文教委員会 第6号
- 発言数
- 324 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/11/05
会議録
○三ツ林委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、放送大学学園法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中西積介君。
○中西(績)委員 先般の連合審査なりあるいは当委員会における質疑の過程の中で大方出尽くしたと思いますけれども、答弁の内容等につきましてまだまだ十分理解できない面がございますので、私は、まず放送法の関係三点についてお聞きしたいと思います。 先般から問題になっておりますように、放送大学は学問の自由を拘束するのではないかという論議がなされておりますけれども、特にその中で、放送法の四十四条三項、公共性の問題について、学問の研究の自由なり大学の自治、このかかわりをどのように理解をしておるのか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○田中(眞)政府委員 放送法第四十四条第三項を学問の自由との関連でどう考えるのかという御質問だと思いますけれども、放送大学学園の放送は、放送大学の講義としての実質を持つものでございますけれども、放送であるという以上は、放送の中立、公平が守られるべきものというふうな考え方から、政治的公平の確保、論点の多角的解明等の、番組編集準則と私ども呼んでおりますけれども、これを適用することが適当だと判断いたしたわけでございます。 まず、意見が対立している問題の論点の多角的解明についての規定でございますけれども、これは講義の方法に対する一種の制約と言えようかと思いますけれども、この場合でございましても、教授の見解が一方的に提示されるのではなくして、反対意見も十分お示しいただいて、全体として公平を損なわない、そういう講義を行っていただければ、学園の中で教授が自己の学説を述べることもできるというふうに理解いたしておるわけでございます。したがいまして、放送を手段として行います大学教育というものも正規の大学として十分成り立ち得ると考えておる次第でございます。
○中西(績)委員 たとえば、教授が政治的問題に関係する教授自身の研究成果の発表を、いま言うように反対意見を入れて全体として公平、こういう見解のようでありますけれども、少なくとも教授自身が学説なり研究成果を発表するということがなければ大学における教育に値しないわけですから、この点については反対意見を必ず入れなければならないという拘束性が出てくるわけですね。みずからの意見とは別個のものも全部入れなくてはならぬという拘束があるということは、いま言う大学の自治なりあるいは研究の自由、こういうものを否定的な立場で物を言わなければならぬわけですから、この点はあくまでも大学の基本理念を貫き通すことはできないのじゃないか、私はこう思うのですけれども、この点はどうでしょう。
○田中(眞)政府委員 お言葉ではございますけれども、放送だということで先ほどもお話申し上げましたように、一つの制約にはなろうかと思いますけれども、教授が御自分の意見というものを主張される場合におきましても、反対意見というもので自己の主張を浮き彫りにさせる、主張の論点の正しさを講義できるというふうな面もあろうかと思っておりますので、放送による講義は三分の一、スクーリングあるいは教科書の配付というような面での教育もあるそうでございますけれども、全体としてのバランスの上に立ちまして公平を保つというふうにしていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○中西(績)委員 したがって、いまの論議を聞いておりますと、大学の自治なりあるいは研究の自由ということよりも、むしろ電波の割り当てが前提で成り立つために放送法が依然として優先をする、こういう見解の中で、いま答弁をしておる中身についても、スクーリング云々、教材云々と言いますけれども、その先行するのは依然として放送法を優先するということではないか、こういうふうに聞き取れるのですけれども、この点はどうですか。
○富田説明員 ただいま局長が御説明申し上げましたが、放送法第四十四条第三項第四号は、意見が対立している問題についてのみ規定しておりまして、意見が対立しない問題について教授が新しく新たな知見に基づいて学説を提示される場合には、それは当然、意見が対立していないわけですから、多角的な論点解明ということは、意見が対立している問題についてのみ要請しているものでありまして、全面的に要請しているものではございません。したがって、放送法が要請しておりますのは、そういうような公平とか番組準則として広く報道あるいは教育、教養、娯楽といったような番組を提供いたします放送一般について要求している面もあります。したがって、この放送大学学園法案に対してこの四十四条の規定が適用されますけれども、学問の自治あるいは教授の自由と申しますかそういうものと背馳しない、相反しない、十分調和を保って適用され得るものというふうにわれわれは考えておるわけであります。
○中西(績)委員 調和を保つと言いますけれども、調和を保つその判断はだれがどこでするのか、この点はどうお考えなんですか。
○富田説明員 放送法第四十四条は、一般的に言いまして、この規定の順守がどのように担保されるかにつきましては、原則としてこれは放送事業者の自律的な判断にまず第一義的には期待しておるというふうにわれわれは考えております。
○中西(績)委員 それでは、もう一度確認をいたしますけれども、いま言うように学説なり何なりについては、少なくとも教授なら教授の研究したその内容を直接そこでもって述べることができるということでいいわけですね、端的に言って。
○富田説明員 意見が対立している問題、これは学説の場合にも当てはまると思いますが、意見が対立していない問題については、教授の主張のみを御主張されて十分だと思いますが、意見が対立している問題、つまり、意見が対立している学説がありました場合には、公平に他の学説も御紹介になるべきだというふうな規定であるというふうに解釈しております。
○中西(績)委員 そこなんですよ、問題は。そのような対立する意見等について一つの制約的なものが必ずつくということを認めなければならぬでしょう。そのことは認めますね。
○富田説明員 おっしゃるとおりです。
○中西(績)委員 そうしますと、これは大学局長に聞きたいと思いますけれども、これとあわせまして、人事権の問題だとかあるいは学問の自由の保障機能を持つために教授会なりが確立をされないと、この点についてはできないことになるわけですね。ですから、いま言うように相対立するものについては、この二つの意見を並立させなければならぬという一つの制約がある。そのことは大学の基本理念からすると、人事権の保障だとか教授会の確立だとかいろんな条件がありますけれども、いま富田放送部長が答弁された、対立するというこの内容についてはどう理解をしたらいいですか。
○宮地政府委員 郵政省の御説明のとおりであろうかと思います。そういう論点を明らかにする方策についての特別の規定が、講義の方法に対する一種の制約としてかぶさっておる。放送という手段を使う以上は、放送法上の制約がかぶさるということは御指摘のとおりでございますが、講師の学問的見解を述べることが禁止されていないということは、郵政当局も御説明されたとおりでございます。 その限りではそういう制約があるわけでございますが、一般の大学におきましても、規定の制約はございませんけれども、大学の教官たる者が、学説が対立している者があります際に、それをこういう学説があるということを踏まえた上で自己の学説の説明をするということは、これは通常の大学における授業の中身としてはごく通例考えられる事柄でございまして、その点は大学自体として、そういう放送法上の制約があるかないかという点については確かに差異がございますけれども、そういう意味では講師の学問的見解を述べることが禁止されていないという点から見まして、大学自身の持つべき学問の自由がそこで制約されているというぐあいには私は考えないわけでございます。
○中西(績)委員 いま答弁ありましたけれども、そうしますと、一般の大学におきましても、大学の基本理念としてこのような放送法の制約があると同じように制約があるということですか。
○宮地政府委員 法律上の制約はございませんというぐあいに御説明を先ほど申し上げたわけでございます。
○中西(績)委員 そうしますと、それを制約があるかのように説明をすべきことが云々ということを言いましたね、ということになると、法的な制約はないけれども、それはすべきだということを言っておるのではないですか。そういうふうに文部省は内容についての介入なりをやるわけですか。
○宮地政府委員 文部省が大学の講義の中身について云々すべきでないことは当然のことでございます。それは大学みずからが御判断になる事柄でございます。
○中西(績)委員 それで、いま言うように、あなたの言葉の中に、放送法が優先をするような制約事項があるかのごとき答弁、これは当然誤りだということを認めなければいかぬと思いますが、その点どうですか。
○宮地政府委員 ただいま御答弁申し上げたとおりでございまして、大学の講義の中身について文部省がとやかく言うべきでないことは当然のことでございます。それは大学がみずから御判断になって行うべき事柄でございます。
○中西(績)委員 そこでもう一つ、いま言う対立すべき事項として、制約がありながら、なおかつ、そこには自由が保障されているという論議を展開しているわけですね、ところがもう一つ、番組の編成権についても、もうちょっと立ち入ってお聞きしたいと思うのですけれども、番組を編成する場合に、教授などの考え方によって教学部門のカリキュラム作成権、これとのかかわりはどうなるのか。結局、教授の考え方よりもむしろプロデューサーの方の番組制作技術が先行するのではないかという懸念があるわけですね。ということになりますと、まさに教育の内容まで含めてうんと立ち入った制約がまたさらに出てくるわけでありますけれども、この点についてはどうでしょう。
○富田説明員 放送番組の制作にかかる技術的な問題はどのようになるかは今後の問題といたしまして、放送法制上はあくまでも放送番組の編集の自由ということを保障しております。なおかつ、一般の放送事業者あるいはNHKに対しましては、みずから番組編集基準というものをつくる義務を定めておりますが、放送大学に関しては、この適用を除外しております。
○中西(績)委員 この点、完全に除外をしておるというのですか。すべてのものについて除外していますか。
○富田説明員 放送法第四十四条の二の「国内番組基準」という規定がございます。これはNHKについてそうなっておりますが、一般放送事業者にも準用されている規定でありまして、これは「国内放送の放送番組の種別及び放送の対象とする者に応じて国内放送の放送番組の編集の基準を定め、これに従って国内放送の放送番組の編集をしなければならない。」となっておりますが、この規定は放送大学には適用されません。
○中西(績)委員 いま私は、具体的にカリキュラムの作成権と番組の編成権の場合を比較した場合に編成権がやはり優先をする、こういう確認に立つわけなんです。なぜかならば、放送大学の教育伝達内容というのが電波によって放送されますから、放送番組がそれによって優先をするということになりはしないかということを懸念するわけです。ですから、いま言う四十四条の二とそれはかかわりがありますかと聞いているわけです。
○富田説明員 かかわりがあるか、ちょっとあれですが、放送大学におけるカリキュラムの作成ということと放送番組の作成ということは、現実の問題としては一致しているのだろうというふうに思います。それは放送法から見ますと放送番組の編集ということになりますが、放送法三条によって、放送事業者であります放送大学学園の自由が保障されているというふうになっております。
○中西(績)委員 ちょっとわからぬですね。いま言う番組の編成権というものはちゃんとあるわけですからね、それと教学部門の教授がカリキュラムを作成する場合、そのどちらが優先するかと私は言っているわけです。すると、これは一致するのですか。
○富田説明員 法律上は一致するものと考えても差し支えないと思います。
○中西(績)委員 あなたは差し支えないなんということを言いますけれども、どこをもって差し支えないというように法律上あるのですか。いまの二にはこの関係はないと私は思うんですよ。
○富田説明員 放送法第三条に「放送番組は、」と書いてありますが、これはカリキュラムの作成を含む放送番組あるいはカリキュラムそのものを含む放送番組だというふうに解釈されますから、その放送番組の作成の自由、つまり、放送大学においてはカリキュラムの編成の自由というふうにもあるいはなるかもしれませんが、それらを含んで放送番組の編成の自由は保障されている、それは放送法三条によるものでありますということを申し上げております。
○中西(績)委員 そうしますと、いまあなたが言っているのは、やはり依然として番組編成権が優先をした中でしか物を言っていないんですよ、幾ら聞いたって。ですから、いまあなたの言っていることを聞くと、カリキュラム作成権がそれに付随するもので、何らそこには矛盾はないというような聞き取り方を私はしたのです。だから私は、この番組の編成権とカリキュラムの作成権というものが必ずしも一致するものでなくて、あなたの言い方からすると、番組編成権が優先をしているという聞き取り方をするのですが、そうなると問題だと最初から言っているわけです。
○宮地政府委員 お話の点は、具体的な放送教材の作成の問題にかかわって番組編成の自由と教学側の学問の自由、その点の調整をどう考えておるのかという御質問というぐあいに理解をいたしたたわけでございますが、その点がまさにこの放送大学学園という特殊法人で今回お願いしている一つの問題点であろうかと思います。私どもとしては、大学と放送局とを同一の主体ということで設置することによりまして、それが一体として運営されるということでございますから、もちろん、番組編成の自由というものも片やございますが、大学の学問の自由というものも、大学である以上は基本的にあるわけでございます。それが調和した形で行われるというのが、両者が相干渉して別個のものとして機能しては困るという点が、まさに特殊法人としてこれを一つの設置主体として今回御提案を申し上げている理由の一つということで従来から御説明をいたしておるところでございます。
○中西(績)委員 いま大学局長はそう言いましたけれども、いかに特殊法人とはいっても、放送局は学園側にあるわけですね、これは教学側じゃないですね、そのことは認めるでしょう。
○宮地政府委員 特殊法人の学園が設置をしているわけでございます。
○中西(績)委員 したがって、最終的には依然としてこの放送局、いわゆる学園側が法文上優先をするということになるのではないですか。
○宮地政府委員 放送局の設置は、設置主体として特殊法人のこの学園が設置しておるわけでございますが、放送大学そのものもまた同一の特殊法人放送大学学園が設置主体であるわけでございます。
○中西(績)委員 いや、だからそこに妙味があるみたいな、調和ができるような話をしていますけれども、いずれにしても、私は、いま言いました第一の問題点、学問の自由を制約する四十四条の二の問題、さらにまた、いま言う番組編成権なりカリキュラム作成権の問題につきましても、依然としてそこには明らかにし得ないそういう問題があるということを指摘したいと思うのです。 特にその点で、この二点をもう少し明快にする方策というものがなければ、いま言う大学の自治あるいは学問の自由、研究の自由というものがとうてい保障されるということにはなり得ない。それは後の論議の中でまだ出てまいりますから、そのときにまた私は加えていきたいと思ってます。 時間がなくなってしまうのですが、もう一つだけ、電波監理局長に聞きたいと思います。 放送法では現行二本立てになっておりますけれども、これがあなたたちの答弁では、異質なものが加われば三本になる、あるいは異質な放送提供者をつくれば三本になる、こういう答弁がいままでされておりますね。このことは否定なさらぬと思うのです。そうなりますと、この前から論議されておりますように、国がすべて財政を援助するというこの現行二本立てとは全く異質なものがあるために、異質なものが加われば三本になるという言い方をしておると思いますけれども、そうなってまいりますと、これは第三の放送であるというように理解をしてよろしいですか。
○田中(眞)政府委員 放送大学学園の放送につきましてですが、この財政的基礎を、NHKのような受信料やあるいは民間放送事業者のような広告費に求めないで、もっぱら国の資金に求めているということがございます。そして、その放送大学学園の放送というものは、学校教育法に基づきます正規の大学教育に必要な放送に限定されるわけでございますけれども、こうした性質の放送というものは、従来のNHKあるいは一般放送事業者とは異なる放送事業者が入ってきた、出現するということになるわけで、その限りにおいて三本立てになるということが言えるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○中西(績)委員 そうなりますと、やはりこの面からいたしますと制度上大きな変更が出てきたということになりはしないのですか。特に国がすべての財政負担をするということからいたしますと、権力が放送という強い力を持つべきでないという局長の答弁がありましたけれども、こういう体制というのはきわめて危険ではないかと思いますが、この点はどうです。
○田中(眞)政府委員 二つ御質問の内容があろうかと思いますが、まず、現在の放送体制に変革を加えるものじゃないのかということが一つでございますけれども、先ほども申し上げましたように、学園の放送というものは、大学教育のための放送に明確に限定するということで、既存の放送秩序に与える影響というものはきわめて少ないというふうに私ども判断しておりまして、学園の放送を認めるといたしましても、放送法制の重大な変更になるというふうな受け取り方はしていないわけでございます。 次に、第二点でございますが、国営放送になるのではないかという御趣旨の御質問かと思いますけれども、これにつきましては、現行の放送法は国が放送事業者となることは予定しておりません。郵政省といたしましても、そうした放送法制定の趣旨から見まして、国が放送事業者となることは望ましくないと考えておる次第で、いまの放送大学学園は、国とは別の人格、法人格を有することにしておるわけで、国みずからが放送事業者となる国営放送とは形式上もはっきりと区別できるのではないかというふうに考えております。 また実質的にも、学園の国からの独立性についてでございますけれども、この学園法案では、まず主務大臣の監督命令というものを、財務、会計に限定するというようなことで、通常の特殊法人とは異なりまして、もっぱら大学の教育として行われるということで、大学の自治、学問の自由というものは十分確保されているというふうに考えておるわけでございます。 したがいまして、国の資金によりまして運営される放送大学学園の放送を認めるといたしましても、放送法第一条の精神、放送の不偏不党ということでございますけれども、そういうものに背馳することにはならないというふうな考え方でございます。
○中西(績)委員 いまの第一点の、大学放送に限定をするので影響はきわめて少ないということを言っていますけれども、この放送大学学園法案の資料を見ていただきますと、これにはちゃんと一番最初の「総則」のところに「大学教育の機会に対する広範な国民の要請にこたえるとともに、大学教育のための放送の普及発達を図ることを目的とする。」というように、大学在学という特定された者でなくて、一般の者に対しても、大学教育としての放送の普及を図り、そしてそれを目的とするということまでちゃんとうたってあるわけですから、むしろ限定さるべきでなしに、影響を少なくするということでなくて、うんと拡大をして社会教育なり何なりに資するということが一つの目標になっているわけですね。そういうことになってまいりますと、影響はきわめて少ないなどという、これはもう詭弁であります。 それからその次に、法人格云々で別だということを言っておりますけれども、確かに法人格としては特殊法人ですから、国と特殊法人が同じかと言ったら、これは法律上は違いがあることは事実ですね。このことは認めます。しかしじゃ、その裏側にある、国がすべて財政を援助するというこの措置は、普通一般の法人の場合にもあるのですか。これは法人格を持つものに対してすべてを国が援助あるいは助成する、こういう状態というのはあり得ないし、さらにまた、独立問題についても、大臣が限定されたものの中でしか介入できないようになっておるという言い方をしますね、三十六条ですね、三十六条の監督命令権、財務と会計のみである、こういうことを言っていますけれども、しかし、これはまた後でこの後の組織運営、こういう問題の中で指摘をしてまいりますから、いま申し上げました、影響はきわめて少ない、それから法人格、別だと言うけれども、営利機関じゃありませんから、財政をこのようにして完全にすべて国が保障するということになるわけでありますけれども、こういうものが果たして国の影響がないのですか。
○田中(眞)政府委員 この放送大学という放送が入ることが、放送の普及発達を図ると目的にも書いてあるということで、現在、いろいろな意味で影響が大きいのではないかということでございますけれども、いま、今日までNHKというものと民間放送というものが両々相まちまして、非常に放送が花盛りでございますけれども、その既存の放送体制に与える影響としては、今度のこの大学学園の放送によりまして、たとえば、まあ影響の判断もいろいろあろうかと思いますけれども、そういう意味におきまして、今度の学園の放送が、大学教育としての実質的な講義の内容というものを想定いたしました場合、私どもとしては、多分放送体制に与える影響というものは少ないのではないかというふうに判断いたしておるわけでございます。 次に、国費の問題でございますけれども、先ほども申し上げましたように、国からの独立性についての学園の担保をもう少し説明させていただきますと、まず、主務大臣の監督命令は財務、会計に限定しておるというふうに申し上げました。 次に、大学の自治というものを高度に保障するという観点から、先ほど放送部長も申し上げましたけれども、番組基準というものの作成義務、これは従来のNHK、一般放送事業者には課せられておるわけでございますけれども、番組基準の作成義務というものをかぶせておりません。 また、番組審議機関というのがNHK、民放ともにございますけれども、その義務づけも排除する等の措置を講じております。 それから、学園の放送というものは、放送大学の講義としての実質を有するということで、先ほども先生からいろいろ御指摘がございましたけれども、放送番組の制作というものは、事実上教授等の大学陣を中心に行われるであろう、これに対しまして放送陣からの、番組の内容を豊富にするというような意味で、制作効果あるいは視聴効果というものを高める面からの協力はあろうかと思いますけれども、授業でございますから、その番組そのものは教授を中心に行われるものというふうに考えておる次第でございます。 もう一つ、いま申しましたように、番組制作の中心となるのはあくまで大学でございますけれども、その大学におきましては、わが国においてはすでに確定された制度的とも言ってよい慣行として認められている大学の自治というものがあるのではないだろうか、その自律性に大いに期待いたしたいということで、学園の放送の自律性は確保されるのではないだろうかというふうに考えておる次第でございます。
○中西(績)委員 もう時間がないですからなんですけれども、私が言っているのは、影響がきわめて少ないと言っておるけれども、これは少なくとも特定の人だけでなしに多数の人、不特定の人を対象にするわけでありますから、その影響は少ないなどということはあり得ないわけなんです。ですから、いま言う番組編成の場合の基準から外したり、審議から外したりといういろいろ答弁がございましたけれども、これらについては、その内容をもう一度つぶさに検討してみないと問題があると思うのです。 ですから、大臣の権限、権能がきわめて僅少である、少ないということを盛んに言っておりますけれども、この点はまだそういう問題がございますので、その点については後で触れていきたいと私たちは思っています。 そこで、時間もございませんので、問題の運営組織の面でお聞かせをいただきたいと思いますけれども、先ほどから問題にしてまいりました面で、いま言う番組編成なりあるいは大臣の監督命令権あたりが非常に制約されておるので、学問の自治なり自由というものは守れるということを盛んに言っておりますけれども、運営組織そのものを見ますと、私は、決してそうでない、こういうふうに見ておるわけです。 そこで、まず第一に、十条の一の理事長ですね、理事長は文部大臣が任命権者であるということは明らかです。そしてその場合に非常に危険なことは、資格条件、手続要件が全くないんですね。任命権を大臣にゆだねてしまっておるという状況です。したがってこの点、果たして任命権の公正化が期せられるのか。時の大臣の恣意によってこれが果たされるということになるわけですね、しかも、それが今度学長を兼ねるということになりますと、さらに、直接的に大臣の意向を反映するということになるわけですね、大臣の顔色をうかがわなければ理事長というのは成り立たぬわけですから。この点はどうでしょうか。
○宮地政府委員 「理事長及び監事は、文部大臣が任命する。」という規定を設けておりますが、こういう役員の任命としては、他の特殊法人の場合と同様の規定を設けているわけでございます。 お話のように学長が理事長を兼ねる場合もあるわけでございますけれども、教学組織面についての任命の仕方については、それぞれ国立大学の場合の学長以下の任命規定に準ずるような形で十分大学の自治が保障されるような形を、私どもとしては、この学園法案においてそれぞれ規定をいたしておるというのは、従来御説明申し上げているとおりでございます。 もちろん、最初の理事長の任命に当たりましても、他の法人と同様の規定ということで御説明をいたしましたけれども、違います点は、放送大学学園が大学を設置する主体であるという点でほかの一般の特殊法人と著しく異なっているわけでございまして、当然に、大学の設置主体ということを念頭に置きまして、それに適した人材を任命されることになろうかと思います。その点はほかの特殊法人とは異なる点がある、かように考えております。
○中西(績)委員 大学の設置主体であるということで他の法人とは別個に考えなくてはならぬということも含めて、八条で理事の常勤が四人以内で非常勤が三人以内ということになっていますが、この理事長と理事との関係は、理事長を頂点にしてピラミッド型に構成をしておるわけですね。少なくとも理事会がなくてはならぬし、そしてその理事会は合議体であるべきであるわけですね。ところが、そういうものは全然ないわけです。何もそこには明記されておらないし、不明確であります。ですから、そういうことからいたしますと、理事長の権限、権能は非常に強い、こういう状況になっておるゆえに、この理事長の資格要件だとか手続要件を、大学設置主体であるために明らかにしなければならぬということを私は言っておるわけです。 そこで、理事会は合議体であるべきだけれども、この点はどうなっておるのか。そしてさらに、その理事の中に教官の理事が入れるのか、もし入るとするなら何名か。
○宮地政府委員 学園の役員の組織といたしましては、お話のとおり理事長及び理事がそれぞれ置かれておるわけでございます。理事につきましては、もちろん、学園の機関といたしまして理事長を補佐して学園の業務を掌理するというような職務内容になるわけでございまして、教学の代表者として学長は当然に理事の構成メンバーの一人になるという規定を置いてございます。そのほか、業務についてはそれぞれ常勤の理事が分担をして職務を執行することになるわけでございます。 理事会の規定を特に設けていないという点についてのお話でございますが、事柄を処理するに理事会というような会議体を設けて事実上処理することは十分考えられるわけでございますけれども、ただいま申しましたように、学長を理事の一名として、当然、職責上学長は理事になるという規定にいたしておるわけでございます。そういたしますと、学長の職務遂行について合議制の理事会の議によらしめることにすると、かえって大学の自主的活動を制約することになるおそれもあるというような観点も考慮いたしまして、法律上の規定として合議制の理事会は設けていないということでございます。もちろん、職務執行に当たりまして担当の理事がそれぞれ理事長のもとで合議をして、関係者の意見が一致したところで全体を遂行していく、一般的な事柄は当然予想されるわけでございますが、法律上の規定として設けなかった点は、そういう点を配慮したということでございます。もちろん、教学担当としては当然に学長がその最高責任者でございまして、その学長が理事として入っておるということで、常勤理事についてはその職務を分担して執行していただくことにいたしております。
