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93回国会衆議院1980/11/13

社会労働委員会 第8号

発言数
179
登壇者
12
会派数
6
開催日
1980/11/13

会議録

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案を議題とし、質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤茂君。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 いま議題となりました、こどもの国法案について質問をいたします。  本法案は参議院で、すでに先議をされ衆議院に送付をされておりますので、詳細に議論をするのも本委員会の機会だけということであろうと思います。法案の内容を見ますと、いろいろ考えさせられることが多いわけでありまして、設立のときの議事録を読んでみますと、現総理である鈴木善幸さんが厚生大臣当時の昭和四十一年に設立、そうして、いま鈴木善幸さん内閣のもとで、この法案が出されている。この十五年間に時の移りといいますか、政府の政策の変化ということを考えさせられるわけであります。具体的な内容に入ります前に恐縮ですが、全般的な姿勢について大臣の所見を実は伺いたいわけであります。  それは二つの視点が考えられるわけでありまして、一つは、こどもの国を利用している広い意味での地元の人たちの気持ちであります。こどもの国所在地は実は私の家のすぐそばでありまして、近くの子供たちも年じゅう、ここで楽しんでいるわけであります。古い方々からもお話を伺いますと、何か昭和十二年ごろに当時、民間の所有地であったものが国家総動員法で軍部から強制買い上げになって、陸軍の兵器廠、火薬庫、弾薬庫になりまして、何か、つくるときには当時の中学生も学徒動員で働きまして、二人か三人その途中で死人も出しているとかいうこともあったようであります。その国家総動員法で、この土地が強制買い上げされる前の地権者のお年寄りの方々にも地元で話を聞くわけであります。そういうお話をいろいろと伺いますと、昭和四十年に皇太子御夫妻を迎えて、皇太子御成婚記念ということでオープンしたわけでありますけれども、旧地権者の人たちにとっても、もともと自分の所有の土地でしたから、子供にとっていい設備として発展するようにと願っているという話を聞くわけであります。  また最近は、子供を中心に年間百二十万人利用している。これはふえることはあっても減ることはないだろうと思います。十五年間ですから、最初に、こどもの国で遊んだりした人たちはもう成年に達している。そういう人たちにとっても思い出の場所でありましょう。それを利用した人とか地元の人たちなどからしますと、全国でも貴重な存在として、この施設がますます健全な青少年のために発展するようにお願いをしたい、なぜ、これが特殊法人の統廃合整理ということで第一号に指定されるんだろうか、とても理解がいかないという気持ちが強いわけであります。  それからもう一つ私、考えますと、八〇年代から二十一世紀を展望するというならば、今後の日本の社会をどう考えるか、そういう面から見ますと、いずれにせよ国民の生活の質の向上とか福祉の社会とか心の豊かさとか、そういう意味での教育、文化設備の充実を求めることが、今後の社会の大きな課題になってくるということであろうと思いますし、ちょっと古くなっておりますが新経済社会七カ年計画の趣旨を読んでも、先般の鈴木総理の施政方針演説などを伺いましても、あるいは中曽根行管長官の話を伺いましても、強調されているわけであります。そういう意味からいいますと、ほかに厳しい財政事情があっても青少年を大切にしていこうというのが、これからの社会に求められる筋合いではないだろうかというふうに思うわけであります。私は何回か北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国を訪問したものですが、どこの町へ行きましても、一番大きな建物は学生少年宮殿、大臣は外務大臣でございましたから御承知だと思います。それから子供は王様というのが合い言葉になっている。これは将来に向けて非常に希望のある楽しい話だなと思うわけでありまして、そういう時代として八〇年代を、今後の時代を展望したいという気持ちがするわけであります。  そういう二つの視点からいいまして、厚生省の方で、今後の福祉あるいは青少年のための、青少年を大切にするような方向というものを一体どうお考えになって、この法案を出されたのだろうか。青少年問題、福祉に見識を持たれている大臣ですから、まず、そういう一般的な御所見を最初にお伺いしたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 こどもの国を民営化することについて、お願いをしているわけでありますけれども、いま御指摘になりましたように第一は急速に高齢化する社会構造をながめるにつけても、子供の健全育成はきわめて重大でありまして、まさに、いまの子供がどのように働くかによって国の運命は決する、こういうことであることは御指摘のとおりであります。かつまた、いままでやってきた子供の健全育成の場所、その地元、従業員、こういう方々のいろいろな心の動揺等も御指摘のとおりでありまして、私も十分深く考えるところでございます。民営化いたしましても、国そのものは従来どおり監督及び助成については引き続きこれを行うこととして、民間の活力を積極的に導入し、より弾力的、効率的運営を期待をし、国の果たすべき義務は、なるべく従前どおりにして、そういう御懸念の点にこたえたいと考えておるわけでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 伺いました大臣のいまの御所見の中でも、子供の将来は国の将来にとって非常に重大であるというお話がございましたが、そういう方向に向けて、この法案がふさわしいのかどうか、具体的に、これからお伺いをさせていただきたいと思います。  まず具体的な問題として第一に伺いたいのは、今回、厚生省が行政整理、特殊法人の廃止、解散ということで、なぜ、こどもの国が第一目標になったのかということであります。厚生省といたしましては福祉を担当する部面でありますから、私は、それなりの見識も哲学もおありになるのではないだろうかと思います。そしてまた、ほかのことで、がまんをしても青少年の施設を大切にしていこうということを最も主張されるべき立場のお役所ではないだろうかと思うわけでありまして、そういう意味では、いわゆる行政効率論とかいうことだけから考える立場とは、若干、筋が違うのではないだろうかという気がするわけでありまして、そういう意味で疑問に思うわけでありますが、いま厚生省の所管に係る特殊法人が幾つあるのか。そうして、その中で、なぜ、こどもの国が第一目標になったのかということを説明してください。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 まず厚生省所管の特殊法人といたしましては現に八つあるわけでございますが、その名称は社会保障研究所、環境衛生金融公庫、医療金融公庫、社会福祉事業振興会、心身障害者福祉協会、こどもの国協会、社会保険診療報酬支払基金、年金福祉事業団、以上でございます。  なお、このたびの行政改革でございますが、行政の各般にわたりまして徹底した簡素化、効率化を進めることをねらいといたしております。その具体的な方策といたしまして一つに特殊法人の整理合理化があるわけでございます。今回の特殊法人の縮減につきましては、厚生省所管のそれぞれにつきまして、いろいろ検討されたわけでございますが、その結果こどもの国協会の廃止に踏み切りましたのは、こどもの国協会につきましては、類似の事業が民間でも行われておりまして、事業の内容が民営化になじむこと等に着目し、公益的な民間法人に業務の運営を行わせることとしたわけでございます。今回の特殊法人の整理といたしましては廃止、統合、民営化、この三つがあるわけでございますが、そのうちの民営化になるということでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 先ほど大臣の方から、民営化をいたしましてもデメリットが生まれないように努力をいたしますという趣旨のお話がございまして、また、いま局長の方からは、八つ厚生省所管の特殊法人がある中で民営化になじむという意味での趣旨のお話がございました。  それでは、そういう方向に果たしてメリットがあるのかデメリットがあるのかということを、さらに今後これからの質問を通じて御説明を願いたいというふうに思っておりますが、関連をしまして行政管理庁に伺いたいのですが、昨年の末、閣議決定で行政改革、特殊法人の統廃合ということが決定をされた、その一環として、こどもの国協会を今年度末に廃止をするというわけであります。私は行管庁に伺いたいのですが、先般、本会議答弁などで中曽根長官のお話を伺いましても、今後の国民のニーズが多様化をし、変化をする、それに対応するような価値観といいますか、判断を持ちながら行政の効率化を進めなければならないというようなことを大臣も言われているわけであります。そういう意味からいたしますと、この法案に関係をする昨年末の閣議決定以来の経過を見ましても、特殊法人の削減の理由、統廃合の理由というものが、何か一省一法人とか、数合わせ、その中で弱いものを血祭りに上げていこうというふうな気がしてならないわけでありまして、いま政府側からも言われているような今後の国民のニーズ、今後の社会を前提にしてということならば、そういう数合わせではない考え方をベースに置いたものが当然あるべきであろうというふうに思うわけでありまして、昨年末に閣議決定をされましてから内閣もかわりましたし、大臣もおかわりになりましたし、そういう望ましい方向に、ひとつ大胆にお考えを変えてもいいんではないだろうかと思うわけでありますが、その辺の経過を、どうお考えになるのかということ。  それから関連しますから、あわせまして恐縮ですが、厚生省の方に、なぜ、こどもの国を対象にしたのかということについての御説明を伺いました。ところが設立のとき、たとえば昭和四十一年当時の議事録を読んでみますと、全然、当時の説明は違うわけでありまして、当時の厚生省の説明は、こどもの国の事業を民間事業とすると、その性格上、商業遊園地的な安易な運営に流れやすいので特殊法人が望ましい。当時は国の直轄か特殊法人かという形の議論になったようでありますが、特殊法人であるべきであるという積極的な意義を見い出されたわけであります。鈴木善幸さんが厚生大臣から、いま総理大臣におなりになった、この十五年間に、そのような御説明が逆転をする社会的背景か経過が一体あったのかどうか理解に苦しむわけでありまして、そことのつながりを厚生省の方からも、あわせて御回答願いたいと思います。

増島俊之行政管理庁行政管理局管理官

○増島説明員 お答えいたします。  特殊法人の整理統合を検討いたします場合に、先生御指摘のような、その当該特殊法人がどういう性格の事業内容を行っているのかということは重要な検討事項の一つでございますけれども、特殊法人の整理統合を検討します基本的な考え方といいますか、基本的には、ある特定の事務、事業というものを前提としまして、その事務、事業をどういう実施主体で行うのが適当であるのか、また効率的なのかということでございます。これが基本的な考え方でございます。したがいまして場合によりましては国直轄でやるものもある、あるいはまた二つの特殊法人のものを一つでやった方が適当であるというような場合もございますし、あるいはまた民間の非常に発達したシステム等もあって民間の能力を活用する、民間の英知を活用して民間にゆだねる、そういうものもあるということでございます。今度の、こどもの国につきましては、そのような御判断が基底にあるというふうに考えております。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 今回、私どもが、こどもの国を民営化した方が効果的であると申しますのは、まず第一には理事の増員、それから新たに評議員会を設けることによりまして民間の英知を結集いたしますとともに、関係団体の協力体制をより強化することにより、こどもの国の運営について、さらに弾力的、効率的な運営を導入し、利用者に対するサービスの向上を図ることが期待できるというのが第一点でございます。  また第二点といたしましては、特殊法人の場合には決算、寄付金の受け入れ、役員の任命等につきまして厚生大臣の認可、承認を要するなど厳しい監督下に置かれておりますが、民営化によりまして、これらの手続が不要となり法人の自主性に基づいた迅速な処理が行われ、また子供たちの期待、需要に適宜、対応するための自由な企画運営の実行が期待できるということでございます。  なお実態につきましては、先ほどからお伺いいたしまして先生よく御承知のようでございますが、一つには、おかげさまで毎年の入場人員が百万人をすでに突破いたしまして、これが恒常的になっております。そういうことで経営も安定してまいっておりますし、それからまた、その後、地方におきまして、こどもの国というような名前のものが、私どもの知っておる範囲でも七つばかり各県にできまして、社会福祉法人あるいは公益法人による設置が行われております。こういったものも非常によく運営されておりますので、そういった点を見ましても民営化することは、その後の社会経済情勢の推移から見まして必ずしも不適当ではない、そういうように判断したわけでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 御両所とも御説明の方は決して切り捨てとか後向きではないというふうな御趣旨でありますが、前の議事録と比べて読んでみますと、これは一目瞭然でありまして、四十一年設立当時には青少年の未来のために、いかに、こういうことが大事であるか、また当時、厚生大臣鈴木善幸さんも、こういうことを、この一カ所だけではなくて、さらに広めていく姿勢を持つべきではないかというふうな姿勢を述べられているわけでありますが、今度提案された廃止されようとする法律の提案理由の中身を見ますと、理由はただ一つ「特殊法人の整理合理化を図るため、こどもの国」の廃止云々、これをやる必要があるということですね。短い文章ですから、いま答弁になったようなことを全部書くわけにはまいらぬということかもしれませんけれども、十五年前といまと、法案の提出、その中身を比べると、私はまことに対照的な気がいたします。もし大臣や局長がお述べになったような姿勢ならば「特殊法人の整理合理化を図るため、」という、ただ一点の理由ではなくて、もっとやはり青少年の将来のための施設を大切にしていこうという気持ちがあらわれるようなことがあってしかるべきだと思うのですが、実はそうではないわけであります。  私は、とにかく現実問題として施設にとっても、それから、それを利用している百万以上の人たちにとっても、メリットがあってもデメリットでない方向にいくべきではないだろうかということを、幾つか確かめたいと思うのでありますけれども、その前に関連して大蔵省にもひとつ伺いたい。これは意地悪で言うわけではありません、事実ですから。  これも設立の当時の御説明では、国有地、こどもの国のあの土地を民間法人に無償貸与することは不可能なので、その意味からも特殊法人として国が大きな責任を持った形でなさるべきである。設立、運営をさるべきであるというふうな理由が述べられているわけであります。これも十数年にして当時の説明と逆転する方向に、どうしてなられたのか。今度の法律にこのような内容を盛り込んで、特別の法律をつくって貸与するという今回の法律の趣旨とは、ずいぶん違うわけでありまして、この辺、厚生省から頼まれて仕方がなく、国の方針でやらなくちゃならぬから無理して、こういう法律の取り扱いを考えられたのか、その辺のこと。  それから、この法律によりますれば期限はないわけですね。運営上、監督その他、幾つかの条項はございますが、それに抵触しなければ、これは無期限に、いまのようなことがなされるという趣旨ではないかと思いますが、そのような将来の見通し、取り扱いの問題。それから、まさかとは思いますけれども、大蔵大臣も財政危機の打開、そして特殊法人からも利益を吸い上げるとか、国有財産をどうするとか盛んに御努力をなさっているようでありますから、これから財政再建期間中に、さらに窮地に陥ってといいますか、苦しい状態の中で少しお金を出せとか有償にいたしましょうとか、あるいは少し買えとかというような話は、まさか起きないだろうと思いますが、経過と今後の姿勢を大蔵省の方から御説明願います。

