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93回国会参議院1980/10/24

決算委員会 第2号

発言数
258
登壇者
26
会派数
6
開催日
1980/10/24

会議録

野田哲日本社会党

○委員長(野田哲君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る十月二十二日、市川正一君が委員を辞任され、その補欠として安武洋子君が選任されました。     —————————————

野田哲日本社会党

○委員長(野田哲君) 次に、昭和五十二年度決算外二件を議題といたします。  本日は、農林省及び農林漁業金融公庫の決算について審査を行います。     —————————————

野田哲日本社会党

○委員長(野田哲君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野田哲日本社会党

○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

野田哲日本社会党

○委員長(野田哲君) 質疑通告のない中野農林漁業金融公庫総裁は退席していただいて結構です。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 私は、先月の二十六日、当委員会において質疑いたしました関西新空港用土砂取り有力予定地をめぐる問題について、会議録及び資料を再点検いたしまして、その結果二、三の点について質問いたします。  この森林公園計画の予定地であります和歌山市深山黒谷六百番ほか計百五十九万平方メートルの国有林が和歌山市に払い下げられたのは昨年の三月ですが、この払い下げ要請は、林野庁の提出資料では、五十二年の十二月になっていますが、これは正式要請であって、当初の払い下げ陳情はその半年前、つまり六月に出されておりますが、これは和歌山市が当委員会の調査室長にあてた資料で裏づけされておりますが、林野庁、これ間違いありませんか。

宮崎武幸林野庁林政部長

○説明員(宮崎武幸君) お答えいたします。  五十二年の六月に和歌山市から大阪営林局に陳情がなされたというふうに聞いておるわけでございますが、その後、五十二年の十二月に、改めて和歌山市長から高野営林署長に対して払い下げの陳情書の提出がございました。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 この五十二年六月の時点というのは、四十九年八月の航空審議会の答申によって、新空港の設置地点は大阪府泉南沖五キロメートルの地点、工法は埋め立てが最適とされ、これを受けて運輸大臣が閣議に報告してから、急速に新空港建設のための準備工作が進捗し、五十一年九月、大阪府に対する「新空港計画にかかる調査実施方針について」という通達を契機といたしまして、空港条件、社会条件、自然条件などの本格的調査に入った時期が、いま林野庁が認めた時期であります。  特に五十二年度では、泉南市に気象、海象観測施設、いわゆる観測塔が設置され、また国土総合開発事業調整費をもって、運輸省ほか関係省庁によってヒンターランドの地域調査も開始されております。特に土砂採取可能の有力地として、淡路島と並んで和泉・葛城山系の裏山が最適というのが、すでにこの当時常識化されておった時期であり、第三港湾建設局の土取り調査がほぼかたまっていたとも言われます。したがって、私は五十二年六月、和歌山市が林野庁に森林公園計画の予定地として、国有林の払い下げを陳情した折には、この新空港に絡む土取りの地と関連を考慮していたと私は考えて質問しておるわけであります。  しかるに、松本航空局長は前回の委員会で、四十九年八月の時点で、そういう問題が起こっていたとは全く思わない、答申後和歌山県から文句を言われたくらいだと、この前の委員会で私に答弁しております。これはきわめて問題を時期的にすりかえた答弁であって、私が多少言葉が足りなかったと思いますが、私は七億円そこそこで森林公園の計画ができるわけでもなく、国の援助、つまり公園の遊設、広場などのための当然必要な土取りは、新空港絡みであろうと言ったのは、この国有林払い下げ申請の出た五十二年六月または十二月という時点が、新空港にとって、いま言ったようにきわめて結合する時点であるからであります。航空局長は何ゆえこんなすりかえ答弁をして釈明しているのか。特に、答申の後で、和歌山県から激しく文句を言われたと私に答えておりますが、この県からの文句について、当然運輸省が県をなだめる説得工作をして、その中に土取り問題があることを明らかに説得しておる事実があるわけでありますが、これらの問題について、航空局長の答弁を求めます。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) いま先生御指摘のような答弁を確かに私しておるわけでございますが、御質問の中に、運輸省にお伺いしますが、四十六年、規模、位置について云々云々、こういうことの関係において、この森林公園の問題が出てきたのではないかと、こういうふうな御質問でございましたので、四十六年に諮問いたした時点におきましては、まだ候補地が決まっていたわけではなく、四十九年の八月の時点で、泉南が決まったということでございますので、その時点からもうすぐそういう問題が起こっていたとは思えないということを申し上げたわけでございます。  それから、最初の答申に当たって、和歌山県に対する配慮がなく、和歌山県から指摘を受けたというのは事実でございまして、このために私どもはわざわざ答申和歌山版というものを別途つくって、和歌山県に御説明をした経緯がございます。  いまの御質問でございますが、これとの関連において、土取り場その他の話が当時あったのではないかと、こういう御指摘でございますけれども、先生御質問の前段で仰せられました五十二年のころというのは、実は私どもまだ関係三府県との間に、本格的調査を開始する合意ができていなかった時点でございます。いまの御質問の中にも、五十二年九月、三府県知事に対して、かくかくしかじかの調査を行うという基本方針を示しているではないかという御指摘がございましたが、これを示しますことによって、ようやく大阪府を初めとする三府県の合意を得まして、五十三年の一月から、いわゆる固定観測点と私どもが呼んでおりますところにおいて、波浪、風波、気象状況等の観測が始められたというのが事実の経緯でございます。五十二年の時点で第三港湾建設局が相当確定的な土取り場の検討をしておったということはないと私は思っております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 いまの答弁ですね、和歌山県に文句をつけられて資料を持って説明に行ったと、そういう御答弁ですが、では当時どういう資料を持って説明に行ったのか、その資料について後ほど私の方に提示願いたい。それを見ればまた関連する点が出てまいりますから、いかがですか。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) これは答申和歌山版と俗称されております公開された資料がございますので、いつでも先生のお手元にお届けできると思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 では、その資料を見てから改めてまた検討いたします。  それで、九月二十六日にも質問いたしましたが、大阪でも新聞報道されました。翌二十七日の朝日新聞の大阪版には、「土取りの話はまったくない 市は疑惑を否定」という大見出しで報道がありましたが、その記事の中で、否定の理由として、和歌山市の農林部長が、「うちが買収した時点で新空港の工法が、埋立か、浮体か分らず、まして土取りの話は全くない。そうした話はあとからのこじつけだ。」こういうことを和歌山市の農林部長が述べております。これについてはやっぱり私も若干見捨てるわけにはまいりません。五十二年という払い下げ申請の時期には森林公園計画があり、その用地として国有林を払い下げてくださいというお願いを和歌山がしておるわけであります。浮体工法の調査に予算がついたのは五十二年の暮れで、これはちょうど造船不況に絡む問題点として出てきた問題であります。五十二年の暮れに浮体工法の調査の予算がつき、実施は五十三年一月からであります。したがって、払い下げ申請をした時点では、工法は埋め立て一本、このように決まっておったわけであります。農林部長の、この当時は埋め立てか浮体か決まっておらぬなんていうことは、あくまで結果論から逆算したものであって、浮体工法なんていうのは、私もいわゆる社会労働委員をやっておりましたから、造船不況に絡む問題点として出てきたのがこの浮体工法であります。この前、運輸委員会で民社党の柳澤委員が運輸大臣に質問しておりましたから、私はこの点は間違いないと思っております。したがって、この埋め立て一本に決まっておった段階、森林公園申請の時期、こういう問題から見ると、この問題については工法が決まっていないから云々というのは、私に対する挑戦である、こう私は受けとめて、どうしてもこの問題は納得できません。  現実に、この前指摘したとおり、森林公園の計画地の周辺には利権屋が群がっています。それは別として、北東部の大阪府岬町では、地主さんたちが、伝来の未登記の土地を、土取り地の中心となるという有力、確実な筋の示唆によって、保存登記を五十二年来行っておるわけであります。また、その反対側、森林公園の南西部加太地区は、和歌山県が新空港立地に伴う地域整備計画を検討するためのたたき台となる、和歌山県地域整備研究会と、日建設計の合同調査報告の中で、国際文化レクリエーションセンターという大プロジェクトをつくる予定地としております。これが原本です。(資料を示す)この中に県がことしの八月二十七日発表したものによりますと、この報告書の中では、新空港の土砂採取地となり、その跡地開発という前提でこの計画を立てるんだと、こういうことを県自体が発表しております。これが原本です。(資料を示す)この原本と、和歌山市の農地部長の反論と、あなたのいまの答弁と、完全に森林計画、森林公園と土取りというのを結合した計画じゃありませんか。どんなに釈明したって、一番新しいこの情報が、この報告書が裏づけしてます。これを何ととらえますか。ひとつ林野庁と航空局長にもう一回答弁してもらいたい。必要があればこの資料を貸しますから。この資料と、いままでの答弁の食い違いをどう確認するか、お答え願いたい。航空局長、見たことありますか、この県の報告書、八月の二十七日のです。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 和歌山県で調査をしました、空港立地に伴う和歌山県地域整備計画調査報告書 五十五年三月というのは私見たことがございます。

宮崎武幸林野庁林政部長

○説明員(宮崎武幸君) 私ども和歌山市から聴取いたしております計画によりますと、前回もお答えいたしましたように、和歌山市の計画は自然の姿をそのまま利用することを基本といたしまして、著しい自然の人工改変はできるだけ行わないで、自然の地形なり、林相を利用した森林レクリエーション施設を設置しよう、それによりまして多くの市民の憩いの場を提供しようと、こういうものであるというふうに聞いておりますし、その計画に基づきまして、現在すでに公園整備の工事を実施中でございますので、関連はないんではないかというふうに考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 ちょっと質問訂正しますが、いま航空局長が言っておる報告は三月です。私が入手したのは八月ですから、それは訂正しておきます。その原本は三月です。これがあるということを情報で知りまして、あの手この手で手に入れたのが私八月ですから、それは訂正いたします。  ですから、これを読んでみて、いわゆるその土取りの跡地利用ということを前提にこの大プロジェクトが計画されているということについていかがですか、お答え願いたい。

松本操運輸省航空局長

○政府委員(松本操君) 私も、いま先生御指摘のございました和歌山県の調査報告書を通覧いたしましたが、それを見ますと、五十三年にすでに手をつけておるようでございます。和歌山県の地域整備と紀北地域の整備と、こういう二つの流れの中で、空港ができた場合にどうするのかというふうなことを前提に、あらかじめ検討をしたというのがこの趣旨のように私にはとれたわけでございます。したがいまして、空港とのかかわりというのが検討事項の中に入ってきておりました。地域整備の基本的考え方、空港とのかかわり、あるいは基本的な方向、そういったものを整理いたしまして、最後に何か加太地区の国際文化レクリエーション基地構想という加太地域整備プロジェクト、それから和泉・葛城地域に係る南麓タウン構想、この二つの大きなプロジェクトと、それから三つのアクセスルートを兼ねた県北部の交通網というふうなものを、この調査の一つの結論というふうに位置づけておるようでございます。  その中に土取りとの関連性を思わせますような文章が、文章と申しますよりも個条書きのようなところに幾つか、二、三カ所入っておるのは私も見ました。  これが全体的にどういうふうな考え方で県がつくっておるのかまでは、私ども実は承知いたしかねるわけでございますが、この県のこういった基本的調査の中で、どこという場所が必ずしもはっきりいたしませんが、この地域のいずれかから土砂を採取するということはあるだろうというふうな考え方を、この調査報告書の中ではとっておるようでございます。ただ、これはこの前の委員会でもお答え申し上げましたように、私どもまだどこということを確定したわけでもなし、また確定できる状況でもございませんので、きわめて一般論的なとらえ方というふうに私どもとしては理解をしておるわけでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 なかなか巧妙に逃げていますから、だんだんだんだん外堀を埋めて、最後になりましたら和歌山県の関係者、私もこれを入手しましてから、直接事務局長的な立場にあった人などの意見もそれなりに受けとめておるわけでありますから、その受けとめ方はいま局長が個条書きと言った抽象的なものと、実際の展望はやっぱりどこなのかと、いま私が問題にしているところに、どうしてもやっぱりそこに行かざるを得ない、そういうような見解を私は受けておるものですから、こうして質問をしておるわけであります。  じゃ、林野庁にお伺いいたしますが、この前七億円と言いましたね。この土取りのために国の協力といいますか、国の費用といいますか、そういうことについては全然考えていなかったんですか。また、おたくがもらった文書の中には、そういう意味の考えられる個所はありませんでしたか。

宮崎武幸林野庁林政部長

○説明員(宮崎武幸君) 私どもが森林公園の予定地ということで国有林を払い下げる場合、あるいはその検討を行ったときにおきましては、そういった関西空港との関連等は一切存じておりませんでしたし、またそういう関連は全くなしで審査をして払い下げたものでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 じゃ、次のこと聞きます。  防衛庁にお伺いしますが、森林公園の道路工事に自衛隊が出動していますね。これは実施分と予定分、期間、工事等について簡単にお答えください。

多田欣二防衛庁参事官

○政府委員(多田欣二君) この工事は和歌山市が実施をいたしております森林公園事業の一環といたしまして、森林公園に至る進入道路の拡幅及び森林公園内の幹線道路の工事を自衛隊法の百条に基づきまして、自衛隊が受託をするというものでございます。昭和三十四年度に和歌山県を通じまして和歌山市の方から自衛隊の方に話がございまして、いろいろ検討いたしました結果、その工事の規模、内容、立地条件等が、自衛隊の訓練の目的でありますとか、能力に適合するということで受託をすることにしたものでございます。  第一期の工事は、和歌山市の西脇という部落のところから、森林公園の入り口に至ります約三千六百メートルの現在細い里道がございますけれども、それを幅員約五・五メートルに拡幅をするという工事でございます。この工事は五十五年の四月の二十一日から六月の二十六日まで、約二カ月間かかりまして、和歌山県の美浜町というところに駐とんいたしております第三百二十三地区施設隊という部隊の隊員が二十五名ほど出動いたしまして、すでに完成をいたしております。  第二期の工事といたしまして、森林公園の中の道路の新設でございますが、延長約一千八百六十メートル、幅員五メートルの道路を概成するということで、昨日着工をいたしております。約工期は二カ月でございまして、実施しております部隊は第一期工事と同じく三百二十三地区施設隊約二十五名でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 ちょっと聞き取りにくかったんですが、一番最初昭和三十四年と言われたんですか。

多田欣二防衛庁参事官

○政府委員(多田欣二君) 大変失礼いたしました昭和五十四年でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それは私らあたりも確認しております、私の調査員が行って。これが工事前の山道です。これが第一期の工事で完了した、こんなりっぱな道路ができています。この問題については後ほどまたお伺いしますが、その前に林野庁に私はいま防衛庁の方から答弁があったとおり、五十五年四月二十一日から六月二十六日まで第一期やったわけですね。これは私は大変なお金だと思うんですよ。  林野庁にお伺いしますが、いま自衛隊がやった第一期工事のことについては、あなたのところに来ている計画書の中に、七億円の中に入っているんですか、入ってないんですか。

宮崎武幸林野庁林政部長

○説明員(宮崎武幸君) いまお話しの取りつけ道路につきましては、多分公園外の部分であろうと思いますので、七億五千万円の中には入っておりません。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 ではこの第二期工事の経費は七億に入っているのですか。

宮崎武幸林野庁林政部長

○説明員(宮崎武幸君) 第二期の方は入っているようでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 自衛隊に幾ら払うのですか。七億のうち幾ら払うのですか。

宮崎武幸林野庁林政部長

○説明員(宮崎武幸君) 和歌山市が幾らこれに払いますか、私も定かではございませんが、聞いておるところによりますと、幅員、拡張、整備等に四千七百六十万、仕上げ簡易舗装等で三千万というふうに聞いております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 防衛庁にお伺いしますがね。この第一期の工事やった経費は四千七百六十万で、これは町の相場の土建業者の価格で、これだけ工事やって四千七百六十万で上がりますか。おたくの方で自衛隊として市からこの第一期工事の分でどのぐらいの報奨といいますか、報酬といいますか、お金をもらっているのですか。

多田欣二防衛庁参事官

○政府委員(多田欣二君) 第一期工事すでに終わりまして、精算が済んでおりますけれども、和歌山市側が負担した金額は四百九十七万一千円でございます。これは自衛隊が使いました燃料でございますとか、輸送費でございますとか、資材費その他でございます。これは正式に見積もりはいたしておりませんが、常識的に申し上げますと、一般の業者がやるとすれば、大体この六倍から八倍ぐらいの金額はかかるのではないかと思います。ただ、この自衛隊が実施をいたしましたのは道路の概成工事だけでございますので、道路を完成するためにはさらに市の方で舗装、その他の経費を別にかける必要があるということになろうかと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 林野庁にお伺いしますがね、これは森林公園の直接の工事じゃありませんが、一期分ね。しかし森林公園としての機能を果たすために必要な私は大事な付帯工事だと、こう思うんですが、当然この付帯工事も森林公園の計画をする場合には、七億なら七億の中に当然付帯工事として計上するのが筋道でしょう。ですから、経費の点からいくと私は七億円の中に入っていなければならぬ。払い下げる場所そのものについては別問題として、森林公園の計画としては当然七億円に入るのが常識だと、こう私は思うんですが、これ違いますか、あなた専門屋ですから。

宮崎武幸林野庁林政部長

○説明員(宮崎武幸君) その前に一言訂正さしていただきます。先ほど四千七百万と三千万と申し上げましたが、三千万の方はこれは舗装等で、自衛隊ではございません。民間関係の業者がやることになっておると聞いております。  和歌山市としまして一応自衛隊分としては四千七百万円を一応見積もっているということでございまして、現実に幾ら市が払うかという点につきましては、私どもは存知しないところでございます。  それから先ほど先生が御質問になりました、取りつけ道路についてもこれは工事費の中に入っているべきではないかという御質問であったわけでございますが、当初私どもがとりました工事計画の中では、要するに園地内に、ここに広場をつくる、ここに道路をつくる等々の計画になっておりますので、園地外についてはこれは入っていなかったということでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 何はともあれ、この七億円の金の中身についてもう一回おたくがわかっておる範囲の資料を明細書を付して御提示願いたい。これは資料要求です。  それから林政部長、ここまできても、やはり自衛隊が出てやっているという現実を踏まえますと、やはり七億円だけではなくて、国の応援といいますかな、自衛隊は国の応援でしょうから、国の応援を得ながら森林公園の問題についてかかわり合いを持っているということについては、この時点でお認めになりますか。あくまでも七億円の工事費だ、こういうふうにお認めになりますか、いかがですか、どちらですか。やっぱり国の援助をもらって、森林公園をやるんだなあと、そういう考えで取り組んできたというように私は思うんですが、いかがですか。

宮崎武幸林野庁林政部長

○説明員(宮崎武幸君) 林野庁といたしましては、この森林を和歌山市に売り払うにつきまして、市が持っております計画、内容等が妥当であるかどうかと、そういう観点から売り払いを行ったわけでございまして、その後和歌山市が工事を実施するにつきまして、どのような方法をとられるかということ自体につきましては、林野庁が当初からそれを考慮に入れて行ったというふうなことはないわけでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それは払い下げに関する問題の一般論としていままでもなかったし、今後もそういうことはないということですか。

宮崎武幸林野庁林政部長

○説明員(宮崎武幸君) そのように考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 これはいろいろ今後の問題もありますから、私もずいぶん山を歩いておりますから、それは確認しておきます。一般論としていままでもなかったし、今後もないんだということを林野庁の正式見解として確認をしておきます。  もう一つ、いわゆる払い下げ価格ね、これはどうもわれわれの計算では百五十九万平方メーター、立木込み山林を三億九千二百万で売り払ったと、こうなっておりますが、これで計算いたしますと一平方メーターわずか二百四十円と、こういう非常に驚くべき安い金額ですがね。一平方メーター二百四十円で払い下げたんだと、この受け取り方には間違いありませんか。

宮崎武幸林野庁林政部長

○説明員(宮崎武幸君) 売却価格が三億九千二百万でございますから、平方メートルで割りますと二百四十六円ということになります。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 二百四十六円、六円の誤差がありましたが、二百四十六円、これは確認いたします。したがって、私はこの払い下げ価格を算定した基礎になった不動産鑑定書などはあると思うんでありますが、この不動産鑑定書を資料として御提出願いたい。いかがですか。

宮崎武幸林野庁林政部長

○説明員(宮崎武幸君) 細かく申し上げますと、この二百四十六円は、実は土地の価格と立木の価格と両方込みでございます。したがいまして、その土地の方につきましては百六十五円でございます。あとは立木の価格でございます。この百六十五円という土地の価格の算定、要するに土地評価の方法につきましては、従来から国有林野等の評価基準に基づいて実施しておりますので、その関係の資料はございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 じゃ、その資料をください。この私が算術計算か、素人計算か知りませんが、この前の委員会で言った和歌山県の東和農協不正貸付事件、これは農林省からいろいろ資料をもらっておるわけでありますが、これは隣の土地ですね。これは不正事件で残った金が二億九千万円、これを回収するに十七万平方メーターの土地を使うんだと、こういうことが言われておりますから、これを素人なりに単価で計算しますと、一平方メーター当たり千七百円という数字が出てくるんですがね。おたくのいま訂正した百六十五円に比べても、片方は千七百円、森林公園に払い下げた方は百六十五円。民間で売買されているやつは千七百円。大分違うんじゃないですかな、これはどういう関係ですか。

宮崎武幸林野庁林政部長

○説明員(宮崎武幸君) 私どもの土地の評価の方法でございますが、これは実はその当該地の近隣におきまして、類似した取引事例をまず二つとるわけでございます。それが一つと、もう一つは民間の精通者の、これは二名の鑑定価格を徴します。そういうふうなものを全部総合勘案いたしまして、価格を決めることになっておりますが、まずその近隣におきます取引事例、これは和歌山市とそれから海草郡にございました二つの事例でございまして、五十二年の十一月と五十三年の十一月にあったいずれも民間同士の売買事例でございますが、これによりますと、片一方は平方メートル当たり百二十四円、もう一つの事例は百七十九円となっております。これは当該地に比べますと、傾斜でありますとか、位置でありますとか、土壌とか、あるいは海抜とか、いろいろ修正因子がございますので、それを修正いたしますと、片一方が百六十円、片一方が百六十七円、平均して百六十四円程度ということになるわけでございます。  それから、もう一つの民間の精通者の鑑定した評価でございますが、これは日本不動産研究所と、大和不動産の鑑定株式会社と、この両者の鑑定価格を徴したわけでございますが、それぞれ平方メートル当たり百五十円、百六十円という価格でございます。したがいまして、これらを総合勘案しまして、私どもが土地自体の価格につきましては、百六十五円というふうに算定したわけでございまして、妥当な価格であったのではないかというふうに考えております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 農林省。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) ただいま先生のおっしゃられましたいわゆる東和農協の不正貸付事件に係る負債でございますが、この事件に関連をいたしましたものを含めまして、いわゆる東和農協に生じました固定化債務は、県当局からの報告によりますと、その後回収をいたしまして、五十四年度末現在で、共和実業関係二億四千八百万円を含めまして、二億八千九百万円というのが固定化しているという状態でございます。ただ、この農協は再建計画を立てまして、五十五年度から五十七年度までに、一億一千九百万円の債権の回収及びみずからの利益も充当いたすという形で、一般会計からの補てんによりまして、処理をするという報告を受けております。このうちで、共和実業に係る固定化債権に充当するために、十七ヘクタールの土地の抵当権、これは一番抵当に入っておりますが、この執行に係る回収額は、先ほど申しました一億一千九百万円のうちで、七千万円でございます。そのように見込まれていると承知しております。  以上のことから、東和農協の固定化債権につきましては、ただいま申しました七千万円の充当を含めまして、その後再建計画が立てられ、その財政状態も最近黒字に転じつつあるというふうに考えておりますので、農協行政の立場から申しますと、このような再建計画によりまして、十分に今後処理していけるというふうに考えている次第でございます。  また、共和実業自体はほかにいろいろと債権者もあるようでございまして、この十七ヘクタールの土地の売却によりまして、共和実業自体の負債が全額処理できるかどうかということにつきましては、私どもといたしましては不明であると申し上げざるを得ないわけでございます。  特にこの土地につきましては、東和農協が目下和歌山地裁に対しまして、競売の申し立てをいたしているわけでございまして、この競売がいまだ実行されておりません。その点からも土地の評価がどの程度になるか、あるいは共和実業自体がその債務を一体この土地の売却によって完済できるかどうかということについては、不明と申し上げざるを得ないという状況でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 おたくの釈明はわかりましたが、その釈明と、私の持っているデータとは必ずしも合いませんから、いま林政部長が細々と言った修正百六十円とか百六十七円とか、鑑定百五十円とか百六十円とか、鑑定書なり、算出データを具体的に本委員会に出してもらいたい。それを見て私の方ではさらに持っておる自分の資料と照らし合わせて、あなたの言うことが正しいのか、私の言うことがすれ違いがあったのか、どこにこれだけの段差が出てきたのか、それは追ってまた解明したいと思いますから、その鑑定書、算出資料をぜひ提出願いたい。改めて要求します。

