石炭対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/11/06
会議録
○森中委員長 これより会議を開きます。 石炭対策に関する件について調査を進めます。 本日は、北炭夕張炭鉱株式会社の坑内火災事故後の経営問題について、参考人として、北炭夕張炭鉱株式会社取締役社長林千明君及び夕張新炭鉱労働組合執行委員長三浦清勝君の御出席をいただいております。 参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。 本委員会におきましては、目下、石炭政策の基本問題についてあらゆる角度から鋭意調査を進めておるところであります。わが国の貴重な資源である国内炭の生産を長期的に維持し、向上させていくために石炭企業各社に負荷された役割りはきわめて重要であり、したがって、その消長につきましては国家的な関心事であると言わなければなりません。 このような観点から、本委員会といたしましては、先般、不幸にも坑内火災事故に遭われた北炭夕張炭鉱株式会社の事故後の経営問題につきましても深い関心を持たざるを得ません。 前回の委員会におきましては、本問題について政府当局との間で隔意のない懇談を行ったところであります。 両参考人におかれては、それぞれの立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、相携えて最善の方策を探ってまいりたいと存じます。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず参考人から御意見をそれぞれ十分程度お述べいただいた後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。 なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。 それでは、まず林参考人にお願いいたします。
○林参考人 北炭夕張炭鉱株式会社並びに北海道炭礦汽船株式会社の社長をしております林でございます。御多忙中大変な御審議を煩わせまして、深くおわびを申し上げます。 実はいまから二年前でございますが、五十三年七月、北海道炭礦汽船株式会社が重大な経営危機に陥りまして、五十三年四月に大臣認定をちょうだいいたしまして、生産三社を北炭社から分離いたしまして、三年半、すなわち五十七年三月までの再建の期間をちょうだいいたしまして、改めて生産三社の自立達成を果たす、こういうことで発足いたしたわけでございます。 先般、この九月末で修正再建計画の二年間が経過したわけでございますけれども、この生産三社のうち真谷地炭鉱は計画を遂行いたしておりますが、幌内炭鉱並びに当社夕張炭鉱におきましては計画を大きく割るそごを来す、まことに申しわけない事態で推移をいたしました。 ちなみに五十三年下期あるいは五十四年度あるいは最近の五十五年上期の出炭量で、その結果を申し上げますと、日産でございますが、四千三百あるいは四千五百を政府、各界にお約束を申し上げたのでありますが、残念ながら平均いたしますと、日産量で申し上げまして三千五、六百あるいは七百トンの推移で今日まで来たわけでございます。 この間、いろいろと貯炭融資あるいは各ユーザーに対しまして石炭の前倒しに対します融資等ということで各界の御支援を賜りまして、何とかこの三社の経営を乗り切ってきたわけです。 そういうさなかにおきまして、先般八月二十七日に坑内の主要排気坑道から自然発火が起こりまして坑内火災に至る重大な災害を惹起いたしました。まことに申しわけなく存じておる次第でございます。 さて、復旧の足取りでございますが、お手元の資料にまとめてございますので、詳細は時間の関係上省略させていただきますが、八月二十七日に災害が起こりまして、その後十月十一日、約四十五日目でございますが、監督官庁の御許可をちょうだいいたしまして、むろん労使が坑内を総点検いたしまして、その上に立ちまして所要の御勧告の保安措置を講じまして、十月の十一日から生産を再開いたしております。災害前は四切り羽を稼働いたしておりましたが、現在は二つの切り羽を稼働いたしております。最近の日産量は約二千トン強まで挽回しておる、こういう情勢でございます。 しかしながら、まだ災害前の状態に完全に復旧しておるわけではございません。通気量が約半分、六割くらいで、通気がまだ機能が回復いたしておりませんので、鋭意これを促進いたしまして、年内には完全にもとの通気の状態に戻したい、その上で、細かいことは省略申し上げますが、各採炭現場を再整備いたしまして、そしてもとの生産状態に戻していきたい、かように考えておるわけでございます。 しかし、今次災害によりまして、当初考えておりました採掘区域を大きく変更しなければならぬということがございまして、まだ後遺症が残りまして、当面の安定した生産体制と申しますか、なおかつ一年かかる、こういうような現在の見通しでございます。 さて、復旧に当たりまして、私どもも先ほど申し上げました二カ年間の実施状況の経緯にかんがみまして、労使相ともに話し合いをいたしまして、九月二十三日でございますが、まず復旧に当たりましての基本的なわれわれの姿勢を考えたわけでございます。日夜を分かたず復旧に当たるのは当然のことでございますが、さらに復旧員の数、働く方々の数を計画量に合わせましてはっきりと確保する。このために、逆の表現でございますが、出稼基準、解雇基準を大きく上げまして、とにかくみんなでがんばって再建していこう、こういうことも組合と話をしたわけでございます。 なお、作業能率、掘進その他の能率につきましてもひとつ思い切って上げてがんばっていこうということで、作業量、一つのノルマでございますが、こういうものの引き上げも提案いたしまして、相ともに合意いたしております。 なお、私どもは今回の災害復旧に当たりまして、二度と前の状態−前の状態という言い方はいけませんが、安定した生産体制を必ずとっていきたい、そのためには、第一には、やはり今回の災害にかんがみまして保安対策でございます。それと同時に切り羽の骨格、坑内の骨格を必ず先行しながらやっていく、こういうことも考えまして、そういう精神で現在やっておるわけであります。 なお、経営管理の面につきましても、従前の実施状況にかんがみまして鋭意改善強化してまいりたいということで、これも組合にも提案いたしました。現在実施中でございます。 さて、復旧費でございますが、災害は八月二十七日でございました。九月から当面来年の三月までを第一期の復旧と考えておりますが、所要の資金は八十三億円に達する予定でございます。このうち、災害によりまして実際に原形復旧に要する費用は約三十四億円でございますが、残余のものは、出炭減によりますそういったいわゆる不足資金になるわけでございます。 この八十三億円に対しまして、現在、各界に御支援をお願い申し上げておりますが、この一番の支援の前提になりますのは、北炭夕張炭鉱株式会社新鉱の採算が今後においてとれるかどうか、この点にかかわっておるわけでございます。私どもは今次、各界の御支援に対しまして、将来の夕張新炭鉱の再建、すなわち本当に再建できるか、収支が合うか、採算がとれるか、こういう点を吟味いたしまして御提示申し上げておりますが、現段階におきましてはまだ各界の御了承をちょうだいいたしておりません。やはり過去二カ年間の実績のそごもございます。また、将来いろいろと技術上の問題もございまして、いまだに御承認は賜れない情勢でございますが、なお鋭意検討いたしまして、再度御了解と申しますか、中期経営計画、採算につきまして私どもは再吟味に入りたい、かように考えております。 一応この八十三億円に対しましては、いまのところ大ざっぱに申し上げまして、私ども北炭グループ、これが中核でございます。それから、メーン銀行の三井銀行あるいは北海道庁あるいは夕張市、この中には商工業者も入っておりますが、こういうところの御支援もしていただいておりますが、なお未確定のものも、いま申し上げたような事由であるわけであります。約六割近いものをこういう中で御調達いたしまして、残余を財政資金にお願いは申し上げておるわけでございますが、いま申し上げましたように、中期経営計画のたたずまいに対しましての合意がまだ各界から得られない、現在こういう現状にあるわけでございます。 なお、財政につきましては、私どもはこの八十三億円の不足の前提としまして、従来どおり安定補給金、坑道掘進補助金、保安補助金並びに近代化資金等約十五億円を三月までにちょうだいできるものという前提で、なおかつ八十三億円だというところにも大きな問題を抱えておるわけでございます。 最後に、中期の経営計画でございますが、先ほど各界に御提示申し上げたと言いましたが、私は、採算がとれる山にしたい、また、できる、かように判断はとっておるわけであります。五十六年度、五十七年度二カ年間のお時間をちょうだいいたしまして、五十八年度には採算のとれる山にしてみたい、する、こういう決意で現在労使でがんばっておる次第でございます。 最後に、冒頭に申し上げました三カ年半、すなわち来年いっぱいで自立再建を達成すべきところを、今次災害、なお前二カ年間の実施状況のひずみからさらに二カ年間の延長をしなければならぬ、こういう事態に立ち至りましたことにつきまして、深く政府並びに関係支援方面におわびを申し上げる次第でございます。
○森中委員長 ありがとうございました。 次に、三浦参考人にお願いいたします。
○三浦参考人 私は、夕張炭鉱労働組合の執行委員長をやっております三浦でございます。きょうは衆議院の石炭対策特別委員会の諸先生方の皆さんには大変な御多忙のところを、私どもの会社のための御審議をいただくために、かつまた、本委員会におきまして私が参考人の立場から意見を述べさせていただく機会を与えていただきまして、心からお礼を申し上げる次第でございます。 ちょうど五年前の昭和五十年の十一月の末に発生しましたあの幌内炭鉱の大災害以来今日まで五年間、政府を初め関係各方面の大変な御支援やら御協力をいただきながら、今日なお北炭が再建のめどが立っていない。さらにまた、その北炭再建の基本になります夕張新炭鉱の計画の未達のために、私ども、皆さんに大変な御迷惑をかけておりますことについてもおわびを申し上げなければなりませんが、会社の最悪の状態の中での八月二十七日のあの坑内自然発火でございまして、重ねておわびを申し上げるところでございます。 諸先生方の皆さんに、今日までの労働組合としての取り組んでまいりました各点につきまして若干申し上げまして、さらにまた、災害以降のただいま林社長が申し上げました内容等につきまして、労働組合の立場から若干申し上げたいと思います。 先ほども申し上げましたように、昭和五十年から始まりました北炭の再建問題、私ども労働組合の立場から絶対に会社を倒産させない、かつまた、いまの日本のエネルギー事情から山を閉山させてはならないという組合の方針を堅持しながら五年間参りました。この間、会社の現状から、私ども期末手当かつまた毎年の賃金等につきましても、これから若干申し上げますけれども、かなり組合員に犠牲を負わせてきたつもりでおります。 その例を申し上げますと、まず期末手当でございますけれども、上下年二回、日本の炭鉱の各労働組合は、会社に要求を出しまして金額を決めておりますけれども、北炭は、五十一年の上期から今日まで、年二回でございますから、九回にわたって大手四社の妥結の半額に決定をしまして、その延べ金額については、大体九回分で百六十万くらいの格差がついて、四社と比べて低くなっている現状でございます。かつまた、年一回の賃金の引き上げについても、五十一年は四社の決定した六〇%が北炭の労働者の賃金の上昇額でございます。また五十二年は七〇%でございます。さらにまた、五十三年については賃上げゼロという状態でございます。さらにまた、昨年の五十四年については大手四社の五〇%という状態でございます。 このように、期末手当も四社の半額、延べにして百六十万くらいの低い額、かつまた賃金も、労働者の労働の報酬の基本になります賃金が四社よりかなり格差をつけた低い額で決めざるを得なかった会社の現状、私ども冒頭申し上げましたように、絶対に山をつぶしてはならないという組合の方針を堅持しながらも、会社を再建するために、このような状態でがまんをしてまいりました。 先ほど林社長も触れましたように、五十三年の十月二日から関係方面の御理解をいただきまして、これで何とか北炭を再建しようという修正再建計画がスタートを切って今日まで二年間たちました。この間も、どうしても新鉱の能率が上がらない、出炭計画が達成されない、こういう状況から何回かにわたりまして、その時点時点をとらえまして、会社の方から緊急提案という名前で作業管理あるいは作業量の引き上げ等について協議決定しまして、前向きに労働組合として取り組んでまいりましたが、何せ坑内条件が整っていないという状況もありまして、この決定したそのものの実績が上がりませんでした。 特に、昨年の三月に、どうしても会社の自活体制をとらなければならないという名目で会社から提案を受けまして、短期間のうちに交渉を妥結いたしました。その内容は、私ども労働組合の仲間を八十数名戦列から離さなければならないという合理化協定でございます。かつまた、この時点でも作業量の引き上げ等を決定しました。そして、私は努力をしてまいったつもりでおりますけれども、残念ながらそれ以降も、今日に至るまで計画の未達が続いております。大変御迷惑をかけている次第でございます。 こういう中で、八月二十七日のあの自然発火でございます。私どもは大変に悩み、苦しみながら実は九月二十八日、私どもの組合の最高決議機関であります大会を午前九時から開催しまして、午後十時十分まで十三時間十分議論に議論を重ねまして、最終的に、今日まで堅持してまいりました山を絶対につぶさない、がまんしよう、努力しようという決定をいたしました。 そのちょうど五日前、先ほど林社長が触れましたように、これまでの努力は努力としても、本当に最後の死力を尽くしてがんばらなければならない、この決意から会社の提案をまともに受けまして、労働組合の憲法であります労働協約を一時たな上げしてもがんばらなければならないという基本的な考えから、皆さんに配付いたしました協定書を会社と結んだのでございます。 その協定書の基本は、これまで労働協約にあります出稼率、直接員が六四%、間接員が七五%という労働協約の数字を引き上げまして八〇%、八五%に達しない者は努力が足りない、こういう立場からやめてもらわなければならない、残念ながらわれわれの再建の戦列から離れてもらわなければいけない。さらにまた、先ほど申し上げましたように、これまでも何回かやってまいりました作業量の引き上げについても決定をいたしました。これは労働組合としての本当に本質を捨てながらの協定だと私は理解しておりますし、この協定の内容を完全に実施することによって、労働組合として、会社の再建の条件は備わるというふうに確信を持っております。 ただいままで申し上げましたけれども、私どもの労働組合のこれからの実績を本当に皆さんに示さなければならないという責任を痛感しておりますけれども、私どもの立場に特段の御理解をお願い申し上げまして、きわめて簡単ですけれども、私からの意見にかえさせてもらいます。
○森中委員長 ありがとうございました。 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。 —————————————
○森中委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺省一君。
