建設委員会 第1号
- 発言数
- 247 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/10/21
会議録
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 調査承認要求に関する件についてまずお諮りをいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、建設事業並びに建設諸計画に関する調査を行うこととし、この旨の要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(宮之原貞光君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 建設事業並びに建設諸計画に関する調査のため、本日、日本住宅公団の役職員を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(宮之原貞光君) 次に、建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題といたします。 まず最初に、先国会閉会中に当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。増田君。
○増田盛君 滋賀県及び兵庫県における建設事業並びに建設諸計画に関しまして実情を調査をいたしましたので、御報告申し上げます。 去る九月三日から三日間にわたり、坂野理事、茜ケ久保理事、原田委員、上田委員と私、増田の五名は、滋賀県及び兵庫県における建設事業の実情を調査してまいりました。以下その主な調査事項について、概略御報告申し上げます。 第一に、滋賀県下の建設事業について申し上げます。 日本列島のほぼ中央、国土の東西南北を結ぶ要衝に位置する、面積四千十六平方キロメートルの滋賀県の特徴は、県面積の六分の一を占める琵琶湖を抱えていることであり、すべての地域開発は琵琶湖との深いかかわりの中で進められております。琵琶湖には大小百二十余りの河川が穀倉地帯を潤しながら注ぎ込み、水量二百七十五億トンの豊富な水資源は京阪神千三百万人の生活や生産活動を支える命の水であるとともに、その美しい景観は多くの人々の憩いの場となっております。しかし、昨今、琵琶湖をめぐる環境問題は深刻の度を高めており、その保全及び開発のあり方は、県はもとより近畿圏にとって最大の課題とされているのであります。 昭和四十七年六月琵琶湖総合開発特別措置法が制定され、この法律に基づいて琵琶湖総合開発計画が策定されました。同計画は治水、利水及び環境保全を目的としたものとなっており、治水面では夏季洪水期の制限水位を三十センチ引き下げ、瀬田川のしゅんせつによる疎通力の拡大とあわせて洪水対策を図るとともに、利水面では琵琶湖をマイナス一・五メートルまで利用することにより新たに毎秒四十トンの水を生み出し、逼迫する淀川下流地域の水需要に対処する計画となっています。具体的な事業内容は県と市町村関係の十七事業、河川、ダム、砂防、下水道等と国直轄、水資源開発公団関係事業、琵琶湖治水と利水の計十八事業よりなっており、総事業費四千二百六十六億円、うち水公団関係七百二十億円をもって四十七年から十カ年計画でスタートしたのであります。 期限があと一年余りに迫った各事業の進捗状況は、国の五十六年度予算に対する県側の要望額がすべて認められたとしても、十年間の全体の総事業費は五千七百九十二億円余であります。これは四十六年度の当初事業費四千二百六十六億円に比べれば一三五・八%に相当するが、四十六年度単価に換算すると実質六七・七%、水公団分でも七九・二%に達するにすぎません。事業量で見ても国、公団事業を除く十七事業平均でわずか四一%と当初予定の半分にも満たない状況となっています。事業がおくれている理由として県当局は、スタート直後の国の総需要抑制策と石油ショック後の物価上昇、環境問題に対する慎重な対応、下水道などの執行体制の整備のおくれ等を挙げています。 この総合開発事業の当面の課題としては、まず最終年度を明年に控え、大幅な事業費が確保できるか否かが挙げられます。また、事業の現状から特別措置法の延長、計画の改定の必要性が生じてくると思われます。これらに関し県は、琵琶湖水政審議会の中間意見を踏まえ、近々基本的方向をまとめるとのことでありますが、一方では五十一年に琵琶湖環境権訴訟団が原告となる工事差しとめ請求も出されており、環境保全への慎重な対応のもとでの準備、検討が必要であります。 また琵琶湖の総合的な水質保全対策も急がなければならない課題の一つであります。これについては琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例を七月一日からスタートさせ県内から有燐洗剤が姿を消し、このまま順調に推移すれば数年で昭和四十年代の初めのころの状態に戻るであろうとのことでその成果が期待されます。 しかし、富栄養化防止条例が定めている工業排水の燐、窒素の規制を実行するためにも特別な努力が必要であり、窒素等の総量規制、化学肥料の適正使用の指導、下水道の整備と三次処理の導入等さまざまな対策の確立が強く望まれます。 次に、具体的な視察個所についてであります。 まず、瀬田川洗いぜきについてであります。 唯一の流出河川である瀬田川に明治三十八年に建設された旧洗いぜきは、人力操作による開閉のため適切な流量調節に欠けるきらいがありました。そこで、昭和二十八年十三号台風の大洪水を契機として新洗いぜきが旧洗いぜきの下流百二十メートルの地点に三十六年三月に完成されたのであります。新洗いぜきは鋼製溢流式二段とびらを設置しており、自動制御装置により全開閉を三十分で行うことができ、洪水、渇水被害の防止、淀川の洪水調節に大きな力を発揮しております。 次に、湖南中部浄化センターについてであります。 県下の下水道普及率は、大津市が四十四年から公共下水道の一部供用開始を行っているものの、五十三年末現在四・一%と全国平均の二六・七%をはるかに下回っており、下水道建設が焦眉の急となっています。その中で湖南中部浄化センターは草津市矢橋沖百メートルの地点に建設される人工島に敷地面積六十二ヘクタールの分流式の終末処理場をつくるもので、五十三年十二月より工事に着手しています。第一期計画として日最大計画処理水量六万三千五百トンを予定しており、五十六年度末完成を目指していますが、その進捗は四〇%弱程度です。この工事の進捗過程で一番肝要なことは琵琶湖及び瀬田川の水質を汚濁させないことです。この人工島、浄化センターの建設については住民団体からの反対、工事の差しとめ請求も出されており、環境破壊に対する住民の心配は根強いものがあります。今後ともアセスメントの充実、水質監視等を強化して、周辺の水域の汚濁防止に万全を期す必要があると痛感させられました。 次に、野洲川改修計画の概要についてであります。 下流五キロ付近において南北二流に分流している野洲川は、昔からたびたび洪水を引き起こし、その抜本的改修の必要性に迫られていましたが、三十三年からようやく直轄調査に入り、四十年より改修事業の着手となったのであります。放水路工事は分派点の下流笠原地先より下流部に、現在の南北流のほぼ中間に新水路を開削することを主体に、延長約八キロの河川工事を実施するものであります。その間、用地の補償をめぐって地元住民との話し合いが難航した時期もありましたが、五十四年六月に通水路の暫定通水にこぎつけたのであります。この放水路の完成により洪水による災害から生命、財産を守り、かつ将来の地域開発に貢献することが期待されています。 次に、国道百六十一号西大津バイパスについてであります。 西大津バイパスは全体で十一キロの路線であり、特に大津市街中心部及び逢坂山の混雑解消を急務として、大津市南志賀二丁目から横木一丁目地先の国道一号に接続するまでの約五・九キロ間を第一期工事として四十四年より事業に着手しました。途中延長千三百五メートルの長等トンネルは本バイパスの中でも最も重要な構造物でありますが、その地区の環境保全等をめぐって三井寺との調整が難航しており、国体の開かれる五十六年秋までの供用は工程的にきわめてむずかしい状況にありました。 第二に、兵庫県下の建設事業について申し上げます。 兵庫県は、政令指定都市の神戸市を核に、阪神地域の一翼として発展を続けており、活発な地域整備が展開されておりました。しかし、大都市における過密弊害はこの地域においても深刻化しつつあり、神戸市を中心に都市機能と生活環境を守るための都市改造、道路整備は緊要な課題でありました。 まず、都市改造についてであります。 三宮地区の再開発は、木造低層住宅が密集していた駅前地区を対象に、公共施設と建築物の一体的整備を図ることにより、神戸市の表玄関にふさわしい都市づくりを企図するものであります。 中核となる市街地改造事業は、区域面積約三ヘクタールについて昭和四十一年度から事業に着手、自来十三年間にわたり総事業費二百二十八億円を投入し、ようやく一昨年完成を見たのであります。 二本の幹線街路と横断歩道橋が整備され、また、人工地盤を取り入れた三棟の総合ビルは有機的に連結され、周辺の民間再開発事業と相まって都心商店街としての景観を一新しておりました。現在は、駅東側の雲井地区において、同様に市街地改造事業が進められておりましたが、商業施設のみならず居住環境整備、住宅建設が図られるよう、新たなる視点からの都市再開発を期待するものであります。 三宮地区都市改造の一環として、新交通システム三宮駅の整備とともに、都心とポートアイランドを直結するポートアイランド線の建設が進められておりました。 ポートアイランドは、神戸市、阪神外貿埠頭公団及び運輸省が総事業費五千三百億円を投入した四百三十六ヘクタールの人工島で、港湾施設を中心に文教、住宅、レクリエーション等の施設を整備する近代的な海上都市であります。 ポートアイランド線は延長六・四キロ、専用の高架軌道上をゴムタイヤの車両がコンピューター制御で走行するもので、省力化、無公害を特色とする斬新、先駆的な輸送システムであります。 六両編成でピーク時は三分間隔、最高速度六十キロで一日七万人を運ぶとされるこのシステムは、試乗した限り安全快適であり、今後の都市交通需要に対応するものとして、大きな期待が寄せられました。現在、新交通システムの建設は、建設省、運輸省の協議の中で、その都度、整備手法が定められるとのことでありますが、これら事業の振興のために、補助体系の整備とともに事業法制定について検討の必要があると思われました。次は、住宅も建設についてであります。 阪神地域の代表的ベットタウン芦屋市では、大阪湾を埋め立てて開発した芦屋浜ニュータウンの現況を見てまいりました。この事業は高層住宅団地における良好な住環境の整備をテーマに工業化工法プロジェクトの設計競技で採用されたアステム方式に基づいて、昭和四十七年度から兵庫県、同住宅供給公社、日本住宅公団及び民間企業により開発が進められてきたのであります。 土地利用の全体計画は、総面積百二十五ヘクタールのうち三五%が道路、公園等の公共施設、二二%が教育、スポーツ等の公益施設、残りの四〇%が住宅地区であり、高層住宅を中心に五千七百戸の住宅を建設し、人口二万人のニュータウン整備を目指すものであります。 現在、完成を見ている高層住宅地区は、公営住宅五百九十六戸、公団住宅千五百九十一戸、公社住宅五百九十五戸、民間住宅五百九十九戸及び商業施設等であり、一万二千名の人々が新たなる生活を開始しておりました。初めての大規模な高層住宅群として最新技術の安全設計、防災システムが導入されており、特に五階ごとに設けられた空中公園、各戸に配置された暖房、給湯施設、真空ごみ収集施設等が注目されました。 しかし、広大な公共空地を配しながらも、二十九階に及ぶ高層棟の林立は威圧感すら覚える雰囲気があり、新たなる集合住宅における快適な住環境を創造するために、公園、緑地、緑道の整備拡充こそ必要と痛感されました。 なお、居住民自治会の代表より、当該地域の暖房、給湯料金の値上げと、開発計画、入居計画との関連性が指摘され、「芦屋浜熱料金改訂に関する陳情書」が手渡されましたことを申し添えます。 次は、道路と環境問題についてであります。 道路交通事情が厳しさを増す中で、兵庫県及び神戸市は生活環境緑化運動の一環として、国道、県道を中心としフラワーロードの整備を進めており、都市環境の改善に努めておりました。特に、阪神間の大動脈一般国道四十三号では、十車線を八車線に削減し、両側に幅五メートルの盛り土方式による緑地帯を設置しており、道路構造上の環境対策として期待を集めておりました。 しかし、この道路は神戸市内において四車線の阪神高速が高架で併設されているため、交通量は日に十五万ないし十七万台に達する屈指の公害道路であり、騒音等の規制を求める行政訴訟が、現在も継続審理中でありました。 緑地帯は、総事業費三十一億円を投入し、神戸市内を中心に三十キロを完成しており、騒音で二ないし三ホン程度の減少効果を上げているとのことでありますが、新設された沿道整備計画制度の適確な運用の中で、さらに抜本的な道路環境対策について検討する必要があると痛感されました。 一方、阪神高速道路公団も全国に先駆け環境対策に取り組んでおり、環境施設帯の設置を行うほか、沿道住宅に対する防音工事の助成、日照阻害に対する費用負担、テレビ受信障害対策等を実施しておりました。 特に、環境施設帯は、高速道路の両側に十ないし二十メートルの用地を取得、植樹帯を設置するもので、百二十一億円をもって四千八百メートルを完了、また、住宅防音工事は一定基準に基づき窓の気密化やクーラーの設置等防音工事費の全部または一部を助成するもので、五十五億円をもって四千三百六十七戸を実施しておりました。また、同高速道路を走行するとき、騒音の軽減と落下物防止を目的とする遮音板の設置が目立ちましたが、それらの延長は百九十二キロメートルに達しており、八十五億円が投入されているとのことでありました。 なお、構造上特色あるプロジェクトとして、四車線二層のダブルデッキ、三径間連続ゲルバートラス形式の港大橋とらせん状の取りつけ道路を視察、あわせて大阪湾岸道路計画の構想を聴取いたしました。同計画に対しましては、すでに地元民の一部から、環境問題を懸念して取り消し請求が提起されておりましたが、大阪湾、瀬戸内海の大規模な埋立地を結ぶものだけに、綿密な環境アセスメントとともに住民要請を十分に踏まえ、豊かな地域整備が推進、実現されるよう願うものであります。 以上が調査の概要でありますが、最後に、主要な陳情事項を会議録末尾に掲載していただくよう委員長にお願いを申し上げまして、報告を終わります。
○委員長(宮之原貞光君) ただいまの陳情事項につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 以上で、派遣委員の報告を終わります。 —————————————
○委員長(宮之原貞光君) 次に、建設事業並びに建設諸計画に関する調査について質疑に入りますが、それに先立ち、斉藤建設大臣及び原国土庁長官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。斉藤建設大臣。
○国務大臣(斉藤滋与史君) 今後の建設行政を推進するに当たっての私の基本的な考え方を申し上げたいと存じます。 わが国をめぐる現下の厳しい内外情勢のもとで、国民が安全で快適な、そして潤いのある生活を営めるようにするとともに、経済の活力を保ちつつ、内需を中心とする安定的な成長を持続することを目標として、次のような諸施策を中心に建設行政の推進を図る所存であります。 すなわち、第一に、社会資本整備に対する国民の需要の増大と多様化等に対応するため、公共投資の計画的な推進を図ることであります。 第二に、国民すべてが良好な住生活と居住環境を享受し得るよう住宅宅地対策を総合的に推進するとともに、国民の大部分が都市に生まれ、生活を送る本格的な都市化社会が形成されつつあることにかんがみ、都市整備を強力に推進することであります。 第三に、国土の均衡ある発展と魅力ある地域社会の形成を図るため、その基盤となる交通網の整備、国土の保全、水資源開発等を計画的に推進することであります。 このほか、建設業の振興、不動産業の近代化、国際技術協力等につきましても、鋭意その推進を図ってまいりたいと存じます。 以上、いずれをとりましても国民生活に直結する重要な施策でありますので、これを積極的に推進してまいる所存でありますが、この場合におきましては、特に適正な業務の執行と綱紀の保持に努め、国民の信頼と期待にこたえる考えであります。 何とぞよろしくお願いをいたします。
○委員長(宮之原貞光君) 原国土庁長官。
○国務大臣(原健三郎君) 国土行政を進めるに当たっての基本的な考え方を申し述べます。 狭い国土、乏しい資源の中で、二十一世紀初頭には約一億三千万を超えると見込まれる国民が健康で文化的な生活を享受していくためには、国土の均衡ある発展を図り、住みよい国づくり、地域づくりを進めていくことが不可欠であると考えます。このために国土行政の役割りはますます重要となっております。国土庁はこの国土行政の総合調整官庁としての役割りを担っております。 私といたしましては、第一に、第三次全国総合開発計画の柱である定住構想の積極的推進を図ります。第二は、適正な土地利用を促進し、地価の安定を図るための総合的土地対策の推進を図ります。第三は、総合的な水資源対策の推進、第四は、首都圏、近畿圏及び中部圏整備の推進、第五は、地方振興の推進、第六は、災害対策の総合的推進等々、当面する重要課題に積極的に取り組んでまいる所存でございます。 委員長初め委員各位の御協力を心からお願い申す次第であります。 以上。
○委員長(宮之原貞光君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○赤桐操君 第三期の住宅建設五カ年計画が間もなく終わろうといたしておるわけであります。そこで私は、この五年間にわたって執行されてまいりました計画がどういうような形でいま終了をしようとしているか、大体締めくくりもほとんどつけておられると思いますので、実績、見込み等について冒頭にひとつ伺いたいと思います。
○政府委員(豊蔵一君) お答えいたします。 第三期住宅建設五カ年計画は昭和五十一年度に発足いたしましたが、昭和五十四年度までの建設戸数は公的資金住宅二百九十七万九千五百戸、民間自力建設住宅三百四十四万二千戸、合計六百四十二万一千五百戸でございます。また、公的資金住宅につきましては、昭和五十五年度におきまして七十九万一千戸の建設を計画しておりまして、これが達成されますれば最終的な進捗率は一〇七・七%となり、公営住宅及び公団住宅に建設の停滞が見られますものの、公庫住宅の順調な伸びにより公的資金住宅全体としては計画を達成できる見込みでございます。 なお、昭和五十五年度までの民間自力建設住宅を含めました全体の建設戸数は約七百九十万戸程度となり、計画の目標の八百六十万戸に対しまして九二%程度の進捗率になる見込みでございます。
○赤桐操君 いまの御報告を伺いまするというと、公的建設の方は余り成績がよくなかった、民間自力建設がほとんどその中心をなしている、こういう報告だったように思いますが、公的建設がうまくいかなくて民間が大分出ているというこの経過については、どういう理由でそういうことになったのか、この点について伺いたいと思います。ことに、公的建設がおくれている理由ですね。
○政府委員(豊蔵一君) 公的住宅につきましては、御案内のとおり、日本住宅公団、公営住宅あるいはまた各公共団体に設置しております住宅供給公社等によります直接供給の方式と、住宅金融公庫によります融資によりまして建設を促進する方式とございますが、お尋ねの直接供給の停滞の件でございますが、最近における土地価格の高騰等によります用地の取得難、あるいはまた関連公共公益施設の整備についての地元との調整の問題、あるいはまた公共住宅をつくります団地周辺における地元周辺の方々との調整の問題等々につきまして、必ずしも円滑にいっていない点があり計画が停滞したというふうに考えております。
○赤桐操君 公的住宅が非常におくれたというのは、土地の高騰の理由が一つと、それから関連公共の問題、地元の積極的な協力がない、こういう三点が大体結論になるようでありますけれども、その中で一番最大のものは土地の入手難であったんじゃないかと思いますが、この点はいかがですか。
○政府委員(豊蔵一君) どれが最大かというと、一概に申すのもいかがかと思いますが、最近におきまして大規模な宅地の開発及びこれに基づく住宅の供給というのが次第に困難になっているということは、実情として出ておるように思われます。
○赤桐操君 地方自治体の協力関係はいかがでございましたか。
○政府委員(豊蔵一君) 地方自治体によりましては、従来、特に高度成長時期におきまして、大量の住民が都市地域に入るというようなことで、そのための公共団体の財政負担の急増といったようなことによりまして新しい開発を抑制する、あるいはまた、開発につきましていわゆる宅地指導要綱等によりましてこれを規制するといったような面が見られるように感じられました。
○赤桐操君 住宅需要の実態調査の結果が出ておると思うんであります。その中で私どもの認識によりますというと、かなり持ち家の取得者の中で、取得はしてみたけれども負担が大変重過ぎる、あるいはまた価格が非常に高いので結局広い住宅を手にすることができなかった、こういうことで高い、あるいはまた狭隘であるというような関係でせっかくの一戸建ての住宅を入手しても大変困窮な状態に置かれている、不満な状態に置かれている、こういう報告が出ておるように思います。それからまたさらに、住宅金融公庫等の状態を見ましても、返済が一部かなりおくれを始めているのではなかろうか、こういうようなことも出ておるように思うんでありますが、この点についてはどういう認識をしておられますか。
○政府委員(豊蔵一君) 持ち家を持っておられる方で、そのうちローンを払っていらっしゃる世帯は、私どもの住宅需要実態調査では全国で約三一%ございました。そのローンの返済につきまして、家計に余り影響がないという方々が二四・七%、ぜいたくを多少がまんすれば何とかやっていけるという方々が六一・一%、また生活必需品を切り詰めるほど苦しいという方が一二・三%となっている実情でございます。また、住宅金融公庫の償還の遅延状況の点でございますが、住宅金融公庫からの報告によりますと、最近若干増加傾向にございますが、公庫利用者の割合からいたしますとわずかのものとなっているように思われます。
○赤桐操君 一戸建て住宅、あるいはまた民間自力建設の方、公庫の分も含めまして、要するに一戸建ての住宅ですか、こうしたものが大変大きく伸びたので、この第三期の五カ年計画は結果的に非常に成功であったというふうにお話だったと思いますが、内容的に見まして、公的なこうした賃貸を中心とする公団やそうしたものが思うように進まなかったということは、社会政策的に見て、住宅政策全般から見て決して私はりっぱな成果であったとは思わないんです。公団が存在している理由、あるいはまた公営住宅が地方自治体を通じて建設されている理由というものは、結局一戸建て住宅や自力建設ができない多くの層をどう対策をとるかというところに実は向けられた施策であったと思うわけです。そうした公団の発足の理由や公営住宅設定の理由等が実は大体六〇%程度しか果たされなかったということは、私はいまのような御報告にはならないんじゃないか、むしろ大変大きな問題を残したという報告がなされてしかるべきなんではないか、こういうふうに実は考えるんですが、大臣のお考えはいかがですか。
○国務大臣(斉藤滋与史君) ただいまの先生の御指摘、なお第三期の住宅政策の局長の報告等々御案内のとおり、結果を待つまでもなく、確かに公営、公団住宅の停滞につきましては認めざるを得ないと思います。問題は先ほどのような諸要因、土地高騰あるいは地方自治体等の協力関係、あるいは地域住民の問題、関連する公共施設整備等との関連にあわせて複合的な私は問題点もあろうかと思いますけれども、これを四期にかけて、三期のそうした問題を詰めながらこれから進める問題であろうと思います。したがって、三期五カ年計画の結果をもって失敗というようなことでなく、踏まえて国民需要にこれから合うような形で進めてまいりたい、そのようなことの方が私はなお進歩的な住宅対策への対応ではなかろうかと思います。 賃貸住宅等々につきましてもせっかく努力はいたしております。賃貸住宅に入られる方々がその後の家族構成等々の発展進歩で持ち家への要望も強いわけで、これはバランスの問題であろうと思いますけれども、あれこれ先生御指摘のようなことを勘案しながら進めてまいるように私は考えております。
○赤桐操君 世界の各国でも、住宅問題についての物の考え方というのはヨーロッパ社会においても大体通念化されておりまして、社会的にこれは保障されているということがまずその底流に実は今日存在すると思うんです。だから、こういうように自分で建てた物を政府の施策として成功したという評価にはならないと思うんです。政府が本当に国として社会的に遂行していかなければならない分野、これこそまさに公団や公営住宅、こうしたものでなければならないと思うんです。そうしたものを中心にした実は評価がなされるのがこの段階において求められている問題だろうと思いますから、なおひとつ、三期の最終段階もまだもうちょっとあるわけでありまするし、精力的にがんばっていただきまして、最終的にいろいろともう一遍集約検討をしていきたいと思います。 第四次の五カ年計画についてお伺いする前に、この来るべき国会で住宅基本法がいよいよ提起されるということを伺っておるんでありますが、この点についてはいかがでございますか。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 住宅基本法につきましては、去る七月に住宅宅地審議会の答申をいただいたわけでありますけれども、それを現在次期国会に提出できるように努力してまいっておるところであります。 内容といたしましては、住宅政策の目標、住宅供給等に関する総合的な計画の策定、その他国及び地方公共団体が講ずべき施策等基本となるべきものを踏まえながら、ただいま検討を進めてまいって何とか次期国会には提出したい、このように考えておりますのでよろしくお願いをいたします。
○赤桐操君 これは昭和五十年に住宅宅地審議会で答申されたものでありまして、三木内閣の当時に私どもに対しまして早く住宅基本法の提出をいたしたい、こういうように意向が明らかになっておったわけでありますが、考えてみると五年の歳月を経ているわけであります。どうしてこんなにおくれたのか、ちょっと私は不思議に思っているのでありますが、この点についてひとつ伺っておきたいと思います。
○政府委員(豊蔵一君) 従来、昭和五十年度のときの住宅宅地審議会の御答申にありました線に沿いまして検討を進めておったところでありますが、その後の五十三年における住宅統計調査の状況、あるいはせっかく昭和五十六年度から第四期住宅建設計画を策定するというようなことにもなってまいりましたので、それらとあわせまして総合的に検討するのがよかろうかということで検討を続けさしていただいてまいったわけでございます。
○赤桐操君 基本法はそうすると次期国会に御提案のようでありますから、そこにひとつ討論の場を譲らしていただきたいと思います。 続いて、第四期の住宅建設五カ年計画の内容について伺ってまいりたいと思いますが、まず最初に、概要について御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(豊蔵一君) 第四期住宅建設五カ年計画の建設省におきますところの原案におきましては、まず、「すべての国民が、国民経済の成長発展の段階に即応して、その家族構成、世帯成長の各段階、居住する地域の特性等に応じ、良好な住環境の下に安定した生活を営むに足りる住宅を確保することができるようにすることを基本目標として、」次の四点に重点を置くこととしております。 まず第一には、第三期住宅建設五カ年計画において設定されました昭和六十年度の居住水準の目標につきまして引き続きその達成に努めることとし、特に大都市地域の借家居住世帯を中心として居住水準の改善におくれが見られることから、公共賃貸住宅の的確な供給を図ること。 第二に、今後のいわゆる戦後ベビーブーム世代の世帯成長及び人口構造の中高年齢化等によります持ち家需要にこたえ、良質な持ち家取得の促進を図ること。 第三番目に、計画的な住宅建設を住環境整備の一環として位置づけ、その推進を図るとともに、住環境整備のための多様な事業を推進すること。 第四に、大都市地域等におきまして、再開発関連諸事業との連携を通じまして良質な市街地住宅の供給を促進すること等の諸点に重点を置きまして、この計画期間中に約七百七十万戸の住宅の建設を見込んでいるところでございます。
