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93回国会衆議院1980/11/07

社会労働委員会 第7号

発言数
89
登壇者
14
会派数
7
開催日
1980/11/07

会議録

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。森井忠良君。

森井忠良日本社会党

○森井委員 私は、日本社会党、公明党・国民会議、さらに民社党・国民連合を代表いたしまして、確認の意味も含めまして若干の御質問を申し上げたいと思います。  最初の御質問は保険外負担の解消の問題でございますが、現在、健康保険は種々の問題を抱えておりまして、特に保険外負担の問題については、国民が強く、その解決を求めている問題であります。まず、この問題の解決について大臣の決意を承っておきたいと存じます。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御指摘の点はきわめて重要な問題でありますので、今後、各方面の御意見を承りながら全力をもって、これと取り組んでいく決意でございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 保険外負担の問題の一つである、いわゆる差額ベッドの問題について、これは非常に重要な問題でございますが、どのようにして解決をなさろうとされるのか、その具体的な方策を示していただきたいと存じます。

大和田潔厚生省保険局長

○大和田政府委員 差額ベッド問題解決の具体的な方策といたしまして、第一に三人部屋以上での差額徴収が完全に解消するようにすること、特に問題の多い私立大学付層病院に対しましては、文部省と協力いたしまして段階的に差額徴収の解消を図る。第二に重症患者が個室または二人部屋に収容された場合には、室料その他に特別加算を設けることといたしまして、室料差額問題の改善を徹底すること。第三に現行の調査に加えまして、大病院に対する実地調査、利用者に対するアンケート調査を実施いたしまして実態把握を強化すること。第四に苦情相談の窓口を都道府県庁に設置することにつきまして、今回の改正を契機に実施していく所存でございます。  なお、中医協に関する分もございますので、その審議状況を踏まえて対処いたしたいと存じます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 もう一つ、差額ベッドについてお伺いしたいと思いますが、この問題に関して特に問題が多いのは私立大学の付属病院でございます。これについては、どのような解決策を考えていらっしゃいますか。

大和田潔厚生省保険局長

○大和田政府委員 大学付属病院につきましては、単に医療を供給するだけでなく、臨床医学の教育研究の場といたしまして、医学、医療の進展に対応し得る高度の医療水準を維持する必要があるという特殊性を有しております。特に私立大学の場合は、経営上の観点から病院収支の均衡を重視する等の事情から、差額病床保有率が高率になっているものと考えられるわけでございます。  今後の方策といたしましては、文部省との間で、三人部屋以上における、いわゆる差額病床につきましては三年を目途に差額徴収の解消について努力することを文書で確認しておりまして、差額徴収の解消を進めるに当たって具体的な措置につきましては、大学付属病院の特殊性に十分配慮しながら、厚生省と文部省で協議することといたしております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 保険外負担の問題の、もう一つの点は付添看護婦の問題でございます。これをどのように解決するか、具体的な方策を聞きたいと存じます。この際、基準看護の大幅改善を図るべきであると考えておりますが、その点について明確にしていただきたいと存じます。

大和田潔厚生省保険局長

○大和田政府委員 付添看護問題解決の具体的方策といたしましては、第一に看護水準向上の方針のもとに、次回診療報酬改定時に看護点数については所要の引き上げを行うとともに、一般病棟の二類基準看護を廃止するということ。第二に特に基準看護病院におきまして重症患者が一定の部屋または病床に収容された場合には、その病院の職員により看護が行われることを条件に、各病院ごとに承認されました一定割合の範囲内で基準看護加算のほかに特別加算を設けること。  付添看護問題に対しましては以上のような措置を新たに講じてまいりたいと考えておりますが、それにもかかわらず付き添いを求める医療機関に対しましては、基準看護の承認を取り消すことといたしたいと存じます。  なお、中医協に関する分もございますので、その審議状況を踏まえて対処してまいりたいと存じます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 歯科診療においても保険給付外の負担を伴うという問題があり、これについても、その解消を図っていく必要があると思うのであります。一体この問題については、どのように進めていくのか、明確にしていただきたいと存じます。

大和田潔厚生省保険局長

○大和田政府委員 歯科医療におきまして通常必要とされているものは保険給付の対象としているところでございますが、今後も唇裂口蓋裂患者の歯列矯正、小児歯科関連項目等、国民の医療上必要かつ緊要とされるものにつきましては、基礎的技術料の評価との関係も考慮しながら、段階的に保険給付として取り入れてまいりたいと考えております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 保険外負担を解消していくということになれば、そのための費用がかかるわけでございますが、その所要経費はどの程度と考えておられるのか。また保険外負担解消の措置については時期が問題だと思うのでありますが、いつ実現をするのか、いつまでも待つことはできません。ぜひ急いでいただきたいと思いますが、所信のほどを承っておきたいと存じます。

大和田潔厚生省保険局長

○大和田政府委員 保険外負担解消のための措置に要する経費といたしましては、第一に重症患者に対する看護のための特別加算に要する経費といたしまして約六百億円、第二に重症患者を個室または二人部屋に収容した場合の特別加算に要する経費として約二百億円、第三に歯科診療における保険適用の範囲の拡大として唇裂口蓋裂患者の歯列矯正、小児歯科関連項目等の保険取り入れに要する経費として約千二百億円、合計で約二千億円程度と考えております。  なお、三人部屋以上の差額ベッドを全廃させることにより、患者の負担が約百五十億円程度軽減されるものと考えております。  次に、これらの措置は、いずれも診療報酬の改定によって実現されるものでございますので、今後、中医協で御審議願った上で逐次実施してまいりたいと存じます。  さらに、いずれにいたしましても保険外負担の解消は、できる限り早く進められるよう全力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 次に老人保健医療について承っておきたいと思います。  本格的な高齢化社会の到来を間近に控え、老人保健医療対策の確立は焦眉の急であると考えます。政府は、本年三月に老人保健医療のあり方について社会保障制度審議会に諮問しており、さらに本年九月には厚生省が老人保健医療対策本部第一次試案を公表し、なお検討が進められていると聞きますが、ここで老人保健医療制度に関しては別建てで創設することを確認すべきであると思うがいかがか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 すべての老人が健康な老後を迎え、その費用は国民がひとしく分担するという考え方のもとに、審議会に審議をお願いしておりますが、この答申を見守っているところであります。なお御指摘のとおり、厚生省対策本部では第一次試案を出しましたが、さらに、これを練って第二次試案等をつくり、早急にその成案をつくりたいと考えております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 次に薬価基準等についてお伺いをしたいと思います。  わが国の医療については薬づけ医療との批判があり、その大きな原因が薬剤の流通実勢価格と薬価基準の乖離であると言われております。したがって、まず五十三年に実施された薬価調査の結果を早急に取りまとめ、薬価基準の全面改定を速やかに実現すべきであると考えるのでありますが、大臣の所信をお伺いいたしたいと存じます。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御指摘のとおりでありまして、たびたび御督励をいただきながら、おくれておることを、おわびを申し上げますが、いよいよ取りまとめの段階に入りましたので、遅くとも年内には結論を出したいと考えております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 薬価基準を適正化するためには、どうしても薬剤の流通実勢価格を正確に把握する必要があるのであります。そのため法律の規定を整備し、医薬品の卸売業者等の調査対象の同意や協力が仮に得られない場合であっても、厚生大臣が厳正に薬価調査が実施できるようにする必要があると考えるのでありますが、いかがでしょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 薬価に関する法的な規制ができれば、いまよりも、さらに的確に把握できるわけでありますから、今後なるべく急いで、そういうことを考えたいと思います。

