商工委員会 第5号
- 発言数
- 164 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/11/07
会議録
○野中委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 通商産業の基本施策に関する件調査のため、本日、参考人として、地域振興整備公団副総裁中橋敬次郎君、新エネルギー総合開発機構理事長綿森力君、新エネルギー総合開発機構副理事長大永勇作君及び新エネルギー総合開発機構理事雨谷正方君の出席を求め、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○野中委員長 この際、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田中通産大臣。
○田中(六)国務大臣 私は、去る十月二十九日から十一月六日まで、オーストラリア、シンガポール、インドネシアの三カ国を公式訪問いたしてまいりました。今回の訪問におきましては、オーストラリアのフレーザー首相、シンガポールのシアーズ大統領、インドネシアのスハルト大統領ら各国の首脳と終始友好的な雰囲気のもとに、率直な意見交換を行ってまいりました。私自身、今回の訪問は各国との相互理解の一層の推進、経済関係の拡大、発展を図る上で大きな意義があったと確信している次第であります。本日、本委員会において、私の出張報告を行う機会が与えられましたことは、私としても大変喜ばしく思っております。この機会を利用させていただき、各国首脳との意見交換の内容を御報告いたしますとともに、東南アジア諸国との協力関係のあり方などに関する私の基本的な考え方を申し述べたいと存じます。 言うまでもなく、今日におきましてはわが国と諸外国との間の経済関係はきわめて緊密化いたしております。私は、このような状況のもとではわが国と諸外国との経済関係のあり方について、わが国としての基本的な考え方を十分見きわめ、これを踏まえて各国の首脳との接触の場を積極的に設定し、間断なき対話と率直な意見交換を行い、諸外国との相互理解の増進と友好関係の維持発展に努めることが何よりも肝要であると考えております。 このような視点のもとに、私は、今後のわが国と東南アジア諸国の協力関係のあり方を次のように構想しております。すなわち、私は、東南アジア各国がその実情に即した自立的な経済関係を確保することにより、同地域全体として安定した経済的基盤が確立されることが東南アジアの政治的、社会的安定と発展を確保する上で重要な要素であると考えております。わが国は、従来から、貿易、投資、援助などを通じて、東南アジア各国における自立的経済活動確立のための努力に対し、少なからぬ協力を推し進めてきておりますが、今後各国が一層の発展を図っていくためには、これまでの蓄積と潜在的成長力を十分踏まえて、独自の企業経営基盤、近代的産業技術等を一層効率的に会得していくことが必要でありましょう。その中で私は、特に重要な方向は、エネルギー問題の解決、中小企業の振興、製品輸出の開発、拡大、人づくりに対する協力の四つであると考えております。わが国は、日本経済を今日あるまでに育て上げたすぐれた蓄積とノーハウを有しております。以上の四つの方向においてこれらの蓄積とノーハウを生かしていくことがわが国の責務であり、また、各国も期待しているところであると考えております。 さらにオーストラリアにつきましても、資源貿易などを通じてわが国の重要なパートナーとして位置づけられるものであり、日豪友好関係の維持発展は、両国の発展にとって重要な要素であると考えております。 以上が私の構想しているものの概要であります。さきにフィリピン、マレーシア、ビルマ、タイの東南アジア四カ国を訪問いたしました際にもこれを各国首脳に提示し、各国から強い関心と共感とが示されましたが、今回のシンガポール、インドネシア訪問においても、同様の強い関心と共感が示された次第であります。また、オーストラリアにおいても、両国が互いに重要なパートナーとして位置づけられることについて認識が一致いたしました。 では、次に各国別に会談内容の概要について御報告申し上げます。 まず、十月三十日から十一月一日までの三日間オーストラリアを訪問いたしまして、フレーザー首相、アンソニー副首相兼貿易資源大臣、リンチ商工大臣ら連邦政府首脳及びコート西豪州首相らと日豪間の協力関係について率直な意見交換を行ってまいりました。 ここでは、近年の日豪関係の緊密化及び今後の日豪関係の重要性について、双方の認識が一致していることを確認するとともに、今後両国間の協力をより一層推進することについて合意いたしました。 また、個別問題につきましては、資源エネルギー問題及び通商問題に関し意見交換を行いました。 資源エネルギー問題に関しましては、次の五項目につきまして議論をしてまいりました。 まず第一は、豪州での資源関連分野、ウラン、オイルシェール、石炭等のほかアルミ等の資源加工度向上も含みます。これらにおきます日本の投資に関する問題であり、豪側からわが国の対豪投資に対する強い期待が表明されました。 第二は、石炭開発プロジェクトに係る日本企業の資本参加及びインフラストラクチュア整備に関する話題でありますが、これについては、特に豪州の外資ガイドライン上問題となっている個別プロジェクトヘの資本参加問題に対する豪側の配慮をわが方より要請してまいりました。 第三は、原子力関連分野での協力問題でありますが、今後とも本分野における日豪協力の円滑な推進を図っていくことについて基本的な合意がなされました。ウラン鉱山開発協力に関しては、豪側よりレンジャー・ウラン鉱山開発プロジェクトヘのわが国企業の資本参加を高く評価している旨の表明があり、また、原子力協定改定問題に関し、豪側より交渉の早期妥結要請が行われ、わが方より通産省としてもできる限り早急に解決したいと考えている旨表明いたしました。 第四に、オイルシェールの開発問題でありますが、わが方よりオイルシェール開発プロジェクトヘの参加に当たっては、製品の対日供給の確証を得たい旨述べたのに対し、豪側から前向きの見解が表明されました。 第五は、現在政府ベースで進展しておりますエネルギー研究開発及び資源加工共同研究についてでありますが、本件の円滑な進展に対し双方で一致した高い評価が下されました。 以上が資源エネルギー問題に関し豪政府首脳と意見交換を行った事項でありますが、総体的に豪側はわが国の脱石油を軸としたエネルギー政策に深い理解を示し、わが方からも今後より一層の協力を推進することを約束いたしました。 次に、通商問題についてでありますが、自由貿易主義を堅持することにより、世界の平和及び繁栄が保障され得るというわが方の主張に対し、豪側もこれに同意いたしました。 さらに、わが方より豪側の輸入制限について善処方を強く要望いたしましたが、豪側は農産品分野において日本が保護的とならないよう希望する旨の表明がなされました。 このように、通商問題に関しましては、双方の立場と見解とが明確にされ、かつその認識のもとでの相互理解が促進されたことは意義深かったものと感じております。 また、資源エネルギー問題通商問題のほか、故大平総理が主唱されていた環太平洋構想について、両国間でさらに協力関係を継続することについても合意してまいりました。 短期間ではありましたが、このように幅広い分野での日豪協力関係について豪州政府首脳と率直な意見交換を行えたことは、両国間における相互理解の促進という観点からきわめて有意義なものであったと考えております。 最後に、豪州側においても総選挙後のあわただしい日程の中で、各首脳とも非常に積極的な態度で会談に臨まれ、かつ今回の会談の成果をきわめて高く評価されておりましたことを付言しておきたいと思います。 次に、十一月一日から十一月三日までの三日間、シンガポールを訪問いたしまして、シアーズ大統領、リー首相及びゴー商工大臣と日シ経済関係を中心に幅広く意見交換を行ってまいりました。 シンガポールはASEANの中でリーダーシップを発揮しており、また、わが国の立場のよき理解者であることから、わが国としてもその関係を重視しております。今回の会談においても、近年における日シ関係の緊密化、日・ASEAN関係の緊密化の経緯を踏まえ、今後とも両国の友好関係の増進、特に経済関係の一層の緊密化を図るため、協力を進めていくことで双方の認識の一致が確認されました。 個別の問題につきましては、冒頭御説明いたしました東南アジア諸国との協力関係の四つの基本的方向を踏まえて、幅広く意見交換を行ってまいりました。 まず、エネルギー問題については、シンガポールより省エネルギー、代替エネルギー開発面における日本の努力と成果を高く評価する旨発言がなされ、シンガポールとしてもこれに学びたいとの意向が示されました。特に日本ヘスタディーチームを派遣し、省エネルギーのための各種措置、制度を研究したいとの要望がなされ、わが国といたしましてもその実現に向けて十分に協力したい旨表明いたしました。 また、貿易関係につきましては、日シ両国ともに貿易立国を旨としていることから、自由貿易のルールにのっとった世界経済の拡大が世界全体の繁栄につながるとの考え方に立ち、今後とも自由貿易体制の健全な発展のため努力していくとの基本認識を確認いたしました。 投資につきましては、これが資金流入、技術移転、経営ノーハウの移転、雇用の増大等をもたらし、ひいては産業構造、貿易構造の高度化に寄与するとの観点から、わが国政府としても民間べースの投資促進を側面から支援していきたいとの考え方を示し、シンガポール側からも外国企業の進出を大いに歓迎しているとの発言がなされました。 経済協力については、シンガポール石油化学プロジェクトが現在日シ間の最重要の経済協力案件として進められており、今後とも両国が一致協力してその推進に努めることが確認されました。 このほか、日シ両国間で産業協力会議を開催することが提唱されました。これは、シンガポールが現在産業構造の高度化を目指して、いわゆる第二次産業革命に取り組んでおり、その実現のために地勢、経済状況が類似し、しかも目覚ましい経済発展を図ってきたわが国からの協力を要請してきたものであります。私からは、情報交換を一層積極的に図っていくことは非常に有意義であるとの考え方を示しました。 私は、今回の訪問により、シンガポール政府首脳と日シ両国間の経済関係を中心に、両国間の協力関係全般にわたって率直な意見交換を行うことができたと確信しております。特に、私の構想に対して高い評価が示されたのを初め、一連の会談を通じて相互理解の促進が図られたことは、両国間の友好協力関係を発展させる上で非常に意義深いものであったと考えております。 次に、十一月三日から五日までの三日間インドネシアを訪問し、スハルト大統領、ウィジョヨ経済財政工業担当調整大臣、スフド工業大臣、スブロト鉱業・エネルギー大臣、ラディウス商業大臣、モフタール外務大臣、ハビビ研究技術大臣及びハルヨノプルタミナ総裁と日イ間の経済関係を中心に幅広く意見交換を行ってまいりました。 インドネシアは、年々緊密の度を高めつつある日・ASEAN関係の中にあって指導的な役割りを果たし、また、アジア屈指の資源大国であることから、わが国としてもその関係を重視しております。今回の会談においても、今後とも両国の友好関係の増進、特に経済関係の一層の緊密化を図るため、協力を推進していくことで双方の認識の一致が確認されました。 個別問題についても私の構想を提示し、これに基づいて幅広い意見交換を行ってまいりました。 まず資源・エネルギー問題については、わが国に対する石油、LNG等のエネルギー供給に対して感謝の意を表するとともに、今後とも安定供給についての配慮方を要請したのに対し、インドネシア側は、国内消費の増加、ASEAN諸国への供給等に配慮する必要はあるものの、最善を尽くす旨約しました。特にLNGについては、一層の増量の可能性が示されました。 第二に、インドネシアより代替エネルギーの開発利用を進めている旨説明がなされ、石炭、水力、地熱、ウラン等の開発利用につき協力を進めたい旨要請がなされたのに対し、わが国としても協力できることがあれば検討したい旨表明いたしました。 第三に、昨年スハルト大統領が訪日された際合意されたエネルギー合同委員会の設置に関しては、できるだけ早期に実現するよう努力することといたしました。 貿易関係については、当方から製品輸出の開発、拡大の重要性を説明したのに対し、インドネシア側も加工度の向上、雇用創出といった観点から大いに振興すべきであるとしてこれに同意いたしました。また、各種プロジェクトヘの協力、投資につきましては、第一にバリクパパン、チュラチャップの製油所建設プロジェクトに対し、わが国としては合計五億ドル程度のサプライヤーズクレジットベースの輸出信用を供与することには問題がないと考えている旨表明したのに対し、インドネシア側からは高い評価が示されました。 第二に、インドネシア側からASEAN工業プロジェクト、尿素への九千万ドルの追加ローンについて、その解決促進方要請されたのに対し、十分検討したい旨述べました。 第三に、デュマイ、アサハン・アルミナ、アロマティック等の各種大型プロジェクトヘの協力についても、インドネシア側の要請を踏まえ、十分検討したい旨述べました。 このほか、インドネシア側から中小企業の育成振興について協力要請がなされました。これはインドネシアが雇用機会の増大等の観点から現行五カ年計画の中で重点的に取り組んでいるもので、わが国としてもこれまでとってきた中小企業施策の経験、蓄積を提供していきたいと考えており、中小企業施策アドバイザーを派遣する等、今後とも協力していきたい旨表明いたしました。 今回の訪問により、インドネシア政府首脳と日イ両国間の経済関係を中心に、両国間の協力関係全般にわたって率直な意見交換を行うことができたと考えております。特に私の示した構想に対して高い評価が示されたのを初め、一連の会談を通じて相互理解の促進が図られたことは、両国間の友好協力関係を発展させる上で非常に意義深いものであったと考えております。 以上、今回訪問いたしました各国における会談内容を御紹介申し上げましたが、私は、今回の訪問は、各国首脳との間断なき対話を通じて各国との相互理解の一層の増進に寄与するとともに、わが国とこれらの諸国の友好関係、特に経済関係の拡大、発展を図る上で、非常に意義深いものであったと確信いたしております。私は、今回の各国訪問の成果も踏まえ、東南アジア諸国、オーストラリアとの友好関係の発展のため、さらに一層の努力を傾注いたしたいと考えております。今後とも委員各位の一層の御協力をお願いいたしまして私の報告を終わります。(拍手) —————————————
○野中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 いま、大臣が先月の三十日から三カ国を訪問された内容についていろいろ詳しい御報告がございました。ずっと聞いておりますと、きわめて重要な会談の内容であったことはわかりますし、同時にまた、大臣自身が非常にこの問題を高く評価されておるようであります。これは、後で時間があれば若干お伺いをしたいと思いますが、いずれもう少し詳しく分析をしながら同僚委員からの質問もあろうかと思います。 私がきょうまず最初にお伺いしたいと思いますのは、四日のアメリカ大統領選挙の結果レーガン氏が新しい大統領に就任される、こういう状況の中で、伝えられるところによりますと、わが国との通商問題に限ってみましてもいままでよりも状況は一段とわが国にとって厳しいものになるだろう、これは大方の予想であります。こういうふうな状況の中で、通産大臣としてこの新しい大統領の選任といいますか、そういう事態に対処してお考えになっておる所感、あるいは通商問題にしぼっても結構でございますけれども、わが国の対策、対応というものをどのようにお考えになっておるか、まず最初にお伺いをしたいと思います。
○田中(六)国務大臣 アメリカの大統領にレーガンさんが来年早々就任するわけでございまして、その間時間はございますけれども、私どもとしては、レーガンさんが大統領になるといたしましても、日米関係の政治、経済、あらゆる問題についての基本的な考え、交流は変わらないものと確信しております。特に通商経済関係でございますけれども、いままでも経済摩擦というものはいろんな部門であったわけでございますので、それ以上のことはいろいろないと確信しておりますし、ちょうどレーガンさんの副大統領になる予定のブッシュさんという人が八月に参りまして、私も二時間程度いろいろお会いする機会があったわけでございますけれども、私は通産大臣として私の部屋で、大臣室で会ったわけで、向こうはもちろん非公式であったと思います。しかし、私は通産省で会ったわけでございますので、こちらとしては公式も非公式もない、堂々と会っているわけで、向こうの意見をいろいろ聞いたわけでございます。 その際、日米の経済通商関係については基本的には変わらないとわざわざブッシュさんも言っておりましたし、私どもも基本的に変わったら大困りだという話をしたのをはっきり御報告できると思います。 したがって、大統領選挙前にいろいろカーターさんもそれからレーガンさんも、私に言わせれば同じようなことを大声を上げて言っておったような気もしますし、選挙というものが左右してはならないのでしょうけれども、いろいろな日米関係の経済問題にもわりに影響を与えておった発言を双方でしておったんじゃないかという気もいたしますし、基本的には日米間の通商経済、そういうものの関係は、どなたが大統領になろうが変わらないんじゃないか。したがって、レーガンさんになりましても大きな基本線で日米経済通商関係が変わるというふうには思っておりません。
