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93回国会衆議院1980/10/30

大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第1号

発言数
67
登壇者
7
会派数
5
開催日
1980/10/30

会議録

大原一三自由民主党

○大原小委員長 これより税制及び税の執行に関する小委員会を開会いたします。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  私が当税制及び税の執行に関する小委員長に就任いたしました。  何とぞよろしくお願い申し上げます。      ————◇—————

大原一三自由民主党

○大原小委員長 税制及び税の執行に関する件について調査を進めます。  ただいま参考人として税制調査会会長小倉武一君に御出席をいただいております。  小倉参考人には、御多用中のところ本小委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。  当面の税制問題につきまして、忌憚のない御意見をお述べいただくようお願いいたします。  なお、御意見の開陳は十五分程度にお取りまとめいただきまして、その後、小委員からの質疑にお答えしていただきたいと存じます。  それでは、小倉参考人にお願いいたします。  なお、小倉参考人は健康がすぐれませんので、着席のまま発言させていただきます。  それでは、小倉参考人お願いいたします。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 ただいま御紹介いただきました小倉でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。  本日、こちらへお呼びいただきましたのは、最近におきましての税制調査会の審議の模様、その状況などにつきまして報告をしたら、こういう御要請かと存じます。  それで、本年に入りまして税制調査会では、まず企業課税につきましての、法人税の問題でございますが、それを主にいたしまして、どちらかと申しますと、基礎的といいますか、当面の法人税率をどうするとかということでなくて、法人税の仕組みを中心とする研究をいたしまして、総会に報告を求めました。したがって、その法人税の基本的な仕組みについての報告についてのおおよその要旨を申し上げたいと思います。  それからまた、その次に、税制調査会におきましては、総会、それから企画特別部会、この両方でもって少し長期にわたります税制のあり方について審議を進めてまいっております。長期と申しましても、数年といいますか、あるいは財政再建ということがありますので、そのおおよその期間というようなことを目途とした、どちらかと言えば中期と言うべきものでしょうけれども、中期と申しますれば、そういう中期税制のあり方、あるべき姿について審議をいたしてまいったわけでありますので、その審議の概要についても御報告をするのが適当かと存じます。  まず、法人税の基本的仕組みについて研究、審議を重ねてまいりました企業課税小委員会の報告について申し上げます。  これはむろん税制調査会でもってそういう小委員会を設けまして、法人税、それから法人税と所得税の関係、いわゆる二重課税の問題を中心に企業課税、すなわち法人税の全般的なあるいは基本的な仕組みについて検討を行ってまいりました。約半年間、十回にわたります会合を重ねまして、先月下旬に小委員会から検討の結果の報告を税制調査会の総会で受けた、こういう次第であります。したがいまして、検討の結果を報告を受けたということでありますので、その結果について税制調査会として全部いわばオーケーしたとか、あるいは全部これを審議するんだとかいうふうなことではなくて、税制調査会としてはいわば報告をお聞きしておくということで、今後の調査会の税制、特に法人税について審議し、あるいは必要な際に政府に答申する場合の有力な参考にする、こういうような性質のものかと思います。  そこで、そういう問題ありますけれども、相当の回数を重ねて、また税制調査会の一部の方、それから正式の委員ではないほかの特別委員の方、特に中立的な方々にも若干加わっていただいた結果でございますが、その概要を申し上げます。  まず法人税につきましては、先ほど申しましたような法人に係る法人税そのものと配当を受け取る株主に係る所得税との関係、これを二重課税と考えてそれを排除すべきだ、こういうように見るのか、あるいはそうでないのかというようなことが一つの大きな問題でございます。との問題は、先生方もよく御承知のとおり、従前から法人の実在説あるいは擬制説、こういうような法人についての基本的な考え方から論じられることも非常に多かったかと思うのであります。しかし、この報告によりますと、実在説だあるいは擬制説だといったような観点からこの問題を論ずるのは必ずしも適当でない、実りある研究成果はそこからは出てこないのではないかというのがこの報告の要旨でありまして、むしろ法人をめぐる税制が今日すでに現存しておる、仮にそれを手直しをすると経済の各面にどのような影響を与えるかということに着眼して考えるのが妥当ではないかということで、そういう方面から検討する必要があるという基本的な立場の報告であります。  現在の法人税制はこのいわゆる二重課税の問題について若干の調整を行っておるわけであります。配当軽課でありますとか、配当税額控除でありますとか、受取配当益金不算入でありますとか、この三つの仕組みによって調整を行っているというわけでありますが、仮にそういう調整を行わないことにすればどういう影響が経済の各側面において起こるであろうかということを考慮しなければならぬ。そういう現実的な考慮をすれば、一方において調整を行う必要がないという御意見と、完全に調整を行うべしという御意見とがあり得るわけでありますけれども、どうも実態から言えば完全な調整を行うということは適当ではないというのが報告の要旨であります。  その考え方の基本といたしましては、現行制度の仕組みはある程度複雑といえば複雑、理解しにくいといえば理解しにくい点があるわけでありますけれども、いずれにしましても、そういう仕組みを通じて、できるだけ法人税制のあり方としては、その法人税制の仕組みを変えることによって経済に思わざる影響を与えることのないように、いわば法人税制を経済に対して中立であるようにというねらいを持って考える必要があるわけであります。そしてまた、現在の制度もそういうねらいからできておる制度である。現在の制度と申しますのは、配当軽課であるとか、配当税額控除であるとか、受取配当の益金不算入であるとかいうのは、そういう考え方から出た仕組みであるということであります。往々にしてこれが法人についての、あるいは企業の優遇税制であるとか、税制調査会で言いますところの政策税制の部類であるというふうに言うことは適当でなかろう、こういう報告になっております。  ちょっと観点が変わりますけれども、この調整の問題につきまして近年特にドイツ、フランス等EC諸国で採用されているものにインピュテーション方式というのがございます。法人税を法人の段階で払う、その法人の段階で払った法人税につきまして、配当をもらった方がその配当に見合う法人税のものを配当に加えるということで所得税をはじいて、そこから法人税ですでに法人段階で払っている分を全部または一部差し引く、最近税制調査会ではインピュテーション、そういう方式を法人税加算調整方式という、熟しない日本語ですがそう呼んだらよかろうということにいたしておりますが、そういった法人税加算調整方式というのがありまして、どうもそれが比較的難点の少ない方式ではないかということであります。もっともこの方式は、オランダは違うようですけれども、EC諸国を中心にして採用されておりますが、アメリカはそういう方式はとっていないわけであります。そういうこともありまして、そういう方式はどうも理論的には望ましいことであるけれども、現実の日本の法人税の現在を考えてみますと、それに移行することは時期尚早である、もう少し諸外国の様子を見てインピュテーション方式、法人税加算調整方式に移行するというような姿がおおよそはっきり見られるときに考えた方がよろしいのではないかということで、この二重課税の調整方式は現行の制度の骨格を維持していくのが適当であろうというふうになっております。  それから税率の問題でありますけれども、税率を別に上げるとかどうこうする、そういう税率の問題ではございませんで、法人税の税率は基本的には単一の比例税率であるということが適当であろうという結論になっています。言葉をかえて申しますれば、一部の方々の御主張があるように見受けられますが、所得税みたいな累進課税制度に法人税を移行させることは、どうも法人税というものの性格から見て累進税制にはなじまないのではないかというのが報告書で述べられているところであります。  以上、ごく重要な点について簡単に申し上げたわけであります。  次は中期税制、ただいま検討中でありますが、今日までの状況について概略お話をしたいと思います。  実は、税制調査会の委員の任期は、御承知かもしれませんが、来月の十日で任期が切れるわけでございます。三年の任期が来るわけでありますが、従前の例によりますと、任期切れの前に今後税制のあり方についてどうしたらよろしいかという、年度改正とは別に少しロングランで見た考え方で税制のあるべき姿を審議して、政府にも答申し、一般にも公表しておくというようなならわしもありまするし、そういうならわしは別にしましても、ちょうど財政再建という年に差しかかっておりまするし、この財政再建ということを頭に置いて、その財政再建に資するような税制のあり方はどうしたらよろしいかということについては、一般消費税について御承知のような経緯もありますので、やはりこの際、全般的に財政再建と見合った税制のあり方について税調としてもある程度の考え方をまとめておくのが適当じゃなかろうかということで、ことしの八月の末から審議に入っておるわけであります。  この審議の経過を月日をたどって概略申し上げますと、まず最初に、八月の末でありましたが、財政当局から財政の現状、いわゆる財政危機ということでありますが、その財政の現状について説明をお聞きするということから始まりまして、中期税制の検討に入ることにいたしたのであります。九月になりまして、九月初めの総会では、前回の中期税制で述べております各種の税目あるいは各種の項目全体にわたって総ざらいをいたしまして、出発点に戻っていこうといいますか、全く出発点に戻ってということかと思いますが、いわゆる租税原則、古くから内外の学者が唱えておったような租税原則をレビューするということを始めまして、そして基本的な事項を検討するということのために企画特別部会というのを設けてごく最近までこの特別部会で審議をいたしたわけです。この特別部会は今日まで約六回開きまして、個人の所得税、企業課税、それから間接税、あるいは資産税等につきまして、各税日ごとに個別に検討してまいりましたが、なお、この個別の税目のほかに、財政再建という観点から歳出、歳入全般にわたっての御討議も願って、その間三回にわたりまして総会に審議の状況を報告して、また総会での御意見あるいは御討議を開陳していただくというようなことをいたしたわけであります。  ただいまのところ、見込みといたしましては十一月上旬にはこれまでの成果を取りまとめまして、できれば答申ということに持ってまいりたい所存でおりますが、答申の内容につきましては、特にその具体的な各税目でありますとか、その他重要な税制の項目につきましては、まだすっかり固まっておるということでもありませんので申し上げにくいのでありますが、その答申の案を作成するという段階にいよいよ入ることになりまして、例年のようにといいますか、いつものように答申の起草小委員会というものを設けることにいたしました。この起草小委員会はまだ始まっておりません。実はたしかあすから第一回を開いて、何回か開いていただきまして総会との間を一、二回往復いたしまして審議を重ねるというふうに予定をいたしております。  以上のようなのが今日までの審議の概要でございますが、今回特に感じておりますといいますか、この審議を通じた間に感得されました特徴といったようなものを申し上げますと、まず、これはこの前の一般消費税を入れました中期税制の答申についてもそうなんでありますが、やはり何と申しましても財政の再建にはまず歳出の面についての検討ということを——これは税制調査会の枠をちょっとはみ出ますものですから、歳出の各項目について検討したわけでもありませんけれども、まず歳出について思い切った削減措置が必要である。また、近年歳出の伸びが非常に急テンポな勢いで伸び率が高くなっておりますが、こういう増加の傾向というものはやはり是正する必要があるのではないかということが論じられ、また、そういう意見の方が非常に多かったということが注目されることであります。したがって、歳出を圧縮するとか、あるいは歳出の伸びについては考え直す、こういったような努力をしないままに、それをなおざりにして税負担の増加のみを考える。税負担の増加のみというのじゃちょっとあれで、言葉が適当ではありませんが、そういうことをしないで税負担の増加を考えるというのは、かえって財政の肥大化を招いて適当ではないのではないか、こういうのが税制調査会の全体を流れる共通の認識であったということが言えるかと思います。  もう一つ従来と違うと申しますと変でありますが、従来は徴税上の問題については余り触れなかったと思うのです。税制調査会というのは徴税のことではなくてその前の段階、徴税する前、税金を納めていただく前の制度の仕組みをどうするかということが主であって、徴税のことについては余り触れないというような考え方があったのですが、多分そうかと思います。今回はその徴税上の問題にもずいぶん触れて論議がされたということが一つの特色というふうにやはり言えるかと思います。それらがどういうふうに答申に反映するかはこれからの問題でありますが、そういうことだけは申し添えることができるかと思います。  以上、簡単でありますが、昨今の税制調査会での審議の模様をお話をいたしまして、御審議の御参考に供する次第であります。どうもありがとうございました。

