逓信委員会公聴会 第1号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/10/24
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 郵便法等の一部を改正する法律案について公聴会を行います。 この際、公述人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 公述人各位には、大変御多用中にもかかわらず御出席を賜りまして、まことにありがとうございました。郵便法改正案に対する御意見を拝聴し、これからの審議の参考にいたしたいと存じますので、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただくようお願い申し上げます。 次に、御意見を承る順序といたしましては、まず最初に大島国雄君、福田勝君、生内玲子君、大儀見薫君、松阪麻樹生君、菅原栄悦君の順序で、お一人約十分程度ずつ一通り御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答えをお願いしたいと存じます。 それでは、大島公述人、お願いをいたします。
○大島公述人 ただいま御紹介にあずかりました大島でございます。 郵便事業は、御存じのように、わが国三公社五現業の一つといたしまして、十三万九千人の職員から成っております代表的な公企業であります。その経営に当たりましては、公共性と企業性、この両面を実現することが根本だと存じております。その場合、公共性及び企業性の概念につきましては、これを抽象的あるいは観念的に理解するのではなくて、具体的かつ科学的に理解することが必要ではないかと思います。 私の考え方によりますと、公共性と申しますのは、公共所有、公共主体、公共目的、それに公共用役及び公共規制、こういう五つの概念を包括するものでありまして、言いかえますと、所有の公共性、主体の公共性を基礎にいたしまして、公共規制のもとに公共用役を提供することによりまして、目的の公共性を実現するという使命があると思います。また企業性と申しますのは、独立採算制と生産性の向上という二つの原理に支えられました自主的かつ効率的経営を目指すものであります。 本日のテーマであります郵便料金の改正、料金決定方法の特例の問題及びサービス改善等の問題も、当然にただいま申し上げました公共性と企業性の総合的観点から、科学的に議論さるべきである、こういうふうに存じております。 まず第一の郵便料金の改正につきましては、言うまでもなく、料金決定の根本にただいま申し上げました独立採算原則があり、さらに原価補償主義と受益者負担原則が遵守されることが不可欠と存じます。 郵便事業の場合、五十一年一月の料金改定によって、一応財政状態が好転したものの、御存じのように、五十三年度から赤字に転じ、五十四年度末で累積欠損が実に二千百二十四億円に達し、このまま推移いたしますと、五十八年度末には九千二百九十億円の累積欠損が見込まれております。このような状態では、独立採算制が全く侵害されているのでありまして、速やかに赤字の解消を図り、独立採算制を確保し、企業性を維持することが緊急の課題であると考えております。 こうした状況にありまして、公共性の名において独立採算制を無視し、さらには原価補償主義を放棄することは、公共性そのものをかえって侵害することになることが留意されなければならないと存ずるのであります。国家財政の再建が最も強く求められている現段階におきまして、このことは一層重要な問題ではなかろうかと存じます。 個々の料金改定について見ますと、はがきは五十四年度で六百十三億円の赤字でありまして、それは実に収入の四〇%にも及んでいることを考えますと、料金を二十円から四十円にすることはやむを得ないことと言わなければならないと存じます。また、封書は五十四年度で四百七十五億円の黒字となっておりますけれども、他の種目の赤字を補てんし、かつ、これまでの累積赤字二千百二十四億円を減らしていくためには、十円の値上げは妥当なものではないかと存じます。今回の値上げによりましても、五十六年度見込みでなお累積欠損金千三百二億円が残るわけでありますが、家計への影響、諸物価との対比、あるいは諸外国の郵便料金とのバランスをも考えますと、全体として一応妥当な料金改定と言えると存じます。 ところで、公企業の本来の姿は、収支均衡を確保するにとどまらず、進んで最低限の拡大再生産の資金を確保することが必要であり、それによって初めて真の独立採算制ないし企業性が維持し得るものでありまして、今回の改定は、そうした本来の姿から見ますと、なお若干遠いものであるような状態であります。 次に、料金決定方法の弾力化のための改正について見ますと、これは国鉄を初め公企業の多くが議会による料金決定方式をとってきたことが料金決定をおくらせたりいたしてまいりまして、独立採算制の原則を大きく破る結果の一因となっております。国鉄では、そうした点を改善するために、周知のごとく運賃改定方法の弾力化を採用することになったわけでありますが、郵便事業におきましても、同様の趣旨から、一定の範囲と条件のもとで、第一種及び第二種の料金を、郵政大臣が郵政審議会に諮問した上で省令で定めることに改めるのは妥当な改善策と存ずるのであります。これによって、過度の公共規制から来るゆがみが是正され、公共性と企業性の正しい調和が図られることを期待するものであります。 以上述べましたような料金改定と料金決定方法の改正は、郵便事業の経営が企業的、効率的に行われ、かつ、国民へのサービス向上を一段と高めることが前提であることは言うまでもございません。したがって、今後もそうした効率的な経営とサービスの向上については、十分に内部努力が払われなければならないと存じます。今回の改正案の中にも、サービス向上の具体案が盛られておりますが、その効果に多大の期待を寄せるものであります。そうした努力によってこそ真に国民のための公共目的が実現するのではないかと存じます。 なお、終わりに、効率的経営ないし生産性の向上の努力が、かつてのマル生運動のように労使の対立を激化させることのないよう十二分に配慮がなされることを期待するものであります。 以上で終わります。
○佐藤委員長 どうもありがとうございました。 次に、福田公述人にお願いします。
○福田公述人 福田でございます。 今回の郵便法の改正案の内容及び理由として三項目述べられているわけでありますが、私は、特に郵便料金の値上げと料金法定主義の緩和につきまして強く反対する立場で意見を申し上げたいと思う次第であります。 第一点は、この郵便料金の改定、いわゆる値上げ問題でありますが、その理由として三点ばかり挙げておきたいと思います。 一つは、家計並びに物価に占める割合がそれほど大したことはないというような理由が書かれているわけでありますが、これはもう郵便法第一条の精神からいっても、あるいはまた政府が直接管理するものの価格を上げるという波及効果はある意味では米と同様な立場を持つと思うのです。その心理的な波及効果からいきましても、非常に大きなものがあるということであります。 第二点は、いわゆる政府の六・四%の公約の問題であります。ことしの四月から八月までの消費者物価の全国の平均は、私の試算するところ八・ ○八%であります。政府は六・四%の公約を実現するということを労働団体四団体合わせまして何回となく申し入れしまして、いまも言っておるわけですが、これはどう見たって六・四%の達成は困難であると言わざるを得ない。一体この政治責任をどうされるのか。このことは、私ども労働組合の立場では、ことしの春闘及びいろいろな面と非常に大きなかかわりを持つものであります。したがって、この値上げ問題は六・四%の公約が達成されてからにしてもらいたい。そのときにするかしないかの判断を下すべきであって、六・四%の公約が達成することはほとんど不可能だと言われている現在、政府みずからが自分の管理する料金を上げるということはきわめて不当であるということを言わざるを得ません。 三番目には、物価対策特別委員会との連合審査をぜひ実現をしていただきたいと思うわけであります。衆参両院とも物特という特別委員会があって、物価問題を取り扱っておられるわけであります。したがって、この特別委員会との連合審査を十分やっていただいて、物価問題についてひとつ徹底した御議論をいただきたい、これは国民の最大の課題でありますから。 第二点として、いわゆる法定主義緩和の問題でありますが、これについても三点ばかり申し上げておきたいと思います。 一つは、財政法三条の立場からいいましても、財政法三条を読んでみましても、いわゆる租税と同様に公共料金というものを扱っている。国鉄、たばこ、郵便、電話というふうに規定をしておりましたが、このうちすでに国鉄とたばこは事実上外されてまいりました。残っているのは郵便と電話でありますが、私はそれぞれの公聴会にお呼びいただいて公述をしたのですが、まだ国鉄、たばこというのは、国鉄に乗らない人もおったり、たばこを吸わない人もおるのですが、私は最近たばこをやめましたが、郵便と電話に関しては国民だれしもを拘束する。この問題は一種の租税と同様だと思うのですね。そういう意味では、憲法八十四条の租税法律主義に基づいても、これを法律から外すということはどうしても納得できないわけであります。この問題でいま検討中でありますが、もしこのような決定をされるならば、私どもとしては訴訟を起こすことについてもいま法律家に検討を進めさせているわけで、どうしてもこの問題は納得できません。 そしてまた、次に、郵便問題というのは単なる財政問題でなくして、住宅なり交通等を含めましたいわゆる国民の福祉政策の分野からもう少し検討いただけないか。国民を最低保障する立場で、単なる独立採算がどうだとか経営がどうだとかという問題ではないのじゃないのかというふうに考えるわけであります。 それから、これにかわるいわゆる郵政審議会でありますけれども、現在のこの郵政審議会は国会の議にかわるものとしては考えられないわけであります。定員四十五名中現在員三十八名というのですが、四十五名必要ならば四十五名にすべきでありますし、またあの構成を見ましても、真に国民の、勤労大衆の代表と言われる方が一体あの中に何人おられるのか。この構成をもってしては郵政審議会を国会の議にかわるものとして認めるわけにいきません。私は政府の審議会を三つほどやっておりますが、そのうちのたとえば社会保険審議会等は三者構成でありまして、労使と公益代表によりきちっとここで健保等の料金を決めていくわけです。これはそれにかわるものであるならば、郵政審議会の改組はやってもらいたい。特に国鉄についても、まあ国鉄はあれですが、専売のときもたしか法定主義を外すかわりに専売のあの審議会等の内容は変えております。したがって、そういう議にかわるものは明確にしていただかないと、国民はこの郵政審議会をもって国会にかわるものとして認めるわけにはいかないと思うわけであります。 以上が主要な内容でありますが、あと少しばかり付言をいたしておきたいと思います。 一つは、以上申し上げたような考え方からいたしましても、この郵便料金の法律が通らないと郵政関係の職員の仲裁裁定を実施しないなどというのはいささかこれは的外れ、不当ではないのか、これは別問題ではないかということが一つであります。 二つ目には原価の公開についてでありますが、国会の質問に応じて原価は公開されておるようでありますが、国の独占事業である以上、常に定期的に国民の前に原価の公開はしていただきたい。これは郵政事業の任務であろうと思います。 次に、この一種、二種が通ると、あと第三種というものの値上げが予定されておるようであります。聞くところによれば、第三種の値上げの幅は相当大きいわけであります。これは団体財政にかかわるものでありまして、いわゆる消費者団体等、労働組合を含みまして、いろいろな団体に非常に大きな財政的な影響を与えます。その意味におきまして、第三種問題についても慎重な御検討をひとついただきたいと思うわけであります。 次に、若干の点でございますけれども、たとえば最近手紙を出さなくなった、われわれ自身も手紙を余り書かなくなったことは事実でありますが、手紙というのは記録になるわけだし非常に国民の教養を高めるわけでありますが、郵政省が手紙問題等について手紙教室を開くとかなんとかしながらもう少し促進をされたらどうなのか。あるいはまた、郵便局の庁舎というのは最も便利なところにあるわけでございますから、これを利用いたしまして、郵便庁舎の多角的な利用などして、もう少し郵便局というものと国民との関係を密着にされたらどうなのか。国有財産法等の改正が必要かもしれませんけれども、いろいろ少しそういう意味の経営努力なり接触をされたらどうなのかというようなことを日ごろ考えておりますので、以上のことを申し上げまして、私の意見にかえたいと思う次第であります。どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 どうもありがとうございました。 次に、生内公述人にお願いいたします。
○生内公述人 御紹介いただきました生内玲子でございます。交通とか旅行を中心にいろいろ物を書いておりますので、郵便については素人でございますが、生活関連の記事を書いております関係上、やはり素人なりの関心はかねがね持っております。それと同時に、きょうは女性の公述人は私一人のようですので、家計を預かる主婦の立場からも意見を申し上げたいと思います。ただ、主婦の代表というわけではございませんで、あくまで市井の一主婦としてということでお聞き取りいただければ幸いだと思います。 最初私がこの問題を考えましたときに、料金改定は好ましくないけれども、まあやむを得なければ渋々賛成しようという立場でございましたが、いろいろ考えてまいりますと、これは大変だということに気がつきました。そして、ぜひ早い時期にこの改定を決定していただきたいというふうな感じになってまいりました。なぜかと申しますと、郵便事業というものは国民の基本的な通信手段でございまして、これが危機に瀕するということは私たち国民一人一人の不利益に直接につながってくると思います。そういった意味で、欠損が大きくならないうちに早く今回の改定を決定していただきたいと思うわけでございます。 まず、今回の改定がひとつ遅きに失しているのではないかという感じがいたします。昭和二十八年からのデータがありますが、郵便料金の改定はその問三回行われておりますが、これに対して国鉄の旅客運賃の方は十回、それからタクシーが七回、それから公共料金にやや準ずるものといたしまして新聞の購読料などは十二回も改定されているようでございます。また諸外国の例を見ましても、イギリスでは郵便料金の改定がこの昭和二十八年から十二回、フランスが十回、それからアメリカが七回、物価の優等生と言われております西ドイツでさえ六回の改定が行われているというわけでございます。こんなわけで、欠損が大きくならないうちに早く改定していただきたいと望むわけでございます。 五十一年の改定のとき、このときには石油ショックなどが重なりまして、四十八年、四十九年と改定が見送られたために、大変大幅な料金改定になっていたと記憶いたします。当時、定形の一種の手紙が二十円だったものが現行の五十円に上がり、そして、はがき十円だったものが二十円と二倍になったわけですが、確かに私たち庶民のふところには大きく負担になりました。その結果が数字でもあらわれているわけですが、戦後一貫して数%ずつの割合で伸びてきていた郵便の利用が、この五十一年にはマイナス七・八%になっているわけです。ということは、数%伸びていたものが七・八%減ったといいますと、伸びるべきものが伸びなかったということまで入れますと、二けた台の減少ということになりまして、それだけ私どもはどこかで無理をして不便な思いをしなければならないという状態に立ち至っていたのだと思います。このときにはがきを十円から二十円に改定いたしましたが、そのときですら実ははがき三十円というのが答申に出ていたものを、諸般の事情などを考えて十円控えたというふうに承っております。 