宮崎武幸林野庁林政部長

○説明員(宮崎武幸君) 評価に関します必要な資料は提出いたします。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それから、これも参考にしてください。この前申し上げた大谷さんね、大谷さんは一億二千万の担保で五万平方メーター買うと。この大谷さんの土地の計算をしますとね、一平方メーター二千四百円という金額が出てくるんですよ。前は千七百円。大谷さんの持っている土地は二千四百円。これはみんなおたくが払い下げた土地と地続きというんですかね、全部土地がつながっているんですよ。ですから、森林公園の方がこんなに安くて、民間の持っている人はこんなに高いのか。十倍も違うというのは、どうしても私は、おたくの方が見積もりが誤っているのか、民間の方が吹っかけているのかわかりませんが、余りにも差が大き過ぎるので、やはり国民の税金を有効に使うという意味では、これはやっぱり解明しておくべきだと、こう思っておりますから、改めてひとつ資料についてはお願いいたします。  それからもう一つ、あなたがこの前、先ほども言いました、森林公園は自然の姿を残すことが主体であって、削ったり、土盛りしたり、そういうことはないんだと、こういう答弁をされましたが、私がこの公園配置図を見る限りは、十何カ所ぐらい土取りをしなければ形成できない図面になっているんじゃなかろうかと、こんなふうに私は考えるんです。この十何カ所の土取りというものを一体自衛隊を使うという前提で計画について了解を与えているのか、自力でやるというかっこうにしているのか、非常にその点がこの森林公園の計画それ自体もあいまいだし、払い下げをしたあなた方も、それは払い下げを受けた和歌山市の関係だと、こう言って逃げているんですが、あんたが見た計画では、土取りということは全然あんたの頭の中にゼロではないけれども、大部分はそんな関係ないんだと、こういうお気持ちなのか、いやこの図面見ると、相当程度土取りをしないとこの公園は成り立たないなあと、こういう感覚であなたはこの払い下げの折衝に当たったのか、その点はどうなんですか。土取りは本当に関係ないんですか。

宮崎武幸林野庁林政部長

○説明員(宮崎武幸君) 森林公園の基本的な考えは、前回も申し上げましたように、できるだけ自然の姿をそのまま残すという基本方針でございます。ただ、園内に道路等もつくりますし、あるいはいろいろな広場とか、そういうものもつくりますから、そういう工事に伴いまして、少しは山を削るとか、土が出るとか、そういうことはこれはあろうかと思いますが、基本的に土取り自体を目的として、あるいは大量に土取りすることを前提とした計画というものでは一切ございません。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それでは、どうやっても論議は平行線でありますから、ずばり和歌山市の市長に参考人でここに出てきてくれと言っても少し酷でありますから、あなたがそれほど主張するなら、私に対して和歌山市の開発計画書、国有林払い下げ申請書、それに対する審査の経過、結論、そういうものについて正式にこの委員会に、私に御提示願いたい。それを見て、あなたの言っていることが正しいのか、あるいは和歌山市の言っていることが正しいのか、さっきの和歌山市の農林部長の発言も含めて、私はもらった資料を精査をして、改めて追及したい、あるいは質問したい、こう思いますから、その基礎資料をぜひこの委員会に提示願いたい。いかがですか。

宮崎武幸林野庁林政部長

○説明員(宮崎武幸君) できるだけ御趣旨に沿うように資料を集めまして、御提出したいと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 じゃ、お待ちいたしております。よろしくお願いします。  それから、自衛隊関係。さっき訓練の目的に適合する云々と言われましたね、百条の問題。この森林公園の林道とか、道の拡幅というのは、これどういうかっこうで、私も余り知りませんが、私も昔は工兵隊兼鉄道隊で、大分戦時中は工兵の仕事、鉄道隊の仕事、建設の仕事をやった経験がある者でありますが、自衛隊の目的と、この和歌山市の道路拡張というのは、訓練の目的に適合する場合に限って百条で受託できるわけですね。どういう認識持っているんですか、参考までに教えてもらいたいと、こう思うんです。

多田欣二防衛庁参事官

○政府委員(多田欣二君) 自衛隊がこういう土木工事を受託できるというのは、もともと自衛隊は施設部隊を持っておりますが、施設部隊の訓練上は、いわゆるブルドーザーの運転だとか、ダンプトラックの運転だとか、そういう個人の技量の練成という問題と、あるいは部隊として一体となって道路をつくるとか、いわゆる築城ですね、いわゆる陣地をつくるための土の切り盛りをやるというような訓練が必要なわけでございまして、これはなかなか自衛隊がそういう訓練の場所を持っておりません。それで自衛隊以外、地方公共団体等公益的な事業の中で、そういう部隊の訓練ができるようなものにつきましては、隊務の運営とのかね合いで委託を受けて、公共の目的にもお手伝いをするし、部隊の練成のためにも利用する、こういうたてまえになっておるわけでございます。たまたま全国で最近は百五、六十件から二百件近い土木工事の受託をやっておりますけれども、大部分がやはりこういう道路の概成事業、これは舗装その他の工事というのは自衛隊の目的にかないませんのでやりませんが、いわゆる道路の概成工事でございますとか、学校あるいは運動場というような整地工事、こういうものはわれわれの訓練目的にかなうということで、受託工事の大部分がそういった道路の関係の工事あるいは整地工事、こういうものになっているというのが実情でございます。  この和歌山県の森林公園幹線道路工事につきましても、同様な趣旨で検討いたしました結果、部隊の訓練の目的にもかなう、公益的なお手助けもできる、こういうことで受託をしたものでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 時間が大分過ぎちゃったんですが、土木工事等の受託及び実施に関する訓令というのがありますね。この訓令に従って、おたくさんたちは民間でいう申請とか、調査とか、いまおたくが言ったこれこれの道路がこれこれの条項に合うという、その調査の目的、訓練の目的などと適合しながら、そして三条の第三項では、方面司令官から幕僚長を含めていろいろお互いに手続がありますね。この手続の問題について、四月二十一日から六月二十六日と先ほど言いましたね、このすでに実施分の、これにかかわる、先ほど言った訓令に基づくやっぱり申請の関係書類、これをやろうと思うのですが、時間が十分ないので、関係書類を実施分について、実施済みですね、御提示願いたい、こう思うのですが、いかがでしょう。これは作戦に関係ないでしょう。

多田欣二防衛庁参事官

○政府委員(多田欣二君) この工事は、手続的に申し上げますと、訓令によりまして方面総監限りで実施をした小規模の工事でございます。したがいまして、方面司令官が認可をしてやったということでございますが、市側から提出をされております申請書がございます。それから市側との協定書もございます。これは先生のお手元にすでに渡っておると思いますが、申請書等が渡っておりませんでしたら後ほどお届けをいたします。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 時間がないから私関係書類としてお願いします。  この中を見ますと、その規模は一万二千六百十七人日、これは間違いありませんか。

多田欣二防衛庁参事官

○政府委員(多田欣二君) これは機械類を使いますが、これは本当に純然たる人が出てという計算ではございません。人が一日働くという計算もございますけれども、たとえばブルドーザーが何時間動けば何人日という換算基準がございまして、そういう機械作業も含めて換算をいたしますと、一万二千六百十七人日、こういうことになっております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 私、これ全建総連という土木関係やっておる方に聞いたんですがね、大体いま相場は一人一日八千円ぐらいだろうと。これで計算しますと、この件だけでも約億近くなるのですね、八千円で計算しますと。これはまだ計算してなかったら、もちろん一万二千六百十七人日を民間相場で算出いたしますと、どの程度の金になるのか、きょうはやりませんから、ぜひあなたの方で計算をして、次の委員会に出してもらいたい。先ほどの三千何百万と言いましたね。この三千何百万という経費が正しいのかどうかということを逆算するための私のネタなんです。ですから、現在の土木市場の相場で、この一万二千六百十七人日というのが、これはブルドーザーの使用量とかみな能力あります。それは私理解します。理解しますから、それを現在の民間相場にすると、どのくらいの経費になるのかということを、後ほどで結構ですから、検討をして出してもらいたい、こう思うんですが。

多田欣二防衛庁参事官

○政府委員(多田欣二君) 先ほど申し上げましたように、常識的に申し上げますと、必要とした実費の六倍から八倍ぐらいだろうと思いますが、そういう計算を具体的にやっておりませんので、少し時間をかしていただきたいと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それは時間をかしますからひとつやってみてください。  それからいま言われた協定書、これは判こがないんですがね。われわれも役人育ちでありますから、大体こういう公文書の場合には自分の目黒今朝次郎の丸印を押してもこれはぱあだと。やっぱりどこどこ機関区長、どこどこ管理局長、その公印がないとこれ無効なんですがね。自衛隊関係ではこんな角印ないんですか。この公文書見てください。全然印ないです。これはどういうことですか。

多田欣二防衛庁参事官

○政府委員(多田欣二君) 本物は印鑑がございます。印鑑のあるものの写しを提出いたします。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 あんたばかにしなさんなよ。これは表題にちゃんとかかっているとおり、こんなの私も国鉄出身だから、気にしながらやっていますが、そんなうそ答弁にはごまかされませんよ。これコピーとったんでしょう。コピーとったものになぜ印鑑ないんですか。これはあなたの方が手書きをしてやったんなら手書きをする際にああこれは落としたんだなとわかりますよ。一国の防衛庁の事務官が、コピーしたものになくて、本文にありますということはどういうことなの。そうすると、おたくはこのほかにまだあるんですか。あったら見してくださいよ。

多田欣二防衛庁参事官

○政府委員(多田欣二君) たまたまコピーをとりましたのは、いわゆる調整の段階で使用していたもののコピーを差し上げたものでございますが、その内容どおり正式に締結をされまして、印鑑を押されたものがございます。改めて印鑑を押されたもののコピーを提出いたします。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 まあ笑い話だけれども、じゃ信用しましょう。本当にあるんだね。もしもそこにあるんなら私に出しなさいよ。これは返すから、そっちをよこしなさいよ。同じものでないというのはおかしいね。日にちも同じでしょう。私にくれたやつが日にちが早いとか、あるいは折衝の事務段階であって調印はまだしてないというならわかりますよ。これを比べますと、同じ文章で同じ四月十五日でしょう。私の方でこれもらって、おまえ判こないとうちの秘書に言われて、あわ食って後から判こ押したんじゃないですか、たとえばこれが二月で、これが四月だというんならわかるんですよ。同月同日じゃないですか、四月十五日。これはどういうわけなんですか。私の方へ提出したものには判こがなくて、この国会で判こがあるというのはどういうことなんですか。おたくの防衛庁にはAとBと二つあるの、文書管理で。こんな公文書の管理ないでしょう。このからくりを説明してください、からくりを。

多田欣二防衛庁参事官

○政府委員(多田欣二君) 先生から御要求がありました時点で、私どもの手元にありましたのは、その判このないコピーしかございませんでした。これは先ほど申し上げたように、方面総監レベルで処理をした事案でございますので、後ほどその判このある正式のものを取り寄せたということでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 私は防衛庁の中身はわかりませんが、国鉄だったらこんな大事な公文書は、この前の新幹線の公害の判例じゃないけれども、ぱあですよ、こんなもの。しかも公式の場に持ってくる際に、別のものをやりましたなんて、今後十分注意してください、こんな不信感にならないように。  最後に、私この前の大谷さんの関係でちょっとお伺いいたします。  農林省の資料で、いま言われたとおり四億九千万の不正事件があって、二億円を弁済して二億九千万が残っているとさっき説明がありました。しかし、このほかに和歌山県信連が一億六千万融資をしているはずじゃなかったのですか。この一億六千万の融資は、この四億九千万の残額の二億九千万の中に含まれているのか、含まれていないのか、参考までに教えてもらいたい、こう思うのです。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 和歌山県信連は一億四千四百万の債権を共和実業に対して持っておりまして、これにつきましても一番抵当が設定されております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 この中に入っているの。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 先ほど申しました数字は、これは農協、単協の段階でございまして、これは別でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 県信連が貸した一億六千万の関係は、その後どういうふうな形になっているのですか。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) これは県信連の債権となっておりまして、この十七ヘクタールの一番抵当として設定されておるという状態でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 そうすると、この県信連の一億六千万の問題については、先ほど言われました東和農協事件に類似する問題とは無関係だと、こういうふうに理解して、それはそれなりに別件として現在進められていると、こういうふうに理解していいのですか。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) これは全く別件でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 それからもう一件、山中氏に一億二千万の融資をしているということもあるのですが、この一億二千万の融資の関連は県信連ですね。県信連の一億二千万の融資関係はどうですか。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) ただいまおっしゃられました山中氏の融資の件でございますが、これは県信連は全く関係ございません。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 そうすると、一億二千万の山中関係は県信連に関係ない、それから共和の一億六千万は依然として債権として残っている、こういうことですね。それから二億円についてはいま競売にかかっている、こういうふうに三つを整理すると、そういう認識で間違いないですか。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 先ほどから申しました答弁を正確に分類して申しますと、東和農協の分につきましては再建計画の中で七千万円がこの共和実業に対する債権として回収が計画されているという状態でございまして、そのほかに和歌山県信連が一億四千四百万持っておるということでございます。いずれも一番抵当が入っております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 そうしますと、この四億九千万のうち二億を弁済して、二億九千万残っておったが、先ほど説明があって、現時点では七千万円だと、こういうことで、一億三千万はいろんな形で清算と言うと変になりますが、何らかの形で処理された、現実には七千万円残っていると、そういうことですね。それから一億六千万は依然として残っていると。そうすると、これらの返済計画といいますか、見通しといいますか、そういう点についてはいかなる考えを持っていらっしゃるのでしょうか。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 先ほどから申し上げておりますとおり、まず単協段階の東和農協に関する件でございますが、この点につきましては、この固定化債権が共和実業からの分が七千万円でございまして、このほか若干の他の固定化債権もございまして、これが先ほど申し上げました一億一千九百万円、これは七千万円含みでございまして、一億一千九百万円。これと、さらに今後みずからの利益を充当するという形で、昭和五十七年までに再建計画が立っておりまして、これで完全に充当化するということでございます。それから、一億四千四百万円の県の信連の債権につきましては、これも一番抵当が設定してございまして、それによって競売が行われれば、先ほどの七千万円と、それから一億四千四百万円あわせて処理ができるということで考えておる次第でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 債権の確実なことを期待をしておりますが、締めくくりとして、こういう農協とか、信連とかというやつがね、農民の金を土台にして経営しているんでしょうけれども、農民の皆さんもいま冷害だ、減反だと言って大変な苦労されていると思うんですよ。しかし、こういう不正事件が発生するという根底は、一体農協とか、信連の運営のあり方にやはり問題があるからこういうことになるんじゃなかろうかと。私も幾つかの本を読ましてもらっております、農協関係の。私は大臣に最後にこういう農協とか、信連の健全経営をするために、やっぱり常に零細な農民の立場になって、私は慎重に運営されて、いろんなこういう焦げつき事件などはあってはならないと、こう思うのでありますが、これに対する農林水産大臣の見解なり、指導方針などをお聞きいたしまして、時間がたちましたから質問を終わりたいと、こう思うんですが、大臣。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 一時間にわたる先生の質疑を通じまして、非常に困難な情勢の中で農業を経営しておる農家の福祉を増進していかなければならない農協、あるいは信連、そういう立場から申しますと、このように焦げつきというものを出すというような融資のやり方というものには、確かに問題があろうかと思います。そういう立場から、特にこの土地融資等に関する際には、慎重な、しかも十分な調査並びに農家に迷惑をかけないという立場から、確実な担保の保有というものをやって融資をするようにと。御承知のように、やはり農家から預かっております預金を運用していかなければならない、そうしてこれに利子をつけて払っていかなければならないという農協の立場もあるわけでありますが、そういう点の調整を十分にやりまして、いやしくもこのような農民に迷惑を及ぼすような結果の出ないような農協運営をやるように、農協課を通じまして、厳重に厳しく指導をいたしておるところでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 最初に大臣に態度を明らかにしてもらいたいと思いますのは、先刻穀物取引所の汚職事件が発生をいたしました。この事件の中身につきまして、本席で明らかにすることは省略をいたします。しかし、問題は、多額の数十万円のお金をキャッシュで取引業者からもらったという疑いで逮捕、取り調べが行われているわけでして、まことに遺憾のきわみと言わなきゃならぬと思うんです。本決算委員会では、さきの九十一国会におきましても、公務員の綱紀の粛正というものにつきまして、警告決議を行ったばかりでありまして、問題は過去の問題には違いないと思いますけれども、国民の目からながめてみましても、公務員の綱紀の弛緩ということについて厳しい指摘が行われているわけです。なかんずく農林水産省の場合に、外部との折衝、かかわり、検査、取引というものが各所にあるわけでありまして、その立場から言いますと、汚職事件が起きる基盤があるとは言いがたいと思いますけれども、気持ちを緩めるとそういう問題を惹起しやすいし、現に惹起したわけですね。今後もないと保証ができないわけですが、十分にチェックもしなければなりませんし、また機構的にも、機能の面でもチェックをするような方法を考えなければなりませんし、また指揮全体についても、きちっと整理整とんをしなければならぬというふうに強く指摘をせざるを得ないと思うんです。事件の中身は別にいたしまして、本汚職事件を通して、これから農林水産大臣として、どういうふうに部内を取りまとめをしていくのか、あるいは今後こういう事件がないようにするために、どういう決意で臨んでいるのか、冒頭その点を指摘をしておきたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) この件につきましては、私、農林水産大臣を拝命いたしましたその記者会見で一番先に、実はいま穐山先生から指摘された点を国民の前に申し上げたわけであります。農林水産省関係の国家公務員八万三千六百名おるわけでございますが、これらの諸君が本当に国家公務員の使命感に燃えて、公務員としての職責を十二分に果たし得るような環境を私はまずつくりますと。ですから、とにかく農林水産省の国家公務員として、十分それぞれのポストで思う存分意欲を燃やして働くことのできるような環境をつくりますと、こう私は申したわけであります。したがいまして、農林水産省に参りましてからも、幹部を集めまして、この点を厳しく要請をいたしますとともに、特に、やはり農林水産省関係いろいろ御指摘のとおり、許認可等の仕事もあるわけでございまして、これらのポスト、ポストに、余り長く一人の者がそのポストにとどまるということはどういうふうになっているのか、その辺あたりも十分考えて、やはりそういうポスト、ポストについては、十二分に誘惑に負けないような配慮をすべきではないか、こういうことで注意をいたしておるところでございます。しかるところ、就任以来いろいろとやはり農林水産省の職員の中から、御指摘のとおりの大阪穀物取引所の不正事件等が起きたわけでございまして、まあ五十三年当時の事件とは言いながら、やっぱり私どもとしてこういうことを起こしたということは、まことに国民に対して申しわけない、特に公務員に対する不信の念を国民に与えたということにおいては、もう本当に何と申し上げておわびしていいかわからないというような私は気持ちでございまして、本当に遺憾であると、こう考えておる次第でございます。したがいまして、再びこのようなことのないように、私以下農林水産省の幹部職員十二分に注意をいたしましてやってまいるということにしたいと思う次第でございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 本件についてはひとつ厳しく監督管理をしていただきたい、これは特に注文をしておきたいと思うんです。  さて、次に農林水産省関係の補助金の問題について指摘をしたいと思うんですが、今年度の一般会計におきます補助金、国全体としましては、十三兆八千五百二十億円、三二・五%に当たるわけですが、大つかみで言いますと、ちょうど国債発行の額に非常に近い、非常に膨大な補助金が国全体としても出ているわけです。それで農水関係で言いますと、それの一二%弱、約一兆六千五百億が補助金で出ているわけです。この中で法律補助によります補助金と、予算補助によります補助金の割合ですね、農水関係、金額、割合、明らかにしていただきたいと思います。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。  五十五年度の法律に基づきます補助金、法律によりまして負担する、あるいは補助することができると規定いたしますものが、金額で一兆一千百五十億円、五六・五%、その他予算によりまして補助しておりますのが八千五百七十八億円、四三・五%、計一兆九千七百二十八億円、このようになっております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 いまお話がありましたように、農林省関係では予算補助、法律補助の割合がわりあいに近似値であります。しかし、国全体として見ますと、法律補助がほぼ八割、それから予算補助が約二割、その平均から見ますと、農林水産省の場合、省の性格でしょうが、予算補助が非常に多いわけです。したがって、補助金の出し方の問題あるいは補助の交付のあり方については、ほかの省庁と違った角度で厳密な補助をしていく必要があろう、こういうふうに基本的な問題では指摘ができると思うんですが、補助金の交付のあり方について省としてはどういう態度で年度当初臨んでいるのか、冒頭にお伺いします。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 御指摘のように、農林省の予算のおおよそ六割を補助金が占めておりまして、そのうち予算措置によります部分が多いことも事実でございます。従来から補助事業の実施に当たりましては、まず地域の農業者の自主性を尊重するとともに、やはり効率的に施行するという点から経費の節減を図るよう、たとえば古材の活用とか、あるいは直営施行というようなことを積極的に認めていくということが一つございます。同時に、事業計画のヒヤリング等を通じまして、施設の規模、構造等が事業目的に適合するように指導するという方針で補助事業には臨んでおるわけでございます。特に五十四年度からは、従来の補助事業につきましても見直しをいたしまして、機械施設等につきましては、できるだけ融資制度を活用できるものは金融対策に切りかえるという方針で、補助事業と政策金融との調整を図って、補助事業の効率的な実施を図るように進めてきておるところでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 そこで、最近の検査院によります検査報告書、それから行政管理庁が監察をいたしました結果、それから私どもが調べましたものを総合的に見ますと、昭和五十一年からでもいいんですが、毎年同じ性格の問題が場所を変えて、あるいはそれが農協であるのか、あるいは畜産組合であるのか、その種別を変えて、毎回同じようなことが指摘をされているわけです。確かにその都度措置はしておりますけれども、私が先ほど指摘をしましたように、ほとんどその補助金というのは、予算補助にかかわっているものが非常に不祥事項が、あるいは不正な補助金の交付を受けているという実態が明らかなんです。それはたまたまどこどこの何々畜産組合、農協であったということだけならば問題がないんです。あるいは計算の違いという、そういう誤記ならば問題ないわけですが、ことごとく同じような事件が発生しているわけです。この点についてどういうふうに農水省は分析をされているのか、その点をお伺いします。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 御指摘のように、農林水産省の補助金につきまして、会計検査院等から毎年同様の御指摘を受けておりまして、この点はまことに遺憾に存じております。お話にもございましたように、指摘を受けた不当事項につきましては、その内容に応じまして、手直し工事の実施とか、あるいは国庫補助金相当額の返還を命ずる、事業主体の体制の整備を図るというようなことをもって対処いたしておるところでございますが、御質問のように、農林水産省の補助金が非常に多いと。これは事業主体の大部分が農山村、漁村の団体等が大部分を占めている、かつ間接補助事業が多いというような実態もございまして、こういう不当事項等の御指摘を受けるような結果になったかと存じます。  私どもといたしましては、今後の補助事業のあり方も、先ほども一般論では申しましたが、今後の方向といたしまして、事業採択の際の厳正な審査、農協等の関係者、都道府県も含めました関係者への実務研修の実施、事業体制のさらに明確な確立をいたしまして、今後こういうことの起きないよう、特に都道府県なりを中心に指導の徹底を図りたいと、このように考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 指導の態度は言葉の上ではよくわかりますけれども、大臣、こういう事件が幾つか絶えないんです。たとえば牛乳の冷却機、バルククーラーの購入の問題で、畜産関係で補助金が出るわけです。あるいはトラクターでもみんなそうでありますが、いろいろな事業をやる場合に、法律補助、予算補助が出るわけです。たとえば、検査院からも指摘をされております福島県の酪農販売農業協同組合連合会で起きた問題があるわけです。これは、バルククーラー二十五台を買った、それからミルクのタンクを三基設置をしたというものに対しまして補助金が出るわけです。売り込み屋さんの方も、あらかじめどこの畜産組合でどういう事業を興すと、したがって、どういう補助金が出てくるということはあらかじめ農林水産省に接触をしておりますと、すぐわかるわけです。モデル地区が決まりますと、すぐ農機具屋その他、売り込み屋が大変な売り込みをあらかじめ始めるわけです。売る側にしてみれば競争ですから、あり得ることだと思うんです。  問題になりますのは、二千六百九十六万八千円で購入をして清算をいたしましたけれども、売り込みの機械屋の方から実はリベートが出ているわけです。そのリベートをもらっているわけですね。リベートをもらって、しかし帳簿上では二千六百九十六万八千円で購入したというふうに清算されている。幾らリベートをもらったかといいますと、二百三十七万七千円もらっているわけです。これは発見をしたからこういうふうに表に出たわけです。しかし、この種の問題は厳しく取り調べをしなければわかりませんし、口にチャックをしてしまえば、そのリベートはその畜産組合に入るか、理事長のふところに入るか、あるいはあるところで資金をプールしてもわからないわけです。この件についてどういうふうにお考えですか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) ただいま御指摘のございましたバルククーラー等の購入にかかる不当な事案でございますが、御指摘のとおりでございまして、このような事案が生じましたことは申し開きのできない、まことに遺憾なことと存じております。  この件に関しましては、昭和五十四年十二月二十七日に、不当経理にかかる国庫補助金七十八万五千円を国庫に返還させまして、同時に、今後かかることのないように、五十五年の一月二十三日付で、事務次官通達をもちまして、関係者に厳しく注意を喚起したところでございます。今後におきまして、補助事業の執行に当たり、さらに指導に万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 どうしてこういう不正事故が起きたのか、その原因は調べましたか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 補助を受けました団体につきまして事情聴取をいたしましたところ、やはりその補助を受けました団体の中での経理処理につきましての相互監視が十分ではなかった。それから国の補助にかかる経理について、安易に考えていたという点がございます。それらにつきまして、十分注意をいたしたところでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 本件について検査院にお伺いをしますが、これは帳簿上はどういう処理といいますか、計上の仕方をしておったんですか。その点、明らかにしてください。

