社会労働委員会 第6号
- 発言数
- 235 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1980/11/13
会議録
○委員長(片山甚市君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 本日の委員会に参考人として日本住宅公団の役職員の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山甚市君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(片山甚市君) 社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査を議題といたします。 本日は、理事会の申し合わせにより身体障害者問題に関する集中審議を行います。 質疑に入るに先立ちまして、この際、傍聴に伴う盲導犬並びに手話通訳の取り扱いについて御報告を申し上げます。 目の不自由な方々並びに耳の不自由な方々が盲導犬並びに手話通訳を伴って本日の本委員会の傍聴希望がございましたので、理事会で協議した結果、委員長はこれを許可することにいたしましたので、御報告いたします。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○渡部通子君 国際障害者年にしぼってのきょうは質疑ということでございますが、厚生大臣がお忙しいようでお時間がないということでございますので、厚生大臣にお聞きすることを先回しに急がせていただきたいと思っております。 まず、来年からの障害者年への取り組みでございますが、まあ厚生大臣は副本部長というお立場にございますけれども、日本の国としてその基本的な取り組みの態度というものをまず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 心身に障害を有する方々に対する問題は、社会福祉の原点の一つであってきわめて重要と考えております。したがいまして、その基本は、こういう方々が一般の社会人と肩を並べて国づくり、地域づくりに献身できるようにすることが基本であると考えますが、そのためには、ややもすると社会福祉問題がこの方々に対する問題であると考えがちでございますが、そうではなくて、この問題に対する対応は教育から生活、社会福祉と、すべての問題にわたっておりますので、これはもちろん厚生大臣がその推進者でありますけれども、内閣全般として各省にわたる総合的な機関を恒久的に設けてやることが必要であり、そのためには、いま私の横にいらっしゃる副本部長の総務長官が非常に勉強していらっしゃいますので、相談をして明年度に対する対策、特別部会等がつくられておりますが、これを明年の行事が終わった後はなるべく恒久的なものに切りかえて、そしてこういう方々に対する総括的な対応策ができるようにしたいと、こう考えております。
○渡部通子君 同じ御見解を、ひとつ総務長官からもお願いをしたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 内閣には、御案内のように国際障害者年の対策本部が、総理大臣を本部長として厚生大臣と私とで副本部長を務め、それぞれの関係各省庁の責任者がその下で作業を進めることになっております。また、中央心身障害者対策協議会の中にも二十名の委員と特別委員を五十五名置きまして、これからの計画を具体的に進めていく。その中には障害者の代表の方にもお入りをいただいております。こういうことで、来年に始まる国際障害者年につきましては、政府といたしましても全力を傾けて、この障害者年にふさわしい政策を実現してまいりたいと考えております。
○渡部通子君 国連の方で、各国がとるべき措置ということで十五項目を挙げてございます。実を言うと、これを一つずつ伺っておきたいんですけれども、それをやっておりますと厚生大臣のお時間がなくなってしまいますので、特にこの十五項目の中で、後ほどこの項目については多少ピックアップして私伺うつもりでおりますが、厚生大臣としてこの十五項目の中でこれだけはやっておきたいとか、あるいは具体的にある程度のめどをお持ちとか、そういうものがございましたらここでお述べをいただきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 推進本部による国際障害者年の声明の発表、障害者の日の制定等各種の事業を検討しているわけでありますが、国内の長期の行動計画に私は一番関心を持ち、また重点を置いているわけでありまして、したがいまして、ただいまつくられておるプロジェクトチーム、この検討を踏まえて長期の行動計画を策定し、その計画に基づいて先ほど申し上げました総理が本部長、総務長官と私が副本部長で各省にまたがる対応策を恒久的な委員会に切りかえて、これを主に推進していきたいと考えているところでございます。
○渡部通子君 ありがとうございます。私もその長期の計画の策定というところに非常に重点を置いていただきたいということを御要望申し上げます。 で、厚生省が本年七月に第六回の身体障害者実態調査結果、これを発表されております。これによりますと、わが国の身体障害者数というものは十年前に比べて五割以上増加していると、こういう驚くべき数字が出ておりました。いろいろ原因は考えられると思いますし、世の中の激変というものが非常に災いともなっている点も考えられると思いますけれども、この調査の中で、先天異常や異常分娩による障害者数が十年前と比べ一挙に三倍近くに達していると、こういうことでございますが、その原因をどのようにおつかみになっていらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(山下眞臣君) 実は、前回の調査までは御指摘のような調査をいたしておったわけでございますが、五十五年度に実施をいたしました調査におきましては、特に先天異常という項目での調査が大変むずかしゅうございますものですから、「その他」というところでまとめまして、御指摘のような結果に数字が相なっておるわけでございます。そういうことで、先天異常を先天異常として特に調査をするということが、今回の調査ではどうもできませんでしたものでございますから、その内容につきまして特に明確に、この調査の結果把握をいたしたということはございませんで、申しわけなく存ずる次第でございます。
○渡部通子君 内部障害も非常に三倍にふえているというようなお話でございますが、大臣、私前委員会でもちょっと御質問したことがあるのですけれども、障害者の範囲というものをもう少し見直していただいて、内部疾患までも含めるという方向で御検討いただけますでしょうか。
○国務大臣(園田直君) そうやるべきだと考えております。
○渡部通子君 そこで、大臣のいらっしゃる間に、不幸な子を産まないという、そういう意味からの質問に入っておきたいと思います。 私、障害者対策というものは非常に広範でございますし、あらゆる面から検討されていかなければならない、それは重々承知でございますし、いま、さしあたって現在の障害者を救わなければならないという施策も強く求められております。しかしながら、ふえ続ける障害者というものをつくらない、なるべく一人でもそういう不幸なお方をつくらない、この予防対策にこれから大きく力を入れなければならないのではないか、特に女性の立場で考えますと、不幸な子を出産しないという、この一点にしぼって私はきょうは御質問をさせていただきたいと思っております。 いまも申し上げましたように、先天性異常とか出生時の損傷、こういうものは母子保健、こういったサービスを強めてまいればある程度防げるという結果も出ておりますし、今後はこの施策に厚生省としても力を注いでいただきたいと思うわけでございます。 まず、健康診断の問題に移りますが、今日、先天性障害児発生に重大な関連があると疫学統計上立証されておりますものに、妊娠中及び周産期の母子保健異常並びに未熟児の問題、これがございます。この先天性異常と言われるものに遺伝と考えられるものが一〇%、それから周産期のいわゆる産まれるまでの母体にかかわる問題というのが一〇%、それから因果関係がまだはっきりしない、こういうものが七〇%というふうに統計が出ております。環境因子とか大気汚染とかあるいは喫煙とか、そういったこともいろいろさまざまに取りざたをされておりますけれども、この先天性障害と言われる原因が一〇%、妊娠中の母体にかかわるものが一〇%、これだけははっきりしておって、ある程度対策も立てられておるのですけれども、あと七、八〇%がいろいろな相乗効果の原因ではなかろうかと言われておりますけれども、その辺は厚生省としてはどうおつかみになっていらっしゃいますか。
○政府委員(金田一郎君) 数字的にはただいま先生がおっしゃったとおりでございます。
○渡部通子君 その一番多い原因不明という、わからないというのが七、八〇%あるわけでございますね。これは大変なことだと思うんですけれども、これに対しては今後どうなさるおつもりでいらっしゃいますか。
○政府委員(金田一郎君) すでに先進諸国でもそういった制度があるわけでございますが、わが国におきましてもこういった先天異常についての原因の究明、また治療方法あるいは情報の提供、そういったことにつきましてすでに二年ばかり前から、学会の関係の先生方に御検討をお願いいたしております。諸外国におきましては、こういったものを全国的に集めまして情報を提供する、あるいは原因を究明するといった機構があるわけでございます。わが国におきましてもこれを御検討いただきまして、まだ若干の期間はかかりますが、それが結論が得られましたならば、これを具体的なものとしてまいりたいというように従来から考えていたところでございます。
○渡部通子君 わが国の乳児死亡率というものは改善されてまいりましたけれども、妊産婦の死亡率については、減ってはおりますけれども、国際比較にいたしますといまだに改善はされていないという状況でございます。この意味からも、母子保健対策としての健診の役割りは非常に大きいと思うのですけれども、ともかく産まれてしまってからでは遅いということで、それまでの教育ということが非常に大事になってくると思うし、それからそれまでの手当て、対策というものが考えられなければならない。最近は特に妊娠中の中毒あるいは貧血、これが多いわけで、この辺は母子保健法の十四条を改正しても、いわゆる栄養援助をしてでも母体の健康というものに心がけなければならないと思いますけれども、そのおつもりはございましょうか。
○政府委員(金田一郎君) 妊産婦に対しましては、ただいま先生おっしゃいましたような栄養の関係その他も含めまして、母子保健法によりまして必要な健康診査を現に実施しているわけでございます。健康診査並びに保健指導を実施いたしております。保健指導の中には、ただいま先生がおっしゃいましたような栄養の指導等ももちろん含めているわけでございますが、こういったことを、今後におきましてもできるだけ徹底してまいりたい。公費によりましても現に妊婦に対しましては二回の診査を実施いたしておるわけでございます。こういったことを今後とも徹底してまいりたいと考えております。
○渡部通子君 健診にもいろいろな問題があるわけでございまして、それをきょうは突っ込むのはやめますけれども、いま私が伺ったのは、栄養援助、これを母子保健法を改正してやっていただけないかという一点はいかがでございますか。
○政府委員(金田一郎君) ただいま先生おっしゃいましたことにつきましては、すでに従来から厚生省でもいろいろ考えていたわけでございますが、まだ実現には至っておりませんが、たとえばミルクの援助とか、そういったことが考えられていたわけでございますが、ただいま先生からも御指摘もございましたので、今後ともまた引き続き検討してまいりたいと思います。
○渡部通子君 現在、三歳児健診、その他に市町村の事業といたしまして一歳児半の健診が実施されておりますけれども、五十三年度のこれの実施率は七三・六%、その他学齢前幼児に対する保健所健診、乳児に対する医療機関での健診等についても、障害の発生予防、抑制、この観点から見ますと、まだまだ不十分ではなかろうかと思うわけです。これを徹底させるために、私どもが常に主張してまいりましたように、母子保健法の健診の対象というものを、妊娠可能年齢にある全女性及び乳幼児、児童とし、これを義務化し、公費負担にするという、この御決断を伺いたいと思います。
○国務大臣(園田直君) ただいまの問題は非常に大事な問題でありまして、当面は心身障害者の方々に対する万全を期さなければなりませんが、将来非常に大きな問題は、こういう方々をなるべく少なくするということがやはり重点でなければならぬと思っております。そのためには、第一は、前島委員からも言われたとおり、こういう子供さんができないような社会環境、いわゆる公害その他の社会環境を防止することが第一。 第二番目は、産むお母さんの体を、健康を守ることを、今度は子供さんをおなかにされてからの健康診断、次には産まれた後なるべく早く健康診断をやることが、先ほど言われました先天性その他の問題で非常に障害の予防に効果があるわけでありますから、そういうことが大筋であって、妊娠する可能性のある女性それから妊娠中のお母さん、こういう方々に対する健康診断、努力をしておりますが、やはり将来は、個人の健康管理の意識に任せることなく、国で責任を持ってそういう健康診断や予防をやるように、やるのが厚生行政の将来であると考えております。
○渡部通子君 大変積極的な御答弁をいただきまして心強い気がいたします。したがって、女性の側でも産まれる前の自分の体というものについてもう少し注意を払うような、そういう意識啓発については私たちも努力をしてまいりたいと思うわけでございます。 それにつけ加えましてもう一点、勤労婦人福祉法、この妊産婦健診というものがいまだ努力規定になっておりますけれども、これを義務規定にすることを考えていただけませんでしょうか。
○政府委員(金田一郎君) ただいま先生御指摘の点につきましては、これは労働省の関係の所管だと思いますが、私の方からよく労働省の方へも伝えたいと思いますので、よろしく。
○渡部通子君 それでは、お母さんたちの指導、教育、こういったことに対しましても欠かせないことは保健婦とか助産婦さんの確保でございます。 母子保健指導に欠かせぬ要員でございますが、都会ですと、病院に参りましていろいろ話も聞けますけれども、特に田舎の方へ参りますと、この方たちが回ってきてくださるというようなこと以外に、知識にお目にかかることもないというような地域も多々あるわけでございまして、そういった意味ではますますこれからはニードは増大する、こう見込んでおりますけれども、早急にこの保健婦、助産婦の確保に対して何か対策をお考えでいらっしゃるかどうか伺っておきたいと思います。
○政府委員(田中明夫君) 現在、保健婦、助産婦の数は昭和五十三年の末におきまして実際に就業している保健婦が約一万七千人、助産婦は二万八千二百人ございまして、助産婦につきましては開業の助産婦が一万一千二百人、病院、診療所等に勤務している者が一万七千人となっているわけでございます。先生御指摘のとおり、今後の母子保健対策の充実のためには、これら保健婦、助産婦さんたちの役割りが非常に重要であるという認識をわれわれも持っておるわけでございまして、現在、昭和五十五年度におきましてこういう保健婦、助産婦さんの養成施設の整備費あるいは運営費の助成、それから保健婦、助産婦の学生の修学資金の貸与額の引き上げ等を行いまして、養成力の一層の強化を図っておるところでございます。 また一方におきましては、保健婦、助産婦さんの処遇の改善、またナースバンク事業によりまして、未就業の保健婦、助産婦さんたちの就労の促進等を推進しておりまして、これらの施策を総合的に進めることによりまして、保健婦、助産婦さんの確保を図ってまいりたいと思っております。また、保健婦、助産婦さんの養成の促進を図るという目的を持ちまして看護研修研究センターにこれらの方々の教員の養成課程を設けるということにいたしまして、現在その準備をしているところでございます。
○渡部通子君 いろいろおやりのようですけれども、余りいまなり手がないんですね、要するに、助産婦、保健婦になり手がないというのが実情ではないかと思うんです。 それでひとつ、いまもちょっとお話の中にありましたけれども、現行の免許取得方法、これを変えていくことなどが工夫として考えられるのではないかと思うわけです。いまは保健婦、助産婦になるためには、看護婦の修業年数を修めた者あるいは看護婦資格のある者について、さらに保健婦、助産婦の必要コース、これを修めなければならないわけでございますね。この辺が非常に時間がかかるわけでございまして、これはたとえば、看護婦資格取得と同時に保健婦、助産婦の資格も取得できるような、こういう方法は検討されていらっしゃるわけですか。
○政府委員(田中明夫君) 先生御指摘の点につきましても、関係の審議会におきましていろいろと検討いたしております。
○渡部通子君 ひとつ、それをぜひ進めていただきたいと思います。現場に行くと非常にその声は強うございます。 いまも御答弁の中にありましたけれども、資格があっても就業しない者、これは労働条件の緩和と待遇面での改善をぜひ図っていただきたい。それから、潜在保健婦、助産婦を掘り起こす必要があると思いますけれども、その辺は進んでおりますか。
○政府委員(田中明夫君) 先ほど申し上げましたナースバンク事業によりましてかなりの効果は上げておるわけでございますが、これでまだ十分とは申せないと思いますので、さらに努力を続けてまいりたいと思っております。
○渡部通子君 次に、新生児スクリーニングのことについて伺いたいと思います。 脳障害を引き起こす疾病で、治療法のあるものはできるだけ早く発見し、直ちに治療を開始しなければならないと思うわけです。たとえば先天性代謝異常のフェニルケトン尿症、クレチン症等は少なくとも生後一、二ヵ月で治療開始をすれば治ると、こう言われているわけでございます。現在、新生児のスクリーニングはお医者さんから妊婦に対して意義が説明されて、そして希望者のみ受けるという、こういう形を採用しているようでございますが、昨年の統計を見てみますと、百六十四万人のうちスクリーニングで二百六十六人の異常児が発見されたと、こう聞きました。二百六十六人というと少ないじゃないかという人もおりますけれども、私は、二百六十六人がそのまま放置しておけば重症の精薄になると、こういうことであってみれば、これは大変なことだと、こう思うわけでございます。そういうわけで、新生児スクリーニングを義務づける必要があると思いますけれども、これはいかがでございますか。
○説明員(福渡靖君) 御指摘のように、先天性代謝異常あるいはクレチン症の検査を、現在新生児期に行っておるわけでございます。確かにこれは任意の検査でございますが、昭和五十四年度でその受診率が九〇%を超えてきております。これは関係の方々の御理解と御協力の結果だと思いますが、もちろんその基本になりますのが保護者の理解であろうかと思います。そういうことで、やはり乳児に対する健康管理の基本的な責任というのは保護者にあろうかと思いますが、それを踏まえまして、先ほど大臣もお答えをいたしましたけれども、今後さらに充実に努めてまいりたいと、このように考えております。
○渡部通子君 充実といっても、義務化するという、そういう方向では考えられていないわけですか。そうしませんと、この前新聞でちょっと読んだことありますけれども、産まれた赤ちゃんの足の裏から血をとっていたということで、逆に医者がしかられてしまうというようなエピソードもあったわけですね。ほんのちょっとした血をいただけばいいんだと思うんですけれども、それで本当に精薄が一人でも二人でも救われるということになれば、これはもう大変大事な一つの出産に関する医療行為になるのではないかというふうに私は考えますけれども、義務化という方向にはならないわけですか。
○説明員(福渡靖君) 義務化ということになりますと、かなりいろいろな点での整備が必要でございます。いますぐにそのようにするということはちょっと無理かと思いますので、大臣のお考えのように今後の問題として十分に検討さしていただきたいと思います。
○渡部通子君 この検査料金は、これは現在公費負担のようでございますが、採血料と文書料金約二千五百円から三千円、これが自己負担になっているわけでございます。これに対して低所得者対策というものを考えていただけるかどうか、その辺はいかがでございましょうか。
○説明員(福渡靖君) 先ほども申し上げましたけれども、確かに個人の健康に対する認識というのが根底にある関係で、そういうところの経費を、現在保護者の方に負担を願っておるわけでございますので、これを社会福祉の立場からということになってまいりますと、検討する余地があろうかと思います。そういう点は今後さらに考えてまいりたい、このように考えております。
○渡部通子君 それわずかな費用でございますので、ぜひこの辺は公費負担にしていただきたいと私は思うわけでございます。何しろ昨年生まれた赤ちゃんのうちから、二百六十六人ほっておけば重症の精薄になってしまうという子が救われたわけでございまして、一人の重症精薄児をつくってしまえば、その後人生を全うするためにその一人にかかる費用というものは、これは並大抵のものではございません。そういうお金で換算できることではございませんけれども、そういう意味からも、このくらいのことは厚生省として、来年を契機にして決断をしていただきたいと思いますけれども、大臣いらっしゃらないんで、ちょっと政務次官からでも……。
○政府委員(大石千八君) 先ほど大臣もいらっしゃいましたので、その辺の重要な点に関してはやはり大臣の見解を十分尊重していただきたいと、こう思うわけでございますが、渡部先生のおっしゃるところのそのお気持ちは、私個人にとりましても理解できるところ十分でございますので、そういう意味では大臣の御判断ということでございましょうし、また専門的に見たいろいろな行政当局の判断もあると思いますが、渡部先生のお気持ちに対して理解できるところ十分でございますので、そういう意味では、私から責任持った答弁はできませんけれども、十分御趣旨を尊重していきたいというふうに考えております。
○委員長(片山甚市君) 委員長から申しますが、責任を持てない答弁など言われると困りますから、もう一遍きちんと言ってください。ちょっと困ります。いいんです。持てばいいんです。
○政府委員(大石千八君) 大変申しわけございません。 そのような御趣旨を尊重して前向きに取り組んでまいりたいと思います。
○渡部通子君 ちょっとこれ速記以外の……
○委員長(片山甚市君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(片山甚市君) 速記を起こして。
○渡部通子君 それでは厚生省、大変済みません、質問をここで中断をさせていただきまして総務長官に伺いたいことを……。 先ほど、厚生大臣に十五項目の件について厚生大臣としての意向だけを伺いました。これは総理府で所管をされることでございますので、実を申しますと、私この十五項目についてひとつ全部総務長官に伺いたいと思っておりました。その中からピックアップをいたしまして、二番の「関連施策を含む声明発出」という問題、それから三番の「一九九一年までの長期計画の策定」という問題、それから七番の「教育・雇用上の差別解消のための法律の見直し」、それから十二番の「福祉機器に対する税の免除と輸入についての許可、関税の免除及び外国為替の配分」、それから十三番の「障害者の諸活動促進」、それから十五番の「「障害者の日」の設定」、この辺のことですね。総務長官の管轄範囲を出る問題が若干あるかとも思いますけれども、副本部長としてのお立場から、このくらいのことは日本国としても私は進めていただけるのではないかと思いますが、それに対する具体的なお取り組みを伺っておきたいと思います。