大原一三自由民主党

○大原小委員長 これにて小倉参考人の御意見の開陳を一応終わりました。     —————————————

大原一三自由民主党

○大原小委員長 これより小倉参考人に対する質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塚田庄平君。

塚田庄平日本社会党

○塚田小委員 きょうは小倉さんには大変御苦労さまでございます。何か体のぐあいも余り思わしくないということで、わざわざおいでくださいまして本当にありがとうございました。若干まだ答申作業というのはINGで進行中なので、なかなか答申はどうかということを直截に聞くわけにはまいらぬ、こう思いますので、長い間会長をやっておられました小倉さんの会長としての意見等を交えてお答えをいただければ幸いだ、このように考えております。  いろいろといま順序を追って説明がございましたが、私は逆に、企画の方の部会でいろいろ検討を進めている分から若干質問を申し上げたいと思います。  今度の中期といいますか、任期を間近にして、若干の期間を見た答申内容になっておるわけでございますが、その場合に、いま御説明がありましたが、財政再建というものが大きな課題、こういうことになってきておるという話がありましたが、財政再建という問題について幾つかのエレメントがあると思います。いま説明のありましたのは、歳出面について、こういうことでございましたが、その他、一体どういう主たるエレメントを考えていいのか、あるいは議論されておるかということにつきましてまずお答えを願いたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 財政再建ということ自体を税制調査会で審議するというのは必ずしも適当でもないかもしれませんし、またそれだけのことを十分やったわけでもありませんけれども、とにかく一両年以来、財政再建というのが税制を考えます場合にも非常に重大なことでございますので、これまで審議いたしました非常に重要な事柄に触れればあるいはお答えになるかとも思います。  一つは、この十年余りの間におきまして年々歳出がどの程度の伸びを示し、またその歳出を賄うために税収入はどの程度の伸びを示してきたか。これを見ますというと、この数年の間はそれ以前よりは非常にうまくない状況になっておる。税収はそれほど伸び率が落ちているわけではないわけです、まあ多少でこぼこはありますけれども。相当の減税をした時代もありますけれども、たとえばGNPに対する比率で見ますとそう落ちているわけではありませんけれども、歳出の伸びは顕著に伸びておるということから、やはり税収を期待をする、あるいは増税をするという財政再建のための措置のほかに、歳出について再考をしてみる必要があるのではないかということであります。  そこで、歳出についていろいろな検討を加えて、歳出について抑制をしていくということが必要である。行政整理から始まることもあるでしょうし、各種の補助金の整理ということもありましょうし、行政事務の中央と地方の再分配ということもありましょう。そういう幾つかのこともありましょうけれども、それは必ずしも今回に限ったことではありませんので、この前の中期税制のあり方についてもそういう趣旨のことはお述べしているわけでありますが、今回の新たな点は、どうも歳出の面についてある程度の枠を考える必要があるのじゃなかろうか。それは年々経済の規模が変動しますから、必ずしも安定成長というふうにはいきませんから、一律に何%というわけにいかぬでしょうけれども、ある程度の指標をつくって歳出はその範囲内でおさめていくということをやはり考える必要があるのじゃないか。他方、財政再建のためには、現在よりは何%かの税負担の増をお願いせざるを得ないのではないかというような詰めをいまいたしておるところであります。  これはむろん概論といいますか一般論でありまして、それが具体的に個々の税制とどうつながるかということは、むしろ年々の税制改正にまつほかはないと思いますが、中期税制のあり方としては、一般的に税目としてどういう税目について増税が考えられなければならぬ、あるいはどういう新しい税制について検討を進めなければならぬというようなことにとどまるかと思います。大きな何といいますか枠組みとしまして、歳出と歳入、歳入の中における特に税の分担すべき役割りについて大まかな枠組みを考えておくということが、歳出についての自制といいますかを期待をするゆえんではないか。またそういうことを前提にしておけば、税負担についてもある程度がまんが願えるのではないか、こういうようなことが一つであります。  それから、税制の中身に入りますけれども、この前の中期税制のあり方と違います点は、この前のときは何と申しましても一般消費税に非常に力が入っておったわけでありまして、これについてはその後一般消費税の大綱を答申するというようなことになったわけでありますけれども、今度は、そういう枠の広い一般消費税という間接税ということのほかに、やはり直接税、所得税、法人税についても増税の可否というものを論じる必要がある。この前の中期税制については所得税についてもむろん論じたわけでありますし、法人税についても論じたわけでありますけれども、中期税制で表現されている文章を見る限り余り具体的でもありませんし、また余り重きも置かれていなかったように見受けられるのではないかと思いますが、今度はそういう点についても、要するに税目全般について配意をするというようにいたしたらどうかというふうに特別企画部会の審議は進んできたわけであります。まだそれらについてどういう組み合わせを考え、具体的にどうするかは別にいたしまして、そこのニュアンスは大分違うように思います。  それからもう一つは、税制としての中期税制の方向として考えられますのは、政府が国会の一般消費税に関する決議に関連しまして、政府の決意といいますか、政府の所信を述べたところによりますと、既存の税制の枠内で増収を図っていくなど、そういう措置を講じてやってまいりたいということのような趣旨に記憶しておりますけれども、新しい大きな増税をしないというようなことになりますと、当然、既存の税制の中での増収をできるだけ考えて財政再建に資していくということが考えられるわけで、そういう趣旨に沿うてやるとすればどういうことが考えられるかということが、法人税、所得税あるいは物品税等の間接税についても考えられなければならぬということがありまするし、もう一つは、先ほどもちょっと冒頭に申し上げましたように、徴税上の問題について公正を確保していく。徴税上については不公正だ——不公平税制という中には、税制自体もありますけれども、どうも税の徴収上の問題も一般には頭に置いて論じられておることが多いようであります。そういうこともありまするし、また既存の税制の中での増収ということであれば、そういうことについては従前以上に考えてみる必要がある、そういったようなことかと思います。

