大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第2号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/11/11
会議録
○大原小委員長 これより税制及び税の執行に関する小委員会を開会いたします。 税制及び税の執行に関する件について調査を進めます。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤茂君。
○伊藤(茂)小委員 去る七日に税制調査会の答申がなされました。「財政体質を改善するために税制上とるべき方策についての答申」という表題でありますが、内容につきましては私は非常に不満でありますし、多くの問題があると思います。その内容について、短い時間ですから、幾つかお伺いしたいと思います。この税調の答申を受けて大蔵省側がどのように考えておられるのかということをお伺いいたしたいと思います。 まず第一に、いわゆる大型消費新税と言われるものについてお伺いしたいと思いますが、私ども内容を読みまして、一たん国会決議などで否定をされたと国民が受け取っているものがまたまたあらわれてきたという感じを深くするわけであります。 まず最初に伺いたいと思いますのは、この答申に盛られている「広く消費に着目する間接税」なるものについて、大蔵省側の方で答申を受けて恐らくその具体化をされるのではないかと思いますが、どんな手順あるいはどんなスケジュールをお考えになっていらっしゃるでしょう。
○高橋(元)政府委員 今回の中期答申で広く消費に着目する間接税について引き続いて論議を重ねることが適当であり、今後の財政というものを考えてまいります際に、こういう問題は避けて通ることのできない検討課題だ、そういう御指摘があることはただいまお話しのとおりでございます。 また、いわゆる一般消費税大綱に盛られました一般消費税(仮称)につきましては、過般の国会決議を初め各方面から批判や御指摘がありましたので、「こうした諸点については十分配意し、今後、新たな観点から、諸外国の立法例や沿革等も参酌しつつ、課税ベースの広い間接税について我が国の経済取引の実情に即した仕組みを具体的に検討していくことが必要とされよう。」というのが中期答申の結論でございます。 こういうお考えを受けてまいるわけでございますが、今回の中期答申の御審議の中では、課税ベースの広い間接税というものにつきまして、具体的な仕組み、どういうものを頭に置くかという点まで論議が詰まっておりません。したがいまして、今後の財政再建、その中での税制の役割りというものを考えてまいります際にまさに避けて通れない検討課題であるというふうに、中期答申の考え方どおり私ども思うわけでございますが、今後の進め方につきましては、大変抽象的であって恐縮でございますけれども、新しい税制調査会でまた御審議が進められるかとも思いますので、そういうところとも御相談しながら検討を進めていきたいというのがただいまの考えでございます。
○伊藤(茂)小委員 そういう通り一遍のことをお伺いしているわけではございませんで、この答申が出る前から、大蔵省サイドの方でも恐らくはのめかしていたのではないかと思いますが、五十七年度導入という目標、スケジュールでやりたいということがしばしば新聞などで報道されております。また答申が出された際の税調会長の記者会見を新聞で読んだのですが、税調会長の方は財政再建期間中、五十九年度までにめどをつけてほしいということを記者会見で述べられたそうであります。五十七年度実施ということになれば、きょうの新聞にも大蔵省首脳語ると出ておりましたが、この答申を受けて、この後五十六年度税制の答申などの作業が終わりましたら精力的に作業をやって、来年一年間かけて案をつくってというふうなスケジュールになってくるであろうと思いますし、また税調会長が感想を語られたように、これは新聞報道を読む限りでありますけれども、ゆとりを持った姿勢でいくということならば、まだこれらの問題について賛否その他国民の意見を幅広く求めるということになるでありましょう。その辺、どっちの道を行きますか。
○高橋(元)政府委員 ただいまもお答え申し上げましたように、税制当局としてはこれからの税制調査会のお仕事の進め方その他とも見合わせて検討を進めていくわけでございますが、この中期答申の中にも触れられておりますように、歳出の節減合理化または受益者負担の見直しということを行いまして、なおかつ国民の生活ないし経済の安定のために税負担の増加がやむを得ないとするならば、それはできるだけ早い時期の方がよいであろうということが述べられております。五十九年に特例公債に依存する体制から脱却いたしますという課題を考えてみましても、私どもは、もし必要があればそれはやむを得ないことでございますけれども、歳入面の工夫というものはできるだけ早くやっていった方がいいというふうに思いますし、そのことを税制調査会長も過般の記者会見の際にそういう趣旨で述べられたのであろうというふうに推察しておるわけであります。 しかしながら、具体的に何年度にどうするということになりますと、まだ税制調査会も昨日をもって任期満了いたしまして、新委員をこれから選ばれるわけでございます。新しい調査会にもこの中期答申に基づきますところの年度改正答申をまず五十六年度についてお願いをいたしまして、それから後の中期的な運び方につきましてまだ御審議も経なければならないわけでございますから、いまここで何年度導入を目指してどういう手順で進めていくかということにつきましては、いろいろ新聞報道等はございますけれども、この席ではっきりしためどをお答えするまでに熟しておらないわけでございます。
○伊藤(茂)小委員 ちょっとしつこいようですけれども、この答申を読みますと、いままでになく前段の方で「財政危機の現状とその原因」、それからその打開の方法などについて三分の一ぐらいのページを費やして述べているわけであります。これは恐らく税制調査会の中の意見としても、こういう前段に述べられているような財政の体質改善がなされなければそうやすやすと増税どいうふうにはいかないんだという気持ちがあってこのような答申の構成になっているのではないだろうか。そのように考えますと、私としてはそれらの努力が十分にあって、また国民の理解が得られる中で、次に、ではどのような税制上の手だてがあるべきなのかということを議論すべきであろうというふうに思うわけでありまして、そういう面から見ますと、税調会長が財政再建期間中に五十九年度までにめどをつけてほしいというゆとりのある言い方をされているというのは、そういう国民的意向も含めてお考えになったようなことではないだろうかという印象で私は受け取っているわけでありますが、いまのお話ですと、五十九年度特例公債をゼロにするという目標に向けてと、期間は何年度導入とはっきり言えないということはありますけれども、きょうの幾つかの新聞に報道されていますが、明らかに五十七年度導入を目指して来年一年精力的に作業するという印象を受けるわけでありまして、いかがですか、そういうことでこの一年間みっちりやって案を仕上げるというふうに受けとめているということで考えていいんですか。答申を受けて、実際税制を担当するあなた方としては、めどとか作戦計画がないわけじゃないでしょう。
○高橋(元)政府委員 税負担の増加をお願いをいたさざるを得ないということでございますれば、もちろんお話しのように国民の方々の御理解というもの、また御協力というものがなければやっていけないわけでございます。この中期答申の中で、くどいようでございますが、歳出の節減合理化なり行政改革につきまして、五十五年度、本年度から本格的な努力が始められてきた、歳入面においても五十一年以来連年にわたる整理合理化によって不公平税制の整理も相当進んでまいった、現行税制の範囲内での増収措置も積極的にやられておるということが述べられておりまして、そういった努力のもとでなお相応の伸びが今後予想される歳出に対して安定的な歳入を確保する、こういう課題でいわゆる新税については検討の必要性が述べられておるわけでございます。 五十九年度までに特例公債から脱却するといたしますと、GNPに対する歳出の水準というものを横ばいにする、これはかなりむずかしい問題で、実際問題といたしまして、交付税なり国債費を除きますと五%にはとうてい届かないぐらいの一般歳出の水準というものを考えなければならぬだろうと思います。そういうことをやっていっても、なおかつこの種措置が必要になってぐる。五十九年度までに脱却するとしますと、できるだけ早い時期にそういう措置をとった方がいいという御答申でございますから、そういう線を踏まえて考えてまいりたいということを先ほどお答え申し上げたわけでございまして、いまこの段階で何年度、たとえば来年初めからどういうことをやっていくというようなことについて具体的な考えを申し上げるというところまでまだ立ち至っておりません。 ただいま御指摘の新聞報道につきましては、いま後ろから紙をもらいまして読んだわけでございますが、内容について詳細に申し上げるほど私はこの記事について承知をいたしておりませんので、あわせて申し上げさせていただきます。
○伊藤(茂)小委員 きょうの新聞だけじゃなくて、いままでの経過を見ますと、五十七年度導入という活字も見出しで何遍も出ておりますし、公式の場面ではぼかしておいて、実際にはいろいろなアドバルーンが上げられて世論操作がなされている、そういうふうな感じを持たざるを得ないわけでございますが、先に進みます。 税調の答申を見ますと、広く消費に着目する間接税についてどのような形があり得るのかということについては、具体的には出されておりません。ただ、ややこしい表現がされておりまして、「昭和五十四年末、国会決議が行われ、また、各方面から批判や指摘が寄せられている。こうした諸点については十分配意し、今後、新たな観点から、諸外国の立法例や沿革等も参酌しつつ、課税ベースの広い間接税について我が国の経済取引の実情に即した仕組みを具体的に検討していくことが必要とされよう。」というようなことが書いてあります。 私はここで思うのですが、前大臣がワン・オブ・ゼムということをよく言われておりました。一般消費税(仮称)は固有名詞であって、ワン・オブ・ゼムであります、そのゼムということは大分いろいろな形がほかにあるのだということを言われていたわけでありますけれども、また、そういう消費に着目する課税一般を否定したわけではないという解釈を言われていたわけでありますが、私は、この前の中期答申、今度の答申などで議論された中身を伺いましても、これはゼムではなくてサムであろうというふうに思うわけでありまして、類型としても五つとか、前中期税制のときにもたしか四つぐらいの例を挙げて検討された結果、一般消費税なるものを編み出されたというふうなことであろうと思います。幾つかの類型、四つか五つの類型にゼムなるものが集約をされるということであろうと思いますが、いかがでしょう。
○高橋(元)政府委員 現在私どもが手元で入手し得る限りの資料で申し上げますと、全世界で八十四カ国というものが、この答申に言われておりますような意味での課税ベースの広い間接税を採用しておるというふうに承知しております。八十四カ国が採用しております課税ベースの広い間接税を類型的に申し上げますと、一つはECがやっておりますような付加価値税でございます。これをやっておりますのはECの十二カ国と中南米に多いわけでございますが、その他の国を合わせまして二十三カ国。それから累積的な売上税、いわゆる取引高税、ターンオーバータックスというようなもの、これが七カ国ございます。そのほかは単段階の課税をやっております国が五十八カ国でございます。単段階と申しますと、製造段階で課税するカナダのような製造者消費税、スイスでやっておりますような卸売段階で課税をいたします卸売の売上税、それからアメリカの州でやっておりますような小売の段階で課税いたします小売売上税でございます。これは単段階課税でございますが、先ほど申し上げました取引高税は多段階累積型、付加価値税は多段階非累積型の売上税であるというふうに承知しております。以上の五つが類型的に分けました場合の課税ベースの広い間接税の型であろうというふうに承知しております。
○伊藤(茂)小委員 いずれにしても、そういう内容を伺いますと、ワン・オブ・ゼムで、山ほどいろいろな方法はありますということではないと思います。幾つかの型の中からあなた方がどう選択するのかということではないだろうかと思うわけであります。また、前回の中期税制答申の中でも挙げられていたと思いますが、たとえば取引高税式のものはすでに戦後実験済みで失敗しているというようなこともあるわけでありますが、私は国会決議と関連をして二つ伺いたいわけであります。 一つは、いろいろな新聞報道でも、EC型付加価値税をねらっている、これが本命ではないか、それをまた日本型に若干形を変えてということではないだろうかということが報道されております。先般の一般消費税の案にしても、簡単に言えばEC型付加価値税マイナス・インボイスというふうなことであろうと思いますし、これは一般消費税(仮称)と言われた、否定された案と、名前は違うけれども双子の関係ですね。一卵性か二卵性かは別として双子の関係ということでありまして、これは明確に国会決議にも抵触し、否定をされるべきものであろうというふうに思うわけであります。 それから、先般、どこの新聞でしたか一面トップで、製造者消費税になるのではないか、言うならば相当大型の蔵出し税というふうなことも報道されておりました。それを考えてみますと、結局は消費の課税であり、蔵出しの段階の税部分を当然のこととして価格に転嫁するということになるわけでありますから、ある意味では双子といいましょうか、一般消費税ときょうだいのような関係ではないだろうかと思うわけであります。 私は、国会決議の内容、また国民世論から見てもこれはおかしいと思いますけれども、どうお考えになりますか。また、これらを今後の検討課題の一つとして税調で取り上げてもらうとか、あるいは諮問するとかいうお考えはございますか。