○説明員(花輪隆昭君) 若干事務的な点を先にお答えいたしたいと存じますが、先ほど総務長官から申し上げましたように、中央心身障害者対策協議会の中に特別委員会を設定したわけでございますが、昭和五十五年度国際障害者年事業の推進方針を決定いたしました後、直ちに先生ただいま御指摘の国連のいろいろな重要項目につきまして、ひとつ長期計画の策定に取り組もうではないか、こういうことで特別委員会の中に現在五部会を予定いたしておるわけでございますけれども、早速、御指摘のような重要な点につきましでの審議に取りかかると、こういうふうな段取りになっておるわけでございます。
○国務大臣(中山太郎君) ただいま政府委員がお答え申し上げましたとおり、国連の申します国内委員会に当たるこの部門で、わが国における障害者年に対する取り組みの基本的な方向を、国連の方針に従って推進をしてまいる所存でございます。
○渡部通子君 いま私は六項目について伺いたいと申し上げましたが、それについてはお答えがございませんので、まだ進んでいないものと……。
○説明員(花輪隆昭君) 申すまでもなく、「「障害者の日」の設定」というのを先生申されました。これにつきましてもすでに推進方針の中で推進本部といたしましても、「障害者の日」の設定をいたしたいということをすでに決定をいたしております。 それからまた、政府の声明の発出ということも国連が申しておりますが、これにつきましてもひとつ障害者年の年頭初に当たりまして、声明の発出をいたしたいということで、現在事務的に準備をいたしておるわけでございます。 さしあたりまして、その二つの事項があるわけでございますが、その他の点につきましては、これはなかなか大きな問題でもございます。あるいはまた専門家の知恵をかりまして、十分検討する必要のある問題もございますので、先ほど申し上げました部会の審議に諮りまして、長期的に前進を図ってまいりたいと、こういうことでございます。
○渡部通子君 それじゃ総務長官、御用事だそうですから御退席なさって結構でございますが、委員長に申し上げますけれども、私きょう厚生大臣が前三十分と言われましたので、総務長官の質問をわざわざ後回しにして、そして母子保健に入ったわけでございます。そうしましたら、後になってまた総務長官も同じ時間に退席がしたいと、こういう仰せでございまして、いま急遽ここへほんの一、二問入れさせていただいたわけでございまして、大変これでは質問がしにくいというチャンポンの状況でございまして、今後こういうことのないように、ひとつ委員長の方によろしくお願いしたいと思います。
○委員長(片山甚市君) わかりました。 総務長官の方も少しは時間をいただけるようになっておりましたが、渡部先生のお話がそうでございますから、十分に承知して続けさせてもらいます。
○国務大臣(中山太郎君) 大変政府委員室の方、での連絡が不行き届きでございましたことを、この点ひとつお許しをいただきたいと考えております。 なお、先生からお尋ねがございました「障害者の日」の制定につきましても、政府は前向きに取り組んでまいる方針をすでに固めておるということをお答え申し上げておきたいと思います。 また、障害者年に当たります政府の声明につきましては、本部長であります鈴木内閣総理大臣の名のもとに、年頭に当たりまして全国民に向けて障害者年を迎える政府の心構えというものを発表さしていただきたいということで、ただいま文案等の作成に入っておることをお答え申し上げさせていただきたいと思います。
○渡部通子君 それじゃ母子保健の方の質問を続けさせていただきます。先ほどの続きになります。 先天性代謝異常児の栄養の問題でございます。たとえばフェニルケトン尿症児、このお子さんに対しては脳が固まるまでの期間に特殊ミルクを与えておけば大丈夫であるという、こういうことでございます。ロフェミルク——いま雪印が売り出しているようでございますが、現在これが千三百五十グラムで二千七百円、一般のミルクが千二百グラムで千五、六百円というところから見ると、かなりのお高いもののようでございます。これは健保の薬価でカバーされておりますが、別に糖代謝異常児用の糖質フリーミルク、それからラクトース・フリー・ミルク、これは市販されております。それから糖質フリーミルクは二百三十グラムで千八百円、ラクトース・フリー・ミルクは三百八十グラムで千円、まあいたし方ありませんけれど、特殊ミルクだけにお高いものでございます。これに関しまして、母子保健法十四条の栄養摂取、これに関する援助を市町村長に義務づけて、これでカバーされるようにする必要があると思いますが、特に低所得者の方々に対してはお子さんの脳、が固まるまでの間ということで、ぜひこの援助が必要だと思うわけでございます。この検討がいかがなっておりますか、伺っておきます。
○説明員(福渡靖君) 先天性代謝異常症の治療には、いま先生が御指摘になりましたような特殊な組成をしたミルクが不可欠なものでございます。それで、現在これらのミルクを含めまして、基本的には小児慢性特定疾患治療研究事業の対象といたしましてここで治療費をカバーをする対策をとっております。ただ、おっしゃるように薬価基準に載っていないものについては、こういう点でのカバーが不十分でございますので、この点を考慮いたしまして、昭和五十六年の一月から、これらのミルクの安定供給の整備を図る事業を始める予定にしております。これはこういう特殊なミルクが非常に数が少ない、必要量が少ないということから、流通機構も非常に特殊なものになっておりますし、価格の点でもいろいろと問題がございますので、そういう点を含めて安定供給事業を発足をさせて、必要な量を確実に確保するようにしてまいりたい、このように考えております。
○渡部通子君 それはぜひお願いをいたします。 それからもう一点伺いますが、周産期医療の地域化ですね。この問題が非常に大事だと思います。これはひとつ大臣にかわって政務次官にもよくお聞き届けをいただきたいと思うのですけれども、ハイリスク妊婦や未熟児等のハイリスクベビー、これを扱うセンターというものがいま非常に少ないというのが問題だと思うわけです。精薄は未熟児に多いところから、未熟児やハイリスク妊婦を適正に扱うことによって障害発生を予防でき、かつ早期治療ができる、これは当然のことでございます。ところがやっぱり周産期医療緊急センターのようなものの事業は大変お金がかかりますし、二十四時間体制ということにもなりますので、不採算なことはわかっております。しかし、これをやらなければ本当に生まれ出る子の障害を予防する、障害児を防ぐということにはならないわけでございまして、これはもう何としても国でやっていただく以外にないわけでございます。せめて車を飛ばして二、三時間のところに一ヵ所、こういうふうにあれば間に合うわけで、東京都においても別に一区に一つなくたって済むだろうと、こう考えるわけでございまして、この地域別に周産期医療センターというものをぜひ配備する必要があると思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○説明員(福渡靖君) 周産期の医療対策につきましては御指摘のとおりでございますが、その一つの前提としては、妊婦に対する健康診査及び保健指導の徹底があろうかと思います。そういうことで、従来から健康診査及び保健指導の充実に努めてきておるわけでございますが、それと関連をする周産期医療体制ということになりますと、幾つかの問題点が考えられます。その一つは、こういういま御指摘がありましたハイリスク妊婦あるいはハイリスク新生児等を扱う専門機関が十分でないということ、それから専門医療機関と一般の産科施設あるいは小児科の施設含めて、一般の医療機関との連携体制が必ずしも満足のいくものではないということ、それからもう一つはこれらの周産期医療に従事をいたします医師等の専門職員が不足しているという非常に基本的な課題があるわけでございます。そういうような課題が逐次解消されつつある地域がふえてきております。そういうところでは非常に好成績を上げておりますので、今後、こういうような地域を一つのモデルにいたしまして、さらに進めていく考えでございますが、昭和五十五年度から母子緊急医療を行う専門医療機関と一般の産科施設等の連携を図る一助として、モデル的に救命救急センターに母子緊急医療用車両を整備をして運営をしていくようにしております。今後この成果を見まして、周産期医療体制の充実ということに努めてまいりたい、このように考えております。
○渡部通子君 ぜひそれは進めていただきたいと思います。 この前も神奈川県でしたか、未熟児が産まれて、そして近くの未熟児施設のある病院へお連れしたけれども、そこが満杯で、そのお医者さんが一生懸命自動車を運転して東京まで連れてきて、やっぱりそれで命が絶たれたという事件がございました。そういうことはまことに聞くに忍びないものがございまして、近くに医療センターがあったらなあと、こう思うわけでございまして、何とかそれは障害者を防ぐという見地からも国として努めていただきたい。これは民間では絶対できませんので、特にお願いをしたいことでございます。 それからいま私が本当に短時間、御質問申し上げたことだけでも、現行母子保健法の改正点というものはたくさんにあるわけでございます。で、母子保健基本問題検討委員会の答申、これが具体的なスケジュールはいつごろどう上がってくるのか、これをまず伺っておきたいと思います。そしてそれに加えて、私どもがいつも母子保健法改正ということで提案をいたしておりますが、ぜひ検討を願いたいと思いますが、いかがでございますか。
○説明員(福渡靖君) 母子保健基本問題検討委員会のスケジュールでございますが、おおよそ二年をめどに御検討を願っておりますので、来年、五十六年の夏ごろを一応のめどにしております。
○渡部通子君 もう一点聞いてあったんですが、私どもの提案をいたしております母子保健法の改正、これに対する見通しです。対応でございます。
○説明員(福渡靖君) 来年の夏ごろにこの検討委員会の方から意見がまとめられてまいりますと、それを踏まえて検討をしてまいりたいと、このように考えております。
○渡部通子君 これは本会議でも大臣から積極的な大変いい御答弁をちょうだいをいたしておりますので、ぜひとも母子保健法の改正ということには、もう一歩具体的に何らかの対策をとっていただきますように重ねてお願いをしておくわけでございます。 それから先ほど大臣の御答弁の中で、これから内部疾患というものも含めていく方向だと、こういうアバウトの御答弁をちょうだいしたわけでございますが、厚生省がお出しになった内部障害者というものが前回の調査六万六下人から今回調査十九万七千人と、三倍というふうに出されております。この中で身障者手帳を交付されている方はどのくらいいらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(山下眞臣君) ただいまおっしゃった数字は、ほとんど全員が手帳交付を受けておる状態でございます。
○渡部通子君 わかりました。じゃ手帳の交付を受けた方というような形のこれは数字になっていらっしゃるわけでございますね。
○政府委員(山下眞臣君) さようでございます。
○渡部通子君 それでは先ほどの大臣の御答弁のとおり、それ以外の難病とかいろいろな内部疾患のひどいのが最近はふえておりますので、そういった点での御検討をよろしくお願いしたいと思うんです。 もう一つ加えまして下垂体性小人対策のことも伺っておきたいと思います。 成長ホルモンの不足状況というものが今日どうなっているのか、またその見通しでございますね。それから五十六年度予算に対してどのような事業を推進されようとしていらっしゃるのか。新規事業が考えられているのかどうか。それから薬の国産化に対してその対策を研究開発を進めていらっしゃるかどうか。その三点、小人症対策についても伺っておきたいと思います。
○説明員(福渡靖君) 下垂体性小人症の対策でございますが、もうすでに先ほど申し上げました小児慢性特定疾患治療研究事業として、その対象に加えて治療の推進を図っているところでございますが、御指摘のように薬の確保につきましては実は薬務局の所管でございますので、ちょっと私の方で正確にはわかりません。ただ、関係者の御協力をいただきまして、国産化のこの方向も検討しておられるように伺っております。詳しい点は申しわけございませんが、ちょっと承知しておりませんので。
○渡部通子君 わかりました。 それじゃ、もう一点だけ伺わせていただきたいと思います。きょうは質問があちこちになりまして大変そちらにも御迷惑をかけました。 この中央身障協のメンバーでございますね。それが今回発足をしていらっしゃるわけです。これは国際障害者年に当たって関係省庁こぞって取り組む必要があるという、こういう姿勢のあらわれといたしまして中央心身障害者対策協議会、これを発足させたわけでございますが、この人選というものがどういう配慮で行われたかという点を伺いたいと思います。
○政府委員(山下眞臣君) 前からございます中央心身障害者対策協議会の委員、正委員と申しますか、二十名でございます。うち七名は関係行政機関の職員ということでございまして、十三名が学識経験者ということでございます。広く御審議をいただくということで、障害者福祉の問題につきまして造詣の深い、視野の広い方を従来からお願いをいたしているところでございますが、これに加えましてこの中央心身対策協議会の中に障害者特別委員会というのをつくりまして、これは正委員を含めて五十五名でつくって、これが国連の決議でございますところの国内委員会の役割りを果たすという仕組みに相なっておるわけでございます。三十五名を加えまして五十五名ということで、各界の方に広く入っていただいておるわけでございますが、その中で障害者であられる障害者団体の代表の方という方が七名、それから障害者のための団体、たとえば障害者のための親の会でありますとかそういう団体の代表の方が八名ということで、いわば障害者関係団体の代表という方が、追加されました三十五名中十五名は含まれておるという状況に相なっておるわけでございます。
○渡部通子君 時間ですのでこれで終わりにいたしますが、私がきょうはしぼって伺いましたように、障害者を産まない方法、障害者をなるべく一人でもつくらない、不幸な子をつくらないというそういう施策というものも、これは障害者が産まれてその人に対策をするというそれ以上に大事なことではなかろうか。この観点で、母子保健という一点にしぼってお伺いをいたしました。 どうかこれに対して、総合的な施策を厚生省としても鋭意進めていただけますように、重ねて要望いたしまして終わります。
○沓脱タケ子君 国際障害者年を迎えるに当たりまして、障害者の全面参加と平等を進めていくためには各分野での対策の充実というのが急がれておるわけでございます。 そういう点で、障害者対策を進めるという立場から言いまして、障害者の範囲というのがやはり一番大きな問題になろうかと思うわけでございます。先ほども御指摘がございましたけれども、障害者統計というのは国際的な基準が定まっていないんですね。国際比較をするのが大変むずかしいわけでございますけれども、国際的な比較が、同じレベルでの比較になるかどうかわからないという点でむずかしいわけでございますが、しかし、西欧諸国と比べますとわが国の障害者の出現率というのが非常に少ないというのが現実の数字であらわれていると思うわけでございます。これは私が思うのに、どうしてもこの障害者の範囲というものが、欧米諸国と比較して本当に少ないというのであればきわめて幸いなのですけれども、統計上の基準の取り方によって少ないということであれば、せっかくの障害者年を迎えるに当たっての対策の充実について脱漏する部分というのが非常に多く出てきて問題が残ろうと思うわけでございます。そういう点で厚生省といたしましてはこの分野については、いわゆる障害者の基準ですね、範囲の目標というようなものをどういうふうに決めていくか、どういうふうに設定して対処していくかという点を最初にお伺いしておきたいと思うんです。
○政府委員(山下眞臣君) まあ諸外国との比較、いろいろな意味でむずかしい点がございますのはもう先生の御指摘のとおりでございますが、いずれにいたしましても、この障害者の範囲というものを的確にとらえまして遺漏のないような施策を講じていかなきゃならぬというのは御指摘のとおりでございます。 いろいろな分野がございます。日本の法律に例をとりますと、身体障害者福祉法というのもございますし、それでカバーしている部分のほかに、あるいは子供につきましては児童福祉法、精神に障害のある者につきましては精神衛生法ないしは精神薄弱者福祉法、あるいは戦争に起因いたします障害者につきましては戦傷病者戦没者遺族等援護法、その他の各種の分野があるわけでございます。私どもが所管をいたしております身体障害者福祉法に申しますところの身体障害者の範囲、これにつきましてもなお研究して検討を重ねていかなきゃならぬ部分が存在をいたしておるということは私ども十分意識をいたしているところでございます。 実は障害者年に向けての特別委員会はことし発足いたしましたのでございますが、厚生省といたしましては昨年が福祉法施行三十年、明年が障害者年ということを意識いたしまして、実は昨年から身体障害者福祉審議会の基本的審議というのをお願いをいたしております。その中での一つの部会での重要な問題といたしまして、障害者の範囲ないしはその等級の格づけのあり方等につきまして鋭意専門家の方に現在御審議をいただいておるわけでございまして、御意見を待ちまして検討いたしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○沓脱タケ子君 その統計のとり方の基準が違うということでヨーロッパ諸国との比較がしにくいわけですけれども、しかし、いろんな統計を拝見いたしますと、たとえばスウェーデンの五%ですか、それからデンマークの二七%ぐらいにしか日本の障害者の率というのが出現率にならないというのがあって、これはだから統計の根拠が違うと思いますから、そっくりそのままとは言えないですよ。しかし、余りにも狭過ぎるという感じが強いわけですよ。その点で、先ほどの御答弁でも大臣は範囲を拡大していくという立場は表明をしておられましたけれども、その点で非常に障害者年に対する諸施策を進めていく上で、対象者がどうなのかという点がはっきりしないと、施策を進めていく上で非常に問題が残ると思いますので、その点は重ねてお願いをしたいと思いますが、まず範囲が狭過ぎるというふうな御意見というのは非常に多いわけなんですけれども、それを広げていくというお立場をきちんととって、そうして施策も進めていく、こういうお立場を貫かれるかどうか、その点をひとつきちんとお伺いをしておきたいと思うんですね。
○政府委員(山下眞臣君) 身体障害者福祉法につきましては、法の目的というところからおのずからその対象が決まっていくわけでございまして、その範囲に属する限りこれをなるたけ必要なものは拾っていくという考え方でいきたいと思っておるんです。 先ほど審議会の部会でも議論をしておると申しましたのですが、一つの例を申し上げますと、老人でございますね。これは先生お医者さんで大変お詳しいので失礼なんですがお年寄り、これはいずれにしましても、いつかは寝たきりになり、かつまた機能が低下いたしていくわけでございます。そうでない手足を失ったとか別の原因による老人の障害というのもあるわけでございます。これらを包括的に、すべて身体障害者福祉法の対象たる身体障害者としてとらえるのか、かつまた別に老人福祉法という行政の分野がございます。それとの接点を整理をして、身体障害者福祉法で拾うべきものは拾うというふうにしていくのか、ただいまの専門家の先生方の御議論の中では、自然的に老衰に基づく機能障害あるいは運動の故障、そういったものは身体障害者福祉というよりはむしろ老人福祉という施策の充実によって対処するのが適当じゃないかというような御意見等が強うございます。そういった問題等がございますが、決して私ども、なるたけ狭くしようとか門戸を閉ざして物を考えようとか、そういう考え方を持っておるものではございませんので、そのことを申し上げておきたいと思っております。
○沓脱タケ子君 それで、諸外国と比べても範囲が非常に狭いと言われている中でも、ことしの七月付で発表されました身体障害者実態調査では百九十七万七千人でしたね。人口比で二・四%と推計されるというわけですね。しかもそれが十年前、前回の調査と比べて五〇%も増加をしているという実情なんですね。狭いと言われていてそういうことなんですが、そういう中で広げていくという立場、あるいはできるだけ包含をしていくという立場でお考えになっておられるという基本的なお立場をお伺いした上で、特に私は、わが国のこの身体障害者というのが歴史的に見まして、外から見てわかる四肢体幹の欠如、あるいは機能障害ということで外から見て確かに身体障害者だということがわかる人たちの救済というのに重点を置かれていて、他人様から見て身体に障害があるということのわからない方々の障害者というのが非常に対策がおくれているというのは従来から言われておりますし、私も数年前からそのことを指摘してきたわけでございます。 限られた時間ですので、その一つとして実は四、五年前にも御指摘を申し上げたことなんですけれども、人工肛門、人工膀胱の患者さんというのが全国で数十万おります。この人たちがつくっている互療会という会があるんですけれども、この方々の問題についてちょっと具体的にお伺いをしたいのですが、この互療会という組織に参加をしておられる方々というのはこういうことなんですね。たびたび私も陳情を伺っているのですが、ちょっと簡単に読んでみますと、「私達は現代医学では今なお不治・難病とされている直腸ガン・潰瘍性大腸炎などの悪性疾患におかされ、その延命の手段として、手術によって、腹部に「人工肛門」の造設を受けた患者の会であります。一口に人工肛門といってもその造設位置は、手術当時の状況により、十人十色で、オヘソの右側・左側・お腹の中央或は右と左の二ヶ所というようにまちまちであり、腹部に穴を開けて、大腸又は小腸を引張り出して、腹部の表皮に縫合し、ここから排便するわけでありますが、この様な身体の状態は人様には勿論、家族の者にさえそう易々と明かし得ない程、恥ずかしいことであります。」 それで、私たちの悩みの一部というのを述べておられますが、一つは「人口肛門には括約筋がないため、常に無意識のうちに便が排出されるためにこれを受ける収便器具や袋を四六時中腹部に装着し、片時も外すことは出来ない。然もこれ等の器具はそれぞれ一長一短があり、満足出来る完全なものは未だ市販されてはなく、しかも値段も高価であります。」それから、「術後の後遺症として、頻尿、漏尿、神経性膀胱麻悼による尿失禁・排便・排尿困難・人肛周囲びらんによる疼痛あり、腸閉そく、頻度の下痢、時には絶え間なく水様性排便があり、不測に発生するガス、その他口外を憚る種々の生理障害を伴い、廃人同様の悲しい生涯をおくらねばなりません」と言われているわけでございますが、これは人工肛門というのがなかなかわかりにくいのじゃないかと思いますが、それにつけておく袋というのを参考のために持ってまいりましたが、こういう袋を体につけているわけですね。これはデンマーク製のものなんで比較的安いんだそうですけれども、一つの袋が百五十円、一枚百五十円でしかもこれ一日に五、六枚は最小限要るわけですね。そういう方々の御陳情を受けているわけですが、私はこういう人たちも身体障害者福祉法の対象にするべきではないかと思うんです。なってないのですね、現在。そういうふうに思うんですが、その点はどうなんでしょう。
