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93回国会衆議院1980/10/22

農林水産委員会 第2号

発言数
200
登壇者
25
会派数
5
開催日
1980/10/22

会議録

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 これより会議を開きます。  安井吉典君外七名提出、昭和五十五年における冷害等に係る被害農業者のために被害市町村が実施する緊急冷害等対策事業に関する臨時措置法案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。小川国彦君。

小川国彦日本社会党

○小川(国)議員 私は、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました昭和五十五年における冷害等に係る被害農業者のために被害市町村が実施する緊急冷害等対策事業に関する臨時措置法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  今年の異常気象による農作物の冷害などによる被害は、昭和五十一年冷害被害を上回り戦後最大の被害となり、減反政策の強化の中で苦しんでいる農家経営に深刻な打撃を与えています。  私も東北六県を初め千葉、茨城、九州の福岡、佐賀の十県に冷災害の実態を一カ月有余にわたり調査してまいりましたが、特に国全体の被害の四八%にも当たる東北六県の冷害の状況は、餓死の年と呼ばれるほどに深刻でありました。  青森県の山間部、平野部、岩手県の山間部、宮城県、福島県の海岸部と山間部、秋田、山形の山間部と、被害の甚大さは、至るところで収穫ゼロという農家群を多数発生せしめておりました。  これを救済するために在来の法律では、天災融資法の発動及び激甚災害法の適用、またはこれに基づく融資限度額の引き上げ、利子及び償還期限の延期等の施策が用意されております。もちろん天災融資法は、二県七十億円以上の被害があれば当然適用されるものであります。  しかし、問題は中身なのであります。たとえば、天災融資法の資金は、営農のための農機具その他の購入資金であって、生活費には使えません。そこで自作農創設維持資金がこれに充当されるのでありますが、生活資金の借入限度額は百五十万円までであります。したがって、昭和五十一年災害で百万円借りた農家は今回は五十万円しか借りられないのであります。これは、農家一世帯五人から七人という世帯の最低生活費にはもちろん及ばず、飢えて死ねというに等しいものであります。  被災農家の窮状はさらに厳しく、被災農家からの要望は政府売り渡し米の概算金の返納期限の延期と利子の減免にまで及んでおります。  本来なら、前払い金でありますから、政府売り渡し米が出せないときは当然その金は返済すべきものであります。一俵当たり約三千円の概算金、しかし零細経営農家の状況は、それさえ返せないというところに追い込まれているのであります。  こうしたあすの生活資金にも事欠く農家の状況は、収穫皆無農家が過半数を占める青森、岩手の両県に多く見られるのでありますが、同様の状況は、宮城、福島の海岸部、山間部、秋田、山形の山間部等、随所の農家群に顕著に見られるのであります。  これらの地域においては、一様に抜本的な緊急冷害等の対策事業を望んでいるのであります。ここには、明らかに現行の法制度では救済し得ない状況が存在しているのであります。  われわれはこのような激甚な冷害地の被害農家の窮状にかんがみ、一日も早く被害農業者を救済し、生活の安定を図り、農業の再生産を確保するためにこの法律案を提案する次第であります。  次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。  第一は、この法律の目的であります。  この法律は、昭和五十五年六月から十月までに冷害、水害または風水害によって損失を受けた被害農業者のために、被害市町村が実施する緊急冷害等対策事業に要する経費の財源として国が緊急冷害等対策交付金を交付するなどの措置を講じて、被害農業者の生活の安定と農業の再生産を確保することを目的としております。  第二は被害農業者、被害市町村の定義であります。  まず、被害農業者は、農業を主な業務とする者であって、昭和五十五年六月から十二月までに収穫される農作物、畜産物及び繭の冷害等による損失額が、その者の平年における農業総収入額の百分の十以上である旨を市町村長の認定を受けたものとしました。  次に、被害市町村は、その区域内における被害農業者が二十人を超える市町村といたしました。  第三は、緊急冷害等対策事業の内容であります。  被害農業者の生活安定と農業の再生産の確保のため、被害農業者に緊急かつ臨時に、就労の機会を与えることを目的として、被害市町村が地域の実情に応じて将来の冷害防止に役立つ事業を創設し、被害農業者の技能、体力等の状況に照らして実施するものとします。この場合、被害農業者の現金収入を確保するために事業費のうち労力費の占める割合を百分の五十以上としました。  第四は、緊急冷害等対策事業の計画と承認であります。  まず、被害市町村はこの法律によってこの事業を実施するときは、緊急冷害対策事業計画を定め、都道府県知事を経由して主務大臣に提出し、承認を受けなければならないこととしました。  次に、主務大臣は、承認の申請を受けたときに、当該市町村の区域内における被害農業者数及び当該区域の自然的、経済的条件を勘案して適当であると認められるときは、関係行政機関の長と協議して承認することとしました。なお、事業計画の変更についても準用することにしております。  第五は、緊急冷害等対策交付金についてであります。  国は被害市町村に対し、冷害等対策事業計画の実施に当たり、必要とする経費の財源として、当該経費の三分の二を下らない範囲内において交付金を交付することとしました。  第六は、起債の特例措置であります。  被害市町村が冷害等対策事業の実施に当たって必要とする経費を、地方債をもって財源とすることができるようにしたことであります。なお、この地方債は資金事情が許す限り、国がその全額を引き受けるものとし、元利償還に要する経費は、地方交付税の基準財政需要に算入することとしております。  以上、この法律案の提案理由及びその内容について御説明申し上げました。  この法律案は、全国で冷害等のために、年間生活費はもとより、現金収入の道を断たれ、自家飯米すら持たない被害農業者のきわめて切実な要望にこたえ、その迅速な救済を期する法律案であることを御理解され、十分なる御審議の上、速やかに御可決されんことを切望いたします。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。      ————◇—————

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 次に、内閣提出、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。亀岡農林水産大臣。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  この法律案は、厚生年金保険における年金額の引き上げに伴い、国家公務員共済組合制度その他の共済組合制度に準じて、年金の算定の基礎となる定額部分の額の引き上げ等を行うことにより、給付水準の引き上げを行おうとするものであり、さきの通常国会に提出し審議未了となった法律案と同一の内容でありまして、法律案の附則につきまして若干の条文の修正を行っております。  次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  第一は、年金の算定の基礎となる定額部分の額の引き上げであります。これは、通算退職年金の額の算定方式により算定することとされる退職年金等の額のうちの定額部分の額を引き上げようとするものであります。  第二は、退職年金等に係る最低保障額の引き上げであります。これは、昭和三十九年改正後の農林漁業団体職員共済組合法、いわゆる新法に基づく退職年金、遺族年金等に係る最低保障額を昭和五十五年六月分から引き上げようとするものであります。  以上が、この法律案の提案理由及び主要な内容であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 引き続き、補足説明を聴取いたします。松浦経済局長。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。  この法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。  第一は、年金の算定の基礎となる定額部分の額の引き上げであります。これは、通算退職年金の額の算定方式により算定することとされる退職年金等の額のうちの定額部分の額を三十九万六千円から四十九万二千円に引き上げようとするものであります。なお、現行の額は、厚生年金保険の物価スライド措置を参酌して改定を行ういわゆる物価スライド政令により三十九万六千円から四十七万七千九百七十二円に引き上げられておりますので、実際には、四十七万七千九百七十二円から四十九万二千円への引き上げとなります。  第二は、昭和三十九年改正後の農林漁業団体職員共済組合法、いわゆる新法に基づく退職年金等に係る最低保障額の引き上げであります。これは、退職年金、障害年金及び遺族年金の最低保障額を昭和五十五年六月分から引き上げようとするものであり、たとえば、退職年金については、五十五万二千円から六十八万四千円に引き上げることといたしております。なお、現行の最低保障額につきましては、いわゆる物価スライド政令により、それぞれ、その額が引き上げられており、たとえば、退職年金の最低保障額については、六十三万三千九百七十二円となっておりますので、実際には六十三万三千九百七十二円から六十八万四千円への引き上げとなります。  以上のほか、所要の規定の整備を図ることといたしております。  以上であります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。     —————————————

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中恒利君。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 私は、ただいま提案されました農林漁業団体職員共済組合法、通称農林年金の一部改正につきまして若干の御質問を申し上げます。  本法は、すでにさきの九十一国会におきまして与野党一致で本委員会を通過をしたものでございますが、御承知の厚生年金、健康保険法改正と絡み、国会の解散などで再提案をされたのでございまして、私どもも基本的には賛成の立場をとっておるわけでございますが、鈴木内閣が誕生いたし、亀岡農林水産大臣が御就任になりましたので、改めてこの機会に若干の問題、特に年金財政改正点の二、三の問題につきまして、この際御意見を承りたいと思います。  まず農林大臣にお尋ねをいたしますが、最近この農林年金の制度、内容をめぐりまして、他の共済組合年金とほぼ同列水準になった、こういう話があちこちで大分聞こえるわけでございますが、しかし、私どもは必ずしもそうは思っておりません。農林年金制定の過程の中から持ち残されておる問題もございますし、特に年金の内容の土台になります、たとえば農林漁業団体職員の賃金の水準、それに伴う給与の水準が他の年金などに比べて大変低い、あるいは行われております福祉事業の状況も決して十分なものではございません。そういう意味もありまして、今後十分検討しなければいけないと思っておりますが、亀岡農林大臣は、この農林年金について今後どういう改善点を持ち、どういう方向でこの問題について取り組んでいただくのか、この際、改めて大臣の御意見を承りたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 御指摘のように農林年金制度は、農林水産業の発展に重要な役割りを担っております農林漁業団体にすぐれた人材を確保する必要性から、厚生年金から分離して発足をいたした制度でありまして、その意味におきましては今日まで重要な機能を発揮していることは御承知のとおりでございます。しかし、高齢化社会への移行、年金の成熟化が進行する中で、年金財政が、現状のまま推移しますときわめて厳しい事態を迎えかねないという状況でございます。  このような事態を克服してまいりますため、長期的に検討をし、長期的な視点に立って各世代間の負担の公平、給付内容の充実と掛金負担のバランス、厚生年金及び各種共済年金との整合性等を慎重に考慮をして、今後の健全な年金財政の運用を図っていく必要があると考えておる次第でございます。現在の組合員に対しましては、負担すべきものは負担していただくよう御理解と御協力をお願いしながら今日まで整備を図ってきておるところでありますが、一方におきまして国としても尽くすべき努力は尽くしてまいった。特に御指摘のありましたように、農林年金制度の制定された立法の精神というものをこの年金内容に生かすために全力を挙げてきておりますことは、田中委員も御承知のところでございます。私といたしましては、今後も関係者の御意見、各般の研究調査の成果等を十分承りながら、農林年金をめぐる諸課題に真剣に取り組んでまいりたい、こう考えておる次第でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 大臣の御答弁の中にも若干の問題が指摘をされておりますが、特に先ほど年金財政が大変厳しい状態を迎える、こういう御発言があったわけでありますが、年金の財政状況につきまして当該局長さんの方からひとつ御報告をいただきたいと思います。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 年金財政の事情がどうなっているかというお尋ねでございますが、農林年金の給付額は、昭和五十四年度におきましては六百二十七億円ということになっておりまして、五年前に比べて三・三倍、十年前に比べまして十倍以上の伸びとなっております。また、人口の老齢化等を反映いたしまして、いわゆる成熟化率、これは加入組合員に対しまするところの年金受給者の比率でございますが、この成熟率は、昭和五十四年度には、五年前の七・九%から一一・八%というぐあいに上昇しておりまして、今後におきましても他の年金に比べてかなり急速に悪化するのではないかというふうに考えられます。また、収支比率、これは支出に対する収入の比率でございますが、これを見ましても、成熟化率を反映いたしまして五年前の三・二倍から五十四年には二・一倍と減少いたしておりまして、現状のまま推移すればこの比率も急速な減少が見込まれます。さらにもう一つの指標でございますところの積立倍率、これは給付金の総額に対する積立金の比率でございますが、この率を見てみましても五十四年度は九・一倍で、五年前の十三・五倍に比しまして急激な減少を見せております。  またわれわれの試算でございますが、たとえば年金の給付が掛金収入を上回るという事態を想定いたしますと、もしもこの掛金率が現状のまま据え置かれる場合には、四年後の昭和五十八年にこういう事態が生ずると考えられますし、また年金総支出が総収入を上回る事態は十一年後の六十五年、保有資産がゼロとなるというような見込みは二十年後の昭和七十四年という状態になっております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 いま農林年金の成熟度の問題、給付効率なりあるいは積立金に対する給付の割合ですか、そういったような年金財政上の指標に関する問題の御報告がありまして、非常に急速に財政的に厳しい、こういうお話であります。現実にそういうことになっておると思いますが、問題はそういう問題が一体どこから出てきたのかということでありまして、年金財政の状況を見てみると、やはり整理資源というか、物価が上がって当然給付が高くなっていかざるを得ない、こういうインフレ現象、そういうもののウエートが非常に高いわけですね。そういう問題についてのいわゆる財政上の立て直しを、そういう立場でどこが持っていくべきか、こういう問題が大きな立場であろうかと私は思うわけであります。  最近どうも年金の財政が、いまおっしゃったような状態で非常に厳しくなってきておるので、イコール掛金率がそれに伴って大きくならざるを得ない、こういう声がだんだん高まってきておる。もちろん掛金率も適正な掛金率というものは考えなければいけませんが、一方的に掛金に年金財政の悪化を転嫁していくということについては私どもとしては大きな問題でありますし、当委員会においでもいろいろ議論をし、政府当局も掛金については最小限の上昇にとどめなければいけない、こういう答弁を幾たびかしていらっしゃるわけでありますが、いま年金の再計算期に入って、これら年金財政の具体的な諸問題の整理がなされておると聞いておりますが、大体これはいつごろはっきりしていくのか、現在どの程度の不足財源が考えられておるのか、掛金率は大体想定をしてどの程度になっていくのか、こういう点につきまして重ねてお知らせをいただきたいと思うのです。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 農林年金の財源率の再計算は、昭和五十四年度末の統計資料に基づきまして、組合員の加入、脱退の状況あるいは死亡率、余命年数、有遺族率あるいは昇給状況、さらには年金者の受給期間の変動等、計算の基礎となる数値を確定いたしまして、昭和五十五年四月一日現在の給付内容を前提といたしまして将来の年金給付の額を推定し、これに必要な財源を計算するものであります。  しかしながら今回の計算は、昭和五十四年度の改正によりまして年金の支給開始年齢の引き上げがございましたし、また減額退職年金の受給年齢の制限であるとか、あるいは退職一時金制度の廃止あるいは通算退職年金制度の改善、脱退一時金制度の創設といったような、非常に多岐にわたる非常に複雑な計算を要する要素がございまして、現在実は学識経験者でございますところの七人の方々で構成いたします農林年金財政研究会というのがございまして、ここで年金財政の諸問題を検討していただいているという状況でございます。ただいまのお尋ねでございます、いつこれが具体的になるかということでございますが、必要財源率が確定するのは本年の十二月以降になるのではないかというように考えております。  次に、一体不足財源がどのくらいになっているのかというお尋ねでございますが、不足財源は、いわゆる不足責任準備金と言われておりますものがそれに当たるわけでございますけれども、現行の財源率計算、これは四十九年度末の基準で計算いたしましたものでございますが、このときは八千五百十六億でございました。ところが、今回の再計算期の五十四年度末におきましては二兆二百四十五億円ということになっております。この不足責任準備金は、現行の財源率の計算の基礎によって試算をいたしますると、これが約千分の百五、一〇五パーミルでございますが、程度となっております。先ほど申し上げましたように、現在、財政再計算につきましては、このような新基礎によりましてどのような数値になるかということで計算をいたしておりますので、いましばらく計算はまだ結果が出てこないということでお待ちを願いたいというふうに思います。  さらに、掛金率はどうなるかということのお尋ねでございますけれども、現行の総財源率、これは数理保険料率とそれから先ほど先生がおっしゃいました整理財源率の合計値でございますけれども、これは前回の財政再計算の基礎になりました四十九年度末基準というのでは千分の百七十二・四一でございました。五十年度から五十四年度までの間に、先ほどもお話しのように組合員の給与水準も改善されてきておりますし、また年金者の年金額の改善も逐次進んでまいっておりますので、これらを見込みますと、試算をいたしましたところによりますれば、五十四年度末における総財源率はおおむね千分の二十程度の数値で増加するのではないかというふうに考えられます。これは先ほど申しましたように、まだ計算中でございますので確定的な数字ではございませんが、私どもが試算いたしますとかような数字になります。これを掛金率に換算いたしてみますると、仮に総財源率の上昇分を現在採用している修正率、これは先生御案内のとおり七七・五%でございますが、これで修正する等によりまして計算いたしてみますると、全くの試算でございますが、引き上げ幅は千分の二十には達しないというふうには思われますが、千分の十を相当程度上回るものであるというふうに考えておる次第でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 私も年金の財政研究会の資料を若干持っております。いまちょっと局長の方からお話がありましたが、私も多少計算をしてみますと、五十四年度末でどうも千分の十三程度のものになるようだし、今度の改正を入れると十五、十六、その辺が掛金率として出てくるような感じが、私の試算ですから非常に大ざっぱですが、しておるわけです。この際、修正積立方式で修正率七七・五%、これで掛け金率を多少カバーしておる節があるのですが、これをどうもいじっていくのではないかという話も聞くわけです。今回の掛金率の設定に当たって、従来のこの方式をそのまま踏襲をしていくのか。あるいは金利差益の問題などについていろいろ内部的には検討されておる、しかし、その方向はどうも掛金が逆に高くなる方向で作業が進められるのじゃないかという不安を持っておるわけでありますが、そういう点についてこの際、ひとつ作業の状態をもう少し詳しくお知らせいただきたいと思います。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 まず第一点の修正積立方式に基づきますところの修正率をどうするかという問題でございますが、御案内のように、農林年金の財政方式は従来いわゆる平準保険料率方式というものをとってまいりまして、前回の再計算期になりましてから初めて、財源率が非常に大幅に増高するという状態がございましたので、その掛金率の急激な増高を避けるという一つの手段として、いわゆる修正率、二二・五%相当を後代負担にするということにいたしたわけでございます。必要財源率の修正を乗ずるということは、現在の組合員の負担の急激な増高は避けられるということになるわけであります。その効果はございますが、他面、本来現在の組合員が掛金として負担すべきであるところの財源を後の世代の組合員に負担させるということになりまして、この修正の度合いを大きくすればするほど後代負担が過重になる。しかもそうなりますと世代間の公平の問題も生じますし、また将来の年金制度の健全な運営という点からも問題が生ずるのではないかというふうに考えている次第でございます。したがいまして、この修正率の採用につきましてはきわめて慎重な配慮、検討を要するというふうに考えております。  したがいまして、現在実施中の財源再計算の状況でございますが、この修正率をどうするかということは、ただいまのような考え方を前提にいたしますけれども、とにかく検討の一環といたしまして、現在先ほど申しました農林年金財政研究会で十分に御審議をしていただいておりますので、その検討の結果も十分に要素として考えさせていただきまして、そのあり方を最終的に判断いたしたいというふうに考えている次第でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 問題は掛金であります。千分の十五程度に落ちつくようなお話がありましたが、現在国家公務員が千分の百三、地方公務員共済が千分の百四、厚生年金がこの間修正をされまして千分の百六程度ですか、私学共済は千分の百四ですか。そうすると、この農林年金というのは千分の百十台を上回って百十五、これは大変な掛金の上向になると思います。こういう事態は何としても避けていただかなければいけないと思いますので、この年金財政のいまの検討の作業に当たって、十分そういう面を配慮して進めていただきたいと思いますが、この点についてこの機会にお聞きをしておきたいと思います。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 先ほど御答弁を一つ落としましたのでつけ加えて申し上げますが、利差益の点でございます。利差益につきましては、積立金の運用につきましては基本的に五・五%以上の利回り確保を義務づけているという状態になっておりますけれども、実際の運用利益は五十四年度をたとえて申しますと七・四五%ということで、いわゆる利差益が生じておるわけでございます。前二回の再計算では、掛金率を抑制するという目的から、あらかじめある程度までの利差益を見込んで掛金率を決定するという、ほかの年金では採用されない方策をとってまいったのでありますけれども、しかし今後年金財政の厳しさが深まってくる、あるいは将来積立金についても金利の変動等によりまして減少に向かうことが懸念されるというようなことも考えてみますると、このような措置を続けることがいいのかどうかということにつきましても問題がございますので、さような点につきましても先ほど申し上げました研究会で十分に審議していただきたいというふうに思っておりまして、その結果を踏まえてわれわれも結論を出したいと思っております。  それから、ただいま御指摘の、そのようなことで掛金率が相当に上向する可能性がある、したがって、それを組合員の方々に負担をしていただくということについては相当問題があるのじゃないかという非常に重要な問題の御指摘でございますが、この点につきましては私どもといたしましても、できるだけ組合員の負担が軽い状態で、しかも給付の内容が充実するということが望ましいわけでございます。しかしながら、やはり余り後世代にいろいろな負担をかけていくということも問題がございますし、またこのような給付の内容が充実されるならば、また給与の上昇ということがあるならば、それに応じた負担もやはりしていっていただきたいということで、一番最初に大臣からお答えをいただきましたように、やはり組合員に負担すべきものは負担していただくということにつきましての御理解と御協力を求めていくという姿勢で臨みたいと思いますが、一方におきまして、また国としても尽くすべき努力、特に掛金に対しますところの国庫の負担でございますが、給付に対する負担になっておりますけれども、これにつきましては、先生御案内のように五十六年度予算では、給付に対する一八%の負担を二〇%の負担ということで要求をいたしておりますし、さらに調整財源につきましても三%ということにしたいということで目下予算の要求をいたしておりまして、これにつきましての最大限の努力を払っていって、掛金の負担をできるだけ軽減していくという方向で努力いたしたいと考えておる次第でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 農林年金の今日のこういう財政状況を克服していくためには、もう打開の道はきわめて単純でありまして、いわゆる国庫負担というか、補助というか、そういう財政援助をどうしていくか、現在の積立金を中心とする運用益をどれだけふやしていくか、そしてどうにもならぬという段階で最小限掛金がどれだけ上がるか、こういうことに尽きると思うわけであります。  先ほど大臣は、ごあいさつ、所見の中で、掛金負担のバランスなどを考えなければいけない、こういう御発言もあったわけでありますが、先ほど私が申し上げましたように、農林年金の掛金負担は非常に多くなる、こういう状況に立っておりますだけに、これまで本委員会で、昭和四十年以来二〇%の財政補助、それから三%の財源調整費、こういうものについての委員会の年金法改正ごとの附帯決議が積み重ねられてきておるわけでありますが、事態は今日まだ実現をしておりません。先ほど局長がお話しのように、来年度の予算の要求額の中にも農林省としては提出をしておるようでありますが、問題は、これが実現できるかどうかということにかかるわけでありますが、農林大臣は、この農林年金の財政状態を処理するために、来年度の年金の国庫補助、財政負担についてどういうお考えでひとつ臨んでいただくか。私どもとしては、たび重なる問題でありますが、予算の編成期にも入っておりますので、この際、ひとつ大臣のきちんとしたお答えをいただきたいと思うわけであります。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 農林年金の補助率の引き上げにつきましては、ただいま御指摘のありましたとおり、当委員会からも、また関係団体からもたびたび要請をされてきておるところでございまして、私も十分承知をいたしておるところでございます。農林水産省といたしましても、来年度の予算編成の際にできるだけの努力をいたしたい、こう考えておるわけでございます。  振り返ってみますと、五十四年度予算においても財源調整費について改善を図ってきたところでありますが、五十五年度も一・八二%というふうになっております。しかしながら、国庫補助率につきましては、公的年金給付に対する補助率が、従来から各年金制度の給付内容に応じて全体としての均衡に配慮して設けられてきたという関係から、五十五年度も実現に至らなかったことも、実は承知をいたしておるわけでございます。私といたしましても、多年の問題でありますので、五十六年度予算要求に当たりましては、定率補助については一八%を二〇%に、財源調整費補助につきましては一・八二%相当額を三%相当額に引き上げることを目標にいたしまして概算要求をいたしておるところでございますので、これの実現のために最大の努力をしてまいりたい、こういう腹づもりでおる次第でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 最大の努力をしてみたいということでありますが、ひとつこれは腰を据えてかかってもらいたいと思うのです。具体的に予算折衝に入ると、一度、二度担当部課長から局長交渉、それから政治折衝に入るわけでありますが、大臣、いま大蔵省に出しておりますこの年金の予算、これはひとつ大臣折衝の最終段階まで粘ってもらうかどうか、この点どうですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 もちろんここで私が申し上げた以上は、私が責任を持って実現に努力をするということでございますので、その点御理解をいただきたいと思います。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 大蔵省来ておると思いますが、私ども、これは農林大臣に申し上げた後で大蔵省というのもあれですけれども、毎年農林年金のこの問題について同じ意見を繰り返してきておるわけであります。私どもこの委員会でこれほど同じ表現の附帯決議を重ねたことはないと思うのですが、この問題について、細かいことを言い出したらいろいろありますけれども、時間的余裕もありませんが、いずれまたゆっくりしたとき議論させてもらえればいたしますけれども、大蔵省も何とかことしあたりこの問題について処理をきちんとしていただきたいと思うのですが、大蔵省当局どうですか。