○渡辺(省)委員 林参考人、三浦参考人、災害復旧で心身ともに大変疲れ切って、いま東奔西走中と思いますが、きょうは国会の石炭委員会に御出席をいただいて、いろいろと実情を聞かしていただけることに相なったわけでございますが、大変御苦労さまでございます。 私は、時間が二十分程度でございますからかいつまんでお伺いしたいと思うわけでございますが、いま私が質問をいろいろさせていただく前提は、御案内のとおり、石炭第七次答申はいわゆる六次の延長ではない、それは新答申である、そういう観点に立って、エネルギー全体の中での石炭をひとつ再評価すべきである、こういう論議も非常に高まっているときでございます。 同時に、私も少しく関係があるわけでございまして、夕張の商工業の方々から、実は今度の災害復旧について夕張市も北海道庁も、財政的な面も含めて、日本の産炭地である北海道、そして夕張である、むしろ悲壮感に満ちた決意の中で、自分の郵便貯金をおろしてでも商工業者が一致結束をして再建する、そういう一つの考え方に協力をしていきたいと思うんだけれども、自分の貯金をおろしてまで北炭再建をこいねがう、そういうことは、国政の中でいま進められている幾つかの計画が必ず遵守できますかというような素朴な問い合わせすらあるわけでございまして、私も、そういう期待を背負っている人たちにこたえてあげる、それは、とりもなおさず石炭産業の将来展望を見詰めて、北炭にこの際はぜひひとつがんばってもらいたい、そういう気持ちでいるわけでございます。いまいろいろ御意見をお伺いしますと、労使双方ともに大変な決断をされていま再建に取り組んでおられる。三浦参考人の御意見をいま聞きまして感銘を深くしているわけでございます。 そこで、一つお伺いしたいのですが、いろいろ御意見はありますけれども、災害復旧と、それから中期展望と申しますか、いま提出された表を見ますと、五十五年は日産大体三千二十トンそれから五十六年は四千二十トンですか、この出炭計画そのものが遵守されるという坑内条件や労使双方の合意、資金的な面も含めての計画になるわけでございますが、出炭ができるかできないかということが再建の大前提になるわけでございますが、これらの展望についていま社長からは、まだ計画そのものが成案として十分に熟していないという中間報告的なお話もございましたが、それらの展望について、もし計画がある程度煮詰まっているのなら率直に、出炭規模も含めた体制についてひとつ御報告をいただきたい。 それからあわせて、これは災害の復旧途中で大変失礼なことを申し上げるかもしれませんが、北炭に対するいろいろ厳しい御意見も実はあるわけでございまして、その中の一つに、きょうは端的にお伺いしておきますが、保安問題やあるいは採炭に伴う計画が遵守されるという意味から申し上げまして、技術的な面で、少しく北炭は外の血を入れてでももっと災害が起きないような、特殊な炭層条件の中でやれる、そういうことを考えるべきでないかという意見も実は聞かぬわけではございません。そういう体制問題も含めてひとつお答えをいただきたいと思います。
○林参考人 いま議員からございました夕張市の商工業者の問題、私どもも身につまされて本当に感謝をしておるわけであります。総額約一億から一億五千万に達します拠金ができたように私どもにお話がございました。本当に町の方々が身を切るお金を御支援賜っておることにつきましては、議員のお話に沿いまして深く感謝をしておる次第でございます。 いま御指摘の点、まず一点目でございますが、災害復旧、それからまた今後の中期展望におきます出炭計画の確度の問題でございます。お手元の表にございますのは、当面五十六年度までの私どもの計画の出炭を、二ページでございますが、表示したものでございます。ここにございますように、先ほど私が申し上げましたように、安定生産体制と申しますか、坑内の生産体制のバランスを二度と崩さないように坑道維持もしっかりやる、またこれからの準備掘進もがっちり固めていく、切り羽のそういった骨格もちゃんとつくっていく、これを念願にしまして現在切り羽を順次稼働せしめる、段階的に出炭が上がっておりますのはそういう私どもの決意でございます。 この表にございますように十月が千三百三十九トン、これは日産量でございますが、これは実績でございます。私どもは計画で千トンと思っておりましたが、やはりいま申し上げたように坑内、いい現場をつくっていけば出稼も上がります。現在八三・五%、災害前は約八〇%弱でございます。いい現場をつくっていく。また先ほど三浦委員長も言いましたが、もう最後の機会とわれわれも判断しておりますので、そういう意味で出稼も上がる、そういう総体の組織の結集というものがこういう数字にあらわれるわけでございます。 また、現在十一月初頭でございますが、日産量で千八百六十トンになっておりますが、現状は二千二百トン、こういうかっこうでございます。以下順次出炭を上げてまいりまして五十五年下期、ここにございますように二月、三月あたりからほぼ前の状態と思っておりますが、まだ若干後遺症もございますので、この表にございますように、さらに一年たちました来年の五十六年の下期あたりから払いを四つにいたしまして、四千トン強の出炭を確保していきたいというぐあいに考えております。問題はこれから先でございまして、五十七年度、五十八年度、さらにそれ以降の展望がどうかという議員の御質問だ、こう判断いたします。 私が冒頭意見で申し上げましたように、まだ五十六年度は災害の後遺症がございまして、完全な生産体制はとれないと見ております。非常に苦戦をする時期だ、こう見ておりますが、五十七年度、五十八年度、このあたりから大きく私どもは発想を転換いたしまして、現在夕張新炭鉱は原料炭一本の生産体制でございますが、これを、一般炭をひとつ新しく生産をしていこう、たまたま現在掘っております区域の九十メーター上の方に一つの層がございまして、六千五百カロリーの一般炭が産出をできる予想でございますので、これと現在の原料炭とを合わせまして、しかも現区域から比較的安定が予想されます別の区域、われわれは北部区域と呼んでおりますが、そちらに大きく転換をいたしまして五十八年度から何とか採算のとれる山にしたい、こういう計画でいま考えておるわけでございます。 先ほど私が展望が定かでないと申し上げましたのは、いま申し上げました新しい一般炭の開発と申しますか、骨格展開と申しますか、こういう点については、これに対します期待される生産能率、あるいは坑道の維持、あるいは通気問題等々につきまして、各界のこれなら大丈夫かということに対します明確な今後の予測ということにつきまして、いろいろ自然条件もございますので、いまだ私どもも審議をしなければならぬ内包されている問題が多くあるという点を申し上げたわけでございます。しかし私は、先ほども申し上げましたように、この災害復旧の中でいい現場づくりをしていく、しっかりつながっていく、準備掘進も十分やっていけばおのずから計画出炭というものは確保されるのでありまして、それを念願にいたしまして五十八年度におきまして採算がとれる山にしたい、かように考えております。 二番目の問題でございますが、保安、これはもう大前提でございます。この件につきましては厳しく再度保安監視体制、保安体制、具体的には今時災害がございました炭層貫縫個所の保安対策、あるいは緊急時におきますところのいわゆる保安連絡体制、避難体制等々、さらに自然発火、坑内火災等々の問題につきましては、私どもはこれから万般の対策を実施してまいりたいと思っております。 また、いま申し上げました計画出炭を二度とそごのないように確保するという前提ではございますが、いま技術につきましての問題が議員から御提示ございました。炭鉱経営の基本はやはり技術管理でございます。技術管理が不足でございますと計画が現場離れしてしまう、思うようにいかない、こういう点がございます。私どもは極力多方面の御意見、御助言をいただきまして計画達成を期していきたいというぐあいに考えております。すでに三井鉱山様からの技術的な御支援を、技術顧問をちょうだいいたしております。さらにこういう面を強化していきまして、無論やるのは私どもでございますけれども、的確な御助言をちょうだいいたしまして実りある計画案に練り上げていきたい、こういう点につきましては実施をしてまいりたい、かように考えております。
○渡辺(省)委員 いま伺いますと、災害復旧は来年の三月までに、当面計画の中で出炭なども当初計画した以上の出炭が出ておる、それは組合の大変な決断によって、委員長ほか皆さん方の指導よろしきを得てそういう成果が上がっておるものと思うわけでございますが、ぜひひとつそういう体制でがんばっていただきたいし、いま保安も含めた採炭技術その他の問題に関連して、他社の技術の粋まで導入してでもがんばるということでございますから、ぜひその点はひとつ配慮をしていただいて、がんばっていただきたいと思います。 そういう一つの展望を立てる中で資金等の問題につきまして、従来最も新しい新鉱開発の投資をしたのは北炭でございました。恐らくその投資がいま返済の時期に入っているのではないかという感じがするわけでございます。返済の時期と災害と重なるからどうも北炭は国の金を使い過ぎるじゃないか、財政資金を借りる、少しく甘えの構造があるのじゃないかなんという話すら耳にするわけでございます。それは別として、復旧計画、いま計画以上のペースで進んでいるということでございますから、ぜひ財政的な面で——自己努力もされておると思うのでございますが、その自己努力だとか、それから三井グループといいますか、三井銀行を初めとするそういう支援体制等についてめどがついているならひとつお伺いしたいし、そして災害の制度も国の制度もございますが、今回の北炭の災害にはあの法律は適用にならないようでございますが、財政資金として国の援助融資などをどういう形で期待をしておるのか、その計画の中身についてひとつ伺わしていただきたいと思います。
○林参考人 先ほど私は、災害発生は八月二十七日でございましたが、災害発生後の九月から来年の三月までの間に、災害直接復旧費を含めまして総額で八十三億円と、かように御報告申し上げました。 これに対しまして、自己努力、自助努力が当然前提でございますし、この上に立ちまして、どうしても限界がございますので、各界の御支援をちょうだいしておるわけでございます。もう御支援を決定していただいたもの、また現在御審議を賜っておるもの、いろいろございます。 いま議員の方から三井銀行等のお話も出たわけでございますが、繰り返し申し上げまして、大体六割くらいのものをいま外堀を埋めた、こう私は申し上げておるわけでございます。この中にも、財政資金の方にお願い申し上げます前の八十三億に対しまして六割強と申しますと相当な額、五十億弱になるわけでございますけれども、これにつきましても率直に申し上げまして、これからの夕張新鉱の私どもの会社の採算性の問題というものが、正直に申し上げましてまだ各界に、過去の実績、流れとの関係からいきまして明確に御認識願えないというのが大きなネックになっておるわけでございます。 しかし、三井銀行一つを例にとりますと、今次災害に対しましては御支援を基本的に御同意はちょうだいをしておりまして、一部も実行を賜っております。 そういうわけで、私ども北炭全体の、全体と申しますのは夕張社だけでございませんで、ほかにも友山としましての幌内、真谷地あるいは空知炭鉱、さらには北炭から分離いたしました十八社の関連会社があるわけでございますが、その資金は極力今次災害に投入するように現在考えて手配をしておるわけでございます。いろいろつかみ方がございますが、約二十億円ぐらいのものは私どもの努力で何とか消化をしてまいりたいというぐあいに考えておるわけでございます。 また、議員からもお話ございましたが、市の商工業者、夕張市、それから北海道庁、この道庁の御資金の裏には日本炭鉱労働組合の債務保証と申しますか担保と申しますか、そういう御支援もちょうだいをしておるわけであります。 そういう中で、三十億円強の御支援につきまして財政当局にお願いは申し上げておりますけれども、先ほども申し上げましたように、補助金あるいは生産近代化資金等、これすらも、本来の基準から申しますと、採算のない山についてはこれは財政上出せないわけでございますが、これも実は加えてお願いを申し上げておるわけでございます。それは八十三億の不足資金のうちですでにちょうだいできるという前提で実は大胆に織り込んでおるわけでございますけれども、この三十億円強の財政資金に対しましては、現行法規の中で許される返済猶予措置等を中心にいたしました御措置を賜りたいということでお願いを申し上げております段階でございます。
○渡辺(省)委員 そうすると、災害復旧に対する当面の措置は、道庁だとか三井グループ、夕張市その他含めて北炭の自己努力というのは大体八十三億のうち五十億程度、あとは財政資金だ。財政資金といいましてもそれは新しく借りるのですか。それとも、いま少しく説明があったわけでございますが、具体的に当面、来年の三月まで災害復旧計画の中には新しく財政援助等を期待した、そういうお願いとしてこの中に入っているのでしょうか、その点ひとつお伺いしたいと思います。
○林参考人 三十億円強の御支援を賜るようにお願い申し上げておると申しますのは、本来夕張社がお返しをすべき過去の財政資金、すなわち設備投資等々にかかわりますところの約定返済分でございます。これの御返済延期を中心にお願いを申し上げております。また、そのほかにもお借りしておりますものがございます。こういったものにつきましての返済猶予を主力にお願いを申し上げておるわけでございます。 しかし、いま申し上げましたように、返済延期ではございますが、傍らこの新鉱のこれからの設備投資に対しますいわゆる財政の新債あるいは補助金というものは、先ほど申し上げましたように約十五億円近いものを、私は頭からこの八十三億の不足の中ですでにいただけるものということを繰り返し申し上げておるわけであります。したがって、財政のお立場から考えますと、返済延期に加えてこの十五億の御新債をどう御措置なさるかという議論になるのじゃなかろうか、こういう点をいま議員に申し上げたわけであります。 そのためには、やはり私どもとしましてこれからの中期の展望を、一遍お出しはしておりますけれども、各界のそういった御批判がございますので、それをさらに明確にしまして、その地盤に立ちましてお願いをしなければ、かように考えておるということを申し上げたわけでございます。
○渡辺(省)委員 質問が下手なのかどうかわかりませんが、時間がなくなりましたので、いまいろいろお話がありまして、概略はよくわかりました。 それで、いま地方自治体もなかなか大変なわけでございますが、結局町を守りたい、地域を守ろうということで夕張市あるいは北海道庁、それぞれ当面措置をしたわけですけれども、この融資その他は時期は大体どういう考え方で援助してくれたのか、その辺ちょっとお知らせいただきたいと思います。
○林参考人 まず北海道庁でございますが、この十月並びに今月十一月の私どもの会社の従業員の生活資金、すなわち給料、賃金でございますが、これに対しまして北海道庁から御支援を賜る、総額で約七億に達する、これが一点でございます。 それから夕張市でございますが、これは同じく十二月の当社の従業員の生活資金ということへの御援助ということで、商工業者並びに夕張市の方で御貯金並びに御融資で十二月に融資をする、かように現在なっております。
