社会労働委員会 第7号
- 発言数
- 384 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1980/11/18
会議録
○委員長(片山甚市君) ただいまから社会労働員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、村田秀三君が委員を辞任され、その補欠として対馬孝且君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(片山甚市君) この際、御報告いたします。 去る十三日の委員会における前島君の発言について、その取り扱いを委員長に御一任いただきましたが、委員長は速記録を調査いたしました結果、その発言の一部を取り消すことにいたしました。
○委員長(片山甚市君) 健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の説明はすでに聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○安恒良一君 私は十一月の十二日参議院本会議、並びに十一月十三日の当社労委員会において厚生大臣から提案がありました健康保険法等の一部を改正する法律案並びに同法案に対する衆議院の修正部分について質問をしたいと思います。 なお、私は本会議におきまして社会党を代表して質問で明らかにいたしておりますが、私はまず本案の審議に当たって考えなきゃならぬことの第一点は、富士見病院、十全会病院、豊洲病院等に見られるような乱診乱療事件や不正請求、脱税等の事件、これらはわが国の医療の荒廃ぶりを象徴する事件としまして、国民の間に深刻な反響を巻き起こしています。すなわち、今日医療をめぐる諸問題が社会問題化し、医療に対する国民の不信と不安がますます増大をいたしております。まずこの不安と不信を解消することが当面の重要な課題であろうと思います。 次に、第二の問題点は、保険料負担及び窓口における一部負担の増大を図る等の当面の財政対策を中心とする改正点、すなわち、保険財政対策至上主義の改正ではなくして、国民医療の肥大化に歯どめをかけるための総合的、抜本的な施策の確立を行うことが必要であるというふうに考えます。 第三の問題点といたしましては、国民皆保険下における大原則でありますところの、いつでもどこでもだれでもがよい医療が受けられるような医療保険制度の、抜本的な改革がまず行われる必要があるというふうに実は考えるものであります。 以上の三つの課題にこたえる医療保険制度の抜本改正がまず行われ、その中で赤字対策についてどう解決をすべきか、こういうことを議論をし合うべきだというふうに私は考えるわけであります。そういたしますと、現在提案されておりますところの政府原案並びに衆議院の修正案はこれにこたえるものではないというふうに私は思います。また、私はこの基本的な考え方について大臣にお聞きをしたいのでありますが、時間の関係で、すでに本会議で議論をいたしておりますから省略いたしまして、きょうはその前提の上に立って、大項目で言うと四つの問題点について質問をしていこうと思います。 一つは、保険料負担と国庫負担のいわゆる保険財政問題、連動問題を含めてであります。第二番目には国民医療費の肥大化にどのように歯どめをかけるかという諸対策についてであります。第三番目は保険外負担の解消のためにどのような施策を実行するのかということ。第四番目は医療の供給体制、供給制度の適正化問題について御質問をしたいと思います。並びに私の提言をやりたいと思います。 そこで、どうかこの討論を通じた中で、衆議院においてもいろいろ与野党の中で話し合いをされ、修正をするものは修正をされ、さらに申し合わせをするものはされておりますから、どうかこれらの議論をぜひひとつ聞いていただく中で、必要なものについてはぜひ政府としてもこれはお取り上げを願いたいし、場合によればそういうものについて与野党の中でお話し合いもお願いをしたいというふうに思います。 そこで私は、私の質問を展開するに当たりまして資料をたくさん要求いたしておりまして、できればその資料を委員長の御許可によって配付をしていただいて、私の手元には届いておりますが、そういう点で審議がスムーズにいくような御協力をぜひお願いをしたいと、こう思います。
○委員長(片山甚市君) ただいま理事会で協議の結果、安恒良一君の資料については、委員各位に配付させました。
○安恒良一君 ありがとうございました。 それでは、その資料等に基づきましてこれから質問をしていきます。 まず保険財政についてでございますが、衆議院におけるところの修正を受けまして保険料率はどうなるのか。これはなぜ質問するかというと、国民は今度の法案が通った場合に自分たちの負担が幾らになるかと、こういうことを承知しないと審議ができないわけであります。でありますから、まずひとつ保険料をどの程度に上げようとするのか、それから財政収支はどうなるのかと、こういう点についてひとつ御説明を願いたいと思います。 それから、資料は五十年からずっと要求しておりますが、それを一々読み上げられたのではとってもたまりませんから、見ればわかりますから、結論のところだけで、たとえば五十五年度はこうしたいんだと、五十六年度はこうなるんだと、過去のことは結構ですから、資料は資料としていただいていますから、そういう角度から、まず保険料率がどうなるのか、それから保険財政がどうなるのかと、これについてお答えをお願いをしたいと思います。
○政府委員(吉江恵昭君) お答え申し上げます。 所要の保険料率につきましては、標準報酬や今後の医療費の動向に大きく左右されますので、五十五年度、五十六年度の収支均衡率を見定めるには、もう少し今年度の実績を見たいところでございます。しかしながら、現時点で本年度の五十五年度予算を踏まえ、またことしの春闘相場を勘案しながら五十五年度、五十六年度の収支均衡率を仮に算出してみますと、千分の八十四程度となるわけでございます。ただ、今年度に入って医療費が非常に高目に推移しておりますので、結論的には八十五に近い料率が今後見込まれる可能性もないとはいたしません。いずれにいたしましても、予算編成時までにはより的確な所要料率を算出するようにしたいと思っております。 なお、いま申し上げました千分の八十四、これには四十九年度から五十四年度までの累積赤字、これを解消するということに相なったわけでございますが、この料率は含まれておりません。 また、医療費の改定、それから保険外負担の解消、これに伴う給付費増についてはカウントされておりません。
○安恒良一君 まず私は、いま私の手元に届けられておりますところのいわゆる政府管掌健康保険の収支の見込みが、法律が通った後、通らない場合、現行の分と、こういうことでありますが、このいわゆる改正後の保険料収入の五十五、五十六年は千分の八十四と、こういうふうにこれは理解をしていいわけですか。——そこでお聞きをしたいんでありますが、私は当然衆議院修正を踏まえてと、こう言っているのは、衆議院では六年間で累積赤字を解消すると、こうなっていますから、そうしますとそれはどの程度要ることになるのか、これが一つと、それからこれもまた奇妙なことを言われたんですが、保険外負担のためにこういう加算をするということがきちっとこれまた衆議院で決まっているんですよね。それも入れてこれだけの負担になるということをお答え願わないと私は正確でないと思いますが、その点はいま言ったいわゆる六年間で累積赤字を解消する場合の保険料率の合計、それから率がどうなるか、それからいま一つは、いわゆる保険外負担の解消にあれだけのことがはっきり出ているわけですから、当然これは、それは料率には関係しないんだと、あの程度の数字なら料率に関係しないんだと、それならそれでいいし、料率に関係するならば保険料率が幾らになるかということをまず——一でないと、それらを含めて国民は自分の負担が幾らになるかと、こういうことがわかるわけですから、二回も同じことを聞かぬでいいようにきちりと答えてください。
○政府委員(吉江恵昭君) まず、累積赤字の償還についてでございますが、この償還の方法にはいろいろあるわけでございます。各年度定率で償還していくやり方、あるいは各年度元利償還でやっていくやり方というようにあるわけでございますが、これを六年で解消するというようにいたしますと、六年均等に同額ずつ返すということにいたしますと、五十六年度から六十五年度まで毎年三百六十億円ずつ償還になります。 それから、このために必要な保険料率は、毎年一%程度でございます。(「違う違う」と呼ぶ者あり)——千分の一でございます。保険料率は。
○安恒良一君 前厚生大臣から御注意をいただいて気づくようでは困りますね。 そこで、私はまずちょっとお聞きをしておきたいんですが、保険料率を千分の一上げますと、大体二百九十億というふうに理解をしていいでしょうか。
○政府委員(吉江恵昭君) 昭和五十五年度のベースではさようでございます。
○安恒良一君 そうしますと、いまこれは大臣きちっとお聞き願っておかなきゃならぬのですが、数字が食い違うとこれは大変なことになりますから、まず医療費のことはちょっとさておきまして、医療費を除いて大体いろいろうわさされておりますところの保険料率は、いわゆる累積赤字を六年間で元利均等払いでやるということを前提にして千分の一要ると、そういたしますと保険料率は千分の八十四プラス一、だから千分の八十五と、こういうふうに承っておっていいでしょうか。これは後ですぐ出ることですから、それが一%違えば大きく違いますから。というのは、国民にいよいよ衆議院でこの法案が審議されるに当たって、大体おれたちはこのぐらい負担になるんだなと、この法律が通れば、ということですから、ここのところはかなりやっぱり正確にしておかなきゃいけませんので、ひとつそういう点についてお聞きをしたいと思うんですが、どうですか。
○政府委員(吉江恵昭君) ちょっとその前に申し上げなければなりませんが、累積赤字の償還方法、これは六年でやるというようなことになっておるわけでございますが、これをどのように現実に償還していくかということは今後の検討課題でございますので、いま申し上げましたこと及び先生の御指摘のことをフィックスして考えていただきますと、後で事態が食い違うことがありますが、仮に千分の一と、保険料率償還のための料率を千分の一といたしますとさようなことに相なるわけでございます。
○安恒良一君 これは議事進行についてはっきりしてもらいたいんですがね、もうこの段階に来まして、仮に元利均等でいくとか、いわゆる方法は二つしかないんですよね、定額制でいくか、定率制でいくかしかないんですよ。それをまだ、この場合はこうなる、あの場合はこうなるでは困るわけです。少なくともい私は保険料率についてはもうはっきり態度を決められて、方法は二つしかないんですから、三つも四つもあるわけじゃないんですよ。定率でいくのか、定額でいくのかということだと思うんです。そうしないと、いま私が聞いたら、いや元利均等償還でいくと千分の一になるけれども、ほかの方法をとるとまた変わるということになると、これは何ぼになるかわからぬまま、また次の議論をしろということなんですよ。そんなことはできません。やはり、少なくとも保険料率はいわゆる償還を含めて大体このくらいになると、もちろんいまあなたが言われたように、医療費の伸びとか、それから若干の賃金の動向ということはあって、少しのあれはあるかもわかりませんけれども、おおむねこれぐらいにはきちっとなるんだということを国民にやっぱり明らかにしてもらいたいんです。そのことは大臣どうですか。そうしないと、これここでまた御相談願うということになりますから、どうするんですか。それともこの点は保留して後で答えていただけますか。私はそこのところを、時間がないんですから、少なくとも審議するときにそれぐらいのことはもう前もって私から通告して、きのうの夜中の十二時まで、私の家に資料を持ってくるぐらい準備しているんですからね、それぐらいのことの答えがあいまいでは私はどうにもなりません、ひとつこの点について。
○政府委員(吉江恵昭君) 繰り返しになってまことに恐縮でございますが、毎年度定額で元利均等で返す、あるいは毎年度一定率で返すということのほかに、実をいいますと、たとえばでございますね、六年の初めのころにはやや軽く返し、終わりごろに厚く返すという方法もございます。ここら辺のところは今後関係先と十分協議して、国民の急激な負担増をもたらさないような方法を考えてまいりたいというように考えております。しかしながら、最大限度千分の一以内というように考えております。
○安恒良一君 大臣答弁してください。あんなあいまいなことじゃ困ります。大臣答弁してください、どうしようとされてるんですか、あなたは。こういう方法もある、ああいう方法もあると。私は、常識的に言うと元利か、いわゆる定率法か定額法か、それはそれでありましょう。ばあっと前に返さして、後でゆっくり返すものもあれば、最初はほとんど返さないで後でと。しかしこういう方法もある、ああいう方法もあるじゃ困るんですよ。少なくともこれを審議するに当たってどのくらいの率が合計で要るかということをわからないままここで議論しろというのは困ります。そして、それに答弁に困るのだったら、委員長、この点は保留さしてください。こんなことでまただらだらしておったら私はどうにもなりません。質問項目は十何項目あるのに、こんなことでだらだらだらだらされておったら困ります。
○国務大臣(園田直君) ごもっともでございますので、なるべく早く本年度の見通しは決めたいと思いますが……
○安恒良一君 え、何ですか。
○国務大臣(園田直君) なるべく早く的確な数字を決めたいと思いますが、千分の一以内に抑える所存でございます。
○安恒良一君 それでは、ここだけで時間とってはいけませんから、私はこの問題については質問を保留しておきまして、できるだけ早くひとついまのところを、償還方法ぐらいはもう決められて、そして合わせてこれだけになると。というのは、本案をこれからずっと審議をしていって結論を出すまでの間に、適切な時期にひとつこの点についてはぜひ明らかにしていただきたいということを言って、この点は保留さしていただきます。 次に参りますが、そこで今度は、問題になるのは、いわゆる医療費を上げた場合にどうなるかということがこうくるわけです。そこで、幸い総理は健康保険法の改正が行われても当分の間は医療費を引き上げるつもりはない、こう答弁をされました。 そこで私は、当分の間というのは社会通念から言って少なくとも向こう一年ぐらいは上げない、こういうふうに解釈をいたしますが、そういう解釈でいいのでしょうか。これは、ぜひ大臣から総理の真意をひとつお聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 医療費の改定は、本会議でもそうでございましたが、委員会でもしばしば私に聞かれたところでございます。私の委員会における答弁は非常に微妙な表現を使っておりますが、少なくとも本会議で総理が言われた当面というのは、一年間という意味ではないと解釈をしていただきたいと存じます。
○安恒良一君 一年間ではないというと、じゃこれもどの程度でお考えか。たとえば一つの例を言いますと、五十五年度というのは来年の三月までなんですよね。だから、五十五年度は上げない、五十六年度は上げるというお考えなのか。というのは、これは後から議論していきますが、これ医療費にまたすぐ響くわけですよ。すぐ響くわけですから、そうしますと、当分——一年も上げないとおっしゃるならば私はこの問題についてとれ以上ここで追及する気はありません。というのは、そこまで保険料率のことを心配してやる必要はないんです。しかし、あなたがおっしゃったように、いや、一年ということじゃないんだ、こういうことになりますと、大体いつごろなのかということ、それから、その場合に保険料率にはどういう影響を与えるのか、これをまた議論しなきゃなりませんから、まず前段の大体いつごろなのか、大体ですよ。それを聞かしてください。
○国務大臣(園田直君) この問題は、質問される安恒先生から言えばこれまたきわめて大事でありますが、答弁する私にとりましても、本予算その他の問題等がありまして、政治的な配慮を十分しなきゃならぬ問題でございます。しかし、せっかくの御質問でございますからいいかげんな答弁はできませんが、せめて本年度はやるつもりはない、こういうふうに、これで御勘弁を願いたいと思います。
○安恒良一君 本年度というのは五十五年度という意味ですね。以内ですか、十二月という意味ですか。本年度というのは、私は、いわゆる三月末までは本年度、こういうわけですね。そこはどうですか。
○国務大臣(園田直君) そのとおりでございます。
○安恒良一君 はい、わかりました。 そうすると、厚生大臣は三月まではやらぬ、こういうことを言われました。そこで私はお聞きをしたいんでありますが、それならば、場合によれば四月以降には上げることがあり得る、こういうことでございますので、そういたしますと、医療費改定に要する——一%医療費を上げたらどれだけのお金が要るでしょうか。医療費を一%上げるとどれだけ要るでしょうか。
○政府委員(吉江恵昭君) 医療費一%アップに対して保険料率は千分の〇・八というように考えております。千分の〇・八、医療費一%に対して。
○安恒良一君 いや、私が聞いておりますのは、大体医療費一%上げると、たとえば保険料率を千分の一上げますと、五十五年度ベースで約二百九十億要ると言われましたね。 そこで、今度は、医療費を改定する所要額は、いま一%上げると幾らの金額になって、それがいわゆる保険料率に引き直すと幾らか、こういうことを聞いているわけです。
○政府委員(吉江恵昭君) 五十五年度で一%アップになりますと二百三十億円でございます。医療費一%。それで、それを保険料率に換算しますと約千分の〇・八ということに相なります。
○安恒良一君 そういたしますと、私はこの点についてまずお聞きしなきゃならぬのでありますが、医療費を一%上げると〇・八上がると。まあ幾ら上げるかということはなかなかあれでしょうが、医療費にはいままでは一つの算定の方式的なものがありまして、私も長年中医協でお世話になったわけでありますが、医業経営実態調査に基づいてその後のいわゆる物件費、人件費の増等もそれぞれのウエートにかけていく、こういうやり方をしまして、問題は自然増がありますから、その自然増をどのくらい見込むかということで過去にいつも計算しておりました。そういう方法で計算したら——なぜかというと、すでに三年間据え置きになっておりますから、大体どの程度になるでしょうか。
○政府委員(大和田潔君) 先生のお話は、四十九年度以降の医療費改定につきましてとられている、それまではとられてないわけであります。昭和四十九年度以降、そういった形のものをとられておるわけでございますが、ただこれにつきましては、言うならば、当面そういうような計算方式でやられているか、ルール化というわけではないと思いますが、一応そういうような計算でいきますと、なお自然増あるいは薬価の改定等にいろいろ影響を受けるわけでございますけれども、そういう計算方式をとりまして計算いたしますと、まだ厳密な計算はいたしておりませんけれども、十数%というのが出てまいるわけでありますが、先ほど申しましたように、自然増をどう見込むかとか、あるいは薬価基準の改定といったようなもの、そういったようなものがいろいろ絡み合いますわけでございますが、一応十数%といったような数字が出てくるわけでございます。
○安恒良一君 まあこれはあくまでも仮定の数字でありますから、私は、十数%上げろなんて言っているわけじゃありませんが、あなたの言われたような設定のもとにやると十数%、そうしますと、それに一%が〇・八でありますから、保険料率が、たとえばいま大臣がおっしゃったように、五十六年度のしかるべきところで改正をされたら、いまあなたたちがおっしゃいました千分の八五プラス——いわゆる償却方法はこれから結論出されますが、プラス一、そうすると八五、八四プラス一、それにプラス——またたとえば十数%と言われますが、一〇%と仮定しましても、そうすると保険料率はさらに八%上がると、こういうことになりますか、そこの場合はどうですか。
○政府委員(大和田潔君) 先ほども触れましたように、自然増をどう見るか、これは自然増につきましてはどのような差っ引きをするかというような問題になるわけでございます。また、薬価基準の改定という問題も、どの程度薬価基準の改定というものがそこに織り込まれるかというような問題もございますので、いろいろな不確定要素があるということでございます。したがいまして、先生おっしゃいましたような数字につきまして、これを計算するわけにはなかなかまいらぬと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○安恒良一君 それでは、私はここで医療費問題についてさらに大臣にお聞きしたいんでありますが、どうも五十五年度、来年の三月までは医療費を上げない、来年の四月以降になると医療費を上げなきゃならぬだろうということでありまして、どうも、これは鈴木総理が言われましたいわゆる当面というのが、どうも私ば当面というのは半年などというふうには考えないんですが、このことはここであなたと論争してもどうにもならぬわけですね。鈴木さんが言われたことですから、これはあなたと論争しても……。問題点を残しておきます。これはまたいずれ聞かなきゃならぬと思います。 そこで問題は、医療費の伸びが、いわゆる医療費を改定して以降どうなっているのかと、ひとつ医療費の伸びを言ってください。
○政府委員(大和田潔君) 医療費改定後、これは一日当たり金額の伸び率、自然増で申し上げますが、五十三年度これが、本人の政管六・八%の伸び、家族は七・六でございます。それから五十四年度は、本人七・五%、家族八・〇%、それから国保につきましては、五十三年度の伸びが八・三、五十四年度が八・八と、このような伸びになっております。
○安恒良一君 いや、私がこの前もらいました医療費対前年度伸び率というのは、五十三年度は一六・九%、それから五十四年度は、共済が入っていませんが一〇・七%、それから五十五年度は、これも共済が入っておりません、組合管掌が入っておりませんが、大体月々見ますと、四月が一六・一、五月が一〇・四、六月が一一・五、七月が一四・八、八月が一〇・七、こういう資料を医療費の対前年伸び率を持ってこいと言ったときにおたくからいただいたんですが、これは間違いありませんか。
○政府委員(大和田潔君) ただいま私が申し上げましたのは、いわゆる自然増という金額を申し上げたわけでございますが、先生おっしゃいましたのは、これは医療費の改定部分を含みまして計算いたしましたのは先生のおっしゃいました数字でございます。
○安恒良一君 そこで大臣、これからが問題になるんですがね、まあ五十三年度は医療費改定をやっていますから、ある程度上がるのはわかるんですが、五十四年度は医療費改定全然やってないんです。ところが一〇・七伸びているんですね。それから五十五年度は医療費の改定は全然やっていないんです。ところが依然として二けたで伸びているわけです。だから、私は少なくともこの医療費の引き上げというのは、経済成長率それから物価、賃金の上昇など、それから国民所得の伸びなどの経済指標と無関係にこの医療費が伸びていくというのは問題がありはしないか、やっぱり一定の経済指標に基づいて引き上げが行われる、こういうルールをつくるべきだというふうに思います。諸外国においてもいわゆるこの医療費の伸びについては大変な悩みを持っておりまして、いま各委員のお手元に配っていただいているような主要諸国の医療費抑制政策、これは厚生省から出していただいた主要諸国がどんなことをやっているかということで、時間がありませんから読み上げませんが、西ドイツ以下各国はいろいろやっている。 ところが、わが国だけはこの医療費の肥大化に対する抑制政策というのが何らとられない。ここにこの問題があると思いますから、そこで私は提案をしたいのでありますが、何の経済指標がいいかということになりますと、やはり西ドイツ等が一九七七年以降法律によって、医療費を引き上げる場合は予想される賃金の上昇の範囲内にとどめると、こういうルールをかなり厳格に守ってやっているようでありますが、今後、大臣は来年の四月以降になったら上げなきゃならぬと、こうおっしゃっていますから、そういう時期が来るだろう。その場合に私は、少なくともこの賃金の上昇と、一つは物価の上昇も反映いたしておりますし、それから国民所得の伸びもある程度私は反映していると思う。わが国の経済の成長率もある程度反映している。ある程度ですね、正確に反映していると私は言いません、力関係がありますから。しかしある程度これは反映していると。こういう面から言うと、私は今後医療費改定を行う場合には、賃金の上昇率よりも高い場合には医療費改定は行わない。なぜかというのは、自然増があるわけですから。そして医業経営実態調査に基づいて、医業所得が賃金の上昇以下の場合に限って賃金の上昇の範囲内でやると、こういう歯どめをかける政策をもう持たなければ、このままで賃金、物価、国民生産と無関係に医療費だけがどんどんどんどん二けたずつ伸びていく。たとえば今度この法律が成立いたしますと、保険料の上限を千分の九十一にするということになる時代が来るわけであります。そういたしますと、十万円の給料の人で九千百円の保険料を、労使折半でありますが、労使で出さなきゃならぬ。厚生年金、失業保険、税金等々考えてまいりますと、私はもう医療保険料率の負担の限界というものに来ていると思うんであります。そういう意味から言うと、わが国だけが野放しにこの医療費のいわゆる増加についてやっておくということについて、いろいろ諸外国の事例がありますから、特にわが国の場合にはいま申し上げたようなことでひとつやったらどうかと思いますが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(大和田潔君) ただいまの安恒先生の御意見でございますが、西独におきましては、御承知のように日本と違いまして、診療報酬につきましては総額契約というものをとっておる、そこで、賃金、物価の伸びに対します総額請負の伸びというものを規制することがテクニカルな意味で比較的可能である、ところが日本の場合は、御承知のようにそういったような制度でございませんので、なかなかいまおっしゃいましたような形の規制というものはむずかしいわけでございますが、中医協におきましていろいろそういう点につきましても御議論いただきまして、先生のおっしゃる趣旨が生かされるような形で持っていきたいと思いますが、当面は、指導、監査の強化あるいは審査の充実等の医療費適正化対策、これをできるだけ推進をすることによりまして、先生の御意見、御趣旨に沿うような形のものに持っていきたい、このように思っておる次第でございます。
○安恒良一君 いや、私は、指導、監査とか薬価の問題とか医療費を節約するため、それらの問題は、改めてまた、きょうの時間の中で一つ一つ議論しようと思っていますから、そんなことだけでは問題にならぬわけですよ。何らかのことを、たとえば西ドイツ方式をとらなけりゃどうするのかと、たとえばイギリスは登録人頭払い制でやっているし、イタリアも登録人頭払い制でやっている、それからフランスは、支払い方式は償還方式でやっている等々、各国が、あなた方に出していただいた資料を見ても、それぞれ医療費の支払い自体について肥大化をどう防ぐかということに十分な努力を払っているわけです。わが国の場合は、いつもあなたたちの答弁は、いや審査を厳重にしますとか、薬価をどうします。こういうことだけで、そんなことだけで、あなたたちから出されたこの資料でも、二けたずつの上昇は食いとめられてないじゃないですか、現実に。やはり依然として医療費を上げない年に二けた伸びているんですからね。医療費を上げない年に二けた伸びているわけです。ところが賃金二けた伸びていますか、伸びてないじゃないですか。物価も一けた以内におさまっているじゃないですか。国民総生産もせいぜい、経済七カ年計画から言うと、五%台でいっているじゃないですか。それなのに、なぜ医療費だけが二けたずつ伸びていくのかという問題だから、これについて大臣、何らかの対策をもう考えるところへ来ているでしょうと。単なる監査、指導をやるとか薬価をやるとか、それは一つの方法です。それはそれで後で議論します。しかし、それだけでは追っつかないんですよ。 ですから、経済成長が高度成長時代ともうさま変わりになって、日本全体が低経済成長になっているわけですから、経済が、ごろっと世の中が変わったら、変わったようにしなければ——それを旧態依然としていままでのような考え方だけでやるのでは、厚生大臣としても、また厚生官僚としても私は怠慢だと思うんですよ、怠慢だと。中医協と言うなら、じゃ中医協にどういうものを出すのか、中医協は、いまはいわゆる建議じゃなくて、諮問方式に変わっているんですから、諮問する場合に、じゃ医療費の支払いに歯どめをかけることについては、こういうことについて中医協でひとつ議論をしてもらいたいと、こう言うなら、私は一つの答えだと言うんです。中医協にかけて先生の御趣旨を何とかかんとかと言うだけ、それじゃだめなんですよ。諮問方式でありますから、じゃ次の中医協には必ずひとつこういうことについて御審議を願おうと思っているんだということなら、一つの答えですが、その点どうですか。
○政府委員(大和田潔君) 実は、まだそこまで明確なお答えができないのは非常に残念でございますが、やはり医療費改定につきまして御審議願います際につきましては、やはり先ほど申しました自然増の問題等につきまして十分御検討願うということで私どもは考えておるわけでございます。
○安恒良一君 答えになっていません。議事録を読み返してください。この前の五十二年の審議のときにもそういう答えをしているんです。それから、私は五十二年から国会議員になっていますが、その前にいろんな同僚議員が追及したときも、いま大和田さんあなたが答えたことと似たり寄ったりのことを大臣答えているんですよ。そんなことで行政はいいんでしょうか、大臣。五十二年の十一月から十二月に健康保険法の問題ここで大議論して上げました。そのときの議事録、そのときの大臣が答えたこと、いろいろひとつ、これだけ私はやっている時間がないからあれしているんですがね、私はいまのようなことでは答えになっていません。明確にどうするのかというのを答えてください。当時の議事録を読み返してください。当時厚生大臣がどう答えたか、当時保険局長がどう答えたかということを、いま事務次官になっておられますが、それを読み返して言わないと、また五十二年の秋と同じことを言ったって答えにならないんですよ。大臣どうですか、そこ。
