交通安全対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 255 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/11/26
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 この際、請願取り下げの件についてお諮りいたします。 本委員会に付託されております請願中、第一七五六号、交通事故管理士法制定に関する請願につきまして、去る十二日、紹介議員田中伊三次君から取り下げの願いが提出されております。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ―――――――――――――
○田中委員長 この際、御報告申し上げます。 本委員会に付託されております交通遺児対策等に関する請願の取り扱いにつきましては、先ほどの理事会において協議いたしましたが、委員会での採否の決定は保留することとなりましたので、さよう御了承願います。 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、交通事故死の絶滅に関する陳情書外一件であります。念のために申し添えます。 ――――◇―――――
○田中委員長 次に、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。 交通安全対策に関する件につきまして、閉会中もなお審査を行いたい旨、議長に申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中審査におきまして、参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。 閉会中審査案件が付託になり、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、その派遣地、派遣期間、派遣委員の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――◇―――――
○田中委員長 次に、交通安全対策に関する件について調査を進めます。 この際、ニアミスの発生状況と対策について、松本運輸省航空局長から発言を求められておりますので、これを許します。松本航空局長。
○松本(操)政府委員 ニアミスの問題につきまして、ついせんだっても新聞紙上で報道されましたので、この際、お許しを得まして、ニアミスに関連いたします概況、対策等について包括的な御報告をさせていただきたいと思います。 御案内のように、去る昭和四十六年の七月、雫石事故が発生をいたしましたことにかんがみまして、航空路とこの航空路の周辺、あるいはこれを横断して飛行いたします飛行との間に分離を図るということを、まず緊急対策要綱をもって打ち出しました。これをもとにいたしまして訓練空域、これは自衛隊及び民間を問わずでございますが、訓練空域と航空路の分離をいたしました。さらに、特別管制空域と申しまして、有視界飛行方式で飛んでおる飛行機でありましても、その空域の中では特段に管制を受けなければならないように措置をする空域の拡充を図るとか、あるいは運輸省と自衛隊との間におきます航空業務上の取り決めを改定するとか、そういった緊急の措置をとったわけでございます。 さらに昭和五十年には航空法の改正を国会にお諮りいたして、これが成立いたしましたことによりまして、操縦者の見張り義務というものをはっきりと航空法の中に入れたわけでございます。さらにまた、管制圏の中におきます通過飛行を原則として禁止をいたしますとか、あるいは高度が一定の高さ以上の空域で、管制区、管制圏であって、運輸大臣が告示で指定をいたしました空域の中を飛ぶ飛行機に対しましては、原則として二次レーダーの反射器をつけさせるというふうな措置を講じますとか、あるいは管制圏及び管制区のうち、一定の高度以下の空域については航空機の速度を制限をいたしまして、ジェット機とプロペラ機との間に無用の摩擦が起こらないようにするとか、こういうふうな措置をとったわけでございます。さらに、航空法の改正におきまして、機長に対し異常接近に係る報告の義務づけをいたしました。これは機長が運航中相手機との間に異常に接近をしたというふうな感じを受けましたときにはこれを報告をするという制度でございます。 この制度によりまして、昭和五十年から五十四年までの五年間にいわゆる機長報告という形で出てまいりました数字は合計七十四件でございました。これらの七十四件につきまして、私どもとしては逐一実態について詳細な調査をしたわけでございます。その結果、現実に空中衝突等のおそれがあったのではないか、さらに具体的に申し上げますならば、非常に接近して交差をいたしましたために、ほとんど回避動作をする暇がなかったというふうな場合、あるいは相手機を発見して回避操作をとったものの十分な回避をし切れないまま至近距離ですれ違った、こういったようなものにつきましては、まさに本当の異常接近であるというふうな判断をいたしまして、これらについてはその都度公にしてまいったわけでございますが、ちなみにその数字を申し上げますと、暦年でございますが、五十年におきましては、二十三件の機長報告に対し、そのようなものは幸いにしてございませんでした。五十一年は十五件の報告中二件がこれに該当し、五十二年は十三件中一件が該当し、五十三年は十七件中三件が該当し、五十四年はやや報告件数が減ったわけでございますが、六件中一件がこれに該当するという状態でございました。本年になりましてから十一件の報告が出されておりますが、これらのうち一件につきましては、いま申し上げましたように空中衝突のおそれがあったものとして公表しておりますが、なお現在調査中のものが二、三件あるわけでございまして、これらも明らかになり次第、原因その他を付して公にすることにいたしております。 このような異常接近は幸いにしてふえるという形は必ずしもとっていないわけでございますけれども、しかし、御案内のように場合によっては現実に空中衝突のおそれがあるわけでございますので、その都度原因を究明し、関係機関に対し注意を喚起してまいっておるわけでございますが、さらに抜本的な対策といたしまして、施設の整備あるいは運用面での技術の向上、こういうふうな措置をとってきておるわけでございます。 たとえば施設面の改善といたしましては、従来航空路を飛びます航空機につきましては、管制官が無線でパイロットと話をしながらその飛行機の高さ、方向あるいは何時何分にどこを通過するというふうなことを聞き取りまして、これをもとに管制ストリップというものを使って管制をしておったわけでございますが、これを航空路監視レーダーを用いまして、現実に飛行機の機影をレーダーのスコープの上で見ながら確実に管制ができるようにしていくということに踏み切ったわけでございます。その結果、従来は箱根とそれから九州北部の三郡山の二カ所にしかございませんでした航空路監視レーダーが、現在、関東地方の山田、沖繩の八重岳、宮城県の上品山、函館の北側の横津岳、近畿地方の三国岳、九州南部の加世田、中部地方の岡崎に整備をされました。これらの航空路監視レーダーによる覆域がほとんど全国をカバーするところまで至っております。しかしながら、これらは機械施設でございますので、万が一の場合に故障して動かないというふうな場合には飛行機をレーダーで見ることができなくなりますことから、二重覆域と私ども言っておりますけれども、一つのレーダーが落ちてももう一個のレーダーで必ずこれをカバーできるようにするというふうなことを念頭に、新潟の近辺あるいは沖繩県の宮古島さらには四国、こういうところに二重覆域のためのレーダーの設置を鋭意進めているところでございます。 さらに、従来のレーダーは飛行機の映像をただ単にスコープ上に示すだけでございましたが、これをコンピューターで処理をいたしまして、飛行機の映像だけでなくてこれにたとえば日本航空の何便で高さが幾らである、あるいはスピードが幾らであるというふうなことを数字とアルファベットをもってスコープの上に表示できる、つまり私どもが言うところの目で読む管制ができるというふうな形に整備を進めてまいっておるわけでございます。 さらに、管制をいたします根本は、計器飛行方式で飛びます飛行機が出す飛行計画にあるわけでございますが、この飛行計画も、従来人手で処理をしておりましたものを、同じくコンピューターで処理をさせるというふうなことをしておるわけでございます。 さらに、空港には空港の周辺五十ないし六十マイル、九十キロから百キロぐらいの範囲を管制いたしますためのレーダーがあるわけでございますが、このレーダーも従来使っておりますものは飛行機の映像が二本の線になって見えるだけでございます。これをやはりコンピューター処理をいたします、私どもARTSと呼んでおりますが、こういうふうなものを五十一年から東京、大阪の両空港に採用いたしました。さらに、成田につきましては五十六年度から運用開始ということで、目下整備を進めておるわけでございます。 このようなことによりまして、レーダーによる管制というのはかなり徹底をしてまいりました。これによります利点といたしましては、管制官の方がわりあいにゆとりを持って管制ができるというふうなことと、それから同じ空域の中に安全度を高めたままでより多くの飛行機を入れることができる、つまり効率的な管制ができるというふうなことであろうかと思います。 しかし、これらの異常接近報告を見ておりますと、いわゆる管制官のうっかりミスあるいはぽかミス、私どもこういうふうに内部で呼びならわしておりますが、ちょっとしたことからついうっかり見逃してしまう、それである高度で飛んでおります飛行機の目の前を別の飛行機を上昇させてしまうというふうなことが、年に一回か二回ぐらいないわけではございません。 こういうふうなものを防止いたしますためには二つの方法があろうかと思っております。一つは、管制官に対して注意義務を強化していくと同時に、ダブルウォッチと申しましょうか、直接レーダーを見ております管制官のほかに副主任のようなものを配置いたしまして、これが後ろから随時見ておる。何かぐあいが悪いのではないかというふうなときにはそれを指示してやるというふうなことが一つでございます。これは制度的に定着させる方向で目下鋭意進めておるわけでございます。もう一つは、設備そのものを改良いたしまして、せっかくコンピューターを使っておるわけでございますので、それを使ってある一定の距離の中に二台の飛行機が入ってまいりました場合には、レーダーの上で警告を発するようにする、こういうふうな装置でございます。これも五十三、五十四の二カ年間にわたりまして開発を終わりまして、目下試験運用に入った段階でございます。 以上申し上げましたような措置を、一つの方法ですべてのニアミスを防止できるというわけにもなかなかまいりませんので、人的な面あるいは施設的な面、両々相まってこのニアミスの危険をあくまで減らしていくということのために、私どもせっかく努力をしているつもりでございます。今後とも、飛行機の大型化、高速化あるいは航空路の複雑化というふうなことは進んでまいるわけでございますので、それに対処してニアミスというものが起こらないような抜本的な対策というものを私どもとして鋭意努力をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。 以上、簡単でございましたが、最近におきますニアミスの状況及びこれに対しまして私どもとしてどのような対応をしておるかということの概況を御説明申し上げて、御報告にかえさせていただきます。ありがとうございました。
○田中委員長 これより質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木強君。
○鈴木(強)委員 お許しをいただきまして、私は第一に富士山の登山道の安全対策、第二に中央線甲府駅の近代化問題、第三に中央高速自動車道の未開通部分の工事促進の状況について、最後に東富士有料道路の問題、この四つについて質問いたします。 まず第一の富士登山道の安全対策の問題でございますが、御承知のようにあそこには県営の富士上吉田線それからもう一つは富士精進湖線、こういうものがございます。もちろん五合目までは、皆さん御承知のスバルラインが有料で建設をされております。この問題を私がこの委員会で取り上げますのは、皆さんも御承知のように本年の八月十四日午後一時過ぎ、富士山の九合目に久須志岳というのがございますが、その久須志岳が崩壊をいたしまして、直径約一メートルくらいの大小の石が五十ないし六十個くらい落下をいたしました。たまたま八合目下の大渡しという付近と六合目付近の二カ所を下山中の登山者にこれが当たりまして、不幸にして十二名の死亡者、三十一名の負傷者を出すという事件が発生いたしたのでございます。この事件の発生後地元の山梨県は総力を挙げて救急作業を行うとともに、当面する安全対策等についても、全力を尽くして万全の措置をとってきておることは御承知のとおりでございます。幸い国におきましても、厚生省を初め建設省その他いろいろと御配意をいただいたことにつきましては、私からも深く感謝を申し上げるわけでございますが、何せ富士山というのは富士箱根伊豆国立公園の地域になっておりますし、霊峰富士は世界的にも有名な山でございまして、ここには毎年約五十万人近い登山者が登っておるのでございます。したがいまして、今回の事故を契機にいたしまして、非常に残念でございましたが、再びこういうことの起こらないように万全な対策をとっていただきたい、そういうことで私はきょうこの問題を取り上げたのでございます。 そこで、率直に言いまして富士山全体の姿を見ましても、八合目以上は御承知のような最高裁の判決によりまして浅間神社の所有地になっておる。しかし昭和四十九年の判決以来六年間の年月が過ぎておりますが、登記はされておらない。したがって、国有財産として今日これが継続されておると思います。約一万一千五百十一坪は国有地として存置するということが判決の中にございますが、百二十一万四千五百十七坪は神社所有地になるということになっておるわけでございます。したがって、静岡県と山梨県との県境、八合目以上の未登記の部分の問題がありまして、これは一体八合目以上の所管はどこになっておるのかということもはっきりしておらないのです。法的には、今日国有財産である以上は、大蔵省が管轄をしているとすれば国の管轄に所属するものだと私は思いますが、そういうわけでこれはいろいろな対策を立てる場合にもなかなかむずかしい面がございます。幸い山梨県側におきまして富士山安全登山対策委員会というものを設置をいたしまして、この中には環境庁、国土庁、建設省、林野庁あるいは警察庁その他それぞれの皆さんもお入りをいただいて、今後の対策についてはいろいろと検討していただいておりまして、近く第二回目の会議が開かれるようにも聞いておるわけでございます。 そこで、これはどこへ伺っていいのかよくわからないのでございますけれども、国土庁が総体的な調整をする立場にありますから国土庁を中心に伺いたいと思っておりますが、その前にまず第一番に大蔵省にちょっとお伺いしておきたいのは、四十九年に判決が出まして以来約六年になりますが、どうして登記がしてないのでしょうか、その理由は何なのか、この点を最初にお答えください。
○高橋説明員 お答え申し上げます。 先生いま御指摘の昭和四十九年の判決によりまして富士山山頂八合目以上の国有地のうち大部分の土地について浅間神社に譲与すべきものであるという判決をいただいておりますので、大蔵省としては当然その判決に従って譲与すべきものと考えております。 ただ、御案内のように山頂部分におきまして山梨、静岡両県の県境が未確定のために譲与すべき土地の面積とか位置が画定できないで登記ができない状況でございますので、保存登記それから所有権の移転登記をして譲与することになりますけれども、その登記ができないために譲与の手続がおくれているという状況でございます。五十一年当時に浅間神社の方と地元の財産管理者である財務局とで話し合いをしまして、そういう状況であるということは先方に連絡をいたしております。 そういう状況でございます。
○鈴木(強)委員 判決の後、東海財務局が玉野測量設計株式会社に委託しまして測量を実施してございますね。一応図面というものはあるはずなんですよ。ですから、静岡県側か山梨県側かよくわからぬ、しかしいずれにしても八合目以上は既存の国有地を除いて全部神社の所有権に移るべきだ、譲与すべきであるということになっておるわけですから、八合目以上の静岡県と山梨県側の県境がどうなのかということについてはかなりこれはやればできることでございますし、それから八合目以上の問題につきましては測量をして、特にこの判決の中に示されておりますような既存の国有地の分を除くわけですから、それも具体的にここに面積も書いてありまして、環境庁、運輸省、気象庁、日本電信電話公社、道路関係を除いたものでございますから、そういうことはあれでしょうか、国は敗訴したわけですね、神社が勝訴したわけですから、お互いに積極的に協力し合ってなるべく早く判決に基づく登記を完了するというのがたてまえでございましょう。ですから、ああいう高地でございますからなかなかわれわれが考えるように簡単にいかないことはわかりますが、どうもいまの御答弁ですと、じゃいつになったら登記ができるのかさっぱりわからぬ。結局、国有地としてずっと存続をしていくわけにはいかないけれども、いつになるかわからぬというように聞くのですけれども、それじゃちょっと私納得できないわけでして、できるだけ国有地にしておいた方が得だという考え方なんですか。神社の方でも、勝訴してみたけれども管理その他大変問題があって手がつかぬというような気持ちがあるのかどうなのか、その辺はどう判断するのですか。法律的に問題の解決を促進していくというたてまえが根本になければおかしいんじゃないですか。どういうところでできないのか、その理由をもう少し聞かしてください。
○高橋説明員 先生のおっしゃるとおりだと思います。大蔵省も譲与する方針でいるんですけれども、山梨県サイドと静岡県サイドで登記所が違いまして、山梨県部分、位置どこ、面積何平方メートルということで登記をしなければならないわけです。全体の譲与すべき面積は裁判で決まっているんですけれども、山梨県サイド面積どのくらい、静岡県サイド面積どのくらいということが画定できないので登記ができないということで、登記ができる状態になるのを待っているという状況でいままで推移をしてきたわけでございます。別に譲与をし惜しんでいるとかということでは決してございませんので、御理解いただきたいと思います。
○鈴木(強)委員 それでは山梨県側、静岡県側がよくわからぬとおっしゃるわけですね。ですからもともと無地籍といいますか、地籍がないわけです。それでは、これをどういうふうにして登記に持っていこうとするのか、そういう方針はお持ちでしょう。大体いつごろをめどにしてやるとかそういうこともないわけですか。
○高橋説明員 何度も申し上げるようですが、県境が画定すると面積が画定できますので登記できる状態になるわけです。その県境の画定をいままで待っていたという状況でございます。
○鈴木(強)委員 県境の画定はではどこでやるんですか。
○高橋説明員 基本的には両県の話し合いで決めるべきものと思います。
○鈴木(強)委員 山梨県側にしても静岡県側にしても、従来ここが県境だというおおよその地点というのはあったと思うのですね。ですから、これはそれが全然なくてこれからどう決めるかということじゃないでしょう。
○高橋説明員 いや、そうだと思います。
○鈴木(強)委員 だったら、それに対して山梨県側、静岡県側としてはいままでどういうふうにやってきたのか、その点の把握は大蔵省としてしておりますか。
○高橋説明員 県境画定についての両県の話し合いの状況についてはフォローしておりません。
○鈴木(強)委員 このことは、遷延して判決が覆り、国有地に残っていくということであれば別ですけれども、最高裁の判決が出た以上はこれを揺るがすことはできないのですよ。そうであればもっと大蔵省も積極的に指導をして、では両県においてはどことどこが国有地なんだ、登記所においての手続はどうするとか、それは県は県としておやりになるでしょうけれども、われわれとしては、八合目以上はだれが管理監督をしているのか。本来であれば浅間神社の社有地になっておるにもかかわらず登記がないためにまだ国有地になっている。その国有地で今回この事件が起きた。そうなりましても、将来いつごろ登記ができて社有地になるのか、そういうこともこれからの安全対策をやる場合の基本的な問題に関連してくるのです。そうでしょう。本来もっと早く登記をしておけば正直言って国は関係ないでしょう。そうでしょう。まあ関係ないと言うとあれですが、いろいろな意味において安全対策については国に協力してもらわなければならないけれども、直接的な地籍というのはこれは神社地なんですから、そういう点からいってもこれは速やかに解決すべきですよ。こんな優柔不断なことでは私は納得できないですね。帰ってちゃんと大臣とも相談してやってください。
○高橋説明員 両県とも、県境の画定についてはよく相談をして、できるだけ早くに譲与できるように努力させていただきたいと思います。
○鈴木(強)委員 それでは、それまでは国有地として存続していくわけでございます。 次に、環境庁にお伺いしたいのですが、環境庁としては、国立公園としていろいろと制限その他についての権限をお持ちであると思うのですが、この久須志岳というところが崩壊をしておるわけです。これは、これから一番大事な問題で、何といってもその崩壊を食いとめるという基本的な施策、対策を立てなければ、絶対この安全は守れないわけでございます。したがって、崩れ行くこの久須志岳、また南の方には大沢崩れがございまして、かつて私も何回か委員会でも追及いたしましたが、富士山の山が変わる、どうするのだという大変な国民からの不安も出てきたことも御承知のとおりです。林野庁、建設省が、これはもう大変な難工事ですけれども、英知を集めていろいろと御配意をいただいて、特に建設省関係は下の部分から逐次やっていただいているのですが、何せ一年間に丸ビルの八割か九割ぐらいの土砂が落ちてくるわけですから非常に大変なことなんですけれども、それでも努力を尽くしてやってくれている。ですから、富士山の原形を、自然を守っていくということは、やはりこれは環境庁としては大事な職責ではないでしょうか。ですから、この久須志岳の崩壊をどう食いとめるかということに対して、環境庁としてはどういうふうな考え方を持っておられるのか、これを聞きたいのです。
○高峯説明員 先生がおっしゃいますように、富士山の原形をとどめておくというのは、一つの景観の保持という意味で非常に重要なことだとも考えております。しかしながら、自然に改変を加えないで自然を保護していくという考え方、これが理想でございますが、そういう形で自然の姿も崩壊しないというようなことであれば非常に結構だと思うのですが、いまおっしゃいました久須志岳のような問題、これは一つは安全の問題もございますし、それから景観の保持の問題もございます。ただ、この崩落ないし崩壊を防止する、そのための技術と申しますか、どのような、どの程度の措置をすれば崩壊が防げるか、原形を維持できるかというような問題が、これはもう少し技術的なり具体的なり、内容が固まってまいりました段階でございませんと、自然景観の保持という観点から、私どもとしてはまだ結論を出しかねる。いたずらに、崩壊を防止するためにかえって周辺の景観を阻害するというようなことになりましても、これまた国民の象徴的な山でございますので、国民の方々いろいろな御意見があるかと思います。したがいまして、具体的な措置なり内容が固まった段階で、私どもとしても関心を持ちまして判断をしていきたいと考えております。
○鈴木(強)委員 これは、後の方のことはまた次に質問するのですが、環境庁の基本的な考え方としては、自然を保護していくというのが基本ですね。そうすると、あなたの方は、久須志岳が自然に崩壊をしていく、それはやむを得ないのだ、大沢崩れがどんどんどんどんしてもこれはやむを得ないのだ、要するに自然の姿というものをそのまま保存していけばいいのだ、こういう考え方なんですか。
○高峯説明員 そのような趣旨で申し上げたわけではございませんで、自然が崩壊していくその規模でございますね。その規模のいかんによって変わってくると思います。そういった観点から総合的に判断をいたしたいと考えております。
○鈴木(強)委員 それはわかりました。したがって、やはりいまの富士山の姿を永遠にこれを保存していきたい、これはもう世界の全国民が願うでしょうし、日本国民はもちろんそれを願っているわけです。ところが、大沢崩れのような、形が変わるような状態が出ておりまして、これを人力によって何とか防げるものは何としても防ぎたいということで、国も力を入れてくれているわけですね。したがって、久須志岳の問題についても、この状態を長くそのままにしておきたいということについてはそのとおりだとおっしゃるわけだ。ただ、あなたがおっしゃるように、たとえばあそこに防御のためのさくをやるとか、コンクリートパイルを入れて崩壊を防ぐとかいうようなことが逆に自然を損ねるということになっては困るということだと思うんですよ。それは一つの兼ね合いでございますから、少なくともパイルをやって、それが富士山の形を変えるとかなんとかいうことになれば別ですけれども、これから学術的に研究をしていただいて、山梨大学の浜野教授も委員の中に入っていただいているようですから、専門的な研究をしていただいておりますから、これが人力によって防げるか防げないか、こういうことは今後の問題になるわけです。仮に、これがあらゆる工法を尽くして防げるという結論が出た場合には、環境庁としてその防ぐ方法というものが、美観を損するか、損せないかの論議は恐らくやられるでしょう。そのことに対して私は言いませんけれども、しかし考え方としては、安全対策の面も絡んできますし、自然保護の面も出てくるわけですから、そう余りしゃくし定規のことを言って、下の青木ケ原の電柱には普通の白ではいかぬ、それを松の木と同じように赤に塗りなさいというようなこともやられてやっておりますよ、あなたの方が言うから。そう一々小さいことというと語弊があるかもしれませんけれども、そういうところまで久須志岳に持ってこられては困るわけで、そういうために、私は念のためにいまあなたの意見を聞いているわけですよ。その点はどうですか。
○高峯説明員 お考えとしては、私どももそのお考えには反対はいたしておりませんが、何分仮定の問題につきまして、いま余りはっきりしたことを申し上げるわけにもまいりませんので、先生おっしゃったような御意見を私どもとしては踏まえて、将来技術的なり具体的な措置の内容が決まった段階で対処してまいりたいと考えております。
○鈴木(強)委員 ぜひひとつそういう御配意をいただきながら、一緒に検討していただきたいと思います。 それから国土庁にお伺いしますけれども、ここは国有地であって、国の行政財産になっていると思うのですけれども、この中には林野庁とかあるいは建設省とか、恐らく建設省でないと思いますが、林野庁関係の管理しているというものは全然ないわけですか。これは国土庁か、大蔵省か、どっちかな。
