農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 213 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/10/30
会議録
○田邉委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 この際、政府から、日韓漁業交渉の合意内容について発言を求められております。今村水産庁長官。
○今村政府委員 北海道周辺水域におきます韓国オッタートロール漁船の操業問題、と同時に済州島周辺水域におきます底びき網漁船の操業問題につきましては、日韓両国間で鋭意話し合いを行ってきた結果、今般その話し合いがまとまりまして、去る十月二十日、東京及びソウルにおきまして、それぞれ、伊東外務大臣と崔在京韓国大使との間、及び須之部韓国駐在大使と盧外務部長官との間で、このための往復書簡が取り交わされたわけでございます。 その内容の要点を申し上げますと、北海道周辺水域につきましては、わが国漁民の主要漁場及び漁期におきましては、韓国のオッタートロール漁業は操業しないということでございます。 海域別に申し上げますと、襟裳以西につきましては、十五海里内においては周年禁漁。それから十五海里の外側からソ日漁業協定ラインにおきましては、九月一日から翌年一月十五日まで禁漁。 それから襟裳の沖におきましては、十五海里内においては周年禁漁。それから十五海里外側からソ日漁業協定ラインの中の下端、帯の部分と言っておりますけれども、六漁区につきましては三月一日から十二月三十一日まで禁漁。 襟裳以東につきましては、十五海里内においては周年禁漁。それから大黒沖というところがございますが、それのオッタートロール禁止ライン内におきましては十二月一日から翌年三月三十一日まで禁漁。 日本海におきましては、十七海里内においては周年禁漁。オッタートロール禁止ライン内の相当部分につきましては周年禁漁。それから、そのオッタートロール禁止ライン内の相当部分の水域に接続します五漁区におきましては、六月十六日から九月十五日まで禁漁。 それからオホーツク海につきましては、東経百四十二度五十分以西、それから東経百四十四度以東においては周年禁漁。それから東経百四十二度五十分から百四十四度までの水域においては、十五海里内は周年禁漁。オッタートロール禁止ライン内におきましては、四月一日から五月三十一日まで禁漁。こういうことでございます。 それから、済州島周辺におきましては、済州島の南西方水域八漁区につきましては以西底びき網漁業船は毎年二月十六日から十一月十五日までは操業しない。それから操業隻数は、許可隻数が百六隻、同時最高出漁隻数は六十六隻。 なお、北海道沖につきましては、操業隻数は十七隻で、現在の千トンを超えておりますものは千トン以内にする、大体五百五十トンということで七隻にする。それから現在の千トン未満のものはそのまま固定をするということで、十七隻ということでございます。 それからなお、今回の措置の実効を確保いたしますために、それぞれ国内法に基づきまして必要な措置を講じますと同時に、関係漁業者が適確にこれを遵守し、円滑な運用が図られるように指導、取り締まりに努めるということになっております。 それから、今回の規制措置の実施に伴う運用上の問題あるいはまた基本的な枠組みの範囲内での調整の問題につきましては、必要に応じ政府間で協議をすることになっております。今回の規制措置の実施期間は昭和五十五年の十一月一日から三カ年ということになっております。 なおまた、安全操業及び分散操業につきましては、十月二十七日、二十八日、両国の実務者協議を行ったところでございまして、さらに話し合いを行うことにいたしております。現在ございます民間取り決めのいい点を生かしながら、同時に政府間におきましてもこの話し合いを詰めるし、民間におきましてもその話し合いを行うことによりまして、民間の実情を生かしながら安全操業問題というものを今後さらに詰めていきたいというふうに考えております。 なお、以西につきましては、この措置に伴いまして自主的に減船を行うということに相なっておりまして、これにつきまして政府は所要の援助をいたす方針でございます。 —————————————
○田邉委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小里貞利君。
○小里委員 私は、大きな質問の柱といたしまして、最近の漁場の制約あるいは燃油価格の高騰などによります御承知のとおりの深刻な水産情勢に対する基本的な考え方、あるいはまた、中でも遠洋漁業、カツオ・マグロ漁業等の深刻な打撃、そして厳しい困窮状態のことに対する方策なり、あるいはまた三番目には、燃油価格の高騰によって大変厳しい情勢でございますが、これらに対する水産庁あるいは政務次官などのお考えをお聞かせいただければと思うわけです。四番目には、特に沿岸漁業、ことに水産業の生産基盤の整備などに関連をいたしまして、大まかに申し上げまして、以上申し上げました四つの項目を柱にいたしましてこれから質問申し上げたいと思いますが、何分にも時間もございませんし、また私の質問は性急でございますから、必ずしも政務次官あるいは水産庁長官でなくてもいいですけれども、できるだけひとつ整理して、責任ある皆様方の御答弁を願いたいと思います。 そこで、第一点でございますが、最近の 最近でもございませんが、ここ一両年漁場の制約は御承知のとおりであります。さらにまた、それに打ち重なりまして燃油価格の高騰などによりまして、わが国の漁業がきわめて不振な状態に陥っておりますこと、御承知のとおりであります。私は昨今のそのような諸情勢に対応せられる農水省の漁業振興あるいは漁業経営安定に対するためのいわゆる基本的なお考え、施策をまず最初にお伺いいたしたいと思います。
○志賀(節)政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの小里先生の御質問は、私ども農林水産省にとりましても特に心がけねばならない点を御指摘いただきましたことで、こういう御答弁をさせていただく機会をお与えいただきましたことを大変に感謝いたしております。 最近の水産業をめぐる情勢は、御指摘のとおり新しい海洋法の時代に入りまして諸外国の二百海里規制が行われておる、あるいは燃油価格の問題が御承知のとおりのエネルギー問題の中で生じておる、また、水産物の需要が低迷してかつてない厳しい状況になっておる等、私どもも十分にこの点を承知をいたしておるわけでございます。このような情勢の中で、水産物の供給の安定とわが国水産業の振興を図らなければなりません。 そのために私ども農林水産省がやっておりますことは、まず、わが国が自由に利用でき、かつ資源も豊富なわが国周辺の水域の漁業の振興、これでございますから、ここに重点を置きまして、沿岸漁業の整備、開発、そして栽培漁業の推進等の施策を推進してまいることといたしております。 また、遠洋漁業につきましては、沿岸諸国との接触に努め、漁業交渉、漁業協力等、漁業外交面での努力を粘り強く進めるとともに、新しい漁場、新しい資源の開発に努め、漁場の確保を図る考えでございます。この間特に重要なことは、平和外交の展開であることは申すまでもございません。 さらに、現在最も問題となっております漁業経営対策につきましては、短期対策として漁業用燃油対策特別資金等の経営関係特別資金の融通を図るとともに、基本的には省エネルギー型漁業の推進等の減量経営への転換についての指導の徹底に努めるほか、業界による生産構造の再編に対する誘導方策についても検討していくことといたしております。
○小里委員 農林水産政務次官は、情勢をお話しのとおり深刻に認識をいただきまして、そしてまた幅広く根本的な諸施策を試みられておいでになるようでございまして、大変力強く存じておるところでございます。 ただいま政務次官のお話の中にもございましたが、ことにこの遠洋カツオ・マグロ漁業の経営安定対策に関連しましてお尋ねを申し上げるわけでございますが、特に、御承知のとおりカツオ・マグロ漁業というのは大変漁場が広いということが特色であります。それだけに政府なりあるいはまた関係機関、団体の対応策もきわめてすそ野の広い施策が求められるところでございますが、内外の情勢は一段と厳しく深刻な波、カツオ・マグロ漁業等に対しましてはとりわけそういう感を強くいたしておるところでございます。 最近、御承知のとおり漁獲の不振あるいは魚価の低迷、あるいはただいま政務次官も特に強調なさった燃油価格の高騰あるいはまた供給の不安など、一つ一つを挙げてまいりますと、その危機的な状態というものは大変な状況に追い込まれておるのがカツオ・マグロ漁業の実態であります。 私はそういうことなどを考えてまいりますと、やはりこのカツオ・マグロ漁業の場合には、国際漁場の確保に必要ないわゆる入漁料は、申し上げるまでもなく年々顕著な上昇をいたしております。それこそ、四、五日前私は、九州方面のカツオ・マグロ業界の方々あるいはそれに関係する市町の自治体の皆さんが集団陳情でおいでになりまして、いろいろ資料もいただいておるのでございますが、たとえば私がただいま指摘を申し上げております外国の入漁料の問題等、私は素人でありますけれども、本当に高いことに驚きました。 たとえば、御承知であると思うのでございますが、一隻当たりの入漁料などを見てまいりますと、これはお尋ねはしませんから答弁の準備は要りませんが、ミクロネシア等におきましては一隻が六十万円も支払っている、しかも小さい船です、一隻当たり三十四、五人程度の小型漁船なんです、これで二十八隻。あるいはギルバートで、これはキリバスであろうと思いますが四十五万円、これは二十五隻も入っている。あるいはパラオで十五万円、これは先ほどの国と比較をいたしますとかなり低いかと思うのでありますが、ソロモンで三十二万円。こういうふうに見てまいりますと、計算いたしまして、私が陳情を受けましたこの某市の関係漁船だけでもざっと一億数千万円の入漁料を払っておる、こういうことになるわけなんです。 そういうように年々上昇をしてまいっております入漁料は、顕著に多額に上っておりまして、漁業経営を一層深刻にせしめておるという実感が出てくるわけでございますが、このような状況に置かれております漁業経営の安定を図るために、抜本的な措置を講ずる必要があると思うのでございます。ただいま政務次官の答弁の中にも触れておいでになりましたが、特に私は次の四点にしぼって質問申し上げたいと思います。 まず第一に、カツオ・マグロ漁業については、国際関係、資源保護、管理、漁業経営、雇用問題などを総合的に考慮して、長期的観点に立って経営安定のための対策を講ずる必要があるのではないか、これが一つであります。 第二番目には、ただいま政務次官のお話もありましたように、新しい深刻な二百海里時代を迎え、漁場確保の要請が従来以上に高まっておりますこと、お話のとおりでございます。したがいまして、カツオ・マグロ漁業の国際漁場の確保に努めるとともに、ただいま申し上げました入漁料の増大に対処して、経営の安定を図るための助成措置を講ずる必要はないか。これらに対する基本的な考えをお聞かせいただければと思うわけです。 三番目には、カツオ・マグロ漁業の経営の安定を図るために省資源型漁船の導入、これは新しい制度、新しい施策になるかと思うわけでございますが、ことに洋上における加工処理などの対策を推進する必要があると思うのでございますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 四番目には、流通面での混乱を防止するために、カツオ・マグロの輸入についての行政指導の強化であります。それこそ魚価安定対策を推進する上からも、その意味の行政指導を強化する必要があるのではないかと思いますが、以上四点にしぼりましてお尋ねいたします。
○志賀(節)政府委員 多岐にわたる御質問でございますので、最初に私から総合的なお答えをさせていただきまして、個々の問題にわたりましては、事務当局よりお答えをいたさせます。 ただいま先生御指摘のとおりの状況になっておりますのがカツオ・マグロ漁業でございます。これを長期的にどのように考えるのかという御指摘でございますので、これにお答えをさせていただきますと、今後の国際情勢あるいはまた漁業経営をめぐる諸条件の変化を踏まえつつ、総合的な漁業外交を通じての海外漁場の確保に努めること、また、生産コストの節減、付加価値の向上等の各般にわたる生産構造改善対策に努めること、また、業界の自主的な体制整備に対する対策、これは御承知のとおり、最近減船問題をめぐっていろいろ御努力が行われているところでありますが、こういう問題等も含めてでございます。また、消費の拡大及び魚価の安定に努めること等の諸対策を総合的に推進し、長期的にカツオ・マグロ漁業の安定が図られるように努力してまいりたいと考えております。 なお、カツオ・マグロの国際漁場の確保に資するため、入漁料の助成措置を講じたらどうかというような御質問がございましたが、この問題等、個々の問題につきましては、事務当局より御返事をさせていただきます。
○今村政府委員 カツオ・マグロの漁場の確保につきましては、私たち官民一体となって主要な漁場の確保につきまして粘り強い交渉をいたしてきたと思っておるわけでございますが、一応ソロモン諸島その他の海域につきまして入漁取り決めが結ばれてまいりまして、安全操業が確保されている状況にございます。しかし、これら諸国との改定交渉その他がございますから、そういう面において精力的にこれに取り組むと同時に、入漁料につきましても、この改善方策については鋭意努力をいたしております。 五十三年と五十四年の入漁料を比較していただきますとわかりますが、入漁料につきましても改善を見つつあるところだと思います。しかし、依然として南西諸島への入漁につきましては入漁料が高いというのは御指摘のとおりであろうと思います。入漁料につきましては、私たちは操業経費の一部であるというふうに考えておりますが、しかし南太平洋諸国の場合につきましては、先ほど申し上げましたように入漁料が非常に高い、それから支払い方式として精算方式ではなくて一括前払い方式を求める国が非常に多うございます。そういう点を考えまして、政府としましては、南太平洋漁業振興基金を造成するということで、これに対して助成を行っておるところでございます。昨年九億円国がこれに対し助成し、今年さらに三億円の助成をするつもりでございます。この基金によりまして、入漁料の支払いに充てるための資金について利子負担の軽減措置を講じておるところでございます。業界の資金造成がおくれておりますが、これらの資金の造成を行いますと同時に、さらにこの基金の活用、改善につきましても検討をいたしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 第二点の、省資源型漁船の導入あるいはまた洋上におきます加工処理等の対策の推進についてでございますが、私たちとしましては、省資源型漁船の建造を推進するという必要性から、そういう船の建造に対しましては、長期低利の融資を行っておるところでございます。また遠洋カツオ釣り漁業につきましては、従来のかん詰め、かつおぶし等の加工原料用向けから、刺身、たたき等の生食用向けに転換をする、あるいはまた生きえの死亡による操業効率の低下を防止するというふうなことのために、一つには洋上の処理加工船の建造の推進、それから生きえの低温貯蔵装置の導入等につきまして、低利長期の融資等の所要の措置を講じてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 なお、カツオ・マグロの輸入についてでございますが、現在マグロ輸入の大宗を占めますのは韓国でございます。毎年四半期ごとに輸入数量についての協議を行っておりますが、同時にその内容を担保いたしますために、輸入貿易管理令に基づく事前確認を実施いたしておるところでございます。韓国からの輸入量は、昭和五十二年には八万二千トンぐらいあったわけですが、五十四年には七万トンに、全体としましても五十二年の十二万トンから五十四年には十一万トン台になっておる。これは韓国を含めて全体としてでございますが、そこで、これらの韓国との協議その他貿易管理令の運用につきましては、今後とも適正にこれを行ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。 なお、調整保管を生産者団体がいたしておりますが、これにつきましても調整保管枠を従来の二万トンから本年には五万五千トンに拡大する等の措置を講じておるところでございます。
○小里委員 省資源型漁船の導入について、端的に申し上げますと、長期低利の資金導入などを図っておるというお話でございます。それらのことはわかっておるつもりでございますけれども、私が申し上げておるのは、こういう深刻な状況であるので、ことに船舶関係等から画期的な強い要請もあるようでございますから一段と強力な御配慮を願いたい、こういう意味で申し上げたわけでございますが、さらにまた一段と御配慮をいただくように要請申し上げておきます。 特に入漁料の問題でございますが、ただいまお話しのように操業経費の一部であることに間違いはないのでございますけれども、しかしながら、外国のカツオ・マグロの輸入等の実態等からいたしますと、これはやはりそれらの総合的な関連におきましてもっと強靱な対策があってもいいのじゃないか、こういう感じもいたすわけでございまして、一段と力強い御配慮をいただければと思うわけでございます。 次に、先ほど申し上げました第三番目でありますが、いわゆる漁業用燃油価格の高騰に対する対策の強化でございます。 これは何も漁業用燃油だけのことでもございませんけれども、燃油の高騰と供給不安が、先ほど政務次官もお認めのように今日の漁業者に大変深刻な打撃を与えておる実態がございます。そのようなことから、漁業用燃油の安定確保を図ることとともに、供給面における特別価格の実現など、何とかその辺の助成措置を講ずることはできないのか。いわゆる経営の安定を図る上におきまして非常に大事なことだと思うのでございます。大変政治的な配慮も必要かと思われる質問でもございますが、政務次官のお考えをお聞かせいただければと思うわけでございます。 次に、円滑な漁業生産活動と漁業経営の維持安定のために、次の点をお尋ねしてみたいと思います。これは水産庁長官でもよろしゅうございますが、省燃油型の漁業の推進を図る時代がやってきた、こういう感じがいたします。漁業用燃油の備蓄など、需給調整に必要な施設の設置に対しまして助成措置を講じられる意思はないか、またその必要度はきわめて高いと私は思うのでございますが、御答弁をいただきたいと思います。 以上、政務次官には基本的な新たな施策を、水産庁長官には申し上げましたようなことについてお尋ねいたします。
○志賀(節)政府委員 お答えいたします。 第四次中東紛争以降、御承知のとおりの石油エネルギー関係の問題が生じたわけでございますが、昨今では特にイラン・イラク戦争によってイラク原油の輸入がストップしてしまったわけでございます。しかし、わが国の石油製品全般にわたる需要の減退もありまして、在庫はかなり高い水準で推移いたしております。漁船が主として使用するA重油につきましても、八月末の在庫は三百万キロリットルを超える高い水準にございますので、漁業用燃油の量的確保については当面不安はない、このように考えておるわけでございます。 一面、漁業用燃油価格は昨年春に比べ高水準となっておりまして、漁業経営にも大きな影響を及ぼしていることは承知をいたしております。政府といたしましては、漁業が燃油価格の高騰によって大きな影響を受けている実情にかんがみ、漁業のみの特別措置として低利の漁業用燃油対策特別資金を昭和五十四年度及び五十五年度において融資しておるところは御案内のとおりでございます。 〔委員長退席、菊池委員長代理着席〕 しかしながら、石油価格の上昇の影響はわが国の国民生活及び産業活動全般にわたっておりまして、漁業界にのみ価格差補給金を交付することはなかなか困難である。へんぱなことはできないものでございますから、そのように御理解をいただきたいと思います。 農林水産省といたしましては、基本的には省エネルギー型漁業への転換を推進する等、経営の合理化を一層進めることが必要であるとの考え方に立ちまして、省エネルギー対策について業界の意見を聞きながら検討を行うとともに、省エネルギー技術実用化促進事業等を実施する等、省エネルギー型漁業の推進を図っておりまして、今後ともこのような方向で漁業経営の安定に努めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○今村政府委員 御指摘のように省エネルギー型漁業への転換という問題はきわめて重要な問題でございまして、官民挙げて取り組んでいく必要がある課題であるというふうに認識をいたしておりますが、水産庁といたしましては、各漁業種類ごとの省エネルギー対策をどう講じていくかということで、業界の意見も聞きながら検討をいたしますと同時に、当面実施可能な燃油の節減についていろいろ指導してきたところでございます。たとえば本年度から実施をいたしております省エネルギーの技術実用化の促進事業でありますとか、あるいは低燃費機関、大口径プロペラ等の導入についても漁船について指導をいたしておるところでございます。なおまた農林漁業金融公庫の漁業再建整備資金の貸し付けの対象にいたしまして、これらの推進を図っておるところでございます。 それから、漁業用燃油の備蓄等の需給調整に必要な施設に対し助成することができないかということでございます。たとえば漁業協同組合等が燃油タンクをつくります場合に国がこれに対して助成ができるかどうかという問題でございますが、現在、一応構造改善等におきましては、離島でありますとか僻地のような燃油の営業者の円滑な供給が行われがたい地域につきましては、これを構造改善事業の対象にいたしております。しかし、一般的にこれを構造改善事業の対象とするかどうかにつきましては、なおいろいろと問題があるところでございまして、販売用の商品の格納倉庫ということでございますので一般的には国庫補助の対象になじまないという性格を持っておるわけでございまして、この原則を変えられるかどうかということにつきましてはいろいろと問題のあるところであろうと思います。従来から漁業近代化資金を活用いたしましてその建設については融資を行っておるところでございまして、今後ともこれらの対象につきましては、近代化資金の活用につきましては十分配慮してまいりたいというふうに考えております。
○小里委員 構造改善事業等で一連の補助措置をとっておいでになることはわかるのでございますが、どうですか、政務次官。政務次官が行政の公平な原則から、漁業用の自主的な備蓄基地に対する特別な補助はできませんよとおっしゃるその概念はわからぬでもないのですけれども、しかしながら今日の特定業界において、自主的に今日の石油事情に対して何かひとつそこに需給調整をやるための備蓄をやろうじゃないか、こういうような特定の構造物、特定の事業組織をもってやっておいでになる業界というのはそう多くはないと私は思うのです。このような特殊な需給備蓄調整事業をやっているというのはきわめて希有なことでありまして、必ずしも全般的にほかの業者の皆さんがやっているわけでもないのだから、たとえば米を農協に備蓄をやっていますね。農協が米を保管をしています。これは御承知のとおり補助金を出しておいでになる。これはやはり米は国民の食糧生活の上におきまして大事なウエートを占めておることも本質的にわからぬでもありませんけれども、私が先ほどから申し上げておりますように、遠洋漁業というのは大変特殊な業態、特殊な一つの業勢を持ったものだ、こういうふうに申し上げたいわけなんです。 そういうような配慮から、なるほどわからぬでもないけれどもちょっとそれはできかねるというようなお話のようでございますが、さらにひとつ、この際一段と、ことに操業経費の中における燃油コストの占めるシェアというものが大きいだけに、非常にこの業界では強い要請もあるようでございますが、一段と御配慮をいただきたいということを申し添えておきたいと思うわけです。(「もう一度答弁」と呼ぶ者あり)もう一回答弁という話もありますけれども、答弁は結構です。 その次に、漁業生産基盤の整備並びにわが国周辺水域における漁業振興についてお伺いいたします。これは私が一番最初申し上げたときに、政務次官の方からも答弁の中に触れておいでになったようでございますが、二百海里時代の到来を迎え、わが国周辺水域における沿岸、沖合い漁業の重要性は申し上げるまでもないと思うわけです。 そこで次の四点にしぼりましてお伺いいたします。 その一つは、漁業生産の基盤である漁港の整備促進を図るため第六次漁港整備事業をもっと早期に完成させる、同時に次期の計画を早期策定を図るべきと考えるのでございますが、水産庁長官いかがでございましょうか。また、漁港の機能を整備し充実することがその地域経済の向上に果たしている役割りはきわめて軽視できないと思うのでございますが、いわゆる漁港環境整備事業を拡充実施する必要があろうかと思いますが、これについても長官お聞かせいただきたいと思います。 さらに二番目には、漁村生活の改善を図るために、漁業者の福祉の向上、さらにまた沿岸、沖合い漁業の拠点である漁村の生活環境施設の整備などを積極的に進める必要があると思いますが、これらに取り組む姿勢をお聞かせいただきたいと思います。 また、沿岸漁場の開発は、沿岸漁業の生産力を増大し、魚価、経営の安定を図る上で緊急の課題となっているところであります。そこで沿岸漁場整備開発事業の計画の早期完成と次期沿岸漁場整備開発計画に関する調査事業の大幅な予算化を図る必要があると思うのでございますが、政務次官、ひとつこの点長官とともに御答弁いただきたい事項の一つでございます。新沿岸漁業構造改善事業の積極的な推進を図るべきではないかということであります。 さらに最後の四番目になりますが、栽培漁業について先ほども若干触れておいでになったようでございますが、種苗の生産あるいは放流事業の計画的な拡大、あるいはまたマダイなどの回遊魚種について円滑な事業推進を図る必要があるのではないか。そのために漁場管理制度というものをきちんと確立する必要があるのではないかと思いますが、これらのことについてお聞かせいただきたいと思います。 なお最後に、栽培漁業の制度化と関連して、遊漁と漁業の調整など、いわゆる遊漁の秩序づけを図る必要があるのではないかと思いますが、お尋ねいたします。
