいたします。  大島つむぎの生産地は奄美大島と鹿児島市周辺でございますが、この地帯は御存じのとおりに第一次産業に依存している地域でございまして、地域経済の振興、雇用機会の増大には第二次産業の育成振興あるいは企業の誘致が不可決のものであり、常に地場産業の育成に最大の努力を払っているところであります。その中で大島つむぎの生産は年間四百五十億から五百億に上り、この盛衰は直接地域住民の生活に大きな影響を及ぼすものであります。特に奄美大島においてはこれは死活的な問題でございます。政府は奄美振興計画に基づいてこれらの地域振興に財政上からも特段の努力を続けていること、御存じのとおりでございますが、このような意味からも、通産省としてはこれらの地域の主幹産業である大島つむぎの保護育成に格段の配慮がなければならないと思量されます。どのような施策をとられようとしているかお考え方をお示し願いたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 川原委員のいまの御質問でございますが、大島つむぎは鹿児島県下あるいは奄美大島の地場産業として江戸時代から伝統のあるわが国の重要な絹織物と申しますか、繊維の重要な産業でございまして、政府といたしましてもそういう観点から伝統工芸品の法律に指定しておりますし、そういう観点からの保護育成、それから繊維法によります構造改善と、そういう二つの面からこの大島つむぎに対処してきたわけでございます。年間七十万反の生産、それから従業員も雇用関係を含めて六万人以上おると言われておりますし、私どもも地方の産業として重大関心を持たざるを得ませんし、そういう観点から二つの法律を基本といたしまして育成してきたわけでございまして、これからもこの伝統産業、地場産業として重要な大島つむぎに対しまして育成していこうという方針でございます。

川原新次郎自由民主党・自由国民会議

○川原新次郎君 そこで、関係業者ないし地元で非常に問題としており悩みとしている問題等について二、三これから質疑をいたしたいと思うのです。  去る十六日の委員会におきまして、吉田委員からいろいろ質問がございました。それに関連もございますけれども、五十四年度において韓国産つむぎがわが国に対して輸出した量が二十二万六千反だ、こういうことが矢野経済研究所の調査で発表されております。この質問が先般ありました。さらに日韓協定による分が三万六千五百反だ、これがどうとらえているかということ等についての御質疑があったと思います。それに当局のお答えを聞いておりますと、三万六千五百反は守られていっている、あるいはまた矢野経済研究所なるものの調査についてはそう信憑性がないような答弁に受け取ったわけでございますけれども、発表された内容等をどのような形で検討されてこんな数字発表がなされているかということ等についてお聞きしてみますると、これは相当の信頼性の高いものである、こういうふうに思われます。したがって、通産省が先般の答弁で出していることと再度お聞きいたしますけれども、このようにたくさんの輸入がなされている、持ち込まれている、三万六千五百反を上回る形で持ち込まれているということ等について、どういうふうにとらえているか。それで、この矢野研究所の数字をばもう一回はっきりとどのような方向でとらえているかをばお尋ねいたしたいと思います。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 矢野経済研究所の調査結果については先回もお答えいたしましたように、通産省としては調査担当者等ともいろいろお会いしまして実情をお聞きしました。その結果かなり問題があるということでございますが、若干丁寧に御報告いたしますと、まず相当量の男物大島つむぎがカウントされているわけでございます、矢野経済研究所で。ところが担当者も言っておるのですが、これは板締であるということを言っているわけです。したがって、大島つむぎの方は締機という前提に立っているものですから、男物が板締ということになると、いわゆる本場大島つむぎというカウントになるのか、ならないのじゃないかという問題点がございます。それから商社を調査したわけでございますが、御承知のように商社とか反物問屋というのは仲間買いが非常に多いわけです。自分の扱い商品ということで、秘密に身分その他調査目的隠してやっていますから、必ずしも正確なのかなかなかむずかしいんだろうと思いますが、自分が直輸入した分と人が輸入して業者転売したものとがどういう区別になっているかということも実ははっきりしませんでした。  それで二、三の例につきまして、矢野経済研究所が実は調査した会社の数量、全量をわれわれ対照はできなかったですが、大きなところだけ抜き取りで調査したら、その商社の輸入数量のインボイス統計の一年間の数量よりもみんなオーバーしちゃっているんですね、矢野経済研究所の方はかなり、という事実もありました。  したがって、まあこういう調査というのは非常にむずかしいわけで、だから矢野経済研究所がだらしがないなんて私たちちっとも思っていませんけれども、もともとも非常にむずかしい調査でございますが、以上二、三点述べましたように、相当正確な数字という意味では問題があるということも事実でございます。そのように、矢野経済研究所の調査については、われわれはとらえているわけでございます。

川原新次郎自由民主党・自由国民会議

○川原新次郎君 前段の三万六千五百反についてはどういうふうに受けとめておられますか。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) これについては、先般もお答えいたしましたが、われわれとしては、韓国側の報告ということで現在のところとらえざるを得ないわけでございますが、その報告は毎月送られてくるわけですが、一応その枠の中に入っておると。しかし、先般新聞等でも御承知のように、いろいろなルートのやみ輸入その他がある。中には不正表示事件にも発展し、刑事事件にも発展しておるということもあるわけでございまして、区別しにくいという問題あるいはやみ不正という問題も含めてわれわれ残念ながら数量は把握はできないわけでございますが、そういう問題輸入も一部あるということは残念ながら認めざるを得ないということで、これについては韓国側、詳しくは省きますが、いろいろ善後措置、業者とも話し、韓国側とも話して、できるだけそういうことがないように努力しているところではございます。

川原新次郎自由民主党・自由国民会議

○川原新次郎君 不正な持ち込みがあるという実態を把握はされておられるようでございますが、あえてここで申し上げますと、先般韓国への旅行者と結託をして韓国産の大島つむぎの不正持ち込みが成田空港で摘発されておる。現在京都地検において起訴されておる。これについてお尋ねしたいわけでございます。  この事件は、わが国のつむぎ業者に抜きがたい不信感を生んでおります。日韓両国の当事者の正常な共存関係に暗い影を落としているものと思量されます。  そこで、このような不祥事が今後起こらないようにしていかなければならないと思いますが、第一に通関手続き、このチェック機能ですね、これを十分に完備しなければならないと思うわけでございますけれども、税関の方がおいでになっておったらお尋ねしたいと思いますけれども、このチェック体制をまずどうするかということ、どうしているかということ、それから第二に、税関職員に本場大島つむぎと韓国産のこのインチキつむぎ、本場大島つむぎというインチキをやっているこの実態があるわけなんですね。これは韓国を出るときには韓国つむぎといって通ってきている。成田を通って、このマジックで塗られた部分を水洗いしてしまうと、すぐ本場大島つむぎという織り込んだやつが出てくるわけなんです。それでインチキという言葉をあえて使うわけなんですけれども、こういうような実態でどんどん入っているわけなんです。こんなことをやっておった事実がさっき言ったように検挙されているわけです。それで、税関でこれをチェックする場合に、韓国産のつむぎか本場大島であるかということの識別が可能な者が検査官として配置されているものであるかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。  この資料がここにございますので、このインチキの実態は後でごらんいただきたいと思います。この不正の持ち込みによって現在持ち込まれた分が、五十四年の一月から五十五年の五月までにそれはもう検挙されているんですね。一万三千百七十五反、末端価格で四十五億円と見られているようです。このようなことが今後日韓貿易関係に悪い影響を与えるものと憂慮されるのであります。関係当局のこれに対処する考え方を伺いたいと思うわけですけれども、なおあわせて、このように表示がインチキされている、いわば韓国産が日本の産である、メイド・イン・ジャパンという形で外国に出すのだったら、これは違法じゃないかもしれませんけれども、これは日本の輸出品を逆にこれはドイツの製品だ、これはアメリカの製品だというインチキの形で出すということについては、いろんな関係法で措置がなされると思うんですよね。これは日本にはそういうような措置の方法があろうけれども、韓国ではこういうような自分の国の品物をば日本の産品だというようなインチキして出すのに対する取り締まる法律というものがないのか、もしそれがあるとすれば、すでに韓国を出るときに韓国の法律違反をやってそこを通過しているということになると思うんですが、その法があるかないか、その辺をどういうふうにとらえるお考えなのかをお尋ねいたしたいと思います。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(著杉和夫君) 御承知かとも思いますが、従来、本年一月でございましたか、一般論としてまず韓国産であるにもかかわらず、本場大島つむぎという表示あるいはそういう誤認を生ずるというような商品の輸入は困るわけでございまして、従来から問題になっておりました。したがって、まず反物の両端に韓国産大島つむぎということを両端に織り込めと、そして、ぐるぐると巻く反物にすると片一方はわからなくなっちゃう。片面は見えますけれども、片面は真ん中に入っちゃうからわからないから畳み込めと、畳み込んでくれと、そうすると両端が見えるわけです。そういう両端の表示と、丸い反物じゃなくて畳み込みの反物の形式にしてほしいということ。それからもう一つは、全数検査をやってくれ、抜き取り検査では危ない、全数検査と、この二点について従来から懸案でしたので強烈に申し込みまして、ことしの初めから実施しておるということだったわけです。ところが、持ち込み品について問題が発覚したわけです。実は若干われわれの方も手抜かりが、日韓両方とも手抜かりがあったわけでございまして、われわれの方も手抜かりがあったと認めざるを得ませんが、いや実はみやげ物まで手が及ばなかったと、そういう検査、若干ルートが違うといえば違うようでございます、流通ルートが。したがって、みやげ物まではそこがチェックしていなかったというのが、事件が発見された後のわれわれ韓国側と話し合った結果だったわけです。したがって、ことしの九月の会談では、その点についても強硬な申し入れをいたしまして、みやげ物についても韓国側として厳重なチェックを行うという方針になっております。したがって、いまその成果といいますか、結果がよくなっているかどうかについて見守っておるところでございますが、そういうふうにいたしております。  それから、韓国の法律で原産地虚偽表示的なことがチェックできないかどうか、チェックされる現状ではないんだろうかという点につきましては、実はこれもわれわれちょっとまだ手抜かりがありましたが、現在は韓国大使館、日本の大使館の方に照会しておりまして、法律の有無、法律の内容等について調査しています。ただ、日韓会談をことし九月にやったときは、そういう法律が必ずしも明瞭に、向こうの担当者もはっきりしませんでしたので、いま文書でもって照会しておるところでございます。  以上、私、通産省の方の問題点について御答弁申し上げました。

忠内幹昌大蔵省関税局輸入課長

○説明員(忠内幹昌君) それから、先生の御質問の前段の税関におけるチェック体制の問題について御説明申し上げますと、税関では原産地を偽った表示とか間接的に原産地を誤認させるような貨物の輸入につきましては、関税法の七十一条によりまして一切輸入を許可しないということになっております。  従来から韓国産のつむぎ類につきましての原産地表示につきましては、ただいま通産省の方からお話がございましたように、税関でも厳重にチェックして、ほとんど全数チェックに近いチェックをしておるわけでございます。そして発見されたものにつきましては全部不許可処分にいたしまして、積み戻しその他の措置をとっておるわけです。  御指摘のとおり、最近韓国産の大島つむぎに本場大島つむぎというような偽った表示をしまして、その表示を水溶性墨ので隠蔽しまして、その上に韓国産と、こう表示して輸入したケースが出ておるわけでございますが、こういうケースが見つかりましてから、私ども特に税関に指示しまして、さらにチェックを厳重にするようにというような措置をとりました。  なお、この種のつむぎ類について使用されております墨でございますが、墨でやっておるようでございますが、これは水洗いをいたしますと簡単に落ちるというような性格でございまして、税関ではちょっと水をかけましてその表示が消えるかどうかというようなことで、慎重な確認をやっておる、そういう次第でございます。

川原新次郎自由民主党・自由国民会議

○川原新次郎君 その税関での、さっき質問申し上げたチェックする場合に、本物と韓国物とチェックする場合に、それを差異を鑑定し得る、何というのか技術者というのか鑑定者というのか、そういうような方が配置されているかどうか。前、配置されていないと、これは税関では盲と同じで通っているんだと、こういうような見方が業界にはあるわけです。だからして、韓国の言うなりに、持ち込むなりに、また、悪徳業者がやるなりにばんばん入ってきているんだと、こういうような見方を非常に憂えているわけです。それで、以前プロの、やはり本職の見分けのつく者を業界から税関に立ち合わしてくれと、こういうような要請等をしたというわけですね。ところがそれはできないと、こう言ってはねられているからいまお聞きするわけなんですけれども、    〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕 それをはねるくらいなら、そういうような者を配置するという前提がなかったらはねる意味がないし、ただ後はそのままで置いて、眼識のない者をそのままで置いて、そして要望を聞き入れて配置しないというんだったならば、従来どおり韓国の悪徳輸入を、持ち込みを認めてあげるという結果になるから、そっちと結託しているような形になるわけですよね。言葉は悪いけれども、結果においてはそうなってくるんです。そういうようなことからするならば、やはり現在、配置されているのかいないのか。いないとするならば、そこに民間の方からでも、業界からでも要請があればそれを配置させるというような考え方があられるかどうかをお尋ねいたします。

忠内幹昌大蔵省関税局輸入課長

○説明員(忠内幹昌君) いま御質問ありましたその鑑定の専門家を配置してあるかないかという問題でございますが、税関におきましてはそういう繊維関係の専門家は各税関に配置しておりまして、いろいろな問題のあるものにつきましては分析を行っておりますし、それから、さらに高度の分析を要するものにつきましては、税関の中央分析所というのに持ち込みまして分析するということになっております。  ただ、最近の表示の問題につきましては、墨を消す、水洗いすれば流れるというようなものでございますので、その方法を重点に虚偽表示についてやっておるということでございますが、その鑑定の専門的な知識のある者、これは各税関に配置しておるということでございます。

川原新次郎自由民主党・自由国民会議

○川原新次郎君 時間がないので応答しているわけにいきませんけれども、税関としてはチェックができているという確信を持っているとおっしゃるわけですね。

忠内幹昌大蔵省関税局輸入課長

○説明員(忠内幹昌君) はい。税関としてはできる限りのチェック体制をとっておるというふうに思っております。

川原新次郎自由民主党・自由国民会議

○川原新次郎君 問題の根本は、やはり日本側の輸入管理体制の甘さにあると、こう思量されます。韓国産のつむぎの日本に対する輸出は、現在、韓国側の自主規制方式にゆだねられているというさきの答弁でも、一方的に韓国がやっているんだというような感じを受けるわけですが、これを日本側において輸入管理を実施をして規制措置をば講ずるような形、それをとらない限りは、やはりいまの規制のままで、いまの協定のままでは、これはどうしても防ぎ得ないんだというような気がしますが、その変更についてどういうふうに考えておられるかをお尋ねいたします。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 二点、問題点があるわけでございます。  それで第一点は、絹織物の輸入一般について御承知のように相当強烈な輸入規制をいまやっているわけでございます。特に中国、韓国につきましては相当強烈な輸入制限といいますか、輸入規制をやっているわけでございます。それで、もちろん向こうは非常に不満でございます。不満でございますけれども、日本の国内業者を守るために、あるいは生糸一元化ということとの関連もありまして、韓国、中国のいやがるのを、強引と言っては悪いですが、かなり強烈に二国間協定等に持ち込みましてやっているわけでございますが、そういう経緯——なかなかむずかしい問題を話し合いでやっているという経緯がございます。したがって一方、その経緯の中で絹織物についてのそれでは、数量のチェックは日韓関係では韓国側が自主的に行うという話し合いに経緯的になっておるわけでございます。もちろん、トータルとしては、日本の通関統計で韓国から幾ら入るかチェックできますから、韓国側が自主チェックと言っても、トータルの結果はぴたり合うわけでございます。ところが問題は、その大島つむぎというものをその中でさらに別枠にしておく、それの問題になってくるわけです。したがって今度は、いま申しましたように、問題点の一つは、韓国側が一般的に歴史的経緯、困難な話し合いの過程から、韓国側が自主チェックをさせてくれと、日本側もそれで結構だろうということにしておるわけでございますが、そういう問題があるということと、もう一つは、今度は大島つむぎとそうでないつむぎをどういうふうに区別するかという技術的な問題があるわけでございます。御承知のように、大島つむぎの区別といいますか、定義といいますか、本場大島つむぎの定義というのは、締機でやったつむぎである、こういうことであります。締機でやったつむぎと締機でない、典型的には板締ということでございますが、板締以外にも韓国側に言わせるといろんな方法があるそうでございますが、そういうつむぎと製造過程が違うわけでございますが、結果としての反物になったときに区別が非常に困難だという問題が、先生御承知のとおり従来から懸案になっておるわけでございます。これについては、それの有効な区別方法がないかということは、われわれ大島つむぎ業界とも絶えず接触して検討はしておるんですけれども、税関なりあるいはわれわれの側でそれを客観的に、画一的に、大量のものでございますから画一的、客観的に区別する方法が現在までのところなかなかむずかしいというようなことで、二つの歴史的経緯で向こう側の自主規制になっているということと技術的な問題と、二つの問題で現在日本側で具体的にチェック体側に入るということが非常にむずかしいと、こういう事情でございます。

川原新次郎自由民主党・自由国民会議

○川原新次郎君 行政指導として日韓協定をばすっきり守らしていくためには、やはりこっちだけでなくて韓国の方も行政指導とか、そして実際この協定を守らしていくという基本姿勢がなかったら崩れると思うんです。だから、協定あるいは協議の場においてもっと強い姿勢で韓国に対してもらいたいということ、なおまた、国内における行政指導も厳しく当たっていってもらわなければならないということをば強調をいたしておきます。続いて、時間がございませんので率直にいま中小企業の悩んでいる点だけをば御質問申し上げますけれども、いま倒産相次ぐ中小企業の現今、こういうような状況の中で、どういうふうにしてこれに対処していかなければならないかということ等について、大臣はどうお考えになっておられるかということ。続いて、悩みはいろいろあるわけですけれども、この悩みの中できょう一、二点だけをば御質問申し上げたいと思います。    〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕  一つは、中小企業者の事業資産の生前贈与制の特別措置について、これは農業においては農地の細分化を防ぐために生前贈与制がございます。御承知と思います。それに対していろんな特例があるわけですけれども、中小企業の方々が譲渡していく、生前贈与をするというような場合については、この特例が農業面ほどないわけですね。これらについての生前贈与に対しての特別措置をばもっと強く打ち出してもらえないかということの悩みがある。と同時に、税額が非常に高い。しかも、高い上にこれが一回で納税をさせられるというようなことになっていくので、巷間、これは従来から言われていることだけれども、大抵の中小企業は三代、親、子、孫と贈与がなされていくとつぶれてしまうんだというのが実態になっており、その現実が起こっているのがたくさんあるわけなんです。だからして、一年間にまた多額の納税をしていくということ等について無苦労もある。したがって、これを分納の形をば、分割納税ですね、そういうような形をばとらしてもらうというようなこと等について考えられないかということが一点。  それから次に、やはり日本経済の繁栄というものを支えている中には、大企業あり、またその大企業を大きく支えているのは地方の中小企業だと思うんですよ。ところが、大企業が中小企業に寄せるしわ寄せがいろいろある。その中でぜひとも早急に考えてもらわなければならないという一点ですけれども、それは中小企業が大企業にお支払いする手形は短期間で決済させられている。ところが、大企業が中小企業に支払いしていく金については長期間の手形をば切らされている。こういうような実態が非常に多いわけなんです。これはやはり弱い者に対して大企業からのしわ寄せだと、こういうふうに考えられるんですが、それについてのいろんな取り締まり規定というのがあるようですけれども、ところがこれがただ単なる規定等では徹底しないから現実にいま巷間行われているわけです。ちまたに行われている。だからして、これをば手形法とか下請代金支払遅延等防止法、または独禁法等の関係法を改正して手形期間を——いま言うたお困りになっている中小企業がある。その点を救っていくために手形法を法定化する、法律で決めていくと、そういうようなことができないように、こういうようなこと等について考えてもらえないかということをばお尋ねいたしたいと思います。

源氏田重義大蔵省主税局税制第三課長

○説明員(源氏田重義君) 中小企業の相続税の問題についてお答えいたします。  先生御承知のとおり、相続というものは民法上では均分相続というものが原則になっております。ところが農業の場合には、御指摘のとおり農地の細分化を防ぐということから、農業基本法の十六条でできるだけ一子が相続するようにというふうな特別の規定を置いております。それからまた農地法の一条では、耕作者が農地を所有するようにという、所有と経営を分離してはいけないというふうな特別の規定も置いておるわけでございます。それで、農地に関する相続税の特別措置と申しますものは、こういうふうな農業に関する特別な事情を考慮して農地だけについて認めたものでございます。それで、中小企業につきましてはこういうふうな事情がございませんで、五十二年十月の政府の税制調査会の中期答申におきましても、農地と中小企業とは事情が異るので農地と同様の特例を設ける必要はないというふうな答申をいただいておりますので、いま御提案のようなその特例的取り扱いを中小企業まで広げるということは、大変むずかしいことだというふうに考えております。ただし、一括納付をしなければいけないじゃないかという御指摘でございますけれども、これにつきましては延納という制度がございまして、たとえば中小企業の株式が相続財産の五割を超えるという場合には、十五年間にわたって延納することができるわけでございます。その場合の利子は五・四%というふうに低率にしております。それでかなりの中小企業の方がこの延納の制度を利用して相続税の納付をしていただいているわけでございます。

