逓信委員会 第5号
- 発言数
- 416 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1980/10/29
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。郵便法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。楯兼次郎君。
○楯委員 私は当委員会は初めてでありまして、先日来より同僚委員のいろいろ質疑を拝聴いたしておりまして、素人の私でなかなか理解しがたい点がありますので、以下順次その点についてお伺いをいたしていきたいと思います。 まず第一は、この郵便法の一部改正の実施期日が十月一日、こういうふうに案には印刷をされております。ところが、大臣の提案説明は十月の十五日に行われておる。われわれが十月一日から実施する法案を、十五日に大臣が提案理由の説明をやっておるということについては、なかなか理解しがたいのです。これは法的に違法であるような気がするのですが、その合理性についての説明をまずお伺いしたいと思います。
○山内国務大臣 この法案は前々から継続審議でお願いをいたしまして、今国会で継続いたしまして審議をお願いしているわけでございます。したがって、七月十七日の時点において、われわれのお願いは十月一日から施行さしていただきたい、こういうことでその文書がずっと引き続いて残っているものでございまして、そういう点をひとつ御了承をいただきたいと思うわけでございます。
○楯委員 まあ、継続審議だからという点については、これは正常な状態の場合ならば、あるいは私も了承できるかもわかりません。ところが、これは総選挙があったものですから、われわれも大臣も全く新しい議員の立場あるいは大臣の立場からの問題の取り扱いだ、ここがちょっといまの大臣の答弁では私ども理解しがたい点だと思うのです。もう一回御答弁願います。
○山内国務大臣 七月十七日でございますので、総選挙後の国会で御提出を申し上げたものでございます。
○楯委員 その手続を説明していただきたいと思います。
○魚津政府委員 お答え申し上げます。 ただいま大臣から答弁ございましたようなことが基本でございまして、私ども七月の十七日に、いわゆる特別国会に郵便法等の一部を改正する法律案を提出いたしまして、そして十月一日過ぎた今日においては、法案のいろいろの審議の模様、それを受けとめた国会内の、国会内といいますか、先生方の御意思で十月一日の空白になっている部分を埋めていただきたい、かように私たち思っている次第でございます。
○楯委員 どうも素人の私には理解しがたいのですが、ならば提案のときに実施期日を変更するなり、何らかの手当てが必要ではなかったか、こう私は思うわけです。 まあ後でまた同僚委員からこの点について質問があると思いますので、前へ進みたいと思います。 私は先日来よりの質疑を聞いておりまして、郵政審議会が非常に評判が――こういう言い方はどうかと思うのですけれども、各委員からの質問から推量いたしますと、郵政審議会というのは非常に評判が悪い、こういうように受け取られたわけです。この第一種、第二種の料金決定方法について弾力的に対処できる方向で改善が必要である、この答申の中ではいとも簡単にこういうことがうたわれておるのでありますが、しかし先日来よりの議論のように、憲法八十三条あるいは財政法の三条の精神を、われわれに言わせれば歪曲をするやり方である、こういうふうに私ども受け取っておるわけですが、これだけの大問題でありますから、郵政審議会の中では相当反対論あるいは慎重論があるはずである、そうそうたるメンバーが多数お見えになりますから、そう考えるのが私は常識だと思うのですが、反対論、慎重論は、この答申のこの項についての議論ではなかったかあったか、こういうことを大臣にお伺いしたいと思うのです。
○奥田政府委員 ただいまちょっとつまびらかにお答えをする用意がございませんけれども、昨年の暮れにちょうだいしました郵政審議会の御答申、特にその説明の部分には、審議の過程でいろいろ出されました各委員の幅の広い御意見がそれなりに反映されるような、そういう御答申になっているというふうに存じております、答申の中のどの部分に明確に反対意見云々というふうな表現はないかと存じますが、答申の全体の中に各委員の意見が反映されるように答申されている、かように理解をいたしております。
○楯委員 いまの御答弁では、はっきり反対論ということはおっしゃらないが、慎重な議論はあった、こういうふうに言われるのでありますが、この議事録を、まだこれは参議院の方の審議もありますし衆議院の方の審議も残っておりますので、この委員会に参考として提出をしてもらうわけにはいきませんか。
○奥田政府委員 郵政審議会の審議は、場合によりまして審議会の御意向で非公開で審議をされている場合もございます。これにつきましては、会議が非公開であったことから議事録も非公開という取り扱いがなされておりますが、公開で行われた部分の議事の模様につきましてはもちろん御報告することができますし、また、審議会全体の審議の概要につきましては、審議会とも御相談をして御報告できるようにしたいと存じます。
○楯委員 そうすると、もう非公開という前提で議論をしたので提出は困る、こういうことをおっしゃるわけですか。
○奥田政府委員 ただいま申し上げましたのは、非公開で審議をされました部分につきましては審議会と御相談を申し上げまして何らかの概要の御報告ができるように努力してみたいと存じますし、公開で審議を行われた部分もございますので、その部分については審議の模様を御報告申し上げたい、かように申し上げた次第でございます。
○楯委員 私の参考のために知りたいというのは、いわゆるこの一種、二種の法制緩和の点についての議論に、まあ結果は答申どおりになったかわかりませんが、反対なり慎重論が多数出たのではないか、こういうふうに想像をしておるわけです。したがって、その点についての記録を今後の審議の参考として提出を願いたい、こういう意図です。だから、あなたの答弁を聞いておりますと、どうも法制緩和の点については、何か秘密だということで困る、そうでないところは出しますよ、こういうふうにとれるわけですが、間違っていますか。
○奥田政府委員 審議会の御審議のどの論点について非公開、どの論点について公開というなされ方はされていないと存じます。審議の全部の過程の中で、ある部分公開、ある部分非公開というふうになされておりますので、そういった審議会みずからがなされました審議の持ち方、これに応じまして、できる限り御報告するように努力をいたしたい、かように考えている次第でございます。
○楯委員 私自身の国会の長い経験では、たびたび審議会にも所属しておりました。これは私の方で請求しなくとも、その記録を私のいままで所属した審議会は後で私のところへ御送付を願ったわけです。そういうことがいままで過去における私が参加をしておった審議会の慣例になっておるわけです。なぜ郵政審議会のみがいまあなたの言われるようなことを言われるのか、どうも不可解でなりませんが、どうですか。
○奥田政府委員 先ほど来申し上げておりますように、郵政審議会の会議の持ち方につきまして、公開、非公開ということについては審議会御自身がお決めになっておられますので、したがって、記録の取り扱いもその会議の持ち方に応じた取り扱いにならざるを得ないのではなかろうか、かように存じている次第でございます。
○楯委員 時間の節約上、結論を言いますが、これは相当重大な法律の改正であり、大きな問題だと思うのです。だから、国政調査権云々ということがここ数年来強調されておるのですが、私が正式に委員長を介して記録の提出を提案しても、それはだめだ、こうおっしゃるのですか。
○山内国務大臣 いろいろ審議会で審議した内容は、審議会の委員の方にはそれはもちろん全部お知らせしてございますが、重要な事柄でございますので、審議会の委員によく相談して、速記録というまでにはいかないと思いますが、内容についてはひとつお知らせいたします、こういうふうに官房長は答えているわけでございます。
○楯委員 そうすると、各委員に御相談を願って、了承を得られれば提出しましょう、こういうことですか。
○奥田政府委員 審議会に御相談をいたしまして、審議会の御意向で可能な範囲でその内容を御報告したいと考えております。
○楯委員 繰り返すようですが、私が過去所属した審議会では、われわれの要求もなくて、当然記録したものを御送付願っておる。しかも、先日の委員会で郵政大臣は、ほかの審議会でも非公開の委員会の論議がある、こうおっしゃっておりましたが、審議会というのは二百の余あるのですよ。だから、二カ所や三カ所が非公開といっても、それをもって全般を言いあらわすというわけにはいかぬと思うのです。したがって、もし委員の方の賛成、反対によってその記録が提出されあるいはされないということになっては、これはどうかと思うのです。したがって、正式に私が委員長を介してこの記録の提出を要求した場合には、われわれの要求が優先するのか、その委員の方たちの意見が優先するのか、ちょっとここで御判断を示していただきたいと思います。
○奥田政府委員 先ほど大臣がお答えいたしましたように、審議会の議事の記録については、審議会の委員には当然配付されていると思います。その点は楯先生おっしゃるとおりかと思います。ただ、審議会の記録を外部に公表することにつきましては、他の審議会等におきましても、非公開で行われた会議の記録は公開をしないという取り扱いが通例のようでございます。その辺を郵政審議会と御相談いたしまして、議事の概要についてできるだけ御報告したいというふうに考えているわけでございます。
○楯委員 いま官房長の言われたことは、いわゆる国会全体の解釈として受け取るにはどうかと思うのです。つまり、国政調査権の立場からわれわれが資料の要求という立場に立ってその提出を要求した場合にも、いま官房長の言われるようなことが優先するのかどうか、私は非常に疑義を持つわけであります、か、あなたは郵政省の官房長さん、国会全体、法制局と相談をなさらずにそういう答弁をされてもいいのですか。
○佐藤委員長 研究して後で答えなさいよ。
○奥田政府委員 御指摘の次第もございますので、検討いたしまして後ほど御報告を申し上げたいと存じます。
○楯委員 それでは次へ進みたいと思います。 郵政審議会の悪口ばかり言っておるのですが、余り評判のよくないこの審議会に、郵政省が、法制緩和になったその後の料金の決定についてこういうことを言っておられるのですよ。料金を政令で定める場合には郵政審議会の議を経ることとしており、手続面の制約が課せられている、こういうことを郵政省の方が強調されておるのですが、どうも先日来の議論を聞いておりますと、全く無意味なような気がするのであります。だから、いまの郵政審議会の構成では、これはチェックにも歯どめにも何にもならぬと私は思うのですが、この点について大臣、どうですか。
○奥田政府委員 御指摘のとおり、郵政審議会は郵政省の所掌業務のうち重要な事項を調査審議する、非常に大きな役割りを担っておられるものでございまして、そういった意味から、広く国民の意見が反映されるように各界の有識者を網羅して構成されるよう、そういう形で審議会の委員の任命、構成についても配意をしてまいったところでございます。また、審議に当たりましては、従来から広い視野に立って公正かつ慎重に調査審議がなされ、事案によりましては参考人からの意見聴取あるいは業務の実態視察なども行われた上答申をいただき、省としてはこれを尊重して各種の施策に生かしてきているものでございます。ただいま御指摘のとおり、今後ますます郵政審議会の役割りが重要になってくることにかんがみまして、委員の人選あるいは運営等、一層慎重を期し、より広く各界の意見が審議に反映されるように努めてまいりたいと考えているところでございます。
○楯委員 この法案の改正にわれわれは反対でありますが、もしこれが成立をした場合に、現在における郵政審議会では、もうくどくど申し上げませんが、これは制約にもチェックにも何にもならぬと思うのです。先日来の議論から各同僚議員によってこの点が指摘をされておるわけです。したがって、もし省令で決める、こういうようなことになった場合には、郵政審議会の根本的な改組を考えておられるかどうか、こういう点を聞いたわけです。
○山内国務大臣 今日までのいろいろな先生方の御意見もいろいろ拝聴いたしまして、郵政審議会をこの際もっとしっかりしたらどうか、こういう御意見が多々あるわけでございます。そこで、官房長というよりは事務当局に、従来も一生懸命やっているということも聞いておりますけれども、この際再検討したらどうか、真剣になってやりなさい、こういうことを指示いたしまして検討いたすことに相なっているわけでございます。
○楯委員 先日来、審議会の構成の仕方についていろいろな案が公聴会等でも提案されておるわけです。そういう線に沿って改組を行っていく、こういう意味と理解していいですか。
○山内国務大臣 そういう点を参考にして再検討させるように事務当局に言ったわけでございます。
○楯委員 では次に、私が非常に疑問に思っておる点をお聞きしたいと思うのです。 法制緩和の対象となっておる一種、二種は非常に独占性が強い、こういうことで今日まで来たと思うのです。そこで、私は質問するというのでちょっと前の記録を見てみたのですが、たとえば五十二年二月二十五日の衆議院の運輸委員会における法制緩和の政府答弁ですね。政府答弁によりますと、国鉄のように財政法制定当時に比べまして独占度が著しく低下しておる実態に応じて改正するんだ、それから運輸省以外の政府委員の説明では、事業の独占性の程度等に応じて差異があってもいいから緩和するんだ、こういう政府の説明なんですが、この一種、二種についてはそれ以来独占性が非常に希薄になってきたからこういう改正をやる、こういうことですか。
○魚津政府委員 お答え申し上げます。 私ども、法定緩和の理由づけといたしまして、独占性の程度、国民生活上の必要性の程度というところに着目をしまして、財政法三条との関係で法律に基づく方式というものがどうあるべきかということで検討をしているわけでございます。そうしまして、法律に基づく方式ということで厳格な要件がまず必要であるということ、その前段として独占性についてはじゃあどう考えるか、あるいは国民生活上の必要性の程度という点についてどう考えるかということでございますが、まず独占性という点について申し上げさしていただきたいと思います。 法律上国の独占となっているのは他人の信書の送達でございます。したがいまして、第一種、第二種郵便物で送達されているものの中でも、信書でないものの送達は郵便の独占ではございません。また、信書であっても自己の信書の送達は許されておりますので、信書の送達に限っても完全に独占しているというわけではございません。この点、葉たばこ耕作者であってもその自家消費を認めない、これはたばこ専売法の第十八条に書いてあるわけでございますが、たばこ事業の独占性とはかなり違った意味のものだと思います。実態を私たち昨今注視しておるわけでございますが、たとえば電力会社が検針員に受領証を配達させるとか、また地方自治体が職員に出先機関や住民あての配達をさせる例などに見られるように、現実に、いわゆる自社便、使送便と呼ばれるこれらの自己の信書の送達、こういうものが行われておりまして、とりわけ前回の料金改定以降この実態は目立ってきております。 それからいま一つ、国民生活上の必要性の程度ということに対する理解でございますが、昭和五十四年におきまして各家庭が差し出した郵便の量はそれほど多くはなく、年賀はがきを含めましても家計支出に占める郵便料金は、これは何回も申し上げている数字でございますが、小遣い、つき合い費を含めてそこから支出されると見込まれるものを合計しまして約三千九百五十円でございます。そのウエートは家計全体の〇・一五%でございます。そういうことで比較的小さいと考えられるわけでございます。また消費者物価指数におけるウエートを全体を一万として考えてみた場合、郵便は一五でございまして、一方、国鉄運賃は九〇、たばこは一五〇、電話料は一八二でございます。また家庭生活における通信手段は、かつてはもっぱら郵便が利用されていたのでございますか、今日では電話などの普及によって多様化してきております。こういう点を、郵政審議会からの御指摘にもあるとおり、他の通信手段との代替性という問題もある程度考えていいのじゃないかというふうにも私たち思うわけでございます。実際、住宅用電話の普及、全国自動ダイヤル化の完成、これは昭和五十三年度末に完成をいたしたわけでございますが、そういった全国ダイヤル化の完成等によりまして電話が国民の日常生活に完全に組み込まれていることは御案内のとおりでございます。住宅用電話の普及率は百世帯あたり昭和四十年度には七・九加入でございましたが、昭和四十五年度には二八・五加入、昭和五十四年度には七〇・八加入となっております。また郵便料と電報電話料の家計支出を比較してみますと、昭和四十年には郵便料が電報電話料の約三三%でございましたが、昭和四十五年には約一五%、昭和五十四年には約七%に落ちてきております。このように第一種及び第二種郵便物を国民が利用する必要性の度合い、したがってまた国民生活への影響の度合いは比較的小さいという、あれこれ判断をいたしまして法定緩和制を御提案申し上げておる次第でございます。
○楯委員 長い答弁で一回聞いただけではちょっと消化できないのですが、そういうむずかしいことより、この前の郵便法の一部改正を出されたときに、当時の郵政大臣はどういう提案理由の説明をしておったか、その必要なところをちょっと読んでみますと、こういうことを言っておられるのですよ。「その二は、封書、はがきなどの第一種及び第二種郵便物は、国がその送達を独占しているものであり、また、郵便物の大部分を占め、国民生活に密着したものでありますから、その料金はこれまでどおり法律で定めることとし、」これはこの前にも質疑があったかどうかわかりませんが、郵政大臣が提案の説明をしておるのです。人はかわっても、同じ郵政省なり郵政大臣が今度はまるっきり違った提案の説明、答弁をするということが腑に落ちない、こう素人の私は思うわけです。どうですか、もう一回答弁してみてください。
○魚津政府委員 先生ただいま仰せの言葉は、確かに以前第三種郵便物等の料金を法律から省令に委任しようという改正法案を提出をした際発言をされておるわけでございます。すなわち、当時におきまして第三種郵便物等との比較において第一種及び第二種郵便物の性格づけを行っているものでございまして、当時の時点においては、第一種及び第二種郵便物自体について財政法三条の要請する法定制の方式としてはどのようであるべきかという判断までその御発言はされてない。あくまでも第三種等の省令料金に改正をしたいという郵便物と、その当時依然として法定制を続けるという一種、二種の比較の問題としてそのような御発言をされているのだ、こういうふうに理解をしております。
○楯委員 よくわかりませんが、大臣また参議院へ行かれる、こういう時間もありますので、次に進んでいきたいと思います。 この改正の九十三条に「当分の間」法定制緩和をやるのだ、こういう字句がありますが、「当分の間」というのはいつまでですか。
○魚津政府委員 お答え申し上げます。 「当分の間」とは、郵便事業の累積欠損金が存在する間、こういうことでございます。
○楯委員 そういたしますと、二十三日にこういう参考資料をもらったけれども、「郵便事業損益計算見込」、この書類には六十五年度の改定率二〇・八%、こういう数字が出ておるわけです。いまあなたの説明によると、六十三年に累積赤字は解消をして黒字になるわけですね。なぜこんな六十五年の料金の改定率まで参考資料として出されるのですか。これは取り消した方がいいじゃないですか、六十三年で切った方が。これは錯覚を起こしますよ、あなたの答弁だと。六十五年もこの法律でやるのだ、こういう錯覚を旭こすと思うのですが、どうですか。
○魚津政府委員 先日私ども「郵便事業損益計算見込」というものを委員会に提出をしたわけでございますが、その「損益計算見込」に先生ただいま御指摘のように六十三年とか六十四年、こういった期間にまで及んでおりますが、今度の法定緩和制という関係は「当分の間」というのはただいま御説明をいたしましたように集積欠損金が存する期間ということでございまして、その意味で六十三年にはこの計算見込み書によりますと、累積の利益が五百五十億に相なっているわけでございまして、その五百五十億という時期になりますと、ただいま御提案しておりますところの法定緩和制による特例措置の料金改定ができなくなるわけでございます。したがいまして、その法定緩和制の御議論をいただいているときの資料といたしまして、先生おっしゃったように六十三とか六十四の見込みを付するということは直接関係がないばかりでなくて、誤解を招く内容だと思いますので、私どもといたしまして、六十五年度の欄は削除をさせていただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
○楯委員 この資料は、今後の審議もあると思いますので、誤解を与えると思いますので、再提出をした方がいいと思うのです。 それから、当然の帰結として六十三年、この予想どおりになるかどうかということですよ。年賀状等もあってなるかどうかは別だとしても、もしこの見込み表どおりになったら、六十三年には当然九十三条の法制緩和措置の廃止手続がなされるべきである、こう私は思うのですが、それは考えておりますね。
○魚津政府委員 累積欠損金が解消しました場合には、その後に今回の御提案申し上げておりますところの規定を適用して一種、二種の料金を改定するということはできないことに相なっているわけでございます。したがいまして、その場合にはこの改正案の第一種郵便物等の料金決定方法の特例に関する規定は実効性を持たない規定と相なりまして、次の法改正の機会に削るなり修正するなりのことが必要、こういうふうに考えている次第でございます。
○楯委員 これはちょっとくどいようですけれども、修正するなりの手続をするとおっしゃいますが、当然九十三条の二項にあるように、もうはっきりしておるのです。だから、この項の条文の廃止手続をしなければ、これは適用はしないがいつまでも存続をするということになると思うのです。だから、あなたの方で積極的に累積欠損金が解消をされた場合には当然廃止手続を国会に提案すべきである、こう私は思うのです。そのとおりでいいじゃないですか。
○魚津政府委員 ただいま御提案しております特例措置は作動しなくなるわけでございますので、その時点ではそのような措置が必要になるだろうというふうに考えている次第でございます。
○楯委員 くどいようですけれども、何かあなたの作動しなくなるという答弁を聞くと、もうほっておいたってこれは活用できないからいいじゃないか、こういうふうに受け取れるのです。だから、はっきりと郵政省が廃止手続を国会にする、こういうことをおっしゃってください。そのとおりに書いてあるのだから。
○魚津政府委員 私どもまた繰り返して答弁するようでございますが、その時点においては削るなり修正するということが必要になろうかと思います。その修正するのか削るのか、それはその時点における諸情勢を総合勘案して決定するということになるわけでございます。
○楯委員 削るということなら九十三条の二項に書いてあるからわかるのですが、修正をするということは、何を想定しておられるのですか。削除と修正とは違うでしょう。いまあなたの頭の中では何を想定されておるのか、われわれ素人にでもわかるようにはっきり言っていただかないと、錯覚を起こしますよ。
○魚津政府委員 その財政再建を一たん遂げさせていただきまして、今後の郵便事業はどうあるべきかという議論の中に、完全に現在御提案しているような仕組みの料金決定方式は将来一切とらない、とるべきでないというような御意見の場合には当然削るということになろうかと思います。しかしながら、財政再建をやった上でその時点における郵便事業を取り巻く情勢から判断をいたしまして、また別の現在の特例措置を改正する道はそのときにはあり得るのじゃないか、私は確定的にこういうようなことを考えているというふうには申し上げておりませんが、要するに作動しなくなった規定を今後どうするかということについては、削るか修正するという道は、私の答弁といたしましては残しておかなくちゃならぬと考える次第でございます。
○楯委員 違いますよ。あなたは何かほかのことを考えて言っておられるようだけれども、この九十三条二項では「完結後においては、前項に規定する方法により新たに料金を定めることはできない」となっておるのです。したがってあなたの方で廃止手続をやる、またあなたの考えておるような情勢があったらそれは新たな別の観点から法案の修正をやるということを言ってもらわなければ――これを読んでいると、何かこれを残しておいて、また随時適用するような受け取り方ができるのですね。必要のないときは削除はしないでこのままやっておいて、また発動の必要ができたらやるというふうにとれるのです。第二項に失効しますと書いてあるが、失効するといっても、あなたの方で失効の手続をとらなければ廃止にならないわけでしょう。だから、あなたが考えておられる新たな情勢が生まれるとするならば、これは廃止してまた新たな立場で問題を考えなければいかぬ。それをはっきり言ったっていいじゃないですか。それは使わない、修正だなんということを言うと、何かこれをほっておいてまた適用するというふうにとれるのです。だから、黒字になったときには廃止だ、廃止の手続をしますと、いまの私の質疑の中ではないのだから、ほかに必要なことが起きればこの法案の修正もあり得ると言ってもらわぬでもいい、はっきり言ってください。
○魚津政府委員 ただいま御提案を申し上げております法定制緩和の仕組みというものは、累積欠損金が解消したときに効力を失います。したがいまして、この条文そのものを残しておいて、その条文をもとにして使うという意味では一切考えておりません。
○楯委員 廃止手続をとる、こういうことでいいですね。 それから、九十三条四項の国会報告義務、これは何で法定制緩和でやる料金改定を国会に報告するというふうにここに書かないのですか。「郵便事業の損益計算及び郵便事業に係る累積欠損金について、その計算後、速やかに、内閣を経て国会に報告する」私も国会に報告するというやり方がわからぬのですが、やり方と、報告するならなぜ法定制緩和による料金の改定も報告をしないのか、これを取ったのはなぜか。
○澤田政府委員 お答え申し上げます。 郵便事業の損益計算書を国会の方に御報告申し上げるといいますのはただいま御審議をいただいております法定制の暫定措置でございますけれども、この発動要件として、単年度の収支が欠損を生ずる場合あるいは欠損を生ずることが確実であると見込まれる場合ということが要件になっているわけでございますので、その年度年度、郵便事業財政がどう状態になっているかということを国会に御報告を申し上げる、そして、その年度において料金改定というものが行われた場合に、それが法定制緩和の条件の中に入っているものであるかどうかということについても御判断をいただく資料として御提出をいたしている、こういうことでございます。
○楯委員 大臣が五十分に参議院に行かれるので、その前に一言大臣に質問をしておきたいと思います。 大臣、いまあなたも閣僚として物価について共同の責任があるわけです。後で同僚委員からこの点については御質問があるかと思いますが、本年度の経済見通しでは物価を六・四%に抑えるということでしょう。細かい点は私わかりませんが、日曜日の討論会等聞いておりましても、六・四%の達成はまずだめだ、できない、こういうのが野党各党の異口同音の言葉なんです。ところが討論会等では経企長官の河本君が、いや、できてもできぬでも――そういう言い方はしないのですが、簡単に言うと、できてもできぬでもこれはやらなければいかぬ、天の声だ。物価に関してはこういう剣が峰というか薄氷を踏むような状態の現段階ですねっ当然あなたもその六・四%に物価を抑えるという閣僚としての共同責任上から言うと、いまの経済見通しの物価六・四%はほとんどの方たちがこの分では達成困難であるというときに、その目標を達成しようという有力閣僚であるあなたが、みずから郵便料金の値上げをするなんということでは本末転倒じゃないかと思うのです。私は手もあると思うのですよ。これを延ばして――物価調整費の五百億円もどこへ使うか使途が決まっておるかどうかわかりませんが、手はあると思うのです。だから、経済企画庁長官が言うように六・四%できてもできぬでもやらなければならぬ、天の声だという意欲の前には、そのぐらいの相談をし態度をとってもいいのではないか、こう思うのですが、どうですか。
○山内国務大臣 一般消費者物価上昇率六・四%、これは政府で決定いたしておるものでございますので、郵政省としても当然これの達成に努力をしなければいけないということは確かでございます。 そこで、郵便事業をいろいろ考えてまいりますと、累積赤字が二千百億円にもなってしまった、この際うんと値上げをしたいのでございますけれども、六一四%にも影響するところがあると思いますので、最小限度、しかも実施も郵政審議会では七月一日からやれ、こうなっていたのでございますが、それも延ばしまして、この辺で、六-四にも影響しないであろうし、国民の皆さん方にもひとつ御納得をいただきたい、こういうことで御提案をしているわけでございます。ただ計算だけでそんな計算なっていないと言われるかもしれませんが、十月から値上げして〇・〇四の影響はあるわけでございます。
○楯委員 これはあくまでも現段階における私の意見なんですよ。だから、将来六・四%が達成できるかどうかはわかりません。しかし、いま政府は石にかじりついても目標達成のために最大限の努力をしなければならぬ、こう担当大臣が言っておるのに、同じ共同責任の立場にあるあなたが料金の値上げを、いろいろ理屈はつくでありましょうけれども、値上げをしようというのは、国民の側から見れば、鈴木内閣は本当に物価安定に力を尽くしておるであろうか、なぜやるべきことをやらないのか、こういうふうにしかとれないと思うのです。だから私は現段階の話をしておるわけです。将来どうなるかわかりませんよ。
○山内国務大臣 九月末の指数はたしか八・七%と六・四から大分離れておりますね。その後、着着と情勢がよくなりまして、十月の結果がまだ出ませんけれども、これは相当低い数字が出る模様でございます。まだ数字は言えません。確かな数字を聞いておりませんけれども、非常に安定してきた、こういう情勢を私は聞いておりますので、先ほど申し上げましたように、ひとつ国民の皆さん方にぜひとも御理解をいただきたい、こういうことで御提案いたしているわけでございます。
○楯委員 大臣、いいです。またあなたがもし私の質問中に見えれば本当は聞いておってもらいたいけれども、これは仕方がないですよ。 それでは、次に振動病について質問をしたいと思います。 これは五十年の四月十六日に当逓信委員会で、現議員ではないのですが、わが党の島本虎三君が振動病に対して質問をしております。その質問の速記録を見ますると、バイクによる振動病罹病者に対して郵政省は今後の対策を考究する、当面の措置としては病体の早期回復に必要な措置をとると答弁をしておるわけです。その後五年もたっておりまするので、さぞ手厚い手当て、処置がなされておるであろう、こう私は推量するのですが、どういうような措置をとったか、特に当面の措置としてどういう対策をとったか、説明をしていただきたいと思います。
○岡野政府委員 お答えをいたします。 振動病につきましては、私ども、あの当時から何とか明るい職場の雰囲気の中で仕事をしていただくように、そのためには、振動病あるいは腰痛症あるいは頸肩腕症候群というような症状を呈する者がございますので、これについての対策を講じてきたところでございます。 先生お尋ねの振動病につきましては、まず何よりも健康管理を担当しておりますところの医師でございますが、健康管理医と十分提携をとりながら、それぞれの症状に応じました必要な施療をするということをしますと同時に、いままで機動車に乗っておるためにそういうことになったということであるとしまするならば、やはり機動車からおりていただくのが一番いいのではないかということで、自転車にかえるとかあるいは徒歩の外勤の作業の方にお移りをいただくとかというような作業方法の変更などをいたしまして、病状の回復に鋭意努力をするような雰囲気づくりをしてまいったところでございますが、その後振動病的な症状につきましては、寒さ、冷たさというものが非常に影響があるのであるという研究結果等も出てまいりましたものですから、防寒対策という意味合いにおきまして、防寒手袋あるいは防寒ぐつあるいは防寒ズボンというようなものを準備をいたしまして使用を願うという防寒対策、いま一つは、機動車そのものの振動を減少させるという点につきましていろいろ改良の施策を講じてきているところでございます。 それから、もう一つは、やはり部内だけでもなんであろうかというような観点に立ちまして、医学的な研究といいますものと生理学的な研究といいますものを振動病について実施をしてまいったところでございます。前者の医学的研究につきましては、私ども部内に逓信病院がございますので、その中に東京大学の先生でございますとかあるいは労災病院の先生方でございますとかというような諸先生二十八名の皆様にお越しをいただきまして、振動障害対策協議会を設置をいたしました。三年ほど研究をしてまいりまして、この七月にその報告が出てまいっているところでございます。 それからいま一つ、先ほどお話をいたしました生理学的な研究でございますが、これは財団法人の労働科学研究所といいますところに委嘱をいたしましてこれにつきましての研究をお願いをしてまいった。これにつきましても、三月にその結果報告をいただいておりますので、この二者を含めまして、われわれも振動病についてのこれからの対策を講じてまいりたい。 ざっとお話をいたしますとこんなところで進んでいるところでございます。
○楯委員 それでは、バイクによる振動病患者、郵政省が認定をしておられる患者はいま何人おりますか。
○岡野政府委員 振動病の認定でございますけれども、これは四十九年度から出てまいりまして、この五十五年の九月末日までの数字を御披露したいと思うわけでございます。 全体といたしましては三百十八件の申請がございました。その中で公務上という認定が出ましたものが二十九件、公務外となりましたものが百三件、残り百八十六件が目下審査中である、こんな数字に相なっているところでございます。
○楯委員 振動病について組合の全逓本部が過日調査をしておりましたのでその資料をもらったのです。バイクに乗る外務員六万八千人について調査をしたところが、手の指が白くなる四・六%、手の指が紫色になる六・八%、その他の症状、手のしびれ、夜寝ておるときに痛みを感ずる、これが一五から一六%ある。全逓本部ではこういう資料が出ておるわけです。これは御承知ですか。
○岡野政府委員 お答えをいたします。 職業病一般と申しますかあるいは振動病につきましては、私どもの関係労働組合との間では意思疎通を図っておりまして、そういう話し合いの中で、労働組合の方で把握をした数字はこんな数字であるというようなお話は私どもの方の各部局によりまして存知をしているところでございます。