高橋良会計検査院事務総局第四局長

○説明員(高橋良君) 帳簿上は、表面上は割り戻しのない額で載っておりまして、請求書もそのような、いわば偽った形での額で計上されていると、こういう形になっております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 この種の不正事故というのは、先ほども指摘をしましたように、よく調べないとわからないしろものなんですね。最初見積もり書を見せると、話がまとまりますと今度は納品書、請求書を出してくる。それから、支払いが終われば領収書をもらう。これは普通の手続なんですが、いま申し上げましたように二百三十七万七千円の割り戻しが——割り戻しと言われているわけですが、言ってみればリベートなんですよね。検査院が指摘をしておりますように、意識しながら帳簿上をごまかしているわけです。これはあるまじき行為ではないか。言えかえてみますと、わからなければ着服ができる、そういうしろものだと思うんです。私はあるところで、まあこれはまだ正確に調べが終わっておりませんので、あるところでというふうにきょうのところは申し上げておきますが、その割り戻しの金を、可能な限りプールをしておけという指示がさるところから流れているというふうに聞いているわけです。きょうのところはまだしっかり言うには多少証拠が不足をしておりますから申し上げませんが、そういううわさをある県で、ある地域で私は聞いているわけですが、もしそれが組織的に流れているとするならば、これは許しがたいことだと思うんです。たまたまこのバルククーラーは見つかったからいいようなものの、見つからない事件がたくさんあるわけです。大臣、その点感想でいいんですけれども、どういうふうにお考えになりますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘の件につきまして、実は私も福島でございますので、かねて聞いておったわけでございます。あり得べからざることと考えておったようなことが、巧みに制度の合い間を縫って、こういうことが行われるということは、まことに遺憾千万であるというふうに考えるわけでございます。したがいまして、農林水産省としても、当時は次官通達で、厳重にこういうことのないように通達を出したところでございまするが、御承知のように、農林水産省の補助金関係は、先ほど官房長からも申し上げましたとおり、間接補助——県や市町村を通じてというケースが少なくないわけでありますので、これにつきましてはやっぱり各自治体あるいは各団体にも御協力を十分願って、こういう不当と思われるようなことが起きないように指導をいたしておるところでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 これは昭和五十三年度の検査院の検査でも同じように指摘をされておりますが、栃木県の畜産組合がトラクターの購入を行った。それに対する補助金が当然出るわけですが、これもリベートをもらっているわけです。トラクターと運搬車各一台、附属の格納庫を設置したものでありまして、九百十六万円精算をしておりますけれども、実際は百二十三万四千円リベートをもらってごまかしていたものが実は明るみに出たわけです。大臣、私が申し上げるのは、十年に一遍こういう間違いがあるならいいんですよ。これが組織的に行われているところに実は私は問題の所在があるというふうに思うわけです。それと同時に、全国のいろんなところに補助金を交付しているわけですけれども、このたぐいのものは非常に多いと私は見ているわけです。  先ほど申し上げましたように、いろんな構造改善事業でもその他事業でも、モデル地区が本省から発表になるわけですね。そうしますと、そこの地域に対しまして猛烈な農機具その他の売り込みが行われる。これはまあ当然のことです。そして、リベートが出る。そのリベートを発見をされて返したのはたまたま幸運でありますが、私どもが一、二調べましたところでも、実は返していないところがあるんですよ。われわれが指摘をしましても、この金は返さなくてよろしいということで、農協なり、あるいは畜産組合なり、その他で手持ちにしているところがあるわけです。この金の行方の問題ですけれども、先ほども申し上げましたように十分まだ証拠が整っておりませんから申し上げませんけれども、これがいろんな方面に使われている疑いがあるわけです。非常に補助金の使い方の問題で、決算委員会とすれば厳重にこれは指摘をしなければならぬ問題だというふうに思うわけです。  これを改善をするためは、単に一片の通牒を出したところで、それは直る問題じゃないんですよね。帳簿をごまかせばリベートというのは必ず入ってくるわけですから。たとえば一千万円で買うという契約をして、品物も入れると、だけど実際は九百万円だと。領収書は一千万円を切って、百万円をもらうわけですから、全然わからないんですよ。そういう余地がその予算補助には往々にして起きやすいし、農林水産省の場合には長年こういう実績がたくさん積まれているわけです。非常に遺憾と言わざるを得ないと思うんです。いまその指導について次官通達を出したと言いますけれども、そんな程度ではこの問題は直りませんよ。大臣、いかがですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほど申し上げたわけでありますが、私は御指摘になられたようなケースは非常に少ないと、こう信じておるわけでございます。しかし、とにかく会計検査院から年々こういう御指摘を受けておる厳然たる事実、まことに遺憾でございますから、農林水産省といたしましても、このような不当事項の再び起こらないように、十分補助金の申請から、これの審査並びに事業実施過程における体制を十分確立いたしまして、そうしてこういう事態の再び起こらぬように努力をしてまいりたいと考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 この件につきましては、きょうのみならず、別の機会にも改めて指摘をしますけれども、この補助金をできるだけ削減をしようじゃないか、削減ができるはずだ、それが国民世論でもありますし、あるいは昭和五十五年度の行革にもそのことが指摘をされているわけですね。せっかく補助金が出るというときに、それをいいことにしてリベートを取ってごまかしているというふうなことは、絶対に私は許されないときょうのところは指摘をしておきます。  さて、その次に、補助金を出していろんな事業を行う、これは結構なことだし、効果も上がっていると思いますけれども、効果の上がっていない補助金の使い方の問題を指摘をしておきたいと思うんです。  ある地区——きょうはA地区と言っておきましょう、四千二百万円でトラクターを十七台購入をいたしました。当然のことでありますが、補助金も交付されているわけです。ところが、この十七台購入をしましたけれども、実際に稼働しておりますのは七台でありまして、十台は遊んでいるわけです。こういう地区が指摘をされておりますね。以下、順に申し上げてみましょう。それから同じくA地区でありますが、三百万円で飼料乾燥調製所をつくったけれども、酪農が減りまして、いまは全くそれは使っていない。クモの巣が張っているというところがあります。それから、B地区で、三千四百万円で牧草乾燥施設を整備をいたしましたけれども、青刈り牧草が普及をしたために、全くこれも活用されないままに、クモの巣が張っている。それから、C地区では、二百七十万円で動力の防除機を五台買いましたけれども、個個の農家がその時点では全部持っておりまして、せっかく補助金で買いましたこの防除機五台は遊んでいるわけです。それから、D地区でありますけれども、九百二十万円で農機具の格納庫を補助金でつくりましたが、当初の目的であります格納庫に使ってはおらず、土地改良の事務所に転用をされている。こういうことがあるわけです。  時間の関係がありますから、それ以上のことは申し上げませんが、せっかく補助金を出しておきながら、全部とは言いませんけれども、活用されてない、補助金の効果が半減をされているということは、国の財産、補助金の交付のあり方について考えさせられました。こういう点についてどういうふうに現状把握をしているのか、あるいは私が指摘をしたような問題について、どういうふうにこれから対処をしようとしているのか、その点をお伺いします。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 先生御指摘の点は、五十三年度の検査報告からかと思います。それぞれ指摘を受けたものにつきましては、先ほど申しましたように、必要な場合には補助金の返還、その他適切な措置を講じて処理いたしたつもりでございます。こうした事例が多いという御指摘については、私どもも当然反省をいたしております。特に、先ほど大臣からもお答え申しましたように、間接補助金で都道府県を通ずるものが多いわけでございます。こうした関係での事務指導、監督体制というのが十分でない点があろうかと思います。こうした点の万全を期してまいりたいということが一つでございます。  もう一つは、機械施設等で、必ずしも補助によらなくてもいいようなものがあるのではないかという反省もいたしておりまして、五十四年度以来、融資に移すべきものは融資へ切りかえるという措置をとってまいってきております。さらに最近の構造改善事業等におきましては、御指摘のような非常に施設が近代化とともに業者関係が複雑に入り組むような事例も見受けられますので、むしろ施設についてのそうした水準につきましても、古材の利用、あるいは従来の施設をできるだけ活用するというような効率化の問題、あるいは直営の施工によりまして、事業のより効率的費用の節減を図るというような地元の意向に沿ったようにいたしまして、画一的に補助事業が行われるために起こるような問題点をできるだけ避けるように、これからの補助の基準等におきましても工夫をしてまいりたいと、このように考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 大臣ね、私は全部の人が悪いというふうなことを指摘をするつもりはありませんけれども、農林水産省の場合に補助金に対します考え方が少し甘いじゃないかと思うんです。先ほど私が前段で指摘をしたのは、リベートを取りながらごまかしている。それからいま指摘をしましたのは、せっかく補助金を出したんだけれども、効率よく使われていない。せっかく買いましたいろんな農機具、そういうものが倉庫の中で遊んでいる、これは補助金がたくさんあるんだから、要求すればそれだけ得じゃないかというふうな気持ちが働いているんじゃないかという気がしてならないわけです。そういうことがないことを期待をしますけれども。特に私が冒頭申し上げましたのは、法律補助の場合には、いろいろあったにいたしましても、きちっとした手続が必要ですね、法的な手続が。ところが農林水産省の場合には、六割がその手続が不要でありまして、実際に皆さん方の判断一つで金が出る仕組みになっているわけです。ですから、法律補助よりも予算補助を行う場合には、厳格な姿勢で、態度でこの補助金の交付を行う、補助金を受ける、効率よく補助金を使うということでなければ、毎回毎回指摘をいたしますように、むだ遣いが起きている。それなら一層のこと農林水産省関係についての補助金は、そんなものならばばっさり切っちまえという暴論も出ないとも限らない。私はそういう説には反対でありますけれども。しかしむだ遣いが非常に多いということを指摘をされる以上、当然のことでありますが、それほどむだ遣いしているならば切っちまえというお話になります。  そこで、今年度から昭和五十八年度にかけまして補助金を四分の一整理をする、こういう行革の方針があるわけですね。今年度及び来年度、農水省としては、どういう分野のものの補助金について統合整理、メニュー化、あるいは廃止をしていくのか、その点ひとつまとめてもらいたいと思うんです。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 昨年の閣議で決定いたしました補助金等の整理の件でございますが、五十四年度約千二百件補助金がございます。これにつきましての整理目標、先生御指摘のように、五十八年度までに四分の一、したがいまして、三百十四件を整理するということになっております。農林水産省では補助金のそれぞれの性格に応じまして、この整理を検討いたし、五十五年度におきましては百五十八件の整理をいたしました。さらに五十六年度以降百五十六件まだ残るわけでございますが、五十六年度ただいま予算要求しておりますが、できるだけ私どもとしましても、補助金の中でこれまでの目的を達したものの廃止、零細補助金の統合廃止、類似の補助金は統合するという方針で約百件以上を廃止したい、こういうことで五十六年度予算編成に臨んでおるわけでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 それでは補助金の問題についてはしっかりひとつやっていただきたいと思うんです。  それからその次に、飼料用の大麦の備蓄の問題です。これは指摘をされておりますから、その中身は申し上げません。すでにその後の購入備蓄は中止が行われておりますから、それはそれでいいと思うんです。しかし、過去備蓄が行われてから、一回も放出をされなかった。これは放出しなくてもよい条件にあったからなんですが、さてことし、来年のトウモロコシなり、あるいはコウリャンの飼料の状況から考えてみまして、あるいはことしの冷夏などから考えてみまして、放出をする予定というものはお持ちなんですか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 備蓄の飼料穀物の放出につきましては、一つは飼料穀物の需給が逼迫をいたしまして、配合飼料の安定的な供給が困難になる、あるいはそのおそれがある場合が一つでございます。それからもう一つは、飼料穀物の価格が著しく高騰をいたしまして、またそのおそれがある場合でございます。そのほか災害等の発生によりまして、異常な事態が生じた場合という、そのような場合に放出をすることを考えております。  目下の飼料穀物の需給関係でございますが、昨年までは世界の穀物の需給関係が非常に緩和いたしておりまして、在庫量も相当量あったわけでございますが、本年におきましては、主要な生産国でありますアメリカにおきまして、夏の期間熱波による被害が発生をいたしまして、トウモロコシ、コウリャンにつきましては、大幅な前年対比での減産になっておるところでございます。また、大きな生産国であると同時に、大きな消費国でありますソビエトにおきましても、昨年と同様計画生産量に対して大幅な減産ということで、世界全体として見た場合には、かなりの供給が需要に対して不足をするという事態でございます。しかしながら、前年からの持ち越しの在庫がここ二、三年非常に多かったということがございまして、その在庫を充てることによって、世界の穀物需給は非常に大きく激変をするというふうには見ておらないところでございます。今後の穀物の需給及び価格の動向を見きわめる必要がございますが、現時点では、備蓄穀物の放出を近い将来において行う必要があるというところまでは、現在のところは至ってないというふうに考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 事情はよくわかりましたけれども、さて問題になりますのは、備蓄ですから、ある意味では相当の費用がかかるのはやむを得ないと思うんです。しかし、実際に備蓄をされている倉庫は、港湾の近辺の倉庫というよりも、ほとんど陸上の倉庫にみんな貯蔵がされているわけですね。備蓄されているわけです。そのために輸送費もかかりますし、そもそも通常の大麦の形と、それから備蓄用の大麦の形は違いますから、そのために値段も若干高いわけです。これは注文をしておきますけれども、緊急のための備蓄ですから、それほど細かい注文をするつもりはありませんけれども、しかし、考えてみますと、放出をする場合の基準とか、判断というものがいままで示されてもいないわけですね。それから放出の場合の価格のあり方、料金のあり方についてもほとんどだれも知らされていない。それから、いまも指摘をしましたように、ほとんど倉庫が陸上にあるわけでありまして、それを飼料用としてまた持ち込むためには、トラックなり、貨車なり使用しなきゃならぬ。そういうものを全部積み上げていきますと、かなり膨大な価格になる心配があるわけです。そうなりますと、今度は逆に農家の立場でいきますと、そんな高い飼料は要りませんと、こういうふうにけっちんを食う可能性さえもあるわけです。そういうことを考えてみますと、できるだけ早く、いま私が指摘をしましたような問題について、一定の判断というものを、基準というものをひとつ示すように努力をしていただきたい。この点は時間の都合で注文だけしておきます。  それから最後に大蔵省、緊急な話で恐縮でありますが、例のソビエトのナヒーモフという船ですね、船の問題について、これは決算委員会ですから、国有財産の確認維持という立場で質問します。  外務省がソビエトに回答をいたしました十月の二十日付の文書がここにあります。たくさんいろいろ書いてありますけれども、日本政府の公式な立場というものは、次のように私は受けとりました。戦時国際法上、拿捕された敵の軍艦及び積載品に関する権利は、拿捕した国の側に直ちにかつ最終的に移るとされている。これが日本がソビエトに対して態度表明をいたしました公式のものであります。最後に、締めくくりといたしまして、同号に関する今回のソ連側の主張は根拠がなく、日本側としては、これを認めることができないということで、ソビエト側からの主張を拒否をしたわけです。  さて、そこで問題になりますのは、拿捕した国の側に直ちにかつ最終的に移るものとされていると。やや客観的な物の言い方のようでありますが、日本が意思表示をしたわけですから、日本政府の統一見解だと思うんです。  そこで、この文書を——外交上の話は別です、これはまた別のところでやるといたしましても、国内的な問題といたしましても、このナヒーモフは日本の所有物であるのか。国の財産であるのか、そのことが十分に検討されて、外務大臣からソビエトにこういう態度表明、回答が行われたわけだと思うんです。もしそれがなければ、外務省の態度表明というのはあり得ないと思うんです。  そこで大蔵省にお伺いしますが、これは日本の所有物であるのか、あるいは国の財産と認定ができるのか、できないのか、あるいは認定をしてこういう外交文書になったのか、その点お伺いします。

桜井直大蔵省理財局国有財産第二課長

○説明員(桜井直君) お答えいたします。  いま先生がお読みになられましたこの外務省の回答にございますように、国際法上のまあ慣習といたしますか、というかっこうで、旧日本海軍に拿捕されました時点で、まあ戦利品として日本国政府の財産になったというふうに認められるような点につきましては、一般的に言いまして何ら疑問はないわけでございます。  なお、この外務省の回答にもありますように、この引き揚げ作業の対象となっております船が、そのナヒーモフ号であるかどうかという点につきましては、現在まだ確認されておりませんわけですけれども、仮にナヒーモフ号であった場合どうかということを前提として考えているということでございます。  ところで、このナヒーモフ号が拿捕されて、その時点で国有財産になったと仮にいたしましても、御承知のように、明治三十八年ということでございますので、いまから約七十五年前というかなり長い年月の昔の話でございます。したがいまして、その時点において国有財産になったということといたしましても、それ以後さまざまな事実関係が積み重なってきておりますし、またそれに伴います法律関係の解明はきわめて困難でございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 経過はいい。所有物であるのか、国の財産であるのか、そのことの検討内容を言ってもらいたい。

桜井直大蔵省理財局国有財産第二課長

○説明員(桜井直君) はい。  ですから、その明治三十八年時点という点に限ってお答えいたしますと、その時点におきまして、それが日本国政府の財産となったという点は疑いないと思います。ただ、しかしながら、いま申し上げましたような長期間経過いたしております間に、その沈船につきまして、引き揚げ等を行おうと努力した民間人の方もおられるというふうなこともございますし、あるいはまた当時の旧日本海軍がそういう船に、深海に沈んでいる船につきまして、その所有権を放棄しているのではないかというふうなことを言う方もございまして、その辺の事実関係について、私どもといたしましては、資料を収集いたしまして、鋭意結論を早くに出したいと、かように考えている次第でございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 外務大臣を通してこういう公式な文書を回答した以上、あやふやな態度で回答したと私は見たくないと思うんですよ。ナヒーモフであるかどうかというふうなまだ確認がされていないと言いますけれども、この文書はナヒーモフというようにきちっと言っているわけです。そういうものを確認をしながら、ソビエトに対して外交的にはこの回答をしているわけですからね、いまさらそれが経過を十分に調べなければわからないというんでは、国論の統一の面からいってみてもそれは問題になりませんよ。  そこで、旧憲法のもとにおきましては、海軍省の所有物であったということは歴然としているわけですね。その後の経緯はあろうと思いますけれども、今日の国有財産法に基づくならば、これは国有の財産であるというふうにわれわれは判断をするわけです。あるいはそれに近いものではないかというふうに思うわけです。その判断がきちっと下されていないままに、実は現実には日本海洋開発が引き揚げ作業を行っているわけです。そこの社長の個人的な言い分の話は全然別にいたしまして、国内法から考えてみまして、いま日本海洋開発が引き揚げ作業をしていることが正当であるのか不当であるのかという判断もつきかねているわけですね。そういうさなかにこういう外交文書が出るということは、これまた非常に奇妙な現象ではないかというふうに言わざるを得ないと思うんです。そこで、時間がありませんからまとめてみますと、外交上のことは別にいたしまして、わが決算委員会としては、これは日本の所有物であるのか、国の国有財産であるのかということをきちっとけじめをつけなければならない事態になっていると思うんです。国有財産であるとするならば、それに基づいた所要の措置もとらなければならぬ、国際的な紛争にならないように注意をしなければならないと思いますが、まずは日本の中の意思統一が一番必要じゃないかと思う。そこで、少なくともこれは緊急性を要する問題でありますので、委員長、今月中に正式な、これは国の財産であるのか否かという問題について、統一見解を求めたいというふうに、きょうのところは提起をしておきます。ぜひひとつ今月中ということについて委員会の御了承をいただきたいと思います。

