物価問題等に関する特別委員会 第4号
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- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/11/06
会議録
○武部委員長代理 これより会議を開きます。 指名によりまして、私が委員長の職務を行います。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上泉君。
○井上(泉)委員 私は大体きょうは米の生産と消費について御質問申し上げたいと思うわけですが、その前に野菜の関係で、物価の値上がりの元凶が農作物の中で野菜がよく言われ、それに対する対策とかいうことも当委員会でも何回か論議をされたことがあるわけです。その野菜の指定産地という制度を設けておるわけですが、その指定産地を設けておられるところで、これも一括して質問申し上げますが、この指定産地を育成するというか、 これに対する予算というものが大体昨年度、今年度でどの程度のものであるのか、それから本年の野菜の年末年始、つまりこの秋冬場の野菜の供給については心配はないのか、価格の暴騰を来すとかいうようなことはないのか、その点をまず承っておきたいと思います。
○東説明員 お答え申し上げます。 野菜の対策関係の予算でございますが、五十五年度につきましては当初予算で百九十三億確保していただいてございまして、そのほかに約九十億の国庫債務負担行為がございまして、全体として二百八十三億ほど組んでございます。さらに、今回各党間の話し合いで野菜関係の経費として二十五億というような予算を組んでいただけるというようなことでございまして、私たちといたしましては十分な野菜対策を講じておるということでございます。 それから、ことしの秋冬季の野菜の価格の問題でございますが、昨年のあのような異常な高値という事態にかんがみまして、今年度から重要な野菜につきましては需要量を上回る作付をやらせる制度というようなものをつくりました関係もございまして、作付面積は主要な野菜につきまして総じて前年度より多くなってございますし、また天候がわりあい順調でございますので、このままの状態で天候さえ良好でございますれば十分な供給量が見込めております。したがいまして、現在のところ秋冬季の野菜につきましては、価格もわりあい落ちついた動きをしておりまして、今年度につきましては、現在のところは昨年の御心配をかけたような状態はない、順調な価格の推移を示していってくれるものというふうに考えております。 さらに、価格高騰対策ないしは価格の低落のための対策等も種々できる限りのことを講じてございますので、それらの対策等も、もし異常な事態が起こりました場合には講じてまいりまして、価格に大きな変動がないように私たちとしては努力してまいりたいというふうに考えております。
○井上(泉)委員 野菜の関係の方、帰っていいですから、どうぞ。 そこで、私は食糧庁の長官にお尋ねするわけですが、この前外務委員会で食糧援助の規約の条約を審議した際に、五十三年までの古米の処理の計画はできて逐次処理をしておる、そこで、五十四年産の古米の百七十万トンから百七十五万トン、これは本年度の不作のために、これを充当することによって需給の安定を図ることができる、そういう説明を聞いたわけですが、それに間違いないでしょうか。
○松本(作)政府委員 ただいま御指摘ございましたように、五十五米穀年度末の五十四年産米の持ち越し量は百七十五万トンと見込んでおります。本年、御案内のように非常に不作でございましたので、作況指数が八八ということになりまして、米の生産量が約九百八十万トンというふうに見込まれるわけでございます。ところが一方におきまして需要の方は当初の計画よりも下回る見込みでございまして、千七十五万トン程度が五十六米穀年度中の需要というふうに考えられますので、ただいま申しました五十四年産米の備蓄量百七十五万トンと五十五年産の生産量九百八十万トンを足しました千百五十五万トンの供給と比べてみますと、五十六米穀年度末の持ち越しが八十万トンというふうに考えておるわけでございます。ただ、この八十万トンと申しますのは五十四年産米の持ち越しでございますが、実はこれ以前の米、五十三年以前の米があるわけでございます。当面主食に支障がないというふうに考えられます五十三年産米を加えて考えますと、五十六米穀年度末の持ち越し量はさらに百十万トン追加されるわけでございますので、五十四年産米と加えて百九十万トンということになりますので、私ども、五十六米穀年度末における持ち越し量としても十分ゆとりがあるというふうに考えておるわけでございます。
○井上(泉)委員 その五十三年産米の古米を五十六年の米穀年度の中に当てはめるという場合に、これは一体品種というか等級は大体どういう等級になるわけですか。
○松本(作)政府委員 この五十三年産米につきましては等級がいろいろございますが、一、二等が中心になるというふうに考えておるわけでございます。
○井上(泉)委員 それで五十二年とか五十年度の古米をこの勘定に入れるということは考えていないでしょうね。
○松本(作)政府委員 五十二年産以前のものは工業用、輸出用ないしはえさ用ということで、主食用には考えておりません。
○井上(泉)委員 そこでこの作況指数がいま八八ということになっておるわけですけれども、これ以上作況指数が低下するということはもうないでしょうか。
○松本(作)政府委員 いわゆる作況の予想といたしましては最終的なものが八八でございまして、今後は最終的な確定数量が出るわけでございますが、われわれとしては、ほぼこの数量と余り変わらないのではないかというふうに考えております。
○井上(泉)委員 東北地方それから北陸地方における冷害の状況等から考えて八八ぐらいで終わるとはとても常識的に考えられない、北海道も。私のところなんかは余り冷害のあれはないけれども、それでも昨年よりかは二割程度減っておるわけで、そうなると、私自身も少々つくっておるわけですけれども、昨年よりは二割ぐらいの減収になる。そうなると政府のこの八八というのは若干数字を繰作しておるんじゃないか、こういうふうに思うわけですけれども、そういうことはないですか。
○松本(作)政府委員 ことしの災害につきましては非常に農民の方々、関係者の方々の関心も強い中で作況を調べておるわけでございますし、農林省の統計情報部といたしましても、正確を期す上にも正確を期すつもりで把握をいたしておりますので、この作況の見通しにそう大きな過ちはないというふうに考えております。
○井上(泉)委員 冷害による農家の被害額、そういうようなものから逆算してみても、とても八八ぐらいでとどまるようには思えないわけですけれども、それは一応さておきまして百七十五万トン、五十六米穀年度百九十万トン、こういうことになると約百万トン五十三年米のものをいわゆる食糧の配給用に回すことによって若干の余裕がある、こういう数字が出ておるわけですけれども、五十四年産米だけで限ると八十万トン、私がいろいろ調べてみると六十万トンというように聞いておったんですけれども、八十万トンに間違いないですか。
○松本(作)政府委員 従来、需要の見通しを明確にしておりませんでしたので、先生がお話しのように六十万トンぐらいではないかという見込みも立ったわけでございますが、その後最近の需給事情等も勘案いたしまして計算をいたしますと、供給だけからいたしますと相当大きく減りますが、需要の方も減るということも含めまして残りが八十万トン程度であるというふうに考えております。
○井上(泉)委員 米は日本人の民族食であるということはもう論をまたないところです。ところが米がわずか二百万トン、いわば一年分の備蓄量と考えれば五分の一程度の備蓄量しか現在ない。そこで、生産調整と称して今後十年間膨大な生産調整を計画されておるわけですが、作況が来年ことしと同じように八〇台ということになったら、日本には米の在庫はもうなくなる。これは来年のことだからどうにもならぬ、こう言えばそれまでですけれども、やはり食糧政策を進めていくためには最悪の事態というものも考えて食糧対策というものを立てなければいけないと思うわけなので、来年ことしのようになるとゼロになる、こういうことに必然的になるのですが、そうした場合における対策としてはどう考えておられますか。
○松本(作)政府委員 先ほど申しましたように、五十六米穀年度末におきまして五十三年産米も入れますと約百九十万トンというふうに考えておるわけでございますが、もしも五十六年産米がまた大幅に減少をいたしましたとしましてもこの備蓄量で充当をするということが可能であるというふうに考えておるわけでございます。ただ、従来の作況の動き等を見てみますと、二カ年間続いて大きな不作があったという年は比較的少ないわけでございまして、むしろ不作の後は豊作であったという例が多いということもございますので、私どもといたしましては一応いま申しましたような準備をいたしておりますが、また来年の作況に応じてあるいは備蓄のあり方等を考えるということも必要になってくるかと思います。
○井上(泉)委員 この間の農政審の答申「八〇年代の農政の基本方向」で備蓄とか自給力強化とか価格政策の見直しとかというように出ておるわけです。それに対する各界の評価では、財界の方はこれを非常に評価しておる。一方、農業者団体の方では、これはやはり生産者の犠牲に通ずるものであるということが言われており、そういうことのないようにという声が出されておる。消費者の立場に立ってみるならば、これはもう自給率がますます低下をする、そういう中で一番の主食の米がそういう状態であるということはやはり国民に不安を与えるのではないか。そういう状況を踏まえてか、来年の生産調整をする作付制限の反別は見直す、こういうようなことを農林次官が発表されておるわけですが、これは食糧庁、つまり農林省としてはこういう食糧の状態に対して、財界の要求を聞けばこれは外から入れることに一生懸命になるわけですけれども、国民の側から言いますならばやはりこの国土の中で農民の手によって生産をされたものを食に供したい、こういう要求が強いわけですが、そういう食糧の自給体制という面から、今日過剰米過剰米と大騒ぎをする中で反対に日本の食糧事情というものが非常に窮迫をしておる。つまり飼料も含めて三十何%しかないということほど不安定な要素はないと私は思うわけですが、そういう点について食糧庁は一体どうお考えになっているんでしょうか。
○松本(作)政府委員 ただいまの仰せのようにわが国の食糧は相当程度輸入に依存しておりますから、食糧の安全保障という点からいたしますと、一つはやはり備蓄ということについて相当意を用いていかなければならないというふうに考えておるわけでございまして、現在米を中心として相当量の備蓄を持っておるわけでございますが、今後いわゆる米の需給均衡を図っていくということと備蓄のあり方というものをどう考えていくかということは一つの課題であろうというふうに考えておりまして、先日の農政審議会の答申の中にも、そのような備蓄のあり方についてさらに検討すべきであるというふうな答申もいただいておりますので、われわれ今後考えていかなければならない課題であると考えております。 一方におきまして、しかし自給率を高めるということがどうしても必要でございますから、自給力を高めるため国内で生産可能な農産物はできるだけ生産をしていくというような立場に立っておるわけでございまして、先般の農政審議会の答申の中におきましてもそのような方向で将来の生産の見通し等が示されておるわけでございます。ただ、いずれにいたしましてもわが国の場合は限られた資源の中でございますし、また価格的にも非常に高くなるという傾向がございますので、こういった自給力を拡大する過程におきましては価格もできるだけ消費者に受け入れられるような価格水準にしていかなければならない、そのための生産性の向上というような面での努力もいろいろ必要であるというふうに考えております。
○井上(泉)委員 わが国は古来からいわゆる瑞穂の国、わが国の農業は米の生産が主体です。だから米の生産が主体であったけれども米の消費が減った、減ったことによって米が余った、こういうことになるわけですけれども、しかし他の食糧がなくなって米というものが中心になれば一挙に消費は伸びるわけです。しかし食生活の変化によっていろんな農作物の生産というものが必要ですが、その場合においても、そういう米に代替する、米にかわって自給率を高めるために麦とか大豆とかいうような穀類の生産を日本の農家に要求をするということになれば、やはりそれに相当したところの国としての、いわば経費というか予算というものが当然考えられなくてはならないと思うわけですが、そういう方向を考えて五十六年度の予算をお組みになるというようなおつもりでしょうか。
○松本(作)政府委員 過剰な米の生産から需要の大きい麦、大豆、飼料作物というふうな農産物に生産を転換していくということが自給力を上げる上でも非常に大きな課題でございますので、御案内のように現在の水田利用再編対策というのはただ単に米の生産を減らすというだけではなくて、むしろ需要のある農産物に生産を転換していくという事業でございまして、このために今年も約三千億程度の奨励金を計上いたしまして生産の転換を促進しておるわけでございますが、これらの自給力を上げるための問題につきましては生産面のみでなく価格面その他の面についても努力をいたしていく所存でございます。
○井上(泉)委員 そういう長官の言が実際的な予算の面でどうなっておるかということは、また別の場所で検討し論議すべきことだと思うわけです。 そこで、きのうも外務委員会で出たわけですけれども、いま世界的に、ソ連にいたしましても、あるいは中国にいたしましても、食糧が不作のために、小麦とか大豆とかいうものが大変暴騰しておる。そういう中で、今度は日本に対して、お隣の韓国から三十万トンとか五十万トンとかというような新しい米の要請が来ておるわけですが、これをやられるとするならば、古米でやるのか、あるいは五十五年産米でやるのか、五十四年産でやるのか、一体どっちでやりますか。
○松本(作)政府委員 先ほど申しましたように、この輸出用の米は、私どもといたしましては、五十三年産以前、特に五十二年産を中心にして出したいと考えております。
○井上(泉)委員 そうすると、諸外国に対する米の輸出については、五十三年産以降の日本の米、食糧の需給状況には影響しない、こういうことが確認できますね。
○松本(作)政府委員 そういう方向で処理をしたいと考えております。ただ、向こうとしてはなるべく新しい米をくれというような要望もありますが、私どもとしては、ただいま申しましたような方向で処理をしてまいりたいと考えております。
○井上(泉)委員 米の等級で一等になる米は余りないわけですけれども、いま五十三年産で一等米、二等米という在庫はどれくらいあるのでしょう。これはまあ事務当局で、長官わかっておれば長官。
○松本(作)政府委員 ちょっと等級別、細かいあれになりますので、いま調べてからお答えさしていただきたいと思います。
○井上(泉)委員 それでは、それが出てからのことにしたいと思うわけですけれども、いわば日本の国の歴史始まって以来の国民の主食の米の消費を拡大するということから考えて、それからまた、他の作物が高くなっていく中で、いま長官は、米の消費が昨年よりもことしの方が減退していると言うけれども、昨年よりもことしが減退するのではなしに、昨年よりもことしが上向くように米の消費を拡大するような方向に政策というものはあるべきではないか、私はこう思うわけです。 それはそれとして、次の質問をいたしたいと思うわけですが、在庫が二百万トン前後では、どうしても不安じゃないですか。大体少のうても四、五百万トンの米の在庫を持つことが、やはり一億一千万の国民の食生活を安定さすために必要でないでしょうか。私の考え方は間違うておるでしょうか。
○松本(作)政府委員 われわれといたしましても、備蓄量が多くあればあるほど国民に対して安心を与えるということでございまして、先生のお話はもっともであろうかと思いますが、ただ一方におきまして、財政負担というものが備蓄に伴って、ないしは在庫に伴って非常に大きな額になるわけでございまして、従来たまりました六百五十万トンの過剰米を処理いたしますと、非常に安い値段で処分をいたさなければなりませんし、直接の処理経費だけでも一兆四千億円、そのほかそれまでの保管経費等も加えますと、二兆四千億にも上るという計算がされておるわけでございます。こういった非常に財政負担がかかることをどうするかということがあるわけでございまして、私どもとしては、食管会計をなるべく健全に運営しなければならないという立場からいたしますと、必要最小限度の備蓄という乙とで、財政の負担もできるだけ軽くしていかなければならない。そういう面を考えますと、二カ年間不作があってもほぼしのげる在庫量ということで、全体で二百万トン、加工用を除きまして主食用で約百七十万トン程度を考えておるわけでございます。
○井上(泉)委員 食管の会計の大きな赤字とか、あるいは古米が堆積したことによって生じた問題、これはやっぱり食糧を預かる農林省としての計画性がないから結局こういう状態を招いてきて、それで大あわてになって米の生産を調整せにゃならぬ、こういうことになってくる。そして不作が伝えられると、来年の調整の反別については見直しをしなければならぬというようなことが言われる。つまり、農政が絶えず変わっていく、こういう状態が出てくるわけです。次官か大臣かがそういう話をされておったんですが、来年は生産調整の見直しを大体どの程度お考えになっておるでしょう。
○松本(作)政府委員 生産調整の見直しにつきましては、現在検討中の段階でございますが、私どもの考え方といたしましては、ことし非常に災害が大きかった農家に対しては、やはり何らかの措置をとらなければならないのではないかということを考えておるわけでございますが、これはあくまでも災害対策として考えておるわけでございます。需給上は、先ほど申しましたように、心配がないというふうに考えておりますけれども、災害対策ということで何か考える必要があるのではないかということで、現在検討をしておるところでございます。
○井上(泉)委員 そのことは、反別がどれくらいのもの、何ヘクタールくらいを生産調整の枠から緩めるというような数字的なものはまだできてないということですね。
○松本(作)政府委員 検討中でございまして、まだできておりません。
○井上(泉)委員 そこで私は、米の需給の中で、この間もここで共産党の岩佐君がモチ米のことを言っておったし、自分の周辺は二期作なんかほとんどモチ米でやっておって、モチ米はお百姓さんが皆抱えて困っておるという状態が一昨年あたりあったので、ああ、そういう状態かなと思って、高知で方々米屋をなにしますと、ことしのモチ米は、そりゃ井上さん、大変ですよ、大体一升が八百円以上しますよ。いわゆる集荷業者から小売店へ入ってくるモチ米の量が非常に少ないことが予想されるということで、直接農家へ直買いをせぬと、皆にモチ米を売ることができない、こういうことを言われておって、やっぱり都会はそういうことについては敏感な反応を示すなと思ったわけです。モチ米の需給状況というものが、この前の委員会でも言われたわけですが、一升が八百円も九百円もするような状態は、一つの思惑買いによってもたらされるのであって、モチ米の消費の問題については決して心配ない数量があるのかどうか、その点をお尋ねいたします。
○松本(作)政府委員 モチ米につきましては、結論から申しまして、私どもは需給上それほど大きな問題はない、現在起こっております、産地における価格の一部における高騰というようなものは、いわゆる投機的なものであろうというふうに考えておるわけでございます。 といいますのは、現在の需要量に対しまして集荷量の見込みが約二十二万トンございまして、この二十二万トンのほかに、全農の持っております昨年来のものが約三万トンございます。政府保管のものが約八千トンございますので、これらを加えてみれば、需要に対して十分対応できるものというふうに考えておるわけでございます。しかし、一面におきましてこのような、不足ではないかということで価格の値上がり等見られますので、これらに対しては十分に指導監督をしていきたいと考えております。
○井上(泉)委員 現実にそういう実態があるのですから、そういう思惑買いに走ってモチ米を不当につり上げるということのないように、農林省としてはもっとその辺を徹底させて、それでモチ米の不安をなくす。いまは昔と違ってそうたくさんもちはつかないけれども、五升そこらのもちをつくのにも、大体モチ米がいま八百円というのですから――きょう私が見た週刊誌では八百円が千円になるようなことも書かれておって、年末を控え、こういうことでモチ米が不足だ不足だと言ってモチ米の価格をつり上げていく、そういう状況にあることを十分認識し、また認識をされておるような答弁であったわけですから、なお一層監督指導を強めていただきたいわけですが、その点について……。
○松本(作)政府委員 私どもの方もお話しのような点を自覚しておりまして、そのような方向で十分に指導していきたい、また業界に対してもそのようなことを徹底させるようにということを申しておるところでございます。
○井上(泉)委員 この委員会にはわが党の小野君と自民党の亀井君と二人米屋さんがおるから、私は質問する前に米屋さんにいろいろ話を聞きたかったわけですけれども、その時間がなかったので、長官、これを見てください。 私は、米というものがだんだんまずいまずいという評価が出てくるということが米の消費を減らしておるのじゃないか、こう思うわけですが、自主流通米にしてもササニシキとかコシヒカリ、これは米屋から買うコシヒカリと私どもうちでつくって食べるコシヒカリとでは、コシヒカリの味が全く違うわけですと言って米屋さんに聞くと、それはコシヒカリばかりでは売れるものか、こう言うわけですが、それをコシヒカリとかササニシキというような表示で売っておることについて農林省は何ら抵抗を感じないのですか。