山口健治大蔵省理財局国有財産総括課長

○山口説明員 いま御質問が三点ございましたわけで、一つは設立当初の経緯についてでありますけれども、従来から大蔵省の国有財産は、出資をする場合には特殊法人または認可法人についてでなければできない。したがって、こどもの国協会をつくる際に特殊法人、認可法人にしていただいて出資をしたといういきさつがあります。無償貸し付けにつきましては法律に定めがありまして、主として地方公共団体に貸すことになっておりまして、地方公共団体以外のものとしては、たとえば社会福祉法人であっても、知事または市町村長の委託を受けた保護または措置の用に施設をつくるときの用地は無償貸し付けすることができるという規定がありますけれども、こういう場合には民間団体、民間法人である社会福祉法人に無償でお貸しすることができることになっております。ただ、これはあくまでも法律上厳しい限定というか規制がございまして、無制限に、そういうことをすることはできないということになっております。  今回、閣議決定によりまして、厚生省の方と御相談をいたしまして国有地を無償貸し付けしようということに至りました経緯は、こどもの国協会及び、その運営をしておられる、こどもの国が非常にうまくいっておられるので、新たな負担を生じさせないような方法で今後も事業を継続していきたいという強い御希望がありましたので、そういうことになるとすれば、民間の法人になって新たな負担を生じさせないということであれば、本来は、うちは無償貸し付けできないのですけれども、特別立法によって、たとえば日本遺族会等の前例などもありますので、それと同等の法律上の厚生大臣の監督というか、あるいは規制というか、そういうものを定めて、それを守っていただければ、やむを得ないのではないかというふうに考えて、無償貸し付けを法律上認めることにしたわけでございます。  それから第二点の期限がどうなのかということでございます。これは法律上は無償貸し付けをする場合について期限をどうするかという規定はございませんけれども、一応、国有財産の取り扱いといたしまして、実務上は契約期間五年ということになっております。ただ、その五年というのは契約書上は書いてございますが、これはあくまでも一応の契約上の区切りをつけるという意味でございまして、国有地いま何百件と全国に無償貸し付けをしております。一番多いのは公園、緑地それから学校その他、無償貸し付けは非常にたくさんありますが、これは一応全部、大蔵省の標準書式という契約書の書式を統一しておりまして、そこで一応五年と書いております。ただ五年参りまして、使用されている方は事情の変更がない限り更新してほしいというのが通例でございまして、その場合には法令に違反するとか、あるいは、たとえば厚生大臣の監督あるいは指揮命令に服しないといった特別の事情がない限りは自動的に更新を認めていくということになっておりまして、これは学校、公園、緑地その他、国有財産の無償貸し付けを認めている例と全く同じように取り扱いたい、こういうふうに思っております。  それから最後の、財政再建の折から、買えなどということになるおそれはないのかという御懸念でございます。これは確かに現在は国有財産を売って財源を調達しようという声が非常に強いのでございますけれども、私ども大蔵省の中で国有財産を扱っている者といたしましては、国有地だからといって土地を売るということは本末転倒である、土地というものは、一たん売って今度買う場合には、買えない場合がありますし、買おうと思っても売った値段の何倍もの価を出して買わなければならない。そうすると一体、財政再建というものは何のためにやるのかという根本的な疑問が出てまいりますので、国有地はできるだけ売らないで、特に、こういうふうに公用、公共に使われていて皆さんが非常に評価してくだすっておられるものについては売らないでやっていきたい、現在は、そういうふうに考えております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 行管庁、大蔵省、これだけですから結構でございます。あと厚生省に伺います。  厚生省の方に一つ伺いたいのですが、昨年でしたか、国際児童年にちなんで、こどもの城の計画があって、いま具体化をされておるようであります。国際児童年にちなんで東京でございましたか、最初のこどもの城を設立する。これはちょうど皇太子殿下の御成婚のときに、国が大きな責任を持って、こどもの国をつくられたのと同じみたいな考えでありますが、片っ方では、こどもの国の方は民営福祉法人にという取り扱いをされている。片っ方では、こどもの城を設立しよう。つくること自体は大賛成なんですが、何か取り扱いの面で、ぎくしゃくしたような違うような感じがするわけであります。片っ方では国の責任で新しくつくっていく。片っ方では民間に移していく。これは矛盾しませんか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいま先生おっしゃいました、こどもの城でございますが、これは青山に買い取った土地がございまして目下、建設の作業をいたしております。この建設費につきましては児童手当の特別会計の福祉施設費を用いまして、この財源は全額事業主負担でございます。これは大体昭和五十九年ないし六十年ごろに完成いたすわけでございますが、これが完成した暁におきましては、もちろん国立国営ということではございませんで、民間団体に経営を委託するという形になろうかと思います。そういう意味におきまして、こどもの国の場合と同じような形になるのではないかと思っております。  なお、いずれにいたしましても両方とも児童の健全育成を図るための、片方は屋内を主とした、片方は屋外を主とした施設でございます。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ちょっと一言、私から申し上げたいと思います。  非常に言葉やさしく質問をしておられますが、なかなか急所をついておられますので、答弁者側から申しますと、不幸なことに最初この問題が特殊法人がいいか民営がいいかという議論になっておりまして、その際、特殊法人でなければ、うまくいきませんという一貫した主張をして、それが通って今日まで来たものであります。それを、いまになってから急に、いや民営化の方が結構でございますということは、どう、うまく組み立ててみても理屈が通らないわけでございまして、答弁すればするほど伊藤先生から笑われるようなことになるわけであります。  これは、いま事務当局なり私が答弁しておることは御意見のとおりではありますけれども、特に政府部内における社会経済情勢の変化から来た、やむを得ざる情勢に立ち至り、したがって厚生省としては、いろいろ考えた末これが一番無難である、しかも、これならば特殊法人の場合とほとんど変わらないようにやる自信がある、こういうことになった窮余の策でございますので、それを前提にして事務当局の御答弁をお聞き願えればありがたいと存じます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 大臣、大変率直に本心を言われましたが、私は冒頭に申し上げましたような気持ちから、賛成するわけにはまいりません。何か、もっと可能な方法を、いろいろな形で、未来を担う青少年のために努力していく。行政整理か財政再建か、その同じ流れ全体でこれを扱うのではなくて、明治維新以来のわが国の発展の歴史を見ても教育と子供の問題ですから、これが今日の日本を築いてきた大きな基礎になっておりますので、ほかのことは厳しくても、これは大事にしていこう。国民全体に増税攻勢も。ございますけれども、いろいろ厳しいことがあっても、何か一つは明るい気持ちを抱かせるということが望ましいという気持ちであるわけでありますが、せっかくの大臣の率直なお話がございましたので、それでは具体的にデメリットを生まない、さっき民間の活力とか効率、迅速の運営とか幾つか言われましたが、この際メリットを見出していくという真剣な中身と姿勢が当然あるべきではないだろうかというふうに思うわけでありまして、その方向について数点、伺わせていただきたいと思いますが、その前に、局長から、さっきもお話がございましたが、民営にした方がより効果的と言えば、ちょっと大げさなんでしょうけれども、大臣も言われましたように諸般の事情によって、やむを得ない措置であっても、より効果的に、デメリットを生まずメリットを生んでつくり出していくということですね。これは参議院の議事録を見ましても何か四点か五点ぐらい言われているようでありますが、それをちょっと整理して言ってください。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 先ほども、ちょっと申し上げたわけでございますが、今回、私どもが予定いたしておりますのは特殊法人から社会福祉法人に切りかえるわけでございます。社会福祉法人ということになりました場合においては、特に団体の構成でございますが、理事は現在四名でございますが、厚生省の準則によりますと六名以上ということになっております。また評議員会を新たに設けることになっておりまして、評議員会の定数は理事の倍数以上ということになっておるわけであります。もちろん現在の役員の方々が設立の中心になられるわけでありますが、新たに増員されます方々につきましては、できるだけ民間の関係団体の協力を要請できるような線でお願いいたしたいと私どもは思っておるわけでございます。そういうことによりまして周辺のいろいろの御意向もしんしゃくでき、サービスの向上につながるのではないかと思っているわけでございます。  それからまた実際の事務手続上でございますが、特殊法人は先生も御承知のように、決算から寄付金の受け入れ、役員の任命等まで厚生大臣の認可とか承認がありまして、非常に厳しい監督下にあるわけでございますが、民営化になりますと、これらの手続が不要になりまして、予算、事業計画の認可につきましては、その膨大な百万平米にも及ぶ土地を無償で貸し付けを受けるわけでございますので、その目的にのっとって児童厚生施設として機能しているかどうかをチェックするための認可があるわけでございますが、こういったものを除きますと手続も非常に簡素化されまして、そういう意味で自由な企画運営の実行が期待できるわけでございます。  また、その他お尋ねがございましたら、お答え申し上げたいと思います。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 いま局長が大きく二つ言われましたから、私も、一つは経営、経済的な面から見てデメリットが生まれないのかということと、それから局長は最初に、民間の活力、協力を得て、よりよくしていきたいということを言われましたが、そういう意味での今後の運営組織の問題と、両面から伺いたいと思います。  まず最初は経済面、経営面の問題であります。私は何ぼ考えてみても、これはデメリットはあってもメリットは一つもないというのが冷厳なる現実ではないだろうかというふうに思うわけであります。  まず最初に伺いたいのは税金の問題ですが、税金は一体どのくらいかかるのか。内容を見ましても、特殊法人から民間の社会福祉法人になることによって法人税、住民税、事業税などが、それぞれ新しくかかってくるということになるわけであります。協会の収支内容を見ますと、関係者の努力で、だんだんよくなっているのですね。だんだんよくなって収支差額は黒字で、だんだんふえている状態になっております。それぞれ現時点で五十四年度までは明らかになっていると思いますが、最近たとえば三年間ぐらいの、この収支差額がどうなっているのか。それから、それに基づいて、昭和五十四年度でも五年度でも結構ですが、いま払っている税金の額。それから、この法律改正によって払うべき額、これが幾らになるのかということを説明してください。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 まず最近の収支差でございますが、五十二年度におきましては二千百五十七万九千円、五十三年度が二千五百五十二万円、五十四年度が五百七十八万円、これが収支差と申しますか黒字額ということでございます。  なお税金の面でございますが、ただいま申し上げましたように五十四年度の決算の場合でございますと収支差は五百七十八万円でございますが、民営移管に伴いまして課税額がどうなるかということを試算いたしますと、約二百七十万円ということでございます。  以上でございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 何か、この四月の段階で参議院で審議があった場合に、現在百二十万、それが千二百万、十倍ぐらいになりますという話があったのですが、これは違うのですか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいま先生のお尋ねは五十二年度の場合のことではないかと思います。私ただいま申し上げましたのは最近の数字を申し上げたわけでございますが、五十三年度の決算におきましては収支差は二千五百五十二万円でございますが、これにつきまして民営移管後ということで課税額を試算いたしますと、約一千二百六十万円ということになるわけでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 年度によって現制度で払うべき税金と、変わった場合に払うべき税金との差額、大分、大小もあるようですが、五十三年度ベースで言いますれば十倍になる。それから今日の収支、今後どうなりますか厳しくなると思いますが、それにしても非常に高い倍率の税金の増加があるということになるわけであります。これは現実問題、新たなデメリットの分、新たな負担の分は、これを移管された場合、経営努力か、あるいは労働者の犠牲か、サービスの低下か料金の値上げかということになってくると思いますが、国の方で責任を持たれるというふうな考えはありますか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 元来、こどもの国の事業は収益を目的とするものではございません。したがいまして税負担が生じましても、そう大した額ではないわけでございますが、万一将来におきまして、その税負担によりまして法人みずからが行っておりますような施設の補修等が行えないというような事態が生じました場合におきましては、必要に応じて国の助成を行うということを検討してまいりたいと考えております。なお現在も助成は、もちろん行っておるわけでございますが、さらに、そういった点についても考えてみたいと思っておるわけでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 いまやっておる一億円近くの設備の助成、そのほかに、こういう状態で起こってくるものについて何かの形式で考えたいということを言われましたが、これが移行されれば、現実に五十六年度から、こういうデメリットが生まれるわけですから、これ全体について温かい配慮をするというお気持ちがありますか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいま申し上げたとおりでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 もう一遍言ってください。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 現に運営いたしております事業の、将来にわたりましても職員の処遇等に不安が生ずることのないよう、ただいま申し上げましたような意味の必要な助成等について十分配慮してまいりたいと考えているところでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 それは現実に税金の面で何百万か一千万か知りませんが、一定のデメリットが発生する、それについて、ちょびっとぐらいですか、それとも半分ぐらいですか。ほとんど全額ぐらい国の方で考えなければならぬ。これは法案が通ったら来年四月一日で変わってくるのですから、抽象的ではなくて一体どのくらいの気持ちを持って、やっていくのか。これは法案がもし不幸にして通った場合には、もう来年度の予算要求その他含めて、いますぐ、あなた方がやっているか、やらなければならないことでしょう、抽象論ではなく、お答えください。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいま申し上げましたのは、こどもの国といたしまして黒字になった場合ということでございまして、黒字になった場合の税金のことでございますが、しかし臨時応急等のいろいろ補修等に必要な場合に、法人自体といたしまして、これを賄うことができないということがございました場合には、私どもとして先ほど申し上げましたようなことを十分考えてまいりたいと思っておるわけでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 十分考えてまいりたいということですから、それ以上、具体的に何ぼ持つかまでは、やめておきましょう。