○政府委員(山下眞臣君) 先ほど触れましたようなことで、現在身体障害者福祉審議会の第二部会におきましてこの障害の範囲、等級等を検討を続けているわけでございますが、その中におきましてただいま先生御指摘ございました人工肛門、人工腎臓、この装着者につきましても議論になっております、現在、鋭意検討中ということでございますので、御了承いただきたいと思います。
○沓脱タケ子君 それでは審議会で御検討中だということなので、ぜひ対象に加えてあげていただくべきだと思うんです。で、審議会の答申というのは大体めどはいつごろ出るんでしょう。
○政府委員(山下眞臣君) 大体、来年の春前後というふうに考えております。
○沓脱タケ子君 そうしますと、答申が出ればそれを待ってぜひ対象に加えていただきたいと思うんですが、これは念のためにちょっとお聞きをしておきたいのですが、障害者福祉法の対象になりますと、たとえばこういういま私申し上げた袋などがいわゆる身体障害者の補装具かあるいは日常日用品というふうになるのか、どっちか知りませんけれども、そういうことで福祉法の対象になればこれは支給されますね。いまは全然どこからも支給されてないんですよ、その点はどうなんでしょう。
○政府委員(山下眞臣君) 障害者の範囲、等級等を審議いたします際、医学的その機能的審議と同時に、あわせましてその症状なり状態に対しまして行われ得ますサービスの問題、これも含めまして審議をいたすわけでございます。 御指摘のような点につきましては、いま人工肛門なり人工腎臓を手術を受けて最初に装着するまでは一般医療で見ておるわけでございますね、それが癒着してしまった後の用具という問題になるわけでございます。一般医療でどこまで見るのかという問題とも関連をいたしますが、障害者ということで身体障害者福祉法の中における対象者として取り上げるということに相なりますと、当然補装具なり日常生活用具なり、そういった一環として御指摘の点も検討さるべき問題に相なると思っております。
○沓脱タケ子君 人工腎臓を盛んにおっしゃるんだけれども、人工肛門と人工膀胱ですね、その点いいんですね。
○政府委員(山下眞臣君) 失礼をいたしました。人工肛門、人工膀胱でございます。
○沓脱タケ子君 ぜひこういう方々、本当に外から見えないんですね、外から見えないけれどもお一人お一人の日常生活の中では大変な苦しみを抱えながら、身体の欠陥を抱えて社会生活に参加をしているという事態を考えますと、一日も早くこれの福祉法の対象になるように実現をさせていただきたいということを重ねてお願いを申し上げておきます。 で、限られた時間でございますので問題を次に移しますが、次にお伺いをしたいのは、障害者の社会活動への参加のできやすいように、あるいは住みよい町づくりへという立場でいま施策として厚生省がおやりになっておられます福祉都市づくり、障害者福祉都市事業というのはなかなか歓迎をされているということでございます。この事業についてはさらに発展をさせる必要があろうと思うわけでございますが、本年度で四十五市ですね、実施されているのが。時間がありませんから簡潔にお尋ねをしたいんですが、現在やられている人口十万都市といいますと、百万以上の大都市の特別区等も含めますと大体二百十以上あるんですね。いま、従来からやられているような一年に二十市か二十五市というようなテンポでいきますと、あと七年か八年かかるんですね。そこで、これまあ一つお願いをしたいと思いますが、こういう点については、歓迎をされているという施策ですから、障害者年を迎えるに当たりまして、もっとテンポを早く進める必要があるんじゃないかと思うんですが、特に補助期間を現行二年というのをもうちょっと延ばすとか、あるいは思い切って整備を進める範囲を広げるとか、そうして障害者のニーズのあるところは十万以上というのではなしに五万以上も含めて、あるいは五万以下だってニーズのあるところは全国に広げるというふうなことが必要ではないかと思うのですけれども、いかがでしょう。
○政府委員(山下眞臣君) 五十四年度から始めまして、五十四年度二十市、五十五年度二十五市、大体いままでのところは御要望にほぼ見合ってきておるような感じを持っておるんでございますが、明年は国際障害者年でございまして、非常に御要望も多いかと思っております。この数の増加ということにつきましては、私ども社会局といたしましては、重点事項の一つとして努力をさしていただきたいと考えております。 ただ、まあ二年の延長の問題なり、それから五万とかいうような小都市の問題、これにつきましては、ちょっとただいまのところはそこまで一挙には参り得ませんものですから、考えておりませんのでございます。
○沓脱タケ子君 基本的には私は全国にニーズのあるところ、障害者のニーズのあるところは全部実施するべきではないかと思いますが、さしあたり五十四年度から始められた事業でございますから、せめて十万以上の都市はできるだけ早く普及してしまう、七年も八年もかけずに。そして、さらに五万以上の都市にも普及していくというようなことを考えるべきではないかと思うんですが、その点どのあたりまでやろうという、今後十年の間に、障害者年として長期計画の十年の間に、大体せめて五万以上ぐらいまではやり上げてしまえば、そこそこニーズに合うのではないかと思いますけれども、その辺の目標などはどうでしょう。
○政府委員(山下眞臣君) なお相談すべき相手もございまして、ここで確定的にいつまでという明確な目標を申し上げ得る段階に立ち至っておりませんが、私どもといたしましては、できれば数年程度ではまず十万以上を一回りできるようにしたいという考えを持っておりまして、御指摘の、それ以下の都市の問題につきましては、それが終わりました段階での検討事項というふうに意識をいたしておるわけです。私どもの気持ちといたしましては、できるだけ多く、できるだけ早くという気持ちで努力をさしていただきたいと思います。
○沓脱タケ子君 まあ、幸い障害者年の事業として進められるわけですから、私はせっかく障害者の皆さん方の社会活動への参加ができやすいように、また日常生活がやりやすい町づくりをしていくという端緒だと思いますので、これはできるだけ早く広げていただくように、鋭意御努力を重ねてお願いをしておきたいと思います。 それから次にお伺いをしたいのは、視力障害者の間で御意見が非常に出てきているんですが、障害者年を迎えるに当たって健常の方々に対する啓発活動も含めて、いろいろと施策が進められておると思いますけれども、そういう啓発活動の一つとして官公庁の、たとえばこれ私いま厚生省の封筒を持ってきましたけれどもね、こういう厚生省の封筒に、ここに「厚生省」と書いてあるのに点字の——点字で打ち出したら費用もかかるんだけれども、打ち出してもらうというのが一番いいんですけれども、いきなりそれがいかなければ、点字を擬した印刷だけでもまず始められないものだろうか。こういうものをやりますと、健常の人たちは、これは何だということになって、これは点字の文字の打ち出しなんだということがわかれば、その一つ一つが啓発の仕事になるのではないかということで、これは視力障害者の方々の中で、ぜひそういうことを始めてほしいという強い御要望がございます。まず国の機関から始めていただくというのが非常に大事ではないかと思いますし、大した予算のかかる問題でもないので、印刷をするときにちょっとこう点字の丸を擬したらいい、丸を書いたらいいだけですからね。打ち出しをすると、それについては経費がかかりますけれども、そう経費もかからなくて、しかも御要望にも沿えて国民の啓発活動にも役立つというふうなことなので、国の機関として、各省庁からでも始めてもらえたら非常に御要望に沿えるのではないかと思いますが、ひとつ厚生省の御見解をまずお聞きをしておきたいと思います。
○政府委員(山下眞臣君) 実は私どもの局のこの身体障害者にかかわる部門につきましては、一部実施をすでにいたしている面もございます。まことに一般の方の御理解を進めるという意味におきまして意義の多いことだと存じますので、いろいろな機会をとらえまして、できるだけこれが広まるように相談をいたしてまいりたいと考えます。
○沓脱タケ子君 総理府、私長官がおいでいただけるんだということをちょっと知らなかったもので、おいでいただけないんですけれども、厚生省の社会局長は障害者年の推進本部の事務局の中心メンバーとして御奮闘いただいているわけだから、厚生省のあなたの分野にとどまらず、政府機関すべての分野でそういうことを広げていただけるようにぜひお願いをしたいと思いますが、政務次官、ひとつそのことを広げていただけるようにお願いをしたいと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(大石千八君) まず、厚生省がそういう姿勢を示すことから始まると思いますので、沓脱先生御発言の御趣旨を省として十分に理解した上で、認識をした上でそのような方法を進めていくべきだと思います。 当然全体のことになりますと、全体の公共的なものに関しての実施ということになりますと、総理府とも相談をして、また総理府の管轄に属する部分ということも出てくるんじゃないかと思いますので、そういう姿勢でいきたいと考えております。
○沓脱タケ子君 金もかからぬで啓発活動ができて、その該当の障害者の方々からいろいろ歓迎されるというような事業については積極的に御推進をいただきたい。 それから、次に移りますが、障害者年の行動計画によりますと、Bの「国内活動」の68のPのところには「障害者の教育、労働、スポーツその他のレクリエーションへの十分な参加のため、建物構内への立ち入りを妨げないようにすることを含む、適切な条件整備を行うこと。」、qには「すべての新規のビルデイング及び大幅な改修がほどこされつつあるビルデイングが障害者にとって十分に利用し得るものであることを確実にせしめるため、法律を制定する必要性並びに、障害者が他の人々と同様にすべての社会公共施設を利用する権利を有していることを公式に認識する必要のあることに配意すること。」という、翻訳文書ですからあれですが、障害者の方々がすべての建物に自由に出入りができるように建物の構造を変えろということなのでございます。 で、わが国の心身障害者対策基本法の二十二条にも住宅の確保等の一、二の項目には、非常にゆるい形だけれども、これが出ているわけですね。諸外国ではそれをもう少しきちんと位置づけてやっているようでございますが、この点が非常に大事ではないかと思うので、今日わが国の場合でも建設省が心身障害者対策基本法のこの第二十二条を受けて対処するということになればできるわけでございますが、建設省おいでいただいていますか。——お伺いをしたいんてすか、こういう立場で建築基準法等の改正ですね、これをお進めになるべきだと思いますが、いかがですか。
○説明員(上田康二君) 特に公共性の強い建築物につきまして、身体障害者の利用しやすいような施設、設備を整備していくということに配慮することは非常に望ましいことではございますが、建築基準法の改正という点につきましては、この法律が建築物の安全、衛生、防火等の一般的な事項についての最低の基準を定めている規制的な性格が強い法律でございますので、望ましい水準を確保するための規定を直ちに建築基準法に導入するということは、非常に困難であろうかと考えております。 なお、中央心身障害者対策協議会の中間報告におきまして、民間の公共的な建築物については、モデル的な設計に関する標準を作成することにいたしておりまして、このような考え方を受けて設計標準を作成し、その普及、啓蒙活動に努力してまいりたいというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 この問題は、建築基準法の改正にまでは進めないけれども、公共的な建物については訓示規定というんですね、行政指導を通じて進めるという範囲にとどまっておると思うんですが、私は何でもかんでもということではなくて、少なくとも公共的な条件を持つもので、しかも新規の建物あるいは大改造をするものについてぐらいはこれは当然のこととして、障害者年をせっかく迎えるわけですから、そういう時期に対処する必要があろうと思うわけでございます。 これについては、また別の機会に別の角度でもお伺いをしたいと思いますので、きょうはこれにとどめますけれども、あと残り時間がわずかでございますので、最後に雇用の問題について少しお伺いをしておきたいと思います。 五十五年の身体障害者雇用状況を見ますと、一定の改善がなされているとはいいましても、依然として特殊法人、それから大企業が悪いということはもうすでにたびたび言われておるとおりでございますし、統計によりましてもそのことは歴然でございます。で、雇用促進のために雇い入れ計画を実施するように、きちんと勧告することなどが必要だということはたびたび指摘をされているし、まずこれが必要だと思います。これはそういう立場をお進めになられるんですね。
○政府委員(関英夫君) 雇用率の達成状況の非常に悪い大きな企業に対しまして、雇用率達成のための計画を作成して提出していただいております。現在、その計画に従って達成するように、指導を個別企業に対していたしているところでございますが、非常に実施状況の悪いところには、勧告というような措置もとって、計画の達成を指導しているところでございますが、特に来年国際障害者年でございますので、今後、さらに一層そういう指導に力を入れていきたいと考えております。
○沓脱タケ子君 それで、それを進めていっていただく上について、具体的に実効の上がるようにしていくべきではないかと思いますので、そういう点で一、二点お伺いをしたいと思うんですね。 一つは、職安の指導権限の問題なんですね。というのは、法律改正で、企業単位でその率がとられるようになりましたね。しかし、大企業、特に大きい製造会社、雇用率の悪いたとえば電気とかガス、こういう企業というのは全国的に事業所が散らばっているわけでしょう。ところが、散らばっているけれども、その事業はそれぞれに一定の人事権も持っている。しかし、雇用率を見るときにはその企業は一企業として本社でまとめて見る、こういう立場になっているんですね。そこで、大きな事業所はあるけれども、そこの地域に適当な障害者がおる、採用してもらったらいいという障害者がおるという場合でも、直接その地域の職安が一定の指導に行けないわけですよね。指導権限というのはそういうことになってしまっているわけでしょう、今度の法律では。その辺のところで、ちょっと時間がないのですが、企業単位が原則になっているという点が一つの隘路になっていると私は思うんですよ。 そこで、こういうことはどうかと思うんです。大規模な事業所を抱えている、本社でなくても大規模な事業所を抱えている地域の職安については一定の指導権限を与えて、その事業所に対して一定の権限を持って指導ができるように、体制をつくったらどうかと思うんですが、それはどうですか。
○政府委員(関英夫君) 雇用率の算定は先生御指摘のように企業単位に行っておりますが、それだけでは事業所の企業に対する指導が十分でございませんので、実際の指導に当たりましては、百人以上の事業所を有するところは、それぞれの事業所の管轄安定所が雇用状況の報告を求めて、そしてその事業所に対して指導するように私どもでいたしておりますが、御指摘のように必ずしも十分でないとすれば、今後さらにそういう点を強めていかなければ.ならないと思います。
○沓脱タケ子君 そのことはぜひ実効の上がるように、そういった地域の職安についての指導権限を強化していただくということに配慮をしていただきたいと思います。 それから二つ目は、職安に登録をされている障害者の方々というのはかなりあるんですね。ところが障害者の方々ですから、従来から社会参加を十分にやっているという状況ではありませんので、必ずしも自信が持てないわけですね。そういう点で一定の指導と援助を与えて本人が自覚できる、各自自信が持てるという状況に援助をすることができれば、就労、が雇用の対象になり得るという方々もかなりいるというのが職安での状況のようでございます。そこで、この人たちにちょっとした手厚い親切な指導をすれば就労ができるという、こういう人たち、まずこんな人たちを救い上げるというための施策というのが要ると思うんですね。 これはたまたま京都でやられておりますが、これが一番いいかどうかこれはわかりませんよ。しかし京都の実例を見てみますと、身障者職業相談室というのをその訓練センターに接して設けているというわけですね。隣らしいですね。そこへ職安から職員が七人ほど派遣されていて、そこでそういうちょっと援助したら就労可能という方々のあっせんができているそうでございますけれども、こういう行き届いたというんですか、ちょっと親切なあっせん体制というようなものを考えてみるべきではないかと思うわけでございます。その点が一つ。 それから、時間がありませんので一緒に申し上げておきたいと思いますが、一番問題の重度障害者の雇用促進でございます。 これについては、重度身体障害者の特別雇用対策研究会がすでに発足をされているようでございますが、これについては十分な検討をやって充実した方針を出すべき必要があろうと私は思っているわけです。そこで、こういう方針を出していくために、できるだけその審議を充実させるために、いつでも問題になるのは、障害者の雇用率と言うけれども、障害者別には雇用率は出されていないわけですから、それぞれの障害の状況によって、雇用率と言われているけれども、ある部分は前進し、ある部分の障害者はおくれているという障害者別の状況というのはありますので、そういう各障害者別あるいは障害者、あるいはそれらの障害者団体の意見を聞いて充実した対策、方針を出すべきだと思うのですが、そういうふうなことをやっていただきたいということと、そうして研究会の結論のめど、これをぜひ明らかにしていただきたいと思うんです。 あわせて、重度障害者の方々の保護雇用制度の問題、これも必要だということは当然お認めになっておられるわけで、一部踏み出しておるわけですけれども、こういう保護雇用制度の確立特に私思うのは、工場までは行けないけれども、在宅でなら、お宅でなら一定の仕事はできるという方々も含めて保護雇用制度の中に包含をして、そういうことをやっていくべきだと思いますけれども、そういう点を含めてこの研究会で充実をした方針を出していただきたいと思うわけでございます。 この点について、三点になりますが、ひとつ御答弁をいただいて終わりたいと思います。
○政府委員(関英夫君) まず職業安定所の機能の強化の問題でございますが、京都におきましては、心身障害者職業センターと併置して相談室を設けて、三つの安定所の求職者の関係をそこで一括して取り扱うという重点的取り組みをいたしております。心身障害者職業センターは、重度の非常に職業評価のむずかしい、職業指導のむずかしい人を対象に仕事をするところでございます。そこと安定所の機能を併置して、連携を密にして職業指導をやっていく、こういうことはそれなりに非常によい点もございまして、私ども来年度は各県の県庁所在地の安定所を、県内の身体障害者雇用対策の重点安定所として指定をして、そこに県下すべての身障者の求職状況を集めまして、そこで、各県に一つずつ置かれておりますいまの職業センターとの連携を密にしてできる限り職業評価をし、それに基づいた職業紹介に努めるというようなことを、来年度から実施してまいりたいと考えておるところでございます。 第二点目に、重度身体障害者特別雇用対策研究会の御質問でございますが、本年三月に設置いたしまして、いままで、現在の重度障害者の就労の状況なりあるいはその問題点なりあるいは諸外国の対策なり、いろいろ検討をいたしました。あるいはまた施設の実地調査というようなことをやってまいりました。今後、先生御指摘のような関係の身体障害者の団体の御意見なりあるいは関係施設の方々の御意見なり、必要に応じてこの研究会で聴取するというようなこともやってまいりたいと思います。 保護雇用制度につきましては、諸外国でいろいろな形のものがございますが、わが国では従来福祉工場のような形で厚生省の施策で行われておるものもございますし、先生御指摘のような在宅の仕事をするといったような問題もございましょうが、いずれにいたしましても、福祉とそれから雇用とそれぞれどういう分野を受け持ってどうしていったらいいか、一たん福祉工場に入ったらそれっきりということでなく、その中から民間の雇用につき得る者、そういう者をどういうふうに訓練をし、どうやって民間の雇用につけていくかというような意味で、私どもも保護雇用に無縁のものとは思っておりませんで、そういった意味で、重度障害者の、通常では一般の雇用につきにくい人をどうやって一般の雇用につけていくかということを目的としてこの研究会を設置したわけでございますので、そういう観点から十分な御審議を願いたいと思っております。 一応のめどといたしましては、設置当初いろいろ御相談願いまして、二年ぐらいをめどに、非常にむずかしい問題ではございますが何とか結論を出していただきたいとお願いしておるところでございます。
○柄谷道一君 私は、障害者問題の基本は障害の種別や軽重を問わず、できる限り自立した社会生活が行える条件を整備して、社会に参加できるようにすることであると、こう私は信じております。これに関する大臣の御所見をまずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(藤尾正行君) お説のとおりでございます。
○柄谷道一君 政務次官いかがでございますか。
○政府委員(大石千八君) はい、同感でございます。
○柄谷道一君 基本的な認識をお伺いをいたしました。 身障者問題は間口も非常に広く奥行きも深いものがございます。本日は時間の関係もございますので、視覚障害者対策にしぼって質問をいたしたいと思います。 私は盲導犬の問題について五十二年四月二十六日と五十三年十月十七日の二回にわたり当社労委員会で質問を行いました。それが一つの契機になりまして、その後昭和五十三年の道交法改正に際し、盲導犬の項が挿入され、歩行の安全が確保されるようになったこと。国鉄、私鉄、バス、航空機など各交通機関の利用が拡大され、かつ容易になったこと。公共施設、病院、ホールヘの出入りの制限が緩和されたこと。また、身障者社会参加促進事業の中に盲導犬の育成事業が加えられ、国の助成が取り入れられたことなど前進が実現したことを心から喜んでおりますし、また、関係官庁の努力に対して深く敬意を表したいと思います。 しかし、国際障害者年を明年に控えまして、その施策の一層の充実を図るために、以下若干の質問を行いたいと思います。 まず厚生省でございますが、視覚障害者が盲導犬によって一人で確実に安全に、かつ能率的に目的の場所に歩いて移動できる、それはきわめて、日常生活の面においても社会復帰の面においてもすばらしいことであると思うのでございます。しかし、盲導犬と視覚障害者の一体となった歩行指導、訓練が十分に行われていなければかえって視覚障害者の危険につながります。幸い今日までは一件の事故も発生しておりませんけれども、万が一でも事故が発生するということになりますと、盲導犬に対する信頼は失われ、今日までの施策が大きく後退することも憂えられます。現在まで日本の盲導犬の大半を育成してまいりました東京盲導犬協会では、厳格な盲導犬による歩行指導基準を定め、これを完全に実施いたしております。その内容は相当膨大なものでございますけれども、指導、監督者の定義、歩行指導員の資格とその内容、歩行指導員の条件、志願者の申し入れ手続、さらに盲導犬の素質と候補犬時代からの記録、報告等をすべて収録をするとか、また、その歩行指導に当たって路上指導は六十時間を最小限度にするとか、協会内の指導は三十時間を最小限にする、盲導犬は一日二十四時間生徒と起居をともにするなど、非常にきめ細かなかつ慎重な指導要綱を作成いたしておるわけでございます。こういう指導があればこそ視覚障害者が安心して歩行でき、かっ事故が起こっていないということに私はつながってきておると評価いたしております。ところが最近、時代の風潮に便乗いたしまして営利を意図したり、また、盲導犬育成事業をやれば社団法人の名が得られるのではないかなど、育成の内容や実績もないままに施設を乱立させる傾向が見え始めている。私はこれは非常に憂うべきことであろうと思うのでございます。 私はこの際、今後の新しい設立については審査を厳格にするとともに、一定の訓練基準を設けるという配慮が行われてしかるべきではないかと、こう思うのでございますが、いかがでございましょう。
