文教委員会 第7号
- 発言数
- 200 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/11/07
会議録
○三ツ林委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、放送大学学園法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中西積介君。
○中西(績)委員 さきの委員会におきまして、いろいろ討論いたしてまいりましたけれども、私が質問を申し上げたまず第一の重要な問題点として指摘をいたしました放送法第四十四条三項の問題と学問研究の自由、大学の自治問題とのかかわり等につきましては、一応湯山委員の重ねての質問の中である程度明らかになってまいりましたので、きょうは前回残っておりました部分につきまして質問を申し上げたいと存じます。 まず第一は、二十三条四項にございます評議会と学校教育法五十九条にございます教授会とのかかわりについてでありますけれども、その前に確認をしでおきたいと思いますが、法にもございますけれども、放送大学学園の設置する大学、いわゆる放送大学は学校教育法にいう大学であるかどうかを、まず第一に確認をしておきたいと思います。どうでしょう。
○宮地政府委員 御指摘のとおりでございます。
○中西(績)委員 それでは、いま答弁ございましたように、学校教育法がこの大学には適用されるわけでありますから、いま申し上げました教授会とこの評議会とのかかわりについて確認をしていきたいと思いますが、まず評議会は二十三条の四に書かれておりますように、学長の諮問機関であるということは確認できますか。
○宮地政府委員 御指摘のように評議会は二十三条の規定にございまして、その第四項でございますけれども、「評議会は、学長の諮問に応じ、放送大学の運営に関する重要事項について審議し、及びこの法律の規定によりその権限に属させられた事項を行う。」というのが評議会のやるべき事柄でございまして、「この法律の規定によりその権限に属させられた事項を行う。」ということ以外に関して申せば諮問機関ということになろうかと思います。
○中西(績)委員 いま答弁ございましたように、この評議会のあり方については、二十三条の「学長の諮問に応じる」ということがまず第一、そして「運営に関する重要事項について審議し、及びこの法律の規定によりその権限に属させられた事項を行う。」、こうなっております。ですから、あくまでも学長の諮問に応じて運営に関する重要事項について審議をするということになるわけであります。 私は、いま法律論争でありませんから、この点についてはこの文章が一応ここにあるということは認めますが、そこで問題は、もう一つは、二十二条に「人事の基準に関する事項は、評議会の議に基づいて、学長が定める。」という文言がございます。こうなってまいりますと、先ほどから申しておりますように、教授会とのかかわりがきわめて重要になってくるわけであります。 したがって、まず最初に確認を願いましたこの放送大学は学校教育法にいう大学であり、同法が適用されるということでありますから、教授会ということも、当然、五十九条、これで認められるということに相なるわけでありますね、そのように理解をしてよろしいですか。
○宮地政府委員 教授会が置かれますということは、学校教育法五十九条に基づいてこの放送大学についても教授会は置かれるわけでございます。先生御指摘のように、人事の基準に関しましては、二十二条の規定で定めておりますように「学長、副学長及び教員の任免の基準、任期、停年その他人事の基準に関する事項は、評議会の議に基づいて、学長が定める。」という規定にいたしておるわけでございます。 そこで「評議会の議に基づいて」ということにつきましては、従来御説明をさせていただいておりますけれども、大変拘束力の強い形でございまして、この評議会が定めたとおりに学長が履行するということになろうかと思います。
○中西(績)委員 ちょっと待ってください。いまのところもう一遍言ってください、ざわついて聞こえませんから。
○宮地政府委員 「評議会の議に基づいて、学長が定める。」という規定になっているわけでございまして、「評議会の議に基づく」ということは、大変拘束力の強い規定で、これは従来の教育公務員特例法の解釈としてもそういうことが言われているわけでございまして、私どもとしては、実質的には「評議会の議に基づく」というこの規定によりまして運用が行われる、かように考えております。
○中西(績)委員 それでは、この放送大学学園の放送大学における教授会は、少なくとも学校教育法五十九条で認められておるわけでありますから明定されていますね。そうなってまいりますと、この放送大学におきましては、まさに教授会の権限、権能というものが、この評議会において、いまあなたが読まれた二十二条、人事に関する事項等におきましては、大変重なりまして、狭められるという結果になる、こういうふうに理解されると思うのですけれども、この点はどうですか。
○宮地政府委員 教授会は、先生御指摘のように、学校教育法五十九条の規定によりまして重要事項を審議するわけでございまして、重要事項の具体的な事柄としては、法令上は示していないわけでございますけれども、通常言われております点で申し上げますと、学科課程に関しますこととか、あるいは学生の入退学、試験、卒業に関すること、学位称号に関すること、教員の任免その他人事に関すること、学部内の諸規則に関すること、その他というようなことが想定されるわけでございます。 ただ、国立大学及び公立大学におきましても、教員の選考等人事に関する教授会の規定が、教育公務員特例法によりまして具体的に規定をされているわけでございます。
○中西(績)委員 いま言われるように、学校教育法五十九条に言う教授会というのは、いま例を出しましたように、その中には人事案件についても入っておるわけですね。 そうなってまいりますと、いま私が申し上げるように、今度のこの放送大学学園法によりますと、この大学における人事案件については「評議会の議に基づく」ということで規定つけられておるわけですね、そうしますと、教授会とのかかわりはどうなるのかということを言っておるわけです。これが一つです。 それと、もう一つ指摘をしたいと思いますのは、少なくとも大学における教授会の存在というのは、あくまでもこのような民主的な人事あるいは重要事項としてある財政の自治、こういうものを含んでこの教授会というものが設置をされており、また、その意味があるわけであります。 そういうことになってまいりますと、いま言う評議会のこの二十二条の規定とこの五十九条における教授会の規定づけ、まさにダブってしまうわけですから、私は、そのダブらせた意味は何なのかということを聞いているわけです。ですから、この点明確に答えてください。
○宮地政府委員 教授会と評議会の関係についてのお話でございますが、従来から御説明いたしておる点でございますけれども、放送大学におきましては、その教員組織の複雑性等ということを踏まえまして、放送大学の運営に関します重要事項を審議し、また、学長及び教員の人事に関する事項を所掌する機関といたしまして評議会を置いたわけでございます。これはこの法律によりまして評議会という規定を設けたわけでございます。 先ほど来申しておりますように、学校教育法五十九条の規定に基づく教授会が置かれ、大学の運営に関する重要事項について審議されることも、これまた当然でございます。その具体的な運営につきましては、この放送大学自体の自主的な判断で運用がされていくことになるわけでございまして、その両機関の適切な運用という点は、今後の大学の運営を円滑にしていくためにはまさに必要なことであろうかと思います。 具体的に、学長が評議会に諮問すべき事項、またはこの法律によりまして評議会の権限に属させられた事項につきましても、教授会において審議を行うということもあり得るわけでございます。仮に教授会と評議会が同一の事項を審議する場合にありましても、その両者の構成の差異と申しますか、そういう点からおのずから審議の観点にも差が出てくるということでございまして、学長においては、それぞれの結論を十分検討しながら適切な判断をされるということになろうかと思います。 なお、御提案申しておりますこの法律によりまして、評議会の権限に属させられた事項につきましては、評議会の判断が優先するということに、法律的にはそういう仕組みになっているわけでございます。
○中西(績)委員 前に言っていることと後に言うこととが非常に不明確になってくるわけですね。前の部分で終わっているのならはっきりしている。また前を言わずに後だけ言うならはっきりしているけれども、両者を言うから、だんだんそこがあいまいになってきて、私がこの前からわからぬと言っていることになるわけです。 ですから、いま私が言っておるのは、少なくとも評議会におけるこの二十二条の規定、それから二十三条四項における規定、こういうものが、学教法五十九条に言われておる教授会の権限なり権能として規定づけられているものとすべてが重なるということになっておるのではないですか。特に人事案件については完全に重っておるわけですから、その場合に、われわれがこれを読んだときにどのように判断をするかということになるわけです。 ところが、この放送大学は学教法に基づいた大学であるという、まず第一に大学としての性格づけというのがあるわけですね。それに対応して、ここに新しく放送大学学園法案という法律案をつくって、その法律の中に、このようにしてまた二十二条、二十三条というものを入れておるから、その点が非常にあいまいになり、不明確になってきておるから、私はさっきから指摘をしておるわけです。ですから、この点を明らかにしてください、こう言っているわけです。
○宮地政府委員 先生御指摘のとおり、教授会というものが五十九条によって設けられていることは当然でございます。そこで、現在の国立大学について教授会が人事に関して行っている権限でございますけれども、それは法律的に申しますと、教育公務員特例法の規定によって教授会に付与された権限ということになっておるわけでございます。ところが、この放送大学そのものは、国立大学ではなくて特殊法人が設置する大学ということになるわけでございますので、教育公務員特例法そのものは適用されることにはならないわけでございます。そこで、人事に関する基準等につきましても、従来の国立大学における人事に関する規定を一応基本的に踏まえながら、私どもとしては、大学自身が自主的に判断する教員の人事というものについて大学みずからの判断に待つというよりどころといたしまして評議会という規定を置いているわけでございます。 国立大学につきましても、教育公務員特例法上は評議会という規定が設けられておりまして、先ほども御説明したような人事に関する権限を評議会でやるという規定はございます。もちろん、国立大学におきます評議会と放送大学の評議会とは、構成その他におきまして異なるという点では、全く同一のものではないということになっておりますけれども、人事に関する事項を大学みずからが自主的に決めるという形を保障しているという点では、この放送大学も人事に関する事柄を大学みずからの決定と申しますか、そういうことにゆだねているという形をとっている点では、大学の自治を確保するという点では、法律上の規定としては、そういう形を置くことによりまして確保する、それは従来の国立大学の場合に行われております事柄に準じまして規定を設けたというのが、今回評議会を置きまして、人事に関する事柄を所掌せしめておる立法理由でございます。
○中西(績)委員 実際に国立大学における評議会というのは、教授会の議を経て決まったもの、これが今度は教授会に信任された人たちが評議会を持つわけでありますから、そこでもって決められたものが用いられて、そこで諮問され、決定をされるという形式になっているわけですね。だから、いかにあなたが言おうとも、この点は明らかになっておるわけなんです。 それで、なぜ私がこういう点について言うかと申しますと、このような形態になってまいりますと、私が一番恐れておるのは——いまあなたが言われたように、評議会が持たれた、設置をされた理由として、この大学の複雑性ということを言っていますが、これを置いて、そこでもってまとまった論議をするということになっておるようでありますけれども、そうなりますと、この教授会の存在というものが、先ほどから申し上げるように、人事に関する事項、したがって、民主的な人事をということ、それともう一つは、重要事項の中で特にいま問題になるのは財政の問題ですが、こういう諸問題がすべてこの評議会にゆだねられてしまうという結果になりやすい内容を持っておるだけに、学問、研究の自由も大学の自治もここからは抹殺されるという状況が出てくるわけです。そうなると、あなたたちが意図しておる教育内容だけになる。教授会の問題としては、指摘をしましたように、一番最初にあなたが読み上げたように教育内容にしぼられてくる。とすると、前委員会で問題になりましたように、放送法による制約とのかかわりをどうするかという問題等についても、まさに私たちが一番危惧するところに逢着をするわけです、帰着することになるのです。 なぜ私がこのことを言うかといいますと、一番いい例が筑波大学じゃないですか。筑波大学におきましても、学長、副学長及び学群、学類などのトップクラスの人々五十七名が集まってできておる評議会があります。ところが、この組織があるために、教授会にかわるものとしては教員会議になってしまっています。そのようにして国立大学でありながらもそういう形態をたどるようになり、ここでは組織の運営に関することだけを審議することになっておりますけれども、いろいろ中身をずっと調べていきますと多くの問題がある。この前私が、たとえば運営審議会になぜ教学側から入れないかと言ったら、これは学園のことを論議するところだからという答弁がはね返ってまいりました。学園のことを論議する際に教学部門の発言権がなければ、特殊法人という位置づけになっておる学園ですよ、その中に教学部門の発言権がないということになれば、これは一方的なものになっていくのははっきりしていますよ。そこが大事だからこそ、この前私が、たとえば学識経験者、多くの人を入れるでしょうけれども、大体二十人以内と言っていますから、しかしその中には、少なくとも教学部門からある程度配置すべきだということを言ったのもそこにあるわけです。そうしなければ、ここでもう全部抹殺されちゃって、一方的に経営という中でだけしか論議されぬ、ということになってまいりますと、今度は教学部門が、いま言う評議会と教授会という二本立てでいくという結果になりまして、それがどうなるかというと、さっき言ったまさに筑波における教授会と同じようなものになってしまって、筑波には教授会がないわけですから、教員会議になってしまう、これを一番恐れているわけです。なぜ私がそのことを言うかといいますと、こういうようになってしまっているからですよ。いいですか、これはもう私、大変なことだと思っております。 ある副学長は、教員会議の要求に対して「教員会議は執行部が提出した案件を諮問するところであって、かつての学部教授会や教職員組合のように大学執行部に対して要求を突きつけるところではない。その分限を逸脱した行為は、学内の調和を乱し、学内に対立や抗争を持ち込むものであって、そういう職員会議のあり方はこの大学の建学の理念に反するものだ。」、こういう発言までなされております。 こう言うと、恐らくあなたは、法律で教授会というのではなくて教員会議だと言っているからそうなっているのだというような言い方をするかもしれませんけれども、いまここに出ておる、具体的に二重構造になっておる評議会と教授会というものを考えてみた場合、すべてが二重になっていっている場合に、複雑で集まりにくいとかなんとかいうことを理由にすれば評議会が一方的に動き出す可能性だってあるわけですよ。こういうことを考えあわせていきますと、なお多くの問題をこの中には残しております。 ちょっと長くなりますけれども、そこで、この教員会議がいかに無力であるかというのは、いま言った副学長の発言によってまず第一に明らかにできます。 二つ目ですが、一番無力だということを教官の諸君が知ったのは、例の県会議員選挙における買収事件のときだったということを言っております。なぜなら、このときに大学当局は独自の調査機関を設けて事件の究明に乗り出したが、その調査内容は一向に明らかにされておりません。いまでも明らかにされていない。そこで幾つかの教員会議で物を言って、それを公開せよという要求が何回かにわたって行われております。ところが、この破廉恥事件について大学当局の責任の所在を明らかにするように求めたけれども、いずれにしても、すべてナシのつぶてに終わっております。 では、なぜ調査内容を明らかにしなかったかが問題ですが、このしなかったのは、これは私の推測ですが、教職員の中に恐らく学生を買収に駆り立てた者や学生の間に手数料をもらってあっせん屋を働いた者がいて、これは事実です、それを公開すると厳重な処分に臨まなくちゃならぬようになってまいります。そうなると、職員会議なりそういう機構が確立をされていない、民主的な手だてがされていないところでは大変だという意見が出てくるために、これを全部圧殺してしまっております、抑えております。こうなってまいりますと、どこに民主主義があるかということです。 時間がありませんからもう一つ言っておきますけれども、確かに、これは筑波における公然たる秘密としてささやかれていることでありますから、私はあえて言いますけれども、いま筑波におけるそういう実態なり中身というものを経験された人を、この次の放送大学学園の理事長にまで推薦しようじゃないか、現に、名前を挙げて大変失礼ですけれども、宮島前学長を新設される放送大学の学長にという工作があるということは公然とささやかれている。 こういうことを考えてまいりますと、まさにこれは、いま言ったような幾つもの事案、内容をずっと——まだたくさんありますよ、あるけれども私は省きます。こういうような状況を考えてまいりますと、評議会、そして教員会議、あるいは教授会と名づけられるものが二重になっておる、その構造の意味はどこにあるかということを考えあわせていきますと、私は大変危惧をするものです。これでは民主主義がなくなる。ということは、この前私が指摘をしましたように、筑波大学は開かれた大学として、財界なりあるいは経済界なりあるいは文部省なり、こういうところに開かれはしますけれども、肝心かなめの国民に開かれる大学になり得るのか、こういう非民主的なことがあって。 ですから、開かれるというその開かれ方が全然認識が違うんですよ、文部省の皆さんと私たちの場合には。国民の言う開かれた大学というのもそれですよ。特定の者が物が言える、たとえば参与会が、この運営委員会と全く同じように物が言えるようになっています。参与会のメンバーを見てごらんなさい。 こういうことと考え合わせていきますと、私は、先ほどから指摘をしておるように、この評議会と教授会とのかかわりがどうしても納得できません。そういうものがなければまだしも私は納得します。あるいは納得するかもわかりません。しかし前例があるだけに、私は、どうしてもそこには納得できない。 ですから、そういうことになってくると、学校教育法にいう大学でなくなるというおそれがここには出てまいります。ということになると、先ほどから、私が一番最初から指摘をしておる、放送法が優先をして上がっていくという結果になります。この前、湯山委員に対していろいろ答弁されましたから、きょう私、もうそれは追及いたしませんけれども、そういう点を大変私は懸念をしておるわけです。 ですから、あなたたちは、たとえば県議選の問題等につきましても調査をしたはずですから、その点とあわせ考えて、どうなっていったかということを明らかにしてください。それとあわせてこの問題についてのかかわりをもう一度はっきりしてください。