○国務大臣(園田直君) 中医協に長い間おられて非常に知識が広い上に、質問が名人芸でございますので、だんだん答弁が追い込まれていくわけでありますが、率直に申しますと医療費改定の問題も安恒先生の御意見は私もほぼ推察できます。三年半たっている、やらぬのか、当面やりません、それじゃ一年間はやるな、こうおっしゃいますけれども、腹の中では私と同じようなことを考えられている、いままでの答弁で私は大体その時期までも判断つくような答弁をしたわけでありますが、いまの問題も間違いなしに経済、環境の変化、特に賃金の伸び、それと医療費の伸びというものが無関係にいままでやってきたことは事実であります。したがいましてこれを歯どめをやろうと、こうなれば、いまの出来高払いが悪いと、こういうことになるわけでありますが、いずれにいたしましても、いまの低経済成長の中で、賃金の伸びと医療費の伸びとそれから経済成長というものを考えながら、医療費の改定を行わなきゃならぬことは事実であります。しかしながら、それもただ大臣の政治的な判断だけではだめでありまして、いまおっしゃいますような出来高払いは、なかなか定着した問題をいじることは困難であるが、これを将来どのようにやるか、あるいはとりあえず出来高払いの中でどのようにすれば賃金上昇内で抑えることができるか、こういう問題は中医協その他にも相談して考えなければならぬ時期に来たと私も考えております。
○安恒良一君 私は、大臣、重ねてここ強調しておきたいんですが、日本のお医者さんの一人当たりの所得と労働者の所得、戦前と戦後をお比較願いたいと思う。それから諸外国における医者の一人当たりの所得と日本の所得をお比較願いたいと思う。そうしますと、日本の医者の所得が低い場合には私は必ずしも賃金とリンクする必要はないと思う。しかし今日、これは渡辺現在の大蔵大臣がお書きになっている本、ここに持っておりますが、その中にも、日本の医者の所得というのはもう世界で一、二だと大蔵大臣みずからがお書きになっているんです。これは間違った数字じゃないと思いますよ、渡辺大蔵大臣のは。それだけ高い所得にもう達しているんです。達しているのにもかかわらずに医療費だけは、医療費を引き上げない年でも二けたずつ伸びていくという、そして、労働者の賃金とか国民所得とお医者の所得がますます乖離を高めていくという現象について、厚生行政が責められるとこの次はやります。この次は中医協にかけますということだけで大臣いいのでしょうか。現実の数字をごらんくださいよ。私はお医者さんはお医者さんにふさわしい所得というのは保障しなきゃならぬと思います。人間の生命と健康を預かる仕事ですから。しかし特権階級であってはいけないと思うんだ、特権階級であっては。すでに渡辺さんがお書きになっている本でも、明らかに日本の医者の所得は諸外国に比べて非常に一、二を争うところにきていると、こうお書きになっているんです。こういう点について、重ねていま一遍あなたのお考えを聞かしてください。
○国務大臣(園田直君) 私もそのような考え方で、基本的には考えて進めていくつもりでございます。
○安恒良一君 それではこの問題は、まあそういう考えで大臣は今度こそはきちっと問題の解決に努力をすると、こういうお約束をされたと思いまして、ここの問題はこの辺にしておきます。 そこで次は、前に戻りまして国庫連動の問題についてお聞きをしたいと思いますが、いままでは、大臣も御承知のように健康保険料率一%上がれば〇・八が連動しておったわけですね。今回は、当分の間はそのままにしておこう、こういうことなんですから、これは非常に重要な問題です。それはなぜかというと、御承知のように、政府管掌健康保険というのは家族を含めますと約一千七百万の中小零細企業で働いている労働者の健康保険であります。でありますから、率直なことを言って体質的に財政基盤が非常に弱い。でありますから、これはたとえば保険料収入、それから給付、両面から脆弱であります。そこで、社会保障的な立場から政府が一定の財政負担をするのは私は当然だと思います。こういうことから、まず四十八年に保険料に弾力条項が導入され、同時に定率国庫補助制度が設けられ、国庫負担に保険料との連動規定が導入されたわけでありますが、このときの立法の趣旨はどうだったんでしょうか、それを聞かせてください。
○政府委員(大和田潔君) 当時の国会審議等から見ますと、この立法の趣旨につきましては、保険料率の弾力規定の発動によりまして保険料率の引き上げを行いました場合は、被保険者及び事業主の負担増を招くことになりますが、このような場合には国においても一〇%、当時の定率国庫補助は一〇%であったわけでありますが、一〇%の定率国庫補助に加えて一定の範囲内で応分の負担をするというのがこのときの趣旨であったわけでございます。
○安恒良一君 これ、答えになってませんね。あなたはその当時の立法の趣旨を、当時齋藤邦吉さんが厚生大臣ですが、提案説明されたのを読まれましたか。読んで答えてください。
○政府委員(大和田潔君) この四十八年六月十五日の衆議院の社会労働委員会におきます大臣答弁を読ましていただきますと、これは「今後は三者三泣き的と私は言ったのですが」云々、こういうような言い方をしておられます。三者三泣きとは言えなかったというのは、額が三者若干違いますので三者三泣きではないわけでございますが、三者三泣き的、こういうふうに申し上げたい、こういうふうな発言をしておられます。
○安恒良一君 そうしますと、私がお聞きしたのは、そういう立法の趣旨が、ここに私は議事録を持っておりますが、いわゆるこの、今後の保険料の増額の際は三者三泣き、すなわち一%という保険料はどのくらいかというと百十億ですから、労使が五十五億、その五十五億負担していただくときに国は大体四十億ぐらい負担を出しましょうということです。制度的には非常に画期的なものである、このように私は考えておる次第であります。こう言って厚生大臣は答弁をされているのでありますが、そのことは間違いありませんか。
○政府委員(大和田潔君) 間違いございません。
○安恒良一君 そうしますと、これから今度大臣に聞かなきゃいかぬですね。 いま言われたように、非常に財政基盤も弱い中小零細企業の労働者のところだ、だから保険料率をこれからふやしていくについては、お互いに三者三泣きで、国もお金出しましょう、事業主も労働者も被保険者も出してください、こういうことで今日までこれ一貫してやってきたわけですよね。ところが今回、突如としてその三者三泣きの、国だけはお金出せません、あなたたちだけお金を出しなさい、こういうことなんですよ、今回のやつは。労使、あなたたちだけはお金を上げるようにしなさいと、これで大臣いいんでしょうか、そんなことで。この立法の趣旨は、いま申し上げたとおりに、三者三泣きということの精神でやりますから、ぜひひとつ——それまでは保険料率はその都度国会で決めておったわけです。何%を何%に上げると。それをそのかわりそういうことを省略しまして、上限を連動条項を設けて、そのかわり連動条項を発動する場合には一%に対して〇・八%、これは最後参議院修正で〇・八になったんですが、そういうことがきちっと決まって今日まで運営されてきたのに、今回は、現在の千分の八十を千分の九十一まで上げる余地は認めてください、ただし千分の八十から、いまのあなたたちの御議論聞いていますと、大体当面医療費を上げなければ千分の八十五で賄い得るというふうに言われていますが、その千分の八十五にはすぐこの法律が通るとなるわけですね。なったときに連動条項は一切なしと、これじゃ立法、これをつくったときの三者三泣きの精神はどこに行ったかということになりますが、どうでしょうか。
○国務大臣(園田直君) いまの連動条項に対する齋藤当時の厚生大臣の説明は、私も数回拝見をいたしました。今度、国庫補助とそれから保険の料率について衆議院において修正を受けたものでありますが、これはすなわち、国庫補助率についてはおっしゃいましたとおり一六・四%から二〇%までの余地があった政府原案はそのまま認めていただいて、かつ国庫補助率は当分の間一六・四%にするとされた経緯については、これは政府の考えではなくて修正を願ったことでございますが、政府原案の国庫補助率の考え方は、自動的な連動でないにしろ、国の財政状況等を考慮して二〇%までの間で変更されるものであり、修正によって当面は一六・四%、当面は、という言葉を使っておるわけでありまして、固定されておりますが、将来財政状況が好転した場合にこれは検討されるべきものであると考え、保険料率が九一%の範囲内でできることにはなっておりますが、この点は御理解を願いたいと存じます。
○安恒良一君 大臣、御答弁くださるときに、政府はこう思っておったけれども衆議院でこう修正したと、こういうことになると、これはもう異例のことですが衆議院の修正者を呼ばなければなりませんが、私はやはり、すでに本会議並びに委員会で提案説明を政府原案、衆議院修正案はされておりますから、やはり答弁は一手で引き受けていただかないと、いま大臣の御発言のようなことになると、それじゃちょっと休憩して、すぐ衆議院からそこの面を説明する人を呼んできてもらわなければならぬことになります。どうですか、大臣、これからは、それらは修正を踏まえて私も質問しているんですから、大臣以下関係局長はその点は一手でお答え願わないと、いまさっき橋本さんここのところへちょっと来られておったんですが、傍聴席におられるかどうか知りませんが、橋本さんがいいのかだれか知りませんけれども、かわりの人に来ていただいて修正部分の真意について聞かなければならぬということになりますが、どういう運営になるでしょうか。
○国務大臣(園田直君) いまの御注意はしかと承りまして、衆議院で修正されたものであるからという逃げ方は今後いたしません。
○安恒良一君 それじゃ一手で引き受けていただけるということでありますから……。 そうしますと、大臣ね、私はどうしてもここのところをお聞きをしたいのは、衆議院のやりとりの中で、当分の間は弾力条項の発動が抑えられているのは、どうもあなたたちの御真意では政府が赤字公債を発行しなくなるときということで、大体昭和五十九年ですか、というようなことが答弁をされているようですね。そこで私は、衆議院でそういう答弁されていますから、そのことを重ねて聞こうとは思いませんが、この際、新しい提案をいたしますから、大臣ひとつぜひ御検討を願いたいと思います。何しろ三者三泣きで今日まで来たことは事実なんですよね。そのうちの一者はやめるとこうおっしゃっている、当面は。そのやめる理由は何かというと、国の財政が大変だからやめると、こういうことなんです。ところがこれやめますと、一番心配するのは、いままでは弾力条項というのを発動する場合には国の財政にもどんどん響いていったわけですね。一%上げれば〇・八上がるんですから、だから簡単になかなか弾力条項使えなかったんですがね。こういうふうになってまいりますと、もう国は腹が痛まぬから弾力条項が九十一あるからそこまで必要なら上げりゃいいじゃないかという思想にこれは大蔵省含めてなってくるわけですね。大蔵省というのは、——この点は後から大蔵大臣にここは来てもらうことにしていまして、いま大蔵大臣と連絡をとっていただいていますから、大蔵大臣質問はそこは私は保留します。後で大臣御出席いただけるそうですから。そうしますと、大蔵大臣にはそこのところを聞きたいと思っているんですが、とりあえず厚生大臣にお聞きをしておきたいと思うんですが、そんなことになってはいけないと思うんですね。 じゃ、どうすればいいのだろうかと。私は新しい解決策を提案をしたいと思うんです。ぜひ、これは即答じゃなくて結構ですから、大蔵大臣と厚生大臣の間で御協議いただきたい。そして、後日御返事いただきたいというのは、それならばあなたたちが連動を当分見送りたいと言うなら弾力条項も当分見送りになったらどうですか。とりあえず所要な保険料を計算いたしまして、そしてたとえばそれがいまの現行が千分の八十ということが八十五要るということになれば八十五を明らかに法律で明記をする。そうしてそれで足らなくなったときには改めて千分の八十五を千分の幾らにしてもらいたいということで法律改正をお出しになればいい。そうすると公平だと思うんですね。三者三泣きになる。三者三泣きの公平原則を、おれの方だけは手元が不如意だからちょっとおまえさんたちの方だけはとりあえず保険料を上げておってくれと、私の方は当分は見送らさせてくれと。これじゃこの立法の趣旨から言って三者三泣きにならぬ。そこで私は、これは衆議院では全然議論してなかったんですが、新しい提案として申し上げますが、それならば保険料率は正確に計算して、千分の八十五なら八十五でも結構ですよ、千分の八十五なら八十五に今回はすると。そうすると、千分の八十から八十五までの弾力条項については、大変残念ですが私はしゃあないと、今回は。しかし、千分の八十五で打ちどめ。それを変えるときには改めて法改正としてやると、こういう、昔に帰すなら全部昔に帰してもらわぬと、政府が出すところだけは政府財政が赤字だから当面は一六・四でしばらくおいてくれ、あなたたちだけは依然として、当面千分の八十五要るけれども、来年の四月以降になって医療費を上げたらまたそれは上がりますよと、四月以降ということで言われましたからね。そうするとまたそこを上げていきますよと、こういうことでは、大臣、余りにも行政としていけないんじゃないでしょうか。不公平じゃないでしょうか。その点について私はひとつぜひ、これは恐らく厚生省だけでは決まらぬことだと思います。決まらぬことだと思いますから後から大蔵大臣に御出席願って、大蔵大臣にもその点の御質問をいたしますが、そういう点についてひとつぜひお考えを願いたいと思いますが、どうでしょうか。——大臣に聞いています。これは政策的なことです。
○国務大臣(園田直君) 本案の修正については過去の経緯においてぎりぎりのところまで来ているわけでありますが、せっかくの御提案でありますから大蔵大臣と話しはいたします。
○安恒良一君 それならその点はぜひ大蔵大臣とお話し合いをお願いをしたい。私も後で大蔵大臣お見えになりましたら正確に真意が伝わるように、この点は大蔵大臣にごく短い時間に私の考え方を申し上げたいと、こう思っています。 それでは続いて次にまいります。次は、薬価問題についてお聞きをしたいと思います。この薬価問題は率直なことを申し上げまして、私は時間があれば、きょうはまたこの前のように現物給付、出来高払い制度の問題点を一つ一つやりたいのでありますが、なかなか時間がありませんし、やればまた保険局長立往生と、こういうことにこれはなりますから、このことは改めて時間があるときにやることにいたしまして、その中で、今日の医療費のむだ遣いの中の一つの大きい問題といたしまして、現在の薬価基準と実勢価格の乖離、これは非常に大きい問題であります。これをどういうふうにいま厚生省としては把握をされておりますか。これも細かく一つ一つ読み上げられたら困りますから、国立病院、公立病院の、国立病院の場合には大体何%ぐらい乖離がある、自治体病院においては何%ぐらい乖離がある。それから民間の場合にはどのぐらいの乖離があると、どういうふうにあなたたちは把握をされているのですか。資料はここにいただいておりますから資料の読み上げは結構ですから、乖離のパーセントだけひとり言ってみていただけませんか。
○政府委員(田中明夫君) 国立病院におきます医薬品の購入価格と薬価基準の乖離は、薬価基準に対して購入価格が約八〇%となっております。なお公立病院につきましては、これは自治体病院協議会の方からいただいた資料でございますが、いまの比率が六七%ということになっております。これは主要な医薬品についての統計でございます。
○安恒良一君 民間はどうなっていますか。
○政府委員(大和田潔君) いま、民間の調査につきましてはいま調べておりますが、ちょっと私の手元にございませんので後ほど御報告いたします。
○安恒良一君 それじゃ、この点も民間の分は保留いたします。これは私はそういうものもぜひ薬価問題議論するときに知りたいと、こういうことでありますから、民間分は保留をいたしまして、後でまた議論をさせていただきます。 そこで私は、私の手元にある資料で少し論争を進めたいと思いますが、自治体病院の場合にはいわゆるいまの逆数で言われましたが、薬価基準よりも大体三〇%から約四〇%安く買っていると、こう見ていいわけですね。それから国公立病院の場合には八〇という数字は約二割近くですね、薬価基準よりも安く買っていると、こういう読み方でいいわけですね、この資料は。
○政府委員(田中明夫君) そのとおりでございます。
○安恒良一君 そこで、民間のやつは後から厚生省がお出しになるそうですが、私はここに五十五年十月二十八日の読売新聞に関西の保険医団体の共同購入のリストが出ております。これは恐らく大臣も関係局長も見られていると思いますね、新聞で公になっている。これを見ますと、一番よけい使われる抗生物質とかそういうものの薬価基準との乖離が、ひどいのになると、時間がありませんから薬品名を一々読み上げませんが、八割も九割も安い、こういうことになっておって、これがいわゆる医療機関における薬剤の利ざやかせぎになっている。そしてこのことが薬づけ医療を助長するということで大きく報道されておりますが、この事実については、新聞の報道しました事実については御承知されていますか。
○政府委員(大和田潔君) 読売新聞のこの報道は承知してはおります。
○安恒良一君 承知されておる、私はこれは一つのいわゆる薬の値引きの実態を、民間における医療機関購入の実態をあらわしていると思います。ですから、大臣そこまでひとつ認識を統一していただきまして、そこでそんなことでいいんだろうかということにこれはなるわけですね。これが一つ。 それから第二番目に、主要諸国における医療費の中で薬剤費の占める割合について、ひとつ御説明をごく簡単にお願いします。
○政府委員(大和田潔君) いま数字は申し上げますけれども、主要国との比較につきましては、いろいろ分子分母の問題で違いがあるわけでございますけれども、しかし、それらを捨象いたしましても、たとえば主要国の薬剤費の比率を申し上げますと、一九七七年アメリカでは一〇・四%、フランスでは一九・一%、西ドイツでは一七・四%と。それで、日本におきましては、最近一九七九年の資料は三六%ということでございます。これは先ほど申しましたように、諸外国の薬剤費には入院の場合の薬剤費は含まれていないといったような、ただ、イタリアの場合は入院の場合を含んでおるわけでございますけれども、イタリアの場合は、私、先ほど申し落としましたが、一九七五年、これが三六%というかなり高額な高率な割合を占めておるわけでございますが、そのほかの、イタリア以外は入院の場合の薬剤費は含まれていないわけでございますが、それにいたしましても、日本の場合は諸外国の薬剤費の占める割合に比べますと、やはり高いと言わざるを得ないと思います。
○安恒良一君 これも大臣、私はもう当選以来薬価問題というのは大議論をしてきていまして、議事録読んでいただいていると思いますから、いま言われたことで、たとえば分子分母のところを日本を諸外国並みに直してもはるかに高いことは事実なんですよね、はるかに高い。でなければ、これは計算し直してもらわなきゃいけませんから、はるかに高いことは事実なんです。この事実の認識はいいですね。
○政府委員(大和田潔君) 高いことは事実でございます。
○安恒良一君 そこで大臣、御承知のように、薬価問題には二つの問題があるわけですね、二つというよりも根本的には一つですが。同じ医学の中で日本だけがヨーロッパ各国、アメリカに比べてたくさんの薬が使われる。そんな原因があるんだろうか。日本人だけが何か特殊な諸外国に見れぬような薬をたくさん使うような病気にかかったり、けがをしているのか、そんなこと私はないと思うんですね。それは若干、たとえばがんの発生率であるとか、脳溢血の発生率であるとか、そういうものが少し地域的な違いはありましても、そんなに病名や病気の発生状況によって日本が特段と諸外国に比べてたくさんの薬を使わなきゃならぬということは私は日本の医学上ではないと思いますが、その点は医務局長どうですか。私は医学部出ておりませんので、そこのところちょっと。
○政府委員(田中明夫君) 御指摘のとおり、疾病の種類等若干違いますので、そういう点はございましょうが、基本的に申しまして、諸外国と比べて日本の場合、患者に対する薬の量が違うということはないと考えます。
○安恒良一君 それで、これも時間がありませんが、各委員のお手元にいわゆる日本が皆保険になって以来、いかに製薬メーカーの生産する薬が多くふえているのか。それから、その中で代表的に使われる薬が日本とアメリカの場合に、たとえば抗生物質の製剤、たとえば日本では国民一人当たりに五千五百二十六円、アメリカは八百六十四円だと、こういうふうに日本におけるところのこの薬の乱用の資料は、いま委員各位のお手元に全部これはきのう要求して配っておいていただいていますから、これを一々議論している時間がございませんから、そういうこの資料についてはそれでいいですね、あなた方からお出しになった資料ですから。
○政府委員(山崎圭君) きのう御提出しました資料についてはそのとおりでございます。
○安恒良一君 大臣、そういうことで薬問題についていろいろ認識が、現状の認識は一致しました。そうしますとこれをどういうふうにしていくかということについて二つあるわけです。 一つは、私はこれももう時間がありませんから細かく申しませんが、しばしば薬価調査の方法についての改正についてお願いをしているわけですね。たとえば調査の時期が一カ月と言いながらわずか一週間ぐらいだ、ですからこの前厚生省が新しい調査方法をとられてすぐ、ある問屋がうその申告をしたということで問題になっていますね、これは。五十三年の調査ですか、たしか。ですから、私はやはり調査月を長くする問題とか、それから集計方法につきましても、現在のような九〇%バルクライン、これをいわゆる加重平均でやる、こういうことでテレスコープ方式とかオンライン方式とか、それからカットオフ、こういう中でそれぞれ長短のあるところをしてやはり過去には具体的数字を上げまして加重平均の方が正しく反映できるとか、それから大臣御承知のように、二対一の法則というものがありまして、こういうことをいまここでやる時間ありません。時間があれば全部一遍それを総ざらいしたいと思って準備をしたのでありますが、時間がありませんから。 そういう一つは薬価調査並びに集計方法の改善をやるべきだと思う。このことについても、私がこれを言いますと、それについて前向きに検討をしますと、こういうことにずっとなっているわけですよね。ところがこれまた依然として——ただ私がお願いした中で加えられたのは、いわゆる自計調査だけではだめだ、他計調査をやりなさい、経時調査をやりなさいということで、経時調査が取り入れられたことは事実ですね、これは率直なことを言って。しかしいま私が言ったような調査のやり方についての改善について、これも機会あるごとにとらえて、これは私だけでない、たとえば衆議院では草川昭三君がよくこの問題を取り上げていますし、各委員もそれぞれ薬価調査の方法についてはもう改善を加えるべきだと、こういっているんですね。ところがそうすると、それは中医協と、こう逃げるわけなんです。それなら中医協でそのことを最近どう議論してどう進行しているのか、そのことをちょっとまず聞かしていただきたい。いつの中医協にどういうことを投げかけて、どんな議論をいましているか、それを聞かしてください。
○政府委員(山崎圭君) 調査方法それ自体の問題については御指摘の点、十分私どもかみしめておりまして、御指摘されましたように、先般のいわゆる本調査、これの直前直後におきましては他計方式によります私どもの職員の特別調査をいわゆるサンドイッチ的にやった、それ以後経時変動調査を繰り返して、できる限り実態の把握に努めてまいっております。なお前段の調査方法についての調査機関の問題につきましても、調査客体の事務量というものを中心に、やむなく期間の短縮を一部について行っておりましたが、御指摘の点もさらに検討を進めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○安恒良一君 現在の調査方法は五十三年に改められておりますが、ところがその調査で万全であるというふうにあなたたちはお考えになっているのか、それはなぜか、その年の五月の調査で不正が摘発されているじゃないですか、五月の調査で不正が。ですから、私は現在の調査方法なり集計方法で万全であると考えられているのか、問題点を出したときには、その趣旨を踏まえてと、大臣、そう言うんですよ。ところがやらないんです。私が国会議員になって当選して以降、そういうふうに集計方法なり調査方法について、いま私も言いましたように、自計調査、他計調査が一部ちょっと入っただけで、やらないんですよ。中医協でも議論してないんですよ。たとえば中医協で議論してまだここまでですが、議論が進んでいますというのなら行政は意欲を持ってやったということになるんですが、私から質問されたときには、中医協で先生の御趣旨も踏まえて前向きに、これは大臣だけじゃないんですよ。担当局長もそう答えるんです。中野さんもそう答えていますね、議事録を見てください、そう答えている。また歴代の大臣も、渡辺大臣を初めみんなそう答えているんです。答えた以上は私はやっぱり中医協に諮問案をお出しにならにゃいかぬ。そこで、もう過去のことを追及しません。大臣どうですか、この調査方法を改めるために私は中医協にひとつこの点は近近諮問する、議論をしてもらうと、こういうことのお約束は大臣、いただけますか。
○政府委員(大和田潔君) ちょっとその前に一言。 当然薬価の算定方式につきましては中医協で御議論願うことでございますが、薬価調査自体は中医協ではなく厚生省プロパーでやるわけでございます。
○安恒良一君 私が言っているのは、今回は薬価調査のやり方は、いま言ったように薬価調査自体は大臣でできることは知っていますから、いま問題にしているのは調査方法、集計方法ですよね。ですから、調査方法、集計方法になるとあなたたちは中医協の議論と、こうお逃げになるわけですから、そこで大臣にお聞きしているのは、調査方法や集計方法を変えなきゃならぬという議論はもうたくさんしているんですから、それらを踏まえて近々の中医協に調査方法、集計方法を変えるということについての諮問をされるお考えをお持ちですかと、ぜひ持ってもらいたいと、こういうことを言っているんですが、どうですか、大臣。
○国務大臣(園田直君) 中医協に相談したいと思います。
○安恒良一君 次に、この問題は五十二年の薬価調査が行われて以来今日まで、国会でしばしば追及されています。いっその結果をやるのかと、こういうことについてしばしば行われていますが、今日までそれがおくれました原因について。それから、なぜ発表をされないのか、それを明確にしてください。
○政府委員(大和田潔君) 実は、ことしの九月に第六次の経時変動調査を開始したわけでございます。で、これは物価あるいは公共料金等の引き上げといったような物価変動要素もございまして、これらがどのように薬価に影響を与えておるかということをやはり一度この際把握しておかにゃならぬという、こういう判断に立ちまして第六次経時変動調査を行ったわけでございます。 それの、現在取りまとめを行っておるところでございますが、この結果がまだ出ておりません。算定中ということでございますので、そういうことでなお薬価改定の時期にはまだ間がある、そこまでは至っておらない、算定中だと、こういうことでございます。
○安恒良一君 おかしなことでね。 通常国会の中で、予算委員会の中でもこれは議論をされまして、非常に問題になったところなんですよ。そのときには第六次調査はやっていなかったはずですよ。そして発表の時期までやりとりは済んで、それがおくれているんですね。それをいま保険局長は第六次をやっているからそれがまとまるまで時間がかかると言って、そんな子供だましの答弁じゃ困るんですよ、専門家なんですから、私も。五十三年に薬価調査をやられたでしょう。そして、それがなぜ今日まで改定がおくれているのかと聞いているんです。それを一番後のところだけで第六次経時変動調査をいま実施中だ、だからこれが取りまとめに時間がかかっています。これじゃお答えにならないじゃないですか。 第六次をおやりになり出したのは九月、最近でしょう。しかしその前にこの問題は予算委員会の議論にもなっているんですね。そして国会が終了までとか、どうだこうだということが衆議院でかなり議論になって、当時の大臣はお約束になっておったんです。それがなぜ発表されないか、そのことを正直に言ってくださいよ。五十三年に調査して今日までだんだん延びた原因がどこにあるのかということは正直に言ってもらわぬと、それだけでは理由になりません。あなたが言ったように第六次経時調査をやったと、それをいま集計中です——それでは二つ聞きましょう。 まず前段のことで第六次経時調査の集計はいつできますか。またいつ発表しますか。私も素人じゃないんですからね。うそ言ったらすぐわかりますよ、やり方も全部知っているんですから。第六次経時調査はいつ集計が終わりますか、いつ発表しますか、これ聞かしてください。 それと同時に第二問は、今日までなぜおくれたのか、そのおくれた原因について正直に言ってくださいよ、正直に。
○政府委員(大和田潔君) 第六次経時変動調査の取りまとめは十一月いっぱいに薬務局で取りまとめまして、それで私どもの方へ参ります。で、問題はその第六次経時変動調査の結果によりまして先生御承知の薬価算定の補正作業、これがかなりかかるわけでございまして、これが十二月いっぱい、ことしいっぱいはどうしても薬価算定の補正作業にかかるということになるわけでございます。それが第六次経時変動による補正作業が終わりました段階が一応第六次経時変動調査の終わりということが言えるわけでございますが、その補正に基づきまして、これもう先生御承知のように、全品目の規格改定、薬価の再チェックであるとか、薬価改定率の算定であるとかいったような作業があるわけでございますが、とりあえずその第六次経時変動調査につきましては、十二月いっぱいでそれに基づく薬価算定の補正作業が終わると、こういうようなことでございます。 で、また第二の御質問でございますが、どうもこれは大変申しわけない、繰り返しになって大変申しわけないわけでございますが、確かに先生のおっしゃっておられるように、ことしの初めの国会でいろいろ議論されたことは事実でございます。その後、私ども薬価の価格につきまして検討する段階になりまして、やはり先ほどの繰り返しになって恐縮でございますけれども、公共料金等の価格の影響というものを見なきゃいかぬ、かような判断に立ったと言う以外に実はないわけでございまして、その結果、先生の御指摘のようなことはあるわけでございますけれども、第六次に踏み切った。したがいまして、第六次の結果を見て対処をするというような体制に相なっておると、かようなことでございます。