○中西(績)委員 私は、理事長が何でもできるという体制はいけないと言っているわけですよ。これでは何でもできるようになっているでしょう、合議体ではないわけですから。理事の権限、権能というのは、そこにありますように「理事長を補佐して学園の業務を掌理し、」、こういうかっこうですから、完全にピラミッド型になっていて、理事長はきわめて権限が強くなっておる、ですから、やはり合議体にすべきだと言っているわけです。合議体にしたから今度は教学部門を圧殺する、こういうことはさらさらあってはならぬわけですから、この点を言うということになると、まさに理事長が一人で何でもできて、この教学部門をうんと圧縮をするということだってできるわけですよ。これは大変なことですよ。この点はちょっと許せませんね。 それからもう一つは、教官理事が何名入るかということにつきまして、いま言っておられるのは学長一人だということになっていますね、そうなってまいりますと、たとえば学長を理事長が兼ねた場合には、教学部門からはいないのと全く同じことになってしまうのです。ですから、この点でやはり民主的な構成にはなっておらない、こういうことが指摘できると思います。 それから次に、十八条二項に、運営審議会委員は二十人以内ということがありますが、これもやはり同じように文部大臣の指名になっています。これは理事長の諮問機関ですね、ということになれば、学識経験者などを加えることになっておりますけれども、少なくともこういうものの中には、教学部門からの推薦者、たとえば教授会の推薦権が必要ではないかと思うのです。こういう点についてはどうでしょう。
○宮地政府委員 運営審議会の構成についてのお尋ねでございますが、運営審議会を置きました設置目的から考えましても、できる限り広く各界から意見を反映させることが必要であろうかと考えております。 具体的な構成については、私ども念頭に置いて考えておりますのは、たとえば大学の関係者でございますとか、放送教育関係の学識経験者、放送事業の関係者、あるいはさらに社会教育関係者、その他学識関係者等を、広く関係各方面から適任者を得たいというぐあいに考えておるわけでございます。
○中西(績)委員 ちょっと、質問に答えてください、時間がありませんからね。 教授会に推薦権を持たせてこの運営審議会の委員になれるようにすべきではないか、こう言っているわけです。そのほか、学識経験者で国公私立大学の代表者だとかいろいろあるでしょう、そういう者を入れるべきではないか。いま言った中には全然ありませんからね。この点どうですか。ないならない、あるならあると……。
○宮地政府委員 「運営審議会は、理事長の諮問に応じ、学園の業務の運営に関する重要事項について審議をする。」という規定になっておりまして、大学そのものの運営ではございませんので、考え方としては、教授会の推薦する教官を入れるという考え方はとっていないという考え方でございます。
○中西(績)委員 これはもう大変なものだということを私たちは言っているわけです。さっきから言っている放送法の関係からいたしましても、いろいろ指摘をいたしましたが、そういう中である程度民主的なものが保てるということを盛んに言っておりますけれども、いま言うように、学園側の中に教学部門はできるだけ排除をするという理念、この点について確認をしたいと思うのです。
○宮地政府委員 先生御指摘のような教学部門を排除するというような考え方でこの構成を考えるべきものではない、かように考えております。ただ、学園の業務全体について御意見をいただくための運営審議会であるということで、先ほど申し上げたような委員の構成というものが考えられるということを御説明したわけでございます。
○中西(績)委員 言い回しでごまかしてはいけません。私が言っておるのは、少なくとも学園業務であろうとなかろうと、この学園に関して教学部門からそういう意見の開陳できる者をむしろ必ず入れるべきではないか。いま私立大学なんかで非常に問題のあるところでは、これを全部排除したり何かしているところに問題が全部出ているわけですね。このことをお気づきですか。そういうことを考えあわせていきますと、この点からいたしましても、いろいろあなたは、大学学園として、特殊法人として一つの性格を持ち、そして大学としての性格を持つということを言っておるわけでありますから、その場合に、運営審議会の中に教授会に推薦権を与えるということはないということをいま言っているわけですね。その点もう一遍確認します。はっきりしてください。
○宮地政府委員 この運営審議会についての基本的な考え方といたしましては、この放送大学学園自体の業務につきまして、学園外部の関係者の御意見を十分反映させるというところに本来のねらいといいますか趣旨があるわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたような構成というものが考えられるということで御説明をいたしたわけでございます。
○中西(績)委員 ですから、外部の者も必要でしょうけれども、さっきから私が指摘をしておるように、たとえば理事の中には学長一名だと言うのでしょう、そして今度は、運営審議会の中にも教学部門は入り得ない、こういうことを言っているわけですね、ですから、外部であろうとなかろうと、私は少なくとも、教授会の推薦権を持ち得る者がその中に入るべきではないかという意見を持っているから、それは排除するのですか、こう聞いているわけです。ですから端的に、いや、それは排除するのです、こうおっしゃってくれればいいのです。どうですか。
○宮地政府委員 先ほど御答弁申し上げたとおりでございまして、この規定の本来の趣旨としては、外部の御意見を学園の業務の運営に参考にするというために置かれているという点から申しますと、学園外部の方々を構成のメンバーとして考えるというのが本来のねらいでございます。しかしながら、学園内部の方々を排除するという考え方であるということでは必ずしもございません。
○中西(績)委員 排除するということではないと言うから、それでは今度は、大変な問題を後に残すことになるわけですよ。外部ということが先行し、そのことによって、いま言っていることが規定づけられているわけです。しかし、内部の人も入れぬわけではない、こう言っているわけですね。そうなりますと、ちょっと聞きますけれども、二十一条の二の今度はいよいよ教学部門ですが、ここの学長の権限等についてお聞きしたいと思いますけれども、この点は評議会とのかかわりがありますが、「理事長の申出に基づいて、文部大臣が任命する。」、そしてこのことは、さっき、普通大学の場合と全く同じだという言い方をしておりますけれども、この点、学長の場合には、教授会なり何なりで明確に決定づけられるという中身になっておるのかどうか。そうしなければ理事長は学長のすべての首根っこを押さえるわけでありますから、この点がどうなっておるのか、これが一つ。 それから、二十一条の五の教員の場合でありますけれども、教員の場合には、教授会は学校教育法五十九条、これを適用されるのかどうか、この点お聞かせください。
○宮地政府委員 第二十一条にそれぞれ関係の規定を設けてあるわけでございまして、「学長は、理事長の申出に基づいて、文部大臣が任命する。」、こういうわけでございますが、その申し出に当たっては「評議会の議に基づいて行う」ということになるわけでございます。したがって「評議会の議に基づく」ということは、規定としてはきわめて強い拘束力があるというぐあいに考えております。教員についても「学長の申出に基づいて、理事長が任命する。」わけですが、その申し出に当たっては「評議会の議に基づいて行われる」というふうにこの学園法案では規定をいたしておるわけであります。
○中西(績)委員 そうしますと、教授会というものは、学校教育法五十九条を適用されるかどうかについてお答えありませんが……。
○宮地政府委員 この放送大学におきましては、考え方といたしましては、従来御説明もいたしておるわけでございますが、教員組織が大変複雑であるということ、そういうような事柄に対応いたしまして評議会を置くということにいたしておるわけでございます。 放送大学におきましても、学校教育法五十九条の規定に基づきまして放送大学の重要事項を審議するため教授会が置かれるということは、これは法律上当然にそういう形になるということになろうかと思います。 さらに、その具体的な構成、審議方法、運営方法、そういう事柄につきましては、一般の大学の場合と同様に、この放送大学自体の自主的な御判断によるというぐあいに考えております。 したがって、評議会と教授会との関係につきましては、学長が評議会に諮問すべき事項と申しますか、この法律により評議会の権限に属させられた事項につきましても、教授会において審議を行うことはあり得るというぐあいに考えております。 ただ、それらにつきまして評議会と教授会との構成がおのずから違うわけでございますから、したがって、そこに審議の観点といいますかそういうものに差が出てくるかと思います。学長におきましては、それらの結論を十分検討して適切な判断を行うということになろうかと思います。
○中西(績)委員 そうしますと、いま評議会が出てまいりましたが、この評議会というのは、いままで学校教育法では法文上規定はされておりませんね。どうですか。
○宮地政府委員 学校教育法に規定はされておりません。
○中西(績)委員 そうしますと、新設ということになりますけれども、いま言われたようないろいろな理由、複雑だとかなんとかいうことを言いましたけれども、教授会というものは機能せずに、それにかわるものが評議会ということで理解をしてよろしいですか。
○宮地政府委員 先ほど申し上げましたような理由で評議会を法律上規定いたしておるわけでございまして、評議会につきましては、たとえば「学長、副学長及び教員の任免の基準、」でございますとか「任期、停年その他人事の基準に関する事項は、評議会の議に基づいて、学長が定める。」ということでございますので、評議会にかけられる事項というぐあいになるわけでございます。
○中西(績)委員 私が聞いておるのは、教授会というものは学校教育法に規定をされておるわけですね、ところが、評議会というのは規定をされておりません。ですから、今回の場合に、このようにして新たに学校教育法に基づく大学だということであるにもかかわらず、評議会というものが別個にこうして新設をされておるということになるわけです。ということになれば、先ほどから教授会は学校教育法の五十九条を適用されるのかということに対してまだ答弁がありませんけれども、私は、いま言うように、評議会というのが教授会に取ってかわるようなことをするのですか、こう聞いているのです。
○宮地政府委員 教授会は、先生御指摘のとおり学校教育法五十九条に職務が規定されているわけでございます。ただ、評議会につきましてはこの法律によりまして評議会の規定を起こしまして、評議会に属させられる権限というものは、この法律に規定をいたしているわけでございます。
○中西(績)委員 そうなりますと、教授会というのはちゃんと認め、しかも、それはちゃんと機能させるということですね、確認しますけれども。
○宮地政府委員 教授会の機能につきましては、この放送大学自体でお考えになりまして、先ほど御説明申しましたような運営は大学自体で御判断になられることであろうかと考えております。
○中西(績)委員 私が聞いておるのは、わざわざ教授会というのを、学校教育法の五十九条にちゃんと規定までされているでしょう、だから、これは学校自体でどうだこうだというのじゃないのです。われわれがここで、立法府で論議をしてちゃんと確認をされてやられておることですよ。それを学校自体の中でするかせぬかは決めろ、これはおかしいじゃないですか。
○宮地政府委員 先ほど御答弁申し上げましたとおり、放送大学におきましても、学校教育法五十九条の規定に基づきまして放送大学の重要事項を審議するため教授会を置かれるということは言うまでもないことでございます。
○中西(績)委員 そうなりますと、評議会というのは屋上屋を重ねるようになる。さっき言われましたけれども、「人事の基準に関する事項は、評議会の議に基づいて、学長が定める。」、こうなっていますね、ところが、これは学長の諮問機関として個々に一応聞くということでしょう、ですから、この点、評議会と教授会という二本立てでいくということになるわけですね。なぜそうしなければならぬのか。ただ複雑だからということで、そういうことであってよろしいのですか。
○宮地政府委員 評議会の規定を設けました理由としましては、先ほど御説明したとおりでございまして、事柄としては、評議会にかけるべき事項については、この法律に規定をしているわけでございます。なお「議に基づいて行う」という事柄そのものは、通常の意味の諮問というような形とは全く性格が違うと私どもは理解をしておりまして、「議に基づく」という事柄についての拘束力はきわめて強いというぐあいに理解をいたしております。
○中西(績)委員 そうしますと、学長の諮問機関でなくてこれは議決機関的な性格を持つということが確認できますか。
○宮地政府委員 私どもとしては、そのように理解をいたしております。
○中西(績)委員 評議会は、ここに書いてありますように、法律的にはあくまでも諮問機関になっていますね。それだとこれはちょっとおかしいですね。諮問機関であるのに、議決機関でございます、こう言っているわけですから。ということになると、私は評議会の性格が大変問題になると思いますね。
○宮地政府委員 あるいは私の御説明が十分でなかったために、そういう誤解を与えたとすれば大変恐縮でございますが、評議会の法律上の性格としては、先生おっしゃるように諮問機関でございますけれども、事柄の運用といたしましてはその「議に基づいて行う」、この「議に基づいて行う」ということについては、それはきわめて拘束力の強い規定であると私ども理解をしているというぐあいに御説明申したわけでございます。
○中西(績)委員 学校教育法五十九条、これが適用されるというわけですから、教授会が五十九条適用になれば、これは議決機関なんです。先ほど言っておることからしますと、学長の諮問機関だけれども、評議会の議に基づく非常に拘束力の強いものだということになると二本立てになる、こういうように理解をしてよろしいですか。そうなるときにはどっちを優先するのですか。
○宮地政府委員 端的に申し上げますと、おっしゃるように評議会と教授会が同一の事項について審議をする場合もあり得るわけでございまして、その点は学長がそれぞれの結論を十分検討いたしまして、適切な判断をするというぐあいに先ほど御説明申し上げたわけでございますが、この法律によりまして評議会の権限に属させられた事項につきましては、評議会の判断が優先することになるというぐあいに私どもは考えております。
○中西(績)委員 それじゃ、正式に五十九条を適用されて、議決機関としてある教授会よりも今度は法的に学長の諮問機関として位置づけられておる評議会の方が優先するということになると、これはどう読んだらいいのですか。法文上そういうことが許されるのですか。
○宮地政府委員 先生の御質問の中で教授会が議決機関というような御指摘であったかと思うのでございますけれども、学校教育法五十九条の規定に基づきまして、教授会が所掌する事柄はそれぞれ規定されているわけでございますが、私ども重要事項について審議をするというぐあいに理解をいたしておるわけでございます。
○中西(績)委員 いま言う五十九条は「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない。」、そして「教授会の組織には、助教授その他の職員を加えることができる。」というところまで、その構成まで含めて重要な事項というものは、大学の運営のすべて基本的なものは全部入るわけですよ。それを審議するための教授会をそこには必置しなければならぬということになっているわけですからね。ですから私は、これが一番先行すべきであって、諮問機関が先行するということはとうてい考えられませんね。
○宮地政府委員 教授会の規定は、先生御指摘のとおり学校教育法五十九条に根拠がありまして、「重要な事項を審議する」ということに規定をされておるわけでございますが、具体的な審議の事項がどうなるかということは、各大学等でそれぞれ規定をされることになろうかと思いますけれども、通常、たとえば講座、学科目等の設置、廃止と学部の組織に関する事項でございますとか、あるいは教育課程の編成に関すること、学生の入学、退学、試験、卒業に関することでございますとか、あるいは教育公務員特例法による権限に属する事項というような事柄が教授会で審議する事項であろうかと思います。この法律によりまして評議会の権限に属させられた事項につきましては、先ほど御説明申しましたように、この法律に規定をした評議会の判断に従うということになるわけでございます。
○中西(績)委員 いずれにいたしましても、幾ら詭弁を弄しても、教授会というのは五十九条に明確に規定されているわけです。ところが、いま言う評議会というのは明定したところがないわけですよ。いわゆる議決機関としてのあれじゃないわけですからね。学長の諮問機関としてあるものが先行するということはどうしても許されぬ。 ここに私は、さっきからずっと言っておるように、この放送大学学園というものは、運営審議会あるいは理事会に教学部門が入れぬという具体的な指摘がいままでの討論の中でできると思うのです。そしてさらに、今度は教学部門における学長の権限が強まるというのは、いま私が言ったように、評議会を先行させて、これで何でも決めていく、こういう体制があれば、教授会はここでは完全にネグレクトされているんですね。こういう状況だからこそ、この放送大学学園というものは、さっき言ったように放送法を優先するということ、学園設置者、そして放送局を持つ者がどんどん優先されるという事態が、この中にちゃんと書かれてあるじゃないですか。違いますか。これはもうはっきりしておるのです。教学部門がそういうふうに明定されない場合、あるいは弱められた場合には、どこでも問題が起こっておるでしょう。私立大学でも同じじゃないですか。この前から大変問題になった国士舘なんかの場合にはどうですか。教学部門が弱いから、絶えずそういう条件があるということを意味しているのです。これはもう如実にそのことをあらわしている。いままで討論してきた過程の中で、いかに田中電波監理局長なり富田放送部長が言っても、最終的にはその中で運営が行われるわけですからね。そしてその内容は、決して放送法が先行しない、少なくともそこには学問の自由なり大学の自治が守られるということを言っていますけれども、すべての面から推しはかってもそうは思えない。第一、運営組織がそうなっていない。ということになってくれば当然じゃないですか。これ一点で大体確定ですね。 この点はどうですか。そういうことは絶対あり得ないですか。法に明記されているものよりも明記されないものが先行する、優先されることになったときに、ここで私たちがこのことを論議する価値なり何なりが問われますよ。国会における審議なり何なりを軽視することです。そういうふうに理解してよろしいですか。
○宮地政府委員 放送大学におきます大学の自治の確保につきましては、私どもとしても、特殊法人の放送大学学園が大学を設置するという観点に立ちまして、従来の国立大学についての教官にかかわる教育公務員特例法の規定の例でございますとか、あるいは私立学校法の規定の例、それらについて十分検討を加えまして、特殊法人の放送大学学園が設置する大学の自治、つまり学長、教官等の人事というものについての規定については、先ほど来御説明しておりますように、この放送大学学園法案におきまして、その大学の自治を確保するための規定をそれぞれ設けているわけでございます。したがいまして、その点は従来御説明いたしておりますように、これらの規定によりまして、私どもとしては、大学の自治を確保するための法律上の規定としては十分確保をいたしておると考えております。 ただ、大学自体の運営にわたる事柄につきましては、大学自体の自主的な判断にまつべき分もあることもまた御説明を申し上げているわけでございます。
○中西(績)委員 私は、もう断じて許すことができません。法に明定されている法律事項よりも法に明定されない諮問機関、これが先行する、優先するという認識は、これは法の軽視だから断固許すことはできませんよ。これを改めぬ限りちょっと私、論議できないと思うのです。
○三ツ林委員長 嶋崎君。
○嶋崎委員 関連して。 大学局長、そうすると、学校教育法でいう教授会は存在するという前提ですね。
○宮地政府委員 さようでございます。
○嶋崎委員 評議会を法律事項として今度の法律は起こしたわけでございますね、つまり、二つの法律事項として、学校教育法上の教授会と同時に評議会というものを新たに法律事項として起こしたわけですね。これは一つの学部ですよ。二つか三つ学部のある場合には評議会というのは調整機能ということもありますよ。ここはもう一つの学部みたいなものですわ、三コースあるけれども。同じ学部の中にいわば評議会と教授会があるのと事実上は同じことですよ。 では、この二つの法律的な事項として規定された教授会と評議会はどんな関係になるのですか。人事は上で決めて、この法律によれば重要な人事問題その他についてはみんな評議会でやるんですね。では、教授会は何を決めるのですか。教授会は人事権はないのですか、どうですか。
○宮地政府委員 評議会につきましては、二十三条四項で「学長の諮問に応じ、放送大学の運営に関する重要事項について審議し、及びこの法律の規定によりその権限に属させられた事項を行う。」という規定になっているわけでございます。したがいまして、それぞれこの法律の規定の中で、たとえば「教員は、学長の申出に基づいて、理事長が任命する。」わけでございますが、その任命に当たっての申し出というのは「評議会の議に基づく」ということが、法律の規定として置かれているわけでございます。したがいまして、その規定そのものは評議会の権限に属させられた事項でございますので、そのことについて申しますと、先ほど評議会の権限に属させられた事項については評議会の判断が優先をするというぐあいに御説明を申し上げたわけでございます。
○嶋崎委員 では、教授会もあって、評議会もあって、そして学長に教官の後任だとか昇任だとかというものについての権限がありますが、これは評議会の議に基づくのですね。そうすると、教授会と評議会という二つの法律事項で起こした機関が、評議会がすべて優先するという解釈ですね、そうですね。
○宮地政府委員 この放送大学学園について、この法律の規定を設けまして放送大学の組織について規定をいたしておるわけでございますので、法律に規定をいたしております事柄につきましては、この規定に基づいて行われる、したがって、お尋ねの優先するのかという点で申せば、そういうことになろうかと思います。
○嶋崎委員 後は残しておきますね、中西さん。——評議会で決めている重要事項の中身と学校教育法で言う教授会の中身とオーバーラップするんですよ。同じ権限の人事権だとか幾つかの問題でもオーバーラップする。そのオーバーラップするうちの教授会で決めないで評議会で物事を決めていくという方式をこの学園はとるんですね。これは学校教育法上の大学ではありません。
○中西(績)委員 だから、いままでずっと言っているのは、学校教育法上における大学であるかどうかということと、学校教育法というものを素直に読んでいった場合に、教員というものを、いわゆる教授会というものをぴしゃっと明定されておるものを、片っ方ははっきりしておるんですよ、「学長の諮問に応じて」云々とね、ただ、あなたが言っておるのは、二十二条の「人事の規定に関する事項は、評議会の議に基づく」、こういう言い方になっているだけであって、こういう点からいたしますと、どうしてもこの中身は私は納得することはできませんし、このことは、さっきからずいぶん追及しているけれども、教授会なり何なりを完全に重ねてしまって、そしてこれを抹殺するという形のものしかあなたの答弁の中じゃ出てこない。だから、これでは絶対私たちは納得できぬですね。これはむちゃくちゃですよ。
○宮地政府委員 教授会と評議会の関係についてのお尋ねでございまして、その点は先ほど来答弁申し上げているとおりでございますけれども、ちょっと補足的に御説明させていただきますと、国立大学の場合につきましても、教育公務員特例法の規定によりまして教授会とは別個に評議会が置かれて、学長の選考、人事の基準というような事柄等につきましては評議会がその権限に属させられた事項といたしまして処理をするということは、教育公務員特例法の規定からはそういう規定がかぶさってきているというのは、国立大学の場合についても同様の規定の関係はあるということを補足させていただきます。
○中西(績)委員 いずれにしましても、これは決して納得できる中身ではありません。したがって、いま言っていることだって問題があるが、これを論議していたのでは時間がオーバーしてしまうのです。ですから、この点については残して、私はこれはもう一遍徹底した論議をしたいと思うのです。この点については問題があるということと、それからもう一つは、法制上大変な問題を残しているから、委員長、この点を明らかにするために、この問題だけ保留にさせてください。
○三ツ林委員長 理事会で相談いたします。
○中西(績)委員 それじゃ時間がありませんから、あと教育基本法とのかかわりだとかいろいろ申し上げたいと思いましたけれども、できませんので飛ばします。 既存の大学におきまして大学教育を受けられなかった者、たとえば勤労青年だとか主婦だとかこういう皆さん、あるいは職業人、こういう人たちの再教育だとか何とかで高度な教育をということで、学校教育法上の正規の大学ということでもってこの放送大学ということをいま考えたわけでありますけれども、ところが、この前から問題になっておりますように、これが問題になってから約十年間、五十四条の夜間部あるいは通信あるいは公開講座、これらは全部、財政なり何なりあるいは予算からいたしましても非常にわずかなものであります。これは私、全部調べておりますから、ここで申し上げたいのですけれども、時間がありませんので、簡単に申しますが、たとえば夜間の場合には、国立十二校に対して学生一人当たりの積算があるだけで、全くこれには予算的な措置がされてない。あるいは公開議座につきましても、平均が八・三八日、そして講座数が千百八十一講座になっておりますけれども、その予算は五十四年度で一億五千万円、これでは全然問題になりません。こういうような状況でありますだけに、こういう大変重要な面を残しておりまして、結果的にはどうなっているかというと、私、考えますのに、こういう面の強化がいま非常に重要ではないかと思うのです。 と同時に、もう一つは、一九七〇年七月の調査にいたしましても、本当に放送大学を利用する者を考えてみますと、卒業資格を希望する者はわずか五%、さらにまた七九年度、昭和で言うと五十四年度のテレビ大学講座の調査結果などをずっと調べてみましても、やはり卒業資格を希望する人は非常に少ないわけですね。 そういうことからいたしますと、いま求められておるのは、国民大衆は教養あるいは専門実務の向上に役立つ高度の社会教育機関というものを求めておるのが実態ではないかと思います。したがって、そういう意味で、この点をもう一度十分検討し直す用意があるのかどうか、この点について大臣、お答えください。
○田中(龍)国務大臣 ただいま御指摘の通信教育その他教養講座等の問題でございますが、当省といたしましても、いろいろと調査をいたしてまいっておりますが、われわれの理想といたしますところは、あくまでも開かれた大学という意味におきまして、特に生涯教育ということを重視いたします上から申しましても、この問題はぜひともやらなければならない問題だと考えております。 いまお話のような調査の結果につきまして、われわれの方の考え方ともいささか違った計数のように存じますので、また調査いたしましてお答えいたします。