それでは、今日私たちの家計に対して今回の料金改定がどのように影響するかということなのですが、この数字は実は受け売りなのでございますが、一家族の、郵便のために使っている費用が、五十四年度中平均いたしますと三千百八十九円、月割りにして二百六十六円になるそうです。家計に対する割合が〇・一%、このほかに多少ポケットマネーなどから出しているものもあるそうですが、およそ〇・一%。それでは改定後どのくらい影響するかといいますと、一カ月百十円程度だそうです。ただ、五十五年度中ははがきについては四十円にしないで三十円ということでございますので、五十五年度中はもう少し負担が少なくて済むのではないかと思います。諸物価に対するはね返り〇・〇四%、このくらいならば以前と違って不自由な思いをして郵便を使うことを差し控えたりしなくても済むのではないかというふうに考えております。 今回のはがきについての非常に大きな幅の改定、これが急に二倍になって大き過ぎるのではないかという声がございますが、よく考えてみますと、郵便事業というのは全く手づくりの作業でございまして、私もいただいた資料などから数えてみましたら、中継局での作業を入れますと十九もございますが、これだけの手数を経て北海道から九州まででも届けてもらえるものが二十円では、いかに何でも安過ぎるのではなかろうかという気がいたしました。 郵政省さんでは二十円で何が買えるかというような資料を出していらっしゃいますが、それによると、仁丹三十粒、割りばし一・七本、セブンスター二・二本、これが買えますというのですが、実はこのデータ、うそなんですね。買えません。だって、仁丹三十粒下さいと言ってお店に行く勇気がありますか、割りばし一・七本下さいと言って買うことができますか。割りばし一本欲しければ、おそば屋さんへ行って、こっそり、店員が向こうを向いてるすきにポケットへ入れてくるしかない。買えません。私はきのうスーパーへ行って、一階から三階までずっと歩いてみました。二十円の物、何にもありませんでした。やっと見つけたのが、ボタンの半端物の安売り二十円ということで、何かそこらから拾ったような落ちこぼれのボタンのようなものが箱に入っておりました。ボタン一つ買っても何にもならないと思います。そういった意味で、ちょっと安過ぎるのではなかろうかという感じがいたします。 私よく外国へも取材に参りますが、外国で見ておりますと、手紙とはがきというものは余り値段の違いがないんですね。フランス、イギリスなどでは同じ値段です。それから、アメリカの場合には、はがき十セント、手紙が十五セントということで、五割増しということです。それから西ドイツでは、はがきが五十ペニヒ、手紙が六十ペニヒということで、手数から考えればこのくらいの差が妥当ではないか。したがって今回の改正が妥当ではないかという感じがいたします。日本では、はがき一銭五厘、手紙三銭以来何となく半額で出せるというような、特にいまははがきがなおさら安くなっておりますが、こんな慣習がありますが、手数を考えれば、やはりこのくらいの割合が妥当であると思います。 それから、はがきは低所得者層が多く使うものなので、これに大幅な値上げを課すということはおかしいのではないかと言われておりますが、はがきの需要は全郵便の半分を超えているそうでございます。ところが、日本はほとんどが中流意識を持っている。低所得者層というのはきわめて少ない。で、こういった低所得の方々を優遇することに便乗して、いわゆる中産階級と言われる方たちが安い料金ではがきを利用し、そしてほかの郵便を負担するところに負担をかけてしまっているというのは、別の意味で言えば大きな不公正を生じるものと思います。したがって、福祉の観点から所得の低い方々を大切にしなければならないということはよくわかりますが、これはやはり社会給付を手厚くするなど、郵便事業でない別のところでぜひやっていただくべきことだと思います。 それから、もう一つ改定を早くやっていただきたいと申します理由は、サービスが低下するのはかなわないということです。私も現に毎日二回ずつ宅配をしていただいて大変ありがたいと思っておりますが、日本では宅配を二回行っているところが四五・六%、これに対して、イギリスは多少この割合が多いようですが、フランスあたりで三四%、アメリカでは二回配っているところはわずか二%、西ドイツでは一日二回配るというところは全くないそうでございます。それから、速達の配達地域にいたしましても、日本では全世帯の九一%が速達の恩恵をこうむることができるというようなことで、まあ日本の郵便事業というのは世界に誇っていいものではないかと思います。こういったものが不便になってしまうのではかなわない、欠損を生じたからというのでサービスが後退してはかなわないと思います6もっとも、審議会の答申では、一日二回配る必要はないんでないか、合理化という観点から一日一回でよいではないかというような答申が出ているようですが、これはこの時点ではさておきたいと思います。 それからまた、欠損が大きくなって機械化がおくれてしまっては困るということ。 それから、一般会計から赤字補てんをするというのはかえって不公正になるのではないかということです。一般会計というのは、必ず納めなければならない税金から成り立っておりますので、ほかの手段を選択できるような郵便の赤字をこれで埋めるということは全くおかしいことではないかと思います。 時間をオーバーしてしまって申しわけありません。それから郵便貯金とか保険事業、これは私どもの大切なお金を預かっていただいているものでございますから、こういったものの黒字で郵便事業の赤字を埋めるなどということはとんでもないことだと思います。これは特に庶民の立場から、こんなことのないようにお願いしたいと思います。 大変勇ましいことを申し上げてしまいましたが、私個人としては、やはり値上げになるのは困るなあという感じがしております。それで、なるべく封書を出すのをやめて、今度料金の改定にならないミニレターというのを多く使おうと思います。ミニレターを使うことによって封筒代、便せん代が浮きますから、その浮いたお金ではがきが上がった分をカバーして何とか暮らしていこうかと思っているわけですが、こういったふうに、料金が変われば自分で選んでほかの方法をとることができるという点でも、この料金というのは税金などのように絶対納めなければならないものと違って選択できるものであるということをおわかりいただけると思います。 失礼いたしました。
○佐藤委員長 どうもありがとうございました。 次に、大儀見公述人にお願いいたします。
○大儀見公述人 ただいま御紹介にあずかりました大儀見です。 私ども実際に郵便を使って業としている者ですけれども、きょうはそういう郵便を使って業をなしているということではなくて、日ごろそういう立場におる関係で郵便に対する関心も非常に深いわけですし、そういう立場で、一市民として今後の郵便行政のあり方について深刻に憂えているという観点から御意見を申し上げたいと思います。 現在審議されております問題は、先ほどから触れておられますように、第一は郵便料金の値上げ、それから第二が郵便料金の値上げの決定の方法について、累積赤字が解消されるまでの間の決定の方法についてこれを省令でできるようにする、それから第三は利用者に対するサービスの改善に関する若干の条項ということですけれども、この第一の郵便料金の値上げとそれから第二の郵便料金の決定方法に関する特例について強く反対したいということで意見を申し上げたいと思います。 第一の郵便料金の改定ですけれども、先ほどからも触れられていますけれども、政府の当年度の物価値上げ見込みの六・四%が維持できるかできないかわからないという状況になっている、それから現在の物価の値上げが八%前後を推移して、ここ数カ月間、各勤労世帯の実質所得が昨年度の水準を下回っているというような状況の中で、果たしてこの時点で平均三九%というような大幅な郵便料金の値上げを強行しなければいけないのかどうかということをやはり考えてみる必要があると思います。 現在の提案されております郵便料金値上げ案が出されましたときに、五十四年度の予算として郵便事業は約四百七十三億の赤字を見込んでおりました。それから五十五年度の概算要求としては何と一千百七十七億の赤字が出るということを根拠にして今回の大幅値上げ案が決定されてきたわけですけれども、実際にふたをあけてみれば、五十四年度の赤字は二百二十四億、つまり前回の郵便料金が上がった後に五十三年度で初めて赤字が出たわけですけれども、このときの赤字が二百三十九億、五十四年度はそれを下回る規模で一応抑えることができた。この理由は、郵便通数の利用の伸びが当初見込まれていたものより大幅に伸びた、六・八%くらいのベースで伸びたということです。 ちなみに、五十四年度の決算の数字と今度の値上げ案の前提になった五十五年度の概算要求の数字を比較しますと、収入の方は八千六百九十一億が五十四年度の実績ですけれども、五十五年度概算要求ではこれが八千七百八十億、わずか八十九億、一%のアップしか見ていなかった。支出の方はどうかといいますと、五十四年度の実績が八千九百十五億に対して、概算要求では何と九千九百五十七億、一千億以上、一一・七%のアップが見込まれていたのが実情なわけです。 現在の五十四年度の実績の水準に対しまして、収入を通数の伸びに見合った六・八%とみて計算し、かつ支出の方を、前年度の実績に対して五・七五くらいのアップだったのですけれども、それを少し奮発して六%のアップと見ましても、どういうことになるかといいますと、五十五年度で収入が九千二百八十二億に対して支出が九千四百五十億、差し引き百六十八億程度の赤字で済むのがむしろ現状ではないか。これはもちろん小包料金のすでに決めて実施されているアップが含まれておりませんので、当年度内の小包料金による収入増が約九十億見込まれておりますので、実質的に現在の郵便料金全体として赤字にはなっていない。それから小包の赤字が五百億くらい見込まれておりますから、ここで審議されております一種、二種の通常郵便物に関しては当年度は黒字であるというのが実情であってみればなおさらのこと、ここで無理をしてこれだけの大幅な値上げをしなければいけない理由は見当らないというふうに思います。 それから、個々の通数のあれでいきましても、第一種の原価というものが五十三年度の郵政省から出された数字によりますと約四十一円、その後二年間で六%ずつ上がったとしても現在四十六円で、現行の五十円の料金に対しては四円くらいの黒字がまだ出ている。はがきの方は、二十七円くらいのコストがかかっていたわけですけれども、これにしても六%ずつ上がったとして現在三十一円ということになりまして、四十円の大幅値上げを現時点で強行する理由はさらさらならないということで、具体的に見てみますと、この値上げ案が提案されたときの状況と現在の状況では、通数の伸びに支えられてかなり収支の改善が見られているので、強行すべきではない。 それからさらに第二の大きな点は、特にこの郵便料金の改定方法について省令で定めることができるということに関連してですけれども、現在のこの郵便事業の財政改善、経営改善の方策に関するアプローチが全く国鉄の場合と同じで、赤字になれば料金を上げる、これでは国鉄財政の改善が成り立たない、むしろ赤字の拡大再生産につながるという路線を文字どおり国鉄の轍を踏むという形ですでに突っ走っているという現状を指摘しないわけにはいかないと思います。 料金が上がれば当然郵便離れが起こり、結局郵便事業の経営基盤というものは縮小する。先ほど生内さんの方から、前回の郵便料金の値上げで郵便離れのなだれ的な現象が起きたということが指摘されていますけれども、料金問題にかてて加えて、各種通信手段の発展というものは目をみはるものがある、これは将来のものではなくて現在すでに着々と進行している、こういう状況の中で、ちょうど国鉄の場合に、鉄道にかわる手段として自動車あるいは飛行機等の交通網が整備されている中で、総合的な交通政策を立てないで、ただ料金問題という角度から毎年上げていくという結果として国鉄離れ、そしてむしろかえって国鉄の経営基盤の縮小と赤字の拡大再生産につながったということを考えれば、郵便の場合にも、現在の提案されておりますようなコストという観点からこれに見合って料金を上げていくんだということを考えた場合には、むしろ郵便財政と経営の改善にはつながらない、文字どおり近い将来、三K一Uという、米と健保と国鉄に加えて、もう一つ郵便事業が国家財政に対する大変大きな圧迫となって、結局はこの帳じりが何らかの形で、一般消費税の形をとるかどういう形をとるかはわかりませんけれども、国民のツケに回ってくることは避けられない。こういうことから、やはり現時点での郵便料金の値上げについては、むしろ総合的な通信政策の確立という観点で、全体として郵便事業の将来あるべき姿を根本から見直した上で、需要の拡大をいかに図るかということに主眼を置いて郵便財政の改善を図るべきだというふうに考えます。
○佐藤委員長 どうもありがとうございました。 次に、松阪公述人お願いいたします。
○松阪公述人 松阪でございます。私は、郵便事業に直接携わっておりません。したがって、いままでの公述人の皆様のように細かい数字は決して詳しくはございません。ただ、公共性と企業性という郵便事業が持っております二つの面において、私自身の、むしろ一人の国民という気持ちで率直な感じを申し上げたいと存じます。 と申しますのは、まず企業性からいいますと、私自身が外資の会社の経営を十五年ほどやっております。収支のバランスということに絶えず非常に気を配り、かなり厳しい見方をするのは当然であります。また、公共の面は郵便のように広くはございませんけれども、ある大きな私立大学の評議員を十数年務めまして、その経営に若干携わっております面で、受益者負担その他において授業料値上げその他の検討を十数年にわたってやってきておりました経験で申し上げたいと存じます。 まず第一の企業性の面、これを申し上げますと、先ほど申し上げましたように企業の収支バランスをとるというのは、これは私ども私企業では死活を制する命題でございます。しかるに、公共料金の面をわれわれなりの目から見ますと、第一次オイルショックと言われます四十八年度においては、その公共料金へのはね返りをかなり政府が抑えられた。その結果として、いろいろな面でのひずみがはっきりその後の各会計の赤字に見られます。先ほど公述人が言われた三Kというのもその最たるものかと思います。それに比しまして、第二次のショックと言われます二年ほど前の際には、第一次ごろに比べますとかなり公共料金にも思い切ってこのコストのアップをはね返らせた政府の施策と私は見ております。結果としてはその方が、経済の新しい一つのスタンダードに立ちましてすべてのことが行われるという面では、むしろ健全に近いのではないかというふうに、企業経営からいいますと見られるわけでございます。 なお、公共性の方から見ますと、これは当然値上げが望ましくないということは言いやすいわけでありますけれども、これもやや皮相な見方だと思います。私自身の偽らざる感覚を言いますと、新聞その他で見ますと国民一人当たり約六十万円の借金をわれわれがしょっている、これがいまの国家財政の現状であるというふうに書いております。これが正しいかどうかは私は知りませんけれども、率直にそういう感じを受けるわけでありまして、その一つの大きな原因としての三Kである。これで郵政が加わりますと、先ほどのように三KにUでありますからサンキューということになるのでしょうけれども、とてもサンキューではございません。これはノーサンキューでございまして、その意味におきましてもこの三KにUが入るようなことを絶対に避けなければならないというふうに思うわけであります。 と申しますのは、先ほどの学校経営におきましても受益者負担の原則というものは根本であります。郵便の料金は郵便を使う者が負担することが受益者負担の原則の原理だと私ははっきり申し上げて差し支えないと思います。