文教委員会 第5号
- 発言数
- 319 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/10/29
会議録
○三ツ林委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、放送大学学園法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。嶋崎譲君。
○嶋崎委員 放送大学法案についての当委員会における審議は、三度にわたっての国会で議論が行われておりますし、相当突っ込んだ議論が行われてまいりましたが、まだ最後の詰めといいますか、この法案の問題点はかなり浮き彫りになってきているとは思いますが、その問題点をいまのままの形でいくのか、それとも一定の、委員会でもし詰まることがあれば、それに基づく修正などが考えられるかどうか、そういうような問題がまだ残っているように思いますので、要点をかいつまんでもう一度問題を整理して提出をしたいと思います。私が足りない分は、わが党の各委員に後で補っていただくことにしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 先般の九十一国会の衆議院の文教委員会で、私が、この放送大学の問題が日程に上った時期から法案が出てくるまでの過程について幾つか質問をいたしました。繰り返して質問をいたしませんで、要約して質問を申し上げますが、要するに今度特殊法人放送大学学園が設立するこの放送大学が、いままでの伝統的な大学の考え方の上に立ってできる大学なのか、それとも新しいタイプの大学なのか、この点について前回は佐野局長と議論をいたしましたが、どういうふうに大学局長、文部大臣はお考えですか。
○宮地政府委員 御質問は、伝統的な大学なのかそれとも新しい大学なのかというお尋ねでございますが、先生御案内のとおり、この放送大学は放送による教育を行う、ただし行う中身としては大学そのものである、学校教育法第一条の大学として設置をするという形のものでございます。したがいまして、正規の大学であるという意味では従来の大学と同じところにはまるわけでございますが、教育形態その他におきましては、ただいま申し上げましたように放送を利用する大学でございます。そういう意味では新しい大学になる、かように考えております。
○嶋崎委員 まあ伝統的な大学というよりも大学観ですね、伝統的な大学観の上に立った大学かそれとも新構想の大学かというふうに質問をした方が正確なのではないかと思いますが、この間の委員会での議論では、伝統的な大学における教育という意味で、放送メディアというものを使う使い方には二つのタイプがあったということをお互いに確認したと思います。 一つは、クローズドサーキット方式と言われる、たとえば医学部でお医者さんが手術しているところをテレビに撮っておいて、それを再生しつつ大学教育の一つの糧としてメディアを使うという方式であります。もう一つは、イギリスのオープンユニバーシティーの方式でありまして、オープンユニバーシティーの方式は、御承知のようにイギリスの伝統的なチューターを中心にした小サークルの先生と学生の緊密な討議のもとで教育をやっていくという、チュータラリズムというのでしょうかね、チューター主義と一方に言っておきましょう、そういうチューターというものを中心にしてやる考え方。並びにスクーリング、それから通信教育、こういう幾つかの大学におけるいままでの基本的な教育のあり方の中に一つの教育の方法としてメディアを導入する、やはりBBCとオープンユニバーシティーが協議して、テレビを使いまして不特定の人たちにこれを放映するというやり方ではありますが、しかし、オープンユニバーシティーは、あくまでスクーリングやチューター主義や通信教育というものを基本にきちっと据えておいて、その中の一つ、ワン・オブ・ゼムですね、その中の一つとしてテレビを使うという方式だということは、すでに委員会で明らかにされてきたと思います。 これに対して今日の内外の情勢、特に日本の国内の情勢は、大変な国民の教育要求というものが高まってぐる中で、その高まった教育要求というものにこたえるために、高等教育レベルのいわば教養的なものを求める学習歴の要求、学習を求めていくという要求にこたえなければならない。それにこたえるためにすでにNHKは、市民大学講座その他でもって、かなり高等レベルのいわば教養的なものを取得することが可能になるような実験や現実の放送を行ってきた。そういう意味で、NHKのやっている教養大学、市民大学型のいわば大衆的要求にこたえるタイプが一つありまして、もう一つは、いまここで問題になっています放送大学という方式。 そういう意味で、伝統的な大学観の上に立ってマスメディアを使うタイプというのは、クローズドサーキット方式やオープンユニバーシティーのタイプであり、それに新しい大衆的な教育要求に基づいて一方でNHKの教養大学的、市民大学的なものと、いまここでわれわれが問題にしようとする正規の放送大学、こういう対応が問題になってきているというふうに言えるのではないか。したがって、ここでわれわれが問題にしようとしておる放送大学のタイプは、伝統的な大学観の上に立った大学におけるマスメディアの利用の仕方とは違った新しいタイプの大学だという意味で、新しいタイプの大学と言えるのではないか、こういうふうにこの間の委員会では討論していく過程で問題か整理されたように思いますが、これでよろしいですか。
○宮地政府委員 大学観というお言葉で御指摘をいただいたわけでございますが、前回の速記録も読ましていただきましたが、先生と前局長とのやりとりではただいま先生が御指摘のような形で整理をいただいて結構かと思います。
○嶋崎委員 それに当たりまして、いまのような議論にいく過程で、放送大学という問題が一番最初に取り上げられた時期は、昭和四十五年の七月の、文部省の中に設置されました放送大学準備調査会が行った答申「放送大学の設立について」というのが最初だということを確認したと思いますが、その確認でよろしいですね。
○宮地政府委員 結構でございます。
○嶋崎委員 社会教育局長、それと並行して昭和四十四年の段階に社会教育審議会の「映像放送およびFM放送による教育専門放送のあり方について」という答申が出ているということを前回確認をいたしましたが、そのとおりですね。
○高石政府委員 そのとおりでございます。
○嶋崎委員 ここで問題なのは、社会教育審議会の答申で映像放送、FM放送による教育専門放送というものを問題にしたときの問題の立て方は、社会教育という乳幼児から大学に至るまでの広範な教育の中で教育専門、ある意味では高等教育的レベルの教育にこのメディアを使うという意味で社教審の答申は出されたと判断をいたしますが、いかがですか。
○高石政府委員 そのとおりに理解しております。
○嶋崎委員 片や文部省の方は「放送大学の設立について」ということで、今度は新しいタイプの大学として正規の四年制で単位を与える大学を構想して放送大学の設立を放送大学準備調査会が答申をした。つまり、並行して社会教育審議会の方一は広く社会教育一般の中でメディアをどう使うか、片一方は今度はそれを新構想大学として動き出した、こういう過程になっておるということも前回確認したところでありますが、そのとおりですね。
○宮地政府委員 御指摘のとおりでございます。
○嶋崎委員 その際の問題はどこにあったかといいますと、国民が教育要求というものを持っている、その教育要求はだんだん高等レベルの教育を教養的な意味で要求している、いわゆる学習歴の要求、自分はこれだけ勉強したということを成果として確認するという学習歴の要求と、四年制の大学を出て大卒という資格を求める要求、これを学歴ないしは学校歴と呼ぶならば、学習歴と学校歴のこの二つの要求が、実は広範な国民大衆の中から、調査では三百四、五十万の人たちから学習歴と学校歴を兼ねたような形の高い教育要求が出てきている。そのために社会教育審議会の方は、国民の教育要求というのはいまどんな形で爆発的に出ているかという調査を五十三年に行いまして、「民間における社会教育文化事業の概観」という資料をおまとめになったと思いますが、そのとおりですね。
○高石政府委員 いま御指摘のような形の考え方で調査をしたわけでございます。
○嶋崎委員 そうしますと、一方、社会教育審議会の延長線上で社会教育局の方では、いかに国民の教育要求、学習歴、勉強したいという要求が出ているかということで、公の施設で吸収できないから結局教育産業という新しい産業が出てきて、たとえば朝日カルチャーセンターだとかそういうものが無数にできてきて、それにとうとうと学習歴の要求が流れているという調査をなさったわけであります。そうすると問題は、国民の広範な学習歴の要求は、それが直ちに大卒の学校歴ないしは学歴を要望するものだという前提に立って新しい大学を構想したということはございませんか。
○宮地政府委員 先ほども御説明申し上げましたように、御提案申し上げております放送大学は、もちろん正規の大学として構想しているわけでございます。そうでございますが、御案内のように学生を受け入れる場合には、非常に大きなシェアを、いま御指摘の単位の取得を希望する科目とか、あるいは専科履修生のために割いている。つまり、先生御指摘の学校歴ではなくて学習歴が非常に高い、それも大学レベルの学習歴が非常に高いということを、結果としては放送大学そのものがやはり受けとめることになるというような形で私どもとしてはこの放送大学を考えているわけでございます。つまり、大学の学生として登録をしていないでももちろん自由視聴する人たちがたくさんいるわけでございまして、そういう人たちが放送大学の講義の中身をいわば学習歴としての要求として勉強するということは、当然にこの大学が予想しているところでございます。
○嶋崎委員 そこで二つ問題が出てくるわけです。一つは何かといいますと、五十三年の社会教育局の調査にもありますように、国民の中に大変な学習歴要求、かなり高等専門教育的なレベルの学習歴要求がある。では、それをいまの法体系や既存の教育の体制で受け入れる努力をしたことがありますか。
○宮地政府委員 従来の大学でただいま御指摘のような学習歴といいますか、高い勉強を求める一般社会の方々に対する受け入れを従来どう対処してきたかというお尋ねでございますが、先生御指摘のように、そういう要求が社会全体から非常に強く望まれているということは、たとえばカルチャーセンターというようなものが盛況をきわめているというようなことからも見られるとおりでございます。 そこで、既存の大学でどういうことをやってきたかというお尋ねでございますが、文部省といたしましては、そのために従来からたとえば夜間学部でございますとか通信教育の充実あるいは大学とか大学院への社会人の積極的な受け入れ、また大学で行います大学講座の拡充等に努めてきているわけでございます。従来からもそういうような形でいろいろ対応してきておるわけでございますが、お願いしておりますこの放送大学ができますれば、もちろん社会の要請に積極的に応じて門戸を開いていく、そして生涯教育の一つの場としての役割りを果たしていく、かように考えているわけでございます。
○嶋崎委員 学校教育法五十四条「大学には、夜間において授業を行う学部を置くことができる。」、五十四条の二項「大学は、通信による教育を行なうことができる。」、これの対応をしたとおっしゃるんですね、いつやりましたか。この法律ができて三十年以上もたっているのに、夜間において授業を行う学部を置くことができるということに対して、これは大学側が自主的に決めることであって文部省が指導して上から押しつけることではありませんけれども、この法律があるのに国立大学では、少なくとも行政府としてはこの五十四条の夜間において授業を行う学部を置く努力を今日までしたと言えない。むしろ夜間の学部は廃止の方向にすら動いてきたじゃありませんか。そういう意味で、最近になって夜間学部の問題が全国的に問題になっていますから、少しずつ対応を始めているにすぎない。これは前委員会でも、最近のことでごまかそう、ごまかそうとするから、それはあかんとぼくは言っておきました。 通信による教育を行うことができるという場合でも、国立大学がまともな通信教育のシステムを今日持っているでしょうか。たとえば慶応の通信とか私立大学はかなり努力をしておりますが、今日の私学助成の中にも、通信教育に対する経費は不実はあれは項目としてじゃなくてその他の中で大学院と同じような中に突っ込みでしか予算は組まれておりません。そういう意味で、通信による教育を行うことができるというこの条項に即して今日までまともな努力をしているとは言えないと思う。この点が一つあります。 特に大学教育法の六十九条には「大学においては、公開講座の施設を設けることができる。」、二項に「公開講座に関し必要な事項は、監督庁が、これを定める。」と書いてある。この法律ができて何十年たっているか。前委員会でも監督庁がこれを定めるということについて努力をせよと言いましたが、努力をしましたか。
○宮地政府委員 まず初めのお尋ねの、夜間学部等についての努力は、従来必ずしも十分な取り組みではなかったではないかという御指摘でございますが、その点は先生御指摘のとおり、夜間学部等の整備状況について私ども具体的に取り組んでいっておりますのは、ここ数年来特にそういう点で取り組んでいるということは、前回も御説明申したわけでございます。そういう意味で、取り組みとしては比較的最近のことであるということは御指摘のとおりでございます。 ただ具体的には、前回も御説明申し上げた点でございますけれども、夜間学部の整備状況といたしましては、昭和五十二年度にたとえば広島大学法学部、経済学部等で人員増を図りますとか、あるいは九州工業大学工学部、長崎大学商業短期大学部等で人員増を図るというような取り組みをいたしました。それから五十三年度は岡山大学の法学科、経済学科で人員増を図りますとか、あるいは神戸大学経営学部での人員増を図る、新潟大学商業短期大学部の人員増を図る。それから五十四年度では九州工業大学工学部で人員増を図るというようなことで、御指摘のように確かに取り組みとしてはここ数年のことでございますけれども、やはり社会全体の要請にこたえるように夜間学部の整備等についても取り組みはいたしておるわけでございます。 そのほか、たとえば昼夜開講制というようなことで、千葉大学の工学部でございますとか、あるいは福島大学経済学部、愛媛大学法文学部等におきまして、具体的には昼夜開講制の四年制の学部というようなものについて、これもそれぞれ五十一年度、五十三年度、五十四年度の開設でございますけれども、そういう取り組みをいたしてきております。 これらは先生御指摘のように、最近のことではないかということではございますか、私どもとしては、既存の大学でもそういう取り組みはいたしてきております。 それから、第二点の通信についての国立大学の取り組みはどうかということでございますが、通信についての学部を国立について置いているのは実はございません。それで、ただいま御提案申し上げておりますこの放送大学そのものが、形体として言えばまずは通信による学部という形になる、したがいまして、これはぜひそういう形で私どもに取り組みをさしていただきたいということで御提案を申し上げておるわけでございます。 それから、学校教育法第六十九条に「公開講座に関し必要な事項は、監督庁が、これを定める。」と規定してあるが、その規定ができているかということでございます。 前回も御説明を申し上げたわけでございますが、この規定については、まだ規定はできておりません。それで、私どもとしては、公開講座についてすでに現在、社会に対する大学開放の一つのあり方といたしまして大学公開講座の問題があるわけでございます。昭和五十四年度で申し上げますと、大学の公開講座の開設状況でございますが、国立で七十大学、公立で十二大学、私立で百十九大学ということで二百一大学が開設をいたしております。具体的な開設の講座の数でございますが、国立が三百五十三、公立が五十、私立が七百七十八、計千百八十一講座ということになっております。 具体的な開設日数で申し上げますと、国立で二千九百日余り、公立で約三百日余り、私立が六千七百日ということで、日数で申し上げますと約一万日、一講座当たりで言いますと、平均的には一講座当たり八・五日というような数字になっております。 そして国立の場合の予算額でございますが、予算額といたしましても、累年増額に努力をしてきておりまして、五十四年度は一億を超える一億五百万余り、五十五年度は一億二千三百万余りの予算を計上しているというのが現状でございます。 つまり、具体的には各大学はそれぞれ社会の要請にこたえまして公開講座を実施している、そういう状況は、ただいま申しましたように、累年開設数等についても増加の方向に向かってきております。これは既設大学におきましても、そういう社会の要請にこたえる姿をやっているわけでございます。つまり、そういう中で監督庁が公開講座に関し必要な事項を定めていないというのは、確かに先生御指摘のように、形として監督庁が定めをしていないという点については、何と申しますか十分な取り組みでないではないかというおしかりでございますが、現実の実態としては、そういうぐあいに公開講座そのものは行われているわけでございます。 そこで具体的に一この監督庁の定めにつきましても、私どもこれから検討はいたしたい、かように考えております。ただ、すでにこれだけ大学においても公開講座が行われているわけでございまして、むしろ監督庁の定め方が非常に慎重でなければいけない、かように考えております。具体的に言えば、現にやっております公開講座がより伸びていくような形で決める必要があるわけでございまして、何らか監督庁が基準を決めることによってそれが枠をはめられるというような形であってはならない、かように考えておりまして、規定の決め方としては非常に慎重でなければならない、かように考えております。
○嶋崎委員 通信教育と夜間学部を置くということとは質的に違うものがあるんですよ。働きながら勉強する人と、学部の夜間並びに昼夜兼ねたものに出かけていって勉強するのとでは、片一方の場合には非常に勤務との関係がむずかしくなる。最後に問題にする教育有給休暇ないしは教育休暇というものをどうするかという問題と、学部に出かけていって授業を聞いて単位を取るということと非常に深い関係がある。それだけに通信教育というものは、勤労青年や老人、婦人が勉強しようというときには大変重要な意味を持っているわけですが、そっちの方がお留守になっているということにいまだに対応していないわけであります。 しかも、いまの公開講座でもふえてはいるけれども、いまの公開講座であれ、大学の夜間の学部の場合であれ、通信教育の場合でも、これはみんな古いいままでの伝統的な大学観の上に立った教育なんです。そうですね。ですから、いまの新構想大学というのは、ある意味ではこれからの新しいタイプの大学になるわけです。しかも今度の新構想大学は、関東一円から始めてよその地域にはいつどうなるか、まだ計画が莫然としているわけであります。そうしますと、関東を含めた人たちは、学習歴の要求にこたえるために放送大学が利用できる、学校歴でも利用できるという面が一面あっても、全国の学習要求にはとても放送大学の当面の企画ではこたえられないということになるわけであります。 国の財政事情がこんな悪いときに放送大学に莫大なお金を突っ込んでいくということは、今度は他の文教予算に対してしわ寄せが来ますから、この大変な学習歴の要求をいままでの既存の大学観の中で処理していくためには、そちらも一方で充実しなければならないという課題をどう担うかという点を追求しなければならない。 そういう意味で、今後、大変な財政事情ではありますけれども、政府がこれだけ熱心に放送大学構想で学習歴、学校歴の要求にこたえる努力をするのならば、他方で、学校教育法五十四条、五十四条の二ないしは六十九条の公開講座などで既存の伝統的大学の中で国民の要求にこたえなければならない諸課題を法律で決めているわけですから、並行してこれらを充実するという方向に積極的に取り組まないと、三百五十万も学習歴の要求があって、学校歴の要求だって——これは文部省の統計のとり方が非常に作為的なとり方ですから、学校歴の要求が急に高まっただけであって、当てにならないけれども、莫然とした学習歴の要求ということになれば三百四、五十万いることだけははっきりしているわけです。 そうしますと、いままでの伝統的な大学の上に立ってやるべきこと、たとえば一つ重要なのは私学の助成ですが、私学助成ということを通じてなるべく金がかからぬでやれる。それに奨学金制度、これを一方で充実しながらこういう教育要求にこたえるにはどうするか、これが一つ。これはいままで私学助成法その他でわれわれ委員会で追及してきたが、飛躍的にやるにはどうするか、一方でそれを考えなければなりません。 もう一つは、社会人の大学入学、これも私立大学はやっているけれども、国立大学はまともにやっていません。だから、社会人の大学入学という意味での大学開放の問題を、それぞれの大学が自主的に判断するようにするにはどうするか、このテーマも追求しなければなりません。 それから、学校歴ではないけれども、学習歴の要求が非常に高いわけでありますから、今度は社会教育の側では、公のそれを受ける体制として地方自治体の社会教育というものがある。この間も委員会で言いましたけれども、日本の社会教育の考え方というのは、ヨーロッパから見たらひっくり返っておるのです。先に社会教育法をつくって公民館をこしらえて、後で図書館ができて、それから博物館とかいうものができるのです。これは逆なんです。つまり、国民の中に文化の伝統をつくるときには、一番先に博物館があって目で見てさわれる文化でみんなが身につける。それをコピーしたものを図書館で勉強する。公民館に集まったときはそこで討論をするわけです。討論する場所ばかりいっぱいつくってみたって、その背後にある目で読む、勉強をしなければならない図書館が充実していない、その背後にあるさわってみたり目で見たりする文化や科学技術の伝統みたいなものをつかみきれぬ。だから、転倒しているわけです。そういう意味で、社会教育は先進国に比べて非常にプアなわけですね。 そして片一方は、大学というのは受験地獄にさらされて十八歳から試験を受けるというかっこうで、なかなか受け入れ体制がないものだから、結局そこに教育における受験地獄や人間疎外の問題が今日非常な社会問題になっている構造がある。 そういう意味で、ここで大臣にひとつ決意をお聞きしたいのだが、いままで長い議論をしましたから、きょうはこの前みたいに長い議論をしません、結論だけ申し上げますが、いまのような私学の問題、大学における社会人入学の問題、通信教育、夜間の問題、それから社会教育の充実、こういう四点について、一方で放送大学というものを構想して莫大な金をかけなければならぬ要請があるくらいならば、既存の大学や既存の教育の体系の中で、法律でできるものをもっともっと積極的にやった上でこういう新しい問題の立て方をすべきだと私は思います。 そういう意味で大臣、いままで新構想大学以外にこれだけ国民の学習歴要求というものがある段階で、いま言った一連の問題について積極的な対応をするということについての御意見を承りたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 ただいま今日までの経過につきまして、先生の大変詳細なお話を承りました。私もまた啓発されるところがあるのでありますが、ただいま御提案申し上げておりますこの放送大学学園の法律は、文教に携わる皆様方といたしましても、われわれといたしましても、非常に夢を持った新しい時代に対応した構想である、かように存ずる次第でございます。同時に、既存の大学におきます通信教育あるいはその他の経過というものもございましょうけれども、これは両々相まっていきたいものである、かように存ずるのでございます。 ただいま財政上の諸案件逼迫の当面ではございますけれども、しかしながら、過去十年にわたりましてわれわれはこの問題の貫徹を期して今日も御提案申し上げておる次第でございまして、本当にこの放送大学学園というものが開かれた大学、しかもライフサイエンスと申しますか、社会全般の欲求というものも、これらの教養につきましては非常に待望いたしておる、こう思うのでありまして、社会的な要望にこたえてわれわれはこの放送大学の構想をぜひ実現させていただきたい。同時にまた、既往の諸制度につきましても、私は、充実を図ってまいらなければならぬだろう、両々相まって貫徹をいたしたいものだ、かように考えております。
○嶋崎委員 ぼくは、大臣に後の方は聞いていないんですよ、放送大学はいまから議論するんですから。いまお聞きしているのは、いままでの法律の体系や社会教育や学校教育の体系の中でいま爆発的に起きている教育要求というもの、まだこなさなければならぬ問題がいっぱいあるから、放送大学はその中の一つのタイプとしてそれを受け入れるわけなんです。これは一つのタイプなんです。だから、そういう意味でいまの既存の体制の中でもっと充実発展させるということをやらないと、放送大学だけでは受け入れられない、放送大学は危険性を一面持っていますから。既存の大学の考え方に立った、ないしは社会教育の考え方の中にもっと充てんすべきものを一方で先に補っておかないと、放送大学は取ってかわられませんよ。そっちの方の充実の決意があるかということを聞いているのです。
○田中(龍)国務大臣 もちろん先生の冒頭から申されました大学観というものからいたしましても、われわれも全く同感でございます。と同時に、またあわせて私は新しい理想を追いたい、かように考えております。