○松本(作)政府委員 ただいまの御指摘は、米の末端における品質が内容について十分消費者に理解されるようになっておらないのではないかということであろうかと思います。 私どもといたしましても、従来からそのような点につきましては表示いたしまして指導をしてきたわけでございます。ただ、いままでの表示でございますと必ずしも原料構成がどうなっておるか。ただいま御指摘がありましたように、ササニシキといってササニシキだけではなくてほかの米も入っておるというようなことも考えられますので、この原料構成を明確にするような表示ということにしたいということで今年度からそのような準備をいたしてきておりまして、すでに東京では九月、大阪では八月からそういった原料内容を表示したところの明確なものを店頭に出しておるわけでございます。 具体的に申しますと、たとえば内地米につきましても一、二、三というような区分をいたしまして、内地米の一につきましては主として自主流通米によるもの、二につきましては主として政府米の一、二類によるもの、三につきましてはいわゆる標準価格米等の三類以下によるものというふうにいたしましたほか、それぞれにつきましてA、B、C、Dと分けまして、ただいま御指摘がありました自主流通米につきましても、Aは全部自主流通米の一類でございます。Bは自主流通米のうち一類が五〇%以上で二類が五〇%以下というふうに内容が明確にわかるような形の表示をさせることにいたしまして、全国的にも今度の米穀年度、十一月から全部このような形にすることにしたところでございます。
○井上(泉)委員 この自主流通米の価格が十一月から四千四百円が四千七百円に上がる、それから自主流通米でない内地の上が四千二百二十円が四千三百九十円というように私が調べた米屋さんでは米が値上がりをしておるわけですが、このことは承知をしていますか。
○松本(作)政府委員 自主流通米につきましては、御案内のように生産者団体と実需者の卸売業者の間で建て値協定をいたしまして、その結果に基づいて小売価格の変動があるわけでございます。しかもその内容は、品種、銘柄別にそれぞれ異なっておるわけでございます。 今年の事情につきましては、この生産者団体と卸売業者との建て値自体が上がってきております。十キロにいたしまして百六十円から百十円というような形で上がってきておりますので、このように上がった結果が消費者価格にも反映されてきておるという事情がございます。
○井上(泉)委員 そのことは、値上がりをしておる、こういうことになるわけですが、その自主流通米の品種、銘柄等についても、やはりササニシキならササニシキ、それにどういう銘柄を何ぼまぜておるか。お手元に差し上げた自主流通米が単一の銘柄でないことは、専門家であるあなたが見られたらわかると私は思うわけですが、それを分析しようと思って、米の専門家に、これは大体何%混入しておるか、こう言うと、およそ見たところで、かなりの数字が入っておると思うけれども、精白をしたら、もうなかなか識別が困難だ、こう言うわけですが、これは精白したら、その識別は困難なものでしょうか。
○松本(作)政府委員 これは専門家に言わしましても、精白をした段階では明確に何%入っているということまではなかなかわかりにくいという事情はあるようでございます。したがいまして、私どもといたしまして、先ほど申しましたように、原料構成を明確にいたしますために、できるだけ大型搗精場におきましてこの原料がどういう割合で入っているかということを食糧事務所の職員等がチェックをいたしまして、そのようないわゆる原料をまぜる段階でできるだけ明確な原料構成割合にしていきたいと考えておるところでございます。
○井上(泉)委員 自主流通米にしても、たとえば水晶米だとか光米だとか言って、米の品種にない銘柄の表示というか、米の種類を表示をしておるわけですけれども、こういうことは不当表示もはなはだしいわけですが、現実に水晶米とかいうものがあるのですか。
○松本(作)政府委員 米も商品として流通しておるわけでございますので、先ほど御指摘がありました消費拡大というようなこともございまして、各業界におきまして自分のいわゆるブランドをつくりまして、そのブランドによって販売をするということが行われております。私どもとしても、これ自体はいけないことであるとは考えておりません。ただ、そういった商品イメージアップとともに、先ほど申しましたように具体的にどのような構成の原料になっておるかということを明確にさせるということを並行して行う必要があるだろうということで指導をしておるわけでございます。
○井上(泉)委員 自主流通米では、いわゆるササニシキ、コシヒカリというものとそれ以外の米との混合率というものが平均して大体どれくらいあると、農林省ですから当然調査をされたと思うわけですが、その調査をした内容等わかっておればお知らせ願いたいのです。
○松本(作)政府委員 私どもといたしまして、先ほど申しましたように、表示のさせ方でございますが、自主流通米を中心といたしました内地米一につきまして、Aは自主流通米の一類が一〇〇%以上、Bは一類が五〇%以上、二類が五〇%以下、Cは二類が五〇%以上で一類が五〇%以下、Dはいわゆる二類だけが一〇〇%というふうにしておるわけでございますが、内地米二の自主流通米とそれらのものがまざったものにつきましても、二のAにつきましては自主流通米が四〇%以下、Bにつきましては自主流通米四〇%以下のほかに一類が五〇%以上で二類が五〇%以下、Cにつきましては自主流通米が四〇%以下に二類が五〇%以上、一類が五〇%以下というふうに細かく一応分類をさせるようにしておりますので、画一的に何%ずつであるかということは言いかねるわけでございますが、そういった割合に応じた表示を徹底させていきたいと考えております。
○井上(泉)委員 そういう割合に応じた表示をすれば勢い価格が違わなければいかぬわけでしょう。そうなるでしょう。
○松本(作)政府委員 当然でございまして、その割合に応じた変化を価格にも織り込ませるということでございまして、たとえばいま申しました内地米の一でございますと平均四千五百円程度、二でございますと平均四千円程度というようなことでございますが、それぞれABCDによって適正な価格をつけるように指導しておるところでございます。
○井上(泉)委員 指導をしておるでしょうけれども、実際こう店頭で販売しておるのに、自主流通米の価格は私が調べた範囲ではもう単一である、これは十数軒調べたのですけれども全部単一です。その指導はいつから始めてそういう状態を、いわば表示とかあるいは価格、そういうようなものをいつから実施さすつもりなのでしょう。
○松本(作)政府委員 実はこの原料構成を表示させる問題につきましては業界の間でもいろいろ議論があったところでございますが、先ほど来の御指摘のような趣旨もございまして、われわれとしてはぜひ実行してもらいたいということで協力を要請しました結果、今年度から実施できることになったわけでございまして、全国的にはことしの十一月からはどこでもそういうふうになったというような状況でございます。
○井上(泉)委員 生産者の側もせっかくいい米をつくったのに、卸売業者なりどこでどうされるかわからぬわけですけれども、わかってはおると思うけれども、どこでどうされるかわからぬ中で、せっかくコシヒカリで消費を伸ばしてもらおうと思っても、コシヒカリに対して内地米の一等米ならともかくも徳用米まで入れてつくってやると勢い消費者が米離れをしてくるわけで、この点はうまい米をつくって米の消費を拡大していこう、そしていい米をつくろうとする農民の意思と、うまい米なら食べよう、やはり米が一番いい、こう思う生産者と消費者の気持ちは一緒だと思う。流通機構の中における利潤を追求していく商人としての特有な性格が、そういう一緒の気持ちを離していく結果をもたらしておるではないか、こういうふうに思うわけです。 そこで、米をどんどん上げた、上げたからひとつ安い米を消費者に提供するために、政府が非常に善政のような顔をして徳用米制度を設けた。ところが、私が回った米屋さんで徳用米があるという米屋は一軒もない、これは一体どういう現象でしょう。
○松本(作)政府委員 実は徳用米は陸稲を原料としておる米でございますが、この陸稲のウルチというのがほとんど生産をされておりませんで、全国的に約二百トン程度にすぎないわけでございます。したがいまして、この徳用米というのはほとんど売られておらないという実態は確かにございます。 ただ、徳用上米というものはいわゆる三等玄米を原料としたものでございまして、これはある程度販売されておるわけでございますが、これも原料の限りがありますので、全体の四%程度の販売になっております。ただ、実態といたしますと、この徳用上米もなかなか消費者が好まないということもございまして、食堂、工場というような大口需要者に主として提供されておるというのが実態でございます。
○井上(泉)委員 大口需要者に提供されて、一般国民に安い米が行き渡らぬ。 そこで、私はこの前段に五十三年米の一等米、二等米がどれだけ残っておるかということをお尋ねしたわけですが、それも御調査なさったでしょうか。
○松本(作)政府委員 約六割が一等でございまして、四割が二等でございます。
○井上(泉)委員 五十三年産米に限って言うならば、在庫の六割が一等で二等が四割、こういうことですね。
○松本(作)政府委員 そのとおりでございます。
○井上(泉)委員 そこで、これは農林省の方で資料があれば私はお尋ねしたいと思うわけですが、たとえば高知県で米の検査をずっとやったわけです。その米は各県別に統計が出ておると思うわけですが、一等米がどれくらいあって、二等米がどれくらいあってという数量はわかっておるでしょうか。
○松本(作)政府委員 わかっておるはずでございますが、ちょっと県別のものは持っておりませんので、至急調べさせます。
○井上(泉)委員 それでは、一等米と二等米は全国的に見てどうですか。
○松本(作)政府委員 全国的に見ますと、一等が五十三年産米で六四%、五十四年産米で六二%、それから二等が五十三年産米で三二%、五十四年産米で三〇%、三等が五十三年産米で三%、五十四年産米で六%でございます。
○井上(泉)委員 それからあとは全部等外だから買い上げの対象にならぬ、こういうことでしょう。
○松本(作)政府委員 買い上げの対象にはなりますけれども、ほとんどネグリジブルでございます。
○井上(泉)委員 そこで、五十三年産米は一等米が六四%もあり、それから二等米がが三二%あるということなら、こういう五十三年米というようなものを、それだけ徳用米というものがないのですから、五十三年米の一等米とか二等米とかいうようなものを精白して徳用米として出していこうというような、一等米だったら五十三年米はいまの保存から言えばそう品質は違うてない、こう思うわけですが、五十三年産米をこの徳用米で出すとかいうようなことをお考えになったことはないですか。お考えになったらどうですか。
○松本(作)政府委員 先ほど申しましたように、徳用米はいわゆる陸稲を対象にいたしておりますし、徳用上米は三等玄米としておるわけでございますが、これらのものにつきましては原料が限られておりますので、ただいま御指摘がありましたように、一般的に安定的な価格で供給するために三類米を中心といたしまして標準価格米を出しておるわけでございまして、標準価格米につきましては価格の指導もいたしまして、できるだけ一般的に安定した供給を心がけておるところでございます。
○井上(泉)委員 標準価格米はそういうふうにしてやっておるが、徳用米というようなさも善政がましいことは、徳用米はもうありませんということを店頭へでも表示をしておかぬと、消費者が政府が徳用米制度を設けておるから安い米を買いに行こうと思ったらない、こういうことですから、私はそういうような紛らわしいインチキはやめてもらいたい、こう思うわけですが、標準米はことしの米穀年度、十一月値上げはせずに、いまの三千百六十五円ですか、これで置くのですか。
○松本(作)政府委員 消費者米価の値上げの問題につきましては、食管会計のあり方、また従来から逆ざや是正の方針というようなこともあるわけでございますが、一方におきまして最近の需給事情というようなこともございますので、私どものところは当面は考えておらないわけでございます。
○井上(泉)委員 そこで、自主流通米が、いわゆるササニシキの中に標準米あるいは内地米の上とか中とかいうようなものが相当数量混入されてササニシキでございますということで一升六百五十円、十キロで四千五百円というような価格で販売されておるということは長官もお認めになっておるわけです。そういう表示を十一月からきちっとさすという方針なんで、それは結構なことで、消費者保護のためには当然そうあるべきであるし、米に対する不安、不満をなくするためには必要ですが、ビールでもそれに対する表示、成分のなにがある、かんジュースでも成分のなにがある、ところが一番肝心な主食である米がそのまま水晶米だとか、何米だとかいうような形で、実際の中の米の品種がどういうものが入っているかということが表示されてないわけですが、公取はこういうふうなことについて検討なさったことがあるでしょうか。
○劔持政府委員 公正取引委員会の方では、一般に不当景品類及び不当表示防止法によりまして不当な表示の禁止について必要な措置をとっておるわけでございますが、ただいま問題になっております米の銘柄等につきましては、この表示について農林水産省の方で非常にきめの細かい基準をお決めになって指導しておられるようでございますので、公正取引委員会といたしましても、その指導なり規制なりに期待してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○井上(泉)委員 これは全く不当な表示で、たとえば水晶米だという米はない、光米だという米はない、ないけれども、これは明らかにそうなっている。ところが、いまも長官の言ったような一つのブランドとしてのいわばごれでやるぞという商品名を出すことによって商品価値を宣伝する。商品を宣伝するためにやっておるということはわかるけれども、それはそれでもやはり消費者は、水晶米だという米があるかな、こう思うわけですから、米の品種というものは不当表示も何も全く表示がないのですから、表示のないものに表示をすべきではないかというような注意なり何なり、公正取引委員会か何かではできないのでしょうか。
○松本(作)政府委員 ちょっと私の方から補足して御説明いたしますが、先ほど申しました表示の内容につきましては、私どもで指導しておりますのは、袋の前面に明確にわかるようにということで指導をしておりまして、そういうふうになっておりますので、ただいまお話がありましたようにそういう表示がわからないのではないかということがないように、私どもとして指導をしておるわけでございます。
○井上(泉)委員 食糧事務所の機構は全国にあるわけですが、十一月からそういう指導をなさっておるということですけれども、お米屋さんはそういう話は聞いてないのか、そういう話は全然まだ伝わってないわけです。これは卸売業者に言うておるのですか、それとも農協とか集荷業者とかいうようなものに言うておるのか、そういうことをどこへおろしておるのですか。
○松本(作)政府委員 これはあくまでも消費者にわかってもらう表示でございますから、直接消費者に販売をする小売業界の段階でそのような表示の徹底をしていただいておるわけでございまして、各小売業界ともこのような指導の趣旨については、現時点では十分に理解をしておるというふうに考えております。
○井上(泉)委員 十一月に入ってから、きょうが六日ですから、十一月からそういうことをした、それはよくわかっておる、こう言いましても、いま東京のお米屋さんに昼休みにでも行ってごらんになっても、そういう表示はしていないと私は思う。自主流通米、ササニシキでございますといって売っておるけれども、その中身はササニシキではないわけです。長官は、そういうふうにやっておるから末端はずっとできておる、こう思っているかもしれないけれども、末端はできていないのです。食糧庁の優秀なスタッフがずっと末端にもおるのですから、この指導を徹底さすような措置をぜひとってもらいたい、こういうふうに思うわけですが、どうでしょう。
○松本(作)政府委員 従来もやってきたつもりでございますが、ただいまの御指摘もございましたので、十分その指導を徹底させてまいりたいと考えております。
○井上(泉)委員 私たちは末端の消費者、生産者の中におるわけで、あなたたちは上におって、米が余ったらどうする、足らなかったらどうするというようなことでいろいろ策をお考えになっておるわけですが、農林省のそういう食糧行政というものが末端に十分行き渡るように、いまの長官のお言葉を信頼をして、米に対する消費者の苦情を一掃するようにしてもらいたいと同時に、生産者がせっかくうまい米をつくっても、そこに集荷業者なりあるいは販売業者がいろいろなものを混合してやることによってその米がまずい米になってしまう。自分のところでつくったササニシキなら、朝炊いて晩になっても米のばらつきというものはほとんどないけれども、店屋から買ったササニシキだったら、朝炊いてその晩に食おうと思うとばらばらしておるというのが今日市販をされておる銘柄米の実態であるということ、これを私は食糧行政を担当しておる者としては認識をしておってもらいたいと思う。そういうことのないように指導をしてもらいたい。そうしないと、食糧事務所の定員が多いから削減しろとか――これは大事な国民の食糧を管理をしておる行政官ですから、そういう世話やきというか、そういうことも行き渡るような行政のあり方を立ててもらいたいということと、そしてまた、指導をしてもそれをなかなかやらない、いわゆる不当表示――不当表示ならいいけれども、表示のない米を販売しているというものについては、これは公取の取り締まりの対象なり指導の対象なり何なりにすべきだと私は思うわけなので、前段申し上げた、つまり消費者、生産者の米に対する悩みを解消する措置についての食糧庁長官としてのお気持ちを聞かせていただき、公取委としてもそういう不当表示を――不当表示でも何でもない、不当な表示もないような、そういうものについては厳正な指導をする、こういう措置をとってもらいたいわけで、その点を御答弁願って私の質問を終わりたいと思います。
○松本(作)政府委員 ただいま米の品質確保、それによって消費者の米に対する信頼をつなぐということについていろいろ御指摘がございましたので、私どもといたしましてはぜひとも食糧事務所の力を動員いたしましてこれに出たっていきたい。なお、この指導につきましては都道府県と協力をしてやることになっておりまして、都道府県とも協力をしてこの仕事を進めてまいりたいと考えております。
○劔持政府委員 米の品質につきまして一般消費者に著しく優良であるというふうに誤認されるような表示がありました場合には、具体的なケースに応じまして必要な措置をとってまいりたいというふうに思っておりますが、ただ、先生最後におっしゃいました表示のない米云々という問題でございますが、これは実は法律の適用上、そういったものをどういうふうに景表法を適用していくかという問題がございますので、そこら辺につきましては、その適用の方法等も含めまして検討させていただきたいというふうに考えております。
○井上(泉)委員 きょうは食糧庁長官においでを願っていろいろと御質問を申し上げたわけですが、何といっても米は私どもの民族食糧であるし、そして日本の農業を支える中心的な農産物でありますので、今後なお一層御奮闘を願って、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○武部委員長代理 塩田晋君。
○塩田委員 物価対策の基本問題につきまして、経済企画庁の調整局長、物価局長その他関係局長にお伺いいたします。 物価というものは、経済政策の中における最も重要な指標であるということは当然でございますが、消費者物価は国民生活に直接大きな影響を及ぼすものであるということ。そしてまた、卸売物価につきましても、国際的な貿易上の競争力という点につきましての大きな問題であり、また消費者物価に対する、その背後にあるものとしての卸売物価への大きな影響力を持っておるものでございまして、この物価につきまして、経済政策の中で物価対策をどのように位置づけておられるかということにつきまして、調整局長からお伺いしたいと思います。
○廣江政府委員 お答えいたします。 本年度の経済運営の基本的な態度につきましては、年の初めに閣議決定をいたします「経済見通しと経済運営の基本的態度」の中に述べられておるわけでございますが、物価につきましては、経済運営をいたします場合、並びに国民生活の基本として一番ベースにあるものという認識をいたしております。物価が安定をして初めて国民生活も安定をいたしますし、経済運営も円滑に実行できるというふうに考えています。そういう考えにのっとりまして、去る九月五日に行いました経済対策閣僚会議におきましても、そういうことを踏まえまして物価の安定を基本にし、かつ景気の安定を図るという姿勢を明らかにいたしております。
○塩田委員 物価局長、いかがでありますか。
○藤井(直)政府委員 いま廣江審議官からお答えしたとおりでございまして、私どもとしても物価の安定を図ることによってこれが景気の持続にもつながる、経済の安定的成長にもつながるという認識で、現在物価対策をやっておるところでございます。
