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93回国会衆議院1980/10/28

商工委員会流通問題小委員会 第1号

発言数
140
登壇者
20
会派数
6
開催日
1980/10/28

会議録

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 これより商工委員会流通問題小委員会を開会いたします。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  前回に引き続き、私が流通問題小委員長に選任されました。小委員各位の格別の御協力をお願い申し上げます。  流通問題に関する件について調査を進めます。  まず、当面する流通行政の現状と課題について政府から説明を聴取いたします。通商産業省神谷審議官。

神谷和男通商産業大臣官房審議官

○神谷政府委員 お手元に「通商産業省関係流通施策について」という資料を配付させていただいております。  目次にございますように一から四までの項目を掲げてございますが、四の中小企業関係につきましては、中小企業庁の村野部長から御説明させていただきます。  まず、私どもの方では、ここに掲げてございますほかに、各業種別の流通問題につきましてはおのおのの原局、原課あるいは資源エネルギー庁等がその所管する物資に関連する事項についての行政を行っております。したがいまして、この資料には全般的にわたるものを掲げてございます。  まず第一に「最近における卸・小売業の概要」についてということで若干の資料を用意いたしてございますが、これは商業統計、昭和五十四年について最近調査結果が発表されたものを掲げてございます。御承知のように商業統計は五十一年までは隔年にこの調査を実施いたしておりましたが、その後は三年に一回という調査で進めておるわけでございます。悉皆調査でございまして、わが国における商業関係の最も基礎的な統計資料であるというふうに考えられます。  この資料は御説明しますと長くなりますので、簡単に一言ずつコメントいたしておきます。  五十四年におきます商業の商店数は右の一番縦の欄にございますように二百四万店でございます。このうち小売業は百六十七万店ということで、前回の五十一年調査より五万九千店アップいたしております。商業全体では八万八千店の増になっておるわけでございます。  そこに働いております従業員は合計で九百六十四万人、小売業のみでとらえますと約六百万人、五百九十六万人という従業者が働いております。  年間販売額でございますが、卸、小売業合計いたしますと三百五十兆円、小売業のみで見ますと、下から二行目にございますが七十三兆五千九百億円ということでございまして、前回調査に比べて三一・四%のアップでございますが、三年に一回の調査になっておりますので、年平均の伸び率を計算いたしてみますと、右の欄にございますように九・三%という年率で伸びております。前回の五十一年調査はこの年平均の伸び率が一七・九%でございますので、小売業あるいは商業の伸び率がかなり落ちたという見方もされておりますが、その下に実質販売額ということで、実質ベースで四十九年基準で計算し直してみますと、この五十一年から五十四年までの間は物価がかなり安定いたしておりましたので、実質年率は四・五%ということになりまして、前回調査の実質年率二・八%より上回っておりますので、売り上げそのものは、景気の波はいろいろございますけれども順調に伸びておる、こういう状況にございます。  第二表が従業者規模別商店数でございまして、これは小売業あるいは卸売業の中の規模がどのように推移しておるかというところを示しておるわけでございます。  概括してごらんいただきますが、小売業の方で御説明いたしますと、五十人以下が御承知のように中小企業の分類に入ります。それ以上が大企業の分類に入るわけでございますが、構成比は前回の五十一年調査、今回の五十四年調査ともに大企業分は足して〇・三%ということで、この基準での構成比そのものの数値を変えるほどの動きはございませんが、年平均の伸び率というのが右端にございます。これでごらんいただきますとおわかりのように、小売業は合計で平均して年一・二%の商店数の伸びになっておるわけでございますが、小規模の一人ないし二人というところの伸び率は平均して〇・七%ということになっております。簡単に申し上げますと、この一人、二人の非常に零細規模の商店は平均以下の伸びであるということで、全体としては非常に大きなウエートを占めておるわけでございますが、構成比というものは毎回調査で平均を下回る伸びで、少しずつ静かに静かにこの規模の構成が減っていくという方向にございます。それ以外はほとんど平均以上の伸びをいたしておりますが、前回調査よりも高い伸びを示しておりますのは二十人以上という段階でございまして、小売業の中の中小企業あるいは中小企業以外を含めまして規模が徐々に上方に移行しつつあるということがこの統計から判明いたします。  その下に全体といたしましていろいろな業種の商店数、従業者数、販売額等の伸び率が書いてございますが、これは省略させていただきます。  二ページに、特に小売業を細分類で見ました場合に、商店数あるいは販売額が平均以上に伸びておる業種あるいは平均以下の業種というのが一覧表でわかるように図示いたしてございます。右にいくほど商店数が多い、上にいくほど販売額の伸びが多いということで、点線で示してあります十文字のところがその全業種の平均値でございます。したがって、右上にいくものは商店もどんどんふえておるし売り上げもどんどんふえておる業種、左下はその逆でございますが、ごらんいただきますと、パン製造業であるとか料理品であるとかスポーツ用品、花・植木といったようなものが業種としてはかなり伸びておるわけでございます。婦人・子供服、化粧品といったようなファッション類も右の方に出ておるわけでございます。  これに対しまして左下では、婦人・子供服が右上にあるのに対して男子洋服等は左下にきておりますし、洋品雑貨・小間物店といったようなものも左下の方にございます。それから食品も、牛乳、野菜、乾物、果実あるいはお豆腐屋さんといったような単品のものは左下に出ておるという形になっておるわけでございまして、業種別の動きがかなり活発であるということを示しております。  以上、ベーシックな統計についての御説明を終わります。  二番目に全般的な流通近代化施策を掲げてございます。  時間の関係で簡単に触れさせていただきますが、第一の部門が商流、商業上の流れの合理化ということで1、2、3にございますようなことをピックアップしてここに掲げてございますが、たとえば「統一伝票の作成」ということで、従来中小問屋等が納入先ごとに異なる伝票を要求されておって事務合理化に非常に支障があるということで、これは百貨店協会その他大きな企業の協力を得ながら統一伝票を作成し普及しておる、現在かなり普及をいたしております。  それから取引先のコードも統一化しようということで、企業ごとにコードのナンバーも変わるというようなことが非常に事務の合理化を妨げておりますので、これも流通システム開発センターにコードを登録させて、それを利用するという形で事務の合理化を図っております。  POSシステムについてもまだ開発から普及の段階に入ったばかりでございますが、現在鋭意その普及に努めておるところでございます。  二番目が「物流の合理化」で、物の流れの合理化でございます。これにつきましても幾つかのものをピックアップしてありますが、流通業務市街地の整備に関する法律は、後ほど御説明のございます企画庁あるいは建設省その他関係省庁と一緒にこの法律の施行をいたしております。それから、「卸総合センターの建設促進」、3の「近代的物流拠点施設の建設促進」あるいは一枚めくっていただきまして、四番目の「パレット・プール推進」といったようなものにつきましては、物流の合理化という観点から、開銀融資を通じながらこの普及あるいは指導等に努めておるところでございます。  5、6というのは比較的新しいものでございまして、5は「共同荷受システムの開発」ということで、既存商店街の小売り店等が共同荷受け場を設けて共同で荷受けをするというようなシステムが可能であるかどうかというようなことについてソフトの研究をいたしており、ことしは吉祥寺等の商店街でそのモデル的な実験を試みる予定になっております。六番目が「都市内総合物流システムの開発」ということで、物流活動の共同化がどういう分野から図れるかというのをことしから研究を始めておるところでございます。  次の3の「業種別流通合理化」は、各年複数の業種を取り上げながら、おのおのの原局と一緒になりながら業種別の流通について近代化できる部門からひとつ意見のコンセンサス、統一を図り、これの普及に努めておるところでございまして、五十四、五十五年度分としては下に掲げてあるようなものを取り上げております。  以上が流通一般でございます。  次に、大店法の運用についてでございます。これにつきましては御承知のことが多いと思いますが、まず概括的に最近の届け出状況の一覧表をお示ししてございます。真ん中辺に五十四年度というのがございます。第一種大規模小売店舗の届け出状況、三条の届け出でございますが、五十四年度の一番下の計のところをごらんいただきますと、五百七十六という届け出の実績になっております。この数値は、左に見ていっていただきますと、四十九年三月以降大体三百件ないし二百数十件というところの届け出が行われておりましたこのレベルから見ますと、五十三年度法改正を控えてかなり届け出を控えておったということの反動もございますが、相当高い水準でございまして、非常に関心を集めたわけでございますが、五十五年度に入りましてからは、第一・四半期、第二・四半期とも大体八十件程度のペースでございまして、従来のペースに近いところに戻りつつあるというふうに考えております。  次に、一枚めくっていただきますと、五十四年度の五月から新しく法改正で届け出の、調整の対象になりました五百平米から千五百平米までの第二種大規模小売店舗の届け出状況でございます。既設の届け出が、附則四条に基づくものとして約九千件ございましたが、五十四年度、初年度は千二十七件の届け出がございました。この規模の大きさというのはまだ判断が非常にむずかしいわけでございますが、五十五年度に入りましてからは第一・四半期で百四件、第二・四半期で百八件ということで、五十四年度に比べますとかなり低い水準になってきております。  以上が最近の状況でございます。  そのほか、次のページにございますように、「営業時間に関する大規模小売店舗審議会決定」ということで、最近、大型店舗の営業時間についての一つの目安を示しまして、商調協あるいは地方の大店審等でこの目安を参考にしながら調整を行っていただくようにいたしております。右方にございますように、一応の目安といたしましては、六時過ぎの届け出については七時以前、四日未満の休業日数の届け出についての目安は三十日以上というのを目安とし、地域の実情に基づいた調整を行うということと、年間総営業時間というものを念頭に置きながら調整するよう要請をいたしております。  なお、ここには資料として掲げてございませんが、この審議会ではこの運用方針については必要に応じて見直しを行っていくということで、今後常時勉強をしていこう、こういうことになっております。  以上が最近の大規模小売店舗法に基づく主要な事項でございます。  以上でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 次に、中小企業庁村野小企模企業部長。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○村野政府委員 中小企業庁関係の中小小売商業対策を申し上げます。  ただいまの資料の九ページでございますが、まず、わが国中小小売商業の概要でございます。  この(1)のところは、これは先ほどの説明と重複いたしますので省略いたします。  (2)のところ、「我が国の小売商業の中小企業性」のところでございます。この統計の右の方に中小企業の割合が出てございます。これは統計の関係上従業員一人から四十九人までということになっておりますが、商店数でまいりまして、括弧の中をごらんいただきますと九九・七%が中小企業でございます。これは二つ数字がございますけれども、上の方が昭和五十四年の商業統計、下が五十一年の商業統計でございます。それから従業者数でまいりますと、中小企業の割合が括弧の中、八九・二%という非常に高い数字になっております。それから年間販売額でございますが、これが中小企業の割合の括弧の中でございますが、七九・五%というふうな数字になっております。  さらにこれの小規模企業について見ますと、その数字が真ん中でございまして、小規模企業、従業員一人から四人までをとってございますが、これでいきますと、商店数で、五十四年の統計で八五・一%、五十一年で八五・六%、こういう数字でございます。それから従業者数で見ますと五一・四%、それから年間販売額で三四・一%という数字になっております。これは中小企業、特に小規模企業の割合が非常に高いと言えるわけでございます。  それから商店街の数がちょっとございますが、これは正確な統計ではございませんけれども、約一万四千くらいの商店街が全国にあるということになっております。うち商店街振興組合をつくっておりますのが千八百、事業協同組合が千七百、その他任意のものが一万というような数字でございます。  次に参りまして、こういった中小小売商に対します対策には大きく分けて二つございまして、一つが調整策で、十ページの上に書いてございますが、各種法規の運用によります調整対策でございます。それからそのページの下の方に「振興策」とございますが、ここでは金融等々によります振興対策をまとめてございます。  まず調整策でございますが、一つは大規模小売店舗法の運用によって大規模店舗を規制するという行政が行われておりますが、これは先ほど御説明がありましたので省略をいたします。  中小企業庁でやっておりますもう一つの調整の手段といたしましては、(2)にございますが、小売商業調整特別措置法、いわゆる商調法と言っておるものでございますが、これによりまして大規模店舗法ではカバーし切れない分野につきましての調整を行っているわけでございます。すなわち「(参考)」のところをごらんいただきますと、1、2、3と、この商調法に基づきます措置が書いてございますが、たとえば1の「事前調査」、これは次にありますように、大企業者が出店あるいは従来のお店を拡張するといった計画を持っております場合に、その周辺の小売商業の方々の申し出があった場合には、都道府県知事がその大型店に内容を聞きまして、これを事前に小売商業の方に連絡する、通知するといった措置をやることになっております。  それから2の「あっせん・調停」でございますが、これは小売商とそれからそれ以外の方々、すなわち製造業者ですとか卸売業者あるいは大企業であります小売商業者、こういった方々との紛争があった場合にあっせん、調停をするというのが十五条の規定でございます。  それからさらに十六条の二から十六条の六という規定がございますが、これはただいま申しましたようなトラブルがあった場合に、所要の勧告等を行うことができるという規定でございます。  こういった商調法の規定に基づきまして、実際にその問題の解決がなされているわけでございますが、この事例は必ずしも実は多くございません。これが発動されました事例というのは余り多くはございませんけれども、こういった規定がありますことによりまして、県当局、場合によっては通産省、各関係省庁で所要の行政指導ができるという特徴がございます。こういった法律がございますために、関係者の方々を呼んでその間を取り持つといった形での行政指導ができるわけでございます。そういったケースを入れますと数百件ということが言えると思います。  それから振興策に移りまして、この主力が「高度化資金による助成」ということでございます。これは中小企業事業団が高度化資金を、これは商業に限らず製造業、卸売業等に貸し付けて高度化、近代化を図っているわけでございますが、特に小売商業について申し上げますと、十一ページに一覧表がございますけれども、左の方を見ていただきますと、商店街の近代化、それから共同施設の設置、店舗の共同化、連鎖化、こういった小売商業の事業につきましては、それぞれたとえば商店街の近代化の場合には振興組合等、あるいはその組合員という方々にアーケードをつくりましたり、あるいは店舗の改造をしたり、そういった資金をお貸しするわけでございます。一般と特定とございますけれども、特定と申しますのは、たとえば事業者の数が非常に多いというような場合、あるいは広域的に行うといった場合には中小小売商業振興法という法律がございますが、そこで認定をいたしまして、特に無利子で融資をするという制度がございます。制度の中身は、細かいことは省略をさせていただきます。  十二ページに参りまして、この高度化融資の実績をちょっと申し上げておきますと、そこに一覧表がございます。たとえば商店街近代化をとりますと、昭和四十二年から五十四年までの十三年間の実績を見ますと、件数で申しまして、右の一番上でございますが、五十四件の貸し付けが行われております。括弧の中は、そのうち一般でございまして、この差がすなわち特定になるわけでございます。件数で五十四件、それから助成額で二百十九億円という実績がございます。以下、共同施設、それから店舗共同化、連鎖化といった事業につきましての貸し付けがございますが、省略をさせていただきます。  以上が高度化資金でございます。  次に「税制上の優遇措置」がございます。十二ページの下の方でございますが、共同施設あるいは店舗等の特別償却、それから特別土地保有税及び事業所税の免除といった優遇措置がございます。  十三ページに参りまして、これは個々のお店に対します金融の措置でございます。大型店等進出対策融資という制度融資がございまして、これは国と都道府県が資金を出しまして市中の銀行にお金を預けておきまして、市中の銀行はこれをもとにいたしまして低利で中小商業の方にお貸しするという制度がございます。これは、融資条件のところを見ていただきますと、基準金利は七・七%、これは県によって多少違います。プラス・マイナス一%ぐらいの差がございますけれども、基準金利は七・七%。貸付限度額が二千万円以上。それから期間は設備資金が五年から七年、運転資金が三年から五年といった制度がございます。この貸付状況を見ますと、真ん中でございますが、五十五年第一・四半期、四月−六月をとりますと、件数で百十件ほど全国で貸し付けが行われております。金額が十億円でございます。  そのほかに(4)でございますが、中小企業金融公庫、それから国民金融公庫にそれぞれ流通近代化貸付制度、それから小売商業高度化貸付制度といった小売商業特有の制度金融を置いております。またここに書いてございませんが、商工組合中央金庫、すなわち商工中金におきまして一般貸し付けの中でこの商業向けの貸し付けを非常にたくさん行っているということがございます。  十四ページに参りまして、これはその他の措置でございますけれども、都道府県あるいは商工会議所、商工会等によります診断、指導、それから中小企業大学校によります商業者あるいは県の指導担当者の研修事業、それから商店街振興組合等の事業の補助といったものをやっているわけでございます。  以上が中小企業庁のさまざまな仕事です。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 経済企画庁齋藤審議官。