○渡辺(省)委員 いまの問題、私はこだわるわけじゃありませんけれども、最近地方自治体も大変だし、炭鉱とともに生きなければならない商工業者も山をつぶして自分たちの生活はない、地域を守りたい、そういう意欲から措置したものと思うわけでございまして、私は通産当局に対しても、これらの問題については北炭の再建計画そのものを十分吟味しなければならないけれども、こういう災害のために自治体や地元の人たちが協力をした、これらの努力は多としてひとつ評価してもらわなければならぬと同時に、再建計画の中でこれらの要素を政府の責任においてもやはり考えていくべきではなかろうかという意見を実は申し述べてあるわけでございます。北炭社も苦しいだろうけれども、自治体も大変な決断のもとで措置をしたものと思うわけでございまして、この点をひとつ指摘をしておきたいと思うわけでございます。 それから、せっかくきょう三浦委員長さんお見えでございまして、先ほどお伺いしますと、いかに労働組合として山を守り炭鉱を守ろうという意欲があるにせよ、大変な決断をされているわけでございまして、大変気の毒だなという感じすら持つわけでございますが、労使で話し合いをして山を守ろうということで決断をされたわけでございますから、そこでお伺いをしておきたいのです。 従業員のボーナス等は三年間くらいの実績を見ますと他社よりうんと下がっているわけですね。これは給与を他の石炭会社と比較すると、一体どんな給与水準に置かれておるのか。それから、かなり厳しい労働条件を決断されているわけでございまして、したがって、三月までの復旧にはこれは大変成果が上がっているわけでございます。これらは引き続いて中期計画の中で、体力の限界というか、そういうことも含めて、みんながやってやろうということになるのかならぬのか、委員長さんの立場から、この辺もしお聞かせ願えるならお伺いしておきたいと思います。
○三浦参考人 先生の御質問に御答弁申し上げます。 先ほども申し上げましたように、一点目の問題につきまして、期末手当が他同業四社と比較しまして五〇%でございまして、今年度の上期、他社は三十五万五千円ですか、当社は十七万二千五百円、ちょうど五〇%ということでございまして、期末手当については、修正再建計画上その期間は五〇%という協定がございます。その面では他社の五〇%ということが言えます。 それから給与水準そのものでございますけれども、これも先ほど申しましたが、基本になります毎年のベースアップは必ずしも同業他社と同じではない、かなりの差がついておると思います。ただ、その月その月の収入そのものは他社と比較して残業等が多ければ金額が変わってきますから、必ずしも基本賃金が低いから総収入そのものが下がるということにはならないと思います。ここに同業他社とわが社のはありますけれども、確実に数字を比較できないのはきわめて申しわけないのですけれども、そんなに大きく違うとは思っていません。それは労働時間の延長等によってそういうことになると思います。 それから二つ目の御質問ですけれども、これからの会社の計画でございます。これは今日まで計画が未達だということに若干触れなければ御理解いただけないと私は思うのですが、いままで達成できないものが、今度のこの協定を実施することによって、この計画の数字がすべて達成できるのか疑問だぞという御質問だと端的に理解しています。 いままではどちらかといいますと、つくった開発当初から、新鉱の出炭計画の数字そのものが先行して、必ずしも坑内条件と一致しない数字を出さざるを得なかった事情にあったのではないか。今度は会社が出しましたこの数字については徹底的に山でも議論をしました。そして五十八年までの計画について私ども同意をいたしました。ここで率直に申し上げて、私ども純粋な意味での炭鉱の技術屋ではありません。 ですから、先ほど社長が触れました平安八尺層の開発などの計画を持っていますけれども、実際に到達しなければ達成できるかどうかわかりません。しかし、作業能率等を上げることによって達成できると言わざるを得ないわけです。ただ、その作業能率を引き上げるための諸条件を会社と徹底的に議論をして決めたということであります。それはたとえば通気対策をして高温現場を解消するとか第三立て坑を掘削して坑道に合った通気のとれるような体制をとるとか、そういうものについての計画も会社から出されている計画の中にある。したがって、今度の協定はこの計画に合わせて組合ががんばってくれるし、がんばるというふうに確信を持っております。
○渡辺(省)委員 これで質問を終わらせていただきますが、いま三浦参考人のお話をお伺いいたしましても、労使双方が協力するという言葉の問題ではなくて、大変な決意としかもそれだけの理解をして決断をされているという話を聞きまして、大変心強く思っておるわけでございますが、われわれも与えられた場の中でこの再建が早くできますように努力したいと思いますが、ぜひがんばっていただきたいとお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○森中委員長 渡辺省一君の質問は終わりました。 引き続いて岡田利春君の質問を行います。
○岡田(利)委員 林参考人に前段二、三お聞きいたしたいと思う点があります。 一つは、北炭三社分離をして、それぞれ分離された会社の負債というものは、明確に分離した炭鉱に整理をされておるはずであります。そこで現在、夕張炭鉱株式会社の負債はどの程度になっておるか、できれば、そのうち政府資金、市中銀行、その他、大まかに分けてこういう分類になるんではないかと思うのですが、この内容についてお知らせ願えれば幸いだと思うのです。
○林参考人 二年前に三社分割いたしまして、その段階で約千二百億円ございました負債を三社に分けたわけでございます。三社という言い方はいけませんが、大ざっぱに申し上げまして半分近いものを北炭本社に凍結いたしまして、そして夕張新炭鉱、夕張炭鉱株式会社には四十五年から新鉱開発をしました主として新鉱開発資金、幌内炭鉱株式会社には五十年十一月に起こりました幌内炭鉱災害復旧資金、これだけは当面労使が挙げて返すべきであるということで三社に分割をいたしました。 五十五年九月末の借入金の状態でございますが、数字を申し上げたいと存じます。先ほど三分類で御指摘ございましたので、夕張炭鉱でございますけれども、いろいろとりょうがございますけれども、総額で四百六十六億円の借入金残高がございます。このうち、過去三回にわたりまして政府が肩がわりをしていただきました借入金残高が八十七億円ございます。これはいま肩がわりをしていただいておるわけです。みずからお返しをしなければならぬ借入金でございますが、政府系資金としましては二百八十六億円に達すると見ております。大きくは新エネルギー開発機構様、日本開発銀行様が主力でございます。二百八十六億円でございます。市中民間金融機関でございますが、七十三億円ございまして、残余、これはユーザーその他でございますが、新日本製鉄さん等でございますが、二十億円、合計で四百六十六億円、こういう借入金の残高でございます。
○岡田(利)委員 幌内炭鉱の生産状況も今日停滞をいたしておるわけですが、私は幌内の現地の諸君に生産の見通しについて若干意見を聞いたわけです。現在断層に逢着いたしておりますから出炭が落ちておるが、今年度、いわゆる三月末で見た場合には一体どうなのか、一体どこまで達成できるのか。夕張新鉱同様に努力をされておるようですが、現地の現場の諸君の意見では、幌内の今年度の目標は三月末トータルではほぼ達成できるんではないか、こういう話も聞いておるのですが、社長として幌内の今年度生産の達成見込みについてはどういう見解でございますか。
○林参考人 幌内炭鉱でございますが、私どもの今次の、五十五年の下期、十月から三月まででございますが、平均日産量で申し上げまして四千二百トン強、全体の六カ月間の量でいきまして六十四万トン強ということがこの大前提でございます。 ちょっと蛇足になりますが、夕張災害復旧に当たりましても友軍の幌内からの御支援も賜らなければならぬ、その前提は、この出炭がいかに確保できるかという点にかかってくるわけでございます。現状はいまきわめて低位でございます。これは現在切り羽を四つ動かしておりますけれども、そのうちの主力の切り羽がございます。非常に天盤が軟弱な状態にぶつかりまして、切り羽のコントロールができないということで、大幅に減産を現在いたしております。三千トン若干上回る程度の出炭でございます。 いま議員の方から、これが挽回できるかということでございまして、あらゆる措置を現在考えまして、まだ今月はとてもそこに到達はできない。いま申し上げました軟弱地帯を、だんだん改善はされて徐々に回復すると思っておりますが、私どもとしましては、十二月あたりからもとの四切り羽の力が出る体制に持っていける、しかしそれだけでは十月、十一月の減産が挽回できない、全体としてまた大きな資金ショートを来す、こういう危機にございますので、私どもはこの一月、二月、三月、来年に入りまして採炭人員を増員いたしまして、ワンクルー、一つふやしまして、その分で、まだ切り羽に方数から申し上げますと余力がございますので、それでひとつ動かしていこう。それから、薄層採炭の切り羽が一つございます。これもドラムカット、いまはホーベルでやっておりますが、たまたまかつて清水沢にございましたヘリカルドラムカッターがございます。これも急遽そちらに回しまして生産性を上げまして、全体として挽回をしたいというぐあいに現在考えております。
○岡田(利)委員 北炭三社の分離の意義ですね。たとえば新鉱の問題が出ますと、やはり計画を達成している真谷地も労働条件を下げ、これに協力をする。今度の計画もそういうことになっておるわけですね。そうすると三社の分離の意義というものは何であったのか、こう考えざるを得ないわけです。 かつて空知炭鉱の分離をされて、今日、空知の場合には露頭採掘もございますから非常に安定した生産と経営体制にある。したがって、三社を分離するということは、分離責任体制をとらせる、このことを除いて三社分離の意義というものを、私は感じられないわけです。今日結果的に見ると、三社分離というものは生かされていないわけですね。やはり三炭鉱、三社含めて物事を考えていかなければならないという状況になっておるわけですから、そうすると、三社分離の意義というものはなかったのではないかという感じもするのですが、社長としてはどういうお考えですか。
○林参考人 二年前に私どもが、北炭が最大の危機に陥りましたときの基本的な再建の方策としまして、八百億の累積損失、千二百億円の借入金、この重圧下では石炭部門も崩壊をする、こういう判断で、各金融機関、政府にお願い申し上げまして、膨大な借入金を長期にわたってたな上げしていただきました。金利も軽減していただきました。そういう中で、いま議員御指摘ございましたように、三社が今後の生産能力で返済をし得る借入金というものだけを分与いたしまして、いわば分家させた、そして自分が掘りました石炭、すなわちおひつで自分が御飯を食べていく、この自立に徹すべきである。そして、北炭という大きな場でなくて、地域社会と密着いたしまして、そうなりますと管理領域も目が届く。また、財政資金、補助金等々につきましても、これがストレートに各社に反映していく、こういう中でまた実効も上げていく、こういうのがスピリットで発足したわけです。 その基本精神は、実は理念は一向に変わりがないのでありますが、これは北炭社としての私の責任でございますが、発足当初におきまして新鉱が計画出炭が整わない、また新鉱が若干立ち直りますと幌内が五十四年度で大幅減産、こういう事態で二カ年間を経過したわけであります。そうしますと、生まれました三社、私の考え方としましては、計画達成が大前提でありますから、そういう中で計画から行きますと、北炭本社が、三社が掘りました石炭を買いまして、その中でみずから努力していく、労働条件も改善していくというのが本旨であったわけでありますが、遺憾ながら、発足当初におきまして大きなそごを来しました。 そうなりますと、生まれたばかりでございますので、地元金融機関、すなわち在札でございます、お取引もなかなかできない、余力が出てこない、どうしても北炭本社の方で金融をつけなければ、過去の信用の上に立ちましたことをやりませんと三社が崩壊をするということで、議員御指摘のように、理念は持っておりましたが、現実に経理面におきまして、資金面におきまして、どうしても一体というわけではございませんが、お互いに助け合っていかざるを得なかった、これが実態でございます。反省はしておりますが、実態でございます。私は、これから先はやはりそういう姿を改めまして、いま議員がおっしゃいましたこの三社分割の意味、みずから自立をしていくということに再度指導を変えていきたい、やり方も変えていきたいというぐあいに念願はしておりますが、そういうことでございます。 なお、私ども北炭本社は販売をしておるわけでございます。よく私も言われるのでありますが、生産ばかりやって販売をしないということの中に、この分離の経理的な基盤がもともとなかったのではないか、こういう御指摘も各界から私は受けるわけでございます。しかし、住友さんも三井鉱山さんも皆様、その点は実は同じでございまして、いわゆる生産会社は、掘りましたものを親会社に売る、親会社がそれを販売する、こういう図式は変わりはないのでありますが、遺憾ながら発足当初の大きなそごから、御指摘のように分離の意義が失われておることは事実でございますので、今後その点は十分に考えていきたい。その前提は、計画出炭を確保する、採算性が合う前提の上に出炭を確保する。これが大前提でございますので、そういうことでがんばってまいりたいと思っております。
○岡田(利)委員 私は、北炭新鉱の開発計画そのものに大きな問題があったと言わざるを得ないと思っているわけです。もちろん、これは会社が一方的に計画をして開削できるような状態にはないわけです。政府、通産省もこれに厳密な審査を加えて認可を与えたわけですね。しかし私の記憶では、当初の計画は千二百七十名程度で、日産五千トンの出炭をする、能率が百トンになるわけですね。当時、最も能率が高い、歩どまり九〇%近い三井の三池ですらも大体八十六トン程度であったのではないかと思うんですね。当時太平洋あたりでも、これは歩どまりが低いわけですけれども、七十トン強の時代にこういう計画が組まれたわけですね。ですから、いろいろな条件から考えても、六百メートル以下を掘るわけでありますから、ガスも多いし、また盤圧も強いということは初めから予想されておったわけです。その中で新鉱開発の当初計画がこういう形で組まれたというのは、北炭社もさることながら、政府も非常に重大な責任があったのじゃないかなと私は思うのです。 なぜかというと、その後の新鉱開発の足取りを私なりで分析してみますと、やはりずっと尾を引いているわけです。そして開削には一年、若干よけい時間がかかった。それはやはり予期した水とかあるいは地層の条件、こういうものがやはり予想したとおりに出てきた、だから開削がおくれた、三百六億程度の資金が投入されてこの山ができ上がったわけですが、開発がおくれるということは出炭を早くしなければならぬわけです。そうすると、坑道の展開即出炭を開始する、こういう方向に行くわけですね。したがって、初めから出炭を早めなければならない、坑道の展開が非常に不十分であるということにつながっていくわけです。 同時にまた、ここの場合には、私の記憶では、平和の主力が新鉱に来る。次々に閉山した人が新鉱に投入をされる。いわば各山の閉山の寄せ集まりの体制でこの新鉱の労働力を確保せざるを得なかった。しかも、ここに装備された重装備の機械類は、ほとんどが北炭のそれぞれの山ではまだ未消化の機械が重装備を施された。完全な重装備体制をとったわけでありますから、私に言わせるとこれは逆転の発想だ、こういうわけです。そういう形でうまくいければ大したものだ。 だがしかし、われわれが炭鉱の機械化というものを積み重ねてきた経験によると、こなすのには大体三年ぐらいかかるのですね。それが普通一般どこでも、炭鉱を機械化した場合の足取りを振り返るとそういう傾向にあるわけです。したがって、いわばこの重装備を使うのに非常に未熟練である、こういうものが当然この中に出てきておる、私はこう思うわけであります。したがって、盤圧対策も相まって坑道展開が非常におくれてくる、しかし出炭をしなければならない、出炭に重点を向ければ坑道展開がさらにおくれてくる、そしてまた労働力の安定的な確保の問題についてもいろいろな問題がその間に出てきた。こういう一連のケースが北炭新鉱の出炭の足取りになってあらわれてきている。出炭の足取りを見るといま私が指摘したことが非常に象徴的に物語っておるのではないかなと私は思うわけですね。 そしてまた、その間三山の閉山をしておるわけですね。その前に一山の閉山があり、第三次肩がわり以降四山の閉山があって、そして最終的には清水沢の閉山をやる。これでは、安定した気持ちで体制が組めるということにはそごを来す要件がずっと継続的に出てきたということも指摘せざるを得ないのではないか、私はこう思うわけです。私はそういう分析をしておるのですが、いままでの問題点というものを出してこれからを考えるという意味で、いま私の述べた点についてどういう見解か、承っておきたい。 同時に、これは三浦参考人からも、いま私が指摘した点について意見があれば承っておきたいと思います。
