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93回国会衆議院1980/11/05

公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号

発言数
242
登壇者
11
会派数
5
開催日
1980/11/05

会議録

久野忠治自由民主党

○久野委員長 これより会議を開きます。  理事の補欠選任に関する件についてお諮りいたします。  理事大野潔君が昨四日委員を辞任されました。これに伴いまして、現在理事が一名欠員になっておりますので、この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久野忠治自由民主党

○久野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  それでは、理事に坂井弘一君を指名いたします。(拍手)      ————◇—————

久野忠治自由民主党

○久野委員長 内閣提出、政治資金規正法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塩崎潤君。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 自治大臣が十一時十五分までしか御出席をいただけないそうでございますので、自治大臣を中心といたしまして四十五分間ばかり質問をさせていただきたいと思います。  先般、私は、自治大臣の御説明、御答弁を聞いておりまして大変感心したのでございます。自治大臣の哲学からにじみ出たような政治資金規正法の改正案についての御説明、並びにその基本的な考え方について本当に私どもを説得するような御説明がございまして、私は、どうしてもこの法案は早く通過させなければ、そして成立させて政治浄化に役立てなければならない、こんなふうに思ったところでございます。  きょう、続きまして、ひとつ三点ばかり自治大臣に御質問を申し上げて、御答弁をいただきたいと思うのでございます。  一つは、去る九月十日発表の、政治資金の収支報告についてでございます。これに対する自治省並びに自治大臣の取り組み方、これが第一点でございます。  第二は、これはもう言うまでもなく、現在提案されておりますところの政治資金改正法案のこの内容についてでございます。  それから第三は、これもたびたびここで同僚議員から御質問がありました政治資金規正法改正法の附則八条の、今後の基本的な見直しについて自治大臣のお考えを承りたい、こういう三つでございます。  そこで、まず第一に、去る九月十日、自治省から発表されました政治資金の収支報告について、自治大臣がどのようにお考えになっておるか、特にそれがマスコミにおいて取り上げられたあの姿ですね、これについてひとつお伺いをいたしたいのでございます。  私は、ここに新聞を持ってまいりましたが、毎年毎年の政治資金の収支報告がありましたときには、全国紙一斉に取り上げて一面トップで記事を掲載しておることは、もう御案内のとおりでございます。しかし、私は、この政治資金の取り上げ方がどうも三面記事的な取り上げ方である。しかもまた、政治資金に対するマスコミの取り上げ方が、どうも政治資金の公共性とかあるいは政党政治の基本をなすものだという考え方がきわめて乏しいような気がするのです。見出しを見ましても、「空前の九百六十六億円」あるいは「不透明度増す流れ」あるいは「“隠れみの”政治連盟」ですね。こんなような見出ししか見えない。私は、「空前の九百六十六億円」といったところで、もうすでに四十九年に七百九十二億円の政治資金の収支報告があった。それから物価が五割近くも上がっておるのに、わずか二〇%しか上がっていない九百六十六億円をこのように書いていく取り上げ方ですね。これは自治大臣、自治省の政治資金に対する取り組み方がこんなような形で反映しているんじゃないでしょうか。そして政治資金をどのように考えてどういうふうに持っていくかということは、私は、マスコミに対するキャンペーンの仕方として大変不十分じゃないかと思うのですが、どうでしょうか。皆さん方の方がむしろ政治資金に対して疑惑を持っている。しかも、その政治資金の中にいろいろなものが入っている。政党のものもあれば政治団体のものもある、個人のものもある。これらも並列的に取り上げられておるのですが、自治大臣として、この政治資金の取り上げ方、キャンペーンの仕方、これをどのようにお考えになっておるか。私は、過去の、これまでの収支報告のマスコミの取り上げ方から見て、本当に不満だ。自治大臣、どうお考えでしょうか。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 先般、自治大臣が直接扱います五十四年度の政治資金の収支報告を発表したのでありますけれども、それに対する報道機関の報道姿勢についてのお尋ねでございますが、報道機関の報道態度をあれこれ批判するつもりは毛頭ありませんけれども、他の党に対することは御遠慮申し上げますけれども、私の所属しまする自由民主党あるいは自由民主党の党員あるいはそれの後援団体等に対する取り扱い方は、あるいは塩崎委員御指摘のようなことがあったかもしれません。  そこで、この際、各報道機関等がこれを正当に評価し報道していただくような何かキャンペーンでも考えたらどうか、根本的には自治省が政治資金というものについての考え方を改める必要があるのじゃないかという意味の御質問でありますけれども、この間の報道機関の報道をどうというわけではありませんけれども、政治資金の報告についての一般的な御批判といいますと、せっかく政党というものがありながら、その党員が、個人の関係する後援会等の団体で政治資金を収集するのはどうか。つまり、派閥というものの存在を批判するような空気が一般的にあるようでありまするし、今回御審議願っております個人に対する献金の不透明さ、これがやはり批判の対象になっておるのではなかろうかと思いまするし、さらに、これは何も根拠のあるものではありませんけれども、一般的に金というものの意味あるいは金というものの価値に対する考え方が、必ずしもどうも国民の皆さん、一致したものでない。中には、どうも金というものは汚いものだというふうな風潮がある。そこにもう一つ、政治資金に対する批判、私ども考えて、必ずしも当を得ていないものがありはしないかという気がいたします。自治省といたしましては、派閥の問題でありますけれども、これは何とかして各政治家の皆さんに政党本位の政治活動をしていただきますように、自治省として御協力できる範囲ではできるだけの御協力をしなければならないと思いまするし、さらに個人に対する献金、従来報告義務がなかった点につきましては、今回改正をお願いしておるわけでありまするし、また選挙というものには、どうしたってだれがやっても何らかの形でそれぞれ相応の努力を払わなければいかぬ、善悪は別でありますけれども、どうしてもそれに対価を払わぬことには選挙運動というものは成り立たぬ、その辺を国民の皆さんに御理解願うように自治省といたしましてもできるだけの努力をしてまいりたいと考えております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 マスコミの取り上げ方が悪い、そういう意味じゃないのです。自治省の熱意が、しかも政治資金に対する認識がまだまだ不十分なせいでこうなっているのではないかという心配なのです。国民がこのようなことを見て、政治資金というのは忌まわしいものだ、その基本をなす政党政治というものは汚いものだというようなことになったら、議会制民主主義はつぶれるのじゃないかと思う。ですから、政治資金の公共性とか重要性の問題、そしてまた政治資金のいろいろの中身についてのキャンペーンを、もう少し予算でもふやしていただいてうんと宣伝していただかないと、いまのままではだんだんと政治資金は本当に忌まわしきものの方向に行ってしまうおそれがありますので、私はお願いしておるのです。  そこで、その中でみそもくそも一緒に言っておられるのですけれども、ことしの発表で、政治資金の中に政党とその他の政治団体と二つあることは御案内のとおり。ところが、だんだんだんだんここ三年間政党の政治資金の伸びはとまって、その他の団体の政治資金の伸びが大きい。かつて七〇%ぐらいのシェアを占めておった政党の政治資金はいまは六〇%を割るような状態。ことしは政党の資金が去年に比べて一〇%しか伸びないのだが、その他の団体は五〇%伸びた、こんなところがさっぱりキャンペーンをされておらぬのですね。みそもくそも一緒に議論されておるような気がするのですが、大臣はこんな点どうお考えでしょうか。  たとえば自由民主党の企業献金は、四十九年のとき百七十九億円もあったのに五十四年は八十六億円、苦労してやってきて、ここまできた。それでもこんなような評価できておるこの実態をもう少し自治省は国民の前に明らかにすべきじゃないでしょうか。このような取り上げ方では国民はみんな誤解してしまう。したがって、これは次の問題の中に入ると思うのですけれども、政治資金の中に各種の内容がありますけれども、何に重点を置くかという問題まで関係する問題なので、私はこの点についても大臣の御答弁をいただきたい。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 政治資金の取り扱いについて、政治資金に対する考え方について、国民の皆さんに十分の御理解をいただけますようなあらゆる努力をしなければならぬ立場にあります自治省において、その努力が足りない点につきましては反省し、今後とも努力してまいりたいと考えておりますが、昭和五十四年度の政治資金の収支報告は、御承知のとおり、政党が六、その他が四というような割合になっておるはずでありまして、以前よりか政党の占める比率が下がっておるはずであります。  その原因でありますけれども、自治省のキャンペーンなどの努力が足りないという点は御指摘のとおりかもしれませんけれども、五十四年度と申しますと、御承知のとおり、地方統一選挙がありましたし、また衆議院の総選挙もございました。そういう特別の年でもありまするし、さらにさきに行われました政治資金規正法の改正の影響があるいは出ておるかもしれませんし、十分検討いたしました上で、やはり政党に政治資金はできるだけ多く集まるというのが本筋だと思いますので、その方向で努力させていただきたいと思います。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 いま大臣の答弁されました政党と政治団体との政治資金のウエートの最近の変化、これは大変大事なことでございます。これは自治省のキャンペーンによってこうなったとは私は思わない。いろいろの原因がありますが、その一つは何といっても政治資金規正法にあるかと思うので、これは後で御質問することにして、私は大臣にこういった内容も十分吟味していただいて、キャンペーンするときにはこういう状況なんだということを国民によく知らせていただきたいということで申し上げておるのです。そうしないと、本当に限りなき不透明というようなことを政党の政治資金まで言われる。政党の政治資金についてそこまで言われたことがないのです。私はこういつた点をひとつ自治大臣に特別な御検討を煩わしたいという意味で申し上げたわけでございます。  そこで、第二は今回の改正案でございます。これも先般大臣から哲学的な御表現で一歩前進という御説明がございました。私もそのとおりだと思う。いろいろな歴史、沿革を持つ政治資金が一挙に完全に公明化するとは私には思えないのですが、ただ、今度の改正点についてもこれからの見直しの中でまだまだ研究しなければならぬ、これはもうおっしゃったとおりだと思います。しかし、大臣が限りなく不透明と言われた点へ挑戦されて、とにかくこれまでは野放しであった個人、政治家、公職の候補者が受け取ったものについて収支を報告して、その他の資金と混同させないようにする、こういうところが今回の改正案の唯一のポイントでございます。一つの大きな進歩だと思うのですが、同僚議員のお話を聞いておりましたら、なぜ指定団体一本にしぼって特定の政治家、特定の公職の候補者が受け取ることを認めるのか、特定の候補者の管理という仕組みを禁止したらどうか、こういうお話がたくさんありました。これが一つ。  それからもう一つは、政党あるいは指定団体から還流した場合に報告がないではないかというお話、これがまた大変ざる法ではないかというようなお話、これも縛れないかというお話があった。私もこの点はなかなかむずかしい点はあるかと思うのですけれども、大臣、どうなんでしょうか、本心はやはり政治団体を指定して、指定団体に管理させて、個人家計の金と混同することを避ける方が望ましいのじゃないですか。個人に管理させておったらいろいろ困ったことが出てくる。禁止というような罰則的な、刑事罰的なやり方がいいとは思わないのですけれども、やはり政治資金団体の方に管理させて、自分の個人家計とは切り離して、そして何に使ったかわからないというような批評を避けることが大事だと思う。そして、私の想像では、人格なき社団ですから、これは届け出すれば指定団体の基礎となる政治団体はでき上がると思うのです。これが民法三十四条の法人なら簡単ではありませんが、しかしだれでも届け出ればできる、責任者などの名前を連ねればできるのですから、なぜそちらの方向に持っていかれなかったのか、その点をまず伺いたい。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 あるいは塩崎委員御指摘のとおり、全部指定団体に御本人から寄付をお願いするというのがよりいいかもしれぬと思いますけれども、余りそう一挙にいきましてもどうか。あるいは中途半端という御指摘を受けるかもしれませんけれども、余り急激なことをやるのもいかがかと考えまして、今回御審議願っておるような案に落ちついたわけであります。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 いや、私は急激というか、これは他の制約があって指定団体をつくることができないということではないと思うのですね。何かいままでの沿革だからそうしたんだ、個人の管理も認めようではないかということしか、そんなにむずかしい理由はないような気がするものですからね。そういった点で大臣、まあそれはせっかく出した法案ですし、大臣がこれだけ熱意を持って推進いたされておるのですから、これはこれとしてもいいかもわかりません。しかしいろいろ困る点がある。  それで私は、この改正案についてもやはり収支報告を絶対にやらす方向で考えていかなければいかぬ、それには指定団体に入れる方向がいい、個人で管理しておったらいろいろ問題が、ことに収支報告でもしなかったら疑惑が起こるのは当然だと思うものですから、そういった観点から申し上げるのです。  たとえば個人で持っておって、途中で交通事故で死んだらどうなりますか。その金はだれのものになりますか。選挙部長、ひとつ答えてくださいよ。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 いろいろそういう御議論もあったわけであります。立案する場合には、個人の政治献金というものをいつまでもその個人が持っておるから、どうなるんだろうかという疑惑が起こるのであって、やはり第三者としての、また経理の専門家でもある会計責任者もちゃんとおるという団体に入れておけば、少なくとも個人に滞留する金というのはその限りにおいてはないのだから、要するにそういった第三者の団体にすぐ入れていただければこれが一番いい、こういう基本思想で出発をしたわけでありまして、確かに塩崎委員のおっしゃるように、そこは徹底して一〇〇%全部すべての政治家がそういうシステムに乗っかっていくというのが理想ではあろうと思います、思いますけれども、実態面におきまして、政治団体をお持ちでない政治家というのもいろいろいらっしゃるようであります。そういう政治家の方に、今度の理想を追求するために無理に政治団体をいまからつくっていただくというのも、またいかがであろうかという判断もあったわけであります。  先ほど大臣からお答え申し上げましたように、結局こういった問題は、少なくともその個人の政治献金の報告制度そのものが有史以来初めての制度でもある、いきなり百点満点の答案へ到達するよりもやはり理想は理想として、指定団体に入れることを原則としつつも、当面は、一挙にそこまでいくのではなくて、政治団体をお持ちでない方はもう政治団体をお持ちでないんだから、個人で報告をしていただく余地というのも残しておかざるを得ないのではないか。そういう意味では、委員のおっしゃるように不徹底という批判は免れがたいかもしれませんけれども、こういう質の問題、つまり一歩一歩前進、こういう方向で進むのが一番現在ではいいんではないだろうか、こういうことで御提案のような内容になったわけであります。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 私は一歩一歩というお話はわからぬでもないのですけれども、政治団体を持っていない人もおられる——政治団体と言ったってもう簡単にできることなんで、しかもまたそれで政治の浄化が進むということならば、しかも罰則を設けなくても私はいいと思うのですよ、そういう方向で管理をして世間から疑惑を招くなということで十分済むことなんです。しかし、確かに人格なき社団をだれでもつくれるので、それを認めておるわけですね。それだってすらいろいろ問題を起こし、税金の上では政治資金団体で管理しておったところで問題が起こることは言うまでもありません。しかし、個人が持っておる方がもう一つ問題だ。いま言った交通事故で死んだ場合の御答弁はなかったでしょう。こんなときに大変困ってくる。そしてまた暦年で区切っておる所得税法なんか考えたら、十二月を越して金を持ち越したときにどうなるかというような問題は、所得があればという、とにかく怪しげなる解釈でいまやっておられるからまだいい。しかし本当に考えたら内心じくじたるものがある。私はそういったことから考えたら、不十分でも人格なき社団の方に管理させて、そして自治省に報告させて、そして公明になったんだということをキャンペーンしてもらう、そんなむずかしいことはないんじゃないですか、罰則を設けろなんて言っていないのですから。どうなんですか、選挙部長。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 もちろん罰則の問題はまた別問題であろうと思いますけれども、やはりほとんどの政治家の方が政治団体をお持ちであるということは私ども承知はしておりますけれども、いろいろ地方の実情を調べてみましても、それぞれの現職の議員さんですら必ずしも政治団体をお持ちでないケースも間々あるという報告を実は受けております。そういう方々に、どうしても政治団体というものをつくって、それを通じて経理をしなければ政治資金の経理というのはだめなんだというところまで現在の段階で踏み切るわけにもいかない、こう判断をしたわけであります。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 いま私は交通事故の話をしましたが、本当に困る。どうですか、国税庁の所得税課長さん来ておられるが。私は、この政治資金というものは、もうとにかく個人の人格と離れて別途に会計した方が望ましいのじゃないか。国税庁もその方がいろいろ、政治家に対して調べも十分できないことを考えたら、やはり別途経理してもらう方が望ましい、こういうことを言えるのじゃないでしょうか。したがって私は、政治資金収支報告を自治省にしなかったようなものについては、今度はするようになっておりますよ、今度しなかったら逆にこれは政治資金以外のものに使ったものと推定する、いろいろ問題が起こったときにはそういうふうな規定でも置いて収支報告さすように間接的に奨励していくというようなことまで主張したことがあるんです。そういった方向で税務も困る。個人家計に混同されておって、しかもまたえらいむずかしい政治資金を一般の家計と一緒に、今度は区分経理みたいなことが書いてあるんですけれども、これはどういうふうにやるかさっぱり明確じゃない、精神規定みたいなものですから。それを考えたら、やはりまず不十分だけれども人格なき社団の方に入れてもらうということが一番望ましい。そして報告しなかったものは、恐らくこれまでの税務の態度なら、これは怪しいというくらいの気持ちを持たれることは私はあり得ることだと思う、いままでの考え方の中で。中小企業の税金の調査なんかで行ったら、大抵推計、推計で、載ってなかったらおまえこれ使ったろう、簿外の預金になっておると言うんですから、私は、政治家に対しても、報告してなかったらそんなことを言うことは当然あり得ることだ、こういうふうに思うのですが、どうなんです、この政治資金の取り扱いについて、国税庁から見て好ましい方向は何か、やはり団体で管理することが望ましい、こう言えるのじゃないでしょうか、どうですか。