○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のとおりでございまして、この事業を行いますにはそれにふさわしい知識、経験、技術を持っております指導員を中心として、それから施設、設備こういったものを保有していることが必要であるということは言うまでもないところでございます。しかも、全国の利用者の数なりあるいは育成の頭数、運営実態といったものを考慮いたしますと、乱立を避けるべきだという御意見には私ども全く同感でございますので、そのような御趣旨に沿いまして都道府県知事等の指導に当たってまいりたいと考えておるわけでございます。 なお、ただいまお話しございました訓練基準、これにつきましては私どももその必要性を感じておりまして、ただいま専門家の意見を聞いておるところでございまして、早急に検討してまいりたいと考えております。
○柄谷道一君 ぜひ、そのような配慮をお願いしておきたいと思います。 そこで私は、心体障害者福祉法、社会福祉事業法など、社会福祉六法と言われる内容をいろいろ通読いたしてみましたけれども、その中に盲導犬育成事業に関する事項は一行一句見当たりません。私は過般、道交法改正の際に、これを織り込むべきであると提言いたしまして、政府で慎重検討の結果、その機会をとらまえて一項の挿入ができたわけでございます。私は、障害者年を迎えましていまその内容が検討中であると聞いておりますけれども、次回の法改正の際に、さきに述べました基準の設定ともにらみ合わせながら、盲導犬に関する事項を福祉法の中に挿入していくという配慮が必要ではないか、こう思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(山下眞臣君) 初めの先生のお話にもございましたような経緯を経まして、昭和五十四年から障害者社会参加促進事業の中に、その一つとして盲導犬の育成事業を取り上げて実施するに至っているわけでございます。身体障害者福祉法ないしは社会福祉事業法上にこれをいかに位置づけていくか、大変検討すべき問題が多いと思いますので、御指摘のありました点につきましては鋭意勉強いたしまして検討さしていただきたいと存じます。
○柄谷道一君 いま局長が申されました身体障害者社会参加促進事業費の中に盲導犬育成費が加えられております。しかし、その金額は一頭当たり三十万円でございます。いま東京盲導犬協会が各地方自治体より委託を受けております事業費単価は、一頭当たり昭和五十五年度百十七万円、五十六年度百二十三万円でございます。したがって、国と地方自治体の補助額が三十万円であるということとすれば、視覚障害者の個人負担は五十五年では八十七万円、五十六年度では九十三万円となります。これは個人の負担の限界をはるかに超えているというのが実態ではないか。東京都ではこういう現状を勘案いたしまして、さらに地方自治体独自で付加して助成を行うような措置もとられております。私は、このように金額が低いのはやはり育成人件費とそれから事務費というものがこの補助金額算定の積算基礎の中に入っていないというところに問題があると思うんですね。今後、さらにこの盲導犬使用者を拡大していくためには、この金額についてこの際抜本的な見直しを行い、その増額の必要性があると、こう信じますけれども、いかがでございましょう。
○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のとおり、現在この社会参加促進事業の中で補助対象にいたしておりますのは、直接候補犬を購入いたします経費あるいはその育成に直接必要な経費ということで、人件費、管理費的なものを除いておりますために三十万という金額に相なっておるわけでございます。何分にも障害者社会参加促進事業というメニュー事業の中の一つとして取り上げております。このメニュー事業、現在一県当たりの事業費を千二百五十万ということで今年度、昨年度に比べまして相当の増額をいたしたわけでございますが、そのほかにもきわめて有用な事業をいたしております。この千二百五十万という単価をできるだけ引き上げていく努力をして、今後地方の実情に応じまして弾力的な運用が図られるように努力してまいりたいと存じます。
○柄谷道一君 これは次官に、盲導犬というのは直接経費よりも、非常に熟練された指導員が長期間かかって訓練しなきゃならない。その人件費が多額を占めるというのはこれ実態なんですね。それを積算基礎から除かれるということになりますから、いま言ったような現実と乖離した状態があらわれてきておると思うんです。もうすでに概算要求出されておりますので、来年すぐにとは私はなかなかむずかしいと思いますけれども、いま局長が言われたような努力をされますと同時に、やはりその積算の基礎についても、この際ぜひ洗い直していただいて、盲導犬使用者が容易に入手できると、こういう体制に向かって前進をお願いをしたい、こう思いますが、次官いかがでしょう。
○政府委員(大石千八君) そのような気持ちで前向きに考えていきたいと思っております。
○柄谷道一君 問題を次に移しまして、環境庁は五十五年九月四日関係都道府県主管部長に対しまして、「国民宿舎等休養施設の管理運営について」という通知を出しておられます。私はその内容を拝見いたしますと、まことにきめ細かな思いやりのある通知内容でございます。たとえば地震、火災等の災害時における身障者の避難体制について十分に配慮した防災設備を整えなさいとか、盲導犬を伴った盲人の利用については、十分協力し、盲導犬を正しく理解するように努めなさいとか、さらに別紙として犬小屋の設置は必要がないと、客室を使用する場合は、洋室の場合はベッドのわきに、和室の場合は踏み込みに待機させなさいとか、非常に盲導犬の実態というものを正確に把握をしてきめ細かな示達を行っておられるわけでございます。私はこれを拝見いたしまして、さすが環境庁だと、こういう感銘を受けたわけでございますが、そこで、運輸省にお伺いいたしますが、運輸省においてもその管轄しているホテル、旅館等の宿泊利用につきましては、私は同様の通知を行って、その趣旨の理解徹底を図るべきであろうと、こう思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(高橋克彦君) 御説明申し上げます。 運輸省所管の国際観光ホテル整備法に基づく政府登録のホテル、旅館につきましては、公共的性格を有する宿泊施設のあり方といたしまして、目の御不自由な方々に安全かつ安心してお泊まりいただくように努めることは当然だと考えております。したがいまして、私どもといたしましても、登録ホテル、旅館の団体に対しまして盲導犬をお連れになったお客様への対応について遺憾のないようにこれまで指導してきております。これを受けまして、ホテル、旅館団体は、会員に対しまして会報等を通じまして、従来宿泊施設は動物連れは受け入れられないという原則になっているが、これからは盲導犬を連れて宿泊されるお客様に対しましては、できるだけ便宜を図らってほしいと、こういうふうに周知徹底を図っております。 なお、盲導犬をお連れになった場合のお客様の対応について、登録ホテル、旅館についてできるだけ広く調べてみたところ、登録ホテル、旅館におきましては、宿泊をお断りするというふうな事例はないようでございます。 なお、運輸省といたしましては、盲導犬は目の不自由な方々の手となり足となり旅客の安全のために十分訓練されていると聞いておりますので、盲導犬の帯同による宿泊施設の利用につきましては、御不自由をかけることのないように今後とも十分業界を指導してまいりたいというふうに考えております。
○柄谷道一君 厚生省にお伺いいたします。 厚生省も公共施設、ホール、病院、いろいろなものを管轄しておられるわけでございますけれども、私は、肢体不自由者の足が車いすであると同様に、盲導犬は視覚障害者の足であり目でございます。そういう理解のもとに御努力はされているようでございますけれども、一部厚生年金会館等におきましては、まだトラブルが発生しておることも現実でございますので、身障者福祉の中心官庁であります少なくとも厚生省については、その指導を十分に徹底していただきたい。 なお、保健所においては、保健所からペットを入れてはならぬという指示があるためにレストラン、飲食店等への盲導犬使用者の出入りが拒否されることが間々ございます。私は、さきに申し上げましたような趣旨に基づきまして、この自由な出入りを認めるべきではないか。これは単なるペットではございません。非常に訓練された犬であり、かつ使用者と一体になって行動しておるものでございます。飲食店、レストランに入っちゃいかぬということは使用者に飯を食うなということに通ずるわけでございますから、そこらの御徹底方をぜひお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(榊孝悌君) お答え申し上げます。 ただいまの飲食店関係の問題でございますが、これは食品衛生法上、調理場とか、あるいは食品の取り扱い場所に対して犬、ネコ等の動物が入らないようにというふうなことを、これは都道府県によりましていろいろその規制措置を講じている場合があるようでございます。 で、お示しの盲導犬につきましては、これは利用者の客席に立ち入ることになるわけでございまして、従来からやはり特別の配慮をする必要があるということで、私どもとしても会議等機会あるごとにいろいろ指導はいたしておるわけでございますが、お話しのような、さらにやはり徹底を欠いておるという向きもあるとすれば、これはやはり重大な問題でございますので、私どもとしてもさらに徹底を期するような、そういう方法を講じたい、このように思います。
○柄谷道一君 労働省に対して御質問いたしますが、労働省も雇用促進事業団などによる諸施設を管轄されているわけでございます。私は、労働省としても当然その趣旨の徹底を図るべきでないかと、こう思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(関英夫君) 雇用促進事業団が運営いたしますいろいろな施設につきまして、盲導犬を連れた視覚障害者の方の利用を拒むようなことは万々ないと思いますが、さらに十分安心して利用できるように、その趣旨を徹底させることに努めたいと思います。 事業団が直営いたします施設につきましては直ちに徹底できると思いますが、多くは地元の市町村に経営を委託しております。そういう場合の周知徹底も含めて、今後十分図っていきたいと思います。
○柄谷道一君 建設省にこれは要請いたしたいんでございますが、すでに東京、横浜等では、公団、公営住宅への盲導犬使用者につきましては無条件で入居が認められておりますけれども、全国的に見ますと、必ずしもそういう態勢になっていないと私は承知いたしております。これは単なるペットではないことは再三申し上げておるわけでございまして、これらに対する指導の徹底を建設省にも強く要請したいと思いますが、いかがでございますか。
○説明員(佐藤和男君) お答えいたします。 身障者の世帯の公営住宅への入居一般につきましては、公営住宅法上も、住宅困窮度が非常に高いということで優先的な取り扱いを実施しておるところでございますし、かつ、入居後の管理面におきましても、これらの方々ができるだけ支障なく居住されるよう、十分配慮するよう公共団体に指導しているところでございます。 お尋ねの、目の御不自由な方が盲導犬の利用を希望されるときにつきましては、その飼育を当然許容するよう、住宅局長名の通達で公共団体を指導しているところでございまして、今後ともその徹底を期してまいりたいと存じます。それから、なおまた、公団の住宅につきましてもいまほど申し上げましたようなことで措置しているところでございます。 なお、お尋ねがございましたので取り急ぎ調べましたところでは、住宅公団におきましては約十戸程度、それから東京都におきまして十七戸、それから神奈川県で五戸程度、それからほかの都道府県、私どもで調べましたところでは岡山でその件数がございました。というのが、とりあえず私の方で調べました結果でございます。
○柄谷道一君 いま、施設利用の問題につきまして各関係省庁に質問をしたわけでございますけれども、中央部の認識は非常に深くなったのでございますけれども、果たして末端までそれが徹底しているかどうかということになりますと、まだまだ十分でないうらみがございます。この質問を契機といたしまして、関係省庁それぞれ十分な趣旨の徹底方を強く求めておきたいと思います。 次に、交通機関の利用に関してでございますが、幸い国鉄は、国家公安委員会が指定した協会の盲導犬につきましては、使用者証を持参する者に対して無条件で乗車が認められるようになりました。従来、非常に複雑な手続を要しておりましたものがこのように改革されたことを評価いたします。しかし、まだ私鉄は同様の措置がとられてないわけですね。それから、バスにつきましては、口輪をはめろということを含めた通知が流れているようでございます。ハイ・タクにつきましてはまだ運輸省からの通達がないのではないか、こう思います。航空機関係も調べますと、日航と東亜航空は比較的いいのでございますけれども、全日空の場合は、やはり口輪をはめろということが厳格に言われるようでございます。私は、いままで事故がなかったというその実績、それから、口輪を仮に落しますと盲人の方はそれを拾わなければならないわけですね。しかも、口輪をしておるということは、一般乗客に対して、これは危険なのではないかという逆の心証を与えるわけでございます。国鉄が行っておるわけでございますから、他のあらゆる交通機関が国鉄に準じた取り扱いをするというのは、私はこれは当然であろう。そのような趣旨の御徹底方を願いたい。 あわせて、これは航空会社等によりましては、ありがたいのやらどうかわかりませんけれども、一々乗降口から特別のバスを仕立てまして飛行機の搭乗口まで輸送していただく。これは特別の配慮としてありがたいような気持ちもしますけれども、やはり盲導犬使用者にとっては、盲導犬の認識がそれほどないのか、一般乗客と同様に飛行機に乗りたい、こう素直に思われることは、これまた当然の心情であろうと思うんです。こういう点に対してもあわせて要望しておきたいと思いますが、運輸省いかがです。
○説明員(松尾道彦君) お答えいたします。 いまの私鉄関係の問題でございますが、本件につきましては、大半の会社につきましてはほぼ国鉄に準じた、全国盲導犬協会連合会に登録されているものでハーネスをつけていただければ御利用いただけるというのが大半でございますが、一部の事業者の中には一般利用者への影響等も考えまして、駅に対する事前連絡といったような措置もとっておる会社がございます。いまの先生の御指摘にありましたとおり、盲導犬使用の促進という観点から、そういう事業者に対しましては、できるだけ手続の簡略化について今後検討するよう指導してまいりたいと考えております。
○柄谷道一君 いま、ちょっと認識不足がありますからね。日本盲導犬協会の許可証という段階から、やはりその安全性をもっと的確に確保しようということで、国鉄においては最近、国家公安委員会指定の何々協会、こういう証明書の形に変更いたしておりますから。私は、一人の使用者が二つの証明書を持つということはこれは不便でしょうがないわけですね、そういう証明書発行の方式についても国鉄の実態をよく御精査いただきまして、同一証明書で乗車できるという配慮をぜひしていただきたい、これは補足してお願いしておきます。 建設省でございますけれども、最近全国で音の鳴る信号、これは警察庁ですかな、これが大分普及してきたんですけれども、各地方で音楽が皆違うんですね、「夕やけこやけ」が鳴ってみたり、「おうまのおやこ」が鳴ってみたり、それぞれ随意に音楽を採用されておるようでございますけれども、実際の視覚障害者の立場といたしましては、雑音がなるべく入らぬように耳の高さで、しかも全国で共通したメロディーを流してもらえばと、これは切実な要求でございます。 また、点字ブロックの敷設につきましても、これは晴眼者の感覚でブロックをつくっているんではないだろうか。その設計いかんによりましては、かえって雨のときに滑りやすくて危険だとか、全国の駅に設置されているところもあれば設置されてないところもあるということになりますと、設置されているんだと思って手探りでいきますと、その駅にたまたま設置されていない。これは区々な状態にあることはかえって危険に結びついてくるわけでございます。こういう点につきまして、私はもっときめ細かに、実際御不自由をされておる視覚障害者の現実の声を聞いて施策をしていく、これが身障者の身になった対策のあり方だ、こう思うんです。この点の御配慮を求めたいと思いますが、いかがでございますか。
○説明員(萩原浩君) 点字ブロックの件についてお答え申し上げます。 歩道の点字ブロックの適用につきましては、昭和四十九年に建設省が財団法人の全日本交通安全協会に補助金を交付いたしております。それに基づきまして同協会では、関係行政機関、日本盲人会連合会を初めといたします利用者の方々、そういう方々から広く参画を得まして研究を行っております。そのときには、実際の道路で歩行実験なども行いながら研究成果を取りまとめておりまして、ブロックの設置に当たりましては、この成果を利用してできるだけ利用のしやすいような形に設置するようにというふうに指導をいたしておるところでございます。先生の、雨のときに非常に滑りやすいのではないかというような御指摘でございますが、ブロックの材質としていろいろなものがございます。いまのところ必ずしも私どもに雨のときに滑りやすいということは入ってきておりませんけれども、実態を十分調査をいたしまして、今後とも適切な設置に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。 なお、信号につきましてはちょっと私ども所管外でございます。
○説明員(広谷干城君) 目の不自由な方々のための音の出る信号機につきましては、現在全国で二千七百個所につきまして設置をいたしておりますけれども、この音色の統一につきましては、各県警察を指導いたしまして全国的に統一する形で指導をいたしておるところでございます。大部分のものは統一されておろうと思いますが、工事の関係等もございましておくれておるものにつきましては、今後十分指導してまいりたいと、かように考えております。
○柄谷道一君 私は、いままで盲導犬に関しましてその育成、施設利用、交通機関の利用等について質問してまいりましたが、現在、多くの障害者が適切な就業機会や自立した生活条件が得られず、福祉施設や家族に依存した生活を余儀なくされていることもまた現実でございます。 そこで、このような現状は速やかに、冒頭大臣及び厚生政務次官が申されましたような基本的考え方に基づいてその対策を講じていかねばならぬと思います。そこで、同じ身障者と言いましても、なかなか視覚障害者の場合の雇用対策というのは非常にむずかしいわけでございます。障害別の雇用状況を見ましても、視覚障害者、そして重度の、全身の肢体麻痺の身障者、そして精薄者、これの雇用がきわめてむずかしいということはもうあらゆる統計に出てきておるところでございます。 そこで、現在視覚障害者の適職であると考えられておりますはり、きゅう、マッサージの従業員の状況を私なりに調べて見ますと、昭和四十五年と五十三年を対比しますと、あんま、マッサージ、これは正眼者四四%、盲人五六%であった比率が、五十三年では五〇対五〇の比率に変わっております。はりの場合は正眼者五四、盲人四六の比率が五七・四対四二・六と変化しております。きゅうの場合は五六対四四が五九対四一と変化をしておるわけでございます。この数値を見ますと、従来、はり、きゅう、マッサージの適職と言われておった分野に正眼者が非常に大きく進出をしてきておるというこれは傾向を意味するものではないかと思います。私は、諸外国では障害者以外がその職種につくことを禁止し、または制限、留保するといったような優先雇用採用政策を実行いたしておる国もあると承知いたしておるわけでございます。そこで、今日までの労働省の雇用施策を見ますと、一つは雇用率を定めて雇用を促進するという、いわゆる割り当て雇用制度と、第二には生活保護法、社会福祉事業法、身障者福祉法、精薄者福祉法という四つの法律による、七つの施設によるいわゆる授産福祉施設とこの福祉政策と、こういう二本の柱で進められておると思うわけでございますが、ILOの九十九号勧告の内容を見ますと、欠落しておりますのがいわゆるこの優先雇用政策と、後ほど質問したいと思います保護雇用政策の二つの点でございます。この点に対して、まずこの優先雇用政策というものの採用について、労働省として積極的かつ前向きに検討される用意があるのかどうかお伺いいたします。
○政府委員(関英夫君) 視覚障害者の方々に対しましては、先生御指摘のように特別の雇用率を定めて割り当てというようなお言葉がございましたが、そういうようなこともいたしておりますが、私ども今後はできる限り従来多くついていただいておるあんま、はり、きゅう、マッサージといったような職種から現在の産業の状態あるいは今後伸びるであろう産業、そういったところにできるだけついていただくように訓練をし、雇用を促進していくことが重要ではないかというふうに考えておるところでございます。 優先雇用というようなものを考えてはどうかというお話でございますが、現在以上にさらに一定の職種を指定して、そしてそれらの職種に優先的に雇用を進めていくということをとるべきかどうか、非常にいろいろな問題があろうかと思います。私も必ずしも十分勉強しておりませんが、外国におきます優先雇用の指定職種につきましても、必ずしもうまくいっていないという面もございますし、何かそういう職種にだけ押し込めてしまうというようなことになっても問題でもございます。そういう意味で、非常に慎重に検討すべき事柄ではなかろうかと、こういうふうに思っておりますが、今後はできる限り新しい職種への訓練、雇用促進、そういうことに努めるべきではなかろうかというふうに考えております。