塚田庄平日本社会党

○塚田小委員 余り時間がないので、端的に言いますから端的にお答えいただきたいと思います。  いまお話しの中で、国会の決議の趣旨に沿うとすればこうこうだというお話がありましたが、国会というのは国の意思の最高の決定機関でございますから、税調も国の審議会ですからその趣旨には当然従わなければならぬ、その線に沿うて審議を続けていく、あるいは提案をするということだろうと思います。  そこで一般消費税について、仮称とはなっておりますけれども、考えようによっては——私は仮称とつけた意図はどうかわかりません。しかし、一般消費税というのは解釈の仕方が、一般的な消費税あるいは西欧型の消費税とか付加価値税とか、あるいは物品税の意味の個別の消費税とか、いろいろありますけれども、いずれにせよ財政再建についてはそういった大型の消費税についてはやってはいけない、こういう決議がはっきりあるわけです。五十五年度の税制改正についての答申、これは五十四年十二月二十日に出ております。そしていみじくもこれが出た次の日に国会の議決があるわけですから、まさにこの議決に従って新たな立場で、五十五年度では一般消費税については国民の理解が得られなかった、なお検討を進めるということになっていますけれども、そういった観点じゃなくて、もうこれは破産したものだ。そして決議が新たに、したがって財政再建については、いま小倉さんの言われたとおり、これとこれとこれをまずやるべきだ。第一はいま言われた歳出ですね。第二は不公平税制の是正です。第三は既存の税制の徹底的な見直し、ここまで具体的にした国会の議決が五十四年十二月二十一日に出ているのです。五十五年度の税制の答申が二十日に出ておりますから、まあ皮肉だと言えば皮肉なんですが、こういった決議が出ておるわけです。この決議を今後総会において十分尊重し、この決議の線に沿うた答申をしなければならぬ、このように考えておるのですが、小倉さんは一体どうでしょうか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 国会の御決議の次第は十分承知しておるつもりであります。税制調査会もいまお話しのように政府の調査会でありますから、国会の決議は税制調査会に対しても向けられておると考えても悪くはないというのですか、あたりまえかもしれません。したがいまして、国会の決議は十分尊重しなければなりませんが、私どもといたしましては、一般消費税を国会でどうお考えになったかということについては——一般消費税というと、お話しのようにいろいろなものをそこに含めて考える。たとえば付加価値税でありますとか、第三者、製造業者段階にかけるそういうたぐいの税金であるとか、あるいは小売の段階にお願いする売上取引税とか、多種多様なものがあると思うのでありますが、国会の御決議は、一般消費税という名前で、仮称とついている次第もありますので、いま先生の例示されましたような広い意味での、幅広く税を消費支出について納めていただく、そういうもの全体についてこれはだめだというふうに必ずしもおっしゃったのではなかろうというふうに考えております。  その点は別にここでどうこうという次第でもありませんけれども、私どもの税制調査会の検討の結果は、具体的な中期税制なり、その後税調で答申しました一般消費税のことは別にいたしましても、いわゆる課税ベースの広い消費支出に対して税をお願いする、そういういわば新税というものの検討なしに税制の上から財政再建に寄与していくという手だてはいまのところ見つかっておりません。したがって、もはやそういうことは検討もしないのだというわけにはまいらないわけです。むろん答申においてその点をどう取り扱うか、どう入れるかということについてはまだこの決定はいたしておりませんし、恐らくここで私個人的な想像でありますが、日時の関係もありまして、こういう姿の一般的な間接税を導入すべきであるといったような結論を出すということはこれはなかなかむずかしいと思います。思いますけれども、これはむずかしいというのは、時間的に物理的にむずかしいということのみならず、国会の御決議を尊重して、御決議の趣旨に沿いながら、なおかつ新しい税制を考えるということのむずかしさもあるわけです。

塚田庄平日本社会党

○塚田小委員 大変くどいようですが、前日にこういった答申がなされておる。つまり五十五年度においては一般消費税によらない財政再建の手だてを講ずべきである、こういう答申がなされておる。その次の日に国会の財政再建についての決議があったわけです。この財政再建決議がなされた経緯をずっとたどっていきますと、庶民にあるいは国民の消費面、流通面も含めてそういう面にかかっていくようなそういう税金というのは日本の風土になじまない。そういった歴史的な経過、そして現実にこれは非常に生臭い話になりますけれども、選挙が行われまして、閣議決定したにもかかわらず途中で選挙中にこれを引っ込めたというもろもろの経緯を踏まえてこの決議があった、こう考えていいのじゃないかと思うのですね。日本の風土になじまないというのは例の取引高税から始まっていろいろなこの種の間接税については議論がなされてきたけれども、結局は実施できないまま今日に至ってきているわけです。そういう経緯を踏んまえて、特に昨今の情勢等を考えますときに、消費税、消費に着眼した税金というのは風土になじまないということで、それよりもこういう方向でやるべきだ、これが趣旨だと思うのですよ。したがって、巷間いや固有名詞が否定されたんであって普通名詞は否定されてないんだとか、いや一般消費税が否定されたんであって一般的な消費税はいいんだとか、あるいはEC型はいいんだとかいろいろなことを言われておりますが、およそそういったものについてここでは列挙しませんけれども、一般消費税という名前を総括的に使っております。だけれども、そういった一連の税金について、これはそういう方向で財政再建をしてはならない、こう決議されたものだと私どもは理解し、賛成しておる次第ですが、小倉さんは一体どうですか。非常にくどいようですが、余り長くならなくていいです。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 先生のおっしゃるような理解の仕方は無理だということを申し上げておるわけじゃないわけです。ただし、そういう先生のおっしゃるような趣旨で国会の決議を最大限尊重するということになると、税制上財政再建に寄与するようなことが一体できるかどうかということについての結論を得られないといまの段階では考えているわけです。  先生のおっしゃるように、先ほどちょっと不公平税制のことは申し上げませんでしたけれども、不公平税制ということになりますと、この意味というものが各人違うわけです。ちょうど一般消費税が仮称というのはどういう意味かということが違う以上に範囲が違うわけですね。だから、それは非常に範囲を広くとって、それで何とかなるというお考えもあり得るでしょうけれども、税制調査会で長年、ほとんど毎年いわゆる不公平税制ということに取り組んでいろいろ研究し、やった結果は、これについて整理することは今後とも当然です。相当の整理をし、一段落ついたというふうには考えますが、それで今後整理の手綱を緩めるということは考えておりませんけれども、それでもって多額の税収ということはなかなか期待できない。特別措置等による減税になっておるというのは九千何百億、一兆足らずでございます。これは御承知のように、貯蓄の優遇、それから中小企業、住宅その他ありまして、一挙に廃止していいというものはだんだんと減ってまいっております。でございますので、もちろんやらなければなりませんが、それによって大きな増収が期待できるというふうなことでは必ずしもないではないかと思います。

塚田庄平日本社会党

○塚田小委員 これはまた後で御質問しますけれども、私が不公平税制の是正と言ったのはちょっと間違いであって、実は正確に言うと税負担の公平の確保ということであって、これはいろいろ昨今のいわゆる税負担の増高、特に所得税の減税措置はやっておりませんから、そういった名目所得の増加に伴う税負担の増ということに触れて、後でまた質問したいと思います。正確には税負担の公平を確保しなさい、こういう決議なんですね。  そこで、もう時間がありませんから、先ほど御説明の中で、実は企画部会の方では、所得税、それから法人税も含めて税率の引き上げあるいは増税という問題についても検討しておるということですが、法人税について、これは前から答申の中でも、特に実効税率の比較等からいってまだまだ法人税は上げる余地があるのじゃないか、あるいは若干上げる余地があるのじゃないか、こういうような表現で法人税について指摘しております。こういう財政再建の緊急の折からでございますので、当然今度の答申の中ではもうきっぱりとこの法人税について、いままでの流れに沿うた一定の結論を出さなければならぬと思うのですけれども、この点は一体どのようなぐあいになっておりますか。はっきりと税率で何ぼ上げる、何%上げるべきだということが答申ではうたわれなければならぬと思うのですけれども、小倉さんは一体どう思いますか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 税調の審議は、ただいまのお尋ねのような方向に沿っていると思います。ただ、税率まで触れるということは、あるいは来年の税制改正のときになるかと思いますが、そのときに譲らせていただきたい、このように個人的に考えております。

塚田庄平日本社会党

○塚田小委員 それじゃ答申は法人税の税率を上げるような方向に進んでおる、税率は幾らかということは恐らく来年度の税改正についての答申の中でうたわれるだろう、このように理解をいたします。  その場合、これはちょっと横道にそれますけれども、法人税の引き上げと連動して中小企業税も上げるべきだ、あるいは特別な軽課措置がとられておるそれなりの理由があって、協同組合あるいは共済組合、そういった税金も伴って上げるべきだ、こういう議論が一部になされておるし、特に企業課税小委員会の方でそのような議論が出てきておるわけなんですが、私はなるほど経済に対しては中立的あるいはまた余り法人間に格差があるということについての不合理というのは若干認めるとしても、特に生活協同組合あるいは共済組合等につきましては、それなりの理由があって今日まで来ておりますし、また厚生省やその他の通達からいって、むしろもっと社会的な抵抗力をつけなければならぬ、もと育成しなければならぬということは再三にわたって通達が出されておるわけですよ。だから、一律にそのように扱ってくると、いま言った企業課税小委員会で取り扱っているような方向で取り扱うということはいまはまだ早いんじゃないか。もっともっと協同組合が体力がついて社会的な抵抗力ができたという段階では考えていいのですけれども、その点は一体どう考えておられるか、お聞かせいただきたい。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 個人的なことになって恐縮ですけれども、私ども役所に入った最初のころは産業組合と言っておりましたけれども、協同組合の行政にタッチしたのは役人の最初の経験でございまして、そのころから協同組合、産業組合というものはどういうものか、営利法人でもない、公益法人でもない、その中間の法人であるというようなことで教わりまして、そのころから税金については特別の措置が講じられているということだと思うのですけれども、しかし、当時とその後の協同組合の発展を比べますと雲泥の差があるように感じられます。  それからまた、税率につきまして、法人税と協同組合の税率あるいはその間に中小法人もございますが、その開きが余りにも開き過ぎておるんじゃなかろうか、こういう反省がお話しのように企業課税小委員会で出てまいったわけです。それをどうするかということは、なお今後少し詰めてまいるという必要があるかと思っております。