○楯委員 私は、月曜の日に、東京へ来る前に地元の郵便局へ寄ってこの振動病についてどういう状態であるかということを聞いてきたのです。私の地元で、これは旧郡ですね、市が二つあって町村が八つばかりあるのですが、旧郡全体で外務員百七十四名、そのうち七十六名を全逓本部の調査に基づいて名古屋大学それから上矢作病院、下呂病院という三つの病院で検査をしてもらったわけです。そうすると、労働省から出しておる基発第六百十号による患者区分、これは林野庁の白ろう病に当てはめた通達ですが、それを当てはめてみますると、Aが二十五名です。Aというのはバイクに乗ってよろしいというわけですね。異常ない。それから二時間以上振動工具を使用してはいけない、二時間以内でなければいけないというのがBになるのですか、それが十六名、それから振動工具の使用を禁止をせよ、これはCになるわけですが、これが七名おる、こういう話を聞いたわけです。そこで、診断書を見せてもらいました。どういうような診断書があるかと思って見せてもらったのでここに持ってきておるのですが、概略を申し上げますと、中津川郵便局で三名、公務災害として東海郵政局に申請をしたわけです。ところが結論は、これは原因が公務外における病気である、公務外であるというので却下といいますか、そういう判定通知が来て本人は困っておるわけなのです。 〔委員長退席、堀之内委員長代理着席〕 それで、一人の概略を申し上げますと、似たような状況ですが、これは河村太郎という三十八歳の人ですが、三カ所の病院における診断結果は大体同じような結論です。末梢循環障害、末梢神経機能障害、これは長年にわたる単車乗務による振動病と思われる、治療は継続的に必要であり、入院も必要である。これが五十四年の十一月七日の恵那郡上矢作病院の医者の診断。それから同じく五十四年六月二十五日に名古屋大学の診断。それから、逆になりましたが、五十三年十月九日には岐阜県立の下呂病院の診断。みんな結論は同じです。オートバイに乗ってはいけない、それから通院をせよ、遠ければ入院をせよ。三カ所とも全部こういう診断書なんです。ところが、これを東海郵政局の方へ申請したら、それは公務外だというわけで却下といいまするか相手にされない。本人は非常に困っておるのです。私どもが不可解に感ずるのは、地方では相当名のある三つの病院の診断としてこの振動病を認めておるにもかかわらず、労災病院だけの診断書が公表になっておらないわけですが、郵政局長が、公務外だから自分たちの責任で治せと、こういう決定を出しておるということは非常に理解に苦しむのですが、公務上、公務外というのをどうやって判定しておるのですか。
○岡野政府委員 先生がおっしゃいました中津川の郵便局の局員の関係は、私どもの方も東海の郵政局に照会をいたしましてその実態というものを入手をしておるわけでございますが、細部にわたっては存知しておりませんのですけれども、私が知っております限りでは、五十四年の十月に公務災害の御申請をなさった由でございます。五十五年の一月から二月にかけまして先生がおっしゃいました名古屋にありますところの中部労災病院というところで検診をいたしました。そして、その結果でございますが、主治医の、いま先生がお話しになられましたいろいろの町のお医者さんでございますとか、あるいは中津川の病院でございますとか矢作病院でございますとかというようなもろもろの検査結果といいますものも、当然参考として労災病院の結果などとも絡めていろいろ検査をしたわけでございますが、結局は、いまの業務方法の実態などというものを総合勘案をいたしますと、まことに残念ではございましたのですけれども、公務外というような判定になったという結論でございます。 それで、いまの公務災害の認定がどんなふうなありざまになっているかという先生のお尋ねなのでございますけれども、まず御本人さんから、これはどうも公務に起因した振動病的な症状だといいますようなことで公務災害の申請をいただきますと、いまのところ、私ども役所関係で、バイクに乗りますとそれが振動障害的な症状を呈するというこの面につきましてまだメカニズムが、機序と申しますか、ずばりという因果関係と申しますか、この辺がはっきりしておりません。それで、振動工具といいますものが、人事院規則の一六-○でございますが、これにたとえばチェーンソーでありますとかあるいはブッシュクリーナーでありますとか削岩機でありますとかいうように並んで挙げられているわけでございまするけれども、まだバイクといいますものはその中に入っておらないわけでございます。また、公務災害であるという認定をいたしますには、ある一つの基準がございまして、これに当てはめて、先ほど先生労働組合側から労基発の何号というお話がございましたけれども、私どもの場合にはずばりの認定基準が労働省の方にもございませんものですから、チェーンソーの認定基準、これが労基発の百七号というのに載っておりまして、これに準拠をいたしまして認定をする、こうなっているわけでございます。そういったもろもろの観点から見てまいるわけでございますが、まず労災病院におきまして、末梢循環障害といいます観点から、あるいは末梢神経障害というような観点から、あるいは運動機能がどうであろうかというような観点、その他もろもろのいまお話をしました認定基準にあります面につきまして検査をいたしまして、それで労災病院の方から所見をいただくことになっております。その所見と、御本人さんの平素の勤務態様、いままでの経験年数、乗務の年数等々を総合的に勘案をいたしました結果、公務上あるいは公務外というような判定になるというのが、いま郵政省でとっておりますところの公務災害の振動疾患、振動障害、これについての公務内、外の認定のありざまでございます。
○楯委員 非常に疑義があるのです。というのは、労災病院の検査も受けておるわけですよ。ところが、ほかの医者はここに診断書がありますが、労災病院は診断書を公表しないわけです。患者にもくれないのです。これは一体どういうわけですか。ほかの医者は当然これは医者にかかれば診断書をくれますね。ところが労災病院は診察を受けても診断書を公表しない。公表しなくてこれは公務外の原因による病気であるという判定を下すというのはいかにも不可解じゃないですか。それから、三つのお医者さんがその病気を認めておるにもかかわらず労災病院だけが認めない。通院治療をやりなさい、あるいは入院しなさいと言ったって、労災病院なんかは岐阜県に一つもないのですよ。だから入院も通院もできないのです。できないところへどうして労災病院だけでなければいけないと郵政省は考えておるのか。全くこれは取り扱い方は監獄部屋みたいなものです。あなたにそういうことを言っていいのかどうかわかりませんが、なぜ診断書を公表できないのが。公務内、公務外なんて、三百六十五日本人について歩いたわけじゃないでしょうが。なぜそんなことが、通院もできないような、入院もできないような遠隔の、医者がやったのか郵政局長がやったのかわかりませんが、判断ができるかということです。こういう不思議なことをあえてやって堂々としておる。五十年の島本虎三君の質問じゃありませんが、料金値上げはむちゃくちゃに熱心だけれども、こういう災害対策についてはきわめて冷淡である、こういう質問を五年前島本君がやっておるのですが、全く私はそうだと思う。なぜ診断書を公表しないのですか。三カ所のその地方における神経科の権威が認めておるにもかかわらずなぜ認めないのですか。やり方が全く不可解ですよ。答弁してください。
○岡野政府委員 先ほど私がお話をいたしました郵政省の中の職業的な疾患の中には、ほかに腰痛症でございますとか頸肩腕症候群とかいうようなものがございます。腰痛症につきましては、部内発生は三十六年ごろからでございます。それから頸肩腕症候群も四十一年からでございまして、もうかれこれ二十年あるいは十五年の経験の中からいろいろな対策を講じてきてまいっておりましていまの姿になっているわけでございますが、振動病につきましては、最初の苦情の訴えといいますものが職場の皆さんから出てまいりましたのは四十九年からでございます。したがいまして、五、六年しかたっておらない。その中で何とか私どもも対策を講じてまいらなければならないということなのでございますが、いまお話をいたしました腰痛症あるいは頸肩腕症候群でございますと、認定基準といいますものが労働省さんの方で、これを人事院さんがそのまま準用しておるわけでございますけれども、決まっているわけでございますが、いかんせん振動病につきましてはまだ経験が浅いものですから、先ほどお話をしました機序、メカニズムが決まっておらないし、それから認定基準もないし、振動工具の中にもバイクは入っておらないというような中でございますから、そういったむずかしさの中で先ほどお話し申し上げましたような認定の仕組みを私どもはとっているということでございます。 なぜ労災病院に限っているかという先生のおしかりなのでございますけれども、労働福祉事業団が営んでおりますところの労災病院は全国に三十四カ所ぐらいあるわけでございますけれども、そのうち実際に私どもが振動病で御検診を願っているのは二十四病院ではございますが、一応全国各府県に分布的に存在をしているのではないかということでございますし、労働災害でございますとか、チェーンソーその他の振動病につきましては、十分の検診の経験といいますか、あるいはそれらに基づきますところの研究を重ねているわけでございます。 それからまた、そのための検査の設備でございますが、先生御存じかと存じまするけれども、中部の労災病院あたりにおきましてもそういった設備は十分完備をしている状況でございますし、いろいろな診療科というものもございます。振動疾患についての検診の場合には、時として耳鼻科でありますとかあるいは眼科でありますとかいうようなところも診ていただかなければならぬわけでありますが、これらも全部備わっている。あるいはまた、労働災害の診断、治療を専門的に労災病院それぞれ二十四カ所、三十四カ所がやっているという意味で、共同的な打ち合わせでありますとか研究でありますとか、統一的なやり方というようなものについても相当進んでいるのではないかということで、いま労災病院を、われわれの振動病についての公務災害の検診を願う病院に委嘱をしているということなのでございます。
○楯委員 大臣がおらないから、あなたと決まり切ったような質疑応答を繰り返しておっても仕方がないのですが、労災病院は、私は選挙区が岐阜県ですが、岐阜県には一つもないのですよ。あなた知っていますか。通院せよとかどうこう言ったって、できないのですよ。それから名古屋大学病院なら、私は労災病院というのはどれだけりっぱな病院か知りませんが、そう劣っておるとも思わないのです。しかし、こんな議論をいつまでもしておっても時間がきてしまいますので、具体的に言います。労災病院の診断書を公表してもらいたい。これはできますね。約束してください。
○岡野政府委員 先生がおっしゃいます、労災病院で検診をした結果を御本人さんに差し上げるという点についてなのでございますけれども、実は、先ほどもお話をしたわけでございますが、公務上であるか公務外であるかという……
○楯委員 そんなことはもういいですよ。労災病院の診断書を本人に渡して公表してくださいよ。秘密にしておいて公務外なんという判定を下すということは全く不可解ですよ。だから、公表しますと言ってください。当然じゃないですか。
○岡野政府委員 まことに申しわけございませんけれども、公務災害の認定のための検診でございますものですから、御本人さんの治療のためというような観点からでございませんものですから、それでいま御本人さんに差し上げるというふうになっておりません。治療のためでございますならば、いままでの矢作病院でありますとか、名古屋病院でありますれば中部病院と全く同じ名古屋市にあるわけでございますので、等距離ではないかというように思うわけでございますが、そういった主治医の方の御診断の方が、長い過程の中で治療のいろいろのやり方はおわかりだろうと思っておりますので……。
○楯委員 名古屋の労災病院まで行って診断を受けておるのですよ。あなたの言われる名古屋までわざわざ行って診察を受けておるのだよ。ところが、ほかの病院はここにあるように診断書を全部くれて、通院または入院しなければいけないと、こういう診断書をくれておるのです。なぜ労災病院だけは、病気の診断も受けたにもかかわらず診断書をくれないのですか。公表しないのですか。だから、公表すればいいじゃないですか、お医者ですから。まずそれをやれということです。 それから、三カ所の専門医が病気の症状をはっきり言っておったならば、それを認めればいいじゃないですか、郵政省は。なぜ公表もしない労災病院の診断書しか取り上げぬのですか。認めないのですか。全くあなた方は不思議なことをやっておるのですよ。常識では考えられないことをやっていろいろつべこべ言っておる。そんなことはあたりまえじゃないですか。患者が診断を受けたら診断書をくれるのはあたりまえじゃないですか。それもやらない。そして、ほかの医者は、われわれは常識からいけば労災病院よりもっと諸設備が完備しておると思う病院の診断書すら認めないというのはどういうわけですか。その二つを、労災病院の診断書を本人に渡します、ほかの医者の診断書も認めますと、そういうことをここで言明してください。
○岡野政府委員 先生おっしゃいました名古屋の大学病院でございますとか中津川の病院でございますとか、御本人さんが治療のためにいらっしゃっているのだろうと思うのです。ところが、てまえどもの中部の労災病院は、いまお話しをいたしました、公務災害になるかならないかというような面での検診をいたしますものですから、御本人さんの治療のためということでございませんので、先生がおっしゃいます矢作病院等と違いまして診断書様のものを差し上げておらないということなのでございます。目的が違うものですから、お許しをいただきたいと存ずるわけでございます。治療のためでございますならばまた、私どもの場合にも治療用の病院といいますものを、なにでございましたならば御紹介をするというようなこともいたしております。こんなところへ行ったらどうだというような意味でお一人お一人の、症状を訴える皆さんと私どもの管理者とじっくり話をして、勤務軽減の措置やら何やらも講じたりなどというような意味では努力をいたしておるつもりでございます。
○楯委員 大臣もおらないので、あなたは紙に書いてあることしか言わないから幾らやっておっても仕方ありませんが、私もここの委員ですから、これは資料をもらってびっくりしてしまったのですよ。労災病院の診断書は公表しない、おまえの病気は公務外であると言う。公務外といって、三百六十五日だれが監視しておったわけでもありませんのに、できるわけでもないのに、公務外であるなんというばかな判定を東海郵政局長が判定書を送ってきておる。これから人事院の方に申請をするという手続をやっておりますが、これはあなたの紙に書いてある答弁ばかり聞いておっても仕方がないので、また日を改めて……。私は本当にびっくりしてしまったのですよ、何をやっておるかと。これを今後続けてやりたいと思います。 労働省の方にお伺いしますが、郵政省の振動病を公務上の災害として認めないという根拠は、あなたの方で出された基発三百七号ですか、十九項目あるこの中に入っておらないから認めないのだということをいま人事局長も答弁しておるわけですよ。これは認めてやったらどうですか。この十九番目はオートバイによる振動病を認めないわけじゃないと私は思うのです、郵政省は認めた人もあるのですから。ところが、一から十八番までに明示していないからだめだ、こういうような逃げ口上になっているわけですよ。だから、ここへバイクという字句を挿入していただきたいし、労務管理上からもこういう間違った郵政省のやり方について、あなたの方で、監督官庁として要請してもらわなければいかぬと思う。こんなばかげた、診断書は公表しない、公務外だなんというような判定を通知しておるという態度について忠告してもらわなければいかぬと思うのですが、どうですか。
○原説明員 お答えを申し上げます。振動病の認定につきましては、先生御指摘のように、専門家会議の結論に従いまして私ども認定基準をつくって、それに基づいて認定をいたしておるわけでございますが、その認定基準は、先生から先ほど御指摘をいただきましたようにバイクの関係は振動工具の中には列記されておりません。チェーンソーその他十八の工具が例示してありまして、またそれに類似する振動工具は十九の項目で類推して適用するような形の認定基準になっておる次第でございます。 バイクの関係につきましては、実は労災保険の適用をしている労働者の側からはそのような請求-事例がいままで出てきていないということもございまして、こういうような認定基準になっているわけでございますが、また同時に、バイクの関係の振動というのはチェーンソー等の振動とは異質でございまして、人体に与える影響も違ってくるというふうに医学的には言われているようでございます。解明がまだ医学的にも十分なされていないものでございますので、私どもは認定基準の中に現在は取り入れておりません。もしこのような請求事例がございますれば、労災保険の適用関係でそういう事例がございますれば、その段階で専門家の御意見等徴しながら決定をいたしていきたい、こういうふうに考えているところでございます。 いま先生御指摘のような認定基準をバイクの関係でもう一度見直してみたらどうだろうかという点でございますが、私どもの方の労災保険の適用の関係では、ただいま申しましたような形で請求事例がございませんので、この辺について請求事例があり、あるいはすでに認定を若干しておる事例等もお持ちであり、さらにまた、専門家等の検討もある意味でなされたという郵政当局の関係の資料等取り寄せまして、私どもさらに今後検討をしてみたいと思います。
○楯委員 もう一つ聞きたいので、あなたそこに座っておってください。 よその政府関係ですね、たとえば林野庁の白ろう病あるいは国会なんかでも速記者の職業病というようなことを言われておりますが、あるいは交換、よその官庁、公共企業体、政府関係で職業病と認めて補償しておるのをちょっと言うていただけませんか、どういうのがあるか。
○原説明員 労災保険が適用されている関係について私ども直接把握しておるわけですが、同時に三公社五現業等労働基準法が適用されておる職場での補償の状況というのも、主管の行政機関がそれぞれやっておるわけでございますが、その方から情報等をとって把握をいたしておるわけです。振動関係の職業病関係で三公社五現業関係をちょっと申し上げてみますと、国有鉄道関係で振動病の認定が最近三年間、五十二年度から五十四年度までの合計で六十一件認定されてあるようでございます。それから、振動関係では国有林の関係でこの三年間に三百五十五件の認定者がおるようでございます。これはチェーンソー関係の認定でございます。それから郵政関係につきましては、振動関係でこの三年間に二十三件の認定があると言われております。その他、ほかの疾病もございますが、ただいま振動関係だけで申し上げますとそのような状態になっております。
○楯委員 時間の約束がありまして、あと四分だそうですから四分でやめますが、大臣、あなたの留守の間にオートバイによる振動病について質問しておったのです。私の地元で、月曜日にちょっと寄って話を聞いてみたのですよ。ところが、温泉で有名な下呂病院、それから上矢作という病院、それから名古屋大学の病院、それから名古屋の労災病院、ここで診察を受けたわけですね。まあ労災病院は郵政省の恣意でやったのかどうかわかりませんが、診断書を公表しないわけですね。よその病院ではオートバイが原因の振動病だという判定が出ておるわけです。通勤をしなさい、入院もしなさい。まあ時間がないからやりませんが、こういう診断書をここにもらってきた。ところが、労災病院は診断書も公表しない。公表しないということもけしからぬのですが、何か労災病院の診断結果を判定して――これは書類判定でしょう、あなたの病気は公務外の原因の病気であるという判定通知が本人のところへ来ておるんだよ。三百六十五日、本人について監視したわけでもないのに、なぜそんな判定ができるか。これは人事院規則によってその方面の不服申請をいま用意しておるわけですが、私も全くびっくりしたのですよ。なぜ労災病院は診断結果を公表しないのか。本人につきまとったわけでもないのに、なぜ公務外の原因による病気であると、そんな判定を出せるはずがないと思う。そういう面で、この職業病に対する待遇といいますか手当てが、よその官庁と比べて非常に劣っておると思うのです。 もう時間がないのですが、委員でありますから、もっとよく調べて今後またここで追及をしたいと思いますが、従業員に対する、こういう患者に対する温かい取り扱いを検討してもらいたいと思います。 〔堀之内委員長代理退席、委員長着席〕 人事局長さんかな、あの人は紙に書いたものを読む以外は返事ができませんのでもうやめておきますが、考えてくださいよ。われわれ素人が考えると、でたらめをやっておるような気がする。それで、料金値上げだけはまことに熱心である。これでは矛盾していますよ。まず患者に対する手当てをやれば、まだ変わってくるだろうと思うのですね。増収にもなるだろうと思うのですよ。そういう点をひとつ検討してもらいたい。 あと一分残っておりますけれども、約束の時間でありますからやめます。
○佐藤委員長 楯兼次郎君の質疑は終わりました。 阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 大臣、きょうはもう十月の二十九日でございまして、間もなく十一月になりますが、十一月に入ると郵便事業では年末始の繁忙の準備に入らなければなりません。大変多忙な時期になるわけでございますが、一昨年の年末に労使の紛争から多数の年賀状が元旦に配達できずに、郵便事業に対する信頼を失墜したといういきさつがございました。幸い最近は労使関係が非常に正常化しておるということを先般も承りましたが、よくひとつ年末始の繁忙については労使で話し合いをしていただいて、紛争を繰り返すことのないように、国民の期待にこたえ得るように、格段のお骨折りをいただきたいと思いますので、大臣の所信をひとつ承りたいと思います。
○山内国務大臣 私も就任いたして以来、非常にその点を心配いたしておりまして、大分前になりますけれども、組合の代表の方とお会いをいたしまして御要求書をいただき、一応御説明を聞いたわけでございます。 いよいよ年末の繁忙期に入りますので、事務当局によく話をしてございますけれども、どうか誠心誠意をもって話し合いをしなさい、そういう態度で当たってまいって、円滑に運営するようにしてまいりたいと考えております。
○阿部(未)委員 せっかく大臣の決意を聞かしていただきました。ぜひひとつ一歩前に出て十分な話し合いをしていただいて、国民の期待にこたえるようにお願いいたします。 次に、少し専門的な内容ですので、法制局お見えでございますね。――法定制緩和の法的な根拠等について、たくさんの方々から御意見がございました。したがって、同じ答弁を繰り返すというきらいもあるかもわかりませんけれども、違った観点から少し質問をさせてもらいたいと思いますが、まず財政法第三条の特例法は郵便料金には適用されない、これは間違いございませんか。
○関(守)政府委員 お答え申し上げます。 郵便料金につきましては三条が適用されます。
○阿部(未)委員 第三条そのものが適用される。そうするとこの財政法三条には、必要なところだけ読みますが「事実上国の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」こう規定をされておりますが、まず、この「基いて」というのは法律と国会の議決の両方を受けておるのか、国会の議決だけを受けているのか、いずれでしなうか。
○関(守)政府委員 両方を受けている言葉でございます。
○阿部(未)委員 わかりました。そうすると、「基いて」というのは、法律に基づいて、こう解釈ができるわけでございますが、「基いて」というのは法制上どういう解釈になるわけでございますか。
○関(守)政府委員 お答え申し上げます。 財政法第三条の法律に基づいてと書いてございますのは、すべて国のそういう事業料金につきまして、法律で直接書くということを意味するわけでなくて、法律でいろいろな要件を定めて、それに従って価格を決めるというようなことも含まれていると考えております。
○阿部(未)委員 たとえば省令にゆだねる等の場合も法律に基づいたのだ、そういうふうな解釈になるわけでございますね。 そうしますと、大臣にまずお伺いしたいのですが、私はこの郵便とか電信電話あるいは国鉄運賃などのようないわゆる独立採算制の企業にあっては、本来私は受益者の負担によって成り立つものだと考えております。したがって、公共料金だから一切値上げしちゃいけないとか、あるいは公共料金の値上げだから、これは赤字だから一般会計から繰り入れよ、そういうことだけでこういう事業が成り立つものではないと私は考えるのです。しかし同時に、公共料金の値上げをすることによってそれが他の物価に著しい影響を及ぼすような場合は、一般会計から繰り入れる方が国民の利益になる、あるいは将来大幅な値上げになろうとも、この段階では料金の値上げを抑えておくことの方が国民の利益になる、そういうふうな判断をして扱わなければならないのが公共料金の持つ性格であるし、そういう判断をするのが政治ではないか、私はそういう気がするのですが、いかがでしょうか。
○山内国務大臣 総括論の御質問でございますので、いろいろ考え方はあると思いますけれども、私が担当いたしております郵便事業としては、何らかの工夫をしながら独立採算制というものを保っていきたいと思っております。 一般会計から入れて赤字を埋めるということは、やはり国民の税金もその中に入ることでございますし、やはり御利用になる方に負担をいただくのが筋だと思いまして御提案いたしておりますが、しかしなるべく上がらないように努力をする、こういう点は、懸命にいままでもやってきたつもりでございますけれども、さらに続けながら、やはり独立採算制で私はやっていきたいと思うわけでございます。
○阿部(未)委員 私はいま郵便料金について議論しておるのではなくて、公共料金というものの性格から、場合によってはたとえ税金である一般会計から繰り入れても、その方が国民全体の利益になるというふうな場合にはそういうこともあり得る、あるいは大幅になることがいけないという前提はあっても、いまここでは料金の値上げを抑えて、たとえ将来大幅になっても抑えておく方が全体的な物価との関係から大切なことだ、そういうようなものが公共料金というものの性格ではないですか。本来的には受益者負担ということについては、私は否定しないのです。しかし、そういうような場合にはそういう措置を講ずるのが公共料金に対する考え方ではないのかという一般論なんです。
○山内国務大臣 私も一般論でお答えしたいのでございますけれども、これは所管外といいますか、私がお答えできる立場にないような気がいたします。したがって、郵便事業について私の考えを述べさせていただいたわけでございます。
○阿部(未)委員 内閣の国務大臣でございますから、ほかの物価のことはおれは知らぬぞ、郵便料金だけでほかの物価のことは知らぬぞというのは、閣僚の一人としてまことにそれは無責任で、私は別に揚げ足をとろうとかいう気があるわけではないのですよ。公共料金というものについて、私は本来受益者負担の原則も認めておるわけです。しかし、物価に著しい影響を与えるというふうな場合は、他の措置をとるようなことを考えなければならない。公共料金というものはそういう性格があるし、またそういう判断をしなければならないのが政治ではないのか。たとえばほかのところでもあるでしょう。国鉄に一般会計から何ぼ入れたか私は知りませんよ。しかし現にあるでしょう。それは過ちですか。
○山内国務大臣 国鉄はたしか一般会計から金が入っているようでございます。といって、私が国鉄のことを言うわけにもいきませんし、私の守備範囲の中でひとつ御答弁をさせていただきたいと思うわけでございます。
○阿部(未)委員 これは詭弁であり、逃げですけれども、しかし現に政府自体がそうやったことは間違いがない事実でしょう。公共料金について場合によっては一般会計から繰り入れたというこの事実は否定ができないです。ですから私は、公共料金というものはそういう性格を持っておるし、またそれを判断するのが政治でなければならない。したがって、いいか悪いかは別ですが、まず第一点目の郵便の累積赤字を解消するに当たってとるべき手段は、一つには料金の改定がある、二つ目には一般会計からの繰り入れということも検討の余地はある、三つ目には、この時期料金改定がいいのかどうかという判断がある、そう郵便料金についても考えるべきではないのか。どれをとるかは別ですよ、そういう考え方が根底にあってしかるべきだ。この点はどうですか。
○山内国務大臣 いろいろ考え方はあると思いますけれども、一度一般会計から入りますと――これはやはり独立採算でもってひとつ大いにやっていこうじゃないかというような気持ちの問題も私はこれを尊重していかなければいけない、こういう考え方で、先生いろいろ御意見をお持ちでございますけれども、私は答弁を余り十分にできないような立場で、御了承いただいて、独立採算制でひとつやらさせていただきたい、こう思っているわけでございます。
○阿部(未)委員 そこのところがはっきりしないと非常に困るのですけれども、したがって私の理論から言えば、そういう三つの方法がある、この際政府、郵政当局が提案しておるのはその中の料金改定である、こうなっておるわけです。 そこで、料金改定がいいかどうか、これはいろいろ議論の余地があると思うのです。しかし、その料金の改定によって累積赤字を解消するにしても、どう処理をすべきか、料金改定でいくべきかどうかという議論をする場は、やはり国民の負託を受けた国会がやるべきだと私は思うのです。それを郵政審議会等にゆだねてしまということは、国民の信託を得て出てきておる国会議員として、余りにも国民の期待に背くことにならないか。また、仮に結果的には同じだったとしても、国会の議論の結果料金が上がったというならば、代表なのですから国民はそれなりに納得せざるを得ない。しかし、郵政審議会だけの議論で上がったとなれば、郵政審議会とは何かといういろいろな意見がきょうも出てきておるように出てくると思うのです。ですから、結果がどうなるかは別にしても、原則的にはその議論をし、その方法を決めるのはやはり国会の場でなければならない、そう考えるべきではないでしょうか。
○山内国務大臣 そこで、御審議をお願いしている法律の中は、ただ郵政審議会にかけて決めるという内容のほかに相当いろいろな条件がついているわけなのです。もう御承知だから御説明いたしませんけれども、要するに、この範囲内でひとつ郵政省は郵政審議会でいろいろ検討してやりなさい、こういう何もないのと違いますので、そういう点については、いろいろここで御審議をしている間にもそういう問題が、上げ幅は必ず物価等の変動率以上にしてはいけませんよとか、そういう点もございますので、条件を踏まえながらやるというので、野方図ではないという点はもうよく御承知でございますのでさらに申し上げませんけれども、要するに、いろいろな条件のもとに慎重にやってまいりたいと考えているわけでございます。
○阿部(未)委員 先般来、本日の質疑、そして政府の答弁を聞いておりましても、いわゆる法定制を緩和したいというのは、一つには郵便の通信手段の中で占める独占に係る信書の送達というものは非常に少なくなっておる、だからその意味では独占性が非常に薄くなった、こういうのが法定制緩和の一つの理由になっておるようです。二つ目には、今回の郵便料金の値上げが物価全体に与える影響はそれほど大きいものではないから、国民生活にとって大きな支障はない、これが二つ目の理由で、そしてこの前郵務局長は、加えて、赤字の累積を解消したいので法定制を緩和をしてもらいたいのだ、こういうふうにずっと引き続いて答弁をされたように承っております。 いま私は、その中の独占性の問題とそれから国民の生活に与える影響の問題の二つをのけて、あとの累積赤字だけについて議論しておるのですが、累積赤字を解消する手段としてはいろいろある、しかし、それをどの手段をとるかということを議論する場はやはり国会が当たるべきではないのか、この点なのです。累積赤字をどう解消していくかということについては国会が議論をする場でなければならない、第一点目はこの質問なのです。それが、条件をつけて郵政審議会に任せるということになるのか、それは国会でやるべきだということになるのか、その辺の基本的な姿勢を聞いておるわけです。
○魚津政府委員 御提案の趣旨として繰り返して申し上げているわけでございますが、現在、とにかく二千百億を超える赤字がございます。その赤字を克服して、国民の信頼にこたえ得る体力を持った郵便事業、どうあるべきか。そのための赤字の克服策としていままでのように料金の改定をするという場合に法律に具体的な料金を決めた方式と、それから赤字の現状からいたしまして、もちろん私ども申し上げておりますのは、法定緩和制というのは赤字があるがゆえにできるということは申し上げていないわけでございますが、それは先生もう御案内のとおりでございますが、そういった赤字の情勢もここで洗いざらい御報告申し上げて、その赤字を克服する方式としてこの法定緩和制によって財政再建を図っていくか、いままでどおりの方式で財政再建を図るかということを文字どおりこの場で議論をしていただきまして、御提案している方式が私どもとしてはぜひ必要でございますということで御了承を受けて、それを通じまして財政再建を図りたい、こういう気持ちでございます。
○阿部(未)委員 それでちょっと具体的に、国会は毎年通常会は開会をされます。間違いなく十二月に召集をされて、会期百五十日間、毎年開会をされるわけでございます。その国会の場で審議をすることと、郵政審議会に諮問をして省令で決めることとなぜそう大きい違いが出るのですか。本来的な姿からいけば、財政法三条は国民の代表である国会に任せるというのが原則になっておるわけです。国会で審議をすれば赤字の解消ができない、省令にすれば赤字の解消ができるという具体的な根拠を示していただきたい。
○魚津政府委員 法定緩和制による財政再建の方策が今日の郵便事業の現状からベターであるということは、これも何回か御答弁申し上げているわけでございますが、郵政審議会でございますとか公共企業体等の基本問題会議という御答申、御提言をいただいているわけですが、その根拠、いま先生のまさに御質問のポイントでございますけれども、国権の最高機関としての国会の審議の問題は私たち最大限尊重するわけでございますが一適時適切といいますか、経営的な観点からの財政再建を図るためには、厳しい条件を持ちながら郵政審議会の中で御議論をいただいて、それによる財政再建の方が得策だ、得策といいますかベターということでございますが、そういうことで御提案をさせていただいた次第でございます。
○阿部(未)委員 そうすると伺いますが、郵便法九十三条以降の条文を解釈すると、一の会計年度という条項がある以上、一年間に二遍も三遍も郵便料金の改定はできないわけでしょう。二遍でも三遍でもそれはやれるのですか。
○魚津政府委員 お答え申し上げます。 その二回に分けるという意味でございますけれども、一種から四種まで、そして小包、特殊扱いの料金、これを時期的に分けるという意味であれば、その条件の範囲の中であれば当然やるわけでございますか、先生はそのようなことをおっしゃっておるわけではないと思います。したがいまして、私ども一年に二回上げるというようなことは考えていないところでございます。
○阿部(未)委員 この法律上、一の会計年度の赤字が明確なときとか、赤字が出たときのその次の年度しかできないのですよ。また出たから、またというわけにはいかぬのです。一の会計年度に二遍も三遍も赤字が出ることはないのだから、一遍しか出ないのだから。そうしますと、一年に一回しか料金の改定はできないのですよ。一年に一回国会が開かれるのです。それになぜ、一年に一回開かれる国会でなくて郵政審議会の議を経て省令で決めなければならないのかということを聞いておるのです。
○魚津政府委員 純粋な法律論ということを申し上げますと、実際の運用としては非常にいびつな運用になろうかと思いますけれども、物価変動率の枠の中で、もちろん他の要件を含めてでございますが、たとえばある時期に小幅な料金値上げをやった、しかしながら財政の事情からもう少し収入を確保したいということで、先生御案内の条件に合致するやり方で値上げをするということであれば、法律論としては私たちできるのじゃないだろうか。要するに、一会計年度に一回しか同一の郵便物の料金改定はできないというように読み取らなければならぬようなものは存在しないというふうに考えておる次第でございます。
