文教委員会 第4号
- 発言数
- 61 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1980/10/24
会議録
○三ツ林委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、放送大学学園法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。小杉隆君。
○小杉委員 放送大学につきまして質問をいたします。 昨日の新聞に報道されたところによりますと、大学の進学率が横ばいになってきているということでございます。そして一方において、いま大学というものが各所に整備されて、諸外国、たとえば英国などはオープンユニバーシティーをやっている国ですが、大学の進学率が日本よりはるかに低いというようなところと違って、日本のように、いまならば多少大学へ行きたいという意思があれば大学へ入れるという環境に恵まれているのに、あえて放送大学が必要なのかというちょっと基本的な疑問を思うわけですが、改めてひとつ放送大学を必要とする理由、それをお聞かせ願いたいと思います。
○宮地政府委員 先生御指摘のとおり、大学、短期大学への進学率は、このところほぼ横ばいというようなことで推移をいたしております。ただ、全体的な一つの傾向といいますか、たとえば専修学校への進学者がふえているということなどにも見られますように、国民全体の高等教育に対する要請が非常に多様化しているということが一面うかがえるわけでございます。私どもとしては、そういう国民の高等教育に対する多様化というような要請にこたえていく必要があろうかと思っております。 そういう意味で、この放送大学で考えておりますのは、広く社会人や家庭婦人にも大学教育の機会を確保しようという考え方で新しい高等教育機関をつくっていこうというようなものでございます。そういう生涯教育の推進の観点からも、また従来の高等教育機関との連携協力というようなことも考えまして、そういう高等教育全体の構造の柔軟化といいますか流動化を図っていくという観点からも、ただいま御提案申し上げておりますこの放送大学の果たす役割りに大変大きな期待がかけられているというぐあいに私どもとしては考えております。
○小杉委員 そうしますと、国民一般のそうした高等教育に対する多様な希望というものにこたえるためには、できるだけそういう機会に恵まれないところの人たちというものを相当重要視しなければいけないと思うのですが、今度の放送大学、まず第一期は東京を初めとする関東地域を先にやるということですが、むしろ東京というのは、教育的な環境、文化的な環境というのは、日本全国の中でも一番恵まれている地域なんですね。ですから、もし放送大学を必要とする、生涯教育あるいは社会人や家庭人に教育をする場が必要だということならば、むしろそういった環境に恵まれないへんぴな場所とか地方、そちらを優先すべきではないかと私は思うのですが、どうしてまず関東から先に手をつけるのか、お答えいただきます。
○宮地政府委員 高等教育全般についてまず申し上げますと、高等教育の計画的整備を進めていこうということで五十一年度から前期の計画ということで取り組んできております。五十五年度からはさらに六十一年度までを後期の計画ということで、私ども適正な地域配置というようなことを念頭に置きまして、特に従来の高等教育機関、大学の整備につきましては、地方の大学の充実というようなことを観点に取り上げてきておりまして、たとえばことし、五十五年度で申しますと、国立大学では新潟、金沢、岡山というような三大学の法文学部改組というようなことを取り上げておりますし、そういうような意味で全体的には地方の大学の整備充実というようなことを念頭に置いておるわけでございます。 そこで、ただいま御提案申し上げております放送大学でございますけれども、御指摘の点は、むしろ僻地から先に取り上げていくべきであって、大学教育の機会に恵まれている関東地域からまず対象としていく理由は何かというお尋ねでございます。 一昨日の御質問にもございましたし、従来その点は御質問をいただいておるわけでございますが、私どもといたしましても、もちろん教育機会の均等というようなことを念頭に考えておるわけでございますが、放送大学そのものが、先ほども申しましたように、わが国としては最初の試みでございますし、しかも全体計画としては、大変大規模なプロジェクトでございます。したがいまして、段階的に慎重に進めていく必要がございます。 したがって、こういう新しい試みを着実に成功させていくというためには、慎重な対応が必要でございまして、そういう意味で送信所といたしまして東京タワーが利用できるというようなことも念頭に置き、今後の拡充のための諸般の資料、たとえば学習センターを重視しているというのも、この放送大学の一つの特徴であろうかと思いますが、そういう学習センターでの学習と放送による教育との組み合わせの問題でございますとかそういうような点についても、私どもは、いろいろ想定をいたしておりますが、さらに現実に実施いたしますれば、そこにいろいろ検討すべき問題点も出てこようかと思います。そういうような点について着実に対応するために、まずは関東地域からスタートさせていただきたいということでお願いをしております。 先ほども申しましたように、教育の機会均等という観点から放送大学の対象地域を早期に拡大すべきであるという御質問もかねていただいておりまして、私どもも、そういう国会の御審議の経過を十分踏まえまして、放送大学の関東地域における実施状況でございますとか、さらには、また放送衛星の問題が日程に上ってきておりまして、当初の計画では放送衛星の利用の問題はなかったわけでございますが、具体的に放送衛星を、この放送大学とどのように結びつけていくかというような問題など、今後なお検討を要する問題があるわけでございます。そういう点はなお今後、関係省庁とも協議をしながら改めて拡充計画について検討していきたい、かように考えておる次第でございます。
○小杉委員 冒頭の私の質問に対して、この放送大学の対象というのは、むしろ社会人あるいは家庭人の生涯教育にあるということだったわけですね。そうしますと、社会人とかあるいは家庭の奥様方も、やはり東京とか大阪とかそういう大都市の方は、そういった教育に触れる、あるいは文化に触れる機会というのは非常に多いわけですから、そういう生涯教育、社会人、家庭人を対象にする放送大学ならば、やはり東京よりもまず地方からむしろ重点的にやっていくべきじゃないかというふうに考えるのですが、この点については改めて文部大臣からひとつ御見解を聞きたいと思うのです。