○林参考人 生産三社含めました北炭全体が現在非常な経営危機に陥っております基本は、議員御指摘のとおりと判断せざるを得ない、私はこう思っております。 二年前の修正再建計画、実はその一年前にも再建計画を御審議願ったわけでございます。これもすべては新鉱に起因するわけでございます。したがいまして、現在の夕張炭鉱株式会社について財政面あるいは技術面あるいは労働面という三点から議員の御指摘があったわけでございますが、御指摘のとおり、まあとおりということは私の立場ではまことに申しわけない発言になるわけでありますが、この新鉱の開発が大きくおくれた、また百六十億円と思いましたものが三百億円の投資になったという点、また能率が百トンをだんだん補正していって現状では五十トン強しかとれない、いろいろな点を勘案いたしますときに、私ども経営側におきます、この新鉱に対します開発計画というものが、さかのぼりまして、今日の危機を招いておるものということは、私深く反省をしております。 技術の面におきましても、御指摘ございましたように、この二カ年間、振り返ってみますと、坑内のバランスが崩れている。ここに一番問題がある。バランスが崩れていることは、いい現場ができない、やはり坑道維持が十分でない、保安対策が十分でない。一方で出炭については焦りが出る。そうすると坑道維持あるいは出炭面に人を投入していく。どうしても準備掘進が大幅におくれてしまう。また災害率が、百万人当たりでありますが、三百という異常な数字、当然そこで公傷者が非常に多くなってくる。これが出稼率に響いてくる。こういう非常にバランスを崩したままで、まことに申しわけございませんが、二カ年間経過をしなければならなかった。 また、財政上も、御指摘のように、新鉱開発資金を御返済をしていく。われわれは御援助をちょうだいしたわけでございますので、そういう点も、これが重圧になってくることも事実でございます。したがいまして、今次私どもが組合と協議して一番考えておりますのは、まず財政上の問題は別としまして、財政上ということは金融上の問題でありますが。これは別としまして、やはりいい現場、いまの繰り返しの不均衡さをなくすというのが復旧であり、今後の中期経営計画の生産体制の基本であるというのを方針に掲げまして、三浦委員長とも協議しまして、段階的に復旧する、保安上の措置も十分ございます、それをやりながら、やはりこの切り羽の骨格、坑内の体制を整えていく。そうしますと、重装備でございますけれども、払いの管理も後手後手にならぬ、前へ前へ行けるという中で、私は、いわゆる安全率も高まってくる、そういう中で生産能率を上げていく、出稼も自動的によくなる、こういうぐあいに考えて、これから運営をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○三浦参考人 先生御指摘のとおり、新鉱の開発、当初の開発計画そのものに疑問がある。これはもうおっしゃられましたように、人員が当初計画では千二百九十六名、能率が百トン、こういうことで新鉱の開発にかかって、結局日産五千トン、この数字が、先ほどもちょっと渡辺先生の御質問にお答え申し上げたのですけれども、数字が先行しちゃって、結局五千トン体制はとれない。そして、途中で私ども会社といろいろ協議しまして、五千トンを出すには坑内員二千以上いなければ出ませんよという点について合意した時期もございました。 また、五千トン体制はどうしてもとれない、計画の変更だということで、四千五百トンという数字を決めたこともございました。その四千五百トンも達成できない、結局修正再建計画では四千三百トンという日産数字を決めました。 こういうふうに、計画数字が先行して、結局未達未達で各界の大変な御指摘を受けた。これが新鉱の状態でございまして、こういう点から判断すると、先生のおっしゃられるとおり、新鉱の当初開発計画そのものに問題があるという点については私ども認めざるを得ない、こう考えています。 そこで、二つ目の御指摘にありました、新鉱の従業員の構成そのものが閉山を経験したいわば寄せ集まりだ、なるほどそのとおりでございます。当初、平和から閉山をした私どもの組合員が九百名、夕張一鉱の閉山した組合員が三百名、こういう人員でございました。それからさらに夕張新二鉱を閉山した者、そしていま清水沢から閉山した者、さらにまた現地で採用した炭鉱の未経験者が約四百名ぐらい、合計するとかなりの人数になりますけれども、この間大変な退職者もございます、定年や自己都合でやめる者もおりまして、現状では千八百五十名くらいの坑内人員でございます。 このように、確かに寄せ集まりの炭鉱でございます。先生も炭鉱出身でございますから御承知のとおり、炭鉱で一つのカラーをつくるというのはかなりの期間が私はかかると思います。もう新鉱が営業出炭を始めて五年でございますから、当初は確かにそういうきらいがありましたけれども、徐々にでございますけれども新鉱カラーができつつある、私はこういうふうに考えています。 ただ、社長も触れましたように、出稼率が低い、こういう点でずいぶん指摘をされましたし、今度の差し上げました協定を結んだわけでございますけれども、これを申し上げますと弁解になりますので余り言いたくありませんけれども、こういう寄せ集まりの関係から通勤者が非常に多い。 これは炭鉱独特の労務管理からいきまして、その炭鉱周辺に居住地を造成するというのが本来の形だと思うのですけれども、まだ住宅関係については計画途上にありまして完成されていない、こういう関係から、それぞれの閉山した山から通勤している者がいる。炭鉱は一、二、三番方ありまして、こういう状況から出稼率が必ずしも通勤着が高くない、こういう状況にありましたけれども、ただいま申し上げましたように、弁解になりますので、そういう点は余り申し上げたくありませんが、これからは何とか出稼を上げて、人員が足りない、出稼率が低いために坑道掘進なんかが影響を受けるということがないようにがんばらなければならないと思いますし、完全な新鉱カラーを、山を愛する新鉱カラーを一日も早くつくらなければならない、こう決意を新たにしております。
○岡田(利)委員 お隣の三菱大夕張、この場合もまだ大夕張炭鉱があって、南夕が開発をされた。各地の閉山の労働者の労働力をあそこに集めたわけですね。やはり三年くらいかかっていますね。いろいろな苦労をされて、そういう一つの集合体のぴしっとした体制をつくるというのには大変な努力をしたことをわれわれも承知をいたしておるわけです。 したがって私は、そういう意味で考えますと今度の災害の場合——大体炭鉱というのは、重大災害はいいところであるんですね。昔、大災害を起こした三池炭鉱、だれが考えたってあんなところで爆発するなんて思っていないところで爆発をする。あるいはまた、かつての田川炭鉱や山野炭鉱でも、トロリー電車が通っているところで爆発しているのですから。もう絶対爆発しないところで重大災害が起こるわけですね。今度の場合にはそれに比べると小さいけれども、やはりああいうところで自然発火がたとえばあったとしても、これは制御できるというのが常識ですね。もちろん、ばあっとすぐ火が噴き出すわけじゃないわけです、徴候があるわけですから。そういう意味では、従来の重大災害と同じような常識の中で今度の夕張の自然発火の災害が起きた、残念ながら私はこう理解せざるを得ないと思うのですが、社長はどうお思いになりますか。 〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
○林参考人 今次起きました災害は、主要排気坑道で起こっております。いま議員の御指摘がございました三池の例もございましたが、ここなら大丈夫だと一般的に思われます主要排気坑道で災害が起こった。具体的には南排気斜坑と言っておりますが、南部区域の主要排気坑道、毎分三千四百立米の風が流れております大きな排気坑道でございます。そこの炭層を縫っておりました個所の拡大工事中にこの自然発火が起った。 この坑道はいまから五年前、五十年に掘りまして、全長が百九十メートルございますが、いままで四回仕繰りを繰り返してきている。それだけ炭層状況の非常に変化した下に掘ってあった、こういうことになるわけでありますが、十分その点を考えまして、いままで四回仕繰りをした。最近になりまして、約四十五メートルくらいここが非常に傷んでおりましたので、トルクレットが破壊されまして、そして炭がむき出しになる。加背が極小になりますと、三千四百立米の風が流れておりますので、当然これは自然発火の重要個所になります。 私どもとしましては、日にちのことはさておきまして、係員を常時つけまして面交代で観測もし、注水もしておったわけでありますけれども、記録にございますように、当日にPPmがスケールアウトになった。当然、私どもセンサーはあります。集中監視のためのセンサーも南排気個所の上部にございますし、観測坑を設けましてメタンその他の観測も常時やりまして、面交代でやっておったわけでありますが、いま御指摘のとおり、きわめて起こり得べきでないところに起こる、こういうことでございましたので、原因はいま現在究明いたしておりますけれども、これから先のことにつきましては、先ほど申し上げましたように、そういった炭層貫縫個所の保安対策を最重点に考えまして、二度といま指摘がございましたようなことのないように措置をしておるわけでありますが、御指摘のとおり起こるべきところでないところで起こったというぐあいに判断しております。 〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
○岡田(利)委員 再建の問題にはいろいろ問題点があるということで言われておるわけですが、私は、まずいまの経過を振り返って今度の災害というのを考えてみますと、これから再建の内容の問題ですけれども、災いが転じて幸いとなるといいますか、いま出炭は段階的に四千トン体制に今年度持っていくということですね。私は、その方向は今年度は行くだろうと思うのですね。なぜかなれば、通気坑道を切って通気され通れば、南部の切り羽というのはセットしたばかりですからもうすぐ動くわけですね、そういう状態にあるわけですから。そうしますと現在の動いている二つの切り羽、これを考え、北部の展開がそのまま進んでいく、これが順調にいかないはずがないだろうと私は思います。私の判断ではそう思うわけです。 そういう意味では、いままでのいろいろな悪循環というものをここで断ち切り得る余裕といいますか、災害が起きたものですから、人間もおるわけですから、余裕というのが逆に生まれてきた、こういうことが私は言えるのじゃないかと思うのですね。ですから、いまこの段階で何をやるかということが非常に重大だという認識を実は私は持っておるわけであります。 そこで、再建案における坑道の展開、出炭もいろいろ出ておるのですが、坑道の展開についてそういう意味で問題点は一体ないかどうか。非常にそこが心配されておるのですね。やはり炭鉱というのは自然から逃げるということだと思うのですよ。自然に逆らっていったって太刀打ちできないわけでありますから。自然条件があれば、それからいかにしてうまく逃げるか、こういうことがやはり基本だと思うのですね。よほど状況がよくなければ、一年間コンスタントに出炭するなんということは私はむずかしいと思うのですね、切り羽の交代もありますから。出るときはうんと出す、そして断層が出たら早くそれから逃げる、そしてトータルをして大体安定してそれができるという手法がどこの山でも大体とられている手法じゃないか、こう思うわけです。 私に言わせると、これからの炭鉱というのは深部化しますから、坑道というのはその炭鉱の生命線だ、そしてまた、これは保安の確保の基礎的な要件になるという認識を私自身も実は持っておるわけですが、特にいまの計画を進めるに当たって、掘進展開について問題はないかどうか、この点を承っておきたいと思います。
○林参考人 私は、これからの一番の問題は準備掘進だと、同様に考えております。過去二カ年間のまずさ、これは経営管理に話が飛んで恐縮でありますが、私は重大な責任を感じております。感じておりますが、いま御指摘ございましたように、やはり二カ年間の実績をとってみましても、石掘進が六割強しか達成されてない、こういう事実が厳然とあるわけであります。それが御指摘のように坑内体制を乱してしまった、切り羽管理もおくれてくる、全般に安定生産体制を大きく崩した原因でございます。 今次、私どもが災害に当たりまして一番考えておりますのは、先生災いを転じて福というお言葉もございましたが、私どもは、この復旧が中期経営計画につながる、この基本精神でございます。この三月までの私どものやり方、やり口、努力、経営管理のあり方等々、こういう点がこれからの採算につながる基本でございますので、その点は十分に考えておりますが、具体的に石掘進量が、これからの展開を考えますと非常に多くなるわけでございます。と申しますのは、北部へ展開をする、さらに第三立て坑という北部をこれからやるに当たりましての通気確保、ガス問題、高温問題、これを解消するための第三立て坑も掘らなければならぬ、平安八尺層も開発をしていく、さらに西部区域はその間片盤長でいきますと、千七百メーター奥まで展開をしなければつながらない、つながらないという意味は、いわゆる経営上破綻を来す、こういう意味でございますけれども、ということで非常に石掘進の、準備掘進の量が多いわけであります。 私どもはこの点が一番重要でございます。今次災害復旧の中で、冒頭に申し上げました、まずいわゆる標準作業量を上げてがんばる、出稼を上げて掘進を確保していく、この点がございませんと、この計画は画餅に帰すわけでございますので、石掘進の所要人員の確保、それから労働密度、作業量という点を私どもは現場的に、かつ組合ともよく協議いたしまして、この点を最大重要に考えております。 なお石掘りの量は、五十六年度、五十七年度、相当量に達しております。八千メーターくらいの量は掘らなければならぬ。いままでは、それすら掘れておりませんので、その点がこれから私どもの最大のポイントだという認識は十分持っております。
○岡田(利)委員 当初、通気では大体六千立米くらいの予定でありましたけれども、現在七千二百、当初見込みよりも通気の関係は好転をしておるといいますか、そういったように私は認識をいたしておるわけでございます。 そこで、ひとつ三浦参考人に承っておきたいと思うのですが、要するに展開に多面性がないとやはり安定性がないわけですね。相互補完的な体制というものができないとだめなんですね。 そうしますと、現在西部はもう百万トンよりないわけでありますから、当然北部に行く、南部の採掘をやる。こう考えてまいりますと、いまの西部の平安八尺層というものは、いまの石炭情勢からいっても、当然掘らなければならない炭である。しかも上下盤はサンドストーンでありますから、そういう意味ではいまの十尺層よりも非常にいい。そういう意味では、全体の地質的条件は、多少変化があってもある程度見当がつく。六百四十万トンかそれ以上の炭があるわけでありますから、これを除いて再建というのは、私は逆にむずかしいのではないか、こういう気がするわけであります。 そういう点について組合としていろいろ今次再建について会社と議論したと思うのですが、そういう点について、一体どういう確信を持っておられるのか、承っておきたいと思います。