○阿部(未)委員 一の会計年度で、たとえば一種なら一種郵便物がこうなりました、これだけ赤字が出ましたというのは、会計年度がはっきりしなければ出ないでしょう。会計年度が出た、二遍も三遍も一年の間にやるというのは、これは何だか意味がわからぬでしょう。それなら、一年に二遍も三遍も料金値上げをしたいということでこの法案は提案をしているのですか。
○魚津政府委員 私ども、一つの形式論の議論としてはと申し上げていたのはそういうことでございまして、一年に同じ郵便物の料金について二回も三回も手直しをする、料金値上げをするという趣旨は毛頭持っておりません。
○阿部(未)委員 そうなりますと大臣、やはり一年に一回、会計年度の後か、あるいは会計年度中でも、物価の変動が非常に激しくて赤字が出ることが確実になったときという条件のもとに値上げをするわけです。一年に一回間違いなく国会は百五十日間の会期をもって開催されるのです。その国会で審議をして決めるのがやりにくくて、省令で決める方が都合がいいからというのは、一体国会軽視になりませんか。
○山内国務大臣 いろいろ考え方があると思いますけれども、郵政審議会で御答申をいただいておるわけなんです。これは五十二年七月二十日でございますけれども「郵便事業の健全な経営を図るためには、役務の提供に必要とされる費用が料金によって適時適切に確保されなければならない。郵便物の料金額を法律で定める現行の料金決定方法の下では、弾力的な料金改定が困難であり、一時にかつ大幅な改定となることが避けられない。」こういうような御趣旨の御答申を得ておりりまして、毎年国会が開かれておりますから、それでどんどん料金を決められたらどうかという御意見もございますけれども、私は、過去の事実、この事実を踏まえて郵政審議会の答申ができていると思うのです。もっと適時適切にやりなさいよ、そうしないと赤字が累積しますのでという趣旨が入っておると思いますので、私は国会軽視なんというのはとんでもない話でございまして、十分に国会の意思も尊重しながらやってまいりたいと考えておるわけでございます。
○阿部(未)委員 大臣、決して国会を軽視されておるとは私は思いません、大臣ほどのお方ですから。しかし、郵政審議会重視であることは間違いがありませんね。国会よりも郵政審議会の意見の方を重視して、郵政審議会がこう答申しておりますから国会はそうしなさい、こうなるわけでしょう。そうすると、国会軽視ではないが、郵政審議会重視ということだけは間違いがないようですが、どうですか。
○山内国務大臣 郵政審議会の答申に基づいて法律を御提案申し上げ、どうかこの法律を十分に御審議ください、こういうことをお願いしているわけでございます。
○阿部(未)委員 やはり郵政審議会に逃げ込もうとするから――郵政審議会は、私は余りよく知りませんが、たしか大臣の諮問機関だと私は理解をしておるわけで、国会が任命をしたものでも何でもないはずでございます。その大臣の諮問機関がこう言うたから国会がこうやりなさいというのは本末転倒で、国会がこうやったから郵政審議会はどうでしょうかと聞くのが私はたてまえではないかという気がしますけれども、これは議論しておっても時間がかかりますから、この辺でやめておきますが、本来、申し上げたように、公共料金というものの性格から、郵政審議会重視では困る、やはり国会重視でなければならないし、国会がもし郵便料金の改定について手数がかかる、やりにくいというならば、国会の運営をもっと能率的にやるべきであって、そのゆえをもってやりやすいところに逃げ込んでいくといういまの行政の姿勢については、私は基本的に納得ができないのです、毎年開かれるのですから。手数でも、毎年必要ならば郵便料金値上げを提案したらどうですか。そして十分議論をして毎年改定していく、それが国会が国民の負託にこたえるゆえんだと思うのです。それをどうも国会は、率直に打ち明けて――さっき、得策ですとおっしゃったけれども、あれは本音だと思うのです。郵政審議会ならやりやすい、それは大臣の諮問機関で、飼っておるようなものだからやりやすい、国会はどうもやりにくい、時間がかかる、だからひとつ審議会の方でと、あれが本音だと私は思うのですけれども。これはこれからの行政の、特に財政法の第三条を受けての基本的な姿勢として考えてもらいたい。 そこで、ちょっと具体的に挙げますが、郵務局長、私がどうも納得できないのは、累積赤字をどうやっていくかということについては国会で議論するのが至当だという原則に立って、その次の、緩和をしてもいい条件、それは二つ述べられました。一つは独占性の問題、一つは国民生活に与える影響、そういうものが、緩和をしていいほど独占性が薄れ、あるいは国民生活に与える影響が郵便料金では非常に軽微なものになっておる。とするならば、累積赤字が解消したときにもう一遍、法律で料金を定めるという現行の法律に返していくということは、一体、累積赤字さえ解消すれば途端に独占性が強まるのか、累積赤字が解消すれば途端に国民生活に大きな影響を持ってくるのか、だからもう一遍法律で定めることに後返るのかどうか。その理論はまことに矛盾しておると思うのです。もし御主張のようであるならば、累積赤字が解消しようともなお同じように省令で定めていくことの方が理論としては至当であると私は思うのですが、どうですか。
○魚津政府委員 今回の措置を暫定措置というかっこうで御提案をいたしておりますのは、現在のように困難な財政事情にあるときは、その打開が当面の事業財政上最大の課題でございますので、まずこれに取り組むこととしたものでございまして、累積欠損金が解消すれば、独占性の程度、国民生活上の必要性の程度が再び強くなるということで戻すということではないわけでございます。
○阿部(未)委員 そうすると、今度の措置は結局は累積赤字を解消するために理屈をつけたということにしかならないのであって、これは本来ならば、独占性なり国民生活に与える影響から考えれば、赤字があろうとなかろうと平常の場合に議論をして、省令に移すなら移すべきでありて、この理論は全く矛盾して、何か累積赤字がなくなった途端に独占性が強まったり、あるいは国民生活に大きな影響が出てくるような、そういう立論になるのですね。非常に納得しがたいところですが、恐らく累積赤字を解消するための苦肉の策だろう、こう思います。言いかえれば、苦肉の理屈だろうと思うのですが、何かありますか。
○魚津政府委員 今度の法定緩和制についての理論的な側面として、私どもかねがね独占の程度でございますとか、それから国民生活上の必要性の程度ということのほかに、赤字の問題ということを申し上げておるわけでございますが、これは並列的にしますとみんな同じ理由づけであるだろうというような誤解も受けやすいわけでございますが、財政法の第三条で言う法律への基づき方をいかなるものにするかというその観点での理論づけといたしまして、また私たちの考え方といたしましては、あくまでも独占の程度それから国民生活上の必要性の程度ということを考えておりまして、単に財政事情が赤字であるという理由づけでもって独占事業の事業料金についてその弾力化を行うこととするということは毛頭考えておりません。ただ、現実の問題といたしまして、財政状況もそういう理由づけで踏み切るかどうか。理由づけがまずありまして、その理由づけをもとにして、いま踏み切るか、いつ踏み切るかというような、そういう意味では財政状況も考慮すべき一つの要素であるというふうに考えているわけでございます。
○阿部(未)委員 私がいままで申し上げたことを要約すれば、実際は財政状況に端を発して、そして法定制を緩和しなければならないが、そのためには一体どうだろうかというと、やれ独占性が薄れたとか、あるいは国民生活の云々と、こういうことになってくるんですが、しかし私は、やはり原則的に郵便料金というような公共料金については国会の場で議論するのが原則だという考え方ですから、累積赤字があって、こういう措置をとったことを奇貨として省令に移行させるというふうな誤った考えを持たないようにしていただきたい。これはいま局長が答えていただきましたから、それで結構でございましょう。 その次に、これは少し専門的で、教えていただきたいのですけれども、この郵便法の改正が成立をいたしますと、たとえば二十一条で第一種郵便物の料金は、二十五グラムまでのものにあっては六十円――以下省略します。あるいは二十二条においては、通常はがきにあっては四十円、こういうふうに法律上料金が明定をされます。ここまではこの法律で決まるわけです。その後に九十三条が来ますね。そして、早く言えば、第一種、第二種の料金は「省令で定めることができるものとする。」こういうことになるわけでございますね。
○魚津政府委員 そのとおりでございます。
○阿部(未)委員 そこで、省令で定むる料金はどうなるかわかりません。いまの改定される郵便法の二十一条あるいは二十二条の、第一種にあっては六十円、あるいは通常はがきにあっては四十円というふうなものより高くなるか安くなるかわかりませんが、恐らく高い料金をお決めにならなければ法律改正の趣旨はない。省令ではそれでは二十一条や二十二条の第一種、第二種よりも高い料金をお決めになる、そういうことになると思うのですが、それは安くてもいいのです。いずれにしても、いわゆる法律で定めてある料金と異なる料金が定められることになりますね。間違いありませんか。
○魚津政府委員 そのとおりでございます。
○阿部(未)委員 その場合に、法律では二十一条で第一種の郵便物は何グラムまでは六十円と決めてある。九十三条では、それにかかわらず省令で決めていいとなると、省令で八十円と決めた、法律の二十一条には六十円と載っておる、法律よりも一段下の省令では八十円になっておる、国民は、法律に六十円とあるのだから六十円で出した、いやこれは九十三条を受けて省令で八十円なんだから、八十円出さなければ未納不足ですよと、こうなった場合、対抗できるものかどうか。それはどうなりますか。
○魚津政府委員 法律と省令の比較、効力の優先という点からすると、当然一般的には法律による料金ということになるわけでございますが、そういった関係を明確にする意味で、第九十三条で「第一種郵便物等の料金の決定の特例」ということで、先生ただいま御指摘になりました、たとえば「第二十二条第二項から第四項まで、第二十二条第二項及び第二十七条の規定にかかわらず」というようなことで、法的には問題はない、かように理解をしております。
○阿部(未)委員 これはへ理屈になるかどうかわらないのですが、確かにそのとおりで「かかわらず、」「省令で定めることができるものとする。」となっておるのです。ですからそれは省令で定めることはできるでしょう。間違いなくできると思うのですが、その場合、法制上からいえば、省令で定めた場合にはその料金に読みかえるのだという規定がなければおかしいのじゃないですか。ただ、つくることができるだけでは、二つできるのですよ。省令の料金と法律で決めた料金の二つができてくる。そこで、この場合には省令の方の料金に法律の方を読みかえるんですよということを入れておかなければ法制上おかしくありませんか。
○関(守)政府委員 お答え申し上げます。 先ほども郵政省の方から御答弁申し上げましたけれども、九十三条で「当分の間、第二十一条第二項から第四項まで、第二十二条第二項及び第二十七条の規定にかかわらず」と書いてございます。したがいまして、そこで料金を定めている規定が、当分の間においては適用にならないということになりますので、したがいまして、省令で定めるというふうに決めておけば、その省令による金額が郵便料金になる、こういうふうになると思います。
○阿部(未)委員 どうもそこは――どっちでもいいのです、恐らくそういう手違いはないと思いますけれども、法制上としては、それは規定にかかわらず省令で決めることができますよと、こうなっているのです。だから省令で決めるのでしょう。しかし省令で決めても二十一条の郵便料金というのはやはり厳然としてあるわけですよ。ですから省令で決めた場合には、その省令で決めた料金の額が二十一条なり二十二条の一種、二種の料金に読みかえられるのだという規定がなければ、法律で決めた料金と省令で決めた料金の二つが出てくる。そうしてそれが利用者に対して対抗できるものかどうかですよ。
○関(守)政府委員 お答えいたします。 たとえば第二十一条の二項で、何円とするという規定がございますが、それの規定にもかかわらずということになっておりますので、省令で定めるという当分の間の特例として、定められた規定に基づいて額が決まってくる、こういうことになるわけでございますので、何円とするという規定にかかわらずということになりますので、そこは、何と申しますか、法律の規定の幾らというのが残っていると申しますか、実際上は、何円とするという規定にかかわらずという当分の間の措置ということで動かないことになるということはおわかりいただけるのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。
○阿部(未)委員 私はわからないですよ。二十一条で六十円と規定してあるが、それにかかわらず省令で定めることができますよと、こうなるのでしょう。第二十一条で六十円と決めてあるが、それにかかわらず省令で決めることができます、こうなっておる。省令で決めたときには、この省令で決めた料金が二十一条の料金を読みかえさせなければならぬはずでしょう。読みかえずに――これは省令で決めることを認めておるわけですから、決めることができるのですよ。しかし、省令で決めたものと、郵便法の中に厳然として残っておる料金と二つあるのです。省令で決めることまでは認めたが、省令で決めたときは、法律で決めた料金が省令の料金に読みかえられる、そうならなければおかしいじゃないですかというのです。いますぐでなくて、検討しておいてください。これは全くぼくの個人的なあれでございますから……。 ところで大臣、これは先ほども質問があったのですが、今回の郵便法の一部改正は郵便料金の改定が中心であることは、これは何といったって論をまちません。しかも、その料金改定の理由は、郵便事業財政の赤字運営を改善するというのがねらいであることも私は十分承知をしております。しかも、この郵便法の改正が前の国会からの継続審議になっておりますから、したがって、確かに手続上いろいろ問題があるとは思いますけれども、しかし、前の法律での施行期日は十月一日でございました。大臣が改めて趣旨の説明をいただいたのは十月十五日でございますから、これは物理的に考えても十月一日に施行されよう道理がないのでございます。やはり私は、この重要ないわゆる赤字運営を改善するという前提に立つならば、昭和五十五年度でこれだけの増収を見込みたい、そしてそれが次の年度にも影響しますから、五十六年度にはこれだけの増収を見込みたい、赤字を消したいという意欲があるならば、やはり大臣が提案をされるときに、施行期日をお決めになって、財政運営はこうなります、だからここでやってもらいたいという意欲を持って御提案さるべきではなかったのでしょうか、どうでしょう。
○山内国務大臣 この法律案は、七月十七日に国会に出されておりまして、これはそのときには十月一日と書いてあったわけです。私はかわりましたけれども一法律は依然として国会に残っておるのですね。だから、私はその残っておる法律に基づいて御提案の説明を二重にしたようなかっこうになるのではないかと思うのですが、その辺は、余り変わったことも言えませんので、従来どおりの国会に出ている法律を御説明した、こういうことになると思うわけでございます。
○阿部(未)委員 ただ私は、その手続の上で、継続審議ですから大臣の言うのもわからぬわけではありません。しかし、国民の大変な反対がある中で料金の改定をお願いしようというのならば、十月一日にはできなかった、しかし新たに、再度とおっしゃいましたが、二遍目の提案をするに当たっては、ここでやってもらいたいのだ、そうすれば五十五年度にこれだけ増収になって赤字が消えます、五十六年度はこうなるのだから、ここからはぜひ実施してもらいたいという意欲がなければならないはずで、それがないのならば、七月に出した郵便法になせ十月一日に施行するなどという期日を入れて出したのか、それはおかしくなるのですよ。始めから期日を入れぬで出せばいい。七月に出したときは十月一日からやりたいと言っておきながら、十月十五日の提案の際には、いつからやるかわかりません、それはそちらでお決めください、財政運営の見通しはございません、それは実施期日の関係がございますから、これでは余りにも無責任な提案ではないかという気がするのですか、今後の問題がありますので、もう一遍大臣のお考えを……。
○山内国務大臣 こういう例は過去にあったかどうかなかなかわかりませんけれども、国会で御審議中のものを、私の方は一日も早くこの法律案を通していただいて実施をしたいという気持ちを持っておることはおわかりになっていると思います。ただ、ここで、衆議院の審議の段階で何月何日といいましても、これはまた参議院の御審議があるわけでございます。だからこの辺で御審議を、両方で御相談をいただいて、われわれの希望はともかく一日も早くということでございますので、その点を十分に御理解をいただいて、お進めをいただきたいと思うわけでございます。
○阿部(未)委員 参議院があると言えば会期というのもあるわけでございまして、したがって、結果がどうなるかは別なんですよ。それは十月一日という場合には結果はどうなるかは別ですし、今回仮に一月一日からやりたいというふうに内容を整えて提案されたとしても、結果がどうなるかそれはわかりません。わかりませんけれども、お出しになる以上は、その内容が国民に明らかになるように国会はやってもらいたい、そうすれば五十五年度これだけいけます、五十六年度はこうなるのですからお願いしますという意欲のある提案が行われるべきではないか。私も慣行は知りません。これは水かけ論になりましょうけれども、私の申し上げておるところはわかっていただけると思います。 その次に、私は郵便料金収入と大変関係の深い「郵便物数の動向」昭和五十年度から五十七年度に至るまでの実績あるいは見込みについての資料をいただいておるわけでございますが、この資料がきわめてずさんでございまして、どうも私の頭か悪いのかあるいは郵政省の方が違っておるのか、ちょっと伺います。こういう資料でございます。 「郵便物数の動向」昭和五十年度から昭和五十七年度に至る内容のものでございます。そこの第二種郵便物の動向について見ますと、昭和五十四年度は七十九億二千七百万通という取り扱いの実績があります。これが昭和五十五年度の予算の見積もりでは七十七億三千九百万通ということになりまして、明らかに一億八千八百万通減ることになっております。ところが、その横の対前年度の増減の割合では〇・六%ふえることになつておるのです。取り扱い物数が減って割合がふえるというのはいったいどういうことなのか。私の勘定が違うのか、おたくの計算が違うのか、ちょっと知らせてくれませんか。
○魚津政府委員 この予算物数というのは、五十五年度七十七億三千九百万通でございますね。これは五十五年度の予算の物数を見込むときに、五十三年度の実績しかございませんで、五十四年度は見込みの上で計算をして物数動向を予測するわけでございます。ところが、五十四年度の実績というのがその後になってわかるわけでございますね。そういった時期的なずれから、ただいまおっしゃるような一見不合理な数字になっておるわけでございます。
○阿部(未)委員 一見不合理じゃありませんよ。郵務局長、五十四年度の実績は明確ですよ。七十九億二千七百万通、明確でしょう。その数字に対して五十五年度は、これはわかりません。一わかりませんから見込みで結構です。予算物数として七十七億三千九百万通となっているのです。これは明らかに減っておるじゃないですか。減っておるのに、どうして対前年度の割合が〇・六%ふえるんですかとぼくは聞いておるのですよ。
○魚津政府委員 この五十四年度実績というのは、五十五年度予算の見込みをしたときには時期的にまだ出ていないわけでございます。五十五年度予算というのは……
○阿部(未)委員 それはわかっている。私が言いたいのは、この調査には明らかに実績が出ておるではありませんか。その実績に対して五十五年度の予算が立てられておる。その数字はそこに明確でしょう。これだけ明確になっておるのに、増減の見込みが減っておるのになぜプラスになるのか、そういう意味です。数字が出ておらぬ段階ならば郵務局長のおっしゃるとおりで結構ですよ。見込みでしたからと言えばそれで結構です。数字は明確に出ておるのです。この表をつくるときに実績は出ておるのです。そして五十五年の見込みも出ておる。その比較が、物数は減っておるのに対前年度ふえるというような、そういう資料のつくり方がありますかと言うのですよ。出ていない段階ならそれでいいですよ。
○魚津政府委員 この〇・六というのは、七十九万二千七百に対して云々ということではなくて、ここで書いている趣旨は、対予算というかっこうで記した数字だと思います。
○阿部(未)委員 五十四年度の予算あるいは見込み数が出ておらぬのに、対比しようがないじゃないですか。明らかに実績が出ておるじゃないですか。その実績の上に立って五十五年度は、これは予算ですよ、それで絶対数が減っておるのにふえる理屈がないでしょう。間違いだとはっきり謝りなさいよ。
○魚津政府委員 ただいま説明をする資料を持ち合わせておりませんので、早急に取り寄せまして後ほど御答弁をさせていただきたい、お許しを願いたいと存じます。
○阿部(未)委員 郵務局長、わざわざ取り寄せなくても私は内容は知っておるのですよ。おっしゃるとおり、この資料をつくったとき恐らく五十四年度が見込みであったろうと思うのです。しかし実績が出たのですから、出たならばその実績に基づいて個々の数字が出てこなければ不親切じゃないかと言いたいのです。私はわからないのです。五十四年度の見込みが何ぼだったかわからない。もうこの段階では実績が出ておる。その実績に対して来年度ば減る。減るのにあなたふえますなどと言われたらおかしいでしょうが。これは明らかに過ちですよ。間違いでございますと……。
○魚津政府委員 いま一度調べまして、明らかに過ちをした場合はここではっきりとおわびをいたしたいと存じます。
○阿部(未)委員 なかなか執念深いですね。 それからもう一つ、さっき楯先生が御指摘になったのですが、これも参考までに申し上げておきますが、藤原委員からの要求で財政の見通しをいただきましたが、六十三年で黒字に変わるんですね。昭和六十二年には黒字になる。この法律の趣旨からいけば、六十三年以降は郵便料金をまた法律で定めることになる。ところが何か、九十三条の適用がなくなるのに六十五年にまた値上げするという内容になっておるのですね。これもまたずさんといえばずさんじゃないですか。さっき楯先生からお話がありましたから多くは言いません。
○魚津政府委員 これを求められた趣旨から、それにこたえた資料としてはまことにずさんであり、誤解を招く資料であったと、これはいま直ちにおわびを申し上げたいと存じます。
○阿部(未)委員 言葉じりをつかまえるのだけが能じゃありませんけれども、ぼくは、全体的に私どもにもつとわかりやすい資料にしてもらいたいという気がしますので一、二点指摘をいたしました。 そこで郵務局長、郵便物全体の動向ですが、幾らかずつふえておるということは認めますが、たとえば第一種郵便物の見込みについて見ますと、この前の昭和五十四年の実数五十二億八千八百万通ですか、これが五十七年、三年先を見越しましても余り大きな伸びにならないのですね。五十五億五千一百万ですか、大した伸びにならない。そして全体の数字でながめてみますと、取り扱い物数全体が五十四年の実績に対して一億六千四百万通しかふえないという勘定になるのです、昭和五十七年に。一億六千四百万通ということは、全体の取り扱い量の一%も伸びないという結果になるようにこの数字からは推測されるのですが、これは間違いありませんか。
○魚津政府委員 ごらんのとおりでございます。
○阿部(未)委員 これは私は、これからの郵便事業全体を占うというと大変あれですけれども、見通した上ではだ寒いものを感ずるわけです。三年先まで一%も郵便物の増はないだろうというのがかなり無理をしてつくった数字の見通しですが、実数としての感じはどうですか。もう少し上回るという気がしますか、もっとひどいんじゃないかという気がしますか、どうでしょうか。
○魚津政府委員 この予想物数をはじくには、過去昭和三十年代からの物数の増減要因というものを読み取りながらいろいろと私たちなりに数式をつくりましてはじき出したものでございますので、大体こういう数字になるんじゃないかというふうに思います。 ただ、私どもの気持ちといたしまして、郵便事業を本当に社会経済の動向に即応した事業として伸ばしていく、この姿勢というものがこういう機会にいま一度強調されなくちゃならぬということは当然でございまして、そういう姿勢による具体的な施策を講じてこの数字を上回るように、よりふえるように、こういうふうなことでやってまいりたいというふうに思います。
○阿部(未)委員 その点についてはせっかくの努力をお願いする以外にないのですけれども、実際問題として、昭和五十四年度の取り扱いに対して昭和五十七年度の物数が、一割じゃないのですよ、一%しかふえないんだということになると、一体郵便事業はどうなっていくのだろうかという気がいたします。ひとつわれわれも一生懸命やりますが、当局の方でもがんばってもらいたいと思います。 次に、話題が変わりますが、今度の法律案によりますと、図画等を記載した郵便はがき、いわゆる広告はがきの売りさばきを計画されておりますし、できることになります。先般来の質疑の中ではかなりのユーザーがあるのではないかというようなお話もあったのですが、これはどの範囲まで売りさばきをさせる予定でございますか。たとえば簡易郵便局までとか、切手売りさばき所までとかありますでしょう。どの範囲まで扱わせる予定ですか。
○魚津政府委員 広告はがきの発行とそれによる実施要領というものにはまだ不確定なものがあるわけでございますが、ただいま考えておりますものといたしましては、簡易郵便局、売りさばき所を含めて考えたいと思っております。ただ、売りさばき所ということになりますと十万をはるかに超える個所がございまして、その売りさばき所すべてで広告はがきを売りさばく体制ということができるかどうか、そういう技術的な問題が残っておりますが、私どもといたしますと限定的な販売というふうには考えていないところでございます。
○阿部(未)委員 たとえ広告が入っておろうとも郵便はがきに間違いがない以上は、すべての売りさばき所に手持ちがあって、いわゆる利用者の負託にこたえなければならない。実際問題として可能でしょうか、ぼくはそれを心配するのです。たとえば、何十種類になるか未知数ですからわかりませんが、五十種類の広告が出るのか百種類なのかわかりませんが、小さな売りさばき所で百種類もの異なる広告の入ったはがきを保管して利用者の要望にこたえなければならないとなったら、これは大変なことじゃないでしょうか。具体的にどうやるお考えですか。
○魚津政府委員 私ども、この広告はがきを発売するというときには、ある時期をとらえますとせいぜい数種類の広告はがきにしなければ、スポンサーの関係もございまして、なかなかむずかしいのじゃないかというふうに考えておりまして、まだこれは何種類かということは決めておりませんが、先生いま御指摘をされ、その辺の御懸念の何十種類、何百種類というようなものが仮にスポンサーとしてあり得たとしても、同一の時期にはそういった多種類の広告はがきの発行は考えていないところでございます。
○阿部(未)委員 そういうことを言われるとそれは差別になるのであって、一定の条件を備える、たとえば一回の発行枚数が十万枚なら十万枚というふうな条件を備えておれば、それはおたくでもってもう受け付けませんというわけにはいかぬはずでございます。これは受け付けなければならぬはずです。私はつらつら考えてみるに、最近観光等の宣伝が非常に多いわけです。恐らく観光地あたりが、私の地元で言えば宇佐神宮とか耶馬渓とかいろいろあるはずです。そういうところが全国に宣伝をしたいということで広告はがきをつくる、意外に私は多いのではないかという気がするのです。この前何かアンケートをおとりになったそうですけれども、スポンサーは意外と多いのではないか。それを郵政省の都合で、あなたのところは広告はがきを扱ってあげます、あなた方は扱いませんというわけにはいかぬはずなんです。ですから、そうなると差別扱いにならないように大方の見通しが必要だろう。そしてかなりの数になるのではないかということも考えておかないと、いや八つぐらいだろうとか、いや十くらいだろうなどという考えだけでやれるのだろうかと、ぼっと思いつきでおやりになったのではこれは失敗するおそれがある。もっと綿密な計画をお立てにならないと、売りさばき一つとってみても大変なことになるのではないかという気がするわけです。
○魚津政府委員 広告郵便物あるいは絵はがきの郵便物、新しく法案に提出をいたしまして御了承を得たとすれば、まだまだ詰めなくちゃならぬ点がございます。ございますが、いま先生が仰せのスポンサーが結構多くて、その結果多種類の広告はがきの発売という事態が出るのじゃないだろうかという点につきましては、私たちそういう事態を期待するわけでございますが、その場合でございましても、私どもいま考えておりますのは、番を待たせるといいますか順番で、同一の時期にたくさんの種類の広告はがきを出しますと、スポンサーの意思というものとの関連もございますし、それからまた先生御指摘の私たちの事務処理という点からいいましても問題が出ますので、私先ほど申し上げました数種類というのは、そういう観点から、たくさんおいでであっても、実際上は一定の、前の広告はがきの発売のめどがつくまでとか終わるまでという順番制というようなことをいまのところ考えておるところでございます。
○阿部(未)委員 売りさばきには期間を設けるということですか。たとえば発売から一カ月とか発売から二カ月、そこで余ったら引き揚げるということですか。
○魚津政府委員 そのように考えております。大体一年程度とか、そういったことをいま考えているところでございます。
○阿部(未)委員 仮に一カ月に二つずつぐらいやったとしても、一年間やれば二十四種類の広告はがきが出るということになりますね。それを全部売りさばき所が保管をして利用者の負託にこたえなければならないという義務を負わされるわけで、しかもこれは余り田舎の方で売れる可能性があるかどうか私はわからないと思うのですけれども、といってこたえられるだけの準備はしておかなければならないのが売りさばき所の責任になるわけですから、どうなんですか、いま郵務局長がおっしゃるように、都合よく順番制でぐるぐる回っていくものでしょうか。私は売りさばき所のことなど考えると大変なことになるのじゃないかという気がするのですが、これはどうですかね。
○魚津政府委員 私ども実施をした限りは試行錯誤ということは許されないという考え方で臨みますが、それまではいろいろの方からの御意見もいただきながら詰めをしたい、こういうふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、ある程度の順番制をとる、多数の広告主の希望があっても、その広告主のすべての広告はがきを出すということは、私ども運用面といたしましていろいろと問題が生ずるおそれがあるものですから避けたい、こういうふうな気持ちでおります。
○阿部(未)委員 せっかく企画されておるわけでございますから、私はいちゃもんをつける気じゃないのですが、実際の取り扱いは大変なことになるのじゃないかという気がしますので、ひとつ十分配慮をしながら詰めを急いでいただきたいと思っております。 次に、お年玉つき郵便葉書の関係でございますけれども、第五条の二で、いままでの寄付金を交付する団体を幅を広げるというふうになっておるようでございますが、これをもうちょっと詳しく考え方を説明してもらえませんか。
○魚津政府委員 寄付金つきの年賀はがきの寄付金の配分団体といたしまして、過去に二回改正をいたしまして、現在五種類の団体、法律上は五項目の団体と申しますか、そういうふうになっていると思いますが、このたびお客様への御要望にこたえる施策というものをぜひとも郵便料金を改正するという機会に私どもの姿勢といたしましてお示しをしたいというような観点で、サービスの向上策の一つということで私ども意義づけをしているわけでございますが、そういったことで、文化財の保護団体それから青少年の健全な育成をする団体、こういう団体を寄付金の配分団体の対象として追加をする、こういう趣旨でございます。
○阿部(未)委員 いまお示しのあったいわゆる「文化財の保護を行う団体又は青少年の健全な育成のための社会教育を行う団体の当該事業の実施に必要な」と、こういうふうになっておるわけですが、この団体というものの定義でございますけれども、大体こういう場合には文化財の保護とかあるいは青少年の健全な育成の社会教育とかというようなものは地方自治体の場合が非常に多いわけですが、地方自治体も含めて考えておられますか。
○魚津政府委員 この目的が文化財を保護するあるいは青少年の健全な育成を図るということであっても、それが国あるいは地方公共団体であれば、その対象としては考えていないところでございます。
○阿部(未)委員 ちょっと私の理解が違っておったようですが、そうすると地方自治体の場合には対象外だ、あるいは国がやっておる場合も対象外だ、そういうお考えですか。
○魚津政府委員 そのとおりでございます。
○阿部(未)委員 そうすると、これは国や地方公共団体でないいわゆる法人格を持ったものとか、個人でもよろしいとか、そういうところはどうなりますか。団体だからね。
○魚津政府委員 法人でございまして、個人は含めておりません。それで、いま文化財の保護団体を例に若干申し上げさせていただきますと、団体として具体的にどういうような団体があるのだろうかということでございますが、文化庁の文化財の保護部が所管する法人というのがございますが、これがおおよそ五十団体ございます。それから国より地方に移管された法人というものが二十八団体程度ある、合計八十一団体相当がこの寄付金を受け得る団体というふうに私たち考えているところでございます。
○阿部(未)委員 不勉強ですが、五十六年の正月に配る分ですが、五十五年の暮れに発行する寄付金の総額はどのぐらいになる予定ですか。
○魚津政府委員 この寄付金はここしばらくずっと五億枚のはがきにつけてお願いしているところでございます。したがって、寄付金自体は五億円ということになるわけでございます。
○阿部(未)委員 それで、五億円しかないお金を、いま新たに加える団体だけでも大変な数になるように承りましたが、もちろんそれは選考して適当なところに交付をされるのだと思いますけれども、それにしても従来交付をしてきた団体に加えてまた新しくたくさんの団体が入りてくるわけですから、一団体当たりの最高の額はどのぐらいあるとお考えになっていますか。
○魚津政府委員 多少大まかな数字になるわけでございますが、日赤の八千万程度が過去の最高であったかと存じております。
○阿部(未)委員 仮に最高をとりて八千万とすると、五億なら七つぐらいの団体にしかいかぬわけです。そんなに差し上げない、何百万という団体もあるとは思うのですけれども、さなきだに五億円しかないお金をさらにたくさん広げて一もう少し上げるお金の方をふやすとか、これには私は異論があるのですけれども、何か考えなければ、五億円しかない財源で交付団体だけをうんと手広くふやす、そうすると恐らくそれらの対象になる団体は幾らかでもいいからもらおうということでわんさと押しかけてくるだろうと思うのですが、かえって迷惑になるのじゃないですか。