○田中(龍)国務大臣 ただいま御質問になりました問題でございますが、まず関東地域から始めてまいりまして、そうしてその模様を見て着実に広げていくのがいいのではないか。ことに生涯教育というようなことになりますと、応募する方々もなかなか多いようでございます。局長から計数上の問題は申しますが、一応モニターをとりまして、それに対する応募率なんかを考えてみましても、これに対する期待が非常に多い。そういうことから、まず関東を整備いたしまして、後に拡大したい、かように考えております。
○小杉委員 それでは、全体計画はいままで三十六時間の当委員会の審議で明らかにされておりますが、しかし、計画がだんだんずれ込んできておりますから、物価も変わってきておりますから、現時点における全体計画、それで、まず第一期は何年から何年までで関東地域、それから第二期計画はこうだということ、それから、それに要する経費、前回までの審議で一応のめどは立っておりますけれども、現時点での経費の見積もり、それをあわせてお答えいただきたいと思うのです。
○宮地政府委員 私ども放送大学の創設日程といたしましては、ただいま御提案申し上げております放送大学学園法案の成立を見ましたら、まず、そこで特殊法人放送大学学園の設立を図るわけでございます。それが、ただいま思っております予定といたしましては、本年度中ということで検討させていただいております。それを受けまして、その特殊法人放送大学学園が、名称の点は大学をつくる際にいろいろ御議論があろうかと思いますが、一応従来言われております点で申し上げさせていただければ、放送大学の大学そのものの設置を図るということでございます。大学の設置といたしましては、文部大臣に設置認可申請を出しまして、その申請を受けて、文部大臣として審査をしまして、放送大学について認可をするという手続が続いてございます。ただいま予定しておりますところでは、その認可の手続に約一年を要するということで、五十六年度に大学の設置を考えております。同時に、放送法上の免許手続をとりまして、放送局の開設も予備免許を含めまして本免許というような手続をお願いしていくわけでございます。大学の設置後、そういう放送局の開設等に要する時間を見込みまして、実際に具体に放送大学の学生受け入れとしては一応五十八年度を予定いたしておるというのが、ただいまのところ第一期の計画で考えております放送大学の創設日程でございます。 そこで、第一期計画の概要で申し上げますと、先ほども御説明しましたように、東京タワーからテレビ、ラジオの電波の到達する範囲内をまず対象地域と考えておりまして、その入学者数としては、ただいま私どもの算定しておるところでは一万七千人を目途としております。これは学部学生として七千人、科目とか選科履修生の方を一万人ということで、むしろ学部学生としての大学よりは科目ないし選科履修生の方を数多く見込むというような態様で考えております。それ全体に要します資本的経費としては、ただいま私どもで試算しておるところでは、本部の施設設備関係、これは放送設備も含むわけでございますが、それと学習センターの施設設備関係、それから県域の送信所等、そういう施設設備関係で第一期の計画としては約九十七億円、なお第一期計画の完成年度におきます運営費としてはおおよそ四十七億円程度を想定いたしております。以上が第一期計画における経費の概要でございます。
○小杉委員 第一期だけではなくて、放送衛星との関係もありますから私、後で触れますけれども、第二期の現時点における一応の見通しと、それから、その経費見積もりをお答えいただきたいのです。
○宮地政府委員 なお、対象地域の拡大にかかわります問題につきましては、先ほども御説明いたしましたように、今後、放送衛星の利用問題等について、地上局の整備とどのような兼ね合いでやっていくかなお今後検討を要する点がございますが、従来、全国規模の場合の必要経費といたしましては、昭和五十年十二月に示されております「放送大学の基本計画に関する報告」で試算をしておりますところ、これは昭和五十年度価格での試算ということになるわけでございますが、施設設備関係全体で約八百七十億程度、その際の運営費としては約二百八十億余りという試算を私どもとしてはいたしております。
○小杉委員 それは第二期ですか、第一期、第二期合わせてですか、全部ですか。
○宮地政府委員 全体でございます。一応、全国規模でカバーをするということで、放送のカバーするエリアとしては全国地域のほぼ八〇%程度というようなところで試算をしたものでございます。
○小杉委員 いまの金額は第二期計画だけのものなのか、あるいはさっきお答えになった第一期を含めての総額なのかというのが第一点。 それから第二は、この見積もりは五十年十二月現在ですから、いまから五年前の数値ですね。いま仮に現在の物価水準でいったらどのくらいの金額になるのか、ひとつお示しいただきたい。
○宮地政府委員 先ほど申しました全国規模というのは、第一期、第二期全体としての価格で申し上げた数字でございます。 なお、現在の価格については、ただいま私どもとしては必ずしも正確な推計をいたしておりませんが、たとえば昭和五十四年度価格による試算をいたしますと、おおよそ千億を若干上回る金額になろうかと思います。
○小杉委員 千億を若干上回るというのじゃ、五十年当時が、さっきの試算を合わせますと千百五十億ですからね、違うのじゃないですか。
○宮地政府委員 私、ただいま申しましたのは、施設設備費についての価格の推計を申し上げたわけでございまして、先ほど五十年度価格でおおよそ八百七十億程度と申し上げたものに対して千億を超える金額になろうか、かように考えております。
○小杉委員 やはり審議が相当進んでいるのですから、どうしても文部省がこの放送大学法を成立させたいというのだったら、もう目前に控えているのだったら、もう少し的確なお答えをいただきたいのです。資本的な経費八百七十億が大体一千億を超える程度だということだけの答弁がありましたけれども、やはり経常経費とか運営費が大体どのくらいになっておるのか、それもあわせてお答えいただきたいのです。