○柄谷道一君 私は指摘したいのは、現在の身障者雇用促進法、これに視覚障害者がなかなか乗れぬということなんですね。事実目が全く見えない方、それを一体、一般企業がどこに受け入れていくか、これは非常にむずかしい問題であって、そのためにこそ現行の雇用政策でどうも受け入れが困難だという障害の種別、そして障害の程度、これによってもまた新しい雇用政策の展開というものがあって当然しかるべきではないか、このような気持ちを捨て切れません。いろいろこれは波及するところ問題はあると思いますけれども、労働大臣ひとつ前向きにこれは御検討願いたい。 同時に厚生省に対しても、当面少なくても国公立病院のはり、きゅう、マッサージ等については、やはり視覚障害者を優先的に雇用するという指導が当然行われるべきではないか。またこれはたとえば韓国、台湾等に旅行しますと、外国人が旅行するような一流ホテルはほとんど視覚障害者によって占められております。こういう手近なところから、全面的な政策展開ができないとしても一つ一つ確実にこれを取り上げていく、それが必要であろう、このことだけを指摘してこれはおきたいと思います。 そこで、安定局長が言われましたように、私は何も視覚障害者の職種があんま、はり、きゅう、マッサージに限られるものではないと思います。新しい適職の開発は当然真剣に行われていかなければなりませんし、その適職に対応する訓練体制の確立、相談体制の充実がまた必要であろうと思います。ところがたとえば国立リハビリテーションセンターの中に理学療法士研修コース、作業療法士研修コース、両教員養成コースを設置してほしいという強い要望があり、これは厚生省ですね、いつも予算要求をされておるようでございますけれども、なかなかこれが通らずに依然としてあんま、はり、きゅう、マッサージのみに限定されているような現状でございます。私は文部省と労働省がもっと緊密な連携をとられてパーキンスレーダー、レイズライター、オプタコン、こういう新鋭機器等もより充実して取り上げていくことによって、私は目が見えなくても弁護士はやれると思います。目が見えなくても同時通訳の通訳になる道はあると思います。さらに録音タイピスト、電話交換、職種はたくさんあると思うんですね。ところが、職業訓練校の実態を見ますと電話交換の訓練コースがあるのは私は横浜市一校だけだと思うんです。録音タイピストの養成訓練はゼロでございます。非常に私は立ちおくれているというのが実態であろうと思いますので、この点に対してより積極的な労働省の姿勢を求めたい。 さらに、時間がまいりましたので触れることができなかったわけでございますが、保護雇用制度の問題でございます。現在厚生省のやっておられます授産施設、これは労働基準法の適用外でありますし、現実週四十時間から四十八時間も働いているにかかわらず各種社会保険は加入義務なしと、こういう状態に放置されております。しかも、その作業賃金はきわめて低いと。精薄の授産施設などにつきましては月六千円という状態でございます。私は、こういう状態を考えますと、もっともっと保護雇用制度の導入というのが急がれるべきではないか。これに対する見解をお伺いします。 最後に、郵政省も呼んでおりますので、私は、障害者年を記念して国民の理解を深めるように盲導犬を図案化した記念切手の発行等を採用することによりその理解を深めるべきであると、これに対する見解をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
○政府委員(関英夫君) 視覚障害者に対します訓練職種、確かにまだ公共訓練におきまして不十分でございますので、今後そういったものの整備に努めますとともに、公共訓練だけでなく、すでに民間の社会福祉法人等におきまして非常に熱意を持ってこれに取り組んで実績も上げておられるところもございます。そういうところへの助成というようなことも考えて、幅広くこの能力開発に取り組んでいきたいというふうに考えております。 それから、保護雇用の問題につきましては、重度障害者対策の研究会を設けまして、そういった直ちに一般民間雇用にはなじまない人々の雇用を促進するために、雇用対策としてどうしたらいいかということを御研究いただいておりますので、その検討結果を待って対処していきたいと考えております。
○説明員(安藤博之君) お答え申し上げます。 先生の御趣旨は記念切手に盲導犬の意匠を入れてはどうかというような御意見だと存じ上げましたが、来年度たまたま郵政省では、国際障害者年にちなむ切手を発行することとしております。その意匠につきましてはただいままだ決めておりませんので、図案作成の段階で先生の御意見も十分参考にさせていただきまして検討させていただきたいと、かように考えております。
○柄谷道一君 終わります。
○前島英三郎君 国際障害者年の集中審議ということでございまして、障害者の皆さんの強い関心が集まっていると思います。その中には、当然聴覚障害者の皆さんも含まれております。 そこで、私は聴覚障害者の方がこの審議を傍聴するために手話通訳者の手配をお願いいたしました。しかし、当委員会の判断だけでは参議院として手話通訳者を手配することは困難であり、時間的にも間に合わないということでございました。そして、傍聴人として手話通訳者が同行することは歓迎するということになりました。ところが、傍聴を希望している聴覚障害者の人々からの要望として、なるべく発言者の近くで手話通訳をしてほしいと、こういう意向がありました。━━━━━━━━━━今後参議院として、他に率先しまして聞こえの保障に努力をしていただきたいと思うと同時に、委員長初め各委員にお力添えを心からお願いをいたします。 しかし、傍聴席においてではありましても、参議院において初の手話通訳による傍聴の実現であることの意味を私はかみしめたいと、かように思っております。 そこで、以下質問をさせていただきます。 国連が「完全参加と平等」ということで来年の国際障害者年の一大テーマを打ち出しておりますけれども、財政再建と対立する概念としてこの「完全参加と平等」というものがとらえられがちでございますけれども、しかし障害者の「完全参加と平等」を実現していくことは、長期的には財政負担を軽減していくことに私はつながるだろうと思うんです。長期的には財政負担を軽減していくと。このことにおいても身障者の自立雇用ということがいかに施策の重要な課題であるかということを私は訴えてまいりました。施策のいろいろな面におきましても、行政改革という面におきましても、財政再建にもそういう意味では身障者が自立をし、自分で賃金を得るというような経過というものは、やっぱり歓迎されるべき、そういう認識がまた必要ではないかとも考えます。福祉は金がかかるものという感覚はもはや脱却すべきだと思うんですが、そういう意味では、労働大臣のこの身障者の雇用の促進という点では、チーブガバメントという立場におきましても、大変重要な来年の「完全参加と平等」の大いなるテーマであろうと思うんですが、まず労働大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(藤尾正行君) ただいま前島委員御指摘のとおりでございまして、平素から申し上げておりますように、私どもは国際障害者年であるから何をしなければならぬとかなんということは全然考えておりません。あたりまえのことといたしまして、これからずうっと永遠にそういった活動、運動を進めてまいりまして、それがあたりまえになりますようにその運動を展開をし、浸透さしていくということでなければならぬと考えます。 あわせて、ただいま御指摘の障害者の方々の御自立の問題でございますけれども、障害者の方々もまたそれぞれの立場におきまして同じ国民であり、国民としてできる限り御自立をいただくということが、私はこれまたあたりまえのことであろうと思います。その御自立に際しましてのその御努力を私どもはできるだけお手伝いをさしていただくということが、私どもの施策の眼目でございまして、そのような線に従いまして私どもの行政を展開をしてまいりたい、かように考えております。
○前島英三郎君 十月二十三日の当委員会でも労働大臣から力強い雇用促進のお言葉をいただいたわけでありますが、その雇用という面におきまして、雇用納付金制度というものがございます。その助成金制度についてお伺いをしてまいりたいと思うんですが、私の印象では納付金の活用を急ぐ余り助成金制度の運用に適切を欠く面があったのではないかと、こういうことを最近思っております。 現状を見ますと、新規の助成金の申請の受理をストップし、またすでに申請を受けたもののかなりの部分を、現在事実上凍結しているのではないかという若干感触をも持っております。さらに、今年度の収支の見込みでは積立金の一部をも取り崩さざるを得ないような状況ではないのではなかろうかと、そういう感触も抱いております。これは後でまた違うとおっしゃるなら違うというふうにお答えいただければいいわけであります。 さらにこれちの現象は、よくとれば、助成金を活用して身障者の雇用に取り組もうとする機運が盛り上がったと見ることもできますけれども、また反面、そうとばかりは言えない部分もあると思うんです。ある意味では、事業主に安易な気持ちを持たせたという面もあるだろうとぼくは思うんです。中には、障害者の雇用よりも、返済の必要のない助成金目当てといったケースさえ生ずる結果となったと私は感触を抱いております。いわば、問題点がある一つの極限に達したことを意味するという見方もできると思うんですが、私はむしろそういう意味では後者の見方が当たっていると思うんですが、労働省の助成金のいまのふくらみ過ぎている現状をどう考えておられるのか、その辺を伺いたいと思います。
○政府委員(関英夫君) 先生ただいまの御指摘は、助成金制度のうち、重度障害者多数雇用事業所の施設設置等の助成金、あるいは重度障害者等雇用管理助成金、この辺の運用についての御指摘だろうと思います。 この重度多数の事業所設置につきましては、当初余り成績が上がらなかったわけでございますが、助成内容を思い切って拡充する、条件を緩和する等いろいろやってまいりまして、五十四年に相当数に上ってまいりました。ことしに入りまして非常に申請が多数になってまいりまして、現在、助成委員会等で助成するかどうかを審査するわけでございますが、その審査に当たりましては、この多額の助成金を受けてそういう事業を始めて、果たして事業体としてうまくいくんだろうか、経営状態がうまくいくんだろうか、あるいは同業の業者とのあつれきが生じないだろうかとか、いろいろなことを慎重に審査いたさなければなりません。そういう意味で、まだ審査に入れないような案件まで非常にたくさんたまってきている、こういう現状にございますので、この重度多数雇用事業所については、新たな申請はしばらく保留するというような措置を現在とっているところでございます。 それから重度障害者等を雇用いたします場合に、事業主に一人十万円という助成金を出す、そういう措置を二年間の緊急の措置としていたしました。で、非常に手厚い助成でございまして、おかげさまで、重度障害者の雇用は、私どもこの制度をとりましたときに予想したよりも非常に進んだわけでございますが、数が上がったということだけで果たして満足できるだろうか、その手厚い助成によって雇用された重度障害者が、本当に安定した職場で、その職場に適合して長く安定的に働くことができるかどうかといったようなことにも、いろいろな問題が生じてきておるようでございます。 そういう意味で、この二つの助成金制度につきましては見直しをすべき時期に来ているというふうに判断いたしております。
○委員長(片山甚市君) 委員長から申し上げます。 いま、理事会を緊急に開かなければなりませんので、暫時休憩いたします。 午後零時三十四分休憩 —————・————— 零時四十一分開会
○委員長(片山甚市君) ただいまから再開いたします。 理事会で前島発言につきまして、特に傍聴者の取り扱いにつきまして協議いたしました。 議事録を調べた上、もし委員会での発言について不穏当な言葉がありますならば、御本人の申し出もありますから、これを訂正いたします。 それでは、これから発言を続けていただきます。
○前島英三郎君 私は、助成金制度というものにつきましてお伺いをいたしております。 引き続き伺ってまいりたいと思うんですけれども、つまり何といいますか、助成金制度そのものというものは、企業活動のプラスアルファ部分であるべきだと考えるのです。つまり、企業全体があって、そこに障害者を迎え入れるために何らかの必要経費がかかった場合、その部分について事業主の負担とならないようにするというものでなければならないと思うんですけれども、いま局長の方からいろいろるる御説明ありましたが、その局長のお答えの中ではそれはそれで理解は十分できるんですが、ところがそれだけでは雇用がなかなか進まない、そこで新たな障害者の雇用の場を創出しなければならないということになりまして、重度障害者多数雇用事業所施設とか、あるいは設置等の助成金がその目的のためにあると言えると思うんですけれども、つまり、この助成金はそれだけ積極的な意味と同時に、プラスアルファ部分だけでなく本体も助成金でつくるという意味における危険な側面を私は持っているのではないか、つまり、この際一緒に重度障害者を雇用するという形の中で会社も本体も全部助成金で立て直してしまいましょう、あるいは新しい企業転換を、職種の転換をしてしまいましょう、そういう部分に助成金というものが使われ出しているのではないかという危倶を私は抱くわけなんです。したがって、この制度の長所を生かし、短所が出てこぬようにすべきだと考えるんですけれども、これまでの実績と現状を労働省としてはどうとらえているのか、また今後については、どういう対策を考えようとしておられるのか伺いたいと思います。
○国務大臣(藤尾正行君) 本当にそういったことが事実あるといたしましたならば大変なことでございまして、私は世の中には悪いやつがいっぱいおりまして、何でもそういった非常に人道的な施策あるいは皆様方に御心労を煩わしましてでき上がりました法律並びにその施行、そういったことを逆用をして金もうけにしようというようなのが、絶対にないというわけにはいかないこともあり得る、これは大変なことでございまして、そのようなことに藉口をして金もうけをするに至りましては、これは私は、私どもの社会の中にそういった者を置いておくわけにはいかないというぐらい厳しく、それに対する制裁はやらなければならない、かように考えます。 詳しいことは政府委員からひとつ申し述べさせます。
○政府委員(関英夫君) 重度障害者多数雇用事業所設置助成金の実績等のお尋ねでございます。五十二年度十三件、雇い入れ身障者数が百九人、支給金額は四億九千万、五十三年度三十四件、身障雇い入れ数三百六十九人、金額が約十八億、五十四年度二十六件、雇い入れ数三百一人、金額三十四億というようなふうでございます。主に製造業が多うございまして、四十六件、卸小売業で三件、サービス業が二十四件、こんなふうになっております。特にサービス業のクリーニング業において多く活用されておるというような実情にございます。
○前島英三郎君 つまり、十人、十三人、二十人、そういう重度障害者の雇用なのに助成金は何億というような形になっているわけですね。たとえば五十三年度、五十四年度、一人当たりの、身障者が就労したときに、支度金と言えるかどうかわかりませんが、その企業に助成した金というのは恐らく何千万という一人当たりの単価になっていくだろうと思うんです。ですから、そういう意味では果たしてそういう形の雇用促進ということが、今後ずっと続くことが可能なのかどうか、あるいはこういう形の雇用というのは、労働省としてももう反省のときに差しかかってきているのではないかというような気がするんです。ですから、私は企業活動のプラスアルファ部分でその助成はあるべきだと思うんですが、つまり五千万円の当初の助成が、五千万じゃどうも重度者を雇わないから、それじゃ一億出しましょう、一億でも何だったら特別の部分では二億出しますよと。だからといって、じゃ身障者が実際何十人も何百人も雇用されているかといいますと、たとえば十人あるいは十五人、たとえば一億で十人だったら一人の身障者に対して一千万という形の助成をしていることになりますから、こんな形でいったら恐らくいまプールされてあるものも手をつけなければならぬでしょうし、今後助成ということもやはり反省をしていくときではなかろうかというふうな気がするんですが、その辺はいかがですか。
○政府委員(関英夫君) いままでの総件数を平均してみますと、一人当たりで七百三十八万ぐらいになります。そういう意味で非常に手厚いと言えば手厚い制度でございますが、重度の障害者というものがなかなか雇用につきにくい、そこで重度障害者を多数雇う工場をつくってもらうという助成を考えたわけでございます。しかし、先ほど来先生御指摘のような弊害も一部に見受けられます。また、本当に身体障害者の雇用のために申請をしているのか疑いたくなるような申請も出てまいるような実情にございます。そういう意味で、重度障害者の雇用ということがこれからの身障対策の中心でございますから、それに本当に役立っような助成制度というものに見直していくべき時期に来ているんではなかろうかということで、身体障害者雇用審議会等ですでに問題になっておりますので、審議会の場で十分こういう点を見直していきたいというふうに考えております。
○前島英三郎君 そういう意味では、助成したら後は知らないでは済まされないと思いますし、それだけの金をいわゆる助成に使っておられるわけでありますから、実際、その中で働く身障者が長くその事業所で働く意欲を持つのか、あるいは人間関係はどうなのか、あるいは雇用されたわ、後は何らフォローができてないというようなケースもあるとしたら、これはやっぱり大変な問題だろうと思うんです。そういう意味で、いままでの雇用された方たちの追跡調査ですね、そういうようなものが私はまだ労働省にはないのではないかというような気がするんですが、もう五年を迎えようとしておりますから、実際それだけの助成金をそれぞれの事業主に出しているわけですから、一体、そのときだけは雇用されたけれども、後は知らぬというようなことじゃ困るわけなんで、そういう意味での後々の今後の対策としてどういうお考えがあるかもあわせて伺いたいと思います。
○政府委員(関英夫君) この助成を受けた企業に対しますフォローアップにつきましては、助成した六ヵ月目、一年目、二年目、三年目というときに定期的に必ずフォローアップをするようにということが一つ決まっておりますが、この定期的なフォローアップだけでなく、やはり公共職業安定機関あるいは都道府県の身体障害者雇用促進協会一体となって、これだけ多額の助成で、しかも重度の身体障害者を雇用していただいているわけでございますので、その定着といいますか、その事業所で重度の障害者が本当に気持ちよく働いていただけるような環境になっておるかどうか、職業指導がその後も必要であろうと思いますので、継続的な職業指導に努めているところでございます。
○前島英三郎君 金の切れ目が雇用の切れ目にならないような手だてを今後は考えていただきたいと思うんです。助成の枠が拡大されるのはいいんですけれども、それによって、何といいますか、真の雇用というものが果たされていきませんと、何かおいしいものをぶら下げてあとは企業がそのチャンスを有効に使うというような、先ほどの大臣のおっしゃった悪知恵が一方で助成を取り巻く部分にぼくは今後出てくるだろうと思うのです。そういう意味での今後の追跡調査ということを期待したいと思います。 さて、障害者の社会参加を阻んでいる法律の見直しについて、その必要性というものが昨今の国会でも大変論議されているところでございますが、まず最近不快用語——不具廃疾等をやめようという動きがありまして、厚生省としても積極的に対処するとのことでございますけれども、その見直しの対象として、およそどのような部分を考えておられるのか。あるいはまた、新聞報道などによりますと、次の通常国会には法律改正案を出す意向というようなことが伝えられているんですが、そのつもりであるのかどうか。その辺を伺いたいと思います。
○政府委員(田中明夫君) 現在厚生省といたしましては、不適格と申しますか、適当でないいろいろな用語が法律で使われておりますものにつきまして逐次訂正を図っておるわけでございますが、国際障害者年ということにもちなみまして、現在まだ訂正されておりません適当でない用語につきまして、この際一括してその訂正を図ってまいりたいということで、関係の省庁とも連絡をとりながら、できますれば次の通常国会にでもその法律の訂正を図るようにいたしたいということで準備を進めているところでございます。
○前島英三郎君 その辺はまた国際障害者年担当室としても「完全参加と平等」、特に平等という部分では、大変日本には差別用語というもの、不快用語というものが法令、政令の中にあるわけですけれども、その辺担当室としては、どう今後の対策として考えておられるでしょうか。
○説明員(花輪隆昭君) ただいま厚生省からお答えがあったとおりでございますが、障害者年の推進本部をあずかる総理府といたしましても、やはり法律の用語の中に障害関係の中で適正を欠く用語というふうなものの見直しをすべきであると考えておるところでございまして、先般十月末に開きました中央心身障害者対策協議会の特別委員会の中でもどういう用語が、言いかえます場合に適当であろうかというふうな問題もございますので、これもひとつ特別委員会の中で議論しようではないかと、こういうふうな合意を見ておるところでございます。
○前島英三郎君 その中で聴覚障害者の人々が、かなり以前から差別的な法律に関しまして見直しと改正を訴え続けていると思うのですけれども、厚生省としてはその要望の趣旨を承知しておられるでしょうか。いかがですか。
○政府委員(田中明夫君) 私どもの医務局の関係におきましては、現在医師法、歯料医師法、あるいは保助看婦法、歯科衛生士法、診療放射線技師及び診療エックス線技師法、あるいは臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律等におきまして、障害者の方がいま述べましたような各種の医療関係の資格を取ります欠格事項ということになっておりまして、聴覚障害者の方の中にはいま申しました中のあるものについては十分やっていけるのではないかと。したがって、欠格事項とするのが不適当ではないかというようなお話を聞いております。
○前島英三郎君 その中で、ちょっと実例を御紹介したいと思うんですが、医療関係の法律では、大体昭和三十四年から三十五年を境にしまして、それ以前のものは「つんぼ」、「おし」といいまして、それ以後のものは「耳がきこえない者」、「口がきけない者」と表現しているわけなんです。絶対的欠格事由としている点では、発想においては言葉は変わりましても変わりがないということが言えるだろうと思うんです。法律用語を正していくことは実に大切なことだと思いますけれども、さらに突っ込みまして、法律の仕組みそのものを点検すべきだと思うんですが、厚生大臣おいでになりましたので、いかがでございますか、その必要性があると思うんですが、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 先般の委員会で強く御指摘を賜ったところであります。目の見えない人、口のきけない人に免許を与えないことにしている法律は、医師法、歯科医師法、それから保健婦助産婦看護婦法、歯科衛生士法、診療放射線技師及び診療エックス線技師法、毒物及び劇物取締法、臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律、さらに目の見えない人には免許を与えないとしておる法律は歯科技工法でございます。そこで、心身に障害のある方に対する基本は、それを何とかしてカバーをして一般の人と肩を並べて勉強し、社会づくり、地域づくりをやっていただくことが基本でありますから、なるべくこのような法律的な差別はなくしていくことに努力をしなきゃならぬと考えておりますが、ただ、いま申し上げました法律にありますように、これに従事される方はやはり生命に関する、健康に関する任務が多いわけでありまして、そこでその欠格の事由をどうやってカバーするか。まかり万一間違えまして、それがために事故が起こるということも大変であります。しかしながら、劈頭に述べましたように、一般の人と肩を並べて何でもおやりになることが基本でありますから、そういう点を考えて検討するわけでありますが、これは事務当局の検討だけではなりませんので、やはり関係方面、委員会あるいは審議会等の御意見等も承ってやらなきゃならぬと考えておりますので、しばらく御猶予願いたいと考えます。