○城野説明員 具体的にどういう場所をおっしゃっておられるのかよくわからぬわけでございますが、久須志岳の周辺ということに限って申しますと、林野庁所管の部分はないというふうに考えております。
○鈴木(強)委員 失礼しました。八合目以上です。森林限界以上に恐らく八合目以上はなっていると思いますから、大蔵省が全部管理しておって、各省に管理を任しているというところはないのじゃないかと思いますが、その点……。
○高橋説明員 お答えします。 八合目以上の国有地はすべて大蔵省所管の一般会計所属の普通財産でございます。
○鈴木(強)委員 わかりました。ただし、さっきちょっと述べました環境庁、運輸省、気象庁関係、道路関係ですね、こういうものは当然各省の管理になっているわけですね。
○高橋説明員 はい。
○鈴木(強)委員 それで、きょう私がここで一番お願いしたかったのは、委員会もつくられておりますし、ぜひこの委員会が英知を集めて、御苦労でございますが、ひとつ最善の検討を加えて、いい結論を出し、そして何とかこの久須志岳の自然崩壊を防止するようなことが人工的にできないかどうなのか。できるように、ひとつ最善の努力をしていただいて、御協力をいただきたい。山梨県側におきましても、もうそれは頭痛の種なのです。一生懸命知事以下やっておりますけれども、ぜひひとつ国におきましても、総力を挙げてひとつ一緒になってこの問題の解決に努力してほしいと思うのです。 それから、建設省の方にお願いしたいのは、県道地域になっておりまして、吉田大沢の中に一部県道がちょっとかかっているようなところもあるように伺いますが、その辺を含めまして、県道のことですからいろいろ問題は県にございますけれども、また補助金等出すような方法もあるわけでありますので、ああいうところだけにひとつぜひできるだけの協力をして差し上げていただいて、そして安全対策をしていただくように、地元の方でも下山道をどうするか、そういったふうなことにつきましてもいま鋭意検討を進めているようでございますので、ここでどうということはできませんが、いずれにしても再びああいう事件が起きないような、そういう安全対策というものを確立していただくようにお願いしたいわけです。このことについては国土庁が窓口になっていただいているようでございますから、それから建設省の方から伺いたいと思います。
○吉越説明員 先生のお話にございます現在の登山道は県道富士上吉田線ということに相なっておりまして、この安全対策につきましては、御案内のとおり、現在、山梨県富士山安全登山対策委員会において検討中でございまして、その結論を待っているという状況でございます。それで、その結論に従いまして諸種の検討を各関係省庁と打ち合わせをして進めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○城野説明員 先生御案内のとおり、富士山の国民的な登山という現状にかんがみまして、安全対策は万全を期すべきであるということから、山梨県におきまして設置されました安全対策委員会に国の各省庁に入っていただきまして、これは相当異例なことだと思いますけれども入っていただきまして、現在鋭意検討中でございます。 その中で短期的な対策と長期的な対策と分けまして、短期的な対策としましては、登山道の整備、注意標識、指導標識の増設、それから救急医療体制の充実、安全登山の指導強化、教育、啓蒙というようなことを中心にやっておりますし、長期的な視野に立ったものといたしましては、先ほどお話がございました久須志岳の崩落防止対災の検討もしくは治山事業の導入の検討、さらには先ほどお話が出ておりました事故を起こしました下山道の検討ということになろうかというふうに考えておる次第でございます。各省庁とも課長レベルの方々に入っていただいて、県の方は部長、局長という方々に入っていただいて検討を進めておるわけでございますが、結論が得られたものから順次実施に移す、その際、各省の御協力を強力に要請してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○鈴木(強)委員 よくわかりました。重ねてぜひともこの委員会を通じましていい結論を出していただき、そして安全対策が守られ、富士山がいまの美しい姿をいつまでもいつまでも後世に伝えることができますように、ぜひひとつ積極的な国からの御協力を重ねてお願いをいたして、これを終わります。 次に、中央線の甲府駅の近代化の問題でございますが、この問題ももう十年近くいろいろと論議をしてまいった問題でございますが、たまたま昭和六十一年に山梨国体が開会されることになりました。県庁所在地としてはまず日本一老朽化した駅舎ではないかと私は思うのでございます。国鉄財政が非常に困難な中で申し上げるのは私どもも恐縮には存じますが、しかしぜひこの際六十一年国体前にりっぱな駅舎をつくっていただいて、交通安全の面からも、いま身延線のホームは離れたところにございまして、列車の接続等で時間がなくて荷物を持って大急ぎで飛んでいって高架の階段で倒れるような、けがをするような人もあるわけです。そういう面におきましてもぜひひとつ早く新駅舎にしていただくようにお願いしたいのでありますが、これは地元との関係もありますし、地元負担もかなりあるようでございますので大変なことでありますが、現在の状況はどうなっておるでしょうか、最初にその点をお聞かせいただきたいのでございます。
○杉浦説明員 甲府駅の近代化の問題でございますが、先生のお話にもございましたように長い経緯がございますが、特に近年に至りまして地元の方から昭和六十一年の国体までにぜひ駅舎を改築してほしい、こういう強い要請がございました。国鉄といたしましては、いわゆる三点セットと申しておりますが、駅舎改築、それから自由通路、これは南北を結ぶ切符の要らない自由通路でございますが、これを含めますといわゆる橋上駅舎というかっこうになるわけでございますが、この二つと駅ビル、この三点で推進をしようということで計画を立てまして、ただいま調査並びに検討中でございます。 なお、先生のお話にもございましたように、地元といろいろ協議あるいは調整を要する事柄が非常に多くございますので、ことしの七月以降、近代化推進委員会ですか、あの地元にございます推進委員会と国鉄の中から幹事団を出しまして定期協議をただいま行っておりまして検討を詰めておる、こういう状態でございます。
○鈴木(強)委員 大変御協力をいただいていることはわかりました。 それで、三点セットでおやりになるような御計画でございますが、何せ甲府駅の前は非常に狭うございまして、いままでも交通がふくそうしまして利用者は大変困っておるのですが、以前、貨物駅をもう少し西側の方に移して、そしてあの駅前を少し広くしていただいたらどうだろうかというようなこともございました。それから、民衆駅的なものもつくってやったらどうかというようなこともございました。たまたま中央新幹線が通るのではないかというような予想もその当時行われましてちょっととんざした時期があったのでございますが、新幹線なら新幹線の方で調査費もつけていただいていま調査をしていただいておるようでございますが、それとは一応切り離して、新幹線が通った場合の駅舎は別に考えて、現在の中央線の中でおやりになる、基本的にはそういうことでございますね。それが一つ。 それからもう一つは三点セットになりますが、具体的に橋上駅舎、それからビルを建てるというようなことですが、マスタープランというと語弊がありますけれども、予算を含めまして、国鉄としてはこの程度のものをというような何か一応腹案はお持ちになっておられるのでございましょうか、その点どうなのでしょうか。
○杉浦説明員 いま先生の御質問は二つあったと思いますが、一つは、御指摘のように中央新幹線の問題は現在いろいろと調査中でございますが、一応中央新幹線とは切り離して現在の中央線で三点セットで考える、こういうことでございます。 それからもう一つの三点セット、いわゆる橋上本屋と駅ビルにつきましては漫画的な構想的なものはもちろんかけるわけでございますが、設計をする場合にはいろいろと諸条件調査の上でないと正確な図面にはなりませんので、これは現在その辺の調査を含めまして検討中でございまして、先ほど申しました連絡会議の席上である程度まとまっていく段階ではお出しをしながら相談をしていきたい、かような状態でございます。
○鈴木(強)委員 特に橋上駅舎をつくられてだれでも自由に通れる通路をお考えのようですが、私はこれは非常にいいアイデアと思いますね。こういうことをなさると国鉄も非常に評判がよくなると思うのですがね。これから地元と十分御協議をなさって、特に商店街の皆さんにとりましては、駅ビルが建ちましてそこにテナントで御商売人が、お店さんが入るということになりますと、地元の商売上のこともございましていろいろと利害も絡むでございましょう。しかし、大筋としては、あの老朽化した駅舎を新しくしたいということについては基本的には変わりないと私は信じます。したがって、テナントの問題を含めまして、地元の利益をできるだけ優先的に扱っていただくことにしてお話を進めていただくわけですが、大体六十一年、国体、こういうわけですが、できれば六十年くらいにはでき上がっておけば非常によろしいのではないかと私は思うのですよ。逆算していきまして、大体何年ごろまでにその話を煮詰めて、そして計画を立てて、着工してということにお考えでございましょうか。そういう概略がもし頭の中にありましたら教えていただきたいのです。
○杉浦説明員 先ほどから申しております協議会で今後の詰めの成果いかんということになるわけでございますが、先生のおっしゃるように逆算いたしますと、五十七年度いっぱいくらい、まあ五十七年いっぱいくらいですか、大体そのあたりくらいまでに結論が出れば国体までには間に合う、かように考えております。
○鈴木(強)委員 国体という一つの契機を逸しますとまた先へ先へと延ばされるような気がするのですね。私たちも全力を尽くしてまたできることはお手伝いさせていただきたいと思っておるわけですが、ぜひひとつ誠意を持って、地元との定期協議等もいただいているようですから、それを促進していただいて、市長、知事ももう全面的に国鉄の方にもお願いに行っていると思いますけれども、せっかく開く国体の場合、あの駅舎では国鉄も恥でしょうけれども、県都甲府の市民あるいは県民にとりましてもこれはちょっと恥ずかしい次第ですよ。ですから全力を尽くしてやっていただくように、特にお願いします。 それからこれはあなたの所管でないからお答えできませんか、新幹線の方については調査が大分進んでいるように思いますけれども、見通し等についてはわかりませんでしょうか。所管外ですか。
○杉浦説明員 私の所管ではございませんけれども、これは先生御存じのように、整備五線までまだ至っておらないことで中央新幹線というのが上がっておりまして、整備五線が現在まだ着工できておらない段階でございますし、国の方から調査費などをいただきまして、山のところのルートの調査などをいろいろまとめておる段階でございますので、まだいつごろという点に関しましてはちょっとお答えできない段階でございます。
○鈴木(強)委員 県民はリニアモーターが通るというようなことで大変期待をしておりますので、よろしくお願いします。 それから、建設省高速国道課長さんにおいでいただいておるのですが、これは東富士の方でございますね。中央道の方でもいいですね。中央自動車道の未開通部分のことでいいですね。 それでは、大変御苦労いただいて、中央高速自動車道も伊北-小淵沢、それから昭和-勝沼間を除きまして供用開始ができました。ありがとうございました。 それで、残された部分については、小淵沢-伊北の間は来年の六月ごろですか、大体供用開始できるように伺っているのですが、問題は昭和-勝沼の間がそれ以降になるようでございまして、いまでも昭和-小淵沢が開通し出しましてかなり車の数が多くなりまして、いま二十号線の甲府バイパスはほとんど土、日、祭日は渋滞でどうにもならぬ。したがって旧国道の方に迂回していく車もかなり出てきているわけです。これがましてや名古屋までずっと開通しますともっと車がふえるのではないかというふうに予想されるわけですね。そうしますと甲府市内がかなり混雑する。したがって昭和-勝沼間の工事をできるだけ早く促進していただきたいという願いがあるのですけれども、あれには、当時私も高速自動車道審議会の委員をしておりまして、勝沼から甲府の北を回る路線を決めたのですけれども、いろいろ反対がありまして、途中で南に回していただいたような経過がありますから、率直に言って私も余り強いことは言えないのです。しかも、路線の買収については反対も出たりしまして大変御迷惑をかけましたが、そんなことでおくれていることはわかりますし、いろいろな古跡の問題もありましておくれていることはわかりますけれども、何とか一日でも一カ月でも早くこの区間の開通をしてほしい、こう思うのですけれども、いまのところは見通しとしてはどんなものでございましょうか。
○鈴木説明員 お答えいたします。 勝沼-甲府昭和間につきましては昭和四十七年九月に路線発表して以来、いろいろ地元と御協議を進め、測量、用地買収と進んでおりまして、現在鋭意工事中でございます。しかしながら、先生も御案内と思いますが、勝沼-中道間に非常に多くの埋蔵文化財が分布しておりまして、いま県と連携を保ちながら発掘調査をやり、かつ並行して工事の進捗を図っておるところでございます。現在のところは供用開始は五十七年度いっぱいということで進めておりますけれども、中央自動車道西宮線はわが国の縦貫道の中で非常に重要な路線でございますし、特にその区間、勝沼-甲府昭和間が供用いたしますと全線開通ということになるわけでございますので、私どもとしても最重点を置いて先生のおっしゃるように一日も早い供用開始ができるように努力してまいりたい、かように考えております。
○鈴木(強)委員 小淵沢-伊北は正式にはいまの段階で供用開始の日は大体決まっていますか。決まっていたら教えてください。
○鈴木説明員 現在昭和五十五年度内、今年度いっぱいということ、ですから五十六年四月までということで工事を進めておりますが、まだ供用開始日は、いま道路公団で検討しておりまして決まっておりませんが、その目標は今年度内ということで準備を進めておるところでございます。
○鈴木(強)委員 この中道を中心に曽根丘陵というのがございまして、そこにいろいろな古墳、遺跡がございまして、確かに通る場所がそういう場所ですからよけい時間がかかっていることはよくわかっておりますが、県の方としても一刻も早い完成への努力は惜しまないと私は思います。五十七年度いっぱいというと五十八年三月三十一日まで、こういうことになるわけでございますね。そうしますとちょうど一年間のずれが出るわけですね、小淵沢-伊北から見ますと。その間二十号線のバイパス――あのバイパスは非常に助かっているわけです、勝沼までの開通ができまして後、万難を排してやっていただいて。しかし、本当に行ってごらんになると、ほとんど動かないですよ。そうすると今度は甲府市内へどうしても車が回って、どこかないかというので市内がふくそうする、事故が起きてくる。そういうことで、山梨県もワースト幾つかに入っておりまして、いま県警も頭痛はち巻きで取り締まりに当たっておりますけれども、ほとんどこれは県外車です。ですから、そういう意味からいっても、何とか英知をしぼって少しでも早くやっていただくように、もう一回お願いしたいのですけれども、そういう余力はもう全然ないですか。
○鈴木説明員 ただいま先生御指摘のように、甲府バイパスは現在四万五千台以上の交通がございまして、二十号の最大のネックになっておることは十分承知しております。それで、先ほど勝沼までの間五十七年度と申し上げましたけれども、その中で私ちょっと申し上げたと思いますが、十分工程を詰めて、五十七年度いっぱいということになりますと五十八年三月三十一日ということになりますけれども、何もそういうことではなくして、一日も早く供用開始をしたい。ただ、実際の埋蔵文化財になりますと、人力で掘って県も大変御努力願っておるわけでございますので、これは余りせかすということになりますと、またいろいろ文化財の保護の点から問題になりますが、できるだけ早くやっていただき、工事も効率よくやって、私どもとしても年度いっぱいということではなくて、一日も早くやるように十分道路公団を指導してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○鈴木(強)委員 それから最後に、これは公団の方に権限が委譲されているようですから課長さんにちょっとお願いしておきたいのですけれども、権限を侵すということではなくて、伝えておいてもらいたいのですが、忙しいときですのでわざわざ来ていただくのはどうかと思いましたので遠慮しましたが、一宮のインターですね、これが一宮町御坂町にかかるわけです。あそこには御承知のように石和温泉が最近新興温泉街として大変繁盛しておりまして、何とか石和ということも入れてもらいたいというので、これは超党派で代議士なんかもみんなお願いしておるわけですが、きょうの委員会でそういう強い要望があったということをひとつ公団の方に伝えていただいて、どういう形でもいいですから、何とか石和温泉が出口だよというような、入り口だよというようなことができるように配慮していただきたいと思いますが、そのことを伝えていただきたいと思います。
○鈴木説明員 それではただいま先生の御趣旨、十分道路公団にお伝えするようにしたいと思います。
○鈴木(強)委員 それでは最後になりましたが、東富士有料道路、これは通称そう言っておりますから、御殿場から河口湖までの道路ですが、これもなかなか長いことかかっておりまして、たまたま国立公園地帯あるいは北富士演習場等もございまして、頭の痛い場所を通ることですから大変だと思いますが、百三十八号線もかなり渋滞をいたしておりまして、何とかこの有料道路を早く建設してほしいということで私も何回か言ってきましたが、現状は予定路線というものは大体決まったのでございましょうか。そこからひとつ伺いたいのです。
○稲見説明員 東富士有料道路は一般国道の百三十八号の改築事業、先生のおっしゃるとおりでございます、その改築事業として道路公団が行います有料道路事業として計画されております。この道路は、国立公園の中及び自衛隊の演習場を通る計画になっておりますものですから、環境庁及び防衛庁と協議が必要なわけでございます。現在、環境庁との間では、ルートを一応想定いたしまして、このルートに基づきまして道路の性格、位置、構造等の問題について協議を進めております。それから、防衛庁とは演習場の機能との関連におきまして協議を進めております。協議は着実に進んでおるというふうに考えておるわけでございます。
○鈴木(強)委員 まず予定路線、それから道路構造、それから総工費、それからインターをどこへつけるか、こういう問題になるのですが、一時は演習場の中を標高千二百メートルくらいになりますか、千メートル前後のところを通るというような計画もございましたが、これは防衛庁が反対してつぶれてしまったというようないきさつもあるわけでして、問題は、いま梨ケ原のルートと通称言っておりますがそのルートと、それから三国峠を通って小山を抜けるルート、要するに三国ルートと通称言っているのですが、その二つの案くらいにしぼられて、最終的に梨ケ原ルートが大体予定路線になる、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○稲見説明員 梨ケ原ルートになろうかと思います。
○鈴木(強)委員 それで予定路線はわかりました。 そこで、道路の構造ですが、四車線でやってほしいという意見が強いのですが、その点は四車線でやるというお考えでございましょうか。どうでしょうか。
○稲見説明員 事業としては四車線で計画いたしております。また四車線で関係各省庁と協議いたしておるわけでございますが、事業の実施につきましては、これは計画した時点から大分時間もたちまして、建設費も相当高騰をしております。そういう関係から、工事の有料道路としての実施の許可をとるまでの間には、その辺の考え方をはっきりさせたい。最終的に四車にはつくるのでございますけれども、とりあえず二車の暫定にするか、あるいは四車をつくってしまうか、あるいは区間的にそういうものを組み合わせるか、いろいろあろうかと思いますが、その辺も工事の許可をするまでの間に固めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○鈴木(強)委員 これは課長さん、中央自動車道のときも敷地は四車線で買ったわけですよ。ところが、いまおっしゃるように、ある部分は二車線、ある部分は四車線というようなことでやりまして、結局経済的にもえらい損していると思うのですよ。私たちは最初から四車線にしておきなさいとずいぶん言ったのですけれども、予算の関係もあるものですからやむを得なかったと思いますけれども、結果的に見ると、やはり四車線にしなければどうにもならなくなるわけですから、特にこれは東名と中央を結ぶ唯一の道路になるわけですから、百三十八号線のカバーにもなりますし、ぜひ四車線で進めるような方向で努力をしていただきたいと思いますが、大体総工費としてはどのくらいを予定いたしておられますか。
○稲見説明員 総工費としては、まだ概算の段階でございますが、五百七十億円ぐらいかかるというふうに考えております。 それから四車線の問題につきましては、先生もいまおっしゃいましたけれども、山梨県もそういうことを強く要望いたしておりますので、そういうことを頭に置いて、これから十分検討させていただきたいと思うわけでございます。
○鈴木(強)委員 おかげさまで大分進捗をしておりまして、これは感謝いたします。 そこで、大体予算措置その他を含めまして総延長はどのくらいになりますか、それを含めましてお答えいただきたいのですが、おおよそいつごろ着工ができ、何年くらいで供用開始ができるものか、これは一つの想定でございましょうが、計画としてどう考えておるか、これをひとつお聞かせいただきたい。
○稲見説明員 この延長が約二十キロございます。これぐらいの規模になりますと、大体ほかの前例等から見て比較しますと、七年から八年かかるというようなことになるわけでございます。それで事業の実施の時期ということでございますが、いま行っております環境庁、それから文化庁も関係してくるわけですが文化庁、それから防衛庁との協議等が整いましたら、できるだけ早い機会に工事の許可の申請を公団から出してもらいまして、大臣の工事許可を出したい。そういうような手続もまだ若干残っておりますが、できるだけ早く着工したいということで努力いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○鈴木(強)委員 大変御苦労いただいているところにまた重ねてお話を伺うので何か悪いですけれども、そうしますと、あなた方としては、諸般の手続があります。よくわかります。ですから、それを済まして大体どのくらいの時期に、なるべく早くとおっしゃるのですが、どの時期を想定されておるのか、その辺はまだ漏らすことができませんか。
○稲見説明員 その辺はいまさらに詰めておる段階でございまして、非常に変動する要素が大きゅうございます。そういうことで、われわれとしましては、先ほど先生もおっしゃいましたように、山梨の国体があるということも聞いております。そういうことで、それに間に合わせたいという考えは十分持っておりますが、先ほど言いましたように、七年ないし八年かかるとなりますと、協議がうまく調いまして、たとえば五十六年に事業に着手できるというようなことをしましても、それに七年足しますと六十二年ぐらいになるということになります。そういうことで、山梨国体に際しましては、国体時の交通混雑を避ける意味で、部分的に供用するとか、いろいろな手段を検討いたしまして、とにかく竣工を早める努力をしたい、このように考えておるわけでございます。
○鈴木(強)委員 わかりました。 それで、六十一年国体を、私も意識しておりましたが、課長さんも意識していただいておるので、その点はありがたいのですが、いまの百三十八号線も、二十号線の甲府バイパスと同じように大変な込み方でございまして、何とかこれを解消したいと願っておるわけですが、予算的な措置としてはどうなるのでございますか。たとえば五十六年度予算の中に有料道路の建設費というものを盛りますね。そういう中で、東富士有料道路が許可になった場合はそこから出せるというような予算的な配慮というものももうお考えになっていただいているわけですね。
○稲見説明員 工事の許可がおりまして事業に着手するということになりましても、初年度はまだ細部の調査とか地元との調整とかいろいろ行わなければならない事項が多うございます。そういうことで、実質それほど予算はかからないということになるわけでございまして、その程度の予算は十分確保いたしておるということでございます。
○鈴木(強)委員 ありがとうございました。 環境庁、文化庁、その他防衛庁、各方面の御相談も残っていると思いますが、非常に長い年月かかっておる問題でございますので、ぜひひとつこの際、六十一年を目途に何とか工夫して、完全開通と言わなくとも、何とかうまいぐあいに交通がさばけるようなそういうところまでぐらいは持っていっていただくように格段の御協力を心からお願いします。 委員長、これで終わります。どうもありがとうございました。
○田中委員長 次に、沢田広君。
○沢田委員 最初に、ほかの人の答弁の準備ができるまでの間でありますが、さっき運輸省関係からニアミスの問題で説明がありました。防衛庁から、同じような立場で、今回のニアミスの問題について弁明する点があればまず弁明していただいて、その取り扱いについてどういう措置を講じたか、またなぜそれが起きたか、防衛庁側の立場からひとつお答えいただきたいと思います。
○芥川説明員 お答えいたします。 異常接近防止という問題につきましては、防衛庁といたしましては、航空安全の見地から重要な施策の一環といたしまして、見張りの強化、早期回避の励行、それからレーダーによる監視等につきまして従来から強力に指導してきたところでございます。しかしながら本年九月に徳島の上空においてニアミス類似の、ニアミスと疑われるような事案が発生したことに続きまして、今回再び航空自衛隊の航空機と民間機との間で異常接近飛行と疑われるような事案が発生しましたことは大変遺憾に存じております。私どもとしましては、このような事態を深刻に受けとめまして、再発防止のために特段の対策を講じてまいる所存でございます。 今回なぜこのような事例が、前回の教訓にもかかわらず発生したのかということでございますが、実は前回の事案が発生いたしました直後に航空幕僚長の通達をもちまして、見張りの強化、早期回避等々について徹底するよう各部隊に指示したところでございますけれども、この通達が十分徹底していなかったということによって今回の事案が発生したというふうに考えております。
○沢田委員 きょう出席された運用第二課長さんはどういう権限を持っておられるのですか。たとえばこのニアミスの問題について答弁なされますが、どういう権限を持っておられるのですか。ちょっと言ってください。
○芥川説明員 お答えいたします。 私どもの組織の問題に若干入るわけでございますが、今回のニアミス類似の案件を起こしましたのは航空自衛隊の航空機でございまして、私ども内部部局にいる者としては、航空自衛隊の部隊の訓練につきまして基本方針を作成し、その立案をいたしまして、それを実施するという責任にあるわけでございますので、当然今回のこのような事案につきましても、その実態を調査し、かつ今後の対策を講ずるという立場にあるわけでございます。