塚田庄平日本社会党

○塚田小委員 これは御存じだろうと思いますけれども、措置法六十一条でずっと組合が列記されておりまして、その中に協同組合というのがあるわけです。しかし、その中でもいま言った生活協同組合だとかあるいは共済組合といったものはまた特別に制限されておるわけですね。  たとえば生協にしましても、他県にわたって店舗、事業をやってはならぬとか、あるいは資本金は内部留保がこれだけというような、最も低い一千万ですね、こういう規定があったり、あるいは利益を上げた場合にはできるだけ組合に還元しなければならぬ、こういうような方式になっておりますので、これは一律に扱うべきじゃない、こう考えております。これから検討するということでございますので、検討過程においてこういった実態等をよくお調べをいただきたい、このように考えております。  時間もございませんので、次に移りたいと思いますが、ここ三年間いわゆる物価調整減税というのは行われておりません。しかし物価は相変わらずどんどんと上がっておる。ことしなどは大体賃金は七%弱、しかし物価は八%を超えて上がる。こういう情勢の中で、総理府等の統計を見ますと、実質収入が非常に下がっておる、あるいは非消費支出が消費支出に比較してだんだんと上がってくる。これは非消費支出の中には実は税金があるわけですよ。そういうのが上がってきている。こういう統計が出てきておるのですけれども、片方また景気が非常に冷え切ってきておるという中で、やはり消費支出を増大させて景気を上昇させる、あるいはまた実質的なそういった賃金を何としても確保してやらなければこれは大変な事態になるんじゃないか、こう思うのですよ。その点について、物価調整減税とか何か言いますと、いま所得税を上げようとしておる、法人税を上げようとしておるときに非常に抵抗があるかもしれないが、実態はそういう状態だ。そういう中で、小倉さんはひとつどういう工夫をしたら低所得者に対して救済というかその不満なりあるいはその実態なりをカバーすることができるか、どうお考えになっておるか、ちょっとお聞きしたいと思うのです。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 ただいまの物価調整減税を含めまして、こういう物価の状況のもとで低所得者に対して税制上の配慮についてのお尋ねだと思います。物価の状況、今後どうなるか、なかなかこれむずかしい問題があると思いますけれども、物価の状況が政府が見通しをしておりますような状況にできるだけ近くおさまるようなことを念願しております。  他方、しかし物価の上昇に応じて特に低所得者層の生活に及ぼす影響ということも、これは無論税制上も考慮すべき事柄であるというふうに存じます。それはそのとおりと申しますか、そういうことでございますが、他方、先ほどもお尋ねがございましたような財政再建という難題を控えておる、そして各方面にわたっての増収措置をできるだけ講じなければならない、こういう必要性とどこでバランスをとって考えていくかという問題でありまして、税調の中でもお話しのような趣旨の御意見を御開陳になっておる方も無論おありになるわけでありまして、これは中期税制あるいは来年度税制の取り扱い方の中で最終的に考えなければなりませんけれども、そういう配慮をしなければならぬということはわかりつつも、配慮を加えていくということを申し上げることはなかなかむずかしいことかと個人的には考えております。

塚田庄平日本社会党

○塚田小委員 小倉さん、たとえば東京都の例をとりますと、五十年を平均一〇〇としますと、生計費指数は五十四年で一三九・三、そのうち消費支出は一三一・二、非消費支出は実に一七二・四という統計が出ているわけですね。莫大に多いのですよ。減税がないからですよ。つまり所得減税がない。賃金は上がっていきますね、それに伴って税金はどんどん上がる、こういう統計が出ておる。  そこで、私はこういう考えに立ってもらいたいと思うのです。いまこういう時期ですから、税収全体について下がってくるということはがまんができないのじゃないかと思うのですよ。そこで高額所得者からはもっと税金を取る、低所得者は税金がもっと安くなるような、そういう方法を考えたらどうか。そして端的に言いますとプラス・マイナス・ゼロというと余り算術的かもしれませんけれども、とにかく所得税が全体が減額にならないで、しかしその中において高額所得者からは税金をもう少し取る、あるいは低所得者は救っていく、こういう方法は考えられないか。どうでしょうか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 そういう方法も全く考えられなくはないと思います。先生の具体的な御主張はどういうことになるのか存じませんけれども、たとえば御論議によりましては、あるいは御主張によりましては、扶養控除であるとか基礎控除であるとか、そういう控除を所得から控除するのじゃなくて税額控除にすれば、同じ物価調整のための税制上の措置でも減収額は少なくて済むじゃないかという御意見も、傾聴に値する御意見だってあるわけです。たしか国会で戻し税をなさったときはそういう一種の措置だったかというふうに記憶しておりますが、確かにそういう方法もあるわけでありますが、何と申しますか、そういうような人的な控除を税額で控除をしていくというのは、どうも累進構造を持っておる所得税には恒久的な制度としてはたてまえとしてはなじまないのではないかというのが大体これまでの税制調査会の審議の経過であります。もっともごく最近その問題について、たとえば低額所得者に対する所得税制上の措置と関連していま申しましたようなことを特に優劣を加えて論じたことはございませんけれども、お話しのような趣旨でもってやる方法は全くないわけではありませんが、どうも所得税のたてまえから言えばそれは少し計算がやっかいになるし、また合理的でもないのではないかというのが従前からの大体の気持ちだったかと思います。

塚田庄平日本社会党

○塚田小委員 私が指摘する前に小倉さんからいろいろと話がありましたが、そのとおりなんですよ。現行の人的な控除を税額控除でやる、こうなりますと、税額控除の額をどのくらいの水準にするかということはいろいろとあると思うのですよ。そういう方式をとることによってそれを高額所得者には上、低所得者には下、これをやれば、結局合理的なあれができるのじゃないか。しかもそれでもって税収が減になるという方法をとらないような仕組みの中でその操作をやる、これが第一点だと思います。  なじまないという御意見ですが、それならもう一つ方法があるのじゃないかと私どもは考えておるのです。それは五十五年の地方税でやった方式に若干似ているのですけれども、諸控除を引き上げていくということですね。その一方で税率の適用区分というか、俗にあれは刻みと言っていますかね、それを見直す、これは五十五年の地方税改正で若干そういう面がなされたわけですね。そして課税最低限は四人家族の場合は百四十九万から百五十八万四千円という線になったわけですね。一般の所得税にこの方法をとってみたらどうか。これは地方税でやったのですが、これも一つの方法だと思うのです。どうでしょうか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 お話しのように、五十五年度の住民税だったと思いますが、それにつきまして生活扶助の単価等との関連において課税最低限のところを上げていくというようなときにそういう工夫をいたしたということは記憶しております。そういうような考え方を所得税についても入れられないかというお話であります。無論そういうようなことも考えられなくはないでしょうけれども、所得税と住民税とでは所得の刻みの段階というのは非常に違っておりますし、したがって、あるいは累進税率そのものの相当大きな変更になるというようなことにもなりはしないか。その辺がどうなるか、私、率直に申しまして即断できませんので、意見は申し上げにくいのでありますけれども、そういう御意見のあったことはひとつ頭にとどめておきたいと思います。

塚田庄平日本社会党

○塚田小委員 では、ひとつその点を参考にして総会の中で議論をしていただきたい、こう思います。  それから、今度の答申作業の過程の中で、今度は税金の税率とかなんとかだけではなくて、徴税といいますか、税金の取り方とか、そういった問題についてもいろいろと議論が進められておる、徴税上の諸問題が議論されておる、こういう御報告がございました。  そこで、先ほど企業税では協同組合、公益法人と二つ並んで議論されておるわけです。それで、実際には統計をとってみますと、公益法人の中で圧倒的な多数を占めるのは宗教法人です。数の上では宗教法人がたしか七七・八%。先ほど私がちょっと主張しました協同組合とかなんかはたしか一・一%くらいしか占めておらないのですよ。そこで、徴税上いろいろと問題があるというのは、この宗教法人の中に、最近いろいろなことが雑誌とかあるいは新聞等で言われております。御存じのとおり、宗教法人はその目的に沿うて公益事業をやることはできます。しかし、その目的から外れたことまでも——これは外れたか外れないかということを自覚しているかどうかは別ですよ。だけれども、どうもそういう事例が非常に多いということが最近非常に問題になってきておりますし、また徴税する側からいうと、どうもそこは文字どおり聖域というか踏み込んでいけない、そういう実態ではないかと思うのですよ。それで、この辺について一体小倉会長はどうお考えになっておるか、ちょっと御意見を伺えれば……。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 宗教法人のことを実は私よく存じませんけれども、公益法人全般についていろいろの問題があるということは、たしかこの大蔵委員会の小委員会でもかねていろいろ御指摘がございまして、その後国税庁から報告をお聞きしたりこの席でも私お聞きしたことがあるかと思います。また先ほど御指摘のような法人課税、企業課税の中で一般の法人のほかに公益法人についての、特に営利事業と申しますか、この営利事業のあり方についてどうも問題があるというような指摘もありました。これについては宗教法人も含めて適正な措置、これは税金だけの問題ではなくてこういう宗教法人その他各種の法人、一般的には公益法人ということになりましょうか、それぞれの所管庁がありまして、そこでの監督といいますか指導というようなことも大切かと思いますが、税制の面についてもできるだけ適正な措置を考えていく、当面は収益事業の範囲についてやはり見直しをする必要があるのではないかというふうに税制調査会の特別部会でも審議になっております。