森井忠良日本社会党

○森井委員 次に具体的な薬価調査の方法についてでございますけれども、現在は一週間の調査に基づきまして一カ月間の流通実勢価格を推計することにしてあるわけでございます。この方法によった場合は必ずしも正確な結果は得られないと思いますが、そのために、せめて一月ないし二月という時間をかけて薬価調査を行うべきであると考えるのであります。また厚生省職員によります直接調査をうんとふやすべきではないかと思うわけでございますけれども、この点についても、お考えを承っておきたいと存じます。

山崎圭厚生省薬務局長

○山崎(圭)政府委員 薬価調査の期間につきましては、取引量の多い販売業者に事務量の過重な負担をかけることを避けるため、従来から期間の短縮を実施しておりますが、このため御指摘のような批判もございますので、今回から、この調査の前後におきまして計二カ月の、厚生省職員による特別調査を実施するなど調査方法の実質的な改善を図ってきたところであります。しかし今後とも、薬価調査の充実の観点から、調査期間の適正化、直接調査の拡大等につきまして積極的に検討してまいりたいと存じます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 仮に薬価調査の方法が適正化され、薬剤の流通実勢価格が正確に把握されたといたしましても、薬価基準の算定方法が適切でなければ薬価基準の適正化は実現されないのは当然であります。このため第一点といたしまして九〇%バルクライン方式をやめ加重計算方式をとるべきではないかと存じますが、いかがなものか。また二つ目は二倍の法則をどうするのか等、薬価算定方式について検討を加えるべきではないかと思います。この点いかがですか。

大和田潔厚生省保険局長

○大和田政府委員 薬価基準につきましては現在、鋭意その改定作業を進めているところでございますが、今回の作業のもとになった薬価調査の実施方法から見て、従来に比べて市場価格をより適正に反映した薬価改定ができると考えております。しかしながら薬価基準につきましては、なお種々の問題が指摘されておりまして、薬価算定方式の改善の問題につきましては中医協で十分御審議を願い、その結果を踏まえて対処していきたいと考えております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 薬の関係で、もう一つ質問をしておきたいのでございますけれども、それは医薬分業についてでございます。政府は従来から医薬分業の推進に努めていると言っておりますけれども、この医薬分業の推進によって薬づけ医療の是正などの副次的効果が期待されるところであることは当然であります。今後、医薬分業をどのように進めていこうとなさるのか、政府の見解を伺っておきたいと存じます。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 医薬分業は近年その機運が高まっておりまして、国としても国民に対する啓蒙、薬剤師に対する教育研修、調剤センターの設置に対する補助等の施策を通じて、医薬分業の基盤の整備に努めてまいりましたが、今後これらの施策をより一層促進させるとともに、中央、地方に医薬分業推進懇談会を設けるなどにより医薬分業の積極的な推進を図ってまいりたいと考えます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 次は指導、監査についてお伺いいたします。  国民医療費は昭和五十五年度において約十二兆円にも上ると見込まれ、また過去の傾向から見ても今後とも増加していくことは避けられないと思われるため、医療費のむだの排除はますます重要な問題となってきております。  ところで医療費のむだを排除するためには指導、監査の充実、薬価基準の適正化、支払基金における審査の充実などが考えられますけれども、特に指導、監査については、その徹底が図られなければならないわけでございます。これについては昭和三十五年における日本医師会との申し合わせがあるため医師会の立ち会いがなければ監査はもとより指導すら行えないというのが現状であります。これでは厳正な指導、監査の実施は困難であります。したがって昭和三十五年の、日本医師会との指導、監査に関する申し合わせば破棄すべきであると考えるのでありますが、いかがですか。これまで厚生省は破棄できないと言ってまいりましたけれども、今後どのように対処していこうとなさるのか、何らかの法的措置も含めて検討されるべきではないかと思うわけでございます。特に大臣にお伺いいたしたいと存じます。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 指導、監査の強化は御指摘のとおり急務でありまして、昭和五十四年度には中央に医療指導監査官、地方に医療事務指導官を新設し、五十五年度においては、その増員を行うこととして体制の充実に努めてまいりましたところでございます。  指導、監査の強化については国会でしばしば指摘されてきたところでございまして、法的措置については国会の御意思にまちたいと考えております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 医療費のむだの排除という観点からは、社会保険診療報酬支払基金における審査の充実も大切でございます。今後とも診療報酬の適正化のために支払基金の審査体制を充実強化すべきではないかと存ずるわけでございます。この点について、いかがお考えか、お伺いいたします。

大和田潔厚生省保険局長

○大和田政府委員 支払基金の審査につきましては、その医療保険制度における重要性にかんがみまして充実を図らなければならないと考えております。このために前年度に引き続きまして五十五年度におきまして審査委員を増員いたしまして、その中で専任審査委員につきましても増員を図ることといたしております。そのほか、医療機関などの診療傾向の把握等による重点審査の実施あるいは審査委員の研修等による審査委員の資質の向上等によりまして、審査体制の充実に努めることといたしております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 次は中医協の問題です。  健康保険制度の健全な運営、発展を図るためには、中医協の役割りはきわめて大きいと言わなければなりません。ところで中医協は支払い側、診療側、公益側の三者構成となっておりますけれども、従来ともすれば診療側委員は開業医の利益代表という色彩が強かったわけでございます。診療側委員全員が日本医師会推薦というのも納得できないわけでございます。中医協の診療側の委員として当然、別枠で病院代表を入れるべきであり、こうしてこそ真の意味での中医協の適正化が図られると思うわけでございます。この点いかがでございましょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 中医協の委員のうちには病院長が選任される方向で考えてまいりたいと思います。