○沢田委員 その実態調査はまだ終わらないというわけですか。
○芥川説明員 現在まだ調査中でございます。
○沢田委員 電話もあり、飛んでいったってすぐわかるようなこれだけのスピード的な時期に、まだ終わらないというのはどういうわけですか。どこに調査がおくれている理由があるのですか。
○芥川説明員 今回の事案が発生しましたのは九州でございますので、私どもといたしましては、電話による聴取等は直ちに行っておりますけれども、今後さらに調査を続けなければならない。すなわち関係者をすべて東京に呼びまして、そしてその事案の発生以前から発生後に至るまでの事実を調査するというふうに考えております。
○沢田委員 事件は二十日ですね。きょうは幾日ですか。この五日間にこの程度のものの調査ができないのですか。そんな防衛庁ですか。
○芥川説明員 電話等による聴取はいたしまして、したがいまして現在の段階においてはできるだけの調査は続けておるということでございます。
○沢田委員 できるだけではなくて、この五日間にできたものを報告しなさいと私は言っているのです。その結果がまだ調査中だなんて、幾日になったら、では終わるのです。あなた方の給料でいったら幾日か、一年くらいたったら出てくるのですか。
○芥川説明員 では、現在まで済みましたところの調査結果を御報告いたしますと、五十五年十一月十八日午前十時三十三分ごろ、福岡県甘木市南方約三・七キロメートルの上空……
○沢田委員 ちょっと途中だけれども、そういうこと、状況はいいんです。その結果、ニアミスという、さっきあなたは類似と言っていたんだけれども、類似であるのか本当のニアミスであったのか、とにかくそのことの事実関係の調べが終わっていなければ意味をなさないんだ。だからそれはニアミスであったのか、あなたは類似という言葉で逃げていたけれども、その点の事実関係をきょうまでの間調べがつかないというような、そんな程度ではしようがないでしょう。そんな、十八日の日にこういう状況だなんというのは、あなた方が言うよりも新聞にも出ているんだ。問題は、その事実関係をあなたの方できちんと部下にどう調査をしたか、そのことの事実関係を聞いているんだ。
○芥川説明員 お答えいたします。 私どもの現在までの調査結果によりますと、民間機と自衛隊航空機との間の最も接近した時点における水平間隔というものは約一千フィート、すなわち三百メートルでございます。それから、高度の差というものは約五百フィート、すなわち百五十メートルでございまして、これから考えますと危険な状態ではなかった、すなわちいわゆるニアミスというものではなかったというふうに解しております。
○沢田委員 それがいわゆる有視界距離の限界なんだね。有視界距離の限界をいまだにそらぞらしくあなたは言っているわけだ。では、なぜ一方の日航機は回避をしたのか。これは、もしこういうことであなた方がごまかして世の中を通そうとするならば、私はそんなことで世の中はごまかしては通れると思わない。あなたが言ったことの事実は、それは向こうの言っていることなんですか、それともあなたが調査した結果なんですか、どちらなんですか。
○芥川説明員 私どもの調査した結果でございます。
○沢田委員 では、もし二等の人がうそを言ったと仮定をすれば、その点は、たとえば事実に反して、いわゆる有視界距離だから――それは距離で測定したものなんですか、目で見た間隔なんですか、どっちだったんですか。
○芥川説明員 目測による距離測定でございます。
○沢田委員 では、目測ということになると、水平距離が三百であったとか高度が百五十であったとかということは、しかも上を行っているわけですね。片方は回避したのですが上を通ったわけだ。その百五十メートル、水平三百メートルという位置は自分の考えた距離でその程度だっただろう、そういうことをあなたは信用しているということですか。
○芥川説明員 お答えいたします。 今回の事案のように、瞬時の間に他機との距離を正確に目測するということはもちろんきわめて困難なことであると考えておりますけれども、自衛隊の操縦者というものは、任務上の必要から、常日ごろ戦闘訓練でございますとか射撃訓練でございますとか、こういうものを通じまして距離測定については常に訓練されておるということでございますので、私どもとしては現在のところ自衛隊機長の報告をそのまま信用しているわけでございます。
○沢田委員 それでは、なぜ操縦桿を訓練生から上官が、訓練指導者の先生がかわったのですか。それだったら、有視界距離が十分あるとすればそれ以前にかわる必要なかったでしょう。なぜかわったのですか。
○芥川説明員 お答えいたします。 当初、航空機の前席におります学生が相手機を見つけまして直ちに回避操作というものを実施したわけでございますけれども、それがなかなかうまくいかなかったということで、急速後席におりましたところの機長が操縦桿を握りかえて、それで回避したということでございまして、回避操作というものは、発見した時点、たしか一・五マイル、二・八キロメートルぐらいのところで私どもの学生が見つけたと思いますけれども、その時点で回避操作を開始していたわけでございます。
○沢田委員 運輸省の方に聞くのですが、航空管制官というものは、国内法でいくと、言うならば日本の国の飛行機は、訓練空域というものがありますけれども、一応航空管制官がそれぞれの基地にいてそれぞれ飛行機との連絡をとる、こういう仕組みになって、航空管制官の指示に従ってそれぞれの操縦士は操縦をしていくということになっていると思うのですが、その点いかがですか。
○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。 およそ飛行機が空を飛ぶ場合には、有視界飛行方式による飛行と計器飛行方式による飛行と両方ございます。 計器飛行方式による飛行の場合には、先生おっしゃいましたように、離陸から着陸に至るまで、そのほとんどの区間につきまして管制官の指示に従って飛ぶ、こういうことになります。有視界飛行方式によって飛びます場合には、航空機の離着陸、つまり管制圏というのが空港の周辺にございますが、管制圏の中における航行等につきましては管制官の指示を受けますけれども、一般に、それを外れましたところにおける飛行については管制の指示を受けません。パイロットの責任において、一定のルールに従って飛行するということになっておるわけでございます。
○沢田委員 しかし、航空路そのものは緯度経度、それぞれ決定をされて、民間航空機はそれぞれの緯度経度に従ってそれぞれ目的に向かって飛行をしている、飛行条件その他が特別の異常がない限りはそういう航路をたどる、これが通常のいわゆる運転操縦の義務になっていると思いますが、いかがですか。
○松本(操)政府委員 航空路を飛行いたします場合にも、先ほどお答えいたしました有視界飛行方式によるか、計器飛行方式によるかによって異なってまいります。計器飛行方式によります場合には、管制官の指示によりまして、管制官の定めた高さを通り、管制官の定めたポイント、地点を通過して飛ぶ、こういうことになるわけでございますが、有視界飛行方式で航空路を飛びます場合には、計器飛行方式とは違う高度を使いまして、つまり、その高度には計器飛行方式の飛行機はいないという別の高度が設定されておりますので、その高度を用いて、あとは気象状況その他を勘案しながらパイロットの判断によって飛ぶ、こういうルールになっておるわけでございます。
○沢田委員 今回のニアミスの場合は、操縦士の自主判断でいわゆる飛行していたんですか、それとも航空管制の指示に基づいていわゆる運転といいますか、操縦していたのですか、どちらですか。
○松本(操)政府委員 まず、日航機の方でございますが、これは福岡を離陸をいたしまして、管制官の指示に従って一定の経路に沿って上昇しつつあった状態でございます。ちょうど三国ポイントというところで左旋回をして別の目標に向かって飛ぶ、こういう飛び方をいたしておりました。一方、自衛隊機の方は、有視界飛行方式で飛んでおりますので、先ほど来のお答えで申し上げておりますように、管制の指示を受けていたわけではございません。有視界飛行の航空機に定められた高度によって飛んでおったわけでございますが、たまたま日本航空の飛行機は上昇の過程にあった。自衛隊の飛行機は水平飛行をしておったわけでございます。そこで、上昇の過程で、水平飛行をいたしておりました自衛隊機の進路と交差をしたということがそもそもの発端であったかと思うわけでございますが、私どもの調査もまだ完全に終わっておりません。終わっておりませんのは、両方のパイロットが言うております距離、これが非常に違っております。極端に違い過ぎておるわけでございますので、パイロットはそれぞれ職業としてパイロットをしておるわけでございますから、そう大きな誤りはないはずでございますけれども、とっさの間でございますので、あるいは見違い、勘違いということもあろうか、したがって客観的な事実をもって調べなければならない。日本航空の飛行機は、先ほどお答えしましたように、管制の指示によって飛んでおりますので、わが方のレーダーにも映っております。そこで、レーダーによる航跡図というのがございますので、これをいま解析を大体終わりました。 次に、日本航空の飛行機は、これまた航空法の定めるところによってデータレコーダーというものを積んでおります。これはコンピューターを使って解析をしなければなりませんので、目下日航をして解析をさせておる段階でございます。これが出てまいりますと日航機の正確な航路がわかってまいりますので、それと自衛隊機の推定航路、自衛隊機の方はレーダーに映っておりませんので、レーダーの方からの解析ができないわけでございますけれども、諸般の事情を勘案しながら自衛隊機の航跡というものをチェックしてまいりますと、これも厳密な意味では誤差があろうかと思いますけれども、片や四、五メートルと言い、片や百五十メートルと言うというふうな極端な差はもう少し客観的な事実として詰めることができる、このように考えております。
○沢田委員 自衛隊の方では、レーダーでは把握していたわけですか。
○芥川説明員 先ほど来申し上げておりますように、前回の、前回と申しますのは徳島上空でございますが、九月の初旬に起きましたとき以来、私どもとしては航空幕僚長の通達をもちまして、有視界飛行の場合におきましてもレーダーによる監視というものを励行するように通達をしたところでございますけれども、今回の事案は、これが守られていなかったという点に大きな原因がひそんでおるというふうに考えておるわけでございますので、レーダーによる監視というものは行っておりませんでした。
○沢田委員 いわゆるこの福岡航空交通管制部のレーダーにも映らない、自衛隊の方のレーダーにはすればちゃんと映るようになっているわけですね。
○芥川説明員 おっしゃるとおり、そういう意思を持ってそのとおりやれば確かに映るわけでございます。
○沢田委員 なぜ航空管制部のレーダーには自衛隊のあれが映らないのですか、そんなちゃちなレーダーを使っているのですか。
○松本(操)政府委員 決してちゃちなレーダーというものではございませんけれども、この飛行機はたしかT1練習機であったと思います。やや技術的になって恐縮でございますが、非常に小さな飛行機でございますので、一次レーダーといいまして、レーダーの電波を直接反射するという形ではこういった小さな飛行機はなかなか映らないわけでございます。そこで、一般に私どもとしては、こういう飛行機には応答装置というものを積むということにしてあるわけでございますが、このT1という練習機には私どものレーダーに反応するような形の応答装置が積んでございません。仕掛けが違うわけでございます。そこで、これはわれわれの方のレーダーにも映るようなものを積みかえてもらうということで一定の猶予期間、ちょっといま私正確に記憶しておりませんが、たしか五十六年度いっぱいか五十六年末かまでには積みかえていただくことにしてあるわけでございますが、たまたまこの飛行機は自衛隊のレーダーには反応する応答装置を積んでいたのではないかと思いますが、この応答装置では技術的に私どものレーダーに映らなかった、こういうことでございます。
○沢田委員 そうすると、いま防衛庁では、レーダーでやらなければならぬものの義務を怠っていたということに対する処罰は進められている、こういうふうに考えていいわけですか。
○芥川説明員 現在、関係者に対する処分を含めて検討中でございます。
○沢田委員 それはニアミスではなくて、レーダーの監視を行っていなかったということだけですか。
○芥川説明員 先ほど来申し上げておりますけれども、前回の類似事案の発生以後、私どもとしてとりました措置は見張りを強化すること、それから早期に回避すること、それから先生おっしゃいましたレーダーによる監視助言というものを強化すること等でございますので、先生おっしゃいましたようなレーダーによる助言監視というものを怠ったことに対してのみの処罰ということには必ずしもならないのじゃないかというふうに考えております。
○沢田委員 そうすると、操縦していた訓練生、また急に操縦桿を持った操縦士、先生ですね、それがニアミスをしたということについては、あなたの方ではあくまでも肯定しないのですか。もしこれが事実ニアミスであったとした場合はどうしますか。
○芥川説明員 先ほど来申し上げましたとおり、現在までの私どもの調査では、これはいわゆるニアミスというものではないというふうに判断しておりますので、現在のところそれに対する処罰は考えておりませんが、仮に調査が進み、いわゆるニアミスというものに該当するということであれば、それはその時点でさらに処分を考えるということになろうかと思います。
○沢田委員 いまわが国のシビリアンコントロール、文官の統制、こういうことで、自衛隊機といえどもまかり通るわけにはいかない。それが現在のわが国の法律のたてまえであります。いまあなたのおっしゃっている、どう考えてみても、この五メートルと百五十メートルでは、よほどの近眼か斜視か、よほど精神異常でなかったら、どんなふうに感覚しても間違える距離じゃないだろうと思うのですね。片一方は五メートル、その五メートルを間違って十メートルだと仮定して、片一方の百五十メートルをたとえば百メートルとしたって、それでも相当の距離のものが瞬間的であるにせよ考えられる。また、これはわれわれ軍隊にいたときの経験から言うのでありますが、緯度経度、高さ、距離、スピード、毎日扱っている限り、それは瞬間的にわかるものだと思うのですね。これはどっちかがうそを言っているということになると思うのです。あなた、そう思いませんか、あなたはその専門でおられるのだけれども。われわれも、年じゅう飛行機なんかを見ていて距離なり高さなり、そんな間違った経験ないですね、それは遠くの方から見ているのだけれども。そういう経験からいってもどっちかにうそがある。どっちかにうそがあると言えばあなたの方が逃げているということになる。百五十の許容限度をすれすれに言っているのだし、しかも先生が急に操縦桿を持って回避した、しかもこっちの日航ジャンボもあわてて逃げ出した、こういう状況の中で、これは自動車の中央線を突破したか突破しなかったかという程度の問題ではない。その程度のものが今日の段階で客観的に調査しなければわからないんだなんて、それは国会をなめるのにもほどがあると私は思いますよ、この五日ないし六日もありながら。何とかこの場、時間が過ぎれば逃げられる、そう思っているのだ、あなたなんか。もう少し正直に、率直に、間違いなら間違いだと言って、あるいはその事実をはっきりと確かめて答弁するのでなければ、国民に対しても不誠意じゃないですか。もう少しきちんとした、何とかここで言い逃れをすれば済むと思っているんでしょうが、あとのほかの問題、質問しなくても私いいですよ。とにかくその問題をはっきり、いま電話をかけて、これが事実であるのかないのか、もう一回確認してくださいよ。それは国民に対する答弁なんだ。あなた方の庁内の連絡じゃないのだ。だからあくまでもその点ははっきりして、それがうそだったらだれが腹を切りますか。だれが責任を負ってやりますか。その点だけはっきりさせてください。
○芥川説明員 別に私どもは、調査をサボっておるとか、あるいはこれまでの調査結果を偽って答弁申し上げているということではございませんで、先ほど申し上げましたことの繰り返しになるわけでございますが、私どもの調査したところではこういう結果である、それにつきましては、これも先ほど申し上げたことの繰り返しでございますけれども、瞬時に他機との距離を目測によってはかるということは非常にむずかしいことである、しかしながら、私どもとしては、そういう任務を与えられておる自衛隊のパイロットの証言というもの、現在までのところはそういうことでございますので、それを信頼せざるを得ないと申し上げているわけでございます。
○沢田委員 とにかくこれは新聞の報道は報道でしょう。私は、これからも後同僚の委員が質問するだろうと思うのです。午後までに、少なくとも国民の前にその真実はどちらであったのか、そのことだけは、どういうふうな言い方をするか、やめるかあるいは腹を切るかどうするかは別として、とにかくそのぐらいの覚悟で、その事実関係を午後の冒頭には報告できるようにしてください。 それから、もし間違いだったらだれが責任を負うのか。調査を信用します、あなたはそう言っている。しかしなぜそれくらいのことが、あなた方以下には部下がずっとたくさんいるわけだ。部下がたくさんいて、それだけ大ぜいの人間を養っていながら、この程度のものの真実が一週間たってもつかめないなんて、そんなばかな話がありますか。そんなことがありますか。自動車事故はその場に警察官が来て調べる。これだけの、いわゆる五メートルとか十メートルとかそういうきわめて危険な状態になったものが、一週間たってもまだ調査しなければわからぬ。そんなことで国民に対して済むと思いますか。そんなことなら自衛隊はやめた方がいいのだよ。そういう勝手気ままなことを自衛隊がやっているから問題があるのだ。何も私が社会党だからそう言うわけじゃないのです。そういう自衛隊がまかり通っているところに問題がある。だから、その点は午後の冒頭にでもいいから、何だったら防衛庁の長官を呼んでこい。それで、そうでなかったらそうでなかったように答えなさい。これはほかの委員会でも質問があっているのかわからぬけれども、もしぼくのところだけの質問であったとするならば、国民に対する正直な答えはこうだったんですということを明快にする義務があると思う。その義務の履行を私はあなたに迫ります。
○芥川説明員 先ほど来申し上げていることの繰り返しになって恐縮でございますけれども、現在私どもとしては鋭意調査を継続中でございます。 しかしながら、これまでの調査結果によりますと、先ほど申したとおりの水平距離とそれから高度差があるということでございますので、これを今後詰めていくということになろうかと思います。
○沢田委員 問題は、ここで答弁をされたあなたのような答弁で済まされるものではないと思うから、もしそれが事実と違っていたら、だれとだれとだれとだれがやめて責任をとるのか、その点を私は聞きたいのです。あなたが答弁していることで間違いがないとすればそれでいいのです。もし間違っていたら、だれとだれとだれとだれが、あそこは一番末端へいくまでには十何人か二十人ぐらいいるでしょう。そのだれとだれとだれが腹を切ってやめるか、腹を切ってやめますとそう答えておいてもらえばいいのだ。間違っていたらその責任をとります、そう言ってもらえればそれでいいのです。調査をして間違っていたらみんな腹を切りますと、ここで言い逃れをしようとするならそれだけの剣が峰に立った答えをしてくださいよ。
○芥川説明員 繰り返しになって恐縮でございますけれども、これまでの調査結果ではこうであるということを申し上げたものでございますので、今後調査が進むにつれてあるいは違った事実があらわれるかもしれません。そのときはそのときでまた処分は考えざるを得ないと思うわけでございます。別にうそをついているわけではないわけでございます。
○沢田委員 いや、だからうそといっても、これだけマスコミにこう言われちゃってきているのだし、日航のジャンボの方もそう言っているのだし、それは必ずあなたの方が間違いだということは、常識的に五メートルと百五十じゃどう考えたってこれはつじつまが合わないので、五メートルと八メートルだった、あるいは百五十と百四十だったと、それならわれわれもそんなことは言いませんよ。その程度の違いはあり得るだろうと思います。それは瞬間的に三百キロもの速度で通っているのだから、それぐらいの、十メートルや十五メートルぐらいのずれはわれわれも許容限度だと考えますが、五メートルと十八メートル、それに対して三百メートルだということでは、これはどうやったって了解できない。それぐらいのずれがまだわかりませんということで済まされるということは、本当に国会をなめていると思うよ。だからぼくが言っているのは、あなたの方が正しいと信ずるならば、絶対間違いがないのですから、空幕長以下ずっと福岡の師団長から何から全部腹を切りますと、もしその言葉をあなたが信用なさるなら、それを言ったっていいでしょう。あなたの上までの首はあなたには切れないだろうが、あなたから下だけは全部切れるでしょうから、それぐらいの覚悟で答えてくれということを言っているのだから、それだけはイエスかノーか言ってくださいよ。私の言ったことが間違っていたらやめます、それでもしニアミスやったのなら指示に従わなかったのだからやめさせますと、ちゃんと答えてくださいよ。
○芥川説明員 先ほど来申し上げておりますように、現在の段階ではこういう事実調査の結果がわかっておるということでございますので、これ以上調査が進めばあるいは異なるかもしれない。しかしそれは、先ほど来申し上げておりますようにうそをついているわけではございませんので、いかにもわれわれがうそをついておる、あるいは絶対これが間違いない数字だということで先生は迫っておられますけれども、私どもそういうことを申し上げているのじゃなくて、これまでの調査の結果はこれが一番私どもとしては妥当なものであると判断した上で御答弁申し上げているわけでございます。
○沢田委員 だから言っているんですよ。だけれども、これは私がマスコミのことを信用しているのではない。とらえ方が余りにも違い過ぎるということを言っている。違い過ぎるから、どちらかに若干の間違いがあるのだろう。だからそれは、三百と百五十をもし超えていたとすれば、再びこの事態を起こさせないためにやはり厳罰主義でいく以外にはないだろう。あなたの方が正直に、超えました、間違えましたと言うなら話は別だけれども、ぎりぎりの三百と百五十と言うからよけいうそになるのだよ。目測で百五十だなんていうことは、それこそはっきりつかめないでしょう。三百だなんていうことははっきりつかめないでしょう。恐らく、だったと思いますと言っているくらいなものでしょう。多分三百メートルぐらいで百五十ぐらいには守っていただろうと思っていますと、本人は自己保身があるのだから、首になるよりはその方が安全なんだから、言うに決まっているんだ。そのくらいのことはわかり切っていることなんだ。それ以上は、おまえの言うのは本当のことか、上官や上司あるいは上の方にも責任がかぶるけれども、そのことは正しく間違いなく言えることか、その念を押してあるかどうかを聞きたいのだよ。第一次の調査ではその程度のことしか答えないだろうということは想像がつくのだ。だから、あなたの程度では答えにならないだろうと私は言っているのだよ。だから、そのときには腹を切ります、全部部下は腹を切って責任を負います、それだけの責任を持っての答弁ですと言ってみろと言うのです。それが言えないのだったら、帰ってもう一回上の方に聞いて、それから答えなさいと言っているのだよ。そのくらいの責任持った答弁しなさいと言うのだ。現在まだ調査段階なんて、一週間もたって何がそんなこと言えるのですか。冗談じゃないですよ。時間の空費になるから、もうあなたとのやりとりはやめだ。とにかくもう少し違った人を呼んできて、もっと答弁ができるようにしなさい。わかりましたね。 委員長、これでこっちはやめます。もう相手にならぬ。
○田中委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○田中委員長 速記を始めて。
○沢田委員 なお防衛庁の関係で、あなたの答弁なんか要らないのだけれども、私の方の関係者でこれはやはり福岡だったけれども、念のため二、三分時間をとって言いますけれども、厳しい訓練が続いてノイローゼになってしまって、精神障害者になった。それで、どうしても地元に帰りたいと言うのを帰さない。これは三カ月ぐらい帰さなかった。お母さんも帰してくれと言い、私も頼んだ。ところが何としても帰さない。精神障害者になってしまった、異常者になっちゃった、それでも何とか世の中にはそれを発表したくないということで、一年ぐらい前にようやく帰してもらったのだけれども、とにかくそのぐらいに監獄的な仕方をあなた方の中ではやっているのだ。そういう状態から見ると、訓練生の中にもあるいは先生になっている人にも、そういうまじめ過ぎるというか厳格過ぎるというか、そういう訓練の中で異常な性格というものも発生するおそれはある。それを日航機を模擬敵機にみなしてあるいは撃とうと思ったのではないかという気もするけれども、そういうようなこともそういう原因の一つになってくる。そういう面では精神異常者の集まりみたいなものだと私は思うのです。だからこれはそういう事例もあることだから、念のためにもう少しきちんと調べていかなければいかぬということであります。 次に、順不同になりますが、通産省は一つだけでありますから先にお答えをいただきたいと思うのですが、現在、二・九通達が出て運転手の運転継続時間が制限をされるようになった。トラック業界は、これではとてもじゃないがたまったものじゃない、もっとでかい車で荷物をよけい積んでやらなければ採算が合わない、こういう発想を持つのは常識だと思うのです。そこで、二十トン車、二十五トン車、時には三十トン車というようなものまでつくって二・九通達から抜け穴を見出したいという意向もあるやに聞いておるわけであります。産業関係を預かる通産省として、これは建設省ともあるいは警察庁ともあるいは総理府ともそれぞれ関連するわけでありますが、日本のいまの道路事情あるいは交通事情あるいは日本の現在の生産活動の状況、そういうものから考えて二十トン車以上というようなものが果たして可能なのかどうかということになりますと、不可能であると私は思うわけであります。それを通産省は一部にそういうものを許可してもいいかなということを考えているようで、ただ建設と警察が余りうんと言わないからだというようなことも聞いているわけであります。通産省から、今後もそういう発想はあるのかないのか、それだけきちんとお答えをいただきたいと思うのであります。
○横山説明員 お答え申し上げます。 私どもの所管しておりますのは自動車の製造業でございまして、自動車の製造業界からは、いま先生が御指摘になりましたような、二十トンを超える車をつくりたいといったような声はただいままでのところ聞いておらないというのが現状でございます。
○沢田委員 いや、だからあった場合どうするのかと聞いているのだよ。