○魚津政府委員 先ほど日赤が膨大な八千万と申し上げたわけでございますが、一番件数が多いのは大体三百万程度でございまして、それなりの配分団体を私たち持っているわけでございます。 しかしながら、いずれにしましてもこのたび国会の方に二つの団体を交付団体としてふやしていきたいということを私たち御提案をしておるわけでございますので、ことし発行するはがきは五億円でございますが、来年度発行する際に、法律でふやした、しかし寄付金は従来どおりであるということがいいのかどうか、過去に現在の寄付金をつけること自体の論議もいろいろございますので、そういった点も考え合わせまして、寄付金をふやすのが本当に法の趣旨であるし国民の皆様の声にこたえることであるのかどうか、そういった点を見きわめて来年度対処してまいりたいと存じております。
○阿部(未)委員 笑い話ですけれども、地方自治体で百五十万の予算をいただくのに陳情団やら何やらつくってやったら経費の方が二百万になった、そして百五十万予算をもらった、そういう話だってないわけじゃないんですよ。ですから、わずかな額でやって果たして本当に実利があるといいますか、喜ばれるのかどうかちょっと問題がありますが、それにしても欲しがることは間違いないでしょう。その場合に、個々の団体に交付をしましょうということを決める機関はどういうふうになっているのですか。
○魚津政府委員 これはお年玉法で明示されているわけでございますが、郵政大臣が配分団体及び配分団体ごとに配分すべき額を郵政審議会に諮って決定する、こういう仕組みになっている次第でございます。
○阿部(未)委員 そうすると、年賀はがきの寄付金を配るときには郵政審議会を開いて大臣がそこへ提示をして配分を決める、どういうことになるわけですね。早く言えば、交付といいますかお送りする相手を決めるのは郵政審議会が決めるということですか。
○魚津政府委員 郵政大臣が審議会に諮って決める、こういうことでございます。
○阿部(未)委員 その郵政大臣が郵政審議会に諮る原案はどこでつくるのですか。
○魚津政府委員 これは郵務局を事務局とする組織がつくっているところでございます。
○阿部(未)委員 そうすると、これをいただきたいときにはまず郵務局の方によくお願いしておかぬともらえない、そういうことになるわけでございますか。
○魚津政府委員 郵務局においでになることがプラスかどうかは全然関係なく、事務的に通すのが郵務局でございます。
○阿部(未)委員 申請は郵政大臣あてですか、郵務局長あてですか。
○魚津政府委員 申請先は郵政大臣あてでございます。
○阿部(未)委員 次に、この前の郵便料金改定のときに、いささかでも国民の皆さんへのサービスになればということで郵便物標準送達所肝要日数というものをおつくりになって、かなり鳴り物入りで各郵便局に掲示をされておられましたが、これはいまうまく守られておりますか。
○魚津政府委員 お答え申し上げます。 四十六年の郵便法改正の審議経過の中でそのような御要請が非常に強くて、それが附帯決議という形で求められまして、それを契機に四十六年の十月から郵便の標準日数表というものをつくりまして各郵便局に掲示をして、国民の皆様にこのような送達速度で郵便をお届けしますということを私たち明らかにしているわけでございますが、昨今の実態からいたしますと大体九割を超える郵便物数をその日数表による日数の範囲内でお届けしている、こういうふうに理解をいたしております。
○阿部(未)委員 九〇%を超える郵便がいわゆる郵便物の標準送達所要日数のとおりに配達されておる、まことに結構なことです。しかし、郵便があたりまえに着いた人は、あたりまえなんです。問題は、着かなかった方の方がいろいろ御不便があって文句が出るわけでございます。 そこで、せっかくこういうものを設けてもなお一〇%の方々はこの標準どおりには郵便が受け取れない。それからいくと具体的には大体一割程度となるのですが、いま市内の二度地のうちで、先般野口委員も質問していましたが、一便しか配達していない区が幾つあるとおっしゃいましたか。
○魚津政府委員 一度地が配達区に占める割合は五三%程度、二度地のサービスをしているのが四七%程度、こういうふうに考えております。
○阿部(未)委員 二度地サービス四七%のうちで、本当に二度配達できておるところと一回しか配達できないところがあるはずです。二度地だからといって必ず二度配達していないはずですよ。一回しか配達できないという数はどのくらいありますか。
○魚津政府委員 二度地のサービス基準を掲げながら事実のサービスは一度にとどまっているということがどの程度あるのかということでございますが、私どもの持ち合わせている資料としては確実なものはないわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、標準日数表による送達が一割程度配達されてないという中には、二度配達のところを一度しかやられていなくて半日おくれがそこから出るというようなこともあるでしょうし、それから、国民の皆様方から郵便についての不平不満という形で出るものの中に、二度配達すべきところを一度しか配達していないというような苦情も少なからずと申しますか若干と申しますか、現にあるわけでございます。いずれにいたしましても、私ども、これは余分な話のようでございますが、現在サービス基準の改定の大きな柱といたしまして、二度地を一度にするという試行をやるということで組合にも話をしているわけでございますが、その際の問題は、やはり二度のところが事実は一度しか配達されていないという実態が、われわれ施策を考える場合に一番重要な点でございますので、そういった機会にその辺の実態を正確にとらえるということで進めてまいりたい、こういうふうに思います。
○阿部(未)委員 これは二度地と指定されて二度地のサービスを指定しているところでも、日によって二度行ける日もあれば一度しか行けぬ日もあるから、確実な数字というのは困難だと思うのです。しかし、大体二度地と指定してありながら一度しか慢性的に行っていないというところがどのくらいあるだろうかと思ってお伺いしたわけですが、同じような考え方で結構ですけれども、これも日によって違うはずですが、その日配達をすべく郵便局から持ち出した郵便物で、配達ができずに持ち戻ってくる、完配できない区というのは数にして一体どのくらい、あるいは郵便物数にしてどのくらいありますか。
○魚津政府委員 現在郵便を配達する単位としての配達区は約五万ございます。その五万のうちで、先生のおっしゃるような区がどれくらいあるか、これも私ちょっと材料をいま持ち合わせておりません。というよりも、省として今日的に幾らということはつかまえていないわけでございます。 ただ、一日配達する郵便物数というのはおおよそ三千六百万通程度ということでございますが、三千六百万程度のうち私ども正常な流れ、これを結束というかっこうで話をしているわけでございますが、この結束という点から見まして、正常性が失なわれている郵便物というのがおおよそ二、三%程度というふうに現状を把握いたしております。
○阿部(未)委員 それから、国鉄のダイヤの改正に伴って、あわせて国鉄のいわゆる貨物線の廃止というものが郵便輸送に大変な影響を与えておるというふうに最近われわれは理解しておるわけですが、実態はどういうふうになっておりますか。
○魚津政府委員 今日、輸送部門というのは、ほとんど外部に委託をしているわけでございます。委託が量的に最も多いのは国鉄でございます。もう社会的に公知の事実でございましょうが、国鉄自身が毎年三月でございますとか十月、いうところの合理化という名において貨物とお客様を分離するというようなこと、それから拠点輸送方式といういろいろな施策を講じまして、それに対応して私どもに影響があるわけでございます。そういったことで、私どもには主としてその年の十月にそういう施策の影響が出てくるわけでございまして、結果といたしまして、次第に国鉄の委託が専用移動車へと、輸送部門がだんだんレールを離れるという傾向が強まっているところでございます。そこで、鉄郵の分局の廃止でございますとか、そういう国鉄から専用移動車に移ることによって職場の配置転換という問題が出てくる、こういうことでございます。当然これに対してはルールに沿って労使で話をしながら決着をつけて、新しい国鉄の計画に即して、またうちの内部のあり方に即応した施策で進めてまいる、こういうことでございます。
○阿部(未)委員 それから、これは経理の方でしょうか、大体いままでの郵便事業損益計算の年度の推移を見ますと、たとえば人件費の中の郵便費などというのは年間二百五十億ぐらいずつ絶対額でふえておるようでございますけれども、五十五年度予算は非常にふえ方が少ない。全体で人件費を見ましても、いままでの七一、七二というようなパーセンテージから七〇・五%に落ち込んでおるようですか、これは予算だからこうなっておるのでしょうか。実数、こう落ち込んでいく見通しでしょうか。
○澤田政府委員 お答え申し上げます。 人件費の全体に占める割合の問題でございますが、確かに五十五年度予算では七〇・五%ということに見込んでおります。これが実績ではどうなるかというお尋ねでございますが、先生御案内のように、これにはさらに仲裁の実施というようなものも含まれてまいりますので、そういった分は当然上積みになる予定でございます。
○阿部(未)委員 やはり人件費は実数としては七二%前後になるだろうというふうに理解していいわけですか。
○澤田政府委員 細かく計算をいたしておりませんので申しわけございませんが、大体先生のおっしゃったような七二%、その程度になろうかというふうに私どもも一推察いたしております。
○阿部(未)委員 郵務局長、私どもは郵便料金の値上げなり法定制の緩和には反対をしておる立場ですから、したがって、実施期日をいつにすべきだなどということを申し上げる筋ではないのでございますけれども、しかし郵政当局が事務的な手続諸般を勘案をして、たとえば法案が成立をして事務手続上実際に料金の改定ができるまでにはどのくらいの期間が必要なのか、これが一点目。 二点目。現行の郵政審議会の答申によりますと、はがきは三十円に値上げをして新しい年度から四十円にしなさいという内容になっておるように見ております。しかし、かなり実施時期がずれてきておることは間違いがないわけです。その場合に、たとえば二月に郵便料金を改定をしたと仮定をして、はがきは三十円、そして四月から四十円になる。やはり三十円のはがきを印刷をし各局に全部お配りしなければならぬでしょう、まさか切手を張り添えて出しなさいとは言えぬでしょうから。そして二カ月後にはまた四十円のはがきを印刷して三十円のはがきを回収しなければならないという大変な手数がかかると私は思うのです。逆に、それではもう国民の皆さんが、はがきを利用する人、手紙を利用する人ひっくるめて収支相償主義に立って三月一日から、そのかわり、実施時期も遅くするかわりにはがきも四十円でやらしてもらいますよ、こういう形をとった場合と一体いずれが好ましいとお考えなのか、考え方だけちょっと聞かしてください。
○魚津政府委員 まず、新しい料金に移行する準備期間といたしましては大体一カ月の準備期間、主としてはがきの調製その他PR、それからこの法改正によって、郵政審議会にかけて御答申を得て実施するものもございますので、あれこれ考えますとおおよそ一カ月から四十日程度は必要だろう、こういうふうに考えております。 それから、いま先生おっしゃった二段階のはがきと一段階による切りかえの功罪といいますか、得失と申しますか、そういう点でございますが、私たち事務的な側面のみ申し上げますと、一段階の方がより好ましいというふうには思っておりますが、しかしながら、この辺の決定というものはいろいろな角度から考えなければいかぬというようなことでございますので、それ以上の私の考えを述べるのを差し控えさしていただきたい、こういうふうに思います。
○阿部(未)委員 大臣、先ほど来るる幾つかの意見を申し上げてまいりましたが、結論として、やはり郵便事業の特別会計に赤字が生じたから料金の改定をするなり何らかの施策を講じなければならない、そういう場合に、どうやるかということを決めるのはやはり私は国会が正しいと思う。安易だから郵政審議会に省令で任せようというふうな形をおとりになることは、長い目で見て本当に国民の負託にこたえ得るだろうかという大きい疑問を私は残しながら、本日の質問を終わります。
○佐藤委員長 阿部未喜男君の質疑は終わりました。 これより物価特別委員会関係者を中心に質疑を行うのでありますが、申し合わせの時間は、武部委員四十四分、長田委員三十分、塩田委員三十分、岩佐委員十六分であります。質疑時間を厳守されるようお願いいたします。 武部文君。
○武部委員 いまお話がございましたように、私は郵便法と物価の問題について、主として郵政省の見解を求めたいと思います。 まず最初に、現在の物価、一特に消費者物価の現状と今後の動向について郵政大臣はどのように見ておられるか、最初にこれをお伺いします。
○山内国務大臣 実績がございますのが九月末の数字でございますが、八・七%と記憶いたしております。十月末はもうすぐ出るのでございますけれども、私は、大分改善をされている、こういうふうに聞いておるわけでございます。
○武部委員 われわれは、政府の言う六・四%という数字がどういう数字であるか、しかも今日の状況から見て六・四%という数字は鈴木内閣に課せられた至上命令だと思うのです。 具体的にこの理由を申し上げましょう。いま八・七という数字をおっしゃったわけですが、九月の東京区部は八・九という数字が出ています。間もなく九月の全国区の統計が出ると由心いますが、従来の経緯から見るとほぼ同等の数字であります。しかも、下半期の数字は、例年の数字が示しますように、前半期よりも高い数字が三月に向けて出ておるというのが例年の数字であります。そういう中で六・四%という政府の公約が果たして守れるだろうか、こういうことに大変大きな疑問を持つのであります。もし仮に今日十月以降物価がこのまま横ばいをしたとしても、全然上がらないと仮定したとしても、六・四にはならないです。これは八に近い数字になるのです。仮に政府の約束の六・四%を実現しようとすれば、下半期十月以降三月まで六カ月間毎月毎月〇・六%ずつ下げていかなければ六・四という数字にならないのです。そういう計算もきちんと出てくるのであります。こういう中で、申し上げましたように、まさに至上命令と言われる六・四ということはいまや全く不可能な数字になってきた。端的に言えば、私はこれは絶望的な数字だとさえ言ってよかろうと思います。 加えて、いま労働者、勤労者の賃金は軒並みダウンであります。マイナスであります。具体的な数字をここへ私は持ってきておりますが、ことしの二月から勤労者の実質賃金は毎月毎月ずっとダウンを続けてきました。七月にややちょっと持ち直した感がありますが、八月は何とマイナス三・五%という異常な数字が出ておるのであります。しかも、これは実質賃金のマイナスだけではなくて、実収入も連続マイナス、可処分所得もマイナス、したがってその中から出てくる消費支出もこれまたマイナスであります。いま政府は景気と物価の問題に両にらみだとかいろんなことを言っておりますが、景気対策のために金利を下げるとかいろんなことをおっしゃっておる。しかし、今日の日本の現状から見て、まさに実質賃金が連続マイナスだというようなことは前代未聞であります。こういうことはないのであります。労働省が統計を出し始めてから、連続このように実質賃金がダウンをしたということはないのです。そういう異常な状態が今日の状態です。いま大臣は、やや鎮静をした、こういう非常に楽観的なことを言われておるようでありますが、私どもはそう見ないのです。したがって、物価と景気という問題は非常に重要です。しかし、物価の安定がなくて景気の回復なんということは考えられない。消費支出の割合はGNPの中の五十数%であります。労働者の賃金はダウン、消費もダウン、こういう中で一体景気が回復するでしょうか。そういうことを考えますと、いま政府の政策は何をさておいても物価の安定に第一に力を尽くさなければならぬ、このように思うのです。閣僚の一人として大臣はこの点についてどうお思いでしょうか。
○山内国務大臣 一般消費者の消費物価指数の上昇率六・四%、これは政府で決定をいたしておりますので、郵政省といたしましてもこれの達成のために努力をしなければいけない、こう考えています。
○武部委員 話がうまくかみ合いませんが、九月五日、経済対策閣僚会議は「経済の現状と経済運営の基本方針」というものを出しました。すでに国民総生産の内容について実質的な是正をしたのであります。これは、経済成長率も、物価の上昇率も、いろんな問題について、たとえば住宅の建設等についてはどうだ、いろんな見直しをいたしました。その中から出てきた問題についてお尋ねをしたいのでありますが、この経済政策の変更の中に物価対策の項目が具体的に載っています。六項目ほど載っています。この中に公共料金についてという項目がありまして「公共料金については、経営の徹底した合理化を前提とし、物価及び国民生活に及ぼす影響を十分考慮して厳正に取り扱う。」この一項目があるわけです。今日わが国の消費者物価が上昇することになった最大の原因、それは確かに原油の値上がり、これに対する一年八回もの石油製品の値上がり、この波及、これが大きな原因だということはそのとおりだと思います。いま一つは公共料金です。公共料金の値上げが軒並みに行われました。これは電気、ガス、国鉄運賃、大学授業料あるいはNHKとかいろいろな問題がございますが、そういう公共料金の影響というものが非常に大きい。私は、原油の問題と同様にこの公共料金の問題というのは消費者物価の中に占める割合は非常に大きい、そのように見ています。しかも公共料金ですから波及効果が大きい。そういうことを考えると、これからの物価対策の中で、原油は確かに相手があることですからなかなかむずかしいかもしれませんが、公共料金については、政府の姿勢、それによってある程度の歯どめはできる、このように思うのです。したがって、公共料金の中に占める郵便料の値上げ、これの波及効果、そういうことから具体的な質問をこれからしてみたいと思います。 二つお尋ねをいたしますが、一つは第三種の問題であります。第三種の料金というのは政策料金として低く抑えられてまいりました。今回この具体的な内容が私どもの手元に参りました。いずれ・これは省令として出てくるわけですから郵政審議会にかかるでしょう。第三種、月に一回以上発行する定期刊行物、これは二十五円であります。これを四十五円に改定しようということが言われておるのであります。さらに、月三回以上発行する定期刊行物、これは現在最低十五円であります。これをもしいま郵政省が考えておるような数字で改定したとするとどういうことになるだろうか。これをざっと試算してみますと次のようになります。 月に一回一万部発行する定期刊行物、新聞その他、現在二十五円で、これが改定されると四十五円になりますから、一万部ですと月に二十五万円が四十五万円になります。年に換算すると、年三百万円であったものが五百四十万円にはね上がるのであります。月に三回以上、これは現在十五円であります。月に三回ですから四十五万円。これが一回三十五円に値上げになろうという計算が郵政省の中ではすでに試算として出ておるのであります。そういたしますと、三回発行ですから、最低見積もって月に百五万円の郵送料が要ることになります。年に換算いたしますと、月に三回発行する小型定期刊行物、三種の認可のものは、年五百四十万円の郵送料であったものが実に千二百六十万円になるのです。二・三倍であります。現在のこの物価の情勢の中で一体こういうことが許されていいだろうか・こういう点を私は非常に疑問に思うのです。 この定期刊行物は、まさしく中小企業団体等が周知するようなものもございます。いろいろな定期刊行物があります。文化に大変大きな影響を与えておるのであります。社会的にも影響が大きいのです。もしこれが実現をしたとするならば、これはもう経営が成り立たなくなって廃刊しなければいかぬ、そういう声が私どものところに寄せられておりますし、恐らく郵政省にもそういう声が出ておると思うのです。一体郵政省はこの原案をいまでも固執をして、これを実行しようとしておられるのか、これを最初にお伺いしたい。
○山内国務大臣 この委員会でもたびたび御審議、御発言ございましたが、今回の郵便料金の値上げのうちで第三種、これに対する御意見が非常に多うございます。また、一般的に陳情もたくさん参っておりまして、何とかしてもらいたい、こういうことでございますので、一応郵政審議会の答申はもらっておりますけれども、今度の最終決定に当たりまして、郵政審議会の委員に十分その御意見を申し上げまして、再検討をしていただくように考えているわけでございます。
○武部委員 第三種の認可を得ておる団体といいましょうか、そういうものは全国的にどのぐらいありますか。
○魚津政府委員 おおよそ一万五千団体というふうに理解しております。
○武部委員 いま御答弁がございましたように、一万五千団体、しかもこれはてんでんばらばらでありまして、一回もあれば二回も三回もあります。発行部数でも、新聞として六万部ぐらい出しておるところもあります。仮に先ほど述べた一万部を六万部に計算すると、これは大変な郵送料になって、経営不可能になることはもう目に見えて明らかであります。そういう中で、ことしの春、二月、三月にかけて、四党合意事項という予算修正の話し合いが行われました。このとき与党の政調会長は、現行十五円を三十五円というのは余りにもひどい、そこで出てきたのが真ん中をとって二十五円というようなことも、われわれの耳に入っておるわけであります。これは具体的にはまた後で申し上げますが、そういうことも勘案をし、現実に現在細々と定期刊行物を発行し、社会的にも大きな影響を持っておる、そういう政策料金である第三種、これについては、さっき大臣がお述べになりましたけれども、大きく手直しをするというふうに理解してよろしいか、その点を重ねてお伺いをしたい。
○山内国務大臣 先ほど申し上げましたように、十分に先生方の御意見を郵政審議会の委員に申し上げまして、再考慮をお願いをする考えでございます。
○武部委員 もう一点は年賀はがきの問題であります。 年賀はがきは、このやりとりの中で、二十円を三十円に実はしたい、それを変更するという答弁はございませんでした。きょうは十月二十九日です。年賀はがきはすでに現場に到着してますよ。二十五億枚でしたかね、出ております。一体、この二十円を三十円に見直して売るといったって、そういうことができるでしょうか。十円の切手を張れというのでしょうか。十円持ってこい、それじゃ売ってやると、二十円と表示されたものを三十円であなた方は売ろうとしておるのか。これは全く物理的に不可能だと思うのです。こういう点について、なぜあなた方が具体的にここで、これこそまさに郵政大臣からお年玉として二十円で据え置きますよというような提案がなぜ出ぬだろうか。私は、そういうことこそ今日の物価問題の中で一つでもできる政府の政策じゃないかと思うのだが、そういう点について、いまなお三十円に固執しますか。
○魚津政府委員 現在御審議願っております法案の早期成立を願望するというのが私たちの基本的な立場であることは申すまでもないわけでございますが、年賀はがきの料金については、この法案の施行期日がどのように定められるかによってその料金の取り扱いも決定されるということになりますので、ひとつよろしく御審議のほどをお願いいたしたいと、こういうふうに思います。
○武部委員 そういうのを棒を飲んだような答弁と私は言いたいのです。現実に不可能なことをあくまでも期待するというようなことを言ったつて、それは私は全く不可能だと思う。これはやりとわですからこれ以上のことを申し上げませんが、物理的に全く不可能だということだけは断言しておきたいと思います。 そこで、先ほど阿部委員からお話のございました、今回の料金改定に対する施行日等についての郵政省の方針ですね、こういうことについて私は大変疑問に思うので、ちょっと申し上げておきたいと思います。 阿部委員からも話があったように、私どもはこの料金につきましては反対であります。したがって、施行日をどうだこうだということを、何日にしてくれとかというようなことを言うのではないのであります。私は衆議院の本会議で、この法案が提案されたときに、前大臣ないし総理に質問をいたしました。その日は四月二十二日であります。やっぱりこのときは施行期日は十月一日となっておったわけですが、その後国会はああいう状況になりまして、前々国会はそういうことでしたが、前国会で継続審議になったわけです。継続になったけれども一回も審議をしない。とにかくあの特別国会はわずか十日ばかりでした。こういう中で、この法律は再び今国会の委員会に継続されてきたわけです。そうなってくると、一体この十月一日というものはどういう意味を持つか。少なくとも大臣がここで提案理由をされたのは十月十五日であります。提案理由の説明が十月十五日のときに十月一日の施行日などということは、大体郵政省がぬけぬけと提案をするというのが私はどうも腑に落ちぬ。私は、少なくともこのことについて何と触れておられるかと思って調べてみたけれども、議事録に一言半句も出ておらない。これは一体どういうことでしょうか。現実にいま阿部委員が指摘をしたとおりなんです。もし郵政省に本当に誠意があるとするならば、どういう内容であろうと、こういう日にちを私どもとしては施行日として望みたい、それによって収支はこうなりますと、こういうことを提案をするのが郵政省としての誠意ある国会に対する態度ではないか、こう思うのですが、いかがですか。
○魚津政府委員 先生の御指摘される点は、内閣から修正案を出して、その修正案によって明らかにしていくべきじゃないかという御趣旨だろうと思いますが、私どもといたしましては、審議の状況でございますとか、それから法律が一体国会でいつ成立するのだろうかという時期の見通し、こういったものが施行期日と非常に関連するところが多いのでございます。したがいまして、国会における修正措置をお願いすることが適当であるだろうと判断をいたしまして、国会でその点よろしくお願いをいたしたい、こういう立場で臨んできているところでございます。
○武部委員 私はそういう態度は非常に不可解だと思います。したがって、現実に実施不可能な提案をそのままこの国会に提案をして、何らの修正の意見なり希望を述べないということは私は間違いだ、このように思います。したがって、現実に十月一日は過ぎてしまっておるわけですから、この施行日の修正についてどのように考えておられますか。
○山内国務大臣 いろいろ経緯がございまして、現在の法案は七月十七日、前回の特別国会において御提案申し上げたものでございます。そのときに審議を少ししていただいたと聞いておりますけれども、その後継続審議になりまして本日までに及んでいるわけでございます。そういたしますと、十月一日施行というのはすでにもう過ぎ去った問題でございますが、従来の法律案の修正もいろいろございますけれども、施行期日だけの修正というのは国会において衆参両方御相談をしながら決めていただく前例が多いように私は思うわけでございます。したがって、そういう前例に基づいてお願いをするわけですが、われわれとしては一日も早く法律案を御審議、御決定を願いたい、そういう気持ちでいっぱいでいるものでございます。
○武部委員 一日も早く通してくれというような施行日の修正はできないのですよ。そんなばかなことはないので、これは何らかの形で施行日の修正は当然やらなければならぬ。質疑の通告を見ますと、きょうで大体終わることになっているじゃありませんか。したがって、私ども物価の特別委員会からここへ差しかえられて、連合審査もやらないでここへやってきたというのは、いよいよ大詰めになってほとんど最後になってきておるでしょう。このときにもなお施行日について一日も早くなんというなことで一体この問題が通るでしょうか。 それでは大臣にお聞きいたしますが、継続議案については内閣が修正する例がありますが、御存じですか。
○山内国務大臣 そういうことも聞いております。ただし、この問題は、それはいろいろ法案の内容について出し直すというのは聞いておりますけれども、施行期日のみの修正というのは大体国会で御審議、御決定を願うのが慣例である、こういうふうに聞いております。
○武部委員 国会法五十九条は次のようなことを規定していますね。「第五十九条 内閣が、各議院の会議又は委員会において議題となった議案を修正し、又は撤回するには、その院の承諾を要する。但し、一の議院で議決した後は、修正し、又は撤回することはできない。」こういう規定があるのですよ。このことによって、当然そのような努力が内閣からなされてしかるべきだと思うのですが、そのようなことをおやりになっていますか。
○山内国務大臣 いまお話がございましたのは国会法五十九条の内容でございますけれども、先ほど申し上げましたように、施行期日のみの修正でございまして、慣例によりますと、委員会において御修正を願うという慣例が多いようでございますので、そういうふうにお願いを申し上げるわけでございます。
○武部委員 重ねてお伺いいたしますが、それでは内閣として各党に対してあるいは当委員会に対してそういうような修正の要請を現在おやりになっておりますか。この委員会が勝手にそういうことをするのですか。
○魚津政府委員 先ほどからの大臣の答弁にも明らかなところでございますが、私ども、十月一日の施行日が過ぎますと、あとは一日も早くという意思表示以外にふさわしい意思表示がないんじゃないだろうかという観点で今日に及んでいるわけでございます。つまり一日も早くということで、じゃいつ成立するんだろうかということになりますと、もっぱらそれは国会の審議ということの関連になってまいりますので、私たちが勝手にある日を一日も早いという気持ちで出してもそのとおりいくかどうか、もっぱらそれは国会の先生方にゆだねるということになるんじゃないだろうかという観点で私ども提出を――いま先生がおっしゃったように、国会法五十九条にはそういうことを前提にした条文があることは承知しているわけでございますけれども、施行期日の問題についてはそういうふうに判断をいたしまして、いま申し上げたことで進めてまいったところでございます。
○武部委員 そういたしますと、一日も早くという言葉が法律の中に入るわけはありませんから、それならば当委員会がこの施行期日については決定する、これを期待をしておる、こういうことですね。そういうふうに理解していいですか。
○魚津政府委員 そのとおりでございます。
○武部委員 われわれは、先ほどから申し上げますように、この物価上昇の中で公共料金の占める割合というのは非常に大きい、しかも心理的波及効果が大きい、したがって、公共料金の値上げはやめるべきだ――できるだけ繰り延べるか、あるいは食いとめるか、やめるか、金額を下げるか、いろいろな方法があると思うのです。そういう中で、現実に不可能になってきたこの郵便法の値上げ法案です。そうすると、われわれの側としてはこのことを主張したい。当然のことであります。実施期日がもうないわけですから、もう白紙になっておるという答弁もあったわけですから実施期日はございません。したがって、政府としては、いま当面する物価対策の面から見て、この郵便料金の値上げを大幅に延期をすべきだ、こういう私どもの意見に対してはどういうお考えですか。
○山内国務大臣 たびたび申し上げておりますけれども、この際は国会における修正措置をお願いするのが適当であろう、こういうふうに判断しております。
○武部委員 これ以上あなたとやってもしょうがありませんから、これでやめます。 それならば、時間の関係がございましてあとわずかですから、次に法定制緩和の問題についてお伺いしたいと思います。 同僚委員からたくさん質問がございまして、答弁がありましたから重複することを避けたいと思いますが、累積の欠損金が生じないことになった場合、なくなった場合は本則に返る、こういう暫定的なものだ、ひっくるめて言えばそういう答弁ですね。欠損金がなくなったら、暫定的なものだからもとへ戻りますよ、本則に返る、こういうことだと思います。しかし私は、本則に対して例外をつくるということは、法律の趣旨がだんだん空洞化されていく、このような危険を感じるのです。例外というものは本来なるべくつくってはいかぬことだ。本則がある以上、そういうものがどんどん広がっていけば必ず本則は空洞化されてくる。これは過去の例がそれを物語っておるのです。そういう意味で、こういう例外措置、暫定的な措置ということについては納得できない、こういう態度であります。一体なぜこのような提案が出されたか。これは先ほどからも同僚委員からお話がございましたように、国会の審議を省略した方が能率的だ、国会の審議にかければ、やかましくてなかなかうまく進まぬ、だから一気にこれを省略して郵政審議会にかければこの方が能率的だ、こういうふうに考えて提案をしたのではなかろうかと疑わざるを得ないのです。いろんな理由をおっしゃったけれども、先ほどの阿部委員の質問はまさにどんずばり、あなた方の提案について本質をついているのですよ。これは赤字がなくなったときにはもとへ戻る、こういうことを言っておる。しかも原則は二つある。二つお述べになりました。これは独占性の程度、あるいは国民生活上の必要性の程度、この二つを理由としてこのようにした、こういうことをおっしゃっておる。私は時間の関係で、きょうそのことを問いただしたかったができません。しかし、もし累積赤字がなくなったならばもとへ戻るというならば、この二つの問題は一体どういうことになるでしょう。まさしく独占性が、赤字がなくなったときにはまたふらりと戻ってきてしまう独占性だ、あるいは国民生活上必要性が、一遍に赤字がなくなったときにはまたもとへ戻ってくるのだ、こういうことを言われても私は返す言葉がないと思うのです。これはまさしく便宜上何とか値上げをして早く累積赤字をなくしたい、そういうためにやったのだ。それならば話はわかるが、独占性がどうだ、国民生活上どうだというようなへ理屈をつければ、われわれもそれに対して反論をしたくなるのですよ。そういう意味で、法定制の緩和というのは非常に大きな危険を持っておる、また理屈にならぬ、このようなことをこれから一つの具体的な例を挙げて皆さんにお尋ねをしたいのであります。 現物性とか記録性とかいろんなことがございますけれども、そのことは時間の関係で避けますが丁通信の中に占める郵便の割合、これがだんだん低下してきたということをおっしゃって、これは国民生活に密着したものが変わってきた、そういうことをおっしゃっておるわけですが、それならば、一体通信の中に占める郵便の割合はどのくらい、いつごろからどんなふうに低下をして、数字としてどういうことがあなた方の方として説明できますか。それが説明できなければ、国民の生活に密着したものでない。だんだん通信の割合が低下をしたというならば、具体的な数字を挙げて説明してもらわなければ困る、こう思いますが、いかがですか。