○宮地政府委員 先生御指摘の教授会と評議会の関係につきまして、法律上の規定といたしましては、先ほど来私、御説明申し上げているような仕組みで、この放送大学学園については、評議会という規定を起こして人事に関する基準を大学みずからが決めるという事柄を確保する一つの手だてといたしまして、そういう規定を設けているわけでございます。 もちろんこの放送大学は、従来申し上げておりますように、放送によって大学教育を行うという全く新しい形の大学をこれからつくっていくわけでございます。いろいろとその間に御議論がございまして、こういう特殊法人で大学を設置するという形をとることになったわけでございます。 そこで、そういう特殊法人が大学をつくる際の大学自体の教員人事に関して大学が自主的に決定をする手だてとして、どういう規定が適切であるかということについて、私どもも、従来の国立大学につきまして、教育公務員特例法が人事に関して規定しております規定でございますとか、あるいは私立学校法における理事会側と大学側とのかかわりの問題でございますとか、従来の経験についても十分検討さしていただきまして、基本的には、従来の国立大学の大学の自主的な決定をするための仕組みというものをこの特殊法人の放送大学にどう取り入れたら、一番大学の自主的な決定を尊重する形になるのか、それをいろいろ検討いたしまして、放送大学という全く新しい形の大学のあり方ということを想定しながら規定をいたしましたものが評議会の規定ということでございます。 もちろん、先ほど先生も御指摘のございました、国民に開かれた大学ということにするための一つの手だてということでもございますが、学外者の意見を学園の運営全体に反映させるという意味では、運営審議会という組織を考えているわけでございます。そういうことで、私どもとしては、従来の大学についての大学の自治を確保するための基礎的な、大学がみずから事柄を決めるというその仕組みを、この新しい形の大学に取り入れながら、しかも、その経験はもちろん生かしながら、新しい大学でございますので、それに対応し得る方策として、この評議会という規定でその点を調和さしたつもりでございます。 もちろん、大学自身がこれから実際に運営をしていくに当たりまして、その教授会のあり方——もちろん、これは地域が非常に広がりもございますし、また、正規の教授のほかに客員教授というような形で多数の国公私立の大学の関係者にも積極的に協力を仰がなければ、大学の運営そのものとしても成り立っていかないような事柄がございます。そういうような教官組織全体につきましても、非常に大変複雑な構成にもなるわけでございまして、個々の教育内容なり、それから、たとえば地域の人事の事柄に関してなり、それぞれこの大学がこれから具体的な運営をやっていく際に、実際に教授会なりあるいは教官会議というようなもの、具体的には教授会みずからがお決めになるわけでございますが、教授会自身がそれを実際に運営するに当たりまして、教授会の運営の仕方としていろいろ工夫をされるということはあるのではないか、私はかように考えております。その上で、この評議会と教授会の持ち方というものが、大学全体として調和を保った適切な運営が図られていくというようなことを、私どもとしては想定いたしているわけでございます。
○中西(績)委員 私は、いま言うように、有名無実にしていくというその危惧があるから言っているわけで、特になぜ私がそう言うか、もう一つあなたに知らせておきます。それは筑波大学におきましては、たとえば各部局の長を決める場合には、学群、学類、学系というのがあります。ところが、教員会議で選挙が行われて、そこの長は複数でしか出すことができませんね、ところが、ここで一位になった者がひっくり返されるわけでしょう。学長の権限においてひっくり返される。その例がないとは言わせませんよ。例はちゃんとあるんですから。 さらにもう一つ、大変問題なのは、それに対しておかしいではないかということを言ったところが、どのように答えたかというと、教員会議が推挙してくる候補者はあくまで部局長を人選する際の目安なんだ、票の多い少ないは問題にならぬ、大学執行部としてあくまで大学全体のバランスを考慮して部局長を選出したまでだという、何か騒ぐことがおかしいような物の言い方をしたということが一つ。 それだけではありません。学長を決めるときにもそういうことがあるでしょう。学長を決めるのも多数の票の者がなるかというと、そうじゃないのです。そこには評議会という組織があって、評議会で再度これを選出することになっています。いまの福田学長も、そういう結果成り立ったわけでしょう。第一回目の投票は違うはずですよ。差が六十何票かになっていますよ。そして別個の人があるにもかかわらず、評議会でそれが今度は逆転をするという、そういうものになっています。 そういうことになっていきますと、いかにあなたが言われるように、学内における教授会が、学校教育法に基づいてそういういろいろなことが決められていきますということであっても、それが今度評議会にかけられると、平気で逆転が可能だという結果だって出てくるわけですよ。その結果はどうなるでしょう、学校全体の雰囲気というのは。しかも今度は、その評議会は学長の申し出によって理事長が決めるのです。こういうシステム全部を、あなた、ずっと並べてみたことがありますか。そうしますと、結果的には理事長の権限の中で、資格条件もない、手続の条件もない、こういう理事長が何でもできるという体制の中にしかないじゃないですか。だからこそ私は言っているのです。 それじゃあなたは、こういう事態を否定しますか、そういうことはありませんと。どこを押したらそういうことが言えるのですか。言ってごらんなさい。
○宮地政府委員 評議会の組織につきましては、先生御指摘のように、二十三条の規定がございまして、その第二項で言う「評議会が定めるところにより選出される教授六人以上十二人以内」というのが評議会の構成メンバーに入っているわけでございます。その「評議会が定めるところにより選出される教授六人以上十二人以内」というものについて「学長の申出に基づいて、理事長が任命する。」というわけでございまして、その点は評議会の構成メンバーについて、まず評議会がみずから決めるということがかぶさっておりまして、そのことを、さらに学長の申し出に基づいて理事長が任命するということでございますので、その任命に際しまして、理事長に権限がございまして、それを理事長が左右できるというような形のものではない仕組みに評議会の組織としてはなっているわけでございます。 それから、もちろん考え方といたしましては、教養学部単科の大学でございますが、三つのコースがございますので、各コースにそれぞれ二つの専攻が置かれているというようなことを念頭に置きましてこの評議会の構成というようなことも考えているわけでございます。
○中西(績)委員 さらに私、申し上げますと、たとえば附則の九条の一、附則の九条の二、これを見ていただきますと、附則の三条で文部大臣の任命によって十名ないし二十名の設立委員会を設置します、その結果、九条の一では、設置後最初の学長の任命は「第二十一条第六項の規定は、適用しない。」、さらに第九条の二にありますように、設置後六カ月間は評議会は学長、副学長、教授全員、これは六カ月後に六人以内のときも同様、こういうぐあいにちゃんと文部大臣なり何なりが任命すれば、全部最初のときからでき上がっていく仕組みになっているのです。その中ででき上がった大学ですよ。 そこで、そのでき上がる大学で、いいですか、これを見てごらんなさい、設立委員は文部大臣が任命する十人ないし二十人程度ですよ。そして附則の九条の一で、最初の学長の任命は適用されぬわけです。さらにまた、六カ月以内における教授については適用できないのです。これはだれが任命するのですか、大臣ですよ。大臣がどんどん指名していけばいい。そして六カ月を超えても六名にしておきさえすれば、大臣が指名した人が全部評議員になる、評議会になる。そしてこれが評議会の六名以内の中に入るのです。ちゃんとそういう仕組みになっているわけですよ。 そうしますと、そこで全部決められたものが、後になって大学の自治の中で決めなさいと言っても決まりますか。私は決まらぬと思います。さっきから言っているのは、法律上だとか表面上のことだけを言っているのです。附則を見ればちゃんと落とし穴があるのです。 こうなってまいりますと、決められたものの中に全部集められてきた人が何をしますか、できやしないのです。だからこそ私はさっきから何度も言っているのですが、あなたは、この教授会というものをちゃんとした位置づけをしなくて別個にこういうものを設けて、新しい大学だから新しいことをやるのだ、こういうことを言っておるところに問題が出るわけなんですよ。こういう裏づけ、附則があるということを、あなたは御存じになっていま答弁なさっているのですか。
○宮地政府委員 附則第九条についてのお尋ねでございますが、発足当初におきまして、そういう本則に規定しておりますような手続のとれない事態につきまして、本則にかわるべき規定を附則に置いているわけでございます。しかしながら、この附則で任命をするという場合につきましても、全く独断で選考するというようなことではございませんので、実際上は国公私立大学の関係者等の意見を聞きながら、選考手続を進め、大学設置の認可申請においてその候補者を提示するというような事柄が具体的に行われていくもの、かように考えております。
○中西(績)委員 私が言っているのは、全部ができないときじゃないのです、そのようにすればいいのですから。私がもしあなたたちの立場になってやろうとするならば、附則第九条の二で、設置後六カ月間評議会は六人以内にしておくわけです。文部省がずっと探して回って一番適当と思われ、そして文部大臣が任命をした教授でやっておく、そしてそれ以後も教授はずっとその数しか任命しておかなければいいのです。そうしておきさえすれば、大体目星が全部ついてしまって、でき上がったところで、そういう人を全部今度は正式に——六人から十二人ですから、六人にしておけば二十三条の三項に違反をしないのです。 数を限定しておけば、どんなことだってできる仕組みになっているということを私は言っている。だから、わざわざこの評議会というものが設けられた理由というのは、そのように完全に教授会の機能をなくすという方向に向けてつくられたものだというのが、いろいろなところを読めば読むほど出てくる。そうとしか読めぬじゃないですか。あなたの方は、そういう意図はないと言うけれども、筑波においては大体そうじゃなかったですか。ですから、前にそういうことがあるから私は言っているということをさっきから主張しているのですが、それがなければ、ああそうですかというふうに私は言いますけれども、評議会の性格というのは、さっきの筑波のように全員の投票によって、千幾らかの投票によって決められた第一位の人が、今度は評議会にかかればちゃんとひっくり返るようになっているのです。 こういう事態を考えますと、いまあなたがおっしゃる法律上というのは——だから、こういう法律というのは、大変な誤りを犯しているのじゃないかとぼくは言っている、どうですか。
○宮地政府委員 先ほど御説明いたしましたように、本則と附則の規定の関係でございまして、本則におきまして評議会の構成メンバーについて教授の数を六人以上十二人以内という規定を設けました関係上、六人に満たない場合の変則的な事柄について附則でそれを補う規定を設けた事柄でございますが、もちろん、この本則の評議会を持つということが、先ほど来御説明をいたしましたように、この大学の人事に関して大学みずからが決めるという事柄を保障している一つの重要な組織体でございます。発足後できるだけ早く、そういう本則に従った運営ができるようにすべきことは当然のことでございまして、その本則に至らない事態、きわめて変則的な事柄があってはならないことでございますが、そういう事態が起こった場合の想定として附則の規定があるというぐあいに御理解をいただきたいわけでございます。
○中西(績)委員 幾らそうは言ってみても、ちゃんとありますと言えば、それで終わりです、六人以内にしておけばいいのですから。それはまたできることなんです、許されているわけですからね。だから、幾らそれは強弁しましても、そういう理解ができるし、そういう魂胆なしに評議会というものの権限、権能というものを強める理由は、私にはどうしてもわからないわけです。 ですから、こうしてこの学校教育法に基づく大学、そういうものとは別個のもの、そういうものをねらってつくってあるということをむしろはっきり言った方がいいのじゃないですか、どうですか。
○宮地政府委員 附則の規定についての御説明は、繰り返しになるわけでございますが、私どもとしては、従来から御説明を申し上げておりますように、この大学自身の自主性、人事について大学みずからが決める決め方といたしまして、新しく特殊法人が設置する大学についての人事のあり方についての規定を設けて、評議会というものを起こしたわけでございます。その理由につきましては、従来御説明を申し上げているとおりでございます。
○中西(績)委員 いずれにしても、それだったら、六カ月間あるのですから、わざわざ附則九条二項で評議会というものを設ける必要は何もないのです、そのように努力をしてつくればいいわけですからね。わざわざこうしておくというところにそういう魂胆があるから、何かつくらなくちゃならぬということになるわけですよ。だから、いま私が言うように、あくまでも——私の質問に対して明確に答えてください。このような事態、教授会、評議会というものの二重構造にし、そして複雑だからということを理由にして集まらなければ教授会というものの機能はなくなってしまうわけです。そして自然消滅ということになれば、そこに評議会というものが先行するという体制ができ上がるわけです。 わざわざこうして学則としてちゃんと設ける意味は、いま申し上げるように、多くの問題を残しておるわけです。いわゆる学校教育法に基づく大学、これに明定されておる教授会というものが、完全にここでは抹殺されるという認識に立つわけです。ですから、そういうふうに明快に答えてください。どうですか。
○宮地政府委員 評議会と教授会の規定については、当委員会におきましても論議がずいぶん重ねられてきたわけでございまして、私どもも、それにつきまして、この大学の設立その他の仕事を進めていくに際しましては、それは当然に踏まえなければならぬ事柄でございます。基本的には、この大学にも、もちろん当然でございますが、教授会が置かれるわけでございます。実際の教授会の持ち方そのものにつきましては、これは先ほども御説明をしたわけでございますが、新しくつくられていく大学でございますので、大学当局が教授会の運営につきましてどういう持ち方をするかということについては、大学御自身が御判断になるべき事柄であろうかと考えておるわけでございます。
○中西(績)委員 それじゃ、もう一つ聞きますけれども、この評議会が六名以上になる場合——六名以上にしますか。
○宮地政府委員 六名以上にしますかという御質問について、私からここではなかなかお答えがむずかしいわけでございまして、そのこと自身は、まさに大学御自身の御判断に待つべき事柄であろうと思います。