○横山説明員 車の大きさにつきましては他の省庁で所管をしておられます法令によって規制をされておることでございますので、私どもはその法令に従った製造が行われることを指導していきたいと考えております。
○沢田委員 通産省としてそういうものを、しかしとにかく本の中にはいろいろ出ているのだよ、いろいろ資料には出てきているのだよ。きょうは持ってこなかったけれども、業界の中には過積みの問題もあるから二十五トン車くらいを考えようかという発想が出ているんだ。そういうことで出ているから通産省では、これはだめなんだ、ほかの法律がじゃなくて、あなたの省としてどうするのだということを聞いているのだよ。あなたの省としては二十トン車以上を認める意思があるのかないのか、どちらだと聞いているのだ。ほかの省のことを聞いているのではない。
○横山説明員 お答え申し上げます。 どういう車をつくるかということは他の省庁の法令で決まっておることでございますので、そちらで許可がされれば製造業者としてはその製造をいたすかと思いますけれども、私どもの方からその規制につきましてとやかく御意見を申し上げる考えはございません。
○沢田委員 とやかく言わないということは、二十トン車以上のものの製造について当面通産省としては考えていない、ほかの省がまず考えてもらうことだ、通産省から意思を発動しない、こういうふうに考えていいですね。
○横山説明員 おっしゃるとおりでございます。
○沢田委員 次に、今度政令の改正をされました。警察として暴走族を取り締まるあるいはスピード違反を取り締まる、結構なことだと思います。ただ、改正も出しちゃった後でありますが、過積みについては十割過積みで二点しか減点がないのであります。二点か四点か、その程度ですね。それは少し片手落ちではないかという気がするわけです。これは、五十キロの場合というのはスピードの制限もまちまちなんですね。人家があるから四十キロにしますとか、同じ高速道路の中でもいろいろスピード制限に相違がある。この道路は何キロだと決まっているものではないのです。まちまちなんです。運転している人は、八十キロだと思っていたら急に六十キロになっちゃっていた、その標識を見落としたがゆえにそれは違反であるということになるから運が悪いという論理につながっていってしまう。この道路は八十なら八十で全部通れるのだと思えばそれは八十を基準として自分の判断で通っていくわけです。ところが、いわゆる無過失の過失というものがあります。私は間違いにも正当な間違いといわゆる正当でない間違いというものがあるんだと思うのですが、それと同じように、道路の途中でスピードダウン、いわゆる制限速度が決まっている場合がある、それを同じように、しかも渋滞をしているところから解放されると急にネズミ取りがいるというような形になってくると、ますます政治不信につながるのじゃないかという気がします。 二つ問題がありますが、いわゆる道路構造やあるいは道路のスピード制限の標識などについてはもう少し考慮をして、雨でもあるいは曇っていてもどういうような状態においてもスピードの速さが明確にわかるような標識にしていく努力が必要である。同時に、いま言った一つの道路はできるだけ同じスピードで行ける条件というものを確保するべきである。それから一般のトラック、乗用車、これは同じに扱ってしまっているわけですが、時間も同じに扱っているわけですが、その辺に問題があるんではないかということが三つ目。四つ目は過積みについて少し甘過ぎるんではないか。過積みをしていればスピードは逆にうんと落ちてしまうのです。その落ちている車が一番先頭に立ったらその前はずっとあいたままで後ずっと数珠つなぎになっていくというかっこうになるから追い越しをしたくなるという現象ができます。ですから、正常な運転をするためには今度は下限も制限をしなければいかぬのじゃないか。そういう過積みをさせないためには、過積みの罰則を加えることとスピードの下限を決める。六十で走るところは最低五十で走る、そういう原則が、二十か三十ぐらいでのろのろ走られていればほかの車はいらいらするのは当然であります。その辺の整合性を今度の政令改正に伴って検討してもらえるかどうか、その点ひとつお答えをいただきたいと思います。
○池田政府委員 ただいま御指摘のありました免許の行政処分にかかわります点数制度の検討でございますけれども、最近におきます暴走族の蝟集走行状況の悪質化、あるいはまたことしに入りましてから特にふえております無謀運転によります重大事故の発生が大変に多いといったようなこと等から、緊急の措置といたしまして、共同危険行為につきましては前歴がなくてもあるいは他の違反がなくても取り消し得るような点数に引き上げたい。それから速度超過につきましては、従来二十五キロ以上のオーバーにつきましては一律に六点という点数で評価していたものを、超過速度の大変著しい五十キロ以上のものにつきましては十二点程度に引き上げたい。あるいは無免許につきましても……(沢田委員「それはわかっていますよ」と呼ぶ)ということでございまして、緊急なものを取り上げましたので、いま御指摘の過積載その他の扱いにつきましては今後とも十分検討を続けてまいりたいというふうに考えております。 なお、速度制限につきましての最低速度の制限につきましては、高速道路等におきましては規制がされておるわけでございますが、一般道路につきましては、その中の交通が大変に多様でございますので一律に設けることは大変むずかしい点もあろうかと思いますが、今後十分検討してまいりたいと思います。
○沢田委員 改正点はわかっているんですから、それの整合性をとるための、一方だけを罰するという罰則制度、行政処分でいっているわけですから、それなら罰則なら罰則なりの整合性が必要である。過積みを三倍しようが四倍しようが二点で済んでしまうということは、あなたも甘いと思うでしょう。そう思いませんか、あなた自身としても。過積みの車が、十トンが三十トン積んでもそれが二点しか罰則にならないということは、いろいろな道路構造あるいは道路交通事情からいって若干不公正だと思いませんか、あなた自身として。いま改正しろと言っているのじゃない、不公正であると思うか思わないかの感覚をいまちょっと聞いておきたいと思う。
○池田政府委員 今後とも十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○沢田委員 それは、半ば同意したものと思って、そういう点は不公正だというふうに気にとがめて検討するというふうに答えたものと思って、先にいきます。 〔委員長退席、草川委員長代理着席〕 次に、時間の関係がありますから、レンタカー、この前その車を借りて大学生が四人も死んだということで、レンタカー業者に対して処分がないのはおかしいではないかというようなことで私が質問したわけでありますが、そのとき、レンタカー業者については、責任を負うと答えたのですか責任は何も負わせないと答えたのですか、何かその点あいまいだったような気がいたしますので、もう一回。あれだけ殺しておいても行政処分もなければ何もないという考え方を、ないとすれば、ちょっとお聞かせいただきたい。あるとすれば、どうするのか。
○宇野説明員 先回の委員会で私答弁申し上げたわけでございますが、そのときに答弁が最初不十分でございまして、十分検討した上で処理をしたいというふうに再度お答えを申し上げました。したがいまして、その後の私どもの作業でございますけれども、本件の事故を起こしました車を所有いたします事業者に対しましては、十月の二十四日に、これは委員会が行われました翌日に当たりますけれども、二十四日に当該事業者の営業所に対しまして特別監査を実施いたしました。その監査結果に基づきまして、内容的に、点検整備等で若干問題があったものがございます。したがいまして、こういう問題のあった車両につきましては処分を行うことにいたしておりまして、その細目について現在詰めを行っておる段階でございます。
○沢田委員 いまその車についてというふうにお答えになりましたが、いまこれはレンタカー事業法というようなものをつくらなくてはならぬのではないかというふうに私たち考えているのでありますが、もう事業者の数が五千七百、保有台数が五万八千というような、いわゆるレンタカー産業というようなものの状況にまで到達してきているわけでありますね。しかも、これを取り締まったり規制をしたりしていく法律体系というものが余りにもないというふうにも感じられるのですが、その点はいかがですか。
○大久保説明員 お答えいたします。 先生のおっしゃられますように、安全確保というのは何よりも優先されるべきものでございまして、このための対策は積極的に講じていかなければならない、かように考えております。しかしながら、現行法制のもとでも運用の強化によりまして厳正な対応が可能でございますし、許可に際しましての厳正な審査あるいは許可条件の厳格化、それから指導、取り締まりの強化といったような措置によりまして事故防止を図ってまいりたい、かように考えております。
○沢田委員 現在は運輸大臣の許可だけでいいということが一つありますね。 それから、白バス行為を禁止をしておりますが、貸し切り観光等のマイクロレンタカー、こういうものは何で取り締まるのかというようなこともありますね。 それから、名義貸しというような場合でこれを行うということも、どういう形で取り締まるのか、その点ちょっとお答えいただきたい。 〔草川委員長代理退席、委員長着席〕
○大久保説明員 御案内のように、道路運送法の百一条という条文がございまして、この条文に基づきまして、省令あるいは通達ができておりまして、それに基づきまして適切に運用をさせていただいておるところでございます。
○沢田委員 いま言ったことを取り締まる体制になっていると私思えないのですが、それは十分できる、こういうふうに言い切れるわけですか。
○大久保説明員 先生のおっしゃるような法律を制定して取り締まりをやっていくということも一法かと存じますけれども、私どもといたしましては、現行法制のもとでも、そういった省令、通達の運用よろしきを得まして、対策を積極的に講じていけるもの、このように存じ上げております。
○沢田委員 それから、先ほどレンタカーの処分を検討されているということでありますが、ほかのこういう同種業種についても、実績として、大体年間どの程度の監査をやれるのですか。乗用車が二万五千二十八、事業者数でいけば五千七百、こういうことになりますね。何も私は、いま財政再建の時期ですから、金が余りかかる方法をやれということは余り言いたくないのでありますが、どういう方法でこの五千七百の業態を、マイクロバスが九千三百台、トラックは二万三千台、乗用車が二万五千台、合計すると五万八千台、こういうものをどういうリズムで点検をして、また、業者五千七百事業所というもので、どういう比率で、これは年間一回ぐらいにはいけるのですか。能力あるわけですか。
○宇野説明員 お答えいたします。 現在地方に陸運局というところがございますけれども、その陸運局がレンタカー事業者につきまして監査を実施いたしておるわけでございますが、先生御指摘のように年に一回というところまでは至っておりません。 なお、レンタカー事業者につきましては、定期的に監査できるように、これからの取り扱いにつきましてはなお充実してまいりたいというふうに考えております。
○沢田委員 年に一回できないとすると、一年半に一回ですか、二年に一回ですか、三年には一回できるのですか、五年には一回できるのですか。このあれから見ると、当初出発したのが二百八十の事業者、千五百台というところでレンタカーは大体出発しているわけですね。それから今日このぐらいの伸び率を示しているわけです。一年に一回までいってないとすれば、いまの陸運事務所は、これから問題になりますが、車検で追い回されているのじゃないですか、四千二百万台の車検で。もう、一日に何百台という車で、わっさわっさやられて、そんな余裕があるとは、私、現場へ行ってみた感じでは、ないと思うのですが、では、どの程度の年限のリズムでこれは全部点検できるのですか。二年以内ならできるのですか、三年ならできるのですか、五年ならできるのですか、十年ならできるのですか、ひとつ見込みを言ってください。
○宇野説明員 大変申しわけないのですけれども、全数というか、一回りするのにどのくらい時間がかかるということにつきましては、現在ここでちょっと定かでございませんので、後ほど先生の方に御報告申し上げたいと思います。
○沢田委員 五千七百で、陸運事務所の数で、ここで暗算できませんか、自分の能力が。まあ後でと言うのですから、せっかくあなたが後にしてほしい、こういう期待を込めて言っているのだろうと思いますから、これ以上追い詰めようとは思いませんけれども、五千七百と現在の陸運事務所の数、それで何年に一回はできるかという見通しがないというのははなはだ残念だと思いますが、せっかくですから後でお答えをいただくということにしましょう。勘弁しましょう。 次に、車検等の問題なんですが、これは私がこの前も車検を延ばせ、こういうふうに申し上げました。そうしたらくしくも社会党と自民党の意見が一致をいたしまして、中曽根行管庁長官が、やはり車検は延ばした方がいいだろう、行財政改革の一部としてこういう提言をされておるようであります。せめて新車ぐらいは当面延ばす。ともかく新しい車は売れ行きも悪いのだから、自動車産業の方でもそうすればきっと喜ぶでしょう。そういう意味においては、新車だけでも三年半なら三年半ぐらいに延ばすというくらいな配慮はするべき時期に来ているのではないか。しかも、私もこの間車検を受けましたけれども、自動車はべらぼうな数ですね。ですから、もうほとんど中間で車検をやっていかなければだめなんだ、こういう仕組みになっていると思うのであります。そういうような状態から見て、あなた方ではお答えができないのならばできないでいいですから、そうすれば今度は別の機会に大臣なりその他に聞く、こういう方法をとりますが、ともかくそういう方向で検討していくことが必要なのじゃないですか、日本のいまの経済からいっても。いかがですか。その点ひとつお答えいただきたいと思います。
○宇野説明員 お答えいたします。 自動車の検査を現在実施しておるわけでございますけれども、自動車の安全性を確保し、公害の発生を防止するということのために、自動車が適正に維持管理されているかどうかということを定期的にチェックしているというのが自動車の検査に当たるわけでございます。 それで、現在自動車の性能が一般的に向上していると言われておりますけれども、しかしながら、ブレーキ装置の一部の部品等につきましては、まだまだその保安を確保するための期間というものの短いものもあるわけでございまして、そういうものが車が使われる過程におきまして摩耗したり、あるいは劣化したりという現象を起こしてまいります。したがいまして、車両全体の機能に影響を与えるというおそれがありますので、その機能のチェックということは絶えず行っておく必要があろうかと思います。 現在、国が直接検査を行っておるわけでございますが、現在の検査におきましてその場で再検査を必要とするというものがまだ十数%出るという実態でございます。したがいまして、仮に車検期間を延長するというようなことになりますれば、いま言いました再検を必要とするような車が相当数走行するということになると思います。また、加えて車検期間が延長されるということによりまして、当然自動車の走行キロが増大するわけでございますが、その間におきまして部品の摩耗、劣化等が進み、さらに多くの整備不良の車両が発生するということが予想されるわけでございます。 最近の交通事故が増加傾向にあるということを考えますと、自動車そのものの安全性の確保に十分留意をしなければならないと思いますし、さらには公害防止あるいは省エネルギーといった観点からもきわめて重要な問題があろうかと考えております。外国も数多くの国で検査を行っておるわけでございますけれども、外国におきましては車検制度は充実強化されるという方向にございまして、通常の車検期間が一年とか二年という期間になっておるわけでございます。 また一方、自動車の安全確保に対しましては自動車の適正な維持管理が密接不可分な関係にあるわけでございますが、これを担当いたします整備工場が現在約七万七千ほどございますけれども、中小零細企業が多くて影響が非常に大きいのではないかということも考えられるわけでございます。 さらに、現在車検の手続を陸運事務所で行うに当たりまして、重量税の納付の確認とか自賠責保険の加入の確認といったようなことを行っておりまして、他の法令との関連も非常に深いものがあるわけでございまして、これらの制度との調整といった問題もあろうかと思います。 以上のような理由によりまして、運輸省といたしましては、車検期間の延長という問題につきまして現在のところ賛同しかねるというのが現状であろうかと思うわけでございます。
○沢田委員 九割がほぼ満足すべき状態である。私が現場へ行って聞いた話でも、一〇%くらいはもう一回再点検ということになるという話は聞きました。九割が可能ならば、その一割のために九割を犠牲にする論理というものもないのじゃないかという気がするのです。それは、いまの精神障害者の数が全国で五%と言っているくらいですが、それだからといって今日残りの九五%が法律の適用を受けてそれぞれプライバシーの侵害をされるかと言えば、される状態にはなってないのですね。ですから、一〇%の危険率があるとするならば、九〇%の方にウエートを置いて、あとの整備点検をさらに点数なりそれらの面でカバーをしていく、そして車検は延ばすということはあり得るのじゃないかと思うのですね。ですから、いまあなたが言った幾つかの例はすべてこれは解消する問題だと思うのです。 しかも、摩耗と言いましたけれども、新車の場合と私は言っているわけです。中古車の場合のことを言っているのじゃない。新車の場合に、三年なら三年くらいは十分に、私はこれはこの前も言って、それはじゃどの部分が二年で一番摩耗してだめになるのかと言ったら、そのときはあなた方の方はゴム部分が二年で消耗しますと答えた。そうしたら、ゴム部分でなかった。今度は摩耗だ、こう言った、摩耗でなかったときにはどうしますか。そういううそを言って、自分の立場立場を守ろうという気持ちはわかるけれども、ごまかして世の中を渡っていこうというのは、とにかくよくない姿勢だと思うのですよ。率直に今日の自動車の整備の状況その他からいったら、新車の場合に車検が二年でなければならぬ論理はなくなってきていると思うのです。タイヤからいっても、何からいっても。あなたは、自分のなわ張り的な根性じゃなくてもっと広く視点を置いて、いま若干ずつ国民が犠牲を負う時代に来ているのだから、自動車の整備工場だけに犠牲を負わせないでいこうという発想は捨てなければいかぬと思うのですよ、若干ずつ国民が全体的にどこかで犠牲を負っていかなければいかぬという情勢に来ているのですから、そういうものを認識しないであなた方はなわ張りだけを言っていることははなはだ遺憾だと思う。 いまこれから増税されればあなた方も反対だと言うでしょう。あるいはこれだけの赤字を抱えてどうしますと言ったら、困ると言うでしょう。やはりその立場、それぞれの分野で財政再建を考えてもらわなければいかぬのであって、そういう意味において、延ばせるものは延ばしていく、使えるものは使っていく、そういう発想をあなた方持ってもらわなければいかぬのじゃないかと思うのですね。国家公務員としての立場、それは運輸省の立場じゃなくて、そういうものをひとつ持ってもらって、時間がなくなりますから要望だけにしておきますが、そういつまでも古いからをかぶっているわけにはいかないんだということをぜひひとつ認識しておいていただきたい。 それから次は、運転免許証の問題もそうなんですが、免許証を三年なんてばかばかしい期限でやっていくのはナンセンスだと私は思いますよ。十年くらいに延ばしていいのじゃないかというふうに思います。私、領収書を持ってきたけれども、千九百円かなんか安全協会に黙って取られちゃった。本人の了解も何もないですよ。あんな協会に入る入らないの自由は国民の固有の権利だと思うのです。それを無理に、免許証を取りに行けば、領収書とあるけれども千九百円、とにかくぼくが行って黙ってそれだけ取られた。そういうむちゃくちゃなことは法治国家としてあるべきでないですよ。任意団体が勝手に本人の承諾もなしに千九百円ぶったくる。どろぼうよりひどい、これは。そういうことからいっても、とにかく四千二百万もある車の運転免許証を延ばしていくということは、私は当然必要なことではないかと思うのですが、もし答弁があるとすれば答弁をしていただきたい。警察でどろぼうされているようなものだ。
○池田政府委員 運転免許の三年の期間につきましては、先般も御質問いただいたわけでございますけれども、何と申しましてもやはりまだモータリゼーションが進み、しかも運転者が急激にふえております日本の現状におきましては、免許の更新、あわせてまたその際の教育といった面を含めまして、どういうふうにあるべきかというのは将来とも、何と申しますか、そういう制度を確立した上で、しかももう少しいまのモータリゼーションが安定した時期でまた十分考えなければいかぬと思いますけれども、当面はどうしてもやはりそういうものが必要であろうというふうに考えておるところであります。 なお、御指摘の安全協会の問題につきましては、それぞれ御指摘のとおり任意の加入団体でございますので、それぞれちゃんと意図を明確にしてお願いしていると思いますが、もし不行き届きの点があるとするならば、私ども今後とも十分監督してまいりたいと思います。
○沢田委員 あなたの答弁では大体そんな程度だと思っていました。だからこれは、三年のものを十年ぐらいに延ばせということで言っていたけれども、とにかく今日の段階からいって、これも行財政の改革の一つだという発想に私は立っているんです。免許証を十年に延ばすということは、それに携わる人間をなるべく少なくして、そしてもっとほかの分野に重点配置をするという発想を持たなければいかぬだろうと。何でもかでもいまの現状が固定化されていったのでは日本の財政も再建できない。どこかでやはりさっき言ったようにがまんをしていくという分野がなければならぬ、そういう立場で私はわざわざ提言をしているのだが、国の役人それ自身が財政再建に熱意がないということになれば、これはきわめて遺憾な状態だ、こういうことになると思います。 そこで、もう時間があとなくなりましたから、次の自賠償の保険の問題にいきますが、この前もちょっと質問しましたが、私が調査をしていただいた結果によりますと、パトカーとか白バイ用の無線機だとか、それからレーダー、スピードメーター、飲酒検知器、携帯録音機、そういうものをたくさん自賠償で寄付しておられるんですね。これは、自賠償の保険金額を上げてやるとかあるいは保険金を安くするとか、そういう方向に向けるべきで、何も政府のお手伝いをして、自賠償保険が政府の下部機関じゃあるまいし、一生懸命になって政府の――パトカーは五十一年度でやめておりますが、五十一台もパトカーを寄付したり、こういうことは自賠償責任の業務範囲外だろうと思うのです。もう時間の関係がありますから、ともかくこういうものはやめなさいと私は言いたい。もっとそれは保険者に還元をするべきである。原則はそういう立場に立つべきである。いわゆる行政機関との癒着関係は断つべきである。この保険に従事している職員はおべっか使いたいから一生懸命監督官庁にこういうものを贈っているんだ。自分の金で出すのはおっくうだから、公の金で出す分には腹は痛まない。だからこういうことをやっているんで、これはもうけしからぬ。とにかくこれは国の予算で賄うべきである。それを賄い切れなければ賄い得るようにやっていかなければいかぬのであって、そういうものも原則的に、とにかくこういうことはやめて、必要ならばその保険の金額を下げるかあるいは保険給付を上げるかという方向で検討してほしい、こういうふうに思います。いかがですか。
○松尾説明員 お尋ねは、自賠責の運用益の運用の仕方の問題に関することであろうかと思うのでありますが、いままでこういう自賠責の運用益からパトカーあるいは交通違反の取り締まり機器を寄贈してまいりましたが、考え方といたしましては、こういうものが交通事故の防止に役立つ。交通事故が減ることによって、結果的には保険料負担が減るということで消費者にも利益がある、こういう考え方に基づくものであったかと思われるわけでございまして、積極的にそういう交通安全対策に使うべきだという御意見も非常に強くあったわけでございます。 先生御指摘のように、基本的には保険料負担の軽減をまず考えるべきではないかというのもごもっともな御意見でございまして、最近、この運用益の使い方につきましては、基本的には将来の保険収支の改善のためのバッファーとして置いておくことが望ましいというような答申もいただいております。しかしながら、基本的にはそういう考え方に立ちながら、従来のようになお交通事故防止あるいは救急医療体制というものにも助成をしていくべきだという御意見をいただいておるわけでございまして、どういう形が一番消費者の利益につながるかというようなことを総合的に考えながら、今後の運用を考えてまいりたいと思っております。
○沢田委員 総合的ということは結構ですが、原則はとにかくこういうものはそれぞれの予算を組んでやるのですから、それは風が吹けばおけ屋がもうかるという論理は、どこにだって、何にでも通用することなんですよ。風が吹けばおけ屋がもうかる論理といったら八段階も過ぎてしまうのですからね。その八段階も理由をつけていけば、これはどんな理由だって大抵ついてしまう。ただ原則は、被害者の救済などにも使っていくという方法もあるだろうから、こういう政府が義務としてやらなければならないものにあてがうことはよくないということを言っているわけですよ。政府の義務に当たるものは政府で賄っていくべきである。いわゆるそれ以外に賠償額を上げてやるとかそういうものに還元をしていくのが筋道だろう、本道だろう。若干それを上げていくために、二千六百六十四億も累積黒字を持っているのですから、この累積黒字をどう使うかということについては、そういう業務的なものから外れた方向へ使っていただきたい。 あと二分になりましたから、以上、要望だけして、あとはまた大蔵委員会でやり合いましょう。だからそれはそういう要望だけにしておきます。 最後に、あと二つだけ簡単にお答えいただきたいのですが、これも結論は出ているようなものかもわかりません。 今後、国道を設定する場合に、沿線を二十メートルなり三十メートル、五十メートル、必要によったら五十メートルという場所もあっていいと思うのですが、開発規制を行うべきではないか。これは騒音の問題がある。それから県道の問題があり、市道の問題がある。自転車道路の問題がある。こういうような関係からその点を考える意向があるかどうか、当面は意向ですね。いますぐに考えるというわけにはいかぬでしょうが、そういう方向を考えていく道があるかどうかということが一つ。それからもう一つは、先般当委員会でできました自転車置き場法案に伴って、これは建設省ですが、道路構造令を改める意向があるかどうか、お答えいただきたいと思います。