冨尾一郎国税庁直税部所得税課長

○冨尾説明員 国税庁といたしましては、政治家の方も一般の納税者と同様にいろいろな関係の資料、情報を収集いたしまして申告内容をチェックし、必要があれば税務調査を行ってきちんとした課税をしていくということは全く変わりはございません。  それで、いまお尋ねの届け出の有無でございますけれども、従来から政治資金に関する問題につきましては、これを他のどの区分にも属さない雑所得という形で私ども取り扱っておりますが、その際は、これが政治資金規正法に基づいて報告がされているかどうかということには直接関係なしに、政治資金であればその収支を明らかにしていくということで課税処理をする、こういう方針で従来からやってきているわけでございます。  先生がおっしゃるように、これを指定団体の方に持っていくということは政治資金規正法の上からいろいろ御要請のあることかと思いますが、私ども税務の立場から申しますと、政治家個人として受け取られておる政治資金というものがある限りは、基本的には従来と変わったことにはならないのではないか。引き続き私どもとしても、そういう形で個人として受け取る政治資金があるということであるならば、従来どおり取り扱って、資料収集等を行ってきちんとした課税は行っていかなければいけない、このように考えているわけでございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 いまの所得税課長さんのお話は私にはよくわからないのです。私が言うのは、税の本質が変わったということじゃなくて、国税庁としてどっちが望ましいか。政治資金規正法の見地からも、人格なき社団に入れた方が望ましい。それから国税庁としても、たまたまいま言ったように交通事故があったような場合に、金が残った、相続税の対象に入れるかどうか。雑所得などという概念は、私は長らくやってきたからあなた以上に苦労してむずかしいことは知っている。これを個人に持ってこられたら困るんです。こんなことを考えたら、やはりこちらの方が望ましいというふうに私は考えなきゃいかぬと思うのです。そして、やはり常に国民の前に政治資金の収支が報告される方向に持っていくことが——調査なんというのはできるだけ避けた方がいい、そういった観点から私は言っているので、これはまた後であなたとゆっくりやることにして、次は大臣にまた、いまの改正案について御質問したいのです。  同僚議員のいろいろ内容についての御批判の中にあった、ざる法ではないか、ざる法でも進歩であるという含蓄深き哲学を大臣は盛んに言っておられましたが、そこでまず第一に、ざる法、いろいろあると思うのですが、そんなこと言ったって、報告限度の百万を割ればいいじゃないかとか、あるいは同一のものに対してまた寄附限度の百五十万を割ればいいじゃないかと、こんなお話が盛んに出ましたが、このざる法の問題。  それからもう一つは、私が気がつきますのは、例の励ます会。これはどうも政治資金の概念の収入の中に入っていないようですね。そこで、もうとにかく政治資金というのは大事なものですから、自民党ですら政経文化パーティーをやっている。それはやはり、生きるためには、あるいは政治資金規正法が不自然なら、政党が生きるためにいろいろな方向でやって励ます会に持っていく。これは野放しだ。こういったことを考えたら、この点は今度の法案じゃありませんが、次の機会には根本的に改正しないと、幾らこれを直そうとしても、うるさいハエを追いかけるようなもので、そう簡単じゃないと思うのです。追えば追うほど脱法行為が出る。あるいは百万円なんて限度、アメリカの一万円とかなんとかにすれば別かもわかりません。あるいは総額だけでいいかもしれない。もう長らく実験してきたのですから、変な規制をすることによって変な脱法行為、これができない方向で収支報告が喜んで政治家になされるような、あるいは政党になされるような方向を考えるべきじゃないでしょうか。ざる法と言ってつくったらまたざる法になるようなやり方、そうやってきたんですね。私は、励ます会の横行は企業献金を抑えた結果だと思う。それが政治資金の枠から外れる。これはいいことでしょうか、自治大臣。このような問題があることについて、大臣、どう考えるかですね。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 当委員会におきましてもかつて御答弁申し上げた記憶がありますけれども、金というものについての考え方でありますけれども、選挙するということになりますと、どうしても候補者自身の人間なりあるいはその政見、政策というものを有権者に十分知っていただく必要があります。五万、十万、参議院ならもっと大ぜいの皆さんに自分の抱負、識見を十分徹底的に知っていただくということをしなければなりません。そのためにはいろいろ方法はありましょうけれども、金を無視しては選挙運動というものは成り立ち得ないと思います。  あるいは具体的な名前を挙げることは遠慮しますけれども、非常に有名な方、ほとんど選挙には金をお使いになっていない、政治活動そのものにもそう大してお使いになっていない方が悠々と当選なさる方があります。しかしながら、この方が現に有名になったもとは相当の——だれが払ったかは別です。だれが払うかは別でありますけれども、やはり相当の金を要して有名になり、それで楽に当選ができる、そういう結果であろうと思う。だれにしても選挙をする以上は相当な金が要る。しかるに、私個人の考えかもしれませんけれども、どうも金というものはよくないものだというような考え、特に、企業献金というものは悪だというようなことさえ一部には極論する方がありますけれども、それはどうかと思うわけであります。今回御審議願います法案、御指摘のとおりあるいは不徹底な点があるかもしれませんけれども、選挙する以上は金は要る。それを一定額で抑え、それを明確にせい。これはこういう公の席で簡単に申し上げますと、誤解を招きますので御遠慮しなければなりませんけれども、どうしてもどこかに無理がいくんじゃなかろうか、かように考えます。  政治資金規正法改正法が施行になりまして来年の一月一日で五年たちます。附則第八条によりますと、もう一遍見直すことにされております。見直す趣旨につきましては、いろいろ若干の原則めいたものがありますけれども、その際には皆さんによく御相談申し上げ、十分御審議をいただきまして、本当に要るものは要るんだ、それを国民の皆さんに、ああそうか、それじゃやむを得ぬなというような御理解がどうすればいただけるか、そして議会制民主主義はどうすればつなぎとめることができるかというような見地に立って、その際見直しをさせていただきたいと考えております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 いま申しましたように、ざる法の問題はいろいろの御批判もありますけれども、解決の方法がなかなかむずかしい。これは結局は政治家の善意といいますか、性善説に基づいてやることが一番かもしれませんけれども、しかし、そうかといって、生きる本能のところにぶつかりますと、いま言ったように励ます会とか出版記念会とかいったかっこうで、全く政治資金規正法の枠外になってしまって、かえって改悪になるというようなことを考えたら、私はざる法の直し方はよほどこの際考えていただきたい。  そこで第三の規正法の根本的な見直しの問題にいくわけでございますが、大臣、私は附則八条を見ますと、これは義務規定だと思うのですね。五年たったらひとつ根本的に検討しろ。とにかく五十年の改正は試行錯誤みたいなもので、あれは絶対自信があってやったんじゃないと思うのですね。これでまずやってみよう。やってみて五年間の実績ができた。これは私は何としても客観的な、自治省で選挙制度審議会でも開いていただいて広い角度で、そして現状を踏まえながら理想を追った改正をお願いしたいのですが、第八次の選挙制度審議会でも開いて根本的改定の検討のお考えがあるかどうか、いかがですか。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 お答えいたします。  御承知のとおり、昭和五十年改正の政治資金規正法附則第八条によりますと、明らかに五年後には「検討を加えるものとする。」こういう規定がありまして、いわば試行錯誤という御指摘が当たるかと思います。先ほど申し上げましたとおり、選挙というものをやります以上は、あるいは政治というものをやります以上は、どうしても金は必要なものであるという見地に立ちまして、その金を公明正大に集め、公明正大にこれを政治あるいは選挙に使って国民の皆さんに一点の疑惑も起こすことのないようにしなければならないと考えております。  ここに若干の見直しの原則のごときものが書いてありますけれども、その改正自体が、御指摘になったように試行錯誤の考えのもとにこの八条を入れたものであります。その八条もその一部でありますから、これも試行錯誤で考え直していいじゃないか、この原則めいたものも。私はそう考えております。しかしながら、これはまだ検討いたしておりません。  そこで、これからでありますが、第八次の選挙制度審議会の設置についてでありますけれども、私は経験が浅くよく知りませんが、過去の事例等によりますと、やはり諮問します政府の態度がまず先決であって、答申があれば必ずこれを実行するという強い決意のもとに選挙制度審議会を開き御諮問申し上げて初めて意味があると思うのでありまして、その辺、年が明けますれば期限が来るわけでありますから、政府部内で篤と相談いたしまして、設置するかどうか検討さしていただきたいと思います。現在のところ考えておりません。  なお、励ます会につきましては、同様の御質問がこの間ありまして、やはりあれは政治資金規正法の改正が、励ます会が少なくともわが自由民主党においてはたくさん行われておる原因であろうと私も考えます。どっちがよかったか、再検討の余地があるのではなかろうかと考えております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 大臣がいまいみじくも言われましたように、励ます会が改正の結果改悪になってしまったということだと思うのですね。どうしてもやはり考え直さなければならぬということだと思うのです。そうするとやはり附則八条の義務規定、附則八条は試行錯誤と言いますが、これは検討しなければならぬと書いてあるのですから検討していただきたい、こう思うのです。  それが、国会で党の間の話がまとまって、議員立法でいけば自治省の皆さん方にも御迷惑かけなくて済むのですけれども、各党の話し合いをまとめて、しかもそれを国民が客観的と思うものにしていくのにはなかなか時間がかかる、そんなこと考えたら、やはり客観的な意見を反映すると思われるところの審議会、これもいろいろ批判はあるにしても、そのような審議会を通じて民意を求めていただいて改正していただく。もうしかし五年間実験をやってきたのです。試行錯誤はもう済んだと思うのです。そして変な形になったと思うのです。  そこで、もう時間もあと二分ぐらいしかありませんからあと二つばかり御質問申し上げたいと思いますが、私は、政党の政治資金は収入面から見て四つあると思うのです。そして各党がいずれもこの四つの依存する程度が違っておる。まず第一は民間寄附、第二は立法事務費、第三は党費、第四は機関紙誌の販売による党の付帯事業収入、この四つだと思う。大臣はこの重点を、これは各党のやり方によって違いますけれども、政治資金の調達のあり方としてどう考えるかという点を伺いたい。これは哲学みたいなことになっていま二分ではだめですからやりませんが、ただ、企業献金は悪ではないという消極的な言い方では自治大臣としては私は物足らぬ。こういうふうにすべきである、四つの資金源泉のうちどういうふうに考えるか、悪ではないとは少し消極的な表現だ、企業献金はこれぐらいでいいじゃないか、この程度にすべきである、単に励ます会の金に頼るようなことではだめじゃないかというぐらいのことを大臣だから言われると私は思っておる。それから立法事務費ですね。これは自治省の関与しないところだとよく言われるが、そうじゃないと思う。ドイツなどは国庫補助で、政党収入の六割も補助されているのでしょう。私らも立法事務費が出たらもう民間寄附なり企業献金なんか要りませんよ、百四十三億の自民党の財政を出していただいたら。私はですから、企業献金は悪ではないという意味では頼りないし、試行錯誤的にできたあの二十二条の寄附限度額とか資本金基準をぜひとも検討していただきたい。たとえば払い込み資本金一本でいっておる。これも選挙部長はよく御存じですけれども、払い込み資本金なんといったら、いまのところでは十分企業の規模をあらわすものにならない。ことに時価発行ができました今日、みんな時価発行したものはあれになっておりますから、そんなようなところで非常な不合理がある。このあたりについて根本的な見直しをぜひともやられるお気持ちがあるかどうか、御答弁いただいて、大臣は退席していただいて結構です。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 企業献金、悪でないというのはどうも消極的に過ぎるのではないかという御指摘でありますが、何事によらず、特に選挙等におきましてはあるいは政治活動におきましては、金を使わずに済ますのが一番理想だと私は思うのです。でございますから、企業といい個人といい、そういう方々に御寄附願わぬでも済むような政治活動なり選挙をやるのが望ましい、しかしそれは不可能であります。だから企業献金、悪ではないという程度に申し上げておるのでありますけれども、私は、企業献金と個人献金との間にそう差があるとは実は考えておりません。そこで、それじゃどっちもようないじゃないかということになりますと、実際問題大金持ちしか選挙はできません。そうしますと、選挙でもやろうとするならまず金をためて、月給取りなどでは金も簡単にたまりはしません、そうすると一旗上げてというようなことが起こりかねない。私は、現に日本でも一部そういう徴候が出ておるのじゃないかと思います。それがいいことかどうか。つまり、企業献金等を余り悪に見ますとおかしなところに行ってしまう。現にヨーロッパの政治資金等についてはほとんど規制がないはずであります。民主主義の先進国においてしかりであります。そこで、日本の政治が国民の信頼を失っておるとしまするならば、どこに原因があるのか。企業献金だけに原因があるのかどうか、政治資金の集め方だけに原因があるのかどうか、その辺までさかのぼって五年後の見直しは行うべきものであろう、かように考えております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 政府委員にお願いして、引き続いて質問をさせていただきたいと思います。政務次官がおられるなら政務次官で結構です。  いま申しましたように二十二条ですね。企業献金は悪ではないというお話を言われて、そしてその真意をいま述べられました。確かに金がかからない選挙ならいいし、普通の政治生活に金がかかるためにこのような問題が起こってくることは言うまでもありません。  そこで、五年間の試行錯誤の結果、私が言ったように規制の結果は——政治資金規正法なんというのは、政務次官、「規正」と正しいという字を書いておるけれども、正しいじゃなくて制限の制、「規制」の意味の方が強くて、あれがなぜ規正法かとわからないぐらいに限度を抑えたり報告限度をつくったりやっておると思うのですね。そして政治資金の公共性についての考え方が薄いと思うのです。しかし、それでも五年間あれだけ実験したのならもう答えは出ておる。選挙部長どうなんですか。企業献金について、いまのように励ます会に行ってしまう、これはアブハチ取らずじゃありませんか。堂々と収支報告をさせて、自分は政治にこれだけ金を使ったんだと言った方が、国民の目から見てフェアじゃないですか、どうですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 政治資金のあり方についての考え方というのは、それぞれいろいろな立場でいろいろな御意見が当然あろうかと思います。私どもの立場としまして、本来、政党あるいは政治団体に関する立法の踏み込みのあり方というものが、その前提として一つあるのであります。現実問題としていろいろな事件があちこちに起こる、だからといって政党であるとか政治団体をすぐ立法で規制をするということについては、本当は民主主義諸国においてはきわめて慎重であるべきだろうと思うのであります。先般来の御質問の中にも、いろいろ政党の四段階説というようなお話も出ておりました。ヨーロッパ諸国と比べて日本の場合には、まだそこまで立法上政党の位置づけというものができておりませんから、それぞれの国によってまた取り扱いが違うのであろうと思います。したがって、本来政治資金の規制というものは行われないのが一番理想なのでありまして、たまたまそのときそのときの社会情勢に応じまして、ほどほどという線を引かざるを得ないというような客観情勢があります時点で、ほどほどという一つの規制と言えば規制なんでありますけれども、そういう限界というものを法律で決めてまいったのが今日までであります。そのほどほどの決め方の基準というのが、やはり実態に合っていないという御意見も当然あるわけでありまして、結局過去五年の経緯を見て法律は考えろということになっておりますので、そのほどほどの基準が、どういう点がほどほどになってないかということを、これからわれわれが検討するのが役目だと考えております。  いろいろ御意見を伺いながら、それぞれの政党にそれぞれ政党の事情があろうと思います。できるだけ客観的な基準を見出すべく努力を続けてまいりたいと思います。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 まだまだ十分なお答えがないのですけれども、とにかく五年間やって、物価も変わり、資本金の情勢も変わってきた。しかも政務次官御案内のように、時価発行というような形でどんどん払い込み資本金に入れたら政治資金がふえるから資本準備金に入れていこうというまでは言わぬのですけれども、そんなようなかっこうで企業の規模が払い込み資本金では測定できなくなってきた、こんなこともあるのですよ。これは一例なんです。また二千万がいいか、百五十万がいいか、これは五年間せっかく試行錯誤してきたのです、高い金を使ってやってきたのですから、政務次官ひとつこれはどうですか、根本的に自治省として、資本金の基準、限度、こういった問題について検討される意図があるかどうか。