○渡辺(三)委員 そこで、一、二具体的にお聞きしたいと思いますが、いま問題になっております前からの懸案事項でありますわが国の電電の機材の問題これについては新聞などで伝えられるところによりますと、年内に、つまりカーター大統領の在任期間中に最終的に決着をつける、こういうふうなことが言われておるわけでありますけれども、これについて大臣はどのように認識をしておられるのか。 それから、いまわが国との通商貿易問題については基本的には変わっておらない、変わることはないだろう、こういうお話でございましたが、たとえば当面たくさんのアメリカとの間の経済摩擦の問題がございます。これはいま一々申し上げる必要もない、大臣御自身がその問題では大変御苦心なさっておると思うのですが、自動車といった問題についてはどのような状況で具体的に推移していくと通産省は考えておられるのか、また、それに対する今日段階での対応の基本的な姿勢、こういうものがあればこの際お聞かせをいただきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 電電問題につきましては、大来さんからせんだってこの委員会の途中で外でお聞きしたのですが大来・アスキュー会談をやるんだ、したがってできるだけ年内にそれを解決したいという報告を聞いておりまして、その後それが変わったというような報告は聞いておりません。自動車問題についてもそれぞれの会社の問題をやっておりますし、その後事務当局でもそれぞれの個別の行政指導みたいなことはやっており、指導しているんじゃないかと思いますので、電電公社関係、自動車関係、それぞれ事務当局が来ておりますので、説明させたいと思います。
○渡辺(三)委員 自動車の問題で私お聞きしましたのは、これは別に大統領がどうかわるかというふうな問題とは基本的にはかかわりない、こういうふうな御認識かもしれませんが、時期的に、この問題についてのおおよその日米の合意といいますか、考え方の一致、あるいは通商摩擦の解消、こういう問題については年内に早急に決着がつくというふうなお考えを持っておるのか、あるいは新しいアメリカの政権が発足をしたその上で、十分時間をかげながらこの問題についての解決を図っていかなければならないというふうにわが国としては考えておるのか、その辺の見通しをお聞きしたかったわけです。
○藤原政府委員 対米自動車関係の問題についてお答え申し上げます。 御承知のとおり、いまアメリカ側ではITC、国際貿易委員会の方に提訴されておりまして、本月、十一月十日にいわゆるシロかクロか灰色かというふうな判定がされることになっておりまして、それに基づきまして二十四日、最終的にITCから大統領に勧告が出される、こういう段取りでございます。ITCはいわば一種の行政委員会でございまして、独立の判断をする機関でございまして、これがどのような判定を出しますか、いまのところまだ定かではございませんので、その判定を待ちまして対応する、こういう段取りになろうかと思います。ITCが勧告を出しましてから、六十日以内に政府は何らかのアクションをとらなければならぬ、こういうことになっているわけでございまして、現大統領の任期が一月二十日まででございますので、その判定いかんによりましては、その間に何らかのアクションを相互にとらざるを得ないかもしれないというふうな感じでおりますが、いまのところその判定がどういう形になりますかまだはっきりいたしませんので、われわれとしてはそういうことをいろいろ想定しながら準備をいたしておる、こういう状況でございます。
○渡辺(三)委員 それでは次の問題に入らしていただきますが、去る二日イランの議会が議決をしましたいわゆるアメリカ大使館の人質解放の方針、これをめぐって情勢が非常に大きく急速に動きつつあるわけでありますけれども、言うまでもなくわが国は貿管令の発動等をやりながら、これまでイランに対する経済制裁といいますか経済措置を行ってきたわけであります。私もこの四月の当委員会において、当時の大平総理に対して、貿管令の発動の問題については、今後の日本とイランの長期にわたる関係を考えた場合に相当慎重に考えなければならない問題であってと、総理としての見解をお聞きしたわけでありますが、当時は総理としては、まことに重要な今後の日本、イランの関係を規制する問題であるだけに、この発動についてはできるだけ慎重に取り扱わなければならないという御答弁がありました。 〔委員長退席、辻(英)委員長代理着席〕 しかし、この問題については、政府は五月二十三日にイランに対する経済措置を決定をして、二十七日には輸出、輸入の貿管令の一部を改正、また外為管理令の一部改正等の措置を行ってきたわけであります。 いま申し上げましたように情勢が非常に大きく急速に変わりつつある、こういう状況の中で、単にアメリカ待ちというふうなことではなくして、この人質が解放をされる、こういうふうな状態になった場合には、敏速に直ちに日本としては対イランの関係を修復しなければならない、こういうふうになってくると思うのです。これらに対する通産当局としての対応、準備、それはどのように検討されておるか、お聞きしておきたいと思います。
○藤原政府委員 お答え申し上げます。 イランの人質問題に関連いたしまして、西欧諸国と足並みをそろえまして経済制裁措置ということに踏み切ったわけでございますので、人質が完全に解放されるという段階になりますれば、当然そういう措置は廃止をするということになるわけでございますが、現状ではまだ何とも判定のしにくい状態でございますので、いろいろな状態を想定いたしまして私どもは対応策を検討いたしておるという状況でございます。 〔辻(英)委員長代理退席、委員長着席〕
○渡辺(三)委員 非常に一般的なお答えでありまして、これでは別にお聞きするまでもないのでありますが、そこで一、二、具体的にこの問題についてもお伺いをしてまいりたいと思います。 貿管令の発動が六月の二日ですか、実施に移されまして、それでそれ以降どのように運営をされてきたのか、余り詳しい報告でなくても結構でございますけれども、総括的に、その実績は一体どうなっておるのか、これをまず第一点お聞きしたいと思います。
○古田政府委員 六月の二日に輸出貿易管理令に基づきまして、イラン向け輸出につきましては承認制を実施したわけでございます。この承認の申請がありました場合に、原則としまして食料品及び医薬品等の医療用貨物につきましては認める、それから第二に、五十四年十一月四日以前に締結された既契約に基づきまして輸出される貨物については認めるということにしていたわけでございます。このような運営によりまして、イラン向けの輸出につきましては四月には約一億六千九百万ドル、五月には約三億ドルの実績がございましたが、六月二日以降はこの措置によりまして、輸出総額は六月には約一億三千六百万ドルに減少しております。さらに七月には約七千五百万ドル、八月、九月につきましてはそれぞれ七千六百万ドルというふうな水準で推移している次第でございます。
○渡辺(三)委員 この貿管令の発動の際にイランに向けて輸出をされております、つまりわが国の輸出関連の中小企業に対しての手当てとしての緊急融資対策、これが行われて、このショックによりて日本の関係中小企業が倒産ないしは非常に経営が困難になるというふうな状況を防ぐという措置もあわせてこの際におとりになったわけであります。これらの関連の緊急融資というものの実績はどのようになっておりますか。
○佐藤(和)政府委員 お答え申し上げます。 イランに対する経済措置の実施に伴いまして影響を受ける中小企業に対しては、昭和五十五年の六月四日から中小公庫等の政府系中小企業三機関において、長期低利の緊急融資を実施しているところでございますけれども、現在まで、六月から九月間の貸し付けの実績の合計は二百六十九件、四十億一千二百万円でございます。業種といたしましては陶磁器、繊維、雑貨等が中心でございます。
○渡辺(三)委員 そこで、これは貿易局長でもいいわけですが、お答えをいただきたいと思いますのは、冒頭一般的なお答えをいただいたわけでありますけれども、もし人質が解放されたというふうな場合には、そのことが理由になって貿管令の発動なりその他の措置がとられたわけでありますから、これは直ちに解除をする、こういうふうにやるのかどうか、その点が第一点。 それからあわせて、その他のこの関係修復の問題に係る経済的な措置が考えられておるのかどうか。もし第二の方は、いや別にそういう必要はないし、そのような経済措置はとっておらないということであればそれでも結構でございますけれども、その二点にしぼってひとつお答えをいただきたいと思います。
○古田政府委員 イランの米大使館人質の取り扱い問題につきましては、先生御指摘のとおり情勢は流動的でございますし、今後の見通しは非常に困難だと思います。しかしながら、仮に先生がおっしゃいますように人質の全員解放が実現しまして情勢が改善されました場合には、措置導入時の経緯も踏まえまして、米国やEC諸国の動向を見きわめつつ、政府として対イラン措置全体の解除の方向の検討が行われると思いますが、解除の方針が決定いたしました場合には、この貿管令につきましては、その一環としまして、先ほど申し上げましたイラン向けの輸出承認制につきましてこれを早急に改めるように手続を進めることにいたしたいと考えております。 それから第二の点につきましては、具体的にどのような措置が必要かということにつきまして、やはり情勢を見ながら今後検討を進めてまいりたいと考えております。
○渡辺(三)委員 情勢を見ながらということは現実的にはわかりますが、しかし貿管令の発動その他の経済措置をとったというその原因は、明らかに人質問題が原因になっておるわけでありまして、これが基本的に解決をされたというふうな場合にはきわめて明確な態度をとらなければならないと思うのですね。ですから、情勢を見てというのは、どういう時期にどうなっていくだろうかという情勢だろうというふうにいまのお答えの内容を私は理解するわけでありますけれども、この問題が解決をされた、現実に人質が解放された、こういうふうな場合には直ちにそのような措置をとることが至当だというふうに私は考えるのです。その後の情勢として、確かにいまイラン、イラクの戦争の問題があります。ですから非常に複雑になっていると思いますけれども、私の認識では、少なくともこの人質問題が出る以前に、たとえば武器輸出あるいは航空機の輸出、こういうふうな問題がイランとの間にはアメリカはあったわけでありますから、それが今度は人質解放と同時に既契約分については解除するというふうなかっこうになれば、イランとイラクの戦争という新しい紛争状態の中で、一体それで絶対中立の立場をとったことになるのかどうかという複雑な問題は当然アメリカとイランの間ではありましょう。しかし少なくとも日本はそういう関係にはイランとの間でなかったろう、こういうふうに考えておりますから、そういう意味ではきわめて明確な修復の措置になるのではないかということを聞いておきたいのです。その点どうですか。
○古田政府委員 対イラン経済措置は五月二十三日に政府としてその方針が決められたわけでございますが、その際に、わが国としましては、国際社会の基本的秩序の維持及びわが国とイランとの従来よりの緊密な友好関係の維持のために、イランが人質を一日も早く解放することにより情勢が改善されて、かかる措置が不必要になることを念願するものであるということで官房長官の談話が出されているわけでございます。したがいまして、人質の解放が行われまして情勢が改善されました場合には、現在とられております措置につきましての取り扱いは先生の御指摘になったところの線で進められるというふうに考えております。
○渡辺(三)委員 時間が非常に少ないものですから次の問題に移りますが、次の問題は主として石油代替エネルギーの問題でありますけれども、石油代替エネルギー法に基づく供給目標、これはすでに通産内部では決定をされているのかどうか、それから決定されておるとすればいつごろの閣議にこれをかけようとなさっておるのか、まず最初にその点をお聞きしたいと思います。
○森山(信)政府委員 ただいま御指摘になりました石油代替エネルギーの開発導入促進法に基づきます供給目標につきましては、現在作業をいたしておる段階でございまして、まだ通産原案ができたという段階ではございません。具体的な作業を申し上げますと、総合エネルギー調査会の需給部会の中にこの供給目標作成のための検討小委員会をつくっておりまして、そこに私どもの考え方を一応お示しをいたしまして、現在その小委員会で検討していただいているという段階でございます。 そこで、問題の第二点、いつごろを考えているのだという御指摘につきましては、私どもはでき得べくんば十一月中にも閣議決定に持ち込みたいというように考えておりますが、先生もよく御高承のとおり、法律によりましてこの供給目標は閣議で決めるということになっております。通産省といたしましてできるだけ早くという気持ちを持っておりますけれども、内閣全体の問題でもございますので、総合調整をした上でできるだけ早くと、こういうような気持ちを持っておる次第でございます。
○渡辺(三)委員 作業の手順、経過はわかりましたが、ただ、すでに十月の段階で幾つかの新聞にも通産省エネルギー庁としての供給目標が、一つの試案でありましょうけれども、相当明確に出されておるわけであります。いま手続面の問題等を長官からお伺いをしたわけですが、相当明確に数字を挙げて、項目を挙げて書かれておりますから、大体この案で固めておられるのか。手続はもちろんいまおっしゃったように残っておると思いますけれども、そういうふうな考え方なのかどうか、ぜひお聞きしておきたいと思うのです。
○森山(信)政府委員 形式的なお答えを申し上げますと先ほど答弁申し上げたとおりの実態でございますけれども、重ねての御質問でございますから若干踏み込んだ答弁になるかもしれませんがお答えをしたいと思います。 新聞等に報道されました数字は、一応たたき台といたしまして先ほど申し上げました小委員会にお出しした数字が新聞等に報道されたのではないかと思う次第でございます。その基本的な考え方は、エネルギーの長期需給暫定見通しをベースにいたしまして、これを供給目標とどう調整していくかというのが基本的な課題でございまして、現在のエネルギー情勢はもう私から申し上げるまでもなく大変激動いたしておりますので、供給目標として相当長期間の政府の見通しをつくるに果たして適した時期であるのかどうかという問題意識はございます。さはさりながらさきの通常国会で成立させていただきました代替エネルギーの開発導入促進法に基づく供給目標というものも早急につくる必要がある、この二つの問題をどう解決したらいいかというのが小委員会に検討をお願いしておる最大のポイントでございまして、私自身の判断ではその数字の問題よりも、いま申し上げましたような問題意識をどういうふうに処理するかということを、率直に各方面の先生方の御意見を拝聴したいという気持ちでやっておるわけでございます。したがいまして、現実の問題として早期に供給目標をつくるということになりますと、どうしても需給暫定見通しという数字とそう大きな隔たりはない数字にならざるを得ない、こういうような状況でございまして、新聞等で御承知のとおり、報道されました数字は長期需給暫定見通しとほとんど変わってないというのはそういう趣旨に基づくものであるということでございまして、くどいようでございますが、その点に関しましては現在各方面の意見を聞くべく小委員会で検討していただいておりますので、その検討の結果を待ちまして最終的な判断をしたい、こういうふうに考えております。
○渡辺(三)委員 これは五日の日にも当委員会のエネルギー小委員会の方でいろいろな資料も出され、あるいは若干の質疑も交わされたようでありますから、同じような角度で私はお聞きしようとは思いませんが、法律で言うところの供給目標を公表しなければならない、こういうふうな規定、これは考えようによっては、特に石油供給を中心として非常な変動、激変がありますだけに、国民全体に対しての一つの目標を与える、あるいは関係業界も含めて一つの指針というものを、政府がより全体の意見をまとめながら出されるということについてはやはり必要だろう、私はこういうふうに思うわけです。特にエネルギーをめぐる情勢が非常に国際的に複雑であり、変化が激しい、こういうふうにわれわれも考えるわけでありますけれども、しかしそれならばこの状況がたとえば半年先、一年先にはきわめて安定したものになろうという保証もないわけでありますから、そういう意味においてはできるだけ早い時期において、しかもより正確な資料、見通しを立てながら公表されるということは法律の趣旨からいっても当然だろう、こういうふうに思っておるわけであります。長官が言われた、たとえば十一月中にも閣議の決定を経てこの目標を正式に明らかにしたい、こういうふうになりますと、昨年の八月に決定をされている長期エネルギー暫定見通し、このおおよその数字と当然同じようなものになろう、そう大差はない、こういうふうな趣旨の考え方を述べられたと私は理解をしておるわけでありますけれども、新聞でも報道されておる数字は、昨年八月に出されておる目標とほとんど変わっておりません。 ただ内部を少し検討してみますと、六十五年べースで言いまして、一つは原子力の電源立地の大幅なおくれ、これは稼働率のアップによって昨年八月に全体に示されておる目標を達成をしていく。簡単に言えば、一つはそういうことになっておるのではないか。それからもう一つの点は、輸入炭については一般炭と原料炭の供給をそれぞれ増減をする、こういう中身の異同はこの新聞報道によれば出されておるわけでありますけれども、しかし輸入炭については一億四千三百五十万トン、これは変わっておらないわけであります。ですから、全体的な供給の合計でも七億一千六百万キロリットル、このように同じ数字というふうになっておるわけですが、これは昨年の八月に出された状況ですから、一年後の今日大きく変わろうとは私思いませんけれども、しかしいま私がちょッと部分的に挙げたような数字、これがほとんど変わりない、こういうふうにエネ庁では見ておられるというふうに理解してよろしいのですか。