森井忠良日本社会党

○森井委員 次に本人、家族の給付のあり方についてお尋ねをいたしたいと存じます。  本人、家族は基本的には同一給付でなければならないと考えておるわけでございますけれども、この際、政府の見解を承っておきたいと存じます。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 本人、家族の給付のあり方については政府の健保法改正案においても提案しておりますとおり、本人、家族の平等な給付というのが医療保険の望ましいあり方であると考えますが、今後における保険財政の推移、他の医療保険との均衡を考慮しながら、給付及び負担のあり方の基本的な問題の一環として検討し、可及的速やかに実現するよう努力したいと思います。

森井忠良日本社会党

○森井委員 健康保険については給付改善が今回、行われるわけでありますが、その結果、国民健康保険との格差が広がるばかりでございます。国民健康保険の給付改善が、この際ぜひ必要だと思うわけでございますが、お考えを承りたいと存じます。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 今回の医療保険制度全般にわたる改革の一環として、健康保険法改正に引き続いて国民健康保険制度の改正を図っていくのが基本的な方向であり、現在、鋭意検討を進めておりまする老人保健医療対策のあり方についての結果を得て、直ちに国保制度の改正について検討に着手したいと思います。

森井忠良日本社会党

○森井委員 次は領収書の問題です。  患者負担を支払うに当たって、たとえば税の医療費控除等のために領収書の発行を希望する向きがあるわけでございますが、領収書の発行が必ず行われるように医療機関に対して強力な行政指導を行う必要があると思うのでございます。いかがでしょうか。

田中明夫厚生省医務局長

○田中(明)政府委員 現在、国立病院あるいは自治体病院におきましては規則等に基づきまして領収書が発行されております。また民間の医療機関においても患者の求めに応じて領収書の発行が行われているものと考えておりますが、今後も患者の求めに応じ、領収書の発行について医療機関が対応するよう行政指導をしてまいりたいと存じております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 次に検査についてお伺いいたします。最近、いわゆる薬づけ医療と並んで検査づけが問題となっております。この検査の問題に関連して三点お伺いをいたしたいと存じます。  まず保険の検査料と検査を委託した場合の料金との乖離の問題であります。  最近、医療機関から臨床検査を、保険の検査料よりも相当に安い価格で外部に委託するケースがふえていると言われておりますけれども、もし、そうだといたしますと検査を外部に委託すればするほど医療機関の収入がふえることになるわけでございまして、いわゆる薬剤差益の問題と同様に、必要以上に検査を行う傾向を助長することにもなりかねないと思うわけでございます。これは保険の検査料と、検査を委託した場合の実勢価格との乖離が大きいことが大きな原因であります。保険の点数の単価の決め方は、この際、検討を要するのではないかと思うわけでございます。いかがでしょうか。

大和田潔厚生省保険局長

○大和田政府委員 診療報酬点数表におきます検査料は、主として、みずから検査を行うことを前提として定められておりまして、検査診断料、検査手技料、試薬料、検査機器の減価償却費等を含むものでございます。最近、多くなっていると思われます委託検査の場合の検査価格には診断料は含まれておりませんし、同種の検査を大量に取り扱うような場合には、より安い経費で検査を行えるということになるわけでございます。したがいまして診療報酬点数表によります検査料と外部委託の検査価格には、ある程度の差が生じるのは当然と考えられるわけでございます。しかしながら、その差が大きいことから不必要な検査が行われるとすれば好ましくない。今後、検査点数のあり方を含めまして中医協におきまして十分な検討をお願いいたしたいと考えております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 次に医療機関からの検査の外部委託がふえるに伴いまして、衛生検査所の数が年々増加しているわけでございます。最近、衛生検査所の中で、登録を受けない衛生検査所について、検査業務が適切を欠くものがあるとの批判と指摘が強まっております。この際、衛生検査所に対する法的規制を強化すべきではないかと考えるのでございますが、この点について見解をお聞きしたいと存じます。

田中明夫厚生省医務局長

○田中(明)政府委員 御指摘のように登録を受けない衛生検査所につきましては、十分な設備を持たず、あるいは資格のある管理者を置かずに業務を行っている例も見受けられるという実態がございますし、検査業務の適正を欠くものがあるという御指摘も最近強まっているところでございます。  厚生省といたしましては、従来から登録の促進などを図ってきたところでございますが、今後とも極力、検査所の業務の適正化に努めてまいる所存でございます。なお法的規制の強化につきましては、国会の御意見にまちたいと存じます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 次は高額医療機器についてでございます。  CTスキャナー等の高額医療機器は、医療水準の向上の点からは非常に有用であると考えますけれども、これが無計画に導入されますと医療機関が投下資本を早期に回収しようとすること等のため、必要以上の検査を行う誘因となりかねないのであります。したがって高額医療機器については何らかの方法により、その適正配置を検討すべきであり、ある意味では規制もしなければならないと存じますけれども、見解を承っておきたいと存じます。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 高額医療機器の適正配置については、しばしば御指摘を受けておりますが、公的資金の配分によるコントロールのほか、関係者による協議機関を設置して、適正配置が進むよう強力な行政指導をし、今後は諸外国の例も参考としてまいりたいと思います。

森井忠良日本社会党

○森井委員 次は疾病の予防についてです。  健康の確保、増進は、そのこと自体が国政の基本目標であると存ずるわけでございますが、積極的な健康の増進は、これからの医療保障制度にとって、きわめて重要な意味を持っていると存じます。  しかしながら従来の厚生省の施策は不十分であったと言わざるを得ません。今後は、予防にまさる治療なしの見地から、全国民に対して必要な保健サービスを提供し、実績の上がる施策を進める必要があると思うのでございますが、厚生省はどのようなお考えを持っていらっしゃいますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御指摘のとおりでありまして、国民の保健需要の多様化に対応し、地域に密着した保健サービスを提供するため、都道府県と市町村における保健指導体制の確立を図るとともに、妊婦、幼児から老人に至るまで一貫した健康審査、健康管理事業を行い、生涯を通じる健康づくりを推進いたします。

