社会労働委員会 第2号
- 発言数
- 309 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1980/10/16
会議録
○山下委員長 これより会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森井忠良君。
○森井委員 公衆衛生局長にお伺いをしたいのですが、「厚生行政が内閣の先頭に立つか、あとに立つかだ。社会の変化の落ちこぼれを救済するという慈善事業では厚生行政はつとまらない」これはある新聞の記事でございますが、公衆衛生局長、だれの発言だと思いますか。
○大谷政府委員 まことに残念でございますが、私、どなたの発言か存じておりません。
○森井委員 困りましたね。 それでは今度は田中医務局長にお伺いします。「(自民党内には)さきの通常国会での修正のための自、社、公、民四党間の合意は、自民党が選挙で強くなったから関係ない、という意見もある。しかし、政治家として考えれば環境が変わったからといって合意はなくてもいい、という理屈にはならない」これはだれの発言ですか。
○田中(明)政府委員 まことに申しわけございませんが、私わかりかねます。
○森井委員 本当にわからないの。これは園田厚生大臣が齋藤前大臣の後をお受けになって厚生大臣に就任をされたときに、その後わずかの期間の、わが国のいわゆる大新聞の記事でございます。見ていないことはないと思うのですが、覚えもありませんか。公衆衛生局長どうでしょう。
○大谷政府委員 よく覚えておりません。
○森井委員 園田厚生大臣、これは当時新聞が書いた、あなたに関する記事でございますけれども、記事が載っておったということをお認めになりますか。
○園田国務大臣 記事も載っておりましたし、また、その他の場所でも、しばしば私が使った発言でございます。
○森井委員 両局長おかしいじゃありませんか。大臣がお認めになり、しかも、これは朝日とか毎日とか要するに日本の大新聞に載っておったことなんです。あなた方は、ふだん新聞の記事をどんどん切り抜いて、ちゃんと保存しておるはずだけれども、いまのあれは本当に知りませんか。知らないとすれば、きわめて問題があると私は思う。新しく大臣に就任された方の基本方針すら——これは新聞記事あるいは、もちろんそのほかミーティング等がありましょうけれども、大臣の意を受けて、それぞれ各局長さん方はその線に従って仕事をなさるというのがあたりまえだと思う。 それじゃ厚生行政の基本とは、そういった線でやっていくべきだということ、いま大臣お認めになりましたけれども、お二人の局長さんとも、私がいま読み上げたような中身については、その趣旨を了承して、これからも厚生行政を進めていくことになると理解いたしますが、その点だけ一言、お二人を代表して今度は医務局長から御答弁いただきたいと思います。
○田中(明)政府委員 私ども、大臣のもとに厚生行政を所管しているわけでございますので、大臣の方針に従ってやってまいりたいと思っております。
○森井委員 私は、自民党の中で尊敬する好きな政治家を出せと言えば、その一人にちゅうちょなく園田直先生というのを挙げると思うのです。まず大臣は御就任になりまして、これは齋藤前大臣がああいう事件で、きわめて遺憾な状態でおやめになったわけでございますが、きょうは齋藤前大臣についてはお呼びいたしておりませんから、これ以上深くお聞きをすることは避けますけれども、大臣みずからもえりを正すということで、みずからの政治資金の洗い直しをなさいまして、言うならば改めるものは改める、こういうふうに明確になさいました。これは私といたしましても非常に敬意を表するわけでございますが、何といいましても園田厚生大臣はきっすいの党人でございまして、そういう意味では私は役所の人よりもかなり違った発想のもとに厚生行政をおやりになるだろう、こう期待をしておるわけでありますが、そういうときに、先ほど御披露いたしましたように新聞記事が出されました。 そこで大臣にお伺いするわけでございますが、先ほど読み上げました「厚生行政が内閣の先頭に立つか、あとに立つかだ。」文脈からいきますと当然これは厚生行政は内閣の先頭に立つべきだと読みかえられるわけでございます。大変恐縮でございますが、この点について大臣のお気持ちを一言だけ承っておきたいと思うのです。
○園田国務大臣 厚生行政は人間の一番大事な生命と健康を守ることでありまして、これは国の政治から言えば、あらゆる意味においても政治の基本であると考えます。特に今日のように国家財政厳しく、かつまた自衛力の強化など叫ばれる時期においては、まず厚生行政というものに対する、力の弱い人々に対する施策をやって、その上で国の再建をやるべきだ、これは私の信念であり、私の強い願いであります。
○森井委員 鈴木内閣になりまして、特に防衛予算を優先して計上するという動きがございます。歳入が一定とすれば、防衛予算をふやせば他の予算が削られる、当然の理屈でございますが、そうなってまいります。そういった中で特に厚生行政、社会保障関係費等がねらわれておるわけでございまして、現に所得制限の強化でありますとか、児童手当の廃止でありますとか、そのほか幾つかのことが言われておるわけでございますが、防衛予算の増加、福祉予算の切り捨てといういまの内閣の方針について、大変恐縮でございますが閣僚のお一人として、どう考えていらっしゃいますか。
○園田国務大臣 私も政治家の一人として、国会議員の一人として、国の安全保障というものはだれにも劣らない熱意を持って研究をし、努力をしておる一人でございます。しかしながら国の安全保障の第一は、国際的に紛争が起きないよう国際平和を醸成するよう、軍縮その他、日本が平和外交に第一に重点を置くこと、第二番目には国の財産、人権、生命を守るということが安全保障の第一義でありますから、国民の一人一人がそれを自覚されて、そしてこの国を守ろう、このいい国を守ろうという厚生上の諸施策が第二であり、三番目が枠内における防衛力の強化だ、私はこのように考えております。 そういうことで、厳しい条件下ではありますけれども、厳しい条件下であればあるほど、委員各位の御指導と御協力を得て、厚生行政を間違いなしに進めていきたいと考えております。
○森井委員 もう一言だけお聞きしたいわけですけれども、いまの御発言は、やはり園田厚生大臣がかつて外務大臣をおやりになりまして、そして数々の実績をお残しになりまして、そういった体験の中から防衛予算に対する認識を、いまお述べになったものだと思うわけでございます。 いまの言葉を置きかえてみますと、要するに防衛費の別枠というのは順序からいっても三番目だ、こうおっしゃいましたから、そういたしますと、やはり防衛費をふやすということも三番目に必要だけれども福祉の方がもっと優先するんだ、こういうお気持ちでしょうか。
○園田国務大臣 そのとおりでございます。
○森井委員 私は先ほど申し上げましたように園田新厚生大臣に期待をかける一人でございますけれども、ついせんだって、お忙しい中をわずかな時間ではありますけれども、大臣は森滝市郎さんを初めとする原爆被爆者の皆さんと院内でお会いになりました。きわめて短時間でございましたけれども、被爆者の胸を打つ御答弁がその中にございました。原爆基本問題懇談会、いま審議を続けておるわけでございますけれども、必ずしも答申の内容について甘くない。したがって何とかそれを押しのけて、そして被爆者の皆さんのためにがんばっていきたい。答申は甘くないという見通しをお述べになった上で、それを押しのけて厚生大臣としても被爆者のために努力をしたいという意味の御発言をなさったわけでございます。率直なところ私もそばで立ち会っておりまして、私の期待をしたとおりの大臣だな、こういうことを感じたわけでございます。 いま私が申し上げましたように原爆被爆者の問題につきましても、特に大臣は今回、厚生大臣でございますが、昭和四十二年当時の厚生大臣でもございます。したがいまして、その当時は原爆被爆者特別措置法の審議がなされ、そして四十三年から施行されたわけでございますが、言うなれば、その当時の厚生大臣でもございます。もう釈迦に説法になるかと思いますが、それ以前は昭和三十二年にできました原爆医療法しかなかった。そして昭和三十八年ごろから、医療法だけでは足りない、やはり具体的な生活援護も含む特別措置法というものが必要である、国会におきましても、たびたびそういった意味での附帯決議あるいは本会議決議等が行われてまいりました。かなり難産をいたしまして、園田厚生大臣のときに初めて決断をなさいまして原爆被爆者特別措置法というものができたわけでございます。 それを私思い起こしまして、かなり御苦労なさったなという感じがするわけでございますが、いま申し上げましたような趣旨で御質問申し上げるわけでございますが、今日、被爆者の置かれております立場を考えながら、いま園田厚生大臣は被爆者問題をどのように、これから取り上げていこうとなさるのか、所信のほどをお伺いしたいのであります。
○園田国務大臣 御指摘の問題はいま懇談会で検討中でございます。しかしながら一般戦災者との関係などもこれあり、なかなか楽な見通しではございません。かつまた今日の財政その他からいっても、ここに新しい道を開くということはなかなか大変かもわからない。しかし少なくとも懇談会でとびらを閉ざしたり後退することがないように、将来に向かって道だけはあけておいて、われわれがこつこつと努力をしたい、こう考えておるところでございます。
○森井委員 とびらを閉ざしたりしてはならない、道をあけておくべきだという御答弁でございまして、私もそれなりに大臣の胸中を推察できるわけでございます。 そこで道を閉ざしたりしてはならないということでございますが、ことしの四月八日に原爆被爆者特別措置法の審議をいたしましたときに附帯決議を本委員会でいたしております。こういうふうに書いてあるわけでございます。「昭和五十三年三月の最高裁判所判決などにより、国家補償の精神に基づく原爆被爆者援護法の制定を求める声は、とみに高まっている。」これは本院の認識でございますが、申し上げましたように「最高裁判所判決などにより、国家補償の精神に基づく原爆被爆者援護法の制定を求める声は、とみに高まっている。」私もそう思うわけでございます。特に本委員会の附帯決議といたしまして与野党一致で確認をいたしました附帯決議に初めて「原爆被爆者援護法の制定を求める」という言葉が入っているわけでございます。大臣はいま、道を閉ざしてはならぬ、こうおっしゃいましたが、これは附帯決議を受けての御発言だというふうに私は理解をいたしたいと思いますが、そのとおりでしょうか。
○園田国務大臣 附帯決議は全会一致でなされたものであるし、被災者の立場からは別として、国会の委員会で議決されたものは行政府としては、これに対する全幅の努力をするのが当然のことである、こう考えておりまして、そういうこともよく心の中に入れて努力をいたします。
○森井委員 大臣のお気持ちはわかりました。 そこで公衆衛生局長にお伺いをしたいわけでございますが、いま読み上げましたようなことから具体的な認識として、これは附帯決議ですけれども「原爆被害者の老齢化が進むなど、事態は緊急を要するものであるという認識に立ち、可及的速やかに同懇談会の答申を得るよう、最善の努力をする」べきだ、こう書いてあるわけでございます。いま可及的速やかに同懇談会の答申を得るように努力しろということなんですけれども、去年の六月、懇談会が発足をいたしまして、いま十月でございますが、まだ答申が出されておりませんし、早急に出されるというふうにも察知ができません。これは一体どうなっていますか。
○大谷政府委員 昨年六月以来、先生御指摘のように審議をいただいておりまして、すでに十一回の審議を重ねていただいております。特に八月の下旬には軽井沢に御宿泊いただきまして、先生方に合宿をいただきまして御審議をいただいたわけでございますが、ただ二、三、先生方にも健康上の問題もございましたし、また、いろいろ問題の点につきましても慎重に御審議いただいておりますために若干審議がおくれているのは、まことに申しわけないと思う次第でございます。しかし先生方としては、できる限り早く答申をいたしたいということで、いずれ御答申いただけるものと期待しているわけでございます。
○森井委員 これはスタートのときから若干の食い違いがあったわけでございまして、昨年の六月、当時の橋本厚生大臣が答申を得る期限について申し述べておられますが、一年以内に御答申をいただくようにお願いをしたい、こうなっておるわけですね。私どもが昨年の本委員会で決議をいたしました附帯決議は「一年以内の速やかな時期」という言葉が入っておったわけです。この違いはあるわけですが、それにしてももう一年以上たっている。何とか早く答申を得たいということは、それこそ被爆者の切なる願いなんです。指折り数え一日千秋の思いで待っているわけです。 そういたしますと、いま具体的に中身については、懇談会のことですから答弁を得ようとは思いませんが、全般的に言うと仮に審議の過程を十とすれば、いま、どの辺までいっているのですか。もういわゆる基本問題等については議論が終わって八分か九分方まで進んでおるのですか。それから、あと何回ぐらい懇談会をおやりになるのか。それから局長の見通しとして、いつごろには答申が出されるのか。もちろん不確定要素もあると思うけれども、現在の情勢に基づいて御答弁いただきたいと思うのです。
○大谷政府委員 この基本問題懇談会の御審議いただいている内容が原爆被爆者の基本理念に関する問題でございまして、たとえば具体的な問題が十ありまして、そのうち項目が十あるというふうなものではございませんで、物の考え方についての御審議をいただいているわけでございます。したがいまして先生御指摘のように、それが何割方できておるかというようなお尋ねにつきましては、私としても、そこの理解が非常にむずかしいのでございますけれども、おおむね先生方には、それぞれのお考えというものが大体固まりつつあるように私には思われるわけでございます。 ただ先ほども申し上げましたように、残念なことには、この審議会の先生方の構成が、たとえば行政法の関係でございますとか国際法の関係でございますとか科学技術の関係でございますとか、あるいは放射線医学の関係とか、それぞれ専門の方々で構成されておりますために、その中で特にそういった関係の方が健康を害されたというふうなこともございまして、できるだけ早く意見を調整していただきまして御答申いただくというふうに考えているわけでございます。いま先生方としては、そういう先生方の御意向はもう十分御承知でございますので、できる限り早くこれを取りまとめたいというようなことで御審議いただいているわけでございます。
○森井委員 あと何回ぐらい。
○大谷政府委員 そういうわけで、その時期につきましては私ども事務局から、ちょっといま申し上げるというふうな時期ではございませんが、これはもうどうしても予算には間に合わせていただきたいということで、それについては御迷惑をかけないということでお願いしてあるわけでございます。
○森井委員 五十六年度の予算には間に合わせるということでございますから、その点は確認をしておきますが、これは本来、先生方がフリーに御討論なさるために非公開になっていますね。にもかかわらず被爆者の一部の団体等に、たとえば弔慰金がどうのこうのとか被爆者年金がどうのこうのとか遺族年金がどうのこうのとか、いろんなうわさが流れています。いまの局長のお話ですと、まだこれから何回か審議をお重ねになるようでございますから、これは根拠のない、要するに一般の風聞だと私は思っておるわけでございます。そのとおりですか。つまり具体的な中身で一部、明らかにされたような形になっていますが、これは根拠はありませんね。
○大谷政府委員 これはもう全くのうわさでございまして、根拠はございません。
○森井委員 ついでにお伺いするわけでございますが、この附帯決議の中で、こういうことが書かれておるわけです。その最初の具体的な項目の一に「制度の基本的な改正が、次期通常国会までに行われるよう、資料の収集や調査など必要な作業を直ちに開始すること。」それから二つ目に「このため、放射線影響研究所、広島大学原爆放射能医学研究所、科学技術庁放射線医学総合研究所など第一線研究調査機関相互の連絡を密にし、その成果を基礎的資料として活用するよう万遺憾なきを期すこと。」こうなっておるわけでございますが、いま申し上げました二つの点について、厚生省事務当局としての準備作業はどこまでいっていますか。
○大谷政府委員 厚生省といたしましては県当局の方に、ただいまのような御指摘の点について意向を聴取いたしております。それから各研究機関の相互調整につきましても、できる限り、そういった方向で御努力いただきたいということでお願いしているわけでございます。
○森井委員 附帯決議はされましたけれども、こう申しては大変失礼ですが、やはり事務当局は非常に消極的で、いま私が読み上げましたような附帯決議に沿って事務が進んでいるとは思えません。 しかも、これは大臣に御理解いただきたいわけでありますが、くるくる、くるくる役所の担当者がかわるわけでございます。いま局長は答弁をいたしましたが、局長の部下は審議官から課長さんに至るまでかわっておりまして、その都度もちろん引き継ぎはなされているでしょうけれども、やはりこれは経過をきちっと認識をする意味では時間もかかるし、不十分な点もあります。これは役所の機構のことですから、これ以上は申し上げませんけれども、一口も早く、いま申し上げました附帯決議の線に沿って諸準備を進めるようにお願いしたいと思うわけでございますけれども、もう一回、局長、一言あなたのお考えを承っておきたいと思います。
○大谷政府委員 できる限り附帯決議の趣旨に沿いまして準備を進めたいと思います。
○森井委員 次に、例の富士見産婦人科病院についてお伺いをいたしたいと思います。 具体的な中身については、もう予算委員会等でかなり追及が行われました。私もまた別の角度から、いろいろお聞きしたいことはございますけれども、事件の中身については、与えられた時間の関係もございますので省略をさせていただきます。 問題は、大臣がおっしゃるように金もうけのために想像もできないような乱脈なことをする医療機関は徹底的に追及する、とりあえず、この点で私は質問をしてみたいと思うわけです。二度と再び、このような事件を起こさないために大臣の指示がございましたが、厚生省はそれに基づいて一体どんなことをやったか、簡単で結構ですから御披露願いたい。
○田中(明)政府委員 この事件が起きまして直ちにと言っていいぐらいに、九月二十日に大臣の命によりまして次官通知を出したところでございます。さらに引き続きまして、今月の初めに、これを補完するような意味の局長通知を出しました。また今週、全都道府県の医療監視を担当する者を招集いたしまして、次官通知の趣旨を徹底すべく会議を開いたところでございます。 また、このような問題が二度と起きないようにという大臣の御趣旨に基づきまして、先月三十日に厚生省内に医療に関する国民の信頼を回復するための検討委員会というのを発足させまして、現在、医療機関に対する指導、監督の強化あるいは医の倫理の高揚、医療関係者の資質の向上、医療制度のあり方等、医療に関する諸問題につきまして広範な角度から検討を進めているところでございます。
○森井委員 それでは、まず、その辺からお伺いをしたいわけですが、恐らく、これは園田厚生大臣も腹の底から怒られて、すぐやれというようなことじゃないかと、いま情景を想像しておるわけですけれども、医療に関する国民の信頼を回復するための検討委員会、これはあなたが委員長ですね。まだ始まったばかりで余り議論も進んでいないように聞いておりますけれども、テーマは幾つか持っておられます。医の倫理と資質の向上だとか、医療制度のあり方だとか、監視体制の強化だとか、医療内容の適正化だとか、そういった点からおやりになるのでしょうが、問題は、いまあれだけの事件が現実に起きて、失礼ですけれども言うなれば、どろなわ式の委員会というような感じがするわけです。それにしても、やはりこれは悠長な審議は許されない。あなたは委員長として一体いつごろまでに結論を出そうとお思いになるのか。特にお聞きしておきたいのは、これから予算の編成期に入るわけですが、予算を伴うようなものについては早く結論を出さなければならぬと私は思うわけです。一体いつごろ結論をお出しになりますか。
○田中(明)政府委員 今回の事件は、申すまでもなく国民が病気になったときに治療をすべき医療機関において、全く、その趣旨に反するようなことをやったという疑いを持たせる案件でございまして、現行の法体系のもとでは、これになかなか対処できないということで、今回の事件を契機として、われわれ、いろいろ気づいたところがあるわけでございます。 それで事が医療というような問題に関係しておりますので、先生御指摘のとおり、この対策は非常にむずかしいとわれわれも考えております。ただ非常に大きな問題でございまして、このようなことが二度と起きないように、できるだけのことをやるように検討してまいりたいということで、大臣の御趣旨もございまして、全般の問題につきまして結論を得るということになりますと何年かかるかわからないというような性質のものだと思いますが、検討の結果すぐ実行に移せるようなものについては逐次実行に移していけという大臣の御命令でございますので、そのような方法で、これから検討を進めまして成案を得たものにつきましては逐次実行に移してまいりたいというふうに考えております。
○森井委員 あなたの答弁は事件が具体的なわりには非常に抽象的なんですよ。たとえば、すぐできるようなことは、すぐ結論を出してやれという大臣の厳命だと言われるが、それじゃ、どんなことが考えられますか。
○田中(明)政府委員 現行法規のもとでできることは、先ほども申し上げましたとおり、すでにいろいろやっておるわけでございますが、現行法規のもとではなかなかできないことについて、いま討論しているわけでございます。いま具体的にというお話でございましたけれども、思いつきはいろいろございますが、ここでお話しするほど、まだ固まっていない段階でございますので、まことに申しわけございませんが御容赦いただきたいと思います。
○森井委員 九月二十日に事務次官、それから十月六日に医務局長から「医療機関に対する指導監督の徹底について」という二通の通知を出していらっしゃいますね。要するに全国の病院等を総ざらいしろということで非常に結構なことなんですが、医務局長の十月六日の通知、これは医務局長の通知でありますから、このままおやりになることができると思うのですが、私が心配をするのは九月二十日付の厚生事務次官の通知なんです。その最後の項目の中にこういうのがあるのです。四番目として「今回の不祥事を惹起したごとき保険医療機関及び保険医に対する指導、監査については、特に厳正を期し、一層の推進を図ること。」という項目があるのですね。これは次官通達です。 御承知のとおり医師の指導、監査ということになると、昭和三十五年の例の日本医師会との覚書によりまして医師会の立ち会いということが必要になってくるのではないか。そうなってくると、率直なところ過去の例からいきますと非常にやりにくい。それには皆さんもほとほと困っておられるはずです。これは医師会とは協議をしていらっしゃるのですか。
○大和田政府委員 昭和三十五年の申し合わせば、立ち会いというよりも、むしろ医師会と行政側と協力をして円滑に進めようというような中身のものでございまして、監査をやる前に、まず指導をやれ、こういう中身のものでございます。それで昭和二十九年にも同じような申し合わせをしておるわけでございますが、むしろこの申し合わせば円滑に監査を進めるということのように私どもも解釈しておりますし、また関係団体もそのような解釈をとっておる。いずれにいたしましても、この監査の強化ということにつきましては私どもは当然おっしゃるまでもなく進めていかなければならないと思っておりますし、これにつきましては医師会とも寄り寄り話をいたしまして、この監査の推進につきまして今後とも積極的にやってまいる、こういう所存でございます。
○森井委員 そうしますと、いま申し上げました次官通達を実施するとすれば、やはり医師会との協議が要るが、いまのところ日本医師会とは話をしていない、こう理解をしてよろしいか。
○園田国務大臣 富士見病院のことはしばしば申し上げておりますが、大臣として心配なことは、あれが氷山の一角であって、あのようなひどいことはないとは思いますけれども、医療機関その他か営利に走って、医療、患者に対する守りということが後になっているおそれがあるのではないかということを毎日心配しておるわけでございます。 そこで一面から言いますと国民の医療に対する信頼を回復することも大事でありますが、また一面から言うと、大部分のお医者さん及び医療に従事する人々は、これと一緒にされたくないという気持ちが非常に強いわけでございます。そういう意味においても私は制度の見直しとかなんとかではなくて、たとえば富士見病院の場合でも制度に決められたる監査、及び何か申し出や訴えがあった場合に、逮捕された北野を呼んで注意するとか監査をしておるということは、規定に決めたことだけはやっておるわけでありますが、それからさらに、もう一歩突っ込んで、その裏に何かあるかなあという気持ちからやったという、いわば医療行政に対する監督指導の熱意が厚生省のわれわれに欠けておったのじゃないか、こういうことがありますので、まず次官の通牒以後なるべく早い機会に各県の衛生部長それから第一線の指導、監査に従事する人の研修会とか会合を開いて、こういう意味で、この際は私は特別に、国民の方から与えられた政府の全権力をふるって不正の摘発に当たりたい。これは正しいお医者さんを守る意味においてもそうでありますから、私は武見医師会長にはその点は協力をお願いするということを申し出ております。今後、私の具体的な考えがまとまれば、それに基づいて医師会や歯科医師会その他の団体には相談するつもりでおります。
○森井委員 大臣の決意はよくわかるのです。ただ、いままで予算委員会でも、あるいは本委員会でも問題になりましたのは、御承知のとおりの、お医者さんは大部分はりっぱな方だと私は思いますけれども、中にやはり悪徳医師や濃厚診療を続けている人が依然として絶えない。たとえば健保連等の調査によりましても大方一千万近い金が一人一カ月の診療点数で消えるというふうなことすら現に指摘がされているわけです。そういった悪徳医師に対して、いままで何回となく指導、監査の問題が提起をされました。聞いてみますと必要を感じて直接指導する、監査をするということができない仕組みになっているのですね、三十五年の日本医師会との協定があるから。私ども、しばしば協定を破棄しなさい、こう言ってきたわけですけれども依然として破棄をされない。具体的に申し上げますと一つの医療機関を指導、監査をしようとすれば、いきなりは行けないのですね。事前に当該の医師会に連絡をとって、そして医師会の立ち会いがなければ指導、監査ができないことになっている。だから、せっかくの事務次官の依命通達でありましても、これが医師会の理解がなければ、あるいは協力がなければできないというところに最大の問題がある。 いま大臣の御決意からいきますと——これはもうすでに通知は各都道府県知事に発送をされておりまして効力があるわけですけれども、要するに通達をしただけで、現実にやろうとすれば、いま申し上げましたように、どうしたって、いままでのあの悪徳医師を具体的にすぐ指導、監査ができないようなルールがじゃまになる、立ちはだかっておると思うわけですが、この点をどうするのか。いまお聞きしますと大臣は、まだこれから話し合いをなさるわけですか。もっと毅然たる方法で——特に状況が変わってまいりました。めったに、こういうケースはあると思えませんが、いまや国民のこの問題に対する不平不満というのは山積しておるわけですから、医師会との協定はあるけれども、この通達どおり今回に限り、これはやるというところまで言い切れませんか。保険局長どうですか。
○大和田政府委員 先ほど申し上げましたように三十五年の通達、これは立ち会いというよりも両者相協力さらに指導をやる、先ほど先生おっしゃいましたように指導をまず優先しろ、こういうことでございます。確かに、いきなり監査ということにはいかないわけでございますけれども、これは集団指導以外に個別指導というものがあります。個別指導を行うことによりまして、問題の医療機関につきましてもかなり是正されまして、その後、問題も起こらぬということが期待されるわけでございまして、現にそのようなことになっておるわけでございます。したがいまして、この個別指導というものは決して不必要なものではなくて、これを積極的に進めることによって、むしろ不正を事前に防げるということになろうかと思います。 また立ち会いの問題でございますが、これは現地の医師会の役員を立ち会わせまして、こういうような問題のある医療機関があることを十分役員にも知らしめるという効果があるわけでございまして、決してマイナスのことだけではない。要は積極的に指導並びに監査というものを進める、そのスタンスであるというふうに私どもは考えております。これは先ほどもお答え申し上げましたように大臣の指示もございます、積極的に進めてまいりたい、かように存じております。 なお富士見病院でございますけれども、本日並びに明日と監査を行っておるところでございます。
○森井委員 これは通達によりますと、かなりな数の指導、監査をやるのですね。医師会の役員を全部立ち合わせるのですか。これは、きわめて乱診乱療の疑いが濃い、あるいは医療法その他具体的な法令に違反する可能性が多い、そういう特定の医療機関だけの通達ですか。全部を対象にした通達でしょう。そういたしますと、いまあなたが言ったことと趣旨が違うのじゃないですか。指導、監査をするときに一々全部、医師会の立ち会いを必要とするのですか。そういう形でやっていくわけですか。
○大和田政府委員 お答えをいたします。 おっしゃるとおりでございます。指導を行います際、並びに監査を行います際に医師会に立ち会いを求めまして、このような事案があるということについて知っていただく、こういうことでございます。
○森井委員 先ほど言いましたように今回はこういう緊急事態だから医師会の立ち会いは要らない、こういうことは言えないのですか。いままで、しばしばこの委員会で問題になりましたように医師の指導、監査については問題がある。だから、いま健保につきまして四党でいろいろ話し合いをしておりますけれども、周辺問題の最たるものの一つとして指導、監査というものが出てきた。いままで私がこの委員会で申し上げましたのは、三十五年の医師会との協定があるにしても、せめて協力が得られなかった場合は、じかに厚生省なり都道府県知事がやりなさい、ここまでは進んでまいりました。しかし、それ以上はどうしても進んでいない。ぼくは一般的なことを言いませんよ。いま、もう一回全国の医療機関を洗い直そうというときに一々医師会の役員の立ち会いを求めなければならぬほど、この通達というのは弱いのですか。大臣いかがでしょう。
○園田国務大臣 御指摘のことはきわめて大事なことでございまするし、その申し合わせが、適正な指導監督をやる場合に不正な医師または医療機関を守る防波堤にされては何ら効果がないわけでありますから、医師会の不正の摘発と指導、監督、こういうことに協力をしてやってもらうよう、もう一遍検討し相談してみたいと思います。
○森井委員 時間の関係で、これ以上申しません。この機会ですから国民の不満と不安をなくすために厳正に努力していただきたいと思うのです。 もう一点だけ聞いておきますが、先ほど御披露申し上げました二つの通知をお出しになったわけですけれども、具体的な実施主体は都道府県になるわけですね。大部分は厚生省がじかにやるわけではない。そういたしますと全国の医療機関をやるわけですが、いつやるのか、大体めどはいつごろなのか、通達はお出しになったけれども具体性が非常に乏しい。やるとすれば、いろいろな意味の予算がかさむと思う。この予算の裏づけはあるのでしょうか。
○田中(明)政府委員 先ほど申し上げましたように今週火曜日に全国の都道府県の医療監視の担当の者を集め、会議を開きまして通知の趣旨を徹底し、できるだけ早く、なるべく本年じゅうに通知の線に沿って全国の病院について総点検を行うように指示したところでございます。府県の事情が異なりますので一律にはなかなかいかないと思いますが、そのような線で、これから総点検が行われるものというふうに考えております。 また御指摘のように、都道府県によりまして病院の数あるいは医療監視員の数等が異なっておるわけでございますが、何と申しましても国民の医療に対する信頼を回復する上で非常に重要なことであるというふうに考えておりますので、先ほど申しましたようにできるだけ年内に一斉点検を行うよう最大限の努力をお順いしておるところでございます。