北川石松自由民主党自治政務次官

○北川政府委員 ただいま塩崎先生の再度の御質問でございますが、先ほど大臣が答弁申し上げましたように、五年間の経緯を踏まえて自治省としては、何を申しましても政治の問題でございますから、慎重に取り扱ってまいりたいと思っております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 そこで、五十年の改正の際に理想に燃えて、個人献金を中心とするんだ、そして附則の八条によったら、またしつこく個人献金を進める方向で検討するんだ。しかし五年間の経過はどうですか。わずか五億七千万円、四百五十五億円の収入のうち五億七千万円の個人献金しかないことは、小泉委員が前回指摘されたとおりです。しかし自治省に言わせたら、いや党費がある、党友が払いました会費があるじゃないか、それを入れると三十億くらいになるからそう非難されなくてもいいんだというお話です。しかし、個人献金というのは党費とかそんなものを言うのでしょうか。日本というのは、まだまだ慈善であっても社会事業のための寄附の慣習は個人にはきわめて少ない。私も幸か不幸か、不幸かもしれませんが、長らく税金をやらしていただいたので知っておりますが、なかなか個人献金、個人寄附という慣習がないのです。したがって、残念ながら企業の寄附でいろいろの社会事業や慈善事業をやってきたのが実情なんです。それを一挙に政治の面だけ個人寄附を中心とする。これは現実を着目する政治家としてどんなものでしょうか。また、努力しなければいけませんよ。しかしもう実績が出ておるじゃありませんか。しからば、個人献金を勧める方法としてどんな方法があるか。選挙部長、ひとつ考えてみてください。むしろ逆に、あなた方が無理してこれを個人献金だと言われている党費などは、今度は総裁予備選の問題があんな形になると、党員が減って三百二十万が百七万になって、わが自民党の財務委員長がこれはどうしたらよかろうかと思うぐらい金が減ってきておる。選挙部長、それはどう考えられるのですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 五十年の改正当時、附則に書いてありますような個人献金の促進策、これからもいろいろ模索をせぬといかぬのでありますけれども、本来ああいった表現をされておるのは、やはり一つの理想論を掲げたものだと私どもは解釈しております。政党、政治団体というのは、できるだけ同じ主義主張の党員あるいは党友というものを集めて、またシンパを集めて、それだけの勢力をだんだん蓄えて、結局国会に議席をたくさん獲得をし、それで政権を獲得するというのが、これまた政党の本質、本来の使命であろうと思います。したがって、それだけの段階に達するためには、またそれだけの組織力が要る、組織力をつくるためにはやはりシンパを集めぬといかぬ、そのシンパからできるだけの献金をいただいて政治活動をする、これが本来の政党のあり方からいった一つの理想論だろうと思いまして、そういう理想論に基づいて個人献金中心というものに持っていった方が、一番政党としてのあり方の本来の姿であろう、こういうことを書いてあるわけでありますが、現実問題としては、先ほどおっしゃいますように、政党に対する個人の献金というものは、社会的な献金であるとか文化的な献金であるとかいうものとは全く質が違うわけであります。えてして、先般来ざる、ざると言われておりますような点も関係するのでありますけれども、やはり政党に個人が献金をする、あるいは政治団体に個人が献金をするということになりますと、堂々と名前を出して献金をするということはなかなかむずかしい。それがいいとか悪いとかいうことは別として、これは一つの人情というのかもしれません。何もこれは日本だけではありません。アメリカでもそうでありましょうし、ヨーロッパでもそうであります。ヨーロッパで国庫補助金というものがこの数年来非常に普及をしたのも、結局はその個人献金の匿名制という点から、なかなか集まらない、集まらないから政党も努力をした、努力をしたけれども結局集まらない、そこで国が補助金で政党に援助をしよう、こういう風潮になってきたわけでありまして、個人献金の促進策と簡単に書いてあるわけでありますけれども、具体的に技術的にどうやればいまよりもさらに個人献金がふえるかということを制度面で考えるということは、正直に申しまして非常にむずかしいという実感を持っております。  ただ、一つの法律の宿題でありますから、事務的にそういったことは研究は続けていかぬといかぬとは思いますけれども、現在は税法の特典というものを加味いたしましてできるだけ促進をしてまいったわけでありますけれども、これまた実績が上がらない。しからば税以外の面でどういういい方法があるか、本当は非常にむずかしい問題でありまして、むしろ私どもの方がいろいろお知恵をおかりしたいというのが本心でございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 いまお話によると、個人献金はなかなかむずかしい、これは日本だけではない、ヨーロッパでも個人献金はむずかしいから、立法事務費的な国庫補助の形になったという大変ありがたいお話があったのですが、本当に企業献金を抑え、そして個人献金中心でいこうなんて言って、結果は、まさかこれからもまた励ます会でいけということは選挙部長は言っておられないのだと思うのですね。何かの形でこの政治資金の四つの源泉、民間寄附、立法事務費、党費、付帯事業収入、この四つを適正なバランスをとって政党資金を充実さしていく必要があると思うのです。特に自由民主党はいま昭和四十九年から半減した政党資金でやってきておるわけですからね。したがってまだまだ政策のキャンペーン、これが足りないと思う。そこで個人献金はやはり充実していく方向、たとえばいま党員の党費あるいは党友の会費、これを個人献金と見るなら個人所得税の控除の対象になるかどうかですね。選挙部長どうなんです。やはり税が一つの刺激剤、これはどこでもやっておるのですね。アメリカなんか一番その点が徹底しておって、所得控除じゃなくて貧乏人にも恩典がいくように税額控除までやる。税額控除なら広くいきますからね、二十五ドルというようなことまで。ところが日本は、党費を引こうと思ったって一万円の足切りがあるから入ってこないじゃありませんか。やはり一万円以上、一万円別な寄附をした人が初めて二千円の党費のあれがある。二千円なんか引かなくてもいいじゃないかと言ったって、引くことによってはたと刺激されて進んでいくものだと私は思うのですけれども、こんなような問題、選挙部長は考えられるかどうか。このままでいったら附則八条が死んでしまいますよ。やはり個人献金は好ましいものだと私は思うのだけれども、いまのままでは望みはきわめてないと思う。どうなんです。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 制度的にはいま所得控除という制度を使っておりますけれども、税以外で本当に個人献金の促進策というのがあるかというと、実はなかなかむずかしいということを先ほど申し上げたわけであります。もちろん税の範囲で現在の所得控除を、税額控除という制度をもう一つ組み入れるということは一つの御意見でもありますし、また外国においても所得控除と税額控除を併用しておるというところもございます。そういうところでどの程度どういう姿にし得るかという点につきましては、確かに個人献金の促進策としての税的な面におきましては今後いろいろ税務当局と御協議をしながら検討していかなければならない問題であると認識しております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 個人献金はやはりあらゆる面から進める方向をとっていただくことが好ましいことだと私は思うのです。  そこで、個人献金と税との関係をいま選挙部長も言われましたが、その前にヨーロッパの例からも言われた立法事務費の問題ですね。とにかく企業献金もだめだ、個人献金もだめだと言うなら、大臣の言われるように選挙とかあるいは普通の政治生活に金がかからなければいいのですが、金がかかるとすれば何かの金を集めなければならぬ。それは一番弊害がないとなればやはり国庫補助で、国民の税金で政党の財政を賄ってもらう、政治家個人とかあるいはその他の政治団体は必要はないだろう、したがってこの立法事務費というもの、これが私は非常に大事なものだと思うのですが、まず選挙部長、ひとつこの立法事務費の性格をどんなふうに考えられるか。何か聞くところによれば、自治省はこれは立法事務費に関係ないんだと言われる、私は大変な関係があると思う。政治資金全般を考えるときにこれを念頭に置かなければ考えることはできない。皆さん方が、企業献金を抑えて励ます会に行ったら、これは企業の交際費だから政治資金に関係ないと言われたんですが、これは皆さん方がつくり出した結果だ、これも関係があるというように立法事務費も大変関係がある。そこで立法事務費の性格をどのように考えられるか。そしてもう一つは、外国の例から見てこの立法事務費を政党財政の中でどのような位置づけをしたらいいか、どの程度のシェアを占めさせたらいいか、こんなことについて選挙部長、ひと?りんちくを傾けていただきたい。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 立法事務費につきましては実は私ども余りうんちくはないのでありますけれども、これはもともとが、昭和二十八年ごろでありましたか、要するに国会の中で各会派で御相談いただいてできた法律だと認識しております。もちろん社会的には立法事務費も何か国庫補助金的なものというふうな認識で受け取られておるのだろうと思うのでありますけれども、いまの立法事務費に関する法律の立て方といたしましては、補助金という用語も使っておりませんし、また補助金的な性格というものを与えた条文もございません。つまりこれは会派に支給をするということになっております。つまり会派というものはその法律の上では政党とは違う。政党の中の一部かもしれませんけれども、少なくとも会派というのは政党ではございません。したがって会派の収入というのを、たとえば政治資金規正法の上ではこれを一体公表するのかしないのかという問題も一つございますけれども、会派からその立法事務費が政党に入れられておればこれは政党としてやはり公表せざるを得ないということになりますけれども、会派が政党に入れてない、これは政党によってまちまちであるようでありますけれども、入れてないということであれば、これは現在の政治資金規正法上の公表の対象にはなっていない。社会的には立法事務費、つまり会派に交付される資金というのも、それは何か補助金みたいなものじゃないかというふうな受け取り方の方が多いかとは思いますけれども、現在の法律上は、これは補助金という性格ではないと私どもは認識しておる次第でございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 いま御答弁の中で、立法事務費の各政党の経理の仕方についてもお話がありましたが、わが自民党はこの立法事務費も政党財政の中に組み入れて、そして政治資金規正法に基づいて収支報告をしておるのですね。私はその方が望ましいと思うのです。政治資金全体をやはり政治資金規正法が——「規正」という言葉はいやなんですけれども、政治資金法が見なければならぬと思うのです。そして、相当なウエートを占めておる立法事務費ですから、私はそういった経理の仕方が望ましいと思うのですが、なぜ、いまおっしゃったように会派にやるのだから——じゃ、会派だって大体は政党なんでしょう。特殊な、一人、二人の無所属の方々にも会派をつくれるというところに問題があるかもしれませんけれども、自治省として、政治資金規正法を預かる所管官庁としては、政党財政の中に組み入れて政治資金規正法によって届ける方が適当なんじゃないですか。どうなんですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 そこら辺が先ほど来御質問の立法事務費の法律上の性格ということと関連するのであると思いますけれども、何も、別段この立法事務費について説明したものを私ども浅学で承知しておりません。恐らくは、会派に支給するということは、やはり国会の、つまり一つの立法機関を構成するそれぞれの各会派に立法活動に必要な経費として支給をするというたてまえであろうと思いますので、要するに一般の政党財政の補助という性格はその法律の上からは実は出てきてないわけであります。したがって、その立法事務費をどういうふうに位置づけるかというのは、やはりその立法事務費に関する法律でそれをどう扱うかという問題になってこざるを得ないのでありまして、現行法上は立法事務費というものを政党財政と一緒にしてやった方がいいとか悪いとかいうような結論はその法律の上からは出てこない。  ただ、もし、これは私の感じでありますけれども、立法事務費をもう完全な一般の政党財政に対する補助金的な性格とするというふうな踏み切り方をしました場合には、一般論に返りまして、いわゆる政党補助というものが現在の情勢のもとで一体いいのか悪いのかというような先般来の御議論そのものになってくるのであろうと思います。つまり、立法事務費というものを今後どう性格づけるかという点にかかってくるのであろうと思います。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 しかし選挙部長の先ほどのお話では、ヨーロッパはとにかく個人献金、企業献金もそうでしょうけれども、寄附の少なさにもてあまして国庫補助に踏み切ってきた。最近調べてみますと、イタリー、スウェーデンを初めヨーロッパ諸国はいずれも国庫補助がふえつつあるのですね。ドイツの国庫補助の金額を調べてみると、選挙ごとに円に直して百八十億円補助を受けておるんですね。とにかく人口の半分以下のドイツが百八十億円の補助をしておる。恐らく議員数だってもう問題にならぬと思うんですね。ところが、日本の立法事務費はいま六十万円。七百六十人ぐらいで考えますと四十四、五億政党に補助されているにすぎない。私はこれは政党補助と考える。これは個人に帰属させちゃいかないんでしょう。したがって、自民党は堂々と政党財政の中に組み入れて報告しておる。ですから、これは政党財政の収入と密接な関連がある。単に幾らでもやっておくからおまえ小遣いにしろというような恩恵的な国庫補助では余りにも理想がなさ過ぎると思うのです。そこで政務次官、どうですか、立法事務費について政治資金の中において確固たる位置づけをしていただく、そして、不安定な企業献金にも個人献金にも大きく頼らなくて済むような政党の確固たる財政的な基礎にする、こういうお考え方はありませんか。

北川石松自由民主党自治政務次官

○北川政府委員 ただいま塩崎先生から長年の御経験の中で立法事務費六十万が少ないという御指摘でございますが、この立法事務費として計上しておる国会の予算の中で、これは各党御理解の上に立って各会派に支給なされ、その中で政治活動の一端として各議員に御活躍願っておる。もちろん各党においては党の中にそれを繰り入れまして各政治家の政治活動の援助をいただいておると思っております。しかし、御指摘のとおり、ドイツを初め世界各国を見ましても、国の補助という点、また国が経費を負担しながら政治活動を高めるという点においては、今日の形においては少ないのじゃないかという考えを私は持っておりますけれども、いろいろの観点から検討を加えながら、御指摘のような政党補助という形にするためにはやはり研究の要があるんじゃないかという考えを持っております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 私はドイツの政治資金、政党資金の問題でいろいろお話を承り自分ながら勉強してみたんですけれども、ドイツでは基本法の中に政党というものを規定し、そして政党法をつくっておるから国庫補助ができるのだ、こういうようなお話がある。日本はそういう政党法がないからこのような立法事務費という形でいっておるんだという話があるんですが、選挙部長どうなんですか、政党法をつくれば立法事務費という形じゃなくて、やはり議会制民主主義の基礎であるところの国民の意思形成が政党というチャンネルを通じて初めてできていくわけでございますから、政党法をつくれば、これが、立法事務費という、しかもいま政治資金とは別だとか何かわけのわからぬ性格で言っておられるのですけれども、はっきりした性格になって、いまのような立法事務費と違った形のもうちょっと生き生きとした形になるかどうか、そこの点はどうでしょうか。私は、もう政治資金についての国民の評価がここまで来たら、政党法でもつくって、政党の重要性を強調しながら国庫補助、あるいは企業献金でも個人献金でも調達するような方向に行くべきではないかと思うのですが、この政党法の問題について選挙部長、ひとつうんちくをお願いいたします。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 先般来ヨーロッパ諸国の国庫補助の問題が一つの大きな議題になっておるわけでありますけれども、ヨーロッパ諸国でもそれぞれのお国柄でいろいろ国庫補助の仕方が違っております。塩崎委員が御指摘のように、いわゆる一般経費を補助する国もあれば、ドイツのように要するに選挙費用に限って補助をしておる国もあります。つまり、それぞれの憲法の考え方との関連が出ておるんであろうと思いますが、ドイツの場合でも従前は、御承知のように、いわゆる政党の一般経費的なもの、研修活動であるとかその他の活動に対して補助をしておったわけでありますが、これがドイツの連邦憲法裁判所で憲法違反という判決が下った。ところが判決の中では救いを一つ書いておりまして、政党は本来自然発生的なものであっておよそ国家権力が余り介入すべきものではない、したがって、補助金を交付するということがどうしても国家権力の介入と連動してくる、しかしながら要するに選挙というのは、その段階では政党は一つの国家機関になるんだ、だから選挙費用についての補助は憲法違反ではない、こういう理屈。これがいいか悪いかわかりません。わかりませんけれども、そういう理屈でいまドイツは選挙費用に限って四年間で百八十億ぐらいの補助が行われておる。ところがその他の国はそれぞれお国柄が違います。たとえば北欧諸国などでは新聞というものは政党がほとんど発行するというようなお国柄もあるわけでありまして、その政党の機関紙というものが運営ができなくなった、これは国としてもほっておけないということでまた新聞事業の補助という意味で政党補助というものをやっておるところもある。つまりそれぞれの国柄が違うわけでありまして、だから日本ですぐ政党法をつくって政党補助金というわけにも直ちにはなかなかまいらない。いみじくもおっしゃいましたように、日本の憲法で政党の位置づけというものが全然行われていない。どちらかというと日本の段階では、社会的に承認はもちろんされておりますけれども、憲法上の編入という段階にはまだ至っていない。そういう場合に、政党補助というものを考える場合に、一体どういう範囲でどういう限度で考えれば現在の憲法の上から許されるであろうかというのが非常にむずかしい問題であろうと思います。  政党法につきましては、いろいろ御承知のようなわが国における沿革もございます。戦後の政党法というのはどちらかと言うと政党を規制する立法として考えられたようでありますし、昭和三十年代の半ばからはどちらかと言うと政党を助成する意味での政党法をつくるべきだ、こういう議論も相当あちこちで出ておりました。もちろんその中に国庫補助をどうするかというような議論も長年の間続けられてまいったんでありますけれども、最終的には現在の有権者感情あるいは政党努力の問題あるいは根本にさかのぼりますと現在の選挙制度、つまり全く個人本位一点張りで行われておるような選挙制度のもとで果たして政党に補助をするということを有権者が許すであろうかどうか。あるいは政党法をつくって政党の補助対象というものを決めざるを得ない、その場合に憲法上の政党間の平等というものをどう考えるんだ。このあたりになりますと非常にむずかしい問題が山積するわけであります。私どもももちろんその都度勉強はしておりますけれども、政党補助の問題というのは最終的には恐らくは立法機関である国会の判断というものが非常に大きなウエートを占めてくると認識いたしておりますので、今後ともいろいろ御議論、御意見を賜りたいと思います。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 そこで、少しまたもとへ返っていただいて、石破大臣への御質疑が不十分だった点に返っていきたいと思うのです。  それは、最初申し上げましたように九月十日の政治資金規正法によるところの各政治団体、政治家の収支報告、これの中で私が申しましたように、どうも政党のウエートが減ってきた、この問題なんです。選挙部長、どうなんですか。政治資金を受ける主体の中に三つある。一つは政党、一つはその他の政治団体、いわゆる派閥とかいろいろ各団体がありますね、もう一つは個人政治家、この三つだと思う。この三つの中で、政党政治と言う以上はやはり政党が資金で他の団体にひけをとってはいけない。これは充実していなければいかぬ。ところが、先ほど申し上げましたように、これまで過去三年間どんどん政党のウエートが減ってきたのですね。去年に比べて、ことしは政党一〇%、その他の政治団体は五〇%も伸びている。とうとうウエートが六〇%を割るような始末である。ことはもう御案内のとおり。この原因は何にあるとお考えですか。選挙部長、ひとつこの点について、またうんちくを傾けていただきたいのです。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 確かにおっしゃるように、五十三年あるいは五十二年、それまでは政党及び政治資金団体と、それから後援会その他のいわゆる一般の政治団体の政治資金の総量を比較してみますと、大体政党が二といたしますると、その他の政治団体は一。要するに政党の収支規模の方が一般の政治団体の倍程度にはいっておったわけでありますけれども、五十四年は、先ほど大臣が申しましたように、統一地方選挙あるいは総選挙という二つの大きな選挙が重なったことが直接の原因であったろうと私ども推定しておりますが、政党の伸びというのが一般の政治団体の伸びよりも非常に少なかった。つまり政党を六とすれば、一般の政治団体は四の段階にまで伸びた。これは、恐らくは二つの大きな選挙が原因だったんだろうと思います。  その根拠は、恐らくは現在の選挙制度、つまり選挙がありました場合には、どうしてもスタイルが個人で戦うというようなスタイルになっておりますために、いやがおうでも個人として資金集めをせざるを得ない、その個人に近しい政治団体が資金集めの主体となる。つまり、やはり選挙制度というものが政党の政治資金を左右する一番の大きな原因になっておるんではないかと思います。  ちなみに、かつて選挙制度審議会におきましても、政治資金規正法をどうするかというような問題が議論になりました場合に、資金面だけで本来理想である政党中心の方向へ持っていくというのもなかなかむずかしい問題でありまして、やはり選挙制度を現在のままにしておいて、資金面だけを政党中心に持っていくということは言うべくして現実には行いがたい。したがって、政治資金制度というものを見直すためには、選挙制度をあわせて見直す。これはよく選挙制度と政治資金を一体として取り扱うという、ワンパッケージという言葉がはやった時代もございました。しかし、本来のあり方というのはそうあるべきだろうと私どもも思います。選挙制度イコール政治資金制度という連関をつけながら政治資金のあり方を考えなければ、資金面だけで政党中心というのは非常にむずかしいであろう。しかしながら、やはりあり方としては、今後の民主社会をどんどん発展させるためには、政党というものが国民の大多数の意見を集約するものとして、政党中心に資金面が集まるような仕組みを考える方向で進むのが本来の筋道であろうとは思っております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 政党の政治資金のウエートが減ってきた原因は、選挙が原因だとおっしゃいましたが、確かに日本の選挙はまだまだ個人的な色彩が強くて、個人の資金集めになる面は認めるのです。しかし、それが大変な弊害があることももういま御指摘のとおりだと思う。そうすると、どうしても政治資金規正法の中で、やはり政党というのは特別扱い、特別と申しますか、他の二者に対して優先的に扱うべきかどうか、この点は選挙制度に絡むことは言うまでもありません。しかし、先輩民主主義国ではどこの国でもやはり政党が中心である。比例代表制度になればまさしくそうなんでしょうけれども、そういったところへいかないにしても、どうしても政党を特別な扱いにして、政治資金規正法でも、いまの二十二条のいわゆるA項とB項、ああいうふうな区分した扱い方はどうでしょうか。政党は公職の候補者と同じランクにくくっておるところの二十二条のA項ですね。こんなところからひとつ考えて、政党についてそんなに非難はない、収支の公明化も行われておるとすれば、これをもう少し今度の見直しの際には特別な枠を設ける、こんなような方向が考えられるかどうか。選挙部長かわられてしまったらだめですから、これからしばらくは根本的見直しに関しては大林選挙部長が全部やるというくらいのつもりでひとつ御答弁をお願いしたい。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 確かに現行法は、政党に対する献金枠のほかに、政党以外の政治団体に対する献金枠を設けております。その比率も、政党が二とすれば一、要するに政党に対する枠の半分を、政党以外の政治団体に対する枠として認めておるのでありますけれども、これも法律の上では「当分の間」と断わっておるわけであります。この「当分の間」というのは何だと申しますと、要するに頭の中には選挙制度があるわけでありまして、いまのような選挙制度のもとで一挙に政党に集中させることは、理屈では言い得ましても、現実には無理である。そうでなければ選挙は戦えないという仕組みに選挙制度がなっておるものでありますから、したがってやはり当分の間そういう特例的な資金枠を設けるというのは、選挙制度を、理想であるべき政党中心の、政党本位の選挙制度に持っていくまでの間という意味に、立法の際は考えられたようであります。  確かに、政党中心の選挙あるいは政党中心の資金集めというのが理想でありましょう。したがいまして、そういう方向で物を考えていかざるを得ないのでありますけれども、私どもいろいろ考えましても、政党中心の資金集めに持っていくにしましても、やはりその前提として選挙制度というものがいまのままで政党中心に持っていくのは、政党以外の政治団体の役割りというのもまた現実問題として否定し得ないという面から、非常にむずかしい問題が介在してくると思います。いずれにしても、選挙制度、政治資金ひっくるめまして政党中心の方向に持っていかぬといかぬという認識では私ども考えておりまして、その方向でできるだけ努力をしてまいりたいと思います。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 認識だけでは、まだ私は足りないと思うのです。現にもう本当にだんだんとその他の政治団体の枠がふえてきて、政党は、同時選挙はことしでしたけれども、去年は統一選挙と衆議院選挙を入れてこの程度しか伸びなかった状況でございますから、やっぱりいまおっしゃった認識だけでは足らない。政党に政治資金規正法で特別な優先的な枠を設ける、こういったことは私はぜひとも考えていただきたい。これは五年見直しの大きな目標だと私は思うのです。個人献金を増大させて企業献金は減らすんだ、この結果がこういうふうになってきたとも考えられませんか。あなた方は、五十年に立法したときには、個人献金がもうちょっと集まる、まさか五億七千万というけちなことではないと思っておられたんじゃないですか。百億くらいは集まるというふうに考えられておったのかもしれぬ。そんなことがこのような誤差を生じたとすれば、いま申しました民間寄附、立法事務費、党費・会費、それから四番目の事業収入全般を見直して、政治資金が政党に重点を置かれるような研究を、見直し規定の八条の規定に基づいてぜひともやっていただくことをお願いして、私の質問はこれで終わらしていただきたいと思いますが、委員長、まだほかにもたくさんあるのですけれども、また次の機会にやらしていただくことにして、きょうはこれで終わらしていただきたいと思います。  ありがとうございました。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 午後一時再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時五十九分休憩      ————◇—————     午後一時二分開議