○塩田委員 物価の安定がいかに一国の経済運営の中で大事かということについては、認識を同じくするものだと思います。これはいままでの質疑応答を通じましても、雷葉の上では確かにそういうことを言われるわけでございますが、実際、私はそんなに重点的にやっておられるのかということを常に疑問を感ずるわけでございます。社会主義国におきましても、物価問題のために暴動が起こるように事態もあるわけでございますし、物価問題というものは本当に政治の命取りになるということは、昨日のアメリカの大統領選挙におきましても、強い米国のレーガンが勝ち、弱い米国のカーターが負けたということでございますけれども、国内的にはやはり物価問題、アメリカにおきましての物価の異常な上界、これが弱いカーターの命取りになったんじゃないかと思いますし、また、レーガンもいかに強い米国といいましても、国内的な物価問題は、そう簡単に片づく問題じゃない。これに当分頭を悩まし、取り組まざるを得ないだろうと思うのでございます。 この物価というものを基本的に見る場合に、いまの日本の状況は、いままでにも議論されましたように、消費者物価も卸売物価もともに相当な上昇をしておる。政府の見通しの本年度の六・四%についてもなかなか達成が容易でないという状況下にあるわけでございますけれども、これが一方消費者、家計の上では実質消費水準の対前年比マイナス、賃金労働者につきましては、実質賃金のマイナスという事態を起こしておるわけでございます。実質国民総生産、いわゆる成長率はふえておる。言うならば国民の働きによって、総力を挙げて日本の経済はパイが大きくなってきておる。パイが大きくなっておるにかかわらず、国民の受け取るもの、賃金労働者の受け取るものは、対前年度比で少なくなっておる。しぼんでおる。このいかにもパイが大きくなったのに取り分が小さいという、この関係の中に何が介在しているか。これは端的に言いますと、物価の上昇によってこういう事態が起こっておるわけです。この事態を重視しなければならない。国民生活の立場からも、政治の大きな問題点として重視しなければならない。この点について以下いろいろとお伺いしたいわけでございます。 まず、日本の卸売物価の最近の動向、対前月比、対前年同月比等による動向、それから消費者物価についても同じく、それの現段階における状況をいかに評価しておられるか、どのように見ておられるか、今後の見通しも含めてお伺いしたいと思います。
○藤井(直)政府委員 まず卸売物価でございますが、卸売物価につきましては、御承知のとおりことしの四月まで毎月二%台の上昇を、特に本年に入ってでございますがいたしまして、前年同月比も四月には二四%ということになったわけでございます。 〔武部委員長代理退席、委員長着席〕 その後の動きを見ますと、円レートの上昇傾向、それから海外での商品市況の落ちつき等も反映いたしまして、前月比が五月、六月とマイナスになりました。また、七月、八月には円レートが円安になったこともありましてプラス。九月にはまたマイナスになりまして、九月の前月比はマイナス〇・三%でございます。十月に入りましても、上旬、中旬と前月比がややマイナスという状況が続いておりまして、前年同月比もいまでは一三・三%という状況になっております。一三・三%というのは十月中旬の数字でございます。卸売物価が鎮静化してきているという状況は、先ほども申し上げましたが、円レートの動きと海外商品市況の動き、さらに国内の需給緩和による価格の安定、そういうものが重なり合って出てきたものでございますが、私どもとしては、今後とも毎月の動きというのは落ちついたものになっていくのではなかろうか、その結果、前年同月比の方も逐月低下していくというふうに考えております。一言で言いまして、卸売物価についてはかなり落ちついた状況にあるということではなかろうかと思います。それから、卸売物価の中でも消費者物価に関係いたします消費財の方の動きが問題になりますが、これにつきましては、特に七月以降前月比が従来に比べて大きく鈍化してきておりまして、その傾向が現在も続いております。 そこで、消費者物価でございますが、消費者物価につきましては、ことしの二月以来八%台の上昇が続いております。一時期七月に七・七%という水準になったことがございますが、その他は八%台ということでございます。そのような上昇率を示してきた理由として申し上げますと、一つは、第二次石油危機の影響でそれが末端の商品に波及してきたということがございますのと、公共料金につきまして、電気、ガス料金もやはり石油価格の上昇の影響で四月以降上がっているということがございます。それから、この夏には野菜価格が冷夏等の影響によって大きく上界したということがございまして、最近時点で見ますと、九月の全国の数字が八・九%ということになったわけでございます。しかしながら、十月になりましてからは、異常気象によって上がっていた野菜価格が大幅に下落した。これは冷夏等の後遺症がなくなったということによりまして、順調な作柄でありました野菜価格が通常の状況になったということでございますが、そういうこともありまして、前年回月比は六・八%ということになっております。全体の動きとしてはこれまでと変わった状況になっております。ただ、季節商品を除く総合のような数字について見ますと、十月の東京では八・四%ということでございますから、なお高い水準にあるということは私どもも承知いたしております。 そこで、今後の問題といたしましては、このように季節商品の影響が非常に大きいものでございますから、秋冬野菜についてはできるだけ作付面積を多くして供給を確保していこうということで、これまでも農林水産省で指導してきておられるわけですが、そういう状況で推移いたしますれば、野菜価格を中心としてかなり落ちついた状況が続くのではなかろうかということでございますし、また、異常な状況になりましたときの対策としてもこの九月にいろいろな手を打っているわけでございます。それから、春節商品を除く総合の方でございますが、これにつきましては、卸売物価からの影響というのは漸次鈍化してまいりますので、こういう落ちついた傾向を定着させるという意味で、先般も物価担当官会議で十四項目の対策をとりましたけれども、そういう対策をとることによってその方向に進めるように努力したいと考えております。もちろん公共料金につきましても個別の取り扱いに当たっては厳しく査定をするという考え方でございます。そういう努力を通じまして、前年同月比が漸次低下していくということを目指しているわけでございまして、今後ともこの対策について全力を挙げていきたいと考えております。
○塩田委員 ただいま、卸売物価、消費者物価ともに今年の前半急上昇してきておったところ、最近月において落ちつきの傾向を見せているという御説明があったわけでございます。これは、対前月比で見た場合に確かに落ちついてきておるということは言えると思いますけれども、対前年比で見ますと、これはかなりの高原状態。卸売物価につきましては一五%前後という状態になっておりますし、消費者物価につきましても八%を超える状況が続いておるわけでございまして、今後落ちついていくとしましても、その高原状態の根っこは変わらない状況でございまして、これは非常に重大な問題であると思います。御承知のとおり名目賃金が、春闘ベースアップが六、七%といったところで解決しておる中におきまして、それを上回る消費者物価、そしてまたもっとその奥には卸売物価のより大きな上昇がある。根っこにそのような物価高という非常に大きなものがある。この原因についてはいまおっしゃったことに尽きるとは思いますけれども、そういった問題があるということ、これは非常に重大な事態であると私は認識いたしておるのでありますが、いかがでございますか。
○藤井(直)政府委員 名目賃金と物価との関係で現在実質賃金がマイナスの状況が続いているということにつきましては、私どもとしても、物価の前年同月上昇率を低めていくことによって何とか早く回復をしていきたいと考えているわけでございます。そのために現在、やってまいりました物価対策をさらに一層強化していこうというふうにして、先般の物価担当官会議の対策も決めたわけでございます。その名目賃金が非常に穏やかにことしの春闘においても決まったということが日本経済の非常にいい姿をもたらした大きな原因であるということについて、この点についての関係者の御努力に対しては深く敬意を表しているわけでございます。そういう点も考えまして、物価対策には一層努力をしていきたいと考えているところでございます。
○塩田委員 そこで目を外に転じまして、海外の状況、消費者物価と卸売物価の状況、主要欧米諸国の状況につきまして、これも毎月の動きは、ほとんど上がっておることはわかるのですが、対前年ベースでどのような状況になっておるか御説明願いたい。
○田中(誠)政府委員 欧米先進工業国の物価の動向でございますが、総じて見ますと落ちつきの傾向が見え始めているのではないかと思われるわけでございます。 まずアメリカでございますが、卸売物価につきましては、何分にも熱波等の天候不順の影響がございましたので、なお高水準でございます。最近九月の指標を見ますと、前年比で一二・八%という状況にございます。他方消費者物価でございますが、ことしの四―六月期が前年同期比で一四%という高い水準にございましたが、その後落ちつきを見せておりまして、ことしの九月には前年比で一二・七%、一三%を切る状況にございます。 他方ヨーロッパでございますが、イタリアが依然として根強い物価の騰勢を続けておりますほかは、総じて申しますと、春ごろから消費者物価、卸売物価とも落ちついてきているという状況かと思われます。イギリスが卸売物価で見ますと、九月が前年比一四・八%でございますし、あるいはフランスは工業用原材料半製品ということで、若干感じが異なりますが、五・八%、一ころに比べますと落ちついておるということでございます。しかしイタリアは例外でございまして、卸売物価は八月に若干の落ちつきを見せたものの、なお一九%前年を上回るという水準にございます。 他方、消費者物価の面で見ますと、かなりの落ちつきが見られまして、特に西ドイツは、このところ五%をちょっと上回るという水準で推移しているわけでございます。一ころ二〇%を超えましたイギリスが九月で一五・九%でございますし、フランスも一四%を切るという水準にございます。しかし、何分にもイタリアはここのところリラが弱くなっているといったような事情もございまして、なお前年を二一%上回る水準で推移しておるわけでございます。しかし全体として見ますと、今後、世界的な天候不順等もございまして食料品価格がどういうふうに動いていくかといった問題、石油価格の推移等の問題がございますが、そういったものを除いて総じて見ますと、落ちつきの傾向が見られ始めたのではないかというふうに見ておるわけでございます。
○塩田委員 いま、欧米主要諸国についての卸売物価、消費者物価の御説明があったわけでございますが、総じて見ますと、西ドイツを除いては、日本よりもおおむね卸売物価、消費者物価ともに対前年比の水準が高いという状況が出ておると思います。 しかし、卸売物価についての上昇は欧米諸国とほとんど変わらない状況でございますが、消費者物価については、西ドイツの五・二を除いては、八・九という日本の場合はまあまあ中位になっておると言えると思います。英国、米国ともに一〇%を大きく上回る、イタリアに至っては二〇%近いという説明もございましたが、非常に大きなものでございますが、卸売物価の上昇が各国ともにそう変わらない、日本の水準とそう変わらないのに、日本の消費者物価が、欧米主要国、まあドイツを除いてわりかた中位というか一〇%を切っておる状況、これはどういう原因でございますか。
○田中(誠)政府委員 まず卸売物価の点でございますけれども、わが国の場合には、輸入品を含みまして先ほど物価局長から申し上げたような数字でございますが、国内工業品で言いますと、八月が前年比で一四・八%でございますし、十月に入りますと前年比が一二%程度に落ちついておるわけでございます。アメリカはおおむね一二・八%でございますが、これは完成品でございまして、完成品の場合には、わが国は七・五%ということでございます。国内工業品で比較いたしますと、イギリスが一四・八%、西ドイツが六・七%、いずれも九月の水準でございます。何と申しましても、西ドイツの場合には国内工業品でもかなり落ちつきを見ているわけでございますが、これはマルクが、ここのところちょっと弱くなっておりますが、マルク高が続いたという事情が一つございます。もう一つには、石油製品のウエートが比較的日本に比べますと低いわけでございまして、大体二〇%を切る水準でございます。そういったところから、西ドイツはわが国に比べますと若干低くなっておるわけでございます。したがって、消費者物価と卸売物価の関係は、卸売物価の半分ほどがいわゆる消費財でございまして、消費財価格がここのところ落ちついてきているという点が一つございます。と同時に、サービス価格の主体をなします賃金が国際的に見ますとわりあい落ちついているという状況があろうかと思います。一方、公共料金も比較的抑制的に推移したといったような事情がございまして、国際的に見ますと落ちついた状況にあるというふうに考えております。
○塩田委員 これは成長率あるいは産業構造の問題、貿易構造の問題等、それぞれ各国で違いますから一概には言えないと思いますけれども、西ドイツがいま言われましたようないろいろな要因で卸売物価、消費者物価ともに非常に抑えぎみで進んでおると思います。私は、お伺いしておりました数字的な問題もさることながら、卸売物価が各国並みに対前年比が高いのに、消費者物価が西ドイツを除いて日本の場合は九%までというところ、そこの事情を説明していただきたいと思います。
○藤井(直)政府委員 いま調査局長が答弁いたしましたのは、卸売物価が表面上非常に高いということで御指摘があったのに対して、卸売物価の中でも同じ基準で比較をしてみますと、卸売物価自体も日本はかなり落ちついているということを申し上げたわけでございます。 その一つの例として、アメリカとの関係でいいますと、日本の方は卸売物価が発表されているのは九月で一五・五%でございますが、完成品で見ますと七・五%だということでございます。アメリカの方は全体が一三・三%ということで日本より低いのですが、完成品は一二・八%ということですから、卸売物価自体の中でも完成品の段階はかなり落ちついているということが言えるわけでございます。 その理由といたしましては、日本の産業の生産性の向上の率が非常に高い。それは設備投資が盛んに行われているということ等もありましたり、労働力の質も高いということがあるかと思いますが、生産性の向上の度合いが高いということがございます。 もう一つは、賃金決定が非常に穏やかであるということでございまして、この関係で単位賃金コストは日本の場合はむしろマイナスになっているということもございます。こういうのは、まず卸売物価の段階でも、それを抑える十分な力を持っているわけでございます。それがまた消費者価格に及んでいく場合には、当然のことながら、その完成品が落ちついているということが消費者物価の商品にあらわれてくるわけでございますし、またサービスの面でも、特にサービスのウエートは消費者物価の中ではかなり高いわけですが、賃金が落ちついているということは、やはりそれを押し上げる度合いを低めるということにもなるわけでございますから、そういう意味で、この生産性の向上、賃金の穏やかな決定というようなことは、物価の面で、日本の物価を他の国に比較して上昇率を低くとどめているという原因ではないかと思います。 そのほかに、日本の場合は他の国に比べて成長の度合いも非常に高いわけですから、いわば生産の増加も高い、したがって売り上げも高いということですから、その面から固定費負担の軽減というような形でコストの低下を招くことができるということもございますし、それから、ここ二、三年来、省エネルギーの努力というものが非常に大きく行われておりますので、そういう点もある程度石油価格の上昇を吸収する効果を持っているわけでございます。そのような点が重なり合った形で現在の物価の状況が出てきているのではないかというふうに考えております。
○塩田委員 いまの点は了解いたしました。 経済政策の中で企画庁が取り組んでおられる各種の計画でございますが、短期のものについては、計画というか、見通しというか、目標というような形で出ておると思いますけれども、毎年度の経済運営の基本方針の中に明らかにされております。それから長期のものについては、昭和三十五年度の国民所得倍増計画を初めといたしまして、たびたび政府において中長期の計画が策定されておりまして、いま生きておりますのは新経済社会七カ年計画ということでございます。この中における物価の計画ですね。見通しとまた目標となっているのがありますが、今年度については御承知のとおり六・四%、七カ年計画におきましては五%程度ということになっておりますが、この数字の意味をどのように評価し、認識しておられるか、関係の局長にお伺いします。
○廣江政府委員 経済見通しに関連いたしましてお答えをいたします。 経済見通し自体は、毎年の予算編成と一体をなすものとしまして経済運営の基本的態度とともに公表いたしております。経済見通しは、その際経済運営上のガイドポストとしての経済の枠組みを示し、かつ政策発動上の基準としての意味を持っておるわけでございます。ことしの経済運営の基本的態度の中におきましても述べておりますが、「我が国経済は民間活動がその主体をなす市場経済である」、また国際環境等の変化には予見しがたい要素が多々あるわけでございますが、その中におきましてわれわれの示します経済見通し、経済運営の基本方針に示します見通しは、それぞれ見通しという基本的な性格を持っておりますが、多少それぞれの数値には性格上の差異があります。 いまお尋ねになりました物価の目標はそれではどういうことかということでございますが、物価につきましては、ことしの経済見通しにおきましては「物価については、卸売物価は、原油価格上昇の影響等により依然相当程度の上昇が続くものの、前年度に比して上昇率は鈍化し、前年度比九・三%程度の上昇と見込まれる。消費者物価は、卸売物価上昇の波及等により、前年度比六・四%程度の上昇になるものと見込まれる。」というふうに見込んでおりますが、この数字は非常に国民生活の基本でもございますし、経済政策運営に非常に重要な要素でもございまして、見込みではありますが、この目安数値は年度を通じまして達成すべき基本的な方向を示すものだと了解いたしております。
○白井政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、新経済社会七カ年計画におきましては、消費者物価の上昇率を大体五%程度、それから卸売物価につきましては、原油価格の上昇等を考慮して五十四年度フォローアップにおきまして五%程度と見込んでおります。 先生御承知のように、わが国経済の計画の持つ性格というのは市場経済を前提としております。したがって、ある面におきましては非常に指示的な計画になっております。その中におきまして極力やはり物価の安定に配慮していくというのが中長期経済運営の基本でございまして、計画におきまして、五つの目標の一つとして完全雇用の達成と物価の安定ということを強調しております。ただ、計画期間中におきまして、物価上昇要因に、内外情勢が非常に厳しいものですから直面する要素が多いということでございまして、一つはやはり、海外における原燃料価格の不安定性の問題、それから経済成長率が、四十年代のオイルショック以前に比べますと安定成長路線と申しますか、五%台になってくるということに伴う生産性上昇の鈍化、あるいは財政におきます国債の大量発行に伴うマネーサプライの増加の危険性あるいは産業構造のサービス化に伴うところの物価上昇圧力の増大、こういうことをもろもろ考慮いたしまして、できるだけ物価安定対策を推進して、目安数値といたしまして計画期間中消費者物価五%程度に抑える、こういうことが計画の内容でございます。
○塩田委員 わが国経済の基本構造が自由競争、市場の経済を前提にしておる、その基盤の上に政策を行っているということ、これが基本でございますから勢い計画の持つ数字の意味もそのようになろうかと思います。 ところで、これは単にハンドワークとかあるいは過去の実績だけを見て目標を設定されたものではなくして、各経済ファクターの相互依存関係、相互の調整、そういったものが行われ、あるいは近代経済学の手法を用いたモデル分析等が行われた結果このような数値になっていると見てよろしいですか。
○白井政府委員 六十年度の日本経済の姿を計画で描いておるわけでございますが、これを描くに当たりましては中期多部門モデルというモデルを使いましてシミュレーションをやっております。そういう関係におきまして経済諸要素の関係におきましては十分整合性のとれた数値になっているへかように考えております。
○塩田委員 この経済計画を政府が大胆に押し出されることによりまして非常な影響があったと思います。政治の面におきましても、野党が計画フィーバーといいますか、計画に非常に関心を持つで、その土俵の中で議論するようになった、各政策の整合性というものを問題にするようになった大きな契機になったと思います。 ところで、コンピューターが泣いているというような表現で、政治的な配慮を加えて目標数字をいじったりしているようなことがあるやに聞きますけれども、そういう点はいかがでございますか。