塚田庄平日本社会党

○塚田小委員 もう余り時間がございませんので、この点ひとつ十分な検討をすると同時に、やはりこれはたとえば公益事業の範囲ですね。宗教法人に言わせれば、宗教活動は、これはもう公益的な活動だ。これは果たして宗教活動は公益活動であるかどうかということについての議論はありますけれども、一応それはおいて、その範囲をきちっとして、そしていままで聖域だったと私は言いましたが、そういう事態についても、この際徴税を担当する者としては反省する、こういうことで私は調査会で検討すべきだと思うのです。  そこで、来月の十日に一応任期が来ます。いままで小倉さんも相当御苦労なさっておるのですが、どうも税制調査会の審議の密室性ということ。われわれは予算を審議するあるいは税制を審議する過程でいろいろと資料をもらいます。一般の納税者は、一体税制調査会でどういう審議がなされておるかということについては全く密室です、わからないです。われわれでも、たとえばおとといですか、企画の部会が開かれた。一体どういう報告がなされ、どういうあれがされたかということについてちょっと見せてくれないかと言ったら、いや、これはナンバーリングを打っているから見せられないのだ。ところが、次の日の新聞を見ると、どの新聞にもその大要が全部発表になっている。これでは一般の納税者も結局新聞を頼るとか、あるいは議員を頼るといってもこれは活動に制限がありますから、しかもずっと後になってわれわれさえわかるわけです。こういう状態なんで、やはりもっと開いた調査会の審議ということが望まれておると思うのですよ。これは私のところにもずいぶん電話が来ます。こういった問題について、会長としてこの際思い切って調査会の運営等につきましてもっと開いていくという方向で検討する、そういう用意はないですか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 お話しのような御注文はときどき国会でも聞いたことがございまするし、外からもあるいは税調の中でもそういうお話があることもあったわけであります。その点についても実は多少は考え、あるいは、また苦慮しておる点もございます。実を申しますと、税制調査会の審議は総会と小委員会あるいは部会と分かれますけれども、それぞれまとまったものをある段階ではできるだけ公表するということにいたしております。  たとえば、昨今で申しますというと、企業課税小委員会の法人税の問題については、たしか一般に、まあ公表といっても部数がどの程度になっているか存じませんけれども、公表しておると思います。いま、目下やっております企画特別部会につきましては、先ほどお話ししましたように、特にまとまった結論といいますか、まだ整理ができておりません。それは結局、まとめるということは答申案の原案をつくるということになりますので、答申案の起草小委員会に移すということにいたしておりますので、そこで答申ということの段階で発表するということになろうかと思いますが、しからばといって、総会でありましても、あるいは特別部会でありましても、どういうようなことがこの部会あるいは総会で今日議論になり、議題に供し、そしてまた意見があったかということは、事務局の方からその都度各省といいますか、大蔵省ならば財政クラブといいますか、そこで発表するということにいたしておりまして、今日までのところ、それでまず一般の御要望といいますか、税制調査会が何をやっているかということについてはおおよそお知り願えるんじゃないかというふうに思います。  そこで、特別部会などの途中の文書等を発表するということになりますというと、中には、こう言っては委員の、委員というのは税制調査会の委員でございますが、委員の方々に失礼になるようなことも起こってくる。あるいはまた、一遍外に出るというと、それがひとり歩きをするというようなことが出て、後ほど若干訂正しても、訂正の方は余り世の中に知らされないといいますか、後で若干の訂正があっても、たとえば新聞等では小さくしか取り扱わない、最初に出たのが大きく取り扱われてそっちの方が流布されるというようなことになっても、一般の国民にも迷惑でありますし、また税制調査会といたしましてもそういうことは余り好ましくない、こう思います。できるだけまとまった段階でむしろ世の中に問うて各般の意見をお聞きする機会を得た方がいいというようなことは常々考えておりますので、できるだけそういうふうに取り計らいたい、こう思っております。

塚田庄平日本社会党

○塚田小委員 これで終わりますから。  私の言うのは、たとえば企画部会はもう終わったですね。総会に答申していますね。企画部会はこういう結論が出ましたと、総会にいま預けているわけです。同じように、企業税の関係についても終わって預けているのですね。企業税の関係は本屋に行きますと本に出ていますよ。一体どうして企画の方はそれを出さないのか。報告してしまったのですから出しなさいと言っても出さないのですよ。  確かに、いま言われておる、途中逐一これを公表していくということはいろいろな弊害があるだろうけれども、少なくとも一区切り一区切りぐらいのものはやはり公表していく、あるいは一定の議員には配っていく、そういうことをしなければ、最後まで一体何をやっているかわからない、出てきたものは審議できない、こういうことでは、やはり公平な、あるいは明るい審議はできないと思うのですよ。その点で一つ苦情を言ったわけなんですが、ひとつよろしく。  じゃ、これで終わります。

大原一三自由民主党

○大原小委員長 渡部一郎君。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)小委員 おかげんの悪いところを御出席いただきまして、ありがとうございました。  同僚委員の御質疑と重複するところをなるべく外しましてお尋ねをしたいわけでございますが、まず、先ほどの参考人の御説明の中で、不公平税制の問題については省略されたように思います。  不公平税制の是正については、国民の大きな意見の集中するところでありますし、その意図している言葉の意味合いも種々雑多であります。不公平税制というものはかなり厳しく税調内で御議論をいただいたと承っているわけでありますが、不公平税制というものをどういうものだと認識しておられるか、また、その是正についてどういう取り組みをなさろうとされているか、まずその辺から承りたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 税制調査会で、公式に不公平税制という言葉はできるだけ使わないことにいたしておるわけです。もっとも、これは使わざるを得ない場合もどうしても出てくるわけです。  税制調査会でいわゆる不公平税制について検討した結果、その意味を、税制の観点からはそういう考慮を必要とはしないけれども、国の他の政策上税制のたてまえを変更した方がよろしいという、そういう特別の考慮を払っているもの、これは多くの場合は税率を低めるとかいうようなことで減税措置になるわけでありますけれども、場合によっては、交際費課税なんかは俗に不公平税制とは言いませんけれども、ああいうものは別にいたしまして、いま申しましたように、他の政策目的のために、本来はそうでなくてもいい、むしろない方がいいというにかかわらず税制上の措置について変更を加えている広義の政策税制、政策税制という名前でもってそれをできるだけ整理した方がよろしい、こういうのが税制調査会での立論の経過になっておりますし、現在もそういうふうに考えております。  ただし、世の中で不公平税制、こう言われる場合には、どうもその範囲と相当違っておるようであります。たとえば、先ほども陳述のところで申しましたような法人税の仕組みに関するようなもの、たとえば法人間の受取配当の益金不算入というようなものでありますとか、あるいは退職給与の積立金でありますとかというようなものもやはり不公平税制だ、こういうふうにおっしゃられる方がおられるわけです。  さらにまた、そういう税制の仕組みではなくて、徴税上、たとえばサラリーマンについては源泉徴収でもうばっちり所得税を納めなければならぬようなことになっているじゃないか、ほかの申告所得はそうでなくて、そこにどうも余り公平な課税が行われていないのではないかというようなことが言われて、それも不公平税制だというような意味に言葉を用いられている向きもあるようです。いわば後者の方は徴税上の不公平と申しますか不公正と申しますか、そういうことだと思いますけれども、しかし、税調ではそういうのは政策税制と申しておりますが、先ほど申しましたように、従前と若干違っていると申しますのは、そういったような税制調査会で政策税制と定義した不公平税制のほかに、今後はもっと幅広く税の公正を確保していくというふうなことを考える必要があるのではないか。お話しのように、これがまた財政再建というようなことを考え、あるいはどういう税目になるか知りませんが、一般的な増税をお願いするということでありますれば、従前の政策税制という狭い意味の範囲にとどまらず、広く税の公正を税制上もまた納税上も確保していく必要があるのではなかろうかというのが現在のところの認識でありまして、それを具体的にどう詰めていくかということは、年々の税制改正のことでもありますが、基本方針はできるだけ中期答申に生かされるのではないかというふうにひそかに考えております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)小委員 法人税の基本的仕組みというものが、いまのお話によれば、いわゆる不公平税制ないしは政策税制というものがないというのはわかりますが、法人を独立した実体と見て課税したらどうか、ここのところが一つのポイントではないかと思っておるわけでございます。税調でどういう御議論が出られたのか、また会長としてはどういう考え方でおられるのか、その辺を承りたい。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 いまのお尋ねの点は、率直に申しますと、私などが学校で民法を習った節などは、昔は擬制説というようなつまらぬ説があったけれどもとんでもない話だというようなことから教わったものですから、実在説の方が何か頭に入りやすいのですけれども、税の世界へ行くとどうもそうでもないらしいのでございます。先ほど申しましたように擬制であるか実在であるかということを論議しておっても、余りそれから税はどうあるべきだということには必ずしもつながらぬのではないかというようなことでありますので、あるいはそうかなというふうに感じておる次第であります。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)小委員 所得税の現実というものを見ておりますと、実際にいろいろな理由はあるにせよ、隣同士に合わさっている商店とか隣同士にある工場とかというのを見ておりますと、所得の把握の差がはなはだ不公平なのではないかというふうに、税務当局の判断の仕方が結論において非常に差があるのじゃないかというのが国民の中にある大きな不満だと思うのです。