これは現実問題のデメリットの面ですから大臣のお気持ちを伺っておきたいのですが、いずれにしても、こどもの国の収益にかかる税というのは、高級料亭でうまい物を食ってかかる税金とは違うわけですね。子供は小学生百円、自分のお小遣いで日曜日には、こどもの国にみんなで行こうと行くわけですから、子供の小遣いから税金を取る話なんですね。ですから、いままで解除されていた税金がかかる、法律的システムはそうだろうと思うのですが、何か子供の小遣いで入る料金ですから、子供の小遣いから税金を巻き上げるみたいな姿勢は望ましくないと思うのです。  それから今後を考えますと、渡辺大蔵大臣、大変強力に今後の増税の必要性を説いておられるようでありますし、先般の政府税制調査会の答申などを見ましても、いろいろな形で増税が必要であろう。もし前に国会で否定された一般消費税のようなものが採用されるとすれば、サービスその他の料金にも課税されるということもあり得るかもしらぬということになってまいるわけであります。ですから税法をごまかすわけにいきませんけれど、それでも子供の小遣いから税金を多額に取るようなことはやるべきではないと思うし、子供の払う料金で運営されるところにデメリットを生まないように、福祉と青少年の将来に見識と責任を持たれている厚生大臣の措置があってしかるべきではないだろうか。その辺の御所見はいかがでございましょう。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 数々の御指摘のとおりでありまして、ここで民営移管した場合にいろいろ問題があるものは、全力を挙げて、これを補てん、調整をして、いまと変わらないようにするのみならず、他の児童に対する諸問題は、さらに積極的にやるというのは当然のことであります。したがいまして、まず子供さんの入園料でありますが、四年間は据え置き、上げない。それから、もう一つは税も、おっしゃるとおりに、これは他の営利的な事業とは違うわけでありますから、これに対する税及びその税を含めて、種々の補綴であるとか補修であるとか新しい施設をつくる、こういう場合に支障がないように、助成金の方で賄えるように十分その点は、いまの御指摘を補えるように全力を挙げる覚悟でありまして、今年度も明年度の予算で助成金をすでに予算折衝でやらしております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 大臣から入園料を四年間は上げない方針と言われましたが、これは局長いかがですか。設立以来、経過を見ますと大体四年に一遍ぐらいのサイクルで上がっておるわけですね。前回は、たしか五十一年ではなかったかと思いますが、大体そのサイクルからしますと、ことし上がるか来年上がるか、ことしは上がらなかったわけで来年といえば、来年は新法人に切りかえになる時点になるわけです。一番利用するのは夏休みですから、その前等が考えられるのじゃないかと思いますが、そういたしますと今後ともデメリットが生まれないようにということを言われたけれども、従来のサイクルの経過からすれば、どうしても五年目あたりで来年になってしまうわけです。設立の新法人に移管のときに、従来の四年か五年のサイクルで来年ということにするのですか。それとも、いろいろな努力をして、四年かしらぬけれども新法人になるとき自体には、もちろん値上げはしない、幾ら何でもこれはひどいですから。新法人になった後も当分、値上げをしないように努力をされる、そういう意味でございましょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御指摘のとおりに、もう四年になるわけで通常から言えば、そういうことかもわかりませんが、切りかえのときには絶対に入園料の値上げはいたしません。のみならず当面これで据え置きすることをお約束いたします。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 わかりました。  それで、あと経営面について二つ伺いたいのですが、一つは、寄付金の受け入れ、民間の協力などについても、より機動的にできるというふうなお話がございましたが、資料を見ますと、いままでも毎年、少額の方も多額の方もいらっしゃるようですが、いろいろと、こどもの国の発展の方向に個人の寄付とかがあるようでありまして、私は大変ありがたいことだろうと思います。そういう方向がいままでもあったわけでありますが、大規模に、そういうことを考えられるということになるのでしょうか。その場合に、たとえば民間資本とか、どこかから、ひもつきになるとかいう危険性はないのだろうか。そういう寄付金についてのポシビリティーとリアリティーですね。それから関連をして、商業的施設の導入になるのではないだろうか。一つ入るごとにジェットコースターとかメリーゴーラウンドとか、お金を取られて、いわゆる商業的な遊園地になる危険性があるのではないだろうかということも地元その他で心配しているわけでありますが、いかがでございましょうか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいま御指摘の商業的遊園地というようなことは現段階で全く考えておりません。こどもの国を民営化すると申しましても運営主体は社会福祉法人でございまして、こどもの国は児童福祉法上の児童厚生施設でございますから、そういう意味における種々の監督規定もございますので、民営化によりまして商業的施設が導入されるというようなことは今後ともあり得ないと考えております。  なお寄付金につきましては、従来も関係方面から御配慮いただいておりますが、特に今後、従前よりもよけい導入するとか、そういったことはございません。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 それでは、もう一つ新法人の構想、構成、運営をどうお考えになるのかということを伺いたいと思いますが、その前段に現状、いままでの経過ですね。何か聞きますと、指摘をして恐縮ですが大変お年寄りの方も含めた、いままでの役員、理事の方々が勤めを果たされてきたということのようであります。こういうメンバーの方々ですから、年に一遍か二遍どこかで集まって経過と決算を聞くとかいうことではなかったのだろうかというふうに推定をするわけでありますが、いままでの役員その他どの程度、会議を開くとか御活動なさってきたのか。  それから、この法律によって新しい法人を設立するということになれば、提案の趣旨では五十六年四月一日を期してということになるわけでありますから、その準備にかからなければならぬわけです。その準備を、先ほどお話のございました民間その他機関の協力を得てということになりますと、厚生省と、それからいまの役員、理事、監事の方々と申しましても、どこか九州の方の交通会社の社長さんとか、お忙しい証券取引所の理事長さんとかなどもいらっしゃるようでありまして、精力的に取り組むというわけにはまいらぬでしょう。そうすると厚生省と園長さんと相談をしてやるということになりかねない。さっき局長がおっしゃった趣旨からすれば、準備の過程においても広く協力を得てという発想が生まれてくるということではないかと思いますが、その辺はどう処理されますか。     〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 まず現在の、こどもの国協会の役員会等の開催状況でございますが、予算、決算等を審議いたします、そういった定例的なことでございまして、年二回程度でございます。検討いたします事案は、それだけではございませんが、大体年二回程度というふうにお考えいただきたいと思います。  それから今後におきましては、先ほども申し上げましたように関係される地域の方々等に御参加いただくことになるわけでございますが、いずれにいたしましても、ただいまはまだ、この法案の御審議をいただいている最中でございますので、今国会を終わりましてから、今後どのようにするかということを、一番事情を知っております現在のこどもの国協会の役員とも相談いたしまして、できるだけ速やかに法人が設立されるように指導してまいりたいと思っているわけでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 私が、いま質問しましたのは、私どもは基本的には反対でございますけれども、構想を伺っているわけでありますが、新しい法人に持っていかれる場合に、いろいろと、いまとは違った、いま局長がおっしゃったように一年に二回会議を開きますということとは違った、たとえ無給に近い非常勤の役員でありましても日常、愛情を持って、こどもの国について、あるいは青少年の将来について活動されることが大変望ましいわけであります。そういう趣旨からいいましても、準備の過程でも、そういう趣旨が生かされるべきではないかということで申し上げたわけであります。さらに御所見があれば局長の話を伺いたいと思いますが、この法案に関連をして、特に地元の気持ちを含めて一番伺いたいと思いますのは、いまの役員の皆さんのシステム、年二回会合を開く程度とは面目一新をした、あるべき方向があるであろう。これは、この法律が通ろうと通るまいと当然お考えになるべきことではないだろうかという気がするわけであります。  一、二お伺いしたいわけでありますが、一つは考え方であります。年間百二十万人、今後もっとふえるでありましょう、たくさんの人が利用しているわけであります。そしてまさに自然に恵まれた貴重ないい設備であります。そういうことを、みんなで育てていく観点になりましたら、いままでの役員のシステムは、そもそもおかしいので、たとえば教育界の代表とか、神奈川でも横浜でも、東京なども含めて教育界の代表で、ふさわしい人はたくさんいらっしゃると私は思うのでありまして、そういう教育界の代表とか、あるいは児童福祉、青少年対策、そういうものを含めた見識のある専門家とか、あるいは利用者は子供ですから、いきなり、そういうことに参加するというわけにまいらぬかもしれませんが、そういうことも含めた県や市の推薦する人、たとえば県知事や市長が推薦する、それにふさわしい人に御相談いただいて御参加いただくとか、それから、やはり子供のことはお母さんですから、東京でも、あるいは地元神奈川でもPTA連合会というような組織がございますが、見識のあるお母さん、御婦人の方がいらっしゃると思うのでありまして、何か、そういう意向が反映されるようなシステムであるべきであろう。そして、みんなで愛情を持って、いい子供の施設を育てる方向に持っていく、この法案が通ろうと通るまいと、そうあるべきではないだろうかと思うわけでありまして、その辺の考え方が一つ。  二つ目には、その具体化ということになるわけでありますが、これは社会福祉事業法が法律のベースになって社会福祉法人が構成されることになると私は思うのでありまして、そういう意味からいいますと、理事、評議員会という話がございました。恐らく、こういう規模ですから理事は八名とか十名とかいうぐらいの規模になるのではないか、評議員は、その倍数以上ということですから二十名ぐらいになるのではないだろうかと思いますが、その辺の枠組みを一体どうお考えになっているのかということが二つ目です。  それから三つ目には、さっき申し上げた趣旨の具体化として、そういう中の多くの部分に、知事の推薦する人、市長の推薦する、こういう仕事に大変ふさわしい人、あるいは教育界の代表、子供の代表というか子供の代理代表、そういう方々、あるいは児童施設の専門家とか、また、こういうことの運営に明るい人も必要かもしれません、そういう構成を中心にして新しい理事、評議員というのが構成されるべきではないだろうかと思うわけでありますが、いかがでございましょう。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいま先生から御指摘いただきましたように、新しい団体の役員の構成といたしましては、関係地方公共団体の推薦等もあろうかと思いますし、また専門家、たとえば児童の健全育成関係の団体の代表者とか、そういった人たちの御参加をいただくことが、私も必要であろうかと思っております。ただいま、いろいろ貴重な御意見を賜りましたので、私どもも十分そこらあたり検討してまいりたいと思っているわけでございます。  なお、理事を何名にするとか評議員を何名にするかということにつきましては、関係者が集まりまして相談された上になろうかと思いますので、現時点では何とも申し上げられないわけでございますが、理事は最低六名というのが、厚生省の社会福祉法人の指導上も一応内規としてございますので、こういった線にのっとって行われることになるかと思います。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 もう一つ関連をしてお伺いしたいのですが、そういう理事、評議員、本来、愛情を持って、たとえ無給の非常勤の役員であろうと熱心に、これを育てていくのが当初から望ましいということなんですが、同時に約百万を超える人が利用しているわけですから、今後の、こどもの国のあり方などについてオープンドアシステム、参加の時代というのですから、いろいろな形で意見を聞いたり、あるいは現状を説明したり、協力会の御努力もあるようですけれども、いろいろな御努力があってしかるべきなんではなかろうか。たとえば、どんな時期がいいでしょうか、年に二回ぐらい、こどもの国の園長さん、あるいは役員の方々、各地のPTAとか学校の先生方とか、それから子供のOB、現役の子供のときに、こどもの国にしょっちゅう遊びに来ていた、そういうOBでも結構ですが、そういう方々と、こどもの国の将来、現状などについて何か語り合うとか、そういう姿勢があれば、ますますみんなが大切にして使っていくことになるのではないか、そういうことも、これから考えられるべきではないだろうかという気がいたします。  それから、いままでの役員体制の関連から言えば、天下り役員、天下り人事、これはやはり、こういう施設の性格からしても、ふさわしくないことではないだろうかという気がいたしますが、いかがでしょうか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいまの運営の点につきましては、今回は評議員会もできるわけでございますので、従来以上に活発な御意見があろうかと思います。  なお、ただいま御指摘の点につきましては、利用者とか地元関係者とのコミュニケーションが十分図られるような努力も払っていきたいと思っております。社会福祉法人といいましても、何といいましてもサービスの時代でございますので、サービスについては十分お考えいただく必要があると思っております。そういうことで私どもといたしましては、できるだけ、そういった線で指導もしてまいりたいと思っておるわけでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 これは今後のこどもの国の発展のためには非常に大事なことですから、ひとつ大臣に御所見を伺いたいと思うのです。  一つは、いままでも私はそうだったと思うのでありますけれども、こういう貴重な施設でありますから、理事、評議員、運営、それらについて、さっき申し上げたような県及び市の推薦するりっぱな方とか教育界の代表あるいは、こういうことについて見識を持たれる御婦人の方とか、児童施設の専門家などで、そういうことを大事にする形で、また、みんなが愛情を持って育てていくという形で構成をされるような方向に、面目を一新と言いますか、私は、この法律が通ろうと通るまいと、なるべきであろうという気がいたします。それをどうお考えになりますかということと、それから天下り役員になっている方には恐縮なんですけれども、いままでと同じような、そう言われているような形での方々が大部分で役員あるいは理事を運営されるということはやらないということですね。この辺、大臣にひとつ御明言をお願いしたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 非常に大事なところでありますので、今後の構成、運営については、御意見にもありましたとおり各県、市、町の御推薦も受け、各界の関係者の方々の代表者も入ってもらって、そして運営なり今後の方針を決めていただく。なおまた、それとは別個に地元の方々との懇談会等も開いて広く意見を承りながら、この運営がうまくいくようにやることは当然のことであると思いますから、そのような方針で指導してまいりたいと存じます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 それでは次に移らせていただきますが、もう一つ具体的なことで、これは厚生省でちょっと答えにくいことかもしれませんけれども、こどもの国線の問題があるわけであります。これの資産管理、現状などは御承知のことですから申し上げません。また東急に委託をされているわけでありまして、東急の方では赤字をしょいながら運営をされているということのようであります。