桜井直大蔵省理財局国有財産第二課長

○説明員(桜井直君) 先生のおっしゃいます趣旨よくわかりますわけでございますが、ただ今月中というお話でございましても、私どもただいま担当者全員を挙げまして、資料の収集等に努めているわけでございますが、果たして今月中、いつまでにその結論を出すとお約束できる段階には、いままだ達しておらないわけでございます。その辺のことを御了承いただきまして、私どもといたしましても、できるだけ早く結論を出したいと考えておりますので、ひとつよろしく御了承いただきたいと思います。

野田哲日本社会党

○委員長(野田哲君) ただいまの穐山君の発言につきましては、後刻理事会で協議をいたしたいと思います。  午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩をいたします。    午後零時三分休憩      —————・—————    午後一時三分開会

野田哲日本社会党

○委員長(野田哲君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、昭和五十二年度決算外二件を議題とし、農水省及び農林漁業金融公庫の決算について審査を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 今次の冷夏災害は戦後最も大きいと、こういうように言われております。大変被害農家も多いし、被害額も多い中で、亀岡大臣初め農水省幹部職員、異常な努力をされておられますことに、まず敬意を表します。  そこで、大臣はたびたび言明をされて、十月中にはこの被災農家、被災地の救済の対策に全力を挙げる、こういうふうに言明をされておられます。もうその十月も下旬を半分過ぎようといたしております。私どもの判断では、もうすでに被害各都道府県、さらには農水省の出先等からそれぞれ報告、要望等も出尽くしておって、対策につきましても具体的な数字が固まりつつあるというふうに判断をいたしますので、それぞれ端的にお伺いをしますので、端的にお答えをいただきたいと思います。  たびたび中間的な被害の総額の発表がございますけれども、最終的な被害総額はどのくらいに集計をされますか、発表ができたらばお願いをいたしたいと思います。

関根秋男農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(関根秋男君) 七月以降の低温、日照不足等の異常気象は、沖繩県を除きまして、全国的に八月を中心としまして九月まで続いて、この間しばしば異常低温があらわれまして、農作物に著しい被害をもたらしたわけでございますが、この被害の最終見込み金額は、農作物全体で六千九百十九億円でございます。このうち、水・陸稲の被害額は五千六十五億円でございまして、被害見込み金額の七三%を占めております。このほか、野菜七百八十二億円、果樹二百七十五億円、飼料作物二百五十四億円、雑穀・豆類二百二十四億円、工芸農作物百六十三億円などの被害となっております。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 いま六千九百十九億というお答えでございますが、私の記憶では五十一年の災害が四千百億ぐらいだったと記憶しておりますが、四千億に比べますと大体七〇%増前後の大幅な被害額、七〇%増ということになりますと、五十一年度の災害に比べてほぼ単純に計算しても見当がつくわけでありますが、まず第一に、対策の大きな柱でございます天災融資法、これは十一月上旬ごろ発動をするために努力をされておられるようでありますけれども、まず現状で、天災融資法に基づく融資枠はどのくらいを見込んで——当然これは準備をしなければなりませんので、固まっておる額をひとつお答えをいただきたいと思います。と申し上げますのは、財政再建で大変いろいろ乗り越えなければならないものを抱えておる中で、被災農家も各被災都道府県も大変これらの融資額について神経を使い、心配をいたしておるところであります。天災融資法の融資枠、見込みでも結構でありますので、お答えをいただきたいと思います。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 天災融資法につきましては、ただいま先生もおっしゃられましたように、大臣の非常に強い御指示のもとに、十一月の十日ないし十五日には、政令の公布をいたしたいと思いまして、鋭意検討いたしておるところでございますが、現在、融資総額を設定するための融資希望額を、地方農政局の段階で鋭意取りまとめておる段階でございまして、融資枠についてはまだお答えできる段階にはなっておりません。  ただ、五十一年の災害は六百億の枠でございましたので、先ほど被害の総額をお答えいたしたとおりでございますので、それから見ますると、かなりこれを上回る融資枠が必要であるというふうに考えておる次第でございます。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 単純に計算しまして約七〇%増でございますから、そうすると六百億に約四百億、一千億をやや超えるというふうに判断をしてもよろしゅうございますか。また、その準備は可能でございますか。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 融資総額につきましては、目下融資希望額を取りまとめておりますので、正確な数字で申し上げることはできませんけれども、規模といたしましては、おおむねそういう規模で考えなければならないのではないかというふうに考えております。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 次に、天災融資法と並んで激甚災害法の指定でございますが、これは第八条のこの融資額につきましては大変期待の強いところであります。従来の例もありますが、天災融資法と同時日で発動されると、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 激甚災の指定の発動は、これは国土庁でございますが、おおむね同期日でやるというつもりでおります。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 わかりました。  次に、自作農維持資金でございますが、この自作農も、天災融資その他からはみ出してくる、大変期待の強い資金でございますが、この枠はどの程度拡大を見込んでおりますか、お尋ねをいたします。

杉山克己

○政府委員(杉山克己君) 自作農維持資金の枠につきましては、先ほどの天災資金の場合と同じように、現在各県からの要望額を取りまとめ中でございます。この問題につきましては、実は資金需要の総額を見込むということと同時に、限度枠をどう設定するかという問題が一つございます。そこで従来の災害に伴う借り入れの残高実績、この状況もあわせて調査いたしているところでございます。どのくらいになるかということでございますが、この自作農維持資金の融資は、共済金の支払い、それから天災融資法に基づく経営資金の貸し出し、これらの状況を見まして、それらで賄い得ないところのものを補うという性格の融資でございますので、ちょっと金額的にはまだ見当をつけられる段階にはないわけでございます。  それから五十一年の際の自作農維持資金の枠は、増加額を合わせまして四百三十七億ということになっております。この額は、災害の規模が大きければ当然一般的に大きくなりますが、ただいま申し上げましたような共済金なり、天災資金なりとの関係がございますので、必ずしも災害の規模に比例してスライドするというわけでもございませんので、ちょっと金額的には申しかねる段階にあるわけでございます。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 この融資枠につきましては、当然お答えにもございましたように、個々の被害農家の希望、それから従来のいろいろの経過、共済資金の支払い等の関連がいろいろありますから、なかなかこの積み上げは大変だろうと思うわけなんですが、大体五十一年度の四百三十億の大体七〇%増としますと、どうも三百億前後の積み増しが必要なのかなというふうな、おおよその見当と理解をしてよろしゅうございますか、もう一回、恐縮でございますが。

杉山克己

○政府委員(杉山克己君) かなり増加を必要とするのではないかと思いますが、具体的に三百億というような金額ですと、ちょっとまだ積み上げをやっておりませんのと、やや性格がほかの手当ての結果いかんで左右されるというところもございますので、なかなか確定した数字では、ちょっと余り無責任なことは申し上げにくい状況でございます。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 先ほど申し上げましたように、十月もそろそろ過ぎてしまう時期でございますので、大変と思いますけれども、鋭意積み上げて、やっぱし枠を示して、被害農家に安心をしていただくというふうな方向が必要であると思いますので、期待をいたしておきます。  次に、既存の貸し付けにつきまして、その条件の緩和につきましては、かねて来強い期待、要望のあるところでございます。この償還条件をどの程度緩和ができるのか、どの程度緩和をすれば、被害農家の期待に沿えるのか。この辺の具体的な、たとえば延長をどのくらいすればいいかということにつきまして、煮詰まっておりましたらばお答えをいただきたいと思います。あわせて改良資金等の支払い猶予の希望も大変強いわけでありますが、これらにつきましての措置につきましてもお尋ねをいたします。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 今次の冷害等の深刻な事態にかんがみまして、関係金融機関に対しまして、九月二十四日付の経済局長名の通達で、既貸付金についての貸付条件の緩和の措置をとるように依頼したことは御承知のとおりでございますが、これによりまして、たとえば農林漁業金融公庫につきましては、貸し付けを受けました農業者が、個別に相談をいたしていただきまして、貸付条件の変更または延滞元利金の支払い方法の変更をすることができることになっておりまして、これによりまして必要に応じ償還期限の延長、中間据え置き期間の設定というものを行うことになっております。これはやはり金融機関が個別の農家と御相談していただきまして、その結果、その農家農家の経営の状態、被害の状態に応じまして、このような措置をとっていくということでございますので、一般的にどの程度までこの緩和措置をとったらよいかということにつきましては、私どもの方では必ずしもはっきりしないことでございまして、むしろ金融機関にその実態を任したいというふうに考えておる次第でございます。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 改良資金の関係についてお答えを申し上げます。  本年の異常低温等にかんがみまして、九月の二十四日付をもちまして、農蚕園芸局長通達を出しまして、改良資金の償還金の支払い猶予につきまして、適切な運用が図られるよう、都道府県を指導をいたしているところでございます。支払い猶予の具体的な取り扱いにつきましては、都道府県がこの改良資金の融資主体になっておるわけでございます。したがいまして、借り受け者の申請に基づきまして、都道府県の方で被害の程度なり、改良資金の資金事情等を勘案して、支払い猶予を行っておるわけでございますが、支払い猶予の期間は原則として一年というような扱いになっております。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 次に、農家が最も早く手に入っていくもので、大変期待の強いものは共済金の仮払いがございます。これも大変早く仮払いをしていこうということで、鋭意御努力をいただいておるようでありますが、いまどのくらい進行をしておりますか、当然もう始めておると思うんですが、その点いかがでございましょうか。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 皆無作になりましたような、非常な深刻な被害を受けた農家の方々に、すでに損害も確定いたしておりますので、早期に損害評価を行い、共済金を支払うよう、仮払いを行いますように強く指導してきたところでございまして、現在までに水稲につきましては、一連合会、五組合等につきまして仮渡しを行っております。これは山梨でございます。それから、そのほか十八連合会、六十組合等以上で仮渡しを行う予定となっておりまして、このうち大部分は来週から十一月の上旬にかけまして仮渡しを行う旨の報告を受けております。なお、今後とも仮渡しを希望いたします農家の需要にこたえるために、その指導を進めてまいりたいと考えております。  また、果樹につきましては、一連合会四組合等で、九月下旬から十月初旬にかけて、すでに仮渡しを行っているという報告を受けております。なお、国といたしましては、これに必要な再保険金の概算払いの請求があり次第、これを支払っていく方針でございます。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 引き続いて努力をしていただきまして、なるべく早く再保険の最終的な支払いに至りますようにお願いをいたしておきます。  それから、大変論議を呼んでおります中に、被害粒をどう特例措置を設けていくかということは、大変な問題になっておりますが、いわゆる農業共済の損害評価について、被害粒を控除する等の特例措置につきまして、すでに具体的な方向がまとまっておるんじゃないかなというふうに判断をいたしておるわけですが、まとまっておりましたらば、ひとつ発表をいただきたいと思います。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 本年の水稲は、冷害によりまして食用にならないような米が大量に発生していることにかんがみまして、農業共済における損害評価におきましては、このような米の取り扱いにつきまして、特例措置を講ずることといたしました。  特例措置の内容につきましては、いまから申し上げる次第でございますが、従来よりさらに精度を向上させる方法を取り入れまして、その具体的な手続につきましては、本日付をもちまして各都道府県農業共済連合会に指示いたすことといたしました。その内容でございますが、まず特例措置の中で、農業共済組合連合会の実測調査資料のうちで、縦目ふるい一・七ミリメートルの選別で、政府の買い入れ基準に達しないものにつきましては被害粒、これは細粒でございますとか、発芽粒でございますとか、腐敗粒あるいは黒蝕粒でございますが、こういうものを控除いたしまして、買い入れ基準に達するものはこれをもって収量とすると。第二段階で、さらに縦目ふるいの一・八ミリメートル目で選別して、初めて買い入れ基準に達するものにつきましては、それをもって収量とすると、これは実は従来やっていなかった措置でございます。それでも買い入れ基準に達しないものにつきましては、搗精試験を行いまして、搗精歩合の低下分をも減収として収量を算定すると、そのような方法でございます。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 大変御努力をいただきまして感謝をいたしております。  そこで、主として被害米は自主流通米に乗せていくというのが原則のようにいままで言明をされておりますけれども、政府の買い入れについても大変強い期待があるわけでありますが、何か私の記憶では、五十一年の被害のときには、これは明確でありませんが、十万トンぐらい買い入れたという例があるように記憶をいたしておるわけでありますが、今回の買い入れにつきましてはどのようにお考えでございますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 被害粒のうちで、自主流通米として流通することが困難なものにつきましては、主食用として充当し得るものについて、政府買い入れを行うことといたしまして、本日その規格等につきまして正式に決定をいたしまして、各食糧事務所等に通知をいたしまして、それに基づいて買い入れを進めるようにしたところでございます。したがいまして、その数量につきましては、その規格に応じて、今後どの程度出てくるかということでございますので、いまの段階ではまだ必ずしも明確ではございません。ただいま御指摘がございました五十一年度の数量というようなものに近いものではないだろうかという、推測でございますが、その程度の段階でございます。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 従来農林省当局がいろいろ委員会等で答弁をされておりまして、大変ガードの固い、買い入れは行われないのではないかというように思っておりました。きょう初めて買い入れをするということでございまして、大変希望が持てることでありまして、どうか被害農家の心情をくんで、ひとつ極力努力を願いたいと思います。  そこで、今度の夏の日照不足、冷害等で、大変果樹も多くの病虫害に悩まされたところでございます。特に桃のせん孔性細菌病、特に福島、佐賀、岡山、山梨等で相当の発生を見た。ところが、これ特効薬が今日なお開発されておりません。大変栽培農家が不安に駆られまして、早く開発をしてほしい、特効薬を欲しいという強い期待があるわけでございます。  農林省は、植物防疫協会等に委託をして、この開発を急いでおられると聞いておるわけでありますが、このせん孔性細菌病は、毎年出てこないところがどうもくせ者だというように思うんですが、二、三年置きぐらいにだっと出てくると、研究にも大変支障があるのではないかというふうに思われるわけでありますが、この特効薬の開発の経過、現状等につきましてお尋ねをいたします。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 桃のせん孔性細菌病の防除薬剤でございますけれども、本年度、日本植物防疫協会、これがメーカーの方から農薬の委託試験を受けております。その薬といたしましては、KK791と、それからPC3011という二薬剤につきまして、効果試験等を実施しておるわけでございます。来月の中ごろになりますれば、この効果試験の成果等を検討するという場が持たれる予定になっております。  現在聞いておるところでは、従来の薬剤と大体同程度の効果を示しているようでございます。  今後、この二農薬の実用性について検討を深めます一方、さらにこれ以外にも来年度以降も薬剤の開発というものについては促進していきたいというふうに考えておるわけでございます。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 この両農薬につきましては、来年市販を許可されますか、そこまでいっておりますか。要するに農家は使えますか、来年。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) ただいま申し上げましたように、十一月の中旬にこの効果試験の結果等につきまして検討をするわけでございます。したがいまして、この検討の結果いかんによりまして、さらにこの実用の可能性というものを詰めなくちゃならぬかどうかという問題が出てまいるわけでございます。そういうこともございますので、来年すぐに農薬登録という段階までこぎつけ、さらに農家が使用されるかという問題につきましては、現在のところ明確に実はお答えができないわけでございます。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 これは局長、お願いをしておきますが、そのまま登録をされて薬が使えれば、それはそれで結構なんですが、もしさらに試験を継続しなければならないというような状態の場合は、ひとつ主産県の県の試験場等に試験方を委託をしまして、生産農家にもなれさす、またはもうぼつぼつ特効薬が使えるようになるという期待等を持たせる意味で、ひとつ東北、関東、中国、九州くらいのブロック別ぐらいに、そういう計画も検討をしていただきたい、お願いをいたしておきます。  それから、あわせてブドウの灰星病、これも大変な猛威をふるいました。ところが、従来スクレックスが大変効果があって、灰星病、大変これがいつもこの効果によって助かっているわけでありますが、これが不幸にして残留農薬の問題で使えなくなっておりまして、この灰星病につきましても、代替農薬の開発を強く期待をしておるわけでありますが、これらにつきましてはいかがでございましょう。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) スクレックスにつきましては、ただいま先生からお話ございましたように、再登録の申請を断念したという経緯がございます。したがいまして、何かこのスクレックスより以上の薬効を持つ、そういう代替農薬というものが要望されておるわけでございますが、この代替農薬といたしましては、実は、昨年の十二月にロブラール水和剤、これは商品名でございますが、この水和剤が農薬登録を見たわけでございます。非常にこれが灰色カビ病には有効な農薬であるというふうに言われておるわけでございます。もちろんこのほかにも、現在、プロシミドンなり、ビンクロゾリンというような農薬につきましても、日本植物防疫協会におきまして、薬効等の効果試験を続けておる、こういうふうに聞いております。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 冷害対策につきましては、具体的な問題をお伺いをいたしまして、大体五〇%ぐらい具体的なお答えをいただいたわけでありますが、まだこれから積み上げますものにつきましては、どうか鋭意煮詰めて、早くひとつその対策について具体的に農家に知らしめる措置を期待をいたします。  次に、大臣お見えになりましたので、第二期水田再編対策につきまして。実は、この問題につきましては、農林省もきわめてガードをかたく、なかなか明確なものが出てまいりません。特に大臣は、十月いっぱい冷害対策に全力を挙げて、その後、各界各層の意見を聞いた上で対応をいたしたいと、こういうふうに言われております。私もその大臣の姿勢につきましては理解をいたします。私がこれから御質問申し上げますのに、そういう状態の中でございますから、私自身の判断を明確にこの際申し上げまして、第二期再編対策の姿勢、考え方を実はお伺いをいたしたいと思います。  実は昨日の日本経済新聞に「八〇年代の農政の基本方向」ということで、審議会の答申の内容が報道をされております。これによりますと、昭和六十五年に米の需要は一千万トンの大台を割って、九百七十万トンから千二十万トンぐらいに落ち込むであろう、この需要を満たす水田の面積は百九十六万ヘクタールで足りる、したがって、七十六万ヘクタールぐらいはいわゆる再編しなければならない、こういうふうに指摘をいたしております。ですから、今度の冷害の減収高、減収量が大体二百万トン前後、百九十万とかと言われておりますが、この減収量ではどうにもならない。ですから私は、第二期再編対策も推進をされなければならない、こういう判断に立つわけであります。  こういう判断に立って、ひとつお伺いをするわけでございますが、これは大臣いかがでございましょうか、禍を転じて福となすという言葉がございますが、二百万トン前後の減収がございます。一方においては、冷害農家が大変だから、第二期再編対策は凍結をしろという強い意見もございます。けれども、なかなかそれはできかねると私は判断をいたします。けれども、やっぱりいまここで被害農家の感情を逆なでをするということは、これは気をつけなければならないのではないかというふうに考えます。  そういたしますと、第二に水田再編対策につきましては、五十六年度の第一年度に限って、やはり被害農家の現状、それから再編対策をしなければならない、将来にわたってしなければ農家が損をする、そういう現状とを兼ね合わせまして、被害を勘案をして、特別に五十六年度の再編対策は勘案をして決めていく、こういう考え方はいかがでございましょうか、大臣の御所見をお伺いをいたします。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 降矢委員の御意見十分承った次第でございます。私といたしましては、いままでも申し上げてまいりましたとおり、戦後初めてと言ってもいい大規模の冷害、凶作の現実を見ますとき、やはりこの冷害対策に万全を期して、そして農家の信頼を得るという措置を講じた上で、この冷害以上の影響をある意味においては与えるかもしれない二期対策という問題に取り組まなければならぬという姿勢をとったわけでございます。したがいまして、理論上から考えてまいりますと、降矢委員の仰せのごとく、日本農政確立のために、将来の農家の経営を安定せしめ、また日本の食糧自給力を強化していくという立場から見ましても、やはり食べてもらえないものをつくっておったんではしようないわけでありまして、やっぱり外国から買っておるものはできるだけ国内で生産をしていくという方向に持っていかなければならないということは、これはもう避けて通れない道であろう。しかし、その道ではありますけれども、この冷害というものをどう処理をして、どういうふうに第二期対策に取り組んでいくかということについては、慎重の上にも慎重を期して、そうしてやります以上には、これは農家も市町村も、県も、国も、さらに農業団体も、みんな呼吸を合わせてやっていただきませんと、非常に農家にとっては厳しい政策を進めていくわけでございますので、その辺のところを私にはもう少し考えさしていただいて、そうして、やはり国会の方の御意向等も十分しんしゃくをして、結論を出していきたい。大体そうは言うものの、やはり十一月半ば以降にはきちんとした方向を出さなければいかぬということで、とにかく私といたしましては、その辺のところを大変苦慮をいたしておるというのが実感でございます。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 大臣の苦慮、よくわかるわけでございます。ただ、減反政策をとっていくことも、これは米の過剰の現在におきまして、長い目で見てこれは農家に対する愛情であります。一方、被害農家を救っていく、冷害で苦しむ方々の減反に配慮をしていくということも、もう当面のこれは農家に対する愛情ある政治でなければならないと思います。ですから、いま大臣もまだ言明をされませんけれども、どうか二つの愛情を、大臣の見識で十分調和をされた中で、再編対策にひとつ対応をしていただきたい、強く期待を申し上げておきます。  以下四点ばかり、再編対策でお聞きをしたい点があるわけでありますが、大臣から明確にお答えをいただけませんし、局長もなかなかそれに答えてはいただけないだろうと思いますので、私の方で一歩おりまして、希望を申し上げておきます。  いま申し上げましたように、被害農家というのは大変でございます。ゼロ収穫から、これはもう二〇、三〇、四〇、それぞれ農家の被害に差異はありますけれども、大変な状態でございますので、どうか申し上げましたように、この被害農家に対するこの割り当て、再編対策等につきましては、当面の処理としてひとつ配慮をいただきたい。  第二は、減反を長年やってまいりまして、自家飯米農家が大変ふえてまいりました。この自家飯米農家につきましては、これはいろんな意見が分かれます。そういう自家飯米農家だから減反をさせなさいという意見もございます。ところが、自家飯米農家は売りもしない、自分の家で食べるだけのものをとっているということで全く無関係、まあ無責任と言えば無責任でありますけれども、現実にはなかなか自家飯米農家の減反に対する参加は大変むずかしい状態でございます。したがって、自家飯米農家率がふえております県につきましても、これはやっぱり検討の材料にしてほしいと、こう思います。これはなかなか大変なことでございますので、現状をひとつ御理解をいただいた上で、勘案をしてほしいという希望を申し上げておきます。  第三には、団地転作を従来推進をしておりますが、どうも結果を見ておりますと、計画中には団地転作が大変ふえておりますが、現実にはなかなか実行されていないという乖離が生まれております。今後この団地転作を進めていかなければなりませんし、進めることは大変いいと思うわけでありますが、やはり地域地域の実情に沿って、やっぱり団地の決め方、団地の条件等につきましては、幅を持たせてひとつ推進することがより実効を上げるというふうに私は判断をいたしておりますので、御検討をいただきたいと思います。  さらに、永年作物に転作をいたしておりますが、減反の面積カウントにカウントされておらない。なかなか現地でたんぼもないのに割り当てを受けたって、これは農林省の責任じゃなくて、地方の責任になろうと思いますけれども、いろいろ矛盾をした面も出てまいりますし、大変農家の反発の強いところでございますので、どうかこの永年作物に転作された面積カウントにつきましてもひとつ御検討をお願いをいたしたいと思います。  そこで、私は問題を転じますが、歴代の農林大臣、歴代と言っても最近でありますが、食糧の安全保障という見地から、所信を委員会に発表をされております。今度鈴木総理も総合安全保障の必要性を強調をされておりますし、亀岡大臣も同感の意を表明をされておられます。この総合安全保障というのは、これはもう御案内のとおり、西欧諸国におきましてはトータルディフェンスと称して、これはもう定着をいたしておる考え方でありまして、どうしても総合安全保障、食糧の安全保障の見地から、日本のいわゆる食糧、農業等も見直していく必要があると思います。けれども、総理大臣や大臣がいろいろ所信表明をされておりますけれども、今日まで食糧の安全保障につきまして、具体的なあらわれが何もないと私は思っております。ですから、私は提案を含めて大臣の御所見を伺いたいわけでありますけれども、まず食糧の備蓄、いろいろ日本の国内、国際的な環境の中でも、この備蓄を否定をする要素は何もありません。ですから、私はこの食糧の備蓄というものは、これは農林水産省だけではどうにもなりません。これはどうしても政府が決めて、少なくとも閣議等で決定をして、国の力でこの備蓄をしていく、いわゆる備蓄の位置づけというものを、食糧安全保障ということを言われるならば、やっぱり一つのあらわれとしてまず食糧の備蓄の位置づけを明確にいく努力を、まず私は農林省からやっていかなければいけないのではないかと、こう思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 食糧の安定的供給ということは、もう国の安全の基本であるわけでございます。でありまするから、総理が総合安全保障という問題を、今度の内閣でこれを推進していこうというふうに仰せになっておるわけでありますけれども、これはもう私どもも全面的に賛成でございます。したがいまして、いま官房の方で具体的な案が練られておるということは聞いておりますけれども、農林水産省としては、もうすでに今日まで備蓄米として米は二百万トン、あるいはえさ等の備蓄等もやっておる次第でございまして、常に生産と供給ということを考えて、処置をいたしてきておるところでございます。これらは総合安全保障問題の中においても、やはり最も重要な問題として取り扱っていかなければならぬように、総合安全保障会議というような機構ができました際には、農林水産省も当然重要な部門として参加をいたしまして、政府全般としての食糧の安全確保、これはもう国内生産はもちろんでありますし、また、外国から輸入する場合においても、一カ所からばかり輸入するという体制じゃなく、危険分散をしながら、いかなる体制にあっても、一億一千万に対する食糧の面において、不安をなからしめるという体制をつくっていかなければならぬということで、その意味において、今日までも備蓄という体制をとってやっておる次第でございます。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 いま大臣から明快なお答えをいただきまして、大変ありがとうございます。大臣のお言葉の中に備蓄二百万トンというお答えがございました。大変実は私は愉快に思うわけでありますが、従来適正在庫量を二百万トンというふうに農林省が言ってまいりました。私はこれは二百万トンが適正であるか、もっと多い方がいいかということは、いろいろ議論のあるところでありますが、これはぜひひとつ何はともあれ備蓄という位置づけにしていく、政府がこれを認めるということになりますと、六百五十万トンとか、七百万トン弱と言われます在庫米のうちから二百万トンは引かれるわけでありますから、食管会計の中で大変農林省の予算にも有利に展開をしてくると思うわけであります。ただ、私は二百万トンがいいかどうかということにつきましては、これはいろいろ議論のあるところでありまして、どうかこの備蓄という具体的な意義づけにつきまして、ひとつ大臣が言われましたように、せっかくひとつ御努力をいただきたいと思います。  特に、私は備蓄の中で、従来と同じように政府備蓄というものは当然考えなければいけませんが、農協備蓄それから家庭備蓄もあわせてこれは検討する必要があると考えます。特に地震の強化地域等につきましては、これは当然家庭も備蓄をしてまいらなければなりません。ただ、農家の場合は備蓄が可能でありますけれども、非農家はそうにわかに備蓄というわけになかなか対応ができかねると思いますが、幸い米の保存につきましても、方法が開発をされておるやに聞いておりますし、手っ取り早いところでは、かん詰め等の備蓄はこれは可能でございます。そういう中で地震対策強化地域とこれは並行をしていきますと、当然これは国民のコンセンサスも得られていく。ですから、備蓄のそういう場の拡大につきましても御検討をいただきたいし、家庭で備蓄をするということになってまいりますと、どうしても私は年に米の日というものが必要になってくる。ある地方においては八月八日をこれは米の日と決めておるところもあるようでございますが、米の日を決めて、その日はかん詰めでも何でも、備蓄かん詰めは消費をしてもらう、そして入れかえてもらう。それはそのまま米の消費につながるものであると思いますし、また、国際情勢からいきましても、国内の地震の問題からいきましても、当然私は必要であると、こういうふうに思うわけであります。どうかこの点につきましても大臣のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 降矢委員からただいま提案になったような問題につきましては、農林省といたしましても、今日までいろいろ団体方面と具体的に、しからばどうしたらいいのかというような問題について、話し合いを始めておるところでございます。やはり食糧産業全般の中で、地震なり、あるいは不時の災害なりというものに対処した際の、やはり自己防衛と申しますか、生活防衛と申しますか、そういう意味から、やはり生産者はもちろん、消費者の皆さん方も、そういう準備の態勢をとるということは大変望ましいことであると思いますが、しかし、これを強制的にそれでは行政措置で強行してまいるというようなことはいかがなものであろうかというような感じも実はまだ踏ん切れてないわけであります。その辺でどのように具体的な対処を講じてまいるかということは、やはりただいまお示しのありました、国民の理解というものが先になりますので、そういう何と申しますか、世論喚起と申しますか、そういう努力もしてまいる傍ら、具体的に個人備蓄、まあ昔は部落とか、村とかで郷倉だとか、そういうものをつくりまして、もみ貯蔵をやって、いざという場合に種もみとか、そういうものの心配をなくすという配慮がなされたわけでありますけれども、今日はそういう自衛的な対策というものがないんで、これでいいんだろうかという反省も農業団体等から出てきておるようでございますので、そういう世論が高まることを期待しながら、具体的に取り進めていきたいと、こう思います。