久野忠治自由民主党

○久野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。川口大助君。

川口大助日本社会党

○川口委員 同僚議員からいろいろお尋ねがありまして、大臣のお考えになっておられることもややのみ込んだ点もあるのですが、どうしても納得できない点二、三についてお尋ねしたいと思います。  大変恐縮ですが、大臣は政治資金というものをどのように理解しておられるか、まず伺ってみたいと思うのです。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 政治資金は政治を行います上にきわめて重要なものである、かように考えております。

川口大助日本社会党

○川口委員 というお答えになっているわけですが、重要であるだけに、やはり国民の目から見た場合に、それがより明朗なものであって、しかも節度のあるものでなければならぬ、こう私は思っているわけであります。ですから今回に限らず、政治資金規正法という法律そのものの主眼は、ある一定の制約をする、ある一定の限度を定める、節度を持つ、そういうためにこの法律があるものだというふうに理解しますが、大臣はどうでしょうか。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 節度を持つことと同時に、その収支を国民の皆さんの前にできるだけ明らかにする、両面の意味を持っておるように承知いたしております。

川口大助日本社会党

○川口委員 そのとおりだと思うのであります。  そこで、若干角度を変えてお尋ねしますが、いま個人に対する献金、百五十万の限度がありますね。この百五十万という金を割り出した根拠は何ですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 実はこれは第五次選挙制度審議会の答申が基礎になっておるものでありまして、選挙制度審議会が答申を出しましたのが昭和四十二年の暮れでございます。そのときに審議会としましては、政党以外の政治団体であるとかあるいは個人に対する個別制限ということで年間五十万円という規定を入れるべし、こういう答申を出したわけでありますが、当時の五十万円という金額を昭和五十年、つまり八年たちましてその間の物価の上昇の程度を勘案をしまして百五十万円としておるところでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 その経緯はわかりましたが、一人の人に年間百五十万よりできないというふうに限定したそのねらいは何ですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 ねらいは、政治資金というのはできるだけ政党中心に集まるような仕組みを考えるのが一番理想である、こういう前提で進めたわけでありますけれども、しかしながら、御承知のような現在の選挙を戦う上においてどうしても政党以外の政治団体の果たす役割りというものをもやはり無視するわけにいかない、したがって、そういう現実にマッチするという考えからそういった個別の規制を別途打ち出したわけでありますが、百五十万円がどういう数字的な根拠があるかという話になりますと、これは結局どの程度が一人の個人あるいは一つの政治団体に対する年間の個別制限としていわゆるほどほどであるか、適当であるかという判断でございまして、当時の学識経験者の皆様方の判断は、昭和四十二年当時は五十万という判断が下され、それを八年経過後に法案が成立しました時点では物価上昇をにらんで百五十万、こういう数字になったわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 私が後段にお尋ねしたのは数字じゃないのですよ。つまり個人の選挙運動の範囲、政治活動の量、そういうものが百五十万という金額によって一応はかられておる、こういうふうに考えるとそれはどうなんですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 個々の政治家あるいは政治団体の政治活動の量をはかるという意味で百五十万制限を設けておるわけではございません。要するに一人あるいは一つの会社、そういうところから一年間に巨額の政治献金が集まるのが疑惑の種であるから、一カ所からは年間百五十万という制限を設けたわけでありまして、つまりできるだけ百五十万という制限をにらみながらその範囲内で手広く資金を集めるというのを趣旨としておるわけでありまして、総体の量の制限というものを趣旨としておるわけではないわけであります。

川口大助日本社会党

○川口委員 そうすると、いまのお話は、もらう方の側よりは出す方の側に余り負担をかけない、こういう御趣旨なんですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 まあ出す方もそうでありましょうし、それからもらう方もそうでありまして、要するに一カ所からの巨額の資金というものが疑惑の種になるのだから、出す方も受ける方も百五十万の制限を守ってくれ、これを法律が書いてあるわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 そこでいろいろ問題が出ているわけですね。大変失礼な言い方ですが、これはサンケイ新聞に基づいてお尋ねするわけですが、たとえば齋藤前厚相がある病院から千数百万の献金を受けた。ところが、昨年の九月に五百万受けておるけれどもそれは届け出も何もない、したがって政治資金規正法の違反の疑いもあるんだ、こうなっているわけです。ところが、疑いは持たれるけれども、果たして犯罪になるかどうかというふうになってくると、届け出はなかったけれども、その五百万というもののうち百五十万自分がちょうだいをして、残りをどこかのいまで言う指定団体ですか、そういうものに分割して受領したという書類ができておるとすればそれは犯罪にならない、だからなかなかむずかしいんだ、こう書いてある、事犯罪ということになると。ですから、いまのお話の趣旨から言うと、そういう取り扱い方がいまの法の趣旨からいって許されるわけですか。その辺のところをちょっと聞いてみたいと思うのです。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 昨年、報道にございますような政治献金の授受があったことにつきまして、いろいろその報道の仕方も違っておるようであります。あるいはその五百万はつまり政治団体からもらったんだ、こういう報道もございます。それで、政治団体から受けられたのであればいわゆる百五十万制限というのはございません。しかしながら、政治団体でないということになれば百五十万制限というのがかかってくるわけでありまして、そういった政治資金の具体的な授受が一体どういうふうに行われたかによって判断が違ってまいろうと思います。

川口大助日本社会党

○川口委員 そこなんですよ。大臣、こういうことなんです。つまり百五十万という限度を定めたのは、出す方もそうだがもらう方も、それ以上の多額な献金を受けるべきじゃないという趣旨なんでしょう。書類や受領の仕方はいろいろ適法になるように扱われるけれども、結局個人に入っておるというふうにみなされるから問題があるわけでしょう。そういうことは、法に照らして五百万とかそういう多額なものを個人がもらうということについては、この法の趣旨から言うと残念なことなんでしょう。どうなんでしょうか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 まさに個人が多額の献金をもらうということが疑惑のもとになるから、一番望ましいのはやはり政治献金というのは団体が受け入れる、その団体が経理をして団体が公表するというのが現行法でもありますし、またそれが一番望ましい姿であろうという観点に立って今回の法律も立法をしておるわけであります。

川口大助日本社会党

○川口委員 そこで、個人の場合は先ほどお答えあったとおり、ならば政党中心にやっていただきたいのだ。しかし、個人の場合もいま無視できないから、百五十万という限度を設けて、そこにおのずと一つの枠をつくったんだということになりますと、その百五十万という額は個人であっても政治団体であっても、個人に百五十万以上の金が渡るということはいまの趣旨から考えるとうまくないことじゃないのですか。その辺はどうなんですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 個人に多額の献金が渡るということにつきましては同じじゃないかというお話でございます。現行法におきましても、確かに政治団体以外の者からもらう場合には年間百五十万という制限があるけれども、政治団体からもらうものについては別段百五十万という制限は実は使っておりません。と申しますのは、政治団体が個々の政治家に対して与える政治資金というものは、やはりその政治団体、政治団体は政党も含んでの話でございますが、政党、政治団体が個々の政治家に与える政治資金というのはやはりその政党なりあるいは政治団体の考える主義主張、そういうものをできるだけ活躍せしめるという意味で与えるのでありまして、これは政党なり政治団体の本来の使命だと思います。そういう種の政治資金につきましては、つまり政党、政治団体からもらう資金につきましては、それが多額に上るという場合も、政治活動の態様の中には必要になってまいろうとも思いますし、政党、政治団体からもらうものについて、それを個人が疑惑の発端になるような使い道に使うということは、そもそも法律が考えてないからそうなっているわけであります。

川口大助日本社会党

○川口委員 どうもその辺のところが——結局こういう法律改正をなぜ出すかというと、自治省がマスターベーション的に自己満足すればいいというものじゃないと思うのですよ。やはり政治の浄化、政治不信を払拭するということは、国民がああそれならわかる、そこまでやったのかという一つのものでなければ、この改正というものは何ら意味がないと思う。今回総理が本会議場でだんびらをかざして、今度は政治の浄化を図るのだ、そのためには政治資金規正法を変えるんだ、こうおっしゃっている限りにおいては、少なくともそれ相応な、前進した、しかも国民が納得できるような改正でなければならぬ。  ところが今回の改正の主たる目的は何かというと、個人の出入りを明らかにするようにしたいというのがその趣旨なんです。しかもその個人に入ったものが、政党の主義主張でその個人が大いに政治活動するから金の制限はつけないのだ、こう言いましても、個人の政治活動には限度があるわけでありますから、その辺のところがどうも私にはあいまいに思うわけです。  もう一つ、これは私の理解が間違っておるのかどうかわかりませんが、政党及び政治資金団体というものと後援会や研究会は、扱い方は違うのでしょう。ですから、政党や政治資金団体の場合は量的制限はありませんけれども、後援会や研究団体の場合は百五十万という量的制限を受けるのでしょう。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 一人の個人、政治家が受領し得る限度というのは、政党からもらう金であろうが後援会その他の政治団体からもらう金であろうが、要するに政党、政治団体からもらう金については百五十万の制限がないという意味では、政党と政治資金団体以外の政治団体と同じ取り扱いにしておるわけであります。要するに後援会その他の政治団体からであれば百五十万の制限は受けない、つまり百五十万以上の金額でも年間受け入れ得るということであります。

川口大助日本社会党

○川口委員 大臣、結局個人に入った金を明らかにするのが今回の法改正の趣旨なんです。ところが、話が先のことになりますが、いまお尋ねするわけですが、個人が受けたものは今度は収支報告を明らかにしなさいとなっていますが、後援団体や政治団体から受けたものは明らかにしなくてもいいわけでしょう。ここに矛盾がありませんか。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 お答えいたします。  現行法におきましては、政党なり政治資金団体の収支はすべて届け出ることになっておりまして、その限度において明らかであります。しかるところ、個人が受けます政治献金は、一定の制限はあるとは申しながら、報告義務がないわけであります。そこを今度報告義務を課して明らかにしよう、これが今回の改正の趣旨であります。個人が政治献金を受け、それは現行法でありますと、何ら報告の義務がない、それに報告の義務を課そうというのが今度の改正であります。

川口大助日本社会党

○川口委員 私のお尋ね、よくのみ込んでいないようですね。その先を聞いているのです。つまり、個人の場合は百五十万受けるわけですよ。逆に言うと、個人の場合は百五十万より受けられない。これはわかるでしょう。ところが、研究会や後援会からは個人が何億でももらえるわけです。今回個人の収支を明らかにするという場合には、個人から受けたものだけを明らかにしなさいというわけですよ。これはおたくが提案したのです。一たん後援会や研究会をくぐったものについては明らかにする必要はないというわけですよ。だから、ぼくは矛盾がないかと聞いているわけです。本当に個人に対する収支を明らかにするならば、研究会や後援会からもらったものも明らかにすることが正しいのじゃないか。全部後援会をくぐりますと、いままではうやむやだったものが、今度は後援会を通したということで、いままでのりやむやが合理性が出てくるわけですよ。合法性が出てくるわけです。何億もらおうが、どういうふうに使おうが、これは後援会からもらった金だから問題はないというかっこうになっちゃって、もらって使ったことに対して合理性が出てくるわけです。ですから、この法律はかえってそういう個人の収支をあいまいにするものだと私は思うのですよ。その辺のところを聞いているわけです。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 研究会とおっしゃいますのがどういうものかよくわかりませんけれども、政党でありますとか後援会等の政治資金団体が個人たる政治家に金を支出する場合には、だれそれに幾ら幾ら政治資金を支出したという届け出がいまなされておるわけであります。他方、個人が政党、政治資金団体以外から受け取ります寄附金は、現行法ではもう全然届け出なくて済む、全部初めから終わりまでやみで済むわけであります。それではいかぬから、そこを明らかにしよう。政党なり政治資金団体から政治家個人が受け取ります金は、その段階で届け出がなされて、だれそれに幾ら幾ら渡したということが届けられておるのでありますので、それ以上は現在どおりでいいんじゃなかろうかと考えたわけであります。  もっとも、法の趣旨は、政治家たる個人が政党なり政治資金団体から一定の金を受けました以上は、政治活動以外におかしな金の使い方をするはずはないということが前提になっておることは事実と思います。

川口大助日本社会党

○川口委員 どうもまだはっきりしないのですがね。今回の御提案の一番大きな主眼は何か、こう言うと、ここにもはっきり書いてありますが、政治家個人にかかわる政治資金の明朗化を図る、こういうことなんですよ。何も図られていないじゃないですか。つまり、それは後援会団体から支出をした、川口大助にどれだけやった、これを明らかにする。今回の趣旨は、もらった川口大助がどうその支出を明らかにするかということによって政治不信をなくそうというのが今回の法律改正の主眼なんですよ。そうでしょう。そういう趣旨から言うと、大臣、おかしくないかと聞いている。それに対して大臣からお答え願いたい。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 御意見はあろうかと思いますけれども、政党なり政治資金団体が一遍集めました政治資金につきましては、これを配分する際に、配分先、金額等をすべて届け出るわけであります。その限度において、政治家個人が政党、政治資金団体から金をもらった場合には、幾ら幾ら、いつ金をもらったということが現行法上明らかになるわけであります。現在は、個人が政治団体あるいは政党以外のものから寄附をもらった場合には、初めから終わりまで全部届け出なくてもいい。いわば、やみであります。そこを明らかにしよう、こういうわけであります。政治団体あるいは政党から政治家個人が受ける金については、現行法のまま一遍届け出があるんだから、それでよかろう、かように考えたわけであります。

川口大助日本社会党

○川口委員 その認識は、ぼくはおかしいと思うんですよ。一回も届けてないですよ。つまり、個人の資金の明朗化が目的なんだから、その限りにおいては何も、一回も明らかになっていない。ただ、どこそこの政治団体を経由してもらったというだけであって、個人のふところに入ったものも、資金の明朗化にならないのですよ。これがざる法と言われるゆえんの一つなんですよ。もっと明確にお答えできませんか。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 政党あるいは政治団体から金をもらいますと、政治家個人の受けの方は、総額においてはっきりするわけであります。それを細部まで一々政治活動、何に幾ら何に幾らということまで全部届け出るのが果たして現状に沿うものかどうか、そこまでしなければ国民の皆さん御信用にならないのかという点であります。  そこで、午前中も塩崎委員の御質問に答えましたが、御承知のとおりヨーロッパ先進民主主義国におきましては、あるいは全部でないかもしれませんので、まあ大部分でありますけれども、政治資金につきましては法律上の何らの拘束も設けていないのであります。それは、日本人とヨーロッパ先進諸国とは人間のできが違うんだと言えばそれまででありますけれども、私はそう日本人が悪い人種だとは思っておりません。ヨーロッパよりかはるかに厳しい政治資金の規正を日本は現にやっておるわけであります。それをさらに一歩進めようとするわけであります。でありますから、そこをそれ以上お答えすると、私、職掌柄どうかと思いますけれども、御承知のとおり、いまでも食糧管理法という法律があります。御記憶がありましょうか、終戦直後、ある清廉潔白な判事さんが、やみ米は一切口にしないということで、ついに餓死したという報道がありました。やっぱり、余りむずかしい、無理な法律で制限しようとしましても、果たして所期の目的が達成できるかどうか、法律が厳守されるものかどうか。余りにもむずかしい法律をつくって、その法律を無視した政治責任を問われる場合の方がむしろ恐ろしい場合もありはしないか。でありますから、国民の皆さんに、政治というものはできるだけきれいに、金のかからぬようにしなければいかぬ、しかしながら実際にこれだけかかるんですということを明らかにしまして、そのかわりそれ以上はうそはつきませんという姿勢の方がいいのか、その辺はあるいは意見の分かれるところかもしれませんけれども、私はさように考えております。

川口大助日本社会党

○川口委員 大臣、一生懸命お答えになっていますが、私のお尋ねと次元が違うのですよ。外国のことを聞いておるわけでもないし、それから食糧管理法は知っていますよ。私の年配も大臣とそんなに変わらぬものですから、判事が亡くなったのも知っていますよ。しかし、いま伺っているのは、今回政治家個人にかかる政治資金を明らかにしようというのがおたくの方の提案の理由なのですよ。個人に入った金をそんな細々のところまで報告させることは酷じゃないか、こう答えているわけですが、個人に入った金について報告させているのですよ。今度は個人の場合は収支を明らかに報告させているのですよ。細々のことをこれからやらせるのですよ。そうして、政治資金と私生活のものとを区別させて報告しなさいという義務をこれから課するのですよ。だから、いま大臣のお答えを聞いていますと、個人に入った金をそんなに細々報告させることは酷な話だ、こうお答えになっている。酷であったら、なぜ個人の分も明らかにさせるようにしたのですか。  だから、ぼくが言うのは、個人の場合も明らかにさせたのだから、団体からもらったものをなぜ明らかにできるようなことをさせることができないのかということのお尋ねなのですよ。もっと簡単にひとつ要領よく答えてください。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 個人が直に寄附を受けたものは全部報告さすじゃないか、それなら政治団体、政党から入ったものも全部報告さすべきじゃないかという御質問でありますが、法案をごらんいただければおわかりになると思いますけれども、御指摘のような点もありますし、一々本人が報告するのもめんどうであろう。したがって、強制はできません。政治団体を一切自分は持たない、指定団体などというものもつくらないとおっしゃる方はみずから報告してください、そうでない方は政治資金団体を指定してください、指定団体と称することにいたしておりますけれども、それに一括して渡していただければ御本人は報告しなくて済みますよというのが現在の法案の趣旨であります。