○赤桐操君 第三期の五カ年計画の中では持ち家と公営、公団関係の賃貸住宅との比率でありますが、公的建設との関係は六対四であったと思うのであります。しかし、今度の第四期五カ年計画の内容を見まするというと、この比率がもう少し逆になりまして持ち家の方に比重がかかり七対三という割合に、これはむしろ民間自力建設の方に比重がかけられてきているというように実は見られます。この状態というのは、結局公的建設を縮少してそうした民間自力の建設に大きく比重を置くということになるわけでありまして、大変私は、これはこれからの第四期住宅建設の推進の中で大きな問題ではないかと実は考えます。 まず、この基本的な五カ年計画の大きな柱とも言うべきこの考え方、これをひとつ伺っておきたいと思います。
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のとおり、全体の七百七十万戸の見込みにつきまして、その内訳は持ち家系が約五百五十万戸、借家系が約二百二十万戸というふうにしておりますので、その点での比率は持ち家系が七割程度になろうかと思われます。また一面、公的資金住宅について見ますと、全体で三百六十五万戸を計画いたしたいと考えておりますが、この内訳では持ち家系が六八・五%、借家系が三一・五%ということで、公的資金につきましては全体の中におきまして借家系に若干のウエートをかけているというような計画といたしております。
○赤桐操君 これは、第三期の計画の中で公的関係の建設が進まなかったという最大の理由が土地の問題であり、関公問題であり、あるいはまた自治体等を中心とする地元の協力の問題であると言われているわけでありますが、こうしたものを解決する、そういう方向の中でむしろ本来この状況の中では、公的建設の方をいま少しく本来なれば比重をかけるべきであったと私たちは考えているわけでありますが、これはどういうわけでこういう形になったんですか。
○政府委員(豊蔵一君) 公的資金の住宅のうち、先生の御指摘の点は恐らく直接供給の公共住宅の点だろうと思いますが、先ほども申しましたように、いままでの第三期五カ年計画の実績の見込みでは、計画を若干下回っていることは事実でございますが、そういった実態的な状況を踏まえ、また今後の住宅の需給の関係をも見まして、将来いわゆる戦後ベビーブーム世代の方々が今後持ち家需要への方向の数がふえてくる、あるいはまた大都市地域への人口の移動が減少しまして定住化傾向が進んでまいります。また人口構造の中高年齢化といったようなことで、年齢別の持ち・借比率等考えました場合に、こういったような計画で十分昭和六十年度の目標につきまして、私どもとしては居住水準の確保ということができるんじゃないかというふうに思っております。ただその際、地域別には十分配慮いたしまして、先生御指摘のように、大都市地域におきますところの特に借家居住世帯につきましては居住水準の改善のおくれが出ておりますので、そういった地域的には、相当の公共賃貸住宅の建設を進めるというようなことによりまして対処できるんではないかというように考えております。
○赤桐操君 一つそこで伺っておきたいと思うんですが、住宅公団等新しい公団の設立の問題がいま出ているようでありますが、これはどんなふうに展望をされておりますか。
○政府委員(豊蔵一君) 新しい公団につきましては、私ども住宅局の方だけのあれではないんでございますが、日本住宅公団と現在ございます宅地開発公団とを統合いたしまして従来の事業を引き継ぎますとともに、今後さらに問題となってまいります大都市地域における都市整備を一層強力に進めるという構想のもとに次期通常国会に法案を提出し、私どもの考えといたしましては、来年の十月を目途としてこの統合を進めたいというふうに考えております。
○赤桐操君 これとどうも相前後してうわさが出ているんでありますが、新公団の設立と並行して、いままでの公団が持っておった賃貸住宅の払い下げという動きが出てきておるということを聞いているんですが、この点についてはいかがですか。
○政府委員(豊蔵一君) この両公団の統合と関連いたしまして、日本住宅公団賃貸住宅の払い下げといったふうなことは私ども耳にいたしておりません。ただ、先生御案内のように、従来から一部地域の方で長らく住宅公団の賃貸住宅に住んでいらっしゃる方々の中に、これを払い下げてほしいという御要望があるのは存じております。
○赤桐操君 前大臣がこのことを言われたんじゃないんですか。そして現実にこの問題はいまも住宅公団の中では一つの問題点として内包している問題じゃないんですか。この点はないということに理解してよろしいんですか。
○政府委員(豊蔵一君) ただいま申し上げましたように、従来からそういったかなり長期間にわたって住宅公団の住宅にお住みになっていらっしゃる方々の中に払い下げてほしいという御要望があり、これにつきまして私どもの方あるいはまた住宅公団の方でもいろいろ問題がございますので、検討していることは事実でございます。しかしながら、両公団が統合される機会に何か新しい仕組みなり制度としてそういうことをすることの方向で進めているということではございません。
○赤桐操君 その関係が直接はないとおっしゃるならそれでよろしいんでありますが、いずれにしても、そうした動きが一つ出てきておって、それが私が危惧するようなものでなければ結構でありますが、何分にも住宅公団が維持していく、管理していくこれからの管理業務、管理体制というものは容易でない、それは当然であろうと思いますが、こうしたものがだんだんと重荷になってきて、この辺でひとつ整理していこう、こういう考え方に流れていくとするならば私は大きな問題であろうというように考えるんです。したがいまして、そういう方向でないんだということを確認できるならば、いずれまたいろいろと私たちの方でも検討してみたいと思いますが、きょうはこの程度でとどめたいと思いますが、その点はいかがですか。
○政府委員(豊蔵一君) 私どもは大都市地域におきます借家といいますか、賃貸住宅の良質な供給ということはなお今後も必要であると考えております。したがいまして、そのような良質な賃貸住宅のストックを当分は維持してこれを国民に供給するということが義務であろうと考えておりますので、大宗といたしましては、そのような大幅に払い下げるとか、そういったようなことは考えておりません。ただ、先ほどお話がありましたように、従来からもいろいろ御要望があることは事実であり、またそれについてもいろんな問題がありますので、いろいろと検討している。しかしながら、そのことといま申しましたような大都市地域における賃貸住宅の今後の必要性ということとはまた別で、私どもはさらにその建設を進めていかなきゃいかぬというふうに考えております。
○赤桐操君 この問題はかつて田中内閣当時にも同様の動きがあったわけでありまして、その当時社会党はこれに対しまして反対をいたしました。したがって、これはとりやめになりました経過があるわけであります。いまその当時のことを思い起こしてみても、ただいま現在公共住宅が土地の事情や、あるいは地域の協力の問題や関公の問題等でできないという理由が明らかになりながら、その中でいま進んでいないわけであります。そういう問題を解決すれば、これからますます進めることができるわけだし、ますますこれからは住みかえの問題なんかも出てくる時代にもなってくるわけですから、私どもはこの点についてはひとつ念を押しておきたいと思います。 それから次に、先ほど来土地の問題ということで大分いろいろ出ておりますが、土地価格の異常な高騰あるいはまた建築資材の値上がり、こうしたものでかなりいままでのお話ではいわゆる自力建設が進んできたとはいいながら、ただいま現在では私は状況が変わってきたんではないだろうか、こういうふうに思うんであります。こうしたかなり資材の値上がりや土地の高騰、こうしたものを見るというと、これは大きな問題が出てきているんじゃないか。特に五十五年度の新設住宅の着工の件数等は、四十九年の狂乱物価以来の最低の状態ではないかと言われているわけでありますが、この点についてはどういうようにお考えになっておりますか。
○政府委員(豊蔵一君) 私どもの方の手元で現在把握しております資料によりますと、本年の四月から八月までの住宅の着工につきまして、建築着工統計によって見ますと、昨年の同期に比較いたしまして約一七%程度落ち込んでいるという実情でございます。
○赤桐操君 それからさらにまた、一般勤労者の立場でありますが、ことしは賃金の引き上げは六%台で大体終わっているわけなんです。この間の予算委員会でもかなり論争が衆参両院で行われておりましたが、実収入が大きくマイナスになってきている。すなわち、物価が名目賃金を追い越すという状況でございまして、したがって六・四%の政府見込みがこの一年間で達成できるかどうかが大変危ぶまれている。私どもはこれは無理ではないか、こういうふうに考えているさなかでありますが、こういう状況の中で、果たしてこれからさらにローンの問題がうまく展開していくのであろうか、こういうことを実は考えるのでありますが、この点はいかがですか。
○政府委員(豊蔵一君) ただいまの御指摘の点の住宅の建設の落ち込み、それにはいろいろな原因があるだろうという中での恐らくローンの御指摘かと思いますが、私どもも最近の住宅の落ち込みの一つには地価の問題あるいはまた建築資材の高騰の問題、それからまた住宅取得能力の立場から見る可処分所得が実質的に若干マイナスになっておるといったようなこととあわせまして、金融関係におきまして、住宅ローンの利率の高水準といったようなこともあろうかというふうに考えておる次第でございます。
○赤桐操君 最近、こういう状況の中で、返済に追われて悲劇を起こしている家庭も少なくないようでありますが、新聞紙上でも大分報道されております。やはり余り無理に住宅ローン——自力建設、自力建設、人間の、一番日本人の求めているものは土地であり住宅である。こういう考え方で進められてまいりまするというと、私は皆この方面に流れていくことになるだろうと思います。返済能力がなくても一つの夢としてこれにかじりついていくというようなことになる。結果的には大変大きな悲劇を発生する。こういうような状況にいまなっているように思うのであります。これは大変な問題だと思います。 同時に、私は、いまかなりみんなローンで住宅を建てた人たちは無理した生活をしているんじゃないか、こういうように思います。そういう状況の中では当然一般の購買力が減退するのはあたりまえでありまして、私は、住宅不況などといろいろなことを言われておりますが、こうした消費の停滞あるいはまた消費力を落としていくというこの状態、こうしたものはローンの非常に過酷な払い込み、そうしたものによるところの原因がかなり大きく占めているのではなかろうかというように最近感ずるんですが、この点はいかがですか。
○政府委員(豊蔵一君) 私どもの方は主として住宅金融公庫の貸し付けといったような点から見さしていただいておりますけれども、住宅金融公庫の償還の遅延状況について見ますと、現在、五十四年度末までの貸付残件数、すなわち残高が残っていらっしゃる方々の総数が約三百五十八万件ばかりございますが、その中で六カ月以上の延滞をしていらっしゃるという方々が千三百八十二件で、貸付総件数の〇・〇四%というふうになっております。これは、件数がふえておりますので、年々若干ふえておるというようなことはございますが、それでも率としてはかなり低いものではなかろうかというふうに考えております。 しかしながら、また一面、そういったようなローンの償還の遅延というようなことはやはり好ましくないことでございますので、私どももこれらの事故対策といたしましては、借入時におきます適切な指導、また、現に返済が困難となった場合に適確な対応というようなことを考えなければいけないわけでありますが、公庫あるいは公庫の委託を受けております金融関係の機関等におきまして、先ほど申しましたような借入時の相談あるいは返済困難時の償還方法の変更等の措置を講じておるところでございます。今後ともこのような措置とともに、計面的な貯蓄努力の誘導等を図りながら住宅ローンの健全な利用と事故の未然の防止を図ってまいりたいと思っております。
○赤桐操君 いずれにいたしましても、住宅ローンが非常に落ち込んでいるということは明らかになっておるわけでありますし、さらにまたその裏づけとして、ただいま局長からもお話があったとおり、五十五年度の着工がかなりおくれておるということも事実であります。そういう状況の中でありますから、しかも理由は土地が高いということ、建設資材が上がっているということ、もう一つ支払っていく能力が大きく減退している、こういう状況の中で出てきている結論でありますから、これは私は否定できないと思うんです。 こういう状況は一体これから早期に克服できるかということになりますと、土地の問題も資材の問題も簡単に私は克服できないのではないか。それから賃金の問題を中心とする収入の問題、あるいはまた一家総出でかせぐという問題、アルバイトや何かの問題でこうした職場がなくなってきている。こういう状況の中で依然としてローンを中心とした住宅政策に大きく比重をかけてきている。こういう状態が延長線上に見られるわけでありますが、これはやはり大きな問題点ではないかというように考えるのであります。 そこで、特に五十六年度の概算要求の中で、局長は先ほど地方でもかなりの公的な住宅の配慮をしていると言われているけれども、公営住宅を一万戸減にする、この点についてはどういういきさつがあるか。
○政府委員(豊蔵一君) 公営住宅につきましては、来年度の概算要求におきまして六万戸を要求いたしておりまして、五十五年度の予算に比較いたしますと一万戸の減ということになっておるわけでございますが、この地域配分等につきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、大都市地域を中心として配分し、またその建設を促進するように努めてまいりたいと思っております。 また、これと関連いたしまして、地方部におきましての住宅の取得事情あるいは需要動向等を見ますとまだ相当の方々が持ち家を持つ傾向が強い、また大都市に比べて持ちやすいというようなこともありますので、公共団体の助成と金融公庫の割り増し融資等をうまく組み合わせまして地域特別分譲住宅といったようなものを新たに制度化したい。そういうようなことによりまして、現在は所得が余り高くなくても、将来成長していかれるであろう方々に対する住宅の確保と居住水準の改善というふうなことが、総合的な対策を講ずれば図られるのではないかというふうに考えております。
○赤桐操君 いずれにいたしましても、どうも第四期の五カ年計画の内容は、お伺いしてみまするというと、自力建設に依然として大きく比重を置き、さらに第三期から見るならば、もっとその点にウエートを置いているという状況でありまするし、公的建設については逆に減退をしてきている、こういうことのようでありますが、いずれにいたしましても公的建設ができなかった理由は、入居者がなくてやれなかったということではなくて、その条件を克服できなかったところに問題があるように思うんです。それはこれからの日本の住宅政策の根本ですよ。土地問題を解決しないで、あるいはまた地元の自治体のいろいろ問題提起されていることに対する国の措置が行われないでやれと言ったって、これはできるものじゃない。そして金のある者に住宅を建ててもらって、全体として日本の住宅はここまで進んでおりますという言い方は、これは政治でもなければ政策でもないと言うんです。本当は、やはり一番根本になるのは、公的建設の問題だと思うんです。こういうことに私はこれから大きな問題点があるということを一つ指摘をいたしておきたいと思います。 そこで、土地の問題に入りたいと思いますが、土地問題については、これは大変むずかしい問題でございまするけれども、これは避けて通ることのできない段階にいま来ているように思う。そこで、最近の土地の上昇の状態、これは私は異常な値上がりであるというふうに認識しておるんでありますが、これらに対するところの認識の問題と対策についてひとつ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) ただいま赤桐先生からおっしゃったように、土地はなかなかむずかしい問題でございまして、取り組んでおるのでございますが、それで、異常な上昇とおっしゃいましたが、いまどのくらい上がっておるかというところから申し上げたいのであります。 去る十月の一日に発表された都道府県地価調査というのによりますと、昨年七月一日から本年の七月一日までの地価変動率は全国で八・八%であります。次に、全国の住宅地では平均して一一・五%、三大圏の住宅地では一六%の上昇となっておるのでございます。三大圏において非常に上昇しておるのは、なぜ上昇しておるかといいますと、効用増によるものもあるが、宅地需給がアンバランスであるというのが主な原因でございます。もう言うまでもなく、宅地は簡単に供給することが非常にむずかしい問題なのでありまして、それでは、この程度で急騰しておるかといいますと、四十七年、四十八年ごろの地価高騰のときは大体平均して全国で三〇%ぐらい上がっておるのですが、それに比べると、そう急騰とか高騰とかいうほどでもないのではないかと考えられます。 それでは、今後の地価動向はどうか、四半期ごとに地価動向の調査を非常に綿密に全国的にいたしております。しかし、上昇率がやや低く——ややでございまして、それほど、上がると言うよりも、去年に比べればやや今度低くなる傾向が見られます。〇・二%ぐらい去年より下がっておる傾向である。それが全然上がることについて心配要らぬか、そんなことはございません。やっぱり非常に警戒を必要といたしております。決してわれわれは油断しておるわけじゃございません。でありますから、今後の見通しといたしましては、地価に関連する諸指標の動向から見ますと、四十七年とか四十八年のような大幅な上昇は現在見られておりません。まずいまのところ投機的現象も全国的に見られませんので、そういうことはなかろうということを考えておりますが、といって警戒を緩めておるわけではございません。警戒を要するとしてやっております。 それなら、それに対してどんな土地政策をやっているか、やっておることはやっておるのですが、なかなか、最前も先生おっしゃったように大問題で、簡単にいかない点がまことに残念でございますが、そういうのでございますが、大都市圏だけでとってみますと、三大都市圏においては上昇が非常に目立っております。その原因は、効用増によるものもありますが、根強い住宅の需要が依然として多い、それに供給が必ずしも見合わないというような現象でございます。 今後の土地対策としては、基本的には過密過疎を解消し、国土の均衡ある利用を図ることが必要であります。しかし、口では簡単で、過密過疎を解消して国土の均衡ある利用を図ると言いますが、これなかなか難事中の難事でございますが、さしあたってはわれわれとしては引き続き投機的な土地利用はこれは抑制いたします。また、現に努力いたしております。 第二は、宅地供給の促進を図ることが必要であります。その宅地供給のために総合的かつ積極的に推進してまいりたいと思っております。 こういうようないろんな諸策をやって御期待に沿うようにいたしたいと思っております。
○赤桐操君 十月一日の朝日新聞で出ておる内容によりますと、東京、埼玉で一八・五%ですよ。それから三大都市圏の平均が一六・〇%、昨年同期が一二・六%ですね。私はこれは大変な値上がりだと思うんです。消費者物価の状態は八・七%、それに対して三大都市圏の地価の上昇は一六%が平均。東京、埼玉等この近辺におきましては一八%を超えるという状態でありまして、これ異常でないとは言えないと思いますが、こういうのは異常じゃないんだと言って澄ましている状態ではないと思うんです。そういうところに少し私どもと認識の相違があるように思いますが、これは異常ではないんですか、長官。
○国務大臣(原健三郎君) そういう一部分的に見ると異常なところはございます。しかし、最前も言ったように、全般的においては上がっておることは上がっておりますが、異常とまではいかないのである。昭和四十七、八年なんかのときのような三割程度、これは平均してですからね。そのときにはよく上がったのは二倍、三倍にも上がっております。そういう四十六、七年ごろに比べますと、そのときよりははるかに落ちついておる、こういう判断でございまして、決して安くなっておるとか心配要らぬと言うのではございませんが、新聞などによりますと、前代未聞の急騰であるなんと書いておりますが、前代未聞ではありません、幾らでも上がったことはたくさんあります。しかし、いまのところは急騰したときに比べてそれほど値が上がっていない。でありますから、心配は要りますけれどもまあまあのところでありますから、さらに総合的、積極的な対策をやっていきたい、こういう考えでございます。
○赤桐操君 土地価格の上昇というのは、私はいろいろのあれがあると思いますけれども、かつての狂乱物価当時におけるあの状態はまさにこれは前代未聞の状態ですよ。あれが異常であって、ああいう状態じゃないから異常じゃないんだと言う、こういう認識はおかしいと思うんだね。異常とはどういう問題なんだ、どういう状況なんだということにもなってくると思います。少なくとも消費者物価八・七%、これも大きな問題にいまなっている。六・四に抑えなさい、抑えることができないかといってまさに政府を中心として大変な諸対策に乗り出している状況じゃないですか。その中で土地が一八%を超えるというこの状態は、私は異常じゃないと言うこと自体がおかしいと思う。 さらに、まさに土地の上昇というものは三大都市圏を中心にして今日まで上昇してきているんです。いなかの土地が全国の地価を上げてきたという例はないんです。これは三大都市圏を中心として上げてきております。そういう状況の中で、私は少なくともいま直面してきている問題だと思うので、これはやはり本格的な対策をとるべきだろうというふうに考えます。いろいろ物の見方や受けとめ方はあるかもしれませんが、恐らくここでいろいろ土地対策を、各種の形でもって長官のお考えは諸対策を打ち出すようでありまするけれども、いずれにしてもこれからこれ以上の上昇を抑える、そういう手だてを講じた上でなければ、私はこれからの諸対策に入ることは不可能ではないかというように考えます。したがって、少なくともすでに講じた場合を想定して国土庁におきましては十二条、十三条の条文を設定されておることでもありまするし、こうしたものを中心とした本格的な、腰を据えた諸対策を打ち出すべきではないかというふうに思いますが、この点はいかがですか。
○政府委員(山岡一男君) 国土法の十二条、十三条の適用の要件は、先生御案内のとおり、投機的土地取引及びそれに伴う地価の急騰ということでございます。確かに東京におきます一八%が異常ではないのかというようなことにつきまして、そういうふうな国土法の適用上の投機と見るかどうか、これについては地元についてもいろいろ意見があろうと思います。ただ、適用の構成要件の一つでございます投機があるのかないのかという点につきましては、私ども御案内のとおり規制区域指定事前詳細調査というのをやってまいっております。五十年以来全国では二百三十カ所ぐらいにつきまして各県のホットなところにつき調査をしてまいっております。特にことしからは毎月別の調査というふうな新しい調査を予算計上してもらいまして、特にそういう前回の地価公示において値上がりの高かったようなところを選びまして、東京圏、大阪圏、名古屋圏等を中心にそういうようなものについての状況を毎月報告を受けております。その報告によりますと、現在のところ各知事さん方の御報告には、一切投機の状況は見られないというふうな報告が来ておるわけでございます。したがいまして、私どもそういう状況を絶えず監視を励行しながらそういう状況が起きた場合には遅滞なく十二条の発動を行うというのが基本の立場でございまして、そういうスタイルでこの運用に万全を期していきたいと考えております。ただ、十三条の場合につきましては、これは総理大臣の代行権、指示権等でございますけれども、この国土利用計画法の成立いたします際に、国会論議におきまして、こういう重大な問題についての判断はやはり現地の知事さんの判断を第一義とすべきである、したがって、国の関与はそのときの相談があってからにすべきである、というようなことが当時の質疑応答でなされておりまして、その方向でやるべきである、その基本は変えるべきではないと思っておりますが、十分関係県の知事さん方とは協議をしながら監視を続けてまいりたいと思っておる次第でございます。
○赤桐操君 そうすると、四十九年以降の狂乱の状態に入らなければ国としては手の打ちようがございません、こういう言い方になるんですか。
○政府委員(山岡一男君) いまの何%になれば投機と見るかというお話につきましては、これは法律上も政令上も余り規定はないわけでございます。あくまで現地の状況に即した知事さんの判断ということでございまして、投機が原因でそういうことが起こったという場合には知事さんは抜き打ちで指定ができる、むしろ法律ではそういう状態が起きた場合には指定するものとするというふうに書いてございまして、できるというふうには書いてないわけでございます。したがいまして、投機ということが原因でそういうふうな自分の判断でこれはもう値段が上がったなということを判断なさった場合には指定できるわけでございます。 ただ、これも法律上に書いてございますように、そういう重要な判断でございますので、土地利用審査会の議を経まして、土地利用審査会の方に知事さんが御説明をされましてオーソライズされた場合には結構でございますが、オーソライズされなかった場合にはさかのぼって効力を失う、こういう厳重なシステムになっております。そのために私どもといたしましては何%というような基準は出しておりませんけれども、投機があるかないかというのは一つの大きな決め手でございます。したがいまして、そういう投機が起こっている状況かどうかということにつきまして絶えず厳重な監視をしながら、現行法の範囲内でそういう機動的活動を図りたいというふうに進めておるわけでございます。
○赤桐操君 そうすると、もっと突っ込んで伺いますが、東京圏一八・三%というこの状態、これが仮に二五%くらいに行ってもこれは何ら手の打ちようがないということになりませんか。さらにまた、消費者物価が八・七%、これではどうにもならないといって、大変ないま配慮をしている中にもかかわらず、土地に関する限りはこれはもうそうすれば上がりっぱなしでもって政府に任せる以外にない、こういうように理解せざるを得ないのですが、この関係はどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(山岡一男君) たびたび申し上げますとおり、現行法で土地の投機的取引及び地価の急騰ということが書いてございまして、投機的取引が原因で値が上がったかどうかということがこの判断の基本でございます。現在のところ東京の中で今度一番上がりましたのは三〇%ぐらい七月から七月の一年間で上がっております。実際問題としてそういうところの現状を見ますと、これはいずれも何といいますか、効用の増に伴うというものが原因でございます。その後東京圏におきましても現在なお毎月別の個別の仮登記まで調べましていろいろな移転の際には立ち入ってまで調べるという調査をやっておりますけれども、投機が行われている徴候がないというのを報告を受けておるわけでございます。したがいまして、こういうふうなきわめて厳しい制限でございますので、法律に定められる要件を守らなければならないという立場から申しますと、投機がないのに指定はできないという態度は今後も貫かざるを得ないと思います。ただ、本当に投機が起きたかどうかという点についての監視は絶えず注視する必要がございますので、今後も厳重に監視を続けていきたいという姿勢でおるわけでございます。
○赤桐操君 いや、問題は投機があったかなかったかじゃないんです。土地がどんどん上がっているのにどうにもならない。これを抑えなければならないというところへ来ていると思うのです。現行法では確かに投機の問題が一つの決め手となるかもしれないけれども、それなら十二条、十三条の法律改正をやればいいじゃないですか。そういう積極的な姿勢を持たないで二五になろうが三〇になろうがそれは効用増でございますから、上がりっぱなしでやむを得ませんということにはならないと思います。この点はいかがですか、大臣。
○委員長(宮之原貞光君) ちょっと待てよ。委員長から言われた者が立ちなさい。あなたを指名しておりません。委員会ですよ、ここは。
