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93回国会参議院1980/10/16

商工委員会 第1号

発言数
204
登壇者
23
会派数
5
開催日
1980/10/16

会議録

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、産業貿易及び経済計画等に関する調査を行うこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 私は、ことし全国一の凶作県になりました青森県の実態をもとに、冷害地帯における中小企業対策について通産大臣の御所見を伺いたいと思います。  青森県の経済は第一次産業によって支えられていると言っても過言ではございません。農家がくしゃみをすれば町全体がかぜを引くと言われるほどであります。その中でも特に大きなウエートを占める米が冷害で大打撃を受け、農家の米代金はほとんど期待できなくなり、夏場に向けて現金収入を当て込んでいた野菜やスイカやブドウなども壊滅状態になったのであります。当然そのはね返りは商工業界に深刻な影響を与えずにはおかないのであります。その徴候もすでに具体的になりつつあります。  「分け入りし霞の奥も霞かな」とは平民宰相と言われた原敬の句でありますが、まるで青森県の商工業界の現状を表現しているように思えてなりません。十勝沖地震にたたかれ、ドルショック、オイルショックによる減速経済への厳しい対応も何とか乗り切れると思っていたら、今度は域外資本によるスーパーやビッグストアの出店攻勢、それにも必死に耐えてきた商工業界をことし襲ったのは冷夏という冷たい敵でありました。青森財務部が県内十二の百貨店を調べているわけでありますが、その売上高を見ますと、七月は実に前年対比でマイナス六・七%という大幅な落ち込みを記録しております。日銀青森支店八月の調査でも、経営上の隘路に売り上げ不振を指摘する企業が製造業において七四%、非製造業において九二%となっております。企業倒産も昨年十一月以来十一カ月連続して前年を上回っており、一月から八月までの累計では一五三・八%になっており、業種別累計を見ますと卸小売業が実に二〇九・八%となっております。  以上のような青森県商工業界に対して、いま無残にも一千億円を超える農業災害が大津波のように襲いかかっているわけであります。中小企業庁はわが国中小企業をバイタルマジョリティーとしてとらえ、そしてその振興を期しつつあるわけでありますが、いまや冷害激甚地帯の中小企業はエグゾーステッドマジョリティーになりつつあるのであります。中小企業は政府の温かい御指導と御援助を待ち望んでおります。  政府はこのような現状についてどのように現状を認識し、そしてどのような見通しを持っておられるのか、大臣の御所見を伺いたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 大きくは、全国的な中小企業の倒産件数、一千万円以上の負債で九月は千六百四件に達しております。こういうこともございまして、本当は毎年ですと三月がピークでずっと下がってくるわけでございますけれども、全国的に見ますと、五月が千五百六十六件で、ずうっと多少のでこぼこはありますけれども、危機ラインと言われております千五百件どころか、先ほど申しますように千六百四件、九月になっておりまして、これは大変だということで、五月のそういう指数からも私はほっとけないということで緊急対策、まあ公定歩合の引き下げあるいは五月五日の私どもの経済閣僚会議における緊急項目の決定などもやって対策を練ってきて、そのときも中小企業に対しては特段の配慮をするということから、御承知のように政府の三機関、中小企業金融公庫、国民金融公庫、それから商工中金に対しまして、中小企業庁長官ここにおられますけれども、そういう通達、大蔵省の銀行局長の通達も含めまして善処方を強く要望する、通達を出すと同時に、三機関に対しましても前年実績比二六%のアップ、金額にいたしまして一兆六千五百億円というような配慮をし、いままでの過去における貸し金などについても十分な配慮をするような措置をとってきたわけでございます。それでも御指摘のような冷夏、冷たい夏の被害というようなことが、青森地区も十一カ月連続してずっと被害をこうむっておるというような御意見でございましたけれども、まさしく大変なことだというふうに思っております。  それで、いま農家の被害でございますが、これは農林省において実態調査をつぶさにやっておりますし、緊急ないろいろな激甚地の指定の対策とかいろいろなことをやっておりますけれども、詳細に結論を判明しておりませんし、出してはおりませんけれども、そういう万全の措置は農林省でやろうということになっておりますし、私どももいち早くそういう対策は青森県だけではなくて、全体的な中小企業関係の対策といたしましては、この前すでにアイスクリームの製造業あるいははなむしろとか冷菓、つまり冷たい菓子、その他そういう関連の製品などについてもとってまいりましたけれども、さらに農村関係につきましては、先ほども申しますように、農村の被害状況、これを判明次第具体的に対処していきたいというつもりでおります。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 青森県の現状、大変なことだと大臣も御認識のようでございますので、これからよろしくお願いしたいわけでありますが、時間がございませんので、対策の重点的な要望事項について申し上げて、お答えをいただきたいと思います。  青森県は農業の作況指数が、先般の発表で五一%となっております。県下を四つに分けて最もいい地域でも七七という指数であります。全国が凶作だと言いましても青森県とは比較にならない、いわば激甚災害を受けているのが青森県の現状でありまして、それだけに商工業にも強い影響があると思うわけであります。  具体的な質問をさせていただきます。  一つ、政府系中小企業三金融機関の融資枠の拡大、融資条件の緩和についてなお一層の御配慮を願いたい。そしてまた返済が困難な企業者に対して返済期間の延伸、あるいは延伸期間中の無利子措置がなされるべきであろうと思いますが、いかがでございましょう。  第二点、総理大臣のせっかくの要請にもかかわらず、あるいはまた通産大臣のせっかくの要請にもかかわらず、保証協会が担保を厳しく要求している現状では、実施中の制度金融も活用されない心配があります。この際、保証協会の無担保保証限度額の拡大、あるいは三公庫による担保を徴しない凶作特別融資制度を創設すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。  第三点、小規模事業者が最も頼りにしている国民金融公庫によるマル経資金枠の追加配分と融資条件の緩和措置が強く要請されます。これについてのお考えをいただきます。  第四点、今回の農林災害に激甚災が適用されることは九分九厘確定的でありますが、凶作激甚地帯の中小企業に対しても激甚災に準ずる措置を講ずるべきであるという強い要請がありますが、いかがでしょうか。  第五点、凶作地帯の中小企業者が景気沈滞のどろ沼からはい上がるためには、何といっても景気浮揚というバックグラウンドが必要であります。大臣はこの際予備費支出等による新たな公共事業あるいは救農土木の推進など景気浮揚に有効な施策が実施されるよう関係大臣に要請していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  以上五点質問いたします。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。  政府系の三機関の融資枠の拡大と条件緩和の点についてまず申し上げます。  ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、この十−十二月期がちょうど景気のかげりとそれから冷夏の影響対策が両方重なってまいる時期でございますので、ここでは抜本的な前倒し対策をする必要があるということで、第三・四半期ということで十二月も含めまして大幅な増額をいたして認可をいたしたわけでございます。さらに先生御指摘の融資条件の緩和につきましても、九月十九日に私どもと大蔵省両方の連名通達によりまして、三機関にたとえばいま御指摘の返済猶予等についても弾力的にこの相談に応ずるようにと、それから担保の徴求につきましても弾力的運用をするようにという強い指示を出しておる次第でございます。  それから、次の信用補完政策の面でございますが、これにつきましては、信用保証協会につきましても御指摘のように本来信用補完的機能を十分果たすに当たりまして、できるだけ担保の徴求等については実情に即してという指導をしておりますが、ここにまいりまして一層そういった弾力的取り扱い等が必要になってまいっておりますので、冷夏対策といたしましても、各地域の実情に即してきめの細かい融資が実際行われますように信用補完機関としての信用保証協会あるいは信用保険公庫等の指導につきましてもこれを機動的にやっていくということでございます。特に融資基金という形で流しております企業体質強化資金につきましては、これを緊急に枠の増額等も図りまして、県の要望を取りまとめ次第これに応じていくという措置で、信用補完制度の充実ということで対処をしてまいりたいと、このように考えております。  それから、マル経資金の点でございますが、これにつきましても御指摘のように国金の末端におきましても非常に機動的にこれに対処いたしておりまして、特に返済猶予その他につきましても手続が非常にめんどうでございますので、これもなるべく簡便な一括方法を実質的にとっていくと、形の上は極端なことはできませんが、実質的にそういった効果が出るようにというような指導をいたしておりまして、末端におきましても先生御存じのように、相当緊急的なそういった体制が浸透しておる現在でございます。さらにこの点につきましても努力したいと思っております。ただ、条件緩和の点につきましては、これは県別の融資枠についての配分を調整すると、これは可能でございますが、個々の案件についての融資条件の緩和、この点につきましては相当問題がございますので、まず量的な合理的な配分その他を機動的に展開したいと、このように考えております。  それから、激災の関係でこれに準ずる措置という御指摘でございますが、冷夏の場合は根源が特に青森県等におきましては農業被害が一番の震源地になっておりますので、その実態把握に応じましてこちらも十分な対策を考えていくわけでございますが、直接的な被害はあくまでも農業という観点からの激災でございますが、中小企業の場合は何としましてもやはり間接的な被害ということで、直接被害の帰趨がこの間接被害の影響の度合いを十分左右いたしますし、それからこれに対する対応策というものもやはりその地域の実情に即しまして、間接被害に対する対策という限界はございますが、これにつきまして私どももできるだけ実情に即した措置をとっていこうというふうに考えております。  それから、冷害地域の公共土木云々の点につきまして、大臣にひとつお願いいたします。

宮本四郎通商産業省産業政策局長

○政府委員(宮本四郎君) 冷害地域における公共事業、それから救農土木などの景気浮揚対策についてでございますが、先般御決定賜りました九月五日の経済対策閣僚会議における方針に従いまして景気の維持、物価の安定ということに推進するつもりでございますが、具体的には十月−十二月の公共事業を対前年同期で三〇%増と決めていただきましたが、この執行に当たりましては、地域の実態と現状に十分配慮して行うということになっております。  御指摘の冷害被害地の救農対策でございますが、これは農林省においていろいろ被害の調査中と承っておりますので、それが終わりまして、いろいろと対策をお考えのようでございますので、当省といたしましても関係省と協力いたしまして、十分機動的に効果のあるような対策が行われるように努力したいと考えております。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 残念ですが、約束の時間のようですので終わります。

大木浩自由民主党・自由国民会議

○大木浩君 政治、経済両面にわたりまして、大分国際情勢がいろいろ動いておりますので、その分野での若干の質問をさしていただきます。  昨日の新聞情報、あるいは政府の正式の統計も出ておるかと思いますけれども、日本の経常収支が黒字に転じたというような情報がございますけれども、片やいろいろと日本からの輸出に対する外圧も強いというような状況でございますけれども、そういった国際収支の動き等々御勘案の上で、今後どういう一般的な輸出対策をお考えでございますか。特に、先般来いろいろ通産省の方で御努力しておられます個別産業、たとえば自動車産業といったものに対する行政指導といったようなものも今後お続けになって、全体としてどういう対策を立てていかれるのか。まず、非常に抽象的な質問で恐縮でございますが、大臣から一般的なお答えをいただきたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 国内のインフレもさることながら、いま世界的にそういうインフレーションあるいは、スタグフレーションというような環境に経済があることは、大木委員も御承知のとおりでございまして、これに対する対策として種々頭を痛めておるわけでございますが、したがって貿易という面からアメリカ並びにEC諸国の貿易摩擦という大きな問題が横たわってきておるわけでございます。  対米貿易につきましても、自動車産業に見られますように、貿易摩擦がいろいろ言われておりまして、またEC諸国、最近は西ドイツに対してもまた自動車が非常に行っておると。したがって、私どもはアメリカに対しましても、これが政治問題化しないように十分な配慮を国内のメーカーにやって、いろんな手段で、独禁法違反とかそういうものにならないように、個別の相談をしたりしておりまして、また西ドイツ、EC諸国に対しましても、集中豪雨的な輸出というようなことを避けるという方針、まあ行政指導というわけではございませんけれども、そういうものを各社に一応個別に会って話を進めるというような対処をしております。  わが国としては自由貿易、つまり貿易の拡大こそわが国産業あるいは経済の根本的な繁栄の具体策でございますので、各国が余り日本が輸出というようなことで問題が政治的に発展して、ひいては保護貿易主義に陥ることは日本の政策にとってもとるべき策ではないし、日本自身にとっても大きな問題でございます。ひいては世界貿易に対しましてもそういう保護貿易主義的なことがあってはいけないという観点から、あくまで自由主義貿易、貿易の拡大、こういう基本方針に立って諸政策、国際的な経済あるいは発展途上国に対する経済協力、そういうものを進めていっております。

大木浩自由民主党・自由国民会議

○大木浩君 自動車につきましては、御承知のように、アメリカの国際貿易委員会の方に提訴も行われているというようなことでございますが、他方本日の新聞情報などで見ますと、アメリカでの国内車の売れ行きというのは非常に増大しているというようなことでございます。国際貿易委員会で一体どういう法律なりその他を根拠にして裁定が出るのか、私必ずしもいろいろ読みましてもはっきりしないのでございますけれども、その辺のところをどういうふうに政府当局で考えておられるか。これは裁定はアメリカがすることでございますから、もちろん予想できないんでございましょうけれども、一応日本側からどういうふうに見ておられるかというようなことを若干御説明いただきたいと思います。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) ITCの審理でございますけれども、御承知のように、十月の八日から四日間にわたりまして公聴会が行われまして、その席で提訴者側それから被提訴者側双方からそれぞれ意見の陳述、意見の交換というものが行われたわけでございます。日本サイドの意見陳述でございますけれども、これはいろいろわが方言い分があるわけでございまして、たとえば石油事情のいろいろな変化に伴いますニーズの変化、大型車から小型車へのニーズの変化といったような問題、あるいはアメリカ国内におきます景気の後退といったようなことから、米国内の自動車の需要が減退し、生産が落ちて失業者がふえておるということでございまして、日本車の輸出がその原因ではないというような立場からの議論等々いろいろいたしております。それはそれなりに私どもある程度効果があったというふうには考えておりますけれども、御承知のように、米国内、十一月四日の大統領選挙も控えまして、いろいろ政治的にも問題がございます。きわめてデリケートな事態でございます。私どもとしましては、こういった状況のもとに、ITCにおきまして公正な審理が行われまして、いい結果が得られることが望ましいということを期待しておるわけでございます。

大木浩自由民主党・自由国民会議

○大木浩君 日本側からの輸出がアメリカにおけるいろんな問題の根拠ではないんだろうというような感じのお話もございました。従来の日米貿易交渉、日米貿易戦争の過程におきましても、いろいろそういった例を見ておるわけでございますので、万一今度非常にきつい裁定が出るというような場合には、ひとつまた日本政府としてもそれに対して十分なる対応あるいは交渉ということをお願いしたいということを、あらかじめお願いしておくわけでございます。  次に、これは通産かあるいはほかの省でございますか、外務でございますか、先般来、大来・アスキュー会談等々通じまして、いろいろと日米間で懸案の貿易問題、経済問題、議論されておるわけでございまして、大統領選前になるべく片づけたいというようなお考えもあったように承っておるわけでございますけれども、そろそろ大統領選も近づいて一体どういう状況になっておるか、主な案件はどんなことかというようなことを一応おさらいの意味で教えていただきたいと思います。

羽澄光彦外務省経済局次長

○政府委員(羽澄光彦君) お答えいたします。  大来・アスキュー会談におきまして取り上げられている大きな問題は、電電公社の問題、それから自動車の問題、それからさらに最近はたばこの問題というように分けて考えることができるかと思います。  電電公社問題につきましては、かねてからいろんなレベルで話し合ってきたわけでございますけれども、特に最近は九月と十月、二回にわたりまして大来・アスキュー会談が行われたわけでございます。その結果によりますと、まだ日米間で若干詰めるべき問題が残っておりますし、またアメリカの方にいろいろ事情もあるようでございまして、アスキュー代表はこの二十二日から日本に参りまして、再び大来代表と会談するわけになっておるわけでございますけれども、その際に最終的な決着をつけるということは現在困難な事情になってきておるというふうにわれわれは考えております。したがいまして、大統領選挙前に電電公社問題が最終的な決着を見るという見通しはちょっと困難な状況になってきております。しかしながら、電電問題に関しましては、本年じゅうに決着をつけるということに関しましては、日米双方で確認しておりますので、大統領選挙に間に合わなくても、ことしじゅうには決着がつけられるというふうに考え、またそのように努力しているわけでございます。  それから、自動車の問題に関しましては、先ほど通産省の方からも御説明がございましたとおりに、ITCの結論が出ますのが十一月で、選挙が済みましてからでございますので、その結果を待って、必要な措置を講ずることになろうかと存じます。  たばこ問題に関しましては、要するに事務レベルで実務家的な話し合いが行われて、それがときどきアスキュー・大来といったようなハイレベルでも取り上げられてプッシュをかけるというような状況になっておるわけでございますけれども、今度二十二日にアスキュー代表が日本に来られますまでには、その実務家レベルの実質的な話し合いはなるべく詰め終えておきたい。したがいまして、たばこ問題に関しましては、若干の詰めは残るかもしれませんけれども、実質的な話し合いにつきましては、アスキュー代表が来られるときまでには日米間で話し合いがついておるということに持っていきたいというのが、われわれの現在の目標でございます。

大木浩自由民主党・自由国民会議

○大木浩君 対外交渉でございますので、それぞれについていろいろタイミングの問題あると思いますが、ひとつ慎重に交渉願いたいと思います。  次に、ちょっと視点を変えて、実はアメリカなりヨーロッパなりの市場でいろいろ外圧といいますか、日本の輸出に対して圧力があるということで、業界によりましては新しい市場というようなことで、たとえば一例を挙げますと、陶磁器などは、アメリカもだめだと、ヨーロッパは初めから余り見込みが少ないというようなことで中東へ出られる。一時はイランにかなり輸出努力があったと思いますけれども、これも最近のような情勢でとまっておる。あるいはイラクというようなことも考えたけれども、これもまた弾が落ちてきたというようなことで、非常にむずかしいわけでございますけれども、特に中小企業などもいろいろと新しい市場を求めて努力しておられるわけでございますけれども、いまの中東市場というものを中小企業等の立場から見まして通産としてはどうお考えになっておりますか、あるいは何らかの中小企業対策というようなものをお考えになっておりますか。  それから、いろいろこういう状況でございますので、輸出保険等々の掛け方というようなものもむずかしくなってくると思いますけれども、やはりいろいろと努力しておる産業の方から見れば、いろんなことを考えていただきたいという立場かと思いますので、その辺についての御感触を伺いたいと思います。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○政府委員(藤原一郎君) 中東諸国への輸出の件のお尋ねでございますが、先生お示しのように、対米、対欧州の輸出につきましては非常に伸びておりますが、いろいろ貿易摩擦の問題があるわけでございまして、日本といたしましては、新しい市場として、豊富なオイルマネーの存在いたします中東市場というものは非常に有望な市場でございまして、最近非常にわが国中小企業を含めまして各企業はこの方面への輸出努力をいたしておる状態でございまして、次第にその成果も上がってきておるように思います。私どもといたしましては、そういう努力を推進いたしますとともに、この地域につきましてはどうしても経済協力、技術協力というふうなものが一つのてこになるわけでございまして、その辺を含めまして、先生お示しのような方向で努力をいたしていきたいと思っております。たまたまイラン・イラク紛争の発生に伴いまして、現在ではこの方面への船舶の航行がとまっておりますので、私ども憂慮しておる状態でございますが、この辺の関係が早期に終結いたしまして平和が回復され、経済関係が従来の路線で円滑に展開いたしますことを期待いたしておる次第でございます。