○高橋(元)政府委員 くどいようでございますが、前通常国会でただいまお話しのございます財政再建に関する決議につきまして政府として申し述べてまいったことを繰り返さしていただきますと、昨年十二月二十一日の国会における財政再建決議が行われているところでもあり、いわゆる一般消費税(仮称)、あのままの形での新税を提案できる環境にはないと考えているというのが第一点であります。 第二点は、しかしながら、いわゆる一般消費税(仮称)という特定の仕組みに限定するのではなく、消費支出一般に着目するという意味での一般的な消費税を今後一切否定することは税体系上もきわめて問題が大きいと考える。財政再建のための歳入構造の健全化の必要性について、国民の御理解が得られるよう今後とも十分努力してまいりたい。これが第二点でございます。 そういうことで、今度の中期答申の中にもその辺の感触が織り込まれておりまして、その国会の御決議、また各方面の御批判や御指摘、こういう諸点につきまして十分配意して、いま伊藤委員からお話がありましたとおりでございまして、今後、新たな観点からわが国の経済取引の実情に即した仕組みを具体的に検討していくということの必要性が述べられたわけでございます。その際に、私が先ほどお答えしました中のEC型の前段階税額控除と申しますか、累積排除の多段階税になるのか、製造段階一段階の製造者消費税になるのか、幾つかの型について、中期答申を御審議いただきます際に税制調査会で御議論を一通りしていただいたわけでございますが、どういう形が一番よいか、またどういう形がわが国の経済取引の実情に即したものであるか、その点についての御結論が出ないで今後の検討にゆだねられておるというのが実情でございます。 いろいろ新聞報道等、私どもも承知しております限りで読んでおるわけでございますけれども、しかしながら、政府はもとより、税制調査会におきましてもまだ特定の型を頭に置いてこういう御議論を進めておられるわけではないということを申し上げさせていただきたいというふうに存じます。
○伊藤(茂)小委員 高橋さん、それは私は理屈だというふうに思いますね。いままでもそういう表向きの答弁が何遍か繰り返されてきたわけであります。しかし、国民の目から見れば、あるいはまた政治の常道としておかしいんだろうと私は思うのです。 たとえば一般消費税(仮称)という形でつくられたいままでの仕組みの案が否定をされた、これはとらないことは国会でも決議をされた。しかし、たとえばちょっとばかりその内容を変えるとか、あるいは名称を変えるとかいうふうなことで、ほぼ同じようなものが出てきた場合に、それとは違いますということで通ると思われないだろうと私は思います。 たとえば、高橋さんがきょう締めておられるネクタイをあしたは赤いのに変えて、私は違いますと、あるいはまた明日は別の色の、茶の洋服を着てこられて、それで違いますというふうな理屈になっちゃうんじゃないかと私は思うわけであります。要するに、この国会決議の内容というものはしゃくし定規であの中身だけが否定をされたのであって、ちょっと内容を変えるか、あるいは同じ概念でも形を変えれば当てはまるというのは国民世論に対して説明がつかないことだろうと思うのです。どう認識されますか。
○高橋(元)政府委員 このたび税制調査会で課税ベースの広い間接税の議論が取り上げられましたのは、もとより財政再建との関連での増収を図るべき方策の一環としてではございますけれども、それはこの答申の中にも述べられておりますように、もう一つ現行の個別消費税によっております間接税体系というものに対する批判ということからも生じておるわけでございます。 ちょっと数字にわたりまして恐縮でございますが、現在個人の消費支出に対しましてわが国の国税でちょうだいしております個別消費税等の間接税というものの割合は六%ぐらいでございます。個人の消費支出が百五十兆、六%と申しますと八兆何がしという数字でございます。それが二十年前に同じような税体系を持っておりまして、むしろ現在の方が税目がふえているわけでございますが、二十年前の昭和三十五年には概数で申し上げて恐縮でございますが、九%ございました。その間減税したり増税したり課税範囲を広げたりいろいろなことをやっておるわけでございますけれども、なぜ三%下がってきたかといいますと、それは酒、または揮発油、耐久消費財、そういうものを個別の課税対象といたしますところの個別消費税体系では、所得が上がり消費がふえてくるに追随して課税対象がふえていかない、そういう意味の所得弾性値が低いという問題がございます。それでたしか二%ぐらい間接税の課税ベースが相対的に減ってくるわけでございます。 それから現在の間接税体系では従量税または定額税というものを基本にいたしておりますので、それによりまして消費がふえてまいった場合の税負担額が固定しております。そういう意味で税収の伸びというものがおくれてまいるわけでございます。そういうことで、それがやはり二%ぐらいあろうかと思います。 そういうことで、個別の間接税体系というものをそのまま維持してまいりますと、直接税、間接税、また所得課税、資産課税、消費流通課税あわせて全体としての公共の費用の実質配分または税負担の公平、そういう要請が達せられないというところに個別消費税の限界があるという考え方をとりまして、その上で課税ベースの広い間接税について言及がされておるというのがこの中期答申の立場だというふうに私は承知いたしておるわけでございます。 そういうことから申しますと、たとえば物品税を非常に広げてまいって——現在消費財主義または奢侈財、高級な便益財または趣味娯楽品というものを課税対象としておりますそういう物品税につきまして一歩を進めまして、消費財主義というものを見直しまして課税対象を広げていくとしましても一この答申の中にも書かれておりますが、「個別に課税対象を選定する以上、物品の多様化に円滑に対応していくことは困難であることに留意しなければならない。」ということを述べられておりまして、やはり物品税と申しましても個別消費税の中でございますから、そこにも増収策としての限界があるということにも言及されておるわけでございます。 そういうことで、財政再建のために歳出面または行政機構面の努力と相あわせて国民の御理解を得て、今後、歳入面の施策を講じていく場合にはやはり一般的な意味での消費課税と申しますか、課税ベースの広い間接税というものを提案になったわけでございまして、先ほどもお答えしておりますように、過般の国会決議なり世論の御批判、御指摘というものを頭に置きまして、今後いかにして経済取引の実情に即した仕組みというものが考えられるか、その辺の検討を進めていきたいということを申し上げておる次第でございます。
○伊藤(茂)小委員 主税局長、これは当委員会でも消費に対する課税のウエート、また直間比率とかいうことについては、各国のさまざまな状況その他があるのでアプリオリに五分五分がいいとか七、三がいいとか、あるいはアメリカの型がいいか、ヨーロッパの型がいいかというようなことは決められるべきではないということは大臣答弁もいただいておるわけでありまして、何か消費に対する課税のウエートが前より低いということだけ強調されるということは、そういう経過からしても私はいかがかと思います。 この件についてもう一つだけ伺っておきたいのですが、答申には、国会決議やさまざまの国民の批判があるので、新たな観点からわが国の実情に即した仕組みを具体的に検討していくことが必要とされようというふうに書いてあります。一般消費税のときにもこういう経過でつくられてきたということだろうと思いますが、あなたは御答申を受けとめた立場から、さっき言われました五つの類型あるいは各国でとられている形などの中から、たとえば具体的にどのような形態でこの答申にあるような形が検討されるであろうかということをお考えになっておりますか。
○高橋(元)政府委員 大変むずかしい御質問で、私の考えを述べよということでございますけれども、こういう公の席でございますから、私の個人の考えを申し上げることはお許し願いたいと思いますが、恐らく今後御検討が進められるとしますと、これはまた新税制調査会との御相談でございますから、私こういう席で申し上げるのは少しお答えが行き過ぎているかもしれませんけれども、世界じゅうにあります八十四カ国の先例をもう一度よく見直してみて、五つに簡単に分類できると申し上げましたが、そういう五つの分類、またそれをさらに細かく分けた分類、そういうものの立法例、それからその立法の実際の執行というような点から御検討願うことになろうかと思いまして、どの類型を中心に置いて、また一番重点を置いて検討を進めていくかというようなことはいまのところ全く考えておりません。
○伊藤(茂)小委員 大型新間接税に関連をしてもう一つ伺っておきたいのですが、税調の答申ではこのような消費税によって起こる物価への影響とかいわゆる逆進性とかさまざまな問題、これは適切な措置によって「難点を克服できる」というふうな表現の部分がございます。この辺は具体的にはどのようなことが考えられますか。
○高橋(元)政府委員 これは課税ベースの広い間接税の型によってまたいろいろ変わってくると思いますけれども、一つは、間接税でございますから、なかなか累進的な間接税というものを構成することはむずかしい、そういう意味で税負担配分の逆進性というような難点があろうと思います。この逆進性につきましては、これはこういうふうに引用をしておしかりを受けるかもしれませんが、誤解のないようにお聞き取りをいただければありがたいわけでございますが、一昨年暮れの一般消費税大綱あたりでも、たとえば食料品を課税対象から外すという形で逆進性について配慮が加えられた、いわば比例的な税負担というようなものが構成されておるわけでございます。それからまた、外国の立法例等を見ますと、複数税率というものを採用している事例もございます。そういったことをどういうふうに取り込んでいけばよろしいのか、それは各個の類型ないし体系に応じてそれぞれの工夫があるわけでございまして、そういうことについての逆進性に対する適切な措置というものがあり得るというふうに考えておるわけでございます。 またもう一つ、全体の税体系の中で、先ほど申し上げましたけれども、所得課税、企業課税、資産課税、消費課税、そういうもの全体を通じての税負担の累進性、垂直的な公平性というものからの観点というものも大切であろうというふうに存じます。 物価は、間接税を新しく導入します場合には課税対象の品目の価格が上がる、これが転嫁されるのが間接税の本質でございますから、そういう点は避けられないと思いますけれども、物価に対する影響というものは、便乗値上げをできるだけ阻止をしていくような細かい行政措置、これは各国でもそれぞれ実例もございますし、私どももいろいろ勉強はいたしておるわけでございますが、そういう措置を講じてまいれば、物価に対する影響も税負担以上に累積して発生しないような工夫が十分可能である、そういうことを税制調査会の中期答申の中でも述べられておるというふうに承知しておるわけであります。
○伊藤(茂)小委員 幾つかお伺いしましたが、いずれにしろ、国民の受け取る目というものは、一般消費税が再び墓場からわいてきたという印象ではないだろうかというふうに私は思うわけでありまして、これから先さらに議論をそれぞれの場でさせていただきたいと思います。 次に、もう一つ伺いたいのですが、所得減税の問題です。 三点お伺いしたいのですが、多くの団体から物価調整減税が要求されております。これは名前がおかしいので、物価調整というのは、減税ではなくて増税にしない調整というふうなことであろうと私は思います。いずれにしろ、政府税調の答申がありました後のいろいろな新聞、雑誌の評論の中でも試算をされておりまして、これからたとえば三年間所得減税は据え置くということになった場合に、七%ずつ収入がアップした場合でも、物価は同じ七%ずつぐらい上がることは必至でありますから、そうすると、実質の賃金は現在五カ月連続マイナスでありますし、せいぜい同額かマイナスという状態が予想される。ところが、所得税の方はそれの二倍以上に上がってくることになる。これはまことに公平を欠く問題であるというふうに言われておりますし、私もまことにそのとおりであろうと思います。そういう意味で、公平の概念から照らして所得減税あるいは物価調整減税、減税ではない増税にしない調整としてなされるということは当然ではないか。その辺の考え方、認識の問題が一つです。 それから二つ目に、物価との関連で税率あるいは基礎控除、課税最低限などの問題でありますけれども、これも日本よりも課税最低限がやや高いフランスでも、一九六八年から税率表の一部に消費者物価に連動する仕組みを導入している。イギリスでも一九七七年から基礎控除を物価スライドに切りかえた。カナダでも同じ、アメリカでも幾つかの州では物価自動調整税法が成立をしている。多いところではすでに六五%の調整が法律が制定された後なされているというようなことも聞くわけであります。これは国際的な常識として広がっているという最近の状況ではないだろうかというふうに思うわけでありまして、そういう面から見ますと、税調の答申も、いまの大蔵省の考え方も、国際的な常識に逆行しているということではないか、それをどうお考えになるのか。 もう一つは、課税最低限に関連をいたしまして、税調の答申どおりでいくならば、生活保護世帯の水準が二百万を超えるということになってくるであろう。現在の二百一万五千円を据え置いた場合に、それと同額か、あるいは生活保護世帯以下か同等のところにも課税をするということになるのではないかという問題が指摘をされております。これもぜひとも変えなければならない問題ではないだろうかというふうに思うわけでありまして、時間もございませんから、簡単にその三点をお答えください。