児玉清隆資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉清隆君) 先に手形のサイトの問題についてお答え申し上げます。  先生御指摘のように、大手業者の受け取る手形と中小企業の受け取る手形につきましては、一般論といたしましても若干差がございまして、御指摘のように中小企業、特に零細の受け取る手形が非常に長期のサイトになっておるという事実を私どもも十分承知をいたしております。したがいまして、こういったしわ寄せが不公正な取引方法ということになる、あるいは実際に支払い等遅延防止法の規定に反するということで、一方におきましては相当強い規制をやっております。この点につきましては、中小企業庁と公正取引委員会とは全く二人三脚でございまして、同じ立場でこの防止法の運用を担当官庁といたしまして相互に連携をとりながらやっております。そして、現在のところ中小企業庁の関係分で申し上げますと、大体いろんな支払条件の全般的な調査というのは三万六千件、五十四年度やっておりますが、これを五十五年度におきましては四万件というふうにさらに拡充するという方途をとっておりますが、そういったことで対象を拡大して規制の強化を図るということはもちろんでございますが、実際はやはり商取引の問題でございますので、指導という面も非常に重要でございます。したがいまして、公取と私どもとの連名で基準を一応通達を出しておりまして、それが繊維につきましては九十日、それからその他のものについては少なくとも百二十日以内というような基準をつくっております。これに抵触いたしますものにつきましては、相当な強い私どもの行政指導及び具体的な規制措置をとるわけでございまして、ただ私どもも中小企業の皆さん方にも直接申し上げるわけでございますが、非常にひどいものがあった場合は具体的事例としてぜひ持ってきてもらいたい。私どもは決して持ってこられた方に迷惑をかけないということに配慮しながら適切な措置をとりますということを最近も強く申し上げております。ただ、残念ながらそういった事例が非常に少のうございまして、実態に対する対策としては私どもはまだ完全にそういった趣旨が徹底してないということで、今後もさらに目に余るものにつきましては私どもの方から一方的にやりますが、そうでない具体的事例につきましてできるだけ中小企業の方も御協力を願うという線で誘導してまいりたいと思っております。したがいまして、いきなり法改正でこれを取り締まるという関係になりますと、実際の商取引の実態等からいたしまして、また手形の枚数、これも何百万枚となるわけでございますから、そういったことをどうやって担保するかという方法論の問題等もございまして、いますぐ法改正ということよりも、実質的な一日でも二日でも手形のサイトを基準日以内に押し込んでいこうという努力をやっております。  なお、いま大蔵省の方から御答弁がございましたいわゆる承継税制の問題でございますが、これにつきましてはいま大蔵省からお話がございましたようないろんな質的な差がございますので、いきなりというわけにまいりませんが、先生御指摘のようにこの相続税の扱い、運用につきまして、制度上の問題と運用につきまして農業との差が非常にひど過ぎる。そして、現場におきましては、最近は農村も二種兼業農家もふえまして、いろいろ農村地域におきましては農業者と中小企業者が併存している。同じ地域においてそういった非常なギャップが目立つということは非常に不公正ではないかというような議論もございまして、これについては具体的な改善策を求める声が非常に強いというふうに私ども承知いたしております。全国至るところ回りましてもまず聞きますことは、ちょうど世代交代期にあることもございまして、何とかこれは改善してもらいたいという声が非常に強うございます。したがいまして、私どももこれは放置できないということで、中小企業政策上の立場からもこの問題については真剣に取り組もうじゃないかということで、十月の二日に第一回をやりましたが、承継税制研究会というものを設けまして、相当各界の専門家を網羅いたしましてこの問題について深く勉強をさしていただいているわけでございます。したがいまして、そこで現在の相続税の実態とかあるいは制度運用上の問題点等につきまして真剣に検討を開始いたしておりますので、なるべく早い機会までにそういった成果を上げまして、それを踏まえた上で税負担の実態等に即したいい制度の方向に改善をひとつ提言しようじゃないかという構えでおるわけでございます。  もちろん、先ほどお話ございましたようにこれは税の問題でございますので、税の軽減とかあるいは延納の制度とか、そういうものにつきましてはこれは一般個人とのバランスとかあるいは事業用資産、特に土地について農業との具体的な条件の相違等もございますので、そういったものも十分広く検討いたしまして結論を出したいと、このように考えております。

岩本政光自由民主党・自由国民会議

○岩本政光君 私は石油問題、特に国家備蓄を中心にいたしましてお尋ねをさせていただきたいと思いますが、大変時間もありませんので、時間を節約する意味で私がいままでちょっと認識をしておりましたことを先に申し上げまして、そして質問に入ることが大変いいと思いますから、そうさせていただきます。間違っておりましたら御指摘をいただきたいと思います。  昭和四十八年の第一次石油ショックによって日本は非常に大きな打撃を受けました。そこで、昭和四十九年の七月と聞いておりますけれども、総合エネルギー調査会石油部会は五十年以降は備蓄水準を九十日分まで計画的に増強するよう備蓄体制の確立に努めるべきだ、こういう中間報告がされたと聞いております。また国際エネルギー機関、IEAで一九八〇年までに九十日備蓄達成が合意されまして、わが国も五十年度から五十四年度までに九十日備蓄達成を目標にする増強計画がスタートしまして、五十一年四月には石油備蓄法が施行されたとお伺いしております。大変順調に進んでいる。五十三年の末にイランの政変があったけれども、五十四年三月には約八十一日分まで下がったが、備蓄の弾力的運営及び七%の節約等、そういういろいろな施策によりましてその後も大変順調な備蓄に推移している。そして八月末までには百四日分というようなことで、本会議の中でもいろいろと答弁があったところでございます。  私は以上のようなところで政府がとってきたいままでの対策といいますか、これは私すばらしい効果をあらわしたと思っております。四十八年のあのパニック状態を考えますと、私はこの備蓄というものが非常に大きな成果を上げたんではないか、まあ心からこの施策については私はりっぱな施策を進めてきたものだというふうに考えているわけでございます。  一方、国家備蓄の方でございますが、現在はタンカーによりまして七日分の水準に達したと聞いているわけでございます。そこでこの国家備蓄の件でありますが、五十三年度の予算では一千万キロリットルの計画がスタートしまして、五十五年度の予算においては二千万キロリットルについて着工する。そしてまたさらに拡大をいたしまして三千万キロリットルにするための調査費も計上されているというふうに私は伺ってきたわけでございます。  そこで質問に移るわけでありますが、本会議の代表質問の以降におきまして、最近の新聞紙上、きのうも何かいろいろなエネルギー委員会の方で議論もあったようでありますが、いずれにいたしましても、政府の見通しの中で短期の見通しについては非常な安心感といいますか、安定した方向に移っておりますように伺っておりますが、長期の見通しについてはっきりとした御説明がなかったような気もいたしますので、大変微妙な世界情勢の中にありますから、この辺説明、将来方向についてはもちろんいいところにあると思いますけれども、いずれにいたしましても現在のイラン・イラクの紛争状態につきまして、来年の三月までは見通しが短期的には確保されているという話もありますが、どうかその辺のことについてお聞かせを願えれば非常に幸いだと感ずるわけであります。  あわせまして、時間がありませんから、一緒にちょっとお話しをさせていただきたいと思うんでありますが、この有事のいろいろな問題が起きたときの石油の備蓄が非常に重要だということで現在のわが国の備蓄状況は、本会議にもありました。欧米諸国の水準が百四十日前後ということで、非常に高い水準にある中で、日本の状態はやはり私はおくれていると思うのでありますが、この将来の方向、将来計画、そういったものについても一緒にあわせて御説明をいただければ非常に幸いだと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 岩本委員の御指摘は二点あるわけでございますが、備蓄の現状、それから将来の見通しという二つに分かれておるわけでございますけれども、備蓄の現状は本会議場でも御指摘のように申し上げましたが、長期短期に分けまして、短期的と申しますか、八月末の現状では政府の備蓄が七日ちょっとあるんですが、七日分と言っておる。民間が百四日分、それで百十一日分と言っておるんですが、最近また政府備蓄が二・五日、したがって約十日分ですね。そういうふうに見ていい段階で政府備蓄がふえておるわけでございます。それで、それだけ十一日分だから、百十三、四日分になるわけでして、幸いにそういう現状になっております。それと同時に私ども国民の皆様に昨年度は五%の節約をお願いし、今回は七%の節約をお願いしているわけで、これも順調に行っておると。  それから、こういう間に私どもやはり省エネルギー、代替エネルギーということに焦点を合わしていろんな施策をやっておりまして、これも来年度予算にも原子力発電所初め、あるいは水力、それから石炭、火力、そういうような面に対する助成、支援、補助、財政再建と言いつつもいままだ新予算ができておりませんけれども、新予算に計上して大蔵省と折衝しなければならないというふうに腹を決めて、あとはそういう点、国会の皆様に税の面、あるいはそういう補助、交付金の面でまたお願いしなければなりませんけれども、そういう体制をとっております。他方、国際的な面をながめますときに、これもすでに本会議場でも申し上げましたが、岩本委員も御指摘のように、IEA諸国二十一カ国の平均備蓄は百四十日分がございまして、これを相互にいよいよになったら融通しようと、トルコに対してもそういうことを現実に行われておるような情報も聞いておりますけれども、それからスポットに対する高値買いはよそうとか、いろんなことをそれぞれ各国とも国際的にもやっておりますし、そういう観点から短期的には心配ないと、現実に燃料の販売量もまあまあ昨年同期比に比べると需給関係も安定しておりますし、心配しております灯油の値段も落ちついております。そういう情勢を考えれば大騒ぎが起こったりあるいは足らないということもございませんので、短期的にはきわめて大安心というようなことまではいきませんけれども、新聞の投書欄に最近ちらほら出ております心配だ、心配だということ、確かに国民の皆様も心配しておられると思います。しかし、心配は要らないというふうに断言できるわけでございます。ただ、さあ中、長期的にという問題と見通しということを絡めるわけでございますけれども、これも中、長期をどの程度にとるのかと、いまの計算でイラクは三十九万バレル・パー・デーですが、これが来ないということで計算しましても三十日分取り崩して一年分と、六十日分で二年と、そのようにうまいデスクの計算どおりはいかないと思いますけれども、そういう一つの目安を見ても短期的というのが一、二年はということにもイコールなると思うんです。しからばそれ以上どうかということでございますけれども、私ども外交ルートを通じてイラン・イラクの紛争が一日も早く終わるように実はいろんな手を通じてやっております。いい情報もありまして、もう終わるんだという情報もありますけれども、これがある程度長引くというようなこと、それからできるだけホルムズ海峡が閉鎖しないように、これもイラン・イラクの現在の態度を見ておりますと、そこまでして国際関係を荒立たせようという空気はあるいは態度は両国ともとっておりません。したがって、私どもはあすこから来る七〇%ちょっと上回る中東諸国の油はほかの国は安全ではないかと、しかもサウジアラビアなどは十万バレルから百万バレル、それの増産へ向かっていっておりますし、その中から日本にまた一部増量されるというようなうわさもございますし、また私どもはそれをできるだけ交渉の結果やろう。私、このたび月末からASEAN諸国の、あと私がせんだって訪問していない国の残りのインドネシア、シンガポールに行くわけでございますけれども、シンガポールは別といたしましてもインドネシアは私ども日本は一三%前後この油を輸入しておりますし、LNGもありますし、そういう点でもしうまくいくならばということも考えておりまして、中近東ばかりに依存しておってもこういうことがあるときに大変でございますので、メキシコあるいは中国、いろんなところにも油の輸入分散、そういうことも考えて長期的にもそういう考えをやっておりますし、見通しもそれにつながるわけでございますが、その他国際的なIEAの機関、そういうものとも十分打ち合わせて中、長期とも安心のいけるように万全の対策をとっていきたいというふうに考えます。

岩本政光自由民主党・自由国民会議

○岩本政光君 大変親切な御答弁をいただきましてありがとうございました。大変国際情勢で爆撃を受けたり設備がなくなったりしていることもありまして、生産は私は大変おくれると思いますので慎重にひとつこれを取り進めていってほしいと思います。  時間がありませんのですぐ続きまして私は苫東の国の備蓄計画につきまして、九月に第二次のフィージビリティースタディーといいますか、そういう公団の発表がございまして、アウトラインの説明があったようにお伺いしております。私はこの機会に二つのことを聞いておきたいと思うんでありますが、この具体的な内容がどんなことなのかということを御説明願いたいのと、それから地元の立場におきましてはこういう備蓄基地ができる場合に、やはりこの波及効果といいますか、大変これについては関心を持っているわけでございます。一方ではこれについて余りそういう波及効果がないんではないかという話がありますが、その辺についてのひとつ御説明をいただきたいのと、それからこれを恐らくこれから地元と話し合って進めていく上におきまして、でき得ればこういう進行過程の中でも、でき上がった後ではなくて、そのつくっていく過程の中でも何とかひとつ地元の皆さん方等納得のできるような波及効果をできるように指導していっていただきたい。そういう中にはたとえば資材関係の発注だとか、あるいは従業員の雇用の問題だとか、こういうことについて私は鋭意考えていただきたいと思うわけでございますが、この辺についてお伺いしたいのと、もう一つは安全性の問題でございます。これはどこでも言われるんですが、私自身は技術屋育ちなものですから、しっかりとしたお金、そしてまた現在の技術をもってすれば非常に私は安全性については不安はないという自信を持っている男でありますけれども、しかし技術的なことを手を抜きますといろいろな問題が出てくると思いますが、この辺につきまして国の方の考え方につきまして御説明をいただければ非常に幸いだと思います。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) ただいま御質問のございました苫小牧東部地区の国家備蓄につきましては、九月十日付で北海道庁に対しまして石油公団から正式の協力要請をしたところでございますけれども、一応フィージビリテースタディーの結果、現在考えておりますのは、苫小牧東部大規模工業基地の中の約二百九十ヘクタールにつきまして、建設費約千四百億を投じまして備蓄基地をつくりたいということでございます。備蓄容量は現在考えておりますのは六百二十万キロリッターということでございまして、十一万二千キロリッターのタンクを五十五基つくりたい、こういうのが現段階におきますフィージビリティースタディーの結果の計画でございます。そこで、先ほど申し上げましたように、地元の方々との調整に入らしていただくわけでございますが、幸いにいたしまして地元の方との調整が得られれば、本年度中にも着工さしていただきたいというふうに考えている次第でございます。  それから、第二の波及効果につきましての御質問でございますけれども、先ほど申し上げましたように、概略の建設費が千四百億程度でございまして、これは建設途上の波及効果と完成後の波及効果と両方あろうかと思いますが、波及効果の中には。まず、建設途上の波及効果から申し上げますと、最盛期におきます工事の従事者が一日当たり二千人程度になるんではないかという見込みをいたしております。したがいまして、このうちの相当部分を地元に期待をさしていただきたいということでございまして、そういった意味の波及効果ということを期待できるわけでございます。それから、完成いたしました後の波及効果といたしましては、操業段階におきまして基地の維持管理のために常時二百名ないし三百名の方の労働力が期待されるわけでございますので、これも同様に地元の雇用を優先して考えたいというふうに考えておる次第でございます。  それから、財政面につきましても立地交付金等等の措置を考えておるわけでございますけれども、なお今後一層の強化を図っていきたいというふうに考えます。  なお、ちょっと順序が逆になりましたが、建設途上におきまして、できるだけ資材等の発注につきましては地元の方を優先するような配慮はしてまいりたいと、こういうふうに考えます。  それから、もう一つ御質問のございました安全性の問題につきましては、これはもう当然の御指摘でございまして、私どもも最大の配慮を払いまして、たとえば消防法あるいは石油コンビナート等の災害防止法を初めといたしますいわゆる関連法規を踏まえまして、十分な安全対策を考えていきたいというふうに考えます。  なお、私どもだけの独断でもどうかと思いますので、安全に関する委員会を、これは関係各省の方々あるいは関係の民間、学会の方々にもお集まりいただきまして、慎重な配慮のもとに工事を進めてまいりたいと、かように考えております。

岩本政光自由民主党・自由国民会議

○岩本政光君 時間がありませんから、最後に一言だけちょっとお伺いしておきたいんですが、もうそろそろ冬がやってきました。私が国会へ入りましてからもお話はあったんですけれども、灯油の問題なんですけれども、実はことしは大変何かいま現在は余っているというお話で、バイヤーズマーケットになっている、こういうことですけれども、しかしいつでも毎年灯油の問題については北国の人たちは関心を持ってますし、また影響を受けてますので、いままでいろいろと灯油の値上がりについて御指導いただいてきましたけれども、従来どおりの方法で臨むのか、何かまた新しいいろいろな施策を持っておられるのか、その辺だけちょっと御意見をお伺いして質問を終わりたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 灯油がいま需要期になりまして、全国各地で問題視されると思いますし、皆さんも心配されている。特に北海道などは灯油の問題につきましては特別強い関心があられると思います。しかし、たびたび私ども国会で言明しておりますように、灯油の現在のストックと申しますか、本当は九月末で六百五十万キロリットルを予定しておったのが、一月繰り上げた八月末で六百五十万キロリットルどころか六百八十万キロリットルのストックができまして、早目にそれが解決しているわけで、その目標の需給見通しを上回ったストックでございますので、したがって来年の需要期までは十分あるということで、したがってその量があるためでしょう、価格の面もまあまあ落ちついて、八月まではずっと落ちついて、九月はどうかといいますと、これもまた十八リットルのあのかん入りが運搬費を含めまして千五百八十一円というような、これは東京都区部の値段でございまして、といって札幌あたりはどうかと見ますと、これもやはり千四百円台になっておりますし、そういうようなぐあいでございますので、あと売り惜しみ、買いだめとか便乗値上げというようなことがなければ、私は落ちついた冬が十分過ごされるというふうに考えておりますし、将来も私ども万全の措置をとっていかなければならないと、あるいはまたいくということを申し上げておきたいというふうに思います。

岩本政光自由民主党・自由国民会議

○岩本政光君 ありがとうございました。

長谷川信自由民主党・自由国民会議

○長谷川信君 大臣並びに政府委員の皆さんに電気、電力料金の問題についてお尋ねを申し上げたいと思うわけであります。  先般、わが国の電力料金が約五〇%ぐらいアップしたわけでありますが、これは石油の高騰が大部分の理由でやむを得ないこととは思いますが、ただその地域によって非常なアンバランスになってしまった。いまいろいろ問題が惹起しているわけでございますが、一例を申し上げますと、福島県それから新潟県、これは大臣御案内のとおり、全国きっての電源地域であります。その電源地域で、開発をして一生懸命やって、政府の方針に従って開発をやって、電気を発電をして、その大体六〇%から六五%以上は大都会に送られておるということなんです。しかも、距離が大体二百キロから三百キロぐらい送電をして、電力を発生して大都会へ送って、それで電源地域よりも都会の電気料金、電力料金の方が安くなってしまった。これはいろいろどう考えてみましても、若干これはひとつ大臣からお考えをいただかなければならない問題だと思うんです。電力を開発するということはいろんな、何といいますか、言葉ございますが、やはりその地域の開発にやっぱり寄与するものでなければならぬと思うんですね。大臣御案内のとおり、いままで電力は開発してダムができる、あるいは原子力発電ができる、いろんな膨大な補償料とか土地代金とかも入りますが、それは必ずしも一〇〇%地域の開発にそれほどつながっておらないと思うんですよ。あるいは道路をつくった、あるいは公民館をつくってくれる、あるいは若干山にトンネルを掘っていろんなことをやっていただいているわけでありますが、裨益はもちろんしておりますが、いまこれは総理府だと思いましたが、過疎地域あるいは地方の皆さんに、あなた方は一体何を一番望んでおるかということをアンケートというか、調査をしましたら、これは例外なしに、文句なしに雇用の関係の安定であります。雇用の関係の安定がないからみんなほかへ出ることなんでしょうが、これが一番要望が強いんです。だから、いま御案内のとおり、いろんな高速道路もつくっていただいたりあるいは鉄道、道路、いろんなことをどんどんやっているわけでございますが、やはり電力料金が高いと企業が来ない。来ないならまだいいのでありますが、ある企業が逃げていっているのです。これでは雇用の安定はとうてい望むべくもありませんので、非常に強いそれらの地域で要望が出ているわけであります。  一つ例を申し上げますと、これは新潟県の例でございますが、二百五十人から三百人くらい使っておる繊維工場で、東北電力の料金と東京電力と、東京電力をもし使ったとすれば、年間で五千七百万くらいの差が出ておる。金額は大した金額でないようにも感じられるかわかりませんが、わずか二百人、三百人の工場で、いま御案内のとおり繊維工場なんというのはほとんどもうすれすれの線を走っているんですよ。何百万の利益しか出ないような、本当にプラス・マイナスすれすれのところを走っている。そこで、電力料金が東京電力を使ったのと五千七百万もふえている。たとえば、食品工場で、これは四、五百人使って——食品工場は電力それほど使っておりませんが、それでも東京電力との差が千七百万も出ておる。それから、これは信越化学だと思いますが、新潟県の方になりますが、これはちょっと大型の工場でありますが、これも東京一電力を使ったのと比べて二億八千万もよけい金を払わなきゃいかぬ。それじゃどれほど利益を上げているかと言えば、いま申し上げたように、ほとんどすれすれの決算をやっているわけでありますから、工場がいま逃げ出しておるんですよ。たとえば、日本軽金属は、これは全部電力料の問題だけで逃げたとは申し上げませんが、全部今度新しい県庁に土地を売り払って引き揚げてしまっている。それから長岡の日産化学も、これもちょっと前でございますが、これは必ずしも電力問題が全部影響しているということは言い切れないようでありますけれども、これも出てしまっている。いま残っておる昭和電工にしろダイセルにしろ信越化学にしろ、企業の拡大というものはとうてい望むべくもない。ただ、逃げればいいということにもつながらないので、これ大臣も御案内だと思いますが、もしそれがいやだから逃げて東京に行くと、何かいろんな規則でもって三〇%アップの電気料を払わなきゃならぬということになっているわけです。だから、逃げるには逃げられずおるにはおられず、どうにもならなくなっておるというような感じがいたしておるわけであります。したがって、いま非常にむずかしい議論ではございますが、若干これは政府からひとつ御検討をいただかなければならない問題になっていると思うんです。その辺、大ざっぱに大臣から御認識をいただいて大臣の感触をまずお伺い申し上げたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 確かに東北電力、東京電力、この二つはいろいろ錯綜しておって、電源立地の福島あるいは福井それから消費地である東京間の差。そういうことで電源立地におる人々に非常に不公平感あるいは感情的なものを与えておるというふうに私も思います。これを是正しなければならない。どうしたらいいかということでございます。しかも、長谷川委員御指摘のように電力料金の格差があって、電源立地の方におる企業が、必ずしも電力料金だけの問題でないと言っても、それに関係があってつぶれるとかあるいは逃げると。したがって、雇用関係も電源立地のおる市町村はばかを見る、そういうようなことがあっていいのかという、これは政治にも大きな欠陥を指摘されなければならないわけでございまして、私どもも実は頭の痛い話でございます。  しかし、一つ原則的には、電力料金の原価主義というようなものがございまして、その原価はどこからくるかと。もちろんいまの油の値上がりによる一つのそういう油代金の問題とか、逆に計算できるのは円高の問題であるというようなこともありますけれども、それを抜きにいたしましてどういうことでこういうことになっているのかと。まず指摘できることは、たとえば電力料金そのものに原価主義というものを頭に入れますと、東京電力には水力、火力いろいろある、原子力発電所もあって、どうもコストの面でいろいろ原価というもので計算するとこういう料金がはじき出される。東北電力はさてどうか。原子力発電所が一つもない。そうしますと、コストの面で御承知のように原子力発電所は私どもの計算では一キロワットアワー八円。そうすると水力、火力はその倍の十七、八円というようなコストの面から、それがひいてはこれは一つの端的な、単純な例を言っているわけでございますけれども、それが電気料金に反映してくる。しかし、そういうことは先ほどからも指摘されておりますような重要な地方の問題、これからの電源立地に対する問題もございますので、どうしたらいいかということで考えるわけでございますが、そこには東北電力と東京電力で共同開発をできるような発電所をつくる。もう現にもくろんでいるわけでございますけれども、そういうものをいち早くつくって電気料金の調整に役立たせよう、あるいはまた、電力そのものを東北電力と東京電力を調整して交流させるというようなこと、具体的にはそういうようなことを考えていくわけでございます。  さらに今度は、電源立地の方の人たちに対する問題、これは原子力発電所はたまたま東北電力関係にはないので当てはまらないかもわかりませんけれども、現実に福井あるいは福島あたりでもこの原子力発電の問題もございますから言えるのですが、五十六年度には新しく原子力発電所関係には大きな柱として、いままで交付金によって公共物ができておったのを、いままでは維持管理費というものがなかった。それが地方の財政を圧迫しておったということから、公共物の維持管理費もこれから出そうというようなこと、それから新しく電源立地促進税と申しますか、いままで三十銭であったのをこれを四銭プラスいたしまして、これを立地関係の方に八銭五厘行っておったのを四銭足しまして、それを一戸当たり四百円、それを七段階に分けてこれは百キロワットアワー以下出発するわけでございますけれども、それを七段階に分けて各戸に配る。それから、企業に対しましては百円、それをやっぱり七段階に分けまして二百二十五円までいくわけでございますけれども、そういう体制をとる。それから水力関係につきましては、原子力発電所ばかりにそういうわけにいきませんので、水力発電所に対しましては、発電所ができて十五年になるところに対しましては十五年間だけ別途にこれに交付金を出していこうというようなこと。それから小水力発電所に対しても、これらに対していままで未利用の格差のあったところを小水力発電所をつくってそれを助成しようとか、新しい方法をいろいろ考えて雇用の拡大とか、あるいは電源立地関係の市町村あるいはその隣接市町村に対しても、ある程度の補助あるいは維持のための交付金の増額というようなこと、そういうようなことを考えて、考えるだけじゃなくて、これを新年度から実現していこうというようなことの対策をとっておりますし、これだけではもちろん済まないでしょう。しかし、いまの財政事情でございますけれども、私はいま言ったようなこと、まだこれはこういうことでぺらぺらしゃべっておるわけにもいきませんけれども、ずっと全体の今回の諸政策をながめますときに、まあまあこれである程度これを基本にしてこれから拡大していけば、これは私どもも長谷川委員が御指摘のような点も十分考えて、電力会社の調整とかいうものについても、それこそ官庁の得意の巻の行政指導でうまくやっていったら何とかなるんじゃないかという気持ちがしております。