川口大助日本社会党

○川口委員 法案の趣旨は十分わかっていていま聞いているわけですよ。めんどうだからと言ったって、そのめんどうなことをやらなければ残念ながら政治不信の払拭ができないのじゃないですか。  いまの政府の考え方は、きょうの新聞を見ましても勲章の話も出ていましたよ。灰色高官に対して勲一等の勲章をやったのはいかがかと朝日の社説に出ておりました。しかし、政府の考えはどうかというと、法律に抵触さえしていなければよろしいのではないかという考え方が底に流れているわけです。不起訴になった者であるならば、証拠不十分の者であったならば、犯罪にさえならなかったならば、時効になった者であるならば問題ないじゃないかというお考えなのですよ。ところが、国民はそこに疑惑を持つわけですよ。犯罪につながらない問題であっても犯罪になりはしないか、これはどうも常識から考えて無謀じゃないか、むちゃじゃないか、もらい過ぎじゃないか、使い方がおかしいじゃないか、これを明らかにしないと政治不信の払拭はできないのですよ。そうじゃありませんか。その点はどうですか。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 私が申し上げたいと思いましたのは、今度の改正案と現行法体系との間に矛盾はありませんということをお答え申し上げたかったわけでありまして、これで十分か不十分かという点につきましてはいろいろ御意見もあろうかと存じます。

川口大助日本社会党

○川口委員 では重ねてお聞きしますが、個人から受けたものの収支の報告は出させる、しかし、団体から受けたものの収支は明らかにさせなくてもいいということに対して矛盾を感じませんか。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 矛盾とは感じません。

川口大助日本社会党

○川口委員 大臣、そんなことで一体この政治資金というものについて本当に国民の信頼が得られるようなことができますか。私はいまの大臣の考えは大変不満である、そういうふうにいま申し上げておきたいと思います。  そこで、事務的に一つ伺いたいのですが、仮に個人が受けた場合であっても、百五十万を五口受けたとするのですね。そうして、その七百五十万のうちに個人が本当に政治活動に使った分とそれ以外に使った分があったとすれば、届け出する分は政治活動に使った分だけですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 届け出をする対象は、御自分のお使い道のいかんによって届け出をするということではなしに、要するに入り口ですね、要するに政治資金としてもらったと思われるものを届け出をするわけであります。(川口委員「総額ですね」と呼ぶ)総額です。したがって、その使途がどうであるかこうであるかということじゃなしに、要するに私的な資金としていただいたものは除外をされておる、政治資金としていただいたとお考えになられるものを報告していただく、こういうことでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 そこで、国税庁から参りましたから、午前中の塩崎先生の質問に関連しますが、いまいわゆるパーティーというのを盛んにやっているわけですが、このパーティーの収益金というのですか、それとも経費との差額というのですか、その扱いは、まず部長に伺いますが、それは政治資金とみなしますか、それともどういうふうなかっこうにそれは見ておるわけですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 この数年いろいろやっておられますパーティーで集められた資金というのは、私どもは政治資金と判断しております。

川口大助日本社会党

○川口委員 それでは、個人で集めた場合も、個人で主催した場合も政治資金と判断しますか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 個人でパーティーを開催されるということは恐らくないのだろうと思うのであります。通常は発起人の方々がいろいろ力を入れられてパーティーを開催する、そのパーティーで集まった資金を発起人の方々が政治家なり後援会に寄付をされる、こういうスタイルをとっておられるのでありましょうけれども、仮に個人で主催をされたということがございましても、そこにお集まりになる方々はその政治家の政治活動の発展を祝ってお集まりになるのであろうと考えるのが普通でありましょうから、通常の場合はそれは政治資金であろうと考えます。

川口大助日本社会党

○川口委員 その場合、百五十万とのかかわりはどうなりますか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 したがって、個々の方から百五十万を超えて受け取るということはできません。

川口大助日本社会党

○川口委員 これはなかなか実態を把握するということは困難だと思うのでありますが、従来の経緯から考えて、もっとも私ども常識的に考えますと、何千人もの参加者があったとかというのがありますと、ちょっと目の子で、人の財布を計算することはいかがかと思いますが、いや、今度のパーティーはどのくらい入ったななんということを目の子計算することがあるのですよ。そうすると、発起人の数を考えても、仮に発起人が十人であったとすると、十人でその分を案分して百五十万以内におさめる、こういうかっこうになるわけですが、そんなふうな届け出になっておりますか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 個人でたとえば発起人の方々が集めたお金をもらわれた場合、個人からの収支報告制度というのはいまございませんからわかりかねます。ただ、発起人の方々が集められた金を後援会に入れられた場合には、後援会の収支報告の上でパーティー収入、こういう項目を設けて報告をされておるようであります。

川口大助日本社会党

○川口委員 そうすると、原則的に言って、いまのパーティー等の問題についてはそれは政治資金である、こういうふうに統一されておるわけですね。  それで重ねて伺いますが、その場合に、その政治家個人が主催をして利益というか差額が出た場合には、それはどういう扱いにするようにすればいいわけですか。それともどういうふうになるわけですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 パーティー資金も当然政治資金と判断をしておると申し上げましたけれども、政治資金にはまた政治献金もあればいわゆる事業収入もある、いろいろ種類があるわけであります。それで、発起人の方々が何人か集まってパーティーを開催されます。そして発起人が受けたその収益、収益と申しますか、そういったものを政治家あるいは後援会の方に差し出されました場合には、これは政治献金、寄附であろう。ところが、仮に個人が主催されるということになりますと、それは私どもでは個々の参会者から寄附を受けたというふうな考え方は現在とっておりません。と申しますのは、これは一つの事業収入であろうというような考え方をとっておりますけれども、御承知のように現在は個人の報告というのがございませんから、報告の上では何らあらわれてきておりません。

川口大助日本社会党

○川口委員 これからの一つの方向として一度見解を承っておきたいのですが、これを始めたきっかけは何であったかわかりませんが、頭がいいのが始めたのか、だれかが知恵をつけたのかその辺はわかりませんが、先ほどもいろいろお話があったとおり、企業献金を抑えた、そのかわりに合法的に体裁よく金を集める手段としていまのようなパーティーというものを発案をしたと思うのですが、こういう方向については好ましき方向であるか、あるいはこういうことはいかがと思うかというふうに、どっちのお考えをお持ちであるか、参考のためにお漏らし願いたいと思うのです。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 お答えいたします。  励ます会というのがよくありますけれども、励まされる御本人なり発起人の方々の御判断によるところでありまして、一概に私の方で好ましい好ましくないと申し上げるわけにはまいりませんけれども、励ます方にお回りの方々、実業界の方々等が多うございますけれども、金額はともかくとして、忙しい体の者が毎日のように励ます会に出席しなければならぬのはまことにどうも困ったものだと率直に口にされるのをよく承っております。

川口大助日本社会党

○川口委員 大分時間が迫ってきましたから、問題を変えます。  いま選挙運動のあり方、運動の仕方についていろいろ各党でも御相談をなさっているようでありますが、まず一つ事務当局の見解として伺いたいと思いますのは、後援会やあるいは川口大助事務所というふうなものの立て看板、どうもいろいろと見ておると、ぼくは二十枚よりやっていませんが、人によっては空き地のど真ん中に立て看板があったり、たんぼのど真ん中に立て看板があったりして、私はこれは法の逆用だと思っているんですね。悪用だと思っているんですよ。これについていま少し厳格に、いわゆる本当の事務所の所在地あるいはまたそれの支部というのですか、そういうものの所在地に限定して立て看板を立てさせる、こういうふうになさる御意思はございませんか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 立て看板につきましては、昭和五十年の改正の際に、本来は川口委員がおっしゃるように、その後援会の事務所においてそれを表示するために一定の数の限定を設けて措置をしたわけでありますけれども、いろいろその後の運用を見ておりますと、むやみやたらにまたふえ出したとか、あるいは後援会と全く関係のない場所に置かれ出したというような御意見もあちこちございますし、私どももそういう事実は承知をいたしております。各党の間でもいろいろ議論が煮詰まってまいっておるように伺っておりますので、私どもも、その場所であるとかあるいは数であるとか、こういうものははっきり規制できるように前向きに検討中でございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 次に、選挙運動期間中は一切の政治活動を禁止しておるはずであります。ところが、一切の政治活動を禁止しておるわけですが、政党の発行する機関紙、たとえば赤旗だとか社会新報というのがありますが、こういうものの販売車は規制しておらないように思うのですよ。お話を聞きますと、いわゆる新聞の販売だから業務の拡張だ、営業だ、こういうふうなお話もあるようでありますが、いままでの論議を聞いておりますと、先ごろは、共産党にたくさんの金が入るのは新聞の販売から入ったものだ、いわば新聞販売の金が政治資金になっておるわけなんです。明らかにこれは政治活動なんですね。そう考えますと、わずか二十日間か十日間あるいは一カ月でありますから、この政党機関紙の販売、これも政治活動とみなして選挙運動期間中は禁止なさる、こういうふうなお考えがないでしょうか。伺っておきたいと思います。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 たしか機関紙の宣伝車の問題が話題に上りましたのが昭和四十年過ぎごろだったと思います。その時点で、現在の選挙法の上でいわゆる政治活動用自動車台数制限の規定があるわけでありますが、やはり機関紙の宣伝車というのも政策の普及宣伝そのものであって、政治活動用自動車の台数制限に服すべきではないか、私どもも当然疑問を持ちましていろいろ意見調整をいたしたのでありますけれども、ただ現行法の書き方から申しまして、いきなりこれを政治活動用自動車の中に含めて規制をするというためには、やはりもう少しはっきりと明確にその旨を明記する必要があるという意見もまた一部にございました。その時点では現在のように余りエスカレートしてなかったものでそのままになっておったような状況でありましたけれども、その後十年来、選挙のたびごとにお話のような点が非常に出てまいったようであります。現在立て看板の問題と並行いたしまして、そういった自動車の処理の問題について検討をしておるところであります。

川口大助日本社会党

○川口委員 これは、私はぜひ検討していただきたいと思うのですよ。よその選挙区のことはわかりませんが、私の選挙区で一つの町村、町内でもう何十台の車が出まして、選挙が終わりますとぴたりとやめる。もし本当に営業活動であったら選挙が終わってもやってもいいわけですが、ぴたりとやめてしまう。そして場合によっては連呼と紛らわしきことをやる。市町村で五十台もあったのではたまったものじゃないです。ですから、これは明らかに選挙運動と紛らわしき行為もありまして、市民からもひんしゅくを買っているような点もあるわけです。ですから、公明な選挙、公正な選挙、こういう立場に立つならば、ぜひ私はそういうものはやめていただきたい、こういうふうに思いますので、重ねてひとつ要望を申し上げておきたいと思います。  次にいま一つ、戸別訪問ですが、いろいろこれもトラブルがありまして、場合によっては裁判等が行われているわけでありますが、下級審ではたまたま無罪だというふうな判決も出ておるようでありますが、この戸別訪問についていかがお考えですか、この際お漏らしを願いたいと思います。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 戸別訪問の是非につきましてはすでに最高裁判所の判例もあるわけでありまして、自治省としましてはいますぐ戸別訪問の制度をどうこうと考えておりません。

川口大助日本社会党

○川口委員 時間がないから打ち切らざるを得ないのですが、とにかく大臣、私は先ほど不満のままやめましたが、何とか政治を明るくしよう、政治家への不信を払拭しようというのはわれわれの願いでもあるわけです。ですから、私たまたまこの特別委員会の委員になりましたが、おまえ特別委員になってあんな改正をしたのかと本当に言われたくないと私は思っているのです。よくぞりっぱな選挙法をつくった、よくぞりっぱな政治資金法にした、これぐらいのところまでいったならば何とかがまんできると国民から言われるような改正をしたいのです。ですから、物事を変えるためには無理があります。この前の討論の中でも、たとえば個人の政治献金を抑えるということは政治活動の自由をも阻害することになるというふうなことを言っておりますが、百五十万に限度を抑えたということ自体が一つの制約なんです。百五十万まで抑えるのは憲法違反でなくて政治活動の自由があって、ゼロにした場合はないとかいうものではないと思う。ですから、本気になって取り組んでいただきたいと私は思うのです。先ほど大臣の御答弁では、それは一生懸命やっておる様子はわかりますよ。決してうらはらがあるとは思いませんが、個人の収支を明らかにするということ、どこから来た金であろうが明らかにするということは、やはりわれわれみずから努めてやらなければならぬことではないかと思うのです。そのためにあえて罰則をつけないで、これは義務規定なわけですね。罰則をつけてない。それは政治家の良識をやはり尊重しているわけですよ。良識を尊重するわけですから、後援会その他の団体から入った金であっても明らかになるようにして、本当に政治資金のガラス張りという形で政治活動が進められるような方向にぜひひとつ御努力願いたい。このように強く要望申し上げてお尋ねを終わりますが、何かお話があったら一言お願いします。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 政治資金のあり方についての根本的な見直しは、五十年政治資金規正法改正の附則八条によりまして近く本式にやらなければならないことになっております。もう目前に迫っております。したがいまして、現在御審議いただいております法案は不十分な点はあるいはあるかもしれませんが、それはこの次の本式の検討の際に譲ることにさせていただき、今回の法案は、御批判もありましたけれども、私どもとしましては矛盾点はないつもりでありますので、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