大木浩自由民主党・自由国民会議

○大木浩君 最後に一つ。  先般来新聞をにぎわしておりますイラン石化プロジェクトでございます。これはほかの委員会でも大分議論が行われておりますし、いろいろ情勢が動いているのでございますが、一部ジャーナリズムでは、何か政府と民間の間に意見の相違があるやにも伝えられております。ひとつその辺のところを大臣ごく簡単に御説明いただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) この問題は、ナショナルプロジェクトになっておりますので、私どもも強い関心と責任があるというふうに判断しておりまして、いずれにいたしましても、従業員は一応テヘランへ七百四十四名全員無事に一時退避をしておりますし、したがってその後の処置につきましても、外交ルートを通じましてイラン政府といろいろ話を進めておりますし、山下社長あるいはそれに最も関連の深い三井物産の八尋社長なども現地との連絡を密にしておるようでございます。いまのところ被害状況そのものが、一回、二回、三回の爆撃があったわけでございますが、詳細に結論を出せるような、つまり被害の状況がどれだけという結論でございますけれども、そういうものが出ていないわけでございまして、日本の技術者は全部テヘランに行っております。したがって、私はそういう被害状況の結論が、早急に私どもは望んでおるんですけれども、出ないんじゃないかという判断をしております。それから、イラン政府はあくまでこの事業の継続をということを強く願っておりますし、私どももこれを途中でストップしようというような考えは現在持っておりませんし、あくまで三井グループを中心とするこれらの会社の日本側の人々の話がどの程度どういうふうに進むかと、つまり被害状況の完璧な調査と、それから両国のそういう当事者の話し合い、そういうものができ上がった上でまた相談もありましょうし、私ども冒頭に申し上げましたように責任もありますし、ナショナルプロジェクトということでございますので、それによって判断をしていこうというふうに思っております。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) それでは、次に吉田君。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 きょうはきわめて時間が制限をされておりますから、大きく言って三点についてお伺いをいたします。  まず最初の第一点は、昨日のエネルギー対策特別委員会において通産大臣が冒頭にあいさつをされましたけれども、その中で、エネルギー問題への適切な対処は国の最重要政策課題の一つであり、石油を初めとするエネルギーの安定供給の確保は、大臣の当面する最も重要な職務であるというふうに述べられております。そこでお尋ねをいたしますが、石油を初め、石炭、電力等五十四年度のエネルギー需給状況がどうであったのか、当初にお聞かせ願いたいと思うんです。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 五十四年度の需給バランスにつきましては現在集計中でございまして、一部わかっておるものもございますけれども、全貌を整備いたしまして御報告させていただきたいと思っておりますので、ただいまのところはまだ完全に資料がそろっていないという状況でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 きのう提出をされた資料の中では、本年の四月から八月における対前年同期比で石油製品の需要が九〇・三%というふうに報告をされておるわけです。もう本年度の第一・四半期が出ておりますから、五十四年度の石油の場合も対前年比でどれだけ節減できたのかという数字はまとまっておるんじゃないかと思いますが、このように需要が大きく減少した、これは節約、省エネルギーという観点もあろうかと思いますし、また景気の動向というものが非常に落ち込んだというところからくる減少、消費減ということもあろうかと思いますが、この減少の動向をどのように判断をされておるのか、まずお聞かせ願いたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 四−八の燃料油の販売量がそこに出ておるわけでございまして、量にいたしまして八千百六十万キロリットル、いま御指摘のようにパーセンテージにしまして九〇・三%になっておるわけでございますが、前年同期比でございます。これは明らかに数字にあらわれておりますように、結局需給度の需要の面がだぶついておるという判断が当然成り立つと思います。それでこれの理由は結局まあ中間三品で申しますと灯油、それから軽油、A重油などが具体的にそういうふうになっておりますし、その他のC重油は統計上は、統計の数字だけのからくりと申しますか、そういうことでちょっと上がっておりますけれども、そのほかのものはどっちかというと需要が下がっておるわけでございまして、全体的にそういうふうに九〇・三%になっております。これはもちろん国民の省エネルギーと申しますか、昨年度は五%、今回は七%を私どもは標榜しておるわけでございますけれども、まだ詳細な結論は出ておりませんけれども、消費の面も七%は上回っておるんじゃないかという観測でございます。  それから、御承知のように百十一日分と、それもまた民間備蓄が多少上回っておるようなことも聞いておりますけれども、いずれにしてもそういう方向にあるということ。それから灯油でございますけれども、これも御承知のように、ちょうど九月の末を目安に六百五十万キロリットルを需給見通しとして考えておったわけでございますけれども、これが九月を待たずに八月でわれわれが考えておった、計画しておった灯油のストックがむしろ六百八十万キロリットル、そういうふうになっております。これもしたがって価格の面に反映いたしまして、たとえばことしの五月からずっと見ておりますと、だんだん価格も、六月の価格を具体的に申しますと、十八リットル、つまりかんですね、十八リットルのかんが、家庭に運搬するその運搬賃と申しますか運賃と申しますか、そういうものを含めまして六月は千六百六円が、ずっとわずかでございますけれども七、八と下がって、九月の場合これが千五百八十一円というふうにむしろ下がって、これもだぶついておる証拠でございます。それで国際的に見ましても、IEA二十一カ国のそれぞれ一国の平均が百四十日分あるんです。それから、この前の総会、理事会でも、それぞれのもし万一の場合は平均百四十日分持っているのを各国でうまく調整していこう、それからスポットの価格というのを高値買いは一切よそうというようなことを決めておりますし、私どもも森山エネルギー庁長官名でそれぞれの石油化学並びにそういう関係会社に対しまして、そういうIEAの決定がありますよという通達も出しておりますし、全体に平静な態度でおるような陰に陽にリードはしております。こういうことが功を奏したというわけじゃなくて、国民の皆様が非常にこの今回の事件を中心とする油関係に冷静に対処しておることもございまして、いまの油を中心とする国民生活の現状、経済の現状というものがきわめて平静にいっておるということも加味されまして、現状はそういうことが言えるんじゃないかというふうに思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 まだちょっとはっきりしない点がありますが、時間が限られておりますから……。  そこで、五十四年度全部まとまっておらないということですが、部分的にまとまっておるようですからお聞きをいたしますが、電力の全エネルギーに占める供給の割合がどれだけであったのか。また電力に占める原発の供給割合がどれくらいであったのか。さらに電力予備率、きのうお聞きするところによりますと一六・一%というふうに聞いておりますが、そのとおりであるのかどうか。もしそうだとすると、適正予備率というのは通常八ないし一〇%くらいというふうに言われておりますけれども、一六・一%という非常に大きな数字、これはまさに適正予備率の倍近い数字であって不適正であるわけですね。こういうふうに予備率が大きくなった最大の原因は何だというふうにお考えになっておるのか、お聞かせを願いたいと思います。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 原子力発電所の五十四年度末の全電源に対します構成比は一二%でございまして、それの発電電力量に対する構成比はちょっといまデータを持ち合わせておりませんのではっきり申し上げられませんが、先生がおっしゃるような恐らく数字ではないかと思います。それでピークのといいますか最大電力時におきます設備との、発電能力との関係でいま先生おっしゃったように一六%の予備力があるじゃないか、こういうことでございますけれども、昭和五十四年度電力需給の作成に当たって、八月の最大電力供給計画では供給予備率を一一・一%としておりましたが、電力需要が予想を五%も下回ることとなり、結果的に一六%の予備率となってしまったのであります。  電力需要が当初の予想より下回ったのは、五十四年の夏が比較的高温の日が多かったものの、高温日が連続しなかったこと、高温発生日がサマーシフト、お盆休暇等需要減少の日と重なったことにより、伸びが低くなったものと考えています。  従って、予備力は電源開発のテンポと需要動向の不安定な要素等を含んでいるので、一概に予備率の大小のみにて電源設備の規模を見るのは適当ではないと考えます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いまの一六%という予備率は、単なる発電能力でなくて、実際の送電端電力量なんですよ。電力量において一六・一%、これはきのう聞いたおたくの方の資料なんですよね。そういう点で、いま何か手持ちがないということなんですが、きょう実は長期エネルギー需給暫定見通しについてお尋ねをするということできのう言っておいたわけですから、当然いま言ったようなその資料ですね、お持ち合わせになっているんではないかというふうに私は思っておったんですが、お持ち合わせがないということになると、長期エネルギー需給暫定見通しのこれからの作業なり改定に対する考え方、こういうものについてお聞きをしても、どうも満足な回答が得られないんじゃないかというふうに思うんです。  そこで、きょうどうもお聞きしてもちょっと無理なような感じがいたしますが、作業状況だけをお聞きをいたしたいと思いますし、それから基本的に暫定見通しについて洗い直す作業も行われておるということも聞いておるんですが、それは事実かどうか。もしそうだとすれば、見直しをしなければならない最大の理由というのは、イラン・イラク戦争が最大の理由になるのか。あるいはその他どういう理由があるのか。また、見直しをするとする改定の重点がどこにあるのかという点について、さらにその見直し作業はいつごろまでに終わらせるという予定なのか。以上についてお聞きいたします。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 長期エネルギー需給暫定見通しでございますけれども、これは資料をお渡しでございますので、すでにおわかりのことだと思いますけれども、あくまで、石油の依存率が非常にわが国は強くて、エネルギー対策そのものが非常に脆弱だという根本概念から、十年後、つまり昭和六十五年度までに十年間で石油依存率を五〇%に下げようということが中心課題でございまして、代替エネルギー、それから省エネルギー、それからエネルギーの安全確保という三つの柱を中心にこの暫定見通しを立てておるわけでございまして、五〇%に下げるにはどうしたらいいかということから、たとえば原子力発電所をどうする、あるいは火力、特に石炭でございますけれども、そういう地熱あるいは太陽熱というものの配分をやっておるわけでございまして、私は正直に言って、恐縮でございますけれども、いまこの暫定見通しを変更する作業を進めておるというようなことは聞いておりませんし、まあそれは事務当局のことでございますから、いろんな対外要因もございますし、イラン・イラクのいまの戦争のこともございますし、やはり計画というものに対する練り合わせ、そういうものは常時考えておらなければならないことかと思います。したがって、この点、エネ庁長官も次長もおられますので、事務当局から答弁さしていただきたいと思います。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) いま大臣から答弁がございましたように、わが国の長期の需給を見通したのが御指摘の需給暫定見通しでございますけれども、これは御案内のとおりに、昨年の八月に総合エネルギー調査会の答申として出されたものでございまして、性格から申しますと政府、その一員であります通産省がつくった資料ではないと、こういう性格がございます。  そこで、私どもはこの需給暫定見通しの数字につきまして常時フォローする努力はいたしておりますけれども、これを改定するかどうかという問題はいま申し上げましたような理由から総合エネルギー調査会の御判断材料ではないかと、こういうふうに考えます。ただ、その問題と別に、さきの国会で成立さしていただきました石油代替エネルギーの開発導入促進法の規定の中に供給目標をつくると、こういう規定がございます。したがいまして現在私どもはその法律が施行されておりますので、なるべく早くその法律に基づきます供給目標を作成する必要があろうかということで作業を進めているわけでございます。これが世の中で需給暫定見通しの見直しをやっている作業と混同されている面がございまして、私どもはあくまでも石油代替エネルギーの開発導入に関する法律上の供給目標の作成ということで作業をしているわけでございます。その供給目標の作業の前提として考えておりますのが、いまお話しの長期需給暫定見通しということでございますので、暫定見通しそのものを変えるという作業ではなくて、新たに法律上の規定に基づく供給目標を作成をしている。こういうふうな作業をやっているということが事実上でございますので、その点ぜひ御理解をいただきたいと思います。  そこで、供給目標を作成するタイミングはどうかということでございますが、この十月一日に新エネルギー総合開発機構も発足さしていただきましたし、いわゆる石油代替エネルギーの開発につきましての道具立てがそろったわけでございますから、できるだけ早くこの供給目標というものをつくっていきたいというふうに考えておりまして、現在のところ少なくともこの秋じゅう、つまり今月とか来月とかいう時点におきまして供給目標をつくっていきたいということでございます。  それから、御案内のとおりこの供給目標は閣議決定ということになっておりますので、通商産業省におきまして原案を作成いたしますけれども、閣議の議を経た上で定められる。こういう法律上の規定になっておりますから内閣とも相談いたしましてそのタイミングの確定を図りたいということでございます。  それから、その中身を作業しておりますところの前提は、いま御指摘のございましたイラン・イラクの紛争等による石油の供給制約、こういうのが配慮条件になるかという御指摘でございますけれども、先ほど大臣から答弁のございましたように、私どもの供給目標はあくまでも十年、十五年先の目標を前提にいたしまして供給目標というものをつくっていくわけでございますから、現在のイラン・イラクの紛争がそう長期的に続くとは思われませんので、一応の頭の中に置くべき条件ではあるかもしれませんが、供給目標作成上の前提条件になることはあり得ない。こういうふうに考えております。  以上でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それじゃもう一点だけお聞きをしておきますが、その供給目標計画の中で原発の稼働率、設備利用率ですね。これどのように考えておいでになりますか。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) ただいま長官から答弁がありましたように、ただいまちょうどその目標値について検討中でございまして、現在の原子力発電所の実際の稼働状況、それから今後の標準改良を通じましての稼働率のアップを考えましてどの程度に考えるべきかというふうにただいま検討中ということでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 私は、計画が計画倒れにならないためと、もう一つは基本的に原発に大きく頼るのはむしろ安定供給の面からそれが将来また変更せざるを得ないリスクというものを持っているということから、慎重にその点は配慮する必要があると思うんですね。当初原発の稼働率というのは七〇%と言われておったわけですね。しかし今日までの実態を見ますと、ここ五年間を見ましても四〇%台から五〇%台を低迷をしておる。こういう状況であるわけですね。そういうものがわかっておりながらなおかつ七〇%というふうに計算をすること自体、実態を無視をしておるものでありますし、それから原子力に対する過大な期待というものを国民に抱かせる、幻想を抱かせるということになると思いますから、その点はやはり実態をはっきりとつかんだ上での計画でないと、また近々にして計画を直さなきゃならぬという事態を迎えるんじゃないかというふうに思います。もう設備利用率が劣悪なことは皆さん方が一番よく御存じなんですね。  そういうことで、私はきのうの大臣の所信演説の中で、世界の大きな流れはすでに原発で固まったような演説をされておりますが、私は大臣、原発についてもう少し、単なる周囲だけの発言に耳を傾けるのでなくて、広く世界の実態というものを見ていただきたいと思うんですよ。いまアメリカとヨーロッパ——フランスを除くヨーロッパでは、むしろ原発は中止、廃止、現にあるものは認めても、それは現に稼働しているもののみを認めるのであって、新設の原発は認めないという方向に世界の大勢はむしろ向いておるんですよね。そういう点で、私は大臣が一体周囲からどういうレクチャーを受けられたのかわかりませんけれども、もう少しひとつ原発の世界の現実の流れというものをはっきりつかんでいただきたいと思うんです。原発はフランスと日本がまさに機関車的な役割りを果たしておりますけれども、西独を初めとして必ずしもそうでないという点で、もうちょっと認識を私は新たにしてもらう必要があるんじゃないかというふうに思います。  確かにIEAでは、原発に大きく期待をするということで、各国にもその努力を要請をしておるようでありますけれども、私はむしろこれは危険な道ではないか。安全性とか放射能の危険性という面とあわせて、エネルギーの安定的な供給、そういう面から見ても、私はこれはもう一回日本政府として再検討すべきではないかというふうに思っているんです。これは時間がありませんから大臣答弁は要りません。いずれ改めてこの問題についてはまた論議をする場をぜひ設けていただきたいというふうに思っておるわけです。  そこで、第二点目の大きな問題として、労働者被曝の実態が非常に深刻になっておるわけです。商業用原子炉の監督官庁というのは通産省であるわけですから、そういう点で、一次的責任としては科学技術庁、原子力安全委員会ではなくて、私は通産省が負うべきものだろうと思っております。この問題については、あす科学技術対策特別委員会で改めて通産省側の細かい内容についてはお尋ねをいたしますし、科技庁の見解もお尋ねをいたしますが、私はきょう大臣から、この労働者被曝について今後どう対処するのか、基本的な考え方だけをお聞かせ願いたいと思うんです。  実態を申し上げますと、実は通産省や科学技術庁から発表されたこの労働者被曝の実態を見ましても、七〇年度に労働者被曝の総線量が五百六十一人レムだった。ところが七七年度が八千百二十六人レム。もう十倍以上になっているんですね。十六倍くらいです。七八年度が一万三千二百一人レム、七十九年度が一万一千七百三十一人レムということで、七〇年度から七九年度までのいわゆる累積線量が実に五万三千八百四十四人レムとなっているんです。これは環境外放出した一般公衆の被曝は含んでないんです。本当に原発に働く人たちだけの被曝線量なんですね。この数字がどれだけ大変な数字かというのは、スリーマイルアイランド原発事故によって環境に放出された放射能による被曝線量が三千三百人レムなんですね。あれだけの大事故でも三千三百人レム、これはアメリカ政府の発表ですが。それに対して五万三千八百四十四人レムというものがいかに恐るべき数字かということは、それだけでもおわかりいただけると思うんです。よく通産省とか安全委員会は許容量ということを盛んに言いますけれども、これは率直に言って、放射能には許容量というのはありません。あれは単なる行政当局が一方的に定めた勝手な目安線量にしかすぎないんですね。ここで詳しく申し上げるまでもないと思うんですけれども、もともと原子力の危険性というのは放射能の危険性なんです。したがって、人間とそれを取り巻く生態系というものを放射能からいかに隔絶をし安全に管理をするかということなくしてこの原子力の安全性というのは確保されないわけなんですね。  最近わかってまいりましたのは、エチオニンと放射線との肝臓がん発生に対する相乗作用あるいはウラン微粉末とたばこの煙との呼吸器がん発生に対する相乗作用あるいは乳幼児がんや乳がんに対してわずか微量であっても非常に敏感に反応するそういうグループが存在するということも最近明らかになってきているんですね。これはいろんな論文も出ております。そういうことで放射能の恐ろしさというのは、これだけの許容量を設けたから大丈夫だなんという性質のものでないということがはっきりいたしております。  そういうことで、原発に働く労働者、特に下請労働者にほとんどしわ寄せをされているわけですね。九〇数%というものがほとんど下請労働者なんです。たとえば二・五レム以上の被曝をした労働者が昨年度二百十人おります。そのうち正規職員というのはたったの三人、二百七人というものが全部下請労働者なんですね。大変なことなんです。いま電力会社等の正規職員は早く原発から逃げ出したい、子供はうっかりつくれないというそういう空気が非常に強くて、現に子供もつくらない人も非常に多いんです。  そういう点で、私は細かいことで基準をどうせい、こうせいということでなくて、放射能は浴びないに越したことはないんです。そういう点で現行の基準というものは非常に高いし、ことし三月の予算委員会で児玉審議官の方からはできるだけ被曝線量を下げる努力というものを通産当局としてもやってまいりたいし、電力会社に対する指導というものをやってまいりたいという答弁もなされておりますけれども、しかし相も変わらず高被曝線量である実態は変わりがないわけです。そういう点で大臣として、私はこれはもうできるだけ下げる努力をすべきだと思うんですが、その決意のほどをぜひお聞かせ願いたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 原子力発電所の設置を推進するためには、もちろん立地の条件整備というようなこともございますけれども、やはり人命、つまり安全性というものを幾ら研究しても研究し足りないほどやらなければならないというような基本方針は政府ははっきり持っておりまして、そのために安全研究とかあるいは実証試験というようなものは年ごとに予算に倍額の増額もしてやってきておりますし、その点はこれからも安全性ということ、あるいは被曝者のいろいろな措置ということについては、発電所を設けるそのものよりも優先して対処していく方針でございます。  ただ、多少吉田委員と見解が違うのは、外国の状況の問題とか、国内で私どもが非常にそういう点で手抜かっておるというようなことが、それは人間の研究することでございますので不満あるいは欠陥みたいなことはあるでございましょうけれども、そういうことのないように全面的な、そういう心配とかあるいはそれに対するチェックということについてはいまのところ万全の措置を講じつつあるということは言えると思います。  具体的な数字その他につきましては、事務当局の方から答えさせていただきます。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 先生先ほどおっしゃられました放射線のいろいろな学説が出ておりますのをわれわれ知っておりますし、そういうことにつきましては、日本の放射線審議会におきましてその各界の権威においてそれをどういうふうに国民の放射線の防護にそれを適用すべきかとということが審議されると思います。われわれとしてはそういう各界の権威によって認められました放射線審議会の答申に基づいてその法令を定めておるところでございまして、その法令の基準のどのようにおさめるかということがわれわれの任務であると、こう考えております。したがいまして、個人被曝の管理ということが実際の発電所の中に入りました作業員に対する被曝低減のための非常に大きなことでございますので、この個人被曝の管理を十分にやらなければいかぬというふうに考えております。  それから、この被曝の問題につきましては、これは作業所におきます時間とそれから場所の放射線レベルとの相乗積で決まるわけでございますので、そういう意味で時間をいかに短くするかということにつきましては作業員の……