降矢敬雄自由民主党・自由国民会議

○降矢敬雄君 実は、国の食糧の備蓄政策というものが大きな柱になって打ち出してまいりますと、これはもうあした起こるかもしれない、いま起こるかもしれない地震につきましても、大変これは有効でございますし、国民のコンセンサスを十分得られるところであろうと思います。ですから、強く備蓄政策というものを打ち出してほしいという強い期待を持っております。そのことによって、食糧管理制度の内容も、これは若干変わってくるような大きなものであろうかと、こういうふうに期待をいたすところであります。せっかく大臣の御努力を期待をいたします。  私は、時間がまいりましたので、最後に一遍にお願いをいたしますが、マツクイムシについてでありますが、私はこのマツクイムシはどうも外国から入ってきてるものだというふうに思われてならないわけであります。現に韓国の慶州あたりにもございますし、アメリカのワシントン付近にもあると。どうも長崎あたりから出ておるような形跡もありますので、実はそう判断をせざるを得ないわけであります。これはもし日本古来のものであるとするならば、私は白砂青松というような美しい言葉は、もうすでに日本になくなっておるのではないか。もし海を渡ってくるものであるとするならば、せっかく特別措置法、時限立法をつくって、薬剤を散布したり、伐採をして燃したり、そういう努力をしながらどんどんと入ってくるんでは、これは頭隠してしり隠さずになる。いずれにいたしましても、これらの決め手はないわけでありますけれども、これは現状のマツクイムシの防除を、特別法に基づいて全力を挙げていくと同時に、やはり私は港における外材の防除につきましても、外国から入ってくるという大きな疑いの中で、防除体制を強化をしていく必要があると、どう私は考えましてもその必要があるというふうに考えるわけであります。私は防疫体制を強化をすることを強く期待をいたしておるわけでありますが、長官に、どういう御理解でおられるか、またその必要を認められるか、お伺いをいたしまして、時間がまいりましたから私の質問を終わります。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 松の激害型枯損の原因でございますマツノザイセンチュウの諸外国におきます分布につきましては、国立林業試験場がアメリカのミズーリ大学から線虫の鑑定依頼を受けまして、これを検査した結果、日本のものと同様のマツノザイセンチュウであることが判明しておるわけでございます。アメリカにおきます線虫の分布の詳細につきましては、明らかではございませんが、近く国立試験場の担当官をアメリカに派遣いたしまして、現地における材線虫に係る諸事情を調査することにいたしております。また、韓国につきましては、林木育種場の専門家が調査いたしたところでは、材線虫が分布しているという報告は受けておらないわけでございます。しかしながら、今後とも諸外国の事情につきまして、情報の収集に努めることにいたしておるわけでございます。先生御指摘のように、どうも外国から来たんではないかという疑問ももちろんあるわけでございますが、現段階の資料では、日本在来のものか、あるいは外国からの伝播のものか明らかではないわけでございますけれども、やはり外国からの侵入ということも絶対考えられないということもございませんので、水際作戦ということがきわめて重要であるというふうに考えておりますので、輸入木材の検疫を実施しておりますけれども、今後とも防疫体制の整備に万全を期すように、関係当局にお願いしてまいりたいというふうに考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 大臣にお伺いいたします。  アメリカ農務省は、去る十四日、第一回世界・米国穀物需給報告を発表しました。一九八〇年、ことしから来年度の世界穀物生産状況がさらに悪化しつつあり、反面需要がますます増大するため、前年より一層逼迫するであろうという見通しを明らかにしております。農務省によると、八〇年から八一年度の世界穀物繰越在庫高予想は一億五千五百万トン、ところが今年度の最初に予想したのは一億九千三百万トン、したがって、大幅に下回っているわけです。これは米国における在庫が減少したということがこの数字にあらわれてきていると見ておりますけども、こうした世界の食糧はあらゆる面で、経済的にも、またこういった気候的にも逼迫を余儀なくされていることは事実であります。そこで、日本もこの冷害がことしだけであって、来年はないという保証はまたどこにもございません。その上、日本の自給率はどんどん下がっている、恐らく三四%から三〇%になるだろうと、こういうようにも言われておるわけです。さらに、つけ加えれば、アフガニスタン、それからイラン問題でもわかるように、恐らくこれからは石油にかわって、食糧が戦略物資になってくるであろうと、こういうことはだれしも予想しているわけでございます。一億一千万人の住むこの日本において、この食糧確保に日本の農林大臣としてどう考えておられるのか。  なお、ソ連のまねをするわけじゃございませんけれども、一昨日の新聞等を見ると、ソ連は若い農業専門の政治局員を誕生させてですね、来年——一九八一年から八五年にかけて、五カ年計画を立てて、ソ連農業の振興に全力を尽くすという基本方針も打ち出しております。そういうことで、それぞれの国がそれぞれにこの食糧確保のために真剣に取り組んでいるわけです。望んで農林大臣になられた亀岡大臣でございますので、この点についてどう考えておられるか、この点を最初にお伺いいたします。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 農林水産省といたしましては、一億国民の皆さん方に食糧を安定的に供給をすると、そのために国内生産は、先般国会で御決議をいただいたように、自給力を上げなさいと。国内生産の部門と、外国からの輸入食糧によって、とにもかくにも戦後三十数年の間、食糧において国民に不安なからしめてまいったというわけでございますけれども、最近になりまして、特に去年のごときは、農林水産物資だけで二百八十九億ドルという膨大な輸入をいたしておると、こういう状態であるわけでございます。したがって、国会においてもこういう状況は放置してはおけぬと、とにかく自給力を強化しなさいということで、私ども政府に対してその任務を負荷されたと私は認識をいたしているわけでございます。したがいまして、ただいま御指摘になりましたように、日本は高度工業国家でありますし、資源が少のうございます。そして、ただいま申し上げましたとおり、相当な部分を輸入に頼っておると、こういう状態でありまするから、よほど輸入等の体制をつくり上げる際におきましても、一カ所だけから輸入するというようなことじゃなくて、危険分散も図ってまいるというようなことを十分考慮しながら、なおかつそういうことのできない面は、やはり開発途上国家等において、生産等においても、たとえばトウモロコシ等のごときは、アメリカだけに頼らず、ほかに生産を増加せしめて、その危険分散を図るというようなことも考えながら、やっていかなければならないと、かように考えておるわけでございます。しかも御承知のように天候の異変、それから国際関係の急変というようなことを未然になくしていくということも困難な状態にある今日でありますから、この食糧の対策というものについては、本当に国として、総力を挙げてこの自給力強化に努めていかなければならない、こういうことでございます。しかるところ、国会の御趣旨もございますので、八〇年代の農業をどういうふうにして持ってまいるか、二十一世紀に向かってどのような展望をなしていくかというような問題につきましても、農林水産省はいろいろな試算をいたしまして、そして目下農政審議会の御意見を徴しておるところでございまして、これも今月末には一つの方向を出していただけると、こう考えております。  こういうあらゆる努力の上に、国内でできるものは国内でできるだけ生産を講じていく。そして、農政を推進してまいりますために、やはり米の過剰というものがいろんな面で日本の農政の発展を阻害しておるということは、これはもう私どもももちろんそう理解しておりますし、農業団体も、また農家もそういう理解がありましたからこそ、米の生産調整にも御協力を今日までいただいてきておると、こういうことでありますので、やはりお米については生産のバランス、需給のバランスをとるということは、もう避けて通れない日本農政の進路でもあると、こういう考え方のもとに、国内でできるものはできるだけ国内で生産をしていく。その際に一番問題になるのは、やはりコストであろうと思います。したがって、このコストを下げていく努力ということも日本農政に課せられた一つのこれは課題である。これは国会で農用地利用増進法等の農地三法の制定、改正等をしていただいたわけでありますので、その国会の御趣旨を十分に体して、生産性の向上を高めながらやってまいりたい、このように考えておる次第であります。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 特に社会主義経済圏及び発展途上国がたくさんありますけども、そういうところは今後食糧の消費量が伸びる、こういう数字も出ております。人口の面から言っても、こういう点について大臣どういうふうにお考えになっておられるか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) いま開発途上国、社会主義国、自由主義国、いずれにいたしましても、やはり人口がふえてまいりますし、食糧の需要というものは相当伸びていくであろう、こういう見通しを立てておる次第でございます。したがいまして、これからの国際的な立場から見た食糧問題というものは、これはもう楽観を許さないという立場で対処をいたしておるところでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 そこでお聞きしますけれども、いま政府の方としては、各国の備蓄量、もちろん計算の仕方も違うでしょうし、国によっては明示できないところもあるでしょうけども、私の聞いている範囲では、スイスでは一年間とか、中国では三年分とか、こういう話聞いておりますけども、その備蓄量を参考のためにでも掌握されておりますか。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 世界の農産物の備蓄量につきまして、主要な国々につきましては、ある程度の情報を持っておりますが、たとえばスイスにつきましては、パン用穀物につきましては、憲法によりまして、政府の備蓄が義務づけられている次第でございまして、その他主要農産物につきましても、政府の備蓄保有が実施されております。たとえばパン用穀物十二カ月分、油脂十二カ月、砂糖十二カ月、粗飼料三ないし四カ月といったようなことになっております。あるいは西独におきましては、政府が特段の備蓄を行っているかどうかにつきましては不明でございますが、通常の在庫量は小麦三百万トン、粗粒穀物二百六十四万トンというように聞いております。また、米国でございますが、政府が特段の備蓄を行っているかどうかについては不明でございますけれども、通常の在庫量については、小麦二千五百十七万トン、粗粒穀物四千六百十万トンといったようなことを聞いている次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 自給率もこれ関連してくるわけですけれども、自給率の場合、日本は現在穀物の自給率が三四%。イギリスの六四%、西ドイツの八〇%から見ると大体半分、それからフランスが一五二%というからこれは四分の一、それからアメリカの場合一七四%。こういう点から言って、この自給率もそうですけれども、いま言ったように、もちろん備蓄には金はかかるわけでございますけれども、先ほど降矢委員からお話がありましたけれども、この備蓄の点についても、やはりこういう気象のいまの状況からして、また地震もいつあるかわからない、そういうことも勘案して、やはりそれなりの備蓄量というものは確保していかなきゃいけないのじゃないか、こういうふうに思うわけですが、どうですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) ただいま先生御指摘のように、わが国におきましても備蓄対策といたしまして、食管会計におきます米のゆとりのある在庫の持ち方と、さらに食用の小麦につきましては、食管会計におきまして二・六カ月分、約八十九万トンでございますが、そのほかに民間の通常在庫一カ月分を持つというようなことをいたしております。飼料穀物につきましても、配合飼料につきまして、約一カ月分の備蓄量を、これは通常在庫一カ月分ございますが、そのほかにそうしたものを持つと。さらに、大豆につきましては、食品用の大豆につきまして一カ月分、ほかに搾油メカー段階におきまして〇・七カ月分というような保有をいたしておりまして、わが国といたしましての短期的な対応策としての備蓄対策を、それぞれの分野で講じておるわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 先ほど言いましたように、備蓄量はそれはわかりましたけれども、それに伴う予算、お金の面、たとえば食糧用小麦、いまや二・六カ月と、こういうふうにおっしゃいましたけれども、目標が八十九万トンと。このお金はどこで賄うのか、また飼料作物——トウモロコシ、コウリャン、それから大麦、これもそれぞれ目標があって、まだ目標に達してないところもございますけれども、このお金はどこから出ているのか。それから大豆、このお金はどうするのか、米はもちろん食管会計ですけれども。その点はいかがですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) ただいま申しました米並びに小麦の関係は、食管会計の負担として、特別会計の中で負担しておるわけでございます。その他の飼料穀物、大豆等については、備蓄機構を別途つくりまして、個々のそれぞれの機構に対します予算助成をいたしておるわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 食糧用小麦はいま言ったように二・六カ月、これは食管会計。それから飼料用作物、これが配合飼料供給安定機構、これは畜産局ですか、ここで予算が組まれているそうですね。それから大豆が大豆供給安定協会、食品流通局ですか、ここで予算が組まれている。米はいま言ったように食管会計。私がこうやって申し上げるのは、先ほど大臣にお聞きしましたように、やはりこういう時期でございますので、食糧の安全保障ということも含めて、これから何が起こるかわからないわけですから、ましてやそういう状況下にあるんですから、ばらばらの目標、それからそれぞれの予算、勝手と言うと失礼かもしれませんけれども、計画的に、統一的にこの食糧備蓄ということについては取り組んでいかなければならないんじゃないかと、こういうふうに思うわけですけれども、いかがですか、大臣。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 食糧の備蓄問題につきましては、先ほど大臣からもお話ございましたように、現在農政審議会におきましても、この備蓄のさらに拡充強化の意見も出ております。近く取りまとまると考えますが、私どもも省内におきまして、これらの備蓄がそれぞれの流通の従来の経路等もございますが、できるだけ整合性をもちまして、食糧の安定的な供給に不安なからしめるように、万全の対策をとりたいと考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それではお聞きしますが、二・六カ月とか、一カ月とかと、こういう数字が出ておりますけれども、この根拠は。二・六カ月というのは何が根拠になって、それから大豆が一カ月分と、こうなっておりますけれども、これは何が根拠になっており、どこで算定されているのか。もちろん備蓄ですから、多ければ多いほどいいに決まっています。しかし、財政面のこともありますけれども、この二・六カ月とか、一カ月とかという、この根拠はどこからきたんですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 小麦について申し上げますが、小麦の二・六カ月につきましては、通常の需給操作上最小限度必要な在庫といたしまして、一カ月分を見ておるわけでございますが、そのほか、主要な小麦生産国から、わが国に対する船積みがおくれた場合というような事情も考えまして、さらに一・六カ月分を織り込んでおりまして、それによって全体で二・六カ月分の備蓄を考えておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それでは非常に私の方としては漠然としかわからないわけです。ある人に聞くと、一カ月分というのは三十日ですから、かつてニューオーリンズですか、ここで四十日のストがあった、それから日本でも海員ストが一カ月続けてあったと、そういう過去のデータから、大体このぐらいあればいいだろうと、こういうことで、いわゆる在庫量、備蓄というのがされているんじゃないか。そうではなくて、さっき言ったように、大臣のおっしゃる総合的に考えて、一億一千万人の人が、石油のないのも困りますけれども、食べ物がないのはこれはもっと大変ですから、そういう点で考えていただきたい。大臣いかがですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘の趣旨よく理解できます。私どもといたしましても、先ほど申し上げましたとおり、この備蓄思想というものの統一と申しますか、意識の統一と申しますか、そういう面についてもっとすっきりした形で実行していくためには、どういうところに欠点があるのか、どういうところに難点があるのかというようなところをこれから検討して、先ほど申し上げました総合安全保障体制の中においても、特に大事な問題となってくることが予期されますので、十分検討してまいりたいと考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 ちょっと戻りますけれども、先ほど触れましたように、アメリカの農務省の一九八〇年から八一年度の世界穀物生産状況も、さらにさきの九月十三日ですかの世界食糧計画会議でのFAO——国連食糧農業機構事務局長の指摘でも、世界の穀物需給が逼迫している、こういうふうになっております。ところが、この五十四年度の農業動向に関する年次報告、これは農業白書ですけれども、ここの百十八ページの冒頭に、四番目として「農産物の国際需給と我が国の農産物輸入」と、この項目で「近年、穀物等の国際需給は、需要の増大にかかわらず、これを上回る生産が続き、全体としては安定的に推移している。」と、こういうふうになっております。ということは、ちょっと政府の方で、この食糧に対する認識不足ではないかなと、こういうふうに思うのですけれども、この点どうですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。  白書で百十八ページで記述いたしましたのは、短期的な最近の農産物の国際需給についてでございまして、総括といたしまして、これは安定的だと評価しておるわけでございます。昨年、一昨年ソ連、カナダ等の不作によりまして、かなりの減産もございまして、ソ連の不作等に伴う問題も非常に国際的な需給関係の緊張を見た点もございますが、御存じのように、現在世界の在庫水準はきわめて高いというようなことから、市況は多少引き締まりましたが、全体的に在庫量を大きく食い込むことなく、安定的に推移しているというのが、短期的な現在の状況と評価しておるわけでございます。ただ、おっしゃるような長期的な観点、今後の見通しとして、FAOなり、あるいはアメリカ政府等が見通す今後の方向といたしまして、発展途上国におきます人口増、あるいは所得増に伴います食糧消費の増加傾向、あるいは畜産物なりへの需要の増大、これは飼料穀物の増加を招来するかと思いますが、そうした要素を考えました際、さらには不作等の不測の事態を考えると、やはり長期的には不安定要素を持っているということを指摘しておるものでございまして、時間的な観点でのこうした分析をいたしたものでございます。やはり私どもとしましては、将来におきましては不安定要因を持っていると、こういう認識で考えておるわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それでは確認しますけれども、将来においてはこれは大変な状況になる。したがって、そのためには真剣に取り組まなければならない、こういう姿勢はあるわけですね。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 将来において確実になるいうところまで私ども断言できませんが、非常に不安定な要因をはらんでいるということは十分認識して、それなりの将来に対する備えは十分考えていかなくちゃならない、こういうつもりでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 そこで、お伺いしますけれども、世界の食糧状況はそういう状況でございますので、その点はよくおわかりのとおりでございます。  そこで、私提案したいんですけれども、こういうふうに、こちらでは干ばつ、こちらでは冷害、そしてこちらでは熱波、気象状況が非常にそれこそ不安定な状況になってきておるわけでございます。日本は、先ほど大臣がおっしゃったように、工業国であり、農産物は大半を輸入しなきゃならない、こういう現状下にある日本において、やはり世界の食糧の状況把握、このキャッチというものは敏速にしなきゃならないし、またそれに早急な対策を対応していかなきゃならない、こういうことで、食糧確保のために、いまある在外公館、この駐在員に農業に詳しい食糧関係の方、こういう方を農林水産省として、国際局はあるようでございますけれども、充実するような積極的な姿勢を持っていただきたいなと、こういうふうに思うんですけれども、その点いかがでしょうか。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) わが国は国内で自給できるものはできるだけ自給しなければならぬということは、大臣のおっしゃられたとおりでございますが、確かに穀物を中心に、相当量の農産物を海外からの供給に仰いでいるわけでございまして、さらに、ただいま先生の御指摘のとおり、今後の国際的な食糧の需給情勢につきましては、常にわれわれとして注意していかなければならないという状態でございます。したがいまして、現在在外公館におきまして、主要食糧輸出国及び主要輸入国を通じまして、二十七カ所の公館に農林省出身の出向者を三十四名配置してございます。それからまた、ジェトロのような機関にも八名出ておりますし、さらに国際機関にも十九名出ているわけでございます。このような状況でございますので、このような人たちを通じまして、十分な情報の収集、分析をしていきたいというふうに考えております。また同時に、農産物の主要輸出国との間には、需給に関する定期的な協議も持っておりまして、世界の需給情勢、たとえばアメリカとの間には、毎年一回の穀物を中心にしました需給の会議も持っております。かような会議を通じまして、世界の情勢把握には万全を期してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それでは、先ほどもお話はございましたけれども、冷害の問題でお聞きしたいと思います。  ことしの夏の冷害でございますけれども、予想以上にひどかった。そこで、大臣も何回も当委員会でもおっしゃっているように、救済対策については全力投球でやる、こういうことでございますけれども、この救済対策もほぼ方針が出そろってきたようでございます。衆参の農林水産委員会でもいろいろ議論されてきました。しかし、いまでも私のところに後から後から、被災農家から救済対策の強い陳情が来ております。これはいま言ったように、予想以上にひどかったということを示しているんではないか。そこで、十月もきょうは二十四日でございますし、大臣はとにかくこの冷害については全力投球でやる、こういうふうに言っておりましたが、何点かについて、現時点における状況をお聞かせ願いたいと思います。  まず最初に作況指数、十月十五日の最後の作況指数ですけれども、これはいつ発表するんですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 十一月早々に集計ができると思います。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 けさの閣議で発表があったようでございますけれども、十月六日の最終被害状況が発表されましたね。その数字を教えていただけますか。