齋藤成雄経済企画庁物価局審議官

○齋藤政府委員 お手元の「流通行政の現状と課題(資料)」と書いてございます資料に基づきまして簡単に御説明申し上げます。  最初のページは、物価と流通問題についてきわめて常識的なことが書いてございますけれども、真ん中のところに表がございまして、国民総生産の中で流通コストがどのくらいかということを示してございます。表の一番下、国民総生産を一〇〇といたしましたときに、流通コストは大体その三割、それからその上に参りまして商業マージンが一六%ぐらい、それから通信あるいは広告、そういった費用が六%ぐらい、いわゆる物的流通、商品の移動とか保管とかそういったものに必要な経費が九%ぐらいというのが、ちょっと古い資料でございますけれども、現在私どもが掌握しておる数字でございます。ことしで申しますれば国民総生産約二百五十兆円のうち、流通コストが大体七十五兆円ぐらいになるというふうにお考えいただければと思います。  その下、「流通問題と物価政策」と書いてございますのは、私ども取り組んでまいります物価政策の中で、特に関係のある流通のアイテムを拾ったわけでございまして、よく御存じのことばかりでございます。第一は、マネーサプライを注視していかなければいかぬとか、あるいは三番目で申しますと輸入政策、御存じのように輸入総代理店とかその他の問題がございます。そういった問題。五番目で言えば生活必需物資、天候であるとかいろいろな問題が出てまいりますので、それが物価に響いてくる、それは結局流通問題にうまく取り組まなければいかぬのだ、そういう考え方でございます。  次のページ、第二ページは、現在各省庁でやっておられます流通対策の主なものを一つの体系のように書いてみたものということでございます。大きく分けますと「一般的流通の合理化」と「個別物資流通の合理化」ということになりまして、個別物資については先ほど通産省から御説明がございましたが、関係省庁で所管物資について合理化を図っておられます。一般的流通の方は物的流通、つまり商品の時間的、空間的な移動の合理化の問題でございますが、道路の整備といったところから始まりますので、非常に広範な省庁に及んでおります。それから商的流通の方は、これは所有権の移転と申しますか、いわゆる商売の方、取引の方の問題でございまして、これについても流通活動の適正化であるとか、先ほど中小企業庁から御説明のありました中小商業者の近代化、合理化といったような問題についてそれぞれの省庁で取り組んでこられたという状況でございます。  それからその次、三ページは五十五年度の予算の中で物価対策というふうに分類されております予算が御存じのとおり四兆三千億ございますけれども、その中に流通対策と銘打って入っているのがどのくらいかということを示した数字でございまして、五十五年度は四兆三千億の物価対策のうちの五百四十億、主たる中身は右の方に書いてございますように、主として農林水産省の数字が入っております。  それからその次のページに参りまして四番目、流通業務市街地整備法の調整業務、これは流通の対策として先ほどの体系図にございましたようにいろいろあるわけでございますけれども、その中で経済企画庁が直接的に関与しておりますのは実はこの法律程度でございまして、あとは企画庁は調整官庁ということで調整的な活動だけをいたしているわけでございます。  この流通業務市街地整備法につきましては、先ほど通産省からも話がございましたように、大都市の都心部に流通業務施設が過度に集中しているということについて、それの打開を図るための法律、よく御存じの点でございますが、これにつきまして経済企画庁がそのページの下の方に書いてございますように、関係省庁と連絡をとりながら流通部門の近代化、合理化を図っていくということでございます。  それから次、一ページ置きまして、六ページに流通に関しまして新経済社会七カ年計画では何に触れておるかということを御参考の意味に書いただけでございまして、要するに一で商的流通、二番目で物的流通、この二つについて効率化を推進することを七カ年計画の課題といたしているわけでございます。  以上でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 次は、公正取引委員会劒持取引部長。

劔持浩裕公正取引委員会務局取引部長

○劒持政府委員 公正取引委員会からは「流通行政の現状と課題」と題しました冊子がお配りしてあると思います。  近年わが国の経済を見てみますと、産業構造の変化に伴いまして第三次産業のウエートが高まるにつれまして、非製造業の重要性が一段と増してきております。加えて、この分野におきましては独占禁止政策上いろいろ問題があるのではないかと言われておりまして、公正取引委員会といたしましても非製造業のうち特に流通部門におきます問題について重点的に取り組んで、積極的な政策展開を図っているところでございます。  流通関係につきましては現在十四業種につきまして流通実態調査を行っております。その概要がお手元に配付しております資料の一ページから四ページにわたって記載されておりますが、自動車、出版物を初めといたしまして、家電製品、冷凍水産物、インスタントコーヒー、それからずっと続いてまいりまして最後の方で新聞業、フランチャイズということが掲げられてございます。これらの調査は大きく分けまして三つに分類することができると考えております。  第一は、一応調査を終わりまして必要な改善指導措置をとっているものでございます。第二は、一応調査は終了いたしましたけれども、現段階におきましては特に問題となる点のなかったものでございます。それから第三が、現在引き続き調査を行っているものでございます。もっとも現在調査を行っておりますものの中にも、この(11)の百貨店、大型スーパーのように、実は以前に行いました調査に基づきまして業界に対しまして要請を行いまして、その後の状況の調査等を行っているといったようなものもございますので、先ほど申しました三分類と申しましても一応の目安ではございます。  十四業種のうちで自動車につきましては、最初に書いてございますけれども、いわゆる押し込み販売、白地手形制度、それから不適当なリベート政策といった独占禁止法上問題となるおそれのある行為が見られましたので、自動車取引の公正化を図る当面の措置といたしまして、押し込み販売、白地手形制度、リベート政策等につきましてディーラーと締結いたします取引契約書等を見直して所要の改善措置を講ずるよう、昭和五十四年十一月下旬以降、メーカー、自販各社を指導してまいったところでございます。メーカー、自販各社は、公正取引委員会の指導に沿いまして契約書の改定その地所要の改善措置を現在講じているところでございます。  次に出版物でございますが、出版物の再販につきましては業界で正しい理解と運用がなされていないのではないかと認められる面がございまして、昨年十月以降、独占禁止法の規定に従って出版社の意向を尊重した再販を行うようにという観点から、出版社が取り次ぎとの取引に当たって締結しております再販契約書等の改正を行うよう指導をいたしてきたところでございます。業界ではこの指導の趣旨に即しまして、再販契約書等の内容を改定いたしまして、本年十月一日から漸次実施しているところでございます。  次に独占禁止法研究会におきます検討状況について御説明いたします。  資料の五ページからでございますが、流通過程におきます独占禁止法上の諸問題につきまして理論的検討を進めるために、独占禁止法研究会にお願いいたしまして流通系列化の問題を検討してまいりました。その結果、本年三月に報告書が提出されたわけでございますが、これによりますと、流通系列化のために用いられます八つの行為類型のそれぞれにつきまして不公正な取引方法との関係を検討し、これを公正競争阻害性の判断基準に従いまして整理分類しております。  六ページの中ほどにございますように、行為の外形からいっても違法性の高いものといたしまして、販売業者の販売価格を拘束いたします再販を掲げておりますほか、販売業者の取引先を制限する一店一帳合い制、販売業者の販売地域を制限いたしますテリトリー制、さらに他社商品の取り扱いを禁止または制限いたします専売店制などにつきましてそれぞれ判断を示しております。  もちろん八ページの最後にございますように、これはあくまでも一般論でありまして、個別の業界の実態を十分に把握して判断する必要があることは申すまでもございません。  公正取引委員会といたしましては、独占禁止法研究会の報告書をも参酌しつつ、今後とも流通業界において独占禁止政策上の問題があると思われます業種につきましては引き続き調査を行い、積極的に問題点を解明し、所要の改善措置を講じていく所存でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 ここで申し上げますが、時間の関係もありますので、説明はできるだけ簡潔にお願いをします。  次に、厚生省黒木経済課長。

黒木武弘厚生省薬務局経済課長

○黒木説明員 医薬品の流通関係でございますが、まず医薬品の生産金額の推移の状況について書いてございます。  医薬品は四十五年一兆円のオーダーでございましたが、五十四年三兆円、約三倍に伸びております。最も生産金額の多いものは抗生物質関係でございまして、伸び率の最も高いものは腫瘍用薬でございます制がん剤等が開発されまして、百八十倍という大幅な伸びになっております。  用途区分別を示してございますが、医療機関で使われる薬、つまり医療用医薬品が約八五%、その他薬局、薬店を通じて売買されておるものが一五%程度でございます。  次に医薬品関係の業態数の数字を示しておりますが、これは事業所ごとの許可件数でございまして、工場あるいは営業所あるいは店舗等の数とほぼ近いわけでございます。総合計は医療用具とか医薬部外品、化粧品、毒劇物といった薬事法関係の許可総事業数でございまして、二十二万九千ほどございますが、医薬品関係は総事業数で十三万六千ほどございます。その中で製造業関係はもっぱらその中の「専業」と書いてあるところに当たるわけでございますが、二千二百ほどございまして、この専業関係でほとんど医薬品はつくられておりまして、東京、大阪が多いわけでございますが、富山とか奈良といった伝統的な医薬品メーカーがございます県にもたくさんあるわけでございます。輸入販売業が五百五十四でございます。薬局が三万店舗ほどございます。なお一般販売業の中に卸売業あるいは小売業の業態が含まれるわけでございますけれども、約一万五千ほどございます。その他薬種商販売業、特例販売業、配置販売業は薬剤師が置かれていないということから取り扱い品目に制限がある業態でございまして、それぞれごらんのとおりの数字でございます。  なお、配置販売業はいわば富山の薬売りで有名でございますが、伝統的なわが国の医薬品の販売形態でございまして行商の一種でございます。  その後に医薬品流通の経路概略図を呈しておりますが、つくられた薬がほぼ一次問屋を通じましてそれぞれ病院、薬局に流れているわけでございますが、二次問屋も約一〇%弱ぐらいはここを流れておるのではないかと言われております。  医療用医薬については病院、診療所を通じまして投薬、注射の形で消費者に渡るわけでございます。なお「処方せん」と書いてございますように、病院、診療所から処方せんが出まして、それを患者さんが薬局に持っていかれて調剤の形で消費者が受け取るという形態がございます。医薬分業と申しておりますが、この形態が諸外国では原則でございます。わが国ではまだ分業率は五%と言われておるわけでございます。  一般用医薬品については家庭薬とかあるいは大衆薬と言われておる医薬品でございますけれども、薬局、薬店を通じて販売されておるということでございまして、そのほか直販メーカー、メーカーが直接に卸している形態と、配置薬メーカーと書いてございますが、富山、奈良等に多いわけでございますが、配置販売業者を通じて行商の形で売っておる形態があるわけであります。  ただ、医薬品の流通についてはいろいろ御批判があるところでございまして、私どももその流通の適正化あるいは近代化、合理化のために現在薬務局内に医薬品流通対策研究会を設置しまして鋭意取り組んでおるところでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 厚生省齊藤食品衛生課長。

齊藤乃夫厚生省環境衛生局食品衛生課長

○齊藤説明員 大変お見苦しい資料で恐縮でございますが、資料の一ページから三ページまでは食品の流通にかかわります各種営業種目ごとの状況を書いてございます。ごらんになっていただければわかりますように、各営業種目ごとの施設数、新規施設数並びに全体に占める新規施設の割合等を示してございます。  食品関係営業の中でも施設数の大きな営業種目と言えますのは飲食店営業、これは総数は書いてございませんけれども、実は許可を要する業種は約二百三十万施設もあるわけでございますが、その半数以上の百二十六万施設が飲食店営業で占められております。そのほか魚介類販売業、乳類販売業、食肉販売業などがあるわけでございます。またこれらの営業種目は施設数が多いだけではございませんで、施設数の増加率も高くなっております。特に飲食店営業、喫茶店営業等におきましては施設数の伸びが著しくなっておるわけでございます。  このように流通が拡大しております営業種目につきましては、特に食品衛生や適正な営業の確保が重要な問題となるわけでございまして、これを確保する体制の強化に努めておるところでございます。  それから次の横に書いてございます資料は、年次別、食品別の輸入件数と輸入量の推移を書いてあるわけでございます。  これでおわかりいただけますように、最近におきます輸入数量は横ばいでございますが、輸入件数の方はかなり伸びております。これは、わが国におきます食生活が多様化していることの影響を受けまして、多種多様な食品が流通し始めているということを示すものかと思っております。  以上でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 農林水産省鷲野企画課長。