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 詳しいことはあす聞きますから、いま大臣には基本的な考え方だけ聞いたんですから、細かいことはいいです。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) はい。そういう事前訓練とかそれから設計とかということで十分対応していきたいと、こう考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それでは最後の第三点目の質問と大臣の見解をお聞きいたしたいと思うのですが、御承知のように、いま低レベル放射性廃棄物の海洋投棄をめぐって国際的な問題にまで発展をしておることは大臣御承知のとおりです。今日まで試験投棄と称して科学技術庁がアイソトープ協会に委託をして千葉県の館山沖に十数年間にわたって試験投棄をやってきた。ところが、その中に相模湾と駿河湾が含まれておった。これをひた隠しにしておったわけです。委員会でも審議をやったときにこれは隠しておったのですね。その後私どもの調査の中でもそのことが明らかになり、つい先日、読売新聞に大きく報道され、各紙にも取り上げられたのは大臣御承知のとおりなんですね。これもあした科技特で十分時間をかけてやりたいと思っておりますが、私は大臣にお尋ねをいたしたいと思いますのは、やはり一番問題になるのは、試験炉だとかあるいは医学的なものよりも、何と言っても原子力発電所から出る低レベル放射性廃棄物の量が莫大であるわけです。原子力委員会としては廃棄物の処分に関しては陸上と海洋投棄という二つの方針を定めておりますが、私はやはり原子力発電所というのは通産大臣のこれは許認可になっておりますし、所管事項であるわけですから、そういう点で、安全性の面から原子力安全委員会がチェックをするということはそれは結構でしょうけれども、海洋に投棄をするのかしないのかということは、これは原子力安全委員会が私は調べるべき性格のものではないと思うのですね。やはり第一義的には、通産大臣が私はどう処理、処分するかということについて判断を下すべきではないかというふうに思っておるわけです。そういうことで、その辺がまだ私ははっきりしていないんじゃないか。一体、安全委員会、科技庁の所管なのか、通産大臣の所管なのかということがどうも不明確である。私はむしろ商業用原子炉ですから、これは通産大臣の所管に入っているんではないかというふうに思っておりますが、その点と、それからそれはとにかくいたしましても、御承知のように太平洋諸国の議会なりあるいは大統領なりあるいは首長なりというものが、日本の海洋投棄については絶対反対という意向を表明をいたしておるわけです。私は科技庁は余りにも安易であった、外務省もそうだったと思うのですね。先般の質疑の中では、理解が得られると思うという、まさに主観的な甘い判断で試験投棄に取り組もうとしたわけです。しかし、ものすごいいま反撃に遭っているわけですね。たとえばテニアンの首長がつい先般も日本に来たわけですけれども、マリアナ海域からの日本漁船締め出しなどの強硬手段をとる、もし日本が試験投棄を強行するならば漁船を締め出す。あるいは島にある日本兵の慰霊碑の撤去、それから遺骨収集団の受け入れ拒否であるとか、さらには島民の中には、放射能で島民や子孫が絶滅させられる前に、島にいる日本人を皆殺しにしてしまえという、きわめて過激な意見もあるというようなことが言われておりますけれども、南太平洋の諸島の代表の皆さんと私、この夏ほとんどの皆さんに会ったんです。その皆さんの意見も、最後の日本人を皆殺しにしてしまえなんという意見は別ですけれども、しかし、日本が強行するならば、日本漁船を全部二百海里から締め出すとか、とにかくいずれにしても絶対に認められないという非常に強い反対意見を持って、たとえば北マリアナ連邦議会では満場一致で決議をして、日本政府にもその決議というものが提出をされているんですね。そういうことで、私はこれだけ強い国際的な批判を浴びてまで一体海洋投棄をやらなければならないのかどうか、やらなければならないとするならば、原子力発電そのものの存在を私は根底から否定するものにつながるんではないかというふうに思っているわけです。そういう点で、通産大臣として商業用原子炉から出るこの低レベル廃棄物の処分について、海洋投棄というのは海底に保管するなんという、とんでもない表現をされる方もあるようですけれども、海底に保管ではないですね。あれは完全な投棄です。つまり人間の管理から離れる状況を投棄というんですよね。そういう点で、安全性の面から言っても、投棄というものはとうてい認めることのできないものなんです。これが大臣が常々主張されております、あくまでも安全性を重視をし、優先をするという基本的方針から見ても、海洋投棄というのはいまいろいろ理由は申しません、とにかく許されるべきことではないと思いますが、そういう点で大臣の見解をお聞きをして私の質問を終わります。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 吉田委員御指摘のように、処分の問題は海洋処分と陸上処分と二つに分かれておりますけれども、現在、原子力安全委員会ではそれこそ文字どおり安全だという結論を出しておりまして、私どもはその方針にのっとって廃棄物、つまり海上と陸上の処分という二つの方法をとっていく方針でございまして、原子力安全委員会がそういう結論を出しておる以上、そういう方向でいく決意でございますけれども、私が言っておりますように、安全性に疑問があるといういま吉田委員の御指摘でございますが、それは疑問があるならばやはりそういう点の解明も必要でございましょうし、十分慎重に対処しなければならない問題だというふうに思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 大臣ね、安全性が確認されないならばさらに検討する、これはまあ当然の話ですよ。私が言いたいのは、安全だと言っているのは——アメリカの今日までの投棄の実態を見てもこれはもう新聞にも報道されているとおりですし、それからカリフォルニア大学でも、資料を分析した結果が報道されておりますように、とにかく安全でないということがはっきりしているわけですよね、今日までの試験投棄では。全部そうなんですね。だから、その問題はとにかくおくとしても、私は国際的なこれだけの大問題、国際問題にまでなっておるわけですね。そういう点で、日本が自分で勝手に安全だと判断をして、そして影響というのはその太平洋の諸国に及ぶわけですからね。そういう点で、他国が反対しているにもかかわらず日本が一体一方的に強行することが許されるのかどうなのか。単なる安全性の問題をいま私は超えていると思うんですよ。安全性ももちろん、基本的には安全性ですけれども、もういまこれだけの国際問題になっているわけですね。大臣また近く外遊されるらしいですけれども、これは行く先々で、とてもじゃないけれどもそんなことをやるなんてことになったら、これは無事では済まないくらいに私は思っているんですけれどもね。そういう点で、私は通産大臣として、科学技術庁が安全だとか安全でないと言う前に、基本的な考え方として海洋投棄をすべきではないというふうに判断すべきだと思うんですが、そういう点で、通産大臣、通産省としての主体的な判断というのは現在ないんですか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) いまの段階で、専門的な原子力安全委員会が低レベルの残存の廃棄物は安全だという結論を出しておりますので、私どもは、通産省といたしましてはそのとおりにやろうという考えであることは間違いがございませんし、現在の段階ではそういうふうに申し上げる以上どうにもできませんけれども、事務当局にその点についての補足説明を行わさしたいというふうに思います。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 先生よく御承知のとおり、原子力発電所から出ました低レベルの廃棄物は、セメント固化等の処理を施した上でいま原子力発電所の中に保管しておりますが、いまの海洋投棄につきましては、その後経済的かつ安全であればどういう方法があるかというのがいま試験されている最中でございます。それの一つの方法でございますので、これが海外の同意を得てうまくいってくれることをわれわれは期待しておるわけでございますが、十分発電所の中の固体廃棄物の保管につきましては長期の保管は可能なようにできておりますので、その点通産省といたしましては、この安全性が海外にどのように理解されていくかということについて、非常に重大な関心を持って見ておるということでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 大臣が午前中だけの予定でございますので、質問を大臣にしぼっていたします。  日本車のアメリカに対する輸出自主規制に対して質問いたします。  五十四年度のわが国の輸出総額が一千七十億ドル、この中のやはり自動車が占める位置というのは二〇%強の二百二十億ドルを占めておるわけです。そういう点で、自動車産業の輸出というのは日本の輸入額の半分近くを占めておって、これは一つはやはり原油輸入等の大きい見返りとなっておるというふうに私ども考えるわけです。そういうやはり有力な産業でございますが、その輸出の割合が非常に大きいために、先ほども話が出ておりましたが、米国内では自動車に対する、特に日本車に対する風当たりが強くなってきておる。そういう点で一つは輸入規制の声も高まっておるようでございますが、これは米国側からすれば当然とも言えるわけでございますけれども、この点やはり日本側から見た場合、このような保護貿易主義によってアメリカやECに対する日本車の輸出が今後伸びなかったとしたら、やはりこれに対する市場を今後考えるという点についてこれはなかなか困難な問題が起こってくるのではないか。そういう点で、やはりこの自動車摩擦に対してこれから考える問題としては、一つはやはり世界の貿易システムの存続にかかわる大きい問題がここに投げかけられておると、こういうふうに私どもは思うわけです。そういう点について、やはりこれはひとつ慎重に、しかも長期的な視野でもって対処しなきゃならぬというように考えるわけですが、この点将来にやはり禍根を残すおそれのある重大な問題でございますので、大臣の所見をお聞きしたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 日米経済摩擦の大きな根本になっております自動車の輸出の問題でございますけれども、私どもはあくまで自由貿易を主張しておりますし、アメリカも、カーター大統領の言明にありますように、自主規制などということは押しつけない、あくまで自由貿易の拡大ということがアメリカのモットーであるということを前提にしておるわけでございます。ただ、業者とか、まあカーター大統領も選挙を控えていろいろなことがあるようでございまして、GM初めフォード、クライスラー、これらの会社全体を合わせましてレイオフを実行しておりまして、それが二十万人、三十万人というふうに言われておりますけれども、日本からの自動車の輸出がやはり毎期非常にふえておるような現状は困ると。向こうの方に言わせますと失業の輸入だ、日本側は失業の輸出だというふうな指摘をしておるのは御承知のとおりでございます。私もマンスフィールド駐日大使に対しましても、安くてよくて燃料がかからない車をアメリカの国民が買っておるんだと、政府や向こうの業界がいろいろ言うのはちょっと方向違いじゃないかというようなことは率直に申し上げておるわけでございます。しかし、いま委員も御指摘のように、対米貿易の大きな部分を自動車が占めておる、まあ買ってもらっておるわけでございます。アメリカも数年前まではまさか自動車産業で日本からこういう目に遭おうとは思ってなかったと思うのでございますけれども、それはまあ大型車、中型車、小型車というような車種の問題もありましょうし、もちろんいま言ったような条件がそろってないというようなこともありましょうけれども、やはり現実にレイオフの人々がふえておるということは、いままでの日米関係から見ましてやはりこれは問題だと。私どもも向こうにいろいろなこちらの考えを言うと同時に、やはり考えなければならないところもあるわけでございます。したがってこの点をどうするかと。具体的には、半病人に自動車産業がなっておる、そのまくら元でげたをはいてカランコンカランコンいわせることが病人にどういうような響きを与えるかというような反省があるわけです。したがって、私どもも個別に各社の人に来てもらって、どうだと、こういう情勢は、というようなことの説明をして、それぞれの各社が自分から、つまり自主規制ではなくてそれぞれの会社がそれぞれの判断で自粛という体制をとって、次の第三・四半期にはかなり減るというような徴候があらわれておるわけでございまして、政府が笛や太鼓を鳴らしていろいろやっているわけではございませんけれども、日米関係という大きな線から見たらそういう判断を下さざるを得ませんし、むしろこれを放置しておきますと保護貿易主義になって私どもの意図する自由貿易あるいはひいては世界の自由貿易にも響くというような観点から、むしろ私どもは委員の御指摘のように、将来のことを考えたら、現在、余りそういろんな無理をしない方がいいというふうなお考えも、いま私考えるんですけれども、そういう考え方もあるかもしれませんけれども、やはり今度は逆に長く日米関係の貿易を維持するというようなこと、それから自由貿易をあくまで続けていこうというような観点から見ますと、いまの体制をアメリカが願っておる、要望しておるような方向に持っていくこともこれは長期的に見ればいいことではないかという気持ちもしておるわけでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 これについて新聞等の報道によりますと、通産省は九月十七日にわが国の乗用車の米国向けの輸出の台数を前年同期より減らしてほしいということを一つはメーカー側に要請した、メーカー側もこれを協力を約束した、また、大臣がこれに対して十月ないし十一月には前年同期の水準を若干下回るという規制の見通しを米国側に伝えられたという報道もなされておりますが、この点について政府や大臣がやはり自動車業界各社に対してこのような形で介入することは、米国側から見たならば独禁法に一つは違反するのではないかという点で司法省やFTCが問題にしておる点と、またこの独禁法については私訴も認められておるという点からして、この点については今後やはり慎重にやるべきではないか、こう考えるわけですが、この点どうでしょうか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) もちろん事業者全体に協議の形でするというようなことになりますと、独禁法違反というようなことも考えられますが、私どもも通産省の事務当局もこういう観点から見られるようなこと、あるいは結果的にそういうようになることは極力避けよう、もちろんそういうこと避けようという相談なくとも、十分認識しておる事態でございますので、私どもはこれを全般的な協議の形で進めた覚えもないし、そういう事実もまたないわけでございまして、あくまで個別の会社の人々に現状を聞き、アメリカとの日米関係の貿易の数とか、そういうようなものを話してみて、それぞれ個別の会社の報告を聞いてこちらの判断も立て、それからまた個別の企業に多少の行政指導と申しますか、アメリカの実情などを説明して私の態度にもなったわけでございまして、国内においても独禁法違反とか、またアメリカから独禁法違反だというような指摘を受ける覚えはないというふうに私は確信しております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 次にいきまして、イラン・イラクの戦争の石油に与える影響ということについてエネルギー庁からもこういう資料いただいておりますし、また、大臣の本会議あるいは委員会での答弁等、これに対してはいろんな角度の点があるが、一つには、他の産油国による増量が十分考えられるという点がここにも載っておりますし、大臣の言葉からも出ていますが、これは具体的にどのような国で、またどのような数量がこれに引き当てられるのか、お聞かせ願いたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) つまり、増産をする国々のどのような国から、そういうことだと言われておるというお尋ねでございますけれども、いま一つの例はサウジアラビアが増産余力があったわけでございますけれども、これをマキシマム百万バレル・パー・デーでございますけれども、最低十万バレル、そういう線で増産しようということは言っておるわけでございまして、そういう点でむしろIEAの会議などでは最初は減産というような線が出ておりましたけれども、イラン・イラクのこういう紛争関係でむしろ減産はやめようということで、むしろ増産の方向にいま言いましたようなサウジアラビアではそういう体制をとっております。  それから、これも私は何度も言っているわけでございますけれども、IEAの諸国が、二十一カ国が平均備蓄は百四十日分あるというようなこと、これをいよいよになったらそれぞれの国でうまく調整していこうではないかということを言っておりますし、スポット買いについても高値買いはよそうぜというようなことを決めて、日本もこれ国内にそういう通達を出しておりますし、世界の全体の空気がこのイラン・イラク問題でむしろ、ほかのこともそうでしょうけれども、油に関する限り協調していこうという基本線が非常ににじみ出ているわけでございます。したがって、またもう一つ心配なホルムズ海峡の通過の油、つまりホルムズ海峡を閉鎖するというようなことにつきましても、イラン・イラクとも何度もこの海峡については絶対イランはそういうことをさせない、イラクもこの爆撃をするとかいうようなことは一言も申しておりませんし、私はそういう観点からやはり石油というもの、重油というものは一国のものじゃなくて、やはりちょうど世界の、国際的社会と申しますか、そういう共通の所有物になっているような印象を受けておりまして、そういう点からもいまの良識、国際社会の良識から見て、私はそういう緊急事態が起こるというようなこともないんじゃないかという判断から、国ごとの、どこからどう来るから安心だということじゃなくて、サウジアラビアの例は申し上げましたけれども、国際的なそういう雰囲気と申しますか、そういうことから判断しておるわけでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 また、これについては、いま答弁によりますと具体的なものがまだはっきりと出ていない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 一例といたしまして、大臣からサウジアラビアというお話が出たわけでございますけれども、これは私どもいろいろな情報を集めておる段階におきまして、そういう情報を知ったということでございまして、サウジアラビア政府が幾ら幾らの量を増産するということを公式に発表したわけじゃございません。これはサウジアラビアの国営通信が伝えたという報道が一つあることははっきりいたしておりますけれども、政府の公式の発表はまだないわけでございます。それと同じような考え方でアラブ首長国連邦あるいはクウェート、カタール等々の国々が増産をするんではあるまいかと。これも、いろんな情報を総合いたしましてそういう判断をしているわけでございますんで、したがって確固たるそれぞれの政府の公式発表を踏まえてそういうことを申し上げておるというわけではございません。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 それから、この対策のもう一つとしては、大臣が参議院本会議等でも、イラク原油が一年間停止した場合にも現在の備蓄の三十日間の取り崩しで穴を埋めると、こうおっしゃっていましたけれども、この点について、これもいろいろな問題がございますけれども、一点は、イラクがストップしてきたということで、これは日本の石油の中のやはり八%程度を占める数量ですし、これがほとんど、これを割っていきますと、九〇%以上というのは民族系の石油会社がDDとGG原油として輸入しておるわけです。そういう点で、これが全般的に取り崩しが行われるんじゃなくて、こういう民族系のところに取り崩しが偏ってくるということにも現状からいくととれるわけですね。そういう点で、この中には、やはりほとんどの民族系では、二〇%以上を依存しておる会社もございますが、そうしていきますと、やはりこの取り崩しというものも非常に全般的に公平にいくんじゃなくて片一方に偏ってくるという点で、この三十日間の取り崩しというのはかなり問題があるんではないかという点ですが、この点どうでしょうか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 御指摘のとおり、各社によりましてそれぞれの原油の輸入先のばらつきがございます。したがいまして、イラン、イラクからの油の依存度の高い会社ほど紛争が長引きますと問題が生ずることも事実でございます。そこで、私どもはその対応といたしまして、石油備蓄法で規定いたしております備蓄義務というものを弾力的に運用するという構えでとりあえずの対応を考えたらいいんではないかというふうに考えております。  それから、問題は、紛争が長期化いたしましてイラクからの油が相当長期間にわたって輸入が困難になった場合に、イラクの油の依存度の高い会社はどうするかという問題でございますけれども、これは現在原油の供給先の多角化という問題をやっておりますので、そういう観点から私どもがある程度のお手伝いをするということも考えなくちゃならぬだろうと思います。  それからまた、これをいま申し上げる段階じゃないかもしれませんけれども、いわゆる国家備蓄も一週間分ございますから、そういったものの調整も十分考え得るということでございます。ただ、ここではっきり申し上げたいことは、いま私が申し上げましたことは現在検討をしているということじゃございませんで、そういう心配があるようなケースが出てくればそういう線で検討してみたらどうかということでございまして、いまのところは、最初に申し上げました備蓄の弾力的な運用によりまして、イラク原油の依存度の高いところも対応し切れるという見通しを持っていることを申し上げておきたいと思います。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 次に、このイラン・イラク戦争の一つの対策の中で、大臣は中東依存度の逓減についてということも本会議等でお話になりましたが、これは私どもも一番関心を持っておるわけだし、またエネルギー対策の上でも大きい一つの問題点ですが、これは第一次オイルショックの四十八年の十月にも、この中東依存の問題がその第一次オイルショックの反省の中から中心的な論議として持ち出されたわけです。それからまた、第二次のオイルショックについてのやはり反省の中にもこれは大きく取り上げられてきたわけです。現在もまた総合エネルギー政策の中でもこの点を政府はうたっておるわけでございますが、これは、じゃ依存度はどのように現実に変化してきておるかというと、四十八年度の場合も中東依存が七七・五%であったわけです。五十五年の四月から六月の依存度は七三・一%と、少々の変化しか起こっていない。これは四十八年以来、第一次、第二次、そしていま日本が石油供給に追い詰められた、こういうのをこれからどうするかという中で、中東依存度を下げていくということは、エネルギー対策上、大きい柱だと思うのです。この点についての声がかけ声だけで終わっているんじゃないかという点で、これを今後どのように具体的に進めていくか、ひとつ大臣の御所見をお伺いしたいと思うのです。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 私どもの考えはたびたび述べておるわけでございますけれども、パーセンテージ、数字の上からは少しも分散されていないんじゃないかという御指摘でございます。まあ物事は交渉でございまして、こちらがこうだと言っても相手のあることで、それぞれ産油国も——先ほどから問題になっておりますエネルギー資源の確保ということを、いままではその油の値段にあらわれておりますように、一ドルとか二ドルで来ておったような夢のような油の値段が、現在はもう三十五ドルぐらいするというような、一バレルでございますけれども、そういう体制があっという間にできると同様に、相手の国々もこちらが頼んでもなかなかそれはオーケーというようなことでいかない点もございましてなかなか伸びておりませんけれども、それでも御承知のように、中国から四・数%の原油が輸入できるような体制になっておりますし、インドネシアもパーセンテージから言えば一三・幾らでございますけれども、それをできるだけ少しでもふやしてもらおうと。それから、メキシコの問題でございますが、これは三十万バレルということをお願いしておったのですが、それが十月から現実に十万バレル入るようになりましたけれども、あとの残りも、きのうメキシコの石油公団の総裁が帰りましたけれども、私も二回も三回も会いましていろいろ頼んでおりますし——もちろん国内の依存率も十年後には五〇%にしようというようなこと。したがって、そういう内外の努力を一生懸命続けておるのは事実でございますけれども、石油情勢は日本だけじゃなくて、産油国もそれから非産油国もそれぞれ抱えておる問題でございまして、なかなか思うようにはまいりません。それが現実でございますけれども、政府は、私ども一生懸命努力して国民の皆様に迷惑をかけないようにしていくという腹は強く持っております。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) もう時間になりましたので、御留意を願います。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 最後に一点。  あとこのイラン・イラクの戦争によりまして、五十五年度下期の石油供給計画に対しての質問でございますが、やはり原油輸入量が五十四年度ではイラクの占める位置が六・一%、そして五十五年度には八・五%という、そういうウエートが徐々に増加してきておるわけです。そういう点で、これが九月二十三日以降は停止されておる、こういうことになるわけですが、五十五年度下半期の石油供給計画によりますと、やはり輸入総量というのは一億四千三百十八万キロリットルと、こういうのが総計になっておるわけですけれども、やはりこの供給停止による供給減というのを一つはここに加味していかなきゃならぬのじゃないか。こういう点で、やはり石油業法の立場からもこの点の見直しが必要ではないか。こういう点についてお伺いしたいと思います。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 五十五年度の石油供給計画上の原油の輸入目標は二億七千九百万キロリッターでございまして、上半期が終わった段階でございます。上半期、つまり四月から九月までの間は供給計画よりやや下回って輸入がされております。これは、理由といたしましては国内の備蓄がきわめて高い水準にございましたし、それから需要が相当停滞をしたということを反映いたしまして供給がやや——供給と申しましょうか、原油の輸入がやや落ち込んだわけでございます。その状態がいまもなお続いておるんじゃないかと思いますけれども、御指摘の、イラクの分がそれだけドロップすることになると供給計画全体を見直す必要があるんではないかという御指摘につきましては、これは、私どもはこういうふうに考えております。供給計画上の原油の輸入計画は、それぞれの国々を対象にいたしまして、どこの国から幾ら入ってくるということを供給計画で決めているわけじゃございませんので、あくまでも総量で五十五年中に幾ら輸入するということを決めているわけでございますから、イラクの原油が仮に長期間とだえましても、その振替を、つまりほかの国からの振替を考えれば十分足りるわけでございますので、イラン・イラクの紛争によってイラクの油が入ってこないことを理由にいたしました供給計画の改定は考える必要はないんじゃないかということでございます。ただ、御心配の面はよくわかりますので、イラクから入ってきた分の振替を当然私どもも考えなくちゃいかぬという御指摘は、十分理解をしておるつもりでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 最近、改めて重大化しております放射性廃棄物の処理、処分、管理対策について、先ほど同僚の吉田委員からも取り上げられたのでありますが、田中通産大臣は先日も東海村の原発視察に行かれたようでもありますので、この際お伺いしたいと思います。  政府は、長期エネルギー需給暫定見通しで、原子力発電を昭和七十年度までに七千八百万キロにすることにしておりますが、これに伴って発生する放射性廃棄物の量も膨大なものになることが予想されます。この危険な放射能を持つ廃棄物が安全に処理され処分されるかどうかということは、わが国の安全にとってきわめて重大な問題であり、かつまた国際的な問題でもあります。  そこで質問いたしますが、昭和七十年度までに放射性廃棄物の発生量は、高レベル、中レベル、低レベル、それぞれドラムかんでどれぐらいの量になるのかお伺いいたしたいのであります。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 原子力発電所から発生いたします放射性廃棄物は、低レベルと中レベルでございます。したがいまして、その低レベルにつきましてドラムかんの量を申し上げたいと思いますが、昭和七十年度七千八百万キロワットを前提といたしますと、約百五十万本に達するかと思います。現在は約二十万本でございます。それから中レベルにつきましては、これはタンクの中ににそのまま保存するということにしております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 いまお話があったように、低レベルの放射性廃棄物がドラムかんで百五十万本予想されておるわけでありますが、これは私の試算によりますと、たとえば、新幹線の路線にずっと横にして並べてみますと、東京から博多を通り越して鹿児島県内に至る量である。その上に高レベル、中レベルが加わるわけでありますが、ここに、ある新聞のコピーを持ってまいりましたが、すでに、いまおっしゃったように約二十万本近いドラムかんが山積みにされております。いま政府は原子力発電所の建設を大いに促進されておるんでありますが、一体これから生ずる廃棄物の処理、処分の計画と、その安全な処理、処分の方法、これはどう具体的に確立されているのか、大臣にお伺いしたいと思います。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 原子力発電所の設置の許可に際しまして、その原子力発電所から発生いたします放射性廃棄物をどのように処理するかということが審査の対象になっておりまして、いま先生おっしゃいましたように、低レベル廃棄物についてはどういうような処分の方法をするかということについては、個々の発電所の建設に当たりまして審査しております。  低レベル放射性廃棄物につきまして相当な量のドラムかんの発生があることは事実でございますが、それは現在は、約五年間の倉庫ということで保管しておりますけれども、逐次本数がふえるにつれましてそれを増設するということになろうかと思います。それで、ただいま海洋投棄それから陸上処分ということについて、さらにその経済的かつ安全な方法というものを技術開発しているわけでございますけれども、そういうものがたとえ非常に困難になるといたしましても、非常に長期にわたりましてそのドラムかんを原子力発電所の中に保管をするということは可能であるというふうに考えております。それで、この保管は決して野積みしているわけじゃございませんで、これは耐震設計Bクラスと言いまして、普通の、耐震のクラスでは中クラスの耐震設計を設けました大きな耐火性の倉庫の中に入れて保管をしております。これはそこの従業員が随時巡視して監視するということで、全く安全性についての監視については抜かりのないようにしているつもりでございます。したがいまして、これからの新設につきましてもそういう方針でいきたいと、こう考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 いまのお答えでも明確なように、要するに廃棄物の安全で実用化できる処理、処分の方法はまだ確立されていないという、そういう実情にあるということです。にもかかわらず原発建設は、それだけはどんどん進めていく。いわばたれ流しです。政府がいま進めようとしている海洋の試験投棄、これも、先ほど同僚委員が質問いたしましたが、南太平洋の関係諸国民との合意もなく、またその不安を無視して強行しようとするものであります。  この点で、三月の衆議院の科技特でのわが党瀬崎委員の指摘に対して政府委員は、アメリカが十年前にやった海洋処分でも安全である、こう答えられた。ところが、その半年後、廃棄したドラムかんがサンフランシスコ沖の海底で破壊されて、その内容物が漏れ出ていたことが、私ここに、各種の新聞、写真をコピーして持ってまいりましたが、かくのごとく世界に報道されているんです。  そこで、私、大臣にお伺いしたいんですが、問題を両面から伺いたいんです。  こういう原子炉の安全性から見て、低・中・高レベルの各廃棄物の処分に至るまで、システム全体として安全性が確立されるまでは新しい発電所の建設は認めない、そういう抜本的な対策をいまこそとるべきではないか。この点が一点。  第二に、しかし安全に処理できるとおっしゃるならば、その根拠、先ほど来申し上げている具体的な処分計画と処分方法を資料として提出されたい、この点大臣にしかとお伺いしたいんであります。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 第一点でございますけれども、低・中・高の廃棄物の安全性が確立するまで原子力発電所は新設しないということを確約しろということでございますけれども、私どもといたしましては、原子力安全委員会が安全だと言っておる。そういう委員会というのは、御承知のように権威のあるものでございますし、そこでそういう結論が出ておる現段階では、それを一応受けとめて、そして予定どおり、原子力発電所の建設並びに建設準備中のものの作業を進めてまいりたいというふうに思います。  それから、第二点でございますけれども、まあこれは私どもといたしましても現在の段階で私の見解を言えと申しましても困難でございますけれども、原子力安全委員会がそういう結論を出しておるんですから、やはり科学的にもいろんなデータがあると思います。  したがって、その点の資料の提出というのは、国会の委員会の要求でございますので、私のできる限りのことをやってみたいというふうに思いま  ただ、先生さっき十日町の例でおっしゃっていましたように、現在、絹の和装用はわりと高級化へ向かっておりまして、まあ私も十日町へ行ったんですけれども、千反、二千反織るようなものは安くたたかれる、二十反とか三十反という単位になっているものは非常に特異性があるから値段が張る、それでわざわざ高能率機械を動かさないで、極端な言い方をすれば、つむぎなんかに典型的ですが、手機ですね、そういうものをやって、先ほど先生がおっしゃったように、生産数量は下がっているんだけれども売上高は伸ばすという作戦に十日町なんかは完全に転向している。これは一言で言えば高級化志向、少量高級化製品という方向に相当、繊維一般そうなんですが、和装もそういう方向に突っ走っておりまして、なかなか共同して大量生産して、いい機械を入れて、合理化機械を入れて値段を安くするという方向ではないんでございますね。だから、そこになかなか、通常のわれわれ共同施設補助金でやりなさいというのが、合繊とかなんかはまさにそういうのにぴたりの状況なんですけれども、絹についてはなかなかそれがうまくそういう方向といかない面はございます。その辺はわれわれも苦労しておりまして、将来においては、やはりこれだけの絹というのは雇用とか産業を抱えておりますから、来年も補助金をかなり要求しておりますけれども、やはり先ほど言いましたような技術開発とか需要開発とかそういうものの補助金をもっと取っていく方向で考えるべきじゃなかろうかと、かように考えています。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いずれにしても産地では大変苦労いたしておりますから、より積極的な対策をぜひ講じていただきたいということを要望いたします。  そこで、この繊維産業界では、新潟県の場合をとってみますと、昭和四十二年から特定繊維工業構造改善臨時措置法に基づく国の施策にのっとって設備の構造改善事業に取り組んできております。ところが、その成果があらわれぬうちに、御承知のように第一次オイルショックということで不況に見舞われたわけです。また、発展途上国の追い上げが非常に強い。かつての日英間の関係、日米間の関係と似たようなものですけれども、こういうことで苦しくなってきているところに、さらに第二次オイルショックというふうなことで、さらに円高とか円フロートとかいろんな問題が重なってきて、償還が非常に困難になってきておるわけですね。過去にも、たとえば昭和四十六年度、例の対米繊維自主規制特別措置によって中小企業振興事業団からの貸付金、これが一年延長されると、あるいは四十七年度、四十八年度、これは制度的にそれぞれ延長されてきておるわけですし、それから四十九年以降についてはケース・バイ・ケースで延長あるいは猶予というふうなことも行われてきておりますが、いま新潟県の場合、特定繊維構造改善資金貸付金総額が、これは中小企業振興事業団のB方式と呼ばれるものなんですが、これが県からの報告ですと百二十六億四千四百十八万円、端数は省きますが、そして現在この三月までの、五十五年三月末現在の償還額が二十六億九千二百二万円ということで、いまだに貸付残高が九十九億五千二百十五万円もある。償還率が二一・三%ということなんですね。ところが、この返還期限が昭和六十年に迫ってきておるわけです。ところが、御承知のようなこういうとりわけ繊維業界が不況下にあって倒産が相次いでいるというふうな中では、この貸付金、約百億という貸付金を昭和六十年までに返済するということは非常に困難ではないかということで、業界としては制度的に臨時延長等の措置を講じてもらう必要があると、こういう強い要望が出されておるわけです。しかし、これは制度ということになると、これはまた法的な措置を講じなければならぬというふうなこともあって、いろいろむずかしい面もあろうかと思うんですけれども、そういう産地の強い要望に対して通産当局としてはどういうふうにこれから対処されていく所存なのか、お考えがあったらお聞かせ願いたいと思うんです。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 新潟県の繊維の構造改善資金については、先ほど申しましたように、絹の方は余り利用されておりませんで、御承知の合繊あるいは染色等が主として利用しているわけでございます。率直に言って、合繊は現在のところそれほど悪くはありません。ありませんが、苦しくなりつつあるということも事実でございます。しかし、先生すでに御指摘のとおり、本来——いま二〇%ちょっとしか返っていないわけなんですが、本来的には五〇%ぐらい返っているはずなんでございますが、その差というのは通産省、県として弾力的にやっている一つの証拠になるわけなんですが、逆にそれが今度は、先生指摘のように、後に負担がかかって、弾力的に差し上げたら後に負担がかかる、こういうことになっているのも事実なんです。なかなか制度を変えるのはむずかしいものですから、どうしても返済猶予ということでやってきたわけですね。つまり十二年で返しなさいと。二年間据え置きで、十年で返しなさいと。それをドルショック等の延長はいたしましたけれども、その延長の中で返しなさいと。そうすると、返せないと。ケース・バイ・ケースで、返せないケースは後ろの方へ積んでいっちゃうわけなんです。後ろの方へ積んでいったのが、あと五年になると、積んでるから、その部分が高くなるということの実態はあります。  私たちとしては、はっきり言って、業界の方は、一番金利の安いお金なもんですからどうしても、こんなこと言っちゃ失礼なんですが、ほかは返せても金利の安いやつは返したくないという気持ちもあることも率直に言って現実で、われわれ担当としては若干厚かましい面もあるなという日ごろ考えないでもないんですけれども、しかし苦しい事情にある業界もあることも事実なんです。それでございますから、従来から弾力的に、返済困難な場合は返済猶予という措置をとってきたわけです。  いま先生、率直に言えば、具体的に言えば、それはもうわかっとる、わかっとるけれども、あと五年先に全部返さにゃならぬ、それが非常に最後に固まってたくさんになってくるよということですが、これはまだ五年先の話だもんですから、われわれ率直に言って、関係当局なり大蔵省ともこういう問題話さにゃいけませんし、関係当局とも話すにしても五年先の話ということになりますとなかなか具体的な議論になりませんですね。  だから、われわれとしては、気持ちとしては、業者を破壊してまで高利貸しのように取り上げる気はないとだけ申し上げておきます。したがって、とにかく弾力的に、しかしそうかと言ってそんなに甘えの甘えは許せないけれども、業者を高利貸しみたいに担保押さえてまで取るわけにもまいらぬこれは制度であるということで、御理解いただきたいと思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 確かに五年先の話、来年のことでも鬼が笑うということですから、五年先というとずいぶん先のようなんですが、しかし事業経営者にとっては五年という期間は決して遠い将来の話ではなくて、連日苦しい経営の積み重ねで推移をしてきておるということで、いまのお話で大体のお考えはわかったような気がいたしますけれども、せっかくのこの構造改善事業、それから金融政策が十分生かされるように、今後も特段のひとつ配慮をぜひやっていただきたいということを最後にお願いをいたしておきます。  次に、中小企業関係でお尋ねをいたしたいと思うんですが、最初に下請中小企業の取引適正化についてお尋ねをいたします。  御承知のように、最近の下請中小企業を取り巻く経済環境というものが、原油の値上げであるとかいろいろな理由によりまして非常に環境が厳しくなっておるわけです。しかも一方、受注状況というものを見ますと、短納期、小口物が多く、受注単価の改善も進まず、仕事量は確保しているものの適正な利潤を生み出していないという情勢にあります。  これも例ですが、新潟県の中小企業振興公社における昭和五十四年度の苦情相談件数が前年に比  以上述べましたところが今回の事故に関しまして当省がとってまいりました応急対策でございますが、さらに、今回の事故の教訓を生かし、今後二度とこのような事故が発生することのないよう、地下街のガス保安対策の強化につきまして現在当省におきまして検討を急いでおります点につきまして御報告をいたします。  今後の地下街ガス保安対策の基本といたしましては、まず何よりもガス漏れを発生させないことが重要であり、さらに、万一ガス漏れが発生した場合には、これを早期に発見し、適切な緊急措置を講じ得るような体制を確立する必要があると考えております。  このような観点から、導管漏洩検査の強化等によるガス漏れ未然防止対策、ガス漏れ警報設備の設置義務づけ等によるガス漏れ早期発見対策、緊急ガス遮断装置の設置義務づけ及びガス事業者の保安体制の充実等による緊急時対策等の強化充実につきまして、現在ガス事業大都市対策調査会地下街対策専門委員会等の専門的な意見を徴して鋭理検討を進めているところであります。  また、これらの対策の検討及び実施に当たりましては、関係行政機関の御協力を得ることが保安対策の実効を上げる上で不可欠であると考えております。  かかる観点から、当省といたしましては、国土庁を中心とする関係省庁連絡会議におきまして当省が検討してまいりました諸対策を報告いたしますとともに、従来関係四省庁で運営されておりました地下街中央連絡協議会にも参加することとしたほか、都道府県レベルで開催される地下街連絡協議会にも通商産業局が参加するよう措置したところであります。  さらに、ガス事故を未然に防止し、また、万一の場合に迅速、適切に処理するためには、ガス事業者と消防機関とが緊密な連携をとって行うことが効果的であると考えます。  このため、ガス事業者と消防機関との実際的連携の強化の具体的な内容につき、現在消防庁との間で鋭意打ち合わせをしているところであります。  当省といたしましては、今後とも関係省庁と十分な連携を図り、以上述べました諸対策をできる限り早期実施に移し、ガスの保安確保に万全を期してまいる決意であります。  以上御報告申し上げます。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 次に、警察庁加藤捜査第一課長。