○三浦参考人 端的にお答えしたいと思います。 実は今次災害を受けて、災害以降の会社計画の中では、これは確かにありますけれども、これ以前に、私は組合の立場で、平安八尺層というのは、いま採掘しております層の約九十メーターから百メーター浅部にあるわけでありまして、浅いところから採掘をするのが本質だろう、そしてだんだん深部に入っていくのが本当だろう、何年か前、こういう提起をした時代がありました。 ところが、その時点での会社の回答は、八尺層の炭質そのものがいま採掘しておる約八千カロリーの炭質と比較して、千五百カロリーぐらいカロリーが落ちる、こういう状況から、まず十尺層を掘らなければならぬのだ、こういう回答でございました。したがって、以前から組合として平安八尺層の開発を提起しておりました関係からいきましても、今度の会社計画の中にあります平安八尺層の開発については、全面的に賛成しているところでございますし、私はこの平安八尺層開発によって、五十八年以降は達成できるという確信を持っております。
○岡田(利)委員 これは赤平の場合も新鉱の場合も、第四次政策というのが原料炭重点政策をとったわけですから、石炭政策が大きく変わっていったわけですから、四次政策、五次政策、一般炭はもう厄介者、ある程度油が安いものだから。そういう点で、やはりいまの計画が組まれたということは間違いないと私は思うのですね。 そこで私は、北炭再建問題は、具体的には採算と資金面ということがやはり基本問題になってくるのだと思うのですね。たとえばいま相当な黒字を計上しておる炭鉱だって、銀行は金貸しますか。貸さないですね。貸さないものだから、政府財政資金で、いわば近代化資金とかあるいはまた経営改善資金という制度をつくらざるを得なかったわけですよ。担保にとっていて、ある程度借金を返しても担保の解除をしないなんということが、各社ずいぶん問題があるわけです。いまだって市中銀行は金はなかなか貸さないですね。 だから政府系の資金に頼らざるを得ない。そういう仕組みで運営をしてきたわけです。だからどこの炭鉱だって借金の中で政府資金が一番多いわけです。だから政府に依存しているという感じを受けるかもしらぬけれども、そういう方向でとにかく今日千八百万トンの炭鉱を維持してきたという流れは、やはり素直にわれわれは見ておかなければならないと思うのです。 普通常識的に言うと、三方一両損なんという言葉があるわけですね。自助努力、市中銀行も、長いおつき合いだからこれに協力をする、また再建計画を審査した上で、政府もこれに対して協力をする。こういうことが常識的にとられる措置なんですけれども、しかし、自助努力がどこまでできるかという一つの問題があります。これは社長に率直に言いますと、経理審査会あたりでもどこでも、もう少し北炭グループをワイドにして、三井観光その他も含めて何とかできないかというような期待も恐らく出ていると思うのですね、われわれの耳にも入ってくるくらいですから。だがしかし、市中銀行——これは負債の保証でもすれば、幌内のような場合には保証措置をとったわけですからあれですけれども、市中銀行に期待をするということは非常にむずかしいのではないか。 普通、安定している炭鉱ですから、市中銀行の関係はむずかしかったし、いまだって、そんなにほいほいと金を貸す状況にはないわけですから、残念ながら私はそう認識せざるを得ないのですけれども、そういう認識はいかがでしまう。私のこういう認識についてどういう御判断をお持ちでしょうか。
○林参考人 まず自助努力の方からでございますが、これは当然のこと、北炭総力を挙げなければならぬというぐあいに私は基本的に考えておりまして、現在まだ足りないという立場でございます。北炭グループ、さらにその幅を広げまして現在折衝中でございます。これは当然北炭の立場としてはやらざるを得ない、やるべきである、こういう判断で、具体的なことはいろいろと、私企業でございますので、相手が相手でございますので、差し控えさしていただきますが、現在いろいろとやっております。 さて問題は、市中銀行でございます。基本的にはやはり市中銀行の協力を仰ぐのが前提である、こういうぐあいに私は考えております。やはり巨額の財政をいままで北炭社につぎ込んでいただいておる。新鉱、幌内災害、さらにその後におきます二カ年間の実施状況の都度でございますので、そういう観点から考えますと、いわゆる再建整備計画、肩がわりを受けました再建整備会社というものは、当然的確な生産計画、財務能力、市中の金融協力体制の上に立ちまして御支援をちょうだいするのがたてまえでありますので、市中金融機関に対しまして、確かに議員がおっしゃいますように、一回、二回ではそででございますけれども、私は何遍となくぶつかりまして御支援についての協力を仰ごう。現に現在行っていただいております元利たな上げ協定は、来年で終わりでございます。北炭修正再建計画は、同じ期限でございますので終わりでございますが、全社を歩きまして、この元利たな上げ協定についての延長方、これも現在お願い中でございます。 加えまして、いま議員おっしゃいますように、私どもの復旧、今後におきますたたずまいを見ていただいて、その上で私は市中金融機関の協力を仰ぎたい。また当然やっていただかなければならぬというぐあいに考えております。しかし、道はきわめて厳しゅうございます。そういうことでございます。
○岡田(利)委員 この北炭新鉱を考えてみますと、原料炭としては日本最良の原料炭、私はこれは強粘結だと言っているのです、専門的な立場から言えば。弱粘、弱粘と言うけれども、その工業分析の内容から見て、アメリカの原料炭、強粘結と同じような内容でありますから。今度もし平安八尺を掘った場合でも、これは日本で最良の一般炭であるということが言えるのだと思うのですね。だから、国民経済の立場に立って考えますと、北炭という会社を全然無視しても、いま恐らく八千七百万トンの埋蔵量があり、優に二千万トン以上の実収炭量が見込まれる炭鉱、坑道が展開されている。これをやめるなんということは国民経済の立場にとって大きな損失だと思うのですよ。また、この波及は幌内とか真谷地とか、そういうものに及んでいくでしょう。地域経済の面から考えても私はそう思う。 問題は、北炭が再建できるかどうか、こう言うのですけれども、そういうことを抜きにしても、この炭鉱は維持してやっていくことが、これは借金もあるわけですから、政府だって先ほど言った数字の借金があるわけですから、やることの方が国民経済的な立場だろう。北炭というものを抜きにして私はそういう気持ちでいっぱいなわけですが、この私の気持ちに対して社長はどういうお考えがありますか。
○林参考人 いまのエネルギー情勢の中で、国民経済上考えますとこれは御指摘のとおりでございまして、新鉱の石炭が及ぼします国民経済上の問題はそのとおり理解はしております。したがいまして、そうしなければならぬというぐあいに考えておるわけでありますが、問題は、この八千七百万トンのうちの現骨格を利用して掘り得ます二千百万トンの炭量をいかに合理的、経済的に掘り得るかという点にしぼられてくると思うわけです。赤字たれ流しでは、いつまでたちましても市中金融機関の援助は得られませんし、また国民の貴重なこういう御資金を投入していただく以外に方法がなくなってくるわけであります。私ども労使としましては、やはり採算のとれる山、炭量はありましても、マイナブルに考えますとやはりそこに焦点はしぼられてくると思いますので、今次災害復旧で、繰り返し申し上げますが、私どもは採算のとれる山に仕上げていきたい、こういうぐあいに考えております。 ただ、資金問題ということになりますと、採算の意味が、これはいろいろ問題がございまして、経常損益では黒字になりましても資金が赤字だというケースもいろいろございます。そういうことはさておきまして、基本的に採算のとれる山づくりということで、国民経済上そういう立場で、炭質、炭量、それから採算のとれる山という三つの観点から取り組んでいきたい、こういうぐあいに考えております。
○岡田(利)委員 問題は、北炭の再建計画がいままでうまくいっていない、そういう北炭に対する不信感というものは非常に強いんだと思うのですね。経理審査会のメンバーの中でもそういう意見も出されておるようであります。だから、この再建計画というものは必ず実行できるという面ではさらに精度を高めていくという努力が必要だし、そういう中で全体の理解を得られるような展望が出てくるのではないか、実はこう期待をいたしておりますので、せっかくの努力をお願いしたいと思うわけです。 同時に、組合と会社の協定書を見ると、私はよくこういう協定書を結んだものだと思うくらいであります。しかし、かっこうのいいことを言っておったって話は通らぬわけですから、最終的な決断で組合の大会も八時間延々とやったという話も聞いておるわけですが、果たしてこの協定が本当に実行できるかどうかという点についても私は一抹の、炭鉱の地下で働いている労働者の気持ちがわかるだけに非常に心配もあるわけです。そういう点について最後に三浦さんから率直に、短くて結構ですから決意を聞いて、塚田議員と交代したいと思います。
○三浦参考人 先ほども渡辺先生の御質問にお答え申し上げましたけれども、今度の協定、私は本当に最終決断、こういうふうに考えています。出稼率そのものも、社長が申し上げましたように、災害以前の出稼率は八〇%弱でございました。で、計画でも八三・五%でございまして、これが十月一カ月を通じまして八三・五%強という平均出稼率になりました。 したがって私は、出稼率についても完全に実施できるし実効が上がる、こういうふうに考えています。また、作業能率の引き上げについてもすでに現地で実施をしておりますし、実績として上がっている切り羽も出てきていますし、切り羽の作業能率の引き上げが完全にでき得る体制をとりつつ、全切り羽が協定の作業能率引き上げを実施できる、こういうふうに思っておりますから、何といっても今度の協定書を、協定だけでなくて完全に実のあるものにしなければならない、こういう決意を再確認しておるところでございます。
○森中委員長 岡田利春君の質問は終わりました。 引き続き塚田庄平君の質問を行います。塚田庄平君。
○塚田委員 ずばり質問しますから、簡単にお答えいただきたいと思います。 先ほどの林さんからの意見の陳述の中で、いろいろと二カ月間努力をしてきたけれども、各界の完全な了解が得られないまま今日に至っている。政府もそうですね。各界が北炭の再建について了解をしないという基本的な問題は一体どこにあるのか、簡単に答えてください。
○林参考人 私は三点と思っております。 一点目は生産体制の問題でございます。私どもが考えております今後の北部並びに平安八尺に対しますところの生産能率が果たしてそのとおり達成できるかどうか、こういう疑念が一点。二点目に経営管理の問題でございます。三点目には技術者の問題でございます。この三点に尽きる、こういうぐあいに考えております。
○塚田委員 三浦参考人に質問いたします。 いま三点の問題を林さんは指摘しましたけれども、組合としては、この三点の問題について一体どう受けとめられますか。
○三浦参考人 端的に申し上げます。 社長が言いました三点に尽きると思いますし、こういう点について一々解明しながらやっていかなきゃならない、こう考えています。
○塚田委員 三点の問題の中の一点、経営管理の問題あるいは作業管理の問題ですが、特に私の立場から言うと、北炭は中間管理者の意見というのがどうしても末端に通じない、あるいは上に通じない、こういう基本的な欠陥を持っておるんじゃないか、こう考えておりますが、林さんは一体どうですか。
○林参考人 そのとおりに考えておりまして、私は、就任いたしましてから組合にも私の姿勢をはっきりと文書で示しておりますけれども、中間管理者層を入れました生産保安の全体総合会議を運営しながら、それを下部に徹底させていく。また同時に、労働組合の方にも月次の計画、これは全体の中におきます月次の計画、問題点、またそれに対します目標管理という点につきまして思い切って改めて実施しております。
○塚田委員 どうもそのとおりでございますと言われては何も言えないのですけれども、それじゃだめなんですよね。つまり、北炭の体質といいますか、これはもう積年の体質です。中間管理者の意見がどうも通らない、今度の事件を契機にしまして、ひとつこの点に社長として十分目を配ってもらわなければ、これは第一線の採炭面あるいは掘進面における労働者もその点で大きな不安を持っておる、これは私が現場に行きましてその点感得いたしましたので、その点は十分これから改めてもらいたい、こう思います。 さて、時間もありません。幌内がずっと下がっておりますね、いま指摘のありましたとおり。十二月ごろ何とか復活できるのじゃないか、こういう御答弁ですが、幌内の出炭減、これは坑内の構造的な条件といいますか、とにかく軟弱層にぶつかったわけですね。これは幌内もそうですが、新鉱も長期にそういう事態、基本的にそういう状態なんですけれども、そうなりますと、十二月にどうかこうかと言っておりますけれども、幌内の出炭減状況というのは相当長期に続くんじゃないか、あるいはこれを無理したらおかしな事態も起きるんじゃないかという心配があるんですが、この点はどうですか。 それからさらに、この間二十八日に真谷地鉱で事故が起きました。不幸にして職員一名、鉱員一名亡くなりました。何といいますか、北炭は何かに魅入られておるといいますか、次から次へと、こちらがどうやら上がってくるとこっちが悪くなる。そうかと思うと隣で人命にかかわる事故が起きる。こういった問題について総合的に締め直していかなければ、とても再建について世間の同情なりあるいは支援を得るということはできないと私は思うのですけれども、この点社長として一体どう考えるか、お答え願いたいと思います。
○林参考人 幌内の出炭減でございますが、上期は四千トン強で推移しましたが、七片の五番上層天盤軟弱帯にぶつかっておるわけです。議員御指摘のとおり、この切り羽がよければまた別の切り羽でと、いろいろなことがあるわけでありますけれども、いまの幌内の四切り羽の自然条件だけから考えていきますと、私は回復はできる、こう思っております。 ただ、基本的にこれからの四払い、しかも七片という深部に入ってきておりますので、こういう事態に対します自然条件の予測、払いの管理という点については、やはり私どもさらに一層のことをやっていきませんと同じような事態を繰り返す。じゃ軟弱地帯があるならばそれを切り詰めてでも切り羽を設定すればよかったじゃないかという議論も起こってくるわけでございます。そういう点を、私は当面は回復すると思っておりますが、基本的にはそういう深部採炭あるいは天盤軟弱帯、自然条件の変化に対しましての切り羽管理につきまして、一層の努力をしたいと思っております。 それから真谷地でございますが、御指摘のとおりでございます。十月二十八日に災害を起こしまして、崩落によりまして二名を失いました。しかも、この切り羽は六月にも同じような——これは人命に支障はございません。そういう点から考えまして、やはりこの保安体制につきましては、三社を十分に、これからさらにさらに強化していきたい、こういうように考えております。
○塚田委員 率直に言います。私企業ですからこの点はという先ほどの林さんのお言葉がございましたけれども、どうも関連グループの支援体制というか、含めて、北炭グループの一致した再建についての熱意というのは欠けておるんじゃないか。その一つの例として、北炭は北海道炭、艦汽船という、汽船がありましたね。この汽船の部門、あるいはまた広大な土地と森林がありました。これは坑木の採取ということも一つのあれで、国からずいぶん広大な土地を払い下げられた。これを一つの財産として観光事業、三井観光というのが、これはもう大々的にいま北海道を中心にして行っておる。こういった関連事業が、今度の北炭の事態について助けていく、あるいは一緒にひとつ苦しもうじゃないか、こういった体制がどうも不足しておるんじゃないかということが、あるいは各界の了解を得られない一つの理由でもある、こう私は察知するのですが、その点は林さん、どうですか。