○白井政府委員 恣意的に数値のつじつま合わせということはやっておりません。ただ御承知のようにモデルが二千五百本ございまして、それにつきましては、外生変数の入れ方によりまして、たとえば今後の石油価格の上昇率をどう見るか、これによりましてそのシミュレーションが違ってきますかち、そういう関係において数値の違いというのはある程度出てくると思いますけれども、数値のつじつま合わせということはやっておるつもりはございません。
○塩田委員 そのようなことのないようにぜひともお願いいたします。 ところで物価への影響、コンピューター等はじいていろいろやられるのでしょうが、分析されるのでしょうが、たとえば公共料金の値上げが電気、ガスにおいてどのような影響があるか、あるいは鉄道運賃、郵便料金等々のそういった直接の消費者物価への影響は幾らか、これはもう一分もかからないですぐにはじけますね。ウエートを掛ければいいんですからできますが、間接的な波及効果ですね。郵便を使わない企業はない、家計はない。それから運賃も相当なウエートで各商品に影響するわけですね。そういった波及効果を計算してどうかということを、どれぐらいになるかと聞いても、それはわかりませんということですね。これは私は経済企画庁、これだけのスタッフを持ち、これだけの近代的な施設、コンピューターも入れてやっておられながらいまだに――そういう波及効果の研究、コストの研究も含めまして、それをもっと深めた研究をなさるべきだと思うのですが、これについてはなかなか回答が得られない。ぜひともそういった研究の深化をひとつお願いしたいと思います。 それから消費者物価の上昇、実質賃金の低下、そして国民総生産の増大という中におきまして、生産性の向上が相当あるということも先ほど言われましたし、国際的な環境も非常によかったという点、幸いしたという面もございますが、実質賃金の関係でベースアップが適当なものであったというような表現でございますけれども、いまのような状況が続くと来年度の春闘、賃金要求はいままでのような節度あると言われてほめられたようなそういうものではいかない。これが動き出しますと、物価の安定はいまのようなことで進まないと思うのですね。また、賃金は消費者物価の関係から対前年比を下回っているのですから、そのようなことは許されない、回復をしてなおかつ実質賃金の上昇を求めるという方向で動くと思うのです。 そういったことも考えますと、先般来政府において政策の転換をしつつある、物価重点から景気回復政策、つまり両にらみという政策転換はまだまだ早いのではないか。景気回復の政策転換をするときは、雇用失業情勢が非常に悪化している。これは非常に重大なことですからやらざるを得ない。これを余りやりますとアメリカのいまのような状況、スタグフレーションですね、これは新古典派総合の政策的限界の露呈だと言われておりますが、このような状態に陥る。それを避けていくためには、まだまだ失業が増大しているという状況ではないわけですから、安易に借金払いを容易にするようなことに役立つインフレーション政策に頼らない、そのようなものを起こす政策転換をすべきではない。企画庁のある方が書かれた本の中にも、不況からの回復は焦ってはならないということをは発表されておられますが、私はそうだと思うのです。この不況回復からの政策転換はまだまだ物価のことを重点に置いて、そう焦って両にらみとかあるいは景気回復のために転換すべきときじゃない、物価優先で生活をもっともっと考えないと、来年以降本当に大変な事態になるということを私は思うわけでございます。 時間がありませんので、もう一つ最後に申し上げたいと思いますのは、生産性の向上、これは各分野で行われております。政府もそのように強力に指導され、力を入れておられます。結構なことであります。民間の産業はそれにこたえてかなりの犠牲を払い、企業の合理化、効率化に努めてきております。ところが、政府関係公共部門におきましてはまだまだなまぬるい面がございます。親方日の丸という経済企画庁長官のお話もございましたが、そのような状態の中で国鉄の運賃、郵政の郵便料金、健康保険につきましても給付内容をよくしようと思えば健康保険料を上げざるを得ない面があります。しかし、上げる前にやるべきことがまだまだある。たとえば薬九層倍といって薬が余りにも高過ぎる。これは本当に市場価格だけでやっているものですから、原価計算で薬価基準を決めますと半分にもなる。四兆円の薬代が二兆円にもなるという説をなす人もあるくらいです。これは具体的な例を私も社会労働委員会できのう質問したところでございますが、そのような問題がある。それから学校教育の問題にいたしましても、授業料が公共料金の中で一番上がっておりますね。これにしてもいろいろ改善の余地はある。 それから行政機構の改革、安い政府、レーガンのあれではないですけれども、安い政府。税金の負担が文句なしにかかってきているわけですから、このように生活水準の低下しておる中で増税が行われるような状態では因る。財政再建はもう国家的な課題でございますが、増税によらずして、安価なる政府、行政機構の改革を思い切ってやるといったことによりましてもっともっと大所でやるべき物価対策や政策があると思います。もちろん、先般十月三十日に物価担当官会議で当面の物価対策の推進についてきめ細かく対策をしておられます。われわれも与野党で話し合って五百億の緊急物価対策費、これもいま検討されて、また一部は三十七億円という予算額をもって当面の緊急対策をやっておられる、これも結構なことでございますけれども、企画庁当局は企画庁長官を中心として、経済閣僚の中心ですから、もっと大きな立場から大きな問題にメスを入れ、この問題の解決のために本当に勇気を持って臨んでいただきたい。最後に政務次官のお考えをお聞きしまして終わります。
○中島(源)政府委員 塩田委員御指摘のとおりでございまして、経済運営の重要な基本の一つは物価対策でございます。先ほどお答えしましたように十月時点で前年比六・八ということになってまいりましたが、まだまだ目標数値にはほど遠いところでございまして、目標達成には非常に厳しい状況にある。ただ、これはどうしても達成しなければならないという政府の重要な責任の一環であるというふうに考えております。 経済運営の基本は物価でございますけれども、一方におきまして経済運営を支えておりますのが、大きな意味では輸出と設備投資でございます。設備投資もわが国の場合には増産設備ではなくして合理化設備に非常に力をいたしておるわけでございます。そういう意味で設備投資はまだまだ力強さは残っておりますけれども、一方におきまして中小企業あたりの設備投資は非常にダウンをいたしております。これを救いますのは、長期貸出金利を早く下げてあげませんと、中小企業に対する波及を考えなければならぬ。そういう意味で公定歩合がここで一%下げられましたのも時宜を得たものであるというふうに考えております。 またもう一つは、先生御指摘のように公共料金の部門でございますが、これも先ほどお答えいたしましたように、まず何としても公共料金につきましては徹底的な合理化をしてもらうということが大前提でございまして、経企庁に上がってまいります協議事項につきましては、その前提をまず正していただく、つまり徹底的な合理化をしていただくということを前提にいたしまして、厳正に取り扱ってまいったつもりでございますし、今後とも厳正な取り扱いを続けていきたい、このように考えております。 ただ第三点目の御指摘でございますが、確かに九月五日の物価対策、それをさらに具体化、推進をいたしますための十月三十日の物価担当官会議の決定を、今後強力に実施してまいるつもりでございますが、それと同時にまた、各省庁間には物価対策に対します費用計上が約四兆三千五百億円弱ございます。これを有意義に使っていただくということで、マクロの物価対策と同時に、先生御指摘のような中長期の物価対策もあわせて当然行ってまいるという決意をいたしておるところでございます。
○井上委員長 午後三時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十分休憩 ――――◇――――― 午後三時一分開議
○井上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。長田武士君。
○長田委員 初めに、公定歩合の問題についてお尋ねをいたします。 本日から公定歩合が一%引き下げられたわけでありますが、これはスイスを除きまして先進諸国では最低と言われておるわけであります。これは景気の刺激剤といたしまして大きなねらいがあるわけでありまして、私もその点については理解するわけであります。九月に政府が発表いたしました景気と物価の両にらみ政策、この点、私はどうしても景気対策に重点が置かれるのかなという感じも実は持つのですけれども、その点、長官どうお考えでしょうか。これが第一点。 第二点は、この引き下げがどの程度景気に対して期待が持てるかどうか、この点でございます。長官はきのうの記者会見では、これは景気に対する決め手にはならないという発言をされておるようでありますけれども、第三次公定歩合引き下げを期待されておられるような発言と私受け取るのですけれども、その点について。この二点をお尋ねいたします。
○河本国務大臣 九月五日に決めました対策は、物価にも十分配慮しながら景気も落ち込まないように気をつけます、こういう政策でございまして、決して景気偏重ということではありません。いろいろな対策を進めます場合に、物価が安定をしておりませんと非常にやりにくいわけでありますし、また、どんな政策を進めようといたしましても大抵は失敗するということでございますから、やはり現段階では物価と景気と双方に十分配慮しながら経済政策を進めるというのがいまの政府の認識でございます。 それから、今回の公定歩合の引き下げは、実は基本方針は九月五日に決まっておりまして、九月五日の政府の発表では、金融政策は今後も引き続き機動的に運営する、こういう抽象的な表現をとっておりますけれども、諸条件が整い次第一刻も早く公定歩合を引き下げます、同時に金融政策を景気に対しても考慮を払う、こういう方向に持っていきますという趣旨のことを、抽象的に機動的運営ということで表現をしておったのでございます。その後、物価の方も安定の方向が明確に出てまいりましたし、国際収支の方もよろしい、円レートも安定しておる、こういうことから日本銀行では、現実の諸条件が整ったという判断で今回の第二回目の公定歩合の引き下げ、こういう決断をされたものだと思います。 しかしながらいま景気の現状は、冷害の影響、戦争の長期化、それから金利高による中小企業の設備投資の減少、住宅投資の落ち込み、こういうことのためになかなか在庫調整が進んでおりません。それから同時に、やはり個人消費が計画どおり伸びておりません。相当問題が多い状態でございますので、私どもといたしましては、今回の金融政策が景気にできるだけいい影響を、しかも大きく影響することを期待しておりますけれども、以上申し述べましたような、相当かげりの諸条件がございますので、どこまでこれがいい結果を及ぼすか、そこのところを私も確たる判断ができにくいというのが現状でございます。 そういう状態でございますから、ことしの二月、三月には、御案内のように二回にわたりまして、狂乱物価前夜だということで公定歩合を大幅に引き上げたのでございますが、諸条件が整い次第できるだけ早く景気に好影響が出るような金融政策を引き続いて期待をしたい、こう思っております。財政の力が弱まっておりますので、やはり金融政策に大きな役割りを果たしていただくということがいまの景気対策上ぜひ必要である、このように判断をしておりますが、日本銀行の方におきましてもその点での認識は同じでございますから、条件が整えばまた引き続いていろいろ判断をされるのではなかろうか、このように脅えております。
○長田委員 次に、円筒によりまして石油製品の値下げが必要ではないかなというような感じを私は持つのですが、その点についてお尋ねをいたします。 円高相場につきましては、五十五年四月の二百五十二円の円安を底に九月は二百十五円と円高傾向がこの六カ月間続いておるわけであります。石油元売り各社は九月期中間決算では空前の利益を記録しておるわけであります。たとえば日本石油では売上高一兆六千百五億円と前年比二・七倍、経常利益では前期の十一倍の七百五十億円を計上しております。また、石油七社の経常利益は前期の二倍になるものと予想がされておるわけであります。これを石油価格に換算してまいりますと一キロリットル当たり二千円前後の値下げが可能だと私は考えております。この円高差益を消費者に還元すべきであるという声も出てきておるわけでありますけれども、どのように考えておられるのか、これが第一点。第二点は、特に国民生活に関係の深い灯油あるいはガソリン、この製品については値下げがどうしても必要じゃないか、私はこのように考えておりますが、この二点についてお尋ねをいたします。
○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘のように最近円高傾向が続いておるわけでございます。石油製品の元売り仕切り価格につきましては、御案内のように六月の末から七月の初めにかけまして千円から三千円程度の値下げを行ったわけでございますが、その後七月から九月にかけましてクウェート、サウジアラビアあるいはアブダビ、そういった幾つかの国におきまして原油価格の引き上げが行われたわけであります。他方、円高傾向が続いたということで、そういった円高を背景にいたしまして原油価格の引き上げというものを吸収いたしまして現有まで来ているわけでございます。 そこで今後の問題でございますが、私どもの考え方といたしまして、現在のイラク・イラン紛争、これがどうなるかといったような問題であるとか、あるいは原油価格の動向が今後どう変わっていくかといったような問題、さらにレートの問題が今後どうなっていくかといったような、今後を考えていく場合に非常に重要な問題というのがきわめて不透明な状態にあるというふうに考えておるわけでございまして、そういったことを総合的に考えてまいりますと、値下げをというお話でございますけれども、私どもといたしましては、今後原油価格の引き上げ、そういった事態があった場合にも、極力円高を背景にいたしましてこれを吸収して、国民生活に大切な灯油とかそういった石油製品価格の安定を図るという方向で対応することが望ましいというふうに考えておるわけで ございます。
○長田委員 私は、前回の円高差益の問題でもいろいろ質疑いたしたわけでありますが、円高差益というのは企業が努力して利益を上げたものじゃないんですね。そういう点では、消費者に還元するのが本来の筋だろうと思うのです、安く仕入れられたわけですから。製品をいままで買った人を調べてお金を返すということは事実上不可能でしょう。そういう意味で、私は物価対策の上から見ても、いま灯油が値上がり傾向にございますし、ガソリン等も百五十円、安いところで百四十五円というところがあるようでありますけれども、こういう点についてはやはり考慮する余地というのは当然だろうと思うのですが、どうですか。もう一回明確に言ってください。
○志賀(学)政府委員 消費者への還元というのはいろいろな方法があろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、今後の事態の展開がきわめて不透明だというような問題もございますので、石油製品の価格の安定を図るという方向で対応していくということがこの際適当ではないかというふうに思うわけでございます。
○長田委員 ユーザンス差益の還元は指導しないということなんですね。
○志賀(学)政府委員 ユーザンス差益というのはきわめて一過性のものでございます。そういうことで、確かに円高基調が続きますとユーザンス差益というのが出てくるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、きわめてもろい性格のものでございます。ただ、他方においてそういう円高差益があるというのも事実でございます。したがいまして、私どもといたしましては、原油価格の引き上げが今後起こるような場合にも、できるだけ円高を背景にいたしましてそれを吸収していくという方向で考えていく、それによって石油製品価格の安定を図るという方向で対応していくということが望ましいというふうに思っておるわけでございます。
○長田委員 次に、石油業界と同じように電力業界あるいはガス業界も大幅な利益が見込まれておるわけであります。当初は五十六年四月一日、来年の四月一日ですね、これをめどに値上げの検討を予定しておったわけでありますけれども、物価対策上これは据え置くということを私ははっきり言った方がいいんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
○堀田説明員 電力業界はかなりの燃料を消費しておりますので、御指摘のとおり円高の利益、いわゆる円高差益といったものが発生しておると思っております。この四月に八電力の査定をいたしましたときに一ドル二百四十二円という見込みを立てておりましたけれども、四月から九月までのTTSレートの平均が二百二十七円でございますので、その他の要素を度外視して考えた場合には、円高差益が当然出ているということであろうかと思っております。 この円高差益をどうするかということでございますが、電力のその他の原価要素、いろいろ変動要因がございますので、いまこの段階でどうするといったことを申し上げるのはやや時期が早過ぎるかと思っておりますけれども、電気料金は経営努力を最大限に発揮して一日でも長くもたせるというのが私ども常の指導方針でございまして、仮に円高があったとすれば、それは料金をできるだけ長く維持するということで、実質的に消費者に還元していくという方向で指導してまいりたいと思っております。
○長田委員 経企庁長官、通産大臣のころ私もずいぶん円高差益の問題を取り上げまして、長官はできるだけ現状の料金体系を持続させたいという御感想を述べられましたね。経企庁長官として、こういう差益が出る以上、物価対策上、四月一日に見直すということなんですけれども、これはなるべく先に延ばすべきだと私は考えておるのですが、御感想をひとつ……。
○河本国務大臣 電力業界は、先ほど通産省からお話がございましたように、当初二百四十二円の計算が相当高くなっておりますから、それに伴って多額の差益が出ておることは事実であります。しかしながら、為替レートというものは常に動くものでありますし、それからまた石油価格動向もずっと動いておりますので、だから、私はこの前のときも、為替相場も石油価格も非常に動いておるから、軽々にわずかのものを還元するということよりも、別勘定でそれをきちんと積み立てておいて、これだけは円高差益によって生まれたものですという別勘定をつくっておいて、そうして料金をできるだけ長く据え置く、あるいは公共的な仕事ですね、たとえば電線を地下に埋めるとかそういう特別の投資に使った方がより効果的ではないかということをずいぶん主張しておったのでありますが、最終的には還元するということになりました。だから、今回も相当差益が出るといたしますと、これはやはり別勘定にしておきまして、いま通産省からお述べになりましたように、できるだけ長く現在の料金を据え置く、こういう基本方針でやる方が、私は前の経験から見ましてより賢明ではなかろうか、こういう感じがいたします。
○長田委員 次は、公共料金についてお尋ねをいたしたいと思っております。 物価の年度内六・四%達成のために十月度の物価速報を注目しておったわけでありますが、東京都区部では六・八%の結果が出されて、長官も一応安心されたと思っておるのです。しかし、年度内の公共料金の値上げのスケジュールを見てまいりますと、目標達成はまだまだ非常に困難だろうという感じを私は強くいたしております。公共料金の値上げにつきましては、五十四年度は前年に比べて五%の上昇率でありましたけれども、五十五年度に入りまして一三%強の上昇を示しておるわけであります。これが消費者物価高騰の大きな要因になっておると私は考えるのです。このため、今後の公共料金の値上げにつきましては厳しく対処しなくてはならない、こう考えております。去る十月二十一日に五百億円の物価対策の申し入れを三党でやったわけでありますけれども、公共料金については極力抑えるべきだという申し入れもいたしております。 そういうことでございまして、政府の今年度の今後の公共料金に対する態度ですね、これはどう考えていらっしゃるのか、まずお尋ねをいたします。
○河本国務大臣 公共料金に対しましては、まず各企業体ごとに徹底した合理化を求める、これが第一でございます。しかし、いろいろの条件が重なっておりますので、どうしても合理化だけで吸収できないものも出てくるのではないか、こう思います。そのものにつきましては、物価に対する影響を十分考慮しながら、時期とか幅とかはもちろん考えなければなりませんが、やはり若干の値上げというものは認めていかなければならぬ、こう思います。しかし、まず徹底した合理化、これを強く期待したい、このように考えております。
○長田委員 すでに郵便料金は値上げが決定されておるわけですね。あと健康保険料についても年度内の値上げが予想されておるわけであります。続いて、東京のタクシー料金が一五%から二五%の値上げ申請をいたしております。また、これに伴って各都市も申請が出てくるのではないかと思っております。私鉄運賃も十一月の中旬に二〇%の値上げの申請が予定されておるわけであります。四大都市の市バス運賃の値上げ、それから消費者米価の年度内の値上げ、このようにメジロ押しに公共料金の値上げが控えております。この際、物価対策上、年度内はこれを極力抑えた方がいいのではないか。そうしませんと、長官の念願であります六・八%はちょっと厳しいんじゃないか、そういう感じを私は持つのですが、その点長官どうですか。