加藤晶警察庁刑事局捜査第一課長

○説明員(加藤晶君) 静岡駅前ゴールデン街ガス爆発事故につきましては、ただいま通産省の方から御報告がございましたが、それにつきまして警察がとりました措置について御報告をいたします。  地元静岡県警察本部では、当日午前九時三十一分ごろガス爆発の第一報を一一〇番で受理いたしました後、直ちに静岡中央署に対しまして事故現場へ出動を指示いたしました。それで、パトカー四台、駅前派出所員等を現場に急行させまして、同所付近における交通の遮断、避難誘導等の警備諸活動を行ったところでございます。九時五十六分、第二回目の大規模な爆発が発生いたしましたが、これに対しまして静岡県警察では、県警察本部内に警察本部長を長といたしまして静岡駅前ゴールデン街ガス爆発事故対策本部を設置し、警察部隊八百五十名、パトカー、レスキュー車等五十五台を動員し、消防機関とも協力いたしまして負傷者の救助活動、現場付近の歩行者等の避難誘導活動等の諸活動を実施いたしまして、二次災害の防止に努めたわけでございます。また、警察庁におきましては、事故発生の認知と同時に警察庁警備局に災害警備連絡室を設置いたしまして対処するとともに、同日直ちに係官を現場に派遣をいたしました。  次に、事故原因及びその捜査状況でございますけれども、この事故の捜査につきましては、事故発生認知後直ちに所轄静岡中央署及び警察本部にガス爆発事故対策本部を設置いたしまして、所要の人員をもって救護、警備活動を行うとともに、初期的捜査活動を推進しておりましたが、事故捜査の特殊性、困難性から、さらに強力な捜査体制をもって捜査を推進するため、八月二十一日事故対策本部にあわせまして静岡中央署に捜査本部——これは刑事部長以下八十六名の体制でございますが、捜査本部を設置いたしまして事故原因の解明及びそれに対する刑事責任の有無を究明するために、一つ、事故現場付近における目撃者、負傷者及び消防職員、ガス取扱業者等関係者に対しましての事情聴取、それから二つが現場検証及び鑑定の実施、三つが遺体の解剖、四つが被害実態の把握等を行いまして、鋭意捜査を推進中でございます。  十月十三日現在の捜査状況でございますけれども、関係者からの事情聴取は、現場関係者等ただいま挙げましたような方々から、合わせて九百十五名に上る人から事情を聴取いたしましてこれを調書化しております。  検証関係につきましては、八月十六日現場の火災が鎮火した直後から本部の鑑識課長を総括指揮官として十個班から成る検証班を編成いたしまして科学警察研究所の爆発、火災等の専門技術者並びに部外専門家を立会者といたしまして現場の第一ビル及びその周辺一帯につきまして綿密かつ慎重に徹底した検証活動を実施いたしまして、八月二十八日に終了いたしております。  事故原因の究明につきましてですが、関係者からの事情聴取及び検証の結果、さらには鑑定の結果等を総合的に検討して行っているところでございますが、何しろ複雑な事故事件でございますだけに、鑑定に出すべき事項も多岐にわたりまして、その結果が出ますにはこれから相当の日時を要するものと思われます。  これまでの捜査及び検証等による中間検討結果から推察いたしますと、第一回目の爆発は、第一ビル地下湧水槽部分に滞留した可燃ガスに何らかの火源により引火爆発したものであろうと思われます。  また、第二回目の爆発は、第一回目の地下街の「ちゃっきり鮨」、「キャット」付近の天井部分等に配管されておりますガス管が破損いたしまして、これから都市ガスが漏れまして、ダクト等を通じて地下一階の「石垣洋服店」から「トラヤ靴店」までの間、特に「ダイアナ」、「柴田薬局」等を中心にそれが多量に滞留いたしまして、何らかの火源によって引火爆発したものではないかと推定されるところでございますが、なお、詳細について検討を実施しているところでございます。  以上、現在までのガス爆発事故につきまして警察がとりました措置について御報告いたします。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 次に、消防庁山越予防救急課長。

山越芳男消防庁予防救急課長

○説明員(山越芳男君) 消防庁の方から御報告申し上げます。  事故の概要につきましては、通産省の方から御説明がございました。消防機関といたしましては、消防自動車六十五台、七百八人の消防職・団員が出動いたしまして、消防活動を行ったわけでございます。消防庁といたしまして今後の対策を検討いたしているわけでございます。  まずその第一は、ガス保安体制の強化充実対策でございます。  ガス漏れないしはガス爆発事故の防止のためにガス事業者の保安責任体制を整備をしていただきますとともに、消防機関が保安面からガス事業者を指導監督いたしまして、それぞれ一致協力いたしまして事故発生の防止に当たる体制を制度として確立するため、現在関係省庁と協議を重ねているところでございます。  第二点は、地下街等におけるガス爆発防止対策でございますが、万が一ガス漏れが発生をいたしました場合、これを速やかに検知をする必要がありますので、消防庁内に学識経験者等から成るガス漏れ火災対策研究会を設けまして、ここにおきまして火災報知システム等々に準じまして地下街等に対するガス漏れ火災警報器の設置の義務づけについて検討をしているところでございます。  第三点は、準地下街に対する規制の強化でござす。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) ただいま大臣からの御答弁に若干補足さしていただきますが、昭和五十二年十月から本年二月までに行われましたINFCEにおきまして、これは国際核燃料サイクル評価でございますが、の報告には、中・低レベル放射性廃棄物の管理及び処分に関する方法はすでに実施され、十分確立されているというふうに記述されておるわけでございまして、それの裏づけになりますいろいろな資料というのは、もちろんそのINFCEで提出されてやっております。  そういう意味で、海外におきましてもそういう意味の放射廃棄物の管理、処分ということについて十分達成されるということを認めておるということでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうしますと、確認しますが、監督官庁である通産省として、いま大臣がおっしゃったように、その処分計画と処分方法を資料としていただくというふうに確認をいたします。よろしゅうございますね。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) われわれの方の処分計画というのは、確かに先生おっしゃいますように、サイト内におきますいわゆる処分というのはその法令に基づきまして、倉庫の中に監視つきで置いておくということでいまやっております。  したがいまして、今後もずっとそういう方法をとろうとすればとれますし、海洋処分とか陸上処分とかという技術開発の動向によりまして、安全で経済的ということになればまたその方法も……

市川正一日本共産党

○市川正一君 資料をもらうかどうかということなんですよ。あるんでしょう。大臣は努力するとおっしゃったんだから、それでいいんですよ。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 開発動向によりまして長期にわたるその資料というのはなかなかつくれないと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 だから、ないならない。あるのならある。あったら出すということでよろしい、時間がないんだから。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 現在、許可の条件としてやっております計面についてはお出しすることができます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 じゃあ、それでもいい。ないならない。あるならある。あるなら出す。  じゃ、時間が参りましたので、最後に一問。  一部新聞報道は、国民金融公庫や中小企業金融公庫からも剰余金の国庫納付を図る動きを伝えております。言うまでもなく、国金やあるいは中小企業金融公庫というのは、これは銀行だの金融機関からの融資が困難な中小企業者や国民大衆への融資を目的とする公庫であります。ところが、中小企業の状況はますます深刻になって、これら機関の果たす役割りは一段と重要さを増していると私考えます。さらに、資金運用部資金からの借入金利と貸付基準金利との差が縮まって、その経営実態は非常に厳しくなっている中で無理やりに国庫納付を図ろうとするならば、結局それは貸付金利の引き上げとか、あるいは選別融資の拡大などにならざるを得ぬわけです。こうしたことから中小企業庁所管の通産大臣として、国金や中小企業金融公庫からの国庫納付なんということは現段階では考えておらないということを明言さるべきだと思いますが、大臣の御所見を承って、私質問を終わりたいと思います。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) いま御指摘の点でございますが、結論から申しますと、この中小政府機関におきますところの経理処理は基準に従ってやっているわけでございますが、現在のところ国庫に納付すべき利益金は発生いたしておりません。

市川正一日本共産党

○市川正一君 大臣の見解として承知してよろしゅうございますね。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) いま中小企業庁長官が答えたとおりでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 どうもありがとうございました。  終わります。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。    午後零時六分休憩      —————・—————    午後一時十三分開会

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  まず、去る八月十六日発生いたしました静岡駅前ガス爆発事故につきまして、政府から報告を聴取いたします。通産省山本政務次官。

