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93回国会衆議院1980/11/18

社会労働委員会 第9号

発言数
387
登壇者
27
会派数
7
開催日
1980/11/18

会議録

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これより会議を開きます。  労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古賀誠君。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 私は、このたび初めて国政の場に参画をさせていただきました。きょう初めて質問の機会を与えていただきまして、大変記念すべき日でございます。  また藤尾労働大臣におかれましては、政治、経済まことに多難な今日、特に労働行政におきましては大変いろいろな問題を抱えている昨今でございますが、日夜われわれ国民のために御精勤を賜っておりますことに、心から敬意と謝意を申し上げる次第でございます。  さて明年は国際連合が提唱する国際障害者年であります。国際連合が一九七六年の第三十一回総会におきまして、一九八一年を国際障害者年とすることを全会一致で決議しまして、今日まで種々の討議が国連においてなされ、また、わが国においても、この国際障害者年に向けての準備がなされてきたところであります。  国際障害者年は「完全参加と平等」をテーマとして、心身に障害のある人たちの社会参加と、障害あるがゆえの差別の撤廃を推し進めようとするものであります。このテーマのもとに五つの大きな目的を掲げてあるということを聞いております。この五つの目的を実践するために政府としては総合的な対策を講ずることを検討してあると思いますが、具体的には、どのような施策を講じていくこととしてあるのか、その基本的な方針を総理府にお聞きしたいと思います。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 お答えいたします。  先生御指摘のとおり明年の国際障害者年のテーマは「完全参加と平等」でございますが、それに合わせまして五大目的を掲げておるわけでございます。  まず第一点は、障害者の社会への身体的、精神的適合を援助することということを述べておりまして、具体的には補装具等の給付あるいは社会復帰のための相談、訓練、指導等を考えております。  第二点といたしましては、障害者に対します適当な職業訓練あるいは指導等を行いまして雇用の機会を与えるということでございます。  それから第三点といたしましては、障害者に日常生活におきまして、いろいろな施設を利用しやすくすることにつきまして、公共建築物あるいは交通機関等を利用しやすくするように、いろいろな施策を講ずるということを述べております。  次に第四点といたしましては、一般の人々に対しまする広報、啓発運動でございます。  それから最後に第五点といたしましては、障害の発生予防それから障害者のリハビリテーションにつきましての効果的な施策を推進するという五点につきまして、五つの大きな目的として述べているところでございます。  この目的につきまして今後どのような施策を積極的に講じていくかということにつきましては、すでに総理府に置かれました中央心身障害者対策協議会におきまして委員五十五名というような非常に拡大した特別委員会をつくりまして、この委員会につきましては障害者も委員として参加をしていただいたわけでございます。その中で障害者団体等から五百項目に及ぶ要望を受けまして逐次、検討を続けておったわけでございますが、先般八月に、政府の推進本部といたしまして国際障害者年事業の推進方針というものを決定いたしまして具体的な施策の推進ということをいたすようにいたしております。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 心身に障害があるということは、単に医学的な事実としての能力の問題、つまり本人がある行為を行うことについて不自由であるという問題だけでなく、それがもとになって所得面や職業、教育等の面について種々の社会的な制約を受けるという問題があると私は考えております。このような問題の解決のためには、保健、福祉、年金、雇用、教育、医学的対策等、非常に広範囲にわたって総合的な対策の推進が必要ではなかろうかと考えられます。私は、ただいまお答えをしていただきました五つの目的のそれぞれについて、政府として現在すでに、どのような措置が講ぜられ、今後その目的を実現するために、どのような施策を推進していこうとお考えなのか、その一つずつについてお聞きをしていきたいと考えております。  まず第一に「障害者の社会への身体的及び精神的適合を援助すること。」という目的については、障害者問題の全般にわたるものであり、その基本的な方向について総理府にお伺いしたいと考えております。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 第一点につきましては、補装具等の改善あるいは給付の拡大、さらにスポーツ、レクリエーション機会の増大というふうなことを今後、検討してまいりたいと存じておるわけでございますけれども、具体的には、先ほど申し述べました五項目につきましては、今後、先ほど申し述べました特別委員会の中に各専門部会を五つ設置することにしております。御指摘の、ただいまの点につきましては福祉・生活環境部会におきまして具体的な検討をいたすこととなると思いますが、今後、国際障害者年の事業といたしまして十カ年に及ぶ長期計画の策定ということをいたす予定にしておりますので、福祉・生活環境部会、保健医療部会、それから教育・育成部会、雇用・就業部会、さらに全体を含めました形での企画部会、この五部会におきまして、それぞれ専門家の手によりまして長期的な見通しのもとに具体的な改善措置を研究検討してまいりたい、こう考えております。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 第二の目的は「障害者に対して適切な援護、訓練、治療及び指導を行い、適当な雇用の機会を創出し、また障害者の社会における十分な統合を確保するためのすべての国内的及び国際的努力を促進すること。」という目的を掲げてあるわけでございますが、この目的実現のために政府は、どのような対策をお考えになっているのか。厚生省、労働省に、その具体的な内容をお聞きしたいと考えております。  まず第一に厚生省にお聞きしたいのでございますが、近年の障害の重度化傾向から見ますと今後、在宅身体障害者の対策を一層充実する必要があると考えるのでございます。身体障害者の社会参加を進める観点から、どのような施策を具体的に講じていこうとお考えなのか、お聞きをしたいと思います。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 先生から御指摘のとおり障害者の重度化が進み、かつ障害者は家庭や地域で生きていきたいという願いを強く持っていることは、そのとおりでございます。私ども福祉のサイドから障害者の地域での生活を、どのような形で実現するか。ともすれば、おくれがちな在宅福祉対策を、これからの最重点施策に据えて取り組んでいきたいと考えております。  具体的には従来、視力障害者、聴覚言語障害者、肢体不自由者それぞれの部面につきまして社会参加促進事業というのを十七事業でメニュー化して実現をいたしております。これをさらに充実をしていくことが一つであります。  さらに重度の障害者は家庭の中で、あるいは地域の中で、動くことについて大変困難を感じています。この移動のための手段をどのように講ずるか、あるいは介助という仕組みを、どのようにつくっていくか、これからの大きな課題だと考えて研究をいたしております。  さらに町ぐるみで障害者の住みよい町をつくり、社会参加の機会をつくる、これが大変大事でありますので、昨年来、障害者福祉都市事業を進めておりまして、昨年二十市、本年二十五市、人口十万以上の市については、これを推進をいたしまして全人口の六割に近い人たちが住んでおります地域を住みよい地域に変えていく努力を、関係各省とも御協力をいただきながら進めたい、このように考えております。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 次に労働省にお尋ねをしたいので、ございますが、心身障害者の雇用促進のためには、的確な職業能力を評価することが私は必要ではなかろうかと考えております。この点について、どのような施策を講じているのか。たとえば西ドイツのハイデルベルクにあるリハビリテーションセンターの職業適応能力検査所におきましては、最高四週間かけて職業能力を評価する制度等を有しておると聞いておりますが、わが国においても、このような制度を設けることが、もう現実には必要ではなかろうか、そういう時期に来ているのではなかろうかという考えを持っておりますが、労働省の御見解をお尋ねしたいと思います。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 重度障害者の雇用を促進しますためには、御指摘のとおり、その職業評価というものが非常に重要でございます。そういった観点から労働省としては全国に心身障害者職業センターというものを設置するように進めてまいりましたけれども、本年度で、その設置が完了いたします。したがいまして来年度からは同センターの職業評価体制の強化を図っていくということが課題になろうと思います。その場合に、いま御指摘のありました西ドイツで行われておりますような非常に充実した評価体制といったものを参考にしながら強化を図っていく必要があろうかと思います。具体的にはワークサンプル法というような実際の職業におきます作業に即した評価方法、そういったものを取り入れるとか、いま、お話にありましたような日数をかけたやり方、あるいはまた実際、工場に行って工場の施設を借りて、そこで作業をしてもらって評価していくとか、それから評価します職員の養成、研修、そういったことで、これから重度障害者の職業評価に力を入れていきたいと考えておるところでございます。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 テーマの目的の第三番目は「障害者が日常生活において実際に参加すること、例えば公共建築物及び交通機関を利用しやすくすることなどについての調査研究プロジェクトを奨励すること。」ということになっておりますが、たとえば歩道にスロープを設けて車いすを利用する人に便利にしたり、また駅のプラットホームに点字ブロックを設けて、目の不自由な人に対して安全の配慮を進めるなど、現在でも、わずかでありますけれども種々の配慮を賜っていることは存じているところであります。またアメリカなどでは、国の助成している施設等については身体障害者用に建設することが義務づけられているということもお聞きいたしております。これらの点について建設省は、国の施設及び国が助成する施設の現状と、今後どのような施策を講ぜられるのか、お考えをお聞きしたいと思います。

海谷基治建設大臣官房人事課長

○海谷説明員 直接の私の所管でない事柄かと思いますけれども、私の承知している範囲で、お答えさせていただきます。  公共建築物につきましては、国の行いますいわゆる官庁営繕こういうものについては現在かなりの程度、身体障害者の便利になるようにということで、工事の段階から、そういう設計施工がされておるわけでございます。なおまた地方のそういう建物につきましても、できるだけ、そういうふうにしていただくようにということで助言、指導を行っているところでございます。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 たとえば建築基準法にそれを盛り込むとか、そういった具体的なことは現在お考えではございませんか。

海谷基治建設大臣官房人事課長

○海谷説明員 お答えいたします。  建築基準法にそういうようなことを盛り込むべきではないかという御意見もあることは、われわれも十分承知いたしておりますけれども、現在は、そういうふうに踏み切るかどうかということについては、まだ、いろいろ検討している段階でございます。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 次に第四の目的でございますけれども「障害者が経済、社会及び政治活動の多方面に参加し、及び貢献する権利を有することについて、一般の人々を教育し、また周知すること。」ということを掲げてあります。障害者については本人が、その障害ゆえに種々の社会的制約を受けるだけでなくて、他の人々の理解が不足したり偏見があるために社会への完全な参加が妨げられることが多分にあるのではなかろうかと考えられます。したがって国民の理解を促進することは、こういった時期にきわめて重要な課題ではなかろうかと考えるのでございます。このための啓発活動をいかにして行うのか、この点についても、これからは大変重要な問題ではなかろうかと考えておりますので、総理府に御所見をお伺いしたいと思います。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 先生御指摘の点、まさに私ども全く同様に考えている点でございまして、とかくヨーロッパ等の諸事情に比べますと、わが国の場合、遺憾ではございますが、一般国民の障害問題に対する理解が、まだおくれているのではないかというような指摘が聞かれるわけでございます。国際障害者年を契機といたしまして、まず、この啓発、広報につきましては重点的に行いたいということで、現在ポスター等の準備を始めております。あるいは政府広報におきましても、ひとつ重点的に障害問題を取り上げていただきたいということになっておるわけでございます。  このほか具体的に来年度の事業といたしましては各種記念集会、これは映画会あるいは音楽会等も含めて考えてございますが、それ以外にスポーツ大会等というふうなものを予定いたしておるわけでございます。この各種集会、大会等の趣旨は単なる、お祭り騒ぎに終わるということだけでは意味がございませんので、具体的に、この種の集会に障害者自身もみずから参加をしていただく、そして一般の国民、一般と一緒になって、そこで自然にお互いが触れ合う形で相互理解を深めたい。また、その姿をマスコミ等で全国に紹介する、こういうふうな形で国民の啓発に努めてまいりたいと考えております。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 この問題については、ぜひ、ただいま御意見をお聞かせいただきましたとおり積極的にやっていただく必要があるんではなかろうかと私は考えております。  最後に五番目のテーマといたしまして「障害の発生予防及びリハビリテーションのための効果的施策を推進すること。」ということをうたってあります。近年の身体障害者の増加は交通災害や労働災害等によるところが大きいというふうに考えられるわけでございますが、このような後天的な障害は、まさに人災によるものであり、これを最大限防止することは、われわれの責務であろうと考えております。しかし不幸にして身体に障害を有することになった人たちについては、適切な医療の実施はもちろんでございますけれども、社会復帰のためのリハビリテーションの効果的実施が、より以上に大事ではなかろうかと私は考えるのでございます。この点について厚生省はどのようなリハビリテーションの体制の整備を進められるものか、御意見をお聞かせいただきたいと思います。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 御指摘のリハビリテーション体制の整備は障害者福祉にとって基本的なテーマでございます。これはお話のように医療から生活訓練そして職業まで一貫した体制を整備することが要求されています。厚生省でも医務局あるいは公衆衛生局、児童家庭局、社会局が手をつなぎまして、さらに労働省の御協力もいただきながら、このリハビリテーション体制についての取り組みをいたしておるところで、ございます。  まずモデルといたしまして実は先般、埼玉県所沢に国立の総合リハビリテーションセンターを設置いたしまして、ようやく本年、病院も開設をしまして、医療から職業までの一貫したリハビリ体制というものを実現しよう、このような取り組みをいたしております。都道府県におきましても総合的なリハビリテーション施設が、すでに二十一カ所ほどできておりまして、さらに身体障害者福祉法、児童福祉法によりまして更生医療とか育成医療などを通しまして、早期における医学的リハビリテーションから社会的なリハビリテーション、さらに職業的なリハビリテーションにまで結びつける、そのような努力をいたしておるわけでありまして、肝心なことは、一つは、このリハビリテーションに従事していただきます専門家の養成ということが大変に大事でございますが、この点につきましても医務局と社会局、力を合わせまして、ただいまOT、PTなどを含めますパラメディカルの職員、この養成、確保に計画的な取り組みを進めておるところでございます。またひとつ、よろしく御指導いただきたいと思います。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 それでは次に、労働省は労働災害被災者のリハビリテーション体制を充実するためには、いかなる施策をお考えになっているか、お尋ねをしたいと思います。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 労働災害の被災者の社会復帰につきましては、先生のおっしゃるとおり大変大切なことで、ございまして、受傷直後の治療から社会復帰まで一貫したリハビリ体制を充実していかなければならぬし、また、そのように考えて施策を講じているところでございます。  具体的には、既存の労災病院の中にリハビリテーション部門を十分拡充いたしたり、あるいは先般、福岡に設置されました総合せき損センターあるいは労災リハビリテーション作業所、こういったものを設置いたしまして、それぞれに応じた対策を講じているところでございます。そのほか社会復帰のための住宅改善あるいは自動車購入資金の貸し付け、こういったようなこと、あるいは義肢等の支給、介護料の支給、こういったようなことを講じながら、いろんな施策を講じているところでございます。  また今後も従来の施策を一層充実してまいるとともに、五十四年の三月にリハビリテーション研究会をわが部内に設けましたが、それの研究報告に基づきまして今後の一貫した施策を講じてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 大変ありがとうございました。  以上、各省庁から国際障害者年に向けての施策の充実について、お聞かせをいただいたわけでございます。     〔委員長退席、戸沢委員長代理着席〕 来年、国際障害者年という大変記念すべき年であります。ただいま、お話をいただきました方向に沿って一層、皆様方に御努力をいただきたいということを、私はお願い申し上げておきます。  次に私は、障害者の方々の雇用率の達成について若干お尋ねをさしていただきたいと思っております。  障害者の人々が社会に参加していく上で重要なことは、職業的に自立して社会の一員として、ひとり立ちすることが一番重要なことではなかろうかと私は考えております。このために事業主に対して一定の割合以上の身体障害者の雇用を義務づける身体障害者雇用率制度が創設されていることは御案内のとおりでございます。私は、ここで若干その率についてお尋ねをしたいと思うのでございますが、民間企業それから国が監督しております特殊法人、そういったものについては現在どのくらいのパーセンテージを義務づけられているか、お尋ねをさしていただきたいと思います。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 お尋ねのありました雇用率につきましては、身体障害者雇用促進法に基づきまして民間企業については一・五%、それから国の機関につきましては、非現業的機関につきましては一・九%、現業的機関につきましては一・八%というような雇用率が定められております。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 それで、ごく一番最近の調査では、ただいまお答えをいただきました三つの機関についての達成率はいかがになっておりますか、お尋ねをいたします。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 法定雇用率一・五%の民間企業につきましては、実際の雇用率は一・一三%ということになっております。五十五年の六月一日現在の数字でございます。それから官公庁につきまして非現業機関、法定雇用率一・九%につきましては実際の雇用率は一・八二%、それから現業的機関につきましては法定雇用率一・八%でございますが、実際の雇用率は一・八五%ということになっております。それから特殊法人について先ほど、ちょっと落としましたが、法定雇用率が一・八%でございますが、実際の雇用率は一・三四%、  こういうことになっております。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 どうも私は一つ残念に思いますのは、特殊法人すなわち国が監督をいたしております、そういった法人におきまして大変このパーセンテージが落ちるんじゃないか、努力が足りないんじゃないかというようなことを大変残念に思いますと同時に、これは何とかひとつ、民間企業に労働省として御指導いただく上にも、やはり私は、こういった特殊法人は率先して、その率を達成すべきじゃないかという考えを持っております。  そこで私は、特殊法人を多く所轄していただいております、まあ私が選んだのが、いろんなあれはあるかもわかりませんけれども、きょうは建設省、運輸省の両省にお越しをいただいているわけで、両省のお役所にお尋ねをしたいのでございますが、建設省、運輸省で所轄している特殊法人で、身体障害者雇用率未達成の特殊法人が大体どのくらいのパーセンテージを占めているか、お尋ねをしたいと思います。

海谷基治建設大臣官房人事課長

○海谷説明員 お答えいたします。  建設省が所管しております特殊法人、住宅公団でございますとか道路公団でございますとか七つあるわけでございますけれども、これらにつきましては現在のところ、五十五年六月現在でございますけれども、まだ法定の雇用率に達しているところはないわけでございます。

榎本則夫運輸大臣官房政策計画官

○榎本説明員 お答えいたします。  運輸省の所管しております特殊法人の数は国鉄を含みまして十一法人ございますけれども、最近の時点で調査いたしましたところ、身体障害者雇用促進法による法定雇用率を達成していない法人は、残念ながら九法人でございます。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 お聞きいたしますと大変私は残念でたまらないのでございます。どうして、それらの特殊法人の雇用率が未達成なのか、その原因というものは、どういったところが一番大きな原因だとお考えでございますか、両省にお尋ねさせていただきます。

海谷基治建設大臣官房人事課長

○海谷説明員 お答えいたします。  原因につきましては、いろいろあろうかと思いますけれども、まず、われわれの方の公団ということになりますと、御承知のように事業内容が住宅の建設、管理でございますとか、あるいは道路の建設、管理あるいは大規模な宅地開発、こんなような業務をやっておるわけでございまして、したがいまして業務の内容が非常に現場的といいますか、そういう色彩が非常に強いということがあろうかと思います。それからもう一つは、私どもの方で所管しております特殊法人は、どちらかといいますと比較的広域的な広い範囲につきまして事業をやっておるところが多いわけでございまして、したがって人事の配置転換でございますとか、いろいろな面があるわけでございますので、体の不自由な人が定着するといいますか、そういう面で、なかなか定着しにくい、そういうようなことがあるのではなかろうかというふうにも考えておるわけでございます。

榎本則夫運輸大臣官房政策計画官

○榎本説明員 運輸省の所管法人に聞きましたところ、先ほどの建設省の方からお答えになった理由と、ほぼ同じなんでございますけれども、鉄建公団を初めとしましての建設公団につきましては事業規模が非常に流動的だ、年によって大分、工事の個所も変わってくるというようなことで、転勤などが伴うということのほかに、外貿埠頭公団のように法人の統廃合計画なんかが目の前にありまして、なかなか新規に採用ができないというような事情もあるようでございます。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 それでは今後どのような形で、そういった未達成特殊法人に指導し、雇用率を達成していくための御努力をいただくのか、その方策について、ひとつ具体的にお願いしたいと思うのであります。

海谷基治建設大臣官房人事課長

○海谷説明員 お答えいたします。  まず第一点は、やはりこういう公団の採用におきましては、学校の方からの推薦ということが一番最初に出発になるわけでございます。したがいまして学校その他そういうところに対しまして、身体障害者につきましても、りっぱな方は、ひとつ大いに推薦していただきたいというようなことを、もう少し、やるべきではなかろうかというようなことも考えております。それから、さらに先ほど申し上げましたことに関連するわけでございますけれども、そういう方々が職場になじむようにということで、業務内容でありますとか、あるいは具体的な配置の問題、そういうようなことにつきまして、もう少し、きめの細かい配慮をしながら少しずつ実績を上げていく、こういうことで一日も早く雇用率の達成までいきたい、こういうふうに考えている次第でございます。

榎本則夫運輸大臣官房政策計画官

○榎本説明員 運輸省の所管法人につきましては、従来から身体障害者の雇用促進法に基づきまして種々の対策を講じているわけでございますけれども、採用計画等の見直しも含めまして、もう少し、きめの細かい採用、たとえば、いま建設省の方からもお答えがありましたように学校当局へ積極的に働きかけるとかというようなことを工夫しまして、できるだけ新規採用につきましては身体障害者を採用するというようなことに重点を置きまして、法定雇用率の達成を早めていきたいというように、関係の法人を指導していきたいと思います。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 身体障害者の雇用促進については労働省が中心に進められているわけでございます。ただいま、お聞きしましたのは一部の監督官庁のお話でございますけれども、労働省としては今後、特殊法人に対して、身体障害者の雇用促進について、どのような御指導をしていただくお考えなのか、できたら具体的にお聞きをしておきたい。それから現在まで、どのような御指導をしていただいたかということも、あわせて、お聞かせいただければありがたいと思います。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 一定の特殊法人で雇用率未達成のところにつきましては身体障害者の雇い入れの計画というものをつくっていただく、そして、その計画に従って適正な実施をしていただくように勧告するというようなことで指導していくことになっておりますが、そればかりでなく具体的な措置といたしまして、ことしは私が、未達成のところの人事担当役員並びに監督官庁の関係の課の方に集まっていただきまして、特に来年を控えて特殊法人における身障者の雇用促進に努めていただきたいというような要請をいたしておりますが、これからやはり、そういった特殊法人と、その監督官庁の方との連携を密にして、個別の強力な行政指導に努めていきたい、こんなふうに考えております。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 ただいま局長からお答えいただきましたとおり、ぜひひとつ、きめの細かい御指導と申しますか、そういったことを今後続けていただきたいと考えるわけでございます。同時に私は、先ほども申し上げましたように、やはり民間企業その他に、こういった雇用率の達成をぜひお願いする上でも、特殊法人というものは、みずからひとつ全力を挙げて、与えられたと申しますと語弊がありますが、義務づけられた雇用率の達成については皆さん力を合わせて、ぜひ達成するように、ひとつ御努力をいただきたいということを、最後に心からお願いを申し上げておく次第でございます。  次に私は、心身障害者の能力開発の問題について若干お尋ねをしていきたいと思っております。  身体障害者の方々が一本立ちして職業につくということで一番大きな基礎になるものは、やはり能力開発をいかにして探し出してやるか、また伸ばしていくかということが重要な基礎になるのではなかろうかと私は考えております。そういった意味で心身障害者の雇用の促進について、身体障害者雇用率制度による行政指導の徹底や、また事業主に対する各種の助成措置の積極的な活用によりまして、心身障害者の雇用につきましては事業主の方に積極的な機運が、ようやく今日、見られ始めたのではなかろうかと思います。そういった意味では、これまでの政府の努力が少しずつではありますけれども、今日、実を結びつつあるのが現状だと考えております。  他方、近年の傾向といたしましては、単に身体障害者数が増加しているばかりでなくて、障害の程度が非常に重度化し、なおかつ種類が多様化をしている傾向が見られるようでございます。これらの重度障害者は、中軽度の障害者の雇用が進む一方で依然として厳しい雇用状況に置かれているのは事実でございます。このような状況を克服するためには、まず第一に大切なことは、身体障害者自身の職業能力を開発し向上させることにあると私は考えるのでございます。身体障害者、特に重度障害者が就職し充実した職業生活を送ることができるためには、その能力と適性に合った職業につくことが最も大事なことだと私は考えております。それに相応する職業能力を持つことであり、それによって初めて事業主が身体障害者を雇用することができ、また事業主も喜んでいただける。したがって身体障害者の雇用の促進と安定が、そこに図られるのではなかろうかと考えるのでございます。  この観点から心身障害者の能力開発の現況及び今後の方策等について若干お尋ねをさせていただきたいと思います。  まず初めに、心身障害者の職業訓練の実施状況は現在どのようになっているのか。同時にまた訓練校の数また訓練人員、訓練科目等について、お聞かせをいただければありがたいと思います。

岩田光正運輸省鉄道監督局総務課長

○岩田政府委員 身体障害者の雇用を促進しまして、その職業の安定を図るということは非常に重要なことでございます。そのためには、いま先生御指摘のように身体障害者の職業能力の開発を図るということが非常に重要で、ございまして、これらの人たちに対する職業訓練というものは非常に重要な役割りが期待されると考えます。このために身体障害者のうち健常者と一緒になって職業訓練を受けるということができる人たちにつきましては、一般の職業訓練校に受け入れまして職業訓練を実施しているわけでございますけれども、御指摘のように重度障害等の人たちがふえてまいりまして、健常者と一緒に職業訓練を受けることが困難になっている方たちも多くなってきております。こういった人たちに対しましては、身体障害者のための職業訓練校を国並びに都道府県等が設けておりますが、全国に現在十七校ございます。国が設けておりますものが、そのうち十二でございます。地方公共団体が五つの身体障害者の職業訓練校を設けております。これからの訓練校におきまして、職種の数にいたしますと全部で三十六の職種でございますが、これらの十七の訓練校で延べ百四十一の訓練科を設けておりまして、定員二千五百七十名の規模で、訓練科目、訓練方法等につきまして特別の配慮を加えながら、その能力に応じた職業訓練を実施しているというのが現状でございます。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 身障者の職業訓練、能力開発の重要性というものは、これらの人々が職業的に自立して社会に参加するためには、ぜひ必要なことであります。このために、たとえば各県に一校ほど心身障害者のための訓練校を設置するなど、身障者に対する職業訓練を、現在お聞きしたものより以上に、もっと充実すべきではないか、私は、ぜひそれはやっていただきたいという考えを持っておりますが、この点について御所見をお尋ねしたいと思います。

岩田光正運輸省鉄道監督局総務課長

○岩田政府委員 身体障害者の職業訓練校につきましては、従来とも、その設置につきまして努力はしてまいっております。たとえば五十四年度におきましては国立職業リハビリテーションセンター、所沢にございますが、それを設けましたし、それから都道府県の関係につきましては、五十四年度に京都に認可身障訓練校をつくりまして国が補助いたしております。それから今年度におきましても静岡に認可身障訓練校を設置することにいたしまして、国の補助によって、これが設置されたわけでございます。それからまた既設の身体障害者訓練校の訓練科を増設するなど、その拡充整備に努めているところでございますけれども、いま先生御提案のように各県に一校ずつぐらい訓練校を設けたらどうかということでございますが、これには、いろいろ県の財政事情その他もございますし、なかなか早急には、これはむずかしいかと思いますけれども、今後とも身体障害者訓練校の拡充整備に努めまして身体障害者の訓練を促進し、できれば各県に、一般の職業訓練校の中で身体障害者を重点的に受け入れていくというふうな方向で、訓練職種の再検討とか関係施設設備の改善を行うなど、できるだけの努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 身障者に対する職業訓練の充実を進める上では、近年の障害の重度化傾向から見て、重度障害者に対する職業訓練といったものを、もっと充実すべきではないか。また特に私が考えておりますのは、精神薄弱者のための公的な訓練校というのは、調べましたところ愛知県の春日台職業訓練校一校しかないというふうにお聞きいたしております。精神薄弱者に対する職業訓練の充実ということは、どうしても、これから大事ではなかろうか、また、そういったものの充実に努めていかなければならないのではなかろうかと私は考えておりますが、御意見をお聞かせいただきたいと思います。

岩田光正運輸省鉄道監督局総務課長

○岩田政府委員 身体障害者の雇用促進について社会の一般の理解が高まるのに伴いまして、このような重度身障者とか精神薄弱者といった人たちに対します職業訓練の重要性につきましては、ますます考えていかなければならないことだと思っておりますが、このような人たちに対します職業訓練につきましては、こういった公共の身体障害者職業訓練校というものにおきまして十分重点を置いて運営していくという方向で考えていきたいと思っているわけでございます。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 先ほど私が冒頭述べました明年の国際障害者年のテーマであります「完全参加と平等」の観点から考えてみましても、身体障害者が一般の訓練校にも入校できて健常者と一緒に訓練できるような体制を、できるだけ整備すべきだと私は考えておりますが、この件については、どのようなお考えでしょうか。

岩田光正運輸省鉄道監督局総務課長

○岩田政府委員 心身障害者のうち障害の程度などによりまして一般の職業訓練校で訓練を受けることが困難な方々につきましては、身体障害者訓練校において訓練科目、訓練方法等につきまして特別の配慮を加えまして訓練を行っていることは、先ほど申し上げたとおりでございます。しかし身体障害者でも一般の訓練校で健常者とともに訓練を受けることができるというような方につきましては、一般の公共の職業訓練校で訓練を行う方が、多様な職種の訓練を受けることができるということなどもございまして、職業人としての自立を図る上で、あるいは望ましいと考えられますので、一般の訓練校の施設設備の改善整備というふうなことを進めてまいりまして、身体障害者の一般の職業訓練校への入校をさらに促進していきたいというふうに考えているわけでございます。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 また、事業主の多様化するニーズにこたえるためにも、身障者に対する適時適切な能力開発の機会を数多く確保することが大事なことであり、重要だと私は考えております。このためにも民間で行われている能力開発に積極的に参加させるなどして、民間の活力というものを最大限利用すべきではなかろうかと私は考えておりますが、いかがでしょうか。

岩田光正運輸省鉄道監督局総務課長

○岩田政府委員 民間活力をもっと利用すべきではないかという御意見でございますが、まことに、そのとおりだというふうに考えております。心身障害者の職業訓練を充実していくためには、従来から専修学校とか各種学校等に対します委託訓練を実施してきておりますけれども、今後これをさらに積極的に実施していくというふうなことも考えていかなければならないと思いますし、さらに民間の事業主とか、あるいは社会福祉法人、こういった人たちがやっておられます心身障害者のためのいろいろな訓練に対しまして、それらを促進する方向で助成金制度も充実していくことも必要ではないかということも考えたりいたしまして、種々検討をしているところでございます。今後とも、こういった民間の活力の活用につきましては、できるだけ努力を重ねてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 それでは来年の国際障害者年に、わが国において国際身体障害者技能競技大会、普通アビリンピックと申しますか、こういった開催の運びとなっておりますが、この技能競技大会の目的と、その内容については、どういうことをお考えになっているか、お尋ねをしたいと思います。

岩田光正運輸省鉄道監督局総務課長

○岩田政府委員 国際身体障害者技能競技大会、通称国際アビリンピックと言っておりますけれども、それの目的につきましては、身体障害者が技能を向上させまして、社会経済活動に参加する意欲を高めること、それから身体障害者が一般の作業活動に従事する幅広い能力と可能性を有することを世間一般に周知させる、そして、その雇用についての理解と関心を深める、そういったことを通じまして、身体障害者の職業的な自立と社会参加の促進を図ろうということでございまして、その内容につきましては、一つは技能競技を行うということと、もう一つは技能競技になじまない職種もございますので、そういったものにつきましては作品を展示するとか製作をしてみせるとかいう、いわゆるエキシビション、そういった行事も考えておりますし、それから身体障害者の雇用に関します国際的なセミナーをやろうかということも考えているわけでございます。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 身障者の技能に対する社会の認識を高める啓発活動としては、私は大変有意義なことだと考えております。また同時に身体障害者自身の技能の向上のためにも、私は大変有意義なことではなかろうかと考えております。そういった意味で現在まで、その準備の進捗状況といいますか、現状はどの程度まで進んでいるのでございますか。

岩田光正運輸省鉄道監督局総務課長

○岩田政府委員 これは先生すでに御承知と思いますが、財団法人の国際身体障害者技能競技大会日本組織委員会というものが六月にできまして、これを中心に、いろいろ行事等につきましての計画を考えているわけでございますが、この委員会には、いろいろな関係の実行委員会を設けまして具体的に、その計画の企画、立案を進めているというのが一つございます。  それから諸外国に対しまして、いろいろ呼びかけをいたしているわけでございまして、ことしの六月にカナダで開かれましたRIの主宰の会議におきまして、参加のための勧奨の活動をやったということもございます。  それから九月には、労働省とこの組織委員会とで、各国の在日大使館の人たちを招待をいたしまして、いろいろPRと参加の勧奨ということもやっております。  それから各国の団体につきまして、ことしの九月に九十四カ国の百九十八団体に対しまして案内状といいますか、予備エントリーと言っておりますけれども、これを発送いたしまして、参加の有無を今月末までに、ひとつ返事をくれということでやっておりまして、今後は、この予備エントリーの結果を待ちまして、できるだけ早い時期に、その正式エントリーを発送するということを考えているわけでございます。  以上が現在までの運営状況の概要でございます。

古賀誠自由民主党

○古賀委員 三番目に私は、身障者の能力開発問題について若干、政府の御所見をお尋ねしたわけでございます。どうしても身障者が一本立ちして職業を得るという観点からも、私は、これからますます、この能力開発の問題については非常に大事なウエートを占めるのじゃないかというふうに考えておりますので、より一層御努力をいただきたいと考えております。  以上、私は国際障害者年を契機といたします諸種の施策について、雇用問題を中心に政府の対応をお聞きしたわけでございますが、大変むずかしく、また厳しい情勢の中ではありますけれども、私は、こういった問題が今後一番大事な問題になるのではなかろうかと考えますので、今後とも一層の御努力をお願いをいたしまして、私の質疑を終わらしていただきます。ありがとうございました。