○前島英三郎君 本当に絶対的に欠格事由であるか否かというのを私は見直していただきたいと思うんです。たとえば医師法第三条は、免許の絶対的欠格事由、「つんぼ、おし又は盲の者には、免許を与えない。」、第十三条、受験の絶対的欠格事由も「つんぼ、おし及び盲の者」には受験の資格をも与えないというように非常に厳しいわけですね。そこで、ちょっとこの中でもいろんなものが、いま大臣おっしゃった中に、不快用語、それから法律用語の中にもありますけれども、でも全部見ますと、全部が絶対的欠格事由かといいますと、そうではない部分というのも幾つかぼくはあると思うんです。そういう意味では、ただ名前が変わっただけでは真のそうした言葉の整理にはならないような気がするんですね。たとえばお医者さんが聴覚を失ったときは自動的に免許を失うというような運用は恐らくないだろうと思うんです。運用は恐らくされないだろうと思う。その辺はいかがですか。お医者さんが免許を持っていました。その免許を持っていたお医者さんが耳が聞こえなくなりました。そこで、じゃそれでもってその欠格事由として医師免許を取り上げるかどうかです。
○政府委員(田中明夫君) 免許を取り上げることになっております。
○前島英三郎君 それはケース・バイ・ケースというケースはないんですか。
○政府委員(田中明夫君) 視覚、聴覚あるいは言語の障害につきまして法律上の欠格に該当するかどうかということは、お医者さんの診断によって判断されるわけでざいますので、全く耳が聞こえないというのからいろいろの度合いの障害があろうかと思います。で、医師の業務を遂行するのに障害ないという医者が判断を下せば、若干の障害があってもそれは取り消すということにはならないと存じます。全く聞こえないということになりますと、やはり医師の業務を遂行するのに欠格であるという判断になるのではないかと思います。
○前島英三郎君 しかし、聴覚がなくともりっぱに資格ある仕事は私は遂行できるだろうと、こう思うんですね。ですから、不合理な障壁を取り払ってやっぱり門戸を開放していくという方向に活用すべきだというふうに思うんですが、その辺はいかがでございましょうか。
○国務大臣(園田直君) 先ほども申し上げましたとおりに、これは先生も私も同じ気持ちだと思いますけれども、なかなか言いにくいことでありますが、何でもかんでもできないということよりも、何を除く、何はできるとか、あるいは何はできるがその後ろの何は除くというふうに一つずつ門戸を取り払っていくことに、いろいろな機械の進歩もだんだんと出てくることでありますから、そういう方向で努力をした方が先に明るみが出てくるのではないかと、こう思っております。
○前島英三郎君 いずれにしましても、そういう意味では再検討していただきたいということを強く訴えておきます。同時に、保母・教員免許、そのほか多くの問題があります。また、聴覚障害だけでなく、ほかの障害についても同様の問題点というものはたくさんございます。政府として来年から法律の見直しに取り組んでもらいたいと思いますし、また取り組むという強い厚生大臣のお気持ちを高く評価したいと思うのでございますが、総理府に対して次の点を伺いたいと思います。 各団体等から、いろいろな問題につきましてそうした不快用語の問題ですね、どのような要望が出ているかということと、それから、長期計画の中でもこの見直しを含めていくべきだと思うんですが、それは言葉だけではない、中身の問題も含めまして、いかがでございましょうか。
○説明員(花輪隆昭君) 身障団体等からの要望事項につきましては、実は審議会に五百項目を超えるいろいろな要望が出たわけでございますが、その中で用語に関しまする要望も出ておるわけでございます。たとえば不具廃疾等の言葉につきましても要望があったわけでございまして、これにつきましては、先ほどお答え申し上げましたように、特別委員会の中に企画部会あるいはそれぞれの部会を設けまして、専門家の手でひとつどのような用語であれば妥当であろうかと、こういう意味の議論を詰めていただく、こういう手はずにしておるわけでございます。 それから、先生御質問になられました資格要件の問題でございますが、これは専門的な資格は、その業務にふさわしい資格としてどういう条件が要求されるかというふうな問題であるわけでございまして、私ども国際障害者年を担当する立場といたしましては、ひとつできるだけ身障者の実情というものを御理解いただきまして、幅広く活躍する場を与えていただきたいということで、むしろ法律を所管する省庁にいろいろお願いをするというふうな立場にあろうかと思うわけでございますけれども、そういう意味でひとつこの問題につきましては法律を御所管しておられる省庁におきまして、それぞれの目的に照らしまして専門的な観点から御検討をお願いをしたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○前島英三郎君 そういう意味では、国際障害者年の完全な参加は、すなわち身障者も国民の一人として、人間の一人として社会の中に溶け込み、自立を果たし、そして町の中で一緒に生活をして、そして移動という、動くという面においてもいろいろな公共輸送機関がそうした意味での障壁を取り除いていく、これがまたすなわち平等につながるだろうと思うんです。 そこで運輸省にお伺いをいたしたいと思うんですが、内部障害者はこれは国鉄運賃割引から除外されているんですが、これは十年来の悲願でございます。何としても不公平であり、来年の国際障害者年に何かこう一つの機会として、いいチャンスではなかろうかと思いますので、その内部障害者を国鉄運賃割引の中に加えていただく、改善していただく、こういうことをまた改めてお伺いしたいと思うんですが、いかがですか。
○説明員(橋本昌史君) 先生御指摘のとおり、昭和四十二年に身体障害者福祉法が改正されまして、その際、身体障害者の範囲に心臓または呼吸器の機能に障害がある、いわゆる内部障害者が追加されたわけでございますが、当時すでに国鉄の財政事情は非常に悪化しておりまして、国鉄の負担においてこれらの方々に旅客運賃の割引を行うことは困難であったため、従来どおりの措置をとってきておるところであります。政府といたしましては、現在昨年末に閣議了解されました「日本国有鉄道の再建について」に基づきまして、国鉄の運賃上の公共負担の軽減対策について関係省庁において検討を進めているところでありまして、現段階におきまして身体障害者割引制度を拡充するということは、困難な状況にあることを御理解いただきたいと思います。
○前島英三郎君 多分答えはそういう答えだろうとは思いますけれども、まあ身障者も大変ガソリンは値上がりする、車の維持も大変だ、したがってどうしても公共輸送機関に頼っていきたい。国鉄も新設される駅に対してはすべての人が利用できるような配慮をも前向きに検討しているようで、そういう意味においてもやはり内部障害者の人たちだけが取り残されているという部分には、ひとつ積極的な姿勢を望むところであります。で、特に百キロ以遠しか割引が適用されていませんし、それでも五十キロ、六十キロの人も百キロ以上の切符を買って短い距離を使っているというケースもあります。特に身障者はそういう意味では単線、ローカル線の中で非常に生活をし、移動を確保している部分がありますから、むしろ国鉄離れをさらに身障者が国鉄に帰ってくるのだというようなお気持ちの上からすると、かえってぼくは増収になっていくだろう、そういう気持ちもするわけでありますから、どうぞひとつ今後も検討をお願いをしたいと思っております。 さらに飛行場の問題につきましても、日本には低床バスというようなものがございません。実は、私もときどき羽田を利用させてもらいますが、大変車いすの人たちには飛行場での移動というものは困難をきわめております。いまは町の中にも障害者が気楽に乗れるリフトバス、あるいはハンディキャブ、チェアキャブというような車がもう四百台以上も走っているわけでありますから、ひとつ羽田にも二台か三台、来年はまたアビリンピックなども企画されておりますし、世界からいろいろな障害者が日本に来るというような予想もしておりますので、ひとつ空の移動の設備改善についても努力をしていただきたいと思うと同時に、さらに報道によりますと航空運賃でも国外へのいわゆる海外旅行にもスカイメイトが割引の対象に拡大されたというようなことを聞いたわけでありますが、身障者は二五%、いま国内の場合には飛行機での割引が果たされております。大変これはうれしいことでありますが、思い切ってひとつ、来年は国際障害者年、国連で決議された一つの大きなイベントでありますので、海外旅行にも障害者の交流という、社会参加という意味でひとつ御配慮をいただく、御検討をいただくことが可能かどうかお答えをいただきたいと思います。
○説明員(近藤憲輔君) まず、バスの問題でございますが、現在身体障害者の航空機への搭乗につきましては、身体障害者専用のリフトバスのある一部の空港、これは千歳空港に東亜国内航空が整備してございますが、そこを除きまして、航空会社が特別に用意いたしました自動車で運送するといったような方法で接遇しているのが実情でございます。今後も身体障害者の方々が航空機への搭乗に不便を感じることがないような措置を一方で講じながら、身体障害者の搭乗に便利なバスの整備につきましても、お話のありましたように可能な限り改善されるよう配慮してまいりたいと考えております。 それから国際線の運賃割引の問題でございますが、国際線の運賃は、これは割引制度も含めまして世界の主要な航空事業者によりまして構成されております国際航空運送協会——IATAと略称してございますが、このIATAにおいて協定されております。したがいまして、身体障害者割引につきましてもこのIATAの場で合意が得られる必要があるわけでございます。この国際線への身体障害者割引の適用につきましては、国際的に身体障害者であることをどのように統一した形で認定するかといったような手続上の問題もございまして、これらの問題も含めまして、今後前向きに検討してまいりたいと考えております。
○前島英三郎君 どうもありがとうございました。前向きということに大変期待いたしております。 そのほか、きょうはいろいろな方々においでいただいたのですが、時間が十一分まででございましたので、またの機会に譲らしていただきます。おいでいただきながら参考人の方には大変申しわけなく思っております。 委員長、終わります。
○委員長(片山甚市君) 本調査に対する午前の質疑はこの程度とし、午後三時まで休憩いたします。 午後一時十二分休憩 ………………………………… 午後三時三分開会
○委員長(片山甚市君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 午前に引き続き、社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○高杉廸忠君 私は、本日の身体障害者問題に関する集中審議に際し、主として国際障害者年に向けて対応する雇用対策について、また身体障害者対策の基本的方向についてただしたいと存じます。本日の集中審議は、これら障害者対策の万全を期すために午前中から各委員からそれぞれの角度から指摘がありました。提言もまたありました。私はできるだけ重複を避けまして、これらを総括する立場から確認できるものは確認をし、以下質問をいたしたいと、このように思っております。 まず、国際障害者年に対応する雇用対策について、障害者雇用の拡大の見地から伺うわけでありますが、労働大臣にまずお伺いをいたしたいと存じます。 障害者雇用の促進については今日まで繰り返し論議をし、その積極的施策の推進を要望してきたところであります。さらに、具体的な問題で確認をいたしたいと思いますが、わが党は来年の国際障害者年に対応する施策の重点を、一つは障害者雇用の拡大。二つ目には共同教育・保育の促進。三つ目には介護者等派遣制度の確立。四つ目として障害者福祉年金制度の改革。等々におきまして積極的な取り組みを行う、こういうようにしておるわけであります。何といっても障害者の社会への「完全参加と平等」という目標の達成のためには障害者雇用の拡大が何よりも大事である、こういうふうに思います。 まず、国際障害者年に対応する雇用拡大対策について大臣から所見を伺います。
○国務大臣(藤尾正行君) これはたびたび申し上げておりまするように、来年は国際障害者年でございますけれども、私どもが障害者の方々にできるだけ平等に御参加を願って雇用の機会を得ていただくということは、国際障害者年を迎えると否とにかかわりませず、私どもの労働行政の基本でございまして、たまたま国際障害者年ということを私どもが迎えますので、これを機会に一層のひとつ雇用の改善のためにあらゆる努力をいたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○高杉廸忠君 大臣から力強い取り組みについての御所見を伺いましたが、さらに引き続き大臣に伺いますが、最近の厚生省の身体障害者実態調査では、障害者数の大幅な増加、特に高年齢者及び重度障害の増加が明らかにされているわけであります。これが実態から、特に高年齢者、重度障害者及び精神薄弱者についての積極的な雇用拡大対策が必要となっていますけれども、この具体策についてどういうふうにお考えになっているか。この問題については、午前中の各委員からの指摘もありました。この際私は確認の意味で伺います。大臣、どうでしょう。
○政府委員(関英夫君) 私からまず、やや事務的になるかもしれませんがお答え申し上げたいと思います。 先生御指摘のように、身体障害者、心身障害者の雇用対策は最近中度、軽度の心身障害者に対する雇用というものは非常に進んでまいりました。したがいまして、これからの重要な課題は御指摘のように重度の障害者あるいは中高年の障害者の雇用対策でございます。そういう意味におきまして、重度障害者に対する助成金、そういったものを非常に充実いたしまして、できるだけ重度障害者の方の雇用を促進しているところでございますし、また重度の方になりますと、その個々人の持っておられる職業能力、そういったものの評価が非常にむずかしいわけでございます。そういうものに力を入れますために、全国に心身障害者職業センター、こういうものを設置してまいりましたが、ことしで設置が終わりますので、そういったところと安定所との連携を密にいたしまして、重点的な取り組みに毎年努力してまいりたい、こんなふうに考えておるところでございます。
○高杉廸忠君 厚生大臣に伺いますけれども、さきの実施されました身体障害者実態調査の結果、あるいは団体等からの要求などを通じまして、厚生省は、大臣は障害者対策の課題というものをどういうようにとらえておられるか、これが一つであります。 さらに、身体障害者対策の基本的な方向について、変化をしたり多様化する障害者のニーズにこたえるためにどんな用意をされているのか、これが二つ目であります。 三つ目として、障害者は一人一人の人格者として社会の中で自立して生きていきたいと考えているわけであります。その前提条件の整備についてはどういうようにお考えになり、取り組みをされようとしておられるのか。 以上基本的な問題でありますから、三点について大臣からお答えをいただきたいと、こう思います。
○国務大臣(園田直君) 障害者の方々に対する基本的な考え等についてはたびたび発言をしておりますが、一言にして申せば、委員のおっしゃいました完全参加、とかく日本では障害者の方に対しては、弱者に対する哀れみ、福祉・厚生行政をもって事足れりとすることが多かったわけでありますが、そうではなくて、教育から雇用から、あるいは運用から一切の政治行政に関するものがすべて力を合わして障害者の方々が完全参加、すべての問題にできるようにすることが大事であると考えております。今後ともその方針で各省と連絡をしてやってまいります。 多様化する障害者のニーズにこたえるため、実情に対応して適切な施策を講ずるために、昨年三月十六日に厚生大臣から身体障害者福祉審議会に対し、今後における身体障害者福祉を進めるための総合的方策について諮問をいたしております。今後、答申をいただき、かつまた内閣に設置してありまする推進本部、特別部会、こういう機関を通じて、これに対する総合対策を積極的に進めていく所存でございます。
○高杉廸忠君 所得保障に関する事項についてこの際伺いたいと思うんですけれども、現在の国民年金制度では、脳性麻痺者等の生まれながらの障害の方々には拠出制障害年金を受ける資格が与えられていないわけですね。その理由、これはどういうところにあるんですか。
○政府委員(松田正君) 現在の年金法のたてまえといたしまして、二十歳から六十歳までの間、四十年間が強制の被保険者の資格を付与すると、こういうことになっているわけでございます。したがいまして、先天的に二十歳以前に生まれながらにして障害を持っておられる方につきましては、二十歳になりましたときにどう対応するかということで、現行法ではこれらの方々に対しては無拠出の年金つまり障害福祉年金を支給すると、こういうことになっているわけでございまして、国民年金制度が一応社会保険の形式によりまして、その手法によって事故を担保していこうというたてまえをとっておりますために、すでに障害を持っておられる方に対応する方法としては無拠出の方法しかとれなかったと、こういうことでございます。
○高杉廸忠君 これらの障害の方々は、言うまでもなく就業の機会もなく、生活費は生活保護に依存することとなりますね。自立への前提として、私はこの際、年金制度の中で工夫してみる必要あるんじゃないかと、こう考えるのですが、この点もう少し工夫をこらしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(松田正君) ご指摘の点につきましては、現在の厚生年金保険につきましてもまた国民年金につきましても、障害者に対する給付につきましては、老齢年金を主軸にいたしましてその制度を形成をいたしておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、いずれも拠出制を前提といたしております関係上、現行のような差異を設けざるを得なかったわけでございますが、御承知のように年金制度は非常にいわば仕組みががんじがらめにできておりまして、年金制度だけですべての事故に対応するということはなかなか困難な問題ではなかろうかと思います。ただ、御指摘の同一の障害でありながらたまたまその時点が違うために、給付の中身が違っておるということにつきましては、私たちもその是正をどういうふうにするかということにつきましては十分な認識を持っているつもりでございますけれども、現在の国民年金制度の中だけで対処するのではなくて、他の制度ともかみ合わせながら、総合的に今後前向きで研究をしてみたい、かように考えております。
○高杉廸忠君 いまのお話のように拠出制の問題がありますから、年金制度の改善に時間がかかることは承知しますけれども、じゃ現行制度で関連で改善をしたいといういまのお話、前向きに検討するその中の一つの提言でありますが、現行の生活保護制度の仕組み、運営の中で、できれば私は、一つとしては、重度障害者の介護料の改善ぐらいはひとつできないだろうか、ぜひしていただきたい。現行制度の中で生活保護制度の中でできるとすればこれはできるんではないだろうか。 二つ目として、重度障害者等に対する事務手続の改善等もこれはできるわけですから、そういう現行制度の中でも改善が比較的できる、こういうことは直ちに取り組んでいただきたい。そういう意味の提言でありますが、こういうことについてどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(山下眞臣君) 生活保護におきまして、御承知のとおりに障害者加算、重度障害者加算のほかに、介護料の算定をいたしているのは御承知のとおりでございまして、現在三万九百円の月額ということで算定をいたしているところでございます。これは原爆被爆者に対する介護手当でありますとかあるいは公害健康被害補償法におきます介護手当でありますとか、そういった各制度との横並び、均衡等を考慮しながら設定された金額でございます。今後ともこの介護料の額の改善につきましては努力をさしていただきたいと存ずる次第でございます。 それから、生活保護を始めます場合の事務手続の簡素化の問題でございます。御承知のとおりに最後の制度でございまして、ミーンズテストと申しますか、あらゆる力を出した後での制度ということでございますので、やはり資産なり収入の調査というのは、これは避けて通ることができないわけでございますが、その手続の簡素化ということにつきましては、今後ともできるだけ努力さしていただきたいと存じます。
○高杉廸忠君 年金制度についても生活保護制度についても、これは先ほど前提として申し上げましたのは、平等であり、参加であり、そしてまた生まれながら障害を持つ方々の問題でありますから、この際ひとつ前向きに具体的に御検討、改善をいただきたい、これは要望しておきます。 次に、労働省関係の雇用の関係で伺いたいと思うんですけれども、雇用率制度の改善について伺いますが、これは障害者雇用拡大のための基軸をなすものだと私は考えているわけです。現行の雇用率は、五十一年に定められて以降、すでに四年経過をしているわけであります。昨年、未達成企業が提出いたしました雇用計画、これはさらに五年間かけて雇用率を達成する、こう言われるんですが、すでに四年かかってこれから五年、これは九年になるわけです。大変な長期間になるわけでありますね。ですから、少なくとも現行の雇用率については来年の国際障害者年中に達成する、こういうようなきわめて具体的な目標として、私は期間を短縮するとか、あるいは来年度中に達成させるとか、こういう一段の努力が必要だと、こういうように思うんですが、いかがお考えですか。