森井忠良日本社会党

○森井委員 最後に、健康保険と国庫負担との関係について御質問申し上げます。  国庫補助に関しましては四党の協議も整いませず、政府案も国庫補助の連動制をやめることにしておるのでありまして、これはきわめて問題でございます。しかし説明によれば、これらは国の財政状況によるものであるというわけでございますけれども、今後、国の財政状況に変動が生じた場合とは一体どういうときなのか。国庫負担について、そのときには検討するとなっておるわけでございますが、その財政状況に変動が生じた場合とは、どのような場合を指すのか、明確に承っておきたいと存じます。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 いわゆる国の財政再建が成った場合、すなわち特例公債の発行に依存することなく、国庫の財政運営に必要な財源を確保できるに至った場合であると私は理解いたしております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 終わります。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 この際、今井勇君外三名から、自由民主党提案に係る修正案が、また石原健太郎君外一名から、新自由クラブ及び社会民主連合両派共同提案に係る修正案が、それぞれ委員長の手元に提出されております。  両修正案について、提出者より順次趣旨の説明を求めます。今井勇君。

今井勇自由民主党

○今井委員 ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  修正の要旨は、第一に、被保険者本人の一部負担金については、初診時八百円とし、また、入院時は一日につき五百円(資格喪失後の継続給付を受ける者については二百五十円)とすること。  なお、入院時の一部負担金の支払いは、一カ月を限度とすること。  第二に、家族療養費の支給については、外来の場合は療養費の額の百分の七十、入院の場合は療養費の額の百分の八十とすること。  第三に、一般の保険料は、賞与等を対象とすることを取りやめ、現行の特別保険料制度は存置すること。  第四に、保険料率の上限は、政府管掌健康保険については千分の九十一、組合管掌健康保険については千分の九十五とすること。  第五に、政府管掌健康保険の保険料率の弾力条項発動の条件は、昭和四十九年度から昭和五十四年度までの累積赤字の償還の場合を除いては、現行法どおり給付改善または医療費改定が行われた場合とすること。  第六に、厚生保険特別会計健康勘定の前号の累積赤字は、保険料をもって六カ年で償還すること。  第七に、政府管掌健康保険の療養の給付の費用等に対する国庫補助は、改正案どおり一六・四%ないし二〇%の間で政令で定める率とするが、当分の間は一六・四%とし、将来給付内容の変更または国の財政状況の変動等の場合に検討するものとすること。  第八に、薬価調査に関する改正規定及び保険医療機関等に対する指導、監査に関する改正規定を加えること。  第九に、その他所要の修正を行うこと。  第十に、船員保険法等についても健康保険法に準じた修正を行うこと。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 次に、菅直人君。

菅直人社会民主連合

○菅委員 ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、新自由クラブ及び社会民主連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  修正の要旨は、政府原案に盛り込まれた薬剤費等の五〇%自己負担を三〇%自己負担に修正するものであります。また、政令にゆだねられる事項ですが、高額療養費の自己負担の限度額を現行の三万九千円から一万五千円に引き下げることを、あわせて提案するものであります。  私たち新自由クラブと社会民主連合が、こうした修正案を提案いたしますのは、健康保険法の改正を医療内容の改善に結びつけるためであります。今国会でも大変論議されましたように、富士見病院の事件やスモン病の原因となった薬の使い過ぎなど、今日ほど医療の内容、医療の質が問われているときはありません。  しかしながら健康保険法改正をめぐる論議を見守っていると、財政的配慮が余りにも先行して、医療内容の改善に、どのようにつなげるかという論議が置き忘れられている感がします。  医療内容の改善という観点から見ると、政府原案に盛り込まれた薬剤費等の一部自己負担は、薬の使い過ぎ抑制という点で方向としては評価できる、きわめて重要な点だと考えます。また高額療養費の自己負担の上限を下げることは入院患者の負担軽減につながり、この点も重要です。さらに本人と家族の給付格差をなくすることも望ましい改革です。これらの点で政府原案は評価できるものですが、しかし薬剤費等の五〇%自己負担は余りにも負担が過重で、給付率が現行の八八%から八三%に下がる政府原案に対して、そのまま容認することはできないところであります。  私たち新自由クラブと社会民主連合の共同で提案をいたしました修正案によれば、給付率は現行と同じ八八%になります。つまり現行と同じ給付水準の中で給付の配分を変えることにより医療内容の改善を目指すものです。簡明に述べれば、高額療養費の自己負担の上限を月額一万五千円に下げることにより、先日の政府答弁にもありましたように、入院患者の八割が負担を軽減されることとなり、また家族についても現行の七割給付が薬剤費のみの三割の自己負担へと軽減されることとなり、その分を、本人について増加する薬剤費等の三〇%自己負担によりカバーすることになるわけであります。  以上のように私たち両党の修正案は、現行と同じ財政負担の中で、重い症状の患者の負担を軽減し、薬の使い過ぎの抑制につながるものであり、医療の質を向上するために大きく寄与するものと確信するものであります。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。以上です。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 以上で両修正案の趣旨説明は終わりました。  この際、両修正案について、それぞれ、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。園田厚生大臣。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 今井勇君外三名提出の修正案については、政府としては、やむを得ないものと認めます。  石原健太郎君外一名提出の修正案については、政府としては賛成しがたいものと考えます。     ―――――――――――――

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これより原案及び両修正案を一括して討論に付します。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。戸沢政方君。

戸沢政方自由民主党

○戸沢委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております健康保険法等の一部を改正する法律案及びこれに対する自由民主党提出の修正案につきまして、修正案及び修正部分を除く原案に賛成の意を表するものであります。  医療保険制度を取り巻く諸情勢を見ますと、人口構成の老齢化、医療の高度化等により医療費の増高が続く一方、わが国経済が高度成長から安定成長に移行したことに伴い、保険料収入については、かつてのような伸びは期待できません。  医療保険制度は、このような社会経済情勢を踏まえて、所要の改正を図ることにより制度の健全な発展を期することが、現在緊要なる国民的課題となっているところであります。  政府原案は、社会経済情勢の変化に対応するため、医療保険の給付及び負担の両面にわたって基本的な改正を行うものであり、その趣旨については、一応了としながらも、第一に、家族療養費については、家族給付の充実に対する国民の強い要望にこたえるため、入院の場合には療養に要する費用の八割を支給すること。  第二に、保険料については、賞与等を保険料算定の基礎に算入することとした改正規定は、なお検討を要するものとして削除し、現行どおり特別保険料制度を存続すること。保険料率の設定及び変更の仕組みは現行どおりとし、保険財政の長期的安定を図るため、政府管掌健康保険の保険料率の上限を千分の九十一、健康保険組合の保険料率及び被保険者の負担すべき保険料率の上限をそれぞれ千分の九十五及び千分の四十五とすること。  第三に、昭和四十九年度から昭和五十四年度までの政府管掌健康保険の千二百九十億円に上る累積赤字の処理は、当面の大きな問題でありますが、これについては、六カ年で保険料をもって償還することとすること。  第四に、政府管掌健康保険の国庫補助は、国家財政の現状にかんがみ当分の間一六・四%とすること。その他所要の修正を行うこと。  なお、船員保険等についても健康保険に準じた修正を行うことが必要であります。  今回の改正が実施されますと、政府管掌健康保険の健全な運営が確保されることになり、また、今回の改正法案の修正をめぐる各党間の折衝においては、給付内容を初め大部の点において自民、社会、公明、民社の四党間で合意を得、また、いわゆる保険外負担の改善等について政府から明確な回答が行われ、この問題について大きな前進が見られることとなりました。  以上の修正は、本委員会審議を通じ、最善の努力を尽くした上での結果であり、わが党提出の修正案は、きわめて妥当なものと考えるものであります  以上のように、今回の改正案及び自由民主党提出の修正案は、今日及び将来の保険給付と負担の均衡を図り、今後、医療保険をさらに充実発展させるためにぜひとも必要なものであり、特に給付内容の改善は国民医療の向上に資するものであるため、わが党としては、この修正案並びに修正部分を除く原案に賛意を表するものであります。  これをもちまして、私の討論を終える次第であります。(拍手)

