社会労働委員会 第5号
- 発言数
- 421 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1980/10/30
会議録
○山下委員長 これより会議を開きます。内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森井忠良君
○森井委員 大蔵省が十月八日に出した「一般歳出の伸びをゼロとした場合の問題点」よくゼロリストと言われておりますが、この中に厚生省の該当する項目がかなり出てくるわけでございます。この国会で、きょうから健康保険法の審議が始まるわけでございますが、いま私どもと与党の皆さんとのネックになっております例の政管健保の国庫負担の問題についても、そのやり玉に挙がっているようでございます。いきなりの質問で恐縮でございますが、ゼロリストに対する厚生大臣のお考えはいかがなものか。特に厚生省は六十数項目の中で大方、三分の一近くゼロリストに載せられているようでございます。その点も含めて、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○園田国務大臣 ゼロリストは新聞や委員会でいろいろ承っておりますが、私は拝見をしておりません。どういう目的かわかりませんが、大蔵財政当局がいろいろ心配をしておることはわかりますが、ゼロリストの表によって、われわれが動くべきではないと私は考えております。
○森井委員 大蔵省が発行したもの。私も、あれに対しては不快感を感ずる一人でございますが、大臣も、そういうような立場から、あれは見るに値しない、こういうふうに理解をしてよろしいのでしょうか。
○園田国務大臣 財政当局が心配して出されたゼロリスト、これは逆に反発を買っているのじゃないかということが一つ。もう一つは、ああいうことを出されるということは愉快なことじゃない、私の理解は、この二つでございます。
○森井委員 いままで政管健保につきましては、保険料率千分の一引き上げになるごとに国庫負担〇・八%連動して増額をするという現行法の規定がございます。御承知のとおり、これは昭和四十八年の健保の審議の際に導入された、きわめてユニークな制度でございます。保険局長、これは非常にいい制度だと私は思うのですけれども、あなたのお考えはどうですか。
○大和田政府委員 先生がおっしゃいますように四十八年に、この制度が導入されたわけでございますが、御承知のように現在におきまして、すでに一六・四%の高率に達しておるわけでございまして、こういった高率を、他の年金であるとか、あるいは同種の社会保険、医療保険等の制度に対します国庫負担というものと比較いたしますと、かなり高率になっておるというようなことから、さらに、これ以上、国庫への依存というものを期待することは、なかなかむずかしいというふうに私ども考えております。
○園田国務大臣 いま局長から答えたとおりでございます。現下はなかなか困難ではある。しかし連動制そのものは、いまの国家財政が何とかうまくいくようになったら、これはやはり考えるべき、いい制度であるとは考えております。
○森井委員 大臣の前向きな御答弁と大和田局長の後ろ向きな答弁とは、中身において、かなり違いがあると私は思うのです。あなたは、もう一六・四%まで達したのだから、まあまあ、この程度だろう、他の制度と比較をしてという注釈がついておりますが、そういう認識です。大臣は、いま財政的にきついから、やむを得ないと感じるけれども、しかし財政事情が好転をすれば、もう一度、見直しをされるべきであるという、言うなれば根底に、やはり国庫負担を連動して増額をさせるということについては大臣は一定の評価を持っていらっしゃると私は思うのです。局長もう一度お答えください。
○大和田政府委員 どうも私ども事務的な観点からいたしますと先ほどのお答えのとおりでございますが、大臣の御答弁もございますので、そのような見地から私どもも検討いたしたいと思います。
○森井委員 四十八年に連動制が導入されたわけです。そのとき、あなたは局長さんではございませんでしたけれども、当然、引き継ぎがずっとなされておるわけですが、これは一体どういうことから連動制の導入になったのですか。
○大和田政府委員 この当時のいきさつでございますけれども、保険料の料率を改定いたすことによりまして被保険者の負担増ということがございます。そのような場合において、国におきましても、やはり一定の負担をすることによって関係者の負担を分け合うというような考え方、それで当初は、原案は国庫負担率の増加率が、料率一に対して〇・四ということであったわけでございますが、国会の修正によりまして〇・八になったというようないきさつがあるわけでございます。
○森井委員 そうすると、いまのお答えですと医療費の増加に伴って、被保険者等と国とが負担を分け合うという思想であったわけですね。
○大和田政府委員 国も長期的な収支均衡確保のために積極的に貢献をするというような考え方であったと私ども承っております。
○森井委員 先ほどのあなたの御答弁は、やはり、ある意味で負担を分け合わなければならぬだろうということから発足をした制度だ、こうおっしゃいましたが、いずれにしても、そうなりますと保険料率の改定に伴う応分の国の負担というのは、一応、考え方としては正しいのじゃないでしょうか。
○大和田政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように国の財政状況に、やはり関連してくるのではないかと私ども考えるわけでございまして、ある程度、国の余裕がある時期におきましては、先ほど申し上げましたようなことから国も積極的に貢献するという考え方に立ちまして連動の規定が導入されたということは正しいことであるわけでございますけれども、どうも現今のような情勢におきますると、これを続けていくことは非常にむずかしいことではなかろうかと考えておるわけでございます。
○森井委員 あなたは大蔵省じゃないのだから、厚生行政を具体的に進める第一線の立場なんだから、そんな歯切れの悪いことを言っちゃいけませんよ。財政状態が苦しいから、本来、負担を分かち合うことは正しいけれども無理だ、国の財政状態があるということなんですね。それでは被保険者の財政状態は考えなくてもいいのですか。これも火の車ですよ。 御承知のとおり消費者物価は政府が約束したよりも、はるかに高騰しています。労働省の調査によりますと、去年と比べて実質賃金はもうすでに三%ないし四%も目減りをしているという状況です。その中で、すでに成立いたしましたが、御承知のとおり年金の保険料はもう引き上げになりました。今度また健保が幾ら上がるのですか。政府案どおりいっても大変ですし、私どもは昼夜を分かたず、いま精力的に交渉を続けておりますが、これとて、やはり上がるのです。被保険者の財政状態はどうでもいいのですか。国の財政状態は大変だから出せない。それなら勤労者の立場に立って、国民の立場に立って、国民のふところぐあいも考えるべきじゃないですか。
○大和田政府委員 おっしゃる意味はよくわかるわけでございますが、これは繰り返しになりますが、すでに国といたしましても給付費の一六・四という国庫補助率によりまして補助しておる。給付費が変動すれば当然それに伴って変動するということになっておるわけでございまして、そういった国の負担もあるわけでございますので、現段階におきましては、このような国家財政事情でございますので、連動につきましては、これを続けることは、なかなかむずかしいということにつきまして御理解いただきたいと思います。
○森井委員 もう一つの観点は、先ほど申し上げましたように保険料を引き上げる、しかし上限まで勝手にどんどん引き上げは許させませんよ。被保険者から保険料を引き上げをするなら国も金を出しなさい、つまり、ある意味で保険料引き上げの抑止力に国庫負担はなっておったと思うわけです。この意義が非常に大きい。だから、あなたは先ほど、ある意味で国と被保険者等と負担を分かち合うと言われましたけれども、その裏返しの意義は、いま申し上げましたように保険料を千分の一上げるのなら国も〇・八%国庫負担を増額しなさい、そういうことで保険料の引き上げを、ある意味で抑止をしてきた。そう勝手に役所で上げることはできませんよと、もちろん社会保険審議会等にかけなければならぬという一つの制度はありますけれども、やはり大きな意味で見れば、保険料を引き上げるときは必ず国も痛み分けと申しますか、国も犠牲をこうむってもらいますよという思想が入っているのですね。 それからすると私は、これから予想される保険料の引き上げに対して国が負担率をふやさないということは絶対に許せない。ですから、そういう意味でも再度、国庫負担の増額について考える必要がある。もう一度、局長、あなたの考え方を聞かせてください。
○大和田政府委員 先ほど厚生大臣が答弁申しましたように、今後におきまして検討いたしますというようなことにつきまして、私も同感でございます。
○森井委員 国の財政に対する認識でございますが、これは大臣にお伺いしたいわけですが、いま財政事情が悪いから、いまのところ無理だという大臣の御答弁でございましたけれども、では、その財政事情がよくなるというのは、閣僚のお一人として、いつごろでしょうか。
○園田国務大臣 ただいまのところ、私の所管でありませんが大蔵省の考え方は、五十九年くらいをめどにしているように聞いております。
○森井委員 五十九年と申しますと、いま大蔵が出しております財政の見通し等から見ますと、特例公債の発行がなくなったときが五十九年というわけですね。大臣のお気持ちからすれば、基本的には国庫負担は連動してふやしていくべきだと考えるが、いま財政状態がこうだ。そうすると御認識として特例公債の発行がなくなる昭和五十九年度、逆に言えば五十八年度までの三年間を、この際、待ってくれというふうにおっしゃるわけでしょうか。
○園田国務大臣 物価を初め、社会経済情勢の変化が非常に急激でありまして、この保険の給付率あるいは掛金、こういうものに対する次の改定の時期までに、果たして、かみ合うかどうか心配をしております。そこで、そういうわけで年度ごとに御相談できませんから、やはり連動制がいいと思います。それができる時期は早い方がいいと私は思いますけれども、大蔵省の言葉をかりると特例公債がなくなった時期これからは、ぜひ、そういうふうにお願いしたいものだ、私はそういう心組みをいたしております。
○森井委員 これ以上申し上げませんが、解散前の通常国会におきまして四党の合意というものが成立をいたしました。これは一定の前進があったわけですね。ある政党の新聞によりますと、本人の給付率が悪くなったという宣伝に終始されまして、家族がうんとよくなったことは、ほとんど宣伝をなさらない。ずいぶん、そんなのがあったわけですよ。しかし中身から見れば、もう申し上げるまでもなく大幅な前進です。給付率にいたしましても、政府の原案ですと八三%、四党合意でいきますと、その当時八九%までいっていましたから、現行の給付率の八八%よりも進んでいる、こういう状態なんです。 ですから私どもとしては責任ある政党の一つとして、ずっと与野党折衝を精力的に重ねてまいりました。まあ共産党は違いますけれども、与野党折衝を重ねてまいりました。そういった中で結局いま一番、壁にぶつかっておるのは国庫負担の連動の問題なんです。今度は保険料は上がるわ、国は出さないから、まるまる保険者や被保険者から出せ、これが最大のネックなんです。 しかも、これからの見通しを申し上げますと、大臣は非常に私どもに共鳴を感じさせていただくような答弁をなさいましたが、あの大蔵のゼロリストというのは、これから予算の編成の段階にかけて、ずっと私は尾を引いてくるものと理解をいたしております。恐らく、この認識も大臣と余り変わりますまい。そういたしますと国庫負担の連動のない健康保険法の改正案を私ども野党が認めたならば、野党すら認めたじゃないかといった形で、あのゼロリスト、児童手当にしろ老人医療にしろ、これから、あらゆるものに私は影響してくるものと理解をするわけです。したがって、そういった観点から残念ながら、いままでのところ私どもが積極的に賛成するところまで交渉が詰まっていないのは残念です。 しかし、きょうはまだ健保の審議の始まりでございますから宿題を差し上げておきますから、何とか、いま申し上げましたように保険者、被保険者、国民からだけ保険料を取るのでなくて、医療費の一部について、やはり保険料を増額するのなら、ぜひひとつ国も痛み分けという趣旨もあるのですし、大臣はこうおっしゃった、たとえ金がないといって病気のおやじを見捨てるわけにはいかないという名言を吐いていらっしゃる。その観点からいけば、ぜひひとつ前向きに検討いただきたいと思います。これは折衝しておりますから答弁は要りませんが、適当な時期に、やはり大臣に決断を求めることがあり得るということを申し上げておきたいと思います。 次の質問に移りたいと思いますが、厚生大臣、いまの医療保険制度、何といいましても問題点が多過ぎます。とにかく賃金の伸びよりも、はるかに医療費の伸びが高い、GNPの伸びよりも、はるかに医療費の伸びの方が大きい。まあ最近ちょっと減ってはおりますけれども、これは大変なことなんです。まず、いろいろ予測が立っていますから、五十五年度の年度末における医療費の最終的な額はどれくらいになりますか。これはいろいろ説があって固定したものがないので、厚生省の見通しを聞いておきたいと思います、総医療費。
○大和田政府委員 五十五年度の推計で十一兆九千億ということに相なっております。
○森井委員 十一兆九千億というとずいぶんな、産業にたとえれば大医療産業ということになりますね。これは五十四年度と比較して、どれくらいの伸びになりますか。
○大和田政府委員 約一〇%の伸びになります。
○森井委員 お聞きのとおりでございます。 もう一つ聞いておきますが、総医療費に占める薬剤の比率はどれくらいになりますか、ことしの年度末。
○大和田政府委員 五十四年度で総医療費に占める薬剤の比率は約三一%ということでございます。
○森井委員 五十四年度で三一%ですか、それにしても多いですね。薬剤費というのは、これはもう、あらゆる場所で議論をされていますが、日本の国は異常に多いのですよ。昭和三十五年、総医療費に占める薬剤費の比率というのは二一・五%でしたね。四十年には三八・二%、四十五年には四四・八%、四十八年が一番多いのですが四六%に達していますね。五十年でやや減って三七・八%、そして先ほど局長答弁のとおり。大体三五%から四〇%くらいが薬剤費です。これは諸外国に比べて異常に高い。資料がまちまちですけれども大体二〇%前後ですね。イギリスのごときは一〇%を切れていると思います。 いま十一兆に余る年度末の医療費の見込みを聞きましたけれども、計算がやさしいものですから仮に十兆円といたしまして、その四割なら四兆円。外国は二〇%を超している国というのはないのですけれども仮に二〇%外国並みといたしましても、その差二兆円なんです。いま政管健保の赤字が問題にされていますが、最初五十三年の健康保険法の改正案をお出しになったときの四十九年からの累積赤字というのは千六百億強です。薬剤費を外国並みにすれば、それだけで四兆円と二兆円の違いがある。少し大ざっぱな計算でありますけれども仮に十兆円のうち四〇%が薬剤費とすれば、そうなる。これはどこに原因があるのですか。
○大和田政府委員 いろいろ薬剤費の多いということにつきましては原因があろうかと思いますけれども、やはり、わが国におきまする医療ということにつきましては、薬ということと非常に密接な関係を持って従来からまいってきた一種の医療の伝統というものがあろうかと思いますし、患者の方も薬というものにつきましては比較的薬好きの国民性というふうに言われるわけでございます。医薬の進歩ということによりまして、やはり薬の使われる割合がふえてきておるということは言えると思いますし、そういったことで、いろいろ努力をしながら薬剤費の占める割合は減らしてきつつあるわけでございますけれども、なお先生のおっしゃいましたように諸外国に比べては、やはり高いということになっておるわけでございます。
○森井委員 ずばり申し上げますが、薬剤費の比率の高いのは行政の責任ですか、あるいは製薬メーカーの責任ですか、あるいは医療機関の責任ですか、この三つのうちのどれか答えてください。
○大和田政府委員 先ほど申しましたとおりでございまして、どこの責任ということは、ちょっと申し上げられないわけでございますが、いろいろな要因というものによりまして薬剤費が非常に高くなっているということを申し上げる以外にないというふうに思うわけでございます。
○森井委員 いいですか局長、私が声を大きくして外国よりも異常に高いという指摘。これはもう、この委員会だけではありませんよ、国会で何十回となく言われた、ごくあたりまえのことを、私はもう一回、健保の審議ですから、あえて問題提起をしているのです。あなたの答弁ですと全然反省も何もないじゃないですか。イギリスは一〇%を割っている、あと西ドイツその他大体二〇%前後でしょう。日本がかつては四十数%までいった。いま三一%というのも初めて私は聞きました。五十五年度末のものですから、そうなるのでしょうけれども初めて聞きました。一二%、いままでから見れば少なくなっていますが、これはもうちょっと吟味をしてみなければ、ああそうですかと言うわけにいきません。いずれにしても、申し上げましたように薬剤費が外国と比べて仮に一〇%違えば日本の場合一兆円、いま二〇%前後違っているわけですから二兆円の違いがある。では、これは正常なんですか異常なんですか。ちょっと、しつこい質問で恐縮でございますけれども明確にしておきたい。
○大和田政府委員 やはり外国に比べまして高いということは、正常であると言うわけには、なかなかいかぬというふうに考えます。
○森井委員 そこで、どこに問題があったのか。質問時間も限られているわけでありますから長い答弁は要りませんが、歯切れのいいところを、ずばっとやってくださいよ、どこに問題があったのか。先ほど申し上げました三者にあったのか、それ以外にも、まだ原因があったのか、ずばり言っていただかないと後の審議が非常にやりにくいです。
○大和田政府委員 一つは先生御指摘ございました薬価の実勢価格と薬価基準との差というものによるものであるということは言えると思いますし、また先ほど申しましたように、いわゆる薬好きな国民性というようなこともあろうかと思いますが、それらのことに関連いたしまして現在のような状況になってきているというふうに考えるわけでございます。
○森井委員 薬好きな国民には、だれがしたのですか。初めから国民に、薬とか、そういったものに対する知識はありませんよ。だれがしたのですか。
○大和田政府委員 それもやはり相関関係かと思いますが、従来から日本における医療というのは、薬がかなり中心的な役割りを占めてきたという一つの慣習のようなものがあったのではないかというふうに考えられますし、また医者の薬を投与する量というものが必ずしも少なくはなかったというようなことにも関連をいたすのではないかと思います。そのようなことからして薬を多く投与するというような医療になってきたということが言えると思います。
○森井委員 あなた逃げちゃいけませんよ。先ほども言いましたように昭和三十五年には日本も二一・五%なんですよ、総医療費に占める薬剤費の比率というのは。その後、高度経済成長と合わせて急激に薬剤費というものがふえている。もうあなたも御存じだから申し上げませんが、たとえばGNPの伸び、賃金の伸び、そういったものと比べても、それはもう比べ物にならないぐらい薬剤費の比率が上がっているのです。三十五年のときには外国並みよりちょっと多いくらいなんです。もともと日本人というのは漢方薬を飲んだ。みずからの生活の知恵を働かして、むしろ漢方薬を使った。いつの間にか、こういうふうな形になってきたのは、国民性がそうさせたというあなたの御説明は私は納得できません。本当は医療機関が薬を使い過ぎたんじゃないですか。いま、あなたがいみじくもおっしゃったが実勢価格が違う、そこに問題があるんじゃないですか。
○大和田政府委員 原因の大きな一つはそこにあるということは、まさしく、そのとおりであると思います。
○森井委員 いま、どれくらい実勢価格と薬価基準との差があるのですか。
○大和田政府委員 現在、実は薬価調査を行っておるところでございます。現在、第六次の経時変動調査を行っておるところでございまして、その結果を待ちませんと具体的に実勢価格との差が出てこないわけであります。
○森井委員 きょうは、じっくりと、この話をしたいと思うので、いいかげんな答弁はやめてください。 参考までに、おもしろい文書がありますので、ちょっと読み上げます。いまを時めく大蔵大臣の渡辺美智雄先生の論文です。題名は「新健康保険制度大綱(案)についてのメモ(日医会長武見太郎)に対する反論」その十七ページに、こういうことが書いてあります。 現在の薬価基準と薬の実勢価格の差は、三〇 〜四〇%である。中には九〇%の開きのあるも のもある。この開きはすべて医療機関の収入に なり、かくれた所得になる仕組である。従って 薬の多用、過剰投与、薬の買い叩きはなくなら ない。またこの利ザヤの開きの大きい薬を使う ようになる。これも医療費増高の原因である。 薬価基準は、日医の反対が強くても迅速に実勢 価格に合わせて引下げるべきである。現大蔵大臣の渡辺美智雄さんの論文なんです。彼は控え目に三〇%ないし四〇%だとする。しかし、ひどいものは九〇%の差益がある、こう明確に断言しております。どう思いますか。
○大和田政府委員 具体的な実態につきましては、私ども、いま本当に調査中でございまして把握はできておりませんし、また御報告をできないわけでございます。それで調査をしておるわけでございますが、新聞等の記事によりますと、かなりの差があるものもあるということは私どもも承知をしております。
○森井委員 あなた方はなかなか発表しないのですよね。だから、そうたびたびあったわけではありませんが、四十九年の二月の中医協、これの診療報酬の引き上げのときに、いろいろやりとりはありましたけれども、結局、医科の場合で平均三〇・五%薬剤収入と薬剤購入費との収支差があるということを、あなた方は公表しておられます。それから部分的には五十三年の七月、これも公表しておられますね。これは現金問屋あるいは公的病院共同仕入れの薬品ですけれども、三十二品目について調査をした結果を、やはり明らかにしておられます。これも三割から四割安く購入しておる、こういうことが厚生省から明らかにされております。渡辺さんの話と合うのですね。渡辺さんも三割から四割、これは私は控え目だと思うのです。各党で調査をいたしまして薬価基準と実勢価格との差というものは、もう指摘をされておりますから、私は重複しますので指摘は申し上げませんよ。しかし、きょうは健康保険の審議だから、この際、所管の委員会として、どうしても明らかにしておきたいと思うのです。 いままで申し上げましたような発表については認めますか。あなた第一、渡辺さんの論文を読んだことがありますか。
○大和田政府委員 私の把握しております数字は、一つは、医療機関全体についての薬価差益というものにつきましては、お答えできる資料はございませんが、先ほどのような部分的なものにつきまして、たとえば自治省が「五十三年度地方公営企業決算の概況」というところから自治体病院の薬価の差益率を公表しているのはございます。これが二〇・四%、全数が九百六十一病院でございますが、それの薬価差益率を出しておるのが二〇・四%でございます。それから厚生省におきまして五十三年の病院経営収支調査年報から試算いたしました地方公共団体、日赤、済生会、厚生連及び国家公務員共済組合連合会病院、これは調査対象が二百二十八病院でございますが、その薬価差益率は二三・七%ということになっております。
○森井委員 あなたは、かつて中医協で発表されたものは認めませんか。四十九年二月の中医協、いろいろ議論のやりとりがあったことは申し上げておりますが、平均三〇・五%くらい差益があると一たん発表しているじゃないですか、していませんか。それから先ほど申し上げました五十三年七月の現金問屋や公的病院の調査もしていらっしゃるでしょう。これはもちろん抽出だし三十二品目ですけれども、そのときに出たのも、やはり三割から四割安く購入していると私は理解しています。あなたは、いま少ない方だけ言っている。大体、公的病院共同仕入れの場合は、これは医療小委員会でも何回も議論していますが、率直なところ銘柄はなるべくいいのを買うんですよ。だから平均でとれば——あなたは、どうもなるべく実勢価格と薬価基準の差が少ない方の答弁をしようと無理をしていらっしゃる。もう一遍きちっと答えてください。いままでは幾らあったのか。それで自治省の発表だけなのか。本家本元の厚生省は、いままで実勢価格との差について物を言ったことがないのか。
○大和田政府委員 いま私の手元にございますのは、先ほど御報告申し上げました二例でございます。したがいまして先生、先ほどお話のありました点につきましては私、把握いたしておりませんので、至急これは調査をいたしたい、かように思っております。
○森井委員 渡辺さんの論文についてはどう思われますか、私が読み上げた部分について。
○園田国務大臣 いま数々の御注意があったわけでありますが、やはり、このような事態になったのは、第一に薬価基準の改定を時期を失せずやらなかったということもありますが、健保を含む医療行政全般に、薬をたくさん使った方が、お医者さんとしては有利である、こういう原因をつくったことが大きな原因となっております。したがいまして現象としては薬の買いたたきによって差額があることは実情でございまして、渡辺さんの文章は私も同意でございますが、ただ、その差額のパーセントが三〇%とか書いてありましたが、いまは、それはもっと大きくなっていると想像いたします。ただ、その想像で、どれくらいかということは、調査の結果が出る間際であるし、薬価基準の改定をやらなければならない時期でもありますから御勘弁を願いたいと思います。
○森井委員 政治家としての大臣の、やや明快な答弁をいただきましたから、これはこの程度にいたします。 それじゃ局長、一体この薬価基準の改定はいつするんですか。第一これは五十二年の薬価調査でしょう。いま作業状況はどうなっているんですか、簡単に言ってください。
○大和田政府委員 おっしゃいますように本調査は五十三年の七月でございます。その後、事前、事後の調査をいたしまして、さらに経時変動調査を行っておる。第五次調査を昭和五十四年十月から十一月にかけて行ったわけでございますが、その後ことしに入りまして諸般の情勢を勘案いたしまして、具体的には、たとえば物価等の変動であるとか、その他の社会情勢の変動を踏まえまして、第六次の経時変動調査を、ことしの九月から実施しておるところでございます。これの結論を得次第、結論を出していきたい、こういうふうに考えております。
○森井委員 五十三年の調査にしても意見があるのです。これは大臣に聞いてほしいですが、たとえば問屋等へ調査書を回して向こうに書かせたものを回収をして、それでまとめるのです。最近になって、先ほど説明がありましたように厚生省の職員の立ち入り等が出てまいりましたけれども、わずかで、いずれにいたしましても基礎になるものが権威がないといった形の中で進められてきた。 しかし、それにいたしましても、いまもって、まだ作業が進んでないというのでしょう、ここが問題なんです。いまは社会保険庁長官になられましたけれども、ことしの予算委員会で、これは遅くとも四月には結果をまとめて御報告ができる——四月ですよ。われわれは、その当時も健保の審議を熱心にやっていましたが、そういうことなんです。それがいまもって、まだ行われてない。どこに原因があるのです、おくれた原因は何ですか。
○大和田政府委員 第五次の経時変動調査をいたしております、その後半の段階でございますけれども、ことしに入りまして公共料金の問題とかいった物価の動向等が直近の医薬品の市場価格にどのような影響を与えているかということを、もう一度、調べていく必要があると判断をいたしまして、第六次の経時変動調査にかかったということでございます。
○森井委員 あなたは、まさか診療報酬と絡ませているのではないでしょうな。いままで、どちらかというと薬価基準の引き下げと診療報酬というのは、ある意味でセットでやられてまいりました。後で聞きますけれども、診療報酬がいつになるか、いまのところ明らかにされていませんが、それに合わせて薬価調査の結果の発表もおくらせているのではないですか。