ところが最近こどもの国に行ってみますと、あの辺の状況が大きな転換点に参りまして、設立の当時は周りに大きな集合住宅とか、そういうものはございませんでしたし、まだよかったのですが、実は、それから大きな公団とか、あるいは環境のいいところですから近くに大学その他学園の設備などが移動されるとか、放送局のスタジオができるとか、また近く、あの近所に大規模な住宅の開発計画もございます。そういたしますと、もう道路はいっぱいで、こどもの国線の方は特別な運営委託形態になっているということで、これは営業路線ではありませんから実は通勤に使うことはできない。したがって、こどもの国の職員の方々も回数券を買って利用しなければならぬということになっているわけであります。これは運輸省も関係しますし、主として地元の県とか市の今後の都市計画という面から主体的に案をつくられ、努力をされるというようなことでございましょう、私もそう思います。ただ、こどもの国に関係して言いますれば、交通混雑で電車も余り近所の人も利用できないということで、こどもの国自体の運営にも実は関係してくるわけでございまして、運輸省とか東急さんとか、地元の県、市の責任とかというものは当然でございますけれども、こどもの国の監督指導に当たられる立場からも、これらの将来についての問題意識を持って、ぜひ研究努力をお願いしたいというわけでありますが、要望も含めて、いかがでしょう。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいま御指摘の、こどもの国線でございますが、これは、こどもの国の事業といたしまして、児童に対する交通機関の周知、利用方法及び安全等の訓練を行う施設でありますとともに、来園者の交通の便に資するものでございます。こどもの国線は、ただいま申し上げましたような目的のために運営しておりまして、一般乗客を対象といたしますためには、こどもの国線を、こどもの国から切り離して、その性格を変更する必要があるわけでございますが、現在、運用上は一般乗客も、御承知のように乗車を認めているわけでございます。ただ先生詳しく御存じのようでございますが、こどもの国線を拡充いたしますことにつきましては、二、三ちょっと申し上げてみたい問題がございますので、その点は御了承賜りたいと思うわけでございます。  まず第一点としましては現在、単線でございまして一運行に十六分を要します、四キロ近い距離でございますが。したがいまして一時間に四本以上は運行することが実は、できないわけでございます。  第二番目には、複線化及び途中駅の建設を行いますためには、そのための用地取得及び設備に莫大な投資を要することになります。  第三番目には、増発いたします場合には現行以上に振動、騒音等による公害問題を起こすということで、地元より実は陳情も参っているわけでございます。  それから第四番目には、現在の利用状況から見まして、運行経費が割り高となりまして収支の採算がとれていないということでございますが、先生も御承知のように五十四年度におきましては、東急に約一億四千三百万の御迷惑をかけているということでございます。  そういうような現在の事情でありますことを御了承賜りたいと思うわけでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 事情は私も地元で、よく知っておりますから、いずれにしろ、いい町になるためにも、その中で、こどもの国が交通の便などを含めて利用しやすい、いい設備になるように、これは地元の代表の一人として私も努力しなくちゃなりませんし、いろいろな方々と御努力していただいて将来の計画展望を考えていきたいと思いますので、その辺も、ぜひ配慮していただきたいというふうに思うわけであります。  特に、いままで経営、経済面、運営面についてお話を伺いましたが、まあ大臣、局長、とにかく法案の提出者ですから、提出をしている立場ですから、その範囲内では何とか、この法案を通してもらって悪くならぬようにしたいというお気持ちは言われているわけでありますけれども、やはり総合判定すればメリットよりはデメリットの方が大きい、特に経済面について。そう考えざるを得ないのじゃないか。今後、経済条件が厳しくなりますし、それから税制、物価その他を考えましても、決して明るい展望ではないというふうな実は気がするわけであります。  もう一つ、残りの時間で伺いたいのは職員の問題であります。この法案の方向が閣議決定をされましてから、そこに働いておられる方々も非常に何か今後のことにつきまして危機感を持ち、心配をされているということを伺うわけであります。まあ、ああいうところで、緑の自然の中で子供のために働いているという人たちからすれば、まさに寝耳に水だったかとも思いますし、今後のことについて、自分たちの身分のことについても、あるいはまた、こどもの国の今後のことについても非常に御心配をされる、きわめて私は当然のことであろうと思います。それについて一つお伺いしたいのは、今回の民営化によって人員の削減あるいは合理化、労働条件の改悪などは行われることがないという保証は一体あるのかどうか。実は前の議事録を、資料を読んでいましても、五十九名でスタートしたのですか、それで当時も、これから利用者がどんどんふえてくるということになると百名近いくらいの人たちが必要ではないだろうかとかいう御議論があったようでありますが、現在何名ですか、四十八名とか伺っておりますが、そういうことを考えますと、削減しないとか職員の勤労条件を悪くしないなどは、きわめて当然のことでございまして、今後、利用者も現在百二十万人から増加傾向になるでありましょう、現人員では、ぎりぎりの仕事をしている、経過から見ても現実からしても、そういうことではないだろうかというふうに思うわけでありまして、むしろ積極的に増員をして、円滑な運営と、いい施設にしていくということが求められているという状況ではないかと思いますが、どうお考えになっておりますか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 まず労働条件の問題でございますが、今回、御提出いたしております法案の第一条第三項の規定によりまして、雇用に関する権利義務を厚生大臣の指定する社会福祉法人に承継させることといたしておりますので、雇用契約及び労働協約等含めまして職員の労働条件等、処遇上の変更はございません。  なお、こどもの国は独立採算で運営されておりますので、利用者も百万人を突破いたしまして安定した経営が行われておりますので、職員の処遇が今後におきましても低下することはないと考えております。  なお職員の数につきまして、ただいまお尋ねございましたが、この点につきましては先生も御承知のように現在四十八名の職員でございますが、業務の実態から見ますと、どうしても若干の繁閑があることはございまして、たとえば土曜、日曜等は非常に多いけれども平日は若干少ないというようなこともございますので、現に、たしか私の承知しております限りでは臨時職員等を使いまして、そこを適宜調整しているようでございます。今後とも運営上の支障がないように恐らく行われるものと確信しているところでございますが、現在は、ただいま申し上げたような実態にございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 済みませんが、もうちょっと、はっきり前向きに答えてください。  現状では現在の人員では、もうぎりぎりという状態、それから設立以来の審議なり、あるいは皆様の御説明の経過を見ましても、五十九名でスタート、百名程度必要という御議論もあった。入園者はその当時より、はるかに増加をしているというわけでありまして、まあ関係者も職員も一生懸命やっておられるわけですから削減しないことは当然として、むしろ積極的に増員することが必要である。どの程度できるかは、これが可決されればデメリットが生まれる経済条件ですから、非常に困難だろうというふうに思います。少なくとも、いまの状況からすれば増員の必要性があるという状況ではないかと思いますが、まあ低下することはないという程度のことではなくて、もう一つ親身になって局長、考えてください。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 現在の職員は、ただいま申し上げましたように四十八名でございますが、これを、これ以上削減するというようなことは全く考えておりません。ただ増員の点につきましては、ただいまお話もございましたが、私は直接、経営いたしておりませんので詳細には存じませんが、もし、そういった必要があればということで、私からも関係者に対しては、こういう先生のお話がありましたことは十分伝えておきたいと思います。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 局長は現地にも行かれて事情もよく御承知だと思うのですが、もうちょっと働いておられる方々の立場とかいうことを考えれば、前向きの姿勢があってしかるべきではないだろうかというふうに思いますが、もう一つ伺いたいのは、移管した後の労使関係について、どういう措置をお考えになるのかということであります。  経過を伺いますと、現在の中田園長と組合の委員長と署名捺印をして、いろいろ巨体交渉をされた後、確認もされているというふうにも伺いますし、それからさっき、お話がございましたが、現在の職員は、そのまま新法人に雇用される、労働協約は、そのまま新法人に引き継いでいく考えである、あるいは退職金その他などのことにつきましてもスタートのとき以降職員となった日から通算をされるとかいうことも交渉されているようでありますが、その辺、今後の労使関係について取り扱いはどうなっておりますか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいま申し上げましたように労働協約等につきましては引き継がれることになっておりますし、私どもといたしましては従来と実体は特に変わることはないと考えておりますので、その点は御心配はないかと存じます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 それから、さっきも局長ちょっとお話がございましたが、夏休みに非常に忙しいとか、いろいろの繁忙の程度、季節などについての特殊な事情もあるようでありますが、それらを含めて、いい職場環境と、いい、こどもの国の運営等なされるように、ぜひ指導的な役割りを果たされるように希望をしておきたいと思います。  それから具体的なことで伺いたいのです。一つは協力会の問題です。  関係者は、何か初代の園長さんなども含めて、いろいろと私財を提供してまで御努力をされてきたというような話で、大変りっぱな方ではないだろうかというふうに思うわけであります。いま新聞をおつくりになって各学校に配られるとか、あるいはPRの御協力などもいただいているようであります。     〔戸井田委員長代理退席、今井委員長代理着席〕 この関係者との御相談も皆様なさっておると思うのでありますけれども、今後、協力会というものは、さっきのお話にあったオープンドアの運営構想とも関連をして、どういうふうになるようにお考えになっているのかということが一つ。それからもう一つは、きわめて実務的なことでありますが、皆様が提案をしている内容でいった場合の新社会福祉法人こどもの国協会と申しますか、それの資産というものはどうなるのでしょうか。いままでですと特殊法人こどもの国協会ですから全額政府出資、そして現物、土地を含めたものが大部分で資本金といいますか、資産内容が構成されるということになるわけであります。それから、これは国有財産台帳に戻るわけですね。無償貸付ですから、こどもの国の資産台帳には載らない。そういたしますと法案説明にございますような、さまざまな物件とかいうようなことだけになるのではないかという気もいたしますが、皆様の考え方でいった場合の社会福祉法人こどもの国協会の資産というものは、どういう構成になるのか、簡単に、その二つをお願いいたします。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 こどもの国協力会でございますが、従来こどもの国事業のための寄付金の募集とか、あるいはPRなどを行ってまいったものでございまして、先生御案内のように朝日新聞関係を中心といたしまして当初から非常に御協力をいただいているわけでございます。したがいまして民営移管後におきましても協力会は従来と同様に、こどもの国事業の運営に協力をしていただくよう指導してまいりたいと存じております。  次に、民営移管後における新法人の資産の問題でございますが、今回御提出いたしております法案の第一条の規定によりまして土地及びこれに定着する立木のみが国庫に帰属いたしまして、それ以外の一切の資産は新法人に引き継がれることになります。したがいまして新法人は民営移管後におきましては皇太子記念館、児童館などの建物、プール、スケート場等の工作物等を資産として保有することになるわけでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 もうそろそろ時間ですから、最後に大臣にお伺いをいたしまして質問を終わりたいと思います。  いろいろ具体的なことや、また今後のことについての御所見などを伺いました。率直に申しまして、地元あるいは利用者の方々が、この経過について心配をしております。地元の新聞などでも、そういう趣旨の報道がなされておりますし、それから関係者から、この法案が通らないようにという形での請願、陳情なども、いろいろ提出をされているわけであります。私は地元の一人として、こどもの国の身近にある者として、あるいはまた社会党の立場としては当然でございますけれども、そういう意味からいいますと、やはり御説明を伺ってもメリットよりはデメリットの方が現実に発生をしていく、そして、これからの経済社会事情などの見通しを考えますと、より多い不安にさらされるのではないだろうかという気持ちが非常にするわけであります。  実は大臣、この所在しておる横浜市緑区というのは、子供のことというのは、いろんな意味で関心が深い。ちょうど三年前になりますけれども、アメリカ軍のジェット機がおっこちまして子供が二人そのために死にました。ちょうど、あれから三年になるのですが、いまも政府の御方針によりまして厚木にP3Cを配置するとか、軍事演習がふえまして夜中、昼、年じゅう、こどもの国も含めて、この行政区の上を軍用機の爆音が響いているというふうな状態があるわけでありまして、何か子供が二人死んだ三年前の悲劇を繰り返してはならぬというのが、言うならば、みんなのコンセンサスといいますか、気持ちです。それだけに平和で、子供たち青少年のための、いい施設として発展するようにという気持ちも、いろいろ持つわけでございます。  さっきも申し上げたのですが、とにかく皆様の御提案の趣旨の文章の中には、特殊法人の合理化のためといいますか、そんなことが一言しか書いてありません。提案した理由の説明は「特殊法人の整理合理化を図るため、」というただ一点であります。四十一年に、この法律が国会で成立をいたしましたときには、鈴木善幸さんという厚生大臣のもとで説明も全然違いますし、あるいは本院で可決をされたときの説明でも「身心ともに健やかな児童の育成を図るため、国の出資により」設立をして「総合的に整備された集団施設であるこどもの国の設置運営を行わせることは、時宜に適するもの」であってという考え方を言っているわけであります。まあ財政事情その他、当時厚生大臣、現総理の政治のもとで今日、変わっているんだという御認識は皆様おっしゃっていることのようではございますけれども、そういうことで考えますと、どうしても現実問題のデメリットをどう少なくするとか、関係者も御努力されるでしょう、しかし基本的な姿勢として福祉、青少年、子供を大切にする、そういう方向への精神をベースに置くべきである。また、どんな法案を関連して出されても、そういう気持ちが出るようなことでなければ、とにかく特殊法人の整理統合のためという、ただ一言の説明があるようなことで、たくさん利用している人も関係者も、私は気持ちとしても理解がいかないのじゃないだろうかという気持ちがいたします。  提案をされているお立場でございますから、私の申し上げたことと立場は違うのだろうと思いますけれども、そういう考え方は当然、厚生大臣としてはベースにあるべきだと思うわけであります。そういう立場から、いままで御説明いただきました趣旨、内容その他などを含めて、どういう姿勢で臨まれていくのかという御所見を最後に伺って、質問を終わりたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 立場は違いますが、いままでに述べられた御意見は十分理解し、かつまた、きわめて大事な御意見であると承っております。  今後とも民営移管になりましても、デメリットを最少限に食いとめ、民営移管のメリットが加えられると同時に、他の諸問題も加えて健全なる青少年、子供さんの育成に全力を挙げる決意でございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 質問を終わります。