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 田口一男君。

田口一男日本社会党

○田口委員 ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、私は、日本社会党を代表して、基本的に反対の態度を表明して討論に参加いたします。  思えば本案は、昭和五十三年五月、第八十四国会に提出されて以来二年有半、政府の、医療保険制度とその周辺問題に対する確たる方針のないことが災いして、日の目を見ることができないまま、いたずらに時日を経過してまいりました。  しかし、医療保険制度の現状と前途を憂える自、社、公、民四党を中心とした制度改革への取り組みは、幾多の紆余曲折を経て一定部分について合意に達し、いま、ここに質疑を終局したのであります。  私は、合意に達した部分や対立した部分の内容の評価はともかくとして、ただ単に反対、廃案を口にし今日の医療の荒廃の現状を助長する態度を退けて、国民の生命と健康を守る方策を模索しつつ、合意を求めるべく努力された四党関係者に深く敬意を表するものであります。  所沢市富士見産婦人科病院の常軌を逸した乱療事件や、今日なお後を絶たない救命救急患者のたらい回し事件等をして、これらは今日わが国の医療行為の氷山の一角であると見られていますが、一方、十兆円を超える国民医療費の支出を余儀なくされているのであります。しかも加えて、医療行為の基本である患者と医師との信頼関係は、いまや地に落ちています。  このようなわが国の医療事情の抜本改革にメスを入れることを怠り、単に医療保険財政の収支じり合わせにのみ、きゅうきゅうとしている政府原案は、全く検討に値するものではなく、反対であります。  また新自由クラブ、社会民主連合共同提出の修正案については、今日の薬づけ、薬で利益を上げると非難されている現状を改善しようとする意図に出たものと一応の理解をいたしますが、投薬量の多い少ないを決定することは保険医の判断にゆだねられているものであり、投与される患者には何らの権能もないことを考えますと、いたずらに患者負担を強いる結果に終わるものであり、にわかに賛成できません。  さらに自由民主党提出の修正案に関連して申し上げるならば、長年の宿弊であった保険外負担の緩和や、聖域とされている保険医療機関に対する指導、監査や医療監視の強化、薬価調査についての措置を整備することは同慶の至りであります。願わくば、これらの措置の徹底と相まって医療機関に対する国民の信頼回復を心から望むものであります。  ただ自由民主党提出の修正案のうち、国庫負担に関する部分並びに保険料率の上限引き上げについては、断固として反対するとともに再考を求めるものであります。それは昭和四十八年改正以来、いわゆる三者三泣きとして、保険料率の引き上げを余儀なくされた場合には国庫も、これに連動して一定の負担に応じていたものを今回、廃止しようとすることは、赤字処理のやり方を含め、被保険者にのみ負担を強要することであり、社会保険の原理からも納得できません。  以上、私は新自由クラブ、社会民主連合共同提案、自由民主党提案の修正案並びに政府原案に反対する理由を端的に申し上げて、反対討論を終わります。(拍手)

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 平石磨作太郎君。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 私は、公明党・国民会議を代表して、健康保険法の一部を改正する法律案に対する自由民主党の修正案に反対、新自由クラブ並びに社会民主連合の修正案に反対、さらに原案に対して反対の討論を行うものであります。  今日、健康保険制度を取り巻く環境は特に厳しいものがあり、その財政の逼迫とともに、保険あって医療なしと言われる医療の荒廃の現状に対し、一日も早い抜本的改善を望む声が一段と強く高まっているのであります。  こうした現状に対し、政府は、第九十一国会で衆議院解散に伴い廃案となった健康保険法一部改正案をそのまま提案してきたのであります。同法案については、さきの国会において、自由民主党、社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合の四党によって、一部を除いて修正合意がなされてきたところであり、当然、自民党は公党間の責任ある取り決めを信義上からも、四党合意を尊重して今国会において速やかに成立を図るべきであるにもかかわらず、政治情勢の変化等を背景に合意内容から大幅に後退した修正案を提示してきたのであります。  こうした自民党の姿勢に対し、わが党は、あくまでも、さきの四党修正合意の内容で成立を図るべきであると主張してきたのでありますが、今回の自民党修正案は、その内容において、保険給付は本人の入院、外来とも十割給付とする、さらに家族の入院八割、外来七割とする、一部負担は初診時八百円とし、入院時は一日五百円とする、高額療養費は三万九千円、低所得者は一万五千円とする、協議確認事項等は四党合意どおりとする、国庫補助率は保険料率への連動を廃止する等を骨子とするものであり、さらに当分の間、国庫補助率について一六・四%に凍結する、その変更に当たっては財政事情などの変動によって検討する等、大幅な後退案に修正しようとするものであります。  そもそも現在の国庫補助制度は、本来、政管健保の体質的脆弱性を補うものであり、将来の給付改善等の改革のために定率一〇%と保険料率との調整規定が導入され、今日まで一六・四%と上乗せの措置が講ぜられたのであります。したがって、この連動規定を廃止することは、医療費の増高をすべて被保険者の負担に求めるものであり、認めるわけにはいかないのであります。  また、新自由クラブ並びに社会民主連合の共同提案である薬剤の三〇%負担は、被保険者の窓口負担を一層増加させることになります。  本来、健康保険制度の確立は、単なる保険料の引き上げのみに求めることなく、適正医療を確保するためには厳正な薬価調査の実施を行うとともに、薬価基準の適正化を図らねばなりません。さらに医療機関への指導、監査の徹底を期するとともに、室料差額及び付添看護に要する保険外負担の解消等、総合的な対策を早急に実現することが必要であります。  以上の点から、政府・自民党に対して医療並びに保険制度の抜本改正を早急に行うことを強く要請して、反対の討論といたします。(拍手)