○国務大臣(原健三郎君) お答えいたします。 なかなか重要なことですから慎重を期して……。結局非常に微妙な点ですから政府委員から答弁させます。
○政府委員(山岡一男君) 規制区域の指定の要件を改正せよという話は方々からお伺いした点でございます。私ども内部的にもいろいろ検討いたしたこともございます。ございますけれども、やはり投機というふうなきわめて異常な要件、そういうものを前提に現行法はできておるということから申しまして、契約自由の原則の中に相当介入するようなそういう厳しい規制につきましては、立法的にも相当問題があるのではないか。 なお、現実の問題といたしましてそういうふうな指定のことができました場合には、その間当分の間は土地の取引をストップするわけでございます。私どもそういう現象的な面から見ましても、最近の土地の値上がりの主な原因というのを需給の不均衡というふうにとらえている限りにおきまして、やはり供給がとまってしまうという点につきましてはかえって現象的にもよろしくないのではないか、立法的にも若干問題があるように私ども考えております。現象的に見ましてもどうもかえってよくない。投機というふうなものがあった場合には断固やるべきであるけれども、それ以外の場合はやるべきでないというふうに思っているのが現状でございます。
○赤桐操君 そうすると、投機以外の理由によって上がっていく場合にはいたし方がない、政府は諸対策の講じようがない、こういうことになるのですか。
○政府委員(山岡一男君) 私ども大体地価の値上がりのパターンの原因として三つ考えております。 一つは、効用増に基づくものでございます。たとえば地下鉄の駅ができた、それから大きい道ができた、そのために山奥のところと比べて品位、品質等が上がった、そのために駅前の土地が高い、これはある程度やむを得ないのではなかろうかというふうに思っております。 それから、もう一つの原因が四十七、八年に横行いたしましたような投機的な土地取引でございます。これはやはり将来の値上がり益を楽しむ、素地を回してその間に利益差をもうけるというきわめて反社会的な取引でございまして、そういうものが原因で四十七年、四十八年には本当に土地の値段が一億総不動産屋と言われましたけれども、日本じゅうの値段が上がりました。したがって、そういうようなものにつきましてはやはり投機を抑制する必要がある。これにつきましてはいろいろな対策が考えられ、また考えております。一つは国土利用計画法の的確な運用でございます。一つは各種税制による抑制でございます。もう一つは大蔵省等が行っております融資の抑制でございます。そういうものによりましてそういう制度が実を結んでおりまして、現在投機は影をひそめているというふうに私ども思っておるわけでございます。 残る一つは、やはり需要に対して供給が少ないという点でございます。需要と申しますか、私どもの所管さしていただいております。国土庁の所管する三全総によりましても、大体毎年度一万三千ヘクタールぐらいの宅地の供給を期待しておるわけでございますけれども、最近の経済情勢その他の中で現在では一万ヘクタールを切る供給という現状でございます。したがいまして、そういうふうなところにどうしても需給のギャップが生じていると私ども思っております。先生おっしゃっていますとおり、そういうのは特に大都市圏で起こっているというふうに見ております。 そういう場合に、それでは大都市圏では何をやったらいいのかということでございますけれども、一つは再開発の促進、一つは遊休地の活用、残り一つは農地の活用というふうに私ども考えております。したがいまして、今後御審議願うわけでございますけれども、農住組合法案なども考えたわけでございます。同時に遊休地等につきましては国土法の中の範疇でございます遊休土地制度を完全に活用する。現在総点検をやっております。再開発法につきましては、御案内のとおり前国会で改正がなされまして、建設省の方でずいぶん努力なさっておるということでございます。 われわれ若干、確かに土地につきましては右から左にぱっと供給できないといううらみがございますけれども、あらゆる施策を集中しながら宅地の供給を促進していくということが目下の急務であろうというふうに思っているわけでございます。何にもやらないということではなくて、そういうふうな供給促進のために税制も含めまして総合的な対策を十分講じていく必要がある、またそういうふうに努力をしなければならないと考えておるわけでございます。
○赤桐操君 そのことは前からずっと言われていることでありまして、そういう上に立って出てきた現象でありますから、したがって、私はそれを踏まえて何らかの思い切った対策をとらなければならないだろう、そういうように実はいま指摘しているわけであります。 次に伺いたいことは、公示価格の問題でありますが、予算委員会でもわが党の和田委員からもこの点について質問をいたしておりますが、公示価格というものが設定をされておるわけでありますけれども、この問題は実勢価格との関係というものは正直申し上げて余りないように思うのです。そこで、公示価格が土地価格の規制に今日役立っていないんじゃないか、そういうふうに思うのでありますが、この点についてはどうですか。
○政府委員(山岡一男君) 実情から先に申し上げますと、実際に行われております土地取引の価格が当事者の特殊な動機等に左右をされまして、本来の経済価値を超えて推移するということもある場合は当然あるわけでございます。現在もそういうふうないわゆる実勢価格というものが行われておることもある程度事実でございます。しかしながら、地価公示の目的と申しますか、地価公示につきましては、そういうふうな店頭価格で買い急ぎ、売り急ぎの中で進むというふうな取引に対して指標を与えるというのがむしろ地価公示の本来の目的でございまして、店頭価格等とは多少差があるというのが本来の性格でございます。 地価公示につきましては、独立性を有しております土地鑑定委員会——七人の先生から成っておりまして、国会承認の人事でございます——の方々のところにおきまして、売り手にも買い手にも偏らない標準地の正常な価格ということで、不動産鑑定士等の評価を求めまして、その結果を審査、評価をして調整されて判定されて発表されるというものでございます。鑑定士の鑑定に当たりましても、従来の取引の後追いということでなくて、いわゆる取引事例法というのも大いに活用いたします。前の取引件数を何万件も資料として取り寄せることは当然でございます。それと同時に、造成原価法、収益還元法等々の鑑定士法の中で、そういう売り手にも買い手にも偏らない値段を出しておるということでございます。 地価公示におきまして正常な価格を公示するということにつきましては、土地所有者等に対しまして適正な地価水準の認識を深めていただき、正常な価格を上回る土地取引を防止するという意味が一つあるわけでございますけれども、適正な価格による宅地供給の促進等にも大いに資するものだと思っておりますが、その点につきましてまだ不徹底の点がある点はございます。したがいまして、そういう点につきまして本来の地価公示の効用を発揮するように私どももっとPRその他に努めてまいりたいと思っております。
○赤桐操君 取引価格と公示価格の間の差というものに対しても、何らかの対策をとるということが行われれば、私は公示価格というのは大きな影響を持つようになると思う。それから同時にまた、公示価格が市場価格に連動しないような方式をやはり考えなければならない。具体的に一つ例を申し上げるというと、団地ができますね。隣の森林はその団地の相場に近い相場になってしまう。そういうところは公示価格も率直に申し上げて上がっていますよ。ずっと私も追跡調査をしてみておりますが、上がっておるんです。公示価格の拠点の設定が次々と動いていますから、一般にはわかりませんが、現実にある一点を追及していくとそういう現象になっております。 したがって、私は、これからの造成開発その他についてはすべて従来、監督官庁に届け出して許可をもらっているわけですから、その監督の中で行われてきているわけでありますから、結末について、造成原価から一切のものを報告をしたらどうかと思うのです。そしてその中に関連公共費が幾らあるんだ、金利が幾ら含まれているんだ、関連公共費の金利も幾らなんだ、こういうことも全部出てくると思うのです。そうしたものがいわゆるその土地価格としてその中に算入されないような、そういう対策というものを厳正に行っていったならばどうなんだろうか、こういうことを私どもは実は考えております。もう一歩突っ込んだ、公示価格の問題についてのあるいは本当に権威ある公示価格にするような方策を考えるべきじゃないかと思うのですが、この点については何らかの対策は持っておられませんか。
○政府委員(山岡一男君) やはり鑑定評価につきましては、土地鑑定委員会が鑑定評価基準というのを出しておられます。その鑑定評価基準というものの中で、そういう先生がおっしゃいましたようないろんな事例につきまして、もうケースの多くなったものにつきまして順番に議論をしながら基準を固めていっている。鑑定の基準というものは非常に多いものでございますから、ケース・バイ・ケースのものも取り上げまして、そういう方々でも同じような考え方で鑑定できるようにというふうな基準の作成というものが行われてまいっております。その中で、そういう点につきましては十分今後においても議論がなされるだろうと思っております。 ただ問題は、むしろ公示価格というものはやはり物差しでございまして、いわゆるマル公ではないわけでございます。ここに十五万円の地価公示がある、そうしますとそれと比べまして駅の方はもっと高い、遠いところはもっと安いというふうに、それを物差しといたしましていわゆる基準といたしまして、その結果で決まったのが地価公示の価格でございます。したがいまして、そういうふうな地価公示そのものが決してマル公ではなくて、そういう物差しだという点についての使用方法等についてもっともっとPRしなきゃならないなというふうに思っております。 なお、それを使います際に、たとえば国土利用計画法等の価格審査に当たりましては、そういう地価公示の規準価格をもとにいたしまして審査いたすわけでございますが、いま先生のおっしゃいました公共公益施設等の負担金につきまして、これも多年議論があったところでございますが、いろいろと議論がございまして、結局当該造成宅地の効用増につながるもの、それ以外のものでやはりいろいろと負担させられているものがある、そういうものは峻別をいたしまして、あくまでもその団地の効用増のために要した関公の負担金みたいなものは、現実の問題としてはそういうふうな規準価格の中で実際の実情としては見てもいいんだというふうな取り扱いを現在いたしておるわけでございます。
○赤桐操君 この問題については、大分いろいろ議論のあるところでありまするし、もう少し私も問題提起をしたい点もありますが、時間の関係がありますので先へ進みたいと思います。 関連公共施設の点について、最後に一つ伺っておきたいと思うのでありますが、宅地開発に伴う関連公共公益施設整備についての質問をちょっといたしたいと思いますが、これは三年ほど前に予算がついて、今日九百億になっておると思うのでありますが、この関連公共公益施設の整備についてのこれからの問題を伺う前に、いままでのやってきた経過の中でどういう成果があったか、それらを中心とした実施の状況について伺っておきたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) お答えいたします。 住宅宅地関連公共施設整備促進事業——関公促進事業と呼んでおりますけれども、これにつきましては、ただいまお話がございましたように昭和五十三年度から発足いたしました制度でございます。先ほど来お話が出ておりますように、住宅団地につきまして地方公共団体が非常に財政負担が重くなりましていろいろ問題がございます。その解決策の一つといたしまして、五十三年度から新しく発足いたしました制度でございまして、五十三年度におきましては国費三百五十億円、事業費五百八十九億円、五十四年度では国費が六百億円で事業費が一千九億円、五十五年度は国費が九百億円で事業費が一千四百九十六億円で実施をいたしているところでございます。 この実施につきましては、地方公共団体から要望があったもののうち、良好な住宅宅地の供給促進に効果のある事業につきまして、事業実施の緊急性あるいは計画の熟度等を勘案いたしまして公的な開発並びに民間開発に関連いたします施設整備費を補助いたしております。 施設別に見てみますと、道路に五十五年度におきましては五百八十六億円、下水道に九十三億円、河川に二百二十七億円、合計九百億円という国費を配分し整備を実施しているところでございます。
○赤桐操君 そこで一つ伺いたいと思うんですが、この予算は毎年三百億ぐらいずつ増大をしてきておりますけれども、これからの見込みはいかがですか、五十六年度は。
○政府委員(宮繁護君) いままではお話がございましたように大変な伸び率で伸びてまいりました。しかし一方、御承知のとおり国の財政事情は大変厳しい現況でございます。予算の要求に対しましてもいわゆるシーリングというようなことで抑えられておりまして、建設省の場合公共事業は七・五%というようなことでございますけれども、来年度におきましても九百億を一千億にふやしたい。なお、そのほかに用地の取得に伴います債務保証、これを百億枠をとりまして一千百億円で何とかこの公共施設の整備の促進を図ってまいりたいと考えております。
○赤桐操君 私は、実は正直申し上げてこれは一けた少なかったんじゃないかと思っているんです。本来この種のものに投じていくべきものというのはちょっと零が足らなかったんじゃないかと思う。最初私はそういうふうに印象を持ったんです。三千億じゃないのかと言ったら、いや三百億だと言うので、間違いじゃないかと言ったら、いやそのとおりだと、こう言うのですね。見たらやっぱり三百億だった。どだい最初から少しそれは少な過ぎたんじゃないのですか。要するに、それにしても何にしても一定のそういう予算がついたということで建設省側も大変真剣に取り組まれてきたわけでありますから、それはそれでよろしいんでありますが、五十六年度で少し足踏みが始まっておるという状況でありますが、こういうものこそ伸ばしていかなきゃならないのじゃないんですか。住宅建設を促進し、あるいは五十六年度以降行われまする第四期の五カ年計画を推進していくためには、まず私はこうしたものから始まっていかなければ解決がつかないんじゃないかと思う。 先ほどの局長の御答弁にもあったように、土地が高くなったということと関公費の問題と、地元の協力の問題が大きな原因で公的建設ができなかったんだと、こう言っているんですから、それを解決するのにはこうしたものを増大させる以外に私は手がないと思う。それがどうも五十五年度で足踏みしているということであってはこれは問題にならないというふうに実は考えるわけであります。したがって、予算編成に当たっては、そうした面について建設省は本気になって取り組んでいただきたい、このことをひとつ要望しておきたいと思います。 そこで、時間の関係がありますので一つ最後に伺っておきたいんですが、千葉の柏に日本住宅公団の手によって六百区画の宅地分譲が間もなく行われることになっております。これは大々的に報道がなされまして反響をかなり呼んでいるようでございますが、この内容について少し伺いたいと思います。
○参考人(澤田悌君) いまお尋ねの北柏地区、これは御承知のように常磐線の北柏駅の近くでございまして、都心から北東へ約三十キロメートルに位置しておる地区でございまして、住宅公団が土地区画整理事業によりまして面積約百十ヘクタール、計画人口約二万人の新しい住宅地として開発した地区でございます。大分長く時間がかかりましたが、先月ようやく竣工式にこぎつけました。いま御指摘のように、近く宅地分譲の募集が行われるというところへ参ったわけでございまして、十一月末ごろを予定しております募集計画は、三百二十宅地、約八万平方メートルでございます。価格等まだ最後の詰めをいたしておりませんけれども、平方メートル当たり平均で八万円見当になろうかというようなところでございまして、これから具体的な分譲計画、それから全体の町づくりに努力してまいりたいと考えておる地区でございます。
○赤桐操君 坪単価二十六、七万から三十万ということで、大分値段としてはいいようであります。この辺ではそのくらいになってしまうんだろうと思いますが、この造成内容について、原価について実は伺いたいと思うんです。 これは村上団地をつくられたときにかつて私は予算委員会でその造成原価についての質問をいたしまして、公開をしていただきました。今回もひとつこの柏の団地、幸いにしてこの六百区画が土地の販売でありまするから、土地の坪単価はどのくらいの内容を盛り込んでおるものか、それによってこれからのいろいろ問題点もひとつ整理してみたいと思うんですが、内容についてお伺いいたしたいと思いますが、いかがですか。
○参考人(澤田悌君) 担当の理事からお答えを申し上げたいと思います。
○参考人(櫟原利嗣君) お答え申し上げます。 この北柏地区は先ほど総裁から申し上げましたように、健全かつ快適な居住環境を備えた新しい住宅市街地の建設というものを目標といたしまして、土地区画整理事業というもので実施をいたしたものでございます。そしてその宅地分譲、いま申し上げましたように近く公募いたす予定でございますけれども、大体造成原価というものにつきましてはまだ最終的に詰めをやっておるという段階でございますので、その精査をこれからいたすという状況でございますけれども、おおむね平方メートル当たり八万円前後になろうかというふうに考えております。 それから、なお具体の問題につきまして、内訳等についてでございますが、この北柏地区は先ほど申し上げましたように土地区画整理事業を行っておりますので、その区画整理事業の総事業費といたしましては、先に竣工式の際にこういったようなパンフレットを関係の皆様方に御配付申し上げたところでございますが、その総事業費としては約百二十五億円でございます。その中で先ほど来から再々お話の出ております関連公共公益施設の整備にかかる費用、これが総額で約六十二億円でございます。その全体の事業費の中に占める割合は四九%とかなり高いものになっております。それから次に、建設利息についてでございますが、これが約二十七億円でございまして、約二二%でございます。それから事務費が約九億円で七%といったような状況になっております。
○赤桐操君 この最終の経理はもうちょっとたたないと具体的に出ないわけですね。出ました後で結構ですから、私の方に資料としていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。——この中でも出ておりまするように、区画整理事業というのは大体関公費は非常に安く上がるようになっていますね。一般の市町村団体を経て県の開発申請を行い、そういう中で行われている造成というものは今日この比ではないんです。大体六〇%ぐらいになっている。ですから、関公費の占めておる比重というのは大変なものになっているわけです。そういう状況の中でそれが販売されていく。したがって、言ってみれば、道路やあるいはまた各種公共施設が坪単価の中に全部含まれて販売されているわけでありますから、これは大変なものになる。それが受益者負担としてほとんど全部入居者にかかっている、買った人のところへ全部かかっていく、こういう状況であります。これではどんなことをしても私は土地の問題は解決できないと思うんです。住宅政策上の土地としては。 したがって、この生活道路や公園や学校や、最近は学校の建物まで市町村団体では要求をしている地域もたくさんございます。しかも、その造成されておるエリア以外のところの学校の施設まで、中学校舎の建設費まで要求するところもある。こういうところまで来ているんです。市町村の団体の立場からすれば、もうやむを得ないことであるようでありまして、それほど実は地方自治体にはしわ寄せがいっておるわけです。したがって、私はこの事実を見ても、四九%というと五〇%ですからね、この種の事業で五〇%。したがって、一般の申請によって行われる場合においては、これは恐らく六〇%を超える場合があるだろうというふうに判断されます。したがいまして、いま前段でお伺いいたしました関連公共公益施設費の整備の点でかなりいろいろの努力をしてきたわけでありますが、さらにこれをもっと拡大されまして、いわゆる関公費を大幅にひとつ対策をとる、こういう方向でいかなければ私はまず住宅問題の一つの解決はできないと思うんです。土地については、山岡局長からの話によれば、バンザイだということでありますが、これはもう一歩進めた対策が必要だと思います。 それから、関公費については、いまお話があったような程度であってはこれは話にならないんでありまして、少なくとも公団あるいはこういう公的機関が行う開発に対しては全面的に国が背負う、こういう対策をとるべきだと思うんです。民間の自力建設は直ちにというわけにはいかないでしょうから、それも当然含めるべきだと思いますが、徐々にそれは行うといたしましても、当面まず少なくとも、公的機関が行うところの施策に対しましては全面的にこれらの関連公共公益施設に対しては国が背負うという施策をとるべきだと思うんです。予算措置その他につきましても、これは私は財源を探せばあると思うのです。あるいはまた、こうしたものは直ちに減価償却に入っていく必要はないものでありまするからして、長い年月で国がこれを措置していけばよろしいわけでありますから、何らかの形でこれを置きかえていく方法だってあり得ると思うのです。 最近、私はこの種業界の代表の方々といろいろお会いした中で提言を受けておりますが、私どもは十年という年限程度であるならば地方債をお引き受けしても結構でございます。それによって少なくとも団地造成の中における関公費についてはひとつ何らかの形で、そういう形で置きかえていただきたい、そうすればよほど低廉なものになるでしょう、こういうことを具体的に数字で示している代表も大分出てきておるんです。やはり民間のそういう業界の代表の人たちがもうすでにそこまで考えておるんです。地方自治体にしわ寄せしておったってできないことはできないんだと。だから、十年後になれば当然これは税金も上がってくるし、その町も安定するだろう、したがってその後で上がってくる程金の中から返済していただければ結構です。こういう言い方なんですね。これはもう少し国が考えれば、少なくともこれに回すくらいの資金はあると思うんです。何らかの方法で考えるならば。そういう資金を少なくとも地方に回し、そしてこの種の関公費に充てていくという考え方ぐらいは持てないものだろうかと思うんですが、いかがでございますか。
○政府委員(宮繁護君) 関公の事業費につきましては、先ほど来話が出ております九百億というのは特別枠の助成費でございますけれども、そのほか本来建設省で公共事業を進めておりますけれども、これが五十五年度では大体三千億強が団地関連の公共事業の補助金として配分されております。五十五年度におきましては、通常の公共事業費の伸び率はゼロでございましたけれども、団地関連は五%ぐらいの伸び率で配付いたしております。しかし、先ほどお話がございましたように、宅地の団地を造成いたします場合に、本来の造成費の比重よりも公共公益施設を整備する金の比率が高いのはもうおっしゃるとおりでございます。そういう意味で、われわれもこれからも一般の公共事業投資もふやしていかなければなりませんし、この関公の特別事業もふやしていかなければいけないと思っております。これには最大限の努力をしたいと考えております。 それから、御提案のございました業者が起債を引き受けまして、それで地方公共団体が学校等をつくる、これも非常に重要な提案でございます。現在、ややこれに似た制度では、業者や公団が学校をつくりまして、立てかえて施行いたしまして、これを長期の割賦で公共団体にお引き取りを願うという制度もございます。しかし、いま御提案のような制度につきましてもこれから十分勉強をしてみたいと考えております。
○赤桐操君 誤解されるといけませんから申し上げておきますが、私はそういう提案をしたのじゃないんです。こういう話もありますよ、だけれども、それはむしろ業者に任せるべきではなくて国がそれに対しては予算措置をすべきではないか、こういうことで申し上げておりますから誤解のないように願いたいと思います。具体的に予算措置その他についてはあると思うのですよ。一時、金を置きかえるならば、資金運用部資金の金がいまいろいろ使い道でもって問題が出ておるのですね。こういう金こそ私は地方へ回すべきだと思うのです。九十兆円から百兆円になる。したがって、そういう使うべき金はあるし、回すべき金もあると思うのです。実はそういう観点に立って、少なくともこれはもう一歩突っ込んだ検討をなさるべきではないだろうかというふうに申し上げて終わりたいと思います。 質問を終わります。
○委員長(宮之原貞光君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時八分休憩 —————・————— 午後一時五分開会
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○坂野重信君 建設大臣のお話を先ほどお伺いいたしましたが、それに関連いたしまして、釈迦に説法でございますが、自分の所見を述べながら大臣の基本的な所信なりお考えにつきまして二、三お伺いいたしたいと思います。 まず、公共事業の目的、役割りというような問題に関連いたしまして、私は、公共事業というのは本来国政の基本であり、社会資本の充実というものを目的としたものであって、産業の基盤づくりという一面と、もう一つは国民生活環境整備、いわば社会福祉的な二つの側面があると思います。したがって、公共事業を経済運営の関連だけで議論するのはどうかと思うわけでございまして、振り返って、私どもは確かに高度経済成長時代には、バスに乗りおくれてはならないという配慮もありまして、公共事業の経済効果というものを余りにも強調し過ぎた面もあるんじゃないかということを自分ながら反省しているわけでございますが、昨今公共事業といえども景気対策の手段と考えがちである。まことにこれは残念でございまして、本来の目的と手段というものを混同している面があるんじゃないかと思うわけでございます。もちろん公共事業を実行するに当たっては、国の財政事情というものは配慮しなければならぬわけでございますが、公共事業というものを景気の動向にかかわらず、やはり一定のペースで計画的に推進すべきであろう。これは当然のことと思いますけれども、改めて建設大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 公共事業は、先生御指摘のように、本来国の社会的資本を充実することを目的といたしたものであります。したがって、景気の動向等にかかわらず、これは継続的に長期的に計画的にやるべきものである。特に公共事業は社会環境整備、私は一般に広義の福祉だというようにも考えておる者の一人であります。特に戦後の日本、この社会環境、社会資本の整備ということにつきましては、いろんな面でまだアンバランスが行われておりますだけに、御指摘のような景気の動向にかかわらずやるべきものであるということがまず基本であります。 ただ、たまたまオイルショック等々で景気環境の変化に伴う刺激策としての一つの便法として考えられ、公共事業というものが直接的に景気の刺激策になっていることは否めない事実ではありますけれども、それはそれとして、基本的に社会資本の充実というものを考えるべきものが公共事業である、私はこのように考えているわけであります。毎年毎年いろいろと公共事業についての考え方が示されているわけでありますけれども、とにもかくにも戦後の日本の社会環境整備の基本の問題として公共事業は一つの柱としてこれからも考えて進めていきたい、このように考えているものであります。