しかるに、ここに赤字を補てんするということになりますと、これはむしろ不公正でありまして、国民のそのサービスを受けない人たちからも税金を取ってこれを補てんせざるを得ないのが、これも国家財政及び企業経営、両方からいっても明白であります。これは不公正だと私は思うわけでありまして、その意味において、受益者負担の原則からいっても、公共性からいいましても、しかるべき妥当な価格というものがここに郵便料金の根底になるべきものと思います。 もちろんこれらの面だけではなくて、先ほど生内さんその他から数字を挙げての御説明のごとく、諸外国との比較あるいはほかの諸物価との比較、あるいは他の公共料金的なものの過去の値上げとの比較、その他の面をざっと、私、本当に素人なりに見ただけでも、そのようなことが裏づけられることは、先ほどの公述人の皆さんの御発言でおわかりだと思います。 このようなことで、私自身の結論といたしましては、今回の郵便料金の改正は、企業性からいいましても、公共性からいいましても妥当である、むしろ上げるべきであるというふうに判断せざるを得ないことを率直に申し上げたいと存じます。 もちろん先ほどの大儀見さんからも言われますように、企業性の面からいいますと、郵政の事業にもまだ企業努力の面が多く残されているのではないかと思います。多角化その他におきましても十分に御検討いただく場にいまなりつつあると存じます。ただ原則的には、人件費が八〇を超す、九〇になんなんとするというふうにも聞いておりますので、集配業務というのが人力でやらざるを得ないという実情からいいましても、これはある程度どうしても労力志向の事業であることはわれわれ認めております。その意味におきましても、それらに従事される、郵便業務に従事される皆さん方がもっと、われわれ民間企業で言いますと、いわゆるやる気を起こすということをひとつぜひお願いしたい。そのためにも及ばずながらわれわれも、企業の経験から通して、郵政に携わっていらっしゃいます方々の教育というと失礼でありますけれども、示唆を差し上げるのにやぶさかでございません。 なお、もう一つの案件として出ております郵政大臣の決定及び省令でこれを定める件でありますけれども、これもいま申し上げた第一次オイルショックの後の問題と、第二次ショックの後の問題、いろいろと考えてみますと、もちろんこれは野方図というわけではありませんけれども、枠をつけておきまして、しかし、その中においての機敏なる即応、いまの企業経営の面から見ました健全収支のバランスを即刻即応してとっていくという意味では、このことも必要かと存じます。 以上、非常に端的な、非常に素人的な意見だと思います。しかし、偽らざる国民が持っております簡単な感情も入っております。繰り返し申しますけれども、やはりわれわれが日本の経済というものを、私自身外資として見まして、外から見た日本という力強さはございます反面、国家財政に国民一人当たり六十万円もの借金を負わせている現状というのは、絶対に改善に最高の努力を皆様方ぜひおやりいただきたい。私たちも絶対協力したい。これなくしては日本の本当の意味での国力の発揚は、経済的にいいましてもやはり問題があるというふうに思います。郵政事業、郵便事業がその足を引っ張ることではなくて、むしろ寄与するようにわれわれとしてはひとつやっていただきたいというのが偽らざる気持ちでございます。ありがとうございました。
○佐藤委員長 どうもありがとうございました。 次に、菅原公述人お願いいたします。
○菅原公述人 菅原栄悦でございます。私は、今国会に提出されております法律案につきまして、基本的に反対の立場で公述をいたしたいというふうに思います。 ただいま物価の上昇の折から、主要な公共料金であります郵便料金の値上げが、国民生活にどのような影響を与えようとしているのか、また、この値上げについて一般国民大衆はどのような感情を持っているのであろうかという点であります。そしてまた、それに基づく郵政事業の合理化、改善あるいは国民へのサービスの問題について申し上げたいと思います。第二の点については、いわゆる料金の法定制緩和の問題についてであります。第三には、この事業の重要な部分、労働集約的な企業であります郵便事業に働く従業員における労使関係の問題についてであります。 私はむずかしいことを申し上げませんけれども、この公聴会に出席するに当たりまして、いろいろな人の意見を実は簡単に聞いて回りました。これに対するそれらの人々の答えは、十人が十人とも郵便料金の値上げには反対だということであります。その主な理由は、やはり最近における電気、ガス等公共的料金の軒並みな値上げに対して、そしてこれにいままた郵便料金が値上げをされるという問題、あるいはまた近く国鉄の料金も値上げされるというこの公共料金の軒並みの値上げに対して、自分の生活のためから非常に物価の上昇に対して不安を抱いているというのが大きな一つの原因であります。 第二には、郵便事業における国民大衆のサービスの低下に対する不満であります。率直に申し上げるならば、いまのように郵便が遅配、欠配、働こうともしない、そういう働こうとしないことによって起こる――そう感じているわけですが、赤字を郵便料金の値上げによって補おうということはとんでもない話だという反発がすぐ出てくるわけであります。これをずっと分析してまいりますと、一昨昨年でしたか、郵政における全逓の労働組合のいわゆる生産性向上反対運動における年末郵便に対するストライキであります。これは当時の大衆は非常に怒りを覚えまして、これは私の出身であります岩手県の例でありますけれども、この全逓の闘争に対しまして町内会さんその他の有志が集まりまして、国民の郵便を守る県民会議というようなものをつくって、みずからの自衛手段としてこれに対抗しようといたしたのであります。このようなことは単に岩手県だけにあらわれた現象ではなくて、・多くの日本のいろいろな地方においてこのような現象があらわれたのではないかということであります。そのような当時の大衆が受けた郵便に対する、ストライキあるいはサボタージュによる不満はいまもなお忘れないのであります。大体日本人というのは忘れやすい性格を持っているのでありますけれども、脳裏に刻み込んだのか刻まれたのか、忘れていないということであります。そういう怒りに対して、郵政事業が赤字になったから直ちに郵便料金を値上げして赤字を埋めるんだなんということに対しては非常な抵抗を感じているというのが一般国民大衆の感情ではないかということでございます。また私たちは、そういう感情を踏まえて、なお政府の六・四%に消費者物価を抑える、それまで抑えるということに対して、最近の消費者物価の上昇は八%を超える異常な状況を示していることも考えて、今後一体どうなるのだろうかということに対して非常に不安を感じているところでございます。 第二には、料金決定の法定制の問題でありまして、国鉄においてこの法案が五十三年に決まりまして、今回郵政も同じような立場で料金決定の法定制が緩和されようとする法案が出されているわけでありますけれども、国鉄は戦前は独占企業的な性格を多少帯びておった企業でありますけれども、今日では国鉄は独占企業ではない、これに反しまして郵政事業は全くの独占企業であります。こういう点が企業の点からいって全く違う。もしこの法定制の緩和がなされた場合においてどのようにこの料金に対するチェックが行われるであろうか。なるほどいろいろ検討してまいりますと、郵政審議会の審議を受けてということでありますけれども、先ほどちょっとお話が出ましたように、一体郵政審議会はこのような重要な決定について国民の負託にこたえられる組織になっているであろうかという疑問も私は抱かざるを得ないのであります。そういう点で、独占企業であります現在の郵便料金制度を緩和して、そして郵政審議会の答申ということだけで独自に決定されてよいものであろうか。将来に対して郵便料金の値上げが今回にとどまらずまたいつか再び起こってくるのではないか。私の見まするところによりますと、五十七年以降に再びまた郵便料金の値上げをしなければならぬような状態になっていくようでありますけれども、この点についても私は法定制の緩和についての不安を非常に感じているところでございます。いわゆる経済市場における競争原理に歯どめがないというのが郵政事業における問題点だというふうに思います。 次に、郵便事業の合理化の問題について若干申し上げますけれども、果たしていま現実に郵政事業が本当に真剣に合理化に取り組んでそれを実施しているのであろうかということについて疑問を持つのであります。小さな例でありますけれども、郵便の速達がいまなお四キロに制限されておる。私のところは郵便局から六・五キロ離れておるのでありまして、確かに昔は歩いたり自転車等によって配達するという一不便はありましたけれども、今日は道路もよくなり、そしてバイクによって郵便が配達をされている。にもかかわらずいまなお四キロで、速達が参りましてもこれは区域外ということで届かない。速達の届かない速達料金は一体どうなっているのであろうかということに対して私は疑問を持っているのであります。恐らく郵便局は区域外ということで、じゃ速達料は払い戻しますということをやっていないのじゃないか。請求されればやるそうでありますけれども、一般的には行われていないのが実情ではないかというふうに考えるのであります。また、岩手県の花泉町から釜石市に至る郵便が今日なお五日間を要するという事実であります。これなどはまさに、一体郵政当局は何を考えてやっているのであろうかということを私たちは考えざるを得ません。 最後に、労使関係の問題について若干触れておきたいと思いますけれども、何と言っても郵便事業というのは、先ほどのお話にもありましたとおり労働集約性の非常に高い、いわゆる人手のかかる事業であることは私も認めざるを得ません。しかし、そうであればあるほど、いわゆる労働力の平均化あるいは適当な配分というものがなされていなければならないのに、どうも配置転換が十分になされていない。忙しいところは忙しい、暇なところは人が遊んでいるという状態がいまだに解消されていない、いわゆる配置転換が十分に行われていないところに問題があるのではないか。また一つには、昭和三十年には、これは郵政当局の資料でありますけれども、七万七千人の定員が今日では十四万人にふくれ上がっている。もちろんこれに対する郵便の扱い数についても四億五千万通からいまでは十五億通までふくれている、膨大になっているということについては否定はいたしませんけれども、しかし、この取り扱い数と人員の定員増の問題について、合理的な考え方でこの定員増を行っているのでありましょうかという疑問を持つのであります。これは先ほどの配置転換の合理的な配分の問題ともあわせて私は指摘せざるを得ないのであります。 最後ですけれども、料金の値上げがなければ仲裁裁定が実施できないという、いわゆる仲裁裁定を人質にとった料金の値上げの問題について、私は非常に問題の本質を間違えているというふうに考えざるを得ないのであります。御承知のとおり、公労法十六条は、昭和二十三年の制定当時を振り返ってみますと、予算上資金上、国会に承認云々というのは、実はストライキ権の代償として調停、仲裁の制度が決定されて、それによる仲裁裁定は完全に実施するんだというのが当時の決定であったのでありますが、それでは国会の審議権を無視するということになって、たてまえは予算上質金上、国会の承認云々ということになるけれども、本音は、これは完全に実施するというのが、ストライキ権を制限したあるいは剥奪した代償としてのものでありますから、これを人質にとって料金の値上げを云々することは私は本質的に間違っているというふうに言わざるを得ないのであります。 以上をもちまして、私の公述を終わりたいと思います。
○佐藤委員長 どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 これより公述人に対する質疑を行います。 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。畑英次郎君。
○畑委員 まず最初に生内先生にお伺い申し上げたいと思うのであります。 先ほど来、渋々賛成というお立場での意見の開陳があったわけでございますが、その中で一つ、今回の問題点の一つに挙げられております法定緩和の問題、これを国会の議決を経ずして省令に移管する、当分の間というふうな意味合いの中でございますが、一定の歯どめの上に立って実施することはやむを得ないというような私どもの考え方に立つわけでございますが、この辺につきまして、先生のいま少し具体的な御見解を伺いたいと思うのであります。
○生内公述人 料金の決定方法を改定することによりまして、政治情勢その他に影響されることなく、必要なときに小刻みに改定していただけるということは、私どもの生活に突然大きなショックを与えるような取りまとめた高額の改定がなくて済むということなので、大変ありがたいと思います。そして同時に、・物価等変動率を踏まえた額内にとどめるということについては、ぜひ厳正に守っていただきたいとお願いしたいと思います。
○畑委員 ただいまの郵政省の考え方に大方御同調をいただいておるわけでございますが、大島先生、この点につきましてはいかがでございましょうか。
○大島公述人 私も基本的には全く賛成でございまして、むしろこういう政策の変更というのが遅きに失しているのではないか、もっと早くすべきではないかということを、国鉄との比較におきましてもしみじみ感じております。先ほど、国鉄とは別だという御意見もありましたけれども、私はむしろやはり共通に考えるのが理論的ではないか、また実際的ではないかと存じております。
○畑委員 違った立場におきましては、いわゆる赤字の補てんにつきましては、一般会計、国の税金から補てんをしてやっていくことも当然一つの道ではないかというような、類する御指摘もあったわけでございますが、利用者負担の原則、あるいはまた独立採算の問題、こういったことにつきましても、いろいろお話を伺ったわけでございます。この辺につきまして、菅原先生、ひとつ御意見を出していただきたいと思います。
○菅原公述人 利用者負担の原則ですけれども、私の調べたところでは、利用者負担の原則を表面に出しておりますけれども、郵政当局が、利用者負担でなくて、たとえば電電公社、国民金融公庫あるいはその他、忘れましたけれども、多数の事業に対して無料で郵便を扱っているというようなことがありまして、本当は利用者負担の原則からいうとどうも反しているようなことをやっていながら、片っ方では利用者負担の原則ということを主張されていることについて、私は疑問を持っております。
○畑委員 私の立場におきましては、いわゆる利用者負担の原則あるいはまた独立採算制の問題、これは今後とも堅持をしていくべきであるというように考えますし、なおまた一部には特例的な取り扱いもなされておるわけでございますが、この辺につきまして、先ほど来公述人の方々のお話の中にもございましたように、国民の受けとめ方の中におきましては、ある時期に大幅な値上げは困るんだ、逆に申し上げれば、かような社会情勢、経済情勢の中におきましては、言葉をかえて申し上げれば、毎年少しずつの、微調整的な値上げはやむを得ないんだという基礎認識があるように私は受けとめておるわけでございます。具体的に毎年少しずつ上げることが物理的に可能であれば、その方が今日の経済情勢の中ではより好ましいんだという考え方を私はとるわけでございますが、この辺につきまして、大島先生、いかがでございましょうか。
○大島公述人 国民の一人といたしまして、ただですべてができれば一番ありがたいんですけれども、社会主義国ソビエトにおきましても、そういう施策はとり得ないわけでして、やはり基本的には自分の足で立つというところに経済的民主主義の基礎があると思います。したがいまして、財政に期待したいということ、心理的にはわかりますけれども、経済学的あるいは経営学的に考えれば、やはり独立採算ということが基本的な原則である、これは資本主義、社会主義を問わない公企業の基本原則であるというのが私の考え方であります。しかも、国民の影響をなるべく少なくしてまいりますためには、四、五年たってから急激に倍にも三倍にもなるというよりも、微調整ということの方が現在のインフレ下ではいいのではないか、こういう感じを持っております。