○中西(績)委員 開かれた大学というごまかしをしてはいけませんね。私が一時間半にわたって最初からずっと指摘をしてまいりましたのは、民主的にあるべきものが民主的でなかったら開かれた大学になりません。きわめて狭められた、拘束されたものの中の大学しかないのです。ですから、開かれた大学という物の言い方は、その中身を検討してから言ってください。先ほど指摘をしたようなことが、私たちが納得いくような条件が整備されたときに、初めて開かれた大学になり得るのです。この点で全くこれは開かれていないということを私は指摘をしたいと思います。 それから、最後になりましたけれども、大変残念ですが、時間が参りましたので、労働省においでいただいておりますので一つだけ……。 教育有給休暇の問題でありますけれども、七九年、昭和五十四年度のテレビ大学講座アンケート調査結果など、これは文部省の方から出された資料でありますけれども、これをずっと見ますと、ほとんどがやはり時間がなかったというのが、利用することのできなかった理由の中に挙げられているわけですね。これは正確に出ておりますが、こういうことからいたしまして、いま大臣が言うように開かれた大学にするということであれば、口だけでなくて、それを裏づけするためには、どうしてもこの有給休暇制度なり何なりを側面的に並行的に進めていかないと、これはちっとも開かれた大学になり得ないということが立証されているわけですね。皆さんがとられた資料でそうでしょう。 この前の答弁では、わりあいに積極的に前向きにやるということでありました。相当長期にわたって検討しておるはずなんだけれども、労働省の方は、この前の答弁では、文部省とこの点について、放送大学とのかかわりの中での論議はしていないようでしたが、この点どうですか。これからやるのですか、それともこの前の答弁があった後に何か開始しましたか。
○野崎説明員 有給教育訓練休暇につきましては、御承知のとおり労働省は、昭和五十年度から有給教育訓練休暇奨励給付金制度というのを設けまして、その普及に努めているわけでございます。 お尋ねの、この放送大学との関係で文部省と話をしたかという点でございますが、先般、九月の初めでございましたけれども、労働省と文部省の局長レベルで、生涯教育、生涯訓練の問題、あるいは身体障害者の問題等を話し合いました際に、文部省の側から、放送大学との関係で有給教育休暇制度について非常に関心をお持ちになっておるというお話を伺いました。私どもとしても、この制度は生涯教育、生涯訓練との関係で非常に重要であると思っておりますので、ぜひさらに伸ばしていく方向で検討したいということで、現在、審議会に検討をお願いしているという状況を御説明申し上げたところでございます。
○中西(績)委員 その審議会の結論はいつごろになるのですか。
○野崎説明員 現在、非常に集中的に御検討していただいておりまして、一部分については年内にも結論をいただきたい、さらに全体的には年度内に結論をいただきたい、そういうことで審議を願っております。
○中西(績)委員 それでは、文部省に聞きますけれども、先ほど私が指摘をしましたように、ほとんどの者が面接なり通信なりいろいろな面でできなかった理由の中に、時間がなかったということを言っているわけですから、この点で積極的に労働省と打ち合わせをし、そしていま諮問されておるようでありますから、資金援助ということだけでなしに、早急にそういう制度的なものを考えていくべきではないかと思うのですが、この点についてはどうでしょう。
○宮地政府委員 教育機会のために先生御指摘のような有給休暇という事柄自体は、文部省としては非常に望ましい事柄であるというぐあいに考えております。ただ、事柄自体、非常に全体的にかかわる問題でございますので、関係各省とも十分御相談はさせていただきたい、かように考えております。
○中西(績)委員 時間が来ましたので終わることにしますけれども、先ほど私、何回か指摘をいたしましたように、この一時間半の論議の中で明らかになりましたのは、依然として運営組織そのものの大変非民主的な部分が明確に浮き彫りされたのではないかと思います。そういうことからいたしますと、この放送大学そのものの放送法とのかかわりから申しますと、このことが大変暗い影を投げるのではないかということを感じるわけであります。 したがって、そういう点等からいたしましても、まだまだ論議する余地があると思いますので、この点はまた後日に論議を延ばしまして、そこで指摘をし、さらに明快な回答を得ていきたいと思っています。終わります。
○三ツ林委員長 午後一時に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時五分休憩 ————◇————— 午後一時六分開議
○三ツ林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。鍛治清君。
○鍛治委員 私は、与えられた時間、放送大学法案について質疑をさせていただきますが、いままで四十時間以上にわたっていろいろと質疑が交わされまして、問題点につきましては、各議員から二度も三度も御指摘があったようでありますし、ほとんど問題は論議が尽くされてきたような気がいたしますので、私は、ちょっと角度を変えまして、法案の賛否を最終的に決めるについては、どうしてもやはり問題点だけではなくていい点もあるだろう、この放送大学が発足して、いろいろと日本の教育界に与える影響やその他いろいろな点でメリットというものを考えてこの法案も提出されているというふうにも思いますので、最終態度をはっきりさせる意味において、私が時間の許す限りこの大学のいろいろなメリットの方をお聞きする中で、今日、大学教育その他日本の教育の中で改革しなければならない、もしこういうことに貢献する方向があるならば、そういった問題等もお聞かせを願いながら質問してみたい、こういうふうに思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 大体主として答弁は大学局長の方でおやりいただけばいいと思いますが、必要があれば大臣にもそのときお尋ねいたします。一時間半ございますが、後半は有島委員の方で関連質問がございますので、交代をして質問させていただきますのでよろしくお願いいたします。 昨年の五月九日に、飯島、石村、塩野、清水という大学の諸先生方に参考人として文教委員会においでをいただいていろいろ御意見も承り、また質疑も交わしたわけでございますけれども、そのときに飯島、塩野、それから清水の各先生方の御発言の中で、実は次のような意味のことがございました。というのは、この放送大学について論及される中で、古典的大学という言葉が実は出てきたわけです。古典的大学の可能性というものには限度がある、また古典的大学のイメージでこの放送大学を見ることは大変危険であろう、こういうふうな趣旨の発言があったわけでございますが、この古典的大学の限度とかイメージ、こういったものについてどういう内容を指しているのか、文部省サイドで判断がつきますならば、まず、その点についてお答えを願いたいと思います。
○宮地政府委員 先生御指摘のとおり、この放送大学のあり方につきまして、従来の既存の大学との対比においてこの放送大学の持つ意味合いというものが指摘をされているわけでございます。この放送大学そのものは、従来も御説明いたしておりますように、学校教育法上の大学として位置づけて、正規の大学として設置をお願いしているわけでございますけれども、ただ考え方としては、ただいま先生御指摘のような従来の一般大学とは大変異なる新しい大学として、私どもとしても、国民全体に開かれた大学という形で運営その他もぜひ考えていきたいということで従来から御説明もいたしております。 そういう意味合いにおきまして、まず放送大学というのは、私どもとしては、既存の国公私立の各大学の非常に幅広い御協力もいただかなければならないと考えておるわけでございまして、そういう幅広い協力をいただいて、正規の大学として国民に高いレベルの教育の機会を提供しようという意味で開かれた大学というぐあいに私ども考えているわけでございます。 今日、高等学校を卒業する者が大学に進学をするわけでございますけれども、単にそういう高等学校卒業者だけではございませんで、社会人や家庭婦人等にも、生涯の任意の期間と申しますか、本人の望む時期に大学教育の機会を提供する、そういう意味では、対象とするところを大変幅広く考えているという点がまず言えるかと思います。また同時に、既存の従来の大学との教員の交流でございますとか、あるいは学生の編入学とか単位の互換の問題、さらに放送大学で新しく研究開発されました教材を他の大学等が活用していくというようなことを通じまして、大学同士の交流を促進するということも必要であろうかと思っております。 何と申しますか、従来の大学が、その大学自体の一つのからにこもるといいますか、そういうことがとかく指摘をされてきたわけでございますけれども、そういう点では、この放送大学というのは、積極的に大学間の交流に寄与するというような点でも大変意味があると考えておるわけでございます。 そういう新しい大学として、私どもとしては、ぜひともこれを成功させるように持っていきたいと考えておるわけでございます。
○鍛治委員 私は、古典的な大学という表現をなさっている意味といいますか、それをお伺いしたわけですが、ということは、たとえば、いま大学間の交流、これは人事の交流になるのだろうと思いますが、それをおっしゃったということは、裏を返せば、いま大学間にはそういう先生方の交流がなかなかむずかしくて、教育という内容にわたっていろいろ考えるときに、非常に停滞しているといいますか、斬新的な感じがなくなっているという表現が当たりますかどうかわかりませんが、そういう形のものがある。そういうものが一つの例として古典的というふうな形で表現されておるという考え方でいいのでしょうか。そのほかに、いろいろ文部省の方で御判断していることがあれば、一応お聞かせを願えればということでございますので、再度お尋ねいたします。
○宮地政府委員 具体的に参考人のおっしゃいました点で申し上げますと、大学というのは教育と研究とが必要でございますが、従来の大学が教育と研究を中心にして大変少数の、かつてのエリートを中心といたしました大学というような形で従来の古典的な大学という言葉を言われているようでございます。 〔委員長退席、谷川委員長代理着席〕 そういう観点からいたしますと、この大学が国民全体に開かれた大学ということで、かつ、そういう少数のエリートのというような感覚のものでないということは、従来御説明申し上げているとおりでございます。
○鍛治委員 では、この放送大学ができたといたしまして、メリットと申しますか、どうも繰り返して申し上げるようでありますけれども、全く新しい大学でございますから、放送大学ができることによって日本の教育がどう変わっていくのか、大学の教育について改革しなければならない点がずいぶんあるというふうに私自身も判断は持っているわけですが、放送大学という新しい形のものができることによって変わり得るのだろうかということは、やはり非常な関心があるところでございますし、全体的に見て日本の教育というものが大いに前進するという立場でとらえられるのならば、これは新しいものですが、いろいろ試行錯誤があっても、思い切って勇気を持ってやる必要があるだろうという判断も最終的にはできるかと思うのですが、そういう意味を含めて、この放送大学をやるについてどういうメリットがあるか、いままでも議論なされてきましたし、わが党の池田克也議員が昨年お尋ねしたこともございますが、改めて総括的にどういうものがあるか、ささいなことでも結構ですから、文部省でお考えのことをお答えいただきたいと思います。
○宮地政府委員 御案内のとおり、放送大学はラジオ、テレビによります放送を大幅に活用することによりまして、国民各層の大変広範な教育需要というものにこたえていく、そういう意味で、新しい形の大学教育の機会を国民に広く提供することになるわけでございます。その点は、たとえば地域的なあるいは時間的な年齢的ないろんな制約を超えまして、高等教育の機会均等の推進という点では大変画期的なものになろうというぐあいに、私どもも、積極的にこの放送大学を進めていく一つの基本的な観点としておるところでございます。 そしてまた、従来からも御説明を申し上げている点でございますが、放送大学というのは大学における教育として行うわけでございますが、放送というメディアを使うことによりまして、放送大学の学生だけではなくて広く国民全般に大学教育そのものが公開をされているということによりまして、限られました電波が教育という、内容的には学術、文化という領域も含むわけでございますけれども、そういう面で電波が公共的に、国民の教育的機能に果たす役割りというものは大変大きいというぐあいに期待をいたしておるわけでございます。 さらに、具体的に大学教育自体の改善という観点で申し上げますと、先ほども申し上げたわけでございますけれども、国公私立大学の教員の皆さん方に御協力をいただいて、また教育工学の成果というものも活用して教材の作成等に当たりますし、授業内容の充実、授業方法の改善ということも図っていくわけでございます。そして、その授業が放送でございますとかあるいはビデオテープ、録音テープということを通じまして公開されることになるわけでございまして、このことが、ひいてはまた従来の既設の大学の教育の改善を促進する一つのきっかけになっていくということも言えようかと思います。 次に、放送大学においてはほかの大学との間における単位互換といいますか、そういう点を積極的に取り入れていくことについては、従来質疑に応じて御答弁を申し上げているわけでございますが、単位互換の問題については、もちろん一般大学においても、そういう仕組みそのものは現在取り入れられておるわけでございます。しかしながら、実際に単位互換を積極的に取り組んでいくという点では、新しく置かれます放送大学においては、従来申し上げておりますように、体育の実技の単位等についても、たとえば地域の社会教育で行われます体育の実技というものを、教育委員会等との協議におきまして、大学の単位として認定することを考えていくというようなところまで考えられるわけでございます。 さらに、外国語教育等におきまして、専修学校における学習の中身を評価できないかという点についてもお尋ねがございましたが、それらについては学校制度上異なる仕組みでございますので、検討を要する課題はいろいろあるわけでございます。しかし、御指摘のありました点については、それぞれ基準分科会の特別委員会等におきまして具体的な検討もなおお願いをしたいというぐあいに、私どもとしても、そういう面に積極的に取り組んでいくというようなことを考えておるわけでございます。 以上申し上げたような点が主なるところでございまして、高等教育そのものが量的に非常に拡大をしている今日でございますので、高等教育全体の構造というものを、そういう意味で多様化し弾力化していくということは、高等教育がこれだけ量的な拡大を見てきている今日では、ぜひとも必要なことでございまして、言うなれば、放送大学というものは、そういう高等教育全体の構造の柔軟化、流動化というようなことを積極的に推進する一つの契機になるということが言えようかと思います。
○鍛治委員 細かいと申しますか、これも大きな点があると思いますが、体育のことについても触れられたわけですが、体育の単位の取得ということは、社会教育の中で、いまおっしゃったようなことをやるということは画期的なことと思うのですが、たとえば通信教育をやっていらっしゃる学校でも、この点がやはり大変悩みの種ではあるようです。こういう点については、そこまで拡大してこういう方向をとっていくというお考えはおありなのかどうか、お尋ねをいたします。
○宮地政府委員 基準の考え方といたしましては、通信教育におけるそういう単位の取り方について議論をいただいておるわけでございまして、したがいまして、既存の通信教育をやっております場合にも同様のことは考えられるわけでございます。ただ、そのこと自身を大学として取り入れるかどうかということについては、もちろん大学自体の御判断が前提にあるわけでございます。
○鍛治委員 ことしでしたか、大学の先生方の問題で一般質疑の中で私が御質問申し上げたこともあるのですが、大学の先生というのは、大学の自治、学問の自由という言葉の陰に隠れて、もちろん、まじめな先生はたくさんいらっしゃるわけですけれども、私がときどき聞くのでは、中には勉強しない先生がいる、教授になったらもうこんないい商売はないと言っている先生もいたとか、事実私はそういうことを耳にしたことがあるわけです。私は、大変残念に思ったことがあって御質問申し上げたことがあるのです。 その中で、その後文部省からここにいま資料をいただいておりますが、「我が国における学術研究活動の状況」ということで、五十二年において学術研究なさっていらっしゃる先生方のいろいろな、たとえば学会に所属している先生方、してない先生方がどれぐらいいるかとか、それから研究論文を五年間に一度も発表していない先生方が全体の四分の一に当たる人がいるとか、こういう調査結果を公表されたわけであります。いみじくも、私はこの結果を見て、私の御質問申し上げたことが決して誤りではなかったなというふうな気がするわけです。私たちは、何も先生がなさっていることに口を入れるということではなくて、やはり次期の日本を担う人を育てていく最高学府における教育を担当していただくわけですから、うんと勉強もしていいただきたい。ところが、現実はなかなかそうではない。そういうものを、この放送大学と結びつけをやりまして、先ほどメリットの中でのお答えに教員の交流といいますか、こういうことをやるのだというお話がありましたが、こういうことが、そういう問題の打破の一つになるのじゃないだろうかというふうな感じも私は実は持つわけでありますけれども、そういった点についてはいかがでしょうか。この影響力についてどういうふうに考えられるでしょうか。
○宮地政府委員 先生御指摘のとおり、教員の交流を図るということも、それぞれの大学における教育内容の充実という点では大変必要なことではなかろうかと思います。 また、たとえば最初にもお答え申し上げましたように大学教育、これは正規の大学としての教育として放送で行われるわけでございますが、それを視聴するのは広く国民一般に開かれているわけでございます。したがいまして、その教育内容と申しますか、それは国民全体が視聴する立場にあるわけでございまして、そういう意味におきまして、それを担当する教官は、その教育内容につきましては、単に学生という限られた範囲だけではなくて、国民が広く視聴する可能性があるわけでございますので、日々の研さんというものを怠るわけにはいかない。それでは広く一般からも批判されることになるわけでございます。 〔谷川委員長代理退席、委員長着席〕 この放送大学は、そういう意味でも大変画期的な一つの意味を持っていようかと思います。 人事のローテーションということにつきましては、私ども、この放送大学においては広く各方面のすぐれた人々に御参加をいただくということを一つのねらいといたしまして、任期制というようなことについても取り入れているわけでございまして、これも各大学の御協力が必要なわけでございますが、任期制を採用して、さらに新しい観点から新しい担当者に積極的に加わっていただくということが、教育の内容そのものを常に斬新なものにしていくという点でも意味があろうか、かように考えているわけでございます。
○鍛治委員 教員の任期制のお話が出ましたけれども、これはいままで議論された中で、放送大学に教授として来られて、任期を果たして今度帰るときのポストという問題のこともずいぶん議論されたわけでございますが、これは全く個人的な素人考えかもわかりませんが、やはり放送大学をやるからにはよくする、また、いままでの大学の悪い点をよくするという意味も含めて、いい先生が行くという一つの考え方というものは、やはりこのローテーションの中で組み込まれないものだろうかなというふうな気がするのです。 たとえば、教授任用に当たっては、放送大学でしっかりといわゆるチェックのきくところで、また、これは一人の先生だけでカリキュラムをつくり、放送番組をつくるというわけにはいかないようですから、コースチームをつくって、そしてまた制作者側の人たち、いわゆる教育の専門外の人たちも入りながら、どういう高度なもの、また、わかりやすくしていこうかという努力を重ねる、これは大変な苦労だろうと思いますけれども、そういう中で、その先生の力というものがむしろ客観的にチェックされるというふうなことの中でいい方向にこれは機能するのではないだろうか。また、実際にこれが行われるならば、そこらあたりいい形で機能してほしいものだ。しかし、どうもいままでの議論を聞いておりますと、それがやはり先生の地位ということと絡んで、停年になった方、停年間近な方ならさっと来るだろうけれども、中堅の一番肝心ないい先生が来るだろうかという議論もたしかあったと思いますけれども、そういう方々にも放送大学に積極的に来ていただくために、たとえば教授になるには一遍放送大学には行っておかないとだめですよと、これはちょっと極端な話かもわかりませんが、何かそういった意味でのローテーションを組む上においていい考え方というものを取り入れてもいいのじゃないかなという気もするのですが、そういう点についてはいかがでしょう。
○宮地政府委員 先生御指摘のとおり、私どもが考えておりますこの任期制の導入というものが積極的にいい面を発揮するように運用されなければならないことは当然でございます。そういう観点から、私どもも、その運用を考えていかなければならないわけでございますが、具体的に、大変りっぱな先生を確保するためには、まずは関係者の御理解をいただいていくということがどうしても必要でございます。私どもとしても、関係者の間に十分な御理解と協力が得られるように努力をしていきたい、かように考えております。 そしてまた、任期制ということは、全体の国公私立大学におきます教員の交流そのものが、各大学の御協力をいただいて円滑に行われるようにならなければならない、かように考えておりまして、その点は御指摘のように、それぞれの大学に十分御理解と御協力をいただいて、いい方向でうまく円滑に作用するように私どもとしても努力をいたしたい、かように考えております。
○鍛治委員 そこで、これについては実験的にテレビ朝日を通じて大学講座を毎朝ずっとやられておるようでありますが、この点について一部の大学だと思いますが、協力を願いながら番組もつくり、カリキュラム編成もやりというふうなことでやっておられるようでありますけれども、この実験的にやっていらっしゃる大学講座、これはいつごろからどういう取り組みで実施をされてきたのか、お尋ねをいたします。
○宮地政府委員 放送教育開発センターの実験番組についてのお尋ねでございますが、五十三年十月にこの放送教育開発センターが設置をされたわけでございまして、五十三年度から実験番組の放送については取り組んでおります。
○鍛治委員 実は私、けさ見てきました。どういう内容か御質問するのに、今後、放送大学でどんな形のものがやられるのかという一つの確かめる場にもなると思うので、きょうは実は見てまいりまして、大変気楽に見れたという気がいたしました。リラックスして見れたし、中間でちょっと対話も入れながら、それから、いろんな資料を使ってわかりやすく、いわば視聴覚という形がよく取り入れられた形で講義がされておった。だから私も、本当にきょう一部だけで途中からぽっと見ただけですが、約四十五分間の講義でありますけれども、見終わってやはり頭の中に残って、なるほどな、五十を超えるとなかなか理解がしにくいし記憶に残らないということを言われておりますけれども、見た感じでは、大変私はいい印象で実はきょうこちらに出てきたわけです。 あれを見ていますと、ある意味では教育の現代化といいますか、いろいろ言われているわけですが、そういうものの一環としてこれはやりようによっては、なかなかよくいくのではないかなという、私は個人的にはそういう感じを受けました。ただ、内容が大学で教える内容としてレベルが高いのか低いのか、それは比較ができませんのでわかりませんでしたけれども、これはある意味では、こういう見るというのを取り入れながら、教育の中で一つの大きな改革といいますか、違った形での取り組みができるのじゃないかなという気もしてきたわけです。 この大学の先生方、何校かいろいろ取り組みをされて、きょうは御茶の水大学の先生方がやられておりましたけれども、担当されました大学の先生方、この番組をつくり、このカリキュラムをつくっていくについて、いままで法律的な観点から放送の問題、それから、こっちの大学の学問の自由の問題とか、いろいろむずかしい面が交錯してくるわけですが、実際にこういう実験番組を実施する中で、担当された大学の先生方ないしはまたプロデュースされた方々の御意見というものは、どういう形で文部省の方には報告が来、判断をされておるのか、その点についてお尋ねをいたします。
○宮地政府委員 御指摘のとおり、放送教育開発センターにおきまして実験番組として実施をさせていただいておるわけでございますが、実際にその番組の制作に当たりましては、放送教育開発センターまたは実施大学及び放送局の関係者によりまして会議が持たれまして、大学側が作成した教育内容また放送局が提出いたしました制作上の留意事項、双方でそれぞれそういう問題点を出し合いまして、十分協議を行って具体的な番組として作成をするというような作業を行っていただいているわけでございます。 具体的に、こういう実験番組を通じまして、そういう制作上のいろいろな問題点等についても、私どもも、これからの放送大学を実際に実施していくための基礎的な資料を得るという形で現在この実験番組も実施をさせていただいているわけでございます。それらの具体的な問題点その他につきましては、また放送教育開発センター自体におきまして、今後の具体的な番組の制作その他において参考にさせていただくということで報告書等も作成していただいておるわけでございます。
○鍛治委員 具体的には、教える内容によっても、これもいろいろ議論されていますように、テレビを通じてやるのに適した内容のものとそうでないものとあるというようなことも言われておりますけれども、そういうことはともかくとして、つくっておるカリキュラムなり番組の中で、実際に大学の卒業資格を与えられるような内容のものに仕上がっていっているというふうに、担当していらっしゃる大学の先生方は判断していらっしゃるのでしょうか。そこらあたりを、もしお聞きになっているのでしたら、お聞きをいたしたいと思います。
○宮地政府委員 御担当いただいております先生方は、もちろん、大学の教官として十分実績のある先生方に委嘱をして番組の制作等に当たっていただいておるわけでございまして、これからの放送大学の開設予定の重要科目等も参考にしていただいて、内容的にはもちろん、その先生方が大学のレベルを十分確保している教育内容のものを、実験番組としては出させていただいているというぐあいに伺っております。
○鍛治委員 ということは、大学の教育、授業の内容といいますかレベルに、安心して勉強してもらっても、その資格に十分たえ得るだけのものであるというふうに言っていいわけですね。
○宮地政府委員 放送大学全体の単位につきましては、従来からも御説明を申し上げているとおりでございますが、放送利用によります教育の部分が全体の約三分の一、それから学習センターにおきます面接授業によりますものがほぼ三分の一、そのほか印刷教材によります学習がほぼ三分の一というようなことで、教育の構成そのものは、従来の一般大学とはその点が異なるわけでございますが、それぞれそういうような構成分野で考えております。 もちろん、放送視聴だけですべて単位が修得できるというわけではございませんが、それぞれ放送視聴にふさわしいような科目について三分の一を組み合わせるということになろうかと思います。したがいまして、それによりまして全体の大学卒業に必要な単位を修得していただくということでございます。 従来から御説明しておりますように、この放送大学自体、受け入れにつきましては広く開かれた形でやってまいりますが、もちろん、単位の認定については大学卒業に必要な単位を修得するということが必要要件になるわけでございますから、大学卒業の単位をすべて修得すれば学士の称号が与えられるというたてまえでございますので、それらの内容については、私どもは、既存の大学にも負けないだけの内容を確保していただけるものと、かように考えております。