○宮地政府委員 運営費の方につきましては、先ほどおおよそ二百九十億ぐらいと申しました全国規模の際の価格としては、五十四年度価格でおおよそ三百六十億程度というぐあいに試算をいたしております。
○小杉委員 さてそこで、これだけ膨大なお金をかけてその全体計画が完成した暁には、年次計画というか第二期の全部、全国をカバーするそのタイムスケジュールがまだ示されていないのですが、一体どういうことになりましょうか。
○宮地政府委員 従来国会の御審議の際に私どもとしてその点を、放送衛星の利用と今後の計画の拡充につきましてはなお検討課題がいろいろございますので、具体的な御説明としては大変むずかしゅうございますけれども、わが国の高等教育の計画的整備の全体的な流れという点で御説明を申し上げた点は、現在、高等教育の計画的整備としては、後期の計画としては一応六十一年度を目途としております。 そこで、放送大学の全国規模への拡大の計画はどうかという点が前から御議論がございまして、六十二年度以降の高等教育計画を策定するに際しては、この放送大学の全国規模への拡大ということを当然考えなければならない。六十二年度からおおよそ十年間ということで考えれば、昭和七十一年度を目途に全国規模の整備を考えていくという点を、従来御答弁申し上げている次第でございます。
○小杉委員 文部省としては、放送衛星によって全国規模の放送大学を完成しようとするのか、あるいは今度関東から始める地上局の全国ネットワークでカバーしようとするのか、いまの段階ではまだ方針が決まっていないのでしょうか。
○宮地政府委員 最初にも申し上げましたとおり、全体として放送大学そのものがいわばわが国最初の試みでございまして、非常に慎重な対応が必要なわけでございます。 そこで、先ほど来御説明しておりますように、第一期の事業計画は、東京タワーから電波の届く範囲を原則的な対象地域として発足させたいということで御説明を申し上げておるわけでございます。 そこで、それに続く対象地域の拡大計画を考えていく場合に、放送網の整備についてどう対応していくのかというお尋ねでございますが、一つには、放送衛星の実用化の動きということに十分留意をする必要があろうかと思います。それで、放送衛星をこの放送大学にどのように利用していくか、利用することができるかということを含めまして検討していく必要があろうかと思います。そして、この放送衛星と地上局とをどのような組み合わせで考えてまいりますか、その点については今後、郵政省その他の関係省庁とも十分御相談をして進めていく必要がある、かように考えております。
○小杉委員 放送衛星というのは相当前から計画しておかないと、今度放送衛星を使うことになったからといって急にやったってなかなか間に合うことではないわけなんで、とにかく第一期さえ始めれば、その間に第二期のことは考えるのだというような姿勢が私には見えてしようがないのです。 この間も私、決算委員会で国連大学の問題を質問しましたけれども、やはりこういう未知の全く新しいことを始める以上は、できる限り将来を見通した計画というものを立てませんと、大変壮大なロマンを含んだ放送大学が、いざ始めてみて、何か鳴り物入りで始めてはみたけれども、途中でしりすぼみになってしまったということでは、大変なお金を使うわけですから許されないと思うのです。 国連大学も鳴り物入りで相当始まっておりますけれども、まだまだなかなかはかばかしくいかないという事例を見るにつけても、やはり全体を見通したもうちょっと緻密な検討がなされていなければいけないのじゃないかなというふうに感ずるわけなんですね。 そこで、いま放送衛星の話が出ましたから、この辺で少し観点を変えて、きょうは郵政省の方来ていますね。——それでは、逓信委員会との合同審査みたいなこともさっき理事会でありましたから、その機会にまた詳しくは聞きますが、きょう端的に郵政省にお伺いをしたいのは、いまNHKが難視聴地域の解消のために計画していると聞いております放送衛星ですね、それのいまの進行状況とか今後の見通しをまずお聞かせ願いたいのです。
○田中(眞)政府委員 お答えいたします。 ただいま御質問の実用放送衛星でございますが、われわれBS2というふうに略称いたしておりますけれども、これは昨年の宇宙開発委員会でも認められまして、BS2というのは、本機と予備機と二つ上げる予定になっておりますが、本機につきましては五十八年度冬期ということでございますから、五十九年の二月に打ち上げる、続きまして予備機を昭和六十年度に打ち上げるというような予定でございます。 その準備につきましては、先生も御存じのように、こういうものを打ち上げますのには、かなりの長年月を要するわけでございまして、予算もつきまして、ただいま基礎設計の段階ということで着々進んでおるものというふうに理解しておる次第でございます。
○小杉委員 科学技術庁の方見えていますか。——アメリカとかソ連というのは、もう相当宇宙衛星の技術が進んでいるということですが、わが国の衛星の技術というのは一体どのぐらいなのか。たとえばいろいろいままで実験衛星「あやめ」一号とか二号というのが失敗しておりますけれども、いま打ち上げている放送衛星の第一世代というもの、これはどうなんでしょうか。その技術的な水準とか、それから、いま郵政省からお答えのあった第二号、五十九年二月からですか、六十年から予備機が打ち上げられるというのですが、そういうようなものが途中で失敗して落ちちゃうとか故障してしまうというような危険性というものはないのかどうか、その確実性とか、あるいはまた、これは静止衛星で、打ち上げても日本の方へ向かってちゃんととどめておくことができるのか、そういう姿勢制御の問題ですけれども、技術的な面での科学技術庁の見解をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○高木説明員 お答えいたします。 この放送衛星につきましては、宇宙開発事業団で打ち上げることになっておりますけれども、すでに宇宙開発事業団におきましては六機の打ち上げを行っております。それで、そのうち先ほど御指摘もございましたように「あやめ」一、二号がふぐあいを生じたわけでございますが、これにつきまして宇宙開発委員会等を中心にして事故原因の究明がなされました。そして、その結果「あやめ」一号の失敗の原因につきましては、衛星の第三段と衛星を分離いたします際にその両者が接触をしたという事故によってふぐあいを生じたものと推定されました。