安原正大蔵省主計局主計官

○安原説明員 ただいままで年金財政をめぐりまして御議論がございました。その御議論を通じて明らかになってまいっておりますように、公的年金制度につきましては大変厳しい状況にありますし、これからもますますその厳しさが増していくものとわれわれも考えております。御案内のとおり、今後高齢化が急速に進展いたしますし、逐年年金の制度の成熟化が進行していくという状況で、給付費が相当のテンポで増大してまいります。当然のことながらこれを保険料財源、一般租税財源でもって賄っていかなければならないわけでございまして、何らかの形でそういう費用負担が増大していくということは避けられないわけでございます。  そこで、年金制度全体の問題といたしまして、給付につきまして重点化を図るとかあるいは適正化を図る点があれば図っていかなければならない。これを賄う費用負担につきましても、その間の財源のバランスとかあるいはそれぞれの費用負担の公平化というものを考えていかなければならない。その上で中長期の観点に立ちまして、その費用負担のバランス、特に先ほども出ましたように世代間の負担の公平ということに十分留意しながら考えていかなければならない。そういうことで、今後それぞれの年金制度につきまして、高齢化社会にたえ得るような制度にしていく見地から十分な点検が必要であると考えております。  そこで、年金に対する国庫負担の問題でございますが、年金は社会保険システムということで運営されておりますので、あくまで御案内のとおり、保険料財源でもって相互連帯という原則に立って給付を賄っていただくというのがもう基本でございます。国庫負担はそれを補完するということで行っているものであるという点を御理解いただきたいと思います。それから、全体としてわが国の公的年金に対する国庫負担の水準というのは、国際的にもかなり高い水準にあるということも御理解いただきたいと思います。  ただいま毎年度国庫負担の引き上げをしておるではないかという御指摘でございますが、御承知のとおりそういう各種公的年金に対する国庫負担というのは、それぞれの制度の給付内容あるいはそれぞれの被保険者グループのサイトを、諸般の事情を総合勘案いたしましてバランスのとれた形で設定しているわけでございまして、現在そういうことで農林共済年金の場合一八%という定率負担になっております。全体としてのバランスというものがございますので、このバランスを崩すような国庫負担の変更ということは困難であるというぐあいに財政当局としては考えております。  御要望は承知いたしておりまして、別途財源調整費というものを設けましてその増額には努力いたしておるところでございまして、五十五年度におきましても、厳しい財政事情のもとで、定率負担のほかに財源調整費として農林共済の場合十三億九千六百万円を計上させていただいておるところでございますので、こういうことで御理解を賜りたいと思います。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 大蔵省の言い分については余り理解できないのです。いろいろ社会保障なり年金制度の問題について、諸外国との比較などについても、資料など大蔵省の出しているものとわれわれ持っておるものとやはり多少食い違いもありますし、社会保障全体は、私どもは日本の場合先進国に比べてまだ非常におくれておる、こういう見方をしております。国庫財政の負担などについてもでありますし、特に被保険者の負担率というのは各国と比べて非常に高い、こういう考えに立っておりますので、やはりこれはそういった単年度で処理できる問題ではありませんけれども、方向としてはやはりアメリカなりイギリスなり、あるいはスウェーデンなどは特別でありますが、そういう方向に向かってやはり努力をしていくということが、何といったってこれからの福祉国家の基本だと思うので、やはり年金の問題につきましては、農林関係では一つの大きな社会保障制度、農林漁業団体職員に対する将来の大きな支えになっておるのでありますから、われわれとしてはいままで主張してまいりました方向で、特に当委員会与野党挙げて決めておることでありますから、ぜひ大臣、ことしの予算折衝に当たって、先ほど来お話ありましたけれども、最終的にひとつ財政当局に粘りに粘っていただいて、農林省はもう二〇%、三%というのを出しておるわけですから、これをことしは何としても実現してもらう、そういう形で努力をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  次に、年金の改正点について二、三御質問をいたします。  最低保障額は本来一本のものでなければならないはずでありますが、今回の改正案によりますと旧法年金には適用されない、こういうことになっておるわけであります。これは今後どういうふうにお考えになっておるのか、お尋ねをいたしたいと思います。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 農林年金の最低保障額は、御案内のように新法の適用者、これは昭和三十九年十月以降の退職者でございますが、それと旧法の適用者、これはそれ以前の退職者との間で扱いに差異がございまして、たとえば旧法の適用者につきましては、六十五歳未満の者あるいは組合員期間が二十年未満の者というような方々をとりますと、新法適用者より旧法適用者の方が平均して二三%ぐらい格差が生じているというのは事実でございます。  これにつきましては、やはり基本的なことを申しますと、共済年金制度共通の原則といたしまして、年金額の算定は常にその給付の事由が生じた時点における制度によるという考え方をとっておりますので、その意味で申し上げますと、やはり恩給制度に準じて給付が定められておりますところの旧法年金者、これに対しまして制度的に新法年金の水準というものを保障するということは非常にむずかしい問題だというふうに考えます。しかしながら、先生御指摘のように、この新法と旧法の格差につきましては、やはり是正をしていくということが必要であるというふうに考えてまいりまして、年々その改善を図ってきたわけでございますが、このような最低保障額と絶対最低保障額の格差の是正に努めましたために、特に一家の支柱を失われました方に対する中心的な年金であるところの遺族年金については、従来の年齢等による扱いの区分、これは六十歳以上の者と六十歳未満の有子の妻とその他というぐあいに区分を設けておりましたが、これを撤廃したり、あるいは組合員期間の長短に応じて三段階の区分にしていたものを、二十年以上、二十年未満の区分だけとして、さらに九年未満の者の区分を撤廃するといったような諸措置を講じまして、漸次改善をしてきたところでございます。  五十五年度につきましても絶対最低保障額は引き上げておりまして、その結果、たとえば非常に高齢の方でございます六十五歳以上の方の退職年金をとってみると、絶対最低保障額、これは六月改定の水準でございますが、新法の最低保障額、これも同じく六月の改定でございますけれども、この両者を比較いたしますと、むしろ絶対最低保障額、つまり旧法の適用者の方が一万六千円ほど上回るという状態まで実は改善をいたしてきておるわけでございます。絶対最低保障額の引き上げについては、原則はやはり守らざるを得ませんが、今後とも努力をして、結果として旧法の年金者の最低水準の改定が実現できますように努力をいたしてまいりたいと考えている次第でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 新法、旧法の間の取り扱いは非常にちぐはぐになっておるわけでありまして、前国会で改正をした遺族年金に付加される寡婦加算については、逆に新法年金に適用されないということになっておるわけですね。こういう新旧で、ある事項については旧法のみになったり新法のみになったり、こういうことになって非常に複雑であります。年金というのは、やはり掛金を出していらっしゃる皆さんがすぐわかるようなものにするのが本来の姿だと思いますけれども、農林年金は、新旧のそういう発足当時の時点の切りかえの関係などがあって非常に矛盾した問題がたくさんあるわけです。この遺族年金も、これは五〇%ですけれども、最低八割くらいまで見てもらいたい、こういうことを私どもも言い続けておるわけですが、寡婦加算などについても、新法関係者にもこれを適用するようなことをしたらどうかと思うのですけれども、これはできぬのですか。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、今回の改正案では、いわゆる新法による遺族年金に係るところの寡婦加算の額及び扶養加算の額の引き上げについてはこれを見送ることにいたしております。  この理由を申し上げますと、寡婦加算の額を大幅に引き上げるということになりますと、どうしても遺族年金全体としての水準が問題になりますし、また寡婦以外の方、たとえば父母の方とか、こういう方々に係る遺族年金とのバランスの問題もございます。  さらに直接の問題として、このような改正をいたさなかったことの理由といたしましては、寡婦加算額の引き上げについて、厚生年金において、先生も御承知のいわゆる子なし若妻の問題があったわけでございます。子なし若妻については、四十歳未満の妻でございますけれども、この遺族年金の取り扱いについて厚生年金の場合には給付の権利を与えないという状態でつくられておりまして、このような問題は果たして妥当であるかどうかということが実は問題になりました。国家公務員共済につきましては、去る三月二十五日に国家公務員の共済組合の審議会から、「四十歳未満のいわゆる子なし若妻に対して遺族年金を支給しないこととし寡婦加算の大幅な引上げを図ることについては、多くの問題を含んでいるので将来の遺族年金のあり方ともあわせ十分検討の上、なるべく速やかに成案をうることとされたい。」という旨の答申が行われております。このために、厚生年金法の改正案において寡婦加算の額あるいは扶養加算の額が大幅に引き上げられておりますこと、あるいは旧法適用者についてはすでに寡婦加算の大幅な引き上げが行われているといったような状態がございまして、先生御指摘のようないわゆる不均衡が生じていることは事実でございますが、このような厚生年金制度の大幅な引き上げを行っていく、これを共済年金の方にもどう組み入れていくかということについては、ただいま申し上げましたような問題が多々ございますので、私ども関係各省庁とも十分協議いたし、また関係の審議会、研究会等の御意見も拝聴しつつさらに検討を続けまして、できるだけ速やかにこの問題についての解決案を出したいと考えておる次第でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 通算退職年金方式の関係とかあるいは厚生年金で配偶者の扶養加算が今度引き上げられましたが、共済組合の場合これは全部見送ることになっているようですが、こういう問題などがたくさんいろいろ具体的にはございます。最近厚生年金も非常によくなって、農林漁業団体などで、場合によっては非常に賃金水準の低いところは厚生年金の方が実質的には有利だという状況すらあらわれ始めてきておるわけでありまして、そういう点を十分検討していただいて、また必要な改正なり方策を打ち立てていただきたいと思います。  時間が来たということでありますが、最後に、農林漁業団体における定年制の問題、これは年金の支給と絡んで、御承知のように六十歳支給という方向に年金の方が先行してしまっているわけでありますが、現実はまだそういう形になっておりません。部分的には労使間の話し合いでだんだん定年延長の方向に向いておると聞いておりますが、農林省としてもこの問題についてもう少し強力に行政指導を展開すべきじゃないかと思うのであります。どういう状態になっておるのか、どういうふうにこれは取り組まれるのか、この際、お聞きをしておきたいと思います。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 各農林年金に加入しておられる団体の定年につきましては、最近の状況を見まするとかなり延長の方向に向かっていることは事実でございます。私どもといたしましては、特に先般いわゆる支給年齢の開始の時点を引き上げたということもございまして、つまり五十五歳から六十歳への経過的な引き上げということをお願いいたしまして、法案を通していただいたという経過もございまして、できるだけ定年の延長の方向をとっていきたいと考えておる次第でございます。ただ、これはあくまでも基本的には労使間の問題でございますけれども、しかし、行政庁といたしましても、このような定年の引き上げの方向につきましてさらにこれに指導を加えていくことは当然必要であると考えまして、実は昨年すでに私どもといたしまして、局長名で定年の引き上げにつきましての指導を各団体に対していたしておるという状況でございます。今後とも労働関係の各省とも十分に協議いたしまして、支給年齢の引き上げに伴いました定年制の施行、さらに定年の延長関係についての指導は強力に進めてまいりたいと考えておる次第でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 通達を出されたことも承知しておりますが、行政官庁としての立場で、余り十分な状況になっていないのじゃないかと私思います。定年の問題は、ある面では労使間の問題でもありますが、しかし農林省は農協の合併などについては相当強力な行政指導をやっている。極端に言えば、いやがっているのも持っていくという熱心なところも部分的にはあるのでありますが、こういう問題も年金の支給の関係と絡んでおるわけでありますから、側面的に相当強く重ねて要請をしていただいて、農業団体の経営者などともそれらについての合意を得るように努力をしていただきたいと思います。  質問を終わらなければいけませんが、大臣、この問題はいつも同じような議論をしなければいけないというところにまだ今日の問題があると思うのであります。予算の編成時期に入っておりますから、ぜひ農林省が当初旗を掲げております要求額を満度に実現するように、腰を入れてがんばっていただきますように、強く御要請を申し上げまして私の質問を終わらせていただきます。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 吉浦忠治君。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。  国民の平均寿命が年々延びておるわけでありまして、今日はわが国は世界においても有数の長寿国と言われているわけであります。したがいまして、老後をいかに安心して生活できるかということが大きな課題であるわけでありまして、こういう要求が年金受給者だけではなくて、すべてひとしく国民の願いとしていま浮かび上がっているわけであります。これはお年寄りも若い者も含めての共通の願いであります。したがいまして毎回毎回、年金、特に農林年金等が議題になって、そしてなおかつこの質問をしなければならないというのは、改定されないがゆえに要求が出されているわけであります。こういうわけで、時間の関係もございまして、私はほんの少しばかりの大きな項目だけを質問させていただきたいと思うわけであります。  今回の改正案で改定されますところの定額部分の額の改定でございますが、これは厚生年金の改定額に合致させたものであろうと思いますけれども、その改定額が二・九%程度の引き上げにとどめられているわけであります。これは昨年度の物価の上昇率等を見ましても、四・八%の比率から見ますと、年金水準の見直しが十分でないではないかという指摘もあるわけであります。こういう点について、年金制度全体の問題でもありますので、当局の明確なる答弁を最初に求めたいと思います。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 今回の改正に当たりまして、いわゆる通算年金方式によります年金額の算定についての改正をいたしておるわけでございますが、この点は、年金額の算定に当たりまして、いわゆる定額部分と報酬比例部分との二つを合算して、これをもちまして年金の額としていることは先生御承知のとおりでございます。これは在職時の給与格差がそのまま年金給付の水準に反映するということで、できるだけ補正いたしまして、給付水準が低い方につきましても一定の水準の年金給付を保障しようという考え方でございまして、いわゆる厚生年金が採用している方法を私どもも採用しているわけでございます。  このようなことで、われわれの制度ではいわゆる報酬比例だけの共済方式と、それから定額部分も入れました通算年金方式のいずれか高い方を採用できるように、昭和四十九年の法改正からこれを実施しているわけでございます。このような経緯がございまして、実は定額部分の単価につきましては従来から厚生年金のそれを採用するということになっておりまして、通常の場合でございますと、厚生年金が物価スライドで直してまいりました場合にはそれに準ずることにいたしてございますが、今回は厚生年金の方が財政計算を行いまして給付水準について見直しを行って、その定額部分の単価を決めてまいりましたために、例年の物価スライドによらないでその引き上げを行うということにいたしたものでございます。  ただ、一言内容を申しますと、厚生省の説明をわれわれ聞いたわけでございますが、年金額の水準といたしまして、従来同様に直近男子の平均標準報酬の六〇%程度を確保するという考え方を基本にいたしまして、基本年金額における定額部分と比例報酬部分の割合はおおむね五〇、五〇ということで計算をいたしました関係上、定額部分の単価が二千五十円ということになっておりまして、もしも物価スライドによりました場合よりも若干低い状態になっているということでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 定額部分の額は政令によって物価スライドが適用されることになっているわけでございますので、十分この点を考慮して今後ともまた努力をしていただきたいと思うわけでございます。  さらに、先ほど社会党の先生からも質問ございましたが、この通算退職年金の方式というものが新法年金者のみに適用されておるわけであります。この低額年金者の多い旧法年金者の適用というものをなぜなさらないのか、党を代表してでございますので、明快にお答えを願いたいと思います。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 いわゆる通算退職年金方式は、先ほども御説明いたしましたが、厚生年金に準じまして定額部分と比例報酬部分とをあわせ持つ年金額の算定方式でございます。この方式は昭和四十八年当時でございますけれども厚生年金におきまして定額部分の大幅な増額がございまして、このために給付水準が相当引き上がったわけでございますが、これによりまして、共済年金で給付水準の低いものにつきましては、その年金額がむしろ厚生年金の給付に比べまして低くなるという状態がありましたためにこのような改正をいたしまして、昭和四十九年から厚生年金に準じまして新たに導入いたしたものでございます。そこで、この措置は従来に比べまして給付水準の低いものについては相当の給付改善になるということになりまして、旧法の年金者は掛金負担を当時行っておりません状態にございます。したがいまして、いわゆる旧法年金者に比べましてより高い掛金負担を行っている新法年金者だけに限って適用することにいたしているわけでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 農林年金者の場合に従来ほかの制度と比べてみますと最低保障額の適用者が多いとされてきておりますが、昭和四十九年度の制度改正で低額年金の改善を図るために導入されましたいわゆる通算退職年金による算定方式によりますと最低保障額適用者数が減少の傾向にありますけれども、昭和五十四年度未においては全受給者に対する最低保障額適用者が、まだその割合が二一・二%の比重を占めているわけであります。そのうち遣族年金者が該当者の五九・二%の多きに達しているわけであります。このように、大部分が新法適用の年金者でありまして、旧法年金者では退職年金で百四十二人、障害年金で百四人、遣族年金で千百八十四人と、その適用者数はきわめて少ないわけであります。このように新旧格差の解消が問題とされていながら、絶対最低保障額については、恩給が近年著しく社会保障的性格を強めていることでもありますので、政府は今後ともこの方向で改善をしてもらいたい、こういうふうに思いますが、どのようにお考えなのか、お尋ねをいたします。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 最低保障額の適用者はただいま先生御指摘のとおりでございまして、五十四年度未現在の年金受給者総数が八万六千八百五十三人でございましたが、このうち一万八千四百三十三人で、二一・二%ということになっております。このうちで新法の年金の受給者でございますが、これは年金受給者が八万五千七十八人でございます中の一万七千三人でございまして二〇%になっており、近年減少傾向にありますが、旧法の方は年金受給者が千七百七十五人、そのうちで千四百三十人というのが絶対最低保障額の適用者でございまして、これが八〇・六%という状態になっております。これは年々増加する傾向にございます。  そこで、お尋ねのように確かに絶対最低保障額の適用者はかなり数も少なくなっているわけだから、新法と旧法の適用者の間でできるだけその差をなくするようにという御趣旨の御質問であろうと思います。この点につきましては、私どもも現在の状況を調べてみますると、確かに六十五歳未満の者であるとかあるいは組合員期間が二十年未満の者につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように二三%程度の格差があることは事実でございます。しかし、やはり基本的に申しまして、年金額の算定というのはその給付の事由が生じたときということによりまして、その時点の制度によるというのが原則でございまして、これを完全に一致させてしまう、つまり新旧の差をなくしてしまうということは理論的にはむずかしい問題であるというふうに思います、しかしながら、われわれとしましては、できるだけ実質的にこの新旧の格差をなくするように年々改善を図ってきたわけでございまして、先ほども御答弁申し上げましたようないろいろな改善を加えておりますし、また本年につきましても、昭和五十五年で絶対最低保障額の引き上げをいたしまして、たとえばお年寄りの六十五歳以上の退職年金につきましては、実は絶対最低保障額、つまり旧法に適用されます絶対最低保障額が新法の最低保障額よりも一万六千円ほど高くなっているというところまで改善してまいりました。今後とも絶対最低保障額の引き上げにつきましては努力をいたしまして、できるだけ実質的にこの格差がなくなっていくように、縮小するように努力をいたしてまいりたいというように考えております。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 遺族年金制度の改善についてお尋ねをいたします。  給付水準が国際的に見てもどの点から見ましても低いことは、これは当然だろうと思います。支給率の改善を含めて再検討がいま求められているときでありますけれども、こういう点はどのようにお考えなのか。わが国で支給率の引き上げという方法をとらずに、これにかわって昭和五十一年度以来、遺族年金者の生活実態に目を向けられまして、寡婦については一定額の加算をされ、これらの者に実質的な年金のかさ上げを行う方法をとられることになっております。社会保障制度審議会の同改正案に対する答申では「各方面から求められてきた遺族年金の改善は緊急を要するものと認められる。遺族年金の改善は、本来給付率の引上げによって対処すべきものであり、加給年金額の引き上げに要する財源があれば、給付率を六割に引き上げることは可能なはずである。」という、こういう答申をしておるわけであります。加給年金額の大幅引き上げに消極的であるばかりでなくて、むしろ遺族年金の支給率を改正していく方針が望ましいとの考え方が示されているわけであります。農林年金も、わが国の年金制度の体系の中で遺族年金の給付水準のあるべき姿というものは、支給率の改善の方向はどうであるべきかという点でどのようなお考えをお持ちであるか、お尋ねをいたします。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 現在の遺族年金の支給率は現在五〇%というのが基本になっておるわけでございまして、諸外国はこれより高い支給率を持っているところもございますし、また、先生がただいま読み上げられました厚生年金におきますところの遺族年金制度につきまして、それに関連いたしまして制度審議会の方でそのような御答申をなさっておられるということもよく存じております。ただ、私どもといたしましては、これは厚生年金における遺族年金制度に関する御答申でございますので、農林年金の所管省としての農林水産省といたしましては、この御意見に対しまして直接に所見を述べるという立場にはございません。  しかしながら、われわれの基本的な考え方を申し述べますと、遺族年金の支給率を五〇%よりも高い水準に決めていくということにつきましては、一つは支給率の引き上げによりまして相当程度の財源を要するという問題点もございますし、それから遺族年金は、やはり遺族たる寡婦の年齢であるとか、たとえば非常にお年寄りの寡婦の方に対しては手厚くしなければいけないのではないかということとか、あるいはお子さんがある寡婦の方に対しましては、やはり手厚い支給をするということが必要ではないかということで、特にそういう配慮をいたしながら、老齢の寡婦とかあるいはお子さんのある寡婦の方に対して手厚く寡婦加算というような形で、遺族年金の実質的な高さというものを決めてきているわけでございます。また、支給率の引き上げそのものにつきまして、これを五〇以上に上げていくというようなことで考えます場合には、各省間で、やはり制度共通の問題でもございますので、その合意というものが必要でございまして、現段階ではこの五〇%の率をさらに引き上げるということは考えておりません。しかしながら、先生ただいま御指摘のようなことで、近年支給率の引き上げにつきましてはかなり要請が強いということも私ども承知いたしております。また寡婦加算の額の大幅な引き上げということを行う場合には、寡婦の方には確かに手厚いけれども、それ以外の方とのバランスを失するという問題もあろうかというふうに思います。そういう配慮も必要であろうというふうに考えまして、このようなことも考えまして、今後共済関係各省ともども関係の審議会等の御意見なども十分に拝聴いたしまして、この問題につきましてはさらに検討いたしたいというふうに考えております。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 いまも答弁がございましたけれども、この改正におきまして、旧法の年金者に対しては厚生年金の寡婦加算の引き上げを受けておる、恩給や共済制度においても寡婦加算額が大幅に引き上げられる措置がとられておる。これに対して、新法年金者への対応はどうするかが問題でございますけれども、共済年金制度においては、寡婦加算の大幅な引き上げを図ることについては多くの問題があるとして、今回の改正では取り上げられずに、従来の額に据え置かれておるわけであります。経過的にせよ、旧法年金者のみの対応では、新法年金者とのバランスがとれないこととなるばかりか、厚生年金との関係でのひずみが生ずることになるわけでありますが、今回の改正でこれを見送った理由というものと、また今後の対策というものについてお尋ねをいたします。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 いわゆる新法によりますところの遺族年金に係る寡婦加算の額につきましては、今回の法案でもその引き上げを見送ることといたしましたことは、先生ただいまの御指摘のとおりでございます。その理由は何かというお尋ねでございますが、これは寡婦加算の額を大幅に引き上げたことに伴う、遺族年金全体としてこれをどのような水準に設定するかという問題につきましては、さらに引き続き検討を要するということもございますし、また寡婦以外の方々に対する遺族年金とのバランスということも考えなければならないということも検討の一つの材料でございました。ただ、直接の原因になりましたことは、実は先ほども御答弁申し上げましたように、厚生年金におけるいわゆる子なし若妻、四十歳未満の妻に対する遺族年金上の扱いにつきまして、これは給付の権利を与えないというような改正が厚生年金の方に行われました結果、国家公務員共済におきましては、やはりこのような四十歳未満の子のない妻に遺族年金を支給しない、寡婦についての加算を大幅に引き上げるということについては、かなり多くの問題を含んでいるのではないか、したがって今後十分検討するようにということが、審議会の御結論でございました。そこで、私どもも、このような審議会の御答申も踏まえまして、やはり今後十分にこれは検討しなければならぬ問題ということで考えておるわけでございますが、ただ、先生の御指摘のように厚生年金との間のバランスも失している、また旧法の適用者と新法の適用者との間のバランス関係も問題があるということもよく承知しておりますので、この点につきましては、共済関係各省ともども十分に討議もいたしまして、審議会等の御意見も拝聴し、できるだけ速やかに結論を出したいというふうに考えております。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 農林年金加入団体の年金支給開始年齢の引き上げ措置についてのお尋ねをいたします。  農協、県中央会、全国連の労務管理担当責任者をもって構成するところの労務管理研究会が設けられておりますが、その中で「高齢化社会における農協労務管理のあり方」を取りまとめまして、農協の対応方針を示されております。この中におきまして、定年年齢について、   定年年齢については、今日社会的に六十歳定年が広く要請されており、また、農林年金の支給開始年齢が引き上げられる事情をも考慮して、農協における定年年齢は、今後は六十歳を目標とし、具体的には段階的な措置を講じながら延長していくことが望ましい。また、定年延長の前提条件となる関連諸制度の整備ができない等の理由により、当面、定年を延長しない農協にあっては再雇用または勤務延長により雇用期間を延長するようにする。 との基本方針を示しておりますが、この点についてどのように考えておられるかをお尋ねをいたします。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 農林漁業団体の定年年齢の動向につきましては、昭和四十九年八月現在においては定年年齢五十六歳以上と定めている団体が五八・三%でございましたが、五十四年の八月には六六・二%ということで、漸次実質的には定年の年齢は延長されてきているという状況にございます。しかしながら、近年このような定年年齢の延長という方向もありますし、さらに加えまして昨年末、農林年金制度の改正によりまして支給開始年齢の引き上げの措置が講じられたこともございまして、定年年齢の引き上げの要請は今後さらに強まってくるというふうに私どもも考えております。また、それを受けまして、ただいまお読みになりました方向というものも出てまいったのではないかというふうに考えております。  そこで農林水産省といたしましては、先般都道府県知事にあてまして通達を出しまして、定年年齢の延長の方向に即した対応策をとっていくようにということで指導をいたしたわけでございますが、引き続き農業協同組合におけるあるいはその他の加入団体における雇用関係の見直し、改善の一環といたしまして、定年年齢の延長等につきまして適切な指導を進めていくということを考えてまいりたいと思います。  また、これは単に農林水産省だけでは解決いたしません問題でございまして、労働行政との連携ということも必要でございますし、さらに基本的には、やはり定年の延長というのを行いますには、農協の経営基盤の強化充実あるいは給与体系の改善といったような諸般の条件整備ということも必要であるというふうに考えておりまして、先ほど先生御指摘の再雇用関係ということも含めまして、われわれとしては今後の指導充実に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 農林年金の財政の健全化の問題についてお尋ねをいたしますが、年金財政の健全化問題についての悩みというものは、今日では多かれ少なかれ、どの制度においても共通のものだろうと思います。  と申しますのは、わが国の人口の急速な老齢化に比例して年金受給者が急増している。これが数次にわたる制度改善や組合員のベースアップとも相まって年金の給付費の増大をもたらしておりますが、今日では年金の支給財源の確保が制度維持の大きな問題となっておるわけであります。農林年金も例にたがわず多くの不足財源が累積して、所要財源率のうち整理資源率が急増するなど、その財政事情はきわめて厳しいものがあるとされております。特に農林年金においては昭和五十四年度末ですでに二兆円を超える不足財源が生じておると言われておりますが、この不足財源についてどのような善後策を講じておられるか、簡単で結構でございますので、お答え願いたい。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 不足財源対策といたしまして、農林年金の財政を長期にわたって維持していくということで年金給付の充当額についての取り組みというものが非常に重要でございます。  この視点といたしましては、一つは世代間の負担の公平をどうしていくかという問題がございます。それから第二は、不足額につきましてのてん補の方法、つまり掛金あるいは国庫補助の引き上げ、さらには給付の調整といったような問題がこれに対する対応策として考えられます。したがいまして、この問題は非常に長期に及ぶ問題でございますが、何分にも財政をどのように健全化していくかということも非常に関連するところでございまして、基本的には年金の負担のあり方が一番大きな問題であろうかと思います。  このような観点から、農林年金の不足財源の対策ということで当面考えられますことは、掛金の負担をどうするかということでございますが、これにつきましては、先ほどから大臣も御答弁のように、負担すべきものはやはり負担していただくということで十分に御理解も求めなければならないわけでございますけれども、一方においては、財政の問題として各制度間の均衡も踏まえながら、掛金負担をできるだけ軽減することも考えていかなければならぬというふうに考えているわけでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 このために農林年金は、他の制度に比べまして成熟度合いが低いにもかかわらず財政状態が悪いと言われておるわけでありまして、そのことは社会保障制度審議会からも、「農林年金は、その構造からみて、財政基盤に問題があり、将来の財政について確たる見通しをたてて、これに応ずる計画を策定することが必要である。」としばしば指摘を受けているところでもあります。これについて政府、農林年金当局がどのような対応策を立て、また将来どのような見通しを持っておられるか、お尋ねをいたします。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 農林年金の総給付額は近年著しく増大いたしておりまして、先生も御指摘のような人口の老齢化あるいは成熟度の深化といったようなことで、その内容というものがかなり急速に悪化していくということが予想されるわけでございます。このために今後の年金財政収支の改善ということは積極的に進めていかなければならぬという状態でございますが、昨年お願いをいたしました支給開始年齢の引き上げという措置もその一環として行われたものでございます。  また掛金負担の面というのが一つの重要なポイントになるわけでございまして、現在年金当局が検討をいたしておりますのも、財源率再計算の時期に一体どのような処理をしていくかということが非常に重要なポイントになってまいります。このために一部後世代に負担を送っておることもやっておりますけれども、これを今後どのように一体処理していくかということも非常に重要なポイントになると思います。しかし、いろいろなことを考えてみまして財源再計算をやってみましても、やはり先ほどから御答弁申し上げておりますように、組合員の方々に対しましてはかなりの掛金の引き上げをせざるを得ないというふうに考えておるわけでございまして、その点につきましては御理解と御協力を求めまして、負担すべきものは負担していただくということでございます。しかしながら、一方におきまして国庫の助成の充実ということも十分にその要請を承っているところでございまして、これも先ほどから大臣の御決意のほどを御答弁申し上げておるとおりでございまして、本年の予算には、先ほど申し上げましたように定率補助につきましては一八%を二〇%、財源調整費補助につきましては一・八二%を三%に引き上げるべく最大限の努力をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 最後でございますが、全国農協中央会を中心に農林漁業団体の役職員の資質の向上を図り、農林漁業の振興に寄与するために昭和五十一年度から実施されてきました農協等相互扶助事業を今後とも充実していく必要があるとなっておりますが、政府はこれをどのように考えておられますか、簡単で結構でございますのでお答え願いたい。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 全国農協中央会におきましては、かねてから農協の役職員の福祉の充実だとかあるいは地位の安定、資質の向上を図るということを目的にいたしまして、教育研修あるいは就業条件、福利厚生事業、これらの整備に係る経営条件の安定ということにつきましての調査研究へ指導を行うということで相互扶助事業を実施しております。また、この事業をより充実させるあるいは円滑な運営を可能にするために、五十一年度以降国が助成措置を行っておりまして、五十四年度以降は二億六千五百万円という相互扶助事業に対する助成を行っております。全国農協中央会におきましては、この相互扶助事業に対する国庫補助を契機といたしまして、関係団体から資金の拠出を受け、この事業内容の充実を図ることとし、この一環といたしまして農林年金に対する助成も行っているということになっておりまして、五十五年度も実は三億円の予定で助成を行っているという状態でございます。これは農林年金の財政の健全化に寄与しているというふうに私ども考えております。したがいまして、本事業は農協等関係団体及び農林年金制度の健全な発展の上に重要な役割りを果たしていると考えますので、今後ともこの充実には努めてまいるというつもりでございます。