○安恒良一君 じゃ二つ聞きますが、第六次はいま言われたことで私が聞いたことは、そういう作業をやって、それでいつ薬価を下げるんですかと聞いてるんですよ、あなた。肝心のところ一つも答えぬじゃないですか。あなたはこうこう作業日程があるということは、いつ下げるんですかと聞いている。これは国民は、これだけの乖離があるんですから、薬価が下がることは保険財政に重大な影響を与えるんですよ、これは。だから私はいつ下げるんですかと、大臣聞いているんですよ。逃げてはいけないんです。答弁を、逃げては。 それから、第一問について私が聞いてるのはことしのことだけ聞いているわけじゃないんですよ。この調査は五十三年におやりになったでしょう。そして、集計までどのぐらいかかるかというのは、お互いに常識でわかっているんですよ。それをなぜ発表されなかったのか、そしてこの第六次までになったのか、その原因がどこにあるのかと聞いているんですよ。正直に言ってくださいよ。それは五十三年に調査して、なぜかというと、薬価は毎年一回実態調査をやって下げるものは下げる、上げるものは上げると、こういうことで運営をされてきているわけですよ、薬価調査の方法については。ですから、それが五十三年にやって集計が終わっても、なお発表されないで今日まで来ている理由について何があるかということを、私は正直に言ってもらいたい。この二つについてもう一遍お答えください。
○政府委員(大和田潔君) 第六次経時変動調査を終わりまして、その後いつ改定を行うかということにつきましては、実はまだ私申し上げられる段階ではないわけでございまして、やはり来年の春以降ということではないかと思うんでございますが、どうも具体的なことは明確には申し上げられる段階ではございません。 それから前段につきましては、どうも大変申しわけない、再々繰り返して申しわけないんでございますけれども、先ほどの御答弁を繰り返さざるを得ないのでございます。やはりその時点におきまして、もう一度薬価の変動、影響率というものを把握しなきゃならぬという、そういったことでございますので、どうぞひとつ御了承をいただきたいと思います。
○安恒良一君 了解できません。大臣、御答弁ください。作業は大体十二月でほぼ終わるとこう言っているんですよ、いろんなこと。それなのにこれだけ薬価問題というのは大きい問題になって、衆議院の予算委員会でもなって、薬価の引き下げというのは調査が終われば大臣がやれるんですよ。大臣がやれるんです。大臣の権限でやれるんですよ。中医協に一々諮らなきゃならぬことないんですよ。何%下げたいからどうしたい、こうしたいということじゃない、薬価を下げることだけですよ、下げることだけは大臣の権限でできるんですよ。そして、これだけ問題になって、五十三年にやったまま、そのままずうっと今日まできておるんですよ。そうすると、それだけ利ざやをかせいでいるんですよ、医療機関は、利ざやを。潜在技術料と呼んでいますが。そういうことが、しかも一方においては保険財政は赤字だと、だから健康保険料を上げなきゃならぬ。一部負担も上げてくれということを法律改正でしておきながら、一方、当然下げるべきものを下げないで今日まできて、いまなおこの法案を審議するときに、いつになって薬価を下げるかわからぬということでは審議ができません。大臣ここのところは官僚答弁ではだめです。あなたが所管大臣として、いわゆる薬価については第六次経時調査がいま言ったように終わる日程は担当局長が明らかにしたんですから。もごもご言っていましたわ、それはもごもご言うはずですよ、大きい問題ですから。こういうときこそ大臣が、あなたが所管大臣として、安恒さん私はこういうふうにしたいんだと、だからこの法案についてひとつ審議に協力をしてくれ、こういう話をきちっとしてください。
○政府委員(大和田潔君) ちょっと前に一言申し上げたいと思いますが。 第六次経変の結果、薬価算定の補正作業が十二月いっぱいとこう申し上げたわけでございます。その後実はいろいろな作業がございまして、薬価改定影響率の影響率表、この作成から薬価基準表の告示まではやっぱり約二月ばかりかかる。それから、やはりすぐ告示というわけにはいきませんで、それから一定の期間がかかるわけでございますので、そういった期間が、第六次経時変動調査が終わりました後でもかかるということだけを一言つけ加えさせていただきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 作業の総まとめができて薬務局から保険局に移って、それからその後の手段は御承知のとおりでありますから申し上げませんが、私の判断では今年度末か来年度初め、一日も早く改定したいと思いますが、いまのところの見当では今年度末か来年度初めごろになると存じます。
○安恒良一君 大臣、そこで大臣の所見を私は聞きたいのは、いろんなことをもぞもぞもぞもぞ言っているのは、いま言われたようなことについて、またたとえばきょう保険局長は、告示に時間がかかるというんです。どのくらいかかるかというのはお互いわかっているでしょう。いままで議論して知っているんです。それについても言わないで、何となく結果的にあなた大臣がおっしゃったように、どうも医療費の引き上げの時期と薬価の引き下げの時期を同じにしたいという気持ちなら気持ちをざっくばらんに言ったらどうですかと私は言っているんですよ、さっきから。なぜかというと、私は五十三年以降薬価が下げられるべきなのに、どうもあなたたちの中に医療費の引き上げと薬価の時期をそろえたい、こんなお気持ちが流れているから、次から次に時期を失してきているんじゃないですか。それは違うんだと、やっぱり薬価調査は薬価調査だと、医療費引き上げは医療費引き上げだと、こういう気持ちなら、このところを大臣はっきり答えてください。 私がさっきから盛んに正直に答えろと言うことは、そういうことも含めて聞いているんですよ。だから、あなたたちのお気持ちの中で、私は法律的に言って薬価調査を行って引き下げることと医療費を引き上げることが同一時点だとは思っておりません。思っておりませんが、慣行的にいままでやってきておったものだから、今回も実は、そういうこともあるのならあるとか、ないならないとか、正直にそこらのお気持ちを言われたらどうですか、まず。大臣、どうですか。
○国務大臣(園田直君) 御指摘のとおりに、薬価の改定と医療費の改定をつないでやることは考えてはおりません。なるべく早く薬価の改定を急がせる、そしてその上で次の問題を考える、こう考えております。
○安恒良一君 そういたしますと私は、いままで私がこのことを聞くと、中医協の昭和四十七年一月二十二日のいわゆる建議書を盾にとりまして、いままでの大臣や局長さんは、後段にこういうことが書いてある、「当分の間は薬価基準の引下げによって生ずる余裕を技術料を中心に上積みすることとしたいと考えている。」、こういう建議になっているわけですね。その前段には「厚生省は責任をもって従来ほぼ年に一回行なわれてきた薬価調査を毎年四月を調査月として実施するとともに、取引の実態の経時的変動を調査するなど実勢価格を常時把握することにより、薬価の適正化を図るべきである。」、こうして書いてあるわけですね。これをいままでは結びつけて——この建議は、私これに加わった一人ですから、起草した一人ですから——結びつけて、何となく大臣、いままで事務当局は薬価の引き下げと医療費の引き上げを同じ時期にやろうとしたところに今日まで延びてきたと思うんです。しかし大臣がいま明確に言われました。薬価の引き下げは引き下げだ、医療費の引き上げは引き上げだ、これはリンクしない、こういうことです。そこで、この点については私もその点は正しいと思いますから、このことについて確認をいたします。 まず、今回の改正の中で、衆議院修正の中で薬価調査を行うということが、修正というよりもまあ、一問一答の中で明らかになっていますね、これは。ですから、このことはそのことといたしまして、今後は医療費の改定と薬価基準の改定は両者を分離をして、医療費の改定あるなしにかかわらず、毎年薬価調査の結果を公表して、それに基づいて薬価基準を改定をしていく。これは上げるものは上げるし、下げるものは下げる、こういうことでよろしゅうございますか。
○政府委員(大和田潔君) ただいまの御質問でございますが、先ほど先生おっしゃいましたように、薬価改定と医療費改定との関連でございますけれども、先生がおっしゃいました四十七年の中医協の建議におきましては、当分の間は薬価の引き下げによって生ずる余裕を技術料を中心に振りかえるという建議が出されておりまして、その後の状況を見ますと四十七年から五十一年までの四回の改定のうち、・三回は振りかえておる。で、五十三年の改定は振りかえてはいない、こういうような経過になっておるわけでございます。したがいまして、これにつきましては、中医協におきましてこの四十七年の建議というものの取り扱いというものが一つ論議になろうかと思います。この点につきましては中医協の御意見を十分聞く必要はあろうかとは思いますが、先ほどの大臣の御答弁のように、十分前向きに検討していくということにいたしたいと思います。
○安恒良一君 事務当局の御答弁だけではあれですから、大臣、きわめて私は明確に言っているわけですね。薬価調査というのは毎年やると。そしてその結果を公表して薬価基準を改定をする。それから医療費というのは、これは毎年上げるわけじゃないんですから、だからこれとは分離をする。それは医療費改定の年と薬価引き下げの年が一致すれば同じ時期にあることも私は物理的にはあり得ると思いますよ。しかし、基本的には医療費の改定と薬価基準の改定はこれは分離をして、薬価調査は毎年やって、その結果を公表してこれは薬価基準に反映をしていく、こういうことについてひとつ大臣のお約束をお願いしたい。もちろん、それについて手続関係が要るならば、それは御相談されるところはされていいんですが、これはやっぱり大臣の権限でできることなんですから、薬価調査をやって、その結果下げることはどこにも大臣お気がねは要らぬわけですから、どうですか、その点、大臣の御決意をここでひとつ。
○国務大臣(園田直君) いま御発言のとおりにいたしまして、薬価の改定は毎年一回行う、こういう方向で検討いたします。
○安恒良一君 まあ、検討いたしますという言葉を言われると、私は大臣のお人柄知らぬわけじゃありませんから余り疑いたくないんですが、検討という言葉は非常にうまい言葉で、検討した結果だめだったと言われても、後で困っちゃうんですよ。だからもう少し大臣お気持ちをはっきり言うてください、後であいまいさを残してはいけませんから。
○国務大臣(園田直君) 実施するという方法を検討すると、こういう意味でありますから、やるかやらぬかを検討するという意味ではございません。
○安恒良一君 それでは実施をする。というのは、方法というのは薬価調査の方法なのかもわかりませんが、いま聞いていることは、集計方法とか調査の時期とかいう、こういう技術論をのけて薬価は毎年一回必ず調査する。そして、それに基づいてこれは改正すると、そして従来はともすれば法的な根拠がなかったんですが、医療費の引き上げと同じ時期にやろうとされたことについては、今後はもう大臣情勢が変わっているわけですよ、情勢が。昔はインフレが激しいときには医療費も年に一回引き上げたんです。そのかわり薬価調査もやったわけです。ところが、いまや経済情勢はおのずからもう変わっておりますから、そこでやはり私が言っておることは、薬価だけは、これだけは国民の関心になっておりますから毎年きちっと調査をして、そしていわゆる改定をすると、それから調査方法、集計方法は、これは私が提起したことについて前向きに御検討願うということですから、それは検討してもらって結構ですが、やるということだけはきちっとしていただきたいと思いますが、大臣どうでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 御意見を聞く場所もありますけれども、私は年に一回の改定はやりますと、こういうことでございます。
○安恒良一君 それでは薬価問題はこの辺で終わりまして、次は、今度は老人健康保険制度の設定問題についてお聞きをいたします。 これはなぜかといいますと、政府がいま設立を目指されています。また前回の改正のときに渡辺厚生大臣が十四項目の約束をされました。その中で老人保健医療制度の早期設立をお約束くださいまして、渡辺さんの後の小沢厚生大臣は、遅くとも五十五年一月と、こういうことを本委員会の質疑で答弁をされて明らかになっておることは事実であります。いずれも、これは歴代厚生大臣の公約違反でありますが、そのことはさておきまして、いま老人保健医療について社会保障制度審議会で御議論くださっていることは承知をいたしております。 そこで、私はこの点で大臣にここを明らかにしてもらいたいと思っておりますのは、まず現在の日本の医療費の中で、いわゆる七十歳以上の老人の医療費に使っている総額が幾らなのか。それから七十歳以上のお年寄りが人口の中に占める割合は何%なのか。このことをひとつ。
○政府委員(吉原健二君) 昭和五十五年度で推計をいたしまして、現在七十歳以上の老人医療費の額は約二兆三千億円でございます。総医療費が約十二兆円でございますから、それに対する割合は約一九%になるわけでございます。 それから、もう一つの御質問の七十歳以上の人口でございますけれども、現在老人医療費の対象になっております。十歳以上の者が五十五年度で五百八十万人でございます。総人口に対して約五・五%の割合になっております。
○安恒良一君 大臣、いまの現状御認識いただいたと思いますが、約十二兆の中で七十歳以上の老人医療制度に使っているお金が約二兆三千億、比率で言いますと十数%ですね。ところが、これから人口の急速な老齢化が進みますね。そうすると、老人人口が幾らふえるか、これはもういま時間がありませんから、ここでまた十年後二十年後はもうお互いが認識できていますからやめます。そうしますと、この老人の医療費というのがますます大きくなってまいりますね。まだいまのところ二〇%ちょっと切っていると言いますが、私どもの推計でまいりますと、現在のような支払い方式のままで老人人口の老齢化が進みますと、二十年なら二十年後に総医療費の中で占める老人医療の割合というのは四〇%近くなるんじゃないかという心配を実はしています。そこで、しかしながら私は老人保健医療制度というのは、どうしても早期につくらなきゃならぬと思います。早期につくらなきゃならぬ。いわゆる若いとき一生懸命わが国の発展のために寄与をされて、お年寄りになって所得が極端に減る、しかも罹病率は若い人の五倍、しかも複合的な病気になる。そういう方々が安心をしてかかれる医療制度というものは、当然わが国の高齢化対策の中の重要な柱だと思います。だから、私はそういうことに必要なお金が要るならば、これは当然そのお金を考えていかなきゃならぬと思います。 そのことは大前提でありますが、しかし、少なくとも私はここで大臣にお聞きをしたいことは、現在の診療報酬は出来高払い制度で行われています。これが医療費を著しく増大させていることは当然なことでありまして、これを早急に改革をしなきゃならぬ段階にあるということは前段の議論で大臣御理解がいただけると思うのでありますが、ところが、老人医療制度に再度その支払い方式を適用しようとしているのではないかと思います。ですから、ここで大臣にまずお聞きしたいことは、まあ諮問をされておりますが、支払い方式は何をお考えになっているのか、どうも本会議答弁を承りますと、老人医療制度についても現在の現物給付、出来高払い制度を支払い方式としてやろうというふうにされているように思いますが、そこのところのお考えをお聞かせください。
○政府委員(吉原健二君) 先生御承知のとおり、現在の社会保険でとっております出来高払い方式という支払い方式は、もう数十年にわたりましてわが国に定着して実施されてきた方式でございまして、新しい老人保健医療制度についてどんな支払い方式をとるかについていろんな考え方、議論があることは承知をしておりますけれども、出来高払いの支払い方式というその基本というものを改めるということはなかなか老人医療制度においてもむずかしいのではないかというふうに思っているわけでございます。ただ、出来高払い方式にいろんな問題があるということは私ども十分承知をしておりますし、老人医療には老人医療の特性がある、老人の心身の特性というものがございますので、そういったものを十分考慮した老人の特性にふさわしい診療報酬なり支払い方式というものを考えていかなければならないと、こういうふうに思っております。
○国務大臣(園田直君) 老人医療はいま答申を待っているところではございますけれども、その支払い方式が、ただいまの基調である出来高払いをやめて、新しい支払い方式をとるということは定着したことでなかなか困難であると、こういうふうに一言で言っているわけでありますが、逆に言うと、出来高払いの支払い方式を変えることは困難かもわからぬが、またそれを固守することによっていろんな矛盾が積み重なってきたことも事実でございます。特に老人医療については、これを別枠、別建てにするということはなかなかむずかしいことかもわかりませんけれども、これをそのまま推し進めていって、いまの方法を守っておってそれでやっていけるかどうか、正直に言って私はなかなか若しんでいるところでございます。 したがいまして、答申も待ち、かつまた老人の特性、長期漫性化、急激にふえる、こういうことも考えながら、現在の出来高払い方式をやるにつけても、何かそこへ新しい方法を取り入れなきゃならぬ、このように考えておるわけであります。
○委員長(片山甚市君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(片山甚市君) 速記を起こして。 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時二分休憩 —————・————— 午後一時六分開会
○委員長(片山甚市君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、前島英三郎君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君が選任されました。
○委員長(片山甚市君) 午前に引き続き、健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○安恒良一君 午前の質問の途中で休憩になり、老人保健医療における支払い方式の問題がちょっと中絶をいたしましたが、重ねて……。 まあ大臣から、かなり出来高払いの検討についても出ましたが、私は誤解がないようにしていただきたいんですが、将来はやはり出来高払いを変えなきゃならぬと思いますけれども、いま医療費全体をすぐせいと言っているわけじゃないんです。御承知のように、老人という特殊な慢性的な、しかも疾病率が非常に高い。こういうような、これはまあいずれ老人保健医療制度を議論するときに、さらに中身を詳しくいたしますが、時間がありませんので、そういう場合に、やはりこの老人問題だけは人頭払い制にしないと、ますます検査づけ、薬づけに老人がなってしまうんじゃないだろうかと、こういう問題を一つ言っているわけですね。ですから、万が一、いわゆる人頭払いがもしもできないならば、たとえば国民医療費の一定割合に限定して老人医療費を設定する総額請負方式、これもある存ですね。たとえば、いま言ったような現物給付出来高払いが変えられないというんなら、老人の場合にそういう方式もあるわけで、しかも大臣、これらの方式は、イギリス、イタリア、すべてはもう人頭払いになってるじゃないか、ドイツは総額請負方式になってるじゃないかと。フランスは償還制度になっている、ところが、償還制度になって物すごい赤字が出たものですから、フランスは近く、フランスの社会保障省は人頭払いの導入をいま真剣に検討しているんですよ、フランスの。そういうふうに、諸外国でそういう方式の方向に行こうとしているんだから、せめて年寄りに対しての保険に対しては人頭払いか、それが、登録人頭払いが一遍にできなければ、国民医療費の一定の割合を限定して老人医療費を設定し、総額請負方式と、こういうことだけでも——これは新しい制度をつくるんですからね、これから。そういうことについてひとつぜひ考えてもらいたい、こういうことを申し上げているわけですから。この点について、決していますぐ出来高払いをいいの悪いのと、こういう議論になるとまた時間かかりますから、この出来高払いの一長一短について議論をしなきやなりませんから、その点について再度、いわゆるこの老人保健医療制度における支払い方式の適正化問題について大臣の所見を求めます。
○国務大臣(園田直君) ただいまの御発言のとおり、私も全般的な保険に対する支払い方式ではなくて、老人の特性、慢性長期化する医療などを考えて、この老人医療の支払いについて何かいい知恵はないか検討しますと答えたわけでございます。
○安恒良一君 それでは、こればっかりにかかっておるわけにいきませんので、次はやはり医療のむだ遣いの排除もしくは医療費肥大化の対策の一つとして、高額医療機器についてひとつお聞きをしたいのでありますが、これも時間を省略いたしまして、高額医療機器がわが国にどれだけたくさん入っているのかと、こういうことについてはお手元にある資料ですね、それから医療機械の売上高の状況、輸入の状況等々ですね、それからCTスキャナーならCTスキャナーの世界各国における分布の状況、それからいま一つは人工腎臓装置の保有の状況、こういう一覧表を委員各位の手元にも資料として配付をしてありますし、私もいただいておりますから、この資料について中身を一一読み上げることを省略をして、このようにたとえば一つの例を挙げますと、CTスキャナーであると、日本はすでに八百四十台に及ぼうとしている。開発をしたイギリスはこの資料でいうと五十六台、西ドイツが二百十台だと。最近イギリスも大体二百台だろうというふうに聞いていますが、それからフランスの場合にはわずか三十八台だと、こういうふうに非常にわが国において高額医療機器、まあ俗にME、MEと呼んでいますが、そういうものがあるという現状についてはよろしゅうございますね。
○政府委員(田中明夫君) 現状につきましては、資料でお配りしたようなことになっておるわけでございます。
○安恒良一君 そこで大臣、資料をごらんくださいますと、いかにわが国に高額医療機械が諸外国に比べてあれをしているかということがわかるわけです。 そこでまずお聞きをしたいんですが、ことし行われました社会医療調査の中で、ここに資料がありますから細かい全部説明は要りませんが、投薬がどれだけふえているのか、検査がどれだけふえているのか、診療行為の中で検査の割合がどれだけになったのか、この点を、その時点だけ資料がありますから、その三点についてお答えを願います。
○政府委員(大和田潔君) 五十四年度総点数中に占める薬剤、検査、レントゲンの割合。薬剤は三六・〇、それから検査が一〇・六四、レントゲンが三・四九と、こういう比率になっております。
○安恒良一君 私が聞いたことに正確に答えてください。 投薬が前年度に比べてどれだけふえたかというのは六・六%ふえていますね。検査が一八・六%ふえていますね。それから診療行為の中に占める検査の割合が一〇%に達しましたね。これは間違いありませんか。そういうことを聞いているんですよ。
○政府委員(大和田潔君) 間違いございません。
○安恒良一君 大臣以上のような現状認識をしていただいたと思います。 そこで、私は、高額医療機械が普及することについて、決してそのものが悪いと言っているわけではありません。私は、高額医療機械が普及をし、それによって適切な検査、適切な診断がされることは国民の一人として希望するものであります。しかし、病院等に高額医療機械が無制限に導入されて、その乱用が激しくなっては困るわけですね。たとえばいま数字を確認をいたしましたように、社会医療調査では、五十四年度、前年度に比べて検査が異常に伸びているわけですね、検査が。そして、ついに診療行為の中で一〇%に検査の占める割合が達しているわけです。これは私はやっぱり異常だと、こう思うわけであります。 それはなぜかと言うと、原因はいまわが国におけるCTを初めとするME機械の普及状況が諸外国に比べて非常に大きく分布をしているというところに問題があるわけですね。たとえば、CTスキャナーの点数からいうと、最低一日に十四、五人CTスキャナーを使って診断しないと減価償却しないと、こういうわけです。そこで、芙蓉会富士見病院の問題も、一つはME機械の乱用ということにあったことは、大臣みずからも被害者なりいろんなことから御承知だと思うんです。ここで何らかのこういうものについてやはり規制をかけていかないと、私どもは問題が片づかないというふうに思うわけであります。 そして、これも時間がありませんから読み上げませんが、それぞれ諸外国におきましても、こういう高額医療機械が無制限に持たれることについての規制がいろんなことで工夫されています。これも時間がありませんから一つ一つを、アメリカではこうしている、フランスではこうしている、イギリスではこうしているということは申し上げません、これも資料でいろいろ配付をしていただいておりますから。ですから、アメリカを初めヨーロッパ各国においてはこういうふうな状況にあるわけでありまして、そこで、わが国だけが無制限に導入を許しているところに問題がありますから、早急に計画的な導入ということを考えなきゃならぬのじゃないか。でありますから、一つは高額医療機械の導入を許可制にするということはどうなんだろうか。ただ許可制にはなかなかなじまない、いまの法律体系から。こういうことがあるならば、一歩下がりましても厳格な許可基準を設ける。こういう基準に照らして、たとえば病院の大きさなら大きさがこうだと、それに対する医療スタッフがこれだけいると、こういうように何らかの基準をつくっていいと思う。たとえば私は富士見病院の実態調査に行きましたが、あの病院においてあれだけのMEの機械があの病床で必要なのかといったら、私から言わせると素人の私でもむだがあったと思います。率直なこと言って。そういうふうにこの際は許可制なりもしくは厳格な許可基準、こういうものを設ける。さらにその場合に、まずできることならば国立、公立の医療機関にこういう高額医療機械を設置をして、そしてそれが広域に検査に当たっていくということが必要だろう。それから国立、公立だけでは全部カバーできません。そういう場合にはやはり共同利用をするということ。それがためには専門的な学者やそれから地域の医師会やそれから住民代表やさらに地方自治体の代表等が入ったそういう共同利用を相互に議論をし合える、計画的な導入がし合えると、こういう何らかの委員会的なものを設けて、そこの議論を経た上で導入をしていく、こういうことになればむだが省けると思いますが、こういうような高額医療機械に対するところの、いま申し上げましたのは、数々のこういう規制の問題なり考え方について、事務当局として、大臣としてどういうふうにしてやろうとか、このままほうっておったらこれは大変なことになります。ほうっておけばやたらに高額医療機械を買って、十分使いこなせなくても買って、私のところにはこういう高額医療機械がありますからいらっしゃいいらっしゃいと、いわば人集めの道具に使われたり、もしくは買ってしまうとこれは減価償却しなきやなりませんから、無理な検査が、不必要な検査がされると、こういうことにこれはなりかねないと思いますが、こういうような問題点についてどのようなお考えをお持ちでしょうか、お聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(園田直君) ME産業の名前で一つの産業として呼ばれたり、あるいはこの機器の購入についてリベートがあったり、買ったのをこれを減価償却のために無理な検査をやるという弊害の方が非常に出てきているわけであります。御指摘のとおりであります。しかしながら、これを法的に規制することは、おっしゃったようになかなか問題があります。そこで、共同使用であるとかある地域を規制してこれに配置をして、みんなが使うとか、あるいはいまおっしゃいました国立病院またはセンターに設置をして、そして地域の者が使うとか、そういうことを早急にやらなければならぬと思い、ただいま事務当局でその方法を検討しているところでございます。
○安恒良一君 それならいま検討中ということでありますから、これをさらにきょう話をせいと言ってもいけないと思いますから、これもできれば本案の取り扱いを最終的に、この国会、会期が延長されまして二十九日までになっておりますが、そういう中で具体的に検討した結果、とりあえずこういうこととこういうことをしたいとか、こういうことは取り入れたいとか、こういうことをぜひ本案審議中に御返事をいただけますよう、ひとつよろしくお願いします。いいですか。
○国務大臣(園田直君) 結構でございます。
○安恒良一君 それでは、高額医療機器に対する規制問題を終わりまして、次に、これと関係があります。ややうらはらの問題でもありますところの検査点数の適正化についてひとつお聞きしたいと思いますが、いまさっき私は、政府がやられまして調査をもちまして、薬の問題と同時に最近、検査づけと言われていますが、総医療費に占める検査の割合を、私は、こちらから申しますと五十一年が七・八、五十二年が九・〇、五十三年が九・一、五十四年が一〇・六ということで、特に、ことしは対前年の伸びが一八・六であると、こういう状況は間違いありませんね、おたくの調査で。
○政府委員(大和田潔君) そのとおりでございます。
○安恒良一君 じゃ、このような検査費がここ数年急速に伸びてきている原因はどこにあるのでしょうか。 一つは、検査技術の発達あるいは医学の進歩によって的確な診断を行う、正確かつ迅速な検査が必要だと、こういうことでふえてきている面もあると私は思います。ところが、薬と同様に、検査の差益がそれに拍車をかけているのではないでしょうか。前段のことは、お互い認識は一致するところですから、後段のところについて、ひとつお考えを聞かしてください。
○政府委員(大和田潔君) ただいま先生のおっしゃった、やはりひとつ検査の必要性、近代的な検査の必要性といったようなことがこれを進めた理由であろうかと思いますけれども、いわゆる検査の差益の問題についても否定できない事実がございます。こういったことにつきまして、やはり検査を進める原因の一つがあろうかと思います。
○安恒良一君 それじゃ、いわゆる外注をして、俗に言う、今度登録制に変えることになりました、いわゆる検査屋——検査屋という表現がいいのかどうかわかりませんが、検査をやられているところに出した場合の検査料ですね、診療報酬点数における検査料。この間、いわゆる各病院が自分のところでやるところの検査料と、実際に外注で委託をした場合の差が私はかなり大きいと思いますが、あなたたちはどのくらいの乖離があるというふうに思われますか。ひとつ例を挙げて説明してください。