戸沢政方自由民主党

○戸沢委員長代理 次に、池端清一君。

池端清一日本社会党

○池端委員 先ほど来お話がありましたように、明年、一九八一年は国連の決議によって定められました国際障害者年でございます。政府も、総理を本部長とする障害者年推進本部を設け、民間でも国際障害者年日本推進協議会が発足をして、運動の推進を図っているところであります。このこと自体はきわめて意義のあることであり、われわれとしても大いに、この運動を推進していかなければならないと考えております。  しかし現実の問題として今日、障害者や障害児の置かれている環境はきわめて厳しい。そしてまた、その対策も必ずしも十分なものであるとは言えない。国際障害者年行動計画の六十三にも今日の「社会は、今なお身体的・精神的能力を完全に備えた人々のみの要求を満たすことを概して行っている。」というふうに規定をされておるわけでありますが、私も全く同感であります。今日、障害者の皆さん方は社会の片すみに取り残されているという現状、残念ながら認めざるを得ないと思うわけであります。  そこできょうは、当面する幾つかの問題につきまして、政府の姿勢なり取り組みの状況について、お尋ねをしたいと思います。  まず最初に労働省にお尋ねをいたしますが、身体障害者雇用促進法の第十一条で身体障害者の雇用に関する国などの義務を定め、同法の施行令第二条では、その法定雇用率を定めております。そこで各省庁別、さらに日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社、これら三公社における法定雇用率の達成状況がどうなっているか、この点を明らかにしていただきたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 各省庁別の法定雇用率の達成状況について御説明申し上げます。  総理府は一・九七%、行政管理庁二・〇九%、北海道開発庁一・九〇%、防衛庁二・二六%、経済企画庁一・九三%、科学技術庁一・八六%、環境庁二・〇九%、沖縄開発庁一・八三%、国土庁一・一二%、法務省一・九二%、外務省一・九一%、大蔵省一・九二%、文部省一・九〇%、厚生省二・四九%、農林水産省一・九二%、通商産業省二・一五%、運輸省一・九四%、労働省一・九〇%、建設省一・九五%、自治省一・八〇%、以上の各省庁は法定雇用率が一・九%でございまして、このうち科学技術庁、沖縄開発庁、自治省は一・九%を下回っておりますけれども、不足数がゼロでございますので身体障害者の雇用義務は果たしているということになっております。郵政省これは法定雇用率が一・八%でございますが、一・八一%が実雇用率でございます。日本国有鉄道、日本専売公社、日本電信電話公社は一・八%が法定雇用率でございますが、日本国有鉄道一・八二%、日本専売公社一・八一%、日本電信電話公社一・八〇%でございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 ただいまの御説明によりますと、国土庁を除き各省庁、三公社とも一応、法定雇用率は達成しておるようであります。そこで国土庁が法定雇用率の一・九%をはるかに下回っている一・一二%というのは、はなはだ問題ではないかと思うわけでありますが、なぜ国土庁だけが、このような数字になっているのか。身体障害者雇用について国土庁はきわめて消極的、こういうふうに思われるわけでありますが、この辺の理由について、お尋ねをいたしたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 国土庁に対しまして雇用率達成の個別指導を行ってまいりましたが、その中で把握いたしました同庁におきます問題点といたしましては、まず第一に国土庁の歴史が浅うございまして、職員の大部分が他省庁からの出向者であるということ、第二点といたしましては、業務として現場や関係機関を回ることが多いことなどが障害として説明されているところでございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 歴史が浅いということ、いかにも、もっともらしい理由のようにも思われますが、しかし私は、そのことは余り理由にならないのではないかと思うわけであります。身体障害者の雇用については政府みずからが率先し、他の範とならなければならない、こういう責務があるはずだと思うわけであります。身体障害者雇用促進法第十二条の二項では、労働大臣は「任命権者等に対して、その適正な実施に関し、勧告をすることができる。」こういう権限を持っているわけであります。したがって労働大臣にお尋ねをいたしたいのでありますが、労働大臣は、しかるべき是正の措置を国土庁などに求めるべきだ、このように思うわけでありますが、労働大臣の見解はいかがでしょうか。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 法律によりまして指示せられました雇用率でございますから、やるのがあたりまえでございます。それの達成ができてないということは、それだけの努力が不足をしておるということでございますから、その努力をさせるように、私が、私の力のあらん限り従わさせますから、どうぞひとつ御安心ください。

池端清一日本社会党

○池端委員 従わさせるという大臣の強い決意の表明がありましたので、ひとつ、その状況を見守っていきたいと思います。特段の努力を強く求めておきたいと思います。  そこで法定雇用率は一応、国土庁を除き達成をしている、その状況はわかりました。しかし問題はその内容であります。中身でございます。各省庁とも軽度の障害者だけを雇用して数字合わせをしているのであれば、これは法の趣旨にも反し、障害者の皆さん方の願いにも逆行する、こう思うわけであります。  そこで具体的にお尋ねをしたいことは、国の機関において雇用されている身体障害者の皆さん方の障害の種類及び障害の程度別の状況はどのようになっているか、その数字をひとつ明らかにしていただきたいと思うのであります。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 国の機関において雇用されております身体障害者の種類でございますけれども、視覚障害者が一八・五%、聴覚障害者が一〇・八%、肢体障害者が六〇・九%、内部障害者が九・八%という結果になっております。  程度別の状況につきましては、重度障害者が一〇%、中軽度障害者が九〇%という結果でございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 ただいまの御説明によりますと、雇用されている身体障害者の中で重度障害者の方の占める割合が一〇%、こういう数字でございます。これはいかにも、その占める割合が少ないと言わざるを得ないと思うのであります。厚生省の資料によりましても、全身体障害者の中で重度の障害者の占める割合は最近の数字で三二・八%、こういう調査の結果も出ております。実に三分の一の方々は重度の障害者なんであります。そういうような状況の中で、わずかに一〇%というのは、いかにも、その数が少ない。重度の障害者の皆さん方に雇用の場を与える、これが今日の、きわめて緊急にして重要な課題ではないかと私は思うのであります。大臣どうでしょうか。重度障害者の雇用率、政府関係機関では一〇%、これをもっと引き上げる、こういうふうにお考えになっておりませんでしょうか。この拡大について、いかなる見解と決意をお持ちなのか、大臣から、ひとつお答えをいただきたいと思うのであります。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 いま御指摘になっておられますのは、中央官庁でありますとか、あるいは特殊法人でありますとかいうようなところを御指摘あそばしておられるわけでありますけれども、御案内のとおり重度とか軽度とか申しましても、重度にも、いろいろなのがあるわけでございます。たとえば手足が大きく損傷しておられるというような方々は、中央官庁の仕事が文書を扱ったり、あるいは、いろいろ来訪せられる方々との応接でございますから、これは私はできると思うのです。ところが同じ重度でございましても、目に非常な障害がおありになられるとか、あるいは聴覚に非常に大きな障害がおありになられるとかいうことになりますと、文書を扱ったり、あるいは御来訪になられる方々といろいろ接します際に官庁といたしましては、やりにくいところが非常に多いわけでございます。でございますから、こういったことも十二分に勘案をいたしまして、できるところを十二分にやって、総体といたしまして、その比率を上げていくという努力が必要ではないかという気がいたしております。そういった点を重々考えまして、それぞれの場において、できるだけのことを考えさせますということを、いまやっておりますので、ひとつ、その辺のところを、抽象的に重度であるとか中度であるとかということでなくて、お考えをいただきたい、かように考えます。

池端清一日本社会党

○池端委員 抽象的に云々ということは、重度とか軽度とか中度というのは、いろいろ決まっておるわけでありますから、決して抽象的に物を申し上げているわけではないのですが、やはり障害者の中で重度の方が三二・八%を占めているという現状を踏まえて、しかも中央官庁では一〇%の雇用率しか達成しておらぬということを考えるならば、この雇用率の引き上げについては、さらに特段の努力をしていただきたいと強く申し上げておきます。  次に厚生省にお尋ねをいたします。  これは先月の二十八日でございます。厚生省で、財団法人日本障害者リハビリテーション協会主催の障害者福祉セミナーが開かれたようでございますが、その席上、講師として出席をされました厚生省の板山更生課長は、このように述べられたというふうに報道されております。「身体障害者は家庭や地域で一般の人と一緒に生活したいと望んでいるにもかかわらず、国は、こうした意識をしっかりとらえ、焦点をしぼった行政を進めてきたとは言えない。行政担当者に混乱と錯覚があったと反省している。」こういう趣旨の発言をしたやに聞いておるわけでございます。これは板山課長、長年、障害者福祉問題を手がけてきた課長の一種の自己批判であり、勇気ある発言であると私は思うわけであります。こうした課長の自己批判、自己反省の上に立って、今後どのように身体障害者対策を進めていくおつもりなのか、ひとつ板山課長の考えを、ここでお伺いをいたしたいと思うのであります。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 先生が御指摘になられました新聞記事、確かに私は、障害者福祉都市の研究会の席上で、私たちの行政を含めて、個人的な感想も含めまして、そのような反省をしながら、お話をしたことは事実であります。社会福祉の仕事というのは、そこに福祉を必要とする対象者がおられるから、あるのであります。身体障害者福祉行政もまた、しかりでありまして、その障害者の人たちが何を願い、何を考え、何を求めているかを、しっかりと、とらえなければ行政というものは進められないと思います。  振り返ってみますと身体障害者の実態調査というものが十年前に行われて以来できなかった。そして一部の障害者の団体あるいは障害者の人たちと厚生省当局との交流もまた、ままならないものがあったのが偽らない経緯であります。そういう行き違いの重なり合う中から、本当に障害者の人たちが何を考え、何を求めているかをとらえることは大変に困難であったわけであります。そういう中で進められます行政というものが、御指摘のように時に現実と遊離し、時に障害者の人たちが願う、その方向と違っておったこともまた否めない事実として存在しただろうと思うのです。そういうものを常に反省し、評価、点検しながら新しい施策を考えていくのが社会福祉行政だと私は考えます。その意味で、恐らく厚生省におります社会福祉を担当します者たちは、すべてが、そのような気持ちで取り組んでいることを、これはひとつ御了承いただきたいと思うのです。  今後におきまして私どもは、そうした願いを具体的な施策の上で、どのように実現するか、これは私たち一行政担当者が反省をし、感想を持ちましても行政は動きません。それを各種の審議会を通し、あるいは予算措置を通して具体的に推進をしなければいけないと思っています。その意味で明年度予算の編成の中で、あるいは今後、身体障害者福祉審議会あるいは国際障害者年特別委員会の中で議論されます各種の計画の中に、私たちの反省や私たちの感想を述べて、それを生かしていくことが、われわれに与えられた課題だと考えておるのでございます。そのような意味で、家庭や地域の中で生きていきたいと願います障害者の願いを具体的な施策として、これから予算や各種制度の改善の中に生かしていきたいと考えています。

池端清一日本社会党

○池端委員 大変りっぱな見識であると思いまして、心から敬意を表する次第でございます。  そこで、私は一言だけお尋ねをしたいのでありますが、課長が前段で言われておりますように、身体障害者は家庭や地域で一般の人々と一緒に生活したいと望んでいるにもかかわらず云々ということがございます。私は、今日の身体障害者や障害児に対する政策というものは、全般的に見ますと、どうも地域社会から隔離をしてしまう、こういうような発想に立った政策が進められているのではないか、こういうふうに思うわけでありますが、このことについては一体どうお考えか、この辺だけをお伺いしておきたいと思います。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 身体障害者福祉法が生まれまして三十年になります。昭和二十年代、恐らく日本の社会福祉は総体として施設福祉が重点でありました。最近ようやく在宅福祉対策、コミュニティーケアというふうなものが福祉の主流として登場してきております。この三十年の歴史の流れの中で、御指摘のような施設への収容ということが大きな施策の柱であった時代が長く続いたことは否定ができません。そのことが、障害者の願いや、あるいは福祉の対象者の人々の要望にこたえていたかどうかについては議論のあるところであります。しかしながら、そういう歴史的な一つの展開の中で必要な対策が講じられ、そして障害者の希望もまた受けとめられるようになっていくことだと私は思います。そのような変化に対応する行政の柔軟性、そしてまた機動的な対応を私たちは実現しなければいけない、このような気持ちでおります。

池端清一日本社会党

○池端委員 ひとつ特段の御努力も心からお願いをしておきたいと思うわけでございます。  次に文部省にお尋ねをいたしたいと思います。  東京都足立区に住む脳性麻痺の少年金井康治君の転校問題というのがございます。同君は足立区立花畑東小学校への転校を希望しておるわけでありますが、この転校希望問題という件について、文部省は経過を御承知でございましょうか。

戸田成一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○戸田説明員 承知しております。

池端清一日本社会党

○池端委員 金井康治君は都立城北養護学校に在籍をしておったわけでありますが、地元の花畑東小学校への転校を強く希望し、二年有余にわたって自主登校までして、転校をぜひ実現してくれるよう訴え続けてきたわけであります。  なぜ金井君が、こうしてまで転校の希望を訴え続けていたか、それは彼が文字表を使って次のように言っております。「なぜ転校したいかというと、城北の二年間はつまらなかったのです。」城北というこの養護学校ですね。「つまらなかったのです。訓練を無理やりやらせたからです。ぼくは洋と亮と行きたいからです。」洋という弟さんと亮という弟さんと一緒に学校に「行きたいからです。ぼくは花東の友達と行きたい。」こういうふうに文字表を使って彼は訴え続けてきたわけであります。スクールバスに乗らないで、弟たちや近所の友達と地元の学校に一緒に行きたいという、この康治君の素朴な願い、あるいは地域の学校というものは健常児と障害児を区別するものであってはならない。みんなと一緒に遊ばせ、学ばせ、生活していく場所を与えてやりたいという両親の率直、素朴な願い、実は課長も御承知と思いますが、これがいまだに解決をしておらないわけであります。今日の状況を文部省はどういうふうにお考えになっておられますか、ひとつ事情を承りたいと思います。

戸田成一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○戸田説明員 今日の状況でございますが、ただいま委員も御指摘のように、金井康治君は都立の城北養護学校に在籍しておる児童でございます。この児童が、御指摘のように父母の願い、また本人の願いもあって地元の花畑東小学校に転校したいということを強く希望しておるわけでございます。したがって具体的には城北養護学校と花畑東小学校の問題になるわけでございまして、ただいまはその両校が、この金井君の転校、その前提としての交流、つまり城北養護学校に在籍しながら一週間に何がしかの交流をする、つまり花畑東小学校の方に一週間のうちに何時間か行くということについて、いろいろ具体的な検討、話し合いをしておる最中だというふうに認識しております。

池端清一日本社会党

○池端委員 昨年の四月に養護学校が義務化されました。しかし、この養護学校の義務化というものが、障害児の隔離や別学体制の固定化を図るものであったり、養護学校への就学強制であってはならない、このように考えます。あくまでも子供や両親の意思が最大限尊重されなければならないものというふうに考えるわけであります。  障害の重い子供でも普通学級に通っているケースというものは全国的に数多くあります。現に問題の足立区でも車いすなどで通学し、普通学級に学んでいる子供たちが三十三人もいるという状況でございます。なぜ金井君の場合だけが、このように願いがかなえられず、いまだに解決をしていないのか、私は、その解釈に非常に苦しむものでありますが一問題点は一体何なのか、これを妨げている要因は一体何なのか、これをひとつ具体的にお答えをいただきたいと思うのであります。

戸田成一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○戸田説明員 転校を妨げている理由は何かというお尋ねでございます。私どもが担当しております障害児の教育でございますが、これは戦後、昭和二十二年に学校教育法が制定され、現在の学校教育制度ができたときから同じような制度で現在に至っておるわけでございますけれども、要するに心身に障害を持つ子供につきましては、その障害の種類と程度に応じて、ある者は盲学校に、ある者は聾学校に、ある子は養護学校に、その程度が軽い子につきましては普通の小中学校の特殊学級に、さらに軽い子供につきましては普通学級に、このような就学措置、教育措置をとるのが現在の法律なり制度のたてまえになるわけでございまして、そのことが、それぞれの子供に対して、より適切な、きめの細かい具体的な教育措置が可能なのだという考え方に立っておるというふうに認識しておるわけでございます。  そのような大前提に立ちまして、この問題を考えてみますと、転校を妨げる理由ということでございますが、これも推測なり、また教育委員会からの説明、報告で私ども把握するということになるわけでございますけれども、金井君の場合は現在十一歳でございます。そして言葉がないわけでございます。自分で言葉を発することができない。文字板で意思表示はできます。それから脳性麻痺でございますから肢体が不自由で全面介助を必要とする、そのような重度な子供でございます。このような重度の子供を普通の小学校の普通の学級に就学をさせるかどうかということについては、その両校は、本当に教育課程の問題でもあるし、子供の教育の問題でもございますので、慎重に、この話し合いをせざるを得ないというふうな状況に相なるわけでございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 いま課長は推測という言葉をお使いになったわけですが、これはどういうことでございましょうか。先ほど私が冒頭に、この経過について御承知かというふうにお尋ねをいたしましたら、十分承知をしております、こう言っておきながら、いま問題点は何かというふうにお尋ねをしたら、推測でございますがという話、これは一体どういうことですか。

戸田成一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○戸田説明員 推測という言葉を使いましたのは、お尋ねが、妨げている理由ということでございますので、そのことにつきまして直接に東京都の教育委員会の方から、こうこう、しかじかの理由であるというふうなことは承っておりませんので、その辺のことは私の推測といいますか、事実関係に基づき、そうであろうと思いますことを申し上げたわけでございまして、言葉があるいは至らなかった点があるかもしれませんが、そういう趣旨でございますので御理解賜りたいと思います。

池端清一日本社会党

○池端委員 いま言われたような問題点は、もうすでに、この二年有余にわたって何回も話し合われてきたのですよ。その結果ことしの三月十五日、足立区教育委員会梅山教育長と金井さんとの間に二項目の確認事項が交わされる。その一つは「金井康治君は、昭和五十五年度一学期より都立城北養護学校に在籍して、足立区立花畑東小学校に週二日の交流を行う。それを進める際、足立区教育委員会は、事情により段階的に実施する。」第二項は「今後できるだけ早く足立区立花畑東小学校へ転校できるよう双方が努力し、話し合う。」こういう確認が取り交わされたのだ。これは脳性麻痺、いろいろな問題あるでしょう。それは問題ないとは言いません。それをどうやって解決するかということを二年有余にわたって話し合われて、その結果この確認書が取り交わされたわけであります。  しかし、八カ月を経過した今日、いまだに、この転校の問題は実現をしておらないわけであります。この調印式には、確認書に判を押した、その場には実は東京都の主任指導主事も同席をしておられたわけであります。単に区教委だけではなくて都教委もそれに立ち会っているのであります。こういう行政機関が一たん判を押しながら八カ月も、ずるずる、ずるずる事態を遷延させておる。私は行政機関のきわめて重大な背信行為と言わざるを得ないのであります。こういう状況について、どういうふうに文部省はお考えになっておられるか、明確にひとつお答えをいただきたいと思う。

戸田成一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○戸田説明員 ただいま委員御指摘のように、去る三月末に足立区教育委員会と保護者との間に確認書が取り交わされたわけでございます。内容はお読みいただいたとおりでございまして、私どもも、そのとおりだというふうに受けとめております。  そこで二つございますが、その第一の方でございますが、金井君は「城北養護学校に在籍して、足立区立花畑東小学校に週二日の交流を行う。それを進める際、足立区教育委員会は、事情により段階的に実施する。」このような確認がなされておりますし、これは都立の養護学校も絡んでおりますから当然、東京都教育委員会も当事者でございます、関係者でございますので、それも含めまして、まず、どのような交流をするかということを関係者、両校それから両教育委員会が適宜話し合っておる、努力をしておるというふうに理解しておるわけでございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 この問題は確かに区教委なり都教委の責任において解決すべき問題だと思います。しかし事柄は、障害を持った子供の学習権、教育権に関する問題でございまして、文部省としましても対岸の火災視して手をこまねいている問題ではない、私はこう思うのですよ。地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十八条にも、この種事柄についての文部大臣の指導、助言が規定されております。したがって文部省としても、この四十八条に基づいて適切な指導、助言を行うべきであるというふうに考えますが、この点についてはいかがでしょうか。

戸田成一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○戸田説明員 全国には大ぜいの児童生徒が、それぞれの学校に在学しておるわけでございます。私どもが所管しております障害児の教育の場合には、盲、聾、養護学校と特殊学級というのが対象になるわけでございますが、具体的な子供の就学の教育措置、どこに就学をさせるかという判断なり決定というものは、全国の各区市町村教育委員会並びに各都道府県教育委員会が権限を持ち、責任を持って決定をするわけでございます。その場合には、医者とか学校の先生とか児童福祉施設の職員とか、そういう専門家から成る就学指導委員会の専門的な判断に基づいて教育委員会が決定をするわけでございますが、そういうふうな教育委員会の決定がなされるということが制度でございますので、私ども文部省としましては、そのような具体的な児童の教育措置の決定につきましては、それぞれの教育委員会が適切に行うように期待をしておるわけでございます。(「期待だけではだめだ」と呼ぶ者あり)

池端清一日本社会党

○池端委員 いまもお話がありましたが、期待をしておるだけでは、これはだめなんですよ。事柄は障害を持つ子供の学習権、基本的な問題でありますよ。したがって区教委なり都教委も、いま、いろいろ努力はしておるようでありますけれども、まだ具体的な解決のめどがついておらない。そうであるならば当然、文部省は指導、助言すべきではないか。単に都教委や区教委のやり方任せ、こういうようなきわめて傍観者的な態度では、この問題の解決にはならぬ、こういうふうに思うのですよ。どうですか、単に適切な措置が講ぜられるよう期待をしておる、いまだに、そういうふうに思っておるのですか。もっと具体的な指導なり助言をする考えはないのか、改めてお尋ねをしたいと思います。

戸田成一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○戸田説明員 具体的な教育措置について文部省として、こうすべきじゃないかとか、こうしたらどうでしょうかというふうなことにつきましては、やはり私ども慎重にならざるを得ないのでありまして、確かに、このことは重大な関心を持って適宜、必要ないろいろな状況なりの説明、報告は求めておりますけれども、そういうことを通じて今後この解決がなされるように強く期待をしてまいりたいというように考えております。

池端清一日本社会党

○池端委員 文部省は、たとえば教職員の処分問題等については措置要求権まで行使をして各都道府県教委を拘束し従わせる、こういうやり方を一方ではしておきながら、この障害児の切なる願い、こういう問題については、あなた任せという、この態度は私は全く承服できません。本当に、あなた方が障害児教育を重視しているというのであれば、もっと基本的な立場で、この問題に立ち向かう責任があると私は思うのですよ。どうですか、もう一回聞きます。

戸田成一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○戸田説明員 先生のおっしゃる御趣旨、わからぬわけではございませんが、この件を含めまして全国の各具体的な教育措置につきまして文部省として、こうすべきであるとか、ああすべきでないとか、そういうふうなことにつきましては、やはり慎重にならざるを得ないと思いますので、現時点では一日も早く、この問題が解決することを強く期待するという姿勢を持ってまいりたいと思います。

池端清一日本社会党

○池端委員 あなたは特殊教育課長なんですが、私は特殊教育という言葉自体にも問題があると思う。障害児教育を特殊なものだというふうにお考えになっておる、その発想が特殊教育課長なんという肩書きになってあらわれておると私は思うのですがね。しかし何回も言うようでありますけれども、この問題は障害を持つ子供の教育権、学習権に関する基本的な問題なんです。しかも今日まで、もうしばらく待ってほしい、夏休みまで待ってほしい、何月まで待ってほしい、もう延引に延引を重ねて今日に至っておる、こういう経過をたどってきておるわけであります。がまんにも限界があります。忍耐にもおのずと限度があるわけであります。この金井さん親子は一日千秋の思いで花畑東小学校への転校が許される日を待ち望んでいる。こういう父母の切なる願いというものを、あなたは真摯に耳を傾けて聞くべきだ、こう思うわけであります。一日も早く解決をしてもらいたいという希望を持っておるというのであれば、その趣旨を、あなたは率直に都教委や区教委に伝えて、この一日も早い解決を実現するようにひとつ努力をしていただきたい、こういうふうに思います。どうですか。

戸田成一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○戸田説明員 おっしゃる御趣旨は大変よくわかるわけでございますが、文部省として、いわば上から具体的に、どうこうしろというふうなことにつきましては、やはり何かと問題もございますので、当事者が努力をいたしまして一日も早く解決なさいますように強く期待してまいりたいというふうに考えております。

池端清一日本社会党

○池端委員 この課長と何ぼやり合ったって同じ答えしか返ってきませんので、また改めて文教委員会等で大臣の御出席を求めて、ひとつ大臣の見解等も承っていきたい、このように思うわけであります。  しかし私は最後に言っておきますが、障害児と健常児との共同教育こそが障害児の発達や生きる権利を保障する道である、同時に、これは健常児いわゆる健康な子供たちにも正しい人間関係を育てる大きな役割りを果たすんだということを私は確信して疑いません。そういう立場で障害児教育というものを進めていかなければ、これは道を誤る、こういうふうに思うわけであります。そういう観点からも今後とも文部省として最大限の努力をしていただきたいということを申し上げ、また、この問題は後日、文教委員会等で改めて取り上げることを通告しておきます。  次に運輸省にお尋ねをいたします。  実は千葉県八日市場市に住むAという青年、この方は知恵おくれの方でございますが交通事故に遭われた。そして、いわば植物人間同然になってしまった。ところが自動車損害賠償責任保険で支払われた保険金が、知恵おくれであるという理由をもって一般の人に支払われるよりも実に一千百七十五万円も減額をされて支払われたということが今回明らかになりました。一般の人の五分の一の扱いでございます。ところが片や先日、札幌地裁で、ある中学生の交通事故死に対して、その中学生が成績優秀であり、大学進学が確実であったという理由で、実は大学卒扱いの損害賠償額の算定、こういう判決が出されたわけであります。片や知恵おくれの人については一般人に支払われる保険額の五分の一、片や中学生でも、成績優秀という理由で大学生の扱い、私は率直に、余りにも、その取り扱いの違いのあるのに大変なショックを覚えた次第であります。この中学生を亡くされた御両親の方は、いかに大学卒の扱いになっても、前途洋々たる愛児を失った、その魂は再びよみがえってこないし、また、この両親の痛手をいやすことはできない。そういう意味では、大学卒の扱いになったから、これはいいなんていうことを私は申し上げるつもりはない。大変お気の毒なことだと心から御同情申し上げるわけであります。それにしても人の命の重さに軽い重いがあっていいのだろうか。人の命の重さに軽重はないはずだと私は思うわけであります。このAという青年の場合は死亡ではなくて、植物人間同然ではありますが幸い一命は取りとめておる。したがって同一に論ずることはできないでありましょう。できないでありましょうが、余りにも片手落ちで不合理なやり方ではないか、こう思うのでありますが、なぜ、この被害者A君に対する扱いがこういうふうになったのか、その根拠をひとつ明らかにしてほしいと思うのであります。

渡辺純一郎運輸省自動車局保障課長

○渡辺説明員 本件につきましては、損害調査に当たりました自動車保険料率算定会、また関係の保険会社から事情を聴取したわけでございますが、被害者には既存障害といたしまして自賠法の障害等級表の第三級に該当する精神神経障害があったわけでございますが、本件交通事故によりまして一級の精神神経障害が後遺障害として残ることとなったわけでございまして、自賠法の施行令の第二条第二項の規定によりまして、同一部位につきまして障害が加重された場合には、第一級に対応する保険金額から第三級に相当する保険金額を差し引いた額を保険金といたしまして取り扱い保険会社が支払ったものというふうに承知しておるわけでございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 Aさんは交通事故により植物人間同然になったから、本来は一級に該当する。一級というのは保険金は当時で千五百万円ですね。五十三年七月に改定されておりますので現在は二千万円ですね。ところが事故当時すでに三級程度の障害があったので、三級に支払われる保険金、すなわち当時一千百七十五万円、現在では一千五百六十七万円、これを差し引いた差額三百二十五万円だけを支払う、そしてその根拠は自動車損害賠償保障法施行令の第二条第二項だ、こういうことでございますね。確かめておきたいと思います。

渡辺純一郎運輸省自動車局保障課長

○渡辺説明員 先生のおっしゃるとおりでございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 三級の障害者が事故で一級になった場合、損害賠償すべき額は、三級障害者が得べかりし利益と一級障害者が得べかりし利益、それとの差額であるというのでありますと、今度Aさんが一級の後遺障害になったのは、過去に三級程度の後遺障害があったためで、もし、その三級程度の後遺障害がなかったならば、今回のような、いわば植物人間同様の状態にならなくても済んだ、こういう御判断をなさっているのでしょうか。

渡辺純一郎運輸省自動車局保障課長

○渡辺説明員 自賠責保険と申しますのは、交通事故によりまして自動車の保有者に損害賠償責任が発生した場合に、その加害者の責任を保険により担保する制度でございます。したがいまして後遺障害等級が当該交通事故によって加重された場合には、その加重された部分につきまして加害者が責任を負う、その加害者が負う責任につきまして、それを保険で担保するという自賠法の仕組みになってございますので、既存障害が三級であった方が一級の後遺障害を加重したという場合につきましては、その加重された部分について加害者が責任を負い、かつ、それにつきまして保険が担保するということになるわけでございます。

池端清一日本社会党

○池端委員 加重された加重されたと言いますけれども、過去の後遺障害というのは本件交通事故とは関係のないことではないのですか。関係のない要素を持ってきて、機械的に一級から三級を差し引いて答えを出したって、これは正答にはならないと思うのですよ。関係のない要素なんです。過去の神経障害というのは五歳のときに、はしかの後遺症にかかって知恵おくれになったということでございます。交通事故との因果関係というものは、そこにはないと私は思うわけであります。  全国精薄者育成会事務局長の皆川さんという方は、今回の措置について、機械的な障害等級表で機械的に適用するというのは、計算する側の原理だけがあって、差別されている者の心理を全く無視している、差別されている者の心を全く無視している、こういうふうに言っておりますが、私もそのように感ずるわけであります。どうでしょうか、今回Aさんが不幸にして植物人間同然になったのは、過去の後遺症とどのような関係があるのでしょうか。関係のない要素のものを持ってきて算術計算することが果たして適当なのかどうか、その点を改めてお尋ねをしたいと思います。

渡辺純一郎運輸省自動車局保障課長

○渡辺説明員 御指摘の、過去の障害と当該交通事故の因果関係でございますが、被害者の受けました損害額を算定いたします場合には、交通事故に遭いました当時における被害者の状況がどうであったかということ、その状況が、当該交通事故によって被害の程度がどの程度進んだかということを客観的に判断しまして、その差を加重された障害と見るわけでございまして、既存の障害と当該交通事故の因果関係というものにつきましては、民事責任として考える必要はないのではないかというふうに考えております。

池端清一日本社会党

○池端委員 どうも、わからないのであります。納得できないのですが、私の持ち時間はあと三分しかございませんので、この問題の議論をさらに詰めることはできません。これは基本的な問題でありますので、改めて、これも運輸委員会等で大臣等にも直接お尋ねをしたいと思うのでありますが、そもそも私は、今日の自動車損害賠償保障法施行令第二条第二項、ここに問題があるような気がするのであります。やはり、ここを改正をしていかなければ、先ほど来から申し上げておるように障害者の皆さん方はきわめて不当な取り扱いを受けざるを得ない、差別扱いに似たような状況になるわけでありまして、この改正の問題も含めて、ひとつ運輸省にも十分検討をしてもらいたい、こう思うわけであります。  ともあれ基本的な人間の価値評価が、障害があるかないか、また働いているかそうでないか、そういうようなことで差をつけるということは明らかな差別である。きずもの、壊れものは価値がないのだ、こういうような見方、そういう価値観というものを基本的に変えていかなければならない、そういうことを、今度の交通事故に対する自賠責は物語っているのではないかというふうに思うわけでありますので、この問題ひとつ改めて運輸委員会の中でやりたいと思いますから、運輸省も、この問題について十分検討を加えておいていただきたいと思います。

渡辺純一郎運輸省自動車局保障課長

○渡辺説明員 ただいま御指摘の点でございますが、障害が加重された場合におきまして、その差額をてん補するという考え方につきましては、自賠責のみにとどまらず各種補償体系が同様の扱いをしておりますので、自賠責のみ、そのような検討をするということは国法体系上、非常に困難な面があるかと考えております。  なお、こういうような取り扱いというのは損害額の算定のためにやっておるわけでございまして、決して人間の評価についての差別をしているということではないということを申し添えたいと思います。

池端清一日本社会党

○池端委員 そういう開き直りをするのであれば——もうここでやめようと思ったのでありますが、そういうような機械的な考え方、これがそもそも間違いだということだけは、はっきり申し上げておきます。時間がございませんので次の問題に移ります。  最後でございますが、実は新宿区戸山町にありました国立身体障害センター、この跡地利用の問題についてであります。  御承知のように所沢に国立身体障害者リハビリテーションセンターが完成いたしました。したがって従来、戸山町にありました国立身体障害センターが移転をしたわけであります。この移転の跡地につきましては、かねてから障害者団体の皆さん方から、ぜひ所沢の分館を、この跡地につくってもらいたい、こういう要請が出ておりまして、本院でも昭和五十二年五月二十日の内閣委員会でも取り上げられておるわけでございます。すでに相当の年月が経過をしておるわけでありますが、現状、この問題はどういうふうになっておるのか、その点をひとつ、お尋ねをしたいと思います。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 戸山町の旧身体障害センターの跡地でございますが、お話のように一千坪、国有地を留保いたしてあります。この一千坪につきましては、お話のように所沢のリハビリテーションセンターの分館、窓口的業務を果たします施設と、さらに、その後、障害者の皆さん方から、特に卒業生を中心といたしまして、第二のふるさとでもある戸山町に、そういった卒業生の集まれる場所をというふうな願いも。ございまして、検討をいたしてまいりました。障害者の皆さん方の参加もいただきまして検討委員会を持ち、二年ほどの検討を続けました結果、ここに地上六階ぐらいで地下二階程度のものができたらというような基本的な構想がまとまりましたので、明年から二年計画ぐらいで、この建設に着手したいと考えまして、ただいま必要な手続をとっておる最中でございます。ただ大変厳しい状況の中でございますので、時間的な流れは、果たして私たちが考えておりますようなものになりますかどうか、これから、さらに検討をしていきたいと思っております。