○牧野説明員 お答えいたします。 一般的に幹線道路沿いの住宅等の立地規制のおただしかと思いますが、先生も御案内のように、一般的な市街地というのは、むしろ効率的な土地利用を図りますとともに、計画的な整備を行っていく土地だというふうにわれわれは考えておりますので、幹線道路が入りました場合においても、周辺の居住環境との調和を十分図りながら、それぞれの地域にふさわしい土地利用を図っていく、それがまず原則であろうと考えておりますので、道路が入ったからといって、その周辺何十メートルを立地規制するということは必ずしも妥当ではないというふうに考えておるわけでございます。ただ、騒音問題と住宅等の立地とは確かに大事な問題でございますから、それをどう解決していくかという考え方でございますが、それは第一義的には道路の構造で対処していくということがまず一つあろうかと思います。 それから第二番目には、先般の国会で成立いたしました幹線道路の沿道の整備に関する法律という法律がございます。この法律に基づきますと、幹線道路の指定をいたしまして沿道整備道路の指定をいたしました後、都市計画で沿道整備計画というものをつくってまいるわけでございますが、その際の基本的な考え方といたしましても、住宅の立地規制をするというよりは、音が後ろへ行くのを防ぐ、いわゆるバッファービルと俗称しておりますが、緩衝性建築物の建築の促進でございますとか、あるいは緩衝緑地の施設の整備、ないしは次に住宅等につきましての防音構造化、そういう措置を総合的に講ずることによって幹線道路沿いの土地利用の整合性のある整備を図っていきたい、こういうふうに考えております。 ただ、三番目になりますけれども、それでは立地規制をしたものがないのかということになりますと、実は、先生御承知のような特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法、長うございますが、こういう成田に適用される法律がございます。これの中で航空機騒音障害防止特別地区というのが指定されますと、ここにつきましては航空機の騒音が非常に激しいところでございますので、住宅でございますとかあるいは学校、病院、静穏を必要とするものの立地規制が行われる例はございます。ただ、これは非常に限られたところでございますので、一般的に住宅等の立地規制というのは土地利用上は非常に厳しい制限でございますから、どういうところでできるかということについては総合的に勘案して慎重にやってまいる。一般的に言えば、その成田法の特例はございますが、それ以外については非常にむずかしいというふうに考えておるわけでございます。
○渡辺(修)政府委員 道路構造令についてのお尋ねがございましたのでお答え申し上げます。 先生御指摘のように、幹線道路に沿いましてある程度の幅を確保するというのはきわめて大事なことかと思いまして、四十九年に都市局長、道路局長通達を出しまして、幹線道路につきましては一定幅の土地を取得し、これを適正に管理することによって環境保全に役立たせようというような政策をとっておるわけでございます。それがただいまのところ道路構造令には盛り込まれておりませんので、こういったものを踏まえ、また最近の交通情勢の変化等に対応する道路構造という意味で、今後道路構造令を改正していきたいと思いましてただいま準備中でございます。(沢田委員「自転車についての道路構造令の関連」と呼ぶ) 自転車駐車場につきましては先般法律ができたわけでございます。自動車の駐車場につきましては道路の付属物になっておるわけでございます。(沢田委員「自転車は」と呼ぶ)この辺も、もちろん自転車につきましてもあわせて検討させていただきたいと思っております。
○沢田委員 終わります。
○田中委員長 私から防衛庁に申し上げますが、先ほどの十一月十八日の自衛隊機と民間機の異常接近についての現在までの調査資料を提出してもらいたいと思いますが、よろしゅうございますか。あなたがいま答弁しかかった途中だったから……。いいですね。 それから、あなたの答弁の中で、今度の十八日の場合は自衛隊機が有視界飛行をしておる、レーダー管制はしてなかった、前回の場合からそういう問題があって、徳島の上空からそういう問題があって通達をしたけれども、十八日の異常接近の自衛隊機はレーダー管制がなされてなかった、これは重大な事故につながるおそれがあると私は思います。ですから、これについては自衛隊はどういう考え方を持っておるか、お答え願いたいと思います。今度の十八日の自衛隊機の異常接近は、いわゆるレーダー管制しなきゃならないものをしなかったのでしょう、どうですか。 それじゃ、時間でございますから午後から答えていただくことにします。 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十五分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十四分開議
○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、芥川防衛庁防衛局運用第二課長から発言を求められておりますので、これを許します。芥川運用第二課長。
○芥川説明員 まず、私どもが調査しましたこれまでの結果につきまして、事情を御説明申し上げます。 五十五年十一月十八日午前十時三十三分ごろ、福岡県甘木市南方約三・七キロメートルの上空一万一千五百フィート、これは約三千四百五十メートルに当たりますが、これを飛行中の航空自衛隊第十三飛行教育団、これは芦屋にございますが、この飛行教育団に所属するT1型ジェット練習機、これの機長は二等空尉中村幹夫でございますが、このジェット練習機が左前方、これは時計で申しますと十時三十分の方向になるわけでございますが、左前方約一・五海里、すなわち約二・八キロメートル、それから高度約一千フィート、これは約三百メートルに当たるわけでございますが、高度一千フィート下方を自分の方に向かって上昇中のB747を発見したため、直ちに右上昇旋回を行い、回避したということでございます。 なお、この両機の最接近時の距離について申し上げますと、水平間隔は約一千フィート、つまり約三百メートルでございます。それから、高度差は約五百フィート、すなわち約百五十メートルでございますので、回避前後の相対位置等から考えまして危険な状態ではなかったという報告を受けておる次第でございます。 御参考までに当時のT1型の飛行方式それから訓練項目について申し上げますと、これは有視界飛行方式による航法訓練をやっておったわけでございます。それから、飛行経路でございますが、これは芦屋から蓋井島を経まして益田、平郡島、八方岳、飯塚、そして芦屋に帰るという経路でございました。当該空域の気象状況でございますが、これは雲がありませんで、視程は約十キロメートルという報告を受けております。 次に、第二番目の問題といたしまして、前回の徳島上空におきましての異常接近と疑われるような事案が発生しました直後、私ども航空幕僚長の通達によって有視界飛行方式による飛行の際にもレーダーによる助言、監視というものを義務づけよう、励行させようということで通達せしめたわけでございますが、実は今回の場合このような助言あるいは監視というものが十分に行われていなかったという報告を受けております。つまり、陸上のレーダーサイトにおきましては当該航空機が当該空域を飛行しておるという状態を知ったわけでございますけれども、当該航空機の方より助言を必要とする、つまり当該空域においては非常に航空交通がふくそうしておるという状態にかんがみ、航空機の方よりレーダーサイトの方へ助言を求める場合にはレーダーサイトより当該助言が得られるという仕組みになっておったわけでございますが、これが今回の場合にはパイロットの方よりそういう助言を求めるという行為は行われなかったということでございます。したがいまして、ここに今回の事案発生の大きな原因があるというふうに私ども考えておりますので、今後関係者の処分を含めまして対策を立て直す必要がある。たとえば先ほど申し上げましたことの繰り返しになるわけでございますが、現在時点における有視界飛行方式下におけるレーダーによる助言というものは、パイロットの方より自分に助言してくれという要請をいたしました場合に発動するということになっておるわけでございますが、これで今後も十分であるのかどうか、逆に申せば、レーダーサイトの方よりそういう助言の要請があるなしにかかわらず常に助言をしてまいるということが可能であるのかどうか、こういう点も含めて現在検討中でございます。
○田中委員長 質疑を続行いたします。草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。いまも防衛庁の芥川運用第二課長の方から報告があったわけでございますが、もうこの事故が発生してから大分日にちがたっておる割りには、十八日、翌日の新聞等で発表されておる内容と全然違ってないわけでございまして、食い違いが大き過ぎると思うのです。百五十メートルという高度差を言っておみえになるわけですけれども、日航の機長の方は五メートルだと言っております。それから水平距離について、いまも三百メーターの間隔があるからニアミスではないと言われるのですけれども、機長の方は十八メーターだと言うのです。これは食い違いが少し多過ぎるのではないでしょうかね。国民も、私どもは大変飛行機に乗る機会も多いわけでございますけれども、心配である。こんなに食い違いがあっていいかどうか、一体これは運輸省側の方、航空局側の方は、いまの自衛隊の報告についてどのような御見解を持っておみえになりますか。
○松本(操)政府委員 一般的に申しまして、ニアミスが起こりました場合、ニアミスがあったという報告をしてまいる機長の方は、どちらかといいますと、そのときの精神状態は自分がニアミスに遭わされた、こういう感覚が強うございます。したがいまして、距離の目測等におきましても、いずれかと言えば、近目に出てくるというのが過去の例に多うございます。したがって、私どもといたしましては、ニアミスの調査に当たって両パイロットの言い分をそのままとるというのではございませんで、レーダーの航跡図を活用するとか、あるいは飛行機に装着しておりますデータレコーダーの解析結果を突き合わせるとか、その他あらゆる客観的なデータをもとにいたしまして、できるだけ正確にその当時の状況を再現した上で、この程度であったのではないか、こういう距離を求めておるわけでございますが、過去の経験から申し上げますと、パイロットの言い分につきまして、数倍から、場合によっては十数倍の違いが出てくる、こういうことはしばしば経験いたしておるわけでございます。今回の場合、私どもの方もようやくレーダーの航跡図の解析を終わりました。現在、日本航空の飛行機に積んでおりましたデータレコーダーの、コンピューターによる解析を実施しておる段階でございますので、断言的なことを申す段階に至っておりませんけれども、しかし、いささか差が大き過ぎるという点については、御指摘のように私どもとしても不審に思っておるところでございます。ただ、当時の状況を現在までの調査で一応再現してみますと、日航機の場合に、軽く右に旋回をして回避操作をいたした、こう言っております。自衛隊機の場合にも同様、お互いに向かい合った飛行機でございますのでそれぞれ右側に回避動作をしておりますが、自衛隊機の場合には小型のジェット練習機であるということもあり、相当大きなバンク角と申しまして羽を傾ける角度でございますが、相当大きな角度で回避操作をしておるということまではわかっております。したがいまして、機長は左側に乗っております。左側に乗っております機長が、飛行機を右側に傾けました場合、遠心力の作用がございますので、機長は自分が水平位置というふうな感覚で高度差というふうなものを見る、こういうきらいがあることは否めません。したがいまして、空中にその状態を再現しますと、日本航空機は右に傾いている、自衛隊機も同じように右に傾いているという状態で、一瞬すれ違ったわけでございますので、そこにかなりの誤差があったであろうということは、これは容認できるのではないか。ただ、まことに御指摘のとおり、五メートルと百五十メートルという三十倍の違いというのはいかにも大きいので、この点について、いま申し上げましたように、私どもとしてもまだ結論を得ておりませんけれども、鋭意客観的なデータを突き合わせることによって、おおむねこの程度ではなかったのか、厳密に何十何メートルということは無理でございますけれども、おおむねこの程度ではなかったのかというところは早急に突きとめたい、このように考えております。
○草川委員 問題は、自衛隊機の航法訓練について規則はないというところに一つ問題があると思うのです。それで、今回のように、自衛隊機の方が管制機関のコントロールを受けずに、見張りだけに頼る有視界飛行方式の場合には特に危険があるということが今回証明されたわけですが、いずれにしても、自衛隊としては、この九月一日に空幕長の名前で通達五五というのを出しておるわけですね。これは内部規定でしょう。出しておるわけですね。この内部規定には明らかに違反をしておるわけです。この内部規定には「有視界飛行方式の際民間機を見つけたら所定の高度差を維持していてもできるだけ早く回避操作をする」こういうことが言われておりますし、「自衛隊のレーダーサイトの助力が得られないときは訓練を避ける」こういう通達があるにもかかわらず航行しておる。さらに問題なのは、教官が日航機の機影をかなり前から発見をしておったというんですね。ところが、訓練生がそれに気がつかなかったので、一体どこまで行くのかというので、ある程度様子を見ておったにもかかわらず、危ないからこれはいけないというので右上方に切った、こういうことすら言われておるわけですよ。一体自衛隊のルーチンワークというのですか、基本的なマニュアルというのはあるのかないのか。しかも今回のように、三国ポイントというのですか、日航なり全日空なり民間機が上がってきて、東京へ行く場合には方向を東の方へ切るわけですけれども、なぜ、わざわざそのようなところに来て芦屋に入らなければいけないのかどうか。芦屋基地に着陸するにはもっとほかの方法があるのじゃないだろうか、こういうように思うのですが、一体その点はどのように考えておられるのか、簡単に言ってください。
○芥川説明員 お答えいたします。 先ほど、自衛隊機の航法訓練には、航法訓練、特に有視界飛行方式については規則がないのではないかというお尋ねでございましたけれども、実は有視界飛行方式による飛行の場合には航空法にも、たとえば高度差地表あるいは水面から九百メートル以上の高度で巡航する場合には、どういう高度で飛行しなければならないというような規定があるわけでございまして、これを守って飛行しているわけでございます。 それのみならず、私ども、特に高速度のジェット戦闘機というものを使用して航法訓練をする場合におきましては、航空交通の安全を確保するために、先ほど申し上げたような航空法上の各種の規制の遵守はもちろんのこと、次のような事項についても指導を行っておるわけでございまして、たとえば見張りを強化して、早期に相手機を発見することでございますとか、発見した場合には早期に回避することでございますとか、あるいはレーダーサイトの助言あるいは監視というものを活用してまいるとかいう内部の規制もしておるわけでございます。今回のような事案の発生は、私どもといたしましては、こういう内部指導の徹底が行き届かなかったという点にあるのではないかというふうに考えておるわけでございます。 それから、実は先生が先ほどおっしゃったわけでございますが、自衛隊機の教官が、回避行動を起こすかなり前の時点にジャンボ機の接近を知っていたのではなかろうか、そういう報道があるというようにおっしゃいましたけれども、私ども、これまでの調査の結果ではございますが、御指摘のような事実は見当たらなかったわけでございます。 それから、なぜこういう航空交通のふくそうした三国ポイントというところを通って航法訓練をすることになったのかというお尋ねでございましたけれども、実は私ども、当該の空域というものが航空交通のふくそうしておる区域であることは重々承知しておったわけでございまして、したがいまして、当初の飛行経路もこの空域を避けるように計画しておったわけでございます。ところが、八方岳に向かう途中におきまして、学生に対する機長の指導が長引きまして、当初予定していたポイントを一分程度通り過ぎまして、その結果、航空交通のふくそうしている空域を飛行する結果になったという調査の結果でございます。
○草川委員 では、私の言っているのと結局同じじゃないですか。自衛隊機の方が民間航空機を発見するということについて、事前に承知をしながら回避がおくれたということはないとおっしゃるなら、なぜ三国ポイントに入ってくるのが一分おくれたのか、気がつかなかったから入りてくるのがおくれたわけでしょう。だから、同じことなんですよ。 だから私は問題は二つあると思うのですが、一つは、どっちにしても戦闘機乗りでしょう。機ですから民間機のような大きい飛行機を発見するのがおくれたというのは、まず指導官自身、教官自身が戦闘機乗りの失格を言わなければいかぬと思うのです。戦闘機乗りですから、そんな大きな飛行機が目の前に来るまでわからなかったというような教官であってはいかぬと思うのですね。生徒が気がつかないからこそ教官が注意をするわけです。いまのお話だと、教官も生徒も気がつかなかったというわけです。だから、どっちにしたってこれは責任上問題があると思うのです。 しかも、航空幕僚長のコメントが十一月二十日に出ております。「しかしながら先回の事例が発生した直後、同種事例を防止するため全飛行部隊に対し厳格な指導をしたにもかかわらず、」今回このようなことが起きたことは遺憾だ。だから、厳格な指導をしていないわけでしょう。厳格な指導をしておったらこういうことはないわけでしょう。その点一体どういう処分をするのか、処分の内容を明らかにしてください。
○芥川説明員 先生おっしゃいますとおり、今回の事例は九月五日付の航空幕僚長通達が十分徹底していなかったということによるものであるというふうに考えておりますが、どの程度の違反が生じたのか、どこにその原因があったのかということを、事実調査を含めまして、現在検討中でございまして、その結果関係者の処分を行いたいというふうに考えておるわけでございます。
○草川委員 大体きょうのこの交通安全特別委員会は、そもそもニアミスの集中審議をやろうという形で始まったのですよ。それは民間機同士の問題もありますし、特に日本の国内の場合は防衛庁との関係が絡みますから、きょうぐらいのときには一定の日にちがたっておるわけですから、こういう結果になりましたというのを、対応をもう少し早くわれわれの前に出すべきじゃないですか。それこそ国会の審議というものに防衛庁もあるいは運輸省の方も協力をするということになるのじゃないですか。何もここでお互いにやりとりをすることだけが目的じゃないのですよ。とにかく安心できるような体制をつくるというのがこの委員会の目的ですからね、その点は間違えないように。課長はお見えになっておられますけれども、防衛庁はこの委員会に対する態度は熱意がないと私は思うのですよ。非常に不熱心だと思うのですね。安全という面を考えるならもう少し真剣な対応を示していただきたい。どういうふうに処分されるのですか。
○芥川説明員 処分の中身については検討いたしておりません。 まず、現在調査を続けておりまして、その調査の結果どういうところに問題があったのか、それはだれの責任に帰すべきなのかという点を詰める必要があるというふうに考えておるわけでございます。
○草川委員 何とでも言いようがありますけれども、とにかく内部通達に違反をしたということは認めますか。
○芥川説明員 認めております。
○草川委員 認めておるなら、こういう場合にどういうような処分をしたということぐらいはやはり明確に態度を表明して、われわれの方に言うべきだと思うのです。 それから、航法訓練に対して規則はないという言い方に対して、規則はあるということでございますけれども、特にこういう条件の場合については航法訓練の方法そのものを見直す必要があると私は思うのです。この航法訓練の方法そのものを見直す考え方はございませんか。
○芥川説明員 航法訓練そのものとおっしゃる意味がよくわかりませんけれども、私どもとしては航法訓練をやる場所、それから時間、あるいは航法訓練をやります場合に、先ほどの繰り返しになるわけでございますが、レーダーによる助言、監視体制というものを確立して行う等々を考えておる、検討しておるという意味におきましては航法訓練の再検討をいたしておるわけでございます。
○草川委員 防衛庁の方は以上で終わりますけれども、この問題はもっと詰めていかなければいかぬ。やはり事安全ということでございますから、自衛隊内部だけの訓練というわけじゃございませんから、これはぜひ真剣な対応をしていただきたいということを特に要望しておきます。 そこで、今度は運輸省の方にお伺いをいたしますが、行政管理庁が雫石事件がございまして昭和四十七年に行政監察を行っておりまして、特別管制空域の拡充だとか、あるいは第二次空港整備の繰り上げだとか、いろいろな広範囲にわたっての勧告をしておるわけです。 そこで、問題をしぼりまして、航空法九十四条の二にございます特別管制区の範囲を広げることについてどのような考え方を持っておみえになりますか。当時の行政管理庁の方の勧告は、管制圏の空域の範囲の変更をしろというので、自衛隊のしかじかかくかくというような訓練空域だというのが決まっておるわけですが、今回のようにこういう非常に接近をしておるところもあるわけですから、特別管制区の範囲を広げるべきではないかという提案をしたいわけでございますけれども、この点についてのお考えはどうでしょう。
○松本(操)政府委員 特別管制区の拡張につきましては、例の雫石の問題がありました以後、特別管制区の数もふやし、あるいはその範囲の訂正もいたしたわけでございまして、現在、空港関係で十一カ所、それから従来はございませんでした航空路の中の特別管制空域というものを緑の四号という航空路の中に一カ所設けておるわけでございます。この特別管制空域の中におきましては有視界飛行方式で飛行する航空機につきましても管制官の指示を受ける、こういうことになるわけでございますので、それなりの安全の向上ということが期待されるのは御指摘のとおりでございますけれども、そのためにはまた私どもの方としても相当の設備及び人員の手当てをしていく必要もございますし、またこれらの空域を飛びます航空機に対しては、計器飛行であろうと有視界飛行であろうと、いずれもたとえばレーダーの応答装置を備えつけさせるというふうなこと、高度の設備というものも強制をしていかなければならないというふうな面もございます。したがって、現在合計十二カ所の特別管制空域というものを持っておるわけでございます。これで十分とは決して思っておりませんが、いま申し上げましたようなことをも十分検討の中に加えながら、今後の航空交通の状況といったようなものに対応した形で特別管制区の設置あるいは空域の拡大、こういうふうなことに対処してまいりたい、こう思っております。
○草川委員 予算上の問題もあると思いますけれども、ぜひ特別管制区の範囲を広げるべきではないか、こういうことを私は強く申し上げておきたいと思います。 それから、同じく管制情報処理システムについて伺いたいわけでございますけれども、全国四カ所に管制部、RDPというのがあるわけですね。これはスクリーンにかなり鮮明に映ってくるわけでございますけれども、異常接近の警報機能コンフレアラートというのですか、異常接近の場合に警報機能が出るわけですけれども、これは音が出ないのだそうですね。音を出そうと思えば出ぬことはないのだけれども、余り頻繁に鳴るような状況でも困るから、こういうようなことを担当の方方はおっしゃるわけですけれども、私はそういう発想自身に問題があるような気がしてなりません。そこで、確かにふくそうするわけですから、たとえば異常接近の警報が余り鳴り続けて、それがオオカミ少年じゃないけれども、危ない危ないと言うこともかえって問題があるということもわかりますけれども、やはりこのRDPの中に、異常接近の場合は絵だけではなくて警報をつけることが必要ではないかと思いますが、その点はどうでしょうか。
○松本(操)政府委員 現在、異常接近警報機能は二年間の開発を終わって、本年度から試験運用の状態に入っております。現時点におきましては、レーダースコープの上でちかちかさせる、ブリンクさせると言っておりますが、ちかちかさせることによってウォーニングを出しておるわけでございますが、先生おっしゃるように、これにたとえばブザーの音を併用することは容易にできるわけでございます。ただ、管制官の感覚的なものといたしまして、音と目とどちらがいいのかという議論がこれは前々からございます。 たとえば管制をレーダーの上で移管するという方法があるわけでございますが、このレーダーハンドオフと呼ばれます方法につきましても、スピーカーを使ってその旨を告げ、かつレーダースコープの上でブリンクをさせるというふうな方法をとってみたり、あるいは場合によってはスピーカーを落としてブリンクだけでやってみるとか、いろいろなことをそれぞれやっておるわけでございまして、結論的なものを出すのには、現在の試験運用の間に十分現場の管制官の意見を徴しまして方式として決めてまいりたい、こう思っておりますが、施設的にはいずれをも可能でございますので、今後試験運用の中で十分に検討しながら、どちらでもできるが管制官の任意に使い分けができるようにするとか、あるいは一定の方式に従って、いまおっしゃいますように音と目のサインと両方を併用するとか、あるいは目のサインだけにするとかいうふうなことを決めていきたい。ただし、いまのところ急に急いでということではなくて、十分使いこなした上で一番いい方法に落ちつけるようにしてまいりたい、こう考えております。
