石炭対策特別委員会 第7号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/11/20
会議録
○森中委員長 これより会議を開きます。 石炭対策に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 産炭地域振興に関する問題について、本日、参考人として産炭地域振興審議会総合部会小委員会座長笹生仁君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○森中委員長 この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございました。 本委員会といたしましては、去る十日政府に提出されました産炭地域振興審議会の答申につきましては、かねてより深い関心を有していたところであり、前回の委員会におきまして、早速通商産業大臣及び政府当局から説明を聴取し、質疑をいたしてまいりました。 本日は、直接本答申の取りまとめの衝に当たられました参考人のお立場から忌憚のない御意見を承り、今後の法改正を含む産炭地域振興対策の確立に資するため、より一層の実情の把握と将来の展望を得たいと念願いたしているところであります。何とぞよろしくお願いいたします。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず参考人から御意見を十五分程度お述べいただいた後、委員の質疑に対してお答えいただきたいと存じます。 それでは、笹生参考人にお願いいたします。
○笹生参考人 ただいま御紹介にあずかりました産炭地域振興審議会総合部会小委員会座長をしております笹生でございます。 日本大学で産業立地論、地域計画論を専攻しておりまして、産炭地域振興問題につきましては、これまで私なりの研究を進めておりましたが、先年、五十二年の実施計画の改定時に委員として参画、行政の面からも勉強させていただいておりまして、私なりに深い関心を持っておりましたところ、今回はからずも、答申の作成に当たりまして大役を仰せつかったわけであります。もとより非才でありまして、本問題につきましては御造詣の深い先輩方がおられる中に、本石炭対策特別委員会におきまして参考人として意見を述べる機会を与えていただきましたことは、まことに光栄に存ずる次第であります。 本日は、まず産炭地域振興審議会の答申につきまして、文書はすでにお手元にあると存じますが、若干の補足を含めましてその概要を御説明させていただきたいと存じます。 まず最初に、答申に至ります経緯を申し上げます。 現行の産炭地域振興臨時措置法が明年の十一月十二日をもちまして失効するということになっておりますことから、本年の六月の二日、通商産業大臣から、産炭地域振興審議会に対しまして、今後における産炭地域振興対策のあり方について諮問がございましたことは御高承のとおりであります。これを受けまして、具体的な検討を進めるために、私を含みます九名の委員から成る小委員会が設けられました。私どもは、早速六月の十三日に第一回の小委員会を開催をいたしまして、以来八回にわたりまして調査審議を重ね、去る十一月の八日、小委員会としての報告を取りまとめまして、一日置きました十日の総合部会の議を経まして今回の答申に至ったわけであります。 今回の小委員会での検討に当たりましては、私どもは、まず産炭地域の現状をできるだけ的確に把握し、産炭地域における経済的社会的疲弊の状況、それから当面する課題及び政府の産炭地域振興対策の諸施策、その問題点などを明らかにすること等、できるだけ総合的な観点から調査検討に努めてまいりました。 このため、審議の初期段階におきまして、審議会の四つの地域部会、関係道県、関係市町村などの関係者から要望、意見を広く聴取をいたしましたし、また六月には北海道の石狩地域、七月には九州の筑豊地域と、それぞれ代表的な産炭地域とも言うべき現地の実態を視察をいたしました。また、通商産業省を初め自治省、建設省など、関係省庁から、諸施策の実施の状況などについての説明も聴取をいたしました。 これらの結果を踏まえた上で、私どもはさらに国民経済全体の観点からも、公平かつ広い視野に立って産炭地域振興対策のあるべき姿はどうであろうかという点を検討、審議いたしまして、答申案の取りまとめに当たりましては、また極力明快な方向づけを行うよう最大限の努力を払ってきたつもりであります。 次に、小委員会で出ました主要な意見なども踏まえながら、お渡ししております答申に即しながら、その骨子について御説明を申し上げたいと思います。 一ページの「産炭地域振興対策の経緯」につきましては、ここでは事実関係を簡単に振り返っております。 対策の柱でありますところの産炭地域振興臨時措置法は、産業の育成という目的を達成する直接的な施策のほかに、教育、文化、福祉なども含め、他省庁にわたる公共基盤施設の整備が行い得るようになっており、施策体系が他の地域振興対策に比べまして、すぐれて広範かつ充実されたものになっている背景を説明をしております。 一ページの下段からは、2といたしまして、「産炭地域についての現状認識」が述べてあります。 答申では、まず過去十九年間の対策の推進が、関係地方公共団体、地元住民などの努力と相まちまして、相応の成果をおさめつつあることを認めております。 総体としまして、生活環境の修復は進みつつありますし、特に、比較的立地条件に恵まれた産炭地域におきましては、企業の進出がかなり促進されていることも事実であります。地域によりましては、市町村合併や民間活力を引き出す地元努力が結実いたしまして、回復の早い地域もあります。 しかしながら、残念なことに、二ページの後段にありますように、六条市町村を中心とする多くの産炭地域市町村の経済的社会的疲弊の解消はまだ十分ではないということも事実であります。したがいまして、産炭地域振興の目的は、なお達成されていないものと認められます。 このような現状認識を受けまして、次に三ページ以降に、3としまして「産炭地域振興の今後の基本的方向」を述べております。 すなわち、現状から見て、産炭地域振興対策の継続はやむを得ないと考えられます。そしてこの場合、私がこの五月に参考人として意見を述べさせていただきましたところでもございますが、今後の産炭地域の振興は、単なる修復、復元主義あるいは鉱業地区主義という地域のとらえ方から脱却いたしまして、今後の動態的な地域構造の構築に当たりましては、広く生活圏域としてのまとまりの中で、地域社会としての自立的な基盤の樹立を目指すべきことをまず基本的に認識すべきではないかと考えているわけであります。このことは、諸委員の共通の認識でもあったと考えていただいてよいと思います。 この場合、もちろん国の役割り、特に施策の計画的な推進に関する国の努力といったものは重要であります。しかしながら、地域の振興が、住民のために、住民とともに進められるものだということからいたしまして、地元の自助努力、それから自立の精神ということが何よりの基本となってしかるべきものと強く考えております。したがいまして、答申では、三ページ以降、次の三点につきまして地元関係者の努力の必要性を強調いたしました。 第一に、産炭地域の振興に当たっては、地元関係者がそれぞれの役割りと責任の重要性についての認識を新たにし、従来にも増して、主体的かつ自主的な努力を払うことが不可欠であることを指摘しております。 第二に、その方向づけとして、広域的な地域発展を一層図るべきことを述べ、より具体的には、産炭地域内の近隣市町村が、地域のそれぞれの特性に応じて機能を分担し合い、一つの経済生活圏として一体的に発展をするといった発展形態の導入を示唆いたしております。 すなわち、広域的な地域発展を促進するためには、関係市町村が相互に協力し、創意工夫を重ねつつ、みずからの発展すべき方向を模索することが強く要請されます。このためには、単に製造業の導入を図ればよいといったことではなく、地域の特性に応じた適性な産業を育成し、あるいはベッドタウンとしての展開や都市的機能の充実など、いわば複眼的な将来ビジョンを持つことが必要と考えております。また、生産中の石炭鉱山が所在している圏域につきましては、特に強靱な地域構造の計画的な形成に特段の配慮をすべき必要があると考えております。 第三に、このため、関係道県が産炭地域市町村と協力して、この経済生活圏別の発展計画を取りまとめ、実施計画の実質的な裏づけとすることの必要性を示唆しております。このような地元努力に対しましては、国においても十分な指導助言が的確になされることが必要と考えております。 次に、四ページの4の「今後の産炭地域振興対策の具体的な展開」であります。 まず、諮問の際、検討事項の柱として御指摘のありました、産炭地域振興臨時措置法の延長問題につきましては、小委員会でいろいろな議論がありました。すでに二十年近く同法の延長が続き、同じ産炭地域でもかなり回復している地域もある。延長はやむを得ないといたしましても、国の財政再建という観点から言って、この上さらに長期にわたって現行の手厚い制度を続けることは、世論一般に説明がつかないのではないか、何よりも産炭地域関係者の一層の努力を喚起するという観点から、短い期間の延長とすべきではないかとの意見もありました。また、産炭地域の振興には、一面において、残存鉱害や老朽炭住街の存在など、過去の傷跡との調整を要するといった、ほかの地域政策には見られない特異性も持っており、こういった関係をどうしんしゃくすべきかという意見もありました。 私どもは、このような意見が熱心に交わされる中でさらに慎重な検討を続け、この結果、広域的な地域発展に要する期間なども勘案をいたしまして、現行制度の範囲内ということを限度といたしまして、産炭地域にいま一度の機会を与えるという意味合いで、答申にございますように十年の延長とするのもやむを得ないとの結論に達したわけであります。ただし、この延長に関しては二つの重要な条件を付しております。 第一は、「産炭地域関係者は、同法の延長に伴う関連施策の実施が広く国民の負担によって行われることを十分に認識して、残された十年の期間内に産炭地域振興の目的を達成するよう最大限の努力を払うべきである。」旨を述べている点であります。一部地域につきましては果たして十年で終わるのかという議論もあります。しかしながら、私どもは、むしろ地元の自助努力と国の支援体制の一体性がこの十年の重みを生かすことに強く期待をしているものであります。 第二は、五ページの中段にございますように、同法の延長期間内にありましても、産炭地域の目的を達成したと評価される経済生活圏に属する市町村につきましては、一般的な地域対策などにゆだねることによりまして自立的、恒常的な発展への道を歩ませるべきであると指摘している点であります。 この問題につきましても、回復の早い一部市町村についていますぐにでも指定の解除を行うべきではないかとの意見もありました。しかしながら、広域的な発展の必要性との整合性もあり、この問題は将来において経済生活圏、すなわちブロックとしての評価を行うべきであるとの結論に達したわけであります。 なお、産炭地域振興の目的を達したと評価すべき基準につきましては、極力早い時期に検討がなされることが適当と考えております。 次に五ページの下段にございます「諸施策の効率的活用」であります。 既存の施策につきましては、その継続と弾力的な運用を確保しながら、特に広域的な地域発展という観点に立って、その効率的活用を促していくべきであるということがこの答申の基本的な考え方であります。この産炭地域振興対策は、石炭産業の閉山がもたらした地域の疲弊の解消は、最終的には、石炭産業にかわり得る諸産業の育成によって最も効率的になし遂げられるのだという目的理念に立っております。 しかしながら他方、この政策がもとより地域と深くかかわり合った問題であることからいたしまして、地域政策的配慮をも組み入れた施策体系として複合的に整備され、このため現在の施策体系は、時代の要請であります教育、文化、福祉も含めた基盤の整備につきまして各省庁にまたがって支援し得る仕組みになっております。このように、産業育成のための直接的な施策とその円滑な遂行のための地域政策的な要素が複合された施策体系は、現行制度の大きな特色であると考えております。 もちろん、このような複合の度合いをさらに一段と強め、地域政策を完全に包含してしまうということも考えられないわけではありませんが、個別地域政策の乱立を防ぐという意味では、施策体系の面ではおのずから限度が必要であろうと考えております。現時点での状況のもとでは、この産業の育成と地域政策的な面での重層関係の深化は、むしろ地方公共団体の経済生活圏別の計画づくりとその実践によることが妥当であり、また、施策体系の面でも広域的な発展を促すことは、既存施策の活用に一段と創意工夫をこらすことと各省の一層の協力といったことで十分対処し得るのではないかと考える次第であります。これが、答申におきまして、特に施策体系自体の大幅な変革とか法律改正の必要性をうたっていない理由であります。 なお、個別の施策につきましては、特に配慮を要する点としまして、六ページ以降幾つか挙げておりますが、その中には、産業の振興、雇用の拡大と就労事業の合理的な運営、基盤の整備、なかんずく広域交通体系の整備と広域的発展に資する特定事業への調整費的な助成制度の実現、それから疲弊の著しい市町村に対する財政援助の配慮、旧炭鉱跡地に対する調査の必要性などがあります。 最後に八ページでありますが、これには関係省庁、地方公共団体相互体制の緊密化について述べております。 以上をもちまして、答申の概要を中心に説明させていただきました。御清聴まことにありがとうございました。