池端清一日本社会党

○池端委員 この問題は、身体障害者の皆さん方の多年の要望、宿願でもございます。財政事情、厳しいということもよく承知しておりますが、ぜひとも特段の努力をひとつ、していただきたい。これは厚生省所管ではございますが、労働大臣、皆さん方の雇用促進にも、きわめて重要な関係を持つ施設でもございますので、ひとつ労働大臣の方でも側面的に、この問題をバックアップしていただきたい、このように強く要望を申し上げておきたいと思うのであります。  そこで、まだ建物が建っておりませんから今後の問題でありますが、一つだけ最後に、この福祉センターの運営の問題であります。障害者の皆さん方の声が十分反映できるような、この運営に身障者の皆さん方が参加できるような、そういう施設にぜひ、してほしい、こういう要望が強いわけでありますが、この点についてはいかがでしょうか。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 従来の準備段階におきましても、卒業生を中心にいたしまして障害者の参加をいただいておりますが、今後とも、そのような努力を続けていきたいと思います。

池端清一日本社会党

○池端委員 終わります。

戸沢政方自由民主党

○戸沢委員長代理 午後零時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時五十五分休憩      ————◇—————     午後零時四十三分開議

戸沢政方自由民主党

○戸沢委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  労働関係の基本施策に関する件について質疑を続行いたします。永井孝信君。

永井孝信日本社会党

○永井委員 私は、この臨時国会で前回、この社会労働委員会におきまして身体障害者問題などを中心にいたしまして質問をいたしましたが、その質問の中で、さらに掘り下げた問題について幾つか御質問を申し上げてみたいと思います。  もうすでに午前中の質疑の中で、わが党の池端委員からも、一つは雇用率の問題について国や地方機関、地方公共団体、これらの問題について質問がされました。そこで私は、それに少し補足的に質問をしてみたいと思うのであります。  この前、私が雇用率の達成問題について質問をいたしましたときに労働省側から、たとえば一般企業については昨年の一・一二から一・一三に雇用率が上昇しているということが回答されたわけであります。ところが未達成の企業は四八・四%に上っているわけですね。ちょっと調べてみますと未達成の企業の割合が、雇用率が上がったといいながらも間違いなくふえ続けてきているわけですね。これは一体どういうことなのか。たとえば中小零細企業ほど非常にいいわけでありますが、その中小零細企業であっても五十四年まで、ずっとふえ続けてきて五十五年度になって、やや好転をしているという状況ですね。千人以上の大企業に至っては、五十二年度が七八・九、五十三年度が七九・五、五十四年度が七九・四、五十五年度は八一・五という数字が現在、出ているわけです。これは一体どういうことなのでしょうか。ひとつ、その辺のことを明らかにしていただきたいと思います。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 未達成企業の割合、数がふえているということは、一つには常用労働者の数がふえる、企業規模が大きくなるという形で、新しく一定規模段階になりますと、その段階での未達成企業がふえるというような形で、ふえてきている面があろうかと思います。それから常用労働者数がふえまして、その割りに新しく雇い入れる身体障害者数がございませんと、その会社としての未達成というものがふえるというような場合もあろうかと思います。いろいろな原因で、こういうことになっているかと思いますが、一方で全体の身障者の雇用率というのは、非常にわずかですが上がっているという点は先生の御指摘のとおりでございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 常用労働者がふえる、企業の規模が大きくなる、そのときにこそ本来この身体障害者の方々の雇用を拡大させるチャンスなんですね。そのチャンスを的確にとらえていくというのが私は行政上の責任だと思うのであります。たとえば身体障害者の求職登録者数というのは二十五万四千六百七十七人、現在いますね。就業中の者が二十一万三千七百二十三名、とりわけ有効求職者、いますぐにでも仕事をしたい、そして、その能力を持っている人が二万九千五百七十三人、登録された人たちだけで、これだけいるわけですね。いま言われましたように常用労働者がぐんとふえていく、規模が大きくなる、そのとき一体どういう具体的な指導をされて、いるのか、この辺のところをお聞かせいただきたいと思います。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 公共職業安定所に登録しております身体障害者で現在、有効求職者として求職活動中の者は重度の、かつ年齢の高い身体障害者が多うございます。先生の御指摘のとおり企業が常用労働者を雇い入れる、そういう際にこそ身体障害者の雇用を促進しなければならないわけでございますが、規模の大きいところほど、常用労働者数をふやします場合に、とかく新規学卒を雇い入れる。年齢のいった方の中途採用という形態が少なくて新規学卒を雇い入れるということが多うございます。最近、大企業も身障者雇用には熱心になってまいりました。そういう意味において学卒である身体障害者につきましては大企業の求人が非常に殺到しているというような実情がございます。私どもとしては、そういう企業に対しまして、雇用率を達成していくために中高年の、あるいは重度の身障者をできるだけ雇っていただく、その際助成措置も活用しながら雇っていただくように行政上の努力をしているところで、ございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 午前中の、わが党の池端委員からの質問の中で特殊法人の問題も触れられました。確かに、これは異常なほど数値が悪いわけですね。未達成割合が六三%、民間の四八・四%から比べてみても、はるかに高い。これは何回繰り返しても申し上げたいと思うのでありますが、やはり、これは行政府が一番影響力を行使しやすいところでございますので、この辺の関係については、とりわけ厳しい態度で臨んでいくことが全体の民間企業に対する指導性を高めていくことになる、このことは私も非常に重視しておりますので、この点は、つけ加えておきたいと思います。  そこで、国あるいは地方の公共団体の関係についても、もうすでに質疑がされておるわけでありますが、この国とか地方公共団体の一・九という雇用達成率の目標、この目標が適用される機関というのは三千七百八十九カ所というふうに私の調べた資料では出ておるわけですね。午前中の質疑の中では、たとえば国土庁のことが問題になりました。あとは各省庁ごとに、あるいは公共企業体ごとに一応の現在の雇用率の達成状況が示されたわけでありますが、一体これは、そういう大まかな分析だけで果たして十分なのかどうなのか。三千七百八十九カ所と言えば、これは全国にまたがっていると思うのでありますが、その一つ一つに雇用率の達成ということについての具体的な指導がされるべきだと思うのでありますが、その辺の関係はどうでございますか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 ただいま先生御指摘の三千八百余の機関の数は、雇用率一・九%が適用される非現業的機関の数の御指摘でございます。それで、これはまた御指摘のとおりに国の機関それから都道府県の機関、市町村の機関をすべて含んでおりますので、そういった数になるわけでございまして、国の機関だけではございませんで市町村の機関までございますから、全国各市町村そのものが、この数に数えられているわけでございます。  それで大きく分けてみますと、国の機関と市町村の機関は大まかに言って大体、雇用率を達成しているわけでございます。もちろん省庁別に見ますと先ほど来、問題になったような中身はございますが、全体的に見ると達成しておる。この非現業機関の中で一番むずかしいのは都道府県の機関でございます。都道府県の機関の中を割ってみますと、知事部局は大体、達成しているわけでございますが、教育委員会関係が非常に率が低いということになっております。これは要するに学校の先生でございますので、先生という職業について身体障害者を雇用するということが非常にむずかしい問題がございます。そういう点がございます。  先生御指摘のように、大まかな問題でなくて個々に割っていかなければならないし、市町村につきましても全体としては達成しているわけでございますけれども、中を見て、そして未達成のところは民間に対する範を示すという意味において達成指導を具体的に、個別的にやっていくことが必要だというふうに考えております。

永井孝信日本社会党

○永井委員 重度障害者の問題も非常に重視されなくてはいけないわけでありますが、特定の重度障害者の雇用率がきわめて高く設定されているわけですね。施行令の十一条を見ますと七〇%ということになっているわけでありますが、この特定重度障害者の雇用率だけを取り上げてみますと、どの程度のことになっていますか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 身障法の十七条によりまして特定職種として現在「あん摩マッサージ指圧師」が指定されておるわけでございまして、障害等級一級から三級までの視覚障害者を七〇%という雇用率で定めておるわけでございます。現在の雇用率は、国等の機関では、これらの職種につきましては八六・一%でございますが、民間企業においては六〇一五%、約六割ということでございますので、まだ七〇%は達成してないのが実情でございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 いま言われましたように、たとえばマッサージであるとか指圧であるとか、あるいは、はりであるとか、こういう職業は、この特定重度障害者の方々にとっては、ある意味におきまして必要欠くべからざる職場なんですね、ところが、そういうマッサージあるいは指圧などの職場について私たちがこの目で見る限り、特定重度障害者でない方々の雇用もかなり拡大してきているわけですね。そうすると、いわば、この特定重度障害者が何よりも優先されなくてはいけない職場、他の一・九とか一・八とか一・五という雇用率の達成職場と違って、この特定重度障害者の方々の働く職場としての、はりとかマッサージとか指圧などの職場については、何よりもまず優先をさせて、その人たちで雇用率が全部達成をされた後において、その他の方々を雇用するということが本来の筋だと思うのでありますが、その辺の関係については、どう御指導をなされておりますか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 先ほど申し上げましたように国等の機関では、すでに雇用率以上に視覚障害者の方が雇用されているわけですが、問題は民間の企業でございます。民間の企業におきまして新しく、こういう職種の方々を雇用します場合に、できるだけ視覚障害者の方を雇用して雇用率を達成していただくように指導を強めておるわけでございますが、とかく需要といいますか、そういう面から一般の理解が得られないというようなことも、ひとつ雇う側の弁解として聞かれるところでございまして、そういうようなことでは、この法律の趣旨が十分達成できないわけでございますので、そういった事業主の方々に対して、できる限り法の趣旨に照らして視覚障害者の方を新たに雇い入れて雇用率を達成していただくように指導しているところでございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 これに関連をして、日本のこの身体障害者雇用促進法などについて、いろいろなことが規定されているわけでありますが、まだまだ、この法律の内容というのは私は十分でないと考えるわけです。たとえば外国の例でありますが西ドイツで見ますと、雇用というのはもっと強制されるような法律条文になっているわけですね。たとえば、こういうところがございます。「使用者が割当数の雇用義務を履行しない場合には、期限を指定して義務の履行を督促し、さらに義務を履行しなかった場合には、決定をもって身体重障害者を指名し、かつこれを雇用すべき期日を指定する。」そうして「決定の送達と同時に、使用者と当該身体重障害者との間に労働契約が締結されたものとみなされる。」こういう進んだ法律をつくっている国もあるわけですよ。あるいは、この前も十月二十一日の当委員会で私は質問したことがあるのですが、イギリスにおいても身体障害者の方々の具体的な障害の程度に応じて職種を指定する、職場を指定するということまで法律で定められているわけですね。たとえばエレベーター案内人と駐車場の監視人が、イギリスでは、この指定を受けています。この指定を受けたところに身体障害者を雇用しなかったという企業については罰金刑まであるわけですね。  日本も同じ先進資本主義国だとして東京サミットも主宰したくらいの国でありますから、そういう経済大国という観点からいって、いまのこの法律にまだまだ不備な点があるのではないか。この関係について、そういう諸外国の例との比較で、どのようにお考えになるか、お答えいただきたいと思います。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 ただいまの諸外国の法制に関連しての現行の身障促進法についての考え方でございますが、職種を指定して、そういった職種を特定の人に対する優先的な雇用職種とするというような考え方は、一部、先ほどの先生の御質問の点にございますけれども、最近の諸外国におきます国際会議等におきましても、身体障害者につきまして職種を指定して雇用を促進することがいいかどうか、非常に問題があるというような論議も行われておると聞いておりますが、やはり身体障害者それぞれ個々人によって能力も千差万別でございます。従来から非常に多くついている職種だから、それを進めるといったことだけでいいのかどうか。あるいは、もっと新しい、これから伸びるであろう職種に対する能力開発を進めて、いろいろなところで、いろいろな活躍をしていただく、そういう多様な対策を進めていくのがいいのか。それからまた雇用というものが、なかなか強制的なものになじまない、人間の信頼関係、そういうものを前提として初めて、うまくいくものでありますだけに、広く事業主あるいは一般の理解を深めて、そして本当に心から理解して雇用を促進していく、そういう状況をつくり出すことに努力を集中することが一番大事なところではないかということも含めて考えておるところでございますが、いずれにいたしましても、ただいまの先生の御指摘の問題を含め、諸外国の保護雇用の問題も含め、これからの重点が重度障害者の雇用にございますので、そういった問題について、これから、どういう施策を講じていったらよいか、労働省でも研究会を設けて検討している段階でございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 いずれにいたしましても身体障害者の方々が生活を維持していくために、この雇用率の達成ということが非常に大きな政治的課題になっている。そう考えていきますと本来、身体障害者の方々を優先的に雇用するような指導をしなくてはいけない対象の企業について、いわゆる健常者の方々を雇い入れることによって、そういう職場を抑圧、抑制といいますか、狭めていくといいますか、そういうことにならないように特段の御指導を強めていただくように御要望を申し上げておきます。  そして、その雇用率との関係で納付金の問題について、さらに今回も質問をしてみたいと考えるわけでありますが、この前も、この納付金制度について私はペナルティーだということで御質問申し上げました。果たして、この納付金制度が、政府当局が言っておりますように法律に基づいた事業主の拠出金であって、決して罰金的なものではないということだけで済ましていいものなのかどうか。ここに労働省が出されましたパンフレットがございますけれども、このパンフレットの身体障害者の雇用納付金制度ということの解説の中に、わざわざ、そのことが強調されている。だから、この前の質問のときにも申し上げましたようにペナルティーとして受けとめていない。しかも協力金であるから、われわれは協力しているんだから、もうそれで雇用率の達成ができなくてもいいんだという企業の姿勢というものを結果的に導き出してしまう一これは私は前にも強く申し上げたのでありますが、やはり、この納付金というのは本来、雇用率達成の義務の担保として罰金的な性格を持たせるくらいの強いものでなくてはいけないのではないか、こう考えますが、どうでございましょうか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 先生のただいまの御意見は御意見といたしまして、現在の身体障害者雇用促進法上定められております納付金制度というのは、身体障害者を雇用した場合の事業主の経済的負担、それと雇用しない場合の経済的負担の均衡を図ろう、調整を図ろう、こういうことで、法定雇用率まで雇用していないところから納付金を取り、たくさん雇用したところに調整金として出す、あるいは中小企業への雇用を奨励するための報奨金として出す、あるいは雇用を促進するための助成金として出す、こういう制度になっております。  したがって法律的には、納付金を納めたら雇用義務を免れるものではなく、雇用率はあくまで達成せねばならないものとして、非常に達成状況の悪いところには計画をつくらせたり、計画の適正実施を勧告したり、そういうことで雇用率を達成する筋立てを法律が定めておるところでございます。  先生の御指摘でございますのは、そういった私どもの雇用率達成指導がまだまだ不十分ではないかという点であろうかと思いますが、そういう点につきましては今後さらに強力な行政指導をいたしまして、雇用率の達成ということに向けて努力していきたいと考えておる次第でございます。     〔戸沢委員長代理退席、委員長着席〕

永井孝信日本社会党

○永井委員 このパンフレットの中にも明らかになっておりますように、この納付金制度について税制上の優遇措置がございますね。法にも明らかにされているわけでありますが、身体障害者雇用納付金は税法上損金または必要経費として取り扱う、こういうことが、この指導パンフの中にも明らかになっているわけですね。そうすると、この雇用率、私も最前ちょっと質問申し上げましたように、大企業へいくほど雇用率の達成率が悪い。達成していない企業が八一・五%も存在する。こういう状況を考えますときに、この納付金は、経済性から考えて調整するのだ、負担の重い軽いがないように調整するのだ、こう言われておるわけでありますが、それだけではなくて、ここで納付金を納めても損金または必要経費としてみなしてもらえるという税法上の措置があるから、なお企業に甘えが出てくるのではないか、こう考えますが、どうでございますか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 御指摘のとおり納付金は法人税法上あるいは所得税法上の損金なり必要経費として計算されるようになっております。これは先ほど申しましたように納付金の性格が、経済的負担の調整ということで雇用率の低いところから納付してもらう、いわば一種の、身体障害者の雇用を促進するための目的を持った雇用税的な性格を持っている、そういう意味で、こういう税法上の措置があるのだろうと思います。  問題は、税法上の措置とか、あるいは納付金制度ではなくて、何か、これを納めさえすればいいのだということを、もし事業主がそういう感覚をお持ちだとしたら、これは法律が決めておるところではございませんで、全く誤解でございます。もし、そういう点があるとすれば、これは私どもの指導が非常に不十分なわけでございますので、納付金を納めさえすればいいのだということではなくて、いままでも指導しておるつもりでありますけれども、そういうことのないように今後とも指導を強化してまいりたいと思います。

永井孝信日本社会党

○永井委員 この一人当たり三万円という金額も、私は現状からかんがみて妥当なものだとは思えないのですよ。この金額を引き上げるのも一つの方法でしょう。そうして、この雇用率の達成義務の担保的なものに完全にしてしまう、そういう観点からいくと、むしろ、この税制面の優遇措置というのは外すぐらいの勇断がないと企業が本気にならない。このことを私は強く指摘しておきたいと思います。  そこで今度は納付金の使い道ですね、助成金の問題に私は入っていきたいと考えるわけでありますが、たとえば、いま安定局長が言われておりますように、経済面での調整といいますか、こういうことに重点が置かれているという関係もあるのでありましょうけれども、三百人以上の大企業については、雇用する際に一人当たり一万四千円の助成金が出る、三百人以下の中小については一人八千円だという格差があるわけですね。これは三百人以上の企業に対して納付金を徴収するという義務づけを行っているから、三百人以上の場合はたくさんの助成金で見返りをするのだ、そういう発想だと思うのですね。私はそこに大きな誤りがあると思うのですよ。  たとえば身体障害者の方々というのは大企業のあるところだけに集中して住んでいらっしゃるわけじゃないのですね。全国至るところに身体障害者の方々がいらっしゃるわけですね。そうすると、その身体障害者の方々が就職をされる場合に、大企業のところまで、わざわざ出ていくことは、居住の関係、通勤の関係からいって非常に困難がある。たとえ住宅はそのそばに設置をされるにしても、これは十分ではない。こう考えていくと、むしろ企業の数からいっても三百人以下の中小零細企業に就職する機会も多いし、また就職する環境も、生活ということから考えると、その方が非常に大きい面がある、私はこのように考えるわけですね。そうすると中小零細企業に、可能な限り、そういう職場を広く門戸を広げてもらおう、こう考えていくときに、中小零細企業であるからこそ、もっと助成金をふやすべきではないのか。一万四千円と八千円という、こういう差別を、単に納付金を納める義務があるから、ないからということだけで差をつけるということは、雇用率達成あるいは身体障害者の方々の要望を生かしていく場合には間違いではないか、私はこういう気がいたしますので、この辺の関係についての考え方をお聞きいたしたいと思います。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 雇用調整金と報奨金との差の問題でございますが、先生もお述べになりましたとおり、納付金自体が三百人以上の企業から徴収するということに、とりあえず、なっております。こうなっておりますのは恐らく、それ以下の企業まで含めて全企業について納付金制度をとるということになりますと、事務的にも非常に大変だ、また中小零細企業の場合に経済的負担が非常に重くなるということも問題があろうかというようなことで、恐らく三百人以上ということに、とりあえず、なったのだろうと思います。したがいまして三百人以上だけを対象とした経済的負担の調整だ、こういうことがまず第一でございます。したがいまして法律上は、中小企業で現にたくさん雇っていただいている場合に、それに対する報奨的性格として報奨金を出すとしながらも、それは雇用調整金よりも低い額というように、わざわざ決めておるわけでございます。そういう点を受けまして五十一年に、この金額が決まったわけでございます。  ただ先生御指摘になりましたように、現実には中小企業の方に身体障害者が従来たくさん雇われておったということは事実でございます。もっとも最近、大企業も新規雇い入れでは非常に数をふやしてきておりますが、まだまだ出発点が低いものですから実雇用率は非常に低いのですが、新規雇い入れに占める大企業の比率というのは最近非常に増してまいりました。そういう意味で、現実にまだ中小企業に就職される方が多いとしても、雇用率というものを達成し、この納付金制度を本当に意味あるものにするためには、三百人以上の大企業に対する身体障害者の雇用を促進して、その雇用率を達成していくこと、ここに尽きると思いますので、そういう点に十分力を尽くしていきたいと思っております。

永井孝信日本社会党

○永井委員 この助成金というのは、いろいろな多目的に支出をされているわけでありますが、本来の目的に沿って果たして活用されているのだろうか、私はそう考えますときに、必ずしも本来の目的に沿って活用されているとは思えないのです。  たとえば労働省の統計資料を見ましても、それぞれの項目ことの助成の内容について、どれだけの支出がされているかということが明らかになった資料がございますけれども、いままで、ずっと長年の間、社会労働委員会において質疑をされてきました議事録などを、ちょっとひっくり返して読み返してみますと、納付金の積立金額が非常に多い。これは一体どう使うのかという、その使い道の関係について、かなり突っ込んだ議論がされてきているわけです。  そういうこともあったのだと思うのでありますが、この支出の関係だけでとらえてみますと、五十四年度から五十五年度にかけて、ぐんと支出がふえてきておることは事実なんですね。どこがふえたのだろうかと思って、ずっと調べてみますと、重度障害者などの雇用管理の関係についての助成金がぐんとふえているわけです。五十四年度では件数は五千百九十九件、五十五年度、これは見込みでありましょうけれども五千件を見込んでいる。金額にして、かなり大幅なものが出てきているわけです。  そうすると、この重度障害者など雇用管理の助成金という関係を見て、納付金が非常に有効に使われているということには私はならぬと思うのです。なぜなら重度障害の雇用の管理という助成の項目については、これは二年間の関係で切れてしまうわけですね。いわば駆け込みで、この二年間にとにかく助成金を使ってしまおう、あるいは、この二年間だけ助成金を取ることを考えていこうということが作為的に動いているのじゃないか、こう一つは考えるわけですね。これがまず一つです。  そして納付金を使って助成をするのでありますが、その助成金をもらったものが、実際働いている身体障害者に、どれだけ活用されるような状態の中身になっているだろうか。たとえば賃金はどうだろうか、賃金一つとってみても最低賃金制には遠く及ばないわけでしょう。もちろん最低賃金制から適用除外になっていますけれども、だからといって身体障害者の方々の生活が一般の健常者の方々と比べて少ない金額で生活が全うできるということにはなっていない。むしろ、それよりもたくさんの支出を必要とする場合が多いわけです。そう考えますと本来の目的に沿って助成金が使われているだろうか、そのチェックは一体どうしているのか、この辺の関係を、どこが調査しているかを含めて、お聞かせ願いたいと思います。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 重度雇用管理助成金、これは非常に臨時緊急の措置といたしまして一般の中高年齢者雇用開発給付金という形で、石油ショック後の不況期に何とか中高年齢者の雇用を促進しよう、十万人の雇用を促進しようということで非常に手厚い助成措置をとりました。それに対応いたしまして、中高年の身体障害者及び重度の身体障害者を雇用した事業主に非常に手厚く二年間やろう、こういう措置で、臨時緊急の措置でございます。したがいまして、この二年間終わりますれば、その後、新しい助成制度としてどうするかは見直さなければならぬかと思います。  この助成金を受けて就職した身体障害者の、いわばフォローアップといいますか、アフターケアを、どこが、どうしているかということでございます。二つの道がございます。これは安定所紹介でございますので、紹介した安定所として就職後の定着指導ということでフォローアップしていく面と、それから助成金を出したという形で身体障害者雇用促進協会におきまして、雇い入れた心身障害者の処遇なり雇用管理なり事業所の経営状況なり、そういうものをフォローアップするということになっております。  その状況はどうかということでございますが、雇い入れまして六カ月後に支給するというような形で二年間続くわけでございますので、この二年が切れた後の状態というものは、まだ現在出ておりません。これからの指導が非常に大事だろうというふうに考えているのが現状でございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 安定局長、これから調査をするということも大事ですけれども、実際助成をする場合に、その助成をした目的に沿って正しく金が使われて身体障害者の方のお役に立っているのかどうなのか、それを一体、日常的にどう掌握されて、どうそれをチェックされて、どう過ちを正すとか、より有効に活用してもらうとかいうことの指導がされているのか、その辺を私はお聞きしたいわけです。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 この重度身体障害者等雇用管理助成金につきましては、先ほど申しましたように安定所の紹介で重度の身体障害者あるいは中高年の身体障害者を雇った場合のものでございますから、本当に雇用というものが安定したものであるかどうか、そういった点は、まず第一段階は安定所でチェックする、こういうことになりますし、それから、その後のフォローアップは身体障害者雇用促進協会でもフォローアップする、こういうことになっております。  先生御指摘の、ほかの各種の助成金の問題、特に多数の重度身障者を雇用するような場合の助成金の問題等も含めてのお話かと思います。そういう場合には非常に多額の助成金を出す場合でございますと、これは身体障害者雇用促進協会に専門家から成る助成委員会というものを置いておりまして、経営状態、あるいは心身障害者の雇用に関して、どこまで専門的知識を有する人がおるかというような問題、あるいは工場の設計その他が身体者の作業に適しているかというような設計上の問題など、多くの専門家を集めました、そういう委員会にかけまして慎重審査し、申請内容が不十分であれば、そういうのは何遍も追加的に出させる等をして慎重な審査をいたしておるところでございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 私が申し上げている趣旨は、この助成金の措置の実効、実際効果を上げているかという、このことの実態把握なしに、助成金の制度をどのように変えてみたとしても、これは期待に沿うようなものにならない、この視点で私は実はお尋ねをしているわけであります。たとえば、きょうの公報に、後で提起がされるのでありましょうけれども、身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案というのが、議員立法の形でありますけれども出されようとしているわけですね。これをずっと見てみますと、助成金の対象枠を拡大するということが結果として目的にされているわけですね。そうすると、いままでの助成金の制度が本当に実効を伴ったものになっているのかどうなのかということが完全に把握をされないと、助成金の枠だけ拡大してみたって、これまた、どうにもならぬわけでしょう。その視点で私は実はお尋ねをしているわけであります。  そして賃金の例を一つとってみますと、たとえばILOの九十九号の勧告ですけれども、一九五五年六月一日に出されております。たくさん書かれてありますが、賃金のことをちょっと引用してみますと「賃金及び雇用条件に関する法規が労働者に対して一般的に適用されている場合には、その法規は、保護雇用の下にある身体障害者にも適用すべきである。」ということが、この勧告の中にうたわれているわけですね。こういう精神が行政の中に、ずっと生かされてこなければいかぬわけですね。  そこで賃金の関係の実態をどうやってつかもうかと、いろいろ考えて調べてみました。労働省職業安定局業務指導課及び身体障害者雇用促進協会から出された資料が私の手元にあるのでございますが、その中で賃金の関係だけ、ずっと抜粋してみますと、私の想像と反して、きわめて高い賃金が支払われているということになっているわけです。どうも私は余り高過ぎて、ぴんとこないのですよ。たとえば三十五歳の人で言うと、男子の方が月平均十八万七千五百円の賃金を雇用主からいただいている。女子の方で八万五千二百円。女子と男子と、かなり格差がありますけれども、そういう状態になっている。こう考えていくと果たして、この調査の資料の数字を信頼すべきなのかどうなのか、私は非常に疑いを持たざるを得ないわけです。これはどうなんですか、事業主を対象に調べたのですか。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 先生御指摘の身体障害者等就業実態調査に基づきます賃金でございますけれども、五十三年の十一月一カ月を調査実施期間といたしまして、五十二年十月一日時点での五人以上の身体障害者を雇用している事業所について調査したものでございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 私は、日本の代表的な一つの企業といいますか、とりわけ政府が今回の国会でも仲裁裁定を実施いたしました公共企業体の賃金をちょっと比較して申し上げてみたいと思うのであります。私が、いま申し上げましたように三十五歳で十八万七千五百円という賃金を得ている人に相当する、たとえば国鉄の賃金が、この十八万七千五百円に到達していないわけです。国鉄の企業で、たとえば新制中学か新制高校を出て、そのまま仮に四十年間勤めたとする。そこで最高に上れる職群で最高の基本給額が二十二万七千五百円、国鉄においては、これ以上の給料はないわけです。そうして平均賃金でいくと、国鉄は年齢構成から勤続年数が非常に高いわけでありますが、この高い国鉄の全体の職員の平均ベースが十八万六千五円、これがいまのベースであります。そうして三十五歳程度の人で、勤続年数大体十五年から十八年という人で見ますと、平均給与が十二万から十三万の間に到達していればいい方なんです。  そういう国鉄の状況と私は比較してみるのでありますが、この調査による十八万七千五百円というのは余りにも高過ぎる。だから、この調査は事業主を対象に調査したのでしょう。そうではなくて実際に身体障害者の方々が働いている職場で、どれだけの賃金を得ているのか。助成をしているのだが、その助成が有効に生かされているのか、こういうことを実情把握するときには、少なくとも雇用されている側の人たちを対象に調査すべきではないのか。こういう資料だけを私は信頼するわけにいかないし、この資料に基づいて行政指導をされたのでは大変なことになると思いますので、重ねて質問を申し上げます。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 ただいま御指摘のように、この調査は、身体障害者の実態調査について事業所を対象として調査したものでございます。私どもは別途、先ほど局長からお答え申し上げましたように、事業所に対して、いろいろな形でフォローアップしているわけでございまして、重度障害者等雇用管理助成金を活用いたしまして重度障害者が就職いたしましたような場合につきましては、それぞれの事業所について、その賃金状況を具体的に個別労働者について調査いたしております。

永井孝信日本社会党

○永井委員 ここで要望しておきますが、一回、雇用されている身体障害者の人たちを対象に実態調査していただきたい、こう思うのでありますが、それをやっていただけますか。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 先生御指摘のような調査は相当大規模になるものでございますし、予算措置も伴うものでございますが、私ども、先ほど申しましたようにフォローアップ等を通しまして、たとえば重度障害者雇用管理助成金でございますけれども、現在、相当多数の重度障害者の方々が助成を受けているわけでございまして、こういうものをまず対象にいたしまして実態を調査してまいりたいと考えております。

永井孝信日本社会党

○永井委員 いまのお答えで、とりあえず調査に着手していただけると私は受けとめているわけでありますが、来年は障害者年でもありますし、一回、身体障害者の方々の職場の実態あるいは賃金の状況、労働条件、これらについて、ぜひ調査していただきたい。  さらに追跡調査という関係で、ぜひ対応してもらいたい問題がございますので、それを、ここで私は申し上げておきたいと思います。  たとえば障害者が労働することによって、そこから生じてくる健康上の問題あるいは労働能力に与える影響、これらについて私は当然、調査すべきだと考えるわけです。たとえば職種別に、あるいは障害の程度別に、こういうものをずっと追跡調査していって初めて次への施策というものが生まれてくると私は思うのです。重ねて、こういう問題についても追跡調査をしていただくように、ぜひお願いを申し上げておきます。時間がございませんので深く掘り下げることができませんが、その辺の関係は重ねて要望しておきます。  そして私は大臣に、ひとつお聞き申し上げたいわけであります。  前回の私の質問に対しまして、雇用率の達成の問題について大臣は、雇用率の達成を誓ってやらせますという御答弁を私はいただいたわけであります。そこで雇用率の達成という大臣の決意はわかったわけでありますから、その決意を今度は実行に移してもらわなければならぬわけでありますが、大臣が、その決意に基づいて実行していく、言いかえれば雇用率が全部一〇〇%達成されたといたしますね、これは仮定の話ですけれども。そうすると、それとの相関関係において納付金はゼロになっていくわけですね。そうすると、いまの助成金はすべて納付金をもって財源にしているわけですから、雇用率が一〇〇%達成されたときには今度は助成金がもらえなくなるという問題が事実上の問題として私たちは認識できるわけです。  大企業の場合なら資本力も大きいということもあって、そういう助成金がなくてもやっていけるでしょう。しかし最前申し上げたように地場産業的な、あるいは中小零細企業にとって、国の法律に基づいて一生懸命努力して雇用率を上げてきた。現在も大企業よりも中小零細企業の方が雇用率の達成率が高いわけですから、そういう努力をしてきたところに、仮に、いつか雇用率が全部一〇〇%達成されたときには、もうすでに手持ちの納付金がないということで、助成する財源がない、これでは済まされぬわけです。  しかし、もともと雇用率の達成というのは納付金を取るためにやっているわけではないのですから、そうすると、この助成というものは単に納付金を頼るのではなくて、むしろ、そういう施策というのは一般的な施策として一般財源から本来なら措置すべき性格のものなんですね。この辺の関係について、大臣は雇用率の達成を誓ってやらせると言わせたわけだから、誓ってやらせていった後、それを一体どう考えていくか、大臣の答弁をお聞きしたいと思います。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 御承知のとおり雇用率の達成ということは、金をもらっておるから達成するとか、金をもらいたいから達成するとかいう性格のものであるはずのものではないわけであります。でございますから本来でございますと雇用率が達成をされて納付金がゼロになるような状態ができれば非常にありがたいことでございますけれども、そのときに中小企業が非常に御無理をなすって、さらに雇用率を上げていかれるということについて、今度は納付金が、元がなくなってしまうじゃないか、こういうお話でございますけれども、それが中小企業の経営を本当に圧迫して、中小企業が立っていかないということが明らかになるということであれば、これはこれといたしまして、こういった問題と別途に、それは解決をしていかなければならぬ。それについても私は責任を負ってまいります。

永井孝信日本社会党

○永井委員 大臣はそういうように御答弁されますけれども、中小企業にとって身体障害者の方々を雇用するということは、それなりに社会的責任感から、かなり取り組まれているという実態があるわけですよ。だから身体障害者の方を雇って、そして賃金を払っていく、生産を上げなくてはいけない、大企業の下請的な企業ほど、そのことで非常に大きな影響を受けていることは事実なんですよ。だから、そう考えていくと助成金は非常に有効な役割りを果たすべきものなんですけれども、その助成金がいつかはなくなっていくのではないかということになってくると、これまた、そのときに逆に身体障害者の方々が、ちまたにほうり出されてしまうということの危険性もなしとはしない。もちろん法の八十条に基づいて解雇の届け出制が義務づけられています。義務づけられていますけれども、義務づけられているからといって解雇をとめることは、そう簡単な問題ではないと思うのですね。それだけに助成金のあり方そして助成金の財源については、障害者年を控えているだけに改めて抜本的に考え方を、新しい創意のもとに考え方をつくっていっていただきたい、また、そうするのが政治の責任だろうと私は考えるわけであります。  そうして納付金に基づく納入の財源の金額についても、年ごとの予算といいますか、予定収入額というのですか、これは年ごとにふえ続けてきたわけですね。大幅なふえでもありませんけれども、大体横ばいから少しふえてきている。たとえば五十三年度は百九十一億七千万円、五十四年度が百九十六億八千二百万円、五十五年度が百九十三億二千五百万円、それでは五十六年度は一体どの程度を見込んでいるのか、お答えいただけますか。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 五十六年度は、現在のところ百八十七億円を収入として見込んでおります。