○草川委員 ではその次に、羽田、成田、大阪に現在あるARTS・J、管制情報についてお伺いするわけですが、これは現在も各飛行場にあるものよりはうんと条件がいいわけですね。電算機も入っておるわけです。成田はまだ整備中だと言っておりますけれども、たとえば鹿児島だとか名古屋だとか宮崎だとか、北海道と沖繩はまた自衛隊との共管になっておりますから別でございますけれども、そういうかなり頻度の高いBクラスというのですか、そのような飛行場にもこのARTS・Jというのを入れる必要があるのではないか、こう思います。 しかし、このARTS・Jには、いま言いましたように異常接近の警報機能というものはこれはないのでしょう、新しく入れようとする羽田、成田、大阪には。そうすると、相変わらず飛行機の点はレーダーに映るのですけれども、高度というのは数字でしか出てこないわけですね。私も現地へ行ってきましたけれども、いまは一々飛行機に高度を聞いて、それを紙に書き込んでおるわけですよ。一々聞いて、下がってきた、下がってきた、こう書いておるわけですよ。これでは、やはりそれだけに集中ですから、ほかの飛行機が入ったときには混乱を起こすわけですから、このARTS・Jというのはどうしても必要になってくると思います。ARTS・Jを入れるのだけれども、今度はこのRDPと違って異常接近警報がこれにはないわけですよ。どうせ使うのならなぜそういうものが機能をする機械を入れないのか。ARTS・Jというのを入れて、やはりこれがまた陳腐化して、警報機能がないからまた買い直すなんというむだなことにならぬようにしなければいかぬと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○松本(操)政府委員 まずARTS・Jの整備の状況は、いまも先生ちょっとお触れになりましたが、現在東京、大阪で動いておりまして、成田につきましては五十五年度から運用を開始するということで整備をいたしております。福岡につきましては、五十六年度から運用をするということでこれも整備をいたしております。さらに鹿児島、名古屋、宮崎等につきまして、追って五十七年度以降逐次整備を進めていく、こういう考え方でございます。 そこで、ARTS・Jにおきます異常接近警報機能でございますが、これは実はARTS・Jそのものがアメリカにおいて開発されました一つのコンピューターを使った管制処理システムでございますが、アメリカにおきます実験的な運用の中でこの異常接近警報システムを組み込んでやってみたことがございます。 ところが、先生もう十分御案内だと思いますが、進入管制を扱います空域の中にはかなりの数の航空機が入ってまいります。そこで、この警報のとり方をよほど実態に合ったものにいたしませんと、非常にしばしばその警報が作動する。現にアメリカにおきましては、余りにも頻繁に警報が作動するということから現場の管制官にきらわれまして、現在は使っていないというふうに聞いておるわけでございます。 ただ、私どもといたしましては、これは警報の出させ方に問題があったのではないか、このように考えておりますので、何マイルレンジのところ、たとえば近間のところはわりあいに遠くするとか近くするとか、距離によって警報の出し方を変えるとか、かなりきめの細かな警報発令システムというものに取り組まなければいかぬのじゃないか。そこで、現在のコンピューターにプログラムを組み直していけばいいわけでございますので、新しく買いかえるということではございません、しかしプログラムの開発にやや時間を要するか、このようにも考えられますので、来年度から私どもが計画策定しようとしております第四次の空港整備計画の中で何とかこのプログラムを実用化いたしまして、できれば第四次計画の後半の部分で実用化に踏み切れるようにいたしたい、このように考えております。
○草川委員 第四次空港整備計画は六十年が完成でしょう。だからそんなに余裕があるわけじゃないわけですし、特にその警報装置を入れるか入れぬかということについても、簡単なものじゃないわけですから早急に私は諸元を変えればいいと思うのです。別にアメリカでブーブー鳴るからきらうなんという単純なことでなくて、もう少し条件整備を考えながら、せっかく航空整備をやっておいでになるわけでありますから、私は、このARTS・Jの中にも異常接近の警報機能を備えるようなものを整備をすべきだ。特にニアミスというのは、今回の場合でもそうですけれども、離陸をするときあるいは着陸をするとき、飛行場周辺に一番多いのじゃないですか。そういう条件を考えていくとするならば、もう少し私が質問をした立場における対応があってもいいのではないか、こう私は思うわけです。 それから、これは管制官の勤務のことになりますけれども、いま管制官の方は大変御苦労なすっておいでになるわけでありますけれども、全国で千四百十二人おいでになるのだそうですね。いわゆる航空交通管制部七百三十二人、それから新東京とか羽田とかという第一種、それから第二種、それぞれ分かれておいでになるわけですが、非常にむずかしい勤務、四直五交代制の勤務をやっておいでになるわけです。 これはそれぞれの問題があるわけでありますし、人間の集中度合いというのは限界がございますから、なるべく短い期間で交代をして勤務をする態様が常識的に考えて一番いいと思うのです。ところが、二十四時間勤務体制の方が非常に多いのですね。二十四時間というのですから、二十四時間の勤務に全部張りついているという意味です、私の言うのは。ところが、夜は飛行機が飛んでない飛行場がたくさんあります。夜飛行機が飛んでないにもかかわらず、管制官を勤務に張りつけなければいけないのかどうか、こういう問題提起が一つあると思うのです。これは過去十何年来、飛行場が夜休んでおっても勤務をしておいでになるわけですけれども、異常な場合もありますし、あるいは他の飛行場に振りかえて急に来る場合もあるわけでありますから、一定の要員というのは残さなければいけないと私は思いますけれども、フルメンバーが二十四時間の対応をしなくてもいいのではないか、それはかえって管制官に過酷な条件を与えることになり、あるいはまたそれは今日の行政管理上からいっても問題があるのじゃないかと思うのですが、その点はどのようにお考えになられますか。
○松本(操)政府委員 いま先生おっしゃいましたように、管制官の勤務は非常に変則的な四直五交代勤務ということで、一つのモデルはございます、モデルはございますが、それぞれの管制機関におきまして長い間のしきたりなりあるいはそこに勤務いたします管制官の希望なり、あるいはその空港等におきます航空交通の状況等に応じてそれの変形的なものも含めて、原則的には四直五交代が行われておるわけでございます。 そこで、夜間の勤務の問題については、実は昔からいろいろと議論があるわけでございますけれども、二十四時間ウォッチをしなければならない管制部においては、これはなかなか夜間の勢力削減ということは困難だと思います。空港におきましては、現実に夜間、真夜中に飛んでくる飛行機というのはほとんどないわけでございますので、これを削減したらどうかということはあるわけでございますけれども、実はこの期間は管制官としていろいろ昼間できない、飛行機が飛んでいてはできない仕事を片づけておくというふうなこともございまして、それなりに有効に使っておるという面もございます。 それから、勤務のありようとして真夜中に交代ということが困難でございますので、どうしても前の日の夜半から入りました勤務者は翌日の早朝分まで詰めなければならない。そういたしますと、これも空港によりますけれども、九時から十時ごろにかけてかなりトラフィックが込む。あるいは翌朝の七時、八時にかけて出発機がかなり込む。こういうふうなこともございますので、途中で交代をさせることが通勤状況その他から困難ということもあって、一つのチームでこれを賄っているというのが実情でございます。ただ、夜間全員が起きていなければならないということでもございません。したがって、現実に飛行機を扱う席に着く人間につきましては、そのときの交通事情に応じて適宜主幹なり主任なりが差配をしておるわけでございますが、一般的には夜半の込んだ時期を過ぎた後、昼間できなかった諸般の問題についての片づけものをし、ウォッチにつく者はウォッチにつき、残りの者は仮眠をして翌朝に備える。こういうふうな勤務形態でございます。 ただ、改善の余地はないかという点は、もうおっしゃるとおりでございますので、今後いろいろと勉強してまいりたい、こう思っております。
○草川委員 いまのいろいろな同時管制の制限についても、運輸省と組合との意見が食い違っているようでありますし、同時管制数も三十分で十五機と組合が主張しておるのに対し、当局は十七機と主張し、結局中をとって十六機になったという話もあるようでありまして、非常に雑な問題が多いと思うのです、非常に高度な割りには。まだそのほかにもたくさんの問題点が行政管理庁からも指摘をされておるわけですが、行政管理庁として私どもがいま主張しておりますような点についてどのような対応をお考えになっておられますか、お伺いいたします。
○加藤(武)説明員 空港の安全の確保につきましては非常に重要な問題でございます。最近におきましては、航空機の異常接近の問題などが新聞紙上でも報道されておりますので、先生御指摘のような問題につきましても非常に関心を持っているわけでございます。ただ、この問題を行政監察として取り上げるかどうかにつきましては、私ども、先生御承知のように行政改革関連の重要な問題を抱えておりますので、今後十分検討してまいりたい、このように考えております。
○草川委員 では、この問題は一応終わりまして、名古屋空港の問題について少し触れておきたいと思うのですが、実はすでに閣議でも決まっておりますけれども、名古屋オリンピックに対して名古屋市がいま立候補をしておるわけであります。それで、もしこの名古屋オリンピックが開催に成功するということになりますと、当然名古屋空港を利用する航空機の便がどのようになるのかという非常に重要な問題が出てくるわけであります。 現在、名古屋市のオリンピック対策委員室というのがありますけれども、そこの試算によりますと、名古屋空港に直接外国から来日される方を約二万人と計算をしております。それから港へ船で入ってくるのを約五千人、それから成田空港から新幹線を経由して名古屋にお見えになる方が約七万人と試算をしておみえになります。それから大阪空港から新幹線を経由して名古屋オリンピックにお見えになる方約三万人、こういう計算をしておるわけでございまして、アバウトな話ですが十二万から十三万人ぐらい来日をされるだろう。こういうことになりますと、名古屋空港の増便の受け入れ能力というのがあるかないかということになりますが、運輸省としてどのような対応をなすっておみえになりますか。
○松本(操)政府委員 いま先生から数字を挙げて御指摘ございましたけれども、実は私どもまだ正確な数字というものを伺っていないわけでございまして、恐らくこれから関係機関の間で詰められていく問題であろうかと思います。 そこで、仮に数字が決まってまいりました時点で、八年ばかり先のことでございますから、それに対応するだけの準備はある程度とれるかと思いますけれども、まず現在の名古屋空港は、滑走路が多少短い状態で使っておりますので、これは本来の二千七百四十メートル目いっぱいまで早期に延ばさなければいけない。この部分につきましては、ここ二年ぐらいの間に可能ではなかろうか、このように考えておりますので、滑走路の問題では恐らく問題はなかろうと思います。 その次にはエプロン、ターミナルといったようなものを直していかなければならないわけでございますけれども、これは空港だけの問題ではございませんで、実はターミナルの場所を変えるというふうなことになってまいりますと、隣接市、町との間にいろいろと問題が出てまいります。現在のところ、名古屋空港の周辺の市、町におきましては、主として騒音問題を理由に増便について非常にきつい姿勢を示しておいでなわけでございますので、そういう点がまずもって解決をされてまいりませんと、私どもの基本計画的なものもなかなか立てにくい。したがって、今後は愛知県、名古屋市のほか周辺の市、町あたりとも十分に御相談をしながら、所要の受け入れ体制は十分にとれるように、私どもの方としても前広な準備はしていきたい、このように考えております。
○草川委員 いま局長がおっしゃったとおりだと思いますから、それは確かに周辺の市町村からの騒音に対するいろいろな意見があると思いますし、私どもも事実そういうことを受けておるわけでございますが、オリンピックということでございますから、たとえばの話ですけれども、地元の周辺市町村が認めた場合、いわゆる能力の問題ですね、飛行場の能力としては、いま前広ということをおっしゃいましたけれども、一本の滑走路で一体どの程度の増便の受け入れ余力があるのか。これを羽田に比べるあるいは大阪、条件は違いますけれども、名古屋の飛行場としては受け入れ能力はあるか。あるいはエプロンは、現在定期便だけでもやりくりをしてかなり苦労をしておみえになる。十四カ所しかないのだそうですけれども、そういうような条件でも受け入れができるのかどうか、お伺いします。
○松本(操)政府委員 名古屋空港の出発、進入の経路というものは、わりあいに素直でございますので、私、正確な数字は差し控えますが、大体年間に十二、三万回、一日にいたしまして三百数十回というところは十分こなせるのではないか、こう思います。仮にいま先生おっしゃいました二万人という数字をとったといたしまして、三百人乗りのジャンボで来るとして大体七十機分になるわけでございますが、一遍に七十機来るわけでもございますまい。数日に分けて来るということでありますと、十数機ということになりましょう。ですから、まず滑走路的な能力としては、私は特段の心配はないのではないか、こう思いますが、エプロンにつきましては、おっしゃるようにどうしても拡張が必要でございましょうし、さらにターミナルビルについても何らかの手当てが要るのではないか。あるいはCIQの施設等についてもそれなりの施設が要るのではないか、このように思いますけれども、古くは三十九年の東京オリンピックの例でございますとか、あるいは冬季オリンピックのときにどういうふうな手当てを千歳空港で行ったかというふうな事例も参照にしながら、そういう点で御迷惑がかからないように私どもの方としては十分フォローアップをしていきたい、こう考えております。
○草川委員 期間が長いようでございますけれども、あっという間に過ぎることだと思いますし、せっかく閣議でも決まったことでございますので、ぜひそのような対応方をお願い申し上げておきたいと思います。 飛行機の話はこれで終わりでございますから、関係の方はお引き取り願って結構でございます。 最後になりますが、今度は実は陸上の建設用機械でございます。いわゆる重機というのがあります。穴を掘ったりクレーンで荷物をつり上げたりする、そのような建設機械の安全確保という問題を少し提起をしたいわけでございます。 私、実は重機も運輸省管轄か、多少下がっても通産省ぐらいだと思っておったわけでございます。ところがたまたま、これはメーカーの名前は小松製作所というのですけれども、パワーショベル20のHTというシャベルがあるわけでございますが、これが非常に故障が多い。アームというのですか、腕が折れる、しかもこれが、何回取りかえてもこのような苦情があるという話が出てまいりまして、これは一体どこの所管かと思っておりましたら、労働省なんだそうです。労働省は建設機械の構造上の安全確保ということになっておるわけです。普通、自動車なら、通産省の場合だったら御存じのとおり、リコールというのですか、届け出をして、故障がかくかくしかじかで改革をしますから引き取りをするとかいろいろな対応があるわけでございますが、残念ながら重機の方にはないわけでございます。一体こういうものをいまのまま放置をしておっていいのかどうかという問題提起を私はしたいわけであります。 特にパワーショベルの場合は特殊自動車でありまして、走るところの部門と建設機械部門とは運輸省及び労働省と所管が分かれておるわけでして、しかも、建設機械部門といえども特殊自動車の一部でありますから、道路運送車両の保安基準の中に取り入れて運輸省がこれも監督をすべきじゃないか、こういうように思うわけです。 さらにまた具体的な例を挙げてもいいのですが、時間がありませんから申し上げませんが、故障率が高いわけですから、労働安全の観点から見てもリコール制度というものを建設機械にも導入していいのではないかと思うわけでありますけれども、労働省と建設省がお見えになっておられますから、所管の立場からお伺いをし、最後に運輸省の方からも意見を聞きたいと思います。
○加来説明員 先生御指摘の点でございますが、車両系建設機械の安全対策としましては労働省では、労働者の安全確保という観点から労働安全衛生法の規定に基づきまして、車両系建設機械については構造規格を定めまして、この構造規格を具備していなければ、譲渡したり、貸与したり、それから設置してはならないといったような措置を講じておるわけでございます。 また、そのほか、使用の段階に至りましても、事業者すなわち使用する側でございますが、こちらに対して定期に自主検査を行う。その自主検査についても、一定の資格のある者、または都道府県労働基準局長等の登録を受けた一定の検査業者が行ったものでなければならない、その結果を記録しておかなければならないといったような措置も講じております。 それからさらに、構造上の欠陥の発見等につきましては、私どもの方の労働基準監督署が各所にございますが、そこの監督官が監督指導の際に得た情報、それから災害が起こりました後得ました情報、その他各種の情報を得た場合、その得ました情報が車両系建設機械の構造上の欠陥である、こういう場合につきましては通報制度というのを各局間に敷いておりまして、その通報に基づきましてメーカーを所轄している局署が動きましてメーカーの方へ調査に行く、そしてその構造上の欠陥の内容に応じまして各種の措置、たとえば修理でありますとか回収でありますとか、そういった措置を講ずるような仕組みを現在やっておるわけでございます。したがいまして、これは先生御指摘のリコールにずばり当たるというふうには思わないわけではございますけれども、現在はこのやり方でやっておりまして相当の実績も上げておりますので、先生御指摘の具体的な事案につきましてはさらにいま検討を加えまして、この方向の中で処理できるかどうかについて検討したい、このように考えております。
○中野説明員 建設省では、建設機械の使い方も含めまして建設工事の安全施工ということについては努めておるわけでございますが、特に建設機械の安全性につきましては、工事の安全を確保する目的で、機械の使用者であります建設業者が安全にすぐれた機械を選択、使用できるように、建設機械の安全性をどう評価するかというような手法につきまして検討を進めているところでございます。
○宇野説明員 お答え申し上げます。 運輸省も建設関係の特殊自動車につきましては所管をしておるわけでございますが、私どもが所管しております道路運送車両法に基づくところの規制につきましては、その対象が一般交通の用に供する場所、すなわち普通、道路でございますが、そういう場所を走行するに当たってその車の安全の確保を維持するという主眼のもとに基準等を作成しチェックをしておるわけでございます。したがいまして、今回先生御指摘の具体的な事例につきましては、私どもいまつかんでおります情報では、完全に作業場における、すなわち一般道路以外の場所で使う状態での車であったように報告を受けておるわけでございます。そういうことからいたしまして、特に建設作業等に必要な装置の作業安全にかかわる事項につきましては、法律でありますところの道路運送車両法になじみにくいのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○草川委員 なじむなじまぬは別として、重量物を上げ下げしておるわけでありますし、道路にさくをして穴を掘っておることは事実ですから、私は関係ないというわけにはいかぬと思うのです。これはいま申し上げたように各省にわたるわけでありますから、きょうは時間がないのでこれで終わりますので、私は、交通安全対策特別委員会の調査室等において十分実情を調査して、またの機会にぜひ報告をしていただきたいことを特に要望して終わりたい、こういうように思います。
○田中委員長 次に、中路雅弘君。
○中路委員 きょう質問を予定していました同僚議員が他の委員会で全く同じ時間に質問がぶつかるということで急遽かわったものですから、質問の一部を代行してやるということにもなりますので、少し荒っぽい質問かと思いますが、御勘弁願いたいと思います。 その前にバスの安全運行の問題について短時間お尋ねしたいと思います。 神奈川県内のバスで見ましても、神奈川中央交通、それから相鉄、京浜急行、江ノ島鎌倉観光、四社がいずれもいま一九・六%のバス運賃の値上げを申請しているわけですが、毎日ハンドルを握っている運転手の間では、値上げよりも、いまの安全上大変危険な過密ダイヤについて何とかしてほしいという声も多く出ているわけです。 一つの例で、大手であります神奈川中央交通の問題で二、三きょうお尋ねしたいのですが、神奈川中央交通も年間死亡事故だけでも四、五件事故を起こしていますし、衝突や接触、こうした事故は毎月数件に上っています。 最初に私がお尋ねしたいのは、バスの停留所等の新設は運輸省の認可になっていますけれども、たとえば路線別の標準の運行時間、こういった点については主として当該の会社にみんな任されているのか、監督やこうした点についてはどういう関係にあるのか、最初にお尋ねしたいと思います。
○宇野説明員 大変申しわけございませんが、担当がいませんけれども、簡単に申し上げますと、バスの路線の計画等につきましては陸運局長もしくは大臣の認可事項になっておるわけでございます。
○中路委員 路線別の運行時間ですね、これは主として私は会社の方で決められているんじゃないかと思うのですが、この運行時間が神奈川中央交通で見ますと、路線別の標準運行時間といいますか、これが十数年来全く変わっていないのですね。改められていない。したがって、私、営業所に勤務している運転手に聞きましたのですが、交通量が全く変わってきているわけですし、交通渋滞も多くなっています。あるいは停留所もふえる、信号もふえる、こういう中で、交通事情が一変しているにかかわらず区間の走行時間が十数年全く変わっていない。これがバスの安全運行にとって大変大きな問題だということを言われているわけです。 私、具体例でちょっと聞いたお話をしますと、たとえば、これも神奈川中央交通ですが、大秦野駅と国鉄二宮駅の標準運行時間は、会社で決めているのですが、三十二分ということになっていますが、朝夕のラッシュ時ですと十五分以上はいつもおくれていますし、昼間のすいた時間でも十分近くおくれる。そのために三十キロの制限速度も五、六十キロのスピードで運転しないと消化できない。あるいはもう一つ例を挙げますと、大秦野駅と国鉄平塚間、これも事情は同じでして、標準時間が四十分と決められているわけですが、同区間には信号が、新しくできたのを含めて三十七カ所、停留所もまたふえまして三十二カ所あるわけですが、しかし運行時間は全く変わらない。したがって、ラッシュや交通法規を考えますと四十分じゃ全く行けない。六十分ぐらいは必要だ。安全運転をしろと言われても、この交通事情に合わせなければダイヤが走れないわけですから、こういった点でいわばお客さんのトラブルやあるいはスピード違反、サービス低下あるいは交代の休みの時間も確保できないというような訴えが直接来ているわけです。 私は、関係があるので国鉄の方にもお聞きをしたいのですが、国鉄バスの標準運行時間、これはどういう形で設定をされていっているのか、あるいは、私鉄の場合、いまお話ししましたが十数年変えないところもあるのですが、こういった点の見直しがやられているのか、ひとつお聞きしたいと思います。
○日巻説明員 お答え申し上げます。 国鉄の運行時間の策定につきましては、当該路線の試運転をやります、あるいは、その後のことにつきましては運行記録計を全車取りつけてございますが、この記録の実績、こういったことを勘案しまして両者からあわせて策定をしておるというようなことでございます。
○中路委員 いまお話ししましたたとえば信号がふえるとか、あるいは速度制限が変わるとか、こういったことも出てくるわけですけれども、こういった点で乗降員も、お客のあれも変化するわけですが、やはりたとえば年に何回か見直しをされるとか、何年かに一回改正されるとか、こういうことはやられているわけですか。
○日巻説明員 私どもの運転しております範囲が、過疎路線が非常に多いものでございますから、都市交通に比べますとかなりそういった頻度が違うんだろうと思いますが、私ども運行記録計等で見まして、これはもう変えた方がいいなというような状況になりましたときは、ダイヤ改正等をとらえまして改正をしておるというのが実情でございます。
○中路委員 国鉄の場合は年に一回はダイヤ改正があるわけですから、そういう時期に調査もやられるんだと思いますけれども、私は、一つは、標準の運行時間が交通事情が全く変わったにかかわらず十数年も改正されないということは、大変大きな問題だと思うのです。 もう一つ、ここで働く運転労働者の実情なんですが、私は、資料で見ますと、これも神奈川中央交通の例でありますと、月平均残業が七十時間か八十時間、多い人ですと百三十時間に上るのもあるわけです。残業しない運転手はほとんどいない。そしてここに表がありますけれども、これは出勤退社早見表というのです。番号を振って通しダイヤのこれにはめ込んでいくわけですね。これを見ますと、一人の運転手で、番号で見ますと半分近い、もっと多いですか、の通しダイヤが大体十四時間乗るということになっています。最初からこのダイヤ編成が長時間労働で編成をされている。しかも、二つのダイヤを通じて乗る場合があるわけですね。そして食事時間も不規則ですけれども、通しダイヤで二つのダイヤを連続して運行する場合は、一ダイヤについて三十分の点検時間が設けられているわけですが、結局先ほど言いました事情で時間が延びますから、その分がカットをされて、点検時間三十分あるいは四十五分分くらいのものがカットされて次のダイヤに入るということですから、大変な過密労働になる。そして事故を起こした場合はすべて運転手の過失ということになるわけですし、また、賃金の面で見ても二つのダイヤの分を支払うのは当然ですけれども、もともとつぶされている点検時間の三十分、四十五分はカットをされるというようなことも事情であるわけなんで、先ほどお話ししましたように、一つは標準運行時間ですね、これが全く十数年来改定されてない、そして大変な過密労働になっているという問題ですが、これも御存じだったら教えてほしいのですが、国鉄バスの場合の平均の労働時間というのは大体どれぐらいですか、おわかりになりますか。
○日巻説明員 お答えいたします。 国鉄バスの平均の労働時間としましては、四週を平均しまして週平均四十時間ということになっておりまして、一日に直しますと、平均でいきますと六時間四十分というような程度になってございます。
○中路委員 残業は大体どれぐらいですか。
○日巻説明員 国鉄バスも地域が非常にばらついておりまして、運行条件が違っておるわけでございます。また、一年を通しましても、観光地にありますところは観光シーズンは非常にお客さんが張るというようなことでございまして、ばらつきが非常に大きいのでございますけれども、普通の状態でございますと、超勤時間は月にまあ一けた以内というような感じでございます。しかし観光シーズンあるいは観光地というようなところでは、これをはるかに超すというような実態になってございます。
○中路委員 お聞きしましたら、残業は場所によっても違うでしょうけれども、月平均五、六時間という話も聞いておるわけです。 いまお話ししました長時間労働の問題ですが、たとえばこれも一例を挙げておきますと、この表で見ますと、早朝五時二十九分の出勤で午後八時五十八分の退社の場合ですと勤務時間が十五時間二十九分ですから、うち一日で六時間十四分が残業になるわけですね。こうした長時間の勤務が月十回前後ダイヤにすでに組み込まれていますから、月の残業が六十時間、七十時間になる。しかもこれが非常に不当なことは、一日七時間十五分以上の残業は、超過分を翌日に回すという操作もやられているというお話も聞いているわけです。私は民鉄の神奈川県内の中央交通の例だけをいま取り上げましたけれども、このように大変な長時間労働と、標準時間がもう変えられないというような感じですが、労働省がバスの労働者の労働時間についての通達を出していますし、また一昨年は全体の労働時間の短縮についての通達も出しているわけですけれども、バスの運行等についても指導監督の責任のある運輸省として、こうした通達については御存じだと思うのですが、どのように現状を見ておられるのか、あるいは改善について考えていることがあればお話もお聞きしたいと思います。いかがですか。