○嶋崎委員 では、後の方へ言ってからまた聞きます。 放送大学準備調査会が「放送大学の設立について」という答申をやったのは昭和四十五年ですね、そして文部省が国民にこういう大学をつくることが必要かどうかの調査をまともにやったのは五十年なんです。その前にやったのは四十五年なんです。つまり文部省が先に、どうも国民は放送大学のような大学を要望しているらしい、なぜならば、社会教育から見ると、すでにメディアを使わなければならぬという答申が出ていて、乳幼児から大学に至るまでメディアが要るよ、そうなれば高等レベルの大学でもメディアが要るよ、しかし、そのメディアは放送大学になるのか、NHKの教養市民大学でいいのか、大学の中のつまりクローズドサーキットシステムでいいのか、ここはまだはっきりしていなかった、そのときに文部省は直ちに新しい構想大学として放送大学を一つの方法として打ち出したわけです。打ち出しておいて、これが国民の要求にかなうかどうかという調査は後回しにしておるわけだ。調査なくして大学設立の位置を示したということなんです。 これは大変国民的な性格を持った新しい大学なんですから、こういうものをつくるかどうかについては、国民にどういう要求があり、その要求にどうこたえたらいいかという観点で大学設立を慎重に考えるべきであるのに、調査なくして大学の構想を先に打ち出したわけです。そういう意味で上からつくった大学なんです。文部省主導型大学なんです。だから、上からつくった大学という意味で、その後行りた調査の仕方も、この間の委員会で詰めましたように非常にインチキな調査をやっている。四十五年の調査は学習歴を前提にした調査であった。五十年の調査は、今度は大学をこしらえるという前提に立って調査すればそっち側の数字がはね上がるのはあたりまえなんですよ。それを一つの根拠にして、やはりわれわれの構想は正しかった、こういうふうに理屈づけたのです。そういう意味で、国民の真の要求に即した大学のつくり方であったかどうかについて経過上一つの問題がある。これは前回の委員会で明らかにしたところであります。 そうしますと、いま大臣に質問した意味は、この放送大学が、いまから議論する放送というメディアが大変重要な役割りを持つ大学であって、スクーリングもはっきりしていない、学習センターの仕組みもはっきりしていない、教授会との関係もはっきりしていない、教授会と評議会の関係もはっきりしていない、これから出てくる放送大学の組織や運営というものはみんな大学に任すというだけであって、何も基本を決めてないわけです。そうすると、上からつくる大学であって、その大学が大学自治や学問の自由という観点からどういうふうに実現されるかについての構想がないまま、上からつくると言って、それで、それが国民の要求だという理屈をつけて、そして放送大学法案に走ってきたわけです。 ですから、もし放送大学法案に盛られた、放送学園という特殊法人が設立する大学、そして放送局をこれまた設立するわけですから、放送局と大学を一つに兼ね備えた放送大学というものができたときに、その放送大学が国民の学習要求というものをここで囲い込んでしまう、極端に言いますと。囲い込んでしまって、社会教育や既存の大学の開放や私学の助成やそっちの方がお留守になると、もしこの大学が誤った形を持ったり危険なことがあったとしたら、これは将来国民にとって大変な大問題になるのです。だから、そういう意味で大臣にお聞きしたのです。 つまり、いまの法体系や社会教育の体系の中で国民にこたえてやれるべきことがある、それを十分にやっておいて、その中の一つ、ワン・オブ・ゼムなんです、放送大学というのは。それを、放送大学があたかもすべて社会教育的なものから大学教育に至るものも含めてやれるという前提に立って、これだけに全体のいわば予算をつぎ込んでやっていった場合に、うまくいった場合はいいけれども、もしいまから問題になるようないろいろな一連の問題が起きてくると、国民にとっては大変な問題を起こすことがあり得るからです。 そういう意味で、並行してと大臣はおっしゃいますが、こっちに一生懸命未来に対して希望を持つのもいいけれども、やるべきことをきちっと一方にやりながら、そのうちのワン・オブ・ゼム、放送大学というものをどう位置づけるかというふうに議論をしないと、放送大学があたかもそういう物事を含めて並行で、そしてこれを充実しさえすればこっち側の問題も解決できるという問題の立て方をすると、社会教育や大学開放や私学助成や夜間大学や通信教育やそういう多くの問題が軽視されがちになると、実は本来の学習歴の要求や学校歴の真の要求にこたえ得ない危険性をはらんでくる。 現に放送大学ができるのは関東だけでしょう、当分地方はないのですから。それでは地方の人たちの持っているこの学習歴の要求はどこがこたえるかと言えば、社会教育的に対応するか地方の大学が対応するかして一時対応していかなければ国民の要求にはこたえていけないという意味で、文部行政全体としては失格だと言わざるを得ない。そういう意味でお聞きしているわけであります。もうこれには大臣いいです。また後でまとめてやってもらいます。 そこで、今度は放送大学の中身に入りますが、いままでの議論の中で放送大学というものを考えるときに、問題が整理されないまま議論されたきらいがどうも法案提出の過程にあるように思うのですが、放送大学という大学は、大学における大学なんですか、大学レベルの教育をやるところなんですか、どっちですか。
○宮地政府委員 放送大学そのものは、学校教育法上の正規の大学というぐあいに私どもは位置づけをいたしております。
○嶋崎委員 そうしますと、大学における教育ですね。
○宮地政府委員 そのとおりでございます。
○嶋崎委員 ところが、この大学には放送学園という特殊法人が、一方で電波を監理する放送局を持ち、そして片一方で大学を設立するわけですよ。つまり、放送学園という特殊法人は、放送局と大学を兼ね備えた二つの体を持った一つの学園になるわけです。そこで当然、この大学における教育という問題と大学レベルの教育という問題それとの関係はどうなのかという点について少し議論をしておかなければならぬと思うのです。つまり、大学における教育というのは、いかに新構想大学であっても、決してテレビだけで映像だけで教育が行われる、これが自己目的化してはならぬことは明らかだと思いますが、そのとおりですね。
○宮地政府委員 その点も従来からよく御説明も申し上げておりますとおり、この放送大学におきましては、放送による教育がもちろん含まれるのは当然でございますが、おおよそそれはほぼ三分の一程度というぐらいに考えております。ほかにスクーリングと教材による分野というものがそれぞれ含まれるのは当然でございます。
○嶋崎委員 そうなりますと、確かにキャンパスがないという意味では新しいけれども、そのキャンパスのない部分は、スクーリングとか、それから地方のいわゆる学習センターで、チューター、指導教官などを含めて教育をするということを前提にしなければ成り立たないということですね。そうなりますね。
○宮地政府委員 さようでございます。
○嶋崎委員 まあ、それは後の議論にするとして、そこでまた大学における大学と大学レベルの大学という問題にひっかけていきますと、大学における教育という場合には、憲法二十三条の学問、思想の自由と、それの担保としての大学自治が前提でなければならない、そうですね。
○宮地政府委員 その点についても従来から御説明をいたしておるとおりでございまして、もちろん、この放送大学においても学問の自治というものが確保されるのは当然のことでございます。
○嶋崎委員 今度は放送局を持つわけですから、そこで電波監理局長、この法律にも附則のところで言っておりますように、五十条の二で「第四十三条及び第四十八条の規定は、学園の放送局の廃止及び放送の休止について準用する。」、二に「第四十四条第三項及び第五項並びに第四十六条の規定は、学園の放送番組の編集及び放送について準用する。」というふうになっていますね。したがって、ここで当然一方で、学問、思想の自由を前提にした大学自治が実現しなければならぬ、そうしなければ大学における大学でないわけだ。大学における大学ということを前提にする以上は、学問の自由と大学自治が前提です。大前提です。ところが、他方では今度は放送法制上の制約ないしは新しい問題が出てくる。そうしますと、ここで放送法制上の問題から言えば、一口で言えば番組編成権の自由という問題です。大学の側から言いますとカリキュラムの編成の自由の問題です。 では、まず電波監理局長、放送法制を前提にしてできるこの大学は、番組編成の自由という法の価値に基づいた制約はあるということになるわけですね。
○田中(眞)政府委員 そのとおりでございます。やはり放送でございますので、放送法第四十四条第三項の規定は、この大学におきましても準用すべきものと考えておる次第でございます。
○嶋崎委員 それでは、あとまた大学局長に返りますが、その前にもう一つ聞きます。 いままでの当委員会での議論の中で、既存の放送法制は、御承知のように日本放送協会と一般事業者、NHKと民放、この二本立てで放送法制の体制ができてきた。しかも、言論の自由と表現の自由を確保するために、国家権力からの自由を確保するために、いわばその資金はNHKは一般国民から聴視料を取り、民間は自前でお金をつくることによって、言論の自由、表現の自由を国家権力から解放されるという意味の担保としてやってきた。ところが、今度の放送大学は、特殊法人ではありますが、全額国が支出する。その全額国が支出するといういわば新しい放送局が放送大学学園に設置されることになります。そうしますと、いままでの放送法制の基本的な物の考え方、憲法の要請に基づくところの言論、表現の自由を前提にした放送法制の体制と、今度の国立大学ではありませんが特殊法人であって全額国がお金を出す、そういう放送局というものができることになるわけですから、これは二本立てなのか三本立てなのかという議論が今日までありました。 あさって連合審査をやって、また議論が詰められれば幸いだと思っておりますが、いままで前の電波監理局長は、三本立てですと言ってきました。三本立てだけれども附則改正でよろしいのです、放送法の抜本的改正に手をつけなくてよろしいのです、こういう議論をしてきました。それは行政府の考え方でしょう。 ところが逓信委員会では、この二本立て、三本立ての問題について、いままで長い間にどのような議論が行われ、その立法府の委員会の議論を受けた上で行政府はこの問題についてどういう対応をするということになっているのでしょうか、それをお聞きしたい。
○田中(眞)政府委員 逓信委員会で放送大学構想についてどのように論議されたかという御質問だと思いますけれども、放送大学構想は昭和四十四年ごろから始められたわけでございますが、この問題につきましては、当初から郵政省におきましても、省内におきます種々の検討はもとより、部外の学識経験者等による各種の調査研究会議等を主とした討論の場としてまいりました。 そういう意味で、郵政省から逓信委員会に対しまして、直接問題を提起し継続的に御討論いただいたということは特になかったかと思いますけれども、当初放送大学構想が公にされた時点とか、あるいはNHKが実験放送番組を開始したとき、あるいは調査研究会議におきまして放送大学構想に関する基本構想を発表したとき等、その節々におきまして逓信委員会においても御議論されたと記憶しておる次第でございます。
○嶋崎委員 結局、何だかよくわからないですね。二本立てだか三本立てだか、まあ三本立てだと言ってきたが、放送法の抜本的改正は要らぬ、放送学園法案の附則でこれを取り扱っておけば大体処理できる性質のものだ、こういう理解なんですね、逓信委員会は。
○田中(眞)政府委員 お答え申し上げます。 私どもは、そのように御説明を申し上げてまいったわけで、何とか御理解をいただきたいと考えておる次第でございます。 二本立てか三本立てかということでございますけれども、放送大学学園の放送は、NHK、一般放送事業者の放送と異なりまして、先ほども御説明のありましたように、学校教育法に基づく正規の大学である放送大学の教学の一環として放送されるために、大学の自治を高度に保障する見地から、放送法上一般放送事業者とは規律の態様を異にする必要がありまして一章を設けたということで、NHK、一般放送事業者とは規律の異なる放送事業者が新たに加わったという意味では三本立て体制になると考えておるわけでございますが、放送大学学園の行います放送は、大学教育のための放送に限られているということから、既存の放送体制に与える影響はきわめて少ないということで、私どもは、そういう意味におきまして密接な関係のございます学園法案の附則という形で御提案申し上げておる次第でございます。
○嶋崎委員 それなら、放送大学で放送する不特定多数への放送が、NHKには影響はあるのですかないのですか。
○田中(眞)政府委員 私どもは、ほとんど影響はないというふうに理解しております。
○嶋崎委員 そうじゃないんですよ。いままですでにやったでしょう。五十三年に社会教育局が調査すると、学校歴はないけれども学習歴の要求は物すごく高い。学習歴の要求が高いということは、放送大学を放送しているテレビをひねると、NHKの市民大学も見ているが、こっちだっていいなと思って見るわけです。片一方は銭を出して見ている、片一方はただで見る、そのときに、影響がないという前提に立って、電波というのは二本立ての枠の中で処理できるという性質のものかどうか。しかも、片一方は全額国が出資なんです。片一方は国民から聴視料をもらっておる。そういう違った性質のものが出てきて事実上競合する。少ないと言われるが、NHKその他大変心配されているのだと思うけれども、いまのところ少ないというので、進行したら、これははっきり物すごい影響が出る。この間あわてて聴視料を上げたでしょう。だから、これは無関係だという前提ではなくて、つまり、学習歴というものが前提になっているのですから、当然そっちもひねって見るという意味では相互共存関係が出てくるのです。競合関係は必ずしもマイナスとは言いませんよ。国民の教育要求という観点からすれば、NHKも一生懸命にいいものをつくるでしょう。放送大学も一生懸命につくるのですから、国民にとってはそれはプラスになるかもしれぬが、放送法制という体制から見たら、国民にはよくても、それは二本立てでなくて三本立てになるのじゃないですかという議論をいままで長い間委員会でやってきた。だから、もうここで、ぼくはきょうは時間がありませんから、結論を各党これから詰めますし、連合審査もありますからあれですが、この問題は、いまの回答では、大変御無礼ですけれども、何のことかまだ全然わかりませんので、もう一度各党並びに各委員で詰めないといけない。 基本は、大学ができたって放送局ができなければ、放送大学という大学は成り立たぬのです。だから、放送局ができる際に、放送法制上これでいいのだということについて、きちっとした論理と国民に対する説得がなければこの大学は成り立たぬ。大学を何ぼつくったって、放送局でテレビを放映しなければ意味ないのです。だから、そこがポイントなんですから、ここをいつまでもあいまいにしておると、この法案の最終結論を出すときに大変問題を起こすという意味で、いまの問題はそのままにして、結論を出さずに問題だけ出しておきますから、さらに各委員並びに委員会で詰めていただきたいと思います。 そうしますと、さて今度は大学の方にいきますが、放送大学は、大学における教育なんですから、学校教育法で言うところの学問の自由を前提にした大学だ、こうなりましたね。片一方は今度は放送法でいきますと、四十四条三項、五項、番組編成権の自由というものを前提にした放送局を認可する、そうなっていますね。そうしますと、片一方では学校教育法上の大学だと言うが、これには放送法制上のフレームがかかっている。いい悪いは別としてかかっている、一心同体なんですから。そのときに、これはアウフヘーベンできればいいのだが、それをやるためには、今度は組織がよほどきちっとしていないとアウフヘーベンできぬのです。だから、いずれにしろ番組編成権というものを前提にした放送法制と学校教育法で言う学問の自由というものを前提にした大学における大学、これが調和するのか対立するのか、ここに基本問題が一つあるわけです。その際に、郵政省の方は番組編成権の自由というものをやはり優先的に考えざるを得ないでしょう、どうですか。
○富田説明員 放送法制上は番組編集の自由ということを重く見ておりますが、それが学園法上の大学の自治という原則とどういう関係に立つかは、われわれ側としては調和を保っておるというふうに考えております。
○嶋崎委員 しかし、放送法制上で言うところの放送局は、大学でつくったカリキュラムを今度放送するときは、プロデューサーがまずいろいろ加工するんですよ。加工して、それに同時に次のことを配慮するわけです。つまり四十四条の三項、公平でなければならない。一つの考え方に片寄ってはならないのですから、大学のものが生に出るわけじゃないのです。放送というものを介するときに加工され配慮される。これを東大の塩野参考人は大変うまい言い方をしました。「自制です、お互いに自制するのです。」、こう言いました。両方とも自制するわけです。大学も自制する、放送法制上の方も自制する。ぼくの言葉で言えば、加工と配慮が行われるわけです。これは放送法制上見た場合です。今度、大学の方から見た場合、カリキュラムの編成権という、大学の自治、学問の自由というものを前提にして、生に出るのじゃないのですから、ここで加工され配慮される。そうすると、いままでの学校教育法で言う大学で使われる教材と、ここの教材というものは、おのずから違うと言わざるを得ないと思いますが、いかが ですか。
○宮地政府委員 その点はすでに前国会等でも論議がございまして、私どもも、その点がまさに放送大学についての一つの基本的な点だということで御説明も申し上げてきたわけでございます。基本的には、この大学の設置主体を特殊法人にいたしました理由も、まさにそこに一つあるわけでございまして、先生御指摘のように、まさにこの放送に乗せるという際には、大学の教育内容について自制をするというような形で行われていくという限りにおきましては、そこの部分はまさに、放送に乗せる部分に関して言いますれば、放送法制がかかっている、そういう網がかかっているという意味におきまして、放送大学の側において自制をするという形で調和を図るというのが、前回、前々回からるる御説明申し上げておる一つのポイントでございます。
○嶋崎委員 そうしますと、仮に自制でうまくいっている場合はいいのですが、うまくいかない場合なども配慮し、放送学園の組織であるところの片一方の特殊法人組織のような理事長並びに理事会、運営審議会、こういう組織と、それから大学の組織であるところの評議会、法律で起こしていませんが、教授会、それから地方の学習センター、それに参加する教官、これらを含めた片一方に膨大な大学自治組織というものがあるわけですが、その大学自治組織と特殊法人組織とがよほどこの内部でお互いに自制しつつ調和できるような組織的保障というものがなかったら、理事会と評議会が対立することがあるかもしれない。教授会と運営審議会との間に意見の対立が起きてくるかもしれない。だから、そういう意味で、いま言った片一方の放送法制上のシステム、組織と、大学自治の片一方のいわば組織とを、どのように調整できるかということ、新しい特殊な大学なんですから、そこは学問、思想の自由を前提にした学校教育法の枠を堅持しつつ調和できなければならない。その調和のあり方について、かなり組織的な保障その他が必要だとぼくは思う。 そこで、今度は組織に入ります。まず基本問題はそこにある。ですから、片一方は番組編成権の自由が優先するという考え方は当然ある。片一方は学問、思想の自由が優先するというのが当然ある。この二つの基本的人権の価値が同じ組織を介して調和ができるのか、できないのか。しかも、この価値は別の言葉で言うと、NHKでも——国立大学というものは、全部国からお金を出したって、学問の自由、大学自治で大学が成り立つのなら、NHKにだって全部国が金を出して言論の自由が成り立ってもいいはずであります、そこにきちっとした組織的保障があれば。しかし、いまの放送法制はそれをとらなかった。片一方はあくまで国民のお金でもってこれを動かしていく。片一方は今度特殊法人は国が全額で持っている。そこにまた日本の放送法制の原理と学校教育法における大学の原理とが、基本的価値の攻め方と制度的保障が違うものが一緒になっているわけです。この意味、わかりますね。お互いにその価値は認めながらも、その価値を制度的に保障している、片一方は日本放送協会を中心にした制度、仕組みがあり、片一方は大学というものの自治があった、その二つのものを、つまり価値を保障する違う二つのシステムを、放送学園という組織は合体さしたわけです。合体しているわけですね。そうしますと、片一方では番組編成権の優先が主張され、片一方は学問、思想の自由が優先されるというので、ここでぶつかるわけです。そのぶつかりをどうするかということが解決できない限りは、この大学は憲法の要請のどっちかが、価値が相対的に抑えられるか差し押さえられるということになるわけです。そういう基本問題があるという前提です。 そこで、次に行きます。時間が余りありませんから、問題点だけ指摘しておきます。 すでにさっきからの討議の中で言っておりますように、この大学は文部省主導型の上からこしらえた大学です。上からこしらえた大学ですから、組織はまず全部、もちろん上からつくりますね。上からつくるが、国民が参加したり、この新しい進行相談役に全国の教官が参加するということについての手だてはほとんどない。ぼくはないと見ています。全国の国立大学で放送大学法案にどのような形で教養部の教官たちが協力するのか。それから、また教育工学的なことを専門にしていらっしゃる人たちが放送大学にどのような形でコミットし、参加するのか、こういうことについて、いままで大学で議論をしてきた過程がありますか。
○宮地政府委員 従来どういう議論が行われてきたかという御質問でございますが、問題は、そういう意見を吸い上げる機関としてどういうものを考えるのか、こういうお尋ねでございますが、私どもとしては、この大学に置かれます運営審議会におきまして、それを受けとめる、かように考えております。 それから、先ほど御議論のございます点で、一つは、調整機関を法律上明定するかどうかというようなことについてお尋ねがございましたが、私どもといたしましては、もちろん学問の自由と放送の自由の調和については、この学園と大学との調整については、現実に調整されてうまく行われていくということをまずは考えておるわけでありまして、うまくいかなかった場合の調整をどうするのかというお尋ねでございましたが、私どもといたしましては、その調整の問題については、現在のところ考えておりますのは、そういう機関を法律上明文化することが、かえってその大学の教授の自由と言いますか、そういうものについて制約として働くおそれがあるのではないか、したがいまして、その点は学園内部の問題として大学と学園の間の協議によりましてそれを懸命に解決をしていただく仕組みを考えていただくということの方が、より柔軟な対応にはなるのではないかというぐあいに考えておる次第でございます。
○嶋崎委員 時間があと二十分ですから、問題点だけを指摘しますと、との法律によりますと、まず、この法案が仮に通ったとしますね、そうすると、まず放送学園というものができますね、そのときに文部大臣が理事長と監事を任命しますね、そして国が金を払い込んで登記をしますね、そして学園ができました。そこで今度は、学園が郵政省に向かって電波の認可をとりますね、そこでいよいよ放送局ができるわけです。放送局ができたら、当然、それに関連する理事それから監事、運営審議会というものは、その後につくらなければなりませんね。同時に、今度は大学を設立しますね、そのときに評議員を一定数任命しなければならぬ、そして学長がその主導権を握るわけですね。しかし、その途中に設立委員というものがあるでしょう。まず法人登記をやると、すぐ設立委員をつくりますね、それの構成の内容は何ですか。
○宮地政府委員 設立委員の任命についてのお尋ねでございますけれども、設立委員につきましては、私どもといたしましては、この法案が成立、公布、施行されれば、できるだけ早い時期に任命いたしたいと考えております。数といたしましては、従来の先例をも参考として十人ないし二十人程度というようなことが適当ではないかと考えております。 そこで、具体的に予想される方といたしましては、将来、理事長または監事となるべき人を含む、あるいは国公私立大学の学長等教育関係者、その他関係行政機関の職員、そのほか放送事業に関し学識経験を有する者等、学園の設立に関しまして事務の円滑、適正な処理のために必要と思われるような方を含むというぐあいに考えております。
○嶋崎委員 いままで設立委員の構成がちょっと不明確でしたけれども、イギリスのオープンユニバーシティーの規則などを見ますと、国民の大学にするためにはどうするかということで、最初から、理事というものを選ぶときには、階層別代表の枠をきちっと決めてあるわけです。ここみたいに漠然と設立委員とかいって文部大臣が上から任命する、そんなものじゃないですよ。要するに国民の大学をつくるのですから、どういう階層の人が国民の意見を代表しつつ大学をこしらえるかという構成まできちっと定款の中に決めるわけですよ。そういうところから見ると、このつくり方というのは非常に上からのものなんです。 現にこれでいきますと、まず文部大臣は理事長を任命するんですよ、監事を任命するんですよ、そして運営審議会の委員を任命するんですよ。ところが、運営審議会の委員というのは、階層別のいろいろな人を入れなければいけないのです、学識経験者といっても。そうしますと、文部大臣がそれを任命するといったって、大臣自身がわかるわけないですから、結局文部省に聞くでしょう、そうすると文部省の方は、設立委員の先生方等と学長になる人か理事長になる人かと相談した上で、上から任命していく形を最初はとるわけですよ。いずれにしても文部大臣が上から任命するという形をとっております。 ところが、イギリスのオープンユニバーシティーなんかの場合には、たとえば理事会でも評議会的なものでも構成の内容まで明らかにし、全部合議制なんですよ。合議制ということが書いてあるわけですよ。そこで議論をした上で、結論が出たものについてどのように理事長を任命するか、どのように学長を任命するか、こういう手続がちゃんと書いてあるわけですよ。 ところが、今度のわれれれの法案は、非常に簡単に、上から「任命する。」という文部大臣の任命権だけが法律上書かれております。もちろん、それには評議会の議に基づく人事もあります。それは承知していますが、こういうふうに文部大臣が理事長、監事、運営審議会委員を任命する、理事も文部大臣の承認を得て理事長が任命するんですね。全部上から任命していきますね。最初スタートするときは上から任命するしかないと思う。ところが、できたものが、今度はその理事会と運営審議会の関係がどうなるのかというと、運営審議会は、業務に関する重要な事項を審議して、理事長に意見を申すことができることになっていますね、しかし、理事会と運営審議会とはどんな関係かあるのか、そこを飛び越えているわけ。理事長に向かって意見を述べると言っているが、その理事会と運営審議会は、どのような組織的関係で電波法、放送法上の関係の問題を処理するのか。これは重要な機関で、大学でやろうとする教材についていつもこれを審議し、ある意味では監督もしていくところですが、その理事会と運営審議会が上から任命されて、それがどのように機能するかについては何も書いてない。イギリスのオープンユニバーシティーにしても、ドイツのオープンユニバーシティー的なものも全部合議制です。合議制に基づいて上が任命するという仕組みです。 そもそも最初から、わが放送大学法案の人事の仕組みは、一口で言えばトップマネージメントなんです。上からつくった文部省主導型の大学で、トップマネージメントですから、たとえば全体の参加、民主主義という問題が非常におろそかになるという危険性をはらんでいる。 そこで、教授会と評議会へいきましょう。いままで議論がありましたように、この評議会というのは、今度は法律事項として起こしてある、非常に重要な位置を占めています。ところが、いままでの議論では、この放送大学は学校教育法上の大学だということですから、当然教授会が前提になる。東大の塩野参考人は、評議会というものをわざわざ起こすと、教授会と評議会という二つの機関が並列することになってめんどうなことが起きるかもしれないから、教授会というものを省いているというのも、ある意味では手である、まあ法律で起こさなくてもいい、しかし、教授会と評議会との関係について、この大学はどういう大学なのかということについてのイメージは、これではわからぬ、したがって、この問題について詰める必要があるということは、塩野参考人自身は、法律で起こすか起こさぬかは別としても、この関係というものは詰めておかなければならぬという提案をされている。福岡大学の石村先生は、これは教授会不在の大学ではないですかという意見でありました。しかし、それに対しては、そうではない、学校教育法上の大学なんだから教授会はありますと文部省は答えているわけです。そうなりますと、ここで教授会と評議会の関係いかん、こういう問題が残るわけです。塩野参考人は、この関係について一つの案を提案されましたが、大学局長、知っていますか。