長谷川信自由民主党・自由国民会議

○長谷川信君 御理解ある御答弁をいただいたわけでありますが、いま大臣が共同開発——これは現に仙台、宮城県でいまやっております。青森県でもやっておるわけでありますが、非常にこれは効果的なものだと私どもも承知をいたしておるわけでございます。  なお、電力の融通、これも現にいろいろ話し合いを始めていらっしゃるわけであります。非常に結構なことだと思います。ただ、さっき大臣が、こちらの御質問で、石油は大体安定しているからまあということでございますが、いま大臣の御答弁のように、石油の量も安定をし、あるいは価格もそう変動もないだろうというふうなことをもし前提にできれば、私は、東北電力とそれから東京電力との格差、これが少なくとも第一段階としてはこれよりは広げないということがまず第一だと思うんですよ。もしこれより広がったらこれはやっぱり本当にいろいろ問題が出ると思うんですね。かなり深刻であります、現地は。したがって、大臣からいま御答弁をいただいたのでありますが、いまお話なさいましたようなもろもろの手段、方法をとっていただいて、少なくともこれよりはもう絶対に広げないんだと。半年、一年、あるいは推移とともに格差は縮めて、いまの御答弁のとおり縮めていくのだと。いまの現状はまずこれより拡大はしないんだというようなことを、ひとつもしできましたら明確に御答弁いただけたら幸せだと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 格差を縮めていこうという大方針を実現しようという気持ちでございますので、まして格差を広げようというようなことは全く考えておりませず、これを縮めることに一生懸命努力していくというふうに考えております。

長谷川信自由民主党・自由国民会議

○長谷川信君 次に、いまお話ございました電源立地促進のことでございますが、いま大臣御説明のとおり、原子力発電についてはいろんな、わが党の中の議論もかなり進んでおりまして、いま大臣お話しのとおり実現の可能性がかなり濃厚のようでございますが、問題は、水力電気の十五年以上経過したものについて一市町村当たり最低三百万から最高三千万ということで、いま大臣からこの問題についても非常に努力をしなければならないし、努力をいたしますという御答弁をいただきまして大変ありがたいと思っておるんですが、私はやっぱり日本の水力というものは、水力自体見直さなければならない時期に来ていると同時に、やっぱり水力電気を原子力発電と、いま大臣のおっしゃいましたような取り扱いをしていただかなければならぬと思うんですよ。今日の日本の繁栄は、いろんな要素がありますが、明治以来水力電気の開発を津々浦々までやってエネルギーを確保したということが基本の一つではないかと思うんです。ところが、開発をした水力電気の発生地域は、これは例外なしに全部過疎になっています。もう場所によっては無人の発電所になって人が一人もいなくなっているところがあります。だから私がさっき申し上げましたように、電源開発というものはやはり地域の開発に若干つながらなければ、これはやっぱり基本が失われるのではないかと思うのです。そういう意味で、いま大臣の御答弁を私非常にありがたく拝聴いたしておったわけでありますが、ぜひ大臣のおっしゃるとおり、水力も当然これはひとつお考えをいただかなければならぬ、これを一点ひとつ重ねてお聞かせをいただきたいのであります。  なお、また大臣の御構想の中に、私は、日本は世界一雨量の多い国でありますし、またこんな小さい国で山がこうなっているものだから、落差が非常に激しい。したがって水力電気というものをここで若干見直して、毎年雨が降ると五人や十人必ず死んでしまうでしょう。災害予防を当然建設省、国土庁やらなければならぬと思うのです。工業用水だってもう大都会は工業用水どうにもならなくなっている。あるいは飲料水だって東京都民は夏になったら消防自動車で水を配給しなければできないような状態になっている。あるいは農業用水もやや同じことであります。したがって、ダムの建設を国の、政府の力において実施をして、それに各関係の電力会社が発電所をちょっとつければ、必ずしも、原子力よりはもちろんコストは高くなるでしょうが、それほど、政府で考えているほど原子力の八倍も十倍もかかるということはないと思うのですよ。しかも水力電気は全く海外の資源に依存をする必要がもちろんないわけでありますから、その辺水力電気の見直しというものを通産省からも考えていただくと同時に、やはりいままでの既往の水力電気のものについても、先ほど大臣御説明がございましたように、やはり何らかの、いまお話ございました立地促進法のものを、該当するようなことを重ねてひとつお考えをいただくことがこれからのエネルギー確保のやっぱり大切な基本じゃないかと思うのですが、お考えを重ねてひとつお願い申し上げたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 長谷川委員御指摘のように、私も原子力発電所につきましては、先ほども言いましたように、コストが安いし、それからウランがやはり軽くて、日本も非常にいま蓄積度が濃くなっておりますし、そういうふうなことを考えれば、それから世界の情勢も見ておりましても、これもちょっと触れておきたいんですが、日本が二十一もあって、これが将来建設計画中のものも含めて三十五、そういう段階で、アメリカがいま現実に七十二あるのですが、これが百九十二ぐらいにアメリカはなるのです。それからソ連でも二十四現在稼働しておりますけれども、これも五十二ぐらいになります。それからフランスが現在十六でございますけれども、これが七十幾つぐらいになるのですね。そういうような世界の情勢を見ておりますと、非常に原子力発電へ向かって驀進しておる。日本もコストの面から早目にやっておかなければいかぬと思うと同時に、長谷川委員御指摘のように水力というものに目をつけたときに、これは日本で言う全くの純綿の日本の国産だ、国産品と言っていいわけだから、したがって水力に頭を向けなくちゃいかぬと思っているし、事務当局もそう思っております。したがって、これに対してもこれから水力発電所、もう十五年経過してそういうところになって、非常に、ある程度人間の体で言えば過疎になっているとあなたおっしゃっていましたが、確かに衰弱している、そういうところにやはりこれからいろんなことをやっていこう、遅まきながらですね。それで何とか復活できるような体質にしようということと同時に、新しくこれから電源開発をするというようなところにいたしましても発電所の規模、そういう建設の規模に応じて一五%から出発して一五あるいは一〇、五というような補助制度を出すとか、先ほどあなたも私も指摘したわけでございますけれども、日本の水の未利用の落差のそれを小水力発電所にしていくというようなことも、田舎の産地産業にも通ずるわけでございますけれども、そういうところで地方の産業と結びつく小水力発電所、こういうものもずっと持っていこうというような構想、特に構想と言うよりも、それはもう当然だれでも考えられることでございますし、それに予算をつけてやっていかなければいけない。つまり、水力電力の見直しということは、原子力発電所をやると同時に十分やっていこうというふうに考えております。

長谷川信自由民主党・自由国民会議

○長谷川信君 次に、自治省来ていらっしゃいますか。電気税の問題ちゃっとお聞きしたいと思うんです。これは大臣にも総括的にお伺いいたしたいと思うのでありますが、いま六千億前後の電気税を取っておるわけでありますが、これはいつから始まったものか、私もつまびらかではございませんが、電気をよけい消費したところによけい金が行くということになっておりますね。電気税、これは実際消費税みたいなものでありますから。だからいま省エネルギーあるいは石油節約の時代に、じゃんじゃん電気を——この部屋だって消したって別に議論ができないわけでもないけれども、朝から晩までつけっぱなしになっていると、この分に応じて消費税が東京都に入るということになるわけでありますが、これはどうもいまの、何といいますか、これは恐らく私の推測では、これは産業をどんどん起こして電気をどんどん使いなさい、幾らでもあるんだから、こんなものは無制限に使いなさいというようなことで、消費をしたものにスライドして税金を各都道府県に配分をしておったもののような感じがするわけであります。ところが、いままさにその背景は全く逆転をしてしまった。できるだけエネルギーを節約しなさい、石油も節約しなさいという時代に、これは必ずしも私はいまのこの形というものは妥当なものではないと思うんです。たとえば私のところも、さっき申し上げたように福島県、新潟県はまさに全国切っての発電県でありますが、こんなに発電をして、そして地元はやいやい言って問題まで起こして、それで電気を東京に二百五十キロも送電線で送って、その先が安くてもとが高くなったんでありますから、そうするとせめて電気税でもよけいもらえるものかと思っておりましたら、いまお話し申し上げましたように、東京は値上げ前でもって二百四十億になります。新潟県はわずか四十億、これで五〇%アップになりましたので、電気料が上がったのでそれにスライドいたしますのでその格差はもっと開いてしまった。これは大臣もちろん御案内だと思いますが、通産省はこの電気税についてきわめて厳しい批判をいたしております。通産省のある方は、こんなものはもう廃止してしまった方がいいだろうぐらいのことまでおっしゃっておられる。私どももまさにそのとおりだと思うんですよ。ところが主管が自治省でございますので、なかなかいろんなお考えもあるようでございますが、少なくともこれは、いまの現状は廃止と、急にそういうわけにいくかいかないか、それは私もわかりませんが、少なくともこれは改善をしなければならない。また形をやっぱり、私どもから申し上げさせていただければ、まさにこれは電源税に切りかえをすべきだと思うんです。電気をどんどん地元でわあわあ騒いでも何とか知事がおさめ、新潟県の例ばかり申し上げて恐縮でありますが、知事室までどなり込んで大騒ぎをしてまで何とか頼むわなんということでやって帰りました。それが東京に送られて電気料がこんなになった、それではせめて電気税でももらえるものかと思ったら、これもいま申し上げましたように、これじゃ電源県は救われませんよ。だから、自治省もなかなかお考えかたくななような感じがいたすわけでございますが、これは政府の中の通産省も、これは私が通産省のことを申し上げて恐縮でございますが、私どもいろいろ通産省の皆さんとお会いしたり、会合でお話を聞きますと、この電気税はまさにいまの時代に合わないので、全面的な改正をすべきと私どもは考えておりますという答弁を始終私ども拝聴いたしております。ただ、自治省は自治省でいろんなことがございますが、これは自治省の課長御出席のようでありますが、責任持った御答弁できるかどうかわかりませんが、少なくともこれはいまの現状に合ったような形に改廃をして、改善をしていただかなければならない。もし、このままいって、また電気料が上がるか上がらないかわかりませんが、どんどん拡大をしていったら、これは本当に問題になりますよ、こんなものは。時代が変わったんだから。まさに高度成長のときの電気を無制限に使いなさい、何でもやりなさいといった時代と全く逆転してしまったんだから。それじゃ時間のようでありますが、答弁だけちょっと。

土田栄作自治省税務局企画課長

○説明員(土田栄作君) 電気税の性格でございますけれども、私どもは一つは、電気税といいますのは所得の多い方が非常に多く電気をお使いになるということで、担税力から言いますと所得の多い方がよけい電気税を負担するという意味におきまして、住民税は所得課税でございますけれども、それと同じように所得課税を一つ補完するという性格を持っているというふうに考えております。それから、所得の零細な方は電気を余り使わないと。そうしますと、免税点が三千六百円でございますので、それ以下の方には税金がかからないという形での政策的な配慮をいたしているわけでございます。  それから、もう一つの問題といたしましては、電気税の性格は消費課税でございます。それで、電気を使いました場合に、その消費者に対しまして課する消費者税であるということでございますから、消費地で課税いたしまして、そこで消費者、住民のために使うということで電気税を負担しておられます納税者の御理解をいただいているというふうに私どもは考えているわけでございます。そういうふうな意味から考えまして、現在電気税の税源偏在の問題というのは確かにございますけれども、電気税のいま申し上げましたような住民税を補完するという性格、それから消費課税であるという性格から考えまして、電源県へ税源偏在の問題があるから電気税を手厚く配るということはできないというふうに考えております。そういうふうな必要がございますれば、それはまた別途の政策的な手当てが必要な問題であるというふうに私どもは考えておる次第でございます。

長谷川信自由民主党・自由国民会議

○長谷川信君 いまの御答弁私どもよく理解ができませんので、いずれまた機会を見てこの問題はいずれ決着をつけなきゃならぬと思うんですよ。十分そのつもりでひとつお考えいただきたいと思います。  わが党の持ち時間ないようでありますから、どうもありがとうございました。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) どうも御苦労さまでした。  次に市川君。

市川正一日本共産党

○市川正一君 限られた時間でありますので、きょうは総括的な議論でなしに各論的な具体問題について若干質問いたします。  まず鉱山保安行政のあり方についてでありますけれども、ことしの三月二十三日に栃木県の石灰石採掘場で土砂崩れが起こり、一家五人が生き埋め死亡、重傷一人という惨事が起こっております。また、おととし一月には、静岡県の中外鉱業持越鉱業所からシアンを含む鉱滓が持越川に流入して流域の各町では上水道の取水を中止したり、大量の魚が死滅するなど大被害を起こしております。鉱山保安行政というのは、このように鉱山で働く労働者だけの問題ではなくって、国民の命と安全にとってきわめて重大な問題であります。行政改革を進める場合も、このように国民の生命、安全、日常生活に密着した鉱山保安行政の役割りをいささかも後退さしてはならない、むしろ充実させる必要があると思うんでありますが、まず田中通産大臣に御所見を伺っておきたいのであります。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 鉱山保安行政というものはやはり石炭であれ、金属であれ、非常に重大なことで、人命にかかわる問題でございますので、その物を掘るという前に、やはりいかに人命保護、つまり保安というものが整備されておるかということに焦点を合わせるのは当然でございますし、その意味でも私どもは保安対策というものについて万全の措置を講じなければならないというふうに考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私はもう一つ例を述べたいのでありますけれども、これは四国の吉野川源流の別子、佐々連、白滝など休廃止鉱山の堆積部では、もしも崩壊が起こったら四国の県民生活と経済が麻痺状態になるだろうというふうに言われております。こういうところではむしろ現地事務所を新たに設置する必要があるとも指摘されております。私はこういう実態を踏まえて、いま大臣がお述べになったように、鉱山保安行政は現在の体制で全く十分であるとお考えなのか、さらに必要に応じて充実さしていくべきであるとお考えなのか、重ねて大臣の所見を承ります。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) もちろん、先ほどから言っておりますように、保安体制あるいは保安行政というものは何よりも大切でございますし、これからもこれについての配慮というものは十分拡大して考えなければいけませんけれども、ただ御承知のように、たとえば炭鉱の閉山とか次々にございますし、したがって要らぬ人員とか機構とかいうことになりますなれば、やはり国民の税金が返ってきておるわけでございますので、そういう機構の面で閉山あるいは廃山、そういうような面とあわせて機構が縮小する場合もあると思います。しかし、根本的な考え方としては、保安というものに対する考え方あるいはその設備、そういうものについては常に常時整備をしていかなければならないというふうに考えます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 よくわかりました。  ところで、通産省はこのたび四国及び大阪の鉱山保安監督部を廃止して、これをそれぞれ広島及び名古屋の鉱山保安監督部に統合することを打ち出しておられるんですが、これはただいまの大臣の見解とも矛盾するものというふうに私言わざるを得ぬと思うんであります。  私ども共産党議員団は、先日、大阪通産局、また大阪鉱山保安監督部及び実際に鉱山保安行政の第一線で従事していらっしゃる監督官の方々にお会いして話も伺いました。また坑内に入って実態調査もやってまいりましたが、この調査からも保安行政はさらに充実させる必要があるというのが私どもの強い認識であります。実際に保安業務に携わっておられる方々のお話によっても、大阪鉱山保安監督部総勢二十四名でありますが、これでは万全の保安をやろうとしても、予算や人員の現状からして、やるべき必要量の精いっぱいやっても六割程度。結果として手抜きにならざるを得ない。どうしてもあと十人ぐらいは増員が必要であると、こう切実に訴えております。  そうした中で今度の統廃合が行われようとしているのでありますが、そこでお伺いしますが、私ども大阪の通産当局から、今度、部を支部にしても人員は現状を維持し、中身でも現状を下回らないようにしたい旨の説明を受けたのでありますが、今回の四国及び大阪鉱山保安監督部の支部への降格があっても、保安行政の後退はないと言明をされると思いますが、この点念のために確認をしておきたい。

松村克之通商産業省立地公害局長

○政府委員(松村克之君) お答えいたします。  今回の合理化についてでございますけれども、統合いたしました後の内部組織の合理化等については、私ども新しい体制あるいは機構の詳細については、現に両部の管轄していた区域に多くの鉱山が存在するということにかんがみまして、今後鉱山保安行政の遂行に支障がない体制を維持するということを目標にやっていきたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうしますと、今回の措置によって人員の消滅は行わない、労働者の待遇も後退させない、そして保安行政も後退させない、そう確認してよろしゅうございますね。

松村克之通商産業省立地公害局長

○政府委員(松村克之君) 三月二十八日の閣議決定におきまして、今回の整理再編成の実施に当たっては、関係機関の内部組織、定員等について、管理部門を初めとしてその合理化に努め、簡素にして効率的な体制をとるものとするというふうに定められているわけでございます。今後設置されます支部の内部組織についても、今後関係方面とも十分協議することになるわけでございますけれども、特に今回の統合を契機にしていわゆる首切り合理化といったようなことを行うことは考えておりません。

市川正一日本共産党

○市川正一君 保安行政を手抜きしない、後退させないという見地から、ただいまの答弁を確認いたします。時間がありませんので、私、ただいまの答弁をしかと確認をして次の質問に移りたいと思います。  次は、大手スーパーの社会的責任、いわば企業としての倫理にかかわる問題でありますが、本日、取り上げたい問題は、大型スーパーのいわば進出ラッシュ、全国各地に見られますが、これによる教育環境への悪影響の問題であります。  最初に文部省にお聞きしたいのでありますが、最近、少年の非行化の指標、その一つに万引き問題があります。そして、その大きな要因として、大型店舗の激増と相互に関連しておるのでありますが、これは警察庁の調査によっても、スーパーにおける万引きが一番多いこと。それが、今日、集団化し、小学生、特に女生徒にふえているということ。これは統計的にも明らかにされております。もちろん私は要因をそれだけに矮小化するつもりはありませんし、ほかの社会的諸要因をも含めて考えなければならないのでありますが、しかし、少なくとも教育環境を守るという観点から言うならば、教育施設——中学校、小学校など、そういうすぐそばにスーパーの大型店が進出するというふうなことは決して好ましくはないと思うのでありますが、文部省の見解を承りたい。

垂木祐三文部省初等中等教育局中学校教育課長

○説明員(垂木祐三君) ただいま御指摘のように、最近、児童生徒の非行が増加している傾向が見られるわけでございます。文部省の方といたしましても大変遺憾に思っておるわけでございます。その非行の大部分は万引きでございますとか、あるいは自転車を乗り逃げをいたしますとか、動機が単純で手口が簡単と申しますか、いわゆる遊び型非行が非常にふえておるわけでございます。  児童生徒の非行につきましては、地域社会によりましていろいろな実情がございまして、まあ一概には申せないわけでございますけれども、御指摘のように、スーパーマーケットなどによりまして児童生徒がしばしば万引きを行っておるというようなことが言われておるわけでございまして、文部省の方といたしましても、教育環境を健全なものにしていく、こういう面で十分配慮していきたいと考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 ところが最近、そういうケースが目立っているんです。実例を挙げますと、大阪にある高槻市ここの沢良木町の松原小学校、その西隣りにニチイ南高槻ショッピング・デパートという面積一万八千六百七十四平米の店舗が建設されようとしております。これに対して松原小学校のPTAや自治会連合会、さらには高槻在住の大学の諸先生二十四人こぞって反対し、きのう二十二日には「学校隣接地へのニチイ出店を許さない市民連絡会」が結成されるに至っております。地域住民の皆さんがPTAあるいは自治会連合会こぞってこういう子供たちの教育環境を守るために運動に立ち上がっておられるのでありますが、文部省としてはこういう事態をどう考えられるか、見解を伺いたい。

垂木祐三文部省初等中等教育局中学校教育課長

○説明員(垂木祐三君) スーパーマーケットに起因をいたしましていろいろ生徒の非行が出ておることは、先ほど御説明いたしたようなことになろうかと思うわけでございます。文部省の方の一般的な生徒指導上の問題といたしましては、日ごろから学校教育を充実いたしまして、児童生徒にとって学校が楽しい生活の場になるようにするとか、あるいは日ごろから教師と生徒あるいは生徒相互間の人間関係を豊かなものにしていくというような指導もいたしておるわけでございます。あるいは最近の非行の実態などにかんがみまして、学校が家庭や地域社会と密接な連携をとりながら、地域ぐるみの児童生徒の非行に対します取り組み方というようなものもいたしておるわけでございます。それに合わせまして、教育環境を浄化するというようなことで、広い意味での児童生徒の健全育成のために、PTAとかそのほかいろんな関係団体ございますけれども、そういうような方面と適切な連絡をとるように指導いたしておるところでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 もう一度聞きますが、じゃほかの例も含めてもう一度認識をお伺いしたいんですが、高槻の例をいま申し上げましたが、たとえばその近辺に摂津市というのがあります。ここの南千里丘へのやはりニチイの出店問題があります。ここの場合は、第一中学校と摂津小学校とが隣接し、さらに高校や保育所、幼稚園なども近くにあるんです。静かな文教地域でありますが、その真tっただ中に出店を認めるということになると、これは教育環境が悪化することは火を見るよりも明らかであります。この周辺はさらに道路幅が非常に狭く、ここに大型店が進出するならば交通渋滞を引き起こしますし、児童、生徒の通学上の危険はもとより、地域環境の悪化も必至であります。こういう中で、周辺の商店だけでなしに、PTAの連合会の会長、校長会挙げてこのニチイの出店に反対し、また市議会も出店反対の決議をいたしております。  もう一つ例を申し上げます。大阪市淀川区三国本町、ここにイトーヨーカ堂が出店しようとしている問題であります。もともとこの土地はある工場の跡地なんですけれども、大阪市教育委員会としては人口急増地帯であるこの地域に小学校二校、中学校一校を建設するということで、ここには淀川第十七小学校を建設すべく交渉を続けてきた。ところがこれに応じないために、市教委は土地収用法でこの工場跡地を収用し、事業計画を府知事に申請した、こういう経緯であります。こういうことから、文部省は、先ほどお答えがあったように、地域社会と密接な連携をとる、教育環境をよくするというお立場から見て、こういうような大型スーパーが学校の隣接地に乗り出してくるということは好ましいとお考えなのかどうなのか、そのことだけお伺いしたい。