○志賀(節)政府委員 最初に御指摘がございました漁業用燃油の確保につきましての御指摘でございますが、小里先生の御心配、御懸念はごもっともでございます。そこで、御承知かと思いますが、自民党内の農林水産部会で漁業燃油に関する小委員会が発足したばかりでございます。この小委員会あるいは他の政党あるいは各機関から、今後これらの問題につきまして御提案、御提言もあろうかと思いますので、これらを十分に踏まえましてこの問題に対処してまいりたい、そういう考えに立っておるところでございます。 なお、栽培漁業、沿岸漁業の育成振興につきましては、全く私は先生と同じ思いをいたしております。そのような観点から、この栽培漁業育成振興につきましては、現場での問題とあわせて、研究機関においてのこれらの育成振興を図るための技術的な面での開発が大いに行われなければならない。これと現場と両々相まって行われなければならないと思いますので、そのようなことで力を注いでまいりたい、このように考えておる次第でございます。 詳しくは事務当局より答弁をいたさせます。
○今村政府委員 漁港は漁業基盤の整備という点の最大重要な課題でございまして、私たちは現在第六次の漁港整備長期計画に基づきまして、五十二年度から五十七年度までの六カ年間に総事業費一兆四千五百億円をもって漁港の整備を図るということで、ことしは大体その四年目に当たっているわけでございます。五十五年度末におきます計画の進度は五六%の見込みでございまして、五十六年度予算の農林水産省の原案が認められた場合には、五十六年度末の進度は約七三%になる見込みでございます。しかしながら、進度は、計画達成にはかなりの努力を要するという状況にございますが、現在の財政事情のもとにおきましても、私たちはその推進に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。 新しい漁港整備計画の策定につきましては、関係方面にも非常に要望が強いということが十分承知をいたしております。したがいまして、漁業の動向、国の財政事情等、その他諸情勢を見きわめながらこれを検討をいたしてまいりたいと思っておるところでございます。 なお、漁港の環境整備につきましては、昭和五十五年度から漁港の環境整備事業に着手をしたところでございまして、今後関係方面の要望も踏まえ、その拡充強化を図ってまいりたいと考えております。 それから、漁村の生活環境整備の問題でございますが、都市、農村に比べて立ちおくれた環境にございます生活活動の営まれております漁村の整備は特に重要でございます。したがいまして、昭和五十三年から、漁港の整備とあわせて漁業集落の環境基盤を整備いたします漁業集落環境整備事業を実施いたしますと同時に、五十四年度から漁村の緊急整備事業を実施いたしておるところでございまして、今後ともその一層の拡充強化に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。漁村の整備は歴史が浅うございまして、総合的かつ計画的な整備を進めることは、御指摘のとおり私たちも今後の課題と考えておるところでございます。したがいまして、いろいろ学識経験者等の意見を聞きながらその調査研究を進めておる段階でございます。 それから、沿岸漁場の整備開発でございますが、つくる漁業の重要なることは申すまでもございませんで、私たちは昭和五十一年四月に閣議決定されました沿岸漁場の整備開発計画に基づいて同事業を鋭意推進いたしておるところでございます。五十五年度の進捗率は計画を一〇%上回る見込みでございまして、今後ともこの事業の一層の拡大を図って計画の早期達成に努めてまいりたいと思っております。なお、第二次計画につきましては、五十五年度予算で検討のための調査費が認められておりますので、現在各県に委託して基礎調査を行っておるところでございます。 それから、栽培漁業につきましては、これもつくり育てる事業として栽培漁業の推進はきわめて重要でございますので、従来から国及び県の栽培漁業センターの整備とか技術開発の推進等に努めてきたところでございまして、五十五年度においては新たに日本海の国の事業場の建設に着手をいたしますと同時に、厚岸、五島の事業場の完成を図りますほか、県営栽培漁業センターの拡充整備、県の行う技術開発等を実施して、栽培漁業の全国的な展開を進めてまいりたいと考えておるところでございます。 今後、種苗の量的生産体制が整備されて技術が確立したときに、これを、どのような漁場を形成し、だれが放流してだれがどうとるかといった漁場管理という非常にむずかしい問題がございます。特にマダイのような回遊範囲の広い魚種につきまして漁場の管理利用をどうしていくかということにつきましては、栽培漁業の体制整備の一環として今後十分検討すべき問題であるというふうに認識をいたしております。 それから栽培漁業の制度化あるいは今後の推進と関連して、遊漁の秩序づけの問題の御指摘がございましたが、遊漁と漁家の操業とのいろいろなトラブル問題というのがございますので、私たちとしては遊漁というものをどういうふうに位置づけ、またその地域においてどういうふうな調整を図っていくかという問題につきまして、現在遊漁対策検討会を設けまして今後の遊漁のあり方等について検討を進めておるところでございます。栽培漁業の今後の進展によりまして、漁場の制度的検討の際に、遊漁との調整の必要性あるいは可能性という問題につきましても十分研究をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。
○小里委員 時間もぼつぼつ参っておるようでございますが、私は試みに性急に質問を組み立てて行ってみました。当面する水産諸行政の中で最も基本的に緊急にかつ適切な、しかも親切な対応策を求められると思う四点をお尋ね申し上げたわけです。 それこそ漁場の制約あるいは燃油価格の高騰などから始まったと申し上げましても言い過ぎでないと思うのでございますが、大変深刻な打撃を受けております今日の水産業界、ことにその中で申し上げましたカツオ・マグロあるいは燃油価格の諸対策はぜひ政務次官——私は、最初、きょうはなぜ農林水産大臣が出てこないかなと思っていたのでございますが、農林政務次官、なかなかきちんとお答えいただきまして、先ほどの最後の結びの答弁のごときは大臣級を思わせるような感じであります。結びでお答えをいただきましたあの気持ちで、ただ単に質疑があって答弁をした、それで一巻の終わりということで片づけないように、きちんと政務次官の手元で御処理いただきたいと思うわけです。 水産庁長官も、率直に申し上げまして答弁、言葉としては非常に明快でございます。しかしながら、私が政策的に期待申し上げましたことは、もっとボリュームのある、きちんとした具体的な処方せんをお聞き申し上げたかったのでございますが、性急な質問でございましたので、どうかひとつ、申し上げましたことをこれから十分御検討いただきまして、来年度の予算編成等にはぜひより多くのものを間に合わせていただきますよう要望申し上げまして、これで質問を終わります。
○菊池委員長代理 新盛辰雄君。
○新盛委員 大臣がちょっと中座しておられるようで、十二時過ぎにおいでになるということですから、大臣にぜひ確認をしておきたいこと、これからの諸問題についてはその際に触れることにいたします。 最近の水産情勢については先ほども議論がございました。厳しい漁業外交の中における二百海里時代という制約で、新しい漁業秩序を求めていくために大変な苦労を強いられているわけでありますが、燃油対策、魚価対策、輸入規制、調整保管事業、入漁料、漁場の新しい確保の面を充実をさせながら、減船補償の問題等、まさにこれからやらなければならない起死回生の政策を打ち立てる、そういうことについては先ほどもお話ございましたが、それらの問題については基本的なことでございますので、大臣からお答えをいただくことにします。 先ほど日韓漁業協定等の問題について水産庁長官から、この十月二十日に協定を結ばれたいきさつについて御報告がございました。それでこの問題について、一九六五年以来漁業協定が日韓との間で締結をされてきておりましたし、日本海をめぐるいわゆる秩序ある操業を行うということでやってきておられたわけでありますが、二百海里が設定をされて、この区間は日本と韓国との間における、また北海道沖と以西の関係では相反する諸問題も出ておりまして、なかなか厳しい状況でございましたが、今回この協定をお結びになった。そして済州島沖の自粛水域関係における減船そして補償、また同時に、北海道沖におけるオッタートロールの規制等が行われておるわけでありますが、こうしたことについての相互主義全般にわたって、これは成果があったものなのか、あるいはまた国益に関する問題でありますから、また漁業外交上の問題でもございますので、こうしたことについて政府の基本的な姿勢としてどう取り扱われましたかをまず冒頭お聞かせいただきたいと思います。
○今村政府委員 長い間の懸案でありました北海道沖操業問題が済州島周辺の規制問題とあわせて解決を見たわけでございますが、本問題の解決については、北海道の関係者も以西の関係者も恐らく不満足であると私は思います。これは韓国との交渉を行って取り決めたことでございますから、一方が完全に満足し、一方が非常に不満足であるという形では話がまとまらないわけでございまして、そういう意味合いにおいては、恐らく韓国においても不満足であったのではないかと推定をされるわけでございます。 この問題の根本的な解決のためには二百海里を実施すべきであるという意見が北海道関係者の間に強いことは私も十分承知をいたしておるわけでございますが、現在、韓国との間で二百海里法の適用ができるかどうかということを考えてみますれば、これはきわめて困難なことではないかと思うわけでございます。同時に、水域法五条二号を適用すべきであるという意見もございますが、五条二号の適用は二百海里法の適用と質的には同様のものであると私は理解をいたしておるわけでございます。 そういたしますと、本件問題の処理としましては、どうしても韓国との間の話し合いによる解決を行う以外にはないわけでございまして、そのような意味合いにおきまして鋭意話し合いを続け、今回の妥結を見たわけでございます。したがいまして、この問題の評価につきましては、それぞれ関係者の立場において評価が異なると思いますけれども、必ずしも関係者において十分満足のいただけるものであるというふうには私は考えておりません。しかし、長い間の懸案でございましたこの問題を解決するには、こういう方法をとらざるを得なかったということも同時に御理解をいただきたいと考えておるところでございます。
○新盛委員 わが国の沖合い底びき業者にとっては満足いかなかったであろう、しかし、よりベターな道を求めたのだと御回答がいまもあったのですが、かえってこれは改善という形にはならないで、これから締め出された韓国船と、また日本のこうした海域における漁業、こうしたものとが漁場の中で競合する形が生まれてくるのじゃないか。これは三年間ということになるわけでしょうが、地元の底びき業者あるいは以西の皆さん方は相当大幅に譲歩したという形になっているわけですね。 このような状況に対して今回この漁業補償という問題では、地元からは百隻ぐらいの補償措置として一隻一億、百億の要求が出されていることを聞いております。最終的には政府の方で、この際六十隻分の一隻当たり五千万円、三十億の決定をしたというふうに言われておるのでありますが、そのことは事実でありますか。
○今村政府委員 今回の北海道沖の操業の規制によりまして、私たちもそうでございますが北海道庁も考え方は同じであると思いますが、沿岸の漁具被害の問題といいますのは、地域によって違いますが大体八〇%ないし九〇%解決されるのではないかというふうに考えております。したがいまして、沿岸との関係におきましては相当の進歩であろうというふうに私は考えております。 スケトウの操業、まあ機船連関係者でございますが、これ等につきましては、自分たちが操業できない海域において韓国の操業を認めるという点について非常に問題がございます。しかしこれらの側面におきましても、私は現状より数歩改善を見ておるのではないかと想定をしておるわけでございます。 以西の関係におきましては、現在その補償の内容について、財政当局との問題がございますが、私たちの考え方としては大体六十隻、一隻当たり五千万という水準を考えておるところでございます。
○新盛委員 今回の場合、以西の方はいま御回答がありました。オッタートロールラインの中で操業する取り扱いについて後ほど安井委員の方から関連質問としてお願いいたしますが、このオッタートロールライン、禁止の内側で外国のオッタートロールの漁船は操業が認められる、しかし一方わが国の方では、オッタートロールの漁船が操業する場合には処罰をされる。ある意味では不自然な状態が生まれているのです。これはこれからの問題でもありますし、また、ソ連が韓国と同様の水域で操業することを求めてきた場合にどうするのか。こうしたこと等について、いわゆるオッタートロールラインの内側での操業における競合あるいは相手側国に対しての規制、そうしたことについて配慮が払われているのかどうか。そしてこれからはこういう違反操業というのは当然出てくると思うのですね。そういうことについて水産庁は、ちゃんとお考えの上だったとは思いますがどういうふうに理解しておりますか。その答弁いかんによっては関連いたしますから……。
○今村政府委員 オッタートロール内あるいは外の操業と関連をいたします問題につきましては、これは確かに日本のオッタートロールが禁止されている水域において期間的に韓国の操業を認めておるという非常に変則的な状態は御指摘のとおりであろうと思います。しからばこれを韓国船と同様に国内船のオッタートロールの操業区域に改めるかどうかということになりますと、これは従来非常に長い間の問題として、北海道では沖合いと沿岸という問題で現在の秩序ができ上がっているということから考えますと、この問題を早急に取り上げていまこれを解決するということもまたきわめて困難な状況にございます。しかし私たちは、そういう問題がここに包蔵されておるということは十分認識をいたしておるところでございます。 それから違反問題でございますが、これにつきましては、従来は韓国の自主規制でございますけれども、今回は、それぞれ北海道沖に操業します韓国船につきましても韓国の漁業法に基づきまして許可の際の条件として操業区域を明示する。これは済州島につきまして日本も同様のことをやるわけでございますが、そういうふうに漁業法上の規制の加わったものとして、しかも政府間におきますそういう話し合いの結果としての取り決めに基づくものとしてこれを実施をいたすわけでございますから、従来の韓国の一方的な自主規制とは性格的に異なるものであり、またそれだけの効果を持つものではないかと私は思っております。 同時にまた、安全操業問題等につきましては、これは先ほどもちょっと申し上げましたように、民間取り決めのよい点を生かしながら、安全操業問題というものを今後韓国と十分話し合いを進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
○菊池委員長代理 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。安井吉典君。
○安井委員 ちょっと関連して、十分間くらいですから。 十月二十日の日韓漁業相互規制協定の成立は、長い間のトラブルが一応けりがついたという上において水産庁当局の御努力を多とするものですが、ただ、いまもお話がありましたように、北海道沖の今日までの韓国漁船は、あのでっかい船で海にブルドーザーをかけるような形で、漁具はめちゃくちゃにされるし、海の底が砂漠みたいになってしまって、魚はどうなるのか。そういうような中で、漁民の海上デモやトラブルで大変な事態になるのじゃないかという寸前であっただけに、これはやはり評価してよいとは思うのであります。 しかし、いまもお話がありましたように、オッタートロール禁止ラインの中まで許す。これは、北海道でも沿岸と底びきで大げんかをして、たしか四十六年だったと思いますが、やっと調整がついて、底びきがそこから中に入ってはいけないということになって守っているわけですよ。そこにまた韓国船が、国内のものは百二十四トンくらいのものなのに、向こうは千トン以下は許すわけですから。しかもソ日漁業協定で許さないところまでそれも韓国に許すという、そういうようなことに対する不満というのが非常に高いわけです。しかし、私はきょうはその後戻りをするつもりはありませんで、とりあえずの問題点を伺っておきたいと思うわけです。 いま違反操業の問題がありましたが、取り締まりの強化を日本政府としてもっと強めていく必要があるのではないかということからまず伺っておきたいと思います。 いままでだって韓国の自主規制がほとんど守られたためしはないわけですね。そういったような状況で、非常に不信感の高まりの中に現地の漁民は置かれています。ですから、こちら側の違反監視体制ももっと強めていく必要がある。来月の一日からのものですからいまは駆け込み操業だろうと思うのですけれども、今月も被害が三件出て、それはちょうど監視船がいない留守に起きているというような事実もあるようであります。ですから、水産庁もそれから北海道庁もそうだと思いますが、保安庁もひっくるめて監視体制を強化する必要があると思う。まずそれから伺いたいと思います。
○今村政府委員 先ほどちょっと申し上げましたが、今回の規制措置は政府間の話し合いの結果講ぜられたものでございまするし、韓国側の遵守に関する取り組み方も、これまでの単なる民間の自主規制措置の場合とはおのずから異なってくるというふうに考えておりますが、具体的な措置といたしましては、韓国側は韓国漁船に対し規制措置を遵守するように水産業法に従い必要な措置をとるということになっております。また、主漁期における韓国監視船の派遣でありますとか、あるいは韓国監督官の当番船への乗船、それから違反事実の通報等についても特に往復書簡に盛り込んだところでございまして.これらによりまして今回の措置が遵守されるよう十分注視してまいりたいというふうに考えております。 水産庁といたしましては、海上保安庁、道庁とともに今後とも韓国漁船の操業実態を把握をいたしながら、当該海域における韓国漁船対策として取り締まり船を常時二、三隻配置をいたしまして、必要に応じ隻数をふやして配置するというふうに、取り締まりにつきましては十分心がけていきたいと思いまするし、また、海上保安庁、道庁とも十分連絡をとりながらこれらの点について対処してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○加藤説明員 お答えいたします。 海上保安庁は、北海道周辺海域における韓国漁船による漁具被害及び日本漁船と韓国漁船の紛争防止のため、従来から巡視船及び航空機により監視、取り締まりを実施してきたところでございますが、今般の日韓の合意に基づき、韓国側は規制海域を設定しまして韓国漁船の当該海域への侵入防止を図ることとなりましたので、常時巡視船を韓国漁船の操業する海域に配備し、水産庁及び北海道庁の監視船と緊密な連絡を図りつつ、韓国漁船の規制海域侵犯操業防止等のため厳重な監視、取り締まりを行う所存でございます。また、航空機を韓国漁船の操業海域に重点的に監視飛行を行わせまして、効率的な取り締まりを行う所存でございます。
○安井委員 取り締まりが緩ければ全く効果が上がらないわけですから、その点特に御配慮を願っておきたいと思います。 それからもう一つ、協定はできましたけれどもまだ後の交渉が残っているわけですが、その点だけ確かめておきたいと思います。 たとえば分散操業の問題、先ほどもちょっとお話がありましたけれども、操業海域の使い分けをどうするかというようなのがこれから大きな課題であります。ですから、現地の漁民には一ここまで譲歩してさらにまたここで譲歩を重ねるようなことはないように、これからの協議の中で安全操業問題をきちっとやってもらいたいという強い要求がありますが、それへの農林水産省側の交渉へ臨む決意と、それからもう一つは、沿岸の漁具の安全をどう守るかという問題がさらにあるわけですね。 規制海域は一応はできたわけですけれども、その外にもエビかごやメヌケ刺し網などたくさん出ているわけですから、被害は、従来よりは少なくなるという見通しはあるかもしれませんけれども、今後も間違いなくあるということであろうと思いますので、これからの操業協定の中でそれらの点は明らかにされていかなければならぬと思います。民間協定がこれから進むのだろうと思いますが、それ以前に政府間できちっとした条件づくりをやはりやるべきだと思います。この二点について伺います。
○今村政府委員 安全操業、分散操業の問題は、これは実態的にといいますか、実質的にといいますか、大事な問題であると思っております。この扱いにつきましては、従来民間協定があるわけでございまして、この民間協定を生かしていくということにつきましては両国間で合意を見ておるわけでございます。ただしかし、民間協定、民間相互間をさらに話し合いの場として行っていく場合におきまして、私たちとしましては、従来の民間協定を改善をしていく、あるいは実効が上がらない取り決めもあるわけでございますから、これを実効を上がらせるようにするにはどういうふうにしたらいいかという問題をまず詰めなければいかぬというふうに思っております。したがいまして、これらの実態的な安全操業問題についてどういうふうに相互に共通の問題認識に立つか、そうしてまたその問題認識についてどういうふうな解決の方向が見出し得るかという基本的な事項につきましては、私は、政府間で話を詰める必要があると思っております。 しかし、同時にまた私たちといたしましては、その海域その海域の漁場の使い方をどういうふうにするのが一番効果的かつ実効的であるかということにつきましては、十全よくは承知をいたさないわけでございますから、これはやはり民間同士の話し合いを行いまして、そうしてそのうまみを生かしながら対処していくことが重要ではないか。そういう意味におきまして、現在の民間協定をどういうふうに実効、効果あらしめるか、問題があるとすればどこに問題があるかという基本的な話し合いを、ある程度政府間で行いました後に民間同士の話し合いをやるというふうなステップをとるのが適当ではないかというふうに考えておるところでございます。
○新盛委員 民間問題についてはまた午後同僚議員の方から触れますが、ただ一言。 今回の措置で、以西底びき、特に減船に伴う問題ですが、一カ統当たり二十二名から二十七名、総計七百から八百名ぐらいの離職者が出てくると思うのですね。これは関連の業種で出てくるわけでありますが、以西底びきの漁業者の中には、これは大洋とか日水とか北洋水産、こうした業者努力によって離職者の吸収については全力をお挙げになるとは思いますけれども、それでもなおかつどうしても離職者が出てくる場合に、政府の対応策として離職者の救済についてはひとつ全力を挙げてお取り組みをいただきたいと思います。よろしいですか。これは回答は必要ありませんから。 時間がありませんので次に入りたいと思います。最近の輸入行政問題でありますが、カツオ・マグロの輸入規制の問題について。 漁業者が熱烈に反対をしているにかかわらず、韓国、台湾、パナマ、こうしたところから、四十八年に比べると五十四年の輸入総量は二・五倍になっております。五十年に比べますと二〇%も増大をしている。現在では国内生産の三〇%の位置を占めるようになっているわけで、その原因が結果的には魚価を低迷させるということになっておりますし、漁業経営の不振ということが続いてきているわけです。 だから、業者の中にはこの輸入規制を強く求めておりますし、この際、マグロをIQの指定にしたらどうか、あるいは現在五%の関税を二倍に引き上げたらどうか。そしてまたこれに対して、現在、先ほども御報告がありましたが、韓国産のマグロは五十三年七万五千三百六十二トン、五十四年度は六万九千百八十六トン、いずれにいたしましても、従来五万トンと言われていた全体の輸入総量の中で、韓国は三万五千トン程度に抑えられておったのでありますが、もう野放しの状態じゃないか。 そしてまた、韓国から入ってくるマグロ等についてはすべて日韓両国で毎年需給会議というものが行われているわけでありますが、この日本への輸入数量というものは公表をされていないわけです。それはどういうことで公表されないのか、取り決めの効果としては出てきていないじゃないかと、一部に大変な不満があります。それと魚種別、月別の数量を決めてもらわなければわが国における操業の展望とか効率的な操業ができないではないかということがいま業界の中で強く要望されているのでありますが、水産庁はどういうふうにお考えになっておりますか。
○今村政府委員 韓国からのマグロの輸入量でございますが、五十三年には七万六千トン、五十四年には七万トンでございます。五十五年もこれを大きく隔たることはないと思いますが、日韓間につきましては、御承知のように日韓の話し合いによりまして輸入数量を決め、事前割当制度にいたしましてこれをチェックするということにいたしておるわけでございまして、野放しでどんどんふえていくというふうな状況にはないと思います。 ただ、その内容を公表できないかということでございますが、韓国としましては、自由化された物資を話し合いにより輸入数量を決め、事前割当制でチェックするということでございますから、国内的になかなかこれは問題のあるところでございます。したがいまして、韓国との合意数量等につきましては韓国の要請に基づきまして公表しないという扱いにいたしておるわけでございまして、事前確認制度のその数量につきましても同様の扱いといたしておるわけでございます。これは、自由化品目でございますマグロにつきましてそういう扱いをすることについての韓国内の状況を考慮した結果でございまして、そういう経緯から考えまして、これを公表することは適当ではないのではないかというふうに考えておるところでございます。