○畑委員 先ほど大島先生、拡大再生産というような意味合いの中では、こういった値上げ幅あるいは取り組みの姿勢であったのでは、いささか将来に不安があるというようにも私は受けとめさせていただいたわけでございます。一面、国民の側からすれば、一つの考え方としましては、公共料金的なものあるいは公共料金につきましては、上げなければ上げないで済ましてもらいたい、これも偽らざる感情であるというように考えるわけでございますが、いわゆる相対的に、値上げという問題とサービスの向上という問題、あるいはまたサービスの低下ということになりますか、その辺の絡み合いといいますものがいろいろ今後の大きな問題ではなかろうかというように考えております。 ただいま新聞等でも報道されておりますように、二度の配達を一度というような問題、いろいろ合理化という名前の中におきます問題点が指摘をされておるわけでございますが、生内先生におかれましては、料金を抑えるという場合には、今日のいささかインフレ傾向の中におきましては、サービスの低下、なおまた正しい意味での適正なサービスといいますか、そういうことも当然考えざるを得ないというように思うわけでございますが、この辺につきまして、いま少し御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○生内公述人 特にサービスの低下の問題と同時に、やはりこの事業に従事する方たちのプライドの問題がサービスに具体的につながってくると思います。以前ですと、いわゆる郵便屋さんというものには夢とロマンがあった。それだけに郵便屋さんと言われる方々の持っている通信事業に携わる者としてのプライドというのは大変なものであったと思いますが、ここへ来まして、いろいろと労使間の問題などもありますでしょうが、何かそういったムードが失われてしまっているということが大変残念だと思います。 それから同時に、サービスの低下の問題は、具体的な機械化のおくれという問題につながってくると思います。これは郵便番号読取区分機のようなものをもっとどんどん普及していただかなければなりませんが、欠損が生ずることによってそういった方面への投資ができなくなるのではないかというふうに心配いたします。したがって、そうなりますと、やはり人手不足による労働強化ということのために労働環境が悪くなれば、サービスということもおろそかになるのではないかと考えます。
○畑委員 視点を変えるわけでございますが、今日かなりダイレクトメールが大きく郵便事業にかかわりのあることは御案内のとおりでございますが、一般、個人の郵便物は安くいたしましてダイレクトメールの料金を高くする、そういうような差をつけてはどうか、なおまた、逆に申し上げれば、ダイレクトメールの関係は非常に大量であるからこれを安くしてはどうか、そういうような意見もあるわけでございますが、なかなか実際にはその分類といいますか実務上には問題点があると思うわけでございますが、差をつけること、この辺の物の考え方につきまして、生内先生、そしてまた大島先生の御意見、お考えを承りたいと思うわけでございます。
○生内公述人 ダイレクトメールについては、余り受け取った側が利用されないという声もありますが、私どもにとってはやはり生活情報の一部、大切な情報源として役に立っておりますので、ダイレクトメールなのだから、大した意味のないものだからというふうな考えはおかしいのではないかと思いますし、またそれによって企業は成り立っている、正当な企業活動だということなので、特に賦課金的な高額な料金をかけるということはおかしいと思いますし、また先ほども申し上げましたような低所得者層の問題を含めてですが、これはダイレクトメールだから値段を変えるとか、このはがきは所得の低い方が出したものだから値段を安くするというようなことで仕分けの業務を複雑にいたしますと、ますます人手に頼ることの多いこの郵便事業が複雑化して、むしろ合理化の反対の方角へ進むのではないかと考えます。
○大島公述人 基本的には原価補償主義というのが基本になりまして、ダイレクトメールですと具体的にコストが幾らになるかということで、それとの関連で差をつけるということは若干あり得ても、基本的には原価認識が基礎にあるべきではないか。ただし、その結果として、いまも生内さんからお話のありましたように、事務的にかえって複雑になるあるいは繁雑になってコストがかかってしまうということになれば痛しかゆしの面が出てくるのではないかという感じがいたします。
○畑委員 松阪先生にちょっとお伺いしたいわけでございますけれども、今日の行政改革等の問題もいろいろ論議が盛んであるわけでございますが、当然そういった郵政部内におきます合理化あるいはまたサービス向上、こういうことに鋭意努力をするわけでございますが、先ほどちょっと触れましたようにいわゆるこの郵便料金とサービスの度合いといいますか、これから先どうしても料金とのかかわり合いの中におきましてはサービスの適正化ということを考えていかざるを得ないというように私は思っております。さような意味合いにおける今後の郵便、郵政事業のサービスの今日この状態におけるあり方と将来にわたっての物の考え方、そういうことにつきまして松阪先生の事業家としましてのお立場からのお考えをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○松阪公述人 先ほど申し上げましたように、私自身外資を経営しておりますと、英語で恐縮なのですが、オンコストということが一つの考えの基本でございます。コストというものを踏まえた一つのスタンダードがありまして、その上に立って企業を経営せざるを得ない。そして、そこから生み出されます適正な利潤の中においての顧客サービスというものが生まれてくるわけでありまして、有名な経営者の言われたように、企業は利潤を生まなければ罪悪である、犯罪であるとすら言われているぐらいでありまして、その辺われわれ私企業にとりましては適正利潤を生んだ中で初めてサービスができる、これも非常に現実的な鉄則でございます。もちろん公共の面を非常に強く持ちます郵便事業がそれとイコールだとは申し上げませんけれども、先ほど多くの公述人からも申し上げておられますように、われわれが働く者として一つの意欲を生んでいく根源は、適正なる企業経営というものが目に見え、手につかんで初めてそういうものが裏打ちされていくわけでもありますし、また現実にサービスということは当然必要な投資を呼ぶわけでありまして、その再生産という意味も含めた投資の必要が出てくる。ということになりますと、そこに適正な価格の設定が行われ、利潤を適正に生まざるを得ないということは公共事業といえども同じでないか。これに携わる職員の方々のやる気を起こさせる一つの根元であるということは否み得ないということと、それからやはりサービスをしていくためには何といっても何らかの形での設備投資がゼロではないということから考えて、私はオンコストという面から適正利潤を生むべきであるというふうに思います。
○畑委員 先ほど生内先生が特に公述の中でおっしゃいましたサービスの低下、これはいささか気になるわけでございますが、もう一つ具体的な例としましては、最近のいわゆる窓口時間の短縮といいますか、こういうことも今後の一つの論議の大きなあれになっていくのではないかというふうに考えております。こういうような意味合いで、-サービスの向上はさらにまた現在以上にやっていくべきだというお考えをおとりになるのか、あるいはもう一遍この辺でサービスのあり方につきまして見直しをすべきだという二つの意見があるわけでございますが、この辺につきまして御見解をいただきたいと思います。
○生内公述人 窓口サービスの時間とか配達の回数等については、やはり生活の変化、ことに都市に人口が集中しているというような現状など考えますと、従来どおりでいいのか、もう少し検討しなければならないかということはこれからの一番大きな問題であると思います。ただ、そういったものを現在の生活に合うように改善、改良していくということは当然のことだと思いますが、特にサービスの確保ということでお願いしたいのは、心理的な心の問題ということが一番大切なのではないかと思います。たとえば、いろいろと不満のあります遅配、欠配等は労使間の問題などもあってやむを得ないこともありましょうが、遅配、欠配をする、そしてまたそういったものを調べるために郵便局へ調査をお願いしたときの窓口の態度、それからまた配達していくときの受け渡し方法、庭などにそのまま放置して雨にぬれたというような不平が出ておりますが、そういったきめ細かいサービスこそこれから特に大切ではないかと思います。そのために従業員の士気の向上ということが要望されるのではないかと思います。 そうなりますと、特に先ほどの一般財政からの補助という問題になりますが、赤字を一般財政から補助して埋めていたのでは、経営努力と申しますか、従業員の独立採算制に対するプライドが失われてしまって、赤字になれば補助してもらえるというようなずるずるべったりの体制になってしまって、士気にも影響し、それがサービスにも影響してくると思います。
○畑委員 どうもありがとうございました。 終わります。
○佐藤委員長 畑英次郎君の質疑は終わりました。 阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 公述人の皆さん、大変お忙しい中を御苦労かけましてありがとうございます。非常に貴重な意見を聞かせていただきまして、これからの審査に役立てていきたいと思っております。 最初に大島先生を煩わせたいと思いますが、郵政事業が独立採算制であるから、独立採算制を確保して当然原価補償主義を貫いていくべきだ、こういう御趣旨に承ったのでございますけれども、この独立採算制と同時に、郵便法の一条に「なるべく安い料金で」という言葉がございます。独立採算と「なるべく安い料金」というかかわり合いについてはどう理解したらよろしゅうございましょうか。
○大島公述人 これは非常にむずかしい問題であり、また経営者としては絶えず頭を悩ましている問題だと思います。しかし、私が最初のところでも申し上げましたように、独立採算制というもの、そしてその中で収支を均衡し、あるいは最低限の利潤を長期的には確保して拡大再生産をやっていくというその前提には、当然にきわめて厳密な意味におきます効率的経営ということが前提にあるわけであります。したがって、親方日の丸で非能率な経営をやりながら、しかもそのコストは全部独立採算で料金からいただいていくという考え方はここではとり得ないと思います。 本来、独立採算制という考え方が、私の理解では単に経済的な面、金の面だけではございませんでして、分権管理、いわば本省あるいは議会から包括的な権限を委譲されて自主的にやっていくという面が独立採算制の一面にあるわけでございます。そのような分権管理方式によって、ちょうど松下が今日に至った事業部制というものと共通のものがあるわけですけれども、初めて経営者としても仕事のやりがいというものが出てまいりますし、また職員といたしましても、同じように任されているのだから自分たちもしっかりやっていこうではないか、それがわれわれ日本国民のためになるんだという意識が出てくると思いますので、この独立採算制と安い料金というものは、そういうことを前提にして考えていきますと、決して矛盾するものではないのではないかという感じがいたしております。
○阿部(未)委員 もう一点大島先生を煩わせますが、原価補償主義を貫くべきである、原価補償主義を貫くという立場を押し詰めていきますと、ではどこが原価を償っていないのかという問題になってまいります。そうすると、それぞれ第一種、第二種あるいは第三種以下料金が違うわけでございますけれども、それを突き詰めていきますと、赤字が出ておるものは赤字が出ないように、そして赤字が出ないものはそのままでいいではないかという理論になってきそうなんですけれども、先ほど生内先生もはがきの問題についてお触れがあったようでございますけれども、その点は、一体原価補償主義を貫いた場合の考え方としては、いま当局がとっておるところの収支相償制が正しいのか、それぞれの郵便物についての原価補償主義が正しいのか、どういうことになりましょうか。
○大島公述人 原価補償主義で公企業あるいは公益事業について言われておりますのは、御存じのように総合原価主義という立場で問題が考えられていると思います。たとえば国鉄の場合でも旅客と貨物とか、あるいはいろいろ分かれていくわけですけれども、全体としては国鉄全体が独立採算制をいかにしてとるかというところに最終的なねらいがあるわけでして、したがいまして、郵便につきましても各種別にコスト計算をする、また収支を計算すること自体はきわめて合理的な経営のために必要であると思いますけれども、全体として見ますと、郵便全部でいわば原価が補償されるという意味での総合原価主義の立場が妥当ではないか。そうではなくて、さらにこまかいところまでいわば国会あるいは主管大臣によって規制されるということになりますと、先ほどのような分権管理方式自体が崩れてくるというわけでして、私はあくまで一種、二種、三種、四種、全体を通じてある部分の赤字をある部分の黒字で賄って、合計して収支均衡が最低の要求である。できればさらにそれに対して最低限の拡大再生産の利潤を確保していくことがむしろ国民にとって長期的に見て利益になるというふうに考えております。
○阿部(未)委員 松阪先生、いまの点について、企業運営というような立場から、たとえば赤字の出るものがある、企業としては赤字を抱えながらなおやるのか、その場合には赤字は切って捨てるのか、どういうお考えでしょうか。
○松阪公述人 いま大島先生からも言われましたように、原則論は私は総合原価補償制だと思います。と申しますのは、われわれ企業は生き物でございますので、相手のあることでございまして、したがって、画一的に一品ごとの単純なる原価補償制度ということは現実的ではないわけです。もちろんわれわれ企業の経営にとりまして、この原価補償に達しない仕事というもの、ことに将来性もないということになりますと、切り捨てるということは大変決断が要りますが、必要はもちろんございます。しかしそれだけに、その言葉だけにとらわれて単にその品物を切り捨てますことによって、われわれ私企業といえどもやはりいろいろな人にサービスをしているわけでありまして、そのサービスが結果として得られない、十分に尽くせないということにもなりますので、やはり原則的には、現実的には総合補償制度でわれわれ経営は根本的にはやっております。
○阿部(未)委員 次に、生内先生にお願いしたいのですけれども、料金値上げと郵便離れといいますか、料金が上がったので利用が非常に落ち込んでおるという例をお示しいただいたわけでございますけれども、その際、たとえば郵便は昭和二十何年から三回しか値上げをしていない、国鉄では七回ですか六回ですか、そういうお話を承ったのですが、たびたび値上げをしたから財政がよくなった、うまく運営ができておるという理屈にならないような気がしまして、その辺は一体どうでしょうか。たびたび値上げをしたらうまく財政が賄えていくという理屈になるのか。いま申し上げたように、値上げがたとえ三回でも、規模が違いますけれども、その郵政の場合の赤字とたびたび値上げをした国鉄との差、そういうものを比較をしてみて、たびたび値上げをすることが必ずしも妥当かどうか、ちょっと疑問があるのですが、いかがでしょうか。
○生内公述人 国鉄の場合、たびたび値上げしてすらもよくならない上に、たびたび値上げをするたびに旅客離れがしてしまっているという現状で、どうもこれとうまく比較ができないので恐縮でございますが、私がなるべく小刻みに料金改定をしてほしいと申し上げましたのは、やはりまとめて値上げがありますと家計に大きく響くばかりでなく、これが大きく話題になりますと、この心理的な相乗効果による諸物価の便乗値上げ等が起こりますので、悪い影響があると考えられます。ただし、余りたびたび値上げをするということは、切手その他の印刷、それから掲示等を変えることなどによって相当な料金がかかると思いますので、料金改定は細かければ細かいほどいいというものではないと思います。