吉浦忠治公明党・国民会議

○吉浦委員 時間でありますので、終わります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 神田厚君。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして御質問を申し上げます。  まず最初に、年金関係におきまして、この年金制度の改正の一つの大きな根幹となっておりますのは、いわゆる老齢化に対応する、そういう意味もあるわけでありまして、そのことにつきまして、現在わが国においては総人口に占める六十五歳以上の者の割合が急速に高まってきておりまして、十年後には一一%、二十年後には一四%、欧米諸国並みの水準に達して、昭和九十年には一八%以上という高齢化社会への移行が進行しているわけであります。このため年金制度の成熟化が急速に進行するものと考えておりますけれども、こうした状況を踏まえて、今後年金制度においてはどのような対応をしていくつもりなのか、特に農林大臣から御見解をお聞かせいただきたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 御指摘のとおり各年金の制度共通いたしておる問題でございますが、人口構成の高齢化、年金制度の成熟化などに伴いまして年金給付費が急増してまいる、これに対応する費用負担額の相当大幅な増大は避けがたいというふうに見ることができるわけであります。したがって、年金財政を将来にわたって健全に維持してまいりますためには、年金の給付と負担との均衡の維持に努めていかなければなりません。また、掛金負担必要額の急激な増大等によりまして、近い将来におきまして年金財政が破綻に瀕することとなりませんように、所要の改善措置を積み重ねていくことが必要と考えておるわけでございます。昨年の支給開始年齢の引き上げ等の改定措置もその一環として行ったものでありまするし、今後とも加入者の理解を求めながら、各般にわたって年金財政の安定化、健全化に努めていく必要があると考えておる次第であります。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 農林年金の問題は、農林年金のみならず共済年金全体にわたる問題になっているわけでありますが、共済年金グループでは、各共済年金の共通の制度のあり方を検討しようということで進めているというふうに聞いておりますけれども、この検討課題あるいは構成というのはどういうふうな形になっておりますか。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 年金制度につきましては、ただいま先生も御指摘のとおり、高齢化社会への移行あるいは年金の成熟化が進んでいるというような状況の中で、制度のあり方そのものにつきましてもさまざまな面から検討を加えていく必要があることは事実でございます。このために、共済年金を所管する各省庁が協調いたしまして、共済年金制度の今後のあり方等を検討するために研究会をつくっております。これは大蔵大臣の私的研究機関ということになっておりまして、五十五年の六月十三日に設置したところでございます。この構成につきましては、学識経験者等による十名の委員が選出されておりまして、この方々によって構成されているわけでございます。  なお、この研究会では、共済年金制度の職域年金的な性格というものも十分配慮していかなければならぬということでございますが、また一方で総合的視野に立ちまして、共済年金制度のあり方、あるいは他の公的年金制度との相互の関係、さらにこの間の調整等の問題につき十分に御検討を願うということにいたしております。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 次に、これは農林年金だけに限りませんけれども、各年金、共済年金制度において五年に一度財政再計算を行うということになっております。農林年金は現在その作業を行っているというふうに聞いておりますけれども、今回は五十四年度末を基準として財政再計算を行っていると思うのでありますが、現在どういう状況にあるでありましょうか。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 農林年金の財源再計算は、昭和五十四年度末の統計資料等に基づきまして、組合員の加入あるいは脱退、死亡率、余命年数、有遺族率あるいは昇給状況、さらには年金者の受給期間の変動等、計算の基礎となります数値を決定いたしまして、昭和五十五年四月一日現在の給付内容を前提としまして将来の年金給付の額を推定いたしまして、これに必要な財源率を計算するということになっております。しかしながら、今回の再計算は従来の再計算と若干違った点がございまして、昭和五十四年度の制度改正によりまして、先ほどもございました年金の支給開始年齢の引き上げといったような事態もございますし、そのほか減額退職年金の給付年齢の制限あるいは退職一時金制度の廃止と通算退職年金制度の改善といったような新しい要素、さらに脱退一時金制度の創設といったような非常に複雑な年金計算を要する部分がかなり出てまいっております。  このような事情を踏まえまして、農林年金におきましては、学識経験者七人から成りますところの農林年金財政研究会、これは座長が庭田先生という慶応大学の教授でございますが、この先生を中心にいたしまして、年金財政をめぐる諸問題につきまして検討をお願いしているという状況でございまして、目下作業は進んでおりますが、先ほど申しましたようないろいろな点で複雑な計算をせざるを得ないということから、若干例年よりも作業がおくれております。私どもの推定では、必要財源率が確定するのは十二月以降になるというふうに考えております。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 財政再計算の中身の問題でございますが、農林年金の財政が非常に急速に悪化をしている、悪化をするような見通しである、こういうことから、財源率が大幅にふえるのではないかということが予想されております。農林水産省としては、このことにつきましてはどういうふうな御処置をなさるおつもりでありましょうか。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 ただいま神田先生の御指摘のように、今回、五十四年度末を基礎にいたしました財源再計算をやってみますると、五十六年度から適用いたしますところの掛金率というものは、先ほども御答弁いたしましたように、財源率の上昇によりまして千分の二十から千分の十の間、多分千分の十をかなり超えるような状態で掛金率の引き上げをせざるを得ないような財源率の計算になってくるのではないかというふうに考えております。このため、農林水産省といたしましても掛金率を含む年金財政のあり方につきまして、たとえば利益率の問題であるとか修正率の問題であるとか、いろいろの点を検討いたしまして最終的な決定に持っていくということを考えておるわけでございますけれども、最近の制度の内容の充実あるいは年金財政の収支の状況等から考えてみまして、やはり掛金率につきましては組合員の方々に御理解あるいは御協力を求めまして、負担していただく面は負担していただくということでお願いをいたさなければならないのではないかというふうに考えております。  しかしながら、国の方も努力する点は最大限の努力を尽くさなければならぬというふうに考えておりまして、国庫補助率につきましては定率補助一八%を二〇%ということに要求いたしておりますし、財源調整費補助一・八二%も三%相当額に引き上げてほしいということで財政当局に要求いたしているところでございまして、先ほど大臣の御決意の披瀝もございましたように、その実現につきまして最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 ただいま農林水産省から、千分の十から千分の二十、千分の十を大きく上回って千分の二十を超えない程度の引き上げ、こういうふうな答弁があったわけであります。しかしながら、現在でもこの掛金が非常に組合員の負担になっているという状況があるわけで、掛金率はもうすでに限界に近いのではないかというようなことも言われておりますけれども、その辺のところはどういうふうにお考えでございますか。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 先生も御案内のように、昭和五十一年度から適用いたしました現行の掛金率は千分の九十八ということになっております。この掛金率は、五十三年度までは公的年金制度の中でも、たとえば国鉄のような非常に高いところもございましたが、それに次いで高い水準になっていたということは事実でございます。しかし五十四年度におきましては、国共済の方も地方公務員共済の方も、あるいは私学共済も逐次掛金率を上昇させてまいりまして、このために現在では、各年金の中でも掛金率はむしろ低い水準ということが言えるのではないかと思います。  さらに、前回財源の再計算をいたしました際に、掛金率の大幅な引き上げを避けるということで、いわゆる修正積立方式も実施してまいっておりまして、掛金負担の二二・五%が後世代によって負担されているということもございますし、さらに実質的に申しますと、十年間掛金率を据え置き同様としてきたというようなこともございます。と申しますのは、五十一年の掛金率の引き上げは千分の二、二パーミルだけでございました。そういうことで、いままで据え置き同様の措置をとってまいったわけでございます。  他面、これまでの十年間に、直近一年平均の給与による給付算定方式の導入であるとかあるいは通算年金方式の導入であるとか、あるいは最低保障額を累年引き上げるといったようなことで、先生も御承知のように給付内容の方は十分に改善されてきている状態でございます。したがいまして、農林年金の掛金率は、給付水準やこれを反映した財源率から見まして必ずしも高いとは言えないというふうに考えております。  そこで、今後、人口の老齢化あるいは成熟率の高まってくる状況ということを考えますると、また年金の給付額も次第に増大するというような状況のもとにおきまして、現在と同様の給付水準を前提としましても、前回の財源率の再計算におきまして後代の負担ということで後送りいたしましたものも含めまして、やはりある程度までの掛金率の引き上げはせざるを得ないということで、先ほども千分の十をかなり超えるような掛金率の引き上げは行わざるを得ないということを申し上げたわけでございます。したがいまして、われわれといたしましてはこのような観点から、現行の掛金率がもう限界に来ているていの掛金率であるというふうには現段階におきましては必ずしも思ってはおりませんけれども、しかしながら掛金の負担につきましては、組合員の方々の重大な関心事であるということも十分に頭に入っておるわけでございまして、国庫負担の問題等も含めまして、今回の財源再計算におきまして、なお慎重に十分検討してまいるつもりでございます。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 限界かどうかというふうな問題の中では私ども必ずしもいまの答弁納得するわけではございませんが、時間もありませんので先に進ませていただきます。  やはり組合員の負担増に依存することが非常に多くなる状況でありますが、いまいろいろ慎重に対処していきたいということをおっしゃっておりましたが、具体的には農林水産省としてはこの掛金率の軽減を図るためにどういうふうなことをするつもりなのか、どういうふうな方向でそれを求めていこうとするのか、お聞かせいただきたいと思います。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 先ほどからも御答弁申し上げておりますように、人口の老齢化あるいは加入組合員に対する年金受給者比率の増大というものが進行しております中での掛金率の改定でございますので、もちろんこれを軽々に扱うわけにはまいりませんけれども、しかしながら、やはり年金財政の改善というものを積極的に進めるという観点からこの問題に取り組んでいかなければならないというふうに考えておるわけでございます。  このような観点から昨年の支給開始年齢の引き上げということもいたしたわけでございますが、これもその一環でございまして、今回は財源の再計算ということもいたしておりますので、その際に、一部後代に負担を譲っているという問題もあります、また、利益率の問題その他についても、これは慎重な検討をせざるを得ないという状況にございまして、やはり基本的には組合員の方々によく御納得をしていただき、また御協力もいただくということで掛金率の引き上げということをせざるを得ないというように考えておるわけでございますが、農林水産省といたしましても、決してこの問題を単に組合の掛金の負担のみに頼るということではなくて、やはり国庫助成の充実という要請につきまして十分に承っているところでございますから、先ほども申し上げましたような定率補助の改善あるいは財源調整費の補助といったようなことにつきましての改善策を目下財政当局に要求中でございまして、これにつきまして最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 それでは、今度のところでも、これは毎回問題になるのでございますが、遺族年金の問題について二、三御質問させていただきたいと思います。  遺族年金については、現在各年金とも五〇%の水準でございますが、しかしながら、いわゆる西欧諸国に比べまして非常に給付水準が低い、西欧諸国においては、もっと給付水準が高いというふうに聞いておりますが、その辺のところはどういうふうに御調査なさっておられるでしょうか。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 わが国の遺族年金は、御案内のとおり特に遺族の要件を定めていないというような制度になっておりますけれども、西欧諸国では、一定年齢以上であることあるいは子供がいること、つまり有子であることといったような要件を遺族年金について定めておりますので、直ちに遺族年金の支給率を外国と日本の場合とを比較することは必ずしも適当ではないのじゃないかというふうに考えられますけれども、たとえば西ドイツにおきましては、四十五歳以上または有子の遺族に対する遺族年金の支給率は六〇%であります。それからフランスにおきましては、五十五歳以上で三人以上の子がいる場合の支給率は、やはり六〇%になっております。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 わが国でもこの遺族年金につきましてはかねてから、たとえばこれは六〇%に引き上げてくれという要求が非常に強くあるわけであります。また、今回厚生年金におきまして寡婦加算額を大幅に引き上げておりますけれども、そういう財源があれば遺族年金の給付水準を六〇%にする、こういうことも可能ではないかというふうに考えておりますが、このことにつきましては、厚生年金の改正案に対する社会保障制度審議会の答申においてもこれを求めているわけでありますが、支給率の引き上げを図るお考えはございませんでしょうか。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 遺族年金の支給率を、現在の五〇%からさらにこれを高めてほしいという御要請があることは十分に承知しております。しかしながら、支給率の引き上げによりまして相当の財源を要するということも一つございますし、また、遺族年金は、遺族たる寡婦の年齢あるいは子供の有無といったような、その遺族の方々の事情事情によりまして保障の度合いを変えていくというような必要性、これもあるのではないかというふうに考えまして、実は、老齢の寡婦あるいはお子さんのある寡婦の方に重点的にこの遺族年金を実質的に引き上げるというような形での対応策をとっていることは先生御承知のとおりでございます。  また、支給率の引き上げにつきましては、各制度共通の問題でもございますので、実はまだ、各制度間で支給率の引き上げにつきましては合意ができていないというような事情がございまして、現段階で五〇%の支給率を、一律にこれを引き上げていくということは考えていない状況でございます。しかしながら、先ほども申しましたように、支給率の引き上げについてはきわめて御要請が強いということも存じておりますし、また、寡婦加算の額の大幅な引き上げを行うという場合には、あるいは寡婦の方にむしろ手厚くなってしまって、それ以外の方とのバランスを失するというような問題もあるということをやはり配慮していかなければならぬということもあると思います。したがいまして、今後共済関係各省ともども、関係の審議会等の御意見も十分に拝聴しながら、この問題について検討してまいりたいというふうに考えております。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 大臣にちょっとお聞きしたいのですが、この遺族年金の水準の引き上げの問題ですね、いま局長の方から答弁いただきましたが、大臣はこれらの問題についてどういうふうな見通しというかお考えをお持ちでございますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 農林年金の中における遺族年金の問題でございますが、この問題につきましてはいま局長からるる申し上げたとおりでございまして、審議会の方にいまいろいろと諮問をいたしておるわけでございます。その答申等も得まして、給付の改善という方向に向かって努力していきたい、こう考えております。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 それでは、これは最後でございますが、今回の農林年金の改正内容、これはさほど大きな改正内容ではないのでありますが、現在の農林年金が、共済年金共通の問題ということも持っておりますけれども、厚生年金との間で給付水準に非常に差があるというふうなこと、つまり独自の制度としてもいろいろ問題を抱えていることがございます。農林年金が今後独自の制度として存在する必要性あるいは今後の農林年金の存立の見通し、条件、こういうことをこれから先の問題としてどのようにお考えになっておられるのか、その辺をちょっとお聞かせいただきたい。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 先生も御案内のように、農林年金制度は、農林漁業団体の大部分が農林水産業の発展と農林漁業者の地位の向上という、政策的に非常に重要な役割りを担っているという点に着目しまして、市町村の職員等に劣らぬ資質のすぐれた役職員の確保ということを目指して、特に昭和三十四年に厚生年金から分離独立して発足したものでございます。したがいまして、農林年金が国の社会福祉政策の一環であると同時に、以上の趣旨によりまして、特定の職域、つまり農林漁業団体というものを対象にいたしました職域年金制度であるということは、これは申すまでもないところでございます。したがいまして、農林漁業の分野での政策目的に沿った制度として運用されている実情に即しまして、今後ともこの役割り、特色というものが適切に発揮できる制度として存立していくことが望ましいというのが基本的な考え方でございます。しかし、このためには、年金財政の健全性の確保等各般にわたる問題があることは御指摘のとおりでございまして、今後の検討、改善を要する問題も多々あることは事実でございます。したがいまして、本年六月に設置されました共済年金制度基本問題研究会におきまして御審議も願うことになっておりますので、農林水産省といたしましても、このような審議会の御審議も踏まえまして、今後とも制度の健全な発展につき努力をいたしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