○新盛委員 そうした状況の中にありますから、いまお答えいただいたその中において、まだ積極的なそうした輸入の規制、現実の問題として国内の魚価に非常に影響がある、あるいはまた経営不振という状況に直接つながるだけに、これはぜひひとつ規制措置については強く求めていきたいと思います。 こうした対策を立てていただく中で、外国人漁業の規制に関する法律というのを議員立法を含めてつくったわけでありますが、この中の第四条の二に言う特定漁獲物として当分の間マグロ類を政令指定し、マグロ漁業経営の安定を図るべきだと私どもは考えているのですけれども、これはマグロは入っていないわけです。このことについてはどういうふうにお考えになっているのか。 それからまた、この第四条の外国漁船の寄港の許可は、その寄港で「外国漁船による漁業活動が助長され、わが国漁業の正常な秩序の維持に支障を生ずるおそれがあると認められるときを除き」と、こういうふうに出ているわけでありますが、このことに対して、外国漁船のわが国の漁港の基地化を防止することはできないか。 それは何を言っているかというと、いま現在韓国は、どういうつもりか知りませんけれども、直接漁場からこの日本の国内に漁港の基地を求めて、そこに積み荷をしたり、えさまで運んでいるという状況が出ていると私は聞いているのです。このことについては、これはこの外国人漁業の規制に関する法律、これがかかわってきますから、わが国の漁業にも重大な影響を与える問題でありまして、本来漁場に、南方フォーラム諸国あたりにカツオ・マグロを追いかけてやってくる韓国の漁船は、韓国の港から出て、そしてえさを運んで、釣って、また韓国に帰るべきはずですね、そしてまた釣りに出るという。それが日本に寄港するというのは、日本でえさをとり、そしてそこから出ていくというのは、どうしても納得いかないわけですが、政府はどういうふうにお考えになっているのですか。
○今村政府委員 外国人漁業の規制に関する法律の四条の二に関します御質問でございますが、四条の二を発動し、あるいはそれに関連して六条の五項を発動することによって韓国のマグロの輸入を全面的に規制する、こういう問題に関連するわけでございますが、現在韓国との関係等を考え、あるいはまた、現在の韓国との協議及び事前確認制度ということの前提を置いて考えますときに、韓国のマグロの輸入を全くとめてしまうということが適当であるかどうかについては、私はなお問題があるところであろうと思います。 したがいまして私たちとしましては、韓国とのマグロ輸入に関する協議及び事前確認制度の運用によりまして、韓国漁船が不当に大量に日本に入ってくるということのないように措置することが適当ではないかと考えておる次第でございます。
○新盛委員 どうも納得できませんけれども、こうした外国船規制の法律もあるのですから、日本の国益を守る意味でぜひ正確な、厳密な法の実行という面でもひとつお取り組みをいただきたいと思います。 だからこの機会に、日本、台湾、韓国、いわゆる沿岸諸国のカツオ・マグロ資源保護という面を含めまして、これからのお互いの経営が維持されていくためにもどうしても話し合いが必要になってくるのじゃないか、いわゆる操業に対する維持改善を含めまして、基本的な話し合いをされるということが必要になってきたのじゃないかと思うのです。そして、やはり漁業協定をお結びになって、これからの日本のカツオ・マグロ漁業の進展を図らしめるという努力があってしかるべきだと思うのですが、どうなんですか。
○今村政府委員 確かに御指摘のように、資源問題その他を考慮いたしまして、関係国との話し合いを進めることか必要であることは御指摘のとおりかもしれません。現在、日本と台湾と韓国につきましては、カツオ・マグロの資源の保護ということで民間ベースで話し合いを行っておるところでございまして、私たちとしましては、その話し合いの進展に期待をいたしておるわけでございます。御指摘のような点について、これの可能性その他につきまして私の方としても考えてみたいと思っておりますが、事はマグロのような資源につきまして、鯨のような形での資源の話し合い及び規制が可能であるかどうかということに関しますと、全く自信が持てませんけれども、そういう問題があるということは御指摘のように十分認識をして考えてみたいと思っております。
○新盛委員 ぜひひとつ前向きの姿勢でお取り組みをいただきたいと思います。いろいろと難関はありますけれども、日本の漁業を守る立場でぜひひとつ積極的なお取り組みをいただきたいと思います。 そこで、鹿児島県、特に本県はカツオ漁業の基地でもありますし、それだけに私は非常に関心を持っているわけであります。最近、こうしたマグロの輸入規制等もいろいろと叫ばれております中で、カツオ・マグロの漁業をどうするか。もはや油が高くなった、遠洋漁業の航海日数はどんどん伸びていく、そして釣ってきましても、一航海しても必ず赤字が出る、魚価は低迷して経営は不振に陥っているという最大の危機を迎えている。そういう中で、最近一本釣りカツオ漁業が海まき転換という形に移り変わろうとしているわけであります。 これは今回日鰹連を中心にして——私は昨年の質問の際にも、一本釣りカツオ漁船のこの伝統的な漁業法について、これを維持し守っていくことは、資源を守りかつ安定した供給をする、いわゆる魚価の面においても大きな役割りを果たし得るのだ、あとは調整保管事業、その他の問題はあるけれども、そうした面では海まき転換ということはしてはならない、こういうことを申し上げておきました。水産庁もそのことについては同意を示しておられたわけであります。 しかし最近このことに対して、海まき転換ということがさらに積極的な部面としてあらわれてきているわけでありますが、このカツオの低落だとか燃油等のコストの上昇、あるいは生きえの斃死、そうした問題が漁業不振につながっているということから、この一隻約一千トンの漁獲を上げる、本当は一千トン上げていないのでありまして、七百トンから八百トンぐらいしか現在とれていないのです。そのカツオ釣り船を五隻減船をして、これを一隻約三千トンを漁獲するまき網一カ統に転換をするというのであります。 この方法は、残った釣り船の二隻分の漁獲努力量の減少を図るためということでお取り組みになったのでありますが、いま海まきというのはすでに十四カ統あります。海まき許可船は十一カ統、すべて五百トンの型でありますが、試験操業という名目で三カ統の海まきがあって十四カ統になっているわけであります。そして今度おやりになるのは、漁獲量一千トンと見て五十隻、五万トン、そして五百トンの海まき十隻を許可する。年間の漁獲量が三千トンで十隻だから三万トンだというので、これを引いた残りの約二万トンが減産になって魚価が安定するであろう、この残された部分を遠洋カツオ一本釣りにするんだ、まことに平面的に、数字の上では結構なことなんですが、現実は私はそうじゃないと思うのです。年間の漁獲量は七百トンぐらいだ、それで五十隻にすると三万五千トンです。そして、年間漁獲量というのは、これは三万トンじゃない、四万トンじゃないかというふうに理解をします。そうするとかえって漁獲量がふえてしまって、魚価の低迷につながるということになるのじゃないですか。 そういうことについて、これからもこうして一本釣りカツオ漁業——あの枕崎あたりではもうまさに死活の問題なんです。だから、こういうことを安易におとりになる政策は、やがて野放しに出てくるだろう、また北まきの方もこれは出てくるであろう。そうなりますと、競合して国内における魚戦争に発展しかねないのであります。だからこのことに関して、もちろんこれは減船をするわけでありますから、一方では当然それの補償の問題が出てくるでしょう。あるいは離職者の問題が出てくるでしょう。今回、日鰹連や全漁連そして漁船同盟でお結びになりました三者協定は非常に尊重すべきものだと思います。そういうものの中でこれから取り扱っていかれるわけでありましょうが、現実にこういうことを野放しにするというのは、私はどうしても理解に苦しむのです。現地の業者は、水産加工業者を含めまして、挙げて先行き不安なんです。そしてまた減船になって陸に上がっていく漁船員の皆さんは、これはまさに死活問題だというので、いまやどうにもならない、何とか打つ手はないかと血の叫びを上げておられるのですよ。このことについて水産庁はどう理解しておられますか。 いま大臣来られましたが、大臣、途中でお聞きになったのでようおわかりにならないと思いますけれども、これはひとつ大臣にもお聞かせいただきたい。 遠洋漁業というのは、日本の国内漁業は沿岸から沖合い、沖合いから遠洋へと外延的な方向で一千万トンの漁獲量を上げておったのですね。それが二百海里という時代になって、それぞれの国が二百海里を実行したために、入漁料の問題とか海域の禁止水域だとか、そういうのを設けてもう締め出しにかかっている中で、命がけで魚を求めている。帰ってきた船で水揚げされる魚価は全く低迷をしている。油代は大変かかってしまって、もはや一航海当たり必ず何億に近い借金を背負ってしまっている。こういう状況が生まれているのです。だから、先ほど水産庁長官の方には具体的な問題を提起しましたが、これからの遠洋カツオ一本釣り漁船を守っていく方途としてどういうふうにお考えになっているのか。昨年も聞きましたが、今度はまた新秩序を求めていこうという前向きの御努力をしておられるのですから、それについてぜひ決意を聞かしていただきたいと思うのです。
○今村政府委員 現在、海外まき網への転換問題がございますが、これは遠洋カツオ一本釣り漁業全体の再建をどうしたら図れるだろうかという、業界が一体として自主的に、減船を中核としまして構造改善を図りたいという考え方に基づくものでございますが、資源に与える影響という観点から考えてみますと、海外まき網漁船一隻の漁獲能力に匹敵するのは一本釣り三隻である。しかし、資源への影響その他を考えて、五隻に一隻減船するということでございます。したがいまして、資源状況という観点から見れば、私は現在のカツオ・マグロの業界が考えておる規模とその減船のやり方ということを考えれば、直ちにこれが非常な悪影響を及ぼすというふうには考えておらないのでございます。 また、北部まき網その他との関連によって競争が生ずることによって、将来非常な問題を起こすのではないかという御指摘につきましては、これらの点は私たちとしまして十分留意をいたしまして、その調整を図ってまいりたいと思っておるわけでございます。 それから転換に伴う離職問題につきましては、これは三者協定によって一応の合意を見ておるわけでございますが、私たちとしましても、この対策につきまして十分な対応をいたしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 それでは、一本釣りを一体どうするのかという問題でございますが、現在の一本釣りを何が何でも全部そのままで存置をするということはなかなかむずかしい状況ではないか。したがって、現在の業界が考えております構造改善としてのまき網への転換ということは、その構造の改善という観点から考えれば私は一つの方向ではないかと思っておるわけでございます。 ただしかしながら、現在あります一本釣りにつきましても、その効率を上げ、その存続を図っていくということは当然考えなければいけない問題でございまして、これらの点につきましては、経営安定資金あるいは漁業燃油対策資金等の当面の措置を講じますと同時に、海外漁場の確保、それから生産コストの低減あるいは付加価値の向上等にわたります各般の生産構造対策を講じてまいるとともに、特に生食用に重点を置いたカツオの消費の拡大等につきまして、われわれとしてもできるだけのことはいたしたいというふうに考えておるところでございます。
○新盛委員 遠洋カツオ一本釣りの漁業を守るためにと、その言葉限りに海まきに転換をするという方向を打ち出しになったのですね。それはなぜかというと、カツオの生産量を減らして魚価を安定させるのだ、約二万トンから三万トン減るということになるのだ、そして経営の安定を図るというのが目的であったわけですが、現実は、既存の十四カ統、それにプラス今回転換の十カ統なんですよ、五十隻減船。その二十四カ統の中で、果たしてこれでおさまるのか。私はやがてこれは三十カ統ぐらいになるのじゃないかという不安を持っているのです。だからそうなりますと、これからの一本釣り漁業を守るなどというのは全くその存在はなくて、もうなべて海まきに淘汰されてしまうのじゃないかという心配があるのです、漁民の中には。だからそのことをただしているのです。 そしてなおかつ、今回このことに刺激されて北部まき網漁業からの転換を四百九十トン型約十隻、そして百十六トン型十隻を認めたと、実はもう、これは決定をしたという話を聞いておるのですが、そうなりますと、また加えて、こうしたことの中では二、三万トン逆にいわゆる供給の増大になって、魚価が低落するのじゃないかということも考えますと、これはカツオ釣り業者も全部たちどころに倒産をするのじゃないか、この心配を持っているのです。それで、北部まき網からの転換をこのままお認めになるのか。もう決めてしまったというふうに聞いているのですが、この辺のところも聞かしていただきたい。 それで、いま一本釣りカツオ漁業が何よりも欲しいのは、いわゆる遠洋の中における生きえの保存なんです。だから先ほど、八千万ぐらい金がかかるのだが、積極的にひとつそれをつくるように努力をしたいと水産庁長官お答えになっておるのですが、現実、この低温の生きえ保存の装置をつくってやる気があるのか。いま緊急の問題なんです。そういうことと、いわゆる海まきと、そして北部まき網と、たくさんできて、これからカツオ漁業というのはすべて、資源枯渇にいくどころか、大変なことになって、一本釣りは消滅をしてしまう、こういうことになるのでしょう。その辺どうなんですか。
○今村政府委員 カツオ・マグロ業界の海まきの転換は、現在の計画を取り進める程度において考えますれば、これはおっしゃるようなことにはならないのではないかと私は思っております。もちろん、その転換の規模が問題でございますが、しかしこの転換もなかなか容易なことではございませんで、そう迅速にスピードを上げて短期間の間にそういうふうになるというふうには考えておりません。 同時に、北部まき網の問題につきましては、これは決定をいたしておるわけではございませんが、そういう問題等につきましては、私たちとしまして十分諸般の情勢を考えて調整に当たるつもりでございます。 御指摘の生きえの装置に対する助成でございますが、これは補助金を出せると一番端的でわかりやすくていいのでありますが、これはどうしても、補助金の対象となる船は個人の有する施設ということになるわけでございまして、個人施設に対してそういう補助金が出せるかどうかという問題になりますと、これはなかなかむずかしい問題でございます。私たちとしましては、現在その装置につきましての公庫資金の融通によってこれを推進するということを考えておるところでございます。
○新盛委員 いずれにしても、これは結果が出るわけですから、これからどうしても、後ほど触れます魚価安定対策を含めまして、ぜひひとつこの海まき転換ということについて再考慮をいただくという、そういうことも含めてまた機会を見て議論をしてみたいと思います。 時間が過ぎますので、あと入漁料の問題、燃油対策、そしてまた海洋投棄の問題等触れていかなければなりませんが、入漁料の問題について先ほども御回答ございました。しかし、最近の諸外国での締結状況を見ますと、一括前払い方式だということで年々厳しくなっているようです。そのことも御回答がございました。 しかし、たとえば日豪協定でも二八%引き上がっているのですが、こういう入漁料を生産者が負担をしなさいということで片づけておられるのです。あるいはまた、五十四年、五十五年、いわゆる太平洋漁業振興基金として九億、三億積んで、業者も持つということになっておるのですね。こういう基金をおつくりになったのだけれども、どうもこれは活用する人がいない。結局いわゆる入漁料というのは、現地に行って、そして水域の中で幾らとります、そしてこの入漁料は幾ら払えばいいですか、一括そうした交渉の中で、そのときにも取引しなければいけないのですね。ところがこの基金の方は一々銀行の窓口に行って、手続的な問題があるのでしょうが、借りるわけないですよ。だから、そういう面では入漁料を国庫で持って助成をしてほしい、全額ひとつめんどうを見たらどうかということを申し上げていままで来たのです。 日ソ漁業交渉の場合には、漁業協力費だと称して、昨年三十二億七千万でしたか、今度は三十七億二千万、そのうちの四億五千万ぐらい入漁料なのです。めんどうを見ておられるのでしょう。だからそういうことの協力費でもいいから、日ソ漁業交渉の中ではできて、南太平洋の海域における入漁料ができないというのはおかしいじゃありませんか。そういう助成措置を——いや、それは性質は違うかもしれませんよ。そんなにすぐお笑いにならぬでいいんですよ。そういうふうな状況をもっていま私どもが幾ら言っても、それは入漁料なんというのはささいな問題だとおっしゃるかもしれませんが、先ほど小里委員が言っておりますように確実にふえつつある。そのことに対して、ただ通り一遍の対策じゃなくて、現実の問題としてこれを軽減させるように、あるいは漁業者負担にならないようにする道はないか、そのことについて積極的にお考えになっておるのでしょうか、そのことをお聞かせいただきたいと思うのです。
○今村政府委員 南方諸国への入漁料はアメリカなどと比べて高うございます。確かに高うございますが、しかし、私どもといたしましては入漁料の交渉につきましては相当な努力を払ってその改善を図ってきたつもりでございます。現に、入漁料の引き上げ等の話がありましたときには、水産無償等と関連をさせまして、その入漁料の引き上げ等を抑えるという措置も講じてきておるところでございます。 同時にまた、稼働してないではないかという御批判がございますが、国としましては十二億円の金を出し、業界として同額を出して二十四億円の基金を造成するということを行ってきておるわけでございます。 入漁料全体につきましてこれを国庫補助の対象とするということは現在考えていないのでございまして、南方諸国の入漁につきましては、そういう基金の活用、もしそれが円滑に運用されないならば、どういうふうに改善をなすべきかということを十分検討をいたしてまいりたいと考えております。 なおまた、サケ・マスにつきましては、先生十分御存じのように、ソ連の系統のサケ・ヤスの増殖、そういう事業に対する協力という観点から、三十七億五千万の協力費のうち国が四五%をめんどうを見ておるという状況にあるわけでございます。
○新盛委員 質問の中でちょっと訂正させていただきますが、日ソ漁業交渉の中で五十四年度三十二億五千万でしたね、そのうちの四五・三%、十四億七千二百万か入漁料に値するものである、こういうふうに訂正をさせていただきます。 いまお答えいただきましたけれども、その日ソ漁業交渉等のあれとは違うのだということでしょうけれども、私どもは、やはり南方水域における入漁料というのは、これは現実問題、魚価あるいは経営の安定という面で非常にかかわり合いがありますから、ぜひこの辺は今後とも御努力をいただきたいと思うのです。 次に、燃油対策問題ですが、もうこれはいままでも議論されておりましたし、いま量的確保は、先ほど次官のお答えでは三百万キロリットルはあります、こういうふうにおっしゃっているわけです。量の確保はそうかもしれませんが、A重油が現実の問題昨年来もう一挙に三倍に上がったことは御記憶のとおりです。昨年の三月あたりで一キロリットル当たり二万七千円ぐらいだったのが、ことしの五月ごろは七万五千円していた。いま若干下がってきました。それでも六万五千円ぐらいになっているのでしょう。いずれにしましても、この第二次石油ショックでもって二・五倍、七万円台に上がってきたのですから、この価格差の補償というのと、特別価格を設けてA重油の確保を図るということはこれは大事なことだと思うのです。だからこのことをぜひ、水産庁でもいろいろ検討されていると思いますが、お聞かせをいただきたいと思うのです。 そして、特に、最近、漁港に石油タンクがありますが、あの石油タンクの補助費なんかが削られているのですね。こういうのは逆だと思うのです。だから、貯蔵タンクも助成しながら、あるいはまた運搬船などの活用を図って燃油の補給などを含めて、特別価格を設けてほしい。そして、なおかつ価格差の補償ぐらいは政府が持つべきではないか。 そうでないと、漁業経営のコストはますます大変なことになっているのですよ。燃油がそれこそもう大半を占めるという状況になっておりますので、ぜひひとつこの燃油対策について、自民党筋では食糧にかかわる全般的な燃油対策協議会か何かおつくりになって、積極的に漁業の方もお取り組みいただくという話になっておるのですが、しかし私どもが言うのは、現実にこうして油の値段が上がったことによって経営が圧迫をされているという実態をみて、何とかしてほしいということを言っているわけですから、この辺、もう何回か申し入れもしてありますし、内容も十分御存じでありますから、どうしているのだということの結論をひとつ聞かせていただきたいと思うのです。
○今村政府委員 御指摘のように、漁業の燃油の高騰は漁業経営を非常に圧迫しておるわけでございまして、魚は油でとってくるというふうに言われるぐらい油を使うものですから、それの上昇というのは漁業者にとって非常に重要な影響を持つものでございます。したがいまして、私たちといたしましては、漁業燃油に限りまして本年度五百億の低利融資を行っておるところでございますし、来年は、要求といたしましては一千億の要求をいたしておりまして、それの確保に努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。 補助金を出しまして、たとえば六万五千円のA重油を四万五千円にできないか、こういう問題でございますが、漁業におきます油の重要性は十分認識をいたしておりますが、これに補給金を出しまして引き下げるということは実際問題としては非常にむずかしい問題ではないかというふうに考えております。しかしながら、この燃油問題につきまして、低利融資等の措置のほかに一体どういうことができるのかという問題につきましては、これは現在自民党におきましてもいろいろ御検討をいただいておるところでありますし、私たちとしましても、可能であろうと思われる対策につきましては、今後十分検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○新盛委員 さらに積極的な御努力をいただきたいと思います。 そこで、漁業経営者が経営が非常に不振である、非常に心配だという中で、財政的な面、いわゆるいろいろな補助金など、あるいは特別融資をいただくわけですが、制度資金ですね、燃油特別資金だとか、経営維持資金だとか、カツオ釣りの経営安定資金だとか、県が出す県経営緊急資金だとか、こういう借入金がきわめて大きいわけです。そして建造する船の資金も出さなければならぬ、運転資金もやらなければならぬ。 これは四百九十九トン型カツオの枕崎の実態でありますが、借入金が三億二千九百八十万、そして年間の返済元金が一億四千五十万、水揚げの際に返済用に引かれるのですが、これが五九・七%。二百九十九トン型でも三億の借入金残で、そして年間の返還が八千八百九十万、五二%程度返さなければいかぬ。そうするとこの漁業者の、四百九十九トン型でいきますと、燃油がキロリットル当たり六万三千三百円にして年六航海の場合の平均です。四億四千九百九十六万、これが収入なんです。そうしますと、これは一航海当たりでいわゆる魚価の平均単価というのを出す場合に、これらの問題の差し引き等を考えていけば、結果的に一航海するごとに七、八千万から一億近い赤字を出して帰ってくる人が多いわけです。 これは制度資金として、借りた金だから返さなければいけないだろう、返すためには低利子で、しかも償還期限を延期して何とかしてほしいという皆さんの要望もあります。しかし固定負債の、長年積もり積もった負債金の処理については、一時たなに上げるくらいの思い切った措置はできないか。これは暴論でしょうか。国鉄の六兆何千億をたなに上げるというのと話は違いましょうけれども、この形のいわゆる負債者に対して、現実金を返せない、そしてさらに制度資金を借りていくというだるま操業をやるわけです、これでは経営がたまったものではないのですが、どうお考えですか、この償還について。そして特定的に一時据え置きにするとか、何か方策はないのでしょうか。お聞かせをいただきたいと思うのです。
○今村政府委員 現在の経営が相当借金経営になっておるということは、しばしば指摘されるところでございます。この前の石油ショックのときには、石油も上がりましたけれども、一年を経ずして魚価も上昇していったということで、それを魚価に吸収し得たということがあるわけでございますが、今回の石油の上昇、コストの上昇がどうも魚価にうまく反映されないという点が、前の石油ショックのときの事態と非常に違うところであろうと思います。 したがいまして、漁業経営を行います場合にありまして、政府としてはいろいろ低利資金を用意いたしますと、片一方また借金経営をどうするのかという問題が出てくるわけでございまして、これらの点につきましては、私どもといたしましても非常に困難な立場に置かれるわけでございますけれども、一つは経営安定資金を現在五百億用意いたしておりますが、来年度の予算要求におきましてはこれを六百億にふやして要求いたしておるところでございまして、その確保につきましては十分な努力を払いたいと思います。 私は、やはりそういう低利の資金で当面対策を講じながら、全体経営体としましてもどういうふうな省エネルギー的な経営をやっていくかということについて、もちろん自分の企業経営でございますからその点について配慮はいたしておると思いますけれども、これについてさらに十分な配慮をいただくと同時に、そのコストの部分については何とかコストを吸収し得るがごとき魚価の安定ということが必要ではないかと思いますが、御存じのように、石油が上がり、コストが上がり、魚価がさえないと、ますます魚をとってこないとぐあいが悪いということで、逆の歯車が動くのが現状ではないかと思っております。と言いましても、それを計画的に生産するということは、魚でございますからそういうわけにはいかない。やはり漁師の方々とすれば、魚を見ればこれをとってこざるを得ないという立場でございますから、そういうふうなところの循環というものをどういうふうに断ち切っていくかということの問題であろうと思います。 しかし、私たちとして現在できますことは、そういう低利融資によって経営を維持していく、その間にいま申し上げました諸対策を講じていただく、またわれわれとして対策を講じていくということでございます。 〔菊池委員長代理退席、委員長着席〕 個々具体的な企業につきまして、具体的な事例に即しまして、経営問題として従来の借入資金を、たとえば公庫資金その他につきまして、その償還期限を延長するというふうな問題あるいは中間の据え置き期間を設けるかどうかという問題につきましては、個々の具体的な事例に即しまして公庫等について十分この配慮を要請いたしたいと思っておるところでございます。
○新盛委員 時間があと五分しかないそうでありまして……
○田邉委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○田邉委員長 速記を始めて。 新盛君。