○高橋(元)政府委員 現在のような、課税最低限を相当広くとりましてその上に累進の税率を掛けてまいる、そういう形でお願いをしております所得税につきましては、所得がふえた場合に税負担がそれよりも高い割合でふえてくる、これは累進税の本質でありまして、それを避けることはできないだろうと思います。ただ、累進の税をとっておりますそういう所得税の本質に照らして、なお税負担が過大にふえているのではないかという点でございますけれども、私ども五十一年、五十二年、五十三年、五十四年と、毎年の賃金指数と毎年のCPIというものを比べてみますと、五十四年までは少なくとも賃金の上昇よりはCPIの上昇の方が常に下回っておるという形であろうかというふうに承知をいたします。 そういう意味で、課税最低限が据え置かれていることによって、基礎的な生計費部分と申しますか、最低生計費部分と申した方がよろしいのでございますが、最低生計費部分にまで所得税負担が入っているという状況にはない。そういうことを、わが国は課税最低限を据え置き、各国では調整が行われておりますけれども、なおかつ日本の課税最低限の方が国際的に見てフランスと並んで高い水準にあるということで理解できるわけであろうと思います。 欧州の諸国でインデクセーションを導入しているから日本でもやったらどうだろうというような御趣旨の御質問であったかと思いますけれども、歳出に対する国民の追加的需要、さらには特例公債が累積してまいって潜在的なインフレの心配というものが顕在化してくる、そういう形の国民生活に対する圧迫というものを除いていきますために、公共の費用を税の形で御負担を願う、そういうことを考えてみますと、追加的な税収増の必要性が、歳出とのかみ合わせで、あるということが今回の税制調査会の答申の基礎でございます。 そういう意味で、歳出に対する、または財政の健全化に対する国民的なニーズというものがございますというのが第一の問題、第二に、政府が提供いたしておりますところのサービスは、いずれにしても人的なサービスの割合が高い、また出てまいります社会保障に対しましても、結局個人の生活というものと結びついておりまして、生産性が民間部門全体の生産性向上に追いつかないという傾向があるということになろうかと思います。 そうなりますと、歳出規模が一般の物価水準の伸び以上に伸びなければ、公的サービスの実質水準を維持することはできないという面もございますから、歳出全体の節減合理化ということはもちろんといたしましても、歳入面で完全にインデクセーションをした場合に、公的サービスの実質水準が著しく切り下げられるというようなことも起こってくるのではないかというふうに思います。 また間接税が、先ほど申し上げましたように、従量税方式でありますために、全体として物価上昇に応じ得ないということも指摘されております。財政収支バランス、また税体系にひずみが生じてくるということもございます。そういう点からインデクセーションというシステム自体が無条件でいいかどうかということについてはいろいろな問題があるわけでございまして、私どもは、税制調査会で言っておられますように、課税最低限を据え置かざるを得ないという財政事情だと思います。消費者としても、諸外国と比べてなお日本の所得税の負担が過重であるということではない、そこは御勘弁いただくほかはないのではないかという考え方を持っております。 それから、現在まだ三年間課税最低限を据え置いておりますけれども、生活保護基準との関係では、課税最低限に対する生活保護基準の割合は八〇%でございまして、御指摘のようにこれが追い抜かれてしまうというような事態は想定をいたしておりません。
○伊藤(茂)小委員 時間ですからこれで終わりますが、主税局長、課税最低限の問題でも税調答申でも「国民生活水準との関係における課税最低限のあり方については、今後とも、基本的な検討を続ける必要があると認められる。」と述べていますね。何か税調の答申よりもよりハードな姿勢で税当局が臨もうとしているのではないかという感じをいまの答弁を聞いて非常に深くするわけでありまして、恐らくこれではアメリカの税反乱ではありませんけれども、こういう姿勢、今後の新税調の審議のあり方その他を含めて抜本的な姿勢転換がないと大変な国民の不満が爆発するのではないかという感じを持ったことを最後に申し上げまして、質問を終わります。
○大原小委員長 沢田広君。
○沢田小委員 第一番目に、何か都合があるそうでありますから、いままでも各委員から議論されてきた問題でありますが、財政再建法の問題であります。 いわゆる窓口はそれぞれ——たとえばここにも道路財源というようなものについて目的税的なものをやめて一般財源化したらどうだという提案もされておるようであります。そういうようなことなども考え合わせ、あるいは高度成長期における歳出の増加傾向そのものを是正するものでなくてはならないというようなことも言われております。というようなことを考えますと、財政再建というものに対する総合的な検討——われわれは要求するだけであって善玉であり、増税する大蔵省は悪玉である。こういう論理だけでは割り切れない段階じゃないか。また自民党の方も同じように企業だけを擁護して庶民は苦しめる、こういう一般的な善玉、悪玉の論理だけでこれを乗り切れるものではないだろうと思うのであります。そういうようなことからいけば、予算委員会であるとか大蔵委員会であるとか、そういう総合的なバランスをとる財政再建法、これは補助金なども含めてでありますが、やはり図っていく立場、そういうものが今日求められているのではないか、こういうふうな気がいたしますが、その点について御見解を承りたいと思います。
○西垣政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘がございましたように、現在の財政の状況というのは大変な段階に来ていると思います。私どもといたしましては、一日も早く公債依存体質から脱却するということで現在五十六年度予算編成作業を進めておるところでございますが、これは大変なことでございまして、サマーレビューのフレームでもお示ししておりますように、もし増税がないといたしますと公債二兆円を減額するということを目途としてやっておりますので、国債費、地方交付税を除きました一般歳出につきましてはほとんどふやす余地がないというような状況でございます。そのために私どもの作業といたしましては、既存の制度、慣行につきましてもすべて見直しをするというぐらいの厳しい作業を進めておるところでございます。そういった意味で、その作業の結果、何らかの法的措置が必要であるというようなものが出てまいりますれば、その立法形式をどうするかということにつきましては、その次にどのような内容のものが盛られるかということもあわせて検討しなくちゃならないと思います。いま御指摘がございました財政再建法というような一括法をつくれという御意見はまことに貴重な御意見でございますけれども、盛るべき内容が決まったところでどんな法形式がとられるかということが決まるわけでございまして、私どもといたしましてはそういった段階におきましてその法形式を考えていきたいというふうに考えております。
○沢田小委員 決まった内容というときには、今日の日本の行政が縦割り行政になっている、その縦割り行政になっている立場から見ると、みずからの権益を守ろうという本能的なものが出てくることは当然なんです。もちろん国会議員の中においてもそれぞれの何族、何族、こう言われるくらいに存在していることも現実であります。そういう中で、決まった内容、その決まるまでのプロセスを国会の場においても総合的な判断ができる場所、それから大蔵省だけでなくて総合的に検討できる場所、そういうものが突き合わされていかないと、各省と大蔵省の敵味方あるいは国会族と大蔵省との敵味方、利益擁護団体との闘い、こういうことだけに尽きてしまうのであって、いわゆるいま国民が求めている公正な税制なりあるいは公正な行政なり、そういうものに近づくための措置としてはそういう道を選ぶことが重大な時期であるだけに今日求められているのじゃないか。ところが、決まってから出されるのでは、これはそれぞれのでこぼこ、ヤツガシラみたいな形で出てくることになるので、これは望ましい姿ではないと私は判断するのでありますが、その点はいかがでしょうか。
○西垣政府委員 先ほども申し上げましたように、私どもといたしましては既存の制度、慣行まで切り込んで作業を進めておるわけでございます。しかし、それぞれの制度、慣行につきましてはそれぞれ経緯あるいは存在意義があってできたということでございまして、なかなか複雑な問題をはらんでおります。しかし、現在の時点で新しい目で見直すということで作業しているわけでございまして、その結果として、先ほど申し上げましたように法律改正というような形での法的措置が必要になるものが当然出てまいると思います。そのときに従来のような一本一本の改正法でやるということにするのか、御指摘がありましたような全体の観点におきまして一括した法形式でやるかというのは大きな選択の問題だと思います。 私どもは御指摘の一括法というのはまことに貴重な御意見だと思いますけれども、国会の方にも国会審議のあり方につきまして従来の制度、慣行があると思いますので、国会の御意向も探りながら内容が決まりましたときにはその形式を適切な形で決定すべく対処してまいりたいというふうに考えております。
○沢田小委員 時代の認識あるいは必然性あるいはその条件というものはそういう状況下にあるということは同一の見解だと解釈していいですか。一応探りながらと言いながら、状況判断というもの、財政状況というものを考えた場合には、そういう総合的な判定を求めなければならない時期に来ている、その認識は一致すると解釈していいですか。
○西垣政府委員 現在私どもの置かれている条件で財政再建を一日も早く達成するためには、従来のアプローチではなかなかむずかしいというふうに認識しております。
○沢田小委員 それじゃ財政再建法というような、中身はどうなるかわからぬとしても、補助金の一括整理であるとかその他のものがあるにしても、財政再建に対する一つの目標に対して総合的な検討をしなければならぬ、それは一致しているということですね。
○西垣政府委員 先ほど申し上げましたように、法形式をどうするかというのは大変むずかしい大事な問題でございます。したがいまして、私どもの認識としては従来のような方法ではなかなかむずかしいという点につきましてはとにかく同感でございますけれども、具体的にどういう形式をとるかということにつきましては慎重な検討が必要であるというふうに思っております。 〔小委員長退席、椎名小委員長代理着席〕
○沢田小委員 とっぴなことなんでありますが、これはあなたが回答になるかどうかわかりませんけれども、各省で採用しているいまの、あなたも含めてですが、大蔵省から建設省に、建設省から厚生省に、あるいは厚生省から自治省に、こういう異動というものは考えられないかどうかということなのです。言うならば建設族、通産族、農林族、こういうものが人脈として生まれてきている。これも私は弊害の一つだと思うのです。ですから、まず大蔵省の人間も農林省へ行ってやってみる、あるいは農林省の人間も大蔵省へ来てやってみる、そういう交流を行って、そしてそれぞれの自分の権益擁護だけでなしに全体的な立場で、皆さんみんなエリートで優秀なのだから、そういう人たちが交流される中から日本全体の今日の問題が何かということを、あるいは国民が求めているものは何かということを考えるということも、財政再建とは関係ないけれども、やはり必要な要件ではないかということを考えておるわけですが、そのことが一つは壁になっていると私は思っているわけです。そういう意味においてはいかがでしょうか。
○西垣政府委員 私がお答えするのが適当かどうかわかりませんけれども、各省庁それぞれが自分の立場だけで考える、あるいは自分の利益だけを守るというようなことがあれば、それは好ましいことではございません。どこの省庁におきましても、行政全般、国政全般のことを考えながら適切な対応をしていくという態度が望まれると思います。そういった意味で、御指摘がございましたような人事交流というのは、そういった機運を醸成するための一つの方法だろうと思います。
○沢田小委員 あなたは時間があるそうですから、最後にお伺いしてあなたへの質問を終わりたいと思います。 昔の地方団体は入るをはかって出るを制す、国の財政は出るをはかって入るをはかる、こういう論理がずっと伝わってきているわけであります。今日の財政というものはやはり入るをはかって出るを制す、こういう論理に転換しなければならないのではないか。だから、足りなくなれば何か税金をかければいいやという論理ではなくて、今度四十七兆か八兆の概算要求をされておりますけれども、その要求がもとで今度は入るをはかるというのではなくて、入るというものの中身から出るものを規制していく、やはりこの筋道というものがとられなければならないのじゃないかと思うのでありますが、その点はいかがでしょうか。 〔椎名小委員長代理退席、小委員長着席〕
○西垣政府委員 歳出、歳入のバランスを考えながら予算編成を進めていくのは当然のことでございまして、先ほど国の場合には出るをはかって入るをというふうにおっしゃいましたけれども、基本的には歳出、歳入のバランスをとりながらいくのは当然のことだと思います。私ども予算査定をしながらも、その施策のよしあしということだけではなくて、財源がどうなるかということを考えながら査定をさせていただいているというのが実情でございます。
○沢田小委員 あなたに対する質問は最後と言ったが、もう一つ最後になって悪いのですが、とにかく道路目的税、これだけはやめさせて一般財源の立場で物を見る。地方道がおくれているからというならば、これは地方交付税の中に算定すればいいのである。いずれにしても、それも一つの目的だと思いますけれども、この中にも入っておるが、いずれにしても財源は一括する、その立場だけは今度どうですか、実現できませんか。あなたの腹をかけても、首をかけてもとにかくそのくらいの決意を持たなければいまの建設族に対抗できないでしょう。(「大臣でなければだめだ」と呼ぶ者あり)大臣でなければ無理であろうけれども、とにかくあなたもそのくらいのつもりにならないとだめじゃないか。大臣だって全般を見ているのだから、なかなか細かいことまではようわかりはせぬ。だから、あなたの方でやはりこうした方がいいと、こう言えば、大臣もああそうかと言うに決まっているのだから、そのくらいの気持ちで答えていただきたい。
○西垣政府委員 大変むずかしい問題でございます。一般論として言いますと、私どもの立場から言えば、一般財源が充実されることが最も予算、財政を運営するためにいいということでございますが、この揮発油税の問題につきましてはなかなかむずかしい問題もございまして、昨年の税調でも慎重に審議をされた結果両案が出たというふうに伺っております。慎重に対処したいというふうに考えております。