○阿部(未)委員 もう一つ、法定制緩和の問題についてですけれども、これは大島先生の御意見、生内先生の御意見、その他賛成の皆さんの御意見は、弾力性を持たして今日のような情勢の中ではもっと早くやるべきではなかったのか、法定制を緩和すべきではなかったのかという御趣旨のように受け取れたのでございますけれども、もしそうだとすれば、私は今回の郵便法の一部改正の中での法定制の緩和が累積赤字が終わった時点でなくなるというのは非常に矛盾するのではないか。適時適切に弾力性を持たして省令に移すべきであるという主張であるならば、赤字の累積が終わった時点でなくなるというのは、むしろ理論が矛盾するのではないかという気がしますが、この点は両先生いかがでしょうか。
○大島公述人 私が先ほど申し上げましたのは、郵政としては最初の試みでございます。したがって、その成果が数年後どうなるかということは、われわれ国民の立場から絶えず監視をしながら、一つの試行錯誤の中で、国鉄その他の前例を踏まえながらしばらく様子を見ていく。そして仮に、数年たってもなおかつ累積赤字がなかなかなくならないという段階で、もう一回国会の諸先生たちで十分議論していただいて、果たしてどうなるかということを検討していただくのも一つの手段ではないかと思います。絶対的に永遠にこの方法が正しいのだというような経済政策、経営政策はちょっと考えられないと思います。
○生内公述人 改正後、その成果によって累積赤字が解消した時点でもう一度再検討して御審議いただいて決めるのが妥当ではないかというふうに考えます。
○阿部(未)委員 次に参ります。 次は福田先生にお願いしたいのですが、非常に具体的な御提案をいただきまして、私ども非常にこれからの審議に参考になったわけですが、まず一点は、いまの構成なり運営からいって、郵政審議会が国会にかわるものとは考えにくいという御趣旨のようでございますが、この構成を変えるとすれば具体的にどういうお考えがあるのでございましょうか。もしあればお教え願いたいと思います。
○福田公述人 現在、郵政審議会は定員四十五名以内ということでございまして、このお名前をずっと拝見させていただきましても、どうも私どもがいろいろな意味で、消費者といいますか、国民の代表的なというふうに見られる方を私ちょっと印をつけてみたのですが、四、五人ぐらいではなかろうか。どうもあとは企業代表であるとか、学校の先生はどういう立場で出られておるのかよくわかりませんが、いろいろな郵政省の古手の方とかという選び方をしておられるようであります。こうなってまいりますと、郵政審議会そのものが、先ほど私もちょっと申し上げましたが、たとえば、価格決定でございますから労働委員会等の中労委や何かの場合は三者構成でやっている、それから私が属しております厚生省の社会保険審議会、これも三者構成なんですね。これは御承知のように健保等の価格も決めるわけであります。価格をこうして国会の議を経ないでこちらへ持っていくということにするならば、この構成はやはり三者構成が一つの手本になるのじゃなかろうかと思うのです。 ただ、私はこれを外すことには大反対なんでありまして、現在の郵政審議会そのものもこんなに人がたくさん要るのかどうか。たくさんおられるということは、ある意味ではまた無責任にもなるわけでございまして、もう少し現在の構成そのものも三者構成に近いぐらいにやっていただいて、人数もしぼって、そしてきちっと内容も公開していただきたい。どうも内容も、どういうことをやっておられるのかよく存じませんし、わからない。公開をして、人数もしぼって、内容ももっと、現在の郵政審議会そのものもひとつ構成を変えていただけないかということを申し上げておきたいのです。まして法定主義を外すということになれば、この審議会はもう根本的にやり直していただかないと国民は納得できないという二点を申し上げたいと思います。
○阿部(未)委員 続いて福田さんにお願いしたいのですが、さらに具体的に、たとえば手紙教室というようなものを郵政当局は考えてみたらどうか、いわゆる利用を伸ばすための手段がまだ十分じゃないじゃないか、あるいは庁舎の多角的な利用等について、国有財産管理とかいろいろあるにしても、もっと考えられないのかという御提言をいただいたわけでございますが、もしこれらについても具体的なお考えがあれば教えていただけると非常にありがたいと思いますが。
○福田公述人 実は手紙というのは私どもも最近書かなくなって、すぐ電話で、まあ電電公社の方がもうかるのかもしれませんが、どうももう少しわれわれ自身も――手紙というのは記録性がございますし、やはり自分自身手紙を書くことを通じましてきちっと意見をまとめたりしていくわけでございますので、手紙教室といいますか、これは学校の中でも昔はつづり方教室というのがありましたけれども、そういう意味ではなくて、もう少し国民が自分自身で手紙を書いて、そしてまた、そういうことを通じて伝達をしていくという、これは非常に大きな意義を持っているんじゃないか、こう思いますので、単に最近の大口利用等が八割を占めるというのじゃなくして、全逓の諸君に聞いてみても、郵便配達の意義というのは、やはり自分の手書きのものを配るところに本当の意義があって、いつも印刷物を配って歩いておってはどうも意義が失われてくるという声を私ども郵便配達の現場の人から聞きまして、事実そうだろうと思うのです。ですから、もっと手紙をお互いに出し合っていくような、そういうことは郵政省にも非常にいいことでございますし、また、これは事業にも経営にも役立つわけですから、少しそういう面を広げてみたらどうか、少しゆっくり手紙をお互いに書いてみるというようなことを郵政省自身ももう少し提起をしてみたらどうだろうかと思うのです。そういう意味で国民の共感が非常にあるのじゃなかろうか、こう思います。それから、郵便局の例の多角的な経営問題は、これは国鉄が大分最近やり出しておりますが、郵便局は国有財産上できないのかどうかよく存じませんけれども、郵便庁舎というのは最近非常にきれいになりましたけれども、どうもただ行って切手を張って出すだけのところでありまして、何かそこのところは、郵便局は国民とのつながりが郵便配達を通じて非常にあるわけでございますから、ぜひ庁舎の面でももっと国民とのつながりができないか。これはいろいろ考えてみればできるし、あそこの中にいろいろなものを多角的に同じ庁舎でもやれるのじゃないかと思うのです。そういうことをやるならば、もっと親しまれる郵便局として国民にイメージアップするのじゃないかと思いまして、そういう意味で提起をしたわけでございます。
○阿部(未)委員 大儀見先生、先ほど、いわゆる財政からながめてみて、いま急いで料金の改定をしなくてもやれるのではないかという御趣旨に承ったのでございますが、もう少しその点について、財政的にながめていま郵便料金の大幅な改定の必要はないという点についてお知らせいただければと思いますが。
○大儀見公述人 私が先ほど申し上げたかったことは、郵便事業そのものですね、第一種、第二種、まあ小包を別としました部分については、現状としてはむしろ黒字ではないか、ある意味で受益者負担の原則という問題とも絡むかと思うわけですけれども、コスト割れした一つの国のサービス事業として全国津々浦々、あまねく小包を届けるということで審議御決定いただいて、その小包料金は改定されたばかりですけれども、それでもなおかつ、四、五百億の赤字が残る、この政策的に決められたそういう赤字のものを、たとえば封書の利用者からの黒字をピンはねして財政的な補てんをするという考え方はおかしいのではないか、政府が料金政策の問題として、サービス事業としてそういう赤字はやむを得ないということで決めたものについては、その財政措置もあわせてとるのが妥当ではないかという観点で申し上げたわけです。
○阿部(未)委員 あと同僚の鈴木委員と交代いたしますので、どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 鈴木強君。
○鈴木(強)委員 本日は、公述人の皆様には大変ありがとうございました。時間がありませんので、一つだけお伺いをしたいと思います。それは、法定緩和の問題でございます。 お述べになりましたように、欠損金がなくなるまで法定主義から外していこうというのが法律改正の大きなねらいでございますが、二千百億以上の赤字が出ておりまして、郵政省のお考え方をただしてみますと、大体十年間でこの赤字をなくそう、その間に二回ほどの郵便料金の値上げをせざるを得ないだろうという試算が出ております。それによりますと、昭和五十九年度には封書が七十円ですね、はがきが五十円。六十二年度には封書が八十五円、はがきが六十円、一応こういうふうに値上げをしていこうという試算が出ておるのですね。ですから私たちは、法律の中に財政法第三条を受けて国会で決めるということが残っておりまして、要するに累積赤字をなくするまでの間ということになっておりますね。ですから、国鉄や専売と違いまして、福田公述人のおっしゃったように、これこそ他に競争者のない完全な独立といいますか、独占企業でございますから、そういう意味において一種、二種というのはかたく法定に縛られてきたのだと思うのです。ですから、そうであれば何も十年間に限って法定緩和をして、その間に二回ほどの料金値上げをするということにはならないのじゃないか、こういう意見を私たちは出しておるわけです。ですから、いま十年間という短い期間の間に二回やれば黒字になるという計算をしておるのでございますけれども、果たしてそうなるかどうかは、その積算根拠も非常に不安定なところがございますから、必ずしもそういくかどうかは不安な点があるでしょうけれども、そうであれば、私たちは従来と同じような形で、やはりこれは国会の議決を経てやっていくということが一番民主的であろう、こう考えておるのでございますけれども、この点については大島先生、それから生内先生、それから福田先生、ちょっとお聞きしたいのでございます。
○大島公述人 国会は、確かに国民の代表機関で、きわめて重要な役割りを担っていらっしゃるわけですけれども、かといって、すべての権限を国会に集中することは果たしていいのかどうか。私、政治学は素人ですけれども、経営学の視点からいたしますというと、国会自体もある程度分権管理制度というものが、とり得る限りではとっても合理的ではないか。最終的な権限はもちろん国会にあると思うのですけれども、いま問題になっておりますような問題につきましては、所定の制限の中で国会が包括的に郵政審議会なり何なりに権限を委譲する、それでやってみて、どうしてもこれは国民の利益に反するということになれば、先ほど申しましたようにまた再検討するということがあり得てもいいのではないかと思うわけです。国鉄が昭和三十九年以来ずっと赤字ですけれども、そういうことを考えますと、いろいろな原因はあったでしょうけれども、一つの要因として、先ほど申しましたように国会で運賃を決めてきたという問題がやはり指摘し得ると思いますので、そういう経験を生かしていくことが有効ではないかと存じます。
○生内公述人 欠損が相当大きく出ている以上、国会の審議を経て法改正をしなければ料金が改定できないという状態では、したがって、改定できなかった場合に、それならば一般会計からこの赤字を補てんしろというようなふうに短絡した考え方が出てくることになってしまいますので、現在の情勢ではやむを得ないと私は考えます。 それから、また同時に、この料金改定が法改正を経なければならないということは、政治的な影響へまた以前の石油危機のときと同じように、公共料金の値上げを抑制するという目玉商品にされてしまって大きな欠損をこうむるということでは、赤字解消のスケジュールが具体的にできなくなってしまうのではないかと考えます。
○福田公述人 おっしゃるとおりでございまして、私は、法定主義の緩和というのは、大変失礼な言い方ですが、やはり国会で審議権を放棄することにもなりますし、これはぜひ国会でもう少し議論をいただきたい。私、租税と同じ意味を持つというふうに思いますので、ここに私どもこの理由の中の一番大きな、最大の――絶対上げるなと言っているんじゃないのであって、上げるときは必要なときは認めますが、しかし、ここの点だけはぜひ守っていただきたいということを要請しておきます。
○鈴木(強)委員 時間がないものですから、私も意見を述べたいのですけれども、それができません。残念です。 それで結局、お話がありましたように、法定から外して適時適切に料金改定をしていこうというのが、提案をしている政府のねらいだと思うのです。しかし、いま福田公述人のおっしゃったように、国民生活に密着をする大事な郵便はがきなんですから、少なくとも国会で従来どおり財政法のたてまえにおいてやっていくというのが筋なんですね。ですから、国会で決めるという法律条項は残っているんですよ。ただ、欠損金が続く限りという、それを大体十年と見ておるんですから、それならその間従来どおりやったらよろしいじゃないか、国会だってそんな非常識なことはないのですから、やはり十分審査をしてやってきているわけですから、その点に対する認識の点がちょっと違うと思いますから、これはやむを得ません。 それから次に、第三種、小包とか第四種は、すべてもう法定から外れているわけです。これは郵政審議会の答申によって、たとえば三種は十五円から三十五円と、一四〇%くらいですか値上がりになるのですが、さっき福田公述人からもお話がありましたが、この値上げ幅というものは非常にひどいと思うのですね。これに対しては生内先生、どうなんでしょうか。あなたは何か反対のようであり賛成のようであり、はっきりわかりませんが、主婦の立場ですから、どんどんお話しください。
○生内公述人 改定には賛成でございます。 それで、この法改正の中には三種などの問題は入っておりませんので先ほど申し上げなかったわけですが、三種というのは、印刷物等で文化を僻地まで伝達するというような大変大きな役目を持っているものでございますので、それだけ料金をいままで安く抑えられてきたわけでございますが、現在テレビ、ラジオ等非常に発達いたしまして、それでこの三種などによる郵送ばかりが文化の伝達の手段でなくなったということで、やはりコストを公正に負担するという意味から、この程度の改定はやむを得ないように思います。
○鈴木(強)委員 それでは、もう一つ生内先生に。 年賀はがきがいよいよ、例年ですと十一月の五日ごろから売りさばきになるのですが、ことしは、法律改正の点がありまして、いま印刷はしているようですけれども、二十円なのか三十円なのか断定できない。これが決まらないのです。われわれは、年賀はがきは従来どおり据え置いたらどうかと強く要請しているわけです。せめて正月プレゼントとしてどうかというような気持ちもあるんですけれども、それも三十円でもいいのですか。その辺はどうでございますか。
○生内公述人 私ども家庭を守る主婦の立場から言いますと、もちろん物価は何によらず安い方がありがたいと思います。ただ、年賀はがきの場合でも各家庭それぞれ数十枚ずつ使っておりますので、かなり家計には響くと思いますが、やはり年賀はがきの場合にも事業者などが利用していらっしゃることが多いと思いますので、やはり相当量の利用のあることを考えますと、少しでも早く欠損を解消するためには、この際、年賀はがきも三十円というのはやむを得ないと思います。
○鈴木(強)委員 わかりました。時間がなくて残念ですが、非常にちょっと問題だと思いますけれども……。
○佐藤委員長 鈴木強君の質疑は終わりました。 鳥居一雄君。