○大和田政府委員 薬価の改定は、御承知のように厚生省の行います例の薬価調査に基づきまして、厚生大臣の権限において薬価基準の改定と、その告示を行う。診療報酬の改定は、御承知のように厚生大臣が中医協に諮問をいたしまして、中医協の審議を経まして行うということでございますので、制度的には両者は関係ないという考え方を持っております。しかしながら四十七年の中医協の答申、建議等につきましては「薬価基準の引下げによって生ずる余裕を技術料を中心に上積みする」ということで、そういった諸般の情勢を総合的に勘案しながら、この薬価基準につきましては対処していく、こういう姿勢でございますので、診療報酬と絡ませているということはございません。
○森井委員 では、とにかくはっきりしてください。いつ薬価調査の結果の発表ができますか。
○大和田政府委員 はっきり申し上げられないのは残念でございますけれども、現在、調査の取りまとめを行っておるところでございます。その調査の取りまとめを行います段階におきましては、現在一万五千品目という非常に多くの品目を薬価基準に収載しておるわけでございますが、その全部ではございませんけれども、かなり多くの品目数につきまして薬価の調査結果との当てはめ作業、算定作業というのをやっていかなければならぬということでございますので、まだ、かなりの時間を要するということでございます。いつ、それができ上がるかにつきましては現段階では、ちょっと明快なお答えができないということでございます。
○森井委員 繰り返し話しておりますとおり、きょうは健保の審査をしておるのですよ。これから医療費の動向がどうなるかというのと、もう密接不可分な関係です。しかも、それは具体的には保険料にかかってくる、政管健保の対象人員三千万人の影響する問題なんです。しかも、ことしの予算委員会で、少なくとも総括質問が終わるときまでには御返事もしますという約束があった。あれからまた半年たっているじゃないですか。絶対に認められません。おくれた原因は何ですか。——委員長、私は納得のいく答弁ができるまで、質問を続けられません。諸般の情勢でおくれたとか、政治家でも、そんなことは言いませんよ。もうちょっと、はっきり理由を言いなさい。
○大和田政府委員 どうも大変申しわけないのでございますが、いま、いつという時期はなかなか申し上げられない。その理由は、先ほど申しましたように登載品目につきましての算定作業というものを行わなければならぬというので、具体的に、あと何カ月ということを申し上げられない、まことに申しわけないのでございますけれども、そういう状況でございます。
○森井委員 それじゃ、どうして予算委員会の時点で、四月までには明らかにできると約束をしたんですか。私は、どうしたって、そこに何かあるとしか思えない。 それじゃ期限が明示できないということだけれども、大ざっぱ言って、きょうは十月三十日ですが、たとえば十一月中とか年内とか、そういうようなめどは立ちますか。とりあえず聞こう、年内よりも後ですか先ですか。
○大和田政府委員 年内には、この結果が出ることはむずかしいというふうに考えておるわけでございます。
○森井委員 作業がむずかしいとおっしゃいましたが、どういう点がむずかしいのですか。それは品目の多いことはわかりますよ。しかし、かつて国会で約束したことが今日まで半年も引き延ばされて、いまなお、まだもたもたしておるということは私は納得できません。だから、どういう理由があるのか、もうちょっと、はっきりしてください。私は、はっきり申し上げて済んでいるのじゃないかと思うのだ。
○大和田政府委員 御承知のように五十三年二月の薬価基準から銘柄別収載方式が採用されまして、品目が七千から一万五千にふえた、こういうことがございます。これら一万五千にふえたという薬品につきまして薬価の算定作業を行うということは、従来に比べまして、かなりの期間を必要とするということにならざるを得ないわけでございます。そういったことが、なかなか算定作業が終了できないということの一番大きな原因でございます。
○森井委員 調査対象品目がふえたことは私もわかっておるのです。それにしても、そんなに何年も何年もかかるのでしたら、実際問題として——いま言われているように、私が指摘したように、薬づけ医療だということが問題になっているわけですが、これは間もなく一年が来ますよ。そういったテンポでしかできないのですか。これはもう絶対に認めるわけにはいかない。 それじゃ、いままでわかっている範囲で中間報告をしてください。それはできませんか。
○大和田政府委員 つまり薬価が実勢価格との乖離が何%であるかということにつきましては、個々の薬品につきまして薬価の算定を行って、それから、その結果として出てくるものでございますので、調査の結果何%乖離があるということを中間報告するというのは、技術的にも、これはできないということでございます。やはり、いまの第六次の経時変動調査を、御趣旨に沿うように、できるだけ急いで、これをやっていくという以外にないのじゃないかというふうに考えておりまして、私ども十分努力をいたしたいと思います。
○森井委員 私は納得できません。あなたは御存じかと思います、特に、その当時は官房長として国会担当でもあったわけだから。野呂厚生大臣が何回発言していますか。あちこちで新聞に載って周知の事実になっている。薬価基準は遅くとも何月というのは、あえて申し上げませんよ、野呂さんがすでに何回も発表している。どれくらい上げるかということも、明確には言っていませんが、たとえば一けたか二けたかについて言及しているじゃないですか。それは認めませんか。当時のあなたの上司であった厚生大臣が薬価基準について改定のめどについての発言をしていることを認めませんか。
○大和田政府委員 ちょっと私、大変申しわけないのでございますけれども、・大臣が明確に答弁しているということにつきましては、ちょっと記憶にないわけでございますが、なお私ども調べてみたいと思います。
○森井委員 私は事を荒立てるつもりはありません。しかし、いまの答弁では——これは野呂厚生大臣が話したことなんですから、何なら衆議院の調査室でもお手伝いしますよ。恐らく、するだろうと思うのです。新聞記事だから、ちゃんとスクラップがあるはずです。私は、まさかこんな答弁になると思わないから、いま持ってきていませんけれどもね。明確には答弁していませんよ、しかし公表の時期でありますとか、あるいは薬価基準の引き下げのめどであるとか、それは明確に話している。だから、あなたは知らないとすれば、私は待ちますから調べてください。
○山下委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○山下委員長 速記をつけてください。 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時二十九分休憩 ————◇————— 午前十一時三十五分開議
○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 厚生大臣。
○園田国務大臣 ただいまの問題は御指摘のとおりでありまして、五十三年から余りにも長くきておりますし、かつまた前局長が四月という期日を挙げて国会にお約束していることも私は認めております。野呂大臣がしばしば目途を申し上げていることもよく承知しておりまして、しかもなお、いま十月になってできてない。もう反論なしに恐縮をいたしております。国会に対する厚生省の発言、特にまた、もう一方から言うと、これが一日おくれることは物価の上昇と非常に絡んでまいりますので、どういう面からいっても、これは一日も急ぐべきことであると考えております。 いままでの経緯を存じませんが、調査の結果の取りまとめには全力を挙げて事務当局を督励し、年内に何とか結論を出すように努力してみたいと考えます。
○森井委員 大臣の御答弁をいただきました。私としては直ちにと言いたいところでございますが、事情もあるようですから、大臣の御答弁を信頼させていただきたいと思います。 ただ過去に薬価基準の引き下げを確かにしておりますが、先ほど私が御指摘申し上げましたように実勢価格の差は、先ほど局長答弁でも二〇%以上、薬価基準と実勢価格との差はあるわけです。渡辺元厚生大臣、現大蔵大臣は三〇%ないし四〇%と言っている。それから大和田局長は意図的にぼかしていますけれども、厚生省も三〇%ないし四〇%というのは、あえてまた申し上げませんが、これは明確に公表しているわけです。ところが薬価基準の引き下げの実績というのは、きわめて微々たるものなのです。昭和四十七年二月に三・九%、四十九年の二月にたったの三・四%、そして五十年の一月には一・一%、五十三年二月に五・八%、こんな調子なんですよ。あれだけ差があるということをお認めになりながら——三〇%ないし四〇%というのは私どもが申し上げておるわけではない。これは誤解があってはいけませんから申し上げますが、もっと差はひどいと思うが、少なくとも公にされたものでも、それだけある、三〇%ないし四〇%。本当はもっとひどいと私は認識をしています。 しかし、それにしても今度せっかく御調査をなさいまして、できるだけ年内には発表したいとおっしゃるわけでございますけれども、問題はそれからの手順でございます。一つは、それをいままでのような小幅といいますか小刻みといいますか、みみっちいといいますか、もう一%から三%くらいのささやかな引き下げでなくて、やはり大胆に実勢価格に近づけていくための努力をすべきだ。本来ですと、これはもうぴたっと同じでもいいわけです。若干、手数料は要るにしても、医師会等の主張もありますから、それは使い残し、その他で若干は違うかもしれませんが、これは微々たるもので、実際には、発表をなさった薬価調査については、その意味で大幅に、正確に反映をなさる必要があると思うが、この点いかがでしょうか大臣。
○園田国務大臣 調査の結果でありますが、実態に即した改定をする考えでございます。
○森井委員 そこでもう一つの問題は、いわゆる九〇%バルクラインです。これは、ことし私も社会労働委員会で問題にいたしまして、ぜひひとつ検討しなさいと言いましたら、中医協でやるのだからと言ってお逃げになりました。しかし基本的には厚生省の姿勢にかかわる問題だと私は思う。第一、九〇%バルクラインというのは通りますか。これは昭和二十八年です。この点についてお答えをいただきたい。
○大和田政府委員 九〇%バルクライン問題を含めまして、薬価の算定方式につきまして問題のありますことは十分承知しておるところでございまして、やはり何と申しましても、これは中医協で御審議願わぬといかぬ問題でございますので、私ども中医協に御相談を申し上げて、この検討を進めていきたい、かように思っております。
○森井委員 ただ単に御相談申し上げるのではなくて、いいですか、薬価の算定方式そのものに問題がありはしないか、私はこういう認識で春以来、質問をし、きょうもまた、それをただしているわけです。九〇%バルクラインができたのは、たしか昭和二十八年だったと思うが、この方式が現状に合っているのか合ってないのか、あなたの認識を話してください。
○大和田政府委員 かなり長期間たっておりまして、それなりに定着もしているわけでございますけれども、確かに問題も出ておると思います。これについては改善の余地があるわけでございまして十分検討しなければならぬ、このように考えております。
○森井委員 検討しなければならぬということは、厚生省としては九〇%バルクラインというのは適当でない、こういう認識でいいのですか。
○大和田政府委員 これにつきまして、どの点をどう修正するかという問題は、なお、これからの検討と思いますが、九〇%バルクラインそのものを現行のようなやり方でやっていくことにつきましては適当ではない、検討の対象にならざるを得ない、かように考えております。
○森井委員 そうすると、当然のことですけれども今度の中医協で、薬価改定の作業とあわせて議論の対象になりますか。中医協に諮りますか。
○大和田政府委員 中医協に御相談したいと思っております。
○森井委員 時間の関係がありますから、この程度にさしてもらいたいと思いますが、薬価調査そのものにも私は疑問を持っているのです。いま本調査というのは一週間ですね。余りに短か過ぎる。その間、価格操作だってできるわけですよ。二カ月も三カ月もということになると、それぞれ業界の方々も、いつまでも価格をそのままにしたのでは——つまり現状より低くしておると言われておりますが、そのままにしたのでは問題がある。一週間という短期間の調査に一つ問題がある。 それからもう一つは、先ほどもちょっと指摘をいたしましたように相手側から書いてもらうような調査、これは省力化の役に立つかもしれませんが、むしろ厚生省の職員がじかに調査をする調査方法を拡大していくべきだ、こう考えますが、いかがですか。
○山崎(圭)政府委員 薬価調査それ自身のやり方についての問題点は、いままで、いろいろと御批判も受けておりました。そこで一つは、いま御指摘のように、いわゆる本調査と申します、全品目、一万五千品目対象で全卸業者あるいは病院、保険薬局等につきましての対象客体数、六千八百程度になりますが、この調査を全数にわたってやるわけでございますけれども、これにつきましては、どうしても自計調査いわゆる自分で書いてもらう調査にならざるを得ない。しかし五十三年から新しい手法を導入いたしまして、その五十三年六月取引分を七月に行ったわけでありますが、その事前、事後に私どもの職員がみずから行って裏取りといいますか、特別の調査をサンドイッチ的にやっております。そういう意味で、あらかじめ準備して操作が加えられるとか、そういう恣意的なものの排除に、さらに知恵をしぼってみたい、こういうふうに思っております。 なお一週間程度でわかるかという御指摘も確かにございます。ただ、これが非常に大きな数になりますので、その辺の相手方の負担等々を考えまして、ある一部については一週間程度の調査にせざるを得なかった、こういう事情もありますが、御指摘の点も加味いたしまして今後の調査に生かしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○森井委員 どういうことですか。そうすると期間についても一週間より、もっと長くするというのですか。 だから私は口が酸っぱくなるほど冒頭に申し上げたのですが、総医療費に占める薬剤の割合というのは異常に高いわけでしょう。そのためにお互いに努力をしようということから始まった議論だと私は思うのです。しかも、いま、あなたからお聞きしますと、いろいろむずかしい面があるとおっしゃる。仮に外国並みに薬剤費が二〇%とすれば、少なくとも二兆円の金額が保険財政で違うのです。医療保険で二兆円違うのだから、少々金をつぎ込もうが何をしようが、やる気になったら、大臣の御答弁にありましたように、きちっとするとおっしゃるのですから、少々金と人をつぎ込んでやっても決して損な話ではないと私は思いますよ。 だから、もう一度聞きますけれども、従来の方法も期間を延ばす、それから厚生省職員等の具体的な立ち入りによる伝票その他の調査の分野をうんと拡大をしていく。前向きにとかなんとかではなしに、どうですか、それくらいのことはやってくださいませんか。
○山崎(圭)政府委員 御指摘の点よくわかります。そこで一週間の調査だと申し上げましたのは、非常に取り扱い品目が多く、取り扱い高も多いところに限って一週間程度の調査にしておるわけですが、中小規模のところは一月の調査をやっております。この点、足らなかったところを訂正させていただきますが、御趣旨の点は十分わかりますので、今後とも他計調査を中心にする充実強化に努めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○森井委員 もっと申し上げたいのですけれども、薬の問題についてばかりやっておりますと時間がございませんので、残念ですが次の質問に移らせていただきたいと思う。 医療経済実態調査、これもいまもって、まだ次の調査をいつやるかも決まっていない。中医協の中で小委員会をつくって、いま作業を進めていらっしゃることはわかります。しかし事ごとに対立をしているのは診療側委員と、その他の委員、何か無理難題を吹っかけて、おくらせているのではないかとすら私には感じられるのです。いま調査項目等について小委員会を開いておられますけれども、いままでの作業の状況、それから今後の見通しについて、簡単でいいですから、お伺いしたい。
○大和田政府委員 中医協の調査実施小委員会につきましては、ことしの四月から九回開催をされております。それで、かなり議論が煮詰まってまいりまして、本年度実施ということを目途にいたしまして現在、調査方法、調査項目などにつきまして審議を行っておる、かなり論議が進んでまいった、こういう状況でございます。
○森井委員 明らかにしておきたいのですが、これは最初、厚生省が調査要綱案というのをお出しになったのでしょう。どこが問題になったのですか。
○大和田政府委員 当初の問題になりました点につきましては、保険者調査という問題につきまして、なお具体的な項目、たとえば被保険者の異動状況といったようなことにつきまして調査を行うということについて保険者と診療側とのやりとりが、直近の小委員会では議論になっておる、このようなことでございます。
○森井委員 今後の見通しについても御質問したわけですけれども、年内ですか。
○大和田政府委員 年度内でございます。
○森井委員 年度内ですか。最初は十一月じゃなかったの。あなた方は次々、報告しては、くるくる、だんだん日にちを延ばしている。延びた原因というのは私が申し上げましたとおりですか。
○大和田政府委員 私どもが見ておりますのは、調査の項目、調査の方法、そういった問題がやはり一番大きな争点ではないかというふうに見ております。したがいまして、それらの争点がかなり煮詰まってきておるというような現状でございますので、そう遅くない時期において実施が可能ではないかと私どもは見通しを持っておるわけでございます。
○森井委員 煮詰まってきているということですが、局長、これは満場一致制ですか。たとえば、どの側かの委員が、それは困ると言って反対をしたら、しないのか、つまり、そういう意味での満場一致制ですね。あるいは少々の反対があっても最終的にはお決めになるのか、それが一つ。それから先ほど来いろいろ表現が違っているわけですけれども、年度内とおっしゃったり、あるいは、なるべく早くとおっしゃったり、いつおやりになるのか。それから、この際やはり確認をしておきたいと思いますのは、いままで国会で確認はされているのですが、やるかやらないか、その都度、変わるものだから、もう一回聞きますが、これは三年に一回、定期的に本当におやりになりますか。
○大和田政府委員 実施主体が中医協でございますので、中医協がどう実施するか、これは三年に一度実施するという方針で進んでおるわけでございます。 そこで満場一致云々というお話でございますが、これは診療側につきましても、また保険者側につきましても、その調査に協力をしてもらわなければならぬという問題がございますので、やはり、どちらかの側が反対ということになりますと実際問題として実施は困難になる。したがって診療側も、保険者側、支払い側も賛成するということでなければできない。そのための話し合いを続けてまいったわけでございます。先ほど申しましたことを補足いたしますが、例の診療側に対するミクロ調査、これにつきましては話は煮詰まってきておる、というよりも、もう、これでいいじゃないかというところまで来ておる。保険者調査、これにつきましては抽出率をどうするかという問題が、いま論議されておるというような段階でございますので、これはかなり煮詰まってきておる。したがって、年度内にできるのではないかというところまで来ておるというようなことでございます。
○森井委員 しつこいようですけれども、年度内にできるようなところまで来ているというわけですが、それは中医協がおやりになるんだからとお逃げになりますが、仮に、それまでに意見がまとまらなくても、もう限界ですよ。前回調査の期間から比べれば、これは限界です。いま各側の協力がなければできないと言われましたけれども、実際問題として、これは非常に国民の関心の高いところです。 一言多いかもしれませんけれども大臣、お互いに政治家として考えてみますと、大学を卒業して国家試験を通って、若い子が、ちょっとした市の所得番付の上位を占めるというようなことがずっと続いているわけですよ。同じ大学を卒業しましても、いま、そこに並んでおられます、たくさんのお役所の人は年間何千万という所得にはならないわけだ。これはお互いに政治家として考えなければならない。そうかと思うと一生懸命に苦労して、まじめに診療しておられる貧乏なお医者さんも現にいるのです。 だから、そう考えてきますと、それがすべてじゃありませんけれども、医療経済実態調査というのは、その意味で国民の関心は非常に高い。これがいままで、ずばり申し上げますが日医その他の反対がありまして思うように進んでいない。第一この問題で中医協が紛糾してパンクしたのですから、しばらくは物も言わなかった時代があったでしょう。ことしの予算委員会で初めて結局、中医協が開かれた。こんなマンマンデーなことでいいのでしょうか。これは薬と同じですけれども、もうちょっと正確に、やはり早くしないと、とにかく遅過ぎる。何事によらず遅い。薬にしろ、この医療経済実態調査にしろ遅過ぎる。答弁がはっきりしていませんが、今後、定期的におやりになる意思があるのかどうなのか。この際もう一回はっきり、繰り返し申し上げますが、これは健保の審議ですから、きちっとしてください。 それから、なるべく、まとまった方がいいに違いありませんが、まとまらなくても年度内——年度内というのは私も妥協し過ぎるような気がするのです、もともと十一月と言っていたのだから。その意味ではおくれていますが、無理のないところで、あなたがもう職をかけてでも中医協の皆さんにお願いをするという時期はいつか、明らかにしていただきたいと思います。
○大和田政府委員 三年に一回ということにつきましては中医協で決めておられるわけでございますので、私も、その線で中医協でやっていただけるというふうに確信をしておるわけです。 それから実態調査につきましては年度内ということで、年内をめどで進んでおるわけでございます。しかも先ほど申しましたように、もうきわめて煮詰まりつつある段階でございますので、それは年度内の近い段階で実施できるというふうに私は思っておりますし、先生おっしゃいますように私の方から中医協の先生方の方にはお願いをいたすつもりでございます。
○森井委員 切りがありませんから、時間の関係もありますから次へ移らせていただきますが、医療費の通知運動です。ちょっと目的だけ一言説明してください。
○吉江政府委員 お答えいたします。 いま先生おっしゃいました医療費の通知運動と申しましょうか、お知らせですか、これは、ある一カ月分の医療費を、家族ごとに医療のために健康保険から幾らの費用を払ったかということをお知らせしまして、医療保険が健康の維持に役立っているということを具体的に理解していただくことを目的といたしております。それで、これを通じまして自分の一家の医療費はこれだけかかったんだという自覚をしてもらうことによりまして、家庭や、ひいては職場での健康づくりの意識の高揚を被保険者の皆さん方にお願いする。これがひいては私ども、やっております健康保険事業の健全な運営にも役に立つであろうという期待を込めて、やっておるところでございます。
○森井委員 健全な運営に資する意味もある、医療費の通知は。これは、とりもなおさず医療費のむだを省こう、こういうことですか。あなたの答弁長いから、ぱっと簡単に言ってください、時間がないから。
○吉江政府委員 直接的に、これがむだを省くのにストレートにつながるとは思いませんが、やはり、そういう期待は持っております。
○森井委員 問題だけ指摘をして次の質問に移りたいと思いますが、いま実施をしていますね。五十五年度予算を組んであるのですから、しておるでしょう。どの程度実施しているのですか。ちょっと反応がないから、それだけ聞いておきましょう。
○吉江政府委員 五十五年度予算では五億足らずで、各被保険者の全世帯を対象に一カ月間の実績をお知らせするということにいたしております。
○森井委員 どの程度、実施をしておりますかと聞いたわけですけれども、恐らく都道府県がやっておるんだろうと思います、もう時間がないから聞きません。 ただ、やる時期がまちまちであるとか、いま言われたように予算もわずかで、実際には都道府県がむしろ超過負担等で悩んでおるとか、いろんな問題を聞いておりますが、具体的に個々にわたるものは事実上、今年度が初めですから、ある程度大目に見ますが、この趣旨が広く伝わるように最大の努力をお願いしておきたい。これはいずれまた適当な時期に御質問申し上げますので、その点、御通告を申し上げておきます。 そこで最後ですけれども診療報酬でございます。いろいろ言われておるのですが、一番これも不快感を感じましたのは齋藤前厚生大臣がお約束をなさったということですね。この二十一日の日本医師会の全理事会で、武見さんが文書で、あいさつを兼ねて報告していらっしゃいますが、年度内に齋藤前厚生大臣は医療費の値上げを約束した、こう私も聞いておるわけですけれども、これは厚生大臣、あなたは引き継がれたわけですけれども、引き継ぎの項目にございましたか。それから、これからどうなさいますか。
○園田国務大臣 事務の引き継ぎには全然ございませんでした。また、どういう話になっているのかわかりませんが、そういうようなことを事前になすべきことではない。私は、そういうことに関係なしに、この問題には対処していきます。
○森井委員 不愉快なのはそのことと、それから行政訴訟の準備、これは十月七日の日本医師会の常任理事会で行政訴訟の準備をする、こういうところまでいっています。これは大臣どう思われますか。
○園田国務大臣 私もニュースで知りましたが、私の方には通知はありません。行政訴訟なさるならば、それで結構でございます。いささかも私の方針に変わりはありません。
○森井委員 そうしますと前回の医療費の値上げが五十三年の初めでしたから、いずれにいたしましても報道機関その他、報道するところによれば、医療費改定についても近々何らかの形で厚生大臣として中医協に諮問なさるんじゃないかということが流れておるわけでございます。一方において、たとえば病院等が比較的経営状態がいいというようなこともありますけれども、いずれにいたしましても医療費の診療報酬改定の問題については早晩やはり大臣の頭の中に去来する時期が来るんじゃなかろうか、こう思うわけでありますけれども、所信のほどを承りたいと思うのです。
○園田国務大臣 医療費は改定後二年半を経過いたしております。その後の物価の変動、社会情勢の変化等もありますが、この問題については、そういうことも考えながら慎重に対処していきたいと考えております。
○森井委員 慎重というのは、先ほど来、年内とか年度内とか、いろいろございました。深追いをするつもりは、もちろんございません。しかし、いまおっしゃったように緊急に措置する事項ではないという点では私と大臣の認識は一致すると思うのでございますが、いかがでしょう。
○園田国務大臣 同じ意見でありまして、いまだ、その時期熟せず、こう思っております。
○森井委員 それから先ほど局長答弁でしたけれども、医療費の改定と薬価基準の公表というのは関係ない。関係ないと言えば語弊がありますが、要するに時期については薬価基準は薬価基準、そして診療報酬の改定は診療報酬の改定、相互に関連を持たさずに行っていく。これは報道にも、そうなっておりましたけれども、これは変わりませんですね。
○園田国務大臣 局長の答弁で関係ないということは言葉のはずみでありまして、関係ないことはございません。しかしながら、いまおっしゃいましたように、その時期を連動させたり、あるいは密接に膚接させてやる考えはございません。
○森井委員 若干、質問時間が残っておりますが、残余は留保いたしまして質問を終わります。
○山下委員長 川本敏美君。