○藤井(直)政府委員 現在申請が出ております公共料金については、まずタクシーでございますが、これについては東京都の料金値上げが出ております。それから公営の関係について出ておりますのは、バスで名古屋、京都、大阪、神戸、地下鉄で名古屋でございます。これだけが現在出ているわけでございまして、ただいまおっしゃいました私鉄等についての料金申請はまだ出てきておりません。私どもとしては、このすでに出てきているものにつきましても慎重に取り扱っていきたいと思っておりますし、また、運輸省が主管官庁でございますが、運輸省から協議があれば、厳正に取り扱うという態度で臨みたいと思っているわけでございます。 そういうことでございまして、個別的にその事業の内容について、合理化の程度が十分であるかどうかということを中心にして、経営の内容を厳しく見て査定をしていきたい、そういう態度でございます。
○長田委員 次に、地価対策についてお尋ねをしたいと思っております。 物価と関連してどうしても触れておきたいのは、異常な高騰を続けております地価の問題であります。最近地価の上昇は、昭和四十八年、四十九年の狂乱物価以来の数字が示されております。去る十月、国土庁が発表いたしました規準地価は、三大都市圏の宅地で一六%、東京だけをとってみますと一八%という上昇率であります。東京なんかの場合は二年連続の二けた上昇なんですね。日本不動産研究所では、六大都市圏の宅地は二〇・七%の上昇と発表しておるわけであります。政府は、五十五年五月二日には土地対策閣僚懇談会、五十五年九月五日には総合経済対策を発表したわけでありますが、その中で地価抑制については言及されておるのでありますけれども、いずれもその効果的な対策は見られていない、そういうふうに私は見ております。この地価抑制についてどのような対処をされるのか。国土庁どうでしょう。
○小笠原説明員 御指摘のように、一昨年の後半ぐらいからことしの初めにかけまして、住宅地を中心にして地価上昇が目立つようになってきております。ことしに入りましてからは、四半期ごとに見ますと、逐次騰勢は鈍化をしておりますが、それでも上がっていることには違いないわけでございます。 このような最近の地価上昇の要因を見てみますと、四十七、八年当時のような、いわゆる過剰流動性に起因いたします投機的な土地取引というのは、最近では影をひそめているわけでありまして、鉄道の新線、新駅ができたとか、土地区画整理が進んだというような、いわば土地の品位、品質、品等が上がるというような効用増によるものと、それからもう一つは、根強い住宅地の需要に対しまして供給が大変不足をしているということが、現在の住宅地価格の上昇の主因であるというふうに私どもは認識をしているわけであります。 このような状況を踏まえました今後の土地対策といたしましては、基本的、長期的には、大都市への人口、産業の集中を抑制する、地方定住を促進するという形で国土の均衡ある利用を図ることが大切でございますが、当面の課題といたしましては、引き続き投機的な土地取引を抑制をしながら、宅地供給の促進を図るということが大切であるというふうに考えておるわけであります。 したがいまして、投機的な土地取引の抑制策といたしまして、国土利用計画法の的確な運用による地価の抑制あるいは投機的な土地取引の排除、さらに投機的な土地取引の抑制効果の強い短期重課という税制の堅持であるとか、不急不要の土地取引に対します融資の抑制というようなことを進めてまいりたいと思っております。 一方、宅地供給の促進策といたしまして、たとえば今国会で私ども御審議をいただいております農住組合制度の創設等による大都市地域の、三大圏だけでも九万五千ヘクタールほど残っております農地の実情に即した宅地化の促進とか遊休地の活用、都市再開発の推進、それから宅地供給促進の見地からの税制の活用というような各般の施策を総合的に、じみちに進めていく必要があると考えておる次第でございます。
○長田委員 河本長官にお尋ねしたいのでありますけれども、景気の面から見ましても、今日の地価高騰の影響というのは、住宅建設が非常に減退する、それから耐久消費財の売れ行きが不振であるということはやはりそれに関係があると私は思っております。そういうようなことで肝心の個人消費にも大きな足かせになっているのじゃないかという感じを強くいたしております。住宅建設については、四十七年、四十八年には年間百九十万戸を記録しておるわけでありますが、五十一年以降は約百五十万戸の水準で安定的に推移してまいりました。しかし、今年度は百三十万戸にも及ばず、来年はさらに不振が予想されるのではないかと懸念されております。現在、物価と景気と両にらみの対応がなされておるわけでありますけれども、この地価の上昇及び住宅不振が下期の景気と物価に与える影響をどういうふうにお考えでしょうか。
○河本国務大臣 住宅は、いまお述べになりましたように、第一次オイルショック前の二、三年は急激に伸びました。オイルショックで激減をいたしましたけれども、その後五十一年から五十四年まで大体百五十万戸から百五十五万戸くらいの水準で推移をしまして、これが景気浮揚に非常に大きな役割りを果たした、こう思っております。ところが、ことしになりまして急激に減少をしております。さて、それではどの程度減少するかということでございますが、ただいまのところは非常に減少しておる、こういう感じでございまして、これを極力食いとめなければならぬと思っております。 その一番の原因は、やはりいまお尋ねの土地の問題だと思いますが、有効な対策といたしましては、いま国土庁の方からお述べになりましたようなことしかないと思うのです。ただ、これを計画的に着実に進めていくということ、それからもう一つは、いま年度の途中でありますから、なかなか予算を使って土地政策を進めるということができませんので、十二月には来年の予算編成もございますので、その予算編成を通じて土地政策というものを強力に推進しなければいかぬのではないか、土地政策が強力に推進されませんと、来年度以降の経済運営が大変むずかしくなる、私はこういう感じを持っております。
○長田委員 九月五日の総合経済対策の中で土地の項がありまして、「地価についても、投機的な土地取引を防止するため、国土利用計画法の的確な運用、地価動向の厳重な監視、」としているわけですね。国土庁はこの十月、地価上昇が激しい十一地区で国土利用計画法に基づく規制区域指定を検討するために特別詳細調査をまとめられたようでありますけれども、概要について簡単に説明してくれますか。
○小笠原説明員 御指摘のとおり、国土利用計画法で土地の投機的取引が集中して相当範囲にわたって行われているという要件と、そのために地価が急激に上昇しているという二つの要件を満たした場合に規制区域の指定という制度がございまして、そういうことになりますと、当該区域の中での一切の土地の取引が都道府県知事の許可を得なければ登記もできない、こういう仕掛けはつくってあるわけでありますが、私ども、これらの仕組みを機動的に運用いたしますために、常時主要な地域につきまして、土地取引の件数が一体ふえているかどうなっているかとか、あるいは法人の売買などがふえているか減っているかとか、農地の転用がふえているか減っているかというようなことをチェックをしているわけでございます。そのチェックの結果、国土法によります規制区域指定要件に該当するという判断を知事がいたしました場合に、直ちに規制区域の発動ができるような、そういう事前の調査を監視という形で常時続けているわけでございまして、特別にある時点で調査をして結果を取りまとめるという性格のものではございません。現在までそういうチェック、監視を続けながら、各県からいろいろと動向について報告を求めておりますが、現在のところ規制区域発動要件には該当しないという報告を受けているわけでありまして、ある時点で結論を出すということではございません。これからも常時監視を続けながら、いつでも要件に該当すればするという準備を平生常に進めているということでございます。
○長田委員 今回の調査の地域で恐らく埼玉県が含まれていたと私は考えるのです。ここでは東北新幹線と上越新幹線が併設をされるということで新しい交通システムや通勤新線が予定されておるわけですね。この地域では公示価格で前年比二〇%以上の上昇が実際あるんですね。この地域の調査においても投機的な取引は見られなかったのでしょうか。
○小笠原説明員 現在までの埼玉県の報告によりますれば、二、三年前の状態と比べて土地の取引件数なりあるいは法人の売買件数、面積なりあるいは農地の転用状況なり各種の指標から見まして、現在のところ投機取引が横行しているということは言えないという報告を受けておりますが、私どもは常時マークすべき地域というふうに考えておりますので、引き続きマークを続けまして、必要な事態になりますれば、直ちに所定の手段を講ずるという準備を進めている次第でございます。
○長田委員 どうもその調査というのは甘いんですね。チェックする、報告を受けるということで、そういう該当地域がないということなんですけれども、国土利用計画法の中で規制区域の指定には、一つは、投機的取引が集中して行われておる、これが一つですね。第二番目には地価が急激に上昇する、この二つの要件が満たされなければ投機的取引の要件は満たされない。そういう点を考えてまいりますと、このままでは規制区域の指定による地価の抑制は私は空洞化されるのではないか、そういう心配を持っております。国土利用計画法第十二条では「投機的取引が相当範囲にわたり集中しで行われ、又は行われるおそれがあり、及び地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあると認められるもの」と規定されておりますね。投機的取引や地価の高騰の可能性までも含めて規制区域の指定ができるようになっておるのですけれども、この活用というのはどうなんでしょうかね。いまの答弁だと何となくこれは有名無実化していませんか。
○小笠原説明員 いま言われました可能性が、客観的な土地取引に関します諸指標から見まして投機的な取引が横行する気配十分という場合には、それなりの措置をとるべきことは当然でありまして、そういう指標を常時毎月把握するように各県及び私どもも努力しているわけでございます。私申し上げましたのは、現時点ではそういう徴候が見られませんが、これからそういう徴候が客観的な事実としてあらわれてくるような事態がありますれば、直ちにこの十二条が発動し得るということでございます。
○長田委員 私はそういう点で非常になまぬるいといいますか、チェック機関が非常に機能してないという感じを強く抱きます。そういう意味で私は、国土利用計画法の的確な運用ができていませんから、むしろこの法改正を検討すべきだと思いますが、どうですか。いまの法律じゃできないでしょう。
○小笠原説明員 国土利用計画法の十二条が設定をされましたのは、土地の投機的取引、つまり砕いて申し上げますれば土地転がしでもうけようとする、そういうことは社会悪であるという発想に立ちまして、土地取引の集中によります急激な地価上昇という緊急事態に即応するために、地域を限定し、かつ最長五年という期間を限定して一切の土地の取引を、許可を受けなければできないというふうにいたした仕組みでありまして、むしろ取引を抑えてしまうということが相当大きな目的になっているというふうに考えております。先ほど申し上げましたように、税制その他の活用等もありまして最近ではそのような投機的取引というのは余り見られないわけでありますが、最近の地価上昇の主因であります宅地供給の促進、土地取引の推進という見地からいたしますと、マイナス面も、改正をいたしますと大きくなる可能性があるのではないかというふうに考えておりまして、私どもは、現時点で投機要件を外して、単に地価が上昇しただけで規制区域を発動するような仕組みに改正するということは必ずしも適当ではないのではないかというふうに考えております。
○長田委員 結論的に脅えば地価高騰の要因というのは、私は需給ギャップが非常に大きいと思うのですね。いまお触れになりましたけれども、宅地供給を大幅にふやす必要があると私は考えるのです。近年宅地の供給量を見てまいりますと、四十七年には一万四千五百ヘクタール、これがピークなんですね。五十三年には八千六百ヘクタールと非常に減っちゃっております。特に三大都市においては、五十三年度供給量は三千七百ヘクタール。ピーク時である四十七年の七千九百ヘクタールの四七%にも減少しておるわけであります。 宅地供給の増加は、地価を安定させるためにも大きなかぎになるんじゃないかと私は思いますが、そういう意味で、その点どうでしょうか、その対策は。
○小笠原説明員 御指摘のとおり、私どもも宅地供給の増大こそが刻下の地価問題解決の最有力な手段であるというふうに考えているわけであります。四十七年当時の一万数千ヘクタールという規模が適正であったかどうかということはいろいろ意見もございますが、最近需要に対して少ないことは事実であります。そこで建設省と共同いたしまして、計画的な宅地開発事業の推進でありますとか、宅地ばかりふえても困るわけでありまして、住宅宅地関連公共施設の整備の推進でありますとか、あるいはいわゆる線引きの見直しでありますとか開発許可制度の適切な運用、さらに先ほども申し上げました農住組合法の早期成立をお願いしたいと思っておりますが、それに基づきます現実的な農地の利用転換の促進、さらには既成市街地の中の有効活用のための土地再開発の推進でありますとか、遊休土地の活用でありますとか、さらに税制の活用でありますとか、これらの施策を両省共同して着実に進めていきたいというふうに考えている次第であります。
○長田委員 いま申し上げました五十三年の宅地供給量八千六百ヘクタールですね、この内訳は、公的供給が一七・四%、千五百ヘクタール、それから民間供給が四一・九%で三千六百ヘクタール、それから区画整理事業による供給が四〇・七%で三千五百ヘクタールとなっておるわけですね。 これを宅地供給のピーク時四十七年と比較しますと、区画整理事業による供給が当時の二二・一%と比べますと年々上昇のカーブをたどっておりまして、五十三年度の実績では三千五百ヘクタールが供給されておるわけであります。これは全供給量の半分を占めているんですね。ところが問題は、区画整理された後も市街化されずに造成されたままに値上がりを待つために放置されておるところが非常に多いということです。首都圏においても、認可された二万八千七百八十ヘクタールのうち市街化されたのは一万七百ヘクタール、残りの約一万八千ヘクタールが放置されております。これは五十三年度の首都圏の宅地供給量の千七百ヘクタールの約十年分に相当いたしております。まだ全国的に見てまいりますと四万ヘクタールが放置されておるんですね。このような区画整理事業の実態についてどう把握されておりますか。
○市川説明員 お答えします。 区画整理事業が行われました地区につきまして、現在の実態がどういう状況になっているかということにつきまして正確に把握することは非常にむずかしい問題でございますが、現在建設省におきましては、昭和五十六年度から十カ年間の宅地需給の長期見通しを作成するために鋭意作業中でございまして、その基礎的資料を得るための調査をいろいろ行っておりますが、その中の一環といたしまして、昨年五十四年度に首都圏と近畿圏で土地区画整理事業が行われた区域におきまして市街化がどういう速度で進むかということを調査いたしました。そのときの調査結果によりますと、事業の認可が行われましてから約二十年くらいかかって完全に市街化されるという大体の調査結果が出ております。したがいまして、その間着実に市街化は進みますが、逆に御指摘のような、区画整理事業は済んだがまだ完全に市街化されない、建物が建ってないというものが存在するという状態なわけでございます。いまお話のありました一万八千ヘクタールという数字は、数字上は先生御指摘のとおりでございますが、実は昭和三十六年から昭和四十九年までの間、首都圏におきまして事業認可されました区画整理事業地全体につきまして、四十九年時点で市街化が完了しているものが二万八千何がし中一万でございまして、その残りの一万八千という数字でございますので、これはまだ相当部分工事が続行中のものも入ってございますので、一万八千ヘクタールがすべて事業が済んで遊休化しているというものではございません。しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、区画整理事業済み地のまだ市街化されてないものがかなり残っておるという実態は事実でございますので、私どもといたしましては、それの計画的な市街化を図るためにいろんな施策を講ずる必要があるということで検討しておる次第でございます。
○長田委員 それでは最後に、区画整理済みの土地について住宅供給公社とか住宅公団が施行した場合、保留地処分契約条件の中で譲渡後三年以内に家を建てる、そういう条件があるわけでありますが、これを組合施行の事業にも拡大させた方がいいんじゃないかと思いますが、その点どうでしょうか、これが第一点。 それから、土地の区画整理事業については毎年一千億円以上投入しまして積極的に推進されておるわけですね。このような放置されている大量の土地を宅地化することについて対策を抜本的に考える必要がある、私はそう考えますが、この二点についてお答えをいただきたいと思います。
○並木説明員 保留地の処分に当たりまして建築物が早く建つように条件をつけたらどうか、こういう御質問でございますが、区画整理済み地の宅地化を図ります際には、その処分につきまして一般的にはいろいろな条件をつけるということは、土地区画整理事業そのものが国費であるとか公費であるとかそういった助成のほかに、土地所有者の減歩というようなものによって施行されておりますので、非常に慎重に検討しなければいけないということでございますが、先生御指摘のこの保留地の処分につきましては、建物を早く建てさせるというようなことから、その処分自体、処分金が事業費にも回るわけでございますが、この処分自体が困難とならない範囲におきまして、なるべく早くこの建築行為が行われるようなことを担保する、つまり売買の条件といたしまして特約を設けるというようなことは今後も考えてまいりたいというふうに考えております。特に公共的な供給機関であります住宅供給公社であるとか住宅公団、これは御指摘がありましたようにすでにやっておりますので、そういう方向をひとつ十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○長田委員 以上です。
○井上委員長 武部文君。
○武部委員 私は最初に企画庁長官と物価の問題を少しやってみたいと思います。 十月の東京区部の数字が出ました。御承知のように六・八という、前月分に比べますと相当低くなっておるわけですが、これからの物価の見通しを一体どのように考えておられるか、現状の認識はどうだろうか、最初にちょっとそれをお伺いしたい。
○河本国務大臣 まず、異常気象がおさまりましたので、生鮮食料品の方は引き続いて落ちついていくと思います。それから過去数カ月間、卸売物価はずっと下がり続けておりましたので、この影響もいい方に出てくるであろう、こう思っております。さらにまた、先月三十日には十四項目の緊急物価対策も決定をいたしまして、これを着実に実行していくつもりでございます。 そういうことで、これからの物価はだんだんと下がる方向に当然持っていかなければなりませんし、そういう状況は整いつつございまして、政府もこれを達成するために引き続いて全力を挙げていきたい、このように考えております。
○武部委員 確かにこの十月は九月に比べて下がりました。しかし、これは昨年の同月比で出てきた数字でありまして、昨年の数字を調べてみると、これは季節商品の大変異常な値上がりがあったわけですね。驚異的だというほど九月から十月にかけて一・六%も上がっておった。そういう事態の中でこの六・八という数字が出てきた原因は、野菜の値下がりが二四・九%、約二五%下がってきた。このために六・八という数字が出てきたというふうに理解をしてよかろうと思うのです。ところが、去年は一・六%上がったものが次の月には逆に今度は〇・五%下がっておる。こういうことを考えますと、この六・八という数字が来月また同じような数字になってくるという可能性はないのです。まさに絶望的だと言わなければなりません。したがって、もしこの十月の水準が横ばいであったとしても、前月比がゼロであったとしても七・三という数字になるわけです。こういうことを考えますと、確かに東京区部で六.八という低い数字が出たわけですが、私は決して楽観できない。むしろ去年の水準の行程を見るならば決してそういう数字になるという見方はできない。したがって六・八という数字はなかなか困難な数字だというふうに理解をせざるを得ないのです。 そこで、あなたと何遍もやりとりしたわけですが、ことしの四月以降九月までの実質賃金、これも前回私はこの場所で具体的な数字を挙げて述べたわけでありますが、半期、六カ月間、平均して連続一・五%マイナス、こういう実質賃金の状況が出てきたわけです。このことは昭和二十七年に労働省が統計調査を始めて以来のことであります。昭和二十七年以来このように連続六カ月間実質賃金が平均して一・五%のマイナスという事態はないことです。これは実に重大なことであります。そういう意味から言うならば、当然六・四という政府の公約は達成してもらわなければならぬ。そのためにお互い努力しようということをやり合っているわけです。 そこで具体的にお尋ねをするわけですが、例の五百億円の物価対策費の問題でいろいろやり合っているわけですが、私ども三党の申し入れについて自民党から回答が出ました。詳細に述べることはできませんが、さしむき野菜、冷凍水産物等の価格安定のために金を出す、あるいはフードウイークをやるとかいろいろなことが出ておるわけですが、これとてまだ三十億ないし四十億ぐらいの金にしかならぬわけです。総額の枠としては五百億円という枠があるわけです。したがって、これから来年三月までの年度中にもっと具体的な政策を打ち出して、六・四になるように経済企画庁は努力すべきだ。また長官は、もしゴーのサインが出れば直ちにそういうことは実現できるんだ、そういう用意はしておるということをおっしゃっておるわけですが、いま私が申し上げたように決して楽観できない、そういう状況ですが、この五百億の金がまだほとんど残っておるわけですから、この金の使い道について経企庁としてはどういうお考えを持っておられるか、これをひとつお伺いしたい。