今井勇自由民主党

○今井委員長代理 次に、平石磨作太郎君。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 大臣にお伺いをいたします。  今回、こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案が提案されておりますが、こどもの国協会が昭和四十一年に特殊法人として発足をし、その後、地元の人はもちろんのこと、多くの児童の健全育成のために利用度も年々高まってまいりましたし、さらにまた、このことが青少年育成の国の一つの施設として大きな役割りを今日まで果たしてまいったわけでございます。そして昨年は国際児童年でもありました。それがまさに終わるか終わらぬか、終わるのを待ったような形で昨年の十二月二十八日・行政改革の一環として、こどもの国協会を解散し民営に移管することが俎上に上ってきた。私は厚生大臣が、少なくとも、いまの福祉の後退、見直し、そういった情勢の中において、こどもの国協会を解散をして民営に移管をして、厚生省から、いわゆる政府機関から民間に持っていくということについては、どうも納得ができない。したがって、そういった処置が行われて、今後、児童福祉、健全育成という立場に立ったときに、大臣の、この児童福祉あるいは健全育成ということに対しての基本的な姿勢をお伺いしてみたい。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 子供さんをとうとび、急速に高齢化する日本の将来を担う児童の健全なる育成、発展ということは政治の基礎であると考えております。そういう意味から子供さんに対する手当であるとか、その他の諸般の問題に全力を挙げているところであります。微力でありますが、その方針は最後まで貫く覚悟でございます。  この民営化については、いままで、いろいろ御意見もあり私もお答えしたとおり、社会経済の必然性からやむを得ず、こういうことになったわけでありますけれども、これによって、健全なる児童を養い、これを育てるということが政治の基本であるという考え方と方針に、いささかも変わりはございません。いろいろ御注意は承り、欠点が出ないように今後やっていきたいと考えております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 大臣の基本姿勢は相変わりません、こういうお答えでございます。相変わりませんということならば、姿勢が変わらないとするならば、特殊法人としての今日までの経営の実績等を考えたときに、あえて、ここで民営にする必要はない、私は、このように考えるわけです。  この提案説明を見てみますと「特殊法人の整理合理化を図るため、」このような処置をとるという提案説明がなされております。行政改革というのは、いまの時代においては当然やらなければならない大きな政治の眼目といいますか課題といいますか、私は、このことに協力することにはやぶさかではありません。行政改革を行うとするならば、やはり、そこには根底に財政の再建というものが大きな柱になっており、もう一つは行政を簡素化していく、効率化を図っていく、このことが行政改革の大きな基本でなければなりません。  そういう面からながめてみたときに、やはり、これを行政改革の一つとして取り上げて、民営に移して、果たして、そこに具体的なメリットが生まれてぐるのかどうか。いままでの特殊法人として運営をしておったことに何ら欠陥はない。そして、このことが国の財政負担にもなってなかった。もちろん出資金として諸施設が提供され、そして運営は独自に行って、独立採算で行われておりましたが、私は財政再建というサイドから見たときに、ここに何もメリットは出てこない、こういうようにしか判断ができない。  こうなりますと厚生大臣は、一つの行政整理というような、いわば行政管理庁からの強い要請といいますか、そのことだけで、やむを得ずに協力をしておる、いまの大臣の答弁の姿勢から判断をしても、こういうようにしか判断ができないわけです。それほど無理をしてまで、やらねばならないものかどうか、一言お答えをいただきたい。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ただいまの御意見にも、その言葉の端々に出ておりましたが、これについては厚生行政全般にわたって、当面する社会経済の必然性を考えたものでございます。そこで、いろいろ問題がございますけれども特殊法人と民営化と考えた場合に、やはり民営化の方が、注意をしなければ、いろいろ問題があることは私も承知しております。したがいまして、そのデメリットをどのように防いでいくか、どのように対策を講じていくかという問題がありますが、こどもの国が、他の特殊法人民営化の事業でも、これに似た事業は多いわけでありまして、一番民営化になじむのではなかろうか、また助成金あるいは国の財産の貸し付け、その他によって最小限のデメリットでやっていけるのではないか、こういうわけで、やったわけでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 デメリットをなるべく少なくしながら、やってまいりたいという大臣のいまのお答えでございます。したがって実体的に判断した場合は、一概に民営化に移すことが是ではない、こういう基本的な認識は、やはり大臣もお持ちのようにうかがえるわけです。  そこでお伺いをしてまいりますが、いままで特殊法人としての運営をなされて、政府出資であったわけですが、この財産というものは、いままで行政財産であったのかどうか、一言、局長にお答えをいただきたいと思います。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 従来は特殊法人に対しまして国から財産が出資されたということでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 出資された財産は何財産でございましたか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 普通財産でございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 出資された財産は普通財産になるわけですか、行政財産ではございませんか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 先ほど申し上げましたように特殊法人こどもの国に出資されましたので、特殊法人の財産ということでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 その出資された財産は、土地並びに樹木については返還するようになっております。返還するかどうかについては向こうの任意な財産になっておったわけですか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいま、おっしゃいました御趣旨を、ちょっと……。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 もう一回申し上げます。出資された財産は特殊法人こどもの国協会の財産でございました。それが今回、解散をします。そういたしますと、その財産、土地並びに樹木については国に返還する、こうなっておりますが、これは返還しようとどうしようと向こうの任意になる性質の財産ですか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 特殊法人を解散ということになりますと、その財産は、本来は国の財産でございましたので、これは国の方へ返るのが自然であろうかと私は思います。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 やはり国の大きな税金を使って施設を整備をしてきて、九十七万平方メートルというりっぱな施設が完成を見ておるわけです。したがって特殊法人であるとはいえ、これは国民の税金からできたものである、そうなるのであれば、これが解散して財産処分をする場合には当然、国に返還してしかるべき財産である、このように理解をするわけです。  したがって今回の処置はどういう処置になっておるかを、この法案からながめてみますと、土地並びに樹木については返還をする、そして普通財産に切りかえて、これを無償で貸し付ける、こういう処置がとられる。それから建物並びに工作物については、これをそのまま承継移譲する、いわゆる譲渡する、こういうたてりになっておるわけですが、私は、これについて、ちょっと疑問を持つものです。いま局長の御答弁にございましたように、国の財産でありましたので、これは当然、国に返還すべき性質のものである、こう理解ができるわけですが、そうであるのなら、この法案の処理においても建物並びに工作物については一たん国に返還をして、そして、さらに普通財産に切りかえた上で処置していくのが妥当ではないか、このように私は考えるのですが、お答えをいただきたい。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいま御指摘いただきましたように建物、工作物につきましても一たん国に帰属させた後に指定法人に無償で貸し付けるという、土地等と同じような方法も一つの方法でございまして、今回、法案を御提出する際にも関係者間で、いろいろ協議をしたところでございます。しかしながら、こどもの国で現在使用いたしております皇太子記念館、プール、スケート場、サイクリングコース、牧場、牧舎等の建物や工作物の大部分につきましては、日本船舶振興会、日本自転車振興会を初め、広く民間から寄せられた寄付金を導入して建設されたものでございまして、これらは引き続き、こどもの国事業に使用されることとなりますので、国に帰属させるのではなく、直接、指定法人に無償譲渡するという方法をとったわけでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 いま民間資金も導入されておる、そういった一つの財産であるということをお答えいただいたのですが、そういったものも、なるほど入ってはおるだろう。入ってはおるだろうが、これは行政財産として厚生大臣が一応所管すべきものではないか。行政財産として所管すべきものであるとすれば、長である厚生大臣は、これを処分することはできないはずだ。少なくとも普通財産に切りかえてやらなければ、それができない。これは国有財産法から見ましても、行政財産の管理機関はその省の長である。しかも、その長は行政財産を処分することはできない。そして行政財産について所有権その他権利の離権行為が必要な場合には、当該行政財産の用途を廃止して普通財産としてから行わなければならないので、行政財産の処分機関はあり得ない、こういう形に、これはなっておりますが、その面から考えたときに今回のやり方は、いわば行政財産には返さない、国へ返さない。そして、その者から一応譲渡するという、普通財産に切りかえてということの手続を省いたやり方だ。だから工作物については特殊法人から社会福祉法人に直接移譲していく、言葉は悪いのですけれども一つの脱法的な考え方があるのではないか、このような気がするわけです。だから少なくとも国の財産を管理する長は、その返還を受けて、そして普通財産に切りかえて移譲するなり、貸し付けるなり、処分をしていくというのが国有財産法のたてまえです。この点は、それに対して、どのようにお考えなのか、もう一言お答えいただきたい。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいま平石先生おっしゃったような考え方もあろうと思います。私どもも大蔵省の方とも十分協議したわけでございますが、先ほど申し上げましたように、こどもの国は皇太子殿下の御成婚に際しまして国民各層から寄せられたお祝い金をもとにいたしまして、何か児童のための事業に役立てたいという皇太子殿下の御意向を生かすために設けられた施設でございます。そういう意味におきまして当初からの国民の寄付金等もたくさんあるわけでございまして、そういう実体等を考えまして、こういった措置をとったわけでございます。私の方は国有財産の措置につきましての専門家ではございませんので、経緯を申し上げまして御説明申し上げたわけでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 どうもちょっと、いま民間資金が入っておる、寄付金が入っておる、これは寄付をいただこうとどうしようと一たん、いただいたら国有財産になると私は思うのです。だから税金で、みずから買収して用地を整備した財産と、それから寄付行為によって寄付をいただいた財産、これは原資がどこから出てきたかということには関係なく、民間資金からも浄財をいただきましたというものであっても、やはり国有財産として一つの財産に編入されてくるのだ、私はこういう認識です。だから民間から入っておるから、どうでもいいのだ、そのような方法をとってもいいのだということは、国の財産管理の面から考えたときには、そのことは妥当じゃない。したがって、そういう原資が入っておったとしても、いま私がるる申し上げたように、そこははっきり区分すべきじゃないか。そして国有財産法から見た場合でも「行政財産は、これを貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、若しくは出資の目的とし、又はこれに私権を設定することができない。」このようにぴしっと決められておる。ただ、そういう中において「国が地方公共団体若しくは政令で定める法人と一むねの建物を区分して所有する」いわゆる区分有として所有しておる場合は仕方がないので、それらについては地上権を設定するとかいうことは、ただし書きで許されておるわけでして、この施設は、そういった区分有で持っておるような施設でもない。そうであれば、やはりこの国有財産法からの国の財産管理は厳格に行うべきではないかというような気がするわけです。今回の処置は、そういったことを省いて、いわゆる戻って渡すということを省いて直取りにやらす、これは一つの脱法行為だ、このようにしか私は認識できないわけです。どうですか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 確かに、その中には若干、国庫補助をもって設立されたものもございますけれども、大半のものは、こどもの国ができましてから、こどもの国に対しまして直接寄付が行われたものでございまして、一たん国有財産にした上で、こどもの国の方の所有としたというものではございませんので、そういう実体に着目いたしまして、恐らく大蔵省の方も最終的に、こういう措置をとったのであろうと推測しているわけでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 なぜ私が、こういうことを申し上げるかといいましたら、同じ財産の中で、一つは戻して、こうやる、一つは戻さなくて、こうやる、こんな変則的な処理が行われておるから私は申し上げておるわけです。深く追及しようという気持ちはございません。ございませんが、やはり、そういう二手に分かれたやり方が、どうもずさんなやり方ではないかというような気がしたから御指摘を申し上げたわけです。  それから事業ですが、これはやはり収益事業としての社会福祉法人、こういうように私、理解しておるわけですが、これは収益事業ですかどうですか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 こどもの国全体といたしましては社会福祉事業そのものでございますが、ただ一部、収益がある場合におきましては、その部分に対して税金がかかるということでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 この前、私が厚生省の係官にお聞きしたときに、収益事業とは余り理解しておりません、入場料等いただくのも実費弁償的なものでございますというようなお話も聞いたことがございました。それでお聞きしたわけなんですが、いま御答弁ございましたように、この実態から考えたときには、やはり収益事業ではないか。そういう形に相なりますと当然、課税の対象ということになってこよう。各税法の非課税から外すということが、この説明の資料の中にも出ておるわけですね。そういう面から考えたときに、いままでは特殊法人として非課税団体であった、非課税法人であった。その非課税法人が課税法人になるのだという面から考えても、やはり収益事業である、このことが理解できるわけでありまして、そういう事態に立ち至りますと、いままでの運営の状況等から判断をしたときに、だんだん利用率が高まって理解も高まってきた。そして今日までの運営においては非課税法人であるがために十分な独立採算をなされてきたわけですが、今後は、いわゆる課税対象の法人と相なるわけですから、そうなりますと子供さんの利用における入園料、こういったものに当然、影響が出てくるということになってくるわけです。この面から局長はどう考えておられるか。果たして今後いままでどおりに入園者がふえて、さらに健全育成のための施設として有効利用ができるようになるかどうか、見通しをお伺いしたいわけです。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいまも申し上げましたように、こどもの国の事業は社会福祉事業でございまして、収益を目的といたしておりません。したがいまして原則として課税はされないわけでございますが、ただ、こどもの国の事業の中には利用者の便宜のための売店、食堂、駐車場等の事業も含まれております。これらにつきましては他との均衡上、課税は避けられないものと考えております。  なお仮に課税がなされるほどの収益が上がっております場合にも、入園料等の引き上げが行われることはないものと考えております。先ほど大臣からも当面、入園料の引き上げは考えていないという御答弁があったわけでございますし、入園者数も百万人を超えまして、経営も比較的安定してまいっておりまして、現在のところ入園料等の引き上げはないということでございます。私どもも、そういうように聞いておりますけれども、大臣の御趣旨もございますので、今後とも安易な引き上げをすることのないよう十分指導してまいりたいと考えております。  なお運営につきましては、商業主義的な運営等が行われるのではないかというような御心配もあるようでございますが、そのようなことがないように必要な指導監督を十分行ってまいりたいと考えております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 ここに勤めていらっしゃる職員さんは四十八名と聞いておるわけです。いままでは特殊法人職員として勤務してきたわけですが、今後は、そういった身分さらには経験といったようなものは引き継ぐことになるのかどうか、また新たな一つの職員になるのかどうか、この点をお聞きしておきたいのです。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 団体の性格が特殊法人から社会福祉法人に変わることによりまして職員の身分は一応、形式的には変わるわけでございますが、その処遇等につきましては、団体協約等はすべて、この法律によりまして今後も引き継がれることになっておりますので、その点につきましては心配はないものと考えております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 この資料によると、いままでの特殊法人の場合には、地方財政再建促進特別措置法によって職員の退職手当の財源に充てるために特別に地方債の起債が認められておったのですが、これが今回外されておるわけです。いま言われたように経験は、そのまま承継していくのだということですが、将来いつかは退職せられると思うのです。そういう場合に、いままでは退職手当について国の方から特別の地方債を認めるといったような援助措置がなされておりましたが、それが今後はなくなってくるということになってきますと、いまの課税の問題と職員の将来の問題に対する積み立てその他を考えると、経営的には、いままでのようにはいかなくなってくる。そうしますと、いまのお話では入園料は引き上げない方針でございますということですが、早晩どうしても引き上げざるを得ないような状態になって、運営が非常に脆弱化してきやしないかという、心配があるわけです。そういう面等をも含めて、もう一度お答えをいただきたい。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 私、最初に先生のおっしゃいました点を、ちょっと失念いたしましたので、一言で結構でございますが……。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 この資料を見ますと地方債で……。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 退職金の問題でございますか。(平石委員「ええ」と呼ぶ)わかりました。  退職金につきましては先生おっしゃるとおりでございますが、特殊法人の中には、こういった債券を発行できる規定がいろいろございますけれども、実際問題として現在やっていない団体もたくさんございます。そして退職金の積み立て、その他につきましては、こどもの国は、現在の収支状況等を見ましても入園者も逐年ふえておりますので、こういった点についての心配はないものと私は考えております。なおまた、財政上いろいろ問題が、ございます場合でも、必要に応じての国の助成措置等についても考慮してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 最後に大臣にお伺いして終わらせてもらいますが、いま、いろいろと御質問申し上げましたけれども、将来に対しての、ある程度の不安というものを私は持っておるわけです。そして、いまの非常に厳しい状況から福祉行政全般を考えたときに、厚生省自身がこれらのものを民間に移管していくという姿勢そのものが、全般の福祉見直しの一つのファクターになっては困る。したがって、各種各様の複雑な厚生行政が行われておるわけですが、来年の予算編成期を迎えて、大臣のこういった姿勢に対する所見を一音承って終わりたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ただいま質問をされておる間に出されました御意見は、一言一言私、拝承いたしております。この問題から見ましても、当面の予算編成については相当厳しい政府部内の必然性が押し寄せてくることは覚悟いたしております。しかしながら、そのような情勢があればあるほど社会福祉行政というのはきわめて大事でありまして、これに対する諸般の手が滞りなく打ってあるかどうかということが今後の政治の原点になる、こう考えて、ますます決意をかたくして予算編成に立ち向かう所存でございますから、今後とも各委員のお力添えをお願いしたいと存じます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 終わります。