○森山(信)政府委員 先生が御指摘になりました長期エネルギー需給暫定見通し、これを幾つかの前提条件から申し上げますと、一つは今後十年、十五年間の経済成長をどう見るかという問題がございます。それから、輸入石油の上限をどう見るかということでございまして、まず第一点から申し上げますと、政府が持っております経済社会七カ年計画というものをベースに作業したわけでございまして、具体的には六十五年までは五・五%の成長、それ以降は五%の成長ということでエネルギー需要をはじき出したわけでございます。それから、後段の方の輸入石油の上限につきましては、御高承のとおり六百三十万バレル・パー・デーという国際合意がございますから、それを前提にしてはじき出したわけでございまして、その二つの前提を置いたときの基本目標が、十年後に日本のエネルギー構造を石油を五〇%、石油以外を五〇%、これが政策課題でございます。この前提条件と政策課題を組み合わせたものが需給暫定見通しになっておるわけでございまして、いま申し上げました前提条件と政策課題は、現段階においてはまだ変わっていないわけでございます。したがいまして、その前提条件なり政策課題が変わっていない状況において供給目標をつくるということになりますと、当然に需給暫定見通しと供給目標が大体同じような結果にならざるを得ないということでございます。もし供給目標を変えるということになりますと、たとえば五・五%の成長率を変えるのか、あるいは六百三十万バレル・パー・デーという輸入の上限を変えるのか、あるいは十年後にエネルギー構造の石油と石油以外を五〇、五〇にするという政策課題を変えるのか、どこかを変えない限りは大きく変わってこないわけでございまして、先ほど来お答え申し上げておりますとおり、いまの段階で供給目標をつくるとすると、需給暫定見通しと余り変わらない数字になるのではないかというゆえんは、そういう点にあるわけでございます。 したがって、先生も御指摘のように、せっかく法律ができて供給目標をつくらなければならないという課題がございますから、私どもそういう問題意識を持ってできるだけ早く、十一月中にも閣議決定に持ち込みたいと思っておりますのは御指摘のとおりでございますが、ただそう早く閣議決定に持ち込むということになりますと、いま申し上げました前提条件はちょっと変えにくい。これは変わる要素は多分にあると思いますけれども、いまの段階では変えにくいということでございますので、結果的には需給暫定見通しと供給目標がほぼ同じような形にならざるを得ない、こういう状態であるということでございます。
○渡辺(三)委員 この目標の数字をここで議論し合ってみても、まさに長官がおっしゃったような前提が基本になっているわけですから、いまこの席でお互いの考え方をぶつけ合うということは、時間の関係もありますけれどもそう大きな意味を持たない、こういうふうに私は思うのです。ただ、この問題についてはこれから当委員会でもずっと議論をしていくことになろうと思うのです。その場合に、原子力電源立地の問題については、昨年の八月にこの目標を見通した段階での想定、それからたとえば十一月中に新たな供給目標を設定する、そういうふうな状況の中で考えた際に、稼働率が伝えられるような形でアップできるのかどうか。これは現実にこれまでの原子力電源立地の状況を私どもずっと考えてきた中で、やはり予定どおり進んでないことは自明の理でありますし、そういう状況の中で稼働率をアップしてつじつまを合わせるというふうなことが、果たして政府が言ういわゆる本当の意味での整合性を持つものかどうか、私は若干疑問があります。しかし、そのことについての論争をいまここで直ちにやろうとは思いません。問題点として、その点を私の認識として申し上げておきたいと思います。 それからもう一つ、長期エネルギー需給暫定見通しは昨年の八月に決定をされたわけですが、当時は言うまでもなく代替エネルギー法というものは提案もされておりませんでしたし、もちろんございませんでした。したがって新機構もございませんでした。そういう段階で昨年の八月、長期の暫定見通しが発表されておるわけでありますけれども、それがことしになってこの法律ができ、新機構が生まれた。そして今後十年間、つまり昭和六十五年の需給見通しというものが、こういう新しい法律の制定や新機構の発足によっても変わるほどのウェートは占めない、こういうふうになるのでしょうか。それとも逆に、新機構というものは当然これから政策課題として直ちにつくっていかなければならない、そういうことを前提に考えながら六十五年の需給見通しを昨年の八月に出したのだ、こういうふうな認識ですか、これはどちらですか。
○森山(信)政府委員 昨年の八月に需給暫定見通しを作成いたしました段階で、先ほど御説明いたしましたような幾つかの前提条件と政策課題でああいうような見通しになったわけでございますが、率直に言いまして、従来の政策ツールをもってしますと、十年先の目標の達成は大変困難であろうという気持ちはございました。ある意味では需給暫定見通しは相当思い切った見通しといいましょうか、政策課題といいましょうか、国民的なコンセンサスを得るための一つの金字塔的なもの、努力目標、こういうような気持ちを持っていたわけでございます。ただ、そういう悠長なことを言っておったんではとてもいまのエネルギー情勢の変化に対応できなくなるという問題意識が出てまいりまして、需給暫定見通しどおりの代替エネルギーの開発を促進するためには新しい中核団体が必要である、こういう認識を持ちましてさきの通常国会に法律を提案させていただいたわけでございます。言ってみますと需給暫定見通しがまず出て、それからそれを実現するための政策課題といたしまして法律の提案をさせていただいた、こういう順序になろうかと思います。
○渡辺(三)委員 次に、ローカルエネルギーの開発、事業化についてお伺いをしたいと思います。 特にこれは政府のそういう施策の展開もあって、各地方公共団体等でもこの開発、利用計画というものがようやく地についてきた、こういうふうに私は考えておるわけです。各県の状況などの資料を集めますと、急速にその体制が盛り上がってきたというふうに考えるわけですが、このローカルエネルギーの開発、事業化についていま言った地方自治体との連携といいますか、あるいは関連調整、これらを含めて通産省としてはどのような対策を具体的にお持ちになっておるか、これをお伺いしたいと思います。
○森山(信)政府委員 ローカルエネルギーに関しましての基本的な認識につきましてはいま先生の御指摘のとおり私どもも考えておりまして、大変貴重な国内資源の有効活用という意味で大事に育てていく必要があるというふうに考えております。 そこで、ローカルエネルギーは主として地方庁、特に都道府県の方々に依存する度合いが強いという意識もございますので、昭和五十五年度から若干の予算を計上いたしまして、具体的に申し上げますと一億八千万の予算を計上いたしまして、大変関心の深い都道府県に対しまして補助金を交付したわけでございます。一件当たりの金額は大変小そうございますけれども、ことしはそれぞれの地方におきますエネルギー源の賦存状況の調査という、いわば調査費的な予算を計上したわけでございますが、五十六年度以降におきまして、具体的にどういうローカルエネルギーをその都道府県としては開発をしたいかという点に着目をいたしまして、五十六年度におきましては予算規模約三十一億円の予算要求を現段階でしておるわけでございまして、今後この獲得に努力をしてまいるわけでございますけれども、基本的にはローカルエネルギーの開発は国と都道府県、いわゆる地方庁との間の大変緊密な提携が行われて初めて有効にワークするものである、こういう認識を持っておりまして、御指摘のとおり都道府県を中心にしながらローカルエネルギーの育成、助長に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○渡辺(三)委員 その際に、各都道府県で現に行っているあるいは新しい年度で着手をしようとしておりますところのいろいろな開発あるいは事業化の問題があるわけです。これらの詳細な各県単位のローカルエネルギー開発についての計画といいますか資料といいますか、これは通産の本省に全部上がっておりますか、どうでしょうか。
○森山(信)政府委員 組織的に申し上げますと、近時各都道府県におきましていわゆるエネルギー担当部局が新設をされまして、そういう部局とエネルギー庁の間のコミュニケーションは盛んに行われるようになっております。私どもといたしますれば、できるだけそういうところでお考えになっておられます計画を事前に入手いたしまして、できるだけのお手伝いをしたいと思っておりますし、また、都道府県の方々もそういうお気持ちをお持ちのようでございまして、始終私どもの方に接触をしていただいておりますから、そういう意味でいま都道府県が何を考えておるか、具体的などの府県がどういうことを考えておるかということは大体私どもは把握しておるつもりでございます。また、必要に応じましてはその都道府県のおつくりになる計画自身に対しましてお手伝いをするということも必要ではないか、こういうふうに考えております。
○渡辺(三)委員 ことし新しい代替エネルギー法案を審議する過程で、政府原案の若干の修正がなされました。その中でも、特にローカルエネルギーの開発利用というのは非常に大きい議論の焦点の一つになったわけであります。したがって、法律の改正の中でも財政措置等の問題に絡んで一部の修正が行われた、こういうふうな経緯もございます。それから、附帯決議を上げる際にもこの点がいろいろ各党間で議論されて合意をされた内容もあります。したがって、いま長官から基本的な取り組み方については御説明いただいたわけでありますけれども、このローカルエネルギーを各都道府県団体で開発をする、利用し、事業化をしていく、こういうふうなものに対する具体的な制度的な助成といいますか、そういうふうなものについても、私はいますぐ拙速で申し上げるわけじゃありませんけれども、今後十分にエネ庁としても検討をし、整備をし、期待にこたえられるような措置をとっていただかなければならないんじゃないか、こういうふうに考えておるわけであります。 時間の関係で、これは以上申し上げまして終わりますが、ここで、せっかくお見えいただいておりますので、新機構の行う事業の中で地熱開発調査の計画について、新機構の方から実情とそれからこれからの計画、そういうものにしぼってで結構でございますが、説明をしていただきたいと思います。
○綿森参考人 御存じのように新エネルギー総合開発機構が十月一日からできまして、現在大きく分けまして石油代替エネルギーの技術開発と、それから海外炭の探鉱開発、それから地熱開発促進のための調査、債務保証というものが大きな新エネルギー機構のテーマになっております。それと同時に御存じのように石炭鉱業合理化事業団のやっておりました石炭合理化関係の仕事も現在やらしていただいております。 いま御質問の地熱開発促進のための調査というものについて特に申し上げますと、地熱開発促進のための調査、債務促証といたしまして、五十五年度の事業計画といたしまして七十九億一千万円の予算をとっておりまして、その内容を見ますと、地熱開発促進調査に二十六億、全国地熱資源調査に十八億五千万、地熱開発債務保証に三十四億六千万というものが内容でございます。 なお、御質問の今後の見通しについてでございますが、地熱開発促進調査は五十五年度から六十一年度まで続けてやるつもりでございまして、全国で四十地点について調査する予定でございます。五十五年度は全国から三つの有望な地域を選定いたしましてこれを実施することにいたしておりますが、具体的地点につきましては、現在、北海道、東北、九州などを有望地域と考え、その付近を中心といたしまして地点の選定の作業中でございます。 次に、全国地熱資源の調査でございますが、機構が十月一日にできたというハンディキャップもございまして、どうしてもこれを早期に着手する必要がございます。現在非常に急いでおりますけれども、諸般の準備をいたしまして航空会社の選定あるいは法令関係の諸手続などを進行中でございます。 以上でございます。
○渡辺(三)委員 それではもう一つ、いまおっしゃいましたようにこの新エネ機構が十月一日に発足をしておるわけですが、九月十二日に新エネルギー財団、これは民間サイドだと思いますけれども、発足をいたしております。これとこの新エネ機構との連携はどのようになっておるか、あるいはこれからどのような関係になるんでしょうか。その点はエネ庁長官とそれから綿森参考人の方からそれぞれお答えをいただきたいと思います。
○森山(信)政府委員 新エネルギー総合開発機構とほぼ同時にいま御指摘の新エネルギー財団が設立されたわけでございまして、性格的に言いますと、前者がいわゆる特殊法人であるのに対しまして、後者は先生も御指摘のとおり民法上設立を認められましたいわゆる公益財団法人でございます。 そこで、どういう関係になるかということでございますが、これは説明いたしますと大変長くなるわけでございますけれども、ごく端的に申し上げますと、新エネルギー総合開発機構の方は、国民経済的に見て企業化を促進することが必要と思われる石油代替エネルギー開発技術につきましての開発導入を図っていくという制度でございまして、官民挙げて技術開発に取り組んでいくという姿勢ではなかろうかと思います。ところが、そこで開発されたものを今度は民間で有効に活用していくわけでございます。たとえば太陽エネルギーで申し上げますと、太陽光発電の技術を官民挙げて研究開発するのが新エネルギー総合開発機構でございますし、開発された技術を普及するのが民間の役割りでございます。ただ、技術が開発されて直ちに民間でリスクを負担して成果を普及するところまでにはいかないケースが多いものでございますから、その中間段階といたしまして民間の総意で、新しい組織でそれをこなして、こなした上で具体的な企業が成果普及をする、こういうプロセスが必要になってくるわけでございますので、その中間のプロセスを民間の総意を受けた新しい財団でやっていただく、そのほかいろいろございますけれども、ずばりとした核心的なことを申し上げますとそういうふうに考えております。それが提携関係、お互いの連携の対象になるのではないか、こういうふうに考えております。
○綿森参考人 新機構と新財団の設立の基礎になります相違はいま森山長官からお話があったとおりでございます。 しかし、運営につきましてはその都度いろいろの打ち合わせが起こるかと存じておりますが、いずれにいたしましてもまだ設立したばかりでございますので、一つ一つ両方で話し合いながら重複を避けまして効率的にやりたいと存じております。まだ具体的に何というところまで申し上げられない段階かと存じます。
○渡辺(三)委員 私ども法案を直接審議をした関係もあって、新しい機構の方についてはずいぶん関心も持ち、その任務、役割り、機能、こういうふうなものを相当厳密にお互いが検討したわけでありますけれども、いま私が申し上げましたこの新エネルギー財団というものは、どうも余りよく知らなかった、見落としておった、こういうふうな点もあります。大体時期を同じくして同じような形で発足されておりますので、いま綿森さんもおっしゃったように、同じことを仮に法律の根拠が違っておっても重複してやるということになりますと非常なむだも出てきましょうし、それぞれの機能の特性というものを十分に発揮をされるようにするためには、お互いに、長官も言われましたような点についての認識をきちんとして、緊密に連携をとってやっていただきたい、こういうふうに思います。 時間がほとんどございませんが、最後にひとつ端的にお聞きをしたいと思います。 工業再配置の問題、これは私もこの場で何回かいままで質問を繰り返してまいりましたが、高度成長期に、端的に申し上げますと各県単位で、あるいは国自体もどんどん団地を造成してきた。ところが、経済がこのような状況になってまいりますとなかなかその実を上げ得ないという苦境、状況をわれわれ見ておるわけでありますけれども、しかしそれにしても、過疎過密の問題あるいは雇用の安定の問題、こういう点から考えれば、工業の地方分散というものは避けて通れない重要な政策課題だ、私はこういうふうに認識をいたしております。 そこで、時間の関係で端的にお聞きしますが、工業地方分散投資に対する減税措置、これは通産としても相当思い切って考えておられるように仄聞するわけでありますけれども、これについての考え方ないしは決意といいますか、これをひとつ大臣からぜひお聞かせをいただきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 御指摘のように高度成長時の大きな遺産として、各県、地方に団地が開発されまして、それがそのとおり生かされてなくて、どの地方あるいはどの都道府県でも非常に困っているところが多うございます。したがって、私どももこれを放置しておくことはできませんし、それからまた地方の時代、地方のいろいろなエネルギーの育成などもありますし、そういうことも勘案しまして、工業再配置を十分頭に置いて、工場誘致つまり誘導地域、そういうものを含めまして投資減税というものを含めて諸政策を考えて進めていきたいというふうに考えております。
○渡辺(三)委員 それから工業再配置促進のための補助金の規模の拡大とかあるいは新規の助成、これは具体的な問題になりますので時間の関係があって局長の方から簡潔に、新しい措置があればお答えをいただきたいと思います。
○松村政府委員 お答えいたします。 工業再配置関係の新しい五十六年度の考え方といたしましては、いま大臣から御答弁いたしました工業の地方分散投資促進税制、このほかに工業再配置促進費補助金の需要拡大に応じました予算規模の拡大、また、たとえば雪国の立地対策の立場から、企業の雪を消したり解かしたりする施設、たとえば消融施設といいますけれども、こういった施設等を補助対象事業に追加していくといったようなことも考えているわけでございます。また、投融資といたしましては、工業の地方分散を図るために、開発銀行でございますとか北海道東北開発公庫の融資の拡充、また地域振興整備公団の事業の拡充等を考えて、現在財政当局と折衝を重ねているところでございます。