○沢田小委員 では、もう結構です。決算の方へ行ってください。 次に、いままで伊藤委員の方から質問がありました税調の答申、その中で地方団体に対する考え方、地方団体も国と同じように大変累積赤字を持って、二十八兆円余持っておる。この方針に基づいてもし考えるとすれば、地方団体にはどういう立場でこの再建を考えるのか、その点ひとつ簡単にお聞かせいただきたい。
○高橋(元)政府委員 これはあるいは自治省が参ってお答え申し上げた方が適切かと思いますが、私どもこの中期答申の審議を通じまして一応の考え方をいろいろ聞いてまいったその知識でお答えを申し上げさせていただきたいと思います。 国の場合と同様に、現在地方債の累積が二十九兆、それから交付税特会の借り入れが四兆一千億、合わせて三十三兆の債務がございますし、普通会計の歳出に対する税収の割合が下がってきておって、いまでもなお継続的に地方債を発行していかなければならないという公債依存体質にあることは国とほぼ同様でございますけれども、そこから脱却を図っていく際に、やはり歳出の節減合理化、また機構、定員の厳重な管理ということが基本である、そこは国の場合と軌を一にしておるわけでございます。答申の中でも細かく、行政関与の必要性なり行政効果、行政効率に配意して整理合理化を進めるとともに、民間委託や共同処理方式の積極的な活用を図っていく。「また、地方行政機構全般についてその簡素合理化を進めるとともに、定員管理、給与水準の適正化を図るべきである。」あわせて、国からいろいろ事務、事業の規制を受けて補助金をもらっているということによって、かえって地方団体の財政が安易に流れる面もあるから、したがって、そういう点についても努力を払わなければならないというような指摘がなされておるわけでございます。 そういうことをやりましてもなおかつ地方の税をもって地方財政を立て直していかなければならないということになりました場合には、やはり基本的な基幹的な税として個人、法人の住民税という所得課税、それからまた事業税、資産課税、流通課税それぞれにつきまして細かく方策が述べられておるわけでございますけれども、総括して申しますと、地方財政全体として、国の場合に先ほど二ポイント程度の税負担の引き上げを今後財政再建期間中にお願いすることはやむを得ないという想定を申し上げましたが、地方の場合には国民総生産に対して一ポイント程度の税負担の引き上げということが必要となってまいるであろうという考え方で中期答申はできておるわけでございます。
○沢田小委員 いままででも医師の優遇税制などはむしろ食い逃げ食い逃げで、この税制調査会の答申なんというものは実際には実現されない分野がきわめて多かったわけです。われわれも一生懸命になってやって、果たしてどこまで食ってどこまで食わずに適当に扱われるのか、あるいはどこまでそれを守っていくのか、その辺の信憑性についてはきわめて危ういんですね。これを税調というものは都合よく解釈すれば幾らでも都合よく解釈できる、そういう機能を持っているわけですが、果たしてどの程度までこれを守ろうという気持ちでいるのか。まあ一〇〇%守るという気持ちはあるのかもわかりませんが、大体実現性としてあなたの方ではこれをどの程度実現しようと考えているのか、概括的なことですけれども、ちょっとお答えいただきたい。
○高橋(元)政府委員 税制調査会の御答申は、三年ごとの任期の参ります前に中期の答申というのをいただきまして、その後各年新しく任命された税制調査会において各年度の税制改正の御審議をいただく、そのための答申をちょうだいしておるということが従来からのやり方でございます。各年度の答申の基準となります考え方、大枠となります考え方が中期答申の中に述べられておるということでございますけれども、中期答申の考え方に沿ってその年その年の経済情勢なり社会情勢、そういうものを考えながら各年度の税制改正の答申をちょうだいする。それにつきましては、私どもはほぼ完全にその各年度答申の線に沿って政府の税制改正の作業を進めておるというふうに申し上げて過言ではないであろうと思います。 ただ一つの例外、これはただ二つの例外でございましょうか、余談にわたるようで恐縮でございますが、前の東畑税制調査会長から私はたびたび小言を言われておりましたのは、一つは医師の税制であったわけでございます。これは昭和三十年代から医師の優遇税制について是正をすべきだという答申を繰り返してお出しいただいたのになかなか実現がしなかった。五十四年に及んで、これがその答申の趣旨に従って社会保険診療報酬課税の特例の是正が進められたということであるというふうに認識しております。 もう一つの例外はたばこ消費税。四十三年度の税制改正答申でちょうだいをして実現を見なかったものでございますが、本年度の制度改正によりまして納付金率の法定制度というものができて、ほぼ同じ効果になったのではないかと思います。 そういう形で、年度答申につきましてはこれを十二分に尊重いたしまして税制改正の作業を進めておるわけでございますし、それを中期的に見通しました中期答申の考え方は、各年の年度答申にそれぞれの年の経済社会情勢等も織り込みながら生かされておるというふうに承知をいたしております。
○沢田小委員 時間の関係で前段の方は回答なしになりますが、行政改革はやる、これが第一の段階ですね。それで行政改革をやってどの程度まで節減ができるか。しかし、節減の効果というのは非常に緩慢である。直ちに来年度、再来年度に影響を及ぼさない。これが一つの方向なんです。 それからその次は補助金の整理である。この補助金の整理については、財政再建法なりその他の法律の関係があるが、これもどの程度実施できるのか、目安はいまだついていない。ついていたらばお答えをいただきたい。 その次には、ある一定の公共事業の減速である。本州−四国の橋を三本かけるなんというのはもうやめて、とりあえずは一本だけにして、あとの二本は向こう十年後にするというようなことも一つの考え方でしょうから、いわゆる公共事業の減速というものについてどの程度圧縮できるか、緊急なものだけにそろえてやる、これが次でしょう。 その次の段階は不公正の是正、徴税の適正、こう段階がきちんと並んで、それでなおかつこれだけの行政サービスを守るためにはこれだけの財源が不足します、いまもう二兆円減債する、だから増税だ、こういう非常に直結的な話に今日なっているわけで、その前段になることは、言葉では言っているけれども実現されてない。その点についてはどうお考えになっておられるか、その点ひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○高橋(元)政府委員 これは、私直接御答弁申し上げますだけ仕事の実際を担当いたしておりませんので、やや趣旨にわたったお答えでお許しをいただきたいわけでございますが、この答申の中でもこういうような経済と国民生活の状況からすれば、財政は入るをはかって出るを制するということを基本原理とする時期だということはうたわれておりますし、歳出につきましても、ただいまお挙げになりました行政機構または補助金、それから政府の事務事業全体を通じまして、その節減合理化を図って、できるだけ簡素にして能率的な政府を目指すべきだ。具体的なめどとしては、今後財政再建期間中はGNPの伸びと歳出の伸びとをほぼ等しくしておく。その程度に最大限政府の歳出節減の努力を望むということになっておるわけでございます。そういうふうに政府全体として歳入、歳出の調理をしてまいりたいというふうに、私の立場からもさような決心を持っておるわけでございますが、そういうことと、また税制の中に残されておりますいろいろな問題につきまして是正を図ってまいるということ、それからまた、さらに実質的な税制の執行につきましてへんぱにわたることのないように、公平が保てるような努力を図っていく。これはすべてこういうこれからの財政再建を進めてまいります際に一番大事なこと、いま沢田委員から御指摘のありましたように基本的なことというふうに存じておりますので、従前からも努力をしてまいりましたが、五十六年度予算編成を初めとして今後財政再建期間中は格段に精力的にこの課題に取り組んでまいりたいというふうに存じます。
○沢田小委員 一つ例を挙げて申しわけありませんが、医師の優遇税制七二%、中小企業の八百屋をやっておる人とどう違うでしょうか、あるいは小売業者をやっている人とどう違うでしょうか。これはお医者さんだから七二%経費控除を認めて、八百屋さんやその他は青色申告なり白色申告なりとにかくしなければいけない。その不公正は、お医者さんなるがゆえに特別優遇されているということにならないでしょうか。一般の庶民の人から見て、そのことは異様な存在だと映らないでしょうか。私はそういう意味においては、すべてが申告という今日の税制の本質からいけば、やはり申告してもらう、こういうことに基づいて定めていくということにならないと、一般庶民に映る姿としては、なかなかこれを公正だと称する人はいないんじゃないかと思うのです、これは例がいいか悪いかは別問題としてですね。その点についてお答えいただきたいと思うのです。
○高橋(元)政府委員 五十四年度の税制改正を御審議いただきました際に、たびたびお答え申し上げたことでございますが、現在五十四年度改正後の社会保険診療報酬課税の特例の趣旨と申しますのは、大都市から僻地に至るまで広く地域医療を担当して日夜住民の健康の維持に努めておる中小規模の診療所に重点を置いて社会保険医の公共性に配意して若干見直しを行ったということでございまして、五千万円を超えます社会保険診療報酬の収入につきましては、実額に近い概算経費率五二%を適用するという形で、医療収入の増加に応じて実額に近い課税が実際に行われてきておるわけでございます。五十年の税制調査会の社会保険診療報酬に関する答申をちょうだいしました際には、五千万円超の社会保険診療報酬を得ておる方の割合というのは一割未満でございましたが、現在は三分の一を超えておるかというふうに思われます。 こういう実態からして、特例制度は若干残っておりますけれども、先ほど申し上げたような趣旨での社会的な配慮ということでございまして、私は、それとまた、まだよくわかっておりませんけれども、いろいろ第一線の話を聞きますと、最近医業の方の青色申告の割合が非常にふえてきておるようでございますし、やはり五千万円以上の方に実額に近い概算経費率五二%を適用するという改正後の規定というものは実態に即して機能しているものというふうに承知をいたしておる次第でございます。
○沢田小委員 私の言うのは、そういう細かい——これは専門家の話ですからそのとおりかもしれません。しかし、一般の市民から映る姿は、片一方は三月十五日になれば、青色にしろ白色にしろ苦しみ抜いて税務署へ提出をする。片一方は包括的に七二%の経費で、非常に事務も簡便である、気楽である、税というものに対する圧力感というものは精神的にはきわめて少ない。そういうメリット、デメリットもやはり考えていかなければいけないんじゃないか。片一方は三月十五日になることに対して、率直に言って恐怖感を持っておる。その恐怖感がある者とない者とになぜ差をつけなければいけないのか。この税調の報告にも「一段落した」、こういうふうに報告されております。私はいま一段落しているとは思えません。そういう意味において、要するに、これはどっちが公正ですと世論調査をやってみてもらえば、国民の判断はたちどころに出ますよ。公正だとは言わないです。ですから、八百屋さんだって同じことですよ。やはり国民総生産に寄与していることは変わりないのであります。だから、そういう意味においての不公正感というものをなくすことにはさらに努力をしてもらいたい、時間の関係でそう要請しておきます。 しかも、ここに「悪質な医療費不正請求 医道審が方針」こういうことがある。ところが、この内容は、あなたの答弁の範囲には入りませんけれども、十五人対象になった。そのうち四人については、マージャン賭博をした、麻薬についてカルテに虚偽を書いた、無理やり頼まれてにせ診断書をつくった、入院患者といさかいを起こして脅迫をしたというもので、事案が軽微でそれほど悪質ではないというようなことで免許取り消しにはならなかった。刑事罰を受けた四人だけになっている。そういうことは、医道審なんというのは何のことはない、刑事罰を受ければ仕方がないから免許を取り消す、それ以外は皆大目に見ていきます。だから、富士見病院みたいなものが出てくるし、たとえば妊娠中絶なんというものについては、保険もきかないし、現金で取っている。現実問題としてどこまで、何%の医療控除が適用されようと正確な報告があると言えますか。どこまで妊娠中絶なりその他やっている人たちの状況の中から収入が把握できますか。できないでしょう。そういうことから見て、この現実の医療の方法というものについては再度ひとつ検討をしていただきたいと思います。 次に、生命保険料の控除をそろそろ、やめるとまで言わないけれども落としたらどうだ。これだけ年金制度が充実をしてきて、生命保険が件数を見ますと一兆六千件なんですね。金額にして個人にすると千六百万、世帯にして六千四百万円見当になる。これまでになってきているこの生命保険というものの控除を五万円以下ということでやっておられますけれども、もうこれだけ年金がある程度充実してきた今日、生命保険の存在意義というのは何だろうかと考えさせられます。しかも、おやじの命を三億だ四億だというふうに掛けて殺しちまう奥さんもいるくらいですから、言うなら亭主の命をギャンブルにしているのと同じなんですよ。だから、それにもある程度頭打ちを入れたらいいんじゃないかという気もします。そういうことで、生命保険というものの成熟度からいってそろそろ生命保険育成をとめていく段階に来たんじゃないか、抑制していく段階に来たんじゃないか、こういうふうにも考えますが、その点はいかがでしょうか。