○林参考人 問題を二点に分けまして、北炭直系の十八社につきましては、私は議員にお言葉を返しますけれども、完全な支援、協力をちょうだいしている。現に各役員は、今次災害によりまして五%のカットをいたしましても支援していただいている。全役員でございます。十八社の役員全員でございます。それから総額で十三億円に達します関連会社からの支援金を集めております。私は最大に協力をしていただいておるというぐあいに理解しております。それから、いまたまたま炭礦汽船の汽船というお言葉が議員からございました。これは北星海運その他の個別の企業をお指しになるんだろうと思いますが、それは十八社の中に入っております。 さて、その三点目の件でございますが、具体的にお名前が出たわけてございますが、私企業——まあそれは別としまして、じゃこの会社がいままで一切北炭とかかわり合いがないかというと、実はそうでございません。額は大ざっぱにだけしか申し上げませんが、総額で三百億円強の支援を賜っておる事実があるということだけ申し上げたいと思います。しかし、それは実際の借入金もございますが、この会社のいわゆる不動産を全部提供して——全部と言いません。いま営業しておりません非営業と言ってよろしいと思いますが、山林、森林その他のもの、これを担保に提供していただきまして、現在の借入金のバランスをとっているという事実は一つございます。しかし、今次災害によりましてさらに特段の御支援を要請中でございます。
○塚田委員 もう時間がございません。最後に、十一月はいまの状態で乗り切れますか。大体十一月の十五日、二十旧、二十五日、これが決済の日だと思うのですけれども、全部乗り切っていけますか。率直に答えてください。
○林参考人 乗り切れません。私どもはいま政府に対しまして、十五日に約定の来ますものにつきまして御返済延期の措置をお願いしております。また、二十日にも約定の来るものが約五億弱ございますが、これにつきまして政府の方に返済延期措置をお願い申し上げております。もしこれが御返済延期というふうなことでない場合は、資金はつながらない、こういう情勢でございます。
○塚田委員 そうしますと、これは全く時間との競争になりますね。ここ一週間、二週間、一定の結論が出なければ、ジャンプできなければやっていけないというんですから、これは時間との競争になると思うのです。 いま北海道全道的に労働組合あるいは地方自治体、挙げてキャラバンをやっております。それは二千万トンの確保、したがって北炭新鉱をつぶすな、これは労働組合あるいは各地方自治体が中心になりまして、全道に訴えておりまして、相当な反響を呼んでおります。 そういうさなかでございますが、いま聞きますと、いや、やっていけない、十五日になると危ない、五億くらい危ない、十一月いっぱいでは十億だ、こんなことでは、これは口先で言っているんだろうと思いますけれども、全道のこういう要望、あるいは全国の注視の的になっておる北炭の再建ということについての国民の要望にもこたえられないと思うのですけれども、これはひとつ林さん、重大な決意で、本当にやる気なのかどうかということについて、国民に向かってはっきりと決意のあるところを示さなければならぬときに来ているんじゃないか、私はそう思いますよ。どうですか、もう最後ですから……。
○林参考人 本当にやる気があるか、とんでもない、私は全力をいま出し切っておるわけです、お言葉を返して失礼でございますが。 ただ、私が申し上げましたのは、まだ私どもの中期経営計画に対します各界の御審議が未了でございますし、また問題があるわけです。連日これを詰めております。傍ら、私はいま申し上げました約定の来ます点につきまして御要請をお願い申し上げておるということを申し上げております。全力を出しておることははっきり申し上げたいと思っております。
○塚田委員 北炭の再建を願うがゆえに言葉が少し走ったかもしれません。そういう意味で、国民的な要望にこたえるという観点に立って労使ともひとつ努力をしてもらいたいと最後に希望を述べまして、終わりたいと思います。
○森中委員長 以上で塚田庄平君の質問は終わりました。 引き続き鍛治清君の質問を行います。鍛治清君。
○鍛治委員 いままでいろいろお話がございましたので、屋上屋を重ねるということになるかもわかりませんが、炭鉱自体というものは私大変ど素人でございますし、具体的ないろんな細かいことまでないしは専門用語まで使っていろいろ先ほどからやりとりがありました内容、十分わかりかねるところもあるのですが、一般論的な立場になるかもわかりませんけれども、この再建ということについてはただいまも御指摘がございましたように、本当に私たちとしても厳しく会社側にも組合の皆さん方にも申し上げたくなるような心境にあるということはひとつ御承知おきを願いたいと思うのです。 歯にきぬ着せぬでちょっとざっくばらんに申し上げますが、これも本当に国民の皆さんの御理解をいただかなければならぬことでもありますから率直に申し上げるのですが、全部の意見か一部の意見かわかりませんけれども、昨日も東京で私の知っているグループがありまして、別にこの話を出すつもりじゃなかったのですが、たまたま話の中で北炭、皆さん方の会社の話が実は話題になりました。 その中で言われておったことは、これは大変言いづらいことですが、率直に申し上げますと、どうも北炭という会社はよろしくないという意見ですね。経済的にもいろいろ詳しい人ですから本人だけの判断かもわかりませんけれども、それに二、三同調する人がいたことも事実でありまして、ああいう会社はむしろなくなった方がいいんじゃないか、国民の皆さんに負担をかけるばっかりじゃないか、極論すればですよ、大変言いにくい言葉ですが、そういうふうな話も聞いて、私は実は偶然としたわけです。 細かいそういうことはわかりませんが、こういうことをあえて私が申し上げるのは、本当に土壇場のところで本気になってやっていただきたい、これはさっきから何度も注意——注意と言ったら大変失礼ですが、確かめるという意味で繰り返し決意を聞く形で各委員から御質問があっているわけですが、国民のサイドから見て、私自身も本当に、自助努力といいますか、そういう甘えの構造というものの中につかっているというのが心の底に一点でも何か残っているんじゃないだろうか、先ほどからのやりとりを聞いていてもその疑心が率直なところまだ抜けません。そこがなくならないと本当によくならないんじゃないか。 一応再建以前からの事の経過も目を通したわけでございますけれども、すでに五十三年七月二十日の時点で、石炭鉱業審議会政策部会経理審査小委員会ですか、ここで御指摘があっている。これが最後ですぞというのがあっていますね。これは御承知のとおりです。その中の所見それから要望といったものをずっと読んでみまして、へえっというような感じ、私はそう受けました。こういう委員会で、たとえば労使双方に外部依存的傾向が強いとか、再建への熱意と意欲に欠ける点があるとか、要するに甘えの構造があるんじゃないかというようなことを何かずばずば指摘されているわけですね。こういう委員会でそこまで深刻な指摘、こういうような関係の政府機関で深刻な指摘というものはほかであるかどうか知りませんが、よくよくのことで指摘されたんだろう、こういう気がするわけです。 また、先ほどのやりとりの中でお聞きいたしておりましたが、たとえば技術の面でも三井さんですか、技術者の人を会社に入れてというお話もありました。しかし再建計画、五十三年の時点ですか、出発してから今度は事故があったからまたあわててそういう形にしたんではないか、悪く言えばそういう気がするのですね。そこにいままでの再建計画、それから当初計画自体がうまくなかったんじゃないかなというお話もありました。 それもあるのかどうか私はわかりませんけれども、一応計画というものは会社から出され、また審議会でも審査があって定められたことでありましょうし、その中にはやはり組合の皆さんもお入りになっていらっしゃったのじゃないか、そうすればやはり全然荒唐無稽な、これはもう初めからだめな計画ですよとは言い切れないんじゃないだろうか。それはまた下方修正を途中でされている。しかもその中でやろうという決意をなさったと思うのですが、ここの委員会の所見を見てもこれは厳しい指摘ですから、その時点でも必ず計画は達成いたしますと恐らくおっしゃったのじゃないかと思いますけれども、実績を見てみると、もう再建当初からこれがずっと下がってきている。 特に、今度事故がありましたとき、幸い、これは働いていらっしゃる皆さんに事故がなくて私は本当によかったなという気がいたしておりますけれども、不可抗力であったかどうかは別といたしまして、事故が起こる二、三カ月くらいの出炭量というものが、まあ何かほかに原因があったのかどうか知りませんが、急激に下がってきているような実績があるようです。大体そういうような形が出てきて、緩みか本気になってやっていなかったのか、不可抗力のそういうほかの条件があったのかそれはわかりませんけれども、何かそういう中に事故が起こってきたということは、これは経営の立場からいっても一般的にも真剣に考えなければいけないことじゃないだろうか。 しかも前回、通産省の皆さんといろいろこの北炭問題で懇談会をやりましたときに、事故に対する予報措置ですか、いまの機械は非常にすぐれているから大変予報というものも確実にできるのだというふうなお話もありまして、その予報も一日前には、どうもいろいろお聞きしていると、何かあったような感じですね。そういう中で、命にかかわる事故というのは炭鉱ではよく起こるわけですから、本気になって再建を願い、また事故が起こらないようにということを考えていらっしゃるならば、その手の打ち方というものは、そういう予報が出ていたのならひょっとしたらもっとあったのじゃないだろうか。これは後の結果論になりますから、また技術的なことも私はわかりませんから何とも言えませんけれども、そこを含めて、率直に言って私たちは、この再建計画を本当に出してきたのだろうかというような気持ちを払拭することができないわけです。 そういう点について、外部的にも何回も足を運んで誠意を披瀝して、やるんだという御決意、これは私はぜひそうなさっていただきたいと思いますけれども、銀行関係を含めて外部の方が、再建計画を立てたってもう当てにならない、聞かないぞというような空気も恐らくは強いのだろうと思います。そういう中での再建ですから、繰り返すようですが、これは本当に本気になっていただきたい。そういう意味を含めてちょっと御決意と、いま申し上げた中でまたいろいろと御見解がおありでしたらひとつお答えをいただきたいと思います。
○林参考人 いま議員の言われた個別の問題に御回答申し上げながら、決意を申し上げたいと思います。 技術顧問の問題でありますが、これは災害前に、私の記憶でありますが、すでにもう一年くらい前であります、三井鉱山の方々にお願いを申し上げまして二回、三回御指導を受けているという事実はございますので、災害だからこうだということを申し上げたわけでは決してございません。 二点目でありますが、個人的なことを申し上げて恐縮でありますが、私は災害前の八月二十日に北炭本社から兼務で夕張社長に就任しております。それは議員が御指摘のとおり、北炭の自助努力の総力を挙げまして新鉱を再建したい、こういう気持ちで就任をいたしました。 それから予防措置等の問題でございますが、御指摘を受けるまでもなく、これは本当に私どもとしましても、いろいろな細かなことは申し上げませんが、十分の予防措置と申しますか、これを基本に復旧を考えております。 それから全体論としまして、確かに二年前を振り返ってみますと、これが最後、ここで計画にそごを来しましたら労使自己努力で対処しますと誓約書まで実は入っておることも重々承知をいたしております。ただ一つ申し上げたいと思いますのは、この二年間を振り返りまして、なるほど大幅な計画そこでございます。言いわけになるかも存じませんが、いろいろな面で御援助はちょうだいしましたが、少なくとも私としましては、いわゆる一種の政治的な解決で御支援をちょうだいしたことは二年間なかった、その点だけは申し上げたいと思っております。 しかし、結果としましてそごを来しました。そういうものが借入金の返済猶予あるいは流動負債と申しましていろいろな未払いに反映してきておる。これを背負いながらのこれからのわれわれの復旧でございますので、二重の意味で議員が御指摘のとおり、今回の復旧を契機にしまして最後の機会ということを申し上げておりますのは、そういう決意で申し上げておるつもりでございます。
○鍛治委員 むしろ精神的な私の方の意見と、御決意をお聞きするということでとどまるわけですが、時間もございませんし、これだけで終わりにしたいと思います。 私は九州ですが、九州でもSSKが再建でずいぶんもめました。いまは自由競争経済のときですから、いろいろな形での議論というものはされるわけです。いろいろな経過を経てやった。また働く皆さん方、組合の皆さん方も、最後はちょっとストを打たれたと思いますが、私たちは、確かに働く皆さんがあそこまで耐えてそこで一生懸命働いて、あそこでああいうことをやられるのはもう当然だ、われわれは応援しますよというような空気が九州全体としてもやはりあったような気がするのです。というのは、それだけ必死になってやられたのだろうと思います。 経営者の方も大変悪評さくさくで、鬼かジャかみたいに言われてはおったようですが、ちょっとお聞きしますと、結論的にはいまはああいう再建前の給与の体系に復して、先行きの見通しも明るくなっている。炭鉱とああいう造船会社との違いはありますけれども、考え方とやり方ということについては、北炭の経営者の皆さん、それから組合の皆さん、きょう代表として来ていただいておりますけれども、国やら国民の皆さんのお金をあるいは陰に陽に、ある意味では援助として受けて使われるわけですから、そういう意味で本当に真剣な今後の取り組みをひとつお願いしたい。 また、きのう話が出た中で、組合のこともちょっと言っている人がおりました。あそこも余りよくないよ、これは率直に、こんなことを言っていいかどうかわかりませんけれども、そういう言い方をしておりました。組合としてまた働く人として、本気になってやるという姿勢はいままでの過程から見ても——これからはわかりませんが、過去のあれから言ったって余りよくない評判が多いというふうな話が出ておったということも事実でございます。 大変失礼なことを申し上げたかもわかりませんが、皆さん方真剣に努力していらっしゃるとは思いますが、それにもかかわらず経営者の方々、働く組合の皆さん、従業員の皆さんに対するそういう外部の厳しい声も、全体かどうかわかりませんけれども根強くあるんだということをよくおくみ取りをいただいて、その上でひとつ真剣な取り組みをなさり、今回はもう本当に最後ということであればりっぱに再建をなされるような方向にやっていただきたい、そういう意味での御決意を御両人に、もう短くて結構ですからお伺いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○林参考人 各界の御批判は私ども身にしみております。 繰り返し申し上げますが、いままでの二カ年間の実施状況、その中での今次災害の重さも十分以上に覚悟しております。今次復旧におきましての労使の一日一日の、やはりこれからの努力が私どもの姿だと考えております。一体になりまして、一歩一歩再構築をしていきたい、かように考えております。