○鍛治委員 スクーリングの件とか通信教育の件については、もうすでにそういう実績があるわけですから、その点のことをお聞きしているのじゃなかったわけですが、とにかくそれを組み合わせる中で、テレビを通じてやるそういう教材というものの内容もちゃんとしたものであるというふうに理解ができるように聞こえましたので、そういうふうに理解いたしておきますが、そういう中で制作している側、いわゆる局側の人といいますか、そことの話し合いというのは、その中で変な形でがちゃがちゃもめて困ったというようなことはなかったのでしょうか。大体スムーズにいっていたのか、そこらあたり、実際取り組んだ中で問題点等があって、それが出てきたとすれば、どういうふうな形で取り組みをして、最終的には双方ちゃんと納得した形でできたのかどうか。そこらあたりも大変むずかしい問題があると思いますが、実際にやってみてどういうトラブルがあったか、それを乗り越えられたのか、そういった点について実際わかっている点があれば、お聞かせを願いたいと思います。
○宮地政府委員 ただいま具体的に行っております放送教育開発センターでの実験番組の制作に当たりましての大学関係者と放送関係者との間では、円滑な話し合いが行われてやっていかれているのかどうか、その辺、具体的なことはどうかというお尋ねのように伺ったわけでございますけれども、この放送教育開発センターでは、放送利用の大学教育の内容、方法等に関する研究開発の一環として、放送を利用して行う大学公開講座の内容、方法等の研究及び開発を行っているわけでございますので、その成果に基づきまして、すぐれた放送講座の実現の促進を図るということで当たっております。 具体的には、制作に当たっての問題でございますけれども、先ほども御説明をしたわけでございますが、開発センターの関係者と実施大学と放送局の関係者から成る会議を開きまして、大学側の作成した教育内容及び放送局が提出した制作上の留意事項の双方につきまして、あらかじめ十分な協議を行って、その上で番組の制作を行うというような段取りがなされております。そして放送局側におきましては、放送番組の制作の趣旨というものについて十分御理解をいただきまして——大学側と放送局側との協力というのは、私どもいままで伺っているところでは、その間に具体的な問題で大変困難な事態に逢着したというようなお話は、いまのところ伺っておりません。
○鍛治委員 学ぶ側の受講生の方のいろいろなアンケート調査もおやりいただいているようですが、アンケート調査の主なところについて概略お聞かせをいただきたい。
○宮地政府委員 現在、放送教育開発センターにおきまして、実験番組を制作して、民間放送を通じて関東地域を対象に放送をしているわけでございます。この実験番組で面接指導の実験を行うためにモニターの募集等を行っておりますけれども、五十三年度、五十四年度においては、それぞれ募集人員各期とも千二百人に対して約四千人、五十五年度、ことしの前期でございますけれども、前期については募集人員千八百人に対して約四倍の七千三十人の応募がございまして、これらのモニターに対するアンケート結果でございますが、放送大学が開学された場合、入学して勉強したいとする者が、五十四年度の前期で申しますと八二%、うち卒業を目指す者が三九%というような大変高い数字になっております。また後期では八一%で、うち卒業を目指す者三四%というような数字になっておりまして、モニターでございますので、もともと大変積極的で関心の高い方々ということは言えるかと思いますけれども、この実験番組のモニターに対するアンケート調査というのは、放送大学に対する関心とか期待というものが大変高いということはうかがえるわけでございます。
○鍛治委員 そこで、この大学の利点の一つに、入学試験がないということが、やはり大きないまの国民の皆さんの御要望にこたえる一つではないかと思うわけです。そういう中で、この前からいろいろと、出るのが厳しい、脱落していく人が多いのじゃないかというようなことが盛んに言われておったわけでありますけれども、これは英国等におけるオープンユニバーシティーの中でのそういう入学者に対する卒業数は大体どの程度の率で推移していっているのか、参考までに、わかるようでしたらお聞かせを願いたいと思います。
○宮地政府委員 お尋ねのオープンユニバーシティーにおける入学者数に対する卒業者数の割合というようなことでございますが、この大学は一九六九年、昭和四十四年でございますけれども、設立をされまして、四十六年から学生を受け入れております。一九七七年、昭和五十二年でございますが、七七年におきます卒業者の割合を「オープンユニバーシティー紹介」という資料によりまして私ども見てみますと、一九七一年入学者で五二・七%、一九七二年の入学者では四三・五%というような数字になっております。なお、卒業生に対する社会的評価というような問題でございますが、これは当委員会が昨年調査をされました報告を拝見いたしますと、世間的評価は大変高いというような御報告をいただいているようでございます。
○鍛治委員 そこで、また元へ戻るようでありますが、最初お話があったように、メリットの中で、年齢、これには制限がないというふうなことでございましたし、まさにそのとおりであると思いますが、そういう中で、これからの高齢化社会の高齢者対策というものの一環としても、こういうものが生きてくるのじゃないかなという気が私、しているわけですが、そういう点についての御見解はいかがでございましょう。
○宮地政府委員 これから全体的に大変高齢化社会に向かうわけでございますし、また、国民全体の余暇時間もふえていくという傾向にあるわけでございます。そして、そういう国民の非常に広い層におきまして学習意欲が大変高まりを見せているということは先生御承知のとおりでございます。たとえば具体的に、最近のいわゆるカルチュアセンターでございますとか、そういうようなものにおきましても大変盛況を来しておる。というのは、国民各層が非常に各般の多様な学習の意欲といいますか、そういうものを持っていて、それにこたえるためのいろいろな対応が現実問題として起こっているということがうかがえるわけでございます。 私どもの放送大学といたしましても、もちろん教養学部ということで、正規の大学の授業としての中身のものをいたすわけでございますけれども、先ほども申しましたように、これが広く国民各層に視聴されるということになるわけでございますし、放送大学の学生でなくともまたこの放送大学の放送をごらんになる機会はそれぞれございます。学生でなくとも、この大学の行います放送が、それらの国民各層の広い要求というようなものを受けとめていくようなそういう内容でなければならない、かように考えております。
○鍛治委員 それから、これも昨年御参考にいただいた先生方の意見、質疑の中で言われていたことでもありますが、やはり大学というものはローカルに開いていかなければならない、地域に開いて特色のある大学にしていかなければならない、こういう意味合いの中でスクーリングというものが取り上げられてくるわけであります。学習センター、こういうものが地域に生かす形で工夫され、大いに利用されていかなければならないと私は思うのです。そういう先生方の将来に対する要望、私自身もそう思うのですが、こういう点については、どういう形で対処し、開いていくような形にするのか、単なる画一的だけではいかない部面を放送大学には持たせる必要があろうと私は思っておりますが、こういう点についていかがでしょう。
○宮地政府委員 学習センターでの面接指導等のあり方について、特に地域性についてのお尋ねでございますが、これは放送大学自体が教育課程の一環として検討、決定するということになるわけでございますけれども、放送大学としての教育の一貫性を保つといいますか、そして適切な教育指導を実施していくためには、大学本部の方と各学習センターとの間の緊密な連携が必要なことは当然でございます。また、学習センターの教員が面接指導等を行うに当たりましての指導方針というものにつきましても、授業科目の編成に当たっております本部教員と実際に学習指導に当たる学習センターの教官との間で密接に十分に協議をしていただきまして、授業科目の編成の目的、趣旨に沿いまして、学習センターを通じて全体的に一貫性のある指導が行われるよう配慮しなければならないのも当然でございます。同時に、学習センターでの教員の教授の自由といいますか教育の自由が拘束されることなく、それぞれの教官の持ち味を生かしました指導が行われるように弾力的に対処していく必要があることもまた当然でございます。 そういう中で、御指摘のようなその地域性を盛り込むという指導が具体的にどの程度まで可能でございますか、それは大学自体が具体的に教育課程を編成し、教育を展開していく過程で適切に対応しなければならぬ課題であろうかと思いますが、先生の御指摘のような点もまた積極的に生かされていくことが望ましいのではないか、かように考えております。
○鍛治委員 私のお尋ねしたいことは、ほぼお尋ねをいたしましたが、私は、いろいろ気になる問題点、これは将来禍根を残す問題ではないかと思われる点については、昨年、一昨年二回も三回も御質問を申し上げていろいろ御見解を承ってきました。きょうはメリットの面をお聞きしたわけでありますが、いいとか悪いとかいうものを判断する前に、メリット、デメリットというものを明らかに確認する、いわゆるいいとか悪いとかいう面を認識する意味できょうはお尋ねを申し上げましたが、あとの残された時間は有島委員と交代をいたしますので、よろしくお願いをいたします。 大変ありがとうございました。
○三ツ林委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。有島重武君。
○有島委員 去る十月三十一日の金曜日に、文教委員会と逓信委員会で本放送大学学園法案に関する連合審査をいたしましたが、そのときの質問で保留の課題の問題がございますので、それをまずお答えいただきたいと思います。
○宮地政府委員 十月三十一日の逓信委員会との連合審査で御質問のありました、内藤元文相が検討すると答弁した事項についての検討の結果についてのお尋ねでございますけれども、内藤元文相が前国会で検討すると御答弁申し上げました事項につきまして、私どもも議事録で確認をいたしたわけでございますが、主たる点で申し上げますと、放送大学の対象地域の拡大計画の問題、それから放送大学学園及び放送大学の管理運営の仕組み等につきましての御答弁であろうかと思います。 そこで、放送大学の対象地域の拡大計画についての問題でございますが、これにつきましては、従来も御答弁申し上げておる点でございますけれども、この放送大学がわが国最初の試みでございまして、しかも全体計画としては、非常に大きなプロジェクトであるというようなことから、その整備については段階的に、かつ慎重に進めていく必要があるということを従来申し上げておるわけでございます。 放送大学の対象地域の拡大にかかわる将来計画につきましては、放送衛星の実用化の動向の問題でございますとか、あるいは関東地域における実施状況等諸般の情勢を勘案しながら今後検討するわけでございますけれども、高等教育へ進学します年齢、十八歳人口の動向が、これもまた御答弁を申し上げている点でございますが、今後増加の状況に向かいまして、昭和六十六年、七年ごろには、現在より約五十万人も多い、約二百五万から六万という大変大きい数字に達するわけでございます。 ただいま文部省としましては、高等教育の整備計画につきまして、五十一年から五十五年までを前期の計画、五十六年から六十一年までを後期の計画ということで、全体の整備について見通しを立てて対応いたしているわけでございます。 先ほど申しましたように、これから十八歳人口がまた大変ふえていく状況に差し向かうわけでございまして、その六十一年から後のおおよそ十年程度を見通した、六十二年から七十一年ごろまでの期間を対象といたしました新たな高等教育の整備計画はやはり検討しなければならぬわけでございますが、そういう際に、放送大学の対象地域を全国に拡大いたしていきます課題につきましても、その期間内には達成をいたしたいという方向で考えているわけでございます。 それから、放送大学学園及び放送大学の管理運営の仕組み等につきましては、もちろん今国会でもいろいろ御議論をいただいておりますが、過去の国会におきましても、その点について大変多くの御議論をいただいております。私どもといたしましては、問題点として指摘されました事項につきまして、この法案審議の段階においても十分御説明もいたしておるわけでございますが、さらに、この放送大学自体の運営に当たっての重要な留意点というような御指摘として、放送大学の実際の運営に当たりまして、それらが十分生かされますように、私どもとしても、配慮をし、努力をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。 なお、放送法の改正方法等についての問題点も御指摘があったわけでございます。今国会にこの法案を提出するに当たりまして、放送法を所管されております郵政当局とも、事前にその点をさらに御相談いたしたわけでございますが、放送大学学園の行う放送の位置づけをどう規律するかという放送法改正問題につきましては、この放送大学学園の目的及び業務と密接不可分の関係にあると考えられますので、従来どおり、この放送大学学園法案の附則で放送法上の必要な改正を行うというような御提案をさせていただいたわけでございます。 以上でございます。
○有島委員 「桃栗三年柿八年」という言葉がございますけれども、この放送大学学園によって設置される大学機関、これがその真価を発揮いたしますのは、二期計画が終わる七十一年、というと大体十年、十五年後でございますね、そのころに、本当に電波を使った放送による教育がよかった、こういうふうになってもらいたいということでございますか。
○宮地政府委員 先生から、放送大学が本当に全国的に国民に対して大学教育の機会を広く与えるということの実を結ぶ時期はずいぶん先ではないかという御指摘があったわけでございますが、私どもとしても、先ほども申し上げた点でございますけれども、その点については、これが全く新しい大学としてスタートをしていき、そしてまた、こういう全体的な中でどういうスタートを切るかということについても十分御議論をいただきましたが、ただいま御説明申し上げているような形で第一期の計画を始めさせていただきたいということで御説明をしているわけでございます。 そういう点では、本当に実って、この放送大学が十分成果を発揮するようになるのは、先生の御指摘のような大変先のことになろうかと思いますが、私どもそういう時期を見通しまして、ぜひともこれを成功させるような形で持っていきたい、かように念願をいたしているわけでございます。
○有島委員 十年、十五年先の日本の状況というのが一体どうなっておるかといったことも見通していかなければなりません。その中でもってその新しい試みが十分にうまく機能するようにやらなければならないというところでございましょう。 そこで現在、中学校の教育のことを前期中等教育、高校を後期中等教育と言っているわけですね、高校の進学率が非常に高い、そこで、高校卒業の方々に対しての教育といいますか、高校卒業以後の方々の学究要求といいますか、こういうものがますます高まっていくだろうということをまず想定しなければならないのではないだろうか、大臣、その辺はいかがですか。
○田中(龍)国務大臣 ただいま御指摘の後期中等教育の教育機関の総称等につきましても、それらの教育形態のあり方に関連するものでございまして、今後の課題として非常に重大な問題ではございます。 先生御指摘のように、今後、将来を長期展望いたしました新しい一つの考え方というものはぜひなければならない、かように考えております。
○有島委員 いわゆるこの後期中等教育以後の教育ということになるのですけれども、これは現在すでにいろいろな機関があると思われますが、それがシステム化されている場合とばらばらの場合といろいろあると思うのですけれども、こういうものについて、その概要を御説明いただきたい。
○宮地政府委員 後期中等教育後と申しますか高等学校卒業後の教育の形にどういう形があるかというお尋ねでございますが、学校教育法第一条に規定しております大学、短期大学、これにはそれぞれ通信制や夜間部もあるわけでございまして、ほかに高等専門学校というもの、これは五年制でございますので多少またがっている点もございますけれども、そういうものがございます。さらに、広い意味での高等教育機関に含まれます専修学校の専門課程というものも該当するものでございます。またさらに、それらの先生御指摘の点をより広い意味からとらまえてみますと、大学で行われます公開講座でございますとか、あるいは社会教育で行われております生涯教育というようなものの推進でございますとか、そういう意味での大学開放、この点は先ほど御説明いたしました公開講座というものも具体的には含まれるかと思いますけれども、そういうぐあいに、大学教育そのものを本来の大学教育の機能からより広げると申しますか、後期中等教育後の教育を非常に広い意味でつかまえますと、大学の公開講座というような趣旨のものも、実質的には大変大事な教育機能を果たしている、かように考える次第でございます。
○有島委員 いま大学局長の言われました中で、NHKの大学講座といったようなものも、その中に位置づけられることになろうかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○宮地政府委員 NHKが行っております大学レベルの教養番組、そういうものも、国民の広い階層の教育学習の機会を求めるというものに対応するという意味では、もちろん含まれることになろうかと思います。
○有島委員 そうすると、いまの御説明で言いますと、後期中等教育後の教育システムは、法律に基づいて言えば、学校教育法第一条の大学、短大、それから高等専門学校、広く言えば専修学校も入る、こういうことですね。それから、さらに広く言えばというところでもって社会教育、それから会社の社内教育なんかも、また、これは大学を出た方々を集めて、大学教授をお呼びになってやっていらっしゃるような私的なところもあるでしょう、そしてNHKのいろいろな試みあるいは民間放送のいろいろな試みも入るかもしれぬ、非常に広く考えれば、そういうことになるであろうということでございましょう、考え方としてそれでよろしゅうございますね。
○宮地政府委員 御指摘のとおりであろうかと思います。
○有島委員 いまのに関連して、これはちょっと外れますけれども、学校教育法五十四条の二にある「通信教育」でございますけれども、現在ある通信教育というのは、大学の中に通信学部として設置されておるものに限られておるようでございます。これは別に法によってそうしたのではなくて、いわば通信の単科大学といいますか通信だけによる大学というものも従来から可能であった、今後も可能である、こういうことでございましょうか。
○宮地政府委員 五十四条の二は、先生御指摘のとおり「大学は、通信による教育を行なうことができる。」という規定でございまして、今回放送大学学園法案の附則におきまして「通信による教育を行う学部を置くことができる。」という規定をさらに一項加えさせたというような関係になっておるわけでございます。
○有島委員 通信教育だけで大学を成立させるということも可能なんですか、不可能なんですか。
○宮地政府委員 お尋ねの点は、今回の改正によりまして「通信による教育を行う学部を置くことができる。」という規定を置くことによりまして、大学は学部で構成をされるわけでございますが、通信による教育を行う学部を置けるというこの規定によりまして通信教育だけの大学の学部が置かれることになる、かようなことになろうかと思います。
○有島委員 そうすると、一つの学部だけで成立する大学ということになりますな。
○宮地政府委員 たとえば、この放送大学について申しますと、放送大学は通信による教育を行います教養学部ということになるわけでございます。
○有島委員 それ以外の学部を持たない大学の機関である、そうですか。
○宮地政府委員 この放送大学が教養学部以外の学部を持つかどうかということにつきましては、これは法制上はもちろん制約のない事柄でございます。従来御説明を申しておりますように、この放送大学をスタートさせるに当たりまして、諸般の状況を勘案いたしまして教養学部ということでスタートをするということにいたしたわけでございます。
○有島委員 ついでに聞いておきますけれども、夜間の大学の場合でございますけれども、これの場合には夜間だけで大学を成立させることは法制上可能であるかどうか。
○宮地政府委員 学校教育法上の規定で御説明をいたしますと、五十四条の二の前に五十四条の規定がございまして「大学には、夜間において授業を行う学部を置くことができる。」という規定がございますので、夜間にのみ授業を行う学部を、この規定によりまして置くことは可能でございます。
○有島委員 では先に進みます。 文部省の資料によりますと「放送大学は、広く大学関係者の協力を得て、放送を効果的に利用した大学教育を実施することにより、生涯教育の中核的高等教育機関としての新しい教育システムを設立しようとするものである。」ということでございます。それから、先ほどからの大学局長のお答えの中にも、高等教育という言葉がしばしば出てまいりますが、この高等教育という言葉は正式な法律の用語であるかどうか。
○宮地政府委員 私も高等教育という言葉で御説明をいたしたわけでございますが、学校教育法等の法令の上で高等教育という言葉は使われていないように承知をしております。
○有島委員 学校教育法以外ではいかがですか。
○宮地政府委員 高等教育という言葉を、他の法令でどう使っているかというお尋ねでございますけれども、たとえば文部省の組織の中に、大学局に高等教育計画課というのを設置しておるわけでございまして、これは文部省の組織令、政令でございますけれども、その規定が第十五条といたしまして、政令に規定をいたしております用語としてはございます。
○有島委員 そうすると、この高等教育という言葉は、なかなかいい言葉じゃないか、これから大いに活用しなければならぬ言葉じゃないかと私は思うのでございますけれども、これが先ほど来言っておりました、いわゆる後期中等教育後の教育という中でどの部分を指すことになりますか。
○宮地政府委員 御指摘の文部省組織令で高等教育計画課の所掌事務を規定いたしておるわけでございますが、「大学教育その他の高等教育に関する基本計画の策定に関し」云々という規定があるわけでございます。大学教育その他の高等教育という観点でつかまえておりますので、最初に申しました学校教育法一条に規定します大学、短期大学あるいは高等専門学校、これらは当然に入ってくることになろうかと思います。さらに、大学が具体的に行います公開講座というようなものにきましても、大学そのものが実施をいたします計画でございますので、事柄としましては、いろいろとその具体的な予算措置その他につきましても大学局で所掌をいたしておるというようなことになっております。
○有島委員 大臣、いまのをお聞きだったと思うのですけれども、今後、年を追うごとに、先ほどからの後期中等教育以後の教育といいますか、これは余り長いから何ですが、大学教育その他の高等教育に関する云々とこうあるそうだけれども、こういった非常に幅広い教育の需要というものは増加していくであろう、したがって、これに対してさまざまに教育機関が多様化するであろう、これらの多様化に応じまして、これらを総称していく適当な言葉、用語をやはり一つかっちりと決めていかなければならぬのじゃないかと思うのでございます。これは検討すべきことじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
○田中(龍)国務大臣 その問題は確かに今後の課題と存じます。先生がいま御指摘になりましたように、いろいろと後期後の高等教育というものがふえてまいりますと、確かに高等教育という言葉それ自体とも少し範疇が違いましょうし、御指摘のことは、われわれも検討いたしたいと存じますが、もし先生におかれて何か適当な言葉を御考案いただいておるならばお示しいただいたら非常にありがたいのでありますけれども、確かに、今後のいろいろと数多い教育の内容の問題についてそれを総称する名称が、いわゆる主概念、類概念といいますか、全部包摂する概念の呼称があればまことに結構だろうと思いますが、今後の課題と存じております。
○有島委員 私は、高等教育という言葉が非常によろしいかと思うのでございます。ただし、学校教育法の四十一条に、高等学校というところは、高等普通教育と専門教育を行うというふうに書かれてしまっているわけです。ですから、高等教育と言ってしまいますと、高校の教育というふうに、こちらの学校教育法の言葉だとそっちに近い言葉に扱われやすいわけです。ですから、法改正というのはちょっと大げさかもしれませんけれども、何か整理しなければならぬと思います。これは急にあす、あさってというわけにはいかぬかもしれないけれども、なるべく早い機会に整理して、そして将来に備えていくべきであろうかと思うわけであります。 そこで、いま後期中等教育以後の教育と一々言っているとめんどうくさいから、いま局長が言われましたように・こちらの高等教育というふうに使われます広い意味の高等教育、以後そういった用語でお話をしていきたい。 そうなりますと、本法第一条に言っております「放送大学学園は、放送等により教育を行う大学を設置し、」、こうあるわけでございますけれども、この大学は確かに学校教育法一条に準ずる学校には違いないということですが、そういうふうに極言してしまいますと、大変いろいろな議論が続出してきて、局長さんのお答えを伺っておりましても、どうもこれは新しい試みなんだから、この辺は将来のことだからうまくやりますから、こういうような非常にあいまいな御答弁になって、以後は押し問答になってしまうというふうに承っておったわけでございますけれども、これはまさに放送等により教育を行う高等教育機関を設置する、こういうことであろうと思うのです。そこで、大学学園が設置する高等教育機関というものは、学校教育法の五十二条に該当するものであるというふうな二段構えでいくということの方が実態に近いのではないか、誤解を生まずに済むのではないか、そのように私は思うわけです。 それから同じく、これはせんだっての質問で申し上げたのでございますけれども、後から出てくる「広範な国民の要請にこたえるとともに、」というその前の「大学教育」なんですけれども、この大学教育というのも、必ずしも学校教育法に合致した、広範な国民が望んでおります大学教育、細かく言うとそうではないと思うのです。もっと広い意味の大学レベルの教育といいますか、高等教育というふうな広い意味の教育、また、そうした広範な国民の要請にこたえるというのが、いままでの大学では確かに努力はするけれども、なかなか努力し切れない、この新しい一つの高等教育機関、放送大学と仮称されているわけだけれども、ここで非常に意味が出てくるのじゃないだろうか。そうなりますと、その後に「大学教育のための放送の普及発達」ということがございますけれども、これもまた高等教育のための放送の普及発達、こういうふうになってこようかと思うのです。いま、この場でもってすぐ法改正ということにまで至りませんけれども、少なくともこの文言はこのように解釈すべきだ、法解釈としてこのように解せらるべきであると私は思うのだけれども、大臣いかがですか。
○宮地政府委員 先生お話のございました中等教育後の教育でございますか、そういう点をどう総称して体系立てて考えていくべきかという点について御指摘があったわけでございますが、その点は先ほど大臣からお答えいたしたとおりでございまして、今回お願いしております放送大学学園について、これが大学を設置するものであるということについては、現在の学校教育法上の現行制度の中で位置づけるとすれば何であるかということを国民に明示することも必要なわけでございまして、そういう意味で、第一条の目的で大学を設置するということを明確に示すことで大学という言葉を使っているわけでございます。 お話のように、これから十五年くらい先の段階を見通した姿で後期中等教育後の全体の姿をどう把握するのかという御指摘でございまして、そういう将来のことももちろん私どもとしても検討課題としてはいたさなければならぬわけでございますが、ただいま現行制度にのっとりました形で、この放送大学学園が放送等により教育を行う大学を設置するということを明確にさせていただいておるという次第でございます。