神田厚民社党・国民連合

○神田委員 終わります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 野間友一君。

野間友一日本共産党

○野間委員 本農林共済年金の改正については、五十万近くの職員、そしてその家族が首を長くしてこの成立を待っております。と同時に、さまざまな要求もあわせて持っておりますし、また、掛金率の問題について将来に対しても不安を持っております。この本改正案についての質問、私が最後のようであります。多少重複する面もありますけれども、質疑を行いたいと思います。  この委員会でも再三論議がされておりますけれども、五十五年の三月末、農林年金の財政再計算期ですね、すでに当局では五十四年の十月から学識経験者による年金財政研究会を発足させて、各種の統計数値、こういうものを整理した上で、十一月にも研究会の結論を出そうとしておるというふうに聞いておりますが、これはこのとおりかどうか。そしてこれを受けてどうされるのか、中身も触れながら若干お答えいただきたいと思います。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 農林年金の財源率の再計算につきましては、昭和五十四年度末の統計資料によりまして算定をいたしておりまして、昭和五十五年の四月一日現在の給付内容を前提とした将来の年金給付の額を推定して、これで財源率をはじくという作業をやっておるわけでございます。  それで、これはただいまおっしゃられましたように、学識経験者七人で構成いたしております農林年金財政研究会というところで審議をしていただいております。目下の状況を申しますと、今回の再計算に当たりましては、昭和五十四年度の制度改正によりまして、年金の支給開始年齢の引き上げであるとか、あるいは減額退職年金の受給年齢の制限であるとか、あるいは退職一時金制度の廃止と通算退職年金制度の改善あるいは脱退一時金制度の創設といった、非常に従来の計算ではいかない複雑な部分も持っておりますので、ただいま十一月というお話がございましたけれども、実は作業は若干おくれぎみでございます。われわれの推定では、必要財源率が確定するのは十二月以降というふうに考えております。  それから、これを踏まえてどうなるかというお尋ねでございますけれども、この点につきましては私ども、財源率の計算が出てまいりました場合には、これに加えましてさらに修正率を掛けるべきかどうか、また、それをどの程度にするか、さらには利益率をどういうふうにするか、それからもう一つ非常に重要な点は、五十六年度予算で要求をいたしております国庫負担、これがどうなるかといったような要素がございますので、一方で国庫負担の確保に努力しつつも、それらの要素も勘案いたしまして、最終的な掛金率を決めていきたいというふうに考えておる次第でございます。     〔委員長退席、津島委員長代理着席〕

野間友一日本共産党

○野間委員 九十一国会で経済局長は、この掛金について、千分の十を大きく超え、二十に至らない範囲の引き上げを行わざるを得ないというふうに答弁をされておるわけですね。先ほどからも同僚委員の方から論議もありましたように、この農林年金というものは、老後の生活を安定的に保障していく、農林漁業団体に有為な人材を確保していく、こういう職域年金として三十四年一月から厚生年金から分離独立をして発足したものであるわけですが、去年は支給開始年齢を五十五から六十歳にと、いわゆる延伸をしたわけであります。しかも、いま局長のかつての答弁を前提としますと、二けた台の保険料金の引き上げということになれば、まさにダブルパンチになるのじゃないか。  周知のように、この関係団体の職員の賃金水準は決して高くはない、安いわけですね。しかも掛金の大幅な値上げということになると、生活にも大きく影響しますし、いまの掛金でもこれはぎりぎりの限界だという声を職員の皆さんからも私たちは聞くわけであります。あの前の国会での附帯決議にもありますように、組合員の負担の急激な増加を来さないように努める、これは全会一致で決議をした経緯がありますが、この掛金については少なくとも最大限これは努力するということは当然だと思いますが、この点についてはどうでしょう。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 前回の国会におきまして私から御答弁申し上げましたように、まだ試算の段階でございまして、最終的な掛金率は今後の決定にまつわけでございますが、試算の段階といたしまして、二十までには至らないとは思いますけれども、確かに千分の十をかなり超えるような引き上げをせざるを得ないということを申したことは事実でございます。これはやはり最近の人口の老齢化あるいは成熟化率がだんだんと増進していくという事態を考えまして、さらに給付内容も充実しているという状態を考えますと、やはりこのような財源率の計算というものが出てくることはやむを得ないことではないかというふうに思います。しかもその場合に、その財源の一部を大幅に後世代に譲ってしまう、あるいは非常に不健全な利益率を計上するというようなことも、またこれは長い目で見た農林年金の財政にとりまして決してよいことではないというふうに考えられるわけでございます。  したがいまして私どもといたしましては、今後もちろん掛金率というものは設定されるわけでございまして、まだ確定的な状態でないわけでございますけれども、かなりの掛金率の上げというふうにお受け取りになるような掛金率の引き上げがございましても、これにつきましてはやはり御協力をしていただくよう十分に説得をいたし、またお願いをいたしてまいりたいというふうに考えておりますが、国といたしましても最大限の努力を尽くすことは当然でございまして、先ほど大臣からも御答弁ございまして御決意のほどが披瀝されましたように、国庫助成の充実ということにつきまして、五十六年度予算の要求に当たりまして最大の努力をいたしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

野間友一日本共産党

○野間委員 局長は、癖かもわからぬけれども、非常にせかせかと早いので、ちょっと語尾が不鮮明になりますので、ひとつゆっくり答弁をしていただきたいと思います。  いま言われたように、あくまでいま検討中で、推定した話だと思うのですね。  そこで、先ほど申し上げた支給開始年齢の延伸、この関連で、これだけ、五歳の延伸によって掛金にすると千分の十程度の財政効果があるというふうに私は理解をしておるわけであります。そこで、そうなりますと大幅な掛金の値上げをする根拠がどうもないのじゃないか。したがってあらゆる手だてを講じて掛金の引き上げを抑えるというために、いま答弁にもありましたけれども、ひとつ最大限の努力をしてほしいということを重ねて要求をしておきたいと思います。  そこで次に、国庫負担の増額の問題であります。現在、当面各団体からも要求が出ておりますが、給付費の補助二〇%、それから財源調整費少なくても三%、合計二三%をぜひ確保してほしい、これは切実な要求であります。これまた九十一国会におきまして、前武藤農水大臣も、理論武装をしていま申し上げた二〇%あるいは三%、これは必ず実現するように最善の努力をするというふうに言明もされております。農水大臣、この前農水大臣の武藤さんの国会の答弁、これをそのまま維持し、この予算要求の際に最大限の努力をされると思いますけれども、決意のほどを聞かしていただきたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 春に本委員会でも食糧自給力強化の決議をちょうだいし、農用地利用増進法等の法律も制定をしていただき、今後の農政を推進していく大きな方向をおつくりいただいたわけでございます。しかも、日本の農林漁業というものは、他産業の発展に伴いまして、ますます容易でない、非常に困難な道を歩まなければならないということでございます。そういう農家を指導し、そうしてともに農村の地域社会の発展のために働いてもらわなければならない農林漁業団体、そういう職員に優秀な職員を得る、しかも老後の心配のないようにするというのがこの農林年金法の趣旨であると理解しております。  したがいまして、このような第一次産業を中心にした範疇の中における政策でありますので、やはりその特色を出さなければならない。特色とは何だ。やはり掛金はできるだけ少なくして給付がいい。給与水準を見ましても、市町村段階の職員の給与等はまだまだ町村の職員にも達していないというところが多いわけであります。これはもう日本の農林漁業の現況からくるものでありまして、これらをともに改善してまいりますためには、この年金法においては先ほど申し上げたようにできるだけ掛金は安く給付はよくするという、これが私に課せられた使命であるというふうな考えで、先ほども申し上げましたように二〇%の国庫負担をかち取りたい、こういうことで、前農林大臣と同じ気持ちで予算の確保に最善を尽くしたい、こう思っておる次第であります。

野間友一日本共産党

○野間委員 かち取りたいという力強いお答えをいただいたので、ぜひひとつ実現方よろしくお願いしたいと思います。  次に、修正率の問題についてお聞きしたいのですが、五年前のときには七七・五%、そして将来に対する積み立てをしつつ、財源の一部をたな上げにして後の世代へ残していくいわゆる修正積立方式を採用されたわけであります。そのために千分の三十四を千分の二の引き上げにとどめたわけですが、今度の場合この点についてどうされるのか、お答えいただきたいと思います。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 おっしゃられますように、農林年金の財政方式は、従来平準保険料率の方式をとっておりましたが、前回の再計算からこれを改めまして、いわゆる修正率を掛けるということで二二・五%分を後代負担といたしたことは事実でございます。このように必要財源率に修正率を乗ずるということは、現在の組合員の負担の急激な増高ということを避けるためには効果はありますけれども、一方、本来現在の組合員が掛金として負担すべき財源を後世代の組合員に転嫁するということになるわけでございまして、この修正率を大きくすればするほど後代負担が過重になるということは自明の理でございます。したがいまして、世代間の負担の公平ということもやはり考えなければならない問題であるというふうに私ども思っておるわけでございます。そしてまた同時に、これは将来の年金制度の長期的な健全な財政運営ということで考えてみますると不安を招くというような問題を回避していくということもわれわれ十分に考えなければならない点でございまして、さような点で財政再計算の上ではきわめて慎重な取り扱いを要するというふうに考えております。  したがいまして、現在実施中の財政再計算につきましては、修正率をどの程度にするかということにつきまして、実は各種の検討の一環といたしまして、先ほど申し上げました農林年金財政研究会で十分に検討していただくということにいたしておりますので、その御結論も踏まえまして、われわれはこの修正率をどうするかということにつきまして最終判断をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。

野間友一日本共産党

○野間委員 大体の方向としては五年前と同じようにする考えでしょうか。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 ただいま御答弁も申し上げましたように、農林年金財政研究会の御結論を踏まえてというふうに思っておりますので、現在のところこの点についてはまだ白紙でございます。

野間友一日本共産党

○野間委員 遺族年金について質問を進めたいと思いますが、御承知の附帯決議ですね。遺族の生活保障を高める見地に立ち、遺族年金の支給率の引き上げ等その改善に努めること、この附帯決議の趣旨はどう思われますか。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 遺族年金は、一家の支柱を亡くされた方の非常に重要な所得のもとでございますので、この点につきましてはできるだけ改善をいたしたいというふうには考えておるわけでございますが、しかしながら、支給率そのものを引き上げるということにつきましては、やはり相当の財源を要するということもございますし、また遺族の中にもいろいろな方々がおられます。特にお年をとられた寡婦の方とかあるいはお子さんのある寡婦の方といったような方々には、それぞれ必要度に応じてその重さと申しますか、重点的にそういう方々に支給額をふやしていくということが必要であるということで、従来は寡婦加算という形で実質的な引き上げをしておるわけでございます。また、この点につきましては、各年金共通の問題でもございますので、その合意が得られていないということから、現段階で支給率そのものを上げるということはまだ考えておらない次第でございますが、しかしながら、御要請が非常に強い、また国会の御決議もあるということはよく承知をいたしておりますし、また同時に、寡婦とそれ以外の方とのバランスということも考えていかなければいかぬということも私ども頭にあるわけでございまして、さような点から共済関係各省ともども、関係審議会等の御意見も十分に拝聴いたしまして、この問題についてはさらに検討をしていきたいというふうに考えております。

野間友一日本共産党

○野間委員 国会の決議でもありますし、これはもう全会一致でやったものでありますから、しかも、この中には支給率の引き上げについて改善に努力をせいということになっておるわけですから、それを踏まえてやるのは当然だと思うし、せっかくの努力をぜひ要求をしておきたいと思います。  特に、国際的な比較の問題についても先ほどから出ておりました。この給付率を若干見てみますと、これは高いところかもわかりませんが、イタリアの場合、配偶者または子のみの場合が六〇%、一子ある配偶者が八〇%、二子以上ある場合には一〇〇%、こういうふうになっていますね。     〔津島委員長代理退席、委員長着席〕 スウェーデンは寡婦の場合が九五%、アメリカでは同じく寡婦の場合が六七%、こういうことになっております。農林年金中央共闘会議というのがありまして、これはいろいろな関係団体の労働組合が集まっておるようですが、「はたらくものの農林年金」というパンフがあります。これとかいろいろな諸要求を聞いてみますと、やはり給付率八〇%、こういう要求が非常に強いわけであります。いま研究会等々でも検討中というお話のように私は聞いたわけでありますけれども、国際比較の点からしても、いま基本的には五〇%というふうになっておりますので、この率の引き上げにぜひひとつ努力をしていただきたい、こう思います。  時間がありませんので次に進みますが、次には障害年金の問題ですね。国民年金ではいわゆる事後重症制度というのがあります。ところが、この共済年金はこれがないわけであります。この際、やはりこういう制度もぜひ検討する必要があるというふうに思いますが、いかがでしょう。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 農林年金の障害給付につきましては、農林漁業団体に勤務している間に病気にかかり、または負傷したことが原因でその者が退職時にどの程度の障害であるかということを認定いたしまして、その障害の程度によりまして年金または一時金を支給するという制度になっております。しかし農林漁業団体に勤務している間に病気にかかり、または負傷いたしましても、退職時に何の障害もなかったというのにもかかわらず、退職後に障害が発生するというような場合も考えられますので、退職後五年間は障害給付請求ができる措置を講じているということになっております。

野間友一日本共産党

○野間委員 その辺は知っていますけれども、制度的に国民年金と同じような——五年で切るということはやはり問題があるのじゃないかと思うのですけれどもね。それと、いま申し上げた制度として事後重症制度というものをつくる必要があるんじゃないかと思うのです。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 ただいま御答弁いたしましたように、退職後五年以内であればおおむねその疾病との因果関係が明らかになるという判断によりまして、共済制度は共通でこの制度をとっているわけでございますが、なお他年金との比較もございますので、この点につきましては今後関係各省とも相談をしながら検討したいと思います。

野間友一日本共産党

○野間委員 沖繩の問題についてであります。時間がありませんのでこちらからお話ししますが、四十五年の一月に沖繩農林年金というものがつくられた。四十七年に本土復帰。これはいわゆる農林年金の適用を受けることになったわけですね。これについて完全通算をして一切の必要な財源の問題については国が負担をしてほしい、これは沖縄県についてはいろんないきさつがありますので、こういう要求が非常に強いわけであります。ぜひひとつ実現をするように検討してほしい、こういう要求なんですが、いかがでしょうか。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 沖繩の年金につきましては、ただいまおっしゃられましたように、期間については完全通算という制度をとっておりますが、満額の給付を行うということになりますと、すでに農林年金の組合員として同じ期間について所定の掛金を負担してきた本土の組合員との間に均衡を失するという事情がございますので、四五%の減額措置がとられている次第でございます。この措置は各共済組合制度共通のものでございますし、またただいま申しましたように、同じ期間につきまして掛金を負担した方と負担していない方とのバランスということもございますので、率直に申しましてこれの改善は非常に困難であるというふうに考えております。

野間友一日本共産党

○野間委員 時間が参りましたのでやむを得ませんけれども、これはまた続けて私の方でこの委員会において論議をして、ぜひ実現方研究していただきたいというふうに思うのです、これはいきさつはいろいろありますので。大臣、最後にこういう点を踏まえましてどういうお考えを持っておられるのか、沖繩の場合。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 先ほど来から申し上げておりますとおり、農林年金法の趣旨に沿いまして足らざる点は充実をしてまいるという方向で、とにかく沖繩における特色等も配慮して処置をしてまいりたい、こう思います。

野間友一日本共産党

○野間委員 終わります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。  農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 この際、本案に対し、松沢俊昭君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブの共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者からその趣旨の説明を求めます。松沢俊昭君。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブの六党を代表して、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本制度の一層の発展充実を期するため、財政基盤の弱い本制度の特殊性を考慮し、制度の健全かつ円滑な運営が図られるよう左記事項に検討を加え、その実現に努めるべきである。       記  一 増大する不足財源に対処するため、給付費に対する国庫補助率を百分の二十以上に引き上げるとともに、財源調整費補助の増額を図る等財政基盤の強化に努めること。  二 掛金負担については、財政の再計算の結果、他の共済年金制度との均衡及び後世代負担との関連を考慮し、組合員負担の急激な増高をきたさないよう配慮を加えること。  三 全国農業協同組合中央会の行う農協等相互扶助事業を継続実施し、本制度への寄与を高める等その拡充強化に努めること。  四 退職年金等の支給開始年齢の引上げ措置に対処し、対象団体の経営基盤の強化を図るとともに、加入団体の定年制の延長、給与体系の整備等雇用条件の改善が図られるようその体制づくりに適切な指導を行うこと。  五 既裁定年金の改善については、公務員給与の引上げに対応した自動スライド制の導入を検討すること。  六 退職年金等の最低保障額については、新・旧格差の是正に努めるとともに、その給付水準の引上げに努めること。  七 遺族年金については、支給率の改善の検討を行うこと。    なお、旧法年金者の寡婦加算額の引上げ措置に対応し、新法年金者にもその均衡上必要な措置を講ずること。  八 農林年金受給者の組織化に対処し、その意向が制度の運営に反映する方途を検討すること。   右決議する。  以上、附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程を通じて十分各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。  何とぞ全委員の御賛同を賜りますようお願いを申し上げます。  以上であります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、ただいまの附帯決議に関し、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。亀岡農林水産大臣。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。     —————————————