○高橋(元)政府委員 私どもは租税特別措置による減収額というものの概算を資料として御提出いたしておりますが、その中にも政策税制として生命保険料控除をカウントしておるわけでございます。おおむね千数百億円という規模であろうと存じますが、千六百三十億円というふうに推計いたしておりますが、それの考え方と申しますのは、万が一の不幸に備えて国民が全体として相互扶助し合うというのが生命保険の機能であろうというふうに思いますことと、もう一つは、広く国民全体に利用されておるということでございます。 そこで、貯蓄についての優遇、生命保険料控除というものにつきましては、やはり他の企業税制と軌を一にしてこれの縮減を図っていくということはいかがなものであろうかということで考えてきておったわけでございます。現在給与所得者の中で二千百万人、申告所得者の中で約五百万人の方が生命保険料控除を受けておられるわけでございます。こういう非常に広範に発達した生命保険料控除制度というものについて、ただいまの御指摘というものをちょうだいいたしまして、現行制度の役割りをもう少しよく見て、御指摘の点も念頭に置いて今後のあり方を検討してまいりたいというふうに存じます。
○沢田小委員 残された時間、一分です。簡単に言います。 公益法人に対する寄付の損金不算入の問題、これはこれからどういうふうに考えていくか。私が寄付と言うのは、対価を求めないものを寄付というと解釈します。もし対価が求められるものがあるとすれば、それは純粋の寄付とは言いがたいというふうに解釈をするわけでありますが、そういう意味においての損金不算入については今後どういうふうに検討されるか。 それから事業税の外形課税、資本金によって分けるのではなくて、いわゆる総資産によって均等割をかけるという考え方はないかどうか。 この二点を質問して、私の質問を終わりたいと思います。
○高橋(元)政府委員 寄付金は、御承知のように寄付金控除の限度があるわけでございます。資本金額の千分の二・五と所得金額の百分の二・五の合計額の二分の一ということでございますが、これは公益法人に対するものであるかどうかを問わず、一定の限度ということで損金算入を決めておるわけでございます。ただし、いわゆる指定寄付金という制度がございまして、教育または科学の振興等、公益の増進に著しく寄与するものとして特別に告示をもって大蔵大臣が指定をいたしました寄付金につきましては、別途全額損金算入という制度になっております。そういう指定寄付金制度の指定が乱に流れないように十分戒心をいたしておりますけれども、現在公益法人に対する寄付金はすべて損金扱いになっておるということではございませんことを御理解いただきたいと思います。 第二点の事業税の問題でございますが、私、直接地方税法を所管いたしておりませんので、ただいまちょうだいいたしました御意見を担当の税務局長に伝えまして、また適当な機会にお答えをさせていただきたいというふうに存じます。
○沢田小委員 終わります。
○大原小委員長 渡部一郎君。
○渡部(一)小委員 税調からの中期答申が提出されている中で、同僚議員からも御質問がございましたが、「広く消費に着目する間接税」という表現で消費税を新しい税制改革の焦点にするような提案が行われております。これに対して、税調の答申をそのまま一〇〇%大蔵省がお受け入れになって今後の税制改革に臨むというわけではないのでありましょうけれども、これは五十四年、一般消費税に関する国会決議が存在することでもあり、その取り扱いに慎重を期することは当然であります。税調が何を言うかはかなり税調の自由でありますけれども、税務当局におかれましては、この税調の答申と国会決議との関連性につき十分に調整された態度を表明されなければならないかと存じます。そういう意味で税務当局の御判断と御意見をまずお尋ねしたいと存じます。
○高橋(元)政府委員 かねがねお答え申し上げておりますことでございますが、財政再建に関する決議をちょうだいいたしまして、かつて五十三年の暮れに税制調査会から答申のありましたいわゆる一般消費税(仮称)というものをそのままの形で新税として提案できる環境にはないというふうに昨年以来お答えをしてきておるわけでございます。そういう意味で、今回の税制調査会の御答申の中にも、そのままの文章で読ませていただきますと、「昭和五十四年度の税制改正に際してとりまとめた一般消費税大綱については、昭和五十四年末、国会決議が行われ、また、各方面から批判や指摘が寄せられている。こうした諸点については十分配意し、今後、新たな観点から、諸外国の立法例や沿革等も参酌しつつ、課税ベースの広い間接税について我が国の経済取引の実情に即した仕組みを具体的に検討していくことが必要とされよう。」というふうに述べられておるわけでございます。 財政再建のために所得税、法人税、それから課税ベースの広い間接税、いろいろどうしても国民に負担をお願いする場合にどれが一番いい形かということにつきましては、これから各年度の税制改正にかけまして検討しなければならないわけでございますが、ただいま委員からお話のございましたような点につきましては、十分慎重に考えてまいりたいという趣旨が中期答申の中にも盛られておるというふうに承知をいたしております。
○渡部(一)小委員 私は、衆議院大蔵委員会におきましても参議院大蔵委員会におかれても、幾つかの決議が表明されておりますが、意外とその決議が簡単に無視されているのではないかという感じがして仕方がないのであります。 前回の税制小委員会におきましても、私は、税務当局の職員が少な過ぎるため課税の不公平が限度を超えておるということを指摘いたしました。そして、それは今回の税調の答申の中に盛り込まれているのかと思いましたら、そのときも税調の会長さんは、その問題についてはこの中に盛り込まれていないということを表明されておりましたので、これはまさに税務当局として御判断いただかなければならぬテーマだろうと思っておるわけであります。 第八十回昭和五十二年、第八十四回五十三年、第八十七回五十四年、第九十一回五十五年の所得税法あるいは措置法の改正に伴う当委員会の審議の中において、附帯決議をもって税務職員の定員の増加、処遇の改善等に一層配慮することという決議が行われております。ところが、数字を見てみますと、その気配もないのです。いろいろな御事情は私は存じ上げていないわけで、その立場で機械的に申し上げて恐縮なのでございますけれども、人数について全く考慮していない。毎年、極端なまでに人員が大幅に減ったこともあるけれども、その減った問題に対する解明というのがなされていない。むしろ数年前二百七十人程度が増加したときに比べるならば、ここのところずっと一方的かつ継続的に人数増加は逓減中であると見てよい。こうしたことは、これらの決議に対して大蔵省は全くまじめに取り組んでいないのではないかと思わざるを得ないわけです。これをどうお考えになられるか。今後もそういうふうに当委員会決議というものを軽視する立場でお行きになるのか、軽視するのが当委員会の慣行なのか、私は篤と承りたい。
○渡部政府委員 国税職員の定員問題につきましては、私どもも従来からその増員につきまして私どもの予算要求におきましては最大の眼目としてお願いをいたしておるわけでございます。衆議院におきましても、こういった御事情につきまして附帯決議でお述べいただいておるわけでございまして、私ども、予算要求の段階からこの増員問題につきましては非常に強い要望としまして毎年度要求をいたしておるわけでございます。 ただ、一方におきまして、御案内のように、国家公務員全体につきます大変厳しい定員管理の姿勢が政府の基本方針として打ち出されておるわけでございます。そういうことで、私どもも、この問題に対する対処の仕方といたしましては、全体の事務量の増加につきましてできる限り事務の合理化あるいは機械化といったものに努めてこれに対処してまいっておるわけでございます。 しかしながら、納税者の増大あるいは取引の複雑化に伴いまして、われわれの仕事は質量ともに増大してまいっておりまするので、現状を申し上げさせていただきますならば、そのような内部努力だけではなかなか賄い切れない態勢になっておりまして、私もやはり最小限の増員はぜひとも必要ではないかということで、来年度におきましてもそういった増員要求の姿勢を強く宣明いたしておるわけでございます。 この問題につきましては、大変厳しい情勢でございますだけに、われわれは今後とも関係方面にさらに深い御理解の得られるように努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
○渡部(一)小委員 いまのお話を承っただけではさっぱりわからないのですけれども、総定員法があるからこういう目に遭っておるのだ、総定員法の枠外で新たなる取り決めをしていただきたいと要望されておられるのか、それとも総定員法の枠の中で他の省庁の要望が苛烈なのでわれわれとしては無理ができないと言っておられるのか、また総定員法の枠以外で税務職員に対する新規立法を要請しようとされているのか、まことに明快でないのです。 というのは、私は当委員会に属するのはこれが最初なんですが、委員会で決議されたことをこんなに残虐にじゅうりんして平気な顔をしているというのは空前絶後、古今東西を通じてこんなにひどいのはない。これほど決議を何回もやって、その決議を一向に守らないというのは、そのときの大蔵大臣の責任であると同時に、税務当局者の責任であると私は思うのです。これはやる気がないというよりも、どんな問題についても委員会の発言については一応聞いておけばいい、おじぎをしておけばいいという悪い慣行がここに存在することを私は感じておる。もし本気でその決議のとおりがんばろうというのだったら、今回の予算要求の中に何万人要求というのをばんと出すべきだ。そして税務当局みずからが大蔵省の予算査定官と渡り合って戦うべきだ。それがその気配も何も全然ない。そうしておいて妙な陳情が陰からそろそろやってくるのでは、こうした問題に対する解明にはなり得ないのではないですか。こういう決議をいただいたが、いまの法律の枠ではそれはできませんならできませんと言うべきだ。だから、問題はきれいごとで一つも進んでいないと私は思う。もってのほかだ。こんないいかげんな、決議を無視し続けられている委員会は見たことも聞いたこともない。ちゃんと答弁してください。
○渡部政府委員 ただいまの委員の御発言は、私どもに対する御叱正と同時に御激励であろうかと思っておるわけでございますが、私どもといたしましては、職員の増員につきましては非常に強い希望を持ち、また要望を持ち、毎年度の予算要求におきましても、いわばわれわれの最大の要求眼目といたしまして努力をしておる所存でございます。その努力が至らないという御叱正であろうかと思いますが、全体につきまして厳しい定員管理ではございますけれども、しかしながら定員管理当局あるいは予算当局からは、われわれの実情につきましてある程度の御理解はいただきながら従来から御考慮いただいてまいっておるわけでございます。私ども税務執行を預かる立場といたしましては、今後とも増員問題につきましては最大限のいわばわれわれの要望だということで考えておりまして、来年度予算要求に当たりましても大蔵省主計局あるいは行管当局に対しまして強い陳情もしておるところでございます。
○渡部(一)小委員 聞けば聞くほどあきれているのですが、昭和二十七年以来五万人体制というのが変わっていないで、昭和四十年を一〇〇とすると国税庁の定員は一〇二、申告所得者はその間に一八〇、法人の所得者は二〇〇、間接税関係は一五〇、そんなふうになっておるということは百も御承知であろうと思います。またトーゴーヨンであるとか、そうした税金の取られる段階における不公正というのは、国民の間ですでに何回も言われていることです。そしてこのような不公平感は、サラリーマンにおけるはなはだしい政治に対する不信感となってあらわれているのが事実ではありませんか。そしてその上に今回予算が足りないと言う。足りないのだったら足りないらしくしなければいけないけれども、この税調の答申は一体何ですか。制度をいじるだけで、制度をいじる以上の不公平が現実に存在するのに何にもやっていない。二十年に一回しか法人税のチェックに来ない、そういうのが隣の店にいる、こっちの方は毎年続けて三回来た、こんなのがあるかとこっちの人が言うのは当然じゃないですか。なぜ二十年に一回のところと毎年検査するところとあるのか。そして、やれ更正決定だヘチマだ、一遍踏み込まれると一カ月も商売は空転する、そういう恨みの中に国民は暮らしている。こんな税調の答申なんかの段階じゃないじゃないですか。それは人数が足りないからだと何回も御説明いただくから私は言っている。ところが、何もしようとしていない。 金が足りないとき収入をふやすのは当然の話だ。しかも、それを不公平の観点の中から克服しようということは、何も特別な施策を要することではないじゃないですか。ほかの省庁の人間の首を大幅に切っても全部集めなければならぬ。その意欲がないんじゃないですか。大臣がいたらとっちめるところだけれども、大臣がおられないので、あなたを代理人にしてはなはだ申しわけない。だけれども、あなたは本日政府のただの説明員ではなく政府委員としてそこにお座りになっておられるはずです。だから、国税庁長官にも主税局長にも私は当たりに当たって申しわけないけれども、これは何事なんですか。こんな答申、ナンセンスですよ。こんなもの部分的なものじゃないですか。それよりも現実に存在する課税の不公平というのははなはだしいものだ。国民は耐えがたい。それこそよく納税拒否一揆が起きないと思うぐらい国民の中には不満が充溢している。まあガスで言えばメタンガスがこもって爆発寸前じゃないですか。 だから、税金をごまかすためのあらゆるテクニックが国民の通常の会話の中で語られ、そして国民は、税務署をごまかしたことをそれこそ昔で言う金鵄勲章のように、いまの文化勲章をもらったように、みんなで笑いながら、こういうふうにやったらうまくいった、あそこの税務署をこうごまかしてやった、こういうふうに退治してやった、こういうふうに撃退してやったという話が町じゅうにはびこる。そして出版社を見てごらんなさい。いかにして節税するか、要するに脱税するかというような話の本が山ほど出版され、そして税務署というのは仇敵か悪魔か天魔か、そうしたたぐいとして見られるようになったじゃないですか。 私は、わが日本国民を愛国心のない国民だとは決して思わない。これほどまでに立法というものに敬意を表している国民は世界の中でも少ないはずだ。その中でこれほどのことが言われるのは何かというと、ただお金を取られるからいやなんじゃない、不公平だ不公平だという怨嗟の声が国民の中に充満しているからじゃないですか。サラリーマンの怨嗟の声は政治に対する根深い拒否反応となってあらわれているじゃありませんか。ここまで政治をぶっ壊し、政治の不信を高めておいて、なおかつ平然としてその職責にあるというのはどういうことなんですか。私が長官であり主税局長だったらやめてますよ。こんなことで仕事ができると思いますかというのが第一声でなければならないと私は思う。その意欲がなさ過ぎるのじゃないだろうか。大蔵省全員でハンストをやってもこれは片づけなければならぬ問題でしょう。 今度の予算要求で何人出されているのですか。また百人ぐらいなんでしょう。それが百十人になったら偉そうな顔するのでしょう。税務署の職員の方から一万人の要求が出ていますよ。少なくとも今年中に五千人と現場の人たちは叫んでいるじゃないですか。私は、こんないいかげんな不公平な政治、こんないいかげんな制度を続けてきたのは日本国をつぶすための陰謀だとしか思われない。こういうやり方をとられるなら、われわれはことごとく反税団体を組織して税金を納めないために国民全部率いて闘うしかないじゃないか。どう思われますか。
