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93回国会衆議院1980/11/11

農林水産委員会 第6号

発言数
192
登壇者
20
会派数
5
開催日
1980/11/11

会議録

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。保利耕輔君。

保利耕輔自由民主党

○保利委員 大臣には御就任以来、米価問題あるいは冷水害の対策、また最近は減反第二期対策等で大変御苦心なさっていらっしゃると思います。日ごろの御活躍に心から敬意を表したいと存じます。  今年の冷水害は御承知のように大変に深刻なものでございまして、私どもの出身地でございます九州におきましても、冷害に加えまして大変な水害を受けておる。雨による冠水等の被害が甚大であるわけであります。特にわが佐賀県におきましても、水につかったたんぼが非常に多くて、そのために病気が発生し、まれに見る凶作の様相を呈しております。農業の基盤を守るためのいわゆる河川の整備改修、それとまた排水ポンプの設置等によって水はけをよくする、これがいわゆる農業の基盤を支えていく大きな仕事ではないかと思うのでございます。大臣は建設大臣も御歴任なされ、そしてまた農林大臣をおやりになる、建設省また農林水産省両々相まって、農業を守るための政策を展開していただきたいと存ずる次第でございます。まず最初にこのことを強く要望申し上げます。  さて、今後の農政の方向づけについて、先日「八〇年代の農政の基本方向」と題しまして農政審議会から答申が出たわけでございますが、この答申の意義等につきまして大臣はどのような御意見をお持ちか、御所見を承りたいと存じます。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 お答え申し上げます。  農業並びに食糧をめぐって国民の間にはかなりの意見の対立が見られておるわけであります。たとえば国内農産物の割り高という問題だけをとらえて農産物輸入の一層の自由化を主張する意見がある一方、食糧の安定確保のためにコスト高になっても自給率を上げろ、こういう意見等もあるわけでございます。そういう中で先般の答申は、国民各界を代表する委員、専門委員が一年半にわたって論議を積み重ねた貴重な成果である、こういうふうに私は受け取っておるわけでございます。大きく分かれておりました論議の幅をかなり狭めたということでありまして、今後の農政の進め方についての合意づくりに寄与するものと私は高く評価をいたしておるところでございます。御指摘のように、農業をめぐる内外の情勢は大変厳しく流動的であるわけでございます。さらに今後論議を重ねまして、国民各界の理解と合意を深めていかなければならぬと思っております。  特に、あの答申に盛られておる方向に沿う具体的な施策を進めてまいりますためには、相当大きな国家投資というものもしなければなりません。先ほど一番先に御指摘になりましたように、土地基盤の整備、水系別による河川の整備等とあわせて、やはり農業基盤の整備というものが大変大事なわけでありまして、そういう大きな国家投資をしていく上におきましても、納税者、全国民的な立場からの強力な協力というものがぜひ必要であるわけでございますので、そういう意味において私はあの答申に盛られた精神を十分に体しまして進めてまいりたい、こんな考えでおる次第でございます。

保利耕輔自由民主党

○保利委員 どうもありがとうございました。  この答申の中を見ますと、日本という国を高密度工業化社会というふうに規定いたしておるわけであります。私も外国の生活を五年ほどしてまいったわけでありますが、外国からながめますところの日本の姿というものは、まさに高密度工業化社会ではないかという感じがいたしております。しかし、この四つの島々に住む一億一千万人の人々に食糧を安定して供給しているいわゆる農業というものの持っている役割りというものは、この高密度工業化社会というものをりっぱに支えているのではないかという気持ちは強く持つわけでございます。  同時にまた、日本という国は自由社会の一員として自由主義国家群との交際をし、またもちろん社会主義国家群とも交際をいたしておりますが、その自由主義経済体制の中にあって食糧もかなりの輸入をしている部分があるということでございます。私はこの食糧の輸入というものを考えてみますと、消費者の豊かなバラエティーに富んだ食生活を維持していくために、また食品工業界からの安い原料を供給してほしいという要請、また畜産振興のための飼料の輸入、またいわゆる自由経済体制の中にありますところの外国からの食糧輸入に対する要請、こういったものを考えてみますと、やはりある部分は輸入をしていかなければならない部分があるのではないかと感ずるわけでございます。特に飼料等につきましては、安い外国の飼料を買うことによって日本の畜産が振興されているという状態もあるわけでございます。言いかえてみますと、いわば大変大きな面積を外国に借りているような状態があるのではないか、それがあるいは日本の畜産を支えているのではないかという感じがいたすわけであります。  そこで、政府は時によっては農産物の輸入を野放しにしているのではないかという議論もあるようでございますが、農林水産省としては、農産物の輸入について基本的にどういうお考えを持っておられるか、お伺いしたいと存じます。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 保利委員の御指摘の趣旨、私も賛成するところが多いわけでございます。農業の果たしてきた役割りというものは、今日の日本をつくり上げる上においてやはり大きな支柱になってきたということは厳然たる事実でありまして、ややともいたしますと、こういうところに気がつかない面がだんだん強くなってくるのではないかということすら心配をいたしておるところでございます。  ところで、その一億一千万という国民のニーズにこたえながら、その食生活、食糧を安定的に供給してまいりますためには、やはりどうしても国内産の食糧だけで国民のニーズを満たすことができないということで、特にパン食が非常に進み、洋風化が非常に進んできた日本の今日までの情勢を考えますと、米とか野菜、果物等は一〇〇%近い自給をやることができるわけでありますけれども、残念ながら小麦とか大豆とかに至りますと大部分を外国に依存しておる。ましてや、えさのごときは二千万トン近い輸入をしなければならぬということを考えますと、実は大変心配も起きてくるわけであります。  実は、日本は一年間にどのくらい農林水産物資を買っておるのかということで見てみますと、二百八十九億ドルという膨大なものを買っておる。こういうことを続けておったのでは、いかに工業国家として努力をしてもなかなか容易ではない事態が来る、こういうことで国会の御決議もいただき、そして自給力を上げろ、強化しろ、こういう方向を国会でお示しいただいたわけでございます。したがいまして、国内でできるものはできるだけ自給しよう、国内でつくろう、そしてどうしても品種やら技術やらあるいは気候、風土に合わない、あるいは膨大な土地の面積を要するような作目については外国に依存せざるを得ない、こういう立場をとっておる次第でございまして、そうだからといって野方図に外国のものを入れているわけではございません。農林水産物資の中には、この自由貿易の時代においてすら、非自由化の二十二品目、そういう制限、規制も設けまして国内農業の保護ということも考えておる次第でございます。いずれにいたしましても、農産物の輸入に当たりましては、その需給の動向を踏まえ、国内農業の健全な発展と調和のとれた形で行われることが最も重要であると考えておるわけであります。  このような観点から、わが国農業の基幹をなしております作目、また地域的に重要な作目等については、先ほど申し上げましたように輸入割り当て制度の対象としております。農産物の輸入については、わが国の農業生産や農家経済の安定に重大な影響を与えないように配慮しながら、今後ともこのような姿勢で国内農業者の立場を考慮していきたい、こう考えております。

保利耕輔自由民主党

○保利委員 ありがとうございました。  この答申の中を見てみますと、最初の方に今後日本型の食生活を定着させていかなければならないということが書いてございます。今日の日本人が食べております日本型の食事というものが、大体PFCの熱量比で理想的な姿だということがこの答申の中にも書いてあるわけでございます。そのことは、まさに健康上も望ましい、今後ともこのパターンを続けていくべきだ、またそのための努力を払うべきだということも書いてあるわけでございますが、私は自分の生活しております体験から申しまして、このことに若干疑問を持つものでございます。  と申しますのは、若い世代の米離れというものはもう少し顕著なのではないかという感じがいたすわけでございます。先ごろちょうだいいたしました「農業・農村と食品産業の現状と今後の方向」という農林水産省でおつくりいただいた資料がございます。その九ページを開いてみますと、いわゆるPFCの理想的な姿、五十三年度、たん白質一二・九%、脂肪二三・九%、炭水化物六三・二%という姿が出ているわけでございます。同時にまた、この資料の二十七ページを見てみますと、国民がどういうぐあいに米を買っているかという「成人二人世帯における世帯主年齢別一人一年当たり米購入量」というグラフが出ております。このグラフを見て私は考えたわけでございますが、四十五歳から六十歳くらいまでの方々は大体七十キロくらい一年間に購入しておられるというデータが出ております。と同時にまた、二十歳代の方々はわずかに三十キログラムしか買っていないというデータが出ております。これを考えてみますと、若い世代の米離れというのは、われわれが考えますよりも以上に米離れが進んでいるのじゃないかということを私は恐れるわけでございます。このグラフをそのまま右の方へ水平移動させますと将来の姿があるいは出てくるかもしれない。年をとればもう少し日本型の食生活になじんでくるさ、そのうちに米を食べるようになるさという考え方もあるいはあるでありましょう。しかし、私の子供のことなどを考えてみますと、お米離れ、そして肉への志向というものが皆はっきりと見られるわけでございまして、こういうことを踏まえて今後の米の需給動向というものを考えていかなければならない。  たまたま十一月七日に閣議によりまして「農産物の需要と生産の長期見通し」が出ております。ここの中では、米の昭和六十五年度における需要は一人当たり六十三キロから六十六キロというふうに推定されております。しかし、このグラフとかみ合わせて考えていった場合には、もうちょっと減ってしまうのではないか、そしてその部分が畜産物の方にいくのではないか、したがって飼料の輸入が考えられているよりももっと大きくなるのじゃないかというふうに私は疑問を持ったわけでございますが、農林水産省としてこの辺についてどのようにお考えになっておられるか、もし御意見があれば承りたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 御指摘の点、御心配の点、よく理解できるわけでありますけれども、これには相当な米に対する消費の努力というものを私どもとしては非常に強く取り入れておるということでございます。  戦後粉食奨励、食事の洋風化ということで、そうすることが健康を保持し長命を得るゆえんであるというような立場から、政府としても学校給食会というような法人までつくりまして、そうして膨大な国費をかけ粉食奨励をやってきた、その諸君の現在の米消費量というものが非常に少なくなってきておる、それは政策的誘導と申しますか、そういう結果であるということは否めない事実であろうと思うのです。当時私も昭和二十年代ごろからそういう点に思いをいたしまして、学校給食会は米を取り上げるべきであるということを強く要請をいたして、あちこちで強く講演もしたりいろいろなことをしておりましたけれども、あの当時はだれ一人として学校給食会で米を取り上げろというようなことを言う人すらなかった。もう国民挙げて粉食奨励という方向に行った。やはりあれだけの努力をしてその結果がいまこの米離れという現実となってあらわれてきておる。したがって、米の消費を拡大してまいるということにつきましては、これは並み大抵の努力ではいかないと私は思うのです。  幸い文部当局におきましても、小学校の学習指導要領の中で日本農業というものをよく教えなければならぬということが示してあるわけであります。その中で、やはり日本では米が一番よくとれるのだ、米が一番この風土に合った主食なんだ、こういうことを教えておるわけでありますけれども、本ではそういうふうに教えてあるのですが、現実では、学校給食に行きますと、米を一日でもふやせということになりますとその町村に対していろいろな問題提起があるというようなうわさも聞いておるほど、この学校給食会というものの存在が強いわけでございます。そういう中で政府が中心になりまして、農協の協力も得て、またいま全国市町村の協力も得ながら米の消費という問題について全力を挙げる、その努力をして十年後に六十三キロ、こういうふうに私どもは見ておるわけでございます。ただ手をこまねいて国民のいわゆるニーズのまにまにということではなくて、やはりニーズのまにまにとは言いながら戦後の日本の食生活の構造をつくり上げていったのは、学校給食会というああいう強力な全国的団体があった。ですから現在においては米食というものもこの給食会で取り上げていただいております。願わくば一週間に二日というのを三日なり四日なりというふうに回数をふやしていただくことと、大都市においての学校給食というものがなかなか米食化されていかない、こういう問題に農林水産省としても全力を挙げて文部省に強く要請をして、米給食の実態をつくり上げていきたい、こんなふうに考えておる次第でございます。

保利耕輔自由民主党

○保利委員 残念ながら持ち時間がもうなくなってしまいましたので、まだ食品加工業その他についても伺いたいことがございますけれども、これで私の質疑を終わらせていただきます。  ただ、いまの学校給食の問題は大変に大事な問題だと思いますし、将来の日本国民というものを形づくっていく大切な仕事じゃないかと思います。特に骨が弱い子供ができているということ、カルシウムの摂取量が足りないのじゃないかということ、こういうことも合わせて、いまの二十歳代の方が三十キロではなくてもっと六十キロぐらい食べられるように、そっちの方からの御指導というものも必要なのではないかということを私は最後に申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 渡辺省一君。

渡辺省一自由民主党

○渡辺(省)委員 大臣にお伺いしたいのですが、冷害、災害、大変な被害が起きまして、大臣その他農林省当局の大変な御努力がありまして、幾つかめどの立ったものがあるわけでございますが、きょうは正式な委員会でございますので、五十一年度の災害と比較して今度の災害、冷害に対して、特に大臣が意を用いられて、置かれておる農村の実情を考えてどういう点に特に配慮しながら今次の冷害対策等に措置を講じたか、そういう五十一年度と比較しての配意をしたことなどが特にあれば、この機会にひとつ冷害対策に関して伺わせていただきたいし、それから、自創資金等についてもまだめどが立っていないようでございますが、これらの問題等について、もしお聞かせいただけるならば、この機会にひとつお伺いしたいと思うわけです。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 五十一年度の対策と変わったところという御指摘でございますが、まずその対策をできるだけ早くやろう、これだけの農林省の職員がおって、これだけの陣容を持っておるのだから、とにかくもう一日でも早くということで施策をやろう、こういうふうに省内に呼びかけまして、そして七日の閣議で十日の政令公布、こういうことをさせていただいたのが、五十一年度とちょっと違ったところかと思います。  と同時に、自作農維持資金につきましては、北海道等につきましては非常に残金が残っておるわけであります。したがって、総額で幾らというふうに決めますともう借りるところがないということで、今回北海道については、幾ら残金がありましてもその上にプラス百五十万というようにしていこう、まあ大体そういう決定の仕方をいたしておりますし、青森以下東北冷害県におきましては二百五十万という特別枠を設けさせていただいて、これは実はきょう決定をいたしたところでございます。  それから、共済がいつも問題になるわけでありまして、共済の評価額と統計情報部の評価額との間に大きな差があって問題を起こす。ですから、できるだけそういう差がないような努力を統計情報部としてもやりなさい、実はこういう指導を強くさせていただきました。と同時に、規格外米と申しますか、あれのふるいの目が一・七ということで、もうそれより大きくはできないのだ、こういうところにも被害高が、数字が非常に離れる一つの理由があったと思うのです。そこで、今回はいろいろ処置を講じまして、それでもという場合には一・八ミリのふるい、少し大き目のふるい目で落ちた分はこれはもう被害粒とする、こういうような処置を講じさせていただいたり、五十一年度と特に違ったということはまあそんなところでございましょうか。あとはとにかく国会でつくっていただいたこの冷害対策の制度、それをもうフルに発動させて、効率的に実施できるようにというようなことで実施をさせていただいた次第でございます。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 お答えいたします。  自作農維持資金につきましてつい先ほど決定をいたしましたので、御報告申し上げます。  災害資金枠は七百二十億円という資金枠を設定いたしまして、条件は、法律等に定められておりますように償還期限二十年、金利四・六%でございます。  個別の限度額の設定につきまして申し上げますと、現行は百五十万円でございますが、北海道は、ただいま大臣からお話がございましたように従来の貸付残高に新たに百二十万円の加算になります。なお東北六県につきましては、残高の貸付限度を二百五十万円に引き上げる、こういうことで決定いたしましたので、早速都道府県等に連絡いたしたいと存じますが、これらの限度等につきましては、各県の御要望をすべて満たすものと考えております。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 先ほど貸付残高の上に百五十万円、こう申し上げたのは私の思い違いでございまして、百二十万円でございますので、訂正をさせていただきます。

渡辺省一自由民主党

○渡辺(省)委員 大臣、この大型冷害対策に対して大臣がどういう配慮をしてもらえるかという、かなり期待も大きかったし、かなり注目をされておった中で、いま大臣からお話がありましたように幾つかの施策が迅速に措置をされたことと、それから、大臣は控え目でございますが、かなりいままで要請があってなかなか一つのハードルを越えられなかった幾つかの面について措置をされたということに対しては、私は評価されている声を聞いているわけでございまして、ぜひひとつ、さすがは農政に理解のある亀岡大臣であるという、そういう理解と評価の中でこれからもがんばっていただきたいと思うわけでございます。  そこで、そういう大臣のいろいろの処置について注意深く見守っておったということは、時たまたま第二期の水田転作対策というものが、この冷害問題等があったために、もっと早い時期に一つのめどを立てるべきであったというものが少しおくれたわけです。そのおくれたという中で、いま申し上げました、冷害に配慮があるのだから、多分二期対策等についても幾つかの配慮をしてもらえるという期待が非常に高いと私は思うわけでございます。そこで、そういう観点から、この水田利用再編の第二期対策について大臣は基本的にどういう姿勢で対処されようとしているのか、基本的な考えをお伺いしたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 今回の冷害が予想以上に深刻なものであり、被災農家の不安も大きいことから、九月いっぱいで第二期対策をやろうかと思っておった考え方を全くストップをいたしまして、そうして冷害対策に全力を挙げさせていただいた次第でございます。  と申しますのは、この二期対策というものは避けて通れない日本農政に課せられた一つの宿命である。しかし、この大事業をやり遂げてまいりますためには、農家と道府県並びに市町村、農業団体、特に農業者、それから一般の納税者、全国民、全部が心が一つになって円滑に今日までも行われてきたわけでありますし、特にこれからはなおむずかしい段階でやっていただかなければならぬわけでありますから、農家の信用というものが一番大事だ、それにはやはり冷害対策を中途半端にしたのでは、これはもうとても農家の信用は得られないということで、全力を挙げさせていただいて一応のめどを冷害対策についてはつけさせていただいた。  さて今度は第二期対策、こう言って、いろいろと今日までの当委員会での御指摘、また団体からの御要請、市町村からの要請、農業者の声、被災農家の声、こういういろいろな要請を農林水産省としても十分に承知をいたしまして、そうして今月中に第二期対策の結論を出さなければならない、こういうことでございまして、三年間の計画というものはぜひ実現をしたい、実現しなければ日本農政、食管法を守ることすらなかなか容易じゃなくなる、こういう考え方がある反面、冷害で打ちひしがれておる現実というものも無視はできない、それをどういうふうに取り上げてこの二期対策の中で処置をしていくかということは大変困難なむずかしい問題である、こういうふうに認識をいたしております。したがいまして、党の方ともよく相談をいたしまして、そうして何らかの配慮は加えなければなるまい、そんな気持ちを現在持っておるわけであります。それではどんな配慮だ、こう言われますと、それをまだ具体的に申し上げるところまで私の心が固まっておらないことをまことに残念に思う次第でありますが、もうしばらく時間をかしていただきたい、こう思います。

渡辺省一自由民主党

○渡辺(省)委員 大臣、時間がありませんから端的にお伺いしていきたいと思うのでございます。  いままだ、どういう方向でやるかという基本的な考え方には時間が欲しいということでございますが、これはひとつ要望しておきたいと思うのでございます。  冷害対策等で大変温かい配慮をしてくれた農林大臣だから、かなりいま米が余っているという三年間の転換対策等を進める中で配慮がしてもらえるのじゃなかろうか。たとえば一つの意見を申し上げますと、仮に三年間の一つのめどの中で、いま米の余っている状態からいってこれぐらいの線は引かなければならないという厳しい線は決めても、その厳しく決めたことを初年度は少しく緩和する。ですから決めることは決める、しかし冷害等の実態にかんがみて、当面年次傾斜などを配慮しながらやるなどの処置はしてもらえるのかどうかというような意見をわれわれもずいぶん聞かされるわけです。ですから、うんと極端に言うと、数字は仮説でございますが、十万ヘクタールやりますよということがあっても、冷害だから来年度は八万ヘクタールにしてはどうかとか七万ヘクタールにしてはどうか、たとえばそういう段階的なやり方を、大臣ならばいまの農村の置かれている——冷害に対する幾つかの措置はしてもらったけれども、借金が残っているわけですから、借金を返すためのそういう配慮等は少しはしてもらえるのだろうか、基本方針は方針で決めますけれども、そういう配慮はしてもらえるのだろうかどうかという声がずいぶんあるわけでございます。これはいまお話があったように時間をかせということでございますから、十分そんな意見のあることも考慮していただきたい、これは要望しておきたいと思います。  それから、冷害対策等について幾つかの措置ができたわけですから、時期的には大体どういうスケジュールのめどを持ってこの二期対策の措置をやられようとしているか、その時期的なめどをお伺いしておきたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 これは事務当局で日程等もつくっておるようでございますので、一応事務当局から説明をさせていただきます。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 二期対策での県別配分、この辺の時期がどうなるかということでございますが、一応今月末を目途に県別配分をいたしたい、こういうことで考えております。手順としてはというお話もございましたが、やっと一連の冷害対策の方もめどがつきましたので、今週から関係方面との協議を再開いたしております。その辺の意見も踏まえまして、できれば中旬ごろまでに全国段階の要調整数量なり奨励金の仕組みなり、そういう全国的な共通問題については固めていただいて、その上で今度は県別配分に入って、月末に配分をしたいというのがめどでございます。