○森井委員 たくさんの質問があったわけでございますが、もうすでに時間がなくなりました。 最後に一問だけ、お伺いをしておきたいと思うのですが、スモン患者の救済の問題です。 ことしの三月七日に東京地裁の民事三十四部で和解勧告がなされましたけれども、これだけ月日がたっているわけでございます。依然として投薬証明のない患者の救済が足踏みで国民の怒りを買っておるわけでございますけれども、大臣は先般、製薬三社の代表とはお会いになりました。新聞によりますと非常に消極的で困るということでございます。一体これからどう打開をしていかれるのか、大臣、これからの積極的な指導の方針を一言お聞かせいただきたい。 それから製薬三社の代表とはお会いになったのですけれども、私はやはりこの時期に——齋藤前厚生大臣もお約束をされながら、患者やそれを代表する弁護士の皆さんとまだ会っていらっしゃらない。そういう意味では片手落ちでもあるわけでございます。したがって、いま申し上げました意味でも患者の代表等とも早急にお会いなさって直接声をお聞きになる必要もあると思うわけでございます。いずれにいたしましてもスモン患者の救済、なかんずく投薬証明のない患者の問題について大臣の御所信を承っておきたいと思うのです。
○園田国務大臣 御意見の、患者の方ともなるべく早く会え、なるべく早く会うようにいたします。遅くとも来週中には早い時期にお会いするようにいたします。 なおまた三社に対する問題でありますが、齋藤前大臣が要請されたことに対して九月三十日か、その回答を持ってまいりました。これは私の賛成できざるところでございましたから、東京、札幌の裁判所の所見、勧告に全面的に同意、賛成をして、これから和解の第一歩を踏み出したい、これは強く要請をしてございます。もし裁判所の和解ができない場合には行政和解になるが、その場合はもっと厳しいぞ、私はもっと厳しくやるつもりだと言って、三社は単に患者の被害救済ということではなくて、薬の将来に対する信頼を回復する、こういう意味で、ある意味においては三社が国民から信頼を受ける宣伝費でもあるという強い要請をして返答を待っているところでありますが、先般、事務当局に持ってきた返答は、なお私が納得できないことでございますから、さらに突っ返してございます。したがいまして、この問題はそれが残されたただ一つの問題でありますから、いかなる方法を講じても三社の方々に裁判所の和解勧告、所見にサインをされるよう要請をし、そうしたいと考えております。少なくとも今月中には三社の方々と私の意見が一致をして、この和解に踏み出すようにしたいという考えでやっております。
○森井委員 大臣の所信のほどはよくわかりました。 質問項目をたくさん予定をしておりまして通告をしながら質問をしなかった皆さんにはおわびを申し上げまして、私の質問を終わります。
○山下委員長 金子みつ君。
○金子(み)委員 私は、きょうは富士見産婦人科病院の問題一本にしぼったわけでございますが、この病院の事件をいろいろと解明したり御質疑をさせていただいたりしていこうと思いますには余りにも問題が多過ぎて、どのように、どこから手をつけたらいいかと思うぐらいでございます。そこで私は、さまざまなものがふくそうをした総合的な犯罪事件、事犯だと思うのですけれども、きょうは、いただきました時間が大変短いものですから、医療問題一点にしぼりたいというふうに考えております。 実は私は調査団を党の中でつくりまして、今月の四日に所沢へ出向きました。そして被害者の方々と直接お目にかかって、その訴えを聞かせていただいてまいりました。 被害者の方たちの訴えは、本当にもう新聞記事やテレビなどで見るのとは違って大変に生々しい訴えでございまして、その激しい怒りと憤り、そして悲しみ、くやしさ、いろいろなものが錯綜して、自分が話をしながらも興奮して涙ながらに訴えられる。私どもも、その話を伺いながら本当に胸迫る思いがしたわけでございます。そして私はそのとき、日本の医療の荒廃もここまで来たのかしらとしみじみ思いまして、背中に水をかけられたみたいな思いがしたわけでございます。何と恐ろしいことだろうというふうに思いました。 この事件は御承知でいらっしゃいますから、いろいろと申し上げませんけれども、私が問題だと思いますのは、御承知のように、きのうきょう起こった問題ではなくて、昭和四十七年ごろから、すでに医療機関の間ではもうわかっていたことなんだし、それから所沢の市当局、埼玉県、所沢の保健所、こういうところでも被害者から通報があったわけですね。それなのに九月十一日に新聞によって発覚されるまで病院側のとってきた態度、これは意識的に社会的、政治的工作をとってきたわけですね。そのことによって、この事実が七年間以上も隠し通されてきたというところに問題があるというふうに私は思うのでございます。まことに、その秘密性、密室性と申しますか驚くべきことだと思って考えさせられております。医の原則である倫理性だとか、あるいは人間性なんというものは全く失われてしまって、もっぱら営利を追求する医療であったということ、しかも、それらが多くの違反を犯しておる計画的な犯罪であったということはまことに恐るべきことだと思うのです。 問題がたくさんございますが、私がきょう、どうしても申し上げたい、御意見も伺いたいと思っておりますことは、今回のこの富士見病院事件に関して申しますならば、ほかの病院のことはともかくといたしまして、この病院にしぼって申し上げます限りにおいては、今度の事件において最も厳しく、その責任を追及されなくてはならないのは医師だと私は思うのです。医療は医師と患者の人間関係あるいは医師と患者の信頼関係で成立するんだというふうに言われておりますことは御承知のとおりです。しかし実際問題としては、その信頼関係は患者の側の医師に対する一方的な信頼なのであって、医師は患者の信頼にこたえるためには社会的にも人道的にも責任があるはずなのです。ところがそれが実現されていないところに問題があると思います。 もちろん何の資格もない、たくさんの法律違反を犯してきた北野早苗理事長、法人の理事長ですね、この人がMEの操作などによって診断行為をしてきたということはもう本当に論外だと思います。まことに論外だと思いますが、その行為を院長初め五人の医師が制止するどころか、それを許し、あまつさえ、その上にと言いたいくらい、その計画的犯罪行為に協力をしているという事実、これは全くもう信じられないことだと思うのです。本当に許しがたいと思います。これは治療上のミスでも、もちろんありませんし過失でもありません。明らかに故意による刑法上の人身傷害、それに相当するというふうに考えられると思うのでございます。 従来、過去において医療あるいは医療保険の不始末など事件が生ずるたびに、医師と患者の信頼関係を壊すからという理由で、その公表それから事実の徹底的な究明というのは二の足を踏まれてきています。それをしたのはいつでも医師ですし、そして、それに対して屈してきたのが行政だったわけです。必要もない薬を患者に飲ませる、あるいは同じような検査を何回も繰り返す、いわゆる薬づけとか検査づけとか言われておりますことが、わが国の医療では一般的なことのように考えられているところに大きな問題があるというふうに思います。 実は、いまさっきスモンの話も出ておりましたけれども、スモンの問題についても私はこう考えているのです。スモンは御承知のように、あのような決着になりまして、そして裁判でもキノホルムの投与が原因だということもはっきりいたしまして、その責任が国と製薬会社に追及されてきたという事実でございますけれども、私はその間に医師はどうしたんだということを言いたいわけです。キノホルムを大量に継続的に投与しなければ、あの病気は起こらなかったはずです。治療のために用いるのは結構です。しかし、それを超して必要以上に投与したから、あの病気が起こったんだというふうにはっきりしているじゃございませんか。薬を処方したのは医師ですからね。それなのに、その医師がお構いなしというのは私は大変片手落ちだと思っております。だから私個人の考えとしては、あの裁判で決着しましたけれども大変に不満だと思います。 こういう患者の信頼を裏切る、人間の生殺与奪の権限を持っておる医師は、人間として最高の倫理を要求されている人であるはずです、その職業だと思います。それを患者の信頼を無残にも踏みにじったり、あるいは医師の甘えの構造あるいは医師のおごりの構造と申しますか、これは私は許せないと思うのです。これは厳しくただされなければならない問題だと思うのです。ですから今度の問題もいろいろ問題ございますけれども、その中核になっている医師の倫理責任というものの観点から、私は徹底的に総点検してみる必要があるのじゃないかというふうに思っておりますけれども、大臣どのようにお考えになりますか。
○園田国務大臣 医師の倫理の再確立はきわめて早急で大事な点でございます。いま述べられました御意見を十分拝聴して、そういう点に考えを置いて見直しなり検討をしたいと考えております。
○金子(み)委員 もう一つございます。現在の社会保険診療報酬の問題でございますけれども、医師に対する診療報酬でございますね。これはいま出来高払い制度ということで、この出来高払い制度そのものも非常に問題がある。薬づけ、検査づけのもとになっているというふうに言われておりますので、そのとおりだと思いますが、これは大変に問題なので、いずれは検討を加えなければいけないことになっていると思うのですけれども、この出来高払い制度が行われることになりました、そのゆえんは大臣も御承知だと思いますけれども、それは医師の良心を信頼して、こういう制度になったわけです。 私はそのときのいきさつを承知いたしておりますけれども、その当時、出来高払い制度を実施するについては、ずいぶん意見があったわけでございます。いろいろありました中で一番端的に素人わかりがして、みんながそうだなあというふうにわかる意見としては、診療のレセプトをつくるのは医師ですね、書くのは医師です。その医師がつくって提出したレセプトをだれがチェックするかといったら医師なんです。医師だけがチェックする。医師がつくって出したものを医師がチェックをする、こういうシステムなんです。ですから、おのずと出てくる疑問は同業同士の間でかばい合いが出てくるのじゃないだろうか、あるいは悪くすれば、お手盛りが出てくるかもしれない。どっちにしても正しくチェックはできないのじゃないだろうかということは意見としてずいぶん出ていたのですね。しかしそのときに、そういうことは考えられない、なぜなら医師は良識があるから、医師の良識にまって、この制度はつくるのだ、こういう話で押し切られておりますね。 確かに医師の良識を私どもは信頼いたしますし、そして期待もいたします。医師の良心があるからこそ出来高払い制度ができているのだということを考えますと、そのことは考えるのですけれども、その後いかがですか、不正請求や乱診乱療が後を絶たないじゃありませんか。幾つも幾つも申し上げる必要はありません。御存じだと思います。 たとえば、いまのこの問題の中心になっております富士見産婦人科病院だけの例をとってみますと昭和五十四年度、昨年度、これは埼玉県の調査でございますが、この病院はわずか五十六床しかない小さな単科病院でございます。ところが一年間に手術件数が六百二件もあったわけです。ですから平均一日三件あった、こういうことになります。その手術をする医師は五人。富士見病院の手術件数の八〇%近くは子宮摘出、卵巣摘出ほとんどこの病名です。そこで私は同じような病名で行われた手術を調べてみましたら、国立病院医療センターではベッド数は六百二十ですが、子宮摘出は五十四年度には年間百五十三です。ですから月にして十二・七です。一日にすれば〇・幾つになってしまいます。それから日本大学の駿河台病院ベッド数四百三、ここの子宮摘出は年間八十四です。卵巣摘出というのは八。申し落としましたが国立病院の方の卵巣摘出は五十四年度では年間三十。ですから月にして二・五。日赤医療センターの場合、子宮摘出は年間二十五、卵巣摘出は十。こんな数字なんですね。いかに富士見産婦人科病院の手術がめちゃめちゃに多いかということが言えるわけです。 さらにいま一つ、これと関連して申し上げたいのは医療費の問題なんですが、私どもが直接被害者の方からいろいろと伺ってまいりました、その中から申し上げてみますと、いまの子宮摘出と卵巣摘出と、どっちも一遍にとられるのがほとんどのケースなんですね。その両方を一遍に摘出されて百万円払ってきているんですね。百万円要求されているんです。私は厚生省にお尋ねしてみました。子宮全摘や卵巣全摘は何点ですかということですね。そうしたら子宮全摘が五千百点。卵巣は二千三百五十点、合わせて七千四百五十点。一点十円ですから七万四千五百円にしかなりません。これは手術そのものの費用ですから、このほかに、いろいろなものが入りますことは承知いたしております。麻酔の問題も入るでしょうし、その他の雑費が入ると思いますが、それらのものを合わせても一さらには、この病院は手術をした患者は必ずみんなが一日三万円の特別個室へ入れられてしまうんだそうです。これは被害者の証言なんです。そういたしますと二週間入っていても三十六万かかるわけですね。それで一週間たっても出してくれないから途中で催促して出してもらうんだという訴えをいたしておりました。それらの部屋代が物すごく高い。しかし、それらを合わせてもせいぜい四十万円くらいにしかならないのですね。それを百万円請求している。わからないから支払っているわけです。 ここで私は保険局にお尋ねしたいのですけれども、私の疑いは、この病院は健康保険病院ですから、この手術に対する費用を別途レセプトで請求しているんじゃないか。そして患者には、そんなことはわかりませんから別に百万円要求する、いわゆる二重取りをやっているんじゃないかということです。そういうことは考えられないでしょうか。そのことが一つです。 時間が少ないので続けてもう一つ質問をさせていただきます。今度はお返事が医務局になるかと思いますが、いまの医療制度でいきますと、健康保険の適用の範囲内ならわかるわけですけれども、そうではなくて、うちは健康保険を適用していませんという病院もありますし、その分についてはいたしませんという場合があるのですね、ケース・バイ・ケースで。同じ健康保険病院の中でも治療対象によって違う、それは健康保険はききませんという言い方をされることがあるわけです。そうすると保険を適用しない、いわゆる自由診療と申しますか、自由診療の場合には何をやってもお構いなし、そういうことになるのでしょうか。この二つをぜひ伺わせていただきたい。
○大和田政府委員 前段の問題につきまして御説明申し上げますが、現在いわゆるレセプトの内容分析を行っております。また過日、十月の三、四、八、九と患者調査を行っております。先ほども、ちょっと申し上げましたように本日と明日で私どもの方からも職員を派遣いたしまして監査を実施しております。そういったところで、先ほど先生おっしゃいましたように二重請求というものを行っておるかどうかというものがそこで判明をいたすと思います。判明をいたしました暁におきましては必要な行政処分を行う、かように考えております。
○田中(明)政府委員 現在、国民皆保険の制度になっているわけでございますが、そのもとにおきましても分娩等一部の診療行為については自由診療というふうになっておるわけでございます。その料金でございますけれども、これは本来、医師と患者との間において社会的良識で決めていただくべきものであるというふうにわれわれは考えております。いわゆる協定料金、医師会が協定して決めた料金あるいはその設定について行政指導するということは、独占禁止法との関連がございまして困難であるという実情でございます。
○金子(み)委員 いまのお話はお話としてよくわかります。ですけれども、この病院には全然通用してない。患者さんはみんな異口同音に申しました。そんなに高いお金、初めからわかっていたのですか、入院する前に用意しなければならないでしょうから、わかっていたのですかと聞きますと、いいえそうじゃないと言うのです。退院するときに、幾らかかったから払いなさいという請求書が来るんだと言うのです。ですから医師と患者との話し合いなんというものは全然ないわけです。医師会の協定料金のことは私は具体的に存じませんけれども、協定料金を超えれば独占禁止法にひっかかる、それはそうだと思いますけれども、いまの分なんかは、まさしくそうじゃないかという感じがいたします。ですから、これはそういうものがあるからといって安心していられない問題じゃないでしょうか。私は富士見病院なんかは一つの例で大変いい警鐘だと思うのですけれども、これを機会にどういう方法をおとりになりますか。このままにしておかれますか。そんなに必要以上に高い治療費を払わせられている人たちがたくさんあるという問題について、どのように処置したらいいとお考えですか。いまのほかに何も自由診療に対する対策はありませんか。
○田中(明)政府委員 自由診療の場合の料金についての見解は先ほど申し上げたとおりでございまして、現在のところ、これという妙案は持ち合わせておりません。今後十分検討いたしたいと思います。
○金子(み)委員 私は大変問題だと思うのです。自由診療という名前のもとに何でもできるということであったら、これから先、非常に憂慮されなければならないと私は思いますので、どういう方法がいいかは、もちろん私も、いまここで腹案を持っているわけじゃございませんけれども、専門である厚生省で、そういう問題に医療行政の一環としてぜひ検討を加えていただきたいと思いますので、お願いします。 それから、その次の問題でございますが、先ほど森井議員からもお話が出ておりましたので、私もなるべく重複しないようにと思って選んで話を進めているところでございますけれども、一つだけ私がどうしても知りたい、同じ問題になりますけれども伺わせていただきたいことがありますのは医療監視の問題なんですね。 今回の富士見病院の事件は、先ほども申し上げましたように四十七年ころからの話でありますから、もっともっと前に早い時期に通報があった時点で医療監視をきちっとやっておれば、こんなに問題を拡大しないでも済んだんじゃないだろうかということを私は思うのです。ですから、そういう意味においては私には県も市も、あるいは厚生省も、患者の立場から見れば同罪だというふうにすら思える。ちょっと言葉が強いかもしれませんが、そんなふうな気がいたします。 それで、その医療監視なんですけれども、先ほど伺っておりましたら、きょう、あす医療監視をなさる。それ前はあったのかなかったのかということもせんだって伺いましたら病院の医療監視は毎年一回することになっているというお話ですね。毎年一回することになっていて、それが最近では五十五年ことしの二月、昨年の二月なさったという御報告をいただきました。そのとき何をなさったのですか、それを伺いたい。
○田中(明)政府委員 現行法のもとにおきましては医療監視によりまして、病院の構造、設備が基準に合っているかどうか、あるいは医療関係の人員が基準を満たしているかどうか、またカルテ等の書類が正確に記入されているかどうか、そういうことを監視することになっておるわけでございます。
○金子(み)委員 普通一般の医療監視の場合には、そういった形式的な監視のやり方でも何とか済むのかもしれませんけれども、富士見病院に関する限りは、もう先ほど来何遍も申し上げますように数年前から事件が起こっているということでマークされているんですね。そういう病院の医療監視に行かれた場合にも、相も変わらず、そういった形式的な監視だけしかなさらないのですか。なぜもっと医療内容に踏み込んだ監視ができないのですか。それは医師会が立ち会っているからできないのですか。その辺をはっきり伺いたいのです。
○田中(明)政府委員 医療監視につきましては、先ほど申しましたように法に定められている内容がそうなっておるわけでございますので、それに従って医療監視員は監視を行っているということでございます。 先生御指摘のように保健所におきましても、昭和五十三年の九月から五十四年の一月にかけまして五人ばかりの患者さんからいろいろな内容の訴えがございまして、その中に、ほかの病院との診断が食い違うというような問題がございましたり、また、うわさとして資格のない理事長がどうも超音波診断装置を操作しているというようなことも聞かれましたので、保健所におきましては富士見病院の理事長以下責任者を呼んで、この点について問いただし、また防衛医大におきまして、その診断が食い違ったというようなことについても、専門家の意見を聞いたわけでございますが、残念ながら事件のさらに突っ込んだところまで把握するということができなかったわけでございます。
○金子(み)委員 教えていただきたいのですが、いまのような場合には医療監視員の権限でできないことなのかどうか。それからもう一つは、できないのだったならば、厚生省の医療行政の担当としてそれができないことはないと私は思います。医療監視は本来は厚生省がやることですよ。それは便宜上たまたま都道府県に委託して、県の衛生部はそれをまた保健所へ委託してと、だんだん仕事を下へおろしていって実際の責任者はやってないわけですね。だから、いまお話を伺っておりますと、いわゆる通り一遍の医療監視ではとても発見できない問題ですから、こういう場合には、なぜ直接厚生省がなさらないのか、こういう問題なんです。それはいかがですか。
○田中(明)政府委員 現行の法規のもとでは残念ながら診療内容に立ち至った監視というのはできないたてまえになっております。先ほど申し上げました保健所の対応等も行政指導というような形で行われているわけでございます。このような事件を契機といたしまして、果たして現行の制度で適切であるかどうかという点につきまして大臣の命を受けまして検討委員会をつくって検討してまいるということを考えておるわけでございます。
○大和田政府委員 先ほど先生御質問の中で、きょう、あす行っておるのは医療監視であるという御発言がございましたが、きょう、あす行っておりますのは保険医療に対する監査でございます。したがいまして水増してあるとか架空であるとか、いわゆる不正診療に対する監査を行っている、こういうことでございますので……。
○金子(み)委員 わかりました。 いまの話をこれ以上やっておりますと時間がなくなりますので、ここで途中で打ち切りいたしますけれども、私は大変問題だと思うのです。保険局がなさるのは、いまお話しのとおり保険診療内容のことだけしかなさらないわけですから、それでは足りないわけですね。そうでなくて私がさっきから申し上げているのは医療内容そのものの問題ですから、それができない形になっているというのはやはり問題だと思います。検討委員会で、それができるような形になさるのかどうか知りませんけれども、大臣にも聞いていていただきたいのですけれども、検討委員会ですることがいいのか、あるいは別のものを考えるのがいいのか、いずれにいたしましても、先ほど大臣おっしゃったように厚生行政は国民の命と健康を守る行政なんだというお話でありますならば、それを守るというその目的を達成するためにも、いままだ不備である、そういった諸制度であるとか、あるいは取り扱いとか行政の措置とかについて改めていただけるように早急に御検討をお願いしたいというふうに思います。先を急ぎますので、それは申し上げておきます。 いま一つの問題は、今度の事件に関して私は大変に不思議だと思うことが一つありますので、お尋ねをしながら考えていただきたいと思います。 それは富士見産婦人科病院の診療の実態を教えてもらいたいと思いましても厚生省はわからないとおっしゃるわけです。なぜかと言ったら、必要な重要資料は全部警察庁へいっちゃっている、警察の手に渡っているから自分たちではできない、こういう御答弁でありました。そのときに私はおかしいと思ったのです。 そこで警察庁の方にも伺いたいと思うのですけれども、警察が手に入れてしまえば後は全然だれにも見せられないということだとすれば、私はそれはそれなりに一つのやり方なんだと思うのですけれども、入手した資料を警察から外へ持ち出すことがもしできないのであれば、厚生省側が警察庁へ行ってその資料を見せてもらうことはできないのかということなんです。同じ資料でも警察の立場から見るのと医療行政の立場から見るのとでは私は見方が違うと思うのです。ですから、それを同時に両方がやって、そして刑事事件の問題と医療行政の問題とは並行して事を進めていくというふうにするべきじゃないだろうか。何というのでしょうか合同調査とでもいうのでしょうか名前はわかりませんが、そういうことができないものなのかということですが、これは警察庁からお尋ねをいたします。
○斉藤説明員 司法的観点と行政的観点では必要事項がおのずから異なろうかと思いますが、警察といたしましては厚生省が必要と思われる事柄につきましては捜査上支障がない範囲で御協力することにやぶさかでございません。
○金子(み)委員 ちょっと警察庁の方、御協力することにやぶさかじゃありませんということは、資料は見せることができるということなんですか。それとも警察庁でお調べになった結果この点については厚生省その他へも連絡してもいいなと思うから、その部分だけを厚生省の方へ知らせてあげる、こういうことですか、どっちなんですか。
○斉藤説明員 押収しておる資料はすべて現地の警察署にあるわけでございまして、もちろん警察庁に全部来ておるわけでございません。したがって警察庁が知り得るものは限りがございます。したがいまして警察庁においても、また現地の警察においても、捜査上支障がなければ資料をお見せすることは可能であろうかと思います。
○金子(み)委員 いまの警察庁のお返事でわかりました。厚生省はいまのお返事を聞きながら、必要な資料が欲しいのだったら積極的に警察へいらしたらいいと私は思います。ぜひそれをやっていただきたい。 私は警察に行かれることは重要なことだと思いますが、もう一つ申し上げたいのは、最初にお話にあったように資料がもし手に入らない、あるいはどうにもならないというときに、私は被害者に直接お会いになって直接、被害者からいろいろなことをお聞きになるということは、なぜなさらないのだろうという疑問を覚えます。積極的に、誠意を持って熱心にそれをやってごらんになる努力をなさったらいかがですか。プロジェクトチームができていると伺っておりますが、プロジェクトチームこそ、それをやる役目じゃないかなと思います。チームのキャップでいらっしゃる医務局長いかがですか。
○田中(明)政府委員 先ほどの警察に保管されている資料につきましては、私どもの方も先週、埼玉県を呼びまして、警察に御協力をお願いして、なるべく資料を見せていただくようにというふうに意思の統一を図ったところでございます。また、なかなか見せていただけない、あるいは警察でもわからないような資料につきましては、行政の立場から今後捜査当局とも連携をとりながら事情の究明に努めていくようにという指導を県の方にしているわけでございまして、必要があれば当然、患者さんの御意見もお聞きするということになると存じます。
○金子(み)委員 今度の事件は産婦人科病院という特殊な単科病院でございますし、子宮の摘出だとか卵巣の摘出ということが人間の生命に直接影響がないというところをねらってやったんだとすれば物すごく悪質だと私は思うのです。今度の事件はさまざまな観点から見て、資格のない法人の理事長それから病院長、医師団、医療関係者、それから事務長以下一家眷族の事務職員の人たち、これら病院ぐるみの違反行為であり犯罪事件だと私は思っております。ですから千人を超える人たちが被害を受けておりますが、それ以上に広げないためにも至急この病院は閉鎖することが必要なんじゃないかと考えます。そのことによって国民は安心するだろうし納得もするだろうと私は思いますが、医療法に基づいて病院閉鎖をやるということについて大臣いかがお考えでしょうか。
○園田国務大臣 御意見のとおりに大変な問題でありまして、これは医療法あるいは医師法の違反という問題で一つの犯罪であり事件であります。したがいまして許されたる権限で最大の厳正な処分をするつもりでおりますけれども、ただいま御承知のごとく取り調べ中でございますから、この経緯を見てやりたいと考えております。
○金子(み)委員 もう時間がありませんので、これを最後にいたしますけれども、さっき森井議員の質疑のときに大臣も、この富士見産婦人科病院の件は氷山の一角であるかもしれないとおっしゃっていらっしゃいました。私はそのとおりだと思います。というのは日本婦人会議というところが今週の初めから産婦人科医療一一〇番という特設電話を準備いたしまして、皆さんからいろいろと訴えを聞いております。私も昨日午後、電話を自分で受けてみました。その電話を受けまして、しみじみ思ったことは、何と富士見病院によく似たところがほかにもあることかなということです。あれほど大がかりではないとは思いますけれども、確かに誤診はある、そして医療のやり過ぎ、暴利をむさぼる。全くやり方が同じです。私は本当にびっくりいたしました。ですから、これは本当に氷山の一角にすぎないということはありありとわかっています。婦人会議は、いずれ集約いたしましたものを大臣のところへお持ちするだろうと思います。ですから、それはよくごらんになっていただきたいと思うのです。そして御判断していただきたいと思います。私は本当に大変な問題だと思っております。 ただ私は、こんなことが富士見病院に限らず、電話で聞く限りにおいてはあちこちにもあったということ、そういう事態が発生するということには土壌があると思うのです。その土壌は何だろうというふうに考えてみましたら、この土壌はいまの日本の医療制度だと私は思うのです。ですから、いまの日本の医療制度を、さっき出来高払い方式の話もちょっと出ましたけれども、あれを含めて、どうしても直さなければいけないと思います。そのことは前々から厚生省も長年の懸案にしておられるんですし、私どもも、そのことを長いこと取り扱ってきておりますけれども、なかなかきちっと思ったようにはいかない。暇がかかっておりますが、これはできるだけ早くしなければいけないと私は思います。 しかし同時に、富士見病院を初めとする幾つかの医療機関の問題をそのままにして、いま制度だけをいじくってもだめだと思います。ですから、この富士見病院のさまざまな問題を全面的に改善することが具体化されるまでは、赤字対策のような健康保険改正なんというものはいまは手をつけるべきじゃない。まず、これをやるべきだというふうに考えております。このことにつきましては私ども現地へ赴きました後に、六日に緊急申し入れを厚生大臣にいたしました。そのときにも、この問題は考えていただけるようにということを申し入れの中に添えておきましたので大臣、御存じだと思いますけれども、その点についての大臣の御答弁、御決意を最後に伺わせていただきまして私の質問を終わりたいと思います。
○園田国務大臣 こういう事件が起きてから後を追っかけて見直しとか制度の検討をやることはまことに残念でございますけれども、しかし、こういうことが起きた以上は早急に御意見のとおりやっていきたいと考えております。 なお、先般の視察に行かれた後の御趣旨なりお教え等は十分これを守っていきたいと思います。 なお一一〇番の問題でありますが、これは私も実は内々考えておったところでありまして、委員会でも委員の方から出た意見でありまして、臨時でも結構でございますから、これに類する医療に対する不服申し立ての機関を厚生省につくっていきたい。一一〇番で受けられたものは進んでこれをお教えを願って、これに対応する処置をとりたいと考えております。
○金子(み)委員 ありがとうございました。
○山下委員長 栂野泰二君。
○栂野委員 私は今期から社会労働委員会に所属することになりましたので、質問もきょうは、この委員会では初めてでございますが、ひとつ今後ともよろしくお願い申し上げます。 きょうは老人ホームの件につきまして、この八月から、入所したお年寄りから費用を徴収するということになりましたが、その問題についてお尋ねいたします。 こうした施設に入っておられるお年寄りが、資産も所得も十分あって応分の自己負担をなさるということは、御本人の自立性を尊重する、あるいは、それで御本人のプライドを維持できる、こういうことにもなるわけでございますから、私はすべて、そういうことに反対という立場ではございません。何でも、ただならいいというわけのものでもないと思っているのですが、しかし本人から費用を徴収するということになりますと、それはそれなりの条件が必要でございます。 何よりも、いままでほとんどただだった。今回最高三万円まで、お年寄りから払っていただくわけですから、それに見合った施設の環境改善、居住性を高める、そういうことがどうしても、これに応じていなければならぬと思うわけでございます。また、こういう施設の中でお年寄りは共同生活をしておられるわけですから、そのお年寄りの間に金を出す者と出さない者と、たくさん出す人と少ししか出さない人、そういうことが不和を生ずるおそれありやなしや、お年寄りの家庭との間にも同じような問題が起きるおそれはないのか、こういう問題をよほど慎重に考えてやらなければならぬと思うのですが、今回は、どうもそういう条件となるべき問題についての配慮が大変薄くて、ともかくお年寄りから費用を徴収する、それが先行しているように思われてならぬわけであります。 そこで、そういう観点から幾つか御質問を申し上げたいのですが、この費用徴収基準の引き上げは八月からもうすでに実施されているわけですけれども、ところによっては自治体が、新しく増加する本人あるいは扶養家族の負担分を肩がわりしている、こういうところもあるようでございますが、一体全国的にどういう実施状況になっているのか、その辺をまずお伺いしたいと思います。