鷲野宏農林水産省食品流通局企画課長

○鷲野説明員 手元に「食料品の流通問題について」という資料がございます。簡単に御説明申し上げます。  第一ページは食料品流通の特性について記してございますので、ここは朗読をいたします。  (1)食料品に関する消費者の購入態度は、最寄り当用買いを基調とし、品揃え要求が強く、かつ、購入単位が一般に小口化している。これを受けて、食料品流通は、小口・多頻度の取引と配送が多い。また、食料品の商品特性上、鮮度保持、温度管理等に特にきめ細かい配慮が必要となる。  (2)生鮮食料品については、多種、多様な産品を四季を通じて各地から消費地に集荷し、迅速に分荷配送する必要がある。   特に、鮮魚については、漁港に併設された産地市場において、一括荷揚げのうえ、値付け・決済を行い、品質に応じて生鮮・加工・飼料等の用途へ振り分けるとともに、消費地仕向けのものについては、消費地まで配送するという機能が不可欠であり、それだけ流通マージンは野菜その他の品目より高目になる。   生鮮食料品の小売業は、鮮度低下、売れ残りによるロスが大きく、また、仕入れ、販売事前処理等に多くの労力と技能を必要とする特殊な業務であるうえ、その大多数は、生業的な零細経営である。特に、鮮魚等の小売店においては、調理のサービス添加が大きい。  (3)加工食品については、多様な商品と多数・多様態の小売店の存在を前提として、多段階の問屋経由の取引を基調とした流通が行われてきた。  (4)最近の食料品の消費態様の変化、量販店の進出、外食産業の成長等の中で、1多品種・少量型の生産・流通の展開、2流通チャネルの多元化、3卸・小売段階の競争の激化、4流通秩序の変容がみられる。 ということでございます。これに関連しまして、後の方の六ページ以下に参考資料がございます。  簡単に御説明いたしますが、まず第一が生鮮食料品の流通マージン率でございます。  生鮮食料品の流通マージン率は、品目によりまして、また時期等によりましても差がございます。一般に市況が高いときは率としては低目に出ます。それから市況が低いときは率としては高目に出る。これは、流通マージンのうちのかなりの部分、輸送費とかそういったところは定額化しておりますから、どうしてもそういうことになるわけでございます。  この表は五十三年の農林省統計情報部の調査でございますが、野菜については比較的値段が安定していた年でございます。ごらんいただけますように、野菜については卸、小売マージンの計が大体三割から四割近く、果物は三割前後、鮮魚につきましては先ほども御説明しましたように、産地段階での取引がもう一回加わりますから多少高目で四割五分ないし六割ぐらい、食肉が三割前後、こういう状況でございます。  それから、(2)は飲食料品の流通マージン率でございまして、食用油、みそ、コンビーフ、清酒等、これも大体三割から四割近く、こういう状況でございます。  御参考までに次のページにアメリカにおける農産物、食料品の流通マージン率、これはアメリカ農務省が一九七九年に調査した資料でございますが、これでごらんいただきましても各品目を通じまして大体三割から、物によりまして五割というような状況でございまして、日本とそれほど変わりはないということでございます。  それから第二ページに戻りまして、当面の食料品に関する流通対策について簡単に御説明申し上げます。  幾つかございますが、第一が産地における集出荷施設の整備で、産地における集出荷体制を整備するため、野菜の広域流通加工施設、果樹の生産流通基地、産地食肉センター、水産物の産地流通加工センター等の整備を推進しております。主要予算は次のとおりでございます。  それから(2)、二ページの下の方でございますが、卸売市場の整備ということで、中央、地方を通ずる卸売市場の計画的な整備を推進しております。予算は、三ページの上の方でございますが、中央卸売市場の施設整備が五十五年度に百四十八億円、地方卸売市場の施設整備が二十二億五千万、それからその下のところにございますように、別途農林漁業金融公庫の資金枠として九十億円が用意されております。  それから次の(3)「食料品卸・小売業の近代化」でございますが、総合食料品小売センターの整備、食料品配送合理化施設の整備、小売店の経営診断等を推進しております。また、外食向け食材の共同供給モデル施設の整備等に対しても助成を行っております。また、国民金融公庫あるいは日本開発銀行からの貸し付けも行っておるわけでございます。  それから次の四ページの(4)でございますが、その他の主要施策といたしまして、1、食料品の生産及び流通に関する情報を生産者、消費者等に提供しております。  それから2は、食料事務所職員の巡回点検指導等によりまして、食品の生産、製造、流通段階における品質管理と表示の徹底、需給、価格動向の予察、価格高騰時におけるパトロール等を内容とした事業を実施しております。  3は、消費者団体による産地直結取引、生産者団体による直接販売、いわゆる市場外取引でございますが、そういうものについても助成をいたしております。  4は、食料品の包装及び関連物流機器等の規格統一の推進、物流新技術に関する実験等を行っております。  5は、食料品の物流、商流等の総合的効率化を推進するため、品目別に効率化構想を策定するという調査も行っております。  それから最後の五ページでございますが、6、冷凍水産物の生産、輸入、在庫等の状況を緊急に調査し、その情報を生産、流通関係者に提供するという事業を本年度緊急に実施いたしております。  以上は流通に関する主要な施策、主として全般的な問題にかかわることでございまして、これ以外にたとえば食肉関係、水産関係、そういうことで別途行っておる次第でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 以上をもちまして政府からの説明は終わりました。  なお、流通行政全般にわたる質疑は後日に譲ることといたします。      ————◇—————

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 次に、大島つむぎに関する問題の調査に入ります。本件について、参考人として本場奄美大島紬協同組合理事長中江実孝君及び鹿児島県織物工業協同組合理事長嘉野長夫君の御出席をお願いいたしております。  この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  参考人各位には御多用中のところ本小委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございました。  まず、最近における大島つむぎをめぐる流通問題について参考人各位からそれぞれ七分程度御意見をお述べいただき、その後小委員の質疑にお答えをいただくことにいたしたいと存じますので、どうぞ忌憚のない御意見をお述べいただくようお願いを申し上げます。  なお、念のため申し上げますが、発言の際は小委員長の許可を得ることになっております。また、参考人は小委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。  それでは、中江参考人にお願いをいたします。

中江実孝本場奄美大島紬協同組合理事長

○中江参考人 私は、本場奄美大島紬協同組合の理事長をしております中江実孝であります。  本日は、本流通小委員会に参考人として意見を開陳する機会を与えていただきまして大変ありがたいことだと思います。  さて、奄美大島の紬協同組合は約二千七百名の組合員を擁しておりまして、年産二十五万反内外の生産額であります。四十五年ごろから韓国につむぎが移りまして、今日はすでに三十万反内外の生産数量を示しているという調査を私たちはいたしております。聞くところによりますと、一万七千台の機がありまして、その中で一万二千台の手機が稼働している。これを単なる算術計算しましても三十数万反のものができている。日本人しか着ませんので、これは日本向けに輸出されているものと思います。  政府当局の御好意によりまして、五十年から日韓交渉がとり行われまして今日までに至っておりますが、ここ二、三年は三万六千五百反という数字が大体定着しているような姿であります。鹿児島産地が四十六、七万反、奄美が二十五万反内外ありまして、七十万反内外の生産数量であります。これに対してわれわれの調査した結果によりますと、過去三年間ばかりの調査でありますが、韓国から大島つむぎとして入ってきているのが二十二、三万反内外を示している。したがいまして、奄美大島と匹敵する産地ができている実情であります。御承知でありましょうが、成田空港で先般証紙の偽造あるいは織り口つきの偽造等によって入ったのが約三百反ぐらいあるかと思います。その他群馬県の高崎を中心とする業者が一万数千反のものを入れておる、こういうような状況でありまして、鹿児島組合が京都の矢野経済研究所に委託して、韓国のつむぎ状況を調べてもらいましたら二十数万反のものが入っておって、日本の国内の輸入業者が五十数社もある、こういうような調査ができております。  私たち特に奄美大島につきましては、十五万の人口の中でつむぎ関連業者を数えてみますと家族を入れて七万余りあろうかと思いますので、私たちはかねてつむぎが奄美大島の生命産業であるということを主張いたしております。三万六千五百反の輸入数量でありますならあえて問題にしませんが、産地と匹敵するような数量のものが入ってくるということになりますと大変大事なことでありまして、政府当局あるいは国会の皆様方にお願いして、三万六千五百反を厳守させるようにしていただきたい、かように思います。  先般、通産省へ参りましてお伺いしましたら、通産省の方のお話では、香港あるいは中国の製品の輸入についての取り決めは日本側がチェックする権利を持っているけれども、韓国については、輸出する韓国側がチェックする権利を持っているので、日本側としては余り詳しいチェックはできないんだ、かような話がありましたが、日韓交渉の根本的な取り決めの一番大事なことに欠点があるんじゃないか、この制度を改めてもらわないとその他のいろいろな問題は解消できない、かように思いますので切にお願い申し上げたいと思います。  さらに、かねがねお願い申し上げておりますが、特別ビザの添付の問題、これも日韓交渉でいろいろ取り上げてもらっておるようでありますけれども、いまだに実を結んでいないというのが実情であろうかと思います。その他、おみやげ品が十反でありましたのを一昨年の九月でありましたか三反に減らしてもらいまして、私たちは大変喜んでおりまして、その効果も大したものがあったと思いますけれども、旅行業者その他の悪徳業者がこれを悪用して、旅行団を募って一人に三反ずつ持たして手数料を払って入れてきておるというのが一万数千反のものたちの内容かと思いますので、三反の規制を一反にしていただきたい、かように思うのであります。  さらに、かねてから申し上げております伝統的工芸品産業振興法は議員立法でありますけれども、日本国の伝統産業の振興、保護育成のためにできた法律だと思いますが、後進国の追い上げによって日本の伝統産業が衰微に陥るということでは大変な問題でありますので、さような場合が生じた場合は法律で規制するような法の改正をしていただきたい、かように考えているのであります。  以上、数項目にわたって申し上げましたが、よろしく御検討、御審議くださいますように心からお願い申し上げまして、私の意見開陳を終わらせ  ていただきます。ありがとうございました。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 次に、嘉野参考人にお願いいたします。

嘉野長夫鹿児島県織物工業協同組合理事長

○嘉野参考人 私は、鹿児島県織物工業協同組合の理事長の嘉野長夫でございます。  韓国産つむぎの阻止の問題につきまして、このたびも本委員会の参考人として陳情申し上げる機会を与えていただきまして深く感謝申し上げます。  さて、申し上げたい点の第一は、日韓の二国間協定によって韓国産大島つむぎの輸入数量は三万六千五百反と決められておりますが、私の組合が矢野経済研究所という民間の調査機関に依頼した調査結果は、皆様方に資料として提出してありますように、日本商社五十二社のLC貿易による韓国産の大島つむぎ類似品の輸入数量は、昭和五十二年に約二十四万反、昭和五十三年に二十五万反、昭和五十四年度には二十二万反となっております。すなわち、二国間協定数量の約六倍に達する膨大な数量がLC貿易として入っております。通産省御当局においてこの調査資料についてどのようにお考えになっているかわかりませんが、私たちは、この輸入数量は大筋において間違いないと確信しております。  と申しますのは、昭和五十三年の当委員会に提出した陳情書の説明資料にありますように、昭和五十一年に奄美産地代表が韓国調査団として韓国に渡り、韓国側の商社と懇談会の席上、韓国織物原糸輸出組合の専務理事の尹英鍾という人の発表によりますれば、韓国の織物商社二十七のうち、かすり織物商社は二十三社あり、手織り機一万四千台を設置している、そのうち稼働台数一万二千台、月平均織り上げ反数二・五反、したがって月産三万反、年産三十六万反と公表しております。日本紋製品輸入協調通関統計によるつむぎ織物の昭和五十一年の輸入数量は三十六万三千六百二十反となって、韓国商社側の発表と輸入通関統計とほぼ一致します。また、繊研新聞社発行の雑誌「きもの」の秋号、昭和五十三年八月発行の韓国商工部発表のかすり、つむぎの昭和五十二年度の輸出実績も通関統計とほぼ一致しております。さらに、その席で尹英鍾というこの責任者は、年産三十六万反のつむぎ類の中で本場大島つむぎに類似する韓国つむぎの産額は約六割であると言明しております。  よってわれわれは、韓国産つむぎの年間生産すなわち輸出数量は、少なく見積もって二十一万反、それ以上であるというふうに推定していたのですが、矢野経済研究所の調査はこれをはっきり裏づけるものと思います。しかもこの調査結果は、本場大島つむぎだけに通用する九マルキ、七マルキ、五マルキという種類別に詳細に調査されているのであります。  通産省御当局におかれても、韓国における本場大島つむぎの輸出数量が二国間協定の数量をはるかに超えるものがあるという御認識に立たれて、従来再三にわたり本場大島つむぎについては特別ビザをつけるように韓国側と交渉を続けておられるわけですが、一向に韓国側が承知せず、旧態依然として今日に至っております。  以上申し上げましたとおり、韓国側の自主規制は全く当てにならない、二国間協定は全く無視されている実情にあると申し上げることができると思います。韓国側の出口における自主規制がこのような状況であります以上、入り口において二国間協定を厳しく守るようにしていただきたい。すなわち本場大島つむぎについては事前割り当て制等を実施されるなり、主導権を日本側が握っていただくように強くお願いいたします。  次に、韓国産つむぎの不正流入の問題についてであります。  昨年夏ごろから京都を中心に私の組合の旗印の偽造商標が出回っていることを突きとめ、本年初めに京都府警に提訴したのでありますが、四月以来京都府警が非常な努力をされて、新聞紙上で御承知のように、京都−群馬にわたる大規模な手入れが行われ、六グループ、三十一人を挙げておられます。これは特許庁に登録された私の組合の旗印の口織りを韓国で織り込んでこれを密輸入し、それに私の組合の旗印の登録商標を偽造して貼付し、さらに伝産証紙まで偽造して貼付して、あたかも本場物であるかのごとく市場に流していたのであります。これは関税定率法二十一条一項四号の違反として挙げられておりますが、その数量は京都府警の調査で約一万八千反、末端価格で六十億というふうに言われております。そのうちLC貿易を悪用して密輸入したものが三千六百反ですが、大部分は三反規制のあるみやげ品として、ツアーを組んで密輸入したものであります。その手口は、ツアーを募集して、一人当たり二万円くらいを韓国ツアーに渡して密輸入しております。  その手口につきましては後で御説明申し上げたいと思いますが、このような事例は氷山の一角であると思います。そのため京都の本場大島つむぎの取引問屋は、正常な取引を邪魔して混乱させていると訴えておりますし、一般消費者を欺くものでございまして、憎んでも余りあるものであります。みやげ物の三反規制はこのように悪用されております。このままでは商標法違反を根絶できないことは明らかだと思いますので、この際、みやげ品の一反規制を実施していただくことを切望いたします。  次に、産地の実情を簡単に申し上げます。  昭和五十一年度九十七万反の生産であった本場大島つむぎは、昭和五十四年度は七十万反に減産しております。この二十七万反の減産はちょうど韓国産つむぎの流入枠に当たると考えられます。この減産によって昨年は一時的に小康があったかに見えたのでありますが、この四月、五月以降市況は悪化しております。約六五%の市場品は一五%以上の値下がりを来しております。昨年八月以来不渡り業者は十四軒に上り、それによる奄美、鹿児島両産地の被害者数は五十軒に上っております。最近でも鹿児島産地において中堅業者二軒の倒産があり、この年末までには倒産が続出するのではないかと、いま産地は非常な不安におびえている実情でございます。  本場大島つむぎ産地はほとんどが零細業者で足腰が弱い。韓国産つむぎの流入によって、その採算面は年々悪化の一途をたどっております。生糸の一元化輸入によって韓国の生糸の約二倍の価格の生糸を使って生産してどうして太刀打ちができるでしょうか。本場大島つむぎ産地の業者は企業とは言えません。これは家業でございます。これをなくしては生活の道のない先祖伝来の家業でございます。それによって生活している人たちは、先ほど中江理事長が言いましたように奄美で約七万以上、鹿児島産地で約五万、約十二万人はいるわけであります。このような苦境にある伝統的工芸品産業を守っていただくよう、先ほど申しましたような措置をとっていただくことを心から懇願申し上げます。  以上でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 以上をもちまして参考人からの御意見の開陳は終わりました。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので順次これを許します。山崎武三郎君。