渡辺省一自由民主党

○渡辺(省)委員 幾つか具体的なことをお伺いしようと思っておりましたけれども、持ち時間がありません。  そこで大臣にお伺いしたいのは、この審議会の答申を見ましても、八十一キロ程度食べておる米はまあ六十二キロから六十六キロぐらいになるであろう、一日茶わん三杯ぐらいになる、全体的にそういうふうに減っていくことと、その中でもう一つ心配な要素は、二十五歳前後、いわゆる三十歳未満の人たちが恐らく一日茶わん二杯か一杯半ぐらいになる、端的に言うとそういう中身の答申があるわけでございます。そうなってまいりますと、米づくりを続けるということは大変困難である。そうすれば、いままで幾つかの奨励措置をもらって転作をしてきたけれども、転作をした人たちは、七十六万ヘクタールといいますと転作面積はまだ足りないわけですから、何らかの形でその人たちが米づくりからほかの作物をつくるために、恒久政策の中で自分の生計を立てなければならない、今度はこういう問題が具体的に上がってきておるわけでございます。     〔委員長退席、菊池委員長代理着席〕  そこで一つは、これは一般論として、米などは、世界の人口もふえるし、冷災害で非常に不安定な状態もあるのだから、財政的な問題を考えると国際米価がトン約十万で日本のが大体三十万だから、三分の二の負担をして外国へ出すなどということはできないという話がよくあるわけですけれども、そういう財政上の理由で米を輸出するという問題を顕著に取り上げられないのか。人口がふえて世界的に食糧が困るのですから、たとえば開発途上国や東南アジアのどこかに、難民その他食糧不足の国のために備蓄センターぐらい日本の提起によってつくらせて、アメリカだとかカナダ、ニュージーランド、豪州は少しく麦、大豆だとか、バター、チーズ——ECなんかは日本にバター、チーズをかなり売り込んできておるわけですから、こういう国にも国際的な義務を果たしてもらうために、備蓄センターにバター、チーズを少し持ち寄る、日本も米はひとつ出しましょうというようなことで、世界の食糧難に対処するために日本が国際会議でそういうことを提起してみてはどうか、そのための米価なら米価というもののあり方、米をどれだけつくるというめどをひとつ立ててみてはどうかという意見があるのですけれども、財政難の上に、こんなに農産物価格が違うからだめだということで一刀両断に切り捨てられているのです。これは財政上の問題と食糧不足という問題とをもっと連動させて、総理大臣も東北だし外務大臣も東北ですから、農林大臣と三人集まるこんな政治情勢のときに、思い切って国際会議でもってそれらを提起するというようなことを少し詰めてみてはどうか、これが一つでございます。  それからもう一つは、よく入り口があって出口がない、たとえば一例を申し上げますと、食味の問題や幾つかの問題で北海道が酪農転換をする、第二の食管になるぞなどという指摘をされている状態の中で、いま牛乳が余っているという。ですからもっと素直に転作等に協力したいのだけれども、こっち側の方の玄関に入ったら出口がない、ではどこに行ったらいいのだという悩みが実際問題としてあるわけでございます。ですから、そういう立場でいまの答申の傾向を見ると、一つの傾向が出ているわけですから、その傾向の中でもっとメニューを多くしていく。この政策をずっと長い間やっていけば、行き着くところはおじいちゃん、おばあちゃんという年寄りのいわゆる年金問題や若者の離農対策も一部含めた措置をしてあげないと、金融制度や、農地三法を通したあの当時の考え方だけではなかなかいきづらいのじゃないか。とにかく、現に二八%の農地の上にいる農家、その約四〇%が後継者がいないと言っている。こういうところを県別に親切にリードするためにはもうちょっとメニューが必要だ。ですから、転換するなら転換するような、農業金融だとかなんとかの措置だけではなくて、もっと総合的なそういう対策をメニューとして提示してやる。そうすれば三年なり五年なり十年なりを展望して、自分は農家を続けるかあるいはもうちょっと規模を大きくするか、そういう判断をできるようなことがどうもいまの農政の中で少しく勇気に欠けている面があるのじゃないか。時間がありませんからこの二つの点だけを簡単にお伺いして、私の質問を終わります。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 米の問題についての一つの御提案があったわけでございます。今日の日本の財政事情のもとにおいて、なかなか明快にその御質問にこうしたいという答弁ができないのがまことに残念でございますが、しかし私はやがてはそこまでいかなければいかぬのじゃないかという感じがいたします。と申しますのは、もういろいろな面で、後発の日本が世界で一、二をリードする実力をほかの面では発揮しておるわけでありますから、農業においてもやはり工夫と努力と施策のよろしきを得ればそういうことは不可能ではないという感じを持ちます。したがいまして、開発途上国に対する食糧援助というようなことは、日本の国際的責任を果たす方法としては将来考えていかなければならぬ問題の一つでもありますので、私どもとしても勉強をさせていただきたい、こう思います。  それから、総合的な転作でメニュー方式をとれ、こういうことでございまして、実はそれがなかなかむずかしいわけでございます。果樹ということになりますと、これまたミカンの過剰あるいは落葉果樹の過剰、ブドウの過剰というような問題にぶつかる。酪農関係にということになりますと乳が余る。そうしてこれにチーズの工場をつくろうという決心を私どもがしようといたしますと国際的な反発が来る。しかし私は多少反発が来てもよくその相手の国と話し合いをして、そして両方がやはり自由主義国家群の一員として発展をしてまいりますためには、話し合えば必ずお互いに理解し合えることがある、こう考えまして、実はニュージーランドやベルギー等に対しましていろいろと説明をいたしておる、こういうことでございます。御指摘のようにメニューをどういうふうに並べていくかということは今度十年後の長期見通しの中にもいろいろと組み入れられていますので、それらを十分慎重に検討いたしまして、できるだけ農家に信頼を受けるような指導体制をつくり上げていかなければならないと考えております。

渡辺省一自由民主党

○渡辺(省)委員 どうもありがとうございました。

菊池福治郎自由民主党

○菊池委員長代理 松沢俊昭君。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 私は、去る十月三十一日農政審議会から答申がございました「八〇年代の農政の基本方向」並びに「昭和六十五年の長期見通し」、この二つにつきまして御質問を申し上げたいと思います。  農政の問題につきましては、一昨年暮れあたりから各界からいろいろな提言がなされてきているわけなんです。それを要約すると、大体が日本の農業は過保護である、だからこの過保護政策というのをやめるべきである、こういうのが大方の提言であったと思うわけなんであります。今回の基本方向等を見ますとそういう提言が非常に強く反映されているのではないか、かように考えております。しかも見通しを見ますと、昭和五十三年では穀類の国内自給率三四%、こうなっておったのがこれでは三〇%、こういうぐあいに引き下げが見通される、こういう状態になっておりますので、過般の国会で満場一致決議をいたしましたところの自給力の強化というのと自給率の低下、要するにこの問題につきまして大臣は一体どのようにお考えになっておるか、まず初めにお伺いしたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 当委員会並びに国会においてさきの通常国会で決議をちょうだいしました食糧自給力強化という御趣旨、これにつきましては今回の基本構想の中にも十分その精神は取り入れられておるもの、私はこういうふうな認識を持っておる次第でございます。小麦あるいは大豆等においても、十年後には現在の自給率よりも相当高めるという努力目標が示してあるゆえんもそこにあろうかと思います。ただ、私自身も大変残念に感じておりますのは、豚や養鶏あるいは中小家畜に使いますところの飼料穀物というものが、食生活の動向を見通した際に相当需要が増加するであろうということで、その飼料穀物の増加とその他の食用の穀物との合計した自給力ということになりますと、御指摘のような点になってくるのがまことに残念でありまして、食糧と飼料というものを一緒にして自給率というものを計算した方がいいのかどうか、私も専門家じゃありませんのでよくわかりませんけれども、その辺私としても大変残念でございますが、よく説明を聞いてみますとやむを得ないのかなというような心境でおる次第でございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 私はこの答申を見まして感ずるわけなんでありますが、過保護過保護という提言を真に受けまして、今度価格政策の面におきましても需給均衡のとれた価格政策をやっていかなければならない、言ってみますならば低価格政策、内外の格差、これを縮めていかなければならぬとか、あるいはまた構造政策の面からは、農地三法をてこにしながら中核農家の育成ということをやって、そして規模拡大をやる、まずそこに合わせて、それから今度は国際価格の格差縮小、こういう方向でいくということになりますと、結局日本の農業を支えてきたのは農民なんでありますから、農民生活というのがめちゃめちゃにされてしまう結果になるのじゃないか。私はそういう点からいたしまして、いままでの三十年、二十年の農政の中で常に犠牲を強いられてきているのは農民であったというふうに受けとめておるわけなんであります。  最初日本の食糧の不足の時代におきましては、いろいろとアメリカからも力をかりてやってまいりました。しかし、アメリカの余剰農産物の処理法というものができて、小麦を初めとしますところのいろいろな農産物がどんどんと入ってくるわけなんですね。そういう中で日本の農業が衰退の一途をたどってきたということは、歴史が厳然と実は示していると思うわけなんであります。そこへもってまいりまして今度は構造政策と価格政策、それによってさらに一層締めつけるということになったら、本当に農民の生活はどうなるのか、こういう心配をいたしているわけなんでありまするが、大臣はどのようにお考えになっているのか。  それともう一つの問題は、ことしはかつてないところの大災害に実は見舞われたわけなんでありますけれども、いろいろと見たり聞いたりしておりますと、やはりああいう大災害におきましても、水の管理あるいはまた施肥管理、そして品種、そういうものと真剣に取り組んでまいりましたところの農家の被害は、周辺一帯が皆無であったにもかかわらず五俵ないし六俵くらいの米がとれたということを実は聞いているわけなんであります。結局、いまの農村の状況というのは、農業だけで生活ができない、そういうようなことからいたしまして、農外収入を得るに忙しい余りに、荒らしづくりというのが行われていることによって今回の大災害ということになっているのではないか。そうだといたしますと、これからの日本の農業生産力、それを引き上げるためにも農民を抜きにして考えるわけには私はいかぬと思うわけなんであります。そういう点、この基本方向に従ってこれから農政が展開されるということになりますと、一体日本の農民の生活はどうなるのか、大変私は心配いたしているわけなんでありまするが、これらの点につきまして大臣はどのようにお考えになっているか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 松沢委員御指摘のとおり、わが国の中の一部で農業に対して過保護であるという声があることも私も承知をいたしているわけでございます。現在の時点において私は農業過保護という言葉には非常な抵抗を感じ、内心ではけしからぬなという気持ちを持つ一人であります。  その理由は、申し上げれば時間が長くなりますので申し上げませんけれども、何といっても、一口に言えば戦後の日本をここまで発展せしめてきた縁の下の力持ちをしてきたのは農村の地域社会じゃないかということを一億国民がよく理解をして、その理解をしていただいているからこそ、農業に対する基盤整備でありますとかあるいは食管の繰り入れでありますとか、あるいは今度の災害の共済金の再保険の資金でありますとか、さらには先ほどの自作農維持資金の融資の長低利であるというような問題でありますとか、もろもろの農業に対する助成策がとられているのだ、こういうふうに理解をいたしておるわけであります。  したがいまして、このような情勢を、基本構想が出たからといってすぐに来年、再来年、また三年後、五年後というふうに大きな変化を与えていくのだというふうには私は実は心には考えていないわけであります。この方向に持っていくにいたしましても、農家を中心にいたしまして、そうして農家の協力を得ながら進めなければいけない、こんな考えを持っておりまするし、無理をすれば松沢委員が御指摘のような線も出てこないことはないと考えられますので、無理をしてはいけないという感じを持つわけでございます。しかし農業者である以上、これは農業基本法にも示してありますとおり、自然的、社会的、経済的不利な条件のもとに経営をしなければならない産業である、したがって、これらに対する政策はそれらを十分考慮してやらなければいかぬというのが私は農業基本法の精神だろうと思うのです。  したがいまして、そういう立場でこの基本方向をとらまえまして、そうして具体的に、着実に、慎重に実施をしてまいることが大変大事ではないかと思いますと同時に、先ほど申し上げましたように膨大な国家投資を今後も必要といたしておる農業環境でございます。したがいまして、その国家投資をしてまいります際には、やはり納税者の協力、国民の理解というものも私は絶対に必要な要件であろうと思いますから、それらの方々を納得せしめるためにも、農家の自己努力も示していただかなければならぬのではないかな、そういう気持ちも私は持つわけであります。だからといって、息もつけないような政策を一遍に強行をしていくというようなことは私は考えておりません。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 けさ配付を受けました「農家経済収支」、十月二十四日の公表なんでございますけれども、これによりますと、農業所得というのは前年と比較いたしますと四・五%減ったというふうに書かれているわけなんですね。そして、かかるところの経費は、農業経営費が一四・七%ふえた。これははっきり申し上げますと、昨年は米価は据え置き、ことしは二・三%値上げというけれども、渡辺大臣に言わせるならば実はそうではないのであって、一・二%なんだということでありまして、価格政策で低目に抑えられる。そして農業資材がどんどん上がっている。そういうことからして農業所得そのものが減ってくる、こういうのがいまの現実であろうと思うわけなんであります。  そこで、この基本方向の中では一切合財がすべて農民に目を向けて、こうせいああせいということを言っているわけなんです。構造政策にしましてもそうです、価格政策にしてもそのとおりなんであります。しかし、農業と関連をいたしておりますところの、たとえば農器具なんかの例をとってみますと、農器具生産高の八三%というのは、トラクターなんかの場合においては大手四社が独占をしているのですね。あるいは田植え機械なんかは八八%をこの四社が独占をしている。コンバインは九四%を独占をしているわけです。そうして販売の方法といたしましても、その大部分がメーカー系列の販売会社あるいは特約店、そういうところから流れてくるわけなんであります。したがって、ある大手の農機具会社の株主の配当金、これは五十三年と五十四年を比較いたしますと相当の伸びを示しておりますし、また役員の賞与等におきましても伸びを示しておりまして、五十四年におきましては一億六千五百万円の役員賞与を受け取っている、こういう状態になっているわけなんです。あるいはまた、農家が売っているところの品物の取り扱い等におきましても寡占化が進められております。だから、流通の部門、そういうところはほとんどが大手の数社の人が握って、そして価格の操作が行われている。  そういう問題が解決されないで、単に農業者だけにああせいこうせいと言ってもそれは無理なんじゃないか。もっと根本的に、全体の日本経済の中におけるところの農業の配当歩合というのはどのぐらいであるべきかというようなことぐらいはきちんとしていかなければ、幾らこんなことを言われたとしてもこれは農民が犠牲になるだけの話であって、このまま農民が犠牲になるということは、農業の担い手がなかったならば日本の農業は発展しないわけなんでありますから、したがって、農業の発展というのは農民生活の安定が基礎だと私は思います。いま私が申し上げましたような問題が解決されないで、ただ構造政策を推し進める中で日本の農業を考えていくということは基本的に誤りなんじゃないか、私はこう思いますが、大臣はどうお考えになりますか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 農機具の価格等についてお話があったわけでございますが、生産費の上昇を極力抑制をして農業所得の安定的確保を図るという観点からいたしますと、農業生産資材、いまお話のございました農機具等につきましては、その抑制を図るといいますか価格の安定を図るということに極力努力していく必要がある、かように認識をいたしております。  そこで、具体的な農機具の問題でございますけれども、ただいま先生からお話しございましたように、農機具メーカー、それも大手のところにおきまして確かにトラクターなり田植え機なりコンバインなり、生産シェアという面では相当高いわけでございます。ただ、この農業機械につきましては、これは農家の使う農業専用物品でございます。したがいまして、全農とそういうメーカーとにおきまして購入価格等につきまして個別に価格折衝を行っておるわけでございます。その際の価格というものは、全農としては、農民の組織する団体でございますから極力先ほど申し上げましたような線で折衝に臨むということでやってきておる。したがいまして、商人系を通じて、もちろん特約店等を通じて流れるというものもございますが、全農の購入価格というのが一つ大きな基準といいますかめどということになってやはり商系の方も売っておるというようなことでございますので、寡占体制が進んで相当農機具価格というものが高く売りつけられて、大農機具会社が相当の収益を上げるというようなことにならないかという面につきましては、現在の農機具の流通実態、価格の改定といいますか交渉との関連からすれば、そういうおそれというものはそうないのではないか。それにいたしましても、これは気を緩めてはいけませんので、当然全農の方に対してもわれわれとしてもそういう面は指導は十分していきたい、こう考えております。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 いや、十分考えてもらうと言ったって、現実はそういうふうにして十何%も上がっているというのです。それで農業所得というのは四・数%下がっているというのです。ですから私が申し上げたいことは、それは農業だけに責任を負わせるということでなしに、そういう関連産業の問題もきちんと処理をしていかなければどうにもならない問題なんじゃないか、こういうことを申し上げているわけなんです。それで、私はそういう意味からいたしますと、これからの農政というのは、いままでの農政を振り返って反省をして、その上に立って新しい展開をやっていくということが必要だと思います。  そこで、ずっといろいろ調べてみましたのですけれども、七五年と七九年の比較におきましても耕地の面積が減っているわけです。それから耕地の利用の率というのも、これは六五年は一三〇%利用しておりましたのが、七五年になりますと一〇三%。人口もまた減っております。そして新規の学校卒業者の後継者の数も、七五年には一万人ということになっておりましたけれども、七九年になりますとその半分の五千人。現在男子の農業専従者のある戸数というのが百十万戸。三十年間農業ができるという計算からいたしますと、農業後継者というのは百十万戸の農家に対して七分の一しか充足されないという結果に私はなると思うわけなんであります。それから農家の構成にいたしましても、七五年には専業農家が一二・五%、七九年になりますと一三%、ちょっとふえますけれども、しかし一種兼業は二五%から一八%に減って、二種兼業が六二%から七〇%にふえる、こういう状況でございますし、それから農業の生産にいたしましても、工業生産と比較いたしますとはるかに下回ってくる。国民総生産の面からいたしましても農業生産は一%も下回ってくる。こういう状態がずっとここ数年間続いているところの状態であるわけですね。  そうして輸入の問題はどうなっているかということになりますと、六〇年から七五年までの十五カ年間を見てみますと、小麦が二・一倍、トウモロコシが四・四倍、グレーンソルガムが七十七・二倍、大豆が三倍、そして穀物類の世界貿易の中に占めるところの日本の輸入のシェア、これが一三・四%、大豆のごときに至りましては二〇%、先進国におきましては実は最大の輸入国、こういうことになっているわけなんです。  そこで、自給率を高めて不測の事態に備えなければならないということを言っておられますけれども、こういう農村の動き方、そしてその動き方と比例いたしまして逆に輸入というものがどんどんとふえている、こういう状況で自給率を高めるというわけにはもちろんいかぬと思いますが、不測の事態に備えるにいたしましても、こういうぐあいにどんどんと外国の農産物に依存を深めるという状態の中で不測の事態に備えるというこの言葉は、これまた矛盾しているのじゃないか、こんなぐあいに考えるわけなんでありますが、こういう点は、大臣一体どうお考えになりますか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 食糧の自給率の問題でございますが、先ほど来大臣がお答え申しましたように、六十五年度におきまして、不足な物はできるだけ国内で生産するという意味で、小麦の自給率の引き上げ、さらに大豆、特に食用の大豆の自給率を高めるということで、全体に総合自給率では七三%を維持する、かつ、畜産の増大というのは御指摘のとおり相当程度ございます。こうした点は、大家畜、中小家畜を合わせました食糧の自給率を、輸入の飼料穀物並びに草地等の国内生産の飼料作物も含めまして、現在の二九%から三五%へ引き上げる、こういう形に考えておるわけでございます。ただ、御指摘の点は、中小家畜の増によります輸入穀物の増でございますが、国内で生産ができないものはやはり海外に依存せざるを得ない、また、その飼料効率等を高めて、できるだけ輸入量は従来のテンポよりは高めないということで考えております。  また、そうした自給率を私ども実現していくと同時に、不測の事態というのは各種の事態がございます。短期的な変動あるいは中長期にわたる変動等を考えますと、備蓄政策あるいは各国との定例的な協議等を重ねることによりまして安定的な確保を図るというようなことも重要な課題でございますが、中長期で考えますならば、そうした不測の事態に対する今後のあり方は、やはり食生活自体からの検討という問題も加えまして、農政審議会でも食糧の安全保障として重要な課題であると指摘をされましたが、なお具体的な詰め方は今後の検討課題という御指摘もいただきまして、私どもは審議会にも諮りまして、今後のわが国におきます食糧の安全保障体制をいかに持っていくかということを検討いたしたい、このように考えております。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 この長期見通し、そして農政の方向によりますと、転作を進めていく、そして十年間で七十六万ヘクタールの転作をやろう、こういうことになっております。  そこで、転作をやるにいたしましても、米は余っているから減らしていく、そして足りない物をふやしていく、こういうことなんだというお話なんでありますけれども、たとえばビール麦は御承知のようにもう初年度で大変大問題になりまして、食糧庁と国税庁が中に入って解決をした、そういう事態がございましたが、ビール麦はもう目いっぱい。それから、大麦も大体十九万トンで限度だ、小麦は百万トンぐらいはめん類で必要なのじゃないかというようなお話になっているわけなんでありますが、そういうことになりましても、ある一定のところへ行くとみんな限界線に来るわけなんです。  いま渡邊官房長の方からお話がございましたが、えさはとても日本で生産できるところの量ではないのだというお話でありまして、それは私もわかります。ですけれども、減反を進めているところの市町村へ行っていろいろ事情を調べてみますと、全く湿田でどうにもならぬというところにも減作なんですね。そのことによって市町村では莫大な持ち出しをやって、そして非常に無理なことをやっている。それでもどうにもならないのでもう農協管理転作、実際上の休耕ですね。それから青刈りです。この青刈りも畜産のないところでやるわけで、それはえさにならぬわけでありますから、刈り捨てという状態が続いているわけなんです。ポーランドでああいう事件があったのも、肉類が暴騰したということから問題が起きた、こう言われているわけなんでありまして、これから畜産の振興をやるという場合におきましても、どうせそういう状況であるとするならば、全部輸入をとめるというわけにいかないにしても、これはある程度国内でえさの自給を高めるということが当然必要なのじゃないか。そこで、いまえさ用稲の要求というものが全国各地から起きておるわけでありますが、このえさ用稲というものを農林省の方ではどう見ておられるのか、それをお伺いしたいと思うのです。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○犬伏政府委員 えさ用麦につきましては、その生産されたものの流通促進のために、現在政府におきまして助成金を出すほか、関係業界から負担金を徴収いたしまして収益差の補てんを行っておるところでございます。五十五年度の流通量といたしましては約三万トンを見込んでおります。五十六年度におきましてもこの数量をふやしまして約四万トン程度というふうに考えておりますが、これを大幅に増大させるということになりますと、関係業界の負担が非常に大幅でございまして、それも現段階ではほぼ限界に来ておるという状況でございますのでなかなか困難なところがございます。しかし、生産されたものの円滑な流通を図るということで、漸次これをふやしていくということにつきましては検討してまいりたいと考えております。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 ちょっとあれですけれども、四万トンというのは、何が四万トンですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 お答えいたします。  ただいまのはえさ用麦についてでございます。  御指摘のえさ用の稲の関係につきましては、先生の御指摘もございますが、農政審議会におきましても重要な課題として検討いたしまして、飼料穀物の国内生産の問題点は種々論議を交わしたところでございますが、何と申しましても一つは御存じのように収益性が著しく低いというような問題、よく言われる識別性の問題等各般の問題があって、制度的にも仕組み的にもかつ技術的にも、ただいま現段階におきまして本格的な生産に取り組むということを想定することは困難であるということが現段階の判断でございます。ただ、自給力強化に寄与するという点は、御指摘の点で私どもも十分重要な問題と考えております。食糧の安全保障という観点に立ちまして長期的な課題として取り組む必要があるということが審議会におきましても答申で示されております。現段階におきますこの問題については、私どもとしては研究開発の段階といたしまして多収品種の育成とか各種の問題点について検討いたしたい。農政審議会におきましても引き続きこの問題は検討すべき重要な課題といたしておりますので、できるだけ早急に結論を得るように私ども検討を進めなければならないものと考えております。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 農林省の方では、去年から農林水産技術会議でいろいろ研究を始められたようですね。しかし、研究を始められたのに、研究の中間報告だとかそういうものが全然出ておりませんですね。これは一体どういうことなのか。  それから、農林省ではえさ米というのは生産しても経済ベースに乗らないのだ、こういう理由を挙げておられるわけですね。もう一つの理由といたしましては、識別が困難だという理由なんですね。でありますけれども、民間の方でもこれは研究がずっと進められてきているわけなんです。それで、いま成績を上げておりますのがアルボリオJ一とJ十でありますけれども、これは非常に大粒でありまして、普通の米の一・五倍から二倍ぐらいな大きさなんですよ。だから識別が困難だなんということは全く根拠がないと私は思います。それからもう一つは、米にすると粉々になってしまうのですね。でありまするから米にはならない、食糧にはならない。こういう品物でありますから、識別が困難であるということにはならぬわけです。  それから、経済ベースに乗らない、こうお話なんでありますけれども、確かに米は日本の価格でトン二十八万円ぐらいでありますけれども、えさはトン三万円ぐらいですね。だから比較からして問題にならぬじゃないか、こういうお話でございますけれども、トン三万円というのは港の価格なんでしょう。農家の庭先価格ではトン七万円ぐらいになっておるのですよ。ところがこの研究の結果、どの程度それじゃこのえさ米というのがとれているのであるかとなりますと、ことしの成績では六十キロを一俵にいたしましてJ十が二十二俵とれているのですよ。     〔菊池委員長代理退席、委員長着席〕 だから、民間の方が農林省の方よりも研究は進んでいる。もうすでにこれは十年ぐらい研究しているわけなんですね。二十二俵とれて庭先価格でトン大体七万円程度となりますと、外国のえさと比較してそう経済ベースに乗らないというものではないと思うのです。  それからもう一つは、そのほかにわらがとれるわけなんですね。わらが大体トン二、三万しているわけなんでありますから、それを足しますと十万近くの反当生産というのができる、こうなるわけでしょう。こういうものが、いま水田をつぶせということで、そしてその水田の中でこれは行われるわけですから、要するにこの答申の中にも出ておりますが、潜在生産力を確保しておかなければならぬと言っておられるわけです。だけれども、潜在生産力を確保するなんて言ったって簡単にできません。やはり水田は水田なりに使っているということによって確保ができるわけなんです。そういう点からいたしますと、農林省が否定しておられるところのいわゆる反論ですか、われわれはこれを認めるべきである、こう批評するのに対して反論しておられますけれども、反論の根拠は非常に薄いのじゃないか、こう思うのです。  そして、農林省の技術会議等でいろいろ研究もしておられるわけでございますけれども、それよりも先に民間の方が先行している。民間の方が悪い、それから官の方はいいという理屈も私はおかしいと思うわけなんでありまして、こういうものが生産されているという現実の上に立って、転作を進めていこうというようなことを言って無理な青刈りなどをさせるよりは、えさの米をどんどん生産をして、そして輸入の数を幾分なりとも減らしていくというところの努力が日本の畜産を振興させる一つの足がかりということになるのではないか、こんなぐあいに考えているわけなんでありますが、問題は大臣がどういう決断をつけられるかという問題だと思います。  そしてまた、鳥取県でえさ米の農業協同組合の設立ができたわけでありますが、まだ認可申請を出していません。それはどういうことかというと、いろいろな理屈をつけてそれを認めようとしないわけなんです。要するにだんだん聞いてみますと、やはり本省の方の指示によってわれわれは動いていると県庁の役人は言っているわけなんです。何でそういう日本の農業の発展のためにいろいろ工夫をしているところの者に対してけちをつけ、そして農林省の方で抑えるのか、そういうことは私はけしからぬと思いますが、こういう点につきましても農林大臣の方でひとつ御見解を賜りたいと思うわけなんです。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 将来における飼料としてのえさ米の重要さというのは、農政審議会においても十分これを認めておるところでございます。私も就任いたしますとすぐ筑波の試験場に参りまして、まずえさ米の試験状況を実はこの目で確認をいたしてきましたと同時に、米の技術者諸君に集まってもらいましていろいろと現況を聞いたわけでございます。しかるところ、結局まだ研究の段階で、いわゆる日本の土地、日本の風土、気候に合わせた一つのえさ米としての固定化された新品種をつくり上げるまでにまだ少なくとも三年くらいはかかる、何かいまのものでございますと、刈り取るときに実がばらばらと落ちる、それをどうして防止するか、それがいまの研究の主題である、こういう説明も聞いてまいったわけであります。松沢委員の御指摘のとおり、転作作目としてもし政府がこれを奨励するような形をとってまだ未完成のものの品種を農家でつくらせて、刈り取ってみたら稲がみんな落ちてしまって収穫が非常に少なかったというようなことになりますと、これまた大変なことに相なりまするので、そういう点技術者としてもなかなか踏ん切りがつかない、こういう話を実は私、この耳で聞いてきておるわけでございます。したがいまして、官房長からもるるお話し申し上げましたとおり、確かにこれが品種が固定化されて、そして私も、松沢先生言うように、米の粒がでかい、穂も長い、こういうものも実は見てまいりました。しかし確かにさわるとばらばらと落ちてしまう。これがもうどうしても新品種をつくってまいるまでにはなかなかの日数を要する、こういうことでございますので、そういう点を農政審議会等においても——やはり十分自信のあるものを奨励をするというのが行政の姿でなければならぬと私も思いますので、実は頭の中ではこれがもう転作作目になればなあという期待を持って行ったわけですが、実はがっかりして帰ってきた、こういうのが実情でございますので、その点は御理解をいただきたい。一生懸命、これは全国の試験場挙げて努力をいたしておるわけでございますので、その点は御理解をいただきたいと思います。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 大臣、農林省の試験場の試験の仕方がまずいのかどうかわかりませんけれども、とにかく成績を上げているのですよ。それで農林省の方では、転作の作目としてそういうものを奨励してさっぱり、ぼろぼろと落ちて金にならなかったでは困るじゃないか、やはり自信をつけてから考えていかなければならない、こういうお話でありまするけれども、水田で青刈りをやっているなんという、そんなのを認めていながら、一生懸命こういう研究をやっている、そして実際つくっている、そういうものを危ないから認めないというのは、これはちょっと理屈が通らないのじゃないですか、大臣。やはりもう一度民間の意見というのを謙虚に聞かれまして、成績が上がっているとなればやはりこれを認め、奨励をしていくという考え方に私はなってもらいたいと思うのですが、再度大臣から。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 これにつきましては、鳥取県の話も私、十分に実は伺ったわけでございます。そのときもやはり脱粒をするということについてはやはり非常な苦心をしておるというお話でございましたから、私といたしましても、やはり責任ある立場で農家に奨励をしてまいりますためには、ある程度の技術者としての自信というものを持った上で、こういうふうにいまのところ考えておる次第でございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 これは、時間がありませんからゆっくりしたときなおまた大臣と詰めていきたい、こう思っております。  それからもう一つ、文部省も来ておられるようでありますけれども、大臣、率直に聞きますけれども、学校給食の問題であります。やはり米の消費の拡大というのは非常に重要だと思っております。そういうことで学校給食で米飯を農林省の方でも六〇%、七〇%の値引きをやって奨励をしておられるということはよくわかるわけでありますけれども、なかなかよくやっても週二回程度、やっていないところもございますし、いろいろあるわけであります。そこで、これは文部省所管でやっておられるわけでありますが、学校給食は学校教育の一環として取り上げられているというふうに私理解しているわけです。学校教育の一環だ。さっきもお話の中で、農業の問題がわかりやすくなるように教科書の中にも入れるべきである、大変熱心な大臣のお考えを聞きましたけれども、しかし、この学校給食というものは米だけではないと思うのですね。その村にとれるところの野菜だとか卵だとか、あるいは肉だとか果物だとか、そういうものを取り入れて、そしてここの村の農業というのはどうなっているのだとか、農業で働いておられるところの農家の人たちはどうしておられるのだとかというものをわかりやすくするために、学校教育の一環として学校給食を取り上げる、こういう立場でなければならぬと思うわけであります。  終戦直後の全くどうにもならないという時代とは時代が違っているわけでありますから、学校給食というものも、地域農業の推進ということを言っておられますが、地域農業の推進、そして要するに教育の一環、こういうことで角度を変えてこれをやはり取り上げていく必要が私はあると思います。そういう点からいたしまして、文部省の所管ではあると思いますけれども、しかし、これはやはり農林大臣も閣議等で主張をしてもらいまして、そういう地域の農業にぴったり合うところの学校給食のあり方というものをひとつ研究してもらいたい、こう思うのですが、どうでしょうか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 適地適産、また地域ぐるみの農業振興、そういう立場から、そこで生まれ、そこで育つ国民の一人一人がその土地の特色ある食生活で育つということは、私は非常にその方がいいと思う一人でございます。確かに松沢委員のおっしゃるとおり、そういう形に学校給食等は進んでいかなければならないと思うわけでありますけれども、どうしてもやはり全国の学校給食会の統率のもと、いままでの例でありますとなかなかその地域地域の要請が取り入れてもらえないというのが現実でございます。実は私も農政連の諸君と一緒に自分の選挙区の学校給食体制を少しでもということで運動をやったことがありますが、なかなか教育委員会の方が守りがかたくて、地域のわれわれの言うことが通らないという経験もかつてしたことがあるわけでございます。  したがいまして、私も就任以来、文部省の方にもその点は十分要請をいたしておりまして、果物でありますとかあるいは牛乳でありますとか、あるいは酪農製品でありますとか、さらには野菜類等、学校給食に活用してもらうという、そういう要請は強くいたしておるわけでございます。私、その地方地方における自主的な行動と申しますか、そういうものがやはり食生活の改善の上に生きてくるようになっていくような環境を、農林省が全力を挙げてつくり出していくということについては、大いに努力をしていきたいと思います。