川口大助日本社会党

○川口委員 終わりますが、最後に、不十分があってはならないのです。それだけ政治資金というもの、政治活動は厳しいものだと申し添えまして私のお尋ねを終わります。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 次に、坂井弘一君。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 率直に私の意見を申し上げながらお尋ねをしたいと思います。  選挙に金がかかり過ぎる。でありますから、何とかできるだけ金のかからないようにしたい。このことは与党あるいは野党の別なく共通の認識だと私は思いますし、また同時に、大方の国民もそういう方向を望んでいることは間違いないと思います。  さてそこで、いま現実の政治にかかる金あるいは選挙に要する金を見ますと、確かに民主主義社会というのですか、大衆デモクラシー下の選挙にはどうしても相当な金がかかる、これは否めない現実だろうと思います。しかし、いま申しましたように、もう一方には金のかからない選挙という要請があります。これはある意味では理想ですね。目標かもしれません。現実には金がかかる。これは一体どういう橋をかけるのか、ここのところだろう、実はこういうとらまえ方をすれば、私なりに大ざっぱに、しからば政治資金とはということになりますと、一つは党費の収入であって、一つは政治献金であって、いま一つは国庫の支出、これが大体大まかな三本柱ではないだろうか。つまりこの三つの柱をよく見きわめながら、この調和を考えていかなければ、一概に、すべて政治献金は汚いんだ、あるいは悪だというような方向に風潮的に流れて、規制さえすればいいんだということで果たしていわゆる政治活動、選挙に金がかかるこの現実を無視した形が流れていったならば、これはとんでもない方向になる。したがって、いま言ったような三本柱といいますか、そういうことの調和をよく見きわめながら、できるだけ調和をする方向に着実に積み重ねていく必要があるのではなかろうか、実はそう私自身は考えるわけでございますけれども、自治大臣、いかがでしょうか。率直な私の基本的な認識に立っていま意見を申し上げたわけでありますけれども、党費の収入、政治献金さらに国庫支出、こういうもののバランス、調和を考えていく必要があるのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 お答えいたします。  お挙げになりました三つのどれを重く、どれを軽くというわけには一概に決めかねると思います。政党のよってお立ちになる基盤、政治家個人の立場等がございまして、どれをどうというわけにいかぬと思いますけれども、いずれにしましても、余り不当に偏るというようなことがあってはいけない、適当なバランスをとってということが必要であろうと思います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 一気に解決するというような、そういう都合のいい特効薬といいますか処方せんというのはなかなか見当たらない。ですから、基本的には私はそういう認識に立ちながら、以下お伺いしていきたいと思うわけでございますが、なお自治大臣の御認識として伺っておきたい。  その場合に、やはり政治資金というものはできるだけ明朗化した方がよろしい。つまりガラス張り。これは政治団体が受ける場合であれ、あるいは個人が受ける場合であれ、その収支については原則的にはこれをガラス張りにする、これが本当の明朗化だろうと思う。そういう中でおのずから政治資金の質なりあるいは量なり、あるいはその間節度なり、そういうものがお互いの自浄作用といいますか、そういうものも相まってうまく働いていくのではないか。つまり申し上げたいことは、原則的には収支についてはガラス張りにしよう、こういう方向で法改正をすべきではないか、こう思うわけです。原則論としていかがでしょう。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 できるだけ明朗化し、一点の不明朗な点も残さないようにというのは理想でございます。理想ではありますけれども、生身の人間がその間に介在しまする限り、全部洗いざらい公表し、ガラス張りにして果たして生きていけるものかどうか。個人の生活と政治活動とは違うという御指摘もありましょうけれども、個人の生活一つとりましても、不正、不当があってはいけません。しかしながら、これを全部四六時中世間様に公開して果たして生きていけるか。個人生活には不正、不当があってはいけませんけれども、全部これをガラス張りにして生きていけるかという問題があると思います。政治活動につきましても、もちろん個人の生活とは違いますから明らかにしなければなりませんけれども、その間に人間というものが介在しまする以上は、全部ガラス張りにいくのかどうか、検討の余地があるのではなかろうか。これ以上はひとつ政治家個人の、自分の良識にまつ、しかし、それを超える部分は全部うそ隠しなしに明朗化せよ、むしろその辺には線を引いた方がいいのではないかとも思いますが、検討させていただきたいと思います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 ですから私はあえて原則的にと、こう申し上げたわけで、事は政治資金に係る問題なんです。いまさら申し上げるまでもございませんけれども、今日までの経緯を見ますと、とりわけ政治あるいは政治家にまつわる金、つまり政治献金、資金と称するものがきわめて不明朗である。のみならず、それがときには刑事事件に問われ、ときには政治的、道義的責任の所在を問われ、そういうことがたび重なってきた。そういう中で、政治にまつわる金というのは汚いんだ、それがイコール政治家はずるい、汚い、悪いことをする、そこからつまり政治不信というものがさらに増長してきた、こういう経緯があるわけですね。したがって今回の改正案でも述べておりますように、確かに、この資金の明朗化を図る、このことは、いま政治に要請されている政治浄化なりあるいは政治倫理の確立、そのことがとりもなおさず国民の政治不信の根を絶ち、信頼を回復せしめるという一番大きな問題点です。  したがって、そういう問題意識を持つならば、いま大臣がおっしゃるような、確かに一方にはプライバシーの問題もありますよ。何もかもひんむいて裸にしろというわけにはいかないかもしれません。それは一定の限度、基準というのはちゃんと設けなければならぬだろうと思います。けれども、原則的にはやはり収支はガラス張り、明朗化、公開をするという方向が望ましいと私は思うわけで、大臣もそうお考えでしょうと思いますから、そうお尋ねしたわけです。これは将来の改正の方向として、いま申し上げました私の意見に対して、大臣はどういう判断をお持ちになりますか。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 坂井委員の御指摘の方向、私も同感でありますから、そういう方向で努力させていただきたいと思いますが、ただ一点、それと矛盾するようでありますけれども申し上げておきたいと思いますのは、ヨーロッパとアメリカでは政治資金の取り扱いについては大きく差があります。ヨーロッパはほとんど制限らしい制限はつけておりません。そこで、それではアメリカの民主主義政治とヨーロッパの民主主義政治がどっちがうまくいっておるかといいますと、これはどうも何とも言えない感じがいたします。  日本におきましても、戦前、もちろん贈収賄という刑法の犯罪はありました。けれども政治資金についてはほとんど制限らしい制限というものは戦前はなかったと思うのであります。政治資金がやかましくなったのは戦後で、だんだん強化されてきておりますけれども、さて、それでは一般国民の皆さんが政治にお寄せになります信頼度は戦前と戦後とどうか。戦後もだんだん政治資金の規制が強化されて今日に至っておりますけれども、それに応じて国民の皆さんの政治に対する信頼度が高まったと言えるかどうか。その辺のことも十分頭に入れ、坂井委員の御指摘になりましたような方向で、せっかく五年後見直しという時期にも来ておりますので、検討させていただきたいと思います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 五年後見直しの時期、これは確認しておきたいと思うのですが、来年の一月には見直しの時期だと、こういう御認識ですか。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 私は、さように考えております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 そういたしますと、次の通常国会には、抜本的なといいますか、政治資金規正法改正案をお出しになる、こういう御予定で作業は進められるということになりますか。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 附則第八条によりまして政治資金を根本的に見直すといいますと、口では簡単に申しますけれども大作業であります。しかも政治の、日本の議会制度のあり方にまで関係する重要な問題であります。各会派、各党派の事前の御了解も十分得なければ、とても実現不可能だと思います。時間はあるいはかかるかもしれませんけれども、自分たちとしては、自治省に課せられました最大の課題として努力してまいりたいと考えております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 重ねて念を押すようで恐縮でございますが、次の通常国会には提出をできるように努力をします、こういう御回答と受けとめてよろしゅうございますか。もちろん各政党も、これはおっしゃるとおりの政治の基本にかかわる重要な法改正でございますから、それはそれなりに各党それぞれがまた十分な論議を尽くしながら進めていかなければならぬことは当然のことであります。しかし、この政治資金規正法を所管される自治省、自治大臣の御決意としては、当然附則八条の見直し時期が一月に来るのだから、したがって自治省の立場からは、法改正をして次の通常国会には提案したい、そういう御希望、同時に努力をする、こういうことでしょうか。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 政治資金法の見直しとなりますと、単なる理屈ではありませんで、高度の価値判断を必要とする問題であります。自治省だけでどうこうというようなつもりは毛頭ありませんが、法律を所管しておる者といたしましては、何とかして各党各会派の御協力、御理解を賜って、りっぱな政治資金規正法になりますように努力させていただきたい、かように考えております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 では、その辺にしておきましょう。  そうしますと、やはり附則八条での改正の方向は、企業献金が個人献金に移行することが望ましい、そういう方向へいっているわけですね。けさほど来議論もございました。試行錯誤の御答弁もお伺いをいたしました。同時にまた自治大臣は、企業献金がイコール悪ではない、こういうことも盛んにおっしゃっておられる。確かに企業献金がイコール悪で個人献金がイコール善である、こういう単純な図式は当たらないかもしれない。しかし、企業献金といっても企業献金自体がひとり歩きするわけではありませんから、そこには企業の意思が働いて、いままでの例に見られるごとく、ともすると企業献金というものがきわめて不明朗あるいは言われるところの癒着関係等を生み起こしながら、それらがさらに刑事事件にまで問われるというような経緯をたどっておるわけです。  したがって、どうも企業献金というのはそうしたきわめて好ましからざる状況をつくり、それが大きく政治不信に結びついておる、こういう認識というのは、そういう見方というのは、審議会等の中におきましてもやはり一致した見方としてあるわけです。だから、やはり個人献金に移行が好ましい、こういうことだと私は理解をしているわけでございますが、何か自治大臣のお話を伺っておりますと、もうすべて企業献金の方がよろしいんだ。また個人献金はなかなか集まらぬから、むしろ企業献金の方が手っ取り早いと言っては語弊があるかもわかりませんが、それなりの資金を必要とするならば企業献金を推奨する、奨励する、何かそういうような方向に聞こえてならぬわけでありますが、そういうことになりますと、この附則八条の改正の方向が個人献金という方向を目指しているのと矛盾すると私は思うわけです。大臣はどういう御認識でしょうか。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 お答え申し上げます。  御指摘のとおり附則第八条は、どうもはっきりは書いてありませんけれども、個人献金を強化した方が望ましいようなニュアンスが出ておると思います。  そこで、塩崎委員が午前中御質問になりました際にお答えいたしましたとおり、この附則第八条をつけたゆえんのものは、政治資金規正法は改正したけれどもやはりやってみなければわからぬ、ならば五年後に見直ししようじゃないかというぐらい、十分の自信を持って提案したものでもなかろうと私は思うのであります。国会でも御承認いただいたわけでありますから大変失礼な話でありますけれども、国会御自身におかれましても、ある程度は試行錯誤的な要素もありはしないかという前提でおつくりになったのだろうと思うのであります。その中につけられた第八条であります。第八条それ自体も、本則と同じようにいわば試行錯誤的な因子が入ってはいなかったか。そこまでどうこう言おうというのではありません。けれども、そこまで踏み込んで検討させていただければ大変幸せと考えておる次第であります。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 大臣は余りそういう先を見越したような、先走ったようなお答えはなさらない方が私はよろしかろうと思うのです。と申し上げますのは、確かに個人献金というのは集まりにくい、これは事実です。だからといって、ではいきなり企業献金だ、これはまた逆戻りの論理でして、これが起こった背景には何があるかというと、ともするとというわけで、先ほど申しましたような従来の苦い経験にかんがみて個人献金の方がよろしかろう、こういうことで国会が意思を決めたわけです。  したがって、私は冒頭申しましたように、一つは政治献金があります。しかし政治活動ないし選挙の金の問題を政治献金一本だけで議論するのはどうも片手落ちだ。一方には党費の収入があります。もう一方には国庫の支出があります。これはやはりバランスを考えなければいかぬ。そして総合的な組み合わせの中で議論をしなければならぬということだろうと私は認識しておる。したがって、個人献金への移行は非常にむずかしいが、なおやはり努力してみましょうという姿勢は、自治大臣、自治省としてはお持ちになった方がよろしいのではないかということを私は申し上げたいわけなんです。  だから、私は決して一方的な言い方で申し上げているのではないということを何回もお断わりをしているわけでございまして、繰り返すようでございますが、企業献金イコール悪、個人献金イコール善、こんな図式ははまらないと私は思っております。企業献金の中にも、大臣がおっしゃるような悪ではない、善な献金もそれはあるでしょう。また個人献金の中にだって、これはイコール善ではありません。まさに悪の権化みたいな献金もあったことは事実であります。したがって、この献金の金の質について、企業と個人の二つの献金を善悪という単純な図式で並べ立てて議論することは、私はよろしくないという認識を持ちながら、なおかつ個人献金に移行していくという努力をしていくべきではなかろうかということを申し上げているわけでございまして、これは意見としてきょうの場合は申し上げておきたいと思う。  五十四年度のこの自治省の政治資金収支報告、塩崎委員からもるるございました。確かにああいう報告がなされたわけでございますが、あれを見ましても、二千万円以上の大口献金、これは銀行、商社あるいは鉄鋼、自動車、そういう業種に偏っておりますね。これまた、何も大きいからイコール悪だと決めつけるわけじゃございませんが、従来の経験からいたしますと、こういう企業献金というのがともすると後々問題視されるようになった、あるいは事件を生み起こす背景にこうした企業の癒着した政治献金ならざる献金が行われておったというような事例が、もう頻発と申し上げてもよいくらいあるわけですから、あえていま申し上げました意見にそのことをつけ加えて、やはり企業献金から個人献金に移行する方向をさらに探求していくということが望ましいのではないか。これはまさに附則八条で言われる個人献金への移行ということとも合致するわけでございますから、望みを捨てないでひとつ大いに検討を進めていただきたいと思うわけでございます。  さらに、今回出されました改正案、これは航空機疑惑問題等防止対策協議会、この提言に基づいているわけでございますが、この提言を見ますと、政治活動の金と私経済とを区分すべきである、こう言ってますね。これはどういうふうに改正案で生かされたのですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 いろいろ検討しております段階で、まず大前提である私経済と公経済の区分の問題にぶち当たったわけでございますけれども、政治資金と申しましても、その中の政治献金と申しましても、どういうものまでが政治献金であって、それ以外のものはどういうものからが私経済に属するかという問題、これを立法の上で具体的な基準をつけて一つ一つ区分けするということはとても不可能であります。  現在、御承知のように、そもそもさかのぼってみますと、政治活動とは何ぞやというような話にまでならざるを得ないわけでありまして、結局は生身の個人の政治家が、私的な面もあれば公的な面もある、特に政治家は公的な面が多いだろうからということで、今日のような問題が起こったのであろうと思いますけれども、その限界というものは、結局は個々の政治家お一人お一人で倫理的に判断をしていただかざるを得ぬではないか。そういう判断は政治家個々人の御判断をまずいただくとして、その御判断をいただいたものを指定団体制度に乗っけていただく、こういう仕組みにいたしておるわけでございます。御承知のように、個々の政治家といっても、いろんな立場、立場によってそれぞれ政治活動の範囲も違ってまいりましょう。その辺の区分けというのは個々の政治家御自身でお願いする以外にないというのが出発点でございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 そうしますと、この改正案では、政治家が、個人が受けた献金を一たん指定した政治団体に入れてそこから出した場合は、これはもうその収支まで明らかにする必要はないという仕組みになっておりますね。そういうことになりますと、これはまさにその政治家個人の恣意的な判断に全部私経済、政治活動、それをゆだねてしまうということに論理的になると思うのですが、そうしますと、逆に、この法律は私経済と政治活動とごっちゃにしてよろしいよという保証を与えたということになりませんか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 それは、積極的に法律がそういう仕組みをつくりましたからごっちゃにしていいという保証を与えたことになるとは、私ども毛頭考えておりません。やはりこういう法律ができました際には、いままで以上に政治家御自身でその区分けは明確に御判断いただけるものと期待をいたしておるわけであります。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 いま現行法では、個人が受け取った献金は一応雑所得とみなしながらも、政治活動に使ったということで、非課税になるということですね。したがって、雑所得の対象としては見ているわけですね。しかし、今回の法改正では、結果的には税の対象からも外してしまう、そういうことになってしまうと思うのですよ。どうも逆行あるいは後退していると思われるのですけれども、そうではありませんか。同時に、税の捕捉についてはどうしますか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 今回の制度を考えます場合に、いみじくも先ほどおっしゃっております税との対応の問題をどう決着をつけるかという話が一番大きな問題になったわけでありますけれども、ただ税のサイドにおきましては、やはり税のサイドの取り扱いあるいは考え方というのがあるわけでありまして、つまり税務当局におきましては、いわゆる従来から実質課税の原則ということで、本当の姿に基づいて課税をするという一つのやり方というのが長い間固まっておるわけであります。したがいまして、今回の改正が即従来の税の取り扱いに直接の影響を与える部面はございません。税の取り扱いにつきましては、従来どおり、実際に政治活動に充てられた場合には課税はされないし、もしもそれを私経済にお使いになったということであれば、それは課税をされるということであります。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 そうしますと、今度は、一たん指定団体に入れて、そこから引き出して、引き出した金を私経済に使った場合、どうなりますか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 私経済に使われました限りにおいては、当然課税対象になると思います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 これはむずかしい。献金者の意思は、あなたの政治活動を支援いたしましょう、その意思を受けて政治団体に入れるわけです。今度は引き出して、勝手に私経済に使っちゃう。これは本来はずいぶんおかしな話なんですね。本来はやはり私経済には使われない、政治活動に使わなければならぬ趣旨の金なんですね。その辺をどうきちんと認識した上で法的に整備できるかどうか、これは一つの課題だろうと思うんです。むずかしい問題だと思います。これは政治家みずからのモラルの問題だと言われてみれば、もうそれまでのことです。しかし、私がなぜこんなことをくどくど申し上げるかといいますと、先ほどから繰り返しますように、ともするとあるまじきことがあったというまことに残念なことがございますから、あえて申し上げているわけでございます。  例として、端的にお伺いしますが、富士見病院事件といいますか、ここで先ほども触れられましたが、齋藤前厚生大臣が受け取られましたあの献金については、現行政治資金規正法では何ら問題はなかった、こういうことなんですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 いろいろな報道がされております段階で、政治資金規正法上の問題というのもまた出てまいっておるわけであります。政治資金規正法上の問題と申しますのは、とっくに御承知のように、年間百五十万を限度としてそれ以上は受け取ることができないという制限が一方にございます。ただ、献金者側が政治団体である場合には、政治団体から受け取る金額については制限がございません。そのあたり報道もまちまちでございます。具体的な事情が判明しないうちは、私どものいまの立場としてあれこれ申し上げる段階ではないと存じます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 では自治省はいまの段階では全くノータッチですね。  同じように、澁谷さん、当時自治大臣をなさっておったわけでございますけれども、あの澁谷さんの場合は、現行政治資金規正法上問題があったんですか、ないんですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 事柄は同じ問題でございます。澁谷議員につきましても、あるいは政治団体からもらったという報道もございますし、また、そうでないという報道もあるわけで、これもやはり事実関係の明確化をまって判断すべきものと存じます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 具体的に言われておるんですが、確かに政治団体ということが一つ絡んできますと、その辺の判断がもう一方にあるわけですけれども、たとえば五十四年九月に五百万受け取った。この処理として、個人が百五十万円、それから二つの政治団体にそれぞれ百万円ずつ、計二百万円、合わせて三百五十万ですね。残りの百五十万円を、五十万円ずつ地元の支持者に分けた。これはどうなんですか、こういうことであれば、政治資金規正法上問題になるんじゃないですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 個人が一たん領得をされまして、それをどうこうするということになりますと、また問題になろうかと思いますけれども、最初の段階で献金者側が同時に数団体あるいは数人の個人に献金することも、またこれあり得る問題であろうと思います。これもまた具体的な事実関係のいかんによろうかと存じます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 自治省はそういうところ、積極的に御研究はされないですな。  私、何でこんなことを申し上げるかというと、幾つかの政治団体がありまして、それに分散すれば、運用上の問題として、百五十万の枠があってもなきに等しい、こう言うことができるわけですよね。ですから、これらが議論の対象に一つなっているわけですが、しかし、ここで言われるこの場合は、残りの百五十万円を五十万円ずつ地元の支持者に分けた。これはどこを見ても、現行の政治資金規正法に照らしても、どうもここに合う部分がないわけです。政治団体から受けたか受けていないか、これは置いておいて、要するに個人が五百万いただいて、残りの百五十万についていまのような処理をしたとすれば、これは現行政治資金規正法上まことに疑義があるというよりも、規正法上問題ですね。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 要するにそういうことをされたかどうかということが実はわからない段階でございますので、なかなか明確なお答えができないのが現状でございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 では、今度の改正案でお聞きします。  私がと言った方がわかりやすい。私が百五十万円ある人から献金を受けました、うち百万円を私の指定する政治団体に入れました、残り五十万円を保有金として私が私のポケットに入れました、私は自治大臣に届けました、これは許されますか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 百五十万円をお受けになって、それを指定団体を通じて報告される、あとの五十万円を保有金として御自分で報告される、これは許されます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 それは私の判断でよろしいのですね。その場合に寄附者の名前は、百万につきましても五十万につきましても、届け出しまして、公表されますか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 いずれにいたしましても、指定団体から報告するにしろ、それからあとの五十万を個人として報告されますにしろ、もとが百万を超える金額のものであれば寄附者名を載せるという仕組みにいたしております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 もとが百五十万を超えるわけですけれども、百万と五十万の二つに割ってしまったのです。ですから、百万はいいのじゃないですか。私の名前だけでいいのじゃないですか。献金者の名前を出さなければならぬとおっしゃるけれども、出さなくてもそれで通るでしょう。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 制度的には、現在、百万を超える金額については寄附者の名前を出せ、こういうことになっておるわけでありますが、そういうスタイルを準用いたしまして、たとえ個人が百万を超える金額を受けて、それを割っても、割った結果百万未満になっても、もとが百万を超える金額であれば、それぞれに百万を超える金額として寄附者名を載せていただくという仕組みにいたしております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 なっているのですね。では、保有金とした五十万円、これは自治大臣に当然届け出をする、その場合に寄附者名もあわせて報告をする、こういうことになるわけでございますが、五十万は一切報告しない、そのままいただいておく、いままでどおり、現行法どおり、こういうことにした場合、罰則はありませんね。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 罰則はございません。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 したがって、届け出をするかしないかはまさにそれを受け取った政治家の良識といいますかにゆだねる、まつしかない、こういうことですね。  その場合に、支出についても五万以上は全部名前が出ますか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 支出につきましては、従来一万円以上のものについてすべて支出先の氏名を書いていただくということになっておりましたのを、今回、五万というふうに限度を引き上げました。したがって、五万以上のものについてはすべて名前が出るわけであります。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 それをやろうと思いますと大変煩わしいですね。したがって、指定する政治団体に入れるよう努力するというところが生かされてくることを期待するということだろうと思いますが、なかなかまたむずかしい問題がその辺から起こってくるのじゃないかなという感じが実はするわけなのです。  たとえて言いますと、百五十万いただいた、では七十五万ずつ二つに分ける、そして二つにしまして政治団体に入れる。その場合も、当然百万を超えているわけですから、寄附者名は報告する必要があるわけですね。あるわけですが、相手方の名前を出さないでおこうと思えば、もうこちらの判断で二つに割ってしまって、七十五と七十五だということにすれば、まずチェックする機能というものは実際的にはどこにもないですね。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 その問題は、ほかの問題も同じでありまして、報告すべき内容について報告してあるかしてないかというものをチェックするシステムに現在なってないわけであります。これはもう坂井委員十分御承知のように、要するに政党、政治団体、いわゆる政治の世界の中に行政庁の調査権であるとか介入権であるとか、そういうものを期待すること自体民主主義国における政治資金のあり方としては望ましくない、こういう哲学が従来長くからあるわけでありまして、この思想は今後も私どもとしては維持すべきものと考えております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 幾つかそんな細やかな問題が私なりに考えられるわけでして、時間が参ったようでございますので細かく触れられませんが、たとえば三百万受け取って百五十万ずつ二つにして入れればそれだって合法だし、これは現行法と同じようですね。  さらに、いま指摘したような、あえて相手の名前を出すまいと思えばそれは出さぬでも済むというような盲点もあるようでございますし、ともすると、先ほど自治大臣おっしゃいましたが、もう何もかもあからさまでなくて、献金者、相手側だって名前を出してもらいたくないよというような意思もある、また受ける側もそうだなというようなところで、ともするときわめて明確さを欠く、そういう形にお互いの意思が通じ合って恣意的にうまい分散の処理をする、こんなことがやはり一つ大きな盲点のような感じが実はするわけです。これは個々の政治家の良識でありモラルだ、そこで律すべきことだと言われれば確かにそうだと思う。確かにそうだと思うけれども、またそれがそのとおりいっていないというのも現実でありますし、その辺も相当よく見きわめながらさらにこの法改正を前進させなければ、このままではなお次の問題といいますか、確かに一歩前進させたということは評価しますよ、入った金を入れるのですから、ここまでは評価できる。しかし、先ほども指摘のありましたように、先がわからないという問題もあれば、いま言ったような分散の問題がこのまま放置されておりますから、ずいぶんその辺、利口げに考えてかえってそれがよけいに煩わしい、あるいは複雑な、あるいは不明朗な形に追いやってしまうのではないかなという懸念を実は私は強く持つわけなんです。  最後に一点お聞きしたいと思いますが、自治大臣、どうでしょうか、罰則規定がないのですが、罰則規定は次の改正の際にはきちんと設けるということが一つ。  それから、量をもっとふやそう、上限をもっと上げよというような動きといいますか、御意見も与党内にはあるようでございますが、余り量をふやすというのはよろしくないと思うのです。やはり薄く広くというのが理想と言えば理想だと思うのですよ。  その二つの点、いかがでしょうか。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 罰則でありますけれども、次の機会にはという話でありますが、なかなかむずかしい問題だと思います。制度をつくる、義務を課す、それに従わない者は罰するというのが世の常識ではありますけれども、必ずしも罰則までつけて強制させなくても、良心を持っておる政治家ならばそれほどは必要なかろうとも言えるわけでありまするし、十分検討させていただきたいと思います。  なお、その上限の問題でありますけれども、終始一貫して自分は御答弁申し上げておるつもりでありますが、要るものは要ると申さざるを得ないと思います。要るものはどうしても要りますということを国民の皆さんにお示しして、そして御了解いただくということが私は何より必要であろうと思います。要るものは要るとしました場合に、本人が自分でもう調達しておればいいわけでありますけれども、相当額要る、それをよそさんにもらわぬで自分でということになりますと、やはりこれはまた何か無理をするに決まっております。あるいは松下幸之助さんあるいはその息子さんならば何ぼかかっても心配せずに出られる、上原正吉さんでもそうだろうと思いますけれども、そういうずいぶんいい方はいらっしゃいますけれども、いい方ですけれども、それで数が足りるかというと、なかなかそうはまいりません。そうしますと、どうしても浄財を仰ぐということになろうと思います。そうしますると、上限をさあどの辺に引いたらいいのかどうか。必ずしも上限が上がったから悪とは言い切れぬのじゃないか。時間もあることでありまするし、各党各会派の御意見も承らなければいけませんし、必要とあらば第八次の選挙制度審議会の設置等までもあるいは考えなければいかぬ問題かとも思いますし、慎重に検討させていただきたいと思います。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 終わりますけれども、一言だけ。  ですから要るものは要るのです。要るのだけれども、政治献金だけで考えてはだめだと思います。三本柱があって、党費収入といま一方においてはやはり国庫支出ということも、この三つのバランスの中で考えなければならぬではないか。冒頭の意見に戻って、それを意見として質問を終わらせていただきます。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 安藤巖君。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 私は、前回のこの委員会でいま審議されております政治資金規正法改正案がざる法であるということを指摘いたしまして、その関連で澁谷直藏元自治大臣の政治資金の問題についてお尋ねをいたしました。