○鳥居委員 御苦労さまでございます。 いまの累積赤字をなくし、また単年度でも収支を改善させる、このためには平たく言えば、一つには通数をふやす必要がある、もう一つは料金の値上げをしてそして収入をふやすんだ、それからもう一つは合理化、効率化を進めてむだを省く、こんなことを言われているのですけれども、特に利用者に大きくかかわる大口利用という立場から大儀見公述人に伺いたいのでありますが、どうしたら通数をふやすことができるだろうか。いま意見はなるべく差し控えたいと思うのですが、大体国民一人当たり一年、通数が百十二通がわが国でありまして、スイスあるいはアメリカの大体四分の一程度の通数で、数字に対する評価としては少ない、もっとふやしてもいいと思っている、郵政当局もこういう認識でありますし、確かに全体の総通数からいくと世界で三番目という位置でありますけれども、一人当たりの通数からいくと十六番目。前後を見てみると、文化の度合いからもっともっとふえていい、こんな位置づけがあるわけですけれども、通数をふやす、これはどういうふうにしたらよいだろうかという課題がございます。いかがでございましょうか。
○大儀見公述人 ただいま数字が一応出ましたように、総体的には日本における電話の発達が非常に進んでおるということで、郵便物の利用という状況はまだまだ伸びる可能性が非常に強いのではないか。 たとえば毎月二十三日に「ふみの日」を制定していろいろ手紙を書く運動という奨励がされておりますけれども、個人が差し出す郵便物は全体の約二〇%、八〇%が業務用通信物ということで企業が差し出しているわけで、したがって、非常に経済効率については敏感な部分に郵便事業が大きく依存しておる。前回の郵便値上げの直後に全体として七・八%の需要の減があったということが先ほど言われましたけれども、この中で後納、別納の料金の部分というものは何と一八・七%も落ちてしまった、約五億通が前回の郵便料金の値上げの結果として他の手段に流れてしまったということがあるわけです。したがいまして、やはりこれらの郵便物が大きく日本の経済社会の流通に役立っているという側面を持っておるわけですし、これをどのように伸ばすかという観点で具体的な諸施策を進める必要があるのではないか。たとえば、現在の郵便法でも事前区分に見合った形での割引、これは厳密な減額制度ではなくて、郵政省が省内で業務として区分けをする仕事を外でやった場合にその手数料ということになるわけですけれども、一五%まで認めてもよいということになっているわけですけれども、郵便番号別二百区分までで一〇%というのが制度化されているのが現状です。これをさらに四百あるいは八百といったような細かい区分番号までの整理されたものについては一五%までの減額を認めるというようなことをやはり制度化し具体的に考えれば、当然大きく需要の拡大につながるのではないかと考えています。
○鳥居委員 現在の配達が一日二度ということで一号便、二号便。午前中に大変比重がかかって一号便が八割の配達をして、午後の便がおよそ二割である、こういう状況の中で一度化を進めていいのではないかという意見がございますが、この点につきまして福田先生、大儀見先生から御意見を伺いたいと思います。
○福田公述人 これは郵政省の職員の労働条件とも大変絡んでおる問題でございまして、私どもはできるだけ現在のを維持していきたい、しかし、これがそれに応じられるような体制なのかどうかというこの両面でわれわれ自身――郵政省の職員の人たちもみんな一生懸命サービスしたいという気持ちでいっぱいでございますので、それができるような体制にぜひしていただきたいということでございます。
○大儀見公述人 現在四十数%の地域で二度送達が行われておりまして、欧米との比較でも日本の郵政事業がきわめてすぐれているという一つの例示として出たわけですけれども、一日二度送達の制度は受信者に対するサービスということが言えるのじゃないかと思います。発信者の方は早く届けようと思えば速達便という制度があるわけですし、この辺の問題から考えてみますと、先ほどの受益者負担の問題に敷衍しますが、郵便事業の受益者とは発信者ばかりではなくて受信者でもあるのじゃないかということが言えると思いますけれども、その観点から、現在の四六%もの地域で二度送達しているということは見直すべきではないか。前回の値上げのときにも郵政審議会の方から強く具体的にこの問題は検討すべきであるという指摘がありましたし、今回の答申についてもそれがいまだ全く手がつけられてない。二、三日前の新聞で見ますと、ようやくテスト的にちょっとやってみるというような形になっておりますけれども、こういったかなり根本的なところで合理化ができるというものを放置したままで、赤字だ即値上げだという短絡した姿勢には問題があるかと考えます。
○鳥居委員 バルクメールのお立場で調査をされていらっしゃいますね。今度の値上げの影響がどういうふうに出るか。前回の値上げのときの調査の結果、四十数%のバルクメールにかかわる事業所の皆さんから、ダイレクトメールどいう方法を改めるというような調査があったと思いますが、その辺はどういうふうに協会ではつかんでいらっしゃいますでしょうか、大儀見さん。
○大儀見公述人 日本の場合でもそうですけれども、欧米における近年のダイレクトメールの発達は非常に目覚ましいものがあるわけですが、これは結局消費者の側に立つ一つの新たな流通手段としての性格が非常に強い。メーカーが消費者と直結することによって流通コストをバイパスすると同時に、多様化したニーズに直接こたえることができるというメリットが背景にあるかと思いますけれども、前回の郵便料金の値上げは二・五倍という非常に大幅なものだったということもありまして、通販業界全体としては規模が零細な企業が非常に多いわけですけれども、それから関連した作業所その他の支持している、業界をサポートしている間接的な部分も非常に大きいのですが、そういうものが全体として大変大きな影響をこうむり、かつ倒産あるいは廃業という結果にもつながったというのが実情です。
○鳥居委員 いま料金減額制度についてお触れになりましたけれども、たしか現行法で一五%までを上限としているようですが、しかし規則によると四%から一〇%。この辺は取り扱い手数料が変わることによって通数の伸びというのは考えられるものでしょうか、いかがでしょうか。
○大儀見公述人 現在、事業所から発信されます通信物のあて名先の大部分は、コンピューター化されたリストをもとにしておりますので、郵便番号別二百区分までというのが現行の一〇%の手数料の支払い率の限度とされているわけですが、さらに細かく区分することも可能である。それから、欧米ですと、もっと踏み込みまして、郵便事業に協力する形で配達ルート別にまで区分するというようなことが現実に行われているわけですし、これも十分可能ではないかと考えます。 ですから、単にただ減額しろということではなくて、本来郵政事業の内部で賄わなければならない作業を外部でやり、そして郵便事業の需要の拡大と同時に、内部の処理もたやすくするという両面のメリットがありますので、しかも現行の郵便法でも一五%まで郵政大臣が認めることができるということになっていますので、これはぜひ実現していただきたいと思います。
○鳥居委員 さらに伺いますけれども、料金別納、後納の扱い上で、こう改めたらどうかというような点でお気づきの点がありましたら、ぜひ御意見を承りたいのです。
○大儀見公述人 郵便料金の問題に絡みまして、欧米との料金の比較ということが出ているわけですけれども、逆に、利用者の立場に立った制度上のサービスの比較ということになりますと、料金と表裏一体の関係になるかと思うのですが、まだまだ利用者の使いやすい形で考慮すべき点が多々あるのではないかと思います。 私どもの方で、たとえば集金等にまつわる封書を小包と一緒に送る。二つのものを別々に送るかわりに一緒に送ってはどうか。この場合に、当然料金は安くなっていいはずなんですけれども、加算した料金を払ってもいい。それでも、物が届いて今度は請求書が届かないとか、あるいは請求書が届いて物が届かないということを改めるためにも考慮していただきたいということをかねがねいろいろお願いしているのですけれども、これすら実現しないというのが現状ですので、やはり料金を上げるばかりではなく、そういった大口利用者の利用しやすい形のものを、ぜひ十分具体的な形で検討していただきたいと思います。
○鳥居委員 大島先生、生内先生に伺いたいのですが、消費者物価指数を押し上げる効果として〇・〇四%程度である、こういう数字で大した影響がないんだという表現でありますけれども、公共料金として独占性の非常に強いいまの郵便料金、この郵便料金の引き上げによる心理的波及効果、便乗値上げ、ここまで考えてみますと、この上げ幅からいって、また法定制緩和という現状――過去の値上げの足取りを見てみますと、昭和二十六年から据え置き期間がだんだん縮まってきているのが現状です。十五年、それが六年、四年、四年、三年、一年、こうなる必然性が実はこの背景にございます。その意味で、値上げの期間が毎年やってくるであろう、そういうところから出てきている法定制撤廃ということに対して、私たちは断固として反対の意見を持っているわけでありますけれども、この点につきまして、大島先生の御意見を伺いたいと思います。
○大島公述人 消費者物価との関係で、今度の値上げによりまして〇・〇四%ですか、それから家計の中では〇・一二%ということでありますが、たとえば都バスにわれわれが一停留所乗りますと百十円でございます。回数券を買えば一割引かれるわけですけれども、国鉄でも一区乗ると百円でございます。この現実を踏まえて、郵便の値上げはどうなるかということを考えますと、それほど不公平なアンバランスなものではないのではないか。もちろん、全然物価に影響がないというわけではありませんけれども、影響の程度は一応妥当な、国民として納得し得る程度の問題ではないか。もちろん、そういう経済的な問題のほかに心理的効果という、いま御指摘の問題がございますけれども、やはりわれわれは民主主義の立場で、自分の足で立つという基本的な概念をまず持たないと、何でもおやじ、おふくろのすねをかじる、あるいは国家の財政のすねをかじるということは、もうすでに言うまでもなく戦後ではないわけですから、国民自身も、その辺は若干の反省が必要ではないかと思います。 据え置き期間の問題ですけれども、私が見ました外国の郵便の値上げの資料なんかでは、回数なんかを見ますと、従来の日本におきます値上げの回数に比べますと、日本の方がはるかに回数は少ないのが過去の実績でございまして、これから小幅ながらどんどんやっていかれるのではないかという問題がございますけれども、この辺はむしろ郵政審議会における適切な判断をわれわれとしては期待したいわけであります。
○生内公述人 物価全体に対する〇・〇四%という寄与率をどう見るかということについて詳しいことはわかりませんが、ただその波及効果、心理的な便乗値上げということについて申し上げますと、米とか電気料金などの値上げの場合ですと、ほかに代替すべきものがないということで、これによる相当の便乗値上げなども考えられますが、郵便料金の場合、確かに郵便事業というのは独占事業でございますが、他に通信の手段がないわけではない。小包で送りたくなければ小口混載のような便もありますし、手紙を出したくなければ電話という方法もあるということで、もちろん電話などは距離によって相当料金が高いので簡単に代替できるものではありませんが、ある意味で逃げ場があるということで、そういった波及効果がそれほど強烈に起こるとは考えられないと思います。
○鳥居委員 福田先生、同じ御質問でお答えいただけますか。
○福田公述人 私は、ただいま言われました方々とちょっと違うんですが、郵便そのものはやはり国の独占事業でございますし、したがって、独占事業に対してはこれはやはり国会で――民主主義というのは、私は決め方の問題だと思っているのです。国会でも、いままで値上げはされてきているわけで、何も絶対に前からがんばっているわけじゃないでしょうし、国会の議を経ていただくならば国民は納得をする。だから、独占事業についてはやはり国会で決めていただきたい。そうでないと、どこかで何か妥当だろうと決められても、それは国民が承諾できないのです。国会でお決めいただければ、いろいろ不満はありますけれども、まあ納得するというのがいまの決定じゃないのか。そのことをぜひやっていただきたい。特に国の独占事業については、そこのところはやはりきちっとやっていただきたいわけでございます。
○鳥居委員 ありがとうございました。以上でございます。
○佐藤委員長 鳥居一雄君の質疑は終わりました。 西村章三君。
○西村委員 どうも御苦労さまでございます。 初めに私はお尋ねをしたいのですが、先ほど福田先生、菅原先生の方から仲裁裁定の実施の問題についての提起がございました。今回、郵便法の改定案を人質にとりまして仲裁裁定の実施は見合わせる、こういうことでございます。私どもも、おのずからその性格が全く異なるものでございまして、早期に実施をすべきだという主張を持っておるのでありますが、仲裁裁定の性格そのものについて、福田先生、菅原先生からまず御見解を承っておきたいと思います。
○福田公述人 仲裁裁定は、公企体、また現業の労働者からストライキ権を奪った結果ああいう制度が生まれてきたというふうに考えるわけでありまして、したがって、事の起こりは、正確なストライキ権があれば団体交渉を通じて行っていくわけで、団体交渉権はありますけれども、ここのところはスト権がございませんので、仲裁裁定という形でもって強制力を与えておる。人事院勧告も同様であります。したがって、郵便法が赤字だとか黒字だとかというものとは次元が違うわけでありまして、この点は労働者の権利問題としてぜひ明確にしていただきたいわけでございます。
○菅原公述人 私は先ほどもちょっとこの点について触れましたけれども、公労法は二十三年に制定されて、そのときに国鉄その他の三公社五現業のストライキ権というものが公労法によって、ストライキ権がなくても労働者の権利、生活が守られるのだということで公労法が制定されました。そのときに仲裁裁定の問題について論議された記憶によりますと、先ほど申し上げましたように、仲裁裁定は完全に必ず実施するのだというのが法の原案だったと思います。ところが、その後いろいろ論議しますと、それでは国会を無視することになりはしないかということで、たてまえ上はとにかく国会の審議を経て、予算上資金上、支出不可能なものについては云々という十六条が決定されたという点から考えまして、その後の仲裁裁定の実施のあり方を見ますと、最初の法が成立するときの基本的な本質というものがだんだんに悪用されまして、十六条の正面にあらわれた法律上の表現だけによって、政府がしばしば予算上資金上、支出不可能云々ということで仲裁裁定の実施を渋ったり、あるいは裁定を実施するときには必ず運賃料金の改定とか、あるいは今回のようにまた郵便料金の改定というようなものをひっくるめて、料金の改定を認めてもらわなかったら仲裁裁定は実施できないのだというようなことでやってきている面については、本当に仲裁裁定というものの労働基本権というものとの関係と、それから経営上の問題における、ことに今回の郵便料金の値上げ等については、独占的な立場にある郵政事業との関連においてはなはだ矛盾をしているといいますか、納得しかねるというのが私の見解でございます。 以上でございます。