○中西(績)委員 それで私は言うのです。学長、副学長、こういうものは全部決められちゃう、学長、副学長というのは文部大臣が最初に任命するわけですよ。六カ月以内に任命するのです。そうしますと、あとの教授、重要なところを決めちゃってそれが六人以内、教授が四人ということにしておけば、学長そして副学長が二人ですから三名でしょう。それであとのあれを入れておけば、実はもうふやす必要ないんですよ。そうすれば、ここに言う人事の基準を、評議会だとか教授会だとかいうことに何にもせんでも、そこはちゃんと決められると言うのです。そうでしょう。違うのですか。それができないのですか。
○宮地政府委員 この評議会の置かれます年次、これはこの法案の成立の時期にもかかわるわけでございますが、私ども現在想定しております点で申せば、たとえば具体的に、これらについてその当該年度には予算措置をするという問題が出てくるわけでございますが、そういう予算措置に際しましては、もちろん六人以内になるような予算要求をするということは毛頭考えておりません。
○中西(績)委員 予算要求したってできなかったと言えば六カ月以内、そうして行けるわけです。超えてもそれで行けるのです。そうでしょう。できませんか。
○宮地政府委員 先ほど来附則の規定についてのお尋ねでございますが、基本的にはもちろん、この大学を本則の規定で運営できるように持っていくように、これは大学御当局にも当然、そういう御努力もしていただかなければならぬ事柄でございまして、そのことがまず第一といいますか、大前提にあるわけでございます。その上で附則としてはきわめて変則的な事態に対応の規定を設けている念のための規定でございまして、この評議会というものが非常に重要な機能を果たす、大学の自主性を確保するための非常に重要な機関であることは、先ほど来るる御説明をしておるとおりでございます。したがいまして、大学みずからがその評議会を正規に持てるように努力をするということが最大の要諦であろうか、かように考えております。
○中西(績)委員 ですから、いずれにいたしましても、いまいかに強弁しようとしても、附則にあることは消すわけにいきませんね、いまあるんだから。本来ならこういうものは要らないものをわざわざここに設けるということの意味が私にはどうしても納得できない。いまあなたが言われるようであるならば、何も設ける必要はなかった。 それからもう一つ、教授会と評議会の関係でありますけれども、そうなってくると、学園法というこの本則なりがあるからということを先行して考えるというのが普通常識です。だから、この中にちゃんと評議会というのはこういうふうな位置づけがされております、これがあります、これがあります、ただ、教授会というのは学校教育法の中にそれがあるのです、こういうことになって、付随的なものになってくるんですよ。だから、私がさつき言うように、大学としてこれはどうなんだ、だから、それを先行させるということであるなら、こういうことは要らなかったわけです。学校教育法に言う大学であるなら、この評議会なんかを本則化する必要も何もなかったのです。それを本則化するということは、今度はこれができ上がってくると、これが一人歩きし始めるわけですよ。そうすると、こっちが先になるのです。そうすると、学校教育法というものが今度は付随的なものになってくるわけです。そこに問題が生ずるわけですよ。 だから、この前から言っている放送法とこれとのかかわり、そういうふうになってまいりますと、放送法とのかかわりということになってきて、これでもって先行するということになってまいりますと、学問の自由だとか大学の自治だとかいう問題は、放送法との関係で、二つが合致してくると、全部すっ飛んでいくようになってくるのです。だから、こういう点があるから、そこを私はさっきから言っているのです。 なぜかと言うと、筑波大学を見ていきますと、そういうことが平気で行われておるでしょう。すべてそうじゃないですか、さっき例を挙げたように。
○宮地政府委員 評議会の規定は、この法律で起こした規定でございますが、従来も御答弁申し上げておりますように、もちろん、これはこの放送大学が大学でございますので、学校教育法五十九条の教授会がございますことは、当然の前提としてかぶさっておるわけでございます。ただ、教授会自体の事柄につきましては、大学当局自体がその運用について御判断をなさるもの、かように考えておるわけでございます。
○中西(績)委員 私がこうして申しますのは、外国におけるいろいろな、イギリスの公開大学、オ−プンユニバーシティーあたりを見ましても、こういうあれは全然ありませんよ。確かに評議会なんかはありますけれども、その構成が全然違うのです。ですから、少なくともやはりそこには、本当に学問の自由なり大学の自治というものをどう守り抜いていくかということがなければ、学校放送とのかかわりから言いますと、それから全部圧殺をされることになるし、これがあって初めて放送法との関係も、この前言っておったように、確認をしたようなことでもって、ちゃんとそこに大学としての位置づけ——いわゆる大学の教育ですからね、大学レベルじゃないのです。そういうことを考え合わせてまいりますと、多くの問題が残っておるわけです。いまいろいろ言われましたけれども、その点についての解明は何らされておりませんので、この点は大変残念です。 いよいよ時間が来たようでありますから、あと私は、まだ多くの問題がありますので申し上げたいと思っておりましたけれども、特に一点だけ申し上げたいと思いますのは、こういう資料が出ていますね、一九七〇年の七月、政府調査によりまして出ておるものからいたしますと、この前もちょっと触れましたように、放送大学を利用する人たちの中で、大学卒の資格をとりたいというのが五%、それから七九年、テレビ大学講座調査結果につきましても、これはもう皆さんが発表しておりますこのあれからいたしましてもはっきりいたしておりますように、そのパーセンテージも非常に低い、資格取得あるいはそこで大学卒業の学歴を得るため、大学で学ぶことによって得られる資格、免許、たとえば教員免許状、公務員上級受験資格などを得るためとありますけれども、これは一一%程度にしかなっていません。 ということになってまいりますと、大学を卒業するということの意味は、あくまでも高度の教養と専門実務、こういうものをみんな希求をしておるということになってまいりまして、いままでありました夜間の問題についても余り措置をしていない。幾ら詭弁を弄しても、予算からしますと一億五千万円、本年度が一億二千万円、こういう実態にしかなっていません。それから、公開講座におきましても、国立における実態というものはほとんど明らかにできない程度でしかありません、数が不明でありますから。 こういう実態ですが、こういう点、やはりいままである生徒と教授、教師と生徒との間における、あるいは学生との間における触れ合いなり、その中で初めて教育効果を上げられるという結果は、この調査からいたしましても明らかなんです。五十四年度のテレビ大学講座、このアンケートからいたしましても、面接の重要性というのが出ています。そういうことから私は、むしろいままで既存のこういう欠けておる部分、落ちておる部分を、この都市圏なりあるいは通学のできるようなところではどう強化をしていくかということが、まず第一だろうと思います。 さらに、公開講座になりますと、これはもう今度は通学できぬようなところに出向いていってもいいわけですから、そういう小都市なり何なりのところでやっていけばいいわけですから、そういうものをどんどん開設していけば果たされることになるわけですね。そういうことを考え合わせてまいりますと、少なくとも大学レベルの教育を徹底してやるという公開講座的なもの、いわゆる市民放送大学的なものをどんどんつくり上げていくということが、まず第一に必要ではないか。 それともう一つは、大学で放送を通じて必要だというなら、大学自体の放送ということでこれを徹底をすべきではないかと思うのですけれども、多様な可能性を追求するということになれば、このような莫大な金をいまかけてやらなくてはならぬということよりも、むしろ先行さすべきことを落としているのではないかと私は考えるのですけれども、この点はどうでしょうか。
○宮地政府委員 先生御指摘の、従来の一般大学におきます夜間の学部でございますとか、あるいは既存の大学におきます公開講座等の充実ということを図るべきでないかという点は、まさに御指摘のとおりであろうかと思います。 公開講座の持ち方等につきまして、大学からさらに地域社会にまで進んでいって、地域社会へ大学の方が積極的に溶け込んでと申しますか、そういう形ででも考えるべきでないかという御指摘でございまして、そういう点では恐らくそれぞれの地域社会において、これはあるいは社会教育というような観点での受けとめになろうかと思いますが、地域の教育委員会なり公民館なりそういうようなものと大学とがさらに積極的に連携をいたすと申しますか、そういう形でそういう面を振興すべきだという御意見については、全く同感でございます。
○中西(績)委員 いま同感と言われた社会教育面でのそういうこととあわせまして、開かれた大学というのは、今度はそのようにしてむしろ大学として出向いていくという、そういうことだってできるわけでしょう、公開講座なら。タイアップしながらどんどんできるわけですから、そちらの方も重視をしながらやるべきだということを私は言っているわけであります。 ですから、その点を十分考えられて、この次の国会のときには、さらによりよい答弁ができますように、さらに私はお聞きしてまいりたいと思いますから、検討を重ねておいていただきたいと思います。 終わります。
○三ツ林委員 長関連質疑の申し出がありますので、これを許します。湯山勇君。
○湯山委員 私は、前回の委員会で幾つかの点につきまして、委員長にお願いをいたしまして、資料の要求等をいたしました。それにつきましては、郵政省並びに文部省から私に対しまして、文書をもって回答、資料の提示がありましたことを、この際、委員長に御報告申し上げます。 そこで、いただいた回答を見まして、なお疑問の点が多々あるのですけれども、これをここで一々解明しようということを考えておるのではございませんで、この法案がどうなるにしても、御提示いただきましたような点については、将来にわたって重要な課題であると思いますので、いま、その点を指摘しておきたいと存じます。 第一は、放送法第四十三条一項の規定に違反した場合の処分はだれが受けるかということについて明確でございませんでした。 これについて郵政省から文書でいただいたところでは、要点を申し上げますと「処罰の対象となる役員は、当該認可を受けるべき業務の執行の任にあるとされる担当理事及び理事長がこれに該当するものと解される。」、こういう郵政省からの御回答をいただきました。文部省も御存じでしょうか。
○宮地政府委員 承知いたしております。
○湯山委員 そこで問題は、理事長が処罰の対象になるということは、これは法律によって理事長が学長を兼務する場合があります、したがって、学長も処罰の対象になるということになるので、これは重大な問題ですが、学長が処罰対象になるというようなことをあらかじめ考えておられたかどうか、この点を伺いたいと思います。
○宮地政府委員 私どもこの学園の業務の遂行につきまして、基本的には、法律違反というような事柄のないように遂行されるべきものと理解をいたしておるわけでございます。もちろん御指摘のように、学長が理事長を兼ねるという事柄はあり得ると想定もいたしております。
○湯山委員 つまり、学長が処罰を受けるということも法律の上ではあり得るということをお認めになられたわけですから、これは非常に重大な問題だ。つまり、放送法の準用によって学長が処罰を受けるというようなことになることは、きわめて重大な問題でございますから、この点御指摘を申し上げておきます。 それからなお、第二に、放送法第四十四条三項の準用による問題でございますが、これは中西委員から前回指摘のあった点で、これについての御回答では、二つの法律の間で「教育基本法の規定と放送法の規定との間には、若干の差異があると解される余地もあるが、」という御回答をいただいております。つまり、非常に消極的ではあるけれども差異があるということはお認めになっている、こう解釈してよろしゅうございますね。
○宮地政府委員 御指摘のとおりでございます。
○湯山委員 そういう差異があるけれども、これは克服する方法もあるということが御回答にはありました。しかし、その克服の方法としては、教育の中で「他の立場に立つ学説についても公平に扱う」ことによって解消するとありますけれども、それは困難だということを、この前御指摘申し上げておりますので、この解決の方法は解決にならない。つまり、信念を持ってこの学説の立場をとってそれを教授しておる人に、同じように公平に他の反対の意見も取り扱えと言っても、それは不可能だということは申し上げたとおりでして、ただ、ここでは御回答でそういう両者の間には差異があるということをお認めになったことだけを指摘しておきますが、この二点の調整というものは、放送法の準用によって起こる問題ですから、この点は再検討の余地がある、あるいはまた法を施行するに当たっても、このことについては常に念頭に置いてやらなければならない点だということを御指摘申し上げます。 第三番目には、全国規模に拡大する時期を七十一年度中には完成するということだけでございました。しかし、これはもっと早くすべきだということで、大臣にもこのことについてはお願い申し上げまして、いただいた回答では、このことにつきましては、新しい高等教育整備の計画がおおよそ六十二年から七十一年、これを対象として行われる、そこで、その中でこの期間内に達成を期したいという御回答をいただきました。これは従来は七十一年という終わりのポイントだけしがなかったのが、前に幅ができましたので、その点は評価いたします。 そういう御決意のほどはわかりますけれども、残念ながら、どういう方法でやっていくか、放送衛星を使うとすればこうなる、マイクロを使うとすればこうなる、学習センターはこういうふうにやっていくといったような具体的な点がなくて、これは大変詳しくお聞きしたいのですけれども、いまそれをお聞きしても、それは早急にできるものでないということも存じております。だから、新たに前に幅ができたということだけを評価して、それについてもっと具体的な綿密な計画をぜひ立てていただきたいということを御指摘申し上げたい、こんなふうに思います。 それから第四点は、十分御検討になっておられないというので、いま中西委員から指摘のありました教授会のあり方、これらの点を考えて複数の放送大学というものを考える余地はないかということについては、以前には検討したこともあったけれども、大体一校という意思統一のもとに進めてきておるということでございましたが、これについては過去の経緯とそのときの考え方をお示しいただいておりますけれども、これにはまた大変問題があります。私は、教授会等の運営からいっても地域に即するという点からいっても、検討の余地はあるのじゃないかということを申し上げたのですが、それらの点についての御配慮が当時の論議はむしろ逆になっておるようで、これも改めてさらに御検討を願いたい。 以上の点が御回答いただいて痛感いたした点でございます。これは最初に申し上げましたように、この法律がどうなるかわかりませんが、仮に実施されるに至っても、この点は決してないがしろにできない問題でございますので、十分御配慮を願ってほしいという意味で関連質問をいたしたわけでございます。 ただ、早急に大変むずかしい問題に相当大胆に御回答いただいたことは、両省に対して評価いたしますし、その誠意は認めることにやぶさかではございません。 以上で終わります。
○三ツ林委員長 有島重武君。
○有島委員 放送大学学園法案によって設置される大学、いわゆる放送大学でございますけれども、正確に言うと、これは電波を教育手段の一部として採用する大学というふうに理解してよろしいかと思います。これが電波というものの一つの特性、そのメディアの持つ真価を発揮して、日本全国津々浦々をカバーして、その機能を十分に発揮するのは大体十年から十五年後である。「桃栗三年柿八年、放送大学十五年」、こういうことになろうかと思います。長いといえば長いけれども、国家百年の大計の上から考えれば、わずかの時間と言えないこともない。願わくはりっぱなよい実がなって大いに裨益してもらいたい、こう思うのです。これが大きな実はなったけれども、毒気があったというのではかなわないから、いまいろいろと議論が出ているところだと思います。 私も、本法の二十一条から二十二条、二十三条については、いろいろな疑義を持っております。修正ということについてもいろいろ考えましたけれども、これはやってみなければわからない面がたくさんあるのじゃないかということであるわけで、これはさらにこの十五年という年限以内でもう一遍考慮し直さなければならない問題じゃないかと思います。 さて、そうしてでき上がったときといいますか、それがいよいよ真価を発揮するときはどういうことになるのかというと、昭和五十四年の一月に文部省の大学局からお出しいただいた「放送大学について」という資料、これについては、この前も言及いたしましたが、これは大学局からの説明文書ということを超えて、本委員会において確かに確認された事項であるというふうに格づけをし直した方がよろしいのじゃないかと思います。 もう一遍、大臣に確認をさせていただきたい。それは「放送大学構想の概要」、いきなり「放送大学」と言っておりますけれども、名称についてはまた後から述べます。「放送大学は、広く大学関係者の協力を得て、放送を効果的に活用した大学通信教育を実施することにより、生涯教育の中核的高等教育機関としての新しい教育システムを設立しようとするものである。」、こういうことですね。 それで「放送大学設立の目的」として「ア 生涯教育機関として、広く社会人や家庭婦人に、大学教育の機会を提供すること。」、これが第一番に上がっているわけです。それから「イ 新しい高等教育システムとして、今後の高等学校卒業者に対し、柔軟かつ流動的な大学進学の機会を保障すること。」、これが第二。それから第三番に「ウ広く大学関係者の協力を結集する教育機関として、既存の大学との連携協力を深め、最新の研究成果と教育技術を活用した新時代の大学教育を行うとともに、単位互換の推進、教員交流の促進、放送教材活用の普及等により、我が国大学教育の改善に資すること。」、こういうなかなか壮大な、これが目的だと言われております。 以下もございますけれども、この辺で、以上の概要について正式に文部大臣の御決意なり、いまの文部省の方針を再確認したいと思います。