○渡辺(三)委員 いまの問題、さらに次の機会にでも詳しく質問をさせていただきたいと思います。 最後に中小企業庁次長に一つだけお聞きして私の質問を終わらせていただきたいと思いますが、これまでたとえばオイルショックや円高不況対策あるいは伝産法あるいは中小企業倒産防止共済法、また分野調整法、最近の産地振興法、こういうふうにいろいろな具体的な施策や新しい法律化がこの数年間行われてまいりましたが、私は、いま申し上げました工業の地方分散化の問題と同時に、きわめて重要なのは、その地域地域のいわゆる土着の産業といいますか、地場産業、これを長い目で、しかも総合的に強力に育成をしていくという施策がどうしても中小企業の基本にならなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。そういう意味からして、そういう総合振興対策といいますか、これを中小企業庁はどのように決意をし計画をされておるのか、これを最後にお聞きをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○佐藤(和)政府委員 お答え申し上げます。 地域における地場産業の必要性につきましては私どもも強く認識しておりまして、先般ちょうだいいたしました中政審のビジョンの中でもこの問題を取り扱われているところでございます。それを受けまして、今年度、各都道府県において地場産業の県別実態調査が実施されております。この結果を踏まえまして、来年度から地場産業振興対策を総合的、一体的に推進してまいりたいと思っております。具体的には地場産業振興センターに対する助成、地場産業振興ビジョンの作成に対する補助、地場産業総合振興事業に対する補助等の施策を講ずることとして、現在予算要求を行っております。この問題につきましては息長く推進してまいりたいと思っておる次第でございます。
○野中委員長 上坂昇君。
○上坂委員 余り時間がありませんから早速質問をいたします。 第八十七国会、五十四年六月一日の商工委員会で清水委員が質問をいたしました。その件に関してお答えをいただきたいと思うのですが、まず第一に、北陸農政局の企業流通課の係員二名がとった行動について問題にされております。これは地元に大手のパン業者が進出をすることについて、地元がこれを問題にしようと思ったら、それはまだ具体的なものが出てないからちょっと待ってくれというようなことだったと思います。これについては調査をするというようなお答えであったわけでありますが、どのようになっておるか、お答えをいただきたいと思うのです。 それから、富山県における山崎、フジ、敷島のハン菓子業者のいわゆる進出問題でありますが、これについて、その後の経過についてひとつ御説明をいただきたいと思います。 それから、聞くところによりますと問題の敷島パンにつきましては現在ストップになっている、農林水産省が間に入って、今年度だけは白紙撤回をしたということでありますが、来年また動き出すおそれがあると思うのです。したがって、これをどういうふうに処置をされようとしているのか、事前につかんでおきませんとまた大きな問題が起きると思いますので、この点についてはどういう措置をとっておられるか、御説明をいただきたいと思います。まず、それを最初にお願いいたします。
○入澤説明員 ただいまの御質問に対して御説明申し上げます。 まず第一の、北陸農政局の係官が発言をした趣旨につきまして、その後私どもが調べた結果、分野調整法が制定されて間がなかったものですから法律の趣旨につきまして若干誤解があったようでございます。そのことを率直に地元の方に申し上げまして、敷島パン、それから地元のパン組合、両者の間に立って話し合いをした結果、了解されております。その了解の過程で五十五年は敷島パンは進出しないということになっております。五十六年のことにつきましては、現在敷島パンを呼んで話を進めておりますけれども、まだ具体的な計画を聞いておりません、今月の中旬にはその回答が来る予定になっております。
○上坂委員 回答によってはいろいろ措置をされると思いますが、進出をするような条件であるならば、内容をよく調べて直ちに現地にこれを通報して、現地でよく話し合いをするような、そういう措置をとっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○入澤説明員 御指摘のとおりにしたいと思います。
○上坂委員 最近大企業の中小企業分野に対する進出がまた非常に多くなっています。特に不況でなかなかもうけにくくなってまいりますと、至るところで何とかしようという考え方が起こってきて、無差別に進出をするような傾向が出てくると私は思います。 そこで私は、この問題については非常に重要な問題を含んでいるので、通産省としてはこれを本当によく監視をする必要があると思います。いま八十億円富山県のパン菓子業界のシェアがあるそうでありますが、そのうち大体三〇%以上を占める状態が出てきたら、これは大変なことになってしまうと思います。 パンにつきましては実は、地元の業者が非常に大きなシェアを持っているのは学校給食でありますが、学校給食というのは価格で抑えられているわけですが、なかなか輸送費がかかる、山間地なんかは特に輸送費がかかるものですから持っていけない、したがってどうしてもパンの質が一体に大手のパンに比べて落ちる傾向もあるわけです。しかしこれは価格で抑えられているからそういうことになると思うのです。そこで学校給食の児童なんかは、どうもうまくないからというような形が出てきて、そういうことが一般的にずっと宣伝をされて、そして中央から進出した大手パンをたくさん使用する形になってくる。こういうものがたくさんあると私は思うのです。そういう意味では、やはり学校給食等につきましても適正な価格でこれを保護をしていかないと、大手業者に全部シェアを食われてしまう、こういう結果になると私は思います。そういうことについてもひとつ十分取り締まっていただきたいというふうに考えますし、これはいろいろな面で指導をしていただきたいと思いますが、この点はいかがでしょう。
○吉田説明員 ただいまお話のございました敷島パンにつきまして、富山に五十六年度以降進出するかどうかという問題につきましては、いまの段階では具体的な計画があるということは聞いておりませんが、もし今後敷島製パンが富山県に具体的に進出をするというような計画がありました場合には、私どもといたしましては、当然敷島製パン側が富山の県パン側と十分話し合いをするように指導してまいりたいと考えております。 それから、学校給食のパンの問題でございますが、これは所管が文部省でございますので、私どもの方からその価格についてお話しするわけにはいかないわけでございますが、そういった問題があるということは十分承知いたしております。 また、最近パンの需要が伸び悩んでおる状況でございまして、そういった中で中小のウエートが下がってきております。そういった状況もございまして、また最近の経済情勢の中で中小企業の経営が非常に苦しくなっておるという状況も十分承知いたしておりますので、そういった点も踏まえながら今後業界を指導してまいりたいと考えております。
○上坂委員 もう一点パンのことでお聞きしますが、山崎パンの持っているシェアというのは富山県で非常に大きいわけでありますが、その山崎パンと地元業界との間で話し合いがついて、そして協定書が作成される段階まで行った。ところが山崎パンの都合でそれは判を押されていない、したがってお互いに施行されていない、こういう話を聞いているわけであります。その理由というのは、これが表面に出てくると他県に対する影響が出てくる、これを恐れて押えている、こういう話でありますが、この件についてはどういう経過になっているか御説明をいただきたい。
○吉田説明員 お答え申し上げます。 山崎製パンが富山県に進出いたしまして、そのために地元の中小製パン業者の経営に悪影響を与えるおそれがあるということで、地元の富山県のパン工業協同組合の方でいろいろ問題にいたしまして、山崎製パン側といろいろな話し合いが行われてきたわけでございますが、私どもの聞いている範囲では、いま先生の御指摘のように話し合いが何回も行われたにもかかわらず、いまの段階ではまだ調印ということに至っていないというふうに聞いておるわけでございます。 私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、一般論的に言いまして、こういった情勢の中で大手の企業が各地方に進出いたしまして販路を拡張する、それが中小の経営の安定に大きな影響を及ぼすということも予想されますので、そういった点につきましては大手の製パン業者に対しましては、地方への進出については十分慎重を期するようにという指導をしておりますし、また仮に進出が決まった場合でも、地元の中小業者が納得のいくまで十分話をしなさいというふうに指導申し上げておるわけでございます。これからもそういうふうに進めてまいりたいと考えております。
○上坂委員 最近大型レストランが地方に非常に多く進出をしておりまして、中には二十四時間営業をやっておるところもある。地元の業者というのは非常に零細でありますから、大きなところが来まして、設備はりっぱだ、非常に清潔である、気持ちのいいところで御飯を食べられるということになりますと、やはりどうしてもかなわない、そこで地元の業者は店じまいをしてしまうような結果になる。ところが、一たん店じまいをしたら地元の雰細食堂はなかなか再開することができないわけです。ところが大手はあっちこっちにいろいろ持っていますから、都合の悪いところは撤退してまた別のところに進出をする、こういう形がどうしても出てくると思うのです。そういう点で大型レストラン、それからもう一つはホテルでありますが、これの進出が非常に激しい。こういうものに対して規制することが必要だろうと思うのです。ある程度のガイドラインというものを設けて、そこで無差別な進出をできるだけ控えてもらう、こういうことが必要であると思いますが、この点についてはいかがでしょう。
○入澤説明員 御指摘のとおり、最近急速な店舗展開をやっている大型レストランと地元の飲食店との間で摩擦が発生しているのは事実でございます。私どもとしましては、地元の繁栄を願うという観点から、共存共栄を旨として店舗展開を図るように指導しておるところでございます。大型レストランの協会であります日本フードサービスチェーン協会、JFと言っておりますけれども、ここにまず自主規制を検討するための企画委員会を設けさせてまず検討させております。そのほか、外食産業の場合には、御承知のように一般の小売業と違いまして消費者ニーズが特殊性がありますので、業種、業態、商慣習、立地条件、非常に違いますので、一律なガイドラインというのはなかなかむずかしいのじゃないかと思っております。しかしこの問題は非常に重要でありますので、今後ともガイドラインの検討につきましては慎重にいろいろな作業を進めていきたいと思っております。
○上坂委員 ガイドラインをつくるのはなかなかむずかしいと思いますが、埼玉県の浦和市の三室商店会と八千代食品株式会社との間に出店についての合意書があるわけですが、その合意書によると、ガイドラインが入っておるわけです。そのガイドラインが、出てきたときにはそれに基づいてまた話し合う、こういうことが出ているので、間に入った農林省なりあるいは地元なり、そういう形をやりたい、こういう意思だろうと思うのです。そこでこれについてはぜひできるだけ早く研究をして、そしてある一定のものを出すようにしていただきたいと思いますが、そういう意思があるかどうか。 それからもう一つ休業と休日の問題、二十四時間営業をやられたのでは地元はたまらないわけです。こういうことについてはどういうふうに指導しておられるか、現状の指導した実例をひとつ挙げていただきたい。
○入澤説明員 いま御指摘の、埼玉県の北浦和地区におきます不二家レストランとそれから八千代食品の進出をめぐって、地元との間でトラブルがありました。それに対しまして私どもは中小企業分野確保協議会、それから両者の間に立ちましてあっせん案を出しまして、営業時間、たとえば当初午前二時までやるという話を、地元の実情とか要望を受けまして午前零時には店を閉めるというような対応をして営業が認められたわけであります。 休日の問題につきましては、二十四時間営業というのは、たとえば国道沿いだとトラックの運転手さんが非常にニーズが高くて、ぜひやってくれという要望があるとかあるいは新興団地だと、二十四時間営業をどうしてもやってくれとか、ファミリーレストランをもっと出してくれという要望がありまして、一律に休日を設けさせるということはなかなかむずかしいのじゃないかと思いますけれども、しかしできるだけ地元との話し合いで休日も設けられるような指導はやっていきたいと思っております。
○上坂委員 私の手元に通産省の方から出された大企業の中小企業分野への進出のいろいろ問題点を拾ったのがあります。それによりますと、大体協定をしたりあるいはいまいろいろ話し合いをしている状況があります。それを見ますと、やはり県が非常に大きな役割りを果たしておるわけです。したがってやはり県知事の権限というものは、こうしたものを規制をしたり、それからあっせんをしたりあるいは間をとって話し合いを進めるのに非常に大きな力を持つと思うのです。それから地元の業者も、やはり通産省に駆け込むよりは県に行った方が親しみがあるし、言いたいことも言えるし、いろいろな忌憚のない意見も吐けるし、いいわけです。ところが、この間の中小企業分野法とかなんとかの改正の問題についても、通産大臣わりにつれない回答をしているわけです。余りつれない返事ではなくて、知事の権限というものがいま言ったように非常に大きな役割りを果たすという意味では、やはり県を通じて所管大臣のところへ上げてくるような体制というものを、システムというものをつくるということがこれからやはり必要ではないかと私は思うのです。どうしてもいまの中央の大手業者が地方へ進出をしますと、やはり一番影響を受けるのは全国的な業者よりもむしろ地方の業者でありますから、そういう意味でこれはひとつ研究してもらいたいと思うわけです。その点でこの間の本会議の答弁ではなくて、もう少し何か温かみのある答弁を大臣にお願いしたいと思うのです。
○田中(六)国務大臣 本会議の答弁でぶっきらぼうに答えたということでございまして、本質的には変わってはいないと思いますけれども、御承知のようにいまでもあるときに答弁いたしましたように県知事とも十分相談した形はとられております。最終的な権限は主務大臣並びに通産大臣ということになっておるわけでございますけれども、非常に広範囲にわたっておりますし、一地域だけではない問題もたくさんございますし、上坂委員の御要望のように十分検討に値する問題でもあろうかと思いますし、よく考えてみたいとは思います。
○上坂委員 所管の人としては、いま大臣から非常に誠意のあるお答えをいただいたのですが、いかがですか。それに基づいて一生懸命やるという回答をいただきたいと思いますが。
○田中(六)国務大臣 もちろん主管大臣でございますので、それに基づいたものは一生懸命やらさせていただきます。
○佐藤(和)政府委員 お答え申し上げます。 いま大臣が答弁されましたとおり、分野調整法におきまする権限はすべて主務大臣が有しておるということでございますが、先生おっしゃられますように、個々の業種、業態に応じた紛争もいろいろ多様でございますし、それにつきましては地元の県知事さんが非常に詳しいということも事実でございますので、現在の運用におきましても、都道府県知事とも十分に連絡をとりながら、その意見を尊重して調整を図っておるということでございますが、今後の事態の推移に応じまして、いま先生のおっしゃられたことも十分頭に置きましていろいろ検討してまいりたいと存じておる次第でございます。
○上坂委員 もう一つお聞きいたしますが、前に私が九十一回国会で質問した件につきまして、いわゆるBB肥料というのがあるわけです。いま肥料界の構造改善事業を行っておりますが、この構造改善事業のいわゆる現在の推移とそれから見通し、これについて簡単に御説明をいただいて、その後にこれに関連するBB肥料をやる農協関係の経済連が各県に全部つくっていくという状況が出てまいりまして、せっかく肥料の構造改善事業をやっているのに、片方でどんどん別な農協が会社をつくって肥料をつくり出すということになりましたら、構造改善は混乱をしてしまう、この問題を指摘したわけでありますが、このことについてどういうふうな対応をされておるか、御説明をいただきたいと思うのです。