○西村委員 続いて、菅原参考人にお尋ねいたしますが、今回の改正案は、大幅な値上げもさることながら、そのねらいはむしろ法定制を撤廃していく、ここにあるわけでございます。御案内のとおり、昭和五十二年に国鉄の運賃の法定は撤廃をされました。引き続いて、ことしに入りまして、春の国会で専売、たばこの料金が撤廃をされ、引き続いてこの郵政事業にも及んできたわけであります。菅原先生はかつて国鉄にずっと籍を置いておられて、身をもってこのことを体験されてきたわけでございますが、その法定制を緩和されたことによりまして、いわゆる国鉄の赤字というものが果たして解消されたのであろうか、あるいは国鉄の再建策というものがスムーズに軌道に乗ったのか、実態としてどのように受けとめられておられますのか、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○菅原公述人 先ほど私は郵政事業と現在の国鉄事業との若干の違いについて言及をいたしました。私は国鉄の法定制緩和の問題についてはそのような考え方であったわけでありますが、その後における国鉄の現状をずっとつぶさに見てまいりますと、国鉄の再建に当たって法定制の緩和ということが非常に重要だということが言われて、それによってここ二、三年来運営してまいりましたけれども、果たして法定制を緩和したことによって国鉄の再建が軌道に乗っているのかどいうことになりますと、これは軌道に乗ってないとはっきりその点は言えるのじゃないかというふうに思うわけでございます。国鉄の現状については先生方は御承知のとおりでありまして、いまなお五十四年度において八千二百十八億の赤字を抱えているという現状でございます。 かてて加えて、国鉄の再建のための法案が成立するときの条件としては、いわゆる労働規律の確立、労使の関係の正常化というものが強く要望されたのでありすけれども、この点がいまの国鉄の状態においては、国会の要望にもかかわらず全然実現していない。それで、最近の国鉄内におけるこのようないわゆる職場規律の確立に伴う違法ストの問題につきましても、たとえば五十三年におきましてもなおかっこのような状態の中で十一件のストライキ件数がありまして、それによって運休した客貨車の本数は七万八千百三十三本、そうしてそのために二百二十七億円減収している。それから、五十四年度におきましても五件のストライキがありまして、列車の運休が一万二千二百三十六でありまして、それによって受けた減収額が三十五億円。今年になりましても、これは春の四月十六日分の問題だけで考えてみましても、このストライキによって一万八千七百三十一本の客貨車が運休をして、三十二億円も減収しているということで、国鉄が運賃値上げによって再建しようとする片端からこういう違法なストライキによって減収が出てきておるということ等を考えまして、私としては、御質問にはありませんでしたけれども、結局働く意思がない、あるいは労使の正常な慣行といいますか関係というのは、正しい意味の正常化がされていないというところにその問題があるようでございます。 これは郵政の労使関係の中においても似たり寄ったりの関係がなお続いてきている。いわゆる当局の労務政策が、正常な労使の関係というものを正しく理解していない。とにかく紛争がないことが労使が正常化しているのだということで、そのためには労働組合側に違法な行為があってもそれをほおかぶりするようなことが現実に行われてきているというところにその問題があるようであります。そういう点から考えますと、とにかく基本的にはそれに働く従業員の意識の問題がもう決定的だというふうに考えているところでございます。 以上です。
○西村委員 国鉄が法定制を緩和した結果、赤字は解消されないということでもございますし、また国鉄の再建が軌道に乗ったことでもない、結局法定制の緩和は一層国鉄の赤字体質というものを定着させましたし、またその前提としてのいわゆる労使の企業努力、これが一向に履行されなかったということであろうと思うのです。 そこで、私はいま申し上げましたように、法定制緩和をする以上は大前提として労使の企業努力というものがなければ、これは安易に値上げをしてしまう、赤字を出したら料金を上げればしまいになる、こういう発想に陥ってしまって、ついつい企業そのものがどんどん悪化していく、欠陥企業に成り下がっていくといいますか、そういうことになりかねないわけでございます。 そこで、企業努力の結果出る効率化、合理化、これに伴うメリットというものはどういう配分が一番正しいのだろうか。これは松阪先生にお聞きをしたいのでありますが、普通の企業でございましたら、やはりコストを下げて、そのことによって競争力を高めていくということで、まずお客様本位に物を考えていくということになろうと思うのでございますが、どうでございましょうか。
○松阪公述人 先ほど来、企業経営の面から申し上げておりますように、収支のバランスということが企業にとってまず一番の課題でございます。お客様へのサービスその他を考えますときには、あくまでも企業収支がバランスした上でこれを考えませんと、先ほどの例を引くまでもなく、極端に言うと倒産という憂き目になりますと、これはもう一種の罪悪事業みたいになってしまいます。そういう意味で私どもは企業収支ということを先に考える。 それから、いまの法定制の緩和ということについて、私どもは郵政事業に詳しくございません。私企業の面からいいますと、簡単な、非常に率直な表現をとりますと、われわれは株主さんに責任を持っておるわけですけれども、一々株主総会にこれをかけて、私どものものを少し高く売りたいのだとか安く売りたいのだとかやられたのでは、とてもわれわれ企業経営はできませんので、その意味で、非常に単純明快な私の論理でありますけれども、筋論ではございませんで、現実の面として、われわれ企業経営を任されておる者にかなりのひとつ裁量が欲しいなと、これは率直に株主にもお願いして了解をとっているのがわれわれでございます。そういう面から法定制の緩和ということに賛成しておるわけでございます。 いまの先生の御質問に対する直接のお答えとしましては、私どもは企業努力によってコストダウンを図りましたときに第一に考えるのはもちろん顧客サービスの向上、簡単に言えば値を下げるというのも一番大きな眼目でありますけれども、しかしその根底には、収支バランスが安定している、一つの基礎ができていることだということで、今度のは現実問題としてやや離れているのではないかというように思います。
○西村委員 お言葉を返すようでございますが、普通の商品の場合なら、それで当然のことながら株主総会に一々諮らなくていいということになるわけでございます。これは、郵政事業というものは基本的な通信手段、特に公共性が強い、独占性が強いということでございますので、それだけにいま定義をされております一定の歯どめといいますか、累積欠損金が解消するまでという期間の限定はございますけれども、しかし昨今明らかになりましたように、累積欠損金というものはなかなか解消する見通しが立たない、むしろこれから十年間に三回も値上げをしなければならない。この公共性を考えましたときに、果たして国民の代表である国会の審議機関を全く経ずして、全く違うところで安易に決められるということにわれわれは非常に危惧の念を抱くわけでございますが、どうでございましょう。
○松阪公述人 この歯どめを外すということは確かに危惧の念、これはだれしも抱くのは当然でありまして、先生だけではなくて、私もその面について危惧がゼロであるというふうに申し上げているわけではないのです。しかし、根本的に、歴史というものを、やはりこれは少し実績というものを見なければならない。きょう冒頭の公述で申し上げましたように、われわれ企業経営あるいは企業の経済というものを見ましたときに、第一次石油ショックの後のあの三十数%に及ぶ急激なインフレ、その後に一年半続きました成長率ゼロということと、第二次石油ショック、同じ三、四倍に上がりました油というものを抱えながら、一応それを克服してきた。その二つで、一次ショックの後の経済と二次ショックの後の経済状態というのは、日本の場合特に違うんでございますね。そういう面から見ると、第二次の方がやや転嫁が早かった、オンコストという考え方がわれわれ企業から見るとやや合理的であったというふうに、すべての公共料金一般的でございますけれども、言えますということでけさほど公述したわけでございまして、その意味において私は、いわゆるオンコストというものがその時期を得て早く反映されていく方がむしろ健全な経済状態が進行するのではないか、こう思うわけでございます。
○西村委員 生内先生にお尋ねをいたしますが、先ほど冒頭陳述の中で、現在の料金引き上げはむしろ遅きに失しておる、欠損金が大きくならぬうちに手当てをしなければならぬ――それはそれなりに理屈としてもわかるわけでございますが、いま申し上げましたように、非常に累積欠損金が多うございまして、しかも今後の見通しの中でもこの解消はきわめてむずかしいということでございます。そういう観点から考えまして、その公共性から、私は、いまあわてて穴埋めしなければならぬものだろうか、もっと長い、長期の中でこれを見ていかなきゃならぬのじゃないか、こういう気もいたします。 さらにもう一つ、そのときにいろんな他の価格との比較をなされました。特に新聞はその間十二回上がっている、こういうお話でございました。私は新聞の名誉のために一言申し上げておきたいのでありますけれども、新聞は、御承知のとおり現行の月額の料金は二千円から二千八百円ぐらいまで、一日にこれを割り返しますとおよそ七十円からへ十円ぐらいになるわけですね。あれだけの多くの紙面を、しかも雨の日も風の日も一日も休まずに朝晩これは配達をされて、しかも紙代を含めてこれだけの料金でいっておるわけです、比較の基準はいろいろあると思いますが。それに引きかえまして、いまの郵便はがきですね、こんな小さなもの、たまにしか来ない。しかも二十円だ。一体どうお考えになりますでしょうか。
○生内公述人 実は私も新聞社の出身でございまして、新聞の名誉のために大いに弁護したいのですが、先ほど新聞が大変回数多く上がっていると申しましたのは、あれは新聞が欲張りで悪いと申し上げたのでなくて、あれは公共料金ではありませんから非常にダイナミックに、小刻みに、必要に応じて料金を改定できた、むしろうらやましい例として申し上げたわけでございます。 確かに、新聞というのは、運ぶだけでなくて、取材をし、また印刷するというような大変な手間がかかっているので、はがきより安いとおっしゃればそのような点もあるかと思いますが、ただ、今回のこの値上げのはがきについて非常に安いと申しましたのは、距離によらずはがきは同じ料金で配られるんだからというような点でも、まあならせば非常に安いのではないかという点で申し上げたわけです。ただ、独立採算制で、そしてそのコストは受益者負担で分担するからといって、しかも法定料金制が廃止されたからといって、全然そのまま単純にコストを料金にかぶせられたのでは、全く集積効果がないと思います。したがって企業努力をもっとしていただきたいということをお願いするわけなんですが、特に企業努力によって、需要を拡大することによって消費者の負担分を安くしていただきたいというお願いなんです。 それでは、需要を拡大するにはどうしたらいいか。これは安ければいいわけなんですね。値上げに賛成しながら安ければいいというのは少しおかしいようですが、もう少し頭をやわらかくして、ユニークな、弾力的な発想によって、たとえばコマーシャル入りのはがきを出す、そしてコマーシャルが大きく入っているものについてははがきを安くするというようなことで、安いから大いにはがきを利用しようというようなことで需要を拡大して収入を確保する努力をぜひしていただきたいと思います。 ちょっと見当外れのお答えになったかと思いますが、申しわけありません。
○西村委員 時間が参りましたので、終わります。
○佐藤委員長 西村章三君の質疑は終わりました。 藤原ひろ子君。
○藤原委員 まず最初に、大島公述人それから菅原公述人にお尋ねをいたしたいと思います。 私は今回、郵便法等の一部改正案の審議に当たりまして、一種、二種郵便料金の法定制緩和、このことを行う根拠は全く薄弱だというふうに理解を一層深めてまいったわけでございます。と申しますのは、郵政省は、四十六年当時でございましたが、郵便法の一部改正案の提案理由を説明いたしておりますが、一種及び二種の郵便料金というのは、まず第一に独占であるということ、二つ目は国民生活との密着が強いのだ、つまり国民生活に与える影響が強い、こういう理由で法律事項になっているというふうに国会で答弁をしてきているわけでございます。そういたしますと、この四十六年当時と今日は一体どうなのか。一種と二種の郵便料金というのは、まず第一、独占事業でございます。これは変わりございません。また国民生活に与える影響、これは変わっておりません。つまり国民生活の消費支出に占める郵便料金の比率というのは、四十六年度におきましても〇・一二%でございました。五十四年度にも〇・一%でございます。全く変わりないのでございます。 そこで、郵政省は法定制緩和を持ち出してきた理由に、累積欠損金を解消するためだ、こういうことを言ってくるわけですね。そうしますと、つまり簡単に言いますと、国民の総意を受けて国会で審議をするのは時間もかかるし、労力も要るし、能力も必要になってくるし、つまりめんどうだ、簡単に言うたらめんどうだ、かなわない、こういうことだと思うわけですね。それよりも目立たないようにちょびちょびと少しずつ上げていこう、郵政省はそんな言葉では言いませんけれども、つまり言いかえればこういうふうなことが真意だというふうに、私は長い審議の中で確信を持ってきたわけでございます。そうしますと、この中で、国民の代表であります国会の議を経ずして値上げができるようにするという法定制緩和ということが本当に郵便を国民のものにするのかどうか、その点についてお二人にお述べいただきたいと思います。
○大島公述人 先ほどの法定緩和の問題につきましては、私の理解は、これはいわば国会が権限を放棄するという理解ではございませんでして、国会が権限を包括的に別の機関に委譲するという、まさにいわば分権管理をここの段階で生かしていく、それによって国会も十分に機能していただく、それからまた担当の審議会なり大臣も十分に機能していただくということが期待できると思うのです。そして、言うまでもございませんけれども、外国によりましてはむしろ国会による政治的な影響を正しい意味で排除するために独立の審議会というもので公企業あるいは公益企業の料金決定をとっている先進国が多いわけでして、そういった例もわれわれ日本としては参考にすることができるのではないかと思います。 なお、先ほど来、国鉄の場合に、実際経験をしてみたところが赤字はますますふえていく一方で余り効果がないのではないかというような御意見もございましたけれども、国鉄の現在の六兆円に上ります赤字は、緩和したからどうこうという問題ではなくて、もっと本源的なところに理由があるわけでして、法定緩和したことによってすぐ赤字は減らないんだという解釈は私はとらないものであります。
○菅原公述人 私は、やはり先生のおっしゃったように、これを郵政審議会の審議にゆだねるということに非常に危険性を感じておるわけであります。先ほど申し上げたように、郵政事業は全くの独占企業だ、またその独占企業が国民の生活に密接に関係している、公共料金が上がればいずれ物価に反映するだろうという料金の重要性を考えれば、やはりこれは国会の審議を抜きにしてちょびちょび上げればなし崩しに何とかなるだろう、そういう甘いものではないというふうに考えているのでありまして、その点で私は郵政審議会にゆだねることには基本的には反対、そういう考え方でございます。
○藤原委員 次に、もう一度大島公述人にお伺いをいたしたいと思います。 郵政省は今回、この法定制緩和につきまして、今後の計画をどうするのかという中で、十年間に二回値上げをすれば累積赤字はなくなるのだ、こういうふうに断言をしてこられたわけでございます。そして昨日、それの試算なるものが初めて出たわけでございますが、これを見ますと、まず郵便物の伸び率ですけれども、普通の年は対年度比で三・六%の伸び、値上げの年はそれよりも少し落ちてくる。費用につきましては、人件費は対年度比六・七%の伸びなんだ、それから物件費については五%の伸びで試算をしたんだという説明でございました。ところが、昨日も私は問題にしたのですけれども、この物件費の伸びといいますのは根拠はどこにあるのかといいますと、新経済社会七カ年計画、これをもって五%だと見込んだ、こういう説明なんですが、消費者物価、卸売物価の予想の上昇率、それが根拠だと言っているけれども、私はこれは非常に問題があるというふうに思うわけです。と申しますのは、先生御専門でございますが、いまは経済の見通しというのは大変立てにくいときだ、五十四年度から始まっておりますこの新経済社会七カ年計画そのものも、もうことしの二月には見直しをしなければならないというほど情勢は移り変わり、変動をいたしているわけです。こういう状況の中で物価の見通しなども五%程度ということで、試算ですからそのほかにいろいろありませんのでということかもわかりませんけれども、そういう六十四年までもないような、六十年度までしか立っていない計画であり、しかも非常に不安定なものであるというふうな資料でもって、十年間に二回の値上げをすれば莫大な累積欠損、赤字がなくなるんだ、こういう説明で私どもにこの値上げを了承せよということは、私は非常にずさんだというふうに思うわけです。こういうものを根拠にして損益計算見込みをつくって郵政財政が再建されるというふうなことは全く科学性がないということ、しかも乱暴だというふうに私は考えるのですけれども、学者としてその点いかがでしょうか。