垂木祐三文部省初等中等教育局中学校教育課長

○説明員(垂木祐三君) 抽象的に申しますれば、決して望ましいことじゃないと思うわけでございます。ただ、学校の数は御承知のとおり非常にたくさんございますし、それぞれの市町村によりまして学校を新たに建設する場合の校地の取得の問題などもあるわけでございます。いろいろな要素を考えながらそれぞれの地方公共団体で御判断いただいておる、こういうふうに考えるわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうすると基本的、一般的には好ましくない、望ましくないという上でのお話ということですね。わかりました。  そこで通産省にお伺いしますが、いまお聞きのようなこういういわば社会的倫理にも反するような大型スーパーの進出、少なくとも学校周辺への進出は自粛する、それぐらいの厳しい行政指導をなさるべきでないかと私は思うのですが、いかがでしょう。

神谷和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(神谷和男君) 大型店舗が出店いたしますに当たりましては、その地域で基本的には商業を営むわけでございますから、その地域のお客さんに愛されないことには、これはスーパーといたしましても商業活動が円滑にいかないわけでございまして、そういう意味では、地域との関係というのはできるだけ円滑にいくように、当事者としても配慮をすべき問題であろうかというふうに考えておるわけでございます。ただ、御指摘のような問題に関しまして、たとえば学校の近辺にスーパーが建つことを公権力ないし国の影響力を持ってこれをどの程度押さえていくべきものであるかどうかという問題につきましては、教育問題あるいは都市計画問題としてすぐれて検討さるべき問題であろうというふうに考えておるわけでございます。たとえば教育上、一定の地域に大型スーパー等商業施設あるいはその他の施設が立地することが適当でない場合には、文教地区としてこれを指定し、特別用途地区に指定する等の法的手段が準備されておるわけでございまして、それらをどのようにすべきかの判断は、その地元で地方公共団体を中心として行われるべきものと考えるわけでございます。したがいまして、ただいま御指摘のような問題につきましては、教育担当部門あるいは都市計画担当部門の方で御検討をいただき、それによってそこで立地が行われない場合には、私どもの大規模店舗による調整という問題は出てこない、このように考えておるわけでございます。  もう一点といたしまして、学校用地として予定されておるものに関して、これをスーパーがあるいはスーパーを設置するために購入するという問題につきましても、これは土地売買問題といたしまして、学校用地でございますれば先ほど御指摘のございますように土地収用法の発動も可能である、こういうことになっておりますので、具体的にどの程度国がこれらの私権を制限すべきであるかということに関しては、やはり都市計画面からの観点というものを十分踏まえて、その責任者がまず判断をされるべき問題ではないか、このように考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 文部省、お帰りになって結構でございます。  私は時間がありませんので、ただいまのいわば資本の倫理を代弁するがごとき答弁に対して、改めてまたいつかさせていただくこととして、私そういうなりふり構わぬ進出、そういうものの背景には、結局いま大都市においてこういう大型店舗のシェアが非常に高くなっているという問題があるわけであります。たとえば大阪の例をとってみますと、第一種、第二種合わせて大型店の売り場面積のシェアはいまや五〇%に達しようとしております。まさに飽和点であります。そこから先ほど触れましたように、もう学校の隣にまで乗り込んでくるという、いわば恥も外聞もない形の倫理が横行しているわけでありますが、高槻の場合には同市の商業団体連合会、また商店連合会、同じく小売市場の連合会が共同して、五十三年二月一日に大型店との適正な競合に対する共同宣言を発表して、大型店と小売商店との調和ある共存、共栄を図る最大にしてかつ最低の売場面積比率の限界は五〇対五〇とすると述べております。現在どうかといいますと、五十四年五月現在で第一種で五一・六%、第二種を含めると七〇%、その後も松坂屋デパートが出店しておりますので、その数字はさらに上回っております。その上に先ほどのニチイ進出を強行するというんですから、まさに横暴としか言いようがないわけです。同様なことは、大阪のような大都市だけではなしに、たとえば地方の中小都市——和歌山県の田辺市でも、商工会議所と商調協とが共同で大型店の出店凍結の宣言を行っております。もともと大規模小売店いわゆる大店法の第一条には、「その周辺の中小小売業の事業活動の機会を適正に確保し、小売業の正常な発達を図り、」ということが明記されておりますが、こういう状態に対して、私はこの大店法一条の趣旨にも反するというふうに思うのであります。そこで通産省にお伺いいたしますが、こうした中小零細商店の死活の問題としてさきに引用した高槻の共同宣言、こういう趣旨は十分尊重されてしかるべきである、私そう思いますし、大手スーパーとしても企業倫理として三条申請以前に出店を自粛してしかるべきでないかと考えるのですが、通産省の御見解を承りたいのであります。できるだけ簡潔に希望いたします。

神谷和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(神谷和男君) 御指摘のような凍結宣言というのが商工会議所あるいは商店街等で各地でなされておるということは承知をいたしております。ただ、これらの凍結宣言は、大規模店舗法という観点から見ますと法律的な効果を有するものとは申し上げかねるわけでございまして、この凍結宣言があったので、したがって三条の届け出を受け付けられないとか、あるいは出すべきでないということは申し上げられないと思います。ただ、これらの凍結宣言をなすに至ったという事情についてはいろいろあるかと思いますが、地元の商店街あるいは商業関係者等がかなり飽和感を持っておるなという意思のあらわれとして私どもは受けとめておるものでございまして、個別の調整等におきましては、商調協の場等で恐らくそういうものが反映されながら審議をされるというふうに考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 受けとめて、あとはまた一遍詰めましょう。受けとめられるという点ではまだ血も涙もあるということを私は確認して。  最後に私、前回に引き続いて大島つむぎの問題でありますが、先ほども与党議員から質問がございました。まさにこの問題は党派を超えての、いわばナショナルコンセンサスの上に立った問題になっていると認識するのでありますが、前回の私の質問に対して政府は、方法があればチェックするというふうにお答えになりました。それを受けて私議論を詰めたいのでありますが、まず韓国産大島つむぎの協定数量を確認するために特別のビザをつける問題であります。これは二国間協定で絹織物全体の数量とともに大島つむぎに特別の枠を設けて数量を定めている以上、これを保証する具体的な措置として当然実施すべきものではないか。こうすれば、いま直ちに税関での確認が困難であったとしても、たとえば専門家による抜き打ち検査などで特別ビザのない大島つむぎが発見されれば、協定が少なくとも守られているかいないか、これが明確になると思うのですが、この点いかがでしょうか。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 大島つむぎにつきましては、前回も本日も御説明いたしましたが、韓国との絹織物輸入制限といいますか、調整措置の一環といたしまして、非常にむずかしい交渉を歴史的にやってきたわけでございます。その結果、韓国側が自主的に輸出を管理する、そしてそれにビザを出す、そして日本側はそれを全体としての数量を、大島つむぎと言うことはできませんが、韓国産絹織物ということで全体量を確認しておるという状況でございます。大島つむぎだけ別枠で特別ビザを出す点については、現在は向こうの、韓国政府の大島つむぎが毎月何反輸出出荷されたかという報告ということになっておるわけでございます。これをビザをさらにつけさせるという点でございますが、そういう歴史的むずかしい経緯がありますとともに、技術的な問題があって、われわれも韓国側と粘り強くやっておるわけでございますが、韓国側自身も、締機による大島つむぎ類似品といいますか、締機によるいわゆる大島つむぎというものとそうでないものは、韓国政府としても非常にチェックが困難だと、かように言っておるわけでございます。したがって、裏を返して言えば、韓国側も業者の申告ベースということになっているのだろうと思います。したがって、技術的な問題が——歴史的な背景、韓国側に自主的にやらしているという背景とともに、技術的な問題が伴いまして、それを解明しませんと、いま直ちに特別ビザを発給させるというのは非常に困難だと、かように考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私やはりどちらの立場に立っているのかということを原点的に感ずるわけでありますが、時間がありませんので結論的な問い方をいたしますが、私は結局数量規制しかないと思うんですよ。ガットの十九条では、輸入数量がふえて国内業者に重大な損害を与えるおそれがあるときは、自由化措置を撤回することができることになっておりますが、私はこれを根拠に数量規制をもっと厳格にやるべきだ、そのときに来ている、こう思うのでありますが、いかがですか。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 韓国産の絹織物及びつむぎにつきましては、るる申し上げましたとおり、韓国との協定といいますか話し合いによりましてやっておるわけでございます。それで実際にわれわれは相当な効果は全体としては上げておると。現実に韓国の輸出競争力も逐次絹織物全体としては減退をしてきているようでございまして、枠の未達という状況もここ二、三年出てきておるわけでございます。さような状況ですから、そういう歴史的な背景がありますとともに、仮にそれがなくても、現在ガットの十九条というのはいろいろな発動要件がございますので、それを一方的にやるということは非常にむずかしいと、かように考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 じゃあ最後でありますが、やはり私はいまの状況の認識にかかわると思うのでありますが、私は通産省の対応で問題なのは、伝統的工芸品である大島つむぎを一般的な工業製品と同様に扱っている点だと思んです。大島つむぎなどはこれはわが国の伝統産業で、伝統的な技法によるいわば手作業、規模も零細なんです。また、一般の工業製品のように合理化して大量生産できるものでもないわけです。しかも、これを着るのは日本人以外にはないんですよ。したがって、大島つむぎのようなものを自由化品目にすること自身政府の方針の誤りなのです。仮に韓国がわが国の大島つむぎの輸入規制措置を理由にして、特別の理由のない産品の輸入規制をするのであれば、それ自体がガットの違反になるわけです。  私、冒頭言いましたように、与党の自民党すらわれわれと同じような質問を鋭く追及しているという点に、やはり今日的な民族的課題としてこれが出てきている。大臣に最後にお伺いしたいんですが、そういういわば民族的な問題にいまなってきているという認識をお持ちなのかどうか。そしてわが国の伝統産業を守る立場から毅然として輸入規制措置をとるべきだ、こう私考えるのでありますが、最後にいままでのやりとりを踏まえて大臣の所見を承りたいのであります。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) この大島つむぎの問題はたびたび国会でも取り上げられている問題でございまして、私どもも強い関心を持って、韓国との協議、そういうものを従来進めておりまして、ことしに入っても二回ほど協議を進めておりますし、また近くこれを踏まえて協議をするつもりでございますし、御指摘のように、大島つむぎ、これは江戸時代からのまさしく伝統工芸産業の重要な品物でございますし、ひいては、もう一つ地場産業と申しますか、地方経済、地方産業にとっても重大な産業であり、それに加わる雇用者も六万以上もおります。そういうようなことで、私どもも重大関心を持っておりますし、重々韓国との交渉も努めてまいりたいと思います。ただ、相手側に自主規制というようなことは、私どもいろいろ国際的な摩擦で自主規制を逆に要求されているような点もございます。そういうものを踏まえまして、ひとつ韓国に十分な自粛と申しますか、そういうものを何度も要請しておりますし、そういう点から日韓両国のこれからの協議も踏まえて大島つむぎの産業あるいは雇用者に、関係者に支障のないように万全の交渉を進めていきたいというふうに思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 終わります。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。    午後零時二十分休憩      —————・—————    午後一時三十二分開会

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 まず最初に、コールセンターのあり方につきましてひとつ基本的な姿勢をまず具体的にお伺いしたいと思います。  石油代替エネルギーとして、石炭の役割りということが見直されているわけでありますが、何といっても石炭は代替エネルギーとしては最大のウエートを占めておるわけでありまして、そういう意味でコールセンター構想というのが最近大きくクローズアップされてきたわけですが、このコールセンターの意義と目的についてまずひとつ簡潔にお伺いしたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(福川伸次君) コールセンターにつきましては、海外炭の輸入ということが増加してまいります過程におきまして、それの大量の受け入れ基地ということでその意義が見直されてきております。特に最近石炭の輸入の増大が見込まれますことから、コールセンターの意義がますます高まってきているものと思っております。御質問のその意義でございますが、一つは輸送面の合理化ということがあろうかと思います。これによりまして、大型船を使用し大量高速輸送が可能になるという意味での輸送面の合理化が第一であろうかと思います。第二点といたしまして、ストックパイル的な機能とでも申しますか、需要業界等がある程度需要を賄いますために貯炭を保有するということができるわけでございまして、海外におきますストとか不測の事態に対応し得るという、そういう安定的な機能があろうかと思います。さらにまた第三番目といたしましては、今後その建設が進められるべく予定されております石炭火力の立地の促進というようなことで、特に大型港湾条件に恵まれない地点につきましても、ある程度その石炭を輸送することによって石炭火力の促進も可能となる。特にそのほか燃料依存型の産業につきましても、そういうエネルギーの供給面に安定性が付与されるというような意義があろうかと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 問題はやっぱり、ただ便宜的に海外炭を受け入れればという基本ではなくて、基本的にはやっぱり国内炭を最優先にするという、これは歴代通産大臣がずっと答えているわけですが、その中でいまあなたがおっしゃったようなことでなくて、私は政策的なやっぱりコールセンターの目的意識というものをはっきりさせる必要があると、こう思うわけです。  その一つは、第一にやっぱり、いま石炭利用の拡大のために海外炭を積極的に導入するというわけですが、受け入れ基地の役割りを果たすことが一体どういう役割りを果たすのかという問題が第一点。  それから第二点は、コールセンター周辺の地域の振興ということがそれなりになければならないんではないか。いわゆる地域経済に与える効果というものがなければならないのじゃないか。こういう問題がやっぱり政策的にコールセンターを誘致する場合の政策というものは持っていなければならないのじゃないか。この点について政策目標がこういうふうに立てられなければ、ただコールセンターを持ってくればいいというものじゃなしに、そこらあたりに一つの政策目標があってしかるべきだと思うんです。私がいま申し上げましたが、そういういわゆる周辺開発計画の整合性という問題などを含めて考えていく必要があるのではないか。こういうふうに考えますが、この点ひとつむしろ大臣から政策的なあり方、基本姿勢について大臣からお答え願いたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 御承知のように、日本で日本の国内炭二千万トン体制をとりましても、海外炭に依存しなければ長期需給見通しの計画の中でもどうにもなりません。したがって石炭を海外から積み込む、あるいは国内炭をまた積み込むこともあるでしょうけれども、主としてそういうことをやらなければいけない。それで、まあいろいろ日本各地をいま模索しておりますし、現実にも予定地もございますけれども、そういう基本概念として国策としてやはり石炭を大きな石油代替エネルギーの中枢として私どもは考えておりますし、したがってそれに関連するコールセンターでございますので、いいかげんなことばもちろんできません。したがってあくまで日本の国策、火力あるいは石炭によっていろいろやるということと結び合わせたコールセンターでございますので、私どももそういう基本概念からこの問題を対処していくというふうに思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いま大臣が言われたとおり、やっぱり政策的な、ただ海外炭が入ってくるというだけでなしに、それにやっぱり産業経済、地域経済に与える影響、いまも火力発電所の問題も出ましたが、そういうことがなければこれはやっぱり目的意識と私は一致しないと思うんです。なぜそれを言うかと私は申し上げますと、これは苫小牧東部の例は後で私は申し上げますが、苫東基地が予定地になって、後で具体的に申し上げますけれども、北海道苫小牧の場合は、これ私も北海道開発審議会委員を二年間やっておりますが、それは五十三年にも時の河本通産大臣時代に、石油精製の導入の際にもお聞きしておりますけれども、あれは重工業地帯ということで苦東開発というものはこれつくったわけです。ところが現実には重工業入ってこない。はっきり申し上げて鉄鋼だ、自動車だと、こう言ったが、さっぱり入ってこない。ただ利息だけで七億ですよ、いま今日まで。七億の利息がかかっておるわけであります。これ道民の血税なんだよ、これ率直に申し上げて。こういう狂った苫東開発計画をやってしまったんだが、しかしでき上がったものをいまだめだというわけにいかないので、そこで当時二年前に石油精製という問題が出てきた。しかしいまここで、先ほどもありましたけれども、少なくとも石油備蓄、これだって本末転倒しているんですよ、当時重工業基地なんだから。しかし、これ入ってくることは悪いとは言わぬのだが、私はまあこれ今日の状態ではペンペン草が生えるような工業地帯になって、利息ばかり払っていてもしようがないから、そういう意味では石油備蓄基地もこれはまあ適切であればこれで結構だろうと思います。問題はこのコールセンターの場合は、そういう意味で私が言いたいのは、コールセンターをこれから導入をする、その考え方は付加価値をつけなければならぬと思うわけですが、入る場合に、ただともかくコールセンターだけ持ってくればよろしいというものではなくて、先ほども大臣の言うとおり、あるいは石炭専焼につながっていくということだけではなくて、私が考えているのはやっぱり付加価値を高める、地域経済にそれなりに影響力を与える、あるいは雇用創出に結びつく、北海道経済が潤う、こういうところにいかなきゃならぬと思うんです。そうした場合には、当然これは北海道は石炭の基地なんですから、石炭液化なり石炭ガス化というこういうものと並列をして、コールセンターというものを考えていかなければ、そういう意味での、これからの代替エネルギーに対応し、かつまた地域経済にはプラスになると、まさしく一石二鳥の考え方になるのではないかと、こう考えますが、大臣でもエネルギー庁長官でも結構でありますからお答え願いたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(福川伸次君) 御指摘のとおり、コールセンターも、コールセンターだけで存続するという問題ではございませんで、需要との関連、地域経済との関連というのは十分考えなければならない点は御指摘のとおりだと思います。  いま、その一環として石炭の液化あるいはガス化との関連で、このコールセンターの連関を考えたらどうかという御指摘がございました。石炭の液化あるいはガス化ということは、石炭の利用の高度化という一環で現在技術開発に鋭意取り組んでいるところでございます。液化に関しましては、サンシャイン計画の一環として、あるいは日米技術協力の一環としてこれに取り組んでおりますし、またガス化に関しましても、高カロリーガス化あるいは低カロリーガス化、いろんな技術的な点と取り組んでおるわけでございます。いま、技術がなるべく早くめどがつくということで鋭意努力をいたしておりますが、いま御指摘のように、これを実用化をいたしてまいりますその過程で、技術開発にめどがついた段階でその立地は考えてまいりたいと思いますが、いま一つの先生の御指摘の、もう少しコールセンターとそういうガス化あるいは液化との連関を考えてはどうかという点は、技術開発のめどがつきました段階で十分研究さしていただきたいと思っております。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) コールセンターの構想につきましては、先ほど大臣が御答弁申し上げたとおりでございまして、単なる石炭の物流としての施設という考え方だけでなくて、そこに石炭の何らかの拠点的な機能を持つべきだということは私も全く同感でございまして、したがいましていま石炭部長が答弁いたしましたように、現在技術開発中のもろもろの政策が現実の問題になったときには、当然そういった観点からコールセンターと一体になって、そういった技術開発の成果が生かされるような総合的なセンター構想を立てることを努力してみたいと、こういうふうに考えます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 なぜこれを申し上げるかと申しますと、この間北海道開発審議会でも、これは審議会の結論として、むしろそういう方向にこれから積極的に北海道開発行政の一環としても取り組んでいかなければならない、こういうコンセンサスを得ているわけであります。  ただ、私はそういう意味で、いまここで出ているのはコールセンターだけであって、そうではなしに、北海道は石炭の基地なんだから、やはり液化、ガス化というものをあわせてこれからコールセンターの地域経済に与える効果、あるいは雇用創出、こういうものにプラスになっていくわけですから、そういう意味で私は賛成しているのであって、そういう点でぜひひとつ考えてもらいたいと、こういうふうに考えているんだけれども、大臣にちょっとお伺いいたします。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 対馬委員御指摘のように、私ども先ほどエネルギー庁長官、石炭部長も答えておりますように、十分対馬委員の意見ももちろん私どもと一致しておりますし、意見を尊重してコールセンターの問題には対処していくというつもりでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それぞれいま長官から、また大臣からも力強いそういう考え方が出されましたので、その点は私も了といたしたいと思います。  そこで、コールセンターの立地についていろいろな要件が考えられるのではないか、こう思うわけです。それは具体的に言いますと、たとえば石炭専用の大型船、やっぱり十万トン級の船が入れる港ということ、これはまあ一例ですけれども、それから二次輸送についても一万トンクラスが考えられる基地ということになるのではないか。それから荷役に必要な十分な水域が得られる。かつまた、いわゆる港湾の関連施設が十分建設をされ、また経済的にこれが可能であるという条件が第二には必要ではないのか。第三の問題は、港湾に近接したコールセンターのための必要な用地があるということが必要ではないのか。  そこで、いま予定されている苫東の場合なんですが、私なりに聞いておりますけれども、やっぱり平たん地でなければならないだろうという問題が一つあると思います。かつまた十分環境対策が講ぜられる地点でなければならないのではないか、こう思っていますが、そういう意味では苫小牧のどの位置を考えられておるのか、私が考えている位置と同じかどうか別にしましても、東部開発のどの辺を考えておられるのか。私は要点だけ言えばぱっとわかりますから、苫小牧東部開発全部知ってますから。  それから全国で七カ所が政府の調査によって挙げられているということでございますので、どの辺が全国的に調査をなされているのか、もしあったらひとつお示しを願いたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(福川伸次君) その場所につきまして、私はいまどういう地名で呼び名であるかちょっと記憶いたしておりませんが……。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 もっと言うと、苫小牧東部の中の地域が分かれているわけだ、厚真地帯とか、それから東部地帯、西部地帯とか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(福川伸次君) 東厚真水路地区——厚真地区ということでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 東厚真ね。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(福川伸次君) はい。  それから、いまほかに幾つかのコールセンターの地点についてございましたが、いまいろいろこれまだ計画は具体化はいたしておりませんが、たとえば九州での崎戸地区とか、あるいはこれは一部稼働に入っておりますが響灘の地区とかいうのがございます。そのほかまた小型のものでございますれば、そのほかでも宇部とかあるいは日本鋼管の福山とかいうようなあたりに若干いますでに動いております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それでは、いま位置については一応地域はほぼわかりました。  そこで、コールセンターは電力業界を初め、関連の民間企業等が出資し合うと考えられるわけでありますが、その経済性が立地に当たって大きなポイントになるわけでありまして、これらについてはどういう観点から通産省としてはコールセンターのいわゆる主体性、経営体制というようなものを考えておられるのか。この点をひとつ経営システムあるいは方式というようなことについてはどういうふうにお考えになっているか、これをちょっとお伺いしておきたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(福川伸次君) 私どもといたしましては、コールセンターが効率を発揮するという観点から、民間の主体で行われるということが適当ではなかろうかと思っております。もちろんこのコールセンターが、先ほど先生御指摘のように地元の経済、それからまた関連の需要業界の発展ということと結び合わさって考えるべきものでございますので、そういう石炭の需要業界等が十分その中に参画するということが好ましいと思っております。  また、地方公共団体等と地元経済との関連ということで、そのコールセンターから供給されます石炭の販売先等によって、あるいは第三者的な地方公共団体が入った方がいいということでございます場合には、あるいはそういう第三セクターというようなこともあろうかと思いますが、主体としては民間主体でやっていくということが適当ではないかと考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そこで、具体的にお伺いしたいんですが、苫小牧東地区の場合は有力な、いまも東厚真ということをはっきり言われておりますけれども、北海道電力、パルプ、セメント業界、銀行、商工会議所、道経済連、苫小牧開発、第三セクターのメンバーを中心にした設立準備会というのが九月三十日に発足したと、こういうふうに報道されているわけでありますが、この点間違いございませんか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(福川伸次君) 九月の末に大口ユーザーを初めといたしまして、関係企業等によりまして苫東コールセンター設立準備委員会が設立されて、いま現在同委員会を中心にいたしましてコールセンターの事業主体等についての検討がなされておると伺っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そこで、苫東開発は御存じのとおり第三セクターでいま開発をしておるわけです。これに関連いたしまして北海道の最大のプロジェクトとして石狩湾新港というのがあるわけでありますが、これも第三セクターでいっていますね。そうしますと、いま言った民間主体を考えているという、場合によっては第三セクターということもいまあなたのお答えがあったんだが、しかしこれは苫小牧東部開発自体が第三セクターでスタートしている。そうした場合に、民間主体となった場合にちょっとここで矛盾をやっぱり感ずるわけですよ。むしろこの種の問題は公共性というものを一応帯びた方がいいんではないかと。なぜそういうことを言うかといいますと、やっぱり企業サイドだけで走ってしまうと概して、後から申し上げますけれども、環境問題等にも絡んでやっぱり不安がいま実は現地では出ているわけです。私はそれなりに環境上の問題は通産省にもこの委員会でただしたいということで言っておりますので、現地の段階では説得をしなきゃならぬと思っておりますか、そういう意味でもお聞きしたいんでありますが、これは民間主体といういまの方向は別に考えているということはそれなりにいまの段階わかるんですが、しかしこの第三セクターという苫東開発の関連、石狩湾新港との関係からいくと、やっぱりこの種のものは公共性を持って考えるべきことではないのかと、こう考えますが、これは長官でも部長でもいいですけれども、ひとつお伺いしたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(福川伸次君) 経営主体に関しまして、私が民間の効率性を発揮するというようなことで、民間主体ということを一応原則ということは一般論として申し上げたわけでございますが、苫東開発に関しましては、これは従来から地方公共団体が参画をいたしておるわけでございます。私どももその方が地域経済の振興発展のために、あるいはまたその経営を効率的に行う、あるいは地域経済との調整を図るというときに、そういう地方公共団体が参画した方が円滑に運営できるという場合には、それは私どももそういう形態が好ましいというふうに思っております。いままた環境の問題がございましたけれども、その点につきましては、あるいは粉じんとかあるいは水質汚濁というようなことがございますが、これは経営の主体いかんにかかわらず、これは十分な対策を講じてやらなければならないと思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いまお答えありましたけれども、私はやっぱりこれからの北海道の苫東という一つの位置づけから判断をしまして、第二期北海道総合開発計画から判断して、やっぱり第三セクター方式で苫東開発がされている。これから予定をされている石油精製あるいは自動車、鉄鋼という一応の計画が出ていますけれども、果たして成るものか成らないものかわからぬが、私はいずれにしても計画としては、近くは三井が進出をしてくるということを言われておりますけれども、いずれにしましても、これはここで結論出そうとは思いませんけれども、ひとつそういう方向で一連の、一貫した苫東というものの態勢をやっぱり見直していく必要があるのではないかという意見を持っておりますので、これはひとつ十分検討してもらいたいと、こう思います。  そこで、私、炭鉱屋ですから、石炭の出身ですから私らには理解はできるんでありますが、やっぱり現地段階は、何といってもあすこに、東厚真というのはすぐ漁業地帯なんです。意外に漁民側から反対の声がある。これは鵡川というところがございまして、あそこはシシャモ、俗に北海道のシシャモがとれるところでございまして、この区域に属するものですから、あの沿岸、日高沿岸の近接地帯になっておりますのでかなり漁民の反響が実は出ているわけです。私もこの間現地に行ってきましたが。そういう点からいきますと、それじゃ公害は一体何だといえば、コールセンターの場合は炭じんだけですよね、私に言わせれば。ところがやっぱり素人の人はそう思わないわけですよ。いま盛んに原発とかいろんなことがあるものだからなかなかそう思わないので、ここらあたりをやっぱり公害上の、環境衛生の問題として炭じん、あるいはこれは電力でありませんから脱硫装置その他は私はこれはいまの段階ではあれだと思いますが、しかしいずれにしましても国内炭と外国炭を混炭させなきやならぬわけですから、そういうことは当然これはしなければいけないわけですから、そういう意味でこれから苫小牧の二号機と言われる、これは石炭専焼に結びつくわけですから、そういう点からいってこの公害問題に対してやっぱり住民のコンセンサスを得ると。河本通産大臣、時の大臣はいつも必ず住民のコンセンサスと安全性の理解を得るということが基本的条件でありますということが、いつも答弁されるわけでありますが、その点を踏まえてひとつどういうふうにこれを、センターを設立する前にどういう対応の仕方をするのか、それひとつまずお伺いしておきたいと思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(福川伸次君) コールセンターの計画が具体化いたしますまでに、御指摘のとおりに環境問題等をめぐりまして関係の漁民あるいは周辺と十分コンセンサスがなければならぬという点は、御指摘のとおりであろうと思います。現在この設立準備委員会でその具体化が進められておりますが、それで道、県等も入りまして、その関係漁民あるいは周辺の方たちとの意見交換というものが進められているというふうに伺っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 わかりました。それだけは厳重にひとつぜひそういう方向で、住民の理解、納得をやっぱり求めるということが大事なことですから、ぜひやってもらいたいと思います。  それから、苫小牧地区に限ってちょっと質問を限定したいんですが、昭和五十九年度に操業を開始の予定であると、私の聞いているのは。したがって、炭量としては三百五十万トン、将来これを八百五十万トンぐらいに拡大したいと。もちろんそうでなければこれは意味がないと思うんでありますが、そこらあたりは一体、そういうふうに考えていいのかどうか、この点ひとつもし具体的なあれがあればお示し願いたいと、こう思います。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(福川伸次君) 対馬委員御指摘のとおりに、いまこの設立準備委員会でいろいろ検討をされておりますが、当初第一期のものとして大体先生のお話しのような規模を設立準備委員会で考えておられるということは、私どももそのように承っております。それをさらに第二段階、次の段階に発展させていくというときに、正確な数字が確定したかどうか私も十分承知しておりませんが、さらにもう一つの規模に拡大をしていきたいというふうな御計画が関係者にあるということは私どもも耳にはいたしております。しかし、それがどういうかっこうで具体化するかという点については、まだ確かなものと伺ってはおりません。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 わかりました。まあ、大体輪郭がわかりましたからひとつ、いずれにしましても国内炭を生かすということが一つの目的でありますから、混炭をしてできるだけ、先ほど大臣が答弁されておりますけれども、石炭専焼の苫小牧二号機にぜひひとつ——苫小牧に限定するわけじゃありませんが、釧路西部にしても、それから砂川四号機にしましても、そういう面にひとつ積極的に、コールセンターが生かされると、こういう方向でのひとつ努力をぜひしてもらいたいと、こう思っております。この点よろしゅうございますか。