○宮地政府委員 塩野さんの御提案という形では私、ちょっと明確でございませんが、評議会と教授会との関係につきましても、その点は従来の国会でるる御説明をしているとおりでございます。 そこで、ちょっとさかのぼって恐縮でございますが、実は五十四年に、運営審議会に対しまして、国立大学協会、公立大学協会の会長から、それぞれ要望書も出されておりまして、たとえば運営審議会ができる際に当たっては、それらの関係二者が十分意見が述べられるような形で参加できるような形を配慮してほしいという意見も出されております。 私どもとしては、そういうものを受けとめまして、これら全体の運営そのものが、先生御指摘のように決して上からの形ですべてが行われていくのだという形ではないような、その点は十分運営の面で大学の自治なりそういうものが保たれるような形で機能するように、そしてまたトップマネージメントではないかという御指摘もございますが、確かに評議会という形で置いているものは、そう見える姿はございますけれども、しかし、その運営そのものは、私どもは、声を吸い上げてやっていく民主的な運営を決しておろそかにするものではないことはもとよりでございます。 それらの点は、今後の大学の運営において十分配慮されるべき事柄であるし、また、たとえば評議会という仕組みも、まさにそれを確保するために置いたわけでございます。したがいまして、この大学の全体の仕組みそのも一のが、先生御指摘のように民主的な声を吸い上げる仕組みになっていないという点については、私どもは、十分その点を確保するように運営もし、また、そういう仕組みとして考えているということだけ御説明させていただきます。
○嶋崎委員 東大の塩野参考人は、こう言っているんですよ。教授会と評議会の関係は、教授会の代議機関的性格、つまり、教授会から選ばれた評議会という形のものとして評議会を位置づけておく方が素直であって、そして大学自治としては非常に都合のいい運営になるのですと。これはわが党の木島委員も、あの円卓会議のときに、この案を出して討議をしたのです。そのときに大学局長は、考え方によってはそうだから、評議会を教授会の代議機関的性格のものとすれば、学校教育法上で言う大学と、それから新構想の評議会の位置づけが可能になる、だから、その点は今後検討すべき課題だということを円卓委員会で確認しておるのです。ですから、そういう問題が一つあるわけです。 そうしますと、仮にそういう教授会と評議会の関係を運用上並びに制度的に考えるとすれば、教授会というものは物すごく重要になってきますね。いままで詰まっておりませんが、教授会の構成はどうなりますか。
○宮地政府委員 放送大学の組織そのものが、すでに御説明申し上げておりますように、組織、仕組みそのものが大変複雑な仕組みになるわけでございます。客員教授ももちろんおりますし、また学習センターの教官というようなものも入ってくるわけでございます。したがいまして、教授会の組織そのものをどういう組織にするかということについては、大学自体が当然考えるべき問題、かように考えております。 なお、先ほどの円卓会議の席での塩野参考人の御意見で、実質的には評議会が教授会の代議員会であるというぐあいに見るべきだというようなお考えについては、もちろん承知をいたしておりますし、それらの仕組みの全体的な調和を図るための仕組みということは、もちろん今後考えていくべき課題であろうかと思っております。
○嶋崎委員 そうしますと、今度はいま言った教授会の構成というものは大学が決めると言いましたね、ところが、こういう放送学園が設立する大学というのは、まさに数百万の国民大衆を相手にした大学ですから、まさに国民的な大学ですね。そうすると、その中でしかもメディアを使うというのは三分の一ですから、三分の一がスクーリングその他があるわけですね。そうしますと、大学自治の教授会組織というものは、専任の教官はどういう人がなるのか、これもすでに議論してきました。国家公務員の若い人は、公務員をやめないと来れないのだから来ませんよ。そして、いまの大学システムでは大学に帰ることはできないのです。ぼくが政治家になるとき、大学をやめたら国立大学に帰れないのと同じことよ、いまの公務員制度というのは、そういう仕組みなんだから。結局国立大学の教授は来ません。そうすると、停年の教授が来るわけです。年配の教授しか来れぬのです。そして若手を今後どうするかといったって集まらない。集まらないのはなぜか。教育工学的なメディアというものを研究しているような学者しか専任で来ないからですよ。そうすると、後は客員の教授が来るわけですね。今度はテーマの内容について討議しなければいけませんから、客員教授が来ますね。その客員教授が今度メディアを通じて出したものを、どこで学生たちが勉強するかというと、地方の学習センターで勉強するわけです。そうしますと、学習センターの所長や専任の教官や指導教官は、当然、この教授会とコミットしていなければならない。そういう意味では、放送大学というのは、放送一点張りの教育ではないのだ、つまり、大学における大学だとすれば、そういうスクーリングその他の問題について制度的保障を機関としてやっておかないと、大学自治でなくなるし、同時にまた、それが全国の教官の協力を得ることができないという問題にも関係してくるわけです。 したがって、石村参考人も言いましたし、塩野参考人も言いましたように、地方の学習センター、この学習センターの所長というものはどうあるべきか、そして、それが大学自治機関とどのような関係があるかということは、法律事項として起こすべきではないですかという提案をいままでやっております。それは大学の問題ですと言っているのですが、イギリスのオープンユニバーシティーの定款をごらんになったことがありますか。イギリスのオープンユニバーシティーの定款は、地方の学習センターの組織というものについて、指導教官、所長、関連する教官、それから、そこに勉強する学生組織を含めて、そこに大学の自治的なものを考えて、それを全国的に統合してこのセンターと結びつけているわけです。きちっと定款で決めているわけです。そうすると、大学のイメージが国民にわかるわけです。ところが、いまのこれは、上から評議会までは法律を起こしてあるが、肝心の教授会との関係はわからぬ。教授会はどんな構成になるかわからない。しかも、この教授会に二コースか幾つかコースがありますね、そこの教官が全部教授会のメンバーなのです。ところが、評議会は教授会から選ばれるのか選ばれないのか、これがいまの組織でははっきりしないわけです。その教授会がまたどんな構成になるかわからないわけです。 したがいまして、いままでのこの委員会での議論で詰まっておりませんから、学校教育法上の大学における大学という意味の放送大学ならば、学問の自由、大学自治の組織的制度の保障も最低限法律事項で起こすべきものは何と何か、これを詰めて、そして国民の大学らしいいわば組織運営を考えなければいけない、こういう問題が残っております。 同時に、最後にそこで問題になるのは、さっきに戻りまして、今度は大学側は大学自治を前提にしてテレビをつくるときには加工され、そして、そこで新しく調整が行われる。そこで放送法が入ってくる。この場合に、当然今度は二つの組織ですね、運営審議会とそれから評議会。しかし、一番現場を担当しているのは教授です。評議員じゃないのです。評議員は恐らく現場のコースチームなんかに入って議論をするような人でないとぼくは思う。実際は客員教授がやったり、専任の教授がプロデューサーその他と討論してコースチームをつくるのだと思う。そうすると、実質的に、放映するテーマとその内容について、学問の自由の立場からこれでいく、放映するときにはこれに加工をして、これでいこうという、一番大事なところのコースチームみたいなものがどのように運営されるかについては、これは法律で起こすか起こさぬかは別として、その問題がいままでずいぶん議論されているのに、その中身、それから、そのあり方というものは非常に不明確である。したがって今後、この大学をつくり、学園を設置していった場合に、それをどうするかについて、この委員会では詰めておく必要があるということで、その問題を出しておきます。 それで、大体時間が来ましたから、ここら辺で締めくくるのですが、最後に、したがって、問題点を今後各委員が議論するときのために、改革提案といいますか、これを具体化していく場合にどうしたらいいかという項目だけ挙げておきます。 理事会と評議会の合同会議的なものをどう考えるのか、たとえばオープンユニバーシティーなんかは、評議会と理事会の合同会議をしょっちゅうやるわけです。そして全体のBBCと交渉するに必要な条件を、大学自治を前提にしながら討論しているわけです。 それから、理事会の構成はどうするのか。理事の任命と書いてあるが、理事会の構成はどうなのか。特に合議体としての理事会の性格というものは、これはある意味で法律で起こしておく必要があると思うし、やり方によってはできると思います。表現いかんです。 それから、運営審議会と理事会との関係はどうあるべきか。特に非常に重要なのは、たとえばオープンユニバーシティーの定款を見ますと、役員を解任するというのは、これによりますと文部大臣が解任できますね、ところが、解任するときには、オープンユニバーシティーなんかでは、ちゃんと聴聞会があって、そうして言い分を聞き、そういう話をした上で理事会と評議会の両方の、こっちで言うと運営審議会と理事会みたいなものですね、それの合同会議をやった上の解任手続というものをきちっと決めています。特に教官の方は教育公務員特例法の適用に準ずると言っているのですから、教官の昇任、降任については、教特法の一定の考え方で大学自治的に人事を処理されると思います。ところが、その他の役員については何も規定、保障がないのです。 したがいまして、これが放送学園大学という大学であるとすれば、単なる特殊法人組織でいいというものではないのですから、その場合には、また大学と学問の自由との、いわば放送法制上の問題がぶつかることがありますから、それに関連して役員の降任その他の問題が起きることがあり得る。したがいまして、この運営審議会と理事会というものの関係と同時に、評議会と理事会、そういう一連の組織的関係について、この法案でいったらどう考えることになるのか、それを詰めておく必要があるということです。 最後は、学習センターを法律事項として起こすかどうか、そうして学習センターと地方のスターリングその他についての大学自治的な組織を法律事項としてぼくは起こす必要があると思います。そうしないと、大学自治がどっちに吹っ飛んでいくかわからぬ。それから、そういう意味で学習センターというものは、政令や省令や規則で決められるものではない。 それで最後に、いままでわが党の木島委員を中心に広島の実験その他から見ましても、勤労青年や多くの人たちがこういう新構想の大学を利用しようとするときに、教育有給休暇ないしは教育休暇的なもの——現に教員養成大学は、現職現給で二年間勉強に行けるわけですから、教員だけが特別であるはずはないのであって、こういう教育有給休暇ないしは教育休暇的なものを、どう文部省は労働省との詰めの中で努力をするのか。教員養成大学だけやればいい、あとはほっとけというような無責任なことでは困ると思う。したがいまして、その問題を今後どのように詰めてどうしようとしてきたか、それを最後にお聞きして、以上の議論の中で、こういう幾つかの改革提案みたいなものを含めて委員会で討議して深める決意について、最後に大臣にお聞きしたいと思います。有給休暇と決意とを……。
○宮地政府委員 いろいろと先生から、理事会と評議会との合同会議等組織のあり方についてなお検討を要する課題ということで御指摘がございました。私どもとしては、全体的な仕組みとしては、従来から申し上げておりますように、内部組織にかかわる事項を法律にどこまで書くかということについては、おのずから限界があろうというようなことで御説明をしてきておりまして、それら大学自体の調整については、大学自体にお任せすべき点も非常に多いのではないかということで御説明をしてきているわけでございます。 それから、最後にお尋ねのございました教育有給休暇制度についての文部省としての取り組みはどうかというお話でございますが、これは従来からも申し上げておりますとおり、もちろん文部省といたしましては、こういう全体に学習意欲が非常に高まっているそれの実際の受けとめとしては、具体的にいわゆるこういう教育有給休暇制度というようなものが取り上げられていくということが、国民全体の学習にこたえていくという観点からは非常に望ましいことだ、かように考えております。 ただ、この問題は文部省限りで対応できるものでもないという点は、先生御承知のとおりでございまして、他省庁等にもかかわる問題でございますので、関係省庁とも十分御相談をしながら、文部省としては、積極的な気持ちで対応していくというのが基本的な考え方ではなかろうか、かように考えております。
○田中(龍)国務大臣 大変詳細にわたる組織論あるいはまた今後の運営等につきまして貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。十分参考にいたしまして今後進めてまいりたい、かように考えております。
○嶋崎委員 最後に、将来計画が残っておりますが、この間、小杉委員がかなり詰めた議論をしておりますから省きますが、わが党の湯山委員がいままで将来計画についても幾つか問題を残しておりますから、あとまた、それぞれの委員で将来計画の問題についても討議を深めさせていただきたいと思います。 これで終わります。
○三ツ林委員長 午後一時に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時四分休憩 ————◇————— 午後一時四分開議
○三ツ林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 放送大学学園法案の審査のため、本案審議中参考人の出頭を求め、意見を聴取する必要があります場合には、その人選及び日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○三ツ林委員長 質疑を続行いたします。有島重武君。
○有島委員 議題になっております放送大学学園法案につきましては、すでに過去数次にわたりましてさまざまな審議が行われたわけでございます。私ども公明党の同僚の鍛治清君、また池田克也君なども、いろいろな形で審査をさせていただきました。その報告も受けております。またただいまは、この件に関しまして、かつて小委員会をつくりましたときの小委員長の嶋崎譲委員より、さまざまな質問または問題提起があったようでございます。 公明党といたしましては、この放送大学を一つの構想として十数年来私たちも考えてまいったわけでございます。それは国民の生涯学習ないしは生涯教育と申しますか、そういった立場に立ちまして、いまの学校制度全体をながめてみるときに、授業の形態あるいは教育の形態について、明治百年以来の教育制度の中では、四角い教室の中で文字どおり教師の独壇場というような形が学校教育の典型であったのではないかと思います。それから、そういったところから、さまざまな工夫はございますけれども、教育をもっと時代に適合して開放していく、その中に学習の形態の一つとして文書による通信、電波による通信、こういったものを位置づけていく、こういったところから私たちの考え方としては始まっているわけであります。 それで、こうした基礎的な認識について、これにそごがあってはしようがありませんので、一番最初にその点の大臣のお考えを承っておきたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 ただいまお話の通信の問題でございますが、生涯教育という問題が今日最も盛んに言われております。同時に、国民全体の社会教育あるいはまた教養というふうな面に対する期待が非常に大きい段階におきまして、今回この放送大学学園の御提案を申し上げておるわけでありますが、皆様方のお考えとも一致するものが多多あるということを私は信じておるわけでございます。どうぞよろしく御協力のほどをお願いいたします。
○有島委員 承っておきたいのは、一致する点が多々あると仰せになりましたけれども、もし一致しない点がありましたら、ここで先に言っておいていただけたら結構でございますが……。
○田中(龍)国務大臣 さようなケースはないと存じますが、いま儀礼上まくら言葉として申し上げたのでございます。さようなことはないと信じております。
○有島委員 この法案につきまして、人事の問題あるいは財政の問題あるいは電波法との絡み合いによりまして、電波の公共性ということ、あるいは学問の自由ということと、もう一つお金がかかり過ぎるのじゃないかというような問題、こういうような問題点が多々あることは承知をいたしておるわけでありまして、まだこれは解明し尽くされていないと思うわけでありますけれども、私どもは、いわゆる入りやすく、充実しておる大学をつくっていかなければいけないというふうに思っているわけです。また大学においていろいろな授業形態はあるけれども、その中で少人数の教育といいますか研究といいますか、こういったものを実現していきたい、あるいは生涯教育の見地から単位の累次加算、あるいは大学の格差といいますか、こういったものを解消する意味からも、学生のいろいろな便宜の上からも、世の多様化の上からも、それにこたえるためには単位の互換ということがどうしても必要であるというような立場からいたしまして、これらの事柄を実現するのには、この放送大学学園法案を通じて実現せられるであろう高等教育機関がこういったことに機能する、役に立つということならば、これは大いに評価すべきである、このように思っておるわけであります。 そこでまた、これから順次、まず高等教育一般について、第二番目には放送を含んでの通信教育についてということ、三番目にはいわゆる放送大学、この法案に盛られております放送大学、それから時間がございましたならば、放送電波について、こうしたことについて、時間の許す限り質問させていただこうと思っております。 それで、最初に結論的に言ってしまいますけれども、放送の電波というものは、非常に公共性があるわけでありまして、私どもとしては、この公共性のある電波というメディアを使って何か閉ざされた大学をつくっていくような方向にもしも行ってしまうのだったならば、これはちょっと反対せざるを得ないというふうに思っております。 それで、一番最初にちょっと念を押しておきたいのでございますけれども、ここで行われておりますいろいろな質疑でございますけれども、これらのいろいろな議論、問答が、将来つくられていく、放送大学学園法案によって今度生み出されていくべき高等教育機関、その設立、運営等に十分反映されるのか、あるいはこの法案がちょっと二段構えになっておりまして、これはそういった高等教育機関をつくるためのドックである、ドックをとにかくつくってくださいということで終わってしまうのか、この辺のところに私にはちょっとまだ釈然としないことがございますので、ここの議論は十分に、将来できる大学に反映するのかどうか、そのことを念を押しておきたいと存じます。
○宮地政府委員 先生御指摘のとおり、ただいま御提案申し上げておりますのは、放送大学学園法案の御提案を申し上げておるわけでございます。しかしながら、もちろんこれは放送大学をつくるためのものでございます。したがいまして、放送大学そのものについての——もちろんこの名称も仮の名前でございます。名前につきましても、いろいろ前国会来御議論があった点は、私どもも十分承知もいたしております。 そういうことで、放送大学の運営全体につきまして、いろいろ当委員会でも御議論いただいている点は、私どもも十分留意をしているわけでございます。御案内のとおり、これは全く新しい形の大学をこれからつくっていくということでございまして、それらの運営において従来の大学としての基本的な点、たとえば学問の自由を確保するというようなことについても、もちろん踏まえていかなければならぬ点がございます。しかしながら、片一方、放送法制の制約があるというような問題点につきまして、いろいろ御議論いただきました点は、十分それを踏まえて、これからの大学の運営にその御議論を生かしていく、そういう形でこれからつくってまいります放送大学をよりよいものにしていくという観点で私どもは受けとめているつもりでございます。
○有島委員 大臣、こういうことになりやすいわけです。ということは、それは文部省はその心がけでいらっしゃると思うんですよ、そういった心がけであるけれども、では、ここでなされている議論がどのような形でその新しい大学の中に持ち込まれていくのか、これについての保証をまずここで得させていただきたいと思うのです。それじゃないと、そのときはその気だったけれどもということでおしまいになろうかと思うのです。この法案の審査に後から入りますけれども、恐らく十九条、二十条の関係になろうかと思うのでございますけれども、大臣に、そういった踏み込んだことではなしに、ここでの議論が大学をつくっていくときの一つの大きな歯どめといいますか参考といいますか、になり得るというところをひとつお示しいただきたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 もちろん、御審議をちょうだいいたしまして、ことに放送大学学園法のごときは、既存のものとは違いまして、これから皆様方のいろいろな御意見、御注意を賜りまして、そして、だんだんとりっぱなものになっていくわけでございますので、当然、いろいろな御意見や何かが血となり肉となって、りっぱな法案にまで完成させていかなければならない、かように考えております。
○宮地政府委員 たとえば具体的に、いまのお話では十九条、二十条、後ほど御議論があろうかと思いますが、文部大臣が運営審議会の委員を任命するに当たりましても、ここで御議論が出ておりますような点を十分踏まえまして任命をするということであろうかと思います。
○有島委員 それでは、大学一般の問題でございますけれども、大学と申しますと、すぐに大学受験というような問題ないしは受験戦争というようなことがございまして、これが教育一般に及ぼす影響は非常に大きいと思うのです。 それで、最近に至りまして、共通一次試験というようなことで努力をしていらっしゃることはございますけれども、受験戦争の熾烈さというものは、なかなか大変なものでございます。これにもよい影響と悪い影響があろうと思いますけれども、こういった点について大臣の御所見を承っておきたい。
○田中(龍)国務大臣 お互いが過去のことを振り返ってみましても、大変厳しい受験をずっと経てまいったわけでございますが、受験戦争というものが過度の苦労を学生に与えて、そのために中途で倒れてしまう人なんかもあっては、これは本当に困った現象でございますが、と申しまして、やはり社会人となっていきますためには、それこそ研さんの功を積むということがなければなりませんので、ある程度の練摩というもの、あるいはある程度の優勝劣敗という問題はやむを得ない、十が十みんな救われるというものでないことは社会の通念でございますから、同時にそのことは、またりっぱな社会を形成する一つの過程でもあると存じますので、受験戦争につきましては、過度のものはいけないが、ある程度適度の選抜はやむを得ない、こういうふうに考えます。
○有島委員 いまは大体よい方、これも避けられない、必要悪だというようなことでございましたけれども、悪い影響をかなり深刻に及ぼしている、その認識についてはどのようにお考えでございましょうか。
○田中(龍)国務大臣 私もあるところへ参りまして、学校の状態を見てまいったのでありますが、実際りっぱな上級学校に行くために、親御さんも子供も全く勉強いちずでありまして、そのために人間的な、それこそ温かい親子のつながりもなくなりますし、師弟の関係もなくなりますし、同時に、体を壊し、あるいはまたノイローゼになったり中途で倒れたりするような方もある。つまり言えば、英才教育とまで表現できるかどうか知りませんが、上級のいい学校に上がりますために、もう幼稚園のころから家庭教師をつけて一生懸命やっておる教育ママもおるわけでございます。しかし、そういう教育の成果というのは、決して私はりっぱな社会を形成するものじゃない、大学の場におきましても、やはりそのことが言えると存じます。
○有島委員 幼稚園から、あるいは幼稚園以前から高校に至るまで、この受験戦争の影響というのは非常に深刻であろうかと思いますね。このことは、きょうの議論の中心点でございませんけれども、その認識はますます私たち深くしていかなければならないのじゃないかと存じます。 そこで、どうしてそんなに大学に入りたがるのだろうということでございますね。大学に対する要求というものが非常に強い。しかしせんだっては、その伸び率がやや横ばいになってきたとか、あるいは人口の趨勢がさまざまであるというようなお話がございましたけれども、そういうことは別にしても、大学というところは学術研究という大きな一つの機能がある、それから教授、指導ないし訓練といいますか、こういったいわゆる教育面という機能がある、もう一つは資格を与えるという機能がある、それから、もう一つ忘れてならないことは、学問の上でも、あるいは学園の学生の生活においても自治が確保されておる、こういった機能があろうかと思うのです。 そこで、昔は一つの大学がすべてそういった機能を備えていたわけです。現在も、どの大学をとっても、そういった機能はすべてバランスよく整えられておるはずでございますけれども、現在はとかく資格付与というところに非常に重点のかかっている大学もあるようでございます。とにかく四年いれば大学卒業という資格を上げるから、内容はそれほど問わないという傾向もなきにしもあらずでありましょう。あるいは学術研究というところに一生懸命偏って、そこに大変な予算を割いて教育は二の次であるという傾向、そういったところもあるでしょう。それから、これは教育といっても、高校と余り変わりがないような教育機関、そういうようなところもあるでしょう。 一方、資格付与ということについて言えば、検定制度ということがございますね。これはどこの大学、どこの高校でも、そこで学んできたものを別なところで検定していく。これは大学の持っている認定機能、検定機能をそれだけ取り出していくというふうに考えることもできるかと思いますね。 それから、別に資格も要らないのだ、実力さえつけばよろしいのだという場合には、今度は専門学校あるいは専修学校、そういうところが非常に充実されてきておる、これも喜ぶべきことであろうかと思います。そして多くの若い方々も、大学に行くのも結構だけれども、本当に力をつけるのはそこだというようなことを認識なさるような傾向もおありのようでございますね。 それから、学術研究については、今度はそれが大変高度なものになってくると、一つの大学だけで囲み込むこともできない、そこで共同利用機関をつくっていく、こういうようなこともございますね。 そういうふうに一つの大学に学術研究、教育、それから資格付与、自治すべてをバランスよくそろえなければ大学とは言えないという言い方はだんだんに薄れていって、一つどこかに重点がかかっている高等教育機関、こういうものが順次今後できていくのじゃないだろうか、つくっていくべきではないのだろうか、そういうふうに私たちは認識しておるわけです。 そこで、こういった認識について何かそごがあるか、大体同じようなお考えをお持ちだろうか、それを確認させていただきたい。