○河本国務大臣 東京区部の数字は六・八%という数字が一応出ましたけれども、決してこれで楽観しておるわけではございません。問題も相当ございますので、引き続いていろいろな工夫と努力が必要だ、このように思っております。 それから、五百億の使い道につきましては、これは野党三党と自民党との間で、当初は狂乱物価になった場合に使うんだ、こういう議論が一時ございまして、そのために使い道がたな上げになっておりましたが、その後御相談をされた結果、現在の物価水準が八%台である、政府目標が六・四%になっておるので六・四%を実現するためにこれを使うんだ、こういう点について合意ができましたので、今般とりあえず先ほど申し上げました十四項目の対策を決定した次第でございます。 しかしながら、引き続いて野党三党と自民党の間で御相談が進みまして、さらに強力な物価対策を考えるべし、こういうことになりますと、また企画庁といたしましては各方面の意見を聞きまして次の手も考えていかなければならぬと思います。しかし現時点では、いろいろ各方面の意見を聞きました結果、さしあたり十四項目をやりましょう、こういうことで一応落ちついておるところでございます。
○武部委員 とかく物価対策が季節商品に偏っておるじゃないか、季節商品さえ下がれば、たとえば天候がよくなればどうだとかというようなことがやりとりされるわけですが、私はこの季節商品よりも、むしろ物価の基調であるところの季節商品を除いた総合の動きを注目していかなければならぬと思うのです。 具体的な数字を言うならば、五十四年の季節商品を除く総合というのは前月に比べて〇・四、ことしは十月は〇・六ですから、むしろ総合の方は上がっているわけです。たまたま季節商品の野菜が二五%も下がるから、それによって救われておるということだけであって、むしろ物価の基調である総合、この中には被服あたりは去年よりも二倍くらいな値上がりであります。そういうようなことを念頭に置いて物価対策というものを考えてやらなければならぬ。私どもがとかく季節商品に目を奪われて、野菜さえうまく出回ってくれれば物価が下がるんだというようなことで問題の本質をそらしてはならぬ、こう思うわけでありますが、とにもかくにも五百億円という問題が四党合意事項でありますから、まだまだわずかの金しかこの回答によってみれば使われておりません。したがって、これからもっと具体的な問題について各党で知恵をしぼり、特に企画庁もこういう面では積極的にわれわれに対してそういうような案を示していただいて、六・四の目標が達成できるように努力をしていただきたい、このことを特に要請をしておきたいと思います。 物価の問題はこれだけにして、あと私は石油のやみカルテル事件の問題についてお尋ねをすると同時に、問題になっておる自主減産あるいは協調減産、こういう問題について企画庁長官の考え方もあわせてお伺いしたいのであります。 この石油業界の体質というのはとかくの風評がございました。われわれは当委員会に石油連盟の会長を何回か参考人として御出席をいただきまして、石油価格あるいは円高差益の還元、そういう問題についてここでやりとりをしたことを記憶しておるのでありますが、四十八年、四十九年にかけてのあのカルテル行為に対しまして、公取が画期的とも言える検察に対する告発に踏み切った。このことについてわれわれは当時一罰百戒だ、こういうことで大いに期待をしたのであります。検察がこのことについて、独禁法の第八条で生産調整を起訴をする、あるいは価格協定では独禁法第三条違反で起訴をいたしました。去る九月二十六日に東京高裁の判決が出たわけであります。私どもは判決の全文をまだ手にしておりませんが、法務省から判決の要旨というものが出ておるのであります。この判決の要旨を検討してみましたが、その後判決の全文が出て、報道機関によってこのカルテルの問題についての本質的な内容が若干新聞に記載をされておるのであります。われわれは新聞によってそれを知る以外には方法がございません。 そこで、このやみカルテル事件についてこれからお尋ねをするわけですが、判決によりますと、生産調整は無罪、価格協定は有罪、こういう判決が出たわけです。公正取引委員会としては、この判決をどのように受けとめておられるか、まず最初にそれをお伺いしたい。
○橋口政府委員 九月二十六日に東京高裁の判決が出たわけでございまして、これに対する私どもの考え方は当委員会でも岩佐委員の御質問にお答えをしたところでございまして、一言で申しますと価値ある判決だというふうに受けとめておるわけでございます。 ただ、いまお話がございました生産調整については無罪ということでございますが、生産調整につきましても業者が集まって相談をして生産調整をすれば独禁法上は違法行為であるということは、これは裁判所の判決要旨にも明らかにされておるところでございまして、問題はそれから先でございまして、違法性の意識があるかどうかという刑事法の領域の問題として違法性の意識に欠けるところがあった、したがって無罪ということでございますから、独禁法の適用に関しましては生産調整といえども有罪である、有罪という言葉は適当ではございませんが、違法であるという判断が示されておるわけでございますから、そういう点から申しまして、私どもは生産調整につきましても刑事罰の対象になるべきものだという確信に基づいて告発をしたわけでございますけれども、裁判所の判断としまして、刑事法の問題としてこれは刑事罰の対象にするのは適当でないという御判断が出たわけでございますから、それはそれなりに評価をすべきものだというように考えておるわけであります。
○武部委員 この判決が出た直後に、通産省がいろんなことを述べております。これは新聞のインタビュー等に答えて述べておるのが出ておるわけですが、通産省はこの判決を通産省側にとって非常に好意的な内容だ、あるいは高裁は石油業法の存在を認めた、したがって行政指導は一定の限度で認められるものだ、こういう解釈をしておるようであります。したがって、これは予想どおりの判決だというようなことを述べておるのでありますが、特に田中通産大臣は去る十月二十一日の商工委員会でわが党の委員の質問に答えて、次のように述べておるのであります。通産省の産業政策と独禁法による独禁政策とは競合しない、運用と行政指導をうまくやっていけば石油業法を改正しなくてもそれで済む、こういう答弁をしておるのであります。 そこで私はお伺いをしたいのですが、かつて昭和四十九年三月十二日衆議院予算委員会でわが党の田中武夫委員が質問をし、吉國法制局長官が答弁をしておるのでありますが、いわゆる価格カルテルと行政指導に関する見解であります。この速記録によりまして、明らかに価格カルテルは行政指導があったとしても違反である、こういう見解が統一見解として述べられておりますが、そこでお伺いをしたいのは、生産数量または設備カルテル、これと行政指導との関係であります。この四十九年の法制局長官の見解は価格カルテルということになっておるわけですが、いまも申し上げましたように、生産数量あるいは設備カルテル、そういうものと行政指導との関係についても公取委としてはこの政府の統一見解は同じ影響を持つものだというふうに御理解でしょうか。
○橋口政府委員 いまお尋ねがございました昭和四十九年三月十二日の法制局長官による政府の統一見解のいわば解釈の問題であろうかと思いますが、理論上、法律上の問題と事実上の問題とがあろうと思います。 価格カルテルにつきましては、この統一見解も明らかにしておりますように、異常緊急の事態を想定しておられるわけでありまして、ここにも書いてございますように、「最近のように、物価抑制が最大の国民的な課題となっておりますことを考慮いたしまするならば、」云々ということでありますから、異例緊急の価格上昇の事態におきましては、物資の所管官庁としてこれを放置しておくことはできないから、したがって行政組織法に基づいてある種の行動をすることは是認をされる。ただ、その結果として業者間の談合がございまして価格カルテルがあればそれは違法であるということをおっしゃっておるわけでございますから、これはあくまでも緊急異例の事態を想定しての価格についての行政庁の介入をある程度是認されたということであろうと思います。 ところが理論上の問題としまして、いまおっしゃいましたような生産調整とかあるいは設備につきましてのカルテルが行政指導によって行われるような事態が想定されるかというように考えてみますと、生産の場合ですと、たとえば生産が需要に対して非常に過剰であって、したがって業界が混乱をするというような状態であれば、これは当然独禁法に定められます不況要件に該当するわけでございますから、これは公取委に申請をして不況カルテルをつくられればよろしいわけでございます。 それから設備につきましても、設備が著しく過剰であるというような場合がございますれば、一昨年成立いたしました構造不況法というものがございます。これは一定の限度がございますから現在は適用は困難でございますが、われわれの理解では、独禁法の不況カルテルの要件に該当する場合には設備の凍結その他もできるということを申し上げておるわけでございますから、したがいまして行政指導によって設備について要請されるような状態が生じました場合には現行法で対処できるというのが私どもの見解でございます。 それから理論上の問題としまして、それでは四十九年三月の考え方というものが生産数量にも適用があるかということでございますが、価格、数量等の市場の条件に介入をするというのは厳に避けるべきことでございますから、その結果としまして生産数量についての調整が行われる、業者間の共同行為が行われるということであれば、これは当然違法カルテルとして対象になるわけでございますから、価格について述べられております統一見解というものは条理上他の生産数量の調整とか設備にも適用があるというのがわれわれの見解でございます。
○武部委員 これはこれから後の質疑の中で出てくるわけですから、公取委の基本的な姿勢を聞きたかったわけです。おっしゃるように、そのようなことがあるとするならば不況カルテルの申請を公取委にしてそれをやったらいいじゃないかということが判決文の中にございますね、お読みになったと思うのですが。そういう面で私は今回の判決の中に出てきた行政指導、そういうものに非常に大きな疑問を持っておるのであります。 次いで後の質問に入りますからお答えをいただきたいのであります。 そういたしますと、また引用いたしますが、この議事録、とこにございますが、十月十一日の予算委員会で通産大臣はこう答えています。「行政指導については独禁法と抵触しない範囲でこれからもやっていきたいと思います」こういう答弁があるのです。一体この抵触しない範囲とはどういうものがあるというふうに公取委としてはお考えでしょうか。これは私は通産大臣にまた改めて通産省の見解を聞きますが、公取委としてはどうでしょうか。
○橋口政府委員 商工委員会での通産大臣の御答弁は先生がお読みになりました後がまたあるわけでございまして、将来は石油業法の改正も考えなければいけないかなというような趣旨の御答弁があるわけでございますから、通産大臣は現在の石油業法と独禁法との関係というものは正しく理解をしておられるというふうに私は考えております。 それから独禁法と行政指導の関係でございますが、これは行政指導一般にもいろいろ問題があるわけでございますが、ことに独禁法とのかかわりにおける行政指導のあり方というものは昔からいろいろ問題があるわけでございまして、いろんな経過もございます。私どもは、先ほど先生がおっしゃいましたような昭和四十九年三月の政府の統一見解というもの、これが一つの節目であるというふうに思います。 それから、第二の節目としましては、昨年の八月に各省庁にも御相談して公取委として決定をして発表いたしました「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」というのがございます。これが第二の節目であるというふうに考えております。 第三の節目が、今回の石油裁判の判決の要旨にあらわれた考え方をどうやって行政上具体化するかという問題でございまして、これは先ほどちょっと先生がお触れになりましたように、団体指導ではなくて個別的に事業者を指導すれば、それによって独禁法上の問題が全くなくなるかのような報道がされておるわけでございますから、そういう点に関しましては、第三の節目としまして行政指導のあり方と独禁法の関係につきましてもう一度留意をいたしまして、ことに個別的な指導と独禁法とのかかわり合いにつきましてはある種の結論を得たいということで、現在作業している途中でございます。
○武部委員 私はこの行政指導というのは非常に問題があると思うのです。石油業法を拡大解釈をして行政指導は許されておる。なるほど行政指導はあるでしょう。問題はその行政指導の範囲が逸脱してはならぬ、独禁法に抵触するようなことをやっちゃならぬ、これは当然のことであります。石油業法の第一条の目的「この法律は、石油精製業等の事業活動を調整することによって、石油の安定的かつ」こういうことが書いてあるわけですが、石油業法そのものは許可事項あるいは販売価格の標準額、こういうものが決められておるのが石油業法だと私は思うのです。ずっと石油業法を読んでみても、主たるものはそういう製造業の認可とかあるいは標準額を決めることが必要であるというようなことが書いてある。これを拡大解釈をして独禁法の枠内にまで立ち入って行政指導をやるということは問題がある、私はこのように思うのです。 そこで、この判決の後に通産省の幹部が述べておることが報道されております。それをちょっと書き上げてみましたら、この判決は行政指導の解釈で通産省の見解を認めているとの立場である、こういうことを前提として、「事業団体を通じての行政指導は各企業による共同行為を招きがちなので好ましくなく、個別企業を対象にすべき」ものだ、こういうことを述べておるのであります。個別企業を対象にした行政指導であればどういう内容であってもできる、こういう都合のいい勝手な解釈を述べておるようですが、この点についての公取委の見解はどうですか。
○橋口政府委員 判決全文は私どももまだ入手しておらない段階でございますから、毎日新聞に報道されました趣旨によって理解をするほかないわけでございますが、判決の要旨にも一定の限度で行政指導が許されるということがうたってございますが、その限度につきましては判決の要旨では明らかにされておらないわけでございます。したがいまして、判決全文の中には恐らく許容される一定の限度というものにつきましての裁判所の判断というものが示されておるのではないかというふうに考えておるわけでございまして、ただ、これはあくまでも裁判所の判断でございますから、行政は行政でございますから、行政としての考え方というものを整理することが必要でございまして、いま先生がおっしゃいましたように個別指導であれば何をやってもよろしい、その結果として個別指導を受けた事業者が集まって相談をしまして価格とか数量の決定をすればこれは明瞭に独禁法違反でございますから、個別指導だからいいということではなくて、個別指導の内容なりあるいは個別指導の結果がどうであるかということによって独禁法に触れる触れないの問題が生ずるわけでございますから、そういう点も含めまして個別的な事業者に対する指導の独禁法との関連における許容される限度につきまして一定の基準というものを明らかにしたらどうかということで現在作業いたしておるわけでございます。
○武部委員 それじゃ重ねてお伺いいたしますが、皆さんは四十八年から四十九年の石油業界大手十二社の行為がいわゆる生産調整、したがって独禁法八条に違反をするという確信を持って告発をされたと思うのです。それを受けて検察は起訴したわけであります。こういうことですから、明らかに個別指導であってもこれは業者間の共同行為を招いたものである、したがって独禁法八条違反だというふうにあなた方自身は断定されて裁判に持ち込まれたと思うのです。これについては、こういう判決が出、同時に通産省がそういう拡大解釈をして個別指導ならば許されるというようなことを言っておることについていまもう少し検討してみなければならぬというようなことをおっしゃっているのですが、そういう態度は少しなまぬるいじゃないか。むしろ明らかにこの判決に対して不満があるならば不満がある、自分らは自信を持って、これは共同行為を招いた、したがって独禁法第八条に明確に違反をしている、判決については不服である、こういう態度をなぜお述べにならないのでしょうか。私はそれを聞きたいのです。
○橋口政府委員 これは先ほどお答えをした中に含まれておりますが、生産調整という行為自体は独禁法違反であるという判断は判決の中に明らかにされておるわけであります。 その次に、一体当事者に違法性の意識があったかどうかということが故意の問題とかかわり合いを持つわけでありまして、そういう点から申しまして、いわば刑事法の領域の中におきまして裁判所の判断としては故意に相当する違法性の意識がなかったという判断をしておるわけでございますから、独禁法の問題としましては生産調整行為というものは違法であるという判断が示されておりますから、また私どもは告発はいたしましたが、それから先は権能がないわけでございますが、そういう点で裁判所の判断は私が冒頭に申し上げましたようにかなり価値の高いものではないか。まだ判決を全部見ておりませんが、裁判所はずいぶん勉強されてかなりいい内容の判決がいずれ明らかにされるのではないかというふうに考えておるわけでございまして、これは決してどこの省庁に有利な判決であるとかあるいは公取に有利な判決であるとかそういうことではございませんで、正しく法の支配、法律による行政のあり方を含めて物資所管庁の行動に対する一つのガイドラインになるものだというふうに考えておるわけでございまして、そういう点から申しまして、私は判決は今後の行政指導のあり方についての頂門の一針であるということを商工委員会でも御答弁したわけでございます。したがいまして、そういう点から申しまして、私どもは、通産御当局がどういうふうにおっしゃっているかということをまだ確認いたしておりません。これはいずれ確認をすることにいたしておりますし、先ほど申し上げましたように、何らかの基準らしきものができればそういうものを設けたいというふうに考えておるわけでございますから、これは決して放置をしているということではなくて、ただ、一日を争うというようなことでもございませんから、少し時間をかけてある種の基準なり判断基準というものを作成したいというふうに思っておるわけでございます。
○武部委員 なるほど、その判決の中に当事者に違法性の意識があったかどうかということについて述べられておることは私も読みました。したがって、当事者に違法性の認識があったかなかったかということがこの判決の内容になったと思うのですけれども、それならばそのように仕向けていつた行政指導に責任がある、裏を返せばこのように出てくると思うのです。したがって、通産省の行政指導に違法性があったと裏を返せば解してもいいように思うのですが、その点はいかがですか。
○橋口政府委員 先生おっしゃいました毎日新聞の記事が出ましたのが十一月一日でございますから、ここに引用されておりますのが判決文の内容そのものであるとしますと、これを読んだ後におきましても先生のおっしゃるような見解を行政当局が持ち続けているかどうか、その点は問題が残るんじゃないかと私は思います。これを見ますとある意味では大変厳しい見方をしているわけでございまして、読み方によりましては行政指導に参画した省庁が、法律的な用語は私よくわかりませんが、行為に関与しているとかあるいは教唆をしているとか、そういうような判断が示されているようにも読めるわけでございまして、したがいまして、繰り返して申し上げて恐縮でございますが、やはり判決の全文というものを正しく読むということがまず第一の前提でございまして、これを頂門の一針としてある種の行政ルールというものを決めたいということでございますから、新聞を通じて通産御当局がどういうふうにおっしゃったかという問題は、毎日新聞の記事の前後を含めて総合的に考えるべき問題じゃないかというふうに思っております。