○坂野重信君 公共事業の進捗率といいますか、社会資本の整備率は御案内のとおりに、欧米諸国に比べてまだまだ低水準にあるのは事実でございます。それにもかかわらず、最近どうも世間で公共事業、特に道路等については相当道路整備が進んできたじゃないか、国家財政が相当厳しくなったこういう中で道路もこう進んできたから、この辺でスローダウンしてもいいじゃないかというのが、マスコミの皆さんの一部、あるいは相当な有識者の中でももう公然といま皆さんの口に上るようになってきておる。大蔵省は大蔵省で、公共事業を直接には指していないようでございますが、いわゆるゼロリストのようなものによって明年度予算をひとつ大いに抑えようというムードづくりというものを始めておる。 そういう中でこれは非常にむずかしい問題ですけれども、建設省としては建設白書なりいろんなパンフレットというものを出して、そして世論に訴えてはおられますけれども、どうもなかなかその辺の問題が不徹底な向きがあるし、これはもう与党たるわれわれにも責任があるわけですけれども、その辺のところを今後本当に国民の皆さんにわかりやすくわかっていただけるようなPRといいますか、その辺が本当に具体的にまだまだ政府として必要じゃないかと思うわけでございますが、その辺の問題についての大臣の考え方、また当局として具体的にどういう手を打っておられるのか、改めてその辺をお伺いいたしたい。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 社会資本の充実についての基本的な考え方を先ほど申し上げ、なお関連して道路等々についての先生の御意見を伺ったわけであります。全く先生のお考えどおりでありまして、たとえば道路問題にいたしましても昨今非常に整備されておる、整備されておるといいますけれども、一番地方で要望のあるのは地方道でございます。一口に日本の国の道路百十万キロと言われておりますけれども、整備されていると言われる国道、これは三万八千キロしかないんです。三万八千キロの国道そのものの舗装が大体八二%というような状況で、百十万キロの中の国道三万八千キロの中の八〇%が舗装ということを考えても、それをもって道路はもう一応整備がなされているというような考え方については、私たちはいささかいかがなものであろうかと思います。地方の幹線道路にいたしましても約十三万キロあるわけでありますが、これとても舗装率は本舗装にいたしまして四七%程度であります。過密都市、都市化の中の道路を見て整備されているようにお考え違いされているんではなかろうかというほど道路についての御認識は改めていただきたい、私はこのように考えているものであります。 特に地方は、道路が動脈——生活関連道路として大変必要欠くべからざるものであります。その通勤、通学で日常に使われておる生活関連道路でさえも大型自動車、バス等がすれ違えないという道路が半分以上あるというような現状をよく私たちは知らなければならないのではなかろうかと思います。 道路にあわせて、下水道の問題にいたしましても、まだまだ、今度の五カ年計画が達成していく過程においてようやく現状の二八%から三〇、四〇、五〇というものを目標にしておるわけで、何とかこうしたことについて一般的な認識と、特に財政事情は非常にいま厳しい事情でありますだけに財政当局にもぜひ再認識、再確認、再考をひとつお願いをいたしておるわけであります。 なお、御進言いただきましたPR活動につきましても、遺漏のないようにそれぞれの機関を通じ、また機会を持ってやっておるわけでありますけれども、PR関係につきましては、具体的なことにつきましては政府委員からお答えさせていただきたいと思います。
○政府委員(丸山良仁君) 建設省が所管しております社会資本の整備の必要性につきましては、機会あるごとに国民の御理解をいただくよう努めておるところでございます。 具体的に申し上げますと、本日もここに建設省の担当の記者クラブの方々がお見えになっておられますが、この記者クラブの方々に建設省の行っております行政であるとか、あるいは整備水準の問題であるとか、あるいは国際比較の問題であるとか、そのようなことをいろいろと御説明をいたしまして御理解をいただくように努めております。また、各社の論説委員の方々につきましては定例的に会合を持っていただきまして、建設行政につきましていろいろと理解を深めていただくように努めております。 そのほか、いま先生からお話のございましたように、定期的に建設白書を出すとか、あるいは建設月報を発行するとかいうようなことをしておりますほか、たとえば「道路のはなし」とか「下水道のはなし」、あるいは「21世紀の河川」というような中学生、高校生向きのパンフレットも大量に印刷いたしまして配布して、若いうちから公共施設の整備の重要性を認識してもらうというようなことにも努めているわけでございます。また、テレビ等への出演も積極的に行うようにしてPRに努めているほか、いまお話のございました、有識者でたとえば道路はもうすでによろしいんではないかと言っておられるような評論家の方あるいは学者の方等につきましては、個別に訪問いたしましてよく御説明をして、御理解を賜るというような手段も講じているわけでございます。 しかしながら、何分にも建設省はPRが下手でございまして、いろいろ工夫はこらしておるんでございますが、なかなか思うようにいかないというのが現状でございまして、これからも記者クラブの皆さん方のお知恵を拝借するとか、あるいは有識者の皆様方のお知恵を拝借するような方法を講じましてなお一層PRに努めまして、国民の理解と協力を得たいと考えておる次第でございます。
○坂野重信君 非常に努力されておりますし、これからもひとつまた大臣以下これはがんばっていただきたいと思います。 私どもは地方を回りましていろんな陳情を受けるわけです。政府当局と同時にわれわれ与党も受けておるわけですが、その中の件数からいっても公共事業の件数というものは非常に多い。数年前に比べて決して減っておりません。しかも、特に道路の地方道の問題等についてはかなり厳しい、本当に腹の底から必要性というものを地域の皆さんは訴えておられる。その辺は東京や大阪の大都市に住まっておって、余り地方に出られない方が案外認識がないんじゃないかという気がしてならないわけでございますが、その辺を踏まえてぜひがんばっていただきたいと思います。 そこで、道路財源問題、もうこれはどちらかというと政府部内の問題かもしれませんが、世上、聞くところによりますと、どうも重量税を現在二割までは一般財源に使われておりますけれども、全面的に一般財源化しようというような考え方が一部で議論されているようでございますが、大蔵省は大蔵省で一方ではこういう財政事情の厳しい時期だから、極力各事業ごとに受益者負担を強化しようという方針を打ち出しております。そういう立場から言うと、道路というのはもう申し上げるまでもなく先取り的に受益者負担の方式というものを採用して今日まで道路整備に至ってきた、それをいまになってそういう方針を逆に後ろ向きに変更するということがあるとすれば、これはまことに不可解な話で納得できないわけでございます。 私は、自動車重量税というようなものに手をつけるよりは、むしろ公共事業はもちろんでございますが、全般についての受益者負担、事業ごとの見直しというものを前向きに行って、建設省関係でもいろんな都市問題、治山治水にしましても、あるいは街路問題にしても、やはりそういった受益者負担、財源問題というものをこの辺で見直ししなければならない時期に来ているような気がするわけでございますが、そういうことで当面道路だけに着目してこれを重点としていじるというようなことは納得できないわけでございます。もしそういうことを財政当局が考えているとすれば、これは絶対やめさすべきだと思うわけでございますが、これに対する建設大臣の決意のほどをひとつお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 坂野先生のおっしゃるように、自動車重量税は第六次道路整備五カ年計画の財源不足の問題として、これを端緒に道路整備の財源に充てることを主たる目的として創設されたものであります。先ほど申し上げましたように、道路についての整備、舗装率というものははなはだもって寒心すべきものがある。要するに、心寒くするようなまだ状態でありますだけに、いまの財政事情に絡み合わせて、関連してこれに手をつけるということについてはいかがなものであろう、なじまないんじゃなかろうか、むしろ財政事情が逼迫し、困難であればあるほど当時の目的財源であった創設時代にさかのぼって、かえってこの受益者、原因者負担の財源には手をつけるべきでないというふうに私は考えているものであります。したがって、いろいろと因難な事情があろうかと思いますけれども、この財源確保につきましてはなお一層努力してまいる所存でございます。
○坂野重信君 時間の関係もございますので、話を変えまして、業界対策について若干当局にお尋ねいたしたいと思います。 まず、建設業者の倒産が非常に最近ふえている、建設不況というものが最近まで叫ばれておったわけでございますが、この現況と今後の見通しということについてひとつ簡単にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(宮繁護君) お答えいたします。 お話のように、建設業者の倒産数が大変増化してまいっております。これは公共事業等の執行が抑制的に行われたこと、また民間住宅を初め民間の建設活動も停滞をしておること、こういった原因によると思います。そのために建設工事の受注額が停滞しておりまして倒産が増加する傾向が見られます。 民間の調査機関の調査によりますと、九月では四百八十件、前年同月比で二六・三%増というふうなことになっております。特に五十五年の一月から九月までの間を見ましても、前年の同期に比べまして件数で約一四%、負債金額で約二三%増加いたしておりまして、しかも資本金が一億円以上の中堅企業が昭和五十二年は九件倒産ございましたが、本年は九月までにすでに七件というような状況でございます。本年末までにはこれまで倒産の数が最も多かった昭和五十二年、これは五千件以上でございましたけれども、それに匹敵するような状況になるのではないかということをおそれておるわけでございます。 今後におきましても建設投資の大幅な伸びは期待できません。五十五年度は私どもは建設投資額が約五十二兆円弱だと考えております。これは前年に比べまして八・五%の伸びでございますけれども、これが果たして維持できるかどうかという点も危惧するところでございます。こういうような意味合いで、建設業を取り巻く経営の環境は非常にこれからも厳しいものがあろうかと考えております。
○坂野重信君 そこで、建設省はもちろん公共事業の七割を担当されているわけですが、業界対策というのは建設省が当然窓口としての責任を持っているわけですから、公共事業はもちろん民間の事業についての建設業の実態というものを常に建設省こそが把握しておりませんと、経済官庁の経済企画庁や大蔵省にミクロ的なことをやれと言ってもこれは無理でございますから、その辺のところを踏まえてひとつ建設省としての把握の仕方に対する今後の考え方、たとえば一つ例を申し上げますと、建設物価版というのがありますね、私もあちこち回ってみるとどうもこの建設物価調査会は相当努力されて調査されているけれども、必ずしも建設物価の実態は合ってない。中には、何かもう安く計上した方がその調査員の成績がかえってよくなるんだというような錯覚までどうも持ちながら調査しているという面も出ておるようですから、その辺を踏まえて今後の建設業の労務、資材等を含めた官民を通じての建設業の実態の把握というものについての建設省の今後の進め方ということについてお答え願いたい。
○政府委員(宮繁護君) ただいまお話がございましたように、建設省は二つの役割りを果たしておるわけでございまして、一つは建設業行政の所管官庁、もう一つは公共事業執行の中心的な役割りを果たしております。そういう二つの立場から従来も所管の公共事業の執行状況を直接把握いたしますほか、他省庁等の公共事業につきましてもブロックごとに発注計画の把握等に努めておりまして、また官需、民需の両面にわたる建設投資額あるいは労働、資材の動向、需給の動向、価格の動向について調査を行ってまいっております。 調査の内容をちょっと申し上げますと、所管の公共事業等の契約状況、それからすべての公共工事の着工の統計、それから官民の建設工事の受注統計、官民の建築着工統計、それから民間の土木着工統計、さらには建設資材の価格動向、これはモニターによる調査でございますけれども、そういうものをやっておりますが、今後ともこういう調査統計並びにその活用によります実情の把握、適切な対策に一段と努力をいたしてまいりたいと考えております。 また、御指摘がございました物価調査会の単価の問題でございますが、これは建設物価版という資料集がございまして、官公庁とか事業会社における予算の計画、積算、資材の調達、審査、管理のためいわば客観的な判断資料を提供することを目的といたしております。その調査対象者の抽出あるいは調査の時系列のとり方、こういうものをいろいろ、むずかしい問題もございますけれども、ただいまお話しのような点につきましても客観的にいい調査ができますように十分指導していく。同時にこの調査の持ちます限界もございますので、どういうやり方でどういう趣旨に基づいて調査しておるかというようなことを十分御利用者にも理解していただく、こういうことをさらに一層努力をさせまして、客観的ないい調査ができますように努力をしていきたいと考えております。
○坂野重信君 ひとつがんばっていただきたいと思います。 そこで、建設業は他産業と同様にこれから特にこういう厳しい時代になってまいりますというと、量から質への転換というものが必然的な方向だと思います。そこで、それには一方では適正な発注単価というものを考えてやりませんといい仕事ができない。業者にいたずらに負担をかけるということ、業者をもうけさすという意味じゃなくて公共事業のいい仕事を、成果というものを上げていかなきゃいけない、そういう立場ではこの発注単価が適正でなければいかぬ。それに関連して非常に近ごろは利益率というものが低下しているということが指摘されております。先日の新聞にも出ておりましたが、日本建設業経営協会等の指摘でも、純利益率がもう昨年に比べて約一%以上下がっているということが指摘されております。 そこで、利益率は幾らが妥当であるというようなことを建設省は一体検討されたことがあるか、もし差し支えなければその辺の考え方をひとつ簡明にお答えいただきたいということと、発注単価の問題については、どうも公共事業と民間事業の差異もやむを得ないと思いますけれども、公共事業についても各省庁の発注単価というものがまちまちである。たとえばこれは農林省さん、別に悪いということを言っておるわけじゃないんですが、建設省の発注の工事に比べて、農林省の土地改良等の事業で一部単価が低過ぎるんじゃないかというようなこともちょっと耳にしている面もございます。土木がそうでございます。建築についてはいま建設省が中心になって全国統一積算基準というものをつくっているようでございますが、これはぜひともひとつ今年度中に作業を終えて明年度から新しい基準を採択するように持っていっていただきたい。それをぜひお願いいたしたいと思います。 時間がありませんので続いて質問を申し上げますが、もう一つ大事なことは、今度は業界自体が自主的な努力によって施工体制の整備、体質改善というものを行っていかなければならない。これについては役所側としても当然これは行政指導というものが必要である。ところが最近では、どうもこの登録業者の数が安易にふえ過ぎているということが強くあちこちで指摘されておりまして、中には工事の施工能力の疑わしいものまでもあるというのが現状ではないかと思われるわけでございますが、この辺の問題について業法改正の問題もかねて議論をされておりますが、そういう法律制度の問題を含めて建設省の方針等についてもひとつお伺いいたしたい。 ちょっとまとめて質問いたしてわかりにくいと思いますが、時間の関係もありますので、ひとつ簡明にお答えを願いたいと思います。
○政府委員(丸山良仁君) 前段の部分につきまして私からお答え申し上げます。 まず、各省庁で発注単価がばらばらではないかという御意見でございますが、確かに同じ公共事業を発注する場合に、工事内容とか工事現場の条件というものが同じようなものについてばらつきがあるのはおかしいと考えているわけでございます。したがいまして、建設省といたしましては、積算の仕組みや経費構成の考え方等につきましては、建設、農林水産、運輸の三省が中心となりまして積算研究委員会というものを設けまして、相互に調整しているところでございます。また労務賃金につきましては、前三省が中心となりまして統一的賃金を用いているところでございます。それから主要な建設資材価格等につきましては、関係各省、公団等を含めました公共事業施行対策地方協議会というものがございますが、ここで相互に連絡をとり合っているわけでございますが、今後とも先生の御指摘のようなことのないように各省間の連絡を密にしてまいりたいと考えているわけでございます。 それから次に、建築単価の問題でございますが、建設省の官庁営繕工事につきましては、従来から統一的な基準、標準等に基づきまして各地の資材、労務の実勢価格を把握する等適正な価格の算出に努めているところでございますが、最近の経済情勢の変化あるいは技術革新などに適応するようにいろいろと積算を行う必要がございますので、現在建築工事費の調査分析を行っておりまして、その成果を積算に反映させていく方針でございますが、いままでのところ現場経費と共通仮設費につきまして一応の結論を得ておりますので、本年度内にこれを適用いたしたいと考えているわけでございます。なお、この成果につきましては、国及び地方公共団体等の発注機関の積算の合理化を図るために設置いたしました公共建築工事積算研究会というものがございますが、これは十三機関で構成しておりますけれども、ここに周知するのはもちろんのこと、その他の発注機関に対しましても御協力を願うようにいたしたいと考えております。 それから、公共住宅の建築工事につきましては、公共住宅建築工事諸経費算出基準というものを作成いたしまして、去る六月十八日に都道府県等の各事業主体に対しまして住宅局長通達を発しておるところでございますが、今後とも公共住宅建築工事につきまして各種の標準等を整備いたしまして、公共団体等にも指導をし、周知に努めてまいりたいと考えております。 なお、いまお話のございました利益率をどの程度見るかということでございますが、これは大変むずかしい問題でございまして、ここでお答えするのは困難でございますが、先生の申されましたように利益率が逐年低下していることは事実でございまして、もう最近では工事の種類によりましては利益ゼロというような点が見受けられるわけでございますから、われわれといたしましても健全な建設業者の発展を図らなければならない義務があるわけでございますから、そういう点から適切な利益率を見込んだ発注に努めてまいりたい、このように考えているわけでございます。
○坂野重信君 業法改正とか、簡単に答えてください。
○政府委員(宮繁護君) 建設業法によりますこの許可を受けた建設業者の数は大変多うございまして、昭和四十五年が十六万業者でございましたが、現在四十八万業者というようなことになっております。今後は先ほどもお答えしましたように、それほど官民需とも建設投資の大幅な伸びは期待できません。こういった経済環境のもとにおきまして建設業の過当な競争を防止し、また体質を改善いたしまして、発注者であります消費者の保護を図るという観点からも、現在の許可基準を見直す時期に至っておるものと考えております。たとえば、現在は経営業務に関して一定の経験があればいいとか、また資力、信用につきましてもこれを審査いたしておりますけれども、非常に緩い基準でやっております。これらにつきましては現在具体的な検討に入っております。なお、この許可基準の見直しは政令とか通牒等の改正で対処できるのではなかろうかと考えておりまして、現在のところまだ業法そのものの改正をするつもりはございません。
○坂野重信君 最後に、建設大臣のこの業界対策全般についての基本的なお考え、いま当局のお話は承りましたが、ひとつお話し願いたいと思います。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 坂野先生の業界に対する配慮、また中小企業者の倒産の多い現況を把握されての御質問の配慮につきまして敬意を表する次第であります。 すでに局長からお話がありましたように、本当にいまの業界の体制というものは大変な時期である。いままでのように、特需等々によって大幅な公共投資が望めないとするならばいかにすべきかということになりますと、先ほど先生の御質問にお答えしたように、公共事業等々を長期的に継続的に漸増形式でやって、現在少なくともある業界の方々が、とにもかくにも安定した経営体質ができ得るようにしていくのが当然のことであります。しかし、それとても無為無策で見るということでなく、いまの大中小企業におけるアンバランスをどのようにするのか、ずばり言う施策というものはなかなかむずかしいわけであります。けれども、業界みずからの自主的な運営、管理、業界みずからの近代化、合理化、また相互扶助等々によるその指導を強力に進めていくというようなことの反面、とにかく財政困難な折から、安定した継続的な財政措置をもって公共事業等々を進めていくという形で何とか中小企業振興対策に取り組んでいきたい、このように考えておるものであります。
○坂野重信君 さっき農林水産省の答弁が落ちておりますので、後でひとつ一言簡単にお答え願いたいと思いますが、最後に、三全総の問題につきまして、もう時間も来ておりますので、一問だけ国土庁長官にお伺いいたしたいと思います。 国土庁の大変な御努力によってモデル定住圏というものが四十圏域が選定されて、地方公共団体の主体性のもとで整備計画というものが策定されて、いよいよ実行に移されつつあるわけでございます。大変結構ですが、とかくこういう計画は計画倒れになりがちである。相当これは国土庁として決意を固めていかれませんと、国民の皆様は非常にこれを期待しておるわけです。私どもの郷里も、鳥取県ですけれども、鳥取県の中部も実はモデル定住圏に指定していただいて非常に喜んでいるわけですけれども、計画倒れになってまいりますとこれは逆効果になるんです。 こういう地域計画というものが、いままで歴史的に見てももう何十年という月日を経ていろいろな消長があるわけですが、今度こそは本当に定住圏、三全総のもとで大いに国民というものは期待しておると思いますので、何とかこれを推進するように持っていっていただきたい。予算の問題もありましょうし、場合によっては地方に権限を一部移譲するとかいうような制度の問題までも考えざるを得ないというような気もするわけですけれども、長官のひとつお考えをお聞きしたいと思いますが、さっきのちょっと農林水産省の答弁が落ちておりますので、それを先に簡単にお答え願いたいと思います。
○説明員(平井公雄君) 先ほど農林水産省関係の土地改良事業について積算単価が安いというようなお話がございましたので、ちょっとつけ加えさしていただきます。 土地改良事業の請負工事の価格積算に使います積算基準、特に歩掛かり等でございますが、そういったものにつきましては、土地改良事業として実施しております工事の実態調査を踏まえて、それを基準にして、その調査結果をもとにして基準をつくっておるわけでございまして、建設省等でやられておる公共事業と土木工事とは工事の内容、工事の規模あるいは施工場所、そういったものも違いますので、いろいろ基準に若干の違いはあろうかと思いますが、先ほどもございましたように、同じ場所で同じような工事をやります場合に、積算した価格が大きく違うということも問題でございますので、われわれといたしましても今後そういった工事の実態調査をなお進めるとともに、積算研究委員会あるいは地方連絡協議会等で各省との情報交換を行いまして、より一層適正な価格積算ができるように、逐次検討してまいりたいと思っております。
○国務大臣(原健三郎君) 坂野先生にお答え申し上げます。 モデル定住圏整備について、国がこれからどうやるか、大変重大なことでございまして、なかなか下手をすると成功しないから、十分力を入れてやれという御激励の言葉で、深く感謝いたしております。このために国土庁としては関係省庁と連絡をして、来年度予算においては概算要求をいたし、十分その配慮はいたしておるつもりであります。 それで、国土庁自体としても、来年度において計画に盛られた特別事業については全力を挙げて推進して御期待に沿いたい、その特別事業等々については各県の地元の知事の要望を聞いて、それを取捨選択して国土庁に、そして各省庁と連絡をとって予算の要求をいたしております。来年度この予算が出てまいりましたら、各省庁と連絡して、ぜひ実際の効果を上げたいとせっかく努力しておる最中でございます。
○原田立君 今回、当委員会で兵庫県あるいは滋賀県にわたりまして視察に行ってまいったわけでありますが、問題のあるところを視察したということなんで、率直に感ずることは、いわゆる後追い行政というような感を非常に強くするわけであります。そういうような意味で、社会資本の充実ということが最も大事なことじゃないかと思うんでありますが、私は、その視察した個所等において主な点を若干質問をいたしたいと思います。 まず、一番最初に琵琶湖でありますけれども、問題のこの琵琶湖総合開発に関する事業の進捗状況については、報告にもありましたが、非常におくれをとっているのが現状であります。 具体的事業内容は十八の事業から成っておりますが、五十五年度現在の進捗状況は一体どんなふうになっているのか、お伺いいたします。
○国務大臣(原健三郎君) 御質問の点でございますが、事業費による昭和五十五年度の進捗状態は一一一%で、こういう予算面からはわりあいよく進捗しておるんですが、実際の事業量から見ますとこれが未達成の状況であるというのが実情でございます。 残念ながらまだうまくいっておりませんで、これは、御承知のように、昭和四十七年十二月二十二日の閣議で決定して、計画期間は、昭和四十七年から昭和五十六年までの十年間となっております。 これは主として琵琶湖の治水及び水資源開発事業、河川事業、下水道事業、さらに土地改良事業等十八事業が含まれておりまして、いま申したように、これは計画策定時の総事業費見込み額が、昭和四十六年度価格で約四千二百六十六億円でありますが、その後、物価騰貴等によりまして昭和五十五年度末における事業費累積額は約四千七百四十億円となる見込みでございます。 進捗状態、最前も申しました進捗状態は一一一%になっておりますが、実際の事業量で申しますと、はなはだどうも未達成の部分の方が多いというような申しわけない事情になっているのが実情でございます。
○原田立君 その実態は承知しているわけですよ。 だから、私が聞いているのは、次の問題に移りますが、じゃ一体どうしてそんなふうにおくれてしまったのか、その点はいかがですか。
○政府委員(伊藤晴朗君) ただいま大臣が御答弁申し上げましたとおり、この琵琶湖総合開発計画は事業量で決まっております。事業量ごとの進捗という算定は非常にむずかしゅうございますので、いまとりあえず金目で申し上げたわけでございます。 おくれておることは事実でございますが、おくれております原因は、各事業ごとにその原因の状況、様相はそれなりに異なるわけでございますので、本来ならば各事業別にこういう事由でおくれているということを申し上げるべきかと思うわけでございますが、各事業に若干共通する、事業進捗のおくれの共通する因子をまとめて申し上げますと、いろんなことがございますが、やはり計画期間中における若干の公共事業費の伸び悩みといったような問題もあろうかと思います。 さらに、各事業の実施に当たりまして、環境保全の立場から計画の着手に地元調整等若干手間を要した、日時を要した事業もございます。同時に、用地補償等の地元対策に時間を要した事業もございます。 また、全体としておくれておるせいでもございますが、他の事業との関連で、ほかの事業が進まなければ着手できない事業もあるということから、ほかの事業からのおくれで順次おくれていったというものもございます。 さらに、もう一つ、これは何分長期の計画でございましたために、その後の社会事情ないしは施工技術上事情の変更がございまして計画内容に若干軌道修正等が行われて、金目のわりには事業量が進んでいないというようなものがあるんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○原田立君 確かに十カ年間の総事業費、これは私の方で調べた地元滋賀県の予算要望によれば、五千七百九十二億円というふうに聞いておりますが、間違いありませんか。
○政府委員(伊藤晴朗君) 私ども、これの計画策定いたしました時期——この計画は御承知のとおり事業の量あるいは個所数で決まっております。計画の資料としていろんなデータはあるわけでございますが、四十六年価格でこの事業費の総見込み額を計算したものは四千二百六十六億円というふうに理解いたしております。
○原田立君 大変、一千億も違う数字になるんだけれども、その点は非常に理解に苦しむわけでありますが、詳細調べて、また後ほど御答弁願います。 五千七百九十二億円と見込むと、当初事業費の一三五%ぐらいになりますが、実質的な面から計算した場合、四十六年度単価で換算した場合には六七・七%にしかならない、事業の進捗状況は。 さらには、国及び水資源、道路公団の事業を除いた県等が施行する他の事業の平均ではわずか四七%にしかすぎない。事業全体の大幅なおくれも指摘しなければなりませんが、この著しいおくれに対してどのような指導徹底を図っておられるのか、またなさるのか、この点はいかがですか。