奥田與志清文部省体育局学校給食課長

○奥田説明員 ただいま先生おっしゃいましたように、学校給食は児童生徒の心身の健全な発達及び食生活の改善に寄与するというふうな目的でやっておりまして、特に学校給食におきましては、具体的な目標の一つといたしまして食糧の生産、配分、消費等につきまして正しい理解を養わせるというふうなことでございまして、そういうふうな努力をしているところでございます。また、給食用の物資の選定に当たりましても、実施に当たっております市町村等が地域農協等の生産者団体と協議して、身近な地域生産物をできるだけ使用するようにしているところでございまして、特に最近では、具体的な献立や調理に当たります専門家の方が、たとえば郷土色を取り入れた献立をしようというふうな動きが活発化しておりまして、先生の御趣旨に沿うように今後とも指導してまいりたいというふうに考えております。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 私これで終わりますけれども、同僚議員がちょっと関連質問をやります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。小川国彦君。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 食糧庁長官に正月用のモチ米の問題について私は質問をいたしたいと思います。  御承知のように、もうそろそろ年末を控えまして、いま正月用のモチ米が大変に品薄と価格の暴騰を来しております。サケとかかずのこでしたら食べなくても正月を迎えることはできるわけでありますが、日本の国民の生活の中で正月用のモチ米というのは貴重な存在であり、正月にはもちとしての需要あるいはもち菓子の需要、そういう面でモチ米の需要というのはいま非常に年末から高まってきているわけです。ところが、最近七五三等の行事の中で消費者がモチ米を購入をいたしましたところ、昨年は二万円を切っていたモチ米が非常に値上がりをして、消費者の段階では四万円というような大変に暴騰した相場を呈しているという状況にあります。末端価格で聞きますと、生産者の方で玄米で六十キロ二万七千円、精白して三万円、消費者のところへ届けるときには四万円、こういう形が東京を中心とする市況の中にあらわれているという状態であります。これは非常に異常な状態でございまして、その点で食糧庁は、五十五年産米のモチ米をもってこの異常な高騰を抑え、品薄をどうカバーしていく見通しを立てておられるか。五十五年のモチ米、産米の見通しをどういうふうに立てておられるか、その点をまずお伺いしておきます。

松本作衞食糧庁長官

○松本(作)政府委員 だだいまお話がございましたように、最近のモチ米の価格につきましては高騰の傾向にあることは否定できないと思っておるわけでございますが、需給の実態からいたしますと、今年の需給といたしまして、一応需要量を二十二万五千トンほどと私どもは見込んでおるわけでございます。それに対しまして集荷の面につきましては、集荷の申し込みが二十二万八千トンあるわけでございますので、平年作であれば十分にバランスがとれると考えておりましたが、この集荷の量が不作によって若干減少することを覚悟せざるを得ないと思っております。  ただ、一方におきまして前年からの持ち越し量が、全農が保管しておりますものが三万六千トン、政府が保管しておりますものが約九千トンございまして、四万五千トンほど別にございますので、集荷の落ち込み部分はこの持ち越し部分によりまして大体カバーできるものというふうに考えておるわけでございますが、いまお話しのように価格が高くなってまいりますと集荷がなかなか困難になる、自由米に流れるという危険性も出てまいっておりますので、私どもといたしましては、集荷の督励を集荷団体にも特にお願いをいたしまして、また、食糧事務所の検査官等も、モチ米の集荷につきましては積極的な協力をするというような形で、できるだけ集荷の確保に努めまして、需給のバランスをとるように努力をしたいと考えておるところでございます。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 ことしは東北等も比較的山間部で非常にモチ米をつくっている。したがって、ことしの指数八八よりもモチ米の場合はさらに一〇%から一五%減少するのではないか。水稲の平均よりもモチ米の作況指数というのは悪いということが予想されるわけでありますが、いまお話ですと、二十二万五千トンに対して予約が二十二万七千トンぐらいあるということでございますけれども、実際には私はこれの数字をかなり下回るのじゃないかというふうに思っておりますが、食糧庁としてはこの予約の集荷の見通しはどの辺に立てておられますか。

松本作衞食糧庁長官

○松本(作)政府委員 お話しのように、今年不作でございますので、予約申し込み量の二十二万八千トンよりも下回るということは覚悟せざるを得ないと思っておりますけれども、現在集荷団体が集荷中でございますので、われわれといたしましても明確に申し上げる段階にはないわけでございますが、二十万トンを切るような状況になることは避けられないと考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 その場合問題は、昭和五十一年の際にも私はモチ米の不足の問題を指摘いたしました。五十一年には二十五万トンという目標を立てておって、十七万トン予約があったところが、集荷の段階になって十三万トンになってしまった。このためにタイから四万六千トンも輸入したという経過がございます。御承知のように、減反、生産調整の中で、日本のたんぼがそういう状況に置かれているのに外米を輸入せざるを得ないというような状況は、これは食糧庁の見通しの大きな誤り、計画の失敗であるのではないか、私はこういうふうに見ておりますが、本年度の場合、輸入なくして価格引き下げが可能であるかどうか、その辺の見通しをもう一度伺いたいと思います。

松本作衞食糧庁長官

○松本(作)政府委員 モチ米の需給につきましては、過去二年ほどの間はむしろ生産過剰でございました。したがいまして、自主流通米の建て値につきましても年々引き下げられてきたというようなことがございましたために、どうしても需給関係については過剰を心配したという面があったことは否定できないと思います。しかし、ことしのような不作が出てまいりましたので、先ほど申しましたように集荷に最大限努力をいたしまして供給の確保に努めたいというふうに考えておるわけでございますが、御指摘がありました輸入の問題につきましては、いまもお話がございましたように、全体として生産調整をしておるような段階でございますので、この輸入についてはできるだけ慎重に考えていかなければならないと思っておるわけでございますが、今後の集荷の状況も見まして輸入の問題も含めまして十分に検討をしてまいりたいと考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 これは、一方では輸入をしないで価格を引き下げるということは、かなりむずかしいところに追い詰められていくのじゃないかというふうに思うわけです。そういう点でこれから食糧庁は、当面の価格引き下げの問題についての行政的な指導をどうやっていくかという問題、それからもう一つは、長期的に、何度もこういうモチ米の高騰という、生産計画の失敗から高騰を来すというようなことがないような措置をどうとっていくか、この二つの点が今後の問題としてあろうかと思うのです。  いまのお話のように三万六千トンの前年度繰り越しがある、それからもう一つ食糧庁に九千トンの在庫がある。問題はこれを放出した場合、御承知のように、三万六千トンにしても、買い上げ価格はいま長官がおっしゃるように去年は二万円割っているわけです。二万円弱の値段で買い上げたモチ米でありますが、これが農業団体、政府から放出されていって、現実に自主流通米の形で流れるわけですから、市況に合わせて四万円というような値段になってきた場合には、これは卸、小売に暴利を与えることになって、そしてせっかく国や農業団体が放出したモチ米が安いモチ米として消費者の手に渡らない、こういうおそれを持っているわけですが、その点について、これらのモチ米が、政府なり農業団体の手持ちがどういう価格で放出されるのか、それからそれが卸や小売の段階で適切な価格で販売される、こういう見通しや計画は立っておられるのか。

松本作衞食糧庁長官

○松本(作)政府委員 先ほど来御指摘がありましたように、モチ米につきましては需給が逼迫すると価格が非常に騰貴をするのではないかというような思惑が出てきておることも事実でございますので、私どもといたしましては、これらのことを安定化させますために、モチ米の価格指導につきまして十一月初めに通達を集荷団体及び都道府県あてに出しまして、先ほど来申しておりますように、需給の全体としてそれほど大きな不安があるわけではないので、価格の安定については十分に適正な価格が形成されるように指導をしてもらいたいということについて通達をいたしまして、この投機的な価格の高騰について抑制に努力をしておるところでございます。  それに関連いたしまして、全農が保有しております保管モチ米についての放出価格でございますが、これは全農自体が今後放出をする段階で決めていく問題でございますけれども、一方においていままで保管をしておりました保管経費がかかっておりますので、これらの点については配慮をしていかざるを得ないと考えておりますが、御指摘もありましたので、われわれといたしましても適正な価格で放出されるように全農にも話をしてまいりたいと考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 これは農業団体なり政府からは適切な価格で払い下げられたにしても、卸、小売が国の一片の指導通達を守って適正な価格で売るかどうか、この点に非常に問題点があるのじゃないか。その辺の歯どめはどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。

松本作衞食糧庁長官

○松本(作)政府委員 われわれが調査した段階では、小売の段階にそう大幅な高騰がまだ見られておらないと思いますが、今後年末にかけてそのような心配もございますので、これは流通段階における価格の安定についてわれわれとしても十分指導をしてまいりたい。その際に、都道府県にお願いをいたしますとともに、一方におきましてはわれわれの組織でございます食糧事務所を通じまして、価格の安定化について指導、監視を進めてまいりたいと考えております。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 この点はぜひそうしていただきませんと、国や農業団体が集荷したものがせっかく生産者価格に近い価格で、プラス手数料、それに保管の手数料とか金利とかが当然つくわけでありましょうが、それにプラスする暴利がむさぼられるような、そういうことにならないように、特に食糧事務所なり、これは国の、農林省の直轄で持っていらっしゃる組織でありますから、十分活用していただいて、従来米の集荷については厳重な検査が行われていますが、販売についての検査というものは非常に不十分な面がありますから、これはひとつ徹底してやっていただきたいというふうに思います。  それからもう一つ。問題は、このような事態を引き起こすというのは、やはり自主流通米の制度だけに任せておきますと、こういうふうな非常にいろいろな自由米の取り扱いの中で暴騰してくる。いま値段につきましては、きょうの日経新聞の中で見ましても、自由米の中でモチ米は二万七千円から二万八千円というのが五十五年産米で出ているわけですね。これは玄米ですから、当然私がさっき言ったように、精白になれば三万円になるし、市場に出れば四万円になる。日本経済新聞の中でもそういう数字が現実に出てきているわけですから、これは異常な事態だというように考えなければならない。これを防ぐために、少なくともこういう場合に備えて調整保管をもう少し考えて、いわば備蓄ではございませんが、農業団体にしかるべきトン数を持たせておく。調整保管量については、私が五十一年に指摘したときにも、制度的につくるということを当時の大河原食糧庁長官が答えているのですが、いまだそれがきちっと制度化していない。そのために、五十一年の凶作のときには二十五万トンであったのが現在二十二万トンで、しかも、いまの見通しでは集荷が二十万トンを割るということになりますと、これはまた五十一年のような輸入を繰り返さざるを得ないというような事態になるわけで、米の過剰の中でまた輸入の愚を繰り返すということは絶対にあってはならないわけです。その点で、今度こそひとつそういう調整保管制度について、これを抜本的に制度化しておく、そして何としても外米の輸入は避けて通れるような方針を確立しておくべきじゃないか、こういうように思いますが……。