○川本委員 それでは森井議員に引き続いて健康保険法改正案に関連してお聞きをいたしたいと思うわけです。 私は少し観点を変えて、まず高齢化社会に対応する医療制度及び、その費用負担を中心にして、まず質問をいたしたいと思うわけです。 〔委員長退席、湯川委員長代理着席〕 先ほど来もいろいろ論議がありましたが、私は、これからの日本の医療あるいは保険制度を語るということになると、高齢化社会というものを抜きにして考えることはできないんじゃないかと思うわけです。 さきに昭和五十二年の十一月だったと思いますけれども、いま大蔵大臣の渡辺美智雄さんが厚生大臣のときに国会に、いわゆる医療保険制度改革の基本的な考え方ということで十四項目にわたって項目別に列挙をして、その実施時期等を明確にして公約をされた事実があるわけです。その中で老人保健医療制度の整備については、昭和五十四年度に立法化をして昭和五十四年度以降にこれを実施するということを明確に公約しておられることは御承知のとおり。その後、小沢厚生大臣も、あるいは橋本厚生大臣も、おのおの私案を発表して、いろいろな経過が今日までありました。いま、この老人保健医療制度について厚生省はどのようにしようと考えておられるのか、まず、お聞きしたいと思う。
○吉原政府委員 現在、老人医療制度につきましては、制度の基本的なあり方につきまして厚生省といたしましても鋭意検討を続けているところでございまして、一方、社会保障制度審議会におきましても、去る三月に制度の基本的なあり方についての御諮問を申し上げて現在、鋭意審議を進めているところでございます。この問題はいろいろな考え方がございますし、関係者の利害が複雑に錯綜する問題でもございますので、成案を得るのに大変むずかしかったわけでございますけれども、できるだけ早く厚生省としての成案を得まして、制度の早期実現に努力してまいりたいというふうに思っています。
○川本委員 そうしたら昭和五十二年の十一月に、当時の厚生大臣が五十四年度に立法化して五十四年度以降に実施しますと言った公約はどうなるのですか。それは厚生省わかっておるのですか。
○吉原政府委員 厚生省といたしましては、五十二年に厚生大臣の私的諮問機関でございます老人保健医療問題懇談会から御答申をいただきまして、その御答申に基づきまして厚生省としても鋭意検討を続けてきておりましたし、また、いまお話のございましたように小沢厚生大臣、橋本厚生大臣がそれぞれ私案を発表されてきたわけでございます。そういったことで鋭意、早期実現ということで努力をしてまいったわけでございますけれども、大変むずかしい問題でもございますので、今日まで具体的な成案を得ることができなかったわけでございます。 しかしながら、これ以上このままの状態にしておくことはできないと考えておりまして、そういった意味におきまして、先ほど申し上げましたように去る三月には制度審議会に諮問をして鋭意審議をしていただいておりますし、厚生省といたしましても去る九月に、厚生省内に設けました老人保健医療対策本部の第一次試案というものを発表いたしまして、現在、各方面の御意見を伺っている最中でございます。
○川本委員 第一次試案に基づいて制度審議会で、いま審議中だ。そうすると審議会の答申をいつごろ出されて、そして、これが立法化されるのは大体いつごろと考えておられるわけですか。
○吉原政府委員 現在、社会保障制度審議会におきましては、ほとんど週一回という頻度で鋭意御審議をいただいておりまして、年内にでも中間的な御意見がいただけるものと実はお願いもし、期待をしているわけでございます。その御意見等に基づきまして、厚生省といたしましては具体的な成案を固めまして、できれば次の通常国会に関係の法案を提出いたしたいと思っております。
○川本委員 そうすると老人保健医療制度については、厚生省は制度審の答申あるいは中間報告を得て、それに基づいて立法化して次の通常国会に提案をしたい、大臣このように受けとめていいわけですね。
○園田国務大臣 そのとおりでございます。
○川本委員 私は、健康保険というものは、いまの日本の急速な高齢化社会の進展のもとで、老人保健医療制度と切り離して語ることはできないのじゃないかと思っておるわけです。そこで、そういう点をもう少し明らかにする意味で少しお聞きしたいのですが、老齢人口の推計についてですけれども、年金局にお聞きしたいのです。 全人口に対する老人人口の比率、これが将来にわたって、いま、どういう推計をしておられるのか。たとえて言ったら現在一九八〇年は六十五歳以上の老齢人口が何人で、全人口の中に占める比率が何%ある。それが二十年先の昭和七十五年、西暦二〇〇〇年、二十一世紀の初めですね。そのころにはどうなるのか、あるいは西暦二〇二〇年、いまから四十年先はどうなるのか、こういうことを厚生省は推計しておると思うのですけれども、わかっておりましたら。
○松田政府委員 厚生省の人口問題研究所が五十一年十一月に推計をいたしております。それによりますと六十五歳以上の人口の全人口に対する比率がピークに達しますのは昭和九十五年、二〇二〇年でございます。そのときの比率は一八・八一%、実数で申し上げますと二千六百十五万八千人、かように推計をいたしておるところでございます。
○川本委員 私がいま聞いたのは、昭和七十五年はどうか、あるいは四十年先の西暦二〇二〇年はどうなるのかということですけれども、いま、お答えいただいたのは九十五年ということだから二〇二〇年ですね。このときには大体一八・八一%になる。現在、大体九%程度ですね。五十四年の統計では、いまどういう状況ですか。
○松田政府委員 五十四年の推計では八・九%でございます。
○川本委員 老齢人口は。
○松田政府委員 一千三十万九千人、かように推計をいたしております。
○川本委員 そうすると九十五年、西暦二〇二〇年には老齢人口はどのくらいになる推計でしょうか。
○松田政府委員 二千六百十五万八千人と推計をいたしております。
○川本委員 この場合の全人口の推計ですけれども、この間も私は児童手当の問題で質問したときに言ったのですが、大体、政府の人口問題研究所の統計では、いわゆる合計特殊出生率というのは二・一として推計しておるのではないかと思うのですが、その点はどうですか。
○松田政府委員 御指摘のとおりでございます。
○川本委員 合計特殊出生率が二・一というのは、一つの夫婦が一生かかって子供をつくって、 一人の女性が一生の間に産む子供の数、それが二・一を割ったら、その国の人口は減っていく、こういう学説に基づいて、わが国では二・をもって全人口の将来の推計を出しておる。ところが現在すでに、この合計特殊出生率というのは一・七七ですね。二・一を大きく割り込んでおる。日本の国の将来人口というのはもう減っていくわけです。その中で特に慶応大学の安川教授等は、将来はさらに、この合計特殊出生率は一・六五くらいまで低下するのではないかというような計算をしておられるわけです。そうなると、いま、おっしゃった九十五年、西暦二〇二〇年、このときの老齢人口は、いま、あなたは一八・八一%と言いましたけれども、安川教授は二二%くらいになるという推計を発表しておられるわけです。 二・一という合計特殊出生率は実態にそぐわない。そうすれば、やはり実態に即して、もう一度全人口の推計をし、それに基づいて老齢人口の比率を出していったら、もっと一八・八一より高くなると私は思うのです。そういう点について、これは正確を欠くと思うのです。その点について、もう一度推計をやり直し、計画を練り直す必要があるのではないかと思うのですが、どうですか。
○松田政府委員 出生の問題は、御指摘のとおり実態が、人口問題研究所が推計いたしたものよりも、かなり大幅に下回っていることは事実でございます。したがいまして現在の人口問題研究所が発表いたしております人口推計、これは五十年の国勢調査の結果をもとにいたしまして推計をいたしたものでございます。本年十月に行いました国勢調査の結果がわかりますれば、これに基づきまして五十六年秋にでも人口問題研究所の方で、もう度、全体の推計人口をやり直すという予定にいたしておるわけでございます。
○川本委員 その場合は合計特殊出生率も実態に合わせてやり直すわけですね。
○松田政府委員 国勢調査の結果を得て推計をし直す、こういうことになろうかと思います。
○川本委員 そこで先ほどおっしゃったように老齢人口のピークは昭和九十五年、いまから四十年先だと政府は言っておられますけれども、しかし安川教授の推計でいくと大体二十一年くらい先だと言っておるわけです。二十一年先ということは昭和七十六年です。大きく食い違っている。こうなると老人保健医療制度とか年金とかいうような問題は大変な形になってくると思うのです。 そこで年金の問題について、もう少し聞きますと、きのう参議院で可決成立した新しい年金法による保険料率は修正で千分の百六ですね。老齢人口の比率がだんだんとふえていくと、年金の保険料率は上がらざるを得ないと思う。年金の保険料について国民の負担の限界は大体どのぐらいだと厚生省は考えておるのか。
○松田政府委員 厚生年金の保険料、どのぐらいが負担の限界であるかというお尋ねでございますが、年金給付に伴います保険料の率、料、こういったものにつきましては年金制度だけで考えるというわけにはまいりませんで、他の社会保険料あるいは租税負担、そういったもろもろの負担をも合わせて総体的に考える必要があろうかと思います。したがいまして現在の年金制度におきます負担の限界はどの程度になるかということにつきましては、一概にその限界を示すことは非常に困難かと考えております。 ただ強いて申し上げますと、厚生年金保険の仕組みと非常に類似の仕組みを持っております西ドイツが、一つの例でございますが目安になろうかと思います。西ドイツにおきましても最近非常に制度の成熟が進んでおりますので、その負担がどうかという議論は恐らく、なされておるのだろうと思いますけれども、私どもの手元の資料によりますれば、現状一八%というのが西ドイツの負担率でございます。ただ、これは最近の財政状態を反映いたしまして、若干の手直しをして引き上げる傾向に現在ございます。したがいまして一八%というのが、負担の限界というよりも一応、類似の制度といたしましての一つのモデルになるのではないかと考えております。
○川本委員 おっしゃいましたように西ドイツの老齢人口の比率あるいは、その進みぐあい、そういうものと比べて、わが国のいま急速に進んでいる高齢化社会の中での二十年後というものを想定したら、いまの西ドイツを上回ることになると思う。そこまで来れば、西ドイツでもいま千分の百八十、一八%だとおっしゃったのですから、恐らく、それ以上、千分の二百にもならなければ老齢者の年金は賄えない、こういうことになると私も推定するわけです。そういうことは、いまの厚生年金の保険料は千分の百六ですけれども、これを企業と被保険者の間で折半していますね。仮に千分の二百というような数字になったら折半しても千分の百、こうなると一割ですよ。これは大変なことだと私は思うわけです。 そこで私は医療費の問題に移りたいと思うのですけれども、医療費の一年間の伸び率は最近はどうなっていますか。
○大和田政府委員 おおむね一〇%程度の増ということになっておるわけでございます。
○川本委員 一〇%ですか。ここ数年の状況はどうですか。ここ数年間の平均ではどうですか。
○大和田政府委員 初めから申しますと、五十二年度は一一・七%の増、五十三年度は、これがかなり大きいのですが一六・八%の増、五十四年度は九・〇%の増、それから五十五年度は九・二%の増、これが国民医療費の推移でございます。
○川本委員 今後の医療費の増についてはどのように計算されておりますか。そうすると五十四年の国民総医療費は幾らだったんですか。
○大和田政府委員 五十五年度の国民医療費は十一兆六千三百億、五十四年度は十兆九千四十億というふうに推計をいたしております。
○川本委員 五十四年が十兆九千四十億、そして五十五年は十一兆六千三百億ですか。
○大和田政府委員 失礼いたしました。五十五年は約十二兆でございます。
○川本委員 約十二兆、十一兆九千億ですね。これは五十八年になると、どのくらいの推計になるわけですか。
○大和田政府委員 二十兆二千八百億という推計をいたしております。
○川本委員 ついでに聞きますけれども、そうすると十年先の六十五年あるいは二十年先の七十五年の国民総医療費の推計はどのくらいになりますか。
○大和田政府委員 実は非常に不確定要素が多いものでございまして、これは推計はいたしておりません。たとえば対前年の伸び率を、自然増をどれくらいに見るかということ自体がきわめて不確定要素が多いものでございますので、十年後、二十年後というのは非常に推計がむずかしい、こういうことでございます。
○川本委員 不確定要素が入るということは理解できますけれども、しかし行政当局としては、先ほど来も言うように老齢人口急増の中で二十年先、三十年先を見通して対策を立てなければ、目先のことだけ考えておったんでは国の根本を誤りますよ。そこで、いまおっしゃいましたけれども大体一〇%とか一六・八%とか一一・七%とか伸びていますけれども、その医療費の伸びる内訳というのは、どういう形になっておるんですか。
○大和田政府委員 一応、国民医療費の推計は先ほど申しました五十八年度まで推計を行っておるわけでございますけれども、伸び率一五%で伸ばしております。その内訳としましては人口増が〇・九四%、自然増が九・〇二%、それから医療費改定の見込みとしては四・四三%ということで一五%を、各年の医療費にぶっ掛けて伸びを出しておる、こういうことでございます。
○川本委員 昭和五十五年度約十二兆円として五十八年度は二十兆二千八百億、これは大変な数字ですよ。倍増です。ざっと倍に近い数字の伸び方です。計算は一五%の伸び率と見て、人口増〇・九四、自然増九・〇二、医療費の改定分が四・四三というようなことで、その間を計算をしておられるようですけれども、そうすると、この中の自然増というのは何ですか。
○大和田政府委員 人口の老齢化であるとか、あるいは医学技術の進歩による医療内容の向上、それから疾病構造の変化による増というようなことが、この中に含まれるわけでございます。
○川本委員 先ほど来、年金の方でも老齢人口とかいろいろ論議をしてまいりましたが、国民総医療費の推計について、いま五十八年まではできておる。そこから先は、いろいろな不確定要素があるし、政治的要素もあるので、なかなか推計しにくいから、してないということですが、してないじゃ保険制度語れませんよ。医療行政を語れませんよ。その辺について政府はそのままでいいと思っているのか、これで正しいと思っているのか、国民の負託にこたえられておると思っておるのかどうか。その辺のところを私はもう一度お聞きしたいと思います。
○大和田政府委員 実はこの伸び率を、仮に五十八年度まで推計いたしました一五%増というものが今後十年、二十年続くんだという仮定をいたしますれば、これは数字としては出てまいります。これはたとえば六十五年にはもう五十兆近くになるとか、七十五年には二百兆近くになるといったような推計が出てまいるわけでございますが、いまのように五十八年度までの推計の伸び率を使うということ自身、まだ私ども、ちょっと自信が実はございませんので、はっきりしたことは申し上げられない、こういうことでございます。
○川本委員 しかし国民総医療費というものが国民の所得のふえ方、いわゆる賃金の上昇率を大幅に上回る、あるいは物価の値上がりを大幅に上回るということは、仮に一〇%にしてもそうですよ、一〇%として計算したって、いまの政府の経済成長率あるいは物価あるいは賃金、そういうものから想定して大幅な医療費の伸び方ということは、いまからでも否定できないはずだと思うわけです。そうなると、これはもう国の根本を揺るがすような大きな問題になるわけですよ。国民総医療費の推計について、やはり先ほど来の論議を踏まえて、もう一度修正する必要があるのじゃないかと私は思うのですが、その点はどうですか。
○大和田政府委員 五十八年度の推計につきまして、なお一五%というものについての見直しというものを、やはりしていかなくてはならぬということで、直近の国民医療費につきましては見直しの作業をいたしておるところでございますが、先ほど申しましたように、それ以後の十年後といったようなことにつきまして、どうもまだ、ちょっと手がついてない、こういう現状でございます。
○川本委員 ちょっと話はまた横へそれるような形になりますが、政管健保の保険料負担は現行法では千分の八十ですね。先ほど来、診療報酬の改定の問題で森井委員から、薬価基準の問題、薬価調査の問題等も絡めて、いろいろ論議をされておりましたが、薬価調査の結果は大体年内に公表できるように努力をする、診療報酬については、まだその機は熟していない、こういう大臣の答弁でしたけれども、大体カキは色づくと赤くなるのですが、機が熟するというのは、どういう色になったら熟したことになるわけですか。
○園田国務大臣 改定後二年半を経過しておりますし、その後、経済社会の環境は変わっておるわけであります。したがいまして、いつの日にか診療報酬の改定も考えなければならぬと思いますけれども、いまはまだ考えていない、こういう意味であります。
○川本委員 先ほどもお話があったように、さきの齋藤厚生大臣が年度内にやるとかいうような約束を日本医師会としたとかいうことが報道をされておる。そういう中で来年の二月、三月の時期に診療報酬の改定が行われるのじゃないかと言われている。もし仮に診療報酬の改定をしたら、現行法のままでいっても、いわゆる政管健保の保険料負担というのは千分の八十ではおさまらぬ。そうすると法律を改正しなければ、もうどうにもならぬところにまで来ているわけですね。 大体、診療報酬を改定すると千分の八十五になるとか六になるとか言われておるけれども、将来、先ほど来の国民総医療費の伸びとの関連において、昭和五十八年の二十兆二千八百億、こういう国民総医療費になった段階では、推定で政管健保の保険料率は何ぼになると政府は見ておるのか。さらに、いまから十年先の六十五年には何ぼぐらいになるのか。先ほど国民総医療費の推計はしてないと言いましたけれども、仮に一五%の伸びとして五十兆になり、あるいは七十五年に二百兆を超えるというようなことになったら、健康保険の保険料というものは大体、推定どのぐらいなければ賄えないのか、その辺について政府はどのように考えているのか。
○大和田政府委員 具体的な問題といたしまして五十八年度推計でございますが、その推計といたしまして政管健保の平均標準報酬の伸び率が一体どうなるかという問題が一つあるわけでございます。これは従来の傾向からいくと約八・六%伸びるということで計算を進めていくことが必要かと思いますが、それを前提にいたしまして計算を進めてまいる。もう一つの前提といたしましては、国民医療費の伸びが一体どうなるか、五十二年から五十八年への伸び率というものを実は使っておるのでございますが、その伸び率を使いまして推定をいたしますと、所要保険料率は政管では千分の百四になる。こういう非常に単純でございますけれども、国民医療費二十兆二千八百億を基礎にいたしまして計算いたしますと所要保険料率は千分の百四にまでなる、こういう計算が出てまいります。
○川本委員 そういう計算で五十八年で千分の百四、いまから千分の二十四上がるわけですよ。それで先ほど来、出ておりますように年金法で御説明いただいた老齢人口比率というものとの勘案において、十年先あるいは二十年先、三十年先、こういう場合の推定保険料率というものは政府は考えていない、六十五年も全然考えていない、どうですか。
○大和田政府委員 先ほど来、申し上げておりますように不確定要素が非常に多いものでございますので、不確定要素をそのままにしておいて推計するというのは非常に危険な作業になるということでございますので、私ども、その推定はやっていないわけでございます。
○川本委員 これは大臣にお聞きしたいのですが、不確定要素が多いから、いまから推計できないと言いますけれども、二十年先、三十年先には必ずやってくる。八〇年代は不確定の時代だと言うけれども、人間は年に一つずつ年がいくということだけは確定しておるのです。だから一つずつ年がいくことは間違いないのだから、そうなると二十年先、三十年先、日本の老齢人口の比率がどうなって、そこで健康保険の制度がこのままでいくとすれば、どのような保険料率になる、こういう数字ぐらいは持たなければ、医療行政や健康保険の改正を論議する資格はないと私は思うわけです。 そうすると厚生省は目先だけを見てやっておるのか、目先の五十八年までだけを見て、いま制度をいじくったり法律をいらっておるのかということになる、そういうそしりを免れない。やはり日本の国の将来をどうするかという観点から考えれば、十年先、二十年先の推計を持って、その上に立って確固たる方針を決めなければ健康保険制度の改正は語れないと私は思うわけですが、厚生大臣どうですか。
○大和田政府委員 先ほど申し上げましたように一五%の内訳でございますが、たとえば人口増は〇・九四%というようなことではじいておる、自然増は九・〇二、医療費改定は年間四・四三、こういうような率を使っておるわけでございますが、果たして現今の社会経済情勢において、この自然増九・〇二というのは、そのままいくか、あるいは医療費改定が年平均四・四三というようなことで推移するであろうかといった問題につきましては、実は、まさしく不確定要素が多過ぎるというようなことになるわけでございまして、今後の推移というものは、将来十年後、二十年後という推計はきわめてむずかしいということにつきまして御理解いただきたいと思います。
○川本委員 私は、そんな、やみ夜の中でつえを失うたような論議はできないと思うわけです。健康保険の改正案もここまで押し詰まってきておるのですよ。その時点で十年先、二十年先のわが国の健康保険がどうなっていくんだ、その中で国民の負担はどうなんだということを明確に指し示さないで、目先だけを語るようなことでは私は断じて納得できないわけです。 私も先ほど来いろいろ論議をしてまいりましたけれども、仮に年金の問題にしても、西ドイツのように将来は千分の百八十、あるいは千分の二百になるかもしれない。健康保険についても、いまおっしゃったように、もう昭和五十八年で千分の百四というのが推定されておる。それから急速に老齢人口は進むわけですから、そうなってくると将来、国民の年金と健康保険の負担というのは、仮に健康保険の方が千分の三百にもなるおそれはありますね、二百兆円にもなれば。千分の三百にもなり年金の方が千分の二百になり、そうなると労使で折半したって千分の二百五十。所得の二五%が健康保険と年金の保険料で払われなければいかぬ。こうなると国民生活というのはもちませんよ。いまの制度のままでいけば明らかにもたないことは、そういう数字から推してもわかると思うわけです。まして、税金の方は課税最低限がありますから課税されませんけれども、健康保険は所得のある者は全部かかるのですから、もう低所得者層は、いわゆる所得に切り込んで、生活費に切り込んで保険料を負担しなければならぬ。これはもう生活もできなくなりますよ。そういうようなことを、いま政府は、厚生省はどう考えておるのか。そういうことを全然頭になしに目先だけ考えておるのか、そういう議論になりますね。その辺ひとつ厚生省のはっきりした態度を私はお聞きしたい。そうでなければ納得できないわけです。
○園田国務大臣 急速な高齢化社会は厚生省の方では一八・八%、それに何年、こういうふうに立てておるようで、私も聞いております。しかし、いろいろな学者の発言やシンポジウムの討論等を見、数字をながめてみますと、私もやはり一八・八などという甘い数字ではなくて二〇%を突破することは間違いない。しかも、その年限も非常に縮まってくる。しかもピークというのは、どんなにうまく手を打っても二十年から二十五年は続く、こういうふうに判断をしております。そういう時期で、委員の言われたことは大いに、われわれは勉強し参考にしなければならぬところでありまして、見通し等についても、いろいろな計算の基礎数字がいろいろ不確定でございましょうけれども、その中でも努力をして、やみ夜の中でも道を歩けるように何とか目標だけは立てて、変わってきたら逐次修正する、こういう方向で行かなければならぬということは御指摘のとおりだと思います。
○川本委員 大臣から御答弁をいただきましたので、やはり修正すべきところは修正をして、そして、きょう、ここでと言ってもだめですから、また、できるだけ早い機会に、私も十年先、二十年先のそういう医療費の動向や、あるいは、それに伴う保険料率がどう変わっていくか、こういう見通しについて、もう一度質問をして、そこでお答えをいただくようにしていきたいと思うわけです。 そこで話はちょっと、また横へそれますが、いま国民健保の中に占める老人の割合はどうなっていますか。六十五歳以上あるいは七十歳以上、七十五歳以上、こう三つくらいに分けていただいて、六十五歳以上の人はどのくらいのパーセントおられるか、七十以上はどのくらいか、七十五以上はどのくらいか、こういうふうにお答え願いたい。
○大和田政府委員 昭和五十四年度でございますが、六十五歳以上一四・三%、七十歳以上八・七%、七十五歳以上四・七%というふうになっております。
○川本委員 国保の中で六十五歳以上の老人の、いわゆる老人医療費の占める割合はどうなっていますか。
○大和田政府委員 手元では七十歳以上を持っておりますので、これを七十歳以上で御了解いただきたいのでございますが、老人医療費支給対象者は七十歳以上、これの国保医療費に占める割合は、年度は五十三年度の数字でございますが二七・七%ということになっております。
○川本委員 これは大変なことですね。国民健康保険の中で七十歳以上のお年寄りの方がおられる割合は八・七%、そして、その方々が受けておられる医療費の比率は二七・七%、四分の一以上ですね。お年寄りは有病率が高い、受診率も高い、そして入院日数も長い、そういうことのために、こういうふうになっておるわけですけれども、大体、共済組合とか、あるいは政管健保とかに入っておられた方が六十歳を過ぎて定年になり退職をする、そして最後は皆、国民健康保険に落ちついていくわけですね。だから、いま老人医療費というものの負担が全部、国民健保にしわ寄せされておると言っても過言でないと私は思うわけです。 そこで老人保健医療制度、第一次試案、第二次試案とあるそうですけれども、あの第一次試案を拝見しますと、いま制度審議会でいろいろ論議されておるようですけれども、それから見ると四十歳以上の国民に対しては疾病予防あるいは健康管理等の給付をしていく。そして六十五歳以上の寝たきりの患者あるいは七十歳以上の方は全員に対して医療給付とリハビリ給付をやっていこう、こういう趣旨から成り立っておると思うのですが、いま寝たきり老人というのは一体どのくらいおられるのですか。
○山下政府委員 一昨年、昭和五十三年の厚生行政基礎調査、この数字によりまして、調査日当日寝たきりであられる方でございますね、ワンデーのサーベーその日に寝ておられたという方が六十五歳以上人口に対しまして三・九%、三十八万六千人、その調査日当日からさかのぼりまして過去半年以上寝ておられたという方につきましては三・一%、約三十万人という数字でございます。
○川本委員 その方々は、養護老人ホームとか特別養護老人ホームいわゆる施設におられる方と在宅の寝たきりの方とでは、どうなっておるのですか。
○山下政府委員 ただいま申し上げました数字は在宅の寝たきり老人の数でございます。このほかに特別養護老人ホームというのが主として寝たきり老人を収容している施設でございますが現在、約八万ぐらいの収容です。五十三年当時に合わせますと七万ぐらいになりますでしょうか。そういう特別養護老人ホームの収容をいたしております。
○川本委員 この前、私が質問したときには、施設におられる六十五歳以上の寝たきりのお年寄りは、特養で約十五万人ぐらいおられるというような答弁を二年ほど前にいただいたことがあると思うのですが、いま八万。仮に八万として、これで寝たきり老人については大体約五十万人になりますね、在宅と施設入居者を合わせますと。そこで、これから十五年後あるいは二十年後、どのくらいに寝たきりの老人の数がふえるという推計を持っておられるわけですか。