○新盛委員 時間がありませんから、あと一括申し上げますので、また大臣の方からもぜひひとつ全体を取り巻く諸問題を含めて御回答をいただきたいと思うのです。 魚価安定、そして調整保管事業等については後ほど同僚議員の方から午後にまた詳細に質問をすることになりましょうが、水産物流通の乱脈、また高級魚に対する投機買いですね。あるいはまた生産地価格の低迷の原因だとか、こうしたことを踏まえまして、魚価の安定のために水産物需給安定計画などを含めた制度、そうしたものをつくる必要があるのじゃないか。この面は今後の対応策ですから、ぜひひとつ理解をいただきたいと思うのであります。 それと、いま栽培漁業の問題がしきりでございます。この法案がいつの時点に出るのかわかりませんが、これから、とる漁業から転換をして栽培漁業に発想を変えよう、栽培、資源管理型の漁業に変わる、そういう動きについては理解を示します。しかし、今日の沿岸を取り巻く情勢はきわめて厳しいわけであります。そういうことに対して先ほど水産庁長官は、きわめて厳しい問題がある、そして栽培の管理についても大変問題があるので検討をしているのだということですが、これはいつの時点に通称栽培漁業法を出されるのかお聞かせをいただきたいと思います。 そして、いま外交問題の中で一番中心課題になっているのはアメリカのブロー法案の取り扱い問題であります。他の国がやるのですから勝手でいいでしょう、カラスの勝手でしょうとは言いませんが、このブロー法案がいま上院、下院の中で相反する意見が出ちゃって、これが廃案という形をとったのでしょうかどうなったのでしょうか。 いずれにしても、将来はアメリカは二百海里内における沿岸の外国船を締め出すということについては変わりがないと思うのです。アメリカがやれば日本の周辺の南太平洋フォーラム諸国を初めとして右へならえする可能性がある、ソ連もそうだろうというふうに思われるのですが、こういう外交手段の中において日本の権益、漁業権を守るためにぜひとも対応策を事前にしていくべきだと思うのですが、ブロー法案についての現況とこれからの展望についてお聞かせをいただきたい。 三つ目に、IWCの第三十二回年次会議がもう終わりましたが、捕鯨についてであります。日本の外交手段は弱腰じゃないかとよく言われておりますが、現に南半球のミンククジラは一二%の減、北太平洋マッコウクジラは三四%の減、これは大幅な減枠でございまして、これによって、この捕鯨船に乗っている相当数の、まさに一万人に近い数の従業員が離職を余儀なくされるような状況に追い込まれているのじゃないか。それが私の危惧であればいいのですけれども、そういうことに対する対応策はどうお考えになっているか、この外交手段を含めましてぜひひとつお聞かせをいただきたい。 もう現に沿岸大型捕鯨三社では、合計七隻おりますが、そのうちの二隻は減船のやむなきに至るであろうということが言われているのですから、このことについてお聞かせをいただきたい。 四つ目には、放射性廃棄物の海洋投棄計画について水産庁はどう取り組んでいるか、そしてまたそのことについて科学技術庁は、あのソロモンあるいはマリアナ群島の皆さん方が絶対に反対だということでのろしを上げておられますが、そういう反対が強ければ低レベルの廃棄物の海洋投棄はやらないということを、言明をされたのかどうかわかりませんが、そんな話も伝わっています。水産庁は、これは魚が汚染されるであろう、いやそんなことはないというふうな言い方、いろいろされておりますが、現にこれについては魚介類の生態系に影響はないのかどうか。そして韓国は韓国でここ十年ぐらい日本海にこの低レベルの海洋投棄をしていたんだと言って大騒ぎになりました。よくよく調べてみたら、実は試験投棄であったという話も伝わっていますが、現実はいま外務省が問い合わせているという段階でしょう。 こういうふうな海洋投棄に対して厳しい姿勢を貫かなければならぬじゃないかということについて、これに対する水産庁の態度、そしてまた農林水産大臣としてもどうお考えなのか、ぜひお聞かせいただきたい。 そして最後に、私の奄美群島の水産振興協会の方からもこれはものすごい反対が出ましたし、鹿児島県議会でも反対決議をされましたが、あの沖繩県の伊江島の米軍射爆場をいわゆる日米の協議によりまして早く取り除かなければならない。その伊江島から取り除く代替地は徳之島の西方六十三キロ洋上に浮かぶ硫黄鳥島のあたりであります。これは現在無人島でありますが、昔からここに住んでいた人々、そして周辺の海域における漁船はものすごい漁獲量を挙げておるのです。何億という、これは奄美の漁場なんですね。 こうしたところへ射爆場を勝手におつくりになるということは問題があるのじゃないか。去年来議論がありました。そして、ことしの四月にこの問題についてはまだ十分ではないという話なんですが、防衛施設庁あたりではこの辺についてどう考えているのか、そしてまた水産庁として漁場の確保のためにこうしたことに対してどういうふうにお取り組みをいただいているのか、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。 そこで、これを回答いただくわけですからもう時間がございませんが、農林水産大臣に最後にぜひ全体をまとめてといいますか、今日の水産情勢は、厳しい漁業外交の中で、二百海里海域における漁業秩序ということから日本の漁業は新しい対応を迫られているわけであります。 先ほどから議論しましたいわゆる燃油対策、魚価対策、輸入規制、そして入漁料、漁場の確保、減船補償、調整保管事業など、ありとあらゆる問題がありますが、特にカツオ・マグロがいまピンチを迎え、カツオ・マグロの漁船は昭和五十三年で二千五百四十七隻、その中で遠洋漁船が千二百二十四隻、近海が一千三百二十二隻、母船式が一隻、そしてカツオ一本釣りで挙げる漁獲は四十一万七千トン、このうち遠洋が二十三万二千トンもあり、非常に大事な一本釣りカツオ漁業というものを守っていかなければならないということがわかっておりながら、海まき転換という問題等も出ておりまして、これは新しい漁業秩序ということにもなるのでしょうけれども、ぜひその認識について大臣の総括といいますか、それを最後にお聞かせをいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。 五項目と、その最後の部分を含めまして、大変時間が長くなりましたが、よろしくお願いいたします。
○亀岡国務大臣 わが国の水産業の果たしておる役割りというものは、一千万トンを超す漁獲高によって国民のたん白資源を供給をいたしておるきわめて重要な産業であるわけでございますけれども、先ほど来から御指摘のとおり、日本の水産業を取り巻く諸情勢は、どれ一つとってみてももう本当にむずかしい問題ばかりである、こういうふうに認識をいたしております。 特に燃油の高騰といういわゆる外部からくる問題と、それから二百海里という制度上からくる国際関係、これらをめぐりまして非常な悪条件にぶつかっておるわけでございますけれども、しかしやはりこの悪条件を一つ一つ克服をして、そうしてこの天から与えられておりますところのたん白資源というものを、太平洋あるいは大西洋あるいはインド洋等において、日本の漁業者の皆さんが本当に心血を注いでやってきておるこの状態を維持存続するような対策を国家としても考えていかなければならない、こういうふうに基本的には認識をいたしておるところでございます。 したがいまして、先ほど実は水産物の流通の問題御指摘あったわけでありますが、確かにいろいろな問題が起きまして、このことが一つの魚離れという問題の原因にもなっておるやにも思われる節もないわけではございません。こういうことは、いろいろな問題か起きますとどうしてもそういう方向に走りやすい。したがいまして、やはり流通上の信用というものを確保しなければならないということで、この点は私も就任早々、ああいう問題を未然に防止して、そして水産業界、水産物に対する国民の信用をまず確保しなさい、そうすることによってやはり価格の低迷と申しますか、むしろ消費者の理解、これだけの苦労をして、これだけの高い油を使ってとってくるのだからという、そういう消費者の理解で魚離れがないような方向にまず持っていくことが大事である、こういうふうに考えまして、水産庁に督励をいたしております。 いろいろ調査等も実施しておりまして、近くその結論が得られる、そしてこれから以降二カ月に一遍ずつは水産物の動向を十分に把握をして、そして流通面の指導を水産庁としても適正にこれを行っていく、こういうふうにしていくようにという指示もいたしているところでございます。 それから、かつて大きな船団を擁して捕鯨に行った日本でございましたが、いまや日本とソビエト、母船式捕鯨はこの二国に限られておる。国際捕鯨会議に臨みまして、何と申しますか鯨をとることが一つの罪悪のような会議になりかかっておるやに聞いております。したがいまして、私この問題につきましても就任早々、やはり鯨の資源としての、人類に与えられておるこの資源を活用していくという——これはもうキリスト教関係者は、私もいろいろ理由を聞いてみたのです。どうして日本が鯨をとるのに対してあんなに反撃が強いのか、こう聞きましたところ、鯨をとっておらない、鯨と全く関係のない国々の委員がやはり国際会議に参加をして、そして私の聞いた話でありますけれども、その会議の席上では、とにかく牛とか羊とか豚とかそういうものは、何か聖書に、これは人類のために与えられた食糧なんだからということを書いてあるそうです。ところが鯨はそれが書いてないということで、ああいういわゆる宗教的な方々の会議になっているという話も聞いております。 したがって、これが四分の三を超して、日本は鯨をとっちゃいかぬというふうになりますと、日本は母船式の船団は出すことはできなくなるわけです。したがいまして、この国際捕鯨会議で四分の一の数を確保するという消極的な姿勢じゃなくて、もっともっと、将来太平洋上に新興国家がどんどん出てくるわけでありますから、こういう関係の国々の同調を得て、そしてやはり日本の捕鯨という大事な仕事を守っていく、こういうような指示をいたしておるところでございます。 それから廃棄物の問題でございますが、この問題につきましては実は科学技術庁長官の苦労も十分理解できます。将来の日本のことを考えれば、これも政府として処理をしなければならないということはございます。しかしこれは相手のあることでございます。先ほど来申し上げておりますとおり、日本は太平洋で多くの漁獲をしていかなければならないということでありますから、絶対無理をしないという形で根気強く科学的な説明をして、そうして絶対に影響がないということを相手の国々の方々にわかってもらいませんと、これは感情問題になって、それこそ入漁料どころじゃない、漁獲そのものさえも非常な困難な状態に追い込まれるというようなこと等を考え合わせますとき、この点についてはやはり政府としても慎重な態度で相手の国の理解を得るという努力をいまいたしておるところでございます。 そのほか御指摘のありました点につきましては水産庁長官の方から答弁させます。
○今村政府委員 栽培漁業法案の検討状況はどうかと、こういう御質問でございますが、私たちとしましては、今後の栽培漁業の発展を図るためには、全体的な栽培漁業についての体制整備ということを考える必要がありますが、その一環として法制化についても検討する必要があると考えております。 ただ、法制化に当たりまして非常にむずかしい問題は、漁場の管理主体をだれにするのか、それから相当回遊性の強いタイのようなものについて、一体放流主体と受益者との関係をどういうふうに考えるのか。それからまた同時に、受益者負担というものを考えなければいけませんが、その受益者負担というものをどういうふうに考えていったらいいのかという、きわめてむずかしい問題がございます。これらの点については鋭意検討中でありまして、その具体的なめどがつきますれば可及的速やかに対処をいたしたいというふうに考えておりますが、現段階ではいつという期限を切ってこれを申し上げるような段階には至っておりません。 それからブロー法案の問題でございますが、ブロー法案につきましては、これはアメリカの法制でございますが、私たちとしましては、恣意的なフェーズアウト、それから不当に高い入漁料、それから実行不可能なオブザーバーの乗船というものについては反対であるということでアメリカの関係者に働きかけを行ったわけでございます。 当初ブロー法案のフェーズアウトは、七年ぐらいで日本の漁船を全部追い出すという制度法制化であったわけでございますが、最後の下院を通りましたときのフェーズアウト条項は相当に緩和されております。入漁料についても、相当な引き上げになりますけれども、経営的に成り立たないような水準にはしないという条項が入ってございます。それからまたオブザーバー乗船につきましては、従来よりも強化されますけれども、相当の例外規定が設けられるという形で下院を通過したわけでございますけれども、上院においてはこのフェーズアウト条項を否定いたしたわけでございます。 したがいまして、今後の扱いといたしましては、大統領選挙後に上下院の協議会が行われるわけでございますが、現段階において見通しを述べることはきわめて危険でございますけれども、今度の国会中にブロー法案が通過する可能性は相当減少してきたのではないかと考えます。 御指摘のように、こういうふうな考え方というものはだんだん強くなっていくということは考えなければいけませんが、しかしアメリカのブロー法案に見られるように外国船をフェーズアウトするというふうな思想はまだ諸外国は持っていないわけでございまして、こういう点につきましては、今後の海洋法がどういうふうになるかという問題ともいろいろ関連を持つ問題でございますが、われわれとしては漁場の安定確保という観点から、これらの問題についても十分よく留意をしながら対処をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○深作説明員 お答えいたします。 硫黄鳥島につきましては、本年二月二十日沖繩県知事より、伊江島補助飛行場の代替施設となり得るかどうかということの調査をするよう要請がございましたが、同島周辺の海域を漁場といたします鹿児島県等の漁業者の反対が強いものでございますから、現在調査をすることについて慎重に私どもの方で検討しているところでございます。
○新盛委員 大変時間を延長して御協力ありがとうございました。
○田邉委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後一時三分休憩 ————◇————— 午後三時三分開議
○田邉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。日野市朗君。
○日野委員 私は、きょうは水産問題について質疑をいたしたいと思います。 まず生産と消費の問題ですね、需要と供給の問題、こう言ってもいいのですが、最近の生産の動向を見る、また消費の動向を見てみると、その間にかなり大きいギャップがあるように思われます。生産もトータルにずっとながめてみますと、そう大きなでこぼこもないわけでありますし、沿岸あたりの生産を見てみると、むしろ漸増と言ってもいいかもしれません。沖合いなんかを見ますと、かなり生産は伸びているわけでございますね。しかし、遠洋ということになりますと、きょう午前中からいろいろ論議が出ておりましたいろいろな問題を抱えて、かなり大幅に減っているというようなことになるわけであります。 沖合い増というのは、イワシとかサバのまき網漁なんかによって大量にごそっととってくるわけでありまして、しかも、みんなで争ってとる、大量にとれるものだから魚価も安いというような状況も指摘されるわけであります。現在、日本の生産のかなりの部分をイワシとかサバとかそういったもので占めているわけでありますが、イワシとサバのこの点について、非常に争ってくるというので資源的な面でも一つ問題があるのではないかという感じがいたしますし、また、その魚価がかなり安くて、魚価が安いためにまた争ってとる、そうするとまた安くなるという悪循環を繰り返しているかにも見えるわけであります。 資源的な面と魚価を安定させる方法、これなんかについて水産庁はどのように考えておられますか。その点についてまず伺っておきたいと思います。
○今村政府委員 最近におきます漁業生産でございますが、二百海里の影響を受けまして御指摘のように遠洋漁業の生産は減少をしてきておりますが、沖合い漁業の生産が増加していることによりまして、四十七年以降大体一千万トン台を維持しておるのが現状でございます。 魚種別に見てみますと、スケトウダラが減っておるのに対しましてイワシ類が増加をしておるというふうに、魚種の構成の変化が見られるところでございます。また、近年イワシ、サバ類等の多獲性の資源の利用の比率が高くなっておりますが、その利用状況は大体満限に近くなっておるわけでございます。それから、マアジでありますとかメヌケ、ミナミマグロ等の一部の資源については、資源水準が低くなっておるという状況にあるかと思います。イワシ、サバにつきましては漁獲量の大部分が飼料用として使われるという形になっておりまして、食用に供せられる部分が非常に少ないということでございます。 それから、御指摘の価格の問題でございますが、産地価格につきましては、水揚げ量が前年をやや上回って推移をしておりますので、この秋以降の価格は前年に比べましてやや弱含みに推移をしております。小売価格でございますが、生鮮魚介ではイカなどの魚種が弱含みで推移しております反面、サバ等は強含みで推移をしておりますが、全体としておおむね前年並みの水準ではないか。塩干魚介については、タラコとかスルメ等が弱含みで推移していることもありまして、前年に比べてやや弱含みで推移しているというのが実情でございます。
○日野委員 一応、多獲性魚の場合は量的にはかなり生産は上がっているわけですが、それがすぐに食用として向かないというところは非常に悩みの多いところであろうかと思います。家計費中の食料支出総額に占める水産物の支出の伸びというのは、これは次第に低下をしている。しかもマグロだとかブリだとかエビだとかこういう高級魚種に対して食料支出が行われているということなんですが、大衆魚と言われるイワシだとかサバだとかこういうものに向かないで、嗜好がマグロだとかカツオ、ブリ、エビというような高級魚種と言われるものに向いている、その理由としてどんなふうにとられておりますか。
○今村政府委員 基本的には所得水準の上昇によります食生活の高度化と申しましょうか、そういう高級魚への選択の嗜好が強まっておるということが言えると思います。 全体として見ますと魚の消費は停滞ぎみでございまして、家計消費で見ますと対前年で生鮮魚介は九九%、塩干魚介は一〇四%ということで、塩干魚介の方が伸びておるわけでございます。これは最近の家庭におきましては、なかなか自分の家庭で調理をするということを不得意とするわけでございまして、塩干のように一応調理をしてあるという形の方がどうしても消費が伸びていくということでございます。魚の栄養価値については何人も否定をしないところでございますが、どうしても、若い家庭がふえるに従って家庭における魚の調理をした消費というものは敬遠されがちであり、若い家庭等におきましては肉類に嗜好が向いていくところが問題として指摘されるのではないかというふうに考えます。
○日野委員 確かにそういう傾向もございましょう。なぜそういった大衆魚なんかについての食糧としての需要が伸びないかという点についての御説明としてはそういうところになってこようかとは思うのですが、ただこれは、私こうやって数字づらをながめておりまして、非常に心にひっかかるものがあるわけでございますね。量としてはとれるのだ。しかし、量としてはとれるものの、それが食糧としては向かないものがいっぱいとれるというようなことになりますと、その間のギャップが将来の問題としてもかなり心配しなければならないところなのではなかろうかというふうに私も考えざるを得ないのです。 こういった供給と需要ということでございますけれども、この供給の方をきちんとやっていく、それから需要の動向というものもきめ細かく調査分析を行っていくというようなことが必要であろうかと思いますが、まずこの供給の関係を見た場合、果たして、現状のような沖合いがどんどん伸びる、ただしそれはイワシとかサバとか多獲性の魚でかなりの部分が占められているという点を考えてみますと、これは供給面から見た場合、それを家庭で消費しやすいような形にしていくというような加工業の部分などをかなり重視しなければならないのではないかというような考えも持ちますし、それから消費の動向なんかもきちんと一応つかんでおく必要があるというように思います。 それで、消費をつかむと言っても、これはなかなかむずかしいことですけれども、最近問題となっている外食産業であるとか、そういったものに対する調査などは行き届いておるのでしょうか。
○今村政府委員 供給は大丈夫かというお話でございますが、先ほど申し上げましたように、生産部面の魚種構成の変化というのがございますので、将来のことを考えれば、私たちはイワシ、サバの多獲性魚の有効利用を十分考えていかなければいけないと思っております。 ただ、現在とれておりますイワシを消費してもらうということ、全量を食用に消費してもらうということになりますと、十歳以上の方に一週間に四回イワシを食べてもらわなければ食用に消化できないという状況にあるわけです。したがいまして、これを生鮮の形で消費するということにはやはり限界があるので、これを加工して利用促進するということを考えなければいけないということで、スケトウのかわりに、かまぼこ等の原料にこれを利用するという、利用開発を促進しておるところでございます。御存じのように、味は比較的いいのでございますが、色が黒くて、別名くろぼこと言われるようなことで、消費がなかなかついていかないという点が悩みでございます。いずれにしましても、御指摘のように加工利用の開発を図りまして、家庭への消費がしやすいように今後その加工の利用につきましては特段の努力を払っていく必要があると思います。 それから同時に、消費の動向でございますが、消費につきましては、現在農産物の需給見通し等を行っておりますが、これと並行いたしまして私たちも需給の見通しを検討いたしておりますし、また短期的な需給の動向につきましては、特に今回、需給動向の調査を行いまして、二カ月に一度これを公表する等の措置を講ずることにいたしておるところでございます。
○日野委員 いま長官もお話ありましたが、加工業というのはこれからかなり注目をしていかなければならないところだと思うのですが、まず、この水産加工業について注目すべき点は、非常に零細な業者が多いということでございますね。しかし、これは零細な業者ではあっても、国の経済の中でかなり重要な部分を担っていることは間違いないところでございまして、この加工業がきちんとした仕事をやっていけるような手だてを国としても講ずべきではなかろうかと私は思うのです。 たとえば新しい加工品を開発してその普及を図るとか、いろいろな国民の食生活におけるニーズを先取りするとか、漁業協同組合との有機的な関連を持たせるとか、そういった施策が必要となってこようかと思いますが、いかがでございましょう。
○今村政府委員 御指摘のとおりであると思います。ただ、水産のときに一つ問題がございますのは原料供給の安定性という問題でございまして、この点は一般の食糧等とも違う非常な特異性を持っておるわけでございます。一つは原料供給をどのように安定的に行うかという問題と、それからもう一つはこれと並行的に技術の開発という問題であろうと思います。同時に並びまして消費の拡大という問題でございまして、御指摘のように、これらの点に着目して私たちとしては今後十分な努力を払ってまいりたいと考えておる次第でございます。
○日野委員 加工業に関しては、従来どうも水産庁の方としても余り関心を持つことが多くはなかったようなうらみがあるのじゃなかろうかというふうに思いますが、加工業、これは現在非常に零細であるというところ、それから原料の供給の不安定性、それからエネルギー費用の増大というようなことで、現在経営もかなり苦しくなっているわけでございますね。こういった点を総合的に、これからは積極的に水産庁としても取り組んでいくおつもりだ、このように伺ってよろしゅうございましょうか。 〔委員長退席、菊池委員長代理着席〕
○今村政府委員 水産庁におきましても、御指摘のような点の重要性を認識をいたしまして、五十四年に加工対策室を設置をいたしまして、これらの問題を鋭意解決する努力をいたしておるわけでございます。御趣旨のような方向で努力をいたしたいと考えております。
○日野委員 それから供給の見通し、これも非常にむずかしいところでございますが、単に量的な視点からばかりではなくて、質的な視点にも力点を置いてこれから見通しをきちんと立てていかなければならないだろうと思います。その際には、国内における生産、それから外国水域における生産、それから輸入、いろいろ問題は絡まり合ってくるわけですが、いずれにいたしましても、まず大事なのはわが国の周辺水域、ここでの資源特性に応じた漁業、それから資源管理、こういったことも必要となってくるでありましょう。 いずれにしても、水産物供給の見通しをばらばらに立てているということでは、これはいかにも心もとない話なのであって、供給見通しについて新しい手法を検討して取り入れていくというようなことを考えなければならないのじゃなかろうか、かなり長期的にも中期的にも見通しをきちんと立てるような手法を検討しなければならないと思いますが、いかがでございましょうか。
○今村政府委員 魚の場合には、これは非常に特殊性がございまして、計画的に幾らとってくるということがなかなかできがたいのでございます。これが栽培漁業のような形でございますれば、これを大体どの程度までに引き上げていくという計画的な実施ができるわけでございますが、遠洋または沖合い等におきます魚の漁獲数量を計画的に考えていくということはなかなかできがたい問題でございます。 しかし栽培漁業、沿岸、沖合い、遠洋それぞれにつきまして、その特性をつかまえながらそういう努力は積み重ねてまいらなければいけないと思っております。また、そういう努力を現在いたしておる状況でございますが、御存じのような魚の特性から見まして、これを的確に把握をするということはなかなか困難な実情にあるわけでございます。
○日野委員 まあ困難は承知なんでございます。困難はよくわかるのです。しかし困難だからといって、その場その場で場当たり的に作業をやっていたのでは、これは事が食糧の問題でございますので、場当たり的な対応ということは許されないと思うのですね。むずかしいことはよくわかりますよ。これは魚のことであります。しかし、これは水産物の供給の見通し等、きちんとした手法さえも現在は確立していないような感じがするのでございますが、いかがでございましょうか。