○武部委員 確かに毎日新聞に出ました十一月一日の判決理由全文の中のここに書いてありますのは、行政指導と独禁法の関係についての部分が載せられてあります。これを詳細に読んでみると、私が前段、通産省の見解を述べたものと全くと言っていいほど違う判決内容になっておるのであります。 したがって、この中から言えることは、明らかに行政指導に行き過ぎがあった、このようにとれるのです。私はそのようにとるのですが、だれが読んでも大体そのようにとれる。業界の方は行政指導に基づいてやったんだというようなことを裁判のときには言っておったし、この判決文の中に確かにあなたがさっきおっしゃったように、本人たちに違法性の認識がなかった、それは裏を返せば行政指導に基づいてやったんだ、自分たちに責任はない、行政に従ったまでだ、こういうことになっておるわけですね。 したがって、この判決文の内容から見ますと、冒頭何回か通産省の幹部の見解を述べましたけれども、これは全く誤りだ、このように思えるわけですが、いまお聞きいたしますと大体そのようにおとりになっているようですから、私もそのように理解をし、通産省はこの判決全文に基づいて行政指導について一体いまでもそのような見解を持っているかということはここでやりとりしなければわからぬことであります。したがって、改めて通産省の出席を求めてこの行政指導の問題について論議をしてみなければ結論が出ないと私は思いますが、それにしても公正取引委員会のこれからの態度というものに対しては、頂門の一針ということをおっしゃったけれども、確かに大きな一つの問題を投げかけたと思うわけですから、ひとつ毅然たる態度で臨んでほしいということを申し上げておきたいのであります。 ただ問題は、ここに疑問に思う点があります。この判決の中に、通産省がこれまでしばしば生産調整を石油業法に基づいて行ってきたにもかかわらず公正取引委員会は何らの警告も調査等の措置もとらなかった、怠慢を指摘しておるわけですが、これについてはどのようにお考えになりますか。
○橋口政府委員 違法性の意識の問題としまして、通産御当局の過剰介入と公正取引委員会の権限の過小行使と申しますか、そういうことが二つ柱になりまして当事者に違法性の意識がなかったということを裁判所は判断しておられるようでございます。したがいまして、私どもとしましては、昭和四十六、七律当時から一体どういうことがあったかということの事実の確認も必要でございますが、そういうことよりも、裁判所がそういう評価をされた、行政行為に対してそういう判断を示されたということを厳しく、また重く考えておるわけでございまして、しばしば頂門の一針という言葉を使っておりますが、この判決は私どもに対しましてもある意味で叱責をしておられる、われわれの怠慢を指摘しておられるというふうに受けとめておるわけでございまして、将来仮にそういう裁判というようなことがありました場合に、重ねてそういう御指摘をいただかないように自戒してまいるべきものだというふうに考えております。
○武部委員 数日前に私の手に財界の雑誌が送られてきました。これを見ますと、いま進行中の灯油裁判の内容がここに書かれております。これは東京と鶴岡で裁判が行われておりますが、その裁判は、御承知のように独禁法二十五条に基づいて東京は東京高裁、鶴岡では民法第七百九条と七百十九条に基づいて民事訴訟であります。 この中で大変奇妙なことが言われておるのであります。「通産省の試算によれば、十月から十二月の三カ月で、石油業界は約六〇〇億円の利益を挙げた」、これは資源エネルギー庁の熊谷善二氏の証言となっておりますが、この財界誌の記事は、公判に出された調書、証言をもとにして書いておるのであります。調書、証言がここに抜粋されておるのであります。これはいずれ後で通産省の出席を求めて、公取と同様に私はお伺いしたいので、ぜひ公取としてもこの内容を検討していただきたい。 これを見ますと、明らかに行政指導に基づいて業界は値上げをした、カルテルを結んだということを裁判の場で明確に証言をしておるのであります。斉藤純一という出光興産常務の証言がありますが、これを見ますと、簡単ですから読み上げますが、「営業委員会の下部機構である重油専門委員会がコスト計算をして、その結果を正副営業委員長が通産省に説明し、足らないところは重油専門委員会の野田座長が補足説明をして通産省の事前の了解を取りつけてから、値上げ幅、実施時期を決めておりました」、こういう証言をしておるのであります。また、同じように斉藤出光興産常務は、通産省から行政指導を隠してくれと言われたことは事実かという原告代理人の反対尋問に対して「それは事実です。」、こう証言をしています。さらに、岡田さんという前日石社長も、通産省の鈴木課長、当時の資源エネルギー庁石油部計画課鈴木両平課長です、この人から行政指導のことを隠してくれと電話があったという事実を認めておるのであります。そのとおりだ、はいと答えておるのであります。こういう裁判の調書、証言によって、通産省がまさしく業界を行政指導しておったということが明らかになっておるのであります。こういう点について御承知でしょうか。
○橋口政府委員 お答えします前に、先ほど先生がちょっとおっしゃいました石油業法の規定は、生産計画と供給計画の調整の問題がございますが、これにつきましては通産大臣の勧告権というのを認めておりまして、価格問題だけではございませんので、それに基づいて、いわば勧告にかえて行政指導が行われるという問題があるわけでございますから、その点は念のために申し添えておきたいと思います。 それから、いまお話がございましたことは、そういう事実の確認を私はいたしておりませんが、やはり問題は、先ほどもちょっと触れました法の支配ということでございまして、国権の最高機関から授権を受けた範囲で、つまり実定法の範囲で行政機関が行動すべきことが民主主義時代の行政の大原則でございます。そういう法による支配あるいは法律による行政ではなくて、十分な法的な根拠を持たない行政でありますと、これはどうしても口頭で行われるわけでございます。ここでもお答えしましたように、密室の秘め事のようにして行政が行われますと、後で問題が発生しました場合に、その責任を十分とることができないような状態になるわけでございます。したがいまして、隠してくれというふうに言ったかどうかという問題、あるいは知らないと言ったかどうかという問題も、仮にあるとすれば、やはり基本は法の支配というものが忘れられているところに問題があるわけでございます。行政官庁として行政権限の行使をする場合には、単なる行政組織法だけではなくて、行政作用法としての実体があって、そこに権限が明定をされておれば、そういう問題は起こらないと思うわけでございます。したがいまして、私どもが行政指導を問題にしておりますのも、価格につきましては、異常な事態におきまして設置法の範囲でやっても差し支えないということではございますけれども、恒常的に、設置法の規定をベースにしまして行政権限を行使することは、どう考えても適当でないように思うわけでございます。適当であるかないかの問題は別といたしましても、そういうことがありますとおっしゃるような問題が生ずるという意味におきまして、やはり戦後三十五年たちまして、法の支配ということをもう一回想起することが必要ではないか。本当に法の支配が行われておれば、言うたとか言わないとか、隠してくれとか、出さないでくれとか、そういう問題は起こらないのじゃないか、明確に文書の形態で行政が行われるのじゃないか、したがって、その責任は十分行政庁が負い得るような形で行政の執行が行われるのじゃないかというふうに思うわけでございます。
○武部委員 私は、あなたの見解に全く同感です。そうでなければならぬと思うのです。しかし、現実にこの裁判の記録、調書、証言を読めば、これはうそじゃないと思うのですよ、原告はこれを提出しておるのですから。こういう中で通産省は明確に、隠してくれと、陰に隠れて行政指導しておったことが、実は生々しく出ておるのであります。したがって、これはもうここでやりとりしても、通産省がおりませんから仕方がありません、改めて同席してもらってやらなければ結論が出ないと思うのです。 そこで、これは前回もちょっと話が出ておったけれども、やはり公取というものを非常に意識しておるということで、前回たしか岩佐委員だったと思いますが、小鳥のマークのことが出ましたね。まる暗記して帰ってきて、それを極秘文書にして、読んだ後は破れとか、注意書きされて、日本石油の場合は小鳥のマークを表紙に刷り込む。これは「小鳥→コトリ→公取に注意せよ」、ここまでやっておることが明らかになっておるのですよ。こういうことまでやっているんですから、業界というのは非常にしつこいです。それに通産省が一枚かんで一緒にやっておるようなことは許されない、私はそう思うのです。ですから、これは改めてもう一遍やることにいたしましょう。 そこで、時間がたちましたから、経済企画庁長官に伺いますが、この間一緒に出ましたNHKの国会討論会のときに、長官は私の減産の質問にお答えになりまして、産業界が減産やカルテルで価格をつり上げているようであれば、減産などやめさせて増産をしてもらうということをお述べになりました。このたび、九月五日、及び十月三十日に出されました「当面の物価対策の推進について」というこの項目の中に、減産、競争制限的な行為とか、いろいろなことが載っております。価格の同調引き上げの問題も載っております。 そこで、この長官の発言は、私が直接聞いたわけですけれども、価格維持のために自主減産をしているような業界があれば、政府としては増産の指導をしていく、そういうことだというふうに理解してよろしゅうございますか。
○河本国務大臣 私の申したことは、別に新しいことではございませんで、この三月に政府の方では七項目の物価対策を発表いたしておりますが、それにもその趣旨のことが響いてありますし、九月五日の対策にも大体その趣旨のことを明記しております。また、今回十四項目の中にもその趣旨のことを明記しております。物の値段というものは需給関係で決まるわけでございますが、幸い日本では、生活必需物資あるいは国風経済上非常に重要な役割りを果たす品物、そういうものについては生産の余力がまだずいぶんございます。したがって、物が足りないという場合には、増産をすれば、物の値段は当然下がる。ここが、私は現在の日本の一番の力だと思うのです。第一次オイルショックのときには、もう生産能力がフルに進んでおりまして、その余力が非常に少なかったというところに問題があったと思うのですが、今回はその余力が十分ある。しかるに、物の価格を維持するために、あるいはつり上げるために、お互いに相談をして減産をするというようなことになりますと国民経済はめちゃめちゃになってしまいますので、そういうことのないようにやってもらわなければいかぬわけでございますが、いま通産省の中にも主要な物資についての需給、価格動向を監視するための連絡会議というものがございまして、そういうことが起こらないように十分配慮していただいております。
○武部委員 いま問題になっておりますのは素材産業だと思います。素材産業、鉄鋼、石油、化学、紙パルプあるいはエチレン、アルミニウム、塩化ビニール管、そういうものが中心になると思うのですが、その業界で自主減産あるいは協調減産、そういうものが行われておるわけです。このねらいは販売価格の維持であることは明白だと思います。したがって、公取がこの現状に対して乗り出されたということを私どもは承知しておるわけですが、同時に物価担当官会議でも先ほど申し上げるようにこれについての対策を立てておられる。 そこで、私ちょっと気になることがありますので公取の見解を承りたいのです。 こんな記事が載っておりますが、これに対してどうお考えでしょうか。これを読んでちょっと意外に思いました。この五品目について事情聴取に踏み切られた、やっとこの五品目の問題に公取が腰を上げたわけですが、「公取委が事情聴取にあたって、対象業界に対し「今回の事情聴取は、勉強が目的」と初めからやる気のなさをみせつけるような発言をしているといわれること。それに対象業界が“談合”のシッポをつかまれないよう、用意周到な体制で協調減産にのぞむなどいわゆる産業界の“知能犯化”が進んでいるためだ。」こういう記事が載っておるのであります。これはちょっと意外な記事でありますが、そういうふうに信じたくないのですが、五品目について公取が腰を上げていま事情聴取に踏み切っておる、こういう記事が載っておりますが、公取としてどうでしょうか。
○橋口政府委員 協調減産と言われる産業界の自主減産につきまして私どもが関心を持ちましたのは八月でございまして、われわれとしましては何らかの形で調査が必要だという認識を持って、どういう品目を選択するか作業をいたしておったわけでございますが、九月五日には政府全体として減産につきましての方針をお決めいただきました。したがいまして、私どもは、政府の御方針もあり、また独禁法の施行官庁としての本来の立場におきましても調査が必要だということでいま調査をいたしておるわけであります。 調査の初めからいまおっしゃったような公取をからかうような記事がいっぱい出ておるわけでありまして、実はこの記事も私読みまして、大変腹を立てたわけであります。ざっくばらんに申しますと、書いた新聞記者は私に会いたいと言ってきたわけでございますけれども、私は、こういう記事を書いた記者に会う必要はないということで面会を断ったわけでございまして、記事を論評するわけではございませんが、いま先生のお読みになりましたところも、「発言をしているといわれること。」というのは全然取材をしないで書いているわけでございますから、こういう記事は私は評価に値しないと思っておるわけでございます。したがいまして、私どもがやっておりますことはこれと全く逆のことをやっておるわけであります。ただ、最初から灰色であるのを単なる調査をやっているということであればこれは問題でございますが、灰色ということであれば、これは当然もっと強い措置が必要になるわけでございますけれども、やはり現状におきましてはまず実態の調査が必要でございますから、生産の状況とか出荷の状況、在庫の状況、操業率、操短率、一-三月の前倒し生産との関連等、こういうことをまず実態をきわめるということでやっておるわけでございまして、何かここに書いてありますように最初から及び腰であるとかへっぴり腰とかそういうことでは全くございませんので、この記事には拘泥していただかないようにぜひお願いいたしたいと思います。
○武部委員 ひとつ毅然としてやってほしいと思います。こういう新聞記事を見ると若干こちらの方も疑問を持つわけですからお聞きをしたわけです。 そこで時間が参りましたから、最後に私は協調減産、自主減産といいますか、これに関連をして紙パルプ業界の内容についてちょっとお伺いをしたいのであります。 紙パルプ業界は七月から八月にかけて大手各社が一週間程度の夏休みをやっております。九月には五日間前後の秋休みというのをやっておる。こういう休暇方式をとっておるのであります。御承知のように、紙パルプ業界というのは夏場ぐんと消費が下がるのであります。そういう意味でこれをやったと思えるわけです。そこで、六月五日に省エネルギー・省資源対策推進会議決定という「夏季の省エネルギー対策について」というものがございまして、エネルギーの消費節減の措置が具体的に決まっておるわけです。それを受けて通産省の紙業課長は、また改めて紙パルプ業界に対して特別な指示を出しておるわけです。「夏季一斉休暇について」こういう六月二十三日付で通産省生活産業局が文書を出しておるのであります。「紙パルプ業界各社におかれても積極的に夏季一斉休暇を実施されるよう、協力方お願いします。」こういう文書を出しております。これによっていま申し上げたように一週間程度の休みをやった。ここです、問題は。私は、通産省がこういうものを受けて、しかも紙パルプ業界一斉にこういうことを指導するということはいかがなものか。これによって明らかに紙パルプ業界は減産をした。どうでしょうか。 紙パルプ業界の収支の状況、市況状況がここにございますが、それを見ますと、例年夏場は価格が下がっておるのです。奇妙なことに、五十五年の五、六月まではぐんと上がったものが、全部横ばいであります。全然下がらない。これは高値安定であります。こういう指導を通産省がやっておる。私はこういうことも大変問題だと思うのですが、公正取引委員会はいまこの素材産業について調査をしておられますが、こういう実態を御存じでしょうか。
○橋口政府委員 いま先生がおっしゃいましたのは私も新聞の記事で見たわけでございまして、そういう有益な新聞の報道もあるわけでございます。実は私ども、そういうものを見たのも減産について調査をする必要があるという考えに到達した一つの理由でございます。そのほかいろいろなことをいろいろな人が言われるわけでございまして、稲山経団連会長の就任によって協調減産が容易になったのではないかとか、いろいろなことを言われておるわけでございます。したがいまして、私どもはいま五品目について調査をいたしておりますが、その中でやはり行政当局がどの程度関与しておられるかということにつきましても業界サイドからもお話をいま伺いつつあるところでございますし、また必要があれば通産御当局の担当官にもお話を伺ってみたいと思うわけでございまして、そのほかの審査部で取り上げました幾つかの事件の中にも、通産省の担当官の影がちらりほらり見えるわけでございます。これはやっておられる行為それ自体がいいか悪いかという問題はもちろんございます。他省庁の行政権の行使を一切制約するということはやるべきことではないと思いますが、やはりいま先生が御指摘になりますように、行政庁の介入というものが結局は価格の高値安定とかそういう弊害をもたらす場合があるわけでございますから、いまの調査の中には、一つの項目として行政庁の関与の程度がどのくらいであるかということも含めて調査をいたしておるわけでございます。
○武部委員 きのう紙パルプ七社の九月中間の決算が発表されました。これを見ても、もう歴然としておりますね。王子製紙は当期の利益は前年同期に対して二二・八%増、本州製紙に至っては一二六・三%の増、三菱製紙は五四・六%の増です。経常利益がこれだけ伸びておるのです。いま言ったような一週間夏休みをやれと通産省からじきじきにそういう指導を受けてやっておる、こういうところから出てきた好決算ではなかろうかとも思えます。誰が見てもそう思うのです。こう言う点がございますので、素材産業の五品目について公取が腰を上げられたわけですから、徹底的にひとつ調査をしていただいて、早急に的確な指導をしていただきたい。 きょうは、私、時間が来ましたからこれでやめますが、石油カルテルの問題は行政指導について非常に問題があると思います。われわれも判決全文をみんな読んだわけではありませんからわかりませんけれども、いま明らかになった判決のあの文章の中においても非常に問題点がある。したがって、これを通産当局と公取と両方来てもらって一緒にやらなければ、これは話にならぬと思うのです。きょうは、公取の皆さんの御意見を聞きましたからよくわかりました。改めて通産省に出席を求めまして、この問題についてさらに質疑をさせていただきたいと思いますから、私、ちょうど時間が来ましたから、以上で終わります。
○井上委員長 岩佐君。
○岩佐委員 私は、きょうは石油業界の決算の問題について、再度取り上げたいというふうに思います。 五十四年度決算については、前回も取り上げましたように、為替差損が四千七十六億円も出ていながら二千九百十五億円の利益を計上している。これは五十二年度二千八百五十億円の利益を出しておりますけれども、当時、為替差益という形で三千百四十五億円出ているわけですから、今回の五十四年度の決算、これは石油業界が史上空前の利益を上げているということが言えるのは、前回も指摘したところであります。大協石油が六月に経常利益を発表していますけれども、これは百三十六億円、史上最高です。それから東亜燃料工業、七月に発表したものですが、上半期決算では経常利益二百四十八億円、そしてこの中で、前回も指摘をしましたけれども、いわゆる隠し利益という形で投資有価証券百二十六億円あるいは長期預金三十七億円ふやしている。それぞれもうけ過ぎたものだからいろいろな形で隠すというようなことがあるわけです。最近、日本石油の五十五年度中間決算、これはもうあちこちに報道されておりますが、経常利益七百五十億円。五十四年度決算、史上空前だった三百九十四億円を三百五十六億円も上回る、そういうことになっているわけです。まさに五十四年度の問題は、通産省が価格について指導をしているわけですね。ここまではよろしいでしょうかと業界が言うと、そこまではいいでしょうということで、各社別々ではあるけれども、そこのところのお墨つきを与えた、そういうかっこうでしてきています。この行政指導が一体どうだったのかということを前回私は指摘をしているわけですけれども、やはりこうした一連の好決算が出てくると、今回もこの問題は放置はしておけないというふうに思うわけですけれども、通産省のお考えを伺いたいと思います。
○志賀(学)政府委員 五十四年度につきまして、経常利益二千九百十五億利益を出しておる。五十五年度に入りまして幾つかの企業が発表しているわけでございますけれども、いま先生御指摘のような経常利益を出しておる、こういうことでございます。私ども、元売り各社の価格の引き上げに対しまして、原油価格の上昇の程度あるいはレートの状況といったようなものをずっとヒヤリングいたしまして、便乗的な値上げがあるかどうかというような点をチェックいたしまして指導をしてまいっているわけでございます。それにもかかわらず利益を出しているのはなぜか、こういう御指摘だと思いますけれども、私どもが為替差益というものを考える場合に、仕入れ差益という問題とそれからユーザンス差益という問題があろうかと思います。 仕入れ差益の点について申し上げますと、私どもが、元売り価格を引き上げたいというときにヒヤリングをするわけでございますけれども、その価格決定をする際、やはりその最近時点における為替のレートというものがどうかということをチェックいたしまして、それでそういう為替レートというものが最近時点の実態に即しているかどうか見るわけでございますけれども、そういった価格設定の後に為替の変動が起こるわけでございます。それによっていわゆる差益あるいは差損というものが出てくる、そういうことでございます。その辺は価格設定をする場合に、あるレートを設定せざるを得ません。そういうことで、その後のレート変動というものによって仕入れ差益あるいは仕入れ差損というものが出てくる、こういうこと、だろうと思います。 それからユーザンス差益の問題でございますけれども、最近の日石の決算を見ましても、ユーザンス差益が非常にたくさん出る、こういうことでございますけれども、ユーザンス差益と申しますのは、代金の決済の過程におきまして、ユーザンス期間中のレート変動によって、その決済の都度起こってくる為替差益あるいは為替差損、これの集積として出てくるわけでございます。そういうことで、ユーザンス差益あるいは差損というのは、それぞれのそのときどきのレート変動によって非常に変わってまいります。私ども、価格チェックをやっているわけでございますけれども、ヒヤリングをやっているわけでございますけれども、やはりその後もレート変動というものがいろいろ起こってくる。こういうことで、特に期中の円高の進行が非常に高かったということで、経常利益が高目に出ておる、こういうふうに思っております。