○山下政府委員 御説明申し上げます。 八月一日から実施をいたしておるところでございますが、ほとんど大多数の都道府県は大体、国で定めました線に沿って実施をいたしておる状況でございますが、中に都道府県で申しますと四府県、まず実施期日につきまして、私どもの方では八月ということでお願いを申し上げましたけれども十月なり十一月なり、内容は国の定めたとおりにということでございますが、実施期日の点で若干の猶予をしておるという県が四府県ございます。東京都は十一月からと申しております。 それから、いまお尋ねがございました、内容につきまして軽減策を講じておるところ、これは本人の分と扶養義務者の分と別々にございますが、本人の費用負担分について軽減を図っておりますのは県で一つ、それから市で五市でございます。それから扶養義務者の負担分について軽減措置を講じておりますのは県で三県それから市で七市、こういう状況に相なっております。その他は大体国で定めました線でお願いいたしている次第でございます。
○栂野委員 それから費用負担についてランクがあるわけですが、およそのところでいいのですけれども、どれだけの人が、どのぐらい負担するようになるのか、それをちょっと御説明願いたい。 〔委員長退席、今井委員長代理着席〕
○山下政府委員 五十五年度予算におきまして推計をいたしております養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの入所者の総数を約十五万一千名余と見ておるわけでございます。その中でほぼ七〇%の十万五千人程度の人は無料、所得状況から見まして費用負担の対象にならない。おおむね三〇%程度、人数で申しますと四万六千人程度、十五万人中四万六千人程度が費用負担していただく結果に相なると見ておりますが、月額千円以下とか二千円以下とか低いランクのところが人数が多うございまして、二万円とかいう上の方になりますと、だんだん人数が少なくなっておる。先ほどお話ございました最高額の三万円というところでは約千九百名余という推計をいたしているわけでございます。これは実施が八月一日でございますので、いずれも実績の統計ではございませんで私どもの推計でございますが、そういう状況になっておるわけでございます。
○栂野委員 そこで、この費用徴収によって入ってくる総額は平年度に直してどのくらいになりますか。
○山下政府委員 今回、新たに本人につきましての費用徴収の改定をいたしました五十五年度につきましては十九億円でございますが、明五十六年度は平年度化いたすわけでございます。私どもは推計といたしまして国庫補助ベースで、その分が三十四億円ということに相なると見ております。
○栂野委員 それから大部屋雑居の場合、割引率がありますね。そこでお尋ねしますが、これは養護老人ホームだけに適用されるんですか、それとも特別養護老人ホームにも適用されるんですか。それと、頭打ち三万円の場合に割引率が適用されるとしますと、たとえば四人部屋の場合は二〇%引きで二万四千円、こういうことになるのかどうかです。その辺をお尋ねします。
○山下政府委員 養護老人ホームの大部屋につきまして、御指摘のとおり三人部屋の場合一〇%、四人部屋のの場合二〇%、五人、六人部屋の場合三〇%、それ以上の場合には四〇%、こういう割引を定めておるわけでございます。三万円の場合につきましても、そのような大部屋に該当する場合については同様の割引がなされる、かように考えておるわけでございます。 特別養護老人ホームにつきましては、その大部屋割引ということは考えておりません。これは社会福祉審議会その他におきましても老人ホームのあり方等、非常に長く検討いたしてきておるわけでございまして、数年前から、そう寝た切りという状態ではないが所得なり環境のゆえにお入りいただくという養護老人ホームにつきましては、できるだけ個室化を推進しなさい、一人部屋ないし二人部屋。プライバシーということもございますので、そういう見地でやった方がよろしいということが明確な意見として出ておりまして、私どもの行政方針といたしましても四十八年以来できるだけ、そういう方針に従って国庫補助をいたすというやり方をいたしてきているわけでございます。ところが特別養護老人ホームの場合につきましては、御承知のとおり非常に重度の介護を要しますところの寝た切りの方でございます。むしろお世話を申し上げる、介護をして差し上げる、その面の要素が非常に多うございます。そういう点につきまして審議会等におきましても必ずしも個室化ということがいいのか悪いのか、議論の分かれるところでございまして、おおむね、ある程度の数の方がお入りいただいて介護を申し上げるというような形が適当ではないかという御意見が多いわけでございます。したがいまして特別養護老人ホームの場合には四人部屋等が通常の姿ということに相なっておりまして、若干、養護と事情が異なるという点もございまして、先ほど申し上げたような措置にいたしておるわけでございます。
○栂野委員 特別養護老人ホームについては割引の適用がないというんですが、私の手元にあります資料でも、特養については四人部屋が三八・四%、こうなっていますが、三人部屋が一一・七、二人部屋が三八・九、一人部屋が七・四こうあるわけですね。特別養護老人ホームについては特別な介護が必要なんですから、必ずしも、すべてについて個室化がいいというわけにはいかないことはわかりますが、しかし二人部屋あり、四人部屋ありということになりますと、やはり四人部屋より二人部屋の方がいいということに私はなってくるだろうと思うのですよ。どうして養護老人ホームと特別養護老人ホームが割引率が違うのか。やはり同じにすべきじゃないでしょうか。
○山下政府委員 実情といたしましても、実は養護老人ホームと申しますのは旧生活保護時代のいわゆる養老院と申しますか老人ホーム、そういうものからずっと引き続いて今日に来ておるというものが多うございまして、非常に老朽化しておる、あるいは大部屋で雑居しておるという状態のものがございます。そういったものを解消したいという行政目的も持っておりますし、かつまた先ほど来、審議会等の御意見としても申し上げましたように、比較的に元気な方でございますから、一人ないし二人というような少人数部屋が適当であるという考え方が出ておるわけでございます。しかしながら、先生よく御承知のとおり特別養護老人ホームと申しますのは昭和三十九年に、老人福祉法ができまして新しく始まりました施設なんでございます。実態といたしましても昭和四十年ぐらいから建設が始まってきておる、そういうことで、そう老朽で古いというものもないわけでございます。それと私どもの行政方針といたしましても、養護老人ホームの場合は現在大体八十人規模で、お世話する職員の方が十九人ぐらいになるのです。特別養護老人ホームの場合は三十二人ぐらいの職員でお世話申し上げる。相当改善をしてきておるわけでございますが、そういうお世話申し上げる都合といいますか、そういう見地からも、また老朽度の実態からいたしましても、特別養護老人ホームにつきましては四人部屋等が標準的な姿として考えられるのじゃないかという考え方がございまして、実態上、並びにそういった老人ホームの種類によりますあり方の問題等から判断をいたしまして、養護老人ホームについての割引ということで進めさせていただいておる次第でございます。
○栂野委員 いまの説明でも、にわかに納得しがたい点がありますので、これはもう一度ひとつ御検討願いたい。私どもは老人ホームも特別養護老人ホームも同じような割引率の適用がある、こういうように理解していたものですから。 そこで、そういう前提に立ちまして私、一つのモデルをつくってみたのです。昭和十六年一月生まれで、三十九歳九カ月の人で、年間所得が四百三十四万四千二百二十四円、といいますと大体月に二十五、六万円の月収ですね。扶養家族が子供二人、未成年、奥さんがパートか何かの働きに出ている、こういう家庭ですが、この家庭のお父さんが六十五歳で特別養護老人ホームに入っている。そうしますと収入は厚生年金で月十万、年額百二十万もらっているわけですね。いままでは御本人は無料でした。これが今回の費用徴収基準の引き上げで御本人が三万円払うことになる。世帯主の御長男は、いままでどおり二万九千四百円引き続き払うことになりますから、合わせて五万九千四百円払うことになるわけです。ですから、この程度の家庭ですと、この扶養者、長男の家庭も月二十四、五万円で、これはぎりぎりの生活だろうと思うのですね。 ところで、このお父さんはいま特養に入っているのですが、いままではただだったのですけれども、厚生年金を月十万もらっていますね。実態を調べてみますと、いままで扶養者として長男が払っているけれども、どうも実際は長男が年金を管理をしているといいますか家計を一緒に合わせている。そこで実際はお年寄りの年金の中から払っているかっこうになっているのですね。そうしますと今度は、そのお年寄りは頭打ちで三万円払うのではなくて、いままでも払っていた二万九千四百円、合計五万九千四百円を十万円の年金の中から全部払う、どうも事実として、こういうことになるようであります。そうしますと、このお年寄りの負担は大変なものですね。ゼロから一挙に五万九千四百円になる。 また、こういう家庭でなくて、お年寄りが年金をもらっておられても、そのままお年寄りに年金を上げていて、老人ホームの方には扶養者がいままで払っておられた、そういう家庭ですと、これからお年寄りが自分で月三万円も払うことになったんだから、これからは家族には迷惑をかけない、気がねなしにやれるなと思っていたのに、自分も払うが家族からも依然として同じように出さなければいかぬ、こういうことになるわけでございます。 そこで今回、本人からも徴収するけれども、いままでどおり扶養者からもいただく、こういう二本立てになっているわけですね。一体なぜ、この二本立てということになさったのか、そこのところを御説明いただきましょう。
○山下政府委員 今回の費用徴収基準改定の要素は二つあるわけでございまして、第一点は先ほど来お話に出ておりますように御本人が年金収入がある、その年金から一部をお出しいただくという点が新たに始まった点でございます。これは従来、課税所得ということで判定をいたすものでございますから、年金につきましては、いわゆる老齢年金の控除というものがございますし、老齢控除ということで課税所得にはならない所得が実際にはおありになる。その実際の自由になるお金の中から出していただきたいという措置を講じたわけでございますので、新たな負担の増加という点はおっしゃるとおりでございます。 なお、本人が一部支払った後なお実際にお世話申し上げる実費に満たない部分がある場合に、扶養義務者の方にも力がおありの場合には、その扶養義務者の方からも、その力に応じてお出しいただく、これは所得税の状況によりましてランクが決まるわけなんです。 この点につきまして審議会でも大変議論なされた結果の結論なんでございますが、通常在宅の場合に、お年寄りがおられまして、ある一定の年金をお受けになる。それでまず、みずからの生活をお立てになるわけですが、それで不足するという場合には当然その家庭の御長男と申しますか主たる扶養義務者の方は扶養しておられるわけでございますから、そういった扶養しておられるという実態との均衡という問題が一つございます。 〔今井委員長代理退席、湯川委員長代理 着席〕 それから、もう一つは同じような家庭の状況の中から、同じ所得程度のところから、出身世帯が同じ状態でお年寄りが老人ホームにお入りになる。たまたま一人のお年寄りの方は年金等の所得がありますので、月千円なら千円をホームに払う、片っ方の老人の方は所得がないから払わない、こうなりますと、もし本人が少しでも払ったら扶養義務者は払わないでいいということになりますと、同じような状態の出身世帯の状態でありながら、片方については御負担を願い、片方については御負担を願わないというような不均衡も生ずるではないか、そういう意味からも、やはり合理的に均衡ということから、まず御本人に、その力に応じて御負担を願い、それが基準額に照らしてなお残高がある場合には扶養義務者の方にも、そのお力に応じて負担していただく、これがいいということで審議会の結論も出ておりまして、そういう点で改めさせていただいたというのが実情でございます。
○栂野委員 それは一面的な見方だと私は思うのですよ。いまの日本社会における家庭の実態ですね、特に、こういうホームに御老人を預けている家庭の実態からいきますと、双方から取られるということは大変おかしい、これは将来どちらかに一本化しなければならぬだろうと私は思います。それは入所者本人からにするのか扶養家族からということにするのか、私はまだ結論を出しかねるのですが、いずれにしても、その双方の所得を一体として見なければならぬような実態がこの国の家庭にあるように思う。それがどうも今回のやり方では無視されている、私はそう思うのです。そういう将来方向を簡単でいいですから、時間がございませんが何か展望ありましたら。
○山下政府委員 将来、年金制度が完全に成熟をいたしまして、そしてまた、すべての老人が自立生活を営むに足るだけの十分な年金を受けるというような状態になりました場合には、どうしても本人が中心になっていくという方向だろうと思うわけでございます。扶養義務者の問題につきましては、なお長男坊だけが親孝行でめんどうを見ている、次男で非常に所得の高い人は放置しておくのかというような問題等も多々ございます。しかしながら当分は従前の例に従いまして、このいまの姿を維持していくということになるのではないかと思っております。
○栂野委員 そこで今回の百円から最高三万円までのランクで本人から徴収するという、これは当面、つまり二年間、こういうことですが、一体、二年後にはどうなさるおつもりですか。上限は取っ払って青天井になさるおつもりかどうか、その点はどうなんです。
○山下政府委員 この問題は、この春以来、国会修正問題も起きまして経緯等については御承知のとおりでございまして、私どもの考え方といたしましては当面のショックを緩和するということで当分の間、当面三万円ということにいたしたわけで、一応内々二年間というように考えておるわけでございます。したがいまして基本的には二年たちましたところで本則に返っていただくという考え方を持っておるわけでございますが、なお、これからの状況等も十分勘案をいたしまして検討いたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○栂野委員 いま申し上げましたように、これは大変一気に負担が重くなるし、いろいろな問題が出てくると思いますので、基本的には三万円という枠を取り払うというのではなくて、実態をよく見て無理のないように、これは慎重に配慮していただきたいと思います。 そこで、いずれにしましても問題は、これだけの費用徴収をされる、それに見合うだけの施設整備が大変おくれている、これはもうしばしば指摘されたところでございますので私、多くは申し上げませんが、さっきお話がありましたように、なるべく特に養護老人ホームについては個室化、こういうことですが、現状としてはまだ雑居部屋が非常に多いですね。四人部屋が一番多くて五四・一%もあるようであります。そこで一体いつまでに個室化するのか、そうした整備計画を早く示してほしいということを再三申し上げてありますが、一向にこれが出てこない、一年一年で考えるという、この程度のお話でございます。 ところが一方この施設側にしてみれば、新しく、入っている老人から費用をもらうことになるわけですから大変もらいにくい、早く個室化してあげなければいかぬ、こういうことで、どうしても改善を迫られる、こういうことになりますが、いかんせん金の問題で、なかなか改善がうまくいかない。東京都で最近、新設あるいは改築をしました老人ホームのデータをいただきましたが、時間も余りありませんから数字は申し上げませんが、いまの国の建築基準単価が低いために社会法人の超過負担が非常に大きくなっていますね。本来の負担分四分の一に超過負担分を加えると、一つの例では、これは二百人の老人ホームですが約二億になるんですね。この二億を、その社会法人は全く負担する資力がないから社会福祉事業振興会から借り入れをする、こういうことになる。幸い東京都は国よりやや基準が高いですから一億八千万くらいで済んでいるようであります。しかし、その一億八千万をほとんど全額この振興会から借り入れている、こういうことになっているわけであります。 ですから国がもう一回基準単価を見直す、それが早急にできなくても少なくとも、その社会法人が資金繰りがもう少し楽になるように何とか配慮していただかなければならぬと私は思うのですね。老朽の民間施設の整備貸付金については事業振興会からの借入金これは無利息。それから五十三年からですか、さらに元本の一部返済免除という、こういう制度ができましたね。ところが、これはあくまで老朽化した施設についてだけであって、いまのように個室化をしなければいかぬという必要に迫られて増改築をする老人ホームには、これは適用がないですね。少なくとも、この制度を老人ホームに適用されるというお考えはないでしょうか。
○山下政府委員 よく先生御承知のとおりに施設整備費二分の一国が補助し、四分の一を都道府県が補助し、残り四分の一が社会福祉事業振興会の融資、普通の融資よりも低利にいたしてあるわけでございますが、特に老朽民間につきましては御指摘のとおり無利子あるいは元本の返済免除というところまでいたしておりまして、大変手厚い制度になっているわけでございます。御指摘の点は、その老朽民間施設というのは大体老朽度をはかりまして四千点以下、こう技術的にやっているわけでございます。だから古いものは大体、養護老人ホームでも、いまのような優遇措置に該当いたすわけでございます。しかし比較的新しくて老朽度がそこまでいかない養護老人ホームにつきましては、その振興会の融資につきましての問題、御指摘のような点があろうかと思うのでございますが、この点につきましては、ただいまの社会福祉施設に対する補助なり融資の制度を相当いい線まできておると私ども考えておりますので、なお一層の努力ということになりますと非常に他との横並び等もございまして、むずかしいと思うのでございますが、先生の御指摘でございますので十分ひとつ勉強させていただきたいと存じます。
○栂野委員 大臣、いま最初に御答弁ありましたように当面、平年度三十億、今回のお年寄りからの費用徴収基準の引き上げで入ってくるわけですね。だから、それは少なくとも自分たちが金を出した、それに見合う何か施設改善に充てられるということがなければ、これはお年寄りはなかなか納得できませんね。いま局長がお答えになりましたが、とりあえず施設側で借り入れに大変困っておられる。だから、その借入金について、いま申し上げました老朽施設について適用があるものを普通の老人ホームが個室化のために増改築をするということ、これについて拡大適用するということは、もう少し具体的にお約束できませんでしょうか。
○園田国務大臣 いま御意見を聞いておりましても二つの問題が大事だ。特別養護の方は施設を拡充していくこと、養護ホームの方は年とった人々が老後の生活を楽しくできるような環境の整備という点から、改築という点が重点になってくると思います。そこで、それを進めていくためには、いまおっしゃいました貸付金の利子その他が差があるわけでありまして、これは新たなる措置を何か考えて検討しなければということでございますので、早急にこれは検討いたします。
○栂野委員 その点、強く要望しておきたいと思います。 それから、この春、東京都下の羽村町、小河内ダムの近くにあります有料老人ホームの向陽会サンメディックというのが倒産いたしました。これは、いま関係者の間で裁判になっておるようでございまして、なかなか複雑な内容のようでございますから、この経過をお聞きしょうと思いましたが時間も余りありませんので、その点は先に進めさせていただきます。 いずれにしても、この倒産の結果すでに入所しておられる三十人ばかりですかのお年寄りが大変困っておられる。これはかなりデラックスな有料ホームですから、中には裕福な人も確かにおられますが、私が当たった範囲では、やはりなけなしの土地その他を売って、そこに老後を託そうということで入ってこられた。ところが、これが結局、当初の目的どおり再建されないということになりますと大変なことになるわけですね。そこで、この種の有料老人ホームは、いま七十一ぐらいあるようでありますが野放し状態でございます。言ってみれば年寄りの福祉を食い物にしている。シルバー産業などというのがあるようですが、この傾向はふえていくのだろうと思います。 そこで、とりあえず向陽サンメディックに入っておられるお年寄りについての個別救済を厚生省としてはどういうふうに考えておられるのか。 また、野放し状態になっていますこの種の有料老人ホームについては、何とかこれは規制を強めていかなければならぬだろうと考えます。いま老人福祉法の中にこの問題に若干触れてありますけれども、これはただ、こういう施設ができた場合に事後に届け出ればいい、こういうことですね。それから老人福祉のためにならなければ勧告ができる。しかし、その勧告を無視しても別に何の不利益もこうむらない、罰則はもとより何にもない。非常に緩やかな規制しかありませんが、これはこの際、法的な規制を強化すべきだろう、こう思います。その点についての御説明をお願いしたいと思います。
○山下政府委員 向陽会サンメディックの個別事件につきましては御指摘のとおりでございまして、まず第一次的には東京都庁で詳細なタッチをいたしておるわけでございます。私どもも常時東京都庁と連絡をとりながら、また都からの要請があれば、個別事件についてのできるだけの援助なり、あれにも努めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。 有料老人ホームのあり方自体についての問題、御指摘のような問題があるわけでございます。実は、この春この問題が起こりまして直ちに四月から有識者による懇談会、研究会というのを組織いたしまして、現在関係の有識者十名程度によりまして鋭意勉強いたしておるところでございます。議論がいろいろございます。御指摘のような議論もございます。よく先生方の御意見を承りまして、所要の対策を講じてまいりたい、かように考えております。
○栂野委員 時間がございませんので、これで終わらせていただきますが、先ほど大臣が森井委員の御質問に答えられて、国防、防衛力の増強よりは社会福祉が優先するんだ、はっきりとこういうお答えがありまして、私も大変意を強くしたのでございますが、防衛力の増強と社会福祉優先の問題とは一応、抽象的には、あれもこれもと言えるかもしれませんけれども、ぎりぎりのところに来ますと、そういうわけにいかない。エントベーダーオーダーあれかこれかということになってくるだろうと私は思います。やはり防衛力の増強と社会福祉の充実ということは本質的に相入れないものがある、私はそう考えているのです。 そこで、いまきょうの問題でもそうですけれども、結局、今回の老人ホームに入所している老人から費用を徴収するという問題でも、やはり今日状況を考えますと、一方では別枠で防衛力を増強する、そのしわ寄せとして福祉切り捨てが行われる、その一環であるように私には考えられてならないのです。せっかく、いい厚生大臣をお迎えしたわけですから、どうかぜひ、きょう御答弁がありました所信を貫いていただきまして、この予算の配分につきましても有力閣僚として大いに発言していただきたい、そのことを私は心からお願い申し上げたいと思いますが、その点について御答弁を伺って、質問を終わりたいと思います。
○園田国務大臣 まず先ほどの、いわゆるシルバー産業について事務当局から答弁をいたしましたが、原則としては、なるべく民間の自由な意思によって老後を楽しく過ごせるということが原則だとは考えております。しかしながら、これは一般産業とは違いまして、これが倒産をしたり経営不振になってまいりますと、いまおっしゃいましたような問題がたくさん出てくるわけでありますから、これは野放しにするわけにはいくまい。何らかこれに対する規制の方法も考えておく必要があると、御意見のとおりに考えております。 なお予算については私いろいろ言っておりますが、現実は新聞で報ずるとおり、なかなか厳しいものがございます。しかし防衛ということで言えば、社会福祉と防衛は相入れないものであるかもわかりませんが、安全保障ということになってくれば、私は社会福祉をきちんとやることが安全保障の基本である、こう考えておりますので、各位の御協力を得まして、予算折衝については全力を挙げるつもりでおります。ただいま数字だけではわかりませんけれども、防衛庁の概算要求は九・七、厚生省の概算要求は九・八の要求をしております。しかし、これに対する財政当局の対応はなかなか厳しくございますけれども、私は各位のお力と世論、正しい道理というものを背景にして全力を尽くす覚悟でおります。よろしくお願いいたします。
○湯川委員長代理 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十一分休憩 ————◇————— 午後一時二分開議
○湯川委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件について質疑を続行いたします。川本敏美君。
○川本委員 それでは、まず最初に芙蓉会富士見病院のトラブルをめぐる問題について、厚生省、厚生大臣に御意見をお聞きしたいと思うわけです。 きょうは朝から大ぜいの方々から、あるいは先日来いろいろな場所で、委員会で、所沢の芙蓉会富士見病院のいわゆる医療犯罪といいますか、そういう事件についての問題点がいろいろ追及をされておるわけですが、検査づけとか、あるいは無資格診療とか、あるいは営利を目的とした医師の過剰診療だとかというようなことによって人体に危害が加えられる、あるいは生命や健康の破壊が進んだ。果ては自殺者までつくり出したというような非人道的なこういう医療犯罪というものは許さるべきではないと私は思うわけです。 さらに、この富士見産婦人科病院の事件は、ただ単に医療犯罪というだけではなしに、前の厚生大臣齋藤邦吉氏が辞任するというような付録まで飛び出しました。国会や地方議会あるいは地方の首長にまで政治献金が贈られるというようなことで、政治家まで巻き込んで、その腐敗ぶりが進行した事実が一つ一ついま暴露されつつあるわけです。 さらに、こういうようなことが起こってきた原因はどこにあるのかということを考えますと、一つは行政の責任が重大だと私は思うわけです。医療行政担当者であるところの厚生省が、あるいは日本医師会だとか、あるいは医療機器メーカーだとか、あるいは製薬企業との間に長い間、癒着が進んできた。その癒着の構造というものが今日の医療行政の荒廃を生み出しておる一番大きな原因ではないかと思うわけです。 極度に達した医療荒廃、いま国民は、お医者さんも信用できない、政治家も信用できない、そして医療行政も信用できない。もう何も信用するものがなくなっているのですよ。そういうようなことを一日も放置できないと私は思うわけです。こういう国民の医療に対する信頼を回復して、そして医師と患者の信頼関係の上に医療行為というものが成り立っておるのですから、医師と患者との医療に関する信頼関係をもう一度確立をしていく、こういうために、厚生省が今度のこの事件に対して負っておるところの責任といいますか、使命というものはまことに重大だと私は思うわけです。この教訓を、まず園田厚生大臣はどのような形で生かしていこうと考えておられるのか、私はまず大臣にお聞きしたいと思います。
○園田国務大臣 富士見病院の事件は御指摘のとおりに広範にわたり、かつ非常に作為的に綿密に計画された事件であり犯罪である。これによって国民が医療に対して非常な懐疑の念と不信頼を持たれたことは大変なことであります。これはいろいろ問題はありますが、長きにわたって出てきた一つの結果である。他の医療機関で、このようなひどいところはあるとは思いませんけれども、しかし、これに類する行為はほかにも、まだあるのではないかと非常に心配をいたしております。 過去の経緯を書類で見、それから事務当局から報告を受けてみますると、いまの制度の中で定められたチェックまた監査等は、その制度に忠実にやっているわけでありますけれども、ただ、それがそこにとどまって、それからさらに一歩突き進んで、その裏なり、あるいはその背後にあることに留意ができなくて、結局は、こういう事件が起きたことはまことに残念であり、最高の責任者である厚生大臣としては非常な責任も感じ、かつまた、これに対する厳正な処分あるいは摘発と同時に、他の医療機関に対する見直しその他を初め、医療制度の見直し等、二度と再び、このようなことが起きることがないように、しかも、その対応策によって国民の方が再び医療を信頼され、また多数の善良な医師並びに医療機関が一般患者と相談ができるような環境を早くつくることが私の責任であると考えております。
○川本委員 この間、九月の二十四日に大臣が新聞記者会見をされた際に、医療倫理を確立し、相次ぐ不正事件によって高まっている国民の医療機関に対する不信を一掃することが今日私の最大の課題だ、こういうことを言っておられるわけですが、私もまさにそのとおりだと思うわけです。しかし、これは口先だけで幾ら言っても、行動であらわれてこなくちゃいけないと私は思うわけです。 そこで私は、まず厚生省が、この事件について行政責任を感じておるのかどうか。行政の責任があったと思うのか、全然なかったと思うのか。これは医者が悪いのだ、現在の制度が悪いのだ、このことだけなのかどうか。さらに再発を防止するために行政はどうするのか。この間これも新聞報道ですけれども、厚生省内にプロジェクトチームをつくって、そうして作業を進めるのだということを言っておられる。また、ほかの方の質問に対しても答弁しておられるわけですが、大体どんな作業をしようと考えておられるのか。これについては、ひとつ医務局長から御答弁をいただきたいと思います。
○田中(明)政府委員 大臣の命によりまして先月三十日、医療に関する国民の信頼を回復するための検討委員会を発足したわけでございますが、この検討委員会の検討事項はきわめて広範多岐にわたっておりますので、一応われわれといたしましては、大体四つの項目別の分科会を考えております。一つは医の倫理の高揚と医療関係者の資質の向上について、二番目が医療制度のあり方について、三番目が指導、監視体制の強化について、四番目が医療内容の適正化について、以上四分科会をつくりまして課長補佐あるいは係長というような若手、新進気鋭の方にも参加していただきまして、現行制度につきまして広い視野から検討をしてまいりたいと思っております。 問題が問題でございますので結論を得るのに時間がかかることが多いかと存じますが、できるだけ早く、まとまるものについては逐次成案を得てまいりたい、ことに来年度の予算に反映させるべき事項については最優先で検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
○川本委員 やはり厚生省としては、その行政責任を感じておるから、そのようなプロジェクトチームをつくって四班から成る検討の小委員会を発足させたというふうに私は理解をいたしたいと思うのです。 そこで医療犯罪に対する行政処分の問題について午前中にも質疑が行われたやに聞いておりますけれども、厚生大臣は衆議院の本会議やその他で、この事件を医療犯罪という呼び方をしておるわけです。私もそう思うわけです。ところが医療犯罪であるとするならば、医療法第二十九条に基づいて県知事による病院閉鎖命令または開設許可の取り消しというものが速やかになされてしかるべきだと思うわけですけれども、それが今日まで、まだ行われていない。これはなぜなのかということを、まずお聞きしたいと思うのです。
○園田国務大臣 これは今後のためにも、国民の信頼を回復するためにも当然、許されたる範囲の最大限厳正な処分をするべきであると考えておりまするし、また、そうするつもりであります。しかしながら、いま捜査取り調べ中でございますから、この具体的な結果と相まってやりたいと考えております。かつまた、もう一つは被災者の方の補償の問題もありますので、病院あるいは法人等を処分することは、この補償の問題の見通し等もつけてからやらなければならぬのじゃないか、こういう考え方が一部にあるわけでございます。
○川本委員 私は事、人命に関する問題だから、捜査の終了を待ってから命令を出すのだということでは遅きに失すると思うのです。捜査中でも、この富士見病院の場合はいわゆる医療をやっておるわけです。もし患者が来たら治療をするわけです。そういうようなことが、ほかの場合には許されておるのかというと、そうではないと私は思うのですよ。食中毒を出したって食中毒を出したレストランは翌日からすぐに休業をするのですよ。ところが現在の医療法では、それがなぜできないのか。医療法第二十九条では「開設者に犯罪又は医事に関する不正の行為があったとき。」には「開設の許可を取り消し、又は開設者に対し、期間を定めて、その閉鎖を命ずることができる。」このように明確に書かれておるわけです。北野早苗理事長は開設者ではないですか。医療法人芙蓉会のいわゆる代表者だと私は思うわけです。まさしく開設者の犯罪というのに該当するのではないかと思うのですけれども、その点について厚生省はどのように思われますか。