永井孝信日本社会党

○永井委員 雇用率を達成していくということと納付金が減少していくということと相関関係だと私はいま申し上げまして、大臣も、その御認識は十分お持ちなんでありますが、五十六年度で百八十七億ということは、まだまだ五十六年度については雇用率が飛躍的に達成できるという見込みは持っていないということにもなってまいりますね。だから、むしろ納付金の五十六年度の予算は大幅に少ないものとして見て、それを一つの行政指導で雇用率達成のために生かしていくという、そのぐらいの決意があって、いいのではないでしょうか。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 失礼いたしました。百八十七億は収入総額でございまして、そのうちの納付金収入は百七十二億でございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 いずれにいたしましても、もっと大幅に納付金を減らすということが予算編成の中でも出てくるぐらいの労働省の決意で、労働大臣は、もうすでに誓ってやらせるという決意を述べておられるわけでありますから、それを具体的に行政面で生かすようなことを、ぜひお願いしておきたいと思います。  時間がございませんので、次に施設改善の問題についてお伺いをいたしたいと思います。  国連総会における障害者年を設定する場合の目的の中の第三項に「公共の建物、交通機関等を改善するなど、障害者の日常生活への参加のための研究・計画を促進すること」というのが入っているわけですね。そうして基本法の第二十二条にも「国及び地方公共団体は、心身障害者の生活の安定を図るため、心身障害者のための住宅を確保し、及び心身障害者の日常生活に適するような住宅の整備を促進するよう必要な施策を講じなければならない。」と定めていますね。あるいは交通手段についても同じだし、公共施設についても、その構造面も含めて同じように基本法の二十二条では定めているわけですね。このことが具体的に生かされているだろうか。  私は、この前の質問で、これも大臣にお答えいただいたのでありますが、経済の発展に伴って、これに追随していないことは私は非常に残念だ、こう大臣は答弁されました。そうして少なくとも早急に追いつき、追い越すようなことを考えていかなくてはいけないという御答弁をいただいているわけでありますが、それでは、たとえば交通対策で言いますと、障害者年でもあることから来年はいろいろな行事が計画をされます。各地方においても身体障害者の方々のためのスポーツ大会とか、いろいろな行事が計画をされているわけですね。ところが行事は計画するんだが、それに参加する交通手段として適切な施策が講ぜられているだろうか。たとえば国鉄に例をとると、国鉄の駅に、車いすに乗られた身体障害者の方が列車に乗れるような施設は一体何カ所あるだろうか、実態がわかっておれば、その実態をお知らせ願いたいと思います。

岩田光正運輸省鉄道監督局総務課長

○岩田説明員 お答えいたします。  鉄道の駅におきます身体障害者のための施設整備につきましては、たとえば車いすの利用者のための施設といたしまして、改札口の拡幅あるいは車いす用の通路の整備、こういうものをやっておりますのが、国鉄、私鉄両方合わせまして全国で五百六十八駅ございます。(「何%か」と呼ぶ者あり)全国で国鉄の駅が五千駅ございます。それから民鉄の駅は、ちょっと数字を持っておりませんが・・・(「一万か」と呼ぶ者あり)いえ、そんなにはございません、国鉄よりもずっと少のうございますから。それから斜路、スロープの整備でございますが、これが全国で国鉄、私鉄合わせまして百九十六駅でございます。それからエレベーター、エスカレーターを設置いたしております駅が八十四駅でございます。専用トイレがございますのが七十四駅となっております。それから視覚障害者のための施設として点字券売機が九百二十六駅、誘導ブロックが五百三十五駅という状況となっておりまして、一定の前進を見ているものと考えております。  以上でございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 五百六十八駅、国鉄で言いますと、かなりの数字だと一般的には受けとめられると思うのです。ところが身体障害者の方々が利用するのは、この五百六十八駅だけではないのでしょう。そうすると国鉄の駅あるいは民鉄の駅などについては本来どこの駅でも身体障害者の方々が利用できるようにすることが行政の責任だと私は思うのですね。いままで不十分であったとするなら、来年の障害者年を契機に全部の駅に施設をつくり上げるぐらいの、そのためのプロジェクトチームをつくる、その決意はぜひ労働大臣に示してもらいたいと私は思うのですが、いかがでございましょう。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 私は国務大臣でございますから政府のあらゆる所掌について責任を持つ、これは私の当然の一つの任務であると思います。そういった意味から申し上げまして、ただいま御指摘の、鉄道という鉄道の全駅にそういった施設を備えろということは、望ましいことでございますから、一つの目標といたしまして達成をしてもらいたいということは言えると思いますけれども、御案内のとおり、これにはすべて予算が伴うことでございまして、ただいまのような国鉄のふところぐあいでございますと、私どもが、それが望ましいから、そうしてもらいたいと言いましても、なかなかそうは持っていけないような事情も中にはあります。でございますから、それの中で一つの目標を示して、その目標に向かって達成の道を進むわけでございますから、これはまことに申しわけのないことでございまするけれども多少の時間を、ここにかけざるを得ないということは、やむを得ぬことだろう、かように思います。

永井孝信日本社会党

○永井委員 大臣、来年一年で一遍にできると私ども思わないのですよ。しかし障害者年のいろいろな行事は計画されるんだが、この障害者年の目的の中にも、そういう交通手段とか住宅、いろいろなことが掲げられているわけですね。それを具体化するために来年度から、さらに一層飛躍的に、そういうことが進むようにしてもらいたい。しかし、それが国鉄の財政がどうのこうのという問題じゃないんですね。国鉄の財政でやらせようというから問題があるのであって、これは国の施策として、ぜひやってもらいたいということが、まず  一つであります。  それから国鉄に乗る場合に百キロ以上の旅行をする場合は割引制度があるのでございますけれども、百キロ未満はないんですね。なぜ百キロ未満に、そういう制約をつけ加えなくてはいけないのか。身体障害者の方が百キロ以上旅行するとは限ってないんですよ。少なくとも、それくらいのことは直ちにできることですから、これはぜひやってもらいたいと思いますが、運輸省どうでございましょうか。

岩田光正運輸省鉄道監督局総務課長

○岩田説明員 国鉄におきまして実施されております、これら各種の割引制度につきましては、ただいま大臣の方からも御説明がございました国鉄の経営が非常に危機的な状況になっておりまして、その全面的な見直しにつきまして、これが必要だというふうに判断いたしておりまして、現在、政府におきまして昨年の暮れ、十二月二十九日でございますが、閣議了解をやりまして国鉄の再建方針を決めているわけでございます。この中におきまして国鉄の運賃上の公共負担の軽減対策につきましては、関係省庁において、これの検討を進めるということになっておりまして、身体障害者割引の取り扱いにつきましても、その場で公共負担をどういうふうにしていくべきか、だれが負担していくべきかということについて検討を進めているところでございまして、現段階におきまして割引制度の拡大というものを行うことは、まことに困難な状態にございます。

永井孝信日本社会党

○永井委員 現段階において困難と言ったら何もできないんですよ。だから一つ一つ身体障害者の方々に本当に温かみのある、心のこもったような施策を講じていくという観点からいくと、単に現在の割引制度では困難であるということの答弁では済まされない。少なくとも、この百キロ未満の割引制度が現実に実現するような、そういう態度をぜひひとつ施策の中で生かしてもらいたい、これをまず一つ強く要望しておきます。  時間が大変なくなってしまいまして、しり切れトンボになるんですが、住宅の問題で、ぜひひとつ、お伺いしたいと思うのであります。この間、十一月十三日に読売新聞でありますが、こういう記事が出ました。「車イスの願い届かず」という、住宅問題について、こういう記事が出ました。これは御承知のように田無市の西原町の西原グリーンハイツの出来事でありますが、車いすの方が、障害者の方が何とかやっと手に入れようとした一階の公団住宅ですね、これにスロープがない。自前でスロープをつけようとしたところが、全体の協力が得られなくて結果的に入れないという状況になった。私は住宅政策が、こういう問題が社会面で出るようなことであっては困ると思うんですね。少なくとも公団住宅とか、あるいは県営住宅とか、そういう公共団体が扱うような住宅施策の中には、身体障害者専用の住宅だけではなくて、一般の方々と平等に暮らす権利を持っておるわけですから、その方々が一般の住宅に入る際に、少なくとも一階ぐらいは、そういうふうなスロープをつけるとかいう便宜を計らうようなことを、あらかじめ計画すべきではないか。それが私は政治だと思うんですよ。あるいは公共施設ですね。公民館とか、いろいろなものがありますね。これは、この前の質問で私、申し上げたのですが、そういう身体障害者の方々が利用できるような、そういう施設に改善すべきだ。しかし、これからは少なくとも建築基準法なども再検討して、そういう公共施設などを設計する際は、身体障害者の方々のことを考えた構造にするような規制を建築基準法でつけ加えてもらいたい、このくらいのことは直ちに次の通常国会に向けて立法化のための措置を講じてもらいたいと思うのですが、どうでございましょうか。建設省いらっしゃいますか。

上田康二建設省住宅局建築指導課長

○上田説明員 建築基準法を改正すべきではないかという御意見に対して、お答え申し上げます。  建築物につきまして、特に不特定多数の人たちが利用するような施設を身体障害者が利用しやすいような施設あるいは設備を有するものに改善していくべきではないか、そういうことを建築基準法の改正で考えるべきではないかという御意見でございますが、建築基準法は建築物の安全、衛生、防火、そういった一般的な事項に関しまして最低の基準を定めまして、これを義務づけるという強制的な性格が強いものでございまして、そういう配慮をすることは望ましいことでは、ございますが、そういう望ましい水準を確保するための規定を、この建築基準法の中に入れるということは、きわめて困難ではなかろうかというふうに考えております。したがって中央心身障害者対策協議会の中間報告等にもございますように、それらの施設については、設計に当たって行政指導で、そういう配慮をするように努めてまいりたいというふうに考えております。

永井孝信日本社会党

○永井委員 時間が来ましたので質問は終わりますが、重ねて私は、そういう身体障害者のための住宅問題などについて言えば、この新聞記事に出たようなことが再び起きないような、そういう配慮を住宅公団などを通して、きちっと指導してもらう、あるいは公共施設などについても、そういう利用がしやすいようなことを建築基準法を改正してまでと私は申し上げているのですが、仮に直ちに改正できなくとも、そのぐらいのことは法で規制するぐらいの行政面の責任というものを明確にしてもらいたい、このことを重ねて要望いたしまして、時間が来ましたので質問を終わります。大変ありがとうございました。(拍手)

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 いままでの質問を受けまして、続けたいと思います。  全体的なことですが、国際障害者年を国連で決定いたしまして勧告を出しましたことに基づいて、国内においても、それぞれ施策を進めておるわけですが、その中で雇用の問題もあるわけですけれども、その国際障害者年の大きな事業といたしまして、国内において長期行動計画をつくる、こういうことに相なっておるわけであります。日本におきましては、長期行動計画は何年から始めまして、どのような構想でおつくりになるのか、お答えをいただきたい。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 国際障害者年の長期行動計画のあり方に関しまして調査審議する、その役割りは中央心身障害者対策協議会に課せられました。その事務局を私ども受け持っておりますので、お答えを申し上げます。  ただいま中央心身協の中に国際障害者年特別委員会というものが設置されておりまして、その特別委員会は先般の総会におきまして、昭和五十六年度の事業等に関します提言を総理大臣あてに出しました。そして引き続き、いまのお話にありました長期行動計画のあり方に関します審議に入るということになっております。この長期行動計画は、明年一年間かかりまして、そのあり方を検討し、政府、地方自治体、民間諸団体等に提言をいたしまして、それを政府は政府なりに、地方自治体はまた自治体なりに、民間関係方面は関係方面なりに受けとめて長期行動計画を策定するということに、運びとしてはなると思います。  ただいま特別委員会が取り組んでおりますプロジェクトチーム、大体五つの部会を設ける。企画部会、それに雇用・就業部会、教育・育成部会、福祉・生活環境部会、そして保健医療部会、こういう五つの部会で、これに取り組むということになっております。明年暮れまでに提言を取りまとめたい、それを各方面が受けとめて行動計画として具体化するということになりますので、もうしばらく時間がかかろうかと思います。この長期行動計画は、来年をスタートといたします約十年間に関します長期行動計画、このように予定をされておるようでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 あなたは、どういう資格で、そういう御答弁になったのですか。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 中央心身障害者対策協議会の庶務を厚生省社会局更生課が受け持つことになっておりまして、私がその事務を担当いたしまして特別委員会並びに協議会の庶務を進めておるので、その立場から、お答えをいたしました。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 中央心身障害者対策協議会は合議体ですね。言うなれば常設の行政機関としては、この長期計画については、どこが責任を持ってやっているのですか。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 先ほど申しましたように、この中央心身障害者対策協議会が、日本におきます国際障害者年の基本的な事柄に関します調査、審議の役割りを、閣議決定をもって付与されまして、その調査、審議のために特別委員会を設置いたしまして、五十五名の委員をもって構成をされております。この中央心身障害者対策協議会そのものは総理府の付属機関でございます。総理府の付属機関でありますが、その庶務は、これはやや変則的でありますが厚生省社会局更生課が、文部省の特殊教育課、労働省の業務指導課等の協力を得て、とり行うということになっております。  先生の後段での御指摘の、政府としての行動計画はどこでつくるのか、こう言われますると、これは政府に設置されております、総理大臣を本部長とします国際障害者年推進本部並びに関係各省が、これを受けとめて長期行動計画を策定するということになろうと思います。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 国際障害者年推進本部の本部長は鈴木総理大臣、副本部長は総務長官と、それから厚生大臣。労働大臣は入っていない。一番大切なのが入っておらぬわけだが、それはともかくとして、この推進本部というのは一年で終わるのでしょう。来年一年で解散するのでしょう。いかがですか。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 お答えいたします。  御指摘のように国際障害者年推進本部は、国際障害者年の事業につきまして、これを推進する。総合的かつ効果的な推進を図るという目的で設置されておりますので、昭和五十六年の国際障害者年事業が終わりますと解散をいたします。こういうことで五十五年三月二十五日閣議決定されております。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 いま更生課長、事務局長がお答えになったことですが、その答えによりますと、推進本部が長期行動計画を策定してやるというのですが、長期行動計画を策定しましても、これを総合的に年次計画を立てて実施するのでしょう。それをフォローしたり推進をしたりする機関がないということになりますけれども、どうするのですか。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 長期計画につきましては、先ほど厚生省から御説明がありましたように、総理府の付属機関たる中央心身障害者対策協議会、この中に特別委員会、これはあくまで中央対策協議会の下部機構になるわけでございますけれども、この特別委員会の中で専門の部分を設けまして、そうして審議をして長期行動計画を決める、こういうことになるわけでございます。  中央心身障害者対策協議会の所掌といたしましては、先生御存じのように二十七条で協議会の審議事項を決めておりますが、中央協議会自身といたしまして心身障害者に関しまする基本的かつ総合的な施策の樹立について調査審議をする、それからさらに障害者に関する施策の推進について関係行政機関相互の連絡調整をする、この二点を協議会の任務にいたしておりますので、そういう意味で中心協でやることになっております。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 大臣お聞きになってわかるでしょう、国務大臣としてね。つまり中央心身障害者対策協議会というのがあるわけですよ。これは山田教授が会長ですね。そして二十名の委員をもって構成しているわけでしょう。そして、その下に実行委員会的なものがプラスアルファとしてあるわけですね。しかし私が言っているのは、その所掌は総務長官なんです。事務局長たる更生課長は総務長官のもとにおるわけです。そして、ほとんどの心身障害者の対策というのは厚生省が持っておりまして、雇用については労働省が持っておるわけです。各局に分かれておるわけです。単なる合議体である中央心身障害者対策協議会で、そういう大きな総合調整や長期計画をつくることができるかということが一つあるわけです。  私がそういう指摘をいたしましたら、国際障害者年の推進委員会の本部長である鈴木総理大臣ほか二副本部長の体制を言ったわけですが、これは来年で終わるわけです。国連で決定した問題で一番大切なのは長期計画をつくること。その際に更生課長板山さん、あなたは非常にやっているのだけれども、日本の政策は薄まき、ばらまきと、こういうふうに彼どこかで、ずばりと言っていると私は思うのだけれども、そういうことではいけない。場当たりではいけない。いまのスロープとか入り口とか、そういう施設にいたしましても長期計画を立てて、ぴしゃっと一つの社会的な責任として、最低の経営のコストの中に計算をしてやるということをやらないと、ばらまきになっちゃっているから、障害者から見たならば、移動、交通という一番大きな金のかかる問題について、生活をしたり仕事をしたりするときの一番大きな問題について機会が均等に保障されてない。これは私鉄であろうが国鉄であろうが、公的な交通機関においては最低のコストのうちに計算するような考え方でやらないとできない。ばらまいただけではいけない。五千も一万もあるところに五百程度ではいけない。それを十年間かかって、どれだけやるのかということを、きちっとやることが長期計画ではないか。一つの例であります。  そこで聞くのですが、いまの政府の体制はなっておらぬ。中央心身障害者対策協議会というのは、ときどき会議を開く会議体が一番大切なことをやろうとしているのですが、会議体が集まって会議を開いただけではだめじゃないか、常時の行政執行機関というものが必要ではないかということになる。  そこで、これに関連をしてお聞きするのですが、心身障害者対策基本法という法律ができておる、いま永井さんも話をいたしましたが。言うなれば、これが総合立法の基本であります。これは一体、所管大臣はだれであるか、このことに関係いたしましてお聞きいたします。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 私どもは、その法律に基づいて設けられております中央心身障害者対策協議会は総理府の付属機関であるという規定から見ましても、総理府が所管の中心でありますが、同時に、その庶務を厚生省が引き受けておるわけでございまして、総理府、厚生省共管とでも申す性格のものだと考えます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 それでは労働省とか建設省の住宅とか運輸省とかというものとのウエートについては、厚生省がウエートが高いということを、どこに書いてあるのですか。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 そのようなウエートの高さ、低さは全く規定がございません。ただ所掌の関係で、付属機関として中央心身障害者対策協議会が総理府に設けられ、その事務を厚生省が、文部省の特殊教育課、労働省の業務指導課の協力を得て、これを行う、このようになっておりまして、この規定から見ましても、文部省、労働省、厚生省はともに、その責を分かち合うという仕組みになっているものと思います。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 答弁してみると仕事を分かち合って協力するということになっているのですが、ばらばらになりまして縦割り行政で何も、まとまった仕事ができない。薄まき、ばらまきと彼が言ったのは、そういうことを言ったのです。ですから、これは機構的には根本的に欠陥がある。基本法についても、この際、国際障害者年を契機にいたしまして直していかなければならぬ。  たとえば教育基本法でしたら文部大臣がやっておるわけです。いろんな基本法でしたら主管大臣がおるわけです。すべて各省の協力を求めて総合調整をする機能があるわけです。ですけれども、これについては言うなれば総務長官——これは総理大臣ということなんですけれども実際は総務長官です。総務長官の総理府に所属をしておる中心協の事務局がここにある。それで総務長官の管轄の中におりながら、では厚生大臣がこれを推進をする責任を持つのかというと、そうではない。事務局長が更生課長で帰らなければならぬ。更生課長というのは厚生省へ帰れば単なる下っ端の一官僚であって、局長や次官や大臣が上におる。だれも政治決断をしたり、総合的に推進をする体制になっていない。ばらばらの体制になっている。その体制を直さないと、国際障害者年の長期計画を総合的につくっていくことはできないのではないか。こういう問題について私は指摘をしておきます。  これは重要な点ですから、これについて単なる答弁を求めるということではないわけです。これは長期計画を進めていく上において根本的に重要な課題として再検討すべきである。私の意見について労働大臣、国務大臣として理解できますか。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 仰せはごもっともでございます。いまの非常に大きな欠陥といたしまして、短期的な、しかも責任所管のない問題を全部総理府に集めていくという性癖があるわけです。きわめてよろしくない、私はこう思います。御指摘のとおり、そういった問題につきましては厚生大臣が責任を持つなら厚生大臣が責任を持つというように、きちっと割り切るべきである、かように考えます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 非常に明快な答弁です。私は事実に即した答弁ですから揚げ足をとることはいたしませんけれども、これは重要な課題である。  ですから、たとえば行管庁長官の中曽根さんにいたしましても、行財政の改革というのは単に人員整理をするということだけ頭に置いて考えていますけれども、現在の行政機構をどういうふうな方向づけをして改革をしていくかということについて頭を置かないような行管庁長官は、これは総理大臣になる資格は全然ない。そういう面において、私は横から見ておりまして、あれは行管庁長官としまして、いまの歴史的な仕事をやるというような哲学がないような気がする。それについては労働大臣の答弁は求めません。  そこで、そういう点から言うて関係大臣が全部集まって、行管庁長官も来て、総理大臣も出席して、社労だけではなしに連合審査をして、国際障害者年に対処する総合的な議論をする必要があるだろう。そうしないと、お役人さんが参りまして適当に答弁いたしまして、帰っていって終わりということでは政策は進まない、こういう気がいたしますから、委員長はそれを銘記していただきまして、理事会等で検討いただきたい。これから国際障害年になりますが、この委員会は中心的な委員会ですから、国会の運営自体にも関係いたすと思いますから、これは希望いたしておきまして、答弁は求めません。  この国際障害者年に当たっての長期計画は、いまの御答弁では本年中に計画をつくって十年計画でやる、こういうふうに理解してよろしいか。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 五つのプロジェクトチームは本年から活動を始めますが、特別委員会としての意見を取りまとめますのは来年の暮れになります。国際障害者年という年に長期行動計画をつくることに着手しようというのが国連の提言でもありますので、昭和五十六年中に特別委員会としての国際障害者年長期行動計画のあり方に関します提言を取りまとめていきたい、このように事務局としては考えておりますし、各先生方も、そのような形で意思決定をされたわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 長期計画は十年計画ですね。昭和五十六年度が初年度であるのかどうか。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 この点につきましては、できるだけ昭和五十六年をスタートの年とする長期行動計画にしようではないかという話し合いがなされております。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 長期計画の初年度もまだ決定していないような、そういう政府は怠慢ですよ。済みましたら推進本部は解散、こういうことでは、だれが責任を持って一つまり障害者問題というのは、だんだんと内部環境破壊や外部からのそれで障害者がふえている。高齢化している。障害の種類も複雑になっている。こういうことで一つの国際的な問題、社会的な問題として問題提起をいたしまして、十年計画を策定して、それぞれの国において長期の計画の中で総合計画をやろう、こういう趣旨でありますが、その趣旨を貫徹するような体制になっておらぬと私は思います。  そこで五十六年度を初年度として、この障害者年の長期計画をつくるという話であります。五つのプロジェクトを中心としてやるということでありますが、それは総務長官のもとの合議体制の実行委員会的な、中心協の下部機構である、こういうふうに理解をいたします。そこで国際障害者年で来年度を初年度とする。予算編成から始まるわけであって、いま、もう始まっておるわけですが、そういうことでやるならば、それぞれの五つの分野において長期計画が策定されておらなければならぬ。用意がなくては、国際的な取り決めは八一年度中にやればいいのだから、来年いっぱいでやればよいということで、来年の土壇場で、おざなりなことをやって、言うなれば、やっておりますということだけで食い逃げをするということであってはならぬと私は思うのですね。ですから、それぞれの五つの分野における長期計画を立てながら、国全体としては障害者の現在の日本の実態に即して、どうやるかという問題について総合的な横の連絡をとりながら、やっていくということがなければいけないというふうに私は思います。事務局長、いかがですか。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 全く先生のおっしゃるとおりだと思います。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 あなたと意見が合うても何もならぬ。ならぬが、答弁したことは答弁の価値がある。これがいまの日本の政治の実態である、こういうことでありますが、そこで、いままでの議論を踏まえまして話を具体的に進めてまいりたいと思うのですが、その中で雇用対策は私は非常に重要な分野であると思います。  つまり日本自体をとってみましても、そうですが、高齢化社会に入っていくわけです。雇用に対する考え方といたしましては、あらゆる働く人、能力のある者が一生涯通じて、その力を発揮する、そういう体制をつくることが、これからの日本が高齢化社会に入っていく、言うなればハードルを乗り越えていく非常に大切な条件である。つまり障害者の方々に対しましても、働く能力のある者が働くということが、所得の保障との関係や医療との関係やリハビリとの関係をきちっとつけていくことになるのだから、人間としての生きがいに通じていくということになるのだから、雇用ということがやはり政策の中心です。それと一緒に年金や所得保障との関係は密接な関係がある。自立するためには密接な関係がある。そこで具体的に、時間もないことですから質問を続けてまいりたいと思うのですが、いままでの質問で、言うなれば重度障害者の雇用率は約一〇%、これは障害者の中の一〇%、百七十九万の一〇%か、その一〇%はどういう意味ですか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 先ほどの御質問の中で、重度障害者の雇用されている割合が一〇%というのが出てまいりましたのは、国の機関で雇用されている身体障害者全体を一〇〇として見て、その中で重度障害者の占める割合が一〇%、こういうことでございます。  民間全体におきまして重度障害者の占めている割合は一六%余だと覚えております。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 一六%余にいたしますと何人になりますか。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 ただいま、ちょっと数字を持っておりませんけれども、雇用状況報告によります一般の民間企業に雇われております身体障害者の数が十三万五千二百二十八名でございまして、その一六%余ということでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 身体障害者全体の中で何%ですか。心身じゃなしに身体だけでいいです。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 先生の御質問は、身体障害者全体の中で重度障害者は幾らかという意味でございますか。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 雇用されている人は——わかった、もうそれはいい、時間が惜しいから。  それで重度障害者の労働条件と賃金というものは、どうなっているかということを把握することは、全体の障害者対策の一つの基本です。それと一緒に、たとえば障害福祉年金というのは一級、二級ありますが、それは重度障害者のうちの一級、二級でしょう。一級、二級というのが大体重度障害でしょう。合致しているわけですね。そうすると雇用の機会を得ない人は障害福祉年金をもらうという、言うなれば総合的な施策になると思うのですね。その関係をきちっと把握をして、雇用保障、たとえば所得保障や福祉施設の問題もありますが、そういう問題を全体として障害者の実態に対応しながら、障害者がハンディを背負いながら自立するということを行政、政治の上において、どうして援助していくかということが政策だろうと思うのです。  そういたしますと、重度の心身ということになりますと、また範囲が広い。三百万超えるわけです。身体障害者は、ことしの推計で全体で百七十九万でしょう。ただし、これは在宅だけです。施設に入っている人は五万でしょうかね、それらは除外をされておるわけです。在宅の身体障害者の推計は百七十九万でしょう。精神障害者は百万でしょう。精薄は三十八万でしょう。合計いたしますと三百万を超えますね。そこで障害者の雇用と、たとえば所得保障との関係を考えてみる。障害福祉年金の一級、二級の年金は幾らですか。

佐々木喜之厚生省年金局年金課長

○佐々木説明員 年金額のお尋ねでございます。国民年金の障害年金一級の場合でございますが、先生は福祉年金のお尋ねでございますが、福祉年金を申し上げますと一級の場合、今回の法律改正によりまして月額三万三千八百円でございます。同じく二級の額は今回の改正によりまして二万二千五百円でございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 一級の場合は三万三千円で、二級の場合は二万二千円ですよ。大臣、三万三千円、二万二千円では生活できぬわけですよ。そうすると今度は、どこかで働く場所が確保されまして働きますと、所得制限が当然出てきます。福祉年金の本人の所得制限は幾らですか。

佐々木喜之厚生省年金局年金課長

○佐々木説明員 障害福祉年金の所得制限額は、老齢福祉年金と同じになっておりまして、世帯の構成によりまして違っておりますけれども、本年度の場合、二人世帯で、たしか二百十七万程度というふうに考えております。いま、ちょっと数字を……。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 一人では。

佐々木喜之厚生省年金局年金課長

○佐々木説明員 一人の場合におきましては、それより若干減額されますので約二百万弱ぐらいになるかと思います。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 そこで重度障害者の人が、この促進法だけではなしに、促進法を含めて就職をいたしますと、そうすると職業訓練中とかそういう期間の給付金よりも、準備中の期間よりも非常に少なくなりまして、たとえば月二万円とか三万円とか五万円というのは、ざらにあるわけですね。その判断、間違いありませんか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 先ほど私どもの就業実態調査で申し上げました平均的な数字はわりあい高いわけでございますけれども、重度障害者の場合には、人によりまして職業能力に非常に大きな差異がございます。したがいまして最低賃金法の上でも身体障害者を除外することができる道が開かれておりまして、監督署長の許可を得て最賃額の適用除外の特例を受けるようなケースもあるわけでございます。そういう意味で賃金額の非常に低い場合も、もちろん先生の御指摘のように、あるということは事実だろうと思います。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 そこで年金と雇用保障とのことを考えるのですが、最低賃金制という考え方は、これは最低の生活保障という考え方、生きるためには、これだけの生活費が要るのだという考え方が背景にあって、雇用の場合における社会的な責任として労働団体等は全国一律の主張をしているわけだ。ですから障害者についても自立ということを考えるならば、雇用と年金との関係をきちっと考えていかないと、総合的に考えていかないと自立できない。そうすれば財産制限、所得制限をされる生活保護しか道がないということになる。そのことも一つの方法であるけれども、自立ということになれば、雇用保障と年金で、そして生活の最低が保障できるような、そういう施策をやらないと、障害者に対する対策といたしましては、憲法二十五条もありますし、国際的なそういう考え方もそうですが、中途半端で全く政策にならない。もちろん、それに対しましては移動とか交通の問題もあれば住宅の問題、雇用訓練の問題、すべてのことがあるわけです。あるわけですけれども、やはり中心は雇用保障と年金保障である。  そこで私は、広げましたものを、もうちょっと、そのまま進めていくのですが一つだけ。  いまの国民年金制度における障害者年金は雇用関係のない重度障害者が圧倒的に多いわけです。その際に二十一歳からは国民年金に加入する資格があるから、二十歳までに障害を受けた人は先天的な障害者と同じように全部、障害福祉年金の対象になるわけです。いま言いましたように一級の場合であっても三万三千円で二級の場合は二万二千五百円です。そういうことでございますが、二十歳を超えますと一年間国民年金に加入しておって、交通事故や労働災害あるいは病気や老齢化等で機能障害を起こしますと障害年金の対象になるわけですね。たとえば二十一歳、二十二歳でもなるわけです。それで拠出制の年金はややよろしいわけです。障害福祉年金よりややよろしい。  これはいつも議論になることですが、国際障害年に当たって年金を中心とする所得保障と雇用保障との全体的な総合計画を考える際に、二十歳以前の障害を受けた人の障害福祉年金について生活費に近づけるという考え方で、これを改善するなり、あるいは道があれば、拠出制の障害年金につないでいくという方法を考える。障害福祉年金をもらっておいて一年間、二年間、賃金は低くても働く。そして国民年金があるところもあるし厚生年金があるところもあるけれども、一定のところで拠出制の年金額が確保できるような道を講ずる。老齢福祉年金は申し上げたように経過年金ですから、なくなるのです。しかし障害福祉年金はいつまでもあるわけですから、障害者に対する所得保障の中心の柱といたしまして、この制度を全体の中で、長期計画の中で立て直しを考えることが必要ではないか。この点について厚生省の年金担当者の方から答弁を求めます。

佐々木喜之厚生省年金局年金課長

○佐々木説明員 わが国の年金制度は、先生すでに御承知のように、厚生年金におきましても国民年金におきましても、社会保険の仕組みによりまして、あらかじめ保険料を掛けていただきまして事故に備える、事故があって障害が発生いたしましたときに年金が支給される、こういう仕組みをとっているわけでございます。  ただ御質問にありましたように先天性の障害者その他、年金に加入する年齢に達する以前に障害になられた方につきましては障害年金を支給する道がございませんので、昭和三十六年に国民年金制度ができましたときに、そういう方々に対しては、あらかじめ保険料を掛けることなしに全額国庫負担によります障害福祉年金を支給する、かような仕組みによりまして制度を構成いたしたわけでございまして、先生のただいまの御指摘は御質問としては大変理解できるわけでございますけれども、ただいま申し上げましたような年金制度の仕組みの上からいって、これは制度的に大変困難な問題ではないかと考えておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 そうすると、言うなれば厚生年金に二十歳から加入いたしましても、雇用関係が発生いたしましても、二十年間たって六十歳でなければ厚生年金は、いま、もらえぬわけですね。選択できないわけでしょう。国民年金の場合でしたら、拠出制年金に入りましても二十五年たって六十五歳でしょう。選択できるまでは非常なハンディがあるわけです。たとえば働く場合におきましても、最低賃金制の制度と一緒に雇用者の一定率を雇うことを事業主の、企業家の社会的な責任として考えていくようになるわけですが、しかし、その段階においても、たくさんの問題があるとするならば、賃金に対する制度的な助成措置がないと自立できないということになる。具体的な障害者の生活の実態をどうするかということを考えないと、雇用政策というものもうまく進まない、こういうことになるわけですね。  これは私は長期計画の中で非常に重要な課題であるというふうに思います。これについては答弁を求めません。求めませんけれども、障害者の福祉年金については老齢福祉年金とパラレルの関係とかということではなしに、障害者年金については拠出制の年金を考えながら引き上げていくという年金政策をつくることが絶対に必要なことではないのか、長期計画の中で着手すべきことではないのか。体系上、制度上むずかしいということがあるならば、それを克服できるという知恵がないならば、このことが必要ではないかと思いますが、いかがですか年金課長。