○渡部政府委員 税務行政の公平を求める声が非常に高まっておるということは、私ども第一線の仕事をやっておりましてひしひしと感じておるわけでございます。しかしながら、トーゴーサンとかあるいはクロヨンとかという言葉で言われておりますが、われわれ税務行政を預かりながら見てまいっておりますと、一方におきまして、申告納税制度と申しますか、あるいは正直な申告をなさる方、これは着実にふえてまいっておるわけでございまして、申告納税制度はもう三十年経過いたしてまいっておるわけでございますけれども、自主的に正しい申告をしようという気風と申しますか、そういう環境、これは着実に育ってまいっておると私は思うのでございます。 しかしながら、確かに御指摘のとおり、サラリーマンを初めとしまして税の執行に対しましての公平さを求める声が非常に強い、また一部不心得な脱税者がいることも事実でございまするので、われわれは今後ともそういった納税者の厳しい世論、これを背景にいたしまして、税務執行の公平確保のためには最大限の努力をしてまいりたい、このように思っておる次第でございます。
○渡部(一)小委員 いま言われたから申し上げるのですが、仕事をするに当たって、自分のいままでにやったよい点を大きく述べるというのは、選挙演説ではあり得るが、こうした討議の際には余り適切ではないと思われますよ、長官。 自主申告制度が着実に拡大したなどと言われているけれども、その反対側に、自主申告と称しても申告が自主的なものであるかどうかについては多大の疑問があります。たとえば調査で非違が見つかった場合、修正申告するあるいはさせるというのが自主的なものであるはずなのに、他動的かつ強烈的に行われているじゃありませんか。そうしたものは自主申告とは違うでしょう。そして、修正申告を納税者が申し出たときに、国税不服審判所に対する審査請求ができなくなることを現場ではきちんと告げていないでしょう。人数が足らないもの。そんなことを丁寧に言っている暇がない。だから、申告を自分で直させればあとはよけいな不服審判所なんかに持ち込まれない、そういう抜け穴を、そういう形で行われているじゃありませんか。修正申告の慫慂については、ある限度を超せば、課税当局はこれは実際的には国税不服審判所に対する審査請求の権利を放棄させることを強烈に勧めていることになってしまう。これも人間が足りないための悪い慣習ができつつあるかもしれないけれども、これはまずいことじゃありませんか。この点、どう思われますか。
○渡部政府委員 修正申告につきましての御指摘でございました。 私どもが調査をいたしました場合に、その結果、調査をいたしまして所得等に申告の漏れがあることを発見いたしました場合、二つのやり方がありまして、一つは更正決定という方法でございます。もう一つが御指摘のように修正申告をしていただく、こういう制度でございますが、御指摘のように、確かに最近、そういう調査をやりました後の処理といたしまして修正申告という形態がふえてまいっておるのは事実でございます。しかし、これは先生が御指摘のように人手が足りないからということではございませんで、私ども調査をいたしまして非違を発見した場合に、やはり今後正しい申告をしていただくためには、納税者の方々に調査の結果についてよく話し合いをしまして御納得していただいて、できれば自主的に当初の申告を直していただく、こういう意味で修正申告の慫慂をいたしておるわけでございます。われわれは決して無理やりに強制して修正申告をお願いしているというやり方はとっておらないつもりであります。 なお、修正申告をされた場合には不服審査請求の権利が放棄されるじゃないかという御指摘でございます。おっしゃるとおり、更正決定の場合には審査請求の制度がございます。しかしながら修正申告の場合はそういう制度はございませんが、ただ、修正申告の課税標準または税額等につきまして、後で納税者がやはり過大であったと気がつかれた場合には、法定納付期間の一年以内に限りましては更正の請求の制度がございまするし、また一年経過後でございましても職権による減額更正の道があるわけでございますので、納税者の権利救済という見地から見て、必ずしも修正申告になった場合に全面的に不利になるということではないわけでございます。 しかしながら、われわれは先生の御指摘の点等も十分踏まえながら、今後ともこの問題につきましても十分納税者の権利を擁護し、かつ正しい自主申告の気風が醸成されるというかっこうに持っていくように努力してまいりたい、このように思っております。
○渡部(一)小委員 いまのお答えで結構なんですけれども、修正申告の場合、行き過ぎると国民の持っている権利を奪うことになりますので、後々問題が非常に深刻であります。これに関する扱いは、私の感じるところでも大分問題が出ているように思いますので、今後の御指導をよろしくお願いしたいと存じます。
○渡部政府委員 先生の御指摘の点も踏まえまして十分第一線に指導してまいりたい、このように思っております。
○渡部(一)小委員 更正決定でありますが、いま税務職員が踏み込んで調査をされている場合に、七十数%という更正決定の大きな比率を見ているようであります。私はその数字の高さにちょっと驚いているわけでありますけれども、これほどまでにむずかしい。一般庶民あるいは企業法人に至っても税務申告はむずかしい、間違えやすい、そういう取られる方から見て、知的レベルの非常に高い人でなければちゃんと書き得ないというのは私はまずかろうと思うのです。もう少し単純化する方向で税制体系というものを考え直す。きょうの税調のリストには取られやすい税制という部分はないですね。これは頭のいい人のつくった作文だろうと思う。もうちょっと頭の悪いわれわれのクラスに対してもわかりやすい税制、税務申告ができるようにしてもらいたい、それはひとつこれ以外にぜひ配慮していただきたい。
○渡部政府委員 おっしゃるとおり、納税者の方々にとりまして税の問題を正しく理解していただくということは大変必要なことでございます。そういう意味で、われわれはわれわれの仕事の一つといたしまして、調査だけではございませんで、やはり納税者の方々に対する指導、相談あるいは税務広報と申しますか、そういう方面にも大変力を入れておるつもりでございまして、いわば調査、指導、相談、広報、この四つをバランスのとれたかっこうで運営しながら、正しい申告納税の環境が醸成されることをこいねがっておるわけでございます。 なお、納税者にとりましてわかりやすいかっこうということの一助といたしまして、たとえば還付申告につきましての簡素化ということも考えておるわけでございます。
○渡部(一)小委員 最後に申し上げますが、定員と職員の質の向上については特段の配慮をぜひお願いいたします。 これまでの国会決議に関しては、先ほどからの御答弁にかかわらず当委員会決議は無視されたと私はみなします。これは激励の言葉でありますが。だけれども、これは本腰でかからなければいけない、そうしなければわが国の税務体系というものはぶっ壊れる危機になっておるということを十分御把握の上、そして今度の職員の人数の問題については特にがんばっていただかなければいけないと思います。立法府が応援しているのに財政当局、行政当局がやらないとあったら、それは国権の最高機関である衆議院の権威を侵すものであります。処分しなければならぬ。処分する方法は幾らでもあるけれども、各省庁の中でも大蔵省当局は予算執行者としてのそのお立場を堅持されて、そういう汚名を着ないようにしていただきたいと私は特に強く申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
○大原小委員長 玉置一弥君。
○玉置小委員 税調の答申が出まして、その間、五十六年以降の収入不足を補うためにいろいろな増税という問題が出ておりますけれども、その前に、ぼつぼつ五十六年度概算要求が各省庁から集まってきていると思いますので、いま段階でのまず来年度予算の見込みといいますか、ゼロベースあるいはサマーレビューとかいろいろ数字をいただいておりますけれども、いま段階でおおよそ固まっておらなければさらに細分化した予算が組めないというふうに判断いたしますので、現在での来年度予算規模の見通しということでお答えをいただきたいと思います。
○西垣政府委員 お答え申し上げます。 先ほどおっしゃいましたように、いま公債二兆円の減額ということを目指しまして査定作業を進めているところでございます。公債二兆円減額と申しますのは、先ほども申し上げたのでございますけれども、国債費地方交付税を別にいたしますと、その他の歳出——一般歳出と申しておりますが、これを前年同額並みに抑えなくてはならないという大変厳しいものでございます。私どもは何とか相当な成果を上げるようにということで査定作業を進めておりますけれども、まだいまのところでは結論が得られておりません。そんなことでございますので、いまの段階で五十六年度の予算規模がどうなるかということはとても申し上げられない、そういう段階でございます。
○玉置小委員 いまの段階でできないというお話でございますけれども、とりあえずの場合、現在の税制での収入、そのことが基準になると思うのですね。それである程度組んでみて、たとえばの話ですけれども、その後にどうしてもやらなければいけないということが出てきた場合にはやはり別枠で考えていかなければならないのではないか、そういうように思うわけです。税の法制化といいますか法定主義、そういうたてまえからいくと、現在の税制の中での予算規模、それがほんとうの骨格になるのではないかと思うのです。それと、あとはこれからの国民の要望といいますか、そういうものをいろいろふるい分けして、どうしてもやらなければいけないということと、あとは年度別に分かれるというものがあると思いますけれども、そういうものをやっていかなければ、とりあえず現在の中身ですね、見直しはされておりますけれども、個々にゼロベースのものを見てもかなり落としていくのが厳しい状態だと思うのですね。そういうことから考えて、いまの税制でまず考え、そして別枠として、通ればこれをやる、そういうふうな全体の話になってくると思うのです。ところが、ふるい分けを別にして、いまの二兆円減額の話に戻りますけれども、二兆円やるんだというのがまず先に出まして、そして二兆円やるためにはこれだけ増税しなければいけないというような逆の順序に出てきているような感じがするわけです。 そこで、まず一つですけれども、当初から特例公債の二兆円減額をやりたいというお話でございましたけれども、われわれの判断では大変な増税をしていかなければこの二兆円減額というのはむずかしいというふうに判断をしておりますし、いまの情勢だと、二兆円減額そのものはたとえある程度の増税をしてもむずかしいのではないかというような気がしているわけです。そこの二兆円についての大蔵当局の判断をお聞きいたしたいと思います。
○西垣政府委員 私どもといたしましては、公債の発行額を二兆円減額したいということをめどにして現在予算編成作業を進めております。この二兆円と申しますのは、一日も早く公債依存体質を脱却するということで一応の目標としてサマーレビューの際にセットしたものでございますが、これは五十四年度の公債発行額が当初予算よりも減額されまして実際にはかなり減った、それを上回るわけにもまいりませんしということで、二兆円ということを目標にするということにしたわけでございます。したがいまして、五十四年度の実績は五十五年度の公債発行の当初予算額より下回るという状況になったものですから、そういったことも踏まえまして二兆円減額する。逆に言いますと、特例公債が五十五年度七兆五千億というようなものが予定されておりますが、これは六十年度に元金償還が始まるということを考えますと、私どもは五十九年度にゼロにすることを目標としてこれを減額したいと考えておりますが、一日も早く減額を進めていかなければいけない。しかし、私どもがいま考えておりますのは、いまおっしゃいました特例公債二兆円ということではなくて、公債全体として二兆円減額ということを目途として進めたいということでございます。 それから、それはなかなかむずかしいという御判断を示されたわけでございますが、私どももそれは容易なことではないと思っております。先ほど申し上げましたように、公債二兆円を減額するということになりますと、一般歳出を前年同額にしなければならない。これは国債費、地方交付税を除きますあらゆる科目含めて全体として前年同額ということでございまして、中小企業対策からエネルギー対策から、あらゆる政策費を前年同額の枠の中に抑えるということで大変でございますが、私どもといたしましては極力それに近づけるように努力をしたい、そしてそれが及ばない場合には、足らない分を増税というような形で歳入の増加を図っていくようなことを考えてもらいたい、かように考えている次第でございます。