そこで、それにつきましては技術的な改善を加えまして克服をいたしました。引き続きまして「あやめ」二号にふぐあいが生じたわけでございますけれども、その際には第一号で生じましたふぐあいはうまく順調に作動いたしました。そして最後に静止軌道に投入をいたしますが、その際に用いますアポジモーターが異常燃焼するというようなふぐあいによって、うまく静止衛星軌道に打ち上がらなかったわけでございます。そこで、これらの原因とそれに対します対策につきまして宇宙開発委員会で十分検討いたしました。それを今後の衛星開発に生かしていこうということで、「あやめ」 一、二号の経験を生かしまして今度の放送衛星は考えております。 それからまた、放送衛星でございますけれども、これは先ほどございましたように、五十三年度に実験用の中型の放送衛星を打ち上げております。そこで、これと比較して申しますと、規模はおおむね同じ程度の規模になっておりますが、あと性能等を若干向上させるというようなことになっておりまして、したがって、前に打ち上げました中型の実験放送衛星の経験を生かしてやっていきたい、そういうことで万全の体制をとっていきたいと考えております。
○小杉委員 いま打ち上がっている第一号機ですね、この実験衛星はその後順調にいっているのでしょうか。それと今度五十八年度に上げる第二号機の一つの確実性とか姿勢制御の点で疑問はないかどうか、いまの段階でひとつお答えいただきたいと思います。
○高木説明員 前に打ち上げました実験用中型放送衛星でございますが、これにつきましては、三年の設計寿命で設計しております。それで、五十三年に打ち上げまして、実は本年の六月にテレビの送信用の、いわゆる送信機と申しておりますが、トランスポンダーがふぐあいを生じまして使用不可能になりました。約二年二カ月ぐらいでございまして、設計寿命から比べますと低いことになります。そこで、これにつきましては、現在、宇宙開発委員会におきまして、早急に原因を究明しよう、それで、直ちにそれを次の放送衛星二号に生かしていきたいということで技術的な検討をしているところでございます。 それから、さらに先ほどの姿勢制御でございますけれども、姿勢制御等それ以外の機能につきましては、現在まだ順調に作動いたしております。
○小杉委員 そうすると、今度NHKが難視聴対策に予定している第二号機ですね、これは、いまのように三年の予定が二年で落っこっちゃったとか失敗したとかというおそれはないとは言えないわけですか。
○高木説明員 私どもとしては、確かに大変たくさんのコンポーネント、部品を用いましてやるものでございますから、部品そのものをいかに高信頼度につくるか、そういったことの探求を常にやっておりまして、その辺で今回は、さきの経験を生かしまして万全の体制をとっていきたいということで現在進めているところでございます。
○小杉委員 仮に途中で、たとえば三年なり五年の予定が二年でだめになったという場合にどういう措置を考えるわけですか。
○高木説明員 先ほど郵政省からも御説明ありましたように、今回本機と予備機と二機打ち上げることにいたしておりまして、そういうことでもちろん打ち上げのそれぞれの衛星について万全を期して、少なくとも設計寿命については確保するという措置を講じますとともに、また一方において、先ほどのように本機と予備機と二機を設けることによってより安全性を高めていく、そういうような方向で考えております。
○小杉委員 郵政省に伺いますが、先ほどのNHKが今度利用しようとする放送衛星は、やはり本機と予備機の二機で大体カバーできるというふうに見込んでいらっしゃるのでしょうか。
○田中(眞)政府委員 先ほどもお答えがあったようでございますが、「ゆり」につきましては、発射以後二年二カ月間作動したわけでございます。この間にほぼ基本的な実験は終了いたしておりまして、いよいよ応用実験という段階で、残念ながら先生御指摘のように映像の方は出なくなったという事態でございます。その他姿勢制御等の実験もあるわけですけれども、これは幸いにしてまだ生きておりまして、依然として実験を続けておる、来年の六月までは続けられるということで実験も進めておるわけでございます。 ところで、先ほどの「ゆり」のふぐあいでございますけれども、これはトランスポンダーというのは載せておるわけですけれども、これにふぐあいがあるというふうにおよその予測がついておるわけでございますが、幸いにこれと同じ予備衛星が地上にまだ保管中でございます。それを利用いたしましてシミュレーション試験、上がっておるのと実際のと同じ試験がやれるというようなことで、ふぐあいの原因究明も現在行っておるということで、先ほどもお答えがございましたように、宇宙開発委員会の第四部会でも、そのふぐあいの原因及び対策につきまして今月末には結論を得られるという目途で鋭意調査、審議が進んでおるというふうに理解しておるわけでございます。 そういうことで、これを受けまして、宇宙開発事業団におきましても、今後、宇宙開発委員会第四部会の結論を十分踏まえまして、衛星の開発に際しまして必要な対策を講じまして、より信頼度の高い衛星を開発するように万全の体制をもって臨みたいということで進んでおるわけでございます。 したがいまして、私どもといたしましては、実用放送衛星の打ち上げについては、予定どおり確実に進められると確信し、また希望しておる次第でございます。
○小杉委員 五十八年度にNHKが使用すると言われる放送衛星の打ち上げには相当莫大な経費がかかると思うのですが、おおよその費用と、それから、それをどのように費用分担をするのか、それから、もし仮に放送大学がNHKが使う予定の衛星に相乗りをすることが可能かどうか、お答えいただきたいと思います。