これに対して何らかのことをしなければいけない。私は、今度税調で法律面の上からこの税務の問題についていろいろやっておられるのはわかりますけれども、むしろ税務の執行の面から実情というのを聴取され、またそれに迫る判断というものを示されるということが今回は特に大事なのではないか。そうでないと、国民の側から見ると税務の不公平というものは、税務が不公平というよりも税金が不公平だという実感が税務署に対するうっぷんになる。税務署に対するうっぷんが、今度は政治全般の仕組みに対するうっぷんになる。そして基礎的な国家の体制を揺るがすことになりかねない。したがって、その辺はアプローチを具体的にしていただきたいと思っておるのでありますが、どうでしょうか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 お話しのようなことを税制調査会ではいたしております。余り従前は徴税上のことについては深く審議をした記憶はございませんけれども、ことしは、たしか国税庁の部長さん方にも来ていただいて、徴税上の問題、特に国税庁で苦労しているところ、問題としているところなどについてお話をお聞きして、徴税上の公正を期するにはどうしたらいいかというようなことの討議も実は若干いたしておりまして、中期税制のあり方についても、そこはできれば触れるということになるのではないかと思っております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)小委員 それから、公平を確保するために私が思っていることをもう一つ申し上げますと、実際に税金の納め方というのは大変むずかしいわけですね。ですから、先日伺ったところでは、青色申告と白色の方と大体半々だと承りました。中には、税金を払わなくてもいいほどの小さな規模の事業者が、わざわざ人に頼みあるいはグループに委嘱して不当な金を、支払うべきでないような金まで手数料として取られておるというような状況も出ておる。また、自分で払う意思を非常に持っていながら、めんどうくさいものですから、そのために実際には税務というものに対して非常にかけ離れた存在でふだん暮らしておる、そしてその結果というものが非常に不公平という観点を増幅する基盤になっておる。そういうものを考えますと、一方では税務というものをもっと、納める側の方からいくとかなりわかりやすいものにどんどん変える必要があると同時に、記帳水準の向上を図るための制度的裏づけが必要ではないかと思うわけです。  ある税務署で、一体、税を納めるに当たって私どもはどうすればいいか教えてくれませんかと言ったときに、非常にそれは教えたいんだけれども人手がないんだ、そんなことをしておられへんというニュアンスがここ数年刻々増大しつつある。そしてその結果として、記帳水準の向上に対して的確な手を打ててない。これは一見税務の枠の中から外れているようではありますけれども、こうした記帳水準がだんだん上がっていくという方向に制度的な裏づけあるいは指導の裏づけというものがないと、崩壊してくるのではないかと私は思っているわけであります。この辺はどういうふうに論議されておられるのか、どういうお考えであるのか、承りたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 税務執行の上で、いろいろその経理の仕方、帳簿のつけ方等がございましょうが、関係の文書なり資料が整理されておる、あるいは帳簿が整備されるというようなことになれば最もいいわけですが、簿記的なものができるだけ普及することは非常に望ましいことだということは、これはもう申すまでもないことだと思います。  私どもも若干簿記の指導といいますか簿記の普及に努めた経験もないことはありませんけれども、いまはどうか知りませんが、なかなか簿記の普及ということは大変むずかしいことだという、個人的なといいますか、役所での経験も持っておりますけれども、しかし最近はずいぶん一般の教育水準も高くなり、また所得水準、生活水準も高くなっておりますから、昔みたいなむずかしさはあるいはないのかと思いますが、税金の問題ということと直接結びつけなくても、そういう記帳を普及していくというのがどこかで担当されて実行されていくのが望ましいというような気がいたします。直接税金の問題に触れますと、どうも日本は諸外国と比べて、外国のことを言うのも余りよくないかもしれませんが、イギリスは別にしてほかの国と比べてみて、税制上の帳簿についての要求ということがほとんどない、備えつけ義務を課するとかといったようなことが全くないめずらしい国に日本はなっているらしいのです。どうしてそういうことになってきたのかわかりませんけれども、まあ法律上それを義務づけるかどうかというふうなことは別問題といたしましても、税金を納められる方とまた税金をいただく役所の方とでスムーズに事柄が運ぶというふうになるには、やはりちゃんとした書類が整理され、帳簿がつけられておるということは非常に望ましいことだと思いますので、何かそれを進める方法がないかということなどが具体的な討議事項かと思いますが、そういうような方向で税制上も考えるのが望ましいのではないかというような審議の状況であります。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)小委員 その辺は今後ももっと話を詰めていかないといけないテーマだろうと私は思っておりますし、従来この問題がじみなテーマで余り討議されなかったニュアンスがありますのを残念に思っておるわけでありまして、今後お願いしたいと思っております。  それからもう一つは、率直に言うと、明らかに税務職員の数が少な過ぎるのじゃないかと見えるわけであります。特に税務対象数が多くなっており、会計経理が複雑化し、取引が国際化する、きょうは多国籍企業のことは私は申しませんが、そういういろいろな状況の中で税務職員は事実上あっぷあっぷしておる。それから、税金というのはごまかせばごまかせるものだから、ひとつがんばろうというようにおもしろがって、一部、税を払わないように努力する風潮というのも現に存在しておる。そうすると、どういうことになるかというと、更正決定の件数は非常に増加する。踏み込んでいって税務調査が行われた場合の指導対象の数も多くなるし、その金額も非常に増大しておる。こういう状況の中で、査察されたときだけが災難だ、査察されなければお目こぼしがある。最近は税務署が余り来ない。中には二十年に一回しか来なくて幸せだということを言っている人がいるような状況を迎えつつある。これは法律上の不公平というものではなくて、徴税の不公平というものの裏側にある税務体制、徴収体制の貧弱さによる不公平というのが非常に大きなグレードで国民にのしかかってきていると言うべきだろうと私は思っているわけであります。  先ほどのお話の一番最後のところで徴税の問題も一言言及するとおっしゃっておられましたが、そういった点について的確な御意見の表明をお願いしたいなと私は思っているわけであります。この点は重大課題でありますので、御意見を伺っておきたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 いまの点について、特に意見というほどのものを申すあれもございませんけれども、先ほども申しましたように、国税庁から税の徴収の実情について、以前と比べて税務調査の回数がどの程度減ってきたか、いまお話しのように十年に一遍とか、下手をすると二十年に一遍しか行かぬというたぐいのお話もお聞きしたわけでありますし、また税務職員の苦労が大変なものであるということも間接ではございますが聞いております。  したがいまして、税務職員を格段に増員することがその対策の一つであろうというふうには思うわけでありますけれども、他方金のかかることでありまして、一方においてできるだけ税金を納めてもらわなければならぬという立場で審議をしておる税制調査会で、一方において税金を食うような増員をお願いしなければならぬということは、法律に立って考えれば両立するんでしょうけれどもなかなか両立しがたい。そういうこともありまして、増員の問題についてどこまで審議する方がいいのか、また、審議してどういうふうに取りまとめることになるのか、ちょっとここで申し上げるほどのあれがございませんけれども、お話しのような点は確かに考慮を要するような事態になっていることは事実かと思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)小委員 最後に念押しでお伺いしたいと思うのでありますが、先ほど一般消費税の国会決議に対して言及なさいました。私もまさかと思っておるわけでございますが、一般消費税の導入に関して国会決議が存在することは事実でございます。先ほどかなりきちっとした口調でおっしゃったように思うのですが、課税ベースの広い消費支出に課税するもの以外に財政再建に資する手だてを見出し得ないんだ、それはどういう名称であるにせよ消費単位に課税する、そうしたものを考えるしかないんだ、国会決議のように一般消費税(仮称)というものをとめていることは、そうしたものを論議するのをとめているというわけじゃないんだというふうに御発言になったように私は感じたというか、聞こえました。これは国会で決議された一般消費税(仮称)といういわば禁じられたもの、その部分に対して、一般消費税全部、広義の一般消費税というのは禁じられてないんだ、前国会において論議の対象になった一般消費税の大綱というものについて、これはやらないことにするんだというふうに決議を理解しておられるものと私は聞こえたわけです。重ねてでございますが、ここの御理解を承っておきたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 これは税調の中で理解の仕方が統一されているというふうに言うわけにも恐らくまいりませんし、またいろいろ意見の違うところを私が代表してこうだというふうに申し上げるのも、これまたむずかしいと思います。  私の観察、どちらかといえば会長個人としての観察でありますけれども、お話しのように、国会の御決議の趣旨の次第は、一般消費税(仮称)についての問題であって、一般消費税という固有名詞的なものについての御指摘であって、広い意味での間接税一般について、特に間接税でも消費支出に対する幅広い課税のあり方をどうしたらいいかということについての審議の必要もない、また審議をしてはいけないという御趣旨ではなかろう、こういうことであります。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)小委員 ありがとうございました。