山崎武三郎自由民主党

○山崎(武)小委員 中江参考人、嘉野参考人、御苦労さまでございます。  通産省ずいぶん御苦労なさいまして日韓協定を結んでいただきました。三万六千五百反、そして韓国産という表示をする等々の御努力に対しましては感謝いたすわけであります。しかし、近ごろ私鹿児島に帰りましたが、大島つむぎの業者の方方がたびたび大会を持たれて自分たちの生活の危機を訴えられております。きわめて深刻な状態を醸し出しておるわけであります。それに至る理由はいま中江参考人、嘉野参考人が申し述べられた、そこに尽きるわけであります。  時間がございませんから、この問題について問題点だけをしぼって当局に御質問したいと思います。  まず、いま中江参考人、嘉野参考人が言われたとおり、韓国から日本の方に流れ込んできているこの数量、協定によれば三万六千五百反、けれども実際は二十一万反内外、これはいろいろ調査の結果明らかである、こういうわけであります。まず、このことを通産省としてはお認めになりますかどうか、ここのところをお聞きいたします。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 山崎先生からお話がございましたように、日本と韓国において協定を結んでおりまして、大島つむぎの輸入量は三万六千五百反ということになっております。それを担保するために韓国側から毎月どの程度の輸出をしたかという通報が通産省に入ってきておりまして、その通報によりますと、毎年三万六千五百以内におさまる数字でございます。  片や矢野経済研究所等の調査によりますと二十一万とか二十三万とか入っているのではないかということでございまして、私どももそのレポートは見せていただきました。かつ、前回ここで同じようなお話がございましたので、私どもの担当官が矢野経済研究所の調査をいたしました本人に会いまして、その調査方法等確認いたしましたところ、幾つかの問題点がございます。  たとえば対象品目の定義でございますけれども、矢野研といたしましては締め機による本場大島つむぎということで質問なさったそうでございますけれども、回答者がどの程度それを区別して答えたか必ずしも質問者も十分確認していないということでございます。  それから第二点といたしまして、仕入れルートでございますけれども、矢野研といたしましてはLCベースでみずから輸入した物について調べたという裏づけは必ずしもとっておらない。したがって、日本の業者間で、仲間で取引をする仲間取引が含まれているという可能性もあったようでございます。  第三点といたしまして、調査の趣旨でございますけれども、ときによっては取引先のルート開拓ということを説明しつつ調査をしたということでございますので、問屋さんといたしましては、そうであれば少し多目に数字を言おうかというようなこともあったようでございます。  そのような調査方法によりました結果、たとえば私どもある主要な商社五社を選びましてインボイス統計を調べてみましたけれども、その総量が二万数千反でございました。その二万数千反と申しますのは、韓国産のつむぎ輸入量、大島つむぎでなくてつむぎ全体を含めての輸入量が二万数千反でございましたが、矢野研の調査によりますと、その数社の大島つむぎの輸入量が何と五万二千六百反ということで、数倍に達しておるというようなことでございます。したがいまして、私ども矢野研の調査には大変興味があり、参考とするに値する、こう思っておりますけれども、その数字自体について一〇〇%信憑性があるということについては疑義を持っております。

山崎武三郎自由民主党

○山崎(武)小委員 矢野研の調査の中については幾らかクエスチョンマークであるけれども、さればといって、韓国側が三万六千五百反を日本の方に輸出しているというふうに毎年毎年御報告なさる、であれば三万六千五百反しか日本には入ってこないであろうというふうにあなた方は信じているかどうか、それじゃそれをお伺いしましょう。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 私どもとしては、現在の体制といたしまして韓国政府からの通報を信ずる以外に手がないのではないかというふうに考えております。

山崎武三郎自由民主党

○山崎(武)小委員 そうしますと、昭和五十一年八月から九月にかけまして奄美の産地の業界代表が韓国に赴き、韓国の輸出組合の専務理事の手さんと話をした内容がこの説明資料に掲示されております。そしてこの尹さんの説明によっても韓国産のつむぎはほぼ二十万反前後というのを答えておるわけでありますし、矢野研の資料も二十一万反、向こうの方もこれくらいはつくって送っていますよ、つくったものは日本に送らなければ送るところはないわけであります。そして繊研新聞社発行の雑誌「きもの」秋号、昭和五十三年八月十五日発行、この雑誌の資料によれば、出どころは韓国商工部ということで、ほぼ三十四万反をつくっている。ほぼ同様な数字が随所から出ているわけでありますし、通産省とすれば、韓国側が言っている三万六千五百反を出しているのだったならば、それをチェックする権能をあなた方の方ではいまのところお持ちじゃない、したがって韓国側が言うことをそのとおり信用せざるを得ない立場にあるということもわかっております。しかし一方、二十万反内外のものがどうも出てきているらしいという状況についてはお認めにならざるを得ないだろう、私はそう思うのですよ。それは、立場上ここでうんと言うわけにはいかぬだろうと思う。ここからやはりいろいろ業者の間でも大問題が起き、近ごろは十四社が倒産、倒産額が七十二億、被害をこうむった鹿児島の業者が五十社、近ごろまた二社がぶっつぶれております。こういうことで大騒ぎをやっておるわけでございまして、もう寝ても覚めても奄美大島の業者並びに鹿児島市内の業者もこの問題についてわんわんわんわん言っているわけであります。  そこで、三万六千五百反、それはそれでいいのです。御努力のたまものであります。この三万六千五百反についてきわめて不信を持っているからこういうことが起きるわけであります。また現実に、LC貿易を通すルートとまた担ぎ屋グループのルートがある。そして京都府警等でも逮捕されているということから、どうも三万六千五百反というのは数字の上ではそうであるけれども、実際それ以外の相当多量のものが流れ込んできているということはこれは認めざるを得ないだろうと思います。しかしいまのところ、わが国については三万六千五百反、韓国側がはいと言えばそのとおりだということになってしまいますと、これはどうも水かけ論争になってしまいます。  そこで、鹿児島並びに奄美大島の業者の方々は、日本の国内において実際に三万六千五百反というのが担保されるような方策はないであろうかということが願望であります。何とかそれをしてくれ、日本国内において三万六千五百反しか絶対に入ってこないというこの方策が役所の努力で確立されれば実際何も文句を言わぬわけであります。そうすると、その方策が可能であろうかどうかということを議論するわけであります。そうすると、帰するところは、一例でありますが、この韓国産の大島つむぎを輸入する商社は矢野研によりますと五十三社だ、ここに名前が挙がっています。たとえば五十三社なら五十三社でいいです、五十三社に年間三万六千五百反ですから、従来の実績に応じておまえさんのところは幾らだということで輸入割り当てをする以外に手がなかろう、何かそういう方法が講じられれば大島つむぎの業者の連中は安心するわけであります。そして役所の方でこの輸入商社の割り当てについて厳重にチェックしていきますと、それは完全に守られているという担保になるわけでございますから。韓国側の方にやらしておりますから、向こうの方で三万六千五百反送りましたよ、はいそうですか。そうすると特別ビザを出してくれと言う。特別ビザを出すためには、実はなかなか識別ができないから等々の理由によって韓国側の方もらちが明かぬ返事をしている。相手がそういうような返事をするのだったならば、それでは日本の国内においてそれを担保いたします、輸入数量は三万六千五百反、あなたのところは何反ずつ、この方法ができないかどうか。この方法を実現するためにはどういう問題点があるのか、その問題点を克服するためにはどうすればいいか、まずここのところを教えてください。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 先ほど参考人の方からも話がございましたけれども、中国につきましては日本側が輸入カルテルを結んで規制をしております。これは輸取法に規定がございまして、たとえば、船積み地の輸出取引における競争が実質的に制限され、その船積み地からの他の外国の輸入取引に比して著しく不利な輸入取引の条件が課せられ、または課せられるおそれがあること、こういう規定がございまして、中国は紡織品公司というところが独占輸出をしているわけです。そういう体制に対しては輸取法のカルテルが結び得るわけでございます。  しかしながら、韓国は実態が違いますものですから、韓国側との交渉によりまして韓国側が自主的に輸出規制をするということになっております。したがって、私どもそれをさらに、三万六千五百反ということを担保するために特別ビザを出すようにということで繰り返し交渉しておりますけれども、これは技術的な問題が一つございます。したがいまして、この技術的な問題を克服するためにこちらにおられます参考人の組合の方々にも御協力を求めて、何とか大島つむぎとその他のつむぎを判別する手段がないだろうかということでかねがね検討していただいておりますけれども、具体的にいい手段がないということでございます。したがいまして、万一日本側が三万六千五百ということをチェックできる体制ができ得たにいたしましても、現実に三万六千五百をこれが大島つむぎであるその他のつむぎであると識別する手段がないという難点がございます。

山崎武三郎自由民主党

○山崎(武)小委員 参考人にお伺いします。  いまお答えになった識別する方法がない、実際そうであるかどうか。いずれの参考人からでも、どうです。実際そうであるかどうか、識別できないかどうか。

中江実孝本場奄美大島紬協同組合理事長

○中江参考人 いろいろ検討しましたけれども、たとえば大島つむぎの耳の方に白い点々ができるのが一つの区別の方法だ、こういうふうにわれわれは打ち出したのですけれども、韓国でも板締めでもそういう耳の方に点々ができるのだ、こういうことでそれが否定されておるわけです。したがいまして、現実に技術者が見たら手ざわりだけでも感覚で区別がつくということでありますけれども、素人が見た場合実際は識別がしにくいというのが実情であるようであります。

山崎武三郎自由民主党

○山崎(武)小委員 技術者が見て識別できるんだというならば、その技術者を養成して、そしてそれに向かって努力するということがまたあなた方業界側の努力でもあるだろうと思います、それが入り口であるとするのだったならば。識別する方法が可能であるということをまずやっていかなければ、これはいつまでたってもらちが明かぬだろうと思います。  そうすると、仮に識別する方法が可能であるということを技術者の方から出したとしますと、韓国側との交渉によって貿易管理令なり何なりを発動しまして、日本側においてこの三万六千五百反を厳重にチェックするということがまず交渉上可能であるかどうか、それをちょっとお答えください。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 現在の時点では識別する方法がございませんけれども、もし将来技術的に識別できるというようなことになりました場合には、韓国側に特別ビザ、いま私どもが要求しております特別ビザの実施についてさらに強く要求したいというふうに考えております。