○三浦参考人 先生御指摘のとおり実績が上がっておりませんで、そういう面で私は反省しなければならないと思っております。 ただ、一言申し上げたいのは、先ほども申し上げましたように、私どもの組合は決して怠けてはいない、懸命にがんばってきた、こういうつもりで私はおりますから、今度の協定は労使間の憲法を変えてまでもという協定でございますから、この協定を生かして完全に実績を上げて、各界に示さなければ認めていただけないだろうというふうに考えておりまして、実績を必ず上げる、こういうふうに決意を新たにしております。
○鍛治委員 では質問を終わります。
○森中委員長 以上で鍛治清君の質問は終わりました。 引き続いて小渕正義君の質問を行います。
○小渕(正)委員 炭鉱の今回の災害を中心にした内容でございますので、専門的な用語が入るのはやむを得ないと思うのですが、われわれ部外者は聞いておって何のことかわからないようなことが再々ありました。 端的に一つだけ特にお尋ねいたしますが、石掘進というようなことを言われて、これが最大のポイントだ、そのための労働人員の確保と労働密度はどうということを言われたのですが、私の取り方、聞き方が悪いのかもしれませんが、石掘進というのはどういうことですか。専門的なことで、われわれさっぱりわかりません。
○林参考人 議員御存じのとおり、石炭生産といいますのは地下でございます。しかも現場が絶えず移動をしていくわけでございます。一カ所で採炭しているわけではございませんで、必ず炭層を進行しながら移動するわけでございます。したがいまして、石掘進ということは準備掘進ということでございますが、先に先に骨格をつくっていきませんと必ず切り羽が行き詰まって出炭が落ちる。そういうことで、ちょうど人間の体と同じでございまして、骨づくりをしませんと、切り羽というのは最先端でございますのでそのための坑道を十分に展開をしていく。これがなければ生産の基本は成らぬという意味で準備掘進イコール石掘進、こういうことで表現を申し上げております。
○小渕(正)委員 そこに、北炭の生産体制の中に一つの問題があったということですね。わかりました。 それから、素人ですから端的にお尋ねしますが、われわれ部外者から見ると、炭鉱の中で自然発火の状況が発生することはいまの場合ほとんどないのじゃないかなと考えておったら、そうじゃなしに逆にそういう要素が非常に多いのだということを実は聞いているわけであります。大体こういう自然発火的な状況といいますか、俗に言えばぼやですか、災害というほどまでにならないがそういうぼやのようなものが、表面、統計的に言えば問題にならないけれども、ちょいちょい起こりがちなんでしょうか。そこらあたりはどうなんでしょうか。
○林参考人 私どもの保安規程その他でも、また監督官の御指摘もございますが自然発火、これが非常に大きな問題です。と申しますのは、石炭が残りますとどうしても通気との関係から自然発火しやすい。特に私ども新鉱の場合は、非常に微粒でございまして発熱量も高いというようなこともございまして、私が先ほど炭層貫縫個所と申し上げたのは、結局炭と空気とが接触をする部分、これをふさいでいくというのが保安の基本でございます。必ず切り羽の払い跡にも石炭が若干残りますので、そういうのはフライアッシュで充てんしながら十分に通気遮断をしていくという方法を繰り返してやっておるわけでございます。
○小渕(正)委員 先ほどの質疑の中で、監視体制をしてしかも人員を面何とかでずっと交代しながらやっておったんだけれども、普通考えられないようなところからああいう事故が発生したというようなお話があったようですけれども、そういうように人を配置して絶えず状況を監視しながら、どうして発生したのでしょうか、その点をはっきり……。われわれから見ますと、人をつけてそんな配置をしてまでずっと監視しながら、それで発生するということはちょっと異常な感じもするのです。これは素人かもしれませんが、逆にそういうような疑問を抱くのでありますが、その点はどういうことでしょうか。
○林参考人 今次災害の起こりましたところは、議員もお聞き取りになったと思いますが、坑道が炭層を縫っている個所で起こった。しかもそれが、山が押しまして、そして押すということは地圧で断面積が極小になる。それはさておきまして、私どもも記録をずっとたどってみますと、八月二十一日あたりからさらにこの区域の観測体制を強めてきたわけです。また、前日でございますが、八月の二十六日あたりにも若干メタンガスのあれもございました。 先ほど面交代と言いましたのは、一番方、二番方で保安係員がその個所に常時ついていてその状況を見ておったということを申し上げたわけであります。しかし、異常にCOの観測値がスケールアウトになりましたのは八月二十七日の災害のごく直前の状態でございますので、いま原因は究明いたしておりますが、私どもとしましてはこれは最高の要保安対策個所ということで、繰り返し申し上げますが、水を入れたり拡大を早くする、またそういった保安係員を常時つけておく、こういう体制でやっておったのでありますが起こった、こういうことでございます。
○小渕(正)委員 端的にお尋ねします。 要するに不可抗力的な要因と断ぜざるを得ないというふうにお思いですか。その点いかがですか。
○林参考人 これは当然私どもの事故に対します保安上の考えになりますが、そういう炭層貫縫個所は一日も早くそこのところを封鎖しておく、これが原則でございますのでそのつもりでやっておったのでありますが、ボーリングを打っていく中におきます炭層の亀裂状態とかいうことにつきまして残念ながら予測ができなかったのでありまして、いま不可抗力かという御質問なのですが、これは私としましては、予防措置等々につきまして今後十分に考えていかなければならぬ事態だったと思っております。
○小渕(正)委員 「災害の経過と現状について」ということで十一月六日の北炭夕張炭鉱の資料をいただいているのですが、この「再開に当っての保安対策」の中に「保安管理体制の再整備」という項が掲げられておるわけでありまして、その中で「保安技術職員の責任範囲の明確化と異常時の連絡方法及び指揮命令系統の整備。」というのが第一に挙げられているわけであります。 私たちから見ますならば、いまお話のありました、一応万全だと思っておったけれども、やはり災害が発生した後で考えてみると、いろいろそういう不備な点があったということをこれは物語っているのじゃないかと思うのですが、具体的にこういう「保安技術職員の責任範囲の明確化」と、いまごろこういうことを言わなければいかぬということは一体どういうことだろうかという素直な疑問をぼくは持ちますが、そういう意味で異常時における特に連絡方法、指揮命令系統のより整備と、いまにしてまだこんなことをあえて言わなければいかぬのかという、そういう意味では、いままでの保安体制整備とは一体何なのかということで非常に不信を持たざるを得ないわけですが、その点について何か御見解がありますればお尋ねいたします。
○林参考人 これはこういうことでございます。 無論議員御指摘のとおり、いままでやっておらなかったわけでは決してございません。私どもは、今次のこの自然発火によります坑内火災の事故を再度とにかく徹底的に反省するという意味で、重大災害は別としまして、今回のようにいろいろと注意をしなければならぬ個所、これは大中小いろいろあると思いますが、無論いままでもやっておりましたけれども、こういった要注意の個所に対します観測体制であるとか、あるいは徴候に異常があったときにおきますところの対応につきましてさらにさらに明確にしていきたい、こういう意味で表現したわけでございます。やってなかったというのじゃありませんで、さらに明確にしていきたい。 では、だれがどうだれに報告し、だれがどう吟味し、だれがどう指示するか、いままでもありますけれども、それを小なりといえども要注意個所についてさらに明確化していきたいということを申し上げております。
○小渕(正)委員 安全保安対策というのは万全だと思っておりましても、災害が発生して後から考えてみると、ああ、これも足らなかった、あれも足らなかったということで、つい追っかけることになるわけでありまして、そういう意味では、そういう坑内の厳しい条件のもとでは、厳しい目での取り組みが若干甘かったのじゃないか、これは意見になりましたが、そういう感じがします。 時間がありませんので先に移りますが、そこで、協定書をいまいただいて、今回の災害復旧に当たって労使の協定書というのがあるわけでありますが、これを見ますと、要するにお互い労使一緒になって何とか復旧するためにいろいろな諸条件をこの際やろうということで、労働条件その他かなり引き下げた中における協定がされておるようでありますが、これを見ますと、逆に、では、いままで何をしておったんだろうかというような感じさえするわけであります。そういう意味では、幾ら復旧といいながら福利厚生費までこんな形でするということは、ちょっとこれは私の感じからいくと異常だなという感じがするのであります。 それはさておきまして、こういうのを見まして私感じるわけでありますが、というのは、先ほど鍛治委員のときも指摘されたと思いますが、昭和五十三年七月二十日の石炭鉱業審議会の政策部会の経理審査小委員会で指摘されておる中で、「特に、夕張新炭鉱については、現在、計画人員がほぼ充足されているにも拘らず出勤率が目標を下回り、このため実働人員の確保が因難になりつつあることを反省し、勤労意欲の向上を図るとともに、作業部門別毎の必要人員が確保されるよう努め、」さらにいろいろと出ておるわけでありますが、こういうものをいただいてというか、指摘された以後、労使協議で新しくそういうものをどのような形でつくられたのか。 ここにある、こういう復旧に見合った新しい事態に相応した協定書ができたように、当然これのとき新しい何かがなければいけなかったのじゃないかと私は思うのですが、これを読んでみますと、五十四年の何月かに一つの協定がされているような感じがします。それがこれにこたえた協定だったのかどうかということをひとつお尋ねいたします。
○林参考人 十月に分離しまして発足をしまして、その直後の何カ月間を、私ども労使でいま御指摘の分離の実を具体的に上げていきたいということで、五十四年の三月に自立再建協定というものを労使間で結んだわけでございます。その中で出稼につきましてもあるいは職場規律等につきましてもいろいろと両者で話し合いいたしまして、それを基盤にして分離発足の要すれば自立の実を上げていきたいということで五十四年三月に協定を結んでおります。そして今日に至る、こういうことでございます。
○小渕(正)委員 時間がありませんので、その問題の追及はやめますが、何かこれをやってから次の協定までかなり時間が経過しておるような感じがいたしますが……。 それからあと一つ、この北炭修正再建計画の実施状況をちょっと見てみたわけでありますが、実働能率というところで、計画と実施がかなり、約五%程度ずれておるわけでありますが、いずれにいたしましても、これを見ると、五五%程度が大体実働能率だという数字が、いただいた資料で見ますと出ておるわけですね。それで、炭鉱の中におけるそれぞれの諸条件がやはり違うので、一律一概に比較はできないにいたしましても、実働能率は大体これくらいの程度が普通なのか、ほかの炭鉱と比較して大体どうなんですかね。 そこらあたり、われわれの常識的な目で見れば、能率が半分ということは普通考えられない、せめて七割から八割というふうに常識的には見るのですが、特にこの北炭の場合には、こういうようなきわめて低い実働にならざるを得ない、そういう実際の現場といいますか採掘条件というのか、そういうものがほかのよりも非常に悪い困難な状況の中に置かれているのかどうか、そこらあたりを、時間がございませんので端的にお尋ねいたします。
○林参考人 五十四年度の実績で言いますと、これは社名はあれですが、率直に申し上げまして三井さんは八八%とか、太平洋さんは九〇%、松島さんは六八%、当社は五五・六%というふうな事実はございます。 そこで、いま議員御指摘のとおり、那辺にそういうことがあるかということになりますが、先般来繰り返しておりますように、当社の場合に坑内の一つの生産のバランスを崩しました結果が出炭減になってくる、その結果、全体の実働能率が落ちてくる。では、どうしてバランスがが崩れたのだということになりますが、先ほど冒頭に委員がおっしゃられた、いわゆる準備掘進が十分にいかない、では何で十分にいかなかったか、やはり抗道整備が十分でなかった、こういうようないろいろな輪廻があるわけでありますが、私どもその点、いまになってどうかとおっしゃいますけれども、やはりいい現場ができなかったということについて反省をきわめて強く持っております。
○小渕(正)委員 それから、先ほどどなたかの御質問の中で、労働災害率が三百ぐらいの数字を言われましたが、炭鉱の中ではそういう災害率が三百というのは、ちょっと異常も異常だと思うのですが、大体こんなものですか。やはりこんなに百も二百もという災害率が炭鉱の場合にあるのですか。その点お尋ねします。
○林参考人 これは百万人当たり災害率と申しまして、一つの大きな保安の指標でございます。率直に申し上げまして、各社によっていろいろ違いがございますけれども、三百というのは異常な数字でございます。私の記憶では、たしか二百三、四十というのが北海道全体区域の一つの目標値というぐあいに私の頭に入っておりますが、そういう意味からいきますと、異常に高いということでございます。
○小渕(正)委員 今日のそれぞれの仕事に携わる、職場は違うにいたしましても、安全が確保されて初めて能率等が上がる、安全と能率は切り離せない関係だということは、これはもう常識的になっているわけですね。そういう意味では、安全が確保されてないかどうか、ないとは言えないにしても、こういうような災害実態が高いということは、やはりそこに能率が上がらない一つの要因があるのだろうと私は思います。 しからば、この安全はどうして確保されるかということになると、私は、これまたやはり職場規律が確立されないことには安全というものがまた確保されない。そういう意味ではこれは一体です。安全をいかに確保するかということ、職場規律が確保されていくということは、これはまたそれが能率につながっていくということ、これはもうすべて一体的な関連だと私は思います。 そういう意味で言いますと、私は、やはり北炭の場合における一つの問題がここにはあったのじゃないかという気がしてならないわけです。そういう意味で、先ほどからの質疑の中で、働く人たちには何も責任はないわけですけれども、賃上げが少なかったり一時金が少なかったりして非常に苦労をされて、それが結果的には勤労意欲を阻害するという形になっているかどうか知りませんが、それだからといって、一時的にはそういうものに甘んずるとしても、将来に希望がないことには、そういう点では、働く人たちには一つの明るさは出てこないと私は思います。あらゆるそういう要素が絡み合って今日までの北炭のそういうものをつくり上げたのじゃないかという気がするわけであります。 時間がございません。最後になりますが、先ほど経営再建のためのいろいろな問題の中で三つ、はっきり、生産体制の問題がある、経営管理の問題がある、技術確保の問題がある、これを何とか解決しないことには、世間の皆さんからの信頼を受けられないのだという意味のことを社長は言われたと思いますが、そういう意味で労働組合の立場からも、そのとおりですと言われたわけでありましたが、生産体制に対する問題があるというのは、労働組合としてどのようにとらえられておるのか、その点をお尋ねいたします。