○小松政府委員 お答え申し上げます。 肥料の構造改善事業の進捗状況でございますけれども、これは、昨年特定不況産業安定臨時措置法に基づく特定不況業種に指定をいたしまして、いわゆる設備処理を中心とする構造改善事業を進めておるわけでございますが、設備処理の進捗状況は、アンモニア製造業で現在安定基本計画による設備処理計画量の大体一〇〇%処理を終わっております。それから尿素製造業につきましては九三%という段階でございます。それからさらに湿式燐酸製造業、これは八〇%ということで、設備の処理、休止、廃棄の進捗は大体所期の予定どおりに進んでおるという状況でございます。ただ、お話もございましたように、昨年来イランの政変で石油、ナフサその他原燃料の値段が上がってまいりまして、肥料を取り巻く環境というのはさらに厳しくなっておりますので、さらにそういう新しい事態を踏まえた今後の対応の仕方については、現在、学識経験者その他の意見も聞きながら、その方向について検討しているという状況でございます。 さらに、いま御指摘になりましたBB肥料の問題でございますけれども、これは県経済連を中心に、実は最近徐々にその面での生産の拡大が進んでおりまして、五十三肥料年度で大体十万二千トン、六社六工場ということでございますけれども、さらに五十四肥料年度では十七万四千トンということで徐々に拡大しております。五十五年度は、さらにその上に若干の拡充計画もあるというふうに聞いております。 ただ、こういう問題につきましては、関係の化成肥料メーカー、特に中小企業が多いわけですので、これに対する影響も非常に多いというふうに思っておりますので、この経済連の今後の拡充のテンポにつきましては私どもも重大な関心を持っておりまして、これのテンポいかんによっては、構造改善事業の円滑な実施にも支障が生ずる場合があるかもしれない。また、化成肥料の需給関係にも影響が出てくるということもございますので、現在農林水産省と十分協議しながら、経済連の今後の拡充の仕方その他テンポにつきましては、その辺について悪影響がないようにいろいろ配慮を求め、また調整もしてまいりたい、かように考えております。
○上坂委員 これは非常に重大な問題を含んでいると私は思いますので、向こうの出方を見守るのじゃなくて、やはり最初からこれはタッチして、農林省の管轄だと思いますが、農林省をプッシュして、そしてできるだけ構造改善事業に支障を来さないように処置をしてもらうことを特に希望いたしておきます。 次に、五十五年四月一日、九十一国会で私が質問をいたしました中小企業事業団法の改正の問題でありますが、この問題の最後に、軽印刷業における官公需発注の際のいわゆる適正価格の発注、これをやるべきだ、こういう質問をしたわけです。これについては各省庁とも十分連絡をとって御趣旨に沿いたいという意味の回答があったわけであります。これについてはどういうふうな形で指導をされておるか、ひとつこれを回答いただきたいと思うのです。 それから、印刷業というのは産業分類上は製造業なのです。ところが、契約は一千万円以下が多いということかどうか知りませんけれども、物品購入に立っているわけであります。そうなりますと、予定価格というものの範囲内で入札ができない。したがって、最低価格にする。そこで最低価格でダンピングするような結果になって、いま印刷業はやはり構造改善事業を進めているのに経営がうまくいかない。特に印刷業については中小企業者が非常に多い、これに対して非常に大きな影響を持つ、ここのところも私は追及したわけでありますが、これについてもどういう形になって指導をしておられるか、これはひとつ回答をいただきたいと思うのです。 それから、これは印刷業ばかりじゃありませんけれども、各省にいわゆる共済会のようなもの、これがたくさん出てきているわけであります。退職者が中心になっていろいろな組織をつくって、 いわゆるトンネル会社的な仕事をしているものがあります。これについては至急に調査をして、資料を提出してもらいたいということを要望したの でありますが、いまだに資料が提出されていない。もう半年もたつのでありますから、これについてのきちんとした回答をひとついただきたいと思います。
○佐藤(和)政府委員 お答え申し上げます。 第一点の、官公庁が外注する際の契約価格の適正化の問題でございますが、官公需の適正価格での発注につきましては、従来から各省庁等との連絡会議等の場を通じてその徹底を図っているところでございますが、特に五十五年度におきましてはこれをより強力に推進するために、去る七月の十一日に閣議決定されました「中小企業者に関する国等の契約の方針」におきまして、中小企業者への発注に当たっては適正価格での発注に配慮するという項目を新たに追加いたしまして、各省とも連携いたしましてその推進に努めているところでございます。 二番目の問題は、いわゆる二番札制度の問題かと思うのでございますか、先生御案内のとおり、現在この制度は会計法あるいは予決令等で予定価格一千万円以上の製造請負について適用されるということに規定されておるわけでございます。私どもといたしましては、これの適用限度を引き下げたいということで目下検討しておるところでございますけれども、何分現在のような予算の節約の状況あるいは事務の合理化の状況等におきまして、予決令の改正を伴う適用限度額の引き下げというのは、かなり困難が予想されるのではなかろうかと思っておるところでございます。 三番目の御質問の互助会の問題でございますが、この問題につきましては各官庁かなり広くわたるものでございますので、私どもとして一応の調査を行ってはおりますが、その結果によりますと、印刷物の官公需総発注額のうち互助会等に対する発注の実績は約二%程度ではないかと考えられておるところでございます。これらの発注は緊急性とか機密保持といったような特別な理由により例外的に発注されるものが多いのではないかとは思いますが、私どもといたしましてはできるだけ不適当な発注を抑制するように、各省庁との連絡会議等の場を通じまして従来とも協力を依頼しておるところでございますが、今後さらにそういう態度で推進してまいりたいと思っておるところでございます。
○上坂委員 いまの回答がありましたように、これは余りどんどん進めていくと、節約時代だから今度は数量で削られたり何かするからなかなか適正価格に持っていくことが困難だというようなこともいま出てきたわけでありますが、それも一応考えられます。 そこで、これは大臣にお願いするのですが、そういうことを閣議決定されているわけでありますから各大臣にもこれは十分御理解をいただいて、いまおっしゃったようなおそれをなるべく少なくしていくということでひとつ御努力をいただきたい、これはお願いでありますが、いかがでしょう。
○田中(六)国務大臣 上坂委員の趣旨を十分体して、各大臣とも連絡をとって善処していきたいと思います。
○上坂委員 各省庁のいわゆる共済会みたいな組織は二%程度の印刷だ、こういうことでありますから安心をしておるわけでありますが、これが拡大されると困る。官庁でもやっておるからということじゃないのですが、最近アメリカで大変はやっているいわゆる社内印刷の問題があるわけです。日本でもどうもアメリカのまねをするのが非常に多くなってきているわけでありますが、日産グラフィック株式会社が設立されて、資本金が六億円、いまのところ従業員は二十名程度であるが、将来は六十数名にして印刷をしたい、社内的な秘密の問題があるからそれについてはこれをやらざるを得ないのだ、こういうようなお話だそうでありますが、カレンダーからポスターから全部そういうところで刷ってしまうようなことになると、これは中小企業に対して大変大きな影響を持ってくると思うのです。一つできますと、最初のうちは自制するのでありますが、商売でありますからだんだんもうけたくなるし、できるだけ業績を上げたくなるというのが普通であります。そこで、どうしても外部にまで進出をする傾向というのは防ぐことができないと私は思います。そういう意味で、日産グラフィックが設立をされたり、また富士通が社内印刷所をつくってこれをやるような傾向が全産業界に出てきましたならば、これは大変な影響が出てくると思うのです。これに類したものがどんどん出てきて中小企業分野に対する影響が大きくなってくると、産業構造の問題にまで発展をしてくる、私はこういうふうに思います。そういう意味では、せっかく中小企業分野調整法をつくったのでありますから、これに基づいてやはり事前にこれらについては話し合って、大企業と中小企業の共存共栄の場をつくっていく、これを大企業のモラルとして確立をさせていただくような、そういう通産省としてのいわゆる政策を打ち出していただくことがいま非常に大切ではないかと私は思います。これについてひとつどんな状況であるか御回答いただきたい。
○佐藤(和)政府委員 お答え申し上げます。 上坂先生御案内のとおり、分野法におきましてはその第三条で、「大企業者は、事業の開始又は拡大に際しては、」「中小企業者の利益を不当に侵害することのないように配慮しなければならない。」ということが規定されておるわけでございます。私どもといたしましては、従来からこの趣旨につきましては大企業者はもちろん一般にも広く周知徹底するということで、ラジオ、テレビ等を通じまして、あるいはパンフレットの配布等を通じまして周知徹底を図ってまいっておるところでございますけれども、今後ともさらにこの点につきましての施策、PRを強めて御理解を深めていきたいと思っておるところでございます。 また、現に具体的に分野紛争が生じた場合につきましては、分野調整法を活用いたしますとともに行政指導等も十分活用いたしまして、問題の解決に努めてまいりたいと存じておる次第でございます。
○上坂委員 やり方によってはいろいろできると思いますが、社内でぱっとつくられてしまって、後から手をつけようと思ったってこれはなかなかできないと思うのですね。そこで、日本の非常に大きな大企業に対しては通産大臣の方から話していただいて、中小企業の分野が非常に大きく受け持っているところの業種を社内的に行うというような場合には、これはやはり通産大臣の方にも相談をしてもらって、そしていろいろ意思の疎通を図りながら、これをできるだけ自制をしてもらうような方向にしていただかなければ私は大変な問題が起きると思うのです。そういう意味で、これを、ぜひ通産大臣の方で強力にやっていただきたい、私はこういうふうに思っておりますが、大臣、いかがでしょうか。
○田中(六)国務大臣 いま佐藤次長が答えましたように、分野調整法の第三条に「大企業者の責務」という項目がございますし、この法律を十分徹底させるようにわれわれもウォッチしていかなければならないと思っておりますので、上坂委員の御指摘の意に沿うように一生懸命努力してまいりたいと思います。
○上坂委員 次に、商品取引所の問題についてちょっとお伺いをいたします。生糸の問題でありますが、日本蚕糸事業団が政府あるいは養蚕、製糸団体の出資で設立されて、そして上限価格、下限価格、中間帯の価格まで設定をされて、そして一元化輸入を図って、その一元化輸入の中でいろいろ価格を安定させる方向に来ていると思うのです。いまのところ大分輸入品が多くなってきて、繭も輸入されておるそうでありますが、生糸、乾繭の輸入、そういうことによってそのシェアがまた三〇%以上超している状況になってきている。こういうときに、生糸というのは非常に相場の変動がいままで激しくて、大分暴騰、暴落というのがあったわけでありますが、最近は輸入のシェアが大きくなるに従ってその範囲というのは非常に狭まってきている、いわゆるシルクサイクルというのはいま非常に狭まってきているというふうに言われているわけであります。こうした状況の中で、二国間協定あるいは一元化輸入、そういうようなものの中で価格安定を図っているときに、なおかつまだ取引所の存在というものがある、私はここにちょっと大きな疑問を感ずるわけでありますが、この取引所というものは、生糸の取引にしても乾繭の取引にしましても、取引所の存在というものはまだまだ価値があるのだ、そういうふうに考えておられるのかどうか、この点について御説明をいただきたいと思うのです。
○宇賀神説明員 お答えいたします。 まず、繭並びに生糸の需給事情でございますが、先生おっしゃるように、最近、国内産の繭、生糸の生産量は相当程度減少してきております。しかしながら、他方繭及び生糸の国内の需要そのものも減少してきておりますので、その結果、海外からの輸入の繭並びに生糸でございますが、これは大体最近のところ停滞傾向で推移してきておりまして、繭及び生糸について見た場合でも輸入量はおおむね国内総供給量の一〇%ないし二〇%以内の水準で推移してまいっておるわけでございます。 また一方、価格でございますが、価格につきましては、確かに生糸は繭糸価格安定法のもとに置かれまして、安定的にその価格が推移いたしておるわけでございますが、一定の安定帯がございますので、長期的に見ればその安定帯の中である程度の価格変動が見られるわけでございますし、また、繭につきましては出回り期の事情、さらには海外からの輸入の事情等もございまして、相当程度の価格変動が生じているというような実情にあるわけでございます。このような点を背景にいたしまして、たとえば生糸の問屋でありますとかあるいは製糸業者であるとかあるいは織物業者であるとかいう当業者は、その企業活動を行っていく上におきまして、どうしてもそういう商品取引所で形成される先行価格指標というものが必要でありますし、またある程度の価格変動に伴いますリスクを回避する意味での、ヘッジングの機能というようなものも要請されるわけでございます。また他方、生糸につきましては御案内のように繭糸価格安定制度がございますが、その適切な運用を図る上においても生糸取引所における先行価格の公正な形成ということが強く要請されるわけでございます。こういう点から見て、農林水産省といたしましては、現時点においても繭並びに生糸の上場は必要であるというふうに考えておるわけでございます。
○上坂委員 生糸あるいは乾繭の取引所におけるところのいわゆる扱いというものはまだまだ意義があるし、必要であるという話はわかりました。しかし、実際問題として、生糸、乾繭というものについては、いまもおっしゃったように、当業者といいますか、特に製糸業者、これが非常に大きな力を持っているわけです。玄人の扱いが一番いいというふうに言われていると思うのです。ところが、実際問題として、最近またしても素人をこの中へ巻き込んで、そして大きな負担をさせて倒産に追い込んでいるというような状況が出てきております。これは外務員が無理やりに勧誘するというのが起きてきて、これが東京の中央ではなくて、むしろ地方に非常に大きな問題が起きている。私のところへもずいぶん問題が持ち込まれておるわけであります。素人から金を集めてここに参画をさせて、生活をずたずたにしてしまうような状況が起きているというものについては、もっともっと大きく取り締まっていかなければならぬと思うのです。五十年に法改正をされて、安心はしていられないわけでありまして、非常に大きな問題も起きております。特に去年あたりから金がまた大変な問題が起きているという状況がありますので、これの取り締まりについての決意をいただきたいと思います。
○神谷政府委員 五十年の改正法が五十一年一月から施行されておりますので、その改正法を厳格に運用いたしますとともに、同法の趣旨に基づきまして、商品取引員の受託業務の適正化あるいは委託者債権の保全策等の強化、そういった措置をこれまでも累次とってきておるところでございますが、今後とも御趣旨を体しまして、十分な指導をしてまいりたいと考えております。
○上坂委員 時間が来ましたので終わりますが、最後に一つ、私のところに、日本橋の茅場町三丁目の太陽商品株式会社というところの外務員が、長岡市の一工員を自殺未遂に追い込んだ事件が来ております。いろいろ調べているわけでありますが、このことについて、私のところに資料があります。この資料を上げますから、それに基づいて、いわゆる太陽商品のとった行動について調査をしていただけるかどうか、その点についてのひとつ回答をいただきたいと思います。
○宇賀神説明員 お答えいたします。 ただいま先生御指摘の件につきましては、農林水産省所管の商品取引員というふうに思われるわけでございますので、早速関係取引所を通じまして調査をいたしまして、所要の措置を講じてまいるよう指導してまいりたい、このように考えております。
○上坂委員 終わります。
○野中委員長 長田武士君。
○長田委員 通産大臣は、昨日三カ国歴訪の日程を無事終わられまして、まことに御苦労さまでございました。大臣は、去る九月の外遊とあわせまして、ASEAN五カ国、オーストラリアを訪問されたわけでありますが、エネルギー問題を中心といたしましたこのような外交は、日本のようなエネルギー資源を外国に頼っている国でございますので、非常に私は重要だと思っております。今後とも大いにひとつ推進をしていただきたいと考えております。 そこで、現在わが国は原油輸入の七〇%を中東に依存をいたしております。そこで当然考えられる策といたしまして、輸入ソースの多様化、この問題に迫られております。その意味で私は、東南アジア、オーストラリア、将来有望視されておるわけでありますから、特に石油、石炭、LNGなどの新しい供給源確保の見通し、この点が非常に重要だろうと思っております。その点について、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○田中(六)国務大臣 御指摘のように、九月の四カ国、それはビルマがございましたけれども、ASEAN三カ国、今回三カ国、豪州を除きまして二カ国、あわせてASEAN諸国五カ国を全部一応回ったわけでございます。 これも御指摘のようにイラン・イラク紛争がございまして、ホルムズ海峡を通過する船は、いまとまっておりませんけれども、日本の将来のエネルギーを考えますときに、中東にばかり七十数%も依存しておることが非常に将来とも危惧を感ぜられますし、いまのところ備蓄関係は政府と民間合わせて百十一日分ございますけれども、現状としてはまあまあといいましても、将来の展望を考えるときに非常に不安な面もございますし、ただ原油だけじゃなくて、LNG、石炭、こういう面もございまして、一応ASEAN諸国でシンガポエルだけが燃料がゼロで、これは輸入国になっておりますけれども、インドネシア、マレーシアは輸出国でございます。その他の三カ国は、自分のところに、将来開発し、まだ輸入もしておりますけれども、非常に有望な第一次産品としての価値を持っておる国々でございますし、こういうところで、親善の意味もございましたけれども、私の訪問の目的は、向こうもそれは現在の段階でございますので十分意識しておりまして、それぞれ先ほどこの場で御報告しましたようなぺースでございまして、非常に意を強くしたわけでございますけれども、これから先も私ども、国内の備蓄、省エネルギー、石油代替エネルギーというようなことも含めて、エネルギーの安定確保ということが大きな至上命題でございますので、十分これから先も気をつけてまいりますが、少なくとも私ども、長期エネルギー暫定見通しの中にも含まれておりますように、十年後にはエネルギーの油への依存を五〇%まで落とす、その至上命題を貫徹すべく、国内の発電所の問題も含めましてこれからも考えていきますし、国民の皆様あるいは産業にも迷惑をかけないように、その環境づくりには万全の措置をとっていく方針でございます。