今井勇自由民主党

○今井委員長代理 午後一時三十分再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十分休憩      ————◇—————     午後一時三十分開議

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案に対する質疑を続行いたします。塩田晋君。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案につきまして園田厚生大臣並びに関係の局長に御質問いたします。  この法案自体は、政府の行政機構改革推進の一環として、その線上にあるものと考えます。われわれは、現在の厳しい国の財政の状況また国民の強い要望でありますところの行政機構の簡素化、こういった観点から行政機構の改革は断行すべきである、このように考えておりますので、基本的には、この線上にあるとすれば、われわれは賛成にやぶさかでないものでございますが、この法案をしさいに見てまいりますと、いろいろと問題点があるようでございます。この点につきまして明らかにしていただきたいと思います。  この現行法ができましたのが昭和四十一年七月でございます。国の直営から特殊法人として運営するということになったわけでございます。それから十五年間運営されてきたわけでございますけれども、その十五年前に特殊法人にするという提案がなされて厚生大臣の趣旨説明があったと思います。特殊法人にしてもらいたいという提案の根拠、趣旨と、十五年を経た今日どのように変わってきたか、この点について、まず御説明をいただきたいと思います。  今回の法案の提案理由説明には「このたび特殊法人の整理合理化を図るため、」という一言が入っておるだけでございます。また先ほど厚生大臣の、現在の社会経済情勢の必然性から今回の提案になったのだという御説明もあったわけでございますが、この間の事情につきまして御説明いただきたいと思います。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいま先生の御質問の特殊法人とした理由ということでございますが、当時の資料等を見てみますと、まず「皇太子御成婚の際に全国から寄せられた善意の寄付金をもって運営する必要があり、国営にはなじまないこと。」ということになっております。第二番目といたしましては「人事及び財政上の諸制約から解放し、企業的な面を加味して弾力的な運用を図る必要があること。」第三点といたしましては「児童を健全に育成することは、国の責務であり、こどもの国の民主的かつ公正な運営を確保するため国が責任をもって管理する必要があること。一方、民間事業とすると、その性格上、商業遊園的な安易な運営に流れやすいこと。」最後に「国有財産の出資等は原則として、特殊法人に対してのみ認められること。」以上でございます。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 いま御説明がありましたけれども、特殊法人にする根拠が三点挙げられております。特に子供の健全育成の立場に立って、それをより有効にするために特殊法人にするのだ、民営にはなじまないという御説明であったのでございますが、これが十五年間に、どのように変わったのか御説明いただきたい。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいま御説明申し上げましたのは、民営にはなじまないということではございませんで、第一番目の理由の中に、善意の寄付金をもって運営する必要がありますので国営にはなじまないということが書かれております。一方におきまして、こういうことも当時ございまして「民間事業とすると、その性格上、商業遊園的な安易な運営に流れやすい」ということでございます。しかしながら、ただいま先生がおっしゃいましたように、この制度が長年運営されました結果、その後におきまして各県におきましても、こどもの国に類似したものができてまいりました。私どもが存じているだけでも七件ばかりございまして、これらは、いずれも社会福祉法人または公益法人によって運営されておりまして、児童福祉施設として運営されているものも、もちろんございます。そういった状況等を見ますと、事業の運営を今回のように民営化するということも、これはなじむのではないかというように考えられるわけでございます。それから特殊法人から社会福祉法人に移すことによりまして、民間の創意工夫を導入することによりまして、さらに弾力的、効率的な運営が可能となりまして、利用者に対するサービスの向上も期待できるのではないか。こういったことが今回の理由でございます。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 民間に任せた場合は安易な運営に流れやすいということが一つの大きな理由に挙がっておることを御説明いただいたわけですが、その点については今回十分な保証があるかどうか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 今回は社会福祉法人を経営主体とするという考え方でございますが、これはなぜかと申しますと、現在のこどもの国は児童福祉法による児童厚生施設ということになっておりまして、児童厚生施設を経営いたしますものは原則として社会福祉法人ということでございまして、社会福祉法人の運営につきましては、また社会福祉事業法なり関係各法による監督もございますので、商業主義的な運営に流れるということはないものと考えております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 そこで、この協会を特殊法人から社会福祉法人に移行させることによって得られるところのメリット、そして当然メリットがあればデメリットもあると思うのですけれども、これはいままでも議論されてまいりましたが、総括する意味で個条書き的に、ひとつ列挙していただきたいと思います。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 まず民営に移管いたします場合のメリットでございますが、第一番目といたしましては理事の増員で、現在四名でございますが六名以上というのが指導上の原則でございます。それから新たに評議員会を設けることによりまして、民間の英知を結集いたしますとともに関係民間団体の協力体制をより強化することによって、こどもの国の運営について、さらに弾力的、効率的な方式を導入いたしまして、利用者に対するサービスの向上を図ることが期待できるわけでございます。  第二に、特殊法人の場合におきましては決算、寄付金の受け入れ、役員の任命等につきましては厚生大臣の認可、承認を要するなど厳しい監督下に置かれておりますが、民営移管によりまして、これらの手続が不要になり、予算と事業計画につきましては、膨大な国有財産を無償貸し付けいたしますので、そのとおり運営されているかどうかを確認するための認可というものはございますけれども、いずれにいたしましても手続が非常に省略されますので、法人の自主性に基づいた迅速な処理がいろいろできるということ。また子供たちの期待、需要に適宜対応するための自主的な企画運営の実行が期待できるということでございます。  デメリットといいますか、税金が若干ふえるといったような点はあるわけでございますが、この点につきましては五十四年度の決算の結果によりますと二百数十万円の税金が課税されるということでございますが、これはあくまでも収益がありました場合ということでございまして、税金を引きましても、なおかつ、さらに剰余金は残るということでございます。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 いま、お話を聞きますと十五年前の状況と非常に変わって、メリットが大部分でデメリットというのは税金が若干ふえる程度のことだということでございますが、果たして、そうであろうかという感じがいたします。  その中で、大臣の認可、厳しい規制がなくなって手続が簡素化する。そして民間の自主的ないろいろな工夫、創意を織り込んだ計画、企画ができるということにおいてサービスの向上が図れるという点は了解できるところでございますが、しかし、まだ予算、事業計画におきましては厚生省の規制が残るということでございまして、事業計画なり予算につきまして、どの程度まで入り込んで規制されるか、指導されるか、その点についてお伺いいたします。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 この認可の実際の運用は今後の問題でございますが、私、考えますに特殊法人の場合の、もろもろの認可、許可等につきましては微に入り細をうがって、いろいろチェックするということになろうかと思いますが、今回の指定法人一社会福祉法人の予算、事業計画の認可につきましては、膨大な百万平米にも達する土地を無償で貸しつけまして、児童厚生施設のため、子供のためという目的でございますが、この目的にかなった運営ができているかどうかということをチェックする、そういう意味の認可でございますので、詳細にわたってという従来の認可とは若干、趣を異にするのではないかというように考えております。  また、その申請が参りました場合に、いろいろ問題がございます場合は国有財産の関係者と協議するといったようなことになっているわけでございます。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 この法案につきましては、地元の関係者の方がかなり反対であるということを聞いております。また、そのことによって、なお一層不安を起こしておるという面がございますが、その点は、どのように認識しておられますか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 私どものPRなり理解をいただく努力が、あるいは足りなかったのではないかとも反省いたしておりますが、地元の関係者の方々なり、あるいは職員の皆さんに対しましては、今後とも、そういった努力を続けてまいりまいと思っております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 先ほど御説明の中にありましたように税金が上がるということで、二百数十万円だということでございますが、今後の運営によって、また、どう展開するかわからない事業でございます。税金の支出分がふえた分だけは協会にとっては負担になり、デメリットだと思うのですね。その関係から入場料等の各種料金を上げなければならないという事態が起こりはしないかと思いますが、この点については、どういう方針であり、見通しでございますか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 実は、こどもの国の入園者もすでに百万を突破いたしておりますし、そういう意味で非常に安定した経営が現に行われているわけでございます。そういう意味におきまして入園料につきましても当面、引き上げといったようなことは必要はないと私ども考えておりますが、大臣も、そういう御方針でございますし、私どもとしましては、もし税金等の関係で法人として困った事態が生じました場合には、必要な国庫補助等につきましても、いろいろ考慮してまいりたいと考えているわけでございます。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 社会福祉法人化することによりまして国の援助措置が弱まるのではないか。また、いま言われましたように補助金等を考えておられるということは、どういう項目に対して、どういう形で援助されるか、これについてお聞きします。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ここ何年か特別の年を除きまして約一億円近くの助成をいたしているわけでございます。基幹的な整備等についてでございますが、私どもといたしましては、経営主体が変わりましても、なおこういった助成につきましては続けてまいりたいと思っております。  御参考までに申し上げますと、昭和五十五年度におきましては研修センターを設置するための施設整備費国庫補助金といたしまして九千三百六十万円を計上いたしております。また来年度予算におきましては、入園者の安全を図るためのゲート、これは入り口のところでございますが、及びその周辺の整備費等といたしまして八千二百七十万円の国庫補助を要求いたしているところでございます。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 いま、この法案によりまして民営化された場合に、どのようなデメリットがあるかということについてお伺いし、それに対しまして、そんなに変わりませんということだと思うのです。国からの財政援助にいたしましても一億円程度を今後とも続けていくということであれば、そのこととしては結構なことだと思うのですが、国の行財政の改革、整理の面からいいますと何らメリットが出ないということにはなりませんか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 今回の行財政改革のうちの特殊法人の関係につきましては三つございまして、一つは廃止、一つは統合、一つは民営化ということでございます。そのいずれかの範疇に入る整理ということでございますが、こどもの国の場合におきましては、そのうちの民営化になじむということで今回こういう措置をとったわけでございます。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 民営化になじむというお考えで、とられようとする措置であり、今後そのように運営されていくと思いますけれども、先ほどから出ております民営化が商業主義的に流れて、もうけ主義になってはならない、これは当然のことでございます。しかしまた一方、厚生省の事業計画並びに予算に対する指導監督の観点からいいますと、民営になったものの、自由な自主的な企画が思う存分できない、民間の創意のいいところが十分反映できないということも起こってきはしないかと思いますが、その辺の兼ね合いがむずかしいところであると思いますけれども、商業主義的もうけ主義にならないとしても、やはり、この種の施設で民間の経営のものが、御存じのとおりあるわけですね、そういったところの、いいところはどんどん取り入れていくという積極性もなければならない。その限度の問題ですが、どのようなかみ合わせを考えておられるか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 こどもの国はあくまでも児童福祉施設でございまして、そのうちの児童厚生施設、いわば児童館とか児童遊園を中心といたしました子供に健全な遊び場を与えるという施設でございます。そういう意味におきましては、おのずから商業的な遊園地等とは一線を画さるべきものであると考えております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 一線を画さないといけないということは、そのとおりなんですが、しかし従来の特殊法人でやってきた運営とは、やはり違った味を出さないと、先ほどメリットを言われたわけですから、やはり同種のもののいいところは取り入れるように、商業主義にならない範囲で自主的に積極的に企画できるという余地をかなり持っておられるか、それをどこまで組み込まれるか。同じなら全然意味ないですね。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 今回は幸い役員等も増員することができるわけでございますので、できるだけ地元関係者あるいは専門家等に御参加いただきまして、地元の御要望なり、あるいは専門的な見地からの創意工夫をこらしていただきまして、なお一層、児童のために役立つ施設にしてまいりたいと思っております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 職員の労働条件等は承継法人に、そのまま引き継がれるということになっておりますけれども、職員について、かなり不安がある。特に、これを契機に労働組合ができ、いろいろと運動をしておられるようでございますが、そういう不安、本当に移行して大丈夫やっていけるかどうか、この点についてお伺いをいたします。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 この点につきましては労働条件も従来どおり承継されるわけでございますし、私どもといたしましては必要な援助も今後行っていきたいと考えております。ただ特殊法人から社会福祉法人に身分が変わるという点についての不安を感ぜられたのであろうかと思いますが、処遇その他につきましては今後とも従来と変えるつもりは全くございません。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 こういった組織、機構の運営につきましては、やはり人間が主体で、特に一種のサービス業、国民に対するサービス、子供、福祉に対するサービスの業務でございますから、より人間に依存する面が多いわけでございます。その基本になりますのは、やはり労使関係が安定することが何よりも必要だと思うのです。お客さんが見えているのに内部で労使が角を突き合わせており、また、ぶざまなことになってはサービスが行き届かないことは御承知のとおりで、労使関係の安定が非常に重要な基礎になると思います。  そこで従来と変わらない待遇でやるということについては、どのように考えておられますか。いままでは公務員に準じてこられたと思うのですが、それを今後は、どういう基準といいますか、何に準拠して、こういった労使問題の処理をしていかれるか、お伺いをします。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 今後におきましては、特に労使関係ということになりますと、私ども直接介入するとか云々ということは、これはまた問題はあろうかと思いますけれども、経営者側に対しましても、できるだけ従来のよい慣行につきましては、これを守っていただくようにお願いするとか、私どもとしましても、できるだけの援助はしてまいりたいと思っております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 たとえばのことですけれども、いままでは給与ベース等は何に準拠してこられましたか、今後はどうか、この点についてお伺いいたします。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 従来は特殊法人でございましたので、特殊法人としての、それぞれ共通する給与問題等もございましたから、そういったものに準拠していたわけでございますが、私どもとしましては、これを下げるというようなことは全く考えておりませんし、経営者もそうであろうと思います。そういう意味におきましては従来と実質的には、そう変わりはないものであるというふうに私は考えております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 私は、この特殊法人から民間の運営になることによりまして労使関係は同じだということにはならないと思うのです。それだけに労使関係の安定については十分な御配慮をいただきたいし、そのための労務、人事管理の確立が必要だと思います。その体制につきまして、移管する際に十分に御配慮をいただきたい、このことを御要望いたします。  そして経営者側の労務についての、人事についての上部団体は、どういうところに、いまは属しておられますか、これは今後どうなりますか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 現在のところ経営者側としては、推測でございまして私も、その点については詳しくございませんが、特殊法人の経営者が、お互いに連絡機関等はあるのではないかと思っておりますけれども、今後におきましては特殊法人ではございませんので、そういった関係はなくなろうと思いますけれども、従来のよい労働慣行とか給与条件等については守るように、私どもも応援してまいりたいと思っております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 この労使関係につきましては特に関心を持って、十分に現協会の移行される際の体制を固められまして、労使関係の安定、不安のないように努めていただくことを希望いたします。  大臣、最後にお伺いいたします。  どうも行政機構の改革ということになりますと、まず、やり玉に挙がるのが、厚生省では、こどもの国協会、こどもの国の施設であったわけです。どうも行政機構というと、すぐに弱い立場、物を言えない立場の子供とか婦人あるいは老人といったところに、しわ寄せが行われるわけでございます。私は、この行政機構の改革を進めることについては全面的に支援をし、これを強く主張するものでございますけれども、このような形で、こどもの国から、まず出てきたことは非常に残念でございます。いま聞きましても、民間に移行しても、そんなにメリットがない、またデメリットもそうない。またデメリットを埋めるために、めんどうを見るとなれば、国から見れば、そんなに変わらない、機構いじりにすぎないという形が出ておると思うのです。こういった安易な行政機構改革でもっていいのかどうか、非常に疑問に思います。皮を切って肉を切り骨まで達する行政改革と前内閣から言われてまいりましたのに、真っ先に、このようなものが出てくるということは非常に残念でございますが、厚生大臣、この点についてのお考え、御決意のほどをお聞かせいただきまして質問を終わります。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 今日、行政整理、行政改革は国民のひとしく待望するところであります。しかしながら、その行政改革とは一律に何%を切るものであってはならぬので、やはり重要なところ、切ってはならぬところ、それから切ってもいいところ、こういうことがあるはずでありまして、極端に言うと、ふやすところと大幅に切るところとあっていいはずであります。それが今日のように一律にやられているということについては、とかくの問題がありますが、こういう状態になってくると、これまた一つのやむを得ざることかとも考えます。  厚生大臣が持っております特殊法人では、御承知の社会保障研究所、環境衛生金融公庫、医療金融公庫、社会福祉事業振興会、心身障害者福祉協会、こどもの国協会、社会保険診療報酬支払基金、年金福祉事業団、こう考えてまいりますると、今日の内閣の社会経済環境の中で推し進められてくると、民間に移管しても何とかこれがカバーをして特殊法人に近いことでやっていけるのは、こどもの国しかないというのが実情でございます。したがいまして、いま言われたとおり、ここで働く人の不安、それから将来これが商業ベースにならぬように、この運営については地元各関係者からの意見も聞き、特殊法人の強さはそのまま維持しながら、足腰は強くして運営については民間の活力を導入する、こういうことを、よほど厳しく考えてやるべきだと考えております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田委員 ありがとうございました。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 中路雅弘君。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 今回の特殊法人こどもの国協会を廃止して民間の法人とする法律案、いわば、こどもの国の解散法で、今後、社会福祉法人になった場合に税金が課せられるようになるわけですけれども、最初に課税額の試算といいますか、たとえば五十四年度の業務実績決算に基づいて、各法人税、住民税、事業税、電気ガス税等ありますが、たとえば法人税については幾らになりますか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 法人税につきましては、私ども試算額といたしましては百万円というふうに考えております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 一般的に社会福祉法人は収益事業を行うことができるわけですけれども、こどもの国の事業は、その収益事業に当たるわけですか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 こどもの国全体といたしましては収益事業とは考えておりません。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 全体に当たっては考えてないという、すると駐車場や売店、食堂というのは別に考えておられるのですか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいま言われたような点につきましては、他との均衡上、課税されるということでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 これまで、こどもの国の問題を一体として扱うといいますか、駐車場、売店、食堂も、これは決して収益事業というのではなくて、こどもの国を利用する人たちの施設として総合的に整備された、本体と一体の集団施設というふうに説明されてきたと思うのですが、こどもの国の事業全体は、そういう点では社会福祉事業であると私たちは考えるのですが、その点はいかがでございますか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 その点については、そのとおりかと思います。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 社会福祉事業には法人税が課税されないと思うわけですが、今度は、なぜ税金がかかるのですか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 そのうちで特に収益を生ずるような部分がございました場合に、これに対してかかるというように聞いております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 いま試算で御報告いただいたのを私ももらっていますが、たとえば法人税百万というのは、こどもの国の事業全体ではなくて、その一部にかかるということですか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 これにつきましては考え方がいろいろあろうかと思いますが、私ども、こどもの国全体としての収支差額に対してかかるというように考えております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 いまの御答弁だと大変あいまいになってしまうわけですね。これまでも、こどもの国の事業全体は総合的に整備された一体の集団施設だ、そして、これは収益事業ではなくて社会福祉事業だとおっしゃっていたわけですね。