佐々木喜之厚生省年金局年金課長

○佐々木説明員 障害福祉年金の改善につきましては、これまでも福祉年金改正の全体の中で引き上げに努力をしてまいっておるところでございます。今後におきまして、どうするかということにつきましては、年金制度は拠出制の方もいろいろ問題を抱えております。来年の改正等につきましては、ただいま検討中でございますけれども、従来は、ただいま申し上げましたようなことで努力をしてまいりましたということを申し上げておきたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 ぼくは時間がないから音だけ言っておくのですが、つまり老齢福祉年金の二万二千五百円と障害者福祉年金の二級を並行して上げるわけです。そういう考え方ではなしに——老齢福祉年金は上げなくていいというんじゃないのですよ、経過年金はだんだんと減っていくのですから。障害者福祉年金については独自な考え方でやらないと、老齢福祉年金の方は非常に政策的になってきますよ。財政問題から考えて、すぐストレートになってくる。ことしは老齢福祉年金についても所得制限をつけるとかなんとか言っているから、それと同じように障害者について所得制限も、いま御答弁のように同じような考え方でやっていくということは障害者福祉年金制度としては問題ではないか。障害者福祉年金制度の独自の体系を考える。業務によるもの、業務外によるもの、国民年金、厚生年金をにらみながら障害年金についてはどういうふうにするかということを考える、そういうことで年金の改革をすべきであるというふうに思いますが、いかがですか。

佐々木喜之厚生省年金局年金課長

○佐々木説明員 障害年金のあり方を年金制度の中で、どのように位置づけていくかという問題につきましては、厚生年金、国民年金とともに関係の審議会の審議項目の一つとされておるわけでございまして、従来も御審議いただいて改正した点もございます。引き続き検討項目の一つになっておりますので、その中で引き続き検討さしていただきたいと思っております。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 時間もあれしますから、障害者雇用促進法のことで、いままでの議論の中で、未達成の企業に対しまして非常におっかなびっくりであることはいけない。労働大臣の姿勢は非常によろしい。しかし、労働大臣の姿勢はよくても下の方は逆を行っているという印象を私は受けた。労働大臣、制度を変えなければいけないのじゃないか。制度を変えて、たとえ藤尾労働大臣がやめられても、つまらぬ労働大臣が来ましても、ちゃんと実行できるような制度をつくっておかぬといけないのではないか、こう思うわけです。あなたですから、かなりの威力を持って経営者に対してパンチをきかせれば影響は若干ある。いろいろな問題で私も想定できる。しかし、それは個人のことですから、あなたはいつまでも労働大臣やっておられるわけではない。あれはいずれやめるだろう、こういうふうに見ておる人もおるかもしらぬから、やはり制度を変えなければいかぬ。  そこで、この制度に関係の深いのは、未達成企業に対する三カ年計画の提出を求めておられるはずであります。三カ年間に雇用率を達成いたしますということを前提にした三カ年計画を提出させる方針をとっておられると思います。そういう未達成企業の三カ年計画の提出状況はいかがですか。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 今日まで身体障害者の雇い入れ計画の作成命令は一千百十六社に出しまして、提出をされております。そのうち百十三社につきまして適正実施の勧告を行っているところでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 あとの企業に対しては、どうしているのですか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 未達成事業所すべてに対して、この命令を出したのではございませんで、未達成事業所のうち特に実際の雇用率が低くて達成率が非常に悪いところについて出させたわけでございます。命令をしたところは全部出してきております。それ以外にも率は、この千百十六社以上に高いけれども、まだ未達成のところがあるわけでございますけれども、私どもの指導能力からしても、まず一番悪いところを手がけようということでとりあえず出したのが千百十六社ということでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 月三万円の納付金を出しておけば、それで済む、こういうような考え方では、それが常識になったのでは、国際障害年に当たりまして新しい出発をしようというときに、これはもう全然なっておらぬということです。つまり企業は、企業の活動する中で、企業内であれ企業外であれ、こういう障害のいろいろな原因を直接間接にお互いの活動の中でつくっているのですから、お互いの問題として考えていく、こういうことがやはり雇用主、事業主についても要求される社会的な責任ですから、考え方を変えていくということが必要です、啓発が必要です。必要ですけれども、それに対しては、たとえば未達成企業に対しては三カ年計画を出しなさいという法律をつくる。しかし三カ年たっても達成できない場合は、たとえば納付金の月三万円を倍にするとか課徴金的なものにしていくとか、あるいは会社名を公表する、社会的なこういう責任を果たしていないということを明確にしながら公表するとか、そういうことを制度としてやれば——いままで障害者雇用促進法というのは最初は倫理規定、訓示規定だったのですよ。それを御承知のように納付金の制度でやってきて、このことが足踏みしているのですから、積立金を使うということも大切です、あるのですから。しかし、これを進めるということになると、やはりもう一歩進める方法としましては、これは私の個人的な考え方でありますけれども、達成計画を三年計画で達成しなさい、そして達成しない場合には納付金は課徴金的に倍になりますよ、そして企業の名前も公表しますよ、こういうふうにやるならば、そうすれば、いまだんだんと一部では、先進的な企業等では、そういうふうな気持ちを持っているわけですから、正直者がばかをみないような形で歩調がそろって、そして藤尾労働大臣の存職中に非常に大きな実績が上がったということになるのではないか。いかがです、労働大臣。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 ただいま政府委員から三カ年計画その他のセンサーについて申し上げましたけれども、私は計画を出したら、それでよろしいというわけにはまいらぬと思うのです。計画をいかに実行しておるかということ自体が問題なんですから。でございますので計画を出しましたならば、一年目にはどれだけできたか、足りないところは二年目にどうするか、それを二年目にやったかやらぬか、そうして三年目に——三年目にならないようにやってもらいたいと思いますけれども、三年目に残ったものは、どうしてもやってもらうぞということでなければならぬわけでございますから、そのように行政自体にきちっとした、けじめをつけるように、そういう指導をやっております。いま現在それを展開中でございます。私は日本の企業の中で、このような大事な社会的責任を感じないというような企業は、まさかなかろうと思います。でございますので、その企業責任を喚起するような措置をとりまして、必ず、これはやらせますから、どうかひとつ、その点はごらんをいただきたい。  それでなお、どうしても言うことを聞かぬというような——私はないと思いますよ、しかしながら、どうしても、そうだというのなら、あるいは労働省がそう言うなら、おれの方はてこでも動かぬぞというようなのがあるのならば、それはそのときは私どもは腹を決めて、きちっと、やるべきことをやらなければならぬ、こういうことになるわけでございますから、そこで最後のきかしを、いまから言っておくことはなかろう。そういうことでなくて、進んで、それをやらせるということの方が大事でございますから、いま恐らく進んでやるような方向で、その計画は完遂できるというふうに私は申し上げておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 これは、あなた非常に政治家的な答弁だな。しかし、その決意のほどは理解しておきましょう。  昭和五十六年、来年の十月までに諮問機関に諮りまして納付金額と達成雇用率について再検討する、そうなんですか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 身体障害者雇用促進法によりまして、法定雇用率は五年ごとに見直すということになっております。そこで来年十月までに身体障害者雇用審議会に、現在の民間について言えば一・五%の雇用率、これを改定するかどうか諮問いたしまして、御審議をいただいて結論をいただきたいと思っております。  その際に、納付金額につきましても制定以来五年になるわけでございますので、あわせて現行の額でいいかどうか検討していただこう、こういうふうに考えております。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 昭和五十六年、一九八一年の一年間に、国連の勧告によりますと長期総合計画をつくるということになっておりますから、つくる期間は来年いっぱいということになります。  そこで五十六年の十月に雇用達成率や納付金について見直す、こういうことですが、障害者の実態が変わっているわけです。だんだんと年齢構成も変わっているし、障害者の種類も変わっているし数もふえているわけですから、それに対応する社会的な責任を果たす、こういう意味の改定でなければならぬ。単に、そこへ諮問して投げ出しておいて検討してもらいます、これはもう、もとのとおりになりましたということではいけない、そういう考え方で、この制度の見直しをする、そういうふうに考えてよろしいか。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 そのようなことになろうと思います。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 それで私が提案いたしましたことについて、あるいは労働大臣の方で最後には、やはり勧告をしても、あるいは指導しても、この障害者雇用促進法の規定を守らぬというのがあれば、そのときには断固たる措置をとる、こういうことでありますが、私は一応五十六年の十月というのは年度内でもありますし、そういうことを総合的に考えながら、いままで私が申し上げた提案を含めて御検討いただきたいと思います。労働大臣、答弁。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 御趣旨のようにいたします。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 今回、提案をされております雇用促進法の改正案は議員提案として公報の案件にも出ておりますが、これにつきましては労働省は賛成ですか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 身障者の関係の団体、精神薄弱者の関係の団体から、今回、議員提案されておりますような内容につきましての要請は、私どもも、ことしの初めごろから受けておるわけでございます。六月ごろから、そういう要請を受けております。したがいまして私どもとしても来年度以降そういう問題に取り組む必要があるというふうに考えておるところで、そういうつもりで今後の予算編成等に臨もうと思っているところでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 念のために聞いておきますが、これは普通の声で聞いておきますが、なぜ政府が出さないのですか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 私ども、団体の要望を受けまして、来年度そういう施策を講じたいということで財政当局と話し合っているところでございますが、団体等の御意見を伺っておりますと、政府提案を待っておっては非常に時間が遅い、今年度内にも、ぜひ、そういう助成措置を考えてほしいという要望をしているように私は承っております。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 これも普通の声で聞いておきますが、改正項目の財政的な影響、支出増の見込みは幾らになりますか。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 これは私ども今後の財政当局との話し合いでございまして、見込みでございますけれども、重度障害者のために、いろいろな面での特別雇用管理を行う事業主に対する助成、住宅の確保でございますとか、生活指導員の専任でございますとか、通勤バスの運行等の雇用管理に対する助成のための経費の見込みが約四億でございます。それから重度障害者のための事業主、福祉法人等の行います能力開発事業に対します助成が約二十五億でございます。それから啓発事業でございますが、おおむね一億程度というふうに考えております。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 これも普通の声で聞いておきますが、啓発費というのは、どこへ、どういう団体を想定していますか、出すのは。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 来年の国際障害者年を迎えまして事業主を初めとする国民一般の啓蒙活動が特に重視されているわけでございますが、そういった観点から、各業種別の団体でございますとか協同組合でございますとか事業主の団体が行いまして、・事業主が積極的にみずから拠出するような啓蒙活動に対する助成というふうに考えております。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 どういう団体。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 地方の業種別団体でございますとか、あるいは中小企業の協同組合でございますとか、そういったような事業主の団体でございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 それは企業の団体だけですか。障害者の団体や関係団体はどうなんですか。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 この身体障害者雇用促進法の趣旨は、先ほど来お話がございましたように、事業主が社会的な責任を果たすための経済的な調整を図るということでございまして、事業主が、啓蒙活動というものを通しまして、みずからの社会的な責任を果たしていくということでございまして、事業主の団体に限られているということでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 事務局長でいいのですが、答弁していただきたいのですが、国連の障害者年のスローガンの「完全参加と平等」完全参加というのはどういう意味ですか。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 国連で国際障害者年のテーマを決めておりますが、先生御指摘のとおり「完全参加と平等」でございます。完全参加と申しますのは、社会生活の中で一般人と同じような形で障害者の方々も差別なく参加し得る、また活動の場も、一般人の健康人が参加できるような形で自然な形で参加していただく、これが完全参加だと考えております。なお平等と申しますのは、個々の生活を送る上で一般の市民の方々と全く同じようなレベルでの生活ができる。これを国連が国際障害者年のテーマに掲げたというふうに考えております。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 時間が参りましたが、労働大臣、この納付金の積立金は、ある場合には有効に使わなければいかぬわけです。これは当然われわれも常識を持っています。ただし積立金をふやすために雇用促進法が運営をされてはいけない。手が抜かれてもいけない。本末を転倒してはいけない。こういうことを私はひとつ、いままでの議論の中から厳しく申し上げておきます。これは理解していただけると思う。  それから啓発団体等について、この金を出す場合にも いやしくも不公平であるとか ばらまきであるとか、情実が入るとか、そういうことであっては相ならぬというふうに私は厳重に指摘をしておきます。  それから、いままで申し上げましたように、五つのプロジェクトについて十カ年の長期計画をつくるということは国だけではできない。基本法にありますように自治体で受けとめてやらなければいけない、自治体は生活の場ですから。働く場ですから。と一緒に、そういう問題を含めまして、国連の勧告による長期計画について、速やかな機会に、この作業を整備をしてもらって、答弁がありましたように五十六年度を初年度としようという決意ですから、来年度の予算編成に深い関係があるわけですから、大蔵省、渡辺大蔵大臣はずばずば切るでしょうが、しかし、この重要性については十分留意をされて、そして長期計画について遺憾のないようにしてもらいたい。そのためには、心身障害者対策の基本法の見直しを含めて、私は、いまの中央政府における体制はきわめて不十分であると思う。これらの問題を含めまして、私は委員長にも申し上げておくのですが、やはり全部の政治の総合的な課題として関係各省が十分、この問題がこれから、どうあるべきかということについて、それぞれ討議ができるような場を理事会に諮ってつくってもらいたい。労働大臣だけでなしに関係大臣が出席をいたしまして、場合によっては総理大臣も出席いたしまして、この問題が議論できるような場所を速やかにつくってもらいたい。以上のことを要望いたします。  最後に労働大臣の決意のほどをお聞きいたしまして私の質問を終わります。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 確かに御指摘のとおりでございまして、こういった国連のせっかく発意をせられました、非常に不遇な立場にあられます障害者の方々に対しまして、これから長期計画をもって、これを救済をしていくという、これは政治でございますから、これを推進をしていきますためにも、その年次、年次におきまして、このように現在なっておりますということと、これから、こういうようになっていきましょうということをコンファームしていくという意味の審議が、あるいは御報告が当然必要である、かように私は考えますし、このことは、それぞれ各省からも来ておりますけれども、それぞれ大臣にも報告をしてもらいますと同時に、私からも閣議を通して各大臣に申し上げておきます。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 平石磨作太郎君。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 来年は国際障害者年で、これに対応する、それぞれの政府の対応策も最前の質問の中でも明らかになってまいりました。幾つか、お聞きしようと思っておったことが、ほとんど論議がなされまして非常にやりにくいのですが、重複もあろうかと思います、お許しをいただいて質問をしてみたいと思うわけです。  来年は国際障害者年という形で障害者に対する施策が一段と推進できるように、国連総会におけるところの決議に基づいて行われるわけでございます。したがって「障害者年の推進体制について」という五十五年三月二十五日の閣議決定でもって推進体制ができておるわけですが、この推進体制は、先ほどの議論でもお聞きをいたしましたが、「五十七年三月末日をもって廃止する。」という形になっておる。もちろん臨時的なあり方だとは、この決定から見てもわかるのでありますが、やはり、この障害者年を契機として将来十年の行動計画といったものもつくっていくという状況から考えましたときには、これを単なる臨時機関として設置して推進体制を整えるというだけでは不十分ではなかろうか。やはり常置の機関として行動計画の実施さらには、それの追跡調査、こういったことをも、あわせ推進していく一つの機関が必要  ではなかろうかというような気がしてならないわけであります。このことについて、いわゆる政府として、内閣として、どう取り組むかということについて大臣の御答弁を賜りたいし、さらにもう一つ、この中には、まことに大事な労働大臣が入ってないわけです。これは忘れたのか、意図的に、そうしてあるのか。どういう経過で労働大臣はこれに参加してないのか、そのことをも、あわせお聞かせいただきたい。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 御指摘のとおりでございまして、国連が国際障害者年という一年間を指摘をいたしまして、国連を構成しておりますそれぞれの各国に、十年間の長期計画をつくってくれということを申しておりますのは、これは日本もそうでございますし、ほかの国もそうでございまするけれども、いずれも、この心身障害者の方々に対して十二分の措置ができていない、これをやらなければならぬのだという国際的な意思の表明であろう、かように考えるわけでございます。  でございますから私ども日本国政府といたしましても、こういった国連の意図といいまするものを十二分に含みまして、その国連を構成をし、その中でも常任理事国に追随できるような、そういう責任ある立場に立っております日本といたしまして、そのような模範的な体制をつくりたいという意図で長期計画をつくっていくのであろう、かように考えます。したがいまして、それは長期計画をつくればいいというものでは当然ないわけでございまして、その長期計画をいかにして実行しおおせるかということであろうと思います。  したがいまして、この長期計画をつくるに当たりましての総理大臣あるいは総務長官、厚生大臣というような、これに対する責任者あるいは副責任者といいまするものを選ばれて、その方々が、この長期計画の作成について責任をお持ちになられるわけでございますけれども、そのことは同時に、これから十年間にわたる、その計画の実行に対する責任を、政府として続けて持っていこうという意思の表明であろうと思います。でございますから、その責任の遂行に当たりましては、その計画の中に盛り込まれました、それぞれの仕事に応じまして、それぞれの所管省を主宰をいたします閣僚が、それに対します全責任を負っていく、こういう意図であろうと思います。そこで仮に、そういった機関が解散をせられましても、その責任において打ち立てられましたものにつきましては、政府の最高責任の名において、これをやろうということでございますから、それを実行する上で、その機関が解散されましたからといいまして、その重さが軽減されるというような性質のものではない、私はかように考えます。  私が労働大臣といたしまして、これに参画をいたしていないではないかという御指摘でございますけれども、まさに、そのとおりでございまして、私は、その責任ある立場には立っておりません。しかしながら何といいましても、その計画の中で非常に大きなウエートを持っております心身障害の方々の御自立の精神によります、その御就職というような問題につきましては、これはもう労働大臣たるべき者が、その責任を持って当たらなければならぬ、この計画の中の非常に重要な部門でございますから、その衝に入っておると入っていないとにかかわりませず、それ相当な物も言います、また、その責任を十二分にしょっていきたい、かように考えておるわけでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 いま大臣がおっしゃったように責任は、これに入ろうと入るまいと当然のことで、これは大臣としての当然の責務であり責任でありますから、入っておろうがおるまいが当然行うべきことは行わねばなりません。だが一つの節として国連総会において決議がなされ、しかも、これに日本も参画をし、そして大きく、ひとつ障害行政についてはフォローアップしていこう、こういう観点から総理を中心とし本部長とする、これらの編成ができたわけです。しかも、この中には大臣も事務次官も入っていない。  私、総理府へお聞きいたしますが、障害者対策の中では雇用ということは、まことに大事な一つの柱であります。したがって、その大きな柱が、この一つの推進体制の中から、しかも行政の長としての責任者が、しかも責任省が欠落をしておるということ、これはどういうことで欠落をしたのか、あるいは参加させなかったのか。大臣のいまの御答弁では、入っていましょうが、いますまいが私には責任があるのだ、そして主張もいたしますというお話。だが主張の機会は与えられていない。大臣の、その意気は私、十分納得できるのですけれども、この大事なところに大臣、次官が欠落をしておるということは、プランを立てる段階で、すでに真剣に政府が取り組んでおるのかどうか、その姿勢が疑わしいと言わざるを得ません。そういう意味で、ひとつ総理府のお答えをいただきたいと思います。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 国際障害者年の推進本部についてのお尋ねでございますが、本部員に各省庁事務次官、十四省庁、本部員として参画いたしておりますが、もとより労働事務次官、この本部員として参画をいたしております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 おりますか。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 はい。  なお総理府の中に、推進本部の担当をいたします国際障害者年担当室が四月から新しくできておりまして、四月から私も担当室長を命ぜられて参ったわけでございますが、先ほどお尋ねの推進問題に関します連絡調整事務につきましては、昭和四十五年に制定されました心身障害者対策基本法がございまして、基本法の中の法律の定めといたしまして、中央心身対策協議会の中で各省の連絡調整あるいは施策の基本的な調整をする、そして、その協議会の中に各省事務次官も委員として参画をする、こういう基本法のたてまえで、従来から、いろいろと総合調整をしてきておるというふうに承知いたしております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 この中央心身障害者対策協議会、いま御答弁で出てきました。これは、いわゆる基本法の中の常設機関として設置されておるものでして、この基本法は議員立法とか聞いております。したがって、この基本法から常設機関としての心身障害者対策協議会、これはいわば法定の機関である。そして、この障害者年推進体制の中では、やはりこの障害者年国内委員会、これはいわゆる臨時の機関として、そして、この法定の機関と臨時の機関とを合わせて一つの機関ができておられる。  この心身障害者対策協議会の所管は、これは総理府にあるわけですね。先ほども、ちょっとこの点について他の議員が触れておられましたが、総理府にあって、しかも、この協議会令から見てみますと厚生省の社会局更生課。本当にどういうことなのかわかりませんけれども、少なくとも総合的に各省庁にわたる総合的な行政を調整し、統合し、そして、そこに各省庁間の矛盾のないように調整をしていこうというねらいで、総理府に、このことが設置されておると認識するわけですが、その事務局が、いま、ここの令にありますように更生課にある。厚生省にある。これではどうも、ちぐはぐになりはしないかということ。そして、この障害年を進める臨時的な推進体制の中でも、こういった一つの機構上の矛盾点が、そのまま、ここに持ち込まれた形において進めるのでは、本当の意味での体制が整うかどうかという心配がございます。したがって、その点についてのお答えを賜りたいということと、それから、この心身障害者対策協議会の委員は何名で、どういう構成になっておられるか、あわせてお答えをいただきたい。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 先ほども申し上げましたように基本法の中で、中央心身障害者対策協議会がいろいろ各省の連絡調整をやるということになっております。従来から、各省単独ではなかなかむずかしい二省庁以上にまたがるものにつきましては、対策協議会の中にプロジェクトチームを編成いたしまして、従来の実績といたしましては三つのプロジェクトをつくりまして、たとえば社会復帰対策と雇用対策でございますとか、あるいは保護育成対策と教育対策でございますとか、三番目には社会活動促進と公共施設等との関連というふうなことで、多省庁にまたがるものにつきましては、そういうプロジェクトチームを編成する、それに、それぞれ関係省庁は参画する、そういう形で責任のある対策を検討し、調査し、研究する、こういうことで従来、対処してまいっているところでございます。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 前段の、なぜ総理府の付属機関であります中央心身障害者協議会の庶務は厚生省が、文部省、労働省の協力を得てやっているのか、このような御質問でありますが、四十五年当時、一つの障害者問題への関心の高まりの中で、この基本法が制定されたのでありますけれども、当時におきましては障害者対策はイコール厚生行政、イコール福祉、そういった実態にあったと言われています。さかのぼって、いろいろ調べてみますると、なぜ、こうなったかということの中には、実態に着目する、事務局をどこに置くかという議論がありまして、そして厚生省に置いた方がいいのではないか、そして労働省と文部省と御協力をいただいて運営していったらどうかという経緯があったと私は伺っています。  確かに御指摘のように総理府の付属機関の事務局が厚生省にあるというのはおかしい、そういう見方もできますが、その後における障害者問題への関心の高まりと運営のむずかしさの中で、いろいろな問題が出ていることも事実であります。明年の国際障害者年に関します長期行動計画の策定等を含めて、これから対応していきますのに、この組織がよいかどうか、さらに検討を続けていきたいと思っております。  また後段の、中央心身障害者対策協議会の委員構成はどうかということでありますが、ただいま定員が決められておりまして二十名、この中に関係行政機関の職員七名、残りの一三名は学識経験者でございます。そのような仕組みで会長は山田雄三先生でございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 いま御答弁いただきましたが、私が心配する点をかいつまんで申し上げます。  いま常設機関である、この中央心身対策協議会ですか、この常設機関が、いま申し上げたようにやはり形だけは総理府にあるわけです。そして、いわば政府として取り組んでいこうという、これは形は総理府として非常に結構なことなんです。だが実際に実体を見ますと厚生省の更生課がこれを事務局としてやるということは、たてまえはいいんですけれども、実際はもう請負で厚生省に任す、こういうことに役所機構としてはなりがちなんです。だから事務局が厚生省にあるから、もうそっちでやってくださいといったような形に総理府が肩を逃れるおそれがある。これが日本の役所の通弊として私は悪い点だと思うのです。そこを心配するということ。  それともう一つ、今度臨時的にフォローアップしていこうという、この国際障害者年におけるところの推進体制の中でも、いま御指摘申し上げたように労働大臣が欠落をしておる、大事な大臣が欠落をしておる。したがって、こういうような体制、たてまえは非常にいいんですけれども実際を見た場合に、果たして政府として、これに対応できる機構になっておるかどうか、欠落の点がここに心配な点がある、ここを私、御指摘申し上げておるわけです。したがって私は、あくまでも、このことについては、いまの更生課長の答弁の中に今後の機構等も考えていくというような御答弁も入っていました。だから、いま二点御指摘申し上げたことについて、いよいよ来年に向かっての機構をも考えるのかどうか、もう一言お答えいただきたいと思います。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 推進本部は、ことしの四月に発足したばかりでございまして、ただいま来年度の予算要求に向かいまして大蔵省といろいろと事務的な折衝を急いでおるところでございます。五十七年三月まで、この体制でいくことが一応決まっているわけでございますが、その間、長期計画の取りまとめ等、特別委員会の専門部会で十分議論することになっておるところでございますので、先生ただいま御指摘のような点も含めまして関係各省との意見を十分深めてまいりたい、こういうふうに考えています。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 いま申し上げて御指摘をしたわけですが、そのことをひとつ念頭に入れて、事務の処理上あるいは仕事を進める上において厚生省更生課へお任せ、そして、いわゆる予算編成のときに予算だけをつけておいたら、それでいいんだ、こういう安易な考え方で政府が取り組まないように、ひとつ御指摘を申し上げ、お考えをいただきたいと思うわけです。  それから先ほど他の議員の質問の中で、総理府からのお答えの中で、平等とはどうかというお答えをいただいて、ちょっと認識がずれておるような気がいたすのですが、もう一回、平等とはどういうことかお聞かせください。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 正確に申し上げますと「他の国民と同じ生活を送ること」であるというのが、まず平等の定義として書いておりますが、「またその国の社会経済の発展による利益の平等な配分を受けることである。」こう国連の方で申しております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 わかりました。それでいいのですが、先ほどは、いわゆる障害者の生活自体から考えた平等、他の健全な方々との生活上の平等という意味でお答えいただいたと思うのですが、それでは不十分なんです。これは、そういった方々に生活条件の改善における平等な配分を意味する、これが欠落しておったように思いましたので再度お聞きしたわけでして、私たちが行政として取り組んでいく上においては、もちろん実態的には他の健全者と同じような生活を営んでいただくようになってもらわなくてはなりませんが、それになるまでの行政その他のいわゆる配分、行政をする側の配分の平等ということを忘れては、これの推進にはならないということから、気がつきましたので、お尋ねをいたしたわけでございます。したがって、そういうことで、この行動計画をつくっていただきたい。  それからさらに、くどいようですが来年を初年度とする行動計画ということをおっしゃっておられましたが、来年度を初年度とする行動計画でございますと、確かに、ちょっと時期が遅いのではなかろうかというような気もするわけでして、来年から一応、推進体制の中で協議、検討し長期計画を作成するということでは、ちょっと時期的におくれるんじゃないかというふうな心配がございますが、その点はどうでございましょうか、お尋ねをしておきたいのです。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 先ほど御説明を申し上げましたように、国際障害者年特別委員会が、ことしの三月末の閣議で決定をいたされまして、この審議が春から続けられまして、とりあえず昭和五十六年度におきます国際障害者年事業の推進についてということで、内閣総理大臣あてに中央心身障害者対策協議会長の名において御提言申し上げたわけです。政府の推進本部はそれを受けとめまして、明年度の国際障害者年事業の推進についてというのを、推進本部の本会議を開催されまして決定をいたしました。この明年度事業に関しましては、すでに特別委員会の審議の中から一つの答えが出ているわけでございます。これを土台にいたしまして、そして今後における長期行動計画、このようなものがプロジェクトチームで検討されるという運びでございまして、そのことも含めまして五十六年を初年度とするというふうに特別委員会の御検討の中では話し合いがなされている、このようにお受け取りをいただきたいと思います。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 それでは、この行動計画の内容といいますか、どういう形で審議をしていかれるのか、その内容についてお聞かせをいただきたい。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 ただいま予定をされておりますものは、先般の総会におきまして五つの部会を設けて審議に当たる。その部会は雇用・就業部会、教育・育成部会、福祉・生活環境部会、保健医療部会そして企画部会でございます。先般のお話し合いの結果では、五十五人の特別委員全員が初めに申し上げました四つの部会について参加をしていただきまして、その中で関係省庁が幹事役となり、資料を提供申し上げ、御審議をいただく。企画部会におきましては、特に部会長、副部会長を中心にして構成メンバーといたしまして、全体の取りまとめ、調整なども含めまして御審議をいただく。さらに最近、用語の問題などが新聞などで取り上げられておりますので、この用語問題、さらには一般市民、国民への普及、啓発の問題などは企画部会で取り上げていった方がいいのではないか。このようなことで五つの部会が全員参加の原則のもとに一年間かけて長期行動計画のあり方を御検討いただく、このようになっております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 いま御説明いただいたような部会でもって、ひとつ長期的な展望に立つ、りっぱなプランをつくっていただきたい。そして、それぞれの四つの部会、総合企画する企画部会、互いに有機的な連携を持って、ひとつりっぱなプランを作成いただきたいということ。  それから、いま大臣の答弁にございましたように、プランはいつでも、だれでも、できるんだ、要は実行だ、こういう大臣の話がありました。したがって私、要望として申し上げておきたいのですが、このようにプランはきれいにでき上がりましても、あと実施の面において劣る点があっては困る。したがって予算の面も非常に厳しい現段階でございますので、そういった財源の見通し、さらには、これを推進する上については、もちろん教育としてのいろいろな要請も必要でしょうし、そういったもろもろの面について十分な財源対策等をも見通した一つのプランにしていただきたい。日本のいままでのプランというものを見てみますと、ほとんどが財源対策のないプランに終わりがちなんです。したがって私は、少なくとも、これだけの大きなプロジェクトでもってやることですから、プランそのものと、それを裏づけをするところの財政の長期計画的なもの、財源対策等をもあわせて、ひとつプランの中に組み込んでいただきたいということを御要望申し上げるわけです。これは答弁は要りません。  そこで、次にお伺いをいたします。  今回の雇用促進法、これの改正をしょうかという考え方があるわけです。この雇用率ですが、私、資料をいただきまして見さしていただきました。この資料によりましても、確かに雇用率の達成にはアンバラがございます。そして比較的大企業と言われる企業が未達成率が非常に高い、これにも、いろいろ理由はあろうかと思いますけれども、数字の上では未達成率が非常に高い。それから行政機関におきましては、国の機関はわりに達成をしておるのではないか、努力の道がこれに見られる。そして一方、地方公共団体におきましては、やはり府県の段階において低位である、未達成率が高いということが示されております。いろいろと理由はあろうかと思いますが、こういった達成ができない。しかも、この達成は短期のものでなくて、さかのぼっての資料等を見させていただきましても、傾向的に、こういう傾向があるんだということがうかがえるわけでございまして、これに対して従来どのような指導がなされてきたのか、お聞かせをいただきたいと思います。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 御指摘のとおり、まず民間におきます身体障害者の雇用率は、規模が大きくなるほど実際の雇用率が低いという状況にございます。大企業におきましては新規学卒者を雇用するということで採用計画が組まれる場合が多く、中途採用といいますか、そういう場合が非常に少のうございます。そういうわけで身体障害者の雇い入れが、いままで進まなかったということがあろうかと思いますが、先ほど来、御議論いただいております雇用率を達成するための計画というものをつくっていただきまして、そして、その計画を実行していただくように私ども計画の進捗状況を把握して、そして進捗状況の悪いところには適正に計画を実施するように勧告をするというようなことで個別指導を強めているところでございます。  それから地方公共団体のうち都道府県の機関が雇用率が低いわけでございますが、これは中を割ってみますと、いわゆる知事部局といいますか、そういう面では達成しておるわけでございますが、教育委員会の関係で達成率が非常に悪いわけでございます。その主な原因は、学校の先生に身体障害者が少ないということでございまして、これはいろいろ御努力はいただきますものの、学校の先生という職業に、なかなか身体障害者が向く場合が少ないということもございまして、非常に困難ではございますが、こういった点につきまして、さらに職域の開発等の工夫といったものも御努力いただくように、お願いをしているところでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 いま局長答弁にございましたように、いろいろと隘路等も努力の結果だんだんと改善はされておると思う。ところで、これは私案ですけれども、ただ勧告をする、計画を出さす、それの追跡調査をして、未達成のものについては、消化できないものについては勧告を与える、これも非常に結構なことだと私は思うのですが、考えてみますと、これは健常者の話ですけれども、さあ自分の子供が大学も出た、一体何をしようか、ところで日本の労働人口を求めておる職種で、一体何が、いま世間で足らないのか、何をやろうと思っても、求めておる職種が世の中に幾らあって、これが足らない面、これは余っておる面、これがわからないわけですよ。したがって、これを調査しなさいとおっしゃっても、なかなかむずかしいんじゃなかろうか。いわゆる理屈の上からいいますと、いまの経済情勢の中で、そして、いまの産業の状況の中において、どういう職種の仕事が求められておるかということを、まず把握をして、そして、それに対応するような方法で将来の自分の生きる道を考えると非常に助かるのです。家庭も助かる。本人も助かる。  これは社会全体の話ですが、少なくとも、このような重度心身障害者といった形の方々は、そのままでは雇用が非常に困難な状況、だから企業側にとりましても非常にむずかしい状況もあろうかと思います。そこで企業さんに、あなたのところでは、どのような職種に使っていただけますか、足らないのですか、余っているんですか、こういったことを事前に調査をしていけば大体、求められるような労働者、いわゆる障害者の労働者ですが、それがおよそわかるのです。そして、それによって今度、障害者の方を、これはあれに向くのではなかろうか、これはあの職種が適職ではなかろうかということが、いろいろ相談、指導の中でできると私は思うのです。  そういうように単なるペーパーで計画を出させ、ペーパーで勧告をしていく、そして雇用率を高めていくというようなことも必要ではありましょうが、実態に踏み込む必要がありはしないか。これはもちろん機構の関係、人員の関係、予算の関係、いろいろとありましょうけれども、少なくとも労働省は現地に職安の事務所を持っていらっしゃる。そういうところの職員を、たとえば臨時なら臨時の職員でも雇って、そういう企業に対して実態把握をしてみる。そして、それを一応手元に持ちながら雇用率の達成というものを推進していくような方法も効果があるのではなかろうかという気が私はするわけですが、お考えをいただきたい。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 御指摘のとおり心身障害者の雇用を進めていきます場合には、単に抽象的に身体障害者を雇っていただきたいと言うだけでは不十分でございまして、まず第一に職業安定機関といたしましては、心身障害者の個々人の持っている職業能力を十分評価することが前提にならなければならないと思います。非常に軽度の方あるいは中程度の方であれば、いろいろな職種に適合可能でございましょうが、重度の方になりますと、それぞれの方で身体障害者の障害の部位も違います。したがいまして、その持てる職業能力も非常に変わってまいります。ですから個々人について職業評価をすることが、まず重要になります。  そういう意味におきまして安定所では、身体障害者である求職者については登録制度をとりまして、普通一般の場合と異なりまして個々人について十分職業相談をし、職業評価をするようにいたしておりますが、重度の場合になると必ずしも安定所で十分にできません。その意味で心身障害者職業センターというのを全国各地に県に一カ所ずつつくっておりますので、そこで綿密に職業評価をするということがまず第一だろうと思います。そして、その評価された職業能力というものを事業主の方にお示しして、その事業所で、どこで使っていただけるか、現状ではだめならば、どういう設備の改善あるいは作業機械の改善を図ったら、そういう方が使えるようになるのかという御相談までしないと、具体的な就職に結びつかぬということになろうかと思います。  そういう点、御指摘のとおりでございますので、これから、そういった評価をする専門的な職員を研修を強化して、さらに一層養成していくとか、あるいは安定所職員で足らないところは相談員というようなものを増員する形で職員の能力を補っていただきまして、身障者との相談、対事業所との細かな相談、そういうものに充てるというようなことも含めて、来年度以降さらに努力してまいりたいと考えております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 積極的な御答弁をいただきました。  そこで、そういったいわゆる重症者の職業訓練あるいは相談所、そういう中で障害者を指導し、いろいろ御相談をしていくということについては、いろんな隘路もあります。また人に言えないようなことなんかも相談を受けなければならぬということになってくる。そしてまた私いつも思うことなんですが、障害者というものは、いわゆる身体障害者という形で、ただ一つの抽象的なものの枠の中で行政を進めますと、いろいろと突き当たる点が出てくる。厚生省の過日の調査を見てみましても非常な増加率ですね。四十五年の調査から今回の調査まで、概数でございますけれども、ざっと五〇%ふえている。そして、いわゆる障害者が百九十七万、ざっと二百万人になっておる。それを見ましても内容的には視覚障害の方、聴覚障害、音声言語障害の方といったように内部障害、肢体不自由児といったような形で、いろんな障害部位があるわけです。特に視覚障害といったような方々あるいは聴覚、言語障害といったような方々との応接、相談ということになりますと、実際のところ、かゆいところに手が届かないことがあるわけです。それで障害者にとりましたら、まことに歯がゆくてならぬわけです。自分の思うような指導もいただけぬし、表現もできないというようなことが現実に出てきます。  そういうようなことから考えたときに、それに対応する職員、これは当然、研修その他を行っておると思いますが、特に、そういうような対応の職員さんは、障害者の方々は心理的にも健常な方々とは非常に違います、そういう心理的な面も十分に理解のできるような対応をしての相談にあずかっていただかねばなりません。したがって、いわゆる手話とかいったような、そういう話のできる職員さんが実際おたくにいらっしゃるのかどうか、お聞かせをいただきたい。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 手話のお話でございますが、安定所の就職促進指導官、身体障害者の就職問題を専門的に扱います者につきましては、手話を勉強して、そういうものが可能な者がたくさんおります。ただ、それだけでは必ずしも十分ではございません。特に、出かけていく場合に、なかなか安定所を抜けられないということもございますので、民間の方で手話の上手な方を手話協力員という形で委嘱申し上げて、五十五年度で二百人の方を委嘱して、安定所職員で手が足らない場合には、こういう協力員の方の御協力をいただきまして、聴覚障害の方の職業相談なり、あるいは事業所への案内なり事業主の方との意思疎通、そういった場合に活躍していただくということをいたしております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 二百人の委嘱その他お話をいただきましたが、どうも私は十分でないという感じを持っております。  それから特に地方団体等でも、こういった要請をたびたびいただくわけですが、こういう方々は義務化されておりません。だから職員の中で熱意のある方、あるいは必要やむを得ませんので手話の勉強に講習会等に派遣をします。長続きがいたしません。そういったような状況で役所自身として対応ができない。したがって、そういう方々に対するサービスが不十分に終わって、あるいはサービスにならないような状況があるわけです。  きょうは自治省もこちらへいらしてますかね。自治省の方いらっしゃれば、地方団体等でもいろいろな窓口があるわけですよ。いろいろな窓口に、それぞれ戸籍の届けに行った、あるいは世帯票の届けに行った、いろいろな用務が当然あるわけです。ところが手話の人がいない、全然話にならないということで、設置をしてほしいという要請をたびたびいただいたわけですが、そういう中で、そのような職員を配置しようといたしましても現実問題として、できないから、いわゆる熱意のある者を訓練するわけですけれども、すぐ転勤をしてしまう、こういうこともあって十分な成果が上がらぬわけです。  ここで雇用の問題に結びつけて、そういった方々を雇用する、特別に手話のできるような、ある程度、手話が理解できるような障害者の方を、もう専門に雇用しておく。そして、それは二人ないし三人くらい雇用しておけば、あっちの窓口へ該当者が来た、こちらへも来たというようなときだけ、そこへ行っていただく。一々窓口へ置くというても、これは財政上なかなか困難でございますから、少なくとも地方団体で二、三人は一応、義務設置をしておくというようなことができないものかどうか、お聞かせをいただきたい。