○長田委員 大きな成果を上げられたことに対して敬意を表します。私は、今後エネルギー外交を強力に推進する立場で通産大臣が先頭を切って海外へ出られるということは大いに歓迎をいたします。 そこで、今後の日程についてお考えはどうでしょうか。中東にも行かれた方がいいと思いますが、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
○田中(六)国務大臣 私の頭の中にはもちろん中東もございまして、中東に行くにはやはりASE、AN諸国、手前の橋から渡っていかなければいけない。ASEAN諸国も東南アジアで一番重要な国々でございますのでそれを実行したわけでございますので、あとは中近東を含め、その他いろいろなところに足を伸ばして、できるだけ安定供給という目的を達していきたいと思います。
○長田委員 次に、レーガン共和党候補が次期大統領に当選したことによりましてアメリカの対日通商政策がどう変わるのか、非常に予想しにくいわけでありますが、けさのニュースですと、民主党からもどんどん人材を登用する、そういうニュースも伝わっておりまして、私はいままでと基本的には大差はないかなという感じも実を持っております。しかし、当面日米間の懸案であります自動車輸入規制問題と電電公社の資材調達開放問題の決着はどうなるのか、通産大臣の決意のほどを伺いたいと思います。
○田中(六)国務大臣 私は、日米関係の基本線は、両方の党、いずれの党が大統領になろうが変わりはないということを昔から思っておりますし、現在もそういうふうに思っております。それからまた、変わらせないような私どもの措置もやらなければいけないというふうに思っておりますし、いずれにしてもいろいろドルやその他アメリカの威信が少し弱まったというようなうわさがございましても、私は、本質的には西諸国にとってアメリカというのはリーダーの国でございますし、日本もこの国と一番いろいろな諸施策を基本線に置いていかなければならないという方針は昔もいまも将来も変わりはないというふうに信じております。したがって、私の考えもさることながら、大統領がレーガンさんになろうがその基本線は変わらない。したがって、日米摩擦ということで電電公社あるいは自動車の問題その他いろいろございますけれども、それも摩擦がしょっちゅう浮き沈みすることも、解決する方向に、繊維あるいは家電その他ありましたように、これも常に何とかうまく解決していかなければならないというふうに考えておりますし、将来についてもそういうふうに考えております。 具体的な現時点につきましては、事務当局もおりますので、事務当局の方に答えさせていただきます。
○栗原政府委員 自動車の問題についてお答え申し上げますが、自動車につきましては今月十日にITC、国際貿易委員会の被害についての表決が行われることになっております。私どもとしましてはこの表決の結果、それからさらに、仮にこの表決がクロになるようなことがあれば、今月の二十四日に大統領に対してどういう措置を今後講ずべきかということについての勧告、報告をいたすことになっておりますので、そういった米国内の動きに対応いたしまして、いま大臣の申されましたような全体の流れの中で情勢の推移に応じて適切に対処してまいりたい、かように考えております。
○長田委員 国際貿易委員会、ITC、いまお話がありましたとおりクロと判定した場合、勧告される救済措置としては輸出秩序維持協定、OMAというのがありますけれども、この締結交渉となる可能性も非常に出てくるように私は思います。この点どうですか。
○栗原政府委員 ITCの勧告の内容といたしましては、実はOMAという文字は出てこないととりあえず思います。と申しますのは、勧告といたしましては関税という措置、それから輸入数量制限という措置、それから国内に対する調整援助という措置、この三つのカテゴリーについての措置が勧告されるということであろうと思っております。OMAの話が出てまいりますのは、その勧告を受けて大統領がどういう措置をとるかという際には、その一つとしてOMAの話が出てくる可能性がある、こういう流れかと思います。したがいまして、現在幾つか、関税あるいは関税割り当て、輸入数量制限、OMA、調整援助、いろいろな態様が考えられるわけでございますが、そのうちの一つとして当然そういうことも考えられないことはないというのがいまの段階であろうか思います。
○長田委員 それでは通産大臣、話題がちょっと変わって恐縮ですが、石油業界元売りが大変な経常利益を上げておるわけであります。一つの例といたしましては、日本石油ではこの中間決算で七百億円の経常利益を上げております。ユーザンス利益等がそのほとんどだろうと私は考えますが、国民の間には、石油製品が冬場を迎えまして値上がり傾向になっておりまして、物価安定の上からも行政指導が必要じゃないか、このような声も実は出ております。 そこで、提案でありますけれども、昨日も私、物特で経企庁長官には強く要請したわけでありますが、冬場を迎えまして灯油とガソリン、この値下げの行政指導をやられてはどうでしょうか、これが第一点。 第二点、それに関連いたしまして電力、ガス会社は、中間決算のその結果はまだ出ておりませんけれども、相当な利益が出るのではないかと予想されておるわけであります。そうしますと、この前も私たち物特のメンバーで料金問題で公聴会等もやりました。その際、来年の四月一日に料金の見直しをするということになっておるのでありますが、料金の据え置きということが当然考えられていいんじゃないか、私はそう考えますが、この二点について通産大臣の御所見を伺いたいと思います。
○田中(六)国務大臣 差益の問題に尽きるのではないかと思います。確かに電気料金を上げた場合の円レート二百四十二円、現在二百二十二円くらいとして、かなりの円レートから来る差益が電力事業者にもガス業者にもある。そういうようなこと、それから冷夏というようなことでかなり節減ができているのじゃないかということと同時に、原子力発電所の稼働率が上がっておるというようなことなども加味しますと、そこに差益というようなことが考えられます。したがって、政治としては、灯油がこういう外国の原油の値上がりのさなか、しかも足らないだろうと買いだめ売り惜しみ、あるいはそういう一つの便乗値上げなどあるさなかに、逆に出るのも政治かとも思います。しかし、まだその事態が、それならば直ちにそういう態度をとっていいのかということに焦点を合わせますときに、やはり不透明な要素が非常に多いと思うのです。したがって、それを灯油などに反映させて値下がりをするということよりも、現時点では需要と供給によって自然に価格が決まるというような方法を、私どもは静かに見ておって、便乗値上げなどがあった場合のチェック、つまり強い監視体制を持ち続けたいという気がします。しかし、長田委員御指摘のように、それが非常に明確になってくるとかいうようなことを考えますときにはやはり委員のお考えを参考にしなければなりませんし、将来それならばどうということを言える場合はまず据え置き、それを下げるということよりも据え置きということが第一段階では浮かぶと思います。それからいろいろな確定要素ができた場合に第二段階の措置というふうな考えが検討されなければならないのじゃないかというふうに考えられます。
○長田委員 次は、中小企業対策についてお尋ねをしたいと思っております。 明らかに景気のかげり現象は拡大しておりまして、年末にかけて中小企業の経営はますます悪化すると考えております。これに対しまして、中小企業の資金需要に見合った年末融資の枠は十分確保されておるのかどうか。また、公定歩合の引き下げに伴いまして、政府系金融機関の貸出金利の引き下げは私は検討されるべきだと思いますが、この点どうでしょうか。
○佐藤(和)政府委員 お答え申し上げます。 年末の金融繁忙期を控えまして、政府系の中小企業金融三機関におきましては、十−十二月の資金枠として三機関合計で対前年同期実績比二六%増の一兆六千五百二十五億円の資金を用意してございます。この三機関の今年度上期の貸し付け実績が対前年同期実績比八・一%増でございますので、二六%増の資金を用意してございますれば、年末を控えた中小企業の資金需要には十分対応できるのではなかろうかと存じておる次第でございます。
○長田委員 中小企業の資金繰りの悪化を反映いたしまして、実は信用保証協会の代位弁済が増加しておるようであります。中小企業信用保険公庫の保険金の支払いが非常に増加しているように聞いております。調べたところによりますと、上半期では合計は五百八十五億円で前年同期の九%増になっております。昨年度は四・一%増でありますから、約二倍を上回っておるんですね。このままでは下期はさらに増加するのではないかと思っておるのでありますけれども、その現状と原因について、簡単に御説明をいただきたいと思います。
○佐藤(和)政府委員 中小企業信用保険公庫の収支状況でございますが、五十三年度四百十六億円、五十四年度三百三億円の損失を生じておりますが、五十四年度におきましては当初見込みに比して損失額は約五十億円ほど下回っております。しかし本年度におきましては、ただいま先生仰せのように、景気の落ち込みの問題、特に最近の冷夏の問題等の反映かと思われますが、かなり代弁がふえてまいっておりまして、本年度の収支としては約二百四十五億円の損失を見込んでおるところでございます。
○長田委員 中小企業信用保険公庫に対しまして国から毎年出資しております。最近の出資状況と損益状況についてはどのようになっているのでしょうか。 また、五十一年度から四年連続損失金を出しておるわけでありますが、その原因とこれからの対策をあわせて御答弁いただきたいと思います。
○佐藤(和)政府委員 政府から信用保険公庫への出資金の最近の状況でございますけれども、五十三年度に五百八十億円、このうち保険準備基金が四百八十億、融資基金が百億でございます。五十四年度が五百六十五億、保険準備基金が三百六十億、融資基金が二百五億でございます。五十五年度につきましては、五百八十億で、準備基金三百億、融資基金二百八十億という状況でございます。 〔委員長退席、辻(英)委員長代理着席〕 最近の中小企業信用保険公庫の保険金の支払い状況は、五十二年度で一千五十三億円、五十四年度で一千九十六億円と推移しておりますので、本年度上期には、ただいま申しましたとおり代位弁済等の増加に伴いまして五百八十五億円と、対前期比九%増というかっこうで増加をしてまいっておる状況でございます。
○長田委員 改善策も尋ねたんですけれども、私は今後信用補完制度の機能が十分働くためにも、保険公庫の経営基盤の確立が急務である、そのように考えておるわけであります。しかし、だからといって保険料率を上げることなどは、中小企業者の負担増につながるわけでありますから、これは余り好ましくないわけですね。 そこで、本年度の予算修正におきまして、自社公民四党で中小企業信用保険公庫出資金の増額二十億円というのをかち取っております。現在の公庫の赤字状況を少しでも改善するためには、これを実施した方がいいのじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
○佐藤(和)政府委員 ただいまお答え申し上げましたような最近の収支状況でございます。私どもといたしましては、今後の収支状況を十分に検討いたしまして、今後の保険金支払い状況等々も見ながら、ただいま先生から御示唆のありました追加出資の必要性についても十分検討してまいりたいと思っておるところでございます。
○長田委員 そうしますと、この改善のために料率を上げたりということは考えてませんね。
○佐藤(和)政府委員 現在そういうことは考えておりません。
○長田委員 次は、下請中小企業の現状についてお尋ねしたいのでありますけれども、現在景気不振に伴いまして、親企業の不当な下請取引が増加しつつあります。特に最近では中小規模の親企業が増加するなど、企業の親子関係も非常に複雑になってきておりまして、不正取引のための公正取引委員会、それから中小企業庁のチェックもこれでは対応できないのじゃないかというような面もあるようでございます。 そこで、実際に下請代金の支払い遅延や不当な買いたたき等を禁じております下請代金支払遅延等防止法の対象となります親企業は全国で約六万、ところがこれを調査する担当官は、公取委、中小企業庁の両機関で百二十人足らずなんですね。この人数で十分な調査が果たしてできるのかできないのか、その点どうでしょうか。
○佐藤(和)政府委員 ただいま合計百二十名という数字を示されましたけれども、私ども中小企業庁の関係では、現在代金法の職務に従事している職員は中小企業庁の本庁で十二名、それから通産局で七十九名でございます。通産局の場合には必要に応じて他の係からも応援をするという態勢をしくことは可能でございます。しかしながら、同法の運用強化を図りますためには、今後さらに人員の増強を図りたいと思っておるところでございまして、ただいま五十六年度要求におきましては、下請代金検査官七名の増員を要求しているところでございます。
○劒持政府委員 親企業に対します調査の状況を簡単に申し上げますけれども、先生御指摘のように、親企業といいますか、六万ございます企業のうち、これを公取と中小企業庁で半々に分けて担当しているようなかっこうになっておるわけでございますが、公取分で申し上げますと、三万のうち毎年一万二千ぐらいの調査をしております。大きい方は毎年必ずやる。小さい方は二年なり三年に一遍ということでの調査を行っておりますので、必ずしも十分な陣容とは申せませんけれども、そういったことで努力をしておるところでございます。なお、来年度等につきましても、人員の増員要求は行ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○長田委員 そこで、私提案なんですけれども、下請中小企業者の実態を調査するのに、どうしてもこれは手不足のような感じがするのですね。そこで、調査業務の一部を都道府県に移譲しまして、下請取引の正常化についてきめ細かい監視体制をつくったらどうか、こう思いますが、どうでしょうか。
○劒持政府委員 下請取引の中には、親事業者もそれから下請事業者ともにかなり小さくて、同一県内にあるというようなものがございます。そういうものにつきましては、都道府県できめ細かい監視体制をとることができるということも考えられると思いますけれども、他方下請法の運用についての全国的なといいますか、県をまたがって統一的な運用をする必要があるという要請もあるわけでございまして、そこら辺の長短を両方考える必要があろうかというふうに考えますし、また、地方自治体の財政、人員等の措置関係等、これらの点を考慮いたしまして、なお慎重に検討する必要がある問題ではないかというふうに考えております。
○長田委員 中小企業庁と公正取引委員会は、毎年年末になりますと親企業に対して支払い遅延防止の通達を出しておりますね。これは私はいいとは思いますけれども、支払い現金比率の向上、わが党としては五〇%現金ということを長く主張しておるわけでありますが、そういう考え方はどうでしょうか。
○劒持政府委員 下請取引におきましての代金の決済方法といたしましては、先生御指摘のように現金、それから手形払いとございます。下請法上はこの両方を認めておるわけでございますが、われわれといたしましてはできるだけ現金で支払うようにという指導はしてまいっております。特に定期調査等で、下請法上問題があるような親企業が見つかりました場合に、必ずと言っていいほど現金支払いの比率を向上するようにという指導を個別に行っているわけでございまして、こういったような具体的な、個別的な指導を通じまして、この現金比率の向上ということを図ってまいるのが適当ではないかというふうに考えております。 なお、われわれの調査では、大体現金の比率が現在五〇%程度にはなっているというふうに把握いたしております。
○長田委員 実際中小企業のいろんな事情を私ども聞いてみますと、五〇%なんというのは絶対にないのですね。そういう意味で、いま中小零細企業で一番困っておりますのは、これだけ非常に仕事量も少なくなっておりますし、ある程度支払い条件を下請でつけますと仕事がなかなか得られない、そういうような苦しさがあるのですね。やむを得ずオール手形でもらう、逆に言えばほとんど現金はないわけなんですけれども、そういうケースも非常に多く見られるのです。そういう意味で、私は実態調査もやられておるとは思いますけれども、現実と相当開きがある、このように考えておるのです。そういう意味で、もっともっときめ細かい調査が必要だ、そして行政指導も強力にやるべきである、私はそう考えますが、どうでしょうか。
○佐藤(和)政府委員 私どもで実施しております調査によりますと、昭和五十四年平均の現金比率は四四%ということになっております。私どもといたしましても、御指摘の現金比率の向上につきましては、振興基準の活用によりまして下請代金の現金比率の向上について強力に指導しておりまして、今回の通達においても、現金比率の向上を要請したところでございますが、今後ともこういう努力をさらに強化してまいりたいと存じておる次第でございます。
○劒持政府委員 定期調査、その他の調査を通じまして実態を十分把握して、必要な指導等の措置を講じてまいりたいと思います。