○山下政府委員 いろいろな条件なり環境の変化がございますので正確な推測が困難であるわけですが、ただいま申し上げました五十三年における厚生行政基礎調査における、いわゆる寝たきり率これを、老齢人口が伸びてまいりますので、その伸びてまいります老齢人口に掛けまして推計をいたしておるわけでございます。先ほどの六十五歳以上につきましてのワンデーその日寝たきりであるという方が三・九%ございますが、いま申し上げましたように五十三年で三十八万六千人、この数字が昭和六十年では四十六万四千人、昭和六十五年では五十四万二千人、それから昭和七十年では六十四万四千人、大体そういったような推計をいたしておるわけでございます。
○川本委員 そうすると将来、仮にそういう推計によって、老人人口の中に占める寝たきり老人の比率が変わらないものということで計算すると、あと十五年たって七十年になると在宅で六十四万人余りになる。そこで仮に施設が十五万人程度入れるようになっておるとしましても、その時期になりますと八十万人を超えますよね。これもまた大変なことだと思うのです。その方々の医療給付も今度は全部、老人保健医療制度の中でするわけですね。特別養護老人ホームは現在でも一人のお年寄りを入れると大体月十五万円くらい要るんじゃないですか。そこへもってきて医療費は別です。医療給付は別ですよね。そうすると将来の日本の寝たきり老人に対して老人保健医療制度そのものによって賄おうとすると、財政支出は莫大なものになってくると私は思うわけです、リハビリもついておるわけですから。そうなると、これは国保の財政からも拠出金を取るんでしょう、国保の財政はパンクしますよ。その場合の国保の財政はどうしようという意図ですか。厚生省はどのように考えておるんですか。
○大和田政府委員 今後、老齢者が非常に多くなりまして確かに深刻な問題が出てまいります。これにつきましては老人保健医療制度の現在の基本的な見直しというようなことをやることによりまして何とか切り抜けていきたいというふうに考えておるわけでございますが、非常に深刻な問題になるというふうに考えております。
○川本委員 深刻な問題になるという程度じゃないでしょう。ぼくは、この問題は高齢化社会の最大の課題だと思うのです。これで国の財政はパンクしてしまうんですよ。国民一人一人の生活もパンクしてしまうんですよ。そういうことを予測しながら、国民の前には、深刻な問題でございますと言って当面語ろうともしない、そういうことの中身を国民に知らそうともしない。目先だけで、いま厚生行政は高齢化社会が来るぞ来るぞと国民をおどかしながら逃げ切ろうとしておる。そういう逃げの政治じゃ二十一世紀の日本の国はもちませんよね。二十年、三十年先を見通した医療制度の抜本的な改革、老人保健医療制度の創設、そういうものでなければ、こんなものは今日、国会で語る資格はないと私は思う。その点、深刻なものでございますというんじゃなしに、そういうことを見通して、はっきりした厚生省の方針、態度を決められるのはいつですか。
○大和田政府委員 そういう問題に対処するということから、すでに老人保健医療制度の策定を進めておるわけでございますが、これらの老人医療制度の推進によりまして、国民の共同連帯による負担という形のものにしていくことによって、これは一国保の問題でなく、もっと大きな幅広い負担によって切り抜けていかなければならぬということでございまして、老人保健医療制度の創設に努力しておる、こういうような段階でございます。
○川本委員 厚生省の第一次試案の中では、いわゆる費用負担の割合について「保険者きょ出金」ということで「各保険者のきょ出金の額は、きょ出金額を加入者の数によって被用者保険及び国保に案分し、さらに加入者の所得によって各保険者に案分した額とする」。これは明確に書いてあるんですよ。方針は出ておるんです。これでいったら国保はパンクすると私は言っておる。先ほど来の質問の中で明らかになったように高齢者の比率が高い。まして、その医療給付、医療費総額が非常に大きなパーセンテージになっている。だから加入者の数によって案分をするのだ、これでは、どこまでいっても国保はいまと同じことです。どうなんですか、その点、費用負担についてはどう考えておるのですか。
○吉原政府委員 いまお話のございましたように現在の老人医療制度におきましては、老人医療の費用負担が各保険制度によって非常にアンバランスがある。特に国民健康保険の負担が重くなっているということが一つの大きな問題点でございまして、そういった点を是正するためにも新しい老人保健医療制度のあり方を検討しなければならないということで作業を進めているわけでございます。 試案の考え方といいますのは、そういった老人医療制度を国なり地方公共団体なり、それから現在の各医療保険制度が共同で財源を拠出いたしまして公平に分担をしていこうという考え方でつくっているわけでございまして、そういった意味におきましては、いま申し上げましたように現在、重くなっている国民健康保険の負担というものを公平な負担に、実質的には軽減するような考え方で試案をつくっているわけでございます。
○川本委員 時間がありませんから話を次へ進めますけれども、ともかく、わが国の高齢化社会が二十年も三十年も続くわけですから、その中で、わが国の財政をどうするのか、保険の財政をどうするのか、年金の財政をどうするのか、そして国民の負担をどうするのか、いわゆる老人保健医療制度だけではなしに、こういうこと全部を通じての基本的なものをきちっと踏まえた論議をしなければ、その中から切り離して老人保健医療制度だとか健康保険の制度、年金の制度を個々ばらばらに検討して、お互いに議論し合っても、私は、それは将来のためにならぬと思うのです。だから、その点については十分これを踏まえて、老人保健医療制度が次の通常国会に提案されるときに、健康保険についても一緒に論議するのが正しいのではなかろうかと考えておるわけです。 そこで話を、もう少し向こうへ進めてみたいと思うのです。 この間から所沢市の芙蓉会富士見病院の乱診乱療問題が大きなニュースになりました。厚生省にも、国民の信頼を回復するためのプロジェクトチームを設置をして、四つの分科会をつくって、いろいろ検討をされておる、このように、この前の十六日の私の質問に対しても厚生大臣がお答えになりました。その節、私は、こういうことを繰り返さないためにも医療相談の窓口というものを全国の各都道府県につくったらどうだということを御提案を申し上げましたところ、大臣も全く同感だというお答えをいただいて、早速、新聞報道によると厚生省は十一月中にも全国の都道府県に、医療に関する苦情や相談を受け付ける医療相談コーナーともいうべき窓口を設けるということで作業を進めておられるというふうに、大臣が国会で答弁されたことに対して非常に迅速に対応しておられることに敬意を表する次第です。 ところが、これに対して日本医師会の方から、こういう医療相談の窓口をつくるということは「こうした発想は、医療に対する行政責任を放棄し、国民を扇動して、暗黒国家における人民裁判的要素を導入しようとするもので、絶対に容認できない」こういうことで、きのう二十九日に厚生省に強く申し入れたというふうに、これは新聞が報じておるわけです。日本医師会から、こういう国民を扇動し人民裁判に類するものだという抗議を受けたら、いままで厚生省というのは武見会長に弱いですから、勇ましいことを言っておっても最後はつぶれるわけですが、園田厚生大臣はそういう方でないと私たちは確信しておりますが、医師会からそういう申し入れがあっても厚生省の方針は変わらないわけですね。
○園田国務大臣 医師会の理事会の名前で、そういう趣旨の申し入れを受けました。これは私がやろうとすることに対して非常な誤解があると存じます。私は人民裁判だとか、患者とお医者さんと隔離しようなんということは考えておりません。これは衆参両方を通じて各委員から具体的に私に教えていただいたことを基礎にして、いま話を進めております。各県の衛生部長の会議に医務局長が出向きまして、この趣旨を説明して協力を求めたところ、衛生部長は全然反論はございません。そればかりでなく、私の地区では医師会の方から、ぜひやれという激励を受けておりますというのが二、三カ所ございました。しかも、これを提案された委員の方はお医者さんが非常に多いわけでありまして、私のところへ手紙がたくさん来ますが、それは、まじめなお医者さんから、不道徳な医者と、まじめにやっている自分たちと、ちゃんと区別するようにやってくれという御意見が強いわけであります。 私の考えは、医療に関する相談コーナーというものを設けて、そして国民の方からいろいろ相談を受ける。それは厚生省が、いままでの消極的な立場から、進んで積極的な立場に変わって行政の責任を負わんとする姿勢でございます。これは暫定的になっておりますが、この暫定的というのは、その目的を達したら、これを廃止するのではなくて、将来は、その地域の住民の方々が医療に参加できるような、国民が主人で医療に従事する人はこれに奉仕する方だという機関に変えていきたいと考えておりますので、医師会の申し入れは全くの誤解であると思っております。
○川本委員 現在の医療の荒廃といいますか、医療に対する国民の信頼というものは全くもう地に落ちておる。しかし全部の医師が信頼されないかというと、そうじゃないわけですよね。まじめに、こつこつと一生懸命、本当にお医者さんらしい、そして国民の命を守るために、健康を守るために自分の身を顧みずにがんばっておられる方もたくさんおられるわけです。一部のごく一握りの悪徳の医者が、あるいは芙蓉会富士見病院のような事件を起こしたり、あるいは水増し請求とか、いろいろな事件を起こして国民の信頼を失うことに拍車をかけておるわけです。しかし、それをもう一度回復することと同時に、先ほど来いろいろ論議してまいりましたけれども、医療資源の効率的な活用といいますか、そういうことと密接不可分の問題だと私は思うわけなんです。 それで最近のME機器の導入の問題、これは御承知のようにME機器と一口に言われるけれども、最近の医療機械の進歩は目覚ましいものがある。CTスキャナー、これはもう申し上げるまでもありませんがコンピューター・トモグラフィー・スキャナー、脳とか体を輪切りにして撮影するコンピューターつきの機械ですけれども、一台、大体一億から二億と言われておる。これを開発されたヨーロッパ、イギリスとか西ドイツでは現在でも、まだ大体百台から二百台程度だと言われておるのに、日本の国は驚くなかれ、五十三年に三百台ぐらいであったのが五十四年にはもう八百台になっておる。五十五年には、ひょっとしたら千台になっておるかもわからぬ。全く自由です。放任主義ですよ。 一億も二億もする機械を入れれば、一カ月に百万円ぐらいかせがなければ金利も払えない、こういう状態ですから、勢い乱診乱療が起こってくるわけです。富士見病院が入れた超音波診断装置というのは一台、大体五千万円程度のものだと言われている。あるいは血液の自動分析装置等も最近は導入されているし、人工腎臓、レーザーメスというのも最近どんどんふえてますよ。これも大体一台三千万円から三千四、五百万円。特に冠状動脈疾患治療病棟、CCUと言われる施設ですけれども、救命救急センターなんかには最近たくさん導入されています。しかし、こういうものも無秩序に導入していくということになると、それに伴う弊害が出てくるわけです。 やはり将来の国民総医療費をどうやっていくのか、こういうような観点から考えても、ME機器の導入を無秩序に放置するということはできないんじゃなかろうか。それが重複診療とか重複透視あるいは重複投与、いろいろな形になってあらわれてきて保険経済を麻痺させることにつながってくると思うのです。このME機器の導入について、これを将来いわゆる国民的立場から有効に配置をするとか、あるいは自由な導入を規制するとか、一定の基準を設けるとか、そういう意図はありますか。
○園田国務大臣 御指摘のとおりだと、私もそのように考えております。しかしながら高級な機器がどんどんふえております。そればかりでなく近ごろではME産業などと呼ばれておることは、そら恐ろしいことであります。これをいろいろな宣伝に使うために無理する、そのために無理な診察をする、医療費はかさむ、こういうことになっておりますから、厚生大臣の持っておる権限では、なかなかこれを規制することは困難でありますが、だからといって、ほうっておくわけにはまいりません。いま、おっしゃいましたような適正配置、国から補助金も出ているわけでありますから適正配置をして、そして皆さんが、これをそろって使うとか、あるいは輸入についても若干の規制をする必要があると考えます。
○川本委員 この前、新聞で大変議論になりました豊洲厚生病院、ここの水野という理事長は、いわゆる水増し請求というものを公然と新聞で認めておるわけです。その議論の中に、いわゆるME機器との関連があるわけです。二十四時間心電図は普通、外へ頼めば八千円ぐらい取られるが、健康保険では三千円しかもらえない。CT室も健保は五日しかみてくれないが実際は三十日も入る患者もいる。だから三日でも五日、五日でも十日につける。とにかく高い金利をかせがなければ採算に合わない。だから採算に合わしていくために、五日入った人も十日にして請求しておるだけだ、水増し請求じゃないのだ。それが何で悪いのだ、こういうような暴論になっていくわけです。 いまME産業が、先ほど大臣おっしゃったように年間二千五百億とか三千億というような大きな市場になりつつある。そういうものをどんどん導入した病院が今度は、その金利をかせぐために、どんどん乱診乱療、検査づけ、薬づけになっていくわけですから、そういうことを規制しないかぎり、これまた将来の医療費というものを規制することはできない、健康保険の財政を直していくことはできないと私は思うわけです。 この前、これも新聞で報道がありましたけれども、大阪府で川合内科病院というのが、これはいま大阪社会保険支払基金との間に訴訟中だそうですけれども、そこの保険請求を見てみますと、腰痛で青年が診てもらいに行った、そうすると五カ月で検査費用として二百二十七万九千円の請求が保険に出てきた。十九の病名をつけて治療をしたということが書かれておる。同じ病院に、右腕がちょっと痛いというので診てもらいに行った電話の交換手さんが一週間、検査ばかりされて、そして十七の病名をつけられて、検査費用だけで六十七万円の請求が出た。全くもう病気を治そうという意図はないわけです。どうしたら診療報酬がよけい、かせげるか。そのために、あらゆる機器を使って検査をして、病名をつけて、それを保険で請求をしている。富士見病院のごときは、あの超音波診断装置で、胎児が子宮の中におるのを、理事長は無資格ですから見間違って、子宮筋腫だとかなんだとか言ったりして、健康な人の子宮を取り出したり卵巣まで取り出したり、あげくの果てには胎児まで殺してしまう。そんなことをやっておっても、そこにおった院長以下の医師は、いまだに犯罪として成立をしない。まして医者として免状を持って公然と、まだ、これからも治療をしていけるわけですから、こんなけしからぬことを、いつまでも認めておるようでは、日本の医療荒廃から国民の命や健康を守ることは私はできないと思うわけです。だから、その点についてのはっきりした政府、厚生省の方針を明確にされなければ困る。 この間、富士見病院の問題が起こりました直後に、私たち社会党は政策審議会会長の武藤山治の名前で、いろいろな措置を講じていただくように厚生大臣にも十月六日の日に申し入れをいたしました。これについては誠意を持ってやっていただいておることは私たちも確認をいたします。しかし患者、被保険者負担を中心とする健保の赤字対策は、このようないろいろな措置を行って医療内容の適正化が全体として進むまで、手をつけるべきではないのだ、こういうことまで私たちは申し上げておるわけですから、やはり乱診乱療、重複診療、重複投資、こういうことをなくしていくために、ぜひ厚生省は決意を持って立ち上がっていただきたい、さらにもう一度、私は確認をしたいと思うわけです。 それからもう一つ、都会では最近、石を投げたら病院に当たるというくらい病院がふえておるわけです。ところが一方で、僻地の無医地区と言われるのが五十二年度で千七百五十地区も残っておるわけです。これはどういうわけでしょう。どこに原因があると思いますか。
○田中(明)政府委員 無医地区につきましては次第に、その数も減少してきておりますが、先生御指摘のとおり、まだ、かなりの数が残っているわけでございまして、主として山間僻地と離島に、そういうような医者がいない地域が残っておるわけでございます。これに対しまして、無医地区の解消等あるいは無医地区に住んでおられる方々に適切な医療を提供するというために、私ども従来から、いろいろ施策を講じているところでございまして、本年度から第五次の計画に入りまして、交通事情等非常によくなっておりますので、僻地中核病院を強化いたしまして、そこからお医者さんを派遣する、あるいは、そこから僻地のお医者さんとの連絡がスムーズにいくようにする、あるいは、お医者さんのいない場合には保健婦さんとの連絡を密にするというような方法。それから従来どおり僻地の診療所等をつくる。あるいは巡回診療をするとか、いろいろやっておるところでございます。
○川本委員 いろいろ御努力をいただいておることはわかるのですけれども、しかし無医地区の解消という問題は遅々として進んでいない。僻地の人の命と都会の人の命と差があるのでしょうか。都会の人は十分な医療機関があって、けがをしても病気になっても直ちに入院できるけれども、僻地の人は、けがをしたり急病にかかっても、なかなか病院に入れない。それを今日、行政が見て見ぬふりをして放置をしておる。だから僻地の人間は死んでしまってもしようがない。いまの日本の力では、どうにもできない。人の命よりお金の方が大事だ。人の命を助けるよりは国の財政や保険の財政の方が大事なんだ、だから、ほっておけ。そんなところで生まれて、そんなところに住んでおるのが、その人の不幸せだ、そのような考え方で、いま、おられるわけですか。
○園田国務大臣 御存じのごとく僻地無医村がまだあるわけでありますが、私のくにが、その数が一番多いという数字が出ているわけでありまして、非常に心配をしているところであります。そういう意味で、また逆に僻地の人こそ、平素から文化に浴していないわけでありますから、その生命と健康を守るということについては僻地の方が重点になると考えて今後、努力いたします。
○川本委員 そうすれば都会ではあり余るほどおられるお医者さんを、なぜ僻地に回せないのか、これは行政の責任ですよ。いま健康保険の保険医の指定というのは届け出制でしょう。届け出制というのは自由診療といいますか、自由開業医制を基本として、私がここで病院を開きたい、診療所を開きたいと言うて、保険医の指定をしてくださいと言ったら、何ぼ、その町でお医者さんがあり余っておっても、過剰なほどおっても、それでも、それは認めていくというのが、いま原則になっているわけです。そこらあたりに問題があるのじゃないかと私は思う。 もう一定率以上の保険医を指定してあるところでは、これは保険者と医療供給機関との契約ですからね。だから、もうこの町では保険医を新たに指定する必要はありません、しかし僻地では、まだおりませんので、そこなら、まだ契約をして指定をしましょうというような保険医の指定制度というものによって、それでも、いや私は保険は要らぬから自由診療、武見太郎みたいに保険は扱いませんということで都会で開業したい、これは自由です。少なくとも保険医の指定を、必要以上に都会で指定するということは乱診乱療のもとになる、保険経済にも大きな影響を及ぼす。そして僻地と都会とのアンバランスを生み出す原因をつくっておるわけです。少なくとも保険医指定これは保険者と医療供給機関のお医者さんとの契約ですから、一定率以上はもう指定をしない、そして僻地であれば、無医地区であれば幾らでも指定をします、こういうことにすれば私はもっと解消できるのじゃないかと思うのですが、そういう点について大臣どう思いますか。
○大和田政府委員 先生の御意見でございますが、実は保険の立場といたしますと、保険医療機関として適当でない、妥当性を欠くという場合には、これは指定を拒むということはできるわけでございますし、そうあるべきだと思いますけれども、ただいまのような場合に指定を拒否するというのは、なかなかむずかしい問題ではないか、かように思っておる次第でございます。
○川本委員 だから私は制度を変えたらいいと思っている。いまの法律ではできないかもしれないけれども、法制を考えて、そういうふうに誘導していく、こういう権限を厚生大臣に持たせなければいけないと私は思うのですが、大臣どう思いますか。
○園田国務大臣 いま局長がお答えしましたとおり現行制度では無理だ。しかし現行制度では、こういう矛盾が出てくる、これは大きな問題でありますから、この届け出制、指定制、こういうことについては早急に検討すべきことだと考えます。
○川本委員 もう時間がありませんのではしょりますけれども、この間、日本婦人会議の方々が産婦人科一一〇番というのを開設された。三日間で八百六十人という大ぜいの方々から、いろいろ医療問題について御意見が寄せられたわけです。これは都会ですよ。その中では産婦人科へ行ったら、問診とか検査も何もしないで、診てすぐに手術します、掻爬しましょう、そういう過剰な診療をしたというのが、八百六十人の中で六十五人も、そういうことを言ってきておられる。いま都会では患者の顔さえ見たら一万円札に見えるのじゃないですか。お客が入ってきた、これで、できるだけ多額な医療費をかせごう、こういうことをやっている。特に、いまの医療費制度の中で、いわゆる正常分娩とか、そういうものを保険外負担として放置しておる、現物給付にしていないというところにも一つの問題があると私は思うわけです。そういう点についても今度の、信頼を回復するプロジェクトチームの中で、ひとつ十分検討していただきたいと思う。 もう一つ、第二薬局の問題があるわけです。第二薬局というのは、お医者さんが処方せんを書いて、それから別の部屋で奥さんが薬剤師で登録して薬局を開いておったら、処方せんを書いたお医者さんの方で一枚について五百円報酬があって、こっちは調剤費として別に五百円もらって、一人の患者で千円、保険からよけい払うシステムになっておるわけです。初めから、そんなことは想定していなかった。これはいろいろな医療機関でも現実に第二薬局というのをつくっていますね。もし一日に二百人患者さんが来たら一カ月にどうなりますか。両方で五百円ずつやったら合わせて月に五百万円支払いがふえるわけですよ。何も労せずして五百万円よけい入る。お医者さんが自分のところで調剤して渡したらもらえないやつが、第二薬局さえつくって、こっちで処方を書いて、こっちで渡せば、それだけで月に五百万円収人がふえる。こんなことを放置しておる。これは国民も知っていますよ。そういうことも第二薬局をどのようにして禁止するのか、医薬分業の正しいあり方というものを、どのようにして推進するのか、これも私は一つの課題だと思うわけです。 そこで、もう時間がありませんので私の意見だけ申し上げて終わりにいたしたいと思いますが、この間、九月三十日の「エコノミスト」に西村周三さんが、いまの医療保険制度についていろいろ論評、意見を書いておられるわけです。最近、診療報酬制度が点数出来高払い制ではもう医療制度が破綻を来すということは世界的趨勢なんだ。だからイタリアでも、もういわゆる登録人頭制、イギリス方式になってきましたよね。世界の傾向も出来高払い制と人頭請負制というものを組み合わせた形に今日だんだん進みつつある。また最近、現代総合研究集団の「福祉社会の実現のために」という提言の中でも登録人頭制というものが提案されてきておる。私は先ほど来、診療報酬制度、点数出来高払い制度の問題については触れませんでしたけれども、また次の機会に時間があれば触れたいと思いますけれども、やはり急速に進む高齢化社会、老人人口がふえる、その老人人口に対する健康管理とか、あるいは治療、医療給付、リハビリ、そういうものは、いわゆる包括的な登録人頭制というものを導入しない限り、ヨーロッパ諸国に見習っていかない限り、もう国民の負担にたえられない、国の財政も個人の私生活もパンクすることは、もう火をみるよりも明らかだと私は思うわけです。どうか、そういう点についても、もう一度検討をしていただきたい、このことを強く要望いたしまして、私の質問、あと、まだまだ質問したいことがありますから、健康保険に対する質問は保留しておきたいと思います。
○湯川委員長代理 この際、暫時休憩し、本会議散会後直ちに再開いたします。 午後一時二十五分休憩 ————◇————— 午後三時六分開議
○山下委員長 これより会議を開きます。 休憩前に引き続き健康保険法等の一部を改正する法律案に対する質疑を続行いたします。平石磨作太郎君。
○平石委員 日本の医療費というものが非常な増高を来しておるわけです。厚生省も、この前、日本の医療費推計というものを発表しておりますが、これを見てみますと、国民医療費の伸びは毎年一五%、このように計算がなされておるわけです。その内容は人口増によるものが〇・九四%、自然増としたものが九・〇二%、医療費改定が四・四三%、こういう内容で一五%の増高が推計されておるわけでして、したがって国民所得に対する対比もだんだんと増高してくる。 こういったような状況の中で今回の保険法が審議をされておるわけでございますが、こういった増高というもの、そして、いまの経済情勢その他を考えてみますと、国民所得の伸びというのは、かつてのような期待はまずむずかしい。そして少なくとも医療費は一五%ないし一六%ぐらいの、いわば二けた台の上昇である。そして国民所得は少なくとも実質においては五、六%といったことが予想されるのではないか。そうなりますと国民所得の伸びの約三倍くらいの伸びを示すという形に相なってくるわけです。ここに日本の医療を支えていく国民の負担能力、そこには限界が出てくるのではないか、このように判断されるわけでございますが、厚生大臣どのようにお考えになっておられるか、お伺いをしてみたい。
○園田国務大臣 適正なる医療費の使用は、御指摘のとおりに今後の保険制度の運営のためにきわめて重要であり、かつまた非常に暗い見通しでございます。この際、この問題については行政府、診療側、受診側、三者がおのおの理解を願い御協力願って努力すべき問題であると考えますが、われわれといたしましては、特に指導、監査の推進、薬価の適正な決定及び健康教育等の推進、こういういろいろな問題で、これに対して全力を挙げて努力をしなければならぬと考えております。
○平石委員 そういった総合的な医療行政といったものが相集まって、この問題に対処ができる。したがって、いま大臣がおっしゃいましたように適正な医療費の確保といったお言葉もございました。いま、この推計の中身は、むだといったようなものが含まれておるのかどうか。ここは保険局長にお伺いをしてみますが、医療費の推計を局長がやったのかどうか知りませんが、この伸びというもの、五十八年度においては医療費は少なくとも二十兆円を超すという数字が出ておるのですが、これには、むだ金と言ったら語弊がありますけれども、どういうような数字があるのか、ひとつお聞かせをいただきたい。
○大和田政府委員 この一五%の伸び率というのは過去の実績から算出いたしまして、それを先ほど先生おっしゃいましたように人口増は幾ら、自然増は幾ら、医療費改定分は幾らということで、この一五%を出したわけでございます。過去の数値をそのまま伸ばしていきましたのが五十八年の二十兆という数字になるわけでございますが、この数字自体が四十年代から五十年代というもののトレンドでございますので、これがそのまま続くものかどうかという問題が一つございます。したがいまして、今後も一五%で続くかどうかという問題は、まだ確定的なものでは、もちろん、ございませんわけでございますが、過去におきましては、こういった数値で伸びてきたということは事実でございます。これに対しまして、この伸び方が果たしてどうか、こういう問題になろうかと思います。 医療費のむだということは医療費の非効率的な使用という意味で考えたらいいかと思いますが、確かに診療報酬の不正請求の問題であるとか重複受診とか薬価と市場価格の乖離といったような問題があることはあるわけでございます。そういった問題につきまして効率的な方向に持っていかなければならぬ、このように考えておるわけでございます。