○今村政府委員 確かに、むずかしいからそのままにしておいていいというふうにはいけない問題でございますから、沿岸、沖合い、遠洋それぞれについて、中期的な需給の見通しや生産の見通し、またはこれに対する対策というふうな問題につきましては、現在研究会等においてもこれを取り上げまして鋭意検討をいたしておるところでございます。
○日野委員 水産問題研究会などができまして、その問題の一つの問題提起も行われているようでありますから、私はその手法をきちんと開発をしていくというようなことについて、水産庁にもっとそこいらのところは熱心にやっていただきたいということを希望を申し上げておきたいというふうに思います。 それから、需要と供給の両方の観点から見た場合、冷凍水産物の在庫など各種情報が整理されて把握されているのだろうかという点は、ときどき魚転がしであるとかそういった問題なんかと関連して疑問と感ぜざるを得ないわけなんでありますが、場外問屋だとか外食産業などの需給の状況、そういったものをきちんと把握するようなシステムはできているのでしょうか。
○今村政府委員 在庫の状況あるいは供給、需要の状況等をよく把握すべきであるという御指摘はそのとおりだと思います。 そこで私たちは、今般冷凍水産物の緊急調査事業ということを起こしまして、供給の状況、それから需要の状況、同時に在庫の状況等を二カ月ごとに調査して把握をする、同時に、そういう状況につきまして関係者等にお知らせをしまして、いたずらな需給の過熱が起こらないように十分留意をしてまいりたいと思います。 それから場外問屋の問題につきましては、来年度予算におきまして調査費を計上をいたしまして対処することにいたしておるところでございます。
○日野委員 この需給の問題に関して見ますと、それは供給の問題から現在の日本の水産業界の置かれているいろいろの問題が数多く発生しておりますが、その中で一つ大きなのは、やはり貿易の問題であろうと思うのです。 水産物についてはかなり多くの品目がAA品目になっている。そうしてIQ品目と言われるものは、イワシ、サバといったような大衆魚とか、日本の沿岸であるとか沖合いなんかでとれるようなものがこのIQ品目の中にかなり入っているというような状況が見受けられるわけであります。これはIQの制度として根本的な思想はわからないわけではありません、日本の生産者を保護していくというような観点があることはよくわかるのです。 しかし、きょう午前中新盛委員なんかもしきりに聞いておりましたように、外国からの輸入が日本の漁民を圧迫しているという、特にカツオであるとかマグロであるとか、そういったものはそういう現象が顕著に見られるわけなんでありまして、このIQ品目の検討をもう一度し直す必要があるのではないかというようにも思うのですが、いかがでございましょうか。
○今村政府委員 現在、沿岸、沖合い漁業者の主要な漁獲対象の魚種であるイワシでありますとか、サバ、タラとかスルメとかイカというふうなものにつきましては、IQ品目として保護をいたしておるわけでございます。しかしながら、わが国の水産業が非常に世界的に競争力があるという観点があったのだと思いますが、水産のIQにつきましては、そういう沿岸、沖合い漁業対象の主なものを除いて、大体自由化をされておるという状況にございます。 したがいまして、これをもう一遍IQに戻すということが可能であるかどうかということを考えてみまするに、現在のガット上の取り扱いといたしまして、一つ一つの品目を、たとえばある品目をIQに戻すということになりますと、当然に代償を支払わなければいけないわけでございまして、代償を支払うということになりますと、水産の関係のためによそのものを代償に出してもらうということは恐らく非常に困難でありましょうから、水産の内部で代償を出すということになりますと、これを代償に出し得るものは私のいまの考えではまずないということから考えてみますと、現在自由化された品目をもう一遍IQに戻すということはきわめて困難な問題ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○日野委員 これは非常にむずかしいことはわかるのですが、きょう午前中からの質疑に出たとおり、カツオ・マグロというような問題、この業界の問題は非常に社会問題化していると言ってもいいのではないかと思いますので、そのような考慮もすべきではないかというふうに私は考えているところでございます。 それで、このIQの品目を見てみますと、非常にばらつきといいますか、品目によってはIQ品目に入っていることが非常におかしいのではないかと思われるような事例も実は散見されるわけです。 私はここで特にイカについてちょっと伺っておきたいのですが、イカはことしは国内水域内でもどんどんとれている、そして外国からもどんどん入ってくるということで非常にだぶついておる。イカの価格が急に下落をしたというような状態でございます。そして、イカの漁業家はことしの夏は大分倒産が多かったというふうに私は理解をするわけでございますが、イカについてはどのようにお考えになっておりますか。
○今村政府委員 御指摘のように、イカは一年生のものでございますから、ことしの初夏から道東、三陸沖におきましてスルメイカが非常に大豊漁であったわけでございます。同時にまた、ニュージーランド等の海外漁場へ日本がとりに行きまして、ニュージーランド沖からのイカの搬入も例年よりも多かったという状況で、御指摘のようにイカの値段が非常に下がりまして、困った事態に相なったわけでございます。 私たちといたしましては、こういう事態を踏まえまして、イカの輸入につきましては上期の割り当てを全くゼロにいたしたわけでございます。下期につきましても割り当ての数量はできる限りこれをしぼり込むことにいたしたいと思っております。同時にまた、イカの価格が安かったせいもありまして消費は相当伸びたわけでございますが、今後は、イカの漁期も一応終わった状態でございまして、価格の方も若干上向きの状況に相なっておるわけでございます。 私たちは、そういうIQの割り当てとあわせて、価格の低落に関しましては全漁連によりまして調整保管事業を実施いたしておるところでございまして、イカの価格の安定につきましては私たちとしてはできるだけの手を打ったつもりでございますが、全体としてイカの非常な生産の過剰という形で、価格の低迷、経営が非常に圧迫されたということはまことに残念なことであったと思いますが、経営安定につきましては経営安定資金及び燃油資金の融通等によりまして、さらに対処をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○日野委員 イカについてもう一点伺っておきますが、ニュージーランドのイカ漁なのでありますけれども、これは非常に高額の入漁料をニュージーランドから要求されたということで、遠洋イカ釣り漁業はいま出漁すべきなのかどうかということで非常に迷っているやに聞いております。またニュージーランドの方は、日本の方で来るなら来ると早く言ってよこせ、そうでなければ外国に割り振ってしまうぞというふうなことまで言われているのだというようなことも仄聞するのですが、こういう事態について水産庁はどのように取り扱い、どのように指導をされるのでしょうか。
○今村政府委員 昨年のニュージーランドヘの出漁のときには、燃油価格も相当上昇しておりまして、私は余り元気を出してニュージーランドへ行くことはいかがなものであるかということを業界にも言ったわけですが、なかなか私の申したことを聞きませんで、大挙してニュージーランドに入漁いたしたわけでございます。そうして非常に豊漁であって皆喜んだのですけれども、日本へ持ってきて揚げれば当然に値段は下がるということで、ことしの初めからイカの値段が下がり始めた。そこへ持ってきて先ほどのように近海における豊漁が重なったということでございます。 したがいまして、今期におけるニュージーランドの入漁につきましても、私は、業界としてよく話をまとめて入漁をすべきものであって、いたずらに入漁することがいいというふうにも思っておりませんが、現在業界内においてどういうふうな入漁をしたらいいかということにつきまして鋭意相談をいたしておるところでございますから、その結果を待ちたいと思っておりますが、日本のニュージーランドに行きます合弁その他が急激に減れば別でしょうけれども、現在のところ、日本が来なければほかに渡すとかなんとかというふうな話はニュージーランドからは余り来ておりません。
○日野委員 イカの問題も、日本で何でことし急にイカがとれ出したのかという資源の面などについても、まだまだわからないことが非常に多いようですね。本当は、私はこういった資源的な調査などももっとじみちにきちんとやってもらいたいと思うのです。そうすれば、去年イカ釣り船が大挙してニュージーランドへ押しかけるというふうなこともなかったのではなかろうかというふうな感じも実はするわけであります。 それから、外国から輸入する水産物ですね。IQをどのくらい割り振るとか、AAのものではどのくらい入れるとか、これは通産省と水産庁との間で年に二回、上期と下期というふうな打ち合わせをしておられるようですが、私はこれはもっとふやすべきではないかというふうに思うのです。もっときめ細かくそこらの打ち合わせをやって、需要に応じた供給が図られるような体制をとるべきだと思うのですが、御感想いかがでしょうか。
○今村政府委員 水産資源の問題は、御指摘のようにわからない部分が非常に多うございます。イカがことしなぜああいうふうにとれたのかということのいろいろの理由もあるのですが、冷害のときには水温の関係でイカがわくというような話もあったり、イワシ、サバは御存じのように数年前までは二十万トンくらいしかとれなかったものがいま百何十万トンもとれる、もうそろそろ限度じゃないかということも言われておりますが、依然としてとれるということで、非常に未開発の分野であることは確かでございます。 水産庁におきましても研究がございまして、それぞれ水産研究所を配置をして鋭意努力はいたしておるわけでございますが、そのような未開発の、まだまだ検討、研究を要する分野が多いわけでございます。これについて今後とも鋭意努力を重ねていきたいと思っております。 それからIQ物資について、年二回の割り当てではなくしてもう少しきめ細かくやったらどうかというお話でございますが、それはそうすることも考えられるわけでございますけれども、やはり年二回くらいに分けて需要の動向を見きわめませんと、たとえば三カ月に一遍ということになりますと、そのときどきの調整のチャンスはわりあい何回もあるわけでございますけれども、需要を一定期間見きわめるというふうに考えますと、どうもいまの年二回くらいが適当なのではないかというふうに私は思っておるのでございます。
○日野委員 割り当てについての打ち合わせ、それから海外におけるいろいろな資源の状況、国内の需給、そこらのためにできるだけ通産省との間できめ細かい打ち合わせを遂げていただきたいという私の希望は一応申し上げておきたいと思います。 それから、需要と供給の関係、流通の関係等、これを見ますと、かなり場当たり的にその都度その都度の対応をせざるを得ないような状況下で現在仕事をしておられるわけでありまして、そのこと自身私は非常に御苦労なことだというふうにも思います。しかし、それと同時に、需要とか供給とかをきちんと見据えて将来を展望するというような形で、この辺でやはり漁業について基本法をきちんと制定をするというような方向に向かって進まなければならないのではないかというふうに私思うのですが、いかがでしょうか。
○今村政府委員 長期的な観点に立った需給の検討、あるいはまたそういう観点に立った仕事のやり方の必要性ということは御指摘のとおりであろうかと思います。 ただしかし、私たちもそういうことを心がけておるわけでございますが、農業と違いまして、農業の場合は、土地は動かないし、また農業者自身もそういう動かない土地を相手にして何千年来生活をしてきたという特性を持っておりますが、水産の場合は魚を追っかけて生活するといいますか、そういうなりわいを何千年来続けてきたという違いがございまして、なかなか思ったようにいかないのでございますけれども、方向としては御指摘のような努力を積み重ねていくべきものであるし、またそういう努力をいたすつもりでございます。 農業基本法のようなものをつくるべきではないかというお話でございますが、御承知のように現在水産には沿岸漁業等振興法がございまして、これが基本的性格を持っておると思っております。沿岸、沖合いにつきましては大体その基本的な考え方というのか盛り込まれておるわけでございまして、遠洋につきましては、これはやはり漁業外交といいますか、海外漁場の確保、それから漁場の開発ということが基本的な柱でございますから、そういう方向に即して努力をしていくということではないかと思います。したがいまして、現在の段階で基本法を制定するという考え方は持っていないのでございます。
○日野委員 沿振法という法律、これは基本法的な役割りを果たしていることは私も十分よく理解できますが、沿振法で何をやるかというような、ここに挙げておりますものをずっと見てみましても、現在の複雑な水産問題を網羅し切れるものではないというふうに思いますので、いま長官は漁業基本法のようなものはいまのところ必要ないというようなお口ぶりでございますけれども、これはぜひとも検討日程に上せていただきたいというふうに思います。 きょうは時間がありませんで、まだ三分の一ぐらいしか聞いてないのにそろそろ時間が迫ってくるというような状態ですので、この点はまた後で議論をするというふうにいたしたいと思います。それから、恐縮ですが、答弁をもう少し簡潔にお願いできると私の方も助かります。 怠業を支える部分として、私はこういった漁業関係に働いている労働者が本当に勤労意欲を持って自分の職務に従事できるような体制をつくり上げていく、これもまた一つの大きな観点であろうかと思うのです。それで、私の手元に漁協の従業員ですか、労働者の労働条件についての調査報告書という非常にりっぱなものがございます。これをおつくりになったのは水産庁協同組合課でございまして、昭和五十年の十月にできました。 これを見てみますと、これは非常によくできた資料だと思って私感服しながら拝見したのでありますが、その「総括」のところにいろいろな問題が記載してあるわけでございます。それを一つ一つやってまいりますと時間がありませんし、詳細なことはもう水産庁で篤とおわかりのことと思いますので詳細は省きます。 ところが私、現状の漁協を見ておりますと、漁協の労働者というのはレポートで指摘されたような事態がいまだに改まってないと思う。現実に私も海辺に住んでおりましてよく知っておりますから、見て、改まってないなあとつくづく思うのですが、どうでしょう、第二次のこういう調査をもう一回やって現状を把握してごらんになる、そしてここの報告書の「総括」で指摘されたような事態が現在進んでいるとしたら、それを指導することによって直させるというようなお考えはお持ちになりませんでしょうか。
○今村政府委員 来年度は五十年の調査に引き続いて二次の水産業協同組合職員労働条件調査を実施するつもりでおります。それから、これは労働条件の問題ですから基本的には労使の関係になるわけでございますけれども、私たちとしましては、一つは、基盤であります漁協の体質の強化、それから労働条件等につきましては全漁連等を通じまして所要の指導をいたしたいと思っております。
○日野委員 この調査報告書を拝見いたしますと、中には休日さえも満足にとれないという事態が報告されておりますね。それから就業規則の中なんかでも給与規定が非常に不備で、本当は基本給に入るべき筋合いのものまで手当という形で支給して、そして退職金であるとかボーナスのときの基本給を低く抑えて算定の基準にするというような、これは私かなり労働基準法に違反すると見られるような事象すらずいぶんあるように思うのですが、労働省あたりはこの報告書を勉強してみられたことがあるのでしょうか。 それから現在の漁協の労働者の労働条件についてどのようにお考えになっておられましょうか。
○小村説明員 お答え申し上げます。 労働省といたしましても、先ほど先生御指摘の報告書というものは承知しておりまして、私どもおよそ三千人の労働基準監督官というものが毎年事業場を回っておりますが、その重点を決める際の重要な参考資料ということで利用さしていただいております。
○日野委員 どうですか、労働基準法違反ではないか。特に休日に関する点なんかは、休憩時間なんかについてはずいぶん問題があるようです。こういう点について実際に調べてごらんになって勧告を出したなどという例はございますか。
○小村説明員 御指摘の報告の中で休日がないということも、私ども報告書を見ただけで若干読み切れないところが実はございまして、これは基準法上の三十六条の手続をぴしっとやった場合は適法にできる、その辺のところがちょっと報告の中では読み切れない部分がございます。 ただ、個々の漁協につきましての個別監督事例というものは、いま手元に資料は持ってございませんが、ございますし、また非常に問題があるということで漁協で働いている方がそのことを私どもの方に御指摘いただければ、申告と申しておりますが、これは最優先にそういう漁協に回りまして指導を行うということで対処しておるところでございます。
○日野委員 漁協の労働者というのは、漁協というのは従業員が非常に少ない、それから縁故採用が多いというようなことでなかなか申告までいきません。われわれも気がついたらこれはお知らせするようにしたいと思いますが、ぜひそのところは注意しながらひとつ漁協なんかの事業所を見ていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。いずれまたこの問題については時間をとってやりたいと思います。 それから最後の質問をいたしたいのですが、これも非常に大きな問題でございますが、現在水産業界で漁業経営安定対策中央本部というところがございますが、これは業界みずから自主減船を実行するというような方針を打ち出しているようでございますね。そしてこの自主減船については、どうやら水産庁も非常に乗り気のようであって、概算要求の中に十億ぐらいを出しているかに聞いておりますが、これをやられたら、残った船は一体どうなる、それからここで離職する船員たちはどうなる、それに対する対策を水産庁では考えた上でこの業界の自主減船を認めるという方針を打ち出して、予算の概算要求などを出しておられるのでしょうか。いかがですか。
○今村政府委員 自主減船に伴います漁業離職者の雇用対策につきましては、御存じのように漁業再建整備特別措置法、雇用対策法に基づきましてそれぞれの対策を講じているところでございます。 水産庁としましては、まず漁業経営の維持安定を図ることを基本とするわけでございますが、自主減船が行われるような場合には、一義的には他の漁業に配置転換ができるように指導をしてまいる所存でございますが、離職者が発生した場合には、それぞれ労働省、運輸省と協議をいたしまして、いま申し上げたような法律に基づく職業転換給付金の支給でありますとかあるいは就職指導の措置が講ぜられるよう努力をしてまいっておるところでございます。
○日野委員 離職したら職安に行けみたいな話をされたって困るのです。船員なんというのはおかに上がったってなかなかつぶしがききません。そういう水産関係の職場、これをきちんと確保できるような体制をとってからそれに伴う予算措置などなさるべきものなのであって、そこいらをきちんとやらないでおいて、これは仄聞、どうも口の悪い人が言うことですからどうかわかりませんが、鈴木内閣に対する御祝儀じゃないかなんということを言う人までいるわけでございまして、私はこういう水産庁のやり方に対しては非常な不満を感ぜざるを得ないのです。 水産庁としてはきちんとした、離職する漁船員に対して何か対処する方法、方策、それをお持ちですかお持ちでありませんか、ずばり聞いておきます。
○今村政府委員 現在自主減船が問題になっておりますのはカツオ・マグロでございまして、それから北海道沖に関連をいたしまして問題になりますのは以西の減船でございます。 カツオ・マグロの減船に伴う離職問題につきましては、三者の協議によりまして、これについてどういう対応をするかということは漁船同盟とそれからカツオ・マグロそれぞれの業界との申し合わせができておるところでございまして、水産庁としましてもこれにオブザーバーとして加わって、今後もし実施されます場合におきます適切な指導に努めてまいりたいと思っております。 以西の減船につきましては、これは私たちも何回も漁船の関係者の意見を聞いたところでございまして、経営者側においても最善を尽くしてその業界内の雇用を図るということを申しておりまするし、今後その減船が進みます過程において、以西漁船組合等につきましても、私たちは十分その点に留意して指導をするということを申し上げておるところでございます。
○菊池委員長代理 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。安井吉典君。
○安井委員 日韓漁業の規制の協定に関する私の質問は細切れになってしまって、いろいろな都合がありましてそうなってしまったわけですが、あとわずかの時間いただきまして、大臣がおいでの際に一つだけ伺っておきたいわけです。 午前中にも申し上げたように、この協定による北海道漁民の中の一種の安堵感、それと同時にかなりの不満感があるわけであります。そういう中で、補償の問題が出ています。これは補償という言葉が適当かどうかわかりませんけれども、たとえばこれまでの韓国漁船による漁具被害が七億二千万円もある。そのうち補償として払われているのが一億七千万円ぐらいしかない。あとまだ取りはぐれになっている。しかも、これからは余り被害はないとは思うのですけれども、しかしやはり出る可能性があるということは、午前中も指摘したとおりであります。 ですから、これへの国の完全補償ということはなかなかむずかしい問題もあると思いますけれども、網がずたずたになったその漁民に対して漁業団体が、補償金が賠償でくるまでにはかなり時間がかかるわけですから、その間無償で貸付をする、そういうような資金プールに対して国が助成をする、それくらいのことはできてもいいのじゃないかという要求があります。 それからもう一つは、今度の漁業協定の締結に伴いましていろいろな出費が出てきやしないか。たとえば安全操業上漁具をそこに敷設しているというようなことを向こうに通報したり、あるいはまた夜間操業が行われているとか、そういうような通報もすることによってトラブルを避ける。そのために無線局を増設をする、そういう新しい協定を完全に実行するために必要な出費。何でもかんでもというわけにいかぬでしょうけれども、具体的には無線局の設置ぐらいに対しては助成があってもいいじゃないかというような声もあるわけです。これについてひとつお答えをいただきたいと思います。
○今村政府委員 今後の安全操業問題については午前中にお答えしたような方向で対処してまいるつもりでございますが、それに関連していろいろと起こり得る問題については、私たちといたしましても安全操業の話の進みぐあいとあわせて北海道庁の意見も十分聞きながら対処してまいりたいと思います。 先ほど御指摘の漁具被害の問題については、すでにいま制度として低利融資、北海道の上乗せ利子補給によって無利子の金を貸し付けておるという事情もございますし、また無線局の設置といいましても、どうもセンターを設置したいということでありまして、直ちに北海道沖の操業問題と関連しての必要性があるものかどうかというところにもいろいろと問題があるのではないかと思っております。 と同時に、決して国が金を出すのをいやがるという意味ではございませんが、北海道及び北海道庁においても、これが円滑に実施されることは道の利益にもつながるわけでございますから、これらの点も考慮してもらう必要があるのではないかと思っておるわけでございます。 いずれにしましても、今後安全操業問題の話し合いの過程で道庁等とも十分協議しながら検討してまいりたいと考えております。
○安井委員 大臣、いままで三年有余にわたって荒れるままに任せてきたということなんですね。今回かなりの御努力で一応の決着を見たということになるわけですけれども、それまでの被害は、物の上において、心の上において非常に大きいものになっているわけです。こういう中で新しい秩序ができるわけだが、その中においても不満が絶えないというような状況にあるわけであります。 したがって、私のいまの質問に対して長官からそういうお答えがありましたけれども、私はここで何に対してどうしなさいというお答えをいただくつもりはありません。これから北海道庁なり漁業団体なりから具体的ないろいろなお話が大臣のところにもいくと思うのです。そういうものを十分お聞きをいただきながら、私がいま申し上げましたようなそういう事情に対応できるような御措置をひとつやっていただきたいと思うのですが、どうですか。
○亀岡国務大臣 多年懸案であった日韓漁業関係の問題が一応の決着を見ることができたわけであります。お互いの主張を譲り合って合意に達したということでございますので、両方に満足というわけにはいかぬ点もあろうかと思います。したがいまして、今後日韓漁業問題につきましてはやはりとことんまで話し合って、お互いに約束したことはきちんと守って、信頼関係をさらに確立をしていく、そういう中で不安のないお互いの漁業ができていくようにしていかなければならぬ、こう考えます。 したがいまして、私どもは東京におるわけでございますし、現に漁業関係に従事しておられる方々の御意向というものは十分聞いていかなければなりませんので、これからも農林水産省といたしましても、また水産庁といたしましても、現地の意向というものを十分把握をした上で、適時適切な施策をとってまいる、これはもう当然であろうと思っております。
○安井委員 日野君の時間はもうなくなったそうですから、あとはもう質問はやめますが、ただ最後に申し上げておきたいのは、科学的な資源量の調査や資源をもっとふやすというような対応策が、いままでの三年有余のあのあらしの中で非常に重大になってきていると思います。それらの措置を十分にやるべきだということ。 それから、沿岸と沖合いを含めた一つの漁業秩序がいままであったのが、韓国漁船というものが入ってくることによって崩れてしまって、しかも今度の協定の中でも崩れっ放しの部分がかなりあるわけですよ。ですから、もう一度沿岸対底びきというものの漁業秩序の乱れができないような適切な指導が必要だということ、これが第二点。 それから第三点には、最終的な解決は、三年間はこれで一応いくのでしょうけれども、やはり二百海里の漁業水域法の適用ということでなければ最終的な決着にならぬのではないか、そのこともぜひ将来の問題としてお考えを願いたいということ、この三点だけ申し上げて終わります。