○田中(龍)国務大臣 お話の筋は、つまり開かれた教養の機会、開かれた大学といったような点を理想とされておられるのだろうと思うのでありますか、たとえば例がいいか悪いかわかりませんが、お嫁入りの支度のために嫁入り道具としてといったのと同じような意味で学位とかなんとかというふうなものを考えるとか、あるいはまた全くそれとは違って、アメリカあたりの大学のように、入るときは無試験で入りましても、単位の取り方で非常に厳しくしておるところもありましたり、いろいろなあれがあろうと思います。また反対に、今日のような社会になりますと、教養というものを、老若男女といいますか社会全体が非常に待望するような客観情勢になってきまして、ことに女性の方々なんかのカルチャースクールなんというものが非常に望まれたり、あるいは老齢の方々の特に一般教養としてのあれがある。そういう場合に大学の制度をどう考えるか、こういうふうなことになった場合に、やはり通信教育であるとか、あるいは放送教育であるとかといったようなことが非常に重要な位置づけになるのではないか。 そういう点で今回のわれわれが御提案申し上げております放送大学というのは、ことにラジオ、テレビといったような近代的な道具を使いまして、そして、あらゆる人に機会をお与えして、その中で資格を取りたい方には資格をお与えするようなきちんとしたスクーリングを経て大学の課程をやる、ちゃんとグレードもお与えする。しからざれば、あるいはまた教養として履修される方もあるというようなことで、私は、いま先生のおっしゃいましたいろいろな引例の中で、まさに放送大学学園法というものは理想のものじゃないか、かようにそんたくをいたします。
○宮地政府委員 大臣のお答えしたとおりでございますが、先生御指摘のように、大学というようなもののあり方が、こういう社会全体の変化といいますかそういうようなものに対応して、それぞれ機能的に分化していくのではないかというような見方で御説明をなさったわけでございまして、お話のございましたように、たとえば共同利用機関というようなもので高エネルギー物理学研究所というようなものがつくられていくというようなことについては、確かに従来の大学の形のままではおさまり切らないといいますか、そういうようなものが実態に即した形で機能的に分化していっているということが言えるのではなかろうかと思います。
○有島委員 こういうことなんです。昔は大学というと、いろいろな機能を全部備えているということか非常にやかましく言われておった。ですから、いまの大学設置基準というものは、学術研究、それから教育指導ないしは実習訓練あるいは資格の付与あるいは自治、こういうようなものがワンセットになって、本当にバランスがよくとれてなかったらばいけないことになっているわけです。 ところが、いまちょっと大学局長もおっしゃいましたけれども、世の中だんだん変わってきた。だから、端的に言いますと、学術研究ということに非常に強い機関がある、それを共同利用する、結構でしょう。それから大学の中には、学術研究ということよりも教育の面に非常に力をかけていく、そういうような大学があってもいいでしょう。それから、場合によれば資格を与えることに徹していく、ほかのものがないわけじゃございませんよ、ありますが、それとは別にそういったような機関があってもいいでしょう、というふうに機能の分化ということについてもっと配慮してもいいのじゃなかろうか、そういうふうに申し上げたわけですが、そういった物の考え方について何かそごがあるかどうか……。
○田中(龍)国務大臣 余り先生が御遠慮がちにお話になるものでありますから、なかなかポイントが……。いろいろ多彩な面をお話になっておるように思うものでございますから、先ほどのお答えのようになったのでございます。しかし、どうぞそのものずばりをおっしゃっていただければ、やはり正規の大学で本当に単位を取ってグラジュアルスクールのようなきちんとした大学もよかろうし、あるいは教養その他の情操豊かな大学のあり方もよかろうし、あるいはその他専修大学のような銘柄別の対象を持った教育のあり方もよかろうし、そういうふうなものがいろいろとあってもいいじゃないか、つまり教育の場においては百花繚乱、いろいろな銘柄のものが花咲いてよかろうじゃないか、こういうことをおっしゃっているのだろうと私は思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○有島委員 いかがですかとこちらから言っているのです。
○田中(龍)国務大臣 結構です。
○有島委員 それが聞きたかったのです。何かありますか。
○宮地政府委員 大臣のお答えしたとおりでございますが、一言で申し上げますと、大学全体につきましては、先ほど申しましたような社会の変化なりそういうものに対応いたしまして、大学そのものの多様化といいますか弾力化が必要でもございますし、また、そういう方向でいろいろと行政的にも対応しているというのが現状でございますが、従来の大学について多様化を図っていくということは、これからも私ども取り組まなければならない課題だと考えております。
○有島委員 そこで、いろいろな多様な機関ができてまいりますと、つくっていく方においては非常に多様化しているつもりでおるわけでございますけれども、学ぶ側にとってみますと、一つの機関に入ったが最後、そこは盲腸になってしまうというのじゃ、多様化というより細分化したところに追い込まれていくという現象が起こるわけです。これは高校の多様化ということが十年前にありましたけれども、そのときに経験したことでございます。 そこで、学生たちにとっての多様化ということで一つの大学に籍を置いてもいいけれども、あちらこちらのいろいろな機関を、その目的に応じてあるいは自分の担当教授の指導のもとに使っていくというような方向が今後ますます起こってくるであろう、それが望ましいのじゃないか、私どもはこう思っておるわけです。いかがでしょう。
○田中(龍)国務大臣 ということは、具体的に申すならば、一つの大学に在籍をしても、プロフェッサーのあれに従って互換性で他の大学の単位も取れるような大学が望ましいのじゃないか、こうおっしゃるのだろうと思いますが、結構でございます。
○有島委員 大体基本的な認識が合ってくると先がやりやすい。これも釈迦に説法みたいで申しわけないのだけれども、教育ということでございますが、これは先般、こちらでの同僚議員の質問の中で大臣が、教室というのはエルチーフングだと言われたんですね、押しつけるものじゃなくて引っ張り出すものだ、こう言われた。これは大変な見識である。私も敬意を表します。ただ、それは確かに一部を言われたのだろうと思うのでございますけれども、教育の原型といいますか、人と人との触れ合いがあって、その中で知識なり行動を媒介として相互に啓発し合っていく、だからエルチーヘン、アーン・バイデということになるのでしょうか、お互い個々に啓発し合っていく、そういう営みを教育と言ってよろしいのじゃないかと私どもは思うわけなんだけれども、この点も確認しておきたいわけであります。
○田中(龍)国務大臣 相互のそういう営みばかりじゃいけないでしょうが、やはりそういうのも結構だろうということでございましょう。
○有島委員 ほかに御意見がありましたら教えてください。
○田中(龍)国務大臣 ただいまもお話のように、そういうお互いの心と心との触れ合い、お互いが啓発し合っていく、お互いが修養し合っていく、お互いが完成されつつある、そういうのもそれはよろしいでございましょう。しかし、そればかりというわけにはまいらない。子供とおとなということになれば、おとなの方が先輩でありますから、やはり子供のままじゃいけないので、教えてやるという立場も、エルチーフングばかりじゃなくウンタリヒテンというものもなくてはならないのではないでございましょうか、そう思います。
○有島委員 そこで、人と人との触れ合いの場でございますけれども、これがさまざまである。これは授業形態といいますか、あるいは学習形態と申しますか、この学習形態について、現在の大学設置基準でその規定があるようでございますけれども、それをちょっと言ってください。
○宮地政府委員 大学設置基準の規定についてのお尋ねでございますが、大学設置基準の第二十九条におきましては、授業を行う学生数について規定いたしておりまして、「大学が一の授業科目について同時に授業を行う学生数は、おおむね五十人とする。」というような規定がございます。なお、同条の第二項におきましては「人文及び社会の分野に関する授業科目並びに保健体育科目に関する授業科目については、大学の事情により、前項に規定する学生数以上とすることができる。ただし、特別の場合を除き、二百人をこえないものとする。」というような形の規定がございます。
○有島委員 人と人という場合、そういう規定になっているわけです。しかし現実には、一対一というようなこともあるわけであります。一対五あるいは一対二十以下というような形、こうした少人数教育というようなことはなるべく確保したいと私たちは非常に強く思うわけです。だけれども、すべてを少人数教育でやるというようなことは、これはぜいたく過ぎると言わなければならないでしょう。ですから、いまありましたような一対五十ですか、そういったようなものを標準にする、それも結構でしょう。あるいはそれ以上というようなものがあってもよろしい。 そういったことについて、今後、大学の多様化、学生の学習要求、学歴要求に応じていろいろな多様化が起こってくるわけであります。ですから、大学を卒業するというならば、幾つかの単位は少人数教育を確保してあげるというような配慮が今後なされるべきじゃないか。そして少人数教育が片方では確保され、そうして今度は中人数といいますか五十名程度ですね、こうした一つのクラスの中でもっていろいろと学んでいく、訓練を受けていく、これもやはり必要なことであります。一対一だけの教育では、それは欠けるものもあるでしょう。もっともっと大きな講堂の中で、何百人もの中で、その中の一人として物を学んでいく、こうしたことも現実にわれわれの生活としては大切なことでございますし、そうした経験も経なければならない。それからもう一つ、通信によって——通信の中にも、文章もあり放送もあると思いますけれども、そういうものによって知識を吸収し、あるいは物を考え、あるいは表現しというようなこういったものも高等教育の中では必要ではなかろうか。 ということになりますと、授業形態ということについて、もう少しきめの細かい配慮を、設置基準の中で、すぐにとは申しませんけれども、なさるべきじゃなかろうか、これが一つの提案です。お考えを伺っておきたい。
○宮地政府委員 お話は、少人数教育が大変大事であるというような観点に立ちまして、具体的にそういうようなものをもう少し設置基準に規定することはどうかというようなお話でございます。 かねて先生から、少人数教育の重要性については十分承っておるところでございまして、私どもも、まずは大学における授業開設の状況につきまして、実は本年度大学に悉皆調査といたしまして、大学教育の改善等の状況ということで、授業開設の状況については、たとえば一人から十人までのクラス、十一人から二十五人までのクラス、さらに二十六人から五十人までのクラス、五十一人から百人までのクラスというようなことで、受講学生数ごとにそれぞれ一般教育科目、外国語科目、保健体育科目、さらに基礎教育科目、専門教育科目ごとにどういうような授業開設の状況を実施しているかということについて、ただいま調査をいたしておるという状況でございます。私ども、そういう大学の実態も十分踏まえながら、それらについて対応していく必要があろうか、かように考えております。 一般論といたしましては、たとえば現実に大学における演習でございますとかゼミナールとか、そういうようなものについては、比較的少人数で実際授業が行われているというのが実態でございます。たとえば東京大学におきましては、昭和四十五年度以降、一般教育科目のゼミナールの中には十人ないし二十人程度の少人数によるゼミナール形式の授業を積極的に開設するというようなこともいたしておりますし、そのほか具体例はそれぞれ大学でも取り組んで、多くの場合ゼミナール形式が多いようでございますが、そういうようなゼミナール形式での単位を何単位かそれぞれ取得単位の中で考えていくというような試みは、具体的に大学でも行われているわけでございます。 問題は、そういうことを設置基準で一律に書くことがいいのかどうか。具体的にはそれぞれ各大学で授業の実施方法については工夫をこらしていただいているわけでございまして、各大学の自主的な努力なり工夫、そういうようなものが積極的に今後も取り上げられていくようにそれを促進するような形で私どもも対応していこう、かように考えておるわけでございまして、そういう観点から実態調査も実施しているというのが、ただいまの状況でございます。
○有島委員 いま私が申し上げました少人数教育ということを含んでさまざまな人数の配合を適当に、学科によりそれから学習目的によりいろいろあるわけでございますけれども、それが適当に配分されるような、まだ法律化、法令化というところまでいかないけれども、その方向でいま実験が始まっておると受け取ってよろしゅうございますか。
○宮地政府委員 実験が始まっておるというような形では必ずしもないかもしれませんが、個々の大学ではそういう授業形態のあり方については十分工夫をしておりまして、所要単位の中でそういう少人数によるゼミナールのような形での単位を何単位か取ることを具体的に実施している大学も、先ほど個別の例も申し上げたわけでございますが、そういう方向で行われているわけでございます。個々の授業形態のあり方についてそのように各大学が取り組んでいるわけでございまして、大学の自主的な工夫なりそういうようなものを、私どもとしても積極的に促進するように対応していきたい、かような趣旨でございます。
○有島委員 それから、人と人との触れ合いということの中で、その場なんだけれども、こうやって対面でやっている、これが一番の基本形でございますね。だけれども、通信メディアを使うということでございますね、これもやはり通信というメディアを使っての人と人とのつながりということでございましょう。その通信の中に文書があって、それからラジオ、テレビの放送があって、放送の中には生放送と録音、ビデオ、こういうようになるわけでございますね。ですから、人数のいろいろな配分と同時に、どういうメディアで、直接対面でやっていくのか、あるいは通信、文書を通じてのものであるとか、そういうような授業形態、学習形態の多様化ということをしっかり考慮に入れておかないと、これからの放送による高等教育機関というものが非常に考えにくくなるのじゃなかろうかと思います。それをしっかりとお心に置いていただきたいと思いますが、いかがですか。
○宮地政府委員 お話のように、もちろん基本的には、従来の在来型の教室における授業というようなものが、なお学校教育における基本的なあり方ではあろうかと思いますが、たとえば、ただいま御指摘のような通信教育による手段も、テレビ、ラジオ等を用いるような、ただいま御提案申し上げておりますような放送大学のあり方、そういうようなものにつきましても、それぞれの特性、授業形態についての考えるべき特性というものに十分留意しながら、その授業のあり方というようなものについて工夫をしていくということは、御指摘のとおり十分留意をしていくべき事柄であろうかと思います。
○有島委員 受講形態、学習形態を明らかにすること、また、その中でもって特に少人数教育と大きなスケールの学習といったものの配分を、卒業資格を与える場合の一つの条件の中に将来考慮をしていただきたい、これは要望であります。 それでは、通信教育ということについて質疑をいたします。 通信教育についてどう評価するかということでございますけれども、放送による大学、これも広義の通信教育の一つであるというふうに位置づけてよろしいと私は思いますけれども、いかがですか。
○宮地政府委員 御指摘のとおり、放送大学もその一つでございます。
○有島委員 現在行われております通信学部、私立大学に通信教育の学部がございまして、この学部の学生さんと、それから一般の学部の学生さんとの間にいろいろと単位の互換、これは法的には許されておると思いますが、これは望ましいかどうか。
○宮地政府委員 先生御指摘のとおり、法律的には単位の互換というような形は許されているわけでございます。 なお、望ましいかどうかというお尋ねでございますが、最初にも申し上げましたように、大学制度全体の弾力化といいますか、多様化を図っていく、その一つといたしまして、入っております学生の方が、それぞれ望ましい単位をほかの大学でも取りたいということについては、それは積極的に認められる方が望ましい、かように考えております。
○有島委員 同じ一つの大学で、そこには通信学部がございます。そうすると、普通の学部の学生さんが自分の取るべき単位の中から幾つかの単位、二十単位なり三十単位なりはその通信教育でもって取る、そういうようなことがもっともっと行われてよろしいのじゃないだろうか。いま大学局長がおっしゃいましたのは、他の大学ということでございますけれども、同じ一つの大学の中でそういったことがもっと推進されてもよろしいのじゃないかと私は思いますけれども、いかがですか。
○宮地政府委員 方向としましては望ましいことであろうかと思いますが、先生御指摘の同一大学の中における一般の学部と通信制の学生の単位の互換といいますか、そういう実態については、私ども、ただいまのところ具体的な事柄をつかんでおりません。
○有島委員 私の聞いておりますところでは、十五だけ私立大学の通信学部というものが現在あるのですか。
○宮地政府委員 十二でございます。
○有島委員 十二ございますね、そのうち三つの学校だけが一般学部と通信学部との互換をやっているそうです。これがどうして進展していかないのか。私は、非常に不思議でしょうがない。だから、何か文部省さんの方で余りいい顔をしないというようなことがあるのかどうか。
○宮地政府委員 先生御指摘のように、私立大学で十二大学が大学通信教育を行っているわけでございまして、その中で御指摘のように三大学が単位の互換ができるというような取り組みになっているようでございます。 そこでお尋ねの点は、それがどうしてもっと広がらないかというようなお尋ねでございますが、具体的にはその事情は必ずしもつまびらかでございませんが、御指摘のように、文部省がそれについてどうこう制約的に考えているというようなことは全くございません。
○有島委員 そうなりますと、私立大学でやっている通信学部において、いま同じ大学であっても余りまだ単位の互換が進んでないようですけれども、将来国公立あるいは他の私立大学でもいい、あるいは短大でもいいというところが通信学部の単位をある程度取り入れる、互換の対象とするということ、これには法令上何か妨げがありますか、ありませんか。
○宮地政府委員 法令的に申しますと、単位の互換を認めておりますのは、三十単位の範囲内というのが、単位の互換を認める範囲の一つの規定でございます。 それで、具体的に私立の大学通信教育の場合でも同一大学で三大学ということを先ほど御指摘がございましたが、積極的にその単位の互換を、たとえば通信教育についても考えるべきではないかという御趣旨でのお尋ねかと思うわけでございますが、私どもといたしましては、既存の従来の大学についても、もちろんそれは制度的に認められていることでございますから、積極的に取り組んでほしいという考え方で対応いたしておりますが、ここで御提案申し上げております放送大学におきましては、もちろん、そういうものをこれから新しくつくっていくわけでございまして、その際に単位の互換というような形で私立の通信教育とも相ともに、放送大学と通信教育とが両々相まって積極的な単位の互換というようなことにも取り組むということは、もちろんこの放送大学においては当然考えているところでございます。
○有島委員 いま、現在ある通信大学について申しましたけれども、いま大学局長が言われましたように、将来つくろうとしておる放送による大学教育の機関、これを含めましていまある通信教育全部、そういうような通信による高等教育機関が全国の国公私立の大学に大いにアピールをして、わが方においてはこのようなものを用意しているから使ってください、こういうような資料を提供するというような動きが将来起こらなくちゃいかぬと思うのです。そういうときには、これを大いに助成するというようなことが起ころうかと思うのです。これは先の話かもしれないけれども、しかし現実に、いま始めようとすれば始められることでもございますね。そういったことを考慮する余地はございますか。
○宮地政府委員 私立大学の通信教育については、従来からもいろいろな形で助成策といいますか振興策は講じてきているところでございます。さらに、放送大学をも含めまして既存の大学に対して積極的にこの私立大学の通信教育をアピールするように、そのための助成はどうかというお尋ねでございますが、積極的にアピールすることについては、もちろん私どもそういうことを考えていかなければいかぬことであろうかと思います。ただ、具体的なそのための助成策としてどういうことをとるかということについては、なお十分検討させていただきたい、かように考えます。
○有島委員 最初にまず申し上げましたとおり、放送大学を含めまして広い意味の通信教育、これは学習形態の一つであると私たちは認識するわけです。ですから、それだけで完結するというわけにはまいるまい。これは将来計画を見ても明らかでございますけれども、この通信大学がすべてスクーリングを一生懸命やっているわけですが、これらの通信教育機関というものは、そこのみで卒業資格を与える権限を持つというそういった機能があってもいいけれども、それ以上に他の学部あるいは他の大学との単位の互換にこそ本当の真価が発揮されるのじゃないだろうかと私たちは思うわけだ。そういった考えについていかがですか。
○宮地政府委員 お話のとおり、通信による手段だけで大学教育のすべてがカバーされるわけではございませんので、御案内のとおり面接授業というものを重視しているわけでございます。その点は御提案申し上げております放送大学についても同様でございます。したがいまして、現在の既存の大学の通信教育におきましても、面接授業をみずから行うということは、たてまえとして当然なければならないわけでございます。ただその際に、ほかの大学における授業を、単位の互換という形でそれを実施するということはもちろん可能でございますし、その点を大学全体の弾力化なり多様化という観点から積極的に進めるべきだという御意見については、私どもも同様に考えます。
○有島委員 つまり、放送を含んでの大学通信教育というものの本当の真価は、単位互換のセンターとして機能するときに一番よく発揮されるのではないか、そういうふうに私たちは思っているわけです。 そこで、時間がもうなくなってきますから先にいきます。 法案の中の第一条でございますけれども、ここには「放送大学学園は、放送等により教育を行う大学を設置し、当該大学における教育に必要な放送を行うこと等により、大学教育の機会に対する広範な国民の要請にこたえるとともに、大学教育のための放送の普及発達を図ることを目的とする。」、こういったふうに書いてございます。 そこで、この最後に出てくる「大学教育のための放送」ということ、これは「当該大学における教育に必要な放送」という、先に出てきた方の放送、これよりも広い概念として読むべきではないかと私は思うわけですけれども、いかがでございますか。
○宮地政府委員 お尋ねの第一条の規定が「当該大学における教育に必要な放送を行う」ということと「大学教育のための放送の普及発達を図る」ということを取り上げまして、後段の方が広いのではないかという御指摘でございますが、それは御指摘のとおりでございます。具体的な条文といたしましては、第二十条の第二項におきまして、具体的にそれらのことを規定として設けているわけでございます。
○有島委員 つまり、ここでもって設置する大学というものは、ここの大学でもって資格を取る人人、それから他の大学に籍を置いて、そこでもって単位を互換する人々、あるいは他の大学に籍は置かないけれども、そこでもって履修をして資格を取っていく、そういう人と、それから全然教養番組と同じようにこれを聞いておる、そういう人人と、大体大ざっぱに四種類の方々がいらっしゃるわけでありまして、これは衛星が飛んで、そこから電波を出すような事態に相なりますと、日本並びにその電波の及ぶ限りの諸国における高等教育放送一般にこれはだんだん及んでいく広い概念になるのじゃないか、こういうふうに認識してよろしゅうございますね。——そこで、郵政省の電波監理局長に一つだけ聞いておきたいのですが、多重放送ということを承っておるわけです。 それで、この放送大学学園でもって流します放送は、これはテレビが主であろうかと思いますね、それからラジオもあるでしょう。そうすると、テレビについて日本語でやるのと、それから同時に、英語でやるのと、こういった多重放送、一番簡単なやつですな、すると、これは将来、科目にもよりますけれども、物理であるとか化学であるとか、あるいは数学であるというようなことが、かなり日本をはみ出して多くのところに広がる、諸国に広がり得るというような場合には一かなりたくさんの言葉でもって、いわゆる本当の多重放送ですね、それもやろうと思えばできるのではないかと思うわけでありますが、そうした可能性はいかがでございましょうか。
○田中(眞)政府委員 ただいまの御質問でございますが、まず、最初に放送衛星というものでございますけれども、この場合、空からおりてまいります放送衛星の構造にもよるわけでございますけれども、現在のところ、日本本土周辺をようやくカバーするというようなものを考えておるわけでございまして、先生のおっしゃるようなことになりますと、スピルオーバーというようなことになりまして、この辺につきましては、外国向けの放送というようなことになろうかと思うわけでございます。 ただいまわが国で考えておりますのは、日本本土をカバーできるということで、その周辺になりますと、技術的な放送衛星の持つ能力と申しますか、電力がひとつ問題になろう、それから、どこへおりるようなかっこうで——放送衛星のアンテナ等の形状にもよろうかと思っておるわけでございますが、現在確定しておりますが、五十八年度から実用の放送衛星を考えておりますが、これはNHKがあまねく全国普及を図るというようなことで日本本土に限られ、その周辺の諸国には及ばないような形のものを出すというようなことになっておるわけでございます。 それで、外国向けの放送等々によりまして、これが国際的に合意される、あるいはよその国からも頼まれるというようなことになるといたしますれば、先生のお話のようなことも出てくるかと思いますけれども、その辺が国連の宇宙平和利用委員会におきましても、非常に問題になっておりまして、まだ回答は得られていないというふうに聞いている次第でございます。
○有島委員 では、衛星以外に、当面始まる放送につきまして、この多重放送は幾つまで許されますか。
○田中(眞)政府委員 音声多重のテレビジョンに多重する場合の能力についての御質問かと思いますけれども、ただいまのところはテレビに音声を一つよけい加えるというような形でやっております。また、多重につきましては、いろいろ技術の開発が進んでおりまして、音声多重のほかに文字多重というようなものもございますし、ファクシミリ多重あるいは静止画放送というようなものも研究はされておるわけでございますけれども、現在わが国でやっておりますのは、テレビの映像と本来の音声、そのほかにもう一つ音声を加えるというものが実用化されておるというのが実情でございます。
○有島委員 そうすると、現在はプラス一ということでございますね。今度放送大学学園に免許を いただけるというような場合には、それもやはりプラス一なのか、プラス三とか四とか、そういうザービスをしてくださるのか、その辺はいかがですか。