たとえば税法で見ても、社会福祉事業には法人税は課税されないわけです。だから社会福祉法人が行う、こうした社会福祉事業に税金がかからない、しかも収益事業には税金がかかるのですが、こどもの国は収益事業でない。税金の根拠が大変はっきりしないと思うのですが、その課税の根拠はどこにあるのですか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 具体的に申しますと、食堂、売店、駐車場の収益の二分の一に課税されるというたてまえでございますが、これらの事業の収益の計算に当たりまして、経費の区分が必ずしも明確にできませんので、具体的には全体の収支差額によって課税されるものと考えております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 たとえば税法の上でも、いまのお話でも結局、課税の根拠は全くない、はっきりしないわけです。しかも、いままで、その駐車場だとか売店は収益事業ではなくて、こどもの国の整備された施設と一体のものだということをおっしゃっているわけですから、収益事業でもないものに課税を許して、しかも一方で無理やりに社会福祉法人の事業にする、ここに私は税法上から言えば今度の矛盾が非常にあると思うのです。特殊法人のまま存続させるのであれば当然それでいいわけです。しかも課税ということが問題になるから、皆さんが心配されているように利用費の値上げだとか、収入を上げるために商業的な施設が将来入ってくるのではないか、こうした自然が破壊されるのではないかという心配もされているわけです。税法上の課税の根拠が、いまの御答弁でもはっきりしないのです。その点はもう一度、法人税はどういう場合にかかるのか、法人税で言えば、そのどこの部分に当たるのですか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 現在は特殊法人でございますので、先生御承知のとおり課税はされてないわけでございます。したがいまして実は先ほどからも、いろいろ御議論もございましたが、今回、社会福祉法人になることによりましてメリット、デメリットございまして、いろいろメリットもございますが、デメリットとして一つは、確かに収益に対する若干の課税があるということを御説明申し上げてきたわけでございます。  課税の方法はいろいろあろうかと存じますが、ただいま申し上げましたように、これらの食堂、売店、駐車場の収益の二分の一に課税されるたてまえでございますが、これら事業の収益の計算に当たりまして、経費の区分が必ずしも明確にできませんので、具体的には全体の収支差額によって課税されるものと考えておりまして、また私ども、課税当局とも、そのように折衝していくべきではないかと考えております。ただし先生おっしゃいますような、いまのようなやり方は課税の方法であろうかと思いますが、私どもも、そういう方法も計算もしてみましたけれども、そういう方法にいたしますと税金がよりよけいかかるということも考えられます。私どもとしましては課税当局との折衝で、経営者側におきましても、いまのような、こどもの国の実態でございますので、課税当局の方におきましても、こういった点については十分御理解いただけるものと考えておるわけでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 法人税は、御存じのように社会福祉法人で得た事業所得には課税されない。収益事業を経営することはできるわけですが、その場合に、その収益は課税対象とされるというのが法人税ですね。いま言った自動車とか売店は、いままで、そういう収益事業でなくて施設の本体と一体の整備された施設なんだということをおっしゃって、特殊法人でやってこられたわけですから、社会福祉法人に変えられるから、いまのような何とか無理をしてやりくりをしなければならない、理屈をつけなければならないということになると私は思うのです。  このことによって税法の上でも根拠もはっきりしないし、この点は非常に大きな矛盾があるということを、まず最初に指摘しておきたいと思うのですが、もう一点、今度の法案で、こどもの国を児童福祉法の第四十条に規定する児童厚生施設として扱っておられるわけですが、従来の児童厚生施設というものはどういうものがありますか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 主なものといたしましては児童館、児童遊園等がございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 屋内では、いまおっしゃった児童館、屋外では児童遊園がありますが、こどもの国は大部分が屋外施設なんですね。同じ児童厚生施設といっても、いまおっしゃった児童遊園、これは青少年白書を見ますと「児童遊園は、都市公園法に基づく児童公園の補完的な役割を持ち、主として盛り場、小住宅密集地域、小工場集合地域など、遊び場に恵まれない地域に設けられ、幼児や低学年の児童を主な対象として児童厚生員や民間有志者による遊びの指導を行っている。」というふうに書かれておりますけれども、標準的な敷地面積というのは児童遊園と言われているのは約六百平米、二百坪なのです。こどもの国は百万平米あるわけですよ。国際児童年を記念してつくられた記念モデルの児童遊園でも敷地が二千平米くらいですから、こどもの国と比べて問題にならないわけです。こういうところへ押し込もうというところに、こどもの国としては無理があると私は思うのです。  また児童福祉施設の最低基準によると、児童公園には児童の遊びを指導する児童厚生員を置かなければならないというふうに書かれていますけれども、こどもの国にも児童福祉法に言う児童厚生員を置かなければならなくなるということになると思いますが、この点はどうかということと、こどもの国に現在、児童厚生員が置かれているのか、置くとするならば何カ所どの施設に、どのくらい必要とするのか、また不特定多数の児童が入るところですから、児童厚生員をどういうふうにするのか、まとめて、ちょっとお尋ねしたい。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 まず児童厚生施設について、ちょっと御説明申し上げたいと思うわけでございますが、児童福祉法の第四十条によりますと「児童厚生施設は、児童遊園、児童館等児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、又は情操をゆたかにすることを目的とする施設とする。」ということでございまして、こどもの国の中には児童遊園、児童館的な要素が多分にあるわけでございます。いわば、こどもの国は子供の健全な育成を図るための大型の児童厚生施設として建設されておりまして、ただいま先生おっしゃいました最低基準に対しましても大幅に、これを上回っているということでございまして、実は昭和三十五年でございますが、中央児童福祉審議会からも、中央児童厚生施設こどもの国が設置されることになったことは、まことに時宜にかなったものであるということで、児童厚生施設の大型のものの模範的なものというふうに、おほめをいただいているわけでございます。  なお児童厚生員についてのお尋ねがございましたが、はっきり申し上げまして現に児童厚生員の資格を持った人はおりません。資格というのは知事の認定でございますが、ただ現在こどもの国の中には児童厚生事業に相当の知識経験を有する者がたくさんおります。たとえば全国の児童館、児童遊園の職員を指導しているような人たちも、たくさんいるわけでございますので、実質的な資格は十分ございます。したがいまして今回、社会福祉法人に移ります場合に、民営化いたします際に資格を取得するため知事の認定を得る手続をとるように現に努めているわけでございます。どこへ何人配置するという点につきましては現在、経営者側で検討いたしているところでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 いまの問題、厚生員の問題が出ましたから重ねて質問しますけれども、そうしますと中に資格を持つ要素がある人もおられるということになると、配置転換等も考えられるわけですか。あるいは現在の児童厚生員がいないところは新しく採用されるとか、そういう人員の問題ですね。いまのお話ですと、移管されることについて、こういう点が大きく配置転換を含めて問題がすぐ起きると思いますが、いかがですか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 私もまだ、こどもの国は実は二、三回しか行ったことがございませんので、現に私、運営の実態を詳細に知っておるわけではございませんが、現在の職員の配置は適材適所で行われていると思いますので、その意味で、資格を取りましても配置が云々ということにはならないかと思います。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 そうはならないのですよ。私も何遍か行っておりますけれども、たとえば現場でない人たちで、いまおっしゃった資格の可能性がある人がある。結局、現場へまた配置転換になるのですよ、そういうことになれば。これは職員の身分の問題ですから、そういうことで、たとえば今度移管になるということについて、こうした問題について、労働条件や身分の問題ですから、当該の理事者と労働組合とが、いままで話をされたということはありますか。御存じですか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 労使間で、どのような話し合いをされたかにつきましては個々には私存じません。ただ今回、民営化することにつきまして、かなりの回数の話し合いが行われているということは聞いておりますので、そういった話し合いも、あるいは行われているのではないかと思います。これは推測でございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 推測でおっしゃっているので、これはないのですよ。児童厚生員のこうした問題について話し合いは全くやられていないのです。  いま私もお話ししましたけれども、法律で言えば平均二百坪ぐらいの、いまの児童遊園の、それが大型だということで百万平米からあるものを当てはめようとしたり、あるいは児童厚生員の問題を見ても、今度の移管というのは無理やり児童厚生施設にするという、必要が全くないのに、こういう、いままで特殊法人で運営をやられたのを移管しようとするから、いろいろ問題が起きてくるわけなんですね。広大な敷地に総合的な施設があって、緑という自然環境を持つこどもの国を、従来の児童厚生施設の最低基準で見て、大型だからというだけで考えていいのかどうかということが問題ですし、先ほど、中央児童福祉審議会これで大変評価されたと言いますが、それでは逆に聞きますけれども、そうした大きく評価されたこどもの国を民営に移すという今度の問題について、中央児童福祉審議会に意見を聞かれたことがありますか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 設立の当初におきまして十分その点は伺っておりまして、設置主体、経営主体がどうという問題については当初から問題になっているわけではございませんで、内容が審議されておりますので、今回、特に伺っているわけではございません。  なお児童厚生施設になっておりますものは、たとえば私、現に見てまいりましたものでも、鳥取県にも鳥取の砂丘のところに、こどもの国がございます。これも大型のものでございまして、こどもの国ほど大きくはございませんが、児童厚生施設ということで、すでに認められているものでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 大臣、こうした問題は、こどもの国として設立のときには意見を十分聞かれて、やられたわけですし、児童の健全な育成の目的で設立されたのが、経営主体も大きく変わるわけですから、やはり大臣としても児童福祉審一驚意見を聞かれるべきだと思うわけですが、いかがですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御意見でございますが、この主体、内容等については当初、審議会の答申を受けておりますので、今後、民営移管については各方面の意見を聞くことはいたしますけれども、審議会に答申を求めることというのは、なかなか間に合わぬのじゃないか、こう思います。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 間に合わないとおっしゃったわけですが、私は、こうした手続も十分審議会にも諮って意見を聞かれて、こうした民営化についても当然、検討さるべきだと思うわけです。特に、百万を超えているわけですが利用者や、当該の職員の皆さんからも強く心配をされていることですけれども、先ほどのように課税をされる、これも根拠も非常にあいまいですけれども、そうなりますと税負担によって施設の整備の費用も圧迫される。あるいは収入によっては、職員の皆さんの給与等にも今後影響してくる。利用料金の引き上げも心配される。あるいは収益率の高い商業的な施設の増加ということも、いますぐということは別にしましても、次第に、その傾向を強めるのじゃないかということが大変心配されておるわけです。  もう一度、ちょっと戻ってお尋ねしますけれども、国庫補助の実績を見ますと、先ほど御答弁されていましたけれども、私ども資料で五十五年までいただいておるのですが、今度の五十六年度は幾らになっていますか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 五十六年度といたしましては、入口のゲートの修理その他につきまして主として児童の安全を守るための設備といたしまして八千数百万の要求をいたしております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 いまの八千万余り、二百七十万ですか、たとえば五十三年度は国庫補助の実績が九千九百七十二万ですね。約一億と言われておる。五十四年度が九千四百七十万、五十五年度九千三百六十万、五十六年度、いまおっしゃったように八千万幾ら。この推移をずっと見ても、すでに五十三年度から国庫補助が二千万近く減っているじゃないですか。だから、これが民営になって、その保証もないということになれば、もっと減額になる、あるいは財政事情で切られるという心配をされるのは当然じゃないですか。一億、一億と言っていられますけれども、現に、もう一億じゃないですよ。五十六年度は八千万ですよ。この保証はあるのですか。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 私どもとしては約一億円と申し上げたわけでございますが、もし、このゲートが一億かかっておれば一億の要求をしたと思います。たまたま、こういった重要な整備につきまして、結果としては八千万という額が出たわけでございまして、幾らに抑えるとか、そういうことを考えておるわけではございません。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 これからも国庫補助をずっとしていくという保証は何もないわけですよ。また、こどもの国の当初たしか五十一年の国会の議事録を見ますと職員が五十九名おられたわけです。入園者が当時は七十五万、いま百万をはるかに超えているわけですが、職員の方は逆に、いま四十八名ですから一八%、二〇%近く減っている中で努力をされて運営されているわけです。私は現地もたびたび行って特に痛感したのは、ほとんどが屋外施設ですから天候によって全く入園者が違うわけです。詳しく調べてきましたけれども一、二だけ、ちょっと同じ傾向なので見ますと、たとえば開園日で日曜、祝祭日をとりますと、五十四年の四月八日、雨の日は千六百五人なんです。同じ月の日曜、祝祭日が六日間あるのですが、全部の入園者が五万七千五百九十八人ですから平均すると一日約一万人入っている。しかし雨の日は千人しか入ってない。五十四年九月三十日の雨の日は九十六人なんです。同じ月の祝祭日を入れますと七日間で四万人入っておりますから一日平均六、七千人なんです。しかし雨の日は九十六人しか入っていない。このように天候によって、自然の施設ですから大きく左右される。  だから、いままで、どう運営されているかといいますと、こうして収益があったときは前の事業年度から繰り越した損失を埋めるとか、あるいは残余があるときは、その残余の額を積立金としておく、そうして損失を生じたときに積立金を崩して整理をするとか不足額を補うとか、そういう運営がされていたわけですね。だから今度は利益があるといって、それにすぐ税金をかけてごらんなさい、こうした運営が全くできなくなってしまうのですよ。だから、こどもの国というのは、もともと企業として運営することがむずかしい。いまの運営を見ても、そういうことが対象になるような施設じゃないと思うのですよ。利益が天候によって左右されるのですから、利益があるときは積み立てておいて、また天候が悪くなって入園者が少ないときに、それを補充するということをやってきたわけでしょう。利益があるからといって、その翌年それに税金をかけてごらんなさい、運営が全く困っちゃうのです。こういう面からも民営化された場合の困難というのは大変目に見えていると思うのです。この点も私はもう一度考えてもらう必要があると指摘しておきたいのです。時間が限られておりまして、ないので、せっかく大臣来ておられますから二、三お聞きしたいのですが、いまこどもの国について解散それから民営化に反対の声というのは地元だけでなくて、私の聞いておるところでも自然保護団体を含めて約百団体くらいから陳情、要請が来ているわけです。地元に「こどもの国」の自然を守る連絡会というのがつくられまして、要請書が来ているわけですけれども、この要請書の中で四つ具体的に出ています。  一番目は、民営に移管することはしないでほしい。「首都圏一帯の子供たちや、地域住民に親しまれている「こどもの国」の設立の趣旨を生かし民営に移管しない」ようにしてほしい。これを前提にしまして、一つは「「こどもの国」の豊かな緑と自然を守り、青少年の健全育成の場にふさわしい環境を維持、管理」してくれ。それから「前記の目的を達成し、利用者負担の増額を抑えるため国庫補助を増額」してほしいということですね。それから、これは具体的にお聞きしたいのですが「運営に利用者の声が反映されるよう協議の場を設け、住民や利用者の代表を参加させ」てくれという要望があるのです。特に学校の先生方が引率していかれる場合が非常に多いのです。私は利用者の中に学校の先生なんかも、できたら入れたらいいかと思うのですが、今後の民営の運営のことは一応別にしましても、こどもの国の運営について学校の先生を含めた、こうした利用者の声が反映できるような協議の場を設けてほしい。この問題を含めて大臣のお考えはいかがですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 いろいろ御注意がありましたが、そういう御心配がないように施設の実体、運営等については十分注意をしてまいります。  なお、いま言われました地域あるいは利用者こういうものと、運営のほかに相談をしたり意見を聞いたり実態を調査をしたり話し合う機関なり場所をつくれ、こういう御意見は、そのようにしていきたいと考えております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 いまの最後の、そういう協議の場を設けて、そうしたいというお約束は、ぜひひとつ具体化してほしいというふうに思います。  いずれにしましても、これがつくられたときの厚生大臣は鈴木総理であります。そうして民営にすれば商業的なものが入るということで、設立の趣旨でも、午前中も同僚委員からお話がありましたが、そういうことを述べておられた。その鈴木内閣のもとで、いわば行政改革の数合わせのしわ寄せとして——恐らく私は、厚生省の方も、これを提案されているのだけれども実際は、このままでいいんじゃないか、犠牲になったと思っておられるのではないかと思うのですけれども、こうした皆さんの要望が生かされるように、ぜひ努力をしていただきたいというふうに重ねてお願いをしたいと思うわけです。最後に大臣がお約束された点は、住民の皆さんの要望の中でも非常に強い要望ですので、重ねてお願いをして質問を終わりたいと思います。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 伊藤公介君。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 こどもの国の民間移管に関しましての、いろいろ御心配な点については御議論がございましたし、それなりの御答弁も、いろいろ伺ってまいりました。行政改革の必要性は当然、私どもも強く感じているところでございますし、思い切った行政改革を、いまこそ、やるべしと思っているわけでありますが、どうも、こどもの国に関しましては民間に移管をしても実体が余り変わらないのではないか、むしろ看板の書きかえだけではないかという心配もあるわけであります。民間に移管をすることによって、その内容を失わずに、しかも国にとって実際に行政改革になるのかどうなのかということを、まず大臣に伺いたいと思います。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 こどもの国を民営化いたしますのは、まず第一に類似事業が民間で行われており、事業の内容が民営化になじむということでございます。第二点といたしましては、民間の創意工夫を導入することによりまして、さらに弾力的、効率的な運営が可能となり、利用者に対するサービスの向上が期待できるということでございます。第三には利用人員が年間百万人を超え、経営が安定しているということでございます。こういった理由によるものでございまして、今回の政府の行政改革の方針に従って、厚生大臣の指定する社会福祉法人に業務の運営を行わせるということになった次第でございます。  そこで、こどもの国を特殊法人に直接運営させることといたしましたのは、国が運営いたしますよりも特殊法人として運営した方が民間寄付金の受け入れ、人事、財務の運営が弾力的に行い得ること、それから国の児童健全育成事業を公正な立場で運営できること、さらに膨大な国有財産を管理させるために、ふさわしいということでございましたが、第一に寄付金につきましては、特殊法人よりも社会福祉法人の方がより受け入れやすいということでございます。第二に人事、財務につきましては、社会福祉法人自身が行うことによりまして民間の活力の導入や弾力的な予算の執行等、効果的な運営が、特殊法人の場合よりも、より一層行いやすくなるということでございます。第三に、いわゆる商業主義的運営にならないようにすることにつきましては、児童福祉法による児童厚生施設としての運営を社会福祉法人が行うものでございますので、必要がある場合には、この指導監督が行われますので、そのようなことはないであろう、そのようなことにはならないということでございます。第四に国有財産の管理につきましては、今回の行政改革の趣旨を踏まえまして、この法律により特に承継する社会福祉法人に無償貸し付けがなされますので、運営に支障を来すことはございません。こういった理由によりまして、今回の政府の行政改革の方針に従いまして、厚生大臣の指定する社会福祉法人に業務の運営を行わせることとした次第でございます。  なお民営移管のメリットにつきましては先ほどからも、いろいろ御説明申し上げてまいりましたが、特に理事の増員及び新たに評議員会を設けることによりまして民間の英知を結集することができるということ、また特殊法人の場合には、決算、寄付金の受け入れ、役員の任命等につきまして厚生大臣の認可、承認を要するなど厳しい監督下に置かれておりますが、民営化によって、これらの手続が省略されて、自由な企画運営の実行が期待できるということでございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 そうしますと行政改革ですから、できるだけ国の負担を軽くしていくということでありますから、予測をすることは非常にむずかしい点でありますが、年間一億円出ている国の補助金ですね。これは民間に移管をされて民間投資等があれば、国の補助金も将来は当然削られることになるのかどうなのかですね。内容は充実をしなければならないと思うし、その目的を失ってはならないという立場も、私はよくわかりますけれども、しかし行政改革という面から言えば、そうしたことも将来、当然予測をされるわけですね。どういう見通しに立っていられるのか、いまの時点で、お伺いしたいと思うのです。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 こどもの国の事業の重要性にかんがみまして、施設整備費につきましては従来から必要に応じて助成を行ってまいったわけでございますが、事業の運営が社会福祉法人に移管されました後におきましても従前と同様、必要に応じて助成を行ってまいりたいと考えております。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 補助金の問題は、いまの時点で、いろいろ論ずることは大変むずかしいと思いますし、一方では国に補助をしていただいて、いままで以上に、こどもの国を内容の伴ったものに、さらに充実をしてほしいという気持ちもございますけれども、民間に移管をするということでありますから、できるだけ、そうした負担にならないことでなければ行政改革にならないわけですから、これは非常にむずかしい点でありますけれども、民間に移管をしたことによって結果的に民間の投資もふえ、内容も充実をするということになりますように、ひとつお進めをいただきたいと思います。  何しろ私に与えられた時間は十分ですから、あれですが、もう一点は、こどもの国の利用度を見てまいりますと、ことしは去年よりも若干減っているようでありますし、この立地条件を考えますと国電の長津田駅から東急電鉄を利用して、こどもの国までたどり着くということになるわけですが、一方、反対のサイドには小田急線があるわけですね。小田急線の鶴川駅からは現在はバスで行かないと、こどもの国へ行かれないわけですね。いま、こどもの国のPRもどうも、あまり上手でないかもしれませんが、俗化するということではなくて、せっかく、これだけ隣接をした、しかも東京にほど近いところにあるわけですから、もう少し有効に活用できる道を開くべきだと思って、私も実は、こどもの国へも何回も行ってまいりましたし、この立地条件もよく承知をいたしておりますが、何とかできないものかと考えておりました。将来、長津田駅と同じように鶴川駅と、こどもの国を電車で結ぶということは考えられないのかどうか。この長津田の駅と鶴川、つまり、ここは東京と横浜の接点ですから利用者もいろいろな方々がいると思いますけれども、現状はどういう利用状況になっているのか。また今後、民間に移管をしたときに、小田急線の鶴川とこどもの国との輸送状況を、もう少し考慮する必要があるのではないかというふうに思いますが、いかがでしょう。