○菊池委員長代理 武田一夫君。
○武田委員 最初に、急に質問通告して御迷惑をかけましたけれども、通産省それから厚生省がおいでになっていると思いますので、ディルドリンの汚染問題についてちょっとお伺いいたします。 けさテレビを見ていましたら、この問題がまた瀬戸内海で問題になっておるようであります。ことしの六月にも何かこのことで新聞等に書かれた形跡がありまして、このディルドリンというものは五十四年ごろあるいは五十三年の暮れから瀬戸内海を中心として何か問題を投げかけているようですから、それ以降どうなっているかというのをまずお聞きいたしたいと思いますが、まず第一番目に、ディルドリンというのはどういう性格の薬であって、現在どういうところで使用されているものか、この問題についてお答え願いたいと思います。
○山内政府委員 ディルドリンは有機塩素系の物質でございまして、従来果樹等の殺虫剤として使われたわけでございます。しかしながら、毒性と残留性が非常に高い、こういうことから昭和四十六年ごろから残留性農薬として指定されまして、四十八年から農薬としての登録が失効されて現在使われてないわけでございます。しかし、現在農薬の問題はともあれとして、シロアリの駆除剤等として使われている、こう伺っているわけであります。
○武田委員 次に、汚染の経過と現状、それから被害の状況がわかっていたらちょっと聞かせてください。
○山内政府委員 実はことしの春先、環境庁の方からディルドリンの含有量が異常に高い、こういう通知を受けまして、わが方といたしましてことしの三月から八月にかけましてイガイの生産県につきまして再度調査を行ったわけでございます。その結果、ディルドリンの残留している海域といたしましては瀬戸内海が中心である、これが判明いたしまして、瀬戸内海の中でも徳島県、兵庫県、香川県愛媛県、こういう県が程度の差はあれディルドリンで汚染されている、こういうことでございます。 イガイの生産関係につきましては、愛媛県を除きましては自家用であるとかあるいはごく近隣のところに出荷する、こういうかっこうで漁業経営上それほどの大きなウエートは持っていない、こう理解しているわけでございます。愛媛県につきましては汚染の関係が非常に薄い、こういうことでございまして、調査の結果、水銀等と同じように殼長が長いほど汚染されている。要するに数年の寿命でございますが、長く生きているものについては現在の決められました基準値以上になる、こういうことから、愛媛県につきましても大半のところは救われるのではないか、こう想像しているわけでございます。したがいまして、漁業関係の被害といたしましては、推定でございますが約三千万程度がこれによって被害を受けるであろう、こう考えているわけでございます。
○武田委員 汚染の因果関係をどういうふうに見ているか、その点どうぞ……。
○山内政府委員 現在、ディルドリンで汚染されている海域等がようやく判明したわけでございますが、農薬関係が四十六年以来禁止されている、こういうことから、汚染の経路がどうなっているかという問題につきまして関係省庁と相談しながら今後検討していきたい、こう考えているわけでございます。
○武田委員 これはイガイというものに大変あるというのですが、それ以外の魚介類はどうですか。
○山内政府委員 先ほど申しましたように、イガイの生産量は非常に少なかったわけでございますが、その他の魚介類につきましてディルドリンが残留しているということであれば大きな問題である、こういうことから、関係各県につきましてそれ以外の魚介類につきまして全部調べましたところ、イガイ以外につきましては残留ゼロ、こういう結果が出て、安心しているわけでございます。
○武田委員 これは健康への影響はないものかどうかという調査、それからあと魚介類にも、イガイ以外にいろいろとたくさんありますけれども、農薬の残留基準を設定するということを検討していないものかどうか。五十五年の六月に厚生省と何か話し合いをして、今後相談していろいろと検討していくということを新聞等で私伺った記憶があるのですが、その後の経過を踏まえて、こうした問題はどうなっているか、厚生省も含めてひとつ御答弁いただきたいのです。
○山内政府委員 健康問題につきましては厚生省の方かちお答えいただくことにいたしまして、実はディルドリンの残留等の問題につきまして、イガイが非常に大きなウエートを占めるということから、その基準を一体どこに定めるか、こういう問題につきまして、実は魚介類について、なかったわけでございます。したがいまして、厚生省と相談いたしまして、いかばかりの規制値以上のものは採捕してならないか、こういう問題についてこの春先から相談してきた、これは事実でございます。 その他の問題につきましては、健康等の問題につきましては厚生省の方からお願いしたいと思います。
○瓜谷説明員 ディルドリンの毒性等についてでございますが、イガイの残留濃度が思っていたより非常に高いということでございまして、これを、FAO、WHOの合同専門家委員会におきまして一日許容摂取量をすでに設定してございます。これと比較してどうかという問題でございますが、現在、徳島県等で〇・七六というような高い数字が出ております。これらのものを毎日大量に摂取すれば健康に影響があるであろう、ADIと申しますか、一日許容摂取量等勘案しまして影響があるであろうということを考えまして、実は本日〇・一PPMという数字を示しまして、全国に通知いたした次第でございます。
○武田委員 ディルドリンというのは非常にPCBによく似た性格を有していると聞いています。とするならば化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、いわゆる化審法、こういうものに基づいた特定物質に指定しながら、輸入あるいはまた製造、販売、使用禁止なども検討しながら、今後の課題としていく必要があるのではないかと私は思うのです。この点については、これは通産省でしょうか、どうでしょうか。
○小林説明員 環境庁から数値の連絡をいただきまして、私どもの方でもこれの試験の準備を始めたわけでございます。 ただこの物質、水に溶けにくいというような、試験は非常にむずかしいところがございまして、現在その予備試験をやっているところでございます。現在その試験を継続中でございまして、この結果のいかんによりまして必要な対策をとりたいと考えておる次第でございます。
○武田委員 このイガイの出荷規制についてどう考えているか。これは厚生省の方かな、農水省かな。
○山内政府委員 本日付をもちましてイガイ関係につきまして厚生省から規制値が示されたわけでございますから、わが方といたしましても各県に通達を出しまして、基準値以上のものにつきましては生産それから出荷の自主規制、こういうかっこうで呼びかけているわけでございます。したがいまして、県もこの方針に従いまして出荷規制あるいは採捕の規制、こういう問題がきょう以降行われる、こう考えております。
○武田委員 そうなると、三千万相当の被害が出ているとなると、因果関係が明らかになったときに当然国はそれなりの補償ということも心配しなくてはいけなくなってくるのではないか、こう思いますが、この点どうですか。
○山内政府委員 一般的に申しまして、いろいろ農薬等によりあるいはその他水銀等によって被害を受けた漁業者にとりまして、補償、こういう問題は大きな問題でございます。従来とも、原因者が挙がった場合、補償要求をして原因者から補償をとる、こういう筋道でございます。しかしディルドリンの問題につきましては、現在、どういう経路で汚染されたのか、原因者がだれであるか、こういうことが不明であるわけでございます。この問題につきまして、関係省庁とよく相談しながら原因者等につきまして突き詰めていきたい、こう考えているわけでございます。 補償等は別の問題といたしまして、漁家といたしまして非常に経営的に打撃を受ける、こういう漁家につきましては、金融措置等をもちまして当座をしのいでいただく、こういう考え方、そういう方向で指導していきたい、こう思っているわけでございます。
○武田委員 この間私瀬戸内海へちょっと行ってきました。非常にきれいな海で、玉野栽培漁業事業場を見てきたのですが、それで帰ってきたらこういう問題がありまして、これは大変なことだな、漁場の汚染は相当深刻だなと思うにつけて、やはり原因究明の上、その対策を十分に講じて今後の対応を考えてもらいたいと思うのです。またこの問題は後日、いろいろと状況がわかり次第お尋ねしたいと思いますので、よろしくお願いします。 それでは次に、漁業一般の質問に入ります。 先ほども日野委員から話がありましたけれども、漁業経営が最近は非常に厳しい。燃油が相当高騰して、とってきた魚が非常に安いというのはカツオ・マグロ、イカ等あらゆるところにあらわれるわけでありまして、経営者は非常に苦労している。この間もカツオ・マグロの業を営む方々が大変心配なさいまして、各関係機関に経営危機突破のための要望をいろいろとしてきた。皆さんのところにも行っていると思うのですが、私たちも、全国各地の漁業に従事している方々から様子を伺いますと、非常に深刻であるということを改めて実感としてつかんできました。 そこで、特に心配なのは油の問題であります。調べますとずいぶん高いということ。昨年から比べると相当な値上げであって、今年に入っても相当高値が続いてきている。A重油などを見ますと、昨年の二月と今年の二月、調べてみると大体二・七倍も上がっている。一キロ当たり二万七千円がことしは七万二千九百円ですから、相当な値上げです。また九月の実態を見てもやはり五万五千円、六万三千円、まあ九月、八月多少下がっているようですが、しかしながらこの油の値上げというのは異常なように思います。 そのために一航海にかかる経費というのは相当なものであるということでありまして、ちょっと聞いたところによりますと、カツオ・マグロなどでは、一航海四千万程度で間に合ったのが最近はもう九千万くらいはかかるということでありまして、これは非常に大きな問題だ。しかも、全体の経費の三〇%が燃油として必要であるというような状況、こういうことを考えますと、この問題をいまほうっておくわけにはいかない。しかも魚が非常に資源が少ない。たとえばカツオ・マグロなどは、そのせいかどうか航海が長い、いわゆる滞在期間というのが非常に長いというだけに、その分の経費もままならないということです。 そういうような状況を考えて、燃油の問題についていまどういうふうな対応をしておるのか。最近では、マグロ漁船でしたか、多可丸というのが八月でしたか経営不振で倒産という憂き目に遭っているわけでありまして、こうした経営者の窮状というものを打開するための適切なる対応というものをまず水産庁に伺いたいと思うのであります。
○今村政府委員 御指摘のように、燃油価格の高騰は漁業経営を非常に圧迫をしておる状況にございます。最近は若干の下がりは見られますけれども、それでも六万六、七千円というふうな水準でございまして、この問題は御指摘のように漁業にとりましては大問題でございます。量的な確保は私は一応大丈夫だというふうに思っておりますが、問題は価格でございます。 私たちとしましては、燃油価格につきまして低利融資をするということで、本年五百億、来年は予算要求としましては一千億の要求をいたしておるところでございます。これについて、特別価格を設定をして安く供給をすべきではないかという御意見がございますが、御高承のように低利融資そのものにつきましても、これは水産の特性に着目をして実施をいたしておるわけでございまして、補助金を出してこの燃油価格を引き下げるということになりますれば、事水産のみにとどまらない問題でございまして、これは非常な問題を含んでおるのではないかと思います。 そのほか税金その他のいろいろな問題がございますが、幸いにして自民党内部におきましても、A重油の小委員会を設けましてこの問題について党としてどのように取り組むかということを御検討をいただいておる段階でございまして、私たちとしましても、その御検討に即応して、今後できるものについてはこれを実施をしていくというつもりでおりますけれども、補給金を出して燃油価格を引き下げるということについては非常に大きな問題を含んでおるというふうに理解をいたしておるわけでございます。
○武田委員 ただ、非常に大変な状況でございますから、問題は、もし解決する道として検討しながら改善していく道があるならば、検討しながら対応していく賢明な方策をひとつ御検討いただきたい、こう思うわけです。 それからイカなどでも同じでありまして、イカなどでもやはりいままで四万四千くらいなのが七万三千くらいだ。しかもイカが大体一匹当たりの値段が、かつて百五十五円が七十三円くらいということで半分くらいで、片一方は倍上がって売る物は半分以下ということですから、四倍という単純計算すれば大変な状況です。しかも、こういう方々の経営といいますか、収支状況あるいは自己資本等を見てみますと、これは非常に悪いわけですね。 たとえばイカ、こういうのを見てみますと、収入の中での燃油代というのは約二七%から三〇%をとっている。それから漁業支出の中に占める割合もやはり二三%から二六%ぐらいだ。それから遠洋まき網などではこれは三一%ですね、このデータによりますと、五十三年です。それから北部太平洋のまき網などでも二二%というのが収入の中に占める燃油の割合です。漁業支出に占める割合を見ますと、遠洋まき網でもやっぱり二五%、北部太平洋のまき網でも一八%近くかかる。ですから大体二〇%から三〇%という五十四年八月十日の資料ですね。 それから自己資本等を見ましても、ほかの産業と比べて、他産業が平均一四%台なのに大体一〇・三%というのですから、これは非常に大変な中で、しかも大体平均して一億以上の負債を背負っているというような一連の状況を見ますと、これは相当大変で、農業も大変な現実ですが、こういう漁業の中の環境の厳しさをやはり相当思い切って救済していかなければ、先ほど申し上げた多可丸のような倒産ということによる不祥事が起きるということは目に見えていると思うわけでありまして、ひとつ十分なそういう問題点の解明の中で対応していただきたい、こういうふうにお願い申し上げます。 そこで、魚価がそういうふうに非常に不安定であるということで、魚価の安定ということに対する対応ですね、いまどういうことをしているか、その点伺っておきます。
○今村政府委員 魚価の安定につきましては、豊漁等によりましてその価格が著しく低落した場合には、生産者団体がみずから漁獲物の調整保管を行いまして、市場への流通量を調整する水産物調整保管事業の実施によりまして価格の安定を図っているところでございます。
○武田委員 そういうものによってたとえばイカあるいはマグロ等の皆さん方が心配しないような、そういう対応として効果が上がっているのかどうか、その点はどうなんですか。
○今村政府委員 それによって魚価を一定水準に必ず安定をさせて漁業者が安心してやっておる効果を発揮しておるかといえば、私はそうはなってないと思います。 これは水産物について魚価安定制度を仕組むときの基本的な問題でございますが、農産物のように品質がある程度画一性と申しますか、平均性といいますか、そういうものがあるわけではございませんで、魚価につきましては、同一の魚種をもってしましても品質、鮮度等により非常に価格差があるわけでございます。それから漁具、漁法等によりましても同一魚種を目的とする漁業のコストの差が非常に大きいわけでございます。それから、基本的な問題は、一体需給の調整というのは可能であろうかどうかという問題でございまして、農産物のように動かない土地の上において生産をしておるということでありますならば需給の調整というのは可能でございますけれども、水産の場合には需給の調整というのは非常に不安定な状況にあるわけでございます。 そういうことを踏まえまして農業のような価格安定制度を仕組み得るかということになりますと、私はこれは非常にむずかしい問題を包含をいたしておると思うわけでございまして、残念ながらそういう点で水産物関係についての魚価安定制度というのは農業に比較して未整備な状況にございます。
○武田委員 一つの流れを見てみますと、昭和四十五年ごろから今日まで魚価とA重油の価格の推移をグラフで見てみますと、大体四十六年ぐらいから四十八年ぐらいは多少もうかっていた。要するに値段がわりと上り坂、油は少し落ちついていた。第一次石油ショックのころから油はぐっと上がって、魚価が上がっていても油に及ばない、そういう線を描いている。要するにもうかって損して、またもうかって損しているというような、この図で見れば、たとえば魚価が上に行って油が下、こういうような何か周期的に、第一次石油ショックの四十八年以降それから五十四年と、こうなっているわけですが、今後魚価と重油との価格の推移というのはどういうふうに水産庁としてはつかんでいるのか。 一つは、魚価がというよりも、油が下がってもらえば非常にありがたいわけです。魚価も上がってほしいという願いはあるのでしょうが、それはちょっとどうなのかと考えると、この魚価と重油の価格の推移というのは経営者にとっては相当心配の種なんですが、水産庁としては今後どうなるのだという見通しをどう考えているか、もし考えていることがあれば聞かせていただきたいと思います。
○今村政府委員 第一次石油ショックのときには、石油の価格の上昇によって水産経営が一時非常に圧迫をされたわけでございますけれども、その後幸いにして魚価がこれに追いついていったという状況にございます。これは私なりの考えでございますけれども、非常に急速な石油の価格の値上がり、それに伴う二百海里直後のいろいろな要素も包含をいたしまして魚価が上昇をしていったと思いますが、それによって今度逆に魚離れを起こしまして、魚価が低迷をしてきた。それで、やっとまた魚価が安定をしまして、需要がある程度回復してきた時期に今度の石油ショックが起こったわけでございます。 したがって、そういう周期を描くのかどうかということにつきましては、一つは消費の動向の問題もあります。それから、もうちょっと基本的には国民所得とか景気とかいう問題もございますので、この短期間の動向をもって直ちにそういうふうな周期を描くというふうには見られないわけでございます。 しからば今後どうするのかという問題でございますが、やはりコストの上昇ということは魚価に反映をされなければ、それはどの程度反映するのかわかりませんが、反映されなければいけないわけでございまして、これは消費者対策等からいうといろいろ問題があるかと思いますが、少なくとも石油価格が上がるということはコストが上がることでございますから、そのうちの一定部分は合理化等によって対処しなければいけませんけれども、一定部分は魚価に反映さしていくということが必要であろうかと思います。 ところが、残念ながら現在魚価は非常に低迷をしておるという状況にございます。これは、一つは水産の宿命的な問題もありまして、魚価が下がるとたくさんとってこなければ手取りが落ちるから、また無理してたくさんとってくるという悪循環を繰り返しておるわけでございますが、私たちの対策といたしましては、当面、先ほど申し上げました魚価と燃油につきましての安定資金制度をさらに拡充すると同時に、経営安定資金をも拡充をいたしまして、この危機をとにかく乗り切っていく、その間において漁業者自身についても体質強化を図ってもらうということが、やはり今後の方向ではあるまいかというふうに考えておるわけでございます。
○武田委員 いま経営の合理化という話も出たのですが、マグロ船の場合などはそれを真剣に考えているようです。ですから、経営の安定を図るためのやむを得ない減船をしようというふうに考えているとも聞いておりますが、そういう場合にはやはりそれなりの、円滑に進むような措置というものも考えてあげる必要があるのではないかと思うのですが、これはどうでしょうか。マグロ船の場合ですが。
○今村政府委員 業界それぞれにおきましてその問題をいろいろと真剣に検討していただいておるわけでございますが、私たちとしましては、そういう構造の改善と申しますか、体質の強化といいますか、そういうふうな方向を目指して業界が努力をいたします場合には、それを誘導するための対策について十分考慮をいたしたいと思いますが、すぐ出る話は、北洋減船のような減船補給金をもらいたいという話がすぐ出るわけでございますが、こういう業界の自主的減船の場合に、国際関係に関連した北洋減船のような補給金を出すことは困難でございますけれども、その他の手段、方法を用いましてそういう業界の努力を支援することは十分考えていきたいと思っております。
○武田委員 その場合、たとえば韓国の問題が出てくるわけですが、自分たちが非常にそういう経営の合理化のために減船をしたとしても、韓国から余分なものが入ってこられると困るという、そういう問題もまた投げかけられておるわけであります。両者間の輸入量というものはきちんと決まっているわけだと思うのですが、それをきちっと守ってもらうための折衝というもの、こういう問題というのはどうなっているのか。 私は、どうも韓国等の問題については、この間の日韓の漁業交渉の過程の中における、北海道における不満がずいぶんあることも伺っているし、この間大島つむぎの問題で、韓国からつむぎが入ってきて圧迫しているということを考えて、どうも日本側の姿勢というものが、そういう向こうにちゃんと約束を守らせてきちっと日本の国内の業者を守ろうということに一生懸命だという割合には、どうも向こうさんは乗ってこないというような気がしてならぬものですから、この点は大丈夫なものか、その点について伺っておきたいと思うのです。
○今村政府委員 最大のマグロの輸入国であります韓国からの輸入でございますが、五十二年の八万二千トンを最高としまして減少をしてきておりまして、五十五年に入ってからも、一−九月の累計が四万トンということで、対前年の八一%にとどまっておるわけでございます。私たちとしましては、そういう韓国との間におきまして四半期ごとに協議を行っておりますほかに、合意数量を担保するためのマグロの輸入についての事前確認を実施しているところでございまして、今後ともその線について秩序ある輸入が図られるように努力をしてまいる所存でございます。
○武田委員 次はブロー法案というものについてお聞きしますが、遠洋漁業に出ている方々は、これはどういう成り行きかというので非常に心配していることを伺いました。それで、その現状をどういうふうにつかんでおられるか。これは、こういうものが出るとほかの国への影響というものも相当あるのじゃなかろうかと、こう思うにつけまして、そこに従事されておる多くの漁業関係者にとっては重大な関心事であるようでありますが、その件につきまして知るところをひとつお知らせ願い、そしてそれに対してどういうふうに対応されておるか、していくかという問題をお答え願いたいと思います。
○今村政府委員 本年の四月に米国の下院に上程されましたいわゆるブロー法案なるものは、非常に恣意的なフェーズアウトを内容といたしておりまして、大体その原案によりますれば、日本の漁船が、日本の漁船だけじゃありませんが、外国の漁船は七年ないし八年のうちには全部追い出されてしまうというふうな状況の法律規定が入っておったわけでございます。 これにつきましてわが国といたしましては、そういう恣意的なフェーズアウトでありますとか、あるいは入漁料が三倍以上になるというふうな入漁料の引き上げでありますとか、あるいは外国船の全船にオブザーバーを乗せまして監視をするというふうな、そういう実行不可能なオブザーバーの乗船には反対であるという立場で、再三にわたりその意見をアメリカに申し入れたわけでございます。大臣も再三にわたってマンスフィールド大使を招致されまして、日本側のそういう主張を強く主張されると同時に、武藤前大臣あるいは亀長大水会長もアメリカに行っていただきますし、私も七月に水産庁長官会談を行いまして、懸案でありましたアメリカとの水産物貿易問題を解決することによって、日本としては誠意を持って対処するのであるからブロー法案のような法案を阻止してもらいたいということを申し入れたわけでございます。 日本側のそのような要請もあったかと思いますが、米国政府といたしましてはブローといろいろ修正につき折衝いたしまして、修正案が九月二十三日に下院の本会議を通過したわけでございます。その修正案につきましては、最大の関心事でありましたフェーズアウト条項については残っておりますけれども、大幅な改善を見ておるところでありますし、また、入漁料につきましては相当の引き上げになるものの、外国漁業が経営的に成り立たなくなる水準とはしないという規定を設けておるわけであります。それからオブザーバー乗船については従来より強化されているものの、相当の例外規定を置いているということで、私たちとしましてはまずまずという感じを持っておったのでございます。 しかし、上院におきましてフェーズアウトに対する反対が強うございまして、九月三十日にはフェーズアウト条項を削除する。それから、入漁料条項について外国漁業が経営的に成り立たなくなる水準には設定しないという規定を削除するというふうなことで上院の可決を見たわけでございます。 今後の取り扱いがどうなるかということでございますが、大統領選挙後に両院協議会が開かれて調整が行われることになりますが、選挙後に持ち越されますと、そういう法案の審議はなかなかやることがむずかしいというようなことで、法案が議会を通過する可能性はだんだん少なくなりつつあるというふうに私たちは見ているわけでございます。 アメリカのそういう動きに雷同しまして各国そういう動きを示すのではないかということでございますが、現在のところ、各国ともそういう動きを示す気配はございません。しかし、いずれにしましても、大体二百海里の魚は自分の国のものだ、日本もそう思っておりますし、諸外国も当然にそう思うわけでございまして、今後、漁場の安定的確保につきましては特段の努力を要するものと考えておる次第でございます。
○武田委員 大臣にお願いしたいのですが、そういう環境にあるものですから、これは相当深刻な問題になりかねないという前提のもとに、約一万数千人の方々が成り行きを非常に注目しているだけに、大臣としても、こういう問題が漁業者の危機につながらないような懸命の努力をひとつお願いしたい、こう思うのですが、いかがでございますか。