○田中(眞)政府委員 お答えいたします。 まず、費用でございますが、先ほど申し上げました本機と予備機を含めまして、衛星の関係が二百四十億、ロケットの関連が二百四十億、地上施設、追跡整備等の金が百四十億、合わせてただいまのところ六百二十億というふうに試算いたしております。 分担でございますが、まだ開発段階の要素も多いということで国が四割、NHKが六割ということで話し合っている次第でございます。 次に、これを放送大学の放送として利用できるかということでございますが、先ほども申しましたように、第一期の計画は東京タワーから出す、これは幸いに御相談を受けましたときに非常に経済的でもある、また日本の各地を考えてみました場合、非常に東京タワーが高い、それから同じキロワットでも、平野でございますので、たくさんの人のところへ電波が届けられるというような理解のもとに文部省さんのお話にも御賛成申し上げたというようなことでございますが、先ほどから先生御指摘のように、放送衛星は何と申しても真上から一つの電波でほとんど日本全土をカバーできるというので、将来、日本全土を対象にいたしますこのような種類の放送につきましては、放送大学学園の放送のようなものにはきわめて有効であると考えております。 しかしながら、先ほど申し上げました五十八年度、六十年度は予備機でございますが、五十八年度打ち上げ予定のBS2というものは、NHKの難視聴解消用に現在予定しておるわけでございまして、ただいまのままのものでは余裕がないと申しますか、二チャンネルでございますので、五十八年度に予定しておりますものには利用できない。したがいまして、BS2以降の第二世代と申しますか、そういうものの放送衛星を計画する際に検討に入るというふうなことで、今後、その辺の利用につきましては、文部省あるいは関係省とも密接な連絡、お話し合いをしながら、放送衛星の利用については考えてまいりたい。 もう一度繰り返しますと、BS2という、現在五十八年度に計画しておりますものよりももう少し大型の衛星でないと、いま一つのチャンネルあるいは二つのチャンネルを収容する余裕は現在のところないということでございます。
○小杉委員 いま予定しているNHKの分では、もう余裕がないということですが、その次に打ち上げるいわゆる第二世代の衛星は、大体いつごろを予定されているのか。それから、たとえば放送大学そのものだけじゃなくて、仮に私立大学とか私立の通信制の大学がそれを活用したいといった場合に、いまのNHKの第一チャンネルと第三チャンネルみたいに二つの波を収容することも、設計によっては可能なわけですね。 ですから、私が質問したいのは、第二世代の衛星は大体いつごろを目途にしているのか、それから、たとえば放送大学がこの衛星を使うという決断を下すには、何年前ぐらいに意思表示をしなければ間に合わないのか、相当設計とかいろいろ準備があると思うので、その辺の時期もあわせてお答えいただきたい。
○田中(眞)政府委員 現在計画しております実用衛星は、実用衛星でございますので、その寿命は約五年を予定しておるわけでございますが、引き続き打ち上げなければならぬということになるわけでございます。したがいまして、五十八年度に打ち上げますものが、正確に申しますと五十九年二月ということでございますから、ちょうどぴったり継続するということになりますと、六十四年二月ごろに引き継がなければならないというようなことになろうかと思います。 ただ、第二世代の勉強は私どももよくやっておるわけでございますが、一般的に申しまして、先生のおっしゃるように、こういうものを打ち上げるのには、最低四、五年前から計画しなければならないというふうに考えております。 それから、現在の技術では二チャンネルでございますけれども、第二世代の利用のあり方等につきましては、私どもごく最近、省内に部外の経験者を含めました先生方にお願いいたしまして、第二世代の衛星の利用のあり方というようなことで、ただいま御検討をいただいておるわけでございます。この中には、放送衛星のほか通信衛星もテーマとしては含んでおるわけでございますが、放送衛星に限って申しますと、何チャンネル程度乗せられるのかというような話が当然入っておるわけでございます。 一転いたしまして、この放送衛星で電波を出します場合には、国際的な規制というものが必要でございます。これは数年前の放送衛星を管理いたします国際会議で決められたものでございますけれども、日本としては八つのチャンネルでございます。これを空から降らす権利を確保してございます。この八チャンネルをどう使うのか、私立大学というような先生の御質問がございましたけれども、こういう内容につきましては、いまのところ全然未決定でございます。その辺の先生方の御意見もいただきたいということで、第二世代の衛星の利用のあり方ということで鋭意御検討をいただいておるというのがただいまの実情でございます。
○小杉委員 再び文部省に戻りますけれども、先ほどの答弁では、まず関東で始めて、それから、その第一期をやっている間に第二期の計画をいろいろ練ろうというような姿勢ですけれども、いまのお話にもありましたように、放送衛星を使うか使わないかということは、数年前から準備をしなければいけないわけですから、私は、やはりこの段階で相当その方針を明らかにしておかなければいけないと思うのです。 そこで、放送衛星を使った場合と地上ネットワークを全国に整備していくことによってやる場合とではどのような違いがあるか。もっと明確に言いますと、地上ネットワークを全部整備したってカバーし切れない地域が残ると思うのです。そうしますと、放送衛星ですと、もうすでにNHKが開始した後ですから、全国を漏れなくカバーできるという利点があると思うのですが、そういった放送衛星を使った場合と地上ネットワークでやった場合のいろいろな比較ですね、それは経費その他も含めてやられているのかどうか、もしやられておれば、いまお答えできる範囲でひとつお漏らしをいただきたいと思うのです。
○宮地政府委員 先ほど郵政省の方から、放送衛星につきましては第二世代の放送衛星の打ち上げが六十四年二月という御答弁があったわけでございまして、放送大学が放送衛星を利用さしていただくとすれば、その第二世代の放送衛星からであるという御説明もあったわけでございます。したがいまして、第二世代の放送衛星から放送大学の放送についてそれを利用するといたしますと、お話のございますように、ほぼ数年前から、それについて検討、決定をする必要があろうかと思います。逆算いたしますと、おおよそ五十八年度ぐらいにはその点を決定するということが必要であろうかと思います。 私どもといたしましては、放送の技術にかかわる問題でございますので、その辺十分郵政省御当局とも御相談をさしていただきますが、放送大学学園といたしましては、先ほど最初に御説明いたしましたように、本年度の特殊法人の設立ということから計算いたしましても、学生受け入れが五十八年度ということになっておるわけでございます。したがいまして、第一期の学生を受け入れるのは、ただいまの予定では五十八年度でございますが、第一期の学生を受け入れながら全国ネットを広げていく際の放送衛星の利用の問題というのは、それまでに郵政当局とも十分御相談を詰めていきたい、かように考えております。 具体的に経費の面で放送衛星を使った方がいいのか、地上局の整備の方がいいのか、地上局の整備でございますとどうしても全国のカバーという点で外れてくるところが出てくるというのは、先生御指摘のとおりでございまして、私どもとしては、放送衛星の実用化の動向を十分見定めながら、それの利用ということをもちろん積極的に考えていきたい、かように考えております。 なお、経費の詳細の点については、ここで具体的に御説明できる段階に至っておりませんので、ひとつ御容赦いただきたいと思います。