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 なお、本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 午後一時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。     午後一時一分休憩      ————◇—————     午後一時三十四分開議

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 私は、五十一年に次いで五十五年の冷害に対する農林水産省がとられましたその後の措置についてということ、それから農政審議会に付されておるところの長期展望と第二期水田利用再編対策、これに関する若干の問題、それから霞ケ浦の汚濁防止に関する問題等について質疑をしたいと思います。  本年の冷害に関しては、私どもは九月の初めに冷害調査団をつくりまして、千葉、茨城の早場地帯、そして茨城の県北の山間部、なお本委員会の代表として、私は福岡と佐賀、さらに引き続いて十月に入りまして山形県の最上町、尾花沢市、天童、西川町というように、それぞれ仲間が手分けをして現地の実情を調査いたしましたところ、共通している問題と個別の問題がありますので、この点についてただしていきたいと思います。  最初に、共通する課題としては、農林水産省が九月二十四日に指示をされました大綱については、われわれもかなり手早く指示をしたものだということで、これは歓迎するところでありますが、さらに、本委員会の質疑を通じて、九月二十六日の決議の中でもそれぞれ整理をしておりますけれども、これが末端の被害農家に実施をされる、たとえばお金が手に入る、あるいは金を借りることができる、さらに救農土木事業というものが実施されるというような時期については、十一月を過ぎるのではないかということで現地では大変心配をしておりますけれども、この辺についてはどのような状態であるか、この点まずお伺いします。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 御指摘の点につきましては、私も一番心して、題目だけ並べても、そのことが農家に直結をしなければ何にもならないということで、急がせておるところでございますので、それぞれの担当局から今日までのとりました措置並びに現況、それを受けとめた各県の現況等について報告いたさせます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 その中で問題になっているのは、これは全体ではありませんが、東北方面のやませの地帯、あるいは山間部においては、相当な部分来年の飯米のない農家があります。農家が米を買うというぐらいのことで非常に苦しいと言っておりますけれども、しかしやむを得ない。そういう農家に対しては来年度の収穫を前提にして米を国が貸し与えることができるかどうか、あるいは古米が払い下げをされる予定でありますが、えさ用の古米はトン二万八千円から三万円だと言われている。業務用、工業用の米は十一万五、六千円だと言われておりますが、いずれにしても金がないのですから、買うことができないのですから、こういう農家に対してどのような措置をとられるか、この点についてまずお伺いをしたい。

松本作衞食糧庁長官

○松本(作)政府委員 災害によりまして飯米を確保できないような農家に対しましては、政府といたしまして市町村、県のルートを通じましてその必要量を現在調査中でございますが、これらの農家に対しましては、県、市町村を通ずるルートによって米を供給し、その代金については来年まで返納を延期するという措置をとってまいりたいと考えております。なお、その価格につきましても卸売価格水準で供給されるように指導をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、ただいま御指摘がございました貸し付けにつきましては、政府の物を貸し付けます際の手続上の問題もございますが、農家の段階におきましては、むしろ貸し付けをして生産者価格によって返納するよりは、いま申しましたような、消費者価格との間の逆ざやもございますから、消費者価格によって来年度返納するという方がむしろ農家にとっても有利な措置であるというふうに考えております。また、価格につきましては、主食用の価格というのは食管法によって定められておりますので、ただいま御指摘がございましたような輸出用の価格について特別な規定を設けて措置しておるものとはやはり分けていかざるを得ないということで、制度上も輸出用の価格で販売するということは困難であると考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 これは輸出用の価格で韓国やバングラに出しているわけですから、日本の国民がつくった米を外国には安く出して、国内では高いというのはどうも心情に合わない気がする。研究をして、できるだけ外国に出す並みの価格で出してほしいということを要望します。  それから、前渡金の問題でありますけれども、前渡金を返すことができないと言う。共済の金が来るからそれで差っ引けばいいではないかと言うけれども、共済の金も、その他の負担金、たとえば土地改良、たくさんありますね、前に返していく金がある。そういうものでなかなか返せないということであって、この前渡金については来年に回してもらいたい、こういう要求でございますけれども、この辺はどうでしょう。

松本作衞食糧庁長官

○松本(作)政府委員 予約概算金につきましては、その返納に当たっての金利につきましては、災害の程度によって免除ないしは軽減をするというふうに考えております。元本につきましては、これは来年の四月ないし五月までに返していただくということになるわけでございますが、被害農家によりまして、直接返すことが困難であるという場合には、集荷団体による代位弁済の道を開いておりますので、この集荷団体による代位弁済によって、農家の直接の返納なしで済ませるように今後も指導してまいりたいというふうに考えております。実質的に返納ができるような指導をしてまいりたいと考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 なお、それぞれの金を出して借りる場合に保証人が要る。その保証人がしかも共済で金が入らないというような状態になったときどうされますか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 金融の保証の問題でございます。それぞれ現在の系統金融につきましては、連帯保証、場合によっては担保も徴する場合もございますけれども、実行上おおよそは問題はなく済まされている例がほとんどだと私ども承知しておりますが、なお具体的に問題がある場合には、関係の金融機関に指導してまいりたいと考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 ともかく全滅をして来年までは収入がない、出かせぎというのがありますけれども。そこで現地の声としては早く出かせぎをしたい。それにしても刈り取らなければ出れないわけです。そうすると、今度は主人は出かせぎをするけれども、残された方々の内職を欲しい、こういうあっせんをしてほしいという強い要求があります。特に山形県などは十一月の初めごろから四月ごろまでは一メートルから四メートルの雪が降る。そういうところでは救農土木といっても仕事ができないから、家庭内で収入が得られるような職業をあっせんをしてもらえないか。私どももそのときに、松下電器とか日立製作所の仕事の中で簡単な単純なものを労働組合とも話し合いをしてあっせんをしようという話はしてきましたが、それだけでは心もとない。やはりこれは国として関係機関と連絡をとりながら、そのようなことをしてほしいということについて努力をしてもらいたい。これについてはどうでしょう。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 冷害に遭われた農家に対してできるだけ地元就労の機会をつくって差し上げたいということで、出かせぎ問題と並びまして関係方面、都道府県あるいは市町村、さらには労働省とも種々連絡をとりながら、お尋ねの趣旨のような問題についてもよく指導を図っていくように努めているところでございます。今後とも努力してまいりたいと考えます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 この問題については早急に努力してほしいと思います。われわれもまた組織を通じてそれぞれ努力をしたいと思っております。  続いて、東北地方は非常に国有林の多いところでありまして、特に最上町というところは八〇%が国有林である。その国有林と町の行政はかなりしっかり結びついております。あるいはまた茨城県の北茨城市においても、国有林とその地域との間は緊密に結びついて、いい状況にあることを見てきましたが、しかし、全体としては必ずしもそういう状態でもないところもあります。やはりいいところはいいと言わなければうそになりますから、そういうふうに申し上げます。  そこで、なおこの国有林の仕事をさらに与えてもらって、そうして金銭を得るようにしてほしいということが強い要求になっておりますので、努力をしてもらいたいと思いますけれども、ゆうべの朝日新聞の夕刊を見ますと、秋田、山形方面で国有林が人員を要望したところが、五百人ほどのところに十二、三人しか来なかった、こういう記事が出ているわけです。これについて、実態はどうなのだろうか、本当にそういうことなのか、それとも新聞が少し先走ったのかどうか、その辺はどうでしょう。

小島和義林野庁次長

○小島(和)政府委員 結論から申し上げますと、昨日の新聞記事につきましては事実誤認が大変はなはだしゅうございまして、関係の町村から新聞社の方に抗議が出ておりまして、近く新聞社の方から営林局長を含めまして事情釈明に来る、こういうふうな状況でございますので、あの記事については全然間違いでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 けさここへ来る前に国有林の労働者の皆さんが私のところへ来ました。これは秋田からも北海道からも来たわけですが、その話を聞きましたところ、望むところはやはり安全な場所、それからかなり長い期間、それから賃金が地場賃金を——地場賃金というのは非常に安いわけですから、それを下回らないようにしてほしい、こういう要求がありますね。この点だけはしっかりひとつ確認をして進めていただきたいと思います。  続いて、これも全国にやや共通する課題でございますが、山形県の西村山郡西川町というところに行きました。この町長が非常に心配をしていることは、三百メートルから四百メートルの高冷地でありますが、ここでは北海道、青森の稲の種を持ってきて植えたところが、これが全滅をした、これ以上は考えることができないというわけであります。したがってこの土地では、何とか高冷地に強い、しかも農家の所得になるような研究を全国的にしてもらえないか、こういう話だった。えてして高冷地というものは輸送の便が悪い、消費地に遠い、こういうことになりますから、これはなかなかむずかしいとは思いますけれども、それの作目の設定、消費地との関連、こういうことについてこれはぜひ研究を進めてもらいたいと思います。  冷害というのは、五十一年にあって五十五年、そしてある気象学者、専門家によりますと、五十八年から六十一年の間にまた大きな冷害が来るということを言っておりますから、冷害はことしだけではない。ですから、これはよく農林大臣にも頭の中に刻み込んでおいてもらいたいのだが、ことしは米が足りないとか余るとか言っておるけれども、また来年冷害が来ないとも限らないですから、そういうことから考えますと、この機会にひとつ高冷地の問題で、再び高冷地なりそういうところが心配をしないようにするために、いまから高冷地農業の研究に努力してもらいたいと思いますが、これはいかがでしょう。