山崎武三郎自由民主党

○山崎(武)小委員 それでは問題点をほかに移します。  従来三反ずつおみやげ品を持ってきている、この三反ずつおみやげ品を持ってきているということを利用いたしまして担ぎ屋グループがつかまった、一万八千反にも上っているという現状であります。そしてこの旅行者をパックにいたしまして、それにお金を渡しまして担いで持ってくればもうかるというこの現状を是認するのだったならば、この三反ずつのおみやげ品の総量規制、これが問題でありはせぬかということになるわけであります。そこでこの三反というのを、この際割りが合わないように一反というふうに規制をすることが業界側からの強い要望でもありますし、これほどやはり事件が頻発しているということになれば、この際善良な旅行者にとっては迷惑をかける処置であるかもしれませんけれども、国全体として大島つむぎを守るというのだったならば三反規制を一反規制にせざるを得ないところに来ているのじゃないかというふうに判断をいたします。通産省の御見解を承ります。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 山崎先生からお話しのように、現在みやげ物携帯輸入につきましては三反でございます。正確に申しますと、たとえば男物を持ってくる場合には一匹、二反と女物が一反というような形になっておりますけれども、女物であれば三反持ってこられるということでございます。この携帯品といいますのは本人の私用に供する目的かつ必要と認められるという範囲でございまして、したがって、現在でも国内において商業的に転売するという目的で、みやげ物を擬装して三反ずつ持ち込ませるというような形態については、明らかに輸入貿易管理令の例外扱いとした趣旨に反しておるということで、携帯品として輸入は認められないわけでございます。しかしながら、最近の私ども日本人の生活水準からいたしまして、三反というみやげ物の水準もまあ妥当ではないかという意見も片やございます。ただ、先ほど何度もお話がございましたように大変な不正事件が発生しておりまして、この三反というものがどうやら不正持ち込みの温床になっているということでございますので、通産省といたしましては現在韓国政府に対して不正なことがないように業界を指導するように厳重に要求いたしまして、韓国の方もできる限りの協力はするということで、たとえばみやげ品についても韓国産というものを織り込むように、マークをつけるように指導してもらっておりますが、私ども、こういう不正商品の摘発を現在関係当局が進めておりますので、その辺の摘発状況を見ながら必要な場合には適宜適切な対応策をさらに真剣に検討してまいりたいというふうに思っております。

山崎武三郎自由民主党

○山崎(武)小委員 適宜適切な対応策を講ずるということは、一反に考慮するお考えの余地があるというふうに理解いたしまして、次にいきます。  京都府警で、ことしの九月黄海起という人を逮捕いたしました。この方の事件を調べておったら、実は自分は前の五月に自分の父親、母親、嫁さんを連れて一緒に大阪の税関に入ったんだ、そのときの持ち込み反数が、黄海起本人が九十一反、自分の父親が四反、自分の母親が三十反、自分の嫁さんが三十四反、これだけ一緒に持ち込んだにもかかわらず、そのときの処分は通告処分だけしがなかったんだ、そして本年の九月の場合は逮捕されちゃったということであります。そのときに持ち込んだ反数が二十五反です。これは一体どういうことかいなというわけであります。つまり、大蔵省に聞くわけでありますが、いろいろ話を聞きますと成田は非常に厳しい、成田は非常に厳しいけれども大阪は甘い、まさに甘い証拠がここに出てきたわけであります。大蔵省の関税の取り扱い、この処分の仕方について統一性を欠くんじゃないかというふうに思います。大蔵省の御答弁をお願い申し上げます。

田中史大蔵省関税局監視課長

○田中説明員 韓国産の大島つむぎその他のつむぎ類を隠匿等いたしまして輸入しようとしました事犯につきましては、関税法違反として厳正に処分してまいってきておるわけでございます。たとえば、本年の一月から七月までをとってみますと、昨年一年間で反則が六件でございましたものが九件というふうに件数でもふえておりますし、その処分した数量につきましては六十九件が六百六十件というふうに非常に増加いたしているわけでございます。こういうわけで、私どもとしては非常に力を入れてやっておるわけでございます。  そこで、いま先生から御質問がございました大阪の事例でございますが、私も個別の事例につきまして詳しくは事情を聞いておりませんが、一般に反則がありました場合にこれを直ちに告発するかあるいは一たん通告処分といいまして罰金相当額を相手方に通告いたしましてそれの履行を求めるという、この二通りのやり方があるわけでございます。そのいずれのやり方をとるかにつきましては、単に数量のみならず諸般の経緯を見まして、犯罪の状況、証拠その他から懲役の刑に当たると相当されるような者につきましては告発を行う、こういうことになっておるわけでございます。いま先生がおっしゃいました、成田と伊丹で基準が違うのではないか、甘いのではないかという御指摘でございますが、そういうことはございませんが、いまの御質問の趣旨も踏まえまして、さらに処分は厳正に行うよういま一度各税関に対しまして指導、監督を十分にやっていきたいというふうに考えております。

山崎武三郎自由民主党

○山崎(武)小委員 もう時間が来ましたから、最後に警察庁にお願いしておきます。  やはりこういう事犯というのは悪いことをしたらもうからぬということを徹底的にやる以外なかろうと思います。いままでも御苦労おかけいたしました。私、この間シンガポールに行きまして、ごみを捨てたならば罰金五万円、月給が六万円。たばこの吸いがらを一つ捨てますと五万円罰金取られちゃいます。ただの一かけらも落ちていません。見事なものであります。厳罰主義がいいか悪いかは抜きにいたしまして、私はやはり厳罰主義、筋を通すところはぴしっと通さなければいかぬだろうと思いますし、警察の御努力は多といたしますが、今後とも、大蔵省の関税局の方でも厳重な通達を出しましてぴしっとやると言いますから、それを受けまして警察庁の方もひとつ徹底的な取り締まり方をお願い申し上げます。  終わります。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 清水勇君。

清水勇日本社会党

○清水小委員 中江参考人、嘉野参考人には遠路のところ御苦労さまでございました。切実かつ貴重な御意見をお聞かせをいただきましてありがとうございました。本来ならば両参考人からいろいろ重ねて承るべきでありましょうけれども、お話の趣旨よく理解ができましたし、また時間に制限がございますので、主として政府側にいろいろと尋ねてまいりたい、こんなふうに思いますので、ひとつ御了解を願いたいと思います。  いまやりとりを承っていたわけでありますが、まず最初に通産に聞いておきたいのですけれども、去年の七月、やはりこの流通小委員会の際に、韓国側の大島つむぎの生産実態等についての資料を韓国側は次回までに提出をするということを言われていたようですが、その後具体的な数字が報告をされましたか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 韓国側に協力を求めまして数字を提出してもらっております。ただ、全体的な数字でございまして、大島つむぎ等詳細な数字は入っておりませんでした。

清水勇日本社会党

○清水小委員 さて、そこで先ほどもこれは出ている話なんでありますが、韓国側の業界を代表する尹専務の話によると、五十一年にわが国の協同組合の代表が行かれた際に、機械が一万四千台、うち一万二千台が稼働している。大体一台当たり二反半織っているので、月三万反、年産三十六万反くらいの生産能力を持っている、こういうふうな説明があったやに承ったわけでありますが、その辺の数字について通産はどう見ていますか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 私ども正確な台数については把握しておりませんけれども、つむぎ全般の輸入数量は三十万から三十六万に近い数字が入っております。もちろん、その台数に単純に二反という計算をするわけではなくて、これは市況その他によって稼働率も違うわけですから、一〇〇%常に生産しているというふうには理解できないと思いますけれども、韓国からの日本に対するつむぎ全体の輸出は大体その程度の数字でございます。

清水勇日本社会党

○清水小委員 またその点は後のやりとりの中で触れていきますけれども、そこでまず私基本的なことを聞いておきたいのです。  現在、対韓、対中の二国間協定がそれぞれあるわけです。対中国の場合にはこちら側が輸入組合を通じてチェックをする、韓国の場合には向こう側がチェックをするという仕組みになっている。問題は、同じ二国間協定でありながら対韓、対中の規制方法がまるで逆になっているというところに一つ大きな問題点があると思われる。  さっき、中国の場合と異なっているので、韓国側に対してはたとえば対中二国間協定と同様な輸入カルテルを結んで規制をするといったようなことができない、こういうふうな御指摘があったわけであります。しかし、基本的に三万六千五百反という協定を結んだ以上、これを具体的にわが国がチェックする方法を持たないなどということは、これはばかげた話だと思うのですが、この点について、三万六千五百反という数量が厳守をされるようにわが国政府はどのように対応を考えているか、この辺を聞かしていただきたいと思います。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 いまお話にございましたように、日中、日韓それぞれ毎年話し合いをして協定をつくっておりますが、その形式については異なっております。中国に関しましてはなぜ現在日本側が規制をしておるかと申しますと、中国自体自分たちで規制をすることについて好んでおらなかったということと、たまたま中国の場合には一つの機関が独占的に輸出をしているということで、輸入カルテルを結び得る状態にあったために日本側の輸入の規制が可能であったわけでございます。  そもそも一般的に輸入を規制するということに関しましてはガットにおきまして禁止されておりますけれども、この繊維につきましては絹以外にはMFAという協定がありますが、このMFAを発動する場合にも、どこの国でも自分の輸出数量について規制をするという体制になっておりまして、輸入国側がチェックをするという体制はまずございません。したがいまして、韓国との交渉におきましても、私ども原則として韓国側が規制をするということである場合には、相手国政府を信頼してそのように措置をするというのが国際的にも正しい姿であるというふうに考えております。

清水勇日本社会党

○清水小委員 それではもう一回お尋ねしますが、日本側から見れば三万六千五百反は守られていない。先ほどもやりとりがあったように、現に京都府警等で一万八千反からの密輸入を摘発をした。成田空港等でも、量は少ないけれども摘発されている。あなた方はにわかに信用できないとおっしゃるけれども、矢野経済研究所の調査によれば、二十万反を超す大島つむぎが年々わが国に入ってきている。こういう状況が一面ではあるわけですね。ところが、現実の問題として韓国で大島つむぎがどの程度生産されているかということについてはわからない、機械台数、稼働台数等について韓国側から資料をもらったけれども、つむぎ全体であって、大島つむぎがそのうちどのくらいであるかというようなことがわからない、また二国間協定について言えば、中国とは状況を異にするから中国と同様な性格での二国間協定にはなり得ない、こういうことを言われているわけでありますが、それでは現実の問題として一体三万六千五百反以上わが国に入ってきてないというふうに通産は言われますか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 すでに先ほど同様な御質問がありましてお答え申し上げておりますように、私どもは韓国側から毎月通報を受けておりまして、その数字によりますと三万六千五百反以下でございます。

清水勇日本社会党

○清水小委員 そうすると、京都府警等で証紙を偽造したものが貼付をされて入ってきておる、これはどういうふうに見ておりますか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 六件ばかり不正事件が摘発されておりますけれども、大半がみやげ物でございまして、みやげ物につきましては三万六千五百反の外枠でございますので、みやげ物を含めますと三万六千五百を超えることはあり得ると思います。

清水勇日本社会党

○清水小委員 京都府警では一万八千反、末端価格で約六十億というようなものが摘発されているのではありませんか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 ただいま御指摘のありました数量は不正輸入でございまして、協定数量とは別であると考えております。

清水勇日本社会党

○清水小委員 不正輸入であれ、また五十三社という矢野研究所が調査をなすった輸入業者によるものであれ、現実の問題として三万六千五百反をはかるにオーバーする韓国産大島つむぎが入ってきているということは、もう紛れもない事実だと思いませんか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 先ほど参考人の方からもお話がございましたように、何が大島つむぎであるかということの技術的な判定が非常に困難でございまして、したがって私ども、韓国政府からの通報による協定数量枠内、これは遵守されていると考えておるわけでございます。

清水勇日本社会党

○清水小委員 そうすると、あなたの方は、大島つむぎに関して言えばあくまでも協定どおり三万六千五百反以内である、協定は守られている、こういうふうに強弁をなさるわけでありますし、また仮に奄美大島なり鹿児島なりの業者の皆さんがいろいろ入ってきていると言われても、果たしてそれが大島つむぎであるかどうかわからないんだ、だから、わからない以上は三万六千五百反以内におさまっているんだと思う、どうもこういうふうに言われるようでありますが、現実に輸入業者は織物に関してはプロですね。だから、たとえば織り締めによる大島つむぎであるとか、板締めによるものであるとかいうような識別ができないわけはないと現に具体的に指摘をされている。ですからその辺について、参考人のどちらでも結構でありますが、いまの通産側のお答えをお聞きになっていて感じておられる点、ちょっとお聞かせ願いたい。

嘉野長夫鹿児島県織物工業協同組合理事長

○嘉野参考人 いま先生のおっしゃいましたように、織り締めによる向こうの本場大島つむぎに類するものをつくっている人、それから輸入している商社、これは全部プロでございまして、つくって輸出する側も輸入している側においてもやはりはっきり本場大島つむぎだ、こういうことで輸入しあるいは輸出していると私たちは思っております。と申しますのは、やはり調査の結果など数量についてはいろいろお話がありましたけれども、九マルキとか七マルキとか五マルキとか、こういったような種類別、これは本場大島つむぎだけしか通用しないわけでございます。そういう点で、やはりプロの間ではこれははっきり認識しておって輸出し輸入している、こういうふうに考えております。

清水勇日本社会党

○清水小委員 その辺について審議官、どのように御意見ありますか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 いまお話がございましたけれども、現実に私どもの専門家も韓国へ参りまして、また本場大島へ参りまして現物をいろいろ見てまいりましたけれども、技術的にこれが大島つむぎでありこれは大島つむぎでないという判定は極度にむずかしい、実質的に不可能であるという結論に達しておりまして、それは先ほど中江参考人がお話しになったとおりでございます。

清水勇日本社会党

○清水小委員 時間がありませんが、これは多分ごらんになっていると思いますけれども、一々資料を提示いたしませんけれども、現にわが国に入ってきている韓国産のつむぎ、たとえば本場大島という文字を織り込みにし、また旗印を織り込みにして、出すときには御承知のようにマジックなどでカムフラージュをする、こちらに着くとこれを洗い落として浮かび上がるようにして、韓国産という部分を切断をするということで、本場大島つむぎということでどんどん販売をされているわけでしょう。御存じでしょう、こういうことは。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 承知いたしております。

清水勇日本社会党

○清水小委員 それでも三万六千五百反以上は入ってない、こういうふうに言えるのですか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 先ほどお答え申し上げましたように、不正輸入については三万六千五百反とは別でございます。

清水勇日本社会党

○清水小委員 私の言っているのは、不正輸入であれ、いずれにしても三万六千五百反という協定以上のものは、それはおみやげというようなものもありますよ。ありますけれども、そうではなしに明らかに輸入業者の手を煩わし、もしくは担ぎ屋等が、二万円くらいのチップをはずんでこれを買わせて成田なら成田へ来て集める、そういうものであれ、いずれにしてもこれは三万六千五百反以上、具体的に言えば矢野研究所ではそれやこれやを含めてどうも二十二、三万反入っているのじゃないか、その辺をあなたの方はちっとも問題にされないのですか。