○小杉委員 さっきの全体計画によりますと、五十四年度の試算で資本的な経費で一千億を上回るということですけれども、これは地上ネットワークということで計算した数字なのでしょうか。それから、もし放送衛星に乗っかる場合は、こういう資本的な経費というのはどのぐらいになるのか試算したことがあるのでしょうか。
○宮地政府委員 先ほど申しましたのは、基本計画では地上系で八〇%をカバーするというような計算で申し上げた数字でございます。一つの試算といたしまして、地上系で六五%をカバーし、他を放送衛星でカバーする場合というものも一応私どもなりに計算はいたしておりますが、むしろB案の方がより経済的であろうかというような計算は一応はいたしております。
○小杉委員 郵政省に伺いますが、いまNHKは難視聴区域解消で一生懸命やっておられると思うのですが、最大限やってみてカバー率というのは大体どのぐらいになるのでしょうか。それから、放送衛星の場合には一〇〇%カバーできるのかどうか。放送衛星の場合は受ける側がパラボラアンテナを設置しなければいけないと思うので、個々の受信者の負担というのは非常に大きいと思うのですが、これの経費というのはどのぐらいになるのでしょうか。
○田中(眞)政府委員 お答えいたします。 NHKが現在抱えております難視聴区域と申しておりますのは、電波が届かないという意味で辺地でございますけれども、ことし現在で五十一万世帯残っておると言われております。これが周辺であったり離島であったりするために、いまだカバーできないのが五十一万世帯でございます。 それからそのほか、衛星を使いますと、かなりの高度で高角度から降ってまいりますので、いわゆるビル陰も相当解消できると考えておりますが、この都市難視聴世帯というのは、私の記憶では、たしか五十六万世帯程度ではないかと考えております。 さて、もとに戻りまして、五十一万世帯の辺地難視でございますが、NHKは五十八年度まで、衛星が上がるまで放置するわけにはまいりませんので、従来方式でなおカバーといいますか、これを地上の設備で解消していく計画でございます。五十八年の衛星が上がりました時点では、四十一万程度までに、地上で十万減らすというようなことで、放送衛星による辺地の難視解消は四十一万世帯というふうに理解いたしております。 それから、いまの先生の第二番目の御質問で、空から降らせば一〇〇%解消できるのかということでございますが、やはりある程度の強度がございませんといけませんので、アンテナの大きさというものが関係してまいりますけれども、パラボラの大きさによりまして日本全土をまず一〇〇%カバーできると申してよろしいかと思います。 もうちょっと詳しく申しますと、放送衛星のビームはちょうど輪島あたりを真ん中にねらっているわけですけれども、ここらあたりですと、一番小さくて三十センチないし六十センチのアンテナで十分受かるだろうと思っております。これは実際の、現在上がっております実験用の「ゆり」でも確かめられておるということでございます。 それで、日本本土、本州といいますか大部分のところは、一メータークラスのパラボラアンテナで四程度の評価——評価四というのは、五が最良で、これはもうスタジオの中の品質でございますけれども、四という評価で受かるであろう、与那国とか稚内あたりも実験いたしたわけですけれども、ここらの周辺になりますと、四・六メーター程度のアンテナで受ければ十分カバーできる、四程度の評価で受かるということでございます。したがいまして、南大東島とかあるいは父島、こういうところになりますと、五百世帯ないし八百世帯あるそうですが、個人で四・五メーターのアンテナで受けるというのはむだでございますので、共同で受けるなり、あるいはNHKが受信して五百戸なり八百戸の世帯に配るというようなことになろうかと思います。 それで、経費でございますけれども、まず最初に、個別受信、アンテナーメーター程度のもので受けるにどれくらいかかるか、実験段階はこれは非常に高うございますが、実用の初期段階、五十八年ないし六十年におきましては、十五万ないし二十五万円程度かかろうか、普及段階になると六万ないし八万円、こういう数字になっております。ところで五、六世帯の共同受信の場合どうなるか、実用の初期段階で世帯当たり六万ないし十万円、普及段階では四万ないし七万円であろうという試算でございます。それから小笠原、南大東等におきますやり方はちょっと省略いたしますけれども、小笠原ないし南大東島等では各世帯当たりで六・五万ないし九万円程度、こういうような計算をいたしております。
○小杉委員 パーセンテージはお示し願えなかったのですが、パーセンテージでは答えられないでしょうか、そのいまの視聴範囲ですね。それから、世帯数のお答えはあったのですが、放送衛星を使った場合には大体何%カバーできるとか……。
○田中(眞)政府委員 失礼いたしました。放送衛星による手段の場合は一〇〇%と申してよろしいかと思います。特に高いビルの後ろなどということになりますと、やはり少し隣の方から放送衛星の方を向けてもらうというようなことが必要かと思いますけれども、まず一〇〇%と申してよろしいと思います。
○小杉委員 それじゃ地上ネットワークで完全に整備したとしても、最大リミットはせいぜい何%ぐらいでしょうか。
○田中(眞)政府委員 それが先ほど申しました現在五十一万、NHKはたしか総合、教育合わせまして日本全国に六千百カ所から電波を出しておりますが、この状態でなお五十一万残っておるということでございます。 それで、従来どおりの努力をいたしまして、五十八年までに十万を消す、あとの四十一万につきましては、とても手が届かないというようなことになりますので、パーセンテージで申しますと、四十一万を日本全国の世帯数で割っていただくということになろうかと思いますが、九八%、その程度になろうかと思います。