○政府委員(大和田潔君) これは多くの調査をしたわけではございませんけれども、私どもが事例的に見ましたところによりますと、最も頻用される、たとえば血液理化学検査の場合には五〇%ないし七五%程度で委託されておるし、それから、病理学的検査の場合は七〇%程度、セット検査の場合にはもっと低いという例もございます。そういったようなことを、私どもは把握しておるわけでございます。
○安恒良一君 これもいま言われましたように、わかりやすい言葉で言いますと、ある場合には五割引き、ある場合には三割引きと、こういうことで実態的にやられているのですね。そこで大臣ね、やはりこのことが、必要な検査はどんどんやっていただかなきゃなりませんが、薬と同じような、いわば中間マージンというような形で検査が行われているということに、私は一つの原因があると思います。そこで、これをどう改正をしていくのかということでありまして、御承知のように、一つは、今回、臨床検査技師法の改正で強制登録になる、こういうことになりますね。 そこで私から、もう時間がありませんから、一つ一つ提案をしていきたいと思うんでありますが、どうでしょうか、まず薬価と同じように、毎年いわゆる委託検査の実態、これを実態調査をする。今度は実態調査がしやすくなる。それはなぜかというと、強制登録になりますから、今回法律変えて。そうしますと登録制度になりますから、調査をすれば調査しやすくなりますから、毎年これは実態調査をして、全国的な料金の実態をつかむ、その実態に合わして検査料を決めていくと、こういうことについて考えられないものかと、これが第一点であります。 それから、ここのところはなかなか議論があるところと思いますが、衆議院で議論したときに病院自体が行う検査と委託検査の間に料金の差が何であるのかとこう言ったら、これは診断料が含まれていないのだ。それから一つは、同種の検査を大量に取り扱う場合には安い。これは同種の検査を大量に扱う場合安いというのは、経済の簡単な法則ですから、問題はその前の方です。診断料が含まれていないから、委託検査は安いと、こういうことになりますと、それならばこの防止策として、いわゆる病院なり診療所が自分で検査を行った場合の診療報酬の点数と、それから外注をし、委託検査をした場合の検査の点数を実態調査によるとすればわかるわけですから、二本建てにする、こういうことについてのお考えはどうでしょうか。二つについてお尋ねいたします。
○政府委員(大和田潔君) 後段の方からお答えをいたしたいと思いますが、検査につきましての検査料というものを適正にしていきたい、これはもう全くそのとおりでございます。ただ、委託した場合の検査料とそれ以外のものということで、二つに分けますということは一物二価というようなこともございますので、それは私どもとしては避けたいと思いますが、ただ検査料につきましては、実態を十分把握をいたした上で、極力適正なものにしていくということにつきましては、お説のとおりの方向で検討をいたしていきたい、かように思います。
○安恒良一君 それじゃこれから先は政治的な問題ですが、大臣どうでしょうか、なかなか二本建てはむずかしいとこうおっしゃいますからね、そのことば別におきまして、それならば私はやっぱり検査点数を合理的にしていくためには、やはり実態を調査するしかないと思うんです。実態調査を。そこでこの実態調査も、幸い今度は強制登録に変わってまいりますから、私から言わせると、やはり毎年一回実態調査をやって、そして点数改正は中医協でありますから、その実態調査に基づいて中医協においてひとつ点数改正をしていく、大臣の諮問に基づいて。こういうことについてお約束できますか。
○国務大臣(園田直君) 実態調査を実施した上で、中医協の方に御審議を願って適正化を図りたいと思います。
○安恒良一君 それじゃそこへお願いしておかなければなりませんのは、一回だけやってまたしばらくやらぬということじゃなくて、私はやはり検査というのは薬価でも毎年調べるように、検査というものも、いただいている資料を見ますと、これも物すごい勢いで検査所というのがふえているわけですから、そういうこともありますので、ぜひ毎年実態調査をやっていただいて、そして実態調査の結果に基づいて中医協に御諮問をしていただいて、ひとつ適正化をやる、こういうふうにしていただきたいということを申し上げておきます。 続いて次の問題でありますが、いわゆる医療費の通知運動といいますか、もしくは医療費を知る、これも医療費肥大化対策の中の私は重要な柱の一つだというふうに思うわけでありまして、このことについてお聞きをしたいのでありますが、まず、被保険者は保険料を支払う義務があると同時に、給付を受ける権利を有しております。給付を受ける権利の中には、どれだけ給付が受けられるのか、また受けたのかを知る権利も当然私は含まれていると考えています。そこで保険者は被保険者に対して他の給付と同様、医療費についても支給した額を通知すべきである。その通知は療養給付または家族療養費の支給を受けたすべての被保険者に対して行われるものであります。そこで患者は、医療機関の窓口で自己負担分については領収証を請求することができるのは当然でありますが、同時にどれだけの医療費がかかったのかと、こういうことを知ることもできるはずなのであります。したがって、医療機関は患者の求めに応じて少なくとも医療費の総額を知らせるのは当然だと言わなければならないと思っております。 このことは、健康保険法の第五十九条ノ二に規定されております家族療養費は、そもそも療養に要する費用、現在は百分の七十を被保険者に支給することになっています。しかし便宜上保険者が被保険者にかわって医療機関に支払うことになっております。そこで支払いが行われたことをもって被保険者に家族療養費が支給されたとみなされているのであります。いまの法の組み立てば。家族療養費として幾ら請求されるのかも、また支払われたのかも知る権利を私は持っていると明確に考えるわけであります。医療費の通知及び領収証の発行は、上記のような理由で行われるべきであるというふうに私は考えます。同時に、これによって被保険者の医療費に対する認識が高まり、有効な医療費の使用が図られるというふうに私は考えますが、この点について政府管掌健康保険について政府の出されました案は、年一回だけは通知をしようと、こういうことなんですね。これは二千七百万からおりますから大変ですから、そう何回もできないという御答弁かもわかりませんが、そこで、せめてそれぞれの窓口において、自分たちがかかった医療費、自己負担の領収証はもらうようなことは当然でありますが、医療費の総額を知らしてほしいと、こういったときにお医者さんは、あなたの医療費はこれだけきょうはかかりましたよと、こういうことを知らせるようにした方がいいと思いますが、その点はどうでしょうか。そういうふうに患者側から医療機関に求められたときに、少なくともきょうはあなたはこれだけのことがかかりましたよと。こういうことが患者の自覚を待つことにも私はなると思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(大和田潔君) 御質問の趣旨はよくわかるわけでございますが、現在いわゆる一部負担につきましては、民法上の規定によりまして、受領証というものは同時履行の関係にあるというふうに解されておるわけでございますが、ただいまのようなことになりますと、本人につきましても診療の都度点数計算をしてそこで示さなければならない、つまり医療機関の窓口に手間をかけるということになりまして、その点からなかなか問題があるんではなかろうか。医療機関の事務負担と、現在診療報酬の請求事務等につきましていろいろ事務を課しておるわけでございますが、さらにそういう事務負担をかけるのはいかがかというような感じがするわけでございます。それで、先ほど先生もおっしゃいましたように、本人の医療費を知る権利ということにつきまして、現在医療費通知を政府管掌健康保険でも行っておりまして、これは本年度実施をしておるわけでございますが、この実施状況を踏まえまして、さらにこれを充実させるという方向で、ただいまのような御趣旨には対応していきたい、このように考えるわけでございます。
○安恒良一君 いや、いま健康保険組合等では、もしくは共済組合等ではかなり頻度を高くして医療費の通知運動があって、その中から数々のいわゆる水増しや不正やいろんなことが知らされて医療費の大きい節約になっていることは事実なんですよ。そこで、政府管掌健康保険ですね、皆さん方はとりあえず毎年一月に一回やってみたいということですね。これも全員じゃないと思うんだ、いわゆるサンプル的なことをおやりになるんだろうと思いますけれども、これは細かく私はいま見ておりませんけれども、被保険者あての通知が千七百万枚、事業主あてが四百六十万枚ですか、こんなことでこれを年に一回はやりたいということですが、これはなかなか年に一回やっただけでは医療費通知運動の実績は上がりませんし、また知るということの権利にもこたえることにならない。 たとえばいまあなたがおっしゃったように、じゃ本人は大変だというなら、たとえば政管の場合、家族の場合には三割の自己負担があるわけですよね、これは、三割の自己負担がある。だから、そういうもの等でこれは一応計算をしておるはずですから、じゃ家族なら家族について、あなたはきょうはこれだけですよと、自分で三〇%対七〇%で掛けて計算すればいいじゃないかなんて、こんなことじゃいけないと思うんですね。そういうようなことで、私はやはり家族であろうと本人であろうとも、窓口で求めた場合には、それに対してやはり知らしていくと。率直なことを言って、日本の商法による売り買いというのは、これはみんな領収証を出すのがあたりまえなんですよ、これは、領収証を出すのが。本人は一部負担があって、残りは十割給付だから領収証を出さなくていいということじゃないんですよ。領収証を求められればこれは出さざるを得ないんですよ、領収証を求めれば。ただ、ところが私がなぜ知らせる運動ということを言っているかというと、腹が痛い、かぜを引いたと、こういったときになかなかお医者さんに、お医者さんが渋い顔をしているときに、こっちから領収証を出せ出せというのは言いにくいものだと思います。国民としては。そういう意味から、国民に医療費を知らせる権利があるわけですから、いま私が言いましたように、しかも法律的に、私は法五十九条の第二の規定をずっと条文的に解釈しながらこう言っているわけですから。そういう点についてお答えを願いたい。
○政府委員(大和田潔君) どうもまた申しわけない、繰り返しになるわけでございますけれども、医療機関の協力というものも事務の点で煩瑣になるという意味ではなかなかむずかしいんではなかろうかと思いますし、先ほど政管健保の医療費通知につきまして先生も言及されたわけでございますが、本年度の実施状況を見て、とにかくこれを充実させていくということがやはり効果があるんではなかろうか。さらにこれは政府管掌だけでなくて国民健康保険でもそれを進めていくということで、いま各県、市町村を指導しておるところでございます。したがいまして、こういう形の医療費通知運動という形を進めることによりまして効果を上げてまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○安恒良一君 この結果を待ちまして、さらに充実をさしていきたいということですが、充実をさしていくという中身は何ですか。どういうふうにするんですか。
○政府委員(大和田潔君) 通知を出す対象を広げるとか、あるいは回数をふやしたらいいだろうかといったような問題になろうかと思いますが、いずれにいたしましても一度とにかく実施をしてみまして、その実績というもの、その経験に照らしまして、その強化につきまして、推進につきましてさらに検討してまいりたいと、こう思っております。
○安恒良一君 大臣ね、私はどうもいまこの点は平行線ですが、ぜひいま一遍、医療費を、やはり自分のかかった医療費を知りたいと、また知らせることが私は国民の医療費問題に対する一つの考え方を統一をすることにもなると思いますから、そういう意味からいって、ぜひこのところは、いま局長はとりあえずまず一回やってみますと、やった上でさらに回数をふやすとか通知対象をふやすとか、こういうことをやってみたいと、こう言っていますが、これも一つの方法ですが、私はそれだけでは余りにも消極的だと思う。いま私ここに、時間がありませんから申し上げませんが、高点数の順位表で、いわゆる九百万とか一千万とかかかっている人があるわけですよね。そしてその中身を見ますと、こんなに注射をしたりこんなに検査をして本当にどうなんだろうかと思うような請求中身、内容になっているのがたくさんあります。これ全部いま一つ一つやる時間がありませんが、私はやっぱりそういう問題について医療費を知らしていくと、こういうことはきわめて必要なことじゃないかと思いますから、どうか大臣、このところは平行線のまま置いておきますから、さらにひとつ中身についてぜひ何らかの前進あるものにするための御検討をお願いをしたいと思いますが、どうですか。これは大臣。
○国務大臣(園田直君) 乱診乱療の中の一つの原因は、御指摘のところにもあると存じますので、いまの問題はよく研究、検討いたします。
○安恒良一君 次には、いわゆる審査方法の確立、この点について少し。それから地域格差の問題、こういう問題についてひとつあれをしたいと思います。 まず、医療費の空前の不正請求ということで、昨年度水増しが十億円返還をされた。それから保険医の取り消しが三十七人あったと。それから以下取り消しまで至らなかったが、指導、監査、個別指導、監査、こういうことがいわゆる五十四年度医療不正請求ということで、厚生省が新聞に発表されましたこの数字は間違いありませんね。
○政府委員(大和田潔君) 間違いございません。
○安恒良一君 そこで、私はこういうことこそメスを入れていかなきゃならぬと思うんですね。水増しとか不正請求とか、そういう意味から監査、指導問題についてひとつ今回法改正が行われることになったんですが、まず現行の医療法において監査ができるというふうにこれは明確に法律でなっていますが、現行の医療法におけるところの指導、監査についての考え方を聞かせてください。
○政府委員(田中明夫君) 医療法に基づいて実施されておりますのは医療監視でございますが、医療監視について御説明……
○安恒良一君 健康保険法ですか、それじゃ、指導、監査の条項は。
○政府委員(大和田潔君) 健康保険法におきましては、四十三条の十というのが監査の規定でございます。これは長うございますので条文を読むのは差し控えますが、これは、「当該職員」、つまり国または都道府県の「職員ヲシテ関係者ニ対シ質問ヲ為シ若ハ保険医療機関若ハ保険薬局ニ就キ設備若ハ診療録、帳簿書類其ノ他ノ物件ノ検査ヲ為サシムルコトヲ得」とこういう規定が第四十三条の十、監査の規定でございます。さらに指導につきましては、四十三条の七に指導の規定がございます。これは、「保険医療機関及保険薬局ハ療養ノ給付ニ関シ、保険医及保険薬剤師ハ健康保険ノ診療又ハ調剤ニ関シ厚生大臣又ハ都道府県知事ノ指導ヲ受クベシ」と、こういう規定になっておりまして、これは指導の根拠規定と、このようになっております。
○安恒良一君 そこで私は、それがいつの間にやら指導、監査の場合に、日本医師会の武見太郎さんと時の厚生大臣が、医師会の立ち会いということがいわゆる行政で結ばれましたね。これは間違いありませんか。何年に結ばれましたか。
○政府委員(大和田潔君) これは昭和二十八年の保険局長通知で出しております。これは「社会保険医療担当者監査要綱」というのがございまして、その中で、「監査実施の前後を通じて都道府県医師会又は同歯科医師会に充分連絡し、その協力を求めると共に、特に監査時においては立合の申込をなし、また立合者には意見を述べる機会を与えること。」ということが書いてございます。
○安恒良一君 ですから、昭和三十五年の医師会との私ども指導、監査に関する申し合わせがあるようでありますが、そういうものはどのような法的根拠に基づいたのでしょうか。その法的根拠についてひとつ説明をしてください。
○政府委員(大和田潔君) この三十五年の日本医師会及び日本歯科医師会と厚生省の申し合わせ、これは監査をやる場合にはひとつ指導をやるというような趣旨のことが主体でございますが、これは特に法律に基づく申し合わせということではございませんで、これは指導、監査を円滑に行うために、こういう関係団体との申し合わせを行うことによってその円滑の推進を図るという、そういう趣旨であるというふうに私どもは理解しておるところでございます。
○安恒良一君 そこで、いまあなたが読み上げられました健康保険法の四十三条の七、四十三条の十には、これを行う場合の関係団体のことは何ら触れられてないと思いますが、それでよろしいですか。いま言われた立ち会いとか何とか。
○政府委員(大和田潔君) 現行法におきましては先生のおっしゃるとおりであります。
○安恒良一君 大臣、ここまでこれで明らかになった。ですから、いま局長通達とかそれから申し合わせというのは法律条項じゃないんですよ。行政が一人歩きをしておるわけです。法律を越えて行政が一人歩きをしておる。法律では立ち会いがなければできないなんて全然書いてない。ところが、ここできようは私があえて聞きたいのは、この前衆議院修正ではここのところを強化をしようということで、私は衆議院側は大きな過ちを犯したと思うのでありますが、いわゆるいままでは法律的に立ち合いということは義務づけられてなかったんですが、この修正案でいきますと、まず最初に本文に同文を取り入れて、指導、監査については立ち会いが必要だと、立ち会いを断った場合にはできると、こういう修正にこれはなってきているわけです。だから、衆議院の修正は私は間違いを犯していると思うんですが、いままでは、いま局長も言ったように、これは行政的な取り決めにしかすぎない。法律じゃないんです。それを今回は二段にくくるわけですね。まず指導、監査する場合には立ち会い、そして立ち会いを相手が断ったときには指導、監査ができるというふうにこの修正は読まれてならないんですが、どうですか、そこのところは。
○政府委員(大和田潔君) この関係団体の立ち会いというのは、先ほども申しましたように、保険局長通達におきます立ち会いというのは、指導、監査の円滑な実施、やはり指導なり監査をいたします場合にその医師会、たとえばその当該都道府県医師会の役員、これを立ち会わせるということは、その管轄下におきましてこういうお医者さんがいますよと、こういう行為をしているお医者さんがいると、それに対して十分その医師会の役員も認識をしてもらいたいということでございますね。認識をしてもらいたいと、そういったような効果というものがあるわけでございまして、そういう意味で指導なり監査なりを行います際には、地元の医師会の役員の方に立ち会ってもらっていろいろ実態を見てもらうと。あるいはそのお医者さんの言い分があるならばそこで言ってもらって、指導、監査の円滑な実施とその後のまた、何と申しますか、円滑な実施のために有意義な結果をもたらせるというようなことで、立ち会いを行わせるというようなことでございます。この修正案におきましても、そういった意味合いの立ち会い、これを法制化をいたしまして、関係団体の職員に立ち会いさせるというようなことになったわけでございまして、これは決して、何と申しますか、先生おっしゃいますように、後退ということでは全くないというふうに考えられるわけであります。
○安恒良一君 いま重大な発言をされましたね。いいですか、いままで国会ではしばしばこれを指摘したところでありますが、法的な措置については国会の意思を待ちたいと、こういう答弁であったんです。聞き方によりますと大変おかしな答弁なんですが、不都合があれば国会の指摘を待つまでもなく、法的な根拠はないんですから、いまの申し合わせば。円滑にやるための行政措置ですから、これを破棄されれば現行法でこれは完全にできるわけなんです。現行法に明確にあなたが読まれた条文二つあるわけですから。それを今度はいわゆるいまあなたが聞かれたように、私はあれは、そういうことであるけれども、ただし立ち会いがなかったときはこの限りにあらずということになると、まず大前提はいままでは法律でなかったのに、今度は関係団体の立ち会いというのがまず前提になるんですか。そうしたらますます改悪じゃないですか、そんなこと。現行法で十分できることを法律改正してまでわざわざ立ち会いをまずさせる、そして立ち会いがいわゆるなかったときは今度はできるということになれば、現行法では立ち会わなくてもできるんですから、法的にはですね。そういう改悪ということは、私はこれは非常に問題があると思うんですね。 それはなぜかというと、もう皆さんも御承知のように、物すごい不正があっても、いままでは法律よりも行政が上回って一人歩きして、立ち会いがなかったら監査できないということで、当然監査しなきゃならぬようなところも監査しなかったわけでしょう。そこで今回は監査が十分できるようにしようということで改正したはずなんです。それなのに、まず一番いままで監査を十分に行わしめることができなかった立ち会い、そういうことを大臣、今度は法律に入れるというんですよ、法律に明記する、そしてこれは改悪でないと、前進だと、こう言っている。そんなばかげたことはないじゃないですか、この点どうですか、大臣にお聞きします。
○政府委員(大和田潔君) ちょっと一言……
○委員長(片山甚市君) ちょっと待ってください、大臣答えてください。
○国務大臣(園田直君) ただいま局長から言いましたとおり、今度の改正は立ち会いができるということを法制化したわけでありますが、またさらにその上に、拒否した場合には立ち会いなしでやってよろしいということを義務づけたわけでありますから、その点でまあまあと思っております。
○安恒良一君 この点は私は納得ができません。いままでの現行法では立ち会いがなくてもできたのであります。それを行政的に医師会との間に一方的に厚生省が取り決めをして、それに縛られておったと、それを今度は法律でまず立ち会いを義務づけて、そして立ち会わなかったときにはできるという二段論法でやって、これが改正とは思われません。この点はどうしても納得できません。ですから、この点についてはこれ以上時間をかけることができませんから、この点は保留をいたしておきまして、後でまた議論をこの点についてはしなきゃならぬ。しかも世間に対する説明は、これで指導、監査がどんどんできるようになったんだと、一歩前進したんだと、こう言って宣伝をしておるではないですか。そんなばかげた改正はありません。でありますから私はこの点については保留をしておきます。 そこで次は支払基金の審査方法でありますが、御承知のように支払基金の審査について、皆さんのお手元に支払基金におけるところの査定率の問題が出ていますが、これも昭和五十四年度の査定率が出ておりますが、たとえば京都は〇・六、高いところは一・八、査定率が約三倍も違います。同じ支払基金で査定をするのに。なぜこんなに査定率の違いがあるのかということについて私は大変疑問に思いますし、これをここでいま議論をする時間がございません。 さらに西高東低ということで、東京と大阪における点数の地域格差の問題について皆さんのお手元に資料を配っていただいていますが、これも非常に私は奇異に感ずるわけであります。いわゆる大阪と東京では年間に千六百億円も余分な費用がかっているわけですね、同じ医療行為が行われるのに。これは全体の場合でありますが、その資料は皆さんのお手元にあります。こういう問題は、どうしても私たちはこれを直していかなきゃならぬ。地域格差の是正。ところが私の手元にありますところのニュースによりますと、むしろ大阪はこういうふうに点数が上がったことを高く評価するというような記事に実はなっているわけであります。こういうようなことは私は非常に問題があると思います。たとえばこういうことが書いてありますね。「実った府医の努力、保険診療平均点数ついに全国一に」、こういう見出しで医師会の機関紙で、そして医療費の高騰競争が国民の健康と結びつくと私たちは考えられないんですが、こういういわば同じ条件にほぼある東京と大阪において、こんなん医療費の地域格差があるということは、どうしても私は考えられません。そこでまず一つなぜこんなに、もう支払基金の査定率のことは時間がありませんから省略いたしまして、なぜこんなに大阪と東京にいわゆる地域格差があるのか、どこに原因があるのか、こういう点について、すでにこのことを私は五十二年の質疑で同趣旨のことを聞きましたら、当時は研究いたしておりませんと、しかし重要なことですからこれは研究いたしますと、どういう理由でなるか早速解明をいたしますと、こういうことを当時お答えになっていますから、もう五十二年から五十五年ですから三年たっていますから、さぞりっぱに解明されていると思いますから、解明の結果をまず知らしてください。
○政府委員(大和田潔君) どうも御質問でございますが、なかなか解明の結果というのが申し上げられないのが残念でございますが、一つはやはり大阪と東京とを比べますと、年齢が一因ではないかと思うのでございます。これは健康保険本人の平均年齢は、東京都が三十七・三歳、大阪府が三十八・三歳というふうに、平均が若干高いということが言えるわけでございますし、また疾病別のマップから見ましても、どうも東京とそれから大阪を見ますと、大阪の方が脳卒中とか脳出血、高血圧性心疾患、肝がんなどのいわゆる成人病がどうも東京よりも高くなっているという、そういう結果は見られるわけでございます。ただ、だからといってただいま御指摘がありましたような差が、大阪と東京のたとえば本人の入院外の比較をしますと、五割ばかり大阪の方が一件当たり点数で言えば高くなっている、これだけの差が出てくるというような推定といいますか、これの解明というものはできないと、こういうようなことでございます。
○安恒良一君 いま大臣お聞きのとおりに、これまた私に解明を約束をしておきながら、十分な解明がないんですよ。私は少なくともいま申し上げたように五十二年にこれは非常にかなり時間をかけてやりまして、大変問題があると、だからぜひひとつ解明してくれと、こう言っているんですね。ところが皆無。ところが逆に、相手側は実った府医の努力などということで、平均点数が日本一になったことを誇られたんじゃかなわぬわけですよ、これ。ですから、これもこのことだけでまた時間をかけているわけにいきませんから、ひとつ今度こそは早急に実態について、私はこんなに地域格差があっていいと思いませんから、その原因を本当に究明していただきたいと思うんです。そして、対策を立てていただきたいと思うんです。私はそんなに、いま保険局長が説明した理由がもとで、こんなに五割も格差があるということはどうしても考えられません。どうしても考えられません。保険局長も医者じゃないんですから、ここに医務局長来ていますけれども、私は医務局長でも、技官でも説明がつかぬと思うんです。これは。つくならつけてください。私は論争してもいいと思いますが、つかぬと思う。そうしますと、どうしても私はひとつ大臣に、こんなことが東京と大阪の中において五割も違うというようなことが許されていいんでしょうか、医療行政で。どうですか、大臣、ここのところは本当にひとつ原因の究明をやっていただけませんか、どうでしょう。
○国務大臣(園田直君) 私も不思議だと思いますが、理由はわかりませんので、早速原因は究明をいたします。
○安恒良一君 そこで次は、支払基金の審査方法について、近代的なコンピューターを使ってやる方法を考えたらどうかということについてお考えをお聞きします。すなわち、まずコンピューター利用によりまして統計的な審査法に改める。各診療科別に医療費の平均値を基準といたしまして、これに一定の偏差値を設けて、この偏差値の中に入っているやつはもう審査しない、そしてその偏差値をオーバーしたものだけを抜き出してこれを詳細に審査、監査を行う。というのは、大臣、支払基金の審査委員会に行ってみてごらんなさい、あれで審査ができるのかというんですよ。一枚のレセプト、何票も、もうこんなに積んでいるやつをばっとやっているだけでできないんですよ。全く手工業なんですね、手工業。全く今日のコンピューターが発達した時代に。そしてこの医療費の統計的調査方法というのは、たとえば西ドイツ、フランス、カナダ、台湾も行っています。いま私が言ったようなやり方で。これも事例を私がここで一つ一つに、西ドイツではどうやっている、カナダではどうやっている、フランスではどうやっている、台湾ではどうやっている、こういうことを挙げる時間がないのは残念でありますが、いずれにいたしましても、いまのようなことで若干審査員をふやすとか専任審査員をふやすとかなんとか言ってみたところで、いまの支払基金の審査については全然手工業的でどうにもならぬところへ来ています。だから、私はやはり諸外国がこれだけの多くの国が今日発達したコンピューターを使っていわば統計的な審査、一定の基準まではもう審査しない、それをオーバーするやつだけを精密に審査していく、この方が科学的でもあるし、私は非常に合理的でもあると思いますが、こういう点についてどのようにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 現在の審査が一枚に何分の一秒かけるかわかりませんが、現実になかなか問題があることはよく承知しております。かつまた重点審査についてコンピューターが有力な方法であることも知っておりますので、前向きにコンピューター活用のために検討したいと考えます。
○安恒良一君 ぜひひとつ前向きに、私は率直なことを申し上げてなかなか年度の途中ではこれを切りかえるということはむずかしいと思いますけれども、たとえば五十六年なら五十六年度からいわゆるこういう方向に切りかえていくと、そのことの方がより合理的なんですよ。しかも審査がかなり正確に私はいくことになると思いますから、そういう点についてどうですか。たとえば前向きに検討していただいて、新しい年度からよければそういうものを採用していくと、こういう点は局長どうですか。
○政府委員(大和田潔君) 採用につきましては技術的な問題等もいろいろございます。こういった技術的な問題等につきまして検討いたしまして、効率的な使用というものを図りますために、やはり部内の検討委員会というようなものをつくりまして、そこで検討しなきゃならぬというふうに考えておりますので、来年度から検討委員会というようなものを作成しまして、そのプログラム等につきましての検討、導入につきましての問題別の検討等をやっていきたい。