金田一郎厚生省児童家庭局長

○金田政府委員 ただいま御指摘の、こどもの国線を小田急線鶴川駅まで延長することにつきましては、こどもの国の利用度を高める一つの方法であるとは考えますけれども、実は種々問題がございます。  三点ばかり申し上げておきますと、第一点は用地取得及び設備に莫大な投資を要するということでございます。第二点といたしましては振動、騒音等による公害問題を起こすおそれがあること。これは実は地元の方から、いろいろ陳情がございます。第三点といたしましては運行経費について収支均衡をとる必要がある。現に委託をいたしております会社の方で一億数千万の赤字が出ておりまして、さらに、これが大きくなるということも考えられるわけでございます。こういった問題点があるということを申し上げておきたいと思います。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 ぜひ、民間に移管をして十分この施設が、さらに、いままで以上に活用される道を開いていただきたいと思いますが、いま、ちょっとお話がありました地元の騒音の問題であるとか、あるいは振動の問題というのは、これは、いまの長津田からの東急の電鉄に関してでしょう、そうだと思うのですね。というのは、いまの立地条件を考えますと鶴川駅からこどもの国は、ほとんど人家がないのですよ。奈良北団地の方まで行きますと、もちろんありますけれども、そこを全くよけておりますから、私は、いまの立地条件を考えて、むしろ、こどもの国をつくるときに当初計画で、そういう計画をした方がよかったのではないかと思いますが、今後の問題として、いまの騒音の問題とか何かは現状の中では恐らくないだろうと思うのですね。用地買収にしましても、こどもの国から鶴川駅というのは、これだけ近いところはないわけでして、長津田の駅よりも直線だったら恐らく短いだろうと思うのですよ。ですから民間移管に際して、その辺のこともよく考慮していただいて、今後、活用していただく道を開いていただきたいということを強く要望して、質問を終わりたいと思います。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)     —————————————

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 この際、湯川宏君外六名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党、新自由クラブ及び社会民主連合七派共同提案に係る本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。湯川宏君。

湯川宏自由民主党

○湯川委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党、新自由クラブ及び社会民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。案文を朗読して説明にかえさせていただきます。     こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案に対する附帯決議(案)政府は、次の事項について、格段の努力を払うべきである。  一 こどもの国の運営に当たっては、特殊法人こどもの国協会設立の趣旨である緑豊かな自然の中での児童の健全育成の目的が十分生かされるよう特段の配慮をし、かつ、子供の安全を確保するために十分な措置を講ずること。  二 指定法人が事業を承継したことにより、入園料及び有料施設の利用料の引上げが行われることのないよう配慮すること。  三 こどもの国に対し一指定法人による事業の承継後も、児童の健全育成にふさわしい環境が保たれるよう必要な助成を行い、その整備発展に配慮すること。  四 特殊法人こどもの国協会の解散に当たり、その職員の処遇については、適正な措置をとること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  採決いたします。湯川宏君外六名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付すことに決しました。     —————————————

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 お諮りいたします。  本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 この際、厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。園田厚生大臣。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、御趣旨を尊重して努力いたす所存でございます。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時四十六分散会

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