○田中(龍)国務大臣 ただいま先生の御指摘のとおりでございます。
○有島委員 そこで、ここで言っております高等教育システムないしは高校を卒業した後の教育についてどのような機関があるのかということについて、先般御説明をいただきました。また、その各機関にかかわる学習者といいますか研究者ないしは学生、ある場合には学究者と言ってもよろしい、こういうようなそれにかかわっていく学ぶ側の人たちのどのような学究の仕方があるのか、これらを質疑し、議論し合った中では、大変複雑にわたりますので、できれば資料として文部省から提出をしていただきたい。委員長にお願いを申し上げますが、いかがでしょう。
○三ツ林委員長 文部省、よろしゅうございますか。
○宮地政府委員 結構でございます。 〔資料を配付〕
○有島委員 それでは、この資料に基づいて局長の方から御説明ください。
○宮地政府委員 ただいま資料として図のような形にいたしてございますのは、先般先生から、後期中等教育後の教育の姿はどういうものがあるのかというお尋ねがございまして、それを便宜そういう表にさせていただいたものでございます。 学校教育法第一条の学校といたしまして大学、短期大学、高等専門学校というものがございます。それから、学校教育法第八十二条の三の専修学校における専門課程というものもございます。ほかに、大学が行っております公開講座あるいは大学レベルのテレビ・ラジオ講座というものもございます。それ以外にも、さらに大学レベルの社会教育というようなものもあろうかと思います。それが、後期中等教育後の教育としては、以上のようなものがあるということを一応図示さしていただいたものでございます。 そして、それらにつきまして「大学教育における学習の形態」という形で一応まとめさせていただきました。これは通常の方法で、具体的には通学をしております従来の一般の大学というぐあいに御理解をいただければいいかと思いますが、それの学習の形態というような形で、教室内における授業、これはさらに細かく言えば講義、実験、実習、演習というようなものがあろうかと思います。ほかに、教室の外におきます授業といたしましては、たとえば実習というようなことで教育実習、工場実習、農場実習等がございます。また、実技というようなことで体育がございます。第二番目に、通信によります教育としては、通信による学習指導ということで、レポートの提出でございますとか添削指導というようなことがございます。ほかに、教科書などの印刷教材等による自学自習というようなものがございます。それと面接授業、スクーリングでございます。第三番目の形といたしまして、御提案を申し上げております放送大学の場合におきます教育でございますが、これは放送による授業がございまして、さらに第二番目として、通信による教育と同様でございますが、教科書などの印刷教材等による自学自習、面接授業というものがございます。これらにつきましては、従来、審議の過程で大体三分の一ぐらいずつというようなことを御説明申し上げてきたわけでございます。 それから「大学教育を受ける者の態様」というような分類で、正規の学生と申しますか学部の学生としては、その全教育課程を履修すれば、大学卒業の資格、学士を得られるわけでございます。ほかに、聴講生というようなことで特定の授業科目を履修する者がございまして、放送大学の場合については、選科履修生、科目履修生ということで御説明を申し上げております。特定分野のまとまった授業科目を履修する場合を選科履修生として、特定の授業科目のみを履修する者を科目履修生という形で御説明申し上げてきております。ほかに、形といたしまして特別聴講学生ということで書かせていただいておりますが、ほかの大学に在学していて単位互換制度により授業科目を履修するというような者について、特別聴講学生というような一つの分類ができようかと思います。それとはやや異なるわけでございますが、ほかに、公開講座の受講生、これは開設された講座等を受講する者としてあろうかと思います。 以上でございます。
○有島委員 ありがとうございました。 最初に御説明ございました「後期中等教育後の教育」、これはいわゆる高等教育にかかわる機関と名づけられるべきものだと思いますけれども、この中に、国立大学共同利用機関、これは国立学校設置法第九条にかかわるものだと思いますけれども、ございます。これについて伺っておきたいのですけれども、放送大学というものも、こうしたいろいろな種類の教育機関、いろいろな姿の学習の形態、また、これを受ける者の態様というものがいろいろあるわけですけれども、その中において、中核的在高等教育機関という位置づけになるものでございまして、共同利用機関という性格が非常に強くなるのではないかと私は思っているわけです。 そこで、共同利用機関というのは、国立大学が共同に利用する機関なのであるか、あるいは各大学が共同で利用する機関を国でもって設立した、このように読むべきなのか、この辺はどうなっているのでしょうか。
○松浦(泰)政府委員 ただいまの先生の御質問でございますが、これは国立大学の共同利用機関として設置するというふうに読むように解釈されておりまして、国立の大学共同利用機関というふうには読んでいない次第でございます。
○有島委員 実際には、すでに国公私立の学者の方々が利用するという形になっているのじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○松浦(泰)政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、沿革的には、現在、国立大学に附置研究所という制度がございますが、その発展的な形一態として設置されたという経過がございまして、予算的にも特別会計で措置しておるというようなこともございまして、国立大学の共同利用機関として設置するものでございますけれども、それに対しましては、広く国公私立その他の研究者にも門戸を開放して共同利用していただいておるというものでございます。
○有島委員 大臣、お聞きのように、従来は各大学に研究所があった、しかし、時代の進展とともに、一つの大学に所属するだけではどうも能率が悪いということで、各大学が共同に利用できる機関を設置することになっているわけですね。それは国立学校設置法という法律の中で扱われているわけなんです。初めは国立大学だけが共同でもって利用していたのでしょう。しかし、これまた時代の進展とともに各国公私立の大学が共同で利用できるというふうになってくるわけであります。そうすると、この法律の中にこれがこう置かれているというのがやや不適当になるのかもしれない、こういうふうに新しい時代に即応した機関を従来の法体系の中に当てはめるということはなかなかむずかしいことであろうと思うのです。今度の本法案の審議の中でも、そういったことが非常に困難を感じている中で、いまはコンクリートのわずかな割れ目の中に雑草がずっと根を張っていくように、ある面ではいじましくと言えますけれども、ある面ではずうずうしくという面もあります、そういうふうに根を張りつつ、目指すところは、われわれとしては、時代に即応した一つの法体系というものを、学校教育法あるいは大学設置基準等のかなり抜本的な見直しが必要な時代が来つつあるのじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。
○田中(龍)国務大臣 ただいまお話のように、国立学校設置法の共同利用機関という問題も、客観情勢なり本放送法というものの中における単位の互換性でありますとか、あるいは編入学等の促進開発といったようなことで、大分いろいろと変化も出てくる可能性もあると存じまして、いま御指摘のような点は、まことにそのとおりであろうかとも存ずる次第でございます。
○有島委員 いまいただきました資料の二番目の「大学教育を受ける者の態様」ないしは高等教育を受ける者の態様と申してよろしいかと思いますけれども、これにつきまして私の方でも、文部省の方の御協力も得まして「高等教育に関する学習形態の分類」という資料をつくりましたので、これを委員長と文部省の方に差し上げたいと思います。委員部お願いいたします。 〔資料を配付〕
○有島委員 このことについては、すでにせんだってここでもって議論をしたことでございますけれども、人数の配分ですが、従来は大学教育といっても非常にエリート教育でございまして、大体が少人数、中程度の人数でもって一人の先生を囲んでの師弟関係のある教育が行われていた時代というのがあったと思われます。ところが近年、学生が大量に集中してきた、そうすると、いままでの方式をそのまま拡大して対応するということはむずかしい。どの教室もいっぱいである、ないしは一学期の最初のころはいっぱいだけれども、しばらくすると教室はどこもからっぽになるというような状況があったかと思います。 そこで、これは現に行われているところもあるわけでございますけれども三番目に、種々な授業形態を積極的に適正配分いたしまして、そこで少人数の教育を確保していく、そして中人数のもの、大人数のもの、あるいは広くマスメディア、通信、文書、放送ないしは視聴覚によるものというふうに、ある場合には、またさらに他の大学に単位互換を積極的に要請し、委託していくというように適正に配分していくべき時代を迎えておるのではないかというふうに思うわけであります。 これが十五年後か十年後か知りませんけれども、先ほど「生涯教育の中核的高等教育機関としての新しい教育システムを設立しようとするものである。」という文言がございましたが、私どもは、そのように文部省のおっしゃっていることを受けとっていきたいと思っているのですけれども、こっちは勝手に受け取っているのだけれども、それは間違いだったということになりますと、見当違いになりますので、その点、私どもの考え方はそれでよろしいかどうか確認をさせていただきたい。
○田中(龍)国務大臣 ただいまの御意見でございますが、大局的に見ますれば、そういうふうな見解をお持ちになることができると存じますが、また、なお詳細なことにつきまして、具体の問題は局長からお答えいたします。
○宮地政府委員 先生御指摘のように、放送大学につきましての考え方は、私ども、この委員会の審議の際にも、お配りしております資料で説明をしておるとおりでございます。 そこで、先生からの資料としていただきましたものにございますように、今後の高等教育につきましては、特に放送を取り入れたこの放送大学などにおいて考えていく際に、従来の大学教育について教育形態その他につきましていろいろと新しい仕組みというものを積極的に取り入れていくということは考えていかなければならぬ課題でございます。大学教育の柔軟化といいますか流動化というようなことについては、既存の大学につきましても、そういうことが必要でございまして、私どもも、高等教育の計画的整備ということではそういう取り組みをしておるわけでございますが、必ずしも既存の大学ではなかなかそういう点が初期のねらいどおりには進んでいっていない。そのことは、たとえば単位互換というようなことをとりましても、制度としては認められておりましても、既存の大学においては、必ずしも十分な単位互換というような事柄が行われているわけでもないという実態もあるわけでございます。 したがいまして、従来も御説明を申し上げておりますように、この新しい形の放送大学というものをつくりまして、放送大学を積極的にそういうような面で大いに生かしていきたいということも、この放送大学に期待をしているものの一つでございます。 そういう面で今後十年ないし十五年、将来の教育形態の変化といいますかそういう事柄についても、この放送大学がいわば先取りをするような形でいろいろと積極的な姿勢で対応しなければならないもの、かように考えております。
○有島委員 次にいきます。 本法で言っている大学というのは、たびたびここで論議されましたように、学校教育法第一条の大学である、この大学が放送の電波を用いる、電波を用いるけれども、それは教育の中のごく一部の手段として用いる、それで電波を用いる場合には、放送にかかわる現行法制のその制約限度内で用いる、ないしはそういった放送電波というメディアになじむような学問内容に限ってそれを教育手段として用いていく、こういうことになろうと思います。 ですから、そういった点でのいろいろな議論がいままでなされましたけれども、あたかも放送による大学と言うから、もうすべてが放送でいくのだ、そうなると、学問の自由はどうなるのだというような御議論は、やや短絡的ではないかと私は判断をいたしておりますけれども、この大学が機能するところは、先ほど来言っておりますように、従来の概念を超えて、いわゆる新しい高等教育システムの中核的機関として位置づけられる、そしていま審議をいたしております本法第一条にあります「大学教育の機会に対する広範な国民の要請」というようなことでございますけれども、ここは、以上議論をしてまいりましたとおり、大学教育その他の高等教育を含んだ広い意味のハイエデュケーションといいますか、高等教育の機会というふうに広く解釈をすべきじゃないか、この辺が、この前の質問のときに留保になっておりましたので、お答えをいただきたい。
○宮地政府委員 放送大学につきましては、もちろん、従来から御説明を申し上げておりますとおり、学校教育法に規定する大学としての教育を行うという意味で、正規の学校と申しますか学校教育法第一条の大学でございます。ただ、御指摘のように、第一条の中で「大学教育の機会に対する広範な国民の要請にこたえる」という点で申しますれば、その「大学教育」というのは、大学の授業だけを国民が望んでいるということでは必ずしもないと申しますか、「大学教育の機会に対する広範な国民の要請」という観点でつかまえますれば、それは決して国民全体が大学の授業ということだけを望んでいるものではないというぐあいに理解ができるわけでございまして、もちろん、電波で流れますものは大学の授業そのものでございますけれども、受けとめる国民の側からすれば、生涯教育の観点と申しますか、それが広く国民に開かれているというふうな形ででも、結果としては、そのこと自身が生涯教育というような非常に広いものを、作用としてしておるということは言えることでございます。
○有島委員 それでは、本法第一条に「大学教育の機会」とあるのは、やや広く解釈できるということを確認させていただきました。 そこで、あと二つほどあるのですけれども、一つは、名称の問題であります。放送大学、放送大学と言いならわしてしまって、そうなっているわけですけれども、その名称のゆえに、またいろいろな誤解があって、不毛の議論というか、いろいろ議論があったと思います。 そこで、この放送大学学園の設立する教育機関、大学が、将来、多種多様な高等教育機関に寄与する可能性は非常に重大である。それですから、この名称について、その計画というか機能を適当に言いあらわせるような呼称、これも今後さらに考えていきたい。私たちも考えますけれども、当局におかれても、それは考えていってもらいたい。大体こういった範囲じゃないかと思いますのは、高等教育共同利用機関としての一つの位置づけ、あるいは共同利用機関であって、しかも単位互換のセンターとなるべきものというような位置づけ、それから新しいものだから、日本語というか漢文にうまく乗っからない感じなんですけれども、スタディー・サブコントラクターズ・システムという感じになろうかと思います。これは提案であります。 それから最後に、総括いたしまして、いわゆる高等教育における学級形態が大変多様であり、さらに、これからも多様化されていくでありましょう。そこで、次の措置の検討を開始していただきたい。 第一番目は、学級形態といいますか、学習形態を分類整理すること、きょうあらあらやっていただいたけれども。 それから第二番目には、単位累積加算に際しまして、この学級形態を明記させる、こういうことをひとつ検討していただきたい。たとえば各大学で案内を出しますね、そういった場合にも、この授業については、どういった形態でもってやるのだ、これはもう大人数でやるのだ、これは小人数教育に限ってやるのだというようなことを、大体ゼミと普通の講義については明示されておるようでございますけれども、これをもう少し分類をしっかりしておいて、そこに明記するような慣習を、これは来年からとは申しません、いわゆる放送大学が真価を発揮するころまでに、そういうような準備ができるようにいまから始めていただ それから三番目は、卒業資格に必要な単位積算に当たりましては、この学級形態の適当な配分を考慮するということ、これは端的に言えば、小人数教育は必ず確保するということです。そのほかに、やはり適当に大人数というものも必要である、目的に応じては必要な手段であるというふうに適当に配分する、そういうようなことを含んでの卒業資格の付与ということもやってもらいたい。 そして本法に定めまするこの学園の設置する大学機関が、卒業資格付与に際しては、いま申しました三つの条件を満たすように努めてもらいたい、これを要望いたします。