○玉置小委員 予算規模がわからないということですけれども、たとえば財政収支試算でいきますと、五十六年度が四十七兆七千五百億、そしてサマーレビューでいきますと四十五兆七百億ですね。この場合といいますか、当初の試算で二兆円ということでいきますと、このとおりで自然増だけで四兆三千億ですか、そういうことで、二兆円減額をする場合でも切り詰め切り詰めやっても相当額の増税をしなければならない。そして、財政収支試算でいきますと、特例公債が五十九年度にゼロということで、年々大変な減らしようになるわけですね。来年度は一応公債減額二兆円でございますけれども、その後を考えますと、大変な増税をやらなければいけないというふうな感じを受けるわけです。と申しますのは、今回当然増を抑えてほかの新規をゼロにするというぐらいの気構えでいっても二兆円近い増税になる、一兆五千億ですかの増税をしなければいけないという話でございますけれども、一兆五千億の増税でも大変なところを、そのベースでいきますと、さらに最終年度、五十九年度で三兆円の公債減ということでありますから、率でいくともっとすごい増税ということになるわけです。 そういうところから考えますと、いまいろいろな増税の案が出ておりますけれども、それぞれ相当な見込みを立てていかなければいけない。ところが、国会決議で一般消費税についてはやらないという取り決めをしておりまして、ほかのところへ逃げていくといいますか、そのほかの部分を探さなければいけないということになるかと思います。まず増税の見込みといいますか、五十九年度までに、財政収支試算をベースにして考えた場合、年々大体どの程度の増税を見ていかなければいけないのか。もしその辺おわかりであればお答えをいただきたいと思います。
○西垣政府委員 税の問題につきましては主税局からお答えいただいた方が適当かと思いますが、財政収支試算につきましては、政府で持っております七カ年計画を前提といたしまして、そこで描かれております六十年度の姿はどうだということで、それを目標にいたしまして五十五年度予算をつないだものでございます。そういったことで、あの計画のとおりにいきました場合には財政がどんな問題を抱えているかということを見ていただく資料でございますが、その際に、たまたま置かれました五十六年度の予算の姿というものはそれほど意味があるものではないわけでございます。私どもといたしましては、五十六年度予算につきましてはサマーレビューのときに示しましたフレームに沿って作業をしているところでございまして、先ほど申し上げましたようにまことに深刻な状況だということでございます。
○高橋(元)政府委員 財政収支試算を本年の春にお出しをいたしまして、その後たびたび御質問がありましてお答えを申し上げたわけでございますが、財政収支試算の経常部門の税収の伸びは一七・八%となっております。この一七・八%と申しますのは、通常の弾性値よりも明らかに高いわけでございまして、その通常の弾性値よりも高い部分を税制改正による増収というふうに定義づけるといたしますと、その差額は四カ年間に合計いたしまして五兆八千五百億という計算になる、そういうお答えを申し上げたわけでございます。
○玉置小委員 いまのは、いまの税制と経済の伸びとだけではなくて、新規に増税を考えて、ある程度織り込まれているということになるわけですか。
○高橋(元)政府委員 五十五年度に持っております税制から生じてまいります税収、それを五十五年度ベースで二十六兆四千百億円というふうに考えまして、これを五十九年度までに五十一兆八百億ということに経常部門、投資部門合わせましてするわけでございますから、そこの弾性値が計算上一七・八でございまして、この弾性値がかなり高くなります。その部分は現在の税制から生じてまいる一一・四%成長という平均成長を考えておりますが、その場合の自然増収額を上回る分が累計をいたしまして五兆八千五百億という計算に相なるわけでございます。したがいまして、いまお話しのございましたように、現行の税制だけで財政収支試算に掲げております税収を確保することはできない、その差額であるということがお答えでございます。
○玉置小委員 五兆八千五百ですか、これはたとえば五十六年度一兆五千億の増税を図るということであれば、また少なくなるわけですか。
○高橋(元)政府委員 これは一月に作成いたしました財政収支試算でございますが、その当時は五十四年度の税収について五十四年度内に一兆九千九十億円の自然増収があるという想定でございました。その後五十四年度の決算に相なりまして、補正予算を上回る三千三百三十五億でございますか、税収の増がございました。そういうことから、五十五年、本年の五月に発表いたしましたサマーレビューフレームでは、五十四年度補正予算を上回る増収があるものとして五十六年度の自然増収をはじいたわけでございます。したがいまして、五十六年度サマーレビューフレームによります四兆二千九百億という自然増収は財政収支試算のそれとはベースを異にしておるということをお断りしておきたいと思うわけでございますが、先ほどお答えをいたしておりました財政収支試算ベースの税収の増加、これは現行税制によるものと税制改正によるのと両方含んでおります。その中には五十六年度計算上一兆一千億ばかりの税制改正による増収というものが含まれておるという結果に相なるわけでございます。しかしながら、いま申し上げた数字と御質問のありました一兆五千億という仮定の数字とはベースが違っておるということをお断りをしておかなければならぬと思います。
○玉置小委員 税調の答申とかいろいろあるのですけれども、明日また別にお時間をいただいてやりたいと思います。 そこで、間接税の増税構想というものがいろいろ出されておりますけれども、その中でまず日本の国民の税意識といいますか、その辺について主税局長はどのように感じておられるか。これは昨年の一般消費税のいろいろな反対運動、そしていままでのトーゴーサンとかあるいは把握率の非常に悪いと言われておりますその辺の実態、そういうものを勘案して——昨年いわゆる一般消費税というものを実施しようという話が出たときに大変な騒ぎになりました。本当に財政再建だけを考えるならば若干同情すべき点があると思うのですけれども、いままでのやり方が悪いという先ほどのお話もございます。そういう点から見て、一つはやはり国民の税に対する意識がかなり大きな要素を占めるというふうに思うわけです。 そこで、大蔵省当局として国民の税意識についてどういうふうに考えているか、お聞きをいたしたいと思います。
○高橋(元)政府委員 税制調査会の中で、いろいろ仰せのありますような国民の税意識と申しますか、税のモラルというものにつきまして御議論がございました。この御答申の中にも書かれておりますのですが、国民の納税意識の喚起高揚ということを図ってまいる、それによって税の執行面の実質的な公平というものを保つ、それが今後財政を改善していくために基本的に重要なことの一つであるという認識でございます。 過般、税制調査会長もこの小委員会でお答えをなさっておられましたけれども、今回の税制上とるべき方策についての答申の中に「納税環境の整備の検討」という一項目を特に加えておるわけでございますし、その審議の過程では税の執行の状況について国税庁からも詳細に税制調査会としても勉強されたわけでございます。税意識があるいはラテン型であるかあるいはアングロサクソン型であるかとか、いろいろな議論がございます。また、日本人は証拠をもって主張して証拠をもって反駁を受けて論争をして物を決めるという習慣が乏しいわけだから、したがって、所得課税のようなきっちりした理論的な税制は向かないのではないかとおっしゃる方々ももちろんないわけではございませんけれども、私どもは、先ほど長官からもお答えをしておりましたように申告納税制度、自主的に課税標準を決めて自分で自分に税金をかけていくセルフアセスメント、そういう制度が逐次熟してきておるというふうに思いますし、制度上さらにそれを補完するような工夫が今後加えられていくならば、また税の執行としてもそういう納税者に対するいろいろな周知広報というものが徹底していくならば、税制が現在の申告納税制度の上に執行面においても遺漏のないような花を咲かせることができるというふうに考えておる次第でございます。
○玉置小委員 渡部長官もおられますので、同様のことで、いまの国民の納税意識についてお聞きをいたしたいと思います。 それと、取りやすいところから取るというような税務当局の姿勢があるように私たちには見受けるわけですけれども、それについてもお答えをいただきたい。
○渡部政府委員 お答え申し上げます。 まず国民の税意識の点でございますが、これは先ほど主税局長からお答えになられましたように、申告納税制度ができましてもうすでに三十年を経過いたしておりますが、戦後の混乱した時期に比べますれば、現在の申告納税制度は大変定着してまいっておるというぐあいにわれわれは思っておるわけでございまして、それは誠実な青色申告者の数が着実にふえておるというようなことにも反映しておろうかと思うわけでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、税負担の公平を求める声が非常に強いわけでございます。それがとりわけサラリーマンといったような階層から強く出ておるわけでございまするので、われわれは税負担の公平、執行の公平ということに今後とも配慮していかなければならない、このように思っております。 なお、税の執行において取りやすいところから取っておるのではないかという御指摘でございましたが、われわれはあくまでも高額、悪質というのを重点に調査をいたしておるわけでございまして、そういう意味では、われわれは取りやすいところから取るというのではなくて、やはり大きな不正が隠れておるのが一番問題であるという点から高額、悪質なものを重点に調査をする、しかし、一方において一般的な申告水準の低下ということがあってはなりませんので、そういう申告水準の維持向上ということもあわせながら税の執行をやっておるというのが現状でございます。
○玉置小委員 たとえば五十六年度のいろいろな増税構想というものがございまして、物品税あるいは有価証券取引税、そして法人税、公益法人の税、それから酒税、自動車関係諸税、いろいろな要素があるわけです。しかし、何かの税収を上げるというときに必ず話が出てくるのはこれらでございまして、そういう意味から見て確かに取りやすい、あるいは財政的にまだまだいけるというように絶えず目をつけられているといいますか、悪い言葉で言うとそういうことなんですけれども、そんな感じがするわけです。 先ほど言われておりますように、不公平税制でありますとかあるいは国民の納税意識を変革するということに対するいままでの大蔵当局あるいは国税当局の動きが非常に緩いのではないか、そんな気がするわけです。そういう意味で、むしろ遅いという感じがいたしますけれども、これから現行の制度だけで、ある程度意識の改革をやればまだまだ自然増収という形にはなると思います。自然増収というか、納税額がふえてくるというふうに思うわけですけれども、それについてどういうふうにお考えになりますか。
○高橋(元)政府委員 五十六年度、具体的にどういう予算を組むか、これはまだ歳出の節減合理化の努力、それを極限までやっていただきたいというふうに思っておりますし、そういう努力を尽くしてなお歳入が不足する、それについてさらに踏み込んだ検討が必要となるというときには、現行制度の基本的な枠組みの中で増収を図ってまいるということになると思いますけれども、現在の時点でそういう真にやむを得ざる歳入不足がどの程度の規模のものであるかということについて、先ほど主計局からもお答えしておりましたようにまだ確定しておりませんし、その場合に具体的にどのような項目で増収を図るかという点につきましても、まだこの席でお答えを申し上げる用意がないわけでございます。 しかしながら、やや観点が変わりますけれども、五十一年度、財政収支の不均衡ということが痛感されましてから五十五年度に至りますまで、各年度いわゆる選択的な増税または租税特別措置の整理ということを行ってきたわけでございますが、その間、五カ年間の平年度ベースの通算でございますから正確ではございませんけれども、所得税につきましても二千七百七十億、法人税につきましても八千六百三十億、こういう増収も図られてきておるわけでございます。法人税の税率という形ではございませんで、租税特別措置ないし引当金、そういったものの見直しによる課税ベースの拡張によってそれだけの増収を上げてまいっておるわけでございます。間接諸税につきましても、酒、揮発油、石油、印紙そのほかの税金で一兆円を超える税負担の増加をお願いしてまいっておるわけでございます。そういう意味で、そのときそのときの経済情勢に応じて、また一般的な国民の御理解ないし御要望、御要望と言ったらおかしいわけでございますが、お気持ちというものを考えまして、それぞれの税目でいままで非常に経済のむずかしい中でも財政の健全化を図るために増収措置を重ねてまいったわけでございますから、決して取りやすいところから取る、間接税中心に増税を行ってきたということでないことだけはこの際御認識いただければ大変幸いでございます。
○玉置小委員 残りいろいろありますけれども、あしたまたやらせていただきますので、きょうはこれで終わります。
○大原小委員長 簑輪幸代君。
○簑輪小委員 時間が短くなっておりますので、端的にお尋ねをしたいと思います。 私は、税務職員の採用及び昇格に関する男女差別の問題についてですけれども、かねてから要求されておりながらいろいろな理由をつけてなかなか婦人には門戸を開かれていなかったという部分がありまして、その中でことしから国税専門官という部門については女性にも道が開かれたということになりましたが、そういうふうにいままでは女性にはむずかしいと言われていながら、ことしから踏み切られたその理由は一体どういうところにあるのかお尋ねをしたいと思います。