確認のためにちょっと復習をしようと思ったのですが、いま坂井委員の方から、澁谷直藏氏が富士見病院の北野早苗から受け取ったお金の分配の大要についてはお話しになりましたので、これは省略いたします。  しかし、これに対して自治省の方の答弁は、いろいろ報道の中身が違っておるというようなお話があるのですが、この前も私は確認したのですが、これは読売新聞の報道ですが、澁谷氏は、北野早苗から昨年の九月、五百万円を受け取った、こういうふうに言っているわけなんですね。ほかの報道は私そんなに細かく見ておらないので知りませんが、そうしますと、澁谷氏が五百万円北野早苗から受け取った、こうなるわけなんですよ。この関係でいくと現行法の政治資金規正法、これは二十二条の二で禁止されている、百五十万円を超える政治献金は受け取ってはならないというふうに規定してあるのですが、これに触れることになるのじゃないですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 いま報道もいろいろあると申しましたのは、あるいはその五百万円は政治団体から受け取ったのだという報道もございましたし、あるいは個人から受け取ったのだというニュアンスの報道もございました。そういった事情がわからない段階で私どもがどうこう申し上げる段階ではない、こういうお答えをしておるところでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そうしますと、その辺は、自治省の方としては政治団体であるのか北野早苗個人であるのか、あるいは病院からであるのかというようなことは積極的にあるいは自主的に調査をなさる、こういうことは一切しない、私はそんなことは知ったこっちゃないんだ、こういう立場ですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 本来政治資金制度の思想そのものが、政治資金というのは、個々の政治団体が行政庁に報告するというものではなくて、要するに世間に報告するものである、その世間に報告する際に行政庁がその仲立ちをする、こういう位置づけを与えられておるわけでありまして、そういう思想のもとに報告をされた報告書を、形式面を見て、計算が誤っておるとか誤ってないとかあるいは会計責任者の名前が書いてあるとかないとか、要するに必要記載事項について形式的に調査をするという権限に法律がとどめておるわけでありまして、それをさらに一歩実態に突っ込んで調査をする権限を与えてないわけであります。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 それじゃ、後でお尋ねしようと思ったんですが、ついでにお尋ねいたしますが、澁谷氏は北野早苗から小切手で五百万円を受け取ったというふうに話しておられるんですが、そういう点は確認しておられますか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 どういう方法、どういう段階、だれから、それからどういう形式でお金を受け取ったかということにつきましては、やはり報告書の形式審査の域を脱すると判断いたしております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 それじゃ、警察庁の方から中平刑事局長来ていただいておりますので、その関係についてお尋ねしたいんですが、これは事件が違うのかもしれませんが、北野早苗もしくは冨士見病院の捜査をして、そして北野早苗の保存しておった小切手帳、これを押収されたということを聞いておりますが、それは事実ですか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 現在捜査中でございますので、小切手を押さえたとか押さえないとかいうことは私の方で答弁の限りではございませんが、そうした献金の事実について私どもの方で、先般来申し上げておりますように、犯罪を構成する事実があるかどうかという点について鋭意調査中である、こういうことでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そういう点については答弁することができないような趣旨の答弁があったのですが、新聞報道によりますと、小切手帳を捜索して押収したということになっておるんですね。そうすると、警察の方は、新聞記者の取材活動には応じて、新聞記者には話したけれども、当委員会ではそんなことは話をすることはできない、こういうことになるんじゃないですか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 私どもは報道に資料を提供するときも、そうした小切手を押収したとか小切手の中身がどうであったとか、そういうことは原則的には公表しない、こういうことになっております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そうしますと、新聞報道でそういうようなことが書いてあるのは警察の方からの資料の提供に基づくものではなくて、それは勝手に書いたんだというようなことになるのかどうか、それが一つ。  それからもう一つ、小切手帳を押収したかどうかということについて当委員会で答弁をすることが、何か捜査上差し支えがあるというようなことになるんですか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 報道機関がどういう取材源でそういうことを知ったかということは、私どもの方では明らかではございません。ただ、この種の事件になりますと、関係者が病院以外もたくさんございますから、いろいろなところから情報を入手し得るチャンスはたくさんあると思います。  それから第二点の捜査上支障があるかどうかという問題でございますが、私どもにとりましては、これはいろいろと今後事実関係を究明していく上で必要であるので、押収したとか押収しないとか、実は小切手の問題についてはいろいろといきさつもございますし、ちょっと私どもとしては、今後のいろいろな問題もございますので、この問題についてはこうした席でお話はできないということでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 小切手を押収したかどうかについて答弁をすることが捜査上に支障があるかどうかという点についてはもちろん私もわかりません。わかりませんが、こういうようなことで差しさわりがあるんだと、ある程度何か合理的な理由をお示しいただかないと納得できないですよ。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 小切手を押収したかどうかという問題は証拠品の問題でございますから、ちょっとこれはいろいろと差しさわりがございます。  ただ、金の流れと申しますか、そうしたものにつきましては、当然私どもの方でいろいろと銀行関係その他について調べを進めているわけでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 それでは重ねてもう一つお尋ねしますが、押収したかどうかは一応別にして、そういう小切手帳があった、そしてそれを北野早苗が持っておった、そして澁谷氏に対しては小切手で五百万円の献金が昨年九月になされたかどうか、こういう点はどうですか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 繰り返しになりますが、政治家に献金がなされたこと自体が直ちに犯罪ではございませんので、その前段階として私どもいろいろと調べをし、事情を聴取しているわけでございますから、本件が小切手だったかどうかということについてはちょっと私どもはこの席で答弁することを遠慮させていただきたいと思いますが、北野氏は小切手で具体的な個別的な政治家に金を渡しているケースもございます。それから現金で渡しているケースもございます。そういうことで御理解願いたいと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そうしますと、いま私がお尋ねしている件については、小切手であるともあるいは現金であるともどちらとも言えないということになるのか、小切手であるケースが濃いということになるのかという点はどうなんですか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 私が申し上げている趣旨は、御指摘の澁谷大臣にどういう形態で金が渡っているかということについて、これが直ちに犯罪を構成するものでもないのに、こういう席で私の方で申し上げるのはいかがか、こういう立場で御説明申し上げているわけでございましく、北野氏は一般的に小切手で政治家に金を配っているケースもございますし、現金で配っているケースもございます。それぞれかなりのケースがございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 犯罪を構成するかどうかまだわからぬ段階だということですが、現金か小切手かはともかくとして、いろいろ捜査をしておられるということですが、五百万円を昨年の九月に北野早苗が澁谷直藏氏に渡したかどうかという点は、現金、小切手一応別ですよ、捜査の結果把握しておられるのですか、いないのですか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 北野は、御指摘の方にも渡しておりますし、そのほか新聞等に伝えられるように、地方政治家等も含めて相当広範に金を献金という形で渡していることは事実であります。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そうしますと、私がお尋ねした五百万円、昨年の九月というのは確認しておられるのかどうかという点は、あなたはまだ答えていないのです。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 新聞等にも出ておりますように、おおむねそういう事実はあったように見受けられます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そこで自治省にお尋ねしたいのですが、いまお聞きのとおりです。あったように思うということになると、先ほどからお尋ねしておるように、五百万円という金額になれば、現行の政治資金規正法第二十二条の二に違反する。これは、贈った北野の方は二十二条の二の一項、それから贈られた、受け取った澁谷氏の方が二十二条の二の三項に該当することになると思うのですが、どうでしょうか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 贈った方の事実関係がそういう方向で固まりますれば、これは百五十万円をオーバーして贈ったということになりまして、その規定違反ということになりましょうし、ただ、受け取った方は、北野個人からもらったんだということになればまた別でありますけれども、新聞報道でありますように、政治団体からもらったというようなことであればまた別の話になるわけであります。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 選挙部長は、いま私が中平刑事局長とやりとりしておった内容についてどうも十分聞いておられなかったような気がするのです。私は、北野早苗が澁谷氏にということでいまお尋ねし、答弁をしていただいておったのです。となると、個人だったか、団体だったかわからなかった、まだわからないんだというような段階はもう過ぎてしまっておるのですよ、いま。すると、個人で五百万円を贈ったということになれば、これはまさにいま私が言いました二十二条の二の一項それから三項に双方がそれぞれ該当するということになるわけですね。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 あるいは新聞報道では、要するに北野早苗が政治団体の役員をしていたから、北野早苗は政治団体の役員として持ってきたんだろうというような報道も本人のお話として載っておったようでありますし、そのあたり一体いただいた方がどういういただき方をされたのかということが固まらなければ、なかなか判断できないと申し上げておるわけであります。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 中平刑事局長は、いま私がいろいろお尋ねしたことに対して答弁をされて、あなたのように団体からかどうかという点については疑問があるというようなことは一言もおっしゃっていないのです。それを、自治省のあなたの方が、いや団体からかもしれぬ、そういうような報道もあると固執をされるのは一体どういうことなんですか。これは、いまのやりとりを聞いておっていただければ、まさにそれはそういうことも大いにあり得ることだという話ですよ。だけれども、そのにおいが非常に濃いということになってきているのです。それは、団体とかいうようなことではないのです。北野早苗個人がというようなことになってきているのです。どうですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 つまり、先ほど来のお話は北野からということでございますが、北野というのがいろいろな人格を持っておるというようなこともある、こういう前提で申し上げておるわけであります。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 しかし、個人だということになれば、先ほどから私が言っております現行の政治資金規正法に違反する、こういうことになることは間違いないですね。個人だということになればの話ですよ。確かめておかなければいかぬのかな。どうです。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 これは具体的な事件でありますから、ればとかたらという前提でお答えするのは差し控えさせていただきたいと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そこで、中平さんにお尋ねしたいのですが、いま自治省の大林選挙部長の方からも答弁がありましたね。たらというのは答弁を差し控えるということですが、これは法文上個人が百五十万円以上超えて献金してはならぬということははっきりしているわけですね。だから法人であればともかくという話があるけれども、個人ならそうなるわけですから、この辺についてはまさに捜査をすべき事実関係がもう出てきておると思うのですね。だからその辺について、先ほどもちょっと政治献金の問題等についてもいろいろ捜査をしておられるという答弁をいただきましたけれども、澁谷氏は、現金であったかもしれないし小切手でもらったかもしれないし、小切手の場合が多いみたいな答弁もありましたが、その受け取ったと思われる小切手、これは、先ほどの話でいろいろ分割しておられるわけですが、現金化をされたことはほぼ間違いないと思うのですが、小切手を現金化されたかどうかという点は確認しておられますか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 先ほど来の繰り返しになりますが、北野氏は相当広範に相当の数の方々に金を配っておるわけでございます。したがいまして、その一つ一つにつきまして、犯罪を構成する事実があるかどうか、こういう立場から事実関係を明らかにしつつある、こういう段階でございまして、その個々につきましてどうこうということをこの席で申し上げることは差し控えたい、こういうことでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 それでは全般的にお尋ねいたしますが、北野早苗が現金で献金をしたり、小切手で献金したこともある。小切手で献金をされた場合、大ぜいだとおっしゃるのですが、その献金された小切手はすべて現金化されておるかどうか、どうですか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 すべてということでお尋ねになりますが、現在事実関係を明らかにしつつある段階でございますから、それは恐らく全部は明らかになっていないと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 すべてと聞いたからすべてかどうかであれですが、現金化されつつある、あるいは相当程度現金化されているというような事実は確認しておられますか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 銀行等の調査によりますと、相当数はすでに現金化されております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 その銀行というのは複数か単数か、あるいは複数でも単数でも、わかっておる範囲でどういうような銀行で現金化されておるか、わかっておりますか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 個々の銀行名、ちょっと私も承知いたしておりませんが、報告によると、複数の銀行のようでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 銀行名は承知していないというのは、あなたが報告を受けておられないのか、あるいは報告を受けられても忘れてしまったのか、どちらか知りませんが、これは後で教えていただけますか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 これは私ども現にそういう事実関係を調査中でございますので、したがいまして、そういうものが一切終わらないと、私どもとしては事柄の性格上明らかにすることは差し控えたい、こういうふうに思っております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 いま政治献金、北野からの政治献金、私は北野早苗からのというふうに言うておるのですが、この政治献金についても捜査をしておられるというお話ですが、だから北野早苗からも事情をいろいろ聴取しておられると思いますが、澁谷氏の方からも事情を聞いておられるか、あるいは聞いておられないとすればこれから事情を聴取する予定であるのかどうか、この点、どうですか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 現在関係者から逐次事情を聞いておる段階でございます。相当各方面に献金がされておりますので、その献金の一つ一つについて関係者から逐次事情を聞きつつある。したがいまして、御指摘の問題につきましても、当然私どもとして事情を聞くべき必要があれば聞くことになろうかというふうに考えております。  なお、先ほど捜査と申されましたが、私どもは調査というふうに、捜査の前段階の事実関係の把握である、こういうふうに理解しておりますので、そういうふうに御理解願いたいと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 必要があれば澁谷氏からも事情を聞くという御趣旨だと思うのですが、もし私がいまこう言ったことが間違いであれば、澁谷氏からは聞かないんだということであれば、後で訂正してくださいよ、私はいまそういうふうに理解したのですが。  それと関連して、大体調査がいつごろ終わって、捜査に入るのはいつごろという見通しですか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 現在この富士見病院の事件につきましては、医師法の問題と、あと告訴されております二件の告訴事件、これは傷害事件でございますが、それにつきまして埼玉県警が鋭意、これはまさに捜査中でございます。したがいまして、それと並行いたしまして北野から事情を逐次聴取している、こういう段階でございますので、これはまだ結論を出すまでにはかなりの期間がかかる、こういうふうに考えておるわけでございます。  それから特定の政治家から事情を聞くかどうかという問題でございますが、そういうものを一切含めまして、これは私ども、当然将来それが刑罰法令に触れる行為であり、それを立証していく上に必要である、こういうことになればさようなことになろうかという、これはもう理の当然でございますから、そういうように御理解願いたいと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 いろいろ医師法違反の関係、それから告訴になっております傷害事件ですか、等々についても捜査が行われておるということで、なかなかお忙しいということはよくわかるのですが、たとえばじゃなくて、まさに富士見病院の乱診乱療のあの問題については、二年間これは捜査に要して、北野検挙というところへ踏み切るまで二年間あった。この問題については途中でいろいろ捜査の中断があったのではないかというようなことは、私ども共産党の三谷議員が十月十七日当院の地方行政委員会でも指摘しておりまして、まさにそういう中断のされた時期に合わせて北野早苗からの政治献金があったということまで指摘しておるわけなんです。これはまさに乱診乱療の方なんですけれども、二年間もかかっておるというようなことではなくて、やはり相当これは早期に結論を出していただきたいということを強く要望しておきます。  そこで先ほどもお話がありました、これは澁谷さんと同じことになるのですが、前厚生大臣の齋藤邦吉議員の問題につきましても、これまた新聞報道がいろいろあるというふうに自治省はおっしゃるのかどうかですが、これはことしの八月十三日に、大臣室で就任祝いとして北野早苗から小切手で五百万円受領した、そしてこれを現金化したということも、これは新聞報道によると齋藤邦吉氏が話をしているというふうに報道されておるんですが、こういう事実は知っておりますか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 そういうふうに報道してあったということについては、承知しております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そうしますと、これも現行の規正法の、先ほどから私が言うております二十二条の二に違反するということになりますか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 これにつきまして、また二十二条関係がどうなるかという問題につきましても、先ほど来の澁谷議員に関する御質問と同様と私ども考えております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 この齋藤邦吉氏の北野早苗からの政治献金の問題について、政治資金規正法の二十二条の二違反ということになれば、これは刑事局長にお尋ねをするのですが、御承知のように、やはり二十六条によってちゃんと罰則があるわけですね。だから、これは明らかに違反すれば刑事事件ということになるのですが、この関係についてもいろいろ捜査は、あるいは調査かもわかりませんが、しておられるんでしょうか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 繰り返しの答弁になって大変失礼でございますが、北野氏が献金した事実の全般について、私ども犯罪を構成する事実があるかどうかということについて確認をする調査を現在やっておる、こういうことで御理解願いたいと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 これは先ほどの澁谷氏の問題についてお尋ねしたのと同じようなことになろうかと思いますので、そちらに中身は譲るということであえて重ねてお尋ねはしません。  そこで、自治省にお尋ねしたいのですが、澁谷氏の場合、それから齋藤氏の場合も、規正法に基づく届け出の中に北野早苗あるいは富士見病院の名前は出てきていないんじゃないかと思うのですが、どうですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 過去に出されました収支報告書を調べてみましたけれども、御質問の氏名あるいは名称は載っておりません。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 これは、この前の当委員会あるいはきょうも午前中からこれまで引き続いての質疑の中でも、いろいろ問題にされた一つなんですが、受け取った金を百万円以下に細分化してしまうということになると、入りの方も出の方も完全にやみからやみに葬る、こういうことになってしまう。そういう点で、この改正法案は非常に不十分であり、ざる法だということを言うておるのです、この前も大臣にお尋ねしましたけれども。  そこで、これは後でもちょっとお尋ねしますけれども、そういうようなざるだという批判、あるいは私どもが批判をしております適当に百万円以下に細分化してしまえばもう規制の対象にならないんだということになってしまうのを防ぐ、大臣は、よく言えば非常に意思が強固で悪く言えばがんこになるかもしれませんが、この改正案の中でその点を検討するというようなことはなかなか言われないだろうと思うから、一歩譲って附則八条の見直しのときにこの点も検討するというようなことをお考えになりませんか。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 当然検討の対象になるだろうと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 それから、自治省に続いてお尋ねしたいのですが、澁谷氏の先ほどの献金の場合ですが、これは一歩下がっての話ですよ、北野早苗の方から五百万円の金額を後援会あるいは協和会あるいは地元の支持者というふうに分割して献金をしたというような場合でも、これは後援会とか協和会とか地元の支持者というのが、名前がそれぞれ個人あるいは団体、団体も二つに分かれておるということで、形の上は違っておるけれども実質は全く一緒だというようなことになれば、これはやはりトンネル団体ということになって、同じく二十二条の二に違反するということになるわけですね。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 いろんな団体なり個人が同一の献金者からそれぞれ献金を受けるということはあるわけでありますが、いろいろ見てみると、皆同じような政治団体であるというような話になるとこれはおかしいではないかという御趣旨であろうと思いますけれども、それがまた現行の政治資金規正法の穴くぐりの一つではないかという批判が数年来あるということも承知をしております。ただ問題は、一体それぞれの政治団体が本当に皆同じ政治団体なのかどうか、どうやって判定するのかという問題が当然残ると思います。したがって、そこまで法律がどういう手当てをすべきかという問題につきましては、先ほど大臣からお答え申し上げたような将来の一つの宿題ではあろうと思いますけれども、政治団体をどう区分けするかというのは制度面で非常にむずかしい問題ではあろうと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 それではほかのことを一ほかのことと言ってもやはり澁谷氏のことなんですが、澁谷氏が地元の支持者に五十万円ずつ分けたというふうに言うておられるのですけれども、これは公職選挙法上の寄附の禁止条項に触れるんじゃないですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 選挙法では候補者は選挙区内に寄附してはいけない、こうなっております。したがって、そういう公職選挙法上の問題もまた別途出てくるかもしれませんが、いずれにしろ先ほど来申し上げておりますように、事実関係がそういう仮定を前提としてのお話でございますれば、そういう場合にはどうだ、こういう場合にはどうだというふうなお話ではお答えをいたしかねるということでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 これは確かに新聞の報道で私は質問しておるわけですけれども、澁谷さんはこの新聞の報道に対して抗議をなさったということも聞いておりませんし、澁谷氏がそういうふうに話した、説明したというふうに報道されているわけですから、これはもう間違いのない事実だと私は思うのですよ。そうすれば、これも公職選挙法の二百四十九条の二の二項、これは「一年以下の禁錮又は十万円以下の罰金」になるわけですね。こういうような罰則の規定があるのですが、警察庁の方はどうですか、こういう点については関心は持っておられないのですか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 私どもも新聞でそういう報道がなされたことは承知しておりまして、それなりの関心を持って全体の事実関係の把握の一環として一応調査と申しますか、そういう立場からの関心を持って対処してまいっている、こういうことでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そうしますと、関心を持って調査をする、あるいは調査をしておられるのかどうか知りませんが、この件こそまさに澁谷氏の地元の支持者、そして寄附をされたとみずから言っておられる澁谷氏に対して直接事情をお聞きにならなければならぬというふうに思うのですが、そういうことも考えておられますか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 私ども、事実関係を明らかにする上で必要があれば事情をお聞きする場合もあると思いますが、いまのところ特にそういう必要があるというふうには考えておりません。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 いまのところそういう必要はないと考えておられるのですか。いまの事実関係、澁谷氏が言うておられることからすると、分けたとおっしゃるのですから、これは早速飛んでいって本当かどうかということをお確かめになるのは常識じゃないかと思うのですが、捜査の方の常識は違うんですかね。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 先生も政治家でいらっしゃいますのでお金の問題については御案内だと思いますが、大体そういう問題につきましては、通常は事務的な処理をする事務方がいろいろなことをやっておるわけでございまして、事務方から事情を聞けばおおむね事柄の真相がわかる場合が多いわけでございます。そういうことも含めて関心を持って一応事実関係はある程度明らかにしたい、こういうことを考えておるわけでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 それからこの五十万円ずつ渡したというのは、受け取った時期が昨年の九月ということになっております。ほかにもたくさんあるのですが、総選挙が十月にあったということも公知の事実ですね。だから、五十万円ずつ支持者の人に分けたということになると、これはまさに公職選挙法上の二百二十一条一項一号ですか、買収ということになるのではないかと思うのですね。これは澁谷さんがそういうふうに分けたと言っておられるのです。九月に受け取って、これは時期はもちろんわかりませんが、そういうことになると、いま言いましたように買収ということに該当するのじゃないかと思いますが、自治省どうですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 買収罪にはまた買収罪を構成するべき構成要件が法律にははっきり書いてあるわけでございますので、それもまた事実関係のいかんによろうかと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 こういう事実関係のいかんについては、自治省の方としては、調査をするとかタッチをするとか、あるいはいろいろ調べてみるということは何もなさらないのですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 選挙関係につきましても、選挙法上は選挙管理機関に対してそういった事件についての実態を調査をする権限というのは与えられておりません。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 それでは警察庁の方にお尋ねしますが、いま私が指摘したような事実、買収の疑いが出てきておるのですよ、この問題については。この関係については関心を示しているのか、関心だけではいけませんよ。調査なり捜査なりということを考えておられるのか、どちらでしょうか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 これまた繰り返しになって失礼でございますが、全般的に献金の実態を私どもの方でいろいろと現段階では調査しているわけでございまして、当然その一環として事実関係は明らかにしていかなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。ただ御指摘のように、そういう金が直ちに買収になるかどうかということになると、これはまたよほどその事実関係を明らかにしないと、軽々に私どもの立場で申し上げるわけにはまいらない、こういうふうに考えております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 それはそうですよね。だからこそ調査なり捜査をなさるんだと思うのですが、いま私が言いました公選法上の買収被疑の問題ということで調査をする意思はあるのですか、ないのですか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 個別具体的な問題について、ここで明言をもって申し上げにくいのですが、全体として、私どもとしてはやはり事実関係を明らかにし、その中で刑罰法令に触れる行為があり、それについて私どもとして当然対処すべき問題であると考えれば、これは対処するわけでございます。そういうふうに御理解願いたいと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 いや、何も私は捜査の指揮をとって、こうだああだというようなつもりで言うておるわけじゃないのですが、一応事実関係を法律に当てはめて考えてみると、こういうようなことが考えられるわけです。そうしましたら、先ほど来中平刑事局長が言っておられるのですが、ほかにも富士見病院の問題については捜査しておるけれども、献金の問題についても調査をしておると言っておられるのですね。その調査の中には、いま私が指摘したような公選法上の買収の問題も含めてやっておられるのか、あるいはそれも含めてやる意思があるのか、そんなものは知らぬということなのか、どちらですか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 私ども、幅広く事実関係を把握いたしまして、その中で犯罪を構成する事実があり、しかもそれについてはやはり警察として対処すべき問題であるとすれば、当然措置をしてまいる、こういうことでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そういう漠然とした話ではなくて、いま私が幾つか指摘した公選法上の問題についても考えていくのかいかないのか、そこのところを聞いているのです。だから、全般的にそういう法に触れるようなところがあれば、そのときにはということの中には、いま私が言うたようなことも考えていくのかいかないのか、あるいはそういう点についても関心を持っていくのかどうか、こういう点はどうですか。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 事実関係を十分に把握いたしまして、刑罰法令に触れ、私どもとして対処すべき問題であるとすれば、当然それなりの対応をしてまいる、こういうことでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 くどいようですが、いま私が指摘したようなことは全く考慮しないのか、そういうことも当然考慮の中、対処していく中に入るのかどうかということを聞いているのですよ。