○宇野説明員 運輸省といたしましては、道路運送事業の全般にわたりまして監督をしておるわけでございますが、その中で先生御指摘の問題は労務管理、労働条件等のお話であろうかと思います。特に労務管理というか、交通安全、事故防止という見地から、私どもの規則で過労の防止ということを運送事業者に義務づけておるわけでございます。これは自動車運送事業等運輸規則という省令があるわけでございますけれども、この中で、過労を踏まえた乗務員の勤務時間あるいは乗務時間を定めなければならないというふうに決めてございまして、冒頭にお話がございましたけれども、運転の実態につきましても、運転基準図というものを作成して、それに従った乗務員に対する指導をしなければならないというふうに決めてございます。したがいまして、私どもが監督指導するに当たりましては、もちろん労働省のサイドからいいますところの労務管理の適正化ということも踏まえた上で、監査等に際しましては、この過労防止についてどういう措置をしておるかという実態を把握しながら監督をしておる状態でございます。
○中路委員 しかし、現実はいまお話ししましたように、一例で一会社を挙げたわけですが、他もそう変わらない。たとえば平均残業が月七十時間、八十時間というのは、いまの労働時間短縮が問題になっている中でも、これは異常な過密な労働ということになるわけですね。この点の監督指導の問題と、もう一つは、いまお話ししましたように、交通事情がこれだけ変わっているのに、十数年路線の運行時間が改正されない。これは大変大きな問題だと思うのです。これで事故が多発するわけですから、この点については運輸省として至急現状を調査をして、やはり交通事情に合ったように標準の運行時間を改定、是正するということの指導をやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○宇野説明員 具体的な案件につきましては、これから調査をしていきたいと思います。
○中路委員 調査をしていただくわけですが、いま例を挙げたのは事実で、時間が変わっていないわけです。停留所がふえれば当然運行時間は変えなければいけない、信号も数がふえる、そして十年前に比べれば交通量も変わるわけですね。それで標準の時間が全く変わっていない。これはいかがお考えですか。
○宇野説明員 先ほどちょっと御答弁で申し上げましたけれども、同じ規則の中で運転基準図というものを運送事業者がつくるようになっております。この運転基準図をつくるに当たりましては、その運行系統の道路状況あるいは交通状況を踏まえた上で、標準の運転時分だとか平均速度、道路の状況、幅員、カーブの曲線半径、踏切、橋、トンネル、こういったような道路の条件をあらわすものを一応織り込みまして運転基準図というものをつくって、それを営業所に備えて日ごろ乗務員に指導、教育をするというように義務づけておるわけでございまして、道路状況あるいは交通状況が極端に変わってまいりますと、運転時分の実績からおくれがどのくらい出たというような数字がつかめますが、そういう傾向をながめながらこの運転基準図の修正ということをやっていくように指導しております。
○中路委員 いまおっしゃったように指導の責任があるわけですから、そして現状は私がいまお話ししたような実情なので、ぜひいまの運転基準図ですか、こういったものを点検していただいて、実情に合った形で、事実がそういう実情に合わないという場合是正をするように強力に指導するということをひとつお約束をいただきたいと思うのですが、いかがですか。
○宇野説明員 先生御指摘の点につきまして、十分調査をいたしたいと思います。
○中路委員 例として一会社を挙げたわけですが、他のバスについても同じような実情があるわけです。先ほど国鉄バスの例をちょっとお聞きしましたけれども、国鉄バスの場合は、私がお話を聞きましたら、一応運転記録を検討しながら年に一、二回は乗降員の調査もやって、必要な場合改正もしているという御報告も聞いているわけです。国鉄をほめるわけじゃないのですが、やはり余りにも劣悪な労働条件、そして交通安全の面でも問題なので、この是正についてはひとつ強力な指導をお願いしたい。 あわせてお話ししておきますと、安全教育の点でも私は大変問題が多いと思うのです。国鉄バスの場合を聞きますと、安全運行のために新規採用者で一カ月か一カ月半、そして中間にも安全教育を一応やられていますし、あるいは防衛運転と言って、プロとしての、公共交通機関の運転員としての教育も当然やられているわけです。こうした問題も含めて、事故率を見ますと、状況も違うわけですけれども、この神奈川中央交通は最初にお話ししましたように死亡事故も年間何件も出しています。国鉄バスの場合、計算しますと百万キロ当たり〇・〇八件という事故です。そういう点で比べても、やはりいま私がお話ししましたようなことが事故の大きな要素になっていると思いますので、この点を重ねてお願いをしておきたいと思います。 そこで、国鉄がお見えになっていますので、同僚委員が質問する予定だったものの一部ですけれども、これは半谷常務理事に、先般私も川崎の範囲のことで、まあ開通した直後だったものですから、具体的な施策についてはまだ御回答はいただかなかったのですけれども、一般新聞等にも社会面トップで何紙にも報道されているという問題でして、きょうはもう少し具体的な施策についてお答えをいただきたいと思うのですが、例の十月一日に新横須賀線がいわゆる品鶴線に乗り入れを実施して、東海道線と分離したわけですが、いまここは新幹線それから品鶴線、貨物線ですね、そして横須賀線というのが並行して走る。川崎の部分ですと武蔵野南線、貨物が並行して走るという、まさに都市型の三重騒音、三重振動ということが問題になる地域ですが、いまこの地域は、新幹線それから品鶴線の貨物、横須賀線、それぞれ一日何本ぐらい走っているかおわかりになりますか。
○半谷説明員 いま私の手元に品鶴線の本数がございますので、とりあえずこれをお知らせ申し上げたいと思います。五十五年十月時点のダイヤ改正で品鶴線に横須賀線が入り出したわけでございますが、この時点以降、現在横須賀線電車でございますが、これが一日に百八十二回、それから貨物列車、これが三十七回、その他試運転、単機等がございまして、総計二百五十六回というのが十月一日以降の列車回数でございます。
○中路委員 並行しているところはこれに新幹線が、私がちょっと調べましたら二百二十五本毎日走っているわけですね。そして、列車のスピードも、貨物と違って横須賀線の旅客の場合は大体八十キロから百キロぐらいで走っているんじゃないかと思いますけれども、アップされていますから、これは環境庁の新幹線騒音の環境基準をいずれも大幅に上回っていますし、新川崎駅周辺は、先日もお話ししましたけれども、川崎市の公害局が五カ所調査をしましたけれども、いずれも八十ホンをはるかに超えるという状態ですが、特に品川沿線の大田地域はこれをさらに上回って、九十五ホンから百ホンを記録しています。国鉄にもたくさん苦情が出ていると思いますが、住民の皆さんからは、まるで砲弾が炸裂するようだとか、耳鳴りがするというような、あるいはアパートがもう借り手がいなくなったというような苦情が相次いでいまして、議会にもいま陳情や請願が殺到している状態ですけれども、こうした事態は、この十月一日に分離をして新横須賀線を開通される際に、事前にこうした騒音や振動というのは国鉄は予測されていたわけですか。どのような調査をされてきたのですか。
○半谷説明員 十月一日以降運転開始いたしまして、沿線の皆様から大分苦情をいただいております。これは、私どもの方もそれをよく承知しているわけでございますが、私どもも、当初予想といいますか予期した以上の音が出ているということで、沿線の皆さん方には大変御迷惑をかけていることになりますので、非常に申しわけないと思っておりますが、実はこの計画、大分前から計画いたしておりまして、その計画に入りました時点で沿線の品川区あるいは大田区等々といろいろ御相談申し上げまして、その時点で必要な対策というものを両者との間で取り決めまして、その対策を実施したわけでございます。 その対策を簡単に申し上げますと、線路構造そのもので申し上げますと、例のレールの継ぎ目がわりあい騒音の原因にもなるということでロングレールを取り入れる、あるいはレール断面の重いものを入れる。大体従来一メーター当たりの重さが五十キロというレールを使っていましたが、これを六十キログラムの重さのレールに取りかえる。それからまくら木をPCまくら木に、木まくら木からコンクリートのまくら木にかえるという一連の対策を実施いたしました。それからさらに鉄げたの、いわゆる道床の入ってない、バラストの入ってない鉄げた、通称ガードと言われるところが多いわけでありますが、そういうところの音が非常に高いということでありますので、これらにつきましても極力コンクリートげたにかえるということで、この開業までの間にコンクリートげたに直したところがこの沿線で約十一カ所ございますけれども、それをやりまして、また沿線に防音壁を設置する必要個所、これを地元の皆さんとも御相談しまして防音壁を設置したわけでございます。そのほかに沿線の対策として踏切の立体交差という御要求も五カ所ほどあったわけでありますが、実際には開業までに二カ所しかできなかったわけであります。二カ所実施いたしまして、あと残る三カ所につきましては私どもの方としては実施するという構えでおりますが、何としても道路の前後を下げてくるという、道路計画と一体として実施いたしませんとできませんので、道路計画の方の進行状況をいま見ているという状況であります。 事前の騒音対策はそのような対策を打ったわけでございますが、従来この線は貨物の専用線でありまして、貨物の列車というのは御承知のように四十両、五十両という列車の長さを持っておりまして、長さで言いましても四百五十メーター、長いものは五百メーターぐらいになるわけでありますが、速度としては六十五キロ前後が大部分だったと思います。そういう速度で走っておりまして、その当時の騒音としては、いろいろ記録をとったものを見ますと大体八十ホン前後ではなかったかと想定いたしております。その当時はかったデータも残っているわけでありますが、八十ホンを多少超えたものもありますし、大体八十ホン前後だったと思います。この十月一日横須賀線が乗り入れるに当たりまして、訓練運転それから試運転を兼ねまして、電車の編成、これは八両編成でございましたけれどもこれを入れまして、約半年にわたってこの間の訓練、試運転をやったわけでございます。そのときの速度は大体五十キロから八十キロぐらいで走っておりますけれども、その当時この練習運転が始まりまして私どもの方も何カ所か騒音測定をやったわけでありますが、この当時の記録によりますと、貨物線として使っていた貨物列車の音と大体同じぐらいだなという感じでいたわけでございます。しかし実際に開業いたしてみますと、編成も八両が十五両ということになっておりますが、速度も現在この辺では恐らく八十キロ前後になっておりまして、実際の騒音をはかってみますと、鉄げた部分においてやはり相当高い。場所によりまして九十ホン程度になっている、九十ホン前後のものが見られるという状況を確認いたしました。 これに対しまして私どもといたしましては、在来線に対します環境基準というものは現在示されていないわけでございます。環境基準、騒音の基準として出されているのは新幹線に対してだけでございますけれども、在来線につきましては、こういった従来の運転状況と相当変わった形になる、あるいは改良をやる、線路をふやす、取りかえをやるという場合には、極力こういった騒音、振動に対してできるだけの配慮を払うというつもりでやっておりまして、そのために品鶴線についても一連の対策を打ったわけでございますけれども、結果としてまだ不十分だということになりまして、現在沿線の川崎市あるいは品川区、大田区等とも御相談申し上げまして、残っております鉄げたに対します防音工等の対策あるいはまだ不十分だと思われるところの防音壁の増設、これを実施するということで現在すでに一部着手したものもございますし、今後年度内に着手するあるいは場合によっては来年度に入るものもございますけれども、これらの追加した対策というものをなるべく早くやりまして、この騒音、振動対策を実施して効果あらしめたいというふうに考えている次第でございます。
○中路委員 いまもお話しになりましたけれども、この試運転というのは主として運転士の訓練運転なんですね。だから実際に十五両で通るわけですから、その試運転は八両でやっておられて、しかもスピードもいまおっしゃったように五十キロとかいうことですから、実際の騒音や振動をどういうふうにして対策を立てるかという対策じゃなくて、主として運転士の訓練運転的な形でやってこられた。だから実際にこれが開通すると、こうした大きな騒音、振動の予想もしなかったような数値が出てくるということだと思うのですが、武蔵野南線の場合もそうなんですね。私聞きましたら、トロッコを転がしたというのですね、最初。それでやっているわけですからね。トロッコと貨物列車とでは全く違うのですから。こうした対策が開通してから大変大きな問題になっているのだと思うのですが、いまおっしゃったように、たしか新横須賀線、これの品鶴線乗り入れについては国鉄と地元で三つの条件で約束があったのですね。御存じのように、品川、西大井駅の建設、それから騒音、振動防止対策の強化、さっきちょっとお話のありました五つの踏切の立体交差、この三条件があったわけですが、いま御報告のこの三条件というのは完全に実施されないまま乗り入れが強行された。これで地元の人たちもだまされたというふうに憤慨されているわけなんで、この三条件についてぜひ守るようにしていただきたいと思いますが、ひとついまお話しになった三条件の中の五つの踏切の立体交差、これは安全の上でも大変大事なわけです、交通渋滞の対策としても。いまお話しになりましたが、この立体交差を急ぐという問題についてもう少し具体的に、いつまでどのようにこれをやられるのか、約束をお聞きしておきたいと思うのです。
○半谷説明員 現在対象になっております踏切三カ所、これは道路区分で申し上げますと、都道であるところが一カ所、それから区道が二カ所でございます。それで実は、現在踏切でありますから線路を下へ下げるわけでございます。したがいまして、沿道には当然人家がございまして、しかも、立体交差をするこの道路が現行幅員に対しましてこれを拡幅、道路を広げまして実施するという道路側の計画があるわけでございます。したがいまして、私どもの方でこの踏切を立体交差するためには、道路管理者の方の計画と一体で実施しないとこの計画が成り立たないわけでございます。したがいまして、関係の区それから東京都といろいろ協議を申し上げているわけでございまして、私どもとしては、一刻も早くこの立体交差を含めました道路計画を実施できるような形に道路管理者に持っていっていただくことが立体交差を進める上にどうしても必要な条件でございますので、これをいま早くやっていただくようにお願いしている状況でございます。 したがいまして、いま私どもの方からこの道路の立体交差がいつできるという見込みがまだはっきり立たない状況でございまして、私どもとしては、できるだけこの沿道の方々の御賛同を得て、この計画が早く固まるということをお願いしている段階でございます。
○中路委員 この点は自治体任せでは済まないわけなんで、ひとつ共同の責任ということで急いで立体交差の問題はやっていただきたいと思うのですが、抜本的な対策をやれば振動や騒音の公害対策というのはできると私は思うのですね。それは同じ鶴見-大船間の新貨物線では、騒音が五十五ホン以下という基準で国鉄と横浜市との間で合意をしていますし、ここではシェルターで線路を覆ったり緩衝地帯を設けて成果も上げられているわけですから、スピードの問題あるいは深夜運行の問題等含めて、こうした全体としての抜本対策をひとつ検討していただきたいと思います。 時間が限られておりますからあと一、二問したいのですが、さっき言いましたように、新幹線と新横須賀線が並行しているところが特にひどいわけで、新幹線側には防音壁があるけれども、在来線だというので片方にはない。だから逆にこの騒音が反射増幅して、反対側の住民が非常に困っているというようなところが幾つもあります。たとえば大田区の多摩川土手の橋梁だとか池上橋梁、耕地橋梁、道道側橋梁などがその例でありますけれども、またこうしたところには、たとえば池上橋梁の場合はそのわきが都立雪ケ谷高校あるいは松仙小学校とあって、授業にも支障があるということも言われているのですが、こうした点は至急に手を打たなくてはならないのではないかと思います。 新幹線の騒音の場合は七十五ホン対策に移るということを先日の七日ですか、同僚の榊議員がお伺いしたときに常務がお話しになったそうですけれども、こうした対策、新幹線を含めて、具体的にこれからどうされるのか、どうなっているのか、簡潔にひとつお伺いしたいと思います。
○半谷説明員 ただいま御指摘のありました多摩川前後と申しますか、雪ケ谷高校等がございますが、あの付近につきましては、確かに新幹線と並行して品鶴線が走っているということで、新幹線に対しましては、音源対策としていろいろ手を打ちました。在来線に対しては、いままでそういった直接的な対策は打ってないわけでございますが、今回横須賀線が入るということでいろいろ手を打ってまいりました。 なお、先ほど申しましたように、防音壁をつくった方が環境対策として有効であるというところに対しましては、もうほとんどすべて調査を終わっている段階でございますので、いま先生の御指摘のところも、技術的な問題等で非常に困難なものを除きまして、できるものはもうすぐ手を打つという体制をいま整えております。 それから、新幹線対策の七十五ホン対策でございますけれども、これは八十ホン対策が本年度中に大体終了するめどをつけてまいりましたので、これに引き続きまして七十五ホン対策に入るということでいま諸準備を進めておりますので、いずれこの地域に対しましても、遠からず七十五ホン対策の御相談に上がるということになるかと思います。 なお、在来線につきまして全般的な騒音、振動対策ということになりますと、これは明治以来百年の間にこの二万キロができてまいりまして、実は正直に申し上げまして全国的にいろいろ騒音等で苦情を承っているところも多いわけでございまして、いまこれを一斉に対策をするというのは非常に大変なことでございますし、現実に非常に困難でございます。したがいまして、いま私どもは、今回の品鶴線への横須賀線乗り入れのような場合、あるいは先ほど申し上げました耐用年数が来まして取りかえるような場合、あるいは改良工事をやるような場合に振動、騒音対策に十分考慮して対策をとっていきたいというふうに考えている次第でございます。
○中路委員 これで終わりますが、最後に環境庁と国鉄あるいは運輸省にお聞きしたいのですが、在来線全般についての対策についてどうするかということは、まだ具体的なお考えはないようですが、いま例を挙げましたような地域、新幹線と在来線が並行して走っている、そこで騒音や振動が複合して想像以上にひどいものになっているわけですが、そういう都市型の現象といいますか、こういうところには少なくとも何らかの環境基準を設けて、それに対する対策が必要じゃないか。新幹線には基準があるからといって防音壁をつくる、片方はほっぽっておくということになれば、同じ両側の沿線ですから、片方には今度はひどい反射した騒音ができる。そうではなく全体として包んで、在来線、新幹線とも包んで、この環境対策をその沿線については少なくとも立てる必要があるのじゃないかと私は思うのですが、最後にこの点について国鉄あるいは環境庁にもひとつ考えをお伺いして、終わりたいと思います。
○半谷説明員 お話のように、確かに問題の点でございます。それで、いまのたてまえといいますか、制度的には新幹線に対してはそれなりの対策、基準というのがございます。現在線にはないということでございますが、しかし並行しているところで手を打つ場合、現実にどういう対策を打つか、防音壁を建てる場合にどこの位置に建てるかということになりますと、これはやはり在来線を含めて最も効果あるやり方をやるべきだと思います。したがいまして、今回も多少おくれましたけれども、在来線、新幹線並行部分につきましては、いまの原則は原則として、現実の問題として対処していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○加藤(三)説明員 お答え申し上げます。 在来線鉄道騒音につきましてはまだ環境基準を定めていないわけでございまして、新幹線のような総合的な対策を講ずることは現段階では現実的にはなかなか困難かと見ておりますが、しかしロングレール化でありますとか、あるいはレールの重量化を進めますとか、あるいは道床の整備を行うとか、そういった音源対策をできる限り講ずることによりまして、公害を少なくすることが望ましいというふうに考えておるわけでございます。 それから、在来鉄道の騒音につきましては、適切な指針等の策定を図るべく今年度から鋭意調査を進めております。それ以前に、昭和五十年七月に新幹線の環境基準をつくりまして以降、在来線につきまして環境庁は種々調査を進めてきたわけですが、特に今年度に入りましては適切な指針等の設定を目指して鋭意調査を進めております。 それから、先生御指摘になられましたような新幹線と在来線とが並行しているような区間におきまして、在来線とあわせて対策を行わなければ新幹線騒音に係る環境基準の目的を達成することができないような場合、このような場合には両者の音源対策によって措置をするというふうに努めなければならないと私どもは考えておりますが、先生の御指摘の具体的な問題につきましては、周辺地域の状況等を勘案しなければいかぬわけですが、一般的には在来線の外側にたとえば防音壁を設けるとか、そういったようなことをいたしまして環境対策を進めることが必要であるというふうに考えております。
○中路委員 終わります。
○田中委員長 次に、三浦隆君。
○三浦(隆)委員 初めに、都市河川の緊急整備制度についてお尋ねしたいと思います。 大都市におきましては、宅地化の進行に伴い雨水の保水遊水機能の低下、流出時間の短縮化をもたらしまして、洪水流量を増大させています。また、従来洪水や高潮に対して危険であると考えられてきました地域にまで都市化が進みまして、水害危険区域の人口、資産が飛躍的に増加しています。たとえば横浜市の二級河川でございますが帷子川水系の場合に、帷子川、石崎川、新田間川、派新田間川、幸川、今井川、中堀川というふうに分かれておりますが、これらは横浜の中心地であります横浜駅の東口、西口の地下商店街もこうした水系の中に入っているわけです。このような例は、他の大都市の中にもあることであろうというふうに思います。 そこで、こうした水害被害の防止等、すでに整備されました下水道の機能を十分に発揮させますためにも、整備水準のギャップの早急な解消が迫られているものと思います。これに対して、財政制約下において都市河川の緊急整備に要する事業費の集中的な投資を可能にするような新たなる制度を創設する必要があると思うのですが、建設省のお考えを伺いたいと思います。
○陣内説明員 お答え申し上げます。 河川の流域で都市化等の地域開発が行われますと、洪水の流出形態が変わりますし、また流域の資産、人口等もふえまして災害が大きくなっていく傾向にございます。こういったことから、都市化の進展に対応した都市河川の整備が急務となっておりまして、建設省におきましては従来から治水事業の重点事項に都市河川対策を掲げ、その推進に努めてきたところでございます。 昭和五十二年度から進めている第五次治水事業五カ年計画におきましても、人口急増地域及び人口密集地域等にかかわる河川の重点的な整備を図っているところでございますが、残念ながら現在の整備水準は時間雨量五十ミリというような当面の目標に対しまして三六%程度にとどまっているという段階でございます。このため、昭和五十四年度には流域開発の進展等が著しい特定の都市河川につきまして河川改修を鋭意推進するとともに、流域の持つ保水遊水機能の維持や、治水安全度に配慮した土地利用の誘導等を図る総合治水対策特定河川事業制度を発足させるなどいたしまして、各種多様な都市河川対策事業を推進しているところでございますが、厳しい財政状況下にはございますけれども、今後もなお一層都市河川の整備に努めてまいる所存でございます。その一つの対応の手段といたしまして、ただいま先生が御指摘なさいました都市河川緊急整備制度というものを、来年度の新規施策として要求している段階でございます。
○三浦(隆)委員 いま建設省でも都市河川の緊急整備制度をお考えのようでございますが、もう少しそれを具体的にお話しいただければと思います。
○陣内説明員 都市河川対策を進めておりますけれども、財政制約下でおくれている都市河川の整備水準を急速に上げていくということが非常に困難な状況にございますので、ただいま申し上げましたような新しい制度を要求しております。 この制度の内容について御説明申し上げますと、既成市街地にかかわる河川のうち特に緊急に整備を要する河川の抜本的な対策を推進するため、国庫補助金を五カ年にわたって分割して交付し国庫負担の平準化を図るとともに、国庫補助金の分割交付の残り分について政府資金引き受けの特別の地方債を発行し、集中投資に要する資金を確保しようとするものでございまして、この制度によりまして帷子川等五河川につきまして五カ年工期で抜本的整備を進める考えでございます。国家財政あるいは地方財政、投融資資金等の厳しい状況下にございますため、この制度の実現には相当の困難が予想されるわけでございますけれども、当事業の必要性にかんがみまして、財政当局となお一層協議調整に努めてまいりたいと思っております。
○三浦(隆)委員 ただいまの建設省のお考え方は大変具体的ですし、また現実的であると思います。横浜の帷子川水系に限りませんで、東京都の荒川水系の神田川や石神井川あるいは大阪の淀川水系の平野川あるいは名古屋市の庄内川水系に属する新堀川などみんな一連同じものだと思います。速やかにこうした緊急の整備制度が現実に発足することができますように、これからも積極的に大蔵省あるいは自治省などと図っていただきたいと思います。 それから第二番目に、南関東の地震に関します問題等についてお尋ねをいたしたいと思います。 十一月二十五日の各新聞に一斉に大きくイタリア南部で直下型の大地震が起こった旨が報じられまして、死者七百七十、負傷数千人ということで大変な騒ぎのようでございます。それで、地震は東海地方その他方々で起こっておりまして、これに対して気象庁を初めとしていろいろと手は打たれているわけであります。さて、特に首都圏といいますか、六大都市圏の位置しております首都圏は、人口、産業、中枢管理機能等が集中しておりますし、もし相模湾沖または房総沖を震源域とします南関東地震及び首都圏直下型地震が発生しますと、その被害は単に一都県市にとどまらず広域にわたりましてはかり知れないものが予想されるわけであります。いま南関東地域におきましても、地震予知連絡会によって観測強化地域に指定されて、相模湾あるいは房総沖のいわゆる南関東大地震のおそれもあるということで予知観測体制が行われてはいるのですが、これではまだ大変心もとないということで、よりこの観測体制の強化を図っていただきたいと思いますが、気象庁の方……。
○田中委員長 何かおくれているそうです。