矢崎市朗農林水産大臣官房審議官

○政府委員(矢崎市朗君) 本日、十月六日におきます冷害等によります農作物の被害の概況について公表いたしたところでございますが、総額では六千九百十九億円の被害、こういうことになっております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 五千六百七十九億円から、六千九百十九億円ですね。そうすると、作況指数はいま九一ポイントですけれども、相当下がる予想ですか。

矢崎市朗農林水産大臣官房審議官

○政府委員(矢崎市朗君) 作況指数につきましては、十五日現在におきます結果につきまして、現在取りまとめ中でございまして、どの程度になるかということをいま申し上げる段階に至っておりませんが、被害額がかなりいま御指摘のとおりふえておりますので、ある程度下がるものというふうに考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それでは、天災融資法、激甚法の発動でございますけれども、前に大臣がおっしゃったのは、たしか十月の十日から十五日程度、昨年は十一月二十九日ですか、発動されましたけれども、いつになりますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 来月の十一月十日から十五日の間に政令公布ができるようにということで、事務当局を督励しておるところでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 農業共済の損害評価ですけれども、五十一年度は特例措置をとりましたけれども、今回もとられると思いますけれども、五十一年度のときには十月二十八日通達を出しておりますけれども、今回結論はいつ出ますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) これも特例措置とるように事務当局に命じてありますので、局長から現況を報告申し上げます。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 本年の水稲につきましては、冷害によって食用にならないような米が大量に発生していることにかんがみまして、農業共済における損害評価につきましては、このような米の取り扱いについて、特例措置を講ずることといたしました。特例措置の内容につきましては、いまから申し上げますが、従来よりさらに精度を向上させる方法を取り入れることといたしまして、その具体的な手続につきましては、本日づけをもちまして都道府県の農業共済組合連合会に指示することといたした次第でございます。その内容でございますが、農業共済組合連合会の実測調査資料のうちで、縦目ぶるい一・七ミリメーターの選別では政府買い入れ基準に達しないものにつきまして、被害粒を控除して買い入れ基準に達するものはそれをもって収量とする。さらにこれに達しないものにつきましては、縦目ぶるい一・八ミリメーターで選別いたしまして初めて買い入れ基準に達するものはそれをもって収量とすると。これは従前とらなかった措置でございます。新たに加えたものでございます。それでも買い入れ基準に達しないものにつきましては、搗精試験を行って、搗精歩合の低下分をも減収として収量を算定するという方式でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 飛び飛びになって大変恐縮ですけれども、救農土木事業についてですが、農水省は十月十七日、冷害対策の一環として、十月から十二月中に実施する救農土木事業について各県農政局に通知をいたしましたね。そこで、一般会計、特別会計含めて二百五十億ということですけれども、問題は私二つあるわけですけれども、実施段階において、この二百五十億がきめ細かな、いわゆる有効的な救農ということですから、罹災者に対する一番潤いのある形で、方法で考えてほしいと、こういうふうに要望といいますか、そうしていただきたいわけでございますけれども、こういう見方はいいかどうかちょっとわかりませんが、この二百五十億が建設業者のものになっても困るし、本当に被災農家の仕事の確保のために、監督も十分していただきたい。この点についてどうですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 御指摘のように、公共事業の特別事業費枠といたしまして、二百四十億で割り振りましたが、実施は二百四十四億円ということになります。農業基盤整備が二百億、林業で三十億、水産関係で十四億、公共事業のほか、国有林特別会計におきまして十億円の造林事業を実施するということにいたしております。特に農業基盤整備関係では、できるだけ雇用の促進に資するよう、そうした工種を選ぶようにして、できるだけ地元の労務費の高いものをいたすというふうに指導しておるところでございます。ただ、五十一年の経験からも、先生御指摘のように、そうした他業種の方に寄与するというようなことのないように、きめ細かくいたしたいと考えております。そうした意味でも、余り画一的でなく、地元の実態に合うように指導してまいりたいと考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 ついでで大変恐縮ですけれども、この救農土木事業というのですが、事業の中には公共事業もあるし、土木だけでもなく、ごく一般的な事業が含まれているわけです。特に、いま言ったように、お年寄りがやるとか、未熟練者がやるとか、こうしなければ救農対策にならないわけですから、現実にはそうであるわけです。私いつも思うんですけれども、災害があると救農土木事業——土木事業と言うけれども、どうも感じとして大型建設機械を使ってやるような印象が強いわけです。だから、小さなことですけれども、この名前を救農土木でなく、救農対策事業と、こういうふうにしたらどうかなと思うんですけれども、どうですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○政府委員(渡邊五郎君) 役所の方から特に救農土木というふうに名づけたことは余りないのでございますが、地元の方からそういう御要望で来ております。私ども、救農という趣旨で、これは何もこうした事業だけではなく、先ほど来先生から御指摘のございます共済制度、あるいは金融対策、さらにこうした補完的な事業等をもちまして、被災農家の所得の維持安定を図っていく、こういう趣旨で当然救農対策として考えていくべき筋合いだと考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 最後に。労働省に二点ばかりちょっと聞きたいんですが、いまお話をお聞きのように、農業共済金にしても、また農家にとって早く救済対策、結論が欲しい、こういうことでございますけれども、なかなかいろいろな手続上の関係でおくれているのは事実でございます。その上冷害によって農作業が例年から見れば大幅におくれている。いろいろな面で営農生活面にめどが立たないということで、それが被災農家の現状じゃないか、こういうふうに私は思われるわけです。出かせぎはおくれる。先日ある新聞でも見ましたけれども、出かせぎに行きたいのは行きたい、行かなければならない。しかし現地の出かせぎの選考会というのは、普通の年ならばもうどんどん行われているけれども、実際にことしも始まったようですけれども来る人がいない、こういう状況であるわけです。  そこで労働省にお伺いしたいんですが、雇用保険の問題ですが、第三十九条では一般の被保険者の場合と同様に行うことになっております。その中で附則第六条によって特例が設けられているのはよく承知をしておるんですけれども、この受給資格の要件をさらに緩和することができないか。六カ月というと、十一月から始まって十一、十二、一、二、三、四月、どうしても四月まで就労しなければならない。ということになると、四月にはもう種まきが始まる、今度はそっちの方にも影響してくる、こういうことで、もうちょっと短縮できないかどうかということですけれども、いかがでしょうか。

守屋孝一労働省職業安定局雇用保険課長

○説明員(守屋孝一君) この点につきましては、実は出かせぎ労働自体について、これを果たして雇用保険の適用にすべきかどうか、いわゆる保険制度論としてこれは問題があるわけでございます。しかし、私どもとしましては、この保険制度の中で、いままで出かせぎの方々も適用の対象にしてまいりましたし、また、こういう出かせぎの場合の農家経済に占めるウエートというような点も考慮いたしまして、実は昭和五十年に、雇用保険を制定いたしました際、特例被保険者としてこういう方々の適用の道を開いておるわけでございます。したがいまして、すでに私どもはここで一遍特別措置を講じたというように考えております。こういう方々についての受給要件である被保険者期間につきまして、いま先生六カ月と申されました、もちろん先生附則も御承知だろうと思いますが、一般の被保険者については六カ月の被保険者であった期間が必要でございますが、しかしこの短期特例被保険者につきましては、四カ月二十二日で受給資格をつけるという、さらに私どもは特例措置を講じておるつもりでございまして、これ以上の特例措置を講ずるということは、保険の性格からいたしましても、また財政的な面におきましても、この制度の枠を超えるきわめてむずかしい問題であるというように考えております。  ちなみに、ちょっと試算したものがございますので例を挙げて申し上げますと、仮に月額二十万の手取りがある方について、この四カ月二十二日の期間就労されたといたしますと、その間に納める保険料は一万六千円でございます。この場合の退職後というか、離職後の特例一時金は実は十五万七千円と、約十倍になっておりまして、これは保険という原理の中で、私どもは精いっぱいの措置をとっているというように考えておりますので、こういう点ひとつ十分御理解いただきたいというように考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 わかりました。

野田哲日本社会党

○委員長(野田哲君) 鶴岡君、時間が来ました。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 もう一点だけ、済みません。  労働省にお聞きしていますけれども、もう一点は、労働対策に対して特段の力を入れるように、各都道府県知事にあて通達を出されましたね。その内容は大変細かくて行き届いていると思いますけれども、要は、いわゆる求人開拓は建設業から製造業へと広まっておりますけれども、お年寄りと高年齢者、それと未熟練者の雇用の機会でございます。現地へ行くと、六十歳過ぎてもこういう皆無作で非常に苦しんでいるんだと、私は六十は過ぎておるけれども、まだまだこうやって働く意欲も十分にあるんだ、しかし年齢制限があるということでどこへ行っても仕事場がない、こういうことでございます。このような人たちに雇用機会を与えていくようないわゆる、細かい通達のほかに行政指導といいますか、それをやっていただきたいと思いますけれども、この点どうでしょうか。

佐藤勝美労働省職業安定局特別雇用対策課長

○説明員(佐藤勝美君) ただいま御指摘のように、ことしの異常気象によりまして、出かせぎを希望する方も高齢者が多くなるということは当然予測されるところでございます。平常の状態におきましても、現在すでに出かせぎ者の半数が四十五歳以上ということでございまして、現在の兼業農家の実態を考えますに、今後高齢者の求職希望が多くなるということは想像にかたくないところでございます。  そこで私どもといたしましては、現在出かせぎの就労先といたしましては、建設業それから製造業が主になりますが、そのうち建設業につきましては、比較的年齢の制限が緩やかでございますけれども、どちらかといいますと、お年寄りといいますか、高齢者の就労に適していると思われる製造業につきましては、残念ながら年齢の制限が建設業に比べますと厳しいという現実がございます。  そこで、私どもといたしましては、各職業安定機関に指示をいたしまして、まず求職者の動向、求職者の希望を十分に調べると。その上で就労先、求人事業所のある職業安定機関に求職情報を送りまして、それに適した求人の開拓をしてもらう。そういたしまして、さらに農村巡回相談であるとか、あるいは求人事業所及び求人事業所のあります地域の職業安定機関が一緒になりまして、出かせぎ希望者の居住している地域に行って行う現地選考会といったようなものによりまして、できるだけ先生ただいま御指摘のような心配のある高齢の求職者に適する求人というものを、全力を挙げて開拓するという方針でやっております。  その年齢の点を除きますと、現在のところ比較的出かせぎ求人の出方は好調でありますので、ひとつそういう方面にさらに努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 どうもありがとうございました。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 私は、きょうは民有保安林の買い入れについて御質問をしたいと思います。非常に時間が短い関係上、端的に申し上げます。  まず初めに、民有保安林を買い入れるに際しまして、これは当然私の手元にもございますから、時間の関係上簡単に申し上げますが、保安林整備臨時措置法に基づきましてこの買い入れが行われるのであろうと私は思いますけれども、民有保安林を買い入れるについての基本的な考え方、基本的な条項等について簡単に説明していただけますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ただいまお話ございましたように、保安林整備臨時措置法第四条によります、保安林整備計画に基づきまして、毎年度予算の範囲内で、国土保全上必要な保安林等について行うことにいたしておるわけでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 いま整備計画に基づいてとおっしゃいましたが、この整備計画は、この法第二条の中央森林審議会の意見を聞いて策定されるものですね。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) そのとおりでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 そうしますと、この保安林整備計画ですか、これは現在どういうふうになっているのか。私の手元にありますから簡単に申し上げますが、私の手元にある計画によりますと、第一期、第二期、第三期とあるそうですが、まず第一期につきましては昭和二十九年五月一日から昭和三十九年四月三十日、第二期につきましては三十九年五月一日から四十九年四月三十日と、こういうふうになっております。さて、第三期についてはどういうふうになっているのか、この点ちょっと期間と、その策定された日にち等について明確にお願いします。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 第三期保安林整備計画は、昭和四十九年から十年間、五十八年まででございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 長官ね、長官がわからなかったら次長でも結構ですから、時間の関係で簡単に答えてください。  四十九年から五十八年ということでしたけれども、正確に言うと、四十九年五月一日から五十九年四月三十日ということですね。  それで、きょう私が問題にしようとしておりますのが宮崎県でございますので、それは別にいたしまして、第三期保安林整備計画、これは策定がおくれたそうでございますけれども、正確に決定したのはいつなんでしょうか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 昭和五十一年三月三十一日でございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 第三期保安林整備計画は、五十一年の三月三十一日に決定されたわけでございますね。はい結構でございます。  そこで、もう一つ確認をしておきたいことがあります。民有林を買い入れする場合に、買い入れ対象の、いわゆる保安林等の選定基準というのがあります。そこで、私の手元に来ております資料、おたくの方から出していただいた分ですから、これは間違いないと思うんですけれども、一応申し上げておきたいと思います。  「買入対象保安林等の選定基準」、「主として奥地上流水源地帯に所在する箇所等で次のいずれかに該当する箇所」というふうにして、ア、イ、ウと三つ書いてございます。この選定基準について、これはこのとおりであるのかどうか、一遍これ読んでいただいて、御説明いただきたいと思います。簡単にお願いします。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 買入対象保安林等の選  定基準   主として奥地上流水源地帯に所在する箇所等で次のいずれかに該当する箇所とする。  ア 傾斜がおおむね二十度以上の箇所、地盤が不安定な箇所等  イ 土じょう、気象、地形等の自然的条件及び地理的条件が悪く、林況不良等により所有者の経営意欲の減退等の経済社会的条件から、保安林の適正な管理経営が困難と認められるもの  ウ 孤立施業地については、原則として一団地(団地的まとまりがあれば必ずしも接続していなくともよい。)三百ヘクタール以上とするが、既存国有林に隣接又は近接し容易に併轄管理ができる箇所については、三百ヘクタール未満でも差し支えないものとする。   以上でございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 結構です。  この買い入れ基準はどこで決められたものですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 「四九林野治第一八四六号」、昭和四十九年八月十九日、林野庁長官通達によります「保安林整備計画樹立調査の実施について」でございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 結局、林野庁長官が決定をして、それで通達をしたものですね。わかりました。  さて、これだけの前提を置きまして、きょうは具体的な問題に入ります。  まず、もうすでに皆さんに通達をいたしておりますので、私がきょう問題にしようといたしておりますのは、宮崎県の児湯郡木城町の民有林の買収につきましてお伺いをいたします。  これはすでに皆さんのところへ通達が行っておりますが、宮崎県一ツ瀬川流域ですね、もうすでに御存じだと思いますが、その流域の特に民有林の買収の状況について、特にその中の後藤商事株式会社の分について、その金額、面積等について御説明をいただきたい。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) お尋ねの件につきましては、昭和五十一年三月十九日契約の買い入れ、面積約九十七ヘクタール、買い入れ価格一億一千九百万円でございます。昭和五十二年三月二十八日契約の買い入れは、面積約百六十六ヘクタール、買い入れ価格一億三百万となっております。この相手方はいずれも株式会社後藤商事、代表取締役徳地正彦でございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 それでは、まず具体的に幾つか申し上げます。  まず、初めの五十一年の、いま長官からお話のありました三月十九日買収の分であります。これは当然この三月十九日のときには、民有保安林の買収でございますから、当然これは民有保安林になっていたんだろうと、私は思います。特に、法第四条の第一項でも、保安林の買収については、民有保安林として指定されている森林を買うわけですから、保安林でなきゃいかぬわけです。あなた方がこの三月十九日に買収した保安林は、あなた方はいつ保安林に指定した保安林ですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 昭和五十一年三月十三日に確定告示をいたしております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 民有保安林になったのが買収の一週間前。大体保安林の買収というのは、もともと買収の計画や、そういうふうないろんな中央森林審議会の意見やら、あるいは環境庁の意見やらを聞いて計画を立てなきゃいけないものですね。にもかかわらず、もうすでに保安林の指定を受けて一週間後に買収が行われているという点。さらに次に、先ほど私確認をいたしましたが、法第四条によりますと、保安林整備計画に基づき買収しなければいけないわけであります。この買収は五十一年三月十九日であります。三月十九日自体、その日にきちっとした保安林の整備計画がなければいけないわけであります。どの整備計画に基づいてあなた方は買収をされましたか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 先ほどは保安林の確定告示の日付を申し上げたわけでございますが、この指定には経緯がございまして、五十年十二月十六日に宮崎県知事から林野庁長官あてに保安林指定調査の調書が提出されております。そののち五十年十二月二十三日にこれを受理いたしまして、五十一年一月七日に予定通知をいたしております。それから、五十一年一月十六日に宮崎県知事によります予定告示がなされております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 長官、そんないいかげんなことを言っちゃいけない。そういう状況説明は必要ないわけです。現実に保安林にいつなったかというのが問題でありまして、要するに、一年前から知事から保安林にしてもらいたいという要望があったと、そんなこと私知っているわけです。けども、時間が短いから簡単に言っているわけです。現実に保安林になったのは一週間前であることは事実なんです。私はきょうは事実しか言ってないわけです。  しかも、私のいまの質問は、あなた方は三月の十九日に買収をしているわけです。これは法律に基づいて、整備計画に基づいて買収をせにゃいかぬわけです。あなた方は三次の計画は三月の三十一日に決定をされているわけですよ。これは要するに、私が言っているのは、三月十九日にあなた方が九十七ヘクタール、一億一千九百万円の買収をしたのは、どういう計画に基づいて買収をしたのかと言っているんです。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 整備計画の買い入れに関する事項につきましては、流域別に保安林の買い入れ面積を定めたものでございまして、具体的な個所別面積は、その調査段階でのバックデータであるわけでございます。  当該保安林は、第三期計画の策定のための調査段階で具体的に取り上げられたものであることは事実でございますけれども、その重要性にかんがみまして、その一部、つまり五十一年三月に買い入れました九十七ヘクタールは、第二期計画の枠内で処理したものでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 ということは、逆に言えば、私がいま申し上げました九十七ヘクタールは、第二期計画に入っていたんですか。第二期計画に入っていたんならば、これは私はきょう質問するのはおかしい。実際はあなた方の説明によりましても、私の手元にある文書によりましても、第二期計画には入っていなかったということは明確じゃないですか。ということは、そういう事前の云々という問題じゃないんです。きょうは時間がないから詳しく言っておれないんですけれども、あなた方は法律に基づいてきちっと処理をしなければいけないのに、そうしてないんじゃないかと私は言ってるんです。どういう法律に基づいて買収をしたのか、経過なんか要らないんです。