○有島委員 いま局長さんからお話もございましたけれども、すでに文部省の方からの資料に「高等教育機関としての新しい教育システム」という言葉、高等教育システムという言葉が出てくるわけです。そういうような意味合い、こういった法解釈をここに下すべきであろうと私は思うのだけれども、大臣お答えいただきたい。
○田中(龍)国務大臣 何か承っていますと、まことにすんなりとしたいい言葉のように思います。よく俗に、いやしくも高等教育を受けた人が何だというような常識語がちょうどあなたのおっしゃるようなところに該当するのではないかと思うのですが、確かに通俗語としてはよく使われておる言葉だろうと存じます。また、これは将来の課題といたしまして検討させていただきます。
○有島委員 大臣、名前の決定をいまどうしようということよりも、この法律に出てくる言葉は、そのような広い意味でもって解釈すべきであるというふうにここで決定してよろしいかどうか。
○宮地政府委員 大臣からお答え申したとおりでございますが、従来何度か御質問にお答えしているわけでございますが、「放送大学学園は、放送等により教育を行う大学を設置し、」、したがいまして、放送そのものは大学教育そのものでございますということは、従来からるる御説明いたしているとおりでございます。 ただ、大学教育そのものでございますけれども、国民一般が広く視聴することにもなるわけでございまして、そういう放送大学の学生以外の方々も視聴しまして、結果として、そのことが放送大学の学生以外の方々の教養を高めることにも資することになる、そういう作用は営むことになるわけでございます。 この放送大学の持っておりますそういう機能そのものも、また大事なことではございますが、繰り返しになるわけでございますけれども、第一条に申しております、大学を設置し、また行う放送は大学教育そのものであるということについては、従来からも御説明しているとおりでございまして、機能としては、ただいま御説明したような機能があろうかと思います。
○有島委員 したがいまして、本法案の中に大学、大学、大学という言葉が出てまいりますけれども、この大学という言葉を、学校教育法に定められた狭い意味の大学というものに限定して読むべきか、あるいは高等教育というようなやや広い意味でもって解釈すべきかということにかかわるわけです。 この中の初めのところの「放送等により教育を行う大学」、これはまさに学校教育法における大学、これでよろしいと思うのです。その後から出てくる文言につきましては、ここで議論をいたしてまいりましたが、高等教育というやや広い意味、そういうふうにこれを読むべきである。それはここで決定をしていただいてもよろしいのじゃないだろうかと思うのでありますけれども、どうしても法律の方にこだわって読まなければいかぬのか、広い概念になるのか、これは大臣、いかがですか。
○宮地政府委員 重ねてのお尋ねでございますが、先ほど御説明をいたしたことの繰り返しになるわけでございますけれども、この放送大学そのものは、先ほど来申します現行の学校教育法上の大学でございますということは、るる御説明したとおりでございます。そして、これが国民に開かれて、広く国民一般が視聴するということによりまして、放送大学のいわゆる登録されております学生以外の者もこれを視聴することが、結果としてはもちろん当然にある、また、そのこと自身も大変大事な機能だとも私どもは思います。しかしながら、結果としてそういうことが機能として言われるわけでございますが、放送大学の行います大学の中身そのものについては、現行制度に述べられております大学というものを私どもとしては考えているということを御説明しているわけでございます。
○有島委員 そうすると、狭い意味の大学に限定して読むべきである、こうなりますか。そうなりますと、私たちの態度はがらっと違うのだ。そんなものであれば、こんな大きなお金を使ってこんなものをつくるのだったら、やめた方がいいのじゃないかというふうに私たちは思うわけであります。それは最初からるる問答をいたしてまいりましたとおりであります。 いまの局長の答弁、これはもう一遍聞いてもいいですかな。狭い意味の大学というふうにすべて読むべきか、あるいは場所によってはやや広い高等教育ということでもって法解釈をすべきであるか。
○宮地政府委員 お話のとおり学校教育法一条の大学でございますが、この大学が果たします機能といたしましては大変広いものがある、それは先ほど来御説明を申し上げているとおりでございまして、これが広く国民一般に視聴される機会があるわけでございます。そういう意味では広く生涯教育という観点からの機能を果たすものであるということは、先生御指摘のとおりでございます。
○有島委員 これは私たちも、だんだん最後の決定を下さなければならないときが参りますけれども、時間が参りましたからちょっと留保をさしていただいて、質問を終わります。
○三ツ林委員長 湯山勇君。
○湯山委員 放送大学学園法の問題につきまして、正規にこの委員会で主務大臣である郵政大臣に御質問申し上げる機会がございませんでしたので、この機会にいろいろ問題点をお尋ねいたしたいと思います。 現行の放送法につきましては、かつて、昭和四十一年に政府提案でこの法律を改正しようとして国会に御提案になりました。その要点は幾つかありますが、その中の一つは、国内放送は日本放送協会と一般放送事業者とが相並んで行うべきものとするという明文化、今日、事実はそうなっておるにいたしましても、明文化はされておりません、これを明文化していこうということが一点ございました。 もう一点、これと関連して重要な問題は、いろいろ放送がたくさん出てまいっておりますが、それにつきまして、NHKに関する事項、協会に関する事項で、国内放送の番組の編集について、教育番組を有するようにしなければならないものとする、つまりNHKは、国内向けには必ず教育番組を持たなければならない、しかもそれを受けて、NHKには、現在はないのですけれども、教育番組審議会を置くものとすること、これを置かなければならないという規定が盛り込まれた法律案を御提案になったのですが、これは国会の方で認められなくて、現在廃案になっております。 しかし、今度問題になりまして、国内放送は協会と一般放送事業者が行うことを明らかにすると言っておったその部分に触れる部分が先般来問題になっている。これは考え方によれば、ここでもし郵政省、政府の意図のとおりに明文化されておれば、今度の扱いも変わったのじゃないか、いわゆる放送大学学園法における放送法の扱いがいまとは違ってきたのじゃないかと考えますし、それから、後の教育番組審議会というものができておれば、これまたこの扱いは違ってきたと思いますが、時間の関係もありますし、大臣もお忙しいようですから、そうであるとか、あるいはそうでない、そういうことはないとか、どちらか一つ明確にお答えいただきたいと思います。
○田中(眞)政府委員 ただいま先生御指摘の昭和四十一年の放送法改正案でございますけれども、そのときには、いまおっしゃいましたとおり、国内放送体制に関する原則といたしまして、国内放送は日本放送協会及び一般放送事業者が行うものとする、そういう旨を明定しようとする内容が盛り込まれておったわけでございます。またNHKに対する番組審議会の件もそのとおりでございます。しかしながらこの当時は、実は昭和二十五年に現在の放送法は決まっておるわけで、それから大きな変化はないわけですけれども、その当時に比べまして四十一年の時点では、一般放送事業者の放送の普及発達が大変目覚ましかった、実質的にもNHKと併存するような状況まで発展しておったというようなことを考えまして、従来NHK中心でございました記述であったものを、一般放送事業者についても、その時点で、四十一年の時点で放送法上の位置づけを明確にしようとする趣旨であったわけでございます。 ただ、しかしながら放送大学学園につきましては、この構想が出ましたのは、実は四十四年ということでございますので、いま問題になっています四十一年の放送法の改正を提案いたしました当時は、なおNHK、民放以外の第三の形態と申しますか、放送大学学園、いま御提案申しておるようなものについては、全然予定していなかったと言えるのじゃないか、かように心得ておるわけでございます。
○湯山委員 それはそのとおりだと思います。ただ、とにかく当時から、この放送法では放送の発達した今日の事態に十分対応できないから放送法は改正しなければならないというお考えであったが、それができていないのですから、そのお考えは現在も続いていますね。放送法は変えなければならないというお考えは続いておりますね。
○田中(眞)政府委員 放送法の抜本的な改正でございますが、先ほど申し上げたとおり、四十一年の第五十一国会に提案いたしましたが、残念ながら審議未了、廃案というふうになったわけでございます。現在も私、電波監理局長を長とします電波放送関係法制調査委員会というようなものも設置いたしまして、鋭意検討中であるわけでございますけれども、何分にも、放送衛星とかあるいは多重放送というような新たに発生した分野もございますために、流動的な要素が非常に多いということで、鋭意検討を続け、改正の意向はあるわけでありますけれども、なお十分見きわめた上でやってまいりたいというふうな考え方でございます。
○湯山委員 あと大臣に御質問しますから、結論だけ簡単に……。 放送法は、いまの状態では実情に対応できない、これは四十一年でそうでしたのですから、そこで、これは変えなければならないという御意思は持っている、こう理解してよろしゅうございますか、局長。
○田中(眞)政府委員 そのとおりでございます。
○湯山委員 そこで、これは重大な問題ですから大臣にお尋ねいたしますが、大臣も、やはり放送法は現状に十分対応していない、改正しなければならないというお考えを、ただいま局長の答弁にあったとおりお持ちなのかどうなのか、大臣からはっきり御答弁をいただきたいと思います。
○山内国務大臣 同じ考えでございます。
○湯山委員 大変明確によくわかりました。 そこで、いま問題になっておるのは、放送法と教育面との問題が問題になっておりまして、先ほど中西委員から、この問題についてはかなり突っ込んだ御質問がございました。 そこで私も、それに関連してお尋ねしたいのですが、その前に確認しておきたいことは、先般連合審査のときに、確かにこれは第三の電波といいますか三本立てになると言えばなるけれども、しかしながら番組編成の自由、学問、研究の自由は守られるし、それからまた、この放送に当たっては放送法上の重大な問題、つまり、放送法の基本的なものは従来どおり守られていくという判断をしてこのような改正に応じたのだ、文部省のお話に賛同した、こういう御答弁でしたが、これは確認の意味で、大臣そのとおりでよろしゅうございますか。
○山内国務大臣 そのとおりでいいわけでございますけれども、放送事業者の体系が違うものでございますから、いまNHKと一般放送事業者と二本立てでございますけれども、いろんな財源の点とかあるいは教育の放送の問題等違うので三本立てにした、しかし、それ以外の条文は全部同じように適用されます、こういうことでございます。
○湯山委員 その問題の矛盾をなくしていくために、この法律にいろいろ放送法の準用規定がございますが、その中で四十三条、それから四十四条の第三項、その他放送法を準用する、つまり、協会規定を準用するということになっておりますが、先ほど来の御答弁では、その準用と教育の立場での諸般の問題、特に大学の自治、学問研究の自由、それらの問題には矛盾、そごはないというように両局長御答弁になりましたが、これはそのとおりでしょうか。
○宮地政府委員 私どもは、この法律でその点は、先生御指摘のように学問の自由と放送法第四十四条三項との調和については、矛盾なく調和されるものと理解をいたしております。
○湯山委員 そこで中西委員は、その点に矛盾があるという指摘をしたのですが、できるだけ具体的にお尋ねした方がいいと思いますから、まず第四十三条の準用、これは不可抗力以外に放送を十二時間以上休止してはならないという規定になっておりますが、この不可抗力以外という不可抗力というのはどういうことを指すのでしょうか。
○田中(眞)政府委員 学園の放送を十二時間以上休止する場合は、不可抗力による場合を除いて郵政大臣の認可を受けなければ云々という条文でございますけれども、この場合の不可抗力と申しますのは、天災地変等の物理的事由によりまして放送を継続することができなくなったというような場合のほか、当事者の責めに帰することのできない事由によりまして、結果的に放送の休止をせざるを得なくなったというようなものも含まれると考えておる次第でございます。
○湯山委員 これには、いまおっしゃった以外のことでとめた場合は罰則がございますか。
○田中(眞)政府委員 不可抗力によらないで休止をし、認可を受けることがなければ役員は処罰されるという規定になっております。
○湯山委員 そこで、大学局長にお尋ねしますが、この特殊法人ですね、あるいは放送大学、これに勤めておる職員は、あるいは教員は、公務員ですか公務員ではないのですか。罰則適用では公務員とみなすというのがありますけれども、身分的にはどうなりますか。
○宮地政府委員 公務員そのものではございません。
○湯山委員 ストライキ権は認められますか、認められませんか。
○宮地政府委員 先ほど申しましたように、公務員そのものではございません。したがいまして、この放送大学学園の職員というのは、労働組合法、労働基準法、労働関係調整法のいわゆる労働三法の適用を受ける、ストライキ権その他の権利は認められているものでございます。
○湯山委員 そうすると、ストライキで十二時間以上放送がとまったという場合は、だれが処分を受けることになりますか。
○田中(眞)政府委員 ストライキが、ここに申しますところの不可抗力に該当するかどうかにつきましてですけれども、それは当該ストライキの規模、態様あるいは業務阻外の程度等によりまして、個別、具体的に判断されるほかはないと思います。一般的に申しまして、許可を受けることができないほどの態様のストライキというものは余りないのではないか、こういうふうに考えております。
○湯山委員 それは大変なむちゃでして、初めから十二時間以上やろうと計画しなくても、なかなか頑迷固陋な理事長であれば、ついもつれて解決しないでいくことは、そういう場合があることは大臣も御存じですね。両大臣ともに、特に郵政大臣いかがですか。あるでしょう。
○山内国務大臣 ないことを希望いたしますけれども、あり得る場合もあると思います。
○湯山委員 ですから、その場合、いまの局長の御答弁では、これは全然了解できないのです。というのは、そこから向こうとめることは、法律に書いたとおり事実である、天変地異でもなければ当事者の責めに帰するものでないという明確なあれはないのですから、これはどうなりますか。だれが処分を受けるのですか。
○田中(眞)政府委員 ストライキを不可抗力による場合と認められなければ、学園の役員が処罰されるということになろうかと思います。
○湯山委員 役員というのはだれになりますか。たくさんありますよね。
○宮地政府委員 学園の役員としては、理事長及び理事が役員として規定をされております。
○湯山委員 いまの御答弁では、理事長も理事もみんな処分を受けるんですね。これはお調べになっていないのでしょう。——いま調べられたって、こっちは待つ時間がないのですから、ひとつ後で文書にしてでも、きちっとした答弁ででも改めてしてください。ここで対応する御答弁がないのは間違いないのですから、委員長そう計らってください。
○三ツ林委員長 後日答弁願います。
○湯山委員 次にいきます。 特に大事なのは四十四条三項の問題です。非常に丁寧に、宗教教育については、基本法九条二項の規定によって国の設置する学校とみなす、ですから、これはよくわかります。しかし政治教育については、ここでは何の規定もありません。そうすると、政治教育については、教育基本法の第八条が適用されるものと解釈いたしますが、それは間違いございませんか。
○宮地政府委員 教育基本法は、この放送大学にも適用がございます。
○湯山委員 それは基本法第八条が適用されるということでよろしゅうございますか。
○宮地政府委員 この放送大学も、法律に定める学校でございますので、教育基本法第八条が適用になる、かように解します。
○湯山委員 そこで、教育基本法第八条は、特定の政党を支持し、または支持させないための政治教育をしてはならないということですね。それさえ守っておれば、あとは何をやってもいいでしょう。
○宮地政府委員 御指摘の教育基本法第八条の規定の問題でございますが、先生御案内のとおり、第一項において「良識ある公民たるに必要な政治的教養は、教育上尊重すべし」ということが規定されておりまして、それとの関連で、学校における政治教育の限界を示すものということで、第二項において「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしではならない。」という規定になっているわけでございます。
○湯山委員 放送大学の先生あるいは学園の職員は公務員ではありません。しかし、教育に当たっておるのだから、これは守らなければなりません。ですから、特定の政党を支持し、また、これに反対するための教育でなければあとは何をやってもいい、極端に言えばそうでしょう。法律どおりそう解釈しますが、間違いですか。
○宮地政府委員 「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動」ということでございます。
○湯山委員 そうすると、ここですでに放送法と違ってくるのです。放送法では、特定の政党を支持し、または、これに反対することをやっていかぬという規定はないのです。放送法第四十四条三項では「政治的に公平であること。」、だから、Aの政党を支持する、Bの政党も言うておることはよろしい、しかし、それを一方は十ぐらいいいように言うし、一方は五くらい言う、これは公平でないのです。放送法ではこれはかからない。放送法では公平であればいいのです。だから、支持する、反対するということは対象にはならないのです。そのために矛盾は起こってこないでしょうか。
○宮地政府委員 先ほど、教育基本法の規定については「良識ある公民たるに必要な政治的教養は、教育上これを尊重しなければならない。」という規定を受けて、第二項の規定がございまして、「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育」を一つの例として掲げまして、「政治的活動をしてはならない。」という規定をいたしているわけでございます。放送法四十四条第三項の規定は、放送事業者が国民共有の財産である電波を独占的、排他的に使用すること等に伴います公共の福祉による制約の一つといたしまして、放送の政治的中立性を保つために、同項第二号で「政治的に公平であること。」と規定しているものと私どもは理解をしております。 このような点で二つの規定には、それぞれ立法の目的による相違があることは御指摘のとおりでございますけれども、教育基本法第八条第二項及び放送法第四十四条第三項第二号の規定が、政治的中立性を確保するという点ではほぼ同趣旨のものではないか、かように考えております。
○湯山委員 それはとんでもない解釈だと思いますよ。というのは、放送法では支持することをとめてはいないのです。反対することもとめてはいないのです。ただ、公平でなくてはならないということですから、公平にやれば支持することはちっとも差し支えないわけです。ところが教育基本法では、そうではなくて、支持すること自体を禁止しておるのです。それでも食い違いはないですか。
○宮地政府委員 先ほど申しましたように、教育基本法の規定につきましては、第八条第一項を受けまして第二項の規定が書いてございまして、「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育」、これを一つの例示として掲げまして、「その他政治的活動」ということで八条第二項の規定が成り立っているというぐあいに考えております。
○湯山委員 ですから、放送法と基本法とは違うでしょう。 ついでに言いますけれども、地方公務員にしても国家公務員にしても、政治活動の禁止は、特定の政党を支持し、あるいは支持させないためといった目的を持った行動でなければ、幾ら政党のことを言ったっていいわけです。この政党はいい政党だ、この政党は間違ったことを言っているということを言っても、そういう目的がなければ、これを監督し取り締まるといいますか、それの対象にならないことは、公務員である場合の規定をお読みいただけばおわかりだと思うのです。 だから、その行動なり教育にそういう目的があったかどうかというのが重点になる。その目的は何かと言えば、基本法の特定の政党を支持するとか反対するとかこれですからね。それと放送法とは全然違っておるのです。いまのように、初めの方は正しい政治的理解の教育をしなければならぬということで、それとこれとは全然違うわけです。一方は積極的規定、一方は禁止規定ですからね。それとこれとを一緒に合わせて理解せいと言ったって、それはできないことです。 そこで、これは両局長にここで御答弁願うても、また同じことですから、放送法でこういうことを禁じておるのだ、基本法ではこういうことを禁じておるのだ、そうするとこれはどう違う、一致するのはどう完全に一致するかということの明確な資料をお示し願いたいと思います。 委員長、これもひとつお願いします。
○三ツ林委員長 後日、資料の提出をお願いいたします。
○湯山委員 今度は具体的な問題ですけれども、いまのようなことがありますから、そこで、放送大学の先生が放送大学で公平な授業をやったとします、電波で出た放送は非常に公平であった、だから、その先生は教育公務員としての拘束を受けません。今度は別な民放へ行って教育じゃなくて講演なんかをするときに、いや私は自由民主党が大好きで、こんないい政党はありませんと言うても、これはかかりませんね。放送大学の教官が放送大学の電波では公平に言います、しかし、その人が民放で放送をしてはいかぬという規定はないわけですから、一つチャンネルを切りかえたら、その人が、いやこれは自民党でなければいけませんという放送をしておっても、大学局長、これは差し支えないですね。
○宮地政府委員 御指摘のとおり、放送大学の教官は公務員ではないわけでございます。したがって、政治的行為の制限を受けるということはないわけでございます。そして民間放送に出演する場合は、放送大学の教育に携わっているということではございませんので、教育基本法八条の適用は受けることがないわけでございます。したがって、放送大学の職員の立場としては問題がないわけでございます。しかしながら、その放送自体が放送法第四十四条第三項第二号の適用を受けるかどうかということは、その政治的意見の内容が放送法に抵触しない内容であれば差し支えないもの、かように考えます。
○湯山委員 いまの点について郵政省の御答弁はどうでしょう。
○田中(眞)政府委員 放送大学の教授が民放に出演するということは十分あり得ると思っております。その場合に、出演いたしました教授が放送大学の講義と異なった見解を述べるということも事実あり得るだろうというふうに考えます。そして、それにつきましては、一方では大学の講義といたしましての実質を有する学園の放送内容だということになろうかと思います。民放のような場合には、そのような目的を離れました番組形態であろうということで、趣旨が異なっておるだろうというふうに考えます。
○湯山委員 そうしますと、民放の方でやる場合には、中山千夏さんのように私は今度選挙に出ますとやる。だから、放送大学の教官が放送大学から全国に向けて、何百万の聴視者に向けてまことに大学の授業らしいのをやって、それで名前も顔も売って、そして今度チャンネルを切りかえたら、私は今度全国区へ出ますとやる、それは構わぬのですね。
○田中(眞)政府委員 放送番組につきましては、放送法の第三条によりまして、放送事業者に放送番組編集の自由が保障されているところでございまして、その編集は放送事業者の責任においてまず自主的に行われるということで、先生の御質問に対しては、一言で申しまして構わないというふうに考えております。
○湯山委員 そうすると教育的にどうですか、それはいいですか。これは政治家である大臣から聞きましょう。いまのように放送大学の教官として全国へぱあっとまじめなというか、とにかく授業をして、それで今度チャンネルを切りかえてみたら民放へ出ておって、私は今度全国区へ出ます、そういうことがあっていいですか。これは政治家としての大臣の御答弁を伺いたい。
○田中(龍)国務大臣 一人の人の人格が二重に分裂した行動をとるようなことは、人間としてどうかと思いますけれども、しかし、これは厳密な法律解釈という問題とは違う問題であろうと思います。(湯山委員「それで」と呼ぶ)それで結局、その人の人格、識見というものが批判されることになると思います。
○湯山委員 いや、それはおっしゃるとおりですけれども、私がお尋ねしておるのは、文教の責任者としてそういう事実があっていいとお考えですか、そういう事実はあってはならないとお考えですかということなんです。
○田中(龍)国務大臣 そういうことはない方が望ましいと思います。
○湯山委員 大臣は、非常に遠慮してない方がいいとお答えになりましたが、すでに文教の立場と放送法の立場とは違いますよね。いま中西氏が追及した中にもこういう要素はあるわけです。教育の方はそれでは困る、一方の放送の方はそれはやむを得ぬ、先ほどはそういう心配はないとお答えになっておるのですが、こういう食い違いがあるということを指摘しておきます。 私がここで特に問題にしたいのは、意見が対立している問題について、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること、この問題です。先ほど中西委員も、この問題中心で追及しておられましたが、これは重大な問題です。というのは、局長は先ほどの御答弁では、教育としても反対意見があれば当然、その反対意見を取り上げるべきだ、それが教育者としての常識だというような意味の答弁をなさいましたが、これは取り消されたのですね。中西氏が追及して言い直しましたね。まだ固執されますか、それは取り消されますか。
○宮地政府委員 先ほど、後ほど答弁をさせていただきましたように、大学自身が御判断になることというぐあいに申し上げたわけでございます。
○湯山委員 そうですよ。局長が当然そうあるべきだなどということを言うことは、私は、少し言い過ぎだという感じで受けとっておりました。 そこで、対立した意見についての扱いですが、これがまた大変違っております。では、いま日本で一番大きく意見が対立している問題というと、具体的には何をお考えになりますか。これは私、憲法第九条だと思います。憲法第九条については、奥野元文部大臣も、その解釈については百八十度の違いがある、それからきのう、朝日で発表になった自民党議員の皆さん方のアンケートでも、やはり第九条については、意見の対立、解釈の対立があり、それをなくするために改正しなければならないという御意見も多々ございました。委員長はどちらだったか、これは委員長に質問する問題ではないから御遠慮申し上げますけれども、文部大臣はさすがに答弁を避けておられまして、慎重にしておられましたが、教育の場合は、この憲法の解釈は、もし非武装中立でなければならないというのであれば、これは現実離れしていますということを堂々と放送でやるのはちっとも構わないと思うのです。特定の政党を支持するための政治活動ではありません。学問のために自分の憲法解釈を講義でするのですから、これはひっかかりませんね。局長、どうですか。ひとつ明確に……。
○宮地政府委員 従来から御答弁申し上げておるわけでございますけれども、政治的な問題にかかわる場合において、講師が自己の学問的見解を述べるということは基本的に許されているというぐあいに理解をいたしております。 ただ、放送法四十四条三項との関係においては、大学側において適正な自制をするということにおいて調整を図るというようなことで、従来から御説明を申し上げているわけでございます。
○湯山委員 学者が、極端に言えば、憲法ができたときのいきさつ、それから、あの条文を素直に読めば、これは非武装の戦争放棄でなくてはならない、戦力は持てないのだ、陸軍も海軍も持てないのだ、吉田茂さんが前に言ったように、もし政府がああいうふうに解釈したからといって、憲法九条を軍備が持てるのだと解釈をする者は曲学阿世の徒だということを仮に言っても、教育の面ではそれは抵触するところはありませんね。それだけはっきりしてください。