○安恒良一君 それでは、この問題はかなり前向きな御答弁がございましたので、ぜひひとつ科学的な、しかも統計を使った審査が支払基金においてできるだけ早い機会に行われるように、ひとつ強く要望しましてこの点は終わって、次に参ります。 次の問題といたしまして、これから先は今度は、いわゆるいま一番患者が考えておりますところの保険外負担の解消問題、保険外負担をどうして解消していくのか、こういう問題について少し中身を質問をしたいと思います。 まず第一点は、いわゆる個室以外の差額の徴収ですが、室料という差額の名のもとに保険外負担が公認をされているように思います。厚生省としては今日までこの問題について、一つは、全体の比率といたしまして国公立は一〇%、私立は二〇%以内にする、こういうふうに指導してきたと言っていますが、昭和五十四年七月現在の差額ベッドの現状はどうなっていますか。一人部屋はどれだけ、二人部屋はどれだけ、三人部屋以上はどうなっていますか。ひとつその点を明らかに、経営主体別調査がありますから、そのポイントになるところだけをちょっと報告をしていただきたいと思います。
○政府委員(大和田潔君) お答え申し上げます。 五十四年七月一日現在でございますが、一人部屋につきましては差額病床数、これは差額病床の割合が六九・一%になっております。一人部屋につきましては。それから二人部屋につきましては三九・八%、それから三人部屋以上では四・二%、こういうぐあいになっております。これは一人部屋、二人部屋につきまして、それぞれ総病床数に対する差額病床数の割合でございます。なお、三人部屋以上の差額徴収病床というものを申し上げますと、五十四年七月一日現在では、総病床数に対して差額徴収をとっておりますのは四・二%でございます。国立はゼロということになっておるわけでございます。 以上であります。
○安恒良一君 聞いたことだけ答えてください、時間がありませんから。調査資料をこっち持っております。いただいておりますから。 そこで、差額ベッドが医業収益の中で占める室料差額はどの程度になっているんでしょうか。自治体病院ではどの程度、民間の大都市の病院ではどの程度、私立の医科大学ではどの程度になっているでしょうか。
○政府委員(大和田潔君) これはこの前の、前回五十一年五月の医療経済実態調査による数値でございますが、これは一般病院につきましての数値でございます。一般病院につきましては室料差額収入が医業収入に対しまして二・六%を占めておると、それからなお結核が二・一%、精神が〇・三%と、こういう数字になっております。
○安恒良一君 これも数字が食い違っていますから……。私どもの調査によりますと、差額ベッドの医業収入の中に占める室料差額は、たとえば自治体病院では大体一・二%程度と、日赤とか済生会は三・五から五・五%程度だと、民間の大病院の場合に一〇%程度、約一割あると、それから私立の医科大学は実は三〇%あると、こう言われてるんですね。こういう医業収入の中に占める割合ですね。ですから、いまこのことの数字をあなたとここで議論をしている暇はありませんから、これはまた後でそちらでお調べを願いたいと思うんですが、私はこういうような実態の中で、大臣は……ちょっと大臣トイレへ行かれてますから、ちょっと委員長待ってください。大臣にお聞きしたいんです。このこと。——
○委員長(片山甚市君) それじゃ発言をしてください。
○安恒良一君 大臣、室料差額の実態のところは、大臣おいでにならぬときに実態をやりましたから、これから行政的な扱いになりますから大臣にお聞きしたいんですが、三人部屋以上がまだ残っているわけです。三人部屋以上が。ですから、厚生省も三人部屋以上は、もうこれはやめたいと言っていますから、即時三人部屋以上は部屋代の差額を取らない、こういうことをするためには何か法的な根拠を明確にしないう指導だけではなかなかなくならないんじゃないか。だんだん三人部屋以上は少なくなっていますが、まだ依然としてありますね。 それから、一人部屋はある程度これは、すでに医師が病状上判断をして必要とした場合には、これは取ってはならぬということになっていますから、医師の判断以外で、個人のお気持ちで一人部屋に入りたいと、こういう場合には、いまの現状では一人部屋の部屋代というのはあっても私はある程度いい。ただし、まあべらぼうに高いのは困りますけれども。 ところが、問題になるのはやっぱり二人部屋なんです。二人部屋につきましては、大臣、私はこれは一挙にとは申しませんから、三年なら三年以内にこれは完全になくしていくと、こういうようなことについてもう考えなきゃならぬのじゃないか。やはりこの部屋代の差額というのが、今日患者が入院をする場合の大きな負担になっているということです。きょうは時間がありませんから、その実態はここで申し上げません。いろいろたくさんの実例があります。また、どんな高い部屋があるかというのも、もう大臣御承知だと思いますから。そういう意味で個室以外の差額室料の禁止。しかもこれは経過措置を付して、三年なら三年という経過措置を付してなくしていくということについての大臣のお考え。 それから、特にその場合ですね、私立大附属病院に非常に多いわけです。たとえば、まあこの前私たちは本委員会として聖路加病院に実態調査に行きましたら、これは私立大学ではありませんが、八〇%が差額ベッドだと、こう言うんですね。院長の御説明によりますと、二〇%がいわゆる大部屋だと、こう言うんですから、全く逆さまに聖路加病院はなっていますね、これは一つの実態ですが。そういうことから言いますと、私は少なくともいま言ったように個室以外についてはまず三人部屋は直ちになくす、二人部屋については三年以内に完全にこれは差額を取らなくすると、こういうことについての考え方を聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(大和田潔君) 私からお答えいたしますが、三人部屋以上につきましては、先生おっしゃっておられますように、私どもも全力を挙げてこれは解消に努力をいたしておるわけでございます。特に私立大学の附属病院につきましては、これまた三年をめどに解消するということを文部省と話をしておるわけでございます。 問題は二人部屋でございますけれども、二人部屋も廃止をすべきであるというお言葉でございますが、私どもといたしましては、どうもなかなかまだ現段階におきましては、わが国の現状から見ますと二人部屋の全廃というのはどうも困難ではないかというふうに考えておるわけでございます。やはりまだ二人部屋というのは個室的な要素を持っておる。四十九年の通知に示しましたように、個室または二人部屋におきます差額徴収は二〇%、これは国立では一〇%、この範囲内にするように努力をするということで私ども一生懸命努めてまいりたいと、このように考えておるわけでございます。
○安恒良一君 事務当局としては大臣ね、二人部屋はなかなか困難だと、こう言っておりますけれどもね。私は個室は、個人部屋というのはある程度わかるわけですよ。ところが病気のときに二人一つの部屋に入っておって、これが個室なのかということになると、私はやはり疑問がある。でありますから、これも私は言っていることは経過措置を付して、やはり個室以外はもう差額徴収はしないんだと、こういう方向に経過的年数を付して前向きに検討していかないと、いまの局長答弁だったら、三人部屋だけはある一定の年限になったらなくなるが、二人部屋と一人部屋は依然として、特に二人部屋は依然として差額徴収の対象になると、これではいけないと思いますが、大臣私は個室のことを言っているんじゃなくして、二人部屋のところについても経過年限を付して、部屋代の差額を取らないようにしていくと、こういうことについて私は行政が積極的にもう取り組んでいい時期に来ているんじゃないかと、こういうふうに思いますが、どうでしょうか、大臣。
○国務大臣(園田直君) 二人部屋につきましてはいろいろ御意見もあるところでありますが、御指摘のとおりにいま直ちにとか、三年以内と約束はできませんが、解消する方向に経過措置を逐次進めていきたいと思います。
○安恒良一君 やや、若干前向きの答弁がありましたが、この点はさらに今後論争を深めていきたいと思って、大臣のやや前向きのことは了といたしますが、ひとつ論争を深めていきたいということにしておきたいと思います。 次に、やはり差額徴収で一番いま患者が悩んでおりますのは、いわゆる付添看護の場合でありますが、御承知のように、付添看護はそもそも基準看護病院における看護というのは個々の病状に応じて適切に行われると、こういうことが私は基本的だと思いますが、また、本来それは基準看護病院、たとえば特二類なら特二類、こういうふうに明確にされているわけでありますが、これは病院の責任において行われるべきものだと私は思います。ところが付添看護が病院の看護を代替するとか補充するとか、こういうことがあっては私はいけないと思うんでありますが、まず基準看護病院についてこのようなことについての、いわゆる付添看護ということについてのお考え方を聞かしてください。
○政府委員(大和田潔君) 基準看護病院におきましては、病院の責任において看護体制を敷く、こういうことでございまして、付き添いを認めないというこういう原則でございます。したがいまして、基準看護病院におきまして付き添いを行わせるということが、病院側からの要請で付き添いを行わせるというようなことになりますれば、それは私どもといたしましても、厳正な措置をとるということにいたしたいと思います。
○安恒良一君 厳正な措置をとると言われていますが、実態を調査されていますか。これも私は、実は阪大病院の実態調査に行ったことがあるんでありますが、たくさんの付添看護人がおいでになるんですね。それで聞いたら、あれはだれかと言ったら、家族看護だと、こう言うわけですね、家族看護。いや、あれは家族が自発的についているんだと、こう言うわけです。そこで、おかしいなと思ってよく調べてみましたら、阪大はそこに入るときにそういう誓約書を一札書くことになって入っておるわけです。私どもが実態調査に行ったときですよ。そういう誓約書を入院患者から一札とるわけです。後で問題になったらいけませんから、家族看護であるということ。そして全部それは、私どもが調査に行くと、あれは、あの人はどうですか、あれはあの人の家族です。この人はこの人の家族です。こう言っている。そういうことが私たちが実態調査に阪大に行ったときに、実は大臣、判明をいたしました。で、私どもも全国の病院を回るわけにいきませんから。実際、いま付き添い、いわゆる無資格の付き添いさんを置きますと、東京や大阪では大体最低一万円だと言われていますね。中小都市では七、八千円かかるわけです。しかし、これは医療健康保険制度は、これについて基準看護病院に入院をした場合には何ら支払いの保障がないわけであります。それで、付添料が月に数十万円になる、こういう実態がたくさん訴えられているわけでありますから、私はどうしてもこれを改正をしなければ実はならないと、こう思うわけであります。 そこで、ひとつ私は看護料の問題があると思いますが、病院における看護料というのは収支のバランスがとれているというふうに、妥当な看護基準が設定されているというふうにお考えなんでしょうか、この点について考え方を聞かしてください。
○政府委員(大和田潔君) この御質問にお答えする前に、実は阪大の関係で一言御報告いたしたいと思うんでございますけれども、大阪大学におきましては、やはりそういったような付添看護婦につきましての問題がございまして、それに対しまして私ども、昭和四十二年の十月に付添看護問題で問題が出てまいりまして、四十三年八月一日に厳正な措置ということでこの基準看護の取り消しを行っております。そういう措置を阪大では行っておるところでございます。 また第二の問題、ただいまの御質問につきましては、基準看護につきましては適正な料金というふうに私どもは考えておるわけでございます。
○安恒良一君 まあ中医協で医療費を決めて、看護料というのは決まっていますから、適正とこう言わざるを得ないと思いますけれども、私はこの点につきましては、病院協会その他からいろいろ、看護料について大幅な赤字になっている。必ずしも原価を補償してない、看護料については、こういう訴えもありますから、私はやはり次期医療費改定の際に、付添看護をなくすためには、この看護料というもののあり方ということはぜひひとつ御検討をお願いをしたい、看護料のあり方について。局長は適正にいっていると言いますが、なかなか私は必ずしも適正にいっているとは思いませんから、これは中医協マターの問題でありますが……。 そこで、当面、付添看護の患者さんの負担を解消していくため、方法としまして、現在の看護職員の基準は四、四、二になっていますね。四が正看、四が准看、二が看護職員と、こうなっています。こういう中でいわゆる看護基準が決まっておりますが、私は当面の経過措置といたしまして、大体、重症患者、いわゆる俗に言う担送患者もしくはまくら元に赤い印がつけてありますが、そういう人々がどのくらいおるかと言いますと、病院によっても違いますけれども、大体四十ベッドありますと四人ぐらい、約一割じゃないかと言われています。これは病院によっても違うと思いますけれど。ですから、そういう人には常時一人の看護職員が付き添うと。でありますから、極端なことを言いますと、四、四、二の二のところでもふやして、そして付き添いさんを置かなくていいようにするということは、私は経過的な措置として、いま一番差額徴収問題で問題になっておりますところの付添看護における患者負担を解消する道だと思いますが、この点ひとつ大臣どうでしょうか。やはりそういうことについて英断をふるって、当面は一人付き添いを置くことによって一万円も負担をしなきゃならぬ。基準看護で本当は要らないはずでありますが、どうしても、たとえば一つの例を挙げてみますと、四十ベッド、二・八体制をとっておりますと、深夜や準夜になりますと、看護婦さんが一人ないし二人で四十ベッドのめんどうを見ています。そうしますと、重症患者が四人もおりますと、夜中にブザーが鳴るととってもこれは手が回らぬわけであります。そうしますと、基準看護特二類といっても、どうしても付き添いを現実は置かざるを得ない、これが実態なんですよ。そういうところからぜひ大臣、この点は私は、いま申し上げた看護職員を増員をする、こういうことによって付添看護による患者負担の解消をやったらどうかと思いますが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(大和田潔君) ただいまの先生の何と申しますか、先生の御質問、御意見に一歩進めるというようなことで私どもといたしましては、重症患者につきまして看護を手厚くする、基準看護病院におきまして、重症患者が一定の部屋または病床に収容された場合には、その病院の職員によりまして看護が行われるということを条件にいたしまして、各病院ごとに承認された一定割合の範囲内で、基準看護加算のほかに特別加算を設けるというようなことを、前向きにいま検討しているところでございます。その結果といたしまして、先生おっしゃいましたように、四、四、二の看護比率、看護要員比率がこれは変わってまいるということももちろん考えられるわけでございます。
○安恒良一君 大臣、いま検討している最中だということですから、これはいわゆる保険外給付負担解消のいま一番大きい問題でもありますから、ぜひ、ひとつ、いま申し上げたようなことについて積極的な検討をして、付添看護における患者負担の解消をしていただきたいと思いますが、大臣の御見解を聞かしてください。
○国務大臣(園田直君) 積極的に努力をいたします。
○安恒良一君 次は、これは本会議でもお聞きをいたしました。これも非常に重要な問題でありますが、正常分娩の現物給付化についてでございます。 これについて、まず最初に資料をいただいておりますから、この資料を時間がありませんから私の方で読みますと、鉗子分娩で七日間乙病院に入院した場合、六千五百二十七点、こういうふうに点数が出ていまして、ですからこれは現在で六万五千二十七円と、こういうことが一つと、それから帝王切開の場合、これは一万二千九十一点ですから、十二万円ちょっとと、こういうことであります。このほかに分娩介助料が、大体国立病院において約五万円かかる、こういうことになっていますね。そこで、これをいまは現金給付でありますが、現物給付にした場合にどのぐらいの財政措置が要るのか。ここにも試算表いただいておりますから、結果のところだけ、現金給付の場合と、現物給付に切りかえた場合にこれだけの財政影響が出ると、こういうことについてお答えください。
○政府委員(大和田潔君) ただいまの積算でございます現物化とした場合、先生のいまおっしゃいましたようなことで積算いたしますと、十五万円一人当たり、その場合に現在の件数を見ますと、本人分十五万件、配偶者分三十六万件、合計五十一万件の分娩の現物給付というようなことが積算の基礎になるわけでありますが、それが約二百四十八億、この二百四十八億というのは、現在の五百十七億が現行の所要額でございますが、これを先ほど申しました十五万円に対しまして五十一万件の現物給付が行われますと、七百六十五億円ということになる。それから現行分を引きますと二百四十八億、約二百五十億の財政影響がプラスということで出る、こういうことでございます。
○安恒良一君 ちょっとこの数字正確でありませんね。十五万円掛ける本人の十五万件ばこれでいいんですが、五十一万件の中には配偶者が三十六万件ありますね。そうすると、今回はこれは八割給付になるんでしょう。だからここだけ十割というわけにはいかぬでしょう。そうしますと、この金額、差の二百四十八億というのはかなり狭まりますね。これは、あなたたち、いわゆる本人はいまのところはすべての医療健康保険現物給付出来高払いは一応十割ですね。家族は、七割を今度八割ということですから、そうすると、この数字違いますね。どうですか。
○政府委員(大和田潔君) これにつきましては、一応の仮定ということで計算をしておるわけでございますが、先生おっしゃいますように、現物給付家族は八割ということで計算いたしますと、これに八掛けをしなきゃならないと、こういうことになります。
○安恒良一君 大臣、ちょっとこれ見てください。いわゆるもうこれは、わが国の御婦人から長い間の運動としてぜひ正常分娩を現物給付化してくれと、こういうことの運動があるわけです。今度の芙蓉会富士見事件が出てきたのも、あれは正常分娩について現物給付にしていないというところに、一つの原因もあるわけです。 それから、欧米先進諸国におけるところのILO一〇二号条約の批准状況の中を見ましても、大体多くの国が世界の常識といたしまして正常分娩時の医療及び予防給付は医療給付の中に含まれると、こういうふうに欧米先進諸国もなっているんですが、わが国は依然としてこの問題についてはいわゆる現物給付になってないのであります。 しかし、今日のわが国の実情の中からおきまして、私はぜひともいま言ったように、保険財政的に見ましてこの試算でいっても、二百四十八億ふえるだけだと。これは正確でないのであります。三十六万件はこれの八掛けになりますから、そうすると、大臣、二百四十八億というのは、さらにこれは金額は少なくなるわけであります。私は、もうここらで実は鈴木総理にぜひとも本会議でひとつ総理の英断ということで迫って、一つぐらい鈴木総理もやはりいいことを言われた方が、最近人気が非常に落ちておりますから、いいことじゃないかと思って御質問をしたんでありますが、残念ながら鈴木総理はよくそこのところを真意が御理解なくて、現行のままというお答えでありましたが、大臣どうでしょうか。この前の本会議の私の議論、それから世界各国における正常分娩の扱いの問題、それから日本の人口構造からいって、私が申し上げましたように、いま夫婦二人で一・七二人だと。これではますます人口の老齢化、民族問題もある。こういうような実情等を考えますと、私はどうしてもそういう点で現物給付にこの際踏み切るべきときに来ているんじゃないか、ぜひ大臣としての、正常分娩の現物給付化についてひとつお考えを聞かしていただきたい。よくこういうことを言いますと、すぐ返ってくる言葉は、現行が自由料金になって非常に幅が広いんだ、だからどこにポイントを置いていいかわからぬ、こういう言い方されます。しかし、私はなぜこの表を出さしたかというと、正常分娩と鉗子分娩、どちらが大変かというのは、これは鉗子分娩の方が大変であります。ですから、鉗子分娩と同じ点数にしてこういう状況になるということをわざと試算してもらったわけでありまして、でありますから、その限りにおいては私はぜひ大臣にここのところは、いま正常分娩のときに利用者の負担は十万円から百万円ぐらいの格差があって、自由診療の形において行われておるんですね。これでは私はやっぱりいけないと思いますから、ぜひ現物給付化する、これはどうでしょうか。 それから、一遍に現物給付化がもしもどうしてもできないとおっしゃるならば、診療報酬における点数法には諸経費を包括した定額制、こんなところに定額制として払っていくという方法も一つの方法だと思いますが、私はもうこの際思い切って現物給付にして点数にした方がいいと思いますが、この点について大臣のお考えをひとつ聞かしてください。
○政府委員(大和田潔君) 先生御承知のように、実はこの問題につきましてはいろいろ問題があるということでございます。率直に申しまして医療機関側の受け入れ体制というものが整いません限り、この現物給付化というのは非常にむずかしい、こういったような現状でございます。したがいまして、私どもといたしましては、これは分娩の費用が確保できるような現在の制度というもの、つまり分娩費の充実というものに努めてまいるということで何とか対処してまいりたい、このように思っておる次第でございます。
○安恒良一君 いや、そんな答弁じゃわからぬわけですよ、いろいろ問題があるとか、むずかしいとかね。そうすると、また、じゃいろいろとは何だ、むずかしいとは何だといって、またそこで時間がかかるんですよ。もうこういう問題は何回も議論しているんですから、いろいろ問題があるとか、むずかしいとか。だから、私は大臣に答弁求めているんですが、どうでしょうか、大臣、やはり今日のこういうような世界各国の趨勢の中から、また日本の人口構造の問題から、ありとあらゆることを考えた場合にひとつ前向きに、この点はただ単にむずかしいむずかしいとおっしゃるが、というのは、いわゆるお医者さんの、特に産婦人科関係のお医者さんの反対があること、強いこと知っていますよ、反対が強いこと知っていますよ。私から言わせると、最大の原因はそこにあると思う。しかし、そんなことに行政、政治というものが気を使っておったらどうにもなりませんから、大臣、この点は一遍前向きにひとつ検討に入ろうじゃないか、そういう芽を出すということはどうなんですか。むずかしいむずかしいということで断わられ続けたんじゃ、これもまたどうにもならぬですが、大臣、どうでしょう。
○国務大臣(園田直君) 現物給付については各方面から長い間強い意見があることはよく承知をしております。これがなかなか実施が困難だというのは、受け入れ側がなかなか了承しないということを事務当局では原因にしているようでありますが、また逆に言うと、分娩の給付とそれから異常分娩の給付の問題があって、産婦人科病院にいろいろ問題が多いということも事実でありまして、産婦人科病院のいろんな問題の大きな原因の一つは、ただいまの分娩に対する給付にあるということも事実であります。したがいまして、これを現物給付に一遍に切りかえることが困難であれば、現行制度の中で何か方法はないものか、これは勉強してみたいと考えます。
○安恒良一君 これは勉強してみたいということですから、この点は保留をしまして、後からまたさらに論議を同僚委員その他からも深めていただくことにして、ぜひ大臣、非常にいまやこの正常分娩の現物給付化というのは日本の全国の御婦人の強い御要望でありますから、ぜひひとつ、前向きに御検討をお願いをしたいということで、きょうはこの程度にとどめておきます。 次に参りますが、いわゆる保険医の資格要件の問題について、それからお医者の生涯教育の問題、この二つの問題についてお聞きをしたいのでありますが、現在は保険医というものについては、わが国では都道府県知事に申請するだけで何の資格要件もありません。保険医に関してはいわゆる学校を卒業して医師免許を取り、一定の研修をしたらもうあと都道府県知事に申請するだけでいいんで、何らの資格要件もありませんが、自由開業医と違いまして、保険医の場合は西ドイツ、イタリア、台湾などでは一定の資格要件を求めておりますですね。ですから、これも全部私がいま諸外国の例を一つ一つ挙げる、西ドイツの資格要件がどうなっているとか、台湾がどうなっている、イタリアがどうなっている、その他の国がどうなっている、これ資料全部ございますが、これを中身を一つ一つ読み上げるわけにまいりませんし、また厚生省の方でも、それらの問題については調査、研究をされていることだと思います。 そこで私は、今日、医師に対する国民のいろんな不信が一つあります。それからいま一つ、今日の医学、医術というのは非常に日進月歩でございまして、私はある専門医のお医者さんにお伺いいたしますと、大体三年ぐらいが一サイクルじゃないかなどというようなことを専門の大学の先生からもお聞きをしました。そういうことから言いますと、医師免許を取得をした後、まず保険医になるためには指定医療機関で一定の年限、これはここで一定の年限は技術的でありますから後で議論すればいいことでありますが、まず研修をする、それから三年ないし五年に一回再研修を受ける、こういう新しい保険医になるための資格要件というものを制度的に明確にしたらどうなんだろうか、制度的に明確に。そのことによって今日医療事故とか医療不信とかいうことがなくなる。恐らく個々のお医者さん方は、それぞれ自主的に医学技術の進歩におくれないような御勉強はされていると思いますが、私は、やはりアメリカならアメリカの制度についても研究してみましたら、やはり三年なら三年に一回必ず指定をされた、たとえば大学の病院であるとかいわゆる研修が受けられるにふさわしい病院に行って、いわゆる何日間とか何十時間とこういう再研修を受ける。そして、新しい医学、医術をきちっと身につけてやる、こういう制度がアメリカ等においては特に確立をしておるようでありまして、私は、今日の日本の現状の中においても、こういうことがぜひ必要だというふうに考えますので、いわゆる保険医及び保険医療機関の資格要件と再教育、指導ということでただ単に指導ということになると、いや指導すりゃいいということになりますから、私から言わせると、再研修ということについてどのようにお考えなのか、考え方を聞かしてください。
○政府委員(大和田潔君) この保険医の研修、これはもう全くお説のとおり、保険医につきましてはもう資質の向上というものを考えていかにやならぬわけでありますが、基本的にはこれは保険医というよりも日本の医師の生涯教育ということによるのではないかと思うわけでございます。 保険医につきまして申し上げますと、医師につきましては、医師免許取得後二年間の臨床研修ということに努めることとされておりまして、これがほとんどすべての医者がいわゆる保険医療機関で臨床研修というものを受けておるわけでございまして、そういったようなことで、まずほとんどすべての保険医というのは臨床、いわゆる研修を行っておるわけでございますが、それ以外に、保険医につきましてはいわゆる社会保険指導者講習会を毎年一回開催するというようなことで資質の向上、研修というものを行っておるわけでございます。 また、保険医として登録された場合には集団指導、あるいは個別指導といった指導が行われるというようなことで、いろいろな機会にそういう研修を行うようになっておるわけでございますが、やはりこれは先生おっしゃいますようにまだ足らぬ、これにつきましては、今後いわゆる医師の研修というものにあわせまして拡充強化していかにやならぬというふうに考えておるところでございます。
○安恒良一君 私は医師の生涯教育を含めて、やはりこれも、保険医の資格要件にこれを義務づけていかないと、極端なことを言いますと、いま言われたようなことで医師免許を取って開業し保険を扱い出すと、それでいこうと思ったら実際はいけちゃうわけですよ。だから、私はやはり諸外国でとっておりますように、三年なら三年、五年なら五年には一回必ず再研修を義務づけて、そして再研修を受ける、そして本当に国民に信頼されるお医者さんになる、このことは決してお医者さんにとっても悪いことではないと思いますが、大臣、やはりお医者さんの生涯教育を含めて、特に保険医というのは日本の医療保険制度の中における一定の約束の中で保険医の資格を持つわけですから、そういう意味から言って、お医者さんのいわゆる生涯教育を含めてということで、こういうことはこれは保険局長の答弁じゃないんですよ。医務局長が、技官である医務局長がどういうふうに考えるか。保険局長は医者じゃないんだからわからないんだ、本当は。ですから、そういう意味から言って、医務局長と大臣、私はいわゆる三年に一サイクルと言われている医学、医術の進歩にきちっと負けないようにするためには、やはり再研修制度というものを義務づけしていく、その中身はこれから議論して詰めていいと思いますが、やっぱりそういうことがあった方が、今日の日本の医療の中でもいいんじゃないだろうか、こう思いますが、まず医務局長どうですか、それから後、大臣。
○政府委員(田中明夫君) 御指摘のように、医師の生涯教育の必要性については申すまでもないことでございます。現在は、先生も御指摘のように、医師それぞれが各種の学会に出席するとか、あるいは自分の母校の病院に行くとか、あるいは医師会等が実施している研修会に参加するとかいうようなことで、それぞれ自分の知識あるいは技術を向上させているわけでございますが、厚生省といたしましては、こういうような各種の機会を体系的に整備していくとともに、現在、開業医が身近なところで研修を受けやすくするために、地域医療研修センターというのを設けているわけでございますが、その数をふやしてまいりたいというふうに思っております。そうしまして、こういうような研修体制の整備を図ることにより医師の研修の実効を期しつつ、先生御指摘の、医師の資格制度のあり方についても検討をしてまいりたいと思います。
○国務大臣(園田直君) いまの健康保険医ということでありますが、これはまあ届け出すればだれでもなれていると言っても過言ではありません。したがいまして、お医者さん自体が健康保険医の指定を受けていることを名誉だとも一つの資格だとも思っていない。かかる患者も、健康保険医の指定を受けているからりっぱなお医者さんと思っていない。こういうことは非常にこれ大きな問題でありまして、やはりだんだんこういうふうに変わってきますと、お医者さんの方も健康保険医の指定ということは一つの資格だと思い、簡単に健康保険医総辞退などというばかげたことはおっしゃらぬようになるし、患者もまたこれを信頼する、こういうことから、保険医の指定については、御意見のように何らか考える時期が来たのではなかろうか、こう私も思います。