○平石委員 この一五%が将来もさらに続くかどうかという見通しは困難というお話でございます。だが、いまの趨勢からいったときに、やはり二けた台はどうも伸びていくのではなかろうか、私はこういう感じがしてならぬわけです。したがって先ほども申し上げましたように、これは国民すべてがやはり負担をしていかねばならぬということになるわけでして、ここに当然、効率的な運営というものも出てきましょうし、さらには医療に対する国民の関心も、こういった増高を見ながら高まってくる。そして今回、世間を騒がしましたあの富士見病院、こういった形で医療に対する関心度が非常に高まってきておるわけですが、少なくとも適正な医療費を確保して効率的に原資を使っていくということに当然、私どもは頭を向けてまいらねばなりません。したがって、そういう面から考えたときに、いま大臣のお答えになった、もろもろの諸制度を十分活用していかねばならぬ。そういう中で、わけても富士見病院等に見られたことから考えたときに、医療の監査といいますか、審査といいますか、そういった面についても、いままでの行政において甘さがあったのではないか。この前、厚生省が発表しておりますように、不正請求として十億余りのお金の返還が命ぜられたという新聞報道も出ております。そういったことが、あの事件を契機として出てきたわけですが、常時こういった医療監視という面で、どういう体制になっておるのか、あらまし、お答えをいただきたい。
○大和田政府委員 医療の指導、監査これの体制でございますが、医療指導、監査のための中央、地方における体制というものを整えておりまして、各医療機関に対する指導及び監査の推進を行っておるわけでございます。それで中央におきましては昨年、医療指導監査官を置きまして監査体制の強化を図ってまいったわけでございます。地方におきましては医療事務指導官を置きまして、やはり指導、監査の強化体制をしいておるわけでございます。それと同時に地方におきましては、この指導監査の主体的な核といたしまして医療専門官、これを置いておるわけでございます。これはお医者さんでありますが、この医療専門官を中心といたしまして、指導、監査の推進を図っておるというところでございます。 その結果、各年度におきまして、たとえば昭和五十四年度におきましては、保険医療機関に対しては六千五百件の個別指導を行う。それから監査といたしましては五十四件の監査を行うというようなことで指導、監査の推進を図ってきておるわけでございますが、なお、まだこれから、さらに推進をしていかなければならぬ、このように考えておるわけでございます。
○平石委員 医療専門官の職務の範囲というか、権限の範囲と申しますか、それはどうなっておりますか。
○大和田政府委員 これは健康保険法第四十三条の十の規定によります、いわゆる当該職員ということでございます。この権限の範囲、これは医療機関、医師等の診療内容、請求手続等を監査する権限というものを、これら職員が保有しておるわけでございます。この診療内容等につきましては職務の内容上、医師または歯科医師が医療専門官として診療内容等について当たっておりますし、事務官の方は指導、監査その他の事項について職務を遂行しておる、こういう形になっておるわけであります。
○平石委員 その医療専門官という資格はやはり医師、ドクターである、こういうことでございますね。それから、ほかのことについては、いわば事務官、こういった者で行っておるということ。そこで、そういった方々の定数は大体どのくらいになっておるのか、そして現在、充員ができておるのかどうか、これもあわせてお伺いいたします。
○大和田政府委員 まず本省におきます医療指導監査官、これは昭和五十四年度に新設をされたものでございます。五十四年度に二名新設されたわけでございます。それから地方におきましては、医療専門官は前から設置されておりまして、定員は百七名でございます。それから地方庁の医療事務指導官でございます事務官、これが五十四年度に新設されまして定員が十九名でございます。それが五十五年度におきましては、本省の医療指導監査官、これが二名増員されまして四名、それから地方庁の医療事務指導官、これが増員十四名で累計三十三名、医療専門官は百七という定員そのままであります。それから五十六年度は、またさらに増員要求をいたしております。 ただ、ここで申し上げなければなりませんのは、医療専門官につきましては定員が百七と申し上げたわけでございますけれども、実はかなりの欠員がある。昭和五十五年度では百七名のうち現に充足されておりますのは七十六名。したがいまして充足率が七〇%程度であるというような状況でございます。
○平石委員 そういうことで、いま専門官が充員をされていない、こういうお話も聞きましたが、これは今後やはり増員をし、さらには充員できていないものの欠員の補充は当然のことですが、そういったお考えがおありかどうか。
○大和田政府委員 実は私ども監査の推進のためには、どうしても、この医療専門官の欠員をまず埋めなければいかぬ。さらに増員をしていかなければならない。しかし増員するにしても、それだけの欠員がありますものですから、とにもかくにも欠員を埋めるということに全力を挙げていかなければならない、このように考えております。
○平石委員 この専門官の増員ということはなかなか困難なような、いまのお話でありました。 そこで、その点はしばらくおくとしまして、いまの職務の範囲のところでございますが、この法律によりますと「診療録、帳簿書類其ノ他ノ物件ノ検査ヲ為サシムルコトヲ得」こういうことが出ておりますが、これはやはり診療録ということは医療行為に立ち入って踏み込んでの検査権限がある、こういうことでございますか、どうですか。
○大和田政府委員 先生おっしゃいましたように、診療録を見る、カルテを見るということでございますので、当然、当該医者については、どのような診療を行ったかということについて見るということは当然でございます。
○平石委員 そこで、そういった権限を付与されておる専門官、しかも、この専門官はそういった権限は持っておりますものの、実際お医者さんとして考えたときに、やはり自分もお医者の免許を持って、しかも行政事務を行う、これはお医者さんにとったら酷だ、こう私は思うわけです。行政、特に医療行政の指導者になろうという方々もたくさんいらっしゃろうとは思いますけれども、いまの御答弁にありましたように、いまだ充員ができない。さらに増員についても、なかなか困難を来すというのには、やはりそこに、そういった問題もあろうかと思う。同じお医者さんなら、少なくとも勤務するなり営業するなりして自分で執刀もし、患者を治していく、臨床をやっていく、こういうことがお医者さんになった一つの目的でもあろうかと思うわけであります。そういうように、いわばお医者さん、専門家にとっては非常になじまない、そういう職種の仕事であるというように考えられるわけです。 したがって私は、国も国立病院その他にたくさんのお医者さんを持っていらっしゃる、だから、こういった面等も考えて、そういう人員配置その他については考えなければならぬと思うのですが、そのときに、いろいろと問題になってくるのは処遇の問題、これは勤務医さんと、そういった方々とは、どのように格差があるのか、ここをおわかりになれば答えてもらいたい。
○大和田政府委員 実は、この医療専門官でございますが、これは俸給表は行政職俸給表の適用になる。国立病院等のお医者さん、これは医療職俸給表になっているわけでございます。そういったようなことで差があるわけでございます。しかしながら、これは従来から人事院等の理解によりまして、お医者さんに支給されております初任給調整手当が、医師ほどではありませんが、ついておるわけでございます。ただ、それにいたしましても国立病院の医者に比べまして、かなりの格差があると言わざるを得ない。具体的に申し上げますと、十五年勤続をした方を例にとりますと、国立病院のお医者さんは月に三十七万九千、大体三十八万でございますね。およそ三十八万円程度の月給をもらえる。それに対しまして医療専門官の場合は二十七万二千数百円、二十七万三千円という程度の俸給であるというようなことで、これだけの差が十五年勤続の人について例を挙げますと出てくる、こういうことでございます。
○平石委員 私は、そういうことを主体に聞いたのではないのですけれども、いまのこういったお医者さんの心理的な、この業種に対する一つの考え方、もう一つは一方では処遇の問題、これを考えてみたときに、一方は医療職であり一方は行政職だ。そして、そこには当然、給与上の格差が出てくる、これはよくわかる。これからの適正な医療費を確保していくためには、これでは増員なり、あるいは充員なりといっても、なかなかむずかしいのじゃないか。なり手がない、それはならなければならぬ理由は一つもありませんから。これからさらに効率化を進めていこう、何とか適正な医療費を確保していこうという場合には、こういう面について特段の配慮をしていかなければ、なかなか、なり手がないということになってくるのではないかと私は思うのです。したがって結局、若いお医者さんはならない。いわば息子さんに自分のところの病院はもう任せて、比較的暇になったお医者さんが専門官になるとかいったようなことしか方法がないというような、いまの体制では困るじゃないかと私は思う。こういう点はやはり一考せねばならないと思うのですが、いかがでしょうか。
○大和田政府委員 この医療専門官につきましては、実は、おっしゃいますように採用時の平均年齢が四十八歳と、かなり高いわけです。しかし一面、これらの医療専門官につきましては、かなり高度な医学的な知識と経験というものが必要になってまいります。お医者さんに対する指導、監査というものを徹底して行うためには、やはりこういった経験と知識そういうようなことから見ますると、臨床経験というものが豊富であるということが必要であろうかと思います。そのために、ある程度の期間、臨床経験に携わっておるという方々に来ていただくということも必要であろうかと思います。ただ、それだけでなくて、いま先生がおっしゃいましたように、若いお医者さんでも来ていただければ、これも非常にありがたい。やはり積極的な医療専門官としての活動が期待できるというわけで、そういった面も私どもは期待しておるわけでございます。
○平石委員 方向をちょっと変えまして富士見病院のことをお伺いいたすのですが、この富士見病院の資料を厚生省からいただきました。この資料によりますと、昭和五十四年二月一日と五十五年二月二十五日、苦情を受理して以降、富士見産婦人科病院に対しての指導、監査、立入検査を行った、こうなっておるわけです。この調査の内容はどういうことであったのか、そのことをお答え願いたい。
○田中(明)政府委員 いま先生が御指摘になりましたのは、医療法に基づきました医療監視でございまして、保険の方の監査とは違う性質のものでございます。 医療法によります医療監視につきましては、病院の設備、構造あるいは医療関係の従事者が必要数確保されているかどうか、また診療録等の書類が正確に記入されているかどうかというような点を監視するわけでございまして、富士見病院につきまして五十四年二月と五十五年二月の二回、医療監視を行っておりますが、五十四年二月につきましては看護婦、助産婦が不足しているという点、また五十五年二月の医療監視におきましては職員の定期健康診断が実施されていないというような点を指摘して、その改善に努めさせたところでございます。
○平石委員 いま局長お答えいただいたように、看護婦が不足しておるかどうかということ、それから食品庫の管理が不良である、調理室の中がきれいに清掃されておるかどうか、こんな調査をやっておるわけですね。これには医療専門官がいたのかどうか、一言。
○田中(明)政府委員 医療専門官は健康保険の制度に基づく官職でございまして、私どもの医療監視員は都道府県の職員がなっておるわけでございますが、五十四年九月末現在、全国で五千三百二十七人おります。そのうち事務系が二千五百七十二人、技術系が二千七百五十五人ということで若干、技術系が多くなっておりますが、大体半々ということで、この技術系の中には保健所の医師、歯科医師八百十人を含んでおります。医療監視の際には当然、技術系、事務系の職員が一緒になって監視を行っておるわけでございます。
○大和田政府委員 健康保険の関係につきましても、今月の十六日と十七日、この病院に対する監査を国と県と共同で実施をいたしたところでございます。監査をいたしまして、実は、その監査の内容につきまして、まだ申し上げることもできないわけでございますが、診療録その他の帳簿書類の提出を求めまして、病院の医師等に対して監査官が質問するという形で監査を実施いたしておるわけでございます。その結果を、いま取りまとめ中でございます。
○平石委員 いま保険局長は保険法四十三条によるお答え、それから医務局長さんは医療法からの立入検査のお答え、これは双方に違いがありますか。同じ立入検査の内容において相違があるかどうかということです。
○大和田政府委員 私どもの方は診療報酬の不正ありやなしや、こういうような観点からの監査でございますし、それから医療法上の監査としては、むしろ、その場所等における衛生状態であるとか、その他、これは医務局長からの説明でございますが、そちらの方のサイドからの立入検査で、やはり、この監査の対象なり、やり方は違ってくるというふうに考えていいのではないかと思っております。
○平石委員 私が、これから申し上げたいこと、先ほどの御答弁で医療専門官という職種、これは診療行為に踏み込んで仕事ができるということです。そして富士見病院があれだけのことをした。二回やられて、しかも、あの新聞報道になって事件が起きてから後は、せっせとやっておるわけです。そこで、このように五十四年、五十五年と二回、入っておりますが、苦情が出てきたのは昭和五十年からと聞いております。専門官なり、あるいは、いま田中局長お答えになった技術関係の、地方におけるところの二千何人こういった方々が、医療法から考えても、さらには保険法から考えても、なぜ、このことを防止できなかったか。診療行為に入っていって、そういったことが未然に防止できるというような制度的なものは、いまの御答弁で、あったわけですよ。これが行われてないというところに問題が出てくる。しかも人命にかかわることで、妊婦さんが診察に行くと、これは死んでおりますとか、こんなことを言われて、これは手術をせにゃなりませんと言われる。専門官として充員はしてないけれども、権限、職務の上から、いろいろと苦情を聞きながら、そこがなぜ調査できなかったか、お答えをいただきたい。
○大和田政府委員 私ども社会保険の関連でございますが指導または監査、それで指導をやります場合に、一般的な、たとえば管理者がかわったとか、それから保険医の登録が行われたとかいったときに個別指導をやる場合とか、それからさらに患者からの風評もあるなというときに個別指導を行う場合があるわけでございますが、実は、これは私ども至らなかったと思いますけれども、四十七年に一度、管理者の変更ということで、その富士見産科病院に対する指導を行ったことがございます。四十七年でございます。そのときの記録を見てみたわけでございますが、当時の記録からいたしますと、指導を行いまして特段の特記事項はなかった、そういったようなことになっておるわけでございます。その後どうも私どもの方に問題の指摘等がなかったために、事態がああいうかっこうで発生いたしますまで指導が行われなかったということになるわけでございますが、四十七年に行って、そのときには何もなかったというような経緯があるわけでございます。
○平石委員 何もなかった、何もなかった。実際はあったんですよ。だから、そこが私が指摘をしたいところです。 それで、いま診療行為に踏み込んでまで、できるのだというのだが、保険局の方では、保険請求の上で適切であったかどうか、これが立入検査の観点になってくるわけですよ。だから診療録を見たときに、患者さんとお会いをして、これだけの投薬をしたのか、注射をしたのかしてないのか、あるいは投薬はしてないけれども架空請求になっておるのかどうか、ここを審査するんですよ。それで医務局の方の局長さんの所管においては、診療行為で富士見病院で診察したことと防衛医大で診察したことが違うのだ、おかしい、異常はありませんと言われましたといったような苦情が出たときに、踏み込みができますか、どうですか。
○田中(明)政府委員 医療法上は踏み込んで調査するというような権限は与えられていないわけでございます。
○平石委員 いないのですか。それなら、もうどうなろうとお医者さん任せ。これは困りますよ。私は先ほどから順々に聞いてきた。お医者さんの診療せられるところは聖域です。われわれ素人にはわかりません。だから、これを監査するとか審査するとか、あるいは指導するとかは事実上はむずかしい。だから、いま保険局長さんがお答えになったように、少なくともお医者さんが、専門家がやっておる仕事を評価するのですから、四十八歳以上の、いろいろな事例に当たって臨床経験豊富で、そして、そのお医者さんを指導できるくらいの力量と力を持ったお医者さんでないと、なかなかむずかしいのですよ。だから私は、いま、そういった高い次元に立って指導のできる医療専門官のことをちょっとお聞きしたのですけれども、自分は医者だから、何とか勤務医になったりして医者としての仕事をしたいというのが本音ですよ、お医者さんの技術を持ったら。そんな少ないお金で行政官になろうなんというお医者さんは私は少ないと思う。いま私が富士見病院で指摘したように、なり手がない、しかも、やったところで、たったこれだけの処遇じゃないか。局長から、いま診療行為に踏み込めないという答弁が出たから、ちょっと私その点ひっかかるのです。だから、それだけの高い技術と能力と診療経験を持ったお医者さんでもって、苦情が出て他の病院と比較したときに診断が違う、こういうときには、そこは見ていけるというようにしないと——正常にやっておる者もいて、そんなことはできません。できませんが、どうも、これはおかしいぞ、こういうことがキャッチされたときには、高い見識を持った医療専門官がそこに入っていって事前防止をすることが私は必要だと思う。どうですか。
○田中(明)政府委員 私ども医療法上の立場から申しますと、先ほども御説明申し上げましたように保健所の職員等が、病院の設備、構造等が衛生的に問題がないかどうか、あるいは医療に携わる関係者が、ちゃんと資格を有する者が法律で決められたように配置されているかどうか、さらに診療録等がちゃんと記入されているかどうかという点を調べ、指導するということになっておりまして、診療内容につきましては、この医療監視においては立ち入って調査するというたてまえになっていないわけでございます。 これは医師法、医療法等、日本の医療関係の法令におきましては、国家試験を受けまして十分その知識あるいは技術が認められて医師の資格を獲得した者が、良心的に患者に対して診療を行うというのが基本的な考え方になっておりまして、資格を持った医師が、こういう医師にあるまじきことを行う、あるいは犯罪行為の疑いもあるようなことを行うということを前提として制度が立てられておりませんので、こういう富士見病院のような特異な病院を舞台にした一大犯罪行為の疑いがあるような事件につきましては、現在の法律の立て方からは、なかなか対処できない、やはり、これは刑法その他の法律でもって立ち向かわざるを得ない。 ただ保健所といたしましては、一般に住民の健康、保健ということを預かっておるわけでございますので、そういう観点から、富士見病院につきまして患者さんからの訴えがあり、あるいは、いろいろなうわさがございましたので、一般的な行政指導として理事長を呼んで忠告をした、あるいは防衛医大の先生にも相談にいったということをやったわけでございますが、残念ながら犯罪行為を摘発するところまでは至らなかったわけでございます。
○平石委員 私も、お医者さんの診療行為そのものが非常に特殊なものであり、そこを監査することは、いわゆる行政家としては、なかなかむずかしい、これはよくわかっております。だが、いま御答弁いただいたように、いわゆる臨床経験を持ったお医者さんを国が医療専門官として任命するというのであれば、この事故を防止はできなかったろうか、こういうところからの発言なんです。これはやはり将来考えていただかねばならぬと思うのです。 そこで私は、いまのは一つの例として聞いたわけですが、この専門官が非常になり手がない。しかも、いまの富士見病院で出たように、道徳的に、あるいは職務の上からも大変責任の重い仕事を実はやっておるわけです。そういう重い責任を持ちながら、いまの処遇では、これは後々なり手もないと思うので、この改善については何か考えられることがありますか、ひとつお答えをいただきたい。
○大和田政府委員 この改善につきましては、先ほど申しましたような給与の問題がやはり一番のネックになる。採用時四十八歳というかなり高齢な非常な専門家である方々は、それまで、たとえば公立病院の院長さんであるとか部長さんであるとかいうことをしておられる。それをやめられて、こちらの方の医療専門官についていただく。そういった場合、やはりどうしても給与が低いといったことが、来ていただく場合のネックになるわけでございますので、何といたしましても、まず、その給与における処遇改善に努力していく。これにつきましては従来から努力をしてまいったわけでございますけれども、近年このような関心が非常に高まっておる折からでございます。大蔵省あるいは人事院等の理解もかなり急速に深まっているというふうに私ども理解しております。なお今後とも、その面につきまして一層の努力をやっていきたい、私ども、このように思っておるわけでございます。
○平石委員 いま医療費の増高さらには不正請求とか、私たちの聞きにくい、いろいろな問題があちこちから出てまいります。医療専門官については、そういったことをよく監査してもらい、仕事に精力的に取り組んで働けるような体制に厚生省がやっていただきたい。そして、いま世間で言われるようなことの再び起こらないように、特にお願いを申し上げたいと思うわけです。 もう一つ、お聞きをいたしますが、富士見病院の事例がちょっと出たのですけれども、医師会との間の申し合わせ事項、これは昭和三十五年にできた、このようにお聞きをしておるわけですが、これはまた、それなりの一つの目的があったとも伺っております。したがって、この立ち会い云々ということについては、やはり指導、監査についての医師会の協力といったようなことが主として申し合わせになっておる、こういうことでございますが、このことについても、やはり北野のような悪徳医を結果的には守るような形での運営ということがあってはならない。まじめにやっていらっしゃる多くのお医者さんが迷惑をする、こういうこともあわせ申し上げておきたい。 最後に、いま申し上げたことについて厚生大臣の決意をお伺いいたしまして終わらせてもらいます。
○園田国務大臣 いま言われました専門官というのは、まず第一に豊富な臨床経験、それから各科目にわたる高度な医学の知識、その上に医師または患者、地域住民から信頼される方でなければならぬ。いま局長から答弁いたしましたが、専門官の仕事は、ただ病院の施設が適切であるか、あるいは規定された道具がそろっておるか、人員が充足されておるか、こういうことではなくて、診療そのものの立ち会いはできなくとも、たとえば富士見病院の例をとりますと、専門官が的確にやり、そして人員が豊富であって、やっておれば、ある期間の中に、これくらい子宮、卵巣の摘出があるものかどうかという疑問がすぐ出てくるはずでありますから、何とかして事前にわからなかったものかという疑問を、いまでも私は持っております。 したがいまして、本当に優秀な専門官を確保するためには、やはり言われました処遇の改善が急務でありまして、処遇改善をして優秀な専門官を確保する。そして専門官の全知全能を挙げて、出てきた徴候からいろいろのことを予測する、こういうふうに持っていかなければ、いまのように年とった専門官が一生懸命やって二十何万、その人が子供を抱いてやって出てきたものが一カ月に何百万ということでは、とうてい優秀な専門官は出てこない、これについては急速に改善すべきものだと考えております。
○平石委員 以上で終わります。
○山下委員長 米沢隆君。
○米沢委員 まず最初に、保険財政の問題についてお伺いしたいと思います。 御承知のとおり、政管健保財政は四十八年に多額の赤字をたな上げいたしまして、その後にたまった累積赤字が五十四年末で千二百九十億と言われております。今後も赤字含みで推移することが予想されておりまして、それゆえに今回の健保改定法案が保険財政の安定対策の一端を担うための提案になっていることは御承知のとおりであります。 私どもは、この保険財政を健全なものにしていくために、もともと保険でありますから、まず第一に適正な保険料、第二に適正な一部負担、特に保険は健康人で支えられているという一面もありますから、受益者の一部負担は適正であれば当面受忍すべき問題だと私は思っております。第三に社会保障的な見地からの国庫負担、この三者がバランスよく保険財政を維持していくことが理想だと考えておるわけでありますが、まず最初に大臣、これは間違っておりませんね。
○園田国務大臣 そのとおりであると考えております。
○米沢委員 そこで私どもは、保険料については、たとえば給付の改善がある、あるいは健全な医療費の増大等に見合いまして一面引き上げざるを得ないであろう。しかし、そのためには医療費のむだを省き、合理化を徹底するとともに、たとえば労使負担割合の調整、高額所得者に適用される保険料の上限の引き上げなど適正負担の条件を整えるべきだと考えます。 第二に、一部負担につきましては、保険外負担の軽減と相まって適正な額にまで引き上げることは、これまたやむを得ないであろう。何もかも、ただであれば結構でありますけれども、すべてただにしろ、金がなかったら防衛費を削れ、そんなばかなことは、われわれは言えません。 第三に、国庫補助につきましては、従来から申し上げておりますように、確かに、いま政管健保で給付費の一六・四%、組合健保で事務費の一部が行われておりますけれども、国の財政の現状、公費医療負担や高齢者医療、年金その他社会保障費用の増大見込みから見まして、国庫補助の増大に期待をかけることは、そう簡単ではないということは重々わかっております。しかし現在、政管健保では国庫補助が財政調整的な機能を果たしておることも考え、同時にまた、先ほどから議論になっておりますように富士見事件等々やらねばならないことを放置される、あるいはできなかった、それゆえに保険財政が赤字含みであることを考えたときに、政府の責任の一端も考えて保険料率の引き上げに伴って国庫補助引き上げを行う現行方式を踏襲すべきだと考えておるわけでありますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。
○園田国務大臣 理論はおっしゃるとおりだと思いますが、現実問題として、すでに国庫補助率が一六・四%の高率に達しておりまして、現下の厳しい国家財政の状況から見て、当分の間は国庫補助を他の負担その他に応じて上げるということは実施不可能なのではないか。したがいまして、財政再建ができた暁には、いま、おっしゃったような正しい道理に従ってやるように努力すべきだというふうに考えております。
○米沢委員 大臣の答弁はわからぬわけでもありませんけれども、たとえば、いま医療保険制度に対する国庫負担を調べてみますと、政管健保は、いまおっしゃったように一六・四%、組合健保は事務費船保は定額補助、日雇いは事務費プラス三五%、共済は国庫負担なし、国保は四五%プラス臨時財政調整交付金等々、医療保険そのものに対する国庫負担のあり方が、それぞれ違っておるわけですね。こういう差異は一体どこから出てきておるのですか。
○大和田政府委員 これは国庫負担のそれぞれの沿革ということになろうかと思いますけれども、政管健保につきましては所得の低い階層が多いということ、高齢者が多いということが国庫負担の根拠になっておるものと考えております。国保、国民健康保険につきましては事業主負担がない、あるいは所得の低い階層が多い、高齢者が多いということが国庫負担の根拠になっておるわけでございます、また日雇いにつきましては、さらに政管健保よりも所得の低い階層が多い、高齢者が多いといったようなことが国庫負担の根拠になっておる、このように考えておるわけでございます。それぞれ沿革的な経緯があるわけでございますけれども、考え方の根拠は以上のとおりであるというふうに考えております。