中平和水警察庁刑事局長

○中平政府委員 先ほど来申し上げておりますように、幅広く事実関係をとらえるということは、そういうことも含めて一応、何と言いますか、事実関係の把握に努めてまいっておる、しかしそういう中で、刑罰法令に触れる行為が仮に出てまいった段階でも、さらにそれが警察として当然処理をすべき問題であるかどうか、こういう問題を十分に検討いたしまして、それなりの適切な対処をしてまいりたい、こういうことでございます。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 いまおっしゃった前段のところをもっと早くおっしゃれば、こんなにあれこれ質問しなくても済んだんですよ。  そこで、これは法務省、この前お尋ねしましたから詳しいことは言いませんが、齋藤邦吉前厚生大臣外四名の自民党議員が、環境衛生法一部改正問題について、全美環連の幹部一人とともに告訴された事件ですね。これは、この前は、まだ捜査に着手していないということで、それ以外のことは地検の方がやっておるので、わしゃ知らぬというようなあれでしたが、それ以後、いつごろ着手するのか、あるいはあれからいままでの間に着手したのかという点、お聞きになりましたか。

井嶋一友法務省刑事局刑事課長

○井嶋説明員 前回も御説明申し上げましたが、御指摘の告訴事件は、美容師等十四名から十月二十三日に東京地検に告発状が提出されましたので、内部で所要の受理の手続を最近終えました段階でございます。したがいまして、近いうちに捜査が始まるというふうに御理解いただいて結構かと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 近いうちに始まる。そういう場合には齋藤邦吉氏からも事情を聞くことになるかどうかという点は未定ですか。

井嶋一友法務省刑事局刑事課長

○井嶋説明員 先ほど来、別の問題で御議論がございましたように、私どもの方でこれから着手する捜査の具体的な方針でありますとか手順でありますとか、あるいは見通しといったものにつきましては、捜査の進展に差しさわりがございますので、こういう席では申し上げられないということが従来の立場でございます。御了承願いたいと思います。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 それじゃ、ほかのことをお尋ねしますが、これは大臣にお尋ねしたいのですが、附則八条の問題について、先回当委員会で大臣は附則八条の力点は承知しているというふうに答弁をなさったのですが、その力点はどういうところにあるというふうに承知しておられるのでしょうか。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 附則第八条に書いてありますとおり、「新法の施行状況を勘案し、政治資金の個人による拠出を一層強化するための方途及び会社、労働組合その他の団体が拠出する政治資金のあり方について、更に検討」するようにと書いておりますところによりますと、やはりそういうところに重点を置いてという趣旨であろうと理解いたしております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 いま大臣は、第八条をほとんど全文お読みになったんですよ。これが力点だとおっしゃったのでは話はちっとも見えないんですよ。第八条の中の力点なんですよ、力点というのは。これ全部が力点だったら、附則八条の力点は承知しておりますというような話は出てこないんですよ。この中のどれかが力点だというふうに大臣は理解しておられるからそういう答弁をなさったと思うんですよ。それを全文お読みになって、これが力点だと言ったって答弁にならぬじゃないですか。どこに力点を置いてこれを考えておられるのかということなのです。先ほどから、見直しはもう来年の一月だからちゃんとやりますというふうに言っておられるのですが、どこに力点を置いて見直しをされるのか、これをお尋ねしているんですよ。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 かつての私の御答弁があるいは不十分だったかもしれません。しかしながら、再度申し上げますけれども、第八条に挙げてありますことには、これを重要視し、これを簡略に考えていいというような差等はついていないように思いますので、ここに挙げてありますこと全部を重点として検討してまいらなければいかぬものと考えております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 この前の大臣の答弁は、政治資金全体について見直すべきものと考えておるけれども力点は承知しておる、こういう話なんですよ。そうしたら力点というのはこの中のどこかが力点だということにならなければおかしいんですよ。この附則八条ができて、五十年の規正法の改正ですね、このときの経過をもちろん御承知だと思うのですが、これはロッキード事件の反省から企業献金に対する批判が高まって、だから政治浄化の趣旨から個人献金を強化していくというような趣旨でこれができたと思うんですよ。三木総理もそのとき、これはその言葉どおりかどうかは自信はないのですが、個人献金奨励、これが趣旨だというような発言もしておられるわけなんですね。そうすると、その辺のところが、もちろん中にも書いてありますけれども、「政治資金の個人による拠出を一層強化するための方途」、「及び」もありますけれども、それを検討する、こういうことになっておるわけですから、やはりこれまでもいろいろ議論がありましたけれども、個人献金を強化するというのが力点、そういうふうに私どもはその経過からしても理解しておるのですが、どうでしょう。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 お話のとおり、あるいはそういうことを考えて立法されたのかもしれませんけれども、午前中塩崎委員、塩崎委員じゃありません、その他の委員の方であったかもしれませんけれども、きょうの御質問にお答え申し上げましたとおり、附則第八条がついておりますことは、すなわち五十年の改正が、これを是としてやったには違いないけれども、これでもうずっと先々まで間違いないものという確信を持っておつくりになった法律でもないように思います、と。したがって、第八条それ自体も、なるほど「政治資金の個人による拠出を一層強化するための方途」云々と書いてはおりますけれども、そこもあるいは、あるいはですよ、錯誤であったかもしれぬと考えていいのではなかろうか。もちろんこれは重大な問題でありまして、私個人がどうこう言える問題でもありませんし、また政府が先走る問題でもありません。いわんやまだ満五年は今日経過いたしておりません。余り先走らないように、各方面の御意見も十分拝聴した上で政府としての考え方をまとめてまいりたい、かように考えております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 別に先走っているわけじゃないのですけれども、もう十一月ですからね。来年の一月ならすぐ目の前ですよ。だからしっかりと、しかと大臣の基本的な見直しについての姿勢をお尋ねしておるわけなんですよ。  ちょっと観点を変えてお尋ねいたしますが、個人の政治献金についての租税特別措置法、御存じだと思うのですが、その四十一条の十五というのにあるのですが、五十年の規正法改正のときに設けられたわけなんですよ。個人の政治献金に対して租税課税上、優遇措置をとるというものです。これが五年間延長されております。延長された趣旨、これは、どういうところにあるとお考えですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○大林政府委員 租税特別措置法の特例は、政治資金規正法の五十年改正と同時に行われたものでありまして、その趣旨は、やはり個人献金の奨励策ということでございます。今後なお個人献金を奨励していこうという法律の趣旨は、今後も続いておると理解しておりますので、そのために五年間の期限で済ますことなく、さらに延長したものと考えております。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 そうなると、大臣、やはりそういう個人献金を奨励するという趣旨でそういう租税の特別措置もとられて延長されているのです。ことしの三月だそうですね。そうなると、やはり基本的な方向としては、そういう個人献金を奨励する、強化する、そういうような方向を基本的に考えて見直しをされるべきではなかろうかと思うのですが、どうでしょう。

石破二朗自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長

○石破国務大臣 附則第八条によりましても、御指摘のとおり個人献金の強化ということをうたっておるように思いまするし、さらにその他の関係法令等の改正におきましても、個人献金の強化という方向を是としておるように思いますけれども、一概に企業献金を悪ときめつけて政治資金の見直しをするというわけにもまいりますまい、かように考える次第であります。

安藤巖日本共産党

○安藤委員 時間が来ましたから、これでもう終わりますけれども、やはり企業献金が、もちろん悪でないものもあろうかとは思いますよ。思いますが、企業、私どもは、団体も含めて禁止すべきだという考え方なのですが、それはこの前も申し上げたのですが、企業なり団体なりのいろいろな制度上、あるいはその他の補助金か何か知りませんが、等々の利益を得ようというような思惑、これがどうしても働いて、そうして税政連のような、ああいう法案を買収したというような、マスコミあるいは国民から批判を受ける、こういうような方向に道が開きやすいのですよ。あるいはまた、もともとそういうような意図があってなされている場合が非常に多い。だから、そういう意味で企業、団体からの政治献金はやはり禁止するという方向で考えていくべきだ。さしあたっては、この附則第八条に書いてありますように、個人献金を強化する、こういう方向で考えていくべきだと思うのです。ところが、大臣はだんだん、個人献金強化というのも間違っておったんじゃないか、錯誤だったのかもしれぬじゃないか、だからそういうことも含めてもう一遍検討し直すというようなことですが、先ほどから私が言っておりますような附則八条のできた経過からしましても、これは個人献金を強化する、こういう方向だと思います。  だから、そういう方向で見直しの御努力をお願いをしたいということを要望しまして、私の質問を終わります。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時四十一分散会

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