○長田委員 次に、分野法、商調法についてお尋ねをいたします。 昭和五十二年に分野法が成立して約三年になるわけであります。当時の議論の中でも指摘されてきた点でありますが、最近、厳しい経済情勢のもとで、大企業の中小企業分野に対する進出というのは非常に目立っております。 そこで、分野法、商調法についてお伺いしたいのでありますが、分野法における調整勧告、指導、調整命令などの権限がすべて主務大臣にあるわけでありますが、地域の中小企業者の実情を掌握しておりますのは知事でありますから、権限を移譲すべきであると私は考えておるのですが、その点、どうでしょうか。
○佐藤(和)政府委員 分野調整法におきましては、調査、調整権限はすべて主務大臣が有しておるところでございます。これは商調法とちょっと違いましで、商調法の場合ですと地域に密着した小売業のみを対象としているということでございますが、分野法の場合には、小売業以外の全業種を対象としているということで、広域的な紛争になることが多いという分野紛争の実態を反映したものでございます。 しかしながら、先生仰せのごとくに、都道府県知事がこの問題におきます具体的な点について非常に知識も持っておられますし、有効に活動できるということも事実でございます。そういう意味で、現在主務大臣といたしましても都道府県知事と十分連絡をとりながら、その意見を尊重して調整を図ってまいっておるところでございます。現在そういう形での主務大臣と都道府県知事との間の連係プレーは比較的うまくいっているのではないかと私どもは認識しておりますが、今後の情勢を見ながらさらに検討してまいりたいと思っておるところでございます。
○長田委員 実際問題、主務大臣でなくて、分野法におけるその問題については知事が実務の上では全部掌握しておるわけでありますから、相談する程度でなくて権限を移譲すべきである、私はそういうふうに考えておるのです。その点どうですか、法改正されたら。
○佐藤(和)政府委員 ただいま申し上げましたとおり、私どもといたしましては現在のところ比較的スムーズに運営されているのではないかという事実認識を持っておりますので、現在の時点ですぐ法を改正するということはちょっと申し上げかねるところでございますが、ただいま申しましたとおり、今後の実情を見ながら十分に検討してまいりたいと思っておるところでございます。
○長田委員 次は、大企業者及び中小企業者の定義についてであります。 中小企業基本法の定義を準用しておるわけでありますが、しかし基本法は中小企業振興の観点から定められておりまして、分野法の性格とはおのずから変わってこなくちゃいけないと思うのですね。たとえば製造業においては大企業は一億円以上、しかも従業員が三百人以上ということになっております。ところが、昭和五十三年五月、神戸で豆腐業界に進出した某社は、資本金四千八百万円と、豆腐製造業といたしましては大企業に匹敵するのです。ところが、この分野法では一億円以上と規定されておりますから規制の対象外になってしまうのですね。このように業種によりまして企業規模の格差というものは歴然としております。そういう意味で、一概にこのような一億円以上あるいは従業員三百人以上というような線引きが果たして妥当かどうか、私はこの点非常に疑問を持っていますが、どうでしょうか。
○佐藤(和)政府委員 中小企業の定義をどういう形でするかという問題につきましては、立法当初からいろいろ御意見があったようでございます。 ただ、大企業と中小企業の事業活動の調整が必要であるということは、基本的にはやはり両者の間に競争力に格差があるからだというところから来るわけでございまして、そういたしますと、競争力格差というのをどういう形で決めるのかということでいろいろ御議論のあったところでございますが、その結果としては、やはり現在中小企業基本法を初めとする他の中小企業関係法令も、競争力格差という点に着目をして中小企業者の範囲を定めているということにかんがみまして、この法律におきましても同様な定義が採用されているというふうに私ども受け取っているところでございます。
○長田委員 どうもはっきりしないのですけれども、もう一つ、大企業のダミー規定についても、資本金が二分の一以上出され、その他実質的に支配することが可能なものとして規定されておるわけであります。これに抵触しない形での進出というのが非常に目立っております。出資金の面からも役員にも関係を持たず、フランチャイズ方式で実質的支配関係を持ったまま進出したり、あるいは大企業の共同出資によって出資比率に抵触しない形で進出しておるのです。こういうダミー規定についても私は検討を加えるべきである、このように考えていますが、明確な答弁をしてください。
○佐藤(和)政府委員 中小企業が大企業のダミーとして機能しているという場合には、中小企業の活動であっても実質的には大企業の活動と言うべきである、そういうふうに思います。 ただ、現実の経済における大企業と中小企業の関係を見ますと、中小企業は資本関係、役員の派遣関係、債権債務関係等いろいろな形で大企業と関係を持っておるのが実態でございます。したがって、分野調整法上ダミー関係の成立を余り広く認めますと、中小企業の事業活動を不当に制限するという懸念もございます。また、この法律は私権を制約するということになるおそれのある法律でございますので、法律上取り扱うダミーの範囲は、あらかじめ明確な基準を置いておく必要があるというふうに存ずるわけでございます。現行のダミー規定はこの両者の要請を勘案して決められたものでございまして、現在のところ改正する必要はないと考えておりますが、ただ、今後の経済の推移におきましていろいろな形のダミー関係が成立することも考えられますので、そういった今後の動きを十分に念頭に置いて対処してまいりたいと思っておるところでございます。 ただいま御指摘のございましたフランチャイズチェーンをダミーとして分調法の対象にするということにつきましては、フランチャイズチェーンは大企業の資本、役員等による支配関係がない場合が多いということ、それから、フランチャイジーになる中小企業の新たな事業活動の展開の手段となるといったようなことで、大企業と中小企業が共存共栄するという面もございます。また、物価の安定等、国民経済的にも貢献するといったような面もございますので、この活動を規制することについては慎重である必要があるのではないかと存じておるところでございます。
○長田委員 次に、流通小委員会で大島つむぎの問題が出ておりますけれども、改めてまた質問するわけであります。 ここ数年来、伝統工芸品の類似品が海外から輸入されてきておりまして、国内の伝統工芸品産業が大きな被害を受けておるわけであります。特に韓国産大島つむぎの流入によりまして、本場の大島つむぎ産地に大きな脅威と損害を及ばしております。日韓両国の二国間協定の現状と今後の見通しについてどう考えておるか、御答弁をいただきたいと思います。
○若杉政府委員 お答え申し上げます。絹関係の輸入につきましては、二国間協定あるいは事前確認制等で大幅に輸入を規制しておるわけでございます。日韓関係につきましても、絹織物全体及びその内訳といたしましての大島つむぎ関連商品というものについて協定を結んでおります。最近の状況は、輸入の方は逐次鎮静化しておるという状況でございます。しかし一方、国内の生糸あるいは養蚕農家あるいは絹織物業界は非常に苦況にございますので、ことしの協定におきましては従来になく厳しい、さらに協定数量を削減するように目下厳しい態度で交渉を継続しておる。実際の輸入の方はかなり鎮静化しておる、かような状況でございます。
○長田委員 矢野経済研究所の調査によりますと、LC貿易による韓国産大島つむぎの輸入数量は、五十二年度に二十四万七百十反、昭和五十三年度二十五万四千九百八十反、昭和五十四年度ですと二十二万六千三百九十反となっておるのですね。これは秩序ある輸入を目的としました日韓両国の協定が全く空洞化しているんじゃないかと私は思うのです。 そこで、具体的に国内の韓国産大島つむぎの輸入業者に対して、日韓両国協定の数量を厳守し、秩序ある輸入に協力させるよう行政指導を徹底させるべきだ、私はこう思いますが、どうですか。
○若杉政府委員 お答え申し上げます。 従来から協定数量を上回る輸入なりあるいは観光客による持ち込み等がかなり大幅に行われているという指摘がなされております。したがいまして、われわれは韓国側としょっちゅうその辺の問題点、自粛ということもやっておりますが、同時に国内業者に対しましても従来から指導はしてまいりました。ただ、非常に中小業者が多いものですから、なかなか徹底を欠いたうらみはございました。しかし、先生御指摘のように、矢野経済研究所の調査、これが一〇〇%網羅しているとは言いませんけれども、かなりの部分について、五十数社の商社名の記録がございまして、そこでその五十数社につきましては、通産省としては厳重な自粛要請を文書でもって出しておるところでございます。
○長田委員 そこで、現行の伝産法では、伝統的工芸品と類似する外国商品の原産地の表示に関する規制措置が欠けているんじゃないか、私はその点危惧をいたしております。私は、伝統工芸品産業を振興する上で、この点はきわめて不十分の内容であると考えます。そこで、伝統工芸品産業の置かれておる現状にかんがみまして、同産業の振興の一環としまして、伝統的工芸品と類似する外国商品の原産地の表示に関する規制措置、これを設けるべきであろうと思いますが、この点どうでしょうか。
○若杉政府委員 お答え申し上げます。 伝産法はいろいろな保護育成関係の法律でございます。そこで先生御承知のように、伝産マークというものをつけさせるようにできるだけ指導しておりまして、大島つむぎ関係で言えば、そういう伝産マーク、さらには団体標章的なものというものでやっております。ただ、原産地証明、原産地表示その他の問題については、略称して景表法という法律がございます。それでやっておるわけでございまして、伝産法自身で原産地不当表示のそういう問題を取り上げるには、他の法律との関連その他があって、いまにわかに結論は出しにくい問題であると思います。
○長田委員 終わります。
○辻(英)委員長代理 小林政子君。
○小林(政)委員 中小企業事業機会の確保法が五十二年に成立いたしましてから今日まで三年になりますし、最近の厳しい経済情勢のもとで、大企業の中小企業分野への進出が著しく、特に最近の特徴はサービス業や卸売業や小売業などの第三次産業と言われる分野に進出が非常に進んでいるということが言われております。こうした情勢のもとで、中小企業の事業機会を確保する上で、地域や業種の実態に即した調整が敏速に行われるということが非常に大事であり、法律の見直しも含めて体制の整備をやってほしいという声が非常に強まってきています。私はこういう立場から、以下何点かにわたって質問を行いたいと思います。 まず第一にお伺いいたしたいことは、分野法制定以来今日までの三年間に主務大臣の取り扱った件数は全体で何件になるのでしょうか。第五条の規定による調査の申し出件数は何件であったのか、また、六条の規定による調整の申し出のあったものは何件であったのか、あるいはまた、中小企業団体から調査の申し出があったにもかかわらず主務大臣の取り扱いにならなかった件数はどのぐらいになるのか、この点についてまずお伺いいたしたいと思います。
○佐藤(和)政府委員 お答え申し上げます。 これまで分野法に基づきます調査手続がとられましたものは五件でございます。また、調整手続がとられたものは二件でございます。そのほかに法律に基づかない形のものにつきましては、全体では行政指導ベースを含めると四十数件あると認識しております。
○小林(政)委員 私がそちらから出していただきました資料によりますと、法律案件として取り扱っているものが四件、そしてそのうち調整中であるものが二件、行政指導その他の話し合いで解決されようとしている件数が約十件ということでありますけれども、それでは具体的にはいま私がお聞きした全体では何件になるのか。制定以来今日まで三年の間に、主務大臣は厚生省もあれば建設省もある、そういった点を含めて全体では何件になるのでしょうか。
○佐藤(和)政府委員 法律案件にかかわりますものは合計で六件でございます。
○小林(政)委員 全体の数字をおっしゃらなかったのですけれども、最近出てきたものも含めて十七件ですか。そしてそのうち法律案件は六件、調整中のものがそのうち二件、こういうことですね。
○佐藤(和)政府委員 仰せのとおりでございます。
○小林(政)委員 私は、いまの実態から見てもこれは非常に少ないのじゃないかと思うのです。調査の申し出をしてもなかなか法律の対象にならない、こういった件数はどのくらいあるのですか。
○佐藤(和)政府委員 法律の対象にならない、行政指導ベースの案件が現在のところ十件でございます。
○小林(政)委員 法律の対象にならないというのは、具体的にどういう理由でならないのですか。この中にはいろいろと問題が含まれていると思いますけれども、それらの点も含めてお答えいただきたいと思います。
○佐藤(和)政府委員 いま私が申し上げましたのは、法律に基づく正規の調査なり調整なりの手続がとられませんそれ以前の段階として、主務官庁なり県なりで行政指導をなさっているケースを申し上げたわけでございます。
○小林(政)委員 私がいただいた資料を分析してみますと、結局法律の対象にならなかったケースはどういうものなのか。これは、進出を行う企業が大企業にならないということで該当しない、こういう見方のものもあるんですね。それからまたいろいろと脱法行為によって法律案件に該当しなかったというようなものもこの中に含まれているのです。結局、私確認しておきたいと思いますのは、いわゆる七条の第一項に基づく調整勧告がいままでにあったのかなかったのか、その点確認したいと思います。
○佐藤(和)政府委員 現在まで、勧告の段階までに至ったものは一件もございません。
○小林(政)委員 一つには、こうした問題については法律の適用だけが——私は、それを背景にしていろいろと業者間の合意で、話し合いで解決がつくとか、確かにこういう問題もあると思いますし、またそういう方向での指導もされているんだと思いますけれども、具体的にはこの中に、私は分野協の方々がつくった資料を見せてもらいましたところが、事実いろいろなケースがここには書かれているんですね。先ほどもちょっと問題になりましたけれども、五十三年に兵庫県の豆腐油揚げ商工事業組合がタイヨー食品の進出ということで調整の申し出をされたとき、これは通産省ではございませんけれども、農林省ですけれども、具体的には課長がそのときいなかったとかというような手違いもあって、結局ずるずると延期をされてしまっている。その間に役員の変更が行われたり、資本金の支出構成の変更やあるいはまた会社の登記がされてしまっているというようなことで、これはもうだれが見ても、資本金からあるいは従業員数からあるいはその他から見ても、東食のダミーだということは当時から言われていた。こういうケースも、中小企業の事業活動の確保という一番大切な目的から見ても、法律の運用いかんでこういった問題が出てきたのではないか。法律の運用いかんでこういう問題は解決をしていかなければならなかったのではないか、このように思いますけれども、具体的にお答えをいただきたいと思います。
○佐藤(和)政府委員 ただいま先生の仰せの件につきましては、ダミーに該当しないということで法律の対象外になったというふうに了解しております。
○小林(政)委員 この問題は私、時間があれば少し論議したいのですけれども、きょうは短い時間なものですから後に譲りたいと思います。 クリーニング業界における大企業の進出問題について厚生省にまずお伺いをいたしたいと思います。 タカケンサンシャイン株式会社が京都府の向日市鶏冠町清水四番地に進出の予定が出てきております。敷地は九百四・六七平米、建築延べ面積が千七百九十四・七九平米、地上六階建ての工場が進出を計画されようとしている。こういうことで、もしこれが進出をされるということになりますと、取次店は、クリーニング業界の方々の試算によりますと約四百五十から五百店くらいの店舗の取次店が必要だということが書かれておりますけれども、こうした重大な影響と打撃を受けるということで、去る十月の下旬に地元の京都府クリーニング環境衛生同業組合、大阪府クリーニング環境衛生同業組合から厚生省に対して分野法五条の規定に基づく調査の申し出がされたということでございます。これについて現在どのような対応と検討がされているのか、お伺いをいたしたいと思います。 〔辻(英)委員長代理退席、委員長着席〕
○田中説明員 お答えを申し上げます。 先生御指摘のタカケンサンシャイン株式会社が京都府の向日市にクリ一ニング工場を設立する予定があるということはそのとおりでございます。 そういうことで、先生御指摘のとおり、京都府のクリーニング環同組合、それから大阪府の環同組合から調査の申し出がございました。それは、私ども厚生省といたしましては十月三十一日付で申し出書を受理したわけでございますが、それに基づきまして、現在その計画にかかわりますクリーニング事業の規模とか、あるいは事業の開始の時期等につきまして調査をいたしておるというところでございます。
○小林(政)委員 このタカケンサンシャイン株式会社というのは、資本金が約二千万円と言われております。従業員二百八十七名で年商十九億円と言われる大企業です。こういう規模のタカケンサンシャインがかつて、五十三年、いま五十五年ですから二年前になりますけれども、五十三年十一月に愛知県に進出をして、地元の愛知県クリーニング組合が厚生省に分野法に基づく調査の申請を出しておりました。その後五十五年十二月末までに工場の新設は行わないという協定をお互いに取り交わして現在来ているというふうに聞いておりますけれども、この経緯と、その後どうなっているのかという点をまずお伺いをいたしたいと思います。