○田中(龍)国務大臣 先般来の先生の御意見、また、ただいま御開陳いただきました御意見等につきましては、いろいろと拝聴いたしまして、さらに検討させていただきます。
○宮地政府委員 ただいま大臣からお答え申し上げたとおりでございまして、検討させていただきたいと思いますが、特に大学の名称等につきましては、従来この委員会でも御議論のあった点でございまして、大学の設立に際しまして、大学の趣旨、目的にふさわしい適切なる名称は検討させていただきたいと思います。 それから、学習形態の分類のことに関連いたしまして、単位の修得に際しての何といいますか明示と、それから、ある意味では小人数教育をさらに具体的に確保するようなことを考えてはどうかという御提案でございまして、従来先生から、小人数教育についての御指摘はいただいておるわけでございまして、ただいまのところ、本年度は実際に既存の大学において小人数教育がどのように行われているかということのまず実態把握に努めているわけでございます。それを見た上で、さらに具体的な検討に入らしていただかなければならないかと思っておりますが、大学の教育課程そのものについて、どこまで基準を定めるのが適切であるのか、大学の自主的な判断にどこまで任せるべきであるか、その辺については、なお慎重な検討を要する課題であろうかと思いますので、そういう対応をさせていただきたいと思っております。
○有島委員 終わります。
○三ツ林委員長 和田耕作君。
○和田(耕)委員 いろいろ審議を重ねておるうちに最終段階に来たわけでありますけれども、この法案について、放送という非常に有力な、全国民が利用できる手段を利用して大学教育をするという、これは非常に大事なことだ、それはいいことだということは、ほとんど関係の人が認めると思うのです。ただ、この放送大学学園法案に盛られておる内容が、果たしてその大きな国民の期待しておることに対して、あるいはまた、そのために千数百億、今後物価の問題を考えれば二千億近くなると思われる多額の国の資金を投入するに値するかどうか、あるいは投入したそれに相応する成果が得られるかどうか、この問題について多くの関係者は疑問あるいは危惧の念を持っている。恐らく文部省の大学局長さん自身も、その問題については、はっきりした確信を持てないのじゃないか。そういうふうに今後やってみなければわからないという面が非常に多い法案なんですね。そういうふうに私は感じておるのですけれども、全般の感じ方としていかがでしょう、間違っているでしょうか。
○宮地政府委員 御提案を申し上げております放送大学、この考え方につきましては、従来るる御審議をいただいたわけでございます。恐らく先生の御指摘は、私ども、この放送大学を大学ということに着目をした御説明を申し上げておりまして、国民の方は必ずしも大学教育という大学の資格をとるということだけに限定されているものではない、むしろもっと幅広い要請があるのではないか、その点の関連はどうかということ、それからまた、一つには相当大きなプロジェクトであって、これを進めていくとすれば一多額の経費を要するが、特に今日、財政再建というようなことで財政的にも大変むずかしい時期に差しかかっているが、その点についてそれだけの投資をする効果が本当に期待できるのかという点の御指摘であろうかと思うわけでございます。 そこで、私どもとしては、従来御説明も申し上げておりますように、これは正規の大学としてスタートをさせていただきたいということで申し上げておるわけでございますが、先ほども御説明をいたしましたように、放送大学の放送そのものは大学の授業そのものでございます。それには間違いはないわけでございますが、受けとめる国民の側にいたしますれば、その中で国民生活といいますか、視聴者みずからが関心を持っている事柄について、先ほども申しました選科履修生と申しますか科目履修生というような形で、それぞれ家庭婦人を含めまして国民各層が関心をもっておられる授業科目について学習するということは十分考えられるわけでございます。 従来も御説明をいたしておりますが、たとえば、ただいま放送教育開発センターで実験番組を流しているわけでございます。これは実験番組ということで六時十五分からという大変朝早い時間の視聴であるというような、放送大学の放送そのものから比べますれば、そういう意味では大変制約のある形での実験でございます。しかしながら実験視聴者、つまり、モニターとなって受講したいという人の募集をいたしましても、募集定員に対しまして、たとえば本年度で申しますと、約四倍の応募者が来ておるというような姿からすれば、言われておりますように高齢化社会に向かい、また社会全体に余暇時間もふえてきておるというようなことで、やはり国民全体にそういう学習意欲といいますか、そういうニーズが大変高いということは、私どもとしては、たとえば民間のいわゆるカルチュアセンターというようなものも大変応募者が多いということを伺っておるわけでございまして、全体的には国民全体が広く学習の機会を望んでいるということは言えるわけでございます。 私どもは、そういう全体の動向を受けまして、過去十年来検討を進めてまいりました放送大学をぜひとも実現をいたしたいということで御提案を申し上げておるわけでございます。 それから、第二点の財政問題の点でございますが、確かに、財政的にも大変厳しい時期に差しかかっているわけでございまして、私どもとしても、その点は十分踏まえまして、この放送大学を実現するに当たってどういう段取りで進めていくべきか、そしてまた教育全体といいますか文教政策全体の中でどういう位置づけで考えていくかということを検討していかなければならぬわけでございますが、前回の御質問の際にも、ほかの委員の方の御質問の際にもお答えしたわけでございますが、私どもとしては、もちろん教育、学術、文化全体についてのバランスのとれた文教政策の振興充実ということに全力を挙げて臨んでいるわけでございます。 具体的な大学教育の機会という点で申し上げますと、比較としては必ずしも適切でないかもしれませんけれども、従来の文教施策の推進で申し上げますと、筑波大学、これは新構想の大学ということで推進をさせていただいておりますが、筑波大学の整備全体で約千五百億の国費を私どもとしては投入をいたしており、筑波大学全体の入学定員は、大学院を含めましておおよそ一万人ということでございます。 放送大学が電波を通じまして広く国民に開かれた大学ということで新しい大学を進めさせていただくということで、従来第一期の計画としては、関東地域から電波の届く範囲内ということでの施設設備といたしましては、土地代は含んでおりませんが、おおよそ百億くらいの金額でございます。もちろん、ほかに運営費も要るわけでございます。その後、全国的に広げていくに際しては、さらに財政需要も要るわけでございますが、その点は国民全体に対します教育機会の均等というようなことからいたしましても、その計画を繰り上げていくということについては、私どもも積極的に取り組まなければならぬと思っております。 そういう点で、私どもとしては、従来からの検討を踏まえてきましたこの放送大学について、新しい大学としていろいろむずかしい問題、運営上考えるべき問題について、従来慎重に御審議を重ねていただきましたような事柄を踏まえまして、本当に国民に期待される大学として発足ができるような対応を考えていかなければならない、かように考えている次第でございます。
○和田(耕)委員 あと三つの問題をお伺いしたいと思うのですが、一つは、いままで関連の教育方法をしておる機関との関係です。たとえば、この間NHKの放送総局長がお見えになったのですけれども、大学関係の講座にどういう効果を及ぼしておるかという質問に対して、はっきりはかる方法はないけれども、テキストを数十万の人が買っているということを述べておりますね。それから、第3チャンネルを通じて相当の成果を上げておることは事実だと思いますね。このNHKの問題については、あそこは高等学校クラスのこともやっているし、その他一般の講座もやっているのですが、大学関係については、この放送大学学園が実施されてくると、これはほとんどなくなりますね。あるいはまた、いまのお話の第10チャンネルの朝六時十五分からの大学講座、名前はちょっと違うかもわからぬが、ああいうものもなくなっていくというふうに思うのですけれども、この影響の問題はいかがでしょうか。
○富田説明員 お答え申し上げます。 各放送事業者の放送番組の内容がどういうふうになるかにつきましては、郵政当局の方から言明することは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、実際問題として、実質競合するような番組が出れば、NHKの教育番組なりあるいはほかの民間放送事業者の教育番組にはある程度の影響は与えるものと考えております。
○和田(耕)委員 ある程度影響を与えるという意味は、つまり今後、各電波を通じて建設的な競合、競争関係に入っていくというふうにも考えられるのですか。
○富田説明員 そのとおりでございます。
○和田(耕)委員 その問題を承っておきたかったのが一つです。 もう一つ同じ問題で、現在やっておる大学の通信教育に対しては、いまの法案の内容が実施されればメリットの方が大きいと思うのですけれども、しかし将来、この大学法案の方が本格的に軌道に乗ってくれば、逆に現在の大学の通信教育の方はあるいは学習センターのような地位になることも考えられるのだけれども、その見通しの問題はいかがでしょうか。
○宮地政府委員 現在行われております私大の通信教育との関連についてのお尋ねでございますが、ただいま御提案申し上げております法案の全体の仕組みと申しますか放送大学を教養学部ということで御提案を申し上げている際の説明にも申し上げたわけでございまして、戦後三十年にわたって大変御苦心をなさってきておられます私大の通信教育との関係については、お互いにメリットを発揮し合えるような形でこの放送大学学園法案を御提案申し上げております。 さらに、将来のことについての見通しということでお尋ねがあったわけでございますが、私どもとしては、私大の通信教育の関係者とも連絡をとり、もちろん、私大の通信教育の関係者にも、この放送大学学園のいろいろな面で具体的に参画していただく形で相協力していくつもりでございます。たとえば、私大通信教育でスクーリングをやる際に、学習センターの利用というようなことについても、具体的に考えられるわけでございまして、そういう点でメリットを発揮していくということで対応するわけでございますが、将来の時点で、私大通信教育の関係者から、放送大学の方でそれを積極的に受けとめてほしいというような御要請が来る事態になりますれば、それはその時点で十分御相談をさせていただく事柄と、かように考えております。
○和田(耕)委員 もう一つ関連して、現在の夜間大学に通っておる勤労学生に対してはどういうふうなメリットがあるのですか。
○宮地政府委員 従来の夜間学部の学生に対するメリットはどういう点かというお尋ねでございますが、具体的な点で申し上げますと、たとえば単位の互換というような問題について、この放送大学ができますことによって、それを積極的に進めたいということで従来御説明を申し上げてきたわけでございますが、これはもちろん夜間学部を置いておりますその大学と放送大学とのお話し合いが必要なわけでございますけれども、夜間の勤労学生といいますか夜間の学部に通学しておられます方が、放送大学の単位を取得することによりまして、その夜間学部の単位に互換ができるというような点では、たとえば、この放送は日曜日を通じまして再放送も含めまして大変視聴しやすいような形で利用者の便を図るということを積極的に考えているわけでございます。したがって、夜間学生がいわゆる通学という学習形態に大変制約があるというような面につきまして、この放送大学の教育で取ります単位を夜間の大学におきます単位に互換をしていただくというようなことについては具体的なメリットが出てくる、かように考えております。
○和田(耕)委員 そういうことを拝聴しておるのですけれども、この放送大学は将来やってみなければわからないという面が非常に多いわけです。この前の質問のときもあれしたのですけれども、もっともっとこれを、いまの教養学部の範囲から専門学部の方に拡大していくという見通しは持っておられますか。
○宮地政府委員 まずは教養学部ということでこの放送大学を発足させたいというのが、従来御説明を申し上げている点でございます。国民全体の学習のニーズと申しますか、そういうようなものを受けとめまして、それにこたえるというような形は必要なことであろうかと思います。したがいまして、私どもとしては、まず教養学部としてこの大学について発足をさせていただくわけでございますが、さらに国民全体の教育のニーズがどういう面にあるか、そういう事柄については、将来、そのときそのときに応じまして調査もいたし、それにこたえるようなことを施策としては考えていく必要があろうか、かように考えております。
○和田(耕)委員 きょうは同僚の委員から後ほど補足の質問をしていただきますから、時間もありませんけれども、先ほど来同僚の委員からの御指摘がありました学校教育法の問題と放送法の問題、この調整の問題、これは先ほど来お答えの点なんですけれども、私は、実際問題として非常にむずかしい問題だと思うのです。 たとえば、この前質問申し上げた先生の選び方の問題も出てくる。非常にむずかしい問題です。これは新しい放送大学学園の執行機関あるいは諮問機関、この裁量に任せるということのようですけれども、しかし、この段階で文部省としてもよく配慮をして、執行機関が間違いのない判断をするような何かをつくっておかないと、非常に混乱が起こってくる問題が多いと私は思います。数学だとかあるいは物理化学だとかいうことになりますと、余りそういう問題は起こってこないのですが、教養学部関係の科目になりますと、ずいぶんと違った意見が、しかも十分な根拠を持って主張されておるわけですから、そのどれを選ぶかということは、どの先生を選ぶかということと関係してなかなかむずかしい問題なんですね。学校教育法の問題にすれば、ある特定の大学ということですから、これは教授会が中心にできるのですけれども、放送法の関係ならば公平という問題が中心になってくる。非常にむずかしい問題になってくる。 これは大臣、安易にお考えにならないで、この問題については前向きの歯どめを準備しておく必要があると思います。この問題を最後に指摘をしておきまして、あと同僚委員からの関連の質問がございますからよろしくお願いいたします。
○田中(龍)国務大臣 ただいまの和田先生の御意見に対しましては、まことに貴重なごもっともな御意でありますので、十分に検討させていただきます。
○三ツ林委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。三浦隆君。
○三浦(隆)委員 それでは、時間もございませんが、評議会のことでお尋ねをしたいと思います。 きょうの委員会の中で冒頭、教授会と評議会の問題が取り上げられておりました。そして旧来の大学に比して筑波大の方で大変評議会の権限が強まった結果、教員会議といった教員の組織、権限が大変弱まったという指摘がございました。 しかし、ここでその点で簡単に触れたいのですが、学校教育法が成立しましてからその後、この評議会につきましては、国立大学の評議会に関する暫定措置を定める規則があって、その六条で評議会の権限が規定されておりますが、ここでは評議会の権限は、教育公務員特例法の規定の権限云々といった教育公務員特例法の枠づけがなされております。と同時に、その後変わりました筑波大の根拠法規であります国立学校設置法によります評議会の規定、その第七条の四の五項でも、評議会に対する教育公務員特例法の規定云々といった枠づけがなされております。また同じく学校設置法の七条の五、人事委員会の規定におきましても、教育公務員特例法の規定の枠づけが同じようになされているわけであります。そんなことを受けまして、教育公務員特例法の二十五条におきましても、普通ですと教授会の議に基づき教員が選ばれるところが人事委員会の議に基づきというふうに、筑波大では旧来の大学とはイメージを一新するくらいに大変大きく変わって、当時話題となったわけであります。しかしここまでは、それでも教育公務員特例法という言葉が必ず付帯的についていたものであります。 これに対して今度の放送大学学園法の二十三条の第四項によりますと、評議会のところに「放送大学の運営に関する重要事項について審議し、及びこの法律の規定によりその権限に属させられた事項を行う。」とだけありまして、教育公務員特例法ということが完全に削除されてしまっているわけです。その点では、旧来の大学はもとより、筑波大とは全く性格を異にするくらい評議会は強くなっているということですが、この点についてお伺いをいたします。
○宮地政府委員 教育公務員特例法の規定は、先生御案内のとおり、これは国立大学と公立大学に適用のある法律でございます。この特殊法人の放送大学につきましては、そういう意味では教育公務員特例法の適用はないわけでございます。ただ、従来の経験に照らしまして、この放送大学につきましても、その大学の構成の複雑さというようなこともございまして、大体従来の国立大学におきます教育公務員特例法上評議会について権限を定めておりますような事柄にほぼ準ずる形で、この特殊法人の放送大学につきましても、そういう評議会の規定を起こして、大学におきます人事を大学みずからが定めるという自主性を確保する一つの根拠規定として設けたものでございます。