○政府委員(伊藤晴朗君) 恐縮でございます。若干お手持ちの数字と私どもの持っている数字と違っておりまして、大変申しわけないと思っておりますが、御指摘の数字はあるいは全体事業費を物価修正をした段階の数字、それに対して現在までの累計額で割り戻しをしておられるのかと思うわけでございますが、私どもは逆に、四十七年から五十五年度までの事業費の累計額を建設省の所管土木事業費土木総合デフレーター等を使用いたしまして物価修正いたしましたものは、平均して先ほど一一一%と申し上げました名目の進捗率、実質的には五八%ぐらいの数字になろうかと思っております。それを国、公団部分と地元公共団体等施行分とに分けたデータをちょっといま手持ちいたしておりません。 国並びに公団の事業がおくれておる原因はいかんということでございますが、私、先ほど申し上げました各事業のおくれの原因のそのうちの相当な部分がそれに該当するんじゃなかろうか。ただ、これはいずれにいたしましても、関係各省並びに公団、さらには地元公共団体も決してこの事業の遂行に当たって怠慢な点があったわけではございません。先ほど申し上げましたようないろんな原因、やむを得ぬ事情によるものであるわけでございまして、私どもはたまたま現在滋賀県にお願いをいたしまして、この計画の進捗等についての総点検作業をお願いしておるところでございます。あるいは先生お手持ちの数字はその辺から出た数字かとも思っておるわけでございますが、私どもの方にまだ悉皆の調査が来ておりませんので、今後そういった滋賀県の点検作業の結果等もにらみ合わせましてこの原因をさらに確認し、そのための対策を立てたい。その上で関係各省とその進捗について十分な協議をしてまいりたいというふうに考えております。
○原田立君 おくれていることはやむを得ないんだというような説明でありますけれども、やむを得ない、やむを得ないといったら何でもかんでもやむを得ないということになっちゃって、一体政府は何をやっておるのかということになるわけでありますが、じゃ一体、この琵琶湖の総合開発の事業完了を何年度というふうに考えておられるんですか。これはあなたと大臣と責任ある御答弁をいただきたい。
○政府委員(伊藤晴朗君) 前にも申し上げましたとおりに、このおくれております事業、この十八の事業の中で進捗度にやはりそれなりの差がございます。また、おくれております理由にもいろんな理由が入り組んでおりまして、事業ごとに一つ一つ見きわめていかなきゃいかぬかと思うわけでございます。したがって、今後これらの事業がいつごろまでに終わるかという点につきましても、それぞれの事業について一つずつ点検をした結果でないと何とも申し上げられない点があるんじゃなかろうか。その中で一番ポイントになる問題といたしまして、琵琶湖治水及び利水事業そのものの進捗ないしは完了見通しといったような点がまず問題になろうかと思うんでございますが、この点につきましては、また建設省あるいは公団等と現在その見込み等について協議をいたしておるところでございます。
○原田立君 大臣には、もう一つ別の問題も含めていまの問題とあわせて御答弁願いたいんですが、大都市圏整備局長、もう少ししっかりして、また次回の委員会で質問するか、あるいはそれで答えてもらうか、あるいはまたきちっと調べて私に資料を提示してもらうか、はっきりしてもらいたいと思うんです。 それから、大臣、そういうような問題と、琵琶湖の総合開発事業完了とそれから予算確保について大臣の御所見、決意のほどをお伺いしたい。
○国務大臣(原健三郎君) 御承知のように、最前から局長もお話ししておりますように、概算要求はいたしておりますし、それからその予算は来年度については尽力中でございまして、予算獲得できると存じます。それで、まことに申しわけない話で、事業が大変おくれております。それで、今後どうするかということでございますが、滋賀県当局にも現に進捗状態、作業の結果等を国土庁から知事に問い合わせをいたしております。その結果を踏まえて、その書類が来ました上で、政府の関係各省庁と相談して将来の対策をどうするか。これは、御承知のように、もう言わなくてもわかっておりますが、この法律の期限が来年いっぱいで切れます。そんな来年いっぱいでこの事業ができるかというとできそうもございません。でありますから、これを延長するかどうか等々を、いま申したように、滋賀県知事の返事が来ましたら、それを踏まえて各省庁と連絡して、速やかに延長するか、するとするなら何年にするか等々、一切を決定して御期待に沿うようにいたしたい、こういう結論でございます。
○原田立君 大臣、せっかくの御答弁ですけど、どうも私は理解しがたい。これは私、今度視察に行って、琵琶湖についての「琵琶湖総合開発計画の改訂にあたっての意見」、中間意見、五十五年六月、滋賀県琵琶湖水政審議会、この中にこういうのがあるんですけど、これは九月三日にもらってきたわけでありますが、この中の琵琶湖の法律については、時限立法ではあるけれども、これは永久的な法にする必要がある、また十年は最低必要なんだというようなことをもうすでに五十五年六月に滋賀県琵琶湖水政審議会から県知事に答申している。そうしてまた滋賀県の方では、今度は要望書として五十五年八月に五項目にわたってこういうふうな要望書を出している。これはお手元に届いているはずなんですけれども、いまの長官の御答弁では、滋賀県の方から正式に話があってから決めたいと思うというような意味の御答弁だったけど、ちょっと食い違いがあるんじゃないかと私は思うんですが。
○国務大臣(原健三郎君) こういういま先生がおっしゃったような答申が、こういう文書が来ていることは私も承知いたしております。それで、そういう文書も来ておりますが、国土庁から正式にいろいろその現状、どういうところまで進捗しておるか等々を問い合わせておりますので、その返事が来次第やりたいと思います。それが向こうから来たものと、こちらから聞いたものと若干趣旨も違いますし、結局それらをもとに、まだ一年期間がありますから、そうあわてなくても、それらを踏まえていろんなものを総合して、そこで国土庁だけじゃなくて、国土庁が中心となって各省庁と相談して、この法律を永久的なものにするのか、何年間延ばすのか等々をいま先生のおっしゃったようなこと等も踏まえまして相談して回答を出し、政府部内で決定をして御期待に沿うように進んでいきたい、こう思っております。
○原田立君 前段の相談をなさる、それは結構でしょう。それで後段の期待に沿うと、こういうお話、ちょっとちぐはぐに聞けるんですけど、私は、その延長をしろという地元の意見、あるいはまた十年間延長しろという意見、あるいは永久的な法にしろという意見、こういうのがありますよと、こう申し上げたわけです。だから、前段の相談は相談で結構ですけど、まだ一年あるからいいじゃないかだなんて、そんなのんびりしたことを仰せにならないで、じゃ、長官としてはこれは永久法にしていく考えがあるのか、あるいはまた延長というふうな方でいくのか、その点はいかがですか。
○国務大臣(原健三郎君) この法律は元来、立法のときから永久法というような趣旨でつくったものとは聞いておりませんので、ただしいま言ったような諸般の情勢から、延長するとすれば何年間延長するか、そういうことを相談していきたい、こういうわけでございます。
○原田立君 延長というような方向でいくということでありますが、地元の強い要望がありますから、ぜひともそれは御検討いただきたい。また、そういうふうな御決定をいただきたいことを強く要請しておきます。 県からもらった要望書の中に五項目あるわけでありますが、これはもう「下水道の三次処理に係る高率補助の導入、管渠に係る補助対象範囲の拡大」等々ずっとあるわけでありますが、余り時間がないからあれですが、五項目ありますが、特に下水道の整備は重大な問題だと思うんです。いろいろあっちこちでやっていますけども、あの琵琶湖の中には百二十五か六ぐらいの河川が流入している。それについて、家庭排水あるいは農業汚泥というのですか、そういう汚泥排水とかいうようなもの、あるいは工場排水もみんなそのままだあっと流れ込んでいる。汚くなるのはあたりまえです。ところで、こういうまだ琵琶湖の周辺のところでは、大津市ですか、あすこだけが一番人口が多いようでありまして、あとはみんなほんのわずか、小さな町あるいは村であります。そうすると下水道法に決められた管渠の範疇に——それ以下になってしまう。だから、ここら辺のところを改正してやるようにしなければ、琵琶湖のあの現在のような状況を打開することはできないんじゃないか、こう思うんですけれども、これについて御見解をお伺いしたい。
○政府委員(伊藤晴朗君) 琵琶湖総合開発特別措置法並びに琵琶湖総合開発計画の中で、琵琶湖の水質保全というのは、御指摘のとおり一番重要な要素を占める問題でございまして、そのために基本的な事業である下水道のおくれにつきまして、当初の予定より若干おくれておりますことは御指摘のとおりでございます。 今後仮に、この琵琶湖の総合開発計画を改定するといったような形になりました場合に、当然今後の下水道関係の事業の内容あるいはそれの推進のための施策につきましては、十分配慮をすべき問題かと思います。その個別の内容につきましては、今後また建設省の関係当局と十分な協議を重ねてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○政府委員(升本達夫君) おただしの琵琶湖総合開発計画の中の下水道整備の促進についてでございますけれども、現在、琵琶湖総合開発計画に基づきまして、湖周七市十五町につきまして、整備面積六千九百十二ヘクタール、区域内の下水道による処理人口三十八万三千二百人を目途といたしまして、鋭意整備に努力をいたしておる段階でございます。 そこで、ただいま先生のおただしの、これから関連公共下水道の整備に当たって、市町村が、いわゆる管渠の細い部分まで補助対象にしないとやり切れぬではないかという御指摘かと存じますが、この点につきましては、来年度から発足を予定いたしております第五次の下水道整備五カ年計画におきまして、特に琵琶湖等緊急に整備を要する湖沼につきまして、その地域内の市町村につきましては、現在までの補助対象率の引き上げを考慮いたしております。現在、これらの市町村につきましては七五%が補助対象になっておりますけれども、これをさらに五%上積みするということを目途として、来年度以降の財政援助措置に対処いたしたいというふうに努力をいたしたいと考えております。
○原田立君 七五%——ちょっと私聞き漏らしたんですけれども、七五%というのは、の補助をしてあるという意味ですか、それが一つ聞きたいこと。 それから、私は数字を調べてこなかったんで言えないのが残念なんですが、管の太さですね、ある一定の太さによって四分の三の補助が出るんだと、それはわかっているんです。だけど、もっと細くなるところ、大津市以外の町村なんかではそんな太いのは必要ない、だから細いのを使っている。となると、それは補助の対象にはならない、こういう問題が現地ではあるわけなんです。これをどうなさるかということを聞いているんです。二つお伺いしているんです。
○政府委員(升本達夫君) ただいま御答弁申し上げました補助対象率を、七五%が現状でございますが、これを八〇%にいたしたいというのは五カ年計画の目標として要求をいたしております。 そこで、この補助対象率と申しますのは、補助率ではございませんで、総事業費の中で特定、一定の部分を国の補助の対象範囲にするという意味で、全体事業費の七五%は現在国の補助の対象の事業費にいたしております。こういう意味でございます。したがいまして、全体の四分の三、七五%分の事業費につきまして、これが流域下水道、公共下水道、それぞれ下水道の種類によりまして補助率が違いますけれども、公共下水道の場合ですと、十分の六補助率を掛けたものが具体の補助金として各市町村にいくわけでございます。 そこで、ただいまおただしのパイプの太さというお話でございます。これは七五%を補助対象にいたします場合に、それでは具体的に工事の内容のうちどこまで補助対象にするかというのは、全体のその七五%に相当する金の配分に当たりまして、その管渠の太さ、パイプの太さと、それからそのパイプがどれだけの区域から下水を集めるか、どれだけの区域から集まった下水をそのパイプが負担するかというその処理区域の広さとパイプの太さで順次段階を設けまして、これに対して補助対象がどこまで及ぶかという定めをかなり細かくいたしております。したがいまして、この七五%に相当するのがたとえば現在の管渠でいきますと、三十センチ以上のパイプが対象になっておったといたしますと、今度はこれが八〇%補助対象になりますと、これは仮にでございますが、二五センチのより細いパイプまで補助対象が及ぶというような計算の結果として出てくるわけでございますが、これはかなり細かい計算をした結果整理をいたしませんと、具体の市町村についてどこまでが補助対象になるかはただいまのところは申し上げかねるわけでございます。
○原田立君 ただいまのところは申し上げかねると言って、そういうことは検討しているんでしょう。
○政府委員(升本達夫君) さようでございます。
○原田立君 検討しているんだったらどうして言えないんですか。
○政府委員(升本達夫君) かなり複雑な計算がございまして、たとえば下水道で申し上げますと、これは合流式のものとあるいは汚水、雨水を分ける場合の分流式の場合、さらに分流式の場合でございますと、汚水のための管渠、雨水のための管渠、それぞれ別建てに処理区域の面積と、それからそこへ具体に布設いたしますパイプの太さ、これをかなり複雑な要素を組み合わせまして、どこまでが補助対象として及ぶかというのを計算しつつある段階でございまして、現在のところ結論としてここまでというような明確な数字を持ち合わせておりませんので、申し上げかねると申した次第でございます。
○原田立君 それじゃ、複雑な計算方法があるという話だけれども、滋賀県としては「管渠に係る補助対策範囲の拡大等下水道に係る抜本的な財政措置の確立」をしてもらいたい、こういう強い要請が出ておりますし、またあのきれいな琵琶湖にするためにはこれはどうしても根本的にやらなければならない問題だと思いますので、ぜひともこれはやっていただくように強く要望します。 それから、先ほど国土庁長官に聞いたところでありますが、この滋賀県琵琶湖水政審議会から滋賀県知事にあてた意見書の中に、一番最後のところに「このため、下流府県とも共同しながら新たな法制度の確立を国に求めていくことを含め積極的な取り組みがなされるべきである。」、こういう項目があるんですけれども、このことについてはどういうお考えですか。
○政府委員(伊藤晴朗君) 御指摘の書類は私どもも滋賀県からもらっております。これは滋賀県の琵琶湖水政審議会が県知事あてに具申した内容でございますが、この中間意見に基づきまして滋賀県当局の方から、国の方にこの種のことをお願いしたいという口頭の連絡はいただいておりますが、まだ具体的にどういう形の法制度を滋賀県としてその制度化を希望しておるのか、あるいはこれが琵琶湖総合開発特別措置法との関連でどうなるかというような点につきまして、必ずしも滋賀県当局の意向もはっきりいたしておりませんので、なお改めてそういった具体的な滋賀県の意図も聞きました上で、何分この現行の法体系はいろいろな仕組みがあるわけでございますので、それとの調整も必要かと思いますので、環境庁その他関係各省庁と協議してまいりたいと考えております。
○原田立君 琵琶湖の問題はまだあとたくさんあるんですけれども、時間がありませんので次に進みたいと思うんでありますが、兵庫県における調査は、都市の再開発、住宅建設、道路環境に関する諸問題について見てまいったわけでありますが、大都市における生活環境の整備はますます深刻化しつつあると思うのであります。特に大都市における都市機能と生活環境を守るための都市再開発は重要な課題であろうと思うのであります。私たちは今回神戸市の三宮地区を視察したわけでありますが、三宮地区の再開発と同様の地域開発事前調査方式に基づいて再開発が行われている地区は全国でどの程度あるのか、また、建設省が把握している再開発の必要個所はどのぐらいあるか、まずお伺いしたい。
○政府委員(升本達夫君) 現在、市街地再開発事業の実施に関しての検討を行いますための調査でございますけれども、調査の対象個所となっておりますのは、五十五年度、本年度におきまして全国五十八地区二百三十五・一ヘクタールという区域に及んでおります。
○原田立君 再開発を進めるに当たり大事なことは、いままで住居を構えていた人たちの処遇をどうするかが問題であろうと思うのであります。先祖伝来の土地所有者などは非常に近代化していくのをいやがるような向きもあるんじゃないか、そういうようなこと等も含めて、都市再開発事業ではこれらの点についてどのように進められておられるのかお伺いします。
○政府委員(升本達夫君) 都市の再開発事業の実施に当たりましては、御指摘のようにいろいろな問題点がございます。特に私ども現在で考えております問題点といたしましては、御指摘のように地区内の権利者に生活環境が大変激変するという状況がございまして、これに対する不安感が強い。特に日本の場合でございますと、建物を共同化することに対する抵抗感が強いというような問題点がございます。それから二番目に、したがいまして、また関係の権利者等との調整に大変手間暇がかかる、長時間を要するという問題がございます。三番目に、既存の建築物等を全部除却をいたしまして、その上で新たに建築物を建て、これに従前の権利者の方々に全部入っていただく。さらに周辺の道路等の公共施設を整備をするという事業でございますので、大変膨大な事業費がかかるということが私どもの認識いたしております再開発事業の問題点かと存じます。 そこで、第二点といたしまして、権利者に対する対策をどのように考えておるかというおただしでございましたけれども、このような状況でございますので、特に権利者対策には私どもとしてはできる限りの努力をいたしておるつもりでございます。特に移転補償あるいは営業補償等については十分な補償を行うとともに、これを国の補助対象として助成をする。それから事業施行中の仮設店舗あるいは仮住居というようなものにつきましてその提供に留意する。これを事業の内容とし補助対象とするというようなことの手だてを講じております。このような手だてを今後とも十分に配意いたしまして、関係権利者の生活が確保されるようにさらに寄与いたしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○原田立君 三宮で見たときに、いま三宮のさんプラザそれからセンタープラザ及び西館ですか、これはもうできているんですね。あともう一つは雲井通五丁目あたりに、地図に出ているのでありますが、A、B、C、Dとして、Dの地域にはもうすでに施工中、あとA、B−1、B−2、Cについてはこれから、いま工事を計画中なんだ、こういうことであった。それでいまの代替用地の確保、費用負担の面についても再開発事業の一環としての付帯事業としての位置づけをよく明確にして、そういう人たちが、できてしまって中に入るような人は大変喜ぶだろうと思うけれども、出て行かなきゃいけない、また戻る、大変お金のかかる問題であります。ここら辺の問題についての法的措置を含めてどう対処されるのか。
○政府委員(升本達夫君) 権利者に対する助成、援助面といたしまして三点考えられようかと思います。 第一点は、財政からの補助金でございまして、ただいま御説明申し上げましたような仮店舗、仮営業等あるいは補償金等につきまして、十分な国の助成策を講じるということが第一点でございます。また、建築物の建設費の一部にも補助金を入れられるようにいまいたしております。こういう対策をさらに厚くすることによりまして、実際に取得することになる建物の部分が比較的安く権利者の手に入ることになるように努めてまいりたいということが第一点でございます。 それから、第二点は税制でございます。これは現在の土地、建物を一応手放されて、そのかわりに新たに建築物の一部を取得されるわけでございます。これにつきましては、一般税制ではその従前の権利の譲渡について税金がかかる仕組みになっておりますが、これを再開発事業に関しては税金がかからないように手当てをいたしますとか、あるいはその土地を離れて新しく別の土地、別の場所に行って土地を買われるという方については、もとの土地を売る場合の譲渡所得税について特別の控除措置を講じる等の税制措置を講じております。 それから、第三点は融資でございます。開発銀行あるいは住宅金融公庫等の制度金融によりまして低利の資金をお貸しすることによって、新たに建物を取得される場合に、もう少しよけい面積がほしい、つまり床面積をもう少し広くほしいというような場合に、その取得資金を御用立てする等の低利融資の措置を講じております。 以上のような手だてを総合的に手厚く配慮いたしてまいりますことによって権利者の保護、さらに再開発事業の推進に努めたいというふうに考えております。
○原田立君 この三宮のさんプラザのところには「さんちか」という代表的な地下街があるのはもう御承知のとおりでありますが、過日、静岡駅前の地下街で非常に大きいガス爆発事故があって、ああいう地下街に関して大変教訓になったわけでありますが、たまたまきのうテレビで見ていたら、古いガスをひねる元栓みたいなようなものが、何というんですか、コンクリートの板ですね、その下にあるんですね。それで、そのようなところでガスがずっと少しずつ少しずつ漏れていたのがわからなかったんだというようなのがテレビの説明であった。これは非常にこわい問題だなと思って見ておったわけでありますけれども、この「さんちか」におきましては防災上においては問題はないのか、あるいは防災上どのような行政指導等をなさっておられるのか、その点をお伺いしたい。
○政府委員(升本達夫君) 先般来のガス爆発事故を契機といたしまして、従来まで地下街の整備、地下街の安全対策といたしましては、地下街対策協議会というのを政府部内に関係省庁で設置をいたしております。運輸省、消防庁、警察それから建設省、四省庁をもちまして協議会をつくりまして、それぞれ所管の事項を持ち合いまして安全の対策の徹底に努めてまいっておるわけでございますが、今回のガス爆発を契機といたしまして、特にガス所管官庁でございます通産省の資源エネルギー庁に参加をいただくことにいたしまして、この協議会の中で今度は五省庁で十分その対策を協議してまいりたいという体制をとりまして、先刻その体制整備につきまして関係の都道府県それから指定市に通達をいたしたところでございます。
○原田立君 ぜひああいうようなことのないように十分御検討、指導等しっかりやってもらいたいと思うんであります。 それから、いわゆる新交通システム、都市ガイドウエーについて、今回は三宮駅からポートアイランドを結ぶガイドウエーバスに試乗したのでありますが、その乗った限りでは非常に快適であったと、先ほども報告があった。まさしくそのとおりでありましたが、このガイドウエーの問題について建設大臣にお伺いするんですけれども、昭和五十三年の三月二十八日の当建設委員会におきまして、お隣におられる二宮文造委員からこういうガイドウエーの問題等について積極的に進めるべきではないか、あるいはまた、新しい交通システムとしての都市ガイドウエー、これについても整備の促進ということを寄り寄り話し合って、議員立法のようなかっこうでも法制定するように促進を図るべきではないか、こういう質問に対して、国務大臣は、当時建設大臣は櫻内さんでありましたけれども、「そういう機運になりますれば建設省としてもまことに結構なことだと思います。現在、この都市ガイドウエーについてはインフラストラクチュア部分を道路の一部として軌道法でやっておるんだと思いますが、お話の御趣旨、大変結構だと思います。」と、結構、結構と二つ続いて結構な話みたいなことなんだけれども、一体、結構であるというんじゃなくて、こういう法律をばもう五十三年の段階において制定したらどうだというふうに言って、櫻内当時の建設大臣は、大変結構だ、それならやりましょうやというような答弁をしているわけですけれども、大臣はいかがですか。
○国務大臣(斉藤滋与史君) 新道路交通システムにつきましての御質問でございますけれども、実は私も前大臣のそうした経過を知っておりますので、先ごろ南港ポートアイランドに参りましてこのシステムに試乗してまいりました。非常に結構なことでもありますし、現在の都市交通の緩和の一助として非常にりっぱなことである。現在全国で五カ所進めておるわけでありますが、なかなか大変な事業でありますだけに、そうそう急激にあちらこちらにやるというわけにはまいりませんと思いますけれども、都市の過密化を考えたときに、このシステムにつきましてはなお積極的に進めるべきものであろう、このように考えます。ただ、現在都市モノレールと同様軌道法で進めておりまして、それに基づいて一応の成果を上げつつやっておりますので、現在のところこれについて特別立法ということにまではまだ考えておりません。なお、進める過程において必要であれば検討する問題であろうかと思いますが、現在のところは現存の軌道法で進めてまいるというように私は考えておりますけれども。
○原田立君 われわれは議員立法でそれをやっていきたいという基本的な考えがあるわけです。まあ議員立法よりかむしろ政府の方でつくってやってくれれば大変結構な話なんです。いまとても大臣はすげない、そんなものは必要ないという御答弁で、まことに前段のお答えと後段のお答えはまるっきり逆の話になっている。もう一遍御答弁願いたい。
○国務大臣(斉藤滋与史君) 大変考えているところが通じなくて恐縮でございますけれども、先生御指摘のような形で現在軌道法で前向きで進めております段階で、新たに立法措置しなくてもいけるんじゃなかろうかというようなこと、またこれから交通体系の整備等々で当然必要でありますれば、その時点でまた考える余地はあろうかと思いますけれども、現在のところは現存の軌道法で進めてまいる、そのような考え方だということを申し上げたわけであります。決して消極的でないことは確かでありますから、はっきり申し上げておきます。
○二宮文造君 続きまして、両大臣が御就任になって、きょうからまたいろいろとやりとりをお願いをすることになりますが、あらかじめよろしくお願いしたいと思います。 最初に、私はきょう四点ほど通告してあったんですが、時間の関係もありまして、三時十分まででございますので一つ省きまして、大変用意していただいて恐縮なんですが、建設技術評価制度、これは次回に譲らしていただきたい。関係の方、御了解をちょうだいしたいと思います。 最初に、去る八日でございましたか、御承知のように大蔵省の五十六年度予算で一般歳出の伸び率をゼロとした場合どのような問題点が起こってくるかというようなことで、主要経費六十九項目について具体的に描きましたいわゆるゼロリスト、これが公表されました。この意図するところは非常に問題がございまして、要するに鈴木内閣としては増税はしません、しかし大前提である二兆円の国債の減額はやりたい、こういう趣旨にのっとっていくとすれば、恐らく福祉とか教育とか、あるいは生活関連の問題にこういうしわ寄せが出てまいりますと、言わんとするところはやはり増税をしなければ財政が賄い切れないし、財政か福祉かという、そういうことをねらいにしているような発表であると非常に物議を醸しました。これは鈴木内閣の今後の政治姿勢を問われる重要な課題でございますし、国民生活にもまた大きく影響してまいりますので、私はまず、所管事項を離れて、鈴木内閣の閣僚として両大臣がこのゼロリストをどのようにお考えになるか、これをひとつ、率直な御感想を両大臣からお伺いしたい、こう思います。
○国務大臣(斉藤滋与史君) ゼロリストに対する国務大臣としての所見いかん、ということでございます。 私たちは、国の財政を預かる責任者としてゼロリストを発表された財政当局の意図するところは十二分にわかるわけであります。ただ、問題点は、このゼロリストを発表したバックグラウンドをどのように理解するかということであろうかと思います。したがって、日本の財政事情を知っておりますだけに、これを単に受けとめるということでなく、この事態は事態として、今後これを踏まえてどのように公共サービスを進めていくかということに思考の発想を変えていかなきゃならないように私は承知いたしました。 建設行政を担当する大臣として、ゼロリストに言われておる、直接的には住宅等々の金利の問題もございます。直接、家賃の問題もございます。こうしたことを考えたときに、このことにつきましては、大蔵大臣に言わせますれば、一つのたたき台としての数字的な表現だということを言っておられますので、私はこれは、現実は現実としてこれを踏まえて、財政再建を図りながら建設行政をなお一層国民のニーズにこたえられるように前向きでむしろ進めていかなきゃならない、有効適切にあり得る予算執行をなお充実した配慮のもとにやっていかなきゃならぬ、このように覚悟してこれを受けとめているわけであります。