山本富雄自由民主党・自由国民会議通商産業政務次官

○政府委員(山本富雄君) 大臣にかわりまして、ただいま委員長からお話しの先般の静岡駅前ガス事故に関します報告を申し上げたいと思います。  なお、先生方のお手元に「静岡駅前ガス事故について」と、こういう縦長の資料が参っておると思いますが、これに基づいて報告をさしていただきます。  先般、静岡駅前の地下街において発生いたしましたガス事故につきましては、九月二日の本委員会の理事会におきまして概略御報告いたしましたが、その後の調査結果等を踏まえまして本日この場をおかりして改めて御報告いたします。  報告に先立ちまして、今回の事故で不幸にして亡くなられた方々に対しましては心から弔意を表しますとともに、負傷をされました方々に対しましては一刻も早い御回復を心からお祈りをいたします。  それでは、御報告に移らせていただきます。  まず、事故の概況につきまして御報告いたします。去る八月十六日午前、静岡駅前の地下街において発生しましたガス事故は、これまでの関係御当局の調査によりますと、地下街の床下に滞留しておりました可燃性ガスが何らかの火源により引火爆発した結果、地下街の天井部分等に配管されていた都市ガス配管の破損等によりガス漏れが生じ、さらに、この漏れたガスが地上部分において何らかの火源により二度目の引火爆発を起こしたと推定されるものであります。その結果、死亡者十五名、負傷者二百二十二名の被害が生じましたほか、爆発現場付近の商店の建物、商品等につきましても多額に上る被害が発生いたしました。事故原因につきましては、現在もなお引き続き関係当局におきまして調査が進められているところであります。  次に、当省におきまして、今回の事故に関連して実施してまいりました対策につきまして御報告を申し上げます。  第一は、緊急対策本部の設置と政務次官の派遣であります。都市ガス事業を指導、監督する立場にある通商産業省といたしましては、今回の事故の重大性にかんがみ、事故発生後直ちに資源エネルギー庁長官を本部長とする静岡駅前ガス事故緊急対策本部を設置いたしますとともに、野田政務次官、公益事業部長外数名の職員を現地に派遣いたしました。対策本部はこれまで六回開催され、事故情報の分析を行うとともに、地下街ガス保安対策のあり方、被災中小企業対策等について鋭意検討してまいったところであります。  第二は、地下街一斉点検の実施であります。八月十八日、地下街におけるガス事故の再発防止のため、全国百三十五カ所の地下街につき、消防当局の御協力もいただき、地下街におけるガス施設等の一斉点検を実施いたしました。その結果、改善が必要と認められたもの等も若干ございましたが、それらにつきましては、すべて直ちに所要の改善を講じております。  第三は、地下街対策専門委員会の設置であります。地下街におけるガス事故防止対策のあり方を検討するため、八月十九日、資源エネルギー庁長官の諮問機関でありますガス事業大都市対策調査会の下に新たに地下街対策専門委員会を設置し、現在ガス事故防止対策の強化充実の具体的内容につき鋭意専門的検討を進めております。  第四は、被災中小企業対策であります。今回の事故により被害を受けた商店等の中小企業者の方々に対しまして、中小企業体質強化資金助成制度の活用、政府系中小企業金融機関からの災害融資の適用等の救済措置を講じ、これら中小企業者の早急な救済と経営の安定を図ったところであります。ようですけれども、相当一時ふえましたことは事実でございます。  そこで、たしかことしの六月だと思いますが、従来の事前確認制から事前許可制に切りかえました。これは大ざっぱに言えば、事前確認制というのはウォッチシステムでございます。もちろんそこに行政指導というものもある程度関与はできますけれども、たてまえはウォッチシステムでございます。事前許可制というのは事実上輸入許可でございますから、一つ一つ許可しなければ入りません。それで、中国原産のものでいわゆるその他迂回輸入するようなものは、そういう可能性のある地域はすべて事前許可制にいたしました。したがいまして、そういう意味では制度的には、完備と言うと語弊があるかもしれませんが、九割九分ぐらいチェックできる体系に持ってきました。ただ、率直に言いまして、従来の事前確認制時代の非常に——一部日本へ着いちゃったものとかもありました、途中でぴたっとやりましたから。そういうものを経過措置として、国際関係、商取引上、ある程度しばらくの間輸入するものがありますけれども、それが終わりますと、まさに中国産等について香港で加工いたしまして来るものは根絶いたす覚悟でございます。したがいまして、そう遠くない将来において香港産は、これも具体的なことを予言したり国を挙げるとまずいんですけれども、相当減るということはわれわれ確信を持っておるわけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いま国内の機業地、繊維産地では、いま言ったように輸入制限をより強化をすべきだという声が非常に強いわけですね。ところが一方、また日本繊維輸入組合というのがありまして、余り強化をしてもらっては困ると、自由主義経済という立場から余り強化をすると、逆に今度はガットとの関係でしっぺ返しを受けるようなことになるんじゃないかというふうなことを言われているわけですね。今日輸入制限なりあるいは協定という形になっておりますからその心配はないと思うんですけれども、ガットとの関係では現状では全然心配ございませんですね。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 協定でいっておりますので、その関係ではガットとの関係はありません。  やや問題なのは香港でございまして、実は香港についても協定をアプローチしたことがございます。ところが、相手はガット加盟国でございまして、協定は困るという状況でございます。しかし、先ほど申しましたように、香港自身で生地を売る能力はそうないのでございます。これはもうあんな狭い島ですからわかるわけでございます。実際その生地というのは、率直に言って中国からほとんど来ているわけでございます。中国とわれわれは生地について輸入協定をやっております。したがって、目と鼻の先の香港に協定と別に大量のものが来て、それをちょっと加工してこっちへ来るというんでは中国とわれわれの、まあ中国側も信義上おかしいということになります。したがって、その部分については、われわれはもうさっき申しましたように事前許可できちっとやりますよということはもう通報してあるわけでございます、香港にも。現状時点においては、特にその限りでは中国原産のもの、香港で本当に生糸から織ったものはまあそこまでしないよと、しかし、それはもう中国、香港の機屋の数とか機屋の錘数とかわかっていますから、それはそうこわくないと、日本にとって。したがって、それはまあ、実際はそれも事前確認制はしていますけれども、そんなにぎりぎり抑えないよと。しかし、中国産のものは中国と協定結んでいて、まあその脱法と言っちゃおかしいんですが、それは抑えるよということになっています。  それからそのほかの国は、ECとか、まあ率直に言ってガット上問題がかなりトラブってくる国については、幸い和装用はやっておりません。さすがにECまで持っていって和装用をつくるという事例はありません。洋装プリントで入っていますけれども、特に日本と大きな競合はありませんので、現在の程度のことをやっている限りにおいては、われわれは細心の注意を払ってガット上紛争にならぬようにしておりますし、それで現在の程度、しかも現在の程度というのはかなり効果がありますが、その程度であれば、幸いほとんどメインの国は協定でやっていますので、十分やっていけると判断をしております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 国際的な貿易という関係でなかなかむずかしい面もあると思うんですけれども、しかし現実に繊維業界が輸入品によって圧迫を受けていると、それはまた一面需要が低迷をしておるということとも関連をいたしておりますし、もう一つは価格との関係もあると思うんですね。絹製品がすばらしいということはみんなわかっておりますが、高価で手が出ないということで需要が低迷をしておるということもあるわけですね。  そこで、総合的に、そして当面の短期的、さらには長期的な対策をどういうふうにお考えになっているのか。たとえて言うならば、需要を振興するのも一つの大きな柱でしょうし、その他いろいろあろうかと思うんですけれども、現にお考えになっておる具体的な振興策と言ったらいいんでしょうか、そういうものをお聞かせ願いたいと思うんです。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) まあ織物業界から見まして問題を指摘すると、一つは需要自身が残念ながら落ち込んでいるということであり、もう一つは、原料生糸の値段が国際的に見て日本が高いと、これは農民保護という問題でまたむずかしい問題が同時にあるわけでございますが、そういう問題を抱えているわけです。われわれとしましては、まず需要開発が——だれも文句言えない、農民も喜ぶし絹織物業界も結構なことですから、需要開発に目下は通産省としては最大の関心を寄せておるわけです。輸入の調整はもちろんあります。輸入の調整は別とすれば需要開発に最大の力を入れております。これは従来からも農林省の蚕糸事業団あたりからも補助金をいただいておりますけれども、通産省としても需要開発、特に農林省は従来は和装用が主だったわけですけれども、これから洋装用にもあるいは洋装用といいましても服地から始まって寝具とかそういう広い意味の洋装でございますけれども、洋装用にも需要開発をいたしたいと、これにはまず需要の開拓だけじゃなくて、絹のメリットはあるんですが、デメリットは弱いということです、一言で言えば。洗たくに弱い。そういう技術開発を伴った需要開発でないと、ただ買ってくれ、高いけど買ってくれというのではいけませんので、技術開発を伴った需要開発に特に注力をいたしたい。もちろん、従来から和装自身のセールスプロモーションに蚕糸事業団もお金を出せば通産省も補助金を出しておりますけれども、新たな観点から技術開発を伴った新しい洋装系統、寝装系統の需要開発を特に取り上げたいと思います。これは短期的、中期的という感じでございます。短期的には輸入調整なり生産調整をするということになります。さらに、長期的になりますと、これはもう農林省との議論になってしまうと思いますけれども、やはり生糸なりの品質あるいは絹糸の品質あるいは値段の問題、農家経営の合理化の問題まで基本的にはいっていただきたいなあと、これはわれわれの直接の所管じゃございませんけれども、そういう問題も見逃すことはできないということでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 たとえば、構造改善等についてもうちょっと具体的に何か考え方ございますか、その辺どうですか。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 構造改善につきましてはいろんな意味の構造改善がございます。御承知のように、スクラップも構造改善でございまして、これは先生もうすでに指摘したように、絹だけでも百数十億投入をいたしました、国家の資金を。これはもちろん無利子資金でございますから利子だけということにはなりますけれども、百数十億のお金を投入しています。それから、前向きの構造改善につきましてもわれわれ制度を持っていまして、知識集約化なりあるいは設備の共同化ということについて非常に低利のお金を貸すということで推進しております。います。  地下道に面して設けられております建築物の地階で、地下街と同様の危険性を有すると認められるものにつきまして、いわゆるこれを準地下街と考えまして地下街に準じた規制を行うよう検討をいたしております。  さらに第四点といたしまして、ガス漏出事故に対する警防面からの研究及び指導でございますが、今回の事故にかんがみましてガス漏出事故に際しての、特にガス事業者を含めた早期出動体制のあり方、現場での関係機関の責任体制の明確化、火災警戒区域の設定のあり方、ガス事故対策用の資機材の整備等につきまして、警防戦術面からの検討を行うためにガス漏れ事故に関する警防戦術等調査研究会議を設置いたしまして、この研究会議での検討結果を踏まえまして消防機関を指導する所存でございます。  第五点といたしまして、その他地下街等における防災対策の徹底でございます。  地下街等につきましては、従来から査察等を通じまして特段に厳しい指導をしてまいったところでございますが、防火管理等の面からなお必ずしも十分でないという点も見受けられますので、地下街等の実態を踏まえまして、火災予防上必要な措置を講ずるよう指導を徹底する所存でございます。  以上でございます。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) どうもありがとうございました。  以上で報告は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 最初に、絹織物等に関しまして現在輸入業者と国内の生産者との関係が非常に微妙になっておりますし、輸入の増大に伴って国内の生産業者が圧迫をされ、毎月繊維関係だけで約百件からの倒産が生じておるという事態になっております。  そこで、通産当局といたしましてこの輸入業者とそれから国内生産業者との関係をどう調和をさせながら保護、育成を図っていくのかという点についてお聞きをしたいと思うんです。  具体的に申し上げますと、これは新潟県内は、次官も御承知のように、十日町、五泉あるいは見附、栃尾等の大機業地があるわけですけれども、県内繊維産地における昭和五十四年一月から十二月、暦年ですが、この生産動向が、全体としては徐々に活況を取り戻しつつありますけれども、織物業の全産地合計の年間生産額では、円相場高騰前の昭和五十一年の水準に近いところまで回復をいたしております。しかし、十日町、五泉など絹織物産地においては、海外からの絹織物、絹製品の輸入の増加によって次の産地概況のとおり依然として業績が低迷をして苦況に陥っております。  生糸については、すでに日本蚕糸事業団の一元輸入が行われておりますけれども、この規制をくぐり抜ける形で中国、韓国産などの絹織物、絹製品が第三国経由で輸入をされている実態がございます。そこで、これらの輸入規制を強化をせよという声が非常に強いわけですね。そういう点で、農山村地域の重要な地場産業である絹業を早期に安定をさせることが基本的に望まれているわけです。  もう少し詳しく申し上げますと、十日町の場合ですね、昭和五十二年から現在までに約三千台の織機をすでに廃棄処分にいたしております。また、減産基調の中で製品の高級化を志向し、商品構成を変えるなどによって業績回復に努力をいたしておりますけれども、産地製品の大宗を占める中振りそでとつむぎ、かすりの減少により低迷を続けております。産地全体の販売額は四百九十六億円で、対前年比が九五・五%、数量では対前年比九〇・五%という状況にとどまっております。  また、五泉を見てまいりますと、生糸価格が弱含みで推移したことや、仕入れ筋の先行き期待が乏しく、産地主力商品である駒絽の売れ行き不振、精華、羽二重などの成約状況の鈍化、価格の軟化傾向等、業況悪化の方向を現在もたどっております。五泉産地の生産額は二百五億円でほぼ横ばい傾向であり、数量では対前年比一・七%減というふうになっておるわけです。  そこで、現在外国からの絹糸、それから絹織物の輸入の状況というものがどういうふうになっておるのか、あるいは中国等との間の協定も結ばれておるというふうに聞いておりますけれども、この協定がそのとおり確実に守られておるのかどうか、またその協定をくぐり抜けるような形で、俗に言うやみ製品というものが流れ込んでおるのではないかという業者の指摘、心配もあるわけです。  きょうは実は大島つむぎの問題についてもお聞きをしたかったんですが、台風の影響で現地から説明に参る方がおくれておりまして、あすの朝聞くことになっておりますから、いずれ衆議院なり適当な場所でまた通産当局の見解をこの大島つむぎについてはお聞きしたいと思うのですが、いま私は新潟県の例をとりながらいま申し上げました問題に対して通産当局がこれからどういう対策を講ずるのかということでお尋ねをいたしておりますので、最初にどういう輸入状況になっているか、そこからお聞かせ願いたいと思います。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) まず大ざっぱなことを申しますと、輸入の大体七五%を占めますところについては二国間協定をやっております。具体的に言いますと中国、韓国、台湾でございます。全体の七五%をカバーしております。これについてはマクロ的といいますか、トータルベースでは遵守されております。韓国についてはやや未達というぐらいの状況でございます。  それから残りがありますが、残りについては、その残りのうち洋装の絹織物はECからで、これは直接いま競合関係にありません。そのほかの和装用のものについても全面的に輸入管理体系下にあります。したがいまして、実質的にコントロールできる体制をとっております。  それから、最近の輸入状況でございますけれども、中国、韓国との協定交渉はまだペンディングでありますが、かなり厳しくわれわれの主張はカットするという方針でございますので、現実の輸入も相当制限的といいますか、当方の主張というものをベースに抑えております。したがいまして、おおむねのことを申しますと、去年に比べれば七割五分ぐらいのベースで推移しております。まあ国内需要の方も非常に不振でございますので、まだ国内に大変いい影響を及ぼす状況までは来ていないかもしれませんけれども、数量水準といたしましてはかなり減っておるというのが全般的な状況でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いまのお話ではまだ実態がちょっとわかりかねるのですけれども、中国、韓国等との協定が五十一年から結ばれておるということを聞いておるんですけれども、俗に言う香港、シンガポール等を経由した——形の上では協定の枠から抜けていないようなんですが、実態として香港、シンガポール経由でもって入ってくると。聞くところによりますと事前確認制で、日本の輸入商社の申請に対して事前に厳しくチェックをするということも聞いておりますけれども、果たして国内の形式的な申請文書を単にチェックするということで果たしてそれが防止できるのかどうかという点、非常に不安があるわけですね。とりわけ香港などといいますといろんなうわさのある土地なものですから、そういう点でどういうチェックのやり方をやっておいでになるのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 先生の御指摘になった点はございまして、まあ率直に言って、具体的な国の名前を挙げると差しさわりがあるかもしれませんけれども、世界を見渡して一番競争力があるのは中国でございます。したがいまして、中国をわれわれ抑えているものですから、中国から生地を買いまして、一番悪質なのは、たとえば香港で簡単に染めて、日本へ来てそれを染めを抜いてしまう、それでもなおかつ安いという、これを青竹と称しているようですけれども、そういうものがかなり香港、主として香港、一部台湾にもあったべて倍増をしております。その内容は従来の下請代金の不払いに関する相談のほか、新たに不当値引きに関する相談というものがふえてきておるわけですね。こうした状況の中で、国としては従来下請代金支払遅延等防止法に基づいて下請取引の適正化事業というものを進めておいでになっているところですけれども、これの充実、強化を図って、親事業者に対する積極的な行政指導にあわせて、法に基づく立ち入り検査を充実する等、適正な運用に努める必要があるんじゃないか。また、違反事業所に対しては厳しい姿勢で臨むことによって下請中小企業の利益を保護し、経営の安定を図ることが望ましいというふうに考えておるわけです。この状況というのは、これは新潟県のみならず、全国的に大体似通った状況にあるのではないかというふうに私は推測をいたしておりますが、全国的にいまどのような状況なのかもわかったらお聞かせを願う中で、いま私が申し上げた点について今後どのように対処をされるのか、お聞かせを願いたいと思うわけです。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) お答えを申し上げます。  いま、新潟県の振興公社の例で御指摘があったわけでございますが、全国的に申しましてもここ数年来、特に絶対数は多くはございませんけれども、件数の種類別の比率でふえてきておりますのは、まさしく御指摘のように不当値引き等のケースでございます。これが最近の私どもの数字で申し上げますと、これは私どもが法律に基づきまして違反容疑があるということでキャッチしておりますのが五十一年が七件でございましたが、これが五十二年になりましたら一挙に六十三ケースということでございます。以後相当高水準でございまして、五十三年度九十二件、五十四年度九十六件というように、中小企業庁調査関係分で把握をいたしております。これはもっとも全体の数字も七千件前後ということでございますので、必ずしもこの不当値引き等が圧倒的たくさんということではございません。ただ、最近のたとえば支払い遅延とか長期手形の交付とかあるいは早期相殺といったほかの違反ケースと比べますと、その数字のふえ方が相当顕著であるというふうになっておりますので、私どももいま御指摘のような点から、この点について特に公正取引委員会とも連携をとりまして、その面の不当取引、不当値引き等のケースにつきまして、相当取り締まりの強化を行っておるのが現状でございます。  なお、こういう数字を通じて今後取り締まりのなお一層の充実、強化及び厳正なる違反処罰という御指摘が第二点でございましたが、私どもは御存じのように下請取引に関します規制面におきましては、完全に公取と二人三脚の関係にございまして、両方分担をいたしまして、そして調査に始まりまして、違反件数、違反容疑、そういうものをまず的確に把握いたしまして、これに対する適確な措置をとるわけでございます。で、公取と現在の分担関係でどういう数字かと申しますと、五十四年度の例でございますが、中小企業庁で調査ベースで分担いたしておりますのが三万五千六百件でございます。それから、公取がこれに対しまして二万四千件弱と、合計いたしますと大体五万九千件ぐらいを調査の対象といたしております。その中で中小企業庁の関係分だけで申し上げますと、私どもが親企業ベースで調べました違反の疑いのある事業所数というのが五千程度ございます。これに対しまして文書検査及び立ち入り検査等を行いまして、そしてそれを適正な指導と、それから措置につないでいくわけでございます。そういったやり方をとっておりますけれども、最近の事例として申し上げますと、対策の事業所をまずふやすということに主眼を第一に置いております。何と申しましても調査が基本でございますので、たとえて申しますと、五十三年度は中小企業庁担当の調査対象が三万四千件でございましたが、先ほど申し上げましたように五十四年はこれを三万五千件と、それからことし昭和五十五年度といたしましてはこれを四万件に引き上げるように現在やっております。そして効果的な立入検査でございますが、これも非常に人と手間がかかる問題ではございますけれども、現在私どもが担当しております分野で年間千六百件の立入検査を実施いたしておりまして、五十三年で千六百件程度でございますが、五十四年は千八百件程度やっております。したがいまして今後とも御指摘のようにそういった調査対象をふやすということと、それから違反の疑いありというものにつきましての立入検査あるいは行政指導等を強化する、それから取り締まり体制の強化という意味におきましてもやはり検査官の陣容を充実する必要がございますので、これもこういう御時世ではございますけれども、一人でも二人でもということでふやす方向で現在も努力をいたしておるわけでございます。また一般の民間からの届け出と申しますか、訴え事として出てまいりますことを期待しておるわけでございますが、事の性格上下請関係はなかなか私どもの方に積極的に言ってくる事例がないというのが実情でございます。最近はその点も若干の改善を見ておりますけれども、今後も目に余るものにつきましてはぜひ私どもの方に情報を寄せていただきまして、これを集中的に強力な措置につないでいくと、このような態度でおります。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いまお話のあった点で資料をちょっと見ますと、たとえば公正取引委員会が行った「下請代金支払遅延等防止法の施行状況」というのを見ましても、五十年度の場合も見ますと、措置件数はいろいろある。勧告、行政指導、不問とありますが、行政指導というところを見ますと、五十年度で六百八十六件、五十一年度で九百六件、五十二年度千九十七件、五十三年度またちょっと減って九百十六件ということで、いずれにしても相当な件数にのぼっておるわけです。そういうことで私中小企業の倒産の一つの大きな要因としては、この下請代金の不払いであるとかあるいは不当な値引き、こういうものによる倒産も相当数あるんじゃないかというふうに思っておるわけです。そこまでの詳しい資料を持っておりませんが、当局ではお持ちだろうと思うんですね。そういうことで私はやはりいま厳しい経営を強いられておる中小企業というものをやはり保護する立場からも、いま申し上げたような不当な親企業によるしわ寄せというのは、これどうしてもやっぱり厳格にひとつ取り締まる必要があるんじゃないかと思います。そういう点で単なる立入検査だとか調査だけをふやしてみても、その後の適切な行政指導なり措置というものがないと、単なる調査倒れに終わるということになりますので、その辺はひとつ厳しい行政指導を行っていただくことをひとつ最後に強く要請をいたしておきます。  次に、同じく中小企業関係ですが、金融制度の改善について二点ほどお尋ねをいたしたいと思うんです。  まず一つは、これはもう今日エネルギー、エネルギーということが盛んに言われておりまして、新しい石油代替法案もできて、新機構もこの十月一日から発足をしておるわけです。そして前にも省エネルギー法案も成立をいたしておりまして、中小企業向けに施設設備等の改善に対する融資制度も発足をいたしておるわけです。ところが、御承知のようにエネルギーコストそのものが大幅に引き上げられているところへもってきて、この省エネルギーに向けての改善にやはり相当のまた資金を食っておるということで、体質の弱い中小企業にとっては大きなやっぱり負担になっていることは、これは事実なわけですね。そこで中小企業者向けの省エネルギー融資制度における現行の利息体系ですね、こういうものを改善をして大幅な特利制度を採用してほしいというのがこれら中小企業者の強い希望であるんですね。そういう点で盛んに省エネというものは政府の一つの奨励政策にもなっておるわけですので、それができるようなやっぱり融資制度、金利体系でなきゃいけないと思いますので、この点について今後どのように配慮をされるのか、お聞かせ願いたいと思います。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘ございましたように、中小企業は中小企業なりにサイズは小そうはございますが、エネルギー問題の経営上の位置づけというのは非常に大きくなりつつございます。従来のあれで申しますと、中小企業経営上あるいは収益構造上一番問題でございましたのが人件費でございましたが、最近はそれと並びましてあるいはそれ以上にエネルギーコストというものが一つのポイントになってまいっております。したがいまして、これは企業経営といたしましても非常に強い省エネルギーの問題意識はございますけれども、これを政策面でも支援する必要がございますので、従来とっております措置は一応量的補完を政策金融上やっているという実情でございます。これは政府金融機関のところでいわゆる特別貸し付け制度というものを設けておりまして、ここで省エネルギー貸し付けという一つの独立項目がございます。ただ、これはいま御指摘ございましたように金利の点で申し上げますと、九・一%という通利で現在運営いたしております。諸般の事情からいたしましてこういう事情で現在まではやむを得なかったわけでございますが、来年度以降本格的な省エネルギーというものを、たとえば中小企業の生産のプロセスの中に設備投資という形で組み込む必要が出てまいっております。設備をそのままにした形での省エネルギーというものはもうすでに相当達成されておりますが、これからはある程度の技術革新と設備投資を伴う抜本的な省エネルギーという段階に入りつつございますので、特に来年度以降は金利の面におきましても質的な改善を私どもも意図しておるわけでございまして、端的に申しますと、今度の予算要求におきましてもせめて九・一%を最優遇金利の八・五%まで引き下げてもらいたいという強い要求を財政当局に出して、現在折衝中でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 わかりました。ぜひ新年度予算の中でそれが通るように、ひとつ大臣以下御努力をお願いしたいと思うんです。  次に、倒産対策融資についてでありますけれども、現在政府としては中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫の融資制度の中で倒産対策融資制度を設け、また信用補完の拡充を行うということで中小企業の関連倒産防止のための施策の充実を図っておいでになることについては、まあ一応評価ができるわけです。  ところが、この取引先の倒産によって大きな打撃を受けた中小企業者の救済のために、貸し付けに当たっては、いまお話のあった現行の通利からやはり低利の特別金利を適用すべきではないかという、これまた要望が非常に強いわけです。そういう点で、先ほどの省エネと同じく、関連倒産が非常にふえているという中では、その倒産防止の立場からこれについても特段の配慮をすべきではないかというふうに思いますが、この点についてまたあれですか、先ほどのように来年度改善の方向で検討されているのかどうか、この点もお聞かせ願いたいと思います。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) ただいま御指摘の中小企業倒産対策貸付制度というのは、取引相手先が倒産をいたしましてそのあふりを受けるという場合にこれを救済しようという金融制度でございまして、その性格からいたしましてもやはり中小企業にとりましては最も深刻な問題でございます。したがいまして、これにつきましては、従前におきましては臨時の中小三機関による融資制度でございましたが、これをその重要性にかんがみまして五十五年度から恒久制度に切りかえをいたしまして、安定した倒産対策の貸付制度ということで再発足をしておるわけでございます。  五十六年度以降の改善点でございますが、何と申しましても、やはり中小企業者にとりましてこういった取引先の事故が発生しましたときの急場の用として問題になりますのは、やはり資金量でございます。したがいまして、この問題の性格上、来年度におきましては貸付限度の引き上げを図るようにという要求を財政当局に提出をいたしております。たとえば、中小企業金融公庫で申しますと、現在の限度額が二千万円でございますが、これを三千万円に抜本的に引き上げるというふうに考えております。  それから、実際の運用上の問題でございますが、やはりこういうものはいろんな点で機動的に簡便に行われる必要がございますので、九月十九日に私どもの方から通達を関係機関に発しまして、そして機動的運用に心がけるようにという、特に運用面の改善強化ということを時節柄要望をいたしております。  さらに金利の点でございますが、これは現在御指摘のように、九・一%ということで、残念ながらこういった金利でやっておるわけでございますが、ただ敷衍して申し上げますと、若干の特例を現在設けておりまして、月平均の売上高が相手先の倒産によりまして一〇%以上あるいは二〇%未満のこの幅の中で影響を受ける。私が百万円の売り上げがありますと、その中で十万円から二十万円、やはり売掛金債権等が焦げついたというような場合につきましては、先ほど申しましたたてまえの金利九・一%ではございますが、民間の金融機関が、これは相当企業再建のためには必要であるということで、みずからも努力するという場合には政府金融機関の方も八・九五に下げようという特例を現在やっております。  いま申し上げましたのが二〇%未満の場合でございますが、さらにそれがひどくなりまして二〇%以上の売掛金債権等がございました場合には、これをさらにコンマ三%引き下げまして八・六五%というところまで金融機関との話し合いによりまして実際は適用する、こういった特例をとっておる次第でございます。金利の面では現在のところこれが精いっぱいではなかろうかという感じがいたしております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それじゃ貸付限度額の引き上げですね、これはぜひ実現できるよう当局にがんばっていただきたいと思うんです。  その次に、大型店対策についてお尋ねをいたしたいと思うんです。これはどこでも同じ状況が出ておるんじゃないかと思うんですけれども、最近大型店の出店によってそれぞれの地方都市等では非常に地元商店街に大きな影響が出ておるわけです。これもまた新潟県の例で申し上げたいと思うんですが、新潟県の場合二つの大きな特徴が見られるわけです。  一つは、一地区へ集中出店が行われている。これは特に大都市の場合です、新潟市であるとか上越市というふうなところです。それから中小都市への出店でかつ郊外型店舗店の出店というふうに大別できると思うんですが、いま新潟市及び上越市においては商店街及び中小小売店がこれに対応するための近代化を図るに要する期間中の大型店の出店を凍結する旨の宣言を行っておりますし、それから今度はまあ比較的郡部になりますが、湯沢温泉があります南魚沼郡というところがあります。この湯沢町、塩沢町、大和町というふうな四つの町においても、郊外型としての出店を予定している第一種大型店舗の出店に対して、既存の商業集積の死活問題であるとして、これらの地区では出店阻止決議を行っているわけですね。さらには大店舗法第三条による届け出については、地元の同意を得た上で提出することを求め、県に対してもそれが得られないものについては受理をするなという強い要請も行っておるわけです。これは地元中小商店街にとっては当然な要求だろうと思うんです。  そこでお尋ねをいたしますが、こういう情勢の中で提出をされておる法第三条に基づく届け出の受理について、まあ法の原則は原則としてあると思うんですが、さればと言って県の行政当局や市町村の行政当局がそれをそのまますっと受理をするというふうなことで地域に大混乱が起きるというふうなことでは、これは首長としても頭の痛い問題です。そういう点で現実的な処理あるいは弾力的な運用という観点で、そういう問題を円満に解決する方策と言うたらいいんでしょうか、そういうものについて通産省としてどのような指導を今日まで行われてきたのか、また今後どういうふうな指導をされようとしておるのか、その点をお聞かせ願いたいと思います。