○田中(眞)政府委員 お答えいたします。 先生のおっしゃいますように、テレビに多重する方式といたしましては、ごく当初、三つなり四つなりの音声を加える方法もある、外国でも行われておるというようなことで研究はいたしましたけれども一非常にむずかしくて、現在のところ音声を一つ加えるのがようやくであるというのが私の認識でございます。
○有島委員 わかりました。 ラジオの方は幾つの波をもらえるのですか。
○田中(眞)政府委員 この放送大学構想が始まる当初であったかと思いますけれども、郵政省といたしましては、この放送大学学園のためにテレビの一系統と、ラジオと申しますか、音声の放送を全国的にカバーできる一系統、この二系統と申しますか、それを確保するというようなお話になっていたかと存じております。
○有島委員 ということは、ラジオの方も一波以外にはない、こういうことですか。あるいはちょっと隣のあたりのところですか、まだ余地がありますか。
○田中(眞)政府委員 テレビの波数で申しますと、ラジオも同じことでございますが、日本全国的にいまのところ、放送大学といたしましては、八〇%をカバーする、全国二百カ所からカバーするというようなお考えもお示しになっておるようでございますが、波数といたしましては、大変多いものになるわけでございます。郵政省としましては全国と申しますか、いま計画されております八〇%の地域に、少なくともテレビの一番組とラジオの一番組が聞こえるように周波数を用意しておるということでございまして、テレビの波数ないしテジオの波数でいきますと、あるいはFMになるかもしれませんが、大変多いものを用意しているわけでございます。ただ番組としてはテレビ一系統の番組とラジオ一系統の番組、これがほとんどのところへ聞こえるようにということでテレビとラジオの波を用意している。繰り返しますが、従来の地上方式でまいりますならば、大変に数の多いものになるわけでございます。
○有島委員 それでは、これはこの前一般質問のときにちょっと触れましたけれども、また放送大学の方に戻ります。 体育及び語学等については、大学設置基準による大学以外のところで履習をする。それで、放送大学の方でも、それを認定の対象としていくことを考慮しつつあるというふうに承ったのですけれども、それでよろしいかどうか。
○宮地政府委員 体育の実技等について、具体的に他の教育機関の活用をどう考えておるのかというこでございますが、すでに前の国会でございますか、御答弁も申し上げておるわけでございますが、体育の実技につきまして、ほかの大学、具体的には地域の教育委員会等が開催する体育行事があるわけでございますが、そういうものに参加することによりまして、体育の実技の履習にかえるというようなことについては、この放送大学の場合には具体的に考えているところでございます。 さらに、体育の実技以外に、外国語科目などについて、ほかの教育機関、たとえば御指摘では専修学校等というようなものをお示しになったわけでございますが、それの履習の成果を単位として認めるかどうかの問題でございますが、大学と、ただいまの専修学校等との間に、御存じのとおり、学校教育法上の制度上の相違が基本的にございます。そういうような点で単位制度の共通の基盤がないというようなこともございまして、検討を要する幾つかの問題点があろうかと思います。 ただ、これから創設をお願いいたしております放送大学におきましては、そういうことについても、積極的に検討をいたしたいというぐあいに考えております。具体的には、そのために文部省といたしましても、大学設置審議会の大学基準分科会におきまして、具体的な御検討もお願いをしているところでございます。
○有島委員 もう時間がいっぱいになってまいりましたので飛ばします。 日本だけでなしに諸国におきまして、放送大学という試みをやっておるようでありますが、その現状を御報告いただきたい。
○宮地政府委員 諸外国における放送を利用する大学教育の現状についてのお尋ねでございますが、実は当衆議院の文教委員会におきましても、イギリスのオープンユニバーシティー等については御視察をいただいたわけでございますが、放送利用の大学として代表的なものとしては、御視察もいただきましたイギリスのオープンユニバーシティーがございます。このオープンユニバーシティーは昭和四十四年六月に設立されまして、四十六年一月から学生を受け入れているというぐあいに聞いておりますが、昭和五十三年では六学部一研究所で、教職員数が約二千五百人、学生数約七万五千ということで、卒業生は約三万三千人になっているというぐあいに聞いております。オープンユニバーシティーの場合には、その放送番組がBBCによって制作、放送されておりまして、放送時間は、週当たりラジオで二十六時間、テレビで三十五時間ということでございまして、時間帯は月曜から金曜の早朝及び夕方と、土曜、日曜の午前中というようなことを伺っております。実際に学生の学習時間に占める放送視聴のウエートというのは、一〇%前後ということで、余り高くないというようなことを伺っております。 それから、次に韓国でございますが、韓国では昭和四十八年に韓国放送通信短期大学というのが設立されているようでございまして、放送の利用は韓国放送公社を通じて行うラジオ放送だけであるというぐあいに聞いております。放送時間は毎日一時間半程度でございまして、一般の通信教育にラジオ放送を一部加えた程度というようなものではなかろうかと思います。 なお、アメリカの場合はいわゆるコミュニティーカレッジを中心に幅広く放送利用の教育が実施されておりますが、そのほか相当数の高等教育機関がみずから放送局の免許を受けているようでございます。 ただ、イギリスのオープンユニバーシティーは、わが国の放送大学構想のように、放送利用の教育によって卒業資格を与えることを目的とする大学ではないようでございます。これはアメリカの場合でございます。むしろ放送教育によりまして、所要の単位の一部を修得させまして、それによって高等教育への進学を誘引するといいますか、そういうようなところにねらいを置いているというぐあいに伺っております。 そのほかスペインでは、昭和四十七年に国立遠隔教育大学というようなものが設立されておりますとか、あるいは昭和五十二年にはコスタリカで国立遠隔大学がつくられている。ベネズエラでオープンユニバーシティーが設立されておるというようなことを私ども伺っておりまして、これらはいずれもイギリスのオープンユニバーシティーと同様に、放送を利用した大学教育を行っているようでございます。 そのほか西ドイツでは、昭和四十九年にノルトラインウエストファーレン州立大学としてフェルンウニベルジテートが設立されているというような状況も伺っております。 なお、ことし八月にマニラで開催されました国際大学協会の総会において報告されているところによりますと、世界で最近十年間に、放送を利用する大学は十五大学が設立されたというようなことが報告されているようでございます。 私どもが現在、諸外国の状況として把握しておりますのは、大体以上申し上げたような状況でございます。
○有島委員 これはさらにまた機会を追って御報告をいただきたいと存じます。 そこで、もう最後になりますけれども、諸国が日本の放送大学に対して相当期待を寄せておるのではないかと思います。それで、その期待を寄せている中で、多くはNHKに対して非常に期待を寄せておるようでありますね。こうしたことについてどのように考えていくか、これは局長からお聞きしましょう。
○宮地政府委員 NHKとの関連と申しますか、そういう点についてのお尋ねでございますが、放送大学の設立の検討の経過といいますか、過去の四十四年以来の検討経過の途中段階におきまして、NHKに積極的にこの点について御協力をいただいたということはございます。 ただ、放送大学の設置形態そのものとしては、その後種々検討いたしまして、現在御提案申し上げておりますような特殊法人の放送大学学園を設立するという形で御提案を申し上げておるわけでございます。 なお、これが実現されました際において、放送というような技術的な分野もございますし、そういうようなことにつきましては、私ども郵政省とも十分御協議を申し上げて、具体的にそういう面でNHKが持っております技術面といいますか、そういうようなものについては種々御相談をさせていただいて、御協力を仰がなければいかぬ事柄であろう、かように考えております。
○有島委員 大臣、これは東南アジアといってもいろいろな国があるわけですけれども、日本の放送大学については相当関心を持っておられる方が多いようであります。と申しますのは、NHKの番組のビデオ、これは相当あちらの方に行っているんですかね、それで、それを媒介として、今度はさらにすばらしいものができるだろうというような期待があるようでございます。その期待がまた余り見当外れであっては困るわけですけれども、そういうようなものも、ひとつ十分情報をキャッチしておいていただきたいし、それから、諸国でもってのいろいろな営みがあるわけでありますから、その情報もひとつ十分集めて、また御報告をいただきたいと思います。 きょうの質問はこれで終わります。ありがとうございました。
○田中(龍)国務大臣 大変いろいろと詳細な御審議をいただきまして、ありがとうございました。
○三ツ林委員長 本日、参考人として日本放送協会理事田中武志君が出席されました。 参考人の御意見は質疑応答の形式で聴取いたします。 和田耕作君。
○和田(耕)委員 初めに若干、きわめて事務的だと感ずることを御質問しますけれども、これは局長さん、放送の時間帯はどういうふうに選ぶのですか。
○宮地政府委員 放送時間についてのお尋ねでございますけれども、私どもただいま考えておりますのは、一応毎日午前六時から十二時までの十八時間ということを予定しておりまして、視聴する学生の便宜というものを考えまして、同一の番組について曜日や時間帯を変えて再放送するように考えていくというのが、ただいま考えているところでございます。
○和田(耕)委員 これは働きながらこの学校に入る人はかなり不便になると思うのだけれども、何かそれをカバーする方法はありますか。
○宮地政府委員 ただいま申しましたように、午前六時から十二時までの問で再放送ということも、その中で具体的に曜日や時間帯を変えまして再放送するというような形で、実際に働いております方々の視聴については、極力それぞれの勤務に応じまして視聴できるような形を放送時間についても考えているところでございます。 なお、それを聞き逃しました場合の、それを後で聞くためにビデオ・センターというようなものも、それぞれ学習センターに設けるというような配慮もいたしているわけでございます。
○和田(耕)委員 日曜日もやるのですね。
○宮地政府委員 日曜日も当然に放送をいたすわけでございます。
○和田(耕)委員 それから、先生を選ぶ方法ですね、どういうふうに先生をお選びになるのですか。
○宮地政府委員 教官の選び方につきましては、この放送大学におきましては、評議会で人事に関する基準を定めることになっておりまして、具体的にはそれに従いまして選考されるということになるわけでございます。
○和田(耕)委員 たとえば経済学の例をとれば、正統派の経済学の先生がおる、あるいはケインジアンの先生がおる、あるいはまたマルキシズムの先生がおる、こういう場合に、どういうふうな選び方をするのでしょう。
○宮地政府委員 具体的な人事そのものにつきましては、それぞれ大学が具体的に選考をするという基本的なたてまえは、従来の大学と変わりないわけでございます。
○和田(耕)委員 それにしても、これは放送を全国民が聞くわけですから、この放送大学の教育にについての、聞く方から見た選択の自由というものがあるわけです。そういう問題について、この法案をつくる前に見通しをつけておく必要があるのじゃないか、この問題についてお聞きしているわけです。
○宮地政府委員 具体的には、開設を予定しております授業科目に即しまして具体的な教官が定まるわけでございますが、実際にどういう内容のものを放送するかということにつきましては、それぞれの科目ごとに、コースのチームといいますか、そういうようなものがつくられまして、十分討議をされた上で、それが具体的に放映されるというような段取りで考えているわけでございまして、その点については、私ども、これからつくられていきます放送大学のスタッフに全面的に信頼をいたしておるという考え方でございます。
○和田(耕)委員 これはいまからよく検討なさっておかないと、必ず問題になることだと思うのです。いま私は経済学の例を引きましたけれども、どの学問の分野でも、教養課程の段階でも、いろいろ違った、しかも、かなり権威のある違った学説があるわけです。それに従って先生ががらっと変わってくる、受ける人たちの印象も変わってくる。代表的な先生を選んで、その人たちに放送してもらって、そして勉強、この勉強をするのは、申し込んだ人だけじゃないわけで、一般の国民も見ているわけですから、公正な教育をするために、その問題は非常に大事な問題になってくるわけで、これについての方針——選んだ役員に任せるということですけれども、それはまあそれでいいのです、いいのですが、やはり設置される、最初の法案の作成者としての文部省のこういう問題についての考え方、これはやはり方向づけをしておかぬといかぬと思うのですが、いかがでしょう。
○宮地政府委員 私どもといたしましては、この放送大学の授業科目の具体的な内容につきましても、言うなれば国民全体から期待されている大学というぐあいに考えておりまして、そういう国民の期待にこたえるような大学としての運営が行われると確信をいたしております。
○和田(耕)委員 局長さん、これが普通の大学と違うのは、普通の大学では、この大学にはこのような教授、先生がおりますということを承知の上で生徒は入ってくるわけです。その生徒だけがその先生の話を聞くわけだ。ところが今度の場合は、一定の生徒になる人がおりますけれども、対象は広く全国民だと考えなければならない。そうした場合に、ある特定の先生がおることを承知の上で入った学生とそうでない学生、その点非常に違うわけだ。その問題についてはっきりした考え方を持たないと、私は、今後やっていく場合に非常に問題が出てくると思うのですが、大臣、こういう問題いかがでしょう。
○田中(龍)国務大臣 お説のとおりと存じます。
○和田(耕)委員 私は、これに賛成しているわけじゃないけれども、仮につくるとして、この問題ぜひとも検討をして一つの方針づけをしておかなければならない。経済学であれば、代表的な三人なら三人の違った先生を配置して、同じような時間帯で放送するというような配慮はぜひとも持っておっていただきたいと思います。それから、単位の問題ですけれども、ここでもらう教養課程の幾つかの単位は既存の大学とお互いに交換ができるという制度があるようですけれども、これはどういうふうな形でおやりになるのですか。
○宮地政府委員 単位の互換についてのお尋ねでございますが、先ほど来御説明も申し上げておるわけでございますが、大学設置基準によりまして、三十単位まではそれぞれ単位の互換が認められているわけでございます。したがいまして、その範囲内においてはほかの大学で履修した単位をこの放送大学の単位とすることも可能でございますし、また、ほかの大学が放送大学で履修したものを、その大学の単位として認めることも可能であるわけでございます。
○和田(耕)委員 たとえば東京大学で教養学部へ行っている学生が、何かの都合で半年ほどアメリカへ行って勉強した、そして受けられていないその単位は、放送大学でやっている同じような科目の単位を取って、それに当てるというようなこともできるのですか。
○宮地政府委員 たとえば東京大学で受けられなかった単位をこの放送大学で互換することは可能かという具体的なお尋ねでございますが、それは大学自体でそういう仕組みを認めていただくことが必要でございまして、私どもとしては、それを積極的に進めなければいかぬ立場にございますが、事柄としては可能でございます。
○和田(耕)委員 つまり、そういうふうな問題も特に大事な問題の一つなんですね、単位の各大学の交換制というのは。関係の大学とあらかじめよく打ち合わせをして、そういう考えはよかろうというような根回しはいままでなさっておられるかどうか。
○宮地政府委員 この放送大学構想を進めるに当たりまして、もちろん私ども、既存の大学の関係者ともそれぞれ十分御協議も申し上げておるわけでございます。 具体的に申しますと、たとえば国立大学協会の主要なメンバーの方々とも、放送大学を進めるに当たりまして、これはもちろん教官、組織その他万般にわたっていろいろと御協力をいただかなければならぬわけでございますので、そういう点については従来からも御相談を申し上げてきておるわけでございます。 そこで、具体的な単位の互換の問題でございますが、御説明申し上げておりますように、仕組みとしては、そういう制度は認められているわけでございますが、具体的にそれを積極的に進めていくという事柄を、既存の大学にも働きかけることが必要でございます。これは大学自体がそういうことを積極的に取り上げていくということにならないと、制度としては認められておりましても、必ずしもそれが現実に生かされてこないということになるわけでございます。そういうようなことについて十分御協力をいただくように御説明も申し上げておるわけでございますが、まずは、この放送大学が新しくできました際に、この放送大学自体の方で積極的に単位の互換を進めていくというような考え方で、いわばこれを一つの契機といたしましてそれが積極的に行われるように私どもも努力いたしたい、かように考えております。
○和田(耕)委員 私どもも最近、この放送大学に対してかなり突っ込んだ、いろいろ専門家を含めての議論をする機会を持ったのですが、一番議論をされた問題の一つがこれなんですね。つまり、職業と密着した単位が取れない、取れる可能性がない、この問題が一番議論になった一つなんですが、これは先生にはなれるのですか。
○宮地政府委員 放送大学でむしろ職業に密着するような単位なり資格が取得できるようにすべきではないかという御議論というぐあいに伺ったわけでございますが、御案内のとおり、私どもがただいま御提案申し上げておりますこの放送大学につきましての考え方といたしましては、従来御説明も申し上げておりますが、教養学部を置くという考え方で臨んでおります。教養学部を置くに至りました今日までの調査とか、そういうような前提がいろいろあるわけでございまして、具体的には教養学部ということで進めたいと考えております。 そこで、具体的な御質問は、教員の資格が与えられるのかどうかということでございますが、その点は教員免許状を取得するためには、免許法令の規定によりまして、その免許状の種類や教科に応じました教職の専門科目、それともう一つは、教育実習を含む教職関係の専門科目が必要になるわけでございます。私どもといたしましては、この放送大学を計画するに当たりまして、既存の私立の通信教育と関連する問題でございますとか、そういう具体的な授業の面での公約数としてどういうものを選んでいくかというようなことについて種々検討を重ねました結果、こういう教養学部ということで発足をさせていただきたいと御提案申し上げております。したがいまして、放送大学だけを卒業すれば教員免許状が取れるかと申すと、ただいまのところはそれは考えておりません。
○和田(耕)委員 これは全般にわたる問題の一つなんですけれども、この放送大学学園法案が非常に中途半端だ、あるいはあいまいだと言われる点はそこにあると思うのです。せっかく新しいものを大きな国費を使ってつくるわけですから、第一段階は現在のようなことだけれども、第二段階ではこうだとか、第三段階ではこうだとか、そういうものを余り隠さないで、もっと持つ必要があると私は思うのです。私どもも、この放送大学法のアイデアが出た当時は、これは大変なことだ、これがすっかり軌道に乗っていけば、いままでの大学はほとんど要らなくなるだろう、特につまらぬ大学なんていうものはなくなってしまう、あるいは大学は自分のものだと思っておるような不届きな先生もなくなってしまう、そういうふうなことまで私は考えた。だけれども、この法案で見ると、つまり、教養の部分だけに限定をする、私は、本気に考えれば、これは通信教育がやっているのですから、実際の専門課程だってやれると思うのです。そして実際のいままでの通信教育の現場は、放送大学の下請の下部機関として位置づけることも将来はできるのじゃないかと思うのです。そういうふうなことであれば、これは非常に大きな意味を持ってくる。しかし、これが専門的な教育ができないとか、むずかしいとか——これだって、たとえば実験の教育だって、そのつもりで施設をつくり、そのつもりで運営できれば、たとえばお医者さんの教育だって、ごく一部の補充教育をすればできないことはないのです。 そういうふうにこの問題を考えて、つまり第一期はとにかくいろんなことがあってこうだけれども、やってみてあれすれば、そういう面にも、専門的な教育の方にも進めようと思うというふうな気持を持っておられるのかどうか。
○宮地政府委員 御指摘の点は、第一期の計画はこの計画でいって、将来そういうような方向を考えないのかというような御指摘でございますが、私ども、そういう職業資格に結びつきますようなコースを将来どう考えていくかというようなことについては、もちろん将来の検討課題として慎重に対応させていただきたい、かように考えます。御指摘の点は十分踏まえて検討させていただきたいと思います。
○和田(耕)委員 たとえば先ほど私、先生のことを最初にお聞きしたのは、日本なら日本、あるいは世界の他の国からでもいいのですが、権威者だと思われる先生を偏らないで選んで、その人が一つの基礎的なテーゼになるような教育をする、それで、いまの各大学のスクーリングをもっと組織的にしたようなものというふうに考えていけば、これは画期的なものになるというふうに私は思うのです。 これは学問の自由とか学校別のいろいろなことがあります。あるのですけれども、そういう気宇の大きな考え方を持たないと、このままであればいかにも中途半端だし、このままだといまの既存の大学を拡充すれば、そしてもっと門戸を開放して、NHKでももっと気張ってやってもらえば、この状態だとできるんですよ。しかし、この状態でできない、今後の日本の教育の大きな問題から見れば、この考え方は非常に大きな意味を持っている。 それで、私どもが非常に興味を持ち、いまの法案はちょっといろいろ中途半端だと思うけれども、将来これはなかなか新しい芽になるのじゃないかと思うゆえんはそこなんですね。そういう点について、この問題ひとつ大臣、いかがでしょうか。
○田中(龍)国務大臣 ただいま和田先生のおっしゃることは、本当にまじめに取り組んで、深く掘り下げてのお考えだと思うのであります。今後、この新しい学園放送というものがどのように展開いたしますか、これはわれわれ真剣に考えたい一つの大きなファクターでございます。
○和田(耕)委員 また、この問題は、いま日本で一番困っているものの入学試験の問題、大学入試の問題、これなんかにも一つの解決の目安をはっきりつくれると私は思う。つまり、いま中学校、高等学校でも、試験の場合には、中学校ぐらいのところでこの男は大学へ行けるかどうかということを、いろんなテスト機関でやっているのはヨーロッパ諸国には幾つかあるのですけれども、しかし、だれでも入りたいものははめて、そして最後のテストをちゃんとやって、大学卒業の免状を与えるという二つの方法がありますね。その後の方法を、この方法だとぼくは非常によくできると思うのです。放送大学にはだれでもとにかく希望者は入れる、しかし、四年間の教育の中でひとつ厳密なテストをやって、出るときにはしっかりと縛るというような教育が、このアイデアの中でも解決の可能性がある。 そういうふうな意味を含めまして、もっと文部省としては気宇を壮大にして、こういう法案を出す限りは中途半端なものはだめですよ。当面ではそういう問題があるとしても、将来そういうことを考えなければ、こういうものは本当にちっぽけな、かえって問題を起こすような法案になりはしないか、私は、そういうように思うのです。考え方としていかがでしょう。
○宮地政府委員 入学者の選抜方法につきましては、御指摘のように、この放送大学においては選抜試験を行わないというようなことで、新しい一つの行き方を具体的に示す一つの積極的な取り組みをいたしております。 ただいまの全体構想としてさらに壮大な構想で臨めという御指摘につきましては、私どもも、そういう問題点があることを十分検討させていただくということで、当面御提案申し上げております点は、従来、前国会等からるる御説明しているような事情で、こういう教養学部というような形で発足をさせていただきたいということで御説明を申し上げておるわけであります。
○和田(耕)委員 もう一つは、義務教育というものははっきり区別して、いまのような状態をしっかり拡充してやれると思うのですが、高等学校ですね、この高等学校の教育の問題をなぜ放送大学法案の中に入れなかったのかということについての疑問を持つのですが、どうでしょう。
○宮地政府委員 この放送大学学園法案で御提案申し上げておりますのは、放送を行うことによって正規の大学教育を行う、そういうものをつくるということがねらいでございます。これはねらいとしましては、生涯教育というような観点で国民の間に広く大学教育の機会を広めるというようなことももちろんございます。したがいまして、この御提案申し上げております放送大学においては、高等学校の放送というものを取り上げるということは、ただいまのところ考えていないわけでございます。 なお、現実の問題といたしましては、広域通信制を行いますものといたしましては、現在はNHK学園高等学校というものが設置されておりまして、それが高等学校教育段階の放送によるものとして具体的に現に行われているわけでございます。
○和田(耕)委員 私、特に高等学校の問題を問題にしますのは、現在中学校から高等学校へ進学する人は大体九三、四%だ、こう言われておりますね。また高等学校の義務制という考え方も有力に出てきておるわけです。しかし、高等学校の義務制ということになると、これはまたいろいろ問題が出てくると思いますけれども、実際上これを義務制にする方法として放送大学の——他のいろいろな大学にも、大学があって、その下に高等部があったり、中等部があったりするのですから、将来、高等部を設けて、全部、高等教育を受けたい人は、この教育に入ってもらうというような考えをすれば、高等学校の義務化と同じような効果を持つようになりはしないか。そういうことをお考えになりませんか。