松本作衞食糧庁長官

○松本(作)政府委員 モチ米につきましては、やはり通常の政府米よりも高い価格で取引をされるものでございますから、私どもとしてはやはり自主流通米の中で育成をしてまいりたいと考えておりますが、その際に、この需給の安定を図るための調整を農業団体にやらせたらいいのではないかという点は、御指摘のとおりであろうと思っております。今年三万六千トンがやはりそういうふうな機能を果たしたと考えておりますので、これらについての国の助成措置等について今後検討してまいりたいと思います。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 最後にもう一点。  私は、いま非常に商社等、たとえば三井、三菱、トーメン等の従来のモチ米の輸入実績を持っている商社が早くも食糧庁に対して輸入の運動を起こしている、こういうようなことを聞いておるわけでありますが、その点はいかがでございますか。

松本作衞食糧庁長官

○松本(作)政府委員 先ほど申しましたように、この輸入については私どもは、やはり国内生産との関係等を考えますと慎重に運ぶべきであるというふうに考えておりまして、外部からの声によって左右されるというふうには考えておりません。

小川国彦日本社会党

○小川(国)委員 時間も参りましたが、五十一年に私が指摘したような事態を今度もまた繰り返しかねない状況が起こっております。したがって、この予約と需要の関係についても、二十二万トンという数字が現状においては結果的にこういう四万円という事態を引き起こしているわけでありますから、たとえば二万トンにせよ三万トンにせよ、調整保管機能のモチ米というものを政府なり農業団体なりが持って、そうしてこうした事態を避けていく予防措置を十分講ぜられるように、もう一度要望申し上げて、終わりたいと思います。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 午後二時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時十九分休憩      ————◇—————     午後二時三十分開議

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。串原義直君。

串原義直日本社会党

○串原委員 私は、「農産物の需要と生産の長期見通し」と、それに関連して農林水産大臣に伺います。  私は、この「長期見通し」、「参考資料」、農政審議会からの「八〇年代の農政の基本方向」を見て、このままで推移するならば、わが国は遠くない日、食糧で足をすくわれるのじゃないか、こういう強い危惧の念を抱いた者の一人であります。この基本方向の中に食糧安保なる言葉が盛られるようになってまいりましたけれども、まず大臣に私が伺いたいと思いますことは、国の安全保障を考えますときに、わが国の置かれている立場、条件、国際情勢等々から見て、国の安全はまず食糧の確保を最優先さるべきではないのか、そして、その上に立って政策の立案、実行がなされるべきではないのか、こう考えるわけですけれども、大臣はいかがでしょうか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 一億国民が生命を保持していくためには、何といっても食糧が一番であることは申すまでもございません。御指摘のとおりでございます。したがいまして、安全保障という立場から考えます際には当然食糧問題を重要課題として対策を立てなければならぬことは申すまでもございません。そういう立場でありますからこそ、日本におきましても戦後、ある人は過保護と、こういう言葉は適切ではないわけでありますけれども、そういう表現でもって農政に対して批判を与える人も出てくるというほど、農業基本法によって基盤整備でありますとか、農業あるいは林業、水産業等に対する低利、長期の融資でありますとか、助成でありますとか、もろもろの施策を講じてきておるゆえんもそこにある、こう考えるわけでありまして、今日までもそのような立場はとってまいりましたけれども、最近総理が総合安全保障問題を提起されましてから、とみに、いまさらのごとく食糧の安全保障ということが強く言われるようになってまいったわけであります。これはもう論議されようとされまいと、お互い政治に携わる者の本当の基本的な問題であって、食足ってすべての物事がその上に展開される、こういう認識を私は持っておるわけでありまして、串原委員の御指摘のとおりである、こういうふうに考えております。

串原義直日本社会党

○串原委員 この長期見通しによりますと、穀物自給率が五十三年で三四%、それが十年後には三〇%になると見通しているわけですね。人口一億一千万人を擁する独立国家としてはまさに異常だという表現を使わざるを得ない、私はこう思っているわけです。昭和三十五年のころは農業が大変に振興されていた時代ではあるけれども、穀物の自給率が八三%あったと言われている。今日二四%になり、十年後には三〇%になるというと、まさに三分の一ということになるわけですね。さらにここにも表が出ておりますけれども、自給率が品目によってはまことにアンバランスであるというところも大きな問題であると実は思うのです。ここでは数字は余り繰り返しませんけれども、私は大変心配をしているわけです。  そこで、さらに見逃してはならないことは、この状態が十年後もそう変わらない、一生懸命穀物自給率を大麦、小麦で上げようとなさっているけれども、基本的にはそう変わらないという状態ですね。これはどうもやむを得ないのだ、しようがないのだということで見逃すわけにはいかないと私は思うのですけれども、大臣の所見はいかがでしょう。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 私も気持ちとしては串原委員のおっしゃるとおりの気持ちなわけでございます。ただ、十年でそれではえさ関係の問題もあわせて自給力をぐっと上げることが可能かどうかという論議も非常に深刻になされたわけでございます。そうしますと、とにかく先ほども申し上げましたとおり、このえさ関係はもうどうしても、十年ではできなくとも、二十年、三十年と日本の農政の将来を考えれば、この国土の最大開発、最大利用をして、やはりそういう面においても自給力が展開できるような、長期的にわたってのえさ関係、飼料穀物関係の品種の造成、品種の発見、品種の研究と申しますか、非常に長期な面における一つの方向というものを、あの十年後の、八〇年代のさらにその先のことも考えて、いまからそういう体制をとれるような基本的な問題を進めるべきではないかというようなことを、実は私は就任いたしますとすぐに技術会議を督励いたしまして、各試験場等を回りましてそういうことを指示したと申しますか、技術者の皆さん方にそういうことを実は申し上げてきているわけであります。  この点は串原委員もう御指摘のとおりでありまして、この十年間でそれでは国会の決議に沿うような体制が全部できるかということになりますと、私は農政審議会の御答申がやむを得ない、もうぎりぎりの線ではないかと受け取っておることを御理解いただきたいと思います。

串原義直日本社会党

○串原委員 そこで需要の問題で触れていきたいと思うのですけれども、つまり、日本型食生活という言葉が出てきているわけですね。資料等にも具体的に日本型食生活の将来展望等々も含めて載せられているわけでございますが、私は、資料等を検討し、若干専門家の意見等も聞く中で、この資料の一ページにございます、つまりPFCのバランス、このF、脂肪ですが、十年後ころにはもっとずっとはみ出していくのではないか、こう心配しているわけであります。資料で見ますと五十三年ごろが一番適当だ、つまり今日現在が一番適当であるというふうに言われているわけでありますが、ことしの八月農林省が出しました農業の方向ですね、この資料によりますと、畜産物と脂肪の需要の率が年々ふえていって、それに比例して米等が減っていく、こういう図面、統計になっていますね。このまま推移するならば六十五年ごろにはもっとFがふえていくのではないか、はみ出しはしないか、こういうふうに考えているわけでありますけれども、今日現在このままでいって、五十三年度のまことに理想的なと言われるバランスに誘導できていくのかどうか。  私が心配しますのは、たとえば三段階に分けるといたします。三十歳以下の若い諸君の栄養、カロリーバランスの状態、中年の皆さん、五十歳ぐらいから上のお年寄りの皆さんのバランス、この三者をもし比較する機会があるとするならば、その危惧はもっとふえていくのではないか、こう心配をしているわけですね。そういたしますと将来の日本人の食生活、さらには食糧問題、ひいては外国からの飼料輸入、こういう問題にも関連をしてくると思うのでありますが、そうならないためにも、今日的な状況を維持していく方策をどんなふうに農林省としてお考えか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 確かに御指摘のとおり、このまま行けば脂肪関係の摂取がぐんぐんと伸びていく感じがするわけであります。実はアメリカにおいても、脂肪、たん白質、炭水化物のバランスがとれた日本の食生活こそ非常に理想的な形ではないかというようなことが言われておるようでございます。やはり脂肪が多くなりまして、これはちょっと話がそれるのでありますけれども、最近アメリカで、五メートルくらいある腸を五、六十センチくらいに短縮する手術が非常にはやっているそうであります。これは、何というのでしょう、そういう腸の長さで栄養を吸収していると肥満してくる、肥満しないために腸を手術するのがはやっておるというようなことも聞いておるわけであります。日本もそういうことにならぬようにやはりいまから、小学校、中学校の家庭科で栄養、食事の基礎教育をやるわけでありますが、そういう際にいま文部省の方にもお願いして、肥満型の日本人ができないような食生活というものをつくり上げていく努力、それが本当に大事ですよということは今度の農政審議会の答申の中にも指摘されておるわけでありますから、そういう点は農村においては生活改良普及員を通じ、また学校の家庭科の料理等の面を通じて、さらには農業という教育の面においても、そういう事実を生徒諸君に一人一人子供のころから常識として持たせていくということが非常に大事ではないかな、私はこういう感じがいたすわけであります。  私も、戦後学校給食には、ずいぶん学校給食会から憎まれ役を買いながら学校給食会で米を取り上げるための努力をしてきた一人でありますけれども、やはり努力すればその方向に馴化されていくということは、これはニーズをよけいな方向にねじ曲げるんだという意見があるかもしれませんけれども、しかしやらなければならない問題ではないか、こんなふうに私は考えて文部省と連絡をとっておるところでございます。

串原義直日本社会党

○串原委員 実は私は大臣の考え方を評価したいと思うのです。つまりもうちょっと言い方を変えて、大臣の言われる答弁に加えて申し上げますならば、私は米と魚をもっと大事にするということを考えなければいかぬということだろうと思う。  そこで大臣、先ほども学校給食の問題が議論になったところでありますが、日本の食生活に大きな影響をもたらした学校給食に対する対策あるいは消費者団体の活動との連携、要すれば厚生省と農林省との協議、合い議、検討等々も含めまして、いま大臣が答弁されたような方向に基づいて、新しい立場で日本的な施策をこの際食生活の上において立てるべきではないかという立場での行動を起こす、提言をする、こういう考え方をお持ちになりませんか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 これは農政審議会からの答弁にも御指摘があるわけでございますので、文部省が中心になるのがいいのか農林省が中心になるのがいいのか、とにかく政府としてそういう方向に具体的行動を起こしたい、こう思っております。

串原義直日本社会党

○串原委員 いまの御答弁に私は期待をいたしております。  そこで、国際情勢あるいは異常気象等々によって世界の穀物市場は大変に危険信号が出て、ある人に言わせるならば綱渡りの状態だ、こういうふうに言われているわけです。ここで私は繰り返しませんけれども、シカゴの穀物取引所では大豆が五割も上がる、小麦も三割も上がる、こんな状態だ。それから、二、三日前宇の報道によると、トウモロコシが暴騰した、大変値上がりをした。専門家はこの上昇というものはさらに続いていくのではないか、こう指摘をされている向きもあります。これは私は重要な点だろうと思いますので、世界の穀物需給の見通しというものについてどんな把握の仕方をなさっていらっしゃるか、御答弁願いたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 長期的に見ました場合、この地球上の食糧事情というものは非常に厳しくなるという予想を立てておる次第でございますと同時に、短期的にはそれでは今年、明年、その次の年あたりはどうかというようなことになりますと、トウモロコシあるいは大豆等の生産が大分よくないようでございます。幸い小麦は国際的な生産もまあまあの線までことしはいっておるというふうに報告を受けておるわけでありますが、何といってもアメリカの情報把握というものを私どもとしては一番参考にいたさざるを得ない状態であるわけでございますので、最近における国際的な穀物の情勢につきましては、大事な問題でありますので担当局長からお聞き取りをいただきたいと思います。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 お答えをいたします。  特に最近の食糧の需給情勢でございますが、本年の世界の穀物生産につきましては、特に米国の熱波による飼料穀物等の被害など、世界各地で異常気象による農産物の被害が伝えられておりまして、ただわが国だけではないわけでございます。このために世界全体の穀物生産といたしましては、FAOの十月三十一日の発表が一番新しいものでございますが、これによりますとほぼ昨年並みの十四億一千八百万トン程度にとどまると見込まれております。またアメリカの農務省も、ただいま大臣が申し上げましたが、ほぼ同様の見方をいたしております。ただし、この中で大豆につきましては、主要生産国である米国の減産が著しいために世界全体で八千一百万トン、対前年一三・四%の減という状態でございます。  品目別に穀類を見てまいりますと、米と小麦につきましては全体としてまあまあという生産の状態でございますが、また需給にも若干の余裕があるというふうに見られますけれども、粗粒穀物、特にえさでございますが、これと大豆につきましては、アメリカにおきますところの先ほど申し上げました熱波被害のための減産、さらにソ連が前年に引き続きましてことしも不作の状況でございますので、世界全体では減産となっておりまして、需給はかなり逼迫ぎみであるという状態でございます。これによりまして在庫水準もかなり低い状態になっておりまして、穀物、大豆とも価格はかなり強含みで推移しているという状態でございます。  わが国としましては、穀物を中心に相当量の農産物を海外に依存しておりますので、今後の状況については注意深く見守っていかなければならないというふうに考えております。

串原義直日本社会党

○串原委員 大変厳しいという受けとめ方をしなければならぬという御答弁でした。私もそう考えているわけでありますが、この基本方向の十七ページ、十八ページに、輸入食糧の安定確保、不測の事態への備え等々につきまして指摘をいたしているところであります。世界的な人口増加、二十年後には世界の人口は倍になると言われているわけでありますし、先ほどから出ております異常気象あるいは紛争等々を考えていくと、これは食糧の輸入の安定確保ということよりも、現在においてはそれももちろん大事でしょう。しかし、不測の事態に備えるという観点、視点に立つことの方がより日本の場合は重視されなければならぬときに来ているのではないのか、こういうふうに私は考えているわけです。  ところが、お話しのように、あるいはこの資料にもございますように、日本の食糧自給率はまことに低い。先ほどバランスもよろしくないというので大臣から答弁、考え方ございました。先進諸国が躍起になって自給率を高めようとしている実態、自給率がうんと低いと言われていたイギリスですら、一生懸命自給率を上げてきて、今日では六十数%になっているというふうに言われているわけでありますが、そういうことを考えると、私としては、日本の穀物自給率というものは、長期的展望に立つならば六〇%程度のところに目標を置いて順次自給率を高める努力を国を挙げてやらなければいかぬのじゃないか、こう考えているものの一人でありますが、大臣、いかがですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 不測の事態の備えということで自給率の向上というお話がございました。不測の事態に備える問題点としまして、答申におきましては、こうした事態が短期的な場合あるいは長期的な場合、それぞれに分けて検討しておるわけでございます。短期的なものについての備蓄なりあるいは海外との折衝等、対応すべき手段があろうかと思います。長期的な問題として、私ども安全保障という観点から広く日本型の食生活を定着、確立いたすことを基本にいたしまして、そうした事態への検討をすべきだということを考えております。  穀物の自給率自体は、先ほど来御説明申し上げますように主要な主食用の穀物の自給率は約七割近くを確保いたすわけでございますし、かつ飼料用の、これは牧草も含めました飼料の自給率自体はきわめて高く引き上げる、二九%を三五%まで引き上げるという方針をとっているわけでございます。そうすることによって主食用の穀物なりあるいは増大します畜産物需要に対してはできるだけ対応するという方針をとりますが、なおトウモロコシ、マイロ等の中小家畜のえさ原料につきましては、やはり海外とのコスト差あるいは消費者との関係その他を考えますならば、現状におきましてわが国がみずからこれを生産することはきわめて困難な条件にあろうかと思います。したがって、その分については安定的な確保を図っていくということが当面見通しとしては必要なことだろう、このように考えておるわけです。

串原義直日本社会党

○串原委員 私は、話としては理解はできます。しかし、さらに私指摘をしたいと思うのですけれども、午前中からの論議を聞いていて、言葉としては不測の事態という言葉を使って、それには対応する考え方を持っていると言うけれども、おおむねいつでも日本が必要な食糧は輸入できるのだ、確保できるであろうというような立場に立って長期見通しあるいは日本の食生活等々を考えているように聞こえてならない。そう安易なものであるのかどうか、実は私心配している。  それはつい最近、たしか七三年であったと思います。予想もしなかったのですけれども、アメリカは突然大豆の輸出を大変強く規制をいたしました。あのときわれわれはあわてて、豆腐などはずいぶん値上がりをしたことは大臣も御承知のとおりであります。ああいう事態がなしといたしません。そのことを踏まえて、万が一大豆や小麦に七三年当時のような事態があるということも想定をしながら日本の食糧自給について御検討なさったことがございますかどうかということです。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 大変大事な問題を御指摘いただいたわけでございます。農政審議会でも、不測の事態というものを想定をしてどういう措置を講じたらいいか、具体的な御答申というようなところまで期待いたしたわけでございますけれども、その点は検討事項ということで課題として残されたわけでございますので、農林水産省におきましてもさらに農政審議会の方にこの問題を検討する組織をつくっていただいて、そして農林水産省におきましても積極的にこの問題と取り組んでまいりまして、そのような事態において周章ろうばいすることのないような処置はきちっとしておかなければいかぬ、こんな考えで事務当局ともいろいろと検討を加えておるところでございます。

串原義直日本社会党

○串原委員 期待しております。  そこで、いまの考え方とか御答弁に基づいてちょっと触れておきたいわけですけれども、備蓄という問題が先ほどもお話がございました。必要なことでしょう。備蓄も、この答申にもございますけれども、外国産の農産物の備蓄と国内産の備蓄と二つ道があるでしょう。これは、いま大臣が言われたように今後具体的な検討をされるので期待をいたしますけれども、基本的にはできるだけ国内産の物を主体にしていくという立場をとるべきではないのか、私は備蓄の問題についてこう考えるわけですけれども、その辺はいかがでしょう。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 現在農林水産省におきましても供給不足に対応する備蓄対策をとっておりますが、現在国内産という形では、まず米につきましては適正な在庫水準は約百七十万トンないし二百万トン程度というふうに考えておりますが、御承知のように現在六百五十万トンの過剰在庫を抱いておるわけでございまして、全部国内産米でございますが、こうしたことで米につきましては心配のない事態がございます。ただ、その他の作物で備蓄上検討すべきものとして、現在、御指摘のありました従来の大豆とか飼料穀物の暴騰等に備えてその当時からスタートいたしました備蓄対策としましては、飼料穀物、これは輸入の飼料穀物、配合飼料の原料でございますが、こうしたもの、あるいは食品用の大豆につきましては、それぞれ通常の在庫のほか約一カ月を特別な備蓄をいたしまして対処するというふうにいたしておるわけでございます。なお食糧用の小麦につきましても外麦需要の約二一六カ月分の在庫を保有いたしまして対処する。ただ、これらの農産物の備蓄は、やはり新しい作物との置きかえというようなことの操作をしながら適切に処理していくという観点で現在備蓄政策がとられておるところでございます。

串原義直日本社会党

○串原委員 いま大豆は一カ月、それから小麦は二・六カ月というお話がございました。これはこれからもこの程度の考え方を基本にしていくのですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 備蓄の規模につきましては、それぞれ需要規模等が変動をいたします。それに相応した備蓄の備えをいたしてまいりたい、明年度予算についてもこの辺についての拡充を図りたい、このように考えております。

串原義直日本社会党

○串原委員 そこで改めて伺うわけですけれども、日本の必要最低限の基本食糧を供給できる食糧自給率の維持、これは私は大事なことだと思うのです。これはその立場に立って、穀物自給率は現在のところ農林省はどの程度が適当だとお考えになっていらっしゃるか。もう一つ、いま申し上げたのは穀物自給率ですけれども、総合自給率では七十数%と言われているが、オリジナルカロリー計算ではどの程度とお考えになっているのか御答弁願いたい。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 最初に後の方のオリジナルカロリーによります自給率、これは御承知のようにかなり前提を置きまして畜産物なりを還元するものでございますから、計算は私どもとしては公式的にはとっておらないのですが、いわゆるオリジナルカロリーということで計算をそのままとりますと、従来四五%が四六%になるという計算がございます。一%ばかり上がるという計算になるわけでございます。  もう一つ、前段階で御質問のございました必要な穀物の最低自給率というような御指摘でございますが、これは先ほど来大臣からお答え申し上げましたように、食糧の安全保障をどういうふうに考えるかという観点にかかわるものでございまして、私どもも審議会の過程で、前提となりますものはその際の国民の最低のカロリーをどの程度に設定するか、たとえば二千三百カロリーとかあるいは極端な場合には二千百カロリー程度とかいう問題がございます。それに必要な穀物自給率というような検討もいたしまして、審議会におきましてそうしたものを想定したことをやはり公表すべきかどうかということになりましたが、実際にはそうした問題へのアプローチや何かについてなお検討すべき多くの問題、たとえばそうした不測の事態におきます諸材料の確保とか、人の問題、土地の問題、各般の問題について検討すべき課題が多く残っておりますのを、非常にショッキングと申しますか、かなり大胆な数字をもって混乱を招くようなことは避けるべきではないかという御指摘もございまして、私どもとしましてはこの問題は、今後どの程度が不測の事態におきます最低確保また確保し得る施策がとれるかという検討課題といたしておりまして、御質問のような形での最低の穀物自給率というものはしたがって算定していないということになっております。

串原義直日本社会党

○串原委員 大臣、私が最初に伺いましたときに大臣は、飼料の自給率を上げることは大変大事だ、十年後の、そのまた後についても真剣に考えなければならぬと考えて事務当局に指示をしたところですという意味の御答弁をなさった。だから私はそれを期待しておりますというふうに申し上げたところでございますが、それらのことも踏まえて、ただいま御答弁のありました最低自給率、これはなかなかむずかしいということはよくわかります。わかりますが、これは大臣の答弁された食糧自給率の向上計画のことも含めて、できるだけ早い時期に日本の必要最低限の基本食糧、穀物自給率、このくらいは持たなければならぬのだというめどをつけるべきではないか、こう考えています。できるだけ早い時期という表現にきょう私はいたしますけれども、そういう方向で努力をしてもらいたいと思うのですが、大臣どうですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 仰せの趣旨よく理解できますので、私どもといたしましても、やはり農林水産省といたしましてはいかなる場合においても周章ろうばいすることのないようなきちっとしたものをつくっておかなければいかぬわけでありますから、できるだけ早く結論を得るような努力をしていきたいと思っております。