○国務大臣(原健三郎君) ゼロリストでございますが、これは、大蔵省が関係省庁に要請をして、各予算項目ごとに前年度と同額の場合の問題点を列挙したものであると聞いております。私の方の国土庁にはその方は入っておりませんので、ほっとしているところです。 それで、国務大臣としてですが、したがって、全体としての予算編成上の政策体系としての考え方はまだ出ていない。まだほんの、確定したものでもなく、そういう意見が大蔵省当局から出された、こういうところでございまして、なお今後これは、一つのポイントは出ておりますが、もっと考慮すべき点が多々あろうと存じております。
○二宮文造君 閣僚として非常に言いにくい場合もありますし、また、失言をカバーしたいという御意味もありまして、抽象的な御答弁でございましたが、私は、冒頭に言いましたように、やはりこれは、増税か福祉か、あるいは、増税か生活かというような二者択一を国民にぶっつけたような、きわめて冷たい感じをして受け取っているわけです。ですから、財政事情が非常に苦しいということはよくわかっておりますけれども、これから予算編成の作業が進められるわけでありますけれども、ひとつ両大臣に、この点をよく理解をした上で予算編成に当たっていただきたいし、少なくとも、増税路線、こういうものがひた走りに走るようなかっこうにならないように閣内での御発言をお願いをしたいという意味で冒頭に取り上げたわけです。 そこで、所管大臣として建設大臣にお伺いしたいんですが、その前に、このゼロリストの中に、住宅金融公庫の補給金と、それから住宅公団の補給金が含まれているようであります。 当局の説明によりますと、もし伸び率をゼロとした場合に、要するに公庫の場合は貸付金利の引き上げをしなければ新規貸し付けが全くできなくなる。しかも、そのほかに百三十七億円の赤字が残る。また第二番目としては、新規貸付戸数をいわゆる五十三万戸、前年度と同数としますと、貸付金利を五・六%も引き上げて一一・一%にしなければならないという説明が出ております。また、公団の場合は、公団がいま管理しております全戸数について大体家賃の月額が平均二万六千六百円のようであります。それを一律に二千八百八十円上げなければやれなくなってくる、こういうふうな当局側の説明がこれに付されておりますけれども、この算定のあり方について補足説明をお願いをしたい。
○政府委員(豊蔵一君) お答えいたします。 まず、住宅金融公庫についてでございますが、昭和五十六年度における公庫に対する補給金は、もし昭和五十六年度事業をゼロといたしました場合に、昭和五十五年度までの事業に係る金利差を補てんする等の経費でございまして、これには二千四百六十六億円を要します。これに対しまして、昭和五十五年度の公庫の補給金は千七百七十六億円でございまして、別途、産業投資特別会計に要求しております出資金が五百五十三億円ありますが、これを前提といたしましても差し引き百三十七億円が不足をするという計算になります。 もし、昭和五十六年度の貸付戸数を五十五年度と同戸数の五十三万戸といたしました場合、いまの産業投資特別会計からの出資金五百五十三億円を前提とし、一般会計へは二千百五十億円の補給金を要求しておりますが、昭和五十五年度補給金は千七百七十六億円でありますので、差し引き三百七十四億円の欠損を生ずることになります。これを補うために五十六年度の事業計画の五十三万戸、これは事業費として四兆二千四百六十九億円のうち、昭和五十六年度資金交付に係る貸付金により三百七十四億円の貸付利息を新たに得るためには、貸付金利を五・六%引き上げる必要がある。すなわち、現行の五・五%の金利が一一・一%となるという計算をいたしたものでございます。 また、同様な方式によりまして日本住宅公団の補給金につきまして計算いたしました場合、概算要求額といたしましては、八百四十七億円から昭和五十五年度の日本住宅公団の補給金の予算額六百五十五億円を差し引きますと、百九十二億円についてこれに年利八・五%を乗じた額を加え、この合計額を管理戸数六十万五千戸で割りまして得た引き上げ額の一カ月当たりの金額が二千八百八十円ということになるわけでございます。 なお、百九十二億円の不足額に年利八・五%を乗じた額を加えておりますのは、昭和五十六年度において資金不足となる金額を資金運用部資金から借り入れることにより生ずる支払い利息を補うためのものでございます。
○二宮文造君 要するに、いまぎりぎりいっぱいのことであって、これはとても概算要求を認めてもらわなければ、今後の住宅行政は進められませんという御説明と理解いたします。 そこで、この問題をめぐりまして大蔵省当局、この考え方として公庫については融資戸数の大幅な削減、あるいはその金利の引き上げや所得別の段階的金利の導入、あるいは一定所得水準以上の場合は融資をしないという所得制限の導入、あるいは抽せん制の導入、また、公団につきましては何がしかわかりませんけれども、家賃月額の引き上げ等を要望している、こういうことを内々われわれは察知しているわけですが、こういう段階で、財政事情は厳しい、ゼロリストが発表された、しかしすでにもう来年度を初年度とする第四期の住宅建設五カ年計画も策定にかかっている、こういう事情を考えてみますと、大蔵省当局のこういう考え方の中であるいは公庫、公団、この当該の問題についてどういうふうに処理をしていくお考えなのか、基本的な問題ですから、大臣にこれは答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 いま二宮先生御指摘のような数々の要因をもとに、財政当局は厳しい思考を持って住宅要請について対応するような姿勢を見せておりますけれども、いまのような一つ一つの問題について具体的にまだわれわれに示したわけではありません。したがって、先ほど申し上げましたように、大蔵省の一つの試算としてのゼロリスト、これはこれとして、前段申し上げましたように、私らの要望するところの住宅政策につきましては強く財政当局に申し上げて、何とか計画実行を図っていきたい。とにもかくにもいまの社会環境の中で賃貸住宅、あるいは勤労者の方々の住宅確保がまず第一でありますので、これはまた私たち鈴木内閣の重点施策の一つでもございますので、これからの問題として財政当局に強力に働きかけていくという所存でまいりたいと思います。
○二宮文造君 これはまた後日この問題について、もっと細かい問題についてお伺いしたいと思います。 時間の関係もありますので、次に霞が関一団地の官公庁施設の計画区域のあり方、これについて質疑をいたしたいと思うんですが、この問題については五月の十三日、前大臣のときでございますが、本委員会で一応質問をいたしまして、重複をすることを避けまして、ちょっと長くなりますけれども、住民の方の要望書がございます。これは要求書となっておりますが、要望書がございます。しかも、これは昭和四十三年十二月に当時の坪川建設大臣に出された要望書でございます。該当地域は旧三年町の方々なんですが、しかし、規制の枠のかかっている範囲内ではその他の地域もございますが、おおむね住民の方の受け取り方はこれと同じなんじゃないだろうかという感じがしますので、いささか長くなりますけれども要望書を全部読ましていただきたい。そうするとこの全貌がはっきりしますので、その意味で読ましていただきたいと思うんです。 要求書 私達は千代田区永田町一丁目四番及び五番の住民であります。 私達の大部分は昭和二十六年以前、右地番が麹町三年町一番地と表示されていた頃から、ここに土地を需め住宅を建てて二十年前後も暮して参ったのであります。 当初、私達は区役所その他において調査致しましたところ、公簿上も土地については何等の瑕疵も見当らず、建築についても特段の制限を受けていない地域であることを確認致した上で、土地を入手し建築を完成したものでありまして、予見せらるべき障害は全く無かったのであります。 すなわち昭和二十五年十二月二十二日、商業地域として決定せられていることも、この間の事実を証明しておるものと思料されるのであります。 したがって、この地域に当時としては相当の対価を投じて宅地を購入した私達住民側には、過失或は責めらるべき落度は無かったものと今日尚信じてやまないものであります。 事実、国会議事堂、首相官邸等を除いては、現在見られるような道路、官衙、地下鉄丸ノ内線の駅等もなく、僅かに現大蔵省がファイナンスビルとして米人等に多少の出入りがみられた程度で閑静な住宅地として好ましい生活環境を具える一面、溜池、虎ノ門、新橋、日比谷、有楽町等オフィス街、商店街にも徒歩で至便の距離に位置し、都心屈指の住宅地として自他ともに評価されていた地域であります。 その当時他地区によくみられた停電、断水等の事故も全く無く、路面の舗装、地下排水溝等も整備され、住民それぞれ静穏な生活を営んで来たのであります。 昭和三十年前後になりますと、終戦時の衣食に不自由な生活も漸く充足されて参りまして、住生活の安定面に都市生活者の関心が向けられ、徐々に土地所有者が若干の空閑地を利用して、アパート、店舗等の新築により所得の増大を図る機運がたかまり、かてて都心地を活用して中高層ビルを建築しようという趨勢に伴い、私達の中にも他地区一般にならって、この地域内の自己所有地内に三階以上の鉄筋、或いは鉄骨建物を建てて理財の途を講ぜんとする者、或いは家族構成の変化に応じて本格的に建物を増改築せんとする者が少くなかったのであります。 ところがこれらの企図を実行に移す過程において、まことに意外なもろもろの事実が露呈されて参ったのであります。 すなわち、私達が長年の間住みなれた旧三年町一帯の宅地が、いつのまにか、「官公庁施設の建設」(昭和二十六年六月一日、法律一八一号)によって、厳重な建築制限を受けていることが判明したのであります。 私達はことの重大性に愕然たるものを覚えると共に激しい怒りを感じ、建設省、東京都議会、千代田区議会にこの建築制限を撤廃するよう要請をおこなうなど運動をすすめた結果、次の様なことが次第に明らかとなって参ったのであります。 前記法律は、昭和三十一年法律第七一号で改正され、あらたに、第五条の三が追加され、同条によって、「一団地の官公庁施設の境域内」においては、「容易に移転し、又は除却することができる構造のもの」で「階数が二以下で、かつ、地階を有しない」建物でなければ私有建物は一切新築、増改築などが許可されないことになっていたのであります。 そして、「一団地の官公庁施設」は、都市計画法による都市計画として決定されることになっており、昭和三十三年十二月二十三日、建設省告示第二二五四号として、建設大臣が「東京都市計画一団地(霞ケ関団地)の官公庁施設」の決定を告示し、千代田区霞ケ関、永田町、隼町、三年町、平河町などの地内約一〇一ヘクタールが、その境域として決定されていたのであります。 この決定はさらに昭和三十九年一月二十七日、建設省告示第九八号によって変更せられ、境域の変更が行われたのでありますが、私達の住む首都高速道路西側については、依然として境域内にとりかこまれたままになっておるのであります。 かさねて申上げれば、私達は、全く何もしらされないうちにいつのまにか自分達の所有地に重大な権利制限が加えられていたと申すほかないのであります。 私達の土地の利用と、その価値について決定的な損害を及ぼすような都市計画が私達に一言一句の発言の機会すら与えず、公聴会も開かれず、聴問の手続きを行うこともなくして決定されるということは、行政手続きにおける民主主義の保障を著しく蹂躙するもので、重大な疑義の存するところであります。 けだし、「通知」と「聴問」なくして国民に対する重大な権利制限を課することは、憲法三一条違反の疑いがあります。 又このような権利制限は、所有権の価値の一部を没収するものであって、もしこの没収に補償が伴わないならば、憲法二九条三項に違反する疑いが濃厚であります。 それだけではありません。建設大臣は前記法律第九条の二によって一団地の官公庁施設の造成について、これを実行する権限と責任を有しながら、ひとたび前記のような重大な権利制限を私達住民に課したまま、実に十有余年間に亘り、これが造成を事業化しないまま放置して来たのであります。 かりに、前記のような権利制限が許されるとしても、それは早急に団地造成の事業が実施されることを前提とし、その間の僅かな期間に限ってのみ住民の側が公共のためにその権利制限を甘受すべきことが要請されうるものと考えるのであります。 十有余年もの久しきに亘って「蛇の生殺し」のように建物の建築制限を課したまま放置しておくなどということが許される道理がありません。このような歴代建設大臣の怠慢は、住民に対する不法行為であって、国は住民の損害を賠償する責任を負うべきであります。 この十有余年の間、私達住民がどのような辛苦を経験しなければならなかったか(中略) 都市開発に伴う収用の補償問題に関連して、私権者に対する開発利益の還元が論議されておりますが、私達に関する限り、開発利益は騒音と排気ガスとを除いては、何も還元されてはいないのであります。しかもその原因がすでに詳述した「官公庁施設の建設等に関する法律」に基く権利制限と、積年に亘る事業化の放置とに存することはもとよりいうをまたないところであります。 かくして、私達住民は建設大臣に対して、次の二項目をただちに実施されるよう要求する次第であります。 一、旧三年町一帯に対する「一団地の官公庁施設に係る都市計画」決定の取消し 二、今日まで積年に亘る権利制限による損害の賠償 以下、五十三名の署名捺印が付されております。 しかも、これは四十三年の十二月でございます。しかし、何らの一片の応答もなく今日すでにまた十二年を経過しようといたしております。したがいまして、五月の私の発言になったわけでございます。建設大臣は、改めてこの事の重要性というものを十分にお考えをいただいて、官公庁を整備することも大事でしょう。しかし、二十何年、三十数年近くにわたってこれほどの苦しみを与え、いまだに二階以上は許されないわけですから建てかえもできない。しかし、買い取りにも何の交渉もない。こういうままで、悪い生活環境の中で自分の家で苦しんでいる人がまだこのおひざ元にあるということを、まず私は大臣の頭の中に置いていただきたい。そして、以後質問を続けます。 したがいまして、三十三年から考えますと、二十二年にわたりまして放置されて、いまだに網がかぶされたまま未買収になっている面積は幾らですか。
○説明員(高野隆君) お答え申し上げます。 霞が関の一団地の官公庁施設地区の未買収面積は約一万七百平方メートルほどでございます。
○二宮文造君 そして、国の方が予定しております買い取り計画の予算措置は年々幾らですか。
○説明員(高野隆君) 未買収地区の買収計画は、大体建設省とそれから関係省庁で分担しておりまして、それで衆議院さんの関係、それから文化庁さんの関係、それから私どもの関係になっております。私どもの関係は総理府の裏のH地区と申しますけれども、その地区については、財政事情の好転を待って逐次取得することとしておりますが、年々わずかばかりでございますが、用地の買収費は一億円計上しております。
○二宮文造君 いまおったH地区、いわゆる要求書のあった旧三年町の方々ですが、この辺のいまの地価は、——近傍類地ですよ、あそこは網がかかってますから値段は安いです。近傍類地の値段は大体平米幾らと計算されますか、概算。
○説明員(高野隆君) 実は昭和五十年にあの部分の約二百平米ほどの土地を買収してございますが、その際の値段は平米四十数万だと聞いております。
○二宮文造君 いまは。
○説明員(高野隆君) ちょっと、私、それ存じません。
○二宮文造君 大臣、申し上げます。 今度は、社会党の近所にある教会が建っておりますが、そこを衆議院が中心になってお買いになりましたが、これは大体平米が百万円を優に超えております。細かい金額を知っておりますが、都合があったら困りますから避けます。平米当たり百万円を優に超えております。この旧三年町は約四千平米ですね。仮にですよ、仮に、百万円としますと、総額は四十億円です。建設省は毎年一億円ずつ積み上げていきますと四十年ですね。こういうふうな予算措置もできていない。現に、すでに二十何年もたっている。いまだに網をかけたままほうってある。こういう事態が随所にあるわけです。これは、私はやはり行政のやり方としてはまずいんじゃないか。買い取り計画と言ったって計画もない。ですから、あえて見直しはしない。このままで網をかけておくんだというんであれば、これは早急に買い取るべきだ。この用意がありますか。できないでしょう、いまの財政事情じゃ。
○説明員(高野隆君) 当面は財政事情が非常によくないということでございますけれども、その一億円は、一億円しかないというわけではございませんで、お申し出があれば、それに基づきまして予算計画を立てまして、大蔵省に要求をして買収費をいただきまして、それで買収していこうということでございますので、申し出があれば交渉に応じたいということでございます。
○二宮文造君 お申し出があれば、自分で網かけておいて、売ってくれと言わせるんですか。買いたいとなぜ言っていかないんです。これは逆じゃないですか。
○説明員(高野隆君) 官庁施設の建設につきましては、各省さんがそれぞれ予算要求いたしまして、そうして施設の要求をいたしまして、大体本決まりになった時点でそれぞれその設計をいたします。それに基づきまして買収計画を立てるというのが普通のやり方でございますので、この事件は、当面まだ確定的な計画が立っておりませんので、そういった事情で一応は申し出を待っているということでございます。
○二宮文造君 私は、まさかわれわれの先輩の議員諸公が、こんなでたらめな法案をよくも許したなと。戦後、民主主義だとかあるいは基本的人権の擁護だとかいうことが華やかになった、盛んになった。当然のことですが、そういう時代に、よくまあこの前時代的な法案ができたものだと思って、実は私、過去の議事録を読みました。営繕部長、ごらんになりました……。昔はこれ、まず昭和二十六年ですか、五月の参議院の建設委員会の会議録ですけれども、これは官庁営繕法案というのがしょっぱなですね、これが出てきました。そうして官庁営繕法案ができて、さらに三十一年の三月にこれが改正になって、いわゆる一団地がこれに加わってきた問題だと思うんです。その中で、私もかつて御一緒していましたが、田中一さんがやっぱり言ってます。私権の制限は直ちに行われるものではないということを確認してよろしゅうございますか、こんな私権の制限をやっていいのか、一体その範囲はどうなんだ、はっきりしろと、こう言いましたら、これは議員立法でございまして、提案者の代表が田中角榮さんでした。角榮さんはこういうふうに言ってるんです。 非常に重要なところでありますから、端的にお答えを申し上げますが、この法律をずっとお読みになっていただくとわかるのでありますが、私権の制限というものに対して明確な規定はございません。もう一つ、土地収用の規定もございません。ございません場合はどういうことになるかと申しますと、ありませんから、この法律で団地を指定するというだけでありますので、指定は、実際問題としての問題と、純理論としての問題の二つに分れると思いますが、現実論としては収用規定がないのでありますから、いずれにしても国有地を対象にし、国有地以外のものは指定をしないということが考えられるわけであります。ただし、理論的には、国有地以外には団地を指定しないということは書いてないのだから、その一部がどうしても民有地を必要とする場合があり得る、この場合一体どうするのか、こういうふうな議論になると思いますが、その場合は当然双方合意の協定に基いて買い上げを行うということになるわけでありますから、指定をせられても私権を大きく制限するというようなことは実際的に行われない、 これが答弁です。 要するに、網をかぶせる、私権を制限することはよろしくない、こう質問者が質問をした。そうしますと、この法の趣旨は範囲を決めるんだ、当時は国有地があって、ばらばらに中央官庁があっちこっちなわ張り争いでやったんでは困るから、一団地を指定をして整合性をとってやっていきたいという法律だと。だから国有地が対象なんです。ただし、民有地がないとは必ずしも言い切れない。だから、その民有地についてはもう協定をして買い上げをさしていただく。したがって私権の制限はありませんというのは、直ちに、早急に買い上げをするというのがこの法案の趣旨なわけです。法律が通るときにはそういうかっこうで通しておきながら、いざできたら、御承知のように、この方々が悩んでいるように、二十何年間も放置されてしまっている、いまだに当時建てた家のまま。それはそうでしょう。いまで言えば平米百万円もするところへ二階建ての家を建ててみたところで採算が合いませんから、建築費がとてもペイできませんから、相変わらず二十年代につくった家のまんま居住せざるを得ない。こういうところに置いておるのはこれは行政の罪でしょう。大臣、どうでしょうか。私はくどくは申しませんけれども、全部外せばいいじゃないですか。どうしても必要ならば買うべきですよ。平米百万円としたところで一万平米ですから百億円でしょう。私は百億円でしょうと簡単に言いますけれども、しかし、どれほどの人がこのために将来計画もできない、毎日の生活は苦しめられている、何かというと財政の事情だ、こういうことでは、大臣、ちょっとやっぱり行政の姿勢が問われるんじゃないでしょうか。この点ひとつ大臣の御所感をお伺いしたい。
○国務大臣(斉藤滋与史君) 問題の霞が関一団地官庁整備についての状況につきましては私も多少承知いたしております。 いま先生御指摘のような経過についてまでまだ詳しく勉強いたしておりませんでしたけれども、いま先生のお話を聞きますると、この問題はずばり言って好ましい状況でないというふうに私は判断いたしました。よって、もう一度原点に戻って、私権を侵さないように、しかもせっかくこれだけの都市計画ができておるんですから、御協力を願う方法で話し合いを進めていく。また諸官庁にわたっていることでありますけれども、関係者等々にもお話し申し上げて、早い機会にひとついい結果が得られるように進めてまいりたい、このように考えております。
○二宮文造君 じゃ、大臣のこれからのお取り扱いをよろしくお願いして、くどくは申し上げません。 次の問題に入ります。 〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕 これもまた四十年になりましょうか、硫黄島の問題です。これは国土庁長官が所管の方になりましてあれですが、時間がもう私、十分までしかございませんのでまとめての質問になると思いますが、硫黄島の旧島民の帰島及び復興計画に関するいわゆる硫黄島問題については、私はたびたび質問主意書でもあるいは本会議でも、さらには当委員会でも問題にいたしてまいりました。どうやら私どもが要望した総合調査団を派遣をしていただきまして、この総合調査団を派遣した実績、調査した実績と、それから今後の派遣計画並びに総合調査の完了目途、これをひとつお伺いをしたいと思います。
○政府委員(四柳修君) 御案内のように、硫黄島の総合調査につきましては昭和五十五年度から関係省庁の御協力のもとにやりましたが、いままでやりました主な調査が、一つは硫黄島問題の小委員会の委員さん方あるいは旧島民の御参加をいただきました現地調査と、もう一つは関係省庁によります総合調査団の調査でございます。 委員さん方の調査は、六月の二十三日に委員さんと旧島民の御参加をいただきまして関係者と一緒に参りました。それから総合調査の方は、一つは火山活動の調査で七月の中旬に科学技術庁を初めとする関係省庁、もう一つは帰島あるいは開発の可能性についての予備調査ということで、同じく七月の中旬に関係省庁で参りました。このほかに火山活動の資料を取るために航空機によります磁気調査を実施しております。これは十月の半ばに実施しております。 以上がいままでやりました調査でございます。 今後の予定でございますが、今年度中はただいま申し上げました磁気調査のテープの解析と、それから不発弾の調査を委託でやる予定にしております。 〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕 それから、五十六年度以降は現在予算要求中でございますけれども、できれば火山活動の調査を含めてのボーリングですとか、本年度実施しました予備調査に基づきます帰島開発の可能性のうちの、特に水資源とか土壌とか、そういったものの詳細調査をやりたいと思っております。完了のめどは、御案内のように計画が五十八年度まででございますから、五十八年度中にはやはり今後のめどをつけなければいかぬ。あるいはせっかくのことでございますけれども、法延長になりますれば新しい計画もつくらなければいけません。そういうことで、その時期に間に合うまでに可能な調査は一応まとめたいと思いますが、ただ御案内のように、火山活動の調査は関係省庁との、先生方の調査ですと昭和四十三年以降何回かやっていますけれども、全部わからないものがあるかもしれません。しかし、わかるものだけでもまとめまして、 一応中間報告をその計画のめどのつく年次までに 一つのめどをつけたいと思います。
○二宮文造君 そのように総合調査をなされて、それは私どもの要望によって、いわゆる旧島民の方々の帰島の促進の一助にするために調査をやっていただくということで始めたわけですが、その御苦労は多といたしますけれども、一方で総合調査がそういう途中の段階にありながら、いま硫黄島を使っております防衛庁が全島の基地化計画というのを露骨に進めている、こう報道されております。私が言うのじゃない、報道されております。防衛庁は本格的な訓練基地とするための調査を続けてきたけれども、いよいよ来年度から関連施設の建設に踏み切るとともに、新たに同島を拠点とする救難飛行隊を編成する方針を決めた、こういう報道があらゆる新聞紙に載っております。 あわせて五十六年度の——これも時間がありませんから、概算要求を防衛庁がしているわけですけれども、私は、いまお話がありましたように総合調査団が派遣をされて鋭意調査中でありますだけに、基地の増強はいま実施されております総合調査と相反するものだ、いま防衛庁が考えている基地の強化は。ですから計画の凍結を求めたい、私はそう思うのですが、国土庁長官、所管事項ですので、ひとつこれで締めにしていただきたいのですが、総合調査がいま進んでおります。それから旧島民は島へ帰りたいという強い希望を持っております。一方、それに相反するように防衛庁が基地の強化、全島基地化を予定しているような方向にあります。これらを兼ね合わせていま総合調査が進んでいるわけですから、ひとつその問題を島民の気持ちを逆なでさせないように、国土庁長官の政治手腕によって旧島民の皆さんのお気持ちをくんであげていただきたいと思うのですが、答弁いかがでしょう。
○国務大臣(原健三郎君) 二宮先生にお答え申し上げます。 私どもの方へ入っておる通知におきましては、防衛庁におきましても、硫黄島の基地について現在の施設を中心として使用していく考えであるというようなことを聞いております。でありますから、島民側の……
○二宮文造君 帰島には差し支えありませんか。
○国務大臣(原健三郎君) 帰島についても可能な方向になっておると私どもは承知いたしております。だんだん、そしていま言った開発等も進めていく場合において島民の帰島は不可能ではない、こういうふうに思っております。
○上田耕一郎君 私は、住宅問題、それから山王ホテルの問題について質問いたしますけれども、その前にひとつ岡山県の長島愛生園の架橋問題、この問題をお聞きしたいと思います。 この問題は、当建設委員会でも二、三年前に請願書が出されて、厚生省の局長にも来ていただいて審議したことがあったんですけれども、ハンセン氏病の国立療養所が置かれている小島で、半世紀前につくられたわけですね。現在もう隔離の必要がなくなっていて、社会との交流を進めていることが求められている。ところが、島と本土との間がわずか三十メートルしかないのにいまだに橋がかかっていないということだったわけです。ところが、十月二日に関係者の方々が園田厚生大臣に陳情したところ、厚生大臣が、整備費の増額はできたがこの橋が実現していないことを反省している、強制隔離を必要としないあかしとしてこの橋を実施したい、明年度の予算で実施するようにすると答えられて、非常に地元の方々は喜ばれているわけです。地元負担については私が自治大臣と話し合う、建設大臣には私が責任を持って話をつける、架橋に付随する島内整備は厚生省でやるということを明言されているわけです。園田厚生大臣から斉藤建設大臣にこの問題について責任を持った話が来たかどうか、またどう答えられたかどうか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(斉藤滋与史君) 厚生大臣からは直接まだ聞いておりません。