山極栄司農林水産大臣官房技術審議官

○山極政府委員 耐冷性品種の育成なり耐冷性の強い農作物の育成ということで御指摘があったわけでございますが、五十一年の冷害を契機にして、技術会議の方では異常気象対策に関する総合的な研究ということで別枠のプロジェクト研究を進めているわけでございますし、そのほか県単の試験研究もございますし、総合助成等もあるわけでございますので、いま御指摘の点は今後の試験研究に十分生かしていきたいと考えているわけでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 ぜひこれを生かしてほしいと思います。  けさのテレビを見ていると、宮城県の鳴子でしたか、大根をつくっております。これも十年目だそうですが、大変喜んでおります。私の郷里は長野県ですけれども、海抜千二百メートルですが、ここでも大根をつくっておりますし、軽井沢方面ではカンランあるいはその他の高冷地の野菜をつくって名古屋方面に出しているけれども、りっぱな予冷倉庫を、これは農林省の努力だと思いますが、つくってやっております。ですから、そういう施設に、あるいは努力をしてもらえば、必ず山間の人々が農業を捨てなくてもよろしい。農業をやりたい人々に農業を捨てないように、そういう意欲を持たせるようにひとつ努力を願いたいというのが私の主張であります。  続いて、これは個別の問題であり、またもう一つの問題と関連をして共通の課題になっておりますが、天童に田麦野というところがございます。そこに船着という部落がある。ここは前の冷害のときに、これも救農の一つの仕事かもしれませんが、その地域の総合的な改良事業として二十七人で五町歩の総合モデル事業が始まろうということで大変期待をしていたところが、なかなか進まない。どうして進まないのだろうということで、これはもし決定をしていて進まないなら怠慢だ、また何かの事情があっておくれているのであれば、そういうことについても現地に知らせてもらわなければ困るということで、阿部天童市長にもこれの申し入れをしましたが、国の決定ですから、この辺はどうなっているかということをまずお聞きしたいと思います。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 お尋ねの事業は、農村総合整備モデル事業ということで天童地区について行われているものでございます。これは五十一年度に計画が作成され、五十二年度から着工いたしておるところでございます。  この事業の中身は多様になっておりまして、生産基盤として圃場整備とか農道、あるいは用排水といった事業を進めることにしております。それから、環境基準として集落道とか集落排水の事業、さらには環境施設として環境管理施設とか農村センター、こういう多種の事業をあわせ行うことといたしております。  圃場整備の事業は、その中で計画上後回しといいますか、比較的後年度に回されておりまして、従来五十二年度から今日まで農道関係を主としてやってまいっておるわけでございます。この全体としての完成は、計画上は五十七年になっているわけで、今後圃場整備等についても逐次事業が進められていくことと存じます。せっかくのお尋ねでもございますので、私ども現地の意向も十分確かめ、県とも連絡をとってできるだけ早くこの事業が完成するように努力してまいりたいと考えます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 なお、この地区はもう一カ所に土地改良事業をやっておりまして、ここもかなり事業がおくれているようでありますから、なお連絡をとって進めてほしいと思います。  この際、私どもの調査とはちょっと違うところからの提案でありますが、調査の要求がございました。それは兵庫県の西部総合土地改良事業で、これは三十四年に計画し四十二年に始まって五十一年に完了の予定のものが五十九年に延期された。灌排は反当九万三千円、開発の方は反当二十万六千円となっている。また、同じ兵庫県の東播用水農業水利事業は三十八年より国と県が調査をし、四十五年に着工、五十二年の完了の予定が六十年に延期となりました。灌排の費用が九万二千九百円、開発が十九万九千五百円となっておりますが、このことは事実でしょうか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 いま先生のおっしゃられました単価等の数字についてはちょっと照合する必要がございますが、工事について若干の計画期間の延長といいますかおくれがあるということについては事実でございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 全国にこういうものが多々あるだろうと思いますが、問題は、この土地改良事業が始まって四十四、五年までの間というものは、水田のための土地改良、こういうものが進められてきていると思うのです。ところが五十二年から五十三年、五十四年と第二期の水田利用再編対策に入ってきて、米の減反という方向に来た。そこで、従来のように米をつくるということから、米をつくるな、しかも米をつくるなというその面積が四国全体、九州全体、北海道も含めた地域まで及ぶということになったら、この土地改良のあり方というものが変わってこなければならない。そこで兵庫県のここの土地はすでに地価が上がって県が一部土地を買って、さらにそこに減反というものが来ておるときに、こういう負担をかけてこれをやろうという意欲がなくなってしまった、こういう話なんです。このようなところが各地にあるであろう、こういうふうに思います。  そこで問題になるのは、今後六十五年を展望するところの農業の長期計画というものをいま農政審議会に付して、やがて公表されようが、私はこの委員会で七月三十一日に委員長にお願いして、理事会で議論をして、国会で決議をした食糧自給力を高めるその方針と、いま農林水産省が審議会に図ろうとするその内容と、それからいまの現状というものを三つ合わせて話し合いをしたいと思っておりましたが、時間がない関係からそれが進められておりませんけれども、こういうような段階の中で状況が変わってきているということについてどのように受け取られているかということをまずお尋ねしたいと思うのです。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 お尋ねの趣旨は経営の指導の問題、営農のあり方、生産指導といったような面にも多分にわたる問題であろうかと存じますが、私どもの土地改良事業の立場から申しますと、ある程度土地改良事業は、特に大規模なものは期間がかかるということがございます。その間、環境が変化してまいる。資材でありますとか用地でありますとかの単価も上がるとか、それから先生も言われましたような水田を初め意図しておったものが畑に転換せざるを得ないというような事情も出てまいります。あるいは都市化したようなことから面積にも一部変更を生ずるといったようなことが出てまいるわけでございます。私どもといたしましては、そういう関係もありますので、長くかかる土地改良の事業ではありますが、できるだけ関係者の合意を得て早くこれを完成するという方向に持ってまいるということで臨んでいるわけでございます。やむを得ない環境の変化には直ちに対応して計画の変更を行うというようなこともいたしておるわけでございます。  お尋ねの二地区につきましては、確かに面積の変更とかそのほかの事情の変化もございましたが、全体の動向といたしましては、大勢にはそれほど影響はなくて、むしろ両地区とも、できるだけ今後の予算の配分等に配慮して早く完成する方向に持っていってもらいたいという強い要請を受けております。これらのことも念頭に置いて対処してまいりたいと考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 時間が足りなくなってしまったから、あとは簡単に、また次の面に課題として残しておきますが、私は、いままで進めてきた規模拡大、生産費を下げて国際的な価格に対応していくというような農業の形態がいまとられてきたと思いますが、各地を歩いてみて、農家の方からはむしろ逆に、冷害地帯でも米、養蚕、畜産というように、あるいは米、淡水魚、畜産というように、そういうところで自衛をしているという形になっている。三分の一の減反ということに米がなりますと、それはどうしても複合的な経営にならざるを得ないと思うのです。そういう点で、これからの経営の方向というものが、むしろ拡大というよりも複合経営の方にまた返ってくるのじゃないか、こういうことが一つ言えると思うのです。  それから、これを克服するためには、水田をやるためには、どうしても米の、稲の多目的利用というものを進めなければならない。そのために、えさ用の米というものをあるいは稲というものを奨励をして進めていくことが必要じゃないか。特に東北地方では、私の茨城で小室という人がつくっておりますアルボリオJ十号、これはいま秋田県でも山形県でもどこでも試作をして、この冷害のときに反当千キロ以上のものがとれております。これを一部には工業用のアルコールにして使っていこう、あるいはえさに使おうということで、大変目的を多目的にしてやろうとしている。そうなると、何も高額な奨励金を出して減反をしなくても、とれた米からアルコールをしぼり、えさに使い、こうしていけば相当な利益になる。国益になる。金のむだ遣いだと言われなくて済むのじゃないか。それを、農民と役所との間の信頼関係があるかないかわからないけれども、それはだめだという形で一蹴をされてしまうということになると、非常に残念だと思うのです。ここに、秋田県の仲間がこういう新聞を出して一生懸命になって拡大をしております。そして、ことしは、今度は各村々にえさ用の米を、種を配布して試作をしてどんどんそれを拡大していく、こういうふうに下から盛り上がっている。今度の農林水産省の予算の要求を見ると、一部にえさ用の米に対して手をつけたように思われるけれども、これはもっと大胆にやれないものか、こういうふうに思うのです。そのことに対する答えも聞きたいと思います。  最後に、環境庁に来てもらって霞ケ浦の問題を尋ねようと思ったわけですけれども、これは時間が来てしまったので次に回しますということと、それから、中央競馬会と畜産振興事業団に対して行政管理庁が手を加えて剰余金を取り上げるというとんでもないことを考えておりますので、これについてはひとつ大臣の方からいまのことについてお答えをいただいて私は終わります。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 最後の御質問の日本中央競馬会あるいは畜産振興事業団等の益金を国庫に入れるということは、これは法律改正をしなければとてもできない問題であろうと思います。したがいまして、まだ私どものところには行管の方から何らの話もございません。話があった場合には農林省は農林省としての立場を、きちっと法の精神もよく申し上げていきたい、こう思っております。  それから、今度の冷害を契機として高冷地等の活用をもっと真剣に考えるべきではないかという御指摘があったわけでございます。確かにお説のとおりでございまして、そういう面については、やはり高冷地というのは人工的に与えることのできない特別条件も持っておるわけであります。物価政策上から言っても、八月とか野菜の切れるとき、そういうときに新鮮な秋野菜を高冷地は提供してくれておるわけでありますから、そういう立場からももう少し当省としては力を入れるべきではないかという感じを私も常々持っておりまして、そういう指導もいたしておるところでございます。  その他の件につきましては関係者から答弁させます。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 お答えいたします。  最初の複合経営に関する点でございます。今回の農政見直し、近く取りまとめることにしておりますが、この中におきましても、経営上の複合、さらに地域におきます複合というような問題につきまして積極的にこれを取り上げて、むしろ地域の実態に即した地域農業の組織化という観点からこうした問題に取り組んでいこう、当然経営自体の合理化等の要請を踏まえながらも、これらを地域農業の組織化という形で複合問題をとらえていくべきだろうという点で現在検討をいたしておりまして、近くその考えをお示ししたいと思っております。  えさ米につきましては、いろいろ御指摘をいただいておりまして、確かに高収量の事例等も私どもなりに承知しておるつもりでございますが、まだ収益上の問題あるいは制度的な仕組みの問題等現実的に解決を要すべき多くの問題をはらんでおります。そうした意味ではやはり農林水産省としては長期的な課題としましてこれを研究開発していく必要性のある重要な課題でございます。したがいまして、研究開発という問題につきましては農政の見直しの中におきましても重要なものとして私どもも注目していきたい、このように考えておるわけでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 終わります。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 松沢俊昭君。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 今回の冷害はもうすでに大臣も言っておられますように何十年来の大凶作ということで、本当からするならば二期対策の方針というのは九月中に何とか出してもらいたいという、そういう希望というのが地方の方から出ておりましたけれども、こういう災害であるために、十月いっぱいというのはもっぱら災害対策に最重点を置いて、そして農家の信頼をかち取らなければならない、こういうお話であったわけでございますが、いろいろ考えてみますと、テレビなんかでも青森の被害地の状況というものが「明るい農村」なんかに出てきておりまして、それを見ておりますと、やはりこれは単なる自然災害だけでなしに、農政そのものからくるところの災害の部分というのもあるのじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。  と申しますことは、同じ収穫皆無地帯であっても、肥培管理が完全に行われておった農家の場合においては五割作をとっている、こういうことがテレビで報道されているわけでありますが、その点につきまして、大臣は一体どのようにお考えになっているか、それをまずお伺いしたいと思うわけなんです。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 御承知のように今回の気象条件が、大正二年以来とも言われ、また明治三十何年か以来の初めての異常気象であるというようなことも言われ、その町村によってその感覚は若干違いますけれども、最近にない冷害であるということは御理解いただけると思うのです。したがいまして、耐冷品種として農林省が挙げて研究をしてきておりました品種等も、私も現地を見に参りまして、そういう品種は一体どうなっているのかということで、できるだけ時間の許す限りいろいろなところを見せていただきました。ところが、その地元の方々は、これがこの地方にとっては一番冷害に強い品種だということでやっておったのだけれども、それさえも全くの収穫皆無である、こういう実情をよく見ていってほしいというところが多かったわけでございます。  御承知のように、やませというのが、私も阿武隈山系に生まれましたので、よく覚えているわけでありますが、その地形、地形によりまして、やませの影響を受けるところ受けないところ、これは本当に森一つ、林一つと申しますか、山のひだ一つと申しますか、そういうものによって影響が非常に違う。特に開花時期等においてのやませの吹きぐあいが最も敏感に稲作に影響を与えておるというようなことを、子供のときから聞かされておるわけでございます。  したがいまして、あるいはいままで大きな冷害がないからというので安易な指導等もあったのではないかという反省を持ちながら、やはり冷害に対しては謙虚に努力の最善を尽くさなければいかぬ。また、冷害に遭った方々に対しては、来年の再生産を十分に確保できる施策の万全を期していかなければならない、こういう気持ちで取り組んでおるわけでございます。したがいまして、ある地点に行けば人災と言われ、ある地点に行けばやむを得ないと言われ、そういう気持ちをお持ちの農家もあることも、私も実は気持ちに残っておるところでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 大臣もおわかりのようでありますけれども、最近の農村の状況からいたしますと、とにかく種をまいて秋を待つ、こういう状態で米をつくっている現状であるわけですね。しかし、稲というのは生き物なんですから、常日ごろいろいろと稲の要求にこたえてそれなりの肥培管理をやっていかなければ、本当の収穫を上げるというわけにはいかぬと思うのです。だから、そういうことができないような状態に入っているところの農村に問題があり、そういう農村になったというのは農政に問題があるのじゃないか。そういう意味からいたしまして、これはもう終わったわけなんでありまするが、これからこのような災害があったとしても収穫皆無なんという事態の起きないような対策をどのように立てていくか、これが一つの課題だと思うわけでありますが、そういう点について大臣はどうお考えになっているのですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 全く御指摘のとおりで、私も同じ考えを持っております。特に、先ほど竹内委員からも御指摘のありましたように、いわゆる高冷地というようなところにおいて、毎回毎回の冷害のごとに収穫皆無ということを続けていいのかどうかという問題もあるわけでございますから、これはやはり地元の要請なり、あるいは学問的な、気象学的なそういうデータの上に立って、そして経営を進めていくことのできるような指導というものが必要なのではないかということで、そういう点からも今回の冷害に対して反省をしつつ指導してまいりたい、こう思っております。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 この委員会では九月二十六日、冷害に対するところの委員会が開かれたわけでありますが、その際、委員会といたしましては「異常低温等による農作物被害等の対策に関する件」という決議をやったわけなんです。大ざっぱに分けますと七つの項目にわたっていると思います。何といたしましてもいま被災農家が一番欲しがっているのは金であろうと思うわけであります。  それは一つには融資の問題もございます。しかし、一粒の米もとれなかったわけなんでありますから、やはりそれにはちゃんと仕事をして所得を得るような、そういう救農事業というものが当面大きな問題だと思います。この委員会におきましても、救農のための各種の事業を実施して、被災農民が現金収入の得られるような方法を講じるべきである、こういう決議をやっておりますが、この救農事業に対しましていままで政府がやってこられた、そのことにつきまして御報告を願いたいと思います。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 お答えいたします。  救農土木といたしましてすでに申し上げたことはございますが、第三・四半期の公共事業の枠につきまして、特別に促進を図るということで一三六%の対前年同期比の事業を拡大いたしました。そのうち二百四十億円をこれら被災地を中心にいたしました枠として設定いたしまして、このうち二百億が農業基盤関係、三十億が林業関係、十億が水産関係ということで割り振りいたしまして、現在これらの各所掌の部局におきまして地域的な割り当てを実施いたしたところでございまして、農政局あるいは各府県あてに割り当てを済ましたところでございます。  また、救農土木事業のもう一つの一環といたしまして、国有林特別会計におきまして約十億円での除伐、地ごしらえ等を含みます造林事業を緊急に実施いたしました。これもすでに関係営林局に対して指示をいたしております。  さらに、農林漁業金融公庫を通じまして、公庫資金の活用という面で小土地改良の資金あるいは造林資金につきましての融資を実施しますと同時に、自治省に地方債の起債につきまして、関係の市町村の要望にこたえるように強く要請をいたしまして、自治省もこれには前向きに対応していただけると私ども考えております。  これまでのいわゆる救農土木という関係での事業の進め方については以上のとおりでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 いま官房長が御報告されたのは、農林省関係のことしの公共事業、これは総体で一兆四千億ぐらいあるというお話を聞いておるのでございますが、その予算の範囲内において第三・四半期へ金を使うところの部分をふやして、そしてそれが要するに三六%、金額にして二百四十億ということだと思います。そうすると、年間を通じてやるところの仕事のある部分というものを繰り上げて十月から十二月の間においてこなしていこうということであって、これは救農土木事業というところの新たな事業を起こして、そして被災農民の所得の確保のために農林省が努力をしている、こういうことにはならないのじゃないですか。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 お答えいたします。  被災農家に対します所得の維持安定という観点では、基本的には農業共済制度がございます。さらに天災融資法、自作農維持資金等によります金融対策等において私どもは基本的に対処いたす、さらに救農的な土木事業によりまして所得を得る機会をできるだけ私どもの現在の財政の中で最大限の努力をするという観点からいたしまして、ただいま御報告申しましたような公共事業におきまして、特にこうした積雪寒冷地帯で事業を早急に実施しなければならないところ、しかも事業費の割り当てが一般的な地域と違って特に促進を要するというような観点にも立ちまして、特別の配分、ただいま二百四十億と申し上げましたのは国費ベースでございます。全体に事業費ベースにしますと四百八十億円程度になるわけでございます。そうした観点での工夫をいたしたわけでございます。  同時に、私どもから申しますと、五十一年にもそうした問題がございまして、救農土木事業というのを実施した経緯もございます。それらの過去の評価等も十分踏まえながら、現実的に雇用の拡大ができる、最も早急にやれる対策で効果のある対策という、一連の対策の関連におきまして救農土木を実施している、こういうふうに御理解いただきたいと思います。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 私が聞いているのは、たとえば五十一年の場合においては百十億ですか、これは予備費から繰り出して、そして仕事をやらせるというところの方法をとったわけでしょう。今回はその予備費からも出さないで、当年度予算をただ繰り上げて使っていくというだけのことなんであって、大臣が、十月中に災害に取り組んで、そして被災農民の信頼をかち取らなければならない、こう言っておられるが、中身を分析すると政府は別に何も金を出さぬで、あとは、今度市町村でおやりになる場合においては地方債を認めて、あるいはまた公庫から融資のあっせんをやるということで、これまた何も市町村にそれほどめんどうを見てくれないということになるわけなんでありますから、結局救農土木という面は、実際は農林省は何にもやらないということなんじゃないですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 そういう見方もあるのかもしれません。しかし私どもとしては、現在の皆さん方の声を聞きますと、とにかく米を買う金もないのだ、だから早急に賃金として獲得できる雇用の場をつくってほしい、こういう声が非常に深刻であり、厳しくあったわけでございます。そこで、公共事業で新たにという考え方も当然私もいたしたわけでございます。  しかしながら、いろいろやらしてみますと、とにかくどういう仕事をやるか、それを測量をし計画をし、そして補助金申請を出すということになりますと、いかに早くいたしましても相当な日数がかかって、もう降雪期になってしまう。それまではほとんど賃金の得る場がない、そういうことでは困る。すぐにもできる、雪の降る前にもうとにかくある一定の賃金が獲得できるという仕事を集中的にやれるようにできないか、こういうことにいたしまして、まあ事業費にして約四百数十億にわたる、しかも賃金の率の高い仕事を先にやる、こういう形で救農事業というものをやることといたした次第でございます。  もうすでに各県の配分も終わりまして、仕事が現実に間もなく開始される、こういうふうに考えておりますので、私どもとしては、五十一年のときのいろいろな経験からいって、五十一年のようなやり方じゃなく、賃金部門の高い、土木機械等にばかり金が回るような仕事じゃなく回してほしい、こういう声が非常に強かったのにかんがみまして、今回のような措置をとらせた、こういうことでありますので、ひとつお認めをいただきたい、こう思う次第でございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 大臣、農林省の物の考え方が間違っているのじゃないかと思うのですよ。さっきも官房長の方から御答弁ありましたけれども、現金収入の面からするならば、これは共済金も早期支払いをやるようにやっているんだ、それも金のうちなんだ、こういう意味のことを御答弁しておられますけれども、これは御承知のように三割足切りなんですよね。でありますから、たとえば四百五、六十キログラム、そういう反収があったとしても、その七割を引き受けるということになるわけなんでありますから、これは私の計算からいたしますと、たとえば四百七十八キロの基準反収の場合におきましては三百三十五キロを引き受ける、こういうことになるわけですね。それで結局、キロ当たりの共済金というのは二百七十円から八十円程度ということになりますから、収穫皆無になったといたしましても、反当九万五千円程度しかもらえないことになるわけです。ところが、稲作の場合におけるところの農林省の統計からいたしましても、反当たりの第一次生産費の面を見ましても十一万九千八百円ということになっているわけなんです。したがって、共済金をもらったといたしましても、なおかつ二万四千四百円ぐらい足りないということになるのですよ。だから、借金を払うにも払えないという状態が共済金をもらった時点の農家経済ということになるわけですよ。だから、現金収入というものを何とかしてやらなければならないということで、救農土木を起こしてやってもらいたいということをこの委員会でも決議をしておるわけなんです。  ところが、聞きますと五十一年災でさえも百十億の金というのを予備費から繰り出して別途に使っている。ところが数十年来の大凶作でございますというときに、全然金も出さないで救農土木をやっているなんということは、これはおこがましいと言わなければならぬじゃないですか。だから私はそういう点で、どうも大臣は十月いっぱいは災害に取っ組んでやるのだ、それ一心にやるのだ、こう言っておられますけれども、大臣の熱意と農林省のやっているところの結果というのは全く合っていないじゃないか、これを大臣は一体どうお考えになっているかということ。  もう一つは、公共事業というものを二百四十億繰り上げてやったといたしましても、労力、つまり労賃部分、これが大体二〇%、よくいって三〇%になるかどうか、山の方はそのくらいになるのではないかというようなお話でございますけれども、実際はこういうことをやっても、やはり土建業者の皆さんを利する面の方がむしろよけいであって、被災農民に対するところの受ける割合というのは非常に不足になってくるのではないか。  私は新潟県でございますけれども、昭和四十一年、四十二年の連年の水害を受けたことがあるわけなんです。これは大臣も新潟県から嫁さんをもらっておられますからよくおわかりだと思うのですけれども、とにかくこれは大変な被害でございまして、当時の県知事は、それに対しまして二億円の金を出して救農土木事業というものをやったわけです。その中身は一体何であるかということになりますと、天地返しをやるにも、被災者手帳というのを被災者の農家の皆さんに全部交付いたしまして、そして村単位でたんぼの天地返しをやるとか、あるいはあぜを直すとか農道を直すとかというところの仕事に出てきた人たちにちゃんと手帳に印をつけまして、それに対して幾らという金を払ったわけなんですよ。だから、今回の場合におきましても、青立ちになっている、刈り取ってから出かせぎに行ってくれと言っても、刈り取ってから出かせぎなんかに行かぬで、帰ってきてから火をつけて燃やした方がいいじゃないかという考え方も出てくる。だから、そうした場合、青立ちになっているものを青刈りをする、その場合においてはちゃんと手当を出してやる、あるいはまた天地返しをやった者に対しては手当を出してやる、こういうぐあいにしてやっていかなければ、本当の救農土木ということにはならぬではないか。  二番目の政府の対策といたしましては、市町村の方でいろいろなことを工夫してやったものに対しては地方債を認める、そして公庫から金を出してあっせんをしてやる、こういうことを言っておられるわけでありますから、要するに市町村でやるところの仕事、いま私が申し上げましたようなものを含めましてのそういう仕事に対しまして、政府の方ではまだ一銭も金を出しておらぬわけだから、いまからでも遅くございません。これはやはり大臣が決断をつけて、そういうところの市町村に対しては、何らかの方法で政府の金でめんどうを見てやる、こういうことをはっきりしてもらいたいと思うわけなんでありますが、大臣はどのようにお考えになっておりますか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 五十一年度の冷害の際と今回の冷害の際とった救農土木についての措置の内容が違うということでございますが、確かに今回は予備費とか補正というような形での追加財政負担はいたしておりません。その理由は、五十一年のときは公共事業の執行がきわめて順調に進んでおりまして、予算の枠についてほとんど配分する余裕がなかったということが一つございますが、ことしの場合は予算の執行、特に公共事業についてはその抑制が図られておりまして、第二・四半期までは六〇%しか行われておらないということがございます。したがって、私ども約九千億の予算の中で三千六百億もの金が第三・四半期以降残っているということで、できるだけこの執行を進める。そして来年度へ繰り越すとかということのできるだけないように完全執行を図るということの方がむしろ有効であり、先決問題ではないかということで考えたという事情が一つございます。  それから大臣も申し上げましたように、今日の公共事業は従来に比べてかなり大型になってきておりまして、個別に新しい地区を選定するということになりますと、正直に申し上げまして時間的に間に合わないという問題もございます。そういうことを考えまして、むしろ市町村がそれぞれ地域の実情に即して有効なやり方で就労対策をこしらえていく、もちろん公共事業もございますが、そのほかにも地場における就労機会の創出というようなこともいろいろ考えられるわけでございます。地場における就労機会の創出としては、やはり小規模な維持改良的な、あるいは補修的な道路なり農地についての手当てということになりますが、これはやはり市町村なりあるいは県単事業としてやっていただく、それに対して起債で財源的な手当てをする。それからもう一つは、五十一年度ではそこまではなかなか手が回らなかったのでございますが、低利融資、これは三分五厘の公庫資金融資でございます。この点につきましてはかなりな財政負担が事実上生ずることとなります。こういう形でむしろ市町村のやりやすいような形で実際的な効用比率の高い事業をやっていただく、それに対していまの制度の中で行い得る手当てをしていくということの方がよりよいのではないかということで、今回の救農対策、就労対策というものを仕組んだわけでございます。

松沢俊昭日本社会党

○松沢委員 これで時間が来ましたから終わりますけれども、さっき私が申し上げました、たとえば雪の降る地帯におきましては、除雪という仕事がまたあるわけです。だから直接農家に現金が渡る救農の事業の方法というものは幾らでもあるわけなんです。それを市町村がやった場合においては、とにかく予備費からでも出してやる、そういう温かい配慮がなくておれは一生懸命取り組んでいるんだぞと言っても、だれも本気にしないということになるのじゃないか。大臣、どうですか。最後に大臣のお考え方をお聞きしまして終わりたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 気持ちは松沢委員に劣らない気持ちを持っておるつもりでございます。御指摘いただいた点、私どもといたしましても十分考慮いたしまして、積雪寒冷地帯等につきましての特質というものに対する措置等についても、実は自治省の方に強く要請をいたしておるわけでございます。何回も申し上げるわけでありますけれども、雪の中でやれる仕事、除雪事業というのがあるわけでございますけれども、これも県道までということになっておるわけですね。それはもうみんな機械でやっておるわけでございますけれども、しかし町村道等につきましては、確かに人力でやるというような点も少なくないわけでありますので、そういう点についても実は建設省の方によく要請をいたしまして、そして実現のできるような方向で努力をしていきたいと考えます。

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 田中恒利君。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 松沢委員、竹内委員の方からも災害の問題について御質問がありましたが、なお大変事務的になりますがお尋ねしておきます。  この冷害の最終的な災害調査の取りまとめはいつになるのか。それから天災法と激甚法の指定についても、およその話は流れておるわけですが、いつ発動されるのか、お尋ねをいたします。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 十一月の十日から十五日の間ころに政令公布ができるようにということで、事務当局を督励をいたしておるところでございます。と申しますのは、どこに参りましても、できるだけ早くという被災者の声が強いわけであります。五十一年の冷害のときには十一月のたしか二十九日に政令公布になっておるわけであります。ですから、それよりも少なくとも十日以上早くできないか、こういうことで詰めさしておるわけでございまして、十一月の十日から十五日の間ころを目途としております。     〔委員長退席、菊池委員長代理着席〕