串原義直日本社会党

○串原委員 それでは次に二期対策に触れてまいります。つまり水田利用再編二期対策であります。いま質疑をいたしましたように、いささか厳しい食糧情勢であることは間違いない、油断ができないということでありますから、私どもはそれに対して心して対処しなければならぬ、こう思うのでありますけれども、こういう厳しい国際情勢、食糧需給の状況という中、そしてことしは大変な冷害を受けたという状態の中で、ある意味では非常事態だと私は思っているわけでありますが、それでもやはり水田利用再編二期対策はやるということなんですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 過剰米が六百五十万トン近くもありまして、そのためのいわゆる支出しなければならない経費というものは巨大なものであることは串原先生も御承知のとおりでございます。私どもといたしましては、できる限り前向きの方向に国費は使っていきたいという希望もあるわけでありますけれども、そういう意味におきましてやはり需給のバランスをとる、食べてもらえないものを一生懸命つくりましても、それを国の財政で処理をしていくということは長くは続かないのじゃないかという感じが私はいたすわけであります。そういう意味から、十年前から生産調整ということで、生産者の農家の方も団体の方も、市町村も県も御理解をいただいて今日まで生産調整第一期対策というふうに、非常な御協力をちょうだいしているわけであります。  しかるところ、二期対策ということになって冷害が起きた。冷害が起きたのだから一年間休めという声もあるわけでありますけれども、しかし私といたしましては、この前五十一年の際にも、せっかくうまく生産調整が軌道に乗りかけたところへ冷害ということで一度手綱を緩めた形をとりましたために、それが今日の過剰につながってきておるという前例も経験をいたしておるわけでありますので、責任者といたしましては、その前例を繰り返して国家財政に迷惑をかけたくはないな、こういう気持ちも非常に強く持っておることは事実なのでございます。しかし、何といっても一千万トン割ったというこの事態、幾ら第二期対策は避けて通れない施策ではあっても、このような状態で、将来の農政を確立するためだから、こう言って強行する気分にも私はなれない。いま非常につらい立場をずっと持ち続けてきておるわけでありますが、しかし、いつまでもじんぜんと日をむなしゅうするわけにまいりません。先ほど答弁申し上げましたとおり、十一月末あたりにもうお願いをしないと間に合わなくなるという問題もあります。  したがって、はっきり申し上げますと、三年間の計画は一応そのままということにいたしまして、五十六年度は何らかの冷害のための措置を講じなければならないかなという気持ちを実は最近抱いてきておるところでございます。したがって、私どもが当初考えておりましたような米の需給のバランスをとるという将来の方向にも大きな影響を与えずに、しかも冷害対策ということをどれだけ取り入れれば被災地の皆さん方に御了解をいただいて協力してもらえるか、その辺の調整点というものを見つけるためにいま苦心惨たんしておる。ざっくばらんに申し上げてそういうところでございます。

串原義直日本社会党

○串原委員 これは、いまのお話のようにやらなければならたいのだということであるとするなら、報道されているように来年度から大変に面積をふやすということではなくて、少なくとも今年度、五十五年度程度にすべきだとしてもらいたい、それが将来のためになるのではないかという農業団体等々の強い意見、提言、これをどう受けとめていらっしゃいますか。いま大臣は五十六年度については何とかしなければならぬというような意味の答弁をされましたが、来年度についてそういう方向をとるべきではないかと思うのですが、いかがでしょう。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 そういう声も特に東北、北海道等あるいは中国地方等からも聞いておるわけでございます。しかしまた、やはり将来の農政を考えて計画どおりやるべきであるというような激励を受ける声も一方ではあるわけでございますので、その辺をどう調整をとっていくか。いずれにいたしましても冷害についての特別措置というものはもう必要かな、こういう考え方が私の頭のこの辺に出てきておるということは事実でございますので、口でうまく表現できませんけれども、とにかく事務当局に、そう反発を受けないで協力願えるような線が出ないのかどうかということをいま検討をさしておる最中でございます。もうしばらく時間をかしていただきたいと思います。

串原義直日本社会党

○串原委員 それと関連して、中国四国農政局が、あの辺の管内の来年度の減反目標面積の見通しとして、全国平均を上回る大幅な上積みもやむを得ないというような方向を明らかにしたというふうに新聞に報道されている。これであの地の農業団体は大変な反発をしている、こういう報道があるわけでありますが、これは中国、四国だけではなくて、この種の問題が間違って報道されたりしたのでは大変だ、全国的に問題だという心配もいたします。これはどうなんですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 御指摘の中四国農政局の件でございますが、これは二期対策の検討の際、中四国におきましては非常に割り当て増になるおそれがあるのではないかということは事務的にお話し申し上げたことは事実であるようでございますが、これは具体的に幾ら、どうなるというふうなことで言ったわけではないと思います。ただ、中四国の置かれている状況、兼専業の状況あるいは転作作物の導入条件等考えたときに、地域的な関連から中四国がそうした取り扱いを受けるおそれがあるかもしれないという警告として申し上げて、決して割り当てがこうなるという趣旨で伝えたわけではないと思いますし、また、その点については十分地元に理解を深めるようお話し合い申し上げておるところだと考えます。他の農政局でそういう話は私ども承っておりません。

串原義直日本社会党

○串原委員 一ころ報道されたのですけれども、来年度この二期減反をやる場合に奨励金を反当一万円くらい下げなければならぬだろうかというような報道があった。これは農民、農業団体は大変に反発をした。これは無理もない話だと思うのですね。こういう話の出たという根拠は何なんですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 先生御案内のように、転作の奨励補助金につきましては各期ごとに見直すということになっておるわけでございます。そこで来年度から第二期に入るわけでございます。したがいまして、当然この二期の奨励補助金の見直しといいますか、これの検討をやっておるわけでございます。もちろん何ら具体的に結論を出しているというわけでございませんで、検討を進めておるということでございます。  ただその際に、われわれが検討を進める視点といたしましては、一つは、やはり相対収益性の動向がどうなっておるか、現在の五十三年度からの転作奨励補助金、これはその後の推移、たとえば相対価格是正等によって行政価格も上がってきておる、したがってその他の生産費調査等から見て稲作所得との収益性の格差というものがどう動いてきておるかというような動向をやはり見て検討する必要があろう。それからもう一つは、定着性の促進という観点があろうかと思います。やはり定着性の高いそういう転作営農を育てていくという角度からいたしまして、現在の転作奨励金のああいう基本額、加算額、こういう仕組みで十分かどうか、そこはやはり見直す必要があるのではないかという、そういう角度からの検討。それから当然、今後面積もふえるわけでございますが、財政負担という角度で転作奨励補助金の所要額がどうなるであろうか、そういうような観点等々からいろいろ検討を進めておるわけでございます。したがいまして、その際に奨励補助金の水準なりその中の基本額と加算額をどうするか、加算額も現在の計画加算だけでいいのかどうかというようなことをいろいろ検討しておる、こういう段階でございます。

串原義直日本社会党

○串原委員 将来の食糧安定確保のため、もう一つは水田に対する農民の感情等から見て、永年性作物の定着分、そして転作作物以外へも、奨励金交付年限経過後も転作水田の実施面積に算入しておくべきではないか、こう考えるわけです。いかがでしょう。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 まず永年性作物の定着分の関係でございます。これにつきましては、固定目標のもとで水田再編対策を進めていく、その際に期中におきまして、たとえば五十四年度に転作奨励補助金の交付を受けて五十五年度に交付期限が切れた、そういう永年性作物については定着しているということでカウントされない、奨励金は当然もらえないかわりにカウントもされない、そうすると、面積が固定されてあるものですから、やはりそのほかに何か転作作物を探して転作を別のたんぼでやらなければならない、これは非常に厳しい話だ、何かそこを考えてくれという声が非常に強いわけでございます。現在第二期対策の仕組み方、いろいろ検討しておりますが、その際の一環といたしまして、何かそういう問題を回避し得る適切な方法がないかどうか現在検討を進めております。カウントということでやはり解決することしかないと思いますが、いずれそういう方向でいろいろ現在検討をいたしております。  それからもう一つは、転作作物以外の作物もカウントしたらどうかというお尋ねでございますが、実は転作作物以外にしているというのは、逆に言えば需給上問題があるからこれは転作作物にするのは適当でないということで、たとえば温州ミカンとかブドウとかそういうものを指定しておるわけでございます。これは奨励補助金は交付しないにしてもカウントするということは、積極的に対象外の作物の作付を刺激するということになろうかと思います。したがいまして、そういう対象作物以外のものについて転作実績の中に見ていくということは無理であろうか、かように考えております。

串原義直日本社会党

○串原委員 時間が経過をしてきましたから端的にお聞きをいたしますが、アスパラガス、もう一つは密植桑園、これは一般作物に編入すべきだという要請が非常に強いわけです。私もそういう理解に立っています。いかがでしょうか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 アスパラガスと密植桑園、これは現在永年性作物という扱いにいたしております。これにつきまして、二期対策においてこれをむしろ一般作物にしてはどうかというような御指摘なり御要請等もあるわけでございます。  そこで、まずアスパラガスでございますけれども、これは加工用のホワイトアスパラといいますか、ああいう角度で冷涼な北海道、あるいは内地におきましても高冷地等において大分つくっておったわけでございますが、だんだん最近は野菜としてのグリーンアスパラが非常に需要もふえてきておりまして、生産もふえてきておる。しかもこれがだんだん暖地の方にまで広がってきておるということでございます。そういたしますと、ビニール被覆での栽培は、大体促成栽培は一年くらいしかもたない。耐用年数一年。それから半促成も六年程度というような形態になっております。そういう栽培方法の変化というものもございますので、従来は永年性作物といって取り扱ってきたわけですが、そこをどうするかということは確かに検討に値するものであろうということで、いろいろ現在詰めておるところでございます。  それから、密植桑園の方でございますけれども、これは耐用年数というものを考えますと、密植桑園が始まりましてからまだ日が浅いので、最後的にいつまで耐用年数があるのかということが明確ではございませんが、大体試験研究のデータ等から見ますと、十年ぐらいは耐用年数があるというふうに推定をされますので、やはり一般の桑園と別扱いにするということは困難ではなかろうか、かように考えております。

串原義直日本社会党

○串原委員 密植桑園については、私の地域における試験状況から見て桑の寿命は大変短いと見ているわけです。したがって一般作物にしてもよろしいと私は判断している。そういうことになりますならば転作面積も非常にふえる、それから養蚕振興にも役立つというので、一石二鳥ではなかろうかと考えているわけです。これはきょうここでということではなかなかむずかしい向きも、いま試験研究経過中ですから、あろうと思うけれども、前向きに検討するという方向で取り組むということはいかがです。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 密植桑園の扱いにつきましては、長野県を初めとして非常に要請が強いわけでございます。したがいまして、かねてからこの問題につきましては内部でもいろいろ検討を進めてきたわけでございますけれども、ただいま申し上げましたようなことで、埼玉県の農業試験場の試験結果等も十分検討したわけでございますが、耐用年数はおおむね十年はもつであろうという角度からすると、なかなか一般作物並みにというのは困難ではなかろうか。まだ結論を最終的に出したわけではございませんけれども、大体そういうような方向に傾きつつあるということでございます。

串原義直日本社会党

○串原委員 大臣に伺いますが、答申の基本方向二十八ページ等々にも出ていますけれども、食管法を直そうという意味のことを指摘をいたしておるわけでございますが、この答申の中で見るならば、何を直そうとするのか私にはよく理解できないけれども、それはそれとして、大臣は、この十月三十一日この答申を受けた際に記者会見をして、食管制度を可能なところから改正するように次期の通常国会に提案をしたいという意味の発言をなさったということが報道をされました。どういう立場で大臣は改正提案をなさろうとしていらっしゃるのか、最後にお聞きをいたしたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 食管法は最近、特に米価審議会で、消費者の委員の方々からも、消費者のためにも食管法は堅持をしてほしい、こういう声が非常に強く出てきておるわけであります。生産者からももちろんでございます。今日のこのような厳しい冷害があり、アメリカにおける干ばつがあり、ソビエトの不作、中国の不作等々、食糧に対する非常に不安な要素が国際的にも非常に高まっておるにもかかわらず、日本の国民一人一人が食糧に対して何らの不安を持たないで生活ができるというのは私はこの食管法のおかげ、こう思っております。ところが、食糧需給の基盤としてのこの食管法をより国民のものとしていくためには、やはり法律でございますから守られる法律という形をどうしてもとりたい。配給券というようなものが基本になっておるわけでありますけれども、いま食糧の配給券というようなものを実は行使しているという方は恐らく一人もおられないという、この食管法の基本のところがそういう状態になっておりまして、そういうのは法律に対する信頼というのを維持していくゆえんではないから、その点何とか法律である以上はみんなが守れるようにまずすべきではないか、そういうところをほっておくこと自体が食管法をより国民的なものにしていく方法ではないじゃないかという考え方で、いまそういう面からの検討もしてもらっているわけであります。そういう点は大体農業団体なり生産者なり、あるいは各界各層の合意があるいは得られやせぬか。得られたものからひとつ改正をしていくということが法に対する信頼を獲得していくゆえんではないか。  同時に、現在の食管法は確かに戦時中の立法でございまして、食糧の不足を前提とした不足の場合の立法と言ってもいいのじゃないかという感じが私はするわけであります。したがいまして、需給のバランスがとれておるときはどういうふうに法律が作用するのか、あるいは過剰になった場合には法律はどういうふうな働きをするのかといったような、どんな状態に応じてもその法律が適時適切に発動していくことができるような形にならないものだろうかということが実は米価審議会で大分論議があったわけでございます。そういう問題につきましても食糧庁の方において十分検討をしていただいて、そうして合意が得られなければとても国会に提案できませんので、合意を得られた点から通常国会あたりに出せれば出したい、こういう意味のことを申し上げた次第でございます。