○上田耕一郎君 前から長い間問題になってきたところで、厚生大臣から陳情団にこういう返事があったので、話があった場合、ぜひ来年度予算で実現できるように建設大臣としても努力していただきたいと思いますが、明確な御答弁をお願いします。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 厚生大臣からは直接お話は伺っておりませんけれども、事務的な連絡は過去の経緯について承知いたしております。 橋をかける以前の問題として、地元の方々との融和的な中において橋をかけるというような問題も含まれているやに聞いております。したがって、せっかく橋をかけることによって、いらっしゃる方々と地域住民との方々の気持ちの上で整理のつかないようなことがあってはかえっていかがなものであろうかというようには考えておりますけれども、円満に地域住民の方々と橋をかけるということについて推移していくならば、せっかくの御提案でございますし、厚生大臣もそのような意向でありますので、関係省庁当局と御相談申し上げて、前向きで進めさせていただきたいと思います。
○上田耕一郎君 次に、住宅問題について質問します。 午前中にもいろいろ審議がありましたけれども、七月三十日に住宅宅地審議会の答申が出されました。大臣から、通常国会に住宅基本法も提案するという答弁もありました。来年度からは第四次住宅建設五カ年計画もつくられようとしております。私は、この答申に基づく住宅基本法というのは、国の住宅政策を左右する非常に大きな問題だと思うんです。午前中の答弁でも、第三次住宅建設五カ年計画のデータの総括がありましたけれども、非常に大きな問題は、どうも政府がやっぱり持ち家政策中心主義に傾いているために、公的賃貸住宅が非常に達成率が低いということが大問題です。午前中の答弁でも、公的住宅は、全部で五カ年計画一〇七・七%の達成率だというんですが、中身を見ると公庫住宅が一三二%、これは非常に多いのだが、公営住宅は七六%、公団住宅に至っては五五・八%で半分ちょっとという状況になっているわけですね。こういう状況をどう変えていくかということが大きな問題であるにもかかわらず、今度の住宅宅地審議会の答申では逆に持ち家政策、民間自力建設主義がさらに強くなっているという問題があるわけです。答申ではこういうことが書かれています。四ページのところですが、住宅政策の理念ですね。「住宅は、本来、市場で供給・配分される財・サービスであるものの、市場メカニズムにまかせていたのではそもそも市場が成立しない場合や市場が十分に機能しない場合」さまざまな問題が生まれるのだと、そこで「政府は」「これを阻害するような問題があれば、」云々といって、「住宅の供給・配分等に適切に政策介入する必要がある。」、つまり住宅というのは、本来市場サービスで市場メカニズムに任せてつくられるのが本来なんだ、ところがそれに任せておいたのではまずい場合、政府が初めてこれに政策介入していくんだという立場ですね。私はこれまでこういう立場というのは、政府の方針にもまた答申の中にもこれまで出たことがないように思うんですけれども、ありましたか、こういう考え方は。
○政府委員(豊蔵一君) 従来の御答申等ではその点につきましては必ずしも明確でなかったかと思います。こういう表現が出ましたのは私は今回が初めてだと思います。
○上田耕一郎君 住宅局長自身が今回初めてだと認められた。昭和五十年の八月九日の「今後の住宅政策の基本的体系についての答申」というこの前の答申です。この答申では住宅政策の理念をこう書いてある。「住宅政策の理念は、すべての国民がその家族構成、居住地域等に応じて良好な環境のもとに一定水準以上の住宅を確保することができるようにすることにある。」「これは公共と民間が、その役割に応じて不断の努力をすることによって、はじめて達成されるものである。」と、抽象的ですけれども、私どももこの基本理念なら賛成でこれが正しいと思うのです。すべての国民に憲法二十五条に基づいて一定水準以上の住宅を確保するのだ、それが住宅政策の理念だ、公共と民間が役割りに応じて不断の努力をする、こういうたてまえであったわけですね。答申もそうだったし、建設省もそうだった。それが今回の答申では、いま局長も認められたように、初めて住宅というのは本来市場で供給されるものだ、ただメカニズムがうまく働かぬ場合、政府は政策介入するのだということでぐっと引き下がってしまった。そうしか思えないのですけれども、政府は来年提出されるという住宅基本法にこういう初めての考え方、重大な後退だと私は思いますけれども、こういうものを盛り込むつもりですか。これはひとつ建設大臣にお伺いします。
○国務大臣(斉藤滋与史君) 住宅建設計画の推移、先生御指摘のような形でありましたけれども、基本理念は変わってはいないと思いますし、変えてはならないと思います。民間、公共ともに協力し合って一定水準以上の住宅を国民に提供するという義務的意識を持って私たちは行政の面でも進めてまいること、そのことについてはいささかも後退は許されないであろうし、後退しない計画のもとに進めてまいりたい、このように考えるものであります。
○上田耕一郎君 変わりないって、表現変わっているじゃありませんか。大臣、局長は初めての提出方だ、言い方だと言ったわけです。違うわけでしょう、初めてだから。同じなんですか、違うんですか。
○政府委員(豊蔵一君) 私が申し上げましたのは、先ほど先生がこの住宅宅地審議会の御答申の四ページの部分につきまして御指摘ありましたので、そういう表現については初めてであると申しました。しかし、その後先生から御指摘がありました住宅政策の目標につきましてのお話は、五十年の答申と同様にこの七月の答申におきましても「住宅政策の目標」といたしまして、「住宅政策は、国民経済の成長発展の段階及び住宅に対する国民のニーズの動向に即応しながら、国民がその家族構成、世帯成長の各段階、居住地域等に応じて、良好な住環境の下に安定した生活を営むに足りる住宅を確保することができるようにすることを目標とすべきである。」というふうにおっしゃっておられまして、そういうような点につきまして私は、基本的には同じ流れに沿っているものだと考えております。
○上田耕一郎君 基本的には同じ流れというのは、これまでの中にも持ち家中心主義ですね、こういうのがやっぱり強くて、物に公共賃貸住宅の良質で家賃の安いものを大量に供給していくというところに重点が置かれてこなかった弱点があったわけで、その流れを基本的に貫いていくだけでは困るわけですね。私が聞いているのは、住宅政策の理念は変わらないと、五十年のこの答申のこれでいいんですね、公共と民間が役割りに応じて不断の努力をするんだ、すべての国民が一定水準以上の住宅を確保することができるようにすると、この理念は変わらないわけですね。住宅基本法にじゃこれを盛り込んで、その基本は動かさない、民間が大体基本でそれに大体任せてそのメカニズムが働かないときだけ政策介入をするという後退は住宅基本法には入れないと受け取っていいですね。
○政府委員(豊蔵一君) 住宅基本法案につきましては、五十五年に御答申をいただきました住宅宅地審議会のいろいろな御提言に基づきまして、住宅政策の目標なりあるいはまた住宅供給に関しますところの国、公共団体の役割りであるとか、その他重要な基本的事項につきまして内容を盛り込みたいと思っておりますが、その内容につきましては、現在まだ部内で検討中でございますので、成案を得次第、御審議をいただきたいと考えております。
○上田耕一郎君 確かに、提案されてからということにしますけれども、私は、今度の答申の中にいま私が指摘したような、国の住宅政策の基本をいままでと違って後退させて、国の責任、国の責務をなるべく狭く解釈しようという傾向がこの答申の中にはあるということを指摘しておきたいと思うんです。そういうものでない、基本理念を憲法二十五条に基づくそういう国の住宅政策、ここに置くような住宅基本法をぜひ望みたいし、それが出てきたときにまたここで討論させていただきたいと思います。 さて、そういう国の住宅政策のまずい流れが具体的にどういう問題を生み出しているかということで、いわゆるローン地獄の問題と、それから大都市の住宅問題ですね、いわゆる木賃アパートの問題、この二つに限ってお伺いしたいと思うんです。 日本の住宅投資というのはいま世界最高のレベルで、一九七〇年以降GNPの大体七%から八%を占めていて、これは欧米諸国の大体倍ということになっているんですね。世界一のGNP比の住宅投資が行われている。ところが、この住宅投資の中で物すごい割合を占め始めているのが住宅ローンです。一九六五年にはこの住宅資金の中のローン割合が一割、一〇%程度だったのが、最近大体六五%というようなところまでもうはね上がってきているということなんですね。つまり政府が持ち家つくれ、持ち家つくれと言うと土地は暴騰するというので、結局勤労者が自分の家を建てるためには、公団もどんどん数が減ってきますし、遠高狭という問題が起きてくるので、結局ローンを借りて建て売り住宅を買ったりマンションを買ったりというところでもう死にもの狂いにやらなければならなくなってくる。そこへ金融機関がどんどんローンを貸していきますのでこういう状況になってくる。 午前中も質疑がありましたが、ローンの貸出残高、ここに住宅金融公庫の資料がありますが、七八年現在で残高が約三十一兆円です。六五年の三千八百億円に比べて八十三倍にローンの残高がふえている。特に民間銀行の場合は三百六十四倍、ローンが残高がふえているということです。いまローンを使って返している人たちが、返済世帯三一%いるわけです。負担率はますます高まってきておりまして、普通民間銀行はローンを返せる限度というのは大体三〇%と言われているんだけれども、中には最近年収の五〇%から六〇%をローンに充てているという例さえふえてきているという報告。こうなればやっぱりローン地獄という言葉が生まれるのが当然で、最近も自殺などの悲しい事件が次々に起きている。私もこれまで建設委員会でこのローン地獄に耐えかねて自殺している例なども聞いたことがありますが、また最近ふえてきておる。政府はこういう悲惨な実態をどのように把握しているのかお答え願いたいと思います。
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のいろいろな住宅ローンにまつわる問題も新聞紙上等で伺っておるところでありますが、私どもといたしましては、住宅金融公庫あるいはまた民間の金融機関等を通じまして借り入れを行います場合に、借入時における適切な指導、相談というようなものを通じまして、やはり御本人の能力の範囲内で適正なローンを借りる。そしてまた将来の返済が潤滑にいくというようなことを指導しておるところでございますし、また万が一延滞その他事故の生じましたようなときには、公庫、民間金融機関それぞれにおきまして返済困難時のいろいろの償還方法の変更等の措置等も指導しております。いずれにいたしましても計画的な貯蓄努力あるいはまたやはり自己の負担に見合ったローンのあり方、そういったことを健全に推進していくというようなことが必要であろうかと考えております。
○上田耕一郎君 ローン返済が焦げついているケースはどのぐらいふえていますか。調査していますか。
○政府委員(豊蔵一君) 私どもの方では住宅金融公庫のみにつきまして実は資料を得ておるわけでございますが、住宅金融公庫におきます五十四年度末の状況では、貸付残件数が全体で三百五十七万八千件ばかりございますが、そのうち六カ月以上の延滞となっておられる方々が千三百八十二件、全体の貸付残件数の〇・〇四%というふうに承知いたしております。
○上田耕一郎君 住宅金融公庫のケースで〇・〇四%、千三百八十二件と非常に少ないという意味のことを言われましたけれども、絶対数はそういう数字でもやっぱりふえているわけですね。朝日の二月二十七日の記事によりますと、住宅金融公庫の公庫住宅融資保証協会の代位弁済、この件数が五年間で百七十倍になっている。二件から三百四十件というのでやっぱりふえているわけですね。それから焦げつき件数はやはり五年間で八十三件から五千百件、五年で六十倍という数字も出ている。また絶対数はそれほど多くないかもしれないけれども、五年間で六十倍とか百四十倍とかそういう数字が出ていることを見ますと、ローン問題というのが自殺者が出るほどはなはだしくなっているという傾向は明らかだと私は思うんです。 余り時間がありませんけれども、このローン問題というのは私が先ほど指摘した政府の持ち家拡大政策ですね、結局ローンつきだと、それ以外になくなっているということの結果だと思うんです。ローンつきのこの持ち家拡大政策というのがどういうところに日本を追い込んでいるかという点です。いまこの東京都内でもマンションが物すごくふえています。建て売り問題、建て売りのミニ開発も大きな問題になって法案もできましたけれども、結局建て売り、マンションがあんなにふえているのもやっぱりほとんどローンでしょう。そうすると、ローンを借りて二十年とか、マンションの場合は三十五年ですけれども、二十年、三十五年の返済期間がたった後、一体東京はどうなるか。これはマンションなんかは建てかえもなかなか困難な法的問題その他もありますし、結局大量のスラムが生まれてしまうんじゃないかということさえ私ども恐れるわけです。 こういうローンにつぎ込まれている。七八年現在で三十一兆円という膨大な資金が、たとえば国やあるいは公団やあるいは地方自治体などの手で本当に計画的な住宅建設に回されていたとしたら、大都市の住宅問題というのは一変しただろうというふうにわれわれ考えざるを得ない。だから、そういう点で私は、来年度住宅基本法が提案されるけれども、いまそういう基本問題を流れに任さないで根元に立ち返って考えるということが非常に大事になってくると思うんです。 もう一つ、東京の木賃アパート問題でお聞きしたいんですが、この答申でも昭和六十年までに最低居住水準達成というので民間木賃アパート問題を重視している。東京には百万戸あるわけですね。この答申では、これは並み並みならない政策努力を要すると書いてありますけれども、さて昭和六十年度までに、たとえば東京の百万戸、全国で四百七十五万世帯といわれているこういう民間の質の余りよくない木賃アパートですね、こういう問題が解決できるという見通しがありますか、具体的な政策の方向を聞かしていただきたい。
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のとおり、六十年度を目標といたしました居住水準の向上を考えました場合に、やはり大都市において問題が大きく、かつそのうちでもお話のようにいわゆる木賃アパートといったようなところの居住の方々に居住水準未満の方の割合が多いという実情にあります。これはまた、居住水準のみならず都市の防災あるいは土地の高度利用という点からも問題があると考えております。 私たちは現段階では、御承知かと思いますが、特定賃貸住宅建設融資利子補給制度というものを昭和四十八年度から実施いたしておりますが、それによりまして利子補給をする。また、昭和五十五年度におきましては、その期間の延長あるいは敷地要件の緩和等いろいろな改善、拡充を行ってまいりました。また、そういったような制度の拡充をさらに一層推進いたしますと同時に、住宅地区改良事業あるいは住環境整備事業等の再開発——広い意味の再開発事業等もあわせ行うこと等によりまして良好な環境の形成を推進したいと思っております。 また、民間の木賃アパートの所有者の方々も、かなり老朽化する、あるいはまた設備が古くなっておるというようなところで、積極的に新しい借家人の方々を募集いたしませんで建てかえる意欲もかなり強くなりつつあると聞いておりますので、今後とも一層努力いたしましてこれらの木賃アパートの改善を進めてまいりたいと思っております。
○上田耕一郎君 この百万戸のアパートに住んでいる人たちにとっては、そこから脱出していく場合、個人の力でやれというと結局先ほど指摘したローン地獄に巻き込まれていくかしかないわけですね。やはり私は、都営住宅あるいは公団、公社などのそういう大量の公的賃貸住宅を供給するということを本格的に推し進める以外にないと思うので、前から強調しておりますけれども、改めてそういう方向を国の住宅政策の基本にもう一度据え直すということを要望さしていただいて次の問題に移りたいと思います。 私、この建設委員会でもこれまで山王ホテル問題で三回質問してまいりました。いまなかなか、いわゆる期限というのがこの十二月なんですけれども、状況非常に重要なところに来ておりまして、安立電気は東京都に九月の六日建築確認申請書を郵送で送り届けるというようなことが生まれました。反対同盟も都知事あてに陳情書を提出する、さらに地域の反対運動も広がっておりまして、聖心女子学院、あそこが自民党の斎藤栄三郎議員を紹介者にして、この山王ホテルというのは学校地域からいって非常にまずいということで都知事に要望するという動きも生まれております。 防衛施設庁にお伺いしますけれども、八月二十四日付のスターズ・アンド・ストライプスという新聞、アメリカ太平洋軍の準機関紙ですけれども、海軍が十月一日から山王ホテルの運営を管理することになるという報道がありましたが、御存じでしょか、経過を御説明願います。
○説明員(梅岡弘君) ただいま御指摘の点でございますが、ことしの春ごろから在日米軍としては在日米軍内部の都合でもって、従来は陸軍が一応管理の責任に当たっておりましたが十月一日から海軍の方にかわる。もともと山王ホテルと申しますのは、陸海空、海兵、在日米軍のうちの四軍が共用して使うという施設でございまして、その当番に陸軍がなっていたのが海軍にかわったということでございます。
○上田耕一郎君 海軍にかわるとこれは大変なんですね。海兵隊ですよ。それでアメリカには海兵隊が師団規模で三つありますけれども、アメリカ本国に二つある。国外で師団規模の海兵隊を置いているのは日本だけであります。沖繩ですね。その第三海兵師団の一部がハワイにいるわけです。この海軍がこれを管理することになりますと海兵隊、これがホテルを主に使うということになるわけです。海兵隊というのはこれまでも、たとえば南朝鮮の仁川上陸、レバノン出兵、ドミニカ干渉、南ベトナム上陸とか、最も狂暴な一番強い軍隊ですよ、アメリカで。中東でペルシャ湾その他事件が起きたときには、沖繩の第三海兵師団が緊急出撃部隊として行くということをこの間緊急出動部隊のケリー司令官がアメリカの上院で証言しているということなんですね。その海兵隊が山王ホテルを使う。この間発煙筒をボンと打ったのも海兵隊の兵隊だったんです。これはいよいよ危険なことにならざるを得ない。海軍のアメリカの兵隊がどこか出て行って戦争して戻ってくると、気が立っていますから何をやるかということはもうわかり過ぎるほどわかっているわけです。いまでも横須賀で米兵による事故が非常にふえているんです。そのために横須賀では商店がアメリカ軍お断りだと、ジャパニーズオンリーという札を張り始めたんですね。当然の自衛措置だと思うんですけれども、ところが法務省は、これは人権侵害だというんで札を外すよう指導しているということが新聞に載っているんですが、法務省、その経過を聞かしてください。
○説明員(水流正彦君) 御説明申し上げます。 昨年の十二月、いま先生御指摘のようなことが新聞報道されましたので、横浜地方法務局——私どもの出先でございますが、におきまして、関係者等から事情聴取するなど調査いたしたわけでございますが、その結果、先生御指摘のような表示をしている店があることが確認されました。私どもが確認したので六軒ございますが、このような表示をするに至った経過についていろいろ調査いたしましたところ、いずれもこれらの店を利用する——店と申しますのはスナック等の飲食店がほとんどでございますが、これらの店を利用する米兵のマナーが悪くて、物を盗んだり、あるいは器物を損壊したり、ほかのお客さんに迷惑をかけるというようなことがあって店の営業に支障が出てきたということで、自衛のためということでこのような表示をしたといういきさつがわかりまして、人種的な偏見とかあるいは差別の意図とかいうものからきたものではないということが判明したわけでございます。したがいまして、私ども人権擁護機関といたしましては、そういう経過があるとすると、直ちに人権侵犯というわけにはまいりませんので、いわゆる人権侵犯事件としての立件とか調査とか処分とか、こういうことはいたさないことにしたわけでございます。 しかしながら、ジャパニーズオンリーという表現は、人権の基本でありますところの平等という観点から考えますと、まあ問題のなしとしない表現であるということで、これらの店の右のような表示の変更をしてもらえないか、あるいは取り外すことはできないかということで指導したわけでございますが、一、二の店におきましてはそれに応じまして取り外したところもあったわけでございますが、まだ取り外していないところも数軒残っているわけでございます。それで、横須賀市当局等ともいろいろ御相談いたしまして、表示を取り外すとか、あるいはもう少し適切な表現に改めるようにお考えいただけないかということでこれらの店に働きかけをしようということを考えて、その手続を進めているところでございます。
○上田耕一郎君 数字によりますと、昭和五十三年、横須賀市で米軍犯罪の数は六十五件、七十三人、一年間であるわけですね。法務省のとった措置がいいかどうか、いろいろこれは議論があるかもしれませんけれども、ジャパニーズオンリーという札は張るとまずいというのがどうも法務省の見解のようなんですが、さて、防衛施設庁はこの山王ホテル問題で南麻布の安立電気のところにもし米軍ホテルができた場合、防衛施設庁が五十四年十二月に提出した文書によりますと、立入規制をやるんだということを書いてあるんですね。立入規制の範囲の地図までついている。安立電気の天現寺の方向のそこの部分だけですが、これはどうやって立入規制させるんですか、ジャパニーズオンリーという札は張れないわけでしょう、住民は。
○説明員(梅岡弘君) 先生も現場の状況を御存じかと思いますが、明治通りの裏側は昔からの住宅地帯でございます。地元の住民の方々はこの建設問題に関していろいろな角度から御心配になり、私どもと昨年来の十数回にわたる話し合いの中で、何とか住環境を守ってほしいという切実な要望を出されました。先ほどのジャパニーズオンリーという問題と絡めての御質問でお答えがしにくうございますが、私どもとしては米軍に立入禁止という日本側のそれはできません。ただ米側に地元の事情を説明して米側が自粛するようにという形、つまり具体的にはあの施設を利用する者に対して、そういった立ち入り自粛の周知徹底を図るという措置をとりたい、こういうふうに思っております。
○上田耕一郎君 この夕刊フジの十月十日号に聖心女子学院の米軍ホテル反対問題の大きな記事が載っていて、斎藤栄三郎議員の談話が載っています。斎藤栄三郎議員はこの中で「いやいや聖心を特別視しているわけではありませんよ。十六校全部が反対してますし、防衛施設庁は学校区域には(米兵を)立ち入らせない、といってますが、そんなこと兵隊の一人一人に守られっこありませんよ。」と、こう述べていますが、防衛施設庁としてはこの地図に書いた天現寺付近のところだけじゃなくて、学校地域には一切立ち入らせないということを斎藤議員に述べたんですか。
○説明員(梅岡弘君) 私が斎藤議員にこの問題について説明に参りまして、同時に聖心女子学院の方もいろいろ御心配になっておりますので、学校の周辺地域には安立電気の代替施設の建設予定地の周辺と同様な措置をとるよう米側に要請いたしますと、こういうふうに申し述べております。
○上田耕一郎君 聖心女子学院地域だけですか、ここに地図がありますが、学校がずっとあるんですよ、十六校。そこに全部米兵を立ち入らせないという約束ができますか。
○説明員(梅岡弘君) 十六校というのは聖心の方で申されておりますが、学校によってさまざまな対応がございます。私どもとしては御心配のあるところについてはそういう措置をとることを考えたいと思います。
○上田耕一郎君 全部が御心配なんですね。これはあそこの地域の自治会三つを初め住民全部が反対運動に立ち上がっていて、区議会でも何回も反対決議が行われていて、全住民が反対しているんです。全住民が反対している全地域に立入禁止区域を設けるよりも来ないのが一番いいんじゃないでしょうか。 それで、私もう時間もありませんので、防衛施設庁にもう一度この問題について聞きたい点があるんですけれども、さて、もしこの施設が五十億円から六十億円かけて完成した場合、国会で予算が成立しなければ、防衛施設庁としては安立電気からこのホテルを借りて米軍に提供できないでしょう。
○説明員(梅岡弘君) 毎年度の米軍に提供する施設、提供施設に関連する借料その他の予算は国会の御承認を得て措置しております。
○上田耕一郎君 だから、この安立電気の場合、予算が承認されなかったら、削除されたら、これは米軍に提供できないでしょう、借りられないでしょう、防衛施設庁としては。
○説明員(梅岡弘君) 仮定の問題での御質問でございますが、私どもは国会の諸先生方の御理解を得て予算の成立に努力したいと思います。
○上田耕一郎君 私もじゃ仮定の問題で質問しますけれども、もし予算が通らなかった場合、安立電気に防衛施設庁としては損害賠償をする義務が生まれるんですか。
○説明員(梅岡弘君) この点については、そういった事態が具体的にどのようにして発生するか、そういった状況によっておのずから法律関係が定まってくるものと思います。
○上田耕一郎君 去年の二月九日、防衛施設庁と住民代表との話し合いの中では、住民が、もし防衛庁がこの案を撤回すると安立にペナルティーを払うか、答え、そうなるだろう、ということになっているんですけれども、安立電気にペナルティーを、あるいは損害賠償をしなきゃならぬ法的根拠はありますか。
○説明員(梅岡弘君) 安立電気と私どもとの現在の関係は、米軍の山王ホテルの代替施設を必要としているというわが方の希望に対して、安立電気の方がかつての本社と工場の跡地にそれに見合う建物を建てて政府にお貸ししましょうという一応口約束という状況でございまして、そういったことが成就しなかった場合におけるいろんな法律関係についての具体的な細かな取り決めというものはしておりません。
○上田耕一郎君 つまり契約はないわけですね、契約者としては口約束程度だということなんですが、なぜこの口約束程度にあなた方がこんなに固執するのかというのが、私は最後の大問題だと思うんです。 私は五月の二十日にアメリカ大使館に参りまして、この問題でマンスフィールド大使と会いたいと申し入れました。大使には会えないで、かわりにフェザーストーン一等書記官、それからハバード一等書記官の二人の一等書記官と住民代表と一緒に約一時間この問題で話し合いをやりました。何も安保条約廃棄の交渉に行ったわけじゃないんですけれども、私は彼らにいかにこの環境問題で住民の反対運動が大きく生まれているかということを、私も述べ住民代表も述べました。住民がこんなに反対運動をやっているところに——これも一つの基地です。米軍の施設です。そういう米軍施設を置くというのは、アメリカのサイミントン委員会で表明されたアメリカ政府の基本方針とも違うじゃないかということも指摘をしました。そして、国会で防衛施設庁がこの委員会で答弁したアメリカ側からの三つの条件が出ていると。三つの条件というのは、駅から歩いて十分、ヘリポートから十五分、アメリカ大使館に近いというのがアメリカ側から出ている三つの条件だと。その条件さえ外せば別のところにあるというのを防衛施設庁ははっきり答弁しているんだから、アメリカ側として、住民の反対運動のある場合は、基地が不適当だという基本方針に基づいて、この三条件はあなた方やっぱり変えるべきだということを述べた。よく大使にも話しておいてほしいということを要望してきたんですけれども、防衛施設庁としてはこの三条件問題、アメリカ側と話し合いをしたということはその後ありましたか。
○説明員(梅岡弘君) この問題は語れば長くなりますし、先生のお時間の邪魔になるかと思いますので、かいつまんで申し上げますと、四十年代の前半に山王ホテルの所有者からの明け渡しの訴訟が出まして、国側は一審で敗訴いたしまして、控訴いたしましたが、最終的には控訴審で和解したという経過がございます。ただ、日本政府としては安保条約並びにそれに基づく地位協定に基づいて具体的にあの施設を提供しているわけでございますので、提供する責任が引き続きございます。そういった意味で代替施設を必要としているという事情にあることを御理解いただきたい、このように思います。