○森中委員長 ありがとうございました。これにて参考人の意見の開陳は終わりました。 —————————————
○森中委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細谷治嘉君。
○細谷委員 笹生先生に最初にお尋ねいたしたい点は、この十日に出されました「産炭地域振興対策の今後のあり方について」という答申は、現行法の単純延長ということを描いて書かれたものなのか、あるいは何らかの法律の改正というものも頭の中に入れて書かれたものか、まずお尋ねしたいと思います。
○笹生参考人 お答えをいたします。 現行の単純延長か、法律改正を意図したものであるか、どちらであるかという御質問と承っておりますが、基本的には前者でございます。
○細谷委員 基本的には前者ということは、単純延長ということですね。十年間現行法でそのまま延長していく、こういうことですね。
○笹生参考人 そうでございます。
○細谷委員 そこで、時間も十分ございませんのでお尋ねをいたしたいわけでございますけれども、この四ページのところに「産炭地域関係者は、同法の延長に伴う関連施策の実施が広く国民の負担によって行われることを十分に認識して、残された十年の期間内に産炭地域振興の目的を達成するよう最大限の努力を払うべきである。」こういうふうに言っております。この答申を書くに当たっては、これが最後の十年だよということを旨として書かれたものかどうか、お尋ねいたします。
○笹生参考人 御質問のように、最後の十年間であるということで答申をまとめております。
○細谷委員 そこで、その次に、「今後広域的な地域発展が進み、」——この答申で、先生先ほどお話がありましたように、産炭地振興というものは広域的な形においてやらなければいけなかった、今日まで二十年の弱点はそこにあった、こういう認識については私も先生と変わらないわけであります。その場合に「産炭地域振興対策の目的を達成したと認められる状態に至った地域については、その後も引き続きこの対策の対象とすることは適当ではない」こう書かれてございます。そうだといたしますと、どうもこの答申は、十年間のうちに足切りはしないということが精神のようでありますけれども、十年間のうちには足切りをしていく、こういうことになると思うのですが、そのとおりですか。
○笹生参考人 足切りという言葉が私には十分明確にわからないのですけれども、一定の回復状況に達したものにつきましては、指定地域の解除があり得るということをうたっております。そういうメカニズムを今後はとるべきだ。以上です。
○細谷委員 一定の目的を達した、それは市町村でありますか、あるいはブロックとしてでございますか、どちらでしょう。
○笹生参考人 いまのブロックとしてということでございます。
○細谷委員 たとえば空知地域とかあるいは筑豊地域といった場合に、その筑豊地域全部を圏域から落とすということですか。圏域が一定の目的を達すれば、十年間のうちにでもその指定から外していく、こういうことですか。
○笹生参考人 そのように御理解いただいて誤りがないと思います。
○細谷委員 そこで、そうなってまいりますと大変な問題があると思うのですけれども、続いてお尋ねいたしたいことは、その目的を達成したという水準。指定から落とすわけでありますが、それはどういう内容でございますか。ここには、「地域指定の基準を勘案し、地域の振興の実態を端的に表わす内容のものによってなされるべきである。」言ってみますと、この答申を十年間やっていく場合の、これは心臓部ですね。これについてはどういうふうにお考えになっているんですか。
○笹生参考人 お答えをいたします。 冒頭の説明でも申し上げましたとおり、この基準につきましては、今後具体的な検討をできるだけ早い時期に行うことを期待をして、この答申では、その具体的な基準について触れておりません。
○細谷委員 この点について、答申が出ました翌々日の朝日新聞が、社説でこういうふうに言っているのですよ。「どういう状況になったときが卒業か、の判断を下す基準が必要となる。通産省は、産炭地としての地域を指定したときの財政力指数などの指標を勘案して決めることにしているが、できるだけ地域の実態を客観的に示すものにすべきである。」これを見る限りにおいては、現在の指定が行われたときの財政力指数が一つの物差しになっておるわけでありますが、今回のこの答申に基づいて外していく場合には、この社説に指摘されてあるようなことが議論されておるのか、全くただ文章を抽象的に書いたにとどまっておるのか、お答えいただきたいと思います。
○笹生参考人 お答えいたします。 基準に絡まる意見は幾つか出ましたが、そういった意見をどのようにまとめるべきかという討議は、明確にはしておりません。
○細谷委員 ことしの六月に諮問をいただいて、九月下旬ごろに答申があるだろうと言われておりましたけれども、現実には十一月の上旬と、かなりおくれました。おくれましたけれども、期間的には十分あったと私は考えておりませんけれども、重要な点についての検討なしに、抽象的な形でいわゆる基準から落としていくということになりますと、そこから、ねらいである広域的な、計画的な、あるいは自主的、自立的な推進という形が大きく崩れていくのではないかと思うのですけれども、その辺の懸念はございませんか。
○笹生参考人 お答えいたします。 いまの基準の問題について、小委員会として結論を得なかったことにつきましては、もう一つは、ここで提案しております経済生活圏の設定の仕方というものをどう考えていくべきかという問題との絡みもあろうかと思います。短時日でこれについての結論を得るということは適当でないということでこのような表現になったわけでありますが、私どもは、今後数カ月の検討過程の中で、いま御質問のありましたような諸点を計数的に表現をし得ることは十分可能であろうと考えておりますので、現段階でこのような答申の表現でありましても、実質的にそのことが、一方において答申が広域的な生活圏としての振興をうたっている点と抵触をするというふうには考えておりません。
○細谷委員 私にはよく理解できないわけですけれども、かなり計数的なこれからの作業もしなければならない、それはそのとおりだろうと思う。 そこでお尋ねいたしたいわけでありますけれども、先生は単純延長ということをおっしゃいました。ところが、法律の十一条には、補助率のかさ上げ等については、それを単純延長してもいいのですけれども、二十年前の財政力指数というような計数が載っているわけです。二十年前の数字が法律の中に入っているわけです。その数字を二十年後の今日、二十年間やってまいったメリット、デメリット、こういうものを判断して数字を置きかえていくとすれば間違いなく法律の改正ということが起こってくるわけですが、そういうことはお考えになってないということですか。
○笹生参考人 お答えをいたします。 冒頭の御質問の、現行法の単純延長か法改正を意図したものかということについては、基本的には前者であるとお答えをしたように記憶をしております。それは、法の体系といいますか、枠組みとしては単純延長と考えて、その運用についてはいろいろな工夫をこらしていく必要があるというふうな意味を含めまして、基本的にはという形容詞を使ったと思います。 いま御指摘のございました補助率のかさ上げについて二十年前の財政力指数が現在も使われておる、それはどうであろうかということについては、大変申しわけございませんが、私、意図してなかった、と言うとちょっと語弊がございますが、やや専門が違うものですから、私個人的には恐らく見逃していた点であろうと思います。ほかの委員の方々はそれをお気づきの上であれしているかどうかは承知いたしませんが、私個人としてはそうであったと思います。
○細谷委員 私どもが、先生を中心として小委員会で検討をしている際に、全国鉱業市町村連盟等々の意見をお聞きしますと、十人十色という言葉がありますけれども、内容はいろいろ違いますから、まだ産炭地かという声もはたからは入ってまいりますから、そういう中において、いろいろ国の財政問題もむずかしいということで、もう一つ伏せた形で単純延長、そのまま二十年前の法律を一字一句も変えないでいった方がいいのじゃないかという意見もあったとか伺っておるわけです。そういう意見、私も、通産省もそういう気持ちが非常に多いのじゃなかったかと想像いたしております。 そういう空気の中で、突如として五ページに書いてあるように、「地域指定の基準を勘案し、地域の振興の実態を端的に表わす内容のものに」すべきだという、かなり心配されるような計数を裏づけるような問題が背景として出てまいりますと、一体この答申は何をねらっているのか。いま先生は、その法律の中に書いてある二十年前の地方団体の財政の状況をあらわす指数等を使っていることについてはうかつであった、こういう話があったようでございますけれども、私は、そうなりますと、この辺については大きな問題の提言はしておりますけれども、ちょっとこれは砂上の楼閣になりかねない、こう思うのですが、いかがですか。
○笹生参考人 お答えをいたしますが、砂上の楼閣になるかならないかは、同じ施策の中でも、それを推進する人たちの心構えでも違ってきやしないかというふうにも思います。余りお答えにならないと思いますが、以上です。
○細谷委員 砂上の楼閣と先生を前に置いて大変失礼な表現、言葉になったわけでありますが、先生おっしゃるように、甘えの構造でやってはならない。むしろ産炭地の自治体が自主的あるいは自立的にこの問題に取り組んでいかなければならないと厳しい注文がつけられているのは、これはあたりまえだと思うのです。私はそのことに賛成であります。ただ、たとえばこの七ページのところに「地方公共団体に対する財政援助」というところで「疲弊の著しい市町村に対する財政援助について、一層の配慮が望まれる。」こう書いてあるのです。 これは私は、かなり前向きでこの言葉を表現したのだと思っておりますけれども、一方、先生御承知のように、大蔵、財政当局では財政審議会というのがありまして、こういう財政援助は打ち切ってしまえということを財政審議会に諮問しまして、財政審議会はそれを了承した、こういう新聞記事も出ておるわけです。そうなってまいりますと、まさしく砂上の楼閣じゃないでしょうか。それは大蔵省の問題であって、通産省の知ったことじゃない、あるいはわれわれの審議会の知ったことじゃない、こういうことになるかもしれませんけれども、せっかくの努力がそういうところから崩れていくということについてはまことに残念だと言う以外にないと思うのです。いかがですか。
○笹生参考人 制度の仕組みの問題と、それから毎年毎年の予算措置といいますか、財源措置といいますか、そういった問題は、ある見方からすれば、それをきちんと定式化するということがよさそうにも思いますが、しかし、そういった仕組みはいろいろな経済運営等を非常に硬直化する一つの大きな要因になりかねないということが考えられますし、また、私、寡聞でございますけれども、ほかの地域関係の諸政策につきましても、その関係をかなりリジッドに規定をしている、あるいは運用しているという点を承知をしておりませんので、制度の仕組みとしての話と、それからそれに対する一応の仕組みの中で予算的な努力を積み重ねていくということは、一見二元的に見えると思いますけれども、現実的な運用としてはやむを得ないものではないかというふうに考えております。
○細谷委員 私のお尋ねしたい点は、この答申が出た翌日、新聞紙上で、福岡県を中心とした西日本新聞に、産炭地の「優遇措置を打ち切り 大蔵省表明」という記事が出ております。その内容はどういうことかといいますと、「産炭地での道路、港湾、学校など建設事業では通常の公共事業の補助率よりも最高二五%カサ上げし、優遇されている。」こういう優遇措置を外してしまうということについて、財政審議会は了承をいたした、こういうことであります。 ちょっと私も調べた数字を申し上げますと、大蔵省がねらっておるのは、公害防止事業に五十四年度にはやはり財政特例をしております。新産、工特には三百四十九億円、これは通常の補助率の上にかさ上げして三百四十九億円の補助を配っておるわけですね。それから、三大都市圏、首都圏、近畿圏、中部圏に対しましては四百八十九億円を通常の補助率にかさ上げして地方団体に配っていっている。これは財政特例法という法律です。産炭地はどうかといいますと、百五十四億円の補助率のかさ上げが行っておる。このほかに、産炭地も同様でありますけれども、新産、工特等にも利子補給が六十四億。それから三大都市圏の、首都圏等に三十億、産炭地に十一億、こういう利子補給が行っているわけです。これを全部切っちゃうというんですよ。そうなってまいりますと、先生、残念ながら砂上の楼閣と言わざるを得ないでしょう。 ですから私は、前回のあれで大臣にも言った。「一層の配慮が望まれる。」ということですけれども、この配慮が望まれるどころか切っちゃうというのですから、まさしく砂上の楼閣になりかねない、こう思うんですよ。そうしますと、先生は単純延長だと言う、大蔵省は十一条は切っちゃう、十一条は削除しちゃうと言うのですから、こうなってまいりますと、産炭地はたまらない問題だと思うんですね。その辺は、いいや、われわれの方はわれわれ独自でやったのだ、政治の中においてはそういう渦が巻いているわけです。いかがですか。