串原義直日本社会党

○串原委員 時間が来ましたから、終わります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 武田一夫君。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 農政審議会から、約一年半かかりましてまとめ上げた「八〇年代の農政の基本方向」、それから「農産物の需要と生産の長期見通し」の全容がようやく明らかになったわけでございますが、現在の日本の農業を取り巻く環境というのは非常に厳しいわけでありまして、大量の過剰米、あるいはまた財政負担が非常に大きくなっている。また海外の農産物との価格差が一向に縮まらないとか、さらにまた世界的な穀物の需給の不安というような多種多彩の厳しい状況にあるわけでございまして、そうした中で答申というものが出されまして、これは私は一九八〇年代のわが国農業の基本戦略とも言うべきものであろうと認識しておるわけでありますが、この向こう十年間のわが国農業あるいは食糧政策の指針となり、特に大きな課題でございます食糧の安定供給あるいは安全保障、こういうものに対する取り組み、これが農家の皆さんはもちろん、国民がひとしく注目しておるところだ、こう思うわけであります。私たちとしても、こうした転機に立つ日本農業の今後というものを考えますときに、この答申というものを非常な期待を持って待っていたわけであります。農家の皆さん方の期待もさぞかし大きいものがあったろうと思うのでありますが、正直言って、私は厳しいこの情勢というのは認めながらも、そういう中でこうした答申が出ることによって、何かしら日本の将来、農業の将来というものに一筋でも曙光が見い出せるものがあるならばありがたいものだ、そういう期待感を持っておりました。  ところが残念なことには、私は一応一通り目を通しまして感ずるところでありますが、どうも今後の農政というものに対する厳しさというのがさらに目立っているように思うわけでありまして、農林水産省の農政の現状というものがそのまま、現状追従といいますか、そうしたような考えというものも多分に受けとめられるし、さらに日本の危機、農業の危機というものに対する打開に取り組む姿勢というものが非常に消極的でなかろうか、要するにいろいろ農業施策の面での後退あるいは合理化という点の強調だけが強過ぎるのではないか、そういう意味で、農家の皆さん方にとってはこの答申というものは非常に期待外れでなかったかなという思いがしてしようがないわけであります。先日も六人の学者あるいは農業団体の皆さん方の参考人の方々にお集まりをいただきまして、るる御意見などを拝聴いたしました。私の所感をいま一応申し上げたわけでございますが、一応そういうことの前提で、私もこの中でいろいろとお聞きしたい問題たくさんございますが、時間も余りございませんので、四点ないし五点ほどまずお聞きしょう、こう思うわけであります。  最初にまず大臣に。大臣がこの答申をお受けするときに、この答申を尊重して基本方向に従って今後の農政を推進する、こういうふうにおっしゃっておるわけでございますが、大臣としましては今後、近くは十年後の農家の、日本農業というものの展望、日本の農業というものに果たして農家の皆さん方が夢が持てるものであるか、この答申等を通しまして所見の一端をひとつお聞かせ願いたい、こう思うわけであります。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 一年数カ月にわたる農政審議会の非常な御苦心によりましていただいた答申でございまして、先ほど来るる申し上げておるわけでありますけれども、国民の間で大きく分かれていた農政に関する論議の幅を縮めてくだすったという貴重な答申である、こういうふうに私は受けとめておるわけでありますから、この答申の基本方向に従って今後の農政を進めていきたい、こう私は申し上げておるわけであります。特に、需要の動向に応じましたところの農業生産の再編成、これはもう私は非常に大事だと思うのです。お米以外の問題につきましては、農家の自主的な判断によって、酪農等につきましてはもうヨーロッパに負けないだけの酪農をつくり上げてきておるのが日本の農家の根性でもあり、農民魂でもあるというふうに私はいま受けとめておるわけでありますから、やはり需要の動向に応じた農業生産の再編成を通じまして中核農家の育成をやってまいる、さらに農村の整備の推進などに関する施策を具体的に進めてまいりまして、私は将来に明るい展望の持てるような処置を講じていきたい、こう考えるわけであります。  そこで、実は事務当局にもいろいろと検討をするように指示をいたしてありますことは、やはり第二種兼業農家の問題を、どういわゆる生産性の高い農業経営をすることができるようにしていくかという問題等についても、これはもう農業団体とも十分な協力、連絡をとりまして、そうしてやはり規模拡大による生産性の向上というようなことをしていかなければならない、こう考えるわけでございます。と同時に、やはり農村の地域社会に雇用の場をどうして創出していくかという問題、私は、これはもういわゆる農業政策の中でもひとつ考えていかなければならぬのではないか、こういう感じがいたすわけでございます。したがいまして、十年間の方向が答申によって示されたわけでありますから、この具体化を進めるに当たりましては、やはりこの雇用の場を農村の地域社会にどう確保していくかということも、あわせて政府の中において強く進めていきたい、こう私は考えておる次第でございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 農政審議会の会長さんが、農政審というものの性格というのは、農政の基本方向だけを示すのだ、あとはその具体化は農林水産省が考えてくれというようなニュアンスのことを言っているわけでありますが、そうだとしますと、農政審と並行しまして、すでに農林水産省としましてもしかるべき方向性というのを内々一生懸命検討しながら、そのビジョンというのをお持ちだと私は思います。また持たなければおかしいと思うわけでありますが、この一年半もかかってこういうものが出てくる過程の中で、やはりそうしたビジョンを提示しながら農政審というものにそういうものの意見を求めるという方向で、そしてこれが出た時点では、朝からずっと質問の過程の中で、検討するような事項が大変多いわけでありますが、検討することはそれはいろいろあるだろうと思いますけれども、それと同時にもうスタートするのだというくらいのスピード感のある——まず一応は十年という一つの過程でございます。そういうことを考えると、やはり具体的な意見を求めるような方向でいかなければならないのじゃないか。そういう点に非常に欠けていると思うのでありますが、具体的にこうした答申が出た、これに従って農林水産省としては、この問題についてはこういう具体的なビジョンというのを持っているのだというものをひとつここで例を挙げて、この答申の中のこのことについてはこういうビジョンに沿っていますでに作業を進めて、あるものはその作業が完了しているというようなものがあったら、二、三具体的なものを説明してもらいたい、こう思うのですが、いかがですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 農政審議会は、御指摘のように広く民間の学識経験者の意見を行政に反映するために設けられました諮問機関でございます。したがいまして、具体的な施策よりも全般的な政策の方向づけにつきまして御提示をいただくというふうに私ども理解しております。特に今回は国民各界各層の意見をできるだけ集約するという立場での方向づけをしてくださった、具体的な施策自体はやはり行政庁たる農林水産省におきまして、その責任において施策は実施すべきもの、審議会の性格はそうしたものとは異なるというふうに理解しておるわけでございます。  具体的な施策についてどういう方向をとっているか。端的に申しまして、需要に応じた農業生産の再編成というのが目下の急務であるという御指摘をいただいております。御承知のような水田利用再編という形で、過剰な物から不足な物への生産の転換によりまして国内の自給力を総合的に高めていくということで、御指摘の点は第二期対策の具体的な展開として目下進めておるところでございます。  また食糧管理制度につきましては、制度の根幹を維持しつつも、なお現在法律と実態との乖離をしているような問題点を早急に詰めまして、できるだけ早い機会に法律の改正を手がけたいということで、目下関係団体等と協議をしておるところでございます。  構造政策の面では、すでに本年の通常国会で通過成立させていただきましたいわゆる農地三法、特にその中でも農用地利用増進法によりまして、中核農家を中心とします地域農業の組織化ということを積極的に進めてまいりたい。そのほか、農村整備におきます村づくり運動、あるいは備蓄政策の拡充、食品産業対策等は、具体的に五十六年度予算として積極的に実現を図りたい、このように考えております。  なお、審議会におきましても答申において、今後専門的に検討を要すべき事項といたしまして三点が指摘されております。一つは食糧の安全保障に関する検討課題でございます。もう一つは飼料穀物の国内生産に関する課題でございます。三番目は日本型食生活の定着方向について。こうした問題は外少時間がかかってもさらに検討を深めて、具体化して国民に示すべきものであろうという御提示をいただきまして、この点についてはさらに検討を進めるという課題として考えております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 いろいろといまおっしゃられましたが、そこでひとつ、自給率の問題が出てきましたので、この問題についてちょっとお尋ねします。  長期見通しの焦点だった食用農産物の総合自給率、これを見ますと現状水準の七三%、それから穀物の自給率は三四%から三〇%、これは数で見る低下である。自給率を引き上げる努力をすることが食糧政策の大事な観点だ、私はこう思うわけです。しかしながらこういう状況を見ますと、果たしてそうした努力というのはいかがなものか、こういうことを私は心配するわけであります。十年後になってもこうした水準あるいは後退というのは非常に心細い。国民にとっては大変心配であるし、農家にとっても、農業に対する危機感というものをこうしたものによって痛感すると思うのですが、こうしたものが出てきた背景というのはどこにあるのか。私は、先進諸国が自給率の向上というものに躍起になっている、そういうことに対する日本の対応というのはこの程度のものであるとするならば非常に嘆かわしいと思うのですが、その点はいかがなものですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 お答えいたします。  自給率の向上という意味で特に私どもは、農業生産の再編成という過程で、過剰な物から不足する物の自給度を高めていかなければならない。したがいまして、小麦につきましての自給率を六%から一九%へ、さらに大豆につきましては、食用大豆につきましては一二%を六一%へと、かなり高い自給率を想定しておるわけでございまして、従来のテンポからいたしますと非常に困難な条件は多いと思いますけれども、やはりこうした形で過剰な物から不足する必要な農産物の自給度を高めていかなければならないという観点に立っております。したがいまして、私どもこうした観点から、日本型の食生活の基本をなすものは、やはり主食用の穀物の自給率はできるだけ確保するという点で六八%、約七割近くの自給率を確保すると同時に、これから拡大してまいります畜産につきましては、飼料自給率、牧草等の自給飼料を含めまして、TDN換算いたしまして自給率は二九%から三五%へと、従来にも増して大きな努力を払わなければならないと考えておりますが、やはりこれからの食生活に対応します生産の対応といたしましては、これらの作物についての相当の拡大を果たしたい、まさにそのために、私どもも第二期転作等をいまお願いいたしておりますのも、そうした総合的な自給率を高めるために、この際過剰な物から不足な物へ転換をスムーズに行うことによりまして国内生産体制を高めたい、このように考えておるわけでございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 自給力という言葉を使っていますが、自給力というのは一体どういうものかまず説明してもらいたいし、それと自給率との関係性、これを簡潔にわかりやすく説明してもらいたいと思います。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 これは私どもが使っております言葉の定義でございますが、自給率ははっきりした数字の率としてとらえておりますので、国内の消費仕向け量に占めます国内生産量の割合でございます。消費に対する国内の生産量ということでございます。具体的には、国内生産量に純輸入を足しまして、在庫の増減を引きましたのを国内消費仕向け量といたしまして、これに対する国内生産量の割合を出しておるものでございます。自給力という言葉を使っております。明確な定義があるわけではございませんが、私どもの概念といたしましては、国民の食生活にとって必要な基本食糧を国内で確保する生産諸力に関するものを私ども自給力と呼んでおりまして、土地、水等の資源、土地利用、農業の担い手等を総合的にとらえた、いわば国内農業の潜在的生産諸力といった趣旨として使っておるわけでございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 抽象的で目に見えないものが表に出ている。  それでは、たとえば七三%という食用農産物の総合自給率というものを出す、まあ出てきているわけです。その自給力、いわゆる農地がどうであって、あるいは水、土地利用はどうであるというような細かいものはお持ちなのですか、どうですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 お答え申し上げます。  率自体につきまして、これを規定します条件について個別に、それぞれの生産諸力についての条件を個別ごとに設定はいたしておりません。需要と供給、それぞれ消費と国内供給量の関係からこの数字自体は設定しております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 すると、自給率というのは国民の食べ方で決まってくるということですか、その点どうですか。国民が食べる食べ方によって自給率というのが決まってくると……。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 ちょっと私、正確に御質問に答える答弁になるかどうかわかりませんが、要するに国民の消費するうち輸入分を差っ引いた国内生産の割合でございますので、国民全般に国産品を食べれば一〇〇%というふうになるわけでございますが、それは食べ方によって変わるということがあれば、変わるとも言えるわけでございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 何か国民の食べぐあいに転嫁するような、そういう感じではちょっとまずいのじゃないかと思うのですよ。やはり自給力というものがあって、それが一つの数字として出てくるものが自給率という、食糧の必要なものであるという、そういう何か関係性がさっぱりわからぬと、われわれも聞いてもわからぬです。そういうものがこういうふうに数として出てきても、おいそれと、そうですかと信用するわけにもいかないし、できぬじゃないかと思うのですが、まあこれをやっていると時間がなくなるけれども、これはこの次また話を求めていくことにしまして、これはやはりそうしたはっきりした具体的なものを示す、これが必要だと私は思うのです。余りにもこう漠然としたそういうようなものでこうしたものを出してきて、十年後こうなんだと言っても、これはだれも、そのとおりいきますかという疑いがますます強くなる、これは間違いない、こう私は思うのです。  そこで、この問題はおきまして、えさ米が今回また見送られた、こういうことですね。そして先ほど大臣もお話しあったように、今年に上積みして転作は来年も推進していくわけですね。さてそうしますと、そうした転作を推進するための事業というか、特に私は、湿田における転作対策というのは自信があるのかということをまず一つ聞きたいのですが、どうですか、この点。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 いまの転作の円滑な推進と定着化を図るという観点からいたしまして、何といいましてもやはり排水対策等の水田の条件整備、これが非常に大事なことでございまして、これの充実強化に努めているというところでございます。  そこで、現在水田の中で畑作物の導入可能な水田面積というものは全国で約百九十万ヘクタール、約七割方が畑作物導入可能な水田というふうに推定されております。あと三割方がいろいろまた弾丸暗渠等をやらないと無理だとかいうような水田があるわけでございます。したがいまして、今後排水対策等の基盤整備はさらに実施を進めていくわけでございますけれども、しかし、これも一挙にいかないという面がございます。その際に、水田再編の方はやはり目標も高めて進めていくということになろうかと思います。  そこで、何をつくったらいいのかという問題が出てくるわけでございますけれども、レンコンだとかあるいは青刈りヒエとかいう問題もございますが、飼料作物としての青刈り稲ということでの対応が現実問題としては非常に多うございます。なお、最近はハト麦といいますものも湿田に強い作物というようなことでクローズアップしてまいっておりますので、こういうものも導入を図っていきたいというようなことで、極力湿田につきましても転作が進んでいくように努めていきたい、こう思っておるわけです。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 いまいろいろお話があったのですが、いろいろな排水改良事業とか圃場整備等々の事業が急ピッチに進んだとしても、私は、すぐに畑作が可能なそういう状況になるものとは考えられないと思うのです。まして現在、この湿田の転作、きわめて困難でありまして、やはりあちこち見ますと、転作した場合でも飼料作物など、まあどちらかというと緊急避難的つくり捨てというのがいまだにたくさんある。これはもう明らかに皆さん方も知っているわけでありますが、そういう意味で、言うなれば、こういうことが行われているということは財政が非常に厳しい中で貴重な資金をどぶに捨てるような、そういう思いがしないでもない、一般の皆さん方はそういう認識で見ていると私は思うのです。農家にとっても耐えられない。ですから、そうした緊急避難的なものがこれからも続いていったとするならば、十年後は惨たんたるものじゃないか、ここで定着の見通しのできるようなものに真剣に取り組んでいかなければいけない。ですから、この間ある学者さんが言っていましたが、ある専業農家におたくは転作で何を植えますかと言ったら、奨励金を植えている、こういうことを答えたという笑い話のような真剣な話が出てくるわけです。  そこで、こういう農政審の一つの今後の見通しの中で将来の展望を持ち得るような話や内容がなければならないし、さらに農家の皆さん方がその中で一番期待している問題がやはりこのえさ米、飼料作物をどうするかということであります。技術や価格、流通等の問題はあるにしましても、これは五年、十年とかかる、あるいはもっとかかるという非常に長い研究も必要だということを考えたときに、今後の八〇年代の農政の大きな一つの目玉の中にこうしたものを入れなかったことはまことに遺憾だと思うわけでありまして、これはどちらかというと、こうしたものがもし成功した暁における貿易摩擦の回避というものに農林水産省の心がいっていてこういうふうになったのではないかというふうに私は思わざるを得ない。この点はどうでございますか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 農政審議会で取り上げなかったということはございませんので、正確に申し上げますならば、十年後の農産物の需要と生産の見通しにおきましては算定いたさなかった、審議会の答申におきましては二十六ページから二十七ページにかけまして「飼料穀物生産の検討」という課題で初めて取り上げた問題でございます。審議会におきましても、この問題が今後の重要な意義を持つ、特に自給力強化に寄与できるという意義を持つということで評価している課題でございます。  ただ、現実の条件におきましての収益性その他各種の問題からいたしまして、現在実用段階に入れない、むしろ研究開発を急ぐべきであるという課題として承っておるわけでございまして、私どもそうした点で研究開発について早急に結論を出すようにこれを促進してまいりたい。なお、おっしゃるような海外の関係でのこれについての問題は、私ども一つも恐れるものではございません。むしろ、こうしたものが国内で流通できるような体制として、畜産農家と稲作農家とを結びつけるとか、具体的な流通、収益その他の各種の制度的な問題と技術的な問題とを十分詰めなければならないということの方を私ども心配しておるわけでございまして、開発研究についてなるべく早く結論を得たい、このように考えておるわけでございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 三十七年、四十三年あるいは五十年と三回見通しが策定されまして、それが途中で実態に合わなくなったということでまた新しい見通しをつくるということになったその一番の原因は、この自給率向上に消極的であった、そういう点に目を向けなければならないと私は思うわけです。ですから、そうした点の解決に全力を投入することなくしては、今回のこの見通しも二、三年くらいだろう、耐用年年数は三年とかなんとか言われるような情けのないような、そういうことまで言われるということは非常に遺憾だと私は思うわけでありまして、そういう点の反省ともう一歩の真剣な取り組みが必要だと私は思うわけでありますが、その点の要望だけしておきます。  そこで、日本型食生活ということが出てきたわけでありますが、私も非常に興味を持っております。きょうは文部省、厚生省の皆さんもおいでになっていると思いますので、日本型食生活というものについてどうお考えか、各省庁の皆さん方のお考えを伺います。そしてこの日本型食生活というのが果たしていまの日本の食生活の中で定着しているものかどうか、あるいは今後定着していくものかどうか、これでいいものかどうか、おのおのの立場で御見解をお聞かせ願いたいと思うのです。

佐藤亘厚生省公衆衛生局栄養課長

○佐藤説明員 厚生省からお答えいたします。  審議会の御答申の中で、わが国の食生活は、米を中心として畜産物、野菜、果実、魚介類等を豊富に組み合わせて、栄養的にも、平均的に見る限り炭水化物、たん白質、脂肪の組み合わせのバランスがとれたものになった、日本型ともいうべき独自のパターンを形成しつつある、こういう食生活は日本の風土に適したもので、今後もこれを定着させていく必要がある、こういう御意見が出ておるわけでございます。  これに対する厚生省の考え方でございますが、御承知のように、戦前のわが国の食生活はきわめて穀類に偏りまして、たん白質とか脂肪の摂取量がきわめて少ない食生活だったわけでございます。戦後三十年間の食生活改善の目標は、この脂肪とたん白質の摂取、それと微量栄養素の摂取を進めるための栄養改善を目標にいたしまして、生活改良普及員の皆さんや保健所の栄養士さんの御努力で栄養改善が進んでまいったわけでございます。  こういう改善の結果、昭和五十三年度の栄養調査の結果で見てまいりますと、昭和六十年を目途として定められました日本人の栄養所要量にほぼ近いところまで炭水化物、たん白質、脂肪等が摂取をされておりまして、ほぼ目的を達したかに見えるわけでございます。平均的には一応の目標水準に達しておりまして、今後の改善目標といたしましては、地域格差あるいは所得格差等のよりきめ細かな詰めのための指導、改善に努めていきます。それから、将来的にはより健康を守るという角度からの栄養指導に重点を置いてまいる所存でございます。  この炭水化物、たん白質、脂肪のとり方のバランスが、最近とみにふえてまいっております一部の成人病、特に循環器系の成人病を中心に欧米先進国と非常に似たような傾向を示しております。これは特に脂肪のとり方あるいはたん白質のとり方との関係でございまして、最近では欧米先進国でも脂肪やたん白質のとり過ぎに注意をするというようなことにかなり力を入れておりまして、現在の日本人の食生活のあり方に非常に関心を持っておられる欧米先進国がふえておるわけでございます。私どもといたしましても、動物性脂肪のとり過ぎあるいは脂肪、たん白、糖質とのバランスにつきまして、現在程度のバランスを維持しつつ、なおきめ細かな、より健康にふさわしい食生活の指導を図っていくという方針を持っておるわけでございます。  農政審議会から御答申がありましたが、先ほど読み上げました部分の御意見については全く同感であると考えております。

奥田與志清文部省体育局学校給食課長

○奥田説明員 先生御存じのように学校給食は、戦後の困難な食糧事情のもとでアメリカなどの援助によりまして再開されました経緯がございまして、御案内のようにパンを中心としたものとして普及が図られてきたわけでございますけれども、それはそれなりの成果はございました。その後すぐれた食糧資源でございます米など、わが国の食糧事情の好転等がございまして、関係者の合意を得まして昭和五十一年度から、教育上の意義等も踏まえまして、現在米飯給食の導入を計画的に図っているところでございます。こうした学校給食の発展の方向は答申で述べられております趣旨に沿うものと考えておりまして、私どもとしましては、今後とも答申の趣旨を尊重して関係者に対する指導を図ってまいりたいというふうに考えております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 農林水産省にお聞きします。  この日本型食生活、二千五百カロリーという一つのカロリーを基準に今後も持っていきたい、その中で、やはり日本型という以上は米、魚を中心としていくのだろうと思うのです。ところが、こういうふうな日本型食生活であっても、やはり十年後には米の消費が二割ほど減るということですね。これは、厚生省さんも文部省さんもいまが最高に理想的な食生活のタイプであると言っているならば、何でそれがまた十年もたったときに、現在が八十一・六キロですか、六十キロ台、六十二、三キロに減るのか。減らずにこのまま——いろいろメニューはたくさんあるでしょう。私はあといろいろ質問しようと思っておったのですけれども、聞くところによると、具体的なメニューをいま研究しているそうですね。それで、これを出すのだそうです。私は結構なことと思います。パンフレットにして出してくれるらしいですから、これを国民三千万世帯くらいのところを一軒一軒みんな配って、価格の問題とかメニュー、いろいろなパターンがあるでしょう。写真でも入れて楽しみながら、きょうはこのメニューでいくのだ、価格の面ではこれでいこうというような、非常に便利なものを出していただくとありがたいと私は思っているのです。しかしながら、十年もたってまた二割減して、米は相変わらず減っていくというところがどうしてもやりきれない。ここの点どう理解したらいいか。  それはなぜかといいますと、やはり長期見通しの需要に見合った生産の再編成が進んだとしましても、これを見ますと、日本型食生活というものが定着しなかったらこれはだめになるということなんです。そうすると定着するために——要するに定着が進まないでいったときにはもう何年かごとにこの見通しはまた改定、こうなってしまったらこれはやりきれないと思うのです。そういう点で、なぜ減らなければならないのか、ここのところを簡単に説明して理解させていただきたいのです。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 なぜ減るかという御質問でございますが、私どもこの作業をいたしました過程で、ちょっとお断りをいたしておきますが、従来この種の食糧需要の推測につきましては、所得の増に伴います飲食費の増、それが食糧需要になるという形で考えてこれまで作業をしてまいっておりますが、今回からは、むしろ国民の健康という観点を通じまして、食糧需要についても適正なある確保すべき水準を設定する、それが日本型食生活というふうに考えておるわけでございます。  御指摘の点は、現在の米の需要の動向を見ましても、年齢別の構成ではかなり若年層では消費量が少ない、高年齢層の方が多いという結果が出ておりまして、世代交代とともに、やはりこれらの若い世代についての需要量がそれほど大きくいまの高齢者層のような形にシフトするというふうには想定されないという状況があるわけでございます。したがいまして、従来のテンポほどではございませんが、畜産物なり油脂の増加はやはり若干続いていくものである、こういう見通しに立っておるわけでございます。したがいまして、二千五百キロカロリーの中でございますと、やはりその分炭水化物たる米の方に需要が減退を生ずる。ただ、そうした意味でのPFCの構成の点だろうと思いますが、これも厚生省におきまして、適正な比率は、比率自体が固定的なものでなく、ある幅の中で構成比が適正に保たれることを考えております。おおむねその幅の中にはまるべきもの、それを日本型食生活として維持したいということを考え、かつ、われわれとしてはその段階での米の全体の需給規模は一千万トンを維持したいというふうに考えておるわけでございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 もう時間がなくなりましたので、備蓄の問題等を聞きたいと思ったのですが、後日に譲りまして、最後に一つだけお聞きします。  加工食品の輸入の実態、これはどうなっているのか。これが需給見通しの中において見通しを大きく狂わせるものにならないかというふうな心配がある。なぜかというと、加工食品の実態というのが数字的にいろいろ入っていない。これは私は問題だと思うのですが、その点最後にお聞きしたいと思うのです。