○渡部政府委員 税務の職場の特徴でございますが、これは一つは署外におきます調査、検査あるいは滞納処分といったような仕事が中心でございまして、これはそれに従事する職員の精神的苦痛も大変大きく、またときには身体的な危険も伴うという非常に厳しい職場であるという点、それから、これは税務の職場のこれまた一つの特徴でございますが、非常に頻繁かつ広範囲な転勤を余儀なくされるという職場であるということ、さらに調査、検査、滞納処分等の職務、これは非常に長い経験を必要とするというような特殊性があるわけでございますが、女子の場合は実際上転勤が困難な場合が多い、またこれは若年での定着率が低い、早くやめていかれる職員の方が多いというような事情から、従来、税務の職場はどちらかと言えば男子により適した職場であるというぐあいに認識してまいったわけでございます。 しかしながら、男女平等と申しますか、女子もやはり男子と同じような職場における活躍あるいは活動というのが期待されるのが時代の趨勢になってまいったわけでございまして、まず比較的問題の少ない大学卒の国税専門官の採用試験につきまして今年度から女子の受験制限の撤廃というものに踏み切ったわけでございます。
○簑輪小委員 そこで、国家公務員採用初級試験の中で、税務職については依然として女性に受験資格がないという状態になっております。せっかくこの国税専門官について踏み切られたわけですので、この際初級の税務職についても女性にも門戸を開いていただきたいというふうに考えるわけですが、それができない理由というのは何か合理的なものがあるのか私にはわからないので、ちょっと御答弁をいただきたいと思います。
○渡部政府委員 先ほど申し上げましたように、税務の職場の特殊性ということで、どちらかと言えば男子に適した仕事であるというぐあいにわれわれは従来思っておったわけでございますが、時代の趨勢ということにかんがみまして、男女平等ということで特に大卒に対しまして門戸を開いたわけでございます。 問題は、初級税務の門戸開放はどうだというお尋ねでございます。実は初級というのは高卒の方のものでございますけれども、御指摘のように初級税務の方の門戸は確かにまだ女子に閉ざしておるわけでございますが、高卒の女子に対しましては、現在初級行政という試験でもって採用いたしておるのでございます。そういう意味では、高卒者の女子に対する税務の門は開かれておるわけでございまするので、いわば大卒にはいままで閉ざされておったということで国税専門官につきまして開いたわけでございますが、国税専門官の採用後の状況といったようなものも見ながら、初級税務についても開く必要があるのかどうかという点につきましては十分検討させていただきたい、このように思っておる次第でございます。
○簑輪小委員 初級行政事務職というのがあるわけですけれども、それで採用された女子職員の場合は税務大学校に入る資格がないことになっておりますね。そういたしますと、税務職員としての自覚とか意欲とか研修内容が十分でないために男性との間での違いが当然出てくるわけで、そういう点から言いましても、先ほどおっしゃいました定着率の問題などにはね返ってくるのではないかというふうに思うわけです。税務職に最初から受験をして自分は税務署員になるのだという自覚を持って十分な研修を受けた場合には、これは婦人の場合でも男性と同様に仕事が十分できるのではないかと私どもは考えておりますので、その点では女性には一般職があるからいいではないかということでは足りないのじゃないか、またこれでは男女平等ではないんじゃないかというふうに思うわけです。それでやはり税務職に受験できるように制度上変えていただくということが一日も早く必要ではないかというふうに考えますので、ぜひその点で早急に御検討いただきたいというふうに思うわけです。
○渡部政府委員 初級行政という試験で女子職員は現在採用しておるわけでございますが、初級行政試験で採用いたしました女子に対する研修でございますけれども、これにつきましては、現在一カ月間という新任女子職員研修を実施いたしております。これはほかの省庁の女子職員に比べますれば決して短い期間ではないというように思っております。また新任職員研修が終わりまして職場に配置せられました後におきましても、その職務の内容に応じまして初級、中級、上級の各実務研修に参加をさせまして、必要な専門知識及び技能の向上に努めておるほか、また日常の執務に際しましても常に女子職員に対しまして適切な職場研修を実施しまして、技能の開発に努めておるわけでございます。 私どもは、税務の職場におきましてすでに活躍しておられます女子職員の能力をさらに一層活用するために、どのような研修が適当であるかというような点につきまして検討を進めておるわけでございますが、なお、そういうものを含めました女子職員全体の研修、開発による能力開発のほかに、そもそも最初から門戸を開いて初級税務で採って税大で研修をさせたらどうか、こういう御指摘でございますが、それらも踏まえまして検討させていただきたい、こういうように思っております。
○簑輪小委員 税務署の職場の実態から言いますと、たとえば管理部門などでは女性の人たちがずいぶんたくさん重要な部門を占めて働いておられる。その他の部門でも税務職として採用された男性と仕事の内容は机を並べて全く同じことをしておられるというようなこともたくさんあると伺っておりますので、いまおっしゃいました趣旨で税務大学校への入校資格と完全に絡まってきますこの税務職の受験資格については、重ねて早急に検討していただくようにお願いして、次の問題に進みたいと思います。 次に昇格の問題ですけれども、現在女子職員の四等級から三等級への昇格については各分野によって違うようですけれども、私どもの方に資料がありますものを見ますと、男子職員ではすでに昭和三十五年採用者まで欠格条項該当者を除いて全員三等級に昇格をしている、しかし、女子職員の場合は昭和三十年採用者までしか発令されていないし、その昇格率は六六%にすぎないというのが東京、名古屋局の調査で出ているわけです。こういうふうに女性の昇格が非常におくれているという中で全国税の労働組合近畿地方連合会の婦人部などから私も直接要請を受けているわけですけれども、こういう女性の方々は、戦後の混乱期から税務行政が落ちつきを見せるまでの困難な時期を働いてきた人たちが多くて、十年以上もの経験年数を無視して、仕事を教えた男子職員にどんどん先を越されていくという現実はどうしても納得できませんと強く訴えておられるわけです。 そこで、そういうのはどこから出てくるかといいますと、たとえば、先ほど申し上げましたような税務大学校へ女性は入校できないという事実などが原因の一つにあろうかと思うわけですけれども、実態としては同じ仕事をしているということがあるわけですから、ぜひ婦人の三等級への昇格というものをもっと前進させてもらうように是正をしていただかなければならぬというふうに思いますが、その点、お伺いしたいと思います。
○渡部政府委員 職員の昇格につきましては、法令の定めるところによりまして、定数の範囲内で職務の内容あるいは勤務成績、在級年数、経験年数といったものを総合勘案いたしまして実施をしておるところでございます。こういうような基本方針に従いまして、婦人の職員につきましても従来から私どもといたしましては適正な昇格の運用を図ってまいっておるつもりでございまして、お尋ねの三等級発令につきましても、当然そのように運用をしておるところでございます。 ただ、三等級のように上位等級になりますと、これは人事院規則で等級別標準職務表というのが定められておりまして、三等級につく職務といたしまして、たとえば税務職の場合は「税務署の相当困難な業務を所掌する課の長又は特に困難な業務を処理する国税徴収官若しくは国税調査官の職務」ということになっておりまして、これを私どもはいわば上席調査官という名前で呼んでおるのでございますが、この職務表からも御案内のように、調査とか徴収とかいう外部職員等がいままでは中心になってこの上席調査官あるいは徴収官を占めておったわけでございます。 しかし、内部の管理事務等に従事しておる職員あるいは所得税、法人税等の内部事務に従事しておる職員、これは女子職員が非常に多いわけでございますけれども、そういう熟練した方につきましても、この上席調査官等への任用という方法を通じましてわれわれは三等級昇格という道を考えておるわけでございまして、そのほかいろいろ婦人に適した職域開拓というようなことも考えておりまして、われわれとしましては女子職員の処遇改善につきましてはこのところ大きく前進をさせておると思っておる次第でございまして、たとえば上席への登用の状況が五年前に比べて約三・七倍に増加しておるというようなケースも出ておるわけでございます。なお、今後とも有能な女子職員につきましてはその能力を開発すると同時に適正な処遇をしてまいりたいと考えております。
○簑輪小委員 上席調査官という地位について三等級になるということでございますけれども、仕事の内容そのものは、上席でない人も上席の人も実際同じことをやっておるというふうに私は伺っておるわけですね。そういう点で言えば、差別撤廃条約の中にもうたわれておりますように、同一の仕事をした場合に同一の待遇、同一の評価を受けるということから考えてみましても、また婦人が長い間現場で働き、重要な役割りを果たしているにもかかわらず圧倒的に昇給がおくれているというこの調査の数字全体から見ましても、今後鋭意努力をしていただかなければならぬというふうに思いますので、強く要求をしておきたいと思います。 次に税の執行に関する問題ですけれども、税務行政について言えば、すでに御存じのとおり七十二国会で請願が採択されて、税務調査に当たっては事前に納税者に通知するとともに調査の理由を開示するということになっているわけです。 ところが、これは岐阜南税務署管内ですけれども、ことしの九月に調査に来た税務署員は、調査を受けた業者が、国会で請願が採択されているんだから理由を明らかにするようにと求めたら、これに対して、あれは採択であって決議ではないから守る必要がないというようなことを述べておるようです。このやりとりはテープもございまして、後ほど調査をしていただきたいと考えております。 また、これも同じ岐阜南税務署ですけれども、調査を始めるに当たって本人に何の連絡もなくいきなり銀行へ反面調査に出かけて、銀行から連絡があって初めて本人が知ったということがあります。さらにまたそのケースでは、反面調査として取引先に出かけまして、あの人は民商、共産党だから反面調査に来たということを本人には言わないようにしてくれ、反面調査に来たことがもし知れると、民商や共産党だとめんどうなことになるからというようなことを述べたとも言われております。 さらにまた、岐阜北税務署の管内では、税務署員が調査の結果修正額を示して、これで修正申告をしろというふうに要求をしてきました。それで本人としてはこのような修正額になる根拠を説明してほしいと述べたところ、そんなことは説明するまでもない、もしあれだったらそのまま帰ってすぐ更正決定をするということで、そして間もなくして現実に更正決定が送られてきたという事例があるわけです。 これらをいろいろ見てみますと、国会における請願採択の趣旨あるいはまた税の執行の面で、適正な調査のやり方という点から大きくはみ出しているように思うわけです。このような点は、詳細調査の上でぜひ是正していただくように強く要求をしたいと思います。いかがでしょうか。
○小幡政府委員 お答え申し上げます。 まず、第七十二回国会の請願の件についてお話がございましたが、第七十二国会におきまして、中小業者に対する税制改正等に関する請願が採択されておるということは私ども承知をいたしておるところでございます。また、そのときに内閣の処理意見というのが出ておるわけでございます。その内容をここで簡単に申し上げさせていただきますと、「税務調査は、租税の公平確実な賦課徴収を図るという公益上の目的を実現するために欠くべからざるものである。この税務調査の目的、性格に照らし、適正な調査を行うため、(一)事前通知については、原則として調査日時をあらかじめ通知することとしているが、特別調査事案や調査に対する忌避、妨害が予想される事案等の場合には通知しないことがある。(二)また、調査理由については、調査事項を限定するような具体的な理由は開示できないが、必要に応じ、概括的な調査理由の開示は行っている。」こういう内閣の処理意見も同時に出されておるということでございまして、私どもはこの七十二国会におきます請願の採択の内容並びに同時に出されております内閣の処理意見、両方につきまして十分第一線の署員にも徹底をさせておるところでございますが、具体的なケースにつきましては、われわれとしましても調査の上また別途御報告を申し上げたいと思います。 それから反面調査のことについて同時にお尋ねがございましたが、私どもは納税者の取引に対しますいわゆる反面調査を実施しておるわけでございますが、これは適正公平な課税を実現するという目的のために、たとえば納税者の帳簿書類の調査だけでは的確な所得の確認ができないというような場合でありますとか、あるいは納税者の協力が十分に得られないというように、反面調査を必要とする場合に行っておるわけでございます。反面調査はケース・バイ・ケースによりまして納税者御本人の調査の前にやるということもあり得るわけでございますが、そういう反面調査というものを私ども適切に行っておるつもりでございますが、なおお尋ねの具体的な事例につきましては私ども承知しておりませんので、後ほどまた調査をしてみたいと思います。 それから修正申告の点についてお話がございましたが、先ほど長官もお話しございましたように、私どもといたしましては、調査の結果確認されました申告の誤り等につきましては、納税者に御説明をして納税者の自主的な申告の修正を待つ、こういうことでやっておるわけでございまして、この内容を強制するというようなことはないように指導しておるわけでございますが、この点につきましても、具体的な事実については承知いたしておりませんので、別途また調査いたしまして御報告を申し上げたい、かように思います。
○簑輪小委員 いまお答えいただきましたようにやられていれば、こんな問題は起こってこないはずだと思うのですが、現実に私どもは聞いておりますので、ぜひ調査の上是正をしていただくようにお願いして、終わりたいと思います。
○大原小委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十二分散会