○安恒良一君 私は、きょうは一つは明らかにしておきたいんでありますが、連動条項の場合、第一に私が質問したいわゆる国庫負担と保険料率との連動の問題については厚生大臣だけでは明確になりませんので、厚生大臣に大蔵大臣と御相談をお願いをしたいということを申し上げましたが、ぜひこれは大蔵大臣にもお話ししなきゃなりませんから、大蔵大臣に二十分間御出席を願いたいということで、けさほどからお願いしておきましたが、きょうはどうしても都合がつかぬ、こういうことでありますから、私は質問を二十分間保留をいたしまして、できるだけ大蔵大臣に早い機会に都合をつけていただいて、やろうと、こう思います。 そこで、残された時間がもうあと十分しかございませんので、保険外医療の供給体制の適正化問題につきましては、休日、夜間、救急、僻地診療の問題とか、医療機関の適正配置の問題とか、それからいわゆる予防にまさる治療なしという意味で、予防、保健所の問題であるとか、こういうような問題については、私に与えられた時間の範囲では質問ができません。これもまた改めて同僚委員に後からお願いをするとか、後日、その問題について議論をしなきゃならぬ、こういうふうに思いますから、残された時間の中で、特定治療方法に対する専門医によるチェックという問題について、ひとつ質問をしてみたいと思うのでありますが、御承知のように、今回の芙蓉会富士見病院における事件も、まだこれはいまのところ犯罪問題として警察当局が捜査をしております。厚生省も独自な調査をされていると思いますけれども、子宮や卵巣をやや安易に勝手に摘出をしたというところに大きな問題がございます。それから、さっき私がME機械の中で議論しましたように、血液の人工透析、この問題もありまして、これがいま急速にわが国においては人工透析は普及をしてきております。しかし、私は、少なくとも内臓の摘出とか移植など、人体に重大な影響を与えるおそれがある治療、あるいはまた血液の人工透析など、長期にわたって高度医療を継続しなきゃならぬ治療等については、それぞれ、治療法におけるところの専門医による委員会を設けまして、その意見を聞いた上でこれを行うようにすべきである、そういう方向のいわゆる相互チェックといいますか、そういう制度を確立をしなきゃならぬのじゃないかというように実は私は考えるわけであります。 実例といたしまして、結核予防法が制定をされましたとき、公費負担になりましたときに、それぞれ、地域ごとにおける専門医のチェックを受けて、結核予防法の公費負担の適用を受けた事例がわが国にはあるわけであります。そういう意味で、特に人工透析などが、営利の手段として、人工透析の患者を募集して回るなどという不祥事が一部起きて新聞などにも報道されたこともありますから、大臣、この際私は、いま申し上げたような内臓の摘出、移植等、人体に重大な影響を与える治療、あるいはまた血液の人工透析など、長期にわたって高度医療を継続していかなければならぬ治療等については、専門医による、まあこの専門医は都道府県単位につくれる場合もありましょうし、特殊な疾患の場合にはブロック別につくらなければ、なかなかそんな専門のお医者さんがいない場合もありますから、その方法等は技術論として後から議論をするにいたしましても、制度的に特定治療方法における専門医のチェックということについて、ひとつ考えるべきところに来ていると思いますが、この点については、大臣どのようなお考えをお持ちでしょう。また、大臣はどのように前向きに取り組もうとされているのか、お考えを聞かせてください。
○国務大臣(園田直君) 診断、治療、特に重要な治療、手術等について他の医師の診察を主事医が求めたり、あるいは他の医師と合議制によってやったりするという例は、いままでわが国医師界においても良識ある医者のとった態度であります。しかしながら、それがこのように荒廃してきた今日、諸外国と同様に一つのシステムをつくって、そうしてそれをやるようにチェックすることを諸外国でやっておりますので、わが国でもそういうふうにシステム的にやる必要があるのではないか、このように考えておるところでありますので、さらに検討してみたいと思います。
○安恒良一君 さきに保留していました民間の薬価問題で答弁をしたい、こういうふうに理事からメモが回ってきておりますから、あわせて、時間がありますからこれを答弁していただきたいということと同時に、いまのところ大臣、これは、やはり私は、診療行為の相互監視、批判し合えば内容も高まるということで、ここのところ、いわゆるお医者さんの中にも医の倫理の確立、制度化の努力ということでいろいろな論評も寄せられておることですから、これもぜひ早急にひとつ取り組んでいただきたい。そうして何らかの方法、結論を出していただきたい。そうして、私は、国民が医療に不信や不安を持つということは一番いけないことだ、医療というのは医者と国民の相互信頼関係の中にあらなきゃならぬと思いますが、残念ながら、いま日本の医療というものはその点において非常に荒廃を来しておりますから、ぜひ大臣、前向きにその点は御答弁をしていただきたいということをお願いしまして、先ほど保留されました薬価で民間関係についての答弁をお願いします。
○委員長(片山甚市君) 大臣先にやってください、厚生大臣。
○政府委員(大和田潔君) 民間の薬価差益率でございますが、これは五十一年五月に中医協が実施いたしました医療経済実態調査結果から試算をいたしましたものでございます。この薬価差益率は、この医療経済実態調査の結果から社会医療調査によります薬品費率、薬剤費比率を用いまして推計をいたしまして、その結果でございますが、これは、一般病院は二七・八%、それから一般診療所は四二・〇%というふうに推計しております。
○国務大臣(園田直君) 私の答弁すべきこと、まことに失礼でございますが、いま申し上げましたチェックの問題についての答弁でございましょうか。——その点ならば、先ほど申し上げましたとおり、医師の良心と良識だけに任しておく段階ではありませんので、諸外国の例もよく参考にして研究し、検討したいと考えます。
○安恒良一君 薬価問題で、いまの中医協の五十一年の資料なんか持ってきて言われたって全然問題にならぬわけですよね。いま、民間で購入しているいわゆる薬価の乖離を言っておったわけですから、私は読売新聞などを利用して言いましたから、そのことだけは御注意をしておきます。私が聞いたこととは違います。五十一年の資料を持ってこいなどと言いません。それだけです。
○委員長(片山甚市君) 安恒君から本日の委員会に大蔵大臣の出席を要求しておりましたが、同大臣は出席できないので、同大臣に対する質疑約二十分を保留することにいたします。 小平芳平君。
○小平芳平君 それじゃ、質問します。 医療の荒廃とか、医療費のむだとか、いままでもるる御質問がありましたが、安恒委員の最後の点に関係して、臓器を切り取るという、まあ病気の場合はやむを得ないわけですが、臓器摘出ということについて若干質問したいと思います。 で、この富士見産婦人科病院の場合は、警察の方で書類送検をして医師法違反の幇助の点だけはけりがついたと。ただし、傷害罪は非常にむずかしいというような報道がありましたが、警察庁の方から御説明を願いたい。
○政府委員(谷口守正君) 富士見病院事件の捜査につきましては、理事長北野早苗に対します医師法違反につきまして、埼玉県警察において鋭意捜査してきたわけでございます。 その結果、十月一日に起訴になりまして、その後、訴因変更がなされたわけでございますけれども、同県警察におきましては、それに並行いたしまして、この病院の医師らが、この北野早苗の違反事実についてどのような形で関与しているかどうかにつきまして捜査をしてまいったわけでございますが昨日、十一月十七日に、医師などに対します医師法違反等につきまして、浦和地検川越支部に対しまして書類送検したところでございます。 で、送致事実の態様を簡単に申し上げたいと思います。 理事長北野早苗の無資格診療に対します院長北野千賀子外四名の医師、すなわち青井保男、佐々木京子、堀八重子及び手塚一郎の違反容疑事実といたしましては、昭和五十三年一月から五十四年の十二月までの間に、延べ八百四十五名の患者を、北野早苗の無資格診療であるということを知りながら超音波診断装置による検査に回していたものでございます。 このうち七十八名の患者に対する分につきましては、北野早苗の無資格診療行為を容易ならしめたと、医師法違反の幇助として、また、残りの延べ七百六十七名の患者に対する分につきましては、無資格検査行為をさせた保健婦、助産婦、看護婦法いわゆる保助看法違反の共同正犯としてそれぞれ立件したものでございます。 このほかに、院長北野千賀子の指示によりまして、医療関係の資格が全くないという秘書課長北野純子が、昭和五十四年一月から五十五年九月までの間、五十一回にわたりまして五十名の患者の手術縫合糸の結糸をした行為でございますけれども、これにつきましては、北野千賀子と北野純子の保助看法違反の共同正犯として立件いたしました。 また、同じく院長北野千賀子の指示によりまして医療関係の資格を全く持っていないという秘書の浅岡由理子が、昭和五十四年二月から五十五年八月までの間二十五回にわたりまして、二十一名の患者に対しまして心電図検査をした行為がございます。これにつきましては、北野千賀子と浅岡由理子の保助看法違反の共同正犯として立件したわけでございます。結局、医師法及び保助看法違反の共犯として立件したわけでございますけれども、延べすでに九百二十一名の患者の方々の分につきましてこのたび捜査が終わり、書類送検をしたということでございます。 今後、さらに補充捜査をする必要があるわけでございますけれども、先生御質問がございました、告訴が出ております医師などに対します傷害罪の捜査がございます。この点につきましては、この前もお答え申し上げましたように、埼玉県警察におきましては全力を尽くして捜査をしてきておるところでございますし、今後引き続きこの関係につきまして捜査をしてまいりたいということでございます。
○小平芳平君 厚生省に伺いますが、この問題は健康な人の臓器を取り除かれたというところに非常にショックな出来事であったというふうに思うのですが、そういうことは取り除いた臓器が健康体のものか、それとも病気になったものか、一般的に言って、その取り除いた臓器が保管してあればあればわかるものですか。
○政府委員(田中明夫君) 一般的に申しますれば、取り除かれて保管されている組織の病理検査によって解明できるものが多いと思います。
○小平芳平君 そうしますと、この所沢の富士見病院の場合も、十分そういうことが可能だと思われますか。
○政府委員(田中明夫君) その点につきましては、ただいま警察当局の方で患者さんの訴え、あるいは患者さんのカルテ、それから患者さんから摘出されました臓器の病理的検査等についての鑑定が専門家の手によって行われているのではないかと考えております。
○小平芳平君 警察としては、十分それに説明がつくと申しますか、科学的に、医学的に十分な検査なり鑑定なりをなされておられますか。
○政府委員(谷口守正君) この病院に対します捜索の結果、押収されました臓器につきましては、告訴に係ります傷害罪の正否を判断する意味において重要な証拠物でございます。そういう面におきまして、現在専門家の方々にお願いいたしまして鑑定をしていただいているところでございます。
○小平芳平君 わかりました。 それで傷害罪は何か立ち消えになるかのように新聞には出ておりましたが、そういうことはないわけですね。
○政府委員(谷口守正君) 先ほどお答え申し上げましたように、埼玉県警察におきましては医師法及び保助館看婦法の違反関係につきましての医師等に対する容疑、この捜査は一応終わったわけでございますけれども、傷害罪にかかわる捜査につきましては、二回にわたる被害者の方々からの告訴を受けまして、現在、従来の体制をそのまま堅持して鋭意捜査をしておるところでございます。
○小平芳平君 よくわかりました。結構です。 それで厚生省に伺いますが、こういうことがありますと東京の産婦人科病院へ、つい最近お聞きしたことですが、所沢から来るというんですね、患者さんが。それで、二軒三軒の病院を回り歩くわけです。とにかく一カ所で診断された、でもちょっと不安でならない、したがって、もう一軒行くというふうに。これは無理からぬことだと思うんです。そういうふうにして、ただでさえ検査が、検査づけなんて言われますが、それに輪をかけて何カ所か歩かないと不安でならない。これは非常にむだでもあり、また重大なことでもあると思うんですが、そういう点をなくすような方策はないですか。
○政府委員(田中明夫君) まあかぜとか簡単な下痢とかいうような病気は別といたしまして、やはり子宮あるいは卵巣を摘出するとか、あるいは人工透析を行うとか、さらには腎の移植を行うというような、非常に患者さんの生命あるいは健康に将来とも重大な影響を及ぼすような医師の診断につきまして、患者さんが、これが正しいのだろうかどうかというような疑問を持たれまして、さらに自分が信頼する別のお医者さんの診断を受けるということは、これは先生もおっしゃられましたように、私は人間の気持ちとして当然ではないかというようにも思うわけでございます。で、やはりやたらに医者を変えるあるいは何人もの医者にかかるということは医療費のむだにもつながるというような意見もございますが、先ほど申しましたような非常に重大な病気あるいは重大な診療を必要とするような診断につきまして、ほかの信頼するお医者さんにさらに意見を求めるということは、私は一概には否定できないのではないかというふうに思っております。
○小平芳平君 それは私の言ったことで、そういうことが否定できないわけです。あなたはこうなんですよというふうに言うと、ああやっぱりというふうに、ここでもそう言われたかというふうに言われるほど、回り歩かないと不安があるというその現実の医療体制というものに欠陥がありはしないか、そのためにどう対処すべきか、そういうことをお伺いしたわけです。
○政府委員(田中明夫君) 私が申し上げましたのは、現在の医療の制度あるいは医療機関あるいは医師の能力といいますか、そういうものを勘案いたしまして、かなりりっぱな医療機関のいわゆる名医と言われるような方に診断を受けましても、先ほどのような重大なケースについては、もう一人しかるべきお医者さんの判断を求めるということは、私としましては、あっておかしくないことではないかというふうに思っておるわけでございます。
○小平芳平君 それでは、おなかを手術するような病気だと診断された場合は、二軒三軒病院を回って歩きなさいと、二軒三軒四軒と病院を回って歩かなきゃ安心できませんよと、そういう指導を厚生省がするわけですか。
○政府委員(田中明夫君) もちろん病気の種類によりまして、非常に急性で一刻を争うような病気につきましては、そういう余裕もないわけでございますけれども、実際問題といたしまして、この富士見事件の問題の後、私、周りにおりますいろいろな人に聞いてみましたところ、子宮筋腫というようなことで手術を勧められた場合には、実際に二軒あるいは場合によってはもう一軒回っておられるという人が大部分でございますし、人によりましては、この先生の診断はもう間違いないんだからということで、十分それだけ信頼できる主治医を持った方の場合には、ストレートにその指示に従うということもありましょうし、それはそれで非常に恵まれたことだと思いますけれど、私といたしましては、実態がそういうことでございますし、これを一概に退けることはできないというふうに思っています。
○小平芳平君 実態はそういう実態にあるから、そこで厚生省としては、行政としては安心して医者にかかれるように、少なくとも健康な臓器を健康体から取り除いて、これはしまったというようなことが起きないように、そういうことはできないのかということを尋ねているわけです。
○政府委員(田中明夫君) これは当然医師として的確な診断をし、それに基づいて適切な治療を行うということが要請されているわけでございますので、私どもといたしましては、そういう意味で医師の資質の向上という点につきまして、さらに一層の努力をする必要があるというふうに思っております。
○小平芳平君 大臣、お聞きになっておられまして、やっぱり医務局長が言うように現実問題、二軒三軒回って歩かなきゃだめなんだと、それはどうしようもないんだというお考えですか。
○国務大臣(園田直君) これを恒久的なものにするのはなかなか問題があると思いますが、いまとりあえず所沢の富士見病院でそういうことがあったために起こった一時的な現象でありますから、これは心理的にも非常に大きな問題であります。したがいまして、何か地元のお医者さんたちと相談をして、一カ所へ行けばそこで一週間のうち何回か皆さんが集まって一緒に検診をするとかなんとかして、不安を持った患者さん方が心理的に安心されるような方法はないものか、事務当局に検査してもらいたいと思います。
○小平芳平君 すでにある地区の医師会ではそういうふうに集団で検診をしているところがあるでしょう。
○政府委員(田中明夫君) 所沢の事件に関連いたしまして、私どもは近くの医療機関の中で最も権威があると考えられます防衛医大の専門の教授にお願いいたしまして、希望される方につきましては事後の検査を実施しておるところでございまして、その診断の結果に基づき、それぞれさらに必要とあるような方につきましては、適切な医療機関を紹介するというようなことを実施しておるわけでございます。
○小平芳平君 地域の医師会が一カ所に集まって診断をしているということは御存じないですか。
○政府委員(田中明夫君) ちょっと残念ながら知りませんです。
○小平芳平君 それでは次に、注射の乱用によって起きる筋拘縮症については、当委員会でも参考人をお呼びいただいて審議したことがございますが、そのときの参考人の御意見としては、九九・九九%医原病であるというふうな御意見であったわけです。それで、一時下火になったかと思いましたが、最近になってまた発生している。この注射の乱用によって一生涯子供の足がびっこになってしまう、動かなくなってしまうということが和さているということが報告されておりますが、いかがですか。
○政府委員(金田一郎君) 筋拘縮症児の把握につきましては、乳幼児の健康診査、三歳児健康診差など、あらゆる機会をとらえて患者の発見に努めるよう県を指導いたしておりますが、その患者数につきましては、昭和五十二年末現在で四千六百三十一名という報告が参っておりますが、その後におきましては、私どもの方へほとんど報告は参っておりません。
○小平芳平君 それがまた発生しているということが言われておりますので、至急調査をしてほしいということです。
○政府委員(金田一郎君) ただいま御指摘の点につきましては、県の方へ報告が参っておれば県からは直ちに私どもの方へ報告が参ることになっておりますが、なおそういったケースがないかどうか、先生御指摘の件につきましては十分検討いたしてみたいと思います。
○小平芳平君 それからもう一つ、厚生大臣、スモンですね、まさしく薬の乱用から起きたわけですが、乱用というよりもむしろ、その物自体毒だったかもしれないですが、スモンの説明はいろいろ全部省略しまして、解決は先月いっぱい、あるいは国会が終了するまでと言って、国会終了するのはきのうだったわけですが、これはいかがでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 先月末、長くとも今国会中にはとお答えをしたわけで、本当は今国会とは昨日終わったわけであります。相手のあることでございまして、全力を傾注いたしましたが全部解決することはできませんでした。ただし、東京地裁の所見と勧告にはこれに従うということで、直ちに裁判所において三社は和解の協議に入ったわけでございます。札幌の裁判所における勧告、所見も全面的にこれを承諾するようにと強く要請しましたが、これは東京裁判所の所見、勧告の和解協議を見た上でと、こういうことで全面的にこれを要請どおりに承諾することはできませんでしたが、九割はできました。あとの一割になお全力を注いでいるところでございます。
○小平芳平君 御努力を感謝しますが、ぜひとも全面解決ができますように期待いたします。 それから薬の乱用につきまして、これもいつも言われていることで、しかも解決できないでいるわけですが、たとえば九月十九日付ですか、添付販売、おまけつき販売というようなことで医療のむだを重ねているということ、こういうことは一々法律で規制していてもなかなかし切れないところがあるようですが、余りにも歯がゆいと思われませんか。
○政府委員(山崎圭君) お答え申し上げます。 いわゆるおまけつきとか添付販売の禁止につきましては、従来から業界に対しまして私どもの立場といたしまして強く指導を行ってまいってきておりまして、そういうことで先般も御指摘のように添付の事実が発見されましたために、いわゆる薬価基準からの削除という、そういう処分が行われたわけでございまして、そのことに関連しまして、改めて私どもといたしまして業界に対しまして添付販売等の根絶を強力に指導いたしたところであります。また、都道府県に対しましても、これの関連の監視、指導の強化についても指示をしたところであります。そのようなことで、後を絶たないということではありまするが、さらに一段と問題を関係者が一層認識するようにやっていきたいと思いますし、あるいはその周辺問題、あるいはその基本問題といたしましても、一つはプロパーの資質向上でございますとか、あるいはまた添付ではございませんが、試供品の適正管理、これなどにつきましても業界に対して指導を行ってきたわけでございまして、これにつきましても、業界は業界として自主的な規制をそれぞれ対応策を講じております。これらにつきましても、さらに一段とその指導方を強めたいと思いますし、さらにまた基本的な問題といたしましては、医薬品の流通対策という問題につきまして基本的に考え直してみようと、こういうような趣旨も持ちまして先般私どもの部内の研究会も発足させております。それらのこともあわせまして、お話しのように、医薬品の流通に関しましての、何と申しますか、世間の批判、こういうものに対しましては十分こたえてまいりたいと、かように考えております。
○小平芳平君 先ほどの筋拘縮症は医原病であることは間違いないと。しかし、この注射を打った医師に過失があるのか、それとも薬そのものがいけなかったのか、それとも両方かということに分かれたわけですか、いかがですか。
○政府委員(田中明夫君) 筋拘縮症の原因につきましては、先天性のものもあるという説もございますけれども、筋肉注射によるという意見が一般的でございます。しかし、先生が申されましたとおり、筋肉注射の薬剤によるものかあるいは注射行為そのものによるものか、また頻回注射によるものか、いろいろ意見が分かれておりまして、的確な原因についてはまだ研究会において研究が進められている段階でございます。
○小平芳平君 その原因究明はどういうところで検討しているわけですか、それはいつごろをめどにしてやっておりますか。
○政府委員(田中明夫君) 筋拘縮症につきましての研究班は、昭和四十九年の五月に大腿四頭筋拘縮症に関する研究ということで日大教授の佐藤孝三先生を班長として発足いたしまして、主として診断基準の研究を行ったわけでございます。その後、発生の予防と患者の指導の方法を行う研究班が国立小児病院の副院長の堀先生を班長として発足いたしました。さらに、同年の十月には両班の合同研究班会議が持たれまして診断基準が定められたわけでございますが、この研究班が、その後も引き続いて治療の方法あるいは原因の究明等について研究を続けておられるわけでございまして、私どもできるだけ早く原因の究明その他につきまして結論を出していただきたくお願い申し上げておるところでございますが、非常に問題がむずかしい問題のようでございまして、現在のところ、いつまでに結論はいただけるという見通しはついておりません。
○小平芳平君 とにかく患者さんは苦しい毎日を送っている、御本人も家族も苦しい毎日を送っているわけですので、厚生省としても真剣に取り組んでほしいと思います。 それから次に、週刊誌や新聞でよく出ます丸山ワクチンについてですね。丸山ワクチンについては、五十二年に私が質問をしたときには、あと半年ぐらいでどちらかにめどがつくというような御答弁があったんですが、それから三年ほどたちましたがどうでしょうか。
○政府委員(山崎圭君) お答え申し上げます。 丸山ワクチンにつきましては五十一年の十一月二十七日にゼリア新薬工業という会社から製造承認申請が出されました。これまでに中央薬事審議会におきまして五回にわたりこの問題について調査、審議が行われております。そういう経緯でございますが、申すまでもなくその医薬品の承認に当たりましては、申請者から提出されました基礎実験でございますとかあるいは効力を裏づける試験でございますとか、あるいは臨床試験、こういった資料を総合的に審議、評価してなされると、こういう運びになっておるわけでありまして、丸山ワクチンにつきましても提出されました資料について、そういう過去五回にわたっていろいろ審議されました結果、残念ながらといいますか、総合的評価においてその有効性を確認するにはまだ資料が不十分であるとされたと、これが結論でございまして、さらに当該申請者に対しまして追加資料を出すように、そういう要請をしているところでございます。したがいまして、今後のめどといたしまして、見込みといたしましては、必要な資料が提出された時点で改めてこの審議会におきまして審議が続けられると、こういうことでございます。
○小平芳平君 総合的に医学的に判断されなくてはならないことは私もそのとおりに思います。そうでなくてはならないと思う。が、しかしこの丸山ワクチンは実に効果があると思って使っている人のためには、早く容易に入手できるようにしてほしいという念願があるわけですね。かといって、あれは効果はないんだというような医学界の御意見、まあ効果がないと言い切ってしまえるかどうか、とにかくそういう疑問をはさむ意見もあるわけですね。それが絶えずニュースになるわけです。ですから、まじめにというか、ちゃんと服用している人にとっては実に苦々しい思いでニュースを見なきゃならないというような場合もあろうかと思うんですね。 まず、ことしの五月十六日に当時の野呂厚生大臣がしかるべき権威の人と会って客観的にそのお話を聞こうとなさったと。しかし、国会解散でだめになったというような報道がありますが、これはいかがですか。
○政府委員(山崎圭君) 申しわけありません。私ちょっとそのことを承知しておりません。
○小平芳平君 じゃ、厚生大臣が一人で勝手にそういう動きをしたのでしょうかね。
○政府委員(山崎圭君) 少なくとも私薬務局長の立場としては、当時の野呂大臣のそういう御意向を承っておりません。
○小平芳平君 園田厚生大臣は陳情を受けられましたですね。そういうふうに報道されておりますが、篠原教授らが署名を持って園田厚生大臣に陳情したということが出ておりますが、大臣としてどう処置されましたか。また、今後どう処理されるおつもりか伺いたい。
○国務大臣(園田直君) 私、就任後篠原教授初め十名近くの方々が数万の署名を持っておいでになりました。そこで私は、この薬の効果については一方には薬害の陳情も受けておるし、簡単にできるものではないし、大臣が政治的判断によって右左言うわけにはまいりませんと、しかしまた一方、私自身は私の選挙区の方々でやはり丸山ワクチンの話を聞かれて、ぜひ治療してみたい、もしきかなくても、それで死んだら本望だ、こういうことで私を通じて、丸山先生にお会いしたことありませんがお願いをして、選挙区に送ってその半数は治り、そしてあとの時期おくれの人も痛みがなくなって治ったという例があるし、それから外務大臣しておりますときの私の運転をしてもらった方の奥様がやはりがんでありまして、数回手術されたが見込みがなくて、私は慰めの言葉を言っておったわけでありますが、この人が丸山ワクチンを聞いて治してもらって、いまでは非常に元気になっておられるという実情があるわけであります。かつまた薬務局長の話を聞くと、皆さんが薬害はないと、弊害はないと、こういう話は薬務局長から聞いております。したがいまして、薬のことでありますから大臣が感情によってどうこうするわけにはまいりませんけれども、そのような実績があるし、かつまたほかにいっぱいそういう方がおありで薬害がないとなれば、これはなかなかのことでありますから薬務局長にはぜひひとつ手続に従って、資料が足りなければその資料をそろえてこいと、好意的に援助をしてやって資料をそろえて審議会で通るように、好意的に処置をしてくれということを薬務局長には頼んでおるところでございます。
○小平芳平君 よくわかりました。私もいろいろ効果があるというお話を聞いているわけでありますが、しかし、そういうことで大臣がおっしゃるように政治が左右すべき問題じゃないわけですが、どこまでも医学上、薬学上の問題として薬務局長どうですか、もう一回見通しをおっしゃってください。
○政府委員(山崎圭君) 先ほどお答え申しましたとおり、現在追加資料の提出というものを待っているところでございまして、その提出がされました時点におきまして、改めて中央薬事審議会の場で審議が行われる、こういう運びになるわけでございまして、先生御指摘のとおり、全くこれは医学薬学という専門的な立場からの御審議を待たなければならない性質のものであると、かように考えております。
○小平芳平君 次に、難病対策について伺いますが、まず、行管の方おられますか。 行管の方から公費負担医療ということに対して行政監察をなさった、その公費負担医療といっても数多いわけですが、公費負担医療の中で問題として挙げられるもの、特にこういう点が問題じゃないかという一般的な御意見、それから第二には難病対策について特定疾患事業、小児慢性事業、こういうことについての御意見、これは福祉的要素が強くなっているではないかというような御指摘があったように伺っておりますが、その二点について御説明いただきたい。
○説明員(宮地靖郎君) 御説明申し上げます。 公費負担医療に関します行政監察でございますが、これは事業が二十数種類の事業にわたっておりますけれども、その事業ができました後におきます医学、医術の進歩でございますとか、疾病構造の変化あるいは医療保険制度の拡充強化などによります社会経済情勢の変化に伴いまして、当初の事業目的と比べますと、単なる医療費助成的な運営になっているものもございますし、それからごく一部ではございますが、活用されていないものもございます。それから、すでに所期の事業目的が達成されたものも認められますので、そういったような事情を踏まえまして事業の必要性、そのあり方等について見直しをする必要があるのではないかということで勧告をいたしたわけでございます。 二番目に先生の御指摘の難病特定疾患あるいは小児慢性事業につきましての件でございますが、これは公費負担事業のうちでも治療研究という特殊の性格を有するものでございまして、その運営の実態を見ますと、治療研究を行うのに適当な医療機関を選定をしていないというような点も見られますし、あるいは治療研究に関します成果の測定、あるいは把握といった面で他の公費負担事業と異なった治療研究としての特殊性が希薄になっているという面もございますので、そういう点を踏まえまして、当面事業目的に沿った運営に努めるように勧告をいたした次第でございます。