神谷和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(神谷和男君) ただいま御指摘のように大型店の出店によりまして地元の商店街その他の中小小売業にいろいろな影響が出てくる、またこういう状態にございますので、先ほど先生からお示しになられましたように出店阻止の決議が行われたり、あるいはまさに先生からの御質問のポイントでございます法三条の届け出を受理しないようにというような要請が地方公共団体等に行われておることは、事実問題といたしまして私どもも承知をいたしております。  御承知のように、戦後製造業の関係におきましてはかなり近代化、合理化は進んでまいりましたが、流通面の合理化、近代化というのはまだまだでございますし、今後安定成長という形で日本経済が進んでまいります場合に、製造業関係で画期的な合理化等が今後もどしどし進んでいくというようなことは必ずしも期待できないわけでございまして、この面でもじみちな努力を続けると同時に、ややもすればおくれておると言われておる流通面についても、民間の創意工夫を最大限に引き出しながらこれを進めていく必要があろうというのが基本的考え方でございますが、しかしながら、合理化、近代化ということで大きな車が狭い道をふっ飛ばしていくように、周辺の通行人であるとかあるいは住民等に非常に大きな影響を与える、まさに通行が不便なだけではなくして、命にも影響があるというような事態になりますことは、これはそのまま放置するわけにもまいりませんので、この点については個別に調整を行っていく。したがって、合理化、近代化の要請と中小企業の存立そのものを危うくするようなことのないように、具体的な調整を行っていくというのが、これは申すまでもなく先生御高承のとおり、この法律の考え方でございます。したがいまして、私どもといたしましては一律に大型店が出てくるのはいかぬというような形ではなくして、具体的なケースごとに実態を十分調査いたしまして、さらには関係者の意見を十分聴取をした上で具体的な調整を行っていくということにいたすべく、この法律の目的に沿った運用に心がけておるところでございます。したがいまして、そういう面から考えますと、法三条の届け出はまさにこの法律が定めました調整手続のスタート点でございます。したがいまして、この法律に基づく調整を行うということでございますと、そのスタートにつくのはいかぬと、こういうことではやはり法の運用として問題があるのではないかというふうに考えられますので、私どもは三条を受理いたしました後、商調協と俗称いたしておりますが、商業活動調整協議会で事前に、五条の届け出が出ます前に十分練っていただこうと、こういうことをお願いをしておるわけでございまして、地元の都道府県あるいは市町村等の地方公共団体は地元の実情というのは十分よく御承知でございます。また、この法律に基づいて行うという調整でも、法の手続であるからといって機械的に単に法の予定しておる手続をどんどん進めていけばいいというものではございませんで、まさに生き物の調整でございますので、地元の状況をよく知っておられる地方公共団体が商調協での調整といったようなものを通じて、あるいはこれらの商調協での調整といったものそのものが円滑に推進されますように、公共団体として調整を行っていただくということは私どもも期待しておるところでございまして、そのような形で地方公共団体には御苦労をいただいておるわけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 まあいまの御説明の趣旨、これが地方、県当局等によって十分理解される、あるいはまた大型店側にも理解されるような今後行政指導を強力にやっていただきたいと思うんです。これは非常に県当局も困っておるんですね、この問題については。そういうことでひとつよろしくお願いしたいと思います。  その次に、いまお話の出ました例の商調協の問題なんですが、効外型店舗の出店によって従来行われてきた商店街整備事業及び当該市町村の策定し、または実施している都市計画事業等が大きな影響を受ける場合が出てきておるわけですね。その場合、どういうふうな配慮を通産省としてはされているのかということが一つと、また、いわゆる車社会と言われておる現状で、いま話の出ました商調協ですね、これ現行の広域商調協の編成基準、これ地域的あるいは審議委員といいますか、それの対象範囲の拡大等いろいろあると思うんですけれども、そういう点で編成基準を改正をする、あるいは弾力的に運用していくべきだという意見が非常に強いんです。そういうことで、今後そういう意見に対してどういうふうに対応されていくのか。もし、弾力的な運用とか改善というふうな考え方があるならお示しを願いたいと思うんです。

神谷和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(神谷和男君) 中小企業の近代化事業につきましては、私ども大型店進出というのが中小企業に大きな影響を与えるのでこれに関しての調整というものは十分意を払って行っていかなければならないと存じておりますが、同時に中小企業そのものといたしましても、やはり近代化あるいはいろいろな形での高度化といったようなものを通じて、これら大規模店舗等々と十分伍して競争していけるようなものに育っていただくべきだと考えておりますし、中小企業庁等を初めといたしまして私どもでもできるだけの御助力をさせていただいておるわけでございます。ただ、こういう近代化事業をやっておるから大型店は困るという形で一律にはなかなか申すわけにはいかないと思います。ただ、その事業がどういういま実施状況になっておるのか、またそういう状況のもとで大型店の出店が具体的にどういう影響を中小小売業に与えていくかというのを個別に判断して調整を行っていくべきものと考えておりますし、またそのように指導をいたしております。具体的に申し上げますれば、こういう近代化事業が行われておるという前提でその調整を行っていただくようお願いをしておるところでございます。  それから、広域商調協についての基準を見直したらどうかという御意見があるということは、先生からの御指摘もございましたが、私どもも承知をいたしております。ただ、これは先生に御説明するまでもなく、広域商調協と申しますのは、大規模店舗が出店いたしますそこの商工会議所地域あるいは商工会地域ではなくて、その横にありながら、隣接しておりながら、しかしその店に大分お客をとられるのではないか、影響を大きく受けるというような商工会議所地域の意見をお聞きすると、こういうことで地元の商調協の中にそれらの方々も入っていただこう。ただ、余り大きくなりますと話もなかなか進みませんので、商業者代表、それから消費者代表、さらには学識経験者代表という方々おのおの三名の方に出ていただいて、いろいろ意見を言っていただいております。ただこれらの方は、また戻られまして地元のその方々の所属しておられる商工会議所あるいは商工会の商調協の方々の御意見をよく伺って、またそれを持って来られると、こういうことになっておりますので、私どもは隣接地区の意見も十分反映されておると思っております。また、これは多数決でやるようなものでもございませんで、数が多いからどうこうというようなことを大規模店舗審議会に上がってまいりました際に判断することもございませんので、三名で足りないというような御意見もございますが、一般的に言って地元がフルメンバー、その他の方々は代表でよろしいのではないかと思っております。ただ、こういう一般的な常識とは違ったような特殊なケースというのは地域によって出てくる可能性もございます。したがいまして、そういう特殊なケースが出てまいりました場合には、個別に通産局等に御相談をいただきますれば、私どもといたしましては一遍こういうふうに決めたからもう絶対にそれでなくちゃならぬというような形で何でも運営していくつもりはございませんで、実情を勘案しながら進めてまいりたい。ただ、やはり基準がないと困りますので、その基準は当面現在の状況で維持をしていきたい。まあそういう特殊なケースの御相談の積み重ねの中から、われわれとしても実態というものをよく考えてまいりたいと思っております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それでは中小企業庁関係といまの大型店舗の問題、以上でそこのところは質問を終わります。ありがとうございました。  次いで、あと時間幾らもないんですが、午前中の大臣と資源エネルギー庁関係に対する質問の中で、時間がなくて十分説明をしなかったために大臣もちょっと御理解できなかったというふうなことで、質問と答弁が何かちょっととんちんかんに食い違った感じがいたします。そこできわめて重要な問題でありますので、これは長官もいま出席をされておりますから、きょう回答いただかなくても結構です。あす科技特には長官もぜひ出席をしていただきたいと思っておりますので、都合がつきましたら出席をしていただいて、あす御答弁を願うということでお聞きを願いたいと思いますし、きょう答弁できるならばこれは答弁していただいてもいいと思うんです。  私が大臣に対する廃棄物の海洋投棄についての質問の第一点というのは、こういう趣旨だったんです。  現在、原子力安全委員会で海洋投棄の安全性についていろいろ研究、実験あるいは試験投棄というものが行われてきております。しかし、廃棄物を海洋に投棄をするかどうかということは、これは電力会社がたとえば原発サイトに定められる安全基準に基づいて陸上で保管をしておってもこれは何ら差し支えないわけですね。海洋に投棄をしなさいと言う権限は科学技術庁長官にも原子力安全委員会にもないわけです。原子力安全委員会なり科技庁長官の権限というのは、海洋投棄をしたいと申し出たときに、それが国の方で定める基準に合致をしたのかどうか。そしてこれはOECDNEAの厳重な監視下でこの投棄が行われるということで、それは投棄をするという場合の手続を踏んだものなんですね。ところが海洋に投棄をするのかしないのかという判断は、第一次的にだれがやるのかという点で、私は商業用原子炉というものは通産大臣の主管になっておるわけですから、そういう点でむしろ電力会社と通産大臣との間のこれは問題になるのではないか。そこで電力会社や通産大臣としてこれは海洋投棄の方がいいというふうに判断を固めた場合に、果たしてその投棄が適正に基準に沿って行われるのかどうかというそのチェックを安全委員会がやると、こういう私はたてまえになっているんだろうと思うのであって、安全委員会がその廃棄物は海洋に投棄をしなさいなどと言う権限はないと思うんですよ。そのことをまず一点聞きたかったんですよね。そこで通産大臣としては、現状ではそれじゃもう海洋投棄と決めたんですか、それともやれるということであれば陸上でもいいんじゃないですかということと、とりわけ国際情勢がいま南太平洋諸国では猛反対ということですから、そういう国際情勢も考慮をしたならば私は海洋投棄をすべきでなくて、陸上保管、陸上処分ということが最も望ましいのではないかという意味での質問だったんですよ。  ところが、もはやこれだけ問題になっているものですから、当然おわかりかと思って質問内容をいまのように詳しく午前中は申し上げなかったんで、どうも大臣も何を答弁していいのかちょっと戸惑っておいでになったようですし、その後の児玉審議官の答弁も——今度はおわかりいただいたと思うんですがね。そういう点できょう答弁ができなければあしたでもいいんですよ。その点で私は通産省と科学技術庁との間でこの問題についてそこまで論議をされたことがあるのかどうかもあわせてお聞かせ願えればありがたいんです。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生おっしゃるとおり、電力会社が現在保管しております低レベル廃棄物を海洋投棄しようとするときには、それの是非につきましては通産省が判断をするということであります。そしてその判断に基づいての安全の問題について、安全のわれわれの判断が正しいかどうかということが安全委員会において審査されるということになろうかと思います。それでわれわれといたしましては、まだ発電所のサイトから外へ出すということは決めておりません。それでいまは発電所の中に保管するということを堅持しております。  それでその後、午前中に申し上げましたが、安全でかつ経済性が成り立つ、要するに電力会社としても通産省のいわゆる電力行政上も海洋投棄することが原子力発電行政の上で非常に必要であるという判断に立ちました場合には、それを海洋投棄するという選択があろうかと思います。その問題につきましては、原子力委員会のいわゆる処分に関する決定というのがございますので、われわれとしては、その原子力委員会のいわゆる海洋投棄並びに地中投棄という二つの方法について方針が決められておりますので、それを尊重し、その海洋投棄が試験段階を通じまして確認されて、それで安全であるということがわかった上におきましてそれが施行されることを期待しておるわけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そこのところをもう少しはっきりお尋ねいたしますと、現在通産省や電力会社としては海洋投棄をするという方針はまだ決めてないわけなんでしょう、現状ではね。それはそうですね、それでよろしいわけですね。したがって、将来海洋投棄をすることが望ましいというふうに判断をするかしないかは将来の問題ですね、これはあくまでも、まだ。現状ではまだそういう判断は固めていないと。  そこで午前中私がお尋ねしたのは、そこで海洋投棄については安全であるという結論が得られているというふうな答弁が確かにあったと思うんですけれどもね。これはあした科技特でやりますが、安全であるという結論なんて得られていない。それは勝手に単に科学技術庁、安全委員会が言っただけの話であって、あしたの論議はこれはぜひ通産からも出てきてもらいたいと思うんですが、あんなもの試験投棄でもなければ、追跡調査もやっていないわけですよ。現に相模湾、駿河湾の投棄地点から、他の海底土に比してきわめて高濃度の汚染土というものが出てきておるということなんでしてね、しかも安全委員会はこれは核実験によるものだなんてとんでもないこと言い出しているわけですけどね、その根拠も何にもない。ですから日本のいま安全行政というのは、あくまでも机の上の文書の検討なんですね。そういうことで、これまああす綿密にやりますけれども、そういう点で私はとにかくきょうお聞きをしたかったのは、そういうまだ本当に安全性も確認されてない、特にアメリカの場合の投棄であれだけの問題がいま提起をされて本当に汚染が広がっていることはこれ事実ですからね、そういうことで、私は決まっていない現状の中で私は通産大臣としては慎重にこの問題については対処すべきじゃないかと、とりわけ単なる安全性の問題を超えて、いまや国際問題にまで発展をしておる。その国際問題に発展をしている深刻な状況の認識というものが外務省や通産省や安全委員会、まあ科技庁ですね、には欠けておるんじゃないかと、その認識がですね。そういうことでまあ申し上げて、それらの情勢も総合判断するならば、いたずらに海洋投棄をするんだなどということは言えなくなってくるわけなんですけどもね。そういう点で陸上処分ができない何か大きな原因があるなら、それをまず明らかにすべきなんですよね。陸上と海底はどちらがいいかと言ったら、素人が判断したって安全なものなら陸上に置いた方が一番いいに決まってるんですよね、これ。そういう点で、私は大臣の大局的な判断というものは現状においてどうなのかということをお聞きしたかったんですよね。まあ大臣今度はおいでになりませんからね、これはまあかわって答えるなんてことにならないのか、あるいは答えられたら答えてください。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) ただいまこの試験投棄につきましては科学技術庁へそれから外務省におきましていろいろ対応を尽くされていらっしゃるところでございますので、通産省といたしましてはその動向につきまして協力をして原子力委員会の決定のように進みたいとは思っております。しかしながら、いま先生おっしゃいましたように、本格的な投棄ということになりますと、海外の問題、それから漁業者の協力ということなくしてこれ本格的な投棄はできないわけでありますので、安全問題もさることながら、そういうような情勢をよう見きわめまして、各省庁とよく相談した上で慎重に判断したいと、こう考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 時間もありませんし、余りここでくどくど言ってもあれですから、もう一点だけお尋ねをしたいのは、諸般の情勢を慎重に検討してという中で、私は最も重要な要素というのは、やはり南太平洋といいますか、あの直接影響を受ける太平洋諸国の意向というものが最大限尊重されなきゃならぬと。逆に言うならば、ほかの国から、安全だからといって日本の近海へ持ってきて捨てるなんていう話になったらどうなりますか、これ同じことなんですよね。そういう点で諸外国の、とりわけ太平洋諸国の皆さん方がどうしても納得できないと、絶対反対だと言われた場合にはどうされるんですか。それでも強行投棄をしようという考え方がおありなんですか。ここが私一番重要な問題だと思うんですね。あとの細かい問題はそんなどうってことはないと思うんですよ。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) ただいまその試験投棄の実施する対策の最中でございますので、余り予断をした話は申し上げにくいわけでございますけども、先生のようなことで非常にむずかしいということになりました場合には、やはり原子力委員会におきましてもその方針について御検討は進められるんじゃないかと思います。そういうようなことで原子力委員会、それから科学技術庁、外務省等々関連の各省庁の意見を入れまして、われわれも慎重に対処したいと思っております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 原子力委員会の方針、なるほど原子力委員会はそういう陸上処分と海洋投棄という二つの方針出してますよ。だから、さっきから何回も聞いているように、一義的な責任はだれにあるのかということを聞いてるんですよね。だから、原子力委員会が低レベル放射性廃棄物を海中に投棄しなさいと言う権限はないと言うんですよ。する場合にはこういう基準で、それに合格しなきゃだめですよという基準は、原子力委員会なり安全委員会が設けたとしても、投棄しなさいと言う権限が原子力委員会にあるわけないですよね。これはあくまでも電力会社が投棄したいのか、陸上で私どもは十分保管しますと言えば、それで済む話なんでしてね。それを何が何でも海中に半分は投棄しなさいなんと言う権限が原子力委員会にあるわけないですよね。また、いま答弁を聞いていますと、もう原子力委員会がそういう方針を決めたんだから、何か投棄しなきゃならぬみたような、そのための事前の試験投棄だみたような言い方に聞こえるんですよね。私はそこは誤りだろうと思うんですよ。だから、当初からくどくど言っているのはそのことなんですよ。ところが、またいまの答弁そうじゃないの。これはどういうことなんですか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) いま吉田先生とわが方の児玉審議官との質疑を私も拝聴しておったわけでございますけれども、御指摘の点は原子力委員会で試験投棄の一つの基準となるべきことの検討をするということが、私どもの行政に直ちに反映することかどうかという問題ではないかと思うわけでございまして、私どもは行政の立場から、先生がおっしゃっておられますように、電力会社が低レベルの放射性廃棄物を海中に投棄する責任を持つことになるんだろうと思うんです。その場合の一つの基準としての判断を原子力委員会がお出しになるということは、これはまあ当然国のシステムとしてあたりまえのことだろうと思っておるのでございますけれども、だからといって、私の方が行政責任をすべて原子力委員会にお任せするということでもないということは、先生御指摘のとおりでございます。したがいまして、電力会社が低レベルの放射性廃棄物を海中投棄する場合の基準というものは、通産省で検討すべきことであるということでございまして、現在私どもが考えていますのは陸上の貯蔵と海上投棄と二つございますけれども、その海上投棄の分につきましては、先ほど来児玉審議官言っておりますように、私どもの判断だけではない、客観的な判断を原子力委員会に求めたいという気持ちはございますけれども、それによって行政責任を云々することではないということでございます。  それから、太平洋諸国においていろいろな問題が提起されておることは私もよく承知いたしておりますので、いままで申し上げましたような論理に従いますと、行政の処分をする際にはいろいろな問題を無視して強行することは、これは当然できないと思います。いろいろな問題のすり合わせをした上でやる問題でございますので、技術的な安全性の立証と行政を遂行する客観情勢のすり合わせとはまた別の次元の問題があろうかと、こういうふうに判断いたしております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 はい、わかりました。  終わります。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) それでは、次に市川君。

市川正一日本共産党

○市川正一君 午前の質問で私は国金と中小企業金融公庫の利益剰余金の国庫納入につきまして、理由も述べ、そうすべきでないということを主張し、質問いたしました。これに対して児玉中小企業庁長官は、現在利益金を国庫納入はしておりませんという趣旨の答弁をなさいましたのでありますが、これは私の質問へのお答えとして十分でないと私は思います。私は国庫納付制度はあるが、現在も過去も納付されていないということはよく承知しておりますし、そのことを聞いたわけではない。午前中はすでに持ち時間も経過しておりましたので、まず再質問をいたしたいのでありますが、国金や中小公庫からは今後とも国庫納付をする考えはないということを明言していただきたいのでありますが、中小企業庁長官、いかがでありましよう。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) 御答弁申し上げます。  午前中におきまして、現状からいきましても、いわゆる論議されておりますような国庫納付すべき利益金は発生していない点を申し上げたわけでございますが、確かに、今後どういう状況が考えられるかという点があるかと思います。いま御指摘いただきましたように、特に今後の問題として先生いろいろ御心配いただいておるようでございますので、補足させていただきます。  近年、中小企業が御指摘のように、とりわけ非常に厳しい経済環境にございまして、これは私どもの関係しております政府系の金融機関が、いわゆる中小企業者のために特に重要な役割りを果たしておるということも御指摘のとおりでございまして、私どもも、それが本来の役割りであり、今後ともそういった中小企業者のためにという点で、一生懸命本来の役割りを果たしていくということを期待しているわけでございまして、そういった観点からいたしましても、今後ともこれらの機関を最大限に活用いたしまして、中小企業のニーズに弾力的かつ的確に対応させるということを、先生御指摘のように、私どもも万全を期してまいりたいと思っておりますので、そういった観点から、この問題にも取り組んでいきたい、このように考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 いまおっしゃったことは、そうすると、仮に、今後剰余金が出たとしても、中小企業に対して果たす役割りを十分考慮して、中小企業への融資という方面に、言いかえればニーズにこたえて活用していく、こういう御趣旨としてお答えいただいた、こう理解してよろしゅうございますね。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) そのとおりでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 じゃ、中小企業庁長官お帰りになって結構でございます。  本日、静岡駅前のガス爆発等の問題につきまして、中間報告を賜ったんでありますが、私、いずれにしても、最終的な政府報告を待って、いろいろ究明もいたしたい、こう考えるのでありますが、ただ一件、先日の本委員会の理事会におきまして、私、保安監督権限の問題で、これを自治体に、すなわち都道府県知事に付与することに関してお尋ねをいたしました。山本次官からも検討にやぶさかでない、このようにお答えを賜ったんでありますが、たまたまきょうの朝日新聞、「天声人語」を見ますと、この問題を取り上げまして、そして権限のピンポンであり、また、住民不在だという問題を指摘し、批判をいたしております。私は、その結論がいまどうなっているかということを早急に、性急にただすわけではありませんけれども、やはりこういう関心を呼んでおります問題なので、ぜひ特に通産省として、問題を国民的見地から真剣に検討して結論を出すべきだというふうに考えますが、その後の検討状況について一言お尋ねをいたしておきたいと思います。

山本富雄自由民主党・自由国民会議通商産業政務次官

○政府委員(山本富雄君) 市川先生にお答えをいたします。  私も「天声人語」をけさ見まして、非常にもっともだというふうに読んだ一人で、この中にも書いてございますし、いま先生のお話しのとおり、まさにこの権限の問題につきましては、ピンポンが行われたわけでございます。さらに、冒頭、報告でもるる申し上げましたが、かなり精力的に、各省庁の間でいま詰めております。自治省、消防庁ともいろいろやっておりますが、いまのところまだ結論が出ておらないというのが実態でございます。  しかし、いずれにいたしましても、先般の理事会でも私申し上げたと思いますけれども、問題は、権限云々の問題もさることながら、実際にこういう事故を起こさないためにはどうするか、起こった場合には一体どうするか、そういうことの方がより大事だ、こういうことは理事会でも申し上げた記憶はございますけれども、その線に沿いまして、結局、ガス事業者と地元の消防機関との実際的な連携の強化、あるいは消防法、ガス事業法等の権限の機動的な運用で十分できるところはそれでやると。そうしてさらに、これはどうも法の運用だけでは十分でないという結論が出れば、これはもう当然直さなくてはならないだろう、こういうこともさらに申し上げたのですけれども、いまもってその見解に変わりはございません。さらにいまのような趣旨に基づいていろいろやっておりまして、消防庁の方とも協議をやっております。  それから、いまお話の出ました地方府県との権限問題ですね。これは私なりにいまのところ勉強しておりますけれども、どうも権限を移譲したからすべてが解決がつくかということになりますと、どうもそうでもないように思えるわけなんです。その権限問題は繰り返しますけれども、いま研究課題で研究しておりますが、その研究の結果を待ちまして、直すべきものは直していかなければなるまい。現状では運用でできる面が多々ある。「天声人語」にもありましたけれども、「爆発が起こる。とっさの対応と処置が何より必要な時に役所の権限がさまよい、現場を戸惑わせる。これをこそ住民不在という。」こう結んでおりますけれども、こういうことでございますので、いま具体的な処置について、運用について盛んに詰めております。また後ほど申し上げる機会もあろうかと思いますが、一斉点検なども十二分にいたしまして、対応をいま盛んにやっておる、こういうことを申し上げたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 いずれにしても私、いわゆるお役所のセクショナリズムでなしに、真に国民的利益の見地から検討されることを期待いたします。いずれまた、追って……。  本論でありますが、私、きょうは日本企業の韓国への進出及び韓国からの輸入、いわゆる逆輸入に関して伺いたいのでありますが、最初に日本企業の海外進出の基本的なあり方について伺いたいのであります。  私は、真に平等互恵の立場を大原則にして、そこにはいささかも不正とか腐敗があってはならないということ、また日本国内の中小企業やそこに働く労働者に犠牲が転嫁されるようなことがあってはならないことなどがきわめて重要だと思いますが、こういう基本的な認識について、まず政府の見解を伺いたいと思います。

宮本四郎通商産業省産業政策局長

○政府委員(宮本四郎君) 日本企業が海外に進出する場合に、それは企業のみずからの責任と判断に基づいて行われることになっておるのが原則でございます。ただ、私どもの方の立場から考えまするに、国民経済的な立場におきましては、日本の産業構造も年とともに、時代とともに変化いたします。先方の方の産業構造もまた変化することでございましょうし、あるいは資源エネルギーの問題もございますし、あるいはマーケットの事情もございましょう。また別途相手国の事情から申しますと、特に発展途上国の場合におきましては、資本進出あるいは海外投資というものが、資本と経営と技術を一体化いたしまして先方に進出するという立場から見ますなれば、これは一つの経済協力とも見られるわけでございまして、私どもこのような趣旨を踏まえて、現実の海外投資が双方のために貢献するように願っておる、これが原則だと考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私、あえて論争はいたしませんが、いずれにしても私が申し上げたような原則を否定なさる立場ではないと思うのです。両国の利益と、こうおっしゃったわけですから。ところが、実際に韓国へ行われている企業進出を見ますと、そういうものと反することが現に行われている。これは一例でありますが、東大阪市というのが大阪にございますが、そこに線材、——ちょうど鉄線などですが、線材の二次産業の産地、ここに杉本伸線圧延工業所という会社があります。この杉本伸線というのが、昭和四十七年ごろから三井物産の先導で韓国への進出を計画し、四十九年に韓国の馬山輸出自由地域に進出し、五十年には全面稼働に入っております。この結果どうなったか。東大阪の杉本伸線は、韓国杉本の全面稼働と符牒を合わせて、日本国内では二百人の人員整理を打ち出し、続いて五十年の九月には、ついに会社解散、全員解雇を強行いたしました。しかも、こうした韓国への進出で線材二次製品の韓国からの逆輸入が大きく増大する。さらに海外市場を奪われて、日本国内の線材二次産業は深刻な不況に追い込まれているのが現状であります。もちろん、この背景には世界的な不況ということもあります。しかし、韓国への進出がこれに拍車をかけたことは疑いない事実であります。そして、重要なことは、韓国への進出あるいは会社解散、全員解雇、こういうことが、すべて三井物産主導のもとで行われていることであります。しかも、結果として韓国杉本が華々しく生産を続けているのに対して、日本国内では、いま言ったように会社解散、全員解雇というまさに対照的な事態を招いている。私、こういう事態の責任は三井物産を含めて問われなければならないと思うんですが、通産省の見解はいかがでしょうか。