○宮地政府委員 基本的には、従来御答弁申し上げているとおりでございまして、講師が学問的見解を述べるということは許されている事柄でございます。かように理解をいたしております。
○湯山委員 ところが、放送法ではそれはいかぬのですよね、違った意見があるのですから、百八十度違う意見が。しかも、日本の基本的な憲法についてあるわけですから、放送法ではそれはいけません。やはり対立しておる問題については、できるだけ多くの角度から、そうは言うけれども、こういうのもある、こういうのもあると言わなければ放送法ではひっかかるのです。そうすると、それについて放送法は干渉しないということは言えますか。 さっき中西委員が追及したときに、そういうことはないと言っておりましたけれども、いまのように、教育の上では軍備を持てるなんと言うのは曲学阿世だ、非武装は全く世の中を知らない、現実離れしているというようなことを、スクーリングのときは別ですけれども、放送電波を出すときにある教授が言った、これはいま局長が言われたように、教育基本法の上からは問題ない、教育の法律の上からは問題ない、ただ準用しておる方でひっかかる。となれば、そちらが、今度規制することになれば、さっきはそういうことはないと言ったけれども、事実出てくるのじゃないですか。
○宮地政府委員 従来からもその点については御答弁を申し上げているわけでございますが、放送によって行う教育でございますので、放送法の規定がかぶさってくる、その限りにおきまして、具体的な講義についての制約がその部分については及ぶことになるわけでございます。 ただ、御指摘のように第四号の「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにする」というようなその方策についての規定があるわけでございますが、しかし、論点を明らかにした上で講師の学問的見解を述べることは禁止されていない、かように解しているわけでございます。
○湯山委員 論点を明らかにする必要があるのですか。 もっと極端に言いますよ。どうも局長はさっきからそこであいまいになるのですけれども、もっと具体的にわかりやすく言えば、自然科学ならおわかりでしょう。たとえば、有名なのは神経伝導何とかいうのがありましたね。減衰説と不減衰説、つまり、先生の京都大学の石川日出鶴丸という人は、神経の伝導は減衰する、お弟子さんの慶応大学の加藤元一という人は、いや減衰しない、これを相手のを立証するところまで行ったりしておったら自分の研究はできませんよ。それはそれで一つずつが貴重なのです。そしてそれが日本の医学を進めたし、その子弟が全く立場を異にして学問上で争ったということはいまだに美談です。だから、私らみたいな者でも、名前と何とか説までも覚えているくらいの美談。これが学問でしょう。そのときに、相手の加藤というのは、減衰化じゃないので、自分の道をずっと突っ込んでいってこうだという信念を持つのです。だから、真剣に研究していけば、局長の言うようなことをする余裕はないですよ。それでおわかりいただいたと思います。どうしてもこれは、いまのように制約が及ぶというのはお認めになったとおりです。 それでは、いまのような授業をしたら、放送法によってどういう措置をとるのですか。これを承りたいのです。
○田中(眞)政府委員 放送法第四十四条三項に違反した場合の処置という御質問かと存じますが、放送法四十四条三項の規定に違反する放送がもし行われたといたしました場合、理論的には放送法に違反したものとして電波法七十六条に基づく行政処分を行うということも一応可能であると考えます。しかしながら、番組内容については、行政判断を行うための手続が法律上規定されておらないこともございまして、番組内容に関しまして法的措置を講ずることは非常に困難でございますために、実際上の運用といたしましては、放送事業者が放送番組を編集するに当たりましての準則という形で放送事業者の自制に期待するのが適当ではないかというふうに考えております。 なお、参考までに電波法七十六条でございますが、「郵政大臣は、免許人がこの法律、放送法若しくはこれらの法律に基く命令又はこれらに基く処分に違反したときは、三箇月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じ、又は期間を定めて運用許容時間、周波数若しくは空中線電力を制限することができる。」という規定がございます。
○湯山委員 ですから、いま私が言ったように、大学局長の方はそれは別に関係ないのだと言う放送をしても、今度はいまのにひっかかれば電波法による行政処分を受けるか、極端に言えば電波をとめられる。しかし、一義的には業者の自主的な判断にまつ、これはよくわかりますけれども、やはり極端な場合いまのような処置がなされる。そうすると、これは自由が守られているということになりません。これは非常にはっきりいたしましたから、そのことだけ指摘しておきます。 いま非常に明確に両方で、一方はよろしい、しかし、放送法から言えば四十四条三項に該当する、極端な場合は電波法による行政処分、まあ三カ月の停止なんて大変ですよね。しかし第一義的には、事業者の自粛、自覚にまつ、よくわかりました。ぎりぎりのところの処分はあるということだけはっきりすれば、それでもう私はこの問題はよくわかったし、さっき中西委員がずいぶん時間をかけて苦労してやっておった問題は、やはり干渉があるということが明瞭になったということで、これを指摘しておきます。 それから、同じように第四十六条ですか、広告のことがあります。これもわかりやすい例です。放送法と教育との矛盾が起こる点です。「他人の営業に関する広告の放送をしてはならない。」ということですね。この四十六条には罰則がありますか。罰則のことを聞いてえらい悪いようですが……。
○田中(眞)政府委員 ございません。
○湯山委員 罰則はないそうですけれども、これもやはり大学の先生が、家庭教養なんかのところで、料理のときに味の素なんかを使えばこうですという放送をしてもいいですか、いかぬですか。大学局長の判断はいかがですか。
○宮地政府委員 恐らくは教育を行います場合に、化学調味料というような普通名詞の形で示すことになるのではなかろうか、かように理解をいたします。
○湯山委員 だから、いいか悪いかです。悪いからそうするのか、どっちです。いけませんか、味の素と言うのは。
○宮地政府委員 具体的な固有名詞で示すということが必ずしも適切でないということであれば普通名詞で示すというようなことになろうか、かように考えます。
○湯山委員 ちょっとはっきりしないのですけれども、一体化学調味料というのは何でしょう。食塩は化学調味料ではないのですか。岩塩が化学調味料でないことは間違いありません。しかし、イオン交換何とか反応でつくった食塩というのは、これは化学調味料じゃないのですか。
○宮地政府委員 その点については私、明快に御説明するだけの材料を持ち合わせておりません。
○湯山委員 厳密に言えば、化学調味料と言われる味の素は、私の聞いたところではグルタミン酸ナトリウム、食塩は塩化ナトリウムですが、やはりナトリウムの塩類でも、それのつくり方が自然に天日でできるか化学反応でつくるかで、化学反応でつくったものは食塩だって化学調味料です。それから、合成のしょうゆだってやはり化学調味料でしょう。ですから、化学調味料という言葉は学者はこわくてよう使いませんよ。使うのならグルタミン酸ナトリウムあるいは塩化ナトリウム、そうですよね。化学調味料なんてこんな漠然としたものでそんな教育できぬでしょう。どうですか、大学局長。
○宮地政府委員 先生の具体的な御指摘の点については、私どもさらに勉強させていただきたいと思います。
○湯山委員 それではひとつ、本当に勉強してください。これは大事なんですからね。授業ができないんですよ。わかりやすい例として申し上げておきます。 それから、たとえば地域の産業の問題で、コカ・コーラがたくさん入ってきておるので、ミカンをつくっておる農家が影響を受けますというように、コカ・コーラという言葉を使っていいのですか、使っていけないのですか。
○宮地政府委員 問題は、その事柄が広告放送の禁止に該当するかどうかの解釈であろうかと思います。具体的な商品名を挙げての説明で四十六条一項に該当するものであれば、それは適切でない、かように考えます。
○湯山委員 その点、文部省サイドからは、さっきの化学調味料というのはあいまいないいかげんな言葉だから、これは教育の立場からは否定したい、これはそのとおり。これはまあ研究してください、わからぬと言うから。コカ・コーラはもうはっきり商品名です。 そこで、こういうことがあったんですよ。現在、在籍しておる議員が、私がいま言ったように、コカ・コーラが輸入されてミカン農家は大変だということを、あの当時四分間か何かの政見放送の中でやろうとした。そうしたら某局は、コカ・コーラと言うのはやめてくれ、これは外国から輸入された飲料、果汁飲料か何かそういう表現に変えてくれというので、コカ・コーラというのをやめさせられた例があるのです。これは証人を連れてこいと言えば、いまこの衆議院におりますから連れてきても結構です。 これは文部省ではどうもならぬでしょう。すると、放送法による取り締まりはそこへ及ぶわけですよね。だから教育、学問、研究というものについて、いま問題にしている電波で出るものだけで問題にして言えば、やはりそれは教育が拘束を受けるわけです、放送法四十六条の規定から言えば、いやコカ・コーラはちょっと問題だからと。罰則はないそうですから注意を受けるだけか、やめてくれという干渉があるか、とにかくあります。それから、いまの化学調味料、味の素と言っちゃいかぬ、こんなわかりやすいことさえあるのですから、さっきのようにそういうことはありません、ありませんでは済まされない問題です。 したがって、今度は郵政大臣にお尋ねしますが、こう見てまいりますと、教育のいまのような内容についても、郵政大臣の監視、これは罰則は別として監視はやはりなされる、不適当なときはそれぞれ指示なされるという場合があるということはおわかりいただいたと思いますが、いかがでしょうか、郵政大臣。
○山内国務大臣 郵政大臣としては、法律に基づきましてそういうケースもあり得ると考えております。具体的には申すわけにいきませんけれども、あり得ると考えております。
○湯山委員 大臣の御答弁ですからそれで結構です。いまの御答弁のようにあるんですよ、大学局長。これは文部大臣もお認めになりますね、いまの点。お願いします。
○田中(龍)国務大臣 郵政大臣の言われたとおりでございます。
○湯山委員 そうですね、両大臣の御答弁で大変はっきりしました。 だから、さっきあれだけ中西委員が追及したときに、あなたは、そういうことはないということを、あれだけしつこく御答弁になったけれども、両大臣は、あるということをお認めになったのですから、もう一遍この問題も御検討願いたい。これは次に中西委員が改めて質問されることになっていますから、そのときでも結構です。決してないのじゃありません。教育番組の自由、放送の自由というものは拘束を受けるのです。教育の面だけじゃなくて、そっちの拘束を受けるということが明瞭になりました。 そこで、そうなった場合に、先般来問題になりましたように、一体それで本当の教育、学問の自由あるいは大学の自治が守られるかどうか。他からの干渉があれば守られないということになることはもう必然ですから、その点もう一遍検討願いたいと思います。郵政大臣がお急ぎのようですから、と言っても余りお役に立ちませんけれども、次の問題へ移ります。 次は、いま文部省の計画では、昭和七十一年からとにかく全国八〇%をカバーする電波が完成するということですが、七十一年に装置が完成すると、出るのは七十二年からです。そうすると、これは県単位でだんだんやっていくという計画ですから、学習センターも県単位に置くというのですから、最後の県はどこが残るのか。どうもいまの向きでは愛媛県あたりが一番後になりそうなので、まことに心配でならないのです。とにかく七十二年から新学年が始まったとすれば、四年かかりますから七十六年ですか。昭和七十六年というのは今世紀じゃないんですよ。来世紀です。いまこれだけ進歩しておるときに、文部大臣、郵政大臣がお考えいただいて、これだけ論議して国民に期待を持たしてやるものが、実際には来世紀の問題だ、こういうことでいいのでしょうか。私は、このことについていまからお尋ねしたいと思うのです。 これは郵政大臣としては、もうすでにUHFもちゃんと確保してある、ラジオの方もちゃんと確保してある、いつ何どきでも文部省の方がおやりになると言えば、ネットワークの完成は五年もあればできますというような——金のことは後にします。金のことは大事だと言われましょうけれども、それ抜きにして、そうしないと計画が立たないから。一千億要るものなら十年なら百億で済むし、五年でやるなら二百億で済むし、これはお互いの努力、皆さんの努力でどうにかなることです。とにかく馬力をかけたら最短何年でできるか。いまネットワークでやれば、いますでに確保できておるのですから、何年たてば、いま計画しておる八〇%をカバーできるのか。これは電波の方だけから考えて何年でできるのか。 それから、もう一つあるんですよ。いま放送衛星が問題になっています。放送衛星ならば、今度の五十八年の打ち上げはNHKだ、その次は六十三年。そういうことになれば、それに伴ういろいろなことがありますね。それにしても六十三年の衛星で放送大学の放送ができれば、何年でやれるという一番短いのを言うてみてください。これは大臣の前で局長でもだれでも結構です。
○田中(眞)政府委員 二つ御質問があったかと思います。 まず、学園の放送につきまして、地上のマイクロ回線を整備すると完成まで最大何年程度が必要かということでございますが、学園の番組伝送用の回線が必要なので、現在NHK、民放も電電公社のマイクロ回線を使用しておるわけでございますけれども、放送大学学園の計画がはっきりした段階で電電公社の方に正規に申し込む必要があろうかと思います。申し込んだ段階で全国回線が一系統準備できているか、あるいは部分によってはさらに施設増を要するかどうかが判明しようかと思いますけれども、五年もあれば十分全国回線ができるというふうに考えます。 次に、放送衛星によることでございますけれども、現在確実になっておりますのは、五十八年度冬期にNHKの難視聴対策用のものが打ち上げられるということで、一方、これに継続させるということになりますと、最低四年ないし五年、計画してから衛星が打ち上がるのにかかるのでございますけれども、現在の五十八年度打ち上げのものは五年の寿命を目途としておりますので、五年もったとしますと六十四年の二月というようなことになろうかと思います。これにつきましては、やはりいろいろ技術的な問題もございますけれども、NHKの二チャンネルのほかにもう一チャンネル乗せられるような能力を持たせなければいけない。それからその際に、六十四年度の冬に打ち上がったといたしますと、これは送信の側では一発で日本全国はカバーできるわけですけれども、受信側は先ほどの地上のマイクロですと、従来持っておりますテレビ受像機でそのまま受けられるわけでございますけれども、放送衛星の場合はアンテナとアダプターというものが必要でございまして、これが普及段階で六、七万前後ないし十万以下というような経費は余分にかかろうか、これは受信機一台一台でございますが、そういうふうに考えております。
○湯山委員 大変明快な御答弁でありがとうございました。 お金の問題は別として、放送衛星を使うとすれば、受信する側はいまのようにアンテナやアダプターの準備をしなければならない、量産をしなければならない、ということを考えれば、これは早く決めなければいかぬわけですよね。早く決めなければ利用できないわけです。 〔委員長退席、中村(喜)委員長代理着席〕 それにしても、いまのマイクロ回線、ネットワークの整備だけならば五年もあればできる。だから、一番近代的なこういうものをそんなに来世紀にまたがるようなことでは、いまから十何年ですか、とにかく二十年も先でなければどうにもならぬ。しかも、愛媛県がひっかかったというようなことになったのでは、これは何のことかわからないです。 それで、やはりもっと早くしなければならないと思いますが、郵政大臣、放送衛星の打ち上げももちろん郵政大臣の御所管だと思いますが、あれは科学技術庁ですか、両方ですね。ですから、ひとつネットワークの整備、それから放送衛星を含めてできるだけ早く、みんなが開かれた大学の教育が受けられるように、これは単に大学だけじゃなくて周辺のたくさんの国民の教育につながるのですから、いま言われたように可能なのですから、予算の問題はありますけれども、全力を挙げてやるように御努力願いたいと思います。郵政大臣の御所見を伺いたいと思います。
○山内国務大臣 いま電波監理局長が説明をいたしましたように、いろいろと苦心をしながらやるという計画でございまして、郵政省としては大いに努力をしたいと思いますが、宇宙開発事業団とかいろいろ関係するところがございますので、その点はよく協力してやりたいと思っております。
○湯山委員 放送衛星の場合はおっしゃるとおりです。しかし、マイクロの整備は郵政省サイドでできることですから、いま局長が言われたように、ひとつ速やかに対応していただくようにお願いいたします。 さて、問題は文部大臣です。そうなると七十一年、来世紀にかかるようなことにする責任は文部省にあるということがよくおわかりいただいたと思うのですが、その点どうお考えでしょうか。文部大臣、率直な感じをお述べいただきたいと思う。
○田中(龍)国務大臣 いろいろと技術上の問題やら困難があるといたしましても、放送衛星の問題は問題でございますが、一般の放送学園大学に伴いますセンターの開設その他については、鋭意早期に努力して完成したい、かように考えております。
○湯山委員 当然だと思います。 そこで、いま放送衛星のことにお触れになりましたが、放送衛星にも寿命がございまして、そう十年も二十年も使えるのじゃなくて、現在の放送衛星では五年がやっとこさです。そうすると、六十三年に放送衛星を上げたとしても、六十八年にもう一つつくらなければならぬ、七十三年にまた上げなければならぬ。初めに上げた衛星というのは、全国カバーできなかったらずいぶんむだをしておるわけです。仮に六十三年に上げたとしますか、しかし、カバーする区域が全部に及んでいない、まだ計画ができていない。四国や九州は後回し、中国も端っこの方はだめ。広島周辺、大阪周辺、それから東京周辺、名古屋周辺、こんなことになっておったら、その周辺部というものは、せっかく人工衛星が六十三年に上がっても、何の恩恵も受けない。つまり人工衛星はむだをしている。六十八年にまた次が上がる、これもまたむだなところがあって、一〇〇%働いてないということで、むだなことなんです。そのためには早くやって、放送衛星はいまのような話ですと五十八年は無理のようですけれども、いま電波監理局長も、六十三年には二チャンネルじゃなくて、もっと積める見通しがあるだろうということですから、そうすれば、そこで出れば、そのときこちらの受けざらができておれば一〇〇%いけるわけです、八〇%じゃなくて。そのためには七十一年なのは、一にかかって文部省に責任があります。 いま郵政省側は対応する、ネットワークでも五年あればできるのですから、ネットワークなら六十年から八〇%カバーできるわけですから、とすると文部省にあるわけです。これはこれじゃいかぬ、もっと早くしなければならぬという御決意が大臣におありかどうか。
○田中(龍)国務大臣 もちろん、いっときも早く完成いたしたいと思います。
○湯山委員 大臣のお考えはよくわかりました。そうすると、局長もおかわりになって間がないから無理と思いますけれども、私がこの前あなた方に聞いたときは、七十二年からいくのだから七十一年で完成する、これと変わってないと思うのです。しかし、それから何国会も経て今日なお、石で手を詰めたように七十一年、七十二年ですか、固執しておるわけです。ここに私は問題があると思う。郵政省の方はもう五年で八〇%カバーの体制ができるというのに、文部省の方はいつまでたっても来世紀の線を固執しています。これはいまの大臣の御答弁の趣旨とも違うわけです。 そこで、郵政省にも一番早くすればいつまでにできるかということをお尋ねしましたが、同じような質問ですが、文部省は、言葉は悪いけれども、大学局長が本当に挺身して、郵政省の案を信用してこちらの体制をばっとつくるのに一番短ければ何年でできますか。
○宮地政府委員 ただいま大臣からも御答弁したとおりでございまして、私どもも、早期に完成を図るという点では、全力を挙げて努力をさせていただきたい、かように考えております。 ただ、従来から御説明申し上げておりますように、この点は、また繰り返しの御答弁を申し上げて大変恐縮なんでございますけれども、確かに、地上の電波そのものを届けることにつきましては、郵政省御当局の御答弁があったわけでございますが、放送大学全体として全く新しくこれから取り組んでいく大学ということについては、従来からるる御説明をいたしております。そしてまた、放送以外に学習センターでのスクーリングを実施するということも、もちろん大事な要素の部分になっております。 そういう実際に大学を実施していきます際の具体的な問題点というのは、やはり第一期の計画でまずやらしていただきまして、そこで出てまいります問題点を、さらに前向きに、個々具体の問題を解決をしながら前進をさせていくというような課題もございますという点を、従来申し上げておるわけでございまして、全体的な計画の早期完成を図るという決意につきましては、ただいま大臣が御答弁申し上げた線に沿いまして、事務当局としても努力をさせていただきたい、かように考えております。
○湯山委員 そうすると、いま問題は、スクーリング等の体制だということですが、第一期のときにできる学習センターは四カ所ですか。
○宮地政府委員 六カ所でございます。
○湯山委員 その六カ所の職員は、仮に静岡なら静岡としましょうか、静岡のセンターの人が鹿児島のセンターへも行かなければならぬというわけではないですよね、ダブるわけではないのですから。六カ所へできるのなら十カ所もできるでしょう。同じような形態の国立大学がある、あるいは私立の大学がある。千葉の場合は、それは放送のそれがありますから違いますけれども、六カ所の中の他の学習センターというのは、特に違ったものじゃないでしょう、鹿児島のも長崎のも。そうですね。
○宮地政府委員 それぞれ地域の学習センター、地域の特性というものもあろうかと思いますけれども、具体的に取り上げる事柄として基本的に相違があるわけではございません。 〔中村(喜)委員長代理退席、委員長着席〕 ただ、申し上げておりますのは、放送を視聴することによります教育の部分が約三分の一、それから学習センターによるものが三分の一ということで従来御説明申し上げている点がございます。それらの具体的な組み合わせをどのように実施していくかということにつきまして、もちろん、ただいま放送教育開発センターにおきましても、実験番組を出しまして、それらの点の問題点と申しますか、そういうようなものの検討というものは鋭意やらしていただいております。しかし、実際に大学として運営をしていく際には、私どもとしても、万全の計画を用意して対応しておるわけでございますけれども、実際に現実の問題として処理をしなければならぬ個々の具体の課題というものが実際問題としては上がってくる、かように考えております。 もちろん一番大事な点は、そのための教員の確保ということも大変大事な点でございます。そして具体的に、国公私立の大学等に協力をお願いすると申しましても、実際に現実問題としてどういうぐあいな協力の度合いといいますか、それができるのか、またできない点をほかでどう解決するのかというような個別の事情につきまして、実際に実施をしました上でなお解決を図っていかなければならぬ課題もいろいろあるのではないかということを、従来御答弁申し上げておるわけでございます。
○湯山委員 私の質問に的確にお答えになっていらっしゃらないんですよね。基本は同じじゃないですか、具体的な、だれがどうまでといけば、それはみんな違うけれども、とにかく教授が一名、助教授が何名、あとは何十名かの非常勤の協力を受ける、それはそういう同じような人でも、新潟も石川も愛媛もそうというのじゃなくて、別々なんですが、体制は、基本的には関東のどこかでできるのなら、同じ時期に鹿児島でもできる、同じような取り組みを開始できる、その点はいいですね。
○宮地政府委員 具体的な地域の事情というものはあろうかと思いますけれども、学習センターの学習と本部から流します放送番組との連携というようなことについての検討というのは、もちろん基本的に異なる点はない、かように考えております。
○湯山委員 そうすると、六カ所スタートするのも十カ所スタートするのもそんなに違わないわけですから、いまお考えになっておる七十一年というのを縮められるはずです。また縮めなければならぬ。そういう責務が新大学局長にはあるわけです。そういう御決意ございますか。
○宮地政府委員 先ほど大臣の御答弁されましたところに沿いまして、事務当局としても努力をさせていただきます。
○湯山委員 郵政省側が具体的に年数まで挙げて最短距離はこれだけだという御提示があったんですからね。もうこの法案の審議も大分進んでおります、何十時間も審議したのですが、いまだに全力を挙げて最短の期間で仕上げれば何年にやれるというのが、長いものはあるんですよね、何年以内という遠い方の端はあるのですが、近い期日の提示がないのです。 そこで、いまの御決意と、私が申し上げましたように、センターの構造というのはもうモデルが示されておるのですから、スタートは六つでも十でもあるいはもっと多くても同じようにできるのですから、それを詰めていけば——お金の方は、もし都合がつかなければ、その範囲で多少の伸び縮みが後で出てくるのはやむを得ません。ただ、教育的な体制をつくるのに、放送体制は五年でできる、それなら教育体制をつくるのは最短何年でできるか。もう七十一年ではありません、六十五年にはできます、十年向こうです、こういうものを示してもらいたいのです。当然示すべきだ。そうしなければ審議にならないでしょう。いまの、放送の方はもうここまで来て、放送衛星の場合でもこうこうだというめどが立っておるのに、文部省が相変わらず七十一年じゃ話になりません。ひとつ詰めて、こういう努力をする、そうすれば、お金がなければ別ですが、それを抜きにして考えれば体制づくりは何年でできる、その計画をお示し願いたい。これは無理じゃないでしょう。大臣、どうでしょう、お示し願えますか。
○田中(龍)国務大臣 ありがとうございます。御協力のほど、ひとえに感謝します。
○湯山委員 そこで、大臣が督励して、多少無理があると思いますが、とにかくわれわれに、審議する最短距離、一番短くやればどれだけで行けるという計画をお出し願いますように御尽力願えますか、いかがでしょう。
○田中(龍)国務大臣 もちろん、早期に通過することができますれば、体制の点におきましては、文部省としましては責任を持ってやらなければならぬ、かように考えます。
○湯山委員 御理解いただいたと理解いたします。新しい局長ですが、一生懸命やっておられますから、もう一つ大臣から励ましていただければ、きっとりっぱな資料が、この法案審議中に出ると思いますから、ぜひひとつ御督励願いたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 ありがとうございました。
○湯山委員 最後に、時間もありませんから一つだけお尋ねします。 大学局長、この学園がつくる大学の数が一校でなければならないという規定はこの法律にございますか。
○宮地政府委員 法律の規定として一校ということを規定している部分はございません。ただし、私ども従来から御説明を申し上げておりますように、この放送大学の基本構想に従いまして進めてまいっております考え方といたしましては、一つの大学として考えている、かようなことでございます。
○湯山委員 それはよくわかります。しかし、多数つくったからといって、いま出しておる法律を改正しなくても法律違反ではありませんね。
○宮地政府委員 具体的な事柄といたしましては、ただいま御説明しましたように、一校ということを想定して従来とも作業を進めてまいっておりまして、そういう従来の構想を受けまして法案の御審議をお願いしているということでございます。条文の規定としては、明文の規定でそういう一校ということを提示しているということではないということでございます。