○三浦(隆)委員 教育公務員特例法のそうした教員人事の考え方は、これは一般的に私学の大学その他でも適用されて、ほとんど行われているところであります。 〔委員長退席、谷川委員長代理着席〕 しかし、もしこれが特殊法人だから違うのだといいますと、その特殊法人ということが改めてむしろ問題になると思います。実態上、放送大学法によっても国の全額出資の規定なり、あるいは公務員とみなす規定なり、あるいは国立学校とみなす規定なり、ほとんど国立と同じであるにもかかわらず、特殊法人と言って国立大学とは言わなかったのは、いま言った教育公務員特例法を特殊法人だから免れるのだ、そんなような感じにむしろ逃げの姿勢として使われるのではないかというふうな懸念を持っております。それもお尋ねしたいのですが、時間がございませんので、先に行くことにいたします。 いま言いましたように、評議会だけにかかわらず、文部大臣の役割りが、前回から指摘されますように大変に強まっているわけでございます。この点に関しまして今度は文部大臣から、簡単で結構でございますからお答えをいただきたいと思うのです。といいますのは、昭和二十四年の五月に文部省設置法ができましたときに、それまで文部省はあるいは解体されるかという意見もありました中に一応存続が決まったのであります。しかし「文部時報」の中で当時の森田文部事務官が「新しい文部省の機構と性格」という文章で「それは改組というよりは従来の文部省を廃止して新しい文部省の建設である。」と述べまして、特に大学につきましては「この法律によって文部大臣の大学行政権の大部分が各大学の管理機関に移譲せられることは明らかである。」として、小学校から大学までいろいろありますが、特に大学に関しては文部省はかかわりを持たないというふうに決めたはずであったわけです。 ところが、今度の放送大学は、かかわらないどころか、理事長から始まりまして全面的なかかわりを持つということは、文部省設置法ができたときの文部省と大変大きな隔たりがあろうかと思うのですが、文部大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 終戦の後の大変な変革に当たりましての当時のことでございますが、文部省といたしましての大学の関係並びに今回できます放送大学学園、いまの先生の御指摘のように基本的な考え方につきましては、私、つまびらかに御説明申し上げるだけのあれを持っておりませんので、担当の局長からお答えいたさせます。
○宮地政府委員 確かに文部省設置法の規定は、昭和二十四年に規定をされたわけでございまして、一番基本的な点は、戦後の行政全体がそうでございますが、法律に基づく行政ということで、法律の規定に基づきまして、その権限の行使が基本的に規制をされるという点が一番大きな変革であろうかと思います。 そこで、ただいま御指摘の点で、放送大学学園の設置する放送大学の人事について文部大臣の権限が強過ぎるのではないかという点でございますが、私ども放送大学学園の特殊法人の役員の任免そのものにつきましては、他の特殊法人と同様の規定で任免をするという形を規定いたしておりますが、特に大学の部分にかかわります学長以下の任免につきましては、大学ということに着目をいたしまして、それぞれ文部大臣が任命をするに際しましても、たとえば「評議会の議に基づき」ということで、先ほど来御説明もいたしておりますが、大学がみずから人事を定めることの基本的なところを確保するための規定を設けているわけでございます。 なお、たとえば国立大学の学長でございますが、これは国立大学につきましては、文部大臣が学長を任命するわけでございます。これはもちろん、大学がそれぞれ大学内部の手続を経まして文部大臣に上申がなされまして、その上申に基づいて任命をされるという仕組みになっております。文部大臣が学長を任命するという国立大学についてはそういう形でございますが、もちろん、国立大学につきましても、長年の制度と慣行によりまして大学の自治というものが確立されている、私どもはかように考えております。 そして、この放送大学におきます大学としての自治の確保につきましては、先ほど来御説明を申し上げておりますようなそれぞれの条文の規定によりまして大学の自治が確保されておりますが、ただ、先ほど来言っておりますように、この放送大学は全く新しい形の大学として置かれていくわけでございまして、従来の慣行の上に立ちました適切な制度というものを組み立てたつもりでございまして、それは今後、この大学が大学の自治を確立するよき慣行をこの大学内部でも確立していくということも必要であろうかと思います。
○三浦(隆)委員 時間のようでございますけれども、戦前の旧憲法下であっていわゆる学校教育法のようなものも何もない時代であっても、教員の人事に関しては、不文法的なというか、そうした慣習的な大学の自治というものが確立してきたものであったと思います。ところが、今度の放送大学は、文部省が直結的にかかわるという点で本当に戦前以上でありまして、きわめてその点が画期的だと思うのです。 いまお話がありましたように、人事に評議会がかかわる、何がかかわるとありましたけれども、実際的には基本となる理事長から始まり学長から始まり評議会から始まり、それが文部省で大変強く規制されている以上は、人事の公平はなかなか期しがたいだろうというふうに思います。 いろいろとまだ質問したいのですが、時間のようでございます。 そこでただ一点、上から下に規制するのでは、戦後の民主主義になった日本の意味がなかろうと思うのです。民主主義はむしろ下の力が上の人たちを抑える機能を何らかで持たなければならぬのじゃないかというふうに思います。すなわち、支配する者と支配される者とが同一性の原理というか、そうしたものが必要なんだと思うのです。これを単に文部大臣が任命したのだだけでは済まないだろうというふうに思います。そういう意味では、この放送大学法の中に何らか民主的な手続の保障というものを含められるお気持ちはないものでしょうか、これを最後にお尋ねいたしまして、残念ですが、質問を終わらせていただきます。
○宮地政府委員 先生御指摘の、この特殊法人の役員の人事と学長以下の教学の人事について、私どもとしては、その点、大学の自主性、大学の自治というようなことを念頭に置きました従来の国立大学において確立されております慣行に準じた手続規定というものを規定いたしておるつもりでございますが、もちろん、大学の自治というものは、基本的には大学自体がみずから確立をしていくという基本的な性格もあるわけでございまして、先ほど来申し上げておりますようなこの大学が新しい形の大学、たとえば学習センターを設置するものであるとか、あるいは客員教授という形で国公私立の大学の多数の関係者の御協力を得なければならないとか、いろいろな面で従来の大学とも異なる形態というものは確かにあるわけでございまして、その中で大学としての自治をどう確立していただくか、大学自体に取り組んでいただく面もあるかと思いますが、私どもとしては、そういう面で教学組織については、この法律の規定で十分配慮をいたしたつもりでございます。
○谷川委員長代理 山原健二郎君。
○山原委員 いろいろ論議をしてきましたので、この段階では確認の意味で幾つか御質問申し上げますが、いわば定義的なお答えをいただきたいのです。 まず第一点は、この放送大学学園、これは第三の放送形態が新しく設立されるものと判断をしてよろしいかどうか、文部省はどう考えていますか。
○富田説明員 放送大学のための放送が行われて、それが民間放送とも違い、それからNHKの行います放送とも違うという点では第三の放送であるというふうに考えられます。
○山原委員 一応確認の意味でお答えをいただいておきます。 次に、法制上の問題としては疑義がたくさんありますが、いまも御質問のあったような問題ですが、この大学に対する国家による統制あるいは介入の余地を許さない保障はどこにありますか。
○宮地政府委員 従来御説明をしている点でございますが、この放送大学も、正規の大学としてほかの国公私立大学と同様、大学の自治あるいは教育研究の自由が保障されるものでなければならないことはもとよりでございます。このため、放送大学の教育研究に関する事項につきましては、評議会や教授会を設け、全学の教員の意向を反映して大学運営が行われますようにいたしておるところでございます。 特に学長、教授等教員の人事につきましては、国公立の大学の教員に係る教育公務員特例法の例に準じまして、評議会の議に基づいて任命を行うことを法律上明確にすることにいたしておるわけでございます。 また、設置者であります特殊法人放送大学学園に対する国の関与につきましても、一般の特殊法人の例にならいまして、法人役員の任免等を文部大臣が行うこととしておりますほかは、たとえば主務大臣の監督上の命令も財務、会計に係る事項に限定することとしているなど、制度的にも大学の教育研究上の自主性を尊重するよう配慮しているところでございます。
○山原委員 そこのところについては、またいろいろ意見のそごもあります。その点は申し上げませんが、この際大臣に、問題はまだ私たちは持っていますけれども、この法律が仮にこの衆議院で採決されるに当たりまして、大臣の決意として、今後においても、国家統制あるいは国家がこの大学放送に関与するようなことは絶対にしない、いささかもそういうことは考えていないのだということを明確に言えるかどうか、大臣のお考えを伺っておきたいのです。
○田中(龍)国務大臣 先般来のいろいろな御質問の際に、文部大臣の権限が多過ぎやしないかというようなことが間々出ました。私は、いやしくも文教をお預かりいたします文部大臣が、そういう偏向でありますとかあるいは狭い理念で文教行政をやるというようなことは断じて考えられないことでありまして、文教をお預かりいたします文部大臣は、りっぱな人材がその衝にお当たりになり、同時に、至公至平、本当に公平な姿において行政の運営をしていかれるものだ、かようにかたく信じて疑いません。
○山原委員 法案が成立する場合の大臣の発言というのは非常に大事ですから、その大臣の発言が守られるかどうかという法制上の問題あるいは学問の自由、大学の自治という問題については、これからも当然論議をしなければなりませんが、この法案を提出された文部大臣として、そういう大学の自治あるいは学問の自由に介入するがごときことは断じて許さないと明確に言えるかどうか、伺っておきたいのです。
○田中(龍)国務大臣 それは当然のことでございます。
○山原委員 次に、教授会の問題ですが、最初この法案がこの委員会に出されました当時は、むしろ委員側の方から教授会という言葉が出てきたのですが、教授会という言葉がときには出、多くは教員会議、教官会議というようなあいまいな言葉が使われておりました。ここではっきりさせておきますが、この大学には教授会、これはあいまいな形でなくて明確に存在をするわけですね。
○宮地政府委員 そのとおりでございます。
○山原委員 その教授会の権限の問題につきましては、先ほど来御質疑がありますように、評議会の関係におきましていろいろ教授会の権限問題が出ているわけです。 〔谷川委員長代理退席、委員長着席〕 問題は私は、その教授会が存在をするならば、たとえば便宜上、人事の問題の評議会を設置するとかいうこと自体も教授会が決定をしていいのではないか、それは大学に任された権限ではないかというふうに思っております。ところが、ずっと説明を聞きますと、教授会は存在するということをいまおっしゃったわけですが、その教授会の、既存の大学におけるきわめて重要な仕事でありますところの人事の問題については、評議会が優先をするという形で御説明をされておるわけです。そうしますと、従来の大学における学部の自治の問題を原則とする大学の教授会に比べますと、この教授会は形骸化され、あるいはむしろ無力化された教授会ではないかという疑問が出るわけでございますが、この点についてもう二度明快にお伺いをしておきたいのです。
○宮地政府委員 評議会の規定をこの法案におきまして起こしたわけでございますが、その起こした理由につきましては、従来御説明を申し上げておるとおりでございます。 私どもとしましては、この放送大学というものが全く新しい形の大学ということで、特殊法人が設置する大学という形であり、かつ全国を規模といたします学習センターも設置されているものであるというような問題、さらに国公私立の大学の関係者から積極的に御協力をいただきながら運営をしていくことが必要である大学でございます。もちろん、そういう意味で客員教授をお願いするということも多々あるわけでございます。いろいろそういう新しい大学としての形からいいまして、先ほど来御説明を申し上げておりますような評議会の規定の設置根拠ということも申し上げておるわけでございます。 したがいまして、この大学の教授会の運営につきましては、やはり教授会みずからがこの大学におきまして、自主的な運用の仕方としてどうあるべきかということは大学自体が御判断をなさってお決めになる事柄である、かように考えておるわけでございます。
○山原委員 その点については、もうずいぶん意見の食い違いが出尽くしているわけでございますが、私は、この大学における教授会がいわば形骸的な存在になることを心配しておるわけです。複雑な全国的な状態、客員教授の問題などがあるということを理由とするのならば、それがそういう教授会であるのならば、この基本計画に書かれております教授会の任務、あるいは授業内容、教育計画、すべてやらなければならぬ任務、それさえできないわけです。複雑な形態だから人事の問題は扱えないということになると、こんな大事な問題もできないはずですね。授業内容あるいは教科の編成その他については教授会に任されている、複雑な形態の教授会にこれは任している、でも人事は任してはいないわけですね。その点はどうしても残る問題ですが、それは指摘にとどめておきます。 もう一つは、この学園には理事会は存在しますか。
○宮地政府委員 従来御説明を申し上げておるとおりでございまして、理事会という合議制の機関をこの法律には規定をいたしておりません。運用といたしましては、もちろん、そういう役員が一堂に会して具体的に合議をするということは考えられる点でございます。
○山原委員 これを幾ら読んでも理事会というものはないわけですね、理事は存在するのですけれども。だから私は、この間、理事会の独任制の問題、それを合議制にしたらどうかということを言ったこと自体が、理事会そのものは存在しないで理事が存在するということになりまして、大変おかしな質問をしたかっこうになっているわけですけれども、その点は理事会を存在させて、しかも、それは合議制にしていく、それはいかに特殊法人であっても、より民主的な運営をするためには、その方が法律上ちっとも不適切なものではないという法制上の回答も得ておるわけでございまして、この点もひとつ指摘をしておきたいと思います。 もう一つの問題は、先日取り上げました期日の問題でございますが、一昨日の局長の答弁によりますと、早く行っても五十七年七月、再来年の七月に大学設置審議会を通る、そして五十八年の八月、十月と言われたけれども八月だと思いますが、八月には開学をする、こういうふうになってきますと、これは私、本当に心配して言っているわけですが、開講時の四学期、十六カ月前から授業科目の編成作業が開始されなければならない、こういうふうに基本計画は出ておりますし、それから、さらに基本計画の中では「授業科目の編成作業は、大学の開講二年前から開始されなければならない。そのためには、その時までに、教育課程編成の中核となるこの大学の教授陣は整備され、少なくとも第一期の科目開設計画の全体構想が決定されている必要がある。同時に、大学本部における印刷教材・放送教材の制作に関与する専門職員も充実され、本部から放送を送出する体制も整って、放送業務を行う無線局の免許もすでに受けていなければならない。このように、通常の大学が年次進行によってその体制を整えるのとは異なり、放送大学は、開議の二年前において、大学本部の機能を十分に果たしうる状況になければならない。」というふうに書かれておりまして、期日的に見ましても十六カ月をもう終わってしまうわけですね。それはお認めになりますか。
○宮地政府委員 従来御説明申し上げている点では、ただいま御審議をいただいておりますこの特殊法人の設置のための法律が本年度成立を見るという前提に立ちましての御議論で御説明させていただいております。そういたしますと、放送大学学園の設立が本年度ということで、大学の設置認可申請に直ちに着手をいたしまして、たとえば、五十六年一月に大学の設置認可申請を文部大臣に出すという前提で計算をいたしますと、およそ一年間の審査ということで認可が出ますれば、五十七年の一月に大学が設置をされるという段取りになろうかと思います。その上で放送局の開設を考え、具体的な大学の学生受け入れを五十八年八月からということで御説明を申しておるわけでございますので、大学の設置から学生受け入れまでをおおよそ一年六カ月というぐらいに見込んでいるわけでございます。 新しい大学で準備も大変な作業であるということは、もう先生御指摘のとおりでございまして、一年六カ月という期間では、必ずしも十分な期間でないということは私どもも考えております。しかしながら、大学の設置から学生受け入れまで全力を挙げてその程度の準備期間でがんばりたいというのが、ただいま御説明申し上げている日程でございます。
○山原委員 もう一つの問題は、反論権と言ったらちょっと語弊があるかもしれませんが、学術上の異見の問題をどう処理していくかということでございますが、これについてどういうお取り扱いをなされるか、伺っておきたいのです。