○米沢委員 各制度とも国庫負担のあり方は、そういう意味で、それぞれの沿革的な経緯を持って定められておる。それで現在にきておるわけでありますが、特に政管が今度、連動をなくすという規定をつくることは、政管に何か事情の変更があったのですか。
○大和田政府委員 問題としては、実は現在のような国の財政事情が、どうしても、それを無視できないわけでございまして、一六・四%という国庫補助の率それ自体が他の制度に比較いたしまして決して低くない、むしろ高いという感じのものでございますので、これ以上、連動して引き上げることは、どうしても無理だ、こういうような判断によるものでございます。
○米沢委員 財政事情が悪いのは一般的なことです。ほかの医療保険の国庫負担のあり方等についても政管と同じレベルに、財政が大変だということはあろうと思うのです。にもかかわらず政管だけがやり玉に挙がる。いまのお話を聞いておりますと、ほかの医療制度、保険制度の国庫負担等も将来はさわるような、いじるような感じにとれるのでありますが、その点どうなんですか。
○大和田政府委員 ただいま政管健保におきまして問題になりますのは、保険料率の引き上げによる連動という、この仕組みの問題でございます。この仕組み以外に給付費に対する一定率の国庫補助、それが現段階におきましては一六・四%まで及んでおるわけでありますが、この給付費に対しますところの一定率の国庫負担という考え方で進んでいこうということでございまして、たとえば日雇い健保につきましても、やはりそのような考え方で、これは保険料率を上げるということによる連動ではなく、三五%という、給付費に対する一定率の国庫負担になっておるわけでございますので、これを下げるということは私ども全く考えておるわけではございません。
○米沢委員 となれば、たとえば、いまのように連動して上限がないままに、ずるずると伸びていくというのではなくて、原案の提案にありますように二〇%を範囲内にして、その間まで連動していくという思想をとっても何もおかしくないという議論になりはしませんか。
○大和田政府委員 原案の、一六・四%から二〇%までの範囲内において政令でもって補助率を定める、この考え方は、原案におきますると御承知のように薬価の一部負担をお願いすることによりまして給付率を現在よりも下げて二〇%程度の負担をお願いする。その結果、給付費自体がトーンダウンしていく。そうなった場合に一六・四%という率自体は、つまり国庫負担の額の範囲内で検討いたしますれば一六・四%という率は変動し得る、こういうこと。それが一六・四%から二〇%の範囲内において変わり得るということで、原案のような仕組みをとったわけでございます。
○米沢委員 そうすると、いまおっしゃるような一六・四%から二〇%の間で政令で定めるということは、いま国庫負担が担っておる額をまず一定にして、現在の高にして、あと給付率によって数字が違うだけ、ただ、それだけのことですか。
○大和田政府委員 基本は、したがいまして一六・四%という国庫負担というものが妥当なものであろう。それで、その上下といいますか、その変わり方というのは給付率の相違によるところの、国庫負担の額の範囲内で変わり得るものである、先生のおっしゃったとおりでございます。
○米沢委員 再度、確認しますけれども、一六・四から二〇%の間で政令で定めるということは、いま一六・四%に相当する国庫負担、この額をそのまま維持しながら、給付のあり方いかんによっては、その数字がただ違ってくるのにすぎないということですか。
○大和田政府委員 むしろ結果的にそうなるのかもしれませんが、健康保険法に対する国庫負担の率というもの、給付費に対して一六・四%という率そのものが、まずスタンダードなものとして妥当である。しかし、それは多少の変動はあり得る。その変動は、先生おっしゃいましたように、その基準といたしましては給付率というものが下がってくる、そうなると国庫負担の額の範囲内において、その率を変えても、しかるべきであるという考え方に基づいております。
○米沢委員 いままで、われわれが説明を聞いたのと、ちょっと違いますね。一六・四から二〇%の間で政令で定める、しかし当面は一六・四にしようというのでしょう。換算したら一八・二かな。一八・二にとどめるということでしょう。しかし政令で定めるということは、今後いろいろな医療を取り巻く状況の変化に応じて社保審に審議をかけて、まだ国庫負担が金額的にも大きくなる可能性はあるということで、われわれは見ておるんだけれども、そうじゃないの。
○大和田政府委員 当面の問題として私どもの考えておりますのは、再々、先ほど来申し上げております、そういう考え方でございます。
○米沢委員 だから当面は、いま一六・四を換算して一八・二にする、金額は一緒ですな。当面はそうだ。しかし、あの規定の仕方は二〇%というのを限度内にして、今後いろいろな医療事情等の変化に応じて政令で上げることもあり得るということじゃないのですか。そうじゃないの、金額を一定にするだけ。そうであれば法案の書き方が大体おかしいよ。国庫負担は現在、負担しているその金額そのものにしますという提案をしなければおかしいよ。そうじゃないかな。
○大和田政府委員 国庫負担の規定の仕方としては確かに先生のおっしゃるような規定の仕方もあろうかと思います。しかし私どもの選択といたしましては、当面は従来の国庫負担率というものを、規定の仕方として採用したというふうに考えていいのではないかと思います。
○米沢委員 それならば政令で、いま定めるわけですな一八・二と。その後、政令で二〇%の範囲内で定める発動条件は何なの。事情の変更があったら二〇%を上限にして政令をまた新しくつくり直して、一八・二から、たとえば一九とか一九・八とかする可能性はあるのでしょう。
○大和田政府委員 先ほどの繰り返しになるわけでありますが、先生おっしゃるように、それは率自体は変わり得る、その変わる物差しとしては給付率の変動である、こういうふうな考え方でございます。
○米沢委員 それならば、たとえば今度、政令で一八・二と決めるけれども、給付率によって、その率が違ってくるから、それが政令で定めるものであって、これ以上いま負担している金額から超える国庫負担はないという提案ですか、あれは。
○大和田政府委員 当面の考え方としては、そのような考え方でセットした、こういうことであります。
○米沢委員 当面は当面だけれども法律はそのまま残るのだからね。いま提案される段階では、その中身はそうだとわかる、それは。しかし、あんな法律になっておったら、当面を除いたときはどうなるの。当面が終わったときには、それじゃどうするの。当面がずっと二十年も続くの。
○大和田政府委員 実は現在のような財政事情等のもとにおきますと、やはり、その当面というのはしばらく続くのではないか、このように考えておるわけでございまして、これは何も二十年も続くかどうかということではないと思いますが……。
○米沢委員 現在の法律はどうなんだ、提案されている法律では。
○大和田政府委員 現在、考え方はそのような考え方で決めております。
○米沢委員 これは大変な詐欺だな。一六・四から二〇の間で政令で定めるというのは、たとえば医療費が急激に高騰するとか、給付の改善があるとか、国庫で何らかの形で金をふやしてやらぬと困るときがあるだろう。そのときに上限を二〇%とした範囲内で国庫負担の率、額を変えることがあると、ぼくら聞いたんだけれども、いま、あなたのおっしゃることを聞いておったら、現在の国庫負担そのものの額は変わらないように、ただ給付率の相違によって自動的に数字が変わるだけでございますなんという、これは詐欺じゃないか、こんな法案は。そんな説明を受けたよ、ぼくらは。
○園田国務大臣 いまの問題は、政府原案に盛られた法的なたてまえから言えば先生のおっしゃるとおりでありまして、二〇%までは政令で変えてもよろしい、その変えるのは給付率の変更によって変わるのではなくて、社会経済情勢の変化によって判断をして変えるべきもの、こういうことであります。
○米沢委員 大臣のおっしゃるとおり、ぼくらは理解してきたな。局長ちょっと、そんな大事なところを簡単にひとり合点で間違って理屈を言われたりしたらかなわぬな。国庫負担額をただ、ずっと一定にするための法案だと、ぼくはどう考えても読めないな。私は、いまの説明は大きな詐欺だと思うな。そんなものは説明をやり直ししてもらいたい。 それから先ほど大臣の答弁の中で社会党の森井先生にも、当面は仕方がない、しかしながら将来にわたって連動を考えない、もう全然、現在の措置から動かないというようなことは考えない。財政事情が好転するに従って協議することもあり得るというような答弁があったんだけれども、もう一回、確認のために答弁していただきたい。
○園田国務大臣 いま、おっしゃったとおりであります。
○米沢委員 となると先ほど局長が、いろいろ医療保険の国庫負担のあり方について議論をしたときに、一六・四%は高過ぎる、だから、いじるんだというようなことをおっしゃいましたね。いま大臣の答弁は、将来、財政が好転すれば一六・四が上がることもあり得るということを示唆されたわけです。大変な食い違いですね。先ほどから局長は、何しろ国庫負担をこれ以上、上げないんだ、そのために勝手に、あの法令を解釈する、その上、一六・四は高過ぎるから——将来にわたって高過ぎるという発想は、将来にわたったら、それはもう絶対上げられないということだよ。大臣は財政が好転したら上げてもいいような協議ができるとおっしゃる。これははっきりしてちょうだい。
○大和田政府委員 一六・四が高過ぎるというようなことは私はちょっと言った覚えはありませんが、決して低くないと思う、一六・四%というのは妥当な国庫負担率ではなかろうかということで申し上げたと思います。
○米沢委員 だから、どうなの。それじゃ大臣の意見に賛成なんだな。——声にならない。
○大和田政府委員 先ほど来、申しましたように各制度とのバランスを見まして妥当な線ではないかというふうにお答えを申し上げたわけでございますが、大臣の答弁のとおりと私も思います。
○米沢委員 そこで現在、保険料、一部負担それから国庫負担、この三者の割合は、現行法によっては現在の財政収支を見たときに、どういう割合になっていますか。
○吉江政府委員 政府管掌健康保険に係るものを申し上げますと、これは先ほど来、出ておりますように保険給付費のうち埋葬料及び分娩料を除いた一六・四%が国庫負担ということになっておりますが、さらに、これをちょっと分けて申しますと、医療費の八八・二%が保険負担でございます。残りの一一・八%が患者負担になっております。それで、この保険負担の八八・二%に対して一六・四%の国庫負担がついておるという関係になるわけでございます。それから現金給付費につきましては、これは出産手当金、傷病手当金、高額療養費の現金支給、それから埋葬料、分娩料、これが保険からの給付でございますが、前三者の傷病手当金、出産手当金、高額療養費に係る現金給付、この一六・四%がやはり国庫負担ということに相なるわけでございます。
○米沢委員 いまのを大体計算しますと、一部負担が一一・八%、保険料が八八・二%だけれども、このうちの一六・四が国庫負担だから掛け算をすると約一三、四だな。そうしますと保険料が七五くらいかな。こういう計算でいいんですか。
○吉江政府委員 八八・二%と一一・八%で一〇〇になるわけです。それに、さらに八八・二%の方に一六・四%の国庫負担がついて、これが全体の政府管掌健康保険に係る医療費の全貌ということになるわけです。
○米沢委員 私が質問したような答えがぴっと出ないで、計算し直さないといかぬのは、ちょっと時間のロスですから、この話はもうやめます。答弁がうまいですな。 次は、保険料の問題です。 これはもう再三再四にわたって議論をしておりますから、めん、どうくさいのでありますけれども、いま提案されておる改正法案で考えられておる保険料の改定は、第一に保険料算定基礎の変更、第二に保険料率改定手続の変更、第三に標準報酬上限額改定手続の変更を内容としております。今回のこの一連の保険料改定は、先ほどから何回も言っておりますように、平均給付率の低下ということで理解できるとおり、家族の医療給付の引き上げに関連して上げるようというのじゃなくて、急激に、しかも大幅に上昇していく医療費を賄うためのものという性格が出てきておると言っても私は過言ではないと思うのでございます。現在、赤字であることは事実でありますから、それを放置するわけにはいかない。しかしながら、特に第二の保険料率改定手続の変更、いわゆる弾力条項というもの、これは、きょうも本会議で問題になっておりますように、国鉄やら、たばこやら郵便料金やら、いままで国会で決めておったものを自分たちの手に返して、まあうまく、余りがたがたされないうちに必要に応じて料率を変えていく、そういう権限が厚生省に移るということを、これは意味しておるわけですね。確かに社会保険審議会の議を経て決めるというように書いてありますけれども、われわれは、どうも医療費の増高につれて安易に保険料率が変えられていくという疑念を、こういう文章からは読み取らざるを得ない。それが私は一番大きな問題じゃないかと思うのですけれども、この弾力条項は、そういう意図があるのじゃないですか。
○大和田政府委員 ただいま先生もおっしゃいましたように、保険料率の引き上げにつきましては社会保険審議会の議を経る、これはもうぴしっと、そういうことで手続を踏まなければならないということでございます。これは慎重な手続を踏む必要があるわけでございます。決して私どもといたしましては先生のおっしゃるような形の弾力条項の発動というものを考えておるわけではございません。慎重な手続を踏んでまいるということでございます。
○米沢委員 慎重な手続を踏むならば、そんなもの国会で決めればいいんだ。国会と社会保険審議会とどう違うのかな、難易度は。
○大和田政府委員 それはおっしゃいますように社会保険審議会の開会につきましては国会に比べまして弾力的であることは間違いございません。しかしながら社会保険審議会の議というものは決して慎重でないということはない、これは非常に慎重な議を経ていただくわけでございます。その結果、私どもは、社会保険審議会の必要性、この弾力条項の発動、保険料率の引き上げの必要性を十分御納得いただきました上での適用でございますので、決して安易な引き上げをすることは全く考えておりませんので、どうぞひとつ御了承いただきたいと思います。
○米沢委員 とは言いますけれども、たとえば現在のこの改正法案が作成される段階において私どもが聞いておったのは、保険料率は賞与等を含めた場合は約千分の六十四くらいでいいというふうに、そのころ、もっぱら言われておった。ところが一年後の五十四年度の作成過程においては、それが千分の七十に、ぽんとはね上がるわけですね。これは結果的には安易に保険料率をいじって財政収支のつじつまを合わせよう、そういうことが行われているという事実がたくさんあるんだよ。口では簡単だ、安易に上げさせませんなんて言うけれども、やはりこれを上げさえすれば保険財政好転するぞとなったら、医療費を合理化するような努力は時間がかかるから、ちょっと待て、それより、こっちの方をいじった方が簡単だ、これが人間じゃないかな。あなた人間じゃないの。
○大和田政府委員 医療費の効率化、適正化、それは先生のおっしゃる御趣旨はよくわかります。これにつきましては強力に積極的に推進をしてまいりたいと思っております。
○米沢委員 だから保険料の弾力条項を、もし、のむとしても、もう少し安易に上げられないという歯どめがあってしかるべきだ。その歯どめは、やはり先ほどから言いますように医療費を効率化するという、何かそれと連動した形で保険料をいじるという発動条件がないと野方図になることは確実だな。同時に先ほどから言いますように、われわれは、いま累積赤字についても何とかめんどう見ようなんという話をしているのでありますけれども、やはり累積赤字も、ただ保険者、被保険者だけの責任じゃないよ。皆さん方が、もし、もっとまじめに——まじめにやっておられたかもしらぬけれども、結果的にはおかしかった。やってもらうべきことをやっておったら、こんなに医療費がどんどんふえたり、あんな不正請求があったり、富士見みたいに、だまされて保険料を払うなんという、こんなばかなことはなかったはずだ。この部分が皆、赤字で累積してきているわけだから、保険者や被保険者だけの責任じゃない。政府そのものも痛みを感じてもらいたい。そういう意味でも、やはり国庫連動みたいなものは残しておかないと、まじめにやらないんだな。そういう意味で保険料の弾力条項等も、そういう何らかの歯どめみたいなものがない限り、やはりこういう提案はおかしい、皆さんが楽になるだけの話だということだけ私は申し上げておきたいと思うのでございます。 いまマスコミで医療費のむだ遣いがしょっちゅうキャンペーンされております。あれを見るたびに、確かに保険財政は赤字である、累積赤字も持っておる、したがって保険であるから、われわれも何らかの対応をしなければならぬと思いつつも、医療費のむだ遣いがあんなにばかすかマスコミにたたかれて現実に出てきて、皆さん方が調査されても不正請求等があばかれてくる実態を見ますと、保険料やら一部負担なんかを上げろなんという提案を聞くと、そんなむだ遣いにもつき合って、なぜ払わなければいかぬのかと思うんだな。こんな気持ちはおわかりですか、大臣。
○園田国務大臣 当然のことだと考えます。
○米沢委員 そういう意味で、くどいようでありますが保険料の弾力条項を提案されるのは、皆さんに医療費の効率化等々まじめにやっていただいて、お手並み拝見した後だな。再度申し上げておきたいと思うのでございます。 それから累積赤字の問題に関連して、ちょっとお尋ねしたいのでありますが、もし、この法案が通るとすれば累積赤字はどうなっていくのですか。どういう方法で累積赤字が消えていくようになるのかな。
○大和田政府委員 今回の政府提案の改正法案によりますると、政府管掌健康保険によりまして生じました累積赤字を含む赤字につきましては翌年度末までに保険料をもって消化をする、こういうことになっておるわけでございます。
○米沢委員 累積赤字というのは先ほどから何回も言いますように保険者とか被保険者だけの責任ではない、行政がもっとやるべきことをやっていただいておったならば減ったであろうというものだと私は思うのですね。それは局長どうですか。
○大和田政府委員 行政も実はレセプト点検その他いろいろやっておるわけで、精いっぱいの努力をしておるわけでございます。政府管掌健康保険の体質的なものもございます。しかし私どもの努力の足らなさも反省をいたして、今後とも、それは十分積極的にやっていくつもりでございますけれども、遺憾ながら赤字の発生を見てしまったわけでございます。これを解消していくことがどうしても必要になってまいっておるわけでございます。
○米沢委員 だから保険料を上げたり一部負担を上げたりして保険財政を健全化しよう、累積赤字もなくしていこう、こういう提案になっておるわけですね。そのかわり国の方は今度は引き下がる方だな。これは何回も言うように大体バランス論的におかしいよ。 そこで大蔵省の方が来ておられると思いますが、いま赤字対策のために資金運用部資金の借り入れを行っておる特会、特にたな上げをやっておる特会はどれくらいあるのですか。
○安原説明員 五十四年度末におきまして資金運用部から年度越えの短期借り入れを受け入れております特別会計といたしましては交付税及び譲与税配付金特別会計、第二番目が郵政事業特別会計、第三番目が郵便貯金特別会計、さらに第四番目が問題になっております厚生保険特別会計、健康勘定と日雇勘定がございますが、以上四特別会計でございます。
○米沢委員 国鉄なんかはどうなっておるのかな。
○安原説明員 国鉄は御案内のとおり公社でございますので、特別会計ということでは四つでございます。
○米沢委員 いま大蔵省の方から説明があったように結局、特別会計が赤字になって、赤字を持ちながら、まだ回転しておるときはいいけれども、たな上げ措置をしたりしておる会計がたくさんあるわけですね。いま、この法案の提案でわかるように保険料と一部負担を上げて国庫負担の方は下げて、結果的には累積赤字を解消していこうということは、累積赤字についても保険者あるいは被保険者が一端の責任を負わされて、いままでの累積赤字を払っていくという思想を入れておるわけですね。いま、おっしゃったように赤字の特会あるいは、たな上げをやっているところはたくさんありますけれども、そこの中で、たとえば健保でいまから保険料をふやされて赤字を解消していこうなんという、こういうかっこうで、たな上げを解消したり累積赤字を解消しようなんと言っている特会はあるのですか、大蔵省。
○安原説明員 ただいま挙げました四つの特別会計の実態でございますが、第一番目の交付税及び譲与税配付金特別会計でございますが、この借り入れば特会自体の収支の赤字対策ということではございませんで、地方財政対策の一環として毎年度交付すべき交付税の総額を確保するという見地から行われておるものでございます。その点御理解いただきたいと思います。 それから郵政事業特別会計と郵便貯金特別会計は確かに赤字でございますが、ただいま国会でも御審議いただいておりますように郵便料金の値上げ等をお願いいたしまして、早急に事業収支の均衡を図るということで御検討願っておる最中でございます。郵便貯金特別会計においても赤字解消のための内部における自己努力というのが行われておるわけでございます。したがって、残された健康勘定、日雇勘定が、いま御審議を願っているようなことで累積赤字の解消に努めていくということでございます。
○米沢委員 それぞれ努力がなされつつあると思いますけれども、保険であれば、国鉄やら郵政省あたりの合理化努力に匹敵するものは医療費の効率化というものですね、それ抜きにして、何回も言いますように安易に保険料に、あるいは一部負担を上げるのに頼るということ自体はやはり問題である。その認識の上に私は医療費の効率化問題というものを従来以上に徹底的に追求してもらいたいと思うわけです。そういう立場から今度は医療費の効率化の問題について質問をさせていただきたいと思います。 第一は、けさほども出ましたが薬価の問題ですね。これはもう、いろいろと質疑の成り行きを聞かしていただきましたから、わかりましたけれども、薬価基準改定というのは、もう少しタイムスケジュールにのっとってやってもらいたい。五十三年度のものが、いまだにもたもたしておる。調査を確実にする、濃度を濃くするということはよくわかりますけれども、われわれは、五十三年度以降の改正において従来のような方式から、立入検査をしたり、あるいは必要に応じてどんどん調査をしていく、その調査した結果が集まり次第、すぐ薬価に反映させていくという、そういう説明を聞いた手前、言うことと、やっておられることが、ちょっと違うという印象を私は持ちました。 同時に薬価算定の方式ですね。薬価基準改定方式というのか、この改善の問題も、先ほどから出ておりましたようにバルクラインの問題あるいは加重平均にしたらどうかとか、いろいろ、すでにもう指摘は終わっておる段階ですから、私は、薬価基準改定を経時的にタイムスケジュールにのっとってやっていただく体制を厚生省内部でつくってもらうと同時に、内部の薬価基準改定方式等の改善についても、いろいろあって、むずかしいと言う前に、もうちょっとやる気を見せて、変えていくというところを見せてもらいたいと思います。局長に、そのあたりをちょっとお伺いしておきたいと思います。
○大和田政府委員 先ほども御指摘がございましたけれども、九〇バルクラインというようなこと、あるいは最小包装の問題といったことで薬価基準の算定方式につきましては、いろいろと御意見が出ておるわけでございます。それにつきまして、いろいろ検討いたしました。直ちに、それをどうしたらいいかという問題につきましては、なかなか簡単な答えは出ないわけでございますけれども、やはり検討していかなければならない。それは中医協に御相談をしながら進めてまいるということで私どもは積極的に取り組んでまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○米沢委員 もう一度、確認しておきたいんですが、いまから随時調査みたいのがあるわけですね。そこで問題ありとわかったならば、それは何月にやる何月にやるというものではなくて、問題があるとすれば、その都度、必要に応じて薬価改定を行おうという方針はあるのかないのか。三年おきにやるとか、そういう大きな調査以外に、薬価の動きを見るために、その都度やるんでしょう。その結果は、その都度、薬価改定に響くのかどうかという問題です。
○大和田政府委員 現在のところは、大調査をやりまして、そこで適正な引き下げを行うということでございます。先生のおっしゃっておられるようなことにつきましては、現在まだやっているわけではないわけでございますが、今後の検討課題ということにさせていただきたいと思います。
○米沢委員 それから検査づけと言われる問題ですね。これもあの富士見病院で痛いほどわかっておりますけれども、検査も、第二の薬価と言われるように、いろいろ問題があることはもう皆さん御案内のとおり。同時にMEというような高価な機械を使って、それを償却していこうとする医業の経営というものはやはり大変だろう。そのためには悪いけれども、ある程度しなくていいものまで検査してかせぐということも間々あり得ることだ。それを何らかの形で検査づけにメスを入れる必要がある。私は、この前の質問でも申し上げましたけれども、しかし、それを検査しなければならぬか、すべきかということは、お医者さんの判断ですから非常にむずかしいという気はしますけれども、それを間接的にでも、やめさしていくためには、MEの適正配置だとか共同購入だとか、あるいは検査がべらぼうに上がってくるようなものを集中的に監査や指導を行うとか、私は、行政の対応のいかんによっては、検査も適正な検査が確保されると思うのです。そういう意味で、検査づけに対して厚生省として、どういう対応策をいまから練ろうとするのか、聞かしてもらいたいと思うのです。
○大和田政府委員 先生おっしゃいますように、確かに検査づけといいますか、検査点数の割合がふえてきていることは事実でございます。昭和四十五年には六%台であった診療報酬の総点数に占める検査点数の割合が、五十四年には一〇%台に増加をしてきておる、こういった結果が出ておるわけであります。これも先生おっしゃいましたように、やはり医学の進歩であるとか検査技術の発達というものによって、的確な診断を行うための検査の必要性というものがあるわけでありまして、そういったような事柄によりますところの検査の点数増というものにつきましては、これは肯定していかなければならぬのでありますけれども、やはり間々どうも診療上、必要があると認められない場合の検査というのもあるように見受けられるわけでございまして、こういったようなことにつきましては私どもも十分承知をしております。 これに対する対応ということでございますけれども、これを私どもは指導、監査の対象にしていくべきものである、こういうふうに考えております。これにつきましては、従来は診療報酬の不正請求といったものにつきまして指導、監査の対象としておったわけでございますけれども、昨年昭和五十四年一月の保険局長通知によりまして、不正診療のほかに不当診療についても指導、監査を積極的に実施するように指導しておるわけでございまして、そういったような事柄につきましては、ただいま申しましたように私ども積極的に指導をすることによりまして、検査づけをチェックしていくというような方向に努力をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○米沢委員 次は、診療報酬体系の適正化、出来高払いの適正化ということです。この問題も従来からやかましいほど言われておりながら、それにかわる名案がない、一長一短があるということで放置されておると言っても過言ではないと思いますが、私は、もっと技術と物を分離した方向で、まじめにこれをやらないと大変なことになるという気がしてなりません。ある週刊誌なんかによりますと「健康保険の点数制度は、技術の未熟な医者の方がどんどん儲かって、習練すればするほど貧乏になるという矛盾した仕組みになっている。子宮筋腫の手術を例にとるなら、ベテランなら二十分で済むが腕のない医者だと二時間もかかる場合がある。こうなると、当然、輸血が必要になり、手術後、二、三週間の入院を余儀なくされ、数種類の薬を投与される。点数がそれだけ上がっていくという格好だ。」下手な医者がもうかる。これは一面矛盾ですね。 同時に、けさほどの議論を聞きましても、薬価の実勢価格と薬価基準と格差が約二〇%あるとか三〇%あるとか、もめていましたね。しかし従来の薬価改定というのは、森井さんが指摘しておりましたように本当の数%にすぎない。二、三〇%の実勢価格の差がありながら、なぜ二、三%しか薬価改定ができないかというと、それはやはりお医者さんへの配慮でしょう、現在の診療報酬体系をそのままにして、物だけ、たとえば極端な例ですが実勢価格ととんとんにしますと、薬では全然もうからぬわけですから。しかし診療といういわゆる技術の面については、いまのような体系であったならば、お医者さんなんか、みんな極貧の状況になる、そうですね。だから薬価基準の問題でも類推できますように、診療報酬体系というものを技術重視の方向に改正した上でやりますと、薬価なんかもスムーズにいくんだな。不信感が漂わないわけでございます。二、三〇%の格差、しかし薬価基準改定はわずか二、三%、五%、この差はどうするかというと、お医者さんへの配慮だと私は思いますよ。そうでないと、いまの診療報酬体系がある限り、薬だけ、があっとしぼられて、原価で買ったものを原価で渡すようなことだったら、いまのように五十四年なんかでも、診察というのが技術料みたいなものだとすれば技術料というのはわずか一五・六%ぐらいしか比率を占めていないのですから、ほかのものがみんななくなって、これだけ残るといったら、もうかりませんわね、やっていけませんわね、実際の話。そういう意味で薬価基準の改定等についての国民のいろいろな不信みたいなものは、診療報酬体系そのものを、技術を大事にする体系に変えない限り直らないと思うのだけれども、局長どうでしょうか。