鴻巣健治農林水産大臣官房企画室長

○鴻巣説明員 お答えをいたします。  たとえば菓子の輸入量を見てみますと、五十四年では数量では百五十七万トンの国内生産がございますが、国内生産の百五十七万トンに対しまして、輸入は約三万一千トンでございます。比率にいたしますと大体二%でございます。金額にいたしますとこれは大体一・三%ぐらいでございます。私ども現在需給見通しをやっておりますのは、御承知のとおり、主要な農産物の原料に直しまして、たとえばせんべいにしても、せんべいに必要な玄米に換算をいたします。マカロニにしても、マカロニに必要な玄麦に換算をいたしまして全体の需給を明らかにいたしております。それからもう一つは、製品輸入を換算するのは、やはり多様な形態で入ってきておりますので非常にむずかしいのですが、一部の品目はなかなか入り切れないのがございますが、原則として製品輸入はできるだけ原料に換算をいたしまして入れて、需要量あるいは供給の中にも見ておるという形になっております。  先生の御指摘のように、私どもが今回の需給見通しをつくるときにも、もう一つ別に加工食品の需給見通しみたいなものをつくりたいというので、大分勉強もいたしてみたのですけれども、加工食品についてはまだ必要なデータ、特に工場から出荷する場合に必要な品目別のデータというものがまだ完全にそろっていないというところが大変難点でございまして、いろいろやったのですけれども結局うまくいかないので、少し時間をかりて検討いたさせていただきたいと思っております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 もう時間が来ましたので終わりますが、ひとつ今後この点の積極的な取り組みを私はお願いしたいと思います。  終わります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 神田厚君。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 今回の農政審の答申につきまして御質問申し上げます。  今回の農政審議会の答申は、「食料の安全保障」あるいは「日本型食生活の形成と定着」、こういったように新しい政策課題を提言いたしております。そういう意味では画期的なものと評価もできるのでありますけれども、その内容が非常に抽象論でありまして、実現のためには具体的な施策が明示をされていないということが大変問題であります。そこで、政府がこの答申をどのように受けとめて、これをどういうふうに具体化しようとしているのか、その点につきましてまず大臣よりお伺いをいたします。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 先ほど来申し上げておるわけでありますが、今回の農政審議会の答申は、これまで国民の間で大きく分かれていた農政に対する論議の幅をかなり狭めた、そうして今後の農政の進め方についての合意づくりに寄与するところ大であるという受けとめ方をいたしておるわけでございます。今後この答申に示された基本方向に従いまして、さらに具体化するために、私どもといたしましては全力を挙げてその実現に努めていきたい、こう考えております。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 全力を挙げて具体化を進めるということですけれども、その具体的にどういうふうに進めるのかが非常に明らかでないというところが問題なんであります。大臣の方の答弁も具体化に努めるというふうなことだと思うのでありますが、非常に抽象的な書き方でありまして、抽象的な書き方の中から政策的にどういうふうにして取り出して、どういうふうにこれを定着させていくのかというのは、農林省のこれからの腕の見せどころでもありますし、そういう意味では具体化のために最大限の努力をしていただかなければならない、こういうふうに考えているわけであります。  続きまして、この答申は食糧の安全保障というものに非常に力点を置いて書いてございます。この食糧の安全保障という問題につきまして御質問を申し上げていきます。  この食糧の安全保障を考える場合に、国際的な要因というものがここにも書かれている。今後の世界の食糧の需給動向とあわせて輸出国の港湾ストライキ、あるいは交通途絶、国際紛争、輸出国の不作、さらには食糧の戦略物資化、こういうことが考えられているけれども、政府はこうした点をどういうふうに認識をして、かつ中期、長期の食糧の需給動向というものを考えなければならないわけでありますが、その辺のところにつきましてはどういうふうにお考えでございますか。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 お答えをいたします。  今後の中長期の展望に立ちました国際的な需給情勢でございますけれども、権威ある見通しといたしましてはFAOの一九八五年の見通しがございます。特に農産物、その中でも穀物を中心に需給の見通しを行っているわけでございますが、これによりますと、世界全体ではこの時点におきまして需給がほぼ均衡するということを言っております。しかしながら開発途上国ではむしろ不足の状態、この見通しでは七千二百万トンの不足ということになっております。一方で、先進国ではほぼ同様な水準の過剰が出てくる、つまり七千九百万トンの過剰になるという見通しになっております。しかし、さらにより長期の、たとえばFAOの「二〇〇〇年に向けての農業」というタームでとらえた報告書によりますと、二十一世紀には開発途上国での人口増加もございまして世界人口は六十億になる。また開発途上国の食糧生産が年率三・八%、実質的には現在は平均的に見まして二・六%くらいの伸びでございますが、そのような伸びで伸びたとしても、なお二億四千万人の栄養不足人口が生じて、二千万トンの食糧援助が必要であるということが言われております。  いずれにいたしましても、先ほど先生御指摘になりましたような、戦乱の場合、ストライキの場合、その他いろいろな事態があるわけでございますが、中長期で見ましても、農業生産は自然条件に左右されやすいわけでございますし、また先進国等を中心にしました畜産物消費の増加に伴う飼料穀物の需要の増大があること、あるいは開発途上国を中心にしました人口の増加、所得向上に伴う需要の増加の要因があるというふうに考えられますので、長期的には決して穀物の需給は楽観を許さないというふうに見られるわけでございます。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 そういう楽観を許さない情勢でありますならば、必然的に国内における自給率を高めていく努力が同時に必要だという見通しを持たなければならないわけでありますが、残念ながらこの答申によりますと、自給率の問題につきましては、前の長期見通しよりも四%も低い見通しを出しているという問題があるわけであります。ですから、長期的に見まして不足傾向というものが顕著になってくるという認識をしながらも、国内の自給率は見通しを下げている、こういう矛盾をはらんでいるということが一つ大変問題であるというふうに考えられますね。  と同時に、この食糧の安全保障の中の国内生産の強化の問題については、つまり食糧の自給率の強化ということが具体的に記述をされてない。非常に抽象的な言葉で潜在生産力の強化ということが言われているわけであります。たとえば農業生産の担い手の育成とか優良農地の確保とか、水資源の確保とか農業技術の向上、こういう抽象的な言葉でいわゆる国内の農業生産力の潜在的な強化ということがうたわれている、このことが大変問題でありまして、この点をもう少し具体的に、しかも自給率をなぜ三四%から三〇%に低下をさせていくような、こういうふうな見通しが出てくるのか、その辺は私どもとしましては大変問題であるというふうに思っておりますが、その点はどういうふうにお考えでございますか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 まず潜在的生産力の強化という点で担い手の育成あるいは優良農地の問題、水資源の確保等の各種の問題が出ておりますが、具体的でないという御指摘がございました。私どもは、こうした答申の御指摘から具体的な施策といたしましては、今後の生産力の担い手となるべき中核農家を育成していく、これは農用地利用増進法を中軸にいたしまして地域農政を総合的に推進していくという観点で特に中核農家の育成に力を尽くしてまいりたい。優良農地の確保につきましては、いわゆる農振法、農地法の適正な運用を通じまして優良農地の確保を図ると同時に、農用地の開発につきましても里山等の開発等を積極的に行いたいと考えております。水資源の確保につきましては、すでに土地改良事業等各般の施策が行われておりますが、水源施設の建設あるいは水利施設の整備等によります水資源の確保を要すると考えておりますし、技術の面におきまてましては、筑波に試験研究機関等も移りまして、新しい体制で再編成をすることを私ども考えております。  そうした体制の整備を通じて生産力を高めてまいりたい、このように考えておりますが、具体的な穀物自給率の御指摘がございました。  自給率について申しますと、総合的な食糧の自給率は七三%を維持する、かつ主食用の穀物自給率を七割近くを確保する、今後増大を予想されます畜産物についての飼料自給率、これにつきましては自給飼料、購入飼料合わせまして二九%から三五%に引き上げる、私どもこういう構想を持っております。  御指摘の、低下したというのは穀物自給率であろうと思います。これについて申し上げますと、これは食用と飼料用とを合わせた自給率でございまして、食用につきましては、米の減退と麦の増産という形で国内生産はおおよそ現行水準を維持し得るわけでございます。ただ問題は、豚、鶏の類の中小家畜の増加に伴います輸入飼料の関係、具体的にはトウモロコシ、マイロの類でございます。こうしたものは国内生産によりがたい面があるわけでございます。相当の大面積によりまして合理的なコストで生産されている内外格差、価格差等を考えますと、こうした分はなお輸入に依存せざるを得ない。今後従来よりは伸び率は低まりますけれども、こうした中小家畜に対する需要増に対応いたしますと、食用と飼料用を合わせました穀物の自給率という形では、物量ベースで申しますとこういう形になるということでございます。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 余り持ち時間がございませんので、答弁はひとつ簡潔にお願いをいたしたいと思うのであります。  われわれがことしの夏に研修会で検討をしましたところでは、日本のいまの生産力の中で穀物自給率というのは四一%ないし四三%ぐらいまでは引き上げることができるというふうな試算をしております。細かいデータ等を全部裏打ちしたものでいまさらにその細部の詰めを行っておりますけれども、大体われわれとしましては四一%から三%ぐらいまでの穀物の自給率引き上げができるという計算を持っておりますが、これを見ますと三〇%、その大部分は輸入に頼るのだというふうな話であります。先ほど、これからの長期見通しの中でその輸入問題というのは非常にいろんなむずかしい問題を抱えているということが指摘されている中で、それでもなお穀物の大部分を輸入に頼っていくという姿勢を持ち続けるということ自体が私は非常に問題だと思うのです。     〔委員長退席、津島委員長代理着席〕 穀物自給率というのは食糧の安全保障の一つのバロメーターということで、先進国ではどこでもこれを引き上げることについて努力をしているわけでありますが、恐らく日本だけではないでしょうか、こういうふうに穀物自給率を引き下げるような形で農政を展開しようとしているのは。私は非常に大きな問題を持っているというふうに思っております。九十一国会におきましても食糧自給のいわゆる衆参両院の決議をしているわけでありますけれども、こういう国会決議等にも明らかに背いた形でつくられているわけでありまして、そういう意味では大変に問題があるというふうに思っておりますが、農林大臣はどういうふうにお考えでございましょうか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 私も国会において食糧自給力強化の決議をさせていただくときの議運の委員長をやっておりました関係で、人一倍責任を感じておるわけでございます。したがいまして、農政審議会において論議をされる過程におきましても、とにかく自給力が結果的に数字の上で低くなるというふうなことはおかしい、こういうことも議論いたしたわけでございますけれども、結局先ほど来事務当局からもお話を申し上げておりますとおり、それぞれの個々の作目についての自給率というものは、いずれもみんな、小麦にいたしましても裸麦にいたしましても大豆にいたしましても、いままで輸入に頼ってきた部門でも自給率を上げる見通し、答申も得ているわけでございます。しかるところ、余っております米が一〇〇%ということになりまして、その分、豚や鶏等のえさ、飼料穀物の輸入がふえるということで、したがって、食糧とえさとの穀物の合計においては、数字の上では現在三四が三〇になるというような形になるわけでありますけれども、しかし、総体的に見て七三%の自給率というものを確保をし、しかもえさ等の自給率の向上等もやっておるわけでございますから、私は決してこの国会決議の趣旨には反しない、こういう立場をとった次第でございます。  答申を受けました以上はこれを実行してまいるのが行政府の政府の責任でありますから、そういう意味において諸先生方からの先ほど来の御意見等を十分尊重いたしまして、そうして何といっても安全保障の見地からもとにかく国内でできるだけ多くをつくっていくという方向、また多くをつくってしかもそれがコスト面においても、将来国際農産物の価格にも十分対抗できるような形をつくり上げていかなければならぬ、こういう考え方を持っておるわけであります。そういうことができるか。現に酪農等においては北海道等においてヨーロッパに負けない酪農経営というものができつつあるというこの現実を見ましても、努力をすれば実行できる、そういう立場のもとに努力をしていきたい、こう考えております。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 ちょっと事務当局にお尋ねしますが、三〇%の穀物自給率ということにしますと、これから米を除くとどのくらいの自給率になりますか。計算できますか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 いま数字を整理しましてすぐお答えするようにします。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 それでは先に進みます。もう一つは、関連しますが、耕地面積の問題でございます。  今回の長期見通しでは、昭和六十五年の耕地面積を現状程度の五百五十万ヘクタール、こういうふうに見通しをしておりますが、前回の六十年見通しの五百八十五万ヘクタールから大幅に引き下げた形になっております。こういう理由は一体どういうことなんでしょうか。今後の造成、壊廃の見通しを具体的に示していただきたいと思います。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 御存じのように、この農産物の長期見通しは六十五年におきます農産物の需要と生産の姿を予測いたしておりまして、直接耕地面積についての見通しは対象にいたしておりません。今回の長期見通しの試算では、耕地利用率を出すに当たりましては現状程度ということで見込んだ計算はいたしておりますが、将来の耕地面積については詳しく推計をいたしておらないのが実態でございます。今後の壊廃の動向なり造成の可能性あるいは国土利用計画や三全総との関係につきましては、今後さらに検討いたしたいというふうに考えております。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 どうも答弁になっていないようですね。つまりこれだけはっきりと現状程度の五百五十万だというような形で言っているわけでありますけれども、六十年見通しでは五百八十五万、こういうふうにきちんと書いているわけですね。しかも今後の造成、壊廃の見通しが全然ないということであるならば、現状程度のまま耕地面積というのは推移するという形になるのか。そんなことないですね。いろいろ壊廃もあるし、新しく造成をしていく、新しい事業で農用地の造成もしていくということは出ているわけでありますから、その辺のところを全然見通しも持たないというのはおかしいのじゃないでしょうか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 お答え申し上げます。  現在、たしか五十七年度で終わる土地改良の長期見通しを持っております。こうしたものの今後の検討もございますのと、最近におきます壊廃なり造成の傾向は、従来の高度成長時代の見通しと大分変わってきております。こうしたあたりの推計について今後検討しなければならないという意味で、この部分の整備については私どもも今後の問題として手を加えなかったということでございます。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 加えなかったというよりも、具体的に言えばこれは結局需給関係のことから出ているのでしょう。はっきりそういうことを言えないからそういうふうな答えになっているのだと思うのでありますが、たとえば第三次全国総合開発計画、三全総との関係でも、三全総の計画では昭和六十年の耕地面積を五百八十五万ヘクタール、昭和六十五年の耕地面積を五百九十二万ヘクタール、こういうふうに言っていますね。ところがこの農政審の答申は五百五十万ヘクタール、現状程度にするのだ、こういうふうなことを言っている。その食い違いというのはどういうふうな形で調整をなさるおつもりなんでしょうか。三全総では明らかに、最終六十五年は五百九十二万ヘクタールを目標としている、こういうように言っておりますね。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 土地の利用率等につきまして五百五十万ヘクタールで推計をいたしております。今後三全総なり六十年見通しの数字等々の関係につきまして、私どももう一方では食糧の安全保障という観点での今後の必要な耕地規模等をこれから作業いたす段階になっております。そうした点を見ながら検討をいたしたい、こういうふうに考えております。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 ですからこれは非常に矛盾した答申なんですね。安全保障を強調しながら自給率については非常にネグレクトしている。つまり、輸入に頼った安全保障の形で問題を提起しているというところに問題がある。私はこの辺のところは非常に大きな問題を残すということで、今後とも引き続き問題にしていかなければならないと思っております。先ほどの計算できましたか。

鴻巣健治農林水産大臣官房企画室長

○鴻巣説明員 お答えをいたします。  米を除くというわけでございますから、まず主食用の穀物自給率は五十三年が一〇%、六十五年は二三%、それから穀物自給率全体、つまりえさまで含めますが、それは五十三年が三%、六十五年七%になっております。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 穀物自給率の中で、米を除いた自給率を聞いたわけでありますが、そうしますと、これは相対的に米の割合がふえているということになるのですか。

鴻巣健治農林水産大臣官房企画室長

○鴻巣説明員 いまお答えいたしましたように、六十五年の方で率が上がっておりますのは、むしろ小麦の生産が非常にふえていくというように意欲的に見込んでいるせいでございます。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 こういうデータから見てもわかりますように、やはり非常に問題は残っているわけでありますね。この辺のところにつきましてはまた後ほど検討さしていただきまして質問をさしていただきますが、いずれにしろ穀物自給率三〇%に低下をさせているという問題は、これは非常に問題だというふうなことで、今後ともこの問題はやらしていただきたい、こういうふうに考えております。  次に、えさ米の問題でございますが、このえさ米につきまして、これは検討課題にとどめられた、こういうことになっておりますけれども、このえさ米が検討課題になっているということは、われわれとしましてはもう少しこのえさ米の問題が具体的な形で出てくるというふうに考えておりましたけれども、その辺のところはどういうふうにお考えでありましょうか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 えさ米問題につきましては、特に基本方向の答申におきましても二ページを割いて指摘しておるところでございます。食糧の安全保障等の観点から将来重要な課題として取り上げられるべきだという御指摘をいただいておるわけでございます。ただ、現実的に実用化が直ちにできるかどうかについての問題としては、収益性その他各般の問題があるということでございまして、長期の課題として研究開発等を急ぐべきだ、このような御答申の方向をいただいている、こういうふうに理解しております。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 私もえさ米の問題は転作の一つの目玉になるというふうに考えておりますから、早急に試験検討の後に、少なくとも稲作転換対策の作物に加えるべきである、こういうふうに考えておりますので、そういう要望をしておきたい、こういうふうに思っております。  続きまして備蓄問題であります。農林大臣も備蓄をこれから非常に考えていかなければならない、こういうことを言われておりまして、その所信表明のときにも備蓄問題につきましての御見識ある御見解が出たわけでありますが、備蓄問題について、いわゆる短期、中期の食糧の安全保障、こういう点から、政府はこの農政審の答申を備蓄の部分につきましてどういうふうにお考えであり、答申を受けてどういう方策を講じようとしているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 米の備蓄につきましては、政府は従来から二百万トン、うち主食用として百七十万トン程度の米を備蓄保有することによりまして、本年のような異常な不作にも十分対応できる体制をとってきているところでございます。備蓄量をもっとふやすべきかどうかというような問題につきましては、潜在生産量としては大幅な余力があることのほかに、備蓄した古米を主食用に配給するにはいろいろ限度があるわけでありまして、備蓄量がふえれば工業用等に過剰処理をしなければならぬというような問題も起きてくるというようなことから、財政負担が非常に大きなものになってくるという問題があるために、大変むずかしい問題を含んでおるわけでございます。したがいまして、国の安全保障という立場から、備蓄のための具体的制度をどうするかというような問題については、いままでやってきた方策でいいのかどうか、そういう問題については今後の検討課題ということで農政審議会においても御指摘を受けておるわけでありますから、私といたしましても、この主食あるいは食糧関係それからそのほかの加工食糧関係等も含めまして、この備蓄というための予算的措置等は別途に考えるべきなのかどうか、そういう問題も含めて政府として検討をしていきたい。これは総理が主唱しておりますところの、総合安全保障の機構を考えておられるわけでありますが、そういう場において論議をし、検討をして結論を出していかなければならぬ、こう考えております。     〔津島委員長代理退席、委員長着席〕

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 そうしますと備蓄の問題はかなり前向きに考えていくというふうに受け取れますが、先ほど大臣もおっしゃいました、現在米が二百万トン、それから食用大豆が一カ月分、飼料が一カ月分、こういう量につきましては拡大の方向で検討する、こういうふうにとってよろしゅうございますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 どの程度が適当な安全保障上から見た数量であるかというようなことは、今後いろいろな面から検討をしなければならぬのではないかと考えております。総合食糧という立場で検討を加えなければいかぬ、そういう点の検討がいままでなされておりませんので、そういう面での検討を早急にしていきたいと考えます。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 そうしますと、これは民間備蓄の問題とも関連をしてくると思われますが、備蓄の問題では、この答申では民間備蓄の重要性も強調されている。具体的には民間備蓄はどういう形で進める考えなのかどうか。スイスなどでは消費者の責任で備蓄が行われているということもありますけれども、そういうふうなことを日本で採用する可能性があるのかどうか、その辺はいかがでございますか。