○宮地政府委員 ちょっとあるいは御質問の意味を取り違えた答弁かもしれませんが、前にほかの議員でございましたか御質問がございましたのは、放送大学の授業として放送大学の教授が授業をしたことに対して、異なる学説を持った学者に放送大学で放送させるようにしたらどうかというような趣旨での反論権という御質問でございましょうか。
○山原委員 そうです。
○宮地政府委員 その点につきましては、前にも御説明をいたした点でもございますが、この放送は放送大学の授業として行うものでございまして、通例、大学の授業につきましては、その大学のカリキュラムに従った構成が行われて授業というものが行われるわけでございます。したがいまして、学外者に対して、それに討論といいますか反論をする場を与えるというような形を、この放送大学の放送で考えるということは考えておりません。
○山原委員 反論権という言葉はちょっと問題があると思いますけれども、たとえば一つの講座、講義がテレビでなされまして、この前取り上げましたように、それが場合によっては四年間で改定をされるという回りになってくるわけですね、三年間の場合もあります、でも、かなり長期に一つの講座、講義が使われることは事実でして、その際にいろいろな情勢が起こるでしょう、政治情勢が急変する場合もあるでしょうし、あるいは学説の新しい誕生というものもあるでしょうし、そういうものに対して、この開かれた大学が機敏にこたえるような体制になっているのかどうかということをお尋ねしますと、この答弁は佐野大学局長の当時からもどうもあいまいなんです。 それからまた、講義をしておる先生が亡くなった場合、これをどうするのかということですね。これはあり得ることで、この間も小円遊がいきなり亡くなって、その翌々日小円遊がやっているわけですね。小円遊の場合は短期間ですから説明はつきますけれども、長い期間にわたってそういうことが起こった場合にどうするかということを申し上げますと、テレビの下に白幕で臨時ニュースみたいな形のものが出てくるというようなことでございますが、そういうことしかできないのか、あるいは学問上の新説が生まれた場合に、あるいは非常に大きな異論が生じた場合に、それを一定の条件のもとに採択をしていくというような機能をこの放送大学が持つのかどうか、そのことをお聞きしておるわけです。
○宮地政府委員 具体的な放送大学の放送番組の仕組みにつきましては、従来御説明をしているとおりでございますが、通常でございますと、複数の担当教官がプロデューサーと放送関係者も含めましてコースチームを編成して、十分慎重な検討をして制作をするというような手順を経て放送を行うということは、従来御説明をしている点でございます。 たとえばその際、いまお話の、実際に放送に当たっている教官が亡くなった場合の対応策というようなことも、これは現実問題として起こり得る事柄でございます。そういう現実の場合の対応といたしましては、もちろん、その大学当局におきまして支障のないような体制で考えていくということは、これはそれが基本原則ということであろうかと思います。御説明いたしましたように、通常、複数の教官で十分討論をしてコースチームをつくって放送するというのが通例の形でございますので、そういう点については、その関係者の協議というようなことにもなろうかと思います。
○山原委員 私は、いまの体制でそういうことが十分できる体制だとは思いませんけれども、これはやってみなければわからぬ問題ですから、そういう点で質問をおきます。
○三ツ林委員長 木島喜兵衞君。
○木島委員 いろいろ長い期間審議をしてまいりましたけれども、山高きがゆえにとうとからずと言うがごとく、長いだけでは何の意味もありません。もちろん、新しい大学でありますから、やってみなければわからないということもあります。しかし、だからといって、いいかげんに、審議を詰めるべきを詰めず、究明すべきことを究明しないでおったならば、政府もまた国会も、大きな過ちを犯すことになるかもしれません。しかし、最後でありますから、もう余りくどくどしたことを申しません、基本的なことだけをお聞きしたいのでありますけれども、郵政大臣はどうなんですか。
○田中(眞)政府委員 郵政大臣はやむを得ず御出席になっておりませんので、私、電波監理局長の田中でございますが、どうか御勘弁をお願いいたします。
○木島委員 この法律の規定による主務大臣は、文部大臣と郵政大臣であります。本来ならば常時この法案の審議には郵政大臣が出ておるべきであります。それは郵政大臣、お忙しいでしょう、来れないならば少なくとも理事会にそういう申し出をして、きょうは出れない、それを理事会が了承するということでなかったならば主務大臣としての任務を完全に誤っておる、こういう不熱心なところから問題が起こっておると思うのですが、これはだれに聞いてみようもありませんから言いっ放しにしておきます。 ただし、これは委員会の権威の上においては委員長が十分に配慮すべきことであるということを委員長に申し上げておきます。
○三ツ林委員長 わかりました。
○木島委員 郵政省に聞きますが、国が電波を放送してはいけないという思想は何ですか。
○田中(眞)政府委員 なぜ国が放送事業者となることは適当でないのかという御質問かと思いますけれども、現在の放送法は、二十五年に制定いたしましたわけですけれども、その当時の趣旨から見まして、現行の放送法というものは、国が放送事業者となるということは予定しておりません。郵政省といたしましても、この放送法の精神から見まして、国が放送事業者となることは望ましくないというふうに考えているわけでございます。 したがいまして、国立大学であっても国の機関であることには変わりはないという理由から、特殊法人形式というものにいたしたわけでございます。
○木島委員 時間がないのでなるたけ早くやりましょう。 いまおっしゃるように放送法の精神から、国が放送を持つことが望ましくないということは郵政省の一貫している方針であると私も考えるのでありますが、昭和五十三年に文部省が国立大学として要求をいたしました。幸か不幸か、これがだめになったからよかったけれども、その国立大学でもって要求をしたときに、郵政省がそれに同意をしないで文部省は要求したのですか。
○宮地政府委員 五十三年の予算要求に当たりましては、文部省といたしましては、国立大学ということで確かに要求をさせていただきました。
○木島委員 国立大学ではいけないと言うのだろう、だのに国立大学として五十三年に要求したんだよ。そのときにもし認められているならば、さっきのこと等は一体どうなるのですかとお聞きしているわけです。
○富田説明員 それは予算要求の段階におきましては、郵政省としては、国立大学構想で最終的にいくかどうかについては、文部省との打ち合わせはなかったものと承知をしております。
○木島委員 電波がなければ、放送がなければ放送大学はあり得ない、それを郵政省と相談もなしに国立大学として要求をする、そこからまず第一にもめたのでしょう、一番問題になるでしょう。こういう不見識がまず一番先にただされねばならないと私は思うのです。文部大臣、どうお考えになりますか。
○田中(龍)国務大臣 その当時の詳細な経過をつまびらかに私、承知いたしませんので、担当の方からお答えをさせます。
○宮地政府委員 当時、五十三年度、国立大学で要求させていただきましたときには、放送の問題については民放の時間帯を買うというような形でたしか要求をいたしたことであったかと記憶しております。
○木島委員 まあいいでしょう。だから、こういうように十年もかかったと言いながら、出発時点から一不統一なところに、この法案が一番最初の入り口で詰まったところの問題があると私はこの審議を通して感ずるのです。もう時間がありませんから、これは言いっ放しにしておきます。 そこで、さっきの話で部長さんは第三の電波であるとも解釈される、ちょっとそれは弾力があり過ぎますな。第三の電波と解釈されない部分もあるのですか。
○富田説明員 日本の放送体制としましては、受信料に基礎を置きますNHK、それでNHKについては、テレビジョンの二系統、さらにはFMあるいは中波のラジオ等膨大な放送網を駆使して、公共的なといいますかそういう番組をやっておる、それから、広告放送収入をもととします民放という大きな二つの流れがあります。それが一つの日本の放送体制というものを形づくっておるのだ、これが大きいのである、それと全然異質の、教育を専門とする放送大学というものができるという点で、果たして三本立てとかなんとかというふうに並べていいものかどうかということについて若干のニュアンスを留保しておるという状況でございます。
○木島委員 いまあなたのおっしゃった、NHKの聴視料を取るのとコマースでやるところの民放、ともにそれは自分で自分の経営の金を見つけるということですね。それには権力の支配、介入を排除するという思想があるわけでしょう。それが先ほど監理局長のおっしゃった、放送法の精神だというわけですね。ところが、これは法人であれ何であれ、国が出すんですよ。その限りでは明らかに第三の電波であり、明らかに放送法の変革じゃないですか。
○富田説明員 放送体制に影響を与える改正であるということは言えると思います。
○木島委員 そのようなことが変革を与える波である、そのことについて先ほど国が持っちゃいけないというのはなぜかと聞いたら、それは放送法の精神に反するからだと言う。だから、全額国庫支出だから準国営放送だという議論がずっと続いてきたわけです。 そこで、そのような変革であるならば、われわれは電波のことはトーシローなんですが、逓信委員会の中でもってこのことがどういう結論になれ審議がされなければ、放送の根幹にかかわる問題でありますから、この点は怠慢と言うのでありましょうか、ちょうど先ほど申したように、大臣がここに出てこないがごとくいいかげんだったのか。しかし、このことは後にまたお聞きいたしますけれども、基本的な問題でありますから、この辺をどう考えておったのかを、一言だけお答え願います。
○富田説明員 郵政省といたしましては、四十四年以来、放送大学構想が世の中にあらわれまして以来、それが放送というメディアを通じて行われるものである以上、重大な関心を有しておりました。そして逓信委員会では、一般質疑を通じましていろんな角度から御質疑がございまして、それに答え、なおかつ四十九年以来、調査会議等を通じまして文部省とも十分打ち合わせを進めながら、あるべき放送大学の理想像を求めて研究もし、また、それに協調体制をとってきたところであります。
○木島委員 質問があったのはいいでしょう、それは勝手でしょう。四十四年からこれを出すまでの間に、質問はあったかもしれない、しかしあなた方は、いまともに主務大臣で、積極的に提案をするのですから、そしてそれが電波の変革なんだから、どうして逓信委員会に諮るということをしないのですか。
○富田説明員 これは文部省と緊密な連携のもとに法案を作成し、政府として閣議決定をし、国会に御提案申し上げたところであります。
○木島委員 もう言うだけにしておきます、どうせまともな答えが出てくるわけないですから。 次に大臣、この法案の提案者といたしましてずっとあなたもお聞きになっていらっしゃいましたけれども、この大学においてあるいはこの審議において一番大事な、一番配慮せねばならない問題は一体何だとお感じになりましたか。
○田中(龍)国務大臣 これが実施に当たりまして、あくまでも大学の自治を守り、同時に、また公平を期した運営がなされ、放送法上の問題も文教上の問題も双方が円満にまいりますように全力を挙げて今後とも努力をしなければならない、こういうふうな感じでございます。
○木島委員 それでは、いまあなたがおっしゃった放送法と学校教育法体系との間において、その中で物の考え方として特にどういう点に留意なさろうとおっしゃったのですか。(「むずかしいことは局長答えろ」と呼ぶ者あり)これは基本の問題でございます。
○田中(龍)国務大臣 四十四年の三項の放送コードと申しますか、その問題であろうと思います。
○木島委員 先ほどのお話の国が放送を持ってはいけないということも、国の権力の国民への思想統制を排するという憲法二十一条の思想に発すると思います。そして、いまあなたのおっしゃるように、大学の自治というのも大学の自治があるから政府の権力支配がそこに入らない。放送の場合は不特定多数であり、学校の場合には特定少数であるにしても、ともにあるものは、国の思想統制というものを排除するという憲法二十一条と二十三条の理念は、使う場所は別だけれども同じ思想から出ておると考えますが、そう御確認いただけますか。
○田中(龍)国務大臣 御質問のとおりでございます。
○木島委員 そこで、さっきあなたがおっしゃった四十四条三項のお話でございますが、先ほど湯山さんからお話ございましたけれども、これは大学の根本にかかわる問題でございます。皆さんの御答弁も食い違う部分がある、食い違うのなら両方の法体系の違いがあるとすれば、放送法の精神かあるいは学校教育法の精神かどっちかが損われる。もし学校教育法の方が譲歩するとするならば、それは大学足り得るのか否か、これをどのようにお考えになりますか。
○宮地政府委員 放送に際しまして、放送の中立、公平の趣旨に十分留意をして、大学みずから適正な自制を行うという形でその間の調整、調和を図るというのが従来御答弁申し上げている点でございます。
○木島委員 自制し、調整をするのですか。この前、調整については郵政大臣がお取り消しになりましたね。
○宮地政府委員 ただいま調整という言葉を使ったとすれば不適切であったかと思いますが、従来御答弁申し上げておりますように、大学みずからが自制を行うということでその点は両者の調和ができるというぐあいに理解をいたしております。
○木島委員 大学の自治、学問の自由——自制とは自由の制限であります。これが大学足り得るか否か、大臣いかがですか。
○田中(龍)国務大臣 自由の制限が自制と仰せられますけれども、それはやはり十二分に配慮をしていきたい、こういうことでございます。
○木島委員 結構でございます。納得したという意味ではございませんよ、大臣が何かおしゃべりになったことは私の耳にも入りましたという意味だけにしておきます。 その次、いまおっしゃった放送法と学校教育法の中で、私は強いて言うとすれば、国が電波を持つことがいけないのではなくて、国が電波を持つことによって放送をする、声を出す、それを権力がやることによって国民の思想統制になるのでありますから、電波を持つことが否定されるのではなしに、その電波によって権力が放送をして、不特定多数の国民に影響を与えることが否定される原理であると、私は、あえて考えてみようとも思っておるのです。それはちょうど国立大学というものが、国が大学を持つ、電波を持つと同じことになるでしょう。けれども、国が大学を持っても、大学の自治があって権力の支配が及ばないから、だから、国立大学でいいごとく、私がさっき言ったことを仮にそう考えるならば、まさに国が電波を持つということは、国が大学のキャンパスを持つということであって、何を言うかということとは無関係であるならば、思想的には認められるところだと思うのです。そうなると、この大学の場合においても、大学の自治というものが完全か否かということが一つの勝負になってくると思いますが、大臣いかがでございましょうか。
○田中(龍)国務大臣 ただいまおっしゃいましたごとくに、大学の自治というものをあくまでもたっといものとしてわれわれはこれを貫いてまいりたい、かように存じております。
○木島委員 そこで大臣、大学の自治の場合に、国立大学と特殊法人のこの法案に出ているものと、どちらがより大学の自治が保障されるとお考えになりますか。
○田中(龍)国務大臣 大学の自治につきまして、詳細な点につきましては担当官をしてお答えさせます。
○宮地政府委員 答弁を補足させていただきます。 国立大学におきます大学の自治の確保の方式は、従来御説明も申し上げておりますとおり、教育公務員特例法に、基本的には人事に関する部分についてはそういう規定がございます。(木島委員「国立とこれとどっちがいいかと言っているのだよ」と呼ぶ)私どもは、大学の自治の確保という点では同様であろうかと考えております。
○木島委員 もうこうなると個々に入らなければならぬけれども、それはさっきから同僚議員が何回もやっているから繰り返しません。こういう答弁でもってわれわれは責任ある審議ができるか。ちょろまかされている、国会をなめているのかしらとさえ思ってしまいますよ。 それでは今度は、これは局長にお聞きします。 特殊法人という場合の管理運営というのは一定の方式はないんですね。特殊法人の管理運営の方式はこうしなければならぬということはありませんね。
○宮地政府委員 一般論として特殊法人の管理運営について何らか規制があるということはございません。
○木島委員 全額国が出すという特殊法人というのはありますか。
○宮地政府委員 全額という趣旨が必ずしも私、とりがたいのでございますが、特殊法人のそれぞれの態様によるかと思います。
○木島委員 そういう意味では、まさに特殊な特殊法人ということになりましようかね。 そこで、先ほどからあなたもおっしゃるように、たとえば理事長を中心とするところの管理部門と教学とは別であると一応なるでしょう。しかし、この場合の管理運営というのは、教学の目的のための管理運営は手段である、そこがきちっと整理されておらないと、そのことが整理されて制度上の保障がなされなければ、国が電波を持つということと、そのことを大学自治によって遮断をするのだというその思想が欠けてくる。そのことは先ほどからずいぶんと議論されておりながらちっとも法的な保障がない。先ほど中西さんが筑波学園の例をとられましたが、あのときにも同じような趣旨の答弁であったけれども、現実はそうなった。だから、そういう意味では法的な保障、制度的な保障がなければ学問の自由、自治が守れないとわれわれは考えておるのですが、いかがでしょう。