○湯山委員 そこで、私はさっき、文部省としてもっと早くできないかということを申し上げると、局長は、地域によってスクーリングその他の特性も考えなければならないということもしばしばおっしゃいました。確かに、教育の三分の一の電波で出る部分は恐らく全国共通でしょうが、スクーリングはかなり地域性がありますし、それからテキストも、大きい印刷は全部一律になるでしょうが、場合によれば欄外へ地域に即したものを参考として入れることは可能ですから、そういう自主性は地域地域の各県別に置かれる学習センターにもあっていいのではないか、また、なければならないのではないか。また、どの先生を頼んでくるにしても、全部中央の学長が行って四十幾つを回ってやるわけにいかぬですから、そういうことを考えてみると、ひょっとすると法律的に認められるのならば——これは結論が私にもありません、御研究願いたいのです。現在、国立大学も各府県にありまして、文部省が一応行政的にその責任を持って結構運営できておるのですから、学園は学園としていまのようにする、中央の放送は東京放送大学がやるならやって、あとのところもやらぬわけではない、中継してやりますから放送施設も持つということで各県別に大学を認める。それなら名前も簡単で、山口県にできたのは山口放送大学でいいわけです。 そういう形にしてやっていけば、さっき教授会と評議会の問題がありましたが、そこでちゃんと教授会ができますよね。これは何の法的な矛盾もなくてできていく。しかも、完成した場合に、大体どれくらいの学生、四十五万として県当たりにすると一万くらいでしょうか、大ざっぱな計算ですが、一万としてスクーリングが三分の一で三千名ですね。この三千名の学生がスクーリングを受けておる大学というのは、そんなに小さい大学じゃないでしょう。そうすると、そこでスクーリングもやる、実習もやる、カウンセリングもやる、しかも時間割りも決めて、先生たちでここの足りないのはここの人がやるとか、そういうことをやっていくのに、会議やそういう協議なくしてはやれない。 そこで、もし大学の自治を侵すものがあれば、個々の単位単位でこれを教授会で排除していき、それがうまく運営していくようにしていくということを考えれば、また別な問題はありますけれども、部分的に解決される問題もあるのじゃないか。これはそれがいいとは私も申しません、ただしかし、いままで全然そういう検討はされていないでしょう。いかがでしょう。
○宮地政府委員 放送大学の構想の検討の過程におきましては、全国一律に同じ番組が放送されるという形で構想するよりは、幾つかの放送大学の連合体というような形の方がいいではないかというような議論もあったように伺っております。それらについて整理、検討いたしまして、放送大学及び放送大学学園としては一つ設けるという考え方に立った法案としてまとめられるに至った、かように伺っております。
○湯山委員 そこで、この問題も私はやはり一遍検討してもらって、そうした場合にはどういう長所がある、また、どういう短所があるというようなことを御検討願って、これもひとつ資料にしていただきたいのです。法律的には、いまのように別にそうだからといってこの法律を変えないでもできることですから、また、初めの方でそういう御意見があったということも、これもある意味では貴重なので、あるいは教授会とか大学の自治とかそういう観点からこうすべきじゃないかという意見もあったかもしれないし——私は、スクーリングの運営などというものは、いまのように何人かの非常勤の人がぽこっと教室へ入ったらぱっとできるような体制というのは、これだけ何千という学生を持って簡単にできるものではないと思うのです。 そうすると、それらの運営というのは、やはりその非常勤の先生も含めた何かの機関、対応する機関、それがなければ困るのじゃないか。ただ若干問題なのは、学長が理事になるという規定があるから、理事の数は少し多くなりますけれども、理事会というのは一向に機能するように書いてないから、これは構わぬのじゃないかな。学長が理事長を兼ねる場合もね、東京放送大学の学長が理事長を兼ねる、あるいはまた埼玉放送大学の学長が理事長を兼ねる、これも法律上できないことでもないししますよね。私、いまそれがいいとは申しません、しかし、運んでいく段階的には検討していただかなければならない問題じゃないか。そういう点の資料は、さっき局長も言うように、あったそうですぐらいしか残ってないのですから、もう一遍、そのときに検討した資料等を御提示願って、私たちも、真剣に考えていきたい、このように考えますので、これもひとつお願いいたしたいと思います。 委員長もひとつ、いまのようなことですから……。 時間が参りましたので私の質問はこれで終わりますが、結局問題は、放送法と教育との間には、いまのようにそれぞれ受け持ちの分野を忠実に守っていけば、抵触し干渉する部分がある。これはいま申し上げましたように、放送法の四十四条三項、それから教育の方では教育基本法の八条、九条は、必ずしも一致していない。したがって、どちらがどう干渉するか、とにかく干渉する部分がある。これは非常に重要な問題だ。これは中西委員が指摘したとおりです。 それから、第二に申し上げたのは、とにかく来世紀のことではこの時代に余りにも遅過ぎる。そこで、郵政省側は対応する対策を自信を持ってお示しになったのですから、文部省もどれだけ引き寄せられるか、予算の都合で延びるものがあったにしても、とにかくここまでは縮められるという案の御提示を願う。 第三番目には、教授会とか自治会とかスクーリングを円滑にするために複数の大学を持つということも御検討願うということをきょう申し上げました。 大変めんどうなことが多いようですが、しかし、大事な問題だし、われわれとしても早く実現してほしいという気持ちから申し上げましたので、大臣におかれても、ぜひひとつ、その点御理解の上で御尽力願いたいと思います。 以上で終わります。
○田中(龍)国務大臣 大変貴重な御意見、いろいろとありがとうございます。なおまた、先生の非常に積極的な御推進方に対しまする御熱意なり御鞭撻に厚く御礼申し上げます。よろしくお願いいたします。
○三ツ林委員長 山原健二郎君。
○山原委員 最初に、ずいぶん長い審議をしておるわけですが、また大臣も、いまのお答えのように、貴重な御意見を承りましたという御答弁を何回かしておるわけですが、四回目の国会への提出でありますけれども、法案そのものは全く変わっていない。そして各委員からの質問に対しましても、確かにお答えはされておりますが、それがすべて納得できるだけのものになっていないものもございますし、また、きょうも出ましたように、学問の自由というものと放送法との関係の抵触の部分、これもまだ本当にお互いが納得するところまでは至っていない。やはり矛盾を抱えたままの法案であるということも感じられます。 そこで、われわれもずいぶん質問もしてきたわけですが、われわれの方も、いままで出した疑問については一応まとめまして、大体こういうことが問題になってきた、各党の意見もこういう点を主として問題にしてきたということは整理をする段階に来ておると思います。同時に文部省の方も、答弁はしてきたけれども、いささかも態度を変えることなく最後には数の力で成立させていく、こういうことかもしれませんが、そうではなくて、この放送大学がどなたかおっしゃいましたように、祝福されて出発をするということならば、今日まで出た問題を整理されまして、これについてはこういう見解を発表してきた、しかし、この点についてはまだ委員会における双方の合意は得られていない、そういう整理がなされておると思いますが、きょうの問題は、この整理の質問が続いておりますからできないかもしれませんが、今日までのこの委員会で取り上げられた問題につきまして、文部省としてこの段階で一定の整理をされておるでしょうか、もしおりましたらお伺いいたしたいと思いますし、また、できればきょうとにかく——きょうというわけにいかないとするならば、明日の午前中までにでも、文部省側として受けとめた問題点はここだということを、この委員会にお示しをいただきたいと思いますが、その点いかがでしょうか。
○宮地政府委員 山原先生からお尋ねのございますように、従来国会審議におきましては、この文教委員会におきまして参考人からの意見聴取でございますとか、あるいは二度にわたります逓信委員会との連合審査を含めまして、国会における審議といたしましては相当の時間御審議をいただいているわけでございます。また、昨年四月でございますが、参議院本会議でも趣旨説明と、それに対する質疑ということも予備付託の段階で行われているわけでございます。 そこで、これらの国会審議において問題点として指摘されました事項については、この法案の審議の過程におきましても、私ども文部省の考え方につきましても十分御説明を申し上げてきたところでございます。 なお、先ほどもその点についてお尋ねもあったわけでございますが、私どもとしては、その審議の際に十分御説明を申し上げてきたと考えておりますが、さらに具体的な問題点といたしましては、やはり放送大学そのものについてのいろいろ御議論というものがもちろんあるわけでございます。その点は、私どもとしては、そこについては見解の相違ということもあろうかと思いますが、あるいは法律事項として規定する事柄というよりは放送大学自体の運営において十分その御意見を反映させるべきではないかというぐあいに考えられます点も幾つかあったように、私どもとしては受けとめているわけでございます。それらの御意見については、もちろん、これからつくられていきます放送大学において生かしていくということは、私どもとしては当然考えなければならぬ、かように考えているわけでございます。 なお、従来御議論いただいております論点をどのように整理しているかというようなお尋ねでございますので、多少個別の問題で申し上げますと、言われております点は、まず一つには、放送大学学園及び放送大学に対する文部大臣の権限というものについて従来から御指摘をいただいております。御審議の繰り返しをここで申し上げる点は省略させていただくといたしまして、次に言われております点は、放送大学の評議会と教授会との関係についての御議論が従来出てきております。それから第三点といたしまして、放送法第四十四条第三項と学問の自由との関係について御議論がございます。第四点といたしましては、NHK、民放の二本立ての放送体制の変革になるではないか、そこについての受けとめ方というような御議論があったように存じております。それから第五点といたしましては、対象地域の拡大計画ということについてどのように考えているか。私どもとしては、おおむね従来の御議論で大きな論点としてはそういうようなところが議論のやりとりとしてなされておりまして、従来それらについては、それらの問題点、御指摘のございました都度、御説明を申し上げてきたつもりでございますけれども、先ほど申しましたように、さらに法律事項とすべきかどうかということにつきましては、事柄として大学の運営上生かしていくべきような事柄もあるのじゃないか、そのことについては、今後十分、それを積極的に生かしていくという対応で臨むことである、かように考えております。
○山原委員 大体五点ばかり挙げられたわけですが、これだけの審議、しかも、いろいろ疑点があり、そして運営の中でやっていくというだけではなくて、たとえば、評議会の問題などについては、法案を修正するとかいうようなことで問題が解決するものもあったように私は思います。けれども、いまの段階でこの法案を文部省自体が、この長時間にわたる審議の中で、ここはもう修正しますというようなことを、ここで文部省が言うということはちょっとできないと思いますけれどもね。 そういう点で、何となく話が問題を持ちながら、しかも、テレビやラジオを通じて大学の教育を行うということについて、今日の段階で反対しておる者はないわけですよ、それでも何とかいいものに、しかも、大学の自治やあるいは学問の自由というものが守られるような形にすべきではないかという気持ちを込めての質問がもうずっと続いておるわけですから、これは対立、対決法案ではありませんけれども、しかし、何とかこの中身をもっと国民的なコンセンサスを得るようなものにしてはどうですかという意味の質問が続いておるということは、これは認識をしていただく必要があるのじゃないかと思うのです。 そういう意味では、この法律に限っては、少なくとも文部省とそれからこの委員会、国会と行政府との間で話し合いをして、この点は解決できますとかいうことがあってもいい法案だと私は思っているのです。ところが、いままでの経過だと、やはり答弁と質問とのすれ違いといいますか、問題点は出るのだけれども、どうしてもそこのところが煮詰まっていかないままここに来ておるというのが実情だと思います。 これは後でまたちょっと質問しますが、その前に、もしこの法案が通りました場合にどういうことになるかという点についてお聞きをしておきたいのです。この法案が通りましたら、現在の段階では五十八年の十月から学生を受け入れる、そして放送が始まる、こういう事態を迎えるわけでございますが、そうしますと、期日としてはそうありませんね。法律が通りました場合に、放送を開始するまでの期日としてはありません。ところが、たとえば本部のスタッフを考えましたときに、いままでのこの基本計画あるいは「放送大学について」という文部省の資料を見ましても、大体、教授が三十一名、助教授が四十名、専門職五十名、チーフディレクターが三人、プログラムディレクターが五十人、そしてその他多数の客員教員が要るということになっておるわけですね。そんなものが、今後わずかの期間に、この法律が通りました場合に確保できるのかという問題でございますが、この点については大学局としてはどういうお考えを持っておりますか。
○宮地政府委員 具体的に法案成立後、学生受け入れという間にそれほど時間がないが、十分準備が整うかというお尋ねのように承ったわけでございますが、御指摘のように、従来から御説明もしている点でございますけれども、まずは法人の設立をする手続を要するわけでございまして、法人の設立までの間の手順として、まず、そこのところから簡単に御説明させていただきますが、法律の公布、施行ということがまず第一にございます。その次に、文部大臣によります理事長または監事となるべき者の指名ということが行われるわけでございます。さらに、文部大臣による設立委員の任命、設立委員による設立準備事務の開始と完了、設立委員による出資金の払い込みの請求、出資金の払い込み、設立委員から理事長となるべき者への事務の引き継ぎ、理事長となるべき者による設立の登記、設立の登記の完了による法人の設立、つまり、法人の成立までの事務手続としては、ただいま申し上げましたような事柄があるわけでございます。 なお、設立委員といたしましては、従来の例を参考にいたしまして、十人ないし二十人程度が適当ではないかというぐあいに考えておりまして、予定される設立委員といたしましては、学園の理事長または監事となるべき者がまず入るわけでございますが、ほかに国公私立大学の学長等教育関係者、文部省その他関係行政機関の職員、その他放送事業に関し学識経験を有する者等、学園の設立に関する事務の円滑、適正な処理のために必要と思われる者がその構成に入ってくる、かように考えるわけでございます。 そこで、学園が設立されました後におきまして、学園において放送大学の開設、放送局の開局、この二つの具体的な準備が取り進められるということになるわけでございます。五十八年度の第二学期ということでただいま計画し、法案の審議に際して御説明申し上げておるわけでございますが、第二学期から学生を受け入れるということにしておりますが、その手順としては、おおむね次のようなことが考えられるわけでございます。 これは本年度法律の成立という前提での御説明ということで申し上げますと、まず学長予定者を中心に大学設置計画を取りまとめまして昭和五十五年度中に文部大臣に大学設置認可申請を行うことになるわけでございます。そして約一年間の大学設置審議会での審議を経まして、五十六年度に設置認可を受け、放送大学を設置するという手順になるわけでございます。放送局につきましては、昭和五十五年度において県域送信所一カ所を含めまして放送局の開設計画をまとめまして、五十六年度に郵政大臣に免許申請を行い、予備免許を受けまして、放送機器を発注し、施設の完成を待ちまして五十七年度末までに据えつけ調整を行い、五十八年当初に本免許を受けて開始をするという手順になろうかと思います。学生につきましては、五十七年一月ごろから募集を開始することにいたしまして、入学者の決定、教材の送付等を経まして、五十八年の第二学期から授業を開始するという段取りになろうかと思います。 そこで、その間におきまして、大学につきましては施設の整備でございますとか、教員の確保、教育課程履習方法等の決定、教材の作成等の諸準備が学園大学において進められることになるわけでございますが、先生も御指摘のとおり、やはり教学面におきまして、放送大学の学長以下の教学スタッフの意向を踏まえて全体の準備に万全を期してまいらなければならぬわけでございますが、特に放送大学の教員につきまして、大学本部及び学習センターに所要の専任教員を配置するということを予定いたしておりますが、りっぱな教官を確保する、そのことが、これからの放送大学の本当の成功を見るかどうかの分かれ目になる大変大事なところであると私どもも考えております。したがって、専任の教官について確保を図ることももとよりでございますけれども、さらに客員教授でございますとか、あるいは非常勤講師ということで広く各国公私立大学の教官の御協力を得なければ具体的な作業としては進まないというような問題点もあろうかと思います。 そういうような関係がございますので、具体的な実務といたしましても、ただいま考えております第一期の計画を進めていく段階におきましても大変大きな仕事であるし、またその際に、教員の確保ということが、やはりこの放送大学にとっては一番大事なポイントにもなるというぐあいに私どもも理解をいたしております。
○山原委員 いまおっしゃったように、ずいぶん困難な問題を抱えておるということで、五十八年九月のいわゆる開講、学生の受け入れ、放送の開始というのは、いまの状態ではむずかしいというふうに私は考えております。というのは、いまおっしゃいましたように、本部スタッフだけ見ましても、教授三十一名、助教授四十名、専門職五十名、チーフディレクター三名、プログラムディレクター五十名、それから客員教授多数。これは国公私立大学協会あるいは私大連等の相当の協力がなければむずかしいわけでして、しかも、学習センターを六カ所につくる場合に、常勤の教授が一カ所五人と言われておりますね、そうしますと六カ所で三十名、これも大変なことです。非常勤に至りましては、数はちょっとわかりませんけれども、何かこの間の質問に対する御答弁の中では、三十名としますと、百八十人という非常勤ですね。それから全体計画を見ますと、三千二百二十八名ということになっておりますから、これを仮に四十七都道府県で割りますと、関東に今度できる第一期のものですが、六カ所で四百名という人数を必要とするわけです。これだけの者が確保できるのかという現実的な問題ですが、この点もお考えになっておかなければならぬと思います。 私が主として御質問申し上げるのは、基本計画とことしの九月に出されました「放送大学について」、この二つで質問するわけですが、基本計画の四ページでは「開講の二年前から、その教育内容の質を決定する活動を開始するための先行投資を必要とする。」、こういうふうに書かれております。この四ページは、御承知のような教授陣の整備、こういうことが書かれておりますし、さらに三十四ページを見ますと「授業科目の編成作業は、大学の開講二年前から開始されなければならない。そのためには、その時までに、教育課程編成の中核となるこの大学の教授陣は整備され、少なくとも第一期の科目開設計画の全体構想が決定されている必要がある。」と書いております。これは相当な準備期間と資金が必要であると文部省自身が発表されておるわけでございます。 そうしますと、二年前と言えば来年の九月ですよ。五十六年九月までにこういうものがそろわなければなりません、教授陣が整備されなければなりません、しかも全体構想が決定される必要がある、こういうふうになってきますと、これは大変なことです。ここでいろいろ論議しておりますけれども、本当にこんな膨大な教授陣あるいは非常勤あるいは客員教授、そういう者を整備して、しかも二年前に教育課程編成、しかも第一期の科目開設計画の全体構想が決定される必要があるということになったら、そんなことができるのか。 しかも、局長おっしゃいますように、優秀な教授陣を確保することが、この大学の成否を決定するというぐらいに大事なことになっておりますから、そう考えますと、文部省を責めるわけではありませんが、本当に五十八年十月開設などということが現実の問題として考えられるのか、これは本当に重大な問題だと思いますが、この点につきまして簡単に見解を伺っておきたいのです。
○宮地政府委員 先ほど具体的な日程ということで御説明を申し上げたわけでございますが、大学の設置につきまして、ほぼ一年で認可の手続をとるということにいたしますと、おおむね一番早い時点で進行いたしまして、放送大学自体の設置が五十七年一月ということになろうかと思います。それから、学生受け入れまでの間が五十八年の二学期、八月ということで考えておるわけでございまして、大学の設置そのものから学生受け入れまでおおよそ一年半要するというぐあいに見ているわけでございます。 先生御指摘のとおり、大変新しい大学をつくり、かっ非常に大きな仕事になるわけでございまして、具体的な御議論いただいております点につきましても、これから大学をつくる作業そのものは、この特殊法人自体がやるわけでございます。私どもとしてももちろん、全力を挙げてそのために仕事に取り組むという考う方でございますが、従来からも御説明申し上げておりますとおり、特殊性人ができまして、特殊法人が大学の設置認可申請を出して、大学の認可をとるという手続きになりますが、その設置認可申請に当たりましては、もちろん、教官スタッフにつきましての大学設置審議会での審査ということも当然にあるわけでございます。 一番大事な点は、教官の確保というところが確かに問題でございまして、そこのところが一番大事だ、かように考えておりますが、日程的な点で申せば、大学設置から学生受け入れまでの期間としておおよそ一年半をもくろんでおりまして、これもできるだけ早く学生を受け入れる体制を整えたいということで、一年半という期間ではなかなか困難ではないかという御指摘でもございますが、私どもとしては、全力を挙げて、それで実現できるようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○山原委員 放送大学をつくるというその気持ちはわかりますけれども、本当にすぐれた教授陣を整備するというような問題になってきますと、せっかくのお話ですけれども、この段階で相当な拙速になりますね。 それともう一つは、いま局長もおっしゃいましたように、大学の協力、これは五ページに「放送大学は、地方公共団体や地元大学から積極的な協力を仰がなくてはならない。」、こう書いてあります。それから、さらに二十六ページには「そのためには、全国各地に所在する主として大学・短期大学・高等専門学校から、担当科目にふさわしい教員の派遣について全面的な協力を仰がなければならない。」、さらに二十六ページには「演習センターの成否は、」、「これらの学校がどこまで積極的な協力の姿勢を示すかに懸っているといえよう。」というふうに文部省みずからが書いておられます。 ですから、これは特殊法人が決めるものだとおっしゃいますけれども、私は、特殊法人でこれだけのことはとてもできないと思う。だから大学を、仮に特殊法人であろうがつくろうとする文部省にそれだけの気持ちがあるならば、それに対応した文部省の動きもなければならぬと思うのです。 私がなぜこんなことを聞くかと言いますと、当然、国立大学協会あるいは私大連あるいは地方公共団体あるいは公立大学協会等に対しまして、話をし、論議もしていただいて、そういう協力体制ができるのかどうかということなどは、これはとても新しくできる特殊法人の新しいメンバーでできるようなことではございません。 現に私は、国立大学協会の方へ電話をしまして聞きましたら、ずいぶん前に説明を受けたけれども、ここ一、二年は全然話もなく、これについては論議もしていませんというのが、国立大学協会の事務当局のお話でございます。また、私大連の方に電話をしてみますと、二年前に説明を受けましたが、それ以後話はございませんという話です。それからまた、日本学術会議など、これなどは論議の対象になると私は思っていますけれども、これもほとんど論議はされていないというのが現状でございまして、仮に問題となったとしても、学術会議の会期の関係からいいますと、来年の四月以降になるであろうというようなことですから、結局、こんなことで教員の確保ができるのであろうか。 それからもう一つは、これだけ文部省が一生懸命になっておられますけれども、しかし、この放送大学については、何となくさめ切った、冷えた問題がなぜあるのか。本当にみんなが祝福してこれを盛り立ててつくっていこう、そして大学も協力していこうというような体制には率直に言ってないのです。 ここのところが、文部省自身も書かれておりますように、各大学、地方公共団体の協力がこの問題の成否を決定する、あるいは学習センター、演習センターの成功も不成功もそこにあるのだというこの肝心のところがなぜ欠けてきたのかという点については、私は、文部省は反省すべきであるし、また一定の責任を負うべきであると考えておりますが、その点はいかがでしょうか。
○宮地政府委員 先生御指摘のとおり、国公私立大学の御協力をいただかなければこの放送大学を具体的に成功に導けるものでもないということは、まさに御指摘のとおりでございます。私ども国立大学協会及び公立大学協会の両会長連名で、昨年四月でございますが、具体的な法案の審議が始まりました段階で文部大臣あての要望書も受け取っているわけでございます。また、国立大学の関係者について申しますと、それぞれ学長会議というような機会に、放送大学についての御説明もいたしておるわけでございます。大変残念ながら、昨年来いろいろと御審議をいただいておりますけれども、具体的な法案の審議の状況についての御説明のところまでに私どもとしてもとどまらざるを得ないという状況になっておるわけでございます。実際にもちろん、文部省も全力を挙げて、その国公私立の大学の関係者に御協力をいただくような呼びかけをすることは当然でございますが、じゃ実際に、個々具体の協力関係というようなことになりますと、やはり具体的に放送大学自体ができまして、放送大学とそれぞれの大学の具体的なお話し合いということでないと、問題は具体的に詰まっていかないという事情があることも、御理解いただける点ではなかろうかと思っております。 したがいまして、私どもといたしましては、この法案が一日も早く成立を見まして、その上で具体的な御相談を詰めさせていただけるようにぜひお願いをいたしたい、かように考えている次第でございます。