○田中(明)政府委員 富士見病院は医療法人になっておりまして、したがいまして開設者は、その法人そのものという解釈になるわけでございます。それで理事長である北野個人が犯罪を犯す、あるいは医事に関する不正を行うというだけで、法人がそういうことをしたというふうな判断をすることは、いささか無理があるように私どもは考えておりますので、院長でもあり有力な理事でもある、北野理事長の夫人の犯罪行為が明らかになった場合には、これは法人ぐるみの犯罪というふうにわれわれは認定できる。したがって、その際には断固たる処置を講じたいと思っておるわけでございます。
○川本委員 いまのお答えでは、理事長であっても北野早苗は個人として無資格診療をしたのだ、だから法人である芙蓉会そのものに対して閉鎖命令を出すことはできないのだ、こういうような解釈のように私はお聞きしたわけですが、理事長が起訴されても何も行政処分ができないというなら、これはやはり医療法に欠陥があるのではないか、医療法そのものに問題があるのではないかと私は思うわけです。 先ほども申し上げましたように人命に直接影響を持つ医療機関から犯罪者が出、患者側に不安を与えるというような状態があったら、それが開設者であるか、あるいは開設者でないかということにかかわらず、一定期間の即時閉鎖または業務停止を命じておいて、そうして、それが明らかになった時点で再開を許すというようなことでなければ国民は納得できないんじゃなかろうかと私は思うわけです。そういう点について私はもう一度お聞きしたいと思うのです。
○田中(明)政府委員 確かに先生の御指摘のような現行医療法のあり方あるいは、その解釈の仕方ということについての疑問は厚生省の中にもあるわけでございまして、そういう意味合いにおきまして、先ほど申し上げました検討委員会において、こういう点についても十分検討をして、必要があれば所要の改正を行いたいというふうに考えております。
○川本委員 そのプロジェクトチームで四つの問題点を、これからいろいろ検討すると言っておりますけれども、私は、このほかにも問題点はたくさんあると思うわけです。 この間、二十二日の午前中に医務局指導助成課長の小沢さんが患者と出会った際にも答弁をしておるわけですけれども、芙蓉会富士見病院には昨年とことし二年間続いて医療監査を行ったけれども発見することはできなかったということを言っておる。今日の医療監視の制度そのものが、いわゆる施設とか、あるいは人員とか、そういう形だけのものの監査であって、立ち入った監視ができないというところに一つの問題点もあるんじゃなかろうか、こういう点についても、さらに検討を強めなければいけないと思うわけです。 そして医の倫理ということが最近よく言われますけれども、医師法の第一条を見ても、いわゆる医師の社会的責任といいますか、そういうものが明らかにされていない。もう国民は、このごろ、お医者さんは信頼できないと思っておるわけです。健康な人の悪くない子宮や卵巣を摘出しておっても、それが立証されなければ犯罪にもならないということでは、国民はこわくて、お医者さんにもかかれないわけです。妊娠したからといってお医者さんにも診てもらえない、こういうような事態が生み出されておるわけですから、私は、やはり医師法も必要なところは再検討をして、医師の社会的責任というものを明らかにしなければならない時期に来ておるのじゃないか、このようなことも考えるわけです。 それからもう一つ、これも午前中いろいろ一一〇番等の問題で金子議員からも質問があったようですけれども、私は今度の事件を振り返ってみると、五年前に、もうすでに県の保険課とか、あるいは、その後も三年前には警察とか保健所等へ患者からのいろいろな情報や通報がいっておるわけです。ところが、それを今日まで放置した行政の怠慢というものは許さるべきではないと思いますけれども、しかし今日までの医療行政の中で、そういう患者の通報というものを非常に軽視をする。通報があっても県の保険課あたりは、その記録が残っていないということを保険課長が答弁しておるわけですからね、保健所も同じことを言っておる、記録がないと言っておる。私はそういう点、これからの医療に対する信頼を回復していくためには、朝から金子議員が質問されました産婦人科の二〇番みたいな、ああいう式の一一〇番を厚生省に設置するとか、いろいろ提言しておられますけれども、私もそういうことについては患者、国民からの医療問題に対する苦情の通報制度というものを創設すべきではないかということを提案申し上げたいと思う。各府県一カ所であってもよろしい。あるいは健康保険関係と医療関係と二つの窓口に分けてもいいのじゃないかと思うわけです。そういうところへ国民が持っておる不安や不満あるいは苦情というものを持ち込んで、それを行政当局が記録に残していく、そういうことがなされなければいけないと私は思うわけですけれども、その点について厚生大臣どう思われますか。
○園田国務大臣 御意見のとおりでありまして、私もそう思っておったところでございます。具体的にどうやるか、いま検討しておるところでございます。
○川本委員 大体、患者とか国民は病気を診てもらいに行っておるのですから、お医者さんや医療機関に対して対等に口をきくということは非常にむずかしい関係にある。医療に関する知識もない、判断力もない、医療供給側には全部それがあるわけです。したがって医療費とか医療内容に対する疑問、不安、不満こういうようなことを、やはり行政が第三者的な立場に立って聞き、苦情を処理していく窓口がなければいけないと私は思うわけです。 そこで、いま厚生大臣に私も同感だとおっしゃっていただきましたので、必ずこれは実現をしていただきたい。余り金も要らないと思うわけです。人もふやす必要もないと思うのです。そういう知恵を出していただいて、一一〇番とか一一九とかあるのですから一一一番でもいいじゃないですか、そういうようなものを全国各府県に一カ所ずつでもつくるとか、あるいは、その来た通報は全部記録をして保管をさせていく、そして一定の期間を経たときには、そういう記録を公開発表するぞということで、初めて医療機関側も、その情報や通報制度に対して非常に慎重に対処するようになり、それが医の倫理にもつながるのじゃなかろうか、このように思うわけです。その点について、さらに今後深く検討していただくようにお願いを申し上げたいと思うわけです。 時間がないわけですから、申し上げたいことはたくさんありますけれども、私はこの点については以上をもって終わっておきたいと思うわけです。 次に、きょうの朝日新聞等でも大きく報道されておりますが「老人医療や児童手当 所得制限を強化 大蔵省、方針固める」とか「福祉予算には冷たく自民編成大綱づくり着手」というように新聞に大きく報道をされておるわけです。私は、そういう中で児童手当の問題を中心にひとつお聞きをしたいと思うわけです。 児童手当というものは、急速なテンポで進むわが国の高齢化社会のもとにあって、これまた出生率がいま急速に低下をしつつある。出生率について見ましても合計特殊出生率の場合には、わが国は欧米諸国ともほとんど並行をして急速に低下しておるわけでして、大体、合計特殊出生率が二・一を割ると人口は減少すると言われておりますけれども、一九七九年には一・七七、これは大変な数字だと私は思うわけです。いま急速に進みつつあるこういう高齢化社会のもとで出生率が大幅に低下をしておる。これでは来るべき高齢化社会の担い手となる年少世代と高齢者、国民全体をどうつなぎとめていくかということを考えますと、やはり児童手当というものが大きな役割りを果たすと同時に、日本のように資源のない国、こういう国では、やはり健全な児童を育成していく、あるいは資質を向上させていく、そして将来日本の国を背負う優秀な人材を育てていくということが、ぼくは国の基になる重大な問題だと思うわけです。いまの児童に対して日本の国の将来の命運を託していく以外に道は残されていないわけです。 このような見地から、昭和四十六年だったと思いますけれども、わが社会党が当時の佐藤内閣に対して児童手当制度の創設を迫っていった。そのとき佐藤総理は、小さく産んで大きく育てる、こういう答弁で、この制度が創設されたことは御承知のとおりであります。今日はもう世界ですでに五十七カ国が第一子から児童手当を支給しておる。日本では現在の児童手当法では第三子からですよ、それも月額五千円で、四十六年当時からそのまま今日まで来ておる、途中でちょっとかさ上げはありましたけれども。まだまだ制度自体として、予算自体としても小さいと私は思っておるわけです。佐藤総理がそのとき言われた小さく産んで大きく育てるといった制度創設当時の理念から考えても、今日の児童手当の制度は私はまだまだ不十分だと思うわけです。 昨年末の予算編成の際に大蔵大臣や厚生大臣などと自民党党三役との間に、いわゆる六者間の覚書というものが交わされたというふうに言われています。そして、その内容を見ますと「児童手当制度については、制度の存廃、費用負担のあり方、所得制限の適正化を含め、その基本的見直しを進め、昭和五十六年度に所要の制度改正の実施を図る。」というふうに書かれてあるわけです。このことは前内閣のことでありますし、覚書を交わすというようなことは政治からいうと、きわめて異例のことだと思うのですけれども、当時は野呂厚生大臣がこれに署名をしておられるわけです。園田厚生大臣は、この制度の存廃とか費用分担あるいは所得制限、見直し等いろいろありますけれども、午前中の御答弁を聞いても非常に明快な自信あふれる答弁をしておられるわけですけれども、これについて今後どのように考えておられますか。
○園田国務大臣 六者覚書なるものは私も承知をしておりまするし、私も内閣の閣僚の一人でありまするし、国家継承権じゃありませんが、大臣になった以上、前の大臣の責任も負うのが当然であると思いますから、この覚書はよく知っております。しかし私は、この覚書の趣旨というものは、国家財政が非常に大変であるから、こうこういう制度は費用が減るように、余分が出るように、うんと減らしてやれという意味の覚書であるとは了解しておりません。詳細に検討いたしましたが、これから高齢化社会が出てくるぞ、世の中は急速に変わってくるぞ、一方では国家財政はつらいぞ。こういう中で、こういう問題は大事な問題であるから十分検討しろ、こういう趣旨であると私は考えております。
○川本委員 次に、問題の児童手当の所得制限の問題についてですけれども、この六者の協定のときに、この児童手当に拠出制というものがあるということをうっかり忘れておったのじゃなかろうかと思われる節があるわけです。児童手当というのは現在大体二百七十六万人ぐらいが受給されておるようですけれども、これはいわゆる被用者と言われるサラリーマン層と、そして非被用者と言われる自営業者との二本立てになっておるのは御承知のとおりです。サラリーマンの場合は、その費用の大体七割を事業主が拠出をする制度になっております。私はここで思うのですけれども、拠出制のいろんな給付の中で所得制限がついているというのはないんじゃなかろうか、あったらおかしいんじゃないかと思うわけです。拠出制の手当や年金に所得制限がつく、そんなばかげたことが許されるはずがないと思うわけです。 ただ、この制度、四十六年に発足する当時には、いわゆる所得階層の違いといいますか、サラリーマンは十割全部所得が捕捉されますけれども、トーゴーサンという言い方で、いわゆる青色申告とか農家とかいうことで十、五、三というような比率がよく言われるのですけれども、いわゆる所得階層というものが、サラリーマンと自営業者との間に大きなバランスの違いがある、そういうことのために、いわゆる一部所得制限といいますか、そういうことがやむを得なかったと判断されて、大局的な判断から所得制限を受け入れるということに、あるいは厚生省も、あるいはこの議会も同意をしたということじゃないかと思うわけですけれども、昭和五十二年以降ずっと見てみますと、この所得制限は大体ほかのものと違って、現在でも六人世帯で四百九十七万円ですけれども、五十二年も六人世帯で四百九十七万、五十二年、五十三年、五十四年、ずっと横ばいで据え置かれていると私は思うわけです。 そういうことになりますと、いわゆるサラリーマンの給与も上がる、所得も上がる、いろんな物価も上がる、そういう状態の中で、この手当の受給者数というのは支給されない人がだんだんふえてきておるのじゃなかろうかと私は判断するわけですけれども、まず局長さんにお聞きしたいのですけれども、三年間で、この受給者数はどのくらいのものが落ち込みましたか。被用者と非被用者の別はわかりますか。支給率はどのように推移してきておるのか、この点について、まず私はお聞きしたいと思うわけです。
○金田政府委員 昭和五十二年以来、所得制限額が据え置かれましたことによりまして、支給率が維持された場合と比較いたしますと、五十三年から五十五年の三年間で約十三万三千人が減少いたしております。 それから、この内訳でございますが、サラリーマン階層は十万二千人、自営業者階層は三万一千人でございます。 なお給付額では、一人月額五千円というように試算いたしますと毎年度約二十七億円の減となっております。 なお支給率でございますが、五十三年度から五十五年度までを申し上げますと、五十三年度は平均支給率は九〇・二%でございます。それが五十四年度が八八・一%、五十五年度は八七・一%となっております。 なお、これをサラリーマンと自営業者に分けて見ますと、サラリーマンの場合は五十三年から五十五年まで八六・三、八三・三、八一・五というように漸減いたしております。それから自営業者階層につきましては、九三・八、九二・八、九二・七というように減少いたしております。
○川本委員 私は現在でも企業の出しておる、働く者サラリーマンに対する家族手当は大体一人千数百円ぐらいの家族手当しか出ていないと思うわけです。それも大体三割ぐらいの企業においては出ていないと思うわけです。もし仮に、いま言いましたように支給率がだんだん低下する、特にサラリーマン階層については五十六年度も四百九十七万円で据え置かれるというようなことになりますと、これはさらに支給率が低下をしていく。七割という金額を事業主が拠出しておるにもかかわらず所得制限のために児童手当がもらえない、こういうようなサラリーマンが出たとすると、それはやはり五千円賃金カットされた、給料を下げられたというのと結果的に同じことになる、私はこういう意味において、これはまことに重大な問題だと思っておるわけです。 四百九十七万円という限度額が給与所得者の平均に、もうほぼ近くなってきておるほど、今日では上がってきておると私は思うわけです。来年度もしこれが据え置きとなると、これは受給者数がサラリーマンの場合は特に激減をする。これは社会問題になるおそれすらあるわけです。このようなところまで、この問題を放置してきた厚生省の責任というものは重大だと私は思うわけです。一方で母子福祉年金や児童扶養手当は現在、所得制限は六人世帯で五百六万円、これはもう毎年引き上げられてきておるから、拠出制の児童手当が四百九十七万円で、こっちは五百六万円。これは一般対策で、児童の健全育成対策という方がかえって所得制限が厳しい、逆転をしておる、こういう結果に終わっておるわけです。 先日、参議院の予算委員会で、わが党の和田議員もこの問題を取り上げて総理や厚生大臣や大蔵省に質問しています。また本年二月二日の衆議院予算委員会でも大原議員がこの問題に対して質問をして、当時の竹下登大蔵大臣はこう答えているわけです。この覚書の一、二について「不確実性の時代の中において、ただ一つ確実な老齢化社会への進行という状態にあるので、」「水準を落とすことなくどういうふうに工夫していくか、こういうことでございまして、後退をせしめようというような基本的な考え方は毛頭ございません。」当時の竹下登大蔵大臣はこの児童手当の所得制限の問題については、こういうふうに答えておるわけです。しかし先ほどお話ししましたように、きょうの新聞を見ると大蔵省は所得制限を強化するとか、自民党は福祉予算には冷たく来年度の予算を編成するとか言っておりますけれども、これはおごる平家は久しからず、こんなことをやっておったんでは、いまは自民党は安定多数ですけれども、次の選挙では必ずこのことがはね返ってくることは、私は確信を持って言えると思うのですよ。 大蔵省おいでいただいていますね。そこで大蔵省にお聞きしたいと思うのです。児童手当の所得制限を他の年金や手当より低くしたというのはどういう意図なのかということ、厚生省はどうして、このようなことを、ことしの予算編成のときに受け入れておるのか、この点について私はお聞きいたしたいと思うわけです。
○矢崎(新)政府委員 お答え申し上げます。 児童手当の問題につきましては、制度の基本的なあり方につきまして検討をしていたというようなこともございまして、所得制限の基準額が据え置かれてきているわけでございます。また、その他方で母子福祉年金とか、あるいは児童扶養手当の所得制限額というのが毎年度引き上げられてきましたのは、これは支給率を維持するというふうな観点から措置をされてきたわけでございまして、結果的に御指摘のようなことになったというふうに考えておるわけでございます。
○金田政府委員 ただいま大蔵省から答弁がありましたようなことが従来の経緯であるというように承っております。
○川本委員 もう一度大蔵省にお聞きしたいのですが、そうしたら先日来も議論されておりますけれども、いわゆる制度の存廃あるいは費用の分担、所得制限の強化、こういうようなことについて大蔵省はいま、どのように考えておるのですか。
○矢崎(新)政府委員 御指摘の児童手当制度の問題につきましては、いろいろな問題点が従来からも指摘をされておるわけでございまして、一つは児童の養育についての考え方がヨーロッパの場合と日本とではかなり違っておりまして、日本の場合は親子の家庭における結びつきが非常に強いというふうなことがございまして、広く社会的に負担をするというヨーロッパ的な考え方とかなりの違いがあるのじゃないかということが一点。それから二点目に賃金の問題でございまして、日本の賃金体系と申しますのは、ヨーロッパ諸国と異なりまして家族手当を含みます年功序列型になっておるわけでございまして、そういう意味で生活給としての色彩がかなり強いということがございます。それからまた社会保障施策全体の中の問題といたしましても、児童福祉施策といたしましては保育所の問題その他いろいろなものがございまして、優先度の点で、いろいろ問題もなきにしもあらずというふうなこととか、あるいはさらに費用負担のあり方につきましては、先ほど委員からも御指摘がございましたように、サラリーマンに関しては事業主からの拠出がございますけれども、いわゆる自営業者等については、そういうものがいま存在していないという意味での費用負担の公平の問題もあるわけでございまして、そういった基本的な問題を抱えているわけでございますので、これの合理的なあり方につきまして検討すべき問題が多いのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○川本委員 ただいま矢崎次長の答弁で、私は三点から成る、いわゆる再検討といいますか、そういうものに対する理論的根拠をお聞きしたわけですけれども、いまのお答えの中で出てきませんでしたが、所得制限については私はいまの御答弁で強化する意思がないというふうに判断をするわけです。そういう意味で、まあいろいろ、その他の問題については合理的に検討していきたいというふうにおっしゃっておられるように私は理解をしておきたいと思うわけです。 私は、児童手当の切り捨てというようなことを、きょうの新聞にも出ていますけれども、仮に大蔵省が固めた方針に園田厚生大臣が最後には負けて従うというようなことになると、もう国民は、いまのとうとうたる福祉切り捨ての政治に対して、政府というもの、あるいは国会というものも信用できないというような形になっていくのではないかと思うわけです。もし来年度の予算の中で所得制限がさらに強化をされるというようなことになりますと、これはもうサラリーマンの児童手当を一〇〇%切り捨てするというのと同じことにつながるわけです。そうして、それだけじゃない拠出制のほかの年金にも、あるいは拠出制のいろいろな制度にも全部所得制限を導入する端緒を開くことになるわけですから、私はこれは重大な問題だと思うわけです。社会党といたしましては、そういう意味において、この児童手当の問題については重大な関心を持っておりますし、来るべき通常国会でも予算委員会等において徹底的にこれは追及をしていきたいと思っておるわけです。 厚生大臣も、この所得制限問題については予算編成までに十分検討されまして、そして初心を貫かれる決意があるのかどうか、もう一度厚生大臣にお聞きをして、私の質問を終わりたいと思います。
○園田国務大臣 児童手当の問題は川本委員ほど私、詳しくはございませんが、実は私が十三年前、厚生大臣をいたしておりましたときに創設をした制度でございますから、いささか、その経緯等も心得ておりまして、覚書等も批判する立場ではありませんが、おっしゃるとおり何か勘違いをしておるのじゃないかと言いたいところでございます。 児童手当の問題は単に政策的の問題ではございません。国家百年の大計のために、これは非常に大きな問題で、単に子供を抱えて家庭が困っておるから、これを救うという趣旨のものではございません。国家の将来に対する重大な問題であって、国家がどんなにつらかろうと苦しかろうと、家庭で貧乏しながら、よそへ奉公に行きながら、子供を学校にやるということと同じでありまして、この際こそ児童手当は一歩も退歩してはならぬ、こう考えておりまするから、(拍手)各位の御協力も得ながら私は全力を賭して財政当局に御相談するつもりでおります。
○川本委員 終わります。
○湯川委員長代理 次に、平石磨作太郎君。
○平石委員 午前中からいろいろと論議がなされておりましたが、特に、いま問題になっております富士見病院の問題さらには、いま質問もございました児童手当の問題、この二点について質問をしたいと思います。 まず児童手当について大臣にお願いをしたいのですが、いまの御答弁を聞いて、私は大臣のその姿勢というものを高く評価をしたわけです。過日のわが党の代表質問においても非常にりっぱな御答弁が返ってきました。そして予算委員会における、わが党の正木質問においても大臣からりっぱな、いまのような御答弁をいただいた。この大臣の姿勢は、いま拍手もわきましたが、いままでの大臣とは、まことにその姿勢が違うと非常に評価をいたすわけであります。 ところで、この児童手当については昨年の予算編成期において、先ほども問題がありました覚書が取り交わされておる。そして、それを大臣も引き継いでおられる。この覚書について一応お伺いをしてみますが、きょうは大蔵の方、お見えになっておりますね。大蔵省にお聞きをいたします。 この覚書事項が行われておりまして、各般にわたっての行政でございますが、いま財政再建という大きな柱の中で、昨年から、このようなことが行われましたが、他の省庁についても、このような覚書を結んでおりますか。
○矢崎(新)政府委員 御指摘の厚生省関係の覚書と同様なものが何かほかにあるかということでございますが、私、具体的には担当以外の分野については、ちょっといま知識を持ち合わせておりません。
○平石委員 私の調べたところでも他にはそういったことがないということでございます。いまの御答弁でも責任者が御存じないようですから、まずないと言っても差し支えないと思う。 そこで私は申し上げたい。こういった財政再建は、まさに福祉のねらい打ちである、こう言わざるを得ない。私は、厚生大臣があれだけの姿勢を持って厚生行政に対処しようとしておられる、そして野呂大臣のときに、各般の行政の中でこのことに関してだけ、児童手当と老人医療についてだけ覚書を取り交わしたという理由をお伺いをしたい。
○矢崎(新)政府委員 お答え申し上げます。 今後の社会保障のあり方について考えてみた場合に、医療とか年金を初めといたしますいろいろな給付がございますけれども、仮に、こういった諸給付を現行水準のままに据え置いたといたしましても、人口の高齢化等によりまして、その費用負担というのが大幅に増大をしていくということが確実に見込まれているわけでございます。したがいまして当面の深刻な財政事情の中で、真に必要な人に必要な社会保障の給付を確保していくということのためには、その必要の度合いに応じまして給付を適正なものといたしますと同時に、所得階層間あるいは世代間等の公平を保ちながら、給付に見合った負担を求めていかなければならないということが基本的な認識としてあるわけでございます。そういったような観点から五十五年度予算編成の際の覚書事項に児童手当の問題、老人保健医療の問題とか、あるいは所得制限といった問題につきまして今後見直しを進めていくべきであるということを合意したという経緯でございます。
○平石委員 それでは厚生省にお聞きいたします。 厚生省は来年度予算の要求に児童手当に関する概算要求を出されておるはずですが、どのように出されておられるか、お知らせをいただきたい。
○金田政府委員 児童手当の制度につきましては、概算要求の時期に、まだ中央児童福祉審議会の意見書が出ておりませんでしたために、これはすでに九月十日に出ているわけでございますが、八月中にはまだ出ておりませんでしたため、とりあえず検討中ということで要求をいたしております。
○平石委員 いま、そういった審議会の答申を待って出すという予定でしたが、現在行われておる、いわゆる問題については出す必要はないのですか。
○金田政府委員 先ほどから言われております覚書の中にも制度の存廃とか所得制限その他、制度の基本に触れるようなことがいろいろ書いてございますが、制度の抜本的な改正につきまして、ここ三年間、中央児童福祉審議会で御検討いただいておりまして、今年中には結論が出るという見通しが、すでに七、八月ごろついておりましたので、そういうことで要求いたしたわけでございます。
○園田国務大臣 いま局長からお答えいたしましたが、児童手当制度に対する抜本的な長期にわたる改革をやらなければならぬということからいっても、その足がかりとして現行制度はこれを維持、充実しなければならぬと大臣は考えております。
○平石委員 そこで大臣にお願いしたい。いま維持、存続をしなければならぬ、大臣からこういう御答弁をいただいたのですが、それであるなら新たな制度改革をして、さらに拡大をしようか、こういったお考えがある。維持するということであれば通年度出しておる予算要求はすべきじゃないですか。それもない。それも出さずに、そしてただ項目として挙げるといったような形では、さっきの大臣の答弁とおかしなぐあいになってくる。したがって、大臣は少なくとも先ほどお答えいただいたような姿勢を貫くのであるなら、概算要求の中にも、そのことがきちっとのってなかったら話にならぬということです。
○園田国務大臣 おっしゃるとおりでございますから、十分心得て、そのようにいたします。
○平石委員 そういう中で、先ほどの大臣の答弁の中にもありました国家百年の大計から考えたときに、ただ一時のお金が不足した、こういったことだけで、いわばお金のサイドだけで国家百年の大計を誤ってはならね。少なくとも大蔵省は、そういった他の行政とは全く別に取り扱って覚書事項まで結んで、五十六年度においては、さらにその覚書を盾にして所得制限の強化あるいは存廃等についてやっていこう、そういった全くお金の尺度だけで、この制度を判断しておる、こう言っても差し支えない。 私はそういった意味で大蔵省にお伺いをいたしますが、大蔵省はこれについて五十六年度は大体どのようにやっていこうかというようにお考えなのか、お聞かせをいただきたい。
○金田政府委員 ただいま大臣のお答えいただきましたことにつきまして、ちょっと事務的なことを一言補足させていただきます。 五十六年度予算要求の内容でございますが、とりあえず事務的には現行制度を前提とした所要額が暫定的に組まれているということでございます。
○矢崎(新)政府委員 五十六年度予算の編成に当たりまして私ども考えておりますことは、現行の児童手当制度につきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、その意義であるとか給付と負担のあり方、社会保障施策全体の中での優先度など検討すべき点が非常に多いように思っておるわけでございます。したがいまして、政府部内におきまして制度のあり方についての基本的な見直しをいろいろと相談いたしまして、五十六年度において所要の制度改正が図られるよう努力をしたいというのが私どもの立場でございまして、そういった意味で、児童手当の問題につきましては先ほど来御指摘になっております所得制限の問題あるいは費用負担のあり方の問題等を含めまして検討する必要があるのではないかというのが私ども財政当局の現在の考え方でございます。
○平石委員 改正になるのか改悪になるのかわかりませんが、大変失礼でございますが、次長さんはお子さんをお育てでおられますか。お子さんを育てておられれば、私はその点はわかると思うのです。いま川本先生の質問の中にもございました。いま日本は高齢化社会に急速に進んでおるということは、命が延びておることも、その一因ではありますけれども、やはり若年層が激減してきておるということが高齢化社会へ非常に早く落ち込んでおるということを示しておるわけであります。 ところで、いまの厳しい社会の中で現実にお子さんを育てておられるという御経験がおありなら、子供を育てておる家庭と子供のない家庭を比較したときに、お子さんを育てておられる御家庭は財政的にも物質的にも精神的、時間的にも、一方と比べた場合には非常な負担がかかっておる。しかし自分の子供だから負担とも思わずに、子供のためには自分が着るものも食べるものも制限してまで子供のために親は働いておるのです。これは御存じと思う。そういう中で子供を育てて社会に送り出す。そして一方でお子さんを育てていなかった御家庭の方が老人になられたときにも、そういった方々の高齢化社会を支える大きな担い手になっていっておるわけです。 私は最前の御答弁を聞いて、あなたのお答えの中に負担の問題について公平、不公平云々という言葉がありましたが、それも財政尺度だけの公平、不公平の問題です。もっと高い次元で日本の民族がどうなるか、そして労働力がどんどん落ち込んでくる、将来の高度成長あるいは安定成長を支える労働力が日本になくなってくる、いういった長期展望に立ったときに、私はそういう論理はおかしいのじゃないか、もっと目を開いていただきたい、こう思うわけです。 したがって、そういう日本の将来の命運にかかわる、あるいは民族の力にかかわってくるような大問題、そして現状を見たときに、ここにちょっと資料もございますが、若いお母さん方は子供を産むことをきらっておられる。避妊をしておられる。それは一体どういう理由かという毎日新聞のそういった調査についての資料がありますが、それを見てみましても、いまの若い御夫婦は子供を育てるということについて昔の親たちほどのような考え方は持っていない。いま日本は欧米とは違いますというお話が御答弁の中にありましたが、そのように時代は変わっておる。そして苦労して育てたお子さんが、お子さんを育てなかったお年寄りにも貢献をし、社会に貢献するということを大蔵は認識をいただきたい。これは厚生省も一緒です。そういう立場からいけば、いま育てておるお子さんの一部なりとも社会がお手伝いをしてあげましょう、こういう思想にならぬですか。私はそのことを強く訴えたいわけですよ。ここに公平の問題が出てくるわけです。だから資料を申し上げてもいいのですが、お子さんを育てておる御家庭とお子さんを育てていない家庭の財政的な消費支出を見ましても格段の相違がある。時間的なものを見ましても格段の相違が出ております。そのように育てておる家庭と育てない家庭とを比較して、その上で御判断をいただきたい。この意見に対してどうでしょうか。
○園田国務大臣 先ほど川本委員からの発言の中に前の大蔵大臣の竹下さんの発言がありました。それからいま主計局次長からは将来の改正を見ながら検討するというお話がありました。私はこれを理解いたします。財布を預かって締める方と、これから取り出して使おうという方は立場の相違がありますから若干の違いがありますけれども、私は単に自分が厚生大臣であるから、この予算は削らぬでくれ、こういうことではありません。 いま、あなたがおっしゃいましたとおりヨーロッパと日本は違います。ヨーロッパは長い間に高齢化が進んだわけでありますが、日本は御発言のとおりに出生率が、だんだん減ってきております。丙午の年にがたっと減りました。ところが、その後はなだらかに減っておるので余り注目しておりませんけれども、どんどんなだらかに出生率は減っておるわけであります。事務当局に聞きますと大体三十年ぐらいの間に六十五歳以上の老齢人口が一八%ぐらいになるのじゃないか、こう言っておりますが、国際シンポジウムなどの討論から見ましても、その他の資料から見ましてもいまのままで、これに手を打ったとしましても一八%ではとまらない、私は二〇%になると思っております。ほうっておくとそれ以上にいくおそれもある。しかも、その危機は五年や十年で解決できなくて、厚生省がよほど力を入れて手を打っても二十年から二十五年は、そういう民族の危機という状態が続くと思います。六十五歳以上の人口が二〇%出てくるということは、どういう方面から考えても大変なことであります。 そういう意味で児童手当は単なる政策ではない、国家百年の大計のためだ、こう考えておるわけでありますので、財政当局にも私は十分おわかりいただけるように今後相談するつもりであります。ただいまは概算要求の中に検討中だという、局長がちょっと誤解を与えるような答弁をしておりますが、概算要求の中には今日の現行制度を前提として丸めて要求をしているわけでありますから、私が言いましたのは現行制度の維持充実という、こういう言葉を考えて使っているわけでありますから、そういうつもりで財政当局に相談をして御理解を必ずいただくようにしたいと考えております。