○笹生参考人 お答えいたします。 先生御推察のとおり、ここでの単純延長というのは、現行の施策の継続ということを前提にしております。したがいまして、先ほどのように、十一条の補助率のかさ上げ等は撤回をするというのですか、そういうことは全く考えておりません。 それで、大変不勉強でございますが、財政審議会の方でそういうふうな討議がなされ、結論が出されたということは承知をしておりませんが、とりわけ、その審議会のセクショナリズムといいますか、そういったものを強調する意図はございませんが、私どもとしましては、現行の体制の上で新しい知恵を働かしながら運用を図っていくことによって、今後の展望が開け得るというふうに思ってまとめておりますが、また、立場の違う審議会等では、そうではないことが出るのかもしれませんが、これはどうも大変不遜な言い方でございますけれども、私どもよりは、細谷先生等国会の先生方にその間の調整を強くお願いいたしたいというふうに考えております。
○細谷委員 ただ、そういう大きな波が押し寄せてきている、こういうことでありますから、その点を指摘したわけです。 私は、先生を前に置いて大変恐縮でありますけれども、目的を達したところは卒業させちゃえ、こういう答申になったその背景には、こういうことがあったのではないかと思うんですよ。現に財政対策というものがこの七ページのような形でやられておりました。たとえば十一条の補助率のかさ上げもやられておりました。その補助率のかさ上げが、残念なことには、御指摘のような六条市町村という疲弊しておるところには余りにも行かないで、六条ではありませんけれども、六条よりもっと財政力の豊かな、たとえば日本の代表的な都市にかなりの金額が流れていった。これでは法の趣旨に沿わないのじゃないか、こういう声がございます。そういう声が、卒業生は排除したらどうだ、卒業生は卒業させたらどうかという声になったのではないか、それがこの文章にあらわれているのじゃないか、大変失礼でありますが、そういうふうに想像もするわけですが、それは全くありませんか。 たとえば、六条にかさ上げをよけいやりたいと思っているのだけれども、六条には余り行かぬので、百五十何億という圧倒的な部分、その四〇%というのが、ある一つの市に行ってしまっておる、これはおかしいじゃないか、こういう声がございますので、そういう声がこういう表現になったのではないか、こう思うのですが、それはありませんか。
○笹生参考人 そういうことは、この指定解除という問題には考えておりません。それはむしろそれぞれの地域が、この基準がどういうふうな中身を持ってくるかということによりますが、基本的にはやはり他の一般的な、あるいは同じクラスの市町村あるいは地域に比べて、社会経済的な水準が十分同レベルあるいはそれ以上になっているというようなところに対して、全体の国民の負担の中で財政援助をするということについては理由がなくなるのではないかということであって、産炭地市町村の内部のいろいろなものとの調整というのは、むしろ仕組みとして考えていかなければならぬだろうというふうに思っておりまして、そこのバランスをつけるために指定解除を行うべきだという意見は、当初からこの小委員会には出ておりません。
○細谷委員 地域開発論として一つの広域的なものを多用するというならば、いままでの産炭地の指定市町村に対して、余りにもコップの中でばかり動いておったというところに問題があるのであって、その産炭地域というものは六条よりも十条、十条よりも二条というのが広域的でありますから、その広域的な対応をしていくことが地域政策としてはよかったのであって、それに大変な欠陥があった。 そして、たとえば県と県との間をつなぐ、あるいはそのブロックとブロックとの間をつなぐ制度ですね、そういう施策というのが起こらなかったというところに大きな弱点があるのであって、それをこそ今度の十年間で補強していかなければならぬ、こう私は思うのです。そういう点において、先ほど来それぞれの市町村じゃなくて、ブロック的に経過とともに落としていく、卒業させていくところもあるということについてはむしろ画竜点睛を欠くことになるのではないか、私はこう思っております。 と同時に、この産炭地に対する補助率のかさ上げ等の方式が、二十年前の新産、工特のような地域開発方式の補助率引き上げ算式をそのまま適用したところに根本的な誤りがあった、そう思っておりますが、その辺はいかがですか。
○笹生参考人 お答えをいたします。 いまの産炭地域内での現在の仕組みからくる不均衡といいますか、ちょっと何をもって不均衡と言うかわかりませんが、先生が御指摘のような状況というものを、運用の面でその予盾を解消するには、ここで私どもが提案をしております経済生活圏としての地域づくりを地元あるいは地元の市町村が協力して考え、つくり上げていくということが不可欠だ。いままでは、市町村単位でありますからいまのようなアンバランスのように見えますけれども、力のあるところと力のないところ、あるいはその機能がある程度異なっておりながら、経済的あるいは生活的に結びの強い市町村群は市町村群としてどう立て直していこうかという地域づくりが問題なのではないか。 ちょっと飛躍をした受け取られ方になるかと思いますけれども、予算を多くつけるということは少なくつけるよりはいいにこしたことはございませんけれども、その前にそれを使う人間の姿勢といいますか地域の姿勢といいますか、それが重要だし、そのお金を生かす知恵がきわめて重要なものだというふうに考えておりまして、金よりは知恵だというような言葉もしばしば委員会の中では出ております。したがいまして、ちょうど細谷先生の予測とはむしろ逆に、今回の提案というのが新しい産炭地域づくりに従来欠けている面をついているもの、だというふうに自負しております。
○細谷委員 私は広域的に対応する必要性ということを強調しておることについては大賛成なんです。今日までの産炭地というものは広域的な点について対応が足らなかったわけでありますから、指定はそのまま継続をさせて、そして力のあるところがある程度中核になって、産炭地が自主的、自助的に、協調的に開発を進めていくことが必要なのでありますから、その中から卒業生を落としていくなんということはやらないで、そしていままでの体制をそのままにして広域的なところに重点を置いていく。 その場合に、御指摘のように県の役割りというものがある、そして国の役割りというものが非常に重要なんだ、そういう点について、過去の反省の中から最小限度の補償を行政的に、財政的にとらなければ、十年間やっても大して効果が上がらないのじゃないか。本当の意味でまた卒業できないような十年後を迎えるのではないかということを恐れておりますので、まあ幸か不幸か地域指定の基準等について、解除についてのあれについては全くまだ詰めが行われておらないようでありますけれども、その辺を十分勘案して、先生は恐らく今後も関与されると思いますから、御検討をいただきたいということをお願い申し上げまして、時間が参りましたから、私の質問を終わります。
○笹生参考人 私どもは、ここ十九年の産炭地域振興の施策の効果というのは総体的に上がっているという認識に立っておりますので、その中でなお二十年前と全く同じだという実態認識をしておりませんので、上がった分については上がったなりの対応を考えていくべきだ、それが臨時措置法としての性格づけではなかろうかなというふうに考えております。 それからもう一点、これも私どもこれから検討を進めていかなければならない問題ですが、広域的なとらえ方というのは、私なりには、広域的であればいいのではなくて、広域的なものが一つの社会経済圏としてのまとまり、とりわけ生活圏としての実態を持っているというところに意味合いがあると思うわけであります。そのようにしますと、恐らくそういう日常的な生活圏としてその内部の市町村全部があるレベルに達していたとすれば、それはこの振興措置法の成果が、少なくともその地域においては名実ともに上がっているというふうに評価をして差し支えないものではないかというふうに思っております。以上です。
○森中委員長 以上で細谷治嘉君の質問は終わりました。 引き続き中西積介君の質問を行います。中西積介君。
○中西(績)委員 時間が大変少ない中でございますので、簡単に質問を申し上げたいと思います。 いま御説明がございました二ページの「六条市町村を中心とする多くの産炭地域」「今日なお、」云々ということでいろいろ指摘がされておるわけでございます。それで、このようにここに挙げられておる幾つもの条件が満たされずに、解消されておらないということは、いままでのこの産炭地域振興のための対策の中で、何が一番欠陥として挙げることができるのか、この点おわかりになればお答えください。
○笹生参考人 何が一番というふうに言われましても、ちょっとすぐ明快な返事がいたしかねるのは大変恥ずかしいわけでありますけれども、私どもが私どもなりに地域の実態に触れております中では、一つは、いろいろな国の施策というのが、それの事業の規模であるとかというふうなことで、さらに幾つかのランクがつくられているようでありまして、そのランクというのは各省それぞれの行政的な効率性というものが恐らく基本になる。地域として非常に重要な、必要度が高いものであっても、いまの各省サイドでの評価ということになるとそこにずれが出てくる。そういう谷間を埋めるような弾力的な運営というのがこれまで必ずしも十分ではなかったのではないかという点が一点であります。 それからもう一つは、国にはそれぞれやはり法律の領域というものがあるようでございまして、私どものような者から見ますと、産炭地域につきましては鉱害復旧の問題であるとかあるいは危険ボタの問題であるとか、そういった産炭地の後遺症といいますか傷跡といいましょうか、こういった問題と、それから振興の問題というのは、実態としては絡んでくる問題だろう、特に市町村レベルでは恐らくもっと行政の運用上にも絡んでくる問題なのだろうけれども、それが国の法律のたてまえといいますか、そういったところではやはり一応の区別ということがされておる。その辺が特に六条地域のような影響の度合いの強いところでは、いわば外的な条件として、産炭地域振興施策内部の問題ということよりは、そのほかとのかかわり合いの中で、有形無形の影響を受けているというふうに感じております。
○中西(績)委員 いま、二つ大別して申されましたけれども、その後段の部分で、先ほど言われました、細谷委員の方から質問の中でもいろいろ関連のあることが出てきたわけですね。特に、時間がございませんから私ははしょって、たとえば先ほど申されておりました教育、文化を初めとして総合的な対策をこの法律の中に盛り込んでおる、こういうものはほかには余りないというようなことを言われておりましたけれども、私たちは、そういう意味では、この点が、たとえば第一条にある「鉱工業等の急速かつ計画的な発展」という、これがやはり一番中心的なものになって、先生おっしゃられた、自立するという主体づくり、こういうことになってまいりますと、むしろこの第一条の目的の中に、教育、文化を初めとして社会開発、人間を尊重するという、こういうものがうたい込まれて、初めてその中でその目的がさらに明確になるし、そういう点が追求できるのではないか。 あるいは、第四条におきましては、計画は定めるけれども実施についての国の責任というのは非常に不明確なんです。ですから、少なくとも私たちは離島振興法の第八条、経費の計上などを含みまして、こういう点を組み入れることによって、計画実施の責任をやはり明確にさせる必要があるのではないかとか、こういうように挙げてまいりますと、先ほど指摘のございましたように、法の関係等が幾つも出てくるわけであります。 なぜかと申しますと、法律にはやはり領域がございまして、行政というのはその枠の中でしか、いま先生おっしゃる、うまく運用するとか効率的に運用していくということもさることながら、法律の方が優先するわけでありますから、その枠が非常に狭められ、しかも融通性に欠けるということになってくるわけであります。したがって、法律のたてまえ上これが障害になるということが非常にございますので、そういう点について、現行どおりそのまま単純に延長するということよりも、十年という枠をはめるといたしますならば、実効が上がるためにはさらに何をなすべきかということをやはり追求をすべきではなかっただろうか、私たちは、これを読ましていただいてこう感ずるわけであります。この点どうでしょう。