○魚津政府委員 お答え申し上げます。 いま数字を挙げて具体的に説明をしてもらいたいという御趣旨の発言でございますが、私、いまここに、先生にたくさんの数字を申し上げて納得していただくという数字は持ち合わせていないわけでございますが、ただ通信手段の中に占める郵便の役割りというような意味からいたしますと、至って通俗的な比較になろうかと思いますが、たとえば電話との関係あたり私たち着目しているわけでございますが、たとえば昭和四十年代で家計における支出が郵便料が七百八十五円でございました。電報電話料が二千四百十一円であったわけでございます。ところが、昨五十四年度を例にとりますと、郵便料は三千百八十九円、それから電報電話料が四万六千七百八十二円ということで、電報電話料に対する郵便の割合が、支払う料金面で比較をいたしますと、昭和四十年では三二・六%でございましたが、この五十四年度では六・八%というような、至って常識的な数字を申したようでございまして果たして納得のいくものかどうかわかりませんけれども、こういったような推移から見ましても、通信手段の多様化する中に、郵便の実質的なコミュニケーションの役割りというものが残念なから落ちてきているのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○武部委員 私は料金面での比較では当たらないと思うのです。料金だけでは問題にならないと思います。しかし、ここでそんなことをやっておったら時間がなくなってしまいますから、私はもう一つ重要なことをひとつお伺いいたしたいのでありますが、法定制緩和における料金値上げの幅です。もしこれが実施された場合、これからどういう値上げが行われるだろうか。これを大変心配をしておるのですが、あなたの方からお出しになった十年間のあの予定を見ますと、これから三年に一回、二〇%ずつ上げるというようなことがちょっと載ってあったようですね。そういう資料をこの聞いただきました。 そこで、総合改定率が物価等変動率を超えないように定める、こういう説明ですね。それならば次の数字をあなた方はお認めになりましょうか。もし仮に昭和五十一年、前回の郵便料金の値上げのときに法定制が緩和されておったとすると、あのときに法定制から一種も二種も外されておったということを仮定をした場合に、総合改定率をはじき出してみますと、第一種から第二種、第三種、第四種、小包、特殊取扱い、全部ひっくるめてこの総合改定率は二九・四、約三〇%になります。同時に、物価等変動率、この物価の変動率が一体どのぐらいになるかということで計算をしてみます。そうすると昭和五十四年度まで卸売物価及び消費者物価、賃金指数がずっと例年出ております。したがって、これは昭和五十年度を基準として数がはじき出されるわけでありますから、五十四年度までは全部出ております。五十五年度は出ておりません。そこで五十五年度は五十四年度を推定をいたしましてはじき出す。そうしてその数字を郵便事業に係る経費の構成割合、卸売物価の変動に強く影響されると見られる郵政省の経費、消費者物価の変動に強く影響されると認められる経費の割合及び賃金の変動に強く影響されると認められる経費の割合、これをやりまして計算をしてみますと、物価等変動率は実に四七・一%という数字が出てきます。これをお認めになりますか。
○魚津政府委員 お答え申し上げます。 いま先生のおっしゃったことを前提にして物価等変動率を計算いたしますと、四七、一%に相なるわけでございます。
○武部委員 そういたしますと、この改正案による今後の郵便料金の値上げは四七・一%までこれは可能である、このように理解するわけでありますが、そのように理解されておりますか。
○魚津政府委員 上限が四七・一%になるということでございます。
○武部委員 そこが問題であります。物価の上昇は、冒頭申し上げましたように非常に危険な状態である。原油の問題もまだ不安定であります。しかも公共料金のハイヤーとかタクシーとかいろんなものがまた待ち構えています。そういう中で、これからの物価動向というものは、安定するというよりもむしろ逆に上昇する可能性の方が強い。そうなってくると、物価対策というものはいま以上に重要な時期を迎えてくるのではなかろうか、こういうふうに思うのです。しかも消費者物価、卸売物価、賃金の指数というものが、これから郵便料金の値上げの基準となる物価等変動率の中に非常に大きなウエートを占めておる。しかも賃金の変動に伴うものは約八八%を郵政省の中では占めていますね。ですから消費者物価は九%、卸売物価は三%へこれが郵政省の経費が出るところの割合ですね。こういうことを考えたときに、最高四七・一%という物価等変動率というものが出てくる。そうすると、国会の審議を待たずして郵政省は審議会にかけてここまでは値上げできるのですよ。これはわれわれの国会で審議を全然抜きにして四七・一%まで一年間に上げたって、それは国会で何も歯どめができない。今回はそういう値上げではございません。しかし、来年、再来年、毎年こういう数字が出てくればそれだけ上げたっていいことになるのですよ。私はそういう危険性をはらんだような法定制の緩和ということを認めるわけにはいかない、そういう態度ですが、いかがですか。
○魚津政府委員 物価等変動率を上限としてと申し上げたのは、私がお答えすることに関連するわけでございますか、たとえば四七・一%の物価変動率であっても、いま御提案をしている料金の改正というものをいわゆる総合改定率ということで申し上げますと、おおよそ三二%に相なるわけでございます。そこで、これが国会の御審議という一つの牽制的な機能と申しますか、そういうものがあるからというよりも、私ども御提案を申し上げるときに申しましたように、郵便料金というものはできるだけ安くという原則と総合原価主義あるいは収支相償という観点でまず基本的な立場をつくりまして、今回の料金というものは、単年度で少なくても三年間は赤字を出さない、そして累積欠損金について半分にぜひしたいという、そのときどきの料金を決定する一つのポリシーというのがあるだろうと私は思うのです。ですから、そういったものがあるということで、物価等変動率が、ただいま先生御指摘のたとえばいま仮にやるとすれば四七・一%上げ得るということだからストレートにそれだけ上げるというものでないことは御理解を賜りたい、こういうふうに思う次第でございます。
○武部委員 私は、これが法定制緩和をされると、そういう危険性を含んだまま国会の審議は一切抜きにされてしまう、こういうことを指摘をしておるわけです。あなた方はこれからの経営の中で十分そのことを考えながら――三年間値上げしないとかいろいろなことをおっしゃる、しかし、この上限が認められてしまった以上、この数字は否定できない数字なのです。ですから、ここまで上げることは可能であるということを私は指摘をしておるのですよ。そういう点を含んだ法定制の緩和がいまの時期に一体必要だろうか、それがきょうの私の指摘したいことなのです。ですから、この法定制緩和というものは非常に問題がある。しかも、公社である電電公社の料金は今日法定制を堅持しておるのですよ。そういう中で、国営事業である郵便料金の一種、二種をなぜ外さなければならぬか。 こうなってくると、大臣にお伺いしたいが、それならばもう一つ残った最後の電話料金の法定制もあなたの方としては外す意思があるのですか。その前段として国営の郵便の一種、二種を外した、次は電話料金だ、こう考えておられるのですか。
○山内国務大臣 電話料金につきましては、いまのところ全然考えておりません。
○武部委員 そのことがこれから先も未来永劫続くであろうと私は思わないのです。それは、たまたま現在電話は黒字であります。郵便は赤字だ。赤字だから暫定的にいま外すのだというようなことをおっしゃっておるが、これは国鉄から始まって、たばこに来て、そしていま郵政に来て、これから電電、残ったものが一つある、こういう一連の動きが財政法第三条を骨抜きにして、今日まで外堀がどんどん埋められてきた、そういうことを私どもは指摘をしたいから今回の法定制緩和に反対しておるのです。しかも、物価変動率という大変値上げを容易にするような内容を含んだ改正案だから反対なのです。しかも、国民の代表組織であるところの国会を抜きにして、そうしてそういうものが自由に決められるということは私は大いに反対しなければならぬ、このように思っています。 前の企画庁長官は、法定を外しても予算で十分審議されるから心配ない、こういう発言がございました。これはあなた方の発言ではありませんが、経企庁長官はそういう発言をいたしました。なるほど郵便の一般会計の予算、特別会計の予算、予算で審議されるでしょう。しかし、法律で審議するというのと予算で審議するというのは全然もう重みが違うのです。そういう意味で、予算の中で審議されるのだからいいのだというような物の考え方は誤りだ、私はこう思います。 時間が参りましたが、したがって法定制緩和というのは非常に危険な要素を含んでおる。そういう意味で法定制緩和には私は反対という態度を表明するとともに、今後の物価動向の中で公共料金の値上げを抑える、延期する、あるいは幅を下げる、そういう努力をしない限り、六・四%というのは全く実現不可能な数字だ、これは鈴木内閣に対するところの国民の期待を完全に裏切ることになるということを主張して、私の質問は大変短い時間でしたが、これで終わりたいと思います。
○佐藤委員長 武部文君の質疑は終わりました。 長田武士君。
○長田委員 郵便の財政再建についてお尋ねいたします。 基本的な問題といたしましては、一つは利用者の要求にこたえる適切なサービスを図ることと郵便需要拡大によって増収を図る、これは私は第一番目に郵便財政の再建の基本にならなくちゃいけない、そう考えております。第二番目には経営の徹底した合理化、第三番目には現在審議しておりますところの郵便料金の値上げ、この三つが私は郵便財政の再建の最も基本であろう、このように考えておるわけであります。 〔委員長退席、畑委員長代理着席〕 しかし、政府案を見てまいりますと、第一の需要の拡大であるとか第二番目の経営の合理化、ほとんど見るべきものがないわけであります。そういう意味で、ただ安易に料金の値上げのみに頼る姿勢、これに国民は非常に怒りを覚えております。このような悪循環が続く限り、親方日の丸であるとか、このような批判をされても仕方がないと私は考えます。そこで私は、このような状況でいくと恐らく第二の国鉄になってしまうのではないか、このように危惧をしておるわけでありますが、郵政大臣、御意見はどうですか。
○山内国務大臣 ただいま御指摘がございましたけれども、われわれとしては現在のところいろいろと最大の努力をしているところでございます。数量の問題あるいは効率化の問題、こういう点をやっておりますが、今回の郵便料金の値上げをお願いするにつきましても、さらにいろいろ対策を講じてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○長田委員 私は、公共料金でありますから、国民生活に非常に関係が深い。独占企業でありますから、そういう意味で私は、大臣、もっともっとシビアにこの点は考えなくちゃ、国民は納得できないのです。ただ赤字だから上げなくちゃならぬというような、そういうような安易な考え方はいかぬと言っているのです。民間の企業を見てくださいよ。倒産の憂き目に遭っている企業がいっぱいあります。そういう点では、私は国民の批判は免れないと思うのですね。その辺、もう一度答えてください。
○山内国務大臣 詳細には郵務局長から答弁をさせますけれども、いろいろと効率化、能率化等については、機械化を導入することによってできるだけ経費を安くするようにする。それから、数量をふやすことにおいても、いろいろな運動をやっているわけでございます。そうやって数量をふやすことによって収益を上げていく、こういう点に努力をしておりますけれども、さらにひとつ努力をしてまいりますから、今回の値上げはひとつお認めをいただきたい、こういう気持ちでいるわけでございます。
○長田委員 次は法定制緩和の問題でありますけれども、私は適時適切な値上げが果たして収支改善につながるかどうか、非常に疑問を持っております。また、憲法第八十四条の租税法律主義や国権に基づいて収納する課徴金等々、この問題がございますね。財政法第三条の問題であります。私はこれが空洞化されてしまうのじゃないか、そういう非常な危惧を持っておりますが、大臣どうですか、この点は。
○山内国務大臣 弾力化の問題は、郵政審議会からたびたび答申を得ております。これを御説明いたしますと「郵便事業の健全な経営を図るためには、役務の提供に必要とされる費用が料金によって適時適切に確保されなければならない。」これが一点でございます。「郵便物の料金額を法律で定める現行の料金決定方法の下では、弾力的な料金改定が困難であり、一時にかつ大幅な改定となることが避けられない。」まだその先もございますけれども、要するに適時適切に値上げをしていかないと、値上げをする時期を失します、また大変な赤字の問題、あるいは大幅に一時にやらざるを得ない、そういうことを避けるためにひとつ提案を申し上げて御審議をお願いしているところでございます。といって、ちょっとまたつけさしていただきますけれども、単なる郵政審議会で御審議をいただくというだけでなくて、この法律の中に一定の枠を設けてございます。御承知でございましょうから御説明は省略させていただきますけれども、その範囲内においてひとつやらさしていただきたい、こういうことでございます。
○長田委員 先日の委員会で郵政省は、郵政事業損益計算見込の概算について提出をされたわけであります。それによりますと、五十九年、六十二年、六十五年、この十年間に三回、おのおの二〇・八%値上げのスケジュールが盛り込まれておるわけであります。これらの数字が示された根拠についてどういう根拠で計算されたのですか。
○魚津政府委員 私、この試算をするという目的といいますか動機にまずなったことは、当分の間、法定緩和ということで料金決定の特例を御承認願いたいということで御提案をしているわけでございますので、その当分の間というものは、それじゃ郵政省として将来どの時期にやめられるか、こういったことについて、持っている資料が非常に流動的といいますか、不確定な要素であっても、それはそれで使いながら試算をして、その辺の事情について御審議を願う際に明らかにしたいということで試算をしてみたわけでございます。そういったことで、かなり科学的な観点あるいは現実的な論拠という点になると多少問題のあることでございますけれども、持ち合わせた数字ということでまずやらせていただきました。 それで、人件費なんかにつきましては過去四年間の平均上昇率が六・七%、物件費については新経済社会七カ年計画の消費者物価及び卸売物価の五十四年から六十年度の平均上昇率五%がその後続くということを仮定いたしまして計算をしたわけでございます。 それから、この中に収入として見込んでいる数字をどのようにはじいたかということでございますが、まず物数の増加傾向というものは過去のデータから持っておりまして、その物数の増加に、料金の改正があった場合にいわゆる価格弾性値と申しますか、そういったようなものでどのような影響を受けるかというようなことを片方で計算をして、そして十年間で約一面の料金改正をお願いいたしたいということが一つのポイントになっているわけでございますが、その料金改定の考え方としては、いま御提案をさせていただいております物価等変動率、大体三年で一回ずつ上げていくというようなことで試算をいたしますと、二〇・八%に相なるわけでございます。その二〇・八%をにらみながら料金改正をしていただくということで収入を見積もって、結論としての、おおよそ十年、二回程度料金改正をさせていただくとすれば累積欠損金が解消される見込みでございます、こういうことで出させていただいた次第でございます。
○長田委員 これを見ますと、いま御答弁ありましたけれども、新経済社会七カ年計画、これは昭和六十年までの計画なんですね、中期計画、それによって消費者物価とか卸売物価を計算したようでありますけれども、政府の長期計画すら六十年以降は策定されていないのですよ。どうして郵政省が値上げの計画がこういうふうに計算できるのか、そういう点、私は非常に不思議に思っておるのです。こういう意図というのは、値上げを既成事実化するものとしかほかに考えようはないだろうと思いますが、どうですか。
○魚津政府委員 お答え申し上げます。 先ほども答弁をさせていただいたわけでございますが、私ども、このような料金を弾力的に決定する仕組みを御提案する限りは、必ず将来展望というものが求められるし、またわれわれ自身示すのが経営の一つの基本的な姿勢であり立場じゃないだろうかということで、先ほど申し上げましたように、その将来予測をするいろいろのファクターには不確定なものがございますけれども、その不確定なものをお断りしながらお見せすることがやはり必要なんじゃないかということで、あえて試算ということで名づけて先生方に御提出をしたところでございます。
○長田委員 そうしますと、この第九十三条「当分の間」ということで、試算をこうやってできたわけですね。そうすると、たとえばこの表で見てまいりますと、六十三年になりますと五百五十億の黒字になりますね。累積赤字が黒字に転ずるわけですね。そうなりますと、黒字に転じた場合においては九十三条は削除されるのですか、料金改定の特例というのは。
○魚津政府委員 私どものこの試算からいたしますと、六十三年度は、累積がプラス五百五十億、その時点では特例は働かなくなるということに相なるわけでございます。
○長田委員 そうすると、料金を改定しないで二年ないし三年経過した、そのときにまた赤字が出る、そうなった場合は九十三条は生きてきますね。
○魚津政府委員 現在御提案しているこの案の九十三条がもう死んだという理解で、生きてこないというふうな理解をしているわけでございます。
○長田委員 そうしますと、どうなんでしょうか。この試算でまいりますと、昭和六十三年以降五百五十億の累積黒字が出まして、その以降は、九十三条は絶対生きないという意味ですか。私はまた、ある日突然、ある年度に赤字が出た、それ法定制緩和の九十三条を適用する、特例法を用いるということが起きばしないかという心配があるのですが、その点はどうですか。
○魚津政府委員 六十三年度には特例措置が働かなくなるわけでございまして、その後、仮に赤字になったとしても、その働かなくなった条文を使って法定緩和の措置はとれないという御理解を願いたいと存じます。
○長田委員 そうしますと、この表によりますと、六十四年、六十五年は三百億と七百五十億、黒字ですね。黒字でありながら、六十五年に二〇・八%また値上げをしようという計画なんですか。
○魚津政府委員 午前中別の先生からの御質問がございまして、私おわびをして訂正させていただいたところでございますが、これは収支見込み、そしていま申し上げたような目的による収支見込みと無関係なものを書き込んでしまったということで、おわびをして削除をお願いしたいというふうに考えておる次第でございます。
○長田委員 そうしますと、六十五年度は一切削除ですね。数字はないんですね、これは。 それから次は、前回の五十一年の値上げのときに、交通遺児育英会が愛の募金を進めておったのですけれども、ほとんど郵便料金に食われてしまう、そういうことで中止をいたしました。また、ダイレクトメールの業界なども四割以上が業務の縮小を余儀なくされておる実態がございます。五十一年の郵便物数の動向を見てまいりますと、全体で七・八%のマイナスを示しております。ダイレクトメールが多いとされておる第一種ですが、マイナス一三・四%なんですね。ところが五十五年度においては、値上げを前提といたしましても第一種は〇・八%の落ち込みしか見込まれていないわけであります。そういう点で、業界の実態というものを十分に把握されてこの予想を出されたのか、この点どうですか、実態は。
○魚津政府委員 料金改定後の物数の見込みについては、その後の景気変動など、いろいろな条件によって当然変わってくるものでございますが、五十六年度の概算要求では、料金改定後の見込み物数は、過去における料金改定時の物数動向や料金改定幅等を考慮して見込んだものでございます。五十五年度の見込み物数は、料金改定が五十五年十月一日から行われるものといたしまして、四月から九月までは従来のペースで二・六%増加するのに対しまして、十月から三月までは料金改定の影響により三%減少して、年間では五十四年度に比べて〇・七%減少するものと見込んだわけでございます。また五十六年度におきましては、四月から九月までは四・一%減少するのに対しまして、十月から三月までになりますと、過去の料金改正と物数動向の実態をわれわれ考えてみますと、この時期になりますと料金改定の影響が非常に少なくなってまいります。そこで、〇・四%増加をするものと見まして、年間で五十五年度の見込み物数に比べまして一・五%の減少というふうに見込んだ次第でございます。
○長田委員 たしか実施の時期等の問題はあると思いますけれども、そういうケースの場合は来年度に移行するんですよ。大体どこの家庭もどこの企業も、こういう郵便料に対する一つの枠というのはほとんど決められておるのです。そうなりますと、大枠が決まっておりますから、当然、物数といいますか、その数を減らす、そういう方向に出てくるのですね。そういう点で、五十一年は総体的に見て七・八%ですね、ところが五十五年の場合は〇・七、五十六年は一・五、このような非常に過小評価しているんじゃないか、実態を甘く見ているんじゃないか、そういう点を私は指摘しておきたいのですが、その点どうですか。
○魚津政府委員 この物数はすべての郵便事業の基本になる数字でございますので、私たちといたしましては過大でもなく過小でもない数字をできるだけ見きわめながら決定をしているというのが実態でございます。
○長田委員 私は各国のを調べてきたのですけれども、年間の一人当たりの郵便物数は、アメリカが四百二十三、スイスが四百八十一、西ドイツが二百六、カナダが二百四十九、フランスが二百二十、日本の場合百十五で、一人当たりの郵便物の数というものは、各国に比べまして非常に落ち込んでおります。ちょうどスイスの四分の一なんです。こういう点では、私は郵便料金の値上がりが国鉄と同じように、料金を上げれば上げるほど国鉄離れする、やはり郵便料金を上げれば上げるほど郵便離れするという、そういう実態がこういう各国を見ても出ているのではないか、そういう点を思うのですが、どうですか。
○魚津政府委員 先生御指摘のように、私たち一つの、不思議なことという言葉が適当かどうかわかりませんが、日本の国力に比較しまして一人当たりの物数が、私どもの理解しているところによりますと世界で十九位でございます。この十九位になっている理由はいろいろなことがあろうかと思いますが、今後私たちその事情を突きとめながら、それにふさわしい対策を講じて伸ばしていくということが今後の需要の拡大という基本的な方策でなければならぬというふうに考えておりますが、ただ、この料金改正による減が、世界で十九位であるということとのかかわりはさほどないのではないだろうか。といいますのは、過去のある時期から今日まで、世界のそれぞれの主要国において何回程度、どの程度料金改正をしてきたかというようなことを実態的に調べてみましても、それとのかかわりで現在の日本の一人当たりが十九位ということの原因にはさしてなってないのではないかというふうに私は考えている次第でございます。
○長田委員 経企庁来ておりますか。――それでは物価対策の上でちょっとお尋ねをいたします。 東京都の区部の消費者物価指数について見ますと、五十年度の消費者物価指数を一〇〇といたした場合、昭和五十四年度の平均指数が一二九・三であることから、物価上昇率の政府目標の六・四%を達成するためには、五十五年度の平均指数は二二七・五以下におさめる必要があります。昭和五十五年度の指数というのは、四月が一三六・二、五月が二二七・四、六月が一三七・八、七月が一三八・一、八月が一三七・九、九月が一四〇 …八と、すでに大幅な上昇傾向をたどっておるわけです。十月以後の消費者物価が前年度比と同じように上昇するものであるならば、五十五年度の物価上昇率は八・一%ぐらいになるのではないか、私はそのように考えております。これは六・四%の政府目標を大幅に上回っております。十月以降の物価が横ばいであったといたしましても、五十五年度の物価上昇率は七・八%となりまして、六・四%にとてもじゃないが達しません。したがいまして、この大事なときに消費者物価を直接押し上げてしまう郵便料金、しかも十月一日か-ら二九%も値上げをするというような、もう十月 一日は過ぎましたけれども、この政府案は私は当然撤回すべきだと思いますが、経企庁どうですか。
○齋藤政府委員 公共料金につきましては、御存じのとおり、先般九月五日の経済対策閣僚会議におきましても「経営の徹底した合理化を前提とし、物価及び国民生活に及ぼす影響を十分考慮して厳正に取扱う。」ということが決められております。私どもも、郵政省の方から郵便料金について御相談をいただきまして、いろいろ意見も申し上げ、現在の巨額な負債状況ということも考えまして、いろいろ考慮していろいろ修正も願いまして、現在御提案申し上げているような程度についてはやむを得ないのではないかというふうに考えて、この案に賛同いたしている次第でございます。 御質問の今後の六・四%の達成の見込みにつきましては、御指摘のようにかなり厳しい状況下にございますけれども、よく御存じのとおり、この九月あたりの数字は冷夏の影響が出ておりますし……
○長田委員 細かいことはいいから。賛成しているのだね。
○齋藤政府委員 さようでございます。
○長田委員 そうしますと、郵便料金の値上げは、六・四%には抑える関係上、抑えなくても大丈夫だという意味ですか。六・四%に抑えられますか、郵便料金を値上げしてしまって。
○齋藤政府委員 法律案を提出する際に、いろいろこちらで計算をいたしておりまして、そういった郵便料金の値上げを織り込んで物価見通しも算定いたしているわけでございます。そういう意味で、すでに計算の上では入っているというふうに御理解をいただきたいわけでございます。 今後の問題につきましては、この郵便料金ということにこだわらずに、できるだけ全般的な努力をいたしまして六・四%程度の中におさめるように最大限の努力をするということにいたしております。
○長田委員 物価対策をやっております経企庁はもうちょっと前向きでなくてはいけないね。私は、六・四%に抑えるためには郵便料金を上げるべきでないというくらいの答弁をしてもらいたかった。質問したって何にもならない。 そこで、政府は、十月二十五日まで当面の物価抑制策を強化する、そして新たな物価対策の概要をまとめたというニュースが実は流れております。その中で、公共料金については企業の徹底した経営合理化を求める、それで今年度内引き上げについては極力抑えていきたい、そういう意向のようであります。郵便料金の値上げの実施期日は、いつになるかわかりませんけれども、私は少なくとも年度内には値上げはやめるべきだと考えます。この点については、郵政大臣、お考えはどうですか。
○山内国務大臣 われわれもいろいろと苦労いたしまして、政府決定の六・四%を堅持するように、郵政省としても最大の努力はさせていただいているつもりでございます。したがって、値上げの時期は、郵政審議会では七月一日からという点をずらしまして、値段の点につきましても最小限度ごしんぼうをいただこう、こういうことで御提案を申し上げているような次第でございます。
○長田委員 それでは最後に経企庁、もう一度お尋ねいたします。 その十月二十五日までにまとめた物価の抑制の方針、新たな物価対策、その中で特に私鉄運賃、それからタクシー料金、この年度内の値上げは認めない方針である、こういうふうに一部伝わっております。これは間違いありませんか。そうであれば、公共料金である郵便料金だけは年度内に上げる必要がないのじゃないか、当然同一歩調をとるべきである。この二点についてお尋ねいたします。
○齋藤政府委員 新聞で報ぜられました凍結の話は、私ども確認をいたしておりません。現在のところは、公共料金につきましては、先ほど申し上げました経済対策閣僚会議で決定をされた線というのが、私どもの公共料金に対して対処する方針でございます。 それから、物価対策の内容につきましては、目下政府内部で別途いろいろと準備をしている段階でございまして、まだその内容が固まりませんので、この段階ではちょっと御説明する状況にはございません。
○長田委員 終わります。
○畑委員長代理 以上をもって長田武士君の質疑は終了いたしました。 次に、塩田晋君。
○塩田委員 郵便法等の一部を改正する法律案の内容につきまして、主として物価対策の観点からお伺いいたします。 消費者物価が国民生活に非常に密接な関係、大きな影響のあるものであるということについて御異議ないと思いますが、中でも郵便につきましては、郵便の利用のない家庭はない、直接家計に響く問題でございますので、郵便料金の値上げについてはできるだけ値上げを抑制するということが望ましいと思いますし、また直接家計だけではなくして、各生産会社あるいは商社等におきましても、郵便に頼らない、これを利用しない企業はないと思います。そういった観点から各種の物価に大きな影響を持つものだと思います。そういった観点から、郵政大臣、郵便料金についての基本的な考え方につきましてお伺いしたいと思います。
○山内国務大臣 郵便料金の値上げは、各家庭にやはり密接な関係がございまして、影響のあることは間違いございません。しかしそれをできるだけ少なく、いま経営の赤字が二千百億円もあるものですから、これを全部一時に解消すれば大変でございますけれども、それの一部を解消するということを目途にいたしまして、これからも経営の合理化も引き続いてやらさせていただきます、そして値上げの時期もおくらせ、最低限度の値上げをお願い申し上げたい、こういうことで提案をしているわけでございます。
○塩田委員 経済企画庁にお伺いいたします。 消費者物価の中における郵便料金はどれくらいのウエートを占めておるかということ、これは直接的な家計への影響でございますが、他の物価への波及効果、影響を考えて、どれくらいの総合的な物価への影響があるか、特に今回の値上げは当面といいましても二九・四%の上昇、そして来年度からは三九・三%といった大幅な値上げでございますから、これの影響、見通しにつきまして説明してください。
○齋藤政府委員 消費者物価の中のウエートは、五十年基準で郵便は一万分の十五でございます。今回の郵便料金の値上げにつきましては、この法律の現在の案のとおり十月から実施をするということで計算をいたしまして、年度平均で〇・〇四%程度の影響というふうに考えております。 御質問の中に間接的な影響もという御指摘がございましたけれども、なかなか間接的な影響までは十分説明のできるような計算の方法というものがまだございませんので、ただいま申し上げました直接的な影響ということで御了承いただきたいと存じます。
○塩田委員 経済企画庁はいろいろな研究機関を持っておられますし、また庁内にもスタッフがいらっしゃると思うのですが、産業連関表等の研究も進んでいると思うのですけれども、そういったものをある一定の仮定を置いてやれば、およそどれくらいのものか、直接的な〇・〇四%というよりももっと大きいものが出ると思うのですが、政府の公式のものでなくても、研究的なもので何か試算したものはございませんか。
○齋藤政府委員 御指摘のとおり、産業連関表を使って計算をするという方式は一つのやり方であるということについては私どもも異存がないわけでございますけれども、ただ産業連関表で試算をいたしますと、御存じのとおりに、コスト面の影響がそのまま物価の方に波及するということを前提といたしております。実際にはこういったものの価格の影響というのは、個々の物資の価格の動向というのは、需給動向でございますとかあるいは節約とか代替とかいろいろなかっこうでほかの要素が働いてまいります。またタイムラグ等の問題もございますので、いまのところ産業連関表で計算するのは適切ではないのじゃないかというふうに私どもは考えております。
○塩田委員 試算したものも研究されたものもないということですか。
○齋藤政府委員 ございません。
○塩田委員 こういった問題については非常に重要でございますので、直接的な影響だけでなくして、各種のそういった産業連関表その他の新しい道具を使って、郵便料金のみならず国鉄料金その他の公共料金等の影響について研究をし国民に発表をしてもらうように、ぜひともその準備をしていただきたいと思います。よろしいですか。
○齋藤政府委員 おっしゃるように正確な計算ができれば大変意味のあるものと思いますので、できるだけ努力をいたしたいと存じます。
○塩田委員 続きまして、第九十四条に、郵便料金を基礎として算定する総合改定率が物価等変動率を超えないように定めなければならないという規定がございますが、これは超えさえしなければいいというものではなくして、先ほど大臣から御答弁ございましたように、できるだけ上げないように、上げ幅を少なくするようにということと考えてよろしいですか。
○魚津政府委員 大臣答弁のとおりでございまして、郵便法の中に郵便料金を決定するあり方というものが一条にも三条にも書かれておりますが、一条でできるだけ安いという立場、そうしまして三条では収支相償という立場、私たち、これを踏まえながら先生ただいま御指摘なさったような九十四条の規定を理解して、それによって料金を決めてまいりたい、こういうふうに思う次第でございます。
○塩田委員 経済企画庁長官にもお伺いをしてきたところでございますが、今年度の消費者物価六・四%の目標達成、これはきわめて困難な状況になっておる中におきまして、いまからこれを達成しようと思えば下期どうしても対前年比四・六%のアップにおさめなければならない。そうなれば、いまの消費者物価をこれから年度末に向かってどんどん下げていかなければ達成できない、これはそのようになっておることを確認したわけでございますが、公共料金の対前年上昇率、国がそういう努力をする場合に最も力を持って実際操作できるものというのは公共料金だと思うのですが、その公共料金の指数、これはどのように推移し、今年度いっぱいどのような見込みを持っておられるか、経済企画庁にお伺いします。
○齋藤政府委員 公共料金について幾つという数字を定めているわけではございません。 〔畑委員長代理退席、委員長着席〕 六・四を算定するに当たりましてはいろいろ試算ばいたしておりますけれども、公共料金がそのうちどのくらいということの計算というのは試算の中でございまして、定めておりませんので御了承いただきたいと存じます。
○塩田委員 公共料金指数として発表されているもの、これは広義のものでございまして電気料金、ガス料金、郵便はもとより米、たばこ等も入っておるものでございますけれども、四月が九・八%、五月が一二・六%、以後八月までに一二%台の対前年比で推移しておるという数字を私の方で持っておるわけでございますが、その中でも郵便料金が、今回上がりますと一挙に大変な上昇率になるというふうに考えられるわけでございます。公共料金自体がCPIよりも大きく上がっていっている、その上になお郵便料金がそれ以上に上がっていく。また指数で見ますと、現に郵便料金の上昇率が非常に高い。二一一・七ということは二倍以上ということになっていますね。そういう高い率で上昇していく上に、また三〇%、四〇%も一挙に上昇する。これはもう政府が物価対策に力を入れますと言いながら実際はそうでないことをはっきりと数字の上であらわしているように思いますが、いかがですか。
○齋藤政府委員 これまでの実績で公共料金の伸び率がかなり高いことは御指摘のとおりでございます。ただ先ほどの郵便料金の問題につきましては、この郵便料金を郵政省と御相談いたしまして、さらに値上げの時期、幅などについて十分に御相談をいたした結果のものでございますので、私どもといたしましては、いまのところ、この郵便料金の値上げはやむを得ないながらも認めざるを得ないというふうに考えております。
○塩田委員 経済企画庁長官に物特委で御質問をしてまいりましたときに、物価抑制対策についての非常に意欲的な決意をお聞きしておるわけですけれども、具体的に聞いてまいりますと数字の上ではどんどん上がっていく、また上げるのを認めていっているやむを得ませんといういまのような御答弁ですから。それも直接の影響が〇・〇四ぐらいだというようなことしか言えない。他への波及も考えれば大変なことになりますというそういう研究が十分になされてないから、数字的に物を申せない。これは不勉強だと思うのです。その辺を私は非常に残念に思います。言われることとやられておることが違うということですね。これは非常に問題だと思います。そういうことのないように経済企画庁、もっともっと勉強していただきたいと思います。 それから、郵政省にお伺いいたしますが、郵便料金の弾力改定条項ですね、これを今度規定して提案しておられますが、御承知のとおり国鉄は最近こういう弾力条項を持ったわけです。その際にいろいろと条件を付し、弾力改定をする場合には非常に危険性があるということも申し上げてあったわけですが、それがこの条件も守られていないという状況の中でかえって悪化しておる。料金を上げることによって国鉄離れが起こり、利用者が減って、かえって収支は悪くなる、値上げによって期待したほどの収益がない、実績が期待したほどのものにならなかった、むしろ逆に三%も減っているということが明らかになっているわけですけれども、そのような危険が郵便の場合にないか、むしろ従来どおり法定していった方が料金の値上げ抑制に役に立つのではないかと思うのですが、いかがでございますか。