○亀岡国務大臣 日本の漁業関係の問題につきましては、とにかく国民に一千万トンを超すたん白資源を供給しておる大変重要な産業でございます。しかし、遠洋漁業等におきましては、その漁業条件、環境がますます厳しくなってくるわけでございます。と同時に、各国ともこの海の資源の活用という方向に大きく前進をしてきておる。特にソビエト等におきましては、肉の生産にかえて魚類の活用という点を大きく取り上げておるようでございます。七つの海における漁業競争と申しますか、これがますます激しくなってくる。同時に、各国の二百海里水域内における権限の主張がますます強くなってくるわけでありますから、先ほど来長官からお答え申し上げておりますとおり、日本の漁業一千万トン以上の漁獲を確保、維持してまいりますためには相当な努力を必要とするわけであります。 何といっても相手国との信頼関係、強力なる水産外交というものを展開いたしまして、そして日本は日本の立場をよく相手の国に理解をせしめる。今回のブロー法案の問題を通じましても、マンスフィールド大使に再三おいでを願って日本の立場をよく理解をしてもらい、また水産庁長官あるいは武藤前農林大臣等がアメリカに参りまして、日本の実情を国務省並びにアメリカの上院、下院の皆さん方によく理解していただく努力を重ねてきた結果、長官からお答え申し上げたようにまあわが国の意図というものがある程度理解してもらえた、こういうふうに考えておるわけでございますから、今後も最大の努力をいたしまして日本の水産振興という点を十分に果たしていけるようにしてまいりたい、そのためには全力を挙げてがんばりたい、こう思っております。
○武田委員 もう時間がなくなりましたので、最後に栽培漁業についてお尋ねしたいのです。 国営の栽培漁業センターがずいぶんつくられまして相当効果を上げておる。私たちもこの間、岡山にあります玉野市の国営の栽培漁業センターを見てまいりました。 そこで、いろいろと問題はあったのですが、きょうは一点だけ取り上げてお尋ねしたいのですが、その事業の経営は財団法人ですか、それで働いている方々は研究に誇りを持って大変な努力をしているわけです。もう頭が下がる思いでして、本当に好きな人たちが好きな仕事を一生懸命やるという、その中でいろいろと効果が上がっているということをつぶさに聞いてきたのですが、仕事が非常にオーバーワークといいますか、大変きついということを知りました。 たとえば、一番忙しい三月から九月ころですけれども、このとき玉野事業場には六人ですか、平均年齢が大体三十くらいなんだそうです。一番上の方が三十六歳だと言っていました。若い方が多いわけです。大体半年間はまず一日も休めないということが一つ。しかも半年間、朝の六時から十時まで働くと言うのです。そのために、聞きましたら、六人のうち四人までが腰を痛めているのですね。こういう仕事というのは、五年、十年となって長い期間かかる、そしてこれからまた何年かという大事な技術の問題もございますので、若いときにこういう状況であれば、今後四十、五十となっていわゆる円熟していくときの状況を考えたらこれは大変なことだ。皆さん方に聞いたら、せめて人数が三人くらいふえれば月一回は休めるんだがな、このことがわれわれとしては一番の悩みであり、苦しみだ、こういうことなんであります。 そういう実情、各事業場における実態をよくつかんでいるものかどうか、そしてこういう方々のそうした肝心の体が痛めつけられているということに国としまして——休みが月一回でいいと言うのですね、そういうような労働条件の厳しさを緩和してやる措置を私は何としてもお願いして、こういう方々が力を十二分に発揮していけるような体制をつくってもらいたい、こういうふうに思うわけであります。 この一点だけきょう質問しておきますが、いかがでございましょうか。
○今村政府委員 私たちとしましては、所要の職員の人件費等につきまして予算でいろいろ配慮しておると同時に、整備にあわせまして逐次職員の増員について行えるよう措置をいたしてきておるわけでございますが、状況は事業の拡充が余りにも早過ぎるということもございまして、センターの技術者の方にはいろいろと御苦労願っておるところでございます。したがいまして、そういう人員の将来におきます確保と同時に、技術開発は動物を対象とするものでございますから、産卵期が非常に重要だということで、労働の不規則性ということをどうしても避けられない要素があります。これらの問題につきましては臨時職員を雇用するとか、あるいは事業場間の職員の適正な配置等を考えまして、労働が過重にならないように、協会に関します予算面、運営面で今後とも十分気をつけてまいりたいと思っております。
○武田委員 時間が過ぎて申しわけないのですが、大臣、これは大事な問題だと私は思います。この栽培漁業では人が一番大事だと私は気がついてきました。それだけによく実態を調べられまして、そうした方々が大変な苦労をしている環境の改善を十分に努力なさって、これは日本の漁業の新しい一つの目玉だと思いますし、そういう意味でひとつ要望しておきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○菊池委員長代理 野間友一君。
○野間委員 漁業に関してお尋ねをいたします。 先日、日鰹連、この中に全国鰹鮪近代化促進協議会というものがありますが、ここに属しておられる方々が部屋に来られたわけであります。聞きますと、午前中からずいぶんといろいろな議論が行われましたけれども、遠洋漁業は非常に深刻であります。とりわけ国内の漁業に関係しておる方々を圧迫しておる問題として、韓国を初め台湾などからの輸入の拡大、これがあると思います。 ちょっと数字を調べてみますと、たとえば昭和四十年、日本の水揚げが四十一万七千トンのときに韓国は一万トン、まさに横綱と幕下ぐらいでありました。ところが五十三年の数字を見てみますと、日本が三十六万一千トン、減っておるわけですね。韓国は逆に十二万四千トン、ずいぶんふえまして、国内の水揚げの約三分の一を確保しております。しかも韓国で水揚げをしたうちの五割ないしは六割が日本に輸出、これが国内の漁業関係者を圧迫しておる大きな原因であろうと私は思います。 これについては、従来から当委員会等でもずいぶんと議論がありました。五十四年、昨年の三月二十日でありますけれども、当時の森長官が、必要なものを適時適切に輸入する、こういう基本的な考え方を披瀝されて、日韓の水産庁間でマグロ類の需給の協議を行っておる、こういうことが言われました。 そこでまずお聞きしたいのは、必要なものを適時適切に輸入する、こういう方針に変わりないのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
○今村政府委員 水産物の輸入に当たりましては、IQ物資と自由化物資では取り扱いが違うことは当然のことでございます。IQ物資につきましては、私たちは国内の需給の動向を見ながら必要とするものを輸入してくるという考え方で対処いたしておるところでございます。自由化された物資、マグロもさようでございますが、これについてはそういう措置はとり得ないのでございますが、しかし、できるだけ秩序ある輸入を図ってまいりたい、さように考えておるわけでございます。 特にマグロにつきましては韓国との関係が重要でございますので一韓国とのマグロの輸入協議を四回行いますと同時に、これにつきまして事前確認制度によって担保をしておるという状況にございます。したがいまして、自由化された物資のうちでは最も強い対応措置をとっておるつもりでございます。 韓国からのマグロの輸入の状況でございますが、これは決して数量がふえておるということではございませんで、むしろ、一昨年から昨年、昨年からことしとかけましてマグロの輸入は減少をいたしておるのが実情でございます。
○野間委員 その点については順次聞くわけですが、時間がありませんので、聞いたことだけにひとつ簡潔にお答えいただきたいと思います。 この輸入に関する数量の協議の問題ですが、この際重要な要素として、わが国の漁獲量の動向等、これが基礎になることは当然でありますけれども、在庫が一体どのくらいあるのかということも、これは一つ大きなメルクマールになることは当然であります。 そこで、マグロの場合、通常適正在庫は一体何カ月分ぐらいなのかということと、その数量は大体どんなものなのか、この点についてお聞かせいただきたい。
○今村政府委員 マグロの通常のストックはどの程度かということでございますが、産地から消費地までということで大体一・五カ月ないし二カ月分が正常ではないか、数量に直しまして六万トン程度ではないかというふうに見ております。
○野間委員 現在、在庫量は一体どのくらいあるのか、また昨年に比べて、たとえば一番近い月で結構ですが、対前年の同月比でどれだけふえておるのか減っておるのか。
○今村政府委員 在庫の状況は、八月現在で見まして、前年同月比一六三%ということの高水準でございます。
○野間委員 そうしますと相当な量なんですね。先ほど一応六万トンが適正な在庫というお話がありましたけれども、数量にしてはどのぐらいになりますか。
○今村政府委員 先ほど申し上げましたように大体六万トン程度でございますから、前年同期に比べまして約三万トン程度余分に持っておる、こういうことに相なります。
○野間委員 私お聞きしておるのは、適正在庫は六万トンというふうに聞いたわけですけれども、実際にある数量は幾らなのかということなんです。
○今村政府委員 在庫の全体像でございますが、全数の在庫調査というのはやっておりません。したがいまして、流通統計と、在庫の定点調査といいまして東京、大阪の五十工場を対象にしてやっておりますが、その傾向を見ますと、いま私が申し上げたようなことに相なっておるわけでございます。
○野間委員 私ども調査いたしますと、約十万トンばかり在庫がある、十万トンを超える、こういうふうに推計をしておるわけでありますけれども、そうじゃありませんか。
○今村政府委員 先ほど申し上げましたように、六万トンぐらいの通常在庫のところへもってきまして、対前年同月比一六三%といいますと、いま先生の申された数字ほどにはいきませんけれども、大分近い数字でございます。
○野間委員 私はそういうことだと思うのです。そうしますと、大体年間輸入する数量に匹敵するぐらいのものがいま在庫として国内にあるわけですね。しかもこれは適正在庫、つまりランニングストックをはるかに超える数量であるということが数字から明らかになったと思います。 そこで進めますが、いま申し上げた輸入の約六割、これは韓国からだというふうに私は数字の上で理解をしております。この韓国と五十年から、午前中からも論議がありましたけれども、輸入する数量については協議をしておるわけでありますが、五十年度の日本に対する輸出、まあこちらからすれば輸入でありますけれども、これの合意は一体何トンであったのか、あるいは同時にその実績はどうなのかということをひとつお答えいただきたいと思います。
○今村政府委員 先ほども申し上げたわけでございますが、韓国との当初の本件での話し合いの合意といたしまして、割り当ての合意をした数量、それから事前確認数量というのは、韓国としては、自分たちが日本の要求をのんで、そういうことでやるわけでございますから、国内的にいろいろ問題があるので、これを公表をしないようにということで、日本もその点を了承いたしておるわけでございます。したがいまして、その数字について申し上げることはちょっと差し控えたいのでございますけれども、五十年というお尋ねでございますと、そのときの合意数量は四万五千トンでございました。
○野間委員 では、五十年度の実績は幾らですか。
○今村政府委員 実績は大体四万六千トン程度でございます。
○野間委員 水産庁から資料をもらっておりますけれども、これを足しましたら四万八千八百三十九トンということになるわけですね。いま四万七千トンという報告がありましたけれども、これは不正確だと思います。どちらにしても、五十年度はいま公表された数字、四万五千トンベースということですね。ところが実績は、いま四万七千トンとおっしゃいましたけれども、四万八千八百三十九トン、これは足せばなるわけでありますけれども、こういうことになります。 つまり、問題の一つは、五十年度はオープンにされましたけれども、その後五十五年度、本年度に至るまで公表されていない。実績は、これは通関統計でもはっきり出ておるわけですけれども、なぜ公表できないのか。韓国が公表するなというふうに言ったからという話でありますけれども、ベースと実績と——実績は明らかでありますけれどもベースは明らかでありません。したがって、果たしてこれが守られておるのかどうかということを国会で審議することができないわけですね。一応協議をして、通産省、政府の中では決められたとしても、こちらにはさっぱりわからぬわけですね。なぜこれを公表できないのか。とりわけ五十年度にいろいろ問題がありまして、ああいう法の改正もありましたですね。これはカツオとかマグロ、特にマグロの輸入の拡大による国内の漁業関係者の経営の圧迫、これがもとにできたわけでありますけれども、これは抜かずの宝刀であります。したがって、せめて事前にこういうものの数字を公表してほしいということは、業界としては当然の要求だと思うのです。 そこで再度お尋ねしますけれども、それでは過去の数字でも結構ですが、五十一年度以降、もう過ぎた、本年度でなくても結構ですから、合意した数量についてお答えいただきたいと思います。
○今村政府委員 先ほども申し上げましたように、あの制度を仕組みますときに、韓国との話し合いによりまして、合意数量については公表をしないということも日本としては合意をいたしてきておるわけでございますので、その点の年次別合意数量を申し上げることは遠慮をさせていただきたいと思います。
○野間委員 それでは実績について私、先に申し上げたいと思いますが、五十一年が五万七千五百六十四トン、五十二年が七万四百四十九トン、五十三年が六万三千五百八十一トン、五十四年が五万七千二百二十四トン。長官が言われましたけれども、五十二年をピークにして若干減っていることは私も統計上わかるわけでありますが、いま私が指摘をした数字、これは若干の誤差はあるかもわかりませんけれども、大方こういう数字であることは事実だと思います。まず確認を求めたいと思います。
○今村政府委員 五十二年は韓国から八万二千四百十トン、五十三年は七万六千七百八十八トン、五十四年が七万五百三十八トン、五十五年の一—八月の現在までに四万三百三十一トンという数字になっております。
○野間委員 これは数字のとり方による計算上の違いだと思いますね。私はクロマグロ、ビンナガ、それからメバチ、キハダ、これはもらった数字で全部足したら私が指摘をしたような数字になるわけであります。いま言われたのは私が申し上げた数字よりもはるかに上回っておるわけでありますけれども、いずれにしても、一たん合意をされたとしても、このされたものが守られておるのかどうか。これはチェックすることはできないわけですね、実績として、結果としてはわかることがあったとしても。そういうことだと思いますけれども、これはチェックする方法はあるのですか。
○今村政府委員 事前確認制度でチェックをいたしておりますから、漁船で入ってきたものは守られておるわけでございます。
○野間委員 そうしますと、たとえば、これはベースを言われたのは五十年でありますが、五十年は四万五千トンでしょう。ところが実際に入った実績は違うわけですね。多いわけですね。少ないならともかくとして、多いわけですね。これは各年度全部そうでしょう。
○今村政府委員 韓国との現在の制度の取り決めは五十一年から実施をいたしておるわけでございます。
○野間委員 五十年度はしかし四万五千トンというベースを合意されたということはいま認められましたですね。その後、それじゃ五十一年度からの問題についてお聞きするのも同じでありますけれども、この数字と合意との間に誤差があるのかないのか。あなたはチェックできると言われましたけれども、五十年度でもいま申し上げたように四万五千トンの四万八千トン。この統計のとり方によってはもっと私は実績はふえると思うのですけれども、これはどうなんでしょう。
○今村政府委員 事前確認制度のベースになっておりますのは、韓国の漁船で日本の港に入ってくるということが対象になっておるわけでございます。したがいまして、韓国に一遍揚げまして、それを別の運搬船で持ってくるということは事前確認の対象になっておりませんから、その意味合いにおきまして、事前確認の数量と実際の実績数量とは約一万トンないし一万三千トンぐらいの違いがございます。
○野間委員 その上に、たとえば韓国のつむぎなどもよく問題になりますけれども、飛行機でもずいぶんと国内に入ってくるわけでありますが、これもチェックのしようがないと申しますか、この実績の中には入っていないということだと思うわけであります。 そこで、先ほども若干触れましたけれども、五十年の外国人漁業規制法の改正、四条の二の問題が午前中も出ておりました。いわゆる政令で、特定漁獲物の陸揚げ等を目的とする外国漁船、運搬船の寄港が禁止されることになったわけです。ところが、政令がいまだ制定されておりません。まさに死に法であります。 そこで、なぜ政令をつくらないのかということについて、一方的な国内の措置、これを発動する前に協議することがベターだということを政府はいままで常々言ってきたわけであります。しかし、この改正の理由というのは、先ほども触れましたように、マグロ類の韓国からの輸入急増に対する対策であったことは明白な事実であります。当時の審議の中でも出ております。しかも、四十九年当時は韓国からどれだけ入っておったのか、輸入実績を調べてみますと、二万八千二百九十三トンです。だから、やはり異常な伸びを示しております。この当時からいたしますと現時点においては、ここ二、三年若干の減少傾向にあるとはいえ、四十九年に大問題になったころに比べますと二倍の数量がいま入ってきているわけであります。 ですから、政令の制定で指定をするということよりも、協議というようなものを活用して規制していくのだともし言われるとするならば、それはそれで結構かと私も思うのですけれども、せめて事前に日鰹連とか、あるいはいま申し上げた近代化の促進協議会、こういうところと十分協議をして、そして意見を十分聞いた上で交渉に当たるということは当然だと思います。この点について、この用意があるのかないのか、特にこの業界では、輸入の量をせめて年間五万トンにしてほしい、韓国からは三万トンぐらいにしてほしいという強い要請があるわけでありますが、この点についてもあわせて答弁を願います。
○今村政府委員 外規法の四条の二によって、マグロを、政令を指定しまして外国船舶による指定漁獲物の陸揚げを禁止するという問題につきましては、これは実質的に韓国だけでなくて、一遍政令を指定しますと全部の国に及ぶわけでございまして、そうなりますと実質的には輸入禁止という措置と同等の効果あるいはそれ以上の効果を発揮するわけでございまして、この発動については非常な問題があると思っております。 しからば、韓国と輸入割り当ての話をするときに、日鰹連の意見を聞いて交渉を行うべきではないかという御意見でございますが、私たちは数量を何ぼにするというふうな協議は行っておりませんけれども、その協議の時点を踏まえまして、マグロ類の需給は現在どうであるか、それから今後どういうふうな需給の見通しであるかということは、日鰹連からもよく話を聞いて交渉に当たっておるところでございます。
○野間委員 ですから、その協議をされまして十分意見を聞く、要望を聞く、特にいま五万トン、そして韓国からはうち三万トン、こういう切実な要望が出ておりますけれども、これに対してどういう見解でしょう。
○今村政府委員 先ほど申し上げましたように、交渉に当たりまして、マグロの需給の状況というものは日鰹連等から話を聞いて交渉に当たることにいたしますが、当方の望むそのままの数字によって相手との交渉を妥結し得るかどうかということにつきましては、交渉事でございますからいろいろと問題があろうかと思いますが、交渉に臨むに当たりましては、需給の関係等につきまして日鰹連等から十分話を聞いて事に当たりたいと思っております。
○野間委員 韓国でのマグロ漁業と日本の商社との関係、これはいままでも何回か論議がされたわけであります。私は、商社が果たしておる機能とか役割りを決して否定するものではないわけであります。しかし少なくとも反社会的な行為、あるいは国外で活動して国内の漁業関係者やあるいは国民に対して被害を与えないというようなことは、当然モラルとしてもとってしかるべきでありますし、例の買い占め売り措しみのときに、それぞれの商社がコードをつくりまして社会的な責任を自覚するということを国民の前に誓ったわけです。私も物特で当時やったわけでありますけれども……。 そこで、そういう立場から韓国の漁業会社と日本の商社との関係についてお聞きしたいわけでありますけれども、韓国の雑誌「現代海洋」、こういうのがあるようであります。私、きょうは現物は持っておりませんけれども、この中に「韓国遠洋漁業が日本の大商社の小作人的経営であるという点である。日本の大商社は船舶と金を貸してやるだけ、陸上にでんと構えこんで販売権を握っている国際的仲立人である。」こう書いてあります。五十四年三月二十日の当委員会においてわが党の山原委員が質問をいたしまして、これを引用しておりますけれども、まさに韓国における商社の果たしておる役割りを痛烈に批判をした表現だろうと思います。 そこで大臣にお聞きしたいのは、こういう発言に対してどのような感想をお持ちなのか、一言述べていただきたいと思います。
○亀岡国務大臣 わが国の商社が韓国に対しましてマグロの中古船を輸出し、その関係で韓国の漁獲物を輸入している例があることは承知をいたしております。このことは一般的な商取引行為として行われているものでありまして、経済取引の自由というたてまえからしても、これを規制することはむずかしいと考えるわけであります。ただ、政府といたしましても、わが国の漁業に著しい影響が出ないように配慮をしてまいるということは当然であると考えております。 したがいまして、漁船の輸出につきましては、海上運送法及び輸出貿易管理令に基づきまして所要の規制措置をとっているほかに、韓国からの輸入がわが国漁業に著しい悪影響を及ぼすことがないよう、四半期ごとに両国の間で需給協議を行うなどをいたしまして、秩序ある輸入が図られるように、先ほど来長官から答弁申し上げたような措置をとっておるところでございます。
○野間委員 これは時間の関係で余り詳しいことを申し上げることはできませんけれども、私も若干の資料を持っておるのです。 丸紅という商社がございます。丸紅の商社の稟議書の台帳の一部を私は持っておるわけでありますけれども、これは丸紅東京本社の水産関係分が、昭和四十八年の四月から五十三年の三月八十七件、それからアメリカの丸紅関係分、これは四十八年八月から五十二年三月まで八十六件、これの稟議書が一々台帳に記載されているわけですが、この中で、ずっと案件というものを見てみますと、韓国漁業会社への融資などが六十二件、うちカツオ・マグロ関連が明確なものがこの期間で二十件あるわけです。しかもこの四分の三はアメリカの丸紅が起案したものであります、台帳ですから中身はわかりかねるわけでありますけれども。 これの中身と申しますか表題を見てみますと、たとえば四十八年九月八日、丸紅のロサンゼルスで起案したものの中に、韓国のある漁業会社ですが、これに対する「鮎漁船二隻紐付前渡金融資及ビソノ漁獲物代理販売契約締結ノ件」こういうような表題があります。こういうものがずいぶんと並んでおるわけであります。輸入の急増が大問題になりました五十年四月にも同じような案件がこの台帳の中に記載されておるわけであります。これはコピーですけれども、ずいぶんとあるわけです。 いま大臣から一般的、総論的に商社の果たす役割り等について御答弁がありましたけれども、考えてみますとこれらは全部、要するに資本を投下してそこで漁業を起こす、同時に船を貸すなりあるいは売る、そしてそこで水揚げをさせて国内に運んでくる、そしてそれを販売権を持って国内で販売するというようなことなんです。 聞いてみますと、韓国の中でも、先ほどの本の一部の引用ではございませんけれども、要するに金を借りてがんじがらめにされまして、そしてたくさんとって早く資金の回収、借金の返済をしたい、これが乱獲に拍車をかけているというようなことも私は聞くわけであります。と同時に、繊維の和装物と同じように、韓国ではほとんど外貨獲得の手段としてマグロをとりまして、そしてそれをどんどん外国に輸出する、大部分は輸出ですね。そのうちの六割が日本へ、こういうことになるわけです。 そういう点で日本の漁業関係者が先行きに対しても非常な不安を持つのは当然であります。そしてまた、いま現に自主減船等々をしなければならないというようなところまで追い込まれているわけであります。そこで私は、先ほど一つ前提を置きましたけれども、そういう前提を踏まえた上でも、やはりこういう実態を踏まえて、国内のそういう漁業関係者に損害や支障のないように、実態の把握と申しますか、実態の解明、そういうものを十分していただくということが農水省、特に水産庁としては必要ではなかろうか。これからの遠洋漁業に対する政策を立てる上においても必要ではなかろうか、こう思うのであります。 この点についてどのようにお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
○今村政府委員 マグロはいまは非常に状況が悪うございますが、ことしの一、二月ぐらいまでに入船をいたしました船におきましてはまずまずの状態でございましたし、昨年などは非常なマグロの好況といいますか、そういう状況であったわけでございます。したがいまして、マグロの輸入等につきましても非常に活発な側面があったわけでございますが、先ほど大臣が申し上げましたように、それらの商行為についてどのような規制が行えるかということにつきましては、いろいろ問題があるところでございますが、御指摘のような実態の把握の必要性につきましては、私たちも十分にこれを認識をいたしておるところでございます。