○笹生参考人 お答えをいたします。 いろいろな御質問があったようでありますけれども、一つは、やはり法の目的が産業的な構造改革を基軸にしながら進めていくという現行のたてまえを、さらにもう少し包括的な、地域の福祉というものの上昇という点に切りかえた方がいいのではないかという御質問が一つあったように思っておりますが、そうでございましょうか。
○中西(績)委員 答弁の途中ですけれども、整理をして申し上げますと、私が申し上げますのは、いまお答えいただきました二つの大きな問題点があるといたしますと、そのうちの法律の領域というものから考えますと、先ほど先生おっしゃられました弾力的運営だとか、あるいはいろいろな運営面で知恵を出し合って地域で云々というようなことでこれは説明されております。ところが、法律にはいま指摘ありましたように領域があって、いろいろ後遺症があるにもかかわらずそれを補完し、補うことができないという状況が出てくるわけですね。したがって、私はむしろ、年限を十年間という限定をされたということであればあるほど、いまたとえば第一条に、自立をするというためには教育、文化、こういう社会開発的なものを目標に明確に設定をすべきではないか。あるいは第四条などにおきまして、計画は定めるけれども実施について国の責任が非常に不明確です。ですからそういう意味では、離島振興法などに見受けられるように計画実施の責任を明確にする法律的な条項を組み入れるべきではないのか。そのほか幾つかありますけれども、そういう面を法律的に、現状どおりして知恵を出し合ってやるということでなくて、むしろそこを補完をすべきではないかという意見を、私はこれを読ましていただいて持つわけであります。その点、どうでしょう。
○笹生参考人 一番目の法の領域という問題を考えて教育、文化であるとか、そういった地域の自立的発展の基本になる問題を明記をした形の法改正、あるいは目的の修正を行うべきではないかということにつきましては、冒頭の説明の中にもちょっと触れたつもりでございますけれども、この法律が、今日でいえば構造不況業種、特定構造不況地域というふうな形で発足をした、いわば衰退地域の問題として発足をいたしまして、したがいまして、産業構造改善事業という形で成立をしてきたものが、地域との絡み合いでそういった産業構造の改善をするためには、あるいは手段といいますか、下支えといいますか、そういった点で社会開発的な配慮が必要になってきたという形から、これが産業地域政策からいわゆる地域政策的な要因が組み合わさって今日の制度になっている。そういった点についてさらに一歩といいますか、数歩突っ込みまして、むしろ地域政策的な実体に切りかえるということも考え方としてはあり得ると思いますが、その場合に他の地域政策、新産、工特であるとか、そういったものと、さらにいろいろな地域政策がある中で、もう一つ産炭地域という地域政策をつけ加えるというためには、かなりやはり実態認識について不十分なところがある。現状ではそういった複合的な形態の中で工夫を図ることでよろしいのではないかというのがこの答申の認識であります。 それからまた、これは御案内のように、地域政策というもの自体はすぐれて総合行政の問題であります。その総合行政ということは、もっと言えば、地方行政というのはきわめて総合的あるいは一つの完結性というものを要求をいたしますが、それについての国の施策というのは多分にずれが出てまいりまして、地域の立場から言いますとさらにいろいろな政策の組み合わせの、ワン・オブ・ゼムと言うと語弊がございますけれども、その一つとして産炭地域を位置づけ、関連づけ、地域としての完結性を他の諸施策と絡めて進めていくということが実態なのではなかろうかというふうに考えておりまして、そういったこと、その絡め方というふうなことが実はここでうたっております経済圏域としての計画づくりということが機能をしてまいりますから、その経済生活圏としてのものの中には他の施策もいわば前提として組み入れられ、編み上げていくべきだというふうに思っておりますので、この産炭地域政策だけで経済生活圏としての実体が結実すべきものであるというふうには考えておりません。
○中西(績)委員 現状の中で工夫していくこと、そして他との総合的な中でこれは考えられていくべきだ、こういうことを言われたと思いますけれども、少なくともいままでの地域開発なりを見てみますと、市町村なり県というその地域、ブロックに所属をする、こういうところはやはり行政的に物を考えてまいりますね。国の場合がやはり同じように法律に基づいての行政措置をしていくわけでありますから、この点が融通性を云々してもなかなかうまく出てこないというところにいままでの欠陥、先ほど先生おっしゃった法律の領域内で物事を処理し、あるいは考えるという、こういう弱さがやはりあったと私は思うのですね。そうなってまいりますと、その部分をある程度埋めておかないとこれは大変困難な仕事ではないだろうか、こういうように私感じますので、先ほどのような質問を申し上げたわけであります。 それとのかかわりでもう一つ、いまお答えになったことと、それと最初お答えいただきました、第一点の弾力的な運営と申しますか、こういう関係を見てみますと、ここの一番最後のところに、八ページに「関係各省庁、地方公共団体等相互協力体制の緊密化」の問題が掲げられています。これをずっと読ましていただきますと、産炭地域振興関係各省連絡会などを開きまして、必要に応じて関係道県あるいは市町村の意見などを聞きながらやるということになるわけでありますけれども、この点が先ほども申し上げたように、法律というものでちゃんと規制されますから、こういう面が、先ほど私が申し上げましたように、たとえば計画はこういうところでされますけれども、その裏づけになるものがやはりないとなりますと、なかなか困難です、最低限の保証が要るわけです。ですから、その責任の所在というものを明確にしていかないと、なかなかこの点がうまくいかない。先生指摘されました、必要度は高くても、それぞれの省庁におきましては認識の違いなりあるいは遂行する上についての力の入れ方が全部違ってくるわけであります。 ですから、そういうことになってくると、やはりまたもとに返りますけれども、先ほど申し上げたように、離島振興なら離島振興法に盛られておるような内容を、ここにもやはり適用しないと、どうしてもそこが地域と国との関係がボールの投げ合いになってしまうのですね。地域は国がやってくれぬから、こう言う、国の方は地域がやらぬからだと言う、こういうことになってしまうのです。いままでの二十年間そういう大きな欠陥がそのまま引き継がれてきているわけです。ですから、少なくともいま申し上げたような法的な補完をやることが一つ。 それともう一つは、この運営について、先ほど言われましたように、大変理想的なことを言われておるようでありますけれども、なかなかうまくいかぬわけですから、各省庁の関係連絡会議等につきましても、ある程度規制をする何かを設けなくてはならぬのではないかと思うのですが、この点はどうでしょう。
○笹生参考人 中西先生が御指摘のような地域振興整備の実態というのは、まことにそうであろうと思います。 産炭地域ばかりでなくて他の、正面から地域振興整備をうたっている施策においても、あるいは産炭地域以上にそういう苦悩が、深い矛盾のあるものであるということは私も認めております。 ただ、私の感じでございますけれども、またこういうことを申し上げると、何でこんな小委員会みたいなところで答申で議論したのかということにもなりますけれども、地域の振興というのは、そういう制度をつくることによってのみむしろ結実するであろうかというと、もっと基本的にはその地域の人の自覚、それから知恵、この二つが基本で、その制度、法律というのはそのために利用されるものなのではないか、そうでないと地域の振興というのは本来進まないのではないか。 二番目の問題とも関連をいたしますけれども、そういったようなことからいたしまして、私個人としましては、この産炭地域振興の計画づくりの主体が地域である、地方であるということは十数年おくれたのではないか、三十六年に制定の当時はああいった状況でございますし、きわめて緊迫した状況の中で、産炭地域並びにその労働者の将来というものを救済をするという問題がありましたから、これは国が全面的にこれをするというたてまえがあったのは当然だろうと思いますが、四十一年、二年、あの時期に、私は地域政策的な施策が大幅に導入された時期だと思うのです。あの時期が現施策体系の概形がつくられた時期であったと思う。 そういうふうにむしろ地域政策的な施策が大幅に取り上げられた時期に、少なくとも実施計画については地域が主体的につくり上げるという態勢がつくられるべきではなかったかということを個人的には思っております。十数年それがおくれているわけです。そして、いまそうすべきではないかということも私自身はいろいろと考えました。 しかし、私の認識としては、やはりこのおくれというのが地方と国との不信の傷跡をかなり深くつけた。ここですぐ法律のたてまえを、基本計画は国でつくるが実施計画については地方がつくるというふうに改正をすることが、かえってその不信感を、誤解を生むように実感をしておりましたので、そうしますと、法律を変えるということよりは、前の問題に立ち返りまして、ここではいろいろなお話、御意見がございますけれども、まず実体としての計画、地域としての計画づくりを実施させていく、その実体を先行させる方が、私は現在の産炭地域に絡まる国、地方の行政の効率的な展開にはより好ましい方法ではないかというふうに考えて、そして先ほど来申し上げましたようなたてまえでこの答申案がまとまっていくということについて同意をし、推進をしてきたというのが底意であります。
○中西(績)委員 終わりに一言だけ。 いま言われたことについては了解いたしましても、やはり行政というのは、たとえば大蔵省であるなら、財政的なものが逼迫をするといえばそれで締め出すわけですから、なかなかそういうわけにはいかないわけですね。ですから、やはり最低限の、抑えるところは抑えるということがなくては、この地域の皆さんの知恵を出し合っても底が抜けるのではないかということを非常に強く懸念をするものです。この点、今後とも十分ごしんしゃくをいただきたいと思います。 以上です。
○森中委員長 答弁はいいですか。——以上で中西積介君の質問は終わりました。 引き続き岡田利春君の質問を行います。岡田利春君。
○岡田(利)委員 今回の答申をずっと読みますと、やはり産炭地の特性として、鋭角的なスクラップが進んで、現在残存鉱害が多く残されているわけです。しかもその鉱害は、無資力のものもございますし、また有資力のものもある。有資力の場合には、なかなか順調に鉱害復旧が進まない。産炭地振興の面から言うと、鉱害の復旧なくして産炭地の振興は終わらない、こう理解をしなければならないと思うわけです。残存鉱害量は五千億とも七千億とも言われておるわけですから、優に十年以上鉱害復旧にはかかるのではないか。しかし、鉱害復旧と産炭地振興というものはこれからはある程度連関性を持って考えていってはどうか。 たとえば私どもが視察をした貝島の跡地、これを単に鉱害復旧で埋め戻すという視点ではなくして、それを即活用しながらその地域の振興を図る、こういう関連性を考えていかなければ、なかなか効率が上がらぬだろうと私は見ておるわけです。そういう点で、今回の答申に当たってそういう意味の鉱害復旧と関連さしての産炭地振興、こういう視点が答申の中には載っていないわけでありますけれども、どのように委員会の方としてはこの点を検討されたか、承っておきたいと思います。
○笹生参考人 お答えをいたします。 先ほど来の私の答弁の中からもお読み取りいただけるかと思いますけれども、私どもは、地域振興の問題と鉱害復旧等の問題については、実態としては深いかかわり合いがあるというふうに認識をしておりますが、先ほどの細谷先生の御意見、お話し合いの中で、法の領域といいますか、そういったたてまえ論からすると、地域は社会経済的な復興というのが一義でございまして、鉱害復旧というのはそれの配慮事項ということにならざるを得ない。ですから、たてまえ論としては、私どもは社会経済的な復旧、振興の度合いというものを一義的に考え、その面で鉱害復旧等に深く触れ得ないという解釈をとらざるを得なかったということであります。 ただ、実態としては、委員会の中では、冒頭に岡田先生が言われたいわば鉱害問題の解消なくして地域振興なしという認識は、幾つかの発言の中でお読み取りいただけると思います。
○岡田(利)委員 答申の最後には、「関係各省庁、地方公共団体等相互協力体制の緊密化」ということが述べられて結ばれておるわけです。これは少なくとも通産省管轄、そしてまた、鉱害と産炭地振興の関係はしかも同じ石炭部で扱っている問題でもあるわけです。したがって、そういう意味では、鉱害復旧と産炭地振興というものについては通産省の一つ、しかも石炭部で扱っているものでありますから、そこできわめて緊密な連関的な先進的な政策を展開しないで各省に協力を求める、こう言っても迫力がないだろうと思うのです。そういう意味で、先生からいまお話を承ったわけでありますけれども、今回、鉱害問題を受けとめられた姿勢についてはよく理解ができました。 しかし、私はそういう意味ではむしろ、この面は連関性を持たして率先的に先進的にやっていくという姿勢、同じ石炭部でありますから、ここがまずそういう気持ちを持たないで他の各省で協力をせい、緊密にやりましょうと言っても迫力に欠けると思うのです。その点では、そうあるべきだという点でも私と意見が一致するのではないか、こう思うのですが、いかがでしょう。