○魚津政府委員 すでに、国鉄でございますとか専売公社のたばこにつきまして、いわゆる法定緩和制というものが御承認されて実施に移っているわけでございますが、今後私たち、お許しを得てそういう制度を実施することができるということになりますと、そういう国鉄ですとか専売の実態を文字どおり他山の石として心を引き締めて運用することは当然でございます。単にその料金収入の増加というだけでなくて、収入を増加するだめの物数増を期待し得る施策を講ずると同時に、一方、費用をできるだけ抑制をするということで、効率化、合理化を進める所存でございます。したがいまして、私どもぜひともこの法定緩和制の御承認をお願いをしたい、こういうふうに思う次第でございます。
○塩田委員 法定緩和をいたしますと、値上げが安易に行われるという危険が非常にあると私は思います。そういったことのないように、全体の物価をにらみながら、政府としてこの物価の値上げ抑制について貢献する立場から、郵便料金の値上げを極力抑えていただくということをこれも必ず約束をしていただきたいと思います。そして、収支を合わせるということも非常に重要なことでございます、これを否定するものではございませんか、その大きな支出のウエートを持っておるものは人件費、労務費であることがこれはもう明らかでありますが、それだけに物価を抑える際に、これはもうあらゆる商品、サービスについて言えることでございますけれども、料金を抑える、上げ幅を極力少なくするというためにはコストを下げるということにあるわけですけれども、しかし人件費は、これはもう生活向上の上からもあるいはまた消費者物価の上昇もあり、どうしても上げなければならないものがあると思います。特に公共料金、この郵政事業という公共的な事業につきましては、民間の企業ベースに準じて上げていくという方式がいま確定しているところで、仲裁裁定の制度もあって、議決されたところでございますけれども、やはり上げるべきものは上げなければならないという中で、しかも販売価格ともいうべき郵便料金を上げないようにするということになりますと、非常にそこにむずかしい状況が出てくる、そこに赤字の要因が出てくるわけでございますが、これを一挙に解決する道があると思うのです。それは何だとお考えでございますか。物価、料金を上げないで、しかもコストで上がってくるものに適正な対応をしていくという中で、これを一挙に達成する道は何で通るとお考えでございますか。
○魚津政府委員 至って抽象的な言い方になろうかと思うのですが、収入を増加させる施策、費用を抑制する施策両々相まって料金にできるだけ頼らない財政的な基盤というものをつくることかと存じます。特に先生御指摘のコストを抑制するということについての効果的な施策ということになりますと、私ども合理化、効率化それから職員の能率向上といったようなものが主要な柱となって進めるべき、こういうふうに思っている次第でございます。
○塩田委員 いま魚津局長が言われたとおりだと思います。ことしの三月十九日の経済関係閣僚会議の決定におきましても「生産性の向上が物価安定に欠くことのできない要件である」とはっきりうたっておりますし、また九月五日の総合経済対策におきましても「各界が引き続き一層の生産性の向上に努めることを期待する。」これが物価対策の大きな基本対策の中心になっておるわけでございます。 そこで、生産性の向上ということ、これが物価を、すなわち料金を上げないようにしながらも、しかも応ずべきコストアップについて応じていく、これを一挙に解決する方法であるということについては御異論ないと思いますが、よろしゅうございますね。
○魚津政府委員 私どももそのように理解をしておるところでございます。
○塩田委員 そこで、約九〇%程度の大きなウエートを占める人件費、労務費、これがいま言ったような要因でどうしても時間の経過とともに増大していくということを念頭に置きまして、そして生産性の向上に努める具体的な生産性の向上の中身、これについて郵政当局はどう考え、どういう手を打っていっておられるか、御説明願います。
○魚津政府委員 お答え申し上げます。 まず私は事業の健全な経営には、職員一人一人がその社会的責務を自覚しまして、十分にその能力を発揮することが大切であるというふうに考えるものでございます。したがいまして、機械化の促進など各種の効率化、合理化施策を進めるとともに、職員の勤労意欲の向上、能力の開発を図るため各種の訓練や打ち合わせ会等能率向上策に取り組んでまいりましたし、今後も一層取り組んでまいる気持ちでございます。
○塩田委員 生産性の向上という場合に、いろいろな生産性があるわけでございますが、中でもウエートの非常に高い労働の生産性を上げるということ、これが最も肝要であるということにつきましては、局長おっしゃったとおりでございます。そして各種の生産性向上対策、特に労働の生産性の向上対策のためにいま言われたことはぜひとも大きく前進させていただきたい。不退転の決意でこの問題に取り組んでいただきたいと思います。 ところで、この生産性の向上といいましても、民間特に製造業の場合には、昨年五十四年度におきましては一二・一%対前年比の上昇があり、また今年度に入りましてからも約一三%の対前年比の上昇がある、こういう数字も公表されておるわけでございます。それと消費者物価の関係あるいは実質賃金、名目賃金等の関係が出てくるわけでございますが、郵便事業においてその生産性の向上の指標となるものには一体どういうものがあるか、何をにらんで生産性の向上を果たすのか、あるいは実績がどうであったかということを評価されるのか、お伺いします。
○魚津政府委員 郵便の生産性向上の指標というお尋ねだと存じます。私どもがその指標として考えますのは、郵便物はおかげさまで毎年増加をしていっているわけでございますが、その増加に見合う適正労働力というものがあるわけでございますが、その適正労働力をできるだけ抑制し得ることが必要だと一つ思います。別の言い方をしますと、一人当たりの処理する郵便物数が年とともに向上していくことが必要であろうと考えます。 それからいま一つは、質的な問題として、単に量的に一人の職員の処理する郵便物数がふえるだけでなくて、当然きめ細かなお客様に信頼されるサービスの質ということも相伴って、生産性向上と申しますか能率向上といった指標にしてまいりたいと考えている次第でございます。
○塩田委員 そういった個々の生産性向上の指標をいずれ数字で示していただきたいと思います。資料がございましたら後ほどいただきたいと思います。 生産性の向上を具体的に進めるには、いま言われました心の問題であり、サービス向上のための勤労意欲の問題であり、いろいろな要素があると思うのです。また機械を導入することも労働生産性の上昇になると思うのですが、それを阻む要因がかなりあるのではないでしょうか。
○岡野政府委員 お答え申し上げます。 職場の中で一人一人の処理する郵便物数等が多くなっていくことを願うという意味合いにおいては、職場が環境的に非常に明るく、あるいはお一人お一人の職員の諸君が意欲に燃えて仕事をする方向にあって初めて可能であるわけでございますが、先生がおっしゃいますそれの阻害要因ということになりますと、私どもは日ごろの間から職場の中のもろもろの訓練あるいは研修所等における研修制度等々を利用して、郵政省の置かれた客観的な立場あるいは国民の皆様から負託されておる私どもの使命、責任、あるいは一通一通の郵便物を待ち焦がれている業者の皆様がどれほどおいでになるかなどというような郵便そのものの社会的使命等々を話をして、一人一人の勤労意欲を高めていくように心がけているところでございます。
○塩田委員 ぜひともそのように進めていただきたいと思うのでございますが、最近新聞等でも報道されましたように、心の緩み、また時間中にマージャン等をやって遊んでいるとかいった綱紀の緩みが指摘されております。これは非常にまじめにやっておられる方も多いわけでございまして、そのような状況が全部だとは言いませんが、そういった綱紀のたるみのないように、ぜひとも生産性の向上という立場からこの問題については厳正に取り組んでいただきたいと思います。 また、機械が入ってもなかなか配置転換ができない。これを阻害する、阻止する勢力もあるという状況の中で、そういったものに屈せず国民の期待にこたえて断固としてこれに立ち向かってもらいたい、これは国民の要望でございます。 そしてまた、労使間の安定ということがことさらに労務量の多い郵政事業においては必要だと思います。ただ騒がなければいいという安易な態度ではなくして、あるべき姿を考えて、断固として職場秩序の厳正化の問題に取り組んで生産性の向上に努めていただきたいと思います。 以上、要望いたしまして質問を終わります。
○佐藤委員長 塩田晋君の質疑は終わりました、 岩佐恵美君。
○岩佐委員 ことし一月から勤労者世帯は、七月のボーナス時期を除いて九月まで連続して実質賃金のマイナスとなっている、このことが非常に問題になっているわけですが、庶民は物価高と低賃金で大変あえいでいます。このような時期に、先ほど大臣もお認めになった国民生活にとって関係の深い郵便料金が、第一種封書が五十円から六十円、第二種はがきが現行二十円が五十六年度には二倍の四十円、こういうふうに大幅に引き上げられるということは、公共料金の値上げということで諸物価引き上げの引き金になると同時に、家計にとっても大変な負担となります。とりわけ、限られた収入の中でやりくりをしているお年寄りやあるいは障害者の通信手段を奪ってしまう、こういう点では私は社会的にも重大な問題であると思います。このような意味で、現在庶民が苦しんでいるときに値上げをすること、これはとうてい認めることはできません。 先ほど大臣の答弁の中で、第三種郵便については、恐らくこれが持っている社会的意義あるいは文化的ないろいろな意味があるからということだと思いますが、多くの陳情やあるいは請願がされていることを御承知だという答弁がございましたけれども、この第三種郵便物について現行の十五円から三十五円へと大幅な値上げを行う、このことは私は大変な問題だというふうに思います。とりわけ障害者団体の発行する定期刊行物については現行の六円から十円、そして現行十二円のものは二十円へと引き上げられようとしています。これについて多くの障害者の団体の方々やあるいは障害者個人の方々から、どうしてもこの値上げをやめてほしいと切実な要求が寄せられています。 御存じのように、来年は国際障害者年です。この障害者年を本当に実りのあるものに国を挙げて私は取り組まなければならない、そういうときに障害者の大切な、お互いに意思を通じさせる通信、交流手段を取り上げてしまう、これは国際的にも決して自慢できる話じゃないと思います。現状でも障害者の割引は、当局から伺ったところでは二千万円から三千万円ぐらいというふうに聞いておりますけれども、これは郵政事業全体から見ればそんな大きな負担ではないというふうに思います。ですから、値上げによって障害者団体に負担を負わせるべきではない、こういうふうに思いますが、大臣の基本的な姿勢について伺いたいと思います。
○山内国務大臣 私から前段の問題でお答えをしたいと思いますけれども、第三種の料金につきましても郵政審議会で一応は答申はいただいております。しかし、その案は、各先生方の御意見もございますし、郵政省にもたくさんの陳情が参っているわけでございます。したがって、そういう点を十分に郵政審議会の先生に申し上げまして、再検討をお願いしたい、こう考えているわけでございます。 身障者の問題は郵務局長から答えさせます。
○魚津政府委員 心身障害者団体発行の第三種関係についてお答え申し上げます。 これは先生御案内のところでございますが、先回五十一年一月の改定の際に、心身障害者団体の三種の要件の緩和策というものを講じたわけでございますが、料金は、それ以前の四十六年につくりましたものを今日引き続いてその料金に据え置いているわけでございます。 先生ただいま約三千万程度の料金の問題じゃないかというようなことでございますが、私どもといたしますと、九年間も料金が据え置かれている、他の料金とのバランス、そのことが郵便の利用者全体に及ぼす影響という点を考えますと、今回はある程度の改定をぜひともお願いをしたい。ただ、これは三種全体の問題として、いろいろと陳情あるいは反対という声のあるところは、大臣からも申しましたとおり重々承知しておりますので、郵政審議会で決める際にそういう点を踏まえて、この三種の料金問題、とりわけ身体障害者団体発行の料金について考えさせていただく、こういうふうに考えている次第でございます。
○岩佐委員 次に、青い鳥はがきについて伺いたいと思いますが、現在障害者は青い鳥はがきについてその利用を楽しみにして、しかも同じ方が利用するということで、定着してきているというふうに聞いています。ですけれども、障害者の要望として、もう少し障害者の適用範囲を広げてほしい。現在、一、二級ですが、それを三級まで広げてほしいという要望があります。これはとりわけ聴力障害者の方々、きょうも傍聴にお見えになっておられますけれども、途中で難聴、聴力障害を起こされた方々、こういう方たちは文章は、小さいとき文字を習っていますから書けるわけです。そういう方々で三級という人がかなり多くて、手話では意を尽くせない、それをずいぶん文字によって書く、だから文通が多くなる、だから何とか三級まで広げてほしい。私はこれはそうむずかしいわけではないのじゃないかというふうに主観的には思っています。それは、伺ったところでは、一、二級の該当者は三十五万人いる。予算枠がそれだけとってあるけれども、一応利用者は十六万人から十七万人。これはもっとふやしていかなければならないという問題は別問題としてありますけれども、現状としてはこうなっている。三級の該当者は十六万五千人ですから、三級まで広げても、非常に大きな負担になる、そういう大きな枠拡大になるということではないのではないか。これはぜひ検討していただきたい。 それからもう一つ、青い鳥はがきについて、これははがきだけでございますけれども、やはりはがきでは書き切れない問題がたくさんある。むしろはがきよりも封書で出したいのだというような要望が、やはり聴力障害の方から出されています。これを切手でもあるいははがきでもどちらでも選択できる、こんなふうにしたらいいのではないか。このことについても、いろいろ伺ってみるとそうむずかしい手続ではないというふうに聞いておりますので、ぜひ検討をいただきたいと思います。 それから、私はきょう十六分しか持ち時間がありませんので、いろいろやりとりしていると時間がなくなってしまいますので一遍にお伺いします。現在、印刷が終わっている二十円の年賀はがきの扱い、これは先ほど同僚議員からも指摘がありましたけれども、当然のことながら改定すべきではないというふうに思いますが、この問題についてお答えを簡単にお願いしたいと思います。
○魚津政府委員 三点の御提言と受けとめて回答させていただきたいと存じます。 第一点は、現在の青い鳥はがきの配付の対象者を三級まで拡大をしたらいかがか、こういうお話でございますが、私どもといたしまして、現在の青い鳥はがきにつきましては、国の行う身体障害者に対する施策そのものの総合的なと申しますか、ある程度整合性というような観点が背景にもあるわけでございます。たとえば所得税法の特別措置でございますとか、あるいは公職選挙法の郵便投票制度などを参考といたしまして、それとのバランスを考えて一、二級の重度の身体障害者を対象として始めた、こういういきさつもございます。それからいま一つは、これ以上拡大することの事業財政に及ぼす影響ということからあれこれ考えてみますと、慎重に考えざるを得ないというのが私どものいまの考えでございます。 次に、この青い鳥はがきということだけでなくて切手を配付したらいかがかということでございます。私ども青い鳥はがきというのは昭和五十一年から施策として講じてきたわけでございますが、この運動に協力をいたすということで特別な意匠の郵便はがきを発行いたしまして、この周知を図る意味を含めて重度の身体障害者に御要望に応じて配付をしている。そこでこのはがきと切手の選択制を採用するという御提言になるかと存ずるわけでございますが、こうなりますと対象者の御要望状況をあらかじめつかむということはなかなかむずかしゅうございます。そういったことから郵便局における準備数の決定が困難であるとともに事務の複雑さ、それから加えて私申したいと思いますのは、普通切手を配付するというようなことになりますと、身体障害者の福祉強調運動とのつながりが希薄になるというような点も考えまして、これも私今後先生の御提言は心にとどめてまいりますけれども、慎重に対処せざるを得ないというふうに考えている次第でございます。 それから、ことしの年賀はがきのことでございます。現在御審議を願っている法案の早期成立を願望しているところでございますが、年賀はがきの料金については、この法案の施行期日がどのように定められるかによって料金の取り扱いも決定されるものであるのでよろしく御審議をお願いいたしたい、かように思う次第でございます。
○岩佐委員 もう時間がありませんので、大臣に要望を申し上げたいと思います。 一つは、障害者の問題について私が提言しました問題、よく御検討いただきたいと思います。 それから今回の法定制緩和、これはもう先ほど同僚議員からいろいろ指摘がございますけれども、わが党の藤原議員の要求で明らかになつたように、一九八八年まで八年間にわたって三回もの値上げによって封書を八十五円、はがきを六十円にという大幅値上げを行おうとするもので、私どもはとうてい認められないと思っています。郵便料金は国の独占に属する事業であって、租税と同等の性格を持つものです。それを国会の議決に基づかないで定めるということは「あらたに租税を課し、又は現行の租税を變更するには、法律又は法律の定める條件によることを必要とする。」という憲法八十四条、そしてまた「租税を除く外、国が国権に基いて収納する課徴金及び法律上又は事実上国の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」という財政法三条に明確に違反するもので不当なものであると考えています。私は、このような郵便法の改悪を撤回すべきだということを強く主張し要求して質問を終わります。
○佐藤委員長 岩佐恵美君の質疑は終わりました。 これより鈴木内閣総理大臣に対する質疑を行います。なお、申し合わせの質疑時間を厳守されるようお願いいたします。 鈴木強君。
○鈴木(強)委員 総理にはお忙しいところをありがとうございました。時間が非常に制約されておりますので、私の意見も申し上げたいのでありますが、それができませんことを残念に思います。 第一にお尋ねをいたしたいのは法定制の緩和の問題でございます。御承知のように、郵政事業特別会計のうち、郵便事業の場合には累積赤字が二千百二十四億ございます。したがって、この際法律を改正して、この累積赤字がなくなるまで一定の制限をつけて郵政審議会の諮問を経て大臣が省令で決める、こういうふうになっておるのでございます。これはもう財政法第三条、郵便法第一条の精神に違反をするものでございまして、私たちとしては、国会軽視もはなはだしい、断じてこの点は認めがたい、こういう主張を終始いたしまして、きょうまで審議を続けてまいったのでございます。この問題について総理と質疑を交わしておりますと時間がかかりますので、私は次の点について一つただしておきたいのであります。 それは、法定制が緩和されまして、今度は郵政審議会の諮問を経て、答申を得て決めることになりますから、現在の郵政審議会というのは、性格、機能、その他、たとえば大臣に対する答申や建議がありましても、これを尊重するというような規定もないのです。いわゆる単なる諮問機関にすぎないようなものでございます。したがって、法定から外れて大事な料金の決定等をなさることになるのですから、この審議会を抜本的に改組して、そして国民の、われわれの気持ちを十分吸い上げて適切な料金決定というものができるように大胆に改革すべきだと私は思うのでございます。その際希望いたしますのは、委員の任命につきましても、いま大体大きな会社の社長さんとか学者先生だとかいろいろいらっしゃいますが、いわゆる一般庶民階級を代表したような人たちがおらない。ですから、いま三十八名の委員のうち三十六名、二欠になっておりますが、ぜひこの任命その他についても抜本的な改革をしてほしいということが一つです。 それからもう一つは、料金決定などするわけですから、審議会が独自にたとえば公聴会的なものを開いて、そして意見を一般から吸い上げて審議をし、決定をして、答申をするというようなことをお願いしたいのです。ですから、特に委員の任命は大臣がなさるのですけれども、この方法についても運輸審議会とかあるいは専売事業審議会等がございますので、そういったふうな面も参考になされてやってほしいと思いますが、特に農業団体関係とか中小企業関係とか消費者団体とか、こういった方々もより多く審議会の中に入れるような方途も講じていただきたい。要するに、国会にかわってやらなければならないような立場になるのでございますから、審議会をぜひ強化していただきたい。これは大臣も検討するというふうにお答えをしておりますが、ぜひひとつ内閣総理大臣の方からもこれに対する御所見を聞かしていただきたい、これが一つでございます。
○鈴木内閣総理大臣 いま鈴木さんから御指摘のように、郵政審議会は郵政事業全般にわたりまして重要な問題について御審議を願う機関でございますので、私も、この審議会のあり方というものを重視していかなければならない、このように考えております。これは郵政大臣の諮問機関ということにはなっておりますが、今度の法改正等によりまして料金等もここに諮って決める、こういうことでございますから、審議会としては、御指摘のように各方面の御意見というものも十分聴取をしてこれを適正に運用さるべきものである、このように私は考えております。 郵政大臣の諮問機関でもありますから、郵政大臣からもあわせてお答えをさせます。
○山内国務大臣 総理から御答弁をいただいたのでございますけれども、従来郵政審議会というのがございましていろんなことを審議してまいりました。委員の構成も、できるだけ広い範囲にわたって、女性代表それから一般の大衆の方も入れて審議をいたしておりますが、今日までの委員会における審議の状況にかんがみまして、いろいろ御意見がございましたので、事務局に、ひとつ再検討しなさい、従来よかったかもしれないけれども、再検討して直すべきは直しなさいというような指示を出して、いま再検討中でございます。今後先生方の御趣旨に沿ってやってまいりたいと考えております。
○鈴木(強)委員 第二は、今回の料金改定がかなり大幅に行われるわけでございます。したがって、政府がお決めになりました経済見通し六・四%、これとの関連で、いま御承知のように毎月毎月前年同月比八・七、八、九というふうにかなり高騰しているわけでございます。この料金値上げが物価に寄与する分が〇・〇四と言われておりますが、これはどこからはじいたのか数字そのものについてはよくわかりませんが、実感としてはかなり高いものになるし、このことがまた、公共料金でございますから他の物価に波及をして物価を押し上げていくという作用をすることは間違いないと思うのでございます。総理大臣は非常に経済の見通し等につきましても御苦心なさっていると思いますが、公定歩合の引き下げも再度日銀の方でもおやりになるようなお話も聞いておるだけに、この経済見通しを少なくともしっかりとやれるような配慮をしていただかなければならぬと思いますが、現状ではそういくかどうか非常に私たちは疑問を持つわけです。その点についてはいかがでございましょうか。
○鈴木内閣総理大臣 物価の問題は大変重要な問題でございますが、諸般の状況はきわめて厳しい状況下に置かれております。特にことしの夏異常気象等に見舞われまして、野菜等生鮮食料品全般に大きな被害がございました。そういう点を反映をいたしまして八月の消費者物価は相当値上がりをいたしておるわけであります。しかし、今月に入りましてから大分野菜の出回りも見られるようになりましたし、基本的に、卸売物価の鎮静に伴いまして基調は鎮静化の方向に向かっております。私どもは、今後、消費者物価の安定に、目標値でありますところの六・四%、これを達成いたしますために内閣全体を挙げて一生懸命取り組んでいきたい、目標を達成をしたい、このように考えておるわけであります。 今回の郵便料金の値上げ、御指摘のようにこういうことに便乗していろいろの動きが出てくるということであってはいけないわけでございまして、便乗値上げにつきましては厳にこれを監視をし、そのようなことのないように努めていきたい、こう思っています。
○鈴木(強)委員 それから、第三種郵便物ですね。いわゆる一種、二種の封書、はがき以外は法定から外れております。郵政審議会の議を経てそれぞれお決めになっておるのでございますが、特に第三種郵便物については、現行十五円が三十五円と、一三〇%以上の値上がりになるわけでございますね。これについては、余りにもひど過ぎるという陳情が山のごとく私のところにも来ておるのでございます。したがって、すでに郵政審議会の諮問を経て答申があるわけでございますが、私たちとしては何とかこの面については再考慮をしていただきたいということで、大臣も、郵政審議会の方にもう一度お諮りをして決めたいと、こういう良識的な答弁をいただいておるわけですが、この第三種郵便物というのは、新聞を初め公共的な性格の強いものでございますので、特段の配慮をしていただきたい。ですから、三十五円などと言わないで、少し適正なところに抑えていただきたい。大変細かいところでございますが、非常に大事なところでございます。いままでなかなか結論が出なかったところですから、ちょっと総理から伺っておきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 私は昭和三十五年に郵政大臣をやったことがございますが、当時と今日ではいろいろ状況が変わってきておるようでございます。私のときは、一種、二種はなるたけ上げたくない、こういう方針で、第三種あるいは第四種というようなものを手直しをしたと、こう記憶をしておりますが、その後第五種はなくなりまして、第一種の方に移り変わったというようなこと等もありますし、大分内容が変わってきておるように思います。 そこで、いま御指摘の第三種の料金の問題につきましては、確かに御指摘の公共性というものもございますが、受益者の負担というのはなるたけ余り偏らない、不公平にいかないようにという配慮もまた必要ではないだろうか、こう思っております。第三種のコストの割合に料金が非常に安いことになっておりますのもそういう配慮でありますけれども、コスト計算からいうとほかのものに比べて非常に緩やかになっておるということも事実でございます。そういうことをいろいろ勘案をしまして、現実にこの料金を今度決めます場合には郵政審議会に諮って決めるわけでございますから、そういう際には、郵政大臣からもお答えを申し上げておりますように、各方面の御意見を十分配慮しながら決定をいたしたい、こう思っております。
○鈴木(強)委員 それでは最後でありますが、改正法律案の施行の問題との関連でございます。大臣御承知のように、郵便関係には年賀はがきがございますね。すでにこれは準備の関係上二十円、二十一円で印刷をして済ませてあるわけですね。したがって、この委員会でも、この問題についてはとにかく現行の料金、改正前の二十円、二十一円でいくべきであるということを強く各委員から大臣以下に迫っておるのでございますが、一刻も早くやらしていただきたいという一点張りできょうに来ているわけでございます。しかし、事実問題としてもう十一月の五日ごろからは売り出しをしなければならないということになりますと、物理的にも不可能ではないかと私は思うのでございます。なかなか郵政大臣以下政府委員の意見は、あくまでも何とか便法はないかというようなことでおられるようでございますが、これは内閣総理大臣としては、これだけの値上げをするのでございますしするので、私は、刷り上がったものにどういうことをしてやるのか、この点よくわかりませんけれども、そんな器用なことはできないでしょう。したがって年賀はがきは現行でいくべきであるというふうに強く願うわけですが、内閣総理大臣ですから、これはあなたが最終的に決断をしていただかなければならぬと思いますので、いい機会ですから、総理大臣からこのことについて伺っておきたい。 それから、時間の関係がありますのでもう一つ、実は施行をいつにするかということです。私たちはこの法案には反対です。ですから、いつからにしてくれということは言う立場ではございません。しかしながら、いろいろな角度から考えまして施行期日というものをどんなにするのか。政府答弁ですと、準備は一カ月ぐらいは欲しいということになりますので、いまの原案は十月一日からということになっていますから、この施行日を変えなければならぬわけです。そういう点もありまして、ひとつこの際政府の態度をはっきりしておいていただきたいと思いまして、この二つを御質問するわけです。どうぞお答えください。
○鈴木内閣総理大臣 法改正が国会の御承認を得まして実現できます際、その実施時期でございますが、これは、政府としては、できるだけ一日も早い方がいいと、そうお願いをしたいと、こう思っております。 ただ、年賀はがきの問題につきましては、これは諸般の事情を考えまして二十円に据え置きたい、このように考えております。
○鈴木(強)委員 では、ありがとうございました。時間がありませんから……。
○佐藤委員長 鈴木強君の質疑は終わりました。 阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 どうも総理、お忙しいところを恐縮に存じます。-先ほど実は郵政大臣にも質問さしてもらったのですが、私は、公共料金を改定するに当たってどういう基本的な態度で臨まなければならないかということについていろいろ考えておるわけでございますが、郵便、電信電話あるいは国鉄運賃というような独立採算制による公共料金、これはきわめて一般論としてでございますけれども、私は、原則として受益者負担が原則だと思っております。したがいまして、公共料金だから一切値上げをしてはいけないとか、あるいは公共料金の赤字は一般会計から補てんせよというふうなことは考えていないのですけれども、しかし同時に、この公共料金の値上げが他の物価に及ぼす影響が非常に大きいというような場合、料金をある期間据え置いて、若干次の機会に大幅な値上げをするとか、また、一般会計から繰り入れることによって国民がそれ以上の利益を受けられるだろうというような判断が成り立つ場合には、そういう方法も講じられなければならない、公共料金というものはそういう観点からとらえるべきであって、そういう判断をするのが政治であり国会の場ではないかと、そう考えるのですが、公共料金一般についての改定に当たっての考え方について、総理の所信を承りたいのです。
○鈴木内閣総理大臣 私は、この公共料金の取り扱いにつきましては、短期的には、何とかこれを繰り延べたりあるいはほかの措置を講じてこれをすぐやらないというようなことで、目先の効果はそれで上がるとこう思っておりますけれども、しかし、いつまでもそういうことができるわけではない。中長期的な展望に立った場合には、これはやはり受益者負担で、そして特別会計の中でそれが合理的に処理されていく、こういうことでなければいけない。それを一時抑えましても、そういうことで参りますと、いずれの日か大幅に急激な価格の変動、そういう御負担ということをお願いせなければいかぬということに相なりますので、私はなだらかに、この公共料金の場合におきましても経済性というものを十分配慮しながらやっていくのが適当である、このように基本的に考えております。
○阿部(未)委員 しかし、現実の行政としては総理、ある場合に公共料金の大幅な引き上げが他の物価に著しい影響を与えるというふうな懸念がある場合には、たとえば一般会計から繰り入れることによって全体的な物価を抑えていく、そういうような措置だってとられるのが至当ではないのでしょうか。いま総理のおっしゃるとおりであれば、赤字が出れば料金を上げていく以外に方法がないのではないかという理論になるのですが、それでは私は政治ではないと思うのです。全体的な経済を見渡して、そういう措置が場合によっては――常にとれというのではないのです、場合によってはとられる場合もあるのではないか、そういうお考えを聞いているのです。
○鈴木内閣総理大臣 そこが私、阿部さんとは基本的に違う点でございます。今回の改定のねらいとするところも、この赤字財政、これを脱却する間、ひとつこのような措置を講じさせていただきたい、厳格な規制のもとにそれをやらしていただきたい、こういうことでございまして、今度の法定制の緩和ということを悪用するといいますか、いいことにして安易な経営をやろうということであってはいけない。あくまで国民の立場に立ちまして合理化というのは徹底的にやる、こういう前提の上に立って国会から御承認を得た非常に厳しい条件を踏まえてその運営を適正にし、そして財政の立て直しもやる、こういうことでなければいけない、こう思っております。
○阿部(未)委員 総理と私の議論がかみ合わないのです。私は何もいま郵便料金をやっているわけではございませんで、公共料金の改定に当たっての基本的な考え方を総理にお伺いしておるのですが、総理は郵便料金の値上げの話ばかりなさっておるようです。事務当局からそういうふうにお聞きになっておいでになったならやむを得ませんけれども、私がお伺いしているのは、もっと抜本的な公共料金の改定に当たっての総理の識見を伺っておるのです。これについてはもう御答弁ありませんか。
○鈴木内閣総理大臣 当委員会でございますので、つい郵便料金の問題になりますが、公共料金全般につきましても、基本的には私申し上げておるとおりでございます。
○阿部(未)委員 私は不満ですけれども、総理がそういうお考えならいたし方がございません。 そこで、その次ですが、この郵便料金等の改定に当たりまして、いかなる方法をもって累積した赤字を解消していくか、その方法、たとえばいま私が申し上げたように料金改定も最たる一つの方法でしょう、あるいは一般会計から繰り入れなければならない場合もあるのではないか、ある場合には若干の期間延期することもあり得るのではないか、そういうことを議論して決めるのが国会であり、国民の負託を受けたわれわれの任務であると思っておりますけれども、この点はいかがでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 御意見のとおりだと心得ております。 またこの問題になるわけでありますが、郵政審議会から御答申がございましたけれども、政府としては諸般の状況、いま阿部さんが御指摘になるような物価の問題だとかいろいろなことを勘案いたしまして、料金の上げ幅あるいは実施の時期、たとえば七月という答申を十月にしたとか、政府は政府なりに、いま阿部さんのお述べになったような気持ちを踏まえまして、私どもとしてもできるだけ努力をしてきたものでございます。今後も、この法律の改正がなされましても、そういう気持ちでこの運営には当たっていきたい、こう思っております。