○平石委員 大蔵、御答弁をお願いしたい。
○矢崎(新)政府委員 先ほどの御質問は、子供を持つ親としての気持ちに焦点を当てた御質問かと思うわけでございますけれども、私どもといたしましても、子を持つ親といたしまして子供に対する愛情は少しも変わりはないだろう、こう思っております。ただ、この児童手当制度というものも広い意味での社会保障制度の一環でございます。そういたしますと、この社会保障制度の今後十年先、二十年先の推移というものを私ども静かに考えてみた場合に、現行の給付水準のままでいっても、制度の成熟化とか、あるいは老人人口の増大ということによって給付の額が急速にふえていくということは避けられないことでありまして、そうい5意味で、その給付を支えるためには将来の世代に負担をかけざるを得ない、これがまた、われわれの子供の世代になるわけでございます。そういう意味で私どもといたしましては、私どもの次の世代に対する負担が余りに過大なものになることも、これまた避けなければならない。そういう意味での世代間の公平論というものを無視するわけにはいかないのじゃないかというふうに考えているわけでございまして、そういう意味で現時点におきましても、そういった将来の姿を見通しながら負担のあり方等を含めて、できる限りの制度の効率化というものを工夫をしていく必要があるのではないかというのが基本的な立場でございます。そういう意味で児童手当制度の問題も、その例外ではあり得ないのではないか、こういうふうに考えて、先ほどのような私どもの考え方をお答え申し上げた次第でございます。
○平石委員 財政担当としたら、そういったようなことが考えられるかとも思います。だが私は、そういう財政論議だけで判断しては間違いますよということを申し上げておるわけです。したがって、確かに大蔵省はそういった立場にあるから、そういった答弁が出ても、これは大蔵の立場から言えばそうかもわかりません。だが、もっと高い次元で、いま私がるる申し上げたことをどう思うかと私は聞いておるのです。そのことについてお答えをいただきたい。
○矢崎(新)政府委員 基本的な考え方はただいま申し上げたとおりでございますけれども、児童の健全育成というふうな見地からいたしましても、いろいろな児童福祉施策あるいは教育施策というものがあるわけでございまして、そういったものを総合的に組み合わせていくということによって対処することができるわけでございまして、児童の健全育成イコール児童手当のみということではないんではないか。したがいまして、いろいろな施策を総合的に組み合わせて適切に対処をしていくというのが私どもの考え方でございます。
○平石委員 それはもちろん、おっしゃるとおりに総合的な施策をしていくということは当然のことでして、この児童手当だけで片がつくんだというものではございません。だから私は、この児童手当を存廃を含めて見直すということがあの覚書の中にあるわけだから、したがって、この大切な児童手当を、いわゆる存廃を含めての見直しといったようなことではどうにもならぬ、このように感じたから申し上げておるわけです。 したがってそれなら、いまお話がありましたように、どのように合理的にやっていくかという問題にかかってこようかと思うのです。そのときに、よく新聞その他で、私はここにも持ち合わせておりますが、財政再建ということで大蔵省はもうあちこちの新聞に、たとえば、たとえばということで児童手当と老人医療が出ておるわけです。各種の新聞に出ております。そういったように、あたかも財政再建はもう児童手当と老人医療だ、こういったように世論の誘導というか論議が起きておる。そして一方にそういう覚書。こういう中で果たして、これが続けられるものだろうかどうだろうかという心配を持っておるわけです。そして新聞記事なんですけれども、大蔵省がこれを二百万円以下ぐらいに下げる方が筋だというのが出ておる。いま四百九十七万という所得制限ですけれども二百万円以下、そういうことを本気に考えておられるかどうか、ひとつお伺いをしてみたい。
○矢崎(新)政府委員 お答え申し上げます。 あの新聞記事にいろいろ出ているという点につきましては、私どもがそういったようなことを発表しているということはございません。むしろ私ども財政当局といたしましては、こういった財政の現状に顧みまして、あらゆる歳出構造、歳入面の問題、これにメスを入れなければいけないという立場でございまして、その意味で聖域はないということは大臣もしばしば申し上げておるわけでございますが、そういう意味で御理解をいただければと思うわけでございます。 そこで、児童手当の所得制限の問題につきまして、新聞の記事にあるようなことを具体的に考えておるのかという御質問でございますけれども、現在の段階は一般的に全体としての見直しを検討しているという段階でございまして、具体的に、どういった案があるということをいま申し上げ得る段階ではございませんが、所得制限の問題も、先ほど申し上げました費用負担のあり方等の問題等も含めまして、検討の課題の一つではあり得るということは言えると思います。ただし、具体的にどうこうということは、いまの段階では何も決まっておりません。
○平石委員 いまの御答弁が正しいのか、この新聞で本音を言ったことが正しいのか私わかりませんけれども、もう一つ、これは他党も取り上げておりましたが、ここに大蔵省主計局の総務課長さんの記事が出ております。これも、試案を出した審議会委員さん方が専門分野しか見えず、初めに児童手当ありきだから、こういうことになるといったように言われておりますが、今回出された中央児童福祉審議会のあの最終報告、どのように評価されますか。
○矢崎(新)政府委員 中央児童福祉審議会の答申でお示しになりました御意見は、児童手当制度の長期的な姿につきましての一つの考え方を示したものではあろうかと思っておるわけでございますが、この御意見発表後の各界の受けとめ方を見ましても、なお児童手当制度につきまして、その意義であるとか、あるいは給付と負担のあり方、社会保障政策全体の中での優先度など、いろいろ検討すべき問題が多いというような御指摘も数多くお見受けしておるわけでございます。当方といたしましても、審議会の御意見につきましては、いろいろと基本的な問題があろうかと考えているわけでございます。 先ほども申し上げましたけれども、一つは、日本の場合は家庭における親と子の結びつきが非常に強いこと、あるいは賃金体系も家族手当を含む年功序列型の生活給としての色彩が強いということからいたしまして、児童手当制度に依存するということなくして児童の健全育成を図っていける、全面的に依存しなくて、そういうことが可能であるというような社会的、経済的な基盤があるのではないかというのが一つでございます。 それから二番目に、仮に審議会の御意見のように第一子から支給するといたしますと、対象の児童数は約十二倍ということになると思います。二百四十六万人が約二千九百万人ということになるわけでございまして、巨額の財政負担を必要とするというのが二点。 三点目は、制度の財源に関しまして税制上の扶養控除との統合なり調整を行ったらどうかという御意見もあるわけでございますけれども、この問題につきましては税制の基本といたしまして、諸控除からなる課税最低限の設定と、それから税率と、この二つの組み合せによりまして適切な負担を実現するという所得税の基本的な体系を無視したものではないだろうかというような問題意識も持っておるわけでございまして、そういったような感想を持っていることをお答えを申し上げたいと思います。
○平石委員 これについては、いわゆる今度の審議会の報告、私は非常にりっぱな報告じゃないかと思うわけですが、先ほど新聞記事で言いましたが、仮に二百万ということになったらどのようになってくるか、ここが心配でございますから、仮に、そういうことになったとしたときに一体いまの受給者がどういう状況になってくるのか、ひとつ厚生省にお尋ねをしたい。
○金田政府委員 ただいまのお尋ねは児童手当の所得制限が六人世帯で二百万というところまで落ちました場合に対象はどうなるかというお尋ねかと思います。 私どもの調べました数字では、昭和五十五年二月末における支給対象児童は二百七十六万人でございます。正確に二百万ということではございませんが、現在、児童手当には月額五千円の組と六千五百円の組がございまして、六千五百円の方は低所得者ということで市町村民税所得割非課税層でございますが、これは大体年収約二百二十六万円以下でございまして、大体二百万、二百万円をちょっと上回っておるわけでございますが、この支給対象児童数は、ただいま申し上げました五十五年二月末の二百七十六万人中九十一万人でございまして、全体の三三%でございます。したがいまして所得制限を二百万にするということは規模が三三%まで落ちる、要するに六七%の児童が対象にならないということでございます。 なおサラリーマンと自営業者別に見ますと、この内訳でございますが、所得制限を二百二十六万円といたしました場合には、サラリーマンの方は対象者百十八万人中百万人が落ちまして残りは十八万人だけということになります。それから自営業者につきましては百三十二万人中六十万人落ちまして七十二万人残る、要するに五五%残るということでございます。サラリーマンの場合は一五%残るということになるわけでございます。内訳はただいま申し上げたようなことでございます
○平石委員 いま局長からお聞きしましたが、サラリーマンの場合はもうほとんどなくなる、十何%しか残らないという状態になってくる。まあ大工さんや左官さんや、そういった方々は五五%に落ち込んでくるというようないまの御答弁、これは私は大変なことだと思うのです。私は二百万になったと仮定して申し上げておるので、大蔵がこのとおりするとは、いまの御答弁で考えておりませんけれども、一応二百万という形の新聞記事があるから、それを仮定にして申し上げるとそうなる。 こうなってきますと、いま厚生大臣がりっぱな姿勢を示されましたけれども、これは大変なことになる。仮に二百万にいかないで、いまの四百七十九万があるいは三百万にといったような形に下げられるということになりますと、もともと、この制度が第三子以上を対象としておる、そしていまの出生率は、先ほども話がありましたけれども女が一生のうちに二・一人産んでいけば静止人口として一応続いていきますけれども、昨年において一・七七に落ち込んだ。このような形に落ち込んできて、昔は四人、五人、六人といったような家族構成がいまだんだんと落ち込んできておるのです。そして、いまの若い御夫婦にお聞きをしましても、まず一人か二人ですね、こう言う。そうしますと、もうほうっておいても、第三子で、いまの制度をそのまま存続したとしても対象からは外れていくわけです。だから、そのままほうっておいても、この制度は消滅をしてしまう、こういうことが一方にあるわけです。だから第三子をやっておるのは、わずかに南アフリカの何だか十分わからぬところとベトナムと日本とたった四カ国。そして世界の六十六カ国で行われておる中で五十七カ国は、先進諸国は全部第一子からやっておられる。そうしてみますと財政も大変です、財政再建もやらなければなりません。だが、いまのような世界の情勢と、そして日本の家族構成がだんだんと落ち込んで出生率が落ちてくる、こういう状況から見たときには、もう大蔵が心配しなくても、これはぐっと消えていくわけです。それへさらに所得制限をかけていくということになると、まずこの制度はつぶれてしまう。だから、いまお答えにありましたように総合的にやっていくということは大切なことですが、その総合的な中身が児童手当だけはだんだん、だんだんとなくなってくるという状況にある。 したがって私は厚生大臣にお願いしたい。いまの姿勢を堅持していただきたいということと、いま児童手当がそういうような、いわばなくなる運命にあるということ、そして日本の将来の命運にかかわるような、若い労働力が生まれてこない、外国から外国人を雇ってきて働いてもらわねばならないといったようなことにならないようにするためには、やはり財政当局と十分話し合いを持って、ただお金の尺度だけから短絡的に考えるのでなくして、大きな立場で考えて、この制度が存続するように、五十六年度予算編成期を迎えて私は特にお願いをしておきたい。 そして、これから将来の問題としては、この間の児童審議会から報告がありました第三子からさらに第一子まで、これを一挙にと言っても財政の都合もございますから、むずかしいかもわかりません、第二子へおろす。そして、いまの若い方々がまあ大体二人ぐらいまでですといったような、それに見合うような形にすべきではないか。そして、さらに、いま心配をしておる出生率が一・七七といったような形で、さらに来年はこれが一・七になる、あるいは六になるといったようなことにならないようにしていかなければならぬ。もし、そうなるのであるなら、やはり第一子まで、いまの制度を拡充をして、児童手当というものはあくまでも総合施策の中の一つとして拡大すべき——まあ拡大というても、制度では拡大ですが対象は少なくなってくるのですから、ひとつ大蔵に特にお願いをしたいと思うのです。 そういうことで、ひとつ大臣の所見をお願いしたいと思います。
○園田国務大臣 各位の御意図を十分拝聴して、全力を挙げて努力をいたします。
○平石委員 いまの大臣の御答弁で大体了解しました。ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思うわけです。 それから富士見病院のことについて触れさせていただきます。 この富士見病院はまことに一大ショックを与えました。段々と取り上げておられますが、医療行政の中で厚生省としても、この問題については、いままでいろいろなことを言われましたけれども、こんなことが行われておったかといったようなまことにショッキングな医療でございますが、こういったことがなぜ起きるかという、その背景というものをはっきりさせていかなければいかぬじゃないかということが一つ。 それから新聞、テレビ、ラジオ、これから見てみますと、あの病院は五十年ごろから苦情が出ておった、こういうことが報道されております。そして五十年ごろから、そういう情報が入っておるにかかわらず今日まで放置されておった。ここに私は、いまの日本の医療制度の体制の中で、それでいいのかどうか、この体制の問題について大臣の所見をお伺いしたいと思うのです。
○園田国務大臣 何にいたしましても、このような事件が起こったことはまことに恐るべきことでありかつまた厚生大臣として、まことに遺憾であって、その責任の重大さを痛感するわけであります。 しかし、このような事件が起こりました原因というのは、長きにわたって、いろいろ問題があると考えるわけであります。再び、このような事件が起きないように、当面する問題に対しては厳正なる態度をもって臨むと同時に、このようなことが二度と起こらないように他の医療機関その他についても厳重に指導、監査を進めて厳しくしていきたいと考えております。そして国民の失われたる医療に対する信頼を回復することが大事であると考えております。 したがいまして当面の問題それから将来にわたる問題を分けて考えますと、医療、診療、医師等の制度の見直し、それから厚生省の指導、監査の体制等、体系だった長期的な一つの検討をする時期であると考えております。
○平石委員 これはなかなかむずかしい問題が伏在しておると思いますけれども、医師法、医療法、こういった面の見直しも必要ではないかと思うのです。そしていま監査、立ち入りとかいったようなこともございますけれども、、病院の管理だとか施設だとか、あるいは記録だとか、いわばそういった面についてはできることになっておるわけですが、いわゆる診療行為そのものについては、素人のわれわれでございますから、どうにもこうにもならない。だが、そこはやはり医師の良心として、お医者さんの良心においてやっていただかねばならぬのですが、今回の事件は、まさにお医者さんの良心を問われた事件だと思うのです。したがって、その診療行為そのものをチェックするとか指導するとかということはいわば不可能に近いことですけれども、少なくとも今回の事件を見たときに、命をかけ、体をお医者さんにお預けするわけです。まあほかの、施設が悪いとか看護婦数が足りないとか、こんな問題はどうにも片がつくわけです。だが、自分の一つしかない命をお医者さんに託して、言葉は悪いけれども、いわばそれが担保になる、そういう中での診療ですから、お医者さんのいわゆる倫理というものについて何か制度的なものも考えていかなければいかぬのじゃないか。 そして、それへの立ち入りは行政として非常にむずかしいんだが、苦情処理機関——苦情が上がってきても、どこへ行っても取り合ってくれませんでした。それは県のことでございます、あるいは、これは国のことでございます、あるいは保健所のことでございますといった形で、あちこち振り回されている。ここにも、これが長らく続けられる制度の上での大きな欠陥があったと私は見るのです。したがって診療行為の内容には入れません、お医者さんを信頼して治療はしていただかねばなりませんが、そういった苦情処理のような面での一つの制度的なものを考えたらどうかと思うが、大臣いかがでしょう。
○園田国務大臣 私もそのように考えておりまして、まず臨時に厚生省内に不服や苦情を聞き処理をする機関をつくろうということで、すでに総理の御了承もいただいて、事務当局にそのように指示をしておるところでございます。
○平石委員 したがって今回つくってあるプロジェクトチームそういう中で十分御検討いただきたい。私は時間があれば、いままで放置されておった行政のいわば怠慢といったものをもお示ししたいと思うのですけれども、時間の関係でできません。そこで、いまのように要望したわけです。 そこでもう一つ、この事件が起きてから以降、九月二十日に厚生事務次官名で各都道府県知事に出した通達がございます。「医療機関に対する指導監督の徹底について(依命通知)」これを見させていただいたわけですが、この「記」のところの一に「医療法に定められた有資格者の配置の点検を行うとともに、病院内において無資格者による法令違反の医療行為が行われることのないよう、厳重に注意を促すこと。」となっている。私はこれを見たときに、これはおかしなことだと実は思ったのです。「無資格者による法令違反の医療行為が行われることのないよう、」これは一体どういうことになるんです。法令違反といったら違法行為ということですよ。だから無資格者が適法なものであったらよろしいということになると私は思うのです。どういうことでしょうか。
○田中(明)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘の点は今回、富士見病院で何ら資格のない理事長が、医師あるいは看護婦、臨床検査技師の資格を持ってなければできないような医療行為を行っていたという事実がございますので、そのようなことがないように厳重に注意を促すということでございまして、すなわち無資格者による医療行為は法令違反であるということを強調したものでございます。
○平石委員 そこが私はおかしいと思う。理屈を言うようで悪いのですけれども、無資格者ということは一切してはならないということですね。そうであるにかかわらず、たとえば、あの富士見病院の理事長は無資格者です。この人が、起訴にもなりましたが、MEを使って、ああいうようなことを故意的にやった。あれが的確な診断がなされて、有資格者がやると同じような結果が出ておれば構わぬのですか。
○田中(明)政府委員 そういうことではございませんで、資格のない者が法令に違反するような医療行為は行ってはいけないということを、われわれは言いたかったわけでございます。
○平石委員 おかしいですよ。ちょっと説明を——説明と言うたら皆さん専門家に申しわけありませんが、有資格者は行為をしていいんです。まあその中にはミスが含まれるかもわからないけれども行為はしていいんです。無資格者は行為をしてはならぬのです。行為に入ったら違法な行為か適法な行為か二つあるはずはない。だから行為に入らすこと自体をいけないという通知でなければならぬ。でないと行為を適法に——北野が有資格者がやったと同じような的確に診断をやるだけの技術を持っておった、それだったらやってもよろしい、こうなる。そういった厚生省の甘い考え方。だから無資格者はしてはいけないという法律になっておるのですから、違法な行為はしなさんなという通知をしなくても、無資格者が行っておるようなことがあってはならないと、診療行為そのものをとめねばならぬですよ。その診療行為が違法であるかどうかは判断がつきませんけれども、違法な行為だけは御遠慮ください、この通知からでは、厚生省の今後のプロジェクトチームが果たしてどんなことを考えるだろう、こう疑わざるを得ない。ひとつもう一回御答弁いただきたい。
○田中(明)政府委員 私どもが考えているのは先生と全く同じだろうと思うのです。実を申しますと医療行為の中には補助的なこととして必ずしも資格がなくても行えるものもあるわけでございますが、ここで私どもが申したかったのは、資格のない者が法令違反になるような医療行為を行ってはいけないのだということを強調したかったわけでございます。
○平石委員 私は、これはどうも釈然としません。行為ができるか、できぬかです。
○田中(明)政府委員 それから、もし仮に資格のない者が、医学的に一応認められるような行為をしても、これは当然許されるべきものではございません。
○平石委員 だから、そのあたりまえのことをあたりまえに、この通知に書かねばいかぬですよ。もう一回。
○田中(明)政府委員 あるいは表現が悪かったのかもしれませんが、私どもが意図していることは、先生がいまおっしゃっていることと同じだろうと私は思っております。無資格者は法令に違反する医療行為をやってはいけないのだということを私どもは言っているわけでございます。
○平石委員 さっきの答弁がいいんですよ。そのことをそのままずばり通知に出せばいいんです。時間がないから、これで終わらしていただきますけれども、そういうような表現の仕方では厚生行政が甘いということを御指摘申し上げておきます。 以上で終わります。
○湯川委員長代理 次に、米沢隆君。
○米沢委員 大蔵省がさきにゼロリストなるものを提示いたしました。これはショック療法だということでありますから、余りショックを受けますと大蔵省の思うつぼにはまることになりますので、いいかげんにしたいのでありますが、それにしても増税路線を意図したもので大変どぎついという感じがします。 そこで厚生大臣もゼロリストの思想、思惑、出された背景に同意を示す立場にあるのかどうか、所信を聞いてみたいと思います。 〔湯川委員長代理退席、今井委員長代理 着席〕
○園田国務大臣 大蔵省はいろいろ知恵をしぼってやられたことであるし、頭のいい方がそろわれたところでありますけれども、ねらわれたところが逆効果が出てきたんじゃなかろうか、こう思っております。
○米沢委員 聞くところによりますと、このゼロリストのいわゆる試算、これは各省庁が計算をしてやったということだそうでございますが、その意味において各省庁ともこれは共犯だ、そう私は思うのでございます。結果的にはゼロリストどおりになるはずもありませんけれども、ちょうど来年度の予算編成を迎えて、いま重要な時期にある。特にゼロリストの内容を見ておりますと福祉の後退は完全にダメージを受けるという内容になるわけでありまして、このゼロリストの思想で大蔵省に押しまくられたら、これは大変なことになる。いまから予算折衝に当たられる大臣、この厚生予算、福祉の後退を絶対に許さないという立場でがんばってもらわなければならぬのでありますが、来年度の予算折衝、勝算ありや否や聞いてみたいと思います。
○園田国務大臣 一生懸命に御相談をいたします。
○米沢委員 それから先ほどから児童手当の問題がよく出ておりますが、私も簡単に触れてみたいと思います。 まず、この児童手当に関する覚書の件でありますけれども、昨年の六者覚書のようなことは全く異例なんでありまして、余り例がないように考えます。先ほどもちょっと出ておりましたが、公共事業だとか農業なんかについては何もこういう覚書的なものはない。福祉の分野だけ、あんなものがあるというのは大変奇異な感じがしますが、なぜ福祉だけが、ああいう覚書になってしまったのか、大蔵省の説明を聞き、厚生大臣の感想を聞きたいと思います。
○安原説明員 財政が危機的な状況にあることは御案内のとおりでございまして、歳出全般につきまして厳しい見直しを行っていくことが要請されていると考えております。 社会保障の分野につきましても、御案内のとおり今後高齢化が急速に進展していくということが見込まれておるわけでございまして、現行の社会保障の給付水準を維持していくだけでも相当なテンポで伸びていく。これを何らかの形で費用負担を賄っていかざるを得ないわけでございまして、当然のことながら費用負担も増大していくという状況が見込まれるわけでございます。したがいまして、このような状況のもとにおいて社会保障につきまして長期的な観点から、費用負担の面それから給付の面、両面につきまして適正化あるいは公平化ということを考えていく必要があると考えております。このような認識に立ちまして、五十六年度予算におきまして社会保障の分野では児童手当、老人保健医療制度、所得制限全般の問題につきまして基本的な検討を進め、所要の改正を図っていくということが必要であるという認識に立って、いま御指摘のような覚書が交わされたものであると考えております。
○園田国務大臣 私、国会に出ましてから三十余年になりますが、こういう覚書の交換などは私、初めて承りました。ちょうど、これが予算の編成時期に交わされたことから私なりに想像すると、厚生省が予算の要求がなかなかむずかしい。そこで大蔵省の方で、今度は出してやるが、この次からはむだ遣いはいかぬよというような意味で出されたものじゃないかと思いますけれども、そういうことは抜きにして、この文書に盛られた点から見て、決して、財政が厳しいときであるから社会福祉の金は削るぞ、こういう意味の覚書ではなくて、児童手当、老人医療など、ヨーロッパと違って日本は高齢化社会を急速に迎える、しかも、その恐ろしい時代は二十年、二十五年続く、こういう時代に本気で検討しようという善意のあり方であると私は受けとめておるわけでありますが、ただ、おっしゃるとおり、よその省とはなくて厚生省とだけ、こういう取り決めをされたことについては、私は理解に苦しむものでございます。
○米沢委員 いま厚生大臣の御答弁を聞かせてもらいますと、覚書の解釈について、福祉に係る費用を徹底的に削っていこうという趣旨ではなくて、高齢化社会を迎えて今後いろいろな問題が提起されるであろうから、この際、検討しょうという善意のものだというふうな解釈を示されましたけれども、大蔵省はこういう解釈でいいのですか。先ほどの答弁も、おっしゃるような総論はわかるのです。なぜ福祉だけ、こんな覚書を交わしたのかということを聞いておるのです。あわせて御答弁いただきたい。
○安原説明員 昨年の予算編成の最終段階で老人医療等の問題が大臣折衝まで上がりまして、さらに三役折衝まで上がって検討されたという経緯がございまして、その際、五十六年度においては児童手当、老人医療それから所得制限、この三項目については適正化、公平化、効率化の見地から検討する必要があるという共通の認識を、覚書にサインされました六人の方が認識を一にされまして、その認識を公表されたというぐあいに理解しておりまして、確かに昨年の予算編成の段階で、ほかにこういうような形で覚書はございませんが、そういうことで、でき上がったものとわれわれは理解しておりますので、そういうことでございます。
○米沢委員 先ほど厚生大臣の言われた解釈でいいのですね。
○安原説明員 覚書についての解釈をということでございますが、その点につきましては先ほども御説明しましたように、われわれとしては今後、高齢化社会が急速にやってくる、その中で社会保障が重要な役割りを当然果たすわけでございまして、それが有効な形で効果を発揮していく必要があるということでございます。 高齢化社会で真にその趣旨に合った形で社会保障が機能していかなければならない。そのためには給付の点につきまして、いろいろ問題を抱えている制度がございます。それにつきましては徹底的に見直しをしまして、給付の適正化あるいは重点化ということを図っていかなければならない。もし制度間で重複があったり格差があれば、それを排除していくという努力をしなければならない。 一方で費用負担面につきましては、御承知のとおり一般財原、保険料、受益者負担、この三者でもって賄っておるわけでございますが、こういういまのバランスがそのままでいいのかどうかの見直しも進めていかなければならない。それから税はもちろんのこと、社会保険料、受益者負担につきましても、当然のことながら公平が確保されなければならない。こういうふうな両面にわたりまして、いろいろな検討を進めて適切な結論を出し、それを五十六年度予算で具体化できるものを具体化していくということでございます。 その関連で特に、その三つの事項が問題となりまして、ああいう覚書になったものと理解しております。
○米沢委員 どうも大臣と大蔵省の解釈にはちょっと差があるような気がしますけれども、これからの予算折衝等で、そこらが出てくるのではないかと思います。 やり玉に上がっております、この児童手当について先ほど来、大臣の方は現行制度を維持、拡充し、将来的には改革の方向に向かってがんばる、そういう趣旨の御答弁をいただきましたが、その改革の方向は、さきの中央児童福祉審議会が答申をしました児童手当制度の内容いわゆる児童手当の支給範囲をすべての児童を対象にするとか、あるいはまた所得制限は原則として行うべきではないとか、この基本線に沿って制度改革をいまからやっていくというふうに理解をしてよろしいですか。
○園田国務大臣 審議会の答申は国会の議決とは違いますけれども、しかし国会の議決に次ぐ重要なことであって、審議会の答申はこれを尊重し、その実現に努力するのが行政府の責任であると私は心得ております。したがいまして答申をいい悪い、行政府が批判すべきではなくて、どう実現に努力するかということが路線である、私はこう考えております。 なお、この審議会の結論はきわめて妥当なものであると思っております。国家財政の現状も知っておりますから急速にできるとは思いませんが、その方向に努力することがわれわれの責任であると考えております。
○米沢委員 そうなりますと今度は五十六年度の問題になりますけれども、支給率等の表をいただきましたが、見ておりますとずっと年々下がっておりますね。五十五年度は八〇%ぐらいになるのですか、そうなった場合、五十六年度の話になりましたときに現在の児童手当を維持、拡充するという意味は、少なくとも来年は、ことしの支給率を維持するために努力するというふうに解釈をしてよろしいのですか。
○園田国務大臣 そのつもりで全力を挙げて当局と御相談するつもりでおります。
○米沢委員 その中で今後の制度改革をやっていく場合に問題になりますのは、やはり財源の問題だと思います。先般この審議会から出された意見書の中身を読んでおりますと、スウェーデンとかイギリス、西ドイツ等の先進諸国におきましては、出生率の低下などもありまして、税の児童扶養控除と調整することによって児童手当の充実が図られておると書いてあります。この意見書の趣旨に大臣はほぼ賛成と、いま言われたわけでありますが、そういうふうに理解をしてよろしいか。同時に大蔵省の見解もちょっと聞いておきたいと思います。
○園田国務大臣 私の方はそのとおりで結構でございます。
○安原説明員 児童手当の制度の見直しを進めていきます上で一つの検討課題は、いま御指摘の費用負担のあり方であると考えております。この点につきまして、意見書の方から扶養控除との調整の提案があったわけでございますが、私は直接、税を担当いたしておりませんけれども、わが国の扶養控除制度は、税率と組み合わせて全体として所得に見合った公正な税負担を求めるということで所得税の体系の中に組み込まれているものでございます。そういう重要な体系の一部をなしておりますので、それだけを取り上げて、それをやめて、その財源で児童手当ということは所得税の体系を無視する議論であって、とうてい、これは賛成いたしかねるというのが財政当局の見解でございます。