○岩佐委員 私が指摘しているのは、前回言ったように、五十四年度というのは四千億円の為替差損が出ている。そうして、それを償ってもまださらに三千億円に近い利益が出ている。しかもそれは史上空前の利益であるわけですね。これは通産省の指導のもとに末端価格、いわゆる元売り仕切り価格を上げ過ぎたのではないか、そういうことを言っているわけです。そこはひとつもう一度認識をしていただきたい。そういう行政指導が一体どうだったのかということを言っているわけです。 それから、さらに今後の問題について言いますと、私どもの試算ですけれども、四月から九月、今年度ですが、為替差益が石油業界全体で、細かく計算すれば三千九百三十五億、約四千億円、いわゆるいま言われたユーザンス差益が出るだろう、こういう計算があります。そうすると、現在の五十四年度の価格体系でいけば、過去の四千億円の為替差損を賄い、しかも三千億円近い利益を出し、またさらに差益が積み重なるではないか、それだけ非常に膨大なものになる、単純計算でいけば一兆円近いものが石油業界の利益となって計上される、そういうことになる。だから、私が前回指摘をしたように、いま一般の国民というのは家計が大変圧迫されていて、とりわけ電力、ガス、そして灯油、燃料の値上げというのは、寒い地方にとってはどんなにか非人間的な仕打ちになって返ってきているか、そこのところをいろいろ実態を挙げて申し上げたわけですが、一方、国民がそういう状況にある中で、なぜそこにメスを入れることができないのか。通産省の行政というのは、その業界の利益のみを確保するためにしかないのか、そこのところを言っているわけです。その点について明快にお答えをいただきたいと思います。
○志賀(学)政府委員 五十五年度の上期の決算がどうなるかという点につきましては、五月、六月決算の企業は発表になっているわけでございますけれども、九月決算の企業の決算というのはまだごく一部しかされておりません。したがって、五十五年度の上期につきましてどの程度の収益になるかという点については全貌をつかむわけにいかないわけでございますけれども、ただ、いずれにいたしましても、期中の急速な円高の進行ということから申しますと、やはりある程度の為替差益というものが発生するということは予想されるところでございます。そういうことで、為替差益は発生することが予想されるわけでございますけれども、ただ、ことしの六月から七月にかけまして元売り仕切り価格の引き下げがあったわけでございます。さらに、最近のドルベースの原油価格の引き上げということがございました。実勢価格というのは最近低下傾向にございます。そういうことから申しますと、御指摘のように、五十五年度の上期の経常利益というのは高目に出るというふうには思っておりますけれども、ただ、一兆円というようなことは私どもとしては予想しにくいというふうに思っておるわけでございます。
○岩佐委員 一兆円になるかどうかというのは、単純計算で積み上げればそうなる場合もあるのじゃないかということで、それが幾らになるかというのは多少予測しがたい、そういう点はあるというふうに思うのです。ただ、六月にキロリッター当たり二千円下げた、それだけではまだまだ下げ方が少ない、そのことはもうすべての業界あるいはそういう専門筋の方々だったらよくわかっている話だというふうに思うのですね。 それで、公正取引委員会に私は再度この問題について指摘をしたいと思うのですけれども、為替差益が出る、ユーザンス差益が非常に出ている、値下げといいますか、そういう要因が出ているにもかかわらず、C重油とかナフサについては多少下がっているというような話もあるわけですけれども、消費者が使いますとりわけ冬に向けての灯油、これはなかなか末端価格が下がらない、あるいは卸売価格も下がらない、そういう状況になっているわけですね。これはもう長い間石油業界といろいろつき合ったり石油業界を見てきている人ならば、こういう状況になったら必ず値崩れを起こすのが石油業界のいままでの体質だったというふうに思うのですけれども、それが大分四十八年以降変わりまして、そしてさらに去年ぐらいからがっちりと流通支配までして、下げ要因があるにもかかわらずなかなか下がらない、そういう状況が生まれてきているわけですね。ですから、ここのところを公正取引委員会にしつこく言っているわけですけれども、こういう問題について何ともならないということで野放しにするのかどうか、それを伺いたいというふうに思います。
○橋口政府委員 いまお話がございましたように、石油の流通の形態なり流通業界の実態というものは、一言で申しますと大変弾力性のない世界でございまして、一たび余りますと業転玉が発生したり、一たび締まりますと大変需給がタイトになる、そういう世界でございまして、最近の状況はよく承知をいたしておりませんけれども、流通構造の問題としましては、これはたしかこの前もお答えしたと思いますけれども、揮発油販売業法の関係等もございますし、また全体として安定供給という立場から元売りとのつながりをできるだけ深めるようにという行政の御方針があるやに感じておるわけでございまして、一言で申しますと流通の系列化、そういうことが進みますと、確かに需給が緩和されましても流通の系列化という支配形態によりまして価格がビビッドに動かないということも生ずるかと思うわけでございまして、これはこの前の委員会でもたしかお答えしましたが、いま流通の実態を調査いたしておりましてまだ結論を得るまでに至っておりませんので的確なことを申し上げかねますけれども、やはり流通のあり方に問題があってそれが価格に反映するということであれば、これは将来の問題としていろいろまた工夫をしなければいけないというふうに考えております。
○岩佐委員 十月三十日に通産省の矢野事務次官がこのユーザンス差益の問題を含めて業界に対して発言しているわけです。基幹産業の経営者としての良識ある判断を期待したいというような発言をしておられるわけです。私たちはこれについては、石油業界が為替差益で非常にもうけている、そういう実態であるならば国民に還元をするということがもう当然のことであると思うし、通産省が指導して価格を上げさせたわけですから、これは下げさせるという指導だってできないことはないわけですから、やるべきだというふうに思うわけです。通産省の再度の考え方を伺いたいと同時に、経済企画庁の長官にも、この問題について一体どういうふうに判断されておられるのか伺いたいと思います。
○志賀(学)政府委員 ただいま先生から通産省が指導して価格を引き上げたという御指摘がございましたけれども、私どもは仕切り価格の引き上げに際して便乗的なことが行われていないかどうかということをチェックしておるわけでございます。価格引き上げを指導しているわけではございません。 そこで、とにかくユーザンス差益というのは非常に変動の振れの大きいものでございますけれども、他方においてそういうユーザンス差益がかなり出ておるということも事実でございます。そういうことを踏まえて、今後の価格について引き下げをすべきではないか、こういう御指摘でございますけれども、確かにユーザンス利益はあるわけでございますが、ただ、いずれにいたしましても今後の石油の問題を考えてみます場合に、国際的な原油価格がどう動いていくかという問題、あるいは日本の円レートがどう動くかというような問題、あるいはさらにイラン・イラク紛争に関連して世界の原油需給がどうなるのかといったような問題、こういった重要なファクターについて現在不透明な状況でございます。そういったことを考えますと、消費者に対する還元という方法として、価格の引き下げというのも一つの方法ではあろうと思っておりますけれども、私どもとしては以上申し上げたようないろいろなファクターがきわめて不透明であるということから申しますと、今後原油価格の上昇等があった場合にも、極力円高の利益というものを背景にこれを吸収して、できる限り石油製品価格の安定を図る、こういう方向で実質的に消費者に対して還元していく、こういう方向で対応していくことが適当だろうというふうに思っておるわけでございます。
○河本国務大臣 石油の価格は非常に激しく動きますが、それはなぜかといいますと、わが国は全部外国から石油を買わなければならぬ、九九.七%という石油を買っておるわけでありますが、その石油の価格がOPECの政治的な判断で、経済的な需給関係ではなく、そのときどきの政治的判断で値段を動かされるということが一つと、それから為替が変動相場制であるということ、そういう背景があるからでございます。円が一円高くなりますとざっと五百億円ぐらいの利益が出てくると思いますが、同時にまたバレル一ドル高くなりますと四千億ぐらい負担がふえる、こういうことでございます。円はなるほど高いですけれども、一方でこの価格が上昇ぎみである、こういうことでございますから、石油業界というのはなかなか経営がむずかしい、私はこう思います。一年間の取引を見ますと、十数兆円の取引をしておりますから、だから数千億の利益が出る場合もありましょう、あるいはまたそれが数百億円に減る場合もあると思うのです。したがいまして、私どもといたしましては、いまの状況では比較的経営は円高のために安定をしておると思います。同時に、石油価格も比較的落ちついておりますから、いまの状態であれば若干の余裕はあると思います。そこで、いま通産省からも意見が出ておりますが、できるだけ全体としては引き上げないようにしていただくことが一つでございますけれども、同時に国民生活に非常に関係の深い石油製品に対しては、できることならば引き下げもしてもらいたい、こういうようにも考えますが、しかし何分にも変動の激しい業界でございますから、そこは業界の自主的な判断にまつ、こういうことになろうかと思います。 それともう一つは、エネルギー政策上考えなければならない点があろうかと思います。たとえば、今回のアメリカの新しい政府はエネルギー政策をがらっと変えました。メジャーに対しまして、超過利益の半分に対して課税をしておりましたけれども、今回はその課税をやめる、そのかわり石油会社に積極的に代替エネルギーの開発等を進めてもらうように投資をしてもらう、そのように石油政策、エネルギー政策ががらりと変わっております。だから、少々利益が出たからといいまして、それを全部吐き出してしまえ、こういうことがいいのか、若干の余裕が出るようにしながら国のエネルギー政策全体に協力させる、そういう方向がいいのか、そこはよほど総合的に判断する必要があろうか、私はこのように思います。
○岩佐委員 時間が限られておりますので、余りそこで議論をするというのは時間的に許されないのですが、やはりかなりユーザンス差益が出ているという実態あるいは差損が出ながら五十四年度、史上空前の利益を出しているという実態、これが差益に変わる、差損がなくなるわけですから、それがプラスに転じる要因というのはある、そこら辺のことを正確に見ていって、そしてエネルギー政策全般としてということもありますけれども、ただ国民としては、たとえば備蓄やら何やらを全部価格でしょっていかなければならないというような義務はないわけですし、国の政策としてやっていく必要がある部分というのはずいぶんあると思うのですね。省エネルギーとよく言われる問題では、高くすれば使わなくなるから省エネルギーだ、まあこの間も当委員会で私はその点を指摘しているのですけれども、いま多少価格を下げたとしても、それでたくさん使えるというような消費者の状況ではないわけですね。灯油が一かん六百円のものが倍以上になっている、そういう状況の中で、やはり国民生活を第一に考えて、今回の石油業界の史上空前の利益をどうやって国民に返していくかということを――返すという方法、そういう考え方もあろうかと思うというふうに長官言われましたけれども、私はそこのところをもっと国民の立場に立って、長官がその形で押していっていただきたいということを要望申し上げておきたいと思います。 次に、電力の問題です。これも非常に似たようなケースですし、先ほど同僚委員がもうすでに指摘をしているところですので、私自身の問題提起を若干させていただきたいと思うのですけれども、電力業界も同様に、いわゆる為替差益を出しております。今年度で推定すれば、恐らく三千億円近い為替差益になる。これはNHKのテレビのときにも長官にはお話ししましたけれども、五十三年度に為替差益が電力業界から直接還元されましたけれども、それの総額が二千六百六十五億円ですから、それ以上のものが出るというようなことが明らかになっているわけです。それから、公定歩合の今年度に入りまして二回の引き下げによりまして、たとえば八月二十日の場合には東電として二十二億円利益が出る、関電でも十八億円以上、それから今回の一%の場合には東電が四十億円、関電が二十八億円という形で、差益と同時にこういう公定歩合のメリットも生じているわけです。 私は、こうした面について、いま家計が大変電力やガスの引き上げで圧迫を受けているわけですから、還元をさせるべきであるというふうに思っているわけですけれども、この点についてはどうお考えになるか、経済企画庁長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○河本国務大臣 電力業界は、この春の値上げのときには円レートを二百四十二円と計算をいたしまして値上げの査定をしておりますから、相当な予想外の利益が出ることは事実であります。ただ、しかし、先ほども石油問題のときにちょっと触れましたが、石油の価格は全体としては上昇ぎみであります。それから、為替そのものは変動相場制でありまして激しく動いております。この春は二百六十円であったものが、だんだん高くなって、いま二百十円になっておる。こういう状態でありますから、いつまた円安の方向に行くようになるかもわからない。こういう状態でありますから、一時的に利益が出たからといいまして、その都度それを還元をいたしておりますと、また今度電力料金を上げなければならぬ、こういうことになりますから、私は、前回のときも、円高で出る利益を還元するというようなことはもうやめた方がいい、そういうことは絶対反対である、やるべきではない。むしろそれは別会計にしておいて、現在の電力料金をできるだけ長く据え置く、こういう方向に持っていく方がよろしい。それから、同時に、やはり公共的な投資もございますから、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、たとえば電柱を地下に埋めるとか、そういう公共的な投資にも金をどんどん使っていく。しかし、差益から出た利益というものは、電力会社の独占すべきものではございませんで、国民経済全体に還元すべきものであるということは当然でございますから、これは別勘定にしておく、明らかに区別をしておく、その方がよろしい、こういうことを強く言っておったのでございますから、今回もまた円高からそういう議論が出てまいりましたけれども、この円高差益還元というようなことは、以上申し上げましたような、石油事情、変動相場制であるという現状を考えますと、それはやはりやらない方がいいのではないか、このように考えます。
○岩佐委員 次に、段ボール原紙及び段ボールシート、段ボールケース、この問題について伺いたいと思いますけれども、公正取引委員会は、五十五年の四月二十二日に、この業界に立入検査を行っておられるようですが、この実情について簡単に御説明いただきたいと思います。 それから、同時に、この原紙メーカーというのは、石油業界と同じように、非常にカルテル体質の強い業界だというふうに理解をしておりますけれども、過去何回公正取引委員会として検査をされ、また、勧告審決があったのか、その点もお伺いしたいと思います。
○妹尾(明)政府委員 段ボール関係につきましては、先生御指摘のように、今年の四月二十二日、原紙につきましては、クラフトライナー、ジュートライナー、印しん原紙、それからあとシート、ケース等につきまして、それぞれ共同して価格を引き上げた、あるいは団体において価格引き上げを決定してこれを実施している、こういう疑いで調査を始めまして、現在、鋭意調査を行っているところでございます。 それから、過去の事件の状況でございますけれども、段ボール原紙の関係につきましては、過去三十四年、三十九年、四十五年、四十八年に行われました四回の値上げにつきまして独禁法に違反する事実があったということで、合計九件の勧告審決を行っております。 以上でございます。
○岩佐委員 先ほど武部委員が原紙メーカーの利益について、あるいは自主減産の事情についてすでに述べられましたので、その重複は避けたいというふうに思いますけれども、現在、たとえば紙製品あるいは板紙の原価構成に大きな影響を与えております故紙だとか段ボールくず、そしてまた輸入のチップあるいは国内のチップ、こういうものについて非常に値下げ傾向にある。たとえば海外チップについては、これは農水省の方から伺ったのですが、セントヘレンズの火山爆発によって風倒木が出てチップの増加がある。さらに円高があるので値下げ要因があって現に下がってきている。また国内産チップも、現在一万百円から一万四千五百円程度の価格、これが恐らく近々昨年九月並みの七千円から一万九百円、こういう価格に下がるだろう。それから故紙については、大体昨年の九月並み、二十三円にまでことしの十月にすでに下がってきている。これが高かった時期は、たとえばことしの二月、三月、四月は四十三円とか四十五円とか、四十円を超している。これが二十三円に下がってきている。あるいは段ボールくずについても同じような傾向で、昨年八月が二十四円、九月が二十九円、これがことしの十月には二十七円、一番高いときには五十円程度していたものがどんどん下がってきている。ですから全体として紙製品は下がる要因がある。ところが武部委員がさっき指摘されたみたいに下がらない。しかもそれはどうも通産省絡みの旧主減産が行われている、そういうことがあるようですし、それからまた昨年の問題については明確に価格カルテルの疑いがある、あるいは減産の疑いがあるということで立入検査をされたのだというふうに私は理解をするわけですけれども、このようなカルテルを繰り返し行う、しかもまた石油と同じようにどうも通産省絡みで、所管庁絡みで行われる。こういう問題が繰り返し繰り返し行われていったら、私は国民生活にとって少しもよくないというふうに思うのですね。ですから、この四月の問題については、段ボールの加工の方々、下の方々は別としても、原紙メーカーに対しては告発、石油と同じようにそういう厳しい措置を公正取引委員会はとるべきだと思うわけですけれども、この点、いかがでしょうか。
○橋口政府委員 段ボールに関しましては、板紙の段階、シート、ケース、各段階について調査をいたしておるわけでございますが、まだ審査の途中でございまして結果ははっきり出ておらないわけでございますが、ただ、昭和五十二年の改正によりまして課徴金という制度が誕生いたしましたので、価格についての共同行為あるいは価格に影響を及ぼすような生産数量の調整をやりますと課徴金が課されるわけでございますから、これは課徴金という制度のなかった四十八、九年とはかなり経済的な事情が違っておると思いますので、したがいまして、告発問題は慎重に考えるべきことでございますが、その前にまず課徴金が支払いの大きな負担になって、まだ事件は終結をいたしておりませんが、大変膨大な課徴金の額になるのではないかということで業界の方は大変心配しておられるということでございますから、したがいまして、いまおっしゃいましたように上の方の強いところをしっかりやれという御趣旨でございますから、それは十分承ってやりたいと思います。ただ、課徴金が伴いますと、これはいままでと比べますとやはり審判とか訴訟に持ち込まれるケースむございますから、訴訟維持ができないような、いわばアバウトと申しますか、訴訟維持ができないような形で勧告をしたりするということは行政権の乱用になりますので、それは戒めなければいけないと思いますが、許された権限の範囲で最善を尽くしてみたいと思います。
○岩佐委員 最後に経企庁長官にお願いをしておきたいと思うのですけれども、この紙の業界の場合、いろいろ調べてみると価格が高くなって維持カルテルくさいというか、価格を下げないという行為が減産ということによって行われているという疑いが持たれるわけです。これは経企庁長官も、自主減産という問題については厳しく対処していきたいということでございますので、この紙の業界についての問題、ぜひ積極的に具体的に取り組んでいただきたいと思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○河本国務大臣 関係方面とよく連絡をとりまして善処いたします。
○岩佐委員 終わります。
○井上委員長 次回は、来る十三日木曜日午前十時二十分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十七分散会