○野間委員 これは五十年の五月二十九日、当農林水産委員会の中でわが党の当時の中川利三郎委員の質問に対して内村さんがお答えになっておりますが、「商社がこのことのバックにいるのは確かに事実でございます。そこで、商社のこういった漁業活動の規制ということについて法律ができれば一番いいと私は思いますけれども、」云々と、中略しますが、「今後そういうことは大いに研究しなければならないと思いますけれども、」こういうような答弁です。これは五十年の五月二十九日の当委員会の中でもあったわけでありますけれども、恐らく余り研究されてないのじゃないかと思うのです。こういう実態をぜひ研究していただいて、いま答弁がありましたけれども、国内の漁業関係者に対して被害のないように、そうでなくてもいま大変な事態でありますから、ぜひとも実態を究明して、しかるべき規制が必要であれば規制をするという方向でぜひ検討をしていただきたいと思います。 時間がありませんので進みます。 燃油の問題ですが、これについては再三ございました。しかも、いまの漁業関係者の最大と言ってもいいほど大きな問題としてこの燃油の問題があります。これについては特別の価格制度をつくれとか、あるいはせめて無利息の融資制度をつくってくれ、こういう要求が強くあるわけでありますけれども、これに対してどういう見解をお持ちなのかということ。 それからもう一つは、時間の関係で続けますが、資源問題についてです。五十四年度版の漁業白書を見てみますと、マグロ類の資源量が悪化傾向にあることは明らかだ。白書の中では「高度回遊性資源については、我が国のみの管理では不十分であり、それだけに効果のある管理の実施が困難な状況にある。」そういうふうに指摘されております。 そこで資源の管理について私は思うのですけれども、最も先進的な技術を持っております日本が各国に呼びかけまして、国際的な資源管理体制、こういうものをつくる方向を検討するべきじゃないか。またその際に、商社が韓国や台湾とかパナマなどにマグロをとらせ、それをどんどん輸入してくるいわゆるもうけ本位のやり方を、資源保護という観点からも規制をする必要があるのじゃないか。この点を抜きにして日本の漁業者だけが減船する、こういう方針を打ち出しても漁業者の納得は得られないのではないか、こう私は思うわけであります。 そこで、輸入調整だけではなくて、日本とかあるいは特に韓国、台湾、こういうところでいま申し上げた資源管理について国際的な協議を行う場を持つ必要があるのじゃないかと思いますけれども、この二点についてお答えいただきたいと思います。
○今村政府委員 燃油資金の金利をせめて無利息にならないかというお話でございますが、現在末端金利は沿岸は四%であり、遠洋は五・六%でございますから、もしこれを下げるとしますと、現在の公庫資金の一番安い金利は三・五%ですから、もう三・五%まで下げるよりほかにしようがない。恐らく三・五%を切り込んで利息をゼロにしたという例はございませんので、金利を下げるという融資条件の改善といいますか、そういう問題も考えなければいけませんが、当面の対策としては、来年一千億の燃油資金の要求をいたしておりますが、私はこの一千億の確保ということに重点を置いて対処をいたしたいと思っております。四%という金利は農業関係のほかの金利と比べて高いというふうには決して私は考えていないのでございまして、むしろ一千億の燃油資金をどう確保するかということに重点を置いて対処すべきものではないかというふうに思っております。 それからマグロの資源問題につきまして、関係国との資源管理体制というものを考えるべきではないかという御指摘でございまして、私はこれは一つのお考えであろうと思います。ただしかし、マグロをとるのは日本が一番多いわけでございまして、たとえばオーストラリアその他の海域に行ってとるわけでございますから、これをやりますと、かえって日本のマグロがとれなくなるという点もまた側面的にあるわけでございます。これらの点につきまして、また私の方としましてもそれなりにいろいろ検討いたしたいと思っております。
○野間委員 時間が参りましたので、最後に大臣に。 いわゆる遠洋、特にマグロの問題について先ほどからいろいろとお尋ねしたわけでありますけれども、このマグロ漁業関係者の経営を守っていくという観点から、午前中からずっと論議がありましたけれども、そういうものを踏まえて抜本的なしかも具体的な施策をぜひお願いしたい。何かございましたら一言お聞かせいただきたいと思います。それで終わります。
○亀岡国務大臣 マグロも深刻な事情にあるということはよく理解しております。マグロ漁業者だけじゃなくて、ほかの魚種類につきましても非常に環境が厳しいということと同時に、やはり汎太平洋国家と申しますかそれぞれの、特に今度は南太平洋等においては独立国家がどんどん出てくるわけでございます。そうしますと、そういう諸国家が二百海里を主張し、みずからの力で生きていくということになりますと、やはり漁業というものが恐らく中心になってくるであろうということが予想されますから、漁業の先進国として今日まで七つの海で漁業をやってきております日本にとっては、日本の漁業者にとっては、より厳しい環境が迫ってくるという見通しを立てなければいかぬのではないか。 そういう中において、日本の漁業者がどのようにして漁業経営を安定しながらやっていくかというような立場から、私は遠洋漁業あるいは沿岸漁業等々、十分検討すべき問題についてはさらに検討してまいるという立場で進んでいきたいということで、水産庁に対しましてもそういう面の勉強を実は命じておるところでございます。
○野間委員 植物防疫の方もお越しだと思いますけれども、ちょっと時間がありませんので次回に回しますので、これで終わりたいと思います。
○菊池委員長代理 神田厚君。
○神田委員 水産関係につきまして御質問を申し上げます。 まず第一に、日ソの漁業交渉問題につきまして御質問を申し上げたいと思います。 例年十一月、日ソ、ソ日の交渉が始まるわけでありますが、その中で関係魚業者からは、長期漁業協定の締結、漁獲割り当て量の拡大、こういう要望が出されておりますことはすでに御案内のとおりであります。そういう中で、まず日ソ、ソ日の交渉の日程及びこれに臨む基本的な方針を大臣からお伺いしたいと思っております。
○亀岡国務大臣 今秋の日ソ漁業交渉といたしましては、日ソ漁業委員会第三回の定例会議ということになるわけでございます。と同時に、日ソ、ソ日政府間交渉ということが今年は東京で開催されることに相なっております。このうち日ソ漁業委員会は十一月の十七日から開催される予定でございます。また、日ソ、ソ日交渉については、日ソ漁業委員会に引き続いて開催すべく、具体的な日程につきましては目下ソビエト側と調整中でございます。 この日ソ間においては、日ソ漁業委員会及び日ソ、ソ日政府間交渉を先ほど申し上げましたとおり今年は東京で行うことにいたしておるわけでございますが、日ソ、ソ日政府間交渉は、明年、日ソ双方がそれぞれ相互の二百海里水域内に入漁するための操業条件を定めたいということで予定をしておるわけであります。今回の交渉におきましても、漁業の割り当て量などをめぐって両国の主張が対立し、きわめて厳しい交渉になるのではないかと予想をいたしておるわけでございます。 しかしながら政府といたしましては、わが国の漁獲実績をできる限り確保をいたしまして、減船という最悪の事態は極力これを避けていきたい、こういう腹づもりでおるわけでございまして、わが国水域におけるソ連漁船の操業については、資源の状態、漁獲実績等を踏まえまして適正な割り当て量等の規制措置を定めるとの方針で臨むことといたしておるところでございます。
○神田委員 本年わが国の割り当てが七十五万トンあったわけでありますが、その消化状況がどうも余り思わしくない。ここ二、三年見てみましても、どうも割り当て量に対する消化量が十分にこれを確保してないというようなことも聞いておりますが、どういう状況になっておるでありましょうか。
○今村政府委員 御指摘のように一部の魚種につきましては割り当て消化量が低いものがございます。原因はいろいろあるのでございますが、一般的には海況要因などによりましてソ連水域における漁場形成に変動があったり、あるいは日本水域において好漁場が形成される魚種がある。たとえば本年におけるイカのようなものがありまして、ソ連から得た漁獲割り当てについては御指摘のようにその消化率の向上を図っていくことが重要であると考えております。
○神田委員 具体的にはこれはどの程度のパーセンテージなんですか。
○今村政府委員 スケトウダラなどは、消化率は一九七九年をとってみますと九一%ということで高うございますけれども、カレイは五八%、メヌケが四九%、マダラが五六%というふうな状況でありまして、比較的高いのはサメそれから北洋イバラガニ、これは一〇〇%でございますが、ズワイガニ、ベニズワイガニ、ツブ、エビ、そういうところが九〇%ないし一〇〇%というかっこうに相なっております。
○神田委員 せっかくの割り当て量がこういうふうな形で非常に低くなっている部分もあるということでありますから、これを有効にするためには何か指導するなり、あるいはせっかくの漁獲量を、日本は水産物もどんどん輸入をしているような状況でありますから、自国におきましてこれだけのものを一〇〇%近い形で達成をさせる努力を指導をすべきだと思うのでありますが、その点はいかがでございますか。
○今村政府委員 御指摘のようにソ連から得た漁獲割り当て量については、その消化率の向上を図っていくことは必要なことでございますので、関係漁業者においても、漁業団体を中心にして鋭意努力を行っておるところでございまして、私たちとしてもその点について今後十分に指導をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○神田委員 今後十分にと言うのはいままで余り指導していなかったような感じですね。ここ二、三年同じような状況で推移しているというふうに聞いておりますが、その辺はどうでございますか。
○今村政府委員 最近は消化率が非常に上がっておるわけでございます。たとえば一九七八年を見ますと、スケトウダラの消化率が大体六六%、カレイが三八%、メヌケが四五%と非常に低かったわけでございますが、七九年はいま私が申し上げたように消化率が向上いたしております。しかしなお、御指摘のように消化率が悪いものもございますので、これらの点については十分指導してまいりたいと考えておるわけでございます。
○神田委員 こちらで欲しいものと余り欲しくないものとの関係があるわけですから、そういうことになりますれば、わが国で現在有効に利用できる魚種を交渉においてもう少し量的に確保する必要があるわけでありますが、そういうことについては何かお考えでありましようか。
○今村政府委員 わが国が希望する魚種の漁獲割り当て量の確保はきわめて重要なことでございまして、余り希望しないところがふえてもちっとも益にならないわけでございます。したがいまして、私も昨年は希望魚種について相当強く主張して若干の改善を見たわけでございますが、さらに本年においても、希望する魚種の漁獲割り当ての確保に努めることを基本的方針として対処いたしたいと思います。 ただ、スケトウについて、これは日本が非常に希望する魚種でございますが、資源問題が非常にやかましくございまして、これをふやしていくことはなかなか困難な状況にございます。むしろ現在の水準をどうして維持するかというところが非常に交渉の山場になると判断をいたしておるところでございますが、さらに努力を重ねてまいりたいと思います。
○神田委員 次に、本年四月にソ連と北朝鮮の中間線のところにおいて、この中間線が不明であることからわが国のサケ・マス漁船が拿捕される事件が発生いたしました。この問題はどういうふうになったのでありましょうか。
○今村政府委員 御存じのように、ソ連と北朝鮮の二百海里の中間地域の操業については、五十三年以降、民間において自主的に指導ラインを設置してトラブル防止が図られてきたところでございますが、本年四月第三十八珠の浦丸が拿捕されるというきわめて遺憾な事件の発生を見たわけでございます。水産庁としましては、事件の発生後、直ちに外交チャンネルを通じてその釈放を申し入れると同時に、ソ連が示したソ連と北朝鮮の中間線の位置及び事実関係に関する照会を行いました。同時に、とりあえずソ連側の監督官が示した中間線の位置を関係漁業者に周知させることにより、トラブル防止について指導してきたところでございまして、水産庁としましては、今後ともこのような事件が再発することのないように十分配慮、努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。
○神田委員 大変ややこしい形になっておりまして、漁業者も非常に迷っているようであります。幸いその後拿捕という不幸な事件がなくて過ぎておりますが、これは同じような形で今後ともその拿捕の危険がないということではないわけでありまして、そういう点につきましては、水産庁としては漁業者に対しましての指導をきちんとすると同時に、また外務省等を通じましてソ連に対しまして、両国の中間線をきちんと画定するようにこれを求めるべきであるというように考えておりますが、外務省の方の御見解はいかがでありますか。
○兵藤説明員 ただいま水産庁長官からも御説明いたしましたとおり、この不幸な拿捕事件の一つの原因は、ソ連と北朝鮮との間の中間線が具体的にどういう線であるか、具体的にどういう根拠に基づいてなされたか等々、その詳細について私どもは必ずしも承知していなかったという点にございましたので、この事件が発生いたしまして、五月の中旬でございますが、モスクワ大使館を通じましてこの境界線に関するいろいろな照会をいたしたわけでございます。それに対しまして五月の下旬に至りまして、二十二日でございますが、ソ連側から境界線、つまり一九七七年二月の大臣会議の決定に基づいた境界線といたしまして、緯度、経度をもちました一応の線の明示があったわけでございます。 これに対しまして私どもは、なおその根拠になりましたこの境界線の設定の日時その他につきましてソ連側に照会をいたしましたけれども、その後重なる督促にかかわらずそちらの方のお答えは得られておりませんが、この境界線がどこであるかということについては、この時点で、つまり五月の下旬の時点で一応ソ連側から回答があったわけでございます。
○神田委員 非常にややこしい問題ですから、どうかひとつ今後とも督促をして、さらにきちんとした中間線の明確化ができるように、これははっきりさせていただきたいということを要望しておきたいと思います。 次に、離職者対策の問題につきまして御質問を申し上げます。 現在、漁業の問題で二つの離職者問題が生じようとしております。一つはカツオ一本釣り漁業からまき網漁業への転換に伴う離職者問題、もう一つは北海道沖の韓国漁船操業問題に関連する以西底びき漁業の減船に伴う離職者問題であります。 まず、まき網への転換に伴う離職者問題でありますけれども、今回の転換に伴う減船によりまして、初年度は四百八十一人の離職者が出ると言われている。これらの漁業離職者に関しまして、日鰹連、全漁連、漁船同盟、この三者間で、基本姿勢として、失業船員を発生させないこと、二番目には失業船員が出る場合には残存遠洋カツオさお釣り漁業で吸収することを内容とする協定を結んだわけであります。これに対しまして、政府はこの三者のいわゆる合意に対しましてどういうふうな態度でこれを支援するつもりでありますか、お聞かせをいただきたいと思います。
○今村政府委員 ただいまお話のありました三者協定の成立の関係者の話し合いが円滑に行われるように、水産庁としましてもオブザーバーとしてその会議に出席し、その話し合いを円滑にまとめることについて努力をしてまいったところでございます。したがいまして、三者協定にございますような方向、指針に沿って今後の対策が進められるように、水産庁としても当事者を指導してまいりたいと考えておるわけでございます。 それから以西の問題でございますが、減船によって離職者が発生をいたします場合には、できるだけ操業を続ける以西底びき網の漁船への配置転換を図る等によって極力失業者が生じないように指導をしてまいりたいと考えております。 同時にまた、離職者の就職のあっせんその他につきまして、必要があれば運輸省、労働省に協力を求めて就職あっせん等に極力努力をしてまいる所存であります。
○神田委員 現実的な就職のあっせんの際には県などの公共機関があっせんをするということになっておりまして、乗組員も安心して、円滑にこのことが進むというふうに考えられておりますが、政府としましては、県等に対しましてどういう形でこのあっせんに協力しあるいは指導するのか、水産庁並びに労働省から来ておりましたら御説明をいただきたいと思います。
○野尻説明員 運輸省船員局の労政課長でございます。 いま御質問のカツオ一本釣り漁業からの離職者につきましては、幸いにしていまのところ離職者が発生しておりません。しかしながら、今後離職者が発生いたしました段階におきましては、漁業再建整備特別措置法を適用いたしまして職業転換給付金を支給すると同時に、一方では県あるいは漁業協同組合等と御相談をし、あるいは協力をいたしまして再就職のあっせんに努めたい、かように考えております。
○今村政府委員 労働省、運輸省と十分協議をして対処をしてまいる所存でございます。
○神田委員 また漁業離職者対策の法律として、いわゆる漁特法と漁臨法、この二つの法律があります。この違いは、同じ減船に伴う離職者であっても、減船原因が国際協定の締結によるものである場合と、または自主減船によるものである場合とで就職促進手当等の給付対象年齢が違ってきているわけであります。たとえば、現在問題となっている二つの離職者問題でそれぞれ適用法律が異なっている関係で、給付対象も異なっていることになっております。乗組員の立場から見ると、その原因がどちらであれ離職した現実には変わりがないということから、この際漁特法による対策と漁臨法による対策とを同一にしてほしいという要望もあるわけでありますが、この点につきましてはどういうふうにお考えでありましょうか。
○野尻説明員 ただいまの御質問は、漁特法と漁臨法に基づく離職者対策について差異があるので、これについて調整を図るべきではないか、あるいは一本化すべきではないかという趣旨の御質問かと存じますが、御承知のように、漁特法は漁業を取り巻く経済的環境等に対応するために所要の事業者対策とあわせて離職者対策を講ずることになっておるわけでございます。具体的には、減船に関する整備計画が策定されまして、これに基づく農林水産大臣の認定という行為があります。そして、その実施に必要な事業者に対する助成措置等が行われると同時に、減船に伴いまして生ずる離職者対策を講ずる、こういうような仕組みになっておるわけでございまして、ある意味では、減船の段階から離職者の発生に至る段階までにある程度の調整をする余地があるわけでございます。 しかしながら、一方漁臨法につきましては、国際協定の締結といった外的要因に基づいて離職者が発生するわけでございまして、ある意味では避けることのできない要因であるということが第一点。そして、そのために一時に多数の離職者が発生するという特色を持っているわけでございます。こういうような観点から、漁特法と漁臨法による離職者対策に若干相違があることは事実でありますし、そういうような仕組みになっておるわけでございます。 なお今回のカツオ漁業につきましては、先ほど答弁申し上げましたように、現在のところ離職者が発生していないということでありまして、いまのところこの問題について特に心配はないと存じておりますが、今後、一時に多数の離職者が出るというような事態が発生しました場合には、改めてその時点において検討したい、かように存じております。
○神田委員 次に、以西底びきの減船に伴う離職者問題であります。 先ほど水産庁長官の方の御答弁もありましたが、単純に計算しましても七、八百人の離職者が出ると言われております。これらの者はもうすでに四十歳以上の高齢者で職業転換もなかなか容易でない状況である、できるだけ、残っている以西底びき漁業に吸収させるように指導していただきたい、こういうような要望を申し上げたわけでありますが、以西底びき漁業は大洋、日水などの大手水産業者が多数の漁船を動かしているわけでありまして、大手水産会社が親会社になっている場合が非常に多いのであります。したがいまして、これら大手水産会社の責任としても離職者を出さないように指導する必要があるというふうに考えますが、この辺のところにつきましては水産庁としてはどういうふうに御指導なさるつもりでありますか。
○今村政府委員 以西底びきの減船に伴います離職者につきましては、先ほども申し上げましたようにできるだけ以西底びき網漁業の配置転換等によって処置するように指導をしてまいりたいと思っております。以西業界の会長としましてもできる限り最善を尽くしてそのような方向で対処したい、こういうふうに申しております。 大手へ吸収する可能性ということについて考えますと、大手水産会社は、御承知のように過去の北洋減船等によって相当の人員を抱えておるということもございまして、大手水産会社へ吸収できればいいのでございますが、この点はなかなか問題であると思われます。したがいまして、以西業界内部での吸収について特に指導してまいりたいと考えておるところでございます。
○神田委員 しかし、その大部分が大手水産会社によって動かされているわけでありますから、大手水産会社に対しましても、まず失業を出さないようにすること、あるいは出た場合にはその中での引き取りというようなことにつきまして、水産庁としてもう少しきちんとした指導の姿勢をひとつ明らかにしていただきたいと思うのであります。
○今村政府委員 以西業界が大手水産会社と密接な関連性がある部分はそれほど大きくないので、主体となるのは大体中小関係漁業者ではないかと私は思っております。もちろん、そういう大手との関係があるところにありまして大手で吸収できる部面がありますれば、それはそれに越したことはないわけでございまして、そういう側面についても十分留意をいたすつもりでございます。
○神田委員 これは水産庁の方と見解が違うようでありますから、また細かく再調査をして御質問を申し上げます。 続きまして、サケの消費者価格が非常に上昇しているということでいま問題になっております。昨日の読売新聞によりますと、サケの価格が急騰して、その原因は水産業界が価格操作に乗り出したものではないか、こういうふうに書いているわけであります。 記憶に新しいように、昨年暮れの冷凍水産物流通をめぐる種々の問題がありまして消費者に非常に大きな影響を及ぼしたと同時に、生産者も、この問題の発生と収束に伴いまして魚の価格が低落をして重大な影響をこうむった、こういうことがあったわけであります。魚価の上昇の問題を本委員会で取り上げましたことが、その影響が非常に大きくて生産者魚価を左右するようなおそれがありましたことは新聞等でも報道されました。 今回の場合、サケ価格上昇の原因を早急に明らかにして、万一不正がある場合には早くその芽を摘まなければならないし、また消費者に対する誤解を解かなければならないと考えておりまして、適正な生産者魚価、消費者魚価を形成していかなければならないと考えているわけでありますが、まずサケ・マスの生産者魚価、消費者魚価の動向を、昨年に比べてどういうふうになっているか、簡単で結構ですからお知らせをいただきたい。新聞によりますと、昨年から三割ないし四割高くなっていると報道されておりますが、いかがでございますか。
○今村政府委員 昨年は、御存じのようにサケの産地価格が安うございましたし、消費地価格も非常に安うございました。本年におきますサケの産地価格につきましては、六月ごろまでは前年を下回っておったのでございますが、七月ごろから回復基調に転じまして、九月には前年を約二〇%上回って推移をしております。しかし、小売価格につきましては、昨年八月以降じり安に移行しまして、本年七月には百グラム当たり二百五十円ということで、五十二年平均の水準まで低落したわけでございますが、その後やや上昇ぎみでございますけれども、九月現在において前年に比べて七%安ということで推移をいたしております。
○神田委員 そうしますと、新聞等で言われている三、四割高いというのは間違った報道であるわけですか。
○今村政府委員 私の方の調査では、三、四割も高くはないと思っております。
○神田委員 長官の答弁ですと、七%くらい安い、結局昨年よりも安く推移している、こういうことでよろしゅうございますか。
○今村政府委員 私が七%と申し上げましたのは小売価格でございまして、産地価格で見ますと九月では前年を約二〇%上回っております。
○神田委員 このサケの値上がりが価格操作ではないかというふうな疑いを持たれているということが一つでありますね。したがいまして、そうであるというような状況があるのかどうか、その辺はどうでございますか。
○今村政府委員 昨年はサケの輸入も相当多うございましたし、また、回遊してきました国内産のサケも八万五千トンというふうに史上最高を示したわけでございます。したがいまして、ストックも相当持っておったわけで、価格も非常に安かったという状況でございます。その後価格が安いということもございまして消費が伸びまして、現在在庫は非常に減っておるわけでございます。同時にまた、ことしは輸入は昨年よりも少ない、それから回遊する国内産も八万五千トンには至らないで八万トン程度ではないかということで、産地側は強気になっておることは確かでございます。したがいまして、産地価格はいま申し上げたような形で上昇を示しておるわけでございまして、現在のサケの在庫は産地側にあるというふうに見込まれます。 したがいまして私たちとしましては、産地側に対し、いたずらに価格の上昇を期待することなく安定的に消費地に供給をするようにという指導を現在いたしておるところでございまして、去年のかずのこの例に見られるようなことのないように、私たちとしては十分留意をして指導をしてまいる所存でございます。
○神田委員 昨年大変大きな問題になった水産物流通の問題が出たわけでありますから、ひとつ早目に対策を立てていただきまして、そして不当な価格操作等の問題がないように御指導いただきたい、こういうふうにお願いをしまして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ————◇—————
○菊池委員長代理 この際、参考人出頭要求に関する件につきましてお諮りいたします。 農林水産業の振興に関する件について、参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菊池委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人の人選、出席日時及びその手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菊池委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、来る十一月五日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時六分散会