○笹生参考人 実態として、鉱害復旧の方と産炭地振興のものが緊密な連携のもとで進められているということについては、私もそうであろうというふうに思っておりまして、これが離反をしているという認識ではございません。 ただ、ちょっと私がそういうことを申し上げましたのは、延長問題あるいは延長の期間というふうな問題と絡んだときにどれを目安にすべきかということになると、たてまえ論によらざるを得ない。実際の施策の体系としては、やはり一層緊密な連携のもとで進めていくべきであろうと思います。
○岡田(利)委員 私は、鉱害の状況からいって、今回、法の十カ年の延長を答申されたことは、そういう側面からいってもきわめて当を得ているのではないか、こういう実は理解をいたしておるわけです。 ただそこで、産炭地振興問題が俎上に上ってまいりましたときに、政府系企業を産炭地に積極的に配置をするとか、あるいはまた、公団出資の企業を拡大をしていくということが非常に重点的に論じられたわけです。ところが、高度経済成長の中でも政府系企業の進出は見るべきものがなかったし、また、公団出資事業は、九州で私の記憶では二つの事業体があったけれども、いずれも失敗をした。現在、公団出資で残っている企業というのは、羽幌の無菌豚の事業一つではないかと思うわけです。 しかし、これももちろんそれぞれの地域における人々や、あるいはまた地方公共団体の創意性が欠くるという面もあるでしょうけれども、もう一度原点に返って、この点からやはり今後十カ年の産炭地振興は出発をしなければならないのではないか。せっかくそういう制度があるわけですから、それをむしろもう一回原点に、出発点に戻って活用していくというような視点が強く出されなければならないのではないかと思うのですが、この点はいかがでしょうか。
○笹生参考人 おっしゃるとおりであろうと思っております。
○岡田(利)委員 そこで、九州と北海道の場合、産炭地振興の振興計画そのものの内容も私は違いがあると思います。たとえば北海道の空知炭田の中でも観光という面とかレジャーという面、そういう面が期待される地域もあるわけですね。たとえば三笠の桂沢ダムを中心にする地点だとか、ここにはアンモナイトも出る地点でありますけれども、あるいは芦別のような地点であれば沿線であるし、レジャー施設も非常に充実をしている。また、阿寒であればこれは国立公園が含まれている。地域が広大でありますから、さまざまな地点があるわけです。 そういう意味では、こういう観光あるいはまた今日のレジャーという点にも、北海道のような地点の場合には、そういう事業も当然対象にしていくという積極的な受けとめ方もあってしかるべきだと私は思うのですけれども、北海道の場合、こういう点に産炭地振興の目を向けるということは、どのようにお考えでしょうか。
○笹生参考人 大いに結構であろうというふうに思っておりますし、実はそういった点も小委員会では議論が出まして、鉱工業等の「等」というのは、施策としてはどの程度の有効性を持っているのであろうかという話の中で、行政当局からのお話し合いの中では、この「等」については、いま岡田先生が御指摘のような領域を当然含んで基盤整備を図り得るたてまえになっておるということでございましたので、私どもはこれからはそういった複眼的な将来ビジョンを達成するような実態をつくっていくべきだというふうに思っております。
○岡田(利)委員 今日のエネルギー情勢は、先生も御承知のように、油の代替エネルギーとして石炭も積極的に活用していく、こういう新しい時代を迎えて今回の答申が行われたわけです。現在、既存の炭鉱を安定させるということが最も産炭地振興の立場から言えば重要であろうかと思います。 同時にまた、たとえば北海道のように天北の場合には露頭採掘も可能な地点もございますし、また炭層の賦存状態もきわめて浅部の地域がある。これはもちろん受けざらの火力発電所との関係もありますけれども、この開発が行われればきわめて積極的な産炭地振興になろうかと思います。あるいはまた、釧路では四地点の炭鉱開発の可能性調査をいたしておりますけれども、もし開発ができるとすれば、これもきわめて有効的な産炭地振興に役立つことは当然だと私は思うわけです。あるいはまた、今日制度上の問題がありますけれども、羽幌などでは資源の開発をしたいという意見も実は出ておるわけです。 ただ、いまの法律制度の中では単純にはできませんけれども、いずれこれは、法律は別な領域であるという先ほどのお話のとおり、いま第七次の政策も改めて諮問されて、議論されておりますから、今後にまつ面が多いわけでありますけれども、そういう点で、もう後始末だけだというのではなくて、むしろ国内資源を活用していくという面では、先生の領域でありませんけれども、北海道の現状を見る場合に、そういう地点が幾つか想定されるわけでありますから、そういう点が逆に出てこなければいかぬではないか。そして、そういう開発可能性の環境づくりにむしろ産炭地振興も連動していく、政策も連動していくということがあってしかるべきじゃないか、発想の転換をしていいんではないかという気持ちを私はいま持っているのです。この点については、もちろん法律の領域が別ですから、そう深い議論はされていないと思いますけれども、そういうことが話題になったかどうか、伺っておきたいと思うのです。
○笹生参考人 いま岡田先生が御指摘の、稼行中の石炭地域のあり方ということについては、小委員会でも幾度か意見が出されまして、いま言われましたような、稼行中の石炭鉱業の安定的成長を図るというのは、合理化法等別のところで精力的に進めておりますが、産炭地域振興措置法の領域の中におきましても、現在稼行中の町村単位で言いますと、石炭鉱業関係労働者が就業人口の三割前後であるというのが大部分のものであります。そういう既存の企業の安定的な成長を精力的に進めるということとともに、われわれの地域振興のたてまえからいうと、さらにそういう実態から言えば、いまからより精力的に産業構造の多様化、あるいはもっと言えば、それの強靱な体質というものをどうやってつくっていくべきか、またそのための町の骨格づくりはどうあるべきかということは当然考えていかなければならない問題だ。その意味でも地域の特性に応じた地域づくりを今回は改めてひとつ考えてもらいたいと考えております。
○岡田(利)委員 今度新しく旧炭鉱跡地対策の点について答申が触れられておるわけです。現時点でこのように表現されておることは適切であろうと私も思います。問題は、土地利用に関する利権問題ということがやはり最大の問題でありますから、これを調査し、調整し、計画が立案されて、これを援護するという方向で進められるという答申の趣旨は、現時点ではきわめて適切ではないかと私は判断いたしております。 ただそこで、産炭地域振興の今回の答申が、広域圏を対象にしてそれぞれ特性を生かして産炭地振興を図るということになってまいりますと、従来以上に道県の主体的な役割りのウエートが非常に高くなってくるのではないか。もちろん国は国の所要の施策をしなければなりませんけれども、主体的には市町村を基礎にして道県がやらなければ、広域的な政策というものは進まないだろうと思うわけです。 そういう面では、今日までの道県の姿勢を見ますと、もちろんそれぞれ違いはありますけれども、どちらかというと、町村と国の方が結びついて、道県は、計画に参加するけれども、主体的な役割りという面について若干欠けるところがあったのではないかという気が私はしてならないわけです。そういう意味では、道県の役割りを期待すると同時に、道県のたとえば産炭地債の発行に対する対応措置とか、そういう意味でやはりもう一歩政策的に前進させて、道県が主体的に町村と連絡をしながら、また国と協議をしながらぴしっとした振興計画を立てる。そうでなければ、今度の答申は生かされないだろうと思うのですけれども、この点いかがでしょうか。
○笹生参考人 全くおっしゃるとおりであろうと思っておりまして、今回の答申の中でも、広域的な経済生活圏の計画づくりの主体は道県であり、道県が関係の市町村との協力のもとで計画をまとめてもらいたいということを明記しております。それから、先ほど説明の中で申し上げました、広域的な地域づくり等に必要と考えられる調整質的な予算措置をぜひ実現していただきたいし、それについては小委員会の内部の議論としては、むしろこれは道県に預けるというか、道県が、そういう予算の実施を踏まえて、広域的な計画づくりができるようにむしろ調整してやってもらいたい。これは、本省が握るというのではなくて、むしろ道県がそういった調整機能の実体として活用できるように、今後もしこういったものが諸先生方の御努力で実施になれば、そういう運営の仕方をすべきだと考えております。
○岡田(利)委員 最後に、企業誘致に係る税制上の特別措置についての配慮も必要である。ただ税制の問題から見ますと、たとえば新産法の場合でも、低工法であろうと僻地振興であろうと、あらゆる法律制度の中で、進出企業に対しては税制の優遇措置があるわけです。そういう意味では、誘導するという積極的な面から考えると、税制だけでは余り魅力がないのではないか、こう言わざるを得ないと思うのです。 私はかつて提案をしたのですけれども、戦略的な意味で、中核企業が一定期間に配置をされる場合には、特に制度を設けるとか思い切った優遇措置を講じないと、産炭地域のような場合には企業の誘致というものは、配置というものはなかなか困難ではないか。税制の優遇措置というのはもう普遍化されておって、もはやきわめて特徴的なものではない。せっかく公団があるわけでありますから、融資制度があるわけですから、そうすると、やはり金融政策の優遇措置も思い切ってとるというようなことを、のんべんだらり十年間やれという意味ではなくて、新しい十年間の出発に当たって一定期間そういう思い切った措置をとってみてはどうか、こういう気がするのですけれども、こういう点については議論されたかどうか、承っておきたい。
○笹生参考人 お答えいたします。 ここで税制の問題に触れておりますのは、現行の税制についての優遇措置は他と同様に継続すべきであるという趣旨を言っているだけ、だけと言うと語弊がありますが、そういうことでございまして、税制だけで企業誘致の決め手にするということは考えておりません。私どもの現地視察の中でも、進出企業が一番具体的に恩典と考えておるのはやはり公団の融資制度でありまして、この融資制度は、他の工業立地政策にない、運転資金を含めた融資でありまして、しかもその金額というのは、数百名程度の事業所の運転資金を賄うに足る融資を行っておるというのが実態でございますので、これはきわめて有効に、他の施策にない形で生かされておるというふうに認識をしております。
○岡田(利)委員 終わります。
○森中委員長 以上で岡田利春君の質問は終わりました。 引き続いて小渕正義君の質問を行います。小渕君。
○小渕(正)委員 先ほどからの質問の中でも参考人の方が述べられておったのでありますが、今回の場合の答申案も単純なる現行法の十年間の延長だ、こういうようなお答えをされておったようでありますが、私これを拝見いたしまして、必ずしもただ単なるそういったものだけではなしに、ある程度新たな考え方が盛られているような気もするわけであります。 端的に御質問いたしますが、今回の答申案の一番特徴的なものは何なのか、どういうところなのか、そういう点についてひとつお聞かせいただきたい、かように思います。
○笹生参考人 地域の自助努力を確実にし、国と連携を持って地域づくりを進めるための広域的な経済生活圏づくりを導入をすべきだという点が第一点であります。第二点は、この十年間で広域経済生活圏として他の地域に比べ十分レベルが上がった地域については、指定解除のメカニズムをこの中に導入するという点。この二点が一番大きな特色であろうかと思っております。
○小渕(正)委員 要するに、それぞれ自立、自助努力の点を特に強く出したということと、あわせて、そういった経済圏の中で自立できるような条件になったような地域についてはこの産炭地域から指定解除していこう、していくべきじゃないかというところが特徴だということでありますが、現在の産炭地の状況を見ますと、約二十年間国の保護によっていろいろな施策が行われたにかかわらず、現在、六条地域と言われている地域は、財政指数から見るならばまだまだ全国平均六二・八に対して大きく下回った三七・二だ、こういうことで、二十年間のそういういろいろな施策にかかわらず、依然としてこういった状態に置かれているのが今日の産炭地域だと思うわけであります。 そうしますならば、少なくともわが国の経済の経緯を見ますならば、過去二十年間というのはまさにわが国が大きく経済成長、発展した時代でありまして、若干の落ち込みはありましても、でこぼこはありましても、大体、終始そういった中でわが国の経済が発展してきたところであります。 今日までのそういう経済の中においてさえいまだに回復できない、こういう地域が依然としてあるということであるのにかかわらず、これが今後十年間ただ延長し、地域の自立性を強調するだけで果たしてそういうような実効ある形があらわれるのかどうか、私は非常に疑問なしとしないわけです。したがって、これからの十年間については、いままでの二十年間の反省の上に立ったもう少し新しいいろいろな施策が提言されていいのではないか、こういう気がするわけでありますが、小委員会の中でそういった問題について議論された経緯があれば、いま少しそこらの状況をお知らせいただきたい、かように思います。