○阿部(未)委員 総理は私の主張を大体理解していただいたようでございますが、それだけに、この法定制を緩和して国会で国民の負託を受けて決めるべき郵便料金等をやすやすと省令に移管をする、あるいは先ほどお話のありました郵政審議会の答申を得て大臣がお決めになるという安易な方法を軽々にとるべきではない。いま私はそのことの是非について議論をしようと思いませんが、原則としてそれをやるのはやはり国会の場であって、安易な方法に流れるべきではない、こう考えておるのですが、いかがでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 いま、今回のこの法改正につきまして、当委員会の御審議の重点といいますか御議論が、ほとんどその一点に集中しておるということを私伺っておるわけでございます。こういう委員各位の真剣な、厳しい御批判なり御意見というものを私どもお聞きすることが、今後の運営のよって立つ基盤になる、こう考えておるわけであります。恐らくこの法律が通るますに当たりましては厳しい条件というものをおつけになることと考えておりますが、そういう条件のもとにおきまして私ども適正な運営をしてまいる所存でございます。
○阿部(未)委員 次の問題ですけれども、総理も郵政大臣をおやりになられたわけでございますからお詳しいと思いますけれども、郵政事業、郵便事業が収支相償、いわゆる総合収支主義、こう言った方がわかりやすいと思いますが、総合収支主義をとっておる。たとえば、手紙では黒字が出るがはがきでは赤字である、あるいは小包は赤字である、それを全部ひっくるめて収支が相償うようにというこの計算の仕方になっておるわけでございます。そこで、郵便物の中には、たとえば信書の送達というような完全に郵政省でなければやれない独占の部分と、あるいは小包の取り扱いのようにいわゆる一般運送業の補完的な役割りを果たしておるものがございます。ところが総合収支主義でございますから、小包のようなものを取り扱うことによって莫大な赤字が生ずる、その赤字を独占によってそれ以外に手段のない手紙や、あるいは今度料金改定をするはがき、そういう独占に係る郵便物の負担に肩がわりをさせていく、こういう方法がとられておるわけですが、私は小包料金を高くしていいというのではありません、公共的な役割りから考えればやはり小包料金は安くなければならないだろう、しかしその小包料金が安いことが独占に係る手紙やはがきを出す人の負担に転嫁されるのが正しいのかどうか、この辺どうお考えでしょうか。――どちらでもいいです。
○山内国務大臣 いまの御説もごもっともでございますけれども、小包は余り成績がよくないのです。それで、それでは値段をもっと上げたらどうかということになりますと、上げれば上げるほど数量は減ってくると思います。といって、いわゆる民間業者にどんどん移していったような場合に、民間業者としては採算のとれないような地域には配達してくれないと思うのです。したがって、郵政省としてはやはりそういう公共的なことを考えまして、全国津々浦々までやはり配達しながら国民にサービスをすべきである、こういう観点に立っているわけでございます。しかし、どうしても赤字が出ますので、ほかの郵便物からそれをカバーしていただきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○阿部(未)委員 独立採算制で、しかもいま大臣お説のとおりに、うまみのあるといいますか、利益の出るようなところについては一般の運送業者がおやりになる、利益の出ないところだけを郵政省が公共の福祉、公共のためということで、引き受けておやりになる。それはもはや郵便、特に独占に係る郵便を差し出す人たちの負担に帰すべきものか、国策として国民全体が責任を持って処理をすべき問題なのか。お説はよくわかりますが、一種、二種を出す人たちだけの負担でその国策を遂行すべきなのか、国全体がその料金の足らない分については補てんをしていくというような全体的な考え方に立つべきか。それでないと私は郵便事業がつぶれるような気がするのですが、どうでしょうか。
○山内国務大臣 いま小包につきましても経費をできるだけ節約するために仕分けの機械化をやっております。機械的にベルトコンベヤーで流しながら目的の個所ごとに仕分けをしていく、こういう努力をさらに続けまして、できるだけ赤字を減らすように努力をしてやっているわけでございます。 先ほど申し上げました理由によって、ほかの郵便物からそれをカバーするというのは本意ではございません。自立できるように一層の努力をしてまいりたいと考えております。
○阿部(未)委員 お言葉を返すわけではありませんが、努力をして黒字になるぐらいなら民間でおやりになるのですよ。努力をしても黒字にならないからこれが大変な荷になるわけで、そういう場合のことをいま私は申し上げておるわけですが、これは実は先ほど出ました三種郵便物あるいは四種郵便物というような、日本の文化の向上、あるいはその料金が国民の生活に非常に大きい影響を与えるというような場合も似ておるわけです。日本の国全体の文化向上のために三種郵便物の料金はなるべく安くしなければならない、しかし、それを信書の送達を委託する方々の負担にして肩がわりをさせるということが正しいのか、国全体で国家文化の向上のために低料金に抑えてやるのが正しいのか、その辺を私は聞きたいのです。この点はどうですか。
○山内国務大臣 いろいろやり方とか考え方等あると思いますけれども、現在われわれといたしましては、総合的に採算がとれるようにやるのがいいんじゃないかというような考え方でやらさしていただいておるわけでございます。
○阿部(未)委員 総合的に採算がとれるのは、それは無理をしてとっておるのであって、私が申し上げておるのは本来、郵便でしかも独占に係るものというのは信書でございます。これはほかに手段がございませんから、いやでも手紙かはがきを使わなければならないのです。ところが、いま申し上げた小包料金であるとか、あるいは国民全体の文化の向上のために必要な第三種郵便料金を低料に抑えるということについては、それはもはや郵便の独占事業の域を出て、国全体の施策として行われるべきではないか。そのことについてさっき大臣は、郵政事業の関係以外ですからと言ってお答えにならなかったけれども、私はこれを総理にお伺いしたいのです。いずれが正しいのかということ、総理、その点はどうでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 いろいろ御所見を伺っておるわけでありますが、おっしゃるとおりコスト計算もあるわけでございますから、本来であれば、そういうコストに見合った、全体として適正に負担をしていただく、こういうことが一番いいと思いますけれども、やはり郵政事業全体としては、大臣からも言うように運営上いろいろの問題があると思います。ただ言えますことは、この封書、第-種の場合におきましても、信書というのとダイレクトメール的な、PR的なものを比べますと、私はどうも信書の方が比較的少ない、ダイレクトメールの方が多い、こんな感じがするわけでございます。これは各御商売でPRのために使うわけでございますから、私は、そういうところはひとつ御負担を願ってしかるべきものではないだろうか、こう思います。 第三種につきましては、先ほどもちょっと触れましたが、コスト計算から言うと、ほかのものよりはずっと損を覚悟でやっておるということでございます。いろいろ細かく言いますと負担の均衡ということはそのとおりにはまいりませんけれども、全体として、いまおっしゃるようなことも頭に置きながら郵政事業としてはやっていこう、こういうことであろうかと思っております。
○阿部(未)委員 あわせて、先ほど来、恵まれない方といいますか、身体障害者等に対しての郵便料金の免除とか、いろいろな御意見が出ております。当局の御答弁も非常に思いやりのある答一弁で、私はそれはそれなりに結構だと思うのですけれども、いま私が申し上げた論点からすれば、たとえば盲人用の点字の郵便物は無料にする、非常に結構なことですが、それも国策として国民全体がそれをやるべきであって、申し上げたところの信書の送達をお願いする人たちの負担によってこれをやるという方法が正しいの、だろうかどうだろうか。それは余り安受け合いをして、あれもやります、これもやりますということで、郵便事業は何も郵政省のものではなくて、これは郵便を出す人たちのためのものでございますから、その辺は余り――そんなことになればますます郵便離れが出てきて、根幹である郵便事業そのものがつぶれてしまうおそれもなしとしない。そういう意味合いから考えますと、私は、無料で扱ってあげること、大変結構なことであるけれども、その補てんを一種、二種を利用される方々に肩がわりさせるべきものなのか、国がそういう福祉の施策として補てんをすべきものなのか、これも私は疑問があるのですが、どうでしょうか。
○山内国務大臣 身障者の問題も一つの例でございますけれども、郵便事業というのは全体が公共事業に相なっているわけですね。公共的な事業としていろいろな事業を一緒に合わせてやっている、こういう事業でありますので、いろいろな観点からこうやっていただきたいというのは、できるだけ御趣旨に沿うようにやる、値上げの幅もこれで極力抑えて、やっとこの辺でお願いをしている、こういう現状でございますので、その点は御了承いただきたいと思うわけでございます。
○阿部(未)委員 どうも、基本的な議論に触れてもらえないので非常に残念ですけれども、私の申し上げておる趣旨は大体わかっていただけた――いわゆる一種、二種を利用される、独占に係る人たちの負担に肩がわりをさして、本来国がやらなければならない施策を怠っておるのではないでしょうかと言いたいのが私の申し上げた趣旨でございます。 最後に、総理にお伺いいたしますが、実は一昨年の年賀郵便ですけれども、取り扱いに当たって、郵政省の労使間の紛争のために、たくさんの年賀状が元日に配達できずに国民の皆さんから郵便事業の信頼を失うという非常に残念な事態がありましたが、これは本来、労使間にその紛争があったために国民の皆さんに迷惑をかける結果になったわけでございます。どうか、ことしは郵便料金の値上げも見通されるような状況の中で、そういうことのないように、特に総理からも郵政当局を督励をして、よく労使の話し合いを進め、紛争を早目に解決して、国民の期待に沿えるようにひとつ措置をお願いしたいと思います。総理の御決意を伺いたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 労使の信頼関係、これは郵政事業を運営する観点から非常に大事な点だと考えております。私は、そういう観点からいたしまして、郵政大臣ほか郵政省の幹部の諸君もそのことを十分肝に銘じて、労使関係の円滑な運営、信頼関係の確保ということに力を入れるようにしたいと思っております。
○阿部(未)委員 終わります。
○佐藤委員長 阿部未喜男君の質疑は終わりました。 鳥居一雄君。
○鳥居委員 引き続き伺いたいと思います。 総理に伺いますが、ことしの一月二十五日、自民党の総務会におきまして、郵便料金の値上げ法案を差し戻された経緯がございます。そのときの総務会長がたしか現総理でいらっしゃるわけですが、ともかく公共料金の値上げ、これは厳正な公共料金政策上好ましくないということで戻されたはずでございます。合理化、効率化、ごれも評価すべきものがないと、私この記事を見て思うのでありますが、その後一月二十五日の後二月六日、条件をつけてこの値上げ案を了承された。このとき総務会長をお務めになっていらっしゃいましたが、現在総理大臣というお立場で、この辺は、お気持ち、考え方、この上でどういうふうにお変わりになったでしょうか、あるいは変わらないものでしょうか、率直なところを伺いたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 御指摘のように、私が総務会長時代に、総務会として非常にきつい注文をつけまして国会提案を了承したという経過がございます。そのときの趣旨は、合理化と、そして将来にわたってこの郵政の財政と郵便の財政というものがきちっと確立するように努めてもらいたい、親方日の丸のような安易な考えでやってもらっては困る、こういうことが基本でございます。今回のような法改正が行われた場合におきましては、少なくとも三年ぐらいは料金を改定をするなどということはなさらぬように、きちっとその点はやってもらいたい、それから、いままでの累積赤字二千百億程度でございますが、できるならばこれもひとつ解消してもらいたい、一般会計から補てんをしてもらうなどということなしに、そういう点もできるように、こういう厳しい条件をつげて総務会として了承した。いまでも私のこの問題に対する考え方は変わっておりません。そのとおりに郵政当局にもやってもらいたいと厳しく要請をいたしておるところでございます。
○鳥居委員 昨年の八月、政府の新経済社会七カ年計画が策定、発表されたわけでありますが、この中の重要な柱の一つに「厳正な公共料金政策」これをうたりているわけです。 四項目挙げられているうちの第四、ここには「現在大幅な赤字を抱えている企業体については、早急に再建計画を確立して、企業体の徹底した経営合理化を進めることを基本としつつ、企業体、利用者、行政それぞれの役割を明らかにし、国民の理解を求めながら企業再建に努める。」こう明記されているわけです。 私は、この七カ年の中にある今日、しかもここで、早急に再建策を確立するのだ、こう明記されているわけでありますが、今回のこの郵便法の一部改正、これは値上げだけをやろうとするもので、いわゆる再建計画というものが全く明示されないままきょうを迎えているわけです。こういう形では、なし崩しに将来値上げという形で再建をしようということになるに違いありませんし、これは早急に再建策を明示すべきである、このように思いますが、いかがでしょうか。
○山内国務大臣 新経済社会七カ年計画の「厳正な公共料金政策」の項についていま御指摘があったわけでございますが、今回の値上げにつきましても、一般国民の方の理解を得るためには、もっと企業化、企業的な努力をしなさい、こういう点が前提でなければなかなかこれは受け入れていただけない問題であるということは、もうよく認識をいたしているところでございます。したがって、御審議の中において、非常に人件費等の率が高い、九〇%でございますけれども、その中でも苦労しながら機械化の問題とかそういう点でいろいろやっていることは御質問にお答えをしたとおりでございます。したがって、こういう体系でやっていけば十カ年で再建ができるという資料も御提示したわけでございますが。そういう点については、この項目につきまして私のいままで御説明申し上げた点をあわせて、この線に沿っているものとして解釈をしているわけでございます。
○鳥居委員 この七カ年計画の中から人件費六・七%、物件費五・〇%のアップを見込んだ、そして将来十年後に黒字にできる、これはもう値上げだけを前提にした議論じゃないですか。つまり、ここで通数を伸ばすための計画であるとかあるいは合理化、効率化を進めていくための計画として、郵政当局では機械化、見るべきものというのはこの程度しかないわけですけれども、再建策といえばこんなものではないはずじゃないですか、いかがでしょうか。
○山内国務大臣 先ほども申し上げましたように、人件費的の割合が九〇%でございます。だからその点はいわゆる人件費の上昇に伴いましてだんだんふえてくるわけでございますが、あと一〇%ひとつうんとやっていこうじゃないか、こういうことで懸命にやっているわけでございまして、御審議の最中でいろいろ御説明したとおりでございまして、この機械化、合理化をいまは大きな郵便局しかやっておりませんけれども、中小の郵便局に及ぼしまして、さらに合理化をしながらいわゆる値上げを抑えつつある、こういう点はひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。やらなければもっと値上げをするのではないかと思いますけれども、そうはいきませんから、一生懸命合理化をしながら値上げの方も抑えておりますと、こういう点を御理解いただきたいと思います。
○鳥居委員 総理に伺いたいのですが、消費者物価への影響というのが非常に懸念されます。これまでの説明によりますと〇・〇四%程度、寄与率から見て非常に低い、こういう説明でありますが、この心理的波及効果、便乗値上げ、これを考えますと、公共料金主導型の高物価というのが大変心配されるわけです。鈴木内閣が公約をいたしました六・四%を抑える、守る、また一方においては現在の軽微だと言われながら〇・〇四%の引き上げが現にある。こういう両板ばさみと申しますかいこういう立場に実は立っているわけですけれども一六・四%を守り抜こうとする御決意をぜひ伺いたいのであります。
○鈴木内閣総理大臣 鳥居さんからも御指摘がございますように、この物価の問題は非常に四囲の状況が厳しいものがございます。石油の大幅な値上がり、海外からの原材料の軒並みの高騰、世界的なインフレーション、そういうような中で日本もやっておるわけでございますが、私は、わが国の官民、特に民間の方々の非常な血の出るような合理化努力、減量経営、そういうような御努力の結果、とにかく第一次、第二次、特に第二次の石油ショックにつきましては懸命な対応をしてきておる、こう思います。物価の問題にいたしましても、日本と西独は一けた台である。アメリカ、フランス、イギリス等々は十数%も高騰をしておる。経済成長にしても、日本はとにかく四、五%の成長をやっておるのでありますが、アメリカなどはマイナス成長である。雇用の問題も、日本は二%程度、アメリカ等は八%、九%、こういう状況。だから、比較していただきますれば、日本の経済運営というのは非常にうまくやっている。これは私は何も政府のやっていることを評価していただきたいということではございません。これは日本の国民全体の御努力、特に健全な労使関係、これが非常に大きな寄与をしておる、私はこのように評価をいたしておるわけでございます。それに追い打ちをかけまして、ことしの夏の冷害、そういう悪条件もございます。大変厳しいものではありますけれども、私どもは何とか目標の六・四%を達成しようということで全力を尽くしておる、こういうことでございます。
○鳥居委員 十五時間にわたって審議をしてまいりました。また、きょうは六時間半、この審議の中で財政民主主義は貫かれるべきものであって、いわゆる憲法八十三条、また財政法三条、このたてまえからいって、独占性の非常に強い公共料金、郵便料金、これは国会の議決を経て決められてしかるべきだとかたく思うわけです。そして、五年、十年で再建するのだという数字が明らかになっているわけですから、時限立法でこの提案をなさったら、もっとはっきり、財政再建ができれば法定制緩和をまたもとに戻すのだということが表明できるだろうと思うのですが、今回は「当分の間」こういう表現で来ているわけですが、最後にこの点を伺って終わりたいと思うのです。
○鈴木内閣総理大臣 鳥居さんの御指摘も、御趣旨は理解ができるわけでございます。しかし、今回の法改正は、国会のいろいろの御議論の中で、こういう厳格な条件下に法定制の緩和ということをやっていただくわけでございます。私どもは、この措置というものは財政再建、赤字解消ということができる間の措置である、このようにお願いしておるわけでございます。私は、その財政再建ができた後におきましてはこのような緩和措置というものは動かない、適用をされないわけでございますから、時限立法にしなくとも、その精神というものを踏まえましてきちっとやってまいる考えでございます。
○鳥居委員 終わります。
○佐藤委員長 鳥居一雄君の質疑は終わりました。 西村章三君。
○西村委員 法定制緩和に関連をいたしまして、お尋ねをいたします。 五十二年の国鉄運賃、またことしの春の専売たばこの料金の法定制の緩和に引き続いて、今回は郵便料金までも国会の審議対象から外す、この一連の行為は、政府のなし崩し的なやり方に基づくものでありまして、立法府の機能を軽視した行政府の越権行為といいますか、あるいは民主主義のルールをじゅうりんした暴挙であると私は思うのであります。 そこでお尋ねをいたしますが、あと法定制が残されましたものはただ一つ、電電公社の電話料金だけであります。うわさによりますと、この電話料金の法定制も緩和をされるのは時間の問題だ、こう言われておるのでありますが、この電話料金の法定制を緩和するのかどうか、この際、総理の考え方をはっきりと聞かせていただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 私は、電話料金等の法定制緩和ということは全く聞いておりません。また、電電公社の経営、財政事情というものは、現在のところ、決して心配がない状況下にある、このようにも承知をいたしておるわけでございます。
○西村委員 全く聞いておらないという御答弁でございました。すでに公共企業体である国鉄あるいは専売公社がスタートして、残るはただ一つ電電公社、その前に国営事業である郵便の法定制まで緩和された、こういうことでありまして、私はむしろ、いわゆる郵便料金そのものを電話料金に先駆けてやること自体が、ある意味では主客転倒だと思うのでありますが、この点いかがでありましょうが。
○山内国務大臣 いま総理から電話事業についてのお話がございましたけれども、電話の法定制緩和ということは、いまのところは全然考えておりません。 そこで、郵政事業を先にやるのはどうかというのは、この委員会でたびたび御説明いたしましたように、本当にせっぱ詰まっているのです。二千百億円の赤字を抱えてどうもやりようがないというような状態から、最小限度ひとつ――これで全部累積赤字が解消するわけではないのです。最低の限度でこの限度まではひとつ御了承いただきたい、こういう状態がちょっと違うのです。その違いから起きている問題で、今回お願いを申し上げている、こういうことでございます。
○西村委員 お言葉を返すようでございますが、いまの時点では考えておらないということは、裏返しますと、将来はまた考える、こうもとれるわけでございます。幸い今日電電公社は黒字でございますが、万が一赤字が出たときにそのことを考える、どういう解釈でもよろしゅうございますか。
○山内国務大臣 先のことまでこの機会にちょっとお答えはしかねますので、御了承いただきたいと思います。
○西村委員 次いで、第三種の料金についてお伺いをいたします。 郵政審議会は、第三種料金、中でも毎月三回以上発行する新聞等につきましては、先ほど来言われておりますように現行の十五円を三十五円に、すなわち二・三倍に引き上げる答申をいたしております。しかし第三種郵便物が持つその性格、あるいは本年の予算修正交渉の中で第三種の上げ幅を極力圧縮するということで四党が合意をいたしました。当時の大平総理も本会議でその履行を約束され、また当委員会におきましても山内郵政大臣が、これを最大限尊重する、かように答弁をされております。鈴木総理も三種料金の改定については当然これらの性格と経緯を踏まえて配慮をされる、すなわち三種の引き上げ率を最大限に抑制し答申の手直しをする、こう理解をして御異議はございませんでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 第三種郵便の公共性がわりあいに高い、そういうようなことから今日までずっと第三種郵便というのは低料金になってきております。しかし近年に至りまして、コストとの関係からいって乖離が余りにもはなはだしい、こういうようなこともございまして、これを適正に改定をしなければならないというのが郵政審議会の御意見でもあったわけでございます。しかし、私も四党間の話し合いというものも承知をいたしております。今後予算編成までの段階におきまして公党間の再確認等がなされた場合には、これを尊重するということにやぶさかでございません。
○西村委員 次いで、料金改定の実施時期につきましてお伺いをいたします。 この改正案の政府原案では施行期日が本年の十月一日、こうなっております。この期日はすでに経過をいたしておりまして、また年賀状もすでに先ほど来お聞きのとおり二十円で印刷をされておる。また第二種は二段階引き上げを予定されているのであります。特に重要なことは施行期日と物価との関連でありまして、これは、総理自身も就任直後から、物価の安定というものは最重要課題である、消費者物価指数六・四%の達成をなし遂げるためにはあらゆる手段を使ってこの達成を図る、こう明言をされております。しかし現実には八月、九月の指数というものは八%台を記録しておりまして、今後六・四%、この達成のためにはおよそ月間四・二%以内ぐらいに抑え込まなければならないんじゃないか、こういうことも言われておるわけであります。 そこでお尋ねをいたしますが、政府は、料金改定の施行期日、これをいつごろからと考えられておるのか。私は、この際、国民になるべく負担をかけないように一また物価対策上からも総理は総理としてのリーダーシップ、これを大いに発揮をしていただきまして、勇断を持って、改定料金の施行期日をできれば本年度内は、われわれはこういう希望を持っておるのでありますが、本年度は見送るくらいの措置をとられてはいかがか。総理は政府・与党の最高責任者でございます。与党を説得されてそのように指導されるお考えはございませんでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 気持ちとしては西村さんと全く同じでございます。現に十月一日からというものも、郵政審議会の答申では七月ということであったものを、いま西村さんがおっしゃったようなこと等も十分配慮をいたしまして十月一日実施、こういうことにしたわけでございますが、もうこれはとうに経過をいたしております。しかし、毎日毎日赤字が累積をしておるというのも、これも厳しい現実でございます。でありますから、できるだけ早く実施に移したいということを申し上げるほかはないわけでございます。しかし年賀郵便につきましては、先ほど鈴木さんにお答えいたしましたように、今回の年賀はがきは二十円ということに据え置きたい、こう考えております。
○西村委員 経営努力の問題でございますが、最近ここ数年の郵便事業というものを見ておりますと、赤字になれば料金を改定して値上げをすればそれで解決する、こういう安易な対応の仕方が目立っておるようでございます。国民の方から見ますと、独占事業の上にあぐらをかいたいわゆる親方日の丸、お役所仕事、この典型に郵便事業が落ち込んでいってしまうのではないか。経営努力といいますか企業努力といいますか、創意工夫というものが非常に不足しておると私は思います。行政改革の必要性がいま非常に叫ばれておる。減量経営や徹底した合理化、効率化、これが強い世論となって今日求められておる時点で、郵政事業は謙虚にこれを受けとめて国民の期待にこたえなければなりません。特に郵便事業は、御案内のとおり人を中心とした労働集約性の非常に強い事業であり、事業経費の九〇%までも人件費で占めるという事実から考えまして、問題は人の配置や活用をいかに図っていくか、これが事業の成否を決する、かように申し上げても過言ではないと思います。ただ問題は、口先だけではなしにそれをいかに実行するかということであります。当委員会で私もこの問題につきましてはずいぶんと意見を申し述べたのであります。 そこでお尋ねをいたしますが、料金改定の大前提としての経営努力、これを今後どのように実際的効果が上がるようにされるのか、また定員の調整や配置の転換を通じていかに定員の縮減やいわゆる労働生産性の向上を図ろうとしていくのか、これは総理のお考えをぜひ求めておきたいと思います。
○山内国務大臣 いま御指摘の点はごもっともな点ばかりでございます。郵政事業について一番重要なことは労使の協調であり、ともかく効率が上がるように働いていただくようにこちらもいろいろと対策を講じなければいけない。そうしながら経営の合理化という原点に立たなければいけないということは御指摘のとおりでございます。したがってそういう点を十分に注意しながら、労使の協調を保ちながら、しかも能率が上がるように、こういう点に今後配慮をしながら郵政事業を合理化してまいりたいと考えております。
○西村委員 最後に郵政事業のあり方につきまして、これはぜひ総理に御答弁をいただきたいと思うのでありますが、お伺いをいたします。 現在、郵政事業は郵便事業を中心にしまして大きな転換期に差しかかっていると私は思います。たとえば赤字の体質というものがすでに定着をし、慢性化の様相がある。料金値上げのそれとの悪循環、またこれに伴う国民の手紙離れ、郵便離れといいますか、遅配、欠配、さらには違法ストに対する国民の不信感、これもございます。また小包部門や保険年金事業に見られるいわゆる民間との競合など課題は山ほどあり、早急な解決が望まれておるのであります。したがって私は、この際郵便事業そのものを全面的に見直して今後のあり方を十分検討し、新たな対応策を確立しなければあすの郵政事業の発展はあり得ないのではないか、こう思うのであります。このことは総理自身も所信表明の中で、あらゆる角度から行政を見直して国民の期待にこたえる簡素で効率的な行政を実現をしたい、そのためには「政府が直接関与する必要がなくなったと思われる仕事はできるだけ民間部門の手に任せる」こういうようにおっしゃっておられるわけであります。 そこで、一つの提案でございますが、この際既存の制度の維持にきゅうきゅうとしているような今日の消極的な考え方あるいはその態度というものを改めまして、全面的な事業の見直しというもの、それを通して民間に任せられる部分は思い切って民間に任していく、また拡充すべき重点部門というものは積極果敢な事業展開を図ることによりまして、あすの郵政事業というものを健全に伸ばしていかなければならぬ、こう思うのであります。事業の全面的な見直しと郵政事業の将来のあり方について、総理のお考えを聞かしていただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 西村さん御指摘のように、郵政事業とりわけ郵便事業をめぐる環境は非常に厳しいものがあると私も認識をいたしておるわけでございます。したがいまして、従来のような角度からだけこの問題を検討してもよりよい対応策というものは出てこないのではないか、思い切った、掘り下げた、また新しい発想、時代の要請というようなものを十分踏まえて、今後の改革、合理化というものに取り組んでいかなければならない、このように考えております。 西村さんがその間におきましていろいろ方向について示唆の富んだ御意見がございましたが、全体として私は郵政審議会あるいは郵政当局等において総合的な対策案というものをつくり上げましてそれをお諮りをする。いまあそこをこうする、こうするというようなことでは、かえって事態を紛糾させる心配がございます。特に大事なことは、労使の間で十分理解と協力が得られること、信頼と協調が労使の間に確保されること、これが前提だろう、どんな改革案ができましても、そこがうまくいかないといかぬのではないか、こう思いますので、今後そういう点に十分配慮しながら合理化に向かって進めていきたい、こう思っております。
○西村委員 終わります。
○佐藤委員長 西村章三君の質疑は終わりました。 藤原ひろ子君。
○藤原委員 私はここに「拝啓郵政大臣様」という聴覚障害者の訴えの写しを持っております。ちょっと読んでみたいと思います。 郵政大臣様、私共聴覚障害者の団体では、この 機関紙や会報の占める使命は、他団体のそれよ りは更に重要なのです。コミュニケーションの 不自由のため閉鎖的となり孤独の殻に閉じこも り暗い希望のない生活を送りがちの同障者を力 づけ、親睦交流を深め、その結束を固める最良 の手段は機関紙や会報以外にないのです。 事実、紙上でまだ見ぬ友と交流したり、作品を 発表することに生きがいを見出したり、肉身に さえ理解されない苦悩の記事に共感共鳴した り、機関紙を自己の生きる証しとして、心の支 えとしている人も多いのです。 こういう切々たる訴え、そしてこれを郵便に頼らざるを得ないという中で、郵便料金の大幅値上げは暴挙でなくて何であろうと心から怒っておられ、そしてこう書いております。 暴挙を強行しょうとしていて何が「人間性の回復」でしょうか。まさに「人間性喪失」の何ものでもありません。 私どものところへはこのような訴えが数多く寄せられているわけでございます。 さらに私どもが調査いたしましたところ、あの北海道の新聞は四万世帯がいまだに郵送に頼っているということが明らかになっております。総理の先日の所信演説では、「恵まれない人々に重点的に温かい手を差し伸べる必要」があると表明をされましたが、今回の郵便料金の値上げは、まさに恵まれない人に対して直撃を加えるわけでございます。総理はこの人たちに、郵便料金値上げについてどう説明をされるのか、お答えをいただきたいと思います。
○山内国務大臣 身障者のうち、点字の郵便物についてはもう御承知のとおり無料でございますけれども、いま聴覚障害者のお話があったわけでございます。そこで、本当に心から御同情申し上げるわけでございますが、聴覚障害者に関するものと一般の郵便物との区別が、これはどうやってやればいいだろうと非常に苦慮しているところなんです。一見したところこれは同じでございますから……
○藤原委員 発言中ですが、そのことは何遍か説明がありましたから、総理のこの手紙に対するお返事を国民にしていただきたいと思います。
○山内国務大臣 それでは簡単に終わります。 同じでございますので、今後検討してまいりたいと思っております。
○鈴木内閣総理大臣 いま藤原さんお読みになったのは「拝啓郵政大臣様」と、こうございましたので郵政大臣が御答弁に立ったわけでございますが、私は今後の施策を考えます場合に、恵まれない方々に対して温かい手を差し伸べる、十分な配慮をしていくということにつきましては、今後一貫してその方針をとってまいるつもりでございます。ただ、郵便を利用する者が全部が恵まれない立場ということには私、考えておりません。そういうようなことでございますから、いまこの郵便の財政がもう日に日に悪化をしておる、一日も放置ができない、こういうようなことから私は今回の法改正をお願いをしておるわけでございます。藤原さん等の御意見では、恐らく一般会計からそのものを負担したらどうだ、こういう御意見であろうかと思うのでありますけれども、いまの国の財政事情、これはもうすでに御承知のところでございます。財政再建に全力を挙げなければならない、一方においてこういう厳しい条件もございます。そういうことを勘案しながら私はこれに取り組んでおるわけでございます。ただ、来年は身体障害者年でもございます。そういう身体障害者の方々のために具体的にどういうことをなし得るのか、どういうことをしたらいいのか、そういう点は真剣に前向きで検討さしていただきます。
○藤原委員 それでは、引き続きまして総理に二つまとめてお聞きをいたします。 今回の郵便料金の値上げ幅ですけれども、前回の値上げのときを基準に見ましても、消費者物価の上昇を上回るという問題点がございます。またそれだけではありません。法定制が外されるという期間は物価等変動率に従って料金を上げるという計画でございます。これによりますと、五十九年のときの改定率は二〇・八%となっております。同じ期間の消費者物価の上昇率の見込みは一五・八%と見ているわけなんです。つまり消費者物価の上昇を上回るような料金値上げを現在だけでなくて将来にわたっても認めよ、こういう提案をあなた方は国民に押しつけていこう、こういうことになるわけです。「物価の安定には、引き続き最善の努力を払うこととしております。」と所信表明された総理の言うこととすることが違うではありませんか。こういう点で、所信表明の立場に立つならば、私が申し上げた内容を含む提案というのは再検討する必要があると思いますのが第一点です。 引き続いてお尋ねをいたします。 この郵便法一部改正案の最も重要な柱が法定制緩和の問題です。政府にその理由を累積赤字があるからですかと聞きますと、そうじゃないのだと言うし、郵便は独占事業ではなくなったのですかと聞くと、そうでもない、他人の信書の送達に独占性が薄れたなどと、国家の独占事業にみずから誇りを投げ捨てるような答弁ぶりがありました。今日までの審議は、何のためにいかなる理由で法定制を外すのか、一向に明らかになっていないわけです。このようなあいまいなままで国民に値上げを納得せよなどと言うのはむちゃくちゃというもので、私は本日審議を終わるわけにはまいりません。総理、郵便料金について国会の議決事項から外すのはどういう理由なのか、最高責任者の明快な答弁をいただきたい。 また、郵政省の提出いたしました資料によりますと、四年ないし三年に一回値上げするという計画になっているわけです。政府の答弁では、適時適切な値上げで累積赤字をなくすと言っておりますが、言いかえましたならば、四年ないし三年に一回郵便事業のあり方を含めて料金問題を国会で審議するのは時間もかかるしめんどうだ、自分たちが勝手に値上げできるようにしていきたいというのが本音のようだということになってきたわけです。このような状態で法定制緩和の道を進むのは議会制民主主義を踏みにじる暴挙であるし、鈴木内閣は後世に汚点を残すことになると私は考えます。総理、こういった点、真の郵政財政再建の道と言えるのでしょうか、国民の郵政事業と言えるのでしょうか。 以上の問題について、まとめてお答えいただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 いま料金の値上げ幅と消費者物価の問題、この点についてのお尋ねがございました。 物価のほかにやはり賃金という問題もございます。御承知のように、郵便事業は九〇%までが人力に頼っておるというようなこと等もございまして、賃金その他が上昇いたしましてこのように郵便事業が悪化しておるという事情から今回の改定をお願い申し上げておる、こういうことでございます。 法定制緩和の問題につきましては、これはただ法定制を緩和するということではなしに、厳しい条件がついておるわけでございます。そういう条件の枠の中で各方面の意見を十分聴取しながらできるだけ低目に抑えながら、一方においてこの郵便の経営を改善をしようということでございますから、御了承をいただきたいと思います。