○三浦参考人 端的にお答えしたいと思います。 先ほどの質問にお答えしまして、社長が三点挙げました。その点について、私、組合の立場から、全くそのとおりでございますと申し上げましたが、特に組合としては、技術的な問題について徹底的に議論しなければならない、対策を立てさせなければならない、こう思っています。 それは、何といっても炭鉱で必要なのは通気でございまして、通気の関係から、通気が足りないと暑い現場ができてしまう。私ども、高温現場と申しておりますけれども、高温現場とは摂氏二十七度以上あれば高温現場と言っています。残念ながら、二十七度あるいは二十九度、三十度という現場が新鉱にありまして、しかもかなりの数に上ります。こういう高温現場の解消をして、働きやすい現場にしなければならない、こういう問題等について徹底的に対策を立てるように会社と議論をしておりますし、立てつつございます。そういうもの、つまり技術的な問題について完全に体制を整えてやれば、そしてまた、繰り返して申し上げますけれども、今度の協定を実施することによって計画が達成される、こういうふうに考えております。
○小渕(正)委員 わかりました。非常に厳しい条件下の中での再建ですから、労使ともに大変だと思いますが、先ほどいろいろお話を聞いておりましても、やはり組合は組合なりに自主的な立場で、経営側のいろいろな問題に対して指摘するところは厳しく指摘する、しかし、指摘するけれども、みずからやるべきところは必ず責任を持ってやる、やはりこの体制がないことには再建はできぬと私は思います。 そういう意味で、先ほどから当初の五千トンなんかは無理だったんだ、結果的に四千三百トン体制になったのだと言いますが、現在の人員の中で、現在の環境の中で、労働組合から見て、これだけは絶対確保できるという数字をはっきり出すなら出して、しかし、それについては経営者にいろいろ直すべきところは直させて、そうしてお互いがそれぞれ協議して決まったものは責任を持とう、私は、こういう体制で進まないことにはいかぬのじゃないかと思いますし、そういう点で、先ほどからいろいろ出ておりましたが、わが国が新しいエネルギー事情にあると言いながら、労使が甘えたあれでは許されない、そういう環境にあるということだけは労使ともどもにぜひひとつみずからのやるべき立場、責任、そういうものをひとつ明確にしながらがんばっていただきたいということを申し上げて、終わります。
○森中委員長 小渕正義君の質問は終わりました。 引き続いて三浦久君の質問を行います。三浦君。
○三浦(久)委員 林さんと三浦さん、大変御苦労さまでございます。 労使双方が再建に大変努力されている、私は、このことは多といたします。しかし、炭鉱というのは、これは絶対に保安を無視してはいけません。また、会社の再建のためだからといって、労働者の生活がどうなっても構わない、こういう立場も許されないだろうと私は思います。 そういう立場から二、三御質問をさせていただきたいと思いますが、八月二十七日の災害ですね、これは南排気斜坑の自然発火、これは大変原始的な事故じゃないかと私は思っておるのです。これはいま林参考人からの御意見を聞いておりますと、事前にわかっておったわけですね、徴候があったわけですね。それにもかかわらず何でこういう大災害が発生したのだろうかということに私もちょっと疑問を持っております。これは自然発火ですから当然炭層が露出をしておると思うのですね。林参考人がいま述べられましたように、そういう自然発火を防ぐためにはフライアッシュを流送する、そうやっていわゆる函巻というのをやるわけですね、そうやって防ぐのだとおっしゃいましたね。ところが、南排気斜坑のときには、事前にわかっておるのでしょう。ここが危ないぞとわかっておりながら、何でそういうフライアッシュの流送をしなかったのか、これはいかがなのでしょう。
○林参考人 四十五メーター拡大の個所があったわけです。それを十メーターまで、いま議員御指摘のとおり、トルクレット函巻で攻めてきたわけです。十メーターが残っておったわけです。その個所は、御指摘のとおり、トルクレット函巻をしていくということの作業中だったわけでございます。 それから、徴候がわかっておったじゃないか、徴候は確かにございましたので、さらにその露出している個所につきまして観測坑を設ける、注水をする、また係員も常時張りつけるという体制はとっておったのであります。そういうことについての怠りはなかった、こう信じております。
○三浦(久)委員 現場の労働者がこういうことを言っておるのですよ。南排気斜坑、これは南第二下段ロングの資材搬入の主要な坑道なんだ。だから、結局フライアッシュのぶち込みですね。その工事をやると南第二下段ロング、これの稼働がとまってしまう、そういうことを恐れてやらなかったのじゃないか、こういうことを言っておる労働者がおるのですが、その点についてはどうですか。いわゆる生産を優先させた、そのために保安を犠牲にしたという指摘なのですが、それはいかがでしょうか。
○林参考人 それはございません。そういうことはございません。現に四十五メーターの拡大を鋭意やってきておるわけでございますから、そこで資材搬入その他、確かに南の上段ロングは稼働しておりましたが、出炭を強行するがためにどうだということは絶対ございません。
○三浦(久)委員 それから、緊急避難の指示の問題ですけれども、二十二時五十一分に発生をして、そして二十三時に緊急避難の指示が出されておりますね。ところが、労働者の中には三十分もこのことを知らないでおったという人がいるらしい。それからまた、残業をして二十四時に立て坑のケージの乗り場で初めて事故があったことを知らされた、こういう人もいるらしいのですね。 それで、お尋ねしたいのですが、どういうような方法で避難の指示をお出しになったのか、いかがでしょう。
○林参考人 出しましたのは集中監視装置の指令でございます。これが異常にスケールアウトを感知いたしましたので、これとそこにおりました現場係員からの報告と二つで判断いたしまして全員に退避命令を下した。当時、五百八十九名と記憶しておりますが……
○三浦(久)委員 どういう方法で知らせたのですか。
○林参考人 これは各毎方おりましたので、坑内電話、あるいは集中監視装置には指令室がございますので、指令室から各現場に警戒警報を発しまして避難をさせたわけでございます。
○三浦(久)委員 この事故の発生の前にそういう避難訓練が行われたそうですね。そのときにメルカプタンというのですか、タマネギの腐ったようなにおいのするものをびんの中に入れて、それをぼおんと割るわけでしょう、そして空気が流通する、それでにおいを感知してみんな退避する、こういう練習をしたそうですけれども、このときにはそういうメルカプタンのびんを割ったのでしょうか。
○林参考人 メルカプタソは使用しておりません。しかし、非常に指令が的確でございましたので、係員が皆さんを誘導しまして、誘導するに当たりましてはマイナス六百は危ないということで、マイナス六百五十、マイナス七百の方から避難誘導をさせた、こういうことでございます。
○三浦(久)委員 坑道というのはなかなか複雑なところですから、やはり訓練でやったことをそのまま災害のときにやった方がいいのじゃないかと私は思うのですよ。今度は幸い人身事故はなかったからいいのですけれども、私も昭和三十九年の三池のあの大爆発を経験しているわけですよ。そういう意味では炭鉱の事故というのは必ずもう人命につながりますから、そういう意味ではふだんやっていることを事故のときにもやらせるということを私は徹底してほしいと思います。 それで、労働組合の方に、三浦さんの方にお尋ねいたしますけれども、大変災害率が高いですね。これについて労働組合としてはどういう要求を会社に対してなさっておられるのか。
○三浦参考人 会社の方には、各職場委員、代表制でございまして、組合員二十名に一名の割合で職場委員というのを選出しております。それから、うちの労働組合の中間決議機関でございますけれども、五十名に一名の割合で執行委員というのを出しております。まず、職場の改善個所等につきまして職場委員会を開催しまして、職場委員が持ち寄りまして改善事項を集約します。そうして、中間決議機関の執行委員でございますけれども、執行委員が執行委員会に持ち込みまして、最終的に組合機関で決めまして会社側に要求を出します。主として負傷減少の問題については坑道の改善、これを主体的にそれぞれの現場ごとに項目を立てまして会社に要求して、決めて、対策を立てているつもりでございます。 さらにまた、会社と協議しまして、数人あるいは十数人ごとにグループをつくりましてグループ会議を編成しまして、自主保安に徹するようそれぞれグループごとの協議を進めまして、グループごとの対策を立てながらやっている、こういう状況でございます。
○三浦(久)委員 保安というのは金がかかりますからね。そうすると、いまのような会社の状況ですと、こんな要求をして経費がかさむのじゃないかとか、そういうような心配をされますと、やはり命に関係するということですから、ひとつその点は遠慮なく要求を出すべきだというふうに私は思います。 それから、労働者の労働条件は悪いですね、特に賃金関係がね。大変御苦労されて、賃金も一〇%カット、それからボーナスも大手の二分の一、それが十七万幾らというのでしょう。これから推測すると賃金も大体どのくらいかわかりますね。私は大変劣悪だと思っています。 それで、今度の災害に当たって復旧作業の基本方針というのですか協定書を結ばれておりますね。これでさらに労働条件は悪化しておると私は思うのですけれども、これは八月二十八日の労働組合の大会で一たん否決されたでしょう。これはとてものめぬ、これではおれたちの体がもたぬというので否決されていますね。その後もう一回やって可決されているわけですけれども、どうして大多数の労働者がこの協定をのむわけにはいかないと言って大会で一たん否決をされたのか、その理由をちょっとお尋ねしたい。
○三浦参考人 御指摘のように、先ほど来申し上げておりますように、私ども九月の二十三日に決断をし、協定を結びました。その協定書は差し上げてある協定書でございます。この協定書の決定、確認について大会に提起をしました。そして議論して投票によって採決をしました。その結果、提案については否決をされました。御指摘のとおりでございます。しかし、その中から、その直後に、否決についてはもう少し議論をすべきだという議論をさらに重ねました。そして、それは私どもから提起して再議論になったわけではなくて、自主的に組合員の中から意見が出まして、もう一遍討議しようということで討議し、再投票をやって、その結果私どもの提案が大差で確認されました。 先生がおっしゃるように、なぜ最初にそういう否決をされたのだろう、こういう御質問でございますけれども、端的に言いまして、私どもはこれまで何年か訴えてきましたし、さらにまた大会でもずいぶん強く訴えたつもりでございますけれども、結果的に私の訴えが足りなかった。結局、対外的な情勢、新鉱に対する冷たい目等について訴えが足りなかった。そのために組合員が情勢について完全に理解をしてくれなかった。つまり、一言で言いますと、まだ甘さがあった、こう言わざるを得ないと思います。
○三浦(久)委員 労働者は自分の生活を自分で守っていかなければいけませんからね、そういう気持ちも強く働いたのだろうと思うのですが、昭和五十三年の三月二日に確認書というのがありますね。この中に福利関係諸経費の一部負担というのがあるのですね。前二カ月の出勤率が下記基準未満の者から福利関係諸経費の一部として月額三千五百円を徴収する、それで基準出稼率、坑内直接員八〇%、坑外員は九〇%、これ以上出勤していないと、会社から福利関係諸経費の一部負担ということで三千五百円徴収されるようになっているのですね。 私、見てちょっとびっくりしたのですが、これは憲法とか労働基準法で禁止している強制労働になるのではないかと思うのですが、福利関係諸経費の一部負担、坑外員だったら九〇%以上出勤しないと三千五百円取られる、これは名目は福利関係諸経費とつけていても罰金みたいなものですよ。会社の再建のためとはいえ、これでは余りにも労働者が無権利な状態になり過ぎているということを私は感ぜざるを得なかったのです。 私自身も弁護士ですから、そういう意味では労働基準法等は専門家ですけれども、これは強制労働の疑いが非常に強い。確かに、お互いに雇用関係がありますから、雇用契約上の義務を履行させるためにいろいろな督促をするとかそういうことは一定の範囲では許されると思う。しかし、これは社会的に許容される範囲を逸脱しているやり方だと私は思わざるを得ないのですね。もう時間がありませんから、林さんに、こういう規定はとるべきではないか、何かこういう罰則を頭の上にのしかけておってどんどん働かせるなんということは全く前近代的だと私は思うのですね。ですからこういう協定は廃棄していただきたい。 また、三浦さんにはぜひこれの廃止を会社に要求していただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○林参考人 議員御指摘のとおり、好んでやっているわけでは決してないわけであります。本件、五十四年三月、また、今回の解雇基準につきましても、これはまた私の見解があれかもしれませんが、一応私どもとしましては労働協約にございますいわゆるお互いの合議の上に立ちまして、今回とにかく復旧をしたい、やる、こういう決意のもとに、解雇を目的としてやったのではございませんで、お互いの、何といいますか、出稼を確保していくという意味で、私は、これを組合に提案し、また組合も了としてくれたと……
○三浦(久)委員 三千五百円のことですよ。
○林参考人 失礼いたしました。三千五百円の、出稼不良者に対する福利厚生費の実費徴収ということが議員の御指摘だと思います。 私どもとしましては、議員の御指摘は違法じゃないかということになりますが、一応就業規則でお届け——そう表現していいかどうかわかりませんが、お届け申し上げておりますので、当面これで、議員の御疑問があるかもしれませんが、やってまいりたいと思っております。
○三浦参考人 私ども会社と協議しまして、満勤褒賞制度というのがあるのです。これは、一年間満勤、二年、三年というぐあいに制度があるのですけれども、これはよけいなことでございまして申しわけないのですが、十年以上の満勤者というのがおります。 そして今度、御指摘のこの福利厚生諸経費の徴収三千五百円、これに該当するのは全従業員の二ないし三%なんでございます。新鉱のこういう現状からいきまして、この二%ないし三%の人も結束しなきゃならぬ。結束してみんなでがんばろうと意欲をあらわさなきゃならない。先生御指摘のように、徴収してこの金を何かに会社が使うとか使わせるという意味は全くございません。全員が取られないようにひとつ出稼を上げてもらいたい、上げなきゃならない新鉱の状態にあるんだ、こういう点を組合としても理解をしながら協定を結んだのでありまして、この協定そのものについても、五十四年の三月でございますから、大会を二回くぐっておりまして、そんなに大きな意見は、反対意見はありません。結局、ほんの二%ぐらいの人ががんばらないために、外部から、出稼率が低い、全体が指摘をされる、こういう状況にあると判断しまして、こういう協定を結びました。 しかし、これは、組合の立場からいいまして決して望ましいものではございません。したがって、先生が、撤回するべきだ、組合として会社に要求を出して撤回させるべきだ、こういう御意見でございますけれども、御意見は理解できますけれども、何とかこの新鉱の窮状を乗り切って、危機を乗り切って、安定した段階では全興で再検討してみたい、こういう考えでおります。
○三浦(久)委員 ありがとうございました。終わります。
○森中委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、参考人各位に一言お礼を申し上げます。 本日は、御多用中のところ当委員会に御出席をいただき、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十八分散会