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 この冷害と集中豪雨、それから台風十三号、十九号、いずれも日本列島を襲ってきたわけです。これらは同一災害という形で認める、こういうことだと思いますが、そうでございますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 その点につきましては、事務当局から答弁させます。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 各災害につきましては、集中豪雨は冷害と一緒にいたしておりますけれども、台風十三号、十九号は別々の天災ということになります。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 冷害と集中豪雨、それは組み合わす、台風は別、やはり台風とそれから冷害、ダブって受けておるところがたくさんあるわけですね。そういう場合に、特に激甚地の指定の問題になりますと一定の条件がありますね。それはもう時間的にもほとんど変わらないし、台風だって冷害だって災害であることは間違いないのですが、組み合わすという何か行政的な方法は考えられないですか。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 天災融資法の発動に当たりましては、一天災ごとに天災を指定していくという形になっておりますので、台風十三号と十九号は別の天災として指定せざるを得ないというふうに思います。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 それから、これも非常にあれですが、いろいろ町村へ参りますと、特に町村なり農協なり、天災融資法に基づく資金の借り入れの手続が非常に複雑で、手間がかかっていけないと言うわけですよ。これをもっと早く簡素にやってくれという声が非常に強いのです。今回の場合それらの問題も含めて、早く、いわゆる要領よくできるようにしていただきたいと思いますが、どうですか。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 天災融資法の借り入れにつきましては非常に簡素な手続になっておりまして、天災融資の借入申込書に市町村長の被害認定書を添えて融資機関に出していただくということだけでございますけれども、なおできるだけ簡素な手続で迅速にという御要望でございますので、私ども融資機関に対しましてはできるだけ事前に指導いたしまして、農家の方々が早く借りられるように措置をいたしたいというふうに思います。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 簡素じゃないですよ。どれだけ厄介な手続をやっていかなければいけないか、ここで一々そういう細かいことを議論できませんけれども、もっとよく実態を見て、そういう声はいっぱいですから、災害に関しての、特に借入金の諸手続の問題についてはひとつ問題点を抽出して処理していただきたいと思います。  それから私は、きょうは、地域的には西日本の一つの大きな問題であります温州ミカンの問題につきまして、災害の問題との関連もございますので、この機会に若干の御質問をいたしたいと思います。  御承知のように、温州ミカンは米とほぼ同じような系統を歩んでおりまして、適地適産で非常にたくさん植えつけまして、昭和四十年後半からは、価格は非常に低迷をしていくし、四十八年のたしか十七万ヘクタール程度をピークにして、それからは自然的な壊廃も起きております。加えてこの数年来は、農林省の米の減反に準じたミカンの減反政策がとられて、いわゆる中晩柑への転換などが行われていることは御承知のとおりでありますが、これもいろいろ突き進んでいくと、ミカンをつくるなと言いながら、一方では例の日米交渉のオレンジジュースが何倍と入ってくる。減らす分だけ外国から入れておる。こういうことで、これは西日本の果樹地帯へ行くと、皆さん一様に、一体日本の農政はアメリカへ向いておるのか日本へ向いておるのか、こういう批判が充満しておるわけであります。この議論をするといろいろたくさん問題がありますので、きょうはその議論はできませんが、しかし、いずれにせよミカン問題の取り扱いは、最近農林省の分野におきましてもいろいろ検討していただいておるわけでありますけれども、非常に厄介な問題を抱えてきておると思います。  そこで、今日私ども非常に心配をしておりますのは、昨年非常に価格が大暴落をした。私どもの地域はミカンとしては日本でも非常にいい産地で、実は価格の手取りもいいわけですけれども、それでもキロ四十円とか五十円とかいう、生産費を完全に割ってしまうという状況になって、御承知のように加工へ振り向けて百万トンの果汁をしぼった、こういうことであります。この果汁がこの冷夏で、大体牛乳、果汁は夏に消費が伸びるのでありますが、これが思うように伸びないということで、昨年暮れ、昨年のミカンをしぼった百万トンといわれるジュースが滞貨をしておる。ことしは冷害で黒斑病から潰瘍病などいろいろ病害を受けておることも事実でありますし、裏年で収量は減る、こういう状況はあるわけでありますが、市場へ出回るいわゆる良品というものが非常に少ないのではないか。やはり加工へ回る比較的見ばえの悪い小さなミカンなどがたくさん出回るのではないか、こういう心配が果樹産地には非常にありまして、一体こういう状況で、加工に対して本年度どういう対応をしてもらうか、これがいま非常に大きな問題になっております。大臣の出席の時間が限られておるようでありますので、この際、加工の果汁の調整保管問題について、昨年度に準じて本年度も取り上げていただきたいと私は思っておるわけでありますが、大臣のお考えをひとつお聞かせいただきたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 実は私も果樹生産地で、私の方は落葉果樹でございますが、いま御指摘のような経験も持っておるわけであります。したがいまして、特にこのミカンに対しましては、御指摘のような現状であるわけでございますので、農林水産省としてもいろいろと検討させておるわけでございます。  御承知のように、農産物資、果物というのは豊作になりますと価格が落ちる、そのかわり生産が少しセーブされてきますと価格の方がぐんと上がってくるという事情もございますので、そういう点もよく見きわめた上で具体的な事項に具体的な措置をすべきかどうかということを決定していきたい、こういうことでいま事務当局にその辺をよく検討させております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 いま大臣から御答弁ありましたように、確かに市況がどうなるか、これからの勝負でありますから、いまのところは非常に量が少ないということで価格的にはいいようでありますが、大体わせのいまの時期は全般的にいいわけでありますが、例年の傾向を見るとこれからすとんと落ちていくという傾向が非常に強いわけでありますし、それから果実類の価格傾向を、特にミカンなどを見てみると、もうほとんど停滞状態の域から脱していないわけであります。いいと言ったって、いまの物価の上昇やいろいろな農薬、資材の上昇を十数年来の傾向と比べてみれば、ミカン価格についてはほとんど低迷状態から脱していないのでありまして、そういうことも考えながら、いま大臣が御指摘になったようにことしのミカンのこの状況の推移を見ながら、調整保管をやらなければいけない、こういう数字的なものや状態が出た場合には、私は金もそうないことはないように思う、いろいろ貿易自由化関係のものも多少あるはずでありますので、やればやれると思うのでありますが、そういう状況になった場合には農林水産省としてはこれに検討して取り組んでみる、こういう意味に理解してよろしいですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 今年産の温州ミカンは、先生御案内のとおり裏年なものですから、九年ぶりに三百万トンの大台を割るという姿になっているわけでございます。もちろんいままだわせの温州の出始めでございますが、価格は堅調でございます。今後どこまで価格が伸びるかという問題も確かにこれからの推移を見ないといかぬと思います。しかし、量的にはそういうことで生産が非常に少ないものですから、加工仕向けに回るのは去年に比べると大幅に減るであろうということなので、今後の推移を見たい。まだ搾汁工場の方もしぼり始めたぐらいだと思いますので、どのぐらい本当に搾汁量が出てくるのか、これも見届けたい。去年などは三月十日に調整保管の発動をしたわけでございます。そういうことでございますので、これからの推移を見て検討をしたい。その際、必要があれば大臣がお答えされましたように十分前向きに検討してみたいとは思いますが、いまの段階では必要が出てくるかどうかというのがまだはっきりいたしませんので、その辺は推移をもう少し見守らせていただきたいと考えております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 ことしの果汁の需給バランスというか、本年産の温州ミカンがどのくらいしぼって在庫がどのくらいになっていくのか、これはどういうふうに見ておられますか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 温州ミカンの果汁の需給バランスもいろいろ推算をいたしております。これは団体側の方もいろいろ推算をしておるということで、ただいま申し上げましたようにこれからしぼり始めますので、まだ今後の推移を見ないとわかりませんけれども、五十四年は先ほど先生からお話がございましたように、約百万トンを加工仕向けにしたということですから、九万九千トンほどの五分の一濃縮果汁が出たということでございます。したがいまして、五十四年といたしましては持ち越しが五万数千トンあった、かように考えております。  ただ、五十五年の方の需給計画につきましては去年の半分ぐらいが加工仕向けに回るのではないか。五十万トンとか五十五万トンとか見方はいろいろありますけれども、五十万トン程度であろう。そうすると、五分の一濃縮で五万トン程度の搾汁量になるということでございまして、需要の方は若干伸びるというふうに見て六万数千トンの需要量になると見れば、四万トンを切れる持ち越しぐらいになるのかなというようなことなんですが、この辺の見方はまた団体ともちょっと違っております。いろいろ団体なりあるいは役所の方なりで需給推算等をときどきに応じて詰めておる、こういう状況でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 これももう少し農林省できちんとしたものを立ててしかるべきじゃないか、日本の農林省はそういう面では大変体制のとれたものでありますから。私も団体のこれをもらっておるのですけれども、団体の方もまたいろいろ聞いてみますと、たとえば契約しておってそのままそれが実行されなくて繰り越されていくというのも実際相当あるので、十二月の末になったら団体の出しております五万九千四百トンを一万トンくらい上回るのじゃないか、こういう説もあります。消費量が幾らになるか。大体六万トンから六万四、五千トンというのが通常ですが、それもありますし、ことしはいわゆるジュースの輸入量の枠もふえて五千トンぐらい入ってくるのでありますから、そういうものをやると、もし悪くいくと一年分くらいまだ持たなければいけない、こういう状況も考えられておるやに聞く節もたくさんあるわけです。  確かにぴしゃりというわけにいきませんけれども、私は実は加工の問題を、特にこれはミカンだけではございませんで、リンゴにいたしましても桃にいたしましてもブドウにいたしましても——ブドウ等はあれですけれども、加工果実の場合は政策的にどう取り扱っていくか、実はこれがポイントじゃないかと思っておるのですよ。だから、いまの農政の加工対策というものは、ある意味では多少行き当たりばったりのような感じがいたします。私どもは加工の価格安定制度というものを何らかの形できちんと仕組んでいただきたい、こういうふうに思っておるわけでありまして、特にこの問題についてそういう意味で御質問いたしておりますが、先ほど大臣も申しましたし、局長からもいまお話がありましたが、事態の推移を見ながら状況によってはいわゆる調整保管ということについて十分考えていく、こういう形で処理をしていただきたいと思います。  それから、加工の価格安定基金制度の保証価格ですね。これは三十八円ですか、この価格が私は問題だと思うのです。これを引き上げていくということと、加工の量をもう少しふやしていく、こういうことについての要望も大変強うございますが、どういうふうにお考えになっておりましょうか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 まず保証基準価格の関係でございますが、これは三十六円三十六銭というのが五十五年度の基準価格でございます。来年度の概算要求をこの八月末大蔵にも提出してございますが、その際にはこの三十六円三十六銭をさらに引き上げたいということで要求をいたしております。  それから対象数量の枠、これが今年度から五十万トンになったわけでございますが、これをさらに七十万トンということで二十万トンさらに拡大したいというようなことで概算要求をいたしております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 これは二年事業年度になっておりますね。これもいろいろ農林省の担当の人と議論すると、そういうたてまえになっておると言うのだけれども、しかし、たとえば来年の予算の中に、農林省は加工果実の試験園のようなものをつくって、加工は加工、こういう性格の生産というものを考えておられますね。私もこれは反対じゃありませんが、やはり加工も——たとえば農薬にいたしましてもいろいろな手入れが行われ、非常にいいミカンをつくるということで努力しておりますけれども、加工などについてはさっと大ざっぱに結構やれるし、コストは下がるはずであります。だから、そういう研究体制やモデル的なものはどしどしやっていただきたいと思いますが、そういうものを通して加工の比重をとにかく大きくしていく。そういうことになっていくと、いまのように表作と裏作だという考えは、昔から表作と裏作とあるということですけれども、技術的にだんだん発達していけば表も裏もなくなるということも考えられるので、そういう場合にはやはり単年度でやるべきであるし、当面は、価格を単年度ごとに、やはりいろいろ物価も上がるわけですから、生産費が上がっていくわけですから、改定をしていく、そういうことの方が正しいと思うのですが、どうでしょうか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 現在は業務対象年間というのを二カ年間ということでやっております。考え方としては、表年と裏年というのがあって隔年結果というのがある。もちろん技術的にこの隔年結果という面について相当幅が縮まってきておるとか、いろいろな面はございますけれども、ミカンにつきましても、昨年は三百六十万トン台の生産、ことしは三百万トン台を割るというようなことでございますので、やはりまだ隔年結果というのは否めないのじゃないか。したがって、業務対象年間は二年間ということで考えるのは避けられないと思うのですが、ただ問題は、これをきわめてリジッドに、運用面の際もこのたてまえというものは絶対変えられないものということなのかどうか、その辺は、やはり変えられないとは思いますものの、運用面でいろいろ工夫はできるのではないか、その辺を考えたい。  先ほど申し上げました来年度五十万トンを七十万トンというふうに二十万トンふやしますというのも、これはむしろ来年度単年度二十万トンふやそうということなので、そういうことからすれば、従来の二年間というのであれば五十万トン据え置きでいくのが筋論だということなのですが、やはりその辺は運用の問題もあるだろうということで二十万トンの増枠を考えておるわけでございます。  保証基準価格の方についてもそういう考え方でいくべきではないかという御主張かとも思いますけれども、保証基準価格の方はいずれにいたしましても明年度は上げたいということでやっておりますので、御理解をいただきたいと思います。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 これで質問を終わらせていただきますが、これは大臣に質問した方がいいと思いますが、やはり日本の農畜産物全体の市場拡大で、外国からたくさん入れておるが、品目によっては外国へどんどん送り出していいものもあると思うのですね。いわゆる農産物の輸出であります。いま議論しております私どもの温州ミカンなどは相当外国へいま売り込むことにいろいろ努力をしておりますが、そういう輸出奨励措置というものにもう少し力を入れる。かん詰め類にしましても、こういう果実のジュース類にいたしましても、外国などと比べて技術水準もある程度高いようでありますので、保管なども相当諸外国などに比べるといいという話も聞いておりますが、やはり外国へ送り込んでいく、こういう政策も思い切ってとってもいいと思うし、現実に輸入の為替の差益金の問題などは相当大きなものがあると思うし、日本の零細な農民のつくる農産物を外国からたくさん入れて困らすよりも、逆に売り込んでいくという市場拡大方策も政策としては考えるべきだ、こういうように思います。そういう意味で、特に果実類の進出について積極的な輸出奨励の助成というか政策を打ち立てていただきたいと思うわけでありますが、この点についてはひとつ大臣の御所見を承って終わりたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 日本は貿易立国以外に生きていけないという国柄であるわけでございますから、これはもう本当に日本のように品種改良されたいい果物を外国の人に食ってもらえれば大変結構なことでございます。ところが、現実として、落葉果樹にいたしましても、ミカンにいたしましても、いままでも相当輸出努力はいたしておるわけでありますが、やはりコストの問題等がございますために思うようにいっておりません。しかし、これからやっぱり御指摘のとおり大いに努力をしていかなければならぬ問題である、こう考えます。特に農林水産物資で去年一年間で二百八十九億ドルというものを外国から買っているわけですね。小麦から豆から何から果物から、全部合わせますと二百八十九億ドルといいますと石油の半分以上を買っておる、こういうことになりまして、こういうことを続けてまいりますとこれはもう本当に大変なことになるということで、国会の御決議もいただいたわけでございますから、そういう意味で、もう努力もしないでただ廃棄をしてしまうなどというようなことは本当にもったいない話でありますから、その努力は大いに積み重ねていきたい、こう考えております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 終わります。

菊池福治郎自由民主党

○菊池委員長代理 草川昭三君。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。  きょう私は、牛乳の問題、特に消費拡大の立場から、あるいはまた現在の流通機構の中で宅配牛乳の問題を取り上げて農林省の考え方なりあるいは関連する各省庁の御意見をお伺いをしたい、こう思うわけです。  第二の米と言われております牛乳は過剰であることはもう間違いがない事実だと思いますけれども、最近の牛乳、乳製品の需給状況をお伺いをしたいわけですが、過剰は何トンか、あるいはまた在庫等はどういう推移にあるか、これをまずお伺いしたいと思います。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○犬伏政府委員 最近の牛乳、乳製品の需給状況でございますが、五十年代に入りまして五十一年、五十二年、五十三年、いずれの年につきましても生乳の生産量が対前年比七ないし八%の増でございます。それに比べまして飲用牛乳の伸びが約二ポイント程度低い五%前後ということでございます。したがいまして、その飲用牛乳として消費されない分は乳製品の原料に回るわけでございまして、それが対前年比で二〇%前後ふえるという状況でございましたために、バター、脱脂粉乳等の主要乳製品の生産量が大幅にふえ、それが現在在庫となっておるわけでございます。在庫量につきましては、いまの一番新しい時点で七月現在を掌握いたしておりますが、バターにつきましては三万三千トン、これは牛乳に換算いたしまして約四十五万トンになります。消費量の六・四カ月分でございます。それから、脱脂粉乳は八万トンでございまして、生乳に換算いたしまして五十二万六千トン、消費量にいたしまして八・五カ月分、両者を合わせました生乳換算量は九十七万トンという相当の量でございます。  このために価格が低迷をしておるわけでございますが、昨年から生産者が自主的な計画生産を行うということで生産の調整を行っておりまして、その効果が漸次出てまいっております。先ほど申し上げました在庫量も一時に比べまして減少を見ておりまして、このため乳製品の価格も一時に比べますと回復をしてきておるという状況でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いま、かなりの量の在庫がある、あるいはまた価格が低迷しているというお話がございましたが、後ほども触れますけれども、価格は低迷ではなくて混乱をしておるわけでございまして、消費者の立場からいいますとそれが牛乳に対する価格の不信感を非常に助長することになるわけです。この問題については私どもも何回かほかの委員会で取り上げておるわけでございますが、生産の方はいろいろな意味での保証というのですか、助成があるわけでありますし、加工原料乳の保証価格等も一キロ当たり八十八円八十七銭でございますか、さらに不足払いの限度数量も百九十三万トン、これは牛乳総生産量の三〇%になるわけであります。しかも、その九割が北海道だと言われておりますけれども、これによって京浜、東海あるいは京阪神の大都市の近郊の酪農地帯でも非常に大きな影響を受けておるわけでございますし、北海道で限度数量を超えた部分は補給金なしの非常に低価格で売られていく、あるいはメーカーの方が引き取らない場合には、これは新聞の数字でございますけれども、二十円前後で売られる場合もあるというわけでございますから、これは低迷というような言葉ではなくてむちゃむちゃだと思うのですよ。そういう影響について一体農林省の方はどういうようにお考えになっておられるわけですか。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○犬伏政府委員 先ほど価格が低迷から回復をしてまいっておると申し上げましたのは乳製品の価格でございまして、飲用牛乳の価格につきましては自由な取引のもとで行われておるわけでございまして、最近その価格が平均的に下がってきておるという状況がございます。  飲用牛乳の価格の動向でございますが、私どもが掌握しておるところで申し上げますと、一リットル入りの紙パックでスーパー等で売られておるものでございますが、これは東京都の地区で調べたものを申し上げますと、百九十九円以下のものが全体の四三%、それから二百円以上が五七%ということでございます。一応標準的な価格といたしましては宅配が二百四十円ないし二百五十円、それに対しましてスーパー等では二百二十円ないし二百三十円、スーパーで特売日でありますとそれが百八十円ないし百九十円ということでございます。  なお、不足払い制度との関連で安売りが行われておるのではないかという御指摘でございますが、それは北海道で不足払いに支えられて牛乳生産が行われ、そこから余った乳が都府県の方に流れてくるということに関連してのお話ではないかというふうに存じます。  北海道からの生乳の都府県への移出状況でございますが、近年は、五十二年、五十三年は対前年比で減ってきておったのでございますが、五十四年に至りまして対前年比で三〇%ぐらいふえる、本年度に入りましてさらに引き続き増大をしておるというようなことで北海道の牛乳が都府県に流れて、それが都府県の飲用牛乳の価格に影響を及ぼしておるというような指摘がされるわけでございます。私どもといたしましては、そういった移出が撹乱的な価格で無秩序に行われるということは望ましくないということで、たとえば中央酪農会議によります地域間の需給の調整事業、あるいは生産者、乳業者をもって構成しております広域需給調整協議会の拡充等、関係者の努力が払われておるわけでございまして、農林水産省としてもこれらの事業につきまして指導、援助をおいおいいたしておるところでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いま農林省の方から出された資料は市場価格実態調査集計表で、第二十七回のモニター報告、これは東京都の市場管理室作成の資料を言われたと思うのですけれども、これと同じ資料で、持ってみえると思いますけれども、二百円前後で約四六%売られておるということをお認めになったわけですけれども、その数字の中で百七十円以下で四%売られておるわけです。  問題は、宅配業者の仕入れ値段が百八十六円四十銭だということです。それで、自分で車を買ったり店を開いて宅配をして、牛乳の消費拡大なりいろいろな営業をなすってみえるわけです。ところが隣のスーパーで少なくとも、いま農林省がおっしゃるには二百二十円から二百三十円で売っておるというのですが、そうじゃないのです。圧倒的に多いのは二百円以下で売られておるわけです。ひどいのになりますと百円で目玉商品として売られておるわけですから、一方で百円で売っておる牛乳を、たとえば隣で宅配業者は百八十六円で仕入れなければいけない。しかもコストがかかる。仕事がやれっこないわけでしょう。こういう現実、事実を何とかしなさい、こう私どもは農林省にかねがね言っておるわけであります。きょうは公取も来ていただいておりますが、不当廉売ではないだろうか、あるいは差別対価ではないだろうか、あるいは優越地位の利用ではないだろうか、公取にもかねがねいろいろなことを申し入れをしておるわけですよ。この点について農林省は一体どう考えるのかということをお聞きしたいわけです。  その前にちょっと公取に御意見を聞いた方がいいと思いますから、公取さんお見えになっておられると思うのですが、いま言ったような、スーパーで目玉商品で百円のような牛乳が売られていっていいかどうかということをまず端的に聞きたいと思うのです。そのことを簡単に一言だけ返事してください。

奥村栄一公正取引委員会事務局審査部第一審査長

○奥村説明員 不当廉売に対する規制につきましては、その取引形態とか需給の動向の把握、検討が必要でございまして、個々の事案ごとに綿密な調査を行って慎重に対処する必要がある、このように考えておるわけでございます。量販店等におきまして通常時の仕入れ価格を下回った廉売というふうな場合には、そしてまた多数の小規模の専売店が著しい影響を受ける、そういうようなことで公正な競争を阻害するおそれの強いものにつきましては、公正取引委員会としては直ちに当該行為の中止を指導する、そういった形で事案の態様に応じ措置をとっておるわけでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 それでは公取にもう一回聞きます。具体的な事例を申し上げますが、仕入れ価格を割れば問題だ、こういうことでございますが、昭和五十四年の十二月三日、去年の暮れに、和歌山県の牛乳商業組合が、ある町であるスーパーが特売価格百円というので売っているからこれを調査してもらいたいという申告を公正取引委員会にしたわけです。ところが公正取引委員会の方から、大分たちまして翌年の、ことしの四月になりまして、四カ月たって、このスーパーを牛乳の不当廉売ということで調べたけれども何らの措置をとりませんという通知が来たわけです。これは百円以下で仕入れておるということを認めたわけですか。過去の公正取引委員会等の通達によりますと、最低でも六%のオンコストが必要だ、あるいは通常ならば二二%のオンコストが必要だということになりますと、これは関係ないというわけですから、八十円台で牛乳が仕入れられておる、こういう事実もあるわけですか。公取さんにお伺いしたいわけです。  同時に厚生省にもお伺いしますが、牛乳で、少なくとも百八十六円で仕入れて、そして二百四十円前後で宅配をしなければいけない、一方でそういう値段がある。一方では百円で売れる。そうすると、牛乳の中身が違うと思わざるを得ませんね、そうでしょう。今日いかに自由市場と言っても、二倍も三倍も違うという仕入れ価格があるわけがないでしょう。中身が違うのかということを厚生省に聞きたいわけですが、厚生省には乳等省令という法律があって、中身はどういう場合でも同じだということになっておるわけですね。乳及び乳製品の成分規格等に関する省令というのがあるのですから。だから最初に厚生省にちょっと聞きますが、牛乳の中身に相違はございませんね。これをまず聞きます。

瓜谷龍一厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○瓜谷説明員 お答えいたします。  先生よく御案内のとおり、食品衛生法に基づきます乳等省令、略して乳等省令と申しておりますが、そこで牛乳等につきまして詳細に規制しております。  それで牛乳につきましては、牛からしぼった生乳をそのまま殺菌処理したもの、それを容器に詰めたものでありまして、しかも成分規格としまして無脂乳固形分それから乳脂肪分、比重、酸度、そういうようなものを規制しております。それから製造基準といたしましても、水を含めましたその他の他物を一切加えてはいかぬと言っております。したがいまして成分的には同じものと確信いたしております。

奥村栄一公正取引委員会事務局審査部第一審査長

○奥村説明員 御説明いたします。  牛乳の不当廉売についての申告が非常にたくさんございまして、私どもの方の違反事件の処理の要員が限られているといったふうなこともございまして、全体の事務処理を停滞させないために簡易迅速な対応をいたしておるわけでございます。  そこで先生のお話しの件につきましても、具体的なケースでございますのでちょっと申し上げかねるわけでございますが、一般的には受け付けますとすぐに関係業者の方に、通常時の仕入れ価格等あるいはどのくらいの量を売ったかといった事情を聴取いたしまして、不当廉売に該当するおそれがあるというふうに認めますれば警告、注意等の措置をいたしておるわけでございます。  先生おっしゃいました当方から送りました通知に、措置をとっていないというふうな御指摘でございますけれども、そこに書いてございます措置をとっていないというのは、いわゆる法的な措置と申しますか、記載事項として規則で決まっておりまして、その事項に該当する措置はとっていないということでございまして、直ちに先ほど申し上げましたような警告とか注意というふうな措置はとっているものというふうにお答えできるかと思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 すると、いまの公取の話を言うと、具体的な措置をとっていないということは、少なくとも百円で売って、マイナス六%あるいはマイナス二二%で仕入れておるからこそ具体的な措置をとらないということです。だったら私はもう一回言いますけれども、仕入れ価格は、少なくとも宅配の場合はいま申し上げたように百八十六円四十銭。しかし一方では百円を割る仕入れ価格でスーパーで売られているということを公取は証明したということになると思うのです。  そこで農林省にお伺いをしますが、一物二価三価ということがよくあって問題になるわけですけれども、いま牛乳の小売価格の方は自由だとおっしゃいますけれども、これは少しひど過ぎるのじゃないですか。むちゃむちゃじゃないですか。しかも中身は、厚生省が責任を持って中身に相違はない、こう言うわけですから。じゃ宅配はつぶれていく以外にはない。宅配業界が現実的に営業できないのはあたりまえであります。これはそんじょそこらの中小企業の近代化だとか経営の合理化でやれるわけがない。自分がいかに売ろうとがんばっても、メーカーの方は百八十六円四十銭。しかし生産の方がふえてくるわけですから、それがいろいろな流通経路で百円を割るような仕入れが現実にある。公取がいま認めたわけです。一体これではどうなりますか。  中小企業庁にお伺いをしますが、最近の牛乳小売店の廃業というのですか転業というのですか、この業界が減っておる商業統計があると思いますが、どういう統計になっておりますかお伺いします。