福川伸次資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(福川伸次君) このコールセンター計画につきましては、これから海外からの輸入の増大という一つの大きな要因の変化ということがございまして、こういう効率的な流通体制をつくろうということで始められておるわけでございます。もちろん、もとより国内の石炭の重要性ということにつきましては、大臣も当委員会でしばしば御答弁しておられますように、国内の石炭の有効利用という点については十分考えていかなければならないと思いますし、また、いまお話のありました新鉱の開発ということにつきましても、いまもちろん石炭鉱業合理化審議会で検討いたしておりますけれども、いままでもそれぞれの調査等をやっておりまして、これからそれがどういうかっこうで開発していったらいいかというようなことで、その国内の流通問題の改善ということもその過程でも議論になろうかと思いますので、そこは総合的に判断してまいりたいと思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いずれにしましても、いま大臣から基本姿勢、また長官からも、石炭部長からも言われましたので、ともあれやっぱり住民の間にまだいま言った漁民関係を中心にしてありますから、私はそれなりにこれは賛成の立場でひとつ努力をいたしてまいりたいと思いますけれども、これは当然道なり通産省段階でも住民のコンセンサスを得る方向でひとつ進めてもらいたいと、このことを要望してこの問題はこれで終わります。  次にちょっと北炭問題につきまして基本的な考え方だけ。  この前本会議で質問いたしまして、大臣の前向きに取り組んでいきたいというお答えをいただきまして、それなりに通産省の苦労については私も了としているところです。この間お聞きしますと、一応三カ年計画という当面中長期の展望計画というものを出さなければならないと。それには本会議でも申し上げましたが、やっぱりどうしても自助努力というものが基本的な問題であるというふうに私も申し上げておりますので、これはもう私自身が言うのはあれですけれども、五十一年の十月に、ここに阿具根先輩がおりますけれども、阿具根先輩と私がここに当時の北炭の最高責任者であった萩原会長を呼びつけて、参考人としてこの本委員会で私も相当厳しく、あえて私有財産まで投げ出してこの際再建をするならすべきであるということを阿具根先輩も申し上げたし、私も申し上げましたが、そのくらい厳しさを持って対処すべきであると、こう思っているわけであります。しかし、いずれにしても地域社会に与える影響、また最近現地段階ではこのとおり毎日、新聞の社会面で、これは北海道新聞に出ておりますが、山の人たちは一日たりとも不安でならない、それはもう賃金は一〇%カット、それからボーナスは半分、今度合理化再建で合意いたしました再建計画では、これは住宅の管理料というものを取りまして、三千百円これは取られるわけです。それから標準作業量の引き上げ、こういう問題に労働者としてはもう皮を切って骨まで切っていると、こういう労働者の努力は知っているのでありますが、問題は何といっても、これは私も大臣と認識は同じなんでありますけれども、北炭経営者の基本姿勢というのが、長官とも話したことがありますけれども、全くこれは同じ認識を持っているんです。しかし、問題はそういっても地域社会に、あの北炭新鉱が壊滅することは夕張の町が壊滅をするに等しいという重大な問題だけに、いま計画書が出されたばかりでありますから、具体的ないま検討されておる時分だと思いますけれども、何せ毎日のように不安のこういった——後でそちらの方へ渡しますけれども、こういう問題が不安で出されておりますので、一応大臣は積極的に前向きで取り組んでいただけるという、本会議でもお答えをいただきましたから、この機会でございますので、いま検討の段階でありますからあえて具体的な問題につきましては、十二日エネルギー委員会が予定されておりますので、このエネルギー委員会の席上で石炭政策全般、北炭問題全般やりますけれども、とりあえず今日の段階でまあ大臣の心温かい考え方をお聞かせ願えれば幸いであると、こう思っております。ひとつ大臣から。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 北炭の夕張新鉱の問題でございますけれども、いま再建計画が本省に出されておりますし、私どもはこれをいま検討中でございます。検討中だけではなく、何とかこれを再開できるように、しかもそれがうまく運営できるように考えております。ただ、対馬委員も十分御承知のように何かと問題がありまして、前向きに検討し再開の方向にということではございますけれども、内容をいままでどおりそう右から左にというように容認するわけにいかないと私は本会議でも答弁申し上げましたけれども、私も長い間北炭のことを私なりに知っておるつもりでございますけれども、事は重大でございますので、偏見を持ってはいけないと自分自身にも言い聞かしてこの問題に取り組んでおるわけでございますけれども、しかし、再開についての資金も非常に多うございますし、関係金融機関も非常にちゅうちょしているんです。それから夕張市そのものにも、北海道庁そのものにも御迷惑をかけておりますし、そういう点を十分考えた上でどういうふうにして再建していくかというふうに質的なことを考えつつ、もう余り多くの人に迷惑かけないようなことができまいかというような考え方で進めております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 まあきょうのところは、いま大臣から本当にそういう、まさに再建をするということであらゆる角度から努力をされているという、これも全く私も同じ意見でありますから、せひひとつ再建をするという基本に立って、出された再建計画について早急に検討していただいて、一日も早く地元住民、また産炭地域に働く労働者あるいは産炭地の地域住民に安心感を与えてもらいたいと、こう思っておるわけです。その点特に要望を申し上げて、いずれ十二日のエネルギー委員会で石炭全般の問題を通してまた御質問申し上げたい、こう思っている次第です。  ただ現地の商工会議所も、もう大臣お聞きのとおり、長官もお聞きのとおりでございまして、三億の融資をし、道庁も七億の融資体制をとるというこういう現状でございますので、先ほど言ったように労働者はもう皮どころか骨までもとにかく切っているという現状でございますので、ここらあたりを踏まえてぜひひとつ特段の努力をお願いしたいと、こう思っているわけです。よろしゅうございますか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 対馬委員の御意見も十分私なりにかみしめて対処していきたいというふうに思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それでは次に中小企業の問題で、ちょっと時間が予定より過ぎましたけれども、実は中小企業分野法の問題に関連いたしましてちょっとお伺いいたします。  これは実は私五十三年三月の予算委員会、それから五十二年の商工委員会でも議論しておりますが、問題は何かといいますと、田中通産大臣も御存じのとおり、五十六年度予算編成について社会党が十一項目の対策を申し入れいたしております、中小企業対策の実行について。その中できょうは分野法の関係、大規模商店法の関係についてお伺いしたいんでありますが、この分野調整法ができてから御案内のとおり三年になるわけでありますが、分野調整法が発動されたのは私の聞いている範囲では五件だと。しかし、立法当時の見通しではかなり安定成長経済への移行に伴ってこの種の紛争は多発するだろうと、こういう予想はしておりました。予想外の結果とは言えるわけでありますが、しかし、現実の問題として、私もこれは北海道におりまして商調協の方々に意見を聞き、現地の方々の意見を聞くのでありますが、この分野法の調整についてどういう運用実績の段階で中小企業庁としてはどういうふうに評価されているか、これをひとつ長官にお伺いしたいと思います。

児玉清隆資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。  分野法はちょうど実際の執行が行われましたのが五十二年の九月でございますから、ちょうど三年たっております。まだ日が浅いわけでございますが、この間に実際に法律のレールの上に乗っかってやっておりますのは、いま五件というお話ございましたが、実際に五件について出てきて、正式に手続きがとられましたのはその中でもまた少ないわけでございます。そして三段階に分かれると思いますが、一つは法律のレールに乗っからない手前のところで事実上の調整ないし合意が行われまして解決したというものが第一段階にございます。これは法律の施行前からもいろんな紛争がございまして、これにつきまして役所側も中に立っていろいろ肝いりで問題解決に当たったわけでございますが、法律を適用するまでもなくそういう形で解決を見たのが相当数ございます。これは法律以外でございますので、的確な数字は申し上げませんが、大体私どもの耳に入っているケースで申しますと、恐らく四、五十件でございます。したがいまして、これは法律が五十二年に制定されましてから、それを背景といたしまして事実上の行政権の調整等によりましてうまく円満解決したというケースでございます。  それから第二のケースは調査の申し出がございまして、それが調整の段階まで至るまでもなく、調査の段階で一応申請はしたけれども、事実上の解決を見たというものでございます。したがいまして実質上は解決をいたしておりますが、御存じのように、いろんなメンツの問題等もございまして、いきなり解決というわけにもまいりませんので、若干形の上はペンディングとなっているものが二、三件ございます。  もう一つは、調整の申し出までまいりまして、そして実際の調整という行為に入りましたけれども、事実上は余り法律による形での調整をするまでもなく、調整という門はくぐりましたけれども、やはりこれも事実上解決をしておるけれども、形の上はまだ手打ちというところまでいってないというものでございます。総じて申し上げますと、若干言い過ぎかもしれませんが、現段階におきまして分野調整の問題で非常にこじれて法律上どうにもにっちもさっちもいかぬというような事例、あるいは法律の強制権限をもって調整しているというような事例は現在のところは幸いございません。したがいまして、実際上の解決を見ているのがほとんどであるということでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これは長官、長官の立場でそう言われることはわかるのだけれども、具体的に言うとこれは件数は少ないということは中小企業庁もそれなりに努力をしていることは私は否定はしませんけれども、そうじゃないんですよ。もうあきらめですよ、これ。実際もう現実に進出しちゃって出てきてしまってから、これは商調協で取り扱われてしまって、最後は話し合いの紛争の解決ということであきらめが先になっておるわけだ。そこをぼくはきょう申し上げたいと思うんですよ。これは具体的な例を私は出しますけれども、これは埼玉のクリーニングの場合だって、結果的にはこれは最後はどういうことになったかというと、これはいわゆるどうしようもないということで泣き寝入りだということですよ。埼玉クリーニングの大企業の進出の場合。  それからもう一つは、これは例ははっきりは時間がありませんから申し上げませんが、富山県の山崎のパン、菓子工場の進出、この場合なんかはもうはっきりしておるじゃないですか、これ。これはもうむしろ結論的には知事が権限がないから県は全然ノータッチ。したがってもうやむを得ないと、こういうことで全く国も頼りにもならぬし、県も頼りにならぬと、こういうことで富山の菓子、パン業界の場合は相当抵抗したけれども結果的にはもう泣き寝入りと、これは挙げればたくさんあるんです。結局これ、私、これだけ持っているのですがね。だからこれは問題は何かというと私は予算委員会で当時福田総理にも申し上げたことがありますし、当時の通産大臣にも申し上げたのですが、結局知事の委任がないということなんですよ。結局時間がかかり過ぎるということだ、はっきり言えば。迅速的確に処置ができないということ、私こんなことを言って悪いけれども、私の親戚がいま北海道の商調協の委員やっているのですよ。いまの法律からいけば相当時間がかかる。それは時間かけている間に結果的にはどうしようもならなくなって、既定の事実ででき上がったものをぶち壊すわけにいかないのだから、そういうかっこうでもってまあまあしょうがないというこういう状態なんですよ。ただ、私が当初この間この法案つくるときに私もずいぶんこの委員会でも議論申し上げましたが、本来なら業種指定してください、私はこう言ったはずなんだ。これは同僚の議員も言っていますけれども、業種指定しない限りこの問題の解決にはならないと、そういう業種指定はこれは勘弁してもらいたいというのが通産省の考えだったのだが、結果的に業種指定ができないから命令罰則を衆議院の段階で修正をしてこの法案可決したわけだ。しかし、結果的にはいま言うとやっぱりいまこれ時間ないから、私は本当は具体的にずいぶん挙げたいのだけれども、これは印刷屋の場合も同じですよ。帯広の場合も同じ、結果的に札幌の場合も同じだ。日本印刷というのが出てきてそしてシェアを全部奪われると、ところが日本印刷に立ち向かう印刷屋なんというのは北海道ではないですよ、これはもう御存じのように。大臣もこの間来られてわかると思うのだけれども、そんな日本印刷に立ち向かっていくような印刷業界なんかとってもあるものじゃないですよ。そうなると結果的に泣き寝入りになっちゃっているわけだ。ただ、私が言いたいのはここでやっぱりきょう結論をすぐ出そうというつもりはありませんけれども、やっぱり的確迅速に情報を収集をして、いわゆる調整権限をやって長い時間かけてやっていく間にもうしようがないと、これが件数が少ない理由なんですよ、長官。そこを間違ってもらっては困るのだ。何もこの機能を果たして成功したというのじゃなくて、もう仕方ないのだから泣き寝入りしちゃおうという傾向が非常に多いわけです。いま私富山県の山崎パンの例を申し上げましたけれどもね。だからそういう点からいくとこの段階ではやっぱり知事権限に委任をすると、この分野調整の問題については、ここらあたりのつまり法的な一部改正ができないかどうかという点について長官どう考えますか、ちょっとひとつ。

児玉清隆資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘ございました埼玉県のクリーニング環境衛生同業組合のケースあるいは富山の敷島パンのケース等々はもちろん私ども把握しているわけでございます。若干事実の方が私どもの把握しているところといま御指摘の点と違っているようでございまして、クリーニングの方はこれは全国的に非常に例が多うございまして、この埼玉の三国サービスの件もそれから日魯毛皮という件も同じ埼玉でございましたが、これも五十三年の二月に進出をいたしまして、話が出まして、そして相当もめたわけでございますけれども、結果から申しますとやはり中小企業が団結いたしまして、これに対して相当強い申し入れをいたしまして、埼玉県の方も尽力をしたということで実は進出を取りやめております。それは一例でございますけれども、こういう取引上の問題でございますので、余りかちっとした形で画一的にはまいりませんけれども、結果から言いますと、先ほど申し上げましたように、実際に現在の法制度が非常にまずいために中小企業者が倒産あるいはそれに近い非常に悪影響を受けて、現在押し倒されているというケースはございません。  したがいまして、いま御指摘ありましたように、手続上の問題として県知事に任せないから迅速性を欠くのではないかというお話でございますが、たとえば現在把握しております数十件の事例も、ごく数件を除きまして、ほとんどが数県にまたがるものあるいは全国的なケースが多うございます。本来、この問題が立法論として議論されましたときも、これはやはり商圏として県の境目を越えるものが非常に多い、そういった非常に影響範囲が広いということで、国の法律でという話になりまして、実態洗ってまいりますと、やはり具体的ケースといたしましても一つの県に限られるというケースは非常に少のうございました。したがいまして、手続上の問題といたしましても一県を経由して申請の手続を踏むとか、あるいは調整の権限を一県の知事さんだけに任せるということによりますと、実際上は調整というものがデッドロックに乗り上げてしまうというようなきらいがございます。したがいまして、現在はどうしておるかということでございますが、知事さんの方と私の方は具体的に必要があります場合は十分連絡を取り合いまして、そして知事のお力も借りながら私どもとしてもいろいろアドバイスもいたしますし、そしてそういった地方の実情把握という点についても、手抜かりのないように、これを生かしながら具体的に進めておるということでございます。したがいまして、これは具体的にそういう声があるかどうか、私知りませんが、手続が非常におくれているからということはございませんで、先ほどちょっと商調協の話が出ましたけれども、分野法に関します限り申し上げますと、時間的な問題その他で既成事実をつくってどうこうという問題で私どもが非常に困っているという事例は把握いたしておりません。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 長官ね、ちょっとあんたのところまで行ってないんじゃないかな、これ。実際問題としてはこれはっきり申し上げると、あんた、富山県の敷島パンの話出たからぼくは言うんだけれども、これは知事側が言ってるんですよ、県側が。県側が、これは知事の権限がないので、遺憾ながら、われわれとしては本当は解決に乗り出して答えを出したいが、法律的にその権限がないものだから勘弁してもらいたいと、こう言って手を引かれてるんですよ、そう言ったって。これは現実に回答出てるんですよ、これははっきり言って。文書になってるんですよ。それから、この間は、長官のとこも行ってると思うんだけれども、分野協の十六業種団体が全部こうやってそろえて、これだって行ってるでしょう、おたくの方に。この点はやっぱりありませんでなくて、現実には泣き寝入りしてるって商調協の委員が言ってるんだから、当事者が、扱っている人が言っているんだから、あんた、そんなこと言ったってぼくは当たらないと思うんだよ。  もっと具体的にぼくは申し上げますけれども、当時われわれ心配したんだよ。心配して、会議録ありますよ、ここに。五十二年五月十七日の参議院商工委員会。私も言ってるし森下君も言っている、同じことを。これに出てますけれどもね、いわゆる法の二条二項ですよ、問題は。二条二項の場合はいわゆる大企業のダミーということが非常に心配したんだ。たとえば株が五〇%占める、あるいは系列会社に孫会社、系列会社の関係でダミーに乗って出てきた場合に一体どうするんだと、こういうことが非常にぼくら心配したんだ。ところが、現実にいまそれが起きてるんですよ、全部これ同じことを。全部ダミーの進出がほとんど多いんだ、いままで挙がってる例を言うと。これはどういうことかというと、このときの中小企業庁長官はこう答えてるんですよ。これは岸田長官ですけれどもね、このときは。第二条第二項の第二号についてはいま御指摘されたとおりでございますと。したがって、大会社の子会社あるいは孫請会社と、こういう形の中で進出をしてくるという例は確かに指摘されたように多いと思いますと、あると思いますと、これから。むしろこのことを警戒しなければなりませんと。当時の中小企業庁長官はそう言ってるんだ。これ間違いありませんね。そう言ってるんだ、森下君の質問に対しても。だから、そうなった場合にどうするかということになれば、ここにも出てきているようにだね、実質的なダミーということの判断というものをはっきり対処しなきゃなりませんと。実質的な目的達成というのは、どういう目的でこの企業が進出したかというものを見きわめなければなりませんと。そういう意味での行政的な通産省の中小企業庁としては厳格に厳しくひとつこれを対処いたしてまいりたいと、このように時の岸田長官はちゃんとこう言ってるわけだ、私も一緒にやってますけれども。とにかくこのことについて、あんたね、現実にいまあらわれている例が、これ差し上げますよ、後で。これ見てもらえればわかるんだけれども、全部そうですよ、これ。ダミーに全部変えちゃってね、全部進出してきている。印刷の関係、それから菓子パンの関係、それからキャンバス組合の関係、もっと申し上げると豆腐屋、時間ないからぼくは具体的に、神戸の場合があと豆腐屋、それから三井不動産の関係、全部これ私持ってますよ。石川県の場合は環境衛生同業組合の関係、旅館の関係、飲食店の関係、全部私持ってますよ。全部これダミーですよ、はっきり申し上げて。ダミーでもって全部、中小企業分野法が結果的には、先ほど言ったように、既定事実が積み上げられて、もう泣き寝入りしなきゃならぬと、こういう結果になっているから、私は同時にあわせて検討してもらいたいということは、知事権限と同時に私が申し上げたいのは、深刻なんだよ、これはっきり言って。零細企業だよ、中小企業というよりも。だから、中小企業基本法からいけば、資本金一億円、従業員三百人以下、たとえば豆腐製造業なんというのは従業員二、三人でしょう。ほとんど自営業みたいなものだから、こういう問題に対してもう一回やっぱり法律の特定大企業と資本との人間的関係、人的関係、こういうもののあり方について、もう一回見直してみる必要があるんではないか、知事権限とあわせて。そういうふうに考えるんですがな。この点どういうふうにお考えになってますか、ダミーの進出問題。