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 米沢隆君。

米沢隆民社党・国民連合

○米沢委員 私は、民社党・国民連合を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました健康保険法等改正案に対する二つの修正案並びに原案につき、反対の立場から一括して討論を行います。  すでに御案内のとおり、今日の医療保険を取り巻く情勢は、医療費の急増による財政不安、制度間の不均衡の顕在化、保険外負担の増高による患者の強い不満と保険機能の低下、薬の使用にあらわれている医療資源配分の非効率性など基本的な問題が数外く噴出いたしており、その上、最近の富士見病院事件に見られるように一部医療の荒廃、退廃ぶりが目に余るなど、きわめて深刻な状況にあります。  このような情勢にありながら、医療保険制度の基本となるべき本法案が、給付率を一挙に五%も下げながら、しかも一方では薬剤の患者負担を五割負担に引き上げるなどの提案をしていることでもわかるように、余りにも財政収支のつじつまだけを合わせようとすることでありましたがゆえに、昭和五十三年通常国会に初提出以来、廃案、継続を余儀なくされて今日に至りましたことは、きわめて遺憾なことでありました。  しかしながら、さきの解散前の第九十一回国会におきまして、本法案につきましても、この際、一挙にけりをつけようとする機運が与野党の間で盛り上がり、以後、今日に至るまで、共産党を除く、自、社、公、民四党の間で接点となるべき修正合意を求めて忍耐強く、かつ精力的に協議、折衝が重ねられました。その結果、本法案の提案中何かと問題の多かった薬剤、歯科材料費の半額患者負担を引っ込めて、それにかわって治療に要した費用を定率負担方式に切りかえ、家族の入院給付率を八割にアップして原案の給付率八三%を八八・四%に上積み修正し、また従来から逆立ち保険あるいは保険あって医療なしと悪評の高かった入院時の過重な患者負担軽減のために、保険外負担と言われる差額ベッド料、付添看護料等の患者負担の解消等について合意を見ましたことは、過去の健保国会等にかんがみるならば画期的なことであったと確信いたします。  その上、目下の急務である薬価調査の強化策、指導、監査の強化策を盛り込むなど、医療費の効率化を図る方針も合意できましたことは、これまた評価されることでありました。ただ将来の国庫負担のあり方につき、最後まで合意が難航し、ついに意見の一致を見出し得なかったことは、きわめて残念なことであります。  ところで御承知のとおり、政管健保財政は四十八年に多額の赤字をたな上げし、その後も、たまった累積赤字は千二百九十億円にも上り、今後も赤字含みに推移することが懸念されております。  私どもは、保険財政の健全化のためには、適正な保険料を拠出し適正な一部負担を設定することは、保険である以上やむを得ざる措置であると考えて、今回の合意に踏み切りました。しかしながら、幾ら財政再建時とはいえ、国の責任があいまいに回避されてはならないと考えます。  国の財政の現状、年金その他社会保障費用の増大見込みから見て、国庫負担の増大に期待をかけることは無理があるにせよ、現在、政管健保では国庫補助が財政調整的な機能を果たしていることは事実でありますし、同時に私どもは、財政の累積赤字に責任を負担して前向きに対処することにいたしましたが、この累積赤字そのものも、決して、ひとり保険者並びに被保険者の責任に帰するものではなく、当然、政府の医療費合理化、効率化努力の怠慢と失政の責も問われるべきであると確信いたします。  したがって、その責任を分担する意味からも、今後なおしばらくの間、保険料引き上げに伴って国庫負担の引き上げを行う、すなわち、上限設定には理解を示してはいるものでありますが、やはり国庫負担の連動方式だけは現行を踏襲することが当然なことであると考えます。もし、国庫負担が過重になるとされるならば、そのゆえにこそ、財政赤字の原因の排除、すなわち、薬価の適正確実な調査と、それに基づく薬価改定、検査に対する厳重な指導、診療報酬出来高払いの改正、請求・書審査の厳正な実施、不正請求の徹底した取り締まりなど、総合的な医療費効率化対策の策定と、その実施体制が速やかに整えられるべきでありまして、そのことを抜きにして、安易に保険料を改定できるなどの策を弄しようとすること自体、片手落ちもはなはだしいと言わねばなりません。  以上のような観点から冒頭の賛否を決定いたしました。  以上、私どもの所信を申し述べ、討論を終わります。(拍手)