○米沢委員 大蔵省の御意見を伺っておりますと大臣とはかなり意見を異にされておりますから、大変むずかしい局面を迎えると思いますが、大臣の御健闘を祈ってやまないところであります。 それともう一つは、従来から「被用者グループと非被用者グループの間に費用負担の上で不均衡があり、不公平ではないか」という指摘があるというようなことが言われてまいりました。そこで、その観点から大蔵省としては自営業者あるいは農民からも拠出を考えてはどうかという意図があるやに聞いておるのでありますが、その点はいかがですか。
○安原説明員 御承知のとおり児童手当の費用負担につきましては、被用者グループについては事業主からの拠出を求めておりますが、非被用者グループにつきましては拠出金は求めず、全額公費負担という形で制度の運営が行われております。この点につきましては費用負担の面から見まして公平でない、公正でないという御批判があるわけでございまして、今後、五十六年度予算編成の過程で児童手当制度の見直しを進めていきますが、その点も一つの重要な検討課題であると考えております。
○米沢委員 それは何か具体的な成案になっておるのですか。
○安原説明員 ただいま厚生省の事務当局と種々議論をしております段階でございまして、具体的にどうこうするというところまで、まだ煮詰まってはおりません。今後、鋭意検討を進めていきたいと考えております。
○米沢委員 次は、富士見病院の問題を取り上げてみたいと思います。これは予算委員会でも、あるいはけさほどから、もういやとなるほど聞いておりますけれども、大変恐縮でありますが大きな問題点だけ大臣の所信等を承っておきたいと思うのです。 あらゆる同僚議員が取り上げましたけれども、この事件に関連いたしまして、医療の荒廃だとか政治倫理がどうだという議論はいろいろあります。そのことをいろいろと批判することも簡単でありますが、こういうような医療犯罪というものが、なぜ今日までこんなに放置されてきたのであろうか、幾ら説明を聞いてもどうしてもわからない。監督官庁はこれまで一体何をされてきたのだろうか、どうしてこういうのが許されてきたのだろうか、その疑問はどうしても解けません。富士見病院事件に関連して、そこらの回答を含めてもう一回、大臣の所信を伺いたいと思います。
○園田国務大臣 何回も申し上げますが、この事件はまことに遺憾でございまして、非常な責任を感じるところであります。経過を書類によって見、事務当局から意見を聞いておりますると、その間に御承知のような経過がいろいろあったようであります。そのたびごとに厚生省並びに直接の責任者である県、保健所等を通じて監査あるいは指導、あるいは起訴されました北野等を呼んで注意などをしておりまして、現在の制度、法律のもとにおいてのチェックは逐次やっておったようでありますが、正直に言うと、きわめて消極的であって、さらにもう一歩突き進んでいけば、もっと早くこの事件かわかったのではないか、このように反省をしているところであります。 いずれにいたしましても、まず責任者であるわれわれ厚生省がここで十分反省をして、許された範囲で積極的に事をやるのは当然でありますけれども、当面の問題として、これに対する厳正な処分及びこれらに類似する行為の摘発に全力を挙げ、そして医師並びに医療機関の良心と自制によって、こういうことがなくなるように努力すると同時に、制度そのものも見直す必要がある。いまの制度では、どうしても事務的な判断で突っ込んでいくわけにはいかなかった、こういうことでありますので、全般の制度についても見直しをしたいと考えております。
○米沢委員 現在の法律に基づいて逐次チェックはしてきたけれども見抜けなかった、これは大変重要な問題ですね。そういう意味では、もちろん行政の責任というのは大変重大でありますけれども、私は、この事件を見ておりまして単に行政の怠慢という一言では片づけられない、たとえば北野がおったからこういう事件が起こったというよりも、こういう類似事件は今日におきましてはいつでも起こり得る可能性があるような気がする。いつ起こってもおかしくない状況にある、このことが私は大変恐ろしいと思うのですね。 同時に、ここにかかわり合った、この病院のお医者さんを初め、その医師会等々、自浄作用がない。こういう事実については、ある程度認識をしながら、問題になっておることは熟知しながらも、結局、医師同士あるいは医療関係者同士で、そこらを自制していく、自浄していくという作用が見つかっていない、そのあたりが私はやはり恐ろしいと思うのですね。 そういう意味で単に行政の怠慢という以上に、行政そのものが現在の法律でチェックしても解明できないような妙なものが、この医療界に巣くって大きくなりつつあるという、私はその問題が、今日のこの事件に関連して本当に真実を問いただし、対策をつくっていかねばならない大きな課題ではないかと思うのでございます。その点、大臣の所信をお伺いしたいと思うのです。
○園田国務大臣 全般的な制度その他の見直しと言いましたのは、医療行政の体系そのものに問題はなかったか、こういうことを私、考えておるわけでありまして、これに対して徹底的にメスをふるうことが私の責任であると考えております。
○米沢委員 先ほどからもいろいろ指摘をされておりますように、行政の責任の問題として、市でも県でも国の方でも、どうもこういうものに対応する対処の仕方がのろい、無責任だ、あるいは無責任ではないにしても、どうも奥行き深く突っ込むことができない、そういう行政そのものの問題点を幾多、先ほどから指摘をされております。 もう一つ、警察行政のあり方についてもちょっと問題があるのじゃないか。先ほどからも出ておりますけれども、この事件は大体五十年ぐらいから患者あたりからいろいろと通報が始まり、警察においては五十三年の秋ぐらいから内偵がされた。しかし話によりますと五十四年の春ごろには捜査がストップされておる、こういうふうな記事があるわけです。そういうことはない、いろいろあったので、そのまま捜査は継続したのだというのが警察側の見解だそうでありますけれども、私はこのことは非常に大事だと思うのですね。 もし、その段階で徹底的に内偵が進められて捜査が進められておったならば被害者はかなりの数減ったであろう。しかしながら、この時点で、もし何らかの力によって捜査が中止されたとするならば、これは大変重大な問題である。その真相について、たとえば毎日新聞等十月二日の新聞に、どうも、そういう中断の裏取引みたいなものがあったような気がする、そういう記事が載っておるわけでございます。「内偵捜査が始まって四カ月後の作手二月、捜査の最高責任者だった当時の中村所沢署長が小島所沢保健所長に対して捜査打ち切りを明言した事実が二日に判明した。」同時にこの保健所長の言によれば北野が内偵捜査の模様を余りにも熟知して、すべて手のうちをわかっておるようなことであった、こういう記事を書かれてありますと、やはり澁谷さんに金をやったのがきいたのかな、こう思うのであります。そのあたりの真相は警察としては捜査されておるのでございましょうか。
○斉藤説明員 警察がこの事件に関する風評を最初に聞きましたのは五十三年十二月でございます。それ以前に何があったかということは私の方は報告としては聞いておりません。現地の警察におきましても、そういう風評を聞きますと、相手が正規の大病院だということもありまして信じがたいことであるという受け取り方が一般的ではなかろうかと思います。当然のことながら事件の舞台が病院の中である、いわば密室犯罪である、密室内で行われているというようなこと、それから実質的な病院の経営者である理事長がかかわっておるというようなこと、あるいは病院の中におきまして医師であるとか医者でないいろいろな人がいるわけでございますが、こういった医師がどういうふうにかかわっておるのかというような大変むずかしい、いわば外からはなかなか把握できない犯罪であるわけであります。したがいまして警察としては大変困難であった、かつまた病院内におけるそういった関連が、一体どういう法に触れるのかというような、いわゆる擬律判断というものも慎重に考える必要があったわけでございます。そういうことでございまして、先ほど仰せのように、新聞では二月か四月ですか、手を抜いたのじゃないかというお話でございますが、入手したのは五十三年の暮れでございますから、翌年の二月や四月に、そういうことはあり得ないわけでございます。いろいろ申し上げましたような事由によりまして、検挙着手までには、それ相当の日時がかかるということは当然でございまして、警察といたしましては当初から今日まで、この事件の解明に向けまして最大限の努力をやってきたということでございまして、捜査が中断したという事実は全くございません。今回、検挙に着手した事実をもって御理解をいただきたいわけでございます。 なお先ほど、こまごまと地元の署長と保健所長との関係のお話がございましたけれども、必ずしも新聞に署長の言動が正確に伝わっているというふうには私ども考えておりません。本件につきましては、一部の報道で、その日の夜ですか、小島所長が記者会見をして全面的に事実を否定したという記事もあるわけでございますし、あるいは、その保健所長と署長とのやりとりがどうであったかというようなことにつきましては監督官庁サイドの方も何かお聞きになっておるのだろうと思います。いずれにいたしましても、われわれ警察といたしましては、立入権限のある保健所ですら、なかなか把握できなかった、そういった事実を、立入権のない警察が、かつまた先ほど申し上げましたような困難性を克服するためには相当の努力が要った。かつ逮捕事実あるいは送致事実に出てきております十二名の患者の裏づけ、これは事件が発覚しますと次から次に被害申告があるわけでございますけれども、内偵当時においては裏づけのある十二名を捜すだけでも相当の期間と努力を要するわけでございまして、かれこれ考えますと途中で中断したということはあり得ないことでございまして、最大限の努力を払って今日やっと事件着手にこぎつけたということでございますので、どうか御理解をいただきたいと思います。
○米沢委員 こういう事件が起こりましてから、厚生省としても医療に関する国民の信頼を回復するための検討委員会というのを発足させて、鋭意いまから検討されるということでありますが、この検討委員会は何をされようとしておるのか、検討委員会の検討課題について御説明をいただきたいと思います。
○田中(明)政府委員 先月の三十日に御指摘の委員会が大臣の命によって発足したわけでございますが、その後、会を二回ばかり開きまして検討項目につきましていろいろ審議いたしまして、おおむね次の四つを検討項目として取り上げることにいたしました。 一つは医の倫理の高揚と医療関係者の資質の向上、二が医療制度のあり方、三が医療監視制度の強化について、四が医療内容の適正化、以上四点でございます。いずれも医療に係る非常にむずかしい問題であると存じますけれども、四つの分科会に分けまして広く省内の人材を集めて広範な角度から検討を進めてまいり、成案を得たものから逐次実行に移してまいりたい。特に予算関係のものにつきましては、できれば来年度の予算に反映させたいというふうに考えております。
○米沢委員 まあ、いまから鋭意検討をいただくわけでありますが、その検討に入る以前の問題として、先ほどからも出ておりますけれども、今度の事件を振り返ってみて患者の苦情処理あたりがもっと行政のベースに乗っておったならば、もっと早く、この事件は大きくならずに済んだのではないかという指摘は私たちも当然だという気がします。そういう意味で、一斉点検等の指示等もありましたけれども、どうも乱診乱療をやっているような、特に現在の段階で各県や各保健所等にいろいろな患者の苦情があることはたくさんあると思うのです。そんなものがいま生きてないわけですね。少なくとも私は、医療、病院等の先ほどの四つの指示を与えられたとありますけれども、その中に現在いろんな形で医療に関する苦情があるものをまず集約して、それが本当に事件にならないのか、なるのかというそのあたりを早く総点検される必要があったのではないかという気がするのですね。 確かに、この四つの項目の中で、これを読んだらその部分も含まれておるというふうに言われるかもしれませんけれども、少なくとも、いまから厚生省にその苦情処理機関でもつくろうかという御答弁、県においてはあるところもあれば、ないところもある。しがし現に患者の苦情等がたくさん殺到しておるところもたくさんあるわけですよ。そのあたりに早く、それが本物なのかどうなのかということについて、この事件を契機に、そこからまず着手してもらうというのが国民にとっても安心できる皆さん方の対応の仕方ではないかと私は思うのでありますが、その点はどうでしょうか。
○田中(明)政府委員 所沢の事件につきましても昭和五十三年の秋から翌年の一月にかけまして五件ばかりの苦情が持ち込まれまして、中には診療内容といいますか、診断がほかの医療機関と違うというような診療内容にわたるようなものもあったわけでございます。これにつきまして保健所といたしましては防衛医大に相談するというようなことをやったり、あるいは理事長その他病院の幹部を呼んで事情を聞き、厳重に注意するというようなこともやったわけでございますが、残念ながら、さらに一歩突っ込んで、この事件の真相を把握するというところには至らなかったわけでございます。 私ども今週の火曜日に全国の医療監視員を集めまして、今後の医療機関に対する指導、監督に当たっては患者のプライバシーの保護ということには極力留意しながら、住民からの通報等にも十分配慮をしていくようにということを都道府県に指導しております。 さらに国民から医療に関する問題についての苦情がいろいろある場合、その処理について先生御指摘のように現在の体制では十分ではないのではないかというふうに、・われわれも感じておりますので、大臣が先ほど御発言なさったように苦情に関する処理を適切に行う機構について検討委員会で検討しております。
○米沢委員 いままで苦情があったにもかかわらず今日のような事件が起こるわけでありますから、現在各県に来ておる苦情等についても、ぜひ早急に、その気になって真相を究明して、かかる事件が起こらないように再度、強く要請をさせていただきたいと思います。 それから情報によりますと、同じような事件が木更津でも起こっておる。木更津でも患者からの苦情が続出して、この三日、医師会としても、この病院でかなりの乱診乱療が行われたと判断を固めて保健所に実態調査を行うように依頼をした、こういうことが報道されておりますが、この実態は十分承知されておると思いますが、どのような処置をされておるのですか。
○田中(明)政府委員 木更津の病院の事件につきましては、新聞報道がありました直後、千葉県の衛生部を呼びまして事件に対応する仕方に遺憾のないように指導をいたしました。 県当局の報告によりますと、このケースの場合は無資格者が診療に携わったというようなことではないわけで、医者の臨床診断が適当であるかどうかというような案件であるということでございます。したがいまして、行政機関が医者の診断が妥当であったかどうかということを判断するというのは非常にむずかしい問題でございます。現在のところ県当局においては病院の医師から事情を聴取する等いろいろ調査を進めているというふうに了解しております。
○米沢委員 次は、医療機器、今度の事件に使われました超音波診断装置等々をめぐる問題について、ちょっとお尋ねしたいと思います。 今度の事件でもいろいろなところで書いてありますが、この富士見病院の入院案内には「外来診察、入院診察、診療、ME検診、手術、検査等が効果的かつ合理的な診療体制になっておりますので、最も安心できます。」といって、客を呼んでおるわけでございます。いまやそういう意味では、このMEというものは客寄せ用にもなるぐらいに普及し始めております。この富士見病院の場合には、客寄せ用にいわゆる二億から三億もするというようなME機器を導入して、この費用支払いのための検査料かせぎ、そして患者を病人につくり上げるということに精を出して、あまつさえ健康体を切り刻んで、何の故障もない部分も切開する、患者のMEへの盲信あるいは無知を利用した悪質な医療犯罪ではなかったか、MEを最大限に悪用した医療犯罪ではなかったかと私は思うのでございます。この医療機器の技術革新というものが医療分野の進展に画期的な貢献をするという意味では、本来、国民にとっては大変喜ばしいことでありますけれども、今度の事件のように無免許の者が乱診乱療をして金もうけの手段に利用するということがあっては医学の進歩を冒涜するものだと言っても過言ではないと思います。 したがって、このような事態を防止し、ME本来の目的をどう発揮させるかということは、最終的には医の倫理にたどり着くと思いますけれども、その前段階として厚生行政がやらねばならぬことはたくさんあるのじゃないかと私は思うのでありますけれども、その点に関連しまして、一つ、医療機器の普及状況を厚生省は確実に把握されておるのかどうか。二番目に、医療機器導入に当たり厚生省としては何らかの行政指導がなされてきたのか、それとも完全に野放しの状況であったのか。三番目に、操作する人間の問題。いまの場合にはお医者さんがやっておるというのでありますけれども、ただ単に医学部を卒業されて臨床を何年もやっておられても、こんなに医療機器等が頻繁に導入され、それがどんどん技術革新されていく中にあって、果たして操作する資格みたいなものがお医者さんとして実際あるのだろうかという疑問がわくわけでありまして、操作する人間の資格あるいは教育についてどのようになっておったのか、一応お伺いしたいと思います。
○田中(明)政府委員 ME、メディカルエレクトロニクスあるいはメディカルエンジニアリングの略であると言われているわけですが、これは機器の種類が非常に多種でございまして、厚生省が把握しておりますのは、その中のごく限られた、医療上重要であり、かつ非常に高額であるというようなものだけでございます。一つはいわゆるCT、コンピューター断層撮影装置、これが昭和五十三年十月末の調査によりますと全国で四百五十四台、それから心臓血管連続撮影装置、これが五百十九台、脳血管撮影装置、これが千百二十五台、リニアック、これはがんの治療などに使う放射線の治療機器でございますが百四十九台、べータトロン、これも同様な機械でございますが五十三台、それからシンチレーションカウンター、これは放射性同位元素を用いた診断機器でございますが、これが九百四十三台、そういうような機器についての数は調査いたしております。 それからMEの操作に当たる人間についてでございますが、これもその種類が多様であると同様に機械の操作方法などもいろいろでございますが、これらMEの機械の操作は原則として医師みずから、または医師の指示のもとに看護婦か診療放射線技師または臨床検査技師が、それぞれの機種によって違いますが、行うということになっております。この中でもレーザーメスというようなものにつきましては、医師自身が操作しなければ危険であるということで医師以外の操作は認められておりません。 次にMEの導入に当たっての行政指導あるいは適正配置等の問題でございますが、MEは当然、薬事法によって承認された医療機器でなければ使ってはならぬということになるわけですが、この購入というのは個々の医療機関の判断に任せられております。医療行為につきましては本来、医師の専門的判断にゆだねられる事柄でございますので、その際、使用する機器について配置規制を行うということは非常にむずかしい問題でございます。しかしながら医療資源の効率的な活用を図るという観点から、できるだけ重複的な投資を避けることが望ましいと考えられますので、機器の共同利用を促進するなど適切な方途を講じるよう検討委員会において十分検討してまいりたいと思っております。
○米沢委員 どうも御答弁を聞いておりますと、今度の事件は結果的にはMEというものを盲信して起こした事件ですよ。どうもMEが持っておる、それがいま医療界にいろいろ与えつつある影響について余り深刻じゃないですね。数そのものも五十三年の十月でしょう。もう二年たっておるわけです。いまや八百台とか千台あるかもしれない、こう言われておる。そのあたりがいまどんどん検査をやっておるわけです。そういう問題だとか、これを操作する人間の問題でも、お医者さんでないと使えないとか、お医者さんの指示によって使うのだという。それで本当にいいのですか。誤診だとか操作のミスだとか、そういうものが結果的には患者に対していろいろな迷惑な判断をされる、そういうところにまで影響してくるのじゃなかろうかという意味で、扱う人の問題、そのあたり、もうちょっと真剣に考えてもらわなければいかぬと私は思います。 同時に、このMEの導入に対しましても、小さな病院が便利だからといって入れたら、減価償却していかなければいかぬわけですから、さあ検査をやらなければいかぬとなるのはあたりまえじゃありませんか。そういう意味で地域での適正配置あるいは共同利用、そういうものを何らかの形で規制をしないと、病院が近代的な病院にするためにそれを入れる、何億とかかる、それを償却していくためには一日何百人、何十人という人間を検診しないと償却できないのでしょう。損してもいいからMEを入れて的確な判断をして患者のためにがんばろう、そんな奇特なお医者さんばかりですか、どうですか、もう一回答弁してもらいたい。
○田中(明)政府委員 MEを扱う者につきましては、先ほど申しましたように医師あるいは機械の種類によりましては看護婦、診療放射線技師あるいは臨床検査技師というように限定しておりまして、この点で扱う者については相当厳しく限定をしておるというふうに私どもは考えております。ただ配置の規制につきましては、先ほど申しましたようになかなかむずかしい問題がございますが、先生御指摘のようにいろいろ重要な問題でございますので、何か適切な方途を考えてまいりたいと検討委員会で現在検討しておるところでございます。
○米沢委員 私はやはり問題にすべきなのはMEに対する盲信が生むいろいろなこういう事件、特にいまでも検査づけというのがいろいろ言われておりますけれども、こんな高いのを入れたら検査づけにならざるを得ない。確かに医療界の画期的な兵器でありますから、診断機でありますから、それはうまく善用するならば本当に喜ばしいことだと思いますけれども、しかし高価であるがゆえに、少々小さな病院が入れても、その償却のためには何といっても検査、検査にならざるを得ない。善用されることは結構でありますけれども、それが結果的には検査づけみたいなものに拍車をかけるのではないかというところには、医務局としても、もう一回問題意識を私は持ってもらいたい、そう思うのでございます。善意に考えても、そんなことはないMEがあったから、いろいろなわからない病気までわかったという朗報もありましょうけれども、どうしても検査づけというものとMEの導入というのが関連しておるような疑惑というものは国民からぬぐい去っていないのじゃないか、私はそう思うのです。 そこでお尋ねしたいのでありますけれども、やはり、その認識がなかったら質問にもなりません。しかし、そういう認識があるという前提で御質問を申し上げますならば、MEの導入イコール検査づけに拍車をかけるということを防止するために何らかの措置をとられることが必要ではなかろうか。その場合、いわゆる医療機器の導入が検査づけの傾向に拍車をかける。それを適切な検査だけにしぼるという手段が行政指導としてとられるものかどうか。二つ目には、お医者さんの判断の領域にわたりますから、この検査をするといかぬとか、これはしていいとかいうことにはならない。そういう意味で医師の領域であるから非常にむずかしいという判断で、これを放置されるのか、何らかの措置をとらねばならぬという観点から、いま皆さん方が考えておられることを、ここで御説明いただきたいと思うのです。
○田中(明)政府委員 恐れ入入りますが、ちょっと一番目の質問の内容がよく把握できなかったのでございますが……。
○米沢委員 MEを導入する。私が先ほどから言うように、どうしても検査づけという方向に拍車がかかるであろう。そういうものを何らかの形で適切な検査だけにしぼって、それを使ってもらおうという、そんな規制ができるのかどうか。
○田中(明)政府委員 ちょっとまだよくわかりませんが、いずれにいたしましても先生御指摘のとおり非常に高額な医療機械を導入した場合には、それを乱用する危険性は当然あるわけでございますので、適切な検査だけに限定するという意味はちょっとわかりませんが、そういうような高額な医療機械につきましては、むだな投資を省くというような観点から共同利用を図るとか、あるいは地域の医療全体から見て適切な病院に置いておいて、そこの医療機械をほかの病院あるいは診療所の患者さんも使うとか、そういうようなことを図れないものかどうかということで、いま検討いたしておるところでございます。また行政指導としては、そういう点に考慮して地域医療計画を立てるようにということはすでに申しておるわけでございます。
○米沢委員 先ほども五十四年度の社会医療診療行為別調査というもので報告されておりますが、検査、薬づけが進むというタイトルで非常に詳しく書いてあります。いままでと違いまして、昨年から比べて診療報酬明細書一件当たりの総点数はわずか一・五%しか伸びないのに、検査は一八・六%伸びている。投薬は六・六%も伸びて大きな伸びを示しておる。その原因について厚生省は、医療の進歩いわゆる検査機器の近代化による自然増、疾病の構造の変化、医療サービスの変化というのを挙げておられるわけですが、むずかしいのは確かにそういう原因もあるだろう。しかしながら高いものを入れたがゆえに、せぬでもいい検査もしてもらう、そのあたりに何かメスを入れない限り、これから先の医療費の増高というものに対して対処できないのではないか、そのことを考えてもらいたいと言うておるのです。どうですか。
○田中(明)政府委員 御指摘の点につきましては諸外国の例も存じておりますし、われわれとしても重大なる問題意識を持っておりますので、対策を考慮してまいりたいと思っております。
○米沢委員 最後になりましたけれども、先ほどから医療の監察指導等々いまから充実の方向で検討するというお言葉をいただきました。しかし、いままでの指導体制、監査体制というものは不正請求を何とか摘発したり、不正請求がないかどうかを調べるというたぐいのもので、もう完全にお手上げ。また、それさえできてない、そういうところに、こんな事件が起きたんですから、単に人をふやして不正請求がないようにしましょう、医療費の効率化のために充実しましょうという段階では、もうおさまらない状況になっておるわけです。だから私は、現在配置されております医療の監査指導官ですか、専門官、そういうものの職務権限をふやしたり充員をまじめにやったり、確かに、そのことも必要でありますけれども、単なる医療費の効率化のためにレセプトを審査するなんという以上に、こういう乱診乱療とか悪徳医師とかをもっともっと摘発するような医療Gメンをつくるべきだと思うのですね。 医療と警察の接点を担当するところがないから、警察は警察でわからない、立ち入りできないから、先ほど答弁がありましたように、どうもどうもで時間が過ぎていく。医療の方も、やるけれども形式的であって突っ込んだことをやるにしては人が足りない。そういう意味で、ちょうどエアポケットになっておるのですね。そういう意味で単に、いまある監査指導官の制度を強化するということだけではなくて、また医療費の効率化を図るために不正請求がどうだこうだという議論を含めて、もっとその上にある、こういう悪徳医療業者というものを摘発する目が必要じゃないか。そういう意味では指導官とか監査官、専門官というよりも監視宮だな、医療Gメンをぜひつくるべきだと思うのです。大臣どうですか。 〔今井委員長代理退席、湯川委員長代理 着席〕
○園田国務大臣 非常に有力な御意見でありまして十分検討いたします。
○米沢委員 終わります。
○湯川委員長代理 次に、浦井洋君。
○浦井委員 大臣に、まず最初の問題としてスモン患者の問題を要望したいわけであります。 〔湯川委員長代理退席、委員長着席〕 大臣が前に厚生大臣になられたのはちょうど十三年前。そのときに、このスモン問題というのが発生しておるわけです。それ以後スモン患者の方々が長い聞苦しんでこられて、やっと各地裁で裁判に勝ち、また去年の九月確認書方式による和解が行われたわけです。そこでは五十四年内にこの和解を全部完了させるということになっておったわけです。ところが、なかなかそれがうまいこと進んでおらぬ。このままであると五十五年度内に進むかどうかもわからぬ、こういう状況になっておるのはよく御承知のとおりだと思う。その最大のポイントは投薬証明がないということで和解ができない被害者の方が千五百八十二名もおられる。これについても東京地裁であるとか、あるいは札幌高裁では勧告が出されて解決の道筋が示されておるわけです。 大臣は決して、ほうっておかれたわけではないでしょう。九月三十日に製薬メーカー三社を呼んで厳しく指導されたようでありますけれども、園田大臣は単に厚生大臣としてではなく、鈴木内閣全般の仕事を見てほしいという強い要請もあって入閣されたというふうに新聞報道で聞いております。やはり大臣在任中——在任中というよりも、いますぐにでも厚生大臣の責任で、製薬三社がこの裁判所の勧告をすぐに受け入れるように、さらに一層強烈な指導をしていただきたい、すべきであるというふうに私は思うわけでありますが、まず大臣の御所見をお伺いしておきたい。
○園田国務大臣 スモンの問題が国に責任があると言ったのは十三年前の私の在任中でございます。それ以来十三年間かかっておるのでありますが、ただいまでは御指摘の証明書のない患者に対する和解がただ一つ残された問題であります。前大臣が要請されて、九月三十日に三社がその回答を持ってこられました。しかしながら、きわめて不満足な回答でありましたから、私が強く要請をして、さらに東京、札幌の勧告、所見に賛意を表し、和解に向かって発足するよう強く要請をし回答を求めたところでありますが、ただいままで来た模様では、なお私が満足すべきものではございませんので、私の満足する回答を少なくとも今月中に、三社が東京、札幌の裁判所の勧告に賛意を表するというところまで持っていきたいと考えております。そして今月中にそれができれば、年内には和解の結果を詰めていきたい、こう思っております。
○浦井委員 今月中に説得をして年内には全部解決を、こういう大臣の答えでありますけれども、その場合に注意しておかなければならぬのは、製薬三社の方が裁判所の方にいろいろなことを申し立てておるようであります。傍聴席にも、いまスモンの被害者の方が来ておられますけれども、その方々が心配されておられる問題は、いわゆる専門的になりますけれども、鑑定がいまよりももっと厳しくなるのではないか、投薬証明のない患者さんに対して、あるいは和解金を低く抑え込まれるのではないか、こういうような心配があるわけであります。去年の確認書による和解、その確認書の中身を見ますと、投薬証明のない患者については、投薬証明のある患者と時期、内容とも差別せずに平等に救済するというふうにお互いが確認をしておるわけでありますから、先ほど言ったような和解金を低く抑えたり、あるいは鑑定を厳しくする——もちろん公正にはやらなければならぬが、そういうことのないように大臣も十分に点検をし確認をしておっていただきたい、このように思います。
○園田国務大臣 いまの御指摘の差別の問題では、橋本龍太郎大臣のときに差別はないということを委員会で発言したと記憶いたしております。私もその方針で進みます。 なお三社には、裁判所の和解ができなければ行政和解に移る、行政和解の場合にはもっと厳しいぞ、裁判所よりも厳しくやる、こういうように強く要請しております。
○浦井委員 先ほども同僚議員から質問がありましたが、私がただいま受けた連絡によりますと、十月二十二日にスモンの被害者の皆さん方、細かく言いますと第一グループも第二グループも第三グループもそろって大臣会っていただけるというごとだそうでありますので、そこでもひとつ被害者の要望を十分に聞いていただいて、行政の側が責任を持って製薬三社を指導して、被害者に安心をしてもらえるという事態を一日も早く招来していただきたい、このことを強く大臣に要望しておきたいと思います。
○園田国務大臣 承知いたしました。
○浦井委員 次に、ハンセン氏病の問題であります。これも大臣よく御承知のように、岡山の長島愛生園と邑久光明園のハンセン氏病の患者の代表の方が、十月二日ですか大臣に会われたわけです。五十メートル余りの海峡といいますか、ここに橋がないために長い間いろいろと苦労があって十年来要求をしてこられたわけでありますが、対岸との問に橋をかける、これは大臣約束されたわけです。これは新聞にも大きく報道されまして、近ごろになく明るいニュースであるというふうに私は思うわけでありますけれども、これを公共事業としてやるということであるが、これは建設省、自治省の関係の話でありますが、五十六年度の概算要求の中に入っておるか、具体的に話がどう進んでおるのか、ひとつお答えを願いたい。
○園田国務大臣 概算でありますが、大体国の受け持ちが二億くらい、地元の受け持ちが一億くらいになります。そこで国の二億は私が責任を持って、これを受け持つ。地元の方は地元の国会議員の方々に協力を願って、ぜひやってもらいたい。その前に、御承知のように財源が必ずしも豊かな町ではございませんから、特別交付税その他については自治大臣に私から相談する、こういうことになっておりまして、近く私の方から現地に派遣して地元の方々とも相談するつもりでおります。