児玉清隆資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉清隆君) ダミーにつきましては、御存じのように、私どもの施行規則で細かく決めておりますが、法律で考えておりますように、二条の二項の二号でダミーについては省令委任ということで書いてございます。ただやみくもに委任しているわけじゃございませんで、やはり法律段階で過半数を占めるもの、あるいはこれは株式とか役員の派遣等でございますが、その他事実上の支配関係ということで規定をいたしておりまして、これを受けまして省令の方もでき上がっております。  それから、具体的にたとえば不動産の場合あるいは豆腐等の場合につきましてダミーが進出しているという御指摘は、これは私どもの把握しておる範囲でもダミーのいわゆる別会社形成という場合が多うございます。いきなりその会社がやってるというものは非常に少のうございまして、大体新しいものをつくって進出するという事例がございます。ただ、これが全部、いまのダミー規定が三年たってるわけですが、これが不十分であるから進出が事実上強行されたということでは、先ほど申しておりますように、ございません。これは中小企業の範囲の問題もそうでございますが、あるいはその定義を事実に即してないから救われてないんじゃないかというようなお話もございますけれども、実はこの法律をお決めいただきますときにも相当議論がなされまして、私どもも内閣の中で議論を相当したわけでございますが、大企業の範囲を拡大するということは、結局中小企業として保護される人の範囲が狭まることにもなるわけでございます。したがいまして、その辺の問題がございますし、しかも狭められて、いままで中小企業扱いされていた人が今度は大企業として規制されるという形になりますので、そういったいろんなひずみも出てまいりますので、法律の議論といたしましては基本法の定義をそのまま採用したということでございます。ただしということで、先ほど御指摘ございましたように、ダミーにつきましては事実上想定いたしておりますし、また経験上もそういった事例もございますけれども、これについては十分な手当てをしていこうということで、相当細かく規則の方はできておりまして、単に直接的なダミーをとらえるだけではなくて、いわゆる孫ダミーというものも実際は規制をいたしているわけでございます。そして、この法律で対象になかなか上ってこない、そこまで中小企業の申請権者としての資格を備えていないような場合も、紛争は紛争でございますので、これは放置できないわけでございます。したがいまして、そういうものにつきましては、これは非常にきめの細かい事実上の対応をいたしておりまして、もちろん先ほどから御指摘ございますように、パンの場合はこれは農林水産省関係とか、あるいはクリーニングの場合厚生省関係とか関係ございますが、これは各省が常に担当官会議を開きまして、非常に機動的に対応の統一を図りつつ、各地域の実情に即して、かつ先ほど県のお話がございましたが、富山県がどう言ったか知りませんけれども、県の立場も非常に実は微妙でございまして、と申しますのは、自分の県内、日常顔を合わせている人たちの紛争の問題でございますから、中にはできるだけこれは国で処理してもらいたいと、なるべく県を煩わさないでほしいという県も実はございます。しかし、全体として県の方には情報を必ず私の方は必要に応じて提供する、それから県の意見も必ず尊重するという方式で、事実上きわめて柔軟な対処の仕方をしております。したがいまして、もし私どもがやっておりますようなことで、事実上こういうところはもっと改善すべきじゃないかと、法律の余り形式論でなくて、事実上の問題としてもう少し私どもも勉強はするつもりでおります。ただ、結果から言いますと、先ほど来申しておりますように、分野調整法というのは非常に直接的な効果も上げておりますし、それから、これを背景として非常に強力な行政調整をしておりますので、全体としては非常に効果は、三年間としては短い期間ながら現在は上がっておるというふうに私どもは評価をいたしております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 時間が来たようですから、私は多くは申し上げません。いま申し上げたように、長官自身もダミーの進出があるということはお認めになっているわけですから。ただ、これは運用の問題だけで解決つかないんですよ、この問題は。そういう意味でもぼくは申し上げている。運用の問題で解決つくなら私はここで申し上げない。しかし、運用の問題で解決つかない今日の状態になってきているということで、これは率直に言って持ち込まれているわけだ、ぼくたちのところへ。ここらあたりもう一回こだわらずにひとつ検討していただいて、それから現実の処理については、これからもそういうきめ細かい対応をしていくということですから、それならば了とします。しかし、ここらあたりはもう一回知事権限の問題とそれから中小実際のダミーの進出に衣がえをして巧みに、巧妙に実は入ってきているというここらあたりをどういうふうに見直していくべきなのか、こういう点も含めてひとつ特に検討してもらいたい、これを特に私は申し上げておきます。この点最後にひとつ大臣から一言だけ、検討していただけないか、こう申し上げたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 分野調整法は法の精神そのものがそういうところにあるわけでございますし、私どもはその点を十分考えて不備な点は将来考えることが大切でございますし、対馬委員の御意見を尊重して対処していきたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それじゃ私終わります。どうもありがとうございました。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 最初に私はECとの問題につきまして質問をしたいと思います。  もう御承知のとおりに、日米間の自動車を初めといたします貿易摩擦が恒常化している現在でございますが、これとともに日本とEC間にも自動車あるいはカラーテレビ、そういうものを中心といたしまして輸出が今年当初より急激に増加いたしまして、現在貿易の不均衡の問題が起きておりまして、一つの大きな問題になっております。そういう意味からEC諸国の対日感情というものが予想以上に悪化しつつあり、また現実に悪化しているというのが今日であります。政府といたしましても、何らかの対応をしなくてはならないのではないかと思いますが、先日天谷審議官がEC委員会あるいは西独、英国を訪問されまして去る十八日に帰国されたということを承知しておりますけれども、大臣といたしまして、現在EC問題をどのようにその報告を聞いて受けとめ、そしてどのように対処しようとお考えになっていらっしゃるのか、最初にお尋ねしたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) わが国と各国との経済摩擦、特に先進国でございますけれども、日米間の、つい現在もそうでございますけれども、自動車あるいは電電公社の機器の問題、そういうような問題があるわけでございますが、これがまた今度はEC諸国と日本との間で自動車並びにTV——カラーテレビなどの問題があるわけでございまして、御指摘のように天谷審議官がEC諸国の人々と会って帰って帰国報告をしておるわけでございますが、非常にEC諸国は深刻な訴えをしておるわけでございまして、自動車などもそれぞれ向こう側の規制というものもあります中に、日本の自動車の集中豪雨というふうなまでもいかなくても、かなりの輸出、したがって貿易のインバランスというようなことになっておるわけでございます。わが国は御承知のように自由貿易、貿易拡大、世界に市場を開放すると同時に、世界の各国から市場を開放してもらうことがわが国が貿易立国として将来ともやっていかなければならない命題でございますので、そういう一つの基本姿勢というものはあくまで貫いていくことがわが国の国民を含めたコンセンサスであろうと思います。したがって、それには経済摩擦あるいは貿易摩擦がそれぞれの国々で保護貿易主義になることはわが国としてとるべき策ではございません。あるいはそういうふうに追い込むというようなことはとるべき策ではございませんので、したがって、そこら辺のことはわが国もそういうことのないように自粛というようなことをして、できるだけ、できるだけどころか世界の貿易が開放されると、つまり自由貿易というような形にもっていくことこそわが国が生きる道でございますので、基本姿勢としてはそのような考えあるいは構想で対処していきたいというふうに思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 そこで具体的にお尋ねいたしますが、先日発表されました輸出認証統計によりますと、九月の輸出は前年同月比三九・七%増の二兆七千六百六十八億円と、過去最高を記録していることは御存じだと思いますが、わが国の経済にとりますればまことに喜ばしいことでありますけれども、反面これはEC向けの自動車、テレビなどの輸出が好調であったがためでありまして、地域別に見ましてもEC向けは前年同月比五〇・一%の増加となっておりまして、ECとの貿易摩擦がただいまも報告されましたとおりにより深刻化する懸念がされておるわけでございます。また、十月の十六日に発表されました大蔵省の貿易統計にも明らかなように、EC貿易の輸出が機械機器を中心に三千四百八十二億円で前年比三七%の増、輸入は千二百十七億円で前年比一一・七%の減少となっている。二千二百六十四億円もの大幅な輸出超過となっておりますけれども、今年度の上半期だけでも見ますれば、対前年四二%の増加、一兆円もの出超である、こういう数字の発表がされているわけでございますが、いま大臣が保護貿易のそういう対策はとられてはならないという、そういうことも申されましたけれども、この発表されました数字をもって現状分析をどのようになされているのかお尋ねしたいと思います。

真野温通商産業省通商政策局次長

○政府委員(真野温君) ただいま先生から御指摘になりましたいろいろな数字、まさにこういうような実態についてどう見るかということでございますが、日本とECの間の貿易関係は従来から日本の出超でございました。昨年一昨年については一応日本の統計によりますと五十億ドル前後の出超ということで比較的安定しておりましたが、ことしに入りまして御指摘の数字のように日本側の出超がややふえてきております。通関統計で申しまして一−九月の間で日本側が六十三億ドルの出超ということになっておりますが、これは一つには日本の輸出が伸びているのに対しましてEC諸国からの輸入が伸び悩んでいる、こういう状況でございまして、日本の輸出の方は通関統計で見まして三割ぐらいの増でありますが、向こうからの輸入が横ばいというような状況でございます。これはことしに入りましてそういう状況が出てまいりました一つの原因には四、五月ごろに日本の円がやや割り安、二百六十円前後の為替レートになったかと思いますが、そういうようなことも反映しておるんではないかと思いますが、御承知のように最近の為替レートは二百十円以下に下がっておりまして、こういうような急激な日本輸出を押し出す要因というのは減ってきているんではないかと思います。ただ先ほど最初に申し上げましたように、日本とECの間の貿易というのはどうしても日本が出超になりがちなそういう構造を従来から持っておりまして、むしろこれは長期的に、中長期的に拡大均衡へ持っていくという方向で努力していく必要があろうかと思います。縮小均衡というよりもむしろ向こう側の輸出が、日本に対する輸出がもっとふえるような方向へ輸入促進を図る、そういうふうにして全体のバランスを達成するというのがまず基本ではないかと思います。あわせて先ほど申し上げましたような客観情勢もございますが、特定品目等についての急激な輸出増加はこれを自粛するような方向が輸出産業サイドにおけるそういう自覚が必要ではないかと考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 EC側の発表を調べましたところが、EC九カ国の九月末の失業者が御承知のとおりに七百万人の大台を突破しておりますね。そして、EC年次経済報告でも失業率が七九年の五・六%から八〇年には六・〇%、八一年は六・八%と年々雇用状況というのは悪化するとの予測を発表をしておるわけでございます。このことからますます日本に対する風当たりというものは強くなってくることは必至であるということを思わなくてはならないのではないかと思いますが、いま通産大臣も申されましたとおりに、われわれが対処していこうとするならばこういう問題もわれわれが看過して対策を立てるわけにはまいりません。そういう意味からわが国としましても雇用の場を奪う原因となりかねないようなそういうような集中豪雨的な輸出というものは、ある程度これは控えねばならないのではないかと思うんです。またそれと同時に、雇用創出効果をもたらすような産業協力の道を考えていかなくてはならないのではないかと思いますが、これあわせてお答えいただきたいと思います。

真野温通商産業省通商政策局次長

○政府委員(真野温君) ただいま御承知のように世界経済全部が不況の影響を受けておりまして、特にEC諸国の場合には昨今非常に不況状態でありまして、失業が非常に増大してきている、こういう情勢は先生御指摘のとおりであります。そういう情勢のもとで、やはり全体として相手国の産業なり雇用に著しい悪影響を及ぼすような、そういう日本からの輸出攻勢というのは、これは非常に両国の、ECと日本との間の経済関係、貿易関係、さらには政治的な環境に非常に悪影響を及ぼすわけでありまして、そういう意味で私ども非常にこの日本の輸出の動向には注視をしておるわけでございます。そういう意味で短期的には特定の分野に集中豪雨的な、先ほど大臣からお答え申し上げましたように集中豪雨的な輸出というようなことは、まあいまあるとは私ども考えておりませんけれども、そういうことは避けるように常時個別品目にわたってもウォッチしていくということをせざるを得ないかと思います。  他方、もう一つ先生御指摘の広い意味での産業協力ということの必要性もまた十分認識されるところでございまして、私どももEC九カ国、これいろいろな国がございまして、非常に強い国、たとえば自由貿易体制を守っている西ドイツという国もございますし、非常に保護的な国も中にはございます。そういう意味で、経済情勢が非常に悪いときにはどうしても経済状態の悪い国の保護主義に引きずられがちになる、そういう意味でやはりEC全体として経済的に健全で強いそういう集団であればあるほど貿易関係というのはより自由になりますし、経済情勢が悪くなり競争力も落ちてくればそれだけ保護主義的になるという情勢でございますので、そういう意味で、日本の産業技術なり経営なり技術、産業、そういうのを含めた意味での産業協力ということによって、ヨーロッパの産業自身の体質改善といいますかそういうことにも協力してまいる、こういうことによって二つの経済ブロックができるだけ健全なかつ自由な経済交流が行われるということは、まさに先生御指摘のとおりでございまして、そういう方向で私どもの方もEC委員会それからベネルックス諸国、イギリス、フランス等それぞれの国とバイラテラルの関係でもいろいろ産業協力の話を進めておりまして、こういう方向はぜひ私どもも堅持してまいりたい、こう考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 いま日本とECとの間の貿易の最大の摩擦の焦点になっているのは自動車ではないかと思いますが、そういう意味からECの自動車製造業委員会より日本の自工会に対しまして、摩擦回避のためトップ会談を開きたいと申し出があって、それを受け入れられるように聞いておりますけれども、この自動車の問題はフランスのジロー工業相が、シェアは三%が限度であると、こういう発言をされていることを確認しておりますけれども、これは暗に輸入規制を示唆するような発言ではないかということで注目をしなくてはならないことでございますが、こういうことに対して貿易摩擦の最大の焦点になっているこの自動車問題に対しまして、通産省といたしましても何らかの対応策を考えなくちゃならないと思いますが、どのようにお考えになっていらっしゃいますか。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) ただいま先生お話しのようなヨーロッパのいろいろな経済情勢、その中におきまして、日本からの自動車の輸出がかなり増加をしているという状況を背景にいたしまして、ヨーロッパの自動車メーカーの集まりでございますCCMCから、日本の工業会に対しましてぜひ一度意見交換の機会を持ちたいという申し入れがあって、私ども聞いておりますところでは、ひとつそういうことで会談に応じようということを決めたというふうに聞いております。これは、ECのこのCCMCという団体の従来からの意見を聞いておりますと、かなりいろいろ誤解に基づく発言も多うございますので、私どもとしてもこういった機会に日本側の技術を正当に評価してもらうという意味での意見交換があった方がよろしいのではないかというふうにも思います。そういった意味におきまして、この会議を適当な機会に持つということは結構ではないかというふうに思っている次第でございます。ただ、これは情報交換あるいは意見交換ということにとどまるべきであるということが私どもの考え方でございます。  なおまた、自動車全般の問題につきましては、先ほど大臣からも申し上げましたように、集中豪雨とはまいりませんでもかなり増加しておる状況におきまして、やはり業界各社それぞれの自主判断に基づきまして自粛をしていくということが望ましいと考えておりますし、私ども各社からのこれからの見通しなどを聞きますと、かなり伸びが低くなるような計画であるとも承知しておりますので、そういった方向でこれから対処してまいりたいというふうに考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 そこで、こういう話し合いをする場を持って、こういう情報交換だとか意見の交換をやりたいということでございますが、そういう場所を通じまして、ヨーロッパと日本とはこういう文化の相違点がございます。いまさきも御指摘されておりましたとおりに、ECも日本に対する輸出に対して努力すべきであると、こういう御発言もありましたけれども、やはり文化の相違点という点からの障害点も出ている面があるのではないかと思うわけでございます。そういうわけで、日本の国民の皆さんの消費者の好みに合うような、そういうものをやはり輸出さすようにしなくてはならないのは当然でございますが、それであるならば、そういう話し合いの場を通じまして、わが国の実情だとかそういうものを話し合って、そこから摩擦を避けていくような、そういう努力もするべきではないかと思うわけなんです。ある人がこういう話をしておりましたけれども、洋服を着てフランス語を話しワインの話が出るならば、当然チーズを食べたくなってくるんだと。ところが、日本人というのは食事の後にはチーズよりも御承知のとおりにお茶とつけものでお茶づけというような、こういう違いがある。ここらあたりも理解させなくてはならないことではないかと思いますけれども、売り込みと同時にこういう日本の情報というものを相手に知らしめて、そしてそういう日本のを宣伝することにも努力すべきではなかろうかと、こういうことから貿易摩擦を回避できる道もあるのではないかと思いますが、ここらあたりの考え方、大臣いかがでございましょうか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) まあ貿易というと経済ということになりますけれども、やはり経済のまたさらに奥深いところにある社会、文化、そういうものを相互に知ることが大切だと思います。したがって向こうからは輸出ミッション、こちらからはEC諸国に対して輸入ミッション、そういうようなものをいままでもいろいろ考えられておりますけれども、そういうことをいろいろな会議の席上でも協議して相互にミッションを出し合うと、そして日本の文化も知ってもらうでしょうし、社会情勢も知ってもらうと同時に、向こうのことも十分文化、社会のことを知っていくということが、やはりこういう摩擦を解消するいい方法であろうかと思います。したがって御指摘のように私どももそういう方向に持っていって文化、社会、そういうような交流、あるいはそれを知ること、そういうことについても十分頭を使って対処していきたいというふうに思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 ただいまも申しましたとおりに、現在ECでは失業者が多く、またインフレで景気が停滞しておる。構造的な悩みを持っている現状でございますが、そしていま基幹産業の再構築を必死に進めている段階ではないかと思います。そういう意味で競争力がつくまでは日本製品にもうしばらく待ってほしいというECの言い分がございますが、この言い分も理解できないわけではございません。そういう立場からわれわれも考えていかねばならないのではないかと思いますが、またわが国としましてもECの五十七品目に及ぶ残存輸入制限に対する不満もあるわけでございますけれども、そういうことも考え合わせながら、先日来日されたトルン次期EC委員長が、欧州市場という日本の輸出にとって、金の卵を生む鶏を殺してしまわないでほしいというような意味のことを語られたということを聞いておりますけれども、今後長く貿易をお互いにやっていかねばならない相手でございます。そういう政治経済両面で利害を共有をしているわれわれの立場でございますから、日本もECに対しまして対等に発展できるように努力をしていかなくてはならない。そういう意味から私は十月末に予定されております大来対外経済担当政府代表がヨーロッパを訪問されるということを聞いております。また十一月の二十四日にはEC外相理事会が行われるというようなことも報道されておりますけれども、わが国といたしましてやはりいま短い時間でございますけれども、要点だけを質問いたしましたけれども、この大来対外経済担当政府代表のヨーロッパへ行かれることに対しましても、通産省として何らかの対策を打ち出さなくてはなりませんけれども、通産大臣といたしまして何を根本にどういう対処をされるのか、EC問題の最後の問題としてお尋ねしたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 十月の二十七日に大来特使が行くわけでございまして、大来さんは前外務大臣もやっておりますし、非常にEC諸国に対しても顔も売れておりますし、したがって今回の会談を通じましてわが国の自動車並びにテレビ、そういうものに対する説明、それからわが国で、先ほど局長からも指摘されておりましたように、わが国自身いろいろ自粛というような意味で、個別に会社が自社で他の会社と協議することなく自主的な判断の材料をそれぞれ通産省にも持ってきて相談しておりますので、そういうことを局長や大来さんに御相談申し上げて、そういう資料を出すとともに、私も大来さんに対しては、私どもも努力をするが、EC諸国もひとついろんな面で自主的な努力、まあ輸入しないでいいものはしなくても済むわけで、あるいはまたわが国がインバランスを解消するためにも、わが国に対する輸出的努力と申しますか、そういう面の努力も各国がそれぞれするようなことを申し上げておりますし、そういう材料を踏まえて大来前外相も協議を進めるものというふうに思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 じゃ、次にガス災害事故並びに事故防止の問題について質問をしたいと思いますが、最初にガスの供給に関する事故、また需要先における中毒事故等の件数並びに実態等につきまして、簡単に御説明いただけないでしょうか。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 事故の状況でございますが、いろいろな事故がございまして、まず中毒の事故でございますが、五十二年度におきまして百三十五件、それから五十三年度が百二十七件、五十四年度が百三十四件でございます。  それから、ガスの供給支障の事故でございますが、これにつきましては昭和五十二年度が七十四件、五十三年度が六十一件、五十四年度が四十六件という状況でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 ただいま最近の事故の状態を件数で御説明をしていただきましたが、先日も当委員会で報告をされました静岡ガス爆発事故の問題でございますが、この大きな事故が起きまして、当委員会でもいままで質問が行われたわけでございますが、私は、今回の静岡ガス爆発事故に関連しまして二つの側面から御質問をしたいと思います。  まず第一番目は、静岡ガス爆発事故の後、通産省は全国のガス事業者に対しまして百三十五カ所の地下街を検査するなどいたしまして指導監督を強化された、まあ当然のことだと思いますが。にもかかわらず、五十五年の九月の十五日に習志野市営ガスの空気入りガスによる不燃現象という事故が起きている。また五十五年の十月の八日、宮崎市の宮崎ガス株式会社の排気ガス混入による供給支障の事故も起きている。まあこういう事件が発生をしているわけでございます。    〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕 いままでにない大きな事故があって大変であると指導したにもかかわらず、こういう事故が起きたということは通産省の指導監督上責任はどうされるのか、これまず第一点でございます。  それからもう一つは、十年前の大阪市の天六の事故でございます。このときには私も大阪でございますから現場の事情は現地を視察しましてつぶさに知っております。この事故の後、知事から通産大臣、通産局長へこの監督権限が移されたわけです。また、ガス爆発事故防止策や、爆発事故をめぐるこういうような問題に対しまして、自治省と通産省との意見の食い違いの問題が今日まで続いているのでございます。  極論するならば、政府部内においてこうした食い違いが潜在していたということが、今回の静岡ガス爆発事故につながったのではないか。静岡ガスの爆発事故の本当の原因は何か、いま調べられておりますけれども、こういうような隠れた潜在的な原因というものが最も大きな原因ではないか。私はそういう立場から考えるならば、静岡ガス爆発原因は政府にもあるということを申し上げたいと思うわけでございますが、この二つのことに対しまして通産省からお尋ねをしたいと思います。  また、この十年来、いま申し上げました自治省と通産省の言い分がありますから、自治省からもその言い分を明確にこの場で披瀝していただきたいと思います。最初に通産省からお願いいたします。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) ただいま御質問ございましたうちの最初の点につきまして、まずお答えをしたいと思います。  先生ただいまおっしゃいましたように、地下街におきますガス事故防止対策の実施状況につきまして、先般一斉の点検を行ったわけでございます。その結果につきまして、直ちに所要の改善措置を講じたわけでございます。しかしながら、御指摘の習志野市、それから宮崎市におきましてガスの供給支障事故が発生いたしまして、幸いにして地下街等に関係したものではないわけでございますけれども、いずれにせよこのような事故が発生したことはまことに遺憾と存じております。  当省といたしましては、ガス事故の再発を防止するために、その事故につきまして逐一その内容を検討いたしまして、今度の場合におきましても試験方法の改善、また施設の改善、それから教育訓練の励行というようなことにつきまして厳重にその事業者の処置をしております。  こういうことで逐次その再発を防止するように関係事業者に対して注意を喚起しているところでございますが、今後とも十分にガスの保安対策に万全を期するよう指導していきたい、こう考えております。