○笹生参考人 お答えをいたします。 この十五年間でいろいろな関係者の努力によってもなお十分な成果を上げ得ない地域があるということについては、私どもも同様な認識を持っておりますが、ただ、十五年前に比べるとやはり底上げがかなりされておるということも一方においては事実だと、いわばほかの伸びに比較をして相対的に見れば格差は払拭されてないということで、それ自体の力というのはかなりついているということは言えるのではなかろうかというふうに思います。 ただその間に、財政が総体的に乏しいということと、支出の面でかなり特殊な経費が出てくるという点と、それからもう一つは、市町村の規模がかなり小さいところが多いということが相互に絡みながら相対的な格差を埋め得ないで今日まで来ているのではないかという認識は幾度か議論がなされまして、そういったことについては幾つかやはり提案がありましたが、結果的には、その市町村群の実態的な連携を深めていくというふうな形で主体的に振興していき得るのではないかという点と、さらに、先ほどもどなたかから御質問がございましたが、七ページの疲弊の著しい市町村に対する財政援助について、特別交付金であるとか、そういった形での予算措置を一層配慮してもらうような努力を積み重ねていくというふうな形をとっております。
○小渕(正)委員 今回一つの特徴と言われた自助努力の強調ですか、自立心、それが今回の答申案の中に盛られた一つの特徴だと言われたわけでありますが、いままで国の援助にすべてもたれかかるということで、すべて国が悪いのか地方自治体が悪いのか、それぞれ双方いろいろあるでしょうけれども、特に今回、十年間で、これが最後だぞということの中であえて自助努力の強調を言わざるを得ないということは、実態として一体なぜだろうかという感じがするわけであります。 そういう意味では、今日までそういう産炭地域振興に対する諸施策がそれぞれの地域において努力されたにかかわらず、依然として低迷しておるわけでありますので、そういう状況の中で単なる心構えといいますか、自助努力、自立心、そういった精神的な面をいかに高めたとしても、そういうことだけで解決するんだろうかというような気が私はするわけであります。 精神的な面でありますが、あえてこういった点を強調されるということは、端的に言いますと、それなりに気魄さえあり、意欲さえあればかなり行けるんだというような一つの見方といいますか、そういうものが強く働いておるのではないかという気もするわけでありますが、そこらあたりの御議論の中での考え方がありましたら、お知らせいただきたいと思います。
○笹生参考人 お答えをいたしますが、自助努力の問題というのは、それだけで十分であるということでこれを打ち出しているのではございませんで、これは最低の条件だ、いわば前提条件だというふうな意味合いで言っておりますし、それからもう一つは、先ほどもお答えをいたしましたことに関連いたしますけれども、この問題については十数年前にもう少し明確な形で政策の中に反映すべきだと私は思っておりましたが、その間の経過ということから見て、いわば法改正という形をとってその問題を前進し得るか、あるいはいま御指摘の、精神的と言うと語弊がありますが、まずそういった形ですることが実効的であるかということについては、先ほど申し上げましたように後者の判断を私は持っております。 それから、先ほどの岡田先生の御質問にもお答えをいたしましたが、私どもはそれは単なる精神条項として盛ったのではない。先ほど申し上げましたような広域的な実体をつくるための戦略的な意味合いを持つものについて調整質的な予算措置を講ずる。そのことが恐らくその金額の数倍以上の効用を持つはずである。ですから、これはまだ確定したわけではございませんから何とも言えませんけれども、この審議会のたてまえとしては、その調整費というのがいまの地域の自主的な前進の実態的な支えとして相当程度の機能を持つものだというふうに考えております。 以上です。
○小渕(正)委員 この産炭地の地域振興というのは、それぞれの地域の置かれている事情もかなり違いますので、一律的にはなかなか論じられないと思います。そういう意味で、私の周辺で私が考えました場合に、長崎の場合は、産炭地の特徴は一つは離島関係ですね。それからあと一つは、小さな市町村がたくさんあっておりました。県の北の方にあるわけですが、非常に小さい規模の自治体ばかりある。 したがって、ただ産炭地域の振興開発という意味で企業誘致をしていくことによってすべて解決するような地域、そういうものに適したような地域と、そういうことはちょっと考えられないような地域、私は、やはりそれぞれの地域の置かれている状況の中でいろいろ異なると思うのです。したがって、そういう点でただ単にそれぞれの地方自治体また県ともになって何らかの振興計画、開発計画を立てようとしても、そういうことだけではどうしようもない。 今日までのこの十九年間の実績を見るならば、もうここらあたりでそれぞれの地域の特性に応じた、たとえばこの地域については都市圏構想の中でのベッドタウン的なそういう方向で開発していくべきであるとか、これらの地域についてはもっと産業振興をする、企業誘致を重点にしたそういうものを特に考えてやるべきであるとか、そういう一つのビジョンといいますか、そういうものの一つの構想をある程度地域ごとに取りまとめて国がそういうものを指導する、そういう中でやらないと、ただ、いままでのような地方自治体にそういう開発計画その他を立てさせながらやらせようとしても、現状より脱却することは困難ではないか、私はこういう気がするわけです。 したがいまして、先ほどから広域地域の開発というようなことも言われておりますが、それぞれの地域の状況、特性に応じたそういうものについての、やはり中央における通産省、自治省、いろいろありますが、ひとつ省庁の枠を乗り越えて、そういうものに対する一つのモデル的なものをつくりながら、そういう形の中で指導育成する、こういうことをしないことには、ただ地域の地方自治体だけに任せておっては、私は、また過去の繰り返しに終わってしまって、お金が単なる後ろ向き対策だけで終わってしまうんじゃないかという気がするわけでありますが、そこらあたりについての委員会としての御見解がございますればお尋ねしたいと思います。
○笹生参考人 いま小渕委員から御指摘をいただいた点は、私ども小委員会としては全く同じような認識のもとでこの答申をまとめて、そしてその特色も、ただ広域ということよりは、むしろ地域特性を生かしたものにするためには、いままでのような影響ゾーン、地域ゾーンということではなしに、広域的な経済生活圏という地域設定が必要だということから出発をし、提言をしているわけであります。 ただ、いま最後に御指摘いただきましたそういったものを、たてまえとしてはここでは十分言い尽くしているというふうに私ども考えておりますが、モデル的な形でもそれをするべきだということについては、私も個人的には、五月のときに参考人として御意見を申しました際にその点は強調をいたしたところでもございますし、恐らくこれらについては行政当局の方もある程度お考えになっているのではないか、そうでもなければ、実態として指導助言をするということはむずかしいことになろうと思っています。 以上です。
○小渕(正)委員 どうもありがとうございました。終わります。
○森中委員長 以上で小渕君の質問は終わりました。 引き続いて小沢和秋君の質問を行います。小沢和秋君。
○小沢(和)委員 先ほど来参考人から、今回の答申の趣旨というのは十年間の単純延長、そしてこれが最後だ、こういうような立場からいろいろ御意見を伺ったわけでありますけれども、私がまずお尋ねしたいと思いますのは、これまでの振興策の弱点というのはどういうところにあったのかということです。 先ほども同じ趣旨の質問があったように思いますけれども、端的に言って一番足りなかったのは国の努力ではないか。たとえば、工場を立地させることによってあの地域の浮揚を図るということが、これまでの主な目標とされておったわけであります。確かに、地元などの努力によって地場の中小企業があの周辺から流入をした。それによって女子雇用型の一定の企業は張りついたわけです。しかし、国が動かなければ、本当にあの地域の浮揚の決定的な決め手になるような大きい企業は、結局今日に至るまで全く来ていないわけですよ。これを地元の努力不足と言って非難はできない、国の努力が足りなかったというのが一番の問題だったんじゃないかと考えるのです。その点はどうお考えでしょう。
○笹生参考人 お答えをいたします。 私どもが地方の自助努力が必要だと言うのは、それは国は努力をしたが地方は努力をしていないから、ここで、この答申でその点を強く指摘したということでは全くございません。これは、地域づくりというもののそもそもが、地域がみずからの英知を傾け努力をすることが前提だということでありますが、その点でこの法律がほかの関係する法律と著しく違っておりますことは、基本計画も実施計画も国が立てているというたてまえになっているところが、むしろわれわれは実態として地域が立てるというふうに申し上げているわけであります。 それから、国の努力で、たとえばいま工業立地というお話がございました。私は工業立地を専攻する者の一人でありますけれども、その面からして、工業の立地条件に国の政策的な、もっと言えば政治的な配慮が優先するということについては疑問を持っておるものでありまして、たとえば東北であるとか幾つかの後進的な地域に私どもが参りまして、そしてそこで成長している企業の要因というものは、むしろそういう政治的な恩恵を排除して、みずからの力を発揮したような企業の方が定着をし、展開をしているというふうに思っておりますので、まあ国の努力の仕方であろうと思います。努力は大いにしなければならないと思いますけれども、企業という私の責任で行為されるものについてのあり方というものは、やはりかなり慎重に取り扱う必要があるのではないかというふうに思っております。
○小沢(和)委員 いま、地元の努力というのは結局決定的だ、これが前提だというふうなお話がございましたが、私は、いままでも地方が計画を持たなかったということはないと思うのです。私は県会議員を長くやっておりましたけれども、福岡県も中期計画とか長期計画とかいろいろな計画を立てました。筑豊をどうやって浮揚させるかというふうなことについてもしょっちゅう計画を練っているわけです。また市町村でも、ちょっとしたところは計画を持っておりますよ。あるいは広域市町村圏というような、これはたしか自治省サイドだったかと思いますけれども、やはり計画があるのですね。しかし、こういうような計画というのも、私はまた国のことを言いますけれども、やはり国のバックアップなどが十分にできていないという中で地方が幾ら計画を立てても、それは絵にかいたもちに終わっているという傾向が強いわけであります。 それで、この機会にずばりとお尋ねをしたいと思うのですけれども、こういういままで立てられてきた計画とどういうふうな違う発想をすればよくなるのか。地元がいろいろやっていることがばらばらだというようなお話がございました。それでは、こういうふうな計画とこういう計画とを一緒にしておったら、もっとお金が安くて、うんとこの地域の振興に役立つような結果が出たのじゃないかというように、あなた方が地域へ行ってごらんになって感じた実例を一つか二つで結構ですから挙げて、ひとつ金より知恵というその知恵のあるところをここで御教示を願いたいと思うのです。
○笹生参考人 地域が主体的に地域の振興整備を図ろうということになりましたのは、実態としては三全総以降でございまして、実例ということよりはいまは意図をし研究をしているという段階でございますから、実例を示し得ないというふうに申し上げてよろしいのではないかと思います。 ただ、そういったものの中で、ここで言う経済生活圏というものの計画づくりがどのような特色を持つものであるかということについては、これもやはり具体的には今後にゆだねられると思いますが、たてまえとしましては、その地域全体の総合的な計画の中に現行の産炭地域施策はどういう部門を担当でき、どう機能し、それから他の諸施策はどういうふうな領域をどう担当し、そしてその地域としての施策の相互の有機的な関係の裏づけが、プロジェクトの有機的な関係の裏側に尽くされているということが一つの必要条件であるというふうに考えております。