○政府委員(関英夫君) 民間におきます雇用状況は御承知のとおりまだ一・一三%でございまして、法定雇用率に達しておりません。未達成企業の割合も四八・四%と、約半数近くの企業がまだ未達成でございます。特に未達成企業のうち大きな規模の企業を中心に、雇用率の低いところに雇い入れ計画の作成を命令いたしまして、その多くは三年間で達成するという計画でございますが、先生御指摘のように、その計画を計画どおりに実施して達成していく、そういう個別企業への指導が必要でございますし、また、なかなか計画どおりの達成が見込まれないそういった企業につきましては、達成のために必要な勧告もいたしておるところでございますが、明年国際障害者年でもございますので、未達成企業に対します指導を一層強力に実施するように、この問題を最重点的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○高杉廸忠君 雇用率については御承知のとおりに五年ごとに見直すことになっていますね。私は、障害者の実態に対応して、雇用率の引き上げはもちろんでありますが、高齢者それから重度障害者あるいは精神薄弱者、こういうようにそれぞれの雇用率を新たに設定をして、そしてその雇用拡大というものを図るべきが基本ではないだろうかと、こういうように考えるんです。この問題については、来年の障害者年において具体的に私は明確にすべき時期ではないだろうかと、こういうように思うんです。 また、いまもお話がありましたが、雇用率の引き上げの問題とともに、雇用納付金の額の引き上げも私は行うべきではないかなと、こういうように考えるんですが、これらについてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(関英夫君) 御指摘のとおりに、身体障害者雇用促進法におきましては五年ごとに雇用率を見直していくといいますか、五年ごとに定めると、こういうことでございますので、来年の十月までには、現在の雇用率をどうするかということを関係の審議会に図って検討していただくと、こういうふうに考えております。その場合には法律の規定に従いまして、総労働者数、それから身体障害者である労働者数、そういった実態の推移、そういうものを勘案して御審議を願うと、こういうことになろうかと思います。 その場合に、ただいま先生の御質問にありますような障害の種類別といいますか、程度別の雇用率を考えたらどうかという問題につきましては、重度障害者ということになりますと、就労することが容易ではない職務というものがどういう産業にどの程度あるかとかというようなこともいろいろ産業、企業の実情によって違いましょうし、著しい偏りもあろうかと思います。また、適職というようなものがどんなものがあるかというようなことも、まだ必ずしも十分解明されておらない面もございまして、そういう意味で、障害の程度別にとかあるいは種類別にというようなことが雇用率というものになじむかどうか、非常に大きな問題があろうかと思いますが、いずれにいたしましても、関係の審議会で雇用率をどうするかという際に十分検討していただきたいと、こういうふうに考えております。 それからもう一つ、納付金の御指摘がございました。納付金制度につきましても、雇用率を検討していただく際にあわせてその審議会で十分御検討をいただこうと考えております。
○高杉廸忠君 これまたお願いとしておきますけれども、さっきの重度の方やそれから精薄の方や、高齢者の方に対する雇用率の問題も含めまして、適職とかそういう解明もぜひ前向きに検討と同時に計画をすることもひとつ考えてください。 それから納付金制度の充実、改善についてさらに伺いますけれども、納付金制度の収支状況を見ますと、五十四年で積立金を含めて約二百五十億円の黒字になっているわけですね。また、助成等の実績を見ても、身体障害者の能力開発訓練施設設置等助成金、これは五十四年度で見ると実績がゼロでありますね。資料によりますとそういう点が示されているわけですね。それから納付金制度に基づく雇用促進事業については、新たな事業を行うというか、助成条件の緩和あるいは助成額の引き上げなどが考えられてもっと効率的なものにすべきではないかと、こういうように私は考えるんです。資料を見ますと、ゼロの点だとか、私もちょっと理解しがたい事項がありますので、この点についての解明をひとつしていただきたい、こう思うんです。
○政府委員(関英夫君) 身体障害者雇用促進法に基づきます助成金制度につきましては、五十四年の数字は先ほど先生御指摘のように百四十四億ぐらいの支出でございまして、三年間の積立金の累計が二百五十三億と、こういうことになっております。ただ、先生御承知のように、昭和五十二年度から始まりましたこの制度も年々支出がふえてまいりました。今後恐らく納付金収入よりも支出の方が上回っていくのではなかろうかと、こんなふうに思うわけでございますが、その中を見ますと、御指摘のように、能力開発の関係の助成の実績は三年間で一件のみというような状態になっております。これは恐らく事業主の方が身体障害者を雇い入れた後に教育、訓練をするそのための施設、それに対する助成ということでございまして、事業主の方としてはどういう仕事ができるか、教育、訓練すればどの程度能力が発揮できるかということがよくわからないままに、まず雇い入れてそしてそれから教育、訓練をするということではなかなか踏み切ることが困難だというような事情があろうかと思います。条件その他緩和すべき点があればこれはまた十分検討しなきゃいかぬと思いますが、必ずしもこの制度が事業主に十分活用されない原因はこんなところにもあろうかと思 います。そういう意味におきまして、今後は必ずしも雇い入れた後の能力開発、それに対する助成ということだけでなく、民間の活力を生かして民間で能力開発をやっていただいているところがございますので、そういったところへの助成というようなことも考えながら幅広く能力開発を促進し、そのことによる雇用の促進、そういったことに力を入れていかなければならないと考えております。
○高杉廸忠君 障害者雇用拡大のための具体策について、私はこう思うんですよ。障害者、特に重度障害者の雇用を拡大するためには、心身障害者の能力開発事業を行う事業主あるいは法人等に対して施設設置、運営等の費用というものも助成すべきであると私は考えるんです。これはどうですか。
○政府委員(関英夫君) 身体障害者の能力開発につきましては、公共的な能力開発ということにも力を入れるべきだろうと思いますし、またその内容もさらに改善、充実を図っていかなければならぬと思いますけれども、必ずしもそれで十分でない。先ほど申し上げましたように、雇い入れる前の能力開発というようなことにもこれから力を入れていかなければならないとすれば、先生御指摘のように、民間で、特に社会福祉法人等におきまして、たとえば盲人の職業訓練につきまして非常にりっぱな実績を上げておられるところもございます。そういうようなところに助成をするといったことを通じまして幅広く能力開発を促進していくこと、これがこれから特に必要なことであろうかと私も考えております。
○高杉廸忠君 重度障害者等の通勤を容易にするために、これらの人たちの住宅の建設とか生活指導員の配置とか、通勤用バスの運行などを行う事業主に対しても助成を行うようにしたらいいじゃないかと考えるんですが、これはどうです。
○政府委員(関英夫君) 心身障害者の雇用の安定を図りますためには、ただいま先生御指摘のような施策が必要だろうと思います。労働省におきましても、従来雇用促進住宅の一部を心身障害者向けの住宅として建設したり、あるいはいろいろな助成を通じまして身体障害者の通勤用の自動車といったものに対する助成なども考えておるわけでございますが、必ずしもまだ十分ではございません。で、事業主の方が、ただいま先生御指摘のような形で、いろいろと環境を整備して身体障害者の雇用の安定を図るという御努力をなされる、それに対する助成をすべきではないかという御指摘はまことにごもっともでございまして、私どもそういう点にこれから力を入れていかなければいかぬのではないかというふうに考えております。
○高杉廸忠君 また、手話通訳の担当者を委嘱するような事業主に対してもそういう助成も行う、こういうようなことも一つの問題の提起になるかもしれませんが、どうでしょう。
○政府委員(関英夫君) 手話通訳の問題につきましては、公共職業安定所に二百人だったと思いますが手話協力員というのを配置いたしまして、職場に行って就職後の定着指導等を行います場合の意思疎通というようなものに役立つようにいたしておるわけでございますが、必ずしもそれで十分とは考えておりません。で、先ほどもお答えいたしましたように、身体障害者の雇用を安定させ長続きさせるためには、やはり雇用環境といったものを整えていくことがどうしても重要でございます。その一つとして手話通訳というような形で、意思疎通を図るということも非常に重要なことだろうと思います。先生の御指摘のような点についても、今後力を入れていく必要のある分野ではなかろうかというふうに考えます。
○高杉廸忠君 それからもう一つ、ぜひひとつ考えていただきたいのは、心身障害者の雇用に関する啓発活動を行っている企業があるわけですね。そういう事業主、団体等に対してもやはり助成というものを考える必要がある、こう思うんです。この点はどうでしょう。
○政府委員(関英夫君) 心身障害者の雇用を促進していくためには、やはり事業主もとよりでございますが、国民一般のこの問題に対する理解を促進していくことがぜひとも必要でございます。私ども毎年九月を心身障害者雇用促進月間としていろいろな行事を行いまして、啓発活動に努めておるわけでございますが、まだまだ必ずしも十分とは言えない面があろうかと思います。事業主の方がみずから、あるいは事業主団体がそういう啓発活動をやられるということは、私ども政府側がやります以上に、非常に効果のあることではなかろうか、こういうふうに思いますので、ただいま御指摘のような点についても、今後十分検討していきたいというふうに考えております。
○高杉廸忠君 労働大臣、いままでお聞きになっているような重度障害者等の雇用を拡大をするためには、御検討もいただいて前向きにもいまお答えをいただいているように、積極的施策について、私は労働省がその指導的役割りを果たすべきだ、こう考えるのです。今後の具体策についての、そういう大臣の具体的なお取り組みについての姿勢、これについて御所見、見解を承りたい、こう思います。
○国務大臣(藤尾正行君) ただいま高杉委員からいろいろ具体的なお話がございまして、私も伺っておりましたが、ひとつ私はあなたにも聞いていただきたいと思いますのは、集めますお金といえどもこれは大変な大切な、非常に大事なお金でございます。でございますから、そのお金を使わしていただくということにつきましては本当に慎重な配慮を必要といたしますし、御拠出を願います方々に対しましても、それを使いますのに相当な私どもは責任を持ってこれを使わなければならぬように思うわけでございます。でございますから、まず第一に、私どもがそういったお金を、貴重なお金を使わしていただくにつきましては、私どもが対象といたしまする重度心身障害者の方々が社会参加をしたい、復帰をしたい、自立をしたいという意向がはっきりしておるということが不可欠な条件でございまして、そういった条件におきまして、こういった志ある方に対しまして私どもが何をすればどうなるのかということを見定めまして、そういった御助成をさしていただくということでございます。でございますから、その御助成をさしていただきます際に、企業者の方々がそれだけの御賛助を願えまするならばこれはありがたいことでございますから、その御賛助に対しまして私どもが応分の御奉仕をさしていただく、あるいは感謝をささげさしていただくということをするのは当然でございまして、あらゆる分野におきましてそういった聖なる仕事、そういったことに限りまして、そういった事業に対しましては積極的に、というよりは進んでそのようなことに参画をさしていただきたい、かように考えております。
○高杉廸忠君 非常に期待をしている一人でありますから、ぜひひとつ実現のほどをお願いをいたしたいと思います。 それからさらに続いて伺いますけれども、重度障害者等の雇用管理助成金、これについて伺うんですけれども、相当の実績を上げられていることがうかがえるわけでありますけれども、この制度というのは五十四年及び五十五年の二ヵ年間の支給になっているわけです。団体からは、今後この制度の継続というものを要望する声が非常に強いんですね。当然五十六年六月、来年の六月になりましたら期間切れで終わるわけであります。そうしますと、これは午前中に前島委員もたしか指摘をされたわけでありますが、金の切れ目が雇用の切れ目ということですぐ首切られるんではないかという不安、これも伴うわけでありますから、この重度障害者雇用対策の上から見てもこれはひとつ続けていく、こういうような管理助成を続けていく、こういうような方向で取り組んでいただきたいと思っているのですが、この点についてはどうでしょう。
○政府委員(関英夫君) 御指摘の重度障害者等雇用管理助成金制度につきましては、先生お話しのようにオイルショック後、非常に経済の状態が悪くなりまして雇用情勢が深刻化した折に、一つは中高年齢者の雇用開発給付金という制度をつくりまして、中高年齢者の雇用を臨時的に応急的に促進する制度として手厚い助成制度をつくったわけでございます。同時に、やはりそういう雇用情勢の深刻なときに、とかく就職が困難なのは重度の障害者であり、あるいは中高年の心身障害者であるということで、二年間の臨時、応急的な措置として重度障害者あるいは四十五歳以上の障害者を採用した場合に、非常に手厚い助成をするという制度をとったわけでございます。この制度によりまして五十五年九月三十日まで——五十四年の四月から始まったわけでございます。一年半の間に一万二千五百人近くの重度障害者がこの制度により雇用されました。そういう意味で制度の効果は非常に上がったと私ども見ているわけでございます。しかし、いま言いましたような理由で臨時応急の措置としてとられた制度でございますので、これは来年の三月末をもってこの制度は終わりになるわけでございます。ただ、この制度が終わりになったからもう重度障害者の雇用の助成は要らないかといえばそういうわけではございません。やはり就職困難な重度障害者の雇用を促進しますために、今後とも助成制度が何らかの形で必要であろうかと思います。特に重度障害者が、ただいま先生御指摘のように金の切れ目が縁の切れ目というようなことで、この制度で二年間手厚い助成をした、二年間たったら終わりというのでは困るわけで、もう少し長期的に安定した雇用につけるような、そういった助成制度が必要な面もあろうかと思います。いずれにいたしましても、関係審議会の意見を聞きまして、この制度が終わりました後どのような形で重度障害者の雇用を促進したらいいか、よく御意見を伺いまして、必要な助成制度を考えていきたいというふうに思っているところでございます。
○高杉廸忠君 これは私は新聞情報で見る限りでは、労働新聞の十一月十日の中の内容では五十六年の六月の期間切れと、こういうふうになっているのだが、いまお話は四月だそうですが、その点が一つありますから正確にお答えをいただきたいと思うんです。 それから、問題はいまのようにありますが、やはり制度として残してほしいという強い要望がもう多くあるわけですから、ぜひひとつ制度は残していただきたい。これは要望です。
○政府委員(関英夫君) 重度障害者等雇用管理助成金制度は五十四年の四月から二年間で始めましたので、来年の三月三十一日が一応終期になっております。六月といいますものは、この制度と同じような形で中高年齢者の雇用開発給付金制度、これが六月から発足いたしまして、これ一年間だったわけでございますが、もう一年間延長して二年間行うことになりました。これが来年の六月までで終わるということになっております。
○高杉廸忠君 要望の点はひとつ十分おくみ取りいただきたいと思います。 それから次に、非常に長いんですけれども、重度障害者多数雇用事業所施設設置等の助成金こういう助成金があるわけですけれども、この実績はどういうふうになっているかちょっと教えていただきたいと思うんです。この制度について五十四年、私は資料を見ますと二十六件と、こうなっているんです。これまた助成条件を改善する必要があるんだろうと、こういうふうに思うのです。その充実とか拡大を図るべきではないかと、こう考えるんですけれども、この点はいかがでございましょう。
○政府委員(関英夫君) まず実績を申し上げますが、五十二年度は助成の件数が十三件、対象の雇い入れ身体障害者の数が百九人、金額で四億九千万余でございます。五十三年三十四件、雇い入れの数が三百六十九人、十八億一千万余でございます。五十四年が二十六件、三百一人で三十四億四千八百万円余でございます。合計いたしましていままで五十四年度までで七十三件、七百七十九人、五十七億五千万円近い金額となっております。五十五年に入りましてこの申請が非常にたくさん出てまいりまして、現在審査が追いつかないというような状況になっております。この助成金につきましては非常に多額のお金を助成するということでございますので、身体障害者の雇用に本当に役立つものかどうか、あるいはそうやって設置した事業所が経営的に本当に成り立つものかどうか、あるいは同業者との間であつれきを起こすようなものでないかどうか、そういったことを慎重に審査する必要があるわけでございますが、最近、午前中の質疑にも出てまいりましたが、必ずしも身体障害者の雇用に役立つかどうか疑わしい面もあるような申請もあるわけでございまして、この助成金制度の内容については見直しをすべき時期に来ておるのではないかと思っておりまして、いろいろなほかの問題とあわせまして身体障害者の雇用審議会におきまして十分御検討をいただきたいと考えているところでございます。
○高杉廸忠君 幾つかの指摘をして要望申し上げましたから、国際障害者年に向けて全面的な見直しと同時に、実効のある充実した制度にしていただきたい、これをお願いしておきます。 それから、次に各種貸付金制度についてちょっと細かいのですが、伺いたいと思うのですが、いただいた資料を拝見しますと障害者の雇用促進のための各種貸付金の実績の中で、五十四年度において実績がゼロというのもあるわけです。これはどういう理由なんだろうか、まず実績がゼロについてはどういうふうにお考えになっているか、ちょっとお聞きをしておきたい、こう思うのです。
○政府委員(関英夫君) ただいまの御指摘は電動式の車いすの実績がゼロではないかということだろうと思います。その利用が少ない理由といたしましては、電動式の車いすが遠距離の通勤には必ずしも向いていない、あるいは事業所内で使います電動式の車いすですと、雇用納付金に基づく助成金でそれは対象になってしまうという形で、こちらの貸し付けの方にこないというようなこともあろうかと思います。通勤用自動車につきましてはわりあい利用されているわけでございます。そういう意味で、雇用された後に使われることの多いこの電動式車いすについては助成金の方で対応している。昔これがなかったころの制度としていまだに残っている、こういう面があろうかと思います。
○高杉廸忠君 五十年度以降ほとんど実績がないものについても、やっぱりそういう意味の見直しも必要だろうと思うんですね。これはいまのように情勢が変化すれば当然廃止してもいいものも出てくるでしょうから、やはり需要のあるものについては十分する、そして積極的に実効のある制度に充実をしていくべきだ、こういうふうに思うのです。これまた要望であります。 それからまた、多数雇用事業所の特別融資ですね。これも五十四年で十六件ですね。もっと私は全国的に活用するように、これはそういう啓発活動も非常に不足ではないかと思っているんですけれども、こういうような制度はやはり実効の上がる制度の充実を推進すべきだと、こういうふうに考えるのです。こういうようなことについての具体的な改善策についてはどういうようにお考えでしょうか。
○政府委員(関英夫君) モデル工場に対します融資制度は、最近は助成金——先ほど御指摘のありました事業所の施設等設置助成金の方でほとんど申請が出てまいります。ただ、助成金で足らない場合にこの融資をあわせて申請するといったケースが出てまいります。そういう意味で、先生御指摘のように最近のそういった情勢の変化に対応して貸付金制度なり、この融資制度なり実効の上がるような方向で見直すことが必要であろうと思いますので、先ほど申し上げましたように関係の審議会によく意見を伺いまして、本当に活用される制度に見直していきたいというふうに考えております。
○高杉廸忠君 次に、時間がだんだんなくなりますから端的に聞いていきますからお答えをいただきたいと思うのですが、法定雇用率を上回っている三十人以下の企業、これをすべて報奨金支給の対象にしたらどうかという点が一つ。それから同時に、また報奨金の額を大幅に増額することが多くの要望が出ておりますけれども、こういう点の実施についてはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(関英夫君) 御指摘の点は、納付金の対象となっていない中小企業に対する現在の奨励金を、納付金の対象となる三百人以上の企業で雇用率以上に雇い入れている場合の報奨金と同じようにしたらどうかと、こういう御趣旨と思いますが、三百人未満の中小企業につきましては納付金の方の対象になっておらぬということもございまして、そこに金額の差がつけてあるわけでございます。これは法律の規定に基づきまして省令でそういうふうに差をつけるように定められております。そういう観点からできておるものでございますが、この雇用調整金の額なりあるいは報奨金の額につきましても、雇用率あるいは納付金の額と同時に関係の審議会で十分検討していただきたいと考えております。
○高杉廸忠君 本来、局長御存じのようにこの納付金制度があって、納付金を納めないことが、これは企業を上回る雇用率を達成しているところの方が望ましいわけですね。ですから、中小企業でも一生懸命やっているところについてはできるだけ助成もできるような、そういう趣旨も私は必要だろうと思うんで、ぜひひとつそういう制度全般についても幾つか提言をしましたから、前向きにひとつ改善、制度の充実に向けて推進をいただきたいと、こういうふうに思います。これは要望です。 それから障害者雇用拡大のための個別問題として伺いますけれども、来年度の重点施策に基づいてどういうように来年度予算要求を行っているかあるいはその準備があるのか、これをひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。
○政府委(関英夫君) 一つは心身障害者職業センターが今年度で全国に設置を終わりますので、来年度はそのセンターの機能を充実いたしまして、職業能力の的確な評価をいたしたいということを考えております。 それから同時に、職業評価にかかる専門職員の養成、研修、こういうものをやりたいと考えております。 それから次に、重点公共職業安定所というのを指定いたしまして、県内の求職情報を集中管理いたしまして、積極的な相談機能を強化していきたい。また、できますならば身体障害者職業相談員、こういうものを新たに設置いたしまして安定所の機能を補いたい、こんなふうに考えております。 それから、重度障害者に対します研究会の研究を精力的に来年度進めてまいりたい、こういうふうに考えております。 身体障害者を取り巻く環境の整備充実という問題でございますか、身体障害者向けの雇用促進住宅を計画的に建設する、あるいは勤労身体障害者のための体育なり教養なりあるいはレクリエーションを含めた総合的な施設をつくっていきたいというふうに考えております。 そのほか、来年が国際障害者年でございますので、障害者年に伴う啓発活動の積極的展開、こういつたようなことに力を入れていきたいと考えております。
○高杉廸忠君 専門職の配置だとか、相談員の配置とかいろいろ新しいことにお取り組みでありますが、一つ確認でありますが、安定所の建物の内容、これは障害者の方が容易にできるようなそういうところの改善というのも含んでいるんだろうと思うのですけれども、その点はどうなんでしょう。