末木凰太郎通商産業省生活産業局通商課長

○末木説明員 先生の御指摘に対しまして、三万六千五百が公式に通告されておりますのでこれを信じざるを得ないというふうに審議官はお答えしたわけでございますけれども、ちょっと補足いたしますと、私自身矢野研の調査を通読いたしました。非常に分厚い資料でございます。先ほど御説明したようにいろいろ問題があるのですが、ですからにわかにこの二十数万という数字、そのままとることはできませんけれども、しかし御指摘のように三万六千五百を上回って入っているのではなかろうかという問題意識は持っております。そういう意味において、三万六千五百を公式に信用しておるので一切何もしていないというわけではございませんで、したがいまして、そういう問題意識のもとにこの矢野研の調査を韓国側にも提示いたしまして、これをどう見るかというふうに聞いているわけでございます。要は韓国側も日本側も同様でございますけれども、本場大島つむぎかそうでないか、一般のつむぎか、その他のつむぎかという技術的な判定の問題に常に行き当たってしまう、これは参考人の方もおっしゃったとおりでございまして、そこで問題が立ち往生といいますか、先に進まないということでございます。  繰り返して申しますが、三万六千五百を信じているから何にもしていないというわけではございません。

清水勇日本社会党

○清水小委員 そうすると、いずれにしても三万六千五百反以上のものが入っている。ただ矢野研究所で報告をされている数字といったものが必ずしも妥当であるかどうかというところまでは通産当局としては考えていない、相手国に対してもこれを提示をしながら、矢野さんの調査についても重要な資料として相手国側との折衝に当たっている、こういうふうに理解していいのですか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 通商課長からお話ししましたように、私ども三万六千五百反を正確に確保するためにあらゆる努力をしておりますし、韓国政府としても全面的に協力してくれておるわけでございます。先ほど申しましたように、おみやげ物であるとか不正輸入であるとか、そういうことで三万六千五百以外に何らかの形の持ち込みが行われるということもあり得るわけでございますし、現に摘発もされているわけでございます。その摘発された全量が大島つむぎであるのかその他のつむぎであるのか、これはまだ一〇〇%確認したところではございませんけれども、しかしながら何らかの形で三万六千五百以外にも入っているのは事実だろうと思います。

清水勇日本社会党

○清水小委員 時間の関係もありますから、いいでしょう。  それでは、いずれにしても三万六千五百以上が入っている、こういうふうに言われているわけでありますが、しからば二国間協定による三万六千五百反というものを厳守させるために何か具体的なことを考えていませんか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 日本側が韓国側に要求いたしておりますのは、毎月必ずレポートを出すようにということで、韓国側は全面的に協力いたしております。それから第二の要求は、特別ビザでございます。特別ビザにつきましては技術的な難点がございまして、韓国側はいまのところ特別ビザの発給について同意いたしておりません。みやげ物その他につきましては不正でないように韓国産という表示をつけろという要求をいたしまして、韓国側は全面的に協力いたしております。

清水勇日本社会党

○清水小委員 特別ビザの件なんですけれども、技術的な問題があると言われるけれども、しかし参考人のお二人も政府に協力をして幾らでも識別の方法を具体的に考えよう、現にお互いにプロなんだから識別できないわけがない、こういうふうに言われているわけですから、これはその辺をある程度調整すれば識別について技術的にそんなに問題があるとも思えない、これが一つ。  それからもう一つは、韓国側が特別ビザを添付することにこだわりを持つということは、やはり結果的に数量規制というものに抵抗しているのではないか。少なくたって三万六千五百反という協定がある限りにおいては、その範囲内で特別ビザを添付するということに別にこだわるということはないと思うのですけれども、ぼくはどうも通産側の日韓交渉における態度が少し弱いのではないかというふうに思えてならないのです。その辺どうでしょうか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 お言葉ではございますけれども、私ども大変強く韓国に交渉いたしておりまして、韓国もできることは全面的に協力をするというふうに大変紳士的な態度でございます。  私ども特別ビザにつきまして技術的にチェックができるということであれば、先ほどお答え申し上げましたように全面的にさらに強く要求いたすわけでございますけれども、外から見ても実はなかなかわからない。わかるとおっしゃいましたけれども、私どもプロはおりますが、なかなかわかりにくい要求をいたすわけでございますから、そこはそれならば日本側が本当に一〇〇%チェックできるんだなと言われた場合に、そこで口でもぐもぐ言うような形では困りますので、したがって、こちらのお二方の組合にも種々御相談をして、何らかの形で対策がないだろうか、お知恵を拝借したいということでお願いしております。まだ明確な結論が出ておらないわけで、引き続きこちらの方で御検討いただくということになっておるわけでございます。

清水勇日本社会党

○清水小委員 まあ時間もありませんからぼつぼつやめにしなければいけませんが、特別ビザの添付をめぐって技術的にいろいろ問題があると言われるけれども、両参考人のお立場で言えば、われわれとしては識別ができると言われておる。それから輸入業者にしたって相手側の業者にしたってそれぞれプロなんですから、その辺の識別ができないはずはないということを明確に言われている。だからそうなれば、単に相手側の紳士的な態度を信用してというようなことを言われるのではなしに、現実にはさっきも、まあつむぎ一般とは言われておりますよ。言われておりますけれども、しかしその主流として大島つむぎが、向こう側の専務ですら大体年産二十万反以上織っているということを言っておるわけでありますし、それを使用するのは日本しかないわけなんですから、そういうことを考えれば、どういう形であれ現実にそれが大量に、三万六千五百反を超えて入ってきておることは事実なんです。  まず特別ビザについては、技術的な点は参考人等とよく協力を求め、相談をしてぴしっと解決をし、今度こそ交渉に当たっては特別ビザの添付ということを、口をもぐもぐすることのないように胸を張ってひとつ要求をし、その実現を図ってもらいたい。  それから善意な旅行者に対して迷惑はかけたくないとおっしゃるけれども、現実には先ほど来指摘のような、三反規制ということを悪用した業者が不正輸入をしていることも事実なんですから、これはもうここまで来れば一反規制をするのが当然であるし、そうすべきではないか。  さらに加えて、どうも最近、ここまで来ると現状としては、これは議員立法ですから私どもが考えなければならぬことではありますが、伝産法の一部改正といったようなものを通しながら伝統工芸品の保護育成のために新たな措置を講ぜざるを得ない。たとえば輸入業者等に対する規制を通じて、わが国の伝統工芸品の類似品等の輸入といったようなものについては制限措置を設けるといったことも必要になってきている段階ではないかと思います。  加えて、ガットとの関係もありましょうが、関税の引き上げ、こういうところまでいかないと、これは現に鹿児島等では倒産が多発をするという深刻な事態を迎えている。そういう事態を克服しないと企業の健全な維持発展を確保することができなくなるのではないか。やや総合的に申し上げましたが、その点について最後に具体的にお聞かせをいただきたい。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 私どももちろん大島つむぎ業界が今後引き続き繁栄していっていただくことは最大の希望でございます。したがいまして、日本政府といたしましてはもちろん伝産品等の対策を通じまして、全面的に業界繁栄に向かって協力いたしておるところでございますけれども、輸入問題に関しましては韓国からの輸入だけでございますので、いままでお話し申し上げましたように、二国間の交渉を通じまして全面的に韓国政府の協力を得ておりますし、今後引き続き得たい、こういうふうに考えております。

清水勇日本社会党

○清水小委員 その他のことについてはどうですか、いま申し上げたことは。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 伝産法の改正等を含めて御検討されるということでございますけれども、いま申し上げましたように大島つむぎについて現在問題が出ておるわけでございまして、その他の伝産品についてはいまのところ輸入問題はございません。したがいまして、二国間の交渉を通じて最大の努力をするということで、伝産法の改正、特に輸入制限等については御承知のようにガットで基本的に禁止されておりますので、そういう波風の立つ手段ということではなくて、個別の話し合いを通じて処置してまいりたいというふうに考えております。

清水勇日本社会党

○清水小委員 それでは終わります。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 武田一夫君。

武田一夫公明党・国民会議

○武田小委員 両参考人には大変御苦労さまでございます。  最初に参考人の中江さんにちょっとお尋ねしておきます。この矢野経済研究所の調査は三年間くらいかかって調べられたというふうに私伺ったのですが、その結果は二十二、三万反というのが出ているということですが、これはいつごろから追跡調査された結果か御承知でございますか。

中江実孝本場奄美大島紬協同組合理事長

○中江参考人 ただいまは私に対する御質問でありましたが、矢野経済研究所をして調査させた当面の組合が鹿児島組合でありますので、鹿児島組合の嘉野理事長から御返事させたいと思います。

嘉野長夫鹿児島県織物工業協同組合理事長

○嘉野参考人 矢野経済研究所に依頼いたしましたのが昨年の十月でございました。そして調査結果が出ましたのが三月末でございます。大体五カ月か六カ月くらい余裕があったと思います。

武田一夫公明党・国民会議

○武田小委員 通産省にお尋ねしますが、先ほど課長さんはこの三万六千五百反の輸入枠よりは上回ったものが出ているという問題意識を持っている、一応よけい出ているということは認められる発言でした。いろいろと問題はあるけれども、この矢野研究所の調査というのはそうした余分に出ているということを裏づける、数が二十二万反というようなことは抜きにしまして、一応これはよけい出ているのではないかということを認めているわけですが、もう一度確認の意味で……。

末木凰太郎通商産業省生活産業局通商課長

○末木説明員 先ほど申し上げましたように、私どもはいろいろ問題はありますけれども非常に貴重な資料だと思っておりまして、よく読んだわけです。先ほども審議官からお答えしておりますが、幾つか問題点がございます。したがってこの数字をそのままとって輸入の実態はこうだと言うことはできません。公式には韓国側の正式通告を信じるというのが立場でございますが、こういう有力な調査もありますので、三万六千、正確に申しますと三万六千五百を上回るものが入っているのではないかという問題意識を持ちまして韓国側に当たっておる。その具体的なあらわれが、この資料を韓国側に提示しまして、こういう調査もあるけれどもどうなんだということでいま検討を求めているのが一つ。それから、特別ビザをつけてくれということを再三強力に言っておりますのも、やはりこの三万六千五百というのが守られていないとすれば守らせなければならないという意識があるからでございます。そういう意味で申し上げました。     〔小委員長退席、清水小委員長代理着席〕

武田一夫公明党・国民会議

○武田小委員 矢野研究所では十月から三月、約五カ月間にこの調査をしたわけですね。そうすると、通産省としましてもやはりそういう一つの問題意識を持っているとするならば、その実態というものを、日本の業界を守るという意味において、そして二国間の協定を韓国に守らせるための事実関係の調査というものをもっとしっかりやらなければならない。向こう側は五カ月間でやったわけですから、通産省という大きなシステムの中で力を出して本気になってやるとするならば、こうした問題を一つ一つチェックできるのじゃないかと私は思うのですが、そういう点はいまのところ不可能なんですか、どうでしょうか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 何度もお話し申し上げましたように、技術的に可能であるということであれば日本側としては再度、現在でも要求しておりますけれども、さらに特別ビザということを強く要求してまいりたいというふうに思っております。その技術的な問題ということが実は本件を解決できる唯一の手段ではないかというふうに思っておりますが、その点について国内で検討しておってもなかなかむずかしいというのが現状でございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田小委員 警察庁にお尋ねしますが、大島つむぎの偽造商標事犯はどのくらいあるか、ここ五十二、三年以降の実態をお知らせ願いたいし、取り締まりの状況等、数字的なものをひとつお知らせ願いたいと思うのです。

中島治康警察庁刑事局保安部経済調査官

○中島説明員 大島つむぎに関します商標法取り締まり違反事件としまして、五十二年に鹿児島で一件、五十四年に鹿児島で一件、それから五十五年に千葉と京都でそれぞれ一件ずつ検挙いたしております。これは韓国産の大島つむぎに本場大島つむぎというマークを織り込みまして輸入した、それを国内に販売した、こういう事件でございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田小委員 大蔵省にちょっとお尋ねします。伺っておりますと税関の中でチェックした件数は非常に多いようですが、先ほどちょっと聞きましたのですが、六十九件が六百六十件に増加しているというのはどういう内容か、その点もう一度。

田中史大蔵省関税局監視課長

○田中説明員 補足いたしますと、韓国産の大島つむぎ等のつむぎ類を隠匿等いたしまして密輸入しようとしました関税法違反の事件で、昭和五十四年一年間が六件で数量が六十九反でございます。それに対しまして本年は、一月から七月までの間に九件で六百六十反を摘発しているわけでございます。ただし、これは先ほどお答え申し上げましたように警察庁に対して告発いたしましたものと、関税法によりまして通告処分ということで、一種の行政罰と申しますか、罰金相当額を相手方に通告して履行させたことによる処分と、両方含んだ数字でございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田小委員 検挙された等のものを見てみますと、数にしては一件、二件、五十五年が二件というわけでありますが、税関の方の反数というのは非常にふえているということを考えますと、これはやはり相当それ以外に漏れているものもあるんじゃないかなと私は思うわけであります。こういうチェック体制というのは技術的に非常にむずかしいということで議論が相当平行しているわけですが、そのために大蔵省あるいは通産省として本気になってチェック体制のための技術的な問題に取り組んできたのかという問題なんですが、その点は両省においてはどうですか。二つの省の中での話し合いあるいはまた警察の方の関係もあるでしょうけれども、どうも私は先ほどの話を聞いておりましても韓国の報告だけを信用し過ぎている。そして、そうしたものに対するチェック体制というものに対する研究というか努力というものが国としても非常に弱いのではないか、そういう感じがしてならないわけですが、その点どうでしょうか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 私どもといたしましては、担当官を韓国、現場の大島の方にも派遣いたしまして、関係業界の方々とどのようにすれば技術的に解決できるかということで十分話し合いを持っております。     〔清水小委員長代理退席、小委員長着席〕 しかしながら、先ほども申し上げましたように、現場へ行っての結論ではこれという決め手がないというのが現状でございます。したがって、再度業界の方々にも解決の手段として技術的に決め手になるものをぜひ何か考え出してくれないかということを私どもお願いしている現状でございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田小委員 参考人の皆さんにちょっとまたお尋ねしますけれども、技術者から見れば手ざわり等でわかるという発言が先ほど嘉野参考人でしたかございましたね。たとえば着物などにしまして一般の方々が着ますね。そして、着た何年か後にこれは本場の竜のかどうかという、そういう判定というのはむずかしいものかどうか。これはどうなんでしょうか。