○三角政府委員 ただいま御提案申し上げている放送大学の一つの機構と申しますか、内容として高等部というものはどうかという御提案でございますが、放送大学そのものとの関連につきましては、大学局長の方から御説明があると存じますが、高等学校教育の普及の問題に関連しましては、先ほど大学局長からもちょっと申しましたけれども、和田委員御存じのとおり、高等学校には通信制がありまして、それで、その中で一県の範囲以上にまたがりまして広域でやっているところも数校あるわけでございます。その数校ある中で日本放送協会学園高等学校というものは、現在でもNHKの教育テレビ、それからラジオの第二放送を活用しまして、主として八時以降の夜間、それから早朝も再放送などをやっておるようでございます。 これで、そういうテレビとラジオの放送番組というものを編成いたしまして、通常の通信教育の指導にそういうものもあわせて教育を展開するという運営をいたしておるわけでございます。これは全国ネットでやっておるわけでして、定員枠も一応二万人ということで決めておりますが、いろいろな事情で現在少し減っておりまして、在籍者は五千人余りのようでございます。ただ、卒業生が毎年多いときは二千人、最近はちょっと減りまして、一般の高校が普及したせいもございましょうが、千二百人余りで、すでに二万六、七千人はここの学窓を巣立っておりまして、各県で協力校というのを設けまして、そこで月一回のスクーリングをやるというようなことで、非常にじみちで、しっかり一生懸命やっておられます。 したがいまして、これは通常の経常費助成のラインにこれも乗せまして、文部省としては補助もいたしておりまして、一応、和田委員の御提案に若干似ておるといいますか、類似する方式が、道がすでに開かれておるものでございますから、私どもとしては、この教育を助成し、充実をお願いして、こういった方法によって高校の教育に接近したいという人たちに対する手だてとしてこれを生かしていきたい、こういうふうに考えております。
○和田(耕)委員 これはまあ後からひとつ、こういう場所でなくてゆっくり文部省の方にいろいろお聞きしたいと思っておるのですけれども、その問題はそれとして、局長、放送大学というものを何か小さな——まだやってみなければわけはわからぬのだ、それは実際わからないところはある。しかし、そんな小さなところに限定しないで、もっとこの将来への意義をしっかり認めた考え方をぜひとも検討してもらいたいと思うのです。 それで、この問題についての最後の問題は、文部省の方は専門教育はこの方法ではできないというふうにもう結論しているのですか、どうですか。たとえば資格を与えられるような専門的な教育はできないかどうか。
○宮地政府委員 教養学部としての専門教育もあるわけでございまして、そういう専門教育はもちろん取り上げてやっていくということで、検討経過の中では、ただいま申しました教養学部としてのコースなり専門科目というようなものの設定を考えているわけでございます。 御指摘の点は、恐らく先ほども先生御指摘のように、さらに、そういう教養学部という考え方だけに立たない、それ以外の専門分野の、あるいは職業教育といいますかそういう面を、もっと積極的に将来の姿としては検討すべきではないかという御指摘で、そういう分野での専門教育という問題であろうかと思いますが、それらについては、先ほどもお答え申しましたように、当面御提案申し上げております教養学部ということでスタートをさせていただきたいということを申し上げているわけでございまして、先生御指摘の将来へ向けて壮大な構想で取り組むべきであるという点については、私どもも御意見を十分承りまして、それを将来の課題として検討させていただきたい、かように考えております。
○和田(耕)委員 壮大なものじゃなくてもそのすぐ前の、たとえば経済学士とかあるいは法学士とかそういう資格はどう、この問題はすぐでもやれるのじゃないか。
○宮地政府委員 具体的な対応といたしましては、この放送大学を検討するに際しまして具体的な問題として問題になりましたのは、私大の通信教育との関連でございます。私大の通信教育は、戦後三十年大変苦しい中で私学が通信教育に取り組んできたわけでございます。そういうような立場から、私大の通信教育とこの放送大学とが相ともに共存共栄と申しますか、両者が相ともに発展していくということを考えていくためにも、放送大学の科目としては教養学部を置き、学士号としては教養学士を出すというような学部を想定いたしてきたわけでございます。たとえば私大の通信教育の方では、具体的には法学士とか経済学士とかを出す人文系統の学部については、現に行われているわけでございます。
○和田(耕)委員 それは私大の通信教育との関係から理解できますよ。じゃ、いまの私大の通信教育がかなり苦労して実績を上げているから、この放送大学ではそのような問題は取り上げなかったという御答弁ですか。
○宮地政府委員 大変率直に申せば、いま申しましたようなことも一つでございますし、また具体的に国民の教育的な要請としてそういうようなものが、従来私どもの調査いたしたものを基礎にしましての放送大学の基本計画に関する報告等におきましても、国民の非常に広い要請といいますか、全体的な要請としてそういう分野のものが望まれているというようなことも一つの理由でございます。そしてまた、先ほど郵政省の方からも御答弁がございましたような、テレビ、ラジオについて、それぞれ一波が確保されているということでございますから、その波によります授業科目の開設ということについても、おのずから限度がある、そういうようなことを全体勘案いたしまして、教養学部ということでスタートをさせていただきたいというのが具体的な理由でございます。
○和田(耕)委員 いまの、私大の現在までの大変な御苦労、成果を評価して、そして、その分野にはある程度入っていかない、あるいは共存できるような状態にしたという御意見は、非常に大事な意見で理解できる。しかし、そのままの形で将来も考えていくというと、これは国民のためというよりは私大を救済するためというふうなそしりを免れない。したがって、ある一定のこういう十年なり二十年なりという過渡期にはそういうことがあっても、将来はやはり通信教育の本拠的な役割りを果たすとして、各私大の持っている場は学習センターとしてこれを十分活用していくというような考え方をお持ちにならないと、この大学構想そのものがひなびたものになるということなんですね。その点は特に注意してもらいたい。そういうことをやると、また反対が出るからということはわかりますよ。しかし、それをそのままだと、これは私大を守るために国民を犠牲にするなんというような妙な意見も出てきかねないんですよ。そういうこともぜひひとつ考えてもらいたいと思います。
○宮地政府委員 先ほど御説明いたしましたように、国民全体の教育的な要請といいますかそういうようなものも十分踏まえて考えているわけでございます。この放送大学が発足すれば、もちろん先ほど申しましたように、両者が並存して充実していくように考えるべき事柄でございます。その辺について、さらに踏み込んだ具体的な御相談というようなものについては、恐らくこの大学が具体的に定着をし、さらに国民全体の要請といいますかそういうようなものを受けとめながら、将来の課題としては、そういうようなことも踏み込んで検討しなければならぬ時期が来るかもしれませんが、それは私大の通信教育の関係者とも十分納得のいく形で御相談をさせてもらう問題であろうかと思います。
○和田(耕)委員 日本の教育について、私は、教育は全く素人ですけれども、素人なりにいろいろな評価をしますと、やはり動脈硬化的な様相が、大学でもあるいは高等学校でも私立大学でも皆ある。これに対してこういう放送大学の構想が新しいインパクト、いい刺激を与えるという意味はあるわけで、その要素は、やはりこういう法案については、出し方はいろいろ問題ですけれども、持っていないといけないと思いますね。この法案について各所にそういうところが見られる。非常に中途半端だというのは、そういうふうな形も見られる、たとえば生涯教育という面、最初にこの考え方があったと思うのですけれども、この生涯教育という面でも、先ほど申し上げた後期中等教育、そういうふうなところにも、これは踏み込んでいってないというところにそういう面があるということですね。 非常に中途半端になっているのは、放送大学というものの意義づけというものが、何かいろいろと批判を受けたりなんかしてしぼんでしまった。しぼんでしまったら意味ないんですよ、本当にこの法案は。いまのようなままだと、私は、本当に意味が非常に少ない、トラブルだけを起こしていくという感じがする。ぜひとも、そういう将来への展望というものを忘れないで、しっかりと持っていただきたいと思います。 NHKの方お見えになっていますね。御苦労さまです。 ぜひともお伺いしたかったのは、NHKでも大学の講座の放送をなさっておられましたね、いままでいろいろな形で。これはどういうふうな意義づけでこういう講座をおやりになったのか。それで、やってみて、その効果はお調べになったことがあるかどうかわかりませんけれども、効果をどういうふうにお考えになっているのか。将来、こういうものをやる場合に、どういう点に特に注意しなければならないのか。この問題についての御意見をぜひともお伺いしたいと思って御足労願ったのです。
○田中参考人 お答え申し上げます。 私ども現在、週に六回大学講座というのを、教育テレビの中で放送しております。この放送しております大学講座は、昭和三十六年に大学通信教育協会というところの要請を受けまして、発足し、それからさまざまな経緯を経ながら、昭和五十三年に大きく改定をしながら今日に及んでいるということになっております。 この番組のねらいといたしましては、現在私どもは、通信制を含む大学生及び高度の体系的な教養を求める一般社会人の方々を対象として、大学レベルの番組をつくっているというつもりでございます。御出演いただいております先生方は、それぞれの学問の領域におきましての権威の方でございまして、大学教育として必要な課題の中で、御自分の長期にわたる研究成果、あるいは最新の研究内容といったものを、体系的になるべくわかりやすく解説をしていただくということに努めております。 なお、先生最後の御質問でございます、どういう成果があったかということでございますけれども、大学講座につきましては、私どもテキストを発行しております。これが昭和五十二年には、一年間の総売り上げが大体二十一万部ぐらいでありましたけれども、昨年度におきましては、倍以上の四十五万部というふうな数に増加しているということになっております。特に最近のこの番組の需要の中身を調べてみますと、最近は御存じのように、生涯教育、そういったようなものに対しての大変関心の高まりがありますけれども、そういった中で婦人学級だとか放送セミナーとか、そういったようなところでの社会教育としてのグループ利用といったようなところが大変顕著に出てきているというのが特色に最近はなっているというふうに私ども考えているわけでございます。
○和田(耕)委員 NHKでは、BBCで前からやっておる大学教育、ああいうふうな組織化を考えたことはありませんか。
○田中参考人 われわれといたしましては、先ほどちょっと触れましたように、この大学講座を三十六年に発足いたしまして、そのときは大学通信協会というところの要請を受けてやりましたが、そのときには一応名前は大学通信講座という名前でございました。そして正規の大学教育の一環という形でのスタートをしたわけでございますけれども、先ほどちょっと触れましたように、五十三年にこの番組の改定をいたしまして、こういったことをもう少し幅を広げまして、高等教育レベルでの体系的な教養番組というような位置づけで幅を広げて、NHKが自主的な編成でやっているというのが実情でございます。
○和田(耕)委員 最初NHKが始めたのは、大学通信講座という形の要請を大学の通信関係から受けたということが始まりでしたか。
○田中参考人 そういうことでございます。
○和田(耕)委員 そして、これは現在はもう中学校、小学校の教育にかなり取り入れられておる科目が多いのでしょう。
○田中参考人 現在この大学講座の中でやっておりますのは、いま申し上げましたようにかなり幅が広がりまして、たとえば日本語の特質だとか近代憲法の考え方とか科学から文化、そういった非常に幅広くそれぞれのテーマを決めまして、そして年度の前期に大体六講座、年度の後半に今度はまたテーマ、出演者なども変えながら六講座やっているというのが実情でございます。
○和田(耕)委員 私も、高等学校程度の日本の歴史と世界の歴史の講座をずっと続けて聞いたことがあるのです。なかなか参考になった感じがするのですけれども、NHKの分野で現在第3チャンネルをフルに拡大したとして、こういう教養講座は、いまのたとえば倍とか三倍とかいう程度にはなりますか。
○田中参考人 ただいまやっております大学講座は、再放送も入っておりますので、週間六本と申しましたけれども、実際には再放送を入れますと三十分のものが教育テレビの中で十二本、週間六時間というのが実情でございます。
○和田(耕)委員 こういうものは、もっと時間を延ばすということも可能ですよね。 それはまあそれとしまして、たとえば現在の放送大学学園法案で盛られておる科目がありますね、開設予定授業科目一覧というのがあるのですけれども、このような科目、こういうことをNHKでやったらという目でごらんになったことがありますか。
○田中参考人 まだちょっとその辺までやっておりませんのですが……。
○和田(耕)委員 これは、もしNHKにやれと言えばやれるのだなという感じはどうですか。ありますか、あるいはとてもできないという感じでしょうか。
○田中参考人 まだ内容を詳しく見ておりませんので、正確なことは申し上げられませんけれども、先ほども申し上げましたように、私ども長年にわたりまして、こういった教育放送につきましての経験とスタッフその他を持っておりますので、われわれといたしましては、大学側の方から具体的な協力要請、そういった申し出があった場合には、放送法の規定を勘案しながら、いろいろ対応していくというつもりはございます。
○和田(耕)委員 結構でございました。ただ12チャンネルというのがありますね、責任者が見えてないから、ここで話題にするのはどうかと思うのですけれども、最初あれを開局するときに、教育放送を主眼ということだったと思うのですけれども、いつの間にかそうでなくなったのは、どういう理由なんでしょう。こういうことを質問するのはおかしいから、これは文部省の人に聞いた方がいいのかな。
○宮地政府委員 私どもも、12チャンネルの放送の中身のいきさつについては、必ずしもつまびらかにいたしておりませんので、ちょっと具体的なお答えが申し上げられなくて恐縮でございます。
○和田(耕)委員 つまり、やはり営業にならないということじゃないかと思うんですね。NHKとしても、これはやはり相当の犠牲を払って努力しておられると思うのですけれども、今後、この大学とNHKとの協力という面で、どのような配慮をなさっていかれるのでしょう。
○宮地政府委員 具体的な放送というような技術的な分野でもございますので、具体的には私ども、従来NHKが3チャンネルを中心としてやってまいりました実績その他、そういうような点については、今後具体的に、実施に当たっては御協力をいただかなければならぬ課題だ、かように考えております。
○和田(耕)委員 この問題を最初に考えたときに、イギリスのBBCと同じように、NHKである程度この大事な問題はこなせるのじゃないかという意見がかなりあったと思うのですけれども、イギリスでできて日本では適当でないというのは、どういうところに理由があるのですか。
○宮地政府委員 その点は先ほども御議論があったわけでございますが、まあ実態的な問題で申し上げますと、大学側の学問の自由と申しますか大学の自治という問題と、放送事業者側の番組の自主編成権と申しますか、その間の調整の問題が出てきた場合に、同一主体でございませんと、具体的にはたとえばオープンユニバーシティーのような大学で申しますと、放送はBBCにという形になっているわけでございますが、具体的にその両者の調整問題が生じた場合に、それぞれが独立の組織ということになっておりますと、その調整の難航が予想されるということが一つの問題点でございます。 したがいまして、御提案申し上げておりますこの放送大学学園法案というのは、特殊法人の形にいたしまして、この特殊法人が放送局を持ち、かつ大学を持つという形にしまして、組織体としては一つの組織体という中でその間の調整を解決するというところが、私どもが御提案申し上げておりますこの放送大学学園の考え方の一つのポイントでございます。
○和田(耕)委員 これは最初は関東地方、東京タワーの電波が届く範囲という範囲があるのですけれども、同僚委員からしばしば御指摘になっておるように、やはり東京はその必要が日本じゃ一番少ない方だ、他に方法があるのだということがあるのですけれども、NHKはいまネットワークを全国にかなり綿密にしいておられるわけですね、したがって今後、六十一年になるかどうかというお話がありますが、衛星が利用できるまではNHKのネットワークを利用するとかいうようなことは、これは私、素人だけれども、そういうことはできませんか。
○宮地政府委員 御提案申し上げておりますこの放送大学学園では、この放送大学学園そのものが放送局を持ちまして、それで放送大学の教育を放送するという形で御提案申し上げているわけでございます。したがいまして、従来委員会でもいろいろ御議論があったわけでございますけれども、第一期の計画としては、東京タワーから電波の届く範囲内でまずはスタートをさせていただく。そして具体的なたとえば学習センターの取り組み方と放送教材との組み合わせの問題でございますとか、そういう具体の問題についてその第一期の計画でまずはスタートさせていただきまして、それを全国に広げていきます際の個別の問題点の解決にはそういう積み重ねが必要であろうというようなことで、全国に広げていきます際には、段階的に取り組ませていただきたいということで御説明を申し上げているわけでございます。
○和田(耕)委員 大体お考えになる点はわかりましたが、ぜひともお願いしたい点は、先ほどから申し上げるとおり、私は素直に言って、この放送を利用した教育という問題は、これは大学に限らない非常に大事な要素だと思います。将来また日本の教育のいろいろな行き詰まっている面を打開することができる有力な一つの手段を提供することもできると思います。そういうものであるだけに将来展望、まだやってみなければわからぬことでもあるし、どうしてやったら一番いいかという段階ですから、そういう将来展望だけはしっかりと持っていただかなければならぬと思います。その第一の項目は、先ほどから申し上げているとおり、放送大学という場合には、国民がそれぞれの実益をこの大学によって得られるという面を無視してはいけない。やはり教養的なもの、生涯教育というものは非常に大事です。それに対するニーズも非常に強いことはよく承知しておりますけれども、しかし、大学として考えた場合に、いままで既存の大学が与えておるような資格をこの大学でも与えることができるように、その場合には、現存の各大学と協力する方法はどういうふうにしたら協力できるのか、共存できるのかというふうに考えることですね。いまの大学から反対があるから、あるいはいろいろ経営上の問題で打撃を与えるからこれは考えないというのじゃなくて、やはり放送大学としても、単に教養学部的なレベルでなくて、そういう文化科学系統でも資格が与えられる、あるいはまた理学あるいは医学その他の自然科学の学問の分野でも、実験その他の面について、私はこれはその気になって準備すればできぬことはないと思うのです。その場合に、いままでの大学は、そういう制度と実際に学習センターのような役割りをしっかり果たしてもらうというようなこと、そういう問題をぜひとも考えていただきたいと思います。 そうしてまた、先ほども申したように、いまの大学入試の問題なんかとも関係して、いまのままでほっておけば、日本の若い人たちを本当にスポイルするのじゃないか、いい結果を及ぼすよりも。ですから、やはり行きたい者は全部入学できる、しかし、最後にしっかりしたテストをやるというこの考えを実行するのには、いまの既存の大学ではできませんね。だから、この放送大学のような場を使ってそういうふうなことにさすとか、そういう夢というよりは当面の大学教育が直面をしておる大事な課題を解決する方法としてこの問題をぜひとも考えてもらいたい。 そういうふうな考えがありますと、たとえば、これがいよいよ実施されるようになった後の十年間の大学運営の気構えが変わってくるのです。あっちに遠慮したり、こっちに遠慮したりということじゃ、私は全く意味がないと思います。それこそいろいろなトラブルをあちこち起こして、やる人もその気がなくなる。 そういうわけですから、よっぽどの決意が、文部省、これの立案者のところには必要だと思いますね。そういうふうな問題について、将来の問題としてぜひとも考えていただきたい。 私どもは、そういう問題があるし、それはなかなかできないかもわからぬし、そんな中途半端なものなら、これは意味がないのだというのが私どものところの一番の反対理由なんです。そういうことでありますから、ぜひともその問題についてのお考えをいただきたいと思います。文部大臣に最後に御決意を承りたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 今日の御質問は、本当に歯にきぬを着せない、まじめな、いろいろな御意見を承りまして、ありがとうございました。 おっしゃるとおりに、私は、容易ならざる決意を持ってこの問題に対処しなければならない、かように思っておりますので、よろしくどうぞ御賛同、御協力のほどをひとえにお願い申し上げます。
○和田(耕)委員 委員長、まだ時間がありますけれども、質問は終わりましたから、これでやめたいと思います。
○三ツ林委員長 予定の時間より早くなりましたが、次に、栗田翠君。
○栗田委員 この放送大学をめぐりましては、大学の自治、学問の自由の問題を初めさまざまな問題点がございます。同時にまた、実際に学生が受講をして単位を取って大学を卒業していくということにかかわる具体的な困難、いろいろな問題もあります。私は、それらを含めて質問したいと思いますけれども、まず初めに、具体的な細かい問題からいろいろ伺っていきたいと思います。 この放送大学の計画案などを拝見いたしましても、そして、いままでの国会での文部省の御答弁を伺っておりましても、文部省は、学習センターというものを、放送大学の成否の一つのかぎとして大変重要視してこられたと思いますが、そのとおりでございますね。
○宮地政府委員 御指摘のとおり、放送大学においては、学習センターを重視するという考え方で御説明を申し上げてきたつもりでございます。
○栗田委員 伺いますと、テレビ、ラジオの視聴による学習が全体の三分の一ぐらいのウエート、自宅学習が三分の一、それからスクーリングや演習、実習など学習センターで行われる学習が三分の一というわけですから、テレビ、ラジオから受ける教育と同様な重みを持っているし、一層その上でもスクーリング、演習、実習なしには卒業していけないということで、非常に重要なことだと思います。 それで、まず伺いますが、大学の完成時には四十七都道府県に学習センターが設置されるというふうに計画はなっております。第一期計画で関東地方で実施されるときに、東京には学習センターを二つ置くということなんですけれども、大学が完成されたとき、四十七都道府県に置かれる学習センターというのは、それぞれ一つずつなのでしょうか。
○宮地政府委員 五十年に放送大学創設準備に関する調査研究会議というところで「放送大学の基本計画に関する報告」というものをおまとめいただいたわけでございますが、この報告のまとめによりますと、この放送大学が全国にわたりまして実施をされる、そういう際における学習センター一の数としては、御指摘のとおり、県別の学習指導センターが四十七カ所・実習センターが八十七カ所、演習センターが百七十カ所、ビデオ・センターが八百七十カ所というような計算をいたしておりますが、「放送大学の基本計画に関する報告」では、そういうような構想が練られております。
○栗田委員 そうしますと、複数を置く場合というのは、東京以外は考えられていないということですね。
○宮地政府委員 具体的な配置場所の問題については、地域別の学生数でございますとか、あるいは交通の便でございますとか、そういうようなものを具体的に考慮して考えていかなければならぬ事柄でございます。したがいまして、その学生の全体の実態を見ました上で配置を考えていくということになろうかと思います。
○栗田委員 そうしますと、四十七都道府県に四十七カ所というものがもっとふえる可能性はあるし、また、そういう方向で努力をしていかれるということですか。
○宮地政府委員 具体的な実施段階におきましては、学生数でございますとかそういう実態に応じまして、その点は必ずしも私どもこだわるわけにはまいりませんので、その実態に即した配置というものを考えていかなければならない、かように考えております。
○栗田委員 それで、第一期計画なんですけれども、その第一期計画の中では、演習センターとか実習センター、ビデオ・センターなどが学習センター内に置かれるように私、読みましたけれども、そのとおりでしょうか。
○宮地政府委員 第一期計画においては、そのようにお考えいただいて結構であります。
○栗田委員 そうしますと、一期計画の場合には、学習センターが一つの県に一つあるのと同様に、演習センターとか実習センターなども一カ所同じところにあるということになるわけですね。
○宮地政府委員 先ほど申し上げました報告の中で考えておりますのは、具体的にはそのように考えております。
○栗田委員 ところで、この核となる学習センターでございますけれども、一センターで受け入れる学生の数は、一期計画ではどんなふうになるのかということで私の方で試算いたしましたら、平均して三万人おって六センターですから、一センターが五千人、こういうふうになるのじゃないかと思いますが、そんなふうに考えていいのですか。
○宮地政府委員 ただいま想定いたしておりますところは、先生御指摘のとおり、各学習センターにはおおむね五千人の学生が所属するものと予定をいたしております。
○栗田委員 完成時、全国都道府県全部にネットワークが広げられたときには、一センターに対して学生数はどのくらいでしょうか。
○宮地政府委員 全国に広げられた場合の状況については、私ども現在具体的に申し上げる数字といたしましては、必ずしも十分に確信を持って申し上げる数字ではございませんが、おおよそ考え方といたしましては、一カ所五千人程度ということで学習センターをつくることを想定いたしております。
○栗田委員 ちょっとその辺でおかしいと私、思うのですけれども、完成時の学生数四十五万三千人というふうに考えておられるようだし、そういう御答弁が出ていたのじゃないかと思いますけれども、どうですか。
○宮地政府委員 全体計画の完成時と申しますか、完成時では一応先生御指摘のような学生数ということで御答弁を申し上げております。
○栗田委員 そうしますと、四十七都道府県に一カ所ずつしかもしつくらなくても、一センターの平均学生数は一万人くらいになると思うのですけれども、いまの御答弁ですと、センターを倍つくらなければならないですね。どうなっておりますか。
○宮地政府委員 先ほども、第一期の計画の際には、具体的には演習センターでございますとかビデオ・センターというのは、学習センターの中に置くということで御説明を申し上げたわけでございますが、全国規模で考える際には、もちろん学習センターのほかに演習センター等を具体的に置くということを考えておるわけでございます。
○栗田委員 そうしますと、さっきの完成時五千人というのは違うわけですね。
○宮地政府委員 各県の学習センターとしては、おおむね五千人程度を規模として考えておりますが、ほかに実習センターとか演習センター等を実態に応じて置くということになるわけでございます。 いずれにいたしましても、それらは全国規模になりました際の一つの想定としてそういうことを考えておるわけでございますが、実際の実施に当たりましては、もちろん、そういう実態を十分踏まえました上で具体的な配置やその他は考えていかなければならぬ課題だ、かように考えております。