○大和田政府委員 物と技術の分離ということ、それで技術重視というようなことにつきましては、私どもも、かねてから診療報酬適正化という方向で努力をしてまいったところでございますが、先生のおっしゃいますのは、さらに進んで現在の出来高払い方式を改めるべきである、こういう御意見と承ったわけでございます。 現在の出来高払いにつきましては、確かに、いろいろ問題があるところでございますが、この出来高払い方式以外に団体請負方式であるとか、あるいは人頭登録方式というものがありまして、これらとの関連で、いろいろ議論すべきであるというようなお話でございます。それぞれの支払い方式につきまして、それぞれの長所、短所というものがある。出来高払い方式は確かに、いま先生いろいろとおっしゃいましたような問題もありますが、一方、医師の努力と熱意の反映が行われる。これが人頭登録方式ということになりますと、現在いろいろ問題になっておりますような、いわゆる乱診乱療といったようなことがないかわりに、逆に、できるだけ、そういうことをしない方がむしろ医者にとってはベターであるということから、粗診粗療というような傾向が出てくるという問題もございますし、それぞれどうも問題があるわけでございます。 いずれにいたしましても、この出来高払い方式、これは昭和十八年以来わが国に定着をした方式ではございますけれども、現在いろいろと各方面から問題が提起されておりますので、この支払い方式の問題につきましても検討課題とさせて、今後とも検討いたしたいと思うわけでございます。なお、さきにも申しましたように、現在の方式のもとにおきましても適正な医療内容が確保できますように努力はしてまいることは当然のことでございます。
○米沢委員 技術を重視する診療報酬体系というのを早急に確立しないと、先ほど言うたように、これは薬価と絡んでしか物が見られなくなるんです。だから幾ら関係なく、うまくやりますと言うても、技術料が低い診療報酬体系がある限り、薬価だけいじるわけにはいきませんよ。したがって皆さんの立場でも薬価を下げた分だけ技術料でまた上積みする、そういう操作が過去にもあったように、切り離して議論できない問題だ、そういう意味で技術重視の診療報酬体系は早急に確立してもらいたい。そのことが国民の薬価基準に対するいろいろな不信を取り除き、また皆さんがやりやすい環境をつくることにもなっていくという観点から、早急に取り組みをお願い申し上げたいと思います。 まだ半分ぐらいしか質問を終わっておりませんが、時間が参りましたので、これで終わりたいと思います。
○山下委員長 浦井洋君。
○浦井委員 園田大臣、私しばらく保険局長その他と数字のやりとりをしてみたいと思いますので、大臣も、もちろん御存じの数字だろうと思うのですけれども、その上で、ひとつ大臣に御意見をお聞きしたいというふうに思います。 まず昭和五十四年度の政管健保の決算を見ますと、保険料収入が二兆一千三百五十二億、これはもちろん保険料率は千分の八十、こういうことですね。
○吉江政府委員 さようでございます。
○浦井委員 そこで五十四年度と同じ環境だということで保険料率が千分の九十一に上がった場合には一体、保険料収入はどれだけ増加するわけですか。
○吉江政府委員 約二兆四千二百億円でございまして、さっき先生おっしゃいました千分の八十の二兆一千三百五十二億円との差は二千八百四十八億円ということに相なります。
○浦井委員 もう一つ、今度は二つ一緒に尋ねます。 保険料率が千分の八十二になった場合、保険料率が千分の八十五になった場合は、それぞれ五十四年度の保険料収入よりもどれだけ収入がふえますか。
○吉江政府委員 千分の八十二の場合は四百四十八億円ふえまして約二兆一千八百億円になりますし、千分の八十五の場合は一千二百四十八億円ふえまして約二兆二千六百億円に相なります。
○浦井委員 そこで、この数字で大臣にお伺いしたいんですが、何といいましても保険料率が上がるということは、これは政管でありますから五分五分でありますが、労使の負担がそれだけふえる。御承知のように実質賃金は低下しておるということになりますと、勤労者の家庭は家計をやりくりをしているわけでありますけれども、それぞれの額の半分は、そういう家庭、被保険者が負担するということになるわけですね、これは当然だと思うのですが、大臣どうですか。
○大和田政府委員 そのとおりでございます。保険料の半分は被保険者が負担をするということでございます。
○浦井委員 これは当然の話であります。 現在の健保法では、本人の場合、初診時一部負担六百円、入院時一部負担二百円、一カ月、こういうことですね。それで、この一部負担の、たとえば五十四年度の年間総額は一体どれくらいなのか。いわば本来、保険で支払わなければならぬのを本人の一部負担に回しておる額ですね。
○吉江政府委員 五十四年度における本人の一部負担金の総額は約千二百五十億円でございます。——二百五十億円でございます。
○浦井委員 はっきり言ってもらわなければいかぬですよ、きのう、ちゃんと額は打ち合わせておるわけですから。 そこで次ですけれども、これがたとえば初診時一部負担が八百円、入院時一部負担が五百円、一カ月限り、こういうふうになりますと、年間の一部負担の総額はこの二百五十億円から何ぼふえるわけですか。保険が支払わなくていい額というのは何ぼふえるわけですか。
○吉江政府委員 約百億円ふえまして約三百五十億円になります。
○浦井委員 そこで大臣、いま私ずっと申し上げたように、保険料率がたとえば千分の九十一になる、たとえばですよ。それから本人の初診時一部負担が八百円、入院時一部負担が五百円になるということになりますと、いま厚生省の方のお答えになった数字を合計いたしますと、政管健保の本人の負担というのは全部で二千八百四十八億円の二分の一にプラス百億円でありますから千五百二十四億円になるわけですね。そういうことになりますね、どうですか。
○吉江政府委員 はい、さようでございます。
○浦井委員 その次の問題ですけれども現在、高額療養費制度三万九千円ということで、家族の場合、線が引かれておる。それで入院の給付率が家族の場合は七割である。これが高額療養費が三万九千円だとして、たとえば入院の給付率が八割にアップしたというふうにいたしますと、保険からの給付は一体どれくらい増加するわけですか、平年度で。
○吉江政府委員 入院、外来を通じた額は把握しておりますが、高額療養費について入院のみ、外来のみの数字は把握いたしてはおりません。
○浦井委員 いやいや、そういうことではなしに、いま社会保険庁の方で試算をしてもらったところ、五十四年度で家族の入院を七割から八割にしたときの新たな所要額は百三十億円という報告だった、そうですね。
○吉江政府委員 はい、さようでございます。
○浦井委員 結構です。余り大して改善にならない、給付改善というほどでもないということになるわけです、大臣。 そこで昭和五十三年の五月から、この原案が提出をされておるわけなんですけれども、この中で現金給付の給付改善分というのは一体、平年度に直してどれくらいになるわけですか。たとえば本人、家族の分娩費あるいは本人、家族の埋葬料、本人の分娩費の減額規定の廃止、それぞれ七月実施ということで、その分だけ額が示されておるわけでありますが、これは平年度に直しますと、どういうことになるわけですか。
○吉江政府委員 先生がただいまおっしゃいました分娩費あるいは埋葬料の増額というのが政府原案で提案されておるわけでございますが、五十五年度の予算ではこれらを通じまして現金給付は約百六十一億円の増額となる見込みでございます。
○浦井委員 百六十一億円ですね。 その次の問題ですけれども現在、本人の初診時一部負担六百円、入院時一部負担二百円、この一部負担はもちろん組合健保にも共済の短期にも適用されたわけですね。——もう一遍言いますか。本人の初診時の一部負担六百円、入院時の一部負担二百円、これは政管ですけれども、組合管掌にも、それから共済短期にも、同じように適用されたわけですね。
○大和田政府委員 そのとおりでございます。
○浦井委員 保険局長、御承知のように組合管掌あるいは共済短期、こういうものには付加給付がありますね。この付加給付には一部負担は対象にはならないわけですか。
○大和田政府委員 対象にはなっておりません。
○浦井委員 そうすると、たとえばの話、初診時一部負担八百円、入院時一部負担五百円、これは一部負担でありますから、これも健保組合あるいは共済短期には付加給付の対象にはならない、こういうことですね。
○大和田政府委員 そのとおりです。
○浦井委員 結構です。 それから、もう一つ数字を尋ねたいのですけれども、お年寄りですね、七十歳以上の方で政管健保の被保険者の数、本人ですね、現在一体どれくらいあるのですか。
○吉江政府委員 政管健保の七十歳以上の加入者、これは被保険者と被扶養者を合わせて百十万四千人でございますが、このうち本人は十七万人でございます。
○浦井委員 そうすると、その十七万人の方は、たとえば政管であっても組合であってもそうですが、本人の資格がなければ、いまの老人医療費公費医療の無料化の適用を受けられる、こういうことになるわけですね。ところが、その本人の資格を持っておる人は現在は初診時一部負担六百円、入院時一部負担二百円、これを支払っておるわけですね。そうなりますね。
○大和田政府委員 そのとおりでございます。
○浦井委員 それがたとえば初診時一部負担八百円、入院時一部負担五百円というようなかっこうになっても、これはこの七十歳以上の政管健保の被保険者本人は、もちろん、その分は本人負担になるわけですね。
○大和田政府委員 そのとおりでございます。
○浦井委員 大臣、大体御理解いただけますね。 そこで今度は、もう一つ数字を尋ねます。五十三年度、五十四年度の政管健保の決算、これは数字がありますが、一番初めの当初見込みから途中見込みがどう変わって、結果としてはどうなんだということを、ちょっと簡単に報告してください。
○吉江政府委員 五十三年度につきましては、結論の決算の方から申しますと百二十六億円の黒字でございます。これに至りますまでに三−八見込みどいうものを五十四年度予算編成時に行うわけでございますが、このときには二百四十七億円の赤字見込みでございました。(浦井委員「そのもう一つ前は」と呼ぶ)そのもう一つ前は、当初は予備費を含めて六百五十九億円の赤字見込みでございました。それから五十四年度につきまして同じ言い方をしてまいりますと、最後の決算のところは二十三億の赤字。それから五十五年度予算編成時の三−八見込みでは百五十億円の赤字見込み。それから一番当初の予算では九百四億円。この中には予備費二百二十億円を含めておりますが、さような見込みでございました。
○浦井委員 予備費を含めて五十三年度で六百五十九億円の赤字が、決算を閉めてみますと百二十六億の黒字になった。五十四年度で九百四億の赤字が二十三億の赤字に減った、こういうことなんですね。大臣、これはかなり見込み違いがありますね。 そこで、もう一つ尋ねます。できたら四十九年から数字を教えてほしいのです。四十九年から毎年ごとの一人当たり保険給付費の伸び率がどう変化しておるか。これはわかりますか、四十九年ぐらいから。
○吉江政府委員 五十一、五十二、五十三、五十四年度はわかりますけれども、その一番先のところがわかりません。一人当たり医療給付費は五十一年度は対前年比一七・〇%、それから五十二年度は対前年比一一・三%、五十三年度は一四・五%、五十四年度決算では対前年度比七・二%でございました。
○浦井委員 これは公表された数字ですから、四十九年度から、ちょっと補足しておきますと、四十九年度対前年度伸び率が四三・三ですね。それから五十年度が同じく二〇・二。それで、いま言われたように一七・〇、一一・三、一四・五、七・二、こういうかっこうなんです。だから一人当たり保険給付費、医療費でなしに保険給付費の伸び率は、全体として見ますと、ずっと減ってきているのです。鈍化してきておるわけです。とうとう五十四年度は七・二%というふうに一〇%を割ってきているわけです。これはかなり顕著な変化です。四十九年度は対前年度比四三・三ですからね。 今度は、いまも話題になっておりましたけれども、医療保険部長、平均の標準報酬月額の伸び率は、いまの年度はどうなっていますか。
○吉江政府委員 五十一年度は対前年度一三・八%、五十二年度は一一・〇%、五十三年度は八・三%、五十四年度は対前年度六・一%ということになっております。
○浦井委員 これもいま五十一年度から言ったので、四十九年、五十年を補足しておきますと、四十九年度が二八・八%、五十年度が一六・四%、こうなるわけですよね。これはもう公表された数字です。 いまも取り上げられておりましたけれども、昭和五十三年の二月に保険局の出された「国民医療費の将来推計」という文書があります。これは五十三年五月に現在の政府原案が出されたわけですから、もちろん、この政府原案を組み立てていく場合の基礎推計になっているわけでしょうね。
○大和田政府委員 五十三年二月当時の推計でございます。
○浦井委員 ちょうど、その直後に現在の政府原案を初めて出されたのですね。その後、八度、廃案と継続審議を繰り返して現在に至っておりますけれども、関連がないとは言えないですね。 そこで、これを見ますと標準報酬の伸びは毎年八・六、医療費の伸びは毎年一五と見込んでおるわけであります。実際には医療費と保険給付費の違いはありますよ。ありますけれども、しかし実際には、いま私が社会保険庁にお聞きいたしましたように、医療費の伸び一五%と言っていたのが、給付費の伸びが現在は一〇%を割って七・二%になっておる。それから標準報酬の伸びも八・六だと言っておったのが、いまは六・一になっておる。だから結局は保険給付費の伸びはかなり急激に鈍化してきておるし、それから保険料収入の基礎になります勤労者の収入、これも医療費やら保険給付費ほどではないけれども、かなり鈍化してきておる。 この推計によりますと、こういうことになると昭和五十八年度は一人当たりの給付費は三十万六千円になる。だから保険料率は千分の百四になるんだ、こういうふうな推計をされて発表をしておるわけなんですよね。だから、きのうも、こんな数字が出るかということで厚生省に試算をお願いしておったのですが、昭和五十三年五月に提案をされた、いまの政府原案が不幸にして早く成立をしておったならば、一方では勤労者の収入はこれだけ落ち、医療費、保険給付費の伸びも、これだけ鈍化してきた中で、一体、保険の収支はどんなになっておったでしょうか、政府管掌は。
○吉江政府委員 まさに、いま先生おっしゃったように医療給付費につきましても、それから標準報酬につきましても、非常な変動が現在まであったわけでございます。そういうことで結論から申し上げますと、なかなかこれは、どんなふうになっておったであろうかということは、ちょっと申し上げにくいという状態でございます。(「大変な黒字だろうが」と呼ぶ者あり)さようなわけではございませんが、正確に把握することは困難でございまして、もちろん五十四年八月成立とした案、それから五十五年の七月ですか、成立の場合の改正案に伴う予算の姿というのは、それぞれオフィシャルには計算しておりますし、私ども印刷物にもしておりますが、とてもいま、これは合理的に観察し得る状態ではないというのが結論でございます。
○大和田政府委員 短期保険でございますので、そういったような事態がありますれば、それこそ保険料の弾力条項によりまして保険料率を下げて短期保険の収支を合わせていく、こういうことになるわけでございます。そういったような事態になりますれば当然それによって、つじつまを合わせるということになるわけでございます。
○浦井委員 なかなか社会保険庁の方は正直に、どう言ったのですかね、合理的に判断できないでしたか、非常に含蓄のある御答弁をいただいたわけなんですが、要するに現在言われておる千二百九十億円の累積赤字なんていうのは、どこかへけし飛んでおる、そして黒字が出ておる、はっきり言ったら、そういうことですね。 それで大臣、いままでの問答をお聞きになられたと思うのですけれども、やはり政管健保はかなり構造的に変化してきておる。医療費の伸び率は大幅に減少している、鈍化してきておる。それから標準報酬の伸びも、伸び率としてはかなり減ってきておる。いま言ったように決算の見込みも五十二年、五十四年と大幅に外れてきておる。いまも社会保険庁の方から含蓄のある御答弁をいただいたわけでございますけれども、もし、いまから二年半前に成立しておったならば、保険財政はもうりっぱに立ち直っておるだろう。ところが国民の方は負担に泣く、医療機関の門もくぐれない、こういう大変な状況になっておっただろう。ところが、その後の経過を見ますと、解散前いわゆる四党合意修正案ができて、私らは合意に加わっておりませんが、最近、新聞で報ぜられたところによりますと自民党案、いまも私ちょっと関連して申し上げたように、一つの案が出てきておるわけですね。しかし、やはりこの案は、さっき私が申し上げたように本質は政府原案と全く変わらぬ、相変わらず給付をダウンし負担をふやすというような方向ではないか、このように言わざるを得ないわけであります。事実、負担増、料率がアップされるのは、九十一まではずっと上げられるということになっておるわけですし、本人の一部負担もふえる。それから家族給付の入院のアップ分も、いま百三十億円というお答えがありましたけれども大した給付改善になっておらない。わずかに現金給付が百六十一億改善されておるだけである。それから組合、共済の被保険者本人の一部負担は付加給付の対象にならない。七十歳以上の勤労者は老人医療費無料化があるにもかかわらず、やはり一部負担は払わなければならぬ。 だから私は改めて園田厚生大臣に要請をしたいのですけれども、こういうような単なる財政対策を幾ら繰り返しても、いまの医療保険のゆがみなり医療のゆがみというものはなかなか解決しない。結局は国民が泣くだけなんだということを悟っていただいて、やはり潔く撤回をしていただきたい。そして医療制度も含めた抜本的な改革を園田大臣の時代に根本的に見直してやっていく、そういう決意を示していただきたいと思うのですが、どうですか。
○園田国務大臣 保険制度が財政的な見地からのみ、やられるべきでないことは御意見のとおりでありまして、保険制度全般にわたって、いろいろ意見がありますが、抜本的改革をやらなければならぬこともまた事実であります。しかしながら、当面その改革ができるまでのつなぎのことは必要でありまして、そういう意味で、いまお願いしておる法案は撤回する意思はございませんので、何とぞ、よろしく御審議を願いたいと思います。
○浦井委員 当面のつなぎのものとして必要なんだから撤回をしないということでありますけれども、やはり医療保険制度も含めた医療制度全体が、富士見産婦人科病院の問題などを一つの契機にして非常にはっきりしてきておるわけです。だから当面つなぎで、こういうことで国民を泣かすのではなしに、いまから保険局だけではなしに厚生省全体が大臣を先頭にして全体を改革していくのだということでやっていただきたい、私は、このことを園田大臣に要望しておきたいと思う。 その具体的なやり方は、この間、富士見産婦人科病院のときに申し上げましたように、一つは医療機器の問題があるだろうし、これは確かにむだ遣いです、それから薬剤費の問題がある。その問題は朝からいろいろ論議をされておりますから、私、簡単に触れたいと思うのですが、薬価の問題にしてもどうですか、何か薬価と実勢価格の差は三〇%というような数字が出ておったけれども、大臣はもっとあるだろうと言われておったわけですが、やはり大分ありますか。おとといのある新聞の夕刊には、ある抗生物質の実勢価格が薬価基準の九割五分引きだというかっこうで出ておりましたね。それに象徴されるように、かなりあると思いますが、どうですか。
○大和田政府委員 個々の薬価というより総体として薬価基準と実勢価格がどう違っているのかということにつきましては、実は再々、私申し上げておりますように現在、経時変動調査を実施中でございますので、これにつきましてはお答えはできる段階ではないわけでございます。
○浦井委員 午前中、園田大臣は年内にやると言われたのです。これは薬価基準の改定を年内にやられるということですね。
○園田国務大臣 いま局長が答弁しました調査結果の取りまとめを、できるだけ年内にやりたい、こういうことでございます。
○浦井委員 改定はいつですか。
○園田国務大臣 これも、これに基づいて、なるべく早い時期に行いたいと考えております。
○浦井委員 私は年内には薬価基準の改定はやられるのかと思って非常に期待をしておったのでありますが、年を越すということで非常に残念だと思います。 いずれにしても薬価調査のやり方にも問題があるということは、ずっと指摘をされておるわけですし、実勢価格と薬価との差がある。薬価調査のやり方に問題があるということでありますから、前から言うておりますように、諸外国でもやっているところがあるわけですから、製造原価がはっきりとつかめるようにして、それにプラスアルファということで薬価を決めていく。それで実勢薬価と薬価基準をできるだけ差を詰めることを早くやる。それとともに、いま診療報酬改定の問題がぶすぶすとくすぶっておりますけれども、これもやはりやらねばならぬ、技術料の評価もやらなければならぬ、私はこういうことだと思うわけです。だから大臣、診療報酬の改定の時期なんというのは、いま尋ねてもお答えにはなれぬでしょうね。
○園田国務大臣 御理解のある御発言で感謝いたします。
○浦井委員 それで大臣、診療報酬の改定をやるためにも、保険料率のアップを初めとした健保法の改正をやらなければならぬというように固定概念を持たれると私は困ると思うわけです。たとえば薬の問題に関連をして申し上げてみますと、これは保険局長よう聞いておってくださいよ、政管健保の医療給付費が、ざっとの数字ですが五十四年度二兆五千億円でしょう。それで薬剤費が三六%とすると、これが八千億円。朝方、薬価差が三〇%という話が出ておりましたけれども、この際、全体として薬価二〇%、二割ぐらい切り下げてもよいと思うのです。もし二割切り下げるとしたら、八千億ですから、それの二割で一千六百億、ここで診療報酬を何ぼ上げられるか、一〇%か一五%かしりませんけれども、一〇%アップするとすれば二兆五千億から八千億を引いた一兆七千億が診療報酬でありますから、これの一〇%で千七百億になる。ちょうど薬価を二割切り下げたら診療報酬のアップ一〇%分にいけるわけなんです。だから健康保険法をどうのこうのという関係でなしに、やはり薬価と医療機器、いまの医療のひずみの一番の根源になっておるところにメスを入れれば、これはやれると私は思うのですが、保険局長と大臣どうですか。
○大和田政府委員 大変技術的な問題を含んでおりますので、先生の御意見として十分承らしていただきます。
○園田国務大臣 お説に異論ございません。
○浦井委員 薬価の方、これは非常に複雑な仕組みなんで、きょうは時間もございませんし、これくらいにして、医療のもう一つのゆがみの根源であります医療機器の問題を取り上げてみたいと思うわけなんです。 これも、この間、発表された五十四年度の医療診療行為別調査によりますと、手術、診察、入院は減少しておるにもかかわらず、検査は一八・六%こういうふうに大きく増加をしておるわけです。この間、大臣に申し上げたように、富士見産婦人科病院のように高額の医療機器が医療にゆがみを持ち込んでおるわけでありますが、この医療機器のいま代表のように言われておるCTスキャンについて、ちょっと申し上げてみたいと思うのです。 現在、厚生省でつかんでおられるCTの台数というのは非常に古いですね。何台ですか。
○田中(明)政府委員 厚生省が実施いたしました調査は五十三年十月末現在でございまして、当時の台数は四百五十四台ということになっております。
○浦井委員 通産省からもらった会社別CT納入数を見ますと、五十五年の一月末で、すでに八百四十一台、こういうことになっておるわけですね。もちろん、こんな数字は医務局長としてはつかんでおられると思うのです。 そこで、これは大臣にも聞いていただきたいのですが、このCT販売の代表的なメーカーでありますところの東芝メディカルは三百三十八台納入しておるわけなんですが、この販売会社東芝メディカルの実態を見てみますと、この五年間で売り上げが約五倍になっておるわけです。それから税引後の利益は実に十五・五倍になっておる。それから配当はもう二割という高配当で急成長しておるわけです。この裏には、非常に激しいプロパーといいますか、メーカーの売り込み合戦があるわけですね。 ちょっと二、三例を挙げてみますと、パンフレットを持ってこいと言ったりしたら、納入予定の病院の折衝相手に一万円くらいの商品券であるとか、十ダース分のビール券であるとか、お仕立て券つきのワイシャツ生地などを、パンフレットを要求するだけで、すぐに届けてくる。それから医者あるいは技師をゴルフや酒に接待をするのはもちろん、引っ越しの手伝いまで。それから接待費は営業部長クラスで月百万、一般の営業マンで十万から二十万、さらに売り込みで功績を発揮した、売り込んだ先の相手の医者や技師には成功報酬として最高三%払う。だからCT一億円の機械を納入したら、それの折衝相手になった病院の医者や技術者は三百万円もらう、こういうような非常に激しい売り込みをやっておるわけです。 だから先ほどから申し上げておりますように、まさに、こういうことが医療をゆがめる大きな原因になっておるのではないかというふうに思うわけです。そういう医療機器メーカーの営業部の人たちは、CTは日本では三千台要るのだ、三千台まで納入できるのだ、こういうふうに言っておるわけです。いま納入台数が八百四十一台、もう三倍以上納入できるわけです。 ちょっと医務局長にお尋ねしたいのですが、アメリカ、イギリス、西ドイツのCT一台当たりの人口はどれくらいでしょう。
○田中(明)政府委員 これも民間調査でございますが、アメリカにおきましては昨年、五十四年十月末現在でCTの数が千五百二十五台ということでございますので、一台当たりの人口は約十四万になります。日本におきましては大体これと同じでございますが、若干少なく十三万八千、一台当たりの人口でございます。イギリス、西ドイツ等の保有台数については、われわれ最近の数字をつかんでおりませんが、日本あるいはアメリカに比べて、かなり少ないというふうに承知しております。
○浦井委員 日本とアメリカの一台当たりの人口はほぼ似ておるというが、しかし、その台数は日本の場合は四百何台が基礎でしょう。
○田中(明)政府委員 一台当たり十三万ということでございすので八百四十台ということになります。