○三浦(隆)委員 それでは似たような質問ですが、国土庁にお尋ねいたしたいと思います。 いま大規模地震対策特別措置法に基づきまして神奈川県の場合にも東、西と分けますと西部の八市十一町が地震防災対策強化地域というふうに指定されてはいるのでありますけれども、実際には、たとえば神奈川県の場合東部の横浜、川崎を含めましたところに人口の八〇%が居住しておりますし、地震に際し交通の混乱、生活ラインの障害による混乱が大幅に予想されるわけでして、ここをひとつ強化地域指定の拡大を図るという形の中で大規模地震対策特別措置法に定めます地震防災対策強化地域にしていただきたいというふうに思うのですが、神奈川県だけではございませんでこの南関東地域全般についていかがにお考えでしょうか、国土庁のお考えをお聞きしたいと思います。
○楢崎説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおりに、昨年八月に静岡県、神奈川県等六県の百七十市町村につきまして大規模地震対策特別措置法に基づく強化地域に指定をいたしたわけでございますが、その指定は、主として東海地震が発生した場合に木造建築物または低層建築物が著しい被害を受けるおそれが大きい震度六以上という地震動を受ける地域について行ったものでございます。そういう関係で、神奈川県につきましては西部の茅ケ崎の地域がその地域に該当するということで指定をしたわけでございますが、その際に、なお引き続きの検討課題といたしまして、地盤の液状化によって被害が予想される地域並びに長周期の地震波によって被害が予想される地域につきまして引き続き検討するということにされておるわけでございます。その関係の検討は、現在中央防災会議の専門委員会のグループで調査、検討が進められておりまして、その検討の中では現在指定されております強化地域の、南関東地域を含めた周辺の地域について検討をいたしておるわけでございます。そういう関係での引き続きの追加指定ということを現在検討を進めておる段階でございます。
○三浦(隆)委員 何分とも南関東地域が人口が密集しておりますし、いざというと交通安全上も大変大きな問題をはらんでおります。引き続き慎重な御検討をいただきたい、こう思います。 第三番目でございますが、警察の交通担当の方にお伺いをいたしたいと思います。 これまで自動車がずっとふえ続けてきまして、昭和二十一年の指数を一としますと、着実に毎年のごとくふえまして昭和五十四年には指数二四四というふうに伸びております。しかしその割りには、いろいろと交通安全対策が効を奏しておりまして、交通事故の発生という方では最近は比較的下がってきております。ピークが昭和四十四年の件数にして七十二万八百八十件が最高であります。そしてまた死傷者では昭和四十五年がピークを打っておりまして、以後確実に昭和五十四年まで下がり続けてきたわけであります。それにしましても、昭和五十四年死傷者合わせて六十万四千七百四十八名というのは大きな数字であったわけです。ところが、ことしに入りましてから交通事故が再び増加しているやに聞いておるわけでして、まずこの実情についてお伺いしたいと思います。
○池田政府委員 交通事故につきましては、ただいま御指摘のとおり死者等につきましては昭和四十五年をピークにいたしましてほぼ順調に減少してまいったわけでございますけれども、本年に入りましてからの交通事故、特に死者は増加の傾向にございます。昨十一月二十五日現在では死者数が七千九百七人ということになっておりまして、対前年同期比では三百二十人、四・二%の増、こういうことになっております。地域的に見ましても、府県単位で見ますと、減少いたしております道府県が十八、同数のところが二県、増加県が二十七の都府県ということでございますし、またことしに入りましてからは二月、三月、七月以外はいずれも対前年の同月比では増加しているというような傾向がございまして、これは一時的、局所的な現象でなく増加の兆しが見えているというふうに考えておるわけでございます。 特にことしに入りましてからの交通死亡事故の特徴といたしましては、車によります事故が多い。歩行者事故につきましては若干減少の傾向にございますけれども、そのほかの、自転車、自動車の関係の事故がふえておるといったような車中心の事故が多いわけでございますが、特に特徴を一言で申し上げますと、若者層を中心といたしました層の無謀な運転に起因いたします車両事故、特に車両単独事故等が増加しておりまして、しかも同乗者等複数の方が亡くなられる事故が多いといったような現象が特徴として挙げられるわけでございます。 特に類型別で申し上げますと、車両の単独事故は一四%ほどの増加でございますし、車両相互の事故は四%ほどの増加、自転車対車両の事故は四・五%ほどの増加、人対車両の関係は二・六%くらいの減少、こういったような点が特徴になっております。特に第一当事者の違反別では酒酔い、信号無視、一時不停止といったような違反が増加いたしておりますし、最高速度違反につきましては、ほぼ横ばいではございますが、占める比率が大変に高い、また無免許が三〇%程度も増加しておるといったような特徴がございます。
○三浦(隆)委員 実情ともどもいま御報告がありましたように大分ふえてきておるようですし、そして若者の車の無謀な運転による事故というのでしょうか、ふえてきているようです。これに対する特段の具体的な対策は何かお考えでしょうか。
○池田政府委員 一般的な努力のほかに、こういった事故の要因を踏まえまして私どもが考えましたのは、特に車両単独事故がふえておるわけでございますが、その内容を見ますと、カーブ地点での事故が多いというふうな特徴がございます。それから車両相互の事故につきましては交差点での出会い頭が特に多い。それから人対車両の事故につきましては横断歩行中の事故が大変に多いといったようなことから、その三つの類型に重点を置きまして、現在、規制の面あるいは安全施設の面あるいは指導取り締まりの面、教育広報の面につきまして重点施行いたしておるところでございます。 その三つの類型に加えまして、運転者の違反別で申し上げますと、飲酒運転が多い、それから極端なスピード超過の運転が多いといったようなことで、その二つを加えました五つの点につきまして安全を守っていただくようにということで広報もいたし、指導取り締まりもいたしておる、緊急の対策といたしましてはそういう措置を講じておるところでございます。
○三浦(隆)委員 これから年末を迎えることでありますし、これ以上死者を出さないように、そして来年こそまた減少化をたどるというふうな強い決意を持ってお臨みいただきたいと思います。 それから、いま気象庁の方がお見えだそうですが、いま貴重な時間で繰り返してやるのもどうかなと思うのですが、気象庁の方大体おわかりかと思いますので、簡単に、実は質問しました要旨は、南関東地域も地震予知連絡会によって観測強化地域に指定されておって、現在地震の予知観測ということが行われているのですけれども、このままではまだ不十分であるというふうに私は思いますので、より強化充実を図ってほしいということなんですが、いかがお考えでしょうか。
○渡辺説明員 おくれて参りまして申しわけありません。 先生の御質問に対してお答えいたします。 現在、南関東におきましては社会的に非常に重要なことになっておることは先生も御存じだと思いますが、気象庁は従来から地震観測網の整備というのを行っておりましたが、さらに地震予知のために非常に有効だと思われますところの地殻岩石ひずみ計という力そのものの前ぶれをはかろうとする機械を新設をしまして、数年前から着々整備しまして本年度で十六カ所南関東に整備することになりました。これらの地震計及びひずみ計その他もテレメーターを気象庁に集中いたしまして常時監視体制の整備を図っておるわけであります。現在、この体制というのは、現在の地震予知の技術水準から考えますと、東海地域で行っておりますところの観測体制の整備がモデルになっておるわけでありまして、それを基準にして考えておるわけであります。これに基づきまして南関東全体の大規模な地震ということの体制整備を図っておるわけであります。今後、先般も地震予知連絡会の関東部会から指摘されておりました関東の直下型地震の予知というものも考えますと、気象庁といたしましても、過去の観測部の資料あるいは観測整備というもの、それと一緒に現在着々と整備しつつあるところのデータの有効利用あるいは処理ということを考えまして、気象庁のほかにも大学あるいは関係機関それぞれが密接にいろいろな観測を行っておるわけでありますから、その地震予知の実用化という面についても、それと一緒にさらに密接な連絡をとりながら地震予知の実用化のための研究の推進にできる限りの努力をしていきたいと思うわけであります。 以上でございます。
○三浦(隆)委員 では次に新宿のバス放火事件に関連して自賠法の問題をお尋ねしたいと思います。 今年の八月十九日の夜に東京都新宿区の国鉄新宿駅西口のバスターミナルで発車待ちをしていました京王帝都バスに中年の男が火のついた新聞紙とガソリン様の液体の入ったバケツを続けざまに投げ込んだために車内が一瞬のうちに猛火に包まれました。御承知のように約三十人の乗客のうち後ろにいた方三人が焼死、あるいは乗客二十人が重軽傷を負ったというふうな大変な事故があったわけであります。これに対して政府の見解は自賠法の適用がないやに伺うのですが、なぜか、その理由をお尋ねしたいと思います。
○棚橋説明員 新宿におきましてこのような不幸な出来事が起こりましたことはまことに遺憾に存じておるわけでございますが、ただ、本件につきましては、被害者ないしは自動車の運行者であります京王帝都電鉄からは、現在のところ保険会社に対しまして自賠責の支払いの請求というのはなされていないわけでございます。したがいまして、保険会社においてその事実関係を詳細に調べておるという段階ではないわけでございますが、私どもの方で知り得ました状況から考えまして次のように考えておるわけでございます。 すなわち、自賠責の保険金が支払われますためには、自動車損害賠償保障法の三条の規定によりまして損害賠償の責任が発生するということが必要なわけでございます。この責任は、一つは、自動車の「運行によつて他人の生命又は母体を害したとき」、こういうふうになっておるわけでございます。本件は御承知のように第三者がガソリンをまいて火をつけた、こういう第三者の犯罪行為から起こったものでございまして、自動車の運行によって生じたのだというふうに解釈することはきわめて困難ではないかというふうにまず考えるわけでございます。第二には、自賠法の三条には損害賠償責任はただし書きがついておりまして、「自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと」、それから二番目に「被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと」、それから三番目に「自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたこと」、以上の三点を証明すればこの責任は発生しない、こういうふうになっておるわけでございますが、客観情勢は御存じのとおりでございますので、この三点というのはいずれも立証するのにたやすいのではないか。逆に申しますと、損害賠償の責任が発生していないのではないか、いないということを立証することは具体的にはかなりたやすいのではないか。したがいまして、自動車損害賠償保障の責任保険の支払いということは法制上困難であるというふうに解釈しておるわけでございます。
○三浦(隆)委員 法解釈論の前に警察庁にお尋ねをしたいと思います。 いわゆる事故統計を毎年つくっているわけですが、こういう場合には自動車事故の範囲に入るんでしょうか、入らないのでしょうか。
○池田政府委員 御設問のような事例につきましては交通事故として統計いたしておりません。
○三浦(隆)委員 なぜでしょうか。
○池田政府委員 自動車の運行によって生じた事故でないというふうに判断いたしております。
○三浦(隆)委員 では、お尋ねをしたいと思います。 まず、御答弁の中の第三条で、運転者に過失がないんだ、もちろん殺された人たちに過失があるわけはございませんで、車にも構造上欠陥がなかったと思うのですが、この三つの中で運転者に過失がなかったとは言い切れなかったであろうというふうに思います。まずそれが第一です。 それから次に、「運行」というのは、自賠法第二条の二項によりますと、「人又は物を運送するとしないとにかかわらず、自動車を当該装置の用い方に従い用いることをいう。」こう書いてあるわけでして、そういう意味では、このバスはまさに発車するためにバス本来の用い方に従ってとまっていたわけであって、そこに戸があいていたのでお客さんはそこのバスに乗ったわけであります。すなわち普通の道路を歩いていて、やぶから棒に何か物がおっこってけがをしたのとはわけが違うのでありまして、はっきりと駅前に何々行きという標示がある、そこに車がとまっている、運転手さんがいる、ドアはあいているということで、乗客の方は、やれ乗った、よかったなということで、ほっとして新聞を見たり、あるいはまた雑談をしておったかもしれないのであって、一たび自動車の中にお客さんをお預かりした以上は、乗客の望む目的地まで安全に運ぶのが自動車会社の責務であるし、運転者としても、その職務遂行上きわめてあたりまえのことなんじゃないかと思うのです。それを、乗ったら知りません、過失はございません、そんなことは常識上もないのだろうと思いますが、いかがでしょう。
○棚橋説明員 まず、過失がなかったかどうかという点でございますが、これにつきましては、当該自動車の当時の状況を調査いたしましたところ、運転者として通常とらなければならない義務等については十分果たしておったし、それについての過失はなかったというふうに一応考えております。 それからもう一つは、「運行によつて」というのの解釈でございますが、先生おっしゃいますように、この「運行によつて」というのをどういうふうに解釈するかというのは自賠法の解釈の中でも非常にむずかしいところでございまして、自賠法制定当初からいろいろな学説、解釈等がございます。その解釈も若干変遷をしておりまして、極力被害者に有利に解するという解釈が行われておるのも事実でございます。 ただ、御指摘のように、この自動車はとまっておってドアをあけておったわけでございますけれども、そのことはそのとおりでございますが、事故そのものが起こったことが運行によって起こったかというと、これはなかなかそう解釈するのはむずかしい。自動車を動かすことによって他人の身体、生命を損なったのかというふうになりますと、これは明らかに第三者の犯罪行為でございまして、そういう行為がたまさかバスの中というところで行われたわけでございまして、同じようなことはデパートの中であろうが駅のホームであろうが、こういうような犯罪行為を行いましたら、当然同様な結果を招くことは明らかなわけでございます。そういう意味で、この自賠法の解釈上、自動車の運行によって生じたというふうに解釈するのは非常に困難ではないか、断定したわけではございませんが、現在のところは一応そういうふうに考えております。
○三浦(隆)委員 「運行」とは、先ほど言ったように「人又は物を運送するとしないとにかかわらず、」とあるのであって、走っているときだけが「運行」ではないということであります。すなわち、車庫の中にとまっていて、運転手もだれもいないのだというときにやった事故ではないのであって、明らかに車庫から出て、発車する状況のもとに駅の前にとまっていたわけです。これはもう運行の状況に入っているわけです。車庫に眠っていたわけじゃない、車自体は駅の前に着いているし、運転する運転手もまたそこにいるわけです。しかも、戸をあけていつでもお入りなさいという状況にあるわけです。まさにどこからどこまでといった、一定の料金を取って、乗客をその目的地まで完全に運ぶのが最後の完全履行であるならば、途中でおろせば不完全履行、この場合には完全不履行もいいところだというふうに民法上も考えるし、一般的な民法七百九条を持ってきましてもずばり当てはまるところだと思います。試みに民法七百九条を読むと、「故意又ハ過失ニ因リテ他人ノ権利ヲ侵害シタル者ハ之ニ因リテ生シタル損害ヲ賠償スル責ニ任ス」とあるわけです。 そうすると、過失というのは、これまでの大審院判例その他によりますと、これは民法というよりも刑法における判例なんですが、「過失犯ハ行為ノ結果ニ付認識シ得ベク、而モ認識スルコトヲ要スルニ拘ハラズ、其義務ニ違背シ、注意ヲ欠キタルガ為ニ之ヲ認識セズ、其結果ヲ生ゼシメタルコトニ因リ成立スル」こうあるわけです。言いかえれば、注意を欠いたため事実を認識しないこと、こう言ってもよかろうと思うのです。 当然バスの中には危険物を持ち込んではならないという規則があるはずであるし、また、もしバスの運転手さんや車掌がその場にいたならば、危険物を持っていたら、あんた、そういう危険なものは――たとえば石油かんを抱えて入ろうとしたら、あんた、そういうものは持っちゃいかぬよ、あるいはむき出しの花火などたくさん持っていたら、あんた、そういうものを持っちゃいかぬよととめるのがあたりまえだろうと思うのです。ところがそれは、あいているとびらの方を見ていれば、そういう人が入ってくることはわかることであるけれども、戸をあきっ放しにしておいてよそ見をしておれば、だれが入ってくるかわからないということです。言うなれば、入るところを見るくらいの注意力がない男ならば、戸を閉めておくべきであった。戸をあけている以上は、どういう人が入ってくるかわからないのであって、当然、このバスに乗るのにふさわしい人であるかふさわしくない人であるか、どういう持ち物を持って乗るか乗らないかということを注意して見ておらなければならない。見ていれば、とっさにとめることもできたはずであるし、この事故は起きなかったわけです。偶然に起こった事故ではないのであって、運転手の明らかな過失によって起こった人災ではないかというふうに思いますが、いかがでしょう。
○棚橋説明員 先生の御質問の趣旨は十分よくわかるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、この法律では、運行によって生じたかということでございまして、まず運行の解釈の問題といたしましては、たとえば自動車が運行したことによって相手を傷つけた、人や物を運んでいなくても、路上の人を傷つけるとか、そういう意味で運行によって相手を傷つけたということではないわけでございます。 それから、確かにドアをあけてお客さんを入れる状態にはございましたけれども、運転者といたしましては、運転席に座りまして、発車の準備をした態勢でお客を待っていたわけでございます。そういう状態において、突然通り魔的な犯罪者がガソリンを持って、それを車内に投げ込んで火をつけたというような状態については、通常の運転者としてこれを阻止することは不可能でございまして、そこまでの義務を運転者に課することは、通常では考えられないのではないか。そういう、非常に気違いじみた人間の行った犯罪行為であったということがこの原因でございまして、そういう意味で、運行によって生じたというふうに解釈することははなはだ困難であるというふうに申し上げておるわけでございます。 さらに、先ほど申し上げましたように、仮に、先生おっしゃるように、これが運行によって生じたといたしましても、ただし書きの方の規定によりまして、これは責任が発生しない。その両方あわせ考えまして、これについて被害者ないしは運行者である京王帝都電鉄から、自賠責の請求というものが保険会社にあっても、恐らくこれは解釈上むずかしいであろうというふうに考えておる段階でございます。
○三浦(隆)委員 運転者の過失そのものはお認めになるのですか、認めないのですか。全く不可抗力で、全く過失がないというのですか。
○棚橋説明員 これは第三者によって引き起こされたわけでございますから、いわゆる不可抗力ということではないと思いますが、運転者そのものには、現在まで調査しましたところ責任はなかった、過失はなかったというふうに考えております。
○三浦(隆)委員 運転者は、運転中は前方を注視する義務があると私は思うし、とまったならば、乗客の乗りおりが安全であるかどうかを、今度は前ではなくて乗るところを見るのが注意義務だろうと思うのです。今度の場合には、走っているのではなくて、いままさにだれが乗ってくるかを見るときなのですから、乗ってくるのを見ているのが通常の注意義務、あたりまえのところなのだろうと思うわけです。また、もしそういうのが前からわかっていれば、早くわかればわかるほど、そんな何メートルも離れているわけじゃないのですから、すぐ運転席から出られたはずであるし、大きな事故に至る前にとどめることができただろうと思うのです。この点もう少し追及したいところですが、いろいろと質問のあれがあるのでちょっと進みます。 この点については、その運転手だけでなくて事業主、会社も同じことであります。たとえば民法七百十五条は「或事業ノ為メニ他人ヲ使用スル者ハ被用者カ其事業ノ執行ニ付キ第三者ニ加ヘタル損害ヲ賠償スル責ニ任ス」とあるのであって、会社はこの運転手を「其事業ノ執行ニ付キ」雇っていたのだと思うわけです。運転手として採用していればこそ当日も運転手として乗せていたのであるし、そのことによってこの大きな事故が発生したのだとするならば、本来は会社もその責任を免れない、連帯責任を当然問われるところであった、このように思うのです。さらに、本来なら単に民法的なものだけではなくて、本当は警察の方にも御意見を伺いたいのですが、その場にいたとしたら、業務上過失致死傷罪があるいは成立するのかどうか、私はそこまでも考えたい、こう思うわけです。民法だけではなくて、業務上過失致死傷罪が成立するのではないか、警察の御関係者、いかがでしょうか。
○池田政府委員 具体的な事実を私自身は詳細に存じておりませんのでお答えが一般的になろうかと思いますけれども、管理者の管理責任、こういうことでどの程度の当時の責任があり、またその責任を負い得ることが可能であったかというような点等から判断しなければいけないのじゃなかろうかと考えます。
○三浦(隆)委員 この場合は会社でありませんで、運転手に対する責任なのです。たとえば刑法によりますと、刑法二百十一条の前段では「業務上必要ナル注意ヲ怠リ因テ人ヲ死傷ニ致シタル」とき、これがいわゆる業務上過失致死傷罪の構成要件であります。そして、この場合の通説の解釈は、業務とは、人が社会生活上の地位に基づき反復、継続して行う事務をいうというのであって、明らかに運転者の行為はこの業務に該当しているわけであります。その次に、必要な注意というのは、これは大変広く理解されておりまして、業務上必要な注意は、各業務の種類や性質に応じて具体的に定めらるべきものであるが、危険の発生を防止するため、法令上・慣習上・条理上要求される一切の注意を含む、これが大審院判決を含んだ通説の解釈であります。すなわち、法令上だけではなくて、慣習上・条理上もであります。運転手は服務規程を遵守しただけでは足りず、業務の執行に当たり条理上当然に必要とされる注意義務を怠ったときは、本罪の責任を免れることができない、これも旧来の大審院判決によるところであります。 とするならば、恐らく運転手として車運行上の規則というものがあるだろう、こう思うのですが、その一つには、いま言った、危険物を持って乗るようなことを許してはならないと恐らくあると思うのです。ですから、当然のごとく、判例の流れは、こんなことはあたりまえのことだ、それ以上にいわゆる通常常識的な解釈を踏まえた処置もとることが要求されておったわけであります。それをこの運転手は何にもしないから事故がみすみす起こってしまったということでは、本来ならば、その場に警察の方がいたら現行犯逮捕をやってもおかしくない事例であったと思うのです。すなわち、明らかにこれは運転者の過失もあるし、ふだん運転者をもしそんなのほほんとのんびりとさせておいたとするならば、会社にも責任のあるところであって、当然自賠法の規定がここに当てはまらなくては私はおかしかろうと思うのです。ただこれは、被害者がそうしたことは、どういういきさつか、やらなかったようでありますが、それが本来自賠法の補償制度の真意であったと思います。ですから、もしこの解釈のようにこれが適用できないというなら、もう少し説得力のある解釈を展開していただきたい。もしこれでもできないのであるなら、むしろ法改正をすら考えていかなければならないのかもしらぬと私は思うわけであります。 という意味で、これまでの質問を通じながら、明らかにこれは当然のごとく自賠法の範囲に入るべきものだ。言うならば、どうあろうと、こうあろうと、入るべきものだ。入らないと言わせる理由がない。現実に死傷者という大変な問題が起こっているわけです。大変な損害が起こっているわけですから、それがだれでもない、何か死んだ人が偶然死んでしまったような発想になるのは、はなはだ解せないと思います。 しかも最初の答弁にあったように、いわゆる予測できない、そうしたいわゆる無謀な犯罪者によって事故が起こった、それに対する対策とは次元を異にしているのだということであります。最初に言いましたように、何にも知らずに歩いていたときに突然だれかが出てきたわけではないのであって、言うならば一般的な道路上で起こったのではないのであって、これは明らかにある会社の所有しているバスの中で起こった事故なのです。一般の道路ではないのだ。そういう意味で、これまでの解釈をお改めいただきたいと思うわけであります。 というところで、時間が来たようでございますので、これで終わらしていただきます。
○棚橋説明員 先生御指摘のように、善良な市民の方が突然被害に巻き込まれて非常にお気の毒であるという点につきましては、私どもも痛切に感ずるわけでございます。ただ、先ほどから御答弁申し上げておりますように、運転者自体は一従業員でございますが、やはりその人間に課される注意義務というのには、おのずから人間の能力の限界というものがあろうかと思います。 本件は、いきなり後ろの方から入ってまいりましてガソリンをまいて火をつけたということで、仮に運転者が気がついたといたしましても、これを阻止することは不可能でございましたし、また、同じような状態がほかで起こった場合にも恐らく不可能であろうと判断されます。その運転手自身は、直ちに被害者の救出ということで自分自体もやけどを負って活躍をしておるわけでございまして、そういう点から見まして、先生おっしゃるようにのほほんとしておったということではないのではないかと私ども考えております。 それから、似たようなケースといたしましては、仙台におきまして走っておりますバスの中で爆弾が爆発いたしまして被害者が出たというケースがあるわけでございますが、そのケースにつきましても自賠法の適用はむずかしいということで終わったわけでございまして、私ども、先ほど申し上げましたように、被害者の方には大変お気の毒であるということでございますので、京王帝都電鉄等には、責任の有無にかかわらず、できるだけのことをするようにというふうには申しておるわけでございますが、法律の解釈として自動車損害賠償の責任があるかということになりますと、これは、各自動車を運行される方がお支払いになっている保険料の中から支弁しなければならないという性格から見まして、法律の解釈上一定の限界があるのではないか、かように考えておる次第でございます。
○三浦(隆)委員 それでは、これで終わります。
○田中委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十九分散会