宮本四郎通商産業省産業政策局長

○政府委員(宮本四郎君) 杉本伸線の話につきましては、私ども承っておるところでございますけれども、先ほど述べましたような基本的な原則に立って、日本の企業が海外投資を行うべきものだというふうに考えております。その観点から見まして、いろいろ日本の国内にもトラブルがあり、かつまた、先方との関係におきまして円滑を欠くようなことがあるとすれば、それは一般論から申しまして残念なことだと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 それ、まさに円滑を欠いているわけであります。国内に起こっているそういう伸線産業の労働者、あるいはその経営の実態が何よりも雄弁にそれを物語っているわけです。  それだけでなしに、これ、私、最近入手した三井物産のいわゆるマル秘内部文書を、ここにその写しがありますが、これを見ますと、この杉本伸線の対韓進出のねらいが、韓国国民の生活安定に寄与するとかそういうものではなくて、全くもうけ本位にあるということがこの中で明らかになっているんです。お渡ししてもいいんですが、これは、昭和四十七年六月二十一日付で、三井物産の大阪支店鉄鋼第二部の福地博氏が作成した韓国出張報告という文書であります。そしてこれは、三井物産株式会社大阪支店の用紙にタイプ印刷で七ページにわたって記述されております。その中に何が書いてあるか。  まず冒頭、この調査目的が、関連系列工場、つまりこの場合杉本伸線などでありますが、それが韓国進出のための調査をいま行ったということを述べた上で、たとえば馬山輸出自由地域への進出のメリットとして何を挙げているか。「労働ノ供給不足ハ考エラレズ、需給ノ Unbalance ニヨル労働賃銀ノ急騰ハ Neglect シテモヨイ。」「Neg−lect」——無視していい。つまり、韓国労働者を劣悪な低賃金、労働条件で酷使することを露骨に述べております。さらに、韓国で上げた利益を日本に送金することについて手続がめんどうなので、日本から送る材料価格の操作で進出企業の損益を調整する方法ありとも述べている。企業損失のごまかし方まで報告しております。また、わざわざ預金金利の活用ということを、項目を設けまして、その中で、「韓国ノ預金々利ハ年定期デ一七〜一八%程度デアルノデ、投下資本ヲ過大ニスルトカ、輸出入ノユーザンスヲ利用、企業内ノ余剰金ヲ預金、金利ノ鞘ヲカセグコト、研究ノ余地アリ。」などと述べて、過大な投下資本、ユーザンスを利用して金利かせぎの方法まで調査報告が述べているのであります。  通産省は、こういう企業の海外進出のあり方というものを望ましいと考えられるのかどうか、はっきりお答え願いたい。

宮本四郎通商産業省産業政策局長

○政府委員(宮本四郎君) ただいまの文書及びその内容につきましては、私いま初めて承りました次第でございますけれども、先ほど申しましたような基本的な立場に立って海外投資が整々と行われ、かつ相手側からも歓迎されるというふうなことを私ども願っておる立場からいたしますと、企業の海外進出につきましていかにしてそういうふうな企業の行動を担保することができるか、非常にむずかしい問題が実はあるわけでございます。こういう意味におきましては、これは先年、経団連、日商、同友会、日経連、貿易会、これらの五団体が発展途上国に対する投資行動の基準というものを定めて会員の徹底を図っておりますし、さらに、その後日本在外企業協会というのが四十九年の七月に発足いたしまして、冒頭申しましたような原則を各企業に徹底していこうじゃないかということで努力をしておる次第でございます。  制度上から申しますと、現在、外国為替及び外国貿易管理法に基づきまして、現実的には海外投資は自由化されておりまして、今度新しい改正法になりますと、十二月一日からは、特定の場合を除きまして、名実ともに自由化されるわけでございます。したがいまして、私どもはこういうふうな指導を通じまして、さらにこういう考え方が徹底し、かつまた、本件については両方の当事者で十分話し合いを行って解決されるようなことを望んでおる次第でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そこまでは質問いってない。私がお聞きしたのは、——両者とか、そんな話まだ言うてないのに、どこを読んでいるんや。それでね、こういうようなやり方が望ましいのかどうかと言うて聞いているんやがな。望ましいなら望ましいと言いなさいよ。

宮本四郎通商産業省産業政策局長

○政府委員(宮本四郎君) 私どもは、私どもの考えておる方向に行っておらぬという意味では望ましくないと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 わかった。  そこで、この三井物産の内部文書をさらに読むと、こういうことも書いてある。三井物産の取引先である在日韓国人の口ききで、現大統領、これは当時の朴大統領のことでありますが、の娘婿現国会議員韓丙起氏その他関係当局と面談したと述べている。韓国政界と結びついて進出を図っていることを明らかにしております。まさに韓国政界との癒着という疑惑も生じております。近年こうした政治家との結びつきが不正腐敗を生み出してきたことは、最近の韓国で、金鍾泌前首相が不正蓄財で摘発された。そういう根源が、日本からの対韓進出、また対韓援助にあったことを、たとえばレイナード元アメリカ国務省の韓国部長の証言などで明らかにされているところであります。宮本さんも御存じだと思う。この点でも、三井物産の先導によるこの杉本伸線の韓国進出には重大な疑惑と問題をはらんでおる。私、通産省としても、いま指摘したような過大な投下資本による金利かせぎ、あるいは損益のごまかし、こういう問題について望ましくないというふうにおっしゃったのでありますし、この際三井物産から事情をお聞きになるなど、調査されるべきであると思いますが、いかがでしょうか。

宮本四郎通商産業省産業政策局長

○政府委員(宮本四郎君) 私は先ほどお答え申しました趣旨に従いまして、具体的な本件につきましては当事者がわれわれの希望にこたえて十分円滑に事態を解決するように望んでおります。

市川正一日本共産党

○市川正一君 その当事者の話まだ言っていない。だから、これを渡していいですよ。だから、望ましくないとおっしゃったんだから、しかもこの中にはそういう政界との癒着ということなども書いているから、一遍そこらは調べたらどうですか、お読みになって、事情を。

小松国男通商産業省基礎産業局長

○政府委員(小松国男君) ただいまの件については、そういうことがあるかどうかという点については事情を聞いてみたいと思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 あとでまた聞かしていただきたいと思います。  こうした三井物産の悪徳商法による海外進出のもとで企業閉鎖がやられ、多くの労働者が首を切られておる。そこで、杉本伸線に働く労働者がこういう不当解雇を許さずに企業再開を目指して闘っているのは当然であると思うのですが、そこで、労働省お見えになっていますか。——労働省にお聞きしますが、杉本伸線のこういう不当解雇に関連して大阪地労委が去年の十一月九日付で不払い賃金について救済命令を出しておりますが、その内容を簡潔に御説明いただきたい。

中村正労働省労政局労働法規課長

○説明員(中村正君) 先生御指摘の杉本伸線の不当労働行為事件につきましては、御指摘のとおり昨年の十一月九日、不当労働行為の救済命令が出ております。内容は、簡単に申し上げますと、要するに五十年の九月三日指名解雇をいたしました。それが一件と、それから続く九月の十六日付に解散に伴い全員解雇をいたしております。  この両方につきまして、解雇がそれぞれなされなかったものとして取り扱うと、その原則のもとに賃金のバックペイを命じたと、これが命令の概要でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 要するに、解雇は無効だということでありますが、しかもこの命令は大阪地裁で本年の九月二十九日緊急命令の決定が下されております。  そこで、労働省にもう一点伺いたいんでありますが、労働者にとって死活の問題は、不払い賃金を支払ってもらうことはこれは当然でありますが、何よりも企業活動の再開ということを願っております。私、直接労働者の意見も聞いたんでありますが、とりあえず採算が取れる部門からでも再開をしてほしいということを願っております。そうして、そのかぎを握っているのは杉本伸線の最大の債権者であり、実質的に支配している三井物産であります。労働省としても九十一人の労働者が失業者として路頭に放逐されるのでなく、三井物産が労働者との話し合いに応じ、企業が再開され、雇用が確保されることが望ましいと考えられたと思うんですが、労働省の見解を伺いたい。

中村正労働省労政局労働法規課長

○説明員(中村正君) 私、法規課長でございまして、役所くさいことを申しますと、私が御答弁申し上げるというような立場というか、資格がないわけでございますが、労働省として参っておりますのは私一人でございますので、概括的なことをお答えさしていただきたいと思います。  たしかに九十何名の労働者が路頭に迷っておるということに対して、雇用を確保する、これについては労働省も責任ございますが、その手段としていたしますのは職業紹介というのが原則でございまして、九十一名のためのまとまって雇う企業を探すとか、それから企業を再興させるとかということはなかなかむずかしい、あるいは権限外のことかと思います。ただそういうことでございまして、望ましくはあるが行政として私どもの打つ手は非常に限られておるというか、まず適切な手がないということでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 一般論として望ましいと。  だから、そこで通産省に伺うんですが、通産省も御承知のように、総合商社行動基準、ここにおいて、総合商社は国際信義や商業道徳の尊重、あるいはまた常に公共の利益及び社会福祉の向上に意を用いることなどが強調されているのは御承知だと思う。としますと、この杉本伸線の場合に例を挙げますと、この経営に三井物産が大きな影響力を及ぼしてきたことは明白であります。  さらに、韓国杉本の生産の全面的な開始とあわせて日本の会社解散、全員解雇が打ち出されてきている、これにも三井物産が重要な役割りを果たしております。こうしますと、まさに計画的な解散、首切りという疑いも持たれるんでありますが、私、三井物産が労働者の要求に率直に耳を傾けて、これまで行われてきた企業再建のための話し合いなどに誠実に応じるのは当然であると思いますが、通産省先ほど来お答えをいただいているその点をもう一度しっかりとお答えいただきたい。

小松国男通商産業省基礎産業局長

○政府委員(小松国男君) 杉本伸線の問題というのは、実は昭和四十八年の石油危機、あれにさかのぼるわけでございますけれども、杉本伸線一社だけではございませんで、当時は国内需要が非常に低迷をいたしましたし、それから対米輸出が非常に不振をきわめるというようなことで、国内需要が激減いたしまして伸線業界、実は全体が大変な不況状態に陥ったわけでございます。その一環として杉本伸線もただいま先生お話しのようなことで経営不振に陥って解散に至ったというふうに理解しているわけでございますけれども、通産省としては、個別の会社の再建問題とか、それから個々の労使問題というのは、当然当事者間で十分に話し合われるべき問題だというふうに思っております。  ただ、業界全体としてもこれは非常に苦境に立っておったわけでございますので、まず中小企業団体法に基づきまして、生産制限その他の措置を講ずるとか、また中小企業近代化資金等助成法によりまして、構造改善事業の一環としての設備の共同廃棄とか、こういうことをやらせまして、構造的に、また景気変動的に非常に問題になっている業界全体の需要にミートした供給体制をつくるということで、業界全体の指導をいたしておるわけでございます。個別の労使問題その他については、当事者間で十分に話し合いが行われることを期待しております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 特に三井物産と当該杉本伸線労働組合との話し合いを誠実に行われるように、また通産省としてもしかるべくごあっせん、御援助を願いたいと思います。  韓国との問題で、時間が参りましたが、もう一点、実は大島つむぎの問題についてお伺いしたいんであります。  この問題は、わが党の不破書記局長が先日奄美大島に参りまして業者の方々とも懇談をいたした問題でありまして、そういう点を踏まえて若干お聞きしたいと思うんでありますが、同僚の吉田委員もこの問題を取り上げることを予定されているというふうに伺いました。そういう点で、私もきょうはいわば若干の前提について伺い、次回以後この委員会で伺いたいと、こう思っております。  まず、政府は一九七六年以降韓国との二国間協定を結んで、大島つむぎ類似品の輸入数量を三万六千五百反といたしたのでありますが、この協定数量は守られているのかどうか。また、守られていると言われるならば、その根拠はいかん。この点についてまずお聞きしたいと思います。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) この点につきましては、われわれの方は約束に基づきまして韓国側からの報告を受けております。その報告によりますと、三万六千五百の範囲に入っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 じゃあ伺いますが、要するに韓国の報告によればということのようですが、通産省も御存じの矢野経済研究所の調査によりますと、一九七七年から毎年三十万反前後の大島つむぎ類似品が輸入されていることになっております。これによるとこの協定は明確に破られておるわけでありますが、通産省はこれをどう見ておられますか。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 矢野経済研究所の調査結果によりますと、二十数万点入っているという報告書になっております。これについてはかなり問題点があるとは思っています。必ずしも信頼を置けるかどうか、かなり疑問があると思います。具体的に申しますと、まず第一点は、ちょっと専門的になりますが、御存じかと思いますが、大島つむぎの韓国との数量は締機によると、締機によるものという一応約束になっておる。締機によるというのは御承知だと思いますが、一たん織りまして、染めてまたそれをばらして織るというつむぎ特有のやり方でございます。それで……

市川正一日本共産党

○市川正一君 ちょっと時間がなくなりましたので、恐縮ですが、結論としてこれをどう見られるのか。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) いろんな問題点が非常に多くあると思いますので、にわかにこの数量が正確かどうかというのはかなり疑問があると、一言で言えばそういうことでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 この矢野経済研究所の資料というのは、繊維関係の調査では権威ある調査機関の一つとなっております。そして出版物の一部には通産大臣も推薦文を載せておられるほどのものであります。しかも私、確認をしたところ、輸入業者五十三社を回って実際に調査した、伝票で。ですから、これ以上であり得てもこれ以下ではないということは、その面からも言えるわけです。私はそういう点で、韓国側の言い分だけをうのみにして、こういうデータについてはにわかに信じがたいとかというような態度は、私は一体どちらの立場で通産省が物を見ているのかということを言わざるを得ぬのでありますが、私、時間がまいりましたので、二点だけ一つの問題についてお伺いしたいんですが、この通関での大島つむぎの判別がむずかしいのでチェックができないというふうなことをよく通産省は申しますが、しかしかつて業者は判別のために協力するというふうに言ってきました。政府はこの業界と協力して判別の体制をつくる必要があるのではないかと思うんですが、そういう意思とお気持ちはあるのかどうか、その点をはっきり伺いたい。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 判別のいい方法があるかどうかという点については、絶えず探究を続けておるところでございます。ただ、現状では税関吏が客観的に明白に判別をするメルクマールはないというのが現状でございますが、常にわれわれとしては数量の把握その他を含めまして、そういう判別の何かいい方法がないかというのは、業界とも相談しながら努力しておるところでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 じゃあ最後です。  そうすると、判別するいい方法があれば数量チェックを水際でやるということは約束できるわけですね。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) チェックといいますか、数量把握、判別の税関でうまい方法があれば、またそれが人手とかいろんな問題もございましょうけれども……

市川正一日本共産党

○市川正一君 いや、そんなこと聞いていないじゃないか。やるのかやらぬのか、いい方法があれば。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 現実的方法があれば、チェックというか、数量の把握はしてみたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 してみたいということはやるということだな。よっしゃ、また同僚委員とともにこの問題は改めてやりますから。  ありがとうございました。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) それでは、市川君の御質問が終了いたしましたので、次に馬場君の御質問に入ります。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 きょう冒頭に説明されました静岡駅前のガス爆発について、きょうの説明ではその原因はいまだまだ明確にされておりませんが、ガス爆発によっての大惨事が起こったということについての事実は、これは間違いございません。その点についてこの爆発に対する関係当局の対処のあり方についてミスがあったかどうか、こういう問題について二、三お尋ねしたいと思うわけでございます。  最初に、ガス爆発の最初の通報について現場より消防署に一一九番、そしてまた現場より警察署には一一〇番によりガス爆発があったという通報がなされておりますが、この点について消防庁、警察についてはこの点を確認していらっしゃいますかどうか、御答弁いただきたいと思います。    〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕

野沢達夫消防庁消防課長

○説明員(野沢達夫君) お答えします。  当日、九時三十分に静岡市の消防本部の一一九番に市民からそういう通報が入っております。内容は、紺屋町の「西武」の向かい側でガス爆発があったと、ガス臭い、火は出ていない模様です、大体そういう趣旨の通報がございました。

岡村健警察庁警備局警備課長

○説明員(岡村健君) 当日、午前九時三十一分でございますが、静岡県警本部の通信指令室の方に一一〇番で、紺屋町の地下ゴールデン街の「菊正」という店でありますが、ガスに火をつけようとしたところ急に爆発して、ガスが漏れているのですぐ来てくださいという通報がございました。引き続き同じ電話で、人がかわりまして、ガスが漏れておりますので消防をお願いいたしますという通報がございました。後でお聞きするところによりますと、「菊正」の店員の角野房子さん、かわった方は柴田薬局の柴田靖代さんという方であることが判明いたしました。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 このガス爆発の通報が爆発直後に消防署そして警察へと連絡されたことはいま御答弁のようです。これを受けて、静岡の消防署は静岡ガス並びに中電、県警、記者クラブ等に対してガス漏れが出たという通知をしておるわけですね。この点どうでしょうか。消防庁とガス会社を担当していらっしゃる通産省の御答弁をいただきたいと思います。

野沢達夫消防庁消防課長

○説明員(野沢達夫君) 先ほどお答えしました通報が九時三十分にありまして、直ちに、九時三十一分という記録がございますが、消防機関に一斉指令している、通報によりまして、関係機関にも通報している、すなわちガス会社を含めた関係機関にも通報をいたしております。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 静岡ガスから報告を受けましたところでは、静岡ガスといたしましては、九時三十二分ごろ消防電話で西武百貨店前のダイアナくつ店付近でガス漏れ、火災警報指令、第一出動という連絡を受けまして、九時三十五分ごろ市内を巡回のパトロールにその旨を連絡しております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 もう一遍お尋ねしますが、消防署の方はこのときに静岡ガスそれから中電、県警についてはガス漏れが出たという連絡をなさったと。また、いまのガス会社等もそのように受けておりますが、その点はどうでしょう。

野沢達夫消防庁消防課長

○説明員(野沢達夫君) 先ほど申しました九時三十一分の具体的な内容は、紺屋町西武デパート前ダイアナ靴店付近ガス漏れ、第一出動、こういうような内容で通報したという報告を受けております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 ここで大きく食い違ってくるのは、ガス爆発とガス漏れということの大きい食い違いです。それで、これに対するやはり態勢、当局は消防署、警察、ガス会社ということになるわけですけれども、やはり現地でこの事故を確認した現場での人は明らかにガス爆発を一つは関係当局に通報しておるわけです。ところが、ガス会社はこれを結局ガス漏れと受けておるんです。これはこれだけの惨事が起こった中で、私はただ単に言い間違いということでは済まされない大きいミスであると。ガス爆発とガス漏れではその対処の仕方も全然違うんではないかと。ここで結局ガス会社当局がガス漏れであったから、そういう配備等についてもガス爆発と違った態勢をとったということになっておりますが、この点関係当局、どのようにお考えですか。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生おっしゃいますように、ガス漏れと爆発の場合で対応を一応変えておりますので、そういう意味では確かに初動の動作が違ったかと思います。ガス漏れという場合にはこれは一つはガスの爆発なりそういう中毒のいわゆる前駆現象でございますので、どういうところから漏れておるかということと、それをとめるということが大きな主眼になりますし、爆発のような場合にはこれは次のまた二次的な爆発を防ぐための方法というようなことに主眼点がいかなきゃいけませんので、それに対する対応としてまた別のいわゆる要領というのを考えておるわけでございます。そういう意味では最初の情報の違いということが初動の動作が若干甘かったのではないかというふうに反省しておる次第でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 消防庁の方はその点現場からあなたの方には確実にガス爆発の通知をしておるわけです。それがガス会社に対しての通報の中でガス漏れの食い違いがどうして起こったんでしょう。

野沢達夫消防庁消防課長

○説明員(野沢達夫君) 当初市民から、西村さんという市民の方ですが、通報があった内容の要素でございますけれども、一つはガス爆発があったということ、それから、ガス臭い——ガス臭いということはガス漏れが現に起きているおそれがあるということでございます。ガス臭いということ。それから火が出ていないという、突き詰めればこういう三つの要素が、知らせがあったわけでございます。そこで、具体的に消防の出動なり関係機関に対する要請になるわけですが、現実にいま危険が差し迫っているのはガス漏れ、つまり現実ガス臭いということからガスが漏れている状況でございます。それが今後のそれ以後の爆発事故なりあるいはそれに伴う火災が発生するおそれがあるということで、ガス漏れの状態をとらえて消防機関なり関係機関に通報したというふうに消防本部から聞いております。  それから、もう一点といたしましては、昨年の二月に静岡におきましては警察なりあるいはガス会社その他関係機関と申し合わせをいたしております。これは現実にガス爆発を防止するための申し合わせということでございますが、ガス漏れを原因といたしましてその後爆発事故が十分危険性があるということでございますので、その爆発を防止するためにこういう申し合わせをつくっております。その二項なり三項に、そういった事態においてはガス漏れ出動ということで通報いたしまして、それ以後各機関がそれぞれ責任を持ってやるということでございますので、大体こういった申し合わせの要旨に基づいて通報したというふうに消防本部から聞いております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 そこで一点私は大きいミスがあると思うのです。だから、やはり現場での通告者の通報を正直に伝えるべきだ、やはりガス漏れと爆発とは全然事故の状態が違うわけです。だから、いま静岡消防のとったガス爆発とガス漏れもあると言われたからいわゆる協定の中での漏れを結局通報したと、これは私は実は通報にならないと思うのです。それに対して結局ガス会社の方はガス漏れと判断してその装備を最小限度でしか配置していないというふうな状況になってきておるわけですね。ここらあたりに私は一つ大きい責任問題があるんじゃないかと、こう思うわけです。  次に、じゃあこの最初の通報を受けて現場に消防署、ガス会社、警察等最初の第一通報で何名の人が現場に出動したか、その人数を教えてもらいたいと思います。

野沢達夫消防庁消防課長

○説明員(野沢達夫君) 先ほどの通報によりまして、直ちに消防本部では第一出動をかけたわけでございますが、現場に第一出動で出動した車両は消防本部の車両としまして十一台、人員が四十七名でございます。そのほか消防団といたしまして消防車等九台、それから消防団百三十六名、都合消防機関といたしましては二十台、百八十三人の出動をいたしております。