○藤原委員 終わります。
○佐藤委員長 藤原ひろ子君の質疑は終わりました。 依田実君。
○依田委員 この郵便法改正の審議の最後に、総理に三つばかりお尋ねをさせていただきたいと思うわけであります。 もう繰り返すまでもなく財政法三条の理念は、独占度の強い国の事業の料金については国会の議決で決める、こういうふうにあるわけであります。われわれが解釈しておりますのは、独占度が強い、これが一つの目安、はかりじゃないだろうかと思うわけであります。昭和五十二年に国鉄の基本料金の法定制緩和のときに私たちの政党がこれに賛成いたしましたのも、国鉄はいまや独占度が法定制をつくったときに比べると薄れておるということで賛成いたしたわけであります。国鉄は料金が高くなればほかの私鉄に乗りかえられるし、あるいはまたほかの交通機関も利用できるということで賛成をしたわけでありますけれども、この郵便料金はもう国の独占の最たるものじゃないだろうか、こういうふうに思うわけであります。そういう郵便料金の法定制を緩和するということになりますと、われわれがいままで考えておった最後の防衛線である独占度というものも法定制の基準にならないということだろう、こう思うわけであります。しからば、何がこの法定制を外す外さないの基本になるのか、つまりはかりになるのか、これについて総理のお考えをお尋ねしたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 私は財政法の問題も承知をいたしておりますが、もう今日の郵政事業のこの経営内容というものを見た場合におきましては、一日も放置できない、まさに破綻に瀕しておる状況にあることは御承知のところでございます。 そこで、これを再建いたしますために一般会計から補てんすべきかあるいはまた受益者に適正に御負担を願うようにするか、こういう選択が私どもに迫られておるわけでございます。そこで、私どもは、厳しい条件のもとにこの法定制の緩和をお願い申し上げておる、財政再建ができる間これをお願いするのであって、財政再建が実現した際におきましては本則に返る、こういうことでお願いを申し上げておるわけでございます。したがって、そういう条件のもとに行われるわけでございますからへ具体的に料金を改定いたします場合には国民各方面、各界各層の御意見というものを十分しんしゃくをし、また物価その他の動向、経済社会の状況というものを勘案しながら適正に最小限度の改定にとどめるようにしてまいりたい、こう考えています。
○依田委員 昭和五十二年の国鉄の緩和のときの議論というのは、独占性についての議論に終始しておりたわけであります。そして今日の郵便料金の法定制緩和についてこれまでの長い議論を聞いておりますけれども、その議論にかわる新しい理由がないと私は見ているのであります。 郵便事業が非常に差し迫った危機に面しておる、これは私よく理解できます。そしてわれわれも経済原則あるいはまた受益者負担というものに反対をしておるわけじゃございません。適切な時期と適切な幅をもってするならば別にこれに反対ということではないわけでありまして、法定制を緩和しなければ郵政事業の赤字が解消できない、こういう議論にはならないのじゃないか、私はこう思うわけであります。 政府の御答弁の中にありませんけれども、われわれが勘ぐるところは、つまり国会の議論を待っておれば料金が無理に抑え込まれたりあるいは機能的に変革できない、こういうようなことをお考えになっておるのじゃないだろうか。つまり、国会の議論の外に置いて適時適切というよりも適当な幅で上げたい、こういう本音がどうもあるような気がして私は仕方がないのであります。この独占性という最後のとりでが外れて法定制の理念が薄れようというこの大事なときに、われわれはもう一言総理にぜひ――国会の議論の中でなぜこれができないのか。特に郵政省の試算を見てみますと、今後の値上げというのは五十九年と六十二年であります。三年に一遍であります。三年に一遍国会の議論を受けることができないというのかどうか。三年に一度やることが機能的に郵便料金の赤字を解消したり、あるいはまた郵政事業を再建する、そういうものの邪魔になるのかどうか、この辺について総理の所信をお伺いさせていただきたいと思います。
○山内国務大臣 郵政審議会の答申は、適時適切にできるように、こういうことなんです。国会を無視したり、そういうことでは絶対にございません。適時適切にやれるにはどういうことを考えてやったらいいか、それには法律が要るわけでございます。その内容の法律についていま御審議をいただいているわけでございまして、これらの条件を満たしながらやるようにと強い御注意を受けるわけでございます。したがって、そういうことを考えながら適時適切に、また第三種についても、省令でございますけれども、もうすでにきょうは非常に強い御意見もあったわけでございます。そういうことをしんしゃくしながら今後円滑にやっていきたい、これが趣旨でございます。
○依田委員 適時適切ということばを盛んにお使いになるのでありますが、もう一度繰り返します。五十九年、六十二年、これだけの値上げが予定されておるわけでありますが、その前に今回の国会と同じようなこういう議論をするだけの余裕がないのでしょうか。
○山内国務大臣 何回も申し上げますけれども、今回値上げをお願いして、これから適時適切にやれるような法案を御提示して、これでいいかどうか御審議願っているわけでございまして、郵政審議会の答申も七月一日からやれ、こういうことでございまして、すでに私は適時を少し離れているのじゃないか、こういうことも考えられるわけでございます。そういうことがあって、累積赤字をさらにふやさないように適時にやりなさい、こういう趣旨を踏まえて御提案をしたわけでございます。
○依田委員 時間がありませんから御質問はできませんけれども、最後に七月からとおっしゃいました。四カ月のおくれ、これと、いわゆる法定制を緩和いたしまして国会の議論の外に公共料金をこれから置く、そのことをはかりにかけてみるとどちらが重いか。われわれはこの点についてどうしても反対せざるを得ない、こういうふうに考えるわけであります。
○佐藤委員長 依田実君の質疑は終わりました。 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午後四時三十三分休憩 ――――◇――――― 午後四時四十四分開議
○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 郵便法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する質疑は、先ほど終了いたしております。 ただいま、本案に対し、委員長の手元に、自由民主党を代表して、畑英次郎君外二名より修正案が提出されております。 この際、提出者から趣旨の説明を求めます。畑英次郎君。 ―――――――――――――
○畑委員 私は、ただいま議題となりました郵便法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表し、その趣旨と内容を御説明申し上げます。 御承知のとおり、政府原案におきましては、施行期日を、第一条中郵便法第九十二条の次に三条を加える改正規定を除き、昭和五十五年十月一日と定めておりますが、改めて申し上げるまでもなく、現在すでにその期日を経過するに至っておりますので、施行のための準備及び周知のための期間等をも勘案した上、これを公布の日から起算して四十日を経過した日に改めることといたしております。 何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○佐藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣において御意見があればお述べいただきます。山内郵政大臣。
○山内国務大臣 ただいまの郵便法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、政府としてはやむを得ないものと考えます。
○佐藤委員長 これより討論に入ります。 原案及び修正案を一括して討論に付します。 なお、討論は五分以内でお願いいたします。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。堀之内久男君
○堀之内委員 私は、自由民主党を代表して、郵便法等の一部を改正する法律案並びにこれに対する修正案に賛成の意を表明するものであります。 郵便事業は、明治四年の創業以来、全国津々浦々の郵便局を通じて全国民にあまねく郵便サービスを提供し、わが国の社会経済の発展と国民生活の向上に多大な貢献をしてきたところでありまして、今後におきましても、郵便は、基本的通信手段の一つとして、そのサービスの安定した提供によって、国民の公共の福祉をさらに増進させることが期待されているものと考えます。 ところで、郵便事業が国民に安定した郵便サービスを提供するためには、郵便事業財政が健全に保たれていることが不可欠の要件であります。しかるに、近年の郵便事業財政の状況はきわめて深刻なものとなっており、昭和五十四年度末において、二千億円を超える多額の累積欠損金を抱えるに至っております。 御承知のとおり、郵便事業は、作業の大部分を人力に依存するきわめて労働集約性の高い事業であります。このような郵便事業の特質から、賃金コストの上昇による経費の増大は避けがたいところがあり、これが事業財政を大きく圧迫する要因となっているものと考えられます。このまま放置するならば、郵便事業の財政状況は悪化する一方で、累積欠損金の額はますます増大し、国民に対し郵便のサービスを安定的に提供することが困難となるのは明白でありますので、早急に財政の改善措置を講ずる必要があることは多言を要しないところであります。 今回の改正案は、このような郵便事業の運営の現状等にかんがみ、郵便事業の運営に要する財源の確保を図るため、郵便料金の改定を行うほか、郵便料金決定方法の特例を設けるとともに、利用者に対するサービスの改善を図る等のために、所要の改正を行おうとするものであります。 まず、料金の改定についてでありますが、郵便事業に限らず、国営または公社経営の事業が赤字を生じた場合、一般会計から補てんすべきであるとの議論が一部において行われておりますが、私は、郵便事業にありましても、その財政再建の基本的姿勢は、今後とも、受益者負担の原則を堅持すべきであると思量いたすものであり、このような観点からいたしまして、今回ある程度の料金改定を行うことはやむを得ないものと考えます。 今回の改定の内容につきましては、実施時期を郵政審議会の答申よりおくらせるとともに、はがきの料金は本年度中は三十円とし、郵便書簡の料金を据え置くなど、利用者への影響を緩和する配慮がなされており、前回の改定後五年近くもの間における賃金、物価の上昇とあわせて考えると、妥当なものと考えるものであります。 次に、郵便料金決定方法の特例についてであります。 今回の改正案は、第一種郵便物及び第二種郵便物の料金を、郵便事業に係る累積欠損金が解消されるまでの間、法律において改定幅の限度、手続等について厳しい条件を付した上で、郵政大臣が省令で定めることができることとするものであり、その趣旨は、国民に郵便事業が今後とも安定した郵便サービスを提供していくため、健全な事業経営の確保等を図ることにあります。 私は、事業の健全な経営を確保するなどの観点から、サービスの提供に必要とされる費用を確保するため、料金の適時適切な改定が可能となるよう、今回のような措置を講じてまいることは必要なことであろうと考えますし、また、今回の措置には、法律において、先ほども述べましたような一定の厳格な条件が設けられていること等から見ましても、適切な措置と考えます。 第三に、サービスの改善についてであります。 法案には、新しく、サービスの改善として郵便切手、収入印紙の交換制度の新設、年賀はがきのお年玉賞品の限度額引き上げ等が盛り込まれていますが、これらは、いずれも国民の要望を取り入れたものであります。 この法律案は、以上の内容を主たるものとするものでありますが、いずれも妥当と存じ、賛成するものであります。 また、修正案は、施行のための準備及び周知のための期間等をも勘案したもので、これも妥当な措置と認める次第であります。 以上をもちまして、私の賛成討論といたします。(拍手)
○佐藤委員長 阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 私は、日本社会党を代表し、本案に対する反対の態度を明らかにしながら、以下その主な理由を申し上げます。 まず第一に、今日の物価情勢は、昭和五十五年度消費者物価上昇率の政府目標六・四%の実現達成について、政府部内においてさえも絶望的であるという見方が強まっておるのであります。政府は、物価抑制の取り組みを見直さざるを得ない状況にありますときに、一方では物価上昇の大きな要因となる郵便料金の値上げをこの時期になぜ断行しようとするのか。むしろこの際は、公共料金の凍結、郵便料金の値上げを見送ることが物価対策上からも当然であり、国民に公約した政府目標六・四%を達成する道であるということを強く指摘しておきたいのであります。 第二に、郵便料金については、法定制緩和の措置をとることは誤りであると思っております。 政府は、財政法第三条に言う「基いて」という解釈で、法律は金額を定めることまで要求しておるのではなく、独占の程度、国民生活上の必要性の程度という一定の基準に合致すれば法定制緩和がとり得るものとしており、郵便の場合は国民生活上の必要性が低いなどと、全く国民感情を無視した一方的な解釈をしておるのであります。 しかし、郵便は依然として国民の基本的通信手段であることにはいささかも変わりはありません。郵便の現物性には、現在他に手段がありません。さらに、郵便物数が着実に増加していることは、国民が郵便を絶対に必要としておる証拠でございます。 また、昭和四十六年の郵便法の改正提案では、第一種、第二種の郵便料金は国民生活に密着しているので法定にしておくと、政府は明確に答弁をしておるのであります。このような点からしても、政府の言う、郵便は国民生活上の必要性の程度が低いなどという見解は、納得できるものではありません。その答弁はまさに詭弁であり、これは、財政法第三条に違反をし、憲法上の財政民主主義、租税法律主義を無視したものであると断ぜざるを得ません。 このような郵政当局、行政のサイドからの恣意的な解釈は許されません。法定制緩和についての行政府の独善と横暴な法解釈法の運用を認めることは、立法府の責任を放棄し、国民の権利を売り渡すものであると言わなければなりません。われわれは、たとえ累積欠損金が解消するまでの間といえども、断じてこれを認むることができません。 第三が、郵政審議会についてであります。 われわれは、郵政審議会の委員の選任に当たっては、利用者代表を多く委員に加えること、開かれた審議会とすることなどについてすでに再三指摘したところでありますが、何ら改善されない審議会に、今回は第一種、第二種郵便物の料金までもこの審議会に諮問するだけで、あとは郵政大臣が一方的に決定しようとすることは、国民無視、国民不在の郵便料金の決定方式であると断ぜざるを得ません。 以上三点について反対理由を申し上げましたが、この改正案は、百年余の伝統ある郵便事業に大きな汚点を残すだけでなく、国民の郵便離れを招き、ひいては郵便制度崩壊のおそれがあると言わざるを得ないのであります。そのことを強く指摘をして、私の反対討論を終わります。(拍手)
○佐藤委員長 鳥居一雄君。
○鳥居委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となっています本案並びに修正案につき、反対の立場から討論を行うものであります。 政府は、五十四年八月に策定した新経済社会七カ年計画で「厳正な公共料金政策」として四項目挙げていますが、その中で「現在大幅な赤字を抱えている企業体については、早急に再建計画を確立して、企業体の徹底した経営合理化を進めることを基本としつつ、企業体、利用者、行政それぞれの役割を明らかにし、国民の理解を求めながら企業再建に努める。」としています。 今回の改定がこの七カ年計画で言う「厳正な公共料金政策」とどうかかわるものか明らかにせず、ただ単に値上げで財政危機を切り抜けようとするだけのものです。さきに本委員会に提出した「郵便事業損益計算見込」を見ても、向こう十年間に二度の値上げを行うとするだけにとどまっています。したがって、今回の改定は極端な弱点を持つもので、七カ年計画に沿った再建策を早急に提示し、その一環とし七の改定手続とすべきで、全く怠慢としか言いようがありません。 この法案の最大の改悪点は、今後郵便料金の決定方法を、国会での議決を経ずに、郵政審議会に諮問し、その答申を得て決定しようとする点にあります。 憲法八十三条、財政法三条の精神からして、財政民主主義を守り、当然法定主義を貫くべきもので、信書送達が他に代替手段のない国の独占事業だけに、あえて累積赤字を理由に法定制の緩和を意図することは、断じて認めがたいのであります。 料金に関して諮問を受け、答申する郵政審議会は、その構成から見て、国会にかわる審議機関とはなり得ず、行政府の意向をそのまま答申する、わばトンネル審議が懸念されるのであります。審議会構成を改革する以前に国会にかわる審議機関の重責を課することは、暴挙としか言いようがありません。 改悪点の第二は、第一種、二種郵便料金を、収支の悪化を理由に大幅に引き上げようとしている点にあります。 昭和五十四年度末累積欠損金が二千百億円余に上っているとして、収支改善のために、最も安直な手段である料金大幅引き上げで収入増を図り、収支を逆転させようとしていますが、これは全く逆の発想で、むしろ事業経営を抜本的に改め、着実な経営努力の上に料金改定を考慮すべきです。残念ながらその努力に見るべきものはなく、その努力を怠った責任を利用者である国民に転嫁する道を選択した点、全く認めるわけにはいかないのであります。 長年にわたって抜本的な合理化、効率化が要求されてきたにもかかわらず、その実を上げることができず、遅々として進んでいるとは認められません。たとえば、郵政審が再三実施を促してきた配達の一度化でさえ、やっと重たい腰を上げて来年実験を始めるというぐあいで、実現の見通しすら立ってはいません。 また、収入増に積極的に取り組みが要請されながらその努力も見るべきものがありません。郵便通数を見ると、スイス、アメリカなどと比べ、国民一人当たり年間通数で四分の一程度であり、郵政省も通数を少ないとしております。通数の伸びが収支改善の重大な要因となっている以上、通数を伸ばす経営努力が不可決であるはずです。このため、私人間の信書を初め、バルクメールのサービス改善に積極的に取り組むべきですが、評価すべき努力は見当たらないのが現状です。 さらに、今回の値上げが消費者物価に与える影響は〇・〇四で、ごくわずかなものとしていますが、これはあえて過小評価したもので、この値上げによって起こる心理的波及効果、便乗値上げに意図的に触れようとしていません。公共料金主導型の高物価を招く危険が懸念され、この疑問にこたえる納得できる答弁は全くありません。政府が行うはずの物価対策とも矛盾するものであり、とても賛同できる内容ではありません。 以上が、本案に対し反対する主な理由です。以上を申し上げ、反対討論を終わります。(拍手)
○佐藤委員長 西村章三君。
○西村委員 私は、民社党・国民連合を代表いたしまして、郵便法等の一部を改正する法律案に対し、強く反対の意を表明するものであります。 本法案の審議の過程を見てまいりましても、基本的事項について何ら国民に明確にされず、十分納得と理解をさせる内容が不足しているということであります。 現在のわが国の経済状況がきわめてむずかしい情勢下にあり、特に諸物価の上昇が懸念すべき事態であることは明らかで、この時期に公共料金たる郵便料を大幅に引き上げることは、物価上昇にさらに拍車をかけ、直接間接に国民生活に与える影響はきわめて重大であります。国民は常に物価の高騰に脅かされることにもなります。 政府が五十五年度経済見通しの中で公約しておりますところの消費者物価六・四%以内の達成が非常に困難だと見られておるにもかかわらず、この時期に郵便料金の改定を行うことは大きな矛盾であり、物価抑制の努力をみずから放棄したものと言わざるを得ません。 さらに郵政当局は、家計費への影響は余りなく、その影響は小さいと主張されておりますが、これは大きな間違いであります。単なる数字上の比較で、その裏にあるもろもろの要因を考慮されておりません。公共料金の値上げはそのどれをとりましても多大な影響力があり、便乗値上げ等、他の諸物価に波及することは明白であります。 しかも、現行の総合原価主義は、種類によって料金価格に大差があり、余りにも赤字を埋めるだけの方便としか言わざるを得ません。また、公共通信手段としての郵便事業は、基本的に重要な制度であり、その性格上第三種、第四種等、社会的、政策的な料金が含まれている以上は一般会計からの財政措置を当然講ずべきであります。 また、郵便事業の合理化、効率化等、経営努力がほとんどなされていないということであります。合理化、効率化努力というこの言葉は、過去料金改定の際のまくら言葉のように使われてきたにもかかわらず、現実にはその効果が上がらず、定員調整についても実態的にはほとんど行われておりませんし、機械化の促進も、単に省力効果のみにとどまっているというだけでは問題外と言うべきであります。 法定制の緩和は、憲法及び財政法第三条に定める財政民主主義の趣旨に反するものであり、赤字の安易な解決方法を選ばぬためにも、また郵便を国民の監視下に置くためにも、法定主義は緩和すべきものではなく、あくまでも遵守すべきであります。 最後に、国民に不可欠の郵便事業は、郵便法第一条の精神に沿って、可能な限りの企業努力が大前提であり、安易な親方日の丸経営では混乱を招くだけであります。赤字対策のみに狂奔することなく、長期の展望に立って制度の改善や事業の見直しを行い、より国民のニーズに沿った郵便事業の推進を図ることが必要であります。 以上、わが党は、料金の大幅な値上げと法定制緩和が行われるとすれば、一層インフレを助長し、さらに憂慮すべき事態を招来すると思われる郵便料金の引き上げには断固反対し、この際、政府当局は郵便法一部改正案を撤回されるように強く要望いたしまして、反対討論を終わります。(拍手)
○佐藤委員長 村上弘君。
○村上(弘)委員 私は、日本共産党を代表し、郵便法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、本改正案が、郵便事業を国民から離反させる法定制の緩和、事実上の法定制撤廃を内容としているからであります。 本来、郵便事業は、信書の送達をどのような地域に対しても公平に行うなどの理由で国の独占に属する事業になっております。それゆえ国民は郵便に関しては他の手段を持たず、高い料金にされても他に選択の自由を持たないのであります。したがって、郵便料金、とりわけ一種、二種の料金は国民の総意を反映する唯一、最高の方法である国会での審議、議決を経ることになっているのであります。 しかるに今回、この手続を排除し、郵便料金値上げを政府の意図するままに推進しようとすることは、郵便事業百年来の大改悪と言わざるを得ません。 わが党の追及の中でも浮き彫りになりたように、政府の法定制撤廃の理由は、結局のところ赤字を解消するためということに尽きるのであります。このような理由は、政府みずからが責任を負うべき郵便事業の赤字のツケを国民に転嫁するものであり、無責任きわまりないものであります。しかも、この暴論とも言うべき理由づけを補うために、通信手段に占める郵便の地位の低下などを言うに至っては言語道断であります。 今日、郵便事業が抱える膨大な赤字、すなわち人件費の増大、物価の高騰などは、大企業本位の自民党政府の経済政策と郵便事業の特性を無視した独立採算制などに起因するものであることは明白であります。こうして生まれた赤字をどのようにして克服していくか、この方策をこそ国民の総意反映の場である国会において徹底的に審議し、議決に付すべきものであり、断じてこれを排除すべきでないことを改めて強調するものであります。 反対する第二の理由は、以上と関連しますが、今回の法改正が郵便事業財政再建についての何の確固たる裏づけもなく、明確な再建計画が示されていないことであります。 政府がわが党の赤字解消計画提示要求に対して出してきたものは、今後十年間で三回もの料金値上げを推し進めるというものであります。しかも、これは政府みずからも認めているように、全省的にコンセンサスを得たものではなく、赤字解消はもとより、およそ財政再建計画にはほど遠いものであります。 政府が国民の信書の送達について真に責任を持つならば、局舎、施設等の国庫負担を初め、いまこそ総合的で科学的な国民本位の郵便事業再建計画を国民の前に明らかにするべきであります。 反対理由の第三は、今回の料金改定そのものに ついてであります。 国民は、物価の安定を切実に求めています。今回の料金改定は、この願いを踏みにじり、物価値上げに拍車をかけるものであります。 しかも、今回の改定率は、昭和五十一年一月から五十五年八月までの消費者物価上昇率一・三倍を大幅に上回る値上げであります。また、今後十年間三回の値上げ計画は、いずれも消費者物価指数を大幅に上回るものであります。このような公共料金の引き上げを絶対容認できるものではありません。 反対理由の第四は、第三種郵便料金の問題です。 今回の大幅値上げは、一種及び二種郵便料金の値上げ自由化により、今後も一層加速度を加えることは明瞭であります。わが党の調査によっても、産業、文化、教育、福祉関係諸団体が、第三種郵便料金の大幅値上げによって頒布活動の縮小、活動経費の切り詰めなどを余儀なくされ、まさに死活問題になっています。第三種郵便制度の意義は、新聞、雑誌などを特別な料金で郵送することによって政治、文化の啓発、向上に貢献するところにあります。今回の第三種郵便料金の大幅値上げ及びこれの継続は、この制度の趣旨を大きく覆すものと断ぜざるを得ません。 以上の立場及び徹底審議を要求する立場から、本改正案は断じて認めることができないことを強く主張して、私の反対討論を終わるものであります。(拍手)
○佐藤委員長 依田実君。
○依田委員 私は、郵便法等の一部を改正する法律案に、新自由クラブを代表して反対の討論をいたします。 反対の理由のまず第一は、物価への影響であります。 御承知のように今年度の消費者物価上昇率は、政府見通しによると六・四%であるにもかかわらず、八月のそれは八・七%もの大幅上昇になっております。一方国民は、ここ数年所得税の減税が見送られたため実質賃金の減少に悩み、八月には実に三・五%の低下を招き、生活は苦しくなっています。消費者物価の上昇は、もちろん異常低温による季節野菜などの値上がりに原因するところもありますが、しかし、電気、国鉄、たばこなど公共料金の値上げによる部分も多いと思います。政府は郵便料金の家計に及ぼす影響は少ないと言いますが、便乗値上げなどを考慮すれば心理的影響は大きいと予想され、この時期での郵便料金の一値上げには反対であります。 第二に、安易な値上げが、いま郵便事業に一番要求されている合理化、効率化の妨げになるという理由で反対です。 郵便事業はその大部分を人手に負うものであり、人件費の高騰が赤字に結びつくことは理解できます。諸外国の郵便事業も同じ原因で赤字に悩んでいることも知っております。しかし、わが国の郵便事業を振り返ってみるとき、特に民間企業の合理化に比べ、まだまだ効率化の点でおくれていると言わざるを得ません。機械の導入、輸送集配システムの改善など、もっと真剣に努力しなければならないと思います。また、二年前の年賀はがきストに見られるように、国民に多大の迷惑をかけるような現状を見ると、その労使関係についても大いに反省を必要とします。 これら内部的努力なくして、安易に値上げによって赤字を解消しようとするなら、また数年を待たずして再度値上げをせざるを得ず、累積赤字はいつまでも消えません。かかる意味からも今回の値上げには反対です。 次に、法定制の緩和についても強く反対いたします。 公共料金を人為的に抑え込むとやがて大幅値上げになり、かえって物価に悪影響を及ぼし、それより適時適切に小幅に値上げをする方がよいという議論もあります。自由主義経済下ではそれもまた一つの意見ではあります。しかし、一方では国会の審議の外で公共料金が決められることは、国民の世論を無視し、合理化、効率化を怠って安易な値上げを招きやすくなります。 財政法第三条には「事実上国の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」とあります。ところが昭和五十二年に国鉄料金が、そしてことしたばこの価格が相次いでこの法定制の外に置かれ、いままた全く独占とも言うべき郵便料金が法定制を緩和されようとしております。これがもし通るようなことがあれば、デモクラティックコントロールの基本である国会の審議権をみずから放棄するに等しいものであります。 国鉄の場合の国会審議を振り返ってみますと、議論の多くは、国鉄の独占度の薄れたことを根拠に上げております。すなわち、政府答弁を見ても「国鉄のように財政法制定当時に比べまして独占度が著しく低下しているというような実態に応じまして、」とか「事業の独占性の程度等に応じまして、その定め方、その基づき方というのにはおのずから差異があってよいのではないかというふうに考えております。」などと政府側は答えております。逆を言えば、独占性の強いものは法定制を外せないということだと考えます。国鉄は料金が上かれば乗らない、あるいは私鉄に乗る、他の交通機関に振りかえることができ、経済原則が適用できます。しかるに郵便料金は全く独占であり、これが法定制を緩和されるようなことがあれば、財政法第三条は骨抜きになってしまいます。 さらに、今回の改正により、郵便料金は郵政大臣が郵政審議会の諮問により、省令により決定されるようになりますが、現在の郵政審議会が果たしてその任にたえるでしょうか、疑問を抱かざるを得ません。適時適切な値上げどころではなく、国鉄の例に見られるように、適当な時期に適当な値上げをされることになり、一方累積赤字も減らないという三Kに次ぐどろ沼に落ち込むことは明瞭であります。 以上、法定制の緩和ということは民主主義の基本に関係するものであり、長く議会政治の上に汚点を残すものと考え、私たち新自由クラブは強く反対するものであります。 以上をもって反対討論を終わります。(拍手)
○佐藤委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○佐藤委員長 これより郵便法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、畑英次郎君外二名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
○佐藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、畑英次郎君外四名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブ各派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。畑英次郎君。
○畑委員 提案者を代表して、ただいま議題となりました附帯決議案について、趣旨を説明いたします。 まず、案文を朗読いたします。 郵便法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。 一、 国民の強い要請にこたえるため、郵便事業の効率的な経営を図り、極力料金改定の抑制につとめること。 一、 近代的営業感覚に基づき、国民の要請に即した郵便利用喚起のための諸施策を考究し、郵便の需要確保につとめること。 一、 郵政審議会の郵便料金改定に占める役割りの重要性にかんがみ、審議会委員の選任等に配意し、その機能が十分発揮できるようつとめること。 一、 第三種郵便物の料金改定については、社会的影響を考慮すること。 一、 国民の負託にこたえるため、郵便業務の正常な運行を確保し、健全な労使関係の樹立に不断の努力を払うこと。 以上のとおりであります。 この決議案は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新月由クラブの各派共同提案に係るものでありまして、案文も当委員会における質疑等を十分勘案して作成したものでございますから、その趣旨につきましては改めて説明を要しないと存じますので、省略させていただきます。 何とぞ全会一致の御賛成をお願いする次第であります。
○佐藤委員長 これにて趣旨説明は終わりました。 本動議について採決いたします。 畑英次郎君外四名提出の動議のとおり、本案に附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、山内郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山内郵政大臣。
○山内国務大臣 このたびは慎重な御審議をいただきまして、ただいま郵便法等の一部を改正する法律案の御可決をいただきましたことを厚くお礼を申し上げます。 この委員会の御審議を通じまして承りました御意見及び附帯決議でお示しのありました諸項目を、今後の郵政事業に具現するよう努力いたしまして、当委員会の御審議におこたえ申し上げたいと存じます。まことにありがとうございました。(拍手) ―――――――――――――
○佐藤委員長 なお、ただいま修正議決いたしました本案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○佐藤委員長 この際、連合審査会開会申し入れに関する件についてお諮りいたします。 文教委員会において審査中の内閣提出、放送大学学園法案について、同委員会に連合審査会の開会の申し入れを行いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、連合審査会の開会日時につきましては、委員長間において協議の上決定いたしますので、御了承願います。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十二分散会 ――――◇―――――