石井賢吾資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(石井賢吾君) お尋ねの第二点につきまして、権限関係について御報告申し上げます。  先生御指摘の天六の事故、その後に続きました行政管理庁の監察結果、こういった勧告を受けまして通産省としましてはガス導管の維持、保安、こういったことに関します監督の問題を国に一元化するということにつきまして、四十五年十月、各省庁と協議の上でガス事業法施行令の改正を行って今日に至っているわけでございます。  確かに先生御指摘のような静岡ガスの問題を契機といたしまして、都道府県知事あるいは消防庁に権限を委任すべきではないか、あるいは委譲すべきではないかという意見がございますが、私どもとしましては、まず何はともあれ事故の再発防止ということを実態的にねらうということが先決問題であろうと考えておりまして、その意味からは、たとえば都道府県ないし市町村の消防法その他による権限あるいはガス事業法による権限あるいは地下街に関する各省の権限、こういったものを有機的、立体的に運用いたしまして、そういう考え方の上に立ってガス事業者と消防機関との実際的な連携を強化するということによって、実態的に事故の再発防止を図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。  そういう観点から、通産省としまして消防庁の方にそういう連携強化に関するガス事業者を指導することに関しまして、一応一案をお示しして現在協議をいたしておるわけでございます。

椎名泰消防庁危険物規制課長

○説明員(椎名泰君) お答えいたします。  現行のガス事業法では、消防機関が保安上からのガス事業者に対しましての関与ができるようになっておりませんので、今般のガス爆発事故にかんがみまして、消防とガス事業者との連携を強化し実効あらしめるためには、ガス事業法の改正を含む所要の措置を講ずるよう通産省に申し入れ、これは口頭であるいは文書で事務ランクの申し入れでございますけれども、申し入れて現在協議中でございます。その申し入れの内容をごく簡単に申し上げますと、まずガス事業者の初動体制の充実強化を図るべきじゃないか、そういうまず一点でございます。次に、現状の消防機関が平常時あるいは緊急時にガス事業者に対しまして保安面から指導監督するための措置を講ずること。それから、ガス工作物等の技術上の基準に関する法令の制定あるいは改廃について、自治省、消防庁と事前に協議すること。あるいは、ガス事業者に対する指導監督権限を一部都道府県知事に委譲する。こういう内容について申し入れておるわけでございます。  なお、通産省では運用面で対処したいというような考えのようでございますけれども、自治省、消防庁といたしましては、消防とガス事業者の連携を実効あらしめるためには、やはりガス事業法の改正を含めたいろんな措置が必要じゃないかと、そういうことを考えている次第でございます。ただいまいろいろ通産省とそれぞれ協議中でございます。  以上でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 いま通産省、自治省の両方の見解をお聞きいたしましたけれども、両者の考え方というのは相当の開きがございます。この開きがさっき申し上げました潜在的な事故の原因にもつながっていると私は思うわけでございますが、特にいま端的な問題は、自治省の見解でございますガス事業法の改正を含んだ所要の措置を講ずべきであると、またガス事業者に対する保安上の指導監督権限の知事への委譲についての検討と、こういう点では通産省と相当の開きがございます。これだけではございません。私がこの質問の後に続けて質問しようと思っております警報器についても、設置の義務づけについて自治省は消防法でという考え、通産省はガス事業法でと、それぞれ決めたい。これもまた意見が分かれているわけでございます。これで果たしてよいでしょうか。一般紙にも載っておりますけれども、こういうことが載っておりました。爆発が起こる、とっさの対応と措置が何よりも必要なときに、役所の権限がさまよい現場を戸惑わさせる、これこそ住民不在と言うべきだと、こういう趣旨のいろいろな意見が各紙に取り上げられております。だから、事故が起きてから何とかしなくちゃならないといいますが、現時点においてもこれだけの開きがあります。  そこで、きょうは自治大臣がお見えでございませんですが、ひとつ田中通産大臣、閣僚の一人といたしまして、このような省間の開きのある問題につきまして、これは解決していかなくてはならない問題であると、この食い違いをいつまでに検討をするということになっているけれども、正されるのか、そういうところの決意を通産大臣じかにお聞きしたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) ガス事業法の改正、つまり自治省に関する消防法の改正というようなことになると思いますけれども、そういうことでガス事業法を改正してどうしろこうしろという、いま端的に言えば権限争いというような表現になっておるわけでございますけれども、通産省といたしましては、従来どおりそれぞれの消防法による一つの権限と申しますか、そういうもの、それから通産省関係のガス事業法による一つの権限、それから地方自治体が持っておる権限、そういうようなもので、現在、地下街の例をとりますと、地下街中央連絡協議会というものを設けておりますので、そういうもので意見調整をすればでき得るという確信を持っております。しかし、ただいま自治省の方からガス事業法を改正してほしいという意見もございますので、そういうものを含めて私どもの主張は主張として、今後、いま検討してそれぞれ話し合っておりますので、いつまでもそれを結論を出さないというわけにはまいりませんので、その点早目に結論を出すようにこのいまの話し合いを早期に解決すべく進めてまいりたいというふうに思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 いま、重ねて申し上げますが、通産省は運用面で対応したい、それに対して自治省はガス事業法の改正等を含めた処理をという、こういう端的な一つの問題でございますが、検討して早目に結論を出したいという通産大臣の御答弁でございますからそれを信頼いたしまして、こういう潜在的な意見の食い違いから大きな事故を起こして国民に迷惑のかからないように、ひとつ重ねて要望を申し上げておきたいと思います。  それから、きょう付でございましょうか、自治省の消防庁から防災対策につきまして各都道府県知事に対する通知が出されたと思いますが、消防法で言う地下街、建物の地階など全国で百十九カ所を調査された結果の内容が出されておりますが、百十九カ所の調査された中で二十二カ所がガス漏れをしていた。また、ガス漏れ警報器を設置していたのはわずか十四カ所であった。また、消火栓や自動火災報知器設備などの消火用設備が一部設置されていたのは、地下街で五十六カ所という、こういうような実態が発表されておるわけでございまして、その地下街の調査のときに、法律で義務づけられておりますスプリンクラー等はすべて設置されていたと。ところが、いま申し上げましたガス漏れ警報器というのは百十九カ所のうちに十四カ所、約九〇%が設置されてなかった。これをどう受けとめていくのか。そういう立場から高圧ガス保安協会附属研究所では、家庭の安全対策はどうすべきであるか、これはもちろんガス漏れ防止が大事でありますが、その第一番目に、ガス漏れ警報器の問題を取り上げられております。第二番目に、ヒューズコック、強化ホース、三番目に立ち消え防止装置、こういうような三点を取り上げられておりますが、きょうは時間がございませんから、私はこの三点のうち第一番目に取り上げられているガス漏れ警報器のことについて質問をしたいと思いますが、いまも約九〇%が設置されてない。これでよいのか。何とかこの問題を解決するためには、やはりこのことを整備していかなくてはならない。現在こういうような警報器の販売計画、こういうものの進捗状況はどのようになっているのか、簡単に御説明願いたいと思います。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 都市ガス用のガス漏れ警報器につきましては、五十三年、五十四年の両年度にわたりまして予算措置を講じ、信頼性の高いものを開発するために技術性能調査を実施してまいっております。この調査の結果を踏まえまして、新たに開発された警報器の設置促進を図るため、通産省の指導によりまして、本年一月に財団法人日本ガス機器検査協会によります自主検査制度が発足いたしまして、本年五月から自主検定合格品の一部が販売されるようになったところでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 いまそういうような問題が起きてから販売されるようになったということでございますが、私が調べました新型警報器販売計画、これはことしの六月からと聞いておりますが、大阪瓦斯が目標二十一万個に対しまして現在二万六千個販売されている。東京瓦斯が十万個に対して七千個、東邦瓦斯が五万個に対して千個未満、これがことし八月ごろの進捗状況ではないかと思いますけれども、ちなみにLPGのガス警報器についてその普及率を調べてみますと、独立住宅や集中住宅の平均目標数が五六・七%に対して、現在はわずか二五%という極端に低いこれも達成率でございますが、それに対しまして通産省立地公害局ではこれの挽回のために新しい政策を検討中であるということでありまして、開銀融資つきのリース制度が採用されたにもかかわらず、こうした状況であるということに対しまして、まあ本当に心もとない感じがするわけでございますが、このこともあわせて、ただいま質問をしておりますこのガス漏れの警報器の問題に対しまして、都市ガスについては今後どのようにこの普及を図っていかれるのか。また、普及推進のためにリース制度の導入というものも考えるべきではないかと思いますけれども、この点に対しまして通産省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) ガス保安対策を強化いたしますために、先生おっしゃいますようにガス漏れ警報器の設置の促進ということが重要な課題でございます。関係業者に対しまして積極的なPR、それから普及活動を行うよう引き続き指導してまいりたいと、こう考えております。それとともに具体的な普及促進策といたしまして、ただいま先生おっしゃいましたようにリース制の採用を考えております。リース業者に対する開銀融資制度の創設を来年度予算において要求しておるところでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に警報器の販売についてお尋ねいたしますが、これにも問題点が幾つかあります。具体的に申し上げますと、東京瓦斯でございますが、ここでの姿勢は、ガス事故防止はガス漏れ防止が第一であるというたてまえはわかりますが、漏れない器具、すなわちヒューズコックなどの販売の方が重要である。そういう立場から当然でございますが、販売指導上積極的に警報器まで売るというところまでいってない。警報器よりもこの漏れない器具の販売に力を入れていると、こういうような立場をとっております。また、ガスサービス店、こういうところがどういう体制であるかと言えば、ガス保安体制に万全を期すよう積極的に警報器を販売しようとするようなそういうサービス店の数が少ない。これも現実にそういう店を回りましたときにちゃんと出てきております。これは大変なことであるということを痛感している次第でございますが、なぜそのように警報器の販売を積極的にやらないのか、もう一つ突っ込んで調べてみましたところが、エアコンだとかFF暖房器具などが一台売れますと、警報器二十台分ぐらい売っただけの利益を上げることができる。だから無理に警報器だけを売っても商売にならないんだという、ガス保安体制に万全を期すその一環の体制でありますサービス店でもこういう姿勢でございます。ガス業者自身が警報器よりも器具が大事である、これを東京瓦斯の責任ある立場の人が、名前はここで控えますけれどもこういうことを言って、サービス店のこのような姿勢、これでは通産省の指導や目的が守られないのはもっともではないかと思いますけれども、こういう実情で果たして再びガス事故を防止できるのかと心配でなりませんけれども、この点通産大臣いかがでございましょう。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 都市ガスのいわゆる保安を守るために、まずガスが漏れないように設置をするということは、これは大前提であろうかと思います。しかしながら経年変化等によりまして、また人がいろいろとさわったり、また他の工事が行われたり、増築とか改築とかということでやはりガスの配管というのが当初工事したままのように維持されるということは、まあ長い間を考えますと非常に珍しいわけでありまして、そういう意味からいきまして、そういうガス無漏洩の器具の設置ということも一つは大事でございますが、一方、万一のガス漏洩に対してガスの漏洩警報器を設置するということはあわせて重要なことじゃないかと、こう考えております。  まあそういうことで、確かにガス漏れ警報器の技術開発というのが非常におくれまして、ことしの二月ごろようやっと実用化に達したという一つのハンディがございますけれども、今後もそのガス漏れ警報器のいわゆる開発と、それからその設置普及に対しましてさらにガス事業者を督励していきたい、こう考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に、ガス警報器の設計ないし機能上の基準はあるのですか。また、設置基準はどうなっているんでしょうか。簡単にお願いします。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) ガス漏れ警報器の設計機能の水準の確保を図りますために、本年一月より財団法人日本ガス機器検査協会による検査制度を発足させたわけでございますが、その制度の中でガス漏れ警報器の設計機能に関する検査基準が定められております。実際の設置に当たりましては、ガス漏れ警報器のメーカーに対し設置基準に従った取りつけ場所、それから取りつけ位置及び取りつけ方法を具体的に表示した説明書を添付することを指導しておりまして、取りつけ工事を行うガス事業者に対しても設置基準に従って適切に設置するよう指導しているところでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 すでに検査制度が発足してそういう機能上の設置基準が設定されているという御答弁でございますが、これは現実に私の方で掌握したことでございますが、東京都内のある区の防災課長です。その名前はその人にとりましても何でございますから名前は伏せますが、二十三人のうちの一人と見ていただいたら間違いございません。その防災課長がこういう話をしております。  ガス漏れ警報器開発の技術向上は無論大事なことです。しかし、問題は設置基準を明確にする法制、運用面が整備されていないことです。定期点検などの安全面でその仕組みがどうなっているのか判然としていない——つい最近のことです。防災の第一線に立つ責任者がこのように言っているわけでございますから、通産省としてはそういう設置基準を決めましたと、このように方針を出されていますが、威令が十分に届いていない。現実にあるけれど。私が名前を出さないからうそを言っているかと思われたらとんでもございませんですよ。どうしてもとおっしゃるならば後で個人的に名前を教えてもよろしゅうございますけれども、現実には第一線の区の課長がこういう状態であるという、これで事故防止対策に力を入れているということが言えますか、どうでしょうか、お答えいただきたい。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 先生が御指摘のとおり、第一線のいわゆる防災課長さんがガス漏れ警報器のいわゆる内容、それからその設置基準を知らなかったということで、それはまことにガス漏れ警報器の設置に関する具体的な施策が十分行き届いてないということを御指摘いただいたわけでございまして、われわれとしても単にガス会社に対する指導ばかりじゃなくて、公共事業体に対しても十分な指導を行わなきゃいかぬと、そういう意味では各関係省庁とよく相談してその点指導していきたいと、こう考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 私の質問時間がきてしまいましたが、最後に大臣にまとめてお尋ねいたしますが、いま各事業者に対しても指導すると同時に、各自治体の関係者にも指導するとおっしゃったけれども、現実に発足をしてそれだけ指導しておいでになったにもかかわらずいまのような状態です。いま指導しますよと言われただけでは私納得できないです。このことももう一度大臣に明確にお尋ねしたいと思います。  それと同時に、これは事故を起こしてはならないということでございますから、そういう立場からガス漏れ警報器に関して提案をしたいんですが、エレベーターに乗りますとわかりますとおりに、エレベーターが事故が起きた場合には連絡先の電話番号が明示してあります。ここに需話してくださいと。このガス漏れ警報器が鳴りましても、コックを締めたくらいではとまらない、あるいは導管から漏れているような場合は原因がよくわからない場合は、鳴っているけれども、処置のしようがない場合はどうすればよいか、そういう意味でエレベーターのこの電話番号ではないけれども、そういう対応をするために電話番号をそういう記入したものも一緒にそういう明らかにすれば、より早く事故を防ぐことができるのではないかと、これは提案でございます、事故防止のための。提案をしたいと思いますが、これに対していかがお考えであるのか。それと時間の関係で短い質問ではございましたが、この事故防止のためには通産省として、いまさっき自治省との問題等も提示しましたけれども、あわせて国民の生命と財産を守る立場からガス保安対策に対しましてはやはり責任を持って対処してもらわなきゃならないと思いますから、あわせて大臣の御答弁を願いまして私の質問を終わります。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 最初の、いろいろな指示並びに通達を出しておるのだが、実際の運用では何も各係官が意識してないというようなことでございます。この点に関しましては、私どもさきにもちょっと触れましたように、いままで四省でいろいろ連絡をやっておったのを通産省も入りまして、地下街中央連絡協議会というものを中央でやっております。それに通産省も入っていろんな運用面のそごのないような処置をとると同時に、都道府県にも同じような連絡協議会を設けまして、地方の通産局がそれぞれ出まして万全を期す方向にありますし、これからもその運用につきましては一生懸命遺憾のないようにしたいというふうに考えております。  それから警報器をめぐるいまの提案でございます電話を一緒に設置したらどうかと、非常に私もそういうことはいいことだと思いますので、私どもも警報器の義務づけあるいは遮断器の義務づけというようなことも頭に現在ありますし、そういう御提案に対しまして十分検討していきたいと思います。それから総合的に全体のガス事故に対する政府の構えということは冒頭にも申し上げましたけれども、やはり保安ということが人命にもかかわることでございますし、これからも先ほど申しました地下街中央連絡協議会あるいは都道府県にもそれを設けておりますので、現在の段階で四省の運営連絡に支障のないように通達を出すなり、あるいはいろんな行政指導をするなり万全の措置をより一層とっていこうというふうに思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 大変委員会の運行がおくれておりますので、当初資源エネルギー庁長官にエネルギー供給目標の件について、この前の委員会でもちょっと質問したのですが、時間がありませんからこれはきょう取りやめますので改めてまたお尋ねいたします。  韓国産大島つむぎの輸入をめぐる問題につきましては、先般の委員会あるいは衆議院の商工委員会、さらにけさほど来の同僚委員の質問でもこの問題についてはいろいろ質疑が交わされたわけであります。しかし、けさほど来の通産当局の答弁を聞いておりましても必ずしも明確ではないし、またあの答弁の内容で今後指摘をされておりますこの不正表示の問題や、密輸とも思えるようなそういう事態というものを防止できるのかどうかという点については、私ははなはだどうも疑念に思わざるを得ないわけです。そういう点で午前中と重複をしない範囲内でできるだけ質問をやりたいというふうに思っておりますし、また当局の見解もお聞きをいたしたいというふうに思っております。  御承知のように、この問題が表面化したのは、たしか昭和四十五年ごろからだというふうに思っております。そういう点でもう十年という長い月日が経過をいたしておりますけれども、問題は解決の方向に向かうというよりも、ますます困難な状況というものも最近出てきておるのではないか。しかも、単にこれは絹とか大島つむぎの問題だけでなくて、むしろ日韓という私は貿易問題や外交の基本の問題とも何かかかわっているのではないかという感じがいたしてならないわけです。それはどうも歯切れの悪い答弁を聞いておりまして、そんな感じを持っております。そういう点で当初大臣はこの伝統的工芸品産業というものについては育成をする方針というものを持っておるんだという趣旨の発言もされておるわけですし、このことはまたいままでの各大臣の答弁やあるいは衆議院の商工委員会の五十年七月四日の決議の中にも「繊維関係の伝統的工芸品産業をとりまく諸困難を克服するため、積極的に諸般の対策を講ずべきである。」という旨の決議が行われておるわけです。そういう点で私はこの決議どおりのことが積極的に施策として行われてきたならば、今日ほどの問題の紛糾というものを招かなかったのじゃないかというふうに思っておるわけです。そこで通り一遍の答弁ではなくて、私は本当に通産当局が腹を据えてこの問題に取り組んでいくべきであるというふうに思いますし、そうは言ってもなかなか解決できない間を縫って、いろんな密輸であるとか相も変わらぬ偽造、不当表示等が後を絶っていないということですから、これらについては税関当局や取締当局にも見解をお聞きをし、今後の対策の強化を私はぜひやっていただきたいということをまず当初に申し上げておきたいと思うんです。  そこでまず、通産当局にお聞きをいたしますが、この間からの論議で、一体協定どおりの韓国産本場大島つむぎと称する物が三万六千五百反という数量が守られておるのかどうか。俗に言う韓国産つむぎというものは、通産当局の見解と民間あるいは関係諸機関、団体の数量とは大分かけ離れているようですね。矢野研究所等の話も出ておりますけれども、いずれにしてもしかし多くの関係者が言っておりますのは、とにかく韓国産つむぎというものが五十四年度において二十万反を超えるものが輸入をされておるんではないかということが言われておるわけです。そして、深刻な影響というものを本場の大島つむぎ産地に与えておるということは、もう否定すべくもない事実であるわけですね。  そこで、局長はけさほど来韓国側の自主規制というものを非常に信用されていると言ったらいいのか、まあ二国間の協定ですから、当然お互いに守られなければならないものなんですね。そういう点で善意の立場で、解釈で、韓国側がこれ守ってくれておるというふうに私は局長は考えておいでになるんじゃないかと思うんですが、しかし事態はそんなものではない。きわめて深刻であるわけです。ですから、韓国側が自主規制をやっておるという自主規制の具体的な内容というものが、どういう方法でもって自主規制をしてるんですかね。これは詳細つかんでおいでになりますか。単にやってると、韓国はやってるんですと、毎月報告いたしておりますと、日本政府に通報いたしておりますというけれども、具体的なそれでは規制というのはどういう内容で行われているのか、御存じだったらお聞かせ願いたいと思います。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 私も非常に細かいところまでは実はまだ不分明でございますが、韓国側に対し従来からこれについて特別ビザを発給しろとか、あるいはこの間の不正事件に対しましても、みやげ物も厳格な管理をしろとか、いろんなまあ日韓交渉の過程で強い要求をいたしておるわけでございます。それで、特別ビザを大島つむぎについて出してくれということは、しばしばわれわれも日韓交渉で交渉しているわけです。その過程で日本側の税関チェックも非常にむずかしいということで、むずかしいこともわかってるんですが、韓国側もだからむずかしいと、現実になかなか区別かむずかしいという水かけ論——水かけ論というと語弊がありますが、そういう議論がしばしば日韓会談でやっておるわけです。それから推定しますと、韓国側当局も完全に、いわゆる大島つむぎというと定義がおかしくなるので、本場大島つむぎとそうでない大島つむぎですか、それを技術的に区別するのがなかなかむずかしいわけですから、結局輸出申告といいますか、報告に基づいて韓国側も把握しているんじゃなかろうかと私は推定をいたしておるところでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いまの答弁でもわかりますように、あくまでもこれは推定であって、本当に具体的にどういう厳密なチェックというものが韓国内において行われているかということは、どうも詳細つかんでおいでにならないようなんですね。ここに私はやはり問題があろうと思うんです。そういう点では余りまたああせい、こうせいという具体的な指示——指示というよりも具体的なものまで言うと、また内政干渉だとかなんとかといって、韓国側からかみつかれるということを大変心配されているんじゃないかと思うんですがね。しからば、日本側の主体性で行い得るものをきちっとやっていくべきなんですね、これは。二国間協定でもって結んでいるんですから、相手がそれを守らなかったら、こちら側できちんと自主的な体制の中でそれが守られるような、そういう体制というものをつくるということが一番必要だと思うんですが、あれですか、通産当局としてどうも直接韓国へ行って、この大島つむぎの織機台数であるとか、生産反数がどれくらいだなんてのは直接調査されたことはないと思うんですね。また、むずかしいと思う、直接やることは。しかし、業界ではいろいろ調査をやっているわけですよね、業界では。したがって、表向き委託をするということがなくても、そういう調査をされたところから、それなりの資料というものは通産当局として入手できるはずだと思うんですね。そういうことで通産当局は、現在織機台数がどれだけで、生産反数はどれだけだというのはどのようにつかんでおいでになりますか。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 御承知のとおり、当初日本側が、私も現場に立ち会ったわけじゃありませんが、経緯を聞きますと、当初は日本側が技術指導をかなりしたという話も聞いてるわけでございまして、そういう過程で当時はかなりわりと日本側でも韓国側の事情が知れてたわけでございますが、最近時点といいますか、その後は非常に率直に言って秘密主義になったことは事実でございます。それで、われわれも調査をいたしたいんですけれども、なかなかできないと。内政干渉だというような議論になりますし、それから韓国の民間調査機関に委託して調査をしたいと思ったこともありますけれども、適切なものがない。現場に通産省の役人がいきなり乗り込んでいくということは非常にむずかしいと、韓国の実情から、ということでございます。それで、本場大島つむぎを織るためだけの織機というのは実はないんですね。つむぎ一般というか、あるいは着物一般の織機ということになりますので、じゃあこれが大島つむぎ専用という織機は技術的、物理的にないものですから、大島つむぎの織機が何台あるかというのは事実上不可能のようでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 局長ね、もうちょっと簡潔に答えてください。長々しゃべっておいでになりますけれどもね、私の質問には答えてないんですよ。わからなきゃわからないと、実施してきませんと、委託をした覚えもありませんと、したがって現状わかりませんと言やこれ一言で済むいま答弁なんですよね。非常に時間限られているんですよね。だから、午前中と同じような要領の得ない答弁ばっかりしかしていない。だめですよ、そんな答弁じゃ。わからなかったらわからぬ、やってないと言やそれで一言で済むことなんですね。  そこで、把握できてない。いま把握できてないということがはっきりした。調査ももちろんやってないし、委託もしてないと。できない理由は何なんですか。そういうことが行えないということはどういうことなんです。日本の業者だってある程度調べてつかんでるんですよね。だから、日本側の業者に頼んだってある程度の実態というのはわかる。正確な一けた未満の反数までわからなくても、おおよそ何万反とか、織機は何台ぐらいのことは業者は行って調べているからわかってるんですよ。それがやれない理由は何ですか。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 的確な調査がまず不可能だということでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 やらない先から不可能だというのは、どういうところから不可能だと判断されているんですか、それでは。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 先ほど申しましたように、韓国側の適切な調査機関が見つからない、日本側が直接乗り込むのは向こうが拒否している、かような事態でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 日本の民間の業者は向こうへ行って調査をやっておりますよね。そういう調査結果についてもつかんでおられないんですか、そうすると。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 私の開いている範囲では、ここ数年は日本の業者もほとんど立ち入れないというふうに聞いております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そうすると、いまの通産としてはお手上げで、韓国側の実態というのはどうしても調べることができないと、こういうことですね。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 私自身としては引き続き探求したいと思いますが、現在までしてないのは、さような事情でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そうすると、非常に私は問題がはっきりしたと思うんです。韓国当局の自主規制を信頼をしてやっておりますと言っても、向こうの実態というものが全然つかめていないと、日本政府は。そういう状況、それすらつかめていないんですから、輸入をめぐってどのような不正が行われ、自主規制がどのように破られて大量のものが入ってきておるかということも全然つかめていないということも、これまたはっきりしているんですね。だから、もう一回じゃ引き続いて聞きますが、やみ輸入の実態とか不正表示のそういう大島つむぎと称するものがどの程度入っているかつかんでおいでになりますか。わからぬですね、それじゃ。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 数字についてはわかりません。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 これは無責任ですよ。どれだけ入ってきているか、数字がわからぬという、まさに野放し状態ですよ、それは。だからいろんな問題が出てくるんですね。  そこで、それもいままで大して問題が生じなかったというんなら話はわかるんです。ところが、今日までいろんな問題が生じてきておったわけでしょう。  公取委にお聞きいたします。実は五十年の三月二十五日に、公取委員会は九州、京都などの輸入業者、販売業者七社を景品表示法違反容疑で強制調査をやっておるし、同じく三月二十七日に全国十一の百貨店を同じく景品表示法違反容疑で調査をしておるということは明らかなわけなんですが、今日まで不当表示等で行政指導や何らかの法的措置をとったことがありますか、どうですか。