○大島公述人 ただいま御指摘のように、経済の見通しは非常に困難であるということは私も全く同感であります。しかもこれは、何も資本主義社会についてのみならず社会主義社会についても、きのうのブレジネフの演説にございますように、なかなか計画が達成しにくいという問題がございますので、本質的に二十世紀においては地球はそういう体質を持っているということは、科学的に私は承認せざるを得ないわけです。 ところで、経営者の立場、意思決定をする立場、戦略を考える立場でいきますと、わからないからどうにもできないということでは、トヨタ自工にしても松下にしても意思決定はできないわけでして、わからない中でも最大の努力をしてある程度の内部の見通し、経済環境の見通しをしてやらざるを得ない、これが現実の経営者の責務ではないかと思うわけです。したがいまして、物件費の伸び率が五%だから云々という問題につきましては、これは確かに確率一〇〇%だということは私も申し上げられませんけれども、現在われわれが入手し得る情報というものをつかんだ限りにおいては、一応妥当な数字ではないかというふうに私は評価をせざるを得ないわけであります。
○藤原委員 それでは次に、生内公述人にお願いをしたいと思います。 このたびの郵便料金の平均値上げ率というのは一・六倍と大幅でございます。この値上げの率は、五十年度から五十四年度の物価変動率四七・一%を大幅に上回るものになっている、こういう状況なんですが、この中で、全国難聴者連絡協議会というのに所属していらっしゃる京都の藤原猛さん、これは私の親戚でも何でもないのですけれども、この方からお手紙が参りました。ちょっと読ましていただきたいと思うのですが、 私は十数年前に、結核新薬ストレプトマイシンの副作用により、聴神経が麻痺してしまい、補聴器さえ使用不可能な中途失聴者ですが、いま、聴覚障害者の生きがいが奪われようとしている現実を黙視するにしのびず、この便りを差し出した次第です。 こういう前置きをいたしまして、 私が所用のため電話が必要だとしますと、家族がかわってダイヤルを回し、私からの用件を先方に伝えます。それに対する先方の返事は、家族がメモ書きして私に渡します。私は、それを読んで応答し、家族はそれをまた先方に知らせるとなると、たちまち規制の三分は過ぎてしまうのです。 そのため、努めて電話の使用を避け、もっぱら郵便による方法をとらざるを得ないのですが、今度は、また、その郵便料の値上げです。 全く聴覚障害者の生きがいを踏みにじるものだということになってくるわけですね。この方から見れば、本当に唯一のコミュニケーションを断ち切っていくというふうな、生内さんから見られたら二十円で何が買えますかということですけれども、こういう方から見たら郵便料の値上げは暴挙だとさえ考えられると思うのです。そういう中で、こういう「北斗星」というふうな機関紙を自分たちでガリ刷りをしまして交流をやっておられるのですけれども、 このガリ刷りの「北斗星」を発行して、各地の同様な障害者団体とも交流交換をいたしておりますが、紙代の高騰を何とかやりくりして発行しているのが精いっぱいですのに、この過酷な一撃を受けたら、もう協会活動の息の根はとまってしまう とこの機関紙の中にも書いておられるわけです。 そこで、先ほどの公述にございました福祉の問題は、それじゃ社会給付を手厚くするなど別なところでやるべきだという御意見を述べられたわけですけれ、ども、今日までもそのような言葉が政府の中においても、また社会の中でもそういうことを言われる方もあり、繰り返されてきたわけですね。しかし、いや、それは担当は厚生省でございます、厚生省は、いや、財源は大蔵省でございますというふうなたらい回しの中で、本当に実現したためしは全く薄いわけですね。来年は国際障害者年にも当たっております。こういう現実に当たって、あなたはこの聴覚障害者の声をどのように受けとめられるのでしょうか。
○生内公述人 その障害者の方のお気持ちには本当に同情にたえません。大変そのお気持ちはよくわかります。特に目の悪い方に対しては、点字の郵便物というのは無料で送れるということは、今回もそのとおり踏襲されておりますし、世界的にもこのようなことが行われているのに対して、聴覚障害者の方には大変お気の毒だと思います。ただ、点字の場合には、普通の郵便物に対して非常にかさばるということと、それから普通の印刷物ではごらんになれないという特殊な状況、それから同時に、一見してそれが点字の郵便物とわかるということで、分別しやすいために特別な方法が実行できるのだと思います。 ただ、難聴者の方に対して、郵便というのは大切な手段だから特別に優遇するということももちろん考えないではありませんが、それをはっきり識別する方法が非常に困難で手数がかかるということのために、郵便全体の値上げを抑えてしまいますと、非常に数の少ない難聴者の方のために、ほかの方が便乗利益を得ることになってしまって、これではかえって社会的な公正を欠くことになるのではないかと思います。ましてそのために生じた欠損を国庫の一般会計から負担せよというようなことになりますと、みんなが納めている税金を、そういった形で便乗利益を得た人のために補てんするということはまことにおかしいことでございまして、国家の財政も非常に苦しいときではありますが、別の方法でそういった身障者の方に手厚くするということをやはり考えるべきだと私は思います。
○藤原委員 最後に、福田公述人と大島公述人にお尋ねしたいと思います。 一種、二種の料金の引き上げとともに第三種の郵便料金、これも低料金のもの、十五円から三十五円になるという計画がございます。昭和四十一年当時は封書は十五円、はがきは八円、それに対して第三種は三円だったわけですね。これが今度値上げされますと、封書は六十円、はがき四十円で三十五円というふうに非常に大幅に引き上げられるわけなんですね、案といたしましては。私は、三種郵便というものは憲法が保障をいたしております言論、出版の自由や国民の文化の水準を高める上で非常に大きな役割りを果たしている、こういうものだと認識をいたしております。そうしますと、現在のように第一種いわゆる封書の料金を超さなければよいのだというふうなことではなくて、逆にもっと低く基準を押さえる必要があるのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○福田公述人 先生のおっしゃるとおりでございまして、いま第三種郵便物の料金がいわゆる私らの特に消費者団体等の余り資金面が豊かでないところ、労働組合でも小さなところでは非常に大きな要素を占めておりまして、実は郵便問題というのは、個人よりもむしろこれらの団体の方が非常に注目をしているという実態でございまして、その意味ではおっしゃるとおりでございまして、第三種郵便物は一応法定から外れておるというものの、実は非常に大事なものでございますので、この値上げにしても、値上げそのものも反対でございますが、十五円から三十五円というのはちょっとひど過ぎるのではないか。ちょっと案そのものが大分無謀だということを申し上げたいと思うわけでございます。
○大島公述人 第三種につきましての基本的な考え方につきましては、私も同感な面があるわけですけれども、ただ、現在の収支計算からまいりますと、第三種の赤字が、低料の場合だけで百七十五億、低料以外で百八億というようなことを聞いております。第三種だけで合計二百八十億の赤字があるということは、第二種の赤字に次ぐ大幅な赤字になっておりまして、もう少しその辺を値上げによって赤字を緩和する、それによって第一種の負担をまたある意味では若干緩和するということも考えられますので、現在の案の程度はやむを得ない措置ではないかというふうに考えます。
○藤原委員 どうもありがとうございました。終わります。
○佐藤委員長 藤原ひろ子君の質疑は終わりました。 依田実君。
○依田委員 どうも長い問いろいろお疲れさまでございました。私で最後でございますが、十分ほど質問をさせていただきたいと思っております。 最初に生内公述人にお尋ねをさせていただきたいと思うのであります。生内さんは先ほどのお話の中に、市井の一主婦としてお話をしたいということでお話をしてくださったわけでありますが、そういう市井の一主婦としての率直なお感じをぜひお話しをいただきたい。二つばかりお尋ねをさせていただきたいと思います。 まず第一は、法定制の緩和の問題でございますけれども、われわれも料金の値上げについては、これはやむを得ないと思っておるのであります。その幅についてはいろいろございますけれども、受益者負担の原則などから考えても、値段を上げるということに反対をするわけではございませんで、法定制緩和について反対をしておるわけであります。政府のいろいろ御答弁の趣旨は、先ほどの公述人の賛成の方の御意見の中にあるように、一時に大幅にやられるよりも、適時適切に小幅の方が合理的じゃないか、こういうお話だったわけであります。私は、この適時適切にならばよろしいのでありますが、これが適当な時期に適当にやられたんじゃ困るのでございます。そしてまた、皆様方賛成の方の御意見の基本的考え方は、やはり公共性も大事だけれども、企業性といいますか事業性という御発言もありましたけれども、それも大事なんだ、こういう御発言があったわけであります。合理化、つまり値上げをする一方で、民間企業に見られるような血のにじむような合理化、生産性の向上、こういうものがなされればこれはまたよろしいのでありますけれども、われわれが常に言うような、いまのお役所仕事、親方日の丸、そしてまた、先ほどの菅原公述人のお話を引用させていただけば、国鉄、郵政という、いわゆる組合の中でも動労、国労、全逓と、われわれ庶民が感じておる中では一番強い組合で、また一番ストをやっておる組合、こういう中で、生内さん率直な感じで、値上げに見合うようその反対給付として合理化というものができるかどうか、その努力がやられるかどうか、この点を率直にちょっとお伺いさせていただきたいと思うのであります。
○生内公述人 大変むずかしい問題だと思いますが、この法定制を一時的に廃止することによりまして、従事している方々の労働意欲の向上、責任感と申しますか、またさらに、これによる販路拡大という言い方はおかしいのですが、需要拡大の努力ということによりまして合理化をもっと進めていただくことができると信じております。
○依田委員 一般の市井のわれわれとしては、いわゆる親方日の丸、お役所仕事、こういう感覚ではこの法定制を緩和した場合にそれに見合う企業努力というものはなかなかなされないのじゃないかと考えておるわけでありまして、そういう意味では、生内さんのお考えとちょっとわれわれ庶民感覚と違う、こういう感じがするわけであります。 二つ目、今度は料金の決め方が、郵政大臣が郵政審議会に諮問をして省令で決める、こういうことになるわけでありまして、各省いろいろ審議会がございます。なじみの深い米価審議会を初めいろいろあるわけでありますが、審議会というものは、どちらかというとお役所の意見を追認する、こういうような形で多くが存在しているのじゃないかと庶民は考えていらっしゃるのじゃないかと思っております。そういう中で生内さんは、郵政大臣が郵政審議会に諮問をして省令で決めるというこの形で国民の意見が率直に反映できるかどうか、この辺をちょっとお尋ねさせていただきたいと思います。
○生内公述人 米価審議会等につきましては、国民の関心が非常に高いために新聞等も大変詳しく内容を報道しますが、残念ながら逓信関係ですと余り詳しい報道がないために、庶民がなかなかその御審議の内容を知ることができないような実情でございますので、こういう制度が決まりました以上は、いままでにも増して審議会の任務、権限が大きくなるわけでございますから、もう少しこういった内容を、もちろん公開はされているわけですが、詳しく報道していただき、私ども市民が詳しく知り、もっと勉強できるようにしていただければと思います。
○依田委員 それは公開とかそういうことも結構でございますけれども、しかし審議会の人選など審議会というものの性格からして、ことしの生産者米価のあの決め方をごらんになってもおわかりのように、審議会はあってもなきがごとき状態に置かれたわけであります。そういう中で、私は決め方については非常に危惧を持っておるわけで、また一般の国民の皆さんもその辺が非常に心配なんじゃないか、こう思うわけであります。 その次に、松阪公述人にちょっとお尋ねをさせていただきたいと思うのでありますが、世間一般で最近の議論の中に、郵便貯金の問題で銀行と郵政の関係、あるいはまた個人年金の問題で生命保険業界と郵政の関係、こういうものがいろいろ出ておるわけであります。御承知のようにこの問小包の大幅値上げがありまして、民間のいわゆる宅送便などへ移っているものが多い、こういうふうに言われておるわけでありまして、郵政省は民間のサービスなどをこれから勉強して大いに競争力を養うんだ、こうおっしゃっるのでありますが、基本的に官営と民業のあり方、つまりいま話題になっているようなものを含めまして、われわれはなるべく移せるものは官を民に移した方がいいんじゃないか、こう思うのでありますが、その点について企業の経営者としていかがでございましょう。
○松阪公述人 大変大きなグローバルな御質問なので、私見を端的に述べるのは大変むずかしいと思いますけれども、私自身が郵政省の、もちろんほかのお役所もありますが、郵政省の簡易保険局の方々それから郵政の方々に、経営の面ということから、特に人がやる気を起こすという面の講義を何回かさせていただいたことがございます。その御縁で申し上げますと、たとえばそういうやる気を起こすとかいうような面、これは最後はやはり人でございますので、経営効率にも一番大きなファクター、因子だと思います。その意味において確かにまだ改善の余地は大いにある。逆に私自身はそれを非常に楽しみにしているということからいいましても、いまの御質問のお答えといたしましては、やはり官というものの持っております、俗に言う親方日の丸的なものがある、ないということを別にしましても、まだ改善の余地が民間に比べるとあるなというのが率直な私の考え方でございます。しかし、それがイコール官がすぐに民営に移行すべきかということは、むしろそれより事業そのものの性質、郵便業なら郵便業務というものはどうであろうか、あるいはたばこの専売がああいう形でいいのかという事業内容及びその現状というものがまずよく考えられていく後にこの民営移管の問題は考えられるべきであって、単なる効率だけでそれを決めるべきではないということだけは確かだと思います。
○依田委員 大変残念でございますけれども、時間が参りましたので、これでやめさせていただきます。 どうも皆さん、長い間お疲れさまでございました。
○佐藤委員長 以上で各公述人に対する質疑は終了いたしました。 公述人各位にお礼を申し上げます。 大変御多忙中この公聴会に出席していただきまして、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。心より厚く御礼を申し上げる次第でございます。 これにて公聴会は終了いたしました。 次回は、来る二十九日水曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時一分散会