中江実孝本場奄美大島紬協同組合理事長

○中江参考人 技術屋が見ればわかると申し上げましたのは、韓国で使う絹糸はより糸の回数が私たち本場産で使う糸のよりの回数の倍以上よらぬといけないということで、したがって韓国産のつむぎははだざわりがかさかさしている、いわゆる風合いが違うということを技術者は言うわけであります。

武田一夫公明党・国民会議

○武田小委員 通産省はそういうふうな一つの具体的なものがはっきりとわかっていて、もしそういうものがはっきりしているならば、そういう技術者というものに本物かにせものかという判断をさせることはできるのじゃないのでしょうか。そういう人をたくさん養成するかどうかによってそういうことの規制、防止というものができるというふうに思うのですが、その点はどうなんですか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 そういうふうに技術的に可能であるならば私ども喜んでそれを利用させていただきたいというふうに思っております。こちらでおっしゃっておられますのは、本当に見分けがつくかどうかということに対して、一〇〇%自信を持って処置できるということでは必ずしも私はないのではないか。これが韓国らしいな、これが日本らしいなという程度の判別はできるのではないか。それを技術的に一〇〇%これは韓国、これは日本と判別できる方法がなければ、これを両国政府間の技術的な問題として決着をつけるというわけにはまいらないのではないかというふうに考えております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田小委員 そうすると、通産省としては、一〇〇%はっきりしなければ相手方に言うわけにはいかないというわけですが、一〇〇%きちっとそういうものが技術的にわかるというようなための、要するに業者の皆さん方任せではなくて、通産省自体としてもこうした日本の産業を守るための対応は、一生懸命研究しながら現実にはやっているわけですか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 おっしゃるとおりでございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田小委員 どういう形でやっているのか具体的にここで説明してください。たとえばこういうふうな機関とか、そういうものを教えてください。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 ここに担当者が来ておりますけれども、私どもが現にやっておりますのは、韓国及び本場大島へ参りまして、こちらの技術者が先方の品物等をチェックして、果たして技術的にそれが判別可能であるかどうかということを検討しておるわけでございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田小委員 時間も余りないものですから、次の問題を聞いてみますが、伝産法を改正して、いわゆる原産国虚偽表示製品の輸入に関する規制強化を図るということに対して、通産省としてはどう考えておりますか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 その点につきましては、すでに公正取引委員会の方で五十年に通達が出ておりまして、つむぎの表示の適正化についてということで措置していただいておるわけでございます。それは景品表示法に基づいて商品の原産国に関して不当な表示をしないようにということでございまして、その措置で、私ども伝産法を改正する、同じような措置を講ずる必要はないのではないかというふうに考えております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田小委員 先ほど、中国や香港等におけるチェックはこちらでできる、最近日本からの技術導入というのが非常に進みまして、中国あるいは香港等の技術も非常に向上している、こういうことで、いまチェック体制は国の方で十分できる、こういうふうな答弁がありまして、中国物については心配ないということも聞きましたけれども、これは今後工芸品がどんどん日本の方に入ってきて、業界を圧迫するようなことになりかねないという心配もしているわけですが、そういうことに対する規制というのはやはり十分にできるものかどうか、その点はいかがですか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 本件に関しましては、通産省としても重大な関心を持っておりまして、現在のところ中国、香港等で大島つむぎを生産し、日本に輸出しているという例はございません。引き続き通産省といたしましては、中国の方にそのようなことがないように、関係者一同厳に、技術を提供するようなことがないように業界、商社等々に申し入れをいたしたいと思っておりますし、中国の方にも協力を求めたいというふうに考えております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田小委員 つむぎをつくっている方々を見てみますと、非常に零細な規模の方が多うございます。しかも御家族で一生懸命なさっているような方が多いように伺っておりますが、言うならば非常に足腰が弱いように私は考えておるわけであります。こういうような日本の伝統的な産業というものは、いまのときほど重要視して守らなければならないと私は思っておりますが、先ほども通産省は、日韓の協定をしっかり守らせるように働きを強くしていくというふうにおっしゃっているわけですから、どうかひとつ本当に国内のこうした大切な産業の保護のためにがんばっていただきたい。  最近見ていますと、日韓漁業交渉にしましても、国内からいろいろと批判を浴びるような、弱腰でないかと言われるような、こういうようなことがあります。先ほどはそんな弱腰じゃないとおっしゃった、私もそれは信用いたしますけれども、内外ともにそうした厳しい環境の中で御苦労なさっている多くの業者の皆さん方のために、最善の努力を尽くしてこうした企業の保護のためにがんばっていただきたい。  時間が参りましたので、最後にこの点だけ要望して、私の質問を終わらしていただきます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 横手文雄君。

横手文雄民社党・国民連合

○横手小委員 本日は中江、嘉野両参考人の皆さん、遠いところ大変御苦労さまでございます。私に与えられた時間が大変短うございますので、二、三お伺いをし、そして通産当局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  先ほどの御意見の中で、大変苦労しておるということをるるお述べになったわけであります。それにもかかわらず不正な形で輸入がふえて、私たちの業界が壊滅的な状況になっておる、大変苦しい、こういうことを述べられたわけでございます。業界の現状、そこに働いておる人たちが約十二万人、こういうことでございます。私も調べてみましたけれども、いわゆる賃金その他について大変安い状況の中で働いておるような統計も持っておるわけでございますが、嘉野さん、業界から見られていかがでございますか。

嘉野長夫鹿児島県織物工業協同組合理事長

○嘉野参考人 織り工さんなどの賃金、これも非常に高級物をあれするのと普通物と差がございますが、平均しまして月十万から十二万くらい、そういうところになるのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。締め者などは男ですからそれより少し高いと思いますけれども、とにかく一般の物価が高くなっている、それにあれしてベースアップするということはありませんので、非常に安い賃金でやっている、それにしがみついているというのが実情でございます。

横手文雄民社党・国民連合

○横手小委員 先ほど来いろいろと聞いておりますと、業界の方は大変苦労していろいろな資料をつくって、政府が約束をした三万六千五百反、これよりも余分に入っております、そのおかげで私ら大変なんでございますということを訴えておられるのですけれども、それに対する通産省の考え方とかみ合わないような感じがするわけであります。したがって業界の皆さんからすれば、せっかくわれわれがこれだけ苦労してこういう事実がある、だから何とかしてくださいと言っているにもかかわらず、通産当局のお考えの中に何か隔靴掻痒のようなお気持ちがあるのじゃないかと思うわけであります。私は、政府と業界との間はそんなものであってはならないというぐあいに考えるわけでございます。先ほど来指摘されておりますように、事実としてたくさん入ってきておるんだ、こういうことを繰り返しいろいろな資料で述べられるわけでございますが、通産省としては、この矢野研の資料にしても興味を持っております、だからこういうことがあり得るんじゃないかという程度だということでございますが、もう少し業界の皆さん方の心に合うようなそういったお考え方のお示しはありませんか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 私ども通産省としても業界の方々がお困りになることは大変困ることでございますので、もし韓国産の大島つむぎがたくさん入ってきておるということであれば、これは全力を挙げてぜひとも防がなければいかぬというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、先ほど通商課長がお話をいたしましたように、特別ビザであるとかそういうことについても要求をしておりますが、何せ問題点といたしましては技術的な問題に逢着するわけでございまして、その技術的な問題については業界の方々からも全面的に協力をいただきたいということで、従来も協力をいただいておりましたけれども、これという決め手がないわけでございますので、引き続き御検討願い、私どもの方とともに何らかの解決策を見出していこうじゃないかというのが現状でございます。

横手文雄民社党・国民連合

○横手小委員 警察の方もお見えなんですね。ここにちょっとした資料、先ほど同僚議員もお示しになりましたけれども、こういった写真等が来ておるわけでございますが、これは事実としてお認めになるわけですね。

中島治康警察庁刑事局保安部経済調査官

○中島説明員 どういう写真かちょっとはっきり私わかりませんが、現物が入ってきておりまして、それに本場大島という織り込みがしてあるものが入ってきておることは事実でございます。

横手文雄民社党・国民連合

○横手小委員 この伝産のマークのにせものが摘発されておりますが、これも事実なんですね。

中島治康警察庁刑事局保安部経済調査官

○中島説明員 伝産のマークにつきましては、国内で偽造しまして輸入した後にそれを貼付して販売いたしております。それからラベルにつきましても、織り込み以外の商標につきましては国内で偽造しましてこれを貼付して販売いたしております。

横手文雄民社党・国民連合

○横手小委員 先ほど質疑の中で、通産省、韓国にもそういった不正なことがあってはならない、だから製品についても韓国産ということをきちっとしてくれということを言ったら、韓国の方でも韓国産というマークをきちっとつけて協力をしてもらっておるのだ、こういう御発言があったわけでございます。しかし業界の皆さん方から見れば、あれはにせものなんですということが言いたいだろうと思うわけですよ。警察の方でもこういう韓国産ということで印刷をして入ってきておるけれども、それは以前の青竹事件みたいなもので、一遍洗うとすぐその下からは本場大島というマークが出てくるような形になっておる。だから通産省は信頼して韓国の方で韓国産ということを入れてもらっておる、こういう答弁でございますけれども、業界の皆さんにしてみればこれはもう腹がおさまらぬ、こういうような気がするだろうと思うわけであります。事実としてこういうことが行われているわけなんですから。これに対して通産省として一体どうされるのか、そこら辺のところでもうちょっと突っ込んだ話を聞かしてもらいたい。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 ただいまお話のありました件につきましては、韓国側にも同様の内容の、実物ではございませんけれども説明をいたしまして、このようなことがあるので韓国政府としても関係業界を厳重に指導してほしいという申し入れをいたしております。しかしながら、本件に関しましては日本側の方でそのように関係者が指導して韓国から入れているという、大変不正かつ憤りを感ずるようなことをやっておるわけでございますので、私どもはできれば京都府もしくは鹿児島県等地方行政機関にもお願いをいたしまして、組合関係者にそのようなことがないように厳重に申し入れをしてもらったらどうかというふうにも考えております。

横手文雄民社党・国民連合

○横手小委員 日本でそういった印刷が行われてにせ証紙が張られて本場大島物だということで販売されておる、こういうことなんですね。そうしますと、先ほどから否定しておられるわけでございますけれども、この二国間協定の数量よりもかなりのものが入ってきておる、こういうことをお認めになって、そして韓国側との間でもっともっと強い交渉がなされて、そして大島つむぎに働いておられる皆さん方の産業と生活を守ってあげる、こういうことのためにいま一歩通産省として踏み出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 通産省といたしましては正式のルートで入っておるのは三万六千五百以内であろうというふうに理解いたしておりますけれども、いまお話がございましたように不正持ち込み等々いろいろな不正事件がございまして、その中には大島つむぎも入っているのではないかという疑いも十分あろうかと思います。したがいまして、私どもの方といたしましては日本側でもそういう持ち込みが行われないように、関係当局とも協力いたしまして十分その辺はチェックいたしますと同時に、韓国側にも不正な輸出に協力しないように韓国業界の方を指導してもらうように話をしたいというふうにも考えております。

横手文雄民社党・国民連合

○横手小委員 時間が参りました。最後の質問になりますが、やはり業界の皆さん方が納得していただけるような解決策といったものを、日本の輸入業者に対する事前割り当て、ここまで進んでもらいたいというお気持ちがあるんじゃないかと思います。  先ほどお話の中でなかなかそれはむずかしいのだというふうなことでございますが、しかしこうやって具体的に事実をもって業界の皆さん方が言われるのなら、韓国との交渉の中でわが国としてはそこまで踏み込まざるを得ない、こういう前提をもって韓国との間でこの問題について交渉を進めていただく、このぐらいの強い気持ちを持っていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 御意見ではございますけれども、本件に関しましては日本政府と韓国政府はすでに取り決めをいたしておりまして、私ども韓国政府に十分その取り決めを守るように強く申し入れを引き続きしたいというふうに考えております。

横手文雄民社党・国民連合

○横手小委員 各皆さん方がおっしゃいましたように、通産省としても、大変苦しみの中でこうして訴えておられる業界の皆さん方でございますので、どうかその意に沿った対策を早急にとっていただくようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 渡辺貢君。

渡辺貢日本共産党

○渡辺(貢)小委員 中江参考人、嘉野参考人には大変御苦労さまでございます。  お話を聞いておりまして、奄美大島あるいは鹿児島の原産地の皆さんの苦労が大変よくわかるわけであります。特に大島つむぎというのは日本の長い数百年の伝統を持つ伝統産業であるというふうに言われております。一反の生産にも大変な努力が必要だというふうに聞いておりますし、また、長い間日本人の生活、そういう環境の中にも生きてきた織物あるいは着物でもございます。そういう意味では単に一つのつむぎだというだけではなく、ある点では日本人の心を織り込んでいる、そういう皆さんの努力のたまものであろうかというように私は考えておるわけであります。大変厳しい状況の中で奄美大島においても鹿児島においても大変苦労をされていらっしゃると思うのであります。倒産が続いている、あるいはコストを下げなければならない、そういう御苦労の一端をどちらからでも結構ですが、一言お話をしていただきたいと思います。

中江実孝本場奄美大島紬協同組合理事長

○中江参考人 コストを下げるということにつきましてはやはり技術者の訓練をよくやらぬといけませんので、私のところでは染めの研修会、講習会あるいは締めの能率化、さらには織り工さんが高齢者になっておりまして、平均年齢が約五十歳ぐらいになっております。この問題が一つの大きな問題でありますので、ことしから職場内職業訓練学校をこしらえまして、組合の直営で最初は約三十名を入れまして、前にやったときは中学卒業生たちを入れましたがこれらは定着しませんので、三十歳ぐらいから上の中年の方々を訓練しようということで四月から始めておりますが、なかなか熱心でありまして能率も上がっておる。来年はこれを倍にしようといま設備のことも考えておりますが、一朝一夕にコストをどんと下げるというわけにはまいりません。いろいろ分業的な作業がありますのでむずかしいのでありますが、やはりコストダウンは図って、消費者にマッチするようなことを考えなくちゃいかぬのじゃないかというふうに目下努力をいたしております。