橋口收公正取引委員会委員長

○政府委員(橋口收君) 韓国産大島つむぎの表示問題につきましては、昭和四十八年に告示を出しておるわけでございまして、この告示のもとで規制を行っておるわけでございます。  現実にどういう措置をとったかということでございますが、告示に基づきまして運用基準を明らかにいたしておりますし、さらに基準の細則というものも明らかにいたしております。したがいまして、どういうものが不当表示になるかということにつきましての趣旨の徹底はできておると思います。現実に排除命令、是正命令等の措置をとりましたのは、昭和四十八年以降二件でございまして、昭和五十年の十月に一件、五十一年の十月に一件、計二件でございます。そのほかに、業界等に対しまして趣旨の徹底を図る要望書を二回出しておりまして、昭和五十年の一月に一回、五十一年の二月に一回、計二回でございます。したがいまして、お尋ねのございました具体的な排除措置というのは、現在まで二件でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 その後も不当表示とかやみ輸入、そういうものが後を絶たない、むしろ増大の傾向にあるんじゃないかというふうなことも指摘をされておるわけです。公取のそういう基準とか行政指導というものが余りどうも効を奏していないという感じもいたしますので、直接の取り締まりの機関ではないんですけれども、公正取引委員会としては相も変わらぬこのやみ輸入、不当表示が後を絶たない現状にかんがみて、今後どのように監視を強化し、適切な行政指導なり一定の措置をどのようにとっていくのか、もしお考えがあったらお聞かせ願いたいと思います。

橋口收公正取引委員会委員長

○政府委員(橋口收君) 韓国産大島つむぎの問題につきましては、昭和五十三年にも当委員会で宮之原委員から御質問いただきまして、現在の規制の内容が実情に適合していないんではないかという御指摘もいただいております。御承知のように、染色されました地域によりまして、染色された地域が韓国であれば韓国産というように表示をしなければいけないというのが告示の趣旨でございますが、ただ、製織をされて、日本で染色をするような場合もあるので、そういうものをどうやって規制するかというような趣旨の御質問もございました。  その後いろいろ検討いたしておるわけでございますが、先ほど来お話がございますように、かなり大量のものが入っておるようでございますし、また流通の過程で表示のつけかえが行われているらしいというようなことも聞いておるわけでございますが、われわれとしましては一番欲しいのは的確な情報でございまして、情報がございますれば法に基づきましての断固たる措置をとるつもりでございますが、残念ながら有効的確な情報が今日まで十分得られていないというのが実情であろうかと思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 時間がありませんから、公正取引委員会に対する質問なりというものはこれで終わりにしたいと思うのですがね。やはり局長、公正取引委員会の方でも相当大量のやみがあるんじゃないかというふうに聞いておるというふうにおっしゃっているのですよね。ところが、正確な情報が余り得られないから適切に対処できないと言っているのですね。私はやっぱり通産当局の姿勢だと思うのですよ。直接一次的な責任を負っておるのが通産当局なんですから、その通産当局がさっきからの論議の中でも明らかなように、韓国内の実態もわからぬ、どれだけのものがやみで入ってきているかもわからぬというそういうことでは、公正取引委員会だって取り締まりようもないということになるだろうと思うのですね。やっぱり私は通産当局のそういう姿勢に一番問題があると思うのです。  もうちょっとほかの方聞きますから、局長はよく聞いてくださいよ。あなたが一番責任があるんですよ、これは。  そこで、いままでの論議を聞いておってもおわかりのように、もう一つは、今度は税関におけるチェック機能が、大分一生懸命やっているつもりですし、それなりのものを持っておるというふうな趣旨の答弁が午前中あったようですけれども、私はそうは思わないですね。税関のチェックもきわめて甘いのじゃないかということで、むしろ税関のわからないところでどんどんと大量に私は入っている感じがしてならないわけです。氷山の一角としてつい先般成田空港の密輸事件というものがあばかれて、いま検察の手に渡っておる、こういうことなんですけれども、税関としては今日まで不当表示で輸入された摘発件数や密輸に該当する件数がどれくらいあったのか、通関当局としてはどういうふうに把握をされていますか。

忠内幹昌大蔵省関税局輸入課長

○説明員(忠内幹昌君) 韓国産の大島つむぎを隠匿などいたしまして輸入しようとした事犯につきましては、関税法違反ということで厳正に処分しておるわけです。具体的な数字を申しますと、昨年一年間で処分した件数が六件、犯則者九名、合計反数は六十九反であります。それから、本年の一月から七月の間では九件。若干増加しておりまして、犯則者十二名、六百六十反に上っております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 この数字は、申し上げたように全く氷山の一角だと思うんですよ。その一番いい例は、これは警察当局にお尋ねをいたしますが、けさもちょっと話が出ておりましたけれども、ことしに入ってから京都府警が摘発をやっていま地検に送られて起訴をされた事件、これを見てもこれは大変なものですね。この内容を見ましても、逮捕された人たちや起訴された人数は少なくても、とにかく不正に入手をして偽造の商標を使ってやったというものが警察庁のこの事件に関するだけでも一万三千百七十五点というふうなことが言われておるわけです。ですから、これは通関当局もよく聞いていてもらいたいと思うのですが、横の連絡があったのかないのか知りませんが、警察庁として取り扱われた事件、今日まで過去どういうものがあったのか、また今回の事件の内容がどうなっているのか、ひとつ時間がありませんから簡単におっしゃっていただきたい。

内田文夫警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(内田文夫君) まず先生の御指摘ありました京都の事件でございますけれども、京都の呉服ブローカー六グループがこれを旅行業者と結託いたしまして旅行者に持ってこさせるといったり、あるいは現地に駐在員を置いてこれを不正に輸入したというようなケースでございまして、これが一応捜査の段階での持ち込みの推定の反数といたしましては、いわゆる不正輸入といいますかそれが約一万五千反、それからいわゆる旅行者が持ち込んだもの、これが約一万点と、こう推定をいたしております。そして、この事件では現在までに関係容疑者三十一名を検挙し、そのうち逮捕したのが十三名でございます。  それから本年もう一点は、先ほどもやはり先生からお話がありました、これは端緒が成田の税関で発見した事犯でございますが、これが現在のやはり捜査での輸入の推定としては約四千反とこの事件は一応見ておるわけでございます。これは十一名検挙をいたしております。それから過去のあれでは昨年、一昨年にそれぞれ一件ずつ大島つむぎのこの種の事件で検挙をいたしております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 大臣、いまの話を聞いていただいておっておわかりだろうと思うんですが、これは警察で摘発したのも税関で摘発したのもこれで全部じゃないんですよね。たまたま摘発した件数をいまお述べになっているわけですね。これを見ても未摘発のわからずに処分されているものが相当な数に上るであろう。日本の業界が指摘をしているように、やっぱり二十万反とか大変なものが入ってきているんじゃないかということをうかがわせるに足るいま数字なんですよ。いまちょっとした摘発だけでもって一万何千反。それから旅行に関連した何とかツアーというやつでもって不正に持ち込んだものだけでも四千反とか五千反という、これはたまたま摘発されたのがそうです。摘発されないそういうものだってたくさんあるわけですね。  そこで、私はいままでの、たとえば五十年三月五日の河本通産大臣あるいは先ほど来局長の答弁でも、相手の自主規制に余りにも依拠し過ぎておる。これは私は善意だとか人がよ過ぎるで済む問題じゃないんですね、実態がこうなんですから。そういうことで今後も単に韓国側の自主規制に頼っておるということになりますと、日本国内における犯罪というものがどんどんふえていきますよ、これは。つくらずに済む罪人までつくっていく。そして韓国旅行と称しては行ってみんな三反というみやげ物と称して買ってくる、これは旅行業者なり商社が頼んでそして金を渡して買ってきてもらうということが行われている。これは大臣だって御承知のとおりだと思うんですよ。こんなことをいつまでもやること自体が問題です。だからやはりきちんと規制をすべきところは厳しく規制をすべきなんです。そういうことで、私はけさの答弁ではどうも、特別ビザで対処する気ではないかという質問に対しては、どうも通産当局は腰がふらふらしておって定まらない、これは相手のやることだからなかなか押しつけられない、こういう答弁です。だから、私は日本政府としてとり得ることできちっとやってもらいたい。  そこで、韓国旅行で三反もみやげとして買うというのはこれは非常識ですよ、そうでしょう。一人三反なんていってそんなに一体買う必要があるんですか。そういう点で私はこのみやげ物については現行の三反というものを一反にすべきだというふうに思うんですが、いまいきなりの質問で答弁できないならば、犯罪の温床になっているそのみやげ品の取り扱いについて今後やっぱり検討する気があるのかどうなのか答えてください。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) みやげ物の範囲は、自分の用に供する範囲というのが常識的になっているわけでございます。それで、一昨年までは実は十反であった。これは私いまも考えても、ちょっと一万円ぐらいのものならいいんですけれども、相当高額商品を十反自分の家で買うであろうかということで問題は確かにあったと思います。一昨年から御承知のように三反にまあ七反カットした。それでいまおるわけで、この三反がまあ夫婦で買うというようなことになると一つの基準かなとも思うんですけれども、一方、確かにこの間の京都事件その他の事件考えると、まあツアーが三十人か四十人行くと、一人一万円か二万円渡して、だから三反ずつ買ってこいというと、五十人のツアーなら百五十反になってしまうということで、一つの先生のおっしゃるとおり悪の温床になっている面がございます。そこでわれわれは強烈にみやげ品についての監督を韓国側に申し込んでおりますが、韓国側の対応状況あるいは警察当局の摘発状況も勘案して、もちろん韓国側とも話さにゃいかぬですが、この三反、一反問題については検討してまいりたいと思っております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 時間がそろそろ参っておりますので、最後に大臣にお尋ねをいたしたいと思いますけれども、私も次回の本委員会の理事会なり委員会に正式に衆議院と同様に流通問題小委員会の設置というものを提案をしてまいりたいと思っておるんです。こういう限られた時間の中でこれだけの問題点をなかなか論議をする余裕がないということでもありますから、それは提案をしてまいりたいというふうに思っておりますが、同時に大臣にこれは最後に答弁をお願いしたいと思うんですけれども、みやげ物の取り扱いを含めて韓国側の自主規制だけでは、もう十年間の今日までの経過、流れを見てもおわかりのように、とても自主規制に頼ることのできない実態である、被害がますます大きくなっておる、さらに犯罪者までつくり出すような状況になっておるわけですね。そういう点で私は実効のある日本としての主体的な規制方法というものについて、早急にやっぱり通産省としても検討する必要があるんではないか、まあむずかしい日韓問題というのはあるでしょうけれども、これは純然たる政治問題とは切り離して私は解決できる問題だと思いますから、いまここですぐ自主的にじゃどの部分をどう強化するかということはお答えはすぐはいただけないと思うんですが、やはり早急に検討していただきたいと思うんですが、この点いかがですか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) いま具体的におみやげ物を三反を一反にしろという、これはいま局長から答えましたように早速検討したらいいと思います。  それで、全体的な問題でございますが、みやげ物といったらこっちが買うんですから、大体向こうから言わせると逆ねじを食わせられて、おまえのところが買うから悪いというようなことにもなりかねませんし、そういう点は向こうも自主規制しなければいけませんけれども、日本の方もみやげ物をそんなにばんばん買って犯罪を起こすのが、向こうが悪いということが果たして言えるかどうか、これは日本人そのものがやはり大きく自主規制をしなければならない問題ではないかとも思いますし、そういう点は十分外交ルートを通じまして、いままでも相談をしておりますけれども、これからも十分相談をしていかなければならないというふうに思っております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 大臣ですね、私が最後に大臣に答弁を求めましたのは、まあみやげ物は検討するということで、一反問題は検討すると局長の答弁ですから、それはそれでいいということなんですが、そうでなくて、みやげ物だけでなくて——小さな部分ですよ、まだ、みやげ物というのは。もっと大きな部分でやみの輸入、不当表示問題、こういうものが大変なんですね。ですから、全般的に韓国産大島つむぎの日本側の自主規制体制というものについて再検討をやる必要があるではないか。方法はいろいろあろうかと思うんですね。それをいまここで具体的に答えてくださいと言ってもそれは無理な話ですので、いろいろこれだけ衆議院でも参議院でも論議をされているもう長い問題なんですから、しかも事態はますます深刻になっておりますので、ここで通産省としては抜本的にもう一回この問題について再検討していただきたいと、大臣その意思はおありですかということをいまお聞きしているんですよ。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 引き続き吉田委員のおっしゃることを十分踏まえて勉強、研究していきたいと思います。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 五十六年度の中小企業対策について、きょうは実はせっかくの機会でありますから、大臣並びに中小企業庁長官に伺って、特に予算要求等しておられますそのこと等についても、ひとつ詳細伺う予定でおりました。特にまた重要な問題としては、中小企業の代替エネルギー、省エネルギー等に対する助成策あるいは山地振興対策、さらに高度化事業等について実は伺う予定でおりましたが、ずいぶんと時間がきょうはおくれております。大臣もまた来週からの海外出帳をお控えになってお忙しいかと思いますから、もうそれらの具体的なお尋ねはきょうはやめます。また次の機会に譲ります。  そこで、一、二だけひとつ大臣に伺いたいと思いますけれども、地方の時代というようなことを盛んにいま言われております。特に産地振興対策あるいは地域振興対策等が特に中小企業に重点的に考える必要がある。もちろん考えられておりますけれども、やはり大企業の工場等の地方分散もやはり大いに必要だと思うんですね。特に下請企業の問題等を考えますと、大企業の地方分散、特に大企業の事業所を核とした地域の中小企業振興対策というものも必要になってくると思いますが、したがって中小企業だけではなくて大企業の地方分散等に対する助成政策ですね、特に投資減税的な助成政策等考えておられるのかどうか、その点ちょっとお伺いできればと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 地方の時代、まさしくそういうことは私どもも提唱しておりますし、多くのコンセンサスではないかと思いますし、地方経済の育成、ひいては地場産業の育成、いろいろあるわけでございます。それにはやはり工業再配置と申しますか、中央だけに行くというような工場、あるいはそういうことのないように、地方の時代にふさわしい産業経済政策を立てなければなりませんし、そういう意味で工業が地方に分散するようにそういう再配置の頭を根本に置きまして、地方に産業を持っていく投資減税と申しますか、そういうのを来年度予算に私ども考えておりまして、予算に計上いたしますので、国会で十分御審議の上、その税制が通過しますように、そして本当に名実ともに工業が地方分散できるように、私どもも一生懸命その政策を進めてまいりたいというふうに考えております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 ぜひ通産省としても強力にこれをひとつ推進をしていただきたいと思います。  そこで、中小企業対策の中心は、これは私自身そういう考えでいままで行動してまいりましたけれども、中小企業者の持っておる活力をさらに助長する政策、あるいは中小企業の中には活力を失っておる業者も相当数ありますから、それらの人たちに対しては活力を呼び起こす政策、これがやはり中小企業政策の私は中心だという考え方を持っております。それで、それらのものをさらにそのような自助努力をさらに促進をするために、効果あらしめるためにあるのが金融だとか、税制の助成だと、こういう考え方でおります。ところが最近は中小企業に対する租税特別措置にいたしましても、あるいは中小企業に対する金融あるいは税制助成等にいたしましても、財政再建ということでこれは中小企業のその分野、これは聖域ではない。したがって同じように全部これを見直しをする。あるいは中小企業に対する税の助成、あるいは金融助成についてはこれをできるだけなくしていく、整理をしていくという考え方が私は大蔵省にずいぶん強いんではないか、こういう感じを持っておるんです。しかし、これはまあたとえて申しますと鶏が最近卵を生まなくなった。だからそこで採算がどうも悪いからえさをやるのを減らすというようなことと同じことであって、それではますます中小企業の活力を失って、さらに近い将来、実は国の税収面、財政面に大きなやっぱり欠陥が生じるであろうという懸念をするんですが、そういう意味で大蔵当局の考え方、間違っているというと語弊があるかもしれませんけれども、そういう考え方に対して、特に大臣は強くひとつ主張していただいて、来年の予算編成に入ってまた去年と同じように税の特別措置についての見直し、廃止なんというようなことがまた再び俎上に上がってくるかもしれませんし、またいろいろと通産当局が中小企業政策として考えておられる税あるいは金融の助成等についてはかなり大蔵省もきつい、厳しいような考え方であるとすれば、ぜひその点をひとつ大臣大いにひとつ御努力いただいて、そのようなことのないようにお願いをいたしたいというふうに思います。これは要望です。  そこで、それらの具体的な点いろいろありますけれども、一つは金融等の問題で現行の金利かなり高いわけですね。いま考えておられると思いますけれども、中小企業の省エネあるいは代替エネ対策の貸付金利にしても八・五%ですか、あるいは現在ありますところの高度化促進、近代化促進の貸付利子が現行の九・〇五を若干下げるということですが、私は少なくとも政策金融はもちろん資金運用部資金のいろいろな関係がありますけれども、やはり七%台ということにならなければ政策金融ということにならないのじゃないかと、こういう考えをいたします。これは一つの例として申し上げたんですが、そういう面につきましてひとつ大臣格別の御努力をひとつ要望をいたしておきます。お考えがあればお述べいただきたいと思います。  以上で質問終わります。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 手術はうまくいったけれども、人間は死んだというようなことにならないように、財政再建といいましても、中小企業でも御承知のように事業所だけでも日本経済の九九・四%、従業員でも八一・一%、それから出荷製品、これが五二・七%あるんです。したがっていかに中小企業が日本経済を大きく支えておるかということは御承知のとおりでございます。したがって私ども財政再建ということがありますけれども、やはり従業員にしても事業所にしても出荷にしても、そういう膨大なものを抱えた中小企業でございますので、金融あるいは税制、そういう面で井上委員御指摘のような万全の措置は毎年毎年とっていかなければならないというふうに思っております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 終わります。

前田勲男自由民主党・自由国民会議

○理事(前田勲男君) それでは、本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時十八分散会      —————・—————

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