○上田耕一郎君 ちょっと、アメリカ側とその三つの条件についてどうですか。
○説明員(梅岡弘君) どうも失礼しました。 そして、そういった代替施設、訴訟の進行過程あるいは和解、その後の過程の中で米側と分離案あるいは縮小案その他いろいろな問題についてこれはもう数限りなく話し合っておりますが、現実にあの施設の機能と申しますのは、大きく言って二つございます。一つは、安保条約地位協定を実施するための日米の両国の政府機関と申しますか、具体的には在日米軍と外務省その他私ども防衛施設庁を含む政府機関との会合の場に使われることが一つございます。それからまた、米軍内部のそれぞれの所要の会議もございます。と同時に在日米軍の軍人、軍属、家族のいわば厚生福利施設といった機能もございます。そういった二つの大きな機能、目的から推して、米側の条件というものは地元にとって御迷惑な面がございますかもしれませんが、私どもとしてはそれなりに理由のあることだというふうにいまは考えております。
○上田耕一郎君 いや、住民とこれだけの問題になっていて、住民側には無理に押しつけようとして、米側にはこの三条件問題で何ら交渉もしないということが大問題なんですよ。 私、前にも指摘しましたけれども、あの山王ホテルというのは全面占領中につくられたものでしょう。全面占領中に東京のど真ん中につくられたホテルを、戦後三十五年たってほぼ同じ条件で南麻布につくろう、米軍の三条件、そのまま結構です。のもうと言うんでしょう。その三条件外せば別のところにやっぱりあるということをはっきり答えられている。何で米軍と交渉しないんですか。あなたに米軍と交渉しろと言ってもお答えできないかもしれないけれども、今後防衛施設庁として、この三条件問題を、地元の住民の意向、日本国民の意向、また地方議会、港の区議会の満場一致の決議を背にして、米軍側に三条件、この問題で交渉する気持ちは防衛施設庁としては全くないんですか。
○説明員(梅岡弘君) 私どもは、こういった代替施設の問題についてさんざん手を尽くして対米折衝をしてまいったわけでございますので、少なくとも今後において、現在これまでもやってまいりましたし、今後の問題として、つまりあそこに置かしていただく場合に、地元の住民の方々が御不安に思いあるいは御心配になるような問題を具体的に解決する手だてについての交渉はいたしますが、その三条件そのものについてこれを基本的に見直すということは、これまでの経過から推しても、私どもはやることは意味がない、このように思っております。
○上田耕一郎君 私は、この南麻布の安立電気のところの米軍ホテルというのは、住民の反対運動がいよいよ広がっている現状で絶対できないと思いますね。防衛施設庁としてはそのアメリカの方にばっかり顔を向けている基本方針をここで根本的に転換すべきだということを指摘しておきたいと思います。 建設大臣、最後にこの問題は何回もここでも取り上げてきたんですが、建築基準法という関連だけでなく、東京の都市問題としてこの大事な環境破壊の問題として非常に大きな問題がありますだけに、ぜひそういうたくさんの問題点をよく御理解いただいて、防衛庁長官とももう一度ぜひ話し合いをしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(斉藤滋与史君) 先生とのやりとりを拝聴して、都市計画上いろいろな問題もあろうかと思います。事態の推移を見きわめながら、防衛施設庁からの相談等々受けながら対応してまいりたいと思います。
○上田耕一郎君 終わります。
○栗林卓司君 私は、宅地の価格、また供給の問題を中心にしながらお尋ねをしたいと思います。 まず、国土庁長官にお尋ねをしたいんですが、最近の地価の価格動向を見ますと、たとえば三大都市圏で例を挙げますと、住宅地で一六%、宅地見込み地で一五・一%去年に比べて価格が上がったという数字があるわけですけれども、この数字に対して率直な御印象ございましたら、まずお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) 御指摘のとおり最近地価が急騰しておるという声をしばしば聞くところでございます。実際、調べたところによりますと、いま先生がおっしゃったように、昨年七月一日から本年七月一日までの地価変動率は全国平均では八・八%、全国の住宅地では一一・五%、さらに三大都市圏の住宅地だけでは一六%という状態になっております。こういうのでかなり上がっておるところでございますが、しかし平均して言いまして、四十七年や四十八年ごろのいわゆる地価高騰時のときには平均して三〇%ぐらい上がっておったのでありますから、それよりははるかに上がり率は低いと見ていいと、狂乱物価のように狂乱物価ではないと思っておりますが、それなら安心しておってもいいかとなりますと、必ずしも安心できないので、今後とも地価動向については十分注視して地価の急騰しないようにあの手この手といろいろ対策を講じていきたいと思っております。
○栗林卓司君 狂乱物価と比べてというのは余り比較にはならないわけですけれども、いまこの数字を見てどうお考えかということは、実は私二つお伺いした理由がございました。一つ挙げますと、これ金利よりも大きいんです。金利よりも大きいということをどうお考えになるか。確かに去年の価格上昇率から見ますとおおむね横ばいでありまして、したがって、上がり幅そのものが急騰したという状態ではないけれども、水準そのものは実は金利より高い。私の意見だけ先に申し上げますと、これは売り惜しみを誘わない方がおかしい、そうまず見るべきではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(原健三郎君) 御指摘のとおりでございます。
○栗林卓司君 それからもう一つ比べますと、名目賃金の上昇率よりも大きい。ということは、狂乱物価のような大幅なものではないことは事実ですけれども、これは重なりますとやがて売れなくなる、いまの水準が続いていく。しかも売り借しみはいまおっしゃったように、傾向としてごく自然な姿で出てくる。そのうちに買えなくなる、売れなくなる。これは経済の仕組みとしても大変危機的な状況でございまして、その意味でほうっておけない、まさにほうっておけない数字である。二年、三年かけてゆっくりとあの手この手を尽くして対策を打てばいいというのではなくて、まさにほうっておけない数字だと、私はこう思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(原健三郎君) 栗林先生の御説のとおりで、私どももほうっておけないものだと思っております。といっていろいろやっていますが、それならたちまちにして土地の値上がりがとまるかというふうになると、なかなか土地の性格上非常にむずかしい問題があることも御案内のとおりであります。それでできるだけのことをやって急騰を防ぎたいという方針でいま鋭意努力中でございます。
○栗林卓司君 そこで、実は長官にお尋ねしたかったのは、今度新しく御就任でございますから、従来何が欠けていたんだろうか、それから長官として御就任中に何を新しくおやりになるのか。農住法はこの際御遠慮さしていただきます。あれはまた後で参りますのでその議論は別にしまして、いまの二点について率直な御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) なかなかむずかしい問題で、この土地問題はずいぶん私も、まだ就任以来数カ月ですが、鋭意土地の問題を、質問も多いし、研究もしたんですが、やはり基本的、長期的には二つあります。 第一は、過密過疎を解消して国土の均衡ある開発を図る施策をいろいろやる。 第二は、第三次全国総合開発計画に基づいて定住構想の推進をやる。これを現にやっております。 それなら、当面土地対策として何をやるか。これはしばしば申し上げておりますように、一番困ることが土地の急騰するのは投機的土地取引があるからであります。何といっても、投機的土地取引を抑制することは、これは法律もありますし、鋭意努力をいたしております。現在はそれは全国的に調べてみますと、投機的土地取引が一応静まっておるというところであります。 第二は、土地供給促進のためのいろいろな総合的施策をやりたい。需要供給の原則からいってどうも供給が少ない。 第三は、この国会で何をやるか。 農住組合はいま申したとおりでありますが、第一は、そのほかに宅地供給促進のために各種施策を来年度予算において各所管の省庁において要求しております。 第二は、来年度の土地税制についていま検討いたしております。税金の方面からも土地の急騰を防ごうと思っております。それから、当面の施策としては、向こう一年間ぐらいの検討事項として、昭和五十五年度、六年度中はやらないが、こういう市街化区域における農地に対し宅地並み課税のあり方、これについても答申案も出ておりまして、五十五年、六年は課税しないけれども、五十七年度になれば、こういうところへ宅地並み課税について検討をする、積極的に前向きにやるべきであるという答申も出ております。自由民主党の方においてもこれは異存がないということでありますから、かなりこれをやれば効果があろうかと思います。まだしかし、確定的なものは各省庁とも相談して決定いたしたい。 それからさらに、その他地価の動向についていろいろ事務当局にもいま命じて、たとえば経済企画庁とわが国土庁の間で、事務的に地価抑制に対する抜本あるいは積極的対策はないか、いままでのものと違った点において何かあるか、それを両大臣の間で話が合意しまして、それを命じていま検討させております。なるべく早くその返事を出すようにということを事務当局に命じておるところでございます。等々やって御期待に沿いたい、こう思っております。
○栗林卓司君 いまの長官のお答えの中で、来年度税制で土地問題、供給促進を図るようにしたいという部分がございましたが、もう少し具体的にそれをお伺いできますか。
○国務大臣(原健三郎君) 来年度からやりたいというので、税制関係者に申し上げて、いま発表するまで固まっておりませんが、それは進んでおるということだけ申し上げておきます。
○栗林卓司君 では、それが固まりましてから伺うとしまして、いませっかくのお答えなんでございますけれども、税制の場合は抜きにしまして、そのために何をするんだと、やはりお尋ねをしないとよくわからない。聞いている方が少しかみ砕いてまいりますと、宅地の供給が進まないのは、何といってもいまの土地価格の上昇の基本的な原因だと思うんです。仮需要で投機があるという事態ではいまやない。なぜ供給が進まないかというと、先ほど長官御自身お答えでございましたけれども、一つは市街化区域の中で農地から宅地への転用が進まない。もう一つは、宅地開発の事業採算が悪化をして開発意欲を失っている。三つ目が、地方公共団体の開発抑制策。 そこで、この三番目のところから具体的にお尋ねしてまいりますけれども、宅地並み課税を五十七年度から実施をします。答申も出ております。自民党でも賛成であります。こうなっているのですが、これからがいわば一番の問題にかかってくると思うんです。なぜ宅地並み課税が地方議会であんな骨抜きになってしまったのか。逆に言うと、そんなに宅地がふえたら地方財政はたまったもんではないよというのが、片方では地主の欲と二人連れの話は話としながら、もう一つ地方自治体の切実な悩みが反面あるわけです。これを解決をしながらいかないと宅地並み課税というのはなかなか行政に乗ってこないんじゃないか。その地方自治体の財政問題について具体的に何をなさいますか。 もう少し申し上げてみますと、実は建設省がつくった「宅地供給の現状と問題点」、それから「宅地開発に伴う関連公共公益施設整備の実態について」というパンフレットがあります。そこの中で大変おもしろい数字があったので、御存じのことかもしれませんが私は御披露を申し上げてみたいと思うんですけれども、市町村の場合、通常緊急に整備しなければいかぬと思っている公共施設は何かという質問に対して、圧倒的に多いのが下水道なんです。これが六〇%。それはそうだろうと思います。あとは小中学校が九・三%、道路が一九・〇、河川が二・九の公園が四・四。したがって、ほかの与件に変化がなければ、下水道の整備というのがいま地方公共団体の一番頭が痛いところ。ところが、この上に宅地がふえてくる、住宅がふえてくる。 こうなりますと、これは、開発業者の場合と地方自治体の場合と、そのことによって必要となる財政負担の印象がまことに際立って違っておりまして、地方自治体はどうかというと、五九%が小中学校なんです。開発業者はどうかというと、圧倒的大半が河川、下水道、そして道路、公園と、こうなる。いま申し上げた開発業者の部分をどうするかというのは後ほどお尋ねをします関連公共施設費の促進事業に係る部分ですけれども、そこにいく前に、地方自治体とすると小中学校のことで頭がいっぱいだ。これは職掌からいきますと、建設省、国土庁には直接かかわりがない。しかし、この問題を解かないと宅地まで話がいかないし、ひいては農地の宅地並み課税というところまで勇気りんりんとしてなかなかいかないという部分について、むしろ内閣としてどうお取り組みになりますか。現在の状況を含めてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) なかなかうがったいい御意見だと拝聴いたしました。私もそういうことを聞きますとまことに同感の点が多いのであります。こういう、いま問題になっておる地方自治体には小中学校等の建設、そのために最近私なんかも尽力をした一人ですが、人口急増都市法案というのを各党の協力を得てつくりまして、そこで小中学校建設のために政府資金を投ずるようにいたして、内々、どうしても人口が急増して学校が建たなくて困っているところは一応——一応ですが、これは、一応建つようなめどをつけてやってきております。なお、こういう点をやはりもっと増強して小中学校なども建てるようにいたしたい。 それから、このごろ方々で聞きますいわゆる土地つき住宅、庭つき住宅、庭つきの住宅をもっと建設したいという要望が非常に多くあり、それが土地が値上がりしているから国土庁は何しておるかというおしかりもたびたびいただいているわけであります。だから、何とかして宅地並み課税までいくか、いま言った農住組合等もやり、急に抜本的にはいきませんが、できることから逐次目下進めておる、決してなおざりにしておるわけじゃございませんので、そういう意のあるところをおくみ取りを願いたいと思うんです。
○栗林卓司君 どうも宅地の問題というのは、まさに土地の狭い日本でございますから、宅地の配分、どううまくいっているかということが政治がうまくいっているかいっていないかの一番大きな私はメジャーだと思います。その意味で、地価の問題一つとってみても、まさにほうってはおけないところなわけですから、これは私の不勉強で、もしかしてできていたら大変失礼な質問になるわけですが、内閣として宅地問題について閣僚協議会なり何なりというものをお持ちになる必要がいまこそあるんではないでしょうか。
○国務大臣(原健三郎君) 去る五月に、土地対策の、まあ宅地と申し上げてもいいんですが、その閣僚懇談会をやったそうで、私はその後に閣僚になったわけでございます。一回五月にやったということでございます。
○栗林卓司君 もしそれがございましたら、長官にお願いするんですが、新しく御就任でございますから、その土地対策閣僚協議会でも結構ですが、ぜひそれを招集になって、しかもこれは来年度予算のある意味では根幹に触れる部分だと私は思いますので、鋭意御検討をお願いしたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) はい。
○栗林卓司君 同様趣旨のことを実は建設大臣にも私はお尋ねをするわけですけれども、別な角度からお尋ねします。 五十三年度から関連公共施設整備促進事業が行われました。五十三年度が三百五十億円、五十四年度が六百億円、五十五年度が九百億円、五十六年度の概算要求は一千億円、こうなっているわけです。相当かなりの額を出してきたわけですけれども、この辺で実績を振り返って、どう評価されているのかお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(斉藤滋与史君) 住宅宅地関連公共施設整備促進事業、いわゆる関公促進事業の評価でございますけれども、私は相当の評価をしてもよろしいんじゃなかろうかと思います。 いま国土庁長官とのやりとりを拝聴いたしておりまして、やはりこうした面からも、地価の安定、地方公共団体あるいは民間事業等々の住宅宅地促進のための一助として、この制度というものは有効適切にこれからも運営、生かしていかなければならない問題ではなかろうかと思います。 先ほども御質問、御指摘があったわけでありますけれども、五十三年以後の制度で、三百五十億、六百億、九百億、本年度は一千億、一千百億というような予算要望をいたしておるわけでありますけれども、先生御意見のとおり、この問題の関公促進事業についての評価を考えたときに、やっぱり相当前向きで予算獲得にも努力しながら、宅地、住宅対策について進めていくべき制度であろう、また、なお一層生かしてまいりたい、このように考えておるところであります。
○栗林卓司君 もし評価をされているとしますと、概算要求は一千百億でございましたか。九百−一千百、ばかに伸びが低いような気が私はするんですけれども、その辺はどういうことなんでしょうか。
○政府委員(宮繁護君) 五十三年度から発足いたしました関公促進事業費のそれぞれの国費につきましては、ただいま大臣から御説明したとおりでございます。いままでは三百五十億、六百億、九百億と伸ばしてまいりましたけれども、御承知のような財政状況のもとで、一応各省の予算要求は公共事業費において七・五%の枠内におさめよということになっております。建設省におきましては、下水道、河川その他公園等の五カ年計画の改定の時期でもございますし、いろいろ省内でも調整をいたしまして、大議論をやりました結果、一応関公につきましては九百億を一千億にする、一一%の伸びでございます。そのほかに用地の債務保証費プラス百億ということで、私どもも厳しいシーリングのもとでございますから、来年度の要求はこの程度でやむを得ないということで要求しておるわけでございます。
○栗林卓司君 そこで、土地関係の閣僚協議会、何もこのことにかこつけて言っているわけではありませんけれども、やっぱり予算編成の根幹ではないか。対前年度何%である、この辺でシーリングしてこうやって組もうかというのは内閣の事情でありまして、冒頭お尋ねしましたように、いまの一六%というまごまごすれば金利の倍近い土地の上昇率というのは、これはほうってはおけない。そのときに土地の値段に対しても、供給面含めてですけれども、効果があるいわば切り札として出したのが関連公共施設促進費、それだけに思い切ってここに財源を投入してきた。 お調べになりましたものでいきますと、市町村に聞きまして、供給促進に貢献したかというのが、おおむねしたというところまで含めて八五・七%なんです。今度開発業者に同じことを聞いて、宅地供給に対する貢献度はあったかねと言うと、八九・三%がそうだと言っている。じゃ宅地の原価を低くするのに役立ったかねと聞いたら、七八・六%がそうだと言うんです。こういう性格のものを、何となく全体の財布じりが調子悪いから合わせて一一%増ということで済むんだろうか、私がお伺いしているのはここなんです。これは両大臣恐らくお入りになっているんでしょうから、宅地でも土地でも何でもよろしい、それの閣僚関係協議会でも開いて、この問題、関公だけ言っていませんよ、いまの地価の上昇というのはこれはほうってはおけぬ、そのためには抜本的な対策を来年度予算の根幹としてつくらなけりゃいかぬではないかという議論をぜひやっていただきたいと思うんですが、その辺はお答えをいただけますか。どちらからでも結構です。
○国務大臣(原健三郎君) 御承知でございましょうが、いきなり閣僚が寄ってしましても、なかなか閣僚の間で名案が出ない場合もあります。それで、開くことにはあえて反対ではございませんが、やる前に事務的に十分調査をして、研究して、資料も集めて、さてこれでいきましょうということになってきて、それが両省の間に合意になって、それから閣僚会議を開いて、それならこれでいかがでございますかという方へ持っていきたい、こう思っておりますから、大体御希望のようにいくと思っております。
○栗林卓司君 では調べてということでございますから、ひとつ国土庁にも関係をする部分で申し上げます。 宅地の価格を調べますと、これは大体三大都市圏が対象だったと思いますが、国、地方公共団体の補助が全くなかったとすると平米四万円であると書いてありまして、これを前提にして、ところが国、地方公共団体の補助金がついておりますので、約六一%の二万四千七百円、これに平米当たり価格が低減されました。これは先ほど申し上げたこれに載っているんです。ということは補助金のおかげで四万円であるべきものが二万四千七百円になった。こういう数字を頭に置いていただきながら、ことし九百億円出したんです。去年六百億円ですよ。当然これは地価に影響しないはずがない。しなきゃおかしい。それが先ほどの地価公示には出ているんですか出てないんですか。
○政府委員(山岡一男君) 地価公示は、標準地につきまして過去のものにつきましてのすでに決定している標準地等を中心に鑑定いたすものでございます。したがいまして、新しい新造成地等を対象にして配られます関連公共、直ちに反映したかどうか、これはどうもつまびらかでない点があると思います。したがいまして、地価公示に直接に反映したということは少ないのではないかと思っております。
○栗林卓司君 では、逆にお尋ねしますけれども、最初関連公共施設整備促進事業御提案のときには、パーセントは明確には言えませんけれども、二から五%前後、それも定かではありませんが、とにかく地価にはいい影響を与えますという御説明でございました。それはもう三年たっているんですから、結果としてどうであったかということはどこでお調べになっているんですか。
○政府委員(宮繁護君) この事業を実施いたします場合の宅地価格の引き下げの効果でございますけれども、それぞれの宅地を造成いたします開発事業の所在地あるいは規模等開発の形態にも差が見られますし、また具体の個所には既存の公共施設の整備が行われておりまして、その整備の水準にも相違がございますので、価格引き下げがどの程度効果があったか一概に申し述べることは大変むずかしいわけでございますが、五十四年度、先ほど来先生お手持ちの資料にございます建設省が行いました関連公共公益施設の整備実態調査によりますと、これは事業者に対するアンケートでございますけれども、宅地開発に関連する主要な公共施設が促進事業費として採択されることによりまして、三ないし五%の価格引き下げ効果があったというのが四〇%、それから一〇%以上価格引き下げ効果があったと答えました業者の数が二四%、合わせて六四%の業者はそういうことを答えております。なお、このほかに公共施設整備に新しく国費が投入されることによりまして、いままで地元との話し合いがつかなかったものが早く開発ができるというような効果もございまして、いま申し上げました直接の原価引き下げの効果のほかに、工事期間の短縮によります金利負担軽減等もあろうかと思います。これは市町村は二〇%の市町村が早く宅地開発が行われたと申しておりますし、業者も大体二〇%ぐらいが期間が短縮したと申しております。この価格引き下げ効果もこれは計算できておりませんけれども、あるはずでございますし、これらを総合いたしますと相当な効果があったのではなかろうか、こんなふうに考えております。
○栗林卓司君 これだけの額を注ぎ込んだわけですから、当然それは価格というか、コストを下げる効果があったことは間違いない、おっしゃるとおりです。それが取引価格の低下、いわば取引をされる価格の面であらわれてきたのかどうか。伺いますと、これは建設省ではとてもそこまでは調べられません。調べるとすると、実はお願いしているんでありますけれども、国土庁でありまして、あれは国土利用計画法における届け出制度で個別にチェックをするしかありません。やっているはずですと、こう言うんだけれども、やっていないんでしょうか。
○政府委員(山岡一男君) 国土利用計画法におきます価格審査、これは市街化区域でございますと、二千平米以上につきましては厳格に実施をいたしております。その場合、対象になりますのは素地の取引の場合、それから造成宅地の分譲の場合、それからマンション等の区分所有権建物の分譲の場合等があるわけでございます。しかし、そのうちでも特に関連公共に関連があるというのは、やや規模の大きいものということに相なろうかと思います。実際問題として個々の件数の中にそういうものが含まれているのは事実でございましょうが、実は件数その他を把握いたしておりません。 なお、国土法の価格審査の場合には、いま先生御案内のとおり標準地の価格と規準をいたしまして、ここではこの程度の価格であるべきだ、その中には法律に決めておりますように、一部の公共負担も認めて審査をすることになっております。その審査の価格と比べて高いか安いかということで審査をするわけでございます。したがいまして、たとえば先ほど先生がおっしゃいました二万七千円というのが出ておりましたけれども、普通ならば三万円ぐらいのところがちょうど適当だと、規準した価格は。それは二万七千円と出たという場合には初めからフリーパスというかっこうでございまして、そういう場合には勧告をしないでパスさせるというのが現行の取り扱いでございますので、一件一件についてその都度本来ならば三万円のところにこれだけ入って幾ら下がったかなというところまでの調査は実は一件ごとにも行き届いておりません。
○栗林卓司君 私は、やっぱりそこが問題になると思いますのは、これは積み上げでチェックをするしかしようがないんですね、ケース・バイ・ケースで。そこのところには何千万入っておるからその分は一体どうなったかねということを追っかけていかないと、本来はお金の出しがいがない。九百億あるいは六百億出しながら、結果として開発業者の損失補てんに回ってまことにぐあいはいいけれども、それは国民の手にはいかなかった、それは十分あり得る。ただ、そこまでのチェックではどういった仕組みでやっていくのか、どう追っかけていくのか、実は三年たったものですからこれからの議論でありまして、これから真剣に御検討いただいても十分結構なんでありますけれども、この点もまだ抜けておりますよということでいま申し上げているのです。したがって、事務当局ですり合わせをしながら閣僚が集まってということも結構だけれども、この程度の話は別に事務当局に聞かなくたって、鋭敏な大臣諸公ですからわかるわけでしてね。ですから、別にいつまでにやれとは言いませんけれども、私の問題指摘で意のあるところはおくみ取りいただきたいと思います。 しかも、いま安くなっていると言ったんだけれども、これがわからないんです。促進事業で金をつけましたね、ところが事業者負担がかえってふえた、これが三〇・三%。それから住環境がよくなったでしょう、よくなった方の答えが多いのはあたりまえなんだけれども、よくなっておりませんというのが四二・二%。工事期間は短縮したかね、変化なしが七二・七%。これもお調べいただきたいのですけれども、よく聞くところによりますと、先ほど申し上げました地方自治体のつらい気持ちもあってのことでしょうけれども、この関連公共の費用がついたら、それ、ついたんだからこっちおまえ持てや、ほかのところまで持たされちゃう。とどのつまりはちっともいいことはなかった。ただ、いいことはなかったと建設省に言うわけにいかないから、確かに下がりましたと言っているんだけれども、これはえらい迷惑ですというところもあるし、それから、ところによっては工事期間短縮、せっせこせっせこやることに地方自治体がちっともいい顔しない、これもある。 これが動いている裸の姿だし、その中でいま国民がのどから手が出るほど求めている宅地が出てくるのか、私はこれは一省庁だけでどう逆立ちしてもできる仕事ではないけれども、いまの一六%という値上がり率はこれは放っておいていい数字では絶対ない、このことだけ重ねて申し上げて、そろそろ時間でありますので質問を打ち切りますけれども、両大臣とも御新任でありますので、大いに今後宅地問題を中心にして御精励あらんことを心から希望しまして、質問を終わります。
○委員長(宮之原貞光君) 本日の調査はこの程度にとどめて、これにて散会いたします。 午後四時二十八分散会 —————・—————