○小杉委員 やはり放送大学という貴重な電波、これは日本のものだけではなくて世界の財産を使うわけですから、特に放送大学が生涯教育とかあるいは家庭人、社会人を対象とするならば、むしろそういう教育とか文化の機会に恵まれない辺地とか僻地の人にまであまねく行き渡るというのが私は理想だと思うのです。そうしますと、いままで私、細々聞いてまいりまして、いろいろ明らかになったように、地上ネットワークをどんなに完成をさせたとしても、四、五十万世帯は残ってしまう。それが放送衛星を利用すれば、ほぼ一〇〇%カバーできるという点で利点があるわけですね。それから経費の点でも、先ほど全国規模で資本的な経費一千億ちょっという現時点での答弁がありましたけれども、もし仮にこれを放送衛星を利用すれば、むしろそれより安上がりで済む、経費的にも大変なメリットがあるということを考えますと、放送大学という画期的な、文部省に言わせれば一大ロマンを完遂しようとするならば、もっとこういった放送衛星の活用について熱心に取り組むべきじゃないか、革新的な放送衛星の利用をぜひ検討すべきだと考えますけれども、以上の答弁を含めて大臣の所感をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 ただいまお話がございました衛星の問題でございますが、これとても前々からいろいろと論議されたところでございますが、われわれといたしましては、この放送大学の問題につきまして、過去十年間いろいろと検討してまいりました結果といたしまして、現在の御提案申し上げておりますこの問題をまずひとつ解決していただいて——いまの衛星の利用の問題は、まだまだいろいろと御議論のあるところでございますし、ただいま技術的な問題にいたしましても、いろいろと問題が残ると存じます。われわれといたしましては、放送大学学園の設立、さらに今後の運びを進めてまいりたい、かように考えております。
○小杉委員 どうも大臣の答弁、余り慎重過ぎて非常に物足りないというか食い足りないところがあるわけですが、私がなぜこんなにくどくどと科学技術庁や郵政省にまで来ていただいて質問をしたかといえば、放送大学というものがどうしても必要なのだという点から出発をいたしますと、今度第一期とにかく関東地域から始めるのだということにもちょっと問題があると私は思うのです。むしろもっとそういう機会に恵まれない地方から手をつけるべきだというのが私の考え方なんです。しかし、将来展望が立つならば、将来必ず日本全国に行き渡るのだという希望が持てるならば、あえて第一段階認めるにやぶさかではないという気持ちで申し上げているのですが、そういった私の考え、あるいは放送大学というものが貴重な電波、これはもう世界的な財産ですね、こういうものを使うのですから、NHKだけが使うのではなくて、郵政省ももし放送大学が利用してくだされば大歓迎だと言っているわけですし、それからカバーする範囲も日本全国に行くわけですし、それから経費的にも安上がりである、それから受け手側も、先ほどパラボラアンテナの経費を聞きましたら、個別利用であっても、もし放送大学がこれに乗る段階になれば、わずか数万円で済むというようなことで、あらゆる面から見ても、私は、大いにこれを採用する方向で検討すべき必要があると思うのです。 ところが、いままでの文部省の答弁では、どうも地上ネットワークの方ばかりが非常に検討されていて、経費の一顧でも出ているのですけれども、こういう放送衛星については、まだ余り前向きに取り組んでいないような印象を、さっきの大臣の答弁からもうかがうのですけれども、その辺もう一度お答えいただきたいと思うのです。
○田中(龍)国務大臣 放送大学の問題は、文教政策の上から申しまして、ぜひとも実現をいたし、第二世代の放送衛星の利用の問題につきましても、われわれは積極的な気持ちで取り組んでまいりたい、かように考えております。
○小杉委員 それでは、次の質問に移ります。 次の質問は、今度のこの放送大学が始まりますと、私立大学の通信教育あるいは夜間大学あるいは国立大学もそうだと思うのですけれども、特に私立大学の通信教育というものに相当甚大な影響を与えると思うのです。やはり文部省の立場というのは、ただ自分たちがやっている放送大学さえうまくいけばいいのだという姿勢はとるべきではないので、それによって影響を受ける私立大学とか通信制の大学のこともあわせ考えていかなければいけないと思うのです。 それで、これだけ膨大な経費をかけて最新の放送衛星を使うというようなことになった場合は、いまの日本の大学の教育全体を見渡して、放送大学で活用できる部分というのは大いに活用していくべきだ。たとえば、いま各大学でやっている教養課程の単位についても、放送大学で受講したものについては、これを教養部の講座の単位を取ったものとみなすとか、そういう点の検討はどの程度までやられているのでしょうか。
○宮地政府委員 まず初めに、私立の大学、短大等が実施しております通信教育との関係、この放送大学ができれば影響があるが、その点がまずどうかというお尋ねでございます。 そこで、私立大学の通信教育は戦後三十年、私大の通信教育の関係者たちが非常な努力を続けて今日まで続けてきておるというものでございます。私どもも、その努力に対して敬意を表するものでございますが、この放送大学の構想が検討され始めまして、その途中の段階においては、私立大学の関係者、特に通信教育の関係者から、この放送大学ができますと、従来の私大の通信教育に対して相当大きな影響を及ぼすのではないかというようなことが懸念されまして、消極的な見解が表明されたという時期がございます。 そこで私ども、そういう私大通信教育の関係者ともそれらの点については十分打ち合わせる必要があるということで、その後の経過で申し上げますと、放送大学創設準備に関する調査研究会議に私大通信教育協会からも御参加を願いまして、具体的に構想を検討していきます過程において、私大通信教育協会側の十分な御理解をいただいてきておるというぐあいに考えております。そしてむしろ、この放送大学と私大通信教育とがそれぞれお互いに相助け合いながらといいますか、そういうような観点で、むしろこれをきっかけにいたしまして、私大通信教育の将来の発展に資するよすがともいたしたいというような考え方で対応してきておるわけでございます。 