岡村健警察庁警備局警備課長

○説明員(岡村健君) 一一〇番を受理いたしました直後、県警本部の通信指令室が直ちに所轄の静岡中央署に出動を指令いたしました。その結果、その直後九時三十六分にパトカー一台が現場に到着いたしましたのを初めといたしまして、合計でパトカー四台、駅前派出所員、さらには所轄署の交通指導課員十九名が現場に到着いたしまして、現場周辺の交通規制、避難誘導措置に当たっておったわけでございます。なお、爆発いたしました時点におきまして所轄署の交通指導課長以下十名、さらに内勤の勤務員三十名が現場に向かう途中であったということでございます。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 静岡瓦斯におきましてはその通報を受けた後、パトロール中の緊急車に無線連絡をいたしまして、職員一名を現場に派遣しております。その後その職員が現場において検知等の活動をいたしましたが、はっきりしたことがわかりませんので、本部に連絡をいたしまして応援を求めたという経緯でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 それで、通産の方にお尋ねしますが、いま御存じのように、消防関係と警察関係はやはり爆発という一つの問題点をとらえてかなりの態勢で出動さしておるわけです。ガス会社はそこで一つはガス漏れという誤認から一人の人しか現場に派遣しなかったということに私はなると思うし、あなた方のいろいろな説明についてもそのように説明されておりますが、間違いございませんか。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 先生おっしゃるとおり、ガス漏れの第一番目のまず対処、要するに状況判断と、応急手当てをするという意味では一人がまず対応をするというふうにしておったわけでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 ここで、この中から起こってきたことは、この食い違いは地下街でガス爆発が発生しておったと、直接その処理に当たるガス会社の職員が、点検員が一人しか現場に行ってなかったと、これが第一次爆発の現場処理が十分にできなかった一つは原因ではないかと、こういうふうに私たちは思うわけですが、どうですか。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 直ちに、いま先生おっしゃいますように、一人の作業員だけでは不十分だったかということについては、従来のガス漏れの対処の経験から推しまして、一人でも十分やっておったわけでございます。ただし、今回のような事故が起きました後、反省しておりますが、また一方、ガス事業大都市対策調査会の地下街対策専門委員会というところにおきましても、技術的にこういうような問題を防止するのにどうしたらいいかということを検討中でございますが、そういうところで一人がまず行くと、特に地下街におきますガス漏れというのは、地下街でないところのいわゆるガス爆発に相当するぐらいのいわゆる対応をすべきではないのかというふうな意見も出ておりまして、いろいろそこで初動対策の対応につきましてこの委員会の意見を取り入れまして、今後関係機関に対処させたいと、こう考えております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 いや、私は今後の対処の仕方をあなたに聞いておるんじゃないんですよ。事実爆発が起こったと、その時点でいわゆるガス会社の職員のとった行動のことをあなたに聞いておるわけです。今後の対策は今後の対策としてこれ別です。事実惨事が起こってしまったんです。いまその原因がわからずに捜査中であるし、その結局対処の仕方についてはどうだという問題も責任の中にあるんじゃないですか。そのときに、今後の対策じゃなくて、起こった事実に対してはだれが責任を持ってきちっとしていくかという問題だと私は思うんですね。そういう点で、ガス爆発の通報の食い違いが、ガス会社にはガス漏れと、こういうやはり理解をされたと。だが、ガス漏れという事実の一つは情報を受けて、誤認ではあるけれどもその情報を受けて、ガス会社の点検員というのがそのときにとった行動というものは、これはガス漏れでも万全な行動をしてあるかどうかという、この点どうでしょうか。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 一番最初到着いたしました職員は、もう当然ガス漏れの要領に従いまして、どういうところでガス漏れが発生しているか、それからまた、第二次爆発のおそれはないかというふうなことについて検知器で対応したということはわれわれも聞いております。そういうことで、都市ガスを検知せずということを営業所の方に報告しておりまして、どうしてその爆発が起こったかわからないので応援を頼むと、そういうことが報告されておりますので、まず参りましたガス職員については十分な職務を果たしておると私は考えております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 そこで、先ほど消防庁の方からも話しかけがありました。こういう実は事実があるわけです。昨年の二月二十日にいわゆる静岡市消防本部と警察署と静岡ガス、中部電力等の六者によって構成されておるそういう機関が、昨年二月二十日に「ガス爆発防止対策に関する申合せ」というのを行っておるわけです。これはいまちょっと消防庁の方が先ほど話しかけられましたが、この申し合わせの第三条の出動の項に、ガス漏れ事故を確認したときは、各機関に直ちに通報し出動することというのが一つあるわけです。そしてこの四条の中に、現場での協議の項でまず一つ現場の問題ですね、ガス漏れを感知した場合の現場での一つは処置の問題として、ガスの供給停止、火災警戒区域の設定ということを厳重にこれは締結しておるわけです。しかも、特にガス漏れの初動時の行動基準として「ガス供給停止」の項を設けておるわけです。そしてガス会社、プロパンガス会社は、「当該室内等のガス供給を停止するための必要な作業を行う」ということを、二月二十日の締結で、ガス会社や静岡の関係者たちがきちっと締結しておるわけですよ。これは先ほど消防庁の方も確認されたが、おたくの方もこのことは知ってみえると思う。ガス会社もこれは知っておったわけですよ。そうした場合にガス漏れという通報を聞いたときに、爆発でなかったからという云々もありますけれども、私はそんな問題よりも直ちにガス会社の職員は、これを知っておったならば供給停止をしなきゃならぬじゃないですか。ガスの遮断弁を切らなきゃならないんじゃないですか。それはガスの探知よりもまず最初にガスの供給停止をしなきゃならぬのが責任じゃないですか。この点ひとつ通産と消防庁からこの問題について説明してもらいたい。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 具体的にいろいろな捜査が行われておりますので、私たちとしてはガス会社からの事情聴取ということにとどまるわけでございますけれども、ガス会社の参りました職員が、それからまたそこにおりました消防職員から明らかに地下街でもってガスが出ておると、こういったガスをとめなければならぬという状況にどうもあったとは聞いていないわけであります。そういうことでガスの職員といたしましても、その遮断弁を切るべきかどうかという判断に恐らく困って、そしてその上司の判断を仰いだのではないかと、こう考えております。当然その現場におきましてその噴出している状況、または炎、それから音というものがわかりましたら、それはもう当然遮断弁を切るということがあったろうと思いますが、第一次爆発の後が非常に状況が悪くて、そういうことが、消防署の方々からも実は話を聞いておりませんし、当該職員もそういう判断をすべきであると思っておらなかったところが、非常に不幸なところだったのではないかと、こう考えております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 昨年二月二十日の「ガス爆発防止対策に関する申合せ」ですね、消防庁はこれ知っていますか。

野沢達夫消防庁消防課長

○説明員(野沢達夫君) 静岡市の消防本部から申し合わせを送っていただきまして承知しております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 それでいまの通産の方からガス会社の立場の職員の行動についてのそういう話がございましたが、ガス漏れについても私は明らかにこういう協定等を関係職員等に徹底しておったならば、ガス漏れでもいわゆる第一番の、初めの行動はガス漏れがあったと、そういう通報や状況に達したならば、供給停止というのが第一要件だと、こういうふうにうたっておるんじゃないですか。こういうことを決めながら守らなかったのはガス会社じゃないんでしょうか。それは結局ガス漏れかどうかわからなかったと。だが事実ガス漏れか何かわからぬけれども、ガス爆発が、第二次爆発が起こって、この惨事に至ったんじゃないですか。ガス漏れに近いものが必ずあったわけじゃないですか。そんなことよりもその事態で現場にいた職員が、いわゆるメタンガスか都市ガスかわからないから、まず測定器を取りに戻ったとまで言われていますよ。この時間があったならば、あの第一回爆発から第二回の爆発の間に遮断弁をとめることができたんじゃないか。そしてあの大惨事は場合によっては防げたんじゃないかと、こういうことを私たちは真剣に考えるわけですよ。犠牲になった人のことを考えたらほっておけない問題ですよこれは。もう過ぎたことじゃないです、そのことで起こったことですよ、こんなことがうやむやで済まされるわけにはいきませんよ。この点についてガス会社もしっかりした、あなた担当ですから答弁してもらいたい。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 先ほども申し上げましたように、ガスを締めるということはこれは協定にも書いてございますし、ガスの職員も十分知っておるわけでございまして、そこをどこの弁を締めるべきかという問題が一番大事なわけで、そのどこからガスが漏れているかと、ガスの漏れている現場をつかまえませんと、どこのバルブを締めるべきかと。まず地下街であったかどうかということ自身どうも当該職員については判断ができなかったというふうに私は思っております。そういうことでその職員がどこの弁を締めるべきか、どこに漏洩があるかということについて真剣に調査したということは紛れもない事実でありまして、決して大事故をみすみす手をこまねいて招来したというふうには私は考えておりません。そういうことで、そういう教訓の上に立ちまして、先ほど先生からしかられましたけれども、今後こういうことのないようにどうすべきかということを対策を立てたいと考えております。    〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 この問題についてはもうあなたも御承知ですし、その職員たちも御承知のように、省令の七十二条では、例の遮断弁の義務づけというのは地下街や地下室や百ミリ以上のパイプの送管の場所には義務づけられておるわけですよ。それは事故が起こった等の場合について地上から安全にこれ閉鎖することができるためにつけられておるわけです。この義務づけというのは、安全のためなんですよ。そうでしょう。だから地下街でいろんな問題が起こったことについては間違いないんですから、そういう点について私はどんな理由があろうともまず地下街の関係のガス供給の停止を行うということは、ガスのここの法令から言ってもそうですし、また申し合わせから言っても第一番にやらなきゃいかぬことなんです。そのやはり基準動作が守られておったならばこういうことは起こらなかった。基準動作よりもほかのことをやったためにこういう問題がなったということも言えるわけです。大事なのは予備動作よりも基準動作を先にやることなんですよ、事故の場合。そのことが行われてなおかつ事故が起こったら、これはあなたのおっしゃるとおりでしょうけれども、基準の動作をしてないじゃないですか、そのとき。こういう点について関係当局としてももう一遍この点について私は現場も見てきておりますから、きちっともう一遍再調査をしてもらいたいと、こう思います。どうでしょうか。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 現在ありますガス漏洩のいわゆる対策を行うための要領につきましては、そのとおりやられたと思います。しかしながら、先生いまおっしゃいましたように、そういうような対策が地下街において適切であったかどうかということについて、私としても反省する点が多いと思いますので、十分検討して万全を期したいと、こう思います。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 この問題につけ加えてですけれども、第一次爆発は九時二十五分ですね。第二次爆発が九時五十六分に発生しておりますけれども、まあその係員の動作の不十分な点は別としましても、この地下街の供給停止というのはそれからはるか後になって第一バルブというのは十一時に、第二バルブというのは十一時十五分に閉鎖されておるというということが衆議院の答弁等でなされておりますが、この間二時間です。こういう点についてこの点はどのようにお考えでしょうか。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) いま先生おっしゃいますように、非常にバルブを締めるのに時間がかかったわけでございますが、地下街のバルブにつきましては、これはちょうど第二次爆発を起こしましたビルの前にございまして、そのバルブを締めるわけにいかない。要するに、近づけなかったということが一つありますし、またもう一つは、低圧バルブが適当なところになくて、そして穴を掘って仮の弁を二カ所やる作業をしなければとまらなかった。こういうことが大きな問題であったかと思います。したがいまして、そういう近づけないようなところに弁があるのがどうかという弁の所在の問題もありますし、また人間が操作しなければ、じかに現場へ行って操作しなければならないということでなくて、遠隔で急速に遮断できるというようなものをやはり用意しなければならないんじゃないかというふうに反省しております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 次に、この第一次爆発後、警察は本部長、あるいは消防署は署長等が扱い者に対してバルブを早く締めることを何回も要請したと、こういうように現地では聞いておりますが、この点警察庁と消防庁、どうでしょうか。

岡村健警察庁警備局警備課長

○説明員(岡村健君) 警察といたしましては、ガスの元を締めていただきたいということで本部長名をもちましてお願い申し上げております。

野沢達夫消防庁消防課長

○説明員(野沢達夫君) 静岡市の消防本部におきましては、消防長からガス会社に要請いたしております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 ここは一つは今回の、先ほどもちょっと市川さんから質問の中に出ましたが、今回の実は問題点の一つだと思うんです。遮断弁の操作は、今回新聞等でも、またいろいろな関係者からも操作はガス事業者以外には権限がないというふうに一般には理解されておったために、そのためにやっぱりこれはガス会社しかなぶれなかったというように理解されておりますが、この点ですね、その法的ないしはそういう約束的根拠はどこにありますか。

山本富雄自由民主党・自由国民会議通商産業政務次官

○政府委員(山本富雄君) 私からお答えいたします。  これは先生、非常にやはり重要な問題なんです。私どもいろいろいままで勉強してまいりましたけれども、ガス事業法の中に第五十三条というのがございまして、その五十三条の「2」に、「みだりにガス工作物を操作してガスの供給を妨害した者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。」と、こういうみだりに扱ってはならないというところがございます。ございますけれども、この緊急時において、この消防機関などが、これは一般の人まですぐやるというわけにはいかないと思いますけれども、消防士さんとか、あるいは警察関係などは、こういう災害、火災などの緊急時に法的にできないということには現行法上もなっておらない。そういうふうに私ども考えておりまして、この点についても先ほど来お話ししておるとおり、専門委員会などで、あるいは地域の協議会などで十二分にこれは詰めていかなくちゃならない。いまやっておる最中でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 私も、この事件でこのことがまことしやかにまた新聞や報道等でもなされた。で、私は、関係法規を全部読んでみたわけですけれども、いま次官のおっしゃったとおり、ガス事業法の五十三条の二項にこれにちょっぴりひっかかる項目があっただけで、何らこれに対する制約的なものはないわけです。しかも、これは「みだりに」という、一つは危険性を伴うという意味でのことであって、そういう静岡のようなああいう大爆発を起こしたとか、ああいう問題等についての操作については、そういうものの制約と受け取れる法文ではないわけです。ぼくはここに一つの盲点があったのじゃないか。この解釈ですね、いわゆるガス事業法の五十三条の二項の解釈が、いわゆるおのおの三者まちまちではなかったか。そのために通念的にやはりガス会社があそこはいつもなぶっておるからということで、これが一つですね。それに流された傾向があるんではないか。  また、この事件を通して責任ある方々が、またこれもごもっともらしくお話しになった点にも問題があるんではないか。この点ですね、私は、ずっと全国のガス関係者や、そういうやはり会社等についてずっと当たってみましたが、地域によっては非常にやはり地下街等の重要な場所においては、そこのガス会社と、そのやはり地下街の管理者との間にそういう話し合いができて、そしてそのやはり遮断弁等の取っ手は地下街の管理者が預っておる実例もずいぶんあるんです。これでも法違反に私はならないんじゃないかと思う。そうしたとしたら、この今回の三者の、はっきりと大事故を未然に防ごうとする、そういう問題に対してのこの解釈に甘さがあったんではないかと思う。関係当局に一々ひとつ御答弁願いたいと思います。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 先ほど政務次官からお話がありましたように、消防機関が遮断バルブの閉止等の緊急処置を行うということにつきましては、ガス事業法上問題がないと考えております。しかしながら、そうは言いましても、実際上はガス遮断には操作用具などが必要でございますので、そういう現場で実効が上がるような体制整備を図るのが非常に大事ではないかということでございます。そういうことで先生のおっしゃるとおり、消防機関との共同点検をも含めまして事故の再発防止のための適切な連携処置ということを地元消防機関、それからガス事業者との実際的な連帯というのを図りたいというふうに考えております。また、当省といたしましても今回の事故を教訓といたしまして、地元消防機関とガス事業者との緊急時の処置等に関する実際的連携の強化の具体的な内容につきまして、現在消防庁と打ち合わせを行っております。具体的には地区ごとの実情に即しつつ消防機関によるガスの遮断を可能にするため、必要な範囲でのガス導管図等の資料及び操作用具の提供、それから消防職員の訓練への協力等を行う。また、第二に消防機関との共同による地下街等の点検の実施。第三に消防機関等の主宰する連絡会議への参加。第四に緊急時における通報、連絡、出動、現場での処置につきましての申し合わせの作成等を行うようガス事業者を指導することとして、現在消防庁と打ち合わせを行っているところでございます。

山越芳男消防庁予防救急課長

○説明員(山越芳男君) 御指摘のございましたように、ガス事業法ではそのように規定されておると存じますけれども、別途消防法の方におきまして第二十九条という規定がございます。これはいわゆる破壊消防といいまして、仮に火災が延焼するような場合に隣の家を壊すとか、そういうたぐいの規定でございます。そういう規定がございます。ただ、この規定につきましては、ガス漏れ時においてガスの遮断をするというようなことまでは想定をしたものではないわけでございまして、したがいまして、従来からガスの遮断につきましては消防法の二十九条の権限行使の対象とは解していなかったものでございます。こういうこともございまして、消防機関はガスの配管とか遮断弁の位置等につきまして情報を得ておらない。また、遮断弁の操作の知識、訓練等も不十分でございまして、そういうことで事実上遮断をなし得ない状況にあったわけでございます。まあこれと比較しますとLPGに関する法律におきましては、それぞれ明文の規定があるわけでございますが、いずれにしましても私どもといたしましても、それぞれ関係の省庁と協議をいたしまして、たとえばガス会社のガス事業者の協力を得るとか、平常時に情報を把握するとか、さらにはガス事故についての知識の修得、訓練を実施するとか、損失補償に関しても若干手当てをしていただくとか、そういった諸般の条件を検討いたしまして、適切な処置を講ぜられるようにしてまいりたいと思っております。  以上でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 次に、この事故を通し今後のガスの供給、管理、検査等について二、三お尋ねいたします。  今回のガス爆発の後、通産省が全国百三十五カ所の地下街のガス保安体制のチェックをなさいましたが、これによると、報道等を見ますと、予想以上の危険個所が発見されたという報告がなされておりますけれども、この重立った問題点を二、三御説明していただきたいと思います。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 去る八月十六日の静岡駅前事故の重大性にかんがみまして、応急の対策といたしまして八月十八日に全国百三十五カ所の地下街におけるガス施設の一斉点検を実施したわけでございます。それが九月十日までにその結果が報告されました。  その点検の結果といたしましては、第一に地上操作遮断弁からガス栓までの導管の漏洩検査、全国で四十九カ所のガス漏れが発見されまして、直ちに修理が行われております。なお、その漏洩というのは非常に少量なものであったというふうに聞いております。  それから地上操作遮断弁の設置状況につきましては、一カ所だけ地下街についての地上操作遮断弁のバルブを収納するボックスが、道路工事のあおりを食いまして消失していたということが発見されました。これを直ちにバルブピットを設置するという改善処置がとられました。  その他、ガス栓から器具栓までの接続管の劣化の有無、それから消費機器にかかわります給排気設備の点検等を行いまして、改善が必要と認められるものにつきましては直ちに所要の改善の処置をしております。  概要としてはそんなところでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 いまお話を聞きますと、やはりガス漏れ等も事故にはなってませんけれどもかなりあったという報告でございますけれども、これはやはり後日爆発の原因にもなるということ等にもかんがみまして、このガス漏れ関係の検査は現在どのように行われておりますかちょっと説明してもらいたいと思います。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 現行ガス事業法によります漏洩検査は、三年に一回以上行うこととしておりまして、検査の方法といたしましては、道路に埋設しております導管からガスメーターコックまでに設置されています導管にあってはボーリングによる方法と、それからガスメーターコックからガス栓までに設置されている導管につきましては水柱ゲージによる方法を義務づけております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 ここで、その検査に三年に一回以上という義務づけがございますけれども、五十四年五月二十五日の衆議院商工委員会で通産省は、ガス漏れの点検を三年に一回以上ではなく、さらに頻繁に行わせるという答弁をしていらっしゃるわけでございますが、今回の事故についてもやはり検査期間というのは三年ということでそのままになってきておるわけですけれども、かなりこれは重要な試験でございますし、その間が長かったならばそこにやはり事故の発生ということも考えられるわけです。そういう点についてプロパンガス等については二年に一回以上というような規定もございますが、そういうものからあわせて見ましても、衆議院であなた方が御答弁なさったように、もっとやはり期間をある程度まで短くしてこの検査を行うべきじゃないかと思うわけですが、この点どうでしょうか。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 御指摘のように導管の漏洩検査の回数、それからその方法の強化というのはガス漏れの未然防止の対策としてきわめて有効であると考えられますので、当省といたしましても、今回の事故を教訓といたしまして、ガス事業大都市対策調査会の地下街対策専門委員会において専門的な検討を進めております。近い将来におきましてその結果が出ますので、ただいま先生がおっしゃいました趣旨を入れた形でできる限り早く保安の強化を実施したいと、こう考えております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 次に、この検査の中で、先ほど御説明にあったように、いわゆる家庭内の内管については三年に一回以上圧力検査が行われるわけでございますが、その外の供給管については、いわゆる本管、支給管から来る供給管については、これはやはり今回の場合も地下街とかあるいは百ミリ以上、あるいは地下室等については遮断弁がございますが、こういう個所については実はあなたいま御説明のようにボーリング等をしてにおいやあるいはガス漏れ検知器で測定するという方法でございますが、私はこの試験方法には、最近の複雑なガス配管の中からいきますとこういう検査等で漏洩を完全に知るということはなかなかむずかしいんじゃないか。先般もここで私一回論議したことがございますけれども、プロパンでございますけれども、雇用促進事業団の愛知県の三河ハイツがプロパンによる爆発事故を起こして死亡者や負傷者を多く出したという例がございました。このときも静岡とはちょっと似ておりますが、地下から爆発が起こってきたということで、そのガスの出所がわからなかったわけです。だからやはりメタンガスか、そういうこともあったし、上からガスがおりてきたんじゃないかという説やいろんなことがさまざまある。だからこのときにやはりその主因の究明ができたのは、その施設内に配管されておる、そこはプロパンガスでしたけれども、この圧力試験をやったときに、いわゆる本当に小さな穴だったけれども、ガス漏れの圧力によってのガス漏れが検知された、そこを全部探し出すことによって、それからあらゆる配管や物を通して全然関係のないところにガスが漏れていったということが最終段階わかったわけです。だから私は、ガスの配管のガス漏れについての事前の検査というのは、やはり圧力試験が一番いいんじゃないか。そういう点では供給管等についても、特に遮断弁等を設けたそういう場所については危険個所がずいぶんあるわけですから、そういう点については、やはり大変手間はかかるかもわかりませんが、三年に一回か、これは圧力試験に切りかえる方法が適切ではないか、こう考えていますが、この点どうでしょうか。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 先生おっしゃいますとおり、圧力試験というのが、その供給管のいわゆる漏洩があるかないかを決める決め手になる試験ではございますので、特に地下街等の配管につきましては、こういう試験を活用いたしまして早期に漏洩個所を発見するというふうにいたしたい、こう考えております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 それとあわせまして、これからもやはりこれだけ住宅も混雑し、非常に高度な都市化が来ます、その中でやはりガスの配管等については、ガス漏れ等の感知というのはなかなかむずかしいんじゃないか、そういう点でできれば今後の行き方としていまの遮断弁をつけておる個所はもちろんようございますが、その他の地域についても一斉にすることはむずかしいですけれども、やはり供給管等については事後順次そういう遮断弁もしくは閉鎖弁等つけて、そういうことをやはり義務づけ化するようにして、順次そういうことについてバルブがあればそこについても圧力試験が行われるようになる、そういうことについて、私はもう二年ないし三年に一回完全にこれが行われたならば、ガス漏れというのは必ずや未然に防止されるということを思うわけですが、この点についての御配慮はどうでしょうか。

児玉勝臣資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(児玉勝臣君) 先生おっしゃいますように、その供給区分ができるように各所にいまバルブをつけるということは非常に望ましいことでありますが、同時に、そういうバルブからまたガス漏れが出るということもございますので、バルブの信頼性の向上を図りつつ、そのバルブの設置ということをやっていかなければいかぬと思っています。現在でも主要な配管につきましては、バルブの設置が義務づけられておりますが、今回の事故を契機に地下街のガス保安対策の強化を図るために、緊急時の即時ガス遮断ができるような、たとえば遠隔操作の可能な緊急遮断装置とか、そういうふうなものも考えていきたいと思いますし、また、地下街、地下室への供給する導管以外の導管でありましても、内径百ミリ以上のものについては遮断弁の設置の義務づけというふうなことも現在やっておりますが、そういうものをさらに広範なものといたしまして遮断弁によってその事後の波及といいますか、拡大を防止するように図りたいと思います。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時二十四分散会

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