鴻巣健治農林水産大臣官房企画室長

○鴻巣説明員 民間備蓄につきましては、備蓄に伴います負担の一つのあり方としては考慮に値する、国内で災害に遭ったときなどには比較的対応しやすいというメリットもございますが、反面、国民に負担になるとか、何年かたった前の古い物を食べるのは余り好ましく思わないという国民の風潮もございますし、それから、民間備蓄の実効性を一体どうやって担保したらいいのかというところがなかなかむずかしい。法律で義務を課したらいいのか、あるいは単に勧告にとどめるのかというようなところでどう実効性を担保するかという問題もございます。そういういろいろな問題もございますので、私ども答申を受けてさらに問題を検討していきたいと思っております。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 大臣の方で何か御意見ございますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 これは、本来であれば国民主権者は自分の代表機関である政府にすべてを任せておいていいのかどうかという問題等、昔で言えば部落は部落で、村は村で非常災害あるいは天変地異というようなときに備えてそれぞれの自己防衛策をずっと長い間とってきておるところでございますが、最近主権在民というシステムができまして、そして、主権者の機関である政府にすべてをやらせる、それで果たしていざというときに自分を守れるのかどうかというような、最近地震対策等においてもそういう問題が論議をされているようでございます。これを国民に義務的にやっていくというには、私はまだそこまで国民の世論とでも申しますか、それが成長していないのではないかという感じも持ちます。したがいまして、これらの問題については、個人備蓄とか公共団体で備蓄をするとか、そういうことにつきましては大いにこれから世論も喚起をして、それと同時に政策の選択、推進を図っていかなければならぬのではないか、そんなふうに考えております。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 次に、農産物の安定的な輸入の確保の問題がございまして、当面こういうふうな考え方でいきますと、安定的な輸入を確保しなければならないような状況でございます。よかれあしかれ、われわれは自給力の向上ということを主張しておりますけれども、どうもそういうふうな形にはなっていかない。これはそういう努力をしていただかなければなりませんが、当面は、農産物の安定輸入を今度はどういうふうに探っていくかという問題も同時に考えていかなければならないわけであります。かつて安倍農林大臣とバッツ農務長官でしたか、二国間の長期輸入取り決め、こういう形で農産物の輸入問題が取り扱われたことがあったわけでありますが、こういうふうなことを今後積極的に行っていく意思があるのかどうか、考え方として一つお聞きをしたいということと、またこの問題に関連しまして、米国の大統領選挙でレーガンが勝利をしたということで農業政策の大きな転換があるのではないかということが取りざたをされているわけでありますが、わが国農業に及ぼす影響等をどういうふうに分析をしているのか、その点につきましてお答えをいただきたいと思います。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 二国間取り決めにつきましてお答えをいたしたいと思います。  わが国の食糧の安全保障を図るためには、今後とも残念ながら海外からの供給に相当量仰がざるを得ないという状態でございまして、穀物等につきまして長期的視点に立ちました輸入の安定化を図るということから、長期輸入取り決めというものも御答申にもありますように一つの有効な手段であるというふうには考えております。  ただいま先生も御指摘になりましたように、二国間取り決めということになりますと、すぐに思い出されますのは、一九七五年に日米間で取り決められましたいわゆる安倍・バッツ合意でございます。このような合意につきましては、これが三年間たちまして失効しました後におきまして、アメリカとの間では実は昨年、当時の大平総理とカーター大統領との間の共同声明に基づきまして、安倍・バッツ合意にかわる措置といたしまして毎年主要な農産物の需給状況についての定期協議を持つことになっておりまして、これを通じまして安定的な供給が図られるように対処してきておりました。わが国と友好的な関係にあります米国との間におきましては、当面この枠組みを基本にして対応することによりまして、穀類を中心とする農産物の必要量は確保できる措置が効果的に講じられるものというふうに考えております。  しかし、二国間取り決めそのものは必要ないのかということでございますが、この点につきましては、本年の米国におきます熱波被害、またソ連の連年の不作といったような状態から穀物の在庫水準も大幅に減少していることでありますし、またその価格水準も上昇傾向にあります。また先生御案内のように、つい先般は米中穀物協定といったような二国間取り決めを米国が結んでいるという状況がございます。ただ、このような状況の中にありましても、一方今回の御答申によりますところの長期見通しの上に立ちまして、わが国の自給力とこれに対応する輸入量というものがどうなるかということを十分検討しなければならぬということもございますし、また二国間協定の締結につきましての輸出国側の態度というものもよく見きわめなければならない。また、小麦協定等を中心としたいわゆるマルチの協定の国際食糧備蓄構想といった問題にも十分に配慮をいたさなければならぬというようなことがございますので、これらの諸点も含みまして、本件、特にただいま申しておりますのは二国間取り決めの可否でございますが、今後いかに取り組むかということにつきましては十分検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 共和党政権が今度できたわけでございます。来年の一月からスタートするわけでありますが、共和党政権の農業政策の基本につきましては現政権と基本的には相違はないというふうに判断をいたしておるところでございます。  なお、レーガン次期大統領の選挙中の主張等によりますと、農業政策の特徴といたしましては、できるだけ政府による介入、規制を排しまして、市場原理による農産物価格の形成を通じて農業所得の増大を図っていこうというようなことを言っておられるわけでありますが、対外的には農畜産物の輸出の拡大を進める、こういうこともまた言っておるわけでございます。また、現在日米農産物貿易においては特別の問題はいまのところないわけでありまして、共和党政権になりましてもこのような基調に大きな変化が生まれてくるというふうには考えていないところでございます。  なお、具体的にどうするかというような問題につきましては、今後農業関係にどういう方々が就任されるかというようなことも十二分に見きわめまして対処をしていかなければならぬわけでありますが、当分は、民主党の政権が一月まで続くわけでありまするし、十二月にも先ほど局長から申し上げた食糧定期協議もあるわけでありますので、そういう機会を利用いたしましてできるだけアメリカ側の情勢を詳細に把握をして、その対処に誤りなきを期していきたい、こう考えております。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 終わります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 寺前巖君。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 先ほどテレビニュースを聞いていましたら、本日の午前、農水省は自民党政調の総合農政調査会農業基本政策小委員会に行って、水田利用再編第二期対策について、面積を六十五万ヘクタール、転作奨励金を一万円引き下げることを報告したと報道されていました。当委員会で聞いていたら目下検討中だというお話ばかり。各界の意見を聞いて態度を決めるのだということを従来大臣は言っておられたわけですが、自民党の小委員会に行っては具体的な数字を出して報告をされたと言っているのですが、当委員会には正直に相談を持ちかけるようにして問題を提起されない。これは事実なのかどうなのか、御説明をいただきたいと思うのです。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 水田利用再編対策の奨励補助金でございますが、これにつきましては期ごとに見直しをやるということでございますので、明年度から第二期に入るということでございますので見直しの検討作業を進めております。  そこで、この奨励補助金の検討の関係につきましては、各団体等の御意向等も、いろいろ意見もかねてから聞いてまいっておるわけでございますが、それとともに十分与党とも協議をして固めていきたいということで、検討状況について御報告といいますか御説明は申し上げております。まだ具体的にどうするというようなことは、十分与党との話し合いその他も詰めました上で決定するわけでございまして、まだ十分この辺は、そういう検討の過程の中の一こまといたしましてそういうお話を申し上げておるということでございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 そうすると、そこへ出た数字、これは間違いございませんね。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 奨励補助金の水準なり体系をどうするかということでいろいろ検討しているわけでございますけれども、その際の検討の視点といたしましては、相対収益性の推移というようなものが第一期の場合の姿と最近二期を踏まえての際でどう変わってきておるかというような観点、それから転作の定着化、団地化というようなことがいろいろ要請されております、そういう角度の視点からの検討と、もう一つは財政負担といいますか、奨励金所要額といいますものがどの程度になるかというような財政負担面の検討というような視点があろうかと思います。そういう角度からいたしまして、水準なり体系をどうするかという角度において検討状況を御説明をしたということでございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 質問に答えてください。数字は間違いがあったらいけないから、この数字が出たということは間違いございませんね、数字が私の質問ですから、間違いございませんか。間違いなかったら間違いないで結構です。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 決めてないわけでございますが、基本額について一万円程度下げたらどうかという話、それから加算額の方は、団地化の推進という角度から、現在の計画加算のほかに団地化加算等も考えて充実してはどうか、したがって、そういうものを足し上げた水準としては現行の水準よりも若干下回るような姿のものでどうであろうかという形で、検討状況としてはそういう形で目下検討を進めておりますという話を一応お話をしたことは事実でございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 六十五万ヘクタールに引き上げるということは……。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 面積の方は、第二期といたしましては、いろいろ需給計画の試算をいたしておりますけれども、この試算からいたしますと、第二期の転作等目標面積は六十七万七千ヘクタール程度ではないか。ただ、先ほど来大臣もお答えいたしておりますが、冷害配慮という問題についてどう考えていくかというようなことで、その辺のことについての検討状況等もこの際にお話ししてございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 私はしつこいほど何回も数字だけを聞いているのですから、間違うておるのなら間違っておると言ってもらったらそれでいいですから、いろいろな解説は要りません。面積を六十五万ヘクタールにしたいというふうに報道されているのですが、いいですかと聞いている。その数字は間違いありませんか、いいですか。もう一言ですよ。間違っておったら直してください。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 冷害配慮等の規模をどうするかあれしておりませんので、六十五万というようなはっきりした数字のものはございません。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 いずれにしても、報道などから想像できる点は、ことしの目標の五十三万五千ヘクタールからすると、考えてみるとやはり二〇%以上の上積みが計画されていることは事実のようです。今日、一地域が冷害を受けているというだけではなくて全国の農家が大きく打撃を受けているという状況から考えてみても、私はこういう内容で検討されているということについては承服できないということをまずは申し上げておきたいと思います。  そこで話はもとに戻りますが、先ほどアメリカの大統領がかわってからどういう影響を受けるのだろうかという質問がここでありました。私も気になる。このレーガンという人はカリフォルニアの出身です。カリフォルニアというと、すぐにぱっと頭に来るのはオレンジという問題が出てくるでしょう。この間私は日園連の会長さんにお会いしてきました。後藤松太郎さんというお方でした。いろいろ話をしてきまして、七八年十二月の中川・マンスフィールド会談でオレンジと果汁の季節枠の拡大が決まったが、アメリカ側の要求はもともとオレンジの自由化、特に季節自由化にある。この合意は八三年までのものだ、だから八二年になったならば再度交渉が行われるということになって、ずっと進んでいくだろう、特に六月—八月というシーズンオフにどれだけ買うかという形でもってずいぶん論議になったものだ、このシーズンを拡大するという問題が一つの問題として出てくるという話を盛んにしておられました。  私がここで聞きたいのは、当時記者会見で中川大臣は、その自由化の方向に向かっての拡大については何も約束していないということをわざわざ談話で出しておられます。だが、最近私が見ました日米貿易報告、第二次ジョーンズ報告、これを見るとどうも気になって仕方がない。なぜかというと、オレンジの輸入の計画について、一九八〇年には合計六万八千メートルトン、一九八一年には七万二千五百メートルトン、一九八二年には七万七千、一九八三年には八万二千と、どんどんふえていく。特にオフシーズンの額がどんどんふえていく。そしてその中身に対しては「かんきつ類の輸入割り当ても拡大される。とくにオフシーズンは開放市場とすることを目的としている。」と書いてある。要するにこの相談全体では、開放市場にしていくのだという形で数量がふえていっているのだということをこのアメリカ下院の歳入委員会対日貿易監視小委員会というところで述べられています。  ですから、八二年の段階になってくると、将来に向かって自由市場として、いま六—八月シーズンオフをもっと広げていくという方向に四、五月まで入ってくるのじゃないか。その量についてもっと広がっていくのじゃないだろうか。ところが長期の見通しを見ると、明らかに生産、需要というのは停滞している。停滞させる方向だ、あるいは後退させる方向だ。これは現に日園連の会長さんもそうおっしゃっていました。そうならざるを得ないだろう。ところがこのアメリカとの関係においては、どんどん入る方向が打ち出されていくならばこれはえらいことだ。特に大統領があそこの出身だけに気になるということを私は言わざるを得ないわけです。  そこで大臣にお聞きをしたい。中川大臣は約束していないからこういう談話をわざわざ出されたわけですが、果樹全体として見通しの中でも伸ばさないのだという計画のもとにあるときに、これを自由市場として伸ばしていくのだという方向をもしもレーガンが要求してくるならば、絶対に受け入れないという態度をとることができるのかどうか、お話しを願いたいと思います。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 過般の日米農産物協議におきまして、オレンジにつきまして日米合意を見たわけでございます。そのときに、この日米合意という際に数量の枠を決めましたけれども、これの前文といたしまして、「オフシーズンにおける開放的な市場の状況をもたらし、かつ、かんきつ類の貿易機会を拡大することを目的として、次の表に従って生鮮オレンジの輸入割当てを増加させる」ということで、先ほど先生が申されました数量が具体的に記載されておるということでございます。  したがいまして、この「開放的な市場の状況をもたらし、」という訳文につきましての考え方になろうかと思いますけれども、これはオフシーズンを中心として輸入数量を段階的に拡大していくということでございまして、オフシーズンの自由化を意味しているわけではないというふうに理解をいたしております。したがいまして、ことしの九月に発表されましたジョーンズ・レポートにおきます表現等もございますけれども、その辺は中川大臣との発言の食い違いはない、かように理解いたしております。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 私の質問をよう聞いてほしいのです。食い違っているじゃないかと言うていない。要するに、話は数字の経過から見るとどんどんふやす方向で八三年まできていることは事実だ。この報告書を読むと「開放市場」という言葉が出てくるから気になる。そこヘカリフォルニア出身のレーガンが出てきた。さて八三年までの約束だけれども、八二年の段階になったら次の段階のことが要求されるだろう。長期の見通しでは、果樹は停滞の方向に需要がなっているのだ、日本の生産もそういう方向で計画を立てるのだ、こうなっているから、それではレーガンが出てきたって、これ以上輸入させることは日本の国内としてはできませんよと言い切れますねということを私は質問しているのです。大臣、いかがですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 レーガン大統領がカリフォルニアでありますならば、私は果物の産地の福島出身でございますから、オレンジの輸入がいかに果樹農家に影響を及ぼしておるかという実態はつぶさに身をもって感じております。したがいまして、やはり友好国同士でありますから、お互いにその立場立場というものを十分に話し合いをすれば、農産物についてはこの前の中川農林大臣のときに協定ができたと同じように、数量をふやすようなことは絶対にさせないで話し合いをつけることができる、こう私は確信をいたしております。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 時間の都合もありますので、次に行きます。  穀物の自給率の問題です。長期見通しを出すたびにどんどん減っていくわけですが、そこでお聞きしたい。サミット参加諸国、いわゆる先進諸国、こう言われているのですが、これらの国の中で五割以下の穀物の自給率の国は日本以外にあるのだろうか、お答えをいただきたい。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 お答えいたします。  サミット参加国の穀物自給率でございますが、OECDの資料等によりますと、英国六七、フランス一四九、西ドイツ八〇、イタリア六七、米国一六七、カナダ二〇五でございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 いまお話しのあったとおり、五割以下の国はないですよ。皆伸ばす方向に努力しています。自分の国の食糧を自分で生産していけない国はないというのが先進諸国の姿だし、後進諸国だってそのような努力をしている中で、日本だけが年々下がっていくという姿というのはがまんのならない姿だ、私はこれを指摘しておきたいと思うわけです。  その次に、この前の長期見通しの段階には農地面積についてかなり詳しくいろいろと論を書いておられました。ところが今度は、「六十五年の農地面積を現状程度と見込めば、」とあっさり触れているだけである。一体何で農地面積のことをもっと全面的に展開を研究されないのだろうか。三全総の見通しを見ても、昭和六十五年には五百九十二万ヘクタール、延べ作付面積で六百九十三万ヘクタールというふうに見積もっているのに、今回になってくると大きな後退を示してきている。計画的にも大きな違いが出てきている。私たちの農地の面積の狭さで自給率が低いことになるのだとか、経営規模が小さいことが問題だとか、いろいろ言われてきたけれども、何はともあれ、経営規模を大にするための農地の面積の拡大という問題が計画の中に重要な位置として占められるべきであると思うのに、なぜそのようになっているのか不可解でならないということを私は言いたいと思うのです。いかがですか。

鴻巣健治農林水産大臣官房企画室長

○鴻巣説明員 農業基本法に基づきます農産物の長期需給見通しは、御承知のとおり主要な農産物の需要と生産について長期の見通しを立てるということになっております。したがいまして、前回の見通しもそうでございましたが、今回も農地面積につきましては見通しの対象とはいたしてないわけでございまして、今回の長期見通しでも耕地利用率はどうなるかというのを知るためにその試算をして、六十五年の農地面積を現状程度と見込んで計算をしているわけでございます。ただ、将来の農地面積につきましては、これからの壊廃のテンポとか造成の可能性とか国土利用計画とかあるいは三全総といったもの、それからいまお話しのような安全保障といったようなものの関連を考慮しながら、今後さらに検討することとしております。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 基本になる農地問題を従来はもう少し全面的に検討しておられるのに、あっさりと済ましていくというところに事の重要性があると私は思いますが、きょうはこの程度にしておきます。  減反の二期問題の中で先ほどえさ米の問題が出ていました。需要と生産の比較の今度の見通しを見ますと、えさの見通しというのが非常に後退してきているということが自給率の中から見ることができるわけです。私はここに全農林労働組合が出しているところの「日本農業の再建、農政転換の論議のために」という本を持っていますが、その二十六ページに農林省の資料を使って、現状で用排水が完備して畑作にすぐ使うことができる土地というのが六十五・六万ヘクタールある。それで五十四年から排水対策特別事業で五年間で十二万ヘクタールを畑作できるように転換をさせていく。予算を組んでやっている。両方合わせても七十八万ヘクタールが畑作として直ちに転用することができるところだ。だけれども、これを全部すぐに畑作に使うというわけではないのですから、今度の計画で七十六万ヘクタールの転作が必要だと長期見通しで打ち出しているわけだけれども、排水が十分できるところを直ちに畑地として転作をさせるということは無理だという実態は、現実的にもそうだし、また数字的にもそのことを考えることができると思うのです。したがって、畑地に無理だというところをつくるということは結局荒らしづくりになってしまうではないか。  それからまた、ことしの四月の議事録を読んでいたら、技術会議の川嶋事務局長が特別にえさ米の研究予算を組まぬのだということを答弁で言っています。えさ米に対するところの研究をこの分野では特別にやらしていない。結局大学なりあるいは農家の皆さんが自主的に研究して、えさ米の生産をどういうふうにしてやっていったらいいかということを一生懸命やっている。私は、えさ用の穀物の自給率が少ない、日本自身で余りとれないんだと言うのだったら、水田を畑作にするために莫大な金を使わなくたって、現実の水田そのものの中からえさ米をつくって、えさ用の穀物を自給するということが一番合理的な姿じゃないか、そう思ったらもっと研究費を出して真剣にえさ米の問題を取り扱うべきだ。この長期見通しの中にそれがぴちっと位置づけがなされていない。先ほどのお話を聞いていたら早急に結論を出すというようなことを言っておられますけれども、私は、素人的に考えたってもっと積極的に打って出ることができるのではないだろうか、やるべきではないか、先ほどの論を踏んまえた上で大臣の決意を聞きたいと思うのです。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 えさ米の将来における重要性というものはたびたび繰り返して申し上げておるとおりでございます。そういうえさ米ではありますけれども、来年の転作作物として直ちに取り上げられるかどうかということについては、なかなかそうはまいりませんということを申し上げてきておるところでございます。だからといって農林省はえさ米について何もしてないというわけじゃございませんで、先ほど来るる申し上げておりますとおり、筑波の農業試験場並びに各地区の試験場においてえさ米の固定化に全力を挙げておる、そしてできるだけ早期に、品種の固定された優秀な超多収穫のえさ米の新品種を造成をして、そうしてこれを奨励していくという段階までには相当な時間がかかるというのが現場の実は技術者の意見であるわけでございます。したがいまして、この点私どもといたしましても、できるだけ早くそういう体制をつくれるようにということで督励をいたしておる次第でございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 時間の都合がありますから次に行きますが、えさ米の問題、もっと真剣に考えていただくことを私は強く要望したいと思うのです。  ちょっと大臣に資料をお見せしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。次に、数日前のことです。ある老朽ため池の整備事業をやっているところの自治体に行ってきました。その自治体では、百年の歴史を持っているため池なんですが、そのため池の改修をやる。昨年新規の申請を出した。八千トンの規模のところで事業費三千四百万円ということで出したところが、ことしの事業として五百万円、八月によろしいということの指示が来て、九月末に入札をやった、こういうわけです。そして五十六年度も引き続いてお世話になりたいということで九月中旬に申請書を出した。そうしたら十月二十日ごろになってちょっと来てくれと言うて、その府県の機関に自治体の担当者が呼びつけられたわけです。君のところから出してもらった資料、いろいろ書いていただいたけれども、二つ抜けていると言われたわけです。二つ抜けているからこれを書きなさいと言って手渡されたのが何かというと、いま大臣のお手元に渡してあるところの百五十四ページと百五十五ページの書類が渡された。これを書いて十二日までに持ってきてください、あすのことです。府県でずっとそういうものを集めるわけですね。それから地方農政局に恐らく行かれて本省へということになるのでしょうけれども、渡された諸君はびっくりしてしまったわけです。  何をびっくりしたかというと、実はとしてない一つがあります。このとしてない一つは何かというと、「事業推進先生名一覧表」と書かれているわけです。様式十七−(三)です。要するに、衆議院の先生、参議院の先生、どういう事業をおやりになるのか、その名前を書いて出しなさいというわけなんです。しかも出すときには、自民党、民社党の先生に限って衆参一名当て記入せいとまで出先の人に赤鉛筆で書かれた。えらいことを言うものだというんでびっくりしちゃったわけですよ。こんなことがあるのでしょうか、いままでこんなことはなかったとおっしゃるのです。そこで大騒ぎになりました。  私も聞いたことがありませんので、そこでどういう様式があるのだろうかと一番末端の自治体へ行きました。自治体の一番末端では、そういう文書は私の方にはありません、府県に行って御指導を受けてやっておるのです。府県に行ったら府県の方は、お見せするわけにはいきませんけれども、様式というのがあるのですというわけです。地方農政局へ行ったら、お見せするわけにはいきませんけれどもあります、こうおっしゃる。お見せするわけにはいかないというのは、様式というのはマル秘の文書ですか。手続をするときにはちゃんとこういう手続をしなさいという様式が、用紙がみんなに配れぬというのは、マル秘の様式があるのですか。私は驚いたのです。  そこで、いま大臣にお渡ししてあるこれは、「予算関係様式について」、五十一年四月二十七日につくって改正が五十五年五月六日、構造改善局防災課の名前で百八十四ページにわたる、もっとになるのですか、膨大なB4判の、これの一部分です。まず私は担当の局に聞きたいのです。この文書は間違いなくおたくの方から出ている文書の一部分ですね。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 ため池等の整備事業の採択申請を行う場合は、農地防災事業実施要綱、それから実施要領というものに基づいて行われることになります。これは依命通達で次官名で出しておるのでございますが、これは、事業の実施が技術的に可能であるかどうか、事業の効果が費用を償うようなものであるかどうか、水利権とか土地その他の各権利が調整され得る見通しがあるかどうか、関連する土地改良事業それから他種事業との関係が円滑に調整され得る見通しがあるかどうかというようなことについて審査するため、受益面積、総事業費、工事計画、効果等について記載した事業計画概要書を提出していただくということになっております。  いま先生のおっしゃいました文書は、その要綱、要領に基づくそれ自体の文書ではございませんが、実際に事務を進めていきます上では簡単な全体の全貌だけでは十分ではございませんので、個別のそれぞれの事項について参考のために原課において資料を徴収するものでございます。先生の指摘されました文書は、確かに防災課の名前で農政局にあてて出されているものでございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 それでは、これは明らかにおたくの方の防災課から出たものだということをお認めになった。  さて、この様式の一番最初に「予算関係様式一覧表」というのがあって、様式の番号一、七ページ「〇〇年度予算編成上の要望事項」、様式番号三、八ページ「〇〇事業地区別要求表」というふうに、ざっとこれは並んでいます。その四ページを見ると、十七−(二)「事業主体及び受益者団体一覧表」、十七−(三)、百五十五ページ「事業推進先生名一覧表」、そうしてその次のページに行きますと、そういう書類はいつの時期にどの書類を出さなければならないかということが書かれています。いま十七−(二)とか十七−(三)というのは、この六ページ「予算打合せ関係資料」、一月から二月段階に、小さい丸ですから、農政局から本省に出すところの資料として出しなさいという部類に入っていますから、これは一月から二月です。そうすると、自治体の人が農政局にヒヤリングに行かれるときに、これを農政局の人に説明をして出されるということになるわけです。  まず十七−(二)というところを見てみますと、「事業主体及び受益者団体一覧表」、一番左に事業名が書いてある、地区名がある、事業主体、代表者職氏名、住所、郵便番号。その次に受益団体、代表者職氏名、住所、郵便番号。その次に何のためか知りませんが、わざわざ関係選挙区と書いてある。次に備考。事業の申請をするのに何で選挙区が必要となるのか。選挙区が明らかでなかったならば申請をすることができないとおっしゃるのか。様式十七−(三)、先ほど説明いたしましたように、衆議院、参議院の先生の名前を書きなさい。先生の名前が抜けているから添付書類が足らぬと言って一番末端の諸君は呼びつけられたわけでしょう。これが添付書類として必要要件になるということは一体どういうことなんだろう。決まった様式として出しなさいということを制度的に取り上げられているということは異常として考えざるを得ないじゃありませんか。事業のためにはだれかの先生の紹介がなかったならばだめだということになるわけですか。だれかのお話を参考のために書くというのだったら、様式なんというのは要らぬはずです。何でわざわざ様式というものの中に入ってきたのでしょう。  御丁寧にこんな膨大な資料でしょう。現場の人たちは、ともかくこの複雑な農林省の申請書類を何とかしてくれ。私は、改正されたのだからその要望にこたえて少なくされたのか、要らぬことはやめられたのかと思っていたら、何のことはない、ますますもって、衆議院や参議院の先生の名前をつけて出してこなかったならば添付書類が足らないという扱い方を受ける。それは農政局が持っていくときに、言うてくれなかったらわしは困るじゃないかと出先の諸君は言われるわけです。これは大臣、必要だと思われますか。——私は大臣に聞きたいのです。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 何のためにとるのかということでございますが、御承知のように防災関係事業は災害の防止、国土保全という観点から事業を行うわけでございます。個所もきわめて多数でございます。事業の種類も多様でございます。現在約三千百地区に及んでいるというような実態でございますが、これらの各地区について、実は、それぞれ進捗状況がどうであるか、申請の事情がどうであるかというようなことは国会の先生方からもしばしば照会を受けます。それからさらに、種々陳情を直接にもあるいは間接にもお受けするわけでございます。そういうこともございますので、私どもまさに事務の参考のためにそういう欄を設けてそれを整理したわけでございますが、別段それがなければ申請を認めないとか、それは絶対不可欠であるとか、そういうようなことを意味しているものではございません。参考のために、整理のために設けたものでございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 私はお約束の時間が来ましたのでやめたいと思いますが、中途半端にするわけにいかぬと思うのです。こんなものは必要として様式にあるのでしょうか。まずは正式に委員会として資料を提出していただきたい。委員長にお願いします。それが一つ。  それから大臣、これを必要と認められますか。大臣の御答弁をいただきたい。私は、こんなものを様式として残しておく必要は何らないと思うのです。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 私も聞いておりまして、いま局長から答弁申し上げた事情はまあ理解できないわけでもありませんけれども、しかし、誤解を招きやすいという感じもいたしますので、これは私もよくとことんまで聞いてみまして、改めさせるようにしたい、こう思います。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 委員長、資料として御提出をいただきたいと思います。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 速記を始めて。  寺前巖君。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 よろしくお願いします。  終わります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 次回は、明十二日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十一分散会

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