○浦井委員 これはひとつ、ぜひよろしくお願いしたい。いわば、いままでずっと島流しになってきたような状態で、その人たちがいま運動のスローガンにされておるのは「人間回復の橋」ということを言われておるわけで、ぜひとも地元の実情もくんで、何か十一月早々にも専門の係官を現地に派遣して県や、あるいは町とよく相談をする、具体的に詰めるという話も聞いておりますので、大臣になられて非常によい仕事でありますから、ぜひともやっていただきたいと思いますが、もう一ぺんひとつ。
○園田国務大臣 承知いたしました。
○浦井委員 そこで富士見産婦人科病院の問題でありますが、これは国民の皆さん方、特に御婦人の皆さんが強い関心を示しておられる。この事件の成り行きを見詰めておられるわけなんですが、これはやはり健康な御婦人が正常な子宮や卵巣をとられる。それも本来、国民の健康と生命を守るべき病院の中で行われるという犯罪である、ここに尽きるだろうと思うわけです。けさ方から厚生省のいろいろな緊急の措置あるいは恒久的な措置の話を聞いておるわけでありますけれども、やはり手ぬるいと思うわけです。その原因は、一つは事態の認識が甘いからではないかというふうに私は思えて仕方がないわけです。私もここ一週間ほどの間に所沢へ行って、いろいろな立場の人たちに会って話を聞いてきたわけで、ひとつ大臣に実態がどんなのか、どういう状態なのかということを、私の言うことも参考にしながらじっくりと頭の中に入れていただきたい、このように私は思うわけです。 そこで、まず北野早苗の超音波診断装置の無資格診療、診断、こういう件のことでありますけれども、私は防衛医科大学校の産婦人科の小林教授にお会いして、一体これはどういうかっこうでやるのですかと、私も医者の一人ですから聞いたわけです。そうしたら、まず産婦人科に診察に来られた患者さんを内診する。そしてそこで診断をするわけです。そして異常がありそうだと思えば、ここだというふうにメッコを入れて、全体をまんべんなしに診るのではなしに、ここだというふうにメッコを入れて、ここからが大事なんです。ちょっとびろうな話でありますけれども、患者さんの膀胱に尿をためられるだけためてもらう。そしてその上で医師や看護婦やあるいは臨床検査技師などが単独で、あるいは協力をして、この装置にかけて写真を撮る、こういうわけなんです。わかりますね。出てきた写真の判定もかなりむずかしい。かなりそれを専門に勉強した医者でなければむずかしいと言う。これはもちろん医者がやらなければならぬわけです。膀胱に何で尿をためるかということになりますと、普通は御婦人の場合、子宮の前に腸があって、写真を撮っても子宮やら卵巣が写らぬわけです。だからその腸を、膀胱をいっぱいにすることによって、ちょっと後の方や横の方に押しのけて、水分は超音波はきれいに透過しますから、そこで尿をいっぱいためた上で写真を撮る、こういうことになるわけです。 ところが、それでは北野早苗は一体どういう方法でやったかというと、すべての患者に排尿させておるわけです。尿を全部出させてしまっておるわけです。それで下腹部一帯をずっと超音波診断装置でばんばん写真を撮りまくっている。そうなりますと北野の撮った写真に写っておるのは、いままで申し上げてきたように尿がたまっておらないから子宮や卵巣ではなしに、その前で動いておる腸が写っておる、当然こういうことになるわけですよ。防衛医大の小林教授は、北野の撮った写真を何枚も見られたそうだけれども、こう言っておられる。非常に劣悪なしろものである、とにかく腸が写っておるのだから、しかも、それが動いておるのだから、何が何だかわからない、そういう写真のできばえである、読めと言われても読めないしろものだ。この方は超音波の一応の専門家ですが、そういうように言われている。 そして、そこから先がまた問題がある。腸が写って何が何だかわからないような、これはほとんど全例そうなっている、それに、メーカーの講習を受けてきた北野早苗が所見を書き込んだり、あるいは卵巣嚢腫や子宮筋腫というような診断名を書き込んだり、わざわざ子宮や卵巣の絵をかいて、ここに腫瘍があるんだというようなことをシェーマとして書いたり、まさにむちゃくちゃな作文をやっておるわけであります。これが北野の無資格診断、診療のやり方なんです。私も小林教授の言われることが正しいだろうと思います。 それから今度は北野や、あるいは、そこにおる医師は、言うたらこれをネタにして、新聞によく書いてありますように非常に悪いできものが子宮にできておるから、これをとらなければ、あなたの命は半年ですよとかなんとか、いろいろなことを精神講話も交えて三十分、四十分説得をして、それで手術をうんと言わせるというようなことをやっておる。しかも、そこにおる五人の常勤の医者は、だれ一人、超音波診断装置の操作もできなければ、解読能力といいますか、それを判定する力もないという状態であるわけなんです。だから言うたら、そこへ診察を受けに行ったら患者さんはベルトコンベヤーシステムに乗って、ずっとおなかを切られて子宮や卵巣をとられるというような状態であるわけなんです。 被害者の方や、あるいは地域の医師会の方々にいろいろお伺いをしてみますと、私も医者でありますし、田中さんもそうでありますから、よくおわかりだろうと思うのですけれども、一人で手術しても、あるいは数人で手術しても、少なくとも超音波診断装置の結果がこうだということを見ながら手術するわけです。おなかをあけてみて子宮や卵巣に何の変化がないということであれば、そのままにして縫い合わせる。そんなケースが二度、三度と続いたら、一体この超音波診断装置の判定は正しいのかということで当然疑問がわいて、もう一遍、機械やら操作のやり方やら判定の仕方なんかを原点に返って見直すのはあたりまえになっている。ところが、いまも数字が出ておりましたけれども、それも医者の方はやらずに、どんどんと切っておる。これが私が指摘をしたい犯罪性のゆえんであるわけなんです。こういう状態なんです。これはあえて大臣に私、申し上げるわけです。 しかも、これも小林教授その他のお医者さんが言われておるのですけれども、許すことのできないのは二十歳代、三十歳代の若い人の卵巣の全摘出、両方すべてとってしまう、これが非常に多い。こうなれば、これは医者の常識でありますけれども必ずホルモンの欠乏に陥って、いろいろな症状が出て病気になるわけです。そうなったら今度は三週間か四週間に一回ずつデポ女性とかデポ何とかというような女性ホルモンの注射をさせに通わせるわけです。これは保険局長たしか一回が二百点くらいだと思うのです、保険点数で。二千円ですよ。まず、これを一万円ぐらいで、その都度、注射するわけです。だから、まさにマッチポンプですよ。自分でそういう症状をつくり出しておいて注射に通わせてお金をもうける、こういうかっこうになっておるわけなんです。まさに、これは病院ぐるみの犯罪だと私は断ぜざるを得ないわけであります。 ついでに申し上げておきますと、いまも田中医務局長の方から自由診療云々のなかなか苦しい御答弁がありましたけれども、異常に高い値段をキャッシュで取っているわけですよ。たとえば正常分娩で一週間入院しますと、所沢のあの地域では大体二十万円ぐらいだそうです、医師会の先生方にお聞きをしますと。ところが百万円から百五十万円ぐらい取っておる。 これも非常にどぎつい話になりますけれども、ある御婦人が生理のときのタンポンが取れなくなったので、それを取ってもらうために受診をした。そうすると強引に入院をさせられて、あなたは子宮筋腫だというふうに言われておどかされた。もうそんなことないと思って無理やりに二日間で退院しようとしたら、子宮筋腫をとったときにもらう料金に相当する額であろうと思われる六十万円を請求された、二日間入院しただけで。まあ注射やいろんなことをしたかもわかりませんよ。それからまた、いまも言いましたように、おなかを開腹して何もなかったので何もとらずに縫い合わせたというケースであるのに、料金は切除されたものとして請求をしておるとか、いろいろなことが行われておる。私も行ってびっくりしたわけです。調査してみて、これはもう私自身も恐ろしくなりました。二度とこんなことがあってはならぬと私は強く感じたわけであります。だから、こういう実情なんだという認識をはっきりと持っていただきたい。 きのう大臣は、わが党の辻議員の質問で、被害者に会うということを言われたそうですけれども、私も、もちろん会っていただかなければいかぬと思うのですけれども、もう、けさ方来、各党の同僚議員がずっとやっておりますし、大臣どうですか、一遍現地に行って大臣が陣頭指揮をとるんだという気概を見せていただいて、いろいろな関係者にも会っていただいて、そこで大臣自身もう一遍、事態をはっきりと認識する、そして必要なことはすぐに厚生省のお役人に指示をしてやらす、こういう迅速で、しかも適確な行動をとっていただきたいと思うのです。一遍、所沢に行ってもらいたいと思うのですが、どうですか。
○園田国務大臣 実は私も中途でありましたが医学を少し勉強した人間でありまして、いまのお話は非常に理解ができ、的確に実情が把握できました。御礼を申し上げます。 いまの、なるべく早く所沢に行け、こういうことでありますが、現地とも連絡をして、なるべく早い機会にそういう時間をつくりたいと思います。
○浦井委員 ぜひ行っていただきたいというふうに思うわけです。 現地では、被害者の方々にお会いしての、もう強い願いは、けさ方来、質問がありましたけれども、あの病院を廃院にしてほしい、病院をやめさせてほしい。それから医者の資格を取り上げてほしい、再びメスを握れぬようにしてほしい。それから私たちはこういう体になった、何らかの方法で補償してほしいということなんです。 それともう一つ、やはりここで大臣に、これも認識をしておいていただきたいのは、地元の医師会長にも私は会ってきたわけなんです。医師会長あるいは副会長三人ほどそろいまして、その方々も、これはよく御承知のように、いろいろな自浄——自浄作用というところまで高まっておるかどうか、私もまだ十分ではないと思いますけれども、それなりに自浄作用を働かさなければならぬという認識を持たれて、自分たちで総会を開いて裁定委員会をつくって、そこで北野医師は——医師ですね、医の倫理が欠除しておるということで、いまのところ北野医師だけを除名するというかっこうになっておるわけです。 そこで、いろいろお話をする中で、国会でこの問題は徹底的に取り上げてほしい。そして国の方も、国の場合には医師免許の問題になってきますけれども、医師免許の取り消しであるとか、あるいは県の方は病院開設許可の取り消しですか、こういうことをぜひやってほしいという強い声を私は被害者の方からも、地元の医師の皆さん方からも聞いてきたわけですよ。だから、この点はもう一遍よく考えて、この声を聞いて大臣いかに対処するか、ひとつお答えを願いたい。
○園田国務大臣 医療機関、医者の方々の信頼を回復するためにも、この事件は定める法の最大限の厳正な処分をもって対処するつもりでございます。 ただ、すぐ取り消し、すぐ病院を閉鎖されるということは、いま仰せられたようないろいろな事件が逐次捜査当局によって判明するということが大事でありますし、もう一つは補償の問題がやはり絡んできますから、そのことなしに早目に病院を閉鎖しますと、あるいは法人を取り消しますと、補償の相手がいなくなるわけであります。当然、補償は加害者がするのが原則でありますから、私の方は患者の側に立って、その補償の問題は解決したいと思っております。そういう問題等もにらみつつ最終的には最大限の厳正な処分をする決意をいたしております。
○浦井委員 大臣の言われることはよくわかるのです。だから補償の問題とか、いろいろなことは早くやり過ぎても悪いし、タイミングを見ておられるというふうに私は理解をしたいわけですが、大臣はこの間の予算委員会でも犯罪以上の犯罪だということを言われております。だから、やはり医師法第四条の「相対的欠格事由」この中の「医事に関し犯罪又は不正の行為のあった者」という項目に私は相当するだろうというふうに思いますので、五名の医師、もちろん個別に点検をしなければならぬだろうと思いますけれども、これはもう重大な決意を持って、こういう犯罪を犯した者は許すことができないのだということで措置をしていただきたい。このことを要望しておきたいと思います。 そこでもう一つ、保険局長おられますか。わが党の埼玉県議団が県から入手をした保険のレセプトがある。いまも話を聞いておられたと思うのですが、これをちょっと見てください。A、B、Cと三人の方のレセプトであります。それだけでは私もよう言わぬわけです。しかし簡単にまとめてみますと、ケースAの方は昭和十八年生まれで、子宮筋腫で、手術は子宮膣上部切断術を受けておられる。その間、五十三年六月から五十五年六月まで断続的に受診をして三十四日間入院をされておるわけです。何枚かつづってありますね。そこに「チヨウオンパBスコープ」と書いてある。私が赤線を引っ張っておりますが、これは五回、超音波装置で検査を受けておられる。六百六十点。 同じようにBを見ますと、二十八年生まれの御婦人で、妊娠をされて、妊娠中毒になって帝王切開を受けて、それから、これはようわからぬのですが帝王切開を受けた後、子宮筋腫だと言われておる。とにかく子宮筋腫や卵巣嚢腫が多くてあきれるのですが、これも五十四年七月から、ことしの三月まで、その間七回超音波の検査を受けておる。 ケースCの場合、これは昭和三十七年生まれで若いですが、卵巣嚢腫だということで卵巣の部分切除を受けておる。ことしの四月から七月までかかって、超音波診断検査を四回受けておる。これは放射線でないわけですから被曝をして体に放射能が残るということはない。安全ではありますけれどもね。 ただ保険局長、いままで私がお話ししたように、明らかに医師でもない北野早苗が操作をして、しかも診断をして、それを保険で請求するということになってまいりますと、いま新聞で言われておるような不正請求とか、そういうことに該当するのかどうか。
○大和田政府委員 お答えいたします。 無資格者の行った超音波検査はやはり医師法、臨床検査技師法に違反をいたします。したがいまして、このことが明らかであれば、つまり立ち会いもなく無資格者が診断をやったということが明らかであれば、その検査に係る部分は保険請求上不正請求であるというふうにみなされるわけでございます。
○浦井委員 健康保険の監査をやっておられるのは、きょう、あしたですか。そうすると、こういう点にも着目をされて実施されておるわけですね。
○大和田政府委員 この問題につきましては当然それを含めてやっておりますが、先ほどのレセプトを見ただけでは、これは北野がやっておったかどうかという、その問題が判断できないわけでございますので、それをどう判断して究明していくかという問題は残るわけでございます。
○浦井委員 そこで大臣は、緊張が足らなかったとか、よく注意をしておれば事前にというか、もっと早くこういう犯罪を発見できたのではないかと言うのですが、確かに、その一面はあると思うのですけれども、これは医療監視ですね、医療法二十五条の「報告の徴収及び立入検査」この医療法二十五条では医療内容は含んでおらないということですけれども、少なくとも、この条項を十分に読み取れば、無資格診療、無資格で医療行為をやっておるということについては、この条項を活用して立入検査ができる、そういうふうに読み取れるし、そういう仕組みになっておらなければいかぬと思うのですが、これはどうですか。
○田中(明)政府委員 診療部門に、それぞれ資格のある者がいるかどうかということは当然医療監視の対象になることでございまして、所沢の保健所もその点は調べておるわけでございますが、冨士見産婦人科病院の場合には臨床検査技師がおりまして、それでやっておるというふうな報告であったために、実際に超音波装置を扱っておる現場まで監査するということはしなかったようでございます。(浦井委員「二十五条でやれる」と呼ぶ)もし、その疑いがあればやれると思います。
○浦井委員 だから一つは、いまの仕組みでも大臣、未然まではいかぬでも、かなり早く発見できていたということですね。これはやはり国の厚生行政を預かる大臣の責任だというふうに私は思います。 それから、それでもなおかつ不十分だということで、いろいろ監査、指導の強化というようなことを大臣はけさ方から、しきりに言われておるのですが、むやみやたらに法規を強めて規制を強くしていきますと、これは官僚統制といいますか、警察国家といいますか、戦争中の医療の荒廃状態に戻る危険性もあるわけで、もう大臣も医学、医療に非常に関心を持っておられるので、よくおわかりだと思うのですけれども、法規を厳しくするだけではだめだということを私は申し上げておきたいわけです。 そこで時間が来たようでありますから飛ばしますけれども、いまも各党からずっと同じような意見が出ておるわけなので、私もひとつ提案をしたいのですが、今度の事件を見てみましても、国はもちろんですが県、保健所それから所沢市、こういうところへ、それなりに、ある時期から苦情がいっているわけなんです、内容はそれぞれ異なるにしても。それが全部たらい回しになっているわけなんですね。それで国の方にも行政相談室があって、そこに、この富士見病院の件が来たかどうか知りませんけれども、国の厚生省の行政相談室の様子を聞いてみましても、来たら受け付けた電話の人が担当官に回すとか、あるいは保健所に、県に回すとかいうようなかっこうで、処理されたのかどうか、解決したのかどうか、わからぬような状態になっているわけですよ。 そこで私が提案をしたいのは、やはりこれは緊急にやっていただきたいと思うのですけれども、批評、批判はいろいろですが結局、苦情処理委員会ですね。そういうことで被害を受けたと思った人が苦情や不安を訴える、その受けざらがないわけですよ。だから私は各県に知事のもとにつくったらいいと思うわけです。そして住民代表であるとか医療機関代表であるとか行政代表であるとか、そういう三者構成なら三者構成にして各県立の保健所、政令市であれば政令市にもつくらなければいかぬですね。各保健所を窓口として、そこに集まった声、苦情を、委員会が受けざらとなって受け付けて調査をし検討をしていく、それで知事の権限で迅速適確に対応し処理していく、こういうのも一つの方法ではないかと思う。これであれば三者構成ですから、わりに公正な判断ができるであろうし、官僚統制にもつながらず、もちろん苦情はたらい回しにならずに知事が責任を持つということになるわけでありますから、訴えた人も安心できる、こういうことであります。やはり少なくとも、大臣は先ほどから臨時臨時と言われておりますけれども、ぜひ、これは早くやっていただきたいと思うのですが、どうですか。
○園田国務大臣 私は、医療行政についてはやはり原則は医師並びに医療機関の良心と自制心によってやってもらうことが原則であって、これを、こういう問題が起こったからといって恒久的に法律やその他で縛ることは得策ではない、これを私は前々からかたく考えております。しかし、こういう問題が起こった当面は厳しく対処する必要があります。したがって先ほど意見が出ましたが、何かわれわれが国民から与えられた権力を最大限にふるって不正を摘発することも考えなければならぬ。ただし、これも恒久的であるとか制度を変換しますと、大きな医療機関で営利をやっているところは一つもひっかからずに、僻地診療であるとか、その他お医者さんが国や町の委任された仕事をやっている小さな医院が税金で踏み込まれたりしますから、そういうことがないように注意したいと思います。 なお、いま御指摘の問題は不服審判とするか苦情処理機関とするか名前までは考えておりませんが、きょう委員会で御意見を皆さんから聞くうちに、ほぼ私も考え方が決まって、やはり県からそこへ出てくるように、県の方で申し出を受けて、それを厚生省の方へ持ってきて、そこで審査をしたり処理をするというものを、とにかくとりあえず臨時的にもつくりたい、こう考えて、すでに総理の御了承を得ておりますから、早急にいま御指摘のようなものを、名前はどうなるか、組織はどうなるかわかりませんが、やりたいと考えます。
○浦井委員 大分、大臣のイメージも、ここ数日来固まってきたようでありますから、ぜひこれは早急にやって、とにかく患者の不安を解消しなければいかぬ。 こんな笑い話とも言えぬ話があるのですよ。ある優秀な、まともな診療をやっている産婦人科のお医者さんが、妊娠している患者さんが来たので超音波かけましょうと言ったら、いや、そんなのはかなわぬですと言って逃げて帰った。これは実話なんです。そういう状態に、とにもかくにもなっているわけですから、早く行政が対応して、きちんと国民に安心を与えるということが私は必要だと思うので、せひお願いしたいと思います。 そこで、もう一つの提案は、ここに「八〇年代の通産政策ビジョン」ですか、通産省の産業構造審議会、これを持ってきたのですが、やはり政府の審議会が、これだけではないのですけれども医療機器をあおっているようなかっこうになっておるわけですね。との中を見ましても「生活の質的向上と地域社会の充実」という項の中に「人工臓器、各種診療機器などの医療機器、あるいは身障者用機器などの福祉機器の開発、普及を推進する。」ということで、要するに医療機器産業というのはもうかりまっせと政府の審議会がお墨つきを出しておるようなかっこうになっておるわけだ。技術開発はもちろん必要でありますけれども、医療機器産業というのは有望分野だ、増産、売り込みをやりなさいというふうなかっこうの通産の分野からのあおり方はいかがなものかというふうに私は思うわけです。 いまもお話が出ましたけれどもCTスキャン、これを例にとってみますと、これもある雑誌に書いておりますけれども、いまもお話があった五十三年十月末、四百五十四台しか把握しておらないわけでしょう。ところがCT納入数は五十五年一月末で八百四十一台、もう実際には倍近くなっておる。たとえばCTの購入価格、値段が一億とすると、五年間リースをすれば一カ月二百万円かせかなければならぬ、一カ月二十日間稼働するとして一日やはり十万円かせがなければならぬ。これに人件費、電気代を入れると、まあ一日にとにもかくにも二十人くらいの人間を検査しなければならぬということになるわけなんですよ。 それから、いまもお話が出てましたけれども放射線を使わない医療機器の生産額というのも、これも異常に伸びておるわけです。五十三年度が六百五十億円、五十四年度が九百二十億円、四二%増。こういうようなやり方で、もう異様な伸び。しかも通産省の産業構造審議会がそういったふうなことを言って、有望分野ですよ、やりなさい、やりなさいということで、これが北野が悪用する一つの原因になっておるというふうに思うわけなので、ひとつ大臣、通産省なんかと話し合って、こういうような異様なあおり方と言うとちょっとオーバーな言い方かもわかりませんけれども、何とか調整できぬものですかね。
○園田国務大臣 いま読み上げられた中にME産業の推進などということがあるわけでございまして、少なくとも開発された医療の高級機器が産業の一環として扱われるということは、もうそら恐ろしいことでございます。しかも正直に言って、その設置その他が野放しになっておるというのが現状でございます。したがいまして、こういう新しい開発の機器は治療、診断には非常に効果を上げておりますけれども、同時にまた医療の高額化、それから、これが宣伝の道具に使われる、それからまた非常な弊害を来しておるわけでありますから、なかなかむずかしい問題でありましょうけれども、この設置の規制とか、あるいは共同利用とか、こういう点を厚生省でやはり検討して考えてみなければならぬと思います。
○浦井委員 もう二つほど、それに関連して提案をしたいのですけれども、医務局長もよく聞いておっていただきたいのですが、いま大臣の言われた大型や高度な医療機器の適正配置の問題ですね。これについて厚生省の方にお伺いをすると、地域医療研修センターなんかを活用して、そこへ地域の医者が集まってきて研修もしながらやるんだというような話ですが、その研修センターが五十五年度で全国で三カ所ですか、これは話にならぬですよ。医療監視員が何ぼかおって専任は三十何人でしょう。それと同じような話で、実態はお寒いものなんです。 そこで大臣、これは前からの課題であるわけなんですが、国公立病院とか公的病院これを何らかのかっこうで、その地域の中核的病院にするのですね、いろいろな方法を講じて。そして、その病院をある程度オープン化して、その地域の開業医がその機器を使えるようにしたらどうなのか。そこでついでに、ついでにと言ってはおかしいですけれども、医師の卒後教育、ポストグラデュエート・エデュケーションというのですか、こういうものも定期的にやれるのではないか。これは一挙両得、一石二鳥だと思うのです。そういうことを提案したい、ぜひ真剣に取り上げていただきたい、これが一つです。 それからもう一つの問題は、今度の問題でぜひやっていただきたいのは、やはり何といっても医師と国民の信頼の回復であります。そこで一つの方法は、医療の側から医の倫理をもっと高揚させなければならぬ、モラルを高揚させなければならぬということであります。その動きもあるわけなんですね、先ほど私、所沢の話をしましたけれども。たとえば新聞に出ておりましたが、アメリカでやっておるように病院組織が自主的に患者の権利権を守るための宣言というようなものをつくって、これを徹底させる。中を読んでみますと、たとえば項目としては、宣言の内容としては思いやりのある丁寧なケアを受ける権利、自分の診断、治療、予後について理解できるような言葉で、担当医からすべて最新情報を得る権利、何かの処置あるいは治療を開始するに先立って、同意するために必要な情報を担当医から受ける権利等々ずっと並んでおるわけです。こういうことが医療機関の組織の側から出るということは、目には見えないけれども非常によいことだと思うので、大臣、これはもちろん日医とも連絡をされることでありましょうし、やはり行政として、そういう動きを援助する形でならぬものかなと私は思うのですが、時間が来ましたので、その二つ。
○園田国務大臣 大変りっぱな御意見でございますから、医務局長も一緒に承っておりましたから早急に検討いたします。
○浦井委員 これで、もう終わりますが、要するに私がるる申し上げたことは、いま本当にすぐに真剣に取り上げなければいかぬことであるし、犯罪の状況というのはまれに見る悪い状況であります。私は何ら弁護する余地がないというふうに、調査をして強く感じましたので、これは強力大臣、やはり強力に適切な手を打っていただきたい。このことを要望いたしまして私の質問を終わりたいと思います。以上であります。
○山下委員長 石原健太郎君。
○石原(健)委員 年金とか保険とかいうものは、一部の人に手厚く、また一部の人には手薄くていいというものであってはならないと思うのであります。できる限り公平であるべきだと思うのでありまして、いま各種の年金、各種の保険、その仕組み、中身等はいろいろ違っておるわけであります。こういうさまざまな年金、さまざまな保険というものを今後いかなる方向に持っていかれるおつもりか、大臣のお考えをお示しいただきたいと思います。
○松田政府委員 年金制度について申し上げたいと思いますが、高齢社会を目の当たりにいたしまして、年金制度全般にわたりまして総合的な見地から見直して、その改善、充実を図る、これは目下の喫緊の要務だというふうに認識をいたしておるわけでございます。したがいまして、政府といたしましては各年金制度の均衡ある発展が図られますように、政府一体として取り組むことにいたしておるわけでございまして、年金制度の関係閣僚懇談会あるいは公的年金制度の調整連絡会議等におきましても鋭意検討を進めまして、それぞれの制度の整合性を高めるように将来とも努力をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○大和田政府委員 医療保険制度のあり方につきましても、いろいろと御意見があることは十分承知しておりますし、また、いまその御意見の中の一つとして一本化という方向の御意見があることも承知しておるわけでございます。ただ、この一本化という方向の議論につきましてコメントいたしますと、幾つか各制度がございますけれども、その各制度の沿革であるとか、あるいはさまざまな国民世論の動向といったようなものを考えますと、制度の一本化というには、なかなかの問題があるというふうに私ども考えておるわけでございます。そこで私どもといたしましては、むしろ医療保険制度全般にわたりましての不合理な格差というもの、これを是正いたしまして制度間の公平を実現するという方向で制度の改革を図ってまいりたい、かように考えておるところでございます。
○石原(健)委員 五十二年の十二月ですか、社会保障制度審議会から基本年金というような考えが示されたと思うのですけれども、これに対してはどのような方向で対処されるのか、お考えをお伺いいたします。
○松田政府委員 先ほど申し上げましたように、わが国はこれから世界にも例のない量とスピードで高齢化社会を迎えるわけでございます。いまおっしゃいました基礎年金構想も今後の年金制度のあり方についての一つの御提案だと考えられますが、現在、御承知のように八つの年金制度がございまして、すでに、それぞれの制度におきましても多くの受給者を抱えている現状でございます。したがいまして、現行制度から、そういったような制度に移行いたします場合に、どのような費用負担あるいは、どのような経過を経まして円滑に移行するかということ等につきましても非常に問題があるところでございます。現在私どもとしましては、それぞれの年金制度、目的、歴史的な経緯、こういった点を踏んまえますと、それぞれの制度間の整合性を高めていく、できるだけ整合性のある均衡のとれた発展をしていくということが現実的な取り組み方ではないかというふうに考えているところでございます。
○石原(健)委員 地方の弱小な自治体は高額な老人医療費などで大変苦しんでおるわけですけれども、老人保健制度は次の国会に提出したい、そのようなお考えを聞いておりましたけれども、事務的には十分間に合うように進んでおるのでしょうか。
○吉原政府委員 現在の老人医療制度につきましては、いまおっしゃいました制度間の費用負担の不均衡の問題でありますとか、医療に偏っているというような幾つかの問題が指摘をされているわけでございます。そこで厚生省におきましては制度の基本的なあり方につきまして現在、鋭意検討を続けているところでございまして、一方、社会保障制度審議会におきましても現在、御審議をいただいている最中でございます。できるだけ早く厚生省としての結論を得まして、早期実現に向かって努力をしたいというふうに思っております。
○石原(健)委員 先ほどの御答弁で、できる限り不合理な格差を是正していきたい、整合性を築いていきたいというような御返答だと思いますけれども、国民健康保険では、いまのところ傷病手当とか出産手当が各町村なんかの任意に任されているわけでして、なかなか実行に移されていないところもあるわけでございます。一方、組合保険や何かでは、かなりこっちの方も整っているということで不公平である。それで四月一日の参議院の予算委員会でこの問題が討論されまして、当時の野呂厚生大臣は見直しを考えたい、どのように解決するか検討したいと申されております。その後どのような方向で検討がなされたのか、お伺いいたします。
○大和田政府委員 大変どうも消極的な御答弁で申しわけございませんが、お説のように、いま国民健康保険法上、傷病手当金と出産手当金につきまして任意給付になっておるわけでございます。で、任意給付を実施している市町村があるかということでございますが、実はございません。 それで問題は強制給付ということにするかどうかという問題になるわけでございますが、それは第一点の問題といたしましては、非常に事の性格上むずかしいという問題が一つあります。これは何かといいますと御承知のように国民健康保険は被用者保険と違いまして自営業者であるとか無業者であるとか、そういった方々を中心にいたしました制度でございまして、その場合に傷病とか出産等に伴います休業、それによる所得の喪失というものを把握することが非常にむずかしい。自営業者の奥さんが病気になった場合に一体どの程度の所得の喪失があったかというようなことで、所得の喪失を把握するのが非常にむずかしいということがございます。 もう一つは、やはり財政上の問題がございます。国保におきましては老人医療費等の非常に厳しい財政状況でございます。そういったときに任意給付でありますところの傷病手当金、出産手当金を実施するということは非常に財政的に重圧がかかる。政府管掌健康保険の場合の例を見ますと、傷病手当金ではどれくらいかといいますと、一千二百億円というのが政府管掌健康保険の傷病手当金の額になっておるわけでございますが、これを国保でやるということは、やはり相当な財政負担になるということがございます。そういったようなことからいたしまして、どうもこれを強制給付にするということ、つまり、すべての市町村に国保に傷病手当金、出産手当金を実施させるということは、現段階では非常にむずかしいということでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○石原(健)委員 財政上の理由も一つになっておるようなんですけれども、これは、せっかくの何兆円という保険料が、本当にそういうふうに病気になって、あした、どうしようと困っているような人のところにいかないで、先ほど来お話しになっている薬づけとか検査づけ、乱診乱療、そういう方向に使われてしまって、製薬会社とか医療機械あるいは悪徳なお医者さん、そういうところにいってしまっておるわけでございます。だから財政ということを理由とするならば、一刻も早く、こういう不合理を正す努力をしなくてはならない、こういうふうに考えるのであります。 それで大臣も早急に診療報酬体系の合理化とか医療費支出の適正化を図らなければならない、そのようなことをおっしゃっているわけです。それからまた何年も前から、こういうことは問題になっておったわけですけれども、なぜ、いまだに、そういうことができないのか。はなはだ初歩的な質問で恐縮なんですけれども、どこら辺にその原因があるとお考えか、厚生省当局のお考えを伺います。