土井豊自治大臣官房企画官

○土井説明員 地方団体におきましては、それぞれ事情が異なっておりまして、いま先生おっしゃったように、なかなか、その対応ができない団体も現にあると思いますし、また私、ごく最近まで札幌市におりましたけれども、各区に手話通訳のできる方をそれぞれ配属しておきまして、それで言葉の不自由な方が来た場合には、いろいろな用務でお見えになりますけれども、その方が折衝して用務が足りるようにするといったような形で、その団体の実情に応じたような対応を今日まで、やってきておるものというふうに考えております。  ただ地方団体の職員の採用なり配置の問題でございますので、いまお話がありましたような義務化というのは若干どうかという感じがいたしますけれども、先般も窓口の行政サービスの改革というような問題につきまして、これは一般的な形でございますけれども、各地方団体に自治省としても要請をいたしております。そうした一環として、それぞれの実情に応じたような形で対応されることを期待しているところでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 来年は国際障害者年です。普通のときには、なかなかむずかしいと思いますので、私は、この計画を練る際に、そういった義務化の方向も盛っていただきたい。  それから、きょう運輸省来ていただいてますね。運輸省の方にも、ひとつお聞きをしたいのですが、過日、私テレビを見ておりますと、これは要請もよくいただくんですが、アメリカのバスは、身体障害者が車いすで行きますと出入り口にリフトがあって、ぐっと上がる、そしてバスの中へ入っていく。そういった障害者福祉というものをバス会社がやっておるわけですが、これは徹底しておるんですね。日本のバスで、あの階段のところをごろごろ上がるということはできません。だからリフトがついておるわけです。そういう方が来たら、リフトががあっと上げてしまう。そういうことも、それぞれの障害部位が違うのですから事細かにやっていただきたい。そしてバスをつくる際に義務化していくわけです。それから鉄道のお話も前回出ておりましたけれども、そういったように身体障害者のそれぞれの方々が生活をする上について必要な、手のかからないような施設を整備していく、これも一つの平等の原則に入ってくるわけです。それからもう一つは、よく要請をいただきますことはバスの時間表、わからないと言うのです。あれに点字をつけていただけませんか。点字をつけていただきますと、私たちも、そこのところにさわったら、ああ何時発、何時発がわかります、こういう要請もいただいておるわけです。このように、それぞれの障害について違った対応を事細かに、この推進計画の中では考えていただきたいと思うのですが、両方御答弁いただきたいと思います。

寺嶋潔運輸省自動車局業務部旅客課長

○寺嶋説明員 お答え申し上げます。  身体障害者の方々のバスの利用につきましては、従来より、その円滑な実施が図られますように関係の事業者等に対する指導を行ってきたところでございます。ただいま御指摘がありましたバスの停留所における点字による行き先等の表示につきましては、御指摘のとおり目の御不自由な方に対しまして非常に大事なサービスであると思われますので、どのような内容のものを、どのようなスペースに入れることができるかというような技術的な点も検討の上で、少なくとも目の不自由な方々の利用頻度の高い停留所を手始めに重点的に整備するという方向で前向きに検討してまいりたいと考えております。  それからリフトつきのバスの件でございますが、一部外国に、そういうような構造のものがあるということは伺っておりますが、通常の路線バスの乗降口にこれをつけるということになりますと、今度は一般の乗客の乗降がなかなか円滑にいかないというような技術的な問題点、それから、これを改造ないし新造車に入れるとしますと相当の経費がかかることがわかっておりますが、そのような問題点がありまして現段階ではむずかしいのではないかと考えております。その他、御指摘のように、きめ細かい対策、配慮が必要かと思っておりますので、来年の身障者年を控えまして現在いろいろ検討しておるところでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 障害年を控えて、そういったような細かい——そういったことは私たちは聞かないと気がつかないのです。本当に本人でないと気がつかないことなのです。だから、そういったことをよく聞きとめていただいて来年の計画には入れて長期計画の中で実施を図っていただきたい、これは強く要請いたしておきたいと思います。  時間が来ましたので、ちょっと、あわてさせていただきますが、この雇用率を外国に比べたときに、いま少ない雇用率でありますけれども、これが未達成だ。そして外国を見てみますと、西ドイツあたりは六%。大体三%、五%、六%といったような雇用率なのです。そしていま、ちょっと触れましたが、身体障害者が五〇%もふえておるという現状、こういうことを考えたときに、私は雇用率の見直しと納付金の見直しが必要だと思うのです。詳しくお聞きしたいと思っておりましたが、時間が来ましたから、この二点についてお答えいただきたい。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 法律によりまして雇用率設定後五年が来年の十月でございます。そこで関係審議会に諮問いたしまして雇用率及び納付金の額について御検討を来年十月までにいただくように考えております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 最後に大臣にお伺いをしておきます。  障害年を迎えて日本の障害行政も非常に大きく飛躍をせねばならない時期を迎えておるわけです。したがって先ほどからも、お話し申し上げましたように、要はいわゆる実施だ、こういう大臣の決意も聞かしていただきましたが、財政事情等きわめて厳しい現実にあるわけでして、そういう中で、この障害年を迎え、しかも長期計画という中でプランの作成が行われますが、先ほど大臣がちょうど席におられないとき私申し上げたのですが、単なるプランでなしに、財源を付与した、いわゆる財政の裏づけのあるプランをつくって、そして長期計画を着実に実施するようなことをお願いをしたわけですが、そういう面について大臣の所見をお伺いしまして終わらしてもらいます。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 仰せのとおりでございまして、絵にかいたもちでは何にもなりませんから、必ず、それが実行できる、そうして実行すれば必ずお役に立つ、そういった施策をやっていきたい、かように考えます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 終わります。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 小渕正義君。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 国連障害者の年で、いろいろ焦点がしぼられて質問されておりますが、私も四、五点を中心にして、主に行動計画、そういったものを中心に御質問したいと思います。     〔委員長退席、湯川委員長代理着席〕  まず国際障害者年の行動計画について「障害者のための日」ということを宣言するということが一つ挙げられているわけでありますが、具体的に計画としては大体いつ行うのか、そこらあたりの状況をひとつ御説明いただきたい、かように思います。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 お答えいたします。  国連が国際障害者年の行動計画で「障害者のための日」の宣言をするようにという取り決めをいたしております。わが国におきましても、これを受けまして中央心身協の中の特別委員会で、いろいろ御議論いただきまして、内閣総理大臣あてに意見具申をいただいたわけでございますが、その中に「障害者の日」を制定するようにということも入っております。これを受けまして、具体的に日取りをいつにするかという点につきまして現在、各省庁といろいろ御相談をしておるという段階でございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 じゃ現在のところ、まだ成案がないということですね。そうしますと成案ができるような作業のスケジュールといいますか、日程からいって大体めどを、どこらあたりをお持ちですか。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 「障害者の日」を制定すること自体につきましては、政府の国際障害者年推進本部で決めました推進方針の中でも決定いたしておりまして、「障害者の日」の制定自体は決めておるわけでございますが、その日取りにつきましては、いろいろな候補がございまして、何種類かの日取りにつきまして現在いろいろ各省と相談をしておる、こういうふうな状況でございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 それでは次の質問も余り具体的なものをお聞きできないのじゃないかという気もするのでありますが、今回のこういった行動計画の中で特に障害年関係の啓発活動の企画をいろいろ行わなければならないと思いますが、そういう意味で、わが国として、これらの啓発活動そういったものについて、どの範囲で、どういうところまで現在、企画されておるのか、そういった取り組みの状況等について、あれば、ひとつお知らせ  いただきたい、かように思います。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 具体的な啓発活動として現在いろいろな計画を立てまして予算要求しておるわけでございますが、まず何と申しましても各種の記念集会を予定いたしております。これは中央の記念集会を実施すると同時に、都道府県レベルあるいは市町村レベルでも類似のものをお願いしたいということで、いろいろと計画をしておるわけでございますが、記念行事といたしましては式典のほか各種展示会、これは障害者自身にいろいろおつくりいただいたものを展示するようなことも考えております。あるいは障害者をテーマにした映画会あるいは記念コンサート、そのほか海外の交流会、これは障害者の交換交流をやったらどうかというふうな計画もございます。そのほか年度当初に障害者年の声明、これは内閣総理大臣から声明を出していただこうということで計画をいたしておりますが、そのほか記念切手の発行、これは郵政省にお願いをいたしておるわけでございます。そのほかアビリンピックあるいは身障スポーツ大会、その他テレビ、新聞等を通じましての広報活動も計画をいたしております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 いま、いろいろ触れられた障害者のスポーツ大会、これは大体、最近は行われておるようでありますが、特に今回この障害者年を記念した全国身障者のスポーツ大会というものが計画されたという話がいま出ておりますが、その規模といいますか、そういった状況、これは従来もやられたと思いますが、今回、特に記念的な意味のあるものですから、そういう意味では従来以上の一つの、かなり大規模な中で取り組まれると思うのでありますが一そこらあたりの状況をひとつお知らせいただきたい、かように思います。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 いま先生御指摘のように、この全国身体障害者スポーツ大会は、昭和三十九年の東京オリンピックの後、行われました東京パラリンピック以来、開催をされてきておりますが、毎年国体の後、その国体の開催されました県でお開きをいただいておるわけです。来年は、ちょうど滋賀県の大津で開催をされることになります。大体十月の末でございますが、ちょうど国際障害者年でございますので、この全国身体障害者スポーツ大会を国際障害者年記念事業ということに位置づけまして、国連の提言にもありますように国際交流というもの、あるいは国際協力、そういう観点から東南アジア諸国から選手を招待をする。財政上の手当てその他どこまで可能になりますか、その旅費等につきましても御援助を申し上げて、なかなか身障スポーツというふうなものが普及していません東南アジア諸国への一つの刺激といいますか、同時に国際協力、交流という意味も含めまして、この大会を盛り上げたい。大体いま全国から参加されます選手が千人から千五百人ぐらいの間でございますが、明年東南アジアからも数十人の選手をお招きできたら、このように考えまして、いま関係方面と協議を続けている段階でございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 有意義な、そういう記念行事としてのあれが、いまわかりましたけれども、いま参加者が千人から千五百人程度と言われたのですが、大体これはすそ野として精いっぱいの参加ということで考えるべきですか。まだ努力すれば、もっともっと、こういう関係者の人たちが参加できるようなものを考えれば、工夫すれば、もっと参加がふえるのではないかということと、これは私の場合わかりませんけれども、そこらあたりは大体どのようにお考えでございますか。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 実は各県は、この全国大会のために市町村段階で予選をいたしておるわけですね。その予選を経て県大会に出、県大会で成績優秀な方たちが全国大会に参加される。そしてこの参加される選手は、一生に一回というふうに限られている。いま先生おっしゃいましたように参加規模でございますけれども、これは実は受け入れる、たとえば滋賀県でございますと滋賀県の体育施設、宿舎、こういったものとの兼ね合いがございまして、一概になかなか多々ますます弁ずというわけにはまいりません。滋賀県大会の規模からいいまして千人から千五百人の間かと、このように考えているわけでございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 わかりました。  次は、やはり、この記念大会として身障者関係の人たちの技能競技大会、これも従来取り上げられて、かなり、やられているのじゃないかと思いますが、そういう意味では来年度はやはり、もっと規模を広げて大々的に、もっと意義あるものにすべきじゃないかという気がするわけでありますが、そこらあたりの計画、企画状況等がありましたら御説明いただきたいと思います。

岩田光正運輸省鉄道監督局総務課長

○岩田政府委員 国際身体障害者の技能競技大会、通称国際アビリンピックと言っておりますが、これが来年の国際障害者年の記念行事の一つといたしまして行われることになっているわけでございますが、この大会は、身体障害者自身に、その能力、適性に応じた技能を得させまして、それを向上させる。そして社会経済活動に参加する意欲を高めるというふうなこととか、あるいは世間一般に対しまして、身体障害者が作業活動に従事する幅広い能力と、その可能性を持っているというふうなことを周知させるというふうなことによりまして、身体障害者の能力の開発と雇用の促進について理解と関心を深めるというふうなことを目的といたしまして、やろうとしているものでございますが、この大会を実施いたします者といたしましては、この六月に組織されました国内の財団法人の国際身体障害者技能競技大会日本組織委員会というものと、国際障害者リハビリテーション協会、通称RIと言っておりますが、この両者の共催でやるというふうなことになっております。  行事の中身といたしましては技能競技大会と、ほかに、いろいろなエキシビションそれからセミナーをやるという構想でございますし、参加国といたしましては大体三十ないし四十カ国程度、二百名ないし二百五十名程度の人たちが参加することが予定されているわけでございますし、技能競技の職種につきましては、大体二十職種程度を予定しているというのが概況でございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 先ほどのスポーツ大会といい、いま御説明のありました技能競技大会、特に、これは国際的な色彩を帯びた大会でありますし「参加と平等」というのが障害者年の一つの大きなテーマでございますから、そういう意味では、こういったものをやることは非常に有意義だと思いますので、いま、わが国財政再建の途中で、かなり財政事情は厳しいと思いますが、これは二つとも成功するためにも、ぜひとも万全の予算措置を講じてもらわぬことには、これは実現が、結果的に中身の乏しいものであっては非常に恥ずかしいことになりますので、そういう意味で労働大臣、ぜひ、この点の財政的な確保だけはお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 国際障害者年の対策といたしまして、総理大臣が主管になりまして総理府並びに厚生大臣がこれを補佐をされて、強力な対策委員会をおつくりになっておられるわけでございますから、そういった年の行事の予算が足りないというようなことは、私にはちょっと考えられません。大丈夫だと思います。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 心強い限りで、これで非常に安心するわけであります。  それでは次に移りたいと思います。  問題は、身体障害者関係のいろいろな問題を論ずる場合においては、何といいましても社会の中で自立していくということが一番大事でありまして、そういう点から考えましてもリハビリテーションというのは非常に大事な重要なポイントになるわけでありますが、現在、国立身体障害者のリハビリテーションセンターが設立されて、その実際の実施状況、こういったものは一体どの程度どういう形の中で、どういう人たちが、どの程度の規模の中で実施されているのかどうか、そこらあたりの状況を、ひとつ御説明いただきたいと思います。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 椅玉県の所沢に設置されました国立身体障害者リハビリテーションセンター、これは医療から職業まで一貫したリハビリテーションを実施したいという願いから実現をいたしたものでございますが、厚生省と労働省が力を合わせて、いま完成に向かって努力をいたしております。現在、更生訓練部門には五百八十人の定員があります。病院もオープンをいたしまして五十床でございます。  ここに入所いたします障害者は、訓練部門は身体障害者福祉法によります手帳を持っている者、病院につきましては、身体障害者になるおそれのある者も含めまして、福祉事務所とか病院から紹介があった者を原則として入院させる。そして、その医療的な措置が終わりまして、あるいは、それと並行いたしまして、生活訓練あるいは職能訓練、そして一緒に設置されています労働省の職業総合リハビリテーションセンター、この機能も利用をいたしまして、総合的なリハビリテーションを実施している、そういう実態でございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 その利用状況といいますか活用状況といいますか、そういったものを、たとえば、これを利用しようということで申し込みが殺到しているけれども能力の限度外で、なかなか、まだそれが利用できないとか、それとも大体現在の状況の中では、そういった来たいという希望に応じるような形でやられているのかどうか、そういったものを含めた利用状況を御説明いただきたい。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 更生訓練部門では、先ほど申しましたように五百八十人の定員に対しまして三百六十六人の利用者がございます。病院は五十床でありますが、三十二人現に入院をいたしております。この入所者等につきまして若干のゆとりがございますのは、去年の七月から在京の三つの施設を移転いたしまして、病院はこの九月からオープンをした、こういう、まだいわば整備過程にございまして、職員の配置あるいは医療機器の整備、こういったものがおくれている段階にありますので、このような状況にありますが、むしろ地方の病院あるいは、よその施設で重度の障害者で、どうにもならないというような人たちが、この国立のリハビリテーションセンターに行ったなら何とかなるのではないかということで訪れましたり、電話で相談がありましたり、あるいは人を介して入所を申請するというようなことで、かなり、いま希望者がふえつつある、そのような状況でございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 いまの御説明を聞きまして、ふえつつあるということで、ある程度理解するわけでありますが、せっかく、こういうりっぱな施設があって、それが本当に生かされないとするならば、なぜだろうか、どこに隘路があるのだろうか、問題があるのだろうか。逆に、そういうものに関係した人たちから見た場合に何か問題がありはしないかということもあるものですから、お尋ねしたわけでありますが、そういう点では若干の準備不足その他の施設のおくれがあったけれども、一応当初の目的どおり、これからは十分それが活用されていくというふうに見ていいわけですね。  あわせまして問題は、こういったリハビリテーションに従事する専門的な職員の養成といいますか、これまた施設をつくるけれども、仏つくって魂入れずということになるわけでありまして、こういった人たちをいかに養成していくか、また、そういった者の訓練体制をどうしていくか。そういう意味で、りっぱな、いろいろな施設はつくる、それに応じる付属的な、そういう関係の人たちのものが実際にバランスとれておるのかどうか。また、これからも、こういうリハビリテーション関係の訓練要員といいますか指導員といいますか、そういう人たちを十分そういう施設の需要といいますか、そういうものに応じ切るような体制は、どういうふうな形を現在とられておるのか。一連のそういうものの現状について、でき得れば御説明いただきたいと思います。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 リハビリテーションに従事します専門職員の養成確保は、これまた厚生省と労働省が、ともに努力をしなければならない分野でございますが、現在、理学療法士につきましては二十二カ所で四百四十人の年間養成人員を持っております。また作業療法士につきましても十三カ所で二百七十人の年間養成能力を持っております。視能訓練士という目の不自由な人に対します訓練、これは三カ所で百人程度の養成能力があります。まだ資格制度ができていない職種でありますが、聴能士、言語士と呼ばれます人たちにつきましては、厚生省としては一カ所、二十人の養成という状況でございます。しかしながら、これらの養成所を卒業して資格を取得しました人たちは、総数といたしましても、まだ四千人に満たないような状況でございます。  この需要と供給との関係は、まさに求人側に非常に不足があるという状況でございまして、このパラメディカルな職員を中心とする従事者の養成はリハビリテーションの分野にとりましては最大の課題であると私ども考えております。国立の総合リハビリテーションセンターにも義肢装具の適合士の訓練、さらに聴能士、言語士の養成所を、とりあえず明年から整備したいということで取り組んでおりますし、さらに身体障害者の福祉部面で働いていただきますOT、PTなどを含めての養成に取り組まなければいけないと考えまして、検討をしているところでございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 あわせて非常に大事な点は、こういう身体障害者のリハビリテーションの技術をどう高めていくか、また新しい技術をどう開発していくか、そういうことも、これまた欠くことのできない重要なポイントでありまして、もちろん要員をいかに確保していくかということ、そういう中で、そういう新しい医療技術の発達に伴いまして、そういう新しい技術の開発研究、こういった部門の体制は果たして、どうなのだろうか、そこらあたりについて万全の体制がとられておるのかどうか、その辺についての現状について御説明をいただきたいと思います。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 まさに先生の御指摘のとおり、このリハビリテーション技術の研究開発というのは、いわば最先端にあります科学の総合的な技術を凝縮したところに実現ができるわけでございまして、このような意味では医学あるいは工学あるいは心理学、諸学問のエキスを集中いたしまして、この研究開発に取り組まなければいけないと考えております。従来も科学技術庁の特別研究費あるいは厚生科学研究費、通産省あるいは科学技術庁等の協力もいただきまして、厚生省も一緒になって、この研究開発に取り組んできております。かなりの福祉機器あるいはリハビリテーション技術等についての難題の解決も幾つか進んでおるわけでありますが、国立リハビリテーションセンターにおきましても、そのセンターの使命といたしましては、このリハビリテーション技術の研究開発、これが一つの大きな柱になっているわけでございます。現在でも、視力障害者あるいは聴力言語障害者あるいは肢体不自由者というふうな分野についての研究を続けておりますけれども、明年までに養成所の設置をいたしまして、その後におきまして、この研究開発部門の充実ということに本格的に取り組む、このような覚悟でまいっております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 わかりました。  では次に移りますが、現在、残念でありますが労働災害は依然として絶えないわけでありまして、非常に不幸なことであります。文明、文化の発達の中で、こういった災害が後を絶たないというのは非常に残念でありますが、そういう意味で現在までの労働災害の被災者の社会復帰の促進または、これに対する援護、こういった諸施策をもっともっと前進させていかなければいかぬと思うわけでありますが、現在までに労働省として、労働災害の被災者に対する、そういう社会復帰に対する諸施策といいますか、援護策といいますか、そういうものの代表的なものがあれば二、三お聞きしたいと思いますが、その状況をひとつ、お知らせいただきたいと思います。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 被災労働者に対します社会復帰の促進あるいは援護につきましては、先生御指摘のように大変重大なことでございまして、私ども、これらについて各年、充実を図るように努めているところでございます。現在三十五の労災病院がございますが、そこにリハビリテーション部門の充実をしたり、また一貫した施設を持っております総合せき損センターを運営していくとか、あるいは労災リハビリ作業所の充実といったようなことで、社会復帰のための施設の整備に努めているところでございますし、またさらに援護の関係につきましては、労災就学等の援護費あるいは介護費の支給の問題、また社会復帰のための資金なり自動車購入資金の貸し付け、あるいは車いすや義肢装具等の支給、こういったようなことをとらえまして施策の充実に努めているところでございます。また被災労働者のそういった点についての、いろいろ相談をするような人のために、各労災病院なり、あるいは労働福祉事業団に社会復帰指導員を全国に七十数名配置いたしたり、あるいは都道府県の労働基準局に社会復帰指導官、こういったようなものを配置いたしまして、社会復帰に必要な相談、指導を行ってきているところでございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 そういった対象者は現在大体どの程度おられるのですか。労働省で把握されている数があれば、お知らせいただきたいと思います。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 それぞれ、いろいろございますが、たとえば労災病院等におきますリハビリ医療の対象となっておりますのは五十四年で約五千人、それからリハビリ作業所の入所人員が五十五年で三百人、また社会復帰の資金の実施状況が五十四年度で百五十人、それから自動車購入資金の貸し付けにつきましては約五十人、こういったような数字でございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 いまの御説明の中にありました総合せき損センターですか、脊髄を損傷された方に対する治療部門としてセンターが設立されておると思いますが、これの現在の実施状況が大体どういうふうになっておるか、その点もあわせて、できれば御説明いただきたいと思います。