堀内雅夫中小企業庁小規模企業部小売商業課長

○堀内説明員 お答え申し上げます。  本年、五十四年度の商業統計が出ましたのですが、それによりますと、牛乳小売業と格づけされております商店数は、先生御指摘のように、実は五十一年、五十四年の対比で千四百軒ぐらい減少しているというのが実情でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 もう千四百軒も牛乳屋さんがやめたというわけですね。現実に牛乳屋さんをやっておる方々でも、もう子供さんが跡を継がないというわけです。そうすると、農林省としては消費拡大をやりたい、ある程度消費は伸びておると言っておりますけれども、個々の宅配の方々がなくなれば相対的な意味での消費量はだんだん減るに決まっておるのです。これは牛乳屋の組合の方々がフランスへ行ったりスイスへ行ったり英国へ行ったり、いろいろと調べられた統計数字が出ておりますが、きょうは時間がないから申し上げませんけれども、宅配店がなくなれば消費量は少なくなる。しかし、前に申し上げましたように、農林省はかつて牛乳が少なくなったときの対応としていろいろな意味での暫定的な措置をとっておるわけですよ。一方ではプレッシャーがかかっておる、そして片一方では販売店がつぶれていく、こういう矛盾が現実に中小零細と言われる小売店のところへ来ておるわけですが、農林省はもう思い切ってこの際牛乳屋さんをつぶせ、もうなくなった方がいいから、構造改善資金も出すから、たとえば繊維のように、造船産業のように、これからの八〇年代に向けてどうぞおやめなさいと言われるのかどうか、お伺いしたいと思うのです。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○犬伏政府委員 牛乳販売の小売店の中で宅配を行っておるお店が消費者に対する牛乳の供給のパイプとして大きな役割りを持っておる、今後もそうした役割りを期待したいということを私どもとしては考えておるわけでございます。  先ほどお話が出ましたスーパーとの価格の対比でございますが、家庭配達価格に比べますと、スーパーの価格が配達料が不要であるということからある程度割り安になることはいたし方ないところでございますけれども、最近の実態を見ますと、客寄せのための目玉商品としてかなりの低価格の廉売がされる事例がございまして、これは好ましいことではないと考えております。スーパー等の過度の廉売は、牛乳販売の公正な競争秩序を乱すということによりまして牛乳小売店の経営を圧迫し、ひいては消費者への安定的な供給を妨げるというふうにも考えられますし、また行き過ぎた廉売がメーカーの卸売価格の低下につながれば、結果として生産者の原料乳代の支払いにも影響を及ぼすということから、酪農の安定的な発展が望めないということにもなります。  牛乳は御承知のように国民の重要な栄養食品でございまして、これが適正な価格で安定して供給されるということが望ましいと考えておりますので、これらの事情を踏まえまして、私どもとしては、スーパー等の関係団体に対して機会をつかまえ自粛の要請等も行っておるところでございます。また公正取引委員会に対しましては、一般的な要請といたしまして、適正な競争の確保がされるように要望もいたしておりますし、具体的な事案につきましては、地元の御要望等を公正取引委員会の方におつなぎをするということで対応しておるわけでございます。  いずれにいたしましても、現下の状況といたしましては、需要を超えた生産が行われてきたところにいろいろの問題が発生しておるところでございまして、需要に見合った生産をする一方、消費の拡大を図るということによって、いろいろ出てまいっておる問題の根本を改善してまいりたいということが私どもの考え方でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いま農林省それぞれやっておみえになると言いますけれども、現実的に小売店なり宅配の方々のめんどうは見てない、これははっきりしておるのです。  私は公取にもお願いを申し上げたいわけですが、独禁法の関係で「百貨店業における特定の不公正な取引方法」という中にこれは生きておるわけです。第四に「百貨店業者が、」これはスーパーに置きかえてもいいという通達が別に出ておりますが、「特売、廉売等の用に供する特定の商品を、その商品と同種の商品の一般の卸売価格に比べて著しく低い価格をもつて、当該納入業者に納入させること。」こういうことはだめですよという通達があるわけです。これはやはりとりあえず生かしてもらいたい。農林省もそれを指導してもらいたいわけですよ。全国で千何軒も宅配がやっていけないからといって泣いてやめられるわけでしょう。少なくともこの問題は農林省の責任ですよ。  私ども、物価問題特別委員会とかいろいろなところで陳情しておる。前の渡辺農林大臣にも陳情しました。渡辺さんも、これはえらいことだ、本当にそんなに値段が違うのか、それは何とかしなければいけませんと言って、ぼくたちの目の前で指示しておみえになった。それから一年たつ。だけどノーアクションです。私は行政というのは差別があってはいかぬと思うのです。生産者を保護するならば平等に消費者も保護する。あるいはまたその流通機構の中で今日、まじめに正しく牛乳の販売拡大をやっておみえになったわけですから、私はそれを育ててもらいたいと思うのです。  きょうは厚生省にお伺いする時間がございませんでしたが、母子衛生の立場から牛乳等を乳幼児に配っておるわけでございます。これも全国の都道府県の場合に、制限なしに配っております。まだ三分の一残っておるわけですから、この都道府県も所得制限なしに配れるようにしていただきたい、これは強く要望しておきます。  最後になりますが、もう一回、私のこのような意見に対しまして、農林省として、この宅配業界の立場に立つ温かい行政というものをどうお考えになるのか、次官の方からでもよければお伺いをしたい、こう思います。

志賀節農林水産政務次官

○志賀(節)政府委員 大変不敏でございまして、私ただいま草川先生の御意見を終始承っておりまして、渡辺農林水産大臣同様、大変なことだという率直な印象を持った次第でございます。非常に驚きました。そのようなことがなるべく早い機会に解消されるように、実はただいまも犬伏局長と隣り合わせで指示をしていたわけでございますが、できるだけそういう方向で強力に検討させていただく、そしてまた、この宅配業務に携わっておられる方々がこれ以上泣くことがないようにして差し上げたい。またそのことを通じて、生産者に対しても安定的な立場を確保して差し上げなければいけない、要するに合理的な方向を見出すために努力をしてまいりたいと存じます。本当にきょうは私としてもありがたいお言葉を聞かせていただきまして、ありがとうございました。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 以上で終わります。     〔菊池委員長代理退席、委員長着席〕

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 寺前巖君。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 前回も冷害の問題をやりましたので、その後の事態の中で、農民の皆さんからぜひとも明らかにしてもらいたいと言われた三、四点についてだけきょうは聞きたいと思います。  まず第一点、種もみの確保に対する助成についてです。九月二十六日の当委員会や十月八日の災害対策委員会で、万全を期すようにということでいろいろ論議がありました。五十一年の災害のときにも打たれた措置なんですが、現実に地方自治体では、国の態度が不明確だから困るんだということを言っております。県や農業団体を通じて種もみの確保を一生懸命やっています。県の事務費に二分の一の補助、それから購入費に対して三分の一の補助を五十一年のときにはやっています。ところが自治体の諸君たちは、早く対応を決めていただきたい——五十一年並みのことをやる、したがって予算はそのとおりで準備しなさい、一体こうおっしゃるのかどうか、これが一つです。県の要望では、五十一年並みよりも改善してほしいところがあるんだ、三分の一の購入費補助にとどまらず、二分の一補助というわけにいかないだろうか、この二点を要望しているわけであります。一体いつになったら予算が組める段階になるのか、明確にされたいと思います。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 お答え申し上げます。  現在種もみの確保につきましては、五十一年度の措置を含めまして、過去の事例等を参考にしながら所要の措置を検討しているところでございます。  そこで問題は、助成措置を講ずるということにいたしました場合におきましても、五十一年と全く同様の措置をとることになるかどうかということにつきましては、現在全国的により正確な種の確保状況を把握する必要があるということでございますが、実は刈り取りの関係が西日本等におきましては、たとえば佐賀県等はまだ二割くらいしかいっていないわけでございます。指定採種圃の収穫の種がどのくらいになるのか、あるいはそれだけじゃ足らないということで準種子というものも種に充てなければならぬと思っておりますが、その充てようと思っている準種子の方もどれくらいの収穫に一体なるのか、西の方はまだ刈り取りが済んでいないということもございます。したがいまして、そういう収穫がほぼ完了する段階で、種子の本当の所要量、供給するサイド、需要するサイド、その両面のがっちりした調査を行うということになります。そうすれば、やはり十一月上旬以降にそのがっちりした調査はやるということにならざるを得ないかと思っております。したがいまして、そういうものも踏まえた上で財政当局等とも、いまでもいろいろ話はしておりますが、最後の詰めというか、そういうことに入っていくのではないか、そういう方向でいま段取りを組みながら詰めておるというところでございます。  それから第二点は、補助率は五十一年のとき三分の一でございました。これを二分の一にしてほしいというような御要望、私も伺っております。ただ、この二分の一の補助といいますものも、かつてはございましたけれども、四十三年度以降は三分の一というようなことで冷害のときなども対処してきておりますので、今回非常に大きな災害であることはよくわかるわけではございますけれども、これが二分の一というところまでは非常に困難であろう、三分の一が精いっぱいではないかというような感触でございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 政務次官、いまの御答弁です。十一月上旬の段階になるであろう、財政当局と交渉するというお話です。少なくとも前回のように補助をきちんと国の方でつけるようには必ずさせる、だから予算の方もそのつもりで準備してもらって結構だ、これは先々の準備の都合が自治体にはありますから、そのくらいの決意はよろしいでしょうね。いかがです。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 先生のおっしゃるのはごもっともでございますが、先ほど申し上げましたようなことでまだ刈り取り等も西の方は十分済んでおらないわけでございます。したがいまして、供給する種子の方の供給量の面におきましても、需要者側の方の分におきましても、十分煮詰まったものというものが、どうしてもその後の調査で確定をしていくということになりますので、五十一年の例に準じてやるというような方向で前向きに検討しておるわけでございますが、その辺の固まった姿というものはやはり若干時間がかかるということは、事の性格の問題もございますので御了承いただきたいと思います。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 次へ行きます。準備というのはやはりある一定のめどをきちんとしてやるということは非常に大事だと思うのです。  ところで、天災融資法は先ほどのお話のようにこれから発動の時期を検討されることになってくるわけですが、つなぎの措置をするというお話がこの前にはありました。ところで、現在資金需要の調査というのをおやりになりました。聞いてみると九月三十日に電話で農政局へ指示された。十月二十四日をめどに粗需要を取りまとめるのだということで御措置をとられたようであります。ところがこれについて現地の農民の側を歩いてみると、受け取り方が非常に複雑なんです。私、鳥取県の諸君の話をまず聞いてみたのです。九月の末に確かに農政局から県に指示がありました。十月二日に県が市町村や農協に対して説明会をやりました。そこで米子市というところで聞いてみると、十月六日に農協の支所長を集めて説明会をやった。十月九日中に市町村段階でこの資金需要の調査をやった。期間が三日ほどしかなかったものだからあわてたので、十一日まで延ばして取りまとめをやった、こういうことになっているわけです。そうすると、三日か五日間ほどのわずかの期間に資金需要調査が行われた。  ところがこの資金需要調査というのがどういうふうに住民に受け取られているかというと、これから天災融資法が出ても、これはちゃんとこのときに言うてない人はだめなんですよというふうに受け取られているわけなんだ。まさか私はこんなばかなことを農水省はおやりになってないと思う。ところが事実県の担当者あたりまでがそういう受け取り方をするのです。まして一番末端の農民の間に行くと、しまった、あのときに言わなんだからなあという話になって広がっている。これは鳥取県だけかなと思っておったら福岡県でも同じ話を聞いたのです。私はこういう指導についての徹底のやり方というのは、一定の余裕を持たすということは非常に重要だ。だけれども、緊急措置というものもあり得るのです。そうすると、誤解を生まさないようにするためには電話だけではだめなんだな、きちんと文書でもって指示を出しておかなかったら、念のために電話と合わせてやっておく必要があるのだろう、私はここに一つのあり方の問題として考えておかなければいかぬ問題があったのではないだろうか。これが一つです。  それから、現実に県の当局者を含めて、このときに申し込まなかったからだめなんだという印象を受けているわけです。これで全体の農民に影響を与えているのだから、まさか私そんなことはないと思うのだが、きちんとここで答弁していただいて、改めて周知徹底、要するにお申し出くださったら結構なのですよという、徹底する措置をとってもらう必要があるのではないだろうか。私はこの二点についてお答えをいただきたいと思います。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 お答えをいたします。  天災融資法の発動の際は経営資金の融資総額を政令で定めることになっておりますので、融資希望額の把握につきまして、従来から、天災が終息後原則として十四日以内に都道府県知事は地方農政局長に報告し、これをもとにして地方農政局長は天災の終息後二十日以内に経済局長に報告するということに通達をしてございます。なお、この調査は、市町村が被害農林漁業者からの聞き取り等の方法によりまして把握いたしました結果に基づきまして、都道府県が報告を受けこれを取りまとめることになっております。  現在どういう状況になっておるかと申しますと、今回の冷害等に関する融資希望額の集計に当たりましては、天災がほぼ終わることが見込まれた九月の末に、十月二十日をめどに報告するように電話で地方農政局に連絡したところでございます。これによりまして地方農政局は、それぞれ集計の余裕を若干見込みまして、都道府県の融資希望額の提出期日を定めて報告を求めているというふうに考えられます。  ところで、お尋ねの件でございますけれども、実は私もこれを承りましてちょっと驚いたのが実感でございます。天災融資法の発動に当たりましての資金需要調査は、あくまでも適切な融資総額を定めるためのものでございまして、いやしくも被害を受けた農業者等が具体的に融資申請を行った場合には、その融資を受けられないということはないということでございまして、その点十分に配慮してまいった次第であり、今次災害についても同じでございます。したがいまして、あくまでも調査段階と申請段階とは当然切り離して考えられるべきものであるというふうに考えております。  これが末端に指導徹底していなかったという点でございますが、実は融資希望額の調査につきましては昭和三十八年の四月から毎回実施しておるわけでございまして、先生も御案内のように天災はほとんど毎年のようにやってまいりますから、私どもとしましては当然このような基本的な考え方は徹底しているものと思いまして、緊急事態でございますから電話で連絡したということでございますが、その点がなお十分に徹底していなかったということははなはだ残念でございます。したがいまして私どもといたしましては、この話を聞きましたので、直ちに地方農政局に対しまして、全地方農政局でございますが、このような誤解が生じた、したがって、その点については誤解がないようにするようにということで指導をいたしたところでございます。今後の対策につきましても、なおこのようなことが起こらないように十分に気をつけて指導してまいりたいというように考えます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 次に、畜産の分野の質問が余り委員会でありませんでしたようですから、私は畜産の分野の問題について二点お伺いをしたいと思います。  これは岩手県が、昭和五十一年に、冷害で畜産県として緊急対策を国に要望したけれども、相談に乗ってくれなかったということを「五十一年冷害誌」に書いておられるのです。これは政務次官の出身地だから、詳しいことですから、私が言う方がむしろおかしいのかもしれませんが、文章を読んでおるとこういうことが書いてある。   冷害被害による減収が著しい農家の間には、そ  の補てんのため、家畜を手放そうとする気配が  濃く、また県外家畜商等の動きから市場価格の  低落が懸念された。このため、農家が適期に牛  を売却し、その代金で借入金を返済するという  無利子の営農生活資金制度の創設について、冷  害対策の重点事項として九月中旬に農林省に陳  情した。さらに、九月二十五日、農林大臣が冷  害地視察のため来県した際にも、同様、農業団  体から陳情がなされた。しかし、農林省には、  このような制度創設の考えがないことから、県  単独で措置することとし十月五日決定をみた。という種のことが書かれているわけです。聞いてみると、当時岩手県で手放さなければならなくなった牛の数が三千数百頭あったそうです。それで県が緊急に、ともかく二カ月待ったら、三カ月待ったらまともな牛として売れるのだから、ちょっとという段階に来ている人たちのために無利子の融資でその間だけめんどう見ましょう、本当の短期のつなぎのための金を見ましょうという措置をやったところ、四千三百二十八頭このときに申し出があった、こういうわけです。さすがに畜産県だけあって心を配られた。それにしては国は余りにも冷たいじゃないか。  今度の場合も岩手県の方々がこの問題をまた提起しておられるわけです。岩手県では、国に何ぼ言ってもこの話が通用しない、だから十九万頭あるようですけれども、一万頭近くがすでにこの緊急の一時期対策の措置としていま県にも申し出ておられるようです。私はこれは非常に重要な一つの提起だと思う。少ないながらも畜産をやっている県もたくさんあるわけです。鳥取県なんかもその部類になるわけです。ですから岩手県の諸君たちが血のにじむ思いをして五十一年のときに経験した姿、国としてこういう問題をもっと積極的に考えなければいけないのではないだろうか。これが私が畜産に関して一つお聞きしたい点です。  もう一つお聞きしたいのは、鳥取県の諸君が言っておった問題です。牧草やトウモロコシの被害が非常にひどかった。そこで中国やアメリカから乾草を輸入せざるを得なくなった。ところが考えてみると、鳥取県の転作五千三百ヘクタールのうちで飼料作物、すなわちトウモロコシ、ソルガムが三分の一つくられているというわけです。ところがこの飼料作物というのは、もうそのたんぼの中に、転作奨励金をもらっているのだから、飼料用といっても実際はそこに置いたきりになってしまっている、すき込まれてしまっている。ところが片一方では飼料がない、外国まで頼まんならぬということになっている。同じ県内においてもこういうことが生まれているではないか、あの飼料をこちらの困っているところへ回すということをもっと日本の国内で手を打つことはできないものだろうかという問題提起なんです。  私は、飼料用作物をそこまでつくっておりながら、転作奨励金でそれなりで終わりだということではもったいないじゃないか、岩手県だったらどういうことをしているのだろうかと思って、これもまた念のために岩手県に聞いてみた。さすがだと思ったんですよ。お隣の町に運搬する場合には運搬賃の三分の一でしたか、めんどう見ましょう、簡易サイロの設置は二分の一の県単補助をやってまでめんどうを見ているのです。やはり岩手県の皆さんというのは五十一年災害でずいぶん苦労された。いま全国であれよりもっとひどい被害が生まれてきているときに、この畜産分野についてもう少し積極的な姿勢が国にあってもしかるべきだろう。せっかくの機会だし、政務次官がおられることを私は非常に光栄に思いますよ。政務次官はこの体験をお持ちなのだから、積極的に農水省としてこの問題に対して新たに打って出ることをお考えになるのかどうかをお聞きしたいと思います。

犬伏孝治農林水産省畜産局長

○犬伏政府委員 今次の冷害に際しまして、畜産関係もかなり影響を受けておる面がございます。一つは、いまお話しのような経営全体、主として畜産部門でない兼業部門の耕種部門で被害を受けたということから経営が圧迫を受けておる、畜産経営を継続することが困難になっておるという事例、それからもう一つは、畜産経営の中で飼料作物が影響を受けておるということでございます。  これらの問題につきましては、私どももそれぞれ県の実情等を調査いたしまして対応を考えてまいらなければならないところでございまして、飼料の面につきましては、先般の本委員会の決議に基づきまして、九月二十九日に越冬用飼料の確保についての通達を出しまして指導を行っております。この指導に基づきまして各県では、具体的な措置といたしまして、それぞれの地域の実情に応じた独自の考え方に基づく対策を講じておりまして、先ほどお触れになりました対策もその一環でございます。  岩手県の家畜の保留事業という点、五十一年にその事例が県単事業として行われたこと、また本年度につきましてもそうした対策を講じようとしておることは承知をいたしておりますが、これを国の一般的な対策として制度化するにはかなりいろいろな問題がございます。非常に短期のつなぎの資金であるということで、むしろそういう対策といたしましては、国としては、天災融資法なり自作農維持資金の融資によって家畜を手放さなくても済むようにする。現実にはつなぎ融資が行われて、そうした効果が出ておるのではないかと存じます。具体的な点でございますので、さらに実情等を調べまして、畜産経営がこの冷害等によって受けた影響を克服することができるように対策を検討してまいりたいと考えております。

志賀節農林水産政務次官

○志賀(節)政府委員 私の地元である岩手県の冷害時における畜産関係の対策につきましておほめをいただきましたことをありがたく存じます。  今回の冷害に対する金融対策としては、御承知のとおり、とりあえずつなぎ融資及び既貸付制度資金の償還条件の緩和措置を講じたわけでございまして、これは九月二十四日に各関係金融機関その他団体等にそのようなお願いをしたわけでございます。現在、被害状況を最終的に把握するために調査を行っておるわけでございますが、その結果に照らして自作農の維持資金、天災融資資金の融通措置も含め、必要な対策を講ずるよう検討を進めております。この家畜飼養を行う農家で稲作部門等の被害によって経営に打撃を受けた農家についても、これらの融通措置がとられることとなった場合には、その円滑な運用によって経営の安定を図っていくことが適当ではないか、そのように私どもが考えておることは、ただいま犬伏局長が申し上げたとおりでございます。  本年も五十一年に引き続きまして、岩手県では肉牛、乳牛を対象に売り払いを防止するための無利子の融資事業を実施いたしております。九月の県議会におきまして三千七百頭分を計上いたしております。融資限度額といたしましては短角種十八万、黒毛和種二十六万、乳牛が四十九万八千円、こういうことでやっておるわけでございますが、利子の負担割合は県と市町村、農業団体、これらをひっくるめましてやっておるわけでございます。利子補給期間を六カ月、なおさらに追加計上して、最終的には一万頭近くにしよう、こういう予定であるわけでございます。  ただ、五十一年のときとちょっと私どもの耳に入っているので違う点は、売りたいという動きが実は入ってきておらないわけでございまして、その点は恐らくあるのかもしれません。それを私どももっと周到に調査をいたしまして、この売り払いの防止について、そういう動きが当然予想されるわけでありますから、その場合には国としても、さらにそれで足らない面があればそれを補っていけるようなことをやりたいという考え方に立っておるわけでございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 約束の時間が来ましたのでやめますけれども、これは実際売り払いの問題が起こり出してからだったら、これまた国自身が、生産者団体の調整保管に対する金利、保管料の助成や、畜産事業団がどうのこうのといっていろいろなことをせにゃならぬことになって、対策に困ることになるわけですね。だから、そんなことになっていくと大変なんですよ。それだったら、こういうふうに二カ月待ったら、三カ月待ったら、それだけ待つ余裕を与えてやる措置をとるというやり方、それが実はかえって簡単で救われるのだ。これは消費者の側から見ても救われる問題だ。したがって、これは県がやっていますということだけではなくて、そういう苦労をしてきた歴史から国が学んで積極的に打って出る、ぜひ検討していただくことをお願いして発言を終わりたいと思います。どうもありがとうございます。      ————◇—————

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 この際、連合審査会開会の申し入れに関する件についてお諮りいたします。  すなわち、建設委員会においてただいま審査中の農住組合法案について、建設委員会に連合審査会開会の申し入れを行いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田邉國男自由民主党

○田邉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、連合審査会開会の日時等は、建設委員長と協議の上、追って公報をもってお知らせすることといたします。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時八分散会

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