○栗田委員 何かお話を伺っていると、私、混乱してきそうな感じですが、どうも学習センターと実習センター、演習センターというものは、別なものであって、私は、学習センター単位に伺っているのですから、数が違ってくると思いますけれども、それぞれ役割りが違うと思いますけれども、いかがですか。
○宮地政府委員 いずれも以上御説明申し上げておりますのは、私ども先ほども申し上げました昭和五十年に取りまとめました「放送大学の基本計画に関する報告」で述べられておりますところに即しまして御説明申し上げておるわけでございます。したがいまして、それはこれから考えていく際の一つの具体的な構想といいますか、構想としてはそういうものがまとめられておるわけでございまして、それに即して御説明をいたしておるわけでございますが、県別のセンターといたしましては、学習指導センター、実習センター、演習センターというようなものを考えております。 そこで、学習指導センターの主要な仕事としましては、学生登録の受け付けでございますとか学習指導の計画と実施、試験の実施、学生相談の計画と実施というようなことが掲げられております。ほかに実習センターでは実習科目の指導をやる、演習センターは演習科目の指導をするというようなことで、役割りとしては、いま申し上げましたような役割りで考えているわけでございます。
○栗田委員 その中身は、もう私もこれを読ませていただいてわかったのですけれども、学習センター単位にどうかと伺ったわけですから、つまり学習センターと実習センター、演習センターは、それぞれ役割りが違うわけですね、ですから、学習センター単位の学生数というのは、完成時には平均一万人ぐらいになるということじゃありませんか。
○宮地政府委員 県別の学習指導センターとしては、先生御指摘のような数ぐらいになろうかと思います。
○栗田委員 それで、まず一期計画は、学習センターの中に実習センターとか演習センターも入るわけですけれども、学習センターに見合う教職員の数をどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○宮地政府委員 先ほど申しましたような学生に対する面接指導でございますとかガイダンス等の指導や教務に関する窓口事務、そういうものに当たる教職員につきましては、一応専任としては所長を含む五人の教員、それと六名の事務職員を置くというような考え方でございます。ほかに地元の国公私立の大学の教員に、それぞれ非常勤講師という形で御参加を願うということに考えておりまして、その数としては、おおよそ三十名程度が必要ではないか、かように想定をいたしております。
○栗田委員 非常勤講師はどういう形態で勤務なさるのでしょうか。たとえば時間数などですが……。
○宮地政府委員 具体的な授業科目に応じまして必要な非常勤講師を置くということでございまして、具体的にはその授業科目に応じて考えていくということになろうかと思います。ただいまおおよそ三十人程度の非常勤講師ということで御説明いたしたわけでございますが、積算といいますか、考え方の基礎といたしましては、一人の講師でおおむね三ないし四学級程度を担任いたしまして、一学級について毎週一回の授業を行うという程度のものの非常勤講師の想定をいたしております。
○栗田委員 一学級というのは何名ぐらいを考えていらっしゃいますか。
○宮地政府委員 一学級というのは、おおよそ三十人程度を考えております。
○栗田委員 それでは、この問題をちょっといまおきまして、第一期計画では六カ所センターを設置するということですが、これはどこに置くようになっているのでしょうか、計画を伺いたいと思います。
○宮地政府委員 具体的な第一期の計画におきます学習センターの設置場所についてのお尋ねでございますが、これはまずは学園が発足しまして、学長でございますとか教学関係者がそれぞれ定まるわけでございまして、そういう方々の意向も踏まえて選定するということになろうかと思います。具体的には各地域の学生数でございますとか交通の便でございますとか、そういうようなことが当然配慮の基礎になるというぐあいになろうかと思いますが、具体的な場所については、これからこの学園が発足後に検討されていくという課題であろうかと思います。
○栗田委員 開校が五十八年ということですけれども、そうしますと、いまだにセンターの場所などは決まっていない、そういう点ではずいぶん計画が遅いのではないかと思うのです。 それでは、もう一つ伺いますが、関東ブロック内に送信所を一カ所つくるという計画になっているようですけれども、これはどこでしょうか。
○宮地政府委員 関東地域において、第一期の計画では東京タワー以外に一カ所県域の送信所を設けて、これからの対象地域の拡大のための具体的な参考とするということで考えていくわけでございます。 そこで、具体的な地域についてのお尋ねでございますけれども、その送信所からの電波がカバーする世帯数でございますとか送信所設置の具体的な難易度といいますか、そういうようないろいろな諸条件が配慮をしなければならぬ問題点としてございます。 そこで、学園が設立され、放送局の免許申請を行うまでの間に、郵政省でございますとか関係省庁とも協議して決定をいたしたい、かように考えております。
○栗田委員 そうしますと、送信所なんかつくるのには、これもかなり準備や時間が要ると思いますが、それもまだ決まっていないということなんですね。 それでは、次に伺いますけれども、東京タワーからの送信範囲で限界が出てくるわけです。たとえば関東一円ということを言いましても、この間資料を見ましたら、東京タワーの送信範囲というのは、限界が平塚、青梅、館林、土浦、木更津あたりが限界線だというふうに聞いております。そうなりますと、関東地域といっても、電波の届かないところが出てくるわけで、一つの県であっても県内だれでも受講できるということには条件としてならないのではないかと思うのですけれども、この県内での機会が不均衡になる問題、それから、電波の届かないところをどう設定し、学生受け入れの手続などについてはどうするかという具体的な問題が出てくると思いますが、その辺はどんなふうに検討していらっしゃいますか。
○宮地政府委員 先生御指摘のとおり、東京タワーからテレビの電波の到達する範囲というのは、先ほどお示しのような範囲が想定されるわけでございます。 具体的に学生受け入れの範囲というものをどう考えるかということでございますが、まずは放送によって放送が視聴されるということが一つの前提になろうかと思います。したがいまして、放送か視聴できる地域に居住する者を受け入れるということが、原則的な点で一つの学生受け入れの範囲ということになろうかと思います。学生募集の時点までには、先ほど申しました県域の送信所といいますか、それをも含めまして実際に電波を発信して、一つの具体的な電波圏の調査というものも行いまして、対象地域を確定するということになろうかと思います。
○栗田委員 一般的に電波圏の調査とおっしゃいますけれども、実際には、受け付けて、それを受理なさるかどうかという受講生受け付けの問題が出てくるわけですね。何々県の何市、何町、こう言われても、なかなか微妙な問題があって、同じ町内とか同じ市内でも受信できないところなどが出てくるわけです。こういう問題を実際にはどう処理していくのかということは、かなり受け付け実務として問題があるのではないだろうかと思いますが、いかがですか。
○宮地政府委員 本来、この放送大学そのものが広く国民から受け入れられて、積極的に支持されていくということが一番望ましいわけでございまして、第一期の計画といたしましては、先ほど申し上げましたような地域が対象になるわけでございます。 そこで、具体的な電波圏の調査もするということで申し上げたわけでございますが、それでは具体的にAの人とBの人とが受け付けの際にどうなるかという、大変現実の問題で御指摘があったわけでございますが、私どもとしては、もちろん電波の届く地域に居住するということがまずは前提でございますけれども、積極的に熱心にぜひ放送大学で勉強したいという人たちは、大学としても積極的に受け入れるという考え方で対応すべきものであろう、かように考えております。
○栗田委員 熱心にやりたくても、電波が届かなければしょうがないわけですから、幾ら熱心でも受け入れられないという事実が出てくるのではないか。それでは、それをカバーするものとして、たとえばビデオ・センターなんかも置かなければならないと思うのですが、第一期計画でそういうものは考えていらっしゃるのですか。
○宮地政府委員 先ほど申しましたように、第一期の計画では学習センターで行うという考え方でございますから、その学習センターで再視聴用のビデオ等も配置するという考え方でございます。具体的には、電波は届かないけれども、そういうところへ行ってでも、ぜひ大学の勉強をしたいという熱心な学生がおれば、それを積極的な姿勢で受けとめるというのが放送大学のあるべき姿ではないか、かように考えております。
○栗田委員 関東一円といいますと、六つの県ですね。そして学習センター六カ所と言えば、位置が決まらないとしても、大体一県に一つぐらいだと思いますけれども、その中にビデオ・センターを設置して、その熱心な人はそこへ見に行くというのですけれども、これはなかなか至難のわざではないでしょうかね。しかも、放送時間というのは、ずいぶん朝早くからありまして、それをやるぐらいだったら大学へ通ってしまった方がいいぐらいだという、こういう実態ではありませんか。
○宮地政府委員 大変具体的な御質問でございまして、私ども、従来できる限りの資料といいますか調査もいたしまして、具体的な御提案を申し上げているわけでございます。しかしながら、実際に現実問題として、実施する際の問題点は、先生の御指摘のような具体的な問題点で幾つか、いろいろな点でなお解決を要する問題点もあるかと存じます。私ども、そういうような点については、これが実際に実施されます段階で具体的にその個別の問題について、それぞれ出てきた問題を積極的な姿勢で解決をしていくというような取り組みがないと、現実にただいまの段階で、大学の学習センターの、かつ実際の受け付けの要領のところまでしさいに御説明申し上げることは、必ずしも私どもなお十分でない点はあろうかと思いますが、それらについては、ただいま申し上げましたような具体的な問題に際しまして積極的に解決をしていくという姿勢で対応していく必要があろうか、かように考えております。
○栗田委員 多額の予算を投じて放送大学をつくってしまってから、実際にはその視聴はしても、なかなか受講し卒業し切れないという状態があちこちに大量に出てきた場合に、これは問題になると思うのです。これはやってみてその中でとおっしゃっておりますけれども、いまの計画の中でそういう受講し、単位を取り、卒業できる、いわゆる正規の大学と位置づけられている以上は、そういう条件を保障するという最低の線は、やはり計画の裏づけとしてありませんと、たくさんの予算を投じて、いざ開校してみたらうまくいきませんでしたというわけにはいかないのではないかと思って私は伺っているわけです。いろいろ細かく見ていきますと、この放送大学というのは、ずいぶんむずかしいな、実際卒業するのに一体何人が卒業できるのだろうかという気持ちがだんだんわいてくるわけです。 それでは、もう一つ伺いますが、教育の機会均等という問題ですけれども、正規の大学でございますから、当然教育も機会均等でなければなりません。とりあえず一期計画が関東一円ということで、二期、三期とこれから全国に広がっていくということで、その他の地域はそういう考えで次の機会を待つとしましても、一つの県の中で受けられる人と受けられない人が出てくる、こういう状態を、教育の機会均等の問題から考えて一体どうお考えになりますか。
○宮地政府委員 御指摘のとおり、教育の機会均等というのは、私ども、教育を進めていく際に考えるべき一番基本的な原則と、かように承知をいたしております。 具体的に第一期の計画の視聴できる範囲というものが、これは電波という一つの技術的な制約もございまして、電波の届く範囲というものが限定されるということは、放送大学というたてまえをとる以上、放送が聞かれないところというものでは困るということは御指摘のとおりでございます。 ただ、実際に積極的にこの放送大学に入りまして勉強したいという者を受け入れるに当たっては、もちろんこれは積極的な姿勢で対応しなければならぬということでございます。私どもとしては、そういう電波が届かなくてもぜひ入学したい、そのための手だてとしては、いろいろ具体的に、学習センターへ行って視聴するというような熱心な方々がおれば、それに積極的な姿勢で対応すべきは当然であろうかと思います。できれば放送大学が、そういうような熱心な方々に支えられていくということを、私ども希望しているわけでございまして、そういう方々でございますれば、卒業のためのいろんな困難といいますか、そういうようなものも十分克服して、この放送大学が着実に定着していく、かようなことを私どもとしては心がけて対応したい、かように考えております。
○栗田委員 完成までに予算が一千億というお話でございましたが、そうしますと、いろいろな細かい問題に対応して、ビデオ・センターをつくったり、それから、その他のセンターをあちこちにふやしたり、それから、いろいろなことをやっていくということになりますと、予算的にもこれからまだ後から後からふえていくという可能性がございますね。いかがですか。
○宮地政府委員 全体計画についての経費は、おおよそ一千億程度ということで私どもも現在見込んでいるわけでございます。一応その試算といたしましては、施設整備の経費を中心にしたものでございますけれども、もちろんその施設整備で現在試算しておりますもので言えば、全国規模をカバーし得るということで試算をいたしております。 〔委員長退席、中村(喜)委員長代理着席〕 現実問題といたしまして、実際に第一期の計画を実現しまして、その第一期の計画の実施の段階でいろいろまた問題点が出てまいりました際に、それを全国に広めていく際に、全体計画の広げ方につきましては、第一期の計画を実施した上で、その経験を生かして、実際の面でいろいろと修正を要する面も具体的には出てくることもあろうかと思いますけれども、私ども、現在の構想といいますか計画では、ただいま申し上げたような数字でカバーできる、かように考えております。
○栗田委員 そうしますと、ビデオ・センターをどんどん設置するとか、学習センターを、一県に一つでなく、もっとたくさんつくって募集に応じられるようにしていくとか、それから、実習センター、演習センターなども、予定よりも数をふやす必要があるということになった場合に、熱心な受講者にこたえてそうしていくということになった場合には、それをなさるわけですけれども、さっきなさるというお話だったのですけれども、それが一千億でカバーできるということなんでしょうか。 私、この計画を見ましたら、一応計画としてはいろんな設備なども決まった数があるわけで、これをオーバーしていくというふうに思いますけれども、そのときには、やはり要請に応じてそれをなさるということなんですか。
○宮地政府委員 先ほどから先生もごらんいただいております、その報告の中に掲げられております数字の学習センターを整備するために必要な経費でおおよそ一千億というような金額が想定されているわけでございます。御指摘の点は、第一期の計画をやってみて、学習センターというものが非常に重要で、かつ実際に現在のこの想定しております基本計画よりも、よりきめ細かに学習センターなり実習センターというものを置いていかなければならぬというような事態が出てまいりますかどうか、これは私ども実施をいたしまして、その実施の反省に立ちまして、大学教育全体のために必要であるということであれば、その時点で検討を要する課題だ、かように考えております。
○栗田委員 放送大学にだけは何と豊かな財源と余裕があるものかと私は思います。四十五人学級さえ四十人になかなかできない財政危機とか教科書さえ有償にしなければならないとか、そう言われているときに、放送大学は一千億を上回っていっても、必要があればやっていこうなどということになってきますと、そのためにお金をどんどんつぎ込んで、ほかのものが削られるのだろうか、それとも逆に放送大学が設立されて、実際には受講できない状態だということがわかっても、そのまま放送大学が進行していくのだろうか、どちらにしても、これは大変だなと、私は、細かくしさいに検討すればするほど考えているわけです。そんなに放送大学にだけは予算が十分つけられるという実情があるのですか。
○宮地政府委員 御案内のとおり、財政全体は大変厳しい状態にあるということが言われております。しかしながら、私ども文教政策全体を進めていく際には、文教政策全体のバランスということももちろん十分念頭に置いて考えていく必要があることは当然のことでございます。しかしながら、この放送大学の構想そのものにつきましては、いま御案内のとおり、すでに十年余検討して御審議をお願いしているというものでございまして、これを全国の規模にまで広めるとすれば、想定されておる計画では千億程度を要するということは、御提案されているとおりでございます。 具体的な比較という点ではいささかどうかと思いますけれども、筑波大学につきまして国費としては約千五百億ぐらいが投じられているわけでございますし、また、入学定員百名の医科大学をつくるためには、国費として二百五十億ぐらいの金額が投じられておる。それをすでに私どもとしては無医大県解消ということで十六の医科大学をつくるということも、これは文教の関係者の皆様方の御理解をいただいて、従来そういうぐあいに文教施策の充実という面では着実に前進をさせてきた、私どもは過去にそういう実績も持っているわけでございます。 したがいまして、これから大変苦しい時期に差し向かうわけでございますけれども、私どもとしては、そういう全体のバランスも考えながら、もちろん、これらの充実ということとのバランスを考えた上で、この放送大学の実施についても前進をさせていくというような考え方で臨んでおります。
○栗田委員 筑波大学などはずいぶん反対もあり、学問の自由、大学の自治で問題のある大学構想だったわけですが、新構想大学についてのようなものならば、政府が進めたいと思うものならば、幾ら財政危機でも予算は出るけれども、国民全部が一致している四十人学級の実現だとか、それから、教科書の無償だとか、そういう問題では、政府がこれはと思わなければなかなかお金がつかない、こういうことなのだろうかと、私は、そういう中身についても大変疑問を感じております。それを申し上げておいて次に移ります。 開設予定授業科目の中で実習が必要とされている科目はどれどれでしょうか。
○宮地政府委員 具体的な放送大学の開設授業科目でございますけれども、その履修方法も含めまして、学園設立後に具体的には学長と教学関係者によって決定されることになるわけでございますけれども、この「放送大学について」という資料でごらんいただきますと、これの開設予定授業科目の一覧では、自然系の基礎科目等に実習、実験を要する科目が設けられておるというぐあいに伺っております。最終的な教育課程においても、ある程度の数の実験、実習科目というものは開設されるのではないかというぐあいに考えております。
○栗田委員 実習とか演習が必要な学生は、一センター当たり何%くらいになるのでしょうか。何人くらいになるとお考えでしょうか。
○宮地政府委員 先ほども申し上げましたように、具体的な科目の開設というのは、実際にこの学園が設立されまして、学長と関係者で具体的な決定がなされた後において決まる事柄でございます。ただいまは、従来の放送大学についての調査、そういうものを踏まえまして、そこで一応開設予定とされております重要科目について、それを前提としてそういうこともあるのではないかということで御説明を申したわけでございまして、具体的な数がどのくらいになるかということについては、ただいま明確に御説明を申し上げる資料を持ち合わせておりません。 〔中村(喜)委員長代理退席、委員長着席〕
○栗田委員 大きく分けて講座は三つくらいに分かれて、その中にまた細かくあるわけですね。この計画を見ますと、スクーリングが一学期三回、それから、実習が週一回、演習が一学期三回という回数になっておりますね。 それで、さっき伺いましたが、一期計画では一センターに五千人くらいの規模をお考えになっていて、その中に実習センター、演習センター全部一センターに含めるというふうにおっしゃっておりますが、さっきお答えのあった職員の数で教官が五人、非常勤講師三十人、この三十人の非常勤講師が一学級を一週間に一回ですか、そうしますと、非常勤講師でこなせる人数は九百人ということですか、そういうことになるわけですけれども、一体五千人の学生をこれだけの人数で週一回の実習、全部が実習を受けるわけではありませんが、週一回の実習、それから演習、スクーリングなどをこなしていけるのだろうか、その点で私、大変疑問に思っておりますが、その辺はどういうふうに計画を組んでいらっしゃるのでしょうか。 特にいま伺いましたら、演習や実習を受ける学生数の概算も大体出していらっしゃらないようですから、そういう科目にもし学生が集中した場合に一体どうしていくのだろうか、そういう点も疑問に思いますし、そうでなくても五千人をこなすということが果たしてできるのかどうかということについてどうお考えになっていらっしゃいますか。
○宮地政府委員 具体的な面接授業の実施のやり方、具体的な数字の根拠といいますか、それについての説明をという御質問かと思いますが、私どもといたしましては、先ほど申しましたように、一センターに所属する学生としては約五千人ということで想定をしておるわけでございますが、五千人の内訳といたしましては、全科履修生が約三分の二、科目専科履修生が約三分の一というようなことで約五千人ということを積算いたしております。そして全科履修生につきましては、毎週二時間程度の面接授業を受けることになると想定をいたしておりますが、科目専科履修生が、これらの面接授業に組み込まれた授業科目を履修する度合いは、おおよそ三分の一程度というようなことで積算をしております。 以上のような積算から、毎学期の面接授業の受講者は、全体では三千九百人くらいになろうかと考えております。 そこで、面接授業の所要受講時間数が毎週二時間ということでございますと、面接授業の開設に当たっては、一こま二時間ということで時間割りを決めまして、具体的には先ほど申しましたように、学生の数をおおよそ三十人程度として学級編制を行うということで約百三十学級編制されるというような考え方で積算をいたしておるわけでございます。毎週百三十学級について一回二時間の面接授業を行うということになりますと、具体的な時間帯の編成等も、それぞれ月曜日から日曜日にかけまして全体では十九こまで、一つの時間帯では大体七教室で面接授業が実施されるというようなことで具体的な積算をいたしております。
○栗田委員 この時間帯ですけれども、これは学生の選択に任せるわけですね。
○宮地政府委員 具体的には学生の受講しやすいような形を取り入れるという考え方を基礎にいたすわけでございます。
○栗田委員 そうしますと、いまおっしゃったように、うまくいかないのじゃないかと思うのです。結局、平均して学生が毎日来るかという問題があるわけですね。たとえば学習センターを開いていらっしゃる時間は日曜日が九時から二十一時まで、平日が十三時から二十一時までですか。これでよろしいですか。
○宮地政府委員 いまのところ想定いたしておりますのは、日曜日は十時四十分からでございます。火曜日から土曜日までは午後一時から二十一時二十分まで開設するということで想定をいたしております。
○栗田委員 この時間なんですけれども、主婦それから勤労者がかなり多いと思いますね。そうしますと、どうしても日曜日とか土曜日とかに集中するのではないだろうか。主婦の場合にはむしろ土、日を外してウイークデーの午後になるとは思いますけれども、平均して学生が来るとは限らない。勤労者が多ければ多いほど集中するということが考えられると思うのです。ですから、いまおっしゃったように、毎日七教室ずつ開設してというふうにうまくはいかないと私は思います。職員数をもっとふやさないと、いわゆる需要に応じて学級を開いていくことができないのではないだろうか。この点はどう考えていらっしゃいますか。
○宮地政府委員 先ほど来御説明申し上げておりますのは、全体計画としてどういう姿が想定されるかということを前提にいたしまして、具体的な面接授業のこまの決め方について一応一つの想定をする、たとえば火曜から土曜までは午後一時からの時間と夕刻の時間に開設をする、日曜日は十時から夕方までを開設の時間にするというような想定をいたしておるわけでございます。 しかしながら、先生も御指摘のように、実際の地域の実情に応じまして、具体的に地域の受講学生がどういう層が多いかというような実際の受講生の層によりましても、その点は地域によって異なってくることは当然でございます。もちろん、全体の受講生の便になるように学習センターの面接授業の具体的なこまの決め方につきましても、そういう実態を踏まえて組み立てられていくことになるわけでございまして、私がただいま御説明しましたようなことで画一的にいくというぐあいにはもちろん考えておりません。それらはもちろん実態に即して考えていくべきものと考えております。
○栗田委員 一九七九年四月号の「立法と調査」の中に「放送大学の創設」という論文が出ております。これを見ますと、日本でいま計画している放送大学は、いまお話のあったような計画に沿っていきますと、完成時に四十五万三千人の学生に対して教員数が三千三百六十三人、一教員当たりの学生数百三十五人という数が出ております。これに対してイギリスのオープンユニバーシティーでは、一教員当たり十一人という計算がされているんですね。ですから、イギリスと日本のいまの計画とを比べますと、日本の放送大学の面接授業やまた実習、実験などを含めればなおですけれども、大変なマスプロ教育になるのではないだろうかと思います。正規の大学として位置づけるとおっしゃいますけれども、こういうマスプロ教育になっていき、しかも、まだ細かい計画はないようですが、実際に仕事を持った人たちが、面接授業を受けたり、実習、演習などをしていくということになりますと、相当な手だてを講じない限りば、本当に十分にそのような授業は受けられないし、通い切れないという実態が出てくると私は思っております。 放送大学を大学として質を落とさないための手だてということでは、もっとよほど研究なさる必要があるのではないだろうか。一体これでやれるのだろうかとまたしても思うわけでございますが、その辺いかがでございますか。
○宮地政府委員 先ほど来御説明申し上げておりますように、具体的な計画といたしましては、五十年にまとめられました基本計画というようなものを受けて私ども構想を練ってきておるわけでございます。もちろん、こういう基本計画を練るに当たりましても、諸外国の状況等も十分調査をするということで対応してきております。 なお、私ども十分練りました上で御提案申し上げておるわけでございますが、実際に従来からも申し上げておりますように、これはまさに新しい大学をこれからつくりていくわけでございます。したがって、実際問題として学習センターのあり方その他について、実際に第一期の計画をやってみた上でどういう問題点がさらに出てくるのか、それらも十分受けとめ、踏まえまして、その上で全体計画を広げていくことが必要ではないかと考えております。それらの点を十分踏まえながら、段階的に広げていきたい、従来御説明申し上げている点も、そういうところにあるわけでございます。
○栗田委員 それでは、いま立てていらっしゃる計画でも、イギリス十一人対日本の放送大学は百三十五人という状態はよくないと思いますが、この辺は手直しをしていらっしゃるおつもりなんですか。