○宮地政府委員 特殊法人が大学を持つためのものであるということはもとよりでございまして、教学が一番基本に置かれるべきということは先生御指摘のとおりでございます。そのためにまた放送局も持たれるわけでございます。
○木島委員 そこで、先般来から議論になっております評議会と教授会、ともに条文では重要な事項を決めるということになっていますね。 そこで、評議会と教授会が別の結論を出したときにはどうなるのかという質問がかつてありました。そのとき佐野大学局長は、それは学長が判断をするのだとお答えになりましたが、どちらかをとればどちらかが排除されるのです。相異なる二つの法文では同じ内容の条文である、その教授会と評議会が異なった結論を出したときには、学長がどちらかというものを判断すると佐野さんはおっしゃったが、どちらかをとるということはどっちかを排除することです。これはどう考えたらよろしいのでしょうか。法的な問題でございます。
○宮地政府委員 教学側の最高責任者は学長であるわけでございますから、学長の判断に従うということであろうかと思います。
○木島委員 学長の判断は法的な基礎を持って判断するわけじゃない。しかし、重要な事項は教授会あるいは評議会が法律に基づいて決定をする。重要な事項は教授会の議によるというのですから、それは学長に一任されるという法的根拠はないと思うのです。ここに矛盾がないかと言っておるのです。
○宮地政府委員 先ほどの際も御答弁を申し上げたわけでございますが、この法律によりまして、評議会の権限に属させられた事項につきましては、評議会の判断が優先する、かように考えております。
○木島委員 それは特別法優先の原則から言えば、評議会の方が優先してしまうのです。そうでしょう。とすれば、教授会というものは優先されないのです、特別法なんですから。そこで、大学の自治が守れるのかということをお聞きしておるのです。
○宮地政府委員 具体的には、教授会と評議会の関係につきまして御議論が重ねられてきたわけでございまして、私ども、この大学の人事に関しまして大学がみずから決めるという仕組みを確保するという点につきましては、大学の自治が確保されているもの、かように考えております。
○木島委員 私はさっきから、法的な制度的な保障があるかということを中心に聞いておるのです。やり方で何とかします、こうしますという問題ではありません。それは大学の根幹にかかわるからです。大学の自治は、明治時代の大学は人事によって自治を守ってきました。それが日本の大学の歴史です。その人事が特別法が優先するのですから、教授会がそうなるか、教授会の自治によって人事が守られるかというと、評議会が優先してしまう。 それで、電波ということで私はさっきからずっと一貫してしゃべっているのですが、電波というものを使ってはいけない、原則的には国は持っていけないと監理局長おっしゃった、それは思想統制になるからと。しかし、それを仮に大学のキャンパスを考えたとしたところで、大学の自治は完備させなければいかぬのじゃないか。その大学の自治は歴史的に人事によって守ってきた。その人事が教授会によって保障されなければ、これはいままでの大学と大変に異なってくるという結論になるのではないのか、そのことを聞いているのです。
○宮地政府委員 国立大学の場合におきましても、人事に関する権限につきまして、教育公務員特例法によりまして、その権限に属させられた事項を評議会が処理するという仕組みになっておるわけでございます。ただ、国立大学に規定しております評議会と、特殊法人のこの放送大学の評議会との差という点は、構成の面については差があるということは言えるかと思いますけれども、評議会自体が定めました教授を構成メンバーとして考えているという形で言えば、教学みずからが、人事について大学が自主的に決めることの基礎というものは確保されている、かように考えております。
○木島委員 いまこちらでもって私語していますが、たとえば大学の教官がいるときに、だれがその業績を知っておるか、評議会ではありません。それで大学の自治が守れるか。もういいです。勝負はついたみたいだから。 そこで、果たして教官が一体集まるだろうかどうか、私は大変心配しているのです。たとえば国立の先生を入れようとしたって、今度は五年の任期制がありますね、五年たってもとの大学に帰れるという保障は全然ない。どこの大学も、何々学部長がこっちへ来て、五年たったから帰ると言ったって学部長につけない。国立大学にとられるという保障もない。そして、この大学に行ったときに、研究者としての教授は研究が一体どれだけやれるのだろうか。そしてたとえば、コースチームへ入っていろいろと放送の原稿をつくる、しかし、きっと放送する人は有名な教授か何かじゃないか。そうすると、それはまさに黒子の仕事だ。テレビ番組に出る先生の役者の背後にある黒子に等しい。そんなところに先生が集まるのだろうか。仮に放送をするとしたって、それは自分の研究が十分に言えない、自制しなければならないのでありますから。そうすればしょせんは、自分も入りますけれども、人と一緒につくったその原稿を読むところのアナウンサーに近いのじゃないのか。そういうところにどうして大学の先生が魅力を持って、身分も保障されないのに来るのだろうか。 細かく聞きたいのですが、もう聞きませんが、ましてやたとえば学生にしても、学生の研究というのがほとんどできないでしょう。四十五万人の卒論を審査できますか。レポートを審査できますか。しょせんはコンピューターでやるしかないでしょう。教育というのは対人的なはね返り、これが大事だからこそスクーリングを大事にしようというのでしょう。教えたことのその反応がわかってこない、直接響いてこない、そんなことで教師としての楽しみがあるのだろうか。しかも果たして、これは大学のレベルたり得るのだろうか。無試験で、後で申しますけれども、スクーリングも大変困難である。したがって、皆さんが最初からねらっていらっしゃる大学にふさわしい大学にならないとすれば、そこに教育研究をしようとする教官が魅力を持つだろうか。 そういうことをあれやこれや考えますと、この大学に果たして皆さんが期待されるような優秀な教官が集まるのだろうか。その点は大臣、どうお考えになりますか。
○宮地政府委員 従来御指摘のように、この大学にりっぱな教官が集まるということが、放送大学そのものが成功するための一つの大事なポイントであるということは、全く御指摘のとおりでございます。 任期制の問題、その他いろいろ御指摘の点がございましたが、私ども、任期制についてもメリットを生かすという意味で考えているわけでございます。また、この放送大学自体、全国の国公私立の大学に御協力を得なければもちろん成功に導いていくこともできないわけでございます。それらの点について、御指摘のような点を十分克服できるような形で私どもは努力をいたしたい、かように考えております。
○木島委員 克服したいと言っても、先ほど言ったところの例から見るならば、それは願望であって、実現する可能性はきわめて低いと考えねばならぬではありませんか。 次に、それでは技術職について聞きます。たとえば、放送に関するところのことは、これは相当NHKからでも御協力いただくのですか。
○宮地政府委員 郵政省御当局とも十分協議いたしまして、放送に関して従来経験豊富な方々の御協力を得なければならないのはもとよりでございます。
○木島委員 そこで、協力をいただき、仮に協定をしたところで、たとえば、その労働組合が反対をして出さなかったらこの大学は技術的に成立するのですか。
○宮地政府委員 そういうことのないように努力をしたいと思っております。
○木島委員 願望はわかる、願望はわかるけれども、そうなるという保証は少しもない。だからこれで、この新しい大学の発足をわれわれが責任を持ってやれるという断定ができるだろうかと思うのです。
○田中(眞)政府委員 この放送大学をどういう形で形成するかに当たりましていろいろ審議が行われたわけでございまして、従来、非常に経験を持っておりますNHKのノーハウというようなものにつきましても当然論議が出たわけでございますけれども、いろいろな番組のつくり方とか教育放送をいろいろやってまいりましたので、その辺の経験、実力などについては、形態は相談しながらですけれども、十分御協力いただけるものというふうに考えておるわけでございます。
○木島委員 しょせん願望だと言うのです。そうなるという保証はちっともないでしょう。いいです、そういう断定だけにしておきます。 その次、私も繰り返し繰り返し言っておるのですが、卒業証書をもらう、学士号を付与される、そこに希望を持ちながら、それは四十五万人全部じゃありませんけれども来る。だれもが向上心を持ちますし、だれもが学習の意思をそれぞれに持っておるが、この場合にその意思が、希望がかなえられない最大の障害となるものは一体何だとお考えになりますか。
○宮地政府委員 従来御説明をしておりますように、この放送大学についてはもちろんスクーリングということも考えるわけでございますが、具体的には、このスクーリングのための確保というようなことも考えなければならない一つの問題点だろうかと思います。
○木島委員 そうですね、スクーリングにみんな通えるかどうかということも一つですね。たとえば、前に言いましたけれども、広島大学の実験放送の中では、三回だけのスクーリングで三回ともスクーリングに通った人が一五%でしょう。あとの八五%は三回だけのスクーリングにも行けなかったのです。もし、先ほどからお話ございますように、生涯教育的、成人教育的な大学であるならば、それはそれで結構、しかし、これは学校教育法の上におけるところの大学で、そして卒業証書を出し学士号を与える大学であるとするならば——実験放送で三回しかないスクーリングに三回行けた人というのが一五%、この障害は何かと言えば、もう結論を言いますが、有給教育休暇がないからでしょう。あったならばずいぶん行けるでしょう。すべてとは言いません。だから逆に言うならば、この制度がなかったら、この大学は大学として所期の目的を貫いて完成していくということにならないと思うのです。大臣、どうお考えになりますか。
○宮地政府委員 スクーリングにつきまして、私ども、学習センターの配置でございますとか、あるいは学習センターにおけるスクーリングの開設と申しますか、日曜日を含めまして受講者の便宜を図るというような努力を十分いたすつもりでございます。 なお、ただいま御指摘の実験番組におきましては、どうしてもスクーリングの開設時間等に相当制約もあるということも、また、そのスターリングを受けがたくしている原因の一つであろうかと考えております。
○木島委員 だから、やってみなければわからないが、学習センターをどのくらいつくるかなんということもありますから、大変金がかかることだけれども、しかし、この間栗田さんが御質問になったが、たとえば時間帯と言ったって、遠隔地からいえば、一コマ、二コマのスクーリングに出たって前日から出てこなければならぬかもしれませんよ。実はそういう地理的に経済的に恵まれない人たちのための大学というのが一つのこの大学の目的でしょう。その地理的に恵まれない人たちが、いまそういう休暇というものの保障がなくてどうしてスクーリングに通えるのですか。それでは、この大学というものの意味がないじゃありませんか。この大学の生命が死ぬじゃありませんか。絶対の条件じゃないですか。
○宮地政府委員 御指摘のような制度が、この大学を成功させるための一つの大事な要因であるということは御指摘のとおりでございます。
○木島委員 成功させる大事な要因である、それが現在ない。これで成功しますか、大臣。
○田中(龍)国務大臣 なかなかむずかしい問題でございますが、やはりこれはやってみませんとわからないのじゃないかと思いますが……。
○木島委員 やってみなければじゃありませんですよ。初めから予想されて、そのために実験放送をやっているんだから。何で実験放送をやったのですか。そこで明らかじゃないかと言っているんですよ。いま局長が言うとおり、成功の要因である、その要因が確実でなかったら成功しないということでしょう、論理的に。だから、それを大臣、どう考えますか。これはもう政治的な問題ですから……。
○田中(龍)国務大臣 実験をやっておる中に、ただいまお話しのような、統計をとってみたら一五%だったというような問題もこれありで、そのやり方についてはさらに改良を加え、実験もさらにもっとよくなるように努力をしていこう、そのスクーリングの問題について、特に改良の余地がないのじゃないとも考えております。
○木島委員 私が言っているのは、だからさっきも言ったように、スクーリングの場所の学習センターをたくさんつくるというのは今後の問題になっています、そう言ったところで、各市町村全部つくるわけにいかないんですよ、大学の先生が要るんですから。(「大臣は検討いたしますと言っている。」と呼ぶ者あり)ところが検討じゃだめなんです。それが前提でなければ成功しないんですから、それではだめじゃないですか。
○田中(龍)国務大臣 そういうふうな実際の実績というものを踏まえまして、文部省といたしましても、積極的な対応が望ましいと考えております。しかし、この問題は文部省限りで対応できることではなく、やはり他の省庁にもかかわる大きな問題でございますので、今後、関係省庁におきまして相談をしながら、文部省としても前向きに検討させていただきます。
○木島委員 三年前、あなたの前の前の文部大臣内藤誉三郎さんも同じことを言いました。そうしたら、この間労働省が、この問題についてはまだ協議していません、その次にこの国会で、今度始めました、こう言った。この大学が成功するかしないかの決定的な条件ですよ、三年前にそれを指摘した。いまあなたがおっしゃるのと同じような御答弁をあなたの前の前の内藤文部大臣がおっしゃって、何にもなさっていらっしゃらないのです。これでやろうというのですか。こんな状態でやろうというのですか。これでできるのですか。
○田中(龍)国務大臣 内藤さんは内藤さんで、私は私といたしまして、今後の他省との関係、特に、おっしゃるのは労働省等との問題であると存じますが、さらに連絡を密にいたしまして、改めるべきところは改めていかなければならない、かように考えます。
○木島委員 内藤さんは内藤さん、あなたはあなた、そうですよ。しかし、同じ答弁なんです。これは今回初めて提案したのじゃない。だから、あなたを責めているのじゃないんですよ。だけれども、そういう状態の三年間、三回の国会がある、廃案になっていま四回出されている、その間にそういうことをされながら、いまそれを継続して提案されているんですよ。そういうことでどうしてこの大学が成功するのですか。 そこで、労働省は来ていますか。——もう余り聞きませんが、ILO百四十号条約、それはなぜ批准しないか。先進国は批准していますよ。 ことしの予算委員会で藤波労働大臣から、労働組合の労働者教育という一項があるから、これは不当労働行為になる可能性があるというお話がございました。その他は理由がございませんでした。よって、条約の批准は一部留保がある。 この問題には私も議論がありますが、いま仮に藤波さんのお話を前提にするならば、この大学の場合には、絶対に早くやらなきゃ、あるいはそれをやらなきゃ成功しないのだから、一部留保してもそれを批准する、こういう予定はありませんか。
○平賀説明員 国際条約の中では、国内法等との関係で留保が許される条約というのがございますが、ILO条約については、その対象の条約にはなっておりませんので、留保つきでその批准をするということはできないものでございます。
○木島委員 それでは、留保するかしないかの問題は、私には議論があるんだが、これはここで言ったのではいけませんから、別のときにします。 ただ、労働省がいままでこの問題については、職業訓練を中心に考えると言った。三年前から指摘しておるにかかわらず、この大学なら大学——単に大学だけではないのでありますが、生涯学習全体に影響するのでありますけれども、いまはこれに限定しましょう。これがなかったら成功しない。ILOの批准をするかしないかは別個にして、批准すると言ったところで国内法を整備しなきゃならぬのですから、批准とは無関係につくるということが前提ではないのか。大臣、どうお考えになりますか。
○田中(龍)国務大臣 担当官に答えさせます。
○木島委員 これは基本的な問題でしょう、あなた。
○宮地政府委員 先ほど大臣が有給休暇制度について御答弁を申し上げたとおりでございますが、私どもとしましては、もちろん、この放送大学のためには有給休暇制度が積極的に活用されるということは望ましいわけでございます。もちろん、学習センターの学習状況につきましても、学習しやすい状況をつくり出していくというような点も必要でございまして、そういう配慮も私どもはいたしておるわけでございます。
○木島委員 とろうたってとれないのだから、その制度がないのだから。しょせんそれも願望でしかない。 もう終わります。委員長から、なるたけ時間を早くやめてくれとおっしゃったそうですから……。 ずっといま私は幾つかのことだけぽんぽんとやってきたのですが、どう見てもこの大学というのは成功しそうがない。そういう感じです。これでもって採決をせい、賛成をせいと言ったって、これほど大きな基本的な問題が解明されないままに、無責任にこれを通すということに、私は、いま大変悩みを持っておることを申し上げまして、終わります。
○三ツ林委員長 どうもありがとうございました。 他に質疑の申し出もありませんので、これにて本案に対する質疑は終局いたしました。この際、暫時休憩いたします。 午後一時三十八分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