○小平芳平君 第一の点をもう少し具体的に御説明ください。第一の点、公費負担医療のあり方ですね。
○説明員(宮地靖郎君) たとえば寄生虫予防でございますけれども、すでに対象の事業が一事業になっておりまして、その事業等につきましては年間わずか六十名程度の患者の発生しか認められないものといったようなものもございますし、それから結核対策等につきましても、すでに国民病と言われましたその事業がかなり成果を挙げまして、事業目的はかなり達成をされたというふうに認められますので、もう一度事業のあり方について再検討をする必要があるのではないかという点でございます。
○小平芳平君 厚生省はどう考えますか、そのいまの御意見について。
○政府委員(大谷藤郎君) 私どもの方では、治療研究につきましては特定疾患調査研究事業とあわせまして、難病研究の最終的には推進を図るという立場から治療費の負担をやっているわけでございまして、先ほど御指摘のような点がございますので、その点につきましてはできる限り都道府県と協議し、また専門家の意見も聞きまして、本来の趣旨に沿った形でやっていけば問題はないというふうに考えているわけでございます。
○小平芳平君 結核についてはいかがですか。
○政府委員(大谷藤郎君) 結核の公費負担につきましては、現在なお結核の重要性という点から考えまして、私どもとしては公費負担医療制度を存続すべきものであるというふうに考えているわけでございます。
○小平芳平君 何ら見直す必要はないということですか。
○政府委員(大谷藤郎君) すべて疾病構造というものは社会の変化、人間の状況の変化というふうなものによって大いに変わっていくわけでございまして、私どもといたしましては、結核を永久に公費負担すべきものというふうには考えておらないわけでございます。しかし、現実といたしましては欧米諸国に比べましてなお三、四倍の高い罹患率というふうなものがございますし、またこれが社会的に及ぼす影響等も考えますならば、なお、結核の公費負担制度につきましては当面存続すべきものであるというふうな考え方に立っているわけでございます。
○国務大臣(園田直君) 難病対策というもの、結核の問題二つについて私の意見を聞いていただきたいわけでありますが、難病対策は進行性筋ジストロフィーを初めなかなか悲惨な状態における患者でありまして、難病についてまだ治療までは行っていないわけでありまして、その原因とどういう治療をやればいいかという一つの研究資材に患者がなっているわけであります。私は前に厚生大臣やりましてから十三年間、こういう方々と個人的なつき合いをし、いろいろ相談しているわけででありますが、実際は難病対策と申しましても残念ながら、私の厚生省がやっているところでありますけれども、予算が僅少でありまして、薄寒い大学の地下の一室で暖房もとれないまま若いお医者さんが研究をしておるし、かつまた患者の母親は、かみそりで自分の足の肉をそぎながら一それを持っていって研究をしてくれなどという、原始的といえば原始的、悲惨といえば悲惨の状態でありまして、難病対策については二十一の病気をいま指定しておりますが、私はなお二、三その指定を追加すべき状態にあると考えております。 結核については、御承知のとおりに大分下火になってまいりました。しかし、なお結核で死亡する方の数字は諸外国に比べては大きい方であります。かつまた山火事と同じでありまして、この結核というのは下火になったからといって手を緩めると、また炎を上げて燃え出すのがこの結核であります。したがいまして、まだ抑え込むまでにはいっておりませんので、数字が少なくなってきたと、こういう段階でありますから、当面どころか結核対策については勇気を持つべきではあるが、ここで手かげんをすべき段階では断じてない、この点だけお聞き届けを願いたいと存じます。
○小平芳平君 行管としては、難病対策が福祉的要素が強いという指摘があったために難病対策を打ち切るんじゃないかと、福祉切り捨てになるんじゃないかということを心配する向きがありますが、そういうことは、そういうことが行管の考えではないわけですね。
○説明員(宮地靖郎君) 先ほども御説明申し上げましたように、その治療研究の目的に沿った運営がなされていないので、その目的に沿ったような運営をするようにということで、打ち切りということではございません。 それから、この点ちょっと、先ほど厚生大臣のお話の点に関連いたしまして、ちょっと補足さしていただきますが、行管の方で結核の問題につきまして勧告いたしましたのは、公費負担事業をやめてよろしいということではございませんで、保険制度が充実した現時点におきましては公費を優先するのか、保険を優先するのかといった点で、もう一度見直しをしてみる必要があるのではないかという点で勧告を申し上げた次第でございます。
○小平芳平君 それじゃ結構です。どうも……。 いま大臣からお話がございましたが、この難病対策としまして治療研究、調査研究が行われておりますが、なおかつまだ原因不明、治療法も不明というのが大部分の実情にあると思います。まあ逆に言えば、そんなに手っ取り早く治療法なり原因がわかるくらいなら、初めから難病とは言わなかったわけですが、それがわからないがゆえに難病対策として推進してきたわけであります。で、まず難病対策として効果があったと思われる、こういう疾病についてはこういう治療法が見つかったとか、そういうことがありますか。
○政府委員(大谷藤郎君) 私どもは難病と申しておりますのは、現在の医学で原因が不明、治療方法が未確定の非常にむずかしい病気でございます。そういうわけで、当初二十の研究班を組織いたしまして、一番問題になっております病気につきまして、各大学を横断的に研究班を組織していただきまして、研究を進めてきたところでございます。しかし、ここ数年来、そのやり方につきまして、いろいろな方法を検討いたしました結果、ある種の疾病についてはグループにいたしまして研究を進めていくというふうなことで、当初の疾病別の研究班を最近ではグループ別の研究班といたしまして、しかもそれを四十三に拡大いたしまして研究を進めております。しかし、先生御指摘のように、どの病気について、どの原因が明らかになったか、あるいは治療法が確立されたかというふうなことになりますと、これははなはだその評価がむずかしいのでございますけれども、いろいろな点で従来、世界の医学の中では余り研究分野で進んでおらなかった分野につきまして非常に進みまして、ある種の問題につきましては、最近非常に治療法が進められているところでございます。しかし、何分この問題については、現在、医学で世界じゅうで一番むずかしい自己免疫あるいは膠原病といった種類の病気につきましては、その原因について各国ともいろいろ意見が違うところでございまして、まだこれからの段階であるというふうに私どもは考えているわけでございます。しかし、その研究成果は非常に膨大なものに上っておりまして、世界的にも難病研究費による研究成果というものが認められてきております。いずれこれは患者さん方のお役に立つようになるというふうに私どもとしては確信している次第でございます。
○小平芳平君 たとえば、パーキンソン病のL−ドーパ剤というのがありますね。それは私の身近な人で脳軟化症だとばかり思っていた、またお医者さんからもそう言われていた。しかし、あるとき、ふとしたことから難病対策のお医者さんにめぐり会って、そして、いやそういう症状ならパーキンソン病じゃないかということで、L−ドーパ剤を服用して、もう即座にふるえがとまる、即座にとまるというわけじゃないけれども、そういう効果もあるんですね。
○政府委員(大谷藤郎君) パーキンソン病につきましては、本体的な究明あるいは治療方法が確立されたわけではございませんが、いろいろな研究の結果、対症的には、いま先生御指摘のようにすぐれた薬が出てまいりまして、適切に専門医の治療を受けるならば、この進行をある程度阻止できるというふうになっているわけでございます。
○小平芳平君 私が特に思いますのは、難病の専門病院といいますか、とにかく専門の病院なり専門の医師が必要なんですね。 これは東京都立府中病院、都立府中病院は宇尾野先生が中心になって、厚生省の研究班にも絶えず顔を連ねていらっしゃるわけですが、それゆえに非常に成果を上げている。それで、東京都立病院ですから都民が多いかと思うと、三分の一は他県の者が来ている。それから、八年間に研修に来た学生が四十五人に及んでいる。それから、駅前のホテルがいつも満員で繁盛している。ということは、都立府中病院に診療を求めているという現状にあるんですね。いまこういう状態にあるわけです。ところが、国としてはほとんど補助らしい補助はないわけですね。これはやむを得ないですか。
○政府委員(大谷藤郎君) 私ども従来、国立病院・療養所において病床を整備するという考え方でやってきたのでございますけれども、残念ながら府中病院につきましては補助という形ではやっておりませんが、研究費という形で、若干の応援をさしていただいておるというわけでございます。
○小平芳平君 まあ、リハビリの備品とか精神衛生に三千万とか、そういう程度でありますが、そういう基幹になる病院が必要なんじゃないですか。
○政府委員(大谷藤郎君) 基幹病院は確かに先生御指摘のように必要でございまして、厚生省といたしましては難病の中心施設といたしまして国立病院医療センターのほか、六カ所を基幹病院ということにいたしまして、臨床研究部門あるいは研修部門等を整備いたしまして、難病患者の診療、治療法の研究及び医師の研修ということに努力しようということで整備いたしているわけでございます。
○小平芳平君 宇尾野先生が具体的にこういうふうに数字を挙げて、宇尾野先生がというよりも府中病院がこういう活動をしている。現実にいまやっているわけですが、それに対して国は対応しないということですか。
○政府委員(大谷藤郎君) 先ほども申し上げましたように、対応しないというわけではございませんで、私どもも宇尾野先生が国の難病研究班の班長もやっていただいておりまして、研究という面では厚生省の研究費を相当投入いたしまして、難病の研究を推進していただいているところでございます。ただ、その施設の整備というふうなことになりますと、当面私どもといたしましては、先ほども申しましたように、医療センターほか六カ所を基幹病院と指定いたしまして、それを整備していくという考え方を当面とっているわけでございまして、先生の御指摘のような点もあるかと思いますが、当面は私どもとしてはそういう形で進めている次第でございます。
○小平芳平君 厚生大臣、それは都立と国立とありますから、やむを得ないことなんですが、とにかく府中病院といえば全然普通の人なら知りませんし、また関係もありませんですが、しかし神経性の難病の方にはきわめて有名なんですね。で、こうした病院が実際行ってみると、あれも足りない、これも足りない。第一、人員が足りないです。予算も足りないです。そういうことを言っていて、実際開いたけれどもベッドは完全に使えないわけですね。一部しか使えないわけです。ですから、そういう実情にあることだけ申し上げたいわけです。 それから、なお厚生大臣が新しく難病として追加しなきゃならないと言われた、まあ、大臣が追加するわけじゃなくて研究班がやるんでしょうけれども、大臣の御意見としてはいかがですか。
○国務大臣(園田直君) いまの府中病院、よく承りましたので、実情をさらに詳しく調べまして、この府中病院に対して何らかお力になる方法はないか、研究をいたします。
○小平芳平君 それから難病のつけ加え、追加は。
○国務大臣(園田直君) 衆参両方の委員会でいろいろ委員の方々から御意見も出ましたけれども難病対策の病の指定、いま二十一やっておりますが、さらに一、二追加する方が適当ではないかと考えて、それぞれ検討しているところでございます。
○小平芳平君 次に、先ほども安恒委員からお話のありました診療報酬について厚生大臣に伺います。 厚生省医務局で調査をしている「一般病院移動年計による医業収支率表」と、これによりまして病院が赤字になるということが予測されておりますね、それはいつなんでしょうか。
○政府委員(大和田潔君) 公的病院一般の収支状況につきましてまだ現在のところ赤字になるというようなところまではいっておりません。この波形があるわけでございますけれども、まだ一〇〇を切っておるわけでございます。
○小平芳平君 一〇〇を切っておりますが、これは支払い利子等が入っていない統計でしょう。それから、移動年計だからその月で区切ったものではないわけですね。
○政府委員(大和田潔君) そのとおりでございます。
○小平芳平君 ですから、実態としてはまだ一〇〇を切ってないからいいんだというふうに言えないわけでしょう。
○政府委員(大和田潔君) 病院によりましては、これは病院の平均でございますので、病院によりましてはいろいろ収支の非常によくなくなっているところ、あるいはまだ非常にいいところというのがあるわけでございますけれども、こういった形の医業収益率の傾向というものの出し方というのも、もちろんあるわけでありまして、これによって従来は収支状況というのをトレースしておるわけでございます。 ただ、先ほどのお話のように、これを推計したらいつごろどうなるかというような推計については、非常にこれはむずかしゅうございまして、私どもなかなか推計ができないというようなことでございます。
○小平芳平君 診療報酬を改定するかしないか、それは別の問題でありまして、私が申し上げているのは、客観的に見て、病院は赤字経営になろうとしているかですね、あるいは現に赤字経営になっているか、とにかく厚生省でも御存じかと思いますが、十一月二十七日には病院経営危機突破全国大会があるわけですね。病院経営危機突破全国大会がありますと、各党の代表が行ってあいさつするわけですね。そうして聞いていると、診療報酬は当然改定しなきゃならないというような御意見が多いわけですね、その場合は。 ですから、客観的に見て病院経営が苦しいかどうか、いやまだ大丈夫だという判断か、それとも、もうそろそろ限度だなという判断かということになるだろうと思うんです。 そういう場合に、厚生大臣としては先ほどの午前中の御答弁では、年度内は改定しないということをおっしゃっておられましたが、齋藤前厚生大臣は年度内にやるということを約束したというふうに新聞に出ておりますが、その辺が分かれ目じゃないでしょうか、いかがでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 医療費の改定については午前中にやや踏み出して物を言ったわけでありますが、私は病院の経営その他が少なくとも安全で楽ではないと、楽ではないと、こういう見方をしておりまして、しかも医療費の改定はすでにもう三年近くやっておりません。物価、医療費の増等から判断をしてなかなか大変だろうとは私も想像いたしております。したがいまして、医療費の改定をやらないとは私は一回も言っておりませずに、その期熟せずと、こういう言葉でいままでごまかしてきたわけでありますが、それは機関の長としての大臣よりも、予算その他を控えた政治的な私の配慮からよるものでありまして、やはり医療費改定というのは医療機関にとっては大変なことであるという認識は持っております。 そこで、前厚生大臣が医師会とどのような相談をされたか、私は事務引き継ぎでは承っておりませんので詳細は知りませんが、私も先生と同じようにそういうニュースは聞いておったところでございます。食い違うかどうかわかりませんが、諸般の情勢から年度内には無理だなあと、こういうことを考えているわけでありますが、それも腰だめの数字その他ではなくて、やはり予算、財政再建、そういう問題からいってなるべくいまのところは、表に出ないように抑えた方が医療費改定のためにも、その他の予算のためにもよろしいと、こういう配慮から来ておる私の発言でございます。
○小平芳平君 厚生大臣のそういう意味の発言は了解いたします。ただ、厚生省医務局としてせっかく病院経営の実態を調べておりながら、そういうことが全然この際問題にならないというのはおかしいじゃないですか。
○政府委員(田中明夫君) 先ほど保険局長から御説明申し上げましたとおり、病院の経営につきましては五十三年二月の診療報酬の改定によりまして全体として非常に好転してまいっておるわけでございますが、まあ最近石油価格の高騰等によりまして若干かげりを見せてまいっているという実態でございまして、ただ先ほど保険局長も申し上げましたとおり、まだ全体として稼働平均で見ますと赤字ということにはなっておりませんので、まあいつこれが赤字に転ずるかということについてはなかなかお答えしにくいわけでございますが、やがてそういうような時期も来るかと考えられます。こういう統計を、当然厚生省といたしましては参考にしながら医療費改定の一つの参考資料として使っているわけでございます。
○小平芳平君 それから、有床の診療所と無床の診療所と経営格差が大きいということ、それはどういうふうに把握しておられますか。
○政府委員(大和田潔君) これにつきましては、最近これは発表いたしたわけでございますが、五十一年五月に行いました医療経済実態調査、これは発表は最近でございますが、この医療経済実態調査によりますと、有床診療所におきましては、これは一カ月の収支でございますが、収支差額は二百六万四千円、無床診療所につきましては収支差額が百五十三万四千円と、こういうようなことになっております。やはり収支差額は有床の方が大きいということになっておるわけであります。
○小平芳平君 そういうぐあいに病院経営が困難になりつつある。私がいま有床、無床と言ったのは、別の資料で言ったわけですが、これは局地的な資料ですからよろしいです。いま挙げませんけれども、そういう中にあって病院経営危機突破大会が開かれるということに対しまして、厚生大臣から何かおっしゃることばありませんか。
○国務大臣(園田直君) 病院側の決議その他を拝聴しながら、どうやってこれに対応すべきか、いろいろ対応策を考えながら、医療費改定の参考にしたいと考えております。
○小平芳平君 次に、今回の健保改正に当たりまして、厚生省はどういう方向を目指したかということを示してほしいわけです。これは途中で修正になったり、いろいろありましたが、本院としてはきょうが初めての審議する日なんですがね、この参議院で健保の審議に入るに当たりまして、医療議のむだの排除、負担の公平、本人と家族の給付格差の解消、保険外負担の解消、まあいろんな項目があるわけです。いろんな項目がありますが、厚生省としては、いつも健保改正のときには、単なる財政対策ではないのですと、こういう、抜本的に制度そのものを変えて、抜本改正に一歩一歩近づいていくのです。というような説明をいままではしばしばしてきたわけですが、今回はやはり単なる財政対策なのか、まあそれが一番大きいと思いますけれども、どういう方向を目指していたか、また目指していくかということについてお尋ねしたい。
○政府委員(大和田潔君) 政府の提出いたしました健康保険法案につきましては、これは制度間格差の是正、あるいは本人、家族の給付水準の格差是正、一部負担の適正化等につきまして必要な改正を盛り込みまして御提出をしたわけでございます。先般の衆議院の修正によりまして、たとえば給付率につきましては、家族の入院給付率を七割から八割に引き上げるというところで、この本人、家族の給付水準の格差是正ということが見られておりますし、あるいはまた健康保険組合間の財政調整というようなこともありまして、制度間格差の是正にも一歩を進められておるわけでございます。 また、これらの話し合いの過程におきまして、保険外負担の改善ということが話し合いの過程におきまして推進されることに相なったというようなことに相なると思います。
○小平芳平君 目玉はこれですというものをほしいですね。いま何かうやむやと返事されましたが、逐次具体的にお尋ねしていきます。 まず、医療保険において国庫補助というのはどういう意味がありますか。医療保険において国庫補助が出ておりますが、それはどういう意味で、どういう理由で出されておりますか。
○政府委員(大和田潔君) 医療保険制度は、保険料によりましてその給付費を賄うというのが原則であると考えておるわけでございますが、政府管掌健康保険におきましては、被保険者に所得の低い階層が多い、あるいは高齢者が多いということ等のために財政基盤が弱い。それを考慮いたしまして必要な国庫補助を行っておるということでございます。
○小平芳平君 財政基盤が弱いという、そういう見地からしますと、政管健保は組合健保と比べて中小企業の労働者が多い。したがって賃金が低い。保険料収入が少ない。それに対し、労働条件の悪さから罹患率が高い。老人の割合が多い。したがって給付費が多いということになるわけです。収入が少なくて支出が多いという構造ですから、同じ割合の保険料を取っている以上、財政事情が苦しいのは当然であります。それを保険財政として維持していくためには国庫補助を導入していく。これはむしろ当然のことだというふうに言えるわけでしょう。
○政府委員(大和田潔君) そういうような御趣旨から、先ほど私が申しました趣旨並びに先生いまおっしゃいました御趣旨から、政府管掌健康保険におきまして国庫補助を導入してまいったわけでございます。ただ、国庫補助率が実はすでに一六・四%と、この国庫補助率はかなり高率な国庫補助になっておるわけでございまして、そういったような高率な国庫補助というものを勘案いたしまして、これはもう答弁の先回りになってしまって恐縮でございますけれども、この国庫補助の連動規定というものをなくしましたわけでございますけれども、そういうような背景には、いま申しましたように二八・四%というのはかなり高率な国庫補助になっておるというようなことがあるわけでございます。
○小平芳平君 高率な国庫補助になっていると言いますが、高率になることも制度をつくったときには当然予測できたわけでしょう。
○政府委員(大和田潔君) これは、保険料の弾力条項によりまして、保険料の千分の一引き上げに伴いまして〇・八の国庫補助率の引き上げというものが行われまして、現在におきましては一六・四と。これは国庫補助率の一〇%から実はスタートしたわけでございますが、それがいま一六・四%になったと、こういうことでございます。
○小平芳平君 そういうことですから、国庫補助は連動すればふえるということ。第一、初めは定額であったわけですね、四十八年まで。それが定率にするために健保改正で大騒ぎをした。そのときにこの負担増はがまんしなさいと、国庫補助は定率で連動させますからと、こういうふうに言って、そのときの国会はそういうふうに言い切ったわけでしょう。
○政府委員(大和田潔君) これは先ほどの安恒委員からの御質問にも出ておりましたが、三者三泣き的な意味合いが込められておりまして、その連動というような規定になったというふうに私どもも理解をしております。
○小平芳平君 ですから三者三泣きの連動をどうして今回やめなくちゃいけないのか。
○政府委員(大和田潔君) 先ほども申しましたとおり、一六・四%という国庫補助率というのは、これは他の制度に比べましてもかなり高率な国庫補助であると。これはいまの財政事情から見ましてもこれ以上の国庫への依存というものは期待できないという、こういう判断があるわけでございまして、そういうような意味から、どうもこれ以上の国庫補助の連動というものをさらに継続することは困難であるというふうに考えたわけでございます。
○小平芳平君 三者三泣きで定率補助を創設したといういきさつですね、それがここへきて定率はやめますと、一六・四は大変高い数字ですということだけで済まされますか。
○政府委員(大和田潔君) やはり現在の国家財政の状況から見て、やむを得ないんではないかというふうに考えるわけでございます。
○小平芳平君 現在の保険制度では、国民はその保険制度を選択して加入することはできないですね。つまり国保は国保、政管は政管、その加入すべき保険制度があって皆保険制度になっている。で、自分はどうも政管は気に食わないからといって、その制度を勝手に抜けてほかへいくわけにはいかないわけでしょう。
○政府委員(大和田潔君) そのとおりでございます。
○小平芳平君 そうすれば、給付を平等にするためには国庫補助に頼らざるを得ないわけですね。
○政府委員(大和田潔君) 給付を平等にするための一つの手段ということだと思います。やはりその制度における財政の均衡というのは、本来的には保険料という形で財政均衡を図るべきだと。しかしいま先生おっしゃいましたように、やはりいろいろな面で加入者の状態あるいは負担の方の、たとえば給与の所得の状態といったようなことから差があると。それに対しまして国庫負担ということによりましてその均衡、負担と給付の均衡を一歩進めるという、そういう意味合いはあろうかというふうに考えております。
○小平芳平君 次に、政管健保財政収支の四十九年度以降の推移を見て、四十九年度から五十四年度までの六年間を見ますと、前三年と後三年は全然違っておりますね。つまりほとんど赤字累計が前三年で出ているんです。四十九、五十、五十一で。そうですが。
○政府委員(吉江恵昭君) おおむねそのような傾向になっております。
○小平芳平君 そうしますと、この前三年はどうしてこれほど赤字が累積したか。後三年はどうしてそれほど累積はしなかったのか。
○政府委員(吉江恵昭君) 前三年、これは精細にこれを解明するということはなかなか困難ではございますが、例の石油ショック、オイルショック直後の、所得も異常に伸びた、あるいは医療費も伸びたというような状態を背景にして、私どもの政府管掌の意図する保険料率の手直しと財政収支が必ずしもかみ合わなかった。どちらかというと、おくれぎみな点が多かったというようなことが一つの原因だろうと思います。 それから後三年のうち、特に五十三年度、五十四年度でございますがこれは、五十三年度はいわゆるインフルエンザの流行が全然なかったということが一つの原因でございますし、五十四年度につきましてもインフルエンザの流行が、本当に年度末にしか影響がなかったというような事情があろうかと思います。いずれにしましても、その途中におきまして保険料率のアップとかあるいは若干の制度改正、つまりボーナス保険料の創設とか、そういう収入面のいろいろな対策、それから医療費改定による支出増というようなものが複雑に入り組んでおりますが、大体はそういう傾向にあろうというように考えております。
○小平芳平君 一番大きな理由は、医療費の改定が四十九年には二回あったわけですね。それが大きいじゃないですか。
○政府委員(吉江恵昭君) 大きく影響しておると思います。
○小平芳平君 そういう意味でも厚生大臣、医療費の改定はためておいて大きくやると負担が大きくなる。ですから、医療費を上げさえすればいいという問題じゃありませんが、かといってためておいて大きく上げるというのも余りいいことじゃないですね。
○国務大臣(園田直君) そのとおりであると考えます。
○小平芳平君 それで五十五年度の見込みはどうなりますか。
○政府委員(吉江恵昭君) 予算によりますと六百五十一億の単年度収支不足という積算をいたしております。
○小平芳平君 それは予算編成のときの最初の見通しですね。
○政府委員(吉江恵昭君) さようでございます。
○小平芳平君 最近の傾向はわかりませんか。
○政府委員(吉江恵昭君) 医療費の総額が月々出てまいっておりますが、五十五年度に入りましてから、五十五年の三月、四月、五月、六月、七月、八月いずれも医療費の総額では非常に伸びております。一番高いところで一四・九%あるいは四月の一六%、一六%台、低くっても一〇%ちょっと、これはあくまで総額でございますが、そのような傾向になっております。
○小平芳平君 それで結果としてどう見通されますか。
○政府委員(吉江恵昭君) 先生あるいは御承知かと思いますが、例年三月から八月、年度前半、この三—八見直しというものをやります。といいますのは、それまで予算で見込みましたただいまの医療費総額、そのほかに被保険者数の伸び、あるいは標準報酬の伸び、それに従うところの保険料収入の伸び縮み、そこらがございますので、十二月の予算編成時までに年度前半の三—八見直しというものをやるわけでございます。その結果を見なければ、いまのところはちょっと五十五年度の見通しというのは申し上げかねるという状態でございます。
○小平芳平君 とにかく医療費が伸びるだけ患者負担とか、あるいは被保険者負担がふえるということでは政治は要らないですね。医療費がこれだけかかりました、これだけ赤字になりました、それだけ患者から、あるいは被保険者から徴収をするというだけでは何のための行政か、何のための政治かということになるわけですね、いかがですか。
○政府委員(吉江恵昭君) 先生の御指摘のあるところでございまして、私どもも常日ごろこの医療費の自然増の原因といたしましては、つとに言われておりますように、人口の高齢化による増加とか、あるいは医学、薬学の進歩による医療の高度化あるいは疾病構造の変化などもございますが、私どもは、政府管掌健保といたしましては、こういうものに対して自然増対策といたしまして成人病健康審査を実施して、いわゆる病気の早期発見に努めるとか、あるいは健康管理センター、これは主として全国の社会保険病院、独立の健康管理センターもございますが、そのようなものの整備を毎年三カ所程度ずつ図っていくとか、あるいはやはり政府管掌の負担において健康教育とか指導を図るとか、それから私どもとしてはレセプトの点検を実施するとか、それから今年度から始めました、直接この目的とはあるいは言えないかもしれないんですが、医療費のお知らせ運動を通じて被保険者の方に、医療費がいかにかかっておるかということをお知らせするお知らせ運動というようなものを私どものできる範囲内でやっておるところでございますし、これからもやってまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○小平芳平君 医療費のむだな分があればむだは排除しなきゃならないということ、そういうふうに私もいろんな方法をとらなくちゃならないと思います。一番手っ取り早く、注射、薬づけとよく言われますが、飲み残して捨てる薬はむだですね、これは。かといって、全部飲まなくちゃならなかったのに、あるいは捨てちゃって惜しいことをしたということにもなりましょうが、とにかくよけいに薬をもらう、全部飲んだらかえって害になる、そういう場合の薬はむだですね。それから、検査もさきの話のように所沢の富士見病院のように、病院が変われば全部検査をやり直す、それはやむを得ないとしても、大きな病院では同じ内科でも何々内科、何々内科、分科がしております。したがって、こちらから何々内科から別の内科へ行きますとまた全部検査をやり直す、それは必要があって検査をやる場合が多いと思うんですね。とにかく手術するとかそういう重大な決断を下す場合には、十分な検査が必要になると思います。思いますが、一般には検査づけと言われているんですね。したがって、薬づけ、検査づけと言われるような実態としては、どのくらいがむだな医療だと思いますか。