○宮地政府委員 先生御指摘の比較がどういう基礎になっているのか、ちょっとつまびらかにいたしませんので、私としては、そういう数字であるから、いまの計画を直すべきではないかという御提案については、十分慎重に検討してみなければ、比較として適切であるかどうかについてのお答えを何ともすることができません。
○栗田委員 いまの数字といいますのは、みなそちらで出していらっしゃる計画に沿って計算されているようでございます。学生の数が完成時四十五万三千人、これはよろしいですね、計画は。そして、さっきの所長を含めて五人その他という職員の数を合計したものが、全国で三千三百六十三人という計算になっている。これを基礎にして学生数と教員数の割合を出したものです。ですから、これはいま出されている計画に沿って計算されていると思いますけれども、そういう数字になりますでしょう。
○宮地政府委員 オープンユニバーシティーとの対比において、オープンユニバーシティーが十一人に対してこちらが百三十五人ではないかという数字の対比でございましたので、それについては私どもとしては数字を持っておりませんので、お答え申し上げられないというぐあいに申し上げたわけでございます。 ただいま構想しておりますものとして、全体の学生数が四十五万三千人であり、それぞれ各県の学習センターに置かれます教官の数が想定として、先ほど申し上げたような数字、それで割り算をすればそういうことになろうかと思います。しかしながら、実際に学生に接しますのは、ほかに、先ほども申しましたように、具体的には非常勤講師というようなことで面接授業を実施するという点がございます。恐らく先生の御指摘にはその点は入っていないのではないかと考えておりますけれども、それらの点をしさいに比較してみないと、直ちにオープンユニバーシティーとの対比ということは困難ではなかろうかと思っております。 もちろん、先ほど御質問もございましたように、大学教育というものの中で、スクーリングの際に少人数教育も必要であるということは、私どもも、その重要性は十分認識しているわけでございまして、そういう考え方を踏まえながら、これからの放送大学の実際の実施については、具体的な面接授業のあり方等についても、これから置かれます教学の責任者がそういう御議論も踏まえまして、私どもとしては望ましい姿で面接授業を考えていくことになろうかと思います。
○栗田委員 それでは、次に移りますけれども、テレビ朝日が実験放送をして、そのアンケートがまとまっていると思います。さっき、今度の放送大学を受講する学生は熱心な、勉強する意欲に燃えた人たちであるから、それに十分こたえていきたいとおっしゃっておりましたけれども、このテレビ朝日のアンケートを見ますと、実験的に受講生を募集していらっしゃるわけですが、幾つかの条件のある方を募集しておられますね。これはどういう条件の受講生を募集していらっしゃるわけですか。
○宮地政府委員 受講生といたしましては、十八歳以上であればだれでも応募できるという形で募集いたしております。
○栗田委員 テレビ朝日の実験的にやったものでは、それだけでなくて、条件をつけているのじゃありませんか。こちらから申し上げましょうか、ニページにありますね。
○宮地政府委員 受講生の募集といたしましては、十八歳以上ということで申し上げましたが、ほかに、十五週間にわたって放送で講義を視聴し続けられる人、放送期間中に二回行われる学習指導を受けられる人、放送終了後のアンケート調査に協力できる人というような条件のもとで受講生を募集いたしております。
○栗田委員 ですから、これはある程度視聴し続けられるし、やる気もある、そして学習指導も放送期間中二回受けられる条件であるということで応募している人たちであって、そういう意味では本人たちも張り切っているでしょうし、かなり自分たちの条件についても考えて応募している人たちだと思います。 ところで、この方たちがスクーリングを受けた結果どうだったかということが出ておりますね。面接指導の効果というのは非常にあるようで、講師に対する親近感が生まれたとか、新しい知識を得ることができたとか、いままで質問できなかったことが質問できて学習意欲が高まったとか、必要性を非常に感じるという答えがずっと並んでおりますから、これが重要だという位置づけはまさにそのとおりだと思うのです。ところが、この面接指導に二回とも受講したという人は一体何%ですか、結果的にどうでしょうか。
○宮地政府委員 お尋ねの面接指導を放送期間中二回実施をしておりますが、二回とも受講したと答えた者が約三〇%、一回受講した者を合わせますと、約六〇%の者が面接指導を受講したと答えております。
○栗田委員 これは二回受講できるということを前提に置いて募集をし、受けているわけですね。ところが実際には、これは二回しないと本当は卒業できないわけですが、二回できた人は三〇%しかいなかった。かなり条件をしぼって応募させているのだけれども、結果としてこうなっているわけですね。私は、面接指導を受けるということは、なかなか大変なことだと思います。 それで、なぜ面接指導が受けられなかったかというその理由としては、八一%の者が当日時間がとれなかったからと答えているわけですね。結局、勤労者などが、主婦などもそうですけれども、この放送大学に入学をして、そして何年間か単位を取り続けて百二十四単位を全部取って、そして卒業していく、そのためには幾度も面接指導も受けなければならないといういろいろな条件が出てくると思います。実に至難のわざではないだろうか。大学を卒業した人は表彰しなければならないくらいな大変な努力を要する計画がこの放送大学ではないかと私、思うのです。 特にさっきお話があったように、たとえば一期計画ですと、学習センターの中に実習センターから演習センターまで全部入れて、それが関東一円で六カ所、約一つの県に一つだろうと思いますが、そういう状態になるわけですね。通い続けられるでしょうか、その辺はどうお考えになりますか。
○宮地政府委員 先生御指摘のとおり、面接指導を受けられなかった理由としては、八一%の者が当日時間がとれなかったからと答えているという点は御指摘のとおりでございます。 ただ、ここでこの点だけはちょっと申し上げておきたいわけでございますが、この面接授業は実は日曜日だけに限定されていたという点が一つございます。放送大学の場合には、先ほども御説明をいたしておりますように、極カスターリングが受けやすいように、火曜日から土曜日までのウイークデーのすべてにおいて面接授業を時間帯に応じて設けるというような仕組みで構想をいたしております。したがいまして、確かに面接授業を受けることについては、そうでなくてもいろいろ困難があるということは言えるかと思いますけれども、八一%が受けると言っておって受けられなかったのは、時間がとれなかったという点については、そういう事情もあるということだけ御説明をさせていただきます。
○栗田委員 困難だということはお認めになっていらっしゃるようですけれども、これは実験放送で面接は日曜日だけだったということですが、では今度の放送大学の計画でどうかといいますと、平日午後一時から二十一時二十分までとなっておりますけれども、勤労者の場合、職場が終わるのがまあ五時ごろと考えるのが普通だと思いますが、それから県内にたった一カ所しかない実習センターなり演習センターなり、これは学習センターの中にしかないのですから、そこに行って、そして実習は二時間半でしたね、たしか一回二時間半ですね……。
○宮地政府委員 一時間半です。
○栗田委員 実習は一時半、スクーリングが二時間半ですか。
○宮地政府委員 一こま二時間でございますから、時間として一時間半です。
○栗田委員 そうしますと、実習ですと週一回一時間半、それから一こま二時間というスクーリングなどがあるわけですから、終わりが二十一時二十分だとしても七時には着いてなければなりませんね。七時には着いてないと、これは受けられないのです。 それで、県下に一つしかないところに、働いている人が週一回ずつ実習だったら通って、この時間帯で受けている。まあ日曜日になるかもしれませんけれども、こういうことをみんなやらなければならないわけですね。これは相当大変です。さっき嶋崎委員もおっしゃっておりましたけれども、有給教育休暇制度というのがもしなければ、とてもこれは設備だけ置いてもだめだし、また、いまのように一期計画で県に一カ所くらいしかないのだったらとてもできないだろう。県に一カ所というのは大体無理だと思うのです。そう思うのですけれども、その有給教育休暇制度について労働省とすでにお話になったことはありますか。
○宮地政府委員 まず初めに、スクーリングがなかなか現実問題としてむずかしいのではないかという御指摘でございまして、その点は私ども、スクーリングは非常に大事な要素でございますけれども、実際にそれを継続してやっていくという点については、非常に努力を要する点があろうかと思います。 勤労者の場合で言いますと、たとえば土曜日の午後でございますとか、あるいは日曜日というものが中心になるでございましょうし、まあ人によりましては、ウイークデーで勤めを終わった後七時過ぎくらいからのところでとるということも出てまいりましょうし、その辺は、それぞれ各人の意欲なり具体的な時間の組み合わせというものは個々人でそれぞれ異なってくるということが言えるかと思います。その際に私どもとしては、極力受講しやすいような形でそれを開設していくということ、学習センターの実際の授業に当たっては、そういうことが非常に大事な要素であるということは、先ほど来御説明申し上げている点でございます。 それから、教育有給休暇制度の問題についてでございますが、これは文部省といたしましては、もちろんそういうものが積極的に取り入れられまして、働く人たちが積極的に教育の機会に恵まれることになる一つの重要な手だてだということは、私どもも十分認識しておりまして、それが広まるということについては、大いに歓迎すべき事柄であろうと思っております。 ただ、先ほども申し上げましたように、関係省庁、労働省を初めといたしまして関係省庁とかかわる問題がございますので、文部省限りでそのことが取り仕切れるものでもないという点は、先ほど御説明申し上げたとおりでございます。
○栗田委員 お話になったことありますか。
○宮地政府委員 従来その問題についても話し合ったことはございます。
○栗田委員 それでは、そのお話の中身をちょっと、どこまで進展しているかを伺わせてください。文部省と労働省から伺いたいと思います。まず文部省から伺います。
○宮地政府委員 直接その窓口といたしましては、私ども大学局が対応しているわけではございませんので、具体的なことについてはつまびらかにいたしておりません。
○栗田委員 では、つまびらかにしていらっしゃる方にちょっと文部省からお答えいただきたい。私は、これは伺うということで通告してありますので、お答えいただきたいと思います。
○金平説明員 婦人少年局関係でやっておりますけれども、ILO関係のそういう一般的な教育休暇制度の条約、そういうようなものとの関係では労働省と文部省とではいろいろお打ち合わせをしたということがございますが、具体的な法案とかなんとかということでは、もちろん、この放送大学学園法案の提出に当たっての御相談はありますけれども、休暇そのものについては余り詰めたことまではやってないかと思うのですが、ただ現在、すでに勤労青少年福祉法あたりでは、その事業主に対する時間の配慮という規定がございまして、それで従来から十年前から事業主に対するいろいろ普及徹底はやってきておる、おまけにその実態を一回把握しようということで、ちょうどことしの十月一日現在で、いま全国的に行政管理庁の承認も得まして、スクーリングとか定時制高校の時間の配慮とか、そういった面についていま調査をやっている最中でございます。 それからもう一つ、有給教育訓練休暇奨励金制度というのが、すでに昭和五十年度からございまして、それの普及ということをやっておりますし、その内容の充実ということについても、いま検討しておるという状況でございます。
○栗田委員 調査をしていらっしゃるということなんですけれども、さっき放送大学の問題に沿ってもお話になったと文部省はおっしゃって、労働省は一般的だというふうにおっしゃって、そこのお答えが食い違っているのですけれども、どうなんですか。
○宮地政府委員 私、先ほど御答弁申し上げましたのは、教育有給休暇制度というものについてのお話し合いということはいたしておるわけでございますが、具体的にこの放送大学のスクーリングのためにそれがぜひとも必要であるということについての御相談はまだいたしていないということでございます。
○栗田委員 それは大変残念な話ですね。 それで、労働省にもうちょっと伺いますけれども、いま調査していらっしゃるということですけれども、これは制度をいずれつくっていくという方向で調査していらっしゃるのですか、それから、その調査の内容の進展ぐあいはどのくらいですか。
○金平説明員 先ほど申し上げましたように、行政管理庁の承認統計ということで、いま抽出調査をやっているわけでございます。これは現在すでに事業主がどのくらい通信教育のたとえばスクーリングに時間の配慮をしているかとかいうような実態の把握ということでございまして、先ほど申し上げましたように、福祉法あたりで規定しております事柄に関して、事業主がどの程度いま現在配慮してくれているかということについて把握し、その結果を見てより強力な指導をやってまいりたいというねらいからでございます。
○栗田委員 いま伺ったのですが、強力な指導とおっしゃいますけれども、これは単にその事業主が配慮をするということでなくて、国の有給教育休暇制度としてつくる、だから、単に事業主の配慮でどうこうするということでなくて、そういう方向でということで、かねがね要望が出ていて、前に藤波労働大臣が検討を約束していらっしゃるのです。ですから、そういう方向での御調査ですか。
○金平説明員 もちろん、いますぐということではございませんで、現在の実態的な普及状況、特に就業規則とか労働協約とかそういうようなものに基づく事業所内の制度的なものがどうなっているかというものの調査でございますので、さらに、それが不十分ならば徹底するような形でいろいろ手段を講ずるというための調査でございます。
○栗田委員 どうも余り釈然といたしませんが、五十八年開校のつもりで文部省はいらっしゃるわけですが、さっきから最善の努力をするとおっしゃるのですが、一体、その辺がどうなのだろうか。こうして私などが書かれている計画を細かくずっと見ていくだけでも、いろいろな問題が出てくるわけでして、本当にやれるように文部省が手を打っていらっしゃるのかどうかということを私、ずいぶん危惧の念を持って見るわけでございます。 それでもう一つ、さっきの実験放送のアンケートの中で、一週間に受講可能な科目の数は幾つかという問いに対して、一番多く答えていたのは何科目だったでしょうか。——探していらっしゃるようですから私が言いますと、これは十四ページにあります。上の方にある二科目と答えている方が一番多いですね。一週間に二科目がテレビの一番視聴可能な科目数である。それから、ついで一科目と三科目の順になっている、こうなっておりますね。だから、かなり意欲のある方たちでも二科目が一番多い、こういうわけですね。
○宮地政府委員 この調査ではそのような数字が上がっております。
○栗田委員 そうしますと、大学を卒業するのに百二十四単位。一科目が三単位のものと二単位のものとございますけれども、これをいろいろまぜ合わせて取るわけですけれども、大体この視聴可能な二科目をきちっと毎週取っていきまして、卒業までに何年間かかりますか。
○宮地政府委員 具体的な視聴時間についてのお尋ねでございますが、一科目につき一回四十五分の番組を毎週二回、十五週にわたって延べ三十回、時間数にして二十二・五時間視聴し、あわせて同時間程度教科書による学習を行うことによりまして四単位を取得するものと構成をいたしておるわけでございます。四年間で卒業するとした場合には、毎学期放送の視聴と教科書の学習によりまして八ないし十単位の取得が必要でございます。毎週四十五分番組を四ないし五回視聴する必要があるということになり、毎日にいたしますれば四十五分番組を一回程度視聴するというのが、私どもが積算をしております、四年で卒業のための必要な視聴回数ということでございます。
○栗田委員 私の質問にお答えになっていらっしゃらないのですが、この実験放送で視聴可能な科目は一週間に二科目と答えた人が一番多いわけですね。そうしますと、その一科目三単位のものと、それから実習——四単位とさっきおっしゃいましたね、三単位と二単位ではありませんか。視聴科目が三単位、実習科目、演習科目が二単位ですね。これを見ますと、計画はそうなっていますよ。ですから、何か文部省より私の方が詳しいというのも困るのですけれども、三単位と二単位なんです。そう書いてあります。 ですから、たとえば視聴科目だけを取りましても、単位の視聴科目だけをずっと受講したとしましても、一週間視聴可能二科目といいますと、一学期六単位ですね。これは実際には演習科目とか実習科目なんかですと、もっと減ります。二単位ですから減るのですが、一番有利に考えて視聴科目だけ取っても、一週間二回で一学期六単位、一年間で十八単位。これで百二十四を割ってください。七年かかりませんか。だから、視聴可能な受講状態で受講をきちきちっと続けて、しかも、それ以外に、非常な困難な中で遠くまで行って仕事の合間に面接授業を受けて、これをきっちりやりこなして、それを七年間やらないと卒業できないという計算ですけれども、この視聴可能なアンケートの答えで計算してまいりますと。そうでありませんか。
○宮地政府委員 先生のお話と私の御説明とちょっとずれがございましたのは、具体的に基本計画を第一期の計画として実際に実施するとすればという際に、具体的な計算の基礎が大学の関係者とも御相談をしまして若干ずれが出ましたので、ちょっと説明が食い違った点があろうかと思います。 なお、お話のテレビ大学講座のアンケートの結果で、一週間で視聴できる数としては二科目が一番多いのは、結果として出ているわけでございますが、ただ、この二科目だけでそれで終われば大学卒業は先生御指摘のような年数もかかるではないかということでございますが、私どもとしては、確かにこのアンケートではそういう数字が出ておりますから、それも貴重な資料として参考にしなければならぬ事柄ではございます。しかしながら、全体的に正規の大学として四年間で卒業するに際して相当努力を要する点は、スクーリングを含めましていずれももちろんあるわけでございますけれども、四年間で実際に卒業する可能性はもちろんございますし、そういうことで四年で卒業していただく者が多く来ていただくということが必要なわけでございます。
○栗田委員 一学期に十単位ぐらい取らなければならない、毎日毎日テレビをきちっと見なければならない、それから、実習と演習とスクーリングもやらなければならないということで、これは大変だと言っているわけです。それは四年で卒業できればめでたしめでたしということになりますけれども、この実験放送に応募された方というのは、最初にそちらからもおっしゃったように、意欲もあり、かなり条件があると自分で思っている方が応募しているわけですね。それにもかかわらず、視聴可能な科目数は二科目という方が一番多かったし、スクーリングを受けてみたら二回とも出られた方は三〇%だった。実験でそういう結果が出ているのです。 こうなりますと、大学完成時は四十五万三千人という学生数を想定していらっしゃるわけですけれども、この人たちが一体何%卒業できるのだろうか、大変心配になるわけですね。特別な条件、学習センターに特別近いというような地理的な条件とか職場の特別な条件とか、そういうものがそろっていないと、どうも大学の単位は完全に取って卒業できないのではないだろうか。しかも、私がいまずっと申し上げていたように、それだったら、教員の数などから見て、一体正規の大学としての十分な水準の教育が受けられるのだろうか、マスプロ教育にならないのだろうかとか、あらゆる問題が出てくるわけでして、そういう点では学生の条件からいっても、この計画が実施されていく中で正規の大学としての本当の中身を持てるのかどうかということで危惧を感じているわけでございます。 時間がずいぶんなくなってきてしまいまして、あと本当にちょっとしか残っていないのですが、それでは、学生にかかわる問題でちょっと伺います。 放送大学の学生は、広く国民に大学教育の機会を提供するということで、十八歳以上、できれば高校卒程度の資格を持っている人という非常に緩やかな条件でございますね。この中で障害者の教育保障をどうするのかということが出てまいります。特に車いすの方などで通うのが大変だといった方は、こういう大学に期待を持っていらっしゃると思いますけれども、障害者の入学は認めますか。
○宮地政府委員 障害者のお尋ねがございましたが、初めに先ほどの数字のところで一点だけ私どもの方からちょっと御説明させていただきたいと思います。 このテレビ朝日のやっております放送時間が、ただいまのところは実験放送でございまして、朝六時十五分から七時までのきわめて限られた時間帯だけの視聴である、したがって、そういうことを前提にした上での一週間二科目が視聴可能科目としては一番多いアンケートになっている、前提としてきわめて限られた視聴時間であるということがございますので、それを直ちに放送大学の場合に引き直して御議論をされましても、放送大学の場合には、むしろ先ほど申し上げましたような視聴時間としては、再放送を含めましてきわめて視聴しやすいような仕組みで、一日十八時間放送するというたてまえのものでございますので、その点は直ちに比較の対象にはならないということだけ申し上げさせていただきたいと思います。 それから、障害者を受け入れるのかどうかという考え方でございますが、この放送大学は、もちろん国民各層に広く教育機会を提供するというようなことが本来のねらいでございます。したがいまして、障害者につきましても、その学習については具体的に放送方法や学習センターの施設等に適切な配慮がされることは望ましいことと考えるわけでございます。ただ、具体的な問題につきましては、今後、放送大学において具体的に検討されるべき課題、かように考えております。
○栗田委員 そうしますと、入学を認めるかどうかということについての結論さえ出ていないということですね。認めるかどうかということは大学が決定するとしましても、入学をさせていくという方向でもし考えていくならば、それにふさわしい施設とか器材とかそういうものが必要になってくるわけであって、大学の準備をしていらっしゃる文部省としても、そこらは考えに置いて準備していかなければならない内容だと思って伺っているわけです。いかがですか。
○宮地政府委員 先ほど申し上げましたように、広く国民に教育の機会を提供するというのが本来のねらいでございますから、先ほど御答弁いたしましたような趣旨で対応するわけでございます。具体的には放送大学において検討される課題と考えますが、実際の実施に当たりまして、たとえば第一期の当初においてそのための施設、設備でございますとかそういうものがどこまで整うかどうか、また、放送による視聴によりまして実際に授業を受けられることが可能な方々でなければなりませんので、具体的にたとえば教材については点字教材を用意することがございましても、テレビでの視聴についてそれがどうなるかとか、そういう具体的な問題点はなおいろいろ検討しなければならぬ課題であろうかと思います。
○栗田委員 来年は国際障害者年ですし、学問の自由、大学の自治ということは、教育内容についてはありますけれども、障害者を受け入れるかどうかというようなことは、受け入れられればなお結構ですから、そういう点では文部省としても十分お考えになっていいし、努力をなさらなければいけないと思うのです。 それで、主婦が学生となる場合の対策ですけれども、主婦の受講希望者もずいぶん多いようですし、それから、実験放送でも主婦の応募者は多かったのですけれども、主婦についてはどんな配慮をしていらっしゃいますか。
○宮地政府委員 主婦層につきましても、との放送大学に積極的に入っていただきまして、勉強したいという方々はもちろん積極的に受け入れるということが、この放送大学のねらいの一つでもございますので、当然、それらに対する配慮はなされるべきものと思います。たとえば先ほども申しましたような学習センターで面接授業をやる際の時間帯の設定等につきまして、なるたけ家庭の婦人が受講しやすいような形での時間帯の設定を積極的に考えていくというようなことも、その具体的な一つの方途であろうかと思います。
○栗田委員 残念ながら女性は社会的にまだ平等な状態に完全になってませんから、特例はあるかもしれませんけれども、奥さんが放送大学を受講するからといって、だんなさんが子守をしてあげましょうと言うとは限らない、そういう実態はたくさんございます。育児や家事などの負担を背負って日曜日には出られない、夜は出られない、こういうこともあるし、また、スクーリングに行く場合には、託児所でもあったら子供を連れて行けるけれども、そうでなかったらだめだということだって起こると思うのですが、そういうことについて配慮すべきだと私は思っております。 時間が来てしまいましたので、労働省の方がお忙しい中をせっかくいらしてくださっておりますので、ちょっと一つだけその点で伺いますが、職員の問題ですけれども、いま大企業などでも障害者を雇用しなければならないということになっていて、一定の割合の雇用の義務が課せられておりますね。その辺はいまどうなっておりますか。
○若林説明員 先生御承知のように、身体障害者雇用促進法によりまして、一般の民間企業につきましては一・五%の雇用率が課せられているわけでございますが、本年六月一日現在の雇用状況は、これら民間企業につきましては一・一三%というのが現状でございます。
○栗田委員 そうしますと、この学習センターその他放送大学が設立されたときの職員も、当然、その割合に沿って障害者の雇用なども考えていかれますね。
○宮地政府委員 特殊法人の場合の雇用率ということも定められておるわけでございまして、当然、その線に沿った対応をすべきものと考えております。
○栗田委員 そういう点では労働省の十分な監督も必要ですから、文部省としても、今度の大学設立がもしされるのであれば、そこにそういう採用を義務づけていくということもぜひ努力をしていただきたいと思います。 私は、本当はあと教官の確保の問題という重要な問題、教官の身分の問題など、それから単位の互換の問題、その他大学の自治の問題などたくさんありますけれども、残念ながら時間が来てしまいましたので、これは後に回すことにいたしまして、ここで質問を終わらせていただきます。 ————◇—————
○三ツ林委員長 この際、連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。 本委員会において審査中の内閣提出、放送大学学園法案について、逓信委員会から連合審査会開会の申し入れがありました場合には、これを受諾することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、連合審査会は明後三十一日午前十時から開会する予定でありますので、御了承願います。 また、連合審査会において、参考人から意見を聴取する必要が生じました場合には、委員長において出席を求めることといたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時三分散会