宮崎武幸林野庁林政部長

○説明員(宮崎武幸君) ただいまの長官が答えてましたところでございますが、整備計画、いささか形式的ではございますが、整備計画に定めております保安林の買い入れに関する事項というのは、これは面積を何ヘクタールというふうに書いてあるだけでございます。もちろん私どもは調査段階でいろいろな具体的なバックデータは有しておるわけでございます。  ただいまの当該問題になっております保安林につきましては、これがいつそういう問題になったかというのは、これは当然先ほどからもお話ありましたように、第三期の計画樹立に際しまして、当然以前から調査が入っておりますが、その時点で問題になったことは事実であるわけでございます。しかしながら、買い入れ面積自体につきましては、第二期の予定しました買い入れ面積は、そのうち全部がとうてい買えませんで、かなり残枠を残しておったわけでございます。したがいまして、この事態の重要性にかんがみまして、この残枠を処理して、第二期計画の枠内で処理したわけでございまして、私どもとしましては、そういう処理で違法ではないというふうに判断したわけでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 いや、私は委員長ね、時間来ましたけれども、これはとってもじゃないけれども許せません。何でかいうと、明確にこれは法律違反なんです。なぜかいいますと、要するに第二期計画の——いまあなたの答弁そのままそれをとりましても、そのこと自体が問題です。なぜかいいますと、この整備計画の中には買い入れの面積しか記入していない、だから、自由裁量でどうでもできるんだという言い方をいましているわけです、逆に言えば。私たちは、この整備計画を見るときには、少なくとも何千何百ヘクタールを買収するというときには、少なくともその計画のこれには、表に出た分には面積しか書いてないけれども、実際は裏にはきちっと積算されたものがあって、どことどことどこのものをどれだけ買収をする計画である。しかしながら、予算の都合で買い入れできない部分もある。だから、それはそれでいいわけです。ですから、たとえば第二期が終わった後、第三期に至るまで、当然その買い残しを買収していくということもできるわけです。ところが、実際の、私がいま指摘している分については、少なくとも私たちがあなた方の専門の方を呼んで、何回も話を詰めましたし、またテレックスで送ってきたじゃないですか。それにも入ってなかったじゃないですか、第二期の分の中には。  ですから、いずれにしても二つ問題がある。一つはいわゆる買い入れ面積の、ただ面積だけ記入するなんというのは、これはおかしい。たとえば何でかいいますと、私の手元に出ております、あなた方からいただいたこの図面を見てみますと、第何期の分についてはどこどこを指定するとか、どこどこを保安林とするとかいう、ちゃんと図面でもどこどこの面積という指定があって、それが積み重なって、やっぱり計画になるんじゃないですか。そういうごまかしで逃げようというのはそれはいかぬ。いずれにしても、これは少なくとも五十一年の三月十九日には、あなた方は整備計画はなかったわけです。整備計画なくて、こういうずさんな買い入れをしている。しかも、私はもっと裏あるんですよ。なぜこういうことをしたかということはよくわかっているんです。きょうは時間がありませんから、この次にやりたいと思いますけれども、問題は何でこういうことをしたのか。これはやっぱり私は少なくとも、民間林を民有保安林に指定したならば、それからしばらくの間は様子を見て、そして国有保安林に繰り入れていく、そういう計画じゃないですか、大体、もともとは。それを指定して一週間後に何で買わなきゃいけなかったのか。  それから、もう時間がありませんから全部言ってしまいますけれども、先ほどあなた方は、内部で基準を定めた。内部基準のどの項にあなた方が買収した、先ほど「ア」、「イ」、「ウ」と三つ読んでいただきましたけれども、その中のどれに、このあなた方が買収した、五十一年三月十九日の買収した民有林は、どの項に当たるのか、これわかりますか、はっきり。それも含めて一遍御答弁をいただきたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 先ほど私が読み上げました買い入れ基準、傾斜度おおむね二十度以上の個所とか、いろいろございますが、これにほぼ該当しておるという判定でございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 もう時間がありませんからやめますけれども、そのどの項目にも該当するとあなたは申されました。要するに、私は現実に電話連絡等で地元の議員やいろいろな人たちから状況を聞きました。特に土壌、気象、地形等の自然的条件及び地理的条件が悪く、林況不良等により——いわゆる雑木林ばっかりでという意味ですね、により所有者の経営意欲の減退等の経済社会的条件から、保安林の適正な管理経営が困難と認められると。ところが、実際に買収した山はそんな山なんですか。見てきたんですか、あなた方は。写真でお示ししてもいいんですよ。そんな山なんですか、長官。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 私は現地を承知いたしておりませんけれども、当時の記録によりますと、この小丸川上流の奥地水源地帯に位置する約五百ヘクタールのまとまりのある山林でございまして、下流には松尾ダム、石河内ダム等があり、かつ過去の林道工事等で切り取り土砂、岩石の処置が適切でなかったため、山腹が荒廃し、土砂が河川に堆積し、流下するおそれがあったことなど、流域の保全等保安林整備の趣旨に即して、国において買い入れ、整備することを適当と判断して買い入れを行ったというふうに思っております。

野田哲日本社会党

○委員長(野田哲君) 時間が参っております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 はい、もうやめます。  これは大臣、少なくとも私はもうこのまま、きょう委員長ね、この問題農林省については保留としておきたいと思います、いずれにしても。この問題、大臣、明らかに法律違反です。どんな弁解しようと、少なくともこの土地を買収した日にちにはこの整備計画なかったんですから、現実に。それも事実ですから、先ほど長官の答弁でも。そりゃいろいろな解釈の仕方はありましょうけれども、法律をゆがめて解釈はできないんですから。しかも現地の状況も、いま書いたものを読んでおられますけれども、そんな山じゃない。一遍調べてみてください。ですから、私はそういうふうな意味で、これは重大な問題を含んでおります。またその背景には、いろいろな林野庁としてはやむにやまれずそういうことをしたということも私は聞いて知っております。そういうふうないろんな背景があってやったんでしょう。さらには、私はそういうふうな問題を表にしないという雰囲気が最近林野庁にある。こういう林野庁の国有林野事業統計書というのがあるんです、毎年。最近はだんだんこれが薄くなってきた。何で薄くなったのか調べてみると、そういう国有林野の現況をわれわれに報告する中身が、肝心のところが全部抜き取られて、そして報告されなくなってきている。これも私たちは、わが決算委員会がこういう問題を取り上げてやる場合でも、非常に不親切になってきている。そういう点も含めて、これはわが決算委員会の問題として、今後残して置かなければいけない問題だ。この次の何かの機会にこの問題は明確にしていただきたいと思っております。そのこともつけ加えておきたいと思います。あわせて大臣の御答弁をお願いしたい。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 保安林の買い入れ、あるいは国有林の売り払い等につきまして、いろいろ問題が指摘されてきたわけでございます。私がこの委員会で一番先に申し上げましたとおり、国家公務員として俯仰天地に愧じずという立場で仕事をしておるものと私は信頼したいわけでありますけれども、御指摘のような問題がもし仮にありとすれば、これはもう捨てておけない問題であるというふうにも考えますが、私いまだその事実をつまびらかにしておりませんので、私は私の立場において、十分事実関係を明らかにいたしまして、綱紀粛正を図っていきたい、こう考えております。

野田哲日本社会党

○委員長(野田哲君) 峯山君の発言の趣旨につきましては、後刻理事会で協議いたします。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 私は先日本委員会で農業政策の抜本改革の問題について、提言を含めて御質問を申し上げましたけれども、本日も引き続き、この問題について御質問を行いたいと思います。  米を購入するのに、米穀通帳が使われていたというのは食糧難時代でありまして、現在では全くこの制度は休眠状態にあると私は事実認識をいたしております。  ところで大臣、お宅では米を購入される場合、米穀通帳をお使いでございますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 阿佐谷の食糧販売店に登録しております。そのとき持って行っていると思います。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 もし大臣がそのようにやっておられるとすると、これはまことに模範的かつ例外的存在ではないかと、こう思うんです。  五十二年の十一月二日の本院決算委員会で、大河原太一郎食糧庁長官はこのように答弁していらっしゃいます。「狂乱物価の際の生活物資の異常な問題という場合におきましても、万々一の場合」——これは恐らく災害発生時を指すものと思われますけれども、「においても、この購入通帳というものの制度を末端の消費者までつなげておきますことによって、基本的主食としての米の配給も確保できるというようなケースもございまして、」、これは答弁でございます。私は大臣、これは全くたてまえの答弁であって、私は極端に言えば言い逃れではないかとすら思うのでございますが、大臣いかがでしょうか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) この米穀通帳というのは、食糧管理法の法律をつくります際の基本的事項というふうに私は考えております。ところが、その基本的事項がいま御指摘のように、本当に休眠状態になっておるというのも、これも事実なんでございます。したがいまして、その辺のところにありますこの食管制度というものが、これがもう不足の時代にできた法律という一つの証左を示しておるのではないかなと、こう私自身は考えているわけでありますが、現在は過剰の状態であると。需給のバランスのとれた事態になったらどうなるのか、こういうことを考えますと、それらの事態の場合にも、うまく国民の理解のもとに、協力のもとに運営できる食糧管理制度というものでなければならぬのではないかなという、これは私の率直な感じを申し上げておるわけであります。そういう点から私も就任早々、食糧庁の方にはこの辺の検討を十分しておることと思うが、さらに早く結論が出るような努力をしてほしい、こう言っておるところでございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 先ごろ主婦連合会が実態調査を行っております。私それを見ますと、主婦の八四%は米の通帳は要らない、こう答えております。また四二%が米穀通帳を見たことがない、こう答えております。これが実態であり、いわゆる法のたてまえは別ですよ、現実には現在は無通帳時代に入っている、これが実態だろうと、こう思うんですね。もし災害時などの非常の際に、この米穀手帳を使うということになりましても、いま言いました主婦の実態でございますから、直ちに機能できるほど全家庭に正確に整備された通帳がいまあるとはとうてい言えないわけでございます。私も帰りまして家内にいろいろ調べさせますと、これは数年前の通帳しかわが家にはございません。もう娘は嫁に行きました。息子も大阪へ行っておりますけれども、依然として四名の登録がされておるわけですね。そんなに正確に登録がえをやっている家庭は、むしろ私はレアケースではないかと。まことに私としてもじくじたるものがあるんでございますけれども、これが実態なんです。したがって、現在通帳を持っていない人も多い、主婦の四二%見たことがないと言っているんですから。しかも、その内容も必ずしも正確とは言えないというこの実態からすれば、私は災害などの非常事態には、別途の方法をこれ考えなければならぬという状態である。さきの答弁によります現制度存続の理由というものは、私は、法のたてまえは別として、現実にはすでに成り立っていないと、こう思いますが、大臣もこれにはうんと言われると思うんですが、いかがでしょう。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 仰せのような気持ちを私も持ちましたものですから、事務当局の方に、こういうことを長く続けておってはいかぬではないかと。やはり何らかの結論を得て、食管の基本問題に関する問題でありますから、なかなかすぐに結論を出して、すぐに立法化というようなことも、農林省だけではむずかしいのかもしれませんけれども、しかし、その努力を各団体やら、あるいは各消費者団体やら、生産者団体やらの合意を得る努力をして、やはり法律であります以上はきちんと守れるものにしていかなけりゃならぬと、こういうふうに指示をいたしているところでございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 私は、そのような現在の実態であるにかかわらず、同じくそのときの答弁によりますと、年間六十万部の通帳を印刷をして配布しておるということもまた食糧庁長官が答弁で述べられておるわけでございます。  私は、行財政の改革というものが、国家的、国民的ないま強い要請であるという実態の中で、私は極端に言えば、これは国費のむだ遣いと指摘されてもやむを得ないのではないかと思う。私は日本経済調査協議会の提言によりますクーポン券にするかどうかということは一応別としても、現在の通帳制度というものについて、ここで根本的に見直さなければならない時期に来ておるということだけは動かし得ない事実だろうと思うんです。私はこの点に対して、いま大臣も事務当局に指示をされておると言われますけれども、法あって実体なしと、こんな状態をいつまでも放置するということは、これは法治国家としては許されないことだと思うんですね。この点に対して、やはり根本的な検討をしてみようということは、少なくとも大臣からきょうお答えいただきたいんです。いかがです。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) これはさっきもそう申し上げたわけでありまして、もうすでに検討に入らしておると、こういうことでございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 それでは、九月二日、社団法人日本経済調査協議会は、食管制度の抜本改正についてという提言を行っております。これについて、大臣はどう評価していらっしゃいますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) この提言の大体の私の理解の仕方は、大体総生産米の二五%を政府管理米にして、そして、あとはもう自由にというような提案であろうと思うんです。  ところが、二五%だけ政府が持つということになりますと、あとの七五%が自由になるということになりますと、私はまずいい米の買い占めというような問題が必ず起きてくるんではないか。そういたしますと、大変なやっぱりパニックを起こすんじゃないか。現在は食管制度がありますから、消費者の方も生産者の方も、とにかく自分の家に米びつを大きなものを置いて、そうして米を買っておかぬでも、いつでも米屋に行けば買えるというその安堵感というものが、私はいまの主食に対する問題を起こさない一つの基本であると、こう思っております。ところが、やっぱりどこかに買い占めが起きたというようなうわさが広まったり、今度の冷害等においても、ササニシキとか、あるいはコシヒカリとかそういう五十四年産米も姿を消すんじゃないかというようなうわさをやはり私どものところに持ってくる向きもあるくらいでありますから、やっぱり二五%だけでは私はそういう買い占めとか何とかというようなことを防止していくことは非常に困難である。この辺のことを考えまして、私は、せっかくの提言でありますけれども、いますぐに検討すべきものでもないなというふうに一応は理解しておるわけでございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 私は、食管制度の問題は、これが完璧だという方法はなかなか容易に見出せるものではないと、こう思います。かかわるところが非常に広くかつ深いわけですね。しかし、こうした提言、さらに政策推進労組会議でも一つの提言を行っております。私は、こうしたものをただこれは財界や労働組合の提言にしかすぎないということで、政府が知らぬ顔しているということではなくて、やはりこの提言というものを精査しつつ、さらに幅広く意見を聞いて、実行できる改革は一つ一つ着実に行っていくという姿勢が必要だと、こう思うんです。  いま大臣もおっしゃいましたように、私は食糧管理法が昭和十七年に制定されまして以来、戦中戦後の食糧危機時代に、国民食糧の確保と、国民生活の安定に寄与した。さらに、農業従事者の生活安定と向上にこれまた大きく貢献した。これは国民のすべてが評価していることだろうと思います。しかし、四十年代の過剰米時代に入りまして、農林省は自主流通米制度の創設、予約限度数量の採用、消費者米価の物統令廃止など、運用面の改善を行い、かつ積み上げてきておられますけれども、再度の過剰米の累積と、国家財政の逼迫というものを考えれば、私はこの根本的な見直しをしてほしいというのは、国民大方の意見ではなかろうか。農業関係者からもそういう声も出ておるわけですね。  私は従来、これははなはだ失礼かもしれませんけれども、日本農政は、農林省が要求して大蔵省が削る。政党や議員は票を意識して、まあできるだけ舌ざわりのいい言葉を述べる。そして、行政当局に圧力をかける。そして、政治的決着という名のもとに、いわゆる妥協の政策が生まれる。私はそんなパターンを繰り返しておったんでは、日本の農業はこれ救いようのない危機のふちに立たされるんではないかとすら思うのでございます。食管制度に関して中・長期のビジョンを確立する、そしてこれに到達するための具体的プログラム、プロセスをつくりまして、実効ある誘導を行っていく、こういうことが必要であり、そのための国民合意の形成こそ急がれなければならぬ政治課題だと、こう思うのでございます。  いま大臣は、いま直ちにこの提言を検討するに値しないと言われたんですけれども、それでは私のこの意見に御賛同ならば——この提言どおりやれと言っているんじゃないですよ、やはり幅広い食管制度の今後のあり方に対する検討は、急ぎ、かつ合意の形成に努めるべきだと、その時期ではないかと、こう思いますが、いかがでしょう。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) もちろん仰せのとおりこの食糧問題、食糧管理制度というものは、国民の各階各層に深いつながりを持っておるわけでありまますから、各階各層からいろいろな積極的な御意見、御提案等があることは、私は国民合意を得る上においても、大変これはいい傾向であるなというとらまえ方をいたしておることはもちろんでございます。したがいまして、ただいま御提案の食糧管理制度に対する御所見、また日本農政に対する御所見等、大変私意義深く拝聴いたしたわけでございます。私どもといたしましても、特に今日までやはり農地法という一つの大きな制約のあった法体系のもとで、規模拡大を図るというようなことがなかなか容易じゃなかったときにおいて、国会の方でああいう環境をつくっていただいたわけでありますので、これを契機といたしまして、八〇年代の農政というものの施策を十二分に確立をしていくと、こういう立場で実は農政審議会にも早く結論を出していただきたいと、こういうことで要請をお願いをいたしておるところでございます。御趣旨の線を十分参考にいたしましてやっていきたいと考えております。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 農水省は八日の日に、今後十年間の農政の指針となる農産物需給の長期見通しというのを、自民党の総合農政調査会に中間報告として提出したという報道がございます。私も農林省からその資料を参考のためにいただきました。しかし、この指針というものは、これは大変な内容を含んでいると思うんですね。この内容は時間の関係から私は触れませんけれども、大体わが国の全水田面積の約三割、地域で言えば北海道と福島を除く東北五県に相当する水田面積を転作をしていこうというこれは長期の指針なんです。これは本当に日本の農業構造を根本的に改革しなければならぬということを示唆いたしておるわけですね。これは多大の困難を伴う問題で私はあろうと思うんですけれども、大臣としてこの長期指針というものを実行する決意と、確信お持ちでございますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 米の過剰時代であります今日において、将来の日本農政をどう持っていくかということになりますと、まずやはり日本人の食構造がどういう傾向をたどっていくであろうかと、食構造の動向というものがどういうふうになっていくであろうかということを、やはり基礎にしていかなければならないと、こう考えるわけであります。米はいかに消費拡大を叫びましても、大いに努力をいたしましても、横ばいか、あるいはむしろ減っていくんじゃないか、その分畜産物がふえてくる。そうしますと、一応農林水産省でも二千五百カロリー以上、三千カロリー近いことを予測したときもあったわけでございますけれども、最近はどうもこの日本人の食構造と申しますか、その内容は大体落ちついてきておりまして、二千五百カロリー当たりで落ちついてくるんじゃないか、しかもその食構造の内容がたん白や炭水化物、脂肪といったようなもののとり率といいますか、正三角形をなしておって、非常にいい食構造の現況を示しつつあるということで、世界的にやっぱり注目されてきておるという現況でもありますので、その点を考えまして、それに合ういわゆる生産体制をどういうふうにつくり上げていくかということになりますと、お示しのありましたとおり、水田面積はもっと減らさなければいけないと、こういうことにならざるを得ないわけでありますね。しかし、私どもとしては、何としても、米というものがこの日本国民の長い歴史の過程の上に築かれた体制から言いますと、一番よく生産され、一番よくできる食品なんですね。この食品であるにもかかわらず、農家がとった分だけ食べてもらえない、こういうところに非常なむずかしい問題があるわけでありますが、だからといって、生産調整をせずに、過剰米処理という膨大な国費を消費していくようなことを続けておったら、先ほど来のお話のとおり、食管制度等も維持できなくなる、こういう形になろうかと思うわけであります。したがいまして、やっぱりこれは農業政策を強力に進めてまいりますためには、納税者、全国民の了解のもとに、協力のもとに、やはり相当思い切ったこれからの国家投資をしてまいりませんと、生産性の高い農業というものをつくり上げることができない、こういうことも厳然たる事実でありますので、何としてでも、納税者の理解のいくような、あるいは農家にとっては厳しい、険しい道かもしれませんけれども、そういうことも理解していただいて、そうして生産性の高い農業をつくり上げていくやっぱり努力を私どもも真剣にやり遂げていかなければならない、こんな気持ちを持っているわけであります。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 いずれにしても、七十六万ヘクタールを米から他に転作する、この指針の示唆するところはきわめて重大であろうと思うんです。私はいろいろこう調べますとちょっとこんなことに気がついたんですけれども、一つは、わが国の第二次産業の労働生産力は欧米のそれを凌駕しております。しかし、農業の労働生産性はアメリカの五分の一、ECの約二分の一でございます。これはいかに優秀な日本の労働力をもってしても、農業平均経営規模が一・二ヘクタールにしかすぎない。これはアメリカの百五十分の一、ECで最も少ないと言われるイタリー農業でも七ヘクタールの経営面積を持っているわけですね。この経営規模の差はいかんとも克服しがたい壁になっておる、これが現実ですね。  第二には、昭和三十六年度には全農家の三割にしかすぎなかった第二種兼業農家が、現在では七割を占めております。そして農業の実態を見ますと、農業の経営に労働力を要する酪農、施設野菜では、生産額のシェアの九割、養豚では八割、養鶏、園芸農作物では七割が男子農業専従者を持つ農家で占められておるのに比べまして、稲作におけるこれらの農家のシェアはわずか三割、専従者のいない農家のシェアは七割を占めておる。しかも、第二種兼業農家のシェアは約五割、わが国の稲作というものは、兼業農家を主力としていま生産されていると言ってもいい状態にある。これまた私は現実だろうと思うんです。  そこで、第二種兼業農家がそれではどうして米をつくるのか。技術的に最もつくりやすい作物だ。食管制度によって価格が安定している。と同時に、この農地法の関係で、一度土地を賃貸借に出すと、なかなか返ってこない。もし自分で耕作をするために取り戻そうと思うと、実際上離作料を払わなければならないのではないか。そういう農地の資産保有的意識が強くて、実際の耕作は委託作業に出していながら、稲作を続けておる、こういう実態がある。これが農地の流動化、農業の規模拡大を阻害する原因になりまして、国土の利用効率を非効率なものにしている、こういうことが私は循環されていると思うんですね。したがって、この農林省の中期指針を実行していくに当たっては、この第二種兼業農家対策というものを相当考えない限り、この計画を実際に誘導していくということは大きな壁があろうと、こう思うんです。二種兼業農家対策に対する大臣の基本的なひとつ所感をお伺いしたい。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のような情勢にありますことは、私も大体そのとおり認識をいたしておるところでございます。したがいまして、中核農家を積極的につくり上げていく反面、やっぱりこの第二種兼業というものがだんだんと、私はいまの耕作者が老齢化していくなり、なんなりしてまいりますと、自分で農業はやれなくなるというようなことで、農地法も改正をいただきましたし、農用地利用増進法も制定をしていただきましたし、いままでに比べますと、農地を貸しても契約の期間が来ればすぐ返してもらえるというような、地域連帯性の上に立った信頼感というものも持った土地の集合というような問題も、いままでよりはやりやすくなっていくんじゃないかと、そういう農村の地域社会において、農業委員会なり、町村なりが、あるいは農協あたりが中心になりまして、中核農家に土地が集合するような努力と同時に、やはり農協というものが、ある程度農村の地域社会のそういう土地利用の高度化というようなものの立場から、やっぱりこれから大いに努力をしてもらわにゃいかぬのではないかというような考えも私は持っておるわけであります。したがいまして、農協の協力も得まして、中核農家の育成と、やっぱりその第二種兼業農家の協力を得る施策というものを、農協を中心にして進めるべきではないかと、そんな考えを持っておるところでございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 大臣、施策を進めておられる、私も、法改正が着々行われていることは知っております。しかし、大変な転換なんですから、もう一度現在の法制とか、行政指導のあり方というものに一段と深くメスを入れて、やっぱりより充実した施策というものが確立されなければならない。そうでないと、この中期指針というものを打ち出しても、絵にかいたモチになってしまうよと私は心配するんでございます。この点、意見として指摘いたしておきます。時間もありませんので、これは深く突けないのが残念でございますけれども、ここらに大きな問題点があり、これを突破するための農林省の施策こそが、私は日本農業の安定の決め手であるという点だけは強く指摘をいたしておきたいと思います。  そこで、違った観点ですけれども、農業の振興や、水田利用再編対策をこれから進めるに当たって、農地条件を整備することが基礎的条件だと私は思います。たとえば、湿田地帯の稲作転換は適作物が乏しいために、排水事業を施す必要がございますし、麦作の機械化をやるにしても、圃場整備がその前提にならなければなりません。政府は、今日まで排水事業や圃場整備事業に重点を置いた予算整備を行ってこられたことは認めますけれども、財政主導型の景気振興策として、公共事業費の伸びが大きかった時代とは異なりまして、昨今の財政状態から行きますと、公共事業費の締めつけは逐次厳しくなってくるものと思われます。私は、土地基盤整備事業が、土地改良法によって土地改良長期計画がつくられ、これによって進められておりますけれども、四十八年から五十七年の十年間で、十兆円の投資が計画されております。政府が本年二月に衆議院予算委員会に提出した資料を私見てみますと、この十年のうちすでに八年経過するわけでございますけれども、この八年間の進捗率は、事業費ベースで六九・五%でございますから、金額ベースとしてはまあまあの水準にある。しかし、同じ資料による事業量ベースを見ますと、圃場整備、畑地総合整備を加えたいわゆる農用地総合整備は、計画量の百八十万ヘクタールに比べて、五十五年度末の実績見込みは三〇・四%の五十四万七千ヘクタールにしかすぎないのではないかと、こう農林省は見通しておられるわけですね。農用地造成は、計画の七十万ヘクタールに対して、実績見込みは三七・三%の二十六万一千ヘクタールにすぎない。これ農林省の資料です。私はこの原因は、やはり計画時とその後のインフレによる事業費単価の上昇のずれというのが大きな一つの要因ではないかと、こう思うんでございますけれども、そのために、着工中の築工期が長引き、それだけ投資効率の発現がおくれる、同じ額の投資でも、その効率が低下しているということではないかと私はそう読み取るわけです。これらに対する反省、今後五十五年度ベースの予算しか仮に投入できないということになりますと、私はこの十年計画終了までに、果たしてどれだけのいわゆる事業量ベースで十カ年計画が達成できるか。私はこの率はきわめて低いものに終わってしまうんではないかと思うんです。そこで、こうした問題を解決していくには、方法としては、特別会計方式や、公団方式を強化して、国庫補助助成部分の後年度分の全部または一部を、財投資金でとりあえず賄うという方法もこれはございます。しかし、これはなかなか財政硬直化の現在において、実効を期待することがむずかしい問題だろうと思うんです。とすれば、私は新規着工地区を抑える以外に効果的な道はないんではないか。やはりこの着工地区数を適当な水準にするようにして、調査、全体実施計画、着工の三段階を総合した着手実行のルールづくりを行いまして、これに基づいて効率的な運用を図るという政策の転換といいますか、これが必要ではないかと、私自身はそう思うんでございます。大臣のこれに対するひとつ御所信をお伺いいたしたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 農業基盤整備は、農業の伸展を図ってまいりますためにも、いわゆる生産性の高い農業を経営する上からいっても、もう何よりも大事な問題であることは御指摘のとおりでございます。ところが、もう県営事業でも十年以上かかる、国営事業でももう七、八年の予定であったものが十年、十五年とかかっているというようなところもないわけではございません。確かにそういう意味において、今後のやっぱり基盤整備に対する国家財政の中での位置づけというものを、私はもう一度考え直してみる必要があるんではないかという感じがいたします。国会で御決議をいただいたあのような食糧の自給強化という問題が、いかに大事かというような立場からいたしまして、なおかつ農業生産性の向上を図る上からも、この基盤整備にお金をつぎ込むということはもう本当に私は大事なことであろう。特に今後、水田作から畑作へ転換をしなければいけないというような際における基盤整備ということは、積極的にやりませんと、国費の効率的使用ということからいっても非常に隘路になってくると、こういうことでありますので、私は今後もこの土地基盤整備につきましては、最も効率のいい新規地区を厳選するとか、新規採択の場合においては、そういう立場から数を少なくして、そうして完成を早める。その調整をどの辺にとるかというようなことについて、やっぱり再検討をいたしてみたいと、こう考えておる次第でございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 適正な財源の確保と同時に、私は、その同じ財源の中でも、より効率的な整備の事業の推進方法があるんではないかということで、これ一つの提言を行ったわけでございますので、大臣もいま触れられましたけれども、この問題は真剣にひとつ農林省でも全省的な取り組みをお願いしておきたいと思います。  次に、私は食糧の安全保障問題について御質問したいわけでございます。  最近、軍事的問題だけではなくて、食糧、エネルギー問題を含めたいわゆる総合安全保障という視点が高まりつつございます。一億を超える国民に食糧を安定的に供給し、バランスのとれた食生活を確保する、これは私は総合的安全保障の骨格とも言うべき重要な問題であろうと、こう思うんです。しかも、官房長述べられましたように、世界の食糧需給関係は、長期的に見れば、異常気象による生産の変動、また本年当初アメリカが行った対ソ穀物禁輸措置に見られるように、食糧がいわゆる戦略物資として使われてくるという傾向も見え出しておる。そういう点からいたしますと、長期的には必ずしも楽観を許される状態にはないと思うんですね。こうした視点から、この食糧の安全保障を確保する道は何か、私は二つだと思うんです。  一つは、輸入依存度の高い日本の現状を改革して自給率を高めていく、そのために、いま農林省のこの中期指針の推進による転作の推進ということも一つでしょう。これはもう触れました。しかし、ここで忘れてはならぬことは、食生活の方向づけに取り組むということだと思うんです。日本の食糧自給率は高かったんですね。それがなぜこんなに低くなったか。それは食生活を国民のニーズのままにしておった、そのために畜産物や油脂の消費増加になり、そのことが米の消費減少に結びついた。これが一つの大きな私は要因だと思うんです。いま大臣もおっしゃいましたように、農林省は最近栄養的に見て、日本の食糧はたん白質、脂質、炭水化物の組み合わせのバランスがとれて、健康上最も望ましいものに近い、いままでモデルにされていた欧米諸国の食生活は、肉類や砂糖の摂取が過剰で、穀物摂取が少ないために、いま成人病との関係で栄養の偏りが問題にされつつある。これは農林省非常に最近PRされておるところでございます。だとすれば、私はやはりもっと学者の参加も求めまして、今後の望ましい食生活の方向づけというものを重視して、農政に取り組むという姿勢が従来以上にもっと強化されてしかるべきではないか、これが一つです。  まあ時間の関係がありますので、続いて言っちゃいます。  第二はセキュリティーストックという視点でございます。現在六百五十万トンの過剰米を抱えておる、そして大蔵省からは過剰米だ過剰米だ、こう言われておるわけでございますけれども、ことしの凶作を一つ例にとりましても、また長期的な世界の穀物需給の動向から見ましても、一定量——この一定量というのは何百万トンかこれ非常にむずかしいところですね。常識的にはおおむね米は二百万トン程度ではなかろうかと、こう言われておるわけですけれども、一定のセキュリティーストックを持たなければならぬということは、わが国の食糧安全保障の視点からすると、これは当然配慮しなければならない問題なんですね。仮にその適正なセキュリティーストック量が二百万トンとすれば、私は農林省が大蔵大臣から、六百五十万トン過剰じゃないか、それは四百五十万トンが過剰なんであって、二百万トンはセキュリティーストックだと、これは食糧の安全保障のために、全国民が合意して、理解してストックを行うべきであるという世論形成が必要ではないかと思うんです。セキュリティーストックのための支出であれば、国民は理解してその経費負担を負う、こう思うんですね。  私は時間の関係でこの問題を終わりますけれども、やはりそういった食糧安全保障、この視点からの転作問題、さらに食生活の方向づけの問題、セキュリティーストックの確保の問題、こうした問題について、農林大臣がもっと確固たる方針を打ち出し、国民に向かって声を上げ、その合意の形成に努めることが、これからの日本農政にとってきわめて重要であると信じますので、これに対する大臣の明確な所信を求めて、私の質問を終わりたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 御趣旨の点よく理解できますので、やはり総合安全保障という立場から、食糧問題についての一つの御提言があったわけでございます。十分検討をさしていただきまして、やっぱりいかなる事態に遭っても、国民をして食糧問題に心配をさせないようにしっかりと体制をつくり上げていくということに全力を挙げていきたい、こう考えます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 終わります。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私は公営競馬と暴力団の関係についてお伺いいたします。  まず最初に警察庁にお伺いいたします。  公営競技をめぐるノミ行為によりまして、暴力団が得ております資金というのは年々膨大になってきております。その有力な資金源になっているとともに、八百長という、こういうレース事件を見ましても、昨年発生いたしました名古屋の競馬事件、あるいは大井の競馬事件、またことし発覚いたしました兵庫県の地方競馬、この事件を見てみましても、いずれも暴力団が背景になっております。昭和五十三年に公営競技関係法違反で検挙されました暴力団員のうち、約七五%までが競馬法違反である、こういうのを見てみましても、公営競馬というのが暴力団の有力な資金獲得の舞台にされているということが推測されるわけですが、一体実態はどういうふうになっているかということをまずお伺いいたします。