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 浦井洋君。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 私は、日本共産党を代表いたしまして、内閣提出の健康保険法等の改正案並びに、ただいま議題となりました二つの修正案に対し、いずれも反対の立場から討論を行います。  重要法案である本法案に対し、委員会で十分な審議を尽くすのは当然のことでありますが、わが党が要求をいたしました連合審査、公聴会、総理質問も行われないまま、自、社、公、民四党の協議が合意に達したからといって、修正案を検討する時間も全く保証せずに、修正案質疑も拒否をして採決をしようとすることは、議会の民主的運営に著しく反するものであります。討論に先立って厳重に抗議をするものであります。  さて政府提出の健康保険法案は、初診時、入院時一部負担の引き上げ、薬剤半額負担など、大幅な患者負担により実質給付率を引き下げ、新たにボーナスからも毎月の保険料と同率で徴収しようとするものであります。これはまさに国民から、医療を受ける権利を奪う低福祉、高負担の大改悪案であります。  新自由クラブ、社会民主連合の修正案は、こうした政府原案と同質であり、とうてい国民の納得できるものではありません。  また今回、自、社、公、民四党の新しい合意を土台とした自由民主党の修正案は、前通常国会での四党合意における本人外来九割給付を現行の十割に戻してはいるものの、保険料率の大幅引き上げ、初診時、入院時の一部負担の引き上げなど、低福祉、高負担である点は、政府案と基本的に変わらないものであります。  ここで特に厳しく批判しておかなければならないのは、一昨日のわが党の小沢議員の追及が契機となって修正案から外されたとはいえ、これまで法律で定められていた本人の初診時及び入院時の一部負担金を政令にゆだねるという大改悪が行われようとした点であります。もし、これが実施されるならば、政府は国会に諮ることなく勝手に一部負担金を引き上げ、健保本人十割給付の、わが国の健保制度の根幹を崩していくものであることを明確に指摘をいたしておきます。  さらに本人の一部負担の引き上げは受診抑制につながらざるを得ません。これは初期医療を重視する医療の原則に逆行するものであり、しかも医療費の切り詰めの方途としても誤りであります。  自民党修正案は、保険料率の弾力条項上限を現行の八%から九・一%に大幅に引き上げることとしています。しかも現行法で弾力条項発動を制限するために設けられた給付改善、診療報酬引き上げを行ったときという要件に、今回「借入金ノ償還ヲ為ス場合」なる条文を加え、歯どめのない値上げ容認に道を開いております。  先ほど、給付の改善が図られているかのごとき提案説明がありました。確かに厚生省試算で分娩費、埋葬料などで約百六十一億円、家族入院給付の引き上げで百三十億円の改善が図られております。しかし、これと引きかえに国民は、一部負担で百億円増、保険料九・一%で二千八百四十八億円増と、給付改善の十倍もの負担増を課せられるようになることは、政府答弁からも明らかであります。  しかも自民党修正案によれば、保険料率に連動されてきた国庫補助の連動をやめ、現行一六・四%で据え置くこととされております。もともと財政基盤の弱い政管健保に、国庫補助率をせめて二〇%行うことは政府の当然の責任であります。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 簡単に願います。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 その政府責任をたな上げにし、国民にのみ負担増を強いる修正は、まことに不当な改悪であります。  先日の労働省発表によれば、ことし上半期平均で実質賃金は一・五%減であり、半期通算でマイナスを記録いたしております。国民の生活がこのような困難な状態に落ち込んでいるとき、保険料や負担金の大幅値上げは苦しい国民生活に追い打ちをかけるものであります。  こうした健康保険法の改悪では、国民は病気になっても安心して医者にかかれなくなり、仮に健保財政は黒字になっても、重い負担と病気だけが国民に残されることになります。  政府と修正案提案者は、赤字を健保改悪の口実といたしております。しかし政管健保財政は好転をし、この二年間黒字または収支均衡の状況にあります。いまこそ国会が、製薬大企業や高額医療機器メーカーなど、保険制度に寄生をして、ぼろもうけをしている現状にメスを入れること、治療中心のわが国の医療制度を保健、予防、リハビリを一貫した体制に改めるなど、真に国民の健康を守れる医療制度と健康保険制度の根本的改革に着手すべきであります。  最後に、日本共産党は国民の健康と命を守る立場から、あくまでも健康保険法のいかなる改悪にも反対をし、国民のための医療制度の確立のため奮闘する決意を表明をして、反対討論を終わるものであります。(拍手)

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 石原健太郎君。

石原健太郎新自由クラブ

○石原(健)委員 私は、新自由クラブを代表いたしまして、政府提出の法律案と自由民主党提出の修正案に反対、新自由クラブ、社会民主連合両党の共同の修正案に賛成の討論を行うものであります。  今日、医療費の伸びは国民所得の伸びをはるかに上回っており、五十三年度は前年度比約一七%増の約十兆円に達しております。今後、高齢化社会、医療技術の進歩等を考えますとき、さらに増加の趨勢にあることは、いまさらに申し上げるまでもありません。いまのままでは、いずれ保険制度そのものが崩壊するのは明らかであります。  医療費の不正請求も後を絶ちません。乱診乱療、薬づけ医療という言葉は現実の一部であることを、だれしも否定できないのであります。勤労者が黙々と働き、営々と納付している健康保険の納付金は、当然その納付目的に沿うべく正しく使用され、いやしくも一部の悪徳医師や一部の製薬会社の利潤を上げる目的で使われることがあってはならないのは当然であります。  かかる観点からも厚生省は今回、健康保険法の改正を思い立ったと考えられ、以下三つの大きな修正点があったわけでございます。  すなわち第一に、できる限り国民はひとしく平等な医療給付を受けるべきであるという趣旨から、本人、家族の別ない十割給付を打ち出しました。第二に、自己負担の最高限度額、現行三万九千円であるものを二万円で打ち切り、しかも低額所得者は一万円で打ち切るという改善をせんとしたものであります。第三に、薬づけ医療を是正するため、最高二万円までの患者負担という枠の中で、薬剤代の五〇%負担という方向を打ち出し、医療制度改善に、その一歩を踏み出そうとしたと言えるのであります。  しかるに、ただいま自民党より提案されました修正案は、せっかく医療を本来正しくあるべき方向に向けようとする以上三点の改正のポイントを、すべて御破算にしてしまったものであります。  医療保険制度改善のための三つのポイントを捨て去って、後に残るものは何かと申しますと、現行千分の八十であった政管健保の保険料率の上限を千分の九十一まで、組合保険については九十五まで引き上げ、一部の悪徳医師や製薬会社に、いままで同様の利益を保証し、勤労者には、いままで以上の負担を求めるということだけなのであります。原案をかかる方向に修正するということは、医療制度の抜本的改善を熱望する国民の期待を真っ向から否定し裏切るものであって、断固反対を表明するものであります。いまこそ改善に向かって本委員会が率先して前進すべきであるにもかかわらず、かえって改善の前途に立ちふさがらんとすると言って過言でないのであります。  しかし政府原案では現行八八%くらいの保険給付率が一気に八三%に下がるということで、被保険者の急激な負担増が予想されます。したがいまして私どもは、薬剤費の一部患者負担は、薬づけ医療を是正するための、やむを得ない措置であるとは考えますが、その負担率は五〇%を三〇%に修正する、また政令で定められる高額医療費につきましては一万五千円で抑え、当面八八%の給付率は維持すべきである、かように考えるものであります。  以上の点より新自由クラブ、社民連提出の修正案に賛成、他の修正案、原案には反対を表明し、私の討論を終わります。(拍手)