○浦井委員 アメリカと日本は同じぐらいだという話なんですが、私の聞いたところではイギリスには二百台しかない。CTの一番初めつくられた元祖はEMIというイギリスのレコード会社なんですね。そのEMI会社があるイギリスが二百台、日本は現在八百四十一台で、それでメーカーの方は三千台まで納入できるということで張り切っておるわけですね。 だから入っておる病院の規模を見てみますと、大体われわれの常識で一億円以上のCTの採算点を考えると、三百床以上の病院でないとやっていけないぐらいだと思うのです。小さな病院で抱えても、これは無理やり検査をするということになります。ところが三百床以上の病院というのは日本で八百七十三病院、ほとんど、これで八百四十一に見合うわけです。だから三千台ということになりますと百床以下の病院にもどんどん売り込む。もちろん百床以下の病院が絶対に買ってはいかぬということは言えないと思う。技術革新とか、あるいは診断技術の向上、こういうことではありますけれども、やはり弊害の方が多いのではないか。余り無理をして買って、それを無理をして償却をしていくということになれば、この間、富士見病院のところで申し上げたように、一日二十人ぐらいは無理やりCTの検査をしなければならぬのではないか。 そこで私、最後に申し上げたいわけでありますけれども、この間、言いましたように、こういう高額の医療機器の適正配置あるいは共同利用というものをぜひやらなければいかぬ。この間は、国公立病院が地域の中核病院になって、そこへ近所の開業医の先生方が卒後研修も兼ねて、CTなんか高度の医療機器を利用するというような制度をとるようにしたらどうかというふうに大臣に申し上げたわけなんですが、何か、この間の報道によりますと、厚生省では全国で五十カ所モデル地区をつくられて、そうして共同利用を推進するというような考え方がおありのようでありますけれども、この趣旨には大臣、賛成だろうと私も思うのですが、具体的に、どうやっていくのですか。
○田中(明)政府委員 厚生省といたしましては、高額医療機器の共同利用化を促進するという目的のために、昭和五十六年度の予算要求におきまして、都道府県の医療対策協議会がございますが、この中に広域の市町村圏を単位といたしまして医療資源共同利用対策部会というのをつくりまして、医療関係者あるいは県の衛生部当局者等でいろいろ相談いたしまして高額医療機器等の医療資源の共同利用化を促進するということで、予算の要求をしているわけでございます。この地域といたしまして、昭和五十六年度におきましてはモデル的に、医療機関の集中している、したがって人口も当然稠密している地域五十カ所を設定いたしておるわけでございます。また昭和五十六年度におきまして、このほかに地域医療研修センターというのをすでに始めておりますが、ここにモデル的に高額医療機器を整備し、開業医の共同利用の便に供したいということで予算の要求をしております。こちらは個所数はわずかに三カ所でございます。
○浦井委員 このことについて大臣、途中まで医学を志されたということであるわけで、非常に関心がおありだろうと思うので決意を聞かしていただきたいのと、もう一つ最後に大臣にお聞きをしておきたいと思うのです。 それは富士見産婦人科病院のこともこれあり、この際、鈴木内閣の重鎮として入閣をされた園田大臣のことでありますから、医療機関であるとか、あるいは医療団体であるとか、製薬企業であるとか、あるいは製薬団体、こういうようなところから団体献金は一切禁止するというようなことを思い切って大臣在任中にやられたらどうか。もちろん、ここではできませんけれども、ひとつ内閣としてよく検討をして、それで法改正が必要ならやるというようなことで大臣の英断を望みたいわけであります。医療のひずみを正す上でも、この際それぐらいのことをやらなければならぬではないかというふうに私は思いますので、さっきの問題と、この問題と二つについて大臣の御意見を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
○園田国務大臣 高級医療機器の弊害はだんだんと顕著になっておりますから、御意見のとおりに、これを適正配置、共同利用あるいは共同購入、こういうことは時期を失してはいけませんので、なるべく早くやるようにいたす所存でございます。 いまの献金については政治資金規正法に関することでありまして、かかるこの際でありますから、私自身は身を持すること厳にして、所管の団体から献金を受けることは断りましたけれども、これはなかなか私個人でやれることではなくて政治資金規正法の案が出るときに、いまの御意見は十分しんしゃくをいたします。
○浦井委員 終わります。
○山下委員長 石原健太郎君。
○石原(健)委員 今回の改正案の中に薬剤、歯科材料費等の五〇%患者負担ということが取り入れられておりますけれども、その理由はどういうところにあるのでしょうか。
○大和田政府委員 今回、政府提案の大きな一つの中身になっておるわけでございますけれども、御承知のように人口構成の老齢化とか医療内容の高度化によりまして、今後も増高を続けてまいります医療費、こういったようなことは避けられないわけであります。しかも、これからは従来のような高度経済成長はなかなか期待できない。その時期におきまして、やはり医療費の効率化、その負担の適正化というものを図る。しかも、いろいろ問題のございます薬剤の適正な使用といったようなことを考えますと、やはり一部負担といたしまして薬価の半額一部負担ということをお願いするのが一番適正な方法ではなかろうかというようなことで、お願いをいたしておるわけでございます。
○石原(健)委員 五〇%の負担ということになりますと、患者の中には、かなり高額の薬代を何カ月分か準備しなくちゃならないというような事態も起こり得るかと思うのですけれども、そのような方たちに対する保護処置といいますか、対処の仕方はどのようになさるおつもりですか。
○大和田政府委員 この政府提案の一つの目玉といたしましては、やはり高額医療費制度といいますか、高額医療費の負担者に対しますところの手当てというものを行っておるわけでございまして、一定額以上の高額になりました際には保険で見るということでございます。
○石原(健)委員 保険で見るまでの間に、二、三カ月の間でも立てかえて払わなくちゃならないような事態も起こり得るのじゃないかと思うのですけれども、その薬代が月に百万とか百五十万という場合、その半分のお金を準備するということは、かなりの負担になるわけなんですけれども、こういう方たちへの配慮というものは、いまのところ考えてないということですか。
○大和田政府委員 一つは薬剤費の二分の一を窓口で負担することになりますけれども、たとえば抗がん剤であるとか、あるいは血液製剤などの高価なもの、それで長期間服用する薬剤や検査、麻酔に用いられるもの、こういったものは一〇〇%保険から給付される。つまり一部負担の対象にしないということで、いま先生の言われるようなことにつきましては対応しておるということでございます。 〔委員長退席、湯川委員長代理着席〕
○石原(健)委員 一部の薬剤については、そのようなことも考えられるとは思うのですけれども、それにしても、かなり高額の薬剤費を準備しなくちゃならないという事態も考えられると思うのです。したがいまして、こういう方たちへは何か伝票上の操作だけとか、あるいは申し出によっては保険から前払いをするとか、そういうことも研究していただけたらありがたいと思うのですけれども。
○大和田政府委員 政府原案では、そこまではやってないわけでございますが、今回のような措置、特に、それほど多額な負担とは考えられない、つまり本人と家族の十割給付というものの実現を前提にいたしました措置でございまして、本人、家族平均の給付率が八割ちょっと、八三%程度になるわけでございますけれども、家族の給付率の増ということによりまして、ただいま先生がおっしゃいましたような給付の平等が図られるという意味での前進ではないかというふうに考えております。
○石原(健)委員 最初にお尋ねしたお答えの中で、薬剤の適正な使用というようなお言葉があったわけですけれども、そうすると現在の薬剤は適正に使用されていないものもあるというふうに厚生省では認識されているわけですね。
○大和田政府委員 従来から、いろいろ論議されております中に、諸外国に比べて薬の使用度が高いという論議がございまして、そういったような論議に対しまして、やはり薬の適正な使用という方向の行政施策というものが必要ではなかろうかということで、こういう法案をつくったというようなことなんでございます。 なお先ほど先生がおっしゃいました、たとえば医療機関に行きます際に、ある程度、自己負担をするための資金というものを確保しなければならぬ、その場合の手当てはどうかということでございますが、これは保険サイドからではなくて、むしろ社会政策といいますか社会福祉の立場から、御承知と思いますけれども世帯更生資金の制度がございまして、これの貸し出し、特に所得の低い方でございますけれども、そういった手当てはなされることになるわけでございますが、保険サイドからは先生おっしゃったような手当てはされてないわけでございます。
○石原(健)委員 それから、言葉じりをつかまえるようで申しわけないのですけれども、午前中のお答えで、日本人は薬好きだから薬の使用量が大変多いんだというようなお話があったのです。しかし、これはあくまでも私の認識ですけれども、医者が薬をどんどんよこすから、どんどん飲む、そういう認識もあるわけですね。それで保険局長の、あの御認識を少し改めていただければありがたいと思うということと、自分でも経験があるのですけれども、もらってきた薬を飲まなくたって、すっかり回復するときもありますし、もらってきた薬の半分ぐらいを捨てるという人も、これはかなり多いと思うのですよ。そういうことから、やはり私も薬が大変むだに使われている面がある、こう認識しておりまして、今回のこの改正案の中に盛られている薬剤の一部負担ということは、この改正の中での、かなり大切なポイントじゃないか、こう考えるのですけれども、どのようにお考えでしょうか。
○大和田政府委員 おっしゃるとおりだと思います。
○石原(健)委員 次に、本人、家族の両方が十割給付を受けるような改正の方向ですけれども、これはどういうお考えのもとに出されたのか、理由をお聞かせいただきたいと思います。
○大和田政府委員 先ほども、ちょっと触れたのでございますが、給付の公平、平等これが、これからの医療保険の目指す道である。今回の政府提案は、それをやろうということで、現在、本人は十割給付、家族は七割給付ということになっておるわけでございますが、それを本人、家族平等給付というようなことで前進を見る、こういうような主眼で、こういう措置を考えたわけでございます。
○石原(健)委員 四党合意というものが、さきの国会で五月ごろ、なされたように聞いておりますけれども、この四党合意というものを尊重しなければならないか、あるいは尊重しなくてもよいものか、大臣はどのようにお考えになっているか、お聞かせいただきたい。
○園田国務大臣 四党合意から逐次いま四党で話をされていることは聞いておりますが、その内容については、まだ詳細に承知をいたしておりません。政党政治でありますから、四党の方が合意をされて、国会で、どのように進められてくるのか、それによって決まると思います。
○石原(健)委員 私も新聞に発表された範囲内での知識しかないわけですけれども、この四党合意には、薬剤の一部負担それから家族の十割給付、これはいずれも欠けておるわけでございますけれども、これに対する厚生省側のお考えはどうでしょうか。
○大和田政府委員 どうも、いまの段階で何とも申し上げられないわけでございますが、国会の四党でお決めいただき、決まりますれば、それを私どもは受けとめていきたいと思うのでございますが、まだ、その段階でないわけでございますので、今後、十分見守っていきたい、こういうふうに考えております。
○石原(健)委員 社民連と私たち新自由クラブは共同で修正案を用意いたしまして、すでに世間にも問うているところでありまして、その内容については、あるいは御承知かと思うのですけれども、私たちの、このような方向での努力について、政府は、どういうふうに評価しておられるのでしょうか。
○園田国務大臣 新自由クラブと社民連の共同提案の修正案の内容は、よく承知をいたしております。両党の修正案は政府の考え方と基本的には同一の考え方でやっておられると思いまして、高くこれを評価しております。 なおまた、それに関連をして、薬づけという問題を歯どめをやるために、本人と家族の十割給付、平等給付ということについては、私も深く同様に認識をいたしておりますので、将来にわたって両党の御提案はこれを十分拝聴して、提案の趣旨に沿うて、その方向で検討、努力をしたい考えでございます。
○石原(健)委員 まあ私なども将来の医療ということに対して一端の責任を負っているわけでありまして、その辺も厚生省側では十分御理解いただきまして、薬価基準の適正化であるとか、さきの委員会で約束されました医療一一〇番ですか、苦情受付所、このような約束されたことは、できるだけ速やかにやっていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○湯川委員長代理 次に、菅直人君。
○菅委員 きょうは健康保険法の改正についての審議ということで審議を続けているわけですけれども、まず大臣に、この審議の私の質問に先立って、ひとつお尋ねというか、御意見を伺いたいのです。 先ほどの新自由クラブの石原委員の御質問にも一応答えていただいたのですが、私どもも、この健康保険法の改正のいろいろな議論、これはフォーマルに、この委員会でされている議論、またはインフォーマルに各党でやっておられる議論をあわせて詳細に、いろいろな方から意見を伺っていて、何か一つ抜けているような気がするわけです。つまり、前回の一般質問のときにも出ておりましたように富士見病院の問題を初めとして、またスモン病の問題を初めとして、いま私たちが一番問われている問題というのは、医療の質をどうしていくか、内容をどのように高めていくかという問題が一つ、一番大きく問われている。そしてあわせて、確かに費用の問題、給付率の問題が問われていると思うわけです。そういう点で大臣の御見解をお伺いしたいのは、そういった医療の質を高めていくということと、この健康保険法改正案の政府提案のねらいというものの関係を、ぜひお聞かせいただきたいと思うのです。
○園田国務大臣 全く御意見のとおりでありまして、健保の改正が単に財政上の見地からのみ検討されるべきではないと思います。この改正によって、少なくとも給付の平等、負担の公平、高額な家計負担の解消等を通じて保険制度の改革を図り、その目的とするところは、いま御発言の医療の質を少しでも向上するようにと努力をすることが、この改正のねらいでならなければならぬと考えております。
○菅委員 先に進むに当たって、特にその中でも、せんだってスモンの患者さんにも大臣はお会いになったと思うのですが、私もスモン病のいろいろな形の応援をしていて、一つだけ非常にびっくりしたといいますか感じたのは、あるデータなんですが、スモン病にかかった方の一種の性格テストをされてみた、そうすると非常にきちょうめんな方が多かったというのです。つまり、どういうことかというと、薬をもらって食後飲んでくださいと言われたら、非常にまじめに三度三度飲んでおられて、それが半年、一年たまってみると一キログラムとか、もっと多く飲まれた方もいるということなのですね。つまり私、スモン病の原因というのは、キノホルムという薬自体が毒性が強いということが一つ、もちろん、あるわけですけれども、それと同じウエート——ウエートはともかくとして、同じような意味で薬の多用ということがあったというのが、その大きな原因だというように理解しているのですが、大臣の、その点の御理解をお聞かせいただきたいと思います。
○園田国務大臣 いろいろ患者の方や関係者から御意見を聞いておりますが、私も、いま菅先生おっしゃったような傾向もあったのじゃないかと思います。
○菅委員 それでは、そういう点で先ほどの石原委員の御質問にもお答えいただきましたけれども、現在の政府案で薬剤の一部自己負担、二分の一負担ということが提案をされているわけです。私は、この二分の一という数字がちょっと高過ぎるのではないかという点での対案を出してはおりますけれども、基本的に薬剤の一部負担、自己負担ということは、そういう薬の使い過ぎを、ある意味で抑制をしていくという点からも非常に重要な提案だというふうに私たちも評価をしているわけです。その点について、先ほどのスモン病の例を含めて、どのように御理解されているか、お聞かせいただきたいと思います。
○園田国務大臣 厚生省も同じ意見でありまして、やはり、そういう歯どめをするための一つの便法としても一部は負担を願うべきだ、こう考えております。
○菅委員 それから、もう一つ高額療養費の自己限度額が現在、月三万九千円、つまり特に現在の制度で言えば家族の七割給付の中で三割自己負担があるわけですけれども、その額が三万九千円を超える部分については保険で見るという制度をとられているわけです。これは保険局長にお尋ねしたいのですが、この制度が入院の患者さんと通院をしている患者さんにとって、どのような割合といいましょうか、または通院をされている方の何割が、この制度の恩恵をこうむり、入院をされている方の何割が、この制度の恩恵をこうむっておられるか、おわかりでしたら、お聞かせいただきたいと思います。
○吉江政府委員 私の方からお答えいたします。 昭和五十四年に社会保険庁が行った調査、この名前を申し上げますと、ちょっと長いのですが医療給付受給者状況調査報告、これは毎年一回行う調査でございます。それによりますと、政府管掌健康保険でございますが、その家族の患者中、高額療養費を受けている人の割合は入院患者の約五〇%、それから通院患者になりますと、これはぐっと減ってまいりまして約〇・三%というように把握しております。
○菅委員 この高額医療費を政府提案では現行の三万九千円から二万円に引き下げようという提案をされているわけですね。あと、またまとめて申し上げますけれども、新自由クラブと私たち社民連の提案では、政府提案よりもさらに引き下げて一万五千円まで引き下げるべきだという提案をしているわけなのですが、こういう形で、この高額療養費の上限額、自己負担限度額を引き下げた場合に、私の把握では入院患者の方について非常に恩恵がいく。つまり重い負担が、一万五千円という形で私たちの提案どおり決めれば、それ以上が全部保険給付になるわけですから軽くなる。しかし通院している比較的軽い患者さんに関しては、それほど大きな効果といいますか、または影響がない、そういうふうに理解しておりますけれども、これをさらに下げた場合に、そういうことになるという理解に対して、いかがでしょうか。
○吉江政府委員 お答えいたします。 先ほど申し上げました調査によりますと、まず、これを二万円と一万五千円に分けまして、限度額が二万円に下がりました場合に、入院患者の七〇%がこの恩恵に浴し、外来につきましては〇・七%ということになります。それから、ついでに一万五千円以上ということにいたしますと、入院患者の八〇%、それから外来患者は上がりまして一%以上が受けるということになります。外来、通院の場合いずれも、つまり通院の場合は基礎数が少ないですから倍率は高くなりますが、絶対数という意味では、やはり入院患者の方に持つ重みといいますか、それは十分感じられるというように私は考えます。
○菅委員 先ほど石原委員からの御質問の中でも、大臣の方から社民連と新自由クラブの提案についての御見解を伺ったのですが、重ねて少し説明を加えて御見解をお伺いしたいのです。 私たち両党の提案としては、本人、家族については十割給付、つまり格差をなくする。初診、入院については、とりあえず政府提案のとおり、しかし薬剤については五〇%だと、ちょっと重過ぎるので、これは自己負担を三〇%に引き下げる。そして、いま申し上げた高額医療費の自己負担限度については現行の三万九千円を、政府提案の二万円をさらに引き下げて一万五千円にする。いま、お答えいただきましたように、こうすれば現在、入院患者の、家族ですが三万九千円以上の負担の方、五〇%の方がこの恩恵をこうむっているのが、私たちの提案で言えば入院患者の八〇%の方が一万五千円で頭打ちで、それ以上の負担をしなくて済む、そういう形になる。そうすれば平均の給付率、これが財政当局でも大きな問題になっているようですけれども、私が厚生省に試算をお願いしたところでは、こうすれば現行の八八%の平均給付率のままで動かないというデータを出していただいておるわけです。 そういう点で、つまり負担の内容は、政府においても国においても、または患者においても変わらないで、しかも高額療養費の問題で重い患者さん、入院の患者さんについては負担が軽くなり、軽い患者さん、通院の患者さんについては、家族は従来から三割自己負担をしていたわけですから、薬代だけですから多少軽くなる。しかし本人については十割給付を薬だけ三割負担ですから多少重くなる。つまり軽い患者さんについては多少自己負担がふえてくる、そして先ほど大臣も言われたように、薬という問題での薬づけ医療の抑制につながる。こういう点で、私たちとしては、この私たちの提案が給付の内容、給付というお金の問題で言えば、いまと同じで、医療の質を高める上で適切な提案ではないかというふうに考えているのです。先ほどと重なる御質問になりますが、厚生大臣の見解をもう一度、重ねてお聞かせいただきたいと思います。
○園田国務大臣 御発言並びに両党の提案の中で特に大事な点は、私、平素から考えていることは、本当に困った重い患者、それから、ちょっとしたというわけではありませんが通院できる程度の患者において、やはり高額負担の点は入院して重い病気を長期にわたっている者に重きを置くという御意見は全く正しい。私も将来そういう方向でいきたいと考えております。個々の引き下げその他については、財政上の問題もありましたから原案はああなっておりますが、両党の提案は先ほど申し上げましたとおり政府原案と方向は一にしておるものであり、かつまた将来両党の提案は、これを十分検討いたしまして、改善していくべきものであると考えておるわけであります。
○菅委員 非常に積極的な見解をいただいたので、ありがたいと思うのです。私どもとしては基本的な方向は確かに政府提案とも一致している点も多いと思うのですが、給付率の点では、政府提案がかなり現行を引き下げるという方向で出されておるのに対して、私どもの提案では給付率は変わらないという点では、決して患者さんの負担を政府提案ほど強く強いるものではないというふうに理解をいたしているわけです。 あと幾つか、ちょっと細かい点をお聞かせいただければと思いますが、これは先ほど、ほかの方の御質問の中でも答えにくいということをおっしゃっておりましたけれども、たしか私の理解では、四党合意の中では本人の場合に入院が十割で外来が九割というふうな合意が見られているというふうに伝えられているわけです。それが、現在伝えられております、さらに新しい自民党修正案では、入院十割に対して外来も十割に給付で言えば引き上げる。このことは給付率の点から言えば確かに上昇になるのですが、ある意味で、本人が十割ということは、いままでと全く同じで、自己の負担感がないということになってしまっている。つまり私の理解では、四党合意の線よりも、表には出ていませんけれども、さらに出されていると言われる自民党修正案の方が、医療の何と申しましょうか、本人が、自分たちがどれだけ薬がかかり、または、それ以外にかかっているかという自覚の面では、いまと同じで、それが通知運動等の努力がない限りは全くできないということになっていると思うわけです。 それで一つだけお伺いしたいのは、現在、本人の医療費の平均点数と家族の医療費の平均点数が差があるというふうに伺っているのですが、どの程度、差があるかということがおわかりでしたら、お聞かせいただきたいと思います。
○大和田政府委員 正確な数字は、ちょっといまございませんが、率にいたしますと本人五五、家族四五、こういったような率になるということでございます。
○菅委員 この五五、四五というのは、総額でということでしょうか、それとも単なる一人と一人の平均が五五対四五になるということでしょうか。
○大和田政府委員 いま実額が出ましたので、実額につきまして、お答えを申し上げます。 五十三年度についてでございますが、一件当たり診療費が、入院は被保険者十九万三千六百五十六円、被扶養者が十七万三千五百八十八円、こういう数字になっております。それで外来を申し上げますと、五十三年、被保険者は一万百三十三円、被扶養者六千七百八十三円、こういうことになっております。
○菅委員 この数字から見ても推察されるように、やはり本人が十割給付、つまり自己負担ゼロで、家族が七割給付、つまり自己負担三割という現状の場合、外来ですと七割弱というかなりな値になっているわけですね。つまり、やはり自己負担があるということが、その本人にとっても、場合によってはお医者さんにとっても、余りむちゃな——むちゃなということは語弊があるかもしれませんが、その内容について最近問題になっている過剰診療などの抑制につながっているというふうに理解をできると思うのですが、この点いかがでしょうか。
○大和田政府委員 いろいろ解釈があろうかと思いますが、私どもは一つの解釈といたしましては、本人、家族、これは疾病構造が違ってまいります。それから年齢も違っております。本人の場合は比較的平均年齢が高い、家族の場合は平均年齢が低いということで、疾病構造が違っておる。こういったようなことによる医療費の差というようなものが考えられるのではなかろうかというふうにも考えておるわけでございます。ただ、この辺の、いま申しました本人、家族の診療費の格差につきましては、完全にそれを分析するわけにはいきませんけれども、ただいまのような解釈というものを私ども論議しておるところでございます。
○菅委員 平均年齢等について、あらかじめ調査をお願いしてなかったので、あれですが、たしか先ほどの議論の中でも七十歳以上なんかを見れば、かなり家族の方にも多い。そういう点では本人の方が平均年齢が高いと言っても、七十歳以上という非常に費用がかかるところで言えば家族の方が高いわけですから、これほどの差が、それだけで出るとは思えない。これは皆さんの方がよく御存じだと思うわけです。 私が申し上げたいのは、今回この委員会にはまだ正式には出されておりませんけれども、伝えられております四党修正を、さらに変えた自民党修正案が、そういう点では医療の中身についてほとんど配慮がなされていない。つまり先ほど厚生大臣もおっしゃいましたけれども、これからの健康保険法の改正を目指す場合には、そういう医療の質を高めていくという方向を当然考えるべきだとおっしゃられておるわけですが、残念ながら今回、出されると聞いている自民党修正案、最終的修正案には、薬剤の面でも、また本人の自己負担の面でも、それすら全く出ていない。さらには高額医療費の上限も現状の三万九千円を変えない。さらには保険料率の上限を上げる、連動はさせない。つまり使う方はいまと同じような、場合によったら、むだがあるとすれば、それをそのままに容認しながら、もし、お金がもっとかかるんだったら保険料は上げましょう、そういう構造に、この提案が出されれば、なると思うわけですけれども、その点について御見解を伺いたいと思います。
○園田国務大臣 いま各党で話し合いが続けられておることは承知をしておりますが、その内容については政府はいまだ関知せざるところでありまして、これに対する批判は申し上げられません。
○菅委員 非常に微妙なところですので理解もできるので、時間もないので、これで終わりにしますけれども、そういった点で先ほど大臣からも大変積極的な御見解を、新自由クラブと社民連の共同提案に対していただきましたので、そういった方向を踏まえて、やはり国民が一番望んでいるものは医療の質の向上だということを踏まえて、ぜひとも大臣そして厚生省の皆さん、がんばっていただきたいということを最後に重ねてお願いをして、私の質問を終わらしていただきたいと思います。
○湯川委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時八分散会