○小沢(和)委員 いや、大変抽象的なお話で、それじゃわからないのですよ。国が産炭地振興政策というのを立てるというと、たとえば県などでは、まあ私どもはむしろそういうのに縛られるなといままで言ってきたのですけれども、そういうのを下敷きにして、それでは県でこれを受けてこういうふうにしようという計画、それも工場誘致だけではなくて、県の計画の場合には、いま皆さんがおっしゃっておられるような農業だとか教育だとかいうような施設も含めて、県勢振興のためには筑豊はこうやりたいというような青写真をつくるのですよ。 だから、私は計画はないことはないんじゃないかと思うのですね。それが実行できていないのはなぜかというところまでいかないと、いままでの計画が全然なかったようにおっしゃって、それをいまからつくるべきだということでは助言にならないのじゃないか。もしそれがあったことを御存じでなおかつそうおっしゃるのであれば、いままでのこういうのではここが足りないとおっしゃっていただかないと、これは具体的にありがたみのある忠告にならないのじゃないでしょうか。
○笹生参考人 これは施策のたてまえを言っておるわけでありまして、いま小沢先生の質問はその中身の質問であろうと思っておりますが、そうでしょうか。(小沢(和)委員「どうぞお答えください」と呼ぶ)中身の問題については、これはまず地域の設定から始めなければいけないのであろうと思います。その地域が設定をされたものの中で、そこでその包含される人々がどういう計画の中身をつくっていくかということでありまして、たてまえとしては、その中身を生かすために、いろいろな国の施策は手段として利用するようなところまで計画の精度を高めていく必要があるということを申し上げているわけであります。
○小沢(和)委員 それでは、次の質問をいたしたいと思うのですけれども、法律的には単純延長だといっても、内容的には充実をしなければならないところもあるという御趣旨だと思うんですけれども、私は、一番充実をしなければならないのは国の財政的な措置ではないかと思うんです。そういう角度からお尋ねをしますけれども、俗に筑豊には四大後遺症があると言って、失業とか鉱害とか炭住とかボタ山とか言うわけであります。 前回、私炭住問題を試みに取り上げてお尋ねをしたんですけれども、現在のスピードで炭住が改良されるためには約三十年からかかる、こういう数字がそのときも確認をされているわけです。ほかのものも同じで、少なくともこの四大後遺症を取り除くということは十年の間に最低やらなくちゃならないことだと私思うんです。そのためにも、国の予算というのは飛躍的にふやさないと、とても終わらないと私は思う。そういう意味からいっても、これは予算的にもっと抜本的な措置が必要だという御認識なんでしょうか。
○笹生参考人 お答えをいたします。 予算的な措置を抜本的に充実をするということが最重点であるというお話がありましたが、私どもの認識としては、この十九年の間で、確かになお格差が埋まらないところがございますが、総体的には効果は上がっておる。もし総体的に効果が下がっている、悪い面が出ているという状況であれば、国のこういった財政事情の中でも充実を図れという答申をまとめ得ると思いますが、私どもの認識では、この十九年間の政策努力の結果、かなりの効果は上がっておるというふうに認識をしておりますので、むしろそれはお金の問題よりはやり方の問題だと再々申し上げておりますが、そういったふうなことを考えております。
○小沢(和)委員 私も、いままでやったことは全くゼロだった、そんなことを言っているわけじゃないんですよ。それは一定の効果はあったでしょう。しかし、これが最後の十年間ですよと先生方はおっしゃっておられる。そうすると、この十年以内にやり上げなくちゃならないわけですね。じゃ、やり上げるとなったらどうか。いま筑豊で、私先ほど炭住の例を申し上げましたけれども、この炭鉱住宅の改良を済ませるだけでも現在の予算の規模を三倍にしなければ終わらないということは、これはそれこそ小学生でもわかる理屈じゃないんでしょうか。それについて先生の方は、あるいはいまのままのテンポでいったらこの十年間で終わるんだ、打ち切っていいんだというような状況にすでになっておるという御認識をお持ちだとすれば、これは筑豊の実態と余りに隔たっているんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○笹生参考人 ただいま例として挙げられました炭住の問題というのは、小委員会の中でも、少なくても、見たところで炭住の問題が解決されればこれは産炭地のイメージが格段に違う。ですから、これを重点的にやはりやるべきだという意見が何度か出ました。そういった点で、この炭住の施策等について建設省の方々とも何度かお話し合いをいたしましたが、結論的に申しますと、これは現行の予算の枠が少ないために実施がおくれているということよりは、それ以前のところにむしろ問題がある。予算的には特に制約条件にはならないというお話があり、私どももそれについては了承をしたということであります。
○小沢(和)委員 いや、私が炭住だけを例に挙げたから、炭住については住民の皆さんの合意という前提がなかなか得られないという問題が一つあるのです。それはおっしゃるとおり。しかし、たとえば鉱害にしたって同じことが言えるわけじゃないでしょうか、先生。 まあ私、この四大後遺症だけにこだわるわけにいかないと思うのです。そのほかにも先生方が言っておられる、工業の誘致だけではだめだ、だからこれからは農業もあるいは都市機能とか、いろいろな角度から地域を浮揚させるための措置が必要だ、これは私も同感なんですけれども、そうすると、そのためにも、従来と同じような財政援助ではこういういろいろな手を総合的に打っていくということはできないと思うのです。 何か調整費というのが十一億円、いま予算要求されているようですけれども、十一億円というのは、そういう壮大なあの地域の総合的な復興発展のための費用としては私は余りに小さい。しかもそれは、同じどんぶりの中でちょっとやりくりして十一億円ひねり出そうというんだったら、これは抜本的な浮揚には私はならないんじゃないかと思うのです。 それから疲弊した市町村への振興策という点では、地元の皆さん方からは、いわゆる一般的な財源としてもっと使えるような意味での産炭地の市町村振興債といいますか、これをぜひやってほしいということで私どもも再三陳情を受けているんですが、こういったような面からの財源補強策というようなことは議論にならなかったのでしょうか、あるいはこの援助という中にそういうような考え方も含んでおられるのでしょうか。
○笹生参考人 お答えをいたします。 一番目の十一億何がしの調整費の問題については、これは率直に言いまして私も十分な額だというふうには考えておりませんが、しかし先ほど申し上げましたように、これは現在百数十億の補助金のかさ上げ分がございます。それに対するさらにのかさ上げ分でありますから、恐らく実態としてはこの十数億というのは数十億に該当する、数十億というのはいまの百五十億のかさ上げ分にすると相当な機動力を発揮し得る額であろうと思いますし、さらに言えば、これは来年度の予算でありますから、これは再延長後の期間ということを考えればこの程度にとどめざるを得ないということもやむを得ないのではないかというふうに考えておるものであります。 それから二番目の市町村債の問題につきましては地元から幾つか御意見がございましたが、小委員会としましては、ただでさえ市町村の財政力が疲弊をしているというふうな状況の中では、かえってその負債を増大をさせるきっかけになりはしないかという懸念であるとか、あるいはそういったことが必要な地域の大部分は、過疎債であるとかといった他の施策を援用することによって機能し得るのではないかというふうなことから、特にこの問題を新しく施策の中に投入をするということはどうであろうかという結論になっております。
○小沢(和)委員 それでは、時間が足りなくなってきたようですから、最後に二点お尋ねしますが、一つは、先ほどもちょっとお話が出ておりましたけれども、全体としては、大蔵省はいわゆる補助金のかさ上げというのは打ち切るんだというような考え方を示しているわけですけれども、産炭地を少なくとも今後十年の間に復興させていこうというのであれば、現在のこのかさ上げを、いま先生もおっしゃいましたように充実をする必要こそあれ、これを打ち切るなどということになったのでは、全くとてもとても十年間に振興、復興などということはおぼつかなくなる、何としてもこれは維持していかなければならない、あるいはさらにこのかさ上げ制度の改善充実をしていかなければならない、あるいは自治体などに対する補助も強めていかなければならないというふうに私考えるわけですが、この点、先生はいかがお考えか。 それから最後にもう一つお尋ねしたいのは、先ほどからこれも議論になっておりますいわゆるブロック単位の打ち切りの問題です。これは先生たしか筑豊とか空知とかいうような単位でブロックを考えているということをさっきおっしゃったように思うのですが、私はこのブロックの取り方というのはもっと小さく考えておられるというふうに理解しておったのですけれども、ブロックの取り方について、確認する意味でちょっとお尋ねしたい。 それから端的な数字で切るかどうかということを考えるんだということが書いてあるんですが、これは考えようによっては非常に機械的な響きを持っているわけですね。私のところの隣に中間という市がございますけれども、ここなどは、産炭地で非常に疲弊している真っ最中に北九州市の方から人口がどんどん流れ込んで急増するという状態が生まれた。だから、いままでの炭住などというのに何か手を打つというようなこともできないということで、ここには千二百戸も炭住があるのですが、炭住の改良なんか一番おくれているのですよ。ところが、これが外されたらかさ上げの恩恵も受けられない、だからこういうのを機械的に適用するということになるといろいろ矛盾、問題点も起こる、やはりその点ではいろいろな配慮もあってしかるべきではないかと思いますが、提案をされた当事者として、そのような点についてどうお考えになるか、以上二点、お尋ねをしたいのです。
○笹生参考人 三点の御質問であったと思いますが、第一点の補助金のかさ上げ制度の維持、充実を図るべきではないかということについては、私は全く同感でありますが、それは、この補助金のかさ上げ制度というのが、実はこの制度の中で地域政策的な配慮を組み立てている実体であろうというふうに思っておりまして、たとえば、これは電源立地の場合に交付金だけでなされている政策とこの場合が非常に大きな違いがあるというのは、この一点にむしろかかわっているというふうに思っておりますので、私もこの制度は不可欠なものだというふうに思っております。 それから、二番目のブロック単位については、筑豊、石狩云々のことは申してないというふうに思っておりますが……(小沢(和)委員「言われてなければいいです」と呼ぶ) それから二番目に、指定解除の基準の問題ですが、これは小委員会で幾つか議論といいますか意見が出されましたことは、先ほどのどなたかの御質問の中でお答えをいたしましたが、やはり幾つかの考え方がそのとき出ておりまして、一つは、ここにもちょっと読み取れると思いますが、指定をしたときの基準というものとの絡み合わせということが一つあろうと思います。 もう一つは、ここでは、「端的」という言葉は非常に簡単なという意味合いも一面には含んでおりますが、簡単であればこれはきわめて実態から外れるケースがあり得る。ですから、その実態に即した形では、たとえばそこのいわばフローとしての社会経済水準が他のものとどうであろうかというものとともに、構造的なゆがみというものは一体どうか、さらには、ある程度後遺度といいますか、そういった点との絡みはどうであろうかという、かなり多面的な組み合わせということも考えるべきだという意見もありました。 しかし、それぞれについてはそれぞれの考え方がありますが、これが法律というふうな制度の形で表現をするときには、やはり明快さということが非常に要求されてくるのではないか。どれをどう組み合わせていくかという問題については、先ほどお答えいたしましたように、小委員会として結論はつきませんけれども、それらの問題を踏まえた上で、できるだけわかりやすい基準というものをつくるべきだということが、ここで「端的に表わす」という表現になった実態でございます。 以上です。
○小沢(和)委員 どうもありがとうございました。
○森中委員長 小沢和秋君の質問は終わりました。 引き続いて鍛治清君の質問を行います。鍛治清君。