大原一三自由民主党

○大原小委員長 玉置一弥君。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置小委員 体の調子の大変悪いときに御苦労さまであります。  先ほど渡部委員から御質問のありました一般消費税の国会決議について引き続きお伺いをいたしたいと思います。  一般消費税(仮称)というふうに限定されているという先ほどの御回答でございましたけれども、一般消費税のその当時のいろいろな動きを見てみますと、現在の小売段階あるいは売買の段階において、技術的にも非常にむずかしい、そして弱者にしわ寄せが来るというところから前回の決議がなされたものだと私たちは理解をしておりますが、単なる(仮称)一般消費税だけではないというふうに考えているわけでございます。そういう決議があったにもかかわりませず、いわゆる政府の機関と言われる税調の方で、意見が分かれておりますけれども、いわゆる消費部分についての魅力に引かれて、これからそこに何らかの手を打たなければいけないという姿勢があることそれ自体、政府機関として国会決議に従っていかないことになると思うのです。今国会の冒頭に憲法改正問題がございました。そのときに法務省の方で憲法について鈴木総理の考え方に従っていくというお話がございましたけれども、それとは性格が違うわけです。法務省というところはいまの法律が現状に合わないか、どういう制度がいいのかということを審査しながらやっておられますけれども、片方では大蔵省あるいは政府に対して答申案という形で明記したものを出されるという非常に重要な、後の行動が政策に響くあるいは法律上影響してくるというものでございまして、ぜひともこの辺でお互いの考え方を理解を深めていかなければいけないと思うわけです。税制調査会の中でも意見がまちまちであるということから、果たしてまちまちであっていいものかどうかという非常に疑問を感じるものですから、また再び国会決議に対しての考え方、そして一般消費税というよりもむしろ消費に係る税金という意味でわれわれとらえておるわけでございますけれども、それについてどういうふうにお考えになっているか、お伺いしたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 国会の御決議の理解の仕方と申しますのは、これは先ほど申しましたように、税調の中で別にその理解の仕方を統一するというための討議をしたこともありませんし、無論国会の御決議についてのことが全く審議されなかったわけではありませんで、話題にはなりました。そして、どういう決議があったかということについての文書が配付され、それについてどう考えるかというようなことについても若干の意見の開陳があったこともございまするけれども、それに基づいて税制調査会としてこれはどう理解するんだというようなことまで深入りしたことはありませんから、したがって、税制調査会ではそれをどう考えておるんだということについて統一的な見解をここで申し述べるのはいかがか、こう思います。  ただ、会長の立場、議事進行上の問題として、一般消費税なりその他の課税ベースの広い税金について、全くこれから討議していけないんだ、そういうようなことは国会の決議の趣旨ではなかろう。こういう一般消費税的なものを導入すべしというところまでいく場合にはもう少し慎重に物を考えなければならぬでしょうけれども、討議自体がストップされるんだということではなかろうというふうに考えます。と申しますのは、一般消費税という具体的な大綱を示したものとは相当趣の違った消費支出、結局は消費支出に係る税金のあり方というものは十分あり得るわけでありまして、その点についての討議の余地は十分あるというふうに考えておるわけであります。これは今後討議の余地がある、審議の余地がある、また審議しなきゃならぬだろうという私の観測を申し述べておるだけでありまして、今後それらがどうなるか、どういうふうに表現され、どういう審議をしていくかということは、もうしばらく時日をかしていただければ明らかになりはしないか、こう思います。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置小委員 その当時出されましたいわゆる一般消費税構想、それに対してやらないというふうな理解だと思うのですけれども、いまのお話を聞きますと。  そこで、主税局長にお聞きをしたいのですけれども、大蔵省としてその国会決議の範囲をどのようにお考えでしょうか。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋(元)政府委員 昨年の十二月二十一日に財政再建に関する決議が本会議で議決されたわけでございますが、その際、大蔵大臣からお答えを申し上げておりますのは、「政府といたしましては、ただいま採択されました御決議の趣旨に十分配意して、歳出、歳入両面にわたり、幅広い観点から財政再建を進めてまいる所存であります。」こういうようにお答えをいたしております。  具体的なお尋ねは「一般消費税(仮称)によらず」というところをどう心得るかということだと承知いたしますが、この点につきましては、たびたび大蔵大臣から本会議、委員会でお答え申し上げておりますように、わが国の今後の税体系を考えていく場合に、広く消費、また消費一般を課税対象とする間接税というものを欠いてはなかなか将来の構想を立てるのはむずかしい、そういうお答えを申し上げておると承知しております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置小委員 時間的な関係で、大変重要な問題でございますけれども、別途時間をいただいてやるということで、国会決議の重要性といいますか、まだまだいろいろな問題が出てくると思いますので、また時間のある範囲内であるいは個別にお話をいろいろお伺いいたしていきたいと思います。  そこで、先ほどから不公平感の話でありますとか、あるいは財政再建そのものに対して歳出の削減をまず第一に考えなければいけないというお話がございますけれども、いまの状態を見てみますと、たとえば昨年の一般消費税反対にもいろいろ意見がございました、国民のいまの納税義務に対する意識というものが欧米に比べて日本の場合かなり違うのではないかというような気がするわけです。昔から物納であるとかあるいは課徴金みたいな形でどちらかというと強制的にやられてきた、現在は自己申告制という非常にありがたい、まあ大蔵省としては大変珍しいような体系でやられているわけでございますけれども、関西、関東によってまたその納税義務に対する考え方も違うというのもございますし、そこで、まず徴税効果を上げていくためには納税者に対する意識の転換ということが大変大きな要素になるのではないかというふうに思うわけです。  いまの税体系を見ますと、どうしてもいわゆるEC型、ヨーロッパ型の直間比率五〇、五〇というようなところを目指しておられるようでございますし、そういうところを見ても、ある程度物が動けば取れるということと完全な自己申告というものがやはり継続していく。先ほどのお話にもございましたように、納税者に対する記帳指導という方向をいま各出先機関ではとられておりますし、こういうことがやがては大きな徴税効果を上げてくるのではないかと思いますけれども、まずひとつ納税者、国民の納税義務に対する税制調査会のお考え方、どういうふうに感じとっておられて、これからどういう方面での対策を考えていかなければいけないか。本当は質問がいろいろあるのですけれども、いままでの方でほとんど出尽くしておりますので、ちょっと方向を変えてお伺いをしたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 ただいまの、納税思想といいますか納税者の納税についての物の考え方というものについて、今後税制調査会としてどういう考え方をしていくのかというお尋ねだったと思うのでありますが、非常に基本的な一番重要な問題で、どうもそこから本当は問題が発足しなければならぬのじゃないかというように、私、実はひそかに考えておったのでありますが、税制調査会ではそこまでは深く入ったことがないと思います。まあ国民の納税意識がどうであるとか、税負担感がどうであるとかというような調査が行われたり、またその報告を聞いたりということはありましたけれども。基本的にさかのぼれば、税金をどの程度にするかということ、またどういう税金があるのかというようなこととも関連しますけれども、納税者である国民の納税に関する考え方、まあ納税思想というのでしょうか、そういうことについての国の施策というか公共団体の施策というのが非常に重要である、あるいは世論の指導者の方々あるいは一般の新聞等のそういうことについての考え方が非常に重大な関係があるのじゃないかというようにひそかに考えておりまして、できれば、今後いまお尋ねの点を、できるかどうかわかりませんけれども、税制調査会の審議にも生かした方がよろしいのではないかというふうに思っております。  外国のことは余り知りませんけれども、どうも納税思想という点から見ると、日本はイギリス、フランス、ドイツ、アメリカ等と比べて特段に進んでいる国だというふうに思えない節がある。無論イギリスなんかもずいぶん様子が変わってきておるようでありますし、納税という観点から見て一体どこが一番日本のモデルになるかというと、なかなか現在はむずかしくなっておるのではないかと思います。しかし、納税についての社会的な考え方、たとえば脱税についての社会的批判というようなものは、日本は余りないのではないか。罰則とかなんとかということになって、近隣あるいは地方の、町の、村の人々の批判というものが欧米諸国に比べるとどうも日本は薄いのではないかというふうな感じがいたすわけです。資料があってのお話じゃなくて恐縮でありますが、そういうことまで考えを及ぼしますと、先生のおっしゃられたようなことを絶えず考えておいて、国でもできること、県でもできることはやった方がいいのじゃないかという気がいたすわけです。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置小委員 大蔵省の方で記帳を義務化したいという動きがございますけれども、その辺で今度は方法論として把握率をかなり高めていくというような動き、どちらかというといわゆる性悪説の方から攻めていくという動きがとられてくるように感じております。その一つとして、脱税時効の延長というものが現在検討されているように聞いておりますが、これは先ほど申されました脱税に対する社会的批判が薄いということをある程度強化していこうというか、罰則規定を強めてやっていこうということだと思います。確かに脱税の社会的批判、先ほど申しましたように関西と関東と非常にニュアンスの差があります。また一部には、どのように脱税したのだというようなのを自慢話としてお話をされて、それを聞いてまた税務署が出かけていくということもあるというふうに聞いております。そういう意味で、ぜひとも納税意識の変革ということを考えていかなければ、これから先、本当に払っておられる方だけが強化をされて、脱税技術の高いレベルの方だけがいつまでものんびりと生活をされるという不公平感が非常に高まってくるような気がするわけです。  やはり、記帳指導あるいはいまの脱税時効の延長ということを考えていかなければいけないと思いますけれども、そのほかに、全般として枠決めを厳しくする方向か、あるいは意識を変換をしていく方向か、これからどちらを選ばなければいけないというふうにお考えなのか、その辺を確認しておきたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 どちらが先かという問題ですけれども、これはどちらが先というよりは両方とも攻めておくといいますか、両方から攻めていく必要があると思います。もっとも、罰則の強化が優先するというふうには考えませんけれども、根本はしかるべき税金を納めるものだというところに重点は置かれるべきもので、あとはそれに付随して、できるだけそういう環境に持っていくにはどういう制度的な仕組みが必要であるか、あるいはそういう制度の問題でなくて、国民教育の問題であるのかということになろうかと思います。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置小委員 あと三分くらいしかございませんが、最後に、たしか現在の不公平感、これは現在の制度としてはほぼまあまあの線をいっているというお考えだったと思いますけれども、われわれ考えますには、制度的にも不公平感がある。いままで個々にいろいろな御意見も聞いておりますけれども、それとともに、いわゆるクロヨンあるいはトーゴーサンと言われる把握率というか、これが最大の問題であると考えております。  先ほども渡部委員の方からお話のございましたように、現在国税庁関係で本当に税務の完全な仕事を遂行するためには約九千人近い増員が必要であるというふうにも聞いているわけでありまして、税調の審議範囲というか、その中に、税体系だけではなくて国の機関を含めた行政のあり方というものもこれから必要ではないかというふうに感じるわけでございます。それについて確認の意味でもう一度お答えをお願いしたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 先ほどもこの点について感じを申し述べた次第でありますけれども、徴税上の公正を確保していくことを主眼にして、税務行政の能率化と同時に充実をしていく必要があるというふうに私は考えます。  ただ、それを税調としてどういうふうに生かすのか、たとえば中期答申でどういうふうに生かすかということについては、こういうことになるだろうというような見通しをまだここで申し上げるわけにまいりませんし、特に、大幅な増員ということになりますと、またそれなりに別の問題も起こってくるということでありますので、その点も御承知のとおりでございますので、御指摘のような思想は全く同感でありますが、具体的な措置についてはなおまだ検討させていただきたいと思います。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置小委員 あと一分ございますので、先ほどの歳出削減についてでございます。  現在、政府で行政改革というものがかなり目玉的にやられておりますけれども、われわれ感じておりますのは、歳出削減ということは、叫んでいるだけで実際には余りやらないのじゃないかという気がするわけです。特に、やるというふうに言っておられました大平総理が亡くなられて、その後余り話が出てこない。中曽根長官がいま一生懸命やっておられますけれども、そのほかの閣僚の方はほとんどやられていないということで、余り期待できないなという感じがするのですけれども、税調として歳出削減をどの程度見込まなければいけないか、また現在の段階ではどのくらいしか出ない——出ないというのは変ですけれども、どのくらいの効果しかないというふうに感じておられますか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 計数的に申し上げるようなところまで税調の中では審議はいたしておりません。  考え方といたしましては、先ほど申しましたように、歳出の伸びについてある程度の伸び率を前提にして、それ以上のことはもう考えないという程度にまで引き締めていっていただく必要があるのじゃないかと考え、それならばそれに相応する程度の税収の伸びもある程度は考えざるを得ないといったようなところであります。  ところで、行政改革がどの程度歳出削減に寄与するだろうかということでありますけれども、行政改革というのは歳出削減から考えるとどうも余り適当な言葉ではなくて、むしろ行政の整理、不要不急と言っては失礼になって、いま別に不要不急なことはやっておらぬということかもしれませんけれども、相対的、比較的な意味においてそういう行政事務を整理縮減していくのだというようなことを考えると、これはある程度歳出の縮減につながるかと思います。しかし、他方、歳出の個個の項目を見てみますと、御承知のとおり福祉でありますとか文教でありますとか、さらに公共事業というようなものを加えますと、それらでもって大部分の歳出を占めてしまうということになりますので、それらに触れずにという範囲でもって考えると、これはさらに整理合理化の枠、対象範囲、また金額も狭まってくるというようなことで、財政再建にさほど目立って寄与するというような程度にまで持っていくのは大変なことだろうという感じはいたします。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置小委員 終わります。