吉本実労働省労働基準局長

○吉本(実)政府委員 せき損センターにおきまして、実は病床数でございますが、これが五十四年の六月に五十床でございましたが、それを十月には百床に拡大をしております。そうしまして五十四年度の、つまり正確には五十四年六月から五十五年三月でございますが、それの患者数は、入院患者が一日平均五十六人、外来が二十三人程度でございましたが、五十五年度に入りまして、正確には五十五年四月一日から十月三十一日まででございますが、入院の患者数が一日平均九十一人、また外来が一日平均四十三人、こういうことで、十一月一日現在では、この百床につきまして満杯になっておるところでございます。しかしながら、こういった問題についての拡充を図るために、来年度におきましては、これについてさらに拡充してまいりたいというように思っております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 御説明の中で、いろいろ、こういう施設がかなり充実して、また関係者の人たちに、かなり活用されているということがわかりまして、非常にいい状況だと思うわけであります。  次に、先ほどからも、たくさんの方から御質問が出ておりました雇用率の問題で二、三点お尋ねしたいと思いますが、その前に資料の数字でございますが、これは「心身障害者の雇用促進のために」その中の数字で「心身障害者求職登録状況」これは四ページですけれども、五十五年で就業中の人の数は約二十一万三千七百というふうに出ておるわけです。あわせて今度は十月二十一日労働省発表の「身体障害者の雇用状況について」という中で、一連の雇用状況の産業別推移その他、企業別推移等が出ておりますが、これでいくと「身体障害者雇用状況」という中では十三万五千二百二十八名になっています。だから、この違いは、要するに民間の数字がこれだけだから、ここに掲げている残りの数字というのが民間以外の、俗に言う政府関係のいろいろな、そういうところに雇用されている人たちの数字なのかどうか、そういうように数字のずれは理解していいのかどうか、その点まず第一にお尋ねしたいと思います。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 先生御指摘の数字は、最初に御指摘がありましたのは、公共職業安定所に求職登録をしている者のうち現在就業中の者の数が二十一万三千、これは企業の規模を問いませんで、とにかく現在どこかで働いている人、身体障害者の場合には就職しても全部求職登録をとっておきますので、二十五万のうち二十一万の人が現在働いておりますという数字でございます。  次に御指摘ございましたのは、法定雇用率の関係で、民間で、ことしの六月一日現在に雇われている身体障害者数が何人か、そして、その雇用率はどうか、こういうことを調べたわけでございます。したがいまして法定雇用率がかかりますのは一・五%でございますから、企業規模からいたしますと常用労働者数六十七人以上でないと、この調査の対象になりません。そういう意味で、これは民間のうち法定雇用率が適用になる企業に、ことし六月一日現在に雇用されている身体障害者の総数が載っておるわけでございます。したがいまして、前の方は民間事業所に限りませんで、官公庁もありましょうし、それから、もっと零細規模のところも含んで総数、安定所に求職登録をした者のうち現在就業中の者の総数、こういうもので、そういう差があるわけでございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 わかりました。この雇用率が、法定雇用率一・五%に対して一・三%だということで先ほどから、いろいろの方から質問が出ておりましたが、端的に言って労働省、行政当局としては、この雇用率が達成できない要因は一体何なのか、どのように、それを見ておられるのか。いろいろな要素が絡み合って現在まだ達成できないと思われますが、当局側から見た場合に、なぜ、これが達成できないのかということについての理由を、どのように分析されておるのか、その辺のお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 規模の大きい企業におきましては、とかく従業員の採用を新規学卒の採用という形で毎年四月に採用するというだけでございまして、余り中途採用のようなことをする場合が多くございません。新規学卒を採用するということになりますと、まあ規模の大きいところですと、その中で非常に健康で成績もいい学生を採用できるというようなこともございまして、従来、余り身体障害者の雇用に熱心ではなかったということがあろうかと思います。  そのほかに身体障害者を雇います場合に、現実に行われております作業の実態、非常に規模の大きいところでは、たとえば流れ作業で行われているような作業の実態、それに安定所に求職登録をしております身体障害者がすぐには間に合わない。それを雇用して働いていただきますためには、作業設備の改善なり何なり、いろいろな工夫が要るわけでございますが、とかく大企業になりますと、そういう小回りがききませんで、そういう点は中小企業の方が手直しがしやすいという面もあろうかと思います。  いろいろな意味で大企業の身体障害者の雇用には、それなりの困難な理由があろうかと思いますが、一番の基本は、大企業の経営者のトップが身体障害者の雇用ということについて本当に理解を示して、その気になれば、そういうような阻害要因は除かれて、一挙にということは会社の経営上無理がありましょうが、身体障害者の雇用は進んでいくものというふうに私は思いますし、また最近は大企業におきましても心身障害者の雇用には非常に熱心になってまいりまして、年度間に新しく雇用された身体障害者のうち、大企業に就職した者の数の比率は非常に高まってまいりまして、最近、大企業も非常に熱心に身体障害者を雇い入れ始めたということが言えるかと思います。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 要約いたしますと、まだまだ社会全体が受け入れといいますか、自立して、社会生活の中の一員として、お互いが見ていくという社会全体の雰囲気といいますか、まさに言う「参加と平等」ですか、こういうものが日本の場合、社会全体が、まだまだ非常におくれているということが要因のように言われたわけでありますが、そういう点は確かに、この数字を見ますと、われわれ素人から見ますならば一番受け入れやすいような卸・小売業とか金融・保険・不動産こういったところがかなり未達成の比率が高いので、そういう点も言われるかと思います。  それはそれとして確かに、そういう面もありましょうが、あと一つ私これを見ておりまして考えるわけでありますが、これは法律が制定された段階からでしょうけれども、一律的な雇用率の適用というのに若干、問題はないのかどうかですね。それぞれ身障者関係の程度もありましょうけれども、やはり、それぞれ置かれておる産業基盤その他実態を見るならば、ただ、これを一律的に一・五ということで全部に雇用率を定めて、やること自体にも一つは無理があるのではないかという気もせぬでもないのですが、いまの段階で、まずそういうことよりも、こういうものをぴしゃっと決めて社会全体が受け入れていくということが大事なのだというところで割り切っておられるのか。若干そういう無理があっても、やはり、そういうことで割り切っていこうということで今日おられるのかどうか。私こういう重化学工業部門その他いろいろな産業部門の中では、ただ一律に、それをぱっと決めること自体に一つの無理がありはしないのかなという感じがなきにしもあらずなのですが、その点はいかがなのでしょうか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 雇用率は一・五%というふうに定まっておるわけでございますが、それを全事業の全従業員に一律に適用しているわけではございませんで、どうしても身体障害者の雇用が困難な職種については除外をいたしまして、除外率を定めまして、そして基礎となる常用労働者数を決めまして、それに一・五を掛けて雇用義務数をはじき出すというようなことをやっているわけでございまして、その除外の仕方に対する先生の御批判かもしれませんが、一応この法律を施行いたします場合に、関係業界、団体の意向を十分聞きまして除外を定めまして、そしてこれを運用しているわけでございます。そういう意味におきまして、私どもとしては必ずしもそれが現実に完全にマッチしたものになっていないにしても、一応そういうことをやっておりますので、現在の一・五%というのは何としても達成していただきたい最低限の数であるというふうに考えております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 同じく、これは先ほどのパンフレットの中ですが、有効求職者数、昭和五十五年二万九千五百七十三と出ております。要するに現在のところ働く意欲と能力を持ちながらも雇用の機会にまだ恵まれていない人たちの数がこれだけだ、こう見ていいわけですね。そうしますと、これはただ数字的なあれですけれども、先ほどの御質問の中で、雇用率達成の中で計画書を出させるように指導した企業数を、たしか千百幾社、こう言われたと思いますが、そのところを達成した場合において雇用が新しく生まれる数は幾らぐらいになるのですか、その点ちょっと参考までにお尋ねいたします。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 千百十六社が、これは年度間、一年限りの計画ではございませんが、全部身体障害者を雇ったとして足し上げますと二万二千二百五十六になる、こういう計画をつくっていただいております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 そうしますと、これは数字的な算術計算だけで問題を見られないわけですけれども、ただ、そういう角度から見ました場合に、要するに現在の雇用率を、それぞれの産業、企業がかなり向上させることによって、現在における有効求職者を全部吸収できる、こういうことに数字的になるわけですね。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 たまたま千百十六社の雇い入れ予定数が、現在の有効求職者の数と大体似通った数に落ちついておりますけれども、この有効求職者数というのは固定的でございませんで、この方が就職しますけれども、新たな身体障害者である求職者が参りますので、最近、安定機関に参ります求職者の数は年々ふえぎみでございます。そういうこともございますので、この千百十六社だけで足りるわけではございませんで、それ以外にも、この雇用計画を命令した会社ほど率は悪くないけれども、まだ未達成のところもございます。そういうところを含めて私ども雇用促進をやってまいりませんと、求職者に対する十分なお世話ができないということになろうかと思いますので、この千百十六社を重点的に雇用達成指導はいたしますけれども、安定所に参りました求職者につきましては、その人の職業能力に応じて求人を開拓し就職をさせていく努力が必要なことだと考えております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 この雇用率をいかに高めるかということで、ぜひ考えなければならないのは、私は地域別の関係だと思います。全体の数字がこれだけだからということではなしに、有効求職者数と、そこの地方における企業との関係がバランスが保たれておれば、それなりの促進もできるでしょう。しかし、いかに雇用率を達成しろということで、いろいろ指導しようとしても、そういう企業の数が少なかったならば、どうしても、これはできない、あぶれるわけです。特に、こういう関係者の人たちの居住を移していくということは非常にむずかしい問題だと思いますから、そういう意味で、三カ年計画で計画を出せ、そして、やれと言われて、実際にそれをやりましょうといったときに、では、それだけの受け入れられるような、そういう人たちが、そこの地域におられるのかどうか。そういう地域の関係等を見ながら指導しないことには、ただ、こういう数字だけで、どうだこうだということでは、私は本当の指導にならぬのじゃないかと思うのです。そこらあたりで、実際にもっと地についた指導と言っては悪いが、ただ計画書を出させるというのではなしに、そういう計画書の実体、雇用率未達成の中で、これからも計画書を出させて三年間でやれというような企業が、地域別にどういうような状況の中の企業なのか、それと有効求職者がそれに対して応じ得るような状況なのか、この関係を見ながら指導しないことには、私は本当の実のある指導ができないと思うのですが、この点はいかがでしょうか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 この千百十六社は、それぞれ各地区の安定所長が計面の作成を命令して計画書を出していただいたもの、それを本省まで送って私どもも分析し把握しているわけでございますが、実際の命令を出したのは公共職業安定所長でございます。安定所長としては、もとより自分のところの求職者に対します職業紹介、これが一番の任務でございますから、それを何とかせなければなりませんし、その際に、こういう大企業の雇用率未達成のところを、まず最重点にいたさなければならぬわけでございます。  ただ身体障害者の場合には、個々の人々によりまして職業能力もいろいろ違っておりまして、必ずしも数字だけで、すぐ結合するわけではございません。そういう意味で安定所を越えての紹介も必要でございましょうし、そういう場合に先生御指摘になりましたような住宅問題、こういうことも非常に重要でございます。私ども雇用促進住宅の中に身障者用の住宅というものも計画的につくっていこうと思っております。その他いろいろな助成制度もさらに充実強化していくことが必要であろうと思います。ただいま先生の御指摘のような点を踏まえて職業紹介をきめ細かく、そして環境の整備を十分に充実してやっていくということが、身障者雇用促進に非常に重要だろうと考えております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 最後にお尋ねしますが、これの雇用未達成企業に対する納付金制度がありまして、この納付金が現在、正確な数字はわかりませんが約二百五十億ぐらいですか二百億ですか、あるというふうに聞いておるのですが、それをどのように活用されようとしておるのか、その資金の活用というか考え方、そういうものがございましたならば御説明いただきたいと思います。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 ただいま御指摘の額は年間の納付金収入額ではなくて恐らく、それを五十二年度からやっておりますが、その年その年の雇用調整金あるいは助成金等の支出額との差で積み立てられて残っております額につきまして御指摘があったのだろうと思います。五十四年度で二百五十三億の積み立てになっております。  これは活用が非常に不十分じゃないかという御指摘だろうと思いますが、雇用率が上がってまいりますと納付金の収入が減ってまいりますし、また新規の雇い入れがふえてまいりますと雇用調整金あるいは報奨金、助成金、そういうものの支出がふえてまいります。したがって、いつかはこれを取り崩し、そして、そういう雇用促進に役立てていかなければならぬわけですが、すでに本年度あるいは来年度は確実に、この収入を支出が上回るような状態になってまいると見込んでおります。そういう意味では活用されている面もあるかと思いますが、詳しい内容に立ち入ってみますと、必ずしも十分に利用されない助成制度もございます。それから予算よりも非常にたくさん使われておる助成制度もございます。現在の助成制度全体が本当に喜ばれるような、活用されるものであるかどうか十分見直しをしていくべきものもあると思いますので、時宜に合った適切な見直しを行って、本当に活用される助成制度にしていきたいと考えております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 この身体障害者関係の雇用というのは非常に多面的で、いろいろな要素を含んでおりますから、一律に数字の面だけで、いろいろと律して物を考えることは私は非常に無理な面があると思います。しかし何はさておきましても、それぞれの関係者の人たちには、何といいますか社会の中で自立していく、自己の能力を開発していく、そして、それぞれ社会の構成員の一員として、身障者という特別な例でなしに単なる社会の一構成員としての自立の中で社会の中に溶け込んでいくということが一番理想だと私は思いますし、また、そういうふうに仕向けていかなければいかぬと思うわけですね。雇用率を上げるために、わざわざ自動的に使っているエレベータに一人置いて座らしておいて、それの操作をやらせる、こういうことでは身障者の人たちを本当に社会の中に受け入れていったということにはならぬのではないかと私は思うのですね。  そういう意味では、いかにしたら社会の中の一員に受け入れていくか、そのためには何はさておいても、それぞれの能力に応じた自己の能力開発をどう進めていくか、そういうためにこそ、こういう金が生かされていくべきではないかと私は思います。そういう点で、せっかくのこういうお金ですから、もっと前向きな形の施策の中に重点的に、こういったお金は活用されることを特に労働大臣にもお願いして、私の意見を終わりたいと思いますが、労働大臣の、その点についてのお考えをひとつお聞きしたいと思います。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 御趣旨に従って、やってまいります。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 では、これで終わります。

湯川宏自由民主党

○湯川委員長代理 次に、小沢和秋君。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 最初に、総理府の方にちょっと、お尋ねをしておきたいと思うのです。  御存じのとおり来年が国際障害者年であるわけです。そして政府も、これを記念する事業を来年はいろいろと展開するというふうに聞いているわけです。しかし、私がまず問題にしたいと思いますのは、この一年間、記念事業を行うという考え方で、国際的にこの障害者年に取り組む、わが国としての責任を果たすことができるのかどうかということです。国連は御存じのように国際障害者年の行動計画という中で各国がとるべき措置として、一九九一年までの十年間の長期計画を策定することを要求しているわけです。ところが私どもが、いままで記念事業ということで説明を受けたりしている中では、全く、この計画はないわけですけれども、これはどうなっているのかということを、まずお尋ねしたいと思います。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 ただいま、お尋ねの長期計画、十カ年計画でございますが、これは私どもといたしましても中央心身障害者対策協議会の中で、五十六年の国際障害者年事業のあり方あるいは推進方針につきましては、すでに推進本部として決定をいたしておるところでございます。引き続いて十カ年に及ぶ長期行動計画のあり方につきましても、この協議会の中に特別委員会をつくりまして、さらに、その下に各専門部会をつくりまして、そこで専門家による審議、これはほぼ一年の期間を見込んでおりますけれども、そこで十分御議論を願って、そうして長期的な観点から施策の前進を図ってまいりたい、こういう予定にいたしておるわけでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 そういう計画を立てるということを聞いて私も安心したわけですけれども、それならば、この機会に、もう一つお尋ねをしておきたいと思うのですが、閣議の決定で、総理府の中に国際障害者年の推進本部というのがつくられております。ところが、これが五十七年の三月の末で解散するということになっておる。国際婦人年もいままで、やってきているわけですけれども、この婦人年の方は長期計画も立てたし、そして十年間それを実行するための本部も、ずっと置かれたままになっているというふうに私、理解をしておるのです。計画を立てるというのは安心したけれども、本部はやはり解散してしまうというのでは、話がちぐはぐじゃないかと私は思うのですが、この辺はどうですか。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 推進本部につきましては、これは国際障害者年の事業を推進する本部ということで、できておりますので、五十七年三月に解散することにいたしておりますが、具体的な記念事業でございますとか、あるいはコンサートあるいは映画会等の大会でございますとか、あるいはスポーツ大会でございますとか、そういう五十六年に行います事業を推進する本部ということで、できておるわけでございます。  そこで、五十七年三月に解散することとしておるわけでございますが、しからば長期計画の審議はどこで、どのような形でやるのかということがお尋ねの点になるのではないかと思いますが、これにつきましては先ほども申し上げたところでございますが、障害者対策の基本法が四十五年に制定されているわけでございます。この中で心身障害者に関します総合的な施策の樹立あるいは各省にまたがるような相互の連絡調整を要するものについては、この協議会で十分審議をするということを基本法の中で定めておりますので、この規定に基づきまして先ほど申し上げました専門の各部会を設けまして審議を煮詰めていく、こういう予定にいたしておるわけでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 その審議をそこでやるというのはわかりましたけれども、そうすると、それによってでき上がった計画を、中心になって実行していく体制はどうなるのか。やはり国際婦人年で本部をずっと存置しているような形にした方が、だれが考えてみても、よりそれを保障することになるのではないかと思うのです。それを廃止した方が、より進むという理屈は私は成り立たないのではないかと思うのですけれども、そうだとしたら、なおさらやはり存続する必要があるのではないでしょうか。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 この対策協議会は、単に学識経験者だけでできておる通常の協議会ではございませんので、関係各省七省庁の事務次官が正規の委員として参画をする、そうして責任を持って施策を遂行する、こういう仕組みで現在、基本法ができておるわけでございますので、御説明を申し上げたわけでございます。  なお、この推進本部を永続的な組織にしたらどうかという御質問でございますが、それはそれで、また十分検討に値する一つの考え方だとは思いますが、現在の推進本部は、この基本法の上にのっとりまして、この法律の定めの上にのっとって、そういう形で推進本部を五十七年三月までということで決めておる、こういうことで御了解いただきたいと思います。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 それでは、もう一遍だけ、そのことをお尋ねしますけれども、そうすると、その基本法でできている機構の方が、国際婦人年などの推進本部の機構よりも、さらに大きいとか、あるいは、しっかりした体制になっているというのであれば、私もなるほどということで理解ができるわけですが、その点、一言でいいから、ちょっとその比較をしてみてください。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 四十五年に基本法が制定されて以来、各省庁単独で処理できますものは、もちろん、それぞれの省庁におきまして責任を持って実行していただくわけでございますが、多省庁にまたがるものにつきましては、すでに中心協の中でも問題として取り上げまして、三つのプロジェクトをこしらえまして、そこで二省庁以上にまたがるものにつきまして議論を詰めまして、そうして、それぞれの施策に反映させておる、こういう実績がございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 では、その点は私は今後さらに見守っていきたいと思います。きょうは私は障害者の雇用の問題を特に中心にお尋ねをしたいと思うのです。  まず現状の認識ですけれども、障害者の雇用が、国際的な水準などから見て日本は果たして先進的な状態にあると言えるのか、平均どころなのか、非常におくれているのか、国際障害者年を前にもしておりますので、そういう国際的な日本の進展の度合いというのを皆さんがどう認識しておられるか、まずお尋ねしたいと思います。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 身体障害者の雇用状況につきまして、国際的にきちっと比較するということは非常にむずかしい問題でございますが、日本の現状につきましては、昭和五十一年の身体障害者雇用促進法の抜本的な改正によりまして、ようやく身体障害者の雇用促進について真剣な社会の対応が始まった、ようやく日本も身体障害者雇用対策について本格的な取り組みが始まったというところだろうと思います。したがいまして、そういう状況のもとで最近におきましては、中度、軽度の身体障害者の雇用は比較的進んできている。これからの大きな問題は重度障害者の雇用問題であろう、こういうふうに考えておるところでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 五十一年から本格的に、ようやく始まったというふうに言われることは、つまり国際的に第一次世界大戦ごろからずっと、そういう努力が積み重ねられてきたというのから見るならば、非常に立ちおくれているという認識を当局の方もお持ちだということだと思うのです。  私自身も、まず法律の骨組みを、ちょっとこの機会に勉強しようと思って勉強して、びっくりしたのですよ。身体障害者雇用促進法というふうに書いてあるので、私は、国際的には、いま身体障害者というと精神薄弱者とか精神障害者なども含む概念になっているから、当然そういうような人たちも含めて対象にしているのかと思ったら、この法律は、そういう者を対象にしておらないというふうに聞いて、私はまずびっくりしたのですけれども、そのとおりですか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 法律の表題自体が身体障害者雇用促進法ということになっております。精神薄弱者につきましては、先生もう御承知だと思いますが、雇用率等を適用するわけではございませんで、ただ納付金の算定の基礎からは除くとか、助成制度については、すべて身体障害者として対象にするというような形で、援護事業には不自由ないようになっております。しかしながら精神薄弱者の雇用を義務づけることにつきましては、まだ精神薄弱者の職業能力についての調査研究というものが不十分でございますので、そういう研究を十分推し進めている、こういう段階での現状の法律構成になっておるわけでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 こういう精薄者やら、あるいは精神障害者などを、いま対象から完全に外しているのではないという趣旨の説明がありましたけれども、これを正面から取り入れた総合的な雇用促進対策にしていくように、この機会に、来年の見直しに当たっての、これは重要な点なんだということを、まず一つ私は申し上げておきたいと思うのです。  それから厚生省の方にも私ちょっとお尋ねをしておきたいと思うのですけれども、いわゆる身体障害者と、それから精神薄弱者、障害者、こういうような人たちは、それぞれ、どれぐらいおられて、人口全体から見れば、どれぐらいの割合になるのかということが一つ。  それから皆さんの方は皆さんで、厚生省社会局更生課が今年度「第六回身体障害者実態調査」というのをやっておられる。この中に「就業の状況」というページがあるのですけれども、これを見て私もびっくりしたのですが、五十五年二月現在のいわゆる身体障害者の就業率はわずか三二・三%、十年前が四四・一%ですから一〇%以上下がっているんですね。身体障害者なども積極的に働きたいというような意欲が、私は全体としては非常に高まっている時期ではないかと思うのですけれども、そんな中で、こういう、ここ二、三十年の中で一番低いというような数字が出ているのは一体どういうことなのか。皆さんの方は、これはどう認識しておられるのか。私は全体として、いまのこういう障害者の人たちが働けるように積極的な施策をとっていくということが、いかにおくれているかということを端的にあらわした数字、警告ではないかと思うのですけれども、これはどう認識したらいいか、お尋ねします。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 第一点の身体障害児者の数でございますが、これは子供の数も入れまして身体障害児者と称せられる人たちが約二百十四万人でございます。精神薄弱児者と言われます人たちが約三十五万人でございます。それに精神障害児者と言われます人たちが約百万人、さらに重症心身障害児者と呼ばれます人たちが二万人おりますので、合わせますと三百五十一万人ぐらいになりますか、これは人口に対しまして三%強でございます。そのくらいのところでございます。  それから第二点の、就業率が下がっているというふうにお話がございました。その理由をどう見ているかというお話でございましたが、私どもは一つは先生、実態調査の結果をごらんいただきましてもおわかりのように十年前の調査に比べますと確かに五〇%程度ふえておるわけでありますが、そのふえました中で高齢者が大変に増加率が高い。六十五歳以上あるいは六十歳以上の方たちのふえ方が非常に伸び率としては高いわけでございます。それからもう一つ、重度障害者、一級、二級と言われる人たちの増加が大きい。この高齢者の人たちがふえておりますことと重度障害者がふえておりますということは、仕事につきにくい障害者がふえていることになるのでございまして、そのような意味で、就業率が下がったことの大きな理由は、障害者の老齢化、重度化にあるのではないかと私どもは考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 そうすると、そういうような要因があることはわかりますけれども、働きたい、あるいは不十分にしろ、この人たちは働けるのではないかというような人たちは、人口の中で大体何%ぐらいを占めるだろうというふうに、皆さんは、この調査結果から見ておられるのですか。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 大変むずかしい御質問でございまして、私どもの方の調査でとらえております就業者の中には、労働省が雇用促進対策としてとらえておられますような雇用者だけではなくて、あんま、マッサージ、はり、きゅうなどを含めまして、自営とか農業に従事しておる者も全部入っておるわけでございますので、先生の御質問のような、希望する人も含めて、どのくらいの就業率ということになるのだろうか、これはちょっと私お答えがいたしかねるような状況でございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 むずかしいというから、それではまた、それは研究していただくことにします。  私は、大体いま、おっしゃった三%強という推定は、アメリカなどでは両方の障害者を合わせると九%ぐらい、いるのじゃないかというような数字もありますし、非常に控え目過ぎるのじゃないかということを一つは申し上げたいと思うのです。そういうような数字を反映してだろうと思いますけれども、よその国では、たとえばフランスなどでは身体障害者の雇用率を一〇%というふうに定めているし、西ドイツでは六%、日本と比べてみると非常に高いということが言えると思うのです。     〔湯川委員長代理退席、戸沢委員長代理着席〕 そういうような諸外国の数字から見ましても、日本が、この前の法改正で、ようやく一・五を目標とする、これは単なる努力目標じゃなくて必ずやるという意味だということになっていますけれども、それにしても一・五に、ようやくなったということ自体、私は、こういうようなたくさんの働きたいという、障害を持っておられる人たちの実態から見れば、これは非常に低過ぎる数字じゃないかと思うのです。それだけに、この数字は早く実現をして、諸外国がこういうような目標を掲げている、これに対応して日本もさらに前進させていくという積極的な姿勢をお願いしたいと思うわけですけれども、現実には、これは本当にカメの歩みというか、きわめて改善がのろいというか、ほとんど停滞しているというような状態じゃないかと思うのです。ここ数年の皆さん方が調査された結果はどういうことになっておりますか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 民間におきます身体障害者の雇用状況といいますものは、毎年六月一日現在で調べておりまして、その改善の動きというのは、五十一年以来、余り目覚ましい改善を示しておりませんが、一つには、この五十一年以降といいますものが、先生御存じのような経済情勢のもとで非常な不況下にあった。したがって民間企業としては減量経営ということがよく言われた、そういうさなかで、この身体障害者の雇用促進に本格的に取り組んできたということも一つは影響があろうかと思います。  最近、大企業が新規の身体障害者の雇い入れに非常に熱心になった。また、その雇用の割合も非常に高まってきている、新しく雇い入れた身体障害者の中で大企業が雇い入れた数の占める比率が非常に高まってきているというようなことを申し上げましたが、それも大企業の雇用に対する積極的態度が去年あたりから少しずつ見え始めた、そういう経済全体の動き、それに伴う企業の雇用量の調整の動きというものに、どうしても大きく影響される面があろうかと思います。そういういろいろな問題はありますが、ともあれ先生御指摘のように、この一・五%という数字は何としても達成していただかなければならない数字でございますので、計画に従って達成するような努力をいたしたいと考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 いま認められたとおり、きわめて遅々たるものですね。一九七七年が一・〇九%、ところが翌年が一・一一、さらに次が一・一二、八〇年がようやく一・一三、まさに〇・〇一ずつ進んでいるというか、これは私に言わせれば全く停滞じゃないかと思うのです。このテンポでいったら一・五%を実現するのに何年かかりますか。約三、四十年かかるということになるでしょう。国際障害者年を来年に控えて、こういうテンポではお話にならないと思うのです。  いま若干にしろ大企業が努力をしておるということを言われたのですけれども、しかし別の角度からも見てみる必要があると思うのです。それは雇用率つまり一・五を未達成の企業の割合というのを見ますと、これは千人以上が八一・五%、八割以上が未達成ですね。しかも去年はどうだったかというと七九・四%ですから、未達成企業の割合が二・一%ふえているのです。だから、あなたは企業の姿勢を評価するようにおっしゃったけれども、全体としては、むしろ未達成のところがふえた、いままでよりも後退した企業が多いということも否定できない数字として認めざるを得ないのじゃないですか。そして全体として見れば、実際の雇用率というのは九十九人までが一・六八、これを最高にして刻みごとに、ずっと下がっていって、最後は千人以上は〇・九〇、やはり一番低いのです。だから、そういう意味では大企業の努力は積極的に進んでいるのじゃなくて、まだまだ、そういう中小零細企業などに比べて非常におくれておる、むしろ後退した企業の方が多いというのが、この数字の意味じゃないですか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 先生の御指摘のような面も確かにあるかと思いますが、この実雇用率を昨年と比較いたしました場合に、千人以上が〇・八六から〇・九〇、この改善が一番大きく、全体の一・一三に、一・一二からわずか〇・〇一でございますが上がったのに響いているわけでございまして、千人以上の実雇用率の改善が非常に大きいということは、それ以下のところの昨年との実雇用率を見ていただければ、そういうことが言える一面もあるわけでございます。また年間の新規雇い入れ数に占める千人以上の割合が高まっているということも事実でございます。ただ、もう一つ先生御指摘のように、未達成企業の割合という数は千人以上でふえておるわけでございまして、これは企業規模の変動等いろいろな要因があろうかと思いますが、そういう面もあるわけでございますから、とにかく未達成企業を少しでも少なくし、そして実雇用率を少しでも上げていく、そういう努力をいたさねばいかぬというふうに思っております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 この進まない原因は、ずばり言って大企業のやる気のなさじゃないのですか。先ほど何か大企業の周りに障害者がいないような場合には引っ越してきてもらわなければいけないというような議論もありましたけれども、引っ越してきてもらわなければ周りに障害者がいないほど大企業が雇用して、そういうような事態が起こったなどということは、まだ例がないのじゃないかと私は思うのです。やはり、やる気のなさが一番の問題で、それをどう労働省がやらせるように圧力をかけていくかということが、いまの一番の勝負じゃないのでしょうか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 大企業におきます心身障害者の雇用を促進するためには、一つは先ほど来、議論になっております雇用率の達成計画、いわゆる身体障害者の雇い入れ計画、それの達成指導でございます。それからもう一つは、私ども実雇用率が少ない業種を選びまして、そういう業種の方々の労使に集まっていただきまして、身体障害者雇用促進のための懇談会をいたしております。前回、特に労働大臣にも御出席いただきまして、都市銀行関係について、そういうことをいたしました。近く化学業界について、いたそうと思っております。まあ大臣を含めて本省、そして第一線の安定所長を含めての行政指導、中央、地方を通じての行政指導を強めまして、雇用率の達成を図っていきたいと考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 そこで問題なのは、労働省がどう、がんばるかということではないかと思うのですけれども、私は労働省の、この指導のやり方も、まことに手ぬるいのではないかと思うのです。第一、雇用を進めるために計画を出させることができるようになっているわけですが、それは一・五の三分の一である〇・五を切ったような企業にだけ出しておるというように聞いておるわけですね。この基準自体が非常に甘いのではないか。では〇・六ならば、もう免れるというようなことを許しておいたのでは、いけないのではないかと私は思うのです。その点を今後もっと改善していくべきではないか。  それから、この機会に、今日まで、こういう命令を何社ぐらい出されて、実際に、それがどう効果が上がったか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 現在までに先生御指摘のような基準で雇い入れ計画を作成を命じておるわけでございます。これは、もっと未達成企業全部にせよという御指摘もあろうかと思いますが、私どもの能力から見て、本当に悪いところを、まず重点的に手がけようということで始めたわけでございます。それで総計で千百十六社に対して計画作成を命じ、計画をつくって出していただいておるわけでございます。そして、これは三年計画で雇用率を達成していただくようにお願いしておるわけでございまして、現在その年次別の、第一年度でどの程度、計画どおり雇ったかというようなところを見まして、その達成の非常におかしいところに対しては、もっと計画を適正に実施しなさいという勧告をいたしております。勧告を命じたところが百十三社ございます。それで全国の状況については現在集計中でございますので、いままだ手元には数字はございませんが、そういうことで逐次、計画どおりの実施を行政指導しているところでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 そうすると千百十六件の中で、目標を達成したために、もう、こういうような勧告とかいうような措置が全然要らなくなったというところは、どれくらいあるのか、それを除いたら、あとは、この勧告を全部しておるのかどうか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 ただいま申しました勧告というのは計画期間が全部終わっての話ではございませんで、計画の中間段階で、第一年次に計画どおりの雇い入れをしていない、こんなことでは計画期間中に計画どおりの雇い入れが進まない、こういうことで、もっと計画どおり適正に実施してほしい、こういう勧告でございます。したがいまして、それ以外のものは全部計画どおりやったというわけではございません。まだ計画の期間中でございますので、そういう全体の計画が全部終わった形でのまとめは、まだできておりません。現在、計画期間中でございます。ただ第一年次の様子などを、いま全国的に集めて達成状況を見ようということで集計中でございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 いま減量経営などというのが大はやりですけれども、こういうような、いわば余り人を採用していないようなところなどについて、勧告をしたりするのを手加減するようなことはしていないのでしょうね。この点はどうですか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 採用数がゼロのところにつきましては、こういう勧告をするということ自体に無理があろうかと思いまして、そういうことはいたしておりません。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 そうすると、全体としては減量経営しながらも、若干でも採用しているところは、その中に障害者を入れなさいということで指導をしている。それはわかりました。  それから、この勧告をしても、なおかつ言うことを聞かないような悪質な企業については、第十六条で企業名を公表することができるということになっております。それで、もう勧告というような措置もとられるということになれば、これは私、正確には、いつ勧告をしたか、ちょっとまだ、よくつかんでおりませんけれども、一定の期間を置いて、これはだめだということになったら、当然その十六条での公表という措置をとらなければならない企業も出てくるのじゃないかと思うのです。そういうような見通しを、もう近々のうちにつけなければならないような企業は出てくるのじゃないですか。その場合には、はっきり公表をするという、きっぱりした態度を、この際、示していただくことが、そういうようなところの雇用も進めることになると思うのですが、どうでしょうか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 勧告後の状況というものも十分見きわめた上でないと、法律上の手続を進めるわけにはいきませんが、勧告後、相当期間経過しても、なお適正実施が一向に行われないという場合には、法律の規定に従って企業名を公表するような段階に立ち至る場合もあろうかと思いますが、まだしばらく勧告後の状況を見きわめる必要があろうかと考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 そうすると、そういう時期を迎えれば公表するという立場ですね。それはわかりました。  それで、この機会に私もう一つ提案も含めて申し上げたいと思うのですけれども、皆さん、そうやって一生懸命行政指導をやるにしても、やはり伝家の宝刀というか相手に本当に、そういう立場に立って真剣に努力をするようにさせる保障というのが必要じゃないかと思うのです。私は、それはやはり企業名の公表というようなことも一つの手段だとは思いますけれども、物質的な手段というのが企業には一番効くのじゃなかろうか、ペナルティーを取るということを、もっと真剣に考えるべきじゃないかと思うのです。  現在、納付金というのが一人について三万円ずつということになっております。私は、これは客観的には、そういうペナルティーとしての意味を持つと思いますけれども、私どもが聞いているところでは、企業によっては、いやあ、ああいうような障害者を雇うよりも三万円払っておいた方が安い、いいというようなことを公言するような企業もあるということを聞いているわけです。こういうような悪質な企業に対して、本当にもっと効き目のあるようにしていくために、このペナルティーを引き上げる。  先ほど私、西ヨーロッパの例として雇用率が非常に高いということも言いましたけれども、同時にペナルティーも、日本に比べると非常に高いのですね。私が調べたのでは、フランスの場合は最低賃金、これは日本円に直すと月八万八千五百円ということになっていますが、これの三倍、つまり二十六万五千五百円ペナルティーを取るということになっておりますし、ドイツの場合で言うと一人一日百マルク、日本円で計算すると一万二千円ぐらいになるわけですが、これは二十二日就労として計算すると、フランスと大体似たような二十六万四千円ぐらいになるのですよ。日本の三万円と比べてみると、いかに、これが厳しいものであるかということは、この数字を一見しただけでも明らかではないかと思うのです。もっと、こういうようなペナルティーを取ってでも、この雇用を促進するということを、この機会に考えるべきじゃないか。この点どうお考えでしょうか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 現在の身体障害者雇用促進法によります納付金は、ペナルティーという意味ではございませんで、身体障害者を雇用した場合と雇用しない場合の経済的な負担の調整を図ろう、こういうことで雇用率に達しない企業から納付金を納めていただいて、雇用率以上の企業に対する調整金を支払う。それからもう一つ、身体障害者の雇用を促進するに当たって必要な助成をしよう。なお、その制度の適用を受けない三百人未満の中小企業の雇用に対する報奨をしよう、こういうような制度になっております。ですからペナルティーという形で構成されているわけではございません。ただ、この額につきましては五十一年に定めましてから、すでに四年近くたっておりまして、来年で五年になります。雇用率については五年ごとに見直すことになっておるわけでございます。そのときに同時に、雇用率と非常に関係の深い、この額についても関係の審議会で十分御論議をいただこうというふうに考えておるところでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 そのとき議論するということですから、私は客観的にはペナルティーとしての意味を持っていると思いますし、諸外国のこういう事例なども考えて、本当に、それだけのものを払うのならば、やはり、これは採用しようかという方向に作用するところまで引き上げるという立場で検討していただくようにお願いしたいと思うのです。  それから、この機会に私は保護雇用という問題について、これは問題提起を兼ねて質問をいたしたいと思うのです。  一九五五年にILO、国際労働機構で九十九号勧告というのが採択されております。これは御存じのとおり身体障害者の職業更生に関する勧告と言われているもので、これは今日でも非常に重要な意味を持つ勧告とされているわけですが、この中に保護雇用制度というのがあるわけです。皆さん方も、この問題については、いろいろ研究されているのじゃないかと思うのですが、この保護雇用制度というのは端的に言うと、どういうものなのか、確認する意味で一言説明をしていただきたい。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 直ちには一般の雇用につくことができないような、通常の労働市場における通常の競争にたえられないような身体障害者のために設けられる施設、そういったものを保護雇用と言っているのだろうと考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 私の理解では、施設そのものじゃなくて、そういうような、いま、あなたが言われたような人たちを対象にして国や自治体が、いまの授産施設のような、いわば福祉の対象として入所させるということではなくて、できるだけ普通の労働者に近いような形で雇用して、いろいろな保護も加え、あるいは訓練もしながら、だんだん、できれば一般の労働者として普通のところで働くことができるように、そういう配慮もしながら就労の機会を与えていく制度だというふうに考えているわけです。そう認識していいかどうか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 保護雇用という言葉自体の訳がどこまで定着しているか、非常に問題があるかと思いますし、また、そこで言われますものに在宅の者から含める方もいらっしゃいます。そういう意味で、かちっとした定義があるわけではないと思うのです。よく言われますのが英国のレンプロイというようなものだとか、米国のグッドウイルインダストリー会社だとかいうようなものだとしますと、わが国の場合では福祉工場みたいなのが、それに当たるのじゃないかというふうに考えられますし、在宅の者まで含めるということになりますと非常に概念が広がってまいります。そういう意味で余り、この定義が確立しているというようなことも、いまの段階では申せないのではないかと思いますが、先生のおうしゃるようなものを保護雇用と言う場合も非常に多いということは確かだろうと思います。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 日本のいまの制度では、局長もよく御存じのとおり一般雇用にのせていこうというのと、もう一つは授産施設などと、大きく言えば、この二つだと思うのですね。諸外国もうすでに西ヨーロッパを中心にして二十カ国ぐらいで、この保護雇用というものがやられているというふうに私、聞いていますけれども、この保護雇用の対象になるような人たちも、日本では大部分が授産施設で働いている。だから授産施設そのものが日本の場合にはやはり通過施設だ、ここで、いろいろ訓練をして技術を身につけて一般の就職に出ていくように、そういう施設だというふうに言われていながら、この保護雇用がないものですから、ここに入ったら、そこでつかえてしまって、平均すると五年くらいは、みんな、そこに入っておる、こういうような状況になっているというように私、聞いているわけですね。だから、こういうような保護雇用という制度を日本でも積極的に取り入れていく必要がある、そういう時期に来ているのではないかと私、思うのですけれども、その点どう御認識なのか。今度の来年度の法律の改正あたりで、こういうような問題まで検討をしていく考え方があるかどうか、お尋ねをしたいと思うのです。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 先ほど、ちょっと申し上げましたように、福祉対策として福祉工場というような形で、諸外国で行われている保護雇用のような形が日本でも、すでに行われている点は先生も御承知のとおりだと思いますが、雇用の面から、こういった面に、どこまで援助の手を差し伸べることができるか、非常にむずかしい問題があろうかと思います。  先ほど申しましたように通常の労働市場で通常の競争条件のもとで働くということが直ちにはできない、そういった身体障害者に対する施策として、雇用の面から、どういうことができるか、これは非常にむずかしい問題でございますので、私ども、そういう点を意識いたしまして労働省に、ことし春、専門の先生方なり、あるいは障害者の団体の代表の方なりに入っていただきまして研究会を設けております。研究会では諸外国の実情なり、あるいは、わが国の施設の実態など実地調査をしたりして研究を進めていただいておりますので、その研究の成果を待った上で関係の審議会等に諮り、こういう問題について雇用の面で、どこまで何ができるか十分見きわめていきたいと考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 いま関係の審議会などに諮るというお話が出ましたけれども、私が聞いているのでは一九七八年というから、おととしですか、すでに身体障害者雇用審議会が大臣に対して、日本でも保護雇用を取り入れるべき時期に来たというような意見書を出しているというように伺っているわけです。あなたが諮ると言われたのは、たしか、この審議会のことを言っているのではないかと思うのですが、その審議会自体が、そういう積極的な意見を具申してきているのじゃないですか。私はそう聞いているのですが、どういうような意見が出されてきておるのか、その意見自体を、どう御検討になっておられるのかということも、ちょっとお尋ねをします。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 私は関係審議会ということで抽象的に申し上げて恐縮でございましたが、身体障害者の雇用問題については身体障害者雇用審議会がございますので、そこに諮りたいと思っておりますが、そこが、ただいま先生御指摘のように外国における保護雇用制度等も参考にしながら、一般の雇用の形に直ちに結びつかない、そういう障害者について、どういうことをすべきか十分検討すべきだという答申をいただいたわけでございます。そこで、こういうものに基づきまして、先ほど申し上げました研究会、専門家の方々にお集まりいただきまして研究会をつくって現在、鋭意研究をしていただいているわけでございます。その検討結果を待って必要な措置をとる、その中には審議会への諮問等も含めて考えていきたいということを申し上げたわけでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 こういう保護雇用などというような制度がないために、各地で重度の障害者の親たちが社会への参加、また労働への参加を実現するために大変な苦労をして共同作業所というようなものをつくったりしているわけですけれども、これは公的には何の援助の対象にもなっていないわけですね。こういうような共同作業所といったようなものがあるという実態については御存じでしょうか。  そしてまた、こういう、いわば国の施策が立ちおくれたために、親が子供を少しでも、まともに育てていきたい、労働を通じて、いろんな能力を身につけさせたいということで、こういうようなことをやっている、それについて国として積極的な援助の手を差し伸べるべきではないか。私は、この点について、そう思うのですけれども、どうお考えでしょうか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 共同作業所というような形のものにつきまして、雇用の場をできるだけ促進していく私どもとして手を差し伸べる余地があるのかないのか、非常に問題が多いと思います。私どもとしては、雇用関係の成立を促進するということが私どもに課された仕事でございます。そういう意味で、雇用関係にない、そういった事業につきまして私どもが手を差し伸べるべきかどうか、非常に問題のところだろうと考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 いや、だから形式的に局長の所管の範囲に入っておるかどうかという尺度で、この問題について答えるのはお役所風だと思うのですよ。だから皆さんがたくさん、そこにおられるのだから、だれでもいいのですよ、こういうような積極的な、親が何とかして子供たちを、いろんな仕事を通じて育てていきたいと苦労している。国の、そういう保護雇用のような制度があれば、まさに、それにのるような人たちが、こういう制度がないために、こういう苦労をしているということについて、少しでも援助の手を差し伸べるべきではないかと私は聞いているわけですよ。どなたか関係のある人がきっといると思うのですよ、答えてください。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 先生の御指摘の保護雇用というふうな制度がないからということになるかどうか、これはちょっと問題があるかもしれませんが、お話のありました共同作業所というふうなもの、あるいは福祉作業所と呼ばれておりますようなもの、全国にたくさん生まれつつありますことを私はよく認識をいたしております。  また児童福祉という観点から、親の会等を通しまして幾つかの共同作業所あるいは福祉作業所というものに対しましても、何がしか公費の助成の道が開かれておるわけでございます。  それから身体障害者の面でも小規模の授産施設が必要であるということで、昨年から定員二十人という小規模の施設につきましても、特に通所の授産事業というものを公認をすることになりました。  さらに重度の障害者の皆さんが地域の中で、よりよく生きるために軽作業とか創作活動をするような場所が欲しい、こういうことにつきましても身体障害者福祉センターなどを中心にいたしましてデーサービス事業というものを実施するなど、いま御指摘のような実態に即する手当ては少しずつ私ども努力をいたしておるわけでございます。