渡辺貢日本共産党

○渡辺(貢)小委員 そういう努力も大変だと思うのですけれども、十二万人というと、奄美においてもあるいは鹿児島の原産地においてもそうだと思うのですが、先ほどちょっとお話がありましたけれども、単なる企業ではなくて家業である。まさにそういう意味では、とりわけ奄美においてはこの家業の大島つむぎというのは生命線でもある、こういうお話でございました。残念ながら私はまだ奄美に行っておりませんが、いろいろお話を聞いてみますと、奄美の三分の二の方々がほぼこれに依存しておるというふうに聞いております。そういう意味では奄美という島そのものもこの大島つむぎに依存している、こういう関係にあろうかと思うのですが、現実にそういう実態についていかがでございましょうか。

中江実孝本場奄美大島紬協同組合理事長

○中江参考人 大島つむぎは最初は、いま名瀬市という市が一つありますが、この名瀬市と笠利町、龍郷町が主体でありまして、そこで主として生産されましたけれども、今日は各離島にも拡散いたしまして、特に喜界島あたりは相当な反数を生産いたしております。また、徳之島、沖永良部、与論には地元で直接生産している人もおりますけれども、名瀬の親方と申しますか、工場主が原料を出してその島々の方々に織ってもらって賃金を払っておる、こういう実情でありまして、大体七割ぐらいは名瀬市で生産されておるかと思います。

渡辺貢日本共産党

○渡辺(貢)小委員 生産されたつむぎというのは、輸出はなくて日本人が消費されるものだというふうに理解しておりますが、そういうことですか。

中江実孝本場奄美大島紬協同組合理事長

○中江参考人 そのとおりでありまして、生産されたものは昭和三十七、八年ごろまでは問屋のシェアが、問屋が図案を出して、できたものを引き受けるというものが七〇%ぐらいありましたが、今日ではそれが逆転して、問屋のシェアは三〇%、見込み生産で、いわゆる注文生産でないものが七〇%の割りを占めておりまして、そういう取引をやっております。

渡辺貢日本共産党

○渡辺(貢)小委員 そこで通産省にお聞きいたしたいのですけれども、この奄美の問題あるいは鹿児島大島つむぎの問題の本質的なとらえ方は二つあると思うのです。  一つは、数百年の伝統産業としての性格を持っている、しかも生産されたものは全部日本人が消費するものである、こういう特別の意味合いを持った伝統産業だということです。  第二点は、いま中江参考人からもお話がありましたように、いろいろ厳しい中で、現地では生産を上げるための努力あるいは中高年齢者の雇用の問題なども考えながら、いろいろ生産や技術の改善に涙ぐましい努力を払われているわけです。というのも、とりわけ奄美にとってはこれがもう全島を支える経済の動脈である、そういう立場が長年のそうした生産の中で各生産者の中にも身についていると思うのです。  そういう二つの点からやはりわれわれは韓国産大島つむぎ——大体この韓国産大島つむぎというのは私ちょっと気に入らないわけなんです。なぜ韓国が大島つむぎという名前を僣称するのか、まさに不可解きわまりないのですけれども、あるいはつむぎそのものもそうでありましょう。十五年前に技術が韓国に渡ったというところから始まったわけでありますが、そういう立場からこの大島つむぎ等の伝統産業を守るために、通産省としての基本的な見解をまずお示しいただきたいと思うのです。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 御質問の点につきましては、通産省、まことに遺憾ではございますが、韓国の方に技術が移転してしまった。その結果、韓国で、つむぎの中で大島つむぎと同様なものが生産され、日本に入ってくるようになったということでございますので、三万六千五百反に制限をして、それ以上現地の大島つむぎの生産者の方々に御迷惑のかからないようにというのが私どもの考え方でございます。当初四万反という規制でございましたけれども、その後さらに減らしまして三万六千五百反にしておるわけでございますが、今後引き続きその三万六千五百反、諸先生方から大変厳しくお話をちょうだいしておりますので、韓国の方にさらに厳守するように、私どもの方も交渉の都度話してまいりたいというふうに考えております。

渡辺貢日本共産党

○渡辺(貢)小委員 言葉だけじゃなくてぜひそういう努力をしていただきたいと思うのですが、たとえば三万六千五百反という両国間で合意に達したこの輸入総量規制の問題も、ガットの十九条ではそういうものが認められているわけですね。ですから、そういう点では単なる紳士的な合意だということだけではなくて、私どもの見解では、条約上でもそういう伝統的な産業品の場合、しかも海外に輸出するという性格じゃないものの場合には十九条で認められているというふうにも考えておりますし、そういう点で三万六千五百反の遵守の問題、あるいは特別ビザの問題等、問題が発生したから対応するということではなくて、本当に伝統産業を守るために努力をしていただきたいと思います。  先ほど通商課長さんなどからお話があったのですけれども、現実に九月三十日に「韓国産「大島紬」の輸入について」という通達と申しましょうか、各五十三社に出ているわけですね。この通達というのは、ある意味では現実に三万六千五百反ではなくて、それ以上のものがいろいろの形で入っているということを前提にして、これは警察の摘発の問題もございますけれども、注意を喚起しているわけです。そういう意味では一つの行政指導だと思うのですけれども、そういう点で矢野経済研究所の場合に、数字がかなり不的確な部分があるといって否定的な問題のとらえ方ではなくて、現実にこうした通達も出していらっしゃる、また、先日の参議院の商工委員会における市川議員の質問に対して、この問題についてはまさに国民的なコンセンサス、各党の先生方みんなおっしゃっていらっしゃるわけですけれども、国会の中においても与野党を問わず合意ができる問題でもありますし、国民的なコンセンサス、そういう立場をしっかりとらえて解決のために努力をしていきたい、こういう田中通産大臣の答弁がございますので、ぜひ一層の努力を要望したいと思いますが、最後に簡単に決意の一言だけお伺いします。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 本日の諸先生方の御意向を十分体しまして、今後引き続き韓国側と交渉をしてまいりたいというふうに考えております。

渡辺貢日本共産党

○渡辺(貢)小委員 終わります。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 伊藤公介君。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)小委員 きょうは朝から私どもの御審議に御協力をいただいた両参考人には心からお礼を申し上げたいと思います。  いろいろ御議論を伺ってまいりまして、問題点がどこにあるかということははっきりしてまいったと思います。  実は、第八十七回国会の商工委員会、昭和五十四年七月十一日の小委員会でも中江参考人においでをいただいて、いろいろな実情を訴えられ、また改善点について御要望をいただいたわけでございます。そのときの議事録を私も読ませていただきました。しかし、いろいろな御報告を伺っておりますと、どうも実態は改善をされない。内容としては少しも前進をせずに、現地ではむしろさらに厳しい状況に追い込まれている、倒産件数はふえているという窮状もお訴えになられました。  改善をされた点について、まず通産省にお伺いをいたしたいと思います。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 数年前に比べまして、規制数量が四万反から三万六千五百反と減っていることが一点。十反のおみやげ品の持ち込み可能数量が三反に規制されたということが第二点。韓国産大島つむぎという表示を織り込みで両端につけるように合意を取りつけたことが第三点。第四点は、みやげ物につきましても韓国産という表示をつけるということ。そういうことをいたしております。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)小委員 いま申されたとおり、そういう改善をされたことを私もよく承知しておるわけでありますが、しかし、先ほどいろいろなルートで入っているという問題に対する認識も伺いましたけれども、もう一度、そうした改善をされたにもかかわらず現状はさらに苦しい状況にあるというのは一体どこに問題があるのか、認識を伺っておきたいと思います。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 御質問の点につきまして、少し別の観点からお話し申し上げたいと思います。  といいますのは、残念ながら日本の着物需要がこの数年間大幅に落ち込んでおりまして、昭和四十八年、例の買い占め売り惜しみで大問題があったときがピークでございまして、たまたま戦後ベビーブームで生まれた女性が成人になったというピークと重なりまして、四十八年がピークで、その後国内の着物需要は年々落ち込んでおります。したがいまして、日本の着物産業界は大変苦しい状況に追い込まれているということでございまして、大島つむぎの業界の方々もその一つの波を大きく受けられておるということでございます。  さらにもう少し申し上げますと、その中にあって本場大島つむぎを生産されておる奄美大島の方方は、つむぎブームがございました結果、ほかの着物産業の皆さんに比べましてわりあい生産状況はよろしゅうございます。現に最近は、企業数は減っておりますけれども労働者数は年々ふえているという状況でございます。しかしながら、そろそろ着物ブーム、つむぎブームにつきましても頭打ちになってきておる状況でございますので、その辺を踏まえまして業界の方々も通産省の方も必要に応じて適宜適切な対応策を考えてまいりたい、韓国からの輸入についても、三万六千五百を引き続き厳重に守るように話をしてまいりたいというふうに考えております。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)小委員 相手国のあることでありますから、日本と韓国との協定の交渉については、いろいろと相手の国情のこともございますのでむずかしいこともあろうかと思いますけれども、しかしいまお話を伺いますと、むしろ着物需要等々、国内のそうした問題点が現地の方々の今日の状況を生み出しているというお話もあるわけでありますが、韓国からの三万六千五百反という問題は、どういう認識をするかということは非常に重要なポイントだと思いますけれども、通産省としてはこうした日本の伝統的工芸品について、特に大島つむぎに関してはどういう指導をしていく考えを持っていらっしゃるか。いま現地ではきわめて厳しいという状況を訴えておられるわけでありますから、具体的にどういう対策を立てられるのか、伺いたいと思います。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 二点ございまして、一点は伝統産業としての大島つむぎの振興でございます。これにつきましては各種の補助金を交付いたしまして、関係者の御努力によって、たとえば従業員の教育であるとか、そういうことにこれをお使いいただいておるわけでございます。  第二点は輸入問題でございますけれども、これは本日も繰り返し諸先生方からお話がございました点でございまして、通産省としては三万六千五百反ということを厳重に守っていただきたいということでございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)小委員 中江参考人に伺いたいのですが、先ほどもちょっとお話が出た点ですけれども、識別をするというのは、まあそれができれば問題はないわけですけれども、現実にはどうなんですか。これは識別ができるのですか、できないのですか。また、いい方法があるのですか。

中江実孝本場奄美大島紬協同組合理事長

○中江参考人 いろいろ検討はしましたけれども、結局は識別がむずかしいという結論になっておりますので、なお、さらに検討して区別ができるような方途を見出してまいりたい、かように思います。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)小委員 識別ができないということになれば、あるいはそういう前提に立てば、ひとえに相手国、韓国側に対してこの問題の重要性を認識していただく、きちっと二国間の協定を守っていただくということを強く要請する以外にない。しかし、にもかかわらずなお内容的に前進がないとすれば、もっと法的な処置をとる以外にないと思うのですね。これは協定を守るという双方の信義の上に立っている協定ですから、そこまで踏み込まないでできることが一番いいわけでありますけれども、しかし、なお内容的に前進がないとすれば、日本の通産省としては、実はこの要望書の中にもございますように伝産法の改正に踏み切って、その中にきちっと明文化をしていく、あるいは輸入業者に対するさまざまな問題、すでに摘発をされている問題もあるわけでありますが、そうした問題に対する制裁措置を具体的に罰則として盛り込んでいくということまでいかなければならないのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

堺司通商産業大臣官房審議官

○堺説明員 幾つかの問題点があるかと思いますけれども、まず第一に原産国の表示を厳守させることというのが必要かと思います。これにつきましてはすでに交渉で韓国側が合意をいたしておりまして、先ほど申し上げましたように、原産国名を両端に織り込みで表示をしてくれております。これは大変手数のかかることでございますし、向こうはコストのかかることでございますけれども、そこまで合意を取りつけておるわけでございまして、原産国表示に関しては、わが方で国内法で対処する必要はないかと思います。  第二点は、虚偽表示の製品についてどのように対処するかということではないかと思いますけれども、これにつきましては、現行の関税法におきまして製品の輸入は不許可になっておるわけでございます。したがって、同じような規制をする必要はないのではないかというふうに考えられます。  それから制裁措置でございますけれども、これも関税法によって一応表示の抹消であるとか訂正であるとか貨物の積み返し、送り返しでございますけれども、そういうこともやらせるようなことになっておりますし、さらに国内におきます虚偽表示製品の取り扱いについては、先ほどもお話し申し上げましたように景表法で、公取の方から商品の外国産に関する不当な表示ということで通達が出ておりますので、一応このような対策はすべて講じられておるというふうに考えております。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)小委員 本会議の時間が迫っておりますので質問を終わりますが、日本の貴重な大島つむぎという伝統的な工芸品の火を消さないように、同時に、現地奄美大島等におきましてはこの大島つむぎに依存をしているところが大でありますので、通産当局の適切な行政指導を強く要請して、質問を終わります。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺小委員長 以上で質疑は終わりました。  参考人各位には大変御苦労さまでございました。厚く御礼を申し述べます。  この際、小委員長から申し上げます。  韓国産大島つむぎの輸入問題については、本日の参考人の意見陳述及び質疑応答によりましても、多くの問題点があることは明らかでありますので、この際、小委員長として次の点を指摘しておきたいと思います。  第一点は、消費者が韓国産大島つむぎを本場大島つむぎと誤認して、損害をこうむることがないよう対処することが必要であるという点であります。韓国産大島つむぎの問題は、本場大島つむぎの生産者の死活にかかわる深刻な問題であると同時に、消費者の利害に大きくかかわる問題であり、この点を重視すべきであります。  第二点は、韓国産大島つむぎであることを誤認させる不当な表示については、入念に識別調査を行うとともに、特別ビザの発行については、韓国に対し、引き続き強力に交渉すべきであります。  第三点は、みやげ品として持ち帰る反数については、脱法行為の防止を図るとともに、二反程度以下に制限することを検討すべきであります。  第四点は、韓国政府の協力を得て、韓国の生産実態を把握するために必要な工場視察を行うよう、政府として努力すべきであります。  以上であります。  本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十七分散会

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