大原一三自由民主党

○大原小委員長 正森成二君。

正森成二日本共産党

○正森小委員 参考人にお伺いしたいと思います。  冒頭にお述べになったところで、徴税上の問題に従来触れなかったが今回は議論で触れた、答申への反映というのはこれからの問題であるという趣旨のお答えをなさったと思います。また、新聞紙上で見ておりますと、納税環境の整備という言葉がしばしば出てまいります。それは一体何だろうかというように新聞を読んでみますと、どうやら時効の延長とか除斥期間の延長という方向と、それからもう一つは、各党の議員も若干お触れになりました記帳義務の強化というのが新聞に出てくるようであります。  そこで伺いたいわけですが、御記憶にあると思いますが、昭和三十六年のたしか七月五日に税制調査会が「国税通則法の制定に関する答申」というのをお出しになりました。そのときにも記帳義務を強化して所得税と法人税にこれを記載するというようなことの答申が出されたわけでありますが、結果としては実現することができなかったわけであります。もちろん税制調査会としてはこの辺の経緯を御承知の上であろうと思いますけれども、そういう経緯にかんがみて、とりあえず記帳義務について申しますとどういうようにお考えになっておりますか、またどの程度を答申の中に入れようとしておられますか、あるいは入れないとされておりますか、お伺いしたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 ただいまのお尋ねでございますが、記帳ということについてはいまお話の納税環境、これが適当な言葉かどうか知りませんが、税調ではそういう言葉で称しておる納税環境の改善といいますか、それの一つとして記帳の問題を取り上げておることはもう御承知のとおりでございます。ただ、それが非常に重要であるというふうには大方の認識は税調の中では一致しておりますが、そうしたらそれをどういうふうに税制の中に取り入れていくというか、たとえばそれを法律上の義務として、外国の例にあるように罰則というようなものがくっつくのかどうかということは、まだそこまで結論めいた討議までにはいっておりません。これからの討議にまつという状況でございます。

正森成二日本共産党

○正森小委員 三十六年の答申を拝見いたしますと、答申自体がわが国の現状にかんがみて罰則を科するというようなことは適当でないというように明記されておりますし、それから、すべての業者に記帳義務を課するかというとそうはなっておりませんで、わが国の現状にかんがみて一定範囲は除くというように考慮がなされておりますし、それから、記帳が一定範囲で義務づけられるものについても複式簿記の場合と簡易簿記というように区別して、決して一律には扱っていないと思いますね。そういうふうに配慮してもなおかつ昭和三十七年の改正では国税通則法でその部分は全部削除されたというのにはそれなりのわけがあると思うのです。こういう問題についてどういうように認識なさっており、それがどう反映されるのか、重ねてお伺いしたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 実は私三十六、七年の経過をよく存じておりませんけれども、中身はよく理解できるわけです。所得水準といいますか事業の規模によって、帳簿のつけ方についても、複式簿記の要求されるところと、非常に簡素な昔で言えば大福帳的なものでやむを得ないとか、あるいは大福帳までもいかずに、さらに重要な仕入れとか販売ということについてのある程度の書類だけそろえておけばよろしいとか、また、ある事業規模以下のところではそういう義務を全く免除する——免除するといいますか、そういうふうないろいろなことがあると思います。はっきり記憶しておりませんが、たしかイギリスではやかましい記帳義務はないけれども、税務署は必要があれば、必要な何といいますか計算資料のようなものを税務署に提出するように求めることができるといったような制度もあるようでございます。そういういろいろな過去の経験、また多少の外国の例なども考えて具体的にはどうするかということは今後なお検討の上決められるというふうに思います。

正森成二日本共産党

○正森小委員 私はここに全国建設労働組合総連合の申入書と題する書類、その他一、二の団体からの陳情書を持っております。その中にはどう書いてあるかといいますと、たとえば全国建設労働組合総連合などでは「零細な個人経営の事業者、とくに建設現場で働く工務店・一人親方等は、朝早くから夜遅くまで、それこそ文字通り、汗と埃にまみれ真黒になって屋外重労働に従事し、その日の仕事が終れば身体を休ませることが精一杯です。その者への記帳の義務づけは非常に困難です。」というように書いてありまして、記帳することに対して原則的に反対するものではないけれども、こういう実情を無視した無差別、一律の記帳の義務づけや罰則の強化というのは非常に問題があるというように陳情しておられるわけです。あるいはその他の団体の中で大阪の松原の例ですが、約百人を調査して調べたところが、一日の労働時間が十時間の人が四一%、十時間以上が四六%、八時間以内の人はわずか一三%ということで、こういう実情のもとですべてにいきなり一律に記帳義務を課される、そして罰則でそれを強制されるというのは大変なことであるという意味の陳情があるのです。そういう点は税制調査会で考慮されているのかどうかという点について最後にお伺いして、この問題についての質問は終わらしていただきます。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 ただいま御紹介いただきました建設関係の方からの要請文書というものは私のところにもずいぶん来ておりますから、恐らく他の税調の委員にも来ているのじゃないかと思います。そういうことは御承知の上で恐らく審議を願えるというふうに思います。それからまた、私、個人的な経験で恐縮でありますが、先ほどちょっと申しましたように、農家の簿記ということについてずいぶん若い時分私自身も簿記の勉強までいたしまして普及に努めたことがございますけれども、手先をうんと使って労働すると字が書けなくなるわけですね。だから、いまはだんだんそういう農家も減ってきたかと思いますけれども、建設労働なんかに従事される方は時間が多少あってもなかなか字は書きにくいというふうな実態もあるかと思いますから、そういうことは十分考慮さるべきである、こういうふうに思います。

正森成二日本共産党

○正森小委員 もう一つ伺いたいと思いますが、同僚議員からも、インフレの中で所得減税といいますか調整減税をやらなければ実質上の大増税になるという議論がされました。これは、私はこれ以上触れないことにいたしますし、一般消費税(仮称)についても他の議員がいろいろお話しになりましたので、重複を避けて省略したいと思います。  ただ、どうしてもお聞きしておきたいのは、一方では国会決議があるのに、一般消費税(仮称)でさえなければ広く論議するのはもちろん自由だし、場合によってはそういう新しい大型の税目を導入するのも国会決議には触れないのだというような議論があり、また、この財政再建の期間中は、財政再建の期間中と言えばまだまだ先があるのですね、その間ずっと所得税についての調整減税はやらないということを言いながら、一方では投資減税を導入すべきである、通産省などはすでに概算要求の段階で大蔵省にそれを請求しておるということが言われているわけであります。法人税を二%ぐらい上げるのでも財界が非常な反対意見を述べており、これは二%上げても伝えられるところでは、大体一%二千三百億円程度とすれば四千五、六百億だと言われているのに、この投資減税は通産省の案のとおりであるとしますと減税額が二千億ないし二千五百億というようなことも言われているのですね。  そこで、税制調査会としては、総合エネルギー対策投資促進税制とか地方工業分散投資促進税制とか、こういういわゆる投資減税についてどのような議論がなされ、どのような答申をなさるおつもりなのかを伺っておきたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 ただいま最後にお尋ねのことについては、恐らく来年度の税制改正の際に討議されるべきものだ、こう承知しております。中期税制では、そういう特別措置については既存のものについて整理するということで努めなければなりませんから、無論、新規のことについては恐らくはなはだ消極的に表現されるということかと思います。それを受けて来年度の税制についてどうするかということは、他の、たとえばお話しのような物価調整減税をどう考えるのかというようなことも無論ありますから、税負担の絶対的な水準の問題のほかにバランスの問題も非常に重大でありますので、篤と慎重に審議することになるかと思います。

正森成二日本共産党

○正森小委員 小倉税調会長はいわゆる投資減税について、これはもちろん来年度の報告のところで具体的になると思うが、税制調査会の意見は非常に慎重であるという御意見だと承っておきます。  時間があともう残りがございませんので、もう一点だけ伺います。  法人税の基本的性格については実在説や擬制説やいろいろあるわけですが、これは残り少ない時間で議論するわけにいきませんが、税率について議論になったけれども、これは何%上げるかということじゃなしに、単一比例税が適当であるというのが大方の意見であったというように言うておられるのですね。そうすると、この意味するところは、いま一定の規模以上の企業は四〇%と三〇%ですね。それが一億以下の、七百万以下の所得のいわゆる中小企業については二八%と二二%になっておりますが、こういうものについてこれは単一の比例税制にするという御趣旨ですか。そしてそうなると、四二%ぐらいまで増税すれば一挙に二階級特進をして中小企業の税制をも一緒にしてしまうのが税制調査会の大勢である、こういう意見ですか。それが不公平税制を是正して公平な税制にするんだ、こういう御意見ですか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 私も正確に覚えておりませんからあるいは間違っておると恐縮でございますが、私の理解では、法人税の単一比例税が適当であるというのは現在の制度を前提にしておる話でありまして、中小法人に対する特別措置を全部なくして一本にするんだ、それがいいんだというふうに言っているわけでは必ずしもありません。ただ、経過から見るとだんだんずいぶん開き過ぎてきているのじゃないかという御反省が企業課税小委員会でなされておって、それを受けて税調として中期税制等にどういうふうに反映させるかというのは目下審議中でございます。

正森成二日本共産党

○正森小委員 終わります。

大原一三自由民主党

○大原小委員長 これにて小倉参考人に対する質疑は終了いたしました。  小倉参考人には、御多用中のところ御出席の上、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  本会議散会後再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時二十六分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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