○政府委員(大和田潔君) いまの先生の、実態としてどれぐらいむだかということにつきましては、実は私どもそれに対しまして数量的に言えるような資料というものは持ち合わせておりません。
○小平芳平君 どうやってもそれは出てきませんか。
○政府委員(大和田潔君) 具体的にその医療費の非効率的な使用といいますか、そういうような問題としてはどういうものがあるかと。たとえば診療報酬の不正請求とか、あるいは医学常識から極端に外れた不当な診療行為であるとか、あるいは重複受診等であるとか、医師の指示に従わない行動であるとか、あるいは薬価基準価格と市場価格との乖離といったようなことにつきましては、どうも医療費の非効率的な使用が行われると、それから先ほど先生おっしゃいました、やはり極端な検査といったようなものもまさしくそのとおりであろうかというふうに考えるわけでございまして、こういったような事項としては挙げられるわけでございますが、具体的に数量的な問題としてはなかなかこれはむずかしいと、こういうふうに考えております。
○小平芳平君 医師と患者の信頼の確立のためにも、そういう点が、一カ所じゃ間に合わないから何カ所も検査するという、そういうことが必要があってなされるならともかく、みすみすむだになるようなことがないようにやっていくのが行政でなくちゃならないでしょう。
○政府委員(大和田潔君) そのとおりだと考えます。
○小平芳平君 そうすれば、いまのような薬、それから注射によっても被害が出ておりますね、薬とか注射とか。もう少し真剣に取り組まなくちゃならないと思うんです。 第一、領収書は発行すべきだということが言われているのに、なぜ領収書が発行されないか、義務づけられないか。
○政府委員(田中明夫君) 領収書につきましては、御案内のとおり、民法に規定されているところでございまして、患者さんが必要があれば医療機関から領収書の発行を求めることができることになっているわけでございます。現在、国立病院や自治体病院におきましては、会計規則等に基づきまして領収書が発行されておりますし、民間の医療機関におきましても、患者の求めに応じまして領収書の発行が行われているわけでございます。今後も、患者の求めに応じた必要な領収書の発行につきましては、医療機関がそれに対応するよう指導してまいりたいと思っております。
○小平芳平君 そういうことはいつものとおりですね。いつもそういうふうに説明されますが、そこのところをもう一歩踏み込んで義務づけるとか、もう一つ進んだ対策がとられない限り、なかなか問題が解決しないでしょう。
○政府委員(田中明夫君) 一般の医療機関におきまして行われました医療行為について、患者が自費で払う、あるいは一部負担を自分が払うということに関する領収書につきましては、われわれは現行民法の規定に基づいて、当然患者の求めに応じて医療機関が対応するというのが普通のあり方ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○小平芳平君 それではまた最初の質問に戻りまして、今回の健保改正で厚生省はこれをやりますと、こういう前進がありますということは何ですか。
○政府委員(大和田潔君) やはり私どもといたしましては、財政安定というのが一つあろうかと思います。それから、先ほど触れましたけれども、やはり家族の給付率のアップというようなことがあろうかと思います。そういったようなことが法改正の面で考えられると思いますし、その他健保組合間の財政調整の実施といったようなことも考えられようかと思います。それから、それ以外に保険外負担の問題につきましても、これは法律改正とは別といたしましても進めていきたいと、かように考えておるわけであります。
○小平芳平君 先ほどの薬価調査と保険医の指導、監査ですね、それから保険外負担の改善、そういう点について御説明願いたい。
○政府委員(大和田潔君) 保険医の指導、監査の問題でございますが、これはやはり何と申しましても、先ほど来御議論がございますように、医療というものが不正であるとかあるいは不当であるとかといったようなことでありますと適正な医療が確保できない、適正な医療費対策にもならないというようなことからいたしまして、私ども指導、監査の推進を図ってきておるわけでございます。 で、指導、監査の強化につきましては、従来保険局長を通じて不正診療の指導、監査というものをやってまいったわけであります。そのほかに五十四年一月におきまして、不当な診療につきましても指導、監査を積極的に実施するように都道府県知事に指示したところでございます。また、ことしの九月二十日、医療機関に対する指導、監督の徹底につきまして事務次官名で都道府県知事に指示したところでございます。そういうことで、今後とも指導、監査の強化に努めてまいりたいと思っております。 また、指導、監査体制の整備につきましては、昭和五十四年度におきまして中央に医療指導監査官、地方に医療事務指導官を新設いたしまして、五十五年度におきましてはさらにその増員を行ったところでございます。これらにつきまして、さらに今後とも体制を整備いたしまして指導、監査の推進を一層図ってまいりたいというふうに考えておるところであります。
○小平芳平君 保険外負担。
○政府委員(大和田潔君) 保険外負担につきましては、付添看護それから差額ベッド、それから歯科差額の保険外負担の改善というようなことを考えておるわけであります。で、特にこの付添看護、差額ベッドにつきましては、従来からこれの解消に努力をしてまいったわけでございますが、今後ともこの差額ベッドの解消につきましては、重症患者の収容という場合に、差額ベッドに収容されました場合に病院の職員で看護されるという、そういう条件をつけまして、特別加算を診療報酬の面で考えていかなきゃならぬではなかろうか、そういう点の検討あるいは付添看護につきましても、特別加算というものにつきまして、基準看護の上に特別加算をつけていくというような制度を考えていかにやならぬということで目下検討を進めておるところでございます。
○小平芳平君 少なくとも月に二十万、三十万、私が具体的に領収書を持ってきて説明をしたことがありましたが、付添看護だけで二十万、三十万というお金がかかるんです。そういうことが解消されますね。
○政府委員(大和田潔君) 逐次それは解消する方向に努力をしてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○小平芳平君 その逐次というのが問題ですが、解消されますと、そういうふうに二十万、三十万という、親が病気したから子供が働いて精いっぱい親に尽くすということから、二十万、三十万払って切り抜けたわけですが、その方はついに亡くなったですけれども、そういうことは、本人は親孝行のためということでやったことではありますけれども、行政としては、まことに医療行政の上から言ってそういう付添看護が必要だったと、二十何万円も毎月払ってきたということは大変なことだと、そういうことは解消しなくってはいけませんね。
○政府委員(大和田潔君) この基準、看護病院におきまして、やはり付き添いを行わせるということは解消しなきゃならない、で、この基準看護病院におきまして付き添いを行わせておるというような場合には、やはり基準看護の取り消し等を含みまして厳正な措置をとるということによりまして、これは厳しく対処をしていくというふうにわれわれは考えておるところであります。
○小平芳平君 いろいろ修正になったために、高額療養費自己負担限度額三万九千円、とれについてはどう考えますか。
○政府委員(大和田潔君) これは現行の三万九千円の額に据え置くということに修正されておるわけでありますが、低所得者につきましてはその限度額を一万五千円というふうにする予定でございます。そういうようなことで、低所得者に対しましては優遇措置がとられることになるというふうな措置になるわけであります。
○小平芳平君 保険料が上がりますからね、あるいは一部負担も上がりますから、せめて三万九千円と言わずもう少し下げて、高額医療の場合自己負担は下げますというふうにいかなかったですか。
○政府委員(大和田潔君) 現在、国民健康保険がやはり三万九千円でございます。どうもその辺のバランスからいきましても三万九千円というのがどうも妥当であるというようなことではないかと思うわけであります。
○小平芳平君 保険料が上がる、それから一部負担が上がる、それに対して高額療養費は据え置く、それから連動はなくすというようなことでどうも賛成しかねるですね。そういうことで負担増ばかりが目について、こういうことがよくなる、この点は間違いなく皆さんのためになります。そういう改正なんですということがないですね。いままでももう単なる財政対策ではない、こういうふうによくなるんだということを盛んに言いましたが、今度はそれがないですね、どうですか。
○政府委員(大和田潔君) 財政対策以外に、先ほど申しましたように、家族給付の給付率を七割から八割にしたということはやはり喜ばれるんではないかというふうに考えております。
○小平芳平君 次に、別の問題になりますが、薬の被害につきまして救済基金が設けられたですね。この救済基金の運用状況はどういうふうになっておりますか。
○政府委員(山崎圭君) お答え申し上げます。 救済基金の運用でございますが、現在のところ救済給付の支給の請求は七件の申請にとどまっております。大変少ないというお感じを持たれると存じますが、まあ何と申しましても制度発足初年度ということが大きく働いていると思われますが、さらに今後、状況の推移を見守ってまいりたいとは思っております。 なお、この点につきましては、多少PRの問題も大事ではないかと、かように認識しておりまして、基金にたとえば相談窓口を設置して、御相談にいらっしゃる方、あるいは手紙等の照会に対しまして親切に応対するとか、あるいはこれは従来からやっておりまするけれども、県なり保健所あるいは主要な病院にこの救済制度を紹介するパンフレットを送ったりしてまいってきております。 以上です。
○小平芳平君 まあ、この救済基金が繁盛しない方が結構なんですがね、どんどん被害者が発生して救済基金が繁盛するというのもどうかと思うんですが、知らないじゃないですかね、最大の理由は。そう思われませんか。
○政府委員(山崎圭君) 最大の理由がそうであろうということにつきましては、私どもも先生の御認識と一致しております。そういうことで制度のあり方を正しくPRする必要は十分考えておりまして、そういう意味で、先ほどもちょっと触れましたが、それぞれの病院なりあるいは保健所なりというようなものにこれを紹介すると、こういう努力をやってまいりましたが、さらにその辺の努力を進めてまいりたいと思っております。
○小平芳平君 それから、医療一一〇番ですがこういうふうにして訴えがくるという、それは確かに一つの成果があると思いますが、しかしこれから恒久的に運営していくにはどういうふうにすればいいかということが早速問題になってくると思いますが、いかがですか。
○政府委員(田中明夫君) 先生医療一一〇番というお言葉をお使いになりましたが、まあわれわれは医療相談コーナーということで、富士見病院の事件を契機として、国民の間に起こっておりますいろいろの心配に相談に応ずるということで、今月の二十日から都道府県に医療相談コーナーを暫定的に設けることにしたわけでございます。都道府県に設けることにいたしましたのは、一般の住民から必ずしも身近にないという欠点はございますが、私どもといたしましては、医療に関する、医療費の苦情、相談、あるいは医療の内容についての相談、そういうようないろいろの御相談にしかるべき専門家が対応するというためには、やはり都道府県というのが一番適当ではないかということでそのようにしたわけでございまして、国民の身近にということにつきましては、都道府県において巡回の相談班等を組織いたしまして、そういう御要望にも応ずるようにという指導をいたしておるわけでございます。で、今後これをどういうふうな形で恒久的な施策として持っていくかということにつきましては、一応暫定的な期間が終わりまして、もとに、平静に復した段階におきまして、その間の成果を十分検討いたしまして、今後の方針を立ててまいりたいというふうに思っております。
○国務大臣(園田直君) いま言われました二〇番、いわゆる医療相談所の窓口を各県につくったというのは、衆、参両方の各委員の方々のお知恵を拝借してやったわけであります。今日、医療に対する国民の信頼を回復するためには、考えておってとまるべき時代ではない、歩きながら考える時代でなければならぬと、こう思ってとりあえずやったわけでありますが、これは期間は暫定としてございます。というのは、やっておる間にいろいろこれを変化さしていきたい。当初は、いろいろ理屈をつけましても、いろいろ医療に対する不満とか苦情とか相談とか、そういう一一〇番的なことが重点になることはやむを得ないと思います。 なお、地域の医療機関に従事する方々でありますが、静岡初め、医師会で積極的にやはりわれわれも援助するという協力の御意図がある医師会もありまするし、これは人民裁判だからけしからぬと、こう言われる方もあるわけでありますが、だんだんやっておりますうちに、逐次目的が上がれば上がったたびごとにこれを変化さして、将来はその地域の患者とお医者さんが一体になって、しかも、最後の願いは、お医者さんが主人公で地域の住民が従属するというのではなくて、国民——患者が主人公でお医者さんがこれに奉仕すると、こういう正しい姿の相談窓口に将来はしたい。したがいまして、でき得れば将来、県から市町村へと、逐次この窓口は広げていきたいと、こういう考え方のもとに運営をしていく所存でございます。
○小平芳平君 実際問題は市町村でないと行き届かないと思いますね。県庁までとなりますとね、広い県ではなかなか大変ですから、実際には市町村に行き届いたときにその効果のほどがわかるということになるんじゃないでしょうか。で、厚生大臣としては不退転の決意で取り組むというふうな、新聞に出ておりましたが、せっかくのやりかけたことも途中で立ち消えないように、それこそ市町村段階までやり抜いてみて初めて効果がわかるというくらいに進めていただきたいと思いますがね。
○国務大臣(園田直君) 御発言のとおりでありまして、十分注意をしてやります。 なお、とりあえずやりましたので、予算その他の面もありますので、将来、可及的速やかに市町村にも窓口をあけて、直接住民の方々と電話じゃなくてお話しができるようなかっこうにすることは御指摘のとおり一番大事だと思いますので、そういうことでやりたいと考えます。
○小平芳平君 それから、相談を受ける場合に、主にどういうことになるかですね。富士見病院のようなでたらめ診療、乱診乱療ということがわかったのはずっと後のことなんですね。とにかく、問題が起きる前は、設備が整っていると、最新の機械が整っていると、あるいは出産をするにも設備が整っていて、安心してお産のできる病院だと、あるいは有名な人の宣伝文なんか、宣伝ビラなんかも配られているというようなことで、わざわざ所沢へ行ってまで病院を訪ねるという、そういう評価もあったわけですね。ですから、いまから考えると、何でもかでもME検査をする、あるいは手術が、常識で考えられないほどたくさん手術が行われている、そういうことはいまから考えるとおかしい問題だったわけですが、当時としては有名病院だったということ。したがいまして、どういうところに力が入れられていくか、相談コーナーですから、まあ何でも相談に乗りますということでありましょうけれども、お医者さんとしてはどういう点が大事だと思いますか。
○政府委員(田中明夫君) 従来こういう、まあ医療に関する相談の窓口を開いた場合に、また、特にそういう医療という名を打たなくても、府県の県民相談室その他でやはり医療に関する相談が行われているわけでございますが、こういう経験からかんがみますと、相談の七割ぐらいが医療費関係の相談になっております。まあ非常に高額の自己負担を取られたとかあるいは保険がきかなかったとか、その他いろいろな医療費関係の相談が七割ぐらいになっております。で、その残りの三割につきましては、ある医院のサービスが悪いといいますか、お医者さんの態度が悪い、あるいは看護婦の態度が悪いというようなサービスについての苦情、あるいはどこかいい医療機関を紹介してくれというような相談等でございまして、富士見病院で問題になっておりますような、あそこの医療機関は何といいますか、不適切な診療をしているというようなことはなかなか一般の人からはわかりにくいことでございますし、そういうことはそうあちこちであるべきことでもございませんので、まあ事例としては決して多くない事例だというふうに考えております。
○小平芳平君 恐らくそういう傾向になると思います。私もそう思います。 これは難病の相談ですね。難病の方の相談を受けた人の記録ですが、どういう相談が多いかといいますと、まず専門病院とよい治療法を紹介してほしい。まあ難病ですから病名がわからないわけですね。ですから、専門病院それからよい治療法を紹介してほしい、これが全員に共通した最大のものだったということですね。ですから、そういう意味でも核になる、拠点になる専門病院が必要だということを痛感いたします。それから、病名がわかったらどんな病気なのか、あるいは同病者で治った人がいれば教えてほしいと。要するにあなたの病気は何々ですというふうにわかった場合ですね。どんな病状かと。それから、治った人がいたら教えてほしいと。それから、経済面では治療費の問題、治療費の苦情ですね、いまおっしゃった。治療費の苦情はもとより、苦情というよりも、いかにして治療費を捻出するかの問題が多いわけですが、それから差額ベッドが依然として大きい。差額ベッドの負担に耐えられないというような問題。それから、地方へ行くと、通院交通費が大きな患者や家族の悩みの種になっているというようなことですね。ですから、大体局長のいま言われることに沿ってはおりますが、いままでこういうことは、厚生大臣が難病の方は非常に苦しんでいるということを先ほどお話しなさいましたが、難病団体の人が自分でやっているんですね。自分も難病なんですね。自分も難病で、しかもその難病団体の役員としてこういう苦情を受け付け、電話を受け、手紙に返事を書き、来た人に応対するということを、自分も難病でありながらやっているというのが実情だったわけですが、それが行政が窓口を開いてくれることによりまして今度は、難病に限りませんけれども、難病の人も気軽にまた相談できるだろうと思いますが、そういう意味の成果を期待しておりますがね。
○政府委員(田中明夫君) いま先生が最後に特にお挙げになりました難病の御相談につきましても、県のそれを担当しております専門の職員が御相談に応ずるようにいたすべく指導しております。
○小平芳平君 厚生大臣。
○委員長(片山甚市君) 園田厚生大臣、所見を述べてください。
○国務大臣(園田直君) いま御発言のとおりに私も考えながら拝聴しておったところでありまして、その御意見を踏まえながら、せっかくつくった窓口が患者や地域の方々のためになるように、いろいろ配慮してまいる決意でございます。
○小平芳平君 それからこれはすでに行われていると思いますが、薬に対する疑問ですね。薬は必ずもらったときに尋ねて、これは何の薬ですか、何に効くものですかと尋ねてからもらうものだという人もいるんですが、一般の人は何も知らずにいただいてきて、言われたとおり飲むというケースが多いと思うんですが、しかしこれ飲んで大丈夫だろうか、特にたくさんもらったときなんか全部飲んでいいだろうか、半分ぐらいにしておいた方がいいじゃないかというふうに思うんですが、どうですか。
○政府委員(田中明夫君) お医者さんは、患者さんを診療する場合には、患者さんの病状に対応して薬等も処方、投与するわけでございますので、私どもといたしましては、患者さんはお医者さんを信頼して、指示されたように薬を飲むというのが望ましい患者と医者の関係ではないかというふうに私どもは考えております。
○小平芳平君 指示されたとおり飲めば一番理想的ですがね。スモンの方も指示されたとおり飲んで大変なことになっちゃったわけですね。それからもう多少そういうことがあっても、たとえばストマイによるつんぼとか、こういう場合は難聴になることは覚悟の上で飲ませる場合があるでしょう。しかしそれが大変に病状が重くて、それで薬を飲むなら、多少の副作用はがまんするということになるでしょう。結核で死ぬ思いすればストマイで少々の難聴はがまんしろということになるでしょうが、それが、先ほどの筋拘縮症でもそうですよ。何でもないことに注射を打つんですね。熱を下げるとか、あるいは食欲が出るために注射を打つ、ですから食欲が出るために注射を打って一生足がだめになったという子供が拘縮症の方の会合へ行けばたくさん来ておりますがね。ですから、そこがむずかしいところですね。どうですか。
○政府委員(田中明夫君) 私ごときがお答えするような、お答えできるようなことか、ちょっと心配になるわけでございますが、御指摘のように、薬というものは、われわれ医学校におきまして薬理の先生から、薬は毒なんだから使うときは十分注意しなきゃいかぬという教育を受けておったわけでございまして、薬につきましての的確な、化学的な、その薬理作用というのを医者は十分勉強してそれを使用しなければなりませんし、薬のメーカーの方もそういう効果だけじゃなくて、副作用の点等についても十分の注意を払って、その薬を使うお医者さんに情報を提供するというようなことも必要でございましょうし、そういうできるだけの細心の注意を払い、適確な科学的な情報を診療するものに提供し、診療に当たるお医者さんは、それを十分心得て、患者の治療に当たるということがぜひとも必要であろうかというふうに考えております。
○小平芳平君 ですから、そういうことが相談コーナーの窓口で相談できればいいわけですね。ですから、そういうことにも、相談にたえられる体制となりますと、これは相当な専門家が必要になると思いますね。とにかく、いま申し上げたことは、患者と医師の信頼関係、この信頼関係が大事だという点、これはもう、かねがね厚生省もそういうふうに言っているわけですが、事実はそうなってないわけです。ですからそういう信頼関係を確立していくことが第一に必要なんだということです。それでそのためには相談コーナーを設けたり、それから医療一般の一切の相談に応ずるということが大事だと思いますが、もう一つ、薬と注射と、それから検査と、それが適当かどうかという判断ですね。それはある人は適当だと言うでしょうし、ある人はそれは行き過ぎだと言うかもしれませんし、それは何とも第三者が言うべきことじゃないという場合もあるでしょうし、そういう判断はどうしてつけていきますか。
○政府委員(田中明夫君) その判断は、診療に当たる医師が患者の病状に対応いたしまして判断すべきものであろうかと存じます。ただ、薬が日本では使い過ぎるという場合の例に引かれますのは、総医療費の中の薬剤費が非常に高いということかと存じますが、これは薬の量が多く使われたというのと直接に結びつくわけではございませんで、薬価が高ければ当然薬剤費の額も大きくなるわけでございますので、その観点において検討をする必要があるのではないかと思います。
○小平芳平君 薬と検査と注射について相談があった。そういう相談は不当なものだと、人民裁判だというような意見に対してどうされますか。
○政府委員(田中明夫君) この相談コーナーにおきまして、ある検査が適当か不適当か、あるいはある注射あるいはある薬を投与することが適当か不適当かということは、ちょっと相談コーナーの仕事といいますか、業務の枠から外れたことではないかというふうに考えておるわけでございます。やはり、そういう診療行為につきましては病院なり、診療所におきまして、お医者さんがなすべきことであろうかというふうに考えております。しかし、非常に特異な例につきましては、一応窓口には医師も、また薬事関係の人間も配置される予定になっておりますので、一般的な問題については御相談に応ずるということができると思います。
○小平芳平君 それが一番むずかしいところでしょうね。富士見病院の場合は、さっき説明しましたように、実にりっぱな病院だということにもなっていたわけですから、それが実はそうじゃない、とんでもないことであったということになったわけですから、しかし、いまの局長の説明では、それはお医者さんがやればいいのだ、相談すべきことじゃないと言ったら、それで相談コーナーを設ける意味がなくなっちまうわけですね。
○政府委員(田中明夫君) 特定の患者さんの診療内容についてといいますか、相談コーナーで診療そのものをやるというふうには考えていないわけでございますが、適当な医療機関を紹介してくれという御相談には、それなりに適切に対応いたしたいと思っておりますし、また、特定の医療機関につきまして、非常にその診療内容等につきまして苦情がたくさん出てくるというような場合につきましては、その診療機関の調査をいたして、そういう多数の声について対応いたしたいというふうに考えております。
○小平芳平君 だんだんこうおかしくなってしまうからやめましょう、このくらいで。(笑声) もう時間も来ますので、最後に厚生大臣から一つ伺っておきたいと思いますのは、すでに社会保障制度審議会に諮問されて審議しております老人医療費の問題であります。これは厚生省としての原案も発表されましたし、また費用負担区分も発表されましたが、その概要を、ごく概略を御説明してください。
○政府委員(吉原健二君) いまお話のございましたように、老人保健医療制度につきまして現在基本的な見直しを進めておりまして、厚生省の老人保健医療対策本部の第一次試案というものを去る九月に発表いたしまして、いま各方面の御意見も聞いておりますし、それを参考として制度審議会でも御審議をいただいているわけでございます。 この第一次試案の基本的な考え方は、今後の人口の高齢化というものに対応いたしまして、まず第一に健康な老人づくりを目指すということが第一のねらいでございます。 それから同時に、そのために従来の、現在の老人医療制度というものが医療に片寄っていたという問題点が指摘をされていたわけでございますので、疾病の予防から医療、さらにリハビリテーション、あるいは保健指導、そういったものを含めた総合的な保健対策を進めていくということを二番目のねらいにしております。 第三に、そういった医療及び保健を含めました費用負担というものの公平をできるだけ図っていく、均衡と公平を図っていくという三つのねらいでこの老人保健医療制度というものを考えているわけでございます。 費用負担につきましては、その費用負担割合につきまして先般A案とB案という二つの案をお示しをしたわけでございますけれども、いずれの案にいたしましても国、地方公共団体のほか、各医療保険制度というものが共同で財源を拠出して新しい制度の費用を負担すると、こういう考え方になっておりますし、実施というものは地方公共団体、市町村に総合的に医療及び保健を含めて実施をしていただくと、こういうことを考えているわけでございます。
○小平芳平君 それで、大臣に伺いたいことは、まず幾ら幾らの財源の範囲内で物事を考えようという場合と、それからそういうことは無制限に、お金は無限に使っていいということは言えませんけれども、そういう限度は考慮に置かないで制度自体を考えるべきだという考え方と二通りあろうかと思うんです。ですから、初めの方のあらかじめ財源を決めて、その範囲内でとなるとおのずからそれなりの制度ができ上がるだろうし、それからそういうことはお金が幾らかかるということを初めから考えるんじゃなくて、まず制度を積み上げるということでいくかということです。 厚生省の考え方としては、必ずしもお金の方、財源の方を——財源といっても絶対額を、予算を幾ら幾らというふうに想定しながら制度を考えるんじゃなくて、厚生省としてはむしろそういう絶対額を考えるんじゃなくて、理想的な制度を積み重ねていこうと、そうすることによって病人も減らし、病気を減らし、かかるお金も減らそうというふうに考えていらっしゃるのか、その辺を伺いたい。
○国務大臣(園田直君) 厚生省内の対策本部では第一次案を出しましたが、その後もまた検討を続けているわけであります。 今日の状態で財源を考えてやりますると、そうでなくても財源に縛られて、何もできなくなると、こういうことでありますから、今日の状態で財源は幾らかかってもいいというわけにはまいりませんけれども、やはり将来の長期、中期の理想像を描きながら、それに対する老人医療対策を決め、その中で後で財源は幾ら要るかということで、やっぱり健康管理であるとか、あるいは予防であるとか老後の生きがいのある生活をどう推進していくかと、これが第一義であって、なるべく年とった方がいつまでも若く、いつまでも健康でおられる、そして病気をされた方に対しては二番目にこの病気の対策をすると、こういう粗筋で検討をやってもらっているわけでございます。
○小平芳平君 したがいまして、医療費のむだは排除していかなくちゃならない、医療費にむだがあって、そしてそれがゆえに総医療費がかさむということは排除しなくてはなりませんが、だんだん高齢者がふえる、したがって医療費もかさむですね、これは。あるいは医学の進歩によって、医学、薬学の進歩によって医療費もかさむ、そういう分は当然のこととして受けとめていかなくちゃならないということでよろしいですか。
○国務大臣(園田直君) 急速に老人の人口がふえるわけであります。しかも、医療費はやはりかさんでくると、老人の病気は慢性、長期化が多いと、こういうことから考えますると、いま考えている老人医療というものが健康管理、健康の推進を重点にいたしましても、その効果が出てくるのは何年か後でありまして、現在はこのままの老人の姿がずっとしばらくは続くわけでありますから、これは当然老人医療費が若干かさんでくるのはやむを得ないことであると考えております。
○委員長(片山甚市君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十分散会 —————・—————