○山原委員 この法案審議がこういうふうに長引いているのは、当委員会が悪いわけではありません。それはこの法案そのものにいろいろ疑点があるということ、みんなまじめに論議をしているわけでして、さらには国会自体が解散とかというような事態があったりしまして、これが長引いているわけでございまして、当委員会の各委員の質問戦が長引いて、そのために事態が遅滞しておるのだというふうな受け取り方をされては困るわけです。 しかも、いまおっしゃったように、国大協あるいは公立大学協会の方から、御承知のように、この学園や大学がその業務を実行するに当たっては、当然、他大学との緊密な協力関係が必要となると思われるので、学園の役員ないし運営審議会委員及び設立当初の教員の選出等については、本協会を初め既存大学の意向を十分にくむことという要望書が文部省に出ておるわけでございまして、これもまたわからぬわけではありません。しかも、教授を集めると言ったって、その教授は特殊法人へ行くわけですね、国立大学の教授が特殊法人へ行くというこの事態は大変なことです。しかも、任期があるでしょう。任期制がこの中にありますから一五年間の任期が終わって、それではその次に帰るところはどこなのか、帰れるのか、あるいはその身分がただ元の大学に帰るとか帰らぬとかという問題だけではなくて、教授は教授なりの学問研究の継続というものがありますから、その継続が打ち切られる、研究が中途で切れるという問題などもございます。 また、非常勤の場合にいたしましても、日曜日は九時から二十一時までへ夜の九時まで勤務しなければなりませんし、平日でも昼から夜の九時までということになってまいりますと、この手当がどうなるのかという問題も出てまいります。学習の受け持ちがどれくらいになるかとか、こんなことがどんなふうになるのかというような案も出されなければ論議の対象にはなりません。 そういうことをやっておるうちに、来年の九月に大きな大学が設立される、しかも、放送を使う大学が設立されるなどということは、少なくとも現実性がないと私は思う。したがって、場合によっては五十八年十月開校、放送開始ということにとらわれないで、もっと落ちついて、この国会における審議の内容などもお知らせをするし、そして協力体制、地方公共団体に対しても、事態はこういうふうに発展をしていっているという問題とか、そういうことがなくて——たとえば今国会でこの法案が仮に衆議院で可決されて参議院に回りましても、もうこの国会の期日はそうたくさんありません。また、臨時国会から通常国会に継続審議になったといたしましても、成立するのは早くても二月、三月の段階になってまいります。そうすると、あと六カ月もないという状態の中で全教育課程の全構想が審議されなければならないというようなことになってまいりますと、現実の問題としてこれはお考えになっておいた方がいいのではないかと私は思っているわけです。(「参議院で通るよ」と呼ぶ者あり)参議院で通ったってだめですよ、これはできやしないのだから。こんなことが、一つの学習センターへ四百人もの教授や非常勤の人を集めるなんということができるなどという、文部省はそんな経験がありますか。どうですか、本当に考えておかないとだめですよ。
○宮地政府委員 先ほども開設に至るまでの具体的な事務手続について御説明申し上げたわけでございますが、教官の確保というところが大学の内容を確保する面で一番大事な点であることは御指摘のとおりでございます。具体的には、それは大学設置審議会で教員の審査というものも行われるわけでございます。 そこで、先ほど来お話のございますような国公私立大学の各教育関係者に御協力をいただかなければ、この放送大学が円滑に実現できないことも、これは全く御指摘のとおりでございます。先ほども御説明しましたように、私ども文部省としても、もちろん全力を挙げて、そういう国公私立大学の関係者ともお話し合いをすることは当然のことでございます。しかしながら、その点はまさに具体の問題として、どういう教員をこの大学にぜひ欲しいということで話をするとすれば、この放送大学の責任者も決まりまして、そこで教官スタッフについてどの大学からどういう先生にお願いをするというような具体の交渉というものは、やはり成立を見ないと御相談するわけにいかないわけでございます。 したがいまして、私どもとしては、先ほどのような期間で非常に大変な事業を進めなければならぬわけでございますけれども、予算的に申しますと、五十五年度予算には、この放送大学学園創設のための第一年目の予算は予算としては計上されているわけでございます。私どもとしては、そういうことを受けて、ただいまのところ、なるべく早く実際に放送大学の授業を開始して、国民のために開かれた大学のスタートを切るために、先ほど申し上げましたような日程で御説明をいたしておるわけでございます。
○山原委員 この問題は、これ以上詰めませんけれども、実際問題として仮に今国会で参議院を通過したとしても、それから特殊法人が生まれますね、特殊法人が生まれて、その間に、いまおっしゃっているのは、幾つかの工程を済ましてやられたとしましても、皆さんが発表されておるように、二年前にはすべての問題が整理されなければならぬ、しかも、かなり厳しく書いてございます、ただごとじゃないぞという意味のことを書いてありますからね。第一期については年次別にやっていくというようなものじゃないのだぞということまで書いてある。文部省としては当然だと思います。大学の設立に当たっては、それだけの準備とそれだけの体制でやるということを書いている、これは当然だと思います。しかし、それからいくならば、私は、いまの段階では、五十八年十月開校ということにつきましては、もしそれを強行するならば、出発のときから、この放送大学は相当拙速の形の大学になりかねないという点を心配しておるわけですから、その点を一つの指摘として申し上げておきます。 いま局長が、それらも含めて特殊法人ができて、新しいメンバーによってやる以外にありませんとおっしゃることもわかりますよ。でも少なくとも、文部省が決めておかなければならぬものもあると思うのです。たとえば学習センター、関東にいわゆる東京タワーを中心とする六カ所の学習センターができると言うのでございますけれども、これもどこへできるか私、聞いたことありません。まず第一番にどこの県にできるのですか。東京都は二つということを聞きましたが、たとえば群馬とか栃木とかいうところが入るのですか。どこどこの県へ学習センターをつくるというふうになっているのでございましょうか。
○宮地政府委員 従来御説明も申し上げておりますとおり、千葉の幕張に本部施設を設置するという考え方に立っております。したがいまして、放送教育開発センターもそこに設置をすることになっておるわけでございますけれども、千葉の学習センターはそこにあわせて建設をするというぐあいに計画をいたしておるわけでございます。 千葉以外の学習センターといたしましては、東京に二カ所、埼玉、神奈川というところが各一カ所考えられるわけでございまして、ほかに県域送信所を設置する地域に一カ所ということで学習センターの設置を考えております。
○山原委員 東京二カ所、千葉一、埼玉一、神奈川一、あと一カ所どこですか。
○宮地政府委員 県域の送信所一カ所を設置することにいたしておるわけでございますが、具体的には免許申請時までに郵政省と協議して決定することにいたしたい、かように考えております。
○山原委員 この学習センターにつきましては、先日の連合審査のとき二千平米何がしという数字が坪数にしては出てまいりましたけれども、来年の九月、十月段階でそんなことが——まだ県も決まっていないのでしょう。たとえば東京タワーを中心にしてやった場合に、県を見ますと茨城県、群馬県、栃木県が近くにありますね、それもまだ決まっていないと言う。これなどは特殊法人が決めるべきものではない、少なくとも県が決まるわけですからね。東京タワーのエリアの中に群馬、栃木——栃木は一部じゃないかと思いますけれども、茨城はどうなるのか。これを本当に考えてみますと、これも決まっていない、これから相談をするのだというようなことになっているわけですね。千葉の場合はわかりました。東京はどこへつくるかわかりませんが、埼玉、神奈川、あと一カ所はどうなるのでしょうね。各県の知事が陳情合戦でもやって、おれのところへくれというようなことで決まるのか、その辺はわかりませんけれども、とにかく学習センター六カ所というのは、前から言っておられるのです。これはもう最初の、この問題の審議が始まったときから六カ所と言われておりますけれども、あれからかなりの日数がたっておりますが、それも決まっていないということになると、ちょっとやみくもみたいな感じがしますね。これから郵政省と相談をして、あと残った一県を決めるというふうに理解してよろしいのでしょうか。
○宮地政府委員 そのように御理解いただきたいと思います。
○山原委員 もう一つの問題は、単位の互換の問題です。これは今度の放送大学の目玉として打ち出しておりますが、この単位の互換については、これまで文部省の大学局のこの資料、大学局高等教育計画課が二年前、七八年六月に出されました報告書を見ますと、これまで単位の互換については、国立では島根大学の文理学部と岡山大学の理学部など九大学十学部に過ぎず、その対象者はわずか二十五名である。これだけの経験しか踏んでおりません。 それからさらに、重要な目玉といたしております「放送大学について」の中に「編入学を積極的に進める。」ということを言っておられるのでありますけれども、これにつきましても、どこの大学でどれだけその経験を持っておるのか、これをお聞きしたいと思うのです。ほとんど経験もないものを放送大学にがばっと持ち込んでくる、しかも、それが目玉だということになってきますと、文部省としても、相当経験を積み、その教訓の上に立って、編入あるいは単位互換を考えられたのではないかと思いますが、しかし、いままでの経験からするならば、どうもそうなっていないと思うのですが、この点いかがでしょうか。
○宮地政府委員 大学における単位互換について、国内の学部段階では必ずしも十分でないという御指摘は、ただいま先生が言われたとおりでございます。 現段階で把握している点で申し上げますと、国公私立を合わせまして、学部段階で国内の大学とは百十三大学、海外の大学とは百十五大学がやっておるわけでございます。また大学院段階では、国内の大学院とは百十五大学院がやっておりますし、海外の大学院とは百八大学院が、この制度によります単位互換が行えるような学内の規定の整備はいたしておるという状況でございます。 具体的に、五十四年度で国内の他大学で単位を取得した者は、学部レベルでは六十四名ということで比較的少ないわけでございますが、大学院では五百七十四名、海外の大学で単位を取得した者は、学部で二百七十一名、大学院で八十名という数字になっております。 そこで従来、もちろんこの単位互換という制度そのものにつきましては、仕組みはとられておるわけでございますが、現実に従来の一般の大学では、具体的に特に学部レベルでは単位の互換ということが必ずしも活発に行われていないという現実があるわけでございます。私どもは、もちろん、大学教育全体の弾力化といいますか、多様化を進めていくということで、いろいろ施策を講じてまいっておりますけれども、やはり実際にそのことを実施すること自体は大学自体が御判断をなさるわけでございます。その点は放送大学についても全く同様でございますけれども、これから新しくつくっていく放送大学においては、その点をまずは積極的に取り組んでいただくような形で考えていきたい。さらに単位の互換の場合に、大学の学部間における単位互換というのは、もちろん一番通例的なものでございますけれども、先ほどの御審議でもございましたように、たとえば体育の実技というような場合には、さらに大学の枠を離れたものについても、放送大学自体としてそれが認定できるものであれば、それを単位として考えていくという形で取り組んでいきたいということで御説明をしているわけでございます。もちろんこれは、大学自体が積極的に取り組んでいただかなければならぬ事柄でございますけれども、私は、放送大学がそういう契機になるものというぐあいに期待もいたしているわけでございます。 もちろん、編入学につきましても、他の大学の学年途中からこの放送大学に入ることも積極的に受け入れることでございますし、他の一般大学がどこまで受け入れていただけるかということは、先ほども言いましたように、他の大学自体がどこまでそれを考えていただけるかということにかかわっているわけでございます。 いずれにいたしましても、そういうような大学教育全体の構造の柔軟化、弾力化ということは、制度的な仕組みとしてはいろいろ考えておりますが、実際問題としてなかなかそれが前進をしていないうらみも確かにございます。それらの点を、この放送大学をつくることによりまして積極的に進めていきたい、かようなことを申し上げているわけでございます。
○山原委員 確かに、文部省の持っておる構想そのものが、斬新なものを求めようとしておる気持ちはわかるのです。それは前々からの答弁の中でも、たとえばいまおっしゃった体育実技の問題につきましても、これは私が質問をしたのですが、これはたしか前の佐野局長であったかと思います、体育の実技についてどういうふうに考えているかという問いに対しまして、たとえば教育委員会の主宰する社会体育に参加し、その参加証明を提出することにより実技の実習にかえる、そのような取り扱いを検討してはどうかということでございますと答えておるのでございます。また、大学の図書館についても、できれば既存の大学の図書館を利用できるようにしたいと当時の佐野局長は答えておるわけですね。 そういうふうに確かに気持ち、あるいは構想はこういうふうにしたいという理想を追っておられることはわかるのですけれども、しかし、それが文部省のいわば一方的な願望に終わりまして、先ほど言いましたように、国大協あるいは私大連、公立大学協会とか地方公共団体に受け入れられるかどうかということはまだ不明ですよね。実際そういう状態なんです。この辺も相当の努力をしなければならぬところでございまして、きょうも指摘されておりますような特殊法人で実際にそんなことがやれるのかどうか、これらについても一定の疑念を持っておりますので申し上げておきたいと思います。 それからもう一つは、教授会の問題でございますけれども、この教授会の権限が不明なんです。この基本計画を見ますと、教授会の位置づけとして、一つは授業計画、一つは主要教務事務に関する最高の審議機関として位置づけをいたしております。さらに基本計画の二十一ページを見ますと「放送大学の授業は、通常の大学と著しく異なり、」、「大学本部における科目編成の企画・制作に関与する多くの人々や、学習センターにおける指導者・助言者の総合された活動の全体である。従って、放送大学の行う教育について第三者に対して責任を負うことができる者は、形式的には学長、実質的には教授会以外には考えられない。」と教授会に与えられた権限を書いておるのでございます。さらに、この十七ページ、十八ページを見ますと「教育課程についての企画とその審議決定」、「年間授業計画の審議」あるいは「コース別教育委員会と両科目編成委員会の構成と活動方針の審議決定」、それから「五委員会の「授業科目編成要領案」又はその改訂の発議の審査と採択」、それから「毎年度の「学習指導書」の審査と採択」、こうした任務を教授会が果たさなければなりません。 放送大学の教授会というのは、こういう任務を持っています。しかも「大学本部、学習センターの総体としての教授会の仕事である」、こういうふうに明記しています。だから、教授会というのは、すごい仕事を持っているわけです。また、それをやる機能を果たさなければならぬことを任務づけているわけです。 ではなぜ、この教授会が人事権を明確にしていないのか。既存の大学と同じように、人事権だけは評議会というものに移譲する形態をとっているわけですが、これだけの多くの仕事ができる教授会を任務づけておきながら、人事の問題について教授会が審議できないはずはございません。なぜここに、評議会というものを特別につくったかという、これは問題になるところでございます。 この点について、いままで説明もありましたけれども、たとえば教授会は評議会をつくっていいわけです。あなたのおっしゃるように、大学の決めることだという多くの部分をそこに持っていくとするならば、この放送大学の教授会が評議会をつくるとかつくらぬとかいうことは、これもまた教授会の決定すべきものであっていいわけですね、この点はどういうふうにお考えになっていますか。
○宮地政府委員 評議会と教授会の関係についてのお尋ねでございますが、基本的な点は従来るる御説明も申し上げてきたわけでございます。先生御指摘のとおり、その「基本計画に関する報告」にも書いてございますように、教育課程、教育の内容、中身の問題につきまして、それぞれ具体的に教授会が機能すべき事柄として基本計画には述べてあるわけでございます。もちろん、具体的な実施としては、従来からも申し上げておりますように、その点について、どういうものについて教授会の事柄とするか、あるいは具体的な学習センターなら学習センターにおけるカリキュラムの編成その他についてはどういう役割り、分担でやっていくのか、具体の問題については、個々にこの大学自体が自主的にお決めになることであるというぐあいに私ども従来からも御説明を申し上げておるわけでございます。 ただ、人事にかかわります部分につきまして、評議会というものを組織し、教員人事に関する事項その他管理運営に関します事項について評議会において審議をするという組織を、この法律は規定をしているわけでございまして、その点は、従来からも御説明をいたしておりますが、放送大学における教員組織の複雑性ということにかんがみまして、そういう規定を設けたわけでございます。 ただ、人事につきまして、もちろん、大学が自主的に決めることを確保するということが、やはり大学の本質としてぜひとも必要なわけでございます。放送大学におきましても、大学自体が人事を決める仕組みといたしまして評議会という仕組みを考えたわけでございまして、これは言うなれば、むしろ大学における人事を大学みずからがお決めになる事柄を法律的に確保するという考え方で、人事に関する事項につきまして評議会という規定を特に定めたというわけでございます。 従来から御説明しておりますように、放送大学におきましても、教授会が、学校教育法五十九条の規定にございますように、重要な事項を審議するための機関として置かれるわけでございまして、具体的な教授会の中身としては、先ほど言われましたような教育内容自体についていろいろお決めいただく事柄が大変ございますが、そのこと自身もこれまた大学が自主的にお取り組みになりお決めになる事柄、かように考えております。
○山原委員 大学がお決めになるところだとおっしゃいますけれども、いま私、わざわざ読み上げたのは、この大学は「通常の大学と著しく異なり、」と、こう書きながら、なおかつ主要教務事務に関する最高審議機関という位置づけがなされるわけでございます。そして特殊な事情はあるけれども、教授内容、教育計画等については審議をし、採決をし、決定をしていくというこれだけの任務を持っている。それがなぜ人事権だけは評議会に移譲するのか。ここに、けさからも問題が出ておりますところの文部省のこの大学に対する考え方が出ているのじゃないか。 もともと、御承知のように国立大学の評議会に関する暫定措置を定める規則、その規則を法律に昇格するといいますか、そういう形のところにわれわれは疑念を持っているわけでして、評議会をおつくりになるとかならないとかいうことは、大学の教授会、大学自体にお任せすればいい。ほかのところは任すと言い、あるいは特殊法人に困難な数多くの問題をお任せをすると言いながら、人事権については、ずばり文部省の見解が評議会という表現の中に入っています。私は、自分の私案としてこの法律に対する修正案を出そうとすれば、評議会を削ります。その方がずっと民主的です。 それからもう一つは、理事会の問題ですが、理事会をなぜ合議制でなくて独任制にしたかという問題がございます。これもいろいろ理由はおっしゃっているわけでございますが、特殊法人だから、特殊法人になじむのは独任制だというお考えだろうと思いますけれども、特殊法人といえば、これはたとえば私学振興財団とか学校給食会とかいうような特殊法人がございますが、それに横並びをするわけですね。でも一方は、私立学校の法人があるわけです。私立学校法の法人におきましては、全部理事会は合議制になっているわけです。 私は、法制局の方へも聞きましたけれども、学園が特殊法人であっても民主的運営を配慮するなら合議制にしても何らおかしくはないと言っているのです。だから、この放送大学学園につくられる理事会にしましても、合議制にしてもいいのではないかということ。 それからもう一つは、この案には理事四人以内、監事は二人以内とした理由も実はお聞きしたいのです。私立学校法によりますと、理事は五人以上ですね。それから監事は二人以上となっています。ここの場合、犬丸さんがかつて「私立学校法逐条解説」の中に書いておりますけれども、これは少数理事の専断にゆだねられるおそれがあり、学校法人にふさわしくないので、理事は五人以上、監事は二人以上としましたという逐条解説がございます。その点から見ましても、理事会は独任制ではなくて合議制にするということが、より民主的だということを私は考えております。 私が仮にこの法案に対する修正案を出すとするならば、理事会は合議制にする、それから人数につきましても、この四人、二人ということでなくて、むしろそれ以上にするということが、学園の民主的な運営のためにもよりベターだと私は考えておるわけでございますが、この点についての見解を伺いたいのであります。
○宮地政府委員 お尋ねの点で、まず理事の数についてのお尋ねでございますが、常勤の理事四人以内という規定にいたしておりますが、ほかに非常勤の理事が三人置かれているわけでございまして、理事長一人、常勤の理事四人以内、非常勤の理事三人以内という構成で理事というものの構成を考えているわけでございます。したがいまして、私どもとしては、特殊法人としての役員の構成が余りにも多くなることもいかがかということも考え、また、役員構成として必要にして十分な数は確保する、しかし、それ以上余り多くなることも、これは特殊法人の役員組織として膨大過ぎる組織はいかがかというようなことで、ただいま申しました常勤の理事が四人、非常勤の理事三人という構成で考えているわけでございます。 それからもう一点の、合議制の理事会の規定をなぜ法律事項にしないのかというお尋ねでございますが、この点は、けさほども御質問があった際にお答えをしたわけでございますけれども、大学の学長が役職として理事に当然に加わっているわけでございます。その際、大学と理事会との関係におきまして、大学にかかわります事項を、合議制の理事会の議によらしめるというようなことになりますと、むしろ大学の自主的活動を制約することになるのではないかということも考慮いたしまして、法律上の合議制の理事会という仕組みにいたさなかったわけでございまして、もとより、理事長、各理事の職務の執行といたしまして、全体が十分合議をいたしまして、円滑な推進をするということは、考え方としては当然考えるべき事柄であろうかと思いますけれども、ただいま申しましたような点で、法律上の合議制にすることはいかがかということで合議制を設けなかったということでございます。
○山原委員 余り時間がありませんから、次に評議会の人事権の問題ですが、これは筑波大学の評議会問題のときにずいぶん論議しまして、奥野文部大臣のときに筑波大学法案が問題になったわけですが、そのときに、評議会問題ですけれども、これにつきまして、筑波大学についてだけこの法律に書かせていただいたというふうに言っているわけです。文部省令で書く道もあるかもしれないけれども、あえて特別な方式をとるのだから、この法律規定の中に挙げさせていただいたのですというふうに、これは私に対する答弁でございますが、筑波大学に限って評議会というものを導入しているわけで、他の大学とは別だということは、終始筑波大学法案のときに論議をされているわけですね。 この評議会問題は、先ほども言いましたが、この放送大学が、教員組織が特殊だから、人事の問題については評議会、という言い方は私は納得しません。それもまた大学の教授会におきまして、いろいろ組織上の困難はありましても、この放送大学の運営に当たって最も民主的にやるためには、たとえば教授会の中から人を選任をして、そして評議会的なものをつくる場合もあるでしょう、しかし、それはそれこそ大学の自治に関する問題でございますから、これは当然、つくられる放送大学に任すべき問題であるという点は、私は譲ることはできない気持ちでおるわけでございます。 少しあとに時間を残したいために、時間がございませんが、せっかく大蔵省おいでくださっておりますので、この放送大学につきましての予算の問題でございますが、最初、資本投資額が八百六十七億九千七百万、それから経常費が二百八十九億一千二百万でございました。これが五十年度の試算でございますから、これをことしに直しますと、五十年度の消費者物価を一〇〇としますと本年は一三八・一と、こういうふうになっておるわけでございますので、この物価指数の上昇を見まして、これに加算をしてまいりますと、五十五年度で計算して資本的経費が千百九十七億、経常経費が四百十一億、この経常経費に至りましては、毎年度これだけの金が要るという中身になっているわけでございます。第一期の放送大学の面を考えましても、資本的経費が当初八十八億であったものが九十七億、経常経費が四十億であったものが四十七億と、わずか九カ月の間にこれだけ上昇しなければならぬという数字が出ておるのでございます。しかも、学習センターの土地代は入っておりません。あるいは地方事務センターをつくる土地代などもこれには入っておりません。あるいは送信所の土地代などもどうなるのかわかりません。 そういったことを考えますと、相当膨大な経費が必要になってくると思います。また、この間の栗田さんの質問に対しまして、学習センターは実情に見合ってふやしていくという答弁がなされておるわけでございますが、こういう点から考えますと、文部省の放送大学学園あるいは放送大学の設立に当たりまして、こういう予算の要求があれば、大蔵省としては、これを認める腹で取り組んでおられるのかどうか、最初に伺いたいのであります。
○篠沢説明員 お答え申し上げます。 放送大学につきまして、先生御指摘のとおり相当巨額の投資が必要になるだろう、また、毎年の運営の事業の規模というものも相当大きなものになる、収入というものももちろん予定されるのだと思いますけれども、国費の負担もある程度のものが考えられなければならないだろう、そういうことでございますので、その財政措置は、率直に申しますと、なかなか容易ならないものと考えております。 しかしながら、これは長年の検討を経まして政府部内におきまして成案を得てきております。したがいまして、私どもといたしましては、現下の非常に大変な財政事情は十分に踏まえながら、極力いろいろな工夫をこらして切り詰めた要求をしてもらいたい。それに対しましては私ども、毎年度の予算編成におきますところの全体の予算枠との関係の中で逐次具体化を図っていくということで文部省と相談してまいりたいと思うわけでございます。 現在のところは、先生全体計画の数字をおっしゃったわけでございますけれども、私どもといたしましては、当面、いわゆる第一期の計画の範囲内での具体化ということでございますので、たとえば施設設備で申しますと、九十数億という規模と聞いておりますけれども、これを数カ年で整備したいという話でございますので、それだけでも大変な問題ではございますけれども、この財政事情を十分に踏まえながら、できるだけ支障のない形で逐次予算措置を考えてまいるほかはないというふうに考えております。
○山原委員 せっかくできるとするならば、これだけ論議をしてきた放送大学ですから、本当にチャチなものというわけにはいかぬと思います。そういう意味で、大蔵省は、今度のゼロリストなどにしましても、教育予算へのしわ寄せというものは相当考えておられる、歳出百科の面でもですね、そういったことを考えてみますと、教育予算全体の伸びがかなり抑制をされる段階で、一方ではこの放送大学の問題がふくらんでいくという、この関係が出てくると思うのです。 そういう意味で、もちろん、放送大学には放送大学の予算が必要となると思いますし、また同時に、教育の発展ということが、それによっていささかでも阻害されることがあってはならぬというふうに考えるわけでございまして、そういう意味で、これは相当大きな問題を抱えたなあという感じが恐らく文部省もされておると思うのです。 以上できょうは質問を終わりますけれども、最後に、もう一つだけお聞きしておきたいのですが、この評議会の問題ですね、これが野党側の御質問の中では一番やはり問題になってきておると思います。それから、細かな部分につきましては、理事を何名にするとかしないとかいうようなことにつきましては、これは提案者の方とまたそれに対して疑問を持っておる方とすり合わせをやって、これは解決できない問題ではなかろうと思います。解決できる問題、あるいは一番問題になっている焦点をどうするかということについては、これはできるならば修正すべき点は修正するという構えでこの最終段階を迎える必要があると思うのですが、この法案については、いままでいろいろ話は聞いたけれども、これは聞いただけで、それに対しては満足な答弁をしてきたからこれ以上変える必要はないというふうなお考えでおられるのかどうか、この点を大臣にお聞きして私の質問を終わります。
○田中(龍)国務大臣 御案内のとおり、大変長い間御審議をいただいた本案でございまして、その間にいろいろと紆余曲折があったと思います。この提案に対しまして、どうぞくれぐれもよろしく御協賛のほどをお願いいたします。
○山原委員 じゃ、きょうはこれでおきます。
○三ツ林委員長 次回は、明後七日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十二分散会