○大和田政府委員 この点、先ほど申し上げましたように、やはり財政的な理由は非常に大きゅうございまして、これは先ほど先生がおっしゃいました制度のあり方につきましての問題とも絡むわけでございますが、早急に、この国保財政につきましての一本化というようなわけには、なかなかいかぬわけでございます。先ほど申しましたような所得の喪失ということにつきまして被用者保険と同じような考え方で、これを導入することにつきまして、なかなかやはりむずかしい問題があるというようなことが、国民健康保険におきます傷病手当金、出産手当金を導入することについての大きなネックになっているということが言えるわけでございます。もちろん財政問題につきまして先生のおっしゃるような考え方もあろうかと思いますが、なかなか早急に解決できるような問題ではないわけでございまして、現段階におきましては非常にむずかしい問題であるということを申し上げざるを得ないわけであります。
○石原(健)委員 先ほど来、乱診乱療の問題をいろいろお聞きしていまして、いろいろ感じるわけなんですけれども、ある程度の高額医療の場合は保険の方で全額めんどうを見るということでいいと思うのですけれども、ある程度以下の低額の場合は、やはり自己負担をするというようなことで、患者自体が医療費をどのくらい使っているかということをよく認識する必要もあるかというような感じもするのですけれども、この辺、厚生省では、どういうふうにお考えでしょうか。
○大和田政府委員 医療制度、医療保険制度全般に通ずる問題といたしまして、おっしゃるとおりだと思います。被用者保険におきましても現在、本人の一部負担というものもございます。私どもの今回政府提案をいたしました中身でございますけれども、薬価につきましての一部負担、薬価の半額一部負担というものをお願いしたい、あるいは初診時一部負担の引き上げ、入院時一部負担の引き上げというものをお願いしたいということで御提案を申し上げておるわけでございますけれども、おっしゃるとおり適正な受益者負担ということにつきまして、私ども考えていかなければならないのではないかというふうに考えておるところでございます。
○石原(健)委員 政府は五十四年十二月に、五十五年度以降四年間に補助金を、その件数で四分の一ぐらい整理したい、そういう閣議決定がなされました。厚生省関係では五十五年度に、どのくらいの補助金の整理を予定されているか、お聞かせください。
○吉村(仁)政府委員 いわゆる零細補助金の整理でございますが、厚生省関係では合理化をして廃止したものが二十件でございます。それから合理化をして減額をしたものが六十七件でございます。それから統合したり、あるいはメニュー化と申しまして一つの枠の中にいろいろな補助金を入れたというものが十八件でございます。
○石原(健)委員 それで来年度からも、そのような方針で整理をどんどん進めていかれる御予定かどうか。
○吉村(仁)政府委員 五十三年、五十四年、五十五年と続けてまいったわけでございますが、五十六年度以降におきましても合理化のための努力を払ってまいりたいと思っております。
○石原(健)委員 地方の市町村などは、その零細な補助金をもらうのに膨大な事務をとらなければならず、また経費も、もらう補助金より多いというような場合もあるようですから、そういうものを、なお一層どんどん整理していただくようにお願いしておきます。 それから旧満鉄、南満州鉄道の社員は在職中かなり高額の共済年金を積み立てておりましたが、敗戦で、それがゼロになってしまったわけであります。その後、国家公務員、地方公務員、国鉄職員になった人などについては満鉄時代に通算して年金がもらえているわけであります。また朝鮮鉄道、台湾鉄道等に勤務しておられた方たちには厚生年金法で特例が付与されておるわけであります。満鉄も上記二鉄道も同じような性格の会社であったわけでありますから、満鉄にもひとつ年金の特例を適用されたらいかがかと考えるのでありますけれども、厚生省のお考えをお聞きします。
○松田政府委員 旧満鉄の引き揚げ者につきまして、いま御質問の御趣旨は、国家機関に準ずべきとも考えられる旧満鉄の従業員の勤務期間について、その勤務に対する一つの報償的な意味で年金を支給すべきではないか、こういう御趣旨かと受け取っております。 御承知のように厚生年金あるいは国民年金等は、実は民間の企業に働いておられる方あるいは自営業の方が社会連帯の精神をもちまして保険料を拠出することを基本にいたしまして制度の運営をいたしておるわけでございます。したがいまして旧満鉄のような特定の職位におきます勤務期間に対しまして、こういった民間企業を主体にいたしております厚生年金等から年金を給付するということはきわめて困難ではなかろうかと考えております。 それから共済組合につきましては、いわゆる旧令共済、陸海軍等の官業に従事しておられました方々に対します共済組合と申しますのは、御承知のように勅令をもって定められた共済組合でございます。そこに従事をいたしております労働者の方々が共済組合を通じて一定の給付を受けられるということにつきましては、これは厚生年金等とほぼその目的、態様を同じゅうする制度であるというふうに認識をいたしております。したがいまして旧満鉄にも共済組合制度があるというお話を承っておりますけれども、私どもとしましては、この共済制度は満鉄という事業主の従業者の勤務に対する一種の報償的制度であったように受け取っておるわけでございまして、そういう意味で旧官業に従事をいたしておりました旧令共済の組合員と旧満鉄の従業員との間にはしかるべき格差、差異があるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○石原(健)委員 ちょっと、いまの答弁では十分納得できないのですけれども、後でじっくり検討しまして、いつかまた質問させていただきたいと思います。 最後に、先ほど来問題になっておりました富士見病院の被害者なんですけれども、どうも病院の方では何十億という借金をしていて、あらゆるものが二重にも三重にも銀行の抵当に入っているということで補償能力というものはないと考えられるわけでありまして、病院が補償できないときは、やはり国が許可してずっと放置してきた病院であるわけですから、何らかの処置を考えなくてはならないと思うのですけれども、その辺どのようなお考えをお持ちでしょうか。
○園田国務大臣 富士見病院は御承知のとおり、ただいま一般医事の民事の紛争になっておるわけでありまして、加害者が被害者に補償するのが原則になっております。したがいまして厚生大臣は、いま御指摘になりましたような状況でありますから患者の側に立って、この補償に協力したいと考えておりますが、国が加害者にかわって補償するということは大変むずかしい問題でございます。
○石原(健)委員 では時間も来たようですから質問を終わります。ありがとうございました。
○山下委員長 菅直人君。
○菅委員 きょうは私にとっては、この国会においての初めての質問の場を与えていただきまして、特に私は議員になる前にも医療問題ですとか食品公害の問題ですとか、ごみ、リサイクルといった問題で市民運動のようなものを続けてきたものですから、そういう点では社会労働委員会に籍をいただいて、こういう形で質問ができることを大変喜んでおります。 短い質問時間ですので早速、本題に入らせていただきたいと思います。 富士見病院の問題については、もう朝からずっと議論がなされてきておりますので、二、三、これからの問題についてだけ特にお聞きしたいと思います。 現在、厚生大臣及び都道府県知事は医療法二十五条また二十九条等に基づいて医療監視をすることのできる権利、権限を持っているわけですけれども、きょうの質疑の中でも、現在の医療法においては診療内容についてまでは立ち入った調査ができないということを医務局長の方からも答弁があったと思います。先ほどから苦情処理機関を設けるということについては大臣も積極的な御発言でありましたけれども、そうした苦情処理機関を設けて、いろいろ苦情が上がってくる。そうして上がってきたときに最終的に、これは何らかの措置をしなければいけない、確証をつかまなければいけないということがあると思うわけですけれども、そういう点で、やはり常に診療内容までチェックするのは実際上困難でありますし、また、いろいろ逆の問題も出てくるとは思いますか、ある手続を経たものについては診療内容についてまでチェックができるというふうに医療法を変えるべきだと考えますけれども、この点についての大臣なり医務局長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○田中(明)政府委員 医療行為というものは個別、具体的症状に応じて行われるものでございまして、その適否を判断するのはきわめて高度な専門性を有することで非常に困難であるということで、現在のような制度になっておるわけでございます。御指摘のような点につきまして必要があるというようなことになった場合に、どういうような形で、その診療内容についてのチェックを行うかということにつきましては、先ほど来、申し上げております検討委員会において、いろいろ検討してまいりたいと思っております。
○菅委員 検討委員会で検討されると思うのですが、きょう一日の審議の中でも結局、富士見病院の場合はめちゃくちゃな診療が行われていた。もちろん無資格であるという点については医療法でチェックはできることになっているわけですが、それ以上に診療内容そのものに対する苦情が相当年数あったにもかかわらず、そういうことが放置されてきたわけですから、いまの局長の答弁では必要がある場合に立ち至ったら考えようという話ですが、まさに、いまこそ必要なときが来ていると思うわけです。そういう点について大臣の方から、検討委員会の結論を待ってということだけではなく、そういう方向が必要と思われるかどうかについて、ぜひお願いしたいと思います。
○園田国務大臣 医療機関が営利に走るような、こういう機運をつくった医療体系については私は十分検討してみたいと考えております。 監査について、医療の内容に立ち入ることは厚生省としてはなるべく避けなければならぬ。それは専門家的知識がなければならぬ。次には医療行為に厚生省が立ち入ることは一つの統制になります。しかしながら今度のような事件が起こることは大変でありますから、現行制度で何とかやる方法はないものか、それについて隘路があれば、御指摘のとおりに、これは見直しをしなければならぬと考えております。
○菅委員 この点についてはもっと御審議をいただきたいのですが、現在、次官通達及び局長通達を出されているようですけれども、とりあえずの措置としても、先ほど他の委員の方からもありましたけれども、現在の医療法においてもカルテの調査はできるというふうに法文上書いてありますし、そういう点を通して特に不審な、いろいろな苦情の多い病院については、この一連の一斉点検の中で診療内容に立ち至った検査を、この場合は医療法ですから医療監視になると思いますが、実質的に監視を行われるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○園田国務大臣 それは御指摘のとおりにやります。
○菅委員 それでは、これに関連して、きょう、あす行われていると伺いました健康保険法に基づく監査の問題でありますけれども、監査の件数をただ比較をしただけではわかりませんが、十年前から最近の例を見ると、かなり数が減っているわけですね。個別指導が行われるようになったから減ったという御返答かもしれませんが、多少減り方が激しいのではないかという感じもするわけです。 それから、あわせて先ほどから、監査に当たる専門官が必要だという話が医療監視の方でも出ておりましたが、現在の健康保険法に基づく監査においては医療専門官が監査をやっておられると伺っております。その定員が現在百七名のうちで常に三十名ばかりが欠員状況にある、こういう点も厚生省がこういったことに対して、まだ十分な監査体制がとれない理由の一つにもなっているのじゃないかと思うわけです。こういった点で医療監視の問題と同時に現行制度で行われている健康保険法に基づく監査体制のそういった点での充実をもっと図るべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
○大和田政府委員 お答え申し上げます。 まず先に、第一の御質問でございますが、監査の件数は、おっしゃいますように最近におきます五十四年度は五十四件と二けたでございます。大変多くないわけでありますけれども、個別指導につきましては六千五百。これは先生おっしゃいましたように監査の件数は十年前に比べて減ってきた。ただし指導の方に重点を置いて事前に、監査に行く前の指導を重点的にやる、こういう形で進められてきたというふうに考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても指導、監査につきましては重点的に行っていかなければならない。そのための体制はどうなっているんだというようなことでございますが、一つは、実は指導体制の整備は、五十四年度から特に中央に医療指導監査官、地方に医療事務指導官を置きまして、これをふやしてまいってきております。これは五十五年度にもふやしてきております。ただ、先生御指摘のとおり、その核になりますお医者さんでありますところの医療専門官の数がとんとふえてない、これはかなり長い期間ふえておりません。定員百七名に対しまして現在員は七十六名でございます。七〇%の充足率しかない。この充足率はかなり長期に、ふえておりません。これは医療専門官、お医者さんでございますが、これに対する処遇の問題がどうしても響いてきている。私どもといたしましては監査の核になります医療専門官を何とかしてふやしてまいりたいと思っておりますけれども、先ほど来、申し上げておりますように処遇改善の問題がネックになりまして、なかなか充足できない。私ども大変焦っておるわけでございまして、なお、がんばりたいと思いますけれども、そういう実情でございます。
○菅委員 この点については大臣にもお聞きいただきたいのですが、私も、この問題をずっと調べてみまして、医療監視の体制、これは医療監視員という方が全国に約五千名近く、もっとおられるようで、全体をスクリーニングすることができる数がおられる。そして専門官、これは健康保健法に基づく医療監査の場合は、お医者さんというドクターの資格を持った方が、いまの答弁のように現在ですと七十何名かおられる。このあたりをうまく組み立てれば、全体の一般的な指導なり一般的な監視は医療監視員が行って、その中で特に問題があるもの、また苦情が非常に多いものについては監査に移すなり、または同じ医療法の中でも、そういう専門員による制度を組み合わせることによって、かなり、いまの体制の中でもうまくやれるのじゃないかと私は思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。 次の問題に移らしていただきますが、第二点としては人工透析の問題について二、三お尋ねいたしたいと思います。 人工透析の問題は、もう皆さんも御存じのように大変な、現在約一万四千台の人工透析、人工腎臓が日本には使われておりまして、慢性透析の患者数が三万人を超えて、ことしは三万五千人近くになっていると言われております。この場合、患者さん一人当たりの医療費が年額七、八百万、年間総額で約二千数百億というお金がこの治療費にかかっているというのが現状です。 この人工透析という治療法は、腎不全の患者さんにとっては、いまでも年間七千人ぐらいの死亡者がある病気ですけれども、死を免れるという意味では大変に重要な意義を持った治療方法だと私は思うわけです。しかし、もしこの人工透析がその使い方を誤って必要のない人にまで使われるようなことがあった場合には、ただ単に医療費がむだになるというだけではなくて、それを長い間使っていれば完全に健康な人の腎臓も次第にその機能が低下して、ついには人工透析を行わなければ生存ができないという状況にまで陥るという意味では、これは使い方を誤れば大変危ない問題だと思うわけです。こういう危惧が私一人の危惧であればいいのですけれども、たとえば一昨年監査を受けた兵庫県姫路市の国富病院で、実際に人工透析を受けている患者さん九十名の中から再チェックをしてみたら、二名ほど人工透析の必要のない患者さんが見つかった。こういう人でもこのまま続けていれば、もうだめになっているわけですね。私は人工透析というものを調べれば調べるほど、この治療というのは、いわゆる治療機械というよりは生命を維持するための機械、特に慢性透析を受けている方にとってはそういう面が強いと思うわけです。そういう点からも、たとえば現在でも身体障害者手帳が出たり更生医療の対象にもなっているわけですから、この点については普通の治療法とはちょっと観点が違うのじゃないかと思うわけです。 そういう点で一つ具体的な御提案を申し上げたいのですが、人工透析の治療というものを開始した場合に、もちろんこれは急性腎不全などのようにどうしてもすぐに始めなければいけない場合もありますけれども、使い始めてある一定期間、これは専門家の判断を仰ぎたいのですが、たとえば二週間とか三週間以内に必ず別のお医者さんなり別の医療機関によって、もう一回、果たして人工透析が必要なのかどうかということをチェックするという制度をぜひ設けるべきではないかと思うわけですけれども、この点については大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○園田国務大臣 人工透析を受ける患者の数はだんだんふえる趨勢にございます。御指摘のとおりに、それによって生命を取りとめている人もございますけれども、また、いま述べられたようなことも少々出てきているわけでございまして、かつまた人工透析をやっている患者で、副作用が出てきて目まいがするとか、あるいはその他の症状が出てきております。そういうわけで、これを防止するためのチェックは必要だと考えておりますが、いま厚生省では御承知のとおり四十六年に厚生省で設置をしました腎不全対策検討会という会で適用基準が作成されて、この基準に準拠して透析を行うよう関係者に講習会等を行って徹底するよう努力もいたしております。なおまた透析患者の過半数が更生医療の適用を受けておりますから、その適用を受ける際に身体障害者更生相談所において、その要否をチェックする仕組みにはなっておりますが、その適用を受けない者はチェックされてないわけであります。 なおまた全般について、透析を行った後、果たしてそれが適当であるかどうか、こういうことは非常に大事だと思います。しかしながら、また医療行為の内容に入りますので、むずかしい問題でございまするから、いま厚生省内に設けた検討委員会に早速検討をさせることにいたします。
○菅委員 更生医療を受ける場合に一部チェックをされているということなんですが、どうもこのチェックも、お医者さんが再検査をするという形ではなくて、実際に診療に当たっているお医者さんから出された書類を調べているという状況だと思うわけです。それから、いま大臣もおっしゃったように、いわゆる更生医療を受けていない患者さんも数多くおられるわけですから、私はそういう点では、この点だけではちょっと不足じゃないかと思うわけです。 そして、ちなみにほかの制度を見てみますと、御存じのように精神衛生法などでは、措置義務として入院を受ける場合には必ず二名のお医者さんの診断が必要だという制度がありますし、また結核予防法では適宜、診査協議会というものを開いて、そういうものの実際の診断に当たるということを現在やっているわけですから、この人工透析の問題は大臣もおっしゃったように、これからますます医療費の中に占める割合もふえるわけですから、そういうものに対して対応していくということは決して屋上屋を重ねることでもないし、ただ適用基準を決めて、これになるべく沿ってやってくださいと言っても、先ほどから何度も出ておりますように、診療内容に立ち入れないということが前提になっていれば、基準を決めても、これはチェックのしようがないわけですね、ですから、これについてはできれば特別立法でも単独の立法でも行って、ぜひチェックの制度をお願いしたいと思うのですが、重ねてですが御見解をお願いしたいと思います。
○園田国務大臣 非常に必要なことでありまして、重要な御意見でございますから、それに基づいて検討をいたします。
○菅委員 どうもありがとうございました。 それではさらに、この人工透析に非常に関係が深いのですけれども、現在、腎不全の患者さんで人工透析を受けられている方が約三万数千名おられるわけですけれども、現在、医療の中でわかっている方法で、この腎不全の最も根源的な治療法というのは腎臓の移植であるわけです。しかし日本の場合、腎臓移植というものが件数が非常に少ない。特に死体からの腎臓移植というのが大体年間二十件から五十件程度と非常に少ないわけです。あと親族から、二つある腎臓のうちの一つを移植を受けるというケースが、やはり年間百数十件あるようでありますけれども、合わせても少ないし、まして死体からの臓器提供は非常に少ないわけです。 この理由を見てみますと、アイバンクというのは現在、大体十万人ぐらいが自分が亡くなった場合は提供しましょうという登録があるわけですが、腎臓の死後の提供についての登録制度を現在つくられておりますけれども、まだ一万人に満たっていない。私も、この問題を調べて質問をする以上は、自分自身も臓器提供の登録だけはしておこうと思いまして、ついせんだって腎臓移植普及会のこういう申込用紙があるのですが、これを送っておいたのですけれども、ぜひ、こういった腎臓移植に向けての、臓器を提供してくださる方をふやす方向で努力をいただきたいと思うわけです。 一つだけ申し上げますと、腎臓移植普及会へのPRの助成金というのが、いま厚生省から多少出ておりますけれども、この額も百七十万円程度と、きわめてわずかですし、こういう点についてぜひ御配慮いただければ、腎臓病にかかっている方にとっても大変大きな望みですし、同時に医療費の問題でいっても、腎臓移植には手術等の費用が一時的にはかかりますが、その額にしても、人工透析患者で必要な額の約半年分にも満たない額で十分行えるわけです。 そういう点で、こういう御質問をしてよろしいかどうかあれですが、私は、厚生大臣になられた方は順次こういう腎臓なりアイバンクなりの登録をみずから率先して行われて、そういう方向を広げられることが望ましいと思うのですが、大臣御自身どうでしょうか、この登録をぜひなさっていただけないかということをお聞きしたいのです。
○園田国務大臣 いまの問題は、おっしゃるとおり一万人ぐらいでございまして、これは何としても国民の方の御理解を深めることが大事でありますから、この啓蒙に全力を尽くし、先ほど言われました予算をふやすこと等についても十分配慮したいと考えます 私の腎臓の提供は、診断を受けて健全であれば、そのようにしたいと思いますが、私は心臓と腎臓は弱い方でありますから、よく診断を受けた上でやります。
○菅委員 それでは、そういうことで、きょう朝からのずっとの審議の中で私は、医療問題が大変荒廃をしてきていて、それが一朝一夕になかなか正せないことは確かだと思うのですけれども、やはりいま申し上げた腎臓の提供などのように、実は全電通などのような一部の労働組合でも、こういう運動が広がってきているということで、市民運動とか労働運動の中でも、こういう運動が広がってきている。そういう意味でチェックすべきところは厳しくチェックするし、同時に腎臓提供のような形で、プラス方向に私たち自身が努力しなければいけない問題については大いに努力をして、それが相まって医療制度がもっとよくなっていくんじゃないかと思いますので、そういう点についても、ぜひ大臣にもがんばっていただきたいと思います。 以上をもって質問を終わらせていただきます。 ————◇—————
○山下委員長 この際、優生保護法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来各会派間において御協議いただき、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしてございます。 その起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から簡単に御説明申し上げます。 本案は、都道府県知事の指定を受けて受胎調節の実地指導を行う者が、受胎調節のために必要な医薬品を販売することができる期間を、昭和六十年七月三十一日まで延長しようとするものであります。 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。 —————————————
○山下委員長 お諮りいたします。 お手元に配付いたしてあります草案を優生保護法の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山下委員長 起立総員。よって、さよう決しました。 委員長において所要の提出手続をとります。この際、暫時休憩いたします。 午後五時八分休憩 ————◇————— 午後十時三十二分開議
○山下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、委員長の手元に、今井勇君、森井忠良君、平石磨作太郎君及び米沢隆君から、本案に対する修正案が提出されております。 提出者の趣旨説明を求めます。今井勇君。 —————————————
○今井委員 ただいま議題となりました厚生年金保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 修正の要旨は、厚生年金保険法に関しては、第一に、十八歳未満の子または一級もしくは二級の廃疾の状態にある子を有しない四十歳未満の妻(一級または二級の廃疾の状態にある妻を除く。)については、遺族年金を支給しないこととする改正規定を削除すること。 第二に、保険料率をそれぞれ千分の三引き下げること。 第三に、老齢年金の受給資格年齢については、この法律の施行後に初めて行われる財政再計算の時期に、所要の改定措置が講ぜられるべきものとする改正規定を削除すること。 船員保険法に関しては、厚生年金保険法に準じた修正を行うこと。 国民年金法に関しては、第一に、老齢福祉年金の額を二十五万八千円(月額二万千五百円)から二十七万円(月額二万二千五百円)に引き上げること。 第二に、障害福祉年金の額を一級障害について三十八万七千六百円(月額三万二千三百円)から四十万五千六百円(月額三万三千八百円)に、二級障害について二十五万八千円(月額二万千五百円)から二十七万円(月額二万二千五百円)に、それぞれ引き上げること。 第三に、母子福祉年金及び準母子福祉年金の額を三十三万六千円(月額二万八千円)から三十五万千六百円(月額二万九千三百円)に引き上げること。 第四に、五年年金の額を昭和五十五年八月分から二十五万九千二百円(月額二万千六百円)から二十七万千二百円(月額二万二千六百円)に引き上げること。 児童扶養手当法に関しては、児童扶養手当の額を児童一人の場合月額二万八千円から二万九千三百円に、児童二人の場合月額三万三千円から三万四千三百円に、それぞれ引き上げること。 特別児童扶養手当等の支給に関する法律に関しては、第一に、特別児童扶養手当の額を障害児一人につき月額二万千五百円から二万二千五百円に、重度障害児一人につき月額三万二千三百円から三万三千八百円に、それぞれ引き上げること。 第二に、福祉手当の額を月額八千七百五十円から九千二百五十円に引き上げること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○山下委員長 これにて修正案の趣旨説明は終わりました。 この際、国会法五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。園田厚生大臣。
○園田国務大臣 ただいまの修正案については、政府としては、年金財政の長期的安定の観点からは、にわかに賛成しがたいものでありますが、院議として決定される以上は、やむを得ないものと考えております。 —————————————
○山下委員長 日本共産党から質疑の申し出がありましたが、理事会の申し合わせにより御遠慮願うことといたしたいと存じますので、さよう御了承願います。 討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、今井勇君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山下委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正案の修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山下委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○山下委員長 この際、今井勇君、田口一男君、平石磨作太郎君及び米沢隆君から、本案に対し、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者からその趣旨の説明を聴取いたします。田口一男君。
○田口委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 厚生年金保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。 一 本格的な高齢化社会の到来を迎え、中高年齢者の雇用の改善と公的年金制度全体の抜本的改善を図ること。特に制度間の不均衡の是正など体系的な整備充実に努めるとともに、年金制度の長期的安定化方策につき検討を行うこと。 二 婦人の年金権のあり方については、被用者の妻の国民年金への任意加入制度との関連も含め総合的な見地から検討を進め、速やかにその確立に努めること。 三 遺族年金については、寡婦加算額の大幅な引上げが行われたが、今後支給要件等について検討を行うとともに、引き続き遺族年金の改善に努めること。 四 在職老齢年金制度の支給制限の緩和について検討すること。 五 いわゆる経過年金については、その水準のあり方を早急に明らかにするとともに、その一環として福祉年金の充実を図ること。 六 本格的な年金時代を迎えるに当たり、受給者、被保険者に個別的かつ具体的に対応できる年金相談体制の整備を促進するとともに、業務処理体制の強化を図り、もって国民に対するサービスの向上に一層努めること。 七 年金の給付については、老後の生活安定を図る立場から、業務処理体制の整備とあわせて支払期月、支払回数及び支払方法の制度間の整合について検討すること。 八 すべての年金は、非課税とするように努めること。 九 五人未満事業所の従業員に対する厚生年金保険の適用の問題について、具体的方策を樹立し、その適用の促進に努めること。 十 積立金の管理運用については、極力、有利運用を図るとともに、民主的な運用に努めること。また、被保険者に対する福祉還元についても、なお一層努力すること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○山下委員長 本動議について採決いたします。 賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山下委員長 起立総員。よって、本案については、今井勇君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することと決しました。 —————————————
○山下委員長 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○山下委員長 この際、厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
○園田国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力をいたす所存でございます。
○山下委員長 次回は、来る二十一日火曜日午前九時五十分より理事会、午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後十時四十二分散会 ————◇—————