漆間英治警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(漆間英治君) 昨年とことしの上半期の数字で申し上げますが、公営競技に関連をいたしまして、五十四年中にノミ行為として警察が検挙をいたしまして、送致をいたしましたものが千九百七十九件、七千四百七十九人、このうち暴力団が千六百五十九件、四千三百四十七人、そういう状況でございます。  それから、五十五年度の上半期で申し上げますと、ノミ行為で検挙されましたものが千百五十一件、四千百五名、このうち暴力団が八百九十七件、二千五百三十人、こういう状況でありまして、このノミ行為以外の不正行為で送られた暴力団による数というのは、ごくわずかでございますので、これが大体公営競技に関連した暴力団の介入状況というふうに見ていただいてよろしいかと存じます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 大臣にお伺いいたします。  五十三年度の競馬開催によりまして、地方自治体が得た収益というのは四百十七億円だと聞いております。一方、五十四年度の警察白書を拝見いたしますと、暴力団がノミ行為によりまして、年間に獲得する資金というのが約千七百五十億にも上るというふうに推測されます。この大半が競馬を舞台にしているというふうなことになるとすると、競馬というのが最大の暴力団の資金を得ている舞台になるわけです。というのは、地方自治体は四百十七億円ぐらいの収益なのに、何と暴力団が千七百五十億にも上るそのほとんどを競馬から得ている。競馬を開催して一番もうけているのが暴力団だということにもなりかねないというふうなことになります。それで、一方では暴力団を壊滅するために膨大な労力を費やしているわけです。一方では公の主催する競馬が暴力団のかっこうな、有力な資金流入の場になっているという姿があるわけで、私は大変ゆゆしいことだと思います。  大臣は、こういう実態について、どうお思いでございましょうか。そしてまた、社会的、政治的責任を果たすために、どのような立場で監督、指導に臨まれるんでしょうか。そのことをお伺いいたします。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 競馬の公正な施行ということは、もう競馬開催の何よりも重要なこれは前提でありまして、ノミ行為を初めとする競馬に関連した不正行為は、これはもう厳に防止していかなければならないと考えております。これまでもこういう考え方のもとに、主催者等に対しまして強く指導をしておるところでありまして、今後とも関係省庁の協力も得ながら、御指摘いただいたようなことのないような競馬の施行ということに、最善の努力をしていかなければならないと、こう考えております。  具体的にどのような方法によってやってまいるかというようなことにつきましては、畜産局長から答弁をいたさせます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 それでは、具体的な事件についてお伺いいたしますけれども、ことしの八月に発覚いたしました、一連の逮捕者を出しております兵庫県の地方競馬、これをめぐる八百長レースについて、いま捜査が続行されて、昨日も逮捕者が出ております。どういうふうになっているか。現在まで判明している点、簡潔にお教えください。

漆間英治警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(漆間英治君) お尋ねの件では、兵庫県警におきまして、八月九日に、兵庫県の園田競馬場の騎手、あるいは厩務員らを暴力行為の容疑で逮捕いたしましたところが、その事件の捜査の過程で、その園田競馬場における八百長レースに関する情報を得まして、そこで捜査を進めましたところ、山口組系の暴力団幹部や、あるいは厩務員などが共謀をいたしまして、昭和五十四年五月から本年七月ごろまでの間に、兵庫県営及び尼崎市営の園田競馬のレースに関して、八百長があったということで、現在、八月十九日から競馬法違反——これは贈収賄でございますが、暴力団員、厩務員、騎手ら十一名を逮捕し、現在もなお捜査中でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 兵庫県の地方競馬の場合、いま御報告のあったような問題というのは、いまに始まったことではないわけです。これは四十三年の四月には、出走前の有力馬にえさを規定以上に与えたり、覚せい剤を与えた。これで暴力団員、騎手、調教師、二十名が逮捕です。それから四十五年六月には、暴力団組長らが場内の警備を取り仕切っていたことが判明しております。それから四十六年の六月には、大がかりな八百長事件が発覚して、暴力団員とか、騎手とか、四十名が逮捕されております。それから四十九年一月、暴力団の組員による競馬場の焼き討ち事件で八千万円売上金が強奪されております。  こういうふうに暴力団が絡んだ不祥事件というのが相次いで起こっているというふうなことで、兵庫県の地方競馬につきましては、この事件で思い切った措置をとらない限り、この暴力団との癒着というのは、私は断ち切る保証はないと思います。  ところが、このような不祥事件を起こしておきながら、主催者がいま競馬を継続中なんです。この競馬の継続の中から、きのうそのレースに出ていた騎手が逮捕をされるというふうな状態が出ております。私は、こういうことになれば、全貌が明らかになる、それでは開催を自粛するというのがこれは社会的な常識だろうと思います。こういうレースというのは、なるほど大臣がおっしゃったように、公正な施行というのが大前提で、この公正な施行が行われるかどうかわからないというふうな、そういう黒い騎手が走っているにもかかわらず、自粛もやらないというふうなことでは、私は全くおかしいと思います。こういう、公正を確保するという大前提の上に立つなら、自浄作用でそういうことをしないといけない。しかし、主催者がそういう態度をとっていないという、こういう立場で、私は、監督省庁として、農水省はどのように主催者側に指導されるか、厳重な指導が必要だと思いますけれども、いかがでございましょうか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 先ほども大臣からお答え申し上げましたように、競馬の公正確保は、競馬の施行の大前提でございます。日ごろから積極的な指導を行いまして、不祥事件の未然防止に努めるよう、各主催者に対しまして指導をしてきたところでございます。  しかるに、このたび兵庫県におきまして、またまた不祥事件の発生を見ましたことは、まことに遺憾にたえないところでございます。  農林水産省といたしましては、事件発覚直後に直ちに係官を現地に巡遣をいたしまして、主催者に対しまして、その発生原因を速やかに把握をして、所要の緊急対策を講ぜられたい。さらに関係者の厳重な処分も行われたい。そして、根本的な再発防止対策を取りまとめて、早急に実施するよう指示をいたしたところでございます。  主催者におきましては、この指示を受けまして、現在公正確保緊急対策会議を設置をいたしまして、不正事件の再発防止の検討を行っておるところでございます。同時に、その検討の中から、すぐ実施できるものを取り上げてまいっておりまして、たとえば騎手の調整ルームへの入室の時刻を繰り上げる。さらには暴力団関係馬主の所有する馬を排除するよう通告をする。さらには調教師、騎手の教育を計画的に実施することにして、その計画に着手をするというような措置を逐次とってきております。  現状では公正な競馬が実施されると思われますが、なお事態の推移を見守ってまいりたいと考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 とんでもないことです。きのうレースを終わったとたんに騎手が四名逮捕されております。これはレースが開始する前にわかったけれども、名前がわからないからということで、ファンに動揺を与えないためにレースを続行したというふうなことなんですね。ですから、どうしてこれで公正な施行が確保できるんでしょう。単なるおわびの看板一枚で、こういうことを続けさすから黒い馬主というのも出ているわけです。  私は申し上げますが、とっても時間がないので、昭和四十六年に大規模な八百長事件が発覚したときなんです。これは知事、副知事や、それから競馬場周辺の住民の方が話し合いをされております。これは兵庫県知事それから姫路市長——公文書です。自治会の方にあてられて、「今後過般のような大きな不祥事件が発生した場合は、直ちに県営競馬の廃止を含め検討せざるを得ないものと思料いたしております。」というふうに公文書与えておられます。それだけではありません。県議会の中で九月十六日、佐野公営競馬管理者が、隠れ馬主のような事態は把握していないと。そして、もし馬主が暴力団と判明すれば、地方競馬全国協議会に馬主の登録の抹消を求めるとともに、県独自でも出走できないように検討したいと、こう答えられている。そして、二十二日には暴力団、常習賭博などで前歴十五回です。これが二十二日に指名手配され、黒い馬主がいたということがはっきりしているわけです。こういう事態に立たれてもまだ推移を冷静に見守っておいでになるんでしょうか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 四十六年の不祥事件の際に、開催主体としては、競馬の廃止を含め検討せざるを得ないものと思量するという旨の約束があることは承知をいたしております。この約束につきましては、地元主催者側と、住民との間の問題として、解決をしていただきたいというふうに考えております。  なお、いま御指摘の馬主の中で、暴力団関係あるいは過去の犯罪事件に関与したという点についての御指摘でございますが、そのための調査を、地方競馬全国協会、及び中央競馬がそれぞれ金を出しまして、競馬保安協会によりまして調査を実施をいたしておりまして、地方競馬全国協会におきましては、すでに登録を受けた全馬主について、登録後の犯罪の有無について、本籍の市町村に照会の調査を行いますとともに、主催者とも連絡をとりながら、保安協会に依頼をいたしまして、調査を進めておるところでございますが、何分明確な不正事件の事実がある場合には登録の抹消ができるわけでございますが、そういう事実もない場合に、推定でもって抹消をするということはなかなか困難でございまして、やはり調査を確実に、的確に進めていくということによって、暴力団関係者の馬主からの排除というものを進めてまいらざるを得ないという状況でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私は、先ほど大臣の公正な施行が前提という御答弁をお伺いしたわけです。あなたのお答えというのはそういうふうにはなっていないわけです。いまもどんどんどんどん黒い馬が走っているかもわからないのに、レースは一方で開催させておくと。そして、一方では的確な事実がつかめない限り馬主の登録も取り消されないというふうなことで、逮捕者をどんどんどんどん出しているというふうなことなんです。そういうふうなことでは、私はなるほどこれ住民と県当局の約束ですけれども、しかし、こういう約束もある、県会の発言もあるということで、どういう指導を農水省としてなさるんだという、どういう指導なんだということを強く聞いているわけです。それに御答弁がないです。それに御答弁してください。  それから、いまの馬主の問題ですけれども、これは競馬の特殊性として、ほかの競技には選手にでもならない限り暴力団が入るということはできない。しかし、競馬の特殊性として馬主になればそれに関与するということができる。そして、いろんな形で、厩務員とか、あるいは調教師とか、騎手とかに接触もしていけるというふうなことなんです。ですから、兵庫県の地方競馬でも、報道関係者とか、その他の関係者によれば、それだけでも十数人の暴力団関係者の馬主がいるんじゃなかろうか。そして、その持ち馬というのは競走馬の一割を超えるんだというふうに言われているんです。過去の事件を見てみましても、公正なんて確保されていると思えない。続々続々こういう事件が起こってきている。ですから、こういう隠れ馬主、いろんな名義を使ってやるというふうなこういう隠れ馬主を排除する、暴力団を排除するということが本当に公正を保つ上からは必要なことなんです。ですから、この馬主登録の際に、暴力団関係者を排除するだけでなしに、いま調査をなさっていらっしゃるとおっしゃいましたけれども、入り口の厳正だけではなくて、一たん馬主に登録されたそういう人たちでも、十分に調査を定期的にやっぱりやらないといけないと思うんです。定期的におやりになるかどうかということ。これには警察にも積極的に協力を私は求めるべきだと思います。  それから、昭和五十年以前から馬主になっている人たち、こういう人たちは既得権があるわけです。こういう人たちが新しくまた馬を持つというふうなこともできますし、暴力団と接触することもできる。暴力団がその名前をかりていたというふうなことも新聞なんかでも報道されているわけです。ですから、こういう本来入ってはいけない人たちが入っているわけですから、そういうものを調査されて、こういう事態を十分把握されて、暴力団との関係を断ち切るために、農水省としては努力をなさるかどうか、この二点お答えください。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 第一点の現在行っております兵庫県の地方競馬につきましては、先ほども申し上げましたように公正確保のためにとり得べき措置を早急にとるように、指示、指導をいたしておるところでございます。主催者側におきましてはそれを受けまして、でき得る限りの措置を現在とっておるものというふうに考えますが、なお、ただいま御指摘のような点で、公正確保上問題があるということでありますれば、主催者側とも十分相談をいたしまして、より一層的確な公正確保のための措置を指導してまいりたいというふうに考えます。  それから、馬主登録の関係で暴力団関係の排除でございますが、一つは、お話もございましたように、入り口でチェックをするということでございます。これは地方競馬全国協会におきまして、御承知かとも存じますが、馬主登録審査委員会を設置をいたしまして、それに諮問をし、答申を得て馬主登録を行うと。その委員会における審査に当たりましては、競馬保安協会の調査を、関係方面の御協力を得て実施をし、その結果を活用するということにいたしております。  また、五十年以前のすでに登録をされておる馬主についての関係でございますが、これにつきましても、先ほど申し上げましたように、全馬主について、犯罪事実については調査をいたしておりますが、それ以外の関係につきましては、計画的に調査を進めるということで、現在それを進めておるところでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 最後に、大臣とそれから担当者とに御答弁を求めます。それで私の質問を終わりますけれども、まず大臣、先ほどから私が申し上げているように、いまレースを開催していると。たったおわびの看板一枚でレースを開催している。その中から逮捕者が出ているというふうな事態です。食中毒を起こしても、飲食店は営業を停止するというふうなことをされます。こういうものは私は当然開催を自粛してしかるべきだというふうに思います。そういう指導を当然社会的な責任を果たされる農水省としておやりになるべきではなかろうかということを申し上げとうございます。  それから、住民との約束というのは、もうこれは公文書の乱発です。いろんなことを約束されている。その中には福祉会館も建てましょうというふうなことも言っておられるけれども、そして、こういうふうな、先ほど私が申し上げたような、県営競馬の廃止も含めて検討せざるを得ないと思いますというふうに言いながらも、この開催の自粛もされないというふうに約束事を後退されるというふうな、こういう県開催当局に対してどういう指導をなさるのかということをお伺いしとうございます。  そして、私は最後に申し上げたい。これは直接の被害者が出ません、大きなファンという層はありますけれども。そして暴力団絡みです。だからわかっていても届けるのが恐ろしいというふうなことです。だからよっぽど毅然たる姿勢をとっていただかない限り、暴力団の追放なんか競馬からできないわけです。それなのに先ほどからお伺いしていると、実に歯がったらしいと。私はここでひとつ農水省として社会的、政治的責任を重々認識されて、こういう指導に当たられたいということを申し添えて御答弁を求めます。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○政府委員(犬伏孝治君) 競馬の施行を停止をするということの場合には、競馬法に基づきまして行うわけでございますが、これは開催主体自身が競馬法自体に違反するとか、競馬に基づく命令に違反した場合でございます。したがって、今回の場合は、開催主体自体の違反行為ではないということから、やはり開催主体の良識に基づいて、われわれ指導しておる指導の趣旨にのっとりまして、公正な確保をするために、どう対応するかということでございます。先ほど申し上げましたように、開催主体の所見も問いまして、協議をいたしたいというふうに存じます。そういうことで開催主体に対して指導を進めてまいりたいと考えております。  福祉会館その他住民とのお約束の問題でございますが、これはいろいろ直接地元からの御要望もございました。それにつきましては、主催者の方にその旨をお伝えをいたしまして、十分地元において話し合うよう指示をいたしております。地元の問題でございますので、当事者間で話し合いをしていただくようお願いしたいところでございます。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 競馬ファンが安心して競馬に参加できるという情勢をつくり上げることは、もう当然でございます。これを妨害するようないわゆる暴力団というようなものが、競馬の開催に関して、いろんな不安要因を与えるということは、まことにこれはけしからぬことでございます。やはり主催者に対しましても、十分勇気と自信とを持って、毅然たる態度で、いま申し上げたような平穏な競馬開催をできるようにするのが、これは主催者の責任でありますから、私からも十分その点はきつく申し入れをしたいと、こう思います。

野田哲日本社会党

○委員長(野田哲君) 他に御発言がないようですから、農林省及び農林漁業金融公庫の決算については、本日はこの程度といたします。  次回の委員会は十月二十九日に開会することとし、これにて散会いたします。    午後四時十三分散会      —————・—————

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