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 菅直人君。

菅直人社会民主連合

○菅委員 ただいま議題となりました健康保険法等の一部改正に対し、私は、社会民主連合を代表いたしまして、自民党提案の修正案に反対、新自由クラブと社会民主連合の共同提案いたしました修正案に賛成の立場から討論を申し上げます。  一言で申し上げれば、自民党提案の修正案については、財政的な配慮以外について何がねらいであるかということが非常に不明確になっております。たとえば、この国会でもいろいろ議論になりましたスモン病の問題を見ても、これはキノホルムという薬の毒性の強さと同時に、大変にたくさんの薬が使われたということが原因になっていることは、大臣もお認めになったところであります。そういう点から見ても、また薬が大変に余っている、つまり使わないで、飲まないで、飲み残しがたくさんあるということから見ても、実は薬の多用ということが非常に大きな問題として、いま国民的な課題になっているわけであります。薬価基準の改正などについても、もちろん努力は必要でありますけれども、薬剤費の一部負担ということが、こういった薬の多用を抑制する上で大変重要な一点であると思うわけであります。  それからもう一点、先ほどの趣旨説明にも申し上げましたように、高額療養費の自己負担というものが、だれに最も効果的にきくのか。つまり高額療養費が現行では一カ月三万九千円になっているわけですけれども、これのメリットを受けている人は、ほとんどが入院患者であるわけであります。つまり、このことは、高額療養費の自己負担を切り下げれば、それだけ重い病気であります入院患者の自己負担が軽減されるということを意味いたしているわけであります。そういう点で薬剤費の一部負担をするかわりに高額療養費については自己負担の上限を切り下げる、そういう形で医療の質の改善をしていくことが、いま一番必要なときではないでしょうか。  そういった点で、新自由クラブと社会民主連合の共同の修正案が、医療の質につながる改正であるということを確信して、討論を終わらせていただきたいと思います。(拍手)

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これより採決に入ります。  採決の順序は、まず、石原健太郎君外一名提出の修正案について、次に、今井勇君外三名提出の修正案について、最後に、修正部分を除いて、原案について採決いたします。  まず、石原健太郎君外一名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 起立少数。よって、本修正案は否決いたしました。  次に、今井勇君外三名提出の修正案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決いたしました今井勇君外三名提出の修正案の修正部分を除いて、原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。     ―――――――――――――

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 この際、今井勇君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新自由クラブ及び社会民主連合六派共同提案に係る本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。田口一男君。

田口一男日本社会党

○田口委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新自由クラブ及び社会民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。     健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について、速やかに適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。  一 老人保健医療制度の昭和五十六年度創設を期するとともに、退職者医療の検討を引き続き行うこと。  二 差額ベッド、付添看護等の保険外負担については、早急に解消するため、所要財源の確保と行政指導の一層の徹底を図ること。  三 薬価調査の結果に基づき、薬価基準を早急に改定するとともに、実勢価格を正確に反映できるよう薬価調査の方法、薬価基準の算定方式等を改善すること。  四 健康保険法に基づく行政権限による保険医療機関に対する指導、監査の徹底、社会保険診療報酬支払基金の審査の改善充実等医療費の適正化を図るための方策について検討し、速やかに所要の措置を講ずること。  五 薬剤問題の解決に資するため、薬剤使用の適正化、窓口負担の問題等について検討を加えること。  六 技術を中心とした合理的な診療報酬体系の確立に努めること。  七 健康保険組合間における財政調整の実施に当たっては、健康保険組合の自主性が失われることのないよう配慮すること。  八 政府管掌健康保険の運営について必要な人員及び予算を確保し、行政努力に一層配慮すること。  九 健康保険の給付内容の改定に伴い、老人保健医療制度の創設とあわせて、国民健康保険の給付水準等そのあり方について早急に検討を進めること。  十 医療に対する国民の信頼を回復するよう医療関係者の資質の向上を図るとともに、医療機関に対する医療法による医療監視等の徹底を期すること。  十一 医療資源の有効利用を図るため、医師、医療施設の地域的偏在を是正する措置を講ずるほか、救急医療の拡充、地域医療対策の充実、看護婦等の医療従事者の養成と待遇改善等により、医療供給体制の整備を図ること。  十二 国民の健康を守り福祉の向上を図るため、疾病の予防、治療からリハビリテーションまで一貫した健康管理体制を確立すること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。  (拍手)

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  今井勇君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 起立多数。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付すことに決しました。この際、厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。園田厚生大臣。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。     ―――――――――――――

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 お諮りいたします。  本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕      ――――◇―――――

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、先般来各会派間において御協議いただき、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしてございます。  その起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から簡単に御説明申し上げます。  本案は、医療機関から委託を受けて検査の業務を行う場所である衛生検査所における検査業務が適正に行われることを確保するため、衛生検査所の登録を義務づける等、衛生検査所に対する規制を強化しようとするもので、その主な内容は、第一に、衛生検査所は、一定の構造設備、管理組織等を備え、都道府県知事の登録を受けなければならないこととし、また、衛生検査所が検査業務の内容を変更しようとするときは、都道府県知事の登録の変更を受けなければならないこととする等、衛生検査所の登録に関する規定を整備することであります。  第二に、衛生検査所に対する都道府県知事の指導監督を強化するため、立入検査、指示、登録の取り消し等、所要の規定を設けることであります。  なお、この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行することとし、この法律施行の際、現に検査業務を行っている未登録の衛生検査所については、さらに六カ月の猶予期間を認める等、所要の経過措置を設けることであります。  以上が本起草案の趣旨及び内容であります。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 お諮りいたします。  お手元に配付いたしてあります草案を、臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 起立総員。よって、さよう決しました。  委員長において所要の提出手続をとります。      ――――◇―――――

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 次に、内閣提出、こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。園田厚生大臣。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ただいま議題となりましたこどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  こどもの国は、皇太子殿下御成婚記念事業の一つとして、東京都と神奈川県にまたがる九十九万平方メートルの規模を有する児童の健全育成のための総合的な施設であります。昭和四十一年十一月に特殊法人こどもの国協会を設立し、これに土地等の国有財産を出資して事業の運営に当たらせてまいりましたが、このたび特殊法人の整理合理化を図るため、こどもの国協会を廃止し、事業の運営を民間の公益的な法人に行わせることといたしました。  以下、この法律案の内容について、その要旨を御説明申し上げます。  第一に、特殊法人こどもの国協会は、この法律の施行のときにおいて解散することとしております。  第二に、協会が経営するこどもの国の事業は、厚生大臣が指定する社会福祉法人が引き継ぐこととし、このため、協会が現に有する土地等は、一たん国に帰属させた上、当該社会福祉法人に無償貸し付けできることとしております。  また、土地等の所有権以外の協会の一切の権利義務は、当該社会福祉法人に承継させることとしております。  第三に、こどもの国の事業を引き継ぐ社会福祉法人について、事業の種類の制限、土地等の無償貸し付けに伴う厚生大臣の監督権限及び貸し付けを受けた土地等を指定用途以外に使用した場合の貸付契約の解除等所要の規定を設けることとしております。  第四に、この法律は、公布の日から一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。ただし、厚生大臣は、公布の日以後は、こどもの国の事業を引き継ぐ社会福祉法人を指定することができることとしております。  以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概要であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

山下徳夫自由民主党

○山下委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時十八分散会      ――――◇―――――

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