○田中説明員 お答え申し上げます。 タカケンサンシャインが五十三年に愛知県下にクリーニング工場を設立するということで、調査の申し出等がございましたことはそのとおりでございます。 この分野調整法に基づきます調査の申し出は、五十三年の十一月になされたわけでございますけれども、その調査の申し出を受けまして、厚生省は現地調査をいたしまして、その調査の結果を組合の方に回答したわけでございます。組合側といたしましては厚生省のこの調査の結果を踏まえまして、この問題を自主的な解決で収拾したいというようなことがございまして、愛知県のあっせんをいただきまして、紛争当事者間の自主的な解決のための話し合いを何度か持ったわけでございます。その結果、ようやく五十四年の七月に至りまして、話し合いがまとまって協定書の交換がされたというようなことでございます。 その後、先生御指摘のとおり、協定書の中身は五十五年の十二月までは工場の新設とか増設は行わないというような内容になっておるわけでございまして、その点についてはいままで守られてきておるわけでございます。
○小林(政)委員 厚生省が調査を行って、それに基づいて愛知県があっせん調整を行った、こういうことで解決を図ってきたということでございますけれども、今回の調査の結果も、やはりこれは調査をしてその結果を見て迅速に対応するという面からは、結局自治体に依拠して解決を図っていく、こういう姿勢をおとりになっているのかどうなのか、その調査の結果が出ておりませんのではっきりしたお答えはできないと思いますけれども、しかし、同じような内容の問題ですし、いままでもクリーニング関係ではそのほかにも自治体の調整あっせんで解決しているような問題もございますので、厚生省の基本的な調査の結果についての見解、それから、今後、五十五年十二月末にそのタカケンサンシャインの協定書の合意事項が一応期限が来るわけですけれども、この場合の取り扱いはどうなさるのか、その二点についてお伺いをいたしておきたいと思います。
○田中説明員 お答えをいたします。 分野調整の関係の事例が、ただいまのタカケンサンシャインの京都進出の件を除きまして四件事例があるわけでございます。この件につきましても、調査等の申し出がございました際には調査の結果を早く回答いたしまして、その調査結果を踏まえてそれぞれ自主的な解決を図られておるというのがいままでの例でございます。 今回のタカケンサンシャインの京都の工場新設につきまして現在調査をしておるところでございますけれども、この調査の結果を組合側がどのように受け取るかということにもなるわけでございますけれども、やはり分野調整法の精神でございます自主的解決の努力ということは、これはやはり尊重されるべきものだと思いますので、できるだけ円満に解決するように私どもも配慮していきたいというように考えておるわけでございます。 それから、もう一点の同じタカケンサンシャインの愛知県の今後の取り扱いでございますが、いまのところどのような形になるか、タカケンサンシャイン側の御意向も全然伺っておりませんし、表にも出ておりませんので、今後どのようになっていきますか、いまの段階ではよくわかりませんので御了承いただきたいと思います。
○小林(政)委員 時間が参りましたのであれですけれども、私は、これは大臣にお伺いしたいと思いますけれども、クリーニング業だとかサービス業、あるいはパンなどの製造、小売業など、こうした地域性の非常に強い業種については、どうしてもやはり地域の知事なりあるいは地域の自治体がこれに関与して、いままでもいろいろと調整あっせんというような形で解決をされてきているという事実がございます。したがって、大企業の進出問題について業種が地域にまたがるものは、やはり地域の実態というものを十分配慮した対応が必要ではないか、このように思いますし、地域レベルの進出に対して都道府県段階で調整を行うということは、地方の時代などと言われておりますだけに今後ますます重要ではないかというように思うのです。結局地方自治体であれば県に駆け込んで、そして実はこうなっているということもすぐに意見を述べることもできますし、あるいはまた、こういった権限というのは効率的な行政の立場からも、知事に付与するということは、これはやはり本当に必要なことではないかと思いますけれども、大臣にその点についてお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
○田中(六)国務大臣 小林議員御指摘のように、確かに知事にということも頭の中に浮かびますけれども、といって、現在知事と相談を全くなくやっているということではなくて、知事の意見も十分聞いてやっておりますし、事態が非常に広域的な面にわたる場合の方が多うございますし、したがって、どの知事どの知事というのもかえって不便な面もございますし、当分いまの法律のままでいって、将来十分小林委員の御意見も入れて勘案していくということは、私どもも頭の中に入れて今後の処理をしていきたいというふうに考えます。
○野中委員長 寺前巖君。
○寺前委員 御多分に漏れず絹織物の輸入でもって京都の日本海側にある丹後地方、地場産業として丹後ちりめんというのがありますが、新しい問題に直面をしてきましたので、若干の問題についてお聞きをしたいと思います。 丹後地方というのは、日本の中における絹の白生地の分野においては大きな産地であります。ところがことしの六月二十四日に香港経由で、伊藤忠のダミーの会社である東京の藤染和装株式会社を通じて、京都の丹後地方のある業者のところに精練をしてくれという問題が持ち込まれてまいりました。丹後の皆さんで織物組合をつくっているわけですが、その直営の加工場にそれが入ってしまう、そしてこれが市場に出る、丹後ちりめんというマークで市場に出てしまった。そこの織物組合の組合員さんが持ってきたものだから、当然判こを押して出てしまったわけです。ところが、もとはと言えば伊藤忠の系統を通じて持ち込まれてきたもの、というのは香港そのものでつくられておった。組合員としての道義上の責任は内部問題としてはあるでしょう。だけれども、市場の消費者にとっても、小売商あるいは卸屋さんにしても、まさかそんなことになっておったとは知らなんだ。現地では大問題になったわけです。それでは原産地表示がインチキになるけれども法的にはどうなんだ、これが最大の問題になったわけです。この業者を通じて持ち込まれたその関係だけを見ても、十月末現在では二千五百六十一反持ち込まれて、組合内部で発見したのが二百十五反、東京方面に出ていったものを含めて千六百七十五反まではわかったけれども、あと八百八十六反がどうしたのかまだ全面的によくわからぬままでさらに調査中というのが現状ですけれども、組合内部でもそれはそれなりの処理をしていくことになります。 それで、この丹後の諸君にすれば本当にショックを受けたというのは、何しろ今度の冷害じゃございませんけれども、農村地域でこれを買っていただこうとするのにはことしはやはり不作が影響している。全体として和装産業に対するところの影響がある。だから市場が狭くなっているところに外国からはどんどん入ってくる。しかもインチキの形までやられた日にはたまったものじゃない。自分自身は丹後では大体一千万反生産をやっていたものを六百八十万反に減産を自主的にやっている。織機の廃棄処分までやっている。自分でそこまで自粛をやってお互い倒れないようにしているにもかかわらず、あの伊藤忠を通じて、その系列下でもってがあっとこういうインチキをやられた日にはたまったものじゃない。 さて、公取委の方にこの問題は持ち込まれておるはずです。持ち込まれた公取委としては、このやられた行為の中に不法なことがなかったのか、あるいはこの事実を通じてどういう措置をしなければならないと考えておられるのか、まずは御報告いただきたいと思うのです。
○劒持政府委員 ただいま先生が御指摘になりました具体的な件につきましては、申告がいまのところ公取には来ておりませんけれども、似たようなケースで申告されたものもございますし、それについて若干御説明いたしたいと思います。 まず、景表法第四条三号に基づきまして原産国の表示についての告示が出ております。それで、織物につきましては、国外で製織され、国内で染色されたものについてはその原産国をどちらとするかということになるわけでございますが、織物についての実質的な変更をもたらす行為が行われたところが原産国であるということになっております。原則として、織物は製織の地が原産国ということなんでございますが、ただし、製織後に染色するものにあっては染色の地ということになっております。 御指摘のちりめんでございますが、これは製織されました後で友禅に染色されるというのが通常の形かと思いますが、その場合には友禅の染色行為を行った国が実は原産国となるわけでございます。したがいまして、国外で製織された生地を輸入しまして、それを国内で友禅に染色いたしました場合には、この原産地は日本ということに相なるわけでございまして、日本製ということで不当表示には当たらないということになろうかと思います。ただ問題は、染色をする前に白生地といいますか、そのままで流通した場合には、これは場合によりましては不当表示という問題が出てくるということであろうというふうに考えております。
○寺前委員 似たような問題を持ち込まれているというのだったら、それに対しては結果はどういうことになっていて、どうしようとしておられるのか、まずはお聞きしたい。
○劒持政府委員 最終的な結論はまだ出しておりませんけれども、現在調査中というふうに申し上げておくわけでございますが、最初に申しましたように、国内で友禅に染色されました場合には、これは国産品ということで景表法上問題ないということでございます。ただ、白生地ということで国内で流通いたします場合には、製織地が外国であります場合に、国外で和文による表示がなされたままで最終の消費者の手に渡るようなかっこうで流通がなされますと、実はこれは不当表示の疑いが濃厚になってまいるわけでございます。現在調査中と申しましたのはその関係でございまして、実はそれではそういう場合にだれが表示の義務を負うのか、ちりめん、友禅、白生地の場合でございますけれども、ちりめんの流通経路についていろいろ調べてみますと、先生先ほどおっしゃいましたような精練という工程もございますし、いろんな手を経て、また問屋とかそういうような手を経て一般消費者に届くものですから、その関係で、どこの段階でそういう表示義務があるかという点、なかなか特定がしにくいという点がございまして、実は現在調査中ということでございます。
○寺前委員 そうすると、事実関係としてはいずれにしても白で出たということまでは確認されて、どこに注意をしたらいいのかということを追求している、そこを明確にされた段階では警告なりの処置をとるということになるのかどうか、これを第一点、お聞きをしたい。 第二番目に、原産国表示が、染色をした場合、圧倒的部分がそういう経過になるということはいまおっしゃったとおり。そうすると、染色でもって出ていってしまった場合には、いまのおたくの方の運用規則から言うたらたとえ香港で生産したものであっても日本製だということになって表示されるというのは、これはおかしな存在にならないのか、この運用規則自身を変えなければならない問題を持つんじゃないか。織物自身はどこでつくったもので、染色はどこでやったものだ、こうやって表示すれば問題なかろうと思うのです。とするならば、公取委自身の運用細則というのか、そこのところの内容を改善することが必要になっているんじゃないか。そうでなかったならば買う方はそのものに対する真実を知ることができない。いかがですか。
○劒持政府委員 第一点でございますが、最初にこちらで申告を受けて問題等調査しております件でございますけれども、これは白生地のままで流通したかどうかということを確認しているわけではございませんが、そういう問題があった場合にはこうなるであろうということで検討しているということでございます。 それから、後の方の御指摘で、運用細則で原産国をこういうふうに特定するということが決まっているが、それ自体が問題ではないかという点でございますが、実はその問題はあろうかと思います。それで、現在、実は四十八年にこの運用細則というのは制定されたわけでございますが、そのときも業界の意見等十分調査いたしまして、それで織物についての原産国はこういうふうに決めたらよかろうということで決定したわけでございますが、現状におきましてこれが必ずしも完全に妥当しているかどうかという点、御疑問の向きもございますので、現在業界に調査を行っているところであります。その結果を見まして、必要な場合には運用細則の変更ということも考えなければならないというふうに考えております。
○寺前委員 問題が出されてから大分日がたっている。あなたのところの職員の数が少ないからなかなか進行しない事情もわからないわけではありませんけれども、てきぱきとこの処理をやっていただきたい。年内過ぎるようなことがあったら今度はおたくの方の機関自身に対する不信が生まれてくるでしょう。ですからそういう意味においては、積極的にぜひとも早くこの実態の調査に基づくところの処置をしてもらうということと、それからいまの運用の細則に対する改善についての結論を早く出していただくということによってこれからの対応を明確にしていただきたい、これは希望しておきますが、いかがですか。
○劒持政府委員 現在各業界の意見を聴取しておりまして、必ずしも意見が業界の内部で一致しているということでもございませんが、なるべく早く意見の収斂を図りまして必要な措置をとってまいりたいというふうに思います。
○寺前委員 こういう事態になってきているわけです。韓国あるいは中国との間の絹織物の取引の二国間協定などをいろいろやられて、これ自身がずいぶん問題になってきました。ところが一九七七年ごろから香港や台湾からの輸入に全面的にまた新しい分野が出てきた。これでもってみんながいま大騒ぎをしなければならない事態が生まれているんです。 通産省の方は、一体この問題に対してどのような事実を確認しておられるのか、どのような処置をしなければならないと思ってこられたのか、そしてどのようにしてこられたのか、いまの問題点は何か、御説明をいただきたいと思います。
○若杉政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、中国と韓国につきまして二国間協定をやりまして数量を抑えたわけでございます。その結果台湾あるいは香港というところに流れて、そしてそこが急増してきたという事情が二、三年前ございました。そこで通産省といたしましてはいろんな手だてをとってまいりました。 まず香港につきましては、一昨年から事前確認制というものをとりました。それからさらに事前許可制、つまり中国原産のものでたとえば香港で簡単な染めをしてくる、いわゆる脱法ですね。これは事前許可制にするというような方法をとりました。全部のたとえば香港の織物は事前確認制ということになっております。それから同時に、昨年の秋には香港に対しましても二国間協定を結ぼうじゃないか、こういう申し入れをいたしました。二国間協定は向こうはいま現在応じてきておりません。応じてきておりませんが、先ほど申し上げましたような脱法的な、たとえば中国原産で香港で簡単な染めをするものは事前許可制、それから香港製のあらゆる絹織物系統は事前確認制ということです。 そこで香港の実情を申し上げますと、七七年でございましたか最盛期には四百万平方メートル以上入りました。これはほとんど、どういうことかというと、香港には織物の能力はそんなにないわけなんです。したがって、明らかに中国の織物を香港で簡単に染めましてそして日本へ持ってくる。日本へ持ってくると御承知のように染めをはがすわけです。そういうものが圧倒的に多いわけです。したがって、それはもう事実上できなくなりました。香港産で本当に織ったものというものは非常に能力からいって小さいわけでございます。したがいまして、その後香港からの数量は非常に減ってまいりまして、七九年は七八年に対してたしか六割台に減りました。それから本年はそれに対してさらに二割減という状況でございます。それから今後の見通しを申し上げてはややあれですが、私たちの予想ではさらに一段と減ってくるということを予想しております。したがって、モデレートな水準にまで逐次落ちてきております。先行きもさらに落ちてくる、かように考えております。 それから台湾につきましては、御高承のとおりやはり香港と似たようなケースだったのですが、すでにことしから二国間協定をつくりました。したがって枠が決まりました。 さような次第で、秩序ある輸入については通産省当局としては全力を挙げておりますし、逐次非常な成果を上げてきておる、かように考えております。
○寺前委員 お約束の時間が参りましたので終わりますが、せっかく大臣お待ちをいただいておりますので大臣に……。 非常にいろいろ御奮闘の話はいまお聞かせをいただきました。だが全体として、先ほど申し上げましたように、たとえば伊藤忠を通じてあのような、実際撹乱するようなことが行われているわけです。輸入の角度から見るならば、必ずしも全面的な効果が上がっているというふうには一概に言えないだろうと思うのです。私はそういう点で大臣に、これからもっと全面的に日本の和装産業を守るために御健闘いただきたい。商社の道徳というのか、こういう問題を考えるときに、もっとより効果的な措置が要るのじゃないか。その見解をお聞きして終わりたいと思います。
○田中(六)国務大臣 ただいまの絹織物、それから大島つむぎなどの問題もございますし、全体を含めて十分協議あるいは監視、そういう面を行いまして、成果の上がるような措置を講じていきたいというふうに考えます。
○寺前委員 終わります。どうもありがとうございました。
○野中委員長 次回は一来る十四日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十二分散会