○政府委員(関英夫君) 特に、重度の方につきましては安定所だけでは不十分でございまして、先ほど申しました心身障害者職業センター、ここで十分職業評価をやって就職に結びつけていくというようなふうにやっておりますが、その辺の配慮は十分いたして建物をつくっております。また、古い年次の公共職業安定所につきましては、応急策ではございますが、できる限り身障者の方の御利用に便なような配慮をいたしてきておるところでございます。今後につきましては当然のことでございまして、そういった配慮を十分いたして安定所の建設を進めていきたいと思っております。
○高杉廸忠君 先ほども申し上げましたけれども、精神薄弱者の方々の雇用率制度の適用のほかに、欧米諸国に見られるような留保雇用あるいは優先雇用制度というものを設ける必要があるんじゃないかとこういうふうに思うんですが、これについてはどういうふうにお考えになっているか。また保護雇用制度について創設あるいは拡大を図っていくべきではないかと、こういうふうに思うんですが、この点についてどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(関英夫君) 精神薄弱者につきまして留保雇用といいますか、一定の職種を指定いたしまして、それらの職種にできる限り精神薄弱者を充てるというような制度につきましては、精神薄弱者の職業能力につきましての研究開発がまだ遺憾ながら十分ではございません。したがいまして、どういう職種が適しているのかという指定も非常にむずかしいという現状にございます。それからまた、逆にそういう職種を指定しますことが、午前中盲人の関係で、目の不自由な方の職種指定の問題のところで出てまいりましたように、雇用の場を限定することにもなりかねない、そういう面もあろうかと思います。いろいろ問題がございまして、外国の制度も私ども勉強しておりますが、イギリスでエレベーター等を指定しているということがございますが、実情を聞いてみますと必ずしもうまくいってない、実効が上がっていないというようなこともございまして、今後、精神薄弱者の雇用を促進していくためにどういう制度がいいか、もちろんこの制度も含めまして、十分検討していかにゃならぬ問題だろうと思います。 それから保護雇用制度についてお話がございました。保護雇用制度にもいろいろな形がございますが、現在厚生省の施策によっております福祉工場のような形が多いかと思いますし、あるいは中には在宅、家におって仕事を引き受けるというふうな形のものもございます。私ども民間の雇用にできるだけ身体障害者をついていただくような施策の中で、どの分野までこういったいろいろな種類の保護雇用にお手伝いできるのか、関係の研究会でいま鋭意検討していただいておりますので、その検討結果をまって対処していきたいと考えておるところでございます。
○高杉廸忠君 午前にも委員から触れられたと思うんですけれども、雇用対策研究会ですね、今後具体的に研究会が進められるというんですけれども、今後の具体的な取り組みでどういうような研究日程で進められるのか、この際明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(関英夫君) 従来までこの研究会におきましては、重度障害者の雇用問題の現況あるいは問題点あるいは関係施設の視察、そういったようなことを重ねてまいりました。今後、外国におきますこの制度の実情あるいは保護的な雇用の問題点、そういったものを検討していただき、さらに必要に応じて関係の施設の方々の御意見を伺う、あるいは心身障害者の団体の方々の御意見を伺うというようなこともいたしながら、保護的な雇用面で私どもが、どういう点で直ちには一般の雇用になじまない人々を、どうやって雇用を促進することができるか、そのために何をしたらいいかというようなところを御論議いただくということを考えておるところでございます。
○高杉廸忠君 次に、厚生省の方に伺いますが、障害者のレクリエーションの分野における参加と平等を確保するために、障害者の人たちが家族や友人と安心して宿泊ができ、かつ低額な料金で利用できるような障害者専用保養所、これを全国にモデル的に設置するなど、あるいはまた、これと並行して既存の国民宿舎等公的保養所において障害者の方々の利用を容易とするような配慮、これを進めるべきだと思うんですが、それと同時に、一方、民間の旅館だとかホテルなどにおいても障害者の方々の利用に積極的に取り組もうとする機運を高めるために、こういう指導というのがこの際必要ではないだろうかというふうに考えるのですが、これらの具体的な指導についてはどういうふうにお考えになっておられますか。
○政府委員(山下眞臣君) 一般のホテルや旅館などを身体障害者の方が利用されます場合に、建物の設備構造の問題でありますとか、あるいは聾唖者の方等にとりましては意思疎通の問題等がございますので、障害者の団体の方から身体障害者が気がねなく宿泊できるような施設が欲しいという御要望が出ておることを承知いたしております。現に二、三の県におきましては、県としてそのような施設を設置しておるというところもございます。私どもといたしましても、そういったことも検討いたしてまいりたいと思っておりますが、同時に、やはりできるだけ一般のホテル、旅館等につきましても安心して身体障害者の方が宿泊できるような環境を持っていただくということは最も望ましいし、重要じゃないかというふうに考えております。
○高杉廸忠君 残り時間もわずかになりましたからこれは確認をいたしたいと思いますが、厚生大臣並びに厚生省の方々に確認をしておきたいと思うんです。 午前中に前島委員からも指摘されました用語問題、不快用語等についてでありますが、これは医師法の中に「おし」だとか「つんぼ」だとか「盲」、こういった差別用語があったことは指摘されました。関連法規も言われました。そこで、資格制限の問題もありましたし、適格条項等もありましたから、確認をしますけれども、そのときにお答えになりました点は、次期通常国会で、来年の通常国会ではこれら関連法規については改正をすると、こう私は理解をしたんですが、そういうことの理解でよろしいかどうか、これが一つであります。 それから同時に、総理府の方からのお答えをいただきたいんですが、この不快用語については、政府全体としてやはり国際障害年を迎えて全体的な見直し、これは政府、内閣自体の私は責任ではないだろうか、こういうように思うんです。したがって、総理府についてはどういうふうなお取り組みをなされるのか、この際あわせましてお聞きをいたしたいと、こう思います。
○政府委員(田中明夫君) 用語の点につきましては、私ども関係省庁ともよく協力いたしまして、できますれば次期国会において改正を図りたいというふうに申し上げました。ただし、欠格問題につきましては、医療関係者の業務というものが、国民の疾病の治療あるいは生命の維持にもかかわりを持っているわけでございますので、障害を有する人が果たしていろいろな医療関係の業務につきまして安全、確実に遂行できるかどうかという点につきまして今後いろいろ検討をする必要があると考えております。
○国務大臣(中山太郎君) 先生御指摘の障害関係法律の用語の問題につきましては、適正を欠く用語につきましては改正を行っていく方針でございます。
○国務大臣(園田直君) ちょっと私からも。 用語の問題は厚生省が一番多いわけでありますが、いま総務長官にお答えいただきましたとおり、政府全体として総理府でおまとめ願って、できれば通常国会に出すようすでに事務的に乗ったところであります。 次は、午前中の委員会で前島先生と私が意見のやりとりをする中に御理解願いました、目の見えない人、口のきけない人、耳の全然聞こえない人、こういう方々に歯科医師その他たくさん人命を扱うものの受験の資格を与えてありません。そこで、こういう問題は、基本的には一般の人と一緒に地域づくりをする完全参加が目的でありますから、何とかして道を開きたいけれども、生命を預かるということでありますから一挙にはなかなかむずかしいことであり、かつまた関係方面の意見も聞かなきゃなりませんが、一挙にはできないかもわからぬが、条件つきでも少しずつこれを前向きにやっていきたい、そのためにはしばらく時間をかしていただきたいと、こういうことを申し上げたので、通常国会にどうということはまだまだ私には自信がございませんので、その点は誤解がないように、かつまた今後もよく相談をしておりますから、御指導を賜りますようにお願いいたします。
○高杉廸忠君 厚生大臣、事情はわかりますから、まあ表現をすれば可及的速やかにひとつ改正できるようにお取り組みをいただきたい、これはお願いを申し上げておきます。 総理府の方に、大変恐縮でありますが、国際障害者年に向けての国際協力について、今後具体的にどういうふうなお取り組みの構想があるのか、この際明らかにしていただきたい、こういうふうに思います。
○国務大臣(中山太郎君) 障害者年に当たりまして政府として国際協力をどうするかというお尋ねであろうと思いますが、政府といたしましては、この国際協力の中心を障害者のための医療協力という点で、ASEANを中心に国際的な面で協力を推進してまいりたいと、このように考えております。
○高杉廸忠君 ぜひ、障害者年を迎えての国際協力でありますから推進をお願いをしたいと思っております。 大体、時間が参りましたから結論を申し上げたいと思うんですけれども、いままで、国際障害者年に向けて私は身体障害者の雇用を中心に集中的に質疑をしてきたわけであります。障害者の雇用拡大を初め、障害者対策の基本的方向についても幾つかの提言もいたしました。言うまでもなく、来年の国際障害者年は、去る一九七五年に行われました障害者の権利宣言、さらにそれより四年前に行われました精神遅滞者の権利に関する宣言を踏まえまして、その精神を具体的に生かすことでなければならない、こういうふうに思うんです。私はこの両宣言の基本的理念は、障害の方々が人間として平等の権利を持っており、人間として.の尊厳を侵されてはならないとしていると考えます。本日の質疑を通じても明らかなように、福祉の面でも、雇用の面でも、また所得保障の面でも、若干の前進はあるもののまだ低い実情であります。障害者の社会参加でもまだスタートの近辺であると思います。こうした現状から、先ほど申し上げました両宣言の基本的な理念から、生活の補助、社会への参加から、完全参加、平等への道、この道はこの具体的な諸施策の実現でなければならない、このように思います。 本日の集中審議の締めくくりとして、まとめとして、国際障害者年推進本部であります、それぞれの役割りを持っておられる労働大臣、厚生大臣、総理府の方から、最後でありますが、今後の推進についての決意を伺いまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(園田直君) ただいま御意見のとおりでありまして、障害者の方々に対する問題は、私の方の福祉厚生行政の原点の一つであります。しかしながら、その問題は単に厚生省のみならず各省のお力をかり相談をして、完全参加、その基礎は、御発言のとおり、障害者の方々の人権はいささかも健康な人と変わるものではないというところから出発すべきものであると考えます。そういうことについて明年度に行われる障害者年、これに対する対応のいろいろな準備を総務長官と一緒にさしていただいておりますけれども、これは単に対応の需要の決定ばかりでなく長期、中期の展望が一番大事でありますから、明年度いよいよ終わればその先はさらに総務長官のお力もおかりをして、総理を中心に私と総務長官が両わきから、これは恒久的な一つの身体障害者の方々の対応の策を講ずる機関として残したいというのが私の念願でございます。
○国務大臣(中山太郎君) ただいま厚生大臣から御決意の披露がございましたが、本日午前中の質疑にも伺っておりましたけれども、いわゆる先天性の身体障害者の発生をいかに国を挙げてそれに対して対策を立てるかということと、すでに身体障害者として生きておられる方々にいかなる保護あるいはお力を政府として差し伸べることができるか、そうしてその方々によって「完全参加と平等」の国連の宣言の趣旨に沿った政府としての行動をやるかということにつきましては、全力を挙げてやってまいりたいと考えております。 特に後天性の身体障害者、たとえば交通事故による身体障害者の身体障害者手帳を受けておられる方々がすでに今年末には十万人に達せようと見込まれております。こういう問題につきましても関係各省庁と十分連絡をいたしまして、一人でも不幸な方が幸せになれるように、政府としては全力を挙げて努力をしてまいる決意でございます。
○国務大臣(藤尾正行君) 私は、国際障害者年の仕事の推進にはそれだけの地歩を持っておりませんけれども、申し上げておりまするように国際障害者年であろうがなかろうが、国連が何を言おうが、私どもは私どもの仕事といたしましてやるべきことはやる、こういうことでございますから、どうぞひとつ御懸念なくお願いを申し上げます。
○委員長(片山甚市君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 ただいまから理事会を開かしていただきますので、暫時休憩をいたします。 午後四時十三分休憩 ………………………………… 午後四時三十三分開会
○委員長(片山甚市君) それでは会議を再開いたします。 健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。園田厚生大臣。
○国務大臣(園田直君) ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 医療保険制度の基本的改革は、かねてから重要な課題となっているところでありますが、医療保険をめぐる諸情勢は、近年厳しさを加えております。 かつてのような高度経済成長が期待できない情勢のもとにおいては、人口構成の老齢化や医療の高度化等により医療費の伸びが賃金の伸びを上回る状況が続くものと考えられます。また、このような医療費の負担の問題のみならず、医療体制の整備、老人保健医療制度の整備など、早急に解決を図るべき多くの問題があります。 したがいまして、医療保険制度の基本的改革に当たりましては、医療保険制度のみにとどまらず、医療制度、健康管理対策など、関連各分野においても逐次改善を図ってまいる考えであります。 医療保険制度の改革については、まず、社会経済情勢の変化に対応した健康保険制度の健全な発展を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案を第八十四回国会に提出し、その後第九十一回国会に至るまで御審議を煩わしたのでありますが、成立を見るに至りませんでした。 しかしながら、医療保険制度の改革は、緊急の国民的課題であり、一刻も早くその実現を図る必要があることから、さらに今国会にこの法律案を提案し、御審議を願うことといたした次第であります。 以下この法律案の内容について概略を御説明申し上げます。 まず、健康保険法の改正について申し上げます。 第一は、医療給付に関する改正でありますが、被保険者と被扶養者との医療給付について同一水準の給付を確保することを基本とし、患者負担を適正なものとすることといたしております。 患者負担につきましては、初診時の負担を千円とし、投薬・注射にかかわる薬剤または歯科材料に要する費用の二分の一を新たに負担願うこととしております。ただし、高価かつ長期間連続して投与される薬剤や、検査・麻酔に使用される薬剤は、負担の対象としないこととしております。さらに、入院の場合には一日につき給食料に相当する額を負担していただくこととしております。 これらの患者負担の額が著しく高額となったときは、高額療養費を支給することとしております。 第二は、分娩費等の給付に関する改正でありますが、分娩費等の最低保障額や配偶者分娩費等の額を実情に即して改定できるものとするため、政令で定めることといたしております。 第三は、保険料に関する改正でありますが、保険料負担の公平を図るため、賞与等についても標準報酬と同様の保険料率で保険料を徴収することとしております。 次に、給与の実態に即して標準報酬等級の上限を調整できることとするため、上限に該当する被保険者の割合が百分の三を超えた場合には、社会保険審議会の意見を聞いて政令をもって上限を改定できることとしております。 また、政府管掌健康保険の保険料率は、厚生大臣が社会保険審議会の議を経て千分の八十を超えない範囲内において定めることができることとしております。健康保険組合の保険料率も同じく千分の八十を超えない範囲内において決定するものといたしております。 第四は、国庫補助に関する改正でありますが、政府管掌健康保険についての保険料率の調整に連動した国庫補助率の調整規定は廃止し、国庫補助率は、主要な保険給付に要する費用の現行の千分の百六十四から千分の二百の範囲内において政令で定めることといたしております。 第五は、財政調整についてであります。今後、被用者医療保険間において財政調整措置が講じられるまでの間、健康保険組合間の財政調整を実施することといたしております。 第六は、保険医療機関等の登録・指定等に関する改正でありますが、個人開業医については保険医の登録があった場合、保険医療機関の指定があったものとみなすものとして手続の簡素化を図る規定、保険医療機関などの指定を拒否できる事由を法定する規定、未払いの一部負担金について、保険者が保険医療機関などの請求により徴収処分をすることができるものとする規定を設けることとしております。 その他、給付の平等を図る見地から健康保険組合の付加給付を規制する規定を設けるほか、療養費の支給要件を緩和するための規定、海外にある被保険者等に対する保険給付の実施と保険料の徴収を行うための規定その他の規定の整備を行うこととしております。 次に、船員保険法の改正について申し上げます。 船員保険の疾病部門につきましても医療給付、分娩費等の給付などについてさきに述べました健康保険の改正に準じて所要の改正を行うものであります。 次に社会保険診療報酬支払基金法の改正について申し上げます。 社会保険診療報酬支払基金における審査について再審査に関する規定を整備するものであります。 なお、この法律の実施時期につきましては、公布の日から起算して六ヵ月を超えない範囲において政令で定める日から施行することとしております。 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、この法律案につきましては衆議院において、健康保険法については、被保険者の一部負担金、家族療養費、保険料率、政府管掌健康保険に対する国庫補助等に関し修正が行われ、また、船員保険法等についても健康保険法に準じた修正が行われたところであります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(片山甚市君) 次に、本案につきましては、衆議院において修正議決されておりますので、この際、衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員今井勇君から説明を聴取いたします。今井君。
○衆議院議員(今井勇君) 健康保険法等の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正部分につきまして、その内容を御説明申し上げます。 修正の要旨は、第一に、被保険者本人の一部負担金については、初診時八百円とし、また、入院時は一日につき五百円(資格喪失後の継続給付を受ける者については二百五十円)とすること。 なお、入院時の一部負担金の支払いは、一ヵ月を限度とすること。 第二に、家族療養費の支給については、外来の場合は療養費の額の百分の七十、入院の場合は療養費の額の百分の八十とすること。 第三に、一般の保険料は、賞与等を対象とすることを取りやめ、現行の特別保険料制度は存置すること。 第四に、保険料率の上限は、政府管掌健康保険については千分の九十一、組合管掌健康保険については千分の九十五とすること。 第五に、政府管掌健康保険の保険料率の弾力条項発動の条件は、昭和四十九年度から昭和五十四年度までの累積赤字の償還の場合を除いては、現行法どおり給付改善または医療費改定が行われた場合とすること。 第六に、厚生保険特別会計健康勘定の前号の累積赤字は、保険料をもって六ヵ年で償還すること。 第七に、政府管掌健康保険の療養の給付の費用等に対する国庫補助は、改正案どおり一六・四%ないし二〇%の間で政令で定める率とするが、当分の間は一六・四%とし、将来給付内容の変更または国の財政状況の変動等の場合に検討するものとすること。 第八に、薬価調査に関する改正規定及び保険医療機関等に対する指導、監査に関する改正規定を加えること。 第九に、その他所要の修正を行うこと。 第十に、船員保険法等についても健康保険法に準じた修正を行うこと。 以上であります。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(片山甚市君) 以上で説明の聴取は終わりました。 本案の事後の審査は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(片山甚市君) 臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、提出者衆議院社会労働委員長山下徳夫君から趣旨説明を聴取いたします。山下君。
○衆議院議員(山下徳夫君) ただいま議題となりました臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。 本案は、医療機関から委託を受けて検査の業務を行う場所である衛生検査所における検査業務が適正に行われることを確保するため、衛生検査所の登録を義務づける等衛生検査所に対する規制を強化しようとするもので、その主な内容は、第一に、衛生検査所は、一定の構造設備、管理組織等を備え、都道府県知事の登録を受けなければなら、ないこととし、また、衛生検査所が検査業務の内容を変更しようとするときは、都道府県知事の登録の変更を受けなければならないこととする等衛生検査所の登録に関する規定を整備することであります。 第二に、衛生検査所に対する都道府県知事の指導、監督を強化するため、立入検査、指示、登録の取り消し等所要の規定を設けることであります。 なお、この法律は、公布の日から起算して三ヵ月を経過した日から施行することとし、この法律施行の際、現に検査業務を行っている未登録の衛生検査所については、さらに六ヵ月の猶予期間を認める等所要の経過措置を設けることであります。 以上が、本案の提案理由及び内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(片山甚市君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案の事後の審査は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(片山甚市君) 午前の委員会において、前島君の冒頭の発言中不適当な部分があると思われますので、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山甚市君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十八分散会