戸沢政方自由民主党

○戸沢委員長代理 簡単に願います。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 では、これで私はやめます。  最初にも申し上げたように私自身も、この障害者年の問題で勉強をしてみる中で、改めて障害者問題について、わが国の取り組みというのが非常に立ちおくれておるということを痛感しておるわけです。特に、その雇用という、障害を持っている人たちもやはり働いて独立をしていきたい、こういう気持ちにこたえる行政という点では、とりわけ立ちおくれておるというふうに考えます。ですから来年この身体障害者雇用促進法が見直しの年にもなりますし、私がいろいろここで注文したような点も、ぜひ積極的に、その中に取り入れて考えてくれることを期待して、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

戸沢政方自由民主党

○戸沢委員長代理 石原健太郎君。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 五十五年六月現在の民間企業における身体障害者の雇用率は一・一三%というふうに聞いておりますけれども、労働省としては、これは満足いく数字であるとお思いになっているか、あるいは、はなはだ不満なものであると思っているか、その辺を、お聞かせいただきたいと思います。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 大変満足すべき状態ではないというふうに認識いたしております。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 いままでの進捗率ですと、あと三十年ぐらいかかるというお話もありましたけれども、労働省としては、あと何年ぐらいで達成できるか、あるいはまた、いつごろを目標に考えていられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 あと何年というようなことを私ども特に計画いたしているわけではございません。ただ現在やっておりますのは、特に大企業に多いわけでございますが、現実の雇用率の非常に低いところ、それをつかまえまして雇い入れ計画をつくらせて雇用率を達成するようにという指導を、まず重点的にやっております。それが三年ぐらいの間にできましたならば、さらに、もうちょっと上のといいますか、実雇用率がもう少し高いけれども、なお未達成のところというふうに、順次、手を広げて、この雇用率の達成に努力してまいりたいと考えております。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 あらゆる仕事とか何とかやる場合に、目標とか期間というものを、ある程度、設定してやっていくのが通常なわけでありますので、国の機関の労働省が期間の目標を立てていないということは、ちょっと腑に落ちないので、この辺もう少し検討していただいて、大体何年ぐらいをめどにというようなことをやっていただかないことには困ると思うのですけれども、いま一度お考えをお聞かせください。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 確かに法定の雇用率でございますから、できるだけ早い機会に、これを達成するように私ども努力いたさなければならぬわけでございますが、雇用関係というものは時の経済情勢にもより、あるいはまた会社のそれぞれの、いろいろな事情によりまして変動要因がございまして、必ずしも計画どおりに物事が運ぶというわけには、なかなかまいらぬ種類の性質のものだろうと思います。しかしながら法定の雇用率を達成していない企業に対しまして、この達成を強く指導していくことは、私どもの行政に課せられた一番大きな任務だろうと思いますので、中央、地方挙げて、この問題に強力に取り組んで、できるだけ早い機会に、これを達成していくようにしていきたいと思います。  その順序として先ほど私、申し上げましたように最も悪い達成の企業、これは大きいところに多いわけでございますが、そういうものから順次指導していく、私どもの限られた能力で重点的にやっていきますには、そういう形で順次やっていきたいと考えておりますが、そういう場合には、雇い入れ計画としては私ども三年間で雇用率を達成するようにというような計画指導をしているわけでございますので、そういう意味では、指導に当たっては三年間で計画を達成していただくというようなことをめどに指導しているところでございます。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 その三年間で達成させていきたいという個別指導の対象は、達成率が〇・五%以下のところというふうに先ほどお聞きしたように思いますけれども、そのとおりで間違いありませんか。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 御指摘のとおり〇・五%未満のところでございます。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 それから個別指導というのは、いつごろから始められたのか。あと中身は、計画を作成するようにという程度のものであるのか、あるいは、もっとそれ以上のことをやっておられるのか、その辺をお聞かせください。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 個別指導につきましては、各安定所において、その計画の内容に即しまして求人開拓をいたしまして、場合によりますと集団選考、安定所の場所を提供いたしまして、そこに障害者の方にたくさん集まっていただいて、当該事業主の方も来ていただいて集団選考するといったような形態もとっているところでございます。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 それは全国的に各地でやっているのか、あるいは何カ所ぐらいで、そういうことをやっておられるのかも、お聞かせいただければ……。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 私ども個所的に特に把握していることではございませんけれども、全国的に、そのような形で積極的に事業主に求職者を御紹介するという態勢をとるようにいたしておるところでございます。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 労力とか能力の面で、〇・五%以下のところを対象にしているというお話でありますけれども、雇用率を向上させるための計画を作成しろというような程度のことであれば、これは文書でもできるわけなんですけれども、〇・五%以上の企業に対しても、たとえば文書程度のものであっても、やるべきではないかと考えるのでありますが、労働省としては、どういうふうにお考えになっておられますか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 作成の命令は確かに文書で行えば、それで終わりでございますが、計画を作成して出していただく、その計画が本当に達成可能なものかどうか、まず十分審査をいたさなければなりません。たとえば計画の三年次の終わりに必要数を全部一遍に雇いますなんという計画を立てられたのでは、どうも私ども信用できない。また具体的に、どういう年次計画でやっていくのか、そういう内容を十分審査して、適正な計画だと認めて初めて受理をするということが一つあります。  それから適正な計画どおりに雇い入れが行われるかどうか。先ほど言いましたように求職者を具体的に紹介するとか、求人に来られたときに、そういう計画を出したところの事業所が身体障害者の求人でなく、ほかの求人を出してくれば、その際、指導するとかいうようなことを含めて、計画の達成を指導していかなければならない。  そういうふうに計画書を出せば、それで終わりということでないものですから、千百十六に上る会社に対して、いま計画を出していただいておるわけでございますが、そういう形で具体的な指導に相当の労力を割くということはございますので、まず一番悪いところからということで始めたわけでございます。こういう作業が軌道に乗っていけば、さらに計画をさせる企業をふやしていくということも、これから手がけていかなければならぬだろうと思います。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 今度、提案を予定されております法律では啓発事業ということも入っているわけですけれども、労働省とか府県など地方の自治体も、いままで啓発ということはやってきたと思うのですけれども、その現状と、それが十分であったかどうかというような点を、どのように認識されておられるか、お聞かせください。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 私ども、いろいろな形で啓蒙活動をしているわけでございますけれども、年間で一番大きな啓発の行事といたしましては、毎年九月に雇用促進月間というものを実施いたしまして、その期間に集中的に求人開拓等をいたしましたり、各般のキャラバン隊を出しましたり、いろいろな形でキャンペーンをいたしたわけでございますけれども、私どもの、この雇用促進月間というもの及び、それを通じて雇用率が一・五%という形で義務づけられているといったようなことは、働いている方々の間に相当程度普及しているというふうに理解いたしております。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 そういう啓発、それから今後予定されている啓発も確かに効果があるかと思いますけれども、それ以上に、やはり〇・五%以上一・五%以下の企業に対して、雇用を直接、労働省から促すということの方が、より効果的でないか、私にはそう考えられるのですけれども、重ねて、雇用を促すようなことを、そういった企業に対してする気持ちがないのかどうか、お聞かせください。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 雇用率未達成の企業に対しまして計画書作成命令まで出すかどうかは別といたしまして、未達成の企業に対しまして、あらゆる機会に安定所として達成するように、そのために具体的な求人開拓を行うあるいは求職者を紹介する、そういった努力は常にいたしているわけでございます。特に、そういう点では雇用率を達成しているところ以上に未達成のところにつきましては御趣旨を踏まえて、従来もいたしておりますが、特に来年は障害者年でございますので、そういう指導には力を入れていきたいと思います。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 それから身体障害者がそういうふうに就労されまして、その後、定着率がどのようになっているか、そのような調査をされておられるかどうか、お聞かせください。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 必ずしも御質問に的確にお答えできる資料ではないかもしれませんが、労働省で行いました身体障害者の就業実態調査、これは調査時点が五十三年の十一月でございますが、それによりますと身体障害者の平均勤続年数が十一年二カ月という数字が出ております。それで精神薄弱者の平均勤続年数は五年となっております。  一般常用労働者が八年十カ月でございますから、それと比較いたしますと、身体障害者の平均勤続年数は長く、精神薄弱者の場合は非常に短い、こういうのが現状ではなかろうかと思います。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 やはり定着率を高めるということが雇用率達成に大きな効果があると思うのです。私の知っている企業で、たった二十七人しか職員のいないところですけれども、そのうち九人が身体障害者というところを知っておりまして、そこいらあたりの声を聞きますには、定着率を高めるために、さまざまな助成金も確かに効果はあるだろうが、それよりも就職したときに、すぐ支給される奨励金のようなものを、細々とでもいいから続けてもらいたい、こういう声があったのですけれども、そういう声は労働省の耳には入っていないでしょうか。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 身障者を雇いました場合に、現在、雇用奨励金というものを一年間出す制度がございます。これを一年限りでなく、もう少し長くしてほしいというお話だと思いますが、この奨励金は、その名のとおり身体障害者の雇用を奨励しようということでございまして、それをずっと、そこに雇用されている限り支給していくということをねらった制度ではございませんで、一年間助成することによって少しでも身体障害者の雇用を奨励しようというだけでございます。  そういう意味で、むしろ職場の定着につきましては、その身体障害者の障害の程度なり種類に応じた職場での適正な雇用管理あるいは作業施設の改善、雇用環境の整備、そういったことが非常に重要でございましょうし、そういうものに対する事業主の助成といったものも考えられますし、あるいは安定所の指導官によりますフォローアップあるいは相談員による相談、そういうことを通じて、身体障害者が健常者と一緒になって、その職場で十分働けるような環境を整えていく、そういうことに力を尽くすべきではなかろうかと思うわけでございます。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 助成金というのは、すべての身体障害者を雇用しているところに行き渡る性格のものではなくて、身体障害者を雇っているところでも助成金のようなものは必要としないところもあるわけであります。奨励金というのは、雇用している、あらゆる企業に行き渡るものでして、国のお金を使うという点では、より公平な性格のものじゃないかと考えられますし、奨励金を永続的ではなくても、いまの一年より、もう少し長くしてもらえないかという声もありますので、その点を御検討いただきたいと考えますが、お考えをお聞かせください。

関英夫労働省職業安定局長

○関(英)政府委員 身体障害者雇用奨励金制度というのが前からございまして、最近たとえば重度障害者を雇いますと重度障害者雇用管理助成金というのが出るようになりました。そういう、より手厚い制度が適用になりますと雇用奨励金制度は適用にならぬわけでございます。そういう意味で、どちらかの制度が適用になっているのが現実だろうと思いますが、重度障害者の場合には二年間助成するということになっておりますから、雇用奨励金よりは手厚い制度ができております。ただ、これは先ほども申しましたが、オイルショック後の非常な不況期におきます中高年雇用開発給付金と合わせて、中高年及び重度の障害者の雇用を特に臨時応急的に促進しようという臨時の措置でございます。そういう意味で二年間で終わりになる制度で、もうすぐ終わりになります。したがいまして、これから、その制度が終わった後におきます助成金制度を考えなければならぬと思いますが、助成金等の援助措置の切れ目が縁の切れ目というようなことになってはいかぬわけで、身体障害者の解雇については届け出まで要するわけですから、いままでも、そういうことはないと思いますけれども、とにかく身体障害者が長く安定して働いていただける、それをどうやったら確保できるか。賃金助成を長い間続けることは、私は決してよき政策とは思いませんので、身体障害者の雇用は奨励せねばならないし、その永続的な安定も何とか助成していかなければならないけれども、それは賃金の助成というような唯一の方策でなく、多様な手段で考えていかなければならぬだろうと思っております。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 それから調整金と、あと報奨金という区別がなされていて、金額的には一万四千円と八千円。この区別されている根拠をお示しいただきたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 納付金制度は、御承知のように身体障害者の雇用に関します事業主の社会的連帯責任の理念を基礎として実施されております、いわば共同連帯事業の性格を持つものでございまして、納付金は全事業主が、その雇用する労働者の数に応じて負担する原則でございます。中小企業につきましては、次に申しますような理由から、当面、当分の間、納付金の徴収の対象としないということになっているわけでございます。それは中小企業を取り巻きます経済状況が厳しい、したがって納付金の納付義務を課さない方が望ましいといったようなことも理由とされているわけでございまして、現在、納付金は先生御承知のように、従業員三百人以上の企業から徴収しているところでございます。  したがいまして、それだけの観点から言えば三百人以上の間での経済的調整ということでございますけれども、中小企業におきまして積極的な雇用が進められ、それについての費用も高まっているということを考慮いたしまして、中小企業につきましては報奨金というものを支給しているわけでございまして、法律では規定で報奨金は調整金の以下の額とするということになっているわけでございます。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 中小企業と大企業という区別はあるかもしれませんけれども、障害者を雇用しているという点から見ますと、どっちの企業も、できる限り平等に扱っていいような感じもいたしますし、現に中小企業の方の雇用達成率がいいわけですから、この辺についても御検討いただければ、こうお願いいたしまして私の質問を終わります。

戸沢政方自由民主党

○戸沢委員長代理 菅直人君。

菅直人社会民主連合

○菅委員 来年の一九八一年が国際障害者年ということで、これに関連しては、労働省だけではなく、特に厚生省そして総理府等を中心に、いろいろな施策がなされるというふうに、いろいろ計画を聞いているのですけれども、この問題、労働大臣にお聞きするのが適切かどうか若干、疑問もあるのですが、一つだけ大臣の御見解をお聞きしたいのは、障害者の問題について最近ノーマリゼーションといいますか、ノーマライゼーションといいますか、できるだけ一般の人たちと同じような生活のできる環境をつくっていこうということが、いろいろと言われておりますし、今回の国際障害者年に当たっての宣言等の中にも、そういう趣旨のことが入っているわけですけれども、ノーマリゼーションについて多少一般的な御意見を伺う形になりますけれども、大臣はどのようにお考えになっておられるか、お聞かせをいただきたいと思います。

藤尾正行自由民主党労働大臣

○藤尾国務大臣 御趣旨のとおりでございまして、現実に障害者がおられますのは、障害者だけが、そこに別におられるわけじゃございませんで、一般社会の中におられるわけでございますから、そのままの形で、雇用におきましても、あるいは、その他の施策におきましても、通常一般社会の中にある障害者対策というもののザインそのままを施策の中に展開していきたい、こういう思想でございます。

菅直人社会民主連合

○菅委員 大臣の御見解、私も、そのとおりだと思うのです。が、では、いまの社会の中で、そういう障害者の方が生活をし、仕事をしていく上で何が一番の障害になっているかということを考えてみますと、もちろん、いろいろな施設の問題いろいろあるわけですけれども、一番大きな問題の一つが、実は障害者対策という形で障害者の方に対して何々をするとか、どういう施設をつくるということ以上に、私自身、自分のことを翻ってみても、自分自身、一般国民なり市民自身が、こういう障害者問題に対して、どういう形で生活をしているのか。たとえば目の悪い方がそばを歩かれる、しかし何となく横断歩道に来られても、どういうふうに手伝っていいかわからない。そういうふうな意味では、ノーマリゼーションを進める上では、いわゆる障害者の人に対して何をするということと同時にというか、それ以上に一般国民に対して、また一般市民に対して、教育という言い方が適切かどうかわかりませんが、啓蒙運動をやっていく必要があると私は思うわけです。そういう点で一般国民ということになれば、一般成人ももちろんですけれども、やはり子供のうちから、そういう状況になれ親しんでいることがあれば、長い目で見てノーマリゼーションの促進は非常に大きな意味があるのではないかと私は思うわけです。そういう点で文部省の方にお聞きしたいのですが、いまの児童に対する福祉教育という点において、この障害者問題について、どのような施策がとられているのかということをお尋ねしたいと思います。

戸田成一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○戸田説明員 小学校や中学校の一般の子供たちが心身障害児に対する正しい理解と認識を深めることは、きわめて重要でございます。そこで小学校の場合には、教育課程の基本を定めている小学校学習指導要領では、道徳という領域が各教科の領域のほかにございます。その道徳の内容として「だれにも親切にし、弱い人や不幸な人をいたわる。」ということ、また中学校の場合には、中学校学習指導要領で「温かい人間愛の精神を深めていく。」ことを示しております。また昨年の七月に告示しました特殊教育諸学校の学習指導要領において「児童又は生従の経験を広め、社会性を養い、好ましい人間関係を育てるため、学校の教育活動全体を通じて、小学校の児童又は中学校の生徒及び地域社会の人々と活動を共にする機会を積極的に設けるようにすること。」ということを示しております。と同時に、その施行通達において、今度は小中学校の方に呼びかけておるわけですが、小中学校の方においても、この趣旨を十分理解し、適切な教育活動が展開されるように指導しているところでございます。これに基づきまして、盲、聾、養護学校においては、地域や学校の実態などを考慮して、学校行事やクラブ活動などの実施に当たって可能な限り小学校、中学校の児童生徒と交流を行うこととしておるのでございます。  なお文部省では、昭和五十四年度から心身障害児理解推進校を全国の小学校、中学校の中から選んで指定するとともに、小中学校の教員が心身障害児について正しい理解と認識を深めて、一般の子供たちに対する指導が適切に行われることをねらいとして手引書をつくっております。これは「心身障害児の理解のために」というタイトルでございますが、そのような手引書を作成し全国の小学校、中学校などに配付して、ただいま御指摘のような仕事を展開しておるのでございます。

菅直人社会民主連合

○菅委員 私が何かで読んだか聞いた話で、たとえば北欧においては手話を義務教育の中でも、ある程度、教えているということを聞いたことがあるわけです。御存じのように手話といえば、耳の聞こえない方が話す上で手で話すわけです。私も手話のことは自分ではわからないので、こういうことを言うのも自分自身ができなくて残念なんですけれども、手話を考えてみると、普通の人が手話を理解したり手話を使えたりしない限りは、逆に、そういう障害を持った方とは会話ができないわけです。そういう点では、いま、おっしゃったような一般的な形での理解ということと同時に、一つのあり方として、たとえば手話をある期間だけでも子供たちに教える、それは単に手話ということだけではなくて、より障害者の問題に対して理解をする上でも非常な効果があるのではないかというように私、考えるのですけれども、この点についていかがでしょうか。

戸田成一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○戸田説明員 学校教育の中に、たとえばということで手話を取り入れたらどうかという御指摘でございますが、この件に関しましては、各学校の判断によりクラブ活動などの場で取り入れることは可能とは考えられますけれども、学校教育として一律にすべての児童、生徒に指導すべき学習内容として位置づけることはむずかしい、位置づけるべきものとは考えてないというのが私どもの考え方でございますので、御理解いただきたいと思います。

菅直人社会民主連合

○菅委員 私は、この障害者年に当たって一番大きな問題は、この一年間に何をやるかということ以上に、いま申し上げましたように、または、いま御答弁いただきました点の中にも含まれていることですけれども、子供たち、そして大人を含めて、そういう障害を持っている人たちと私たちの方も含めてノーマルにつき合いができて、正常につき合いができる環境をいかにつくるかということが、やはり一番重要なことではないかと思うわけです。そういう点で、確かに一律にやることがいいか悪いかという議論は十分あるとは思うのですが、ややもすれば、たてまえだけになりかねない、そういう弱い人、不幸な人に対する同情心という形ではなくて、私たち自身も、そういう中に自然に交流ができるという一つの例示的、またはトレーニングの一つとして、大いに、そういう点もお考えをいただきたいということを申し添えておきたいと思います。  それから同時に、ただいま子供、児童に対しての福祉教育ということについてお尋ねしたのですが、これは子供たちだけではなくて一般の成人に向けても、こういうことが大変必要なことだと思うわけです。これは厚生省の方にお聞きした方が適切かと思いますが、身体障害者福祉法の中にも心身障害者対策基本法の中にも、国民の責務という形で、たとえば身体障害者福祉法の第三条の二項には「国民は、身体障害者がその障害を克服し、社会経済活動に参与しようとする努力に対し、協力するように努めなければならない。」という訓示規定が設けられているわけですけれども、こういったことについて、一般人に対する啓蒙活動等については、どういうことをされているのかということをお尋ねしたいと思います。

板山賢治厚生省社会局更生課長

○板山説明員 先生が御指摘になりましたようにノーマライゼーションというのは、障害のあるなしにかかわらず人間はみんな助け合って生きていくんだというのが基本にあると思います。そういう意味で、福祉という分野から一般市民の意識啓発ということについて取り組んでおります厚生省は、ボランティア活動、特に最近、国民総ボランティアというような言葉もありますが、ボランティア意識を、どれだけ周知徹底して教育、訓練するかという——もちろんボランティアというのは自発性という原則がありますので押しつけるものではありません。国際障害者年を機会に厚生省の進めておりますボランティア活動は、障害者問題に一つポイントをしぼって、その啓発普及に努めたい、このように考えています。  さらに昨年来、実施しております障害者の福祉都市、町づくり運動も、こういった観点から、その町ぐるみ、障害者の住みよい町をつくる、これは決してハードの面だけではなくてソフトの面についても、市民の意識にかかわる問題についても重点的な取り組みをしていっていただきたい、こんなことを考えております。  もう一つ、いま先生、手話のお話を出されましたが、私たちは福祉の観点から、聴覚言語障害者における手話というのはきわめて重要だと考えています。その意味で、いま二千語ぐらい日本で使われている手話用語がありますが、これを三千語にしたい、このような願いから、ここ三年ほど新しい手話用語の研究開発を全日本聾唖連盟に委託いたしております。労働省もまた職業用手話についての研究委託をしていただくようになりました。この手話用語の新しい開発を通して標準的な手話を全国的に広めていきたい、このように考えているわけです。     〔戸沢委員長代理退席、委員長着席〕 その中で、いままで最も効果がありますのは、先ほど申しました全国身体障害者スポーツ大会が各県で開催されて十六回目になります。このスポーツ大会の開催されます県では、短大の女子学生あるいは看護学院などの生徒に大会のためにボランティアを五百人ほど手話要員として要請をします。この活動は手話用語の普及について大変な効果があるということを経験的に申し上げておきたいと思います。

菅直人社会民主連合

○菅委員 厚生省の方での御努力については、かなりよくわかったのですが、この国際障害者年に当たって、いろいろな行事なり施策を特に考えられているようですけれども、また、それに関連した予算要求も、かなり各省から出ているようですけれども、私が伺ったところでは、国際障害者年という形で一般の国民に訴えるのは総理府が担当する役割りだというふうに伺っているわけです。そういう点で総理府が、この年度に当たって一般国民に対して訴える姿勢なり、いま私が申し上げたように一般国民に対して、どういう形で訴えようとされているのか、どういう機会を通して訴えようとしているのか、その点についてお聞かせをいただきたいと思います。

花輪隆昭内閣官房内閣審議官

○花輪説明員 先生が先ほどから御指摘になっております健常者と障害者との触れ合いの問題は大変大事な問題であると考えておるわけでございまして、私ども来年度、各種の広報活動あるいは記念行事等行う予定にしておりますが、その基本は、いま先生が御指摘になったようなことを念頭に置きまして、各種行事には、むしろ障害者の積極的な参加を求める。そして、それに一般市民も加わった形でセミナーあるいはコンサート等の実施もしていく。そうして、その姿を新聞テレビ等を通じて広く世の中に訴えていく。こういう形で国際障害者年を契機に、ひとつ日本の障害者問題の市民レベルでの理解度もぐっと高めていきたい、こういうことで考えているわけでございます。具体的にはポスター、パンフレット等の作成はもとよりでございますが、そのほかキャラバン隊によるキャンペーンあるいは映画会あるいは障害者自身も演奏に参加する形でのコンサート、こんなふうなものをいろいろと計画しておるところでございます。

菅直人社会民主連合

○菅委員 これは私のささやかな経験を含めて、ちょっと申し上げてみますと、ついせんだって私、仙台に行きまして、ありのまま舎という筋ジストロフィーの患者さんたちのグループに会ってきたわけです。その中の一人の方に会ってきたのですけれども、その方が言われるのは、たとえば病院に長く十年、二十年おられる方が多いんですけれども、つまり自分たちにとっては、それそのものが生活なんだ、決して私たち、普通の健全な人が入院をして治ったら働くというのじゃなくて、治ったら、また遊ぶということではなくて、それそのものが生活なんだ、そういうことを理解をしていただかないと、結局は入院しているんだから、これもしちゃいけません、あれもしちゃいけませんということになるということを非常に強く訴えられていたのが私自身の頭に非常に強く残っているわけですけれども、まさに障害を持っておられる方にとっては、そのこと自体を含めて自分の一生ということですので、ぜひ、そういうたノーマリゼーションということを一つの基本的な考え方とするように、日本もだんだん、なりつつはあると思いますけれども、これまでの施策を見ると、ややもすると隔離をしたり、または別建ての、いろいろなやり方をしていたことがあるわけですから、そういう点を含めて施策を進めていただきたいと思うわけです。  あと、もう少し時間がありますので、一点だけ今度は労働省に話を戻してお尋ねをしたいのですが、きょう、ずっとこの雇用促進法についての審議がなされているわけですけれども、いま、いろいろな障害の形がありますけれども、たとえば車いすの方には、どういう仕事が適切なんだろうか、どういうことがお願いできるんだろかとか、または、先ほどありましたように耳の悪い方に、どういう仕事がお願いできるんだろうかとか、そういうことについての一つの調査といいますか、そういうことについてはどういうふうになっているんでしょうか。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 最近、事業主の身体障害者、心身障害者の雇用に対する理解が大変深まってまいりますとともに、いま先生御指摘のような、どういう障害の方が、どういう仕事に向くのかといったようなことについての情報を求める事業主が大変多くなってまいりました。私ども、ずいぶん以前から、そういう研究を重ねてまいりまして、その蓄積もずいぶん多くなっているわけでございますけれども、中には大変学問的な研究にとどまり、現場の事業主の方に直ちにお役に立つようなものでないものもございます。私ども現在、研究グループをつくりまして、そういう過去の研究結果を、ただいま整理しているところでございます。そういう中から現場でお役に立つものを選び出しまして、一つのマニュアルのようなものをつくりまして事業主の方にお配りするようにしたいと考えておるところでございます。

菅直人社会民主連合

○菅委員 ずっと、きょうの審議を聞いておりまして、雇用促進法に基づいて、いわゆる民間の場合何%は身体障害者の方を雇わなければいけないというふうな施策がとられていることはよく存じているのですけれども、それが事業主にとっても、いわゆる負担だという感覚だけでとらえられてしまう。そうすれば、そこに本当にせっかく職場を得た障害者の人にとっても、これは決して居心地のいいことではないと思うわけです。  それで時間も少ないので、私が多少いろいろな関係者にお聞きした話で言いますと、リハビリテーションのいろいろな施設がある。いまでも、たとえば木工の作業を一生懸命教えている。しかし社会的なニーズとしては、もうそんなに木工のような作業のニーズはない。しかし、その施設だけは、そういうことが非常に重要視されている。いわゆる社会的なニーズとも離れたような形で、まだ施策が進められている面があると思うわけです。私が何人かの方に聞いた一つの話では、最近たとえばアニメーションのフィルムに色をつけるような仕事、これはなかなか精神統一が必要な仕事ですけれども、そういうことなんかは、かなり多くの障害者の方にお願いできる仕事ではないだろうか。または精神障害者の方の場合に動物を相手にするような仕事、たとえば酪農で豚を相手にする、牛を相手にするという仕事が、人間を非常に明るくするというふうなことも聞いておりますし、そういった点での社会的ニーズと障害者自身の一つの要求とを、それから事業主自身の一つのニーズというものを、いまお聞きしましたら研究グループをつくって取りまとめ中だと言われましたけれども、アンケートをちゃんと取って、そういうものを大いにやっていただきたいと思いますけれども、もう取りまとめ中であれば重なってしまえば、それは無意味かもしれませんが、もう一度そういうニーズについて、いつごろまでに取りまとめられるなり、または、それを発表されるような方向があるかお尋ねをして、私の質問を終わらしていただきたいと思いますが、一応それについてお答えをお願いします。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○若林説明員 先ほど申し上げました、障害者の方が具体的にどういう仕事に向いているかといったマニュアルの作成につきましては、国際障害者年も間近でございまして、できるだけ早い機会にまとめたいと考えております。

菅直人社会民主連合

○菅委員 それでは、もう時間も少なくなりましたので、そういう形で、ぜひ障害者の方を重荷として感じるんではなくて、障害者自身も働いて自分たちが社会に役に立っているんだと思えるような職場を、ぜひ開発をしていただいて、まさに生きているということが、そういう人たちにとっても感じられるような施策をお願いをして、私の御質問を終わらしていただきたいと思います。(拍手)

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 以上をもちまして本日の質疑を終了いたします。      ————◇—————

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 この際、身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、先般来各会派間において御協議いただき、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしてございます。  その起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から簡単に御説明申し上げます。  最近の雇用・失業情勢は、やや明るい兆しを見せてはおりますが、身体障害者の雇用状況については、依然として厳しいものがあります。  本案は、身体障害者の雇用の促進を図るため、身体障害者雇用納付金制度に基づく助成金の拡充を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。  第一は、重度障害者等の通勤を容易にすること等の障害の種類または程度に応じた適正な雇用管理のための措置を行う事業主に対して、助成金を支給すること。  第二は、身体障害者の能力を開発し、向上させるための教育訓練を行う事業主、学校法人、社会福祉法人等に対して、助成金を支給すること。また、身体障害者の教育訓練の受講を容易にするための措置を行う事業主に対しても、助成金を支給すること。  第三は、身体障害者の雇用について、事業主及び国民一般の理解を高めるための啓発の事業を行う事業主の団体に対して、助成金を支給すること。  なお、この法律は公布の日から施行することといたしております。  以上が本起草案の趣旨及び内容であります。     ————————————— 身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 採決いたします。  お手元に配付いたしてあります草案を、身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 起立総員。よって、さよう決しました。  委員長において所要の提出手続をとります。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時十一分散会      ————◇—————

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