○鍛治委員 最初に、笹生参考人には、きょうおいでいただきまして、いろいろ御質問に答えていただきましたことを心からお礼を申し上げます。私で最後になりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。 それから、笹生参考人初め委員の皆さんには、審議会の答申をおまとめいただいたわけですが、その御苦労と努力に対しましては深く敬意を表するものでございます。 私は、与えられた時間の中で、最後になりましたので、また途中ちょっと所用があって席を外しました関係で、質問者の内容をお聞きしてないところがございますので、ダブる点がもしありましたら御容赦を願いたいと思います。 審議会の答申の中で、いろいろと御審議をいただいた中で、最終的な審議会答申という形で、いま私の手元にいただいておりますが、答申をおまとめになった、こう思うわけでありますが、その中に、各委員の方々の少数の意見と申しますか、いろいろな意見、論議が交わされたであろうと私は思います。この答申の中にあらわれてないそういった意見等につきまして、差し支えない範囲におきましてお答えをいただければ、私ども、今後また通常国会にはこの産炭地域振興臨時措置法の延長絡みの法案が提出になると思いますし、その際の議論の参考にさせていただこう、こういう意味でお尋ねを申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。 最初に、十年延長の問題でございますが、法の十年延長につきましては、一番最初の方の質問の中で先生は、十年では足りないという意見もあったというふうにちょっとお触れになったようです。さらに私たちはほかの方からも、十年じゃ長過ぎるんだ、こういう御意見もあったというふうに伺っているのですが、こういう内容についてどういう立場でそういうふうな議論を展開されたのか、差し支えなければお聞かせ願いたいと思います。
○笹生参考人 お答えをいたします。 十年という延長期間を結論といたしました過程で、いま御指摘がありましたように、十年では短過ぎる、恐らく十年では残される地域があるのではないかという意見もありましたし、さらに総体的なレベルアップといいますか、そういった状況を踏まえながら、しかも今日の日本の財政状況というものの中で判断をするときには、逆にもう少し短い、せいぜい数年という意見もありました。 私どもは、もっと短い期間であるべきだという意見に対しましては、ここで盛られているような新しい広域的な地域づくりを試みる、それが効果を生むであろうというふうなことについてのこれまでのいろいろな経験ということからすると、数年では短過ぎる、しかも延長という点から言えばこれはかえって民生の安定といいますか、それにもとるかもしれない、そういうことと、それから先ほど来のこの法律の外側にある鉱害とかというふうな問題の進捗状況という点も踏まえますと、十年前後というのが一応妥当であろうという話になりました。 それから、もう少し、十年以上であるべきだという意見につきましては、これはたてまえとしては、法律を延長するわけですから残るということは言ってはいけないことなのかもしれませんが、討議の過程としてお聞きをいただきたいのですが、その場合あるいは残るところがあっても、それは今日産炭地域と言われているところのかなり限られた地域になるのではないか。かなり限られた地域というものに対して、この産炭地域振興措置法という体制でそれに焦点を合わせて措置をするということは、必ずしも妥当ではないのではないか。そのときはそのときの状況の中で、これは違った法体系といいますか制度といいますかそういった形で、あるいはそういう事態が仮にあったとしても、そういったふうな手段というのが考えられてしかるべきだろうというふうなことが討議の過程としてありました。 ですから、それはいいとか悪いとかこうしようとかということは、実は私の解釈でありまして、討議自体はそういう意見がかなり断片的な形でしかも継続的に出された。それで、最終的にはこういうふうな形としてまとめ、違った意見を出された方もそれについては余り異論は言われなかった。したがって、少数意見ではなくて、途中経過ではいろいろな意見がございましたが、最終的には全員の意見が一致しているというふうに御了解いただいてよろしいのではないかと思います。
○鍛治委員 いまのような形で今後の質問もお答え願えれば大変幸いであります。 次にお尋ねいたしたいのは、単純延長か法改正かということで、基本的には単純延長ということでこの答申の意図がなされているようでありますが、先ほどから各委員からもやはり法改正をすべき点があるんではないかという質問が大分出たような気もいたします。そういう議論の中で、途中経過の中でそういうふうな議論がもし出たのであればお聞かせを願いたいし、どういう点でどういうふうな形で議論がなされたのか、差し支えない範囲でお答えをいただければと思います。
○笹生参考人 単純延長は、基本的にそういうたてまえをとっているということについては、まず最初にもう一度重ねて申し上げたいと思います。 その単純延長というたてまえという意向は、私の受け取った範囲の中では、当初から委員の方々の中には相当程度そういう御認識があったように思いますが、しかし、具体的な議論としましては、いわば継続という問題、充実という問題についてはむしろもっと厳しい状況判断という意見の方がかなり強い形で議論が続けられたというふうに理解をしております。それは、何度か申し上げますけれども、一つは総体としてのこれまで十九年の実績の評価の問題と他の施策との比較検討という点、さらには総体もありますが、その中にかなり地域による精粗があるという認識ですね、そういったこと、それからいまの財政上の問題、国家財政というふうな問題から見て、この際少し改めて、法改正というのはむしろもっと厳しい状況の中で考えていくというふうに受け取られてもいい議論がかなり続けられているというふうに御理解いただいていいのではないかと思います。
○鍛治委員 次に、広域的な地域発展というブロックの問題でありますが、いまもちょっと質問に出ておりましたけれども、一応経済生活圏とかいろいろな形の表現もあるようですが、委員の皆さんの御議論の中ではどの程度の範囲でお考えになり議論がなされたのでございましょうか。私の地元がちょうど筑豊、田川方面に当たりますが、どうも私の地元を取り上げて手前勝手で申しわけありませんけれども、そこらあたり福岡県範囲内ぐらいでどういう御意見がまとまりとして出たんでしょうか。もし具体的に議論があったら、お聞かせを願えればと思います。
○笹生参考人 お答えをいたします。 具体的な地域の印地的な議論というのは、一度も議論をしておりません。ただ、どの程度のものであるかというものについては、一つは、現在広域行政圏として建設省の地方生活圏というのが全国百五十前後ございます。それから自治省の広域市町村圏が四百五十くらいであります。恐らくそれの中間的な形あるいはそれとの整合性というものをつけていく必要があろうということと、先ほども申し上げましたが、広域ということよりは、実態としての社会経済的な連携のメカニズムがあるかどうかということをもう一度改めて検討するという視点が必要であろう。 しかし、それは現状の地域間の連携の問題であって、今後のポテンシャルという面、今後の発展をするときの核、あるいはそこにおいては、たとえば産炭地域が一番問題としているのは六条地域でありますから、その六条地域あるいは生活圏の救済といいますか、対策、目標になるところ、それからポテンシャルを持っておる核、これを含めるというふうな形の中で今後即地的に検討され、設定さるべきだ。具体的に——具体的といいますか、たとえて言えば、規模とすると広域市町村圏の段階から地方生活圏の段階の中間くらいの規模というのが、おおむね私どもの頭に了解をしておるところであります。
○鍛治委員 先ほど地域指定の解除の問題も議論の中に出てきたわけでありますが、評価、いわゆる基準と申しますか、その内容については先ほど二点ばかり粗々お話を承りましたが、さらに突っ込んだ形で、具体的に何か基準的なものが議論をされたということであれば、お聞かせを願いたいと思います。
○笹生参考人 お答えいたします。 先ほど私がお答えをいたしました以上の議論というのは、特になかったと記憶しております。
○鍛治委員 いまブロックのお話を伺ったわけですが、解除については一市一町という形で取り上げていろいろな基準に照らし合わせて、その中で達したからこれは解除するという考え方ではなくて、委員の皆さんの考えは、そういうブロック全体が、これは行政サイド、そしてさらには議会で最終的には議論の上決まることだと思いますが、その決まったものについて、全体的なレベルが解除の基準に適合してきたときにこれを解除していくのだ、こういう御見解でしょうか、そこらあたりをお聞かせ願えればと思います。
○笹生参考人 その点について突き詰めた議論はなされていないと思っておりますが、おおむねの了解は、少なくともその地域の平均値がめどになるということではない。そこで、一番われわれが問題としているたとえば六条地域であるとか、そうするとそれは一つの構成する市町村ということになりますけれども、その構成する市町村の中で一番問題なところは果たしてどうであろうかということで、足して平均値で、他の平均に比べて上だからというふうな了解はむしろなかったと解釈されてよろしいのではないかと思っております。
○鍛治委員 この地域ブロックの問題で、それはまとまれば、そこなりのブロック、ブロックごとの特色がございましょうし、いろいろありましょうから、それに伴う長期計画なりを検討して、策定をしてある程度こういうふうに持っていこうという目標を決めながらやっていくべきだろう、答申の御趣旨はそういうことだと思いますが、そういう中で目標というものは地域別にもずいぶん変わってくるような気もいたします。私の個人的な考え方からしますと、そういう目標というものがある程度達成されたときに地域解除をするというものが大きな要素の一つになっていいんではないかというふうにも思うわけです。これは先生の個人的な見解で結構でございますが、この点についてお聞かせを願えればと思うのです。
○笹生参考人 まさに個人的な見解でございますが、広域圏づくりの計画目標と先ほどの指定解除といいますか解除基準といいますか、そういったものは、直截的な関係といいますか、それを計画目標の中に組み入れるということはおかしいのではないか、むしろ計画の目標というのはその地域の一つのビジョンでございますから、もっと個性的な目標があるべきだと思います。指定解除基準というふうなものは恐らくそれの結果として算出されるものだ、そうでなければそもそも自立的な広域圏づくりということはできないのではないかというふうに考えております。
○鍛治委員 次に、指定解除になった場合に経過措置ということにも触れてあるわけですが、この経過措置の内容について委員会で議論された具体的なものがあれば、お聞かせをいただければと思います。
○笹生参考人 お答えをいたします。 具体的にどういう経過措置が必要だということについては議論されておりません。その必要性ということだけというふうに御理解いただいて結構だと思います。
○鍛治委員 これも先ほどから各委員からの質疑にありましたが、補助金の問題、十一条がらみの問題でございますが、これは先生も、大蔵省とかそちらの関係の審議会の答申はさておいて、必要であるというふうな御見解のようです。それに伴って、これは答申が出る前に新聞に出ておりました記事の中で、審議会の答申の中に盛られておるのは、あの十一条がらみの中でそれを切るとかいうのではなくてむしろふやして、具体的には、通産当局にも前に御質問申し上げましたら、特定事業促進調整費という形で今度予算要望やっているんだというふうなことを言っておりました。 これは答申前のことで、新聞の記事では「『特定事業促進調整費』として、来年度予算に十一億円」と具体的に金額が挙がっていたわけですが、答申の骨子で注目されるのは、ブロック別発展計画の導入と、これを裏づけるための特定事業促進調整費、それを来年度予算に十一億の概算要求をなされるということである。概算要求の方は通産でなさったわけでしょうが、これが必要だというふうなことで答申の骨子の中に盛り込まれておるのだ。現実には答申の中ではそういう言葉では触れられてないわけですが、実際に議論なさった中で、これだけではだめだ、広域ということを考えるならばそれの裏づけになる補助金としてはもう一つ進んだ形の——補助金なのか、調整費ですが、出すべきであるという議論というものはやはりなされておったのでしょうか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○笹生参考人 調整費的な予算措置が必要だというのは当初からございました。委員の方からは強くそういう議論がありまして、そのことが現在のいろいろな各省のたてまえとしての仕組みを弾力的に運営する戦略的なものであろう。ただ、これについての実施をどういう形で実施できるかということに、かなり行政当局としては御検討、苦慮されたというか、そういうことであろうと思います。それで、最終的には、それは臨時交付金の拡充という形態の中で、そういった機能を持つ予算というものを生み出すという形になったというふうに御理解いただいて結構だと思います。
○鍛治委員 時間になりましたので、これで質問は終わらしていただきますが、大変長時間、本当にありがとうございました。貴重な御意見をまた私ども検討さしていただいた上で生かしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○森中委員長 これにて参考人に対する質疑は全部終了いたしました。 この際、参考人に一言お礼を申し上げます。 本日は、御多用中のところ当委員会に御出席をいただき、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。 次回は、来る二十六日午前十時二十分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時十一分散会