具体的には、私大通信教育のための放送を、この放送大学学園がみずからの放送として実施いたしますとか、あるいは放送大学で各地に学習センターを設置してスクーリングということを重視するわけでございますが、なるたけスクーリングを受けやすいような体制を整えるというところに重点を置いて、私大通信教育の方にも、その学習センターを利用に供するということで具体的に提携をしてやっていきたい、かように考えております。 さらに、運営面で申しますと、放送大学学園には運営審議会が置かれるわけでございまして、その運営審議会のメンバーに私大通信教育の関係者にも御参加をいただくというようなことで、積極的に放送大学の運営そのものにも私大通信教育の関係者に入っていただくということも考えているわけでございます。 そういうようなことで、この放送大学と従来の私大の通信教育とがお互いに協力し合うような積極的な姿勢というものを具体的に考えております。 それから第二点は、単位の互換等についてどのような考え方で対応するのかというお話でございました。単位の互換の問題は、従来から大学教育全体につきまして、大学教育の弾力化というような対応で私どもも取り組んでいるわけでございます。この放送大学におきましては、もちろん将来は国公私立全体の大学の多数の教官の方々にも積極的に御参加をいただくというようなことで、幅広く授業科目を開設するという考え方で対応しております。したがいまして、他の一般の大学の学生が特別聴講生として入ってくることはもちろん積極的に受け入れることも予想しておるわけでございますし、また放送大学の学生がほかの大学で開設されている特定の科目を必要に応じて聴講する、そして単位を取得するというようなことももちろん望ましいことでございます。そういうような点で単位互換というのは、もちろん放送大学につきましても積極的に考えていくわけでございますが、現在のところ大学相互間の単位互換というのは認められておるわけでございますが、たとえば大学と短大の間ではまだ単位の互換が認められていないというような問題点がございます。現在御提案申し上げておりますこの放送大学におきましては、短期大学等からの編入学ももちろん積極的に受け入れるというような考え方で対応いたしたいと思っておりますし、単位の互換についても、必ずしも従来の大学という枠にとらわれない形で積極的に弾力化は進めていきたい、かように考えております。 もちろんそれについては、大学設置基準等についていろいろと検討を要する問題点もございます。それらの検討課題についても、すでに具体的に幾つか取り上げていただくというような対応も考えている次第でございます。
○小杉委員 通信制の大学がこの放送大学を利用したい、時間枠を使いたいというような場合はどう対応されますか。
○宮地政府委員 具体的な放送の利用の問題でございますが、放送大学学園の放送事業について、放送大学と並びまして、いま先生御指摘のような私大の通信教育が実施をするという問題でございますけれども、このそれぞれ通信教育を実施しております大学が、個別に独自の番組を放送するということを保障するという点に関しましては、放送法制上の問題もございまして、また放送時間の物理的な制約というようなこともありまして、その点は困難ではなかろうかと思っております。 しかしながら、現実問題といたしまして、私立大学の通信教育に放送を利用するということは有意義なことでございますし、すでに過去にもその実験放送を委嘱してきたというような経緯もございます。 そこで、放送大学学園の放送利用についても、私大通信教育協会側とも十分に協議をいたしまして、その具体的な方策については検討したいと考えております。 具体的には、この放送大学学園の業務としましては、御提案申し上げております法律案の第二十条第三項に「目的を達成するため必要な業務」というものを規定しておりまして、学園が、私立大学通信教育における教育に必要な放送を行うには主務大臣の認可を要するわけでございますが、郵政省御当局とも十分協議をして適切に対応したい、かように考えております。
○小杉委員 そういった既存の大学というものの側の実情もよく調べて、ひとつそういったものも全部のみ込んでといいますか、めんどうを見るというような配慮でやっていただきたいと思うのです。 大分時間がなくなってまいりましたので、最後に、ひとつ文部大臣にお伺いしたいと思うのですが、今度の放送大学のいろいろな規約あるいはいままでの質疑などを見てみますと、やはり文部大臣の権限というのが非常に強いんですね。理事長とか監事の任命権、その他いろいろ権限を持っているわけです。 そこで、去る昭和五十四年の八十七回国会の文教委員会で、当時の内藤文部大臣は次のような答弁をしているわけです。文部大臣が理事長と監事を任命することになっているが、「これが役人の天下りになったらそれこそ国民の信頼を失うと私は思うので、広く各方面から人材を集めて、」云々、こういう答弁をしております。その同じ年の四月二十五日にも、そういうことは絶対に避けなければならないと述べております。 私は、高級官僚の特殊法人への天下りというものを、一概に悪いとは申し上げません。行政の場で相当な経験も積み能力のある人が、その能力を生かせる場でその力をフルに発揮するということは、やはり国民への義務でもあろうと思うわけです。しかし、国民の貴重な血税を使って活動する特殊法人が、そうした官僚の第二の就職先ということであってはならないと思うのです。これは相当壮大なロマンの事業でありますから、やはり本当に大学教育に挺身をするという人、特にそういった大学の教育の専門家というものをできるだけこの放送大学の人材としてつぎ込むべきだと私は思うわけですが、そういった内藤文部大臣の答弁について、文部大臣はどのような御感想をお持ちか。
○田中(龍)国務大臣 この放送大学の役員の問題でございますが、これは全く新しい形の大学を創設するわけでございます。さような点から、その重要性にかんがみまして、ただいまお話のございましたごとくに、できるだけ広い範囲から、その人材の方々の経験を十二分に生かすような適材を適所にぜひ充てたいものだ、かように考えております。
○小杉